変身するはめになっていた巫女とグリード (雨宮陽花)
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霊夢、初めての出会い

どうも、掛け持ちしてる人です。
地道に色々と出してます。


霊夢「んー・・・今日も平和ね。いえ、あれからたいして目立った異変がない、と言えばいいのかしらね?」

そう言いながら歩く脇の出た巫女装束をイメージさせる巫女服を着た紅白の少女。

その人物こそ博麗霊夢。そして、今いる場所は里と呼ばれる人間の里。

いつもの通りに歩いていたが・・・何故か赤い、変なメダルを見つけた。

霊夢「・・・なにかしら、これ?」

そう言いながらなんとなく拾い上げた。

すると里の建物の影から赤い変わった・・・否、空中に浮かぶ赤い腕が出てきた。

??「おい、それは俺のメダルだ」

・・・巫女はそんな変な物を相手にする気などなく、その場から離れて行った。

 

しかし、暫くすると里のどこからか叫び声が上がった。

さすがにおかしいと感じた霊夢はそこへ向かう。

すると、そこにいたのはカマキリにも良く似た人の形をした何かが、里の住民を襲っていた。

霊夢「・・・っ!この、あんた・・・!」

そう言ってそれにしがみついてみるが、妖怪よりも強い力でひっぺがえされた挙句軽く投げられてしまった。

霊夢「っ・・・お、おかしいわ・・・。妖怪じゃ・・・ない?」

鋭い勘で、なんとなくでも感じたことを呟く。

―――相手が妖怪じゃなければどうすれば―――

そう考えていた最中、そこへさきほどの赤い腕が近づいてきた。

??「おいっ!お前!」

そう言いながら尻餅しているような体勢になっている霊夢の胸辺りをつかむ。

??「・・・アンク、人間に手助けをするつもりなのか?」

としゃべるカマキリによく似た人の形を成す者をよそにその赤い腕は続ける。

??「お前、名前はなんだ」

そう尋ねられて、

霊夢「私は博麗霊夢よ」

とその場で受け答えた霊夢。

それを聞いて、

??「霊夢・・・か。んで、お前にあいつを倒す方法を教えようと思うが・・・どうだ?」

と言った。霊夢は僅かにうなずいた。

霊夢「へぇ、そんなのがあるなら教えてもらおうかしら?」

それをよしとした赤い腕は変わった形の石を取り出した。

その石を見たカマキリによく似た人の形を成す者が、

??「封印されたあの・・・!?」

とこぼした。

しかし、それを無視するかのように霊夢の腰へとそれをつける。

すると、霊夢の腰につけられた石が一瞬光を放ち、それがくだけるようにして―――ベルトが現れる。

右腰には丸い形をした物がつけられており、前には3つを入れれるようなスキマのある物体。

霊夢「―――ちょ、ちょっと!?なによ、これ!」

そう叫び、少しうろたえる霊夢に答えるようにその赤い腕がしゃべる。

??「俺がコアメダルだけ持って行ったわけじゃなくてなぁ」

言い終えると霊夢のほうに近づいて、顔の横にまで移動する。

??「霊夢、あれを倒すにはそれを使うしかない」

冷静に戻りかかった霊夢が、そのカマキリによく似た人の形を成す者を見ながら、

霊夢「へぇ・・・これで・・・なのね」

とそれ以外に方法がないのか、と察した顔で言った。

それに答えるかのように、

??「メダルは3枚」

と言い、赤いメダル、黄色のメダル、緑色のメダルを取り出して見せた。

それから霊夢の腰についたベルトを軽くつつきながら、

??「ここに入れろ」

と言ったあげく、顔に近づいて、

??「これがお前の新たな力だ」

と言った。それを受け取る霊夢。

受け取った後、カマキリによく似た人の形を成す者が近づき、

??「アンクにのせられるな。使えばただではすまない」

と言ってのけた。

赤い腕は霊夢に近づき、

アンク?「多少のリスクがあろうが・・・倒さないとお前にとっては困るだろう?さぁ、霊夢、さっさと変身しろ」

と急かすようにして言った。

霊夢「しょうがないわね・・・。あんまり人に害なす存在を放っておけないし」

そう言いながら軽く前に出て、そしてそれから両端に赤いメダルと緑のメダルをはめ。

それから真ん中に黄色いメダルをはめた。

アンク?「おい、これを使え」

そう言いながら赤い腕が霊夢の右腰についていた丸い物体を渡す。

その物体から変わった音が出始め―――霊夢は言われた通りに動かした。

軽快な音が出たあと、霊夢は思わず呟いた。

霊夢「・・・・・・変身」

そう言った瞬間、色々なメダルが彼女の周りをまわりながら「タカ・トラ・バッタ」と言う音が聞こえた。

それからすぐに「タ・ト・バ タ・ト・バ タッ・トッ・バッ」と言う音と共に霊夢の姿が全く別の物へと変化した。

 

??「馬鹿な・・・!?」

と言い、軽くうろたえるカマキリによく似た人の形を成すもの。手首を回すような動きで赤い腕は、

アンク?「あぁ、思い通りの、な」

と言った。

霊夢「・・・あー?歌?って歌なのかしら?それよりタカ、トラ、バッタって・・・」

冷静に自分の姿を見下ろし、そして見回す霊夢。

アンク?「歌は気にするな。まぁ、とにかくそれはオーズ。お前でも倒せないだろう物を倒すための道具だ。んで、その今目の前いる奴で試してみろ」

そう平然と霊夢の近くで言う赤い腕に、

霊夢「へぇ・・・んじゃ、さっき軽くやられかけたお返しを・・・してあげなきゃいけないわねっ!」

とさっそく慣れる霊夢。しかし、そこへそのカマキリによく似た人の形を成す者が飛び込む―――が、霊夢はそれをガード。

それから何故か分かっているかのように、右腕の奴をかぎ爪のようなものへ変化させるとそれで切りつけた。

切られたカマキリによく似た人の形を成す者は銀色のメダルを少し撒き散らしながら転がっていき、そこから再び戦闘体勢に戻る。

霊夢「・・・なるほど、今度はこっちを使えってわけなのね」

銀色のメダルを切られたところから落としながら立つカマキリによく似た人の形を成す者を見ながら余裕そうに呟く霊夢。

するとそれを使って軽く浮きながらも今立ったカマキリによく似た人の形を成す者を連続で蹴る。

また銀色のメダルを少し落としながら後ろへ後退するはめになったそれは、

??「こ、この・・・っ」

と言いながら霊夢に襲い掛かろうとする。

しかし、霊夢はギリギリで後ろにバックステップしながら避ける。

霊夢「こんなんじゃキリがないわ・・・」

と面倒くさそうに呟いた霊夢に赤い腕は緑色のメダルを見せつけながら、

アンク?「おい、霊夢。これに変えろ」

と言って投げ渡した。

霊夢「これ?・・・あぁ、そういうことね」

近づいてくるカマキリによく似た人の形を成す者を蹴り飛ばし、勘でどこに入れるべきかを理解して真ん中のメダルと取替え、丸い物体を再度最初にしたように動かす。

今度は「タカ・カマキリ・バッタ」と言う音がした。

身構える霊夢、勝手に動き、攻撃できるように動く腕のカマキリの腕にも似たそれ。

アンク?「よしっ」

赤い腕は予測どおりになって嬉しいのかそう呟いた。

??「アンク、コアメダルをよこせ!」

そういうカマキリによく似た人の形を成す者を霊夢は当たり前のように何度も切りつけた。

切りつけられて後ろに下がり、それからころがるように、そして銀色のメダルをばらまきながら離れた位置へと移動した。

霊夢「よっと・・・」

そう呟く霊夢。それに答えるように胴体のところが光り、その光は腕へと移動するように光り。

霊夢「せいっ!」

構えなおしながらそう呟くとカマキリによく似た人の形を成す者に向かって飛び、近づき―――そして、それを用いて切りつけた。

切りつけられたカマキリにもよく似た人の形を成す者は軽く吹き飛び、それから断末魔をあげながら爆破した。

そこからは銀色のメダルが出てきて、それが四方八方に吹き飛ぶ。

 

霊夢「ふぅん・・・奇妙なことがあるのね。にしてもメダル、かしら?」

呟きながら周りの見回す霊夢。しかし、その時に倒れているさきほど襲われたであろう里の住民を見かける。

霊夢「あー、そういや襲われてた奴がいたわねぇ・・・」

と今更思い出したかのように言う霊夢。それをよそに赤い腕はその倒れている住民にとりつき・・・そのまま自分の体のようにしてしまった。

霊夢「・・・一応里の住民だから困るんだけれどもね?」

と呆れた声で近づく霊夢。

 

―――そんなのをよそにとある場所では誰かの誕生日をとある男が祝っていた。近くには女と室内にも関わらず日傘をさす紫の服を着た少女がいた。

―――そして・・・ハッピバースデーディアのあとにこう言った。「オーズ」、と。

―――霊夢たちを離れた場所から見ていた男はヘルメットを脱ぎ、片手に持つと缶のようなものを開く。鳥の形になるとしたにあったのも全て鳥になり、それが霊夢たちの頭上へと飛んで行く。

