ソードアート・オンライン <Divers Ailes> 【凍結、そしてリメイクへ】 (ドライグ)
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第1章 SAO〜決意編〜
運命の歯車
今回の作品は、私の旧作『ソードアート・ドライブ』のリメイク版です。
文才は乏しいですが、なにとぞよろしくお願いします!
では、どうぞ!
あるところでは大男が地を揺らし、
あるところでは自在に伸びる男が前に進み、
あるところでは銃声が響き、
あるところでは鉄がぶつかり合う音が響き、
またあるところでは泣き叫ぶ音が響く。
そんな中に俺はいる。
右手には細く、空のような蒼の剣。
左手には鋭く、雪のように白い刀。
肩には白銀の服。
そんな得物と服を身につけ、俺は戦場を駆け巡っている。
しかし気がつけば俺は、眩い光の槍に右腕を貫かれ、絶対零度の氷で凍てつかせられ、高温のマグマに腹を貫かれている。
周りには多くの人物。
そして俺は何かを口にしていて、周りの人たちは涙を流しながらそれに答えた。
その答えに安心したのか俺は笑みを浮かべ、そしてゆっくりと目を閉じる。
数々の悲鳴と言葉に囲まれながら、意識を暗く、深い所へ落とした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2022/11/6 12:50
「ッ!うっ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ、はぁ〜
..........また何時ものあの夢か。全く、ファンタジーにも程があるだろ。」
そう俺はたまにあの摩訶不思議な夢を見る。
そういう時は大抵、変なことに巻き込まれてしまう。
前は崖から落ちそうになった女の子に遭遇したりした。
.....まあ、助けられたから悪いことではないかな。
「よくわからない夢だけど、あの人物は俺なんだよな。理由は無いけど、本能的にそう思っちゃうんだよな。」
そうなのだ。そんなわけないのに何故だかそう思ってしまう。
第三者として傍観しているのにもかかわらず、だ。
変なものだ。
「右手に剣、左手に刀、か。もしかしたら『あの世界』でそんなことができるようになるのかもしれないな、なんて。
まあそんな『スキル』は無いけどな、『あの世界』には。」
俺は置き時計を確認した。
「っとそろそろだな。しかしまあ、昼寝であの夢を見るとはな。
また変なことに巻き込まれないといいけど。」
軽く体をほぐしてから俺はベットに仰向けで寝転がり、ナーヴギアを頭にセットした。
「さてと、行くか。」
ーサービス開始まであと残り10秒ー
息を整え、
ーサービス開始まであと残り5秒ー
目をつぶり、
ーサービス開始ー
「リンクスタート!」
俺の意識は、『あの世界』へと飛んだ。
だが、彼はまだ知らない。
『あの世界』に隠された真実。
『夢』であり、『記憶』でもある出来事。
そしてその二つが繋がりあうことを。
今、運命の歯車が動き出すーーーーー
今回は一番最初ということで短くさせていただきました。
オリ主は転生者ですが、記憶があやふやで気付いていません。
ここが私の旧作との大きな違いですかね?
感想&評価お待ちしています!
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リンクスタート
今年も、よろしくお願いします!
というわけで、どうも皆さんこんにちは!
一話から約二ヶ月開けたバカ野郎、ドライグです。
趣味とはいえ、こんなにも空けてしまって、申し訳ありません!
ですが、文句はこの間にテストを3つもぶち込んだ学校と、インフルエンザと思ったら普通のカゼだった病原菌に言ってくださいw
さて、冗談は置いといて、今回は二話目です。
旧作とは大分違っているので、見たことある人でも楽しんで頂けると思います。
フラグも少し建てました。
では、どうぞ!
