インフィニット・ストラトス 花の道を進みし白い騎士 (夢の翼)
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設定
主人公:織斑一夏(アーマードライダー鎧武・白夜叉)
種族:オーバーロード
年齢:15歳
容姿:一夏の髪を綺麗な白髪にし瞳をエメラルドグリーンにしているイメージ
ヘルヘイムの森の実を口にしてしまいインベス化する寸前に戦極ドライバーを装着した事で意識を保ったまま人を越えた存在『オーバーロード』へと進化してしまった青年、オーバーロードとなってしまった副作用で髪が白くなり瞳がエメラルドグリーンへと変貌してしまっている。オーバーロードとなったそれ以来彼はインベスの脅威から人間を守っている
名前:ロード・ゼロ
容姿:ロード・バロンの赤い部分を白にし黄色い部分を紺色にしたイメージ
一夏が人間を越えた姿であり、一夏のオーバーロードとしての姿。オーバーロードになった時には背中に白いマントが付いており、オーバーロード専用の剣『ションエミュ』を使い戦う。能力は自在に植物を操ったりクラックを平手自由にヘルヘイムの森から人間界へ移動が可能。オーバーロードの力は未だ未知数である
名前:仮面ライダー鎧武・白夜叉
使用ロックシード:ホワイトオレンジロックシード、カチドキロックシード、極ロックシード
一夏が戦極ドライバーを使用する時に変身する姿。全身を紺色のアンダースーツとアームズで包まれた全身を隠した姿、暴走寸前で一夏の命と意識を繋ぎ止めた謎のバックル。オーバーロードとしての力を制御したり或いはインベスを駆逐する時に使用することが多いが、極力余り使わない様にしている。
アームズ:ホワイトオレンジアームズ
元のオレンジロックシードが白へと変質した亜種のオレンジロックシード。オレンジアームズ専用の武器『大橙丸』をベースにした白い刃を持つ刀型の武器『美雪(みゆき)』を使用して戦う。(イメージとしては大橙丸の刀身が無双セイバーと同じ位に伸びた感じ)
カチドキアームズ
『K.L.S.-01』と書かれた鍵穴があるのが特徴のロックシード。ヘルヘイムの森の実からではなく果実のオレンジをベースに一夏が生み出した物。対オーバーロード戦を考えて生み出されたロックシードだが、自分以外のオーバーロードが存在しない為、現在は使用していない。
極ロックシード
使用すれば『世界を制する』事が出来る『L.S.∞』と書かれた鍵型のロックシード。一夏の命の一部から生み出された神秘のロックシード。『いつか人が過ちを起こそうとした時、この力で世界を創り直す』と一夏が最後の手段として創り出した最強の『鍵』。
亡国機業
IS根絶を目的とした秘密結社。クラックから現れるインベスとそれを倒すロード・ゼロの真相を探ろうとしている。
以上設定でした。感想お願いします
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L.S.-00 人を越えた日
これから毎週土日に更新するようにしたいなぁ~と思います。では、どうぞ!
一夏SIDE
俺の名は織斑一夏。世界最強のIS操縦者、織斑千冬の弟だ
「政府への連絡は?」
「あぁ。予定通り連絡した、後は織斑千冬が辞退すれば今回の任務は終わりだ」
暗くて砂が舞う工場の中に俺は目の前にいる男達によって誘拐されてしまった、千冬姉の試合を見に行こうとした途端車に押し込まれて今この状況だ。すると一人の男が俺の傍に寄って来た
「安心しろ、織斑千冬さへ来ればお前は自由の身だ。それまでは大人しくしててくれよ?坊主」
「・・・・何で千冬姉の試合を・・」
「さぁな。俺にも分からないね」
男はそう言うと立ち上がり俺から離れていく。するともう一人の男が持っていた投影ディスプレイを開いてその映像を見て驚いた顔をしていた
《織斑選手がアリーナに入ってきました!》
男がもっていたディスプレイにISを纏った千冬姉の姿があった、それを見た男達は予想外の事に驚きディスプレイに目を凝らして見ていた
「どういう事だ!?何故織斑千冬が試合に出ている!?」
「おい!ちゃんと連絡したんだろうな!!」
「はい!連絡は確かに」
男達は慌て始めながらディスプレイを見続ける。俺は、千冬姉に見捨てられた。俺は千冬姉の為に色々と努力した、勉強や料理、家事なども頑張った全ては千冬姉に迷惑を掛けない為に頑張ってきた・・・なのに俺を・・・・
「「「・・・・・」」」
「坊主・・・」
結局・・・千冬姉も、女尊男卑の世界を望んでいる人間だったって事なのかよ・・・ッ!クッソッ!目から涙が悔しさを表す様に流れて来る、俺は・・・・お・・れは・・・ッ
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!
すると廃工場の何もない所にジッパー状のもので縁取られた扉の様なものが現れた。な、何だあれ?
「「「シャアアアアアアアアアッ!!!」」」
『!?』
「っ!?」
その扉の様な穴から灰色の体を持つ特撮ヒーローとかでよく出る怪人の様な異形の何かが現れた。怪物達は俺と誘拐犯達の姿を見ると一斉に襲い掛かって来た!怪人の一匹が俺に襲ってくる、縛られて身動きが出来ない俺の前にさっきの男が俺と怪人の間に入り込み怪人を抑える
「坊主!お前だけでも逃げろっ!!此処は俺達が押さえておく!」
「で、でも!あんたたちは!?」
銃で怪人達を撃っているが怯むどころか、効いてないのか!?
「クソッ!何だよ此奴ら!!」
「化け物がっ!!」
「ぐあっ!」
次々と怪物の鋭い爪で切り裂かれていく誘拐犯達。そして等々俺を襲ってきた怪人を押さえていた男がその鋭い爪で体を切り裂かれてしまった、男は大量の血を流しながら震えた手で俺にサバイバルナイフを渡してくる
「こ、これで・・・縄を・・・」
「お、おい!」
男はサバイバルナイフを渡すと息を引き取った・・・何なんだよ俺を誘拐して人質にしたんだろう?・・・何で俺を・・・
「逃げろ坊主!!―――――っ!ギャア!」
「セルゲイッ!!このぉぉぉぁ!!!」
「撃て!撃てぇぇぇぇ!!!」
誘拐犯達は俺を逃がそうと必死で怪人達を銃で応戦するが、次々と怪人に倒されていく。俺は激しい銃撃音がなる中ナイフで縄を切り落とし出口へ向かうが既にそこは怪人達によって阻まれていた・・・残る出口と言ったら・・・・あのジッパーの扉しかない、俺は誘拐犯達に夢中の怪人達に気づかない様にそのジッパーの元へ走った、そしてジッパーの前で誘拐犯達の方を振り向く
「・・・・・・・」コクっ
「っ・・・・・・」
俺と目が合った男性が頷いた・・・最後まで何なんだったんだよ・・・あんた達は。俺はそのままジッパーの中へ入って行く。俺が入ると同時にジッパーが上へと上がって行き扉が閉まって行く
「後は頼んだぜ・・・・”未来の救世主様よ”……」
「え?」
未来の・・・救世主?・・・何の話だよ?・・そして最後に見えたのは赤いスイッチの様な物を押した姿が見えたと同時に扉が閉まった。
一夏OUT
一夏がジッパーの中に入り辺りを見渡すとそこは緑が広がる深い森であった。一夏は取り敢えず辺りを探索し始めてから数分が経過した
「この森・・・一体・・・・ん?」
森を歩き続けて一夏はある木の前に足を止めた。その視線の先にあったのは
「バックル?」
ツタで木に張り付けられている右側に小刀が付いた黒いバックルのようなものを見つける。一夏はそのバックルに手を伸ばしツタを剥がしていきバックルを手に取る
「何でこんなものが・・・・ん?これは?」
その隣に実っていた紫色色の果実をもぎ取ると、その果実を見つめる
(何か、美味そうだな・・・)
一夏はバックルを左脇に挟むと両手で、その果実の皮を剥がしていくとまるで真珠の様に綺麗な実が現れる、そして一夏はそのまま果実を口に持っていき
「・・・・・・・」はむっ
口へ入れた、その時
「ぐっ!?ああぁっ!!」
手から果実を落とし一夏はその場に倒れこむ、胸を強く抑えながら一夏は激しく体を揺らす
「あぁぁ!!ぐぅっ!がぁぁぁぁぁぁ!!!」
地面に生えた植物を強く握りしめ何かを耐える一夏、すると一夏の体から緑色の光が徐々に強く輝きだす、一夏はその苦しみを耐えながら拳を握りしめる
(し・・・ねるか・・こ、んなところで・・・・っ!!)
『千冬姉に見捨てられ、こんな何処かも分からない森で』と心の中で一夏は叫んでいた、一夏の胸の光からツタがいくつも現れ徐々に一夏の体を包み込んでいく
「こんな・・っ所でッ!!!・・・死ねるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
シュュュュュュュュュュュュカチャ!
一夏は無意識に左脇に挟んでいた黒いバックルを腰に付けると黄色いベルトが巻かれ、バックルのフェイスプレートに白い鎧武者の横顔が描かれた
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉアアアアアアッ!!!!!」
緑色の光が純白に輝く白い光へと変わり、ツタも白い光のラインへと変わっていく、そしてその光は森全体を覆い尽くしていった
そして光が晴れると一夏が立っていた場所に一夏の姿はなく、そこにいたのは
『・・・・な、何だ?こ・・・れ?』
頭の両サイドに2本の角が生えており。 左腕の辺りに棘が生え純白と紺色の姿をした、怪物の姿へと変わった一夏の姿だった
『ぁぁ・・・・あぁ…!……あぁぁッ!!』
一夏は自身の手を見た、その手は人間の手ではなく純白に輝く異形の手だった
『あぁッ…!……あぁ、ああァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!』
変わり果てた自身の姿を見て、一夏は誰も居ない森の中で青い目から涙を流しながら泣き叫ぶのであった。
これが人間を越えたオーバーロードへと進化した始まりであり、人間としての終わりであった
新作どうでしたでしょうか?感想お願いします
チャオ!