 

―――これは、オーズになってしまった霊夢と赤い腕、アンクが織り成す成長物語である―――




はい、こういう感じでしょうか。
バトルシーンがはじめてなので、上手くいった気はしません。
元ネタが豊富にありますが、今後はそれを上手く使っていこうと思っています。
では・・・ごゆっくり。


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霊夢、アンクと共に行動する

これを書く際、ちゃんと元ネタとなったものを拝見させてもらっています。
前回は・・・実は見ながらでした。お恥ずかしい。


霊夢「いい加減説明しなさいよ、アンク!」

そう言いながら横に並んであるく楽園の素敵な巫女、博麗霊夢。

アンク「あ?俺達は800年前に封印された・・・・・・」

そういおうとするのを遮るかのように霊夢が両肩をつかみ、

霊夢「違うって言ってるでしょう?その里の人間。どうするのよ」

睨みを効かせながら尋ねる。

しかし、無視して歩くアンク。

アンク「あー?どうもしねぇ。ただ使わせてもらうだけだ」

そして歩いた先に見えたアイスキャンディーを売っている場所から2本アイスをとる。

それを見た男性が駆け寄り、

男性「おいこら!勝手にとるんじゃ―――」

そう叫ぶや否や呆れた顔を浮かべた霊夢がお金をその男に手渡し、

霊夢「はい、これでいいわね。あいつが迷惑かけたわ」

と言ってアンクを追った。男性はその異様な光景を目にし、唖然とするしかなかった。

 

霊夢「いい加減にしなさいよ。そろそろ教えてくれてもいいでしょう?」

そう言いながら再度アンクの横に並んで歩く霊夢。

アンク「そうだな、メダルには2つ種類がある。コアメダルとセルメダルだ」

それに納得したようにうなずき、

霊夢「へぇ、それは見たことあるけども・・・それとなんの関係があるわけ?」

歩いてるうちに人気のあんまりない場所についた。いいところだ、とでも思ったのか、

アンク「大有りだ」

そう言いながら一本霊夢に渡す。霊夢は受け取ったものをそのまま口にする。

アンク「お前が今そうやって食べているのがセルメダルだ。棒はコアメダルってところだな。俺達グリードはこういうもんだ」

アイスキャンディーを霊夢の目の前に見せ付けながらそういうアンク。

霊夢「ふぅん・・・なるほどね。そういう例え、分かりやすいわ」

多少かじったアイスキャンディーから口を離し、うなずく霊夢。

アンク「んで・・・ヤミーは棒のないアイスキャンディー。そういえば分かるか?」

言いながら霊夢の口にそれを入れさせ、そこから棒を引っこ抜く。

霊夢はその棒の抜かれたアイスキャンディーを手にして、

霊夢「・・・そういうことなのね。例えがおかしかったけども、かなり分かりやすかったわ」

 

一方・・・怪我をしている2人が椅子に座って会話をしていた。

青年「なぁなぁ、金儲けしようぜ?」

比較的軽症だった方がそう言う。

男性「いやだよ、あの時自警団装って酷い目にあったんだからよ」

腕とかを骨折した方は苦々しい表情を浮かべて顔を横にふりながらそう答える。

青年「でももう通るルートは調べたんだ。実行しちまおうぜ」

相手をこちらに向け、そして地図の上に赤い筆の線が引かれているのを男性に見せる青年。

しかし、男性には異変が見えた。そう、今話してる相手の額にメダルが入るような穴が開いていたからだ。

男性「な、なんだよそれ・・・」

その穴を指差しながら驚く男性をよそに、青年の後ろにはセルメダルと緑色のコアメダルが集まっていた。

それが実体化するのと同時に男性と青年はそちらを向いた。

??「・・・その欲望、開放しろ」

そう言うと緑色のグリードは青年の額にセルメダルを1枚投げ入れた。

それが入った直後、青年の背中からヤミーが這うようにして出てくる。

うわぁあ!?と叫びながら青年と男性が後ずさりをする。

その灰色のヤミーはそのまま当たり前のように動いていった。

 

男たちが小走りでお金の入っている箱を運んでいた。

その目の前に突然ヤミーが現れる。もちろん驚いて逃げようとする。

―――が、その前にそのヤミーによってそこから離されるはめになった。

ヤミーはその中に入っているお金をわしつかみにすると体内へと放り込んだ。

それと同時にヤミーの中でセルメダルが増えて行く・・・。

その音のようなものはアンクには聞こえていた。

アンク「・・・セルメダルの音だ。いくぞ」

霊夢はそれに対しうなずき、

霊夢「分かったわ」

とだけ言って先行くアンクのあとを追った。

向かった先にあったのは里でお金を預けられる外の世界で言う銀行のような働きをする建物があった。

ヤミーはその中でお金を体内に放り込んでいた。

霊夢「アンク、変身できるあれ、よこしなさい」

そう言いながらヤミーを見ながらアンクの方へ左手を伸ばす。

アンク「駄目だ。あれじゃセルメダルはそんなに手に入らない。もうちょっと成長させた方がいい」

そういうアンクに向き直り、

霊夢「んなのはどうでもいいわよ。私が困るって言ってるのよ。どうでもいいからよこしなさい。あとあいつがお金を取り込んでる理由も教えなさい」

怒ったような表情に近い顔をしながら言った。

アンク「渡さないが、これは言っておこう。あいつは欲望を食べている。分かるか?」

同時期に「欲望。この世の中も欲望で出来ている」と日傘を差す少女、小さなケーキを食べている女性、外を眺める男性に向けてその言葉を向けた男性がいることを霊夢たちは知らなかった。

霊夢「欲望?あれが?私の思っている欲望とは遥かに違う気がするんだけれども・・・」

言いながらヤミーを再度見る霊夢。

アンク「ああ、お前にとってはそうだろうな。だが、あいつらはそうやって欲望を食べ、育つんだ」

さっきからお金を食べているヤミーをみているアンクがそう話した。

霊夢「ふぅん・・・。そうなのね」

そして食べ終えると離れた場所まで歩き、そして脱皮するかのように中から虫・・・まるでカマキリのようなそれに似たヤミーが出てきた。

それはお金のありそうな場所へと向かった。霊夢とアンクはそれを追うようにして向かう。

 

一方里に嫌々ながらも出ていた魔理沙。

いつまでもキノコばかりでは飽きてしまう。しかし、お金がないため買い物が出来ない。

そのお金を稼ぐために里にバイト探しに出ていたのだ。

そして、とある店の前に張ってある紙をみて、ここはいいかもしれないと考えた魔理沙が扉の前に行く。

魔理沙「あー、悪いが、誰かいないかー?」

比較的大きめな声を出して尋ねるが返答はない。しかし、内部では人影がその扉の近くまでに歩いてその近くにあった椅子に座った。

魔理沙は扉を開けようとしたが、そう簡単には開かなかった。

しかし、すぐにそこに法則性を感じた魔理沙はそれをいともたやすく理解し、開けた。

開けた扉からゆっくり入ると・・・、

??「あら、開けられる人がいるだなんて思わなかったわ!あなた、ちょうどいいしここで働かないかしら?」

そうコスプレした女性が言ってくる。

・・・そう、魔理沙も考えてはいなかったが、バイト面接に一発合格してしまっていたのだ。

 

そんなことを知らない霊夢とアンクは比較的高い建物のところについていた。

中から必死に逃げて出てくる里の住民を避けるようにしながら中へと入る2人。

その中にはあのカマキリのような虫のようなヤミーが上へと移動しようとしていた。

霊夢「ったく・・・これじゃ里も被害甚大じゃないの。本当困るわ・・・」

そう言いながらそれを見る。

アンク「んでもお前にとっては関係のない奴らだろう?んならもっと大きくなるのを待てばいいだろ?」

そう言うアンク。聞いた霊夢はいらだったような表情を浮かべると、

霊夢「ええ、無関係だからこそ仕方なくやってるんじゃないの!」

と言い走るのが面倒だと言わんばかりに軽く浮いて階段を飛ばして行く。

そしてある程度のぼった先で地に足をつけると今にもヤミーによって外へと連れて行かれて、そのまま放り出されてしまいそうな男性がいた。

霊夢は駆け寄ると

霊夢「逃げ遅れるんじゃないわよ、この馬鹿!」

と言ってその男性をヤミーから離し、逃げやすいような場所へと押しやった。

ヤミーはそれに気づいてるのか上へと移動する。

そのタイミングで床に亀裂が入り―――そして、崩壊し、霊夢は落ちかけるが、残った部分をつかみなんとかなった。

それを落とすかのように建物が揺れ、片手を離してしまう。

本来は空を飛べるため、そんなことをしなくていいが・・・唐突すぎて空を飛ぶ、と言う行為ができずにいる。

落ちる―――霊夢がそう確信すると腕だけとなったアンクが引き上げた。

霊夢は両手をそこにつかむ、という形のままだが、落下の恐れを一時的に免れた。

アンク「お前に死なれちゃ困るんだよな。メダル集めにお前がいるし。・・・んで、変身しろ」

言いながらアンクは霊夢にも見えるように変身ベルトを見せ付ける。

よしとしない霊夢はいらだった様子で、

霊夢「んじゃいいかしら?私が変身したいと思ったらすぐに変身させなさい。いくら仕方ないからと言って幻想郷のバランスが崩れたら困るわ。それに失うのが嫌な連中もいるでしょうし」