設定を終えログインしたあと、俺は地面に降り立った。
実際空から降ってきた、ということは無いのだが、体感してみるとそう感じてしまう。
そしてゆっくりと目を開ける。
「スゲェな。」
まず口から出てきたのはその言葉だった。
ずっと待ちわびていた世界。
その場で足踏みしたり、手をグーパーして感覚を確かめた。
そして不敵にニヤリと笑い、俺は大きく一歩を踏み出した。
「えーとっ。SHOPは.....ここか。」
俺は迷いなくSHOPに走って行った。
βテストに受からなかった俺だが、βテスト時の攻略サイトは隅々まで見ている。
そのため、一番最初に行っておいたほうがいいところや、買ったほうがいい物もβテスターと同じぐらい、とはいかないが把握している。
俺は今あるお金の限りポーションを買い、SHOPから出た。
次に向かうのは『はじまりの町』の周りに広がる草原だ。
見晴らしの良い場所に出ると、そこにはすでに先客がいた。
一人は、高身長で少し長めの髪型をしたイケメンな顔つきの人物。
もう一人は、頭にバンダナのようなものを巻いたこちらもイケメンな顔つきの人物。
「(と言っても、アバターは自分で作れるから、現実ではどうかわからないけどな)」
と内心、苦笑。
しばらく(そうは言っても、1分程だが)、その二人組を見ているとわかったことがあった。
それは黒髪の青年が、バンダナをつけた男にレクチャーしている、ということだ。
主に、ソードスキルについてのようだ。
「(俺も教わろうかな。うっかりしたことに、ソードスキルのレクチャー会みたいなのを逃しちまったんだよな...)」
と、俺は時計を見てため息をついた。
情報サイトを見たものの、あまりの膨大な情報の多さに、少々抜けているところもあるようだ。
そのため、レクチャー会をすっぽかしてここに来てしまったのだ。
ちなみに、そのレクチャー会は、今いる場所の真逆の方向にあるので、今からでは間に合わないのだ。
「(このまま、うまく使えないのも嫌だしな...よし、思い切って声をかけてみるか。)」
彼自身、人見知りや、コミュ障な訳ではないのだが、流石に見ず知らずの人にいきなり声をかけるのは、普通に勇気がいるものだ。
何せ、今までのオンラインゲームでの話し方とは違い、直接話すのだから。(正確には違うが、表現的に)
俺は、ゆっくりと歩み寄る。
「のあぁぁぁぁぁっ、痛ぇぇ〜。ダメだ、全然うまくいかねぇ。おいキリト、全然うまくいかねぇじゃねぇか!もっと詳しく教えてくれ!」
「そんなこと言われてもな...」
どうやら、バンダナをつけた男は、まだソードスキルがうまく発動しないようだ。
「もう一回言うぞ。メインメニューにある、ソードスキルの欄にある『型』を再現するように曲刀を腰に添えて、少し待つ。そうすれば、刀にエフェクトがついて、システムが自動的に動かしてくれて、放てるんだ。」
俺はちゃっかり説明を聞いて、立ち止まり、メインメニューを開き、発動させるソードスキルの『型』を見つけた。
「それが難しいんだよ!」
「それに対して言われたら、もうどうしようもないぞ...」
そして、『型』を確認すると、俺は剣を鞘から抜いた。
その瞬間、俺の体に電撃が走った。
「!!!」
例の
そして、剣の振り方などの感覚が頭の中に流れてくる。
若干、フラつきそうになったが、どうにか踏み止まる。
「(何なんだ、一体。まるで、昔、剣を振るってたかのような.....今考えても仕方ないか。)」
そう言い聞かし、気を取り直して、ソードスキルの《型》に入る。
すると、剣に鮮やかな水色のエフェクトがつき始めた。
その光でようやく気付いたのか、二人が驚いてこちらを振り向く。
それを気にせず、先ほどまでバンダナ男が戦っていたスライム級のモンスター《フレンジーボア》を向かって、ソードスキル《スラント》を放つ。
放ったソードスキルが命中すると、フレンジーボアは爆散した。
そして、剣を鞘に戻し、ゆっくりと振り返り、
「いきなりだけど、序盤のことについて色々教えてくれないか?」
と今もなお、びっくりしている二人に言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が驚くような(?)登場をしてから、しばらく経った。
自己紹介なども適当に(俺の名前は、シュウだ。よろしく)済ませ、今はキリトと呼ばれる青年に細かいところを教えてもらっている。
聞いていくうちに何となくだが、キリトが《βテスター》だ、ということが分かった。
何せ、あまりにもソードスキルが滑らかで、そして多く情報を知っているのだ。
まあ、βテスターだからと言って、何か思うわけでもないが。
「いや、でも悪かったな、横取りみたいなことして。」
「いや、いいんだ。あのままお前が倒してくれなかったら、俺はダメージ受けてたからな。」
「そう言ってもらえると助かる。」
今話してるクラインと呼ばれるプレイヤーは、中々人がいいのかもしれない。
普通は、文句を一つや二つ言うものだから。
「でも、クライン。あのモンスター、ド○クエで言うと、スライム級の強さだぞ。」
と、俺が思っていたことと同じことを、キリトは言った。
「うげ!マジか!」
「「マジだ。」」
と、俺とキリトは息ピッタリに言い放つ。
「はぁ〜まあ、それにしてもよ。キリトは何となくβテスターってことはわかったんだがよ、シュウは別にそうじゃないんだろ。」
「まあ、そうだな。今日初めてプレイした。」
「なのによぅ、なんで一発でソードスキルを打てんだ?フツーは、無理だろ。」
ちなみに、さっき放ったのが初めて、ということは言った。
そしたらまた、びっくりしていた。
