史上最凶の魔王様たちが自由過ぎて辛い (PhantomSchwein)
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プロローグ
いざ、転生!


お、おう?視界が暗い!あ、眩しい。

 

目を開ければ真っ白な世界…逆に言えば何にもなくて見ててつまらない場所。

 

「ひ、人が気にしてることを…あ、違う私は神だった」

 

目の前でいきなり一人ボケを突っ込んでくる女の子。正直な感想………うわぁ。

 

「なんですかその()()は!?まるで痛い人のように見る目をやめてください!」

 

「え~、じゃあ蔑んだ目で…」

 

「ごめんなさいやめてくださいお願いします」

 

見事な土下座…それはさておき、ここはどこで私は誰なんでしょう?

 

「え!?自分のことが思い出せないのですか!?」

 

「ん?俺の名前は田中だけど何か?」

 

「覚えてるじゃないですか!?」

 

いやだって、こういう場面に遭遇したら必ずやるでしょ。

 

「やりませんよ!」

 

「何…だと…!?ま、そんなことはどうでもいいけどここどこよ」

 

「どうでもいいのにそこまで驚いたの!?」

 

いやぁ、リアクションが余りにも面白かったのでつい。

 

「もうやだこの人…コホン、ここは私達神が住まう場所です。とは言ってもこの空間は私の部屋みたいなものなんですが」

 

この何にもない場所が?

 

「それを言わないでください!」

 

いや、言ってないし。あ、あれか。神様だから心の声が聞こえるってやつ。

 

「その通りです!」

 

つ、つまり俺の考えてるあんなことやこんなことまでもが!?

 

「何を考えてるんですか!?」

 

「急に顔を赤くしてどうかしたの?もしかしてそっちに興味が…」

 

「違いますから!?話が前に進まないので少し黙っててください!!…そこ!全力で嫌そうな顔をしない!」

 

全くもう。とか言いながら目の前の女の子は話を進める。

 

どうも彼女の部下の部下の部下のミスで俺は死んでしまったらしい。要は『おぉ、勇者よ死んでしまうとは情けない』状態だそうだ。

 

死因は頭上への隕石落下。ちょうど魔界戦記ディスガイアD2というゲームの技発動した瞬間に落ちてきたそうだ。

 

その技と言うのも隕石を落とすものだから笑い話だ。という訳で盛大に笑ってやろう。

 

「ハーッハッハッハッハッハッハ!!」

 

「自分の死因に大爆笑!?」

 

「違う!これは高笑いだ!」

 

「すこぶるどうでもいい!!」

 

なんだと?この差は重大だぞ!

 

「と・も・か・く!こちら側のミスで死んでしまったので貴方には貴方の世界とは別の世界に転生してもらいます!」

 

「ダニィ!?たとえばどんな!?」

 

「ふぇ!?た、例えば科学と魔術の世界だとか、超巨大ロボが大量にある世界ですとかあなたのような人がいっぱいいるような世界ですとか色々です」

 

と、と言うことは俺の大好きなディスガイアの世界も?

 

「ありはするでしょうが行く世界はランダムですので何とも言えません」

 

では俺の世界と似たようなありふれた日常の世界も…

 

「当然あります」

 

オーノー!つまんねェ日常とはおさらばするチャンスだってのにそういう事もあるのかー!

 

俺の運値はトリプルE-なんだよ!

 

「…まぁ、そのような世界を引いた人を今まで見たことないですけどね」

 

ソイツは良いことを聞いた!……待てよ?

 

「…もし超危険なバトルファンタジー世界を引いたらアウトじゃね?俺一般人より少し動ける程度だよ」

 

「その場合はこちらが特典付けたり力与えたり等です。こっちが一方的に決めるのでそこはあしからず」

 

つまり俺は目の前の彼女に全て(選択権)を奪われたということか!?

 

「変な言い方はやめてください!」

 

ヴァカめ!()が着いているだろうが!

 

「その部分発音してないよ!」

 

当たり前だろう()なんだから。

 

「もうこの人ホントヤダ…とりあえず世界選択です」

 

ドン!と音を立てながらルーレット的なものを目の前に置かれた。…何にも書かれてないじゃん。

 

「私たちにしか見えない仕様です」

 

そんな無い胸張っていう事じゃないでしょ。あ、無い胸で撃沈した。

 

「ウゥ、ドウセワタシハムネナイデスヨ…き、気を取り直して!さあ!回してください!」

 

では適当に…でえええええええええい!!

 

チョコン。

 

「い、意気込みの割に全然回してない。一マスしか動いてないじゃないですか」

 

だって適当にって言ったじゃん?

 

「ハァ…ではどの世界になったのか…あ、これ不味いやつ」

 

なに!?どんな世界!?

 

「この場で言うのは禁則事項なのであれですが、そうですね…簡単に言えば死亡フラグ満載の世界です」

 

oh…グッバイ俺の新しい人生。

 

「こんな時のための転生特典です!最終的に選ぶのは私ですが、ご希望はありますか?例えば直接殴るだとか魔法系だとか」

 

「ディスガイア」

 

「即答ですか…ではディスガイア関連で特典をパパっと決めておくので…逝ってらっしゃい」

 

あれ、漢字ちが――――――おぅふ!真下に落とし穴あああ!

 

「フフフ、最後に仕返しです!」

 

「なら最後に言わせて貰おう!ちっぱい可愛いよ!」

 

「…ッ!?とっとと逝けええええええええ!!!」

 

では皆さんまた来週うううううううううううううううう!!

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ヴァカめ!来週になるわけがないだろ!

 

だが諸君。今重大な問題が発生している。

 

「絶賛超高度から落下中ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!へ、ヘルプミー!」

 

あ、アレ?俺の声が違う。若干高い気がする。

 

などと考えていたら目の前地面!

 

「って、考えてる場合じゃない!グッパイ俺の人生!」

 

頭から激突!……痛くないだと?

 

「あんな上空から落ちて全く痛くない…それどころか無傷だ。俺の体は一体どんな超人になった…の…?」

 

ふと傍にある湖をみる。水に反射し、そこに映っていたのは?

 

「ら、ラハールじゃんコレ」

 

しかも喋ってるの俺。動いてみると俺の動きと全く同じ動作をする。

 

コレってつまり…?

 

「俺がラハールになってる!?!?」

 

やったああああ!!これで自由気ままに好き勝手にできるんじゃん!なんでもありだからなディスガイア!!

 

ハッ!ならこの世界はディスガイアの世界なのか!?

 

そう思っていた時期もありました。

 

ふと騒音のするところを見てみる…そこに居るのは赤い龍と白い龍。

 

友達が進めてきたラノベで見たことあるよ!あれは二天龍って言うんだ。

 

つまり…

 

「この世界ハイスクールD×Dかよおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

確かにあのちっぱい神様が言ってた通り死亡フラグ満載世界だわ!と言うか死亡フラグしかないよ!

 

「うるさいぞ、我々の決闘の邪魔をするのか悪魔よ」

 

「赤い奴の言うとおりだ。殺されたいか悪魔」

 

神も恐れし二匹の龍に睨まれた!

 

 

 

 

…………俺、早速死んだかも?




いかがだったでしょうか!

いやぁ、書いてて楽しい楽しい!この楽しさ、癖になる!

気分次第投稿スタイルで行くので更新速度はマチマチになるかと思われます!



それでは次回もお楽しみに!


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史上最凶魔王降臨!

マチマチになるかもと言ったな?そんなことはある!

ただ、プロローグぐらいはさっさと終わらせようかな~、って言うスタンスで逝きます!





触角!







ぜんかいまでのあらすじ

 

死んでチッパイ神弄ってラハールに転生してヒャッハー状態だよ!

 

でも二天龍に睨まれて死にそうだよ!(震え声

 

ヤバいよヤバいよ…どうするよ。

 

…いや待て俺。今の俺の姿を考えるんだ。

 

今の俺はあのラハールだぜ?イッツア平凡だったころとは違うんだ!……多分。

 

「何か言ったらどうだ悪魔」

 

赤い龍ドライグさんが更に睨みきかせてきましたー。

 

「フン!別に俺様がどこで何をしようと良いだろう。第一、俺様の居る場所で戦っている貴様らが悪い」

 

アレ?俺こんな喋り方だっけ?

 

「ほう、なかなか言うではないか…悪魔如きが誇り高き龍の決闘の邪魔をするな、失せろ」

 

「ドラゴン如きが魔王である俺様に命令するな!貴様らがどこかへ行けばよいではないか!」

 

口調が勝手に変わって行くウウウ!これが噂に聞く自動変換様か!?

 

「言いおったな小僧…後悔するなよ!」

 

グオオオオオオオオオオオオ!!

 

特大の咆哮をしながら赤い龍ドライグさんが俺に攻撃してくる。

 

あ、ヤメテ!そんなデカい爪で攻撃されたらいくらラハールさんでもダメージデカい…あるぇ~無傷だ!

 

「なに!?」

 

ドライグさん超驚いてる。だが安心したまえ…俺が一番驚いてる!

 

「この程度か?…では次は俺様の番だな」

 

驚きながらもやられたらやり返す精神で攻撃!

 

「くらえ!獄炎ナックル!」

 

なんか自然と技出たー!そして割と好きだったほのおパンチだー!

 

「ぐ、おおおおおおお!!!!」

 

ドライグさんが凄い勢いで吹っ飛んで行ったああ!!う、嘘でしょ!?

 

「赤いのが一撃だと!?…貴様!」

 

「待った!タイム!!」

 

「ぬぉ!?」

 

攻撃して来ようとする白い龍アルビオンさんを止める

 

だって…今の一撃明らかにおかしい。いくらラハール様でも獄炎ナックルでドライグさんワンパンは無い。

 

そして脳内に見つける魔法…ステータス確認魔法ってまんまな名前の魔法があるー!?

 

よし、今の俺の攻撃と防御のステを確認しよう!

 

ATK 約200000000。DEX 約200000000。

 

………は?ちょっと待って俺何も装備してないよ。

 

この状態で2億ってディスガイアD2の基礎ステカンスト値じゃね?

 

他のステータスも2億だし…良く見てみたら技・魔法熟練度MAXジャン!ウェポンマスタリーも全武器MAXジャン!

 

ここで気付きましたー。…これ俺がD2で育てた極限ラハール様じゃん…

 

ドライグさんのステを見てみる…平均2000万だ。ちなみにアルビオンさんも似たような感じ。

 

……俺の無双ゲームじゃん。

 

「ハ~ッハッハッハッハッハッハ!」

 

ヤバい楽しくなってきた!!

 

「待てと言われ何が来るかと思いきや高笑いとは…貴様、我ら龍を舐めているのか?」

 

「フン!俺様にかかれば貴様らトカゲ如きなど恐れるに足りんと言うことだ!」

 

実際、負ける要素が見当たらない。

 

「なに!?舐めるのもいい加減にしろ!!」

 

身体の力が抜ける感覚に襲われる…そういや白龍皇の力って相手の力を半減させて自分の力にするだったよね?2億の半分の1億のステータスが持ってかれるってことだから…あっちの方がちょっと上じゃん!俺様ピンチ!

 

「貴様がいくら強かろうと我の力があれば……ゴフゥ!」

 

アルビオンが血を吐いてる。俺の力に耐えきれなかったってこと?あ、力戻ってきた。

 

「バカな…たった一度の半減でこの俺が…」

 

「アルビオン!遺憾だがここは共闘だ!奴は我らより強い!」

 

「ムゥ…致し方無いか…」

 

おお!伝説の二天龍の全盛期たちがタッグを組むところ見るの俺が初めてじゃね?

 

…ところがどっこい二人とも近すぎ!SRPGで言うならば横3マスに二体キャラを置いている状態。

 

そんなの…格好の餌食だよ?

 

「纏めて片づけてくれる…」

 

魔力超圧縮の炎の弾を二天龍を囲むように幾つも作る…

 

「「しまっ!」」

 

「魔王玉!吹っ飛べ!!!」

 

 

 

ドカアアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

 

 

…ちょっと力み過ぎたかな?当たり一面焼野原だ。

 

二天龍は白目向いてるし。

 

ってか二天龍ってこの世界で3番目かそこらぐらいに強い奴らじゃなかったっけ?

 

簡単に倒しちゃったよぉぉ…ま、とりあえず。

 

「ハ~ッハッハッハッハッハッハ!!ドラゴン如きがこの史上最凶魔王ラハール様に歯向かうからこうなるのだ!!」

 

高笑いしとこう!ついでに嫌な予感もするしここから離れよう!

 

魔法陣?的なものを起動し俺は次は何をしようか考えながら去りましたとさ。ハイ。

 

 

 

 

 

 

 Side:????

 

 

 

少女が気味の悪い森を歩く。すごくミステイクな絵である。

 

「グレートレッド、また負けた。でも我、必ず静寂を手に入れる」

 

刹那、物凄い魔力を感じた。

 

それは我やグレートレッドにも引けを取らない力。

 

「気になる。それにグレートレッドを倒す力になるかも…行ってみよう」

 

 

 

 

転移した先に広がるは焼かれた平原。

 

「魔力の元、ここ…でも魔力を使ったものの反応がない…?」

 

下に二体の黒焦げの龍を見かける。この少女もよく知る二匹であった。

 

「ドライグ、アルビオン…二人ともしてなにしてる?」

 

「…グゥ、オーフィスか…なに、我ら二匹ともいとも簡単に負けたよ。たった一人の悪魔にな」

 

「ドライグやアルビオンがたった一人に?」

 

「あぁ、このざまだ。まさに手も足も出なかった」

 

ドライグとアルビオン、我の次に強い。その二人を一方的に倒す。

 

「ソイツの名前、何?」

 

「気になるか?」

 

「グレートレッドを倒す。その手助けになるかも」

 

「普段ならば一蹴しているところだが、奴ならば確かに…奴の名はラハール。史上最凶魔王と名乗っていた」

 

史上最凶魔王ラハール…ん、覚えた。

 

「ラハール。必ず手に入れる」

 

「貴様でも奴は手に余るだろうが…まぁ、これも一興か。ドライグ、次会うときは…」

 

「分かっているアルビオン。次会うときは互いに強くなり、奴を打ちのめす時だ」

 

ドライグとアルビオン、二人で何か誓い合いながら去って行った。

 

我もここを去る。ここに居たところでラハールに会えない。

 

「ラハール。必ず手に入れて、一緒にグレートレッド倒す」

 

 

 

 Side out:????

 

 

 

 

 

 

さて、まずは何をしようか。

 

全盛期二天龍が居たということは原作が始まる数百年前なんだよなー。

 

それまですることねえなぁ…あ、

 

「ラハールの住んでる魔王城を作ろう」

 

そのためには労力居るな。まずは臣下集め…あとプリニーも欲しいな!

 

プリニーってこの世界に居るのかな?まあ俺ことラハールが居るんだし居るでしょう!

 

「楽しくなってきたぞ…ククク…フッフッフ…ハ~ッハッハッハッハッハッハ!!」

 

「ったくうるさいのよ!こっちは気持ちよくスイ~ツを食ってるっつーのにその邪魔すんのはどこのどいつよ!」

 

おっと、この声は!

 

「アンタね…アタシの至高の時間を邪魔した罪は重いわよ?」

 

ラハールの臣下である魔神エトナさんじゃないですか!

 

早速勧誘!

 

「ほう…なかなかの実力を持っているな。お前、俺様の臣下になれ。異論は認めん」

 

「………は?」

 

自動変換さんの所為で少々面倒な入り方したけど…ま、この方が面白いし良いよね!




如何でしたか?

ラハールさんは暇人オリ主が育てに育てまくった極限ラハールです。

武器なんか持ったらもう、修羅ボーナス込みこみでステータスが大変なことに(笑)

ちなみに作者がディスガイアシリーズで好きなキャラは1,エトナ2,ラハール3,ヴァルバトーゼ4,フロンと初期キャラが中心的に好きです!

ヴァルっち閣下はもう、ね?カッコよすぎで惚れましたよ。それでも初期派ですが!

皆さんは誰が好きですかね?

次回はエトナ回!いやぁ、楽しみですねェ!

では、次もお楽しみに!


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魔神エトナ降臨!絶壁娘かわいいよ!








ペタンコ!











ぜんかいまでのあらすじ

 

二天龍に殺られると思ったら俺が強すぎて蹂躙したよ!

 

それで嫌な予感がして移動したらエトナがいたよ!でも自動変換さんの所為で中々ややこしくなってきたよ!

 

「え、なに?勧誘されてるのアタシ」

 

「それ以外何があるというのだ!」

 

「こんな一方的な勧誘ってある!?」

 

仕方無いじゃん?自動変換様がそう言うんだから。

 

「まあ、どうせ蹴るから意味ないけどね」

 

「何を言っておるのだお前は!異論は認めんと言ったであろうが!」

 

「知るか!この生涯はアタシの物だ!アタシがどう生きようとアタシの勝手でしょ!どうしてもって言うならアタシに勝ってみな!!」

 

瞬間、エトナはかなり濃厚な魔力を放つ。かなり強い力で魔力を放っているため並の者なら気絶しているだろうなー。

 

そう、()()()なら…ね?

 

「ほう、それでいいのか?」

 

やられたらやり返す精神で魔力放つよー!