と言った。アンクは不満そうに動くと、

アンク「いいから変身しろ!」

と叫んだ。しかし、霊夢は

霊夢「いいからあんたは分かったと言いなさい!そしてそれをこれから実行してちょうだい!でなきゃ―――変身なんてしないわよ!」

怒りのこもった声で、それでもそうしなきゃ手助けしてやらないと言わんばかりに叫び返した。

タイミング悪く、また建物が揺れて落ちる霊夢。

やはり体勢やタイミングがあんまりよくないせいで空を飛ばず自由落下していく。

アンク「いいから早く変身しろ!」

そう叫ぶアンクに対し、やはり霊夢は

霊夢「いいからこっちの要求を呑みなさい!それに私は―――落下しきる直前で空を飛ぶことなんて簡単にできるのよ?」

と落ち着いた様子で言った。まるでこの状況が狙い通りというかのように。

アンク「分かった、呑む!からさっさと変身しろ!」

その叫びを聞いて納得すると空に浮き、アンクから変身ベルトを受け取る。

霊夢「・・・変身っ!」

そういうと同時に「タ・ト・バ タトバ タッ・トッ・バッ」と言う歌が流れる。

―――しかし、オーズになるのと同時にそっちの能力に切り替わったせいで空を飛んでいられなくなった霊夢はトラのかぎ爪のようなものを出して、

霊夢「・・・!?ったくもう・・・!」

半ば叫びそうになった声を抑えながらも地面に近づき、そしてその爪のおかげで怪我せずにすんだ。

 

バック回転を空で1回してから着地する。その霊夢の後ろから近寄ってくる男性が1人いた。

??「ある方からの誕生日プレゼントがある」

その声に応じ振り返るとその男の手には長方形の箱があった。

霊夢「私、誕生日なんて知らないんだけども・・・」

無視して、その箱を開ける男。その中には少し中の見える剣とセルメダルが入っていた。

赤い腕だけのアンクは霊夢のそばにいきそれを見る。

??「これを使え。それとこのメダルはあの自動販売機に入れろ」

そう言われてその自動販売機のような物に目をやる霊夢。

霊夢「あー?なによあれ。あれでどうしろと言うわけ?」

しかし、それを気にせずに男は差し出す。

霊夢「ったく分かったわよ」

その剣を手にすると男は、

??「このメダルを剣に入れるといい」

と言いながら計6枚のセルメダルを差し出した。

その箱から3枚のセルメダルを出してはいたが、仕方なくその6枚も受け取る霊夢。

それから自動販売機に近づき、試しにセルメダルを1枚入れた。

霊夢「んで、これをどう・・・・・・?」

適当にボタンなどを見てからこれかしら?と大きめなボタンを押す。

するとその自動販売機のようなそれはバイクへと姿を変えた。

霊夢「な、なによこれ!?この世界じゃ見たことないわね・・・。んでもちょうどいいわ」

驚くが、すぐにそれにまたがり、エンジンを軽くふかす霊夢。

傍から見ればおかしな光景。だが、アンクは封印されていた間になにがあったのかと考えた。

霊夢はその考えを無視するかのようにバイクをまるで乗りこなれたように動かす。

男はバイクだったそれを自動販売機に戻し、セルメダルを入れる。

それから青い缶を選ぶ。そうするとたくさん下から出てくる。

タコのようなものが空を浮かんで道を作る。

霊夢「・・・変な形をした奴ね。まさかとは思うけども、外の世界の生き物でも模してるのかしら?」

呟く霊夢。鋭い勘のおかげで、それの正体を理解しないまででも、それがなんたるかを理解する事が出来た。

青色のタコの形をしたそれが大きくなったヤミーへと続く道を形成し終えるのと見ると霊夢は再びバイクを動かした。

そしてそのまま大きなヤミーに近づき、なにも入れてない状態の剣をヤミーに向けて動かそうとした。

が、その前に攻撃されかけたので避けるために飛び降りた。

それから軽くその入ってないままで戦っていたが、剣を吹き飛ばされたあげく後ろに回避行動を何度もしなくてはいけなくなった。

後ろが見えない状態でしていたので尻餅をつくように座り込んでしまう。

アンク「なにやってるんだ、霊夢!これと変えろ!」

そう言ってカマキリのコアメダルを投げた。

立ち上がり、投げられたそれを受け取ると

霊夢「あんたもたまにはいいことしてくれるのね」

と言いながら真ん中のトラのコアメダルと交換してスキャナーを使い変えたのを読み込ませる。

「タカ!カマキリ!バッタ!」と言う音が出てからすぐにヤミーを切りつける霊夢。

多少のセルメダルがそこから出てくる。しばらくそういう風にして戦っていたが・・・一撃を軽く食らい、外へと放り出されてしまった。

もちろんオーズになっているせいで空を飛べない霊夢は自由落下する。

そして地面すれすれの時点でようやく青色のタコによって助けられる。

霊夢「へぇ、以外と使えるのねぇ・・・」

そう呟いて真下へと顔を向ける。

顔を向けたおかげで真下に剣があることに気がつく。それを無言で取るとさっきいたところに戻される。否、戻してもらった。

剣を持つころにはタトバのコンボに戻していた。

ヤミーは下の方へと逃げるかのようにして飛んだ。

霊夢はおいかけるためにバイクに乗り込み再び追いかける。

しかし、途中で止め、

霊夢「そういえば剣にメダルを入れろって言ってたわね、あいつ」

思い出すように呟くと持っていた剣に3枚ほどセルメダルを入れた。

その状態でその巨大なヤミーに向かってバイクを走らせる。

お腹辺りを切りながら走り、尻のような部分のしたまで行くと、

霊夢「・・・いいわ、冥土へのお土産もおまけよ!」

と叫びながら剣を使う。そこからトリプル!スキャニングチャージ!と言う音声が流れる。

それをよしとして空間を切るようにして動かす。

ヤミーとその後ろまで切れたかのように見えた―――が、後ろの建物はすぐに戻り、ヤミーだけが切れて爆破。

大量のセルメダルをばらまきながら消えた。アンクは空中で動きながらそのセルメダルを吸収していく。俺のメダルだぁ!とも叫んでいる。

霊夢「結構たくさんのメダルが出るのねぇ・・・」

と霊夢はその中の1枚を見ながら言う。

 

里のとある場所。アンクはアイスキャンディーを食べながら座っていた。

そこに魔理沙が現れ、

魔理沙「・・・お、お前・・・誰なんだぜ?」

そう言いながら立ち上がったアンクに近づく。

霊夢はその様子を見て、

霊夢「って・・・魔理沙!?」

叫びながら近づいた。

内心誰だこいつ、と思うアンク。

 




そう言う感じで二話投稿です。
一度消えたから再度書き直し・・・。
疲れました、ゴールしてもいいですよね?(遠い目
次話・・・お楽しみ、に・・・(ばたっ


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霊夢、人助けをする

サブタイトルはこういう感じでやっていっています。
深い意味はありません。


魔理沙「・・・お、お前・・・誰なんだぜ?」

そう困惑した様子でアンクから少しの距離だけをとって近づいた魔理沙。

アンクはそれを聞いて右手のその赤い手を頭につけ記憶をさかのぼった。

こーりん!こーりん?こーりんっ!香霖!

と言う魔理沙の声や姿などが見えた。

アンク(ふぅん・・・。誰だかわからないのか)

そう納得するとその手を頭から離す。

魔理沙「お?変わった手してるな」

赤い手をみても動じず、むしろ興味を持った魔理沙。

アンクはそれに近づいて手を伸ばそうとする。

しかし、それを駆け寄ってきた霊夢によって止められてしまう。

霊夢「ったく・・・。んで、なんで魔理沙がこんなところにいるのよ」

アンクは舌打ちをするが、霊夢は気にせずに呆れたように笑った。

魔理沙「いや、お前を探してたら見慣れない奴を見かけた。だから話しかけてみたんだぜ」

霊夢はその真意に気づいたかのようにうなずくと、

霊夢「なるほどね。んで、なにを話してくれるのかしら?」

と言った。

魔理沙「バイトをしてみるって話だぜ。だから探してたんだぜ」

それに対しニッと笑って答えるが、アンクがまたしようとしたのを霊夢がジト目で睨む。

アンク「こいつに付きまとわれたら困るだろ?だからその前に減らすんだよ」

それに嫌々応じるアンク。

霊夢「駄目よ。もし、魔理沙に手を出そうとしたら・・・あのベルト、捨てるわよ?」

そう言われて再度舌打ちをするアンク。それから魔理沙によってそこまで道案内される霊夢とアンク。

 

