ソードアートオンライン 短編SS (ピナ・グリーンウッド)
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sword art online 〜hollow imagimation〜

いままで見たことないフィリアで書いてみました。

ALOでのことも少し混ぜたりしてます。


キリトとアスナは結婚してない設定です。


「ついに、ここまできたんだ…」

「そうだな…」

ここは第100層。アインクラッド最後の層である。ここをクリアすれば現実世界に帰れる。私は長い間ずっと未開の土地、ホロウ・エリアにエラーの影響で閉じ込められていた。

そこに現れたのがキリトだ。キリトは私が(見た目は)オレンジプレイヤーであるにも関わらず、私を信じて助けてくれた。キリトがいなかったら再びアインクラッドに帰ってくることもできず、もしかしたら消えていたかもしれない。キリトとの長かったが楽しい冒険も残すはあと少し。

でもその前に…

「ねぇ、キリト。お願いがあるんだけど…」

「フィリア、どうした?」

「100層に挑む前に、もう一度私とホロウ・エリアに行って欲しいんだ。どうしてももう一度キリトとみておきたくて…」

「なるほど。わかった。じゃあ、行こうか。」

「うん!」

こうして、ホロウ・エリアの思い出の地を巡ることにした。

 

 

 

 

 

 

「ここらへんかな?私たちが初めて会った場所」

「そうだな。あのときはいきなり斬りかかってきてほんとに焦った」

「あはは、ごめんごめん。本当に敵と勘違いしてたんだよ。あのときはスカルリーパーにも追われてたし」

 

そう、私は初対面のキリトに攻撃をしかけてしまったのだ。そんな私を信じてくれるなんて、どんだけお人好しなんだか。

「…なんか失礼なこと考えてないか?」

「気のせいよ」

こんな軽口を叩き合えるのも、キリトのおかげだ。

 

 

 

 

 

 

 

私たちはいろいろな思い出の地を巡っていると、宝箱を見つけた。

「なんだろう?」

開けてみると、中身は同じようなデザインの片手剣と短剣だった。

「名前は…見れない⁉︎」

「え⁉︎名前のない武器なんてあるの⁈」

「いや、俺の知る限りではそんなことはなかったはずだ。多分、実装する以前の武器だからじゃないか。強そうな剣だけど、これを装備するのは危険だな…」

「そっか…」

使えない武器を手に入れてもなんの意味もない。でも…

「ねえ、キリト。やっぱりこの武器使おうよ。」

「本気で言ってるのか?もしかしたらバグかもしれないんだぞ。装備した瞬間に何が起こるかわからない。」

「わかってる。でもね、なんかこの剣私に使ってほしいって訴えてきてる気がするんだ。私はこの子と一緒に最後の敵と戦いたい」

私は真剣な顔つきと声でキリトに言った。

キリトは少しの間黙考して、

「…わかった。なら俺も使おう。なんとなくこの剣は二つ揃って一つって感じがするしな」

「キリト…。ありがとう」

こうして私たちの思い出巡りは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

「あ、そうだキリト。もう一箇所寄りたいんだけど、いい?」

「うん?どこに行きたいんだ?」

「90層にね、庭園のエリアがあるんだよ。ちょっとそこに見せたいものがあるんだ」

「へぇ、そりゃ楽しみだ」

私たちは90層に寄り道することにした。あれを見せたら、しっかり伝えよう………

 

 

 

 

 

 

 

「着いたよ、キリト」

「へぇ、ここか。綺麗なところだな」

着いた庭園エリアは、一面に綺麗な花が咲いている。そして、エリアの中心に巨大な樹が生えていた。

「でしょ。私のお気に入りの場所なんだ。キリトにも見せておきたくて」

「そうなのか。それにしても、デカい樹だなぁ。思わず登りたくなってくる」

「よし、じゃあ競争だ!」

そう言って登り始める私。

「あ、ずるいぞ‼︎」

そう言いながらも笑って追いかけてくるキリト。結果は…

 

 

 

 

 

 

 

「私の勝ちだね!」

「そりゃそうだろ…」

さすがに私の方が早かった。今は2人でてっぺんに近い枝に腰を下ろしている。

「実はね、キリト。この樹は私が育てたの」

「そうなのか?」

「うん、こういうクエストがあってね。この樹は種を植える時に思い浮かべた人への想いの強さによって育ち方が違うんだって」

「へぇ。じゃあ、フィリアはこんなに強く思っている人がいるのか」

「うん。私ね、この時キリトのこと考えてたの」

「え⁉︎」

「私ね、キリトのことが好き。こんな私にも優しいし、かっこいいし」

「……」

さすがのキリトもこれには絶句していた。

「ふふっ、そんな深刻な顔しないでよ。」

「ああ、いや、悪い、ちょっとビックリしちゃって。ありがとう、フィリア。俺もフィリアのこと、好きだよ」

そういいながら、メニューウインドウを操作するキリト。

少しして私の目の前にウインドウが表示された。

 

キリトに結婚を申し込まれました。承認しますか?