 

魔力を出すだけだから互いに威嚇だねー。俺の方が段違いで大きいけどね(笑)

 

目の前のエトナちゃんも焦りの表情が見えだしたし。

 

「(は?嘘でしょコイツ。パッと出した魔力なのにアタシの全力より全然高い…どんな化物よ)」

 

「どうした?かかってこい」

 

「ッチ、舐めんな!」

 

突如超上空に上がるエトナさん。うわー魔法陣見える~。

 

「空間歪曲閃か」

 

確かD2で5番目の槍技で威力はSの技だね…い、痛そう。

 

「喰らいな!」

 

超速による槍の一撃が俺に刺さる。もう見ただけで痛そうなのに痛くない。

 

昔からの疑問だけどダメージが0って出るとき技は痛そうに見えるからキャラたちはどういう心情なのかなと思ってたけどこういうことか。…ちょっと嬉しい。

 

ここで問題発生。エトナの槍技がドライグの攻撃より痛い件。

 

ドライグの攻撃は10ダメだったのにも関わらず、エトナの空間歪曲閃は1000喰らった。

 

わ、技を使用したしないの差なのかな?(錯乱

 

「ハァ!?無傷!?!?」

 

見た目無傷だけどHPゲージは削れてるよ?1000億中の1000だけど。

 

「中々の威力だ。先程、トカゲと戦ったがソイツより全然強いが…やはり俺様の方が強いな…では次は俺様の番だ!!」

 

亜空間?らしき所から剣を取り出す。

 

皆さんお察し歴代ディスガイア最強剣『魔剣良綱』でございます!

 

「行くぞ!でぃあ!!」

 

出す技は一文字スラッシュ!重宝しますよねコレ!

 

これを選んだ理由?だって他の技だとオーバーキル過ぎるでしょ?たいして変わらないだろうけど。

 

「ちょっ!きゃぁ!!」

 

え、エトナさんそんな可愛い声出すの!?初耳ですよー!

 

何と言うか新しいエトナを見れて超嬉しい!内心発狂中!ヒャッハアアアアアアアア!!!

 

「まぁ、こんなものであろう」

 

内心発狂しても自動変換様のおかげで言動には支障は出ない…自動変換様様ですわ―。

 

「アタシが相手に傷一つ付けられず一撃でやられるなんて…」

 

「安心しろ。ドライグとかいう赤トカゲやアルビオンという白トカゲより強かったぞ?」

 

「は?アンタ二天龍とも戦ったの!?」

 

「ウム、つい先程な。二匹とも大したことは無かったな」

 

驚愕の表情のエトナ。うん、間近で見るとカワイイね!グッとだよ!

 

何気にエトナが一番好きな女キャラだったからもうファンとしては最高にハイってやつだね!!

 

「二天龍をも打ちのめす…ダメだ、コイツならあり得そうだわ」

 

「それで?俺様はお前に勝ったわけだが…」

 

「…ねぇ、聞かせてよ。アンタほどの実力者がなんでアタシなんかを下僕にしようとしてんの?捜せばもっと良い奴いるでしょ?」

 

え、エトナ以上の実力者?俺、そんな奴知らない。

 

ウチの(D2)エトナも極限強化してたから余計に…ねぇ。

 

どうしよう理由が見つかんない!

 

…こんな時のための自動変換様!何とかしてください!!

 

「なんとなくな…こういう直感と言うものか?そういうのをお前から感じた。それだけだ」

 

おいいい!簡単すぎじゃね?アウトじゃね!?

 

「ふぅん、そっか…いいよ、アンタの下僕になったげる」

 

マジで?やった!ヒャッホオオオオオオオオオオオオイ!!

 

「アタシはエトナ。そういやアンタの名前はなんなの?」

 

「俺様は史上最強魔王ラハール。俺様の臣下に慣れることを誇るがよい」

 

うわぁ、自分で言っといてウザい。でもこういうところも好きだったり!

 

「ラハールね…そういや呼び方変えたほうがいい?」

 

「どうでもいい。好きにしろ」

 

「魔王さま…は違うな…よっし決めた!アンタこれから殿下って呼ぶわ。なんとなくこっちの方がしっくりくるし」

 

ディスガイア再現!これは嬉しい!

 

「構わん。しかし覚悟しておけ!俺様の臣下になったからには一生こき使ってやるからな!」

 

「それを言うなら殿下もですよ。アタシの主にふさわしくないと思ったら後ろからグサァ!!…な~んてこともありますから」

 

「フン…。その時はお前が魔王になればよい」

 

「フフ…。言われなくてもそうさせてもらいます!」

 

おぉ、なんかこういうの良いな!

 

なにはともあれエトナが仲間になったよ!フロンも欲しいと思うが…ハイスクールD×Dの設定上厳しいかもなー。

 

ま、何とかなるでしょ。

 

それに…エトナが仲間になったということは自由度が増えると言っても過言じゃない!

 

面白くなってきたァ!

 

「それで殿下?これから何をするんですか?」

 

「うむ、この近場に城を建てようと思うのだが…それをさせるための者をかき集めなければならんな」

 

「アタシの下にプリニーが何体かいますけど…それだけじゃ足りないですよねー?」

 

お、やっぱりプリニー要るんだ!これなら行けるかな?

 

なんでか知らないけど超大金があったから。

 

「プリニーの数を増やせるか?金の方なら問題はないし…」

 

「払うのもこっちの気分でいいですしね!」

 

「そういう事だ…では行くか!」

 

「はい殿下!」

 

これから俺の魔王ライフ始まります!

 

暴れるぞお!!

 

「ハ~ッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」

 

これからの未来を想像し、俺は…いや、俺()は高笑いをした。




如何でしたか?

プリニーは今回名前だけ出しましたが、これからバンバン登場しますのでファンの皆様方、ご安心ください。

でもって初代ディスガイア第5話の最後のラハールとエトナの会話はここで引用!名場面だと思ってるから使えて良かった~。

今回は自動変換様のカリスマ性が出ましたが、次回からオリ主がはっちゃけ出しますのでご安心ください!(何に?)

次の話はかなり時が飛びます!

では次回もお楽しみに!


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月下の黒猫、魔王との遭遇!

「魔王城も完成してから随分経ちますけど、今思い返すと大変でしたねー殿下…建てるだけなのに」

 

「全くだ。いきなり魔王城周りだけ空間が滅び、違う場所に飛ばされるとはな…おかげでなかなか趣味の良い所になったがな」

 

そう。城を建てている途中、当たりがボロボロと崩れ出したのだ。地面だけではなく空とかも。

 

そのおかげで魔王城もディスガイア再現となったから良しとしよう。

 

「そういえばどのくらい経ったんでしたっけ?」

 

「知らん、時など一々気にしてられるか」

 

ディスガイア連中は歳をかなり取ってる連中が多い。確かラハールも1300ぐらいだったはずだ。

 

元々人間の俺様には厳しいものがあるからな。歳関係のことは気にしないようにしてた。

 

「しかしビックリしましたよねー。いざ冥界に戻ってみると何百年も経ってたんですから」

 

「確かにな。人間界など、わけの分からんことになっておったしな…で、エトナよ。結局何が言いたいのだ?」

 

「いやぁ、世界変わったじゃないですか…スイーツ等を食べたいなって」

 

「それで?」

 

「休暇貰っていいですか?」

 

「アホか!時空の渡し人が来て移動が安定したのは良いが、お前が現世に行くと大変なことになるではないか!」

 

前に現世に行ったとき、エトナはスイーツを食べるからと言って暴れまわった。不味いだの甘くないだの色々文句を言いながら…

 

抑えるのに苦労したのに一人で行くだと?許可できるものか!

 

「えぇ~、殿下だって暴れてたじゃないですか~」

 

「俺様は良いのだ!」

 

「ッチ」

 

「聞こえるように舌打ちをするな!…とはいえ、お前には世話になっているからな。貴様の言うスイーツ巡りを出来るよう準備はしておるからそれまで待て」

 

「…殿下。ありがとうございます!」

 

ついさっきまで舌打ちしてたのに…調子の良い奴め。

 

「じゃあ、今からどっか行きません?人間界じゃなくて冥界の」

 

「まぁ、それなら構わんか…では行くとするか!」

 

冥界なら多少暴れても問題はないだろうからな…起きたところで俺様や現エトナに適うものなど居ないだろうしな。

 

「あら殿下、エトナさんとデートですか?」

 

「ふっふーん、実はそうなんだ」

 

「さらりと嘘を吐くな馬鹿者!メーヴェル、冥界に飛ばしてくれ。行先はどこでも構わん」

 

「分かりました殿下(やっぱり鈍いよねー)」

 

俺とエトナを光が包む。移動するときの光だ。

 

何故かエトナが不機嫌になっていたが、聞くのは止そう。嫌な予感しかしない。

 

移動した…けど行先はどこでもいいって言わない方がよかったかなぁ。どこの森ここ?

 

「殿下…ここどこですか?」

 

「俺様に聞くな」

 

マジ何処っすかぁ?

 

「殿下、魔力の気配を感じますよ。かなり強いのを」

 

「だな、ではそいつらに聞くとするか」

 

――――――――――――――――――――――――

 

 Side:黒猫

 

「ハァハァ…ここら辺まで逃げれば大丈夫かにゃ?」

 

迂闊だったにゃ…まさかアイツ、白音にまで手を出そうとするなんて。

 

口論の末、つい殺してしまったけど…おかげで大変なことになってしまった。

 

私はまだ弱い…最愛の妹を置いてきてしまった。

 

「白音…無事だといいんだけど」

 

「居たぞ!」

 

「にゃにゃ!もう見つかったのかにゃ!?」

 

「見つけたぞ、はぐれ悪魔黒歌!」

 

早い、いくらなんでも早すぎる!仙術を使って気配を消していたのに!!

 

「バカが…気配を消していようと足跡を残せば意味もないだろう」

 

足跡?…しまった!さっき攻撃された時の血が!?

 

「ククク…手こずらせやがって。だが観念するんだなぁ。いくらお前でもこの数相手のその傷では戦えまい」

 

後ろからぞろぞろ沸いてくる…パッと見ただけでも50人以上は居る。

 

…さすがにこれはマズイにゃ。

 

「…さぁ、覚悟しろ!」

 

「………白音!」

 

剣が振り下ろされる。私は妹の名を叫び、目を閉じた。

 

 

 

 

 

「オイ貴様ら、ここは一体どこだ?」

 

 

 

突如、甲高い声が響く。

 

目を開ければそこには青髪で二つの触角を生やした半裸の少年と、赤い髪でたいして胸も無いのに際どい恰好をしている少女が立っていた。

 

 Side out:黒猫

 

 

 

 

「この俺様が聞いているのに返事をせんのか…もう一度聞く、ここはどこだ?」

 

女に剣を振りかざしてる男に聞く。これはあれか、いわゆる修羅場か。

 

「殿下、なんか修羅場っぽいですよ?」

 

「そんなもの、俺様の知ったことか!」

 

「貴様ら!何者だ!!この黒猫を助けに来たのか!?」

 

何者だと?…いや、俺様が質問しているのにそれに答えんとは…ムカつく奴だな。

 

「貴様、俺様が直々に質問してやっていると言うのに答えんとはどういう了見だ!」

 

「知ったことか!黒猫に用が無いならとっとと去れ!西の方角に進めば町がある!!」

 

「そうか、ではな」

 

ここがどこか聞いたんだけど、まぁ町の場所も知ったことだし、とっとと行くか。

 

エトナも早々に去ろうとする。

 

「ちょっと待つにゃ!ここは普通私を助けてくれるところじゃにゃいの!?」

 

「は?俺様がお前を助けるメリットを感じん。そういうヒーローを求めているなら他を当たれ。俺様は魔王だから、対価を渡すならば別だが…」

 

「全くですよ…大体、そんなデカい乳ぶらさげてる奴を助ける義理なんて毛頭ないね!」

 

エトナ…それは僻みと嫉妬ではないのか?

 

「それただの僻みじゃない!?」

 

どうやら同じ考えだったようだ。そういえばこの女、原作キャラで小猫の姉の黒歌じゃね?なしてこんな場所に…

 

「ッハ!とうとう落ちるところまで落ちたな黒歌!こんなチビのガキと胸の無いようなガキに手を借りようとするとはな!!」

 

瞬間、場の空気が変わる。

 

理由は簡単。俺様とエトナが殺気と同時に魔力を出しだしたからだ。

 

「(え…なんなのこの二人は!?魔力量が軽く魔王クラス超えてるにゃ!?)」

 

「…殿下、コイツ等殺っちゃって良いですか?」

 

「構わん!…だが、一番手前の剣を持っている奴は俺様が殺る!あとは好きにしろ!」

 

黒猫は悟る…あ、コイツ等死んだわと。

 

「貴様のようなガキ共に!俺たちが負けるもの「逝ってきな!プリニー共!!」…か?」

 

エトナが言った後、上空からペンギンの着ぐるみを着た何かが大量に、隕石のように降ってくる。

 

皆さんお察しプリニーたちだ。

 

エトナの固有技であるプリニー落とし…プリニーたちにとって理不尽過ぎる一撃である。

 

「な、何だ!?…グハァ!!」

 

落ちていくたび、爆発するプリニーたち。その度ギャースッス!とかイタイッス!などと叫びまくっているためうるさい。

 

エトナの固有技の中で一番弱いとはいえ、エトナもあれから大分育ったので3000万ダメ―ジを叩きだしている…魔改造完了までもう少しって所か。

 

「今の攻撃はいった「串刺しになりな!!」…え、ちょ!?」

 

続いて槍技の一文字スプラッシュ。また続き魔槍トライデントなど、相手が喋る間も無く技を出していく…まさに蹂躙だ。

 

「な、何なのだお前らは!?」

 

「俺様か?俺様は魔王ラハール様だ!冥土の土産に覚えておくがいい!!」

 

剣技、竜巻破裏剣!剣を持っている奴の周りで回転し、竜巻を起こしてそのまま上下二段切り!!

 

因みにダメージは2億超えてるので、斬ったはずなのに木端微塵である。(比喩表現です。本当に木端微塵になったわけではありません。当然死んでもいません)

 

「お、俺たちが何をしたと言う…んだ」

 

「「チビ(胸無い)と言ったからだ!!」」

 

「い、いくらなんでもそれだけでここまでしたら、理不尽だにゃ」

 

理不尽?俺様の逆鱗に触れたのだ。当然の結果だ。

 

「あ~あ、早速やっちゃいましたね殿下。これじゃスイーツ食べに行けませんよ」

 

エトナに言われ辺りを見回す。木々は倒れ放題。数十名焼け焦げている。また数十人再起不能状態…少しやり過ぎたか?

 

「全く、殿下少しぐらいは手加減してあげてくださいよ!」

 

「殺ったのはほとんどお前ではないか!!!」

 

俺様は剣を持っていた男一人しかやってないぞ!!

 

「あれ、そうでしたっけ?」

 

「さりげなく俺様だけのせいにしようとしよって…全く、油断も隙もない奴だ」

 

さて、やり過ぎてしまったことだし、バレないうちにとっとと帰るか。

 

「ま、待つにゃ!」

 

「ん?なんだ?」

 

「た、助けてくれてありがとうだにゃ」

 

「あれ?アタシたちコイツ助けましたっけ?」

 

「いや、そういえばお前まだ居たんだな」

 

「存在自体忘れられてる!?最初から居たにゃ!」

 

そうだったか?…そう言われればそんな気もしてきたな。

 

…そういえば原作黒歌は結構強かったけど今はどれぐらいなんだろ?ちょっとステ確認してみる。

 

 

 

 

Hp 8万

Sp 6万

その他ステータス、平均4万。

 

 

 

 

う、うぅん。弱い。

 

いや、さっきの奴らもっと弱かったけども。

 

魔ビリティも見てみるか。

 

 

 

 

妹好き猫魈(ねこしょう)

 

特定のキャラがMAPに存在すれば、全ステータスが150%アップする。

 

 

 

 

…は?強くない?MAPに存在すればってなに?チートじゃねぇか。

 

第一、特定のキャラって絶対小猫ちゃんジャン!妹好きって書いてあるし!

 

…しかし、面白いな。

 

「おい、貴様。名前は何と言う」

 

「え?私かにゃ?私の名前は黒歌だけど…」

 

「なら黒歌、帰るぞ」

 

「は?ど、何処に?」

 

何だ、分からんのか。

 

「俺様の城に決まっているだろうが」

 

「ハァ!?え、なんで!?」

 

「なんでって、面白そうだからに決まっているだろうが」

 

「えぇ、殿下こんな奴連れて帰るんですか?」

 

「ウム。エトナ、黒歌はお前の部下だ。好きに扱うといい」

 

「え!この子の部下なの私!?と言うかもう仲間入り決定してるの!?」

 

まぁ、主にエトナが暴れるのを防いで貰う役目だがな…それがまともにできるまでに何度が死にかけるだろうがな。

 

「へぇ、じゃあ何頼んでも良いんですね?」

 

「お前の部下だ。好きにしろ」

 

「わっかりました!殿下大好き!!」

 

「ちょっと待つにゃ!その含み笑い怖いにゃ!第一部下になるなんて一言も言ってないにゃ!!」

 

 

 

 

『黒歌は無理やり仲間にされた!』(仲間が増えた時のいつものテロップ

 

 

 

 

「え!?もう決定事項なの!?私の意思関係ないの!?」

 

「では、帰るとするか」

 

「ですね~、いやぁ予定とは全然違うけどこういう事もあるんですね~」

 

「ちょっと!人の話を聞くにゃーーーーー!」

 

黒猫の叫びは虚しく響くだけであった。




如何だったでしょうか。

ここで俺様はムチムチ嫌いだ!のくだりをしようと思っていたのですが、リアスまでとっとこうと思い、この形にしました。

黒歌ちゃんはエトナの部下ポジション。とはいえ、役割は主にエトナのストッパーです。

ただ、黒歌がムチムチキャラと言うこともあり、エトナの一方的な僻みと嫉妬により、偶に無理難題を押し付けられます(笑)

後、シシリーが出るまでのプリニーたちの最大の癒しです(姉御的ポジにもなります

黒歌についてはこのぐらいでしょうかね。

後、固有キャラですので、もう一つ固有魔ビリティが付きますが…それはまたいつかと言うことで!