一方里の端の方では騒ぎが起こっていた。グリードがここがどこかを理解しなくとも動き出していたからだ。

そんなことも知らない平和な里のとある店では、それなりに体格のよい男が大量に並べられた料理を食べていた。

人間、妖怪すらも多く食べるので周りの人は結構食べるな、と言う目を向けられていた。

 

魔理沙が案内した店につくと店員であろう女性が出てきた。アンクは外の看板の上に座っている。

??「あら、いらっしゃい。魔理沙、あなたの知り合い?」

そう言う女性の人はそれなりにいい組み合わせの服を着ていた。

魔理沙「ああ、知り合い兼ライバルだぜ」

そう笑いながら霊夢を見る魔理沙。

霊夢「なるほどね。んじゃ、魔理沙は頼んだわよ」

と言うなり魔理沙を置いて出て行こうとする霊夢。

??「そうね、分かったわ。そういえばあなたってどこにすんでるの?」

女性はそう尋ねた。

霊夢「あぁ、博麗神社よ」

とだけ言うと出て行った。

 

場所を移動して、博麗神社。

霊夢は縁側に座って悩んでいた。もちろんアンクのことについて。

霊夢「どうしようかしら・・・」

そう呟く霊夢をよそにアンクは目の前で平然と立っている。

そんなことを知ってか知らずか、里の一箇所にある甘味処で大量のお菓子を買う1人の男がいた。

そして買い物を済ませてその店を出た。

時刻は夜。人気が少なくなった場所で茶菓子などを食べている男に1体の謎の影が近づき、

??「その欲望、開放しろ」

そう言いながら男の額に現れた穴にセルメダルをいれた。

男はその言葉を聞く前に影で気づいたが、抵抗することなく入れられてしまう。

すると包帯のようなものが体格のよい男をつつむようにして現れ、体にくっつくようにして実体化した。

 

翌日の昼。食べ物を運ぶために用意してあった場所から食べ物を食べる体格のよい男がいた。

持ち運ぼうとした男は気づいてそれを止めようとする。

アンクはセルメダルの音を聞くと、

アンク「霊夢、こい」

と言って先に里へ行くアンク。慌てて霊夢は後を追った。

走っていき、里のとある場所につくと目の前には今もそれを食べる男がいた。

霊夢「アンク、あれってヤミーなのかしら?どう見ても人間のように見えるけども」

その男を指差しながら困ったように笑う霊夢。

アンク「ああ、そうだ。しかもただのヤミーじゃねえ、人間に寄生するタイプだ」

そう言いながら3枚のコアメダルを上に投げたりキャッチしたりでもてあそんでいる。

霊夢「ふぅん、なら退治して助ければいいのね?」

退治すりゃいいと思った霊夢に対し、

アンク「いや、もっと育てたほうがいいな。それでぶくぶく太らしてからセルメダルを手に入れた方がいい」

と言うアンク。しかし、霊夢がそれを聞き捨てるわけもなく、もてあそばれてる3枚を手のひらの上に再び落ちる前にとり、

霊夢「いーえ、駄目よ。あのままじゃあいつにも里にも被害が及ぶ。だからその前に退治して追い払った方がいいわ」

そう言うとベルトを腰辺りにつける。それからメダルを3枚いれ、真ん中のそれを斜めに動かす。

音がするのを聞く前にオースキャナーを手にし、その上の動かしてメダルを読み込ませる。

霊夢「変身」

そう言うと「タ・ト・バ タトバ タッ・トッ・バッ」と言う歌のような音がし、同時にメダルのようなものがまわりに浮かび、とある3枚になると縦に並び一緒のようになると霊夢の体につくように動いた。

それがついたように見えると霊夢の姿はオーズの姿になっていた。

同時にアンクは空に飛んで上にあった屋根のようなところに座る。

霊夢「退治するからその男から出てきなさい!」

そう言いながら駆け寄り、相手の近くへと行く。

しかし、炎のようなものを直線に3発自身へと放たれ、避ける暇もなくあたる。

そのせいで後ろへと軽く下がるが、前に受け取ったのがちょうどいいと思い出すと即座にそれを取り出し、前に軽く構えるようにして前に進む。

その間もまた炎のようなものを放ってくる男。

剣のおかげで防げた霊夢はそれをその男と軽くもみあいになった。

それをなんとかしようと霊夢は男に剣を振りかざすが、相手が人間だと言うことに躊躇いを感じ、切りつけることができなかった。

霊夢「そのままじゃやりにくいのよ、さっさと出てきなさい!」

そう男の中にいるヤミーに言ったつもりで叫ぶ。

それでなにもしなかったので飛ばされるが、そこは霊夢。

こけそうになるのをなんとか防いで後ろへと後退するかのように動くだけに収めた。

しかし、それでは難を乗り越えたと言うわけではなく、首あたりをつかまれて引っ張られてしまう。

アンク「そいつは成長するまで出てこない。やるなら人間ごとやれ」

霊夢に向かってそうアドバイスする、が・・・男の攻撃を何とか避けて

霊夢「相手を痛めないようにする手段がほとんど使えないのにするなんて無理よ!」

と心なしに叫んだ。そう、遠まわしに人助けをしたい、という意味が含まれていたのだが、肝心の霊夢は気づいていない。

言った後に男が迫ってきたので避けるが、つかみかかられてしまう。

それからある程度もめて後ろにバックステップして避けたりをしていた。

上からその様子をみていたアンクは不満そうに顔をしかめ、右手を赤い腕に変えるとそこから降りると男と霊夢の間に入りその男のあごをつかんだ。

そして近くにあった壁まで押しやり、

アンク「まだパワーはないようだな」

と言った。それからその男を軽く空中で回転させると男は背中から地面に落ちた。

それになにかをしようとして近づくアンクを霊夢が後ろから羽交い絞めにするようにしながら、

霊夢「あれでも里の住民なのよ!?やめてちょうだい!」

と叫ぶように言った。しかし、身を翻すように動かれ離れるがすぐにアンクを止めれるようにつかんで、

霊夢「だからやめてって言ってるでしょう!?里の住民なのよ!」

と再度叫ぶように言った。それから、

霊夢「以前仕方なくでも人を助けてるって言ったわよね!あれ、仕方なくでもどうしてもやる必要があるからやってるのよ!そうやってやってきたのを今更邪魔されたくないわ!」

と叫んだ。表情は見えないが怒っているだろう。

アンク「そんなもん知るか!いい加減どっちが命令する立場なのか覚えろ!」

霊夢に両肩を軽く押されながらもそう叫び返したアンク。

そうしている最中にも男が立ち上がり、霊夢とアンクに向けて炎のようなものを吐く。

男「うわぁ!」

と叫びながら。

霊夢はようやくそれで気づく。しかし、直では当たらなかった。

・・・が、煙幕のような働きをするには十分だったらしく、霊夢とアンクは見失ってしまう。

 

そして軽く歩き、

霊夢「あれはあれでまずいわね・・・」

と呟いた。そこへ1人、バイクに乗って現れる男性がいた。

近くに横になるように止めると2人に近づき、それからヘルメットを取った。

そしてそのバイクのとあるボタンを押すと自動販売機のようなものへとなった。

??(後藤)「これを使え」

それを聞くと霊夢は、

霊夢「これを使えって・・・バイクじゃ見失った相手なんぞ追いかけられないわよ?」

と言いながらそれに近づいた。

??(後藤)「タカでヤミーを追跡させろ、と言ったら分かるか?」

それに対してうなずくと、

霊夢「なるほどね、そうすればいいのね」

と答えてからセルメダルを入れて上のほうの赤い色の缶のボタンを試しに押した。

するとタカ・カンと言う機械に近い音声と共に赤い缶が出てきた。

それを霊夢は手にして、少し珍しそうに見るがほとんど直感で開け、逆さにする。

逆さにされた赤い缶はタカのようなアンドロイドになった。

霊夢は内心驚いたが、

霊夢「あんた、ヤミーを探してちょうだい」

と言った。そのタカのようなアンドロイドは理解したらしく二度首を上下に動かすと飛んでいった。

アンク「お前なにもんだ!どうして人間がメダルの力を使える」

そう言いながら男を睨みつけるようにして言う。

??(後藤)「お前たちが寝ていたのは800年。その間に人間も進化したってわけだ。お前たちグリードに対抗できるほどにはな」

と言うと幻想郷にはない銃をアンクに向ける。

アンク「ふんっ、進化っていうのは大きすぎるその自信のことか!」

皮肉るようにそう言った。

その間をいつの間にか変身を解いた霊夢が入り、

霊夢「いい加減にしなさいよ、このバカ2人。やめてくれないかしら?」

と怒り顔で言った。そうすると2人は暫くにらみ合った。

が、男が銃を降ろすとバイクで走り去っていった。

霊夢「ったく・・・助けてくれる人かと思ったらあれだなんて。どんな人よ」

愚痴をこぼすように、そして戸惑うように言う霊夢に対し、

アンク「確かに変わっているようだな」

と呟くアンク。さっき男に言われた言葉を思い出して、

アンク「こっちにもそうする必要があるか」

と言うアンク。それからその体の持ち主の記憶を見る。

 