「確かに。俺も、βテストの時、初めてソードスキルを使おうと思ったら、全然うまくいかなかったな。」
「いや、そんなこと言われてもな...才能じゃね?」
「あるかもな。」
「とんだゲーマーだな、おい。」
「オラッッ!」
クラインの声が響き渡る。
手に持つ曲刀は、赤いエフェクトを纏っている。
そして、システムに自動的に動かされ、ソードスキルを放つ。
そして、見事、あのスライム級のモンスターに命中させ、倒した。
「やっっったぜ〜!」
「お疲れ。」
「もう完璧、みたいだな。」
「ああ!ありがとな、二人とも!にしても、決まると気持ちいいな〜」
「確かに。それは思った。」
キリトも、同意するように頷く。
俺はちらりと時計を見て、時間を確認する。
現在5:25。
「さて、どうする?このまま続けるか?」
「ああ。それも魅力的な話だが.....腹、減っちまってよ。」
クラインがお腹をさする仕草をすると、グゥ〜と腹が鳴った音が聞こえてきた。
...流石に。気のせいだろう。
「まあ、この世界の食べ物は、空腹を紛らわすだけだからな。」
「そうなんだよな〜でも、俺はバッチリ、五時半にピザを予約済みだぜ!」
「マジか。用意周到な奴だな。」
「だったら、急いだ方がいいんじゃないか?」
「なんでだ?」
「時間を見てみろ。」
クラインは視線を右上に向け、時刻を確認する。
そして、某海賊漫画の「I am god」と名乗る人物のようなびっくり顏をした。
「ウゲェェェーーーヤベェェェーーー。あと、3分しかねぇ!!んじゃ、またな!明日にでも会おうぜ!」
「ああ、またな。」
「あんまり急いでミスったりするなよ。」
クラインは、手を挙げて答えた。
そして、右手を振って、メインメニューを出した。
しかし、いつまでたっても、クラインはメインメニューを開いたまま、ログアウトしていない。
流石におかしいと思って、声をかけようとした時、
「あれ.....?」
という声がクラインから聞こえてきた。
そして、その次に出てきた言葉が、俺たちに衝撃を与えた。
「ログアウトボタンが.....ない?」
主人公が覚醒する日はまだまだ遠いですね〜
まあ、のんびりやっていきましょう!w
書いてて思いました。クラインの口調、書きやすっ!
楽ですねw
私はギャグセンスがあまり無いので、他の原作からちょいちょい引き抜いて行きます。
あと、本文に出てきた『型』は、フラグでもなんでもないです。型ってあるんだろうなぁ、と想像して書いただけです。『』←こんな風に強調してすいません...
ではでは、また次の話で!
感想&評価、お待ちしています!
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固まる決意
今回は、次の村に行く前まで進めました。
旧作から結構変えたのでお楽しみに!
では、どうぞ!
<シュウside>
『ログアウトボタンが、ない』
そのクラインの言葉を聞いて、俺の体は一時固まった。
そして、真っ先にこの考えが浮かんできた。
ー そんなことがあるのか?、と
すぐさま、メインメニューを開き、ログアウトボタンがあるであろう場所を開いた。
クラインの言っていた通り、そこにはログアウトボタンが存在していなかった。
ログアウトボタンが無くなるなど、あってはいけないミスだ。
なぜなら、その意味の通りログアウトができない、この世界から出ることができないのだ。
もしこれが、運営側のミスだとしたら、プレイヤーを強制ログアウトさせるなど早急に対応しなければならない。
しかし、もうすでにサービス開始から四時間以上経過している。
運営が気付いていないわけがない。
俺の頭には、一番最悪なシナリオが浮かんだ。
まさか、な.....
俺は首を横に振り、浮かんだ考えを振り切った。
そんなことが起きるはずがない、起きてはならないと現実から目を背けるようにして ー
息を吐き、一息ついたと同時にはじまりの街の鐘が響き渡った。
そして俺たちは、青白い光に包まれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
光が薄れ、少しずつ目を開くと、そこは始めにログインした時に降り立ったはじまりの街だった。
「強制転移、か。」
「そう、みたいだな。」
「ったく、なんだよ!早く、ログアウトさせてくれ〜ピザが待ってるんだよ〜」
「緊張感無さすぎだろ...」
こんな事態でも変わらないクラインに俺たちは、揃ってため息をついた。
「どんどん、転移されてくるな。」
「おそらく、ログイン中の全プレイヤーが集められているのだろう。」
「ってことは...」
「ああ。多分、説明があるんだと思う。」
鐘の音が止まると、空に赤い亀裂が入った。
その亀裂から、体全体を覆うローブをきた巨大な生物が現れた。
姿的にGMのようだ。
姿の生成が終わるとGMはゆっくりと話し始めた。
『プレイヤーの諸君。ようこそ、私の世界へ。』
「私の世界、だと...?」
『私の名前は、茅場 晶彦。この世界をコントロールできる唯一の人間だ。』
「な‼︎」
「茅場、晶彦...」
『諸君も知っているように、メインメニューからログアウトボタンが消えている。しかし、これは不具合では無い。このゲームの本来の仕様である。』
「本来の仕様だと...」
待てよ。これじゃあ、俺が考えてたようなことに...
『諸君は自発的にログアウトすることができない。また、外部から取り外すこともできない。なぜならその場合、ナーヴギアより出された高出力マイクロウェーブにより、君たちの脳は焼き尽くされるのだから。』
!ってことは...