それでは次回もお楽しみに!!


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迷子の愛天使、参上!







カニミソ!








黒歌が魔王城に来て早半年。

 

ここの生活に大分慣れてきたようだ。

 

「黒歌ー、スイーツまだー?」

 

「さっき頼まれてから1分も経って無いにゃ!そんな早くにはできないにゃ!」

 

「ッチ、使えねー」

 

「やっぱりエトナは理不尽だにゃ!?」

 

うん、早速エトナが黒歌に対して理不尽言ってるようだ…まぁ、この程度は序の口だよね。

 

「黒歌姉さん、手伝うッス!」

 

「ん?別に大丈夫だにゃプリニーたち。心配してくれてありがとにゃ」

 

『ね、姉さん!』

 

予想通りプリニーたちの人気を勝ち得だしたなー。エトナの部下にする時点でここまでは呼んでたしなぁ。

 

「黒歌ー!はーやーくー!」

 

「はいはいにゃ」

 

多少の理不尽はもう慣れたようだな。

 

「エトナ、俺様は眠いから寝る。あとは任せた」

 

「了解です殿下ー」

 

何を任せるって?今、魔王城のある空間は色々不安定らしくてな。異世界から色々と迷い込んで来るんだ。

 

例えばツンツン頭の不幸少年とか何とか都市最強だとか最弱で最凶の魔術師とか。

 

特に魔術師に驚いた。なんだあの強さ。奴は全力を出せない状況で俺様のHPを半分削ったぞ…世の中化物っているんだなー。

 

ん?お前が言うなって?だって俺ラハールだもん察しろよ!

 

あ、ヤバい超眠い…とっとと寝よう。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 Side:迷子天使

 

「あ、あれー?迷子になっちゃいました」

 

おっかしいなー。天界から人間界に降りるだけなのに迷う要素あったかなー?

 

周りを見てみるとどこかのお城のようですね…悪魔の人の城だったらどうしよう?

 

ま、何とかなりますよね!

 

「あ、でも本当に悪魔の城だったらどうしましょう?確か大天使様とミカエル様は悪魔とは冷戦状態にあるとおっしゃられてましたからやっぱり戦争になったりするんでしょうか?…さすがに迷い込んだだけでそれはあるのかなー?でも先輩天使さまたちは悪魔のことを悪く言うしぃ…う~ん」

 

「何者だ。俺様の寝室の目の前で一人漫才をしているアホは」

 

「ムム!アホってなんですか!初めて会った人にそういう事を言うのはよくありませんよ!」

 

「俺様は寝ていたんだ!それを貴様のせいで起こされたのだからこれくらい言っても構わんだろ!!」

 

「あ、睡眠の御邪魔をしてしまったんですね。それはごめんなさいです」

 

「全く…で、天使が何のようだ?」

 

アレ?私のことが天使って分かる?

 

「あの~、すいません。ここはどこなんでしょう?」

 

「あぁ、またか。ここは俺様の城…魔王城だ」

 

「ま、魔王城?」

 

それってつまり…

 

「あなたは悪魔なんですか?」

 

「そうだ」

 

あ、悪魔の城に入っちゃった…それに魔王城って…

 

アレ?そういえばこの人”俺様の城”って…

 

つ、つまり

 

「ええええええええええええええ!あなたは魔王なんですかあああああああああ!!??」

 

「うるさいぞ!!近所迷惑だろうが!!」

 

き、気にするとこそこですか!?

 

「す、すみません」

 

「…ハァ。で、お前は何と言う名だ?」

 

「あ、私天界で見習い天使をやっているフロンって言います」

 

「フロンか…俺様は魔王ラハール。まぁ、歓迎しておいてやろう」

 

え、歓迎ってなんですか?

 

「この城は少し特殊でな。お前、しばらく天界に帰れんぞ」

 

………へ?

 

「ま、マジですか?」

 

「大マジだ」

 

真剣な表情で言うラハールさん。嘘を吐いているようには見えません。

 

天界に帰れないのかぁ…ど、どうしましょう?

 

 Side out:迷子天使

 

 

 

全く、面倒なことになったな。まさかフロンがこの城に迷い込むとは。

 

「さて、どうしたものか…」

 

「もういっそのこと外に放り込んじゃいます?」

 

「えぇ!?放り込まれるんですか!?」

 

「アホか!そんなことしたら面倒になるではないか!!」

 

聞けばフロンはDxD世界の天界に居ると言うことが分かった…が、ディスガイア原作キャラなのでどうなるかわかったもんじゃない。

 

実際、ディスガイアではエトナに次ぎ、自由人だったしな。

 

「第一、外に放り込んだら冥界にゃ。そんなことしたら間違いなく戦争になるにゃよ」

 

その通りだ。別に俺様は冥界の悪魔共が戦争しようと知ったこっちゃないのだが、黒歌の妹に被害が及ぶかも知れんからな。

 

「黒歌、メーヴェルはなんと言っていた」

 

「天界に時空を繋げるのは難しいと言っていたにゃ。まぁ、ラハールが天界に行けば繋げれると言っていたけど…」

 

「なら無理だな」

 

「返答速いですね!因みに理由をお伺いしても…」

 

「俺様はあの空間がすこぶる嫌いだ!吐き気がする!」

 

一度天界の近くまで行ったが、それだけで気分が悪くなった!あんなところ二度と行きたくないわ!!

 

「ですよねー。あの如何にも光!愛!って空気が気持ち悪いんですよねー」

 

「えぇ~そうですか~?良い場所ですよ天界。美味しいスイーツとかもありますし」

 

「へぇ?どんな感じなの?」

 

「えっとですね、程よい甘さで、果物が沢山乗ってるものとかあります!」

 

「良いわね!ちょっと食べてみたいかも!」

 

「天界に来たときは是非!あれは必ず食べるべきです!」

 

エトナとフロンの会話が弾んでる。ここで一言

 

「「お前ら仲いいな(にゃ)!!」」

 

黒歌と被った。同じことを考えていたようだな。

 

「で、この子どうするんだにゃ?」

 

「ふむ、一番手っ取り早いのは天界の近くに放り込んでやればよいのだが…確か今はそれが無理だったのだな?」

 

「にゃ。今、人間界や天界の時空が不安定でどこに飛ぶか分からないそうにゃ。だから今取れる方法は」

 

「冥界から人間界、それから天界に送るか…無理だな」

 

「えぇ!そんな簡単にあきらめないでくださいよ~」

 

「とは言ってもだな。俺様の城のある世界…俺様たちは魔界と呼んでいるが、そこからは時空ゲート以外に移動方法がないのだ…どうしてもと言うなら方法は無くはないが…いや、これもやはり無理だな」

 

「あ~。確かにそれならできますけど、無理ですよね~」

 

エトナの言うとおり、行けたとしてもフロンが危ないし、俺様は奴に会いたくない。

 

「あの~、その方法って一体なんなんでしょう?」

 

「えっとだにゃ。時空ゲートを使わず他の世界にいく唯一の方法は次元の狭間を通ることなんだにゃ」

 

「次元の狭間…ってえぇ!?あの真龍さんが散歩しているところですか!?」

 

「ま、まぁ…間違ってはないにゃ」

 

散歩は違うだろ…奴は泳いでいるだけだぞ?そんなことはどうでもいいがな。

 

「そこから行くのはなぜ無理なんでしょう?」

 

「簡単よ。フロンちゃん、アンタ消滅するよ?」

 

「ふぇ!?」

 

…すごい驚きようだな。

 

「お前の実力では次元の狭間にある無の力に耐えられん。天界や人間界に近づく前に無に当てられ消滅するのがオチだろう」

 

「そ、そんなぁ~」

 

少し落ち込んでいるな…ま、当然であろう。DxDの天使が天界に戻れないと知れば恐らく発狂するだろうしな。

 

「録画していた『天使戦隊ピュアセブン』が見れないなんて…」

 

「落ち込む要素そこかにゃ!?」

 

「あ、違う!大天使様に仕事頼まれてたんだった!」

 

「割と大事なこと忘れてるにゃこの子!?」

 

訂正、ディスガイアフロンと対して変わってなかった。

 

「っていうか、人間界に仕事ってなに?」

 

「えっと、とある方に会いに行けっていう話だったんですけど…」

 

「とある方?名前とか聞いてないの?」

 

「えっとですね、ちょっと待ってくださいよ…あ、ありましたメモ帳!…フムフム」

 

仕事内容覚えてないんかい!?と言うツッコみはしない方がよいのか?

 

「えっとですね~、名前は書いてないんですけどお。頭に触角が二本生えてて、赤いマフラーを着ている半裸の少年と書いてあります!」

 

「アレ…それって…」

 

「どう考えても…」

 

エトナと黒歌が同時に俺様を見る。分かっておる!俺様もそう思っていた!

 

「それはまんま俺様じゃないか!!」

 

「えぇ!?二本の触角に赤いマフラー…半裸の少年……あぁ!?」

 

「え!フロンちゃん今更気付いたの!?」

 

「ちょっと遅い気がするにゃ…でも大天使からの仕事でラハールに会えって一体なんだにゃ?」

 

「え~と~…どうしてでしょう?」

 

「知らん!俺様に聞くな!!」

 

しかし、本当に天界は…いや、大天使は何を考えておるのだ?

 

「殿下の暗殺だったり?」

 

「大天使ラミントンさまはそんなことしません!」

 

「まぁ、それが本当だとしたらフロンに何も言ってないのはおかしいからそれは無いんじゃないかにゃ?」

 

…なるほど。大天使ラミントンか。なら読めてきたぞ?ディスガイア通りなら恐らく………

 

しかし、俺様は普段外の世界には行かんと言うのにどこで俺様のことを知った?

 

「まぁ、なんだ。このまま外に放り出すのも面倒だし、何よりこのまま考えるのも面倒だ。とりあえずここに住め」

 

「ま、それが妥当だにゃ」

 

「ありがとうございます!…フフ、ラハールさんって優しいんですね」

 

「ハァ!?今の間に優しいという言葉がどこに出てくる!?」

 

止めろ!むず痒いではないか!!

 

「全部じゃないですか?」

 

「どこがだ!!」

 

「黒歌さん黒歌さん、ラハールさんって…」

 

「思ってるとおりにゃ。ラハールは優しいと言う言葉を掛けられるのをなんでか毛嫌いしてるにゃ…要はツンデレにゃね」

 

「やっぱり…かわいい所もあるんですね」

 

「まぁね、私の時もなんだかんだ言いながら助けてくれたし」

 

「そうだったんですか!良い人なんですね、ラハールさん」

 

止めろ気持ち悪い!

 

「そこの二人!あんまり言っていると龍王の住処に放り込むぞ!!」

 

「待つにゃ!それだけは勘弁にゃ!!次行ったら確実に死ぬにゃ!!!!」

 

黒歌のトラウマを掘り出す!

 

「あの~、龍王の住処って?」

 

「ん?あぁ、最強の龍王である天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマットの住処よ。殿下のムチムチ嫌いが分かったとき黒歌が異様なほど殿下にくっつきまわったことがあってね~、それで放り込まれたんだー」

 

「えぇ!大変じゃないですか!その後どうしたんですか?」

 

「ん?当時の黒歌じゃ歯が立たなくって、しょうがないからって言いながら殿下が一撃で仕留めたわ」

 

「…最強の龍王を一撃ですか…もしかしてですけどラハールさんって凄い?」

 

「すごいなんてもんじゃないわよ~?アタシも今でこそ龍王を瞬殺とまでは行かないけど手こずらずに倒せるようになったのは殿下のおかげだから」

 

「エトナさんも龍王を倒せるんですか!?」

 

「うん」

 

「ほへ~、ラハールさんもエトナさんもそんなに強いんだ~」

 

「まぁ、そこまで行くのに苦労したけどね~」

 

「大変だったんですね」

 

「お前ら、本当に仲が良いな」

 

俺様も驚きだ。仲良くなるの早すぎじゃないか?

 

「まぁなんとなくですよ…ねー、フロンちゃん!」

 

「ねー」

 

「何だそれは…ともかく、ことが事だからなしばらくここに居ろ。それで今日は解散だ!俺様は眠い!寝る!!」

 

「あの~私の部屋は?」

 

「黒歌かプリニー共に聞け!じゃあな」

 

「殿下~アタシのスイーツは~?」

 

「そんなもん俺様が知るか!」

 

と言うかエトナ、さっき黒歌が作ったの食ってただろ!?

 

あれぐらいじゃ足りませんよ!

 

だからと言って俺様に言うな!!

 

あ、ラハールさん私もスイーツ食べたいです!

 

だから俺様に言うなと言っておろうが!!

 

 

それは最早、長年一緒に居た者たちの光景。

 

その光景を見ていた一人の天使が居た………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side:???

 

「やれやれ、どうにか接触できたようだね」

 

「あらぁ?どうしたのラミントン?」

 

「ガブリエルか…なに、部下の仕事の確認だよ」

 

「部下ってフロンちゃんのことよね?あの子、良い子だけどまだ見習いよ?大丈夫なの?」

 

「あぁ、問題ない…むしろ彼女じゃなければできない」

 

キョトンとした表情をするガブリエル。相変わらず君はよく分からないね。

 

だが、これはフロンでなければできないのだ。

 

神のみを見、愛を間違えている他の天使たちではない。

 

「(そう、真の意味で愛を理解している彼女でなければ)」

 

 Side out:???

 

 

大天使は何を思うのか…それは誰にも分からない。

 

 




如何だったでしょうか?

今回はフロン加入回となりました!

いやぁ、カワイイですよね。あの攻撃時のカニミソ!のボイス!

作者はこれを出すためだけに一時フロンのみを使い込んでいました(笑)

因みに、最弱で最凶の魔術師は私が書いている小説の主人公です!あまり進んでいないですが、気になられた方はご覧になってください!(宣伝

さて、次回でプロローグ最後?にしようかなと思ってます!(追加するかもしれませんが…まぁこうご期待!

次は誰が出るんでしょうね~

という訳で次回もお楽しみに!


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最弱の赤龍帝現る!







おっぱい!









なんだかんだで一年後。

 

あっという間だな!俺様も驚いているぞ!

 

とはいえ一年間で変わったことと言えば人間界の時空が安定したことだな。

 

それからはもう自由だった。俺様じゃなく周りが。

 

エトナはスイーツ食べに無断外出するわ、フロンも特戦隊物のショーを見に行くわ、黒歌も白音を見てくるにゃ!とか言って出かけるし…

 

お、お前らなぁ…。

 

俺様は一人書類仕事だぞ!

 

まぁ、魔王だし覚悟はしてたんだけど、多いね。ラハールは顔の色一つ変えずにやってたと考えると尊敬するわー。俺も同じ状態ですけどね…

 

「殿下―、あの子から手紙届いてますよー」

 

「あの子だぁ?どこのどいつだ」

 

「ほらぁ、人間界の時空が繋がったときに助けた堕天使と人間のハーフの子ですよ!どうも今は人間界と数年の差が開いてるっぽいですよ?」

 

「あぁ、あの神社に居たガキか…手紙ィ!?ここは隔絶された世界の魔界だぞ!どうやって届いた!!」

 

「普通にポストに入ってましたよ?」

 

どうやってだよ…魔翔族か?いや、魔界に居るっちゃいるが人間界まで来てないし…あぁ!やめだ!考えれば考えるほどドツボにはまる!!

 

「とりあえず寄こせ」

 

「ホイ殿下」

 

なになに?拝啓魔王ラハール様。如何お過ごしでしょうか。私達の居る世界ではあれからもう5年以上も経ちました…本当に5年も経っておるのだな。魔界では一年しかたっておらんと言うのに。

 

後でメーヴェルに問うてみるか。

 

…えぇい!ラハールになってから手紙などを読むのがダメになってきている!前世じゃそんなことなかったのに!!

 

とにかく読み切った!内容はおおまかにあれから5年以上たったこと、家族は皆元気に過ごしていること、そしてあの少女…姫島朱乃は”悪魔”になったということ。

 

恐らくは原作通り、リアス・グレモリーの女王だろうが…俺様と言うイレギュラーが居る以上分からんな。

 

「あ、ラハールさん。朱乃ちゃんの手紙読み終わったんですか?」

 

「うむ、まぁな。しかし5年か…時が経つのは早いな」

 

「私たちは1年ですけどねー。あ、そうそう。人間界との時空はかんっぜんに!安定したそうなのでこれからは時間がずれるってことはないらしいですよ」

 

「そうか」

 

メーヴェルに聞きに行く手間が省けた。心の中で礼を言っておく。

 

直接言え?アホか!恥ずかしくてできるわけがないだろう!