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L.S.-01 ロード・ゼロ
第二回モンドグロッソの日から2年の月日が流れ、ある街に一人の青年が歩いていた。街のありとあらゆる視線はその青年一つに注がれていた。全身を包む白いマントに白い髪、エメラルドグリーンの様な綺麗な瞳。無垢という表現があうのではと思わせるような白い肌――とにかく青年の姿は目立っていた。
「・・・・・・」
その青年、織斑一夏は深く被っているフードの中から空を見上げていた。一夏は無言のまま街を歩いていく
(あの人は・・・どうしてるんだろう)
あれから織斑千冬のことを調べていた結果、如何やら政府が千冬を試合に勝たせるために千冬に自分のことを知らせなかった事がわかった。そして試合中にドイツ軍からのプライベートチャネルでそれを聞き試合を放棄、すぐさま駆けつけたらしいのだが既に廃工場は爆発した後だったらしい、恐らく一夏が最後に見た男性が押したあの赤いスイッチが自爆装置の起爆スイッチだったのだ。それからの織斑千冬の情報は入っていない
「戻るわけには行かない。あの家にあの人の元に・・・・こんな俺を見たらきっと・・・」
一夏はオーバーロードとなった自分を恐れていた、自分の変わり果てた姿を見て周囲の人がどんな反応をするのか到底見ていた。だからこそ織斑千冬の元に戻るわけにはいかなかった、戻ればきっと『化け物』と呼ばれるとそう決まっているのだから、人間とは自分たちとは少し違う人間を軽蔑し恐れ嫌う生き物。そして織斑千冬にも迷惑をかけてしまうから
「にしてもあれからクラックの出現がこの街に集中してきてるしな。俺がどうにかしないと」
クラックとは一夏が付けたあの扉の事だ。クラックには自然に出現するタイプと一夏自身の力で開くタイプがあり、自然に開くクラックを止めるすべはなく。そこから現れるインベスは一夏が倒しているが、インベスの数は計り知れないでいる
(兎に角、インベスを誰の目にも触れさせないようにしないと・・・でもいつ何処で出現するかわからないし)
一夏がそう考えているとざわめく声が聞こえてくる
「おい、あそこで子供が落ちそうになってる話だぞ!」
「消防はまだ来ないのかよ?」
「なんでも交通事故で遅れてるみたいだ」
そう話している男たちの話を聞いて一夏は
「行くか」
一夏はそう小さくいうとその場所へと走って行った
一夏はその現場に到着するとビルの上を見上げた。オーバーロードに進化したたて視力が格段に強化させている、上には中刷りとなっている子供がいた。その周りに野次馬と報道機関がいてとても近づけない状況だった
「ご覧下さい!今男の子が壊れたベランダに服が引っかかり宙吊りになっています。現在消防は交通事故のためここまでこれず、ヘリが来るまでにはまだ時間が掛かります。また政府のIS部隊は許可が下りるのに時間が――――――」
「(・・・・政府め)仕方ない。飛ぶか」
一夏はその場を走り出す、目の前の野次馬たちの上を高く飛び上がり、報道機関達の前に着地するとそのままビルの壁に足をつけ、宙吊りとなっている子供のもとへ走っていく。その光景を見た野次馬達や報道機関は息をのんだ
「み、見てください!ひ、人が!人が壁の上を走っています!信じられません!私たちは夢でも見ているのでしょうか!!」
一夏はそのままビルの上へと駆け上がっていく、そして子供の近くに着くと子供を抱きかかえる
「捕まってろ」
「う、うん」
子供抱きかかえた一夏はそのまま飛び降りた、子供に負担が掛からないよう一夏は徐々に速度を落としながら地上へ着地した。着地した一夏の姿を見た野次馬達が大きな歓声を上げた
『おおおおおおおおおおおお!!!』
「すげぇ!やりやがったぞあいつ!!」
「おいおい、一体何者なんだよあいつ!」
大きな歓声が上がる中、一夏は自分の前に来た子供の母親だと思われる女性に子供を渡す
「大丈夫ですよ、子供は無事です」
「ありがとうございますっ!ありがとうございます!」
母親は子供を大事そうに強く抱きしめながらフードを被って顔がわからない一夏に何回も頭を下げる
「別に構いません。私は自分に出来ることをしただけです、ではこれで」
一夏はそのまま後ろを振り向き、去ろうとすると報道機関が一夏を取り囲む様に一夏の前に集まってくる
「あ、あの!彼方はお名前は!?お名前だけでも教えていただけないでしょうか!?」
「是非お願いします!!」
「・・・・・・・・」シュ!
『っ!?』
一夏はその場から飛び上がり、広くなった道に着地すると。背中を報道人達に向けたまま口を開いた
「唯の旅人です。それでは」
そう言うと一夏はその場からビルとビルの間の細道へと入って行った。報道人たちは一夏の後を追いその細道を見たがすでにそこには一夏の姿はなかった
「ふぅ・・・疲れた」
一夏はあの場からかなり離れた場所へ移動するとレゾナンスというデパートの前にいた
(懐かしいな。此処)
友達と昔遊びに来ていたデパートの前に来た一夏は昔のことを少し思い出す
「弾や数馬は・・・どうしてるんだろう、元気かな」
『キャアアアアアアアア!!!』
「っ!!」
するとレゾナンスから悲鳴が聞こえた一夏はすぐさまそこへ向かう。するとそこには
「逃げろ!早く!」
「なんだよこいつ等!」
「・・・・インベス」
そこにはクラックから出てきた無数の下級インベスが人を襲っていた。下級インベスは逃げ惑う人々を容赦なく襲い掛かっていた、一夏の周りには逃げ惑う人々で溢れており、店の中で隠れている人が多くいた。すると一人の女の子が道に転んだ
「キャ!」
日本人にしては珍しい水色の髪をしており、液晶ディスプレーを付けた眼鏡をかけた女の子がインベスの前で倒れこんでいた
(まずいな)
一夏は何処か人気のない所へ移動していった
???SIDE
私。更識 簪は今の状況が全くわからなかった
「な、に?あれ」
私は大好きなヒーロショーが行われるレゾナンスというデパートに来ていた、そこで欲しかったヒーローの人形やIS学園で過ごすための必要最低限の物を買ってからヒーロショーを見ようとした時だった。突然何も無い所から変なジッパーが現れて、そこから灰色の体をした怪物が現れた、怪物はその場にいた人たちに襲い掛かって来た
「逃げろ!早く!」
「何なんだよこいつ等!」
(に、逃げなきゃ)
私もその場から早く逃げなきゃと走ろうとした時、誰かの肩が私の肩とぶつかりその勢いで私は倒れてしまう
「キャ!」
倒れた拍子にレゾナンスで買った物が落ち、その中からヒーローの人形が落ちる。
「シャアアア・・・」
「っ!」
後ろを見ると一体の怪人が私の方へゆっくりと向かってくる
(いや・・・誰か…助けてっ)
そして怪人が私にその鋭い爪を上げた
(っ!)
ガシっ
「・・・・ん?」
あれ?私・・・・・、無意識に顔を上げ前を見るとそこには
「シャ・・・シャシャァァ・・・・・」
『・・・・・・・』
頭の両サイドに2本の角が生えて。 左腕の辺りに棘が生え純白と紺色の姿をした、怪人が私を襲おうとした灰色の怪人が振り上げた腕を掴んで私の前に立っていた。騎士を連想させる様な白いマントを付けたその姿は・・・
――――――まさに、白い騎士(ヒーロー)が私の前に立っていた――――――
簪OUT
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L.S.-02 HEROの背中
「・・・・・」
『・・・・・・・』
簪の前に突如として現れた白い騎士を連想させる様な姿をしたインベス。ロード・ゼロは下級インベスの振り上げた腕を掴んだ状態で右手に白く輝く剣『ションエミュ』を出現させた
『ふんっ!』
「シャアアアアアア!!!」
ロード・ゼロは下級インベスの腕を払うとションエミュを右へ払い下級インベスを斬りつけた。切り裂かれた所から白い光が発生すると下級インベスは爆発した。下級インベスを一体を倒したロード・ゼロを見て周りの人々は驚きの顔を浮かばせる
「な。あ、あの白いの・・・・」
「ば、化け物を倒したぞ・・・」
すると仲間がやられたのを見たのか他の下級インベス達が一斉にロード・ゼロへ向かってくる
『・・・・・・』
ロード・ゼロはションエミュを構えると神速の速さで下級インベス達を切り裂いていく、切り裂くたびに白い粒子がその場を舞う。
ザシュザシュザシュザシュジュ!!!
「「「シャアアアアアア!!!!」」」
ドカァァァァァァァァァァァァン!!!!