「あいつ、何言ってんだ。おかしすぎるだろ。」
「.....いや、リミッターさえ外せば焼き切ることも可能だ。」
「で、でもよ、電源を外せば...」
「ナーヴギアには内蔵型充電バッテリーが入ってる。」
「な!...でも無茶苦茶だ!なんなんだよ!」
話を聞いていくうちに、どんどん考えていた最悪な出来事になろうとしている。
『しかしながらその警告を無視し、取り外そうとした例が多くある。それにより、213人が世界から永久退場した。』
「213も...」
「嘘だ...信じねぇぞ、俺は!」
『この状態を様々なメディアが報じているため、これ以上の被害は増えないと思われる。安心して、ゲーム攻略に励みたまえ。』
「何が安心してだ...!」
『だが、覚えていて欲しい。今後、あらゆる蘇生手段は存在しない。そして、HPがゼロになった時、諸君らの脳はナーヴギアによって焼かれ、そして、死ぬ。』
「「!!!!」」
やはり、そうなのか...
『脱出するためには、このゲームをクリアすれば良い。この全百層からなるアインクラッドを。』
「できるはず、ない...」
「無理だろ!ろくにβテストの時も上がれなかったんだろ!」
『では、最後に、諸君らのアイテムストレージに私からのプレゼントを配布した。確認してみたまえ。』
俺たちは、アイテムストレージを開いた。
「「「手鏡?」」」
じっと、鏡に映る自分を見ていると、青白い光に包まれた。
光が止み、目を開けると鏡には先程とは全く違う顔が写っていた。
「こ、これは...」
銀がかった白髪に、少々中性的な顔立ち。
間違いなく現実世界での俺だったのだ。
右を見ると、中くらいの長さの黒髪の中性的な少年と、少し赤がかった短髪の少々ワイルドな青年がいた。
おそらく、キリトとクラインだろう。
その二人は、お互い名前を確認していた。
「お前、誰だ?」
「お前こそ...」
「ってことは、キリトとか!」
「じゃあお前は、クラインか!」
そして、二人はこちらを向いてきた。
「「シュウ、なのか.....?」」
予想通りの反応につい苦笑いが出た。
驚くのも無理もないだろう。
何せ、変わる前のアバターとはまっっっったく違うのだから。
「そうだ。俺は、シュウだ。顔が違いすぎて悪かったな。」
「白髪だったのか...なんで、黒髪に...?」
「それは、おいおい話す。」
「待て待て!なんで、現実と同じ顔になるんだ?」
「...スキャンだろうな。」
「そうか。ナーヴギアは顔をすっぽりと覆っているから、顔の形を再現することができる。」
「じゃあ、身長や体型はどうなんだ?」
「キャリブレーションだ。」
「キャリブレーション...ああ!あの最初にペタペタ体を触るやつな。」
「それで再現したんだろうな。」
「ああでもなんでだ!なんでこんなことをしたんだ!」
「どうせすぐに...」
そう言って俺は、GMを指差し、
「あのGMが答えてくれるだろう。」
『諸君らは、なぜこんなことをしたのか、と思っているだろう?すでに私の目的は達せられている。私は、この世界を創り出し、鑑賞するためにソードアート・オンラインを創った。』
「くっ!」
『以上で、正式サービスのチュートリアルを終了する。』
『諸君の健闘を、祈る。』
ー 予想していた最悪の出来事になってしまった。
ー 嘘だと思いたい。けれどこれは現実だ。
ー ここで死ねば、現実の俺も死ぬ。
ー 逃げ出したい、逃げ出したい。けれど、この箱庭の世界からは誰も出ることができない。
ー なら生き抜くしかない。
ー 生き抜いて、生き抜いて、そして、クリアする。
〉誰のために?〈
ー 己のために。
ー 俺のような異質な存在を大事にしてくれた家族のために。
ー この世界でできた仲間のために。
〉なんのために?〈
ー 夢と俺の関係。
ー 剣を初めて握った時のあの感覚。夢と繋がっていると直感で思った。
ー ならば、ここで確かな答えを見つけ出す。
〉では、達成するためには?〈
ー 前に進み続け、強くなる。
ー さあ、答えは出た。あとは動き出すのみだ。
「キリト、クライン。」
そう言って俺は、二人を振り向かせる。
「俺は前に進もうと思う。」
二人の顔に驚愕の表情が浮かんだ。
当たり前だろう。ビギナーである俺が、あの話を聞いた後なのにもかかわらず進もうとしているのだから。
「だからこれでさよならだ。けど、またお前らとは会う気がする。だから...」
そう言って、俺は拳を突き出した。
「またな。」
「お、おう!またな!」
クラインが拳を突き出して当ててくる。
遅れてキリトも、
「あ、ああ。またな!」
と言って、拳をつけてきた。
こんな状況なのにもかかわらず、俺たちは自然と笑みがこぼれた。
そして俺は、次の村に向けて走り出した。
キリトとクラインの別れたシーンを無くして、オリ主の心の中の決意を書きました。
どうだったでしょうか?