 

「ム、お礼ぐらい言ってくれてもいいじゃ「ラハールラハール!!大変だにゃ!」…ほえ?」

 

「なんだ黒歌、騒がしい。巣窟に放り込むぞ!」

 

「理不尽にゃ!?…ってそれどころじゃないにゃ!また迷子きたにゃ!しかも人間界から!!」

 

人間界からだと?ならすぐに放り込めばよいものを…黒歌がここまで騒ぐことなのか?

 

「…へ?それなら人間界に帰してあげればいいんじゃ…」

 

「それが…その子今代赤龍帝なんだにゃ!!」

 

「「今代赤龍帝?」」

 

俺とフロンがハモる…あ、そうか。ドライグもう封印されたんだ。

 

「…なるほど。面白いな…そいつをここに連れてこい!」

 

「いや、凄い怪我だからとりあえず治療してあげにゃいと…」

 

「お前がすればよいではないか。ヒール系統の魔法をエクストラゲインしたであろう」

 

「あ、そうだった」

 

「馬鹿かお前」

 

「赤龍帝に驚き過ぎてそれどころじゃなかったにゃ!とりあえず行ってくるにゃ!!」

 

全く…しかし今代は一体どんな奴だろうな…ん?まてよ?

 

確か人間界では5年以上経っている…と言うことは、朱乃は中学生くらい…つまりは・・・・

 

「ラハールさん?どうかしました?」

 

「いや…なんでもない」

 

「?」

 

まさか…まさかな。

 

 

 

 

 

 

 Side:赤龍帝

 

目を開ける…知らない天井だ。

 

おっかしいな…中学生初の夏休み入って、松田と元浜とエロ談義して、日も暮れたし帰ろうとしてそれから…あ!そうだ!

 

変に空間がひび割れ?だして、それでできた穴に吸い込まれてそれから…気を失ったのか?

 

だとするとここは……

 

「此処はどこだ?」

 

「此処は俺様の城、魔王城だ」

 

甲高い声!超えのする方を向くと、半裸の少年と胸が無いのに露出度高い服を着ている女の子と、青のレオタードを着ている女の子。そして超巨乳の和服美少女が居た!

 

で、デケエエエエエエ!!

 

ね、猫耳も生えてる…可愛い!

 

他の二人はちっさいけどものすごくカワイイ!

 

「…彼から感じる視線が卑猥だにゃ」

 

「なんでしょう?今ものすごく失礼なことを言われた気がします」

 

「フロンちゃん、それアタシも…殿下、コイツなんか無性にムカつくんで殺っちゃっていいですか?」

 

「鋭い!?…ってかちょっと待って!殺るって何!?怖いだけど!!」

 

え?俺ここで殺されちゃうの!?こんなペタンコな少女に!?

 

「止めんかバカモノ!」

 

あ、半裸の少年が止めてくれた…助かったのか?

 

「殺すことは許さん!せめて半殺しにしておけ!」

 

「待ったああああ!!!半殺しでも十分危ないから!!!」

 

「えぇ~、中途半端に手加減したらそれこそサクッと殺っちゃいますよ」

 

「もっと危ない!?」

 

「なら9割殺しだ。これなら問題あるまい」

 

「あ、それなら大丈夫ですね」

 

「ちっとも大丈夫じゃねえええええええええええええ!!!」

 

何なのこの二人!?会った瞬間殺るだの半殺しだの9割殺しだの!あぶねぇよ!!

 

「これがいつもにゃ。早いうちに慣れたほうがいいにゃよ」

 

「慣れる!?慣れる前にすぐ帰りたいんだけど!」

 

「別にそれでも構わにゃいけど…多分もっと危ないわよ?」

 

え?危ない?なんで?

 

「あ、やっぱり分かってにゃいんだ」

 

「しょうがないわよ…観た感じ才能の欠片も無い凡人だし」

 

「だな。どうしようもないほど才能が無いな」

 

「会ったばっかで才能無いとか言うなよ!」

 

さっきから無い無い言いやがって…そっちだって胸無いだろ!あ、ごめんなさい睨まないで!

 

「皆さん言い過ぎですよ!」

 

フロンと呼ばれた少女が言う。おお!俺の才能無い発現を否定してくれるのか!?もうぶっちゃけフォローでもいいぜ!!

 

「ストレートに言い過ぎです!もう少しオブラートに包んでですね…」

 

グハァ!ふ、フォローにすらなってねええええええ!!

 

「フロン…今の言葉が確実にとどめを刺したにゃ」

 

「…アレ?」

 

「さすがはフロンちゃん。さり気ない一撃が重いね!」

 

「フン。お前もようやく魔界の生活に慣れてきたようだな」

 

「ええ!?ああ、スイマセン!悪気はないんですよ!?」

 

うん、分かってる。その言葉だけで俺はもう十分だよ…

 

「で、アンタそういや名前なに?」

 

「俺は兵藤一誠…ってお前らこそ誰だよ!人のこと散々バカにしたり殺そうとしたりトドメ指したりして!」

 

「アレ?名乗ってなかったですかね?」

 

名乗って貰ってないよ!

 

「フロン、ラハールたちのせいでタイミングを完全に逃しただけにゃ…私は黒歌にゃ。よろしく後輩君」

 

「よ、よろしくお願いします?」

 

着物姿のお姉さんが黒歌さん…っても後輩君ってなんだ?

 

「私はフロンって言います。よろしくお願いしますねイッセーさん!」

 

「アタシはエトナ。よろしくねー」

 

「よ、よろしく。フロンにエトナ」

 

さっきトドメを刺してきたのがフロン。殺す宣言したちょっと危ない格好の子がエトナ…さっきから疑問だけどよろしくって何だ?

 

「俺様か…俺様の名は魔王ラハール様だ!歓迎するぞイッセー!俺様の家来としてな!!」

 

「おうよろしく……って家来いいいいいいいいいいい!!??」

 

家来って何?!どゆこと!?

 

「お、ナイスリアクション♪」

 

「どうも…ッじゃなくて!?なんだよ家来って!」

 

「ラハールやエトナの無茶振りに付き合ったり、無茶振りをこなしたりすることにゃ。いつの間にか慣れてくるにゃよ?」

 

「無茶振りって何!?と言うか黒歌さん無茶振りを振られる側なの!!??」

 

「そうにゃ」

 

えぇ…一番年上に見えるからそんなことはなさそうに見えるんだけど…

 

「何か勘違いしているようだから言っておくけど…私以外のこの三人は、私より年上にゃ」

 

「…は?ラハールとかエトナちゃんとかフロンちゃんとかが?…いやいやまっさかぁ?」

 

「事実にゃ」

 

真剣な目の黒歌さん…マジですか!?だってどう見てもこの三人子供じゃん!マジなの!?

 

「ウム。俺様は今年で313ぐらいだったな」

 

「アタシは470歳だよー」

 

「わ、私509歳です」

 

「ウソ!?フロンちゃんアタシよりも年上だったの!?」

 

「ハーッハッハッハ!!ババアだババア!!」

 

「ば、ババア言うな!!」

 

漫才している奴らをよそに俺は驚いていた…だって皆100オーバーだぜ!?20歳ですって言われても十分驚くのにこれは異常だろ!!

 

「またなんでそんなに歳を?」

 

「別にそんな急にかしこまらなくてもいいにゃ。中身は子どもみたいなもんだから…で、なんでこんなに歳をとっているかは簡単にゃ。だって私達悪魔だからにゃ」

 

「あ、悪魔?」

 

「あ!私は天使ですよー!」

 

フロンちゃんは天使なんだ……ってえぇ!?悪魔に天使!?…ダメだ。頭痛くなってきた。

 

「…俺、帰っていい?」

 

「だから帰ると危ないと言ってるにゃ」

 

「あ!そうだった!なんで帰ると危ないんだよ!」

 

「それは君が「貴様が今代の赤龍帝だからだ」…急に台詞を取らないで欲しいにゃ」

 

せ、赤龍帝?なにそれ?

 

「えっとですね、赤龍帝と言うのは。神様や魔王すらも恐怖した伝説の二天龍の一角で、その力は神様や魔王を超えると言われているほどです」

 

「まぁ、俺様は瞬殺したがな」

 

よ、よくわかんねー。

 

「ま、待ってくれよ…じゃあ、俺が今代って言うのはどういう事なんだ?話ではソイツ龍なんだろ?俺はれっきとした人間だぜ?」

 

「それねー。悪魔、堕天使、天使のことを三大勢力って言うんだけど、ソイツらが戦争中に二天龍の戦いがおっぱじまっちゃって…んでその三大勢力と戦うことになったんだけど、負けて封印されたってこと」

 

「つ、つまり?」

 

「つまり、超傍迷惑な大ゲンカしてる所をそれを止めるために封印されたってこと」

 

「お、おう理解した…で、この話のオチは?」

 

「あー!やっぱり信じてない!…分かってたことなんだけどね」

 

いやぁ、だってついていけないもん!

 

「まぁ、だろうな…少し左手を貸せ」

 

「こ、こうか?」

 

「ああ。そのままじっとしていろ…ハァッ!」

 

ラハールが俺の手を取り、力み出す…もう危ない集団だよこれ。もうヤダ帰りたい…そう思っていた時だ。

 

何と俺の左腕に…籠手っぽいもんが出てきた!

 

「な、何じゃこりゃああああああ!!!」

 

「それが赤龍帝が封印された状態、確か名を赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だったはずだ」

 

せ、赤龍帝の籠手…こうして出てきた以上この話はマジなのか…マジなのか!?

 

「たわけ。さっきからそう言っているであろうが」

 

「こ、コイツをもっていると危険ってことなのか!?」

 

「そうにゃ。恐らく三大勢力から狙われる可能性もあるにゃ。それ以前に二天龍は戦いを呼ぶと言われているからこれから異常なことがいっぱい起きるにゃ」

 

ま、マジでか…ヤバいじゃん!

 

「コレ取ることできないの!?」

 

「神器と魂は繋がってるって聞くにゃ…だから多分抜くと」

 

「ぬ、抜くと?」

 

た、溜めないで教えてくれよ!黒歌さん!

 

「ジ・エンドだね…つまり死んじゃうよアンタ」

 

エトナの言葉に驚愕する!取ると死ぬの!?

 

「抜かんでもいずれ戦いに巻き込まれて死ぬな」

 

「抜かなくても死ぬのかよ!終わりじゃねえか!!」

 

「うるさいぞ!だから俺様が家来にしてやると言っているのだ!」

 

そういう事!じゃ、守ってくれるってことか!?

 

「案外優しいんだな、お前」

 

「いや…これは多分…」

 

黒歌さんがどもる…まってその不安に駆られるような表情ヤメテ!

 

「その方が面白そうだからだ!」

 

ですよねー!黒歌さんの表情でなんとなくわかってたよ!

 

「早速鍛えるぞ!戦いに巻き込まれるなら鍛えておいて損はないからな!」

 

「なんでそんな楽しそうな表情なんだよ!!」

 

「あ、殿下それアタシも混ざっていい?」

 

「無論だ!好きにして構わん!!」

 

「了解です!フフ…面白くなってきたわ!」

 

「なんだよその笑いは!?怖いわ!!」

 

「「イッセー(さん)ドンマイにゃ(です)」」

 

フロンちゃんと黒歌さんが合掌してこっちを見る…待って!俺まだ死にたくない!!←本能で危ないと察している

 

「さあ!行くぞ!」

 

「ハイ殿下!」

 

「いやああああああああああ!!誰か助けてくれええええええええええええええ!!!!」

 

 

 

 

『今代の宿主は最弱だが…まさか奴に出会うとは…今代は最凶の赤龍帝になるな』

 

 

なんか声が聞こえたけどそれどころじゃねえ!おっぱいを拝んでもないのに俺はまだ死にたくないいいいいいい!!!

 

 

 

 

『赤龍帝イッセーが家来(玩具)になった!』

 

 

家来かよ!仲間じゃないの!?…いや待て!今家来と書いてなんと読んだ!?

 

 

 

 

それではみなさん。イッセー君に向けて、合掌、礼拝。

 

止めてくれ!ホントマジ誰かたすけてえええええええええええええええええええええ!!!!!!!

 

 

 Side out:赤龍帝

 

 

 

 

何だ?今取り込み中だ!後にしろ!何をしているかだと?見れば分かるだろうが。

 

「ほら!とっとと避けないと死ぬよ!」

 

「ちょ!ま!?なんか隕石降ってきてる!!」

 

「当たり前よ!そういう技なんだから!」

 

「待って!死ぬ!絶対死ぬから!!」

 

「安心しな!魔界病院は優秀だから死んでもすぐ生き返る!!」

 

「まず死ぬ痛みを味わいたくないんだあああああ!!!」

 

見ての通り、イッセーの魔改造中だ!このところイベントに欠けていたからな!久々にテンションが高くなってきおったのだ!

 

「安心しろイッセー!お前の親族には連絡してある!泊まり込みでも構わんだそうだ!」

 

「安心できねぇよ!!いつ連絡した!というかなんと連絡した!」

 

「ホラホラ!よそ見しない!!」

 

「あ、俺死ん…ぎゃあああああああああああああ!!!!」

 

あ、一落ちした。まぁ、魔界病院は優秀だからすぐ直るし、エトナのヒールでもすぐに治るから良いか。

 

親はどうやって説得したのかと?お宅の息子さんのエロを治せるかもしれないと言ったらすぐにOKがでたぞ?

 

「あ~あ、やっぱりやられてるにゃ…フロンは止めないのかにゃ?」

 

「はい!これも神の愛の試練ですから!きっと乗り越えられると思います!」

 

「…本音は?」

 

「エトナさんとラハールさんがあんなに楽しそうなの久しぶりなのでここまま放置しようと思います!それに下手に止めるとこっちがあぶないですし」

 

「それは同感だにゃ」

 

まぁ、あれだ。イッセーは退路を全て断たれたと言うことだ…だからと言って止めんがな!

 

それにイッセーが出たということは原作が始まるのも近いと言うことだ!ならこれからが一番楽しい時期となるだろう!!

 

フッフッフ…これで欲望のまま、自由に暴れられる…!

 

「ククク…ハハハ…ハ~ッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

魔王は未来を想像し、高らかに笑う。

 

 

 

 

「チクショー!こうなったらやけだ!絶対に強くなってコイツら泣かせてやる!!」

 

赤龍帝もまた、覚悟?を決めた。

 

 

 

 

さあ、役者は揃った、物語(パーティー)を始めようじゃないか!!

 




如何だったでしょうか?

これでプロローグは終了となります。

次回から原作開始、つまりここからまた4年近く経った後の話です。

4年たったらいくらイッセーでも強くなりすぎてリアスの眷属になれないんじゃない?って声はあると思います。でもご安心を。

眷属になりますし、眷属なり立てのイッセーは最弱のままです。それについての話の設定も考えておりますのでご安心を。

で、原作開始前ラハールの仲間にしたのは、エトナ、黒歌、フロン、イッセーの4名です!

シシリーもちゃんとでますので大丈夫ですよ!

では次回は原作の第一巻の開始です!




次回もお楽しみに!


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旧校舎のディアブロス
原作開始!イッセー死す!?







…世界の修正力は怖いものだ。


 Side:イッセー

 

あれから5年…俺は高校2年生となった…

 

もう地獄だった!毎日毎日突かれ斬られ刺され貫かれの日々!

 

それが無い日はペンギン…じゃなかった。プリニーたちと雑用!

 

まぁ、ラッキースケベもあったりして眼福の時もあったんだけど(黒歌さんとか魔法剣士さんとか僧侶さんとか

 

その度死にそうになるけど、まぁ、見れる物見れた俺に死角はない!

 

…嘘ですごめんなさい!その度フロンちゃんに叱られます!…怒ると怖いからなぁ。

 

とはいえ愛しの学校だぜ!今や自宅と学校のみが癒しの空間だ!

 

いや、フロンちゃんとかエトナとかも見てて癒しだよ?けどそれ以上にしんどいんだよ!

 

なんだよ!ゲヘナの海の限定スイーツ買って来いって!

 

ビックリだよ!あんな人気あるもんなの!?何とか買えたけどさ!!なんだよ宇宙最強の魔王って!娘のために月吹っ飛ばすなよな!!

 

…まぁ、アイツらのおかげで色々窮地を脱したこともあったし感謝はしてるんだけどなぁ…イマイチ感謝しきれないんだよな…

 

「イッセー先輩!おはようございます!」

 

「おう、おはよう」

 

 

 

「キャー!イッセー先輩が挨拶返してくれた!」

 

「えぇ~、いいな~」

 

 

 

今の子誰かって?いや、普通に挨拶してきた後輩だよ。顔見知り程度の。

 

「イッセーこのぉ!!」

 

「裏切りもんがァ!!」

 

「…ッフ、甘いわ!」

 

「「グハァ!!」」

 

後ろから殴りかかってくる友人二人にカウンターを決める。

 

アイツらに比べればこんなもん造作でもない…が、手加減が難しいのが難点だな。

 

「いきなりなんだってんだよお前ら」

 

「ふざけるな!なんでお前だけ女の子に挨拶されてんだ!どこのラブコメだ!」

 

「そうだ!我らの協定はどこへ行った!!」

 

「いや、協定ってなんだよ」

 

そんなもん結んだ記憶ねえよ!

