ハイスクールD×Dの女性キャラがヤンデレたら (ヒロアキ141)
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リアス・グレモリーの場合

「ねぇ、こんどお茶会やるんだけど、来ない?」

リアス・グレモリー。この駒王学園で知らない人はいない有名人であり、俺の先輩でもある。

そんな有名人に唐突にお茶会に誘われた。

普通の人なら男女関係なく喜ぶんだが、なんか手放しで喜べないんだよなぁ……

そんな此方の葛藤を知ってか知らずかどんどん予定をつめていくリアス先輩。

「日時は今度の週末で場所はオカルト研究部の部室よ」

なんか知らないうちに予定が埋まってしまったようだ。

 

 

 

そんなこんなで、お茶会の当日。

重い足取りで旧校舎にあるオカルト研究部のある部屋まで歩いていった。

オカルト研究部の前に辿り着き、ドアをノックした。

「どうぞ、開いているわよ」

「失礼します………あれ?今回は二人だけですか?」

「ええ、そうよ。言ってなかったわね」

リアス先輩にしてはらしくないミスですね。

「今回は私が淹れたのよ。飲んでみて」

「では、頂きます」

「どう?味の方は?」

「そうですね。初めて飲む不思……議な……味……です……ね」

リアス先輩の淹れた紅茶を一口飲んだ瞬間、不意に眠気が襲い、座っていた椅子から倒れた。

意識が途切れる直前に見た光景は、リアス先輩が不気味な笑みを浮かべている光景だった。

 

 

 

 

 

「こ、此処は何処だ?」

しばらくして目が覚めた俺は自分のいる所が分からず、軽いパニック状態になっていた。

と、その時

「ガチャッ」

と扉が開く音が聞こえ、見覚えのある紅髪の女性が入ってきた。

「目覚めはいかがかしら?」

「最高のVIP待遇だったからいい目覚めだよ。グレモリー先輩」

と皮肉混じりの返事を返した。

「一つ聞いていいですか?グレモリー先輩」

「良いわよ。答えられる限り何でも聞いて」

「此処は一体何処なんですか?」

その質問にリアス先輩が告げた言葉に俺は衝撃を受けた。

「此処は私だけの秘密の部屋よ」

な、何だよそれ……

「ちなみに此処、旧校舎の地下にあるのよ」

「そんな事聞いてないですよ、グレモリー先輩」

少し抜けた発言をしたリアス先輩にツッコムと、いきなり服を脱ぎ抱き付いてきた。

「グ、グレモリー「リアス」リアス先輩?一体何を?」

いきなりの出来事に戸惑い、リアス先輩に問いかけるも、リアス先輩は返答をせずに、いきなりキスをしてきた。

数分後、キスを終わらせたリアス先輩はこう言った。

「貴方がいけないのよ?私の気持ちも知らないで………貴方だって知っているでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシハトッテモドクセンヨクガツヨイッテコトヲ」

リアス先輩のその瞳はエメラルドのような鮮やかな翠ではなく、不純物が混入したかのような濁った翠をしていた。

その瞳に恐怖し、リアス先輩を突き飛ばしてしまった。

その行為に、リアス先輩は顔色一つ変えずに喋り続けた。

「貴方が私に振り向いてくれさえすればこんな事をする必要も無かったのよ」

「リ、リアス先輩………」

「それなのに……それなのに、とこぞの馬の骨に誑かされて!挙げ句の果てには付き合って!あんな薄汚いゴミ虫なんか貴方には相応しくない!」

リアス先輩は何時もの穏やかな表情とは異なり、まるで般若のような形相だった。

「リアス先輩……何でこんな事を……?」

「何でかって?」

リアス先輩は再度キスをしてきた。

「貴方の事が好きになったからよ」

「でも俺には彼女がいるって言いましたよ!」

いくら何でも彼女を裏切る訳にはいかない。そう言って断ろうとした。

しかし、

「だから何?」

その時の声は何時ものリアス先輩らしからぬ冷えた声色だった。

「貴方が私以外の女に取られるなんて我慢ならないわ、朱乃や子猫にだってそう。だって私は独占欲がとても強いの。それに……彼女と貴方が付き合っていた記憶を消させてもらったわ」