ではまた次の話で!
感想&評価お待ちしています!
追伸1:この作品の題名変えました。
追伸2:アンケートを活動報告で行っています。よろしくお願いします。
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剣を求めて
更新遅れてすみません。
インフルエンザという病魔にかかり、だらだらっと時間が過ぎてしまいました。
さてさて、今回はアニールブレード入手回です。
できる限りオリジナル要素を入れたので、楽しんで頂けると幸いです。
では、どうぞ!
<シュウside>
あの二人と別れてから俺は次の村『ホルンカ』に向かっている。
そこでは、あるクエストを受けることができる。
クエスト名:『森の秘薬』
そのクエストは、『リトルネペント』と呼ばれるものからドロップする胚珠をとあるおばさんに届けるというものだ。
しかし、ただのネペントからは胚珠はドロップしない。
ドロップするのは、
だが、その花つきはPOP率が素晴らしいほどに低いのだ。
そのため、ただのネペントを多く倒し、花つきのPOP率をできるだけ上げる必要がある。
一晩で終わらせることができたらいいんだけどな.....
ホルンカの村に着いたのは、星がよく見える夜であった。
周りを見渡してみても、そこにはプレイヤーらしきカーソルはなく、この村に住んでいるNPCしか見受けられなかった。
やはり、あの宣告があった後では動き出せるものも少ないのだろう。
だが、あと数十分もすれば『戦う』と決めたものたちがどんどん来る。
死にたくないから、はじまりの街に残る。
けれど、残っていてもこの世界から抜け出すことはできない。
ならば、攻略していくしかない。
こう考えるものは、少なからずいるだろう。
少し村の奥の方に進むと、ある一軒家が姿を現した。
そう、この小屋の中で受けることができるのが『森の秘薬』だ。
なんとなくノックしてドアを開ける。
中には、台所で鍋をかき回しているおかみさんらしき人物がいた。
おそらく、クエストはこの人から受けられるのだろう。
すると、おかみさんがこちらを向いて、
「こんばんは、旅の剣士さん。お疲れでしょう。食事を差し上げたいのだけれど、今は一杯のお水しか出せないの。」
俺は内心、おお〜と感嘆した。
他のPCなどでやるRPGなどとは全く違う。
実際に自分が会話しているのだ。
これが、VRMMORPG。
悔しいが、ここは素直に素晴らしいと思ってしまう。
っと、いけない、いけない。早く答えなければ。
先ほどの思考を一旦停止させて、返事をする。
「ありがとうございます。」
そういえば、丁寧に「お構いなく」っていうと本当に出てこないって注意書きに書いてあったな。
流石に試すほどの度胸はないが...
俺は、一気に水を飲み干し、そのまま待つ。
するとどうだろう。おかみさんの頭の上に『!』が浮かんだ。
これでようやく、クエストを始めることができる。
「何かお困りですか?」
と定番の質問をする。
すると、おかみさんはゆっくりとこちらを向き、話し始めた。
ようやく、おかみさんの話が終わった。
ザックリと説明すると、娘の病気を治すための材料である胚珠を取りに行って欲しい、と言うことだ。
『!』から『?』に変わった。
さて、出発だ。
俺は勢いよく民家を飛びたし、リトルペンネが湧く森に進んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
森に進みながら、俺は現実のことを考える。
時間を見る限り、親がそろそろ帰って来る頃だろう。
だがまあ、ニュースで大々的に報じられているからもう帰ってきているだろう。
親は俺を見てどう思っただろう。
驚き?悲しみ?怒り?憤り?.....
恐らく、俺の親なら四の五を言わず、動いているだろう。
考えるよりもまず、動く。
それが俺の親なんだ。
また偶然、父は機械系の仕事を、母は医療系の仕事に勤めている。
動かないはずがない。
そんな親を俺は信用し、誇っている。
ナーヴギアをどうにかしてくれるとは、はっきり言えば思っていない。
だが、動いていてくれていると考えるだけで、安心できる。
そんな思考を遮るかのように、視界にカラー・カーソルが表示された。
『
ちなみに、リトルネペントはレベルが3なので、レベル1の俺から見るとカーソルはマゼンダのような色になっている。
なんでも、赤の濃淡で自分のレベル差がだいたい把握できるようだ。
さてさて、あのリトルペンネトは...