一方幻想郷にはにつかわぬ建物の中。

ノートパソコンで2人の様子を眺めていた男が言った。

??「今のところ非常にいいバランスだよ、里中くん、八雲くん」

そう言いながら横に座る女性とその女性の斜め後ろに立つ日傘を差す女性はノートパソコンをみている。

??「力はあるが、技術と知識のないオーズを我々ライドベンダーとなんとグリードの1人が保管している!」

と自分の机と椅子のあるところまで行きながら語る男。

??「メダルが増えるのにこれ以上素晴らしい環境はないっ!」

熱弁するかのように叫ぶ男をよそにセルメダルを軽く積み上げる女性。

??「確かに、増え方は上昇しています」

言ってから再び積み上げると積み上げたセルメダルが崩れてしまう。

??「後藤くんには当分フォローをしてもらおう」

そう言いながら窓の外に見える幻想郷を眺める男。

??「さて!今日が誕生日の者はいるかね!」

その言葉に反応してノートパソコンを自分の方に向ける女性。

??「えーっと、そうむに1人・・・」

と言うと手帳を開く。

 

一方何故かアンクは香霖堂の前についていた。

霊夢「アンク、どこへ行くつもりなのよ」

軽く苛立ったように言う霊夢に対し、

アンク「俺の家だ」

平然とそう語るアンク。

霊夢「どっからどう見ても霖之助さんの店よ。あんたの家じゃないわ」

言葉に嘘はなかった。しかし、

アンク「こいつは俺だ。だから俺の家だ」

と言うのを聞くと霊夢は、

霊夢「いや、あんたのそれ・・・里の住民の体でしょう?別人よ」

と言った。すかさず、

アンク「どうでもいいだろう?まあ、自由にできるのは体だけじゃない。頭の中身もだ」

そう霊夢に近づきながら言うと香霖堂に向かっていった。

霊夢は香霖堂を改めてみると追いかけた。

中にずけずけと入っていくと、

アンク「調べないとな、セルメダル集めてる人間と封印されてる間に無くなったコアメダル。進化した方法で」

と言いながらその中にあったパソコンに目をつけた。

その中、体格のよい男はふらつきながら歩いていた。

男「もっと食い物を!」

・・・と叫びながら前に右手を伸ばし、なおも歩いていた。

 

魔理沙の働くようになった場所で魔理沙は店の人・・・弓野舞子に相談を受けてもらっていた。

もちろん店はそれのためだけに休業にしてもらっている。

舞子「大丈夫?」

そう心配そうに言いながら飲み物を持って近づく舞子。

魔理沙「なんだか悪いぜ、たかだか相談のために・・・」

申し訳なさそうに言う魔理沙に対し、

舞子「そんなのは気にしないで」

と言いながら飲み物を魔理沙の前におくと隣に座る舞子。

舞子「でもねぇ・・・。私が思うに霊夢があの里にいる男となにか知り合いだってわけじゃないと思うのよ。霊夢とその人が友好結んでるような感じはしなかったんでしょう?」

優しくそう語りかけるが、

魔理沙「でもあれは確かに・・・」

と困惑した様子で魔理沙。

そこへ男が入ってきたのでそれに向かっていく舞子。

舞子「すみません、今日はお休みなんですよ」

とその体格のいい男に向けて言った。魔理沙は後ろの方で扉からでも見える位置に立った。

男は顔をあげると、

男「食い物ぉ!」

と叫んだ。

舞子「だからお客様・・・」

今度は言い切る前に男に横に突き飛ばされる舞子。

魔理沙「舞子っ!」

床に軽く横たわっている舞子に近づき心配したようにそう声かける魔理沙。

男はその間にふらつきながらも台所に入っていった。

そして食い物、とだけ言うとその上においてあった食材をそのまま食べ始めた。

その窓からタカのアンドロイドが中を見ていた。

 

香霖堂ではパソコンをいじり幻想郷のことなどを調べるアンクとその後ろに立つ霊夢がいた。

霊夢「ちょっと、なんであんたがそれを使えるのよ・・・」

とどこか困惑した様子だった。

アンク「こいつの記憶を使えばすぐ覚える」

当たり前のように答えるアンクにより一層困惑する霊夢。

アンク「趣味だったらしいからな、こうやって物を集めたりして使い方を知ろうとするのが」

そう言うと再び記憶を探るアンク。

アンク「なるほど・・・。最近貰ったもんがここにあるのか」

呟きながらタンスを漁る。奥の方に誰もいない部屋があるのを見て霊夢は違和感を覚える。

アンクはいつの間にかスマートフォンを取り出していた。そして箱から取り出し、眺めた。

それからタカ・アンドロイドが知らせに来る。

霊夢「あら、見つけたのね、ヤミーを」

 

台所をあさりにあらした男を見ていた舞子は、

舞子「魔理沙、自警団、自警団を呼んでちょうだい!」

と軽く叫んだ。魔理沙はそれに応じて出ようとするが、台所から出てきた男のせいでいけなかった。

それだけではなく男は物を投げてきた。魔理沙はとっさに魔法陣のようなものを自分と舞子の前に出す。

おかげで直撃は免れた。それを防ぐとそれを消した。

しかし、突然入ってきた缶によってその男は出て行く。

舞子「そうだわ、今のうちに扉を!」

そう言われて魔理沙は扉を閉めるが直前にアンクが見えた。

 

とある場所まで行くと男は缶を捕まえる。が、動いたので手を離す。

タコのようになるとそこから墨をはく。目潰しのようなものをされた男をとめるようにするとタカのようなアンドロイドが食べ物を持ったまま動く。

霊夢「それでいいわよ、んじゃこのままっ・・・!」

中からヤミーが出てくるのをみてそう呟く霊夢。

しかし、アンクによって邪魔されたあげく、その食べ物を男に投げ渡してしまう。

男は受け取ると食べ始める。

霊夢「ちょっとなにしてくれるのよ、アンク」

半ばきれたように言うと、

アンク「言っただろう?このヤミーはまだでかくなれる」

とアンクが言った。

霊夢「ったく・・・あんたはまだそんなことを?」

呆れたように言うと

アンク「問題あるか?食ってるだけなら誰も被害を追わない」

説明するようにアンクが答える。

しかし、どこかキレたように霊夢が、

霊夢「それでもこの男も里の住民よ。んだからどうなるかぐらい説明してもらおうかしらね?」

と言った。それをふん、と言ってから、

アンク「これは自業自得だ。いいか、ヤミーのせいでこうなったんじゃない。この人間の持っている欲望のせいだ。欲望にまみれて死ねれば本望だろう」

当たり前のようにそう言った。

霊夢「だからってそれは・・・」

里の住民に影響が及ぶのが困るからこそ困ったように言う霊夢。

男は腹部が更に膨れてうめき上げる。

霊夢「あれじゃ駄目だわ。いいからメダル出しなさいよ」

と言いながらアンクの腕をつかんで言うが、アンクに離されたあげく突き飛ばされてしまう。

それから上半身を軽く起こすとアンクが近寄ってきて、

アンク「覚えろ!命令するのは俺だ!言っておくが、ベルトを捨てたらそれこそ人間を助けられない!」

そう大きな声で叫ばれる。

霊夢はそそくさと立ち上がると男に近づいて、

霊夢「やめなさい!それ以上食べて死にたいわけ!?」

と言いながら食べ物を取り上げようとした。

しかし、反対側へと放り投げられてしまうが上手く受身をとり、少し回転しながら移動した。

それから立ち上がるのと同時に男も立ち上がった。霊夢はわき目もふらず男の方へと向かう。

アンク「馬鹿が・・・」

とだけ独り言のように呟いた。が、霊夢は自分より体格のいい男を手でいなそうとしている。もちろん格闘については上のため、なんとか怪我せずにすんでいるが相手にもなにも出来ていない。

アンク「そのままだとお前が押されてお前が先に死ぬぞ!」

と叫ばれ、忠告されるが、

霊夢「なにもしないで里の住民を見殺しにするよりはマシよ!」

と叫び返した。すると男からヤミーが出てきて脱皮するかのように姿が変化した。

すると霊夢が襲われかけて避けるしかなくなった。

アンク「またこのパターンか・・・霊夢!」

そう叫び、呼ぶと3枚のコアメダルを霊夢に向けて投げた。

霊夢は近寄ってくるヤミーを蹴って後ろに転ばせると投げられた3枚のコアメダルを上手くキャッチする。

起き上がって再び襲ってくるヤミーを華麗に避けると左手でフォースドライブをおなかにつける。

それがベルトになるとすぐに2枚のコアメダルをそのオーカテドラルに入れる霊夢。

そこをまた襲われかけ、また華麗に避けると残りの1枚を真ん中にさし、右手でオースキャナーを手にしながら左手でオーカテドラルを斜めにする。

オースキャナーでコアメダルをスキャンしてから、

霊夢「変身!」

とお決まりのポーズをしながら言った。右手を軽くあげると

霊夢の周りのメダルのようなものが浮きながら「タカ トラ バッタ タ・ト・バ タトバ タッ・トッ・バッ」と言う歌のような音声がして3枚の大きなメダルが一緒になりマークのようになると霊夢につく。霊夢の姿はそれに応じてまた別の姿へと変わる。

