節約術師と人外の戦い(仮) (ゆりンス)
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1話 という名のプロローグ

つきツキ!の話を考えてたら書きたくなってしまった。

後悔はない!続くかは分からない!


「んー、よく寝れ……った!?」

 

俺が目を覚ますと、目の前に幼くも端正な顔立ちをした長い黒髪を持つ少女の顔があった。

 

彼女の名は鍵宮 リオ。俺の……彼女である。

そして俺とリオは出会った最初の日から、寝食を共にしている。

 

彼女との出会いを思い返してみれば、劇的ともいえた。まぁ、その時の話は後で話すとして。

 

「起きたか君色」

 

「お、お前、何をしようと…」

 

「おはようのキスだ」

 

「お、おはようのキスって……俺が起きる前にしようとしてただろ」

 

「そこは愛が成せる技だ」

 

そう、リオは俺と今すぐにでもキスが出来てしまいそうな距離にいたのだ。

 

リオは「えへへ、」といいながら、満面の笑みを俺に見せた。

 

──見惚れてしまった。

 

リオが可愛いすぎるせいだな。

 

俺、綾瀬 君色にとって鍵宮 リオは天使といっても過言ではない。彼女が助かるのならこの命を悪魔に売ってもいいと思っている。以前、その事を伝えたら「君色のいない世界など生きる意味もない。だから私の為に命を売らないでくれ、死なないでくれ」と涙目で言われた。

それでも俺の思いは変わらないだろう。

 

「リオ」

 

「君色」

 

俺とリオは数秒見つめあった。

ああ、やっぱりリオは可愛いな……。

 

自然と互いの唇が近づいていく。

そしてキスをしようと

 

「グッモーニング!リオ、君色くん起きて──!?」

 

突然ノックもせずに玄関の扉を開けた、女性に邪魔された。

 

俺とリオが生活しているのは一軒家ではなく、六畳二間のアパート。玄関から部屋全体を見渡す事が出来るのだ。一応、障子で区切られているが、今は開けっ放し。

 

つまり、俺たちの“今の”姿を見ることが出来るのだ。

 

彼女は俺たちの姿を見て恥ずかしがる訳でもなく、どんどん俺たちに近づいて、

 

「工房展開──」

 

そう言うと、彼女の足元に魔方陣が展開した。魔方陣に紋様を走らせていく──っておい!

 

「り、リオ、あいつをなんとかしないと部屋が大変なことにっ」

 

「任せろ」

 

リオは右手を鉄砲の形にし『弾花』と言い放った。すると人差し指が淡く発光し──弾丸のように放たれた。

放たれた光弾は魔方陣を展開する女性のこめかみに当たると、水風船が割れた時のように弾けた。

 

「きゃっ」

 

女性はその衝撃でバランスを崩し倒れた。

展開された魔方陣は既になくなっていた。おそらく『弾花』を受け、集中力が続かなくなったのだろう。

 

「お姉ちゃんになにするのよリオ」

 

「して当たり前だろ。でなきゃお前が部屋をメチャクチャにしてただろ」

 

「し、しないわよ。君色くんを断罪するだけよ」

 

「なお悪いだろ」

 

彼女はリオの姉である鍵宮 玲樹。

黒髪のショートヘアで、リオとは違い胸が大きい。それとシスコンである。

 

「君色くんだってシスコンじゃない」

 

「姉様、君色はなにも喋ってないぞ?」

 

「俺のシスコンは家族愛だ」

 

はぁ、玲樹のやつは。

 

俺とリオを出会わせてくれた事には感謝しているのだが、それ以外のことでは余り感謝できない。

 

いや、一つだけあったな。

俺の妹を守ろうとしてくれたのだ。

……妹の貞操も狙っていたようだが。

 

リオと付き合い始めた当初は俺たちの関係を認めようとはしなかった。そのことでリオと玲樹が姉妹喧嘩をしたこともあった。

 

なんだかんだで付き合いだして1ヶ月と少し過ぎて、やっと認めてくれた。

認めてくれたから、少しはマシになるかと思っていたのだけど、

マシになるどころか更に悪化したと、俺は思っている。

 

「貴方たちはもっと節度のある交際をしなさい」

 

「では姉様とも節度のある姉妹関係を築きたいので、これからは接触禁止で」

 

「うぁぁぁぁん、リオ好き好き好きお姉ちゃんをもっと構ってよぉぉぉ」

 

玲樹がリオに抱きつこうとしたが、リオはそれをヒラリと避け玲樹は床とキスをした。

 

鍵宮 玲樹はシスコンである。そして変態だ(リオ限定)。

 

「玲樹様、リオ様と君色様に〈ソサエティ〉から仕事があったのではありませんでしたか?」

 

「あっ、そうだったわね」

 

新たに玄関から室内に入ってきたメイド、剣 祭子の言葉でなにかを思い出した玲樹は真剣な顔をしだした。

 

……おい、この変態淑女。

 

「リオに君色くん、これから〈ソサエティ〉に行って貰うわ。詳しい話は車の中で」

 

「分かったよ。でも朝食はとらせてくれ」

 

「私もリオの作ったご飯を食べたいけど、急務なのよ」

 

「急務なのに姉様はそのことを忘れてたのか?」

 

「リオと君色くんがキスなんてしようとしてたからよ。最近、お姉ちゃんともキスしてくれないのにぃぃぃぃぃ」

 

「なにを馬鹿なことを言っているんだ?私が姉様にキスをした覚えなどもないし、する気もない」

 

「お姉ちゃんとも、もっとイチャイチャしてよぉぉぉぉ!!」

 

本当に急ぎの仕事なのか?

 

俺とリオは、いや玲樹と祭子も〈ソサエティ〉というある組織の一員である。詳しい話はまた後で。

 

祭子に急ぎかどうか尋ねると、「もちろん急ぎの仕事です。君色様、先に車に乗っていてください」と返された。

 

「リオ行くぞ」

 

「待ってくれ君色っ」

 

玲樹との言い争っていたリオは急いで俺の後を追うように外に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道路に出ると、一台の車が止まっている。ぱっと見ただけでも分かるくらい高級そうな車であった。

運転席からメイド服をきた女性が出てくると俺とリオに乗るように指示をする。

俺たちが乗ってから1~2分がたってから玲樹たちも、車に乗る。

 

「それで、いったいどんな仕事なんだ?」

 

「4月から私たちは4人はある学校に通うことよ」

 

「はぁ?ある学校に通う?」

 

今は3月の頭。そういった話もあるかもしれないが、俺たちは高校生だ。高校生が途中編入するなんてまずない。

編入することはいいとしても、俺の家にはお金がない。今は〈ソサエティ〉の仕事のお陰で余裕はあるが、編入するだけの蓄えはない。

 

「大丈夫よ。お金は全額〈ソサエティ〉から出るから」

 

「なら安心だな君色。あ、編入試験は大丈夫なのか?」

 

「そこら辺も大丈夫よ」

 

「おいおい、いくらなんでも編入試験は受けるものだろ」

 

「お金の力って偉大ね」

 

デジャブのような気がするのだけど。

 

「玲樹さま、まもなく着きます」

 

「分かったわ。それじゃあ、編入についての詳しいことは〈ソサエティ〉の中でね」

 

 




こんな感じでどうでしょう?

感想をお待ちしています。



誰かいいタイトル思いつかないかな?かな?
思いついたら教えてくださいm(._.)m
自分ではこのタイトルで限界です!←おい作者


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