切り裂かれた全ての下級インベス達の体から白い光が現れると同時に爆発し霧散していった。ロード・ゼロはションエミュを三回ほどクルクルト回すとションエミュを下へ下ろした、同時に風が吹きが白いマントが風で舞う。その姿は正に白い騎士だった
『・・・・・・・』
だがその白い騎士も下級インベスと同じく異形の姿をした怪物である事には変わりはなかった。するとロード・ゼロは後ろにいた簪の方へ振り向いた
「っ!」
『・・・・・・・』
こちらに振り向いたロード・ゼロを見た簪の心に恐怖心を抱いた。ロード・ゼロは尻餅をついている簪へゆっくりと近づいていく。建物に隠れている人々は簪に「逃げろ」と叫ぶが簪は腰を抜かしてしまっている為、立ち上がれなかった。その間にもロード・ゼロは簪の元へ近づいてくる。するとロード・ゼロは自身の足元に簪が下級インベスに襲われた時に落としたヒーローの人形を見つける
『・・・・・・・』
ロード・ゼロは人形を片手で拾い上げると簪の前に立つ
『・・・・・・・・』
「え・・・・・・?」
するとロード・ゼロは横にションエミュを地面に突き刺すと腰を下ろし拾い上げたヒーローの人形を簪へ差し出した、その光景を見た簪と人々は驚いた表情を見せる
『・・・・・・・・』
「・・・・・・・・」
簪はロード・ゼロから差し出された人形を受け取るとロード・ゼロは簪の膝を見た。膝には転んだ拍子に傷ついたと思われる擦り傷があった
『じっとしていろ』
「え?(しゃ、喋った?)」
ロード・ゼロが喋ったのに驚く簪。ロード・ゼロがそう言うとロード・ゼロは左手を擦り傷部分に当てるとそこから白い光が現れ傷を治していく。そして擦り傷は最初からなかったかのように傷が治っていた
「あ、ありがとう・・・・」
『・・・・・・・』
その言葉を聞いたロード・ゼロは立ち上がるとションエミュを手に取り、簪に背を向ける。そしていつの間にかその現場の周りには多くの報道陣や警察がいた、ロード・ゼロは気にせずその場を去ろうと歩き出す
「ま、待って!あ、彼方は一体誰なの!?どうして、私を」
『・・・・・・・』
ロード・ゼロは簪のその声を聴き立ち止まると。背を向けたまま簪に答えた
『答えるつもりはない』
その一言だけ言うとロード・ゼロは告げると再び足を動かす。するとロード・ゼロの前にIS部隊が空から降りてきた、その中にはロード・ゼロには見覚えがある人物がいた。
「貴様は何者だ?」
そこに立っていたのは日本の第二世代型のIS『打鉄』を纏った織斑一夏の実の姉であった、織斑千冬が近接ブレードを構えて立っていた。織斑千冬の姿を見たロード・ゼロは多少驚いたが直ぐ冷静になる
(何だ・・・元気そうじゃんか)
ロード・ゼロはそのまま立ち止まった。するとIS部隊がすぐさまロード・ゼロを取り囲む様に包囲する
「さて、では一緒に来てもらおうか」
「ま、待ってくださいっ!」
『っ!』
先程、ロード・ゼロに助けられた簪が千冬の前に立ちふさがった
「IS学園の一年4組の更識 簪です!」
「更識・・・更識楯無の妹か、そこをどけ更識。その怪物には聞かなければならない事がある」
「こ、この人は…私を助けてくれたんです!この人は悪い人じゃありませんっ!」
「何?」
それを聞いた千冬は驚いた表情を取る、自分を庇おうとする簪の前にに手を出して、簪を静止させ後ろへ下がらせる
『悪いが私はお前達人間に捕まるつもりはない』
「信用出来ると思っているのか?」
『・・・・まぁそうだろうな。こんな化け物を古来から人間は敵視する生き物だったな』
ロード・ゼロはションエミュを天へ翳すとIS操縦者達はライフルを一斉に構える
『私にはまだやる事がある、ではな』
ションエミュから眩しい光が発生しその場の人間たちの視界を奪う。そして光が晴れるとそこにはもうロード・ゼロの姿はなかった
「奴は一体・・・・何者なんだ(必ずお前の正体を暴いてやるぞ、『白い騎士』」
千冬はその場から消えたロード・ゼロに悔しそうな表情を浮かべながら、口を歪めた
(また・・・会えたらいいな)
簪はロード・ゼロから受け取ったヒーローの人形を強く抱きしめながらロード・ゼロが消えた場所を見ていた
「・・・・元気でよかったよ、本当に」
ロード・ゼロから人間の姿に戻った一夏はレゾナンスの駐車場の近くにある木の影に腕を組んでそうつぶやくとスッキリした表情でその場を去った
そしてロード・ゼロが消えた場所を遠くから見ている者たちがいた
「あれが人間を怪物から救っていると言われてる、『白い騎士』」
「オーバーロード・・・あれが」
レゾナンスから少し離れたビルの上からその一部始終を見ていたのは豊かな金髪ですらっと背が高く、大きな胸とほそりとくびれた腰に艶やかなヒップラインを持つ女性とオレンジ色の長い髪にタンクトップにジーパンを着た女性、そして露出度が多い青いISスーツを着た織斑千冬と同じ顔をした黒いマントを羽織った少女がいた
「でぇ?どうすんだよ、スコール。まさかあの化けもんをとっ捕まえようって訳じゃねぇよなぁ?」
スコールと言われた金髪の女性は苦笑するとオレンジ色髪の女性に答える
「いえ、そんなことをするつもりはないわ。ただ知りたいのよ、あの『白い騎士』の・・・オーバーロードの正体を」
「スコール、貴様は奴は元は人間と言っていたな」
「えぇ、そうよ」
「でもよ、どうやったらそん元人間がオーバーロードになるってんだよ」
「M、オータム。私たちの目的は世界からISを根絶することよ、世界を相手にするにはそれ相応の力とその人材が必要不可欠・・・彼の力は世界を変える力を持ってるはずよ」
Mとオータムと呼ばれた少女と女性はそれを聞いて「まさか」といった表情をすると、スコールはある写真を取り出す
「『白い騎士』その人物がこの日本の・・・いや、この街の何処かに住んでいることは確かよ・・・・そしてその可能性が高い人間が一人いる」
スコールは写真をオータムとMに見せる
「2年前行方不明になり現在も行方不明になっている、あの”織斑一夏”である可能性・・そして・・・彼が『白い騎士』オーバーロードである可能性が」
そこには今日宙吊りになった子供を抱きかかえ、フードが少し取れた状態の一夏の姿が写っていた
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L.S.-03 白髪の貴公子
――――――とある高層マンション
「・・・・・朝か」
カーテンの隙間から差し込む日差しがベットに寝ている一夏を起こす。一夏は目をこすりながら体を起こすとカーテンを開ける
「・・・・・・・」
一夏はベットの直ぐ隣に置いてあるテーブルの上に置いてあるテレビのリモコンを取ると電源ボタンをつける。電源をつけるとすぐさま立ち上がり、洗面所へ向かう
『――――――次のニュースです。先日○○街の大型デパート『レゾナンス』で怪事件が発生しました、情報によりますと人の形をした謎の生物が市民を襲ったという事です―――――』
テレビには人を襲っているインベスの映像が映し出されていた。そして次の映像に切り替わるとその映像にはオーバーロードとなった一夏の姿『ロード・ゼロ』がインベスを斬り裂いていっている映像が映し出された
『この映像は現場にいた市民が捕えた映像です。この白い騎士の様な姿をしたこの怪人が謎の生物達から市民を守っている様に見られます、はたしてこの白い騎士は一体何者なのか、そしてこの怪物達は一体。政府は全力を持ってこの白い騎士とこの生物に対し対象すると―――――』
「やっぱ撮られてるよな・・・・まぁ予想はしてたけどさ」
顔を洗い終わり、歯磨きを終えた一夏はテレビで流れているインベスと自分の姿を見て、多少は予想していたといった顔をしてみていた
「さてと、そろそろ出なきゃ」
一夏は白いロングコートにジーパンを穿き着替えると、荷物を持って靴を履くと玄関のドアを開け部屋を出ていた
一夏SIDE
「おはようございます」
「あ!おはよう、不思議ちゃん♪」
俺はとある・・・・そのカフェの中へ入ると中に居たメイド服を茶髪の女性店員に挨拶をかわすとその人も俺にウインクをしながら俺に挨拶をしてくる
「アサギさん、その不思議ちゃんていうのやめてください。恥ずかしいですよ」
「あらぁ!そう?だって君ってそういう感じだもの」
この女性は此処のカフェ『@クルーズ』の店長さんだ、この街に住む為に生活費と寝床を確保しなければならなかった、バイトをしようと探している時にこの人と出会った。
「そうですか?」
「だってそうじゃない!、白い髪にまるであのエッメーラルドグッリーン!!の様に輝く瞳にそのミステリアスな雰囲気を持つ君を不思議ちゃんと呼んで何が悪い!!!」
アサギさんは変なポーズを取って俺にそう言ってくる。この人初めて会った時から変な人だなと思っていた時期も少しあったがもう慣れてしまった。因みに表での俺の名は駆紋一夏という名前で名乗っているから俺があの人(千冬姉)の弟であると事は知らない。
「さぁ~!不思議ちゃん!、今日もビッシバッシ!働いてもらうわよ!」
「わかってますよ」
俺は店の奥に向かおうとするとアサギさんが声を掛けて来る
「あ、そうだった。不思議ちゃん、今日新しいバイトの子が来るから少し待ってて!」
「了解です(新しいバイト仲間か・・・どんな人だろう)」
一夏OUT
???SIDE
「此処だよね?」
僕の名前はシャルロット・デュノア。今僕はバイトをする為、@クルーズと書かれたカフェの前に来ていた
「緊張するなぁ・・・・よし!」
僕は@クルーズの扉を開け店の中に入る
「こんにちわ~」
「お!来たね!金髪貴公子ちゃん!」
店の奥からメイド服を着た店長さんが出て来た。この人何で一々変なポーズを取りながら喋るんだろう?
「はい、これからよろしくお願いします」
「うむ、でもまさかデュノアちゃんみたいな子があのIS学園の生徒さんだなんてねぇ~最初はビックリしたわぁ~」
「あはは・・・・・」
店長さんとそう話しながら、女性店員専用の控室に入りメイド服に着替える
「おぉ~中々じゃないか~!」
(こ、この格好で・・・・!?/////)
が、ガーターベルトにニーソックスって・・・は、恥ずかしすぎるよぉ~!/////。店長さんは手でカメラの形をしながら僕を見る、それにこのスカート短すぎるよ~!
「うん、いいね!」
グッと親指を立てる店長さんと、同じく親指を立てる女性店員さん達
「さて、じゃあ次はこの@クルーズNo.1執事さんに挨拶しに行くわよ!、彼はもう既にレジの方に居ると思うから」
「NO.1?」
No.1って事はこのお店で一番人気の高い執事さんって事かな?どんな人なんだろう、No.1っていう程だからきっとカッコイイひと何だろうけど。僕と店長さん、そして他のメイド服を来た女性店員さん達と一緒にレジの方へ向かう、それと個々の執事って一人しかいないって店長さん言ってたけど、それってランキング必要あるのかな?
「あれ?居ないわね」
レジの前に着くとそこには店長さんが言う人気No.1の執事さんはいなかった。するとお店の扉が開くとそこには
「アサギさん、店の周りに落ち葉が結構落ちてたので掃除しておきました」
そこには日差しで綺麗に輝く純白の白い髪に宝石の様に輝く綺麗なエメラルドグリーンの瞳を持った執事の恰好をした、何処となく大人の雰囲気を出している男の子が箒と塵取りを持って入って来た
(か・・・・・かっこいい・・・)
僕はその数秒間、ずっと彼を見ていた。すると胸を思いっきり誰かに掴まれて意識が戻った。って!きゃあ!
「意識を取り戻したかね?」
「て、店長さん!////な、何するんですか!/////」
「いや~いい乳だった、う~ん、次のメイド服はもっと胸元が露出したタイプにしようかn」パシーン!!