今度は最初から剣を持っている。

そして勢いよく切ろうとするが弾力のよい肉体がそれをはじく。

霊夢「・・・わっ!?」

さすがの霊夢もはじかれるのは初めてだったため、驚いてしまう。・・・が、それでも再度挑むが何度やってもはじきかえされてしまう。

ヤミーの攻撃を避けてから切ろうと横にしてやってみるがそれもはじき返されてしまう。

霊夢「ちょっとこいつ、今まで退治してきたのより酷いんだけれども!?」

と思わず叫ぶ霊夢。そしてそれから再度切ろうとするがやはりはじきかえされる。

それを後ろに行きながら繰り返すが後ろのめりになった時に剣を手放してしまう。

そのため、トラクローを出してヤミーに向かった。

最初は避けられてしまうがそのあとは当てる。・・・が、なかなか通じない様子。

それを何度やっても無駄だったため、

霊夢「ちょっと、なによあの体!天人よりもかたいんだけども!?」

トラクローをそのままに少しうろたえた様子で叫ぶ霊夢。

それから突き飛ばすようにしてヤミーをつく。

ヤミーはそのまま突き飛ばされて建物の柱へとぶつかり、そのまま霊夢の方に戻っていくが霊夢は妖怪退治や異変解決に弾幕ごっこでつちかった回避力で辛うじて回避する。

トラクローをたたむと緑色のほうから足へと光が進んで行く。

それからジャンプし、軽く足をあてるとセルメダルが少量出てきた。

なので霊夢は慣れた足つきで何度もヤミーを蹴った。そのたびにそこからセルメダルが出てくる。

外の見晴らしのいいところまで進むと攻撃をしてくるが、霊夢はたやすく避けてそのまま飛びけりをしようとするが軽く避けられてしまう。

霊夢は気にせずそのまま再び何度も蹴る。ヤミーはそれで軽く転がるようにして後ろへと移動する。

それをみてオースキャナーを右手にし、オーカラドラルを再スキャンする。

すると「スキャニングチャージ!」と言う音声が聞こえた。それから光が足の方へと移動すると足の形がまるでバッタの後ろ足のように変化する。

それから結構深めにしゃがみつつ「よっ・・・!」と言い、結構高めに跳んだ。

ヤミーはその間に立ち上がる。

飛び上がった霊夢の斜め下の方には赤・黄・緑のわっかのようなものが現れており、霊夢はそこを足を下にしたままくぐるようにして進む。最初のところを通ると羽のようなものが生えるが途中に柱が3つ邪魔するように浮かぶ。

アンクはそれを気づいたように見て、それから近づいた。

霊夢は気にせずそれを破壊しながらも進んだ。3つをとおるとさっき通ったものがまるでオーズのように3つが並んで現れた。

それをすると霊夢は地面に着地。

ヤミーはセルメダルを多少落としたが、生きていた。

霊夢「退治しきれていない・・・?」

おかしい、と言うような声で言う霊夢。

その後ろへと歩いて行って、

アンク「お前を邪魔した奴がいるんだ」

とアンクが言うのを半分振り返って聞く霊夢。

霊夢「・・・?」

不思議に思い、前を向く霊夢をよそにアンクが、

アンク「カザリ・・・お前の仕業だな?」

と言った。それを聞いてかふふ・・・ふふふ・・・と言う笑いと共にドレッドヘアー状にあまれたライオンの様な髭を持ったグリードが出てきて、

カザリ「やぁ、久しぶりだね、アンク」

と言った。それに対しアンクは軽く睨むようにして見つめ、霊夢はよく分からない、と言う風に見つめる。




そういう感じですかね。
一応言いますが、霊夢の能力はオーズに変身するとほとんどが制限かかって使えなくなります。
空を飛ぶ程度の能力はまず使用不可能。
そのほかもほとんどが使えないに近いです。
ですが、つちかってきた技は使えるようにしているので元ネタよりかはある程度強いかと・・・?


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霊夢、救いの手を差し伸べる

今回、霊夢があんまり出さないであろうものを出します。
まだまだ先が長いですねぇ・・・。


アンク「カザリ・・・お前だな?」

そう呼ばれた相手は右手をあげながら、

??「やぁ、久しぶりだね、アンク」

と言った。

アンク「こそこそ付きまとってるとは・・・お前らしいな」

赤い腕になっている右手を相手に向けながら、いらだった顔をして言う。

それから、

アンク「そういえば人間に寄生するヤミーはお前のお得意だったか」

と腕を動かしながら言う。

ヤミーはその間にも倒れている男へと近づいていく。

そして、軽く振り返るとセルメダル状になって倒れている男の元へと戻った。

男はうめき声をあげながら立ち上がる。

そして「もっと食い物を」とか言いながらそのあたりをふらつく。

霊夢「ちょっと待ちなさい!」

と言って近づこうとするがカザリによって邪魔をされてしまう。

吹き飛ぶが、上手く着地する。

アンク「気をつけろ。奴は取り戻しに着たんだ。お前のその1枚は奴のコアメダルだからな」

と霊夢の腰辺りにあるオーカテドラルを指差しながらそう言う。

霊夢「なるほどね。つまり、グリードってわけなのね」

納得したように呟くとアンクのそばによって軽く身構える。

カザリ「そんなに警戒しないでよ。戦う気はないんだから」

そう言うグリードカザリ。

アンク「なに!?」

先に言ったのはアンクだった。

カザリ「聞いてよ。無くなったコアメダルなんだけど・・・さすがに君が全部持ってるとは思ってないよ」

そう説明するように言ってから、

カザリ「なにしろ君自身がその有様だからね」

と言った。

アンクはで?と言った。それに対し、

カザリ「オーズなんて捨てて、グリード同士で手を組まない?」

霊夢は平然とそれを聞いている。どうやらさほど気にするほどではないらしい。

 

一方魔理沙はアンクを探していた。あの時何故いたのか知りたいがために。

魔理沙「あいつ・・・どういうことだぜ」

そう呟きながら歩くが、彼女らに近づいていた。

 

戻って3人。霊夢は相変わらず警戒していた。

カザリ「分かってると思うけど、オーズなんて元は僕達を封印する存在じゃないか。そんなのと組むのなんて無理だよ」

そう言いながらカザリは霊夢とアンクに近づく。

霊夢は冷静にアンクとカザリと呼ばれたグリードを交互に見つめる。

カザリ「アンク!僕は昔からグリードの中で君に注目していた。僕と組んだほうがメダル集めは効率的だよ」

足を止めてなおも言うカザリ。

アンク「俺としても仕方なくオーズを使っているだけだ」

呆れたようにも聞こえる声で言う。

アンク「なにしろ・・・これだけしか復活できていない」

言いながら右手をあげる。

思い出したかのように首を動かすと、

アンク「・・・が、人間はやっぱり面倒くさい。お前の方がマシかもな」

と言う。霊夢はやっぱりグリードね、と内心思った。

カザリ「決まりだ。オーズはもういらないね」

そう言いながら霊夢の方へと歩き出すカザリ。霊夢は少し後ずさりをする。警戒をしながら。

アンク「待て!」

そう言うと霊夢とカザリの間に歩くアンク。

アンク「グリードのお前と組むのもそれはそれでデメリットがある。少し考えさせろ」

と自身の額に赤い腕の方の手を動かして指差すように動かす。

ふん、と言ってからカザリは、

カザリ「分かった。でも長くは駄目だよ」

と言った。それから、

カザリ「君は油断ならない」

とも言った。そういうと黄色の竜巻のような物を出す。霊夢は警戒していたおかげで防御することが出来た。

しかし、多少後ろへと移動してしまう。

それから姿は見えないが、カザリの声で「頭のいい君ならいい答えが出せるはずだ」とと聞こえた。

霊夢「これがアンクと同じグリードの力なのね・・・」

妖怪よりも強い、そう感じながら呟いた。それからふらついた。

 