なっ何だって?リアス先輩の一言は本日二回目の衝撃を受けた。

だが、それ以上の衝撃を受けることになる。

「それに………貴方はもう人間を止めているの気が付いていない?」

三回目の衝撃の事実に言葉を失った。

「私は貴方のことが好き、だけど私は悪魔で貴方は人間。種族が違うから必ず貴方が私より先にこの世からいなくなる、それはイヤ。だったらどうすれば良いか考えた、結果貴方を悪魔にしてしまえばずっとずっとずっと一緒にいられる」

淡々と呟くリアス先輩に一抹の恐怖を感じてしまった。

「リアス先輩…………何回も言いますが、俺は貴女とは付き合う事は出来ません」

「……で?な……ん……?な………で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?」

リアス先輩は下を向き、壊れたラジオの様に同じ言葉を繰り返した。

そして顔を上げた。

「ああ、そっか。あの薄汚いゴミ虫共がまだ貴方の心を汚染しているのね………安心して。貴方の心を粉々に破壊してあげる………ゴミ虫の事なんか考えられなくなるくらいね」

もはやリアス先輩の表情には狂気しか宿っていなかった。

「頼む、リアス先輩!何時もの優しいリアス先輩に戻ってくれ!」

後退りしながらそう懇願するも

「そう言って、逃げようって魂胆ね?そうは行かないわよ」

リアス先輩は左手に滅びの魔力を球体状にした。

「リアス先輩一体何をするつもりですか?」

「アハッ、そうよ。最初からこうすれば………心を粉々に破壊する前に貴方の両手両足を消し飛ばせば良かったのよ」

リアス先輩はそれを左足にむけて投げつけてきた。

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、痛い、痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

滅びの魔力を受けた左足は膝から下がごっそりとなくなってしまった。

「こうすれば、逃げようなんて愚かな事を考えることもなくなる」

リアス先輩は先程と同じ球体状の魔力を三回作り、右足、左手、右手にそれぞれ投げつけた。

なす術なく右手、左手、右手に滅びの魔力を受け達磨になってしまった。

「貴方の面倒は私が見てあげる……これからずっと……永遠にね………アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

ぼやける視界に最後に移したのは、高笑いをしている、リアス先輩の狂気の笑みだった。

 



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レイナーレの場合

以外にもヤンデレスキーが多くて驚きました


「おはよう、今日もいい天気だね」

彼女はレイナーレ、僕の幼馴染みでクラスメイトである。

「おはよう、レイナーレ。今日は一緒に帰れるのか?」

「ごめんね。今日は無理なんだ」

どうやら、彼女は用事があるようだ。

「そうか………用事が終わったら早く戻ってこいよ」

「わかったわよ」

そういって僕は彼女と別れた。

 

 

 

 

 

 

その日の放課後

「あの、先輩!私と付き合ってください!」

一年生の女子生徒からいきなり告白を受けた。

「えーっと、何で僕に?」

「貴方のことを一目見て惚れました、じゃ駄目ですか?」

彼女の上目遣いに心が動かされ

「わかったよ。君の告白を受けるよ」

告白を受けざるを得なかった。

「ありがとうございます。先輩」

しかし、この行為が自分の首を絞めることになろうとはこの時知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女に告白されそれを承諾した次の日の放課後。

「ねぇ、貴方昨日一年生の娘に告白されたんだって?」

いきなりレイナーレからそんな事を質問された。

「そうだけど、それがどうかしたのかい?」

「それで断ったのよね?その告白」

「実は、その子と付き合う事にしたんだ」

レイナーレにそう告げると

「ナンデワタシジャナクテドコゾノウマノホネニトラレナキャイケナイノカシラ?」

と小声で呟いていた。

「大丈夫か?いきなりブツブツ小声で呟き始めたからビックリしたよ」

「あっ、何でもないよ」

「そうか………なら良いんだが」

そうは言うが、明らかにレイナーレの様子がおかしい

「ねぇ、明日買い物に付き合ってくれない?」

「ごめん、明日は彼女とデートの約束があるんだ」

「そう……………………

 

 

 

 

 

 

彼が汚染される前に、一刻も早く害虫を駆除しなきゃね」

レイナーレは小声でそう言うと足早に立ち去った。

「っと早く帰って、明日の予定を考えなきゃな」

 

 

 

 

 

 

 

 