「何してるんですか、アサギさん」
するとさっきの執事さんが手にハリセンを持って店長さんを頭を叩いた
「いたた・・・・まぁそれはまた今度にしようかな。では、デュノアさん。この子がこの@クルーズ人気No.1執事の『白髪の貴公子』と異名を持つ我が@クルーズの王!!駆紋一夏君よ!」
「初めまして、駆紋一夏です。よろしくお願いします、デュノアさん」
「ぼ!・・・いや、しゃ、シャルロット・デュノアです!よ、よろしくお願いします!!////」
「はい、よろしくお願いします」
僕は駆紋一夏さんと挨拶をかわすと、駆紋さんはニコっと優しく微笑んでくれた・・・・
シャルロットOUT
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L.S.-04 白夜叉
「デュノアちゃん、四番テーブルに紅茶とケーキお願い」
「は、はい!」
「駆紋さん!一番テーブルお願いします」
「わかりました」
カウンターから飲み物とケーキを受け取り、@マークが刻まれたトレーへと乗せるシャルロット。同じくカウンターから一番テーブルへ移動する一夏。スタッフは初めてのアルバイトであるシャルロットの立ち振る舞いを見て安心感を抱く
「お待たせしました、紅茶のお客様は?」
「は、はい自分っス!」
背中にキャラクターのポスターを入れたバックを持ったぽっちゃりした体格を持つ男性は紅茶を受け取るとシャルロットの姿を見て顔を赤くする。その隣にいた同じくぽっちゃりした体格の男性もコーヒーを受け取り顔を赤くする。
「お砂糖とミルクはお入れになりますか?」
「い、いえ!大丈夫ッス!」
金髪美少女メイドのシャルロットを見た男性二人はそう言う
「かしこまりました。ではまた何かありましたら、何なりとお呼びください。ご主人様」ニコ
「「ブハァァァァァァァァ!!」」
シャルロットの満面な笑顔を見た男性二人はその眩しい笑顔を見て鼻血を吹き出し、テーブルの上に倒れた。それを見たシャルロットは慌てた表情を浮かべる
「うわっ!ど、どうしよう!だ、大丈夫ですか!!?」
「やるわね」
「やりますね、店長」
「まさかの悩殺。それも天然もの」
スタッフ三人と店長のアサギは顎に手を置いてキリっとした顔でシャルロットの悩殺ぶりを見てそう言う。
「でもあっちも中々ですよ」
「うむ」
今度は一夏が居る方へ顔を向けると、一番テーブルの前にトレーを持って立っている一夏の周りに集まっている女性達の姿があった
「きゃーーーーー!!駆紋く~ん!!」
「こっち向いてーーーー!!」
顔を赤くして一夏へ声を掛ける女性達、そんな一夏は笑顔で振り向き頷くと更に女性客達は更にテンションが高くなっていく。
「これでこの店の売り上げもがっぽがっぽ・・・けけけ」
「「「ふふふふふ・・・・」」」
その様子を見ていたアサギと店員達はカウンターの隅に移動すると、親指と人差し指を丸くさせると不気味な黒い笑みを浮かべクスクスと笑う
「あの!追加注文お願いします!、出来れば金髪美少女メイドさんを!!」
「イチゴケーキ下さい!駆紋くんで!!」
「こっちにも金髪美少女メイドさんを!!」
「駆紋さまを~~~~!!!」
そんな騒動が一気に店内に全体にまるで〇イオハザードの如く感染し、爆発的に喧騒を大きくしていく、特に一夏とシャルロットの指名が多くなり追加注文された料理やケーキ、飲み物などが次々と一夏とシャルロットはトレーに乗せてテーブルへ運んでいく。すると@クルーズのドアから一人の女性が入って来た
「あら、可愛らしい執事さんね。案内してくれるかしら?」
そこにいたのはレゾナンスでのインベス騒動時にレゾナンスから遠く離れたビルからロード・ゼロ(一夏)の戦いを見ていた。赤い露出が多いドレスを来た金髪の女性、スコール・ミューゼルだった
そして@クルーズとは違う別のカフェにスコール・ミューゼルと一夏を観察している者が二人いた
「全く朝から尾行とかきついな」
「・・・・・・・」
一人はオレンジ色の長髪の女性でスコール・ミューゼルの仲間であるオータム。そしてもう一人は織斑千冬と同じ顔を持つMだった。二人は外から白いテーブルに乗っている飲み物を飲みながら一夏に気付かれない様に見ていた。周りには織斑千冬と瓜二つの顔を持つMを見る客たちとカフェの前を通る人達
「にしてもあの白髪のガキがあのオーバーロードってホントかよ」
「・・・・・・・」
「どうしたんだ?M、さっきから黙りやがって」
「・・・・・・・」
「けっ、可愛くねぇガキだよてめぇは」
Mは何もオータムに答えず無表情のまま飲み物を口へ入れる。
「なんだ?そんなにあのガキが織斑一夏に見えるのか?」
「あぁ・・・そうだ」
やっと口を開いたMを見て溜息をつくオータム
「もしあいつがオーバーロードだったとしてお前はあいつをどうするつもりだぁ?」
「殺す・・・私が私である為に」
「・・・・・てめぇは織斑マドカだろうが、織斑一夏じゃねぇよ」
「・・・・・・」
「それにいくらてめぇでも、オーバーロードは倒せねぇよ。もちろん私やスコールでもだ」
オータムはMにそう言うと、Mは手に持ったコップに力を入れる
「オーバーロードってのは人間を越えた存在なんだよ、あの怪物達だって倒せねぇのにどうやって、その上をいくオーバーロードを倒すっつうんだよ」
「・・・・奴がオーバーロードになったのには何かあるはずだ、人間を越えさせるほどの何かが・・・・・・・奴をオーバーロードにした何かがな」
「何だぁ?オーバーロードにでもなろってか?」
「・・・・・・あぁ」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ、なれるわけねぇだろ」
オータムは手に持ったコップを口へ持っていき中の飲み物を一気飲みする
「私達のやる事は世界からISをぶっ潰す事だろうが、その為にオーバーロードである可能性が高いあのガキを監視しようって事になったんだろうが、それをお前はぶっ壊す気か?」
「化け物の力を借りづとも私達だけでやれるはずだ」
「私達が相手にしてるのは世界だ、それにあの篠ノ乃束だっている・・・・いや、あのウサギはただの傍観者だったな」
「・・・・・・・・」
「お前が織斑一夏が憎いのはわかるが、既にいない人間を悔やんでも意味ねぇだろう」
「だが、奴は私達の目の前にいる」
「本物かはわからねぇがな―――――ん?」
すると突然@クルーズの店の前にクラックが出現した。出現したクラックの中から下級インベスと山羊の姿をした洋風のインベスが現れた、インベスの姿を見た市民は悲鳴を上げながら逃げていく
「っ!奴等は!!」
「M!一度離れるぞ!!」
オータムは椅子から立ち上がりその場を離れようとする。がMはその場に立ち止まったまま@クルーズへ向かおうとするインベス達を見る
「おい!M!」
「・・・・・・・」
キュイイイイイイイイィィィィィ・・・・
Mは両手を広げると両手から光が現れMを包み込む。そして光が晴れるとMは蒼い装甲を持つ蝶の様な姿をしたISを纏ったM
「・・・・・・・・」
イギリスから強奪したBT2号機『サイレント・ゼフィルス』を纏ったMは『スターブレイカー』《星を砕く者》を展開するとライフルをインベスへ向ける
「・・・・・・・・」
マドカはライフルを向けた状態でインベス達へとPICを動かし向かって行った
「M!!クソッ!何やってんだ!」
オータムも自身のIS『アラクネ』を展開し纏うとMの後を追った
その頃@クルーズではインベスの姿を見た客や店員達は驚いた表情でインベスを見ていた、インベスは等々店のドアや壁を破壊して店内に入って来た
「「「キャアアアアアアアアアア!!!」」」
「っ!?」
スコールは一夏から手渡された紅茶を飲む途中で放り投げ、一体のインベスに蹴りを入れる、だが次々とインベスが入ってくる
(仕方ないわね・・・・)
スコールは意を決し自身のISを展開しようとする。だがそんな中スコールよりも早く動いた人物がいた。スコールの横を素早く通り過ぎると一体のインベスに蹴りをいれた
「あなた・・・・」
「下がっていてください。此処は俺が」
一夏はスコールの前に立つと一体のインベスがシャルロットへ襲い掛かろうとしていた一夏はそのインベスに飛び蹴りを入れ、殴sては蹴ってを繰り返しながら外へ出そうと押し返していく。
「シャルロットさん!皆を連れて避難してください!」
「で、でも駆紋さんは」
そして全てのインベスを店の外に出すと一夏は燕尾服の上着を脱ぎ捨てた
「・・・・・・・・」
ふいと上を見上げるとそこに『サイレント・ゼフィルス』を纏ったMと『アラクネ』を纏ったオータムが降りて来た、二機は下級インベスにライフルとサブマシンガンを連射して下級インベスを攻撃していく
「M・・・オータム」
一夏の隣に来たスコールは二人の名を口に出す。此処でオーバーロードになったらまずいと考えた一夏は
「離れていてください」
「何を言ってるの、此処は私が」
「いえ、大丈夫です」
一夏はスコールを手で静止させると懐から黄色い小刀が付いた黒いバックルを取り出した。バックルをそのまま腰へつけるとバックルの両サイドから黄色いベルトが巻かれる。そしてもう一つ腰から白いオレンジが描かれた『L.S.-07』と書かれた錠前を取り出した
「それは・・・・」
「変身」
《ホワイトオレンジ!!》
錠前を解錠すると一夏の上からクラックが開きクラックの中から白い光と共に白く巨大なオレンジが現れる。それを見ていたスコールやシャルロット、そして店員達はその光に目を奪われていた
《ロック・オン!》
するとドライバーからホラ貝のような音が鳴った。そしてベルトについてるブレードを下から上げる形でオレンジを斬った。『ソイヤッ!』と響くと白いオレンジは一夏の頭から被さる様に装着される
《ホワイトオレンジアームズ!花道・オンステージ!!》
オレンジはパカッと割れ、スーツに重なるように折りたたまれ白い装甲になる。頭は伊達政宗のような三日月形のパーツがついた仮面になると左手に白く美しい刃を持つ刀が現れる。そして背中に純白に輝く白いマントが装甲から展開される、そして金色の複眼が光ると同時に一夏の周りに白い花びらが舞い落ちる
「っ!」
「く・・・もんさん?」
白い鎧武者へと変身した一夏をスコールとシャルロットは呆然と眺めていた。一夏は下級インベス達へホワイトオレンジアームズ専用武器『美雪』を構える
『・・・・・・・・』
一夏は無言のまま下級インベス達へとマントを揺らしながら走って行った
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E.X.L.S.-4:5 見守る者
一夏がアーマードライダー鎧武・白夜叉となって戦っているその頃、ヘルヘイムの森に三人の女性がいた。
「そう・・・戦極ドライバーはやっぱり適合したのね」
「はい。これで”この時代”の織斑一夏は見事にオーバーロードになってくれました、あの方の言う通り」