変身を解いた姿で多少おぼつかないような立ち方をしていた。

霊夢「グリードって妖怪やヤミーとは全然違うのね」

はぁ、はぁ、と息を切らしながらそう言い、そのまま続けるようにして、

霊夢「強さじゃないわ。力の質が違う気がするのよね」

と言った。そんな風になりながらも立っている霊夢の後ろに近づいてから、

アンク「当然だ。カザリのほかにもあと3人。ウヴァ、ガメル、メズール。もし奴らのコアメダルが集まっていたとしたら・・・今頃どうなってたか」

それを聞いて未だにはぁ、はぁと息を切らしながらそれでもなお立っている霊夢が、

霊夢「確か・・・世界を食らうとかなんとかって言ったわね」

と言った。暫く間をおいてから、

アンク「さてと・・・カザリからのありがたい申し出で俺もオーズが必要ってわけじゃなくなった。どうする」

と半ば尋ねるようにしていった。それから、

アンク「黙ってメダル集めに協力するなら考えてやるが」

と未だに息を切らしている霊夢に向けて言った。

霊夢「それは無理な相談ね」

そう言いながらなんとか立てている体をアンクに向ける。

アンク「馬鹿か。お前も見ただろう。人間なんて一皮向けば欲望の塊だ。いくらそうやって助けようとしてもきりがない」

霊夢「そりゃそうよ。人間は欲望に負けたりするわ。それでもちゃんと・・・」

そう言う霊夢を遮るようにして、

アンク「”欲望に負ける”。よーく考えろ。その間、俺はこれを勉強だ」

と言うと幻想郷には不釣合いなスマートフォンを取り出して見えるように動かした。

それから霊夢の前を去っていった。

暫くすると魔理沙がきて、

魔理沙「・・・おい、どうしてお前そうなってるんだ?」

と言った。霊夢は気づいて顔だけ向ける。

霊夢「・・・え?魔理沙?なんでここにきてるのよ」

少し驚いたように言う霊夢に、

魔理沙「なんとなくだぜ。だから、お前どうしてそうなってるんだよ」

と言う魔理沙。しかし、霊夢はなにも答えず、魔理沙の方へとはぁ、はぁと息を切らしながら今にも倒れそうな体で振り向くだけ。

しかし、それからすると相手がライバルである以前に親友だと言うことに安心してか、そのままその場に倒れこんでしまう霊夢。

魔理沙「・・・霊夢!?」

慌てて霊夢に駆け寄る魔理沙。

 

一方あの体格のよい男は別の場所で食べ物を食べていた。

しかし男は「苦しい、もう食べたくない」と言った。周りの引いている同じ里の住民は気づいてる様子はあまりない。

「もういやだ」とも言うが手を止められず口にしてしまう。その間にもセルメダルが増えていく・・・。

アンクはそれに気づく。そして内心でもっと食え、それでもっと溜め込め、と思った。

スマートフォンをいじりながら、

アンク「なるほど、面白いな」

と1人で呟いた。

アンク「こんな場所でも小さな機械にある大量のデータが使える。飛び回る必要もないってわけだ」

そう言ってからスマートフォンを見る。それを離れた場所から後藤と言う男がみていた。

それをどこか別の場所で見ている男は女と日傘をさす女とで軽い会話を交わした。

 

魔理沙のバイト先の店。舞子があの男のせいで大損害と呟きながら台所に立っていた。

それからこう呟いた。

舞子「魔理沙を連れ戻してくれた子が、魔理沙にかつがれてくるとかどうかしたのかしら」

霊夢はある部屋で魔理沙に手当てを受けていた。

魔理沙「こんぐらいで大丈夫だろ」

そう言うと上の方の巫女服を背中を隠すようにしておろした。

魔理沙「あとこれを渡しておくぜ」

霊夢に向けて、さっき霊夢の背中に張ったシップのようなものを差し出した。

霊夢「あら・・・悪いわね。というかあんたもそういうのができるのね」

と受け取りながら言った。

魔理沙「それより・・・さっきの話は本当なのか?」

救急箱のふたをしめてから霊夢の方へと顔を向けてそう尋ねる魔理沙。それから、

魔理沙「あの赤い腕の奴とかの件でそうなったとか」

と言った。霊夢はうなずき、

霊夢「ええ、そうよ。あの時は悪いわね、あんたをここに戻さないと私でも慣れない出来事に巻き込むかもしれないと感じたから」

そう申し訳なさそうに言った。

魔理沙「なんでお前がそうやって無理をするんだよ」

言ってから、

魔理沙「どうすりゃいいんだ?自警団か?永遠亭か?」

と霊夢に向けて言った。

少し考えると霊夢は、

霊夢「勘なんだけれどもね、どれだけ犠牲を払っても多分アンクは捨てるときは捨てると思うのよ。私はこうした方がなんとなくいいからいいわ」

そう平然と話した。

魔理沙「そんなんじゃ駄目なんだぜ・・・」

と言うが、

霊夢「そうしないといけないのよ。それに・・・そうしないとなんとかならないもの」

と言った。それから立ち上がる霊夢。

霊夢「まっ、やってくるわ」

部屋から出て行こうとするのを魔理沙は、

魔理沙「だからってお前1人がなんとかできるのか?」

と言って引き止めようとする。

霊夢「なんとかなるわよ。それに・・・手を伸ばせるのに伸ばさなかったらきっと死ぬほど後悔するわ。それが嫌だから手を伸ばすのよ。まっ、たったそれだけよ」

いつものあの余裕ぶった笑みを魔理沙に向け、言い切る霊夢。

 

霊夢が部屋から出てその店から出ようとして、

霊夢「なんだか悪いわね。お世話になったわ」

と言う。

舞子「あー、別にいいわよ。魔理沙の知り合いだもの。んでも気をつけてちょうだいね?大食いの男、となりの店にいるみたいだから」

そう霊夢に説明した。それを聞いて察するとその店から早歩きで出て行く。

魔理沙はあとをおう。そして出口から少し歩いた場所でおいつき、

魔理沙「そいつのところに行くのか?お前・・・そんな怪我でいけるのか?」

心配そうに尋ねた。

霊夢「ったく魔理沙・・・平気よ。それにあんたもそれなりにしてくれたじゃない」

その心配そうな顔に向けて笑うと

霊夢「ほら、かえもあるから、ね?」

そう言いながら懐よりその替えのシップのようなものを取り出して見せる。

それからしまって走っていく。魔理沙はそんな霊夢を心配そうに見送った。

 

ある場所では騒ぎが起きているが、霊夢は軽く空を浮いてある程度進み、自動販売機を見つけ、その近くに降りると便利だからとセルメダルを入れてボタンを押してバイクにする。

それをよしとしてヘルメットをなんとなくでかぶり、それから移動が楽になるように乗っていった。

それで移動してから暫くするとその問題の店の前についた。

ヘルメットを脱ぎ、それからバイクからおりて少し歩く。

するとアンクが近くに現れる。

霊夢「・・・・・・アンク」

落ち着いた様子で言う。

アンク「霊夢、答えは出たのか?俺はすっかりこれをマスターした」

スマートフォンをみせながら霊夢に近づくアンク。

霊夢「答えは同じよ。私はあんたの道具になんてなりさがらないわ」

と平然と言い放つ。

アンク「ったく・・・!」

呆れたように言うアンクの後ろにカザリが出てきて、

カザリ「じゃあ・・・アンクの答えも決まりだね」

と言った。

カザリ「君はオーズなんて捨てて僕と組む」

それに対し、

アンク「そうなるなぁ」

と言うアンク。

カザリ「お前は・・・ここで消える」

巫女服の霊夢に向けてそういうカザリ。

それに対し落ち着いた様子でバイクからメダジャリバーを取り慣れた様子で構える霊夢。

それに向かったカザリをアンクは右腕を戻し、それからカザリにつっこんだ。

軽くセルメダルが出てくる。カザリはそのせいでそこから後ろの軽く突き飛ばされる。

カザリ「アンク・・・。お前・・・!」

そう言うと顔をあげてアンクを見る。

アンク「お前は疑い深かったが、復活した後も同じだな。俺と霊夢が裏合わせしないかうろうろしてただろ」

そう言ってからスマートフォンを出して

アンク「これもこっちじゃ使えるんだぜ?黙ってても情報を集められる。人間に見られていたんだよ、お前」

と言った。

カザリ「まさか・・・人間がそんなこと・・・!」

とうろたえるように言った。

アンク「俺達が眠ってる間にそういうことがあったんだよ。疑い深いとそういうところから裏切る。うるさくても面倒くさくてもまだ人間の方がマシだな」

霊夢を見ながらまんざらでもなさそうに言った。

カザリ「お前・・・!」

と言ってアンクに近寄るがアンクに抵抗されて後ろへと移動する。

アンクは霊夢!と叫んでから3枚のメダルを投げる。

霊夢はフォースドダイブを前の大体腰辺りにあるような場所につけ、それがベルトの形になるのと同時にメダジャリバーを落として投げられた3枚のコアメダルを右手でキャッチする。

それから両端、真ん中といれる。それを見たカザリは少し驚いた様子を見せる。

霊夢は入れ終えると左手でオーカテドラルを傾け、右手でオースキャナーを手にする。

それから斜め上になるよう持ち上げて、スキャンさせる。

霊夢「変身!」

そう言うとオースキャナーを胸辺りまで持ち上げる。

するとあの「タ・ト・バ タトバ タッ・トッ・バッ」と言う音声がして霊夢の姿が変わる。

カザリがその間にも襲い掛かってくるが、軽く避ける。そう言う感じで多少場所が移動する。

カザリの攻撃を霊夢はすんでで避けたりする。バックステップだけでそれだけ避けれるかは少し不思議だが。

しかし、避けるだけでなにも出来ていない。そこへ、「霊夢、これに変えろ!」と言うアンクの言葉と一緒にカマキリのコアメダルが投げられる。霊夢はそれを受け取ると真ん中のと取り替える。