初めてデートが無事に終わって数日がたったある日の夕暮れ。

この日、僕は居残りで委員会の手伝いをしていたため、彼女と今日は一緒に帰る事が出来なかった。

「彼女、先に帰らしたけど、その判断間違えたかな?」

そう呟き細い路地に入った瞬間、僕は凄まじい光景を目の当たりにした。

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、貴女のような塵が彼に擦り寄って来るな!彼は私の物だ!」

それは光の槍で滅多刺しにされている女子生徒と、普段からは想像の付かない表情で、彼女を光の槍で滅多刺しにしているレイナーレの光景だった。

「な、何してるんだよ、レイナーレ」

おそるおそるレイナーレに質問すると、レイナーレは笑みを浮かべながら

「貴方に擦り寄って来る塵を駆除しているのよ?」

と答えた。

その時倒れている女子生徒の顔を見てしまった。

それは数日前にデートをした彼女だった。

僕はその光景を見て、恐怖を感じその場から逃げ出してしまった。

「フフフッ、私から逃げようだなんて10年早いのよ」

レイナーレは逃げ出した僕をみてそう呟くと黒い羽根を出して追いかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は必死に逃げ、噴水のある大きな公園に逃げ込みホッとした瞬間背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「やっと追い詰めたわよ」

背中にカラスの塗れ羽色の翼を生やしたレイナーレの姿だった。

「レイナーレ……どうしてこんな事を?」

僕の問い掛けにレイナーレは答えずいきなりキスをしてきた。

「決まってるじゃない。貴方が好きだからよ」

いきなりの幼馴染みからの告白に僕は唖然とした。

「貴方はいつもそう。他の娘にまで親切にして思わせ振りな態度で接して……そんなだから勘違いしだす娘もいるんだよ?そこの所分かってる?」

此方を糾弾する発言をしているレイナーレの瞳は黒一色だった。

「じ、じゃあ何であんな事をしたんだよ!」

僕の追求に

「えっ?何であんなことをしたのかって?決まってるじゃないの。貴方を塵から守るためよ?」

と、黒い笑みを浮かべながら答えるレイナーレ。

その笑みに恐怖を感じ僕はレイナーレを思わず突き飛ばし、その場から逃げ出そうとした。

「何で逃げようとするの?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?…………ああ、そっかぁ。まだあの塵に汚染されているのね。かわいそうに、私が綺麗にしてあげるわね」

レイナーレはそう言い放つと懐から拳銃を取り出すと、躊躇なく僕の右足に向かって引き金を引いた。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。痛い、痛いイイイイイイイイイイイイイイイ」

右足から走る激痛に意識が飛びそうになるも、歯を食い縛って耐えた。

「フフフッ、初めて食らった祓魔弾の感じはどう?」

恍惚の表情を浮かべながら淡々と話すレイナーレに恐怖を改めて感じた僕はその場から這って逃げ出そうとした。

「また逃げようとしているわね。そうはいかないわよ」

レイナーレはそう言うと今度は左腕に拳銃を向け、再び躊躇なく引き金を引いた。

「グッ、ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

火鏝を突き刺されたかのような左腕の痛みに再び悲鳴を上げるも、逃げる事を止めなかった。

その行為を予想していたレイナーレの口から僕の希望を打ち砕く一言を言い放った。

「逃げたって無駄よ、この辺りには人避けの結界を張ったの。だから此処に来た人に助けを呼んだり公園を出て助けを呼ぶことなんか不可能なのよ、逃げている時に気付かなかった?」

その時僕は悟った。彼女から逃げていたと思っていたが、それは全て彼女の描いたシナリオ通りだった事を。

「ようやく手に入れた、ようやく手に入れたわ。私だけの王子様…………コレカラモフタリズットイッショダヨ?」

自身が血に汚れようとも僕を抱きしめているレイナーレはとても美しかった。

薄れ行く意識の中、僕はそんなことを考えていた。



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白音の場合

今回はあまり出来が良くないですが・・・・


白音の場合

「兄様、もう朝ですよ。起きてください」

そういって私に声をかけてきた彼女は白音。血は繋がっていないが、私の妹だ。

更に告げるならば、彼女は人間ではなく、猫又という妖怪である。

「うっ、うーんもう朝か。白音お早よう」

「おはようごさいます、兄様。朝ご飯もうできてますから、早く降りてきてくださいね」

白音は私にそう言うと部屋から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方白音の部屋に呼ばれた私は、白音からこう聞かれた。

「兄様、洗濯の時見つけたのですが、あのハンカチはいったい誰のなんですか?兄様のではないですよね」

白音の目からハイライトが消えた表情を浮かべ、こちらを追及し始めた。

「それかい?実は指を少し切ってしまってね、止血用に貸してくれたんだよ」

あの時、横の娘が貸してくれなければ、大変な事になっていたよ。

そういえば、そのあとハンカチを洗って返そうかと思ったんだけど、その娘が返さなくていいよって言ってたんだけどアレってどういう意味なんだろう?