「後は。この先、織斑一夏がどう動くかが課題だな」
近未来的な服装を来た女性三人がそう話していると
「よぉ、お前ら」
女性達の目の前に民族の様な服を来た男性が現れた。男性は面白い物を見ているかのように女性達を見る
「「サガラっ!!?」」
その男。サガラと呼ばれた男性はその場に立ち止まる
「それにしても、ホントに過去の世界に飛ぶとは面白い事を考えるな。お前達は」
「・・・・何故あなたが此処に」
「言っただろう?俺はただ『見守る』だけだって」
「それにしては、随分と楽しそうだな」
「あぁ。だってあいつ(織斑一夏)がこの先オーバーロードとしてどの様な未来を築くのか、気になって仕方ないんだよ」
DJサガラは笑いながらそう言うと木に傍によりその場に座り込む
「・・・・まぁいい。それで”千夏”彼らの消息は?」
千夏と呼ばれた女性はそれを聞かれると顔を曇らせた
「・・・この時代の織斑一夏を誘拐した後、如何やらこの時代のインベスに襲われて・・・・っ」
「そう・・・・もうこれで”元の世界にいた男達”は・・・」
顔を曇らせる女性三人
「・・・・彼らの為にもそして未来を変える為にも織斑一夏には・・・世界を変えてもらう必要があります」
「だから戦極ドライバーをこの森に置いたんだ・・・・あそこでヘルヘイムの森の果実を食べてくれなかったら、終わっていたがな」
「はい・・・ですが、あのベルトは」
「あの方も言っただろう『この時代の織斑一夏に託し、オーバーロードに進化させろ』と・・・それがあの方の望んだ事なんだ…」
「「・・・・・・・」」
「もし、何らかの支障が起きたときの為に我々は織斑一夏の支援を行う。もしもの場合はゲネシスドライバーとエナジーロックシードをこの時代の亡国機業に渡す」
「確かにスコールさんや、オータムさんそしてマドカさんなら・・・きっと」
するとサガラは立ち上がり、森の奥へ歩き出す
「何処に行く気だ?サガラ」
「なぁに、あいつに挨拶をしに行くだけだよ」
「・・・・一つの過去改変がどれだけのリスクを負おうか知っててか?」
「あいつはこの2年で本来なら『禁断の果実』から創られるはずだった『鍵』をオーバーロードになった自分の心臓の一部を使って見事に創り上げた。本来ならあり得ないことだ。だが、あいつはそれを可能にした。それにドライバーとその根性だけで果実の侵食を耐えきって、オーバーロードになった。オーバーロードに進化可能性だって奇跡レベルに近い。本来のこの世界の未来では起こらなかった事だ。――――たった一つの過去改変だけで此処まで、変わるとワクワクしてたまらないんだ」
「成程、その奇跡レベルの事を起こした織斑一夏があなたの今回の興味対象という事ですか」
「そう言う事だ。それに俺が知っている織斑一夏は最後まで人間として戦っていって朽ち果てていった、最後に未来を変える種を残してな。嫌いじゃなかったが、少し物足りなかった」
サガラはそのまま森の奥へと進んでいく
「この時代にも、お前ら以外にも“オーバーロード”が何処かに潜んでいる、インベスを操って織斑一夏やその後関わって行く奴らを襲ってるらしいぜ。気を付けな」
「「「なっ!?」」」
「じゃあな」
サガラは歩きながら手を振ると光となって消えた
――――その覚悟に、後悔がない事を祈っている――オーバーロードと同じ存在を目指すなら……その意味をよーく考えながら、戦う事だ。織斑一夏――――
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L.S.-05 変身
「っ!」
「く・・・もんさん?」
『・・・・・・・はぁッ!!』
白い鎧武者へと変身した一夏は美雪を振り上げ下級インベスの元へ走って行く。下級インベスも自身に向かってくる鎧武者の姿を見て襲い掛かる
『はぁッ!』
「フシャアアアアアア!!」
一夏は手に持っている刀型の武器『美雪』で下級インベスを斬りつける。斬られた下級インベスはダメージを負い地に伏せる
「「「フシャアアアアアアア!!!」」」
他の下級インベス達も一夏に斬られた下級インベスの悲鳴を聞き、一斉に一夏へ襲い掛かって来る。一夏は美雪を振りその下級インベス達へゆっくりと向かって行く
《ホワイトオレンジスパーキング!!》
一夏は歩きながらバックルの小刀『カッティングブレード』を下から上げる様に三回斬ると自分へ向かってきていた下級インベス達の周りに白い光のオーラが出現した。白い光のオーラは下級インベス達を包み込みその場で拘束する、一夏は拘束されている下級インベス達に美雪を天へ掲げると太陽の光が美雪に集まっていく。
『はぁぁぁ――――セイハーッ!!!』
太陽に光と白い光が合わさり神々しい光を放つ美雪をその場から横へ振った。すると白い光のオーラで拘束されていた下級インベス達の体を斬り裂き、白い光となって消滅した。
『・・・・・・・後は』
「ぐあッ!」
「くぅっ!!」
すると一夏の横にISが解除されたMとオータムが転がり込んできた。二人ともISスーツの彼方此方を切り裂かれそこから血を流していた。二人が転がって来た方を見るとそこに下級インベスとは違う山羊の姿をした洋風のインベスが腕を広げて一夏の方へ来ていた
『・・・・此処は任せて、あなた達は逃げてください』
「な・・・にを言って・・・ッ!」
「M・・・・ッ!」
一夏はそう言うと山羊の姿をした洋風のインベス『ヤギインベス』へ美雪を持って向かって行く。一夏はヤギインベスの拳をかわしヤギイインベスが振り返ったと同時に美雪で斬りつける
「シャアアアアアア!!」
『・・・・今、解放してやる』
一夏は腰に装着されていた銃と剣を合わせ持つ武器『無双セイバー』を左手に持つと美雪と共に構える。ヤギインベスは怯んでいる状態で一夏へ向かって行く。一夏は無双セイバーを向けてトリガーを引くとムソウマズルから光弾が放たれヤギインベスの体に直撃する。その隙に一夏は高く飛び上がり、ヤギインベスを数回斬りつける。
「しゃ・・シャアアア・・・・」
『・・・・終わりだ』
《ホワイトオレンジスカッシュ!!!》
カッティングブレードを一回斬ると無双セイバーの刃に金色の光、美雪の刃に白い光を纏う。ヤギインベスは負けじと一夏へ向かって行く、そしてヤギインベスの拳が当たる直前で体制を低くしかわすと無双セイバーと美雪でヤギインベスを擦れ違いさまで斬り裂いた
『来世では・・・人間として生まれ変わる事を祈る。だから・・・今は眠ってくれ』
ヤギインベスはまるで何かから解放された様に大人しくなるとヤギインベスは先ほどの下級インベス達と同じように光となって消えた。一夏は無双セイバーを腰に付け美雪を下ろす
「すげぇ・・・・・」
「・・・・・・・・」
オータムは一夏の戦いを見て信じられない様な顔をする。MはISではない力でインベスを倒した一夏を見て警戒心を抱いていた。一夏は錠前を閉じると鎧とスーツが光の粒子となって消え変身が解除される。
「シャルロットさん、皆さん。怪我はありませんか?」
「は、はい・・・大丈夫です」
「こっちも・・・大丈夫よ、不思議ちゃん」
「・・・・よかった」
一夏は一安心する。すると
「動くな」
「・・・・・・」
後ろを振り向くと後ろにはボロボロのISスーツをマントで隠したMが拳銃を一夏に向けていた。一夏はそれを見てMを睨み付ける様に見る
「貴様は何者だ」
「・・・・・・・」
「お前は・・・・織斑一夏か?」
「・・・・・だとしたら、どうする?」
「ッ!」
バンッ!!!
Mが持つ拳銃から激しい音と共に拳銃が火を噴いた。弾は真っ直ぐ一夏へ向かって行く、スコールはISを部分展開し弾を防ごうとするが、その前に一夏が片手を出していた。出した片手から”粉々になった何か”がこぼれ落ちている
「ッ!?くッ!!」
「M、やめなさい」
「スコール・・・・くっ」
再度一夏に発砲しようとしたMを腕を部分展開したスコールがMを静止させる、Mは拳銃を下におろす。一夏も片手を下げて手を開けるとそこから粉々になった銃の弾がこぼれ落ちる。スコールはMをオータムに任せると一夏の前に来る
「Mが迷惑をかけてしまって、ごめんなさい」
「構いません、既に敵意は向けられている事ぐらいはあなた達が付け回していた時から気づいていましたので」
「ッ!?」
「・・・気づいてたのかよ」
「こう見えて、視線には敏感なんで」
一夏はそう言うと何かに気づいたのか空の向こうに視線を向ける。その先にはIS部隊の姿が見えていた。もちろんそこには千冬の姿も
「アサギさん、すみません。今日は早退させていただいてもよろしいですか?少しまずいのに目をつけられそうなので」
「え、えぇ・・・いいわよ?」
「それと、御迷惑をお掛けしてすみません。では」
一夏はそう言うと燕尾服の上着を拾い上げ立ち去ろうとするとスコールが一夏の手を掴んで来た
「・・・何か?」
「あなた・・・・織斑一夏くん?それとも」
その問いに一夏は表情を暗くして返す
「”だった者”です・・・・・織斑一夏だった者の成れの果てです」
「「ッ!?」」
「やはり・・・・お前が」
Mはそれを聞いて再び拳銃を向けようとするが、一夏はそれを見て詰まらなさそうな顔をして見ると、スコール達やシャルロット達に背を向けてその場を去ろうと歩き出す
「それでは」
一夏はそう言ってその場を去って行った。それを見るスコールは一夏の手を握っていた手を見る
「冷たかったわね・・・・まるで氷その物に触れている様に」
「スコール?」
「・・・・後を追うわよ、二人とも」
「追ってどうするんだよ」
「・・・・・・・」
「あの子を―――――」
「私の養子にするわ」
「「・・・・・・・・え?」」
スコールは舌を出して口を舐めながら後ろ姿の一夏を見てそう言うと、オータムとMを引き連れて一夏の後を追った
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L.S.-06 越えてはならない境界線
@クルーズから離れた一夏はそのまま目立たない様に人気のない路地裏から自分の住んでいるマンションへと向かっていた。
(にしても、何故あいつらはISを所持していたんだ?・・・・まさか企業の人間か?・・それとも・・・)
一夏はインベスと戦っていたオータムとMの事そしてスコールという三人の事を考えていた、専用機というのは国家代表か候補生、企業のテストパイロットのにみ与えられる機体なのである、一夏は少しながらISの事を勉強していたのだ
(・・・だが、もしかりにあの三人が政府関係のIS操縦者ならみすみす俺という存在を見過ごす訳がない・・・つまり答えは・・・ん?)
後ろから視線を感じた一夏は思わず後ろを見た。後ろには誰もいない、ただ何かが動いているのだけは見えていた。一夏は気にせずまた前を向きマンションへと向かう
(光学迷彩か・・・恐らくそんな技術作れるのは束さんぐらいだろう、となると・・・・まさかあの束さんが、他人と?)