そして相手の攻撃を再度避け、オースキャナーで再度スキャンしなおす。

すると、「タカ カマキリ バッタ」と言う音声が流れ、胴体だけが変化する。

そしてその腕ので応戦しだす。

なかなかいいが、カザリを軽く後ろへとやるとカザリが風のようなものを霊夢に向ける。

もちろん能力がほとんどオーズになっている霊夢は軽く吹き飛ばされ、霊夢は地面を軽く転がる。

カザリ「コアメダル・・・返してもらうよ」

その様子を見ながら言い放つ。それから霊夢に近づく。霊夢はなんとかして立ち上がる。

しかし、立ち上がってから少しふらつく。

アンク「霊夢!死んでもとられるんじゃねーぞ!」

と霊夢に向けて叫ぶアンク。

霊夢「死んでも・・・?ふふっ、面白いわね」

やはり大変らしいが、少し笑う。

それからお互いに飛んで攻撃しあうが相撃ち。

そのときに胸の辺りを攻撃されてしまったのでそれがいけなかったらしく、オーカテドラドルの真ん中からそのメダルのみが弾き飛ばされる。

それをキャッチしようとアンクは腕を体からはなし、飛んで行くが先にカザリに奪われてしまう。

同時に地面に落ちた霊夢はそのまま変身が解けてしまう。

カザリ「・・・ウヴァのメダルか」

と言いながらそのコアメダルを見つめるカザリ。

アンク「やっぱ人間を選んだのは失敗だったか」

多少怒りを感じる声でそう呟くアンク。

カザリ「僕のメダルも返して・・・」

言いかけた瞬間、何故か肩の部分がセルメダルになって外れる。

カザリ「・・・なに!?」

そう驚きながら膝をつく。それを見ながら右手だけがグーの霊夢がお姉さんすわりのような体勢まで持ち直す。

そして右手を開くと・・・3枚のコアメダルを手にしていた。

カザリ「僕の・・・」

そう言いながらさっきの霊夢の行動を思い出す。実はあの時、霊夢は勘のみでカザリのコアメダルを奪っていたのだ。

カザリ「僕のコアを・・・」

胸に左手をあてながらお姉さん座りのようなポーズをしている霊夢を見つめてそう言う。

霊夢「悪いわね、あの時あんたから奪えって私の勘が告げていたのよ」

自慢げにカザリに向かって言う。それをアンクは奪うようにしてとってから、

アンク「上出来だ」

とだけ言った。

カザリはふらつきながら、

カザリ「アンク・・・いつか後悔するよ」

と言った。それからふらつきながら逃げるように去っていった。

霊夢は若干ふらつきながらもなるべくスカートの下が見えないように立ち上がる。

 

窓の音で気がついてそっちの方へ軽く移動する。

男は「助けて」とうめくように叫ぶ。

アンク「そろそろ寄生するのも限界だな。メダルの収穫だ」

そう言ってる間にも男はヤミーの中に取り込まれるように入っていってしまった。

霊夢「あー!んもう!あの中に入るだなんてどういう奴よ!」

半ばキレたように叫ぶ。軽く暴れるヤミーをみてアンクが先に移動する。霊夢は急いで後を追う。

それから人気の無いような場所で離れた場所にヤミーが見える。

アンク「欲望に飲み込まれたってところだ。あの醜さが人間の本性だよ。あんなのに助ける価値があると思うのかよ」

と言うアンク。前へ移動しながら、

霊夢「価値?そんなのはどうでもいいわ。決めることでもないし」

アンクに向けて言った。しかし、

アンク「俺は決めるぞ。価値なしと決めたらすぐにお前を切り捨てる」

平然と言い放つ。

霊夢「んなのはどうでもいいわ。なにかあったらあんたをなんとかして倒すまでよ」

アンクの少し前で少し睨みながら言う。

アンク「やれたら褒めてやる」

言ってから3枚のメダルを放り投げる。

霊夢はそれをキャッチすると、再びフォースドライブを腰に当ててオーカテドラルにしてそこにメダルをいれる。

左手で傾け、右手にオースキャナーをもってからスキャンと言う行為をなれたようにすると

霊夢「変身!」

とだけ言ってからヤミーに向かって走る。「タカ トラ バッタ タ・ト・バ タトバ タッ・トッ・バッ」

そういう音声とともに姿が変わるがそれでもなお走る。

メダジャリバーで切ろうとするがやはりはじかれる。

それを繰り返してから、

霊夢「やっぱり切れないわね」

面倒くさそうに呟いた。

上からみていたアンクが、

アンク「また妙な具合に成長したな。霊夢、もっと深く切り込め!」

と叫んだ。

霊夢はヤミーの方を見ながら、

霊夢「あの中に誰もいなきゃさっさとやってるわよ」

と叫び返してから相手の攻撃をさっとバックステップで避ける。

それから攻撃を防ぎ、おなか辺りを何回かやや深めに切ると少しひらいてセルメダルが見えるようになる。そのときに一瞬だが、男の顔が見えた。

霊夢「セルメダル・・・。なるほどね、邪魔な物がなければいいってわけ」

納得したように呟くとまた攻撃を避ける。

アンク「なるほどな。霊夢!さっきとったこいつを使ってみろ!」

と黄色のコアメダルを霊夢に投げる。

メダジャリバーを使っていなしてそれを受けとる。

それをバッタのコアメダルと取り替えてから再び攻撃を避けてオースキャナーで再スキャンする。

今度は「タカ トラ チーター」と言う音声がして変化する。

そこへ襲ってくるヤミーをいともたやすく避ける霊夢。

はやすぎて少し超えてしまうが体勢を崩さずにヤミーを見る。

霊夢「ちょっとはやすぎるけども・・・このはやさを使えば簡単ね」

向こうが霊夢の方へ行くのと同時に下の方が光って軽く煙みたいなのを出す。

それから素早い動きでヤミーをけりながらうえに行く。

空中一回転してからヤミーの肩をつかんで足で何度もおなかを蹴る。

それを繰り返すとセルメダルが蹴られて出ていき男の顔が見えるようにまで穴がひろがる。

それから霊夢は手を差し出す。男も応じて手を伸ばしながら助けて、と言う。

しかし、それでも飲み込まれそうになる男。

霊夢「仕方ないわね、助けてあげるわよ」

仕方なさそうに呟くとより奥へと手を伸ばす霊夢。

バイト先の店にいる魔理沙は霊夢の身をあんじていた。そして霊夢の言葉を思い出していた。

霊夢はなんとかしてでも手を伸ばしていると暫くして偶然にも手をつかむことが出来た。

それをよしとして半ば乱暴に外に放り出す。

男は少しのセルメダルと一緒に出てくる。

もはやそうなると霊夢(オーズ)の独壇場だった。

3枚セルメダルをメダジャリバーにいれると閉じてからオースキャナーを使ってスキャンする。

すると「トリプル!スキャニングチャージ!」と言う音声が流れる。

同時に構える霊夢。そして素早く空間ごときるようにして動かす。

ゆがんだ空間だけが戻り、ヤミーは爆破し、セルメダルはその場に落ちる。

 

あとからきた里の人達の持っているのタンカに運ばれながら、

男「もう食べ物のドガ食いはしません。ちゃんと自制しますぅ」

と言っていた。

それを霊夢とアンクが歩きながら聞いていた。

霊夢「見て見なさいよ。馬鹿だけども、ちゃんと負けたら理解するものなのよ?」

言外に妖精と違って、と言いながらその様子を見守る霊夢。それから、

霊夢「それにさすがに鳥頭じゃないんだし、痛い目にあえば分かるでしょ」

と言った。アンクはふん、と言う。

男は上半身を起こすと、

男「永琳に病院食を美味しいものにできないかって相談してくれないですかね」

と言った。男たちは呆れながらタンカに再度横にさせる。

それを聞いていないのかと尋ねながら運ばれていく男。

もはや霊夢ですらあきれ返り言葉を失う。

アンク「そういうことだ。人間は欲望1つとしてコントロールできない。俺の言った通りだろう?」

そう言ってから霊夢の後ろを歩いていきながらこういった。

アンク「俺の勝ちだな」

それを追いかけながら、

霊夢「あんたとは勝負してないわよ」

と半ばキレたように言う霊夢。

 

それから2人で歩いていくと幻想郷にはない”車”があった。

それをみていると中から女の人が出てきて後ろの方よりなにかパネルを持って出てくる。するとそこに男の姿と後ろの方にスキマで上半身だけ出ている女の姿があった。

??「やぁ、博麗霊夢くん。それとグリードの1人のアンクくん、だったね?」

もちろん聞いて、

霊夢「あー?」

アンク「なんだ?」

と言う2人。それに対し

??「まずは我々の出会いの祝って」

と言ってからクラッカーを鳴らす。

??「人と人との出会いはなにかが生まれる新しい前触れでもある」

そう言われて霊夢は訝しげに、

霊夢「ああん?」

と言った。




一日では投稿できませんでした。
難しいですねぇ・・・。


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