鬱フラグクラッシャーズ もうこれで……終わってもいい編 (めたるみーと。)
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鬱フラグクラッシャーズ もうこれで……終わってもいい編

最初はゼブラとかも考えましたけど、やっぱりこの展開がしっくりくるような……


「アッハハハハハハハハッ!!!!!」

 

梅郷中の運動場。

その大きなバトルフィールドで、三人のアバターが戦っていた。

 

全ポイントをかけた、サドンデスバトル。

バーストリンカーとしての人生をかけた、非常な戦いに、シルバークロウ。ハルは身を投じた。

幼馴染を取り戻すために。

自らの親である、黒き王のために。

 

だが。

 

「無様ですねぇ……!

 先輩……」

 

蒼い重厚な戦士。シアン・パイル。

シルバークロウの幼馴染、タクのアバター。

それが、眼前のアバター。ダスク・テイカー、能美征二の手によって倒された。

卑怯にも幼馴染を人質に取り、両手を切断され、HPバーはまさに風前の灯であった。

 

「先程は少し驚きましたが……まったく、手を抜きすぎではないですか?」

「やれやれ、私は本気でやっていたよ?

 頑張ったのはそこの坊やだ」

 

倒れふしているシルバークロウ。

目の前のいわゆる積層型アバター、ブラック・バイス。

彼の静止重圧(スタティック・プレッシャー)によって閉じ込められたシルバークロウは、シアン・パイルが倒れると同時に拘束を振りほどき、心意による攻撃をテイカーに振りかざし、そしてあと一歩のところで攻撃が届かず、テイカーの足元にたおれているのである。

 

「くくく……まぁ、ここまでやればわかったでしょう?

 僕には勝てない。あなたたちでは、僕に勝つことは不可能なんですよ!」

 

テイカーは高笑いをし、腕に纏う心意の爪を剣に変えた。

シアン・パイルへと歩みを進める。

 

「(動け!動けよ!)」

 

「(どうして!まだやれるだろ!)」

 

「(立ち上がってタクを助けろよぉ!)」

 

「さようなら、シアン・パイル……!」

 

テイカーの腕が、今シアン・パイルの最期のゲージを削りきるために振り下ろされた。

 

クロウは、後悔していた。

自分にもっと力があれば……!

 

そして、自然と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――もうここで……終わってもいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

テイカーは振り下ろした手を止めた。

後ろを振り返ると、倒れふしていたはずのシルバークロウが起き上がっていた。

 

「おや、先輩……まだ立ち上がるんですかァ?

 随分頑張りますね」

 

しかし、そんなテイカーに目もくれずに、クロウは片手を上げ、その手のひらを見つめた。

そして、一言つぶやいた。

 

「もうこれで……終わってもいい」

 

―――だから……ありったけを……!

 

次の瞬間、テイカーは威圧感を感じて後ろに飛び下がる。

 

「(これは一体……!?)」

 

横を見ると、ブラック・バイスも警戒していた。

いつも冷静なあのブラック・バイスが、恐れを抱いていたのである。

 

「こっちだ」

 

後ろから聞こえる声に、そちらを向く二人。

その目の前には、信じられない光景が待っていた。

 

筋骨隆々に変化したシルバークロウの姿。

所々にひび割れが走り、さらに体力ゲージがMAXになっている。

それが、明確な殺意を抱きながら、二人を睨みつけているのだ。

 

「へ、へぇ……どういう手品を使ったのかは知りませんが……随分とかわりましたね先輩」

「(違う……!方法は分からないが、あの坊やは強制的にレベルアップしたんだ……!)」

 

―――(テイカー)を粉砕できるレベルまで……!

 

皮肉を言うが、声は震えていた。

本能的に、彼は恐怖を感じていたのだ。

 

「……前々から……使ってみたかった技が……あったんだ……」

 

重々しく一言一言を口にするクロウ。

やがてゆっくりと屈むと、一気に飛び出した。

 

「!?(強……!速……避……無理!!)」

 

膝が眼前に迫ってきていた。

 

「(受け止める……無事で!?出来る!?)」

 

―――否、死

 

「うわあああああああああああああああああああああああッ!!!!」

 

テイカーはその膝を心意で出来た触手を捨てる気で全力で防いだ。

結果、その触手は全て消し飛び、その身体は空中へと投げ出された。

 

「(ギリギリ……ギリギリだが……受け流せた!)」

 

本当にギリギリだった。

腕の心意は消し飛び、体力ゲージもだいぶ減った。

しかし、0ではなかった。

テイカーは受身を取ってクロウから奪った翼で飛んだ。

 

「ハハハハッ!!

 ここなら、あなたも手が出せないでしょう!?

 ここから遠距離で打ち抜いてあげま……す!?」

 

大仰に叫ぶテイカーの前に、銀色の鴉が迫っていた。

空中にいたはずの自分を捉えるほどの跳躍を、クロウが成したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま、クロウの蹴りがテイカーの首辺りを捉えた。

さらに天高くへと吹き飛ばされたテイカーの意識は既に消えかかっており、翼を振るう暇すら無かったのである。

 

クロウはいつの間にやら装着していた背中の“ゲイルスラスター”を起動させた。

それは、彼に心意を教えた師、“スカイ・レイカー”に借り受けた、彼女の翼だ。

それをクロウは迷わずに起動した。

ただ、その場で一定時間浮いているために。

 

「最初は……グー……!」

 

腰に拳を貯め、心意を込めた。

その余りにも巨大な心意のエネルギーは、一瞬にしてクロウを包み込むと、右腕に集中した。

絶対的な力が、クロウの右腕を覆ったのだ。

 

「ジャン……ケン……ッ!!」

 

空中で振りかぶる。

自らの翼ごと、眼前の敵を葬るために。

今、断罪の拳が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、全損したテイカーの記憶は消え、クロウの記憶もまた、急激にレベルを上げた後遺症という形で消えてしまう。

シアン・パイルは、クロウのニューロリンカーに未だデータがまだ残っていることを知り、幼馴染のアバター、ライム・ベルと共にクロウを元に戻すことのできるアバターを探すことになる。

そして、彼の妹分的存在のアバター、アルカ・ナニカの“みっつのおねだり”と“ひとつのお願い”でクロウを治す計画を立てる。

 

まで考えましたけど限界が来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       /             ` 、       感謝するぜ  クラッシャーズと出会えた

       /          ノノ  ヽ

      ,     ニニ彡’⌒    /`ヽ        これまでの  全てに

      ’   ニミ ニニ彡      〈rう├--ミ

       { { ニミ } j j jノx’ィイく  }し{\   `丶、___/ニニニ

      j_ニニミV ハレノ x<⌒ヽ  V ヘ  \    \ニニニニニニニ

      {xミミー’ヾ(、ル( 厶tァァく⌒ヾ}  )ハ::::::.    \ニニニニニニ

     彡ィ'”>tァ} \(`ニ彡 ノ` /ト=く   ::::::i     \ニニニニニニ

     (   V^`こ7  _, \``ヾヽ` ノ|`ヽ ヽ l:::::|       \ニニニニニ

         ∧  { ‘  ` ノ^ヽ    { ノ     !:::::|   ___ノ^ヽニニニニニニ

      /.::::\ゝヽ. _ノヽ``ヽ, -――- 、 /:::::/ /      ̄`ヽニニニニニ

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  /ニニ、`ヽ`ヾヘ{ {、ムイ 、_(   >  \/ (__ ノニニニ     \ニニニニ

 ,仁ニニニ\ヽヽヽ ∨   /ニニ>彡>–‘)__ ノ    `ヽニ     \ニニニ二

 ニニニニニニヽ   /     {ニニ> ´ `¨¨´         ニ}      \>””´

 ニニニニニニニニ/     ∨ /               }八

 ニニニニニニニ./        }ニ{                ノニヽ     ノ

 ニニニニニニニ/       }ニハ               /⌒ヽヽヽ ___彡

 ニニニニニニニ!        ノニニヽ、            /     ` ー=彡’ニニニニニ

 ニニニニニニニ}          ⌒`丶、     /⌒ヽ  ノ     ノ_____

  / ̄ ̄ ̄`ヽ/ヽ、 _彡ヘ{ {        > 、 /     /  ̄ ̄ ̄

     ) 、    /   ヾ、    ヽ ヽ      (    `{    /

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  {       /    //     /         \__ノ





         /             ` 、       感謝するぜ  ハーメルンと出会えた
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 ニニニニニニニニ/     ∨ /               }八
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