そうしている内にマンションにつきエレベーターで最上階へと向かって行き、エレベーターを降り自分の家であるドアの前に着きドアノブに手をかける
「・・・・・・用事があるのならコソコソ隠れてないで出てきたらどうです?」
一夏が誰もいない廊下にそう独り言の様にいうと、何もないところがまるで風で吹かれているカーテンの様に歪み、その歪みから一夏をつけていたスコール達が立っていた
「あら、やっぱり気づいてたの?」
「いったでしょう、視線には敏感だって」
一夏はそう言うとドアノブを引いてドアを開ける
「立ち話でもなんです、取り敢えず中へ入ってください」
「・・・・では、お言葉に甘えて♪」
スコール達はそう言われると部屋へとずかずかと入って行く、そんなスコール達を見て一夏は「やれやれ」といった顔をしながら部屋へ入って行った
「紅茶しかありませんが、いいですか?」
「えぇ、構わないわ」
部屋へスコール達を入れた一夏はキッチンへと向かい紅茶を乗せたトレーを持ってテーブルの前に座っているスコール達に紅茶が入ったカップをテーブルに乗せた
「どうぞ」
「ありがとう」
スコールは一夏が出した紅茶が入ったカップを受け取ると紅茶を飲む
「美味しいわ」
「それはよかった・・・あなたも飲みます?」
一夏は壁に寄りかかって腕を組んでいるMに聞く
「・・・・いらん」
Mはそれだけ言うと顔を背け目を閉じる。オータムは胡坐をかいて紅茶をおいしそうに飲んでいた
「はは、嫌われてますね。俺」
「普段はいいこなのよ、気にしないで」
一夏はそんなMを見て苦笑し、トレーを横に置きスコールとオータムの前に座る
「それで、俺に何の用でしょうか?」
「では、単刀直入に聞くわ。あなたは2年前に行方不明になった、あの織斑一夏くん?」
それを聞いて優しそうだった顔が真剣な顔へ変わり一夏は答える
「あの場所でも言ったはずです。俺は織斑一夏だった者と・・・・それ以上でもそれ以下でもありません」
「そう・・・ならあなたは織斑一夏・・・だったって認めていいのね?」
「はい」
「それじゃあ、次に聞きたいことがあるのだけれど――――」
「その前にまず、あなた方が何者なのかを教えていただけないでしょうか?俺ばかりあなた方に自分の事を話すのはアレだと思いますので」
スコールは紅茶をテーブルに置くと自身のISの待機状態であるイヤリングを見せる
「私達は『亡国機業』《ファントム・タスク》・・・裏の世界で暗躍する、まぁよく特撮ヒーローで出て来る『悪の組織』って奴よ、私達はその実行部隊の一つ」
「テロリスト・・・やっぱりただの人間じゃないと思っていましたが」
「あら?焦らないの?」
「生憎、あなた達二人からは敵意が感じませんし大丈夫かと・・・まぁ一人は敵意むき出しの様ですが」
「ふん・・・」
Mは一夏の視線を感じ睨み付ける、そんなMを気にせず一夏は自身の紅茶を飲む
「・・・・それで?あなた方がテロリストである事はわかりました・・・聞きたいのはそれだけではないでしょう?」
「では、次の質問を聞くわ。あなたはあの『白い騎士』《オーバーロード》?」
「オーバーロード?・・・・『白い騎士』ならニュースで聞きましたが・・・まさか」
スコールは一夏に聞こえない様に「やっぱりね」と小さく呟く
「えぇ、私達はあなたを『白い騎士』即ちオーバーロードと認識してるわ、そうなんでしょ?」
一夏は少しばかり警戒心を強めスコール達を睨み付ける
「『君主』ですか・・・それで、もし俺がそのオーバーロードだったとしてあなた達は俺をどうするつもりで?」
「そう警戒しないで、私達はあなたを倒そうと思ってないわ。人間を越えた存在に人間が勝てるはずないもの」
「・・・・・・・」
「寧ろ逆よ、織斑一夏くん」
「何?」
スコールは右手を一夏に差し出すと一夏に言う
「織斑一夏くん。いやオーバーロード、あなたの力を私達『亡国機業』に貸してくれないかしら?」
それを聞いた一夏は腕を組み、更に警戒心を強めた
「今の世界はISの誕生で女尊男卑がかなり強くなっていってるわ、多くの男性が虐げられて、女性達は優しさを忘れて多くの男性達を踏み潰すようになっ来てる。既に犠牲者も数千人を越えてるわ」
「・・・・それもIS委員会の仕業なのか?」
「そうね・・・女性権利委員会という馬鹿げた連中が自分達に従わない男達を次々にね」
スコール達は目の前で多くの人々が殺されるところを見て来た。その中には子供のいた、まだ赤ん坊の子供までもが命を奪われて来た、スコールは当時の事を思い出し手を握る
「・・・・このままだと、世界は男性と女性と分かれて戦争が起きる可能性が高いわ。無論もし戦争が起きようものなら確実に男は負ける、それを」
「・・・・・それを止める為にあなた方はテロを?」
「えぇ。全ての現行兵器を集めて、管理する。それが私たちの目的。この場にいるのは、皆理不尽な運命に曝された者たち。果てしない欲望によって、運命を捻じ曲げられた者――もう私達の様な運命を捻じ曲げられた存在を生み出さない為に、そしてその所為で無関係な人間を死なせない為に・・・・もう二度と世界大戦なんて言う愚かな惨劇を繰り返させない」
第二次世界大戦の最中に生まれたその組織は最初こそ小さな集まりだった。
ただのレジスタンスに過ぎない集団が、その勢力を広げて行き、やがては世界に影響を与えるほどの組織へと生まれ変わったのだ。
恒久の平和――何と美しい響きで、何と空虚な言葉だろうか。だが、それを目指し続ける姿を、一体誰かが非難出来るのか、だが一夏は
「残念だが、力は貸せない」
「っ!」
「どういう事だよ!」
一夏のその言葉を聞いてオータムは一夏に問い詰める
「言葉通りだ。人間同士の争いに俺という存在が人間同士の問題に介入するわけにはいかない、いや、干渉するべきではないという事だ」
(雰囲気が変わった・・・)
Mは雰囲気と喋り方が変わった一夏にMは何時でもISを展開できる様にする。一夏は立つと窓の方へ歩いていく
「俺という人間を越えた存在がもし、お前達に協力して世界に喧嘩を討ったらどうなると思う?世界はどんな外道な手を使ってでも真っ先に俺達を潰してくるだろう、人間とは欲深く儚く、そして争う生き物だ・・・・自分達にとって都合が悪い奴を群れで襲うのが人間だ、世界とは多くの犠牲で上で成り立ってる。今の世界があるのもその犠牲があったからこそだ」
「「・・・・・・・」」
「優しさを忘れ弱者を踏みにじる冷酷な強者、強さを求めず他人を騙して食い物にする卑怯な弱者がいるこの世界を・・・お前達は救う価値があると思うのか?俺は救う価値はないと思ってる。だが」
「だが?」
「優しさを忘れず強い心で前を進む強者や強さを求め皆と一緒に強くなっていく、そんな人間達を俺は守りたい・・・・そんな人間達の笑顔を俺はインベスや人間達から守る、それが俺の進む道だ」
「インベス?・・・まさかあのジッパーみたいな歪みから現れる怪物の事?」
「あぁ・・・・お前達はインベスの正体が何なのか知ってるか?」
スコールとオータムは首を横に振った。一夏はスコールの前に来ると顔をグッと近付けるとスコールの顔をギョッとした目で見る
「ある果実を口にし変貌してしまった、元人間だ」
「「っ!!?」」
「・・・何?」
先程から黙っていたMもその言葉を聞いて目開いた。それもそうだインベスの正体が元人間だなんて聞いたら誰もが驚くに決まっている
「教えてやるよ、俺がどうしてこんな姿に、そしてヘルヘイムの侵食をのり越えた俺の事を」
その瞬間、一夏の後ろにロード・ゼロの面影と鎧武・白夜叉の面影が現れた
どうでしたでしょうか!では、感想お願いします!
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L.S.-07 黄金の支配者
今回はタイトル通り、世界を滅ぼした元凶であるあの金メッキがでます!何故未来の世界が滅びたのか単語で簡単に表すと
金メッキ現る→女性権利団体に接触→男を排除すれば何でも願いが叶う黄金の果実が手に入ると言われる→果実を手に入れる為、男性の排除を開始する女性権利団体→生き残った男性を集めた未来の鈍感主人公がドライバーとロックシードを開発→生き残った男性陣と一部の女性陣で構成されたアーマードライダー部隊通称『ユグドラシル』を結成、未来の存亡を掛けた戦いを始める→だが金メッキの強さに殆どのアーマードライダーが全滅、生き残った鈍感主人公と女性四人が戦うが金メッキに破れる鈍感主人公→残った四人は姿をくらます→そして自分達は金メッキに騙されていたと知った女性権利団体と女性陣達は金メッキとインベス軍団に用済みとして始末される→そして新世界の神となった金メッキに世界は滅ぼされた。といったところです。もう全部行っちまった。何か此処をこうしたらいいんじゃないかという意見があればぜひお願いします、では最新話どうぞ!
一夏がスコール達に自身、インベスそしてヘルヘイムの森について話している頃、ヘルヘイムの森の奥底に灰色の歪みが現れた。その歪みから黄金に輝く騎士が現れる。
『・・・・・・』
黒いアンダースーツの上に金のリンゴをイメージした黄金の鎧を身に纏っており、左手には赤と黄金のツートンの盾を持ち右手には同じく赤と黄金の剣を握っていた。腰の部分には一夏が所持している同じ戦極ドライバーとドライバーに装着されている金のリンゴのロックシードがはめられていた。黄金の騎士が森に足を踏み入れると灰色の歪みをゆっくりと後ろの方へ下がって行き、静かに消滅する。
『下等な人間どもめ…まさか時空を越えてまで私が滅ぼした未来を変えようなどとは……”新世界の神”となったは私に逆らうとはいい度胸だ』
人間を見下し下等な生き物と認識している黄金の騎士は誰もいないヘルヘイムの森でそう口を開くと右手に持っていた剣『ソードブリンガー』の刃を上へ掲げるとそこから黄金の光が現れ、騎士の周りに鹿の姿をしたシカインベスとコウモリの姿をしたコウモリインベスが『ソードブリンガー』から放たれた黄金の光から現れる、その後ろからも下級インベスや色んな動物の姿をしたインベスが現れる。
『この世界のインベスは少なすぎる、インベスの補給も考えねばな』
騎士は一部のインベス達を目の前にクラックを開かせるとインベス達はそのままクラックの外へ飛んで行った。
『織斑一夏……精々抗うがいい、フッハッハッハッハッ!!!!』
騎士は高らか笑うとヘルヘイムの森の植物がまるで騎士に恐れるかのように震えていた。
「それで、他に聞きたいことはあるか?」
「「「・・・・・・」」」
一夏は自身の全てをスコール達に話した。ヘルヘイムの浸食を乗り越えオーバーロードへ進化した自身とヘルヘイムの森の存在、ドライバー、ロックシード、そしてあの誘拐事件に着いての話を聞いたスコールとオータムは顔を沈めMは壁にもたれかかったまま聞いていた。そんな彼女たちを見て一夏はそのエメラルドグリーンの瞳でスコール達を見る。
「だからこれ以上俺とインベスに関わるな、関わったら後戻りできなくなる。唯の人間がインベスに勝てるはずがない、俺みたいにバックルや錠前を持っていれば話は変わってたかも知れないがな」
「でもよ…」
オータムが口を開き何かを言おうとするが。
「二度も言わせるな」
「っ!!」
一夏はそのエメラルドグリーンの瞳でオータムを睨み付ける。今の一夏は人としてではなくオーバーロード『ロード・ゼロ』としてオータムの口を黙らせる、歳的に考えてオータムの方が上だが一夏の場合は生きて来た修羅場が違う。
「インベスやヘルヘイムの森の方は俺に任せろ、だがお前達人間の問題は人間であるお前達でどうにかしろ」
「……あなた一人でどうにかなる問題なの?」
「わからない、わからないからこそやる価値がある。全てのインベスを倒せなくともクラックをどうにかして閉じる方法は必ずあるはずだ、実際に開くのだから閉じる事だって可能なはずだ」
すると壁にもたれかかっていたMが一夏を見て言う。
「何故貴様はそこまで私達を関わらせない様にする?」
それを聞いた一夏は顔を下へ向ける。
「もう…俺みたいなオーバーロードが現れない為にもインベスにならない為にも……俺みたいな”化け物”は俺一人で十分だ、何より誰かが泣く顔は……もう見たくない」
―――――――誰か…っ…誰かぁぁ!!!―――――――
―――――――何で世界はこんなにも……こんなっ…こんなぁっ!!!―――――――
―――――――力がっ!…俺にISを越える力をぉっ!!!!―――――――
―――――――母さん…っ僕……は……―――――――
この二年間の間に沢山不幸な目にあった人間達を見て来た。その殆どが自分と同い年や年下の男子達ばかりだった。中には森に迷い込んで果実を口にしてしまった者も少なくない。女尊男卑と化した世界を変えたいというスコール達の思いは解る、自分だってこんな世界は嫌いだ。だがそれは人間達の問題で元人間のオーバーロードである自分には関係ない話だ、何よりオーバーロードである自分が介入するわけにもいかない、強すぎる力は争いを生む。それを防ぐためにも人間たちの問題に干渉するわけにもいかないのだ。
「話は終わりだ、家に入れてすまないが帰ってくれ。もう俺に関わるな」
「待て、まだ話は!」
ピンポーン!