「えっ?兄様怪我をしたんですか?まだ痛みます?」

私が怪我をしたということを聞いた白音は表情を一変させ、私の身を案じてくれました。私には過ぎた義妹ですよ。

「怪我したと言っても、浅く切れただけだから、白音が心配する事はないよ」

私はそう言うと白音の頭を撫でた。

「大きな怪我じゃなくて良かった……………あの血は兄様のだったんですねそこだけ切って残しておけば良かったな」

白音が安堵の声を上げたので私は撫でるのを止め、自分の部屋に戻るためにドアに向かい始めたとき、白音が小声で何かを呟いた。

「白音、何か言ったかい?何か小声で喋ってたみたいだけど?」

「えっ?何でもない、気のせいだよ」

気になったので聞いてみたがはぐらかされてしまった。

「…………そっか、言いたくなったら、何時でも話、聞いてあげるからな」

そういって私は白音の部屋から退出した。

「兄様………ずっとずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと愛していますよ」

退出間際白音がそんな事を小声で呟いていたが、私には聞こえていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またある日、白音からこんな事を聞かれた。

「兄様、何か私に隠し事や嘘をついたりしていませんか?」

その時の白音の目は虚ろで焦点が合っていなかった。

「嘘を吐いたり、隠し事なんてしていないよ」

「へえ、そうなんですか………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日告白を受けた事もそれを承認したのも全て嘘なんですよね?」

彼女の口から出た言葉に思わず絶句してしまった。

「フフフッ、何で私が知っているかって顔をしていますね?兄様の考えている事なんかお見通しですよ」

そう告げる白音の表情は何時もの無表情ではない、妖艶な表情を浮かべていた。

「し、白音。私達は兄妹なんですよ?「知ってますよ」だったら何故こんなことをしたんですか?」

白音は私の問いに答えず、私を押し倒し、いきなりキスをした。

「兄様の事、始めてあった時からずっと好きだったんですよ?」

口付けを終わらせた白音は私にそう言った。

「し、しかし白音。さっきも言ったけど、私達は兄妹なんですよ?」

私は白音を嗜めようとした。

「そんな事、どうだって良いんですよ。兄様が私だけを見てさえくれれば」

しかし、白音は聞く耳を持ってくれなかった。

私は白音の拘束から逃れようとしたが

「兄様、逃げようとしても無駄ですよ。仙術で兄様の気を一時的に乱しました、これでもう逃がしませんよ」

白音は仙術を使い、私の動きを封じてしまった。

「兄様は何時もそう………困っている娘に手を差し伸べて………何人その行為に勘違いした娘がいたか兄様は知らないでしょう?」

白音の一言一言がまるで私を弾劾しているかのようだった。

「し、白音、私は貴女を妹としかこれからも見ませんよ!それに、私は白音とは付き合えませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄様、幾ら兄様でも今の発言は傷つきましたよ。これから兄様には罰を受けてもらいます」

白音はそう言うと、私の左腕を掴むと思いっきりねじ切った。

「痛い、痛いイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」

あまりの痛さに意識が飛びそうになるも、ギリギリの所で堪える。

「痛いでしょう?でもね、兄様。他のゴミが兄様が告白したのを見たときの私の心のほうがもっと痛かったんですよ?兄様が何処ぞと分からないゴミ虫に汚されてしまうって事に………」

白音は鬼気迫る勢いでこちらを責めてきた。

「一寸待ってください、何故白音がその事を知ってるんですか?」

「何でそんな事まで知っているんだって顔をしていますね?さっきも言った通り兄様のことはなんでもお見通しですよ」

 