「普通のネペントか.....残念、ハズレ。」
俺は、キリトに習いスムーズになったソードスキルを発動し、リトルネペントに向かって行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
狩り始めてから、ざっと30分が経過した。
だが、全く花付きに出会わない。
こればっかりは運ゲーなので仕方のない事なのだが、30分もぶっ通しでソードスキルを使っていたため精神的に疲れてきた。
気分転換も兼ねて、俺は狩場を変えることにした。
先ほどの場所から西に進んだところに木が少なく、少しだけ開けた場所があった。
見渡しやすく、『索敵』もうまく活用しやすい。
深く深呼吸をした。
森特有の匂いが、鼻腔をくすぐる。
皮肉にも、現実の森に入るような感覚に陥った。
深呼吸したことで、脳がクリアになり、狩りを再開しようと勢いよく抜刀した、とその時。
目の前に、数十ものカラー・カーソルが表示された。
「!!!」
驚くと同時に、思考を始める。
いくらデスゲームと化した『ソードアート・オンライン』といえど、迷宮区でもないただのフィールドに何十体もスポーンするのはおかしい。
何らかの『アクション』が起こったのだろう。
そして、この森にスポーンする敵の特徴。
そこから答えを導き出すのは、そう難しくなかった。
そう、実付きのネペントの実を破壊してしまったのだ。
この周りに漂う異臭も辻褄が合う。
ー 逃げるか?
頭の片隅に、そんな考えが浮かぶ。
はっきり言えば、それが最善の行動だろう。
逃げることは、決して恥すべきことではない。
デスゲームと化したこのゲームならなおさらだろう。
だが俺は、それを拒んだ。
本能的に体が異臭の元へ動く。
理屈では言い表せない
多数のリトルネペントが、異臭に辿り着く前に俺はその場所へ滑り込む。
その匂いの元には、人影が見える。
月明かりが、その人影を差した。
赤い、いやもっと燃えるような紅色の長い髪。
そんな容姿をしたら、少女が立っていた。
違う。
その顔は、驚愕に染まっている。
それもそうだろう。倒した敵が、異臭を放ったと思った途端、視界に数十ものカーソルが表示されたのだから。
そんな彼女を見て、俺は堪らずその娘の元へ走り出した。
(これが、後々語られるシュウ専用システム外スキル『超絶お人好し』)
「おい!大丈夫か!」
少女は、いきなり聞こえてきた声に反射的に反応し、こちらを向いてくる。
「お、お前は...」
「それは後だ!今は、奴らを倒すことだけ考えろ。」
そう言って、背中を合わせる。
「背中、任せたぞ。」
返事を聞かずに俺はソードスキルを発動し、リトルネペントに飛びかかった。
あれから、15分経過した。
それまで一時間もの間狩り続けていた俺にとって、リトルネペントとの戦いは、作業と化していた。
ー 蔓を避け、的確に弱点にソードスキルを叩き込む。ー
数十体を倒し、前方に見える敵を全て倒した時、レベル3に到達したことを告げるファンファーレが鳴り響いた。
だが、そんなことは気にも留めず、俺は振り返って先ほどの彼女がいる方向に体を向けた。
そこには、全て倒し終わり、地面に膝をついている少女がいた。
生き残ったということは、もともとセンスはいい方なのだろう。
俺は、ゆっくり歩み寄る。
「お疲れ様。」
「.....ああ。」
「「..........」」
二人の間に沈黙が訪れる。
数分後、それを破ったのは紅髪の少女だった。
「.....何故、来た?」
それは素朴な疑問だった。
俺は思っていることを素直に口にする。
「本能的に、かな。」
「本能的.....?」
「逃げようとも思ったよ。けど、無意識に足がこっちに向いた。ただそれだけだ。」
「お人好し、なんだな。」
「よく言われる。」
といいながら、ポーチに手を伸ばし、ある物を取り出す。
そして、その少女の足元に投げる。
「これは...」
「『リトルネペントの胚珠』だ。さっきの集団を倒し終わったら、二つ転がってた。俺は一つで十分だし、やるよ。」
「.....ありがとう。」
「良くも悪くも、お前のお陰で胚珠を取れたんだ。同然だろ。」
すると、
「そのことだが、すまなかった。」
と頭を下げてきた。
「実付きが危ないというのは知っていたんだ。けれど、実付きとは露知らず普通のネペントと同じように切ってしまったんだ。申し訳ない。」
「命が助かった。今はそれだけでいいんじゃないか?」
「ふっ、それもそうだな。」
それそろ、切り上げて帰るとするか。
「じゃあ、またな。気をつけろよ。」
「ああ、またな。」
そう言って、村の方へと姿を消した。
「「あ、名前ぐらい聞いとけば良かったな。」」
と思ったのは、別の話。
はい、というわけで、最後の胚珠を渡しに行く場面はバッサリカットです。
書いてみたのですが、つまらなかったのでw
この少女は誰なのか?
分かった人は凄いです(おそらく)
ちなみにオリじゃ無いですよ。他作品クロスです。
まあ、2話ぐらいしたら名前を出しますので。
また、途中に出てきた意味の無さそうなシュウの親についての話ですが、後々とあるキャラ救済のために重要になるので、ぶち込みました。
頭の隅にでも置いといてください。
感想&評価お待ちしています!