 

「我らモテない同盟はどこへ行った!!」

 

「結んだ覚え無いよ!つか、モテたことないわ!」

 

「「どの口が言うんだ!どの口が!!」」

 

「ハモるなうるせえ!!」

 

声を揃えて言うなよ!相変わらず仲良いな!

 

「ってか、俺がモテるってなんだ」

 

「知らないのか!?お前、イケメンの木場と並ぶ駒王学園二大イケメンと言われてるんだぞ!!」

 

「初耳だわ!」

 

松田の言葉に大いに驚く。

 

何だ二大イケメンって!二大お姉さまみたいなもんか!?

 

「情報だと、爽やかイケメン系の木場、熱くも黄昏てる感のあるイッセーの二大イケメンだそうだ」

 

元浜の言葉にも驚く…ってかなんだよその情報。

 

な、何だと…ってか黄昏てる感ってなんだ。あれか?ラハールの扱きに疲れてる日のあれか?

 

あれむしろ魂抜けてる状態なんだけど…そこを評価されるのはなんだかなぁ。

 

「と言うかお前最近付き合い悪くね?」

 

「ん?放課後よく遊んでるだろ?」

 

「いや、そういう意味でなく、紳士の付き合いというものでな」

 

「あぁ…流石にアレに付き合うほどの時間がねぇんだよ」

 

「なんだ女か?女なのかぁ!!」

 

「ちげぇよ!」

 

なんで女に直結したがる!

 

「イッセー、俺たちがこの学園に来た理由はなんだ」

 

「何を今更、ハーレム作るためだろ?」

 

「そうだ!この学園は最近女子高から共学になったため女子率が多い!だからハーレムを作れると思ったのだ!!」

 

「…だが現実を見てみろぉ!ハーレムどころかモテもしない!実際モテてるのはイッセーのみだ!なんだ!何が俺たちの差をつけた!!!」

 

「知るか!俺が聞きたいわ!!」

 

…しっかし俺がモテてるかぁ。多分アイツらに会う前ならこんなことは無かったんだろうなぁ。きっと目の前の二人と同じだっただろう。

 

元浜の情報が正しいなら黄昏てる感と言うのは死んでる状態だからな。ラハールたちのの扱きのせいだ。

 

それに親にも言われたけどラハールたちに会ってから昔に比べて性欲が弱くなったとも言われた。

 

まぁ、性欲に忠実になるほど余裕がないってのが本音だけどな。

 

今はむしろラハールを超えることの方が俺にとって大事だからそのせいでそう見られないってこともあるんだろうな。

 

アレ?俺がモテてるのってラハールたちのおかげ?…まっさかぁ?

 

「オイ見ろイッセー!リアス先輩だ!」

 

松田の言葉に視線を動かす!

 

二大お姉さまの一人、リアス・グレモリー先輩だ。

 

赤い、紅い髪の毛が

 

「やっぱ綺麗だよなー」

 

「だなぁ」

 

「良いおっぱいしてるよなぁ」

 

「だなぁ…ってオイオイ」

 

一昔前ならいざ知らず、今の俺なら分かるぞ。

 

お前らのそういう言動が原因でモテないのだと。

 

「つっかもう授業始まるんじゃね?」

 

「ああそうだ!ヤッベ!」

 

ヤバいじゃん!確実に遅刻じゃん!

 

「落ち着け二人とも、今日は先生方の会議かなんかで朝の朝礼のあと下校だ。だからちょっと遅れた程度ならなんも言われねぇよ」

 

「それは良かった…のか?」

 

「とりあえず急ぐのに越したことはないな!」

 

「「同感!」」

 

俺たちは急いで教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

ハイ!やっぱり怒られました!まぁ、そんな気はしてたんですけどね!

 

「松田氏、今日は限定アイテムのこれを持ってきたのだが…」

 

「おおこれは!?俺の好きな女優の限定中の限定品!”悪魔の誘惑”じゃないか!早速かえって見ようぜ!」

 

元浜、持ってくるのは構わんが女子の前に出すなよ…ったく変わんないなこいつら。

 

だからこそ付き合ってるんだが。

 

「今日はイッセーもどうだ?」

 

「ワリィ、今日はマジで外せない用事入ってるわ…この埋め合わせはまた今度するから」

 

「しゃあねえな。んじゃ今度ジュースな」

 

「俺はアダルトビデオ」

 

「容赦ねえなお前らも!ってか、アダルトビデオなんか買えるわけないだろ!!」

 

「「も?」」

 

つい言っちまった。

 

「あっ…そこは気にすんな、気にすればあとは死しか残ってない」

 

「「むしろ気になるわ!!」」

 

仕方ないだろ、多分死か人外化するかしか道は残ってない。

 

「んじゃ、また明日な」

 

「「おう、また明日な!」」

 

俺は思いもしなかった。このまた明日と言う言葉がここまで重いものだったなんて…

――――――――――――――――――――――――

 

「松田と元浜…良い奴らなんだけどなぁ。やっぱエロすぎると得って無いんだな」

 

スーパーで買った食材を手に、魔王城に向かう。

 

確か今日辺りからエトナとフロンちゃんがプリニーたちを連れて異世界スイーツツアーに出かけるらしい。

 

エトナはともかくフロンちゃんは良いのか?確か天界から仕事貰ってるんだろ?…ま、本人が良いならいいか。

 

『いや、ダメだろう』

 

「良いんだよ。基本魔王城に居る奴らは自由人ばっかだし」

 

『それは…確かにそうだがな』

 

筋肉が素晴らしいと説いてくる戦士(男)さんも居るわけだしな。もう少しで筋肉フェチになるところだった。

 

「ドライグ、見つけた」

 

「ッ!?」

 

急に目の前にゴシック服の少女が現れる…オイオイ、俺が気付かないなんてよっぽどな相手じゃないのか?

 

魔王城でも接近に気付けないのはラハールとプレネールさんぐらいだぞ!

 

『まさか…オーフィスか!』

 

「我、オーフィス。ドライグ、久しい」

 

オーフィス?…それって無限の龍神の!

 

『そうだ…オーフィス、一体何のようだ』

 

「ドライグの宿主から、ラハールの魔力を感じる。ラハール、どこ?」

 

「…それを聞いてどうするんだ?」

 

「グレートレッド倒す、その手伝いをしてもらうために、手に入れる」

 

「ッハ!お前が?ラハールを?無理だね!ラハールを手に入れれる奴なんかこの世のどこにも居ないさ!」

 

ラハールを手に入れたかったらそれこそ平行世界、異世界、別世界全てにおいて最強で最凶にならなくてはいけない。それぐらいの男だ。

 

「…ム、ドライグはラハールの何?」

 

「そのドライグは俺のことを指してんのか?…俺の名は兵藤一誠!ラハールの家来だよ。だからこそ言える…お前じゃラハールを手に入れるなんて無理だ!」

 

『オーフィス、悪いが相棒の言うとおりだ。奴は俺たち二天龍を倒した時より強くなっている。昔とたいして変わっていないお前では無理だ』

 

「やってみないと分からない…だからラハールの場所、我に教える」

 

「断る!」

 

これは当たり前、こんな面倒な奴を魔王城に連れていったら俺が殺されるってのもあるが、何よりも目の前の龍神を連れて行くのが嫌だった。

 

瞬間、空間が割れ、次元の狭間に飛ばされる。

 

「…なら、無理やりにでも聞く」

 

「…ッハ!やれるもんならやってみろ!」

 

『相棒!さすがのお前でもオーフィスは』

 

分かってる!隙をついて逃げる!そのために力を貸してくれ!

 

『…了解だ。だが相棒…死ぬなよ?』

 

「おうよ!行くぜ…禁手化(バランス・ブレイク)!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!!』

 

赤龍帝の籠手の禁手!赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)!!

 

「…このオーラ、ドライグ、今の宿主…」

 

『あぁ、奴の手によって今代の赤龍帝は最弱から最強になった…最凶にはまだまだ届かんがな』

 

「御託は後だ!いくぜオーフィスゥゥゥゥゥゥウウ!!!」

 

『Jet!!!』

 

俺はオーフィスの目の前に一瞬で移動し、拳を振り上げた。

 

 Side out:イッセー

 

 

 

 

 

「遅い!」

 

「にゃ!?何よラハール、ビックリしたじゃない!」

 

「知るか!いくらなんでも遅すぎる!俺様は腹が減ったぞ!」

 

「あぁイッセーかにゃ?…確かに遅いにゃね」

 

奴め、エトナがプリニー隊を連れて長期旅行に出かけておるのを忘れているのか?

 

「イッセーが忘れるなんてことあるのかにゃ?…もしかしたら誰かに襲われたりして?」

 

「バカモノ、イッセーの実力はお前もよく知っておろうが。奴が負けるなど早々ないわ」

 

「だにゃ。イッセーが負けるのはそれこそ夢幻や無限ぐらいにゃね」

 

その通りだ。今やイッセーは俺様とエトナを除くとDxDの世界で3番目くらいまでは強くなった…ハズ!

 

迷い込んだこの世界のシヴァには勝ってたし、多分3番目だ。

 

「それはそうとイッセーも高校2年生…白音も1年生だにゃー。時間が経つのは早いにゃねー」

 

「お前はまだ妹と仲を直さんのか」

 

「ムリにゃ」

 

「そ、即答せんでもよかろう…」

 

全く、小猫と仲直りするのはいつになる事やら…

 

それはそうと、イッセーも高校2年生になった。だからそろそろ原作が始まる…つまりイッセーがレイナーレに殺されて、グレモリー眷属になるはずだが…

 

だがレイナーレ如きがイッセーにダメージを与えられるとは到底思えんからな。心配せんでも大丈夫だろう。

 

…なんだこの胸騒ぎは?

 

「しかし遅すぎる!…俺様が迎えに行く!」

 

「ダメにゃ。まだ書類が片付いてないにゃ」

 

「ッグ、ムゥ…なら黒歌!お前が行ってこい!」

 

「えぇぇ…まぁ良いにゃ。その代わり私の分の書類もよろしくにゃ」

 

「それぐらいなら…良かろう。だが早くいけ、胸騒ぎがする」

 

「ラハールが?分かったにゃ」

 

すぐに出る黒歌…俺様の勘違いで終わればよいがな。

 

…さて、俺様はこの積みに積もった書類を片付けるか。

 

 

 

 

 

 Side:黒歌

 

ラハールが胸騒ぎがすると言うから急いで人間界に来たけど…どこにもいないにゃね。

 

イッセーは無意識に気配を消すからにゃー。その練度は高すぎて仙術を使っても見つけるのが難しいほど。

 

「イッセー探しは辛いにゃー…お、居た居た」

 

歩道橋の上を歩いてる…なんだ、ラハールの勘違いじゃにゃいか。

 

それじゃ声を掛けてとっとと魔王城に連れて行こう…そう思った時だ。

 

『あ、あの…イッセー君ですよね?好きです!付き合ってください!」

 

イッセーが告白されてる…なんだろう。すごく胸がもやもやする。

 

『え?あ、その…ごめんなさい』

 

断った。その瞬間もやもやがスッキリする…なんだこの感情は?

 

とにかく、イッセーを連れて帰らなきゃ。

 

『へぇ、断っちゃうんだ…なら死になさい』

 

女が光の槍をイッセーに向けて投げる。なんだ、アイツ堕天使だったのか。

 

落ち着き過ぎてるかもしれないが、あの程度の光ならイッセーに傷一つ付けられない。

 

どうせ反撃の一撃であの堕天使、可哀想なことになるんだろうなーと、思っていた。

 

『へ?…グハァ!?』

 

だが、現実は違った。光はイッセーを貫いたのだ。

 

「え、嘘?」

 

『あなたがいけないのよ?断ったりなんかするから…恨むなら神器(セイクリッド・ギア)を宿した自分と聖書の神を恨みなさい』

 

そう言って堕天使は飛び立つ…が、そんなこと気にしちゃいられない!

 

「イッセー!!!」

 

「あ、く…黒歌か?」

 

「大丈夫!?今治すにゃ!!」

 

すぐにイッセーにヒールに対しヒールを使う。

 

傷は塞がらない。

 

ならメガヒール、ギガヒール!オメガヒール!テラヒール!!!

 

しかし傷は塞がらない。

 

「なんで、どうして!?」

 

「あぁ、多分…オーフィスの力のせい、だな…上手く力が練れ…ないや」

 

オーフィス!?そんな、ラハールの予感は当たっていたというの!?

 

「そんな…そんなぁ…」

 

自然と涙が溢れだす。5年間一緒に居たんだ…それに、私自身彼のことを気にしていたんだろう。

 

「泣く、なよ…お前は笑って、る方が…可愛い…ぜ?」

 

「こんな状況で、笑えないにゃ…イッセー、死んじゃ、嫌にゃ…」

 

やっと、思いに気づいたかもしれないのに…

 

「ご、めん…な……」

 

「イッセー!イッセー!!」

 

こんなの嫌にゃ!誰か!誰でもいい!彼を助けてにゃ!!

 

「あら…彼は確か兵藤君だったわね…それに、はぐれ悪魔黒歌!?なんでこんなところに!?」

 

運命と言うものはあまり信じないが、今日から信じることにした。

 

目の前に居る女性の名はリアス・グレモリー…上級悪魔で白音の主だ。

 

「説明は後にゃ!なんでも…なんでもするから彼を…イッセーを助けてにゃ!」

 

「…良いわ。彼は私の眷属となるのだけど…構わないかしら?」

 

「良いにゃ。イッセーが生きているならそれで…」

 

私はリアス・グレモリーの言葉に対し即答する。イッセーが生きているならいい。ラハールも文句は言わないだろう。

 

「分かった…さて、兵藤君、いやイッセー…どうせ死ぬならその命――――――――――私のために使いなさい」

 

イッセーの中にチェスの駒…悪魔に転生するための悪魔の駒(イービルピース)が入っていく。

 

最後の言葉が若干気になったけど、今は良いや。

 

…だって、イッセーの顔が良くなったから。

 

「さて、今すぐにでも話を聞きたいところだけど、今はそれどころではないわね…明日、駒王学園に来てもらえるから?」

 

「分かったにゃ。イッセーと今の私の主も連れて行っていいのかにゃ?」

 

「あなたの主?」

 

「そうにゃ。イッセーの主でもあるにゃ」

 

「…その主は酷いのね。自分の部下をこんなになるまで放っておくんだから」

 

「その言い方はやめるにゃ。確かにいつも理不尽で酷いけど今回は事が事にゃ。いくらアイツでもどうにもならなかったにゃ」

 

「…そう。…では明日その主と、彼と一緒に駒王学園に来てちょうだい。迎えは出すわ。時間は、そうね。日付が変わるころにでもいいかしら?」

 

「了解したにゃ…あいつにも伝えとくにゃ…ありがとう。リアス・グレモリー」

 

返事を聞く前に、イッセーを抱え、飛び立つ。

 

向かう先は魔王城。いくら命が助かったとはいえ、安静にさせなきゃ。あとラハールにも説明しないといけないし。

 

イッセーを見る。顔色もいいし、普通に寝てる。その寝顔を見てると安心する。

 

「…でも、本当に良かったにゃ」

 

心の底からそう思う…そしてこの感情も確信した。

 

だが、同時に疑問もある。

 

「私…いつからイッセーのことが好きになったんだにゃ?」

 

そんなことを考えながら、魔王城に向かい私は飛んだ。

 

 Side out:黒歌




如何だったでしょうか?

今回のことは賛否両論あると思います。かなり急展開ではありますから。

とはいえ、イッセーをリアスの眷属化させるのにはこれぐらいしか方法無いかなぁと思った所存です。

別に眷属化なしでも良かったんじゃね?そういう意見もあるでしょう。

ですが、これからのことを考えると、眷属になっていた方が後々楽なのです(笑)

意見、感想等を送ってくれるとありがたいです!

因みに作者のメンタル(ガラス・オブ・ハート)は既に究極バールに砕かれております!言いたいこと言ってください!(死亡フラグ


では次回もお楽しみに!


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滅殺姫、魔王との会合








消し飛ばしてあげる!








「と、いうわけなのにゃ」

 

「ッチ、面倒なことになったな…まさかイッセーが無限に襲われるとは」

 

黒歌にイッセーを迎えに行かせてから数十分後、全く面倒なことになっていた。

 

無限に襲われたイッセーはそのまま交戦、そして敗北し、命からがら逃げかえったところを堕天使に殺害される…大体の流れはこうだな。

 

「面倒なことになったが…とりあえずはイッセーが生きて居るのだ。それだけでも幸いか…」

 

「にゃ。本当に運が良かった。イッセーが生きてて良かったにゃ…」

 

うん、良かった。だがなぁ、リアス・グレモリーか…

 

「大丈夫なのか黒歌?」

 

「白音のことかにゃ?なら大丈夫にゃ…ちゃんと言えるから…例え拒絶されても許してもらえるまで謝るにゃ」

 

「…そうか。まぁ、そこまで心配はしておらんがな」

 

原作通りなら、小猫…白音ちゃんも優しいからな。仲直りできると思う。

 

「う…うぅん…アレ?ここは…」

 

「イッセーが気が付いたにゃ!」

 

「黒歌…にラハール!は?俺生きてんの!?」

 

「胸に手を当ててみろ。心臓の音がしないから」

 

「それ死んでるじゃねえか!?ちゃんと音してるよ!…ってうお!?」

 

黒歌がイッセーに抱き着く。黒歌の眼には涙が溜まっていた。

 

「生きてて良かったにゃ…本当に…」

 

「黒歌…悪いな心配かけて」

 

あ、甘いぞ!口から砂糖がでる!いや、感動の場面なんだろうけども!それ以上に甘すぎる!