「そして私は、こう結論付けた。兄様を監禁してしまえば、ゴミに塗れて汚れる事なんかないって事に」

「兄様は私だけ見ていればいいんです。兄様は私だけ愛してさえくれればいいんです。兄様さえいれば他は何もいらない」

白音のあまりの形相に私は恐怖を感じてしまった。

そして折れていない方の腕を動かし、仙術が少し解けていたのを確認した私は、その場から這って逃げようと試みた。

しかし

「ニイサマ、ドコニイクツモリデスカ?ソンナニイサマニマタバツヲアタエナキャ」

そう言うと、白音は私の左足を掴むと思いっきり馬鹿力で圧し折った。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

腕の時とは比べ物にならない激痛が走り動きを止めた。

「ウフフフッ、ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと愛していますよ兄様……………………………アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

意識が段々と無くなっていく中、白音が高笑いしていた光景を見たのを最後に私は意識を手放した。



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姫島朱乃の場合

僕はこの神社の境内で軽いトレーニングを日課として行っている。

「あらあら、いらっしゃい。今日もトレーニング?頑張るわね」

「こんにちは、姫島先輩。今日も境内少し借りますね」

出迎えてくれた彼女は姫島朱乃。この神社の巫女をしている女性で、僕の通っている駒王学園の先輩に当たる人である。

そして時間が過ぎ、僕がトレーニングを終わらせると同時に、姫島先輩がお茶を持ってきてくれた。

「トレーニングお疲れ様でした。お茶でも飲んでゆっくり休んで下さいね」

「ありがとう姫島先輩。いただきます」

僕は姫島先輩から出されたお茶を一口飲んだ。

「凄く美味しい」

「それは、淹れた甲斐がありましたわ」

そういいながら姫島先輩は僕の横に座った。

「貴方って、本当かっこいいわね。さぞかしモテるんでしょう?」

「姫島先輩………あまり後輩をからかわないでくださいよぉ……」

「あらあら、御免なさいね」

「それよりも姫島先輩の方こそ、モテるんじゃありませんか?」

姫島先輩の冗談めいた発言に苦笑しながらそう答えた。

「私はそういった事は興味無いのよ」

姫島先輩はにこやかな笑みを浮かべながらこう告げた。

「ごめんなさい。無神経な事を聞いて」

「良いのよ、別に。それと、お茶のおかわりいります?」

「もう時間だから帰らなきゃ。また明日来るから」

「では、また明日。お待ちしてますね」

僕が先程使っていた湯飲みをお盆に乗せ姫島先輩は台所へ向かっていった。

「(今は良いが、彼女は僕に依存し過ぎている。何れはこんな関係を改めていかなきゃな………)」

僕はそんな事を考えながら神社を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の事が好きです!付き合ってください」

あくる日、僕は屋上で告白をされた。

相手はクラスメートの男子が「クラス一、否学年一の可愛さ」と口を揃えて言う程の美少女だった。

「何で僕なんだい?君の美貌なら引く手あまたじゃないか?」

自分とは縁のない彼女からの告白に、僕はそう質問し、

「実は私、貴方の部活の大会を見て貴方に惚れたんです」

彼女はこう答えた。

彼女の答えが想定外の事だったので、即座に返事ができなかった。

数分経って、僕は彼女にこう告げた。

「僕は君の事あまり知らないけど、それでも良いなら付き合うよ」

「良いんですか?………良かったぁ、これから宜しくお願いしますね」

こうして、僕と彼女は恋人の関係になった。

しかし、この光景を見ていた人物がいたのをこの時、知る術はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、学年一の美少女に告白された僕は目の前に立っていた人物に気がつき、声をかけた。

「姫島先輩……どうしたんですか?」

「大丈夫よ、気にしないで」

「分かりました。ですが相談にはのりますから、何時でも声をかけてきてくださいね」

「やっぱり君はやさしいのね

 

 

 

 

 

 

 

 

アナタハアンナゴミナンカニアワナイ。ゴミカラトリカエサナキャ」

と僕に聞こえないほどの小声で呟いた。

「姫島先輩?早く行きましょうよ」

「待ってて、すぐ行きますわよ」

姫島先輩は僕の一言に我に返り、僕の横に走ってきたので僕は姫島先輩と一緒に家路に向かった。

 

 

 

 

告白をされた日から暫く経った日

僕はその日用事があって遅くなり、暗い道を歩いていた。

自宅に向かおうと角を曲がった瞬間、衝撃的な光景を目の当りにした。

それは

「貴女のような屑が彼に近寄るな!貴方は彼に相応しくない!アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