活動報告にてアンケートも待ってます!
また、明かせる範囲で活動報告に登場人物のデータを書きますのでそちらも是非。
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心境変化
ー 活動報告を読んでください。報告があります。 5/3更新 ー
はい、どうも皆さんこんにちは、ドライグです。
やっと春休みに入り、投稿することが出来ました。
遅れて、本当に申し訳ないですm(_ _)m
今月中にあと一話か二話は投稿できると思います(多分、恐らく、maybe
とにかく頑張ります!
さて、今回は例のフェンサーさんとの出会いです。
抜いても良かったのですが、ここが抜けると初めての出会いが攻略会議になってしまって、「え、なんでこんなに親しいの?」という風な感じになってしまうと思ったからです。
徐々にフラグを立てていきますよ〜
久しぶりの執筆なので駄文感が半端ないと思いますが、どうぞ!
<シュウside>
アニールブレードを取得してから数日がたったある日、俺は第1層迷宮区に来ている。
理由は簡単、レベルを上げるためだ。
現在レベルは7。
ここに出てくるモンスターは、レベル6の亜人型モンスター『ルインコボルト・センチネル』を中心としている。
そのため、レベルがそのモンスターより1高い俺は攻撃パターンをだいたい記憶しているので、難なく撃破する事が出来る。
レベルが迷宮区ということもあり、この層ではボス部屋の中のモンスターの次に高い。
レベリングにはもってこいな場所、というわけだ。
『索敵』スキルを使い周りに敵がいないことを確認し、ホッと一息ついて剣を腰に帯剣する。
ーーーと、視界の右端で光が輝いた。
すぐさま剣を抜刀し、構え、索敵を開始する。
数秒するとまた光が輝いた。
どうやら真っ直ぐ行って右に曲がった所でプレイヤーがソードスキルを使ったようだ。
その証拠にモンスターが四散した音声が聞こえてきた。
フゥー、っともう一息ついて、また剣を帯剣した。
その直後、バタン、という音が響いた。
反射的に俺の体は、音がした方に向かっていったーーー
音がなった元へと駆け寄ると、そこにはフードプーケを羽織ったプレイヤーがいた。
気絶した、と言うわけではなかったようだ。
疲れたのだろう、座り込んで荒い呼吸を繰り返している。
また、HPはほぼ全快な状態のようだ。
ひとまず安心して、ホッと息をつく。
そして思考。
どうするか、だ。
相手からすれば、傍迷惑な考えであろう。
何せソロプレイを貫いているようなプレイヤーなのだから。
だがしかし、俺は無視して素通りする事が出来なかった。
ー そんな自分に俺は内心、驚いていた。
小学校や中学校では、他の生徒より達観していたため、だいたい一人でいた。
達観している、というのは親に指摘されていたので、自分自身でも自覚していた。
そんないつも一人でいた俺に、そんな気持ちがあるとは思いもよらなかったのだ。
「全く.....俺はこんな性格だったのかよ。」
内心苦笑いしながらも、俺は俺自身の本能に従って
「おい、大丈夫か?」
と声をかけた。
帰ってきたのは、鋭い二つの視線だった。
そんな瞳に少々気圧されながらも、こちらも負けじとじっと、見つめる。
きっかり10秒ほど見つめ合っていると、渋々とした様子ながらもそのプレイヤーが口を開いた。
「..........別に問題ないけれど、何か?」
なんとこのプレイヤーは、レアな女性プレイヤーだったのだ。
女性でしかも、ソロプレイヤーであり、なおかつ迷宮区に来ている、という3段重ねの驚きが襲ってきたため息が一瞬詰まりかけたが、何とか持ちこたえて、彼女が発した疑問系の言葉を返す。
「.....いや、だって、そんな状態で町に帰れるのかと思って。」
「.....帰り?」
「ああ。君もここまで来ているから知ってるけど思うけど、ここからダンジョンを抜け出して町に行くまで急いだとしても一時間強はかかる。そんなフラフラな状態だとミスも増えて、それと比例するように危険も増える。だからーーー」
「それなら問題ないわ。」
と話の途中で割り込んできた。
そして、
「わたし帰らないから。」
と言い放った。
「.....は?」
「別に休憩とかは近くの安全地帯で取っているし、ポーションもダメージを受けなければ問題ない。剣も同じのを5本買ってきた。」
話を聞いた限り彼女はずっとこもりっぱなしなのだろう、この迷宮区に。
そして、安全地帯を宿舎として寝起きをしているのだろう。
「.....どれくらいやり続けているんだ。」
「.....今日を合わせたら、四日。もういいかな。そろそろモンスターが復活しているから。」
絶句だ。
しかし、話を続けるため、そして重要なことを聞くため、言葉をつなげる。
「.....死ぬぞ、そんな状態で戦い続けたら。」
「.....どうせ死ぬのよ、みんな。」
周りの温度さえも下げるかのような冷たい声で彼女はその言葉を発した。
その言葉を聞いた途端、彼女の声の質とは全く逆の、まるで燃えているのかのような感覚が俺を襲った。
それは、怒り。