 

だが、それほどまでに心配だったのだろう…しばらくこのまま放置しておくか…

 

 

 

――――数時間後――――

 

 

「長いわ!」

 

「うおっ!」「にゃ!?」

 

そろそろ黒歌が説明し終わった頃かなと思い来てみたらまだ抱き着いたままだった。

 

だから俺様の叫びは間違ってない!

 

「そ、そんな長く抱きついて無いにゃ!」

 

「アホか!数時間経っておるわ!!」

 

「え、そんなに経ってたのか!?」

 

「し、知らなかったにゃ」

 

もうお前ら付き合えよ…

 

「全く…まぁ良い。で、イッセー…お前が置かれている状況は分かっているのか?」

 

「いや全然」

 

「だろうな…」

 

応えながら黒歌を睨む。今回は黒歌に非があるので目を逸らす。

 

「黒歌、説明」

 

「了解にゃ。イッセーはオーフィスに負けて、その後に堕天使の光の槍に貫かれた…そこまでは覚えてる?」

 

「あぁ覚えてる…オーフィスにはまだ届かなくてなぁ。良い所まで持ち込んだんだけどあと一押し足りなかったわ」

 

まぁ、歴代最強までは鍛えたが、魔改造が完了したわけではなかったからな。負けるのは当然だ。

 

それほどまでにイッセー(3番目)オーフィス(2番目)の差は広い。

 

「世界で2番目の実力者にそこまで持ち込めたら十分にゃ。で、話の続きだけど、イッセーの傷は私でも回復しきれなかった。そこに偶々通りかかった上級悪魔に頼み込んで、イッセーを悪魔にしてもらうことで生き返らせてもらったんだにゃ」

 

「生き返る…そんなことができるのかよ……………って、悪魔ァ!?俺ラハールや黒歌と同じ種族になったってことか!?」

 

「そういう事にゃ。イッセーは私と同じ悪魔の駒(イービルピース)を使って生まれる転生悪魔。ラハールは最初から悪魔の純潔悪魔だにゃ」

 

「なるほどな…黒歌は俺とお揃いってことか」

 

「お、お揃い!?た、確かにそうにゃ…イッセーとお揃い……エヘヘ」

 

「?」

 

ム?イッセーはいつ黒歌にフラグを建てたのだ?

 

…いや、考えるのは止そう。原作でもフラグメーカーだったしな。

 

「まぁ、ともかく。お前は俺様たちと同じく悪魔となったわけだ…それともう一つ重大な問題がある」

 

「…なんだよ、問題って?」

 

「お前、超!が付くほど弱くなってるぞ」

 

「…は?マジかよ!?」

 

「ホレ」

 

俺様はステ確認魔法を使い、イッセーの現在のステータスをイッセーに見せる。

 

 

兵藤一誠

 

Hp3万 Sp1万

他ステータス平均3500

 

 

 

 

「大体全盛期の0.005%ぐらいといった所だな」

 

「…マジですか」

 

全盛期はAtkなどは7000万あった。

 

この状態から倍加してくるんだから恐ろしい。

 

…が、かなり落ちた。

 

こっからまたレべ上げをすると考えるとゲンナリしてくる。

 

「ぬぐおおおお!!!折角死ぬ思いしてあそこまで上げったって言うのにいいいい!!!」

 

「うるさいぞ!気持ちは分からんでもないが落ち着け!」

 

俺も昔データが吹っ飛んで最初からやり直したと言う思い出もある。

 

「下がったなら、またあげなおせばよい」

 

「え!?またあんな死ぬ思いしなくちゃいけないのか!?」

 

「落ち着けと言っている!下がったのはステータスだけだ!ウェポンマスタリーや技熟練度は下がっておらん!上げるのはステータスのみだから前ほど時間はかからん!」

 

とはいえ、ウェポンマスタリー…面倒だからWMと言おう。

 

イッセーのWMは拳255、剣255と最大値。

 

ステータスも低くなったとはいえ、ゲームのストーリーを進めるだけなら高いステータスだ。

 

低いだと?今は序盤なんだから別に大丈夫だろうが…なに?この世界はDxDだと?バカモノ!ディスガイアの方が危ないだろ!強さのレベルを考えろ!

 

「その3500も装備していない状態だ。装備すれば強くはなるだろう…」

 

「そっかぁ…ったくこんなことならアイテム界行ってればよかったぜ」

 

「まぁ、赤龍帝の籠手はそれなりに潜ってたんだから良かったんじゃないかにゃ?」

 

「…だな」

 

…説明しておくか。イッセーの装備は特殊でな。神器を発動してない場合は拳武器が装備され、神器を発動したら赤龍帝の籠手が装備されるのだ…全く面倒だ。

 

とはいえ赤龍帝の籠手も鍛えればアルムテンにはギリギリ届かない程度ステータスまで育つため、別段問題はないんだがな…

 

「ラハール、俺今何レべだ?」

 

「…500レベルだな。思っていたよりも高いが、レベルにしてはステータスが低いな、いや、これは昔からか」

 

「ほっとけよ!!」

 

「…イッセーが弱体化しただけでなく天才から凡人まで下がってるにゃ…」

 

「え!?そこも下がってんの!?」

 

「ハ~ッハッハッハッハッハ!!そこも下がる者など見たことが無いぞ!さすがはイッセーだな!」

 

「バカにしてんのか?バカにしてるよな!!」

 

「安心しろ、コケにしている」

 

「なおさらタチ悪いわ!!!」

 

ハァ~。笑った笑った。

 

ともかく、状況確認もしたし、今日は解散かな?

 

「ラハール、明日どうするのにゃ?」

 

「…書類を片付けねばならん。お前ら二人で先に行け。連絡をもらったら飛んでいく」

 

「了解したにゃ」

 

「明日?明日なんかあったっけ?」

 

ム、説明してなかったか。

 

「言ってなかったにゃ…明日イッセーを悪魔にした上級悪魔と会うのにゃ」

 

「あぁ、なるほど…一体誰なんだろうなぁ」

 

「イッセーも知ってるはずにゃ。イッセーが行ってる学園の先輩のリアス・グレモリーだから」

 

「へぇリアス先輩かぁ………えぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!???」

 

「やかましい!」

 

「ぶべっ!?」

 

リアクションが一々うるさいので鉄拳制裁。

 

「…床に減り込んでるにゃ」

 

「しまった…ステータスが下がっているからこの程度でもこうなるのか…全く、黒歌。あとでイッセーに床の始末をさせておけ」

 

「壊したのラハールにゃ」

 

「知らん」

 

「はぁ~。残ってるプリニーたちにも手伝わせるにゃ」

 

さて、明日に備え寝るか…ん?たしかリアス・グレモリーと会うのは夜だったな…それまでは何千枚とある書類と戦わねばならんのか。

 

予定では黒歌と一緒に今日中に終わらせるはずだったのだが…これもイッセーを襲った無限のせいか…

 

そう思ってくるとイラついてきたな…

 

「オーフィス…会ったときは覚悟していろ!」

 

 

 

 

「くちゅん!…誰か、我の噂してる?しかし、痛い。痛いと思うの久しぶり」

 

ボロボロの姿の龍神様がくしゃみをしていたそうな。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 Side:リアス

 

兵藤君を転生させてから一日が経ったわ。

 

時刻は深夜。そろそろ来るはずだ。

 

「部長、迎えに行ってる木場君から兵藤君と黒歌さんが来たと連絡が入りましたわ」

 

「分かったわ…小猫、大丈夫?」

 

「……大丈夫です」

 

少し無理をしているかしら?

 

仕方無いわね。なんせ今冥界ではSS級のはぐれ悪魔である姉に会うんだから。

 

「部長、連れてきました」

 

案内に出てる佑斗が連れてきたようだ。

 

「いよいよね…入ってちょうだい」

 

私に言われ、佑斗に連れられた二人が入ってくる。

 

「来たわね、兵藤君に黒歌…それで、貴方たちの主はどこに?」

 

「ちょっと待つにゃ。今から呼ぶから」

 

呼ぶ?魔法陣か何かで遠隔の会話かしら?

 

だったら舐められてるわね…いや、流石にその可能性は低いか。

 

「prrr…あ、メーヴェル?ラハールに着いたって言ってくれる?それだけで分かるから…ハァ?!ち、ちがうにゃ!…もう切るよ」

 

…電話で連絡する黒歌…恐らくラハールと言うのが彼女たちの主なんだろう。

 

さて、どんな人物が出てくるのか…

 

魔法陣が開かれる…いよいよね…

 

「ハ~ッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

魔法陣から出てきたのは高笑いをする半裸の少年だった…服を着なさいよ!

 

「あ、あの人は…」

 

朱乃の声に驚く。知ってるの!?

 

「オイ、イッセーを悪魔にした者は誰だ」

 

「私よ…私の名はリアス・グレモリー。以後お見知りおきを」

 

「フン!俺様の名は史上最凶魔王ラハール様だ!」

 

ホントにこの子がラハールなの?…と言うより魔王?この子は私たちに喧嘩を売ってるのかしら?

 

…まぁ、なんにせよ聞くのはこれからね。

 

 Side out:リアス

 

 

 

 

ここがオカルト研究部か…実際に見るとアレだな。危ないな。

 

やはり、朱乃はリアスの眷属になっていたか…ま、コイツの元なら安心か。

 

でも、一応聞いておくか。

 

「まさか本当に悪魔になっていたとはな…後悔はしとらんのか?」

 

「はい。貴方に憧れて悪魔になったのですから、後悔などするはずがありませんわ」

 

「そうか…なら良い」

 

短く確認を取ったあと、目の前にあるソファに座り、足を組む。

 

リアスも似たような座り方だな。

 

「じゃあ、色々聞きたいことがあるけれど…まず最初に聞かせてほしいわ。あなたが本当にラハール?」

 

「ハァ?俺様がそう名乗ったんだ。俺様以外に誰が居る」

 

「いやだって、いくらなんでも小さすぎじゃないかしら。容姿も歳も」

 

「「あっ」」

 

俺様の後ろに立っているイッセーと黒歌の二人が同時に声を上げる。

 

まぁ、俺様にとってそれは禁句だからな!

 

「俺様は!今年で318歳だ!!」

 

「えぇ!?その身なりで100を超えてるの!?」

 

「当たり前だ!俺様とて好きでこの身なりをしているわけではないわ!!」

 

いきなり失礼な奴め。俺様がふざけている子供だとでも思っていたのか?

 

「そ、それは失礼をしたわ…じゃあ、あなた『魔王』と名乗っていたけど…魔王の血筋の者なのかしら?」

 

「血筋と言うより俺様が初代だな。俺様は魔界を統治しているからな」

 

「魔界?聞いたことが無いわね」

 

「当たり前だ、次元が崩壊した隔絶された世界だからな。移動方法も少ない…が、今はそんな話をしに来たわけではあるまい」

 

「…色々気になりはするけど、そうね。今は兵藤君…いえ、私も親しみを込めてイッセーと呼ばせて頂くわ。構わないかしら?」

 

「あ、別に俺は「構わん。貴様の好きなように呼ぶがいい」…なんでお前が応えてんだ!」

 

「…イッセー、今ツッコんだら話が進まないから抑えて抑えて」

 

フン!相変わらず小さいことを気にする奴め。

 

「で、イッセーについてだったな。とりあえず救ってくれたことには感謝する。だが、貴様らの眷属にするのは少し渋らせてもらうぞ」

 

「理由を聞いても?」

 

「簡単だ。リアス・グレモリー…貴様は二天龍が持ってくる戦いに耐えられるのか?」

 

「二天龍?…まさかイッセーは!」

 

ここまでいえば気付くか…まぁ、これで気付かなかったら大変だよね!王として!

 

「はい、俺は今代赤龍帝…赤龍帝の籠手を宿した人間…じゃなかった。悪魔です」

 

「なるほど…それで駒を8個消費したわけね」

 

「納得しているところ悪いが、その8個とやらも奇跡に近いぞ」

 

「…あなた、悪魔の駒を知ってて言ってるの?8個でも異常値よ」

 

「悪魔の駒とやらの概要も黒歌から聞いている。理解して言っておるのだ。なんせイッセーは当時無限の龍神に敗れ極限まで弱っていたらしいからな」

 

その言葉にオカ研メンツが驚く。まぁ、一般人として通ってた学生が、赤龍帝だっただけでなく、無限という単語まで出たのだ。

 

「…無限の龍神…オーフィス」

 

黒歌の妹…白音が言葉にする。

 

「そうだ。流石のイッセーでも無限には敵わなかったらしいからな。そいつに負け、弱っていたところを堕天使にグサリ…と言った所だ」

 

「ちょっと待ってちょうだい。まず、イッセーは無限から逃げ延びたというの?いくら神滅具持ちだからと言ってさすがにそれは…」

 

「事実だ。なんせイッセーの全盛期は俺様と俺様の腹心を除くと世界3番目の実力者だからな」

 

俺様の言葉にまたオカ研一同驚愕…先ほどから忙しい奴らだな!

 

「一応、これはオフレコにして置け。貴様らがいろんな勢力から狙われることになる。無論、貴様らの上司であろう魔王などにもだ」

 

「…分かったわ。ならイッセーは今後どう行動させるのかしら?私としてはこれからは私の眷属として、行動をとって貰いたいのだけれど…」

 

「構わん。煮るなり焼くなり好きにしろ」

 

「……あら?てっきりダメだと言われると思ったのだけれど」

 

「フン!どこに居ようとイッセーが俺様の家来である事には変わりはない。だが、イッセーを救ったお前にも礼をせねばならんし、お前らの体裁というものもあるだろう…だから貸し出しと言う形だな」

 

朱乃が居ないんだったら全力で拒否っていたかもしれんがな。

 

「了解したわ…イッセーもそれで構わないかしら?」

 

「良いっすよ。どっちにしたって俺に拒否権はないし」

 

酷い良いようだ。”今回は”あったぞ。

 

「ありがとう…では、もう一つだけ…冥界でSS級はぐれ悪魔に認定されている黒歌…それがなぜあなたの元に居るのかしら?」

 

「昔俺様が仲間にしたから」

 

「無理やり仲間にされたからにゃ」

 

「む、無理やりって…無理やりの部分は聞かない方がいいかしら?」

 

「それをおすすめするにゃ。聞くことを選択したら確実になにか、戻れなくなるにゃ」

 

「間違いない」

 

「帰ったらお前ら二人とも巣窟に放り込む」

 

「「ちょ!?理不尽!!」」

 

イッセーと黒歌が叫ぶ。が、気にしない。

 

…俺様が気になるのはやはり、白猫の視線だ。

 

「………姉様」

 

「オイ白猫、言いたいことがあるならはっきり言うがいい」

 

「ッ!?」

 

「ラハール!?」

 

「お前もだ黒歌、ちゃんと言えるのであろう?」

 

「分かってるにゃ…白音、私の話を聞いてくれる?」

 

「…はい。あの日何があったのか、私に教えてください」

 

それからは黒歌の過去の話。

 

黒歌は両親を亡くした際、まだ幼い妹と生き延びるために悪魔になった。

 

悪魔になったおかげで、妹と安定して過ごせることができた…が、その生活は崩れ去る。

 

「私が仙術を使えるようになってから、私の主だった男は白音に無理やり仙術を覚えさせようとしたにゃ…でも白音は当時幼かった。あの時、白音が仙術を学びだしたら気を上手く制御できず暴走し、最悪死ぬ可能性もあったにゃ。私は止めたけどアイツは聞かなかった…だから口論の末に私は」

 

「…その主を殺したと」

 

「そうにゃ。私は主殺しとされ、はぐれ悪魔になった…まだ、死ぬわけにもいかないから逃げたにゃ。白音も一緒に連れて逃げようとも考えたけど、当時の私では白音を守りながら逃げるなんてことは無理で、だから魔王たちに白音を任せようと考えたんだにゃ」

 

「そこから私の眷属になったということね…あの事件の裏にそんなことが隠されていたなんて…」

 

なるほどな。原作は全部読んでたわけではないから黒歌の話は初耳だ。彼女からは白音という妹が居ることと、リアス・グレモリーの眷属になってることと、妹に引け目があることぐらいしか聞いてなかったからな。

 

「…そんなことが……」

 

「白音、ごめんにゃ!私のせいで辛い思いをさせて…許してもらえるとは思ってないけど…それでもごめんなさい!」

 

頭を下げる黒歌。それを見つめる妹。

 

どれほど時間が経っただろうか、1分、10分…一時間たったかもしれない。白音が口を開く。

 

「頭を上げてください姉様…私は姉様を許せませんでした…置いてかれて、私だけなんでこんな辛い目にあっているんだろうと思ってました」

 

「…白音」

 

「でも、姉様も辛かったんですね…ごめんなさい!」

 

「白音!?」

 

姉に抱き着く妹。二人とも泣いていた。

 

「でも、寂しかったです…ずっと一緒に居たかったです!」

 

「ごめんね…ごめんね白音」

 

姉と妹は抱き合い、ずっと泣いていた。

 

「良かったな、黒歌」

 

もらい泣きしたイッセーがつぶやく。良かったと俺様も思うぞ。

 

「イッセー、俺様はもう帰る。黒歌には今日は帰ってこなくてもよいと伝えておけ」

 

「ラハール、それって…」

 

イッセーの言葉を聞ききる前にリアスに向かい歩き出す。

 

「オイ、リアス・グレモリー」

 

「分かっているわ。黒歌のこと、魔王さまに打診してみるわ…あまり期待はしないでね」

 

「構わん。あまりにもひどい解答だったら殴り込みに行くがな…それともう一つ頼みがあるのだが」

 

「何かしら?」

 

「なに、黒歌に比べれば簡単なことだ……でな………と言うことだ。頼んだぞ」

 

「…了解したわ。そっちは一週間程度で話は付くわ」

 

「フン、まぁ妥協できる範囲だな…ではなリアス・グレモリー…イッセーの扱いには気をつけろよ?特にまだ力も着けていない貴様らのような奴はな」

 

「あら、お帰りになりますの?」

 

「朱乃か…これ以上俺様が居てもやることなどないからな…ではな朱乃。貴様の母親にも精々よろしくとでも伝えておけ」

 

「分かりましたわ。また会えますかしら?」

 

「無論だ。すぐ会うことになる」

 

「?」

 

こうして、イッセーはラハールの家来兼リアスの眷属に。

 

黒歌は妹と和解し、昔の仲を取り戻せた。

 

これで全て丸く収まった…そうイッセーは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスとの会合から一週間後。

 

 

 

 

 

 Side:イッセー

 

「緊急朝礼ってなんだ?」

 

隣に居る友人、松田に聞く

 

「噂では転校生が来るとか」

 

「かわいい子だといいな!」

 

「元浜、そういうのは裏切られるぞ?」

 

「いいや!絶対にカワイイ女の子だ!」

 

 

『皆さん静かに!…えぇ~、本日は転校生が二名、我が学園にやってきたのでその紹介をしたいと思います…では二人とも、前に』

 

 

「二人も来るのか…っては?はああああああああ!?!?」

 

思わず叫んでしまう。それで視線をあつめるが許してほしいと思う。

 

『二年生として転校してきた塔城黒歌だにゃ!これからよろしくにゃ!』

 

黒歌はまだ分かる!いや、黒歌でも十分驚いてるんだけども…だってよぉ

 

『俺様の名前はラハールだ!一年になる。貴様ら、これからよろしく頼むぞ!』

 

なんでお前まで来てんだよ魔王ウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!