それは雷光の魔力で作った槍で滅多刺しにされている女子生徒と、普段からは想像の付かない表情で、彼女を魔力の槍で滅多刺しにしている姫島先輩の光景だった。

「先輩、一体何を…………!」

恐る恐る姫島先輩に声をかけると

「貴方にまとわりつく屑を排除しているのよ?」

と姫島先輩はハイライトの無い瞳で此方を見ていた。

僕は彼女の狂気に恐怖してその場から逃げ出そうとした。

しかし

「フフフッ、逃がしはしないわ」

姫島先輩の放った一撃が命中し、僕は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ………此処は………何処?」

暫くして、僕は見知らぬ部屋で目を覚ました。

起きようと体を動かそうとした。

しかし、

「なっ、何だよコレは!」

鎖が両手に括り付けられており、左足首には特大サイズの足枷が付けられていた。

「あらあら、目覚めましたか?」

聞き覚えのある声が聞こえてきたので振り返ってみるとそこには姫島先輩がハイライトの無い瞳で此方を見ていた。

「姫島「朱乃」朱乃先輩此処は一体何処なんですか?そしてあの場所で何をしていたんですか?」

「此処は私しか知らない貴方を監禁するための座敷牢よ?」

僕の最初の質問に対し姫島先輩はそう答えた。

そして次の質問にこう答えた。

「貴方にはいよるゴミを駆除しただけなのよ?」

其の答えを聞いた時、僕は唖然とした。

一連の行動は、彼女のイメージと大幅に異なっていたからだ。

「貴方は何時もそう。お人好しで、格好良くて、優しくて。でも私以外の女の子が貴方に群がっているのを見るのはイヤ。リアスや小猫ちゃんにも取られたくないの。それに、リアス達以外にも貴方を狙っている女生徒は多いのよ?知らなかった?」

此方の状況など完全に無視し、まるで此方の犯した罪を弾劾するかの如く、淡々と告げる姫島先輩。

「朱乃先輩……どうして?いつもの貴女らしくないですよ」

「お淑やかなのは所詮偽りでしかない。私がありのままを曝け出せるのは貴方の前だけなのよ!それなのに………それなのに!あんなゴミなんかと付き合って!」

般若のごとくこちらを責める姫島先輩。

僕はその気迫に押され、後ろへと体をずらしてしまった。

「あらあら、聞き分けの無い子には、お仕置きですね」

姫島先輩は僕のその行動を見て両手を掲げ、雷と光の魔力を球状にして此方に投げ付けてきた。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

「フフフッ、私の雷光の魔力を受けた感じはどう?痛かった?でもね、私の心はもっと痛かったのよ?ゴミが貴方に告白したのを見ていた時、何度消し飛ばそうとしたか分からないでしょう?」

ハイライトの無い瞳で此方に迫ってくる姫島先輩を僕は再度恐怖してしまい後ずさってしまった。

「ど…………て?…………うし…………?ど…………し………?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?何で逃げるの?ねぇ?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そっか。まだ、あの女に汚染されていたのね………でも安心して、私が綺麗にしてあげるわ」

姫島先輩は手元に持っていた布包みの紐を外して、中に入っていた抜き身の脇差を出した。

「フフフッ、どうして気が付かなかったのかしらね。逃げる気を無くしてしまえば良かったのよ」

姫島先輩はその脇差を持ち僕目がけて斬り付けてきた。

「朱乃先輩!止めてください!こんな事して一体なんにな………!」

咄嗟に回避した僕は姫島先輩に制止を促そうとした瞬間、体から力が抜ける感覚を感じた。

「あらあら、漸く回ってきたようですわね。この刃には斬り付けた相手の力を奪う魔獣の能力があるのよ。普通の人間の貴方には耐えられるレベルではないのよ」

段々立っていられなくなり、その場に倒れてしまった。

倒れる瞬間、姫島先輩は僕のことを抱き抱え、耳元で囁いた。

「フフフッ、コレで貴方は私のモノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コレカラ、ズットズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥットイッショダヨ。アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