何故自分がそんな感情に陥ったのかははっきりとは分からない。
しかし、これだけは言える。
ー そんな考えを許してはいけない
「..........どこでどんなふうに死のうと、早いか遅いかだけのちが」
「いい加減にしろよ。」
一瞬、俺の周りに赤い光が迸った。
その勢いのまま彼女の手を取り、来た道、つまりこの迷宮区から抜けるためのルートを進みだした。
「ちょっと、何!離してっ!」
そんな声を完全無視し俺は、いや俺たちは迷宮区を去って行った。
迷宮区外のすぐ近くに木々に囲まれた場所がある。
そこに着くと俺は彼女の手を離した。
始め10分は反抗していたものの、抗えないと分かると大人しく俺に引かれた。
途中、頭がだんだんと冷えてきて、「俺何やってんだ.....」と思ったりはしたものの、気にしたら終わりだと思い込み、突き進んだ。
そんな俺に無理やり連れてこられたその女性プレイヤーは、座り込んでギロリとこちらに目線を向けている。
当たり前の反応であろう。
数十秒たったところで、彼女は言葉を発した。
「.....余計なことを。」
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<???side>
私は、前三日間続けていたことを今日も実行するため、安全地帯と呼ばれる場所から動き出した。
だった一ヶ月で、二千人も死んだ。しかし、まだ最初のフロアすら突破されていない。
私は諦めた。
どうせ、みんな死ぬと考えて。
もちろん自分自身も入れて。
だから、私はこの迷宮区から出ないと決めた。
どうせなら、ここで最後まで戦い続けて死のうと。
しかしそれは、白銀の髪の毛の人物によって、崩された。
少し疲れて、地面に座っていると、通りかかった人物に話しかけられた。
今まで声をかけてきた人物と同じように自論を突きつけ、突き放そうとした。
そして、『死』ということについて話すと、その人物は、
「いい加減にしろよ。」
と怒った。
そして、そのまま私の手を引き、迷宮区を出ようとした。
当然、私は反抗した。
けれど、彼の力には全く叶わなかった。
それに、何故だか引っ張られるのを許してしまったのだ。
何故だろう?
彼の纏っていたオーラに気圧されたのだろうか?
それもなきにしもあらずだ。
けれど、私は、彼の怒った顔の奥に隠れていた悲しい表情に疑問を持ったのだ。
何故、他人にそれも今日初めてあった赤の他人とも言える人に対してそんな顔が出来るのだろうか、と。
一時間が経過し、私たちは迷宮区を出た。
彼はそのまま私を引っ張り、近くの木々に囲まれたところに進んで、手を離した。
そして私は一言。
「余計なことを。」
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<シュウside>
「申し訳ない。俺の勝手な行動に付き合わせて。というか、無理やり連れてきた、だな。ごめん。」
正直に心の内を話すと、少しは受け止めてくれたのかコクンと頷いてくれた。
そして、彼女は問いを投げかけてきた。
「.....何故、今日合ったばかりの赤の他人に対してこんなことをしたの?」
ごもっともな質問だ。
けれど、
「分からない。」
のだ。
「君が死んでも構わない、みたいなニュアンスのことを言った途端、こう、なんか、カッときて、それでだ。」
けど、
「けど、これだけは言える。命をそんな無下にしないでくれ。」
綺麗事だ。
「綺麗事だとは分かってる。分かってる!.....けど、ダメなんだ。そんなことは絶対に。」
男らしくない悲痛な声。
自分自身でも理解が出来ない。
何故、こんなにも『死』ということに敏感なのか。
何故、赤の他人にここまで言えるのか。
何故、
何故、何故、何故.....?
そんな思考を巡らせていると、声が降ってきた。
「.....分かったわ。」
理解、という返事だ。
下に向けていた顔をガバッと上げて、彼女の顔を見る。
出会った時より、ほんの少しだが、頬が緩んでいるような気がした。
「あなたの言った通り、それは綺麗事。はっきり言ってあまり私はそういうのは好きじゃない。けれど、あなたの言葉の重さが少しだけひびいたわ。何故だか分からないけれど。」
俺は目を見開く。
彼女は言葉をつなげる。
「だけど、私は止まっていたくないの。だから.....」
ハシバミ色の瞳をこちらに向けて、
「次にどうすればいいのか、教えてくれる?」
と訪ねてきた。
しばらく、考え、思い立ち、告げる。
「明日、『第一層フロアボス攻略会議』が行われる。君もこの世界を抜け出すために最前線で戦ってみないか?」
と。
はい、今回はここで切らせてもらいます。
切りが良かったので。
主人公は自己中、というわけではありません。
そこだけは分かって欲しいです。
彼に眠る心情が少し出てきた、と考えていただくと嬉しいです。
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ではまた!
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