 

 

 

その日、俺の数少ない平穏の地が、一つ大きな音を立てて崩れ去って行った……




如何だったでしょうか?

今回はなんと7000字!

リアス会合と黒歌&白音の和解を書いてたらこんなことに(笑)

区切れば良かったかな?

…いや、そんなこと些細な問題だ。なんとこの小説のお気に入り登録件数が400を突破した!

ビックリ!そんなに書いてないのにこんなに登録してもらえるなんて!!せ、責任重大だなぁ(白目

ここでイッセーの魔ビリティの二つを公開!


赤龍帝の籠手
行動しなかったターン、自身のステータスが倍加する。行動したターンに倍加した力は消失。コマンドにある『解放』のコマンドを選択すれば、3ターンの間、溜めた分の倍加状態で行動が可能。

赤龍帝の贈り物
隣接しているキャラに倍加した力を譲渡することが可能。譲渡した力は1ターンで焼失する。なおこの魔ビリティのコマンドは『ギフト』


書いてみて改めて思う。神滅具ってチートだなぁ。


次回!イッセー契約を結ぶの巻!ついでにバイザーもあるよ!

という訳で次回もお楽しみに!


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最凶、シスターと出会う!








主は導いてくださいます!








ここはオカルト研究部部室

 

部屋には朱乃を除いたオカ研メンツと黒歌、イッセーと俺様が居る。

 

そして今、なぜかは知らないが俺様がイッセーに問い詰められてる。

 

「なんでお前まで来てんの!?」

 

「駒王学園に入学したからに決まっているだろうが」

 

「入学!?どうやって?」

 

「リアスに入れてもらった」

 

会合の時に話していたこと…それは俺様と黒歌の駒王学園入学の話だ。

 

リアスの言っていた通り、一週間で学園に入学することができた。

 

「なんで!?」

 

「バカか。前見たくオーフィスクラスの者が来たら今のお前で対処できるのか?」

 

「あぁ~。無理だわ」

 

「つまりはそういう事だ」

 

弱体化したイッセーではオーフィスクラスどころか、冥界の魔王クラスが来ても対処できないからな。

 

二天龍は戦いを呼ぶ…

 

故に強者がイッセーの元に来ることなど日常的だ。修業の一環で魔界の魔王クラスのところにこちらから放り込んだこともあったが、やってくることの方が多い。

 

だから、もしそうなった場合、今のイッセーでは対処できないから俺様が直々に出てきたわけだ。

 

「…ちくせう、俺の平穏が……それはそうと、お前が服を着ているところを何気に初めて見るな」

 

「普段は着ないからな…しかし窮屈だな。おいリアス、脱いでも構わんのか?」

 

「ダメに決まってるでしょ!今は放課後!他の生徒だっているの!」

 

「此処には来ないだろうが…ケチな奴だな」

 

「け、ケチって…あなたねぇ!」

 

「部長落ち着いて!コイツのことに一々怒ってたら際限ないですよ!」

 

小さなことで怒るな。カルシウム不足か?

 

「…姉様、ラハール君はいつもあんな感じですか?」

 

「あんなのマシな方にゃ。イッセーはもっとスゴイの受けてるから。例えば修業中別魔界の魔王のところに放り込まれたり、もうバカじゃないの?って思えるくらいの量の雑用を押し付けられたりとかを5年間だから」

 

「イッセー先輩は苦労してたんですね」

 

なんか酷いこと言われてる気がする。少なくとも俺様はゲームの方のラハールよりかはマシなハズだ…

 

「ラハールのせいで忘れてた、部長!黒歌って結局今はどういう扱いなんですか?」

 

「黒歌のことね。彼女は今は私が監視している状態よ。とはいえ、彼女の元主を調べてみたら黒い証拠がかなり挙がってきているからすぐにはぐれ認定は解除されると思うわ」

 

「そうですか…良かったな黒歌!」

 

「ありがとにゃイッセー!それにリアス!…ついでにラハールも」

 

ついでってなんだ。ついでって。

 

まあ今黒歌は妹と一緒に幸せみたいだし、良かったか。

 

恥ずかしいので表立って明言はしないけど。

 

「しかし、イッセー。お前は本当に才能が無いな。この一週間鍛えてきたがほとんどレベルも上がらなかったな」

 

「うるせーほっとけ!と言うかなんで今言うの!?」

 

「ウム、プリエがまたイッセーと戦いたいとこの間魔王城に乗り込んできやがってな。俺様が叩き出しておいたが、早く強くならんと人間界に乗り込んでくるぞ?」

 

「ぷ、プリエが!?魔王から戻ったと思ったのにまたなんで!?」

 

「ただ単に元からああいう性格だったと言う事だろう。魔物堕ちから聖職者に戻ったとはいえ、戦闘面ではあまりたいして変わりは無かったからな」

 

「ま、マジっすかぁ~」

 

なぜプリエ?いや、魔王城に迷い込んだ奴の一人でな。ディスガイアにおけるプリエ状態で魔物堕ちしてる魔王プリエだったのだ。

 

当時イッセーの強化中だったのでイッセーと戦わせたらラ・ピュセルのプリエに戻ったから驚きだ。

 

ただし、無理やり次元をこじ開けてこちらに来たようだからしばらくはやってこないとは思うが…いや、彼女も常識で考えてはいけない人種だから来ることも想定しておくか。

 

「…なんで俺の周りばっかり……」

 

「聞いて良いかな?兵藤君が倒れ込んでるけど、そのプリエって人はどれくらい強いのかな?」

 

「二天龍を一蹴できるレベルだな。丁度全盛期イッセーと同格ぐらいだ」

 

いや、少し強かったか?一億を超えていたような気もしてきたぞ。

 

予想以上の強さにオカ研部員唖然だし。まあ、近くに思わぬ化物が居たわけだからな。

 

「そういえば冥界の悪魔には契約を取るとか言うのがあったな。イッセーはどうなのだ?」

 

「うっ!それは…」

 

「なんだ契約はとれておらんのか」

 

原作より強いし、エロもそこまで無いのにこれか…これが世界の修正力か?いや、ただ単にイッセーがアホなだけか。

 

「うっせー!あんだよミルたんって!世紀末覇者が魔法少女のコスプレして魔法を教えろと言ってくるんだぞ!怖いだろうが!」

 

「…普通にファイア辺りでも教えればよかっただろうが」

 

「………あっ」

 

忘れてやがったな。近接中心とはいえ一応テラまで覚えてるのに。

 

因みに、俺様はD2に存在しなかったペタを解禁した。いやぁ、あれは辛かった。

 

「今度こそ、今度こそ契約を取って見せる!」

 

「おーおーがんばれがんばれ」

 

「…なんだよその反応」

 

自分で聞いといてアレだが、すこぶるどうでもいい。

 

「今更な気もするけど、あなたオカルト研究部に入って居ないのにさも当たり前のように居座るの止めて貰えるかしら」

 

「俺様がどこに居ようと俺様の自由だ…とはいえ、居てもやることが無いからな。俺様は帰る」

 

「私まだここに居るにゃよー」

 

「そんなことは言わんでもわかっておる。ただし!飯までに帰ってこなければ飯抜きだからな!」

 

と言いながら窓からスタイリッシュ帰宅…かっこつけたいわけではないです。ただ、階段を下りるのが面倒になったのです。

 

後ろでリアスが騒いでいた気もするが…別に無視しても構わんだろう。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

「とはいえ、俺様もこれからは駒王学園に通うわけだからな。町の地形ぐらいは覚えておくか」

 

という訳で探索。

 

「あぅ!」

 

「む、なんだ?」

 

「はぅぅ…どうして何もない所で転んでしまうのでしょう?」

 

こけている女性を発見。普段なら無視しているところだが、今回は手を差し伸べる。

 

「おい、何をしている」

 

「へ?あ、あの…」

 

「全く。ホラ、手を貸せ」

 

いや、だって原作キャラのアーシアだもん。ここはきちんと関わらないとな!

 

「あ、あの…ありがとうございます」

 

「気まぐれだ、別に気にしなくて構わん」

 

さて、こっからどうしたもんか。

 

実は俺様、原作は薦められてパパっと5,6巻ぐらいまでしか読んでないから展開とかあまり覚えとらん。

 

要所要所の戦闘シーンとかしか印象にないし…まず数百年近く経ってるわけだから記憶にない。

 

「道に迷ってるんです…良ければ案内を頼んでもいいでしょうか…?」

 

「俺様もこの町には来たばかりだ。道など分からん…が、伝手ならある。少し待て」

 

と言って携帯電話を……壊れてる。そういえば昨日握り潰したな。

 

「…仕方がない。場所はどこだ?」

 

「えぇと、教会ですけど…伝手と言うのは…?」

 

「昨日誤ってケータイを握り潰してしまった。連絡手段がないから探しながら行くしかあるまい」

 

「そうなんですか…大変なんですね」

 

「他人事のように言っているが、お前にも被害あるからな?」

 

「?」

 

あ、この子天然さんだわ。エトナが最も苦手とするタイプだ。

 

「オーイ!こんなところで何やってんだー?」

 

「ちょうどいい時に来たな」

 

「えーと、あの方は?」

 

「先程俺様が呼ぼうとした人物だ。貴様の言葉も理解できるから安心しろ」

 

その言葉に胸をなでおろし、同時に驚いた表情を取る。

 

俺様と言葉が通じていたことに今更驚いたようだ…アーシアの天然度はかなり高いようだな。フロンといい勝負だ。

 

「お、おいラハールその子は…?」

 

「ウム、先程道を聞かれてな。そういえばお前、名前はなんだ?」

 

「聞いておけよ!」

 

いや、すっかり忘れてたわ。俺は知ってるけど、ここで彼女の名前を呼んだらビビられるからな。

 

「アーシア・アルジェントと申します。アーシアとお呼びください。それでお二人は…」

 

「俺様はラハール様だ」

 

「俺は兵藤一誠。気軽にイッセーで構わないぜ」

 

「ではラハールさん、イッセーさん。…日本に来て、お二方のような親切で優しい方に出会えて、わたしは幸せです」

 

「いやー、あはははは」

 

優しいだと?やめろ!むずかゆいではないか!

 

「ラハールさん?どうかなさいましたか?顔が少し赤いですけど…」

 

主にお前のせいでな!

 

「ラハールの奴は優しいと言われるのが苦手なんだ。そっとしといてやってくれ」

 

「まぁ!そうなのですか。分かりました!」

 

なにが分かったの!?

 

「その苦手を直してあげればいいんですね!」

 

「違う!直さんでよい!今から教会に行くんだろうが!」

 

「あぁ!そうでした!!」

 

もう嫌だこの子。俺様、確実にダメージ受けてるよ。

 

「なんというか、フロンちゃんに似てるなこの子」

 

「俺様もそう思っていた。ホレ、とっとと行くぞアーシア、イッセー」

 

「なんでお前先導で行くんだよ」

 

「ラハールさんは面白い方ですね」

 

「…さいですか」

 

うぅむ、やはり調子が狂うな。そう思いつつ俺様たちは教会に向かった。

 

 

教会へ向かう途中に公園を横切る。

 

ふと見てみると子供が泣いている。どうやらこけたようだな。

 

俺様も前世の頃は泣いてた気がするなー。

 

とか思ってるといつの間にかアーシアが子供の元へ行き、怪我の部分に手を当てる。

 

すると淡い緑色の光が発せられ、傷が治って行った。

 

「…神器か」

 

イッセーもさすがに気付いたようで、少し神妙な顔になる。

 

「…すいませんつい」

 

少し舌を出し、謝る彼女の姿はとてもかわいらしいと思った。

 

ただ、口には出さないし出ないけどな!

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

子供がアーシアに礼を言う。がやはり何を言っているか分からないようだな。

 

…仕方ない。

 

「お前に礼を言っておるのだ」

 

仕方なく俺様が通訳してやると彼女は嬉しそうに微笑んだ。

 

「……その力は…」

 

「これは神様から頂いた素敵な力です!」

 

イッセーの問いにアーシアは笑顔で答えた…その瞳に少しの悲しみを乗せながら。

 

そこが気になりはするが、踏み込むのは止めておくべきだな。

 

案の定神器だろうな。俺様と言う異常(イレギュラー)が居るおかげで原作に違いがあるだろうが、見たところ原作通り『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』のようだな。

 

会話も途切れ、その公園から数分歩いたところに古ぼけた教会が見える。

 

「オイ、いくらなんでもボロ過ぎだろ」

 

「とは言ってもこの町の教会と言ったらあそこしかねえよ?」

 

「あ、はい!ここです!」

 

あ、ここなのね…堕天使の力を感じるな。

 

…イッセーを殺した奴らか。今すぐにでも行って叩きのめしてやりたいが、今するとリアスの奴がうるさいな…

 

「イッセーさん、ラハールさん。二人ともありがとうございました!ここまで連れてきてもらったお礼を…」

 

「フン!気まぐれだ、気にするな」

 

「俺も通りかかっただけだし、気にしなくていいって」

 

イッセーに若干の焦りが見える。あぁ、悪魔になったばかりだから本能的に教会に入ることを恐れているのか。

 

全く、弱体化したとはいえ、あの程度の光力なら恐れるに足らんぞ。

 

「え、でも…」

 

「気にするなと言っている。それにもう日も落ちる。流石に帰らんとアイツらがうるさい」

 

アイツらとは、ぽこんさん筆頭の魔法使いとか盗賊とか、要はガキ―ズだ。

 

見た目のまんま子供なので放置するとなかなかうるさい。

 

普段は黒歌に相手をさせているんだが、今日も遅いだろうしな。

 

「俺もそんな感じで…悪いなアーシア、また誘ってくれ」

 

「そうですか…それでは仕方無いですね!ではまた今度!」

 

そのまま元気よく手を振り、教会へ向かい走るアーシア。

 

俺様たちはそれを見送った。

 

「…一体なんだったんだあの悪寒…?」

 

「悪魔の本能だろう。とはいえ、お前ほどの者なら恐れるに足らん」

 

「そっかぁ……と言うか今頃堕天使の力に気付いたし。やっぱ俺弱くなってんなぁ」

 

「当たり前だバカモノ。()()を使ったのなら当然だ。それぐらいの対価はある」

 

「んなこと言っても、あの状況なら使う以外に選択肢なかったしな」

 

アレとはなんだって?そんなもの今言ってもつまらんだろうが。しばらく待っていろ。

 

「ではな、俺様はこのまま帰る。あとで魔王城に来るように」

 

「……ヘーイ」

 

「露骨に嫌そうな顔をするな!ムカついたから修業メニュー倍増だ!!」

 

「そんな殺生な!?」

 

お前が悪い!俺様はそう叫びながら魔法陣で城へ帰宅した。

 

 

 

「全く、相変わらずか」

 

「あ、殿下おかえり―」

 

迎え出てくるのは盗賊のメリアだ。

 

先程言っていたガキーズの一角だな。

 

因みにガキーズは3人いる。

 

「殿下ー、おみやげー」

 

「そんなもんは無い」

 

「ぶーぶー!おーかーしー!!」

 

「やかましい!菓子なら食堂の棚に入っていただろうが!」

 

「全部ククが食べたー」

 

「またか!?」

 

ククと言うのは氷棲族のガキで、ガキーズの一人でもある。

 

コイツは見た目によらず喰いまくるので魔王城の家計の悩みの一つだそうだ…適当に練武の奴らを叩きのめせば金はガッポガッポ手に入るのでさほど問題ではないがな。

 

「はー、黒歌が帰ってきたら作ってもらえ」

 

「分かったー」

 

トテテテテと言う擬音を出しながら走っていく…あの擬音はどこから出てきた?