僕はそれを聞き終わると同時に意識を失った。



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アーシア・アルジェントの場合

年内更新できず、誠に申し訳ございませんでした・・・
追記
出来があまりにも自分の中でひどかったので少し加筆


僕は今日も隣町の教会に遊びに来ていた。

「こんにちはアーシアさん。今日も来たよ」

「いらっしゃい。今日も来てくれたんですね」

彼女の名前はアーシア・アルシェンド。此処の教会のシスターをしている。

「アーシアさん、今日はお菓子を焼いてきたんだ。一緒に食べようか」

「じゃあ、お茶淹れてきますね」

そう行ってアーシアさんはお茶を淹れに部屋から出ていった。

暫くして、アーシアさんが二人分のティーカップとティーポットを持って戻ってきた。

「初めて私一人で淹れたので口に合うかどうか判りませんけど……どうぞ」

「では、頂きます」

アーシアさんの淹れたハーブティーを一口口に含んだ。

「美味しい。こんな美味しいハーブティー初めて飲んだよ」

「フフフッ、ありがとうございます。そう言ってくれると此方も淹れた甲斐がありました」

アーシアさんとそう話ながら、お茶会は進んでいった。

「ところで今、好きな人とかいますか?」

と、アーシアさんが質問を投げ掛けた。

「好きな人…………ですか?今はいないですね」

アーシアさんの質問にそう答えた。

「そうですか……………まだチャンスはあるんですね」

アーシアさんは先程の答えで納得したようで、嬉しそうな表情を浮かべていた。

それから時間はすぎ時計が六時を示していた。

「アーシアさん、今日はご馳走様。またくるね」

「はい、何時でもお待ちしております。またいらしてくださいね」

僕はアーシアさんと次の約束をした後、家路に着いた。

しかし、この束の間の平穏は脆くも崩れ去ってしまう事を、この時誰も知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

その日は突然やってきた。

その日、何時もと変わらないお茶会の最中、不意にアーシアさんが此方に寄ってきて、臭いを嗅ぎはじめた。

「ねぇ、一つ聞いてもいいかな?

 

 

 

 

 

 

他の女の臭いが貴男からするんだけど、どうしてなの?」

その時の彼女の表情は、何時もの穏やかな表情ではなく、怒りと殺気の入り混じった、どす黒い何かが籠もった表情をしていた。

私はアーシアさんの豹変した態度に驚いて声が出ませんでした。

アーシアさんはこう話し始めた。

「でも、安心して。貴男はこれ以上汚される事は無くなるんですよ」

「それは一体ど………うい………う事」

椅子から立ち上がろうとした瞬間、急に眠気が襲いかかってきた。

そう言えば、アーシアさんが今回新しいハーブティーを勧めてきたなということを思いながら、私はその場に倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……………此処は何処…………だ?」

「やっと目が覚めたんですね。いつまでたっても起きないから心配したんですよ?」

アーシアさんが話しかけてきたので体を起こそうとしたが、両手足をロープで縛られていて、起こすことが出来なかった。

「アーシアさん、どうしてこんなことを?」

僕はアーシアさんにそう質問したらいきなり、キスをされた。

「私のファーストキスあげちゃいました」

アーシアさんはそう無邪気に話すと、次の瞬間、表情を一変させた。

「フフフッ私は貴男がいないとダメみたい」

「アーシアさん?」

「私、最初は貴男とお茶を飲んだり、お話をしたりするだけで良かったんです。

 

 

 

 

 

 

 

アノ光景ヲ目撃スルマデハ」

そう話す彼女は、瞬き一つなくハイライトも消えていた。

「貴男が他の女とイチャイチャしているのを見て、何度神に神罰を下すよう祈ったことか」

そう告げるアーシアさんは、まるで阿修羅のような表情だった。

「どうしてこんなことをしたんだ!」

「鈍いですね。貴男のことが好きだからですよ」

そう言うとアーシアさんは再びキスをした。

「これ以上貴男を他の牝豚に触らせたくないんです、これ以上貴男を汚されたくないんです…………だから……私と一緒になろう?」

アーシアさんがそう言い此方にのしかかってくると、腹部に鋭い痛みが走った。

視線をそこに向けると、血濡れの刃物を持ったアーシアさんが恍惚の表情を浮かべながら此方を見ていた。

「ワタシモイマカラアナタノモトニイクネ。ワタシダケノオウジサマ。アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

その姿は何時もの彼女を見慣れている僕でも御惚れてしまうほど美しかった。

「コレデ、ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥット一緒ダヨ」

意識を失う直前、僕が見た光景は、アーシアさんが僕を刺した刃物を自分の首へともっていき切り裂いた瞬間だった。



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