『駆紋さ~ん、お届け物で~す』
そんな声が聞こえ一夏はMを無視し玄関へ向かい、宅配業者から荷物を受け取る。かなり大きなめなダンボールで一夏はそれを両手で持って部屋に運ぶと床にゆっくり下ろす。
「なんだそりゃ?」
「何か頼んだの?」
「いや、そんな覚えはないが…」
一夏は取り敢えずガムテープを剥がしダンボールのふたを開けるとそこには黒いアタッシュケースが入っており、その下に同じ物のアタッシュケースが三つ入っていた。それぞれアタッシュケースの表面には緑、黄色、ピンク、赤のマークの様なものが描かれていた。
「相手は……書いてないだと?」
「…さっきの宅配業者」
「多分偽物だろうな……」
スコール達がそう言う中、一夏は緑色のマークが入ったアタッシュケースのロックを解除しゆっくりと開く。
「っ!」
「ドライバーと錠前…?」
その中には赤をベースに果実ジューサーをモチーフしたベルトとアルファベットと数字で『E.L.S.-04』と識別番号らしきナンバーが振られた水色のクリアなメロンのロックシードが収められていた。他の三つのケースも同じく開けると同じベルト『E.L.S.-01』『E.L.S.-02』『E.L.S.-03』とレモン、チェリー、ピーチといったクリアなロックシードが入っていた。
「何でこんなものが……手紙?」
最初に空けたケースの中に一つの手紙が入っていた。一夏はその手紙を手に取り開く。
《織斑一夏、彼方に私達の力を託します。いずれこの世界の運命を掛けた大きな戦いが起きます。このドライバーとロックシードをスコール・ミューゼル、オータム、そして”織斑マドカ”様へお渡し下さい。彼女たちならきっと力になって下さるでしょう、私達も陰ながらあなたをお助けいたします。どうか……世界を救ってください、この世界の未来は彼方に掛っています》
「・・・・・・」
「なんだよ…こりゃ…」
「世界を救え…だと?」
スコール達は一夏の後ろで口を開いてそう喋る。一夏はゆっくりと手紙を下におろし、Mの方へ顔を向ける。
「織斑マドカ…お前の事か?」
「っ……あぁ」
「……あの人や俺には妹はいなかったはず……クローンか?それとも」
「っ……」
「……すまん、無神経だったな」
手紙をケースの中に戻しふたを閉じた。
「取り敢えず、今日は帰ってくれ。色々と疲れた」
「……そうね、今日の所は帰りましょう。行くわよオータム、M」
「お、おい。いいのかよ?」
「一夏くん、取り敢えず彼方の連絡先を教えてくれないかしら?ベルトの事もあるし」
「……そうだな」
端末を取り出し赤外線で連絡先をスコールのISに送る。
「確かに受け取ったわ。ありがとう」
「別にいい」
スコール達はそのまま玄関へ向かい部屋から出ていった。出ていったのを確認すると再びアタッシュケースを開きその中のドライバーとロックシードを手に取る。
「……あの誘拐犯達と何か関係があるのか?…一体何者なんだ」
窓から何もない青い空を眺めながらそう呟くのであった。
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L.S.-08 真・天下御免 前編
では、どうぞ!
あれから数日が経ち一夏は自分がアルバイトをしていた『@クルーズ』へ足を動かしていた。何時もの白を統一した私服を着て何処となく心配そうな表情をして。
(あれから連絡の一つもないようだけど…アサギさんやみんなは大丈夫かな…)
亡国機業のスコール達の事や新たなベルトとロックシード、そして何者かによる支援。それだけでも頭が中がパンパンな一夏は愚痴の一つも零さず迷惑を掛けてしまった『@クルーズ』のみんなの事だけを考えていた。そして『@クルーズ』の前につくとそこには綺麗に修復された『@クルーズ』の姿があった。一夏は迷わず店の中に入る。
「こんにちは……」
「お!不思議ちゃん!!」
店の中で箒をもって何時ものメイド服を着たアサギが立っていた。一夏の姿を見たアサギは掃除を途中で止め一夏の前に駆け寄る。
「もう大丈夫なの?」
「はい、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。連絡の一つもしないで」
「いい~よいい~よ!そんなのは~」
「……他のみなさんは」
「大丈夫、みんな元気だよ。あの時、不思議ちゃんが助けてくれたおかげでね」
「そうですか……よかった」
それを聞いて安心した一夏の表情が心配そうな表情から笑顔へ変わり、それを見たアサギは一夏の頭を撫でる。
「もうすぐしたら、皆来ると思うよ。今日は休んでたぶんたくさん客を取りなさい!いいわね!」
「ふふっ……はい」
「さっ!とっとと着替えてきなさい!さぁ~盛り上がっていくぞ~!!!」
何時もの高いテンションのアサギを見ながら一夏は苦笑、そのまま更衣室へと消えていった。
その頃、IS学園のと校舎にある会議室に多くの教員が集まっていた。そこには千冬の姿もある。明かりは消えている代わりに空間ディスプレイが映し出されておりそこには鎧武・白夜叉とロード・ゼロ、インベスの戦っている映像が映し出されていた。
「今日、皆さんにお集まり頂いたのは他でもありません。現在この街に出現している怪物、並びに『白い騎士』と新たに確認されたこの『白い鎧武者』についてです」
一人の女性教員が空間ディスプレイの前に立って説明を始める。椅子に座って腕を組んでいる千冬は静かにその女性教員の話を聞いていた。
「IS委員会と政府からの要請で『白い騎士』と『白い鎧武者』の排除、可能であれば捕獲しろとの命令を受けました」
「捕獲してどうしろというのです?」
「彼らの正体と怪物の真相……もしくは彼らの持つ力を手に入れようと考えているのでしょう」
「……IS以上の力なんて許せないわ」
「私たちの神聖なISを越える力……この世界には必要ないっ!」
千冬やその隣でオドオドとしている一年一組の山田真耶、その他のエドワース・フランシィ、榊原 菜月以外の教員達全員は女尊男卑の影響を大きく受けている。所に男を見下し下等な生き物とまで思い込んでおり、自分たちの思考を自身の生徒達にまで持たせようとしている。無論、その影響で出来た女性権利団体という団体に所属している。
「お、織斑先生……」
「黙って受け流していろ真耶」
「そうですよ、山田先生」
「彼氏欲しい……」
他の二人は真耶にそう真面目に話している中エドワース・フランシィだけ全く関係ないことを考えながら手に持った端末で出会い系サイトを見ていた。
「で、でもいいのでしょうか?『白い騎士』や『白い鎧武者』は市民を守っていると聞きましたが?」
「それは私も知っている、だが得体もしれない異形の姿をそれも明確な意思がある怪物をはいそうですかと言って、見過ごすほど人間は馬鹿じゃないことぐらいお前にもわかるだろう?」
「でも、排除だなんて……」
「実際、ISでは白い騎士』と『白い鎧武者』には勝てないだろう。超能力の様な力を使う『白い騎士』や武器を使って一瞬で怪物どもを倒す『白い鎧武者』相手に兵器であるISが勝てると思うか?」
「いえ…」
「織斑先生はこの作戦は反対なのですか?」
「まぁな、下手にISを壊されても困るしな。全く理事長が不在なのがいたい」
榊原 菜月の返事に頭を抱えながら答える千冬。するとそんな会話を見ていた女性教員が千冬達の方へ顔を向けた。
「織斑先生、何かご不満でも?」
「いや、別に。ただ怪物を倒せない我々がどうやって『白い騎士』と『白い鎧武者』を捕まえるのか、気になっただけだ」
正直、千冬も女尊男卑となったこの世界を嫌っていた。無論そんな世界にしたのは自分とISの生みの親である篠ノ乃束だという事を。そしてそのせいで千冬はたった一人の大切な家族を失った悲しみや苦しみを忘れるはずがない。千冬は睨めつける形でその女性教員を見上げる。
「あの怪物すら倒せないというのにどうやって捕まえろというのだ?それ程自身があるのか?」
「勿論です。ISにかなう存在などこの世界には存在しませんから。無論、あなたも参加しますよね?”ブリュンヒルデ”」
「ほぅ……」
ブリュンヒルデ、北欧神話に出てくるワルキューレの名前。だが千冬にとっては邪魔で最も嫌いな名前だった。千冬は無意識に殺気を会議室全体に広げる。
「っ!?」
「私の前でその名前を言うとは、あなたは随分と私のことを嘗めているようだな」
「っ…ですが事実です」
「・・・・・・」
千冬は立ち上がるとそのまま会議室のドアノブに触れ開けるとそのまま出ていった。千冬の後を追うように真耶と菜月、そして千冬の殺気に動じることなく端末を見ていたエドワースも会議室から出ていった。真耶は千冬の後ろを駆け足で追いかける。
「織斑先生!」
だがそんな真耶の肩を掴み止める菜月。
「榊原先生!」
「……そっとしてあげましょ。織斑先生にとって”ブリュンヒルデ”って名前は弟さんを死に追いやった『呪い』なんだから」
「っ……」
千冬はそのまま廊下の先へ歩いていく。真耶達は薄らと浮かべている千冬の背中を見つめるだけしか出来なかった。
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L.S.-09 真・天下御免 中編
一夏が『@クルーズ』へ向かった後の一夏の住むマンションの部屋に一人の少女が入って来た。少女は部屋を見渡すと机の上に置かれているドライバーが入ったケースの前に来る。
「・・・・・・」
その少女の正体は、スコール達とチームを組んでいる亡国機業の実行部隊の一人。Mこと織斑マドカだった。マドカは緑のマークが描かれたケースの鍵を開けその中に入っている赤いドライバーと水色のクリアにメロンが描かれた『E.L.S.-04』のロックシードを手に取る。
「これさえあれば……私は姉さんを越えられるのか」
ドライバーとロックシードを見つめながらそう呟くマドカ。世界最強の座に君臨した初代ブリュンヒルデこと織斑千冬、2年前に消息不明となり人間を越え超越した存在となったオーバーロード『ロード・ゼロ』こと織斑一夏。そんな二人が居る中、自分には何もないただのテロリストで織斑千冬のクローン。