 

「相変わらず殿下も好かれておりますなー」

 

「好かれても面倒なだけだ」

 

「殿下も相変わらずなようで」

 

「…で、何のようだサバナ」

 

今度は侍娘のサバナ。ウチの魔王城のムチムチ担当の一人だ…よく、エトナの嫉妬からによる弄りの筆頭被害者だ。

 

「いやー、お腹が空き申した」

 

「…俺様に言うな。黒歌かイッセーが来るまで我慢しろ…と言うかプリニー共はどうした!」

 

「アリスが全員爆発させたでござる」

 

「…あんのクソガキがぁ!!」

 

アリスとは魔法使い(女)でガキーズの一人で、リーダー的存在だ。

 

ぶっちゃけ、魔王城に回る書類仕事は大半がコイツのイタズラによる被害だ。

 

「今度と言う今度はただではおかん!」

 

「…アリスなら嘆きの平原の方へ行ったでござる」

 

「報告ご苦労…では行ってくる!」

 

「行ってらっしゃいでござる~」

 

イタズラなガキにお灸を据えるため、俺様は時空ゲートへ向かった。




如何だったでしょうか?

ラハールは原作をさほど読んでませんが、作者はキッチリ全巻持ってますので大丈夫です!

バイザーまで一気に書こうと思ったのですが、原作とは少し違いを出したいと思い、書いていたら文字数が半端なくなることに気付いたのでここでカットいたしました。

主にアーシアの登場と、魔王城に居る汎用キャラの登場がメインです!

アーシアは原作と今のところは相違ありません…今のところは(ここ大事

そして皆さん大好き魔法使いちゃん(通称ぽこんちゃん)と盗賊ちゃん、氷棲族ちゃんと侍ちゃんの登場です!

一応ステ貼っておきますねー。(全て大体です。実際にこのように作ったわけではありません)

ガキーズ
Hp10億 Sp8億

ステ平均武装込みで3億

サバナ
Hp12億 Sp6億

ステ平均武装込みで4億

以上となっております!

キャラ設定は後に出しますのでその時で!

名前はキャラメイクの時にあるランダムで作っております!なので偶にとんでもない名前が出てくるかもしれませんが、それは作者の運ですのでご了承ください!

それでは次回もお楽しみに!


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はぐれ悪魔?そんなもの!ぶっ飛ばしてしまえば問題ない!…最初はそのつもりでした





やばい、久々過ぎてどういう風に書けばいいかわかんねぇ・・・


致命的だぁ(遠い目







久々だな貴様ら!三か月ぶりか?俺様にとっては一日ぶりだかな!

 

メタメタしい発言は置いといて俺様たちは今オカルト研究部部室に居る。

 

俗に言う説教だ。

 

なんでかって?

 

「良い?二度と教会に近づいてはダメよ」

 

とまあこんな感じで、昨日のアーシアの件で説教だ。

 

「え?なんでですか部長」

 

「教会は悪魔にとって敵地なの。踏み込めば光の槍とかが飛んでくるわよ。それに、教会関係者にも関わってはダメよ。悪魔祓い(エクソシスト)は私たち悪魔の仇敵、死と隣り合わせよ!」

 

悪魔祓い程度どうってことないがな…そういえば頭のネジが面白い感じに飛んでいる奴が昔迷い込んだな。

 

確か名を……なんだっけか?ふ、ふり・・・・・フリーザ?いや、なんかちょっと違う気が…

 

「イッセーもラハールも教会には二度と近づかないでちょうだい!いいわね?」

 

「…了解です部長」

 

「ん?なんだ?話は終わったのか?」

 

フリーなんとかさんのことを思い出そうとしてたら話が終わってしまった。後半全然聞いてなかった。

 

「ちょっと!大事な話なのに聞いて無いの!?あなただって光の攻撃を受けたら大変なのよ!」

 

「光程度がどうした。確かに嫌悪感は起きるが、別に星を破壊するほどでない限り気にすることも無いだろう」

 

俺様のステータスの関係上、最低限月を破壊するレベルの威力じゃないとダメージが通らない。

 

…月を破壊するレベルでも100を超えるか超えないかだが・・・

 

なにが100だって?ダメージに決まってるではないかバカモノ。

 

「ほ、星を破壊って…」

 

「別に普通だぞ、なぁイッセー」

 

「いや、お前らクラスなら普通かもしれんが一般的に考えて異常だからな!?」

 

異常か?ディスガイア作品に問わず日本一ソフトウェア関連のゲーム作品では大多数の星がお亡くなりになられているが・・・

 

いやまぁ、代表的に星破壊を行なっているのはディスガイアだけども。

 

それに星破壊なんて今更じゃん?グ○ンゾンなんて銀河とか宇宙レベルで破壊してるし。

 

グレンラ○ンとか宇宙投げ合ってるし。

 

「と、とにかく!教会には近づかないでちょうだい!」

 

「フン!まぁ、考えておいてやろう」

 

「…やっぱりコイツむかつくわ」

 

「部長、どうどう」

 

…リアスよ、俺様が転生者だからどうにかなってるが、初代ディスガイアのラハールならこの世に居ないかもしれないぞお前。

 

「あらあら。説教は終わりましたか?したところで意味のない人もいるようですが」

 

「朱乃よ、それはどういう意味だ?」

 

「ラハールさんが何か言われたところで素直に聞くような人ですか?」

 

「失礼な。偶になら聞くぞ」

 

稀にだがな。

 

「それよりも朱乃、何かあったのかしら」

 

「大公様よりはぐれ悪魔討伐の依頼が届きましたわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐれ悪魔…主に抗い殺す、又は逃亡などをして好き勝手している者の俗称。要は野良犬だ。

 

昔の黒歌がこれに当たる。

 

とは言っても黒歌のケースは極々稀で基本己の欲望を満たすためだけに行動しているような奴だがな。

 

魔界的な悪魔なら普通だが、冥界的には駄目らしく、悪さするようなら討伐…なんてことがしょっちゅうあるとか。

 

 

 

…冥界の魔王はバカなのか?しょっちゅうあるのなら対策とか色々できるだろうに。放置なのは何か?なんかとてつもない理由でもあるのか?

 

 

ま、俺様の考えることではないな。

 

あ、今はグレモリー眷属(イッセー含む)と俺様のみだ。黒歌がウダウダ言っていたが、コイツを連れていくと立場上面倒なので魔王城に強制送還した。

 

…それはどうでもよくてだ。

 

俺様の記憶だとここで出てくるはぐれ悪魔のバイザー。アニメだと結構醜い姿だった気がする。いやだって俺様にとってはもう数百年前のことだもん。アーシアのこと覚えてただけでも褒めてほしいくらいだ…いや待て、本当に褒めようとするなよ?気持ち悪いからな?フリじゃないからな!!?

 

「ちょうどいいわ、イッセー。貴方にも悪魔としての戦いを経験してもらうわ」

 

「マジっすか!いやでも、今の俺は戦力にならないっすよ!?」

 

アホか、グレモリー眷属なんかよりもよっぽど戦えるわ。

 

「イッセーは直接戦うのではなくて、悪魔としての戦い方を覚えてもらうわ」

 

「悪魔としての戦い方…黒歌に聞いたことあるんで大体分かります」

 

「あら、何処まで理解できているか聞いてもいいかしら?」

 

イッセーの黒歌かじりの説明が入る

 

面倒なので聞き流す。いや、流石に最近聞いた話は覚えてるし。

 

端的に言えば、冥界の悪魔は自分の下僕をチェスに例えて戦う。

 

騎士(ナイト)』は速さ。『戦車(ルーク)』が攻防力。『僧侶(ビショップ)』は魔力。『女王(クイーン)』はその全ての特性に特化している。

 

兵士(ポーン)』はなにもないが、敵地に入り込めば『(キング)』以外のなににでも成れる特性がある。チェスと同じで戦い方次第では兵士でも王が討てるのだ。

 

ざっとこんなところか。イッセーの説明も似たようなものだ。

 

…魔力の反応。微弱だな。

 

「近いわね…はぐれ悪魔バイサー!あなたを消滅しにきたわ!」

 

あれ?確か美味いのか不味いのかどうのこうののやり取りがあったような…また聞き流したか?

 

「…出て来ない?何か罠でも張っているのかしら?」

 

「だとすれば早急に手を打たなくてはなりませんわ」

 

いや、罠を張っている気配は微塵もないが…

 

「部長、僕が先行して様子を見てきます」

 

「…佑斗、お願いしていいかしら?」

 

「はい!」

 

ウム、色々と難航しているようだな…ん?今何か見えたぞ。

 

俺様たちの横を通り過ぎようとする何かを掴む。

 

俺様が掴んだものは…

 

「あ、あぅ…」

 

小動物感あふれるいわゆるようじょ…ゲフンゲフン!もとい少女だった。

 

「おいラハール、その手に掴んでるその子はなんだ?」

 

「知らん。横を通り過ぎようとしてるのを掴んだだけだ」

 

「…なにも見えなかったですけど」

 

俺様も掴むまで何も見えなかった。隠れることに余程特化しているのだろう。

 

気配も超微弱にしか感じなかった。ここまで行くと相当だな。

 

「オイ貴様、名前はなんだ」

 

掴んでる小動物に聞く。

 

聞かれた瞬間驚いたのか身体がビクッとなってる…なんかコイツ可愛いぞ?

 

「ば、バイサー」

 

『…は?』

 

全員が聞きなおす。

 

お、俺様よく聞こえなかったな・・・きっと俺様の聞き間違いだろう。

 

「わ、私の名前、バイサー」

 

 

 

 

 

 

…………は?

 

 

 

 

 

「え、えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「ひっ!ごめんなさい!」

 

イッセーが叫び、少女が怯える。

 

うるさいが、イッセーの叫びは決して間違いではない。俺様もラハールじゃなければきっと叫んでいただろう。

 

コイツがバイザー?いくら俺様の記憶があやふやだとはいえ、これではなかったぞ絶対。

 

あれか?転生者が世界に介入したせいで原作と違いが出るとかよく見るあれか?

 

 

ま、そんなことはどうでもいい。問題は…

 

「このチビ、どうするのだ?」

 

「いや、そんなこと言われても…」

 

やはり対応に困るか…

 

「あ、あの…」

 

「ん?なんだ?」

 

「い、いえ!ごめんなさい!」

 

いや、見ただけで謝られても…あれか、俺様が怖いのか?何にもしてないぞ?………おれ、きづついちゃうよ?ないちゃうよ?

 

「オイラハール、ビビらせるなよそんな小さい子を」

 

「俺様は見ただけだ。何もしておらん」

 

ヒソヒソとイッセーと話す。今はイッセーに感謝する。あれが無ければ俺様の精神は前世の、しかも幼児退行していただろう。

 

「あ、あの…私どうなるのでしょうか?」

 

…怯え眼だな。こんなガキがここまでになるとは…

 

「おいバイサー、貴様はなぜはぐれ悪魔などしている?」

 

「ひゃい!私、隠れるのが得意なんですけど!ご主人様がそれで暗殺を頼んできて…それを最初はご主人様に逆らった後が怖くて従ってたんですけど。段々ご主人様が頼んでくる暗殺が増えてきて、それに相手も有名な悪魔の方だったりしてきて…それで…」

 

怖くなって逃げてきたと言う事か…なるほどな。

 

「…酷いです」

 

「…本当にね」

 

小猫と木場がそれぞれの感想を口にする。

 

この怯え具合から真実そうだが、一応確認せねばならんことはあるんだよな。

 

「バイサー、お前歳いくつ?」

 

イッセーが俺様の聞こうとしていたことを聞く。

 

「えっと…9、じゃなくて10です…」

 

「魔力、心拍、その他諸々以上なしか…嘘ではないようだな」

 

俺様は、触れている相手の嘘かどうかを見分けられるんだ。イッセーが修業をサボる言い訳が嘘かどうかを判断するために編み出した技術だが、これがかなり使える。

 

「その話が本当なら大変ね」

 

「何がですか?」

 

「考えてみてイッセー。討伐を依頼されたはぐれ悪魔が実は主が持ってくる暗殺が怖くて逃げだしましたーと言っているの」

 

「それに主の悪魔は少なくとも上級悪魔。それが暗殺を行っていたとなっては下手をすれば冥界を巻き込む大問題になりますわ」

 

「げぇ、それはヤバいっすね」

 

朱乃の言うとおり、冥界的に大問題だ…冥界は(・・・)だがな!

 

俺様は、先程から尋常じゃないほど震えている少女の方へ向く。

 

「おい小娘…お前、魔界に、もっと言えば俺様の元に来る気はないか?」

 

「え?」

 

『え?』

 

ム、バイサーのみならず全員が聞き返してきたな。

 

「ど、どうして?」

 

「魔界なら暗殺など普通だし、俺様も毒を盛られるなどはしょっちゅうだからな。大した罪にはならん。それに魔界は自由だ。俺様の元に来なくとも好きに生きれるだろうし、冥界からの追手の心配もない。魔界は隔絶された世界だからな。もちろん俺様の所に来れば高待遇を約束しよう」

 

「え、えと…そうじゃなくて……」

 

「なんだ?不満でもあるか?」

 

「なんで、私を助けようとしてくれるんですか…隠れることしかできないですよ?」

 

「そんなことか。良いか?お前はこの()()が真横を通り過ぎるまで認識できないんだぞ?そのような人員、欲しくないわけが無かろう」

 

それに、と俺様は続ける。

 

「それにお前が我が魔王城に来ればあのクソガキどもの面倒が無くなりそうだ」

 

「あ~、確かにそれはあるかもな」

 

イッセーが納得する。

 

ガキーズであるアリス、メリア、クク…これは魔王城にとっての最大の問題児だ。特にアリス。特にアリスだ!!大事なことだから二回言ったぞ!もう一回言っておく特にアリスだ!!!

 

奴らが引き起こす問題は面倒だ。一回、魔王城が半壊したこともある。

 

そのストッパー役が欲しいと常々思っていた。

 

バイサーならそれも可能だろう。

 

「けど大丈夫なのか?この子にアリスが止めれるのか?」

 

「冥界からたった一人でここまで逃げて来たのだぞ?それなりの度胸はある。問題ない」

 

グレモリー眷属が空気な会話だがどうでもいい。俺様はこいつが欲しい。

 

「それにイッセー何ぞよりよっぽど才能がある。面白そうではないか」

 

「悪かったな才能が無くて!!」

 

ウム、才能の無いイッセーが悪い。

 

「い、良いの?私なんかが行っても?」

 

「構わん」

 

「本当に?」

 

「構わん」

 

「私、隠れることしかできないですよ?」

 

「ええい!くどいぞ!!構わんと言ったら構わんのだ!!」

 

「…ふ、ふえええええええええええん!!!」

 

泣きだしたか、まぁ当然か。今まで不安だったのだろう。

 

だが、抱き着くな。動きづらい。

 

まぁ…今回ぐらいはいいか。

 

「良いのかしら?ただでさえあなたは」

 

「構わん。挨拶に行くつもりだからな」

 

「挨拶?」

 

そう、とびっきりのをな。

 

「あぁ、相手もお可哀想に。南無南無…っていてぇ!」

 

「あらあらイッセー君、悪魔である私たちがそんなことをすれば酷い頭痛がしますわ。でも確かに相手には同情を禁じえませんわ」

 

ほほう、イッセーはともかく朱乃も分かっているのか。フム、魔界に来てもこれならすぐに馴染めるな。

 

「では早速行くぞバイサー」

 

「ふぐ、えっぐ…どこ、に…ヒック、ですか?」

 

「決まっておる…

 

 

 

 

 

 

 

 

…お前の元主の所だ」

 

この時のバイサーの驚いた顔は、一生忘れんかもな。




本日はここまでです!いやぁ、スランプが酷い酷い!

今回は小動物系ロリっ子バイサーちゃんが登場しました!

こういうバイサーはあまり見たことないんでちょっといいかなー的な感覚で書きました!

見た目は皆さんのご想像にお任せします。外見的特徴はお伝えしませんが、いかにも幼女で、見てるだけで庇護欲に駆られる…いわゆる守ってあげたくなるような娘です!

はてさて作者こと亡霊さんですがインフルエンザA。治った後のBにかかってからの卒認考査と言う何それ地獄?どうせならなんか違うインフルエンザ(たとえばCとか)にもかかって卒認考査もサボらせろよ!授業出てないのに点とれねぇよ!赤点祭りだよ!欠点補修わんさかだよ!皆自由登校なのに俺毎日補修だよ!!

と言うことがあったのでここまで投降に間が開いてしまいました。本っ当に申し訳ありません!!

かなり間が開いたんで意欲起きないしスランプだし次話も間が開きそうですけど完結は目指しますから!どうにかして終わらせますから!!

皆さんどうか、長い目で見守りください。

それでは、次回もお楽しみに!


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