「短い間だけど、結婚しよう」

「…はい!」

 

 

 

 

 

 

次の日、遂に100層攻略の時が来た。しかし、ここで最後にして最大の問題が起こっていた。

「ん?やけに騒がしいな…」

「何があったんだろう?」

私たちが訝しげにしていると、

「キリトくん、たいへんなことが」

「アスナ、どうした?」

「なんだかこの層、同時に2人までしかボスに挑めないみたい」

「なんだって⁉︎」

待っているのは恐らくあの男。私は名前しか知らないけど、あの男の強さはいやというほど聞いている。

「それで勝てるの…?」

思わず私はそう呟いていた。

「わからない。でも、やるしかないんだ。フィリアは待っててくれ、俺1人で行く」

「嫌だよ。私も行く。この剣は二つで一つなんでしょ?」

そういいながら名もなき短剣を見せつける。

「…わかった。ただし無茶だけはしないでくれ。俺は君をなんとしても現実に帰したいんだ」

「帰るのは2人一緒にだよ」

こうして、私たちは最後のボス、聖騎士ヒースクリフに挑むことになった。

 

 

 

 

 

 

「ようこそ、キリトくん、それにフィリアくん」

「久しぶりだな、ヒースクリフ」

「そうだね。あの75層以来かな。戦いを始める前に、謝りたい。フィリアくん、こちらの不手際で迷惑をかけたね」

「いえ、感謝してますよ、キリトに会わせてくれたことに」

「そうか、そう言ってもらえるとありがたい。では…始めようか」

そう言って構えるヒースクリフ。

「行くぞ、フィリア!」

キリトが高速で切りかかる。私もそれに続いて攻撃するが、私は細長い長剣で牽制され、キリトは攻撃を盾でガードされ、思うように攻撃が通らない。ヒースクリフはこのゲームの作者、迂闊にスキルは使えない。

そして、対人戦闘の少ない私には、すぐに限界がきた。

「くっ…!」

腕を貫かれ、よろめく私。

「フィリア!くそっ!」

必死にキリトが攻撃しているが、巨大な盾に阻まれている。

「さらばだ、フィリアくん」

再び長剣が私に迫る。思わず私は目を瞑った。だが、身体を貫かれる感触はやってはこなかった。

「フィリア、大丈夫か?」

「キリト…………っ‼︎‼︎」

そこには長剣に串刺しにされているキリトの姿。私をかばって刺されたのだ。

「よかった…無事で」

「そんな……!キリト!」

「ごめんな、一緒に帰れなくて…。君だけは死なせるわけにはいかなかったんだ。後は頼む。君もみんなも生きて……」

そしてキリトは無数のポリゴン片となって消えた。

 

 

 

 

 

「キリト……ああ……」

悲しみにくれて座り込む私。そんな中、本来消えるはずのキリトが使っていた片手剣が残っているのを見つけた。キリトが戦え、勝ってみんなを救えと言っている気がした。

私は立ち上がり、短剣と片手剣、二本の剣を持って構えた。二本の剣が微かに光った気がした。

「ヒースクリフ、あんただけは…命に変えても倒してやる!」

私は再びヒースクリフに肉薄した。

しかし、実力差は歴然である。普通にやったら勝てる訳が無い。

「はぁああああああ‼︎‼︎‼︎」

私は短剣4連撃技、ファッドエッジを放った。しかし、無常にも盾に阻まれる攻撃。

「今度こそさらばだ」

再び長剣がライトエフェクトを帯びる。嫌だ、こんなところで死ぬわけには…!

 

 

 

 

 

その時、片手剣がペールブルーのライトエフェクトを帯びた。私は流れに身を任せ、ソードスキルを放った。片手剣4連撃技、ホリゾンタルスクエア。本来なら技後硬直で使えないはずのスキルを発動させた。

「なにっ……!」

さすがのヒースクリフも狼狽していた。3撃目でヒースクリフの剣を弾き、強攻撃の4撃目がヒットする。

このチャンスを逃す訳にはいかない。再び短剣がライトエフェクトを帯びる。システム外スキル、スキルコネクトによる技後硬直の上書き。それにより短剣3連撃技、シャドウステッチを発動。強攻撃3発がグリーンヒット。

「これで終わりだ!」

一対の短剣と片手剣がライトエフェクトを帯びる。二刀流最上位スキル、ジ・イクリプス。二十七連撃技は一発も外れることなくヒースクリフに吸い込まれ、ヒースクリフは無数のポリゴン片となった。

「おわった…」

ヒースクリフを倒したことにより、ゲームクリアのアナウンスが放送されている。これで現実世界に帰れるんだ……。これでよかったんだよね、キリト……?

そして視界が光に包まれた。

 

 

 

2026年、4月8日。長い間寝たきりの生活で低下した筋力も元にもどり、私は今日から学生生活を再開することになった。学校というのも、同じSAO生還者のために特別措置が取られた学校で、なにも不自由なく勉強ができることになっているらしい。

新しく始まる生活に胸をときめかせていると、ふと声がかかった。

「もしかして、フィリアか?」

振り返ると、そこにいるのは向こうの世界で消えたはずの少年の姿。

「え、キリト⁉︎」

「ああ、久しぶりだなフィリア」

「どうして⁉︎消えたはずじゃ…」

「いやー、どういうわけか生きてたみたいなんだ。多分フィリアがすぐにクリアしてくれたおかげじゃないかな」

「そっか、夢じゃないんだ…えへへ」

「ああ、仮想でもない。現実だよ」

「そうだね!…おかえり、キリト」

「ただいま、フィリア。これからもよろしくな」

「うん!」




少しフィリアのキャラがブレたきがしなくもないですが…(´・_・`)


このキャラで書いて欲しい、などございましたらコメント欄までお願いします。


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