「・・・・・・・」
彼女は生まれた時から『強さ』を憎んでいた。『力』手に入れた人間は優しさを忘れその『力』に溺れ弱者を踏みにじる、彼女が生まれた研究所にいた人間達もそうだった。織斑千冬も『力』に溺れた女なんだろうと考えていた時期もあったが彼女の事を調べた結果、彼女は自分の姉は『強さ』を持っていたとしても決して優しさを忘れてはいなかった。だがその優しさが逆に仇となる時があった、それはあの一夏の誘拐事件の日だ。
「消えたと思えば、オーバーロードに進化していた……姉さんには及ばない弱者であったあの男が」
誰よりも優しさが強かった人間だった頃の織斑一夏、『力』を持ち優しさを忘れなかった織斑千冬やその織斑千冬の遺伝子から作られ彼女と同じ力を持って生まれた自分。そして『力』持たず優しさだけが誰よりも強かった織斑一夏。だから彼女は織斑一夏を憎んだ。何故『力』を持っていないのにそんなに強いのか、何故『力』持っていないお前が姉さんの隣にいるのか、と。人間は『力』やその『強さ』に引かれる生き物。、だが織斑一夏だけは『力』持っていなかったのに優しさだけで沢山の人々が彼の周りに集まった。自分はきっとそんな彼に嫉妬していたのだろうと、数日前彼と会ったあの日の後からそう思い始めた。
「『正義を持たない力』……か」
ある特撮ヒーローの映画でその台詞が頭の中に響いた。もしかしたら織斑一夏はその『正義を持たない力』に溺れるのを恐れ『力』持たなかったのではないのだろうか?、自分が見て来た人間達は誰もが『力』と『欲望』に溺れ優しさを忘れて行った者たちばかり、だがら織斑一夏は優しさという『正義を持つ力』を守る為に『力』を持たなかったのではないのだろうか。マドカは『正義を持たない力』の意味を深く考えていた。
「っ?」
ふと窓の外へ視線を向けると、ある個所から煙が上がっていた。マドカは窓からその場所にサイレント・ゼフィルスのハイパー・センサーで拡大する。するとそこには『@クルーズ』から少し離れた場所で鎧武・白夜叉が美雪と無双セイバーの二本で下級インベスと戦っている姿が見えた。するとサイレント・ゼフィルスのプライベート・チャネルに通信が入った。
《M、聴こえる?》
「あぁ、状況はこちらでも確認している」
《なら、今すぐ現場に向かってちょうだい。私とオータムも今向かっているところだから》
「了解」
スコールとの通信が切れるとすぐさま行動に移るマドカ。ケースにドライバーとロックシードを入れるとケースを片手に玄関へと向かう。
「それが貴様の正義なのなら、私は私の正義を貫く。織斑一夏」
―――――そうだ、お前はそれでいい…それがお前さんの正義なのならな――――――
「っ!?」
聞いたことがない男性の声が聞こえたマドカは後ろを振り返るが、勿論今ここには自分だけしかいない、空耳かと思いすぐさま一夏の部屋から飛び出していった。
どうしたでしょうか?誤字、おかしなところとかありましたら感想の方へお願いします!
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L.S.-10 真・天下御免 後編
『ちぃ!』
一夏は無双セイバーと美雪の二本を振るい一体、また一体と下級インベスを斬り裂いていく。だが次から次へと大量のインベスがクラックから現れてくる。
『クソ!数が多いな、今日は!』
《ホワイトオレンジオーレ!!!》
無双セイバーと美雪が刃に金色の光を纏い光の粒子が放出し始めた。一夏は腰を下げて無双セイバーと美雪を構える。
『セイッハーッ!!』
「「「シャアアアアアア―――!!」」」
そのまま勢いよく右へ体を回して周りにいたインベスを無双セイバーと美雪から放たれた光の斬撃がインベス達をまとめて斬り裂き最後は光の粒子と化し大量のインベスを消滅させた。消滅したのを確認すると腰を上げて周囲を見渡す。
『・・・・・・』
一夏は仮面の中でクラックの方へ視線を向けるとクラックは自然とゆっくりに閉じていき消滅した。
『終わったか・・・・』
一夏はそっと錠前を閉じようとした、その時。
「フシャアアアアアアア!!!」
『ぐあッ!』
突如、後ろからの不意打ちを喰らい一夏は足を躓き倒れてしまった。一夏が後ろを振り返るとそこにいたのは下級とは違う龍の姿をしたセイリュウインベスがその鋭い爪を立てて立っていた。
『今度は龍か・・・・』
一夏は再び立ち上がると無双セイバーと美雪と構える。構えたのを見たセイリュウインベスは再びその鋭い爪を一夏へ向けて走ってくる。一夏もセイリュウインベスへ走りかけようとしたその時、セイリュウインベスと一夏の間に小さな黒い人影が入った。
「ふんっ!」
「ギシャ!!」
その人影はまず左足でセイリュウインベスの横顔を蹴り次に腹へと一発蹴りを入れた。セイリュウインベスは突然の乱入に諸に蹴りを喰らい後ろへ転がり込んだ。
『君は・・・・』
「不意を突かれるとは、まだまだだな」
その影の正体はケースを手に持ったISスーツ姿のマドカだった。マドカは一目一夏を見ると再び前を向きケースを開きドライバーとロックシードを取り出すとケースを投げ捨てる。
「織斑一夏。それが貴様の正義なのなら、私は私の正義を貫く・・・・例え周りの者達から認めてもらえなくとも」
マドカは赤いドライバー、ゲネシスドライバーを腰に付けるとドライバーから銀色のベルトが巻かれ装着される。そして最後にメロンエナジーロックシードを手に取る。
「変身」
《メロンエナジー!》
解錠するとメロンエナジーロックシードから通常のロックシードと違い低く抑揚のない音声が響きマドカの頭上にクラックが開きそこからオレンジが入ったメロンが出現するそしてロックシードをゲネシコアへセットしハンガーを下ろした。
《ロック、オン!ソーダァ!!》
左手でハンドルシーボルコンプレッサーを押し込むとメロンエナジーロックシードのカバーが当分割に展開し光と共に現れた白いスーツがマドカを包み込むと最後に上に展開していたメロンがマドカの頭に被さった。
《メロンエナジーアームズ!》
流れた音声と同時に音楽が流れ始めメロンはパカッと割れ、スーツに重なるように折りたたまれ黄緑の装甲へ変わる。頭には金色の二本の角が付いた仮面になると左手に赤い弓型の武器、ソニックアローが現れる。そして夕張メロンの色をイメージしたオレンジ色の複眼が光った。
『っ!』
『行くぞ・・・ハァ!!』
マドカが変身した斬月・真はソニックアローのアークリムの刃を向けてセイリュウインベスへの元へ走って行く。セイリュウインベスも攻撃対象を一夏からマドカへ変えマドカへ襲い掛かる。マドカは真っ正面からセイリュウインベスのその爪をアークリムで斬り裂きその後、数回にわたってセイリュウインベスを斬りつけていく。セイリュウインベスは連続でアークリムの斬撃を喰らい体から煙を出して転がり込んでしまう。
『あのドライバー・・・こっちのドライバーより性能が上の様ですね・・・・』
『この程度か・・・なら』
マドカはゲネシコアからメロンエナジーロックシードを取り外し今度はソニックアローの方に着いているスロット部のエナジードライブベイにエナジーロックシードをセットしハンガーを下ろす。
『止めだ』
《ロック、オン!》
向かってきたセイリュウインベスの腹に蹴りを入れて空中へ吹っ飛ばすとロックシードのエネルギーがチャージされたソニックアローをセイリュウインベスへ向けソニックアローの矢を離した。
《メロンエナジー!》
ソニックアローからオレンジ色の光の矢が放たれ勢いよくセイリュウインベスの腹を貫くとセイリュウインベスは断末魔を上げて爆発した。
『・・・・・・』
『終わったか』
一夏はセイリュウインベスを倒したマドカをただ黙って見ていた。マドカはソニックアローを下ろすと一息つく。
『・・・・・・』
『どうだ?初めてにしては上手く戦えたか?』
『・・・・そうですね』
一夏はそう言うと変身を解除しマドカも同じように変身を解除した。
「これからは私も力を貸す」
「っ!いいですよ、これは俺の」
「貴様一人で世界をインベスから守るなど・・・無理な話だ。少なくとも私はそう思う」
「・・・・・」
「あの手紙が誰から送られてものかも調べなければならない、それに戦略は多い方がいいだろう?」
マドカはその上から目線で一夏へそう言う。しばらくして一夏は溜め息をつき。
「止めろって言っても止める気はないのでしょう?」
「当然だ」
マドカのその言葉を聞きまた深いため息をつく一夏。するとそこへいつもの赤いドレスを来たスコールとオータムが走って来た。
「二人とも大丈夫だったかしら?」
「あぁ」
「大丈夫ですよ」
「そう。よかったわ・・・・それよりも早く此処から離脱するわよ、IS部隊がもうすぐそこまで来てるわ」
「了解」
「わかりました」
「なら、あたしについて来い!」
オータムを先頭にスコール達はすぐさまその場から立ち去って行った。
もう終了式まで後、一周間・・・・もう卒業だなぁ~
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※報告
4年ぶりとなる活動を致します。作品を楽しみにして下さった方々、誠に申し訳ありませんでした。この度、夢の翼の投稿した作品の内のお気に入り数の多い作品だけ残し後の作品を消去しようという決断に決めました。中学から投稿を始めたこのハーメルンさんでの活動で色々な事が沢山ありました。応援して下さる方々、作品を楽しみにして下さった方々、誤字を教えて下った方々、本当にありがとうございました。現在の作品のお気に入り数は・・・
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すみません。残して欲しいという意見が数件ありましたので投票という形で各作品の『消さないで残して欲しい』というアンケートを追加しておきます。残して欲しい作品を一位~四位まで投票をお願いします。
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