【東方project】幻想夢結界~World circulation structure theory. (葉桜 神風)
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《第一章》東方宇宙録~Power of the space.
東方宇宙録 #01『物語の幕が開いた』


※注意※
東方projectの二次創作作品です。
また、オリキャラが出てきます。苦手な方はお戻りください。
主人公は霊夢か魔理沙が多い気がします。
文章力は余り無いのですが…宜しくお願いします。


ミーンミンミンミンミンミーン……

 

夏。

そのわざとらしい蝉の音から全ては始まった。

 

「……あっついわね」

「そうだな」

 

神社のとある一部屋から二人の少女の話し声が聞こえる。

 

「あー何で今年はこんなに暑いのかしら、もう溶けそうよ……」

 

ここは幻想郷。

幻想郷には人間、妖怪等様々な生き物が暮らしている。

今年は何故か原因不明の猛暑によって、真夏日続きである。

空には憎き太陽が浮かび今日もジリジリと幻想郷を照り付けている。

蝉の音はますますうるさくなっていき、とても静かに昼を過ごせそうにない。

 

「我慢しろよ霊夢。氷の妖精じゃあるまいし、これぐらいの暑さでへばっててどうするんだよ?」

「そんなこと言っても暑いもんは暑いのよ!あー冬が恋しいわ……」

 

彼女は博麗神社の巫女をやっている、博麗霊夢。

そして今霊夢と話しているのが魔法使いで、魔法の森に住んでいる霧雨魔理沙だ。

「でも冬になったら夏がきて欲しいとか言うんだろ?」

「それはそれ、これはこれよ!」

 

霊夢は猛暑によって完全にやられていた。

この巫女、相当暑さに弱いみたいである。

 

「というか異変が起きたときにこれじゃあなぁ、全く頼れない巫女の代わりに私が異変解決でもするか?」

「私にはこの暑さが異変みたいなものよ―あぁ、もうホンット暑いわ……」

 

そう言って霊夢は床を「ひんやりしてる……」などと呟きながら転がり始めた。魔理沙も思わず頭を抱える。

 

「ったく、何を言ってるんだ?夏は暑くて当たり前なんだ、それならもっと楽しまなきゃな」

「そんな厚着でよくその台詞が言えるわね……全く、説得力がないし見ているこっちが暑苦しいったら無いわ」

 

霊夢がそう言うのも頷ける。

魔理沙はよく日の光を取り入れる真っ黒の服を着ているのだ。

顔には汗だって見えている。もう見るからに暑そうである。

「まぁ、これが一番薄着なんだ、仕方ないだろ……」

「それで一番薄着なの!?」

「そんなに驚かなくてもいいぜ……ん?」

何かにおかしなものでも見つけたのだろうか。魔理沙は外の方をじっと見つめた。

「どうしたのよ、いきなり?」

「いや、あっちの方で何かが光っていて……」

「え……?あっちって人間の里じゃない?」

「一緒に来るか?」

「勿論行くわ」

 

そう言うと霊夢は地面を蹴り、青い昼の空へと飛んでいった。

霊夢の能力は『空を飛べる程度の能力』である。

重力の呪縛から解き放たれ、空を飛べるようになるのだ。

 

「おい!ちょっと待てよ!」

 

一方魔理沙の能力は『魔法を使う程度の能力』。

彼女は神社の柱に立て掛けてあった箒を手に取り、それに跨がったかと思うと、突然箒が空へと飛び出した。

彼女は魔法使いなので、箒で飛ぶのである。

 

二人は競走するようにして、里の方向へと飛んでいった。

 

 

 

―だが……

後から考えると、霊夢達は自ら異変に首を突っ込んでいたのだろうか。

魔理沙が放った一言を、霊夢が、

「気のせいじゃない?」

とでも返せば、こんな悪夢のような異変には巻き込まれなかったのかもしれない。

 

……それとも、これは運命だったのだろうか……




これから頑張っていきますので宜しくお願いします!


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東方宇宙録 #02『新たな異変の予感』

前回のあらすじ。

暑い暑い夏の日に神社でいつもの様に話していた霊夢と魔理沙。
が、魔理沙が人間の里の方の空に橙色の光が落ちていくのを発見した。
何かの異変と思った二人は、光が見えた方の空へと飛んでいった…


~人間の里:上空~

 

「あれ?ここら辺だったよな…?」

 

「間違いない筈よ…でも辺りには何かが落ちた形跡も無いわね…」

 

二人は、謎の光を見た方向の上空を飛んでいるのだが、これと言った発見が無いようだ。

これではむしろ空をやみくもに飛んでいるだけである。

 

「本当に何も無いなぁ…一回地上に行ってみるか?」

 

「そうね。他の人に話を聞いて回りましょうか」

 

そう言って霊夢と魔理沙は地上に向かって降下を始めた。

 

数分後。

 

「はぁ…結局余り成果が得られなかったわ…」

 

「あら。壁に寄り掛かって溜め息ついてるなんて、どうしたのかしら?」

 

「あんたは…悪魔のところのメイドね」

 

何も成果が得られず、途方に暮れていた霊夢に話しかけたのは、

紅魔館に住み込みで働いているメイド、十六夜咲夜だった。

彼女の性格は…人間が普段近づかないところにいる為、よく分からない。

だが、しっかりしている人間であることは確かだ。

 

「名前で呼んでいただけると良いのですが。それで、何かあったの?」

 

咲夜にそう言われ、霊夢は今までの経緯を話した。

 

「あ、その光なら見たわよ」

 

「え! ほんとに!?」

 

「私はそんな嘘ついても得なんかしませんし。本当ですよ」

 

「で、どんな感じだったの?」

 

「空を多い尽くす程の眩しい光だったわね…ただ」

 

「ただ…何よ?変わったことでもあったの?」

 

「その光が落ちていくとき、里の人間がボーッとした表情をしていたわ」

 

咲夜はそれに付け加えるように、気味が悪かったわ、と嫌そうな顔をして言った。

 

「それは不気味ね…」

 

「ええ、思い出すだけで気持ちが悪くなるわ」

 

 

「おーい、霊夢~!あ、いたいた」

 

「あら、二人で聞き込みしてたのね」

 

「お、紅魔館のメイドじゃないか。ここで会うなんて奇遇だな」

 

「で、魔理沙。なんか成果は得られたのかしら?」

 

「おう、勿論だ。見た人の名前を挙げていくぜ」

 

一人目。上白沢慧音。里で歩いている途中に光を発見。

二人目。魂魄妖夢。里に買い出しに行く途中の道で発見。

三人目。稗田阿求。貸本屋『鈴奈庵』に行く途中で発見。

 

「で、阿求に会ったときに鈴奈庵で光の事を調べないかって言われてな」

 

「なるほどね…さて、ここで問題よ」

 

「は?いきなり何を言い出すんだ?」

 

「何か分かったってことなのでは…」

 

「この光の発見者に共通してるもの、なーんだ?」

 

「あのなぁ…面白おかしく言えば良いってもんじゃないぜ?分かるかよ、そんな問題」

 

「いや、分かるわよ。簡単じゃない。だって全員…」

 

その咲夜の言葉を引き取るように…

 

「そう。全員が能力を持っているのよ」

 

と、霊夢が言った。そしてその言葉に続け、

 

「つまり、何か特別な力を使ったに違いないわ…魔理沙、忙しくなるわよ」

 

「ってことは…」

 

「…これは、間違いなく『異変』よ」




あ、合計文字数が1111文字になりました。
今回はここまでです。閲覧有り難う御座いました。


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東方宇宙録 #03『忍び寄る黒い影』

前回のあらすじ。

早速謎の光の調査のために人間の里に言った霊夢と魔理沙。
霊夢はそこで、紅魔館のメイド「十六夜咲夜」から不気味な光が落ちていったときの話を聞いた。
一方、魔理沙は、慧音、妖夢、阿求の3人から光の情報を手に入れた。
そして、阿求に勧められ、霊夢と魔理沙は里にある貸本屋「鈴奈庵」に行くことになる…


 

カランカラン…

 

「いらっしゃいませ~…ってあれ、霊夢さんと魔理沙さんじゃないですか」

 

鈴奈庵の入り口をくぐると、「本居小鈴」が二人を出迎えてくれた。

 

「ん?阿求から聞いてないか?私たちが来るって」

 

「あぁ、それだけ伝えてさっき思い出したように家に戻っていきましたよ。それで何でここに?」

 

「それはね…」

 

…少女説明中…

 

「橙色の光…ですか。うーん、何処かで見たような気もしなくも無いけど…」

 

「何かそれについて分かると嬉しいのよね」

 

「分かりました。少し探してみますんで、待っててください」

 

そう言って小鈴は店の奥の方の本棚に目当てのものをブツブツ言いながら探し始めた。

霊夢と魔理沙はそばにあった椅子に座った。

 

「おい、霊夢。久しぶりに私たちの出番が来たかもな」

 

「何ワクワクしたように言ってるのよ。まぁ、ここんとこ暇だったしいいけど…」

 

「暇だったのか。あれ?誰だっけ、お茶と掃除をするのが仕事なんだから暇なんかじゃないわ、って言ってたの」

 

「うるさいわね!参拝者が来なければ暇に決まってるでしょ!」

 

「参拝者が来ないのは妖怪がいるからだろ…まぁ他に鬼とかも来てるが…」

 

「はぁ…結局のところ妖怪のせいなのね…」

 

「勿論霊夢にも問題はあるけどな」

 

そんな話を二人が続けていると、小鈴が何かを見つけたように此方に来た。

手には巻物が握られている。

 

「で、何か見つかったのかしら?」

 

「この巻物に似たような物が書かれていました。因みに、作者は不明みたいです」

 

「作者分かってても分かってなくてもどっちでも良いけどな。で、中身はどうなってるんだ?」

 

「はい、じゃあ読みますよ…」

 

そう言って小鈴が読み始めたのは何かの昔話のようだった。

 

―昔々、宇宙から伝説の勇者がやって来た。

その勇者は、私たちの住んでいるこの宇宙とは違う別の世界の、

『もう一つの宇宙』からやって来る侵略者を止める為、地上に降り立ったという。

もし、その侵略者に此方の世界に入られたら世界が滅亡するのも時間の問題だと。

そして、この勇者はこう言った。

 

『私以外にも3人、他に侵略者を食い止められる協力者が欲しいんだ』

 

…私は断った。

その侵略者と戦える勇気は当時の私にはなかったのだ。

 

勇者は侵略者を止めたようだが、私は後悔するばかりだった。

傷だらけの勇者を自分の家の前で見たからだ。

 

だが、いつまた同じような侵略者が現れてもおかしくない。

橙色の光は、勇者が地上に降り立った印だ。忘れないで欲しい。

それと…

 

「ここで巻物は終わってますね…一部分が焼失していて…」

 

「ねぇ…この伝説が本当なら…」

 

「あぁ、これってもしかして…」

 

「幻想郷どころじゃないわね。世界を巻き込む異変になるわよ」

 

夏の風が、店の入り口にある風鈴を揺らしていた…




短い様な気もしますが、ここで終わります。
御閲覧有り難う御座いました!


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