ヨルムンガンド? (シャト6)
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1話

「俺がいた世界と、ほとんど変わりないな。これが平行世界ってやつか」

 

一人の男がヨーロッパのとある国でそう言う。

 

「さてと、確か今は《ヘクマティアル》が、《バルメ》が襲われるんだったな。となれば、まずは原作でココがバルメに会った場所に行くか」

 

俺はひとまず、神様から貰った知識を頼りに、その場所に向かう。

 

「ここか・・・」

 

到着したはいいが、どうやって中に入るかだ。すると、一人の兵士が外を巡回している。

 

「丁度いい♪早速貰った能力の1つを使いますか」

 

そして俺は、その兵士を捕まえて軍服を奪う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いな。後は、お前の顔と声を変えてっと」

 

俺は、変装で軍服を奪った男とソックリになる。

 

「さてと、まずはこの世界の主人公に会いますか」

 

俺は中に入り込む。すると、入り口で同じ服装の兵士に止められる。

 

「巡回ご苦労!」

 

「(取り合えずバレないようにするかな)はっ!周りに異常はありません!!」

 

「了解した!至急食事を取り、ソフィア・ヴェルマー少佐の指示に従え!!」

 

「サー・イエッサー!!」

 

そして無事に中に入り、食堂らしき場所で飯を食う事にした。やっぱり軍の飯は不味い・・・そして、食堂を後にして少佐の所に向かう。

 

「失礼します!」

 

中に入ると、丁度ココともう一人知らない男が立っていた。

 

「少佐、此方の方達は?」

 

ココ「初めまして。武器商人の《ココ・ヘクマティアル》です」

 

「俺は《エコー》って言うんだ」

 

バルメ「それで、貴方は何故ここに?」

 

「はっ!入り口で、少佐から指示を貰えと通達を受けました!」

 

バルメ「そうですか・・・では、貴方は今日の晩私と一緒に来てください」

 

「了解しました!」

 

俺は部屋を出ると、取り合えず夜になるまで適当に過ごした。そして夜になり、再びバルメの部屋に向かう。

 

バルメ「待ってましたよ。貴方には、少し森を巡回してほしいのです」

 

「森をですか?」

 

恐らく、ヘックスがいないかの見回りだな。

 

「了解しました!」

 

そして俺は森へと向かった。途中で軍服を脱ぎ、刀を出す。

 

「斬鉄剣。ルパンの仲間である《石川五右衛門》が使っている刀。向こうで此を五右衛門以上に扱える様に修行した。今なら、どんな物でも斬れる!!」

 

そのまま木の上に上がり、ココ達の同行を見守る。すると、原作通りヘックスとエコーが撃ち合っている。そして、ヘックスは重傷だがそのまま逃げていく。エコーは、致命傷になる傷を受けていた。俺は木から下りてエコーに接触する。

 

エコー「誰だお前は?」

 

「心配するな。俺はお前達の敵じゃないさ。けど、その傷じゃ助からないな」

 

エコー「そうだな・・・けど、お嬢の所に行かないと」

 

「手を貸すぜ?」

 

エコー「頼む。取り合えずお嬢の所に」

 

俺はエコーに肩を貸しながら歩いていく。そして、ココとバルメ合流する。

 

エコー「お前の願い、俺が叶えてやる。けど、それは金じゃない」

 

エコーは、血で染められている手で、ココの頬を撫でる。

 

ココ「エコー、撃たれたの!?」

 

エコー「へへ、けどコイツがお嬢達を安全な場所に連れてってくれる」

 

「宜しくな」

 

バルメ「貴方は?」

 

「ヌフフ♪少佐!」

 

声を変えて話すと、バルメココは驚く。

 

バルメ「まさか、さっきの兵士!?」

 

「正解だ」

 

すると、バルメは俺に拳銃を突き付ける。

 

「おいおい、そんな物騒なのを向けるなよ♪それに、エコーが言っただろ?あんた達の敵じゃない」

 

ココ「・・・信用していいの?」

 

ココがそう言うと、俺はココの頭を撫でる。

 

「信用しな。俺は、女に泣かれたら嘘は絶対に言わない」

 

そう言いながら、俺は斬鉄剣を握る。

 

「さて、エコーは行っちまったが、全員が向こうに行った訳じゃない」

 

バルメ「その様ですね」

 

すると、周りから一斉に銃が撃たれる。

 

バルメ「まずいです!防ぎきれません!!」

 

バルメは、ココを守るように自分の体を盾にする。

 

「でやあああっ!!」

 

その声が聞こえると、銃声音が止まる。二人は恐る恐る目を開けると、足元に切られた銃弾が大量に落ちている。

 

「やれやれ。一斉射撃すれば、どうにかなると思ってるのか?人数は・・・5人だな」

 

すると斬鉄剣の代わりに、マグナムを取り出して構える。

 

「そんな隠れ方じゃ、丸見えだぞ?」ドゥン!ドゥン!ドゥン!ドゥン!ドゥン!

 

5発。たった5発だが、1発も外さず隠れていた兵士全員を仕留めた。

 

バルメ(す、凄い・・・レームさんなんか目じゃない)

 

「どうやら、これで終わりだな」

 

銃をしまうと、森を抜けるために歩き出す。暫く歩くと、一人の男が立っていた。

 

「よ~ココ、それバルメ。無事みたいだな」

 

ココ「レーム!」

 

レーム呼ばれる、少し老けた男。

 

レーム「それで、こいつは何者だ?」

 

ココ「そう言えば、名前を聞いてなかったわね」

 

「俺の名前か?俺の名前は・・・」

 

彼は歩きながら言う。

 

「俺の名前は、ツバサ。ツバサ・ドリトルだ!!」

 

そして彼とココ達の話が動き出す!



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2話

あれから数年の時が流れた。私《ココ・ヘクマティアル》は、仲間と一緒に色々な武器を売っている。そして、今日は新たに仲間に加わる男の子を連れて、ホテルの廊下を歩いている。

 

ココ「キリキリ歩けィッ!!ヨナ隊員、ほらイッチニ、イッチニ!」

 

「・・・・・・」

 

ココ「今までの8人の私の部下が、丁度ここに集まっている。君が入ると9人だ。変な人ばっかりだけど、ビビる事はないよ。初の顔合わせなのに、残念だがゆっくりしてられない。問題が・・・起きてね。東欧の片田舎で、足止め食ってる理由なんだけどね。問題解決を手伝ってもらう。私の《小隊》への、入隊の儀式のひとつ。そして君の性能テストでもある」

 

そして扉の前に立っている二人に、声をかける。

 

ココ「マオ。ワイリ」

 

ワイリ「ココさん、その子はいったい・・・?」

 

ココ「この子?」

 

扉を勢いよく開ける。何かに当たった音が聞こえたけど気にしない。

 

ココ「皆注目!!彼がヨナだよ♪」

 

ヨナを見た瞬間、全員の顔が恐怖に変わった。

 

『新入りって、少年兵だったのかよ!?チャカ持ってる。コェエ~!!』

 

レーム「少年兵と言やァ91年夏、ソマリアで俺の前を歩いてた部隊が、ガキンチョの持った対戦車地雷で・・・30人の兵隊がAFVごと、空の彼方にブッ飛んだのを今でも鮮明に覚えて・・・」

 

ココ「ハイハイビビるな!!トージョ。誰にも分かるよう現状の説明!」

 

私はトージョに説明を求める。

 

トージョ「変わらんね。我等のコンテナは足止め食らったまんま。税関の小役人共は駄々こねる一方。内務省中央税関保安隊には、ココさんからお電話願います」

 

ココ「う~ん。連中の言い値通り関税払ってたら、今四時半期の決算超赤字だよ!!最初から通す気ないんだ!要するに、私達の持ち物を取り返すんだ。OK?」

 

ヨナ「・・・そんな事はどうでもいい。必要なのは『何処で誰を撃つか』・・・それだけ」

 

私の質問に、そう答えるヨナ。

 

ココ「バルメ!レーム!出動準備!!準備!!」

 

私とヨナ、そしてバルメとレームは、車に乗ってコンテナがある港へと向かった。

 

ココ「ヨナ、どう?新しい仲間は」

 

ヨナ「・・・別に」

 

ココ「スレたやっちゃのぉ~。君を雇うにあたって、君をとことん調べた。何処で生きて何処で戦ったか、何が好きで何が嫌いか、何をやって古巣を追い出されたか。武器が憎いんだね、ヨナ?」

 

しかしヨナは、銃に弾を入れて返事をしない。

 

ココ「・・・返事するのもイヤなのか?」

 

ヨナ「喋るのが嫌いなんだ」

 

ココ「分かるよ。でも、今日からはそれじゃ通らん」

 

そんな会話をしていた。さて、私達の車の後ろ走っている車内では…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レーム「・・・で、ど~よバルメ」

 

バルメ「?あぁ、ヨナ君事ですか?まだ一言も喋ってないのに、ど~よ言われても困ります。でもまぁ、気配の鋭さは尋常じゃないですね。・・・ココが危険です!あんなヤバ気な少年兵と二人っきりで車に乗って!!新入りが来るといっつもこうです。張り切りすぎて!ココに何かあったら、彼をバラして私も死にます」

 

バルメはそう宣言する。相変わらずココ命だねぇ。

 

バルメ「・・・ゴホッ。ちょっとレーム!二人しかいないからって、煙草止めてください!こんな密閉空間で。いつの間に火をつけたんですか!?」

 

レーム「ハイハイ」

 

バルメ「髪に匂いがつきます!」

 

そんな話をしてると、後方から車が数台迫ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨナ「・・・ねえ」

 

ココ「何?何?なんでも聞いて!」

 

ヨナ「この部隊での尾行者の扱い」

 

ココ「そりゃもう、先手必勝!!一撃必殺!!」

 

私がそう言った瞬間、ヨナはマシンガンを撃つ。

 

バルメ「ヒュ~ッ♪」

 

レーム「ハジきやがった」

 

ココ「ヨナ!?ヨナ!?」

 

すると、横からも車が1台現れた。

 

ココ「尾行車だ!!」

 

「発砲!銃撃だ、応戦!!全車、応戦しろ!!高速道路から引きずり下ろせ!!」

 

ヨナが発砲したのを合図に、敵も応戦した。高速道路は、あっという間に銃撃戦になる。

 

ココ「ヨナ!ヨナ!!撃つ前くらいは何か言ってくれないかな!?ビックリするから!!」

 

流石に急に撃たれたら、私でも心臓が止まりそうだ。

 

ヨナ「そんな無茶な。今の車はせっこうだ。次からのが本番」

 

一台の車が爆発する。後方のバルメ達が乗ってる車は、敵のバンに攻撃している。

 

バルメ「すっごく硬いんですけど。あのバン。反撃ウザいですし」

 

レーム「キッチリふさいでやがるなぁ」

 

バルメ「私達が急がないと、前方にいるココが挟み撃ちになってしまいます!」

 

レーム「そのつもりだろ~よ!」

 

バルメ「・・・あの人がいてくれれば、あんなバン等あっという間なのですが」

 

レーム「ま~な」

 

バルメ「・・・レーム、バンにピッタリくっつけてもらえますか?」

 

レーム「マジですか」

 

俺は、渋々バルメの言う通りバンにつけようとしたその時、突然バンが真っ二つ切れた。

 

バルメ「なっ!?」

 

レーム「何がどうなってるんだ!?」

 

俺達は、何が起きたか分からなかった。唯一分かったのは、突然何かで切られた。それだけだ。

 

レーム「ん?・・・何か見えるぞ」

 

バルメ「あれは!?」

 

俺とバルメが見たのは、赤いスーツ黄色いネクタイをつけてる男だ。しかし、二人はそれを見て驚いたのではない。その男が持っている刀を見て驚いていた。あれは…

 

バルメ「あの刀は!」

 

レーム「あぁ、アイツが持っていたのと似ている」

 

バルメ「しかし、持っている人物の顔が違います!」

 

そう。その刀を持っている人物の顔は、全く違う奴だった。そしてその男は、ポケットからリモコンらしき物を取り出すと、横に車がやって来た。そのまま乗り込んで、何処かへ行っちまった。

 

「「・・・・・・」」

 

俺達はそのまま、黙って見るしかなかった。

 

バルメ「・・・ひとまずココと合流しましょう」

 

レーム「あぁ」

 

そして俺達は、ココと合流してコンテナを確保した。そのままホテルに戻ってヨナがキッチンで料理をしている間に、俺達は今日あった事をココと一緒に話していた。

 

ココ「・・・それ本当なの?バルメ、レーム」

 

レーム「あぁ。確かにあの刀は、アイツが持っていた物と似ていた」

 

バルメ「ですが、所持していた人物は違いました」

 

ココ「でも、結局は相手のバンを真っ二つにして、貴方達には手を出してこなかった」

 

レーム「どういう訳かな」

 

ココ「・・・トージョに、その人物の情報収集を頼んでおくわ」

 

バルメ「そうですね」

 

ヨナ「・・・ご飯」

 

ヨナが卵料理を持ってやって来た。

 

ココ「これが私の隊の入隊儀式だ。君は今日、軍・国家・組織・家族を一新したタマゴ君だ。頼もしい仲間を、歓迎するよヨナ♪」

 

そして、全員でヨナ作った卵料理を食べた。感想は・・・

 

『まっず~!!』

 

どうやらヨナは、料理が出来ないようでした♪けど、ホントにまずい…彼の料理が懐かしいよ。



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3話

僕が、ココの部隊に入ってから数日が過ぎた。

 

ヨナ「・・・・・・」

 

 

ミシッ

 

 

「起きろヨナ」

 

ヨナ「!?」

 

床が軋む音と、声をかけられて僕は拳銃を抜く。

 

「巡回の時間だよ。交代してくれ。レームのおっさんと組め。お前ちゃんと寝てる?」

 

声をかけてきたのは、アールだった。

 

「寒ィからちゃんと着ろな。・・・超ねみ!」

 

僕は巡回の準備をして、レームと合流する。

 

レーム「おはよう」

 

ヨナ「・・・はよ」

 

そして、廊下を巡回する。

 

ヨナ「レーム、聞きたい事がある」

 

レーム「珍しいね!君から質問とは。要するにこうだろ?俺のような凄腕・百戦錬磨な超・絶・傭兵が、ココって言う小娘・武器商人に従ってるのが不思議」

 

ヨナ「あんたを褒めた覚えはないよ」

 

レーム「まだ行動を共にして数日のヨナ君には、難しいだろうがな。俺の答えは面白いからだ」

 

レームはそう言う。

 

『ココ!痛いです!!寝惚けてますね!?』

 

『バルメゴメーン』

 

部屋の中から、ココとバルメの会話が聞こえた。

 

レーム「他の連中だって、それぞれ理由があるんじゃね~の?君だって、理解が出来てくるし分かってくる。小隊に自分がいる意味、ココってのがどれだけ優秀な・・・」

 

すると、ココ達の前のドアが開いた。出てきたのは、Yシャツ1枚のココだった。どうやら、寝惚けているみたいだ。

 

レーム「・・・優秀な・・・なんだっけ?トイレは中だぜココ」

 

ココ「ウムム・・・」

 

そんなこんなで、僕達の巡回は終わったのであった。そして翌朝、ココに呼び出されて集まっている。

 

ココ「緊急事態だっ!!!3時間前、北の国境から入国した輸送団。情報とカウントが正しければ、コイツの中には戦闘ヘリコプターMil24D。即ち《ハインドD》、これの15機分が分解され予備部品一式と共に詰まっている!これはこの間の私達の成功を聞いた誰かが、『俺にも1枚噛ませろ』と参入したものに他ならない!タイミング的に!!」

 

かなり熱く語るココ。

 

ココ「でも、こんな事はよくあること。問題は・・・この情報が《本部》から送られてきたこと。ヘマすると給料減らされる。うお~!ヤバイヨ~」

 

そう言いながら、テーブルの上で転がる。

 

ワイリ「あの転がりっぷりは、相当ヤバイって意味だぜ」

 

僕に説明してくれるワイリ。転がっていたココが起き上がる。

 

ココ「状況を開始する!敵商品の納入阻止!!この国での私達の仕事がブチ壊しになる前に!邪魔者の排除を含む、ハードネゴシエーションになる確率は高い。気を引き締めろ」

 

『ウェ~イ』

 

全員がだらけた返事をする。

 

ココ「いや、やっぱ引き締め方は各自に任せる。バルメ、トージョと共に国防軍司令部でネゴ(交渉)!!ワイリ、アール、ここにいて上との情報整理。レーム、ウゴ、ルツ、マオは武装!私の護衛に廻れ!ヨナ、私と来い。行くぞ!!」

 

ココの掛け声で、皆動き出す。

 

ココ「ココ・ヘクマティアルだ!コンディ(状況)、オレンジ。繰り返す、コンディ(状況)、オレンジ。今から言う件のデータを・・・」

 

ココ達が動き出してるのを遠くから見ている人物がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「動き出したな。なら、俺も行動開始しますか」

 

男は、何処かのビルの屋上から移動した。男の姿は、赤いジャケットと黄色いネクタイを着けていた。そして、手にはスナイパーライフルと刀を持っていた。

 

「あれから数年経ったけど、ココもバルメも元気そうだな。二人とも随分と育っちゃってま~♪」

 

果たして、この男は何者なのか?ココはヨナと一緒に、ハインドDの元に来ていた。

 

ココ「初めましてミスター・クロシキン。ヘクマティアルと申します」

 

クロシキン「ウン。H&Cロジスティック、ミス・ヘクマティアル・・・知ってるよ。ゴメンね、越したばかりでさ。ゴチャってて此方の名刺埋もれてる。まあ掛けて下さいよ。紅茶なら出せる。ボクはコーラがいいかな?って言うか、その坊っちゃんは何?」

 

ココ「私の弟です」

 

クロシキン「あぁ、弟さん?ふ~ん」

 

そう言いながら、お互いソファーに座る。

 

クロシキン「ま~、何しに来たかは分かってるつもりだよ。ヨロシク♪」

 

そしてココと会話をしていた。その現場をココが護衛として置いている連中以外で、一人の男が見ていた。そう、先程ココ達を見ていた男である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~!流石に屋上は冷えるな」

 

俺はスコープを覗きながらそう言う。

 

「ん?ココが電話で話してるな。何話してるんだ?」

 

俺はココの服や携帯に仕込んでいる、盗聴機の音声を入れる。

 

『いいぞ♪それは食い付いているんだ。空対空ミサイルのカードを切れ。・・・失礼』

 

クロシキン『何それ?イキナリカッコイイね。安売り合戦始めちゃうんだ!?もはや喧嘩腰じゃん?兵器を扱う者同士って考え方はなしかい?』

 

ココ『ないね。そんな優しい思考は持ち合わせがない。貴方がやったのはつまりこうだ。私が育てた牛の豊かな牧場にこっそりと、羊を放って育てようとしている』

 

クロシキン『俺だ!!・・・』

 

男も何処かに電話を始めた。

 

ココ『誰に唆されたか知らんが、カウボーイに撃たれても仕方ないな』

 

ココがそう言うと、男は珈琲メーカーでココの頭を殴った。

 

クロシキン『ッざけんじゃねえゾ?』

 

すると、ヨナが男に拳銃を向ける。

 

ココ『撃つな!!』

 

しかしココがそれを止める。

 

クロシキン『そうだ。撃ってもロクな事ないからな。情報通りかよ。少年兵なんぞ連れやがって。アンタ俺以上のクソかもな!?』

 

男はそう言いながら、銃に入っている弾を抜いていた。

 

クロシキン『男前になったじゃん?お嬢ちゃん。アンタ、結構な数の私兵を持ってるらしいが、妙な真似すんなよ?スナイパーだ!アタマ消し飛ぶぜ!?』

 

「何言ってんだコイツ?」

 

男の行動に、少しイラッとした俺だが、まだ撃つことはしない。それから一時間が過ぎた。スコープを覗くと、ココは腕時計を確認していた。

 

『ん?帰りたくなりました?帰っていいですよ。ハインドも順調に移動してます。ただ、今後もビジネスパートナーとしてやっていく、口約束くらいは欲しいですなぁ』

 

ココ『フン、おめでたい男クロシキン』

 

クロシキン『・・・アァ?』

 

ココ『ヒント、私の目。私の目をよく見ることだ。この目にはお前が反射しているが、悪いが私はお前等見ていない。武器という鋼鉄の殺人機械を扱う我々だが、その取引は人と人の駆け引きなのだよ』

 

クロシキン『!!』

 

すると、ココの携帯に連絡が入る。

 

クロシキン『テメェ !!なんなんだそりゃ!!』

 

ココ『最近の携帯は、防水で良かった』

 

クロシキン『言ったぜ!!妙なマネしたら・・・』

 

ココ『スナイパーか?掛けてみたら?』

 

そしてココは、自分の携帯を男に渡した。

 

「なるほど。既にレームが始末してたか。なら、そろそろだな」

 

俺はスコープを覗き、撃つ準備に取り掛かる。そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガゥン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が撃った銃弾は、男に眉間に命中した。当然ココは驚いている。

 

「驚いてるな。さて、俺も行くかな」

 

俺はライフルをしまうと、屋上から移動したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「いったい誰が」

 

ヨナ「ココ、取り合えず今はレーム達と合流するよ」

 

ココ「・・・そうだねヨナ」

 

そして私は、ヨナと一緒にレーム達のところに向かったのであった。果たして、ヨナが撃つ前にクロシキンを仕留めたのは誰だろう?レーム達には既に撤退命令を出していた。私やレームにも気が付かれずに・・・



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4話

ココが、東欧で武器商人を殺してから数日。今は新しい仕事の為ロシア国境付近に来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「本当に大丈夫何でしょうね!?全く携帯が通じない!!電波障害?かもしれない?『かも』じゃ困るでしょ。早く原因を調べて!!」

 

ルツ「危ないです!お嬢が荒れてます!ヘヘヘッ」

 

ココ「本部の手際が悪すぎなのよ。イライラする連中だ。次の街で待ち合わせの、バルメとトージョと連絡できない。それと、さっきからなんなのアイツら?」

 

『止まれ!止まりなさい!!』

 

私達の前を、装輸装甲車が走っており呼び掛けている。

 

レーム『この国の国境警備車両だ。どうするココ?』

 

ココ「止まることないよ!!軽WAVなんかで、20tトラックが止めれるなら止めてみろ・・・」

 

すると、装甲車が突然爆発した。

 

ウゴ「アチチッ!」

 

レーム「チッ」

 

ココ「んなっ!?」

 

ワイリ「クソッ!トラップか!?」

 

ココ「なッ、何ィ~ッ!?」

 

ルツ「おい、出んなお嬢!!」

 

ルツの静止も無視して、私は急いで車を降りて走る。

 

「いてて。あっ!だから止まれって言っただろ~が!!」

 

ココ「うっさい、税金泥棒!!」

 

そして、周りが見渡せる場所に行くと・・・

 

ココ「はぁっ!なっ!なっ!!なんじゃこりゃ~~ッ!!!!」

 

そこに見えたのは、見事な戦場の光景であった。

 

レーム「へっへへ♪パイプラインの奪い合いか。こりゃも~立派な戦闘地域だぜ。電話通じねえ理由はこれだな。GMS携帯電話基地とか、電話局とか、マイクロ波通信の施設とかを吹っ飛ばしたり吹っ飛ばされたり。したらそれを逆手に情報統制するんだ。衛生だって万能じゃねぇ。秘密裡の戦闘」

 

ココ「へぇ~、詳しいですねレームさん!」

 

レーム「そうかね?イヤ、頭使う戦いは苦手でよォ」

 

そんな話をしていると、銃を持った兵士が私達を囲む。

 

ココ「ハイハイ、敵じゃないヨ。友達でもないけど」

 

そして私達は、武器を売る軍隊の場所まで案内されて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらら。ココ達連れていかれたな。けど、ちょっとばかし強引じゃないか?」

 

双眼鏡で、その光景を見ながら言う俺。俺は数年前にココ達と別れてから、色々な所を巡っていた。ここ最近は、ココ達の同行を見守っている。

 

ツバサ「取り合えず、いつココ達に姿を見せるかな~」

 

俺はどうやって驚かそうか考えているのであった。

 

ツバサ「俺も追い掛けるか」

 

木の枝に座ってた俺は、移動するために立ち上がる。すると、枝からミシミシと音がなりバキッと音を発てて折れた。

 

ツバサ「どわぁぁぁぁ!?」ドシーン!

 

そんな音を発てながら、落ちたのであった。一方ココ達は、この部隊をまとめてる人物と挨拶を交わしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、よくぞおいでくださった!ミス・ヘクマティアル!随分お若い方なのですな」

 

ココ「初めましてポルック少佐」

 

お互い握手をしながら挨拶する。

 

ポルック「部下がご迷惑を。ピリピリしておりましてね。コンテナの対空ミサイル8基、しかと受領しました」

 

ココ「では少佐、早速此方にサインを・・・」

 

ポルック「いやいや、そんなに焦らずとも!どうぞお掛けになって」

 

私は渋々椅子に座る。

 

ココ「・・・何日前からですか?こんな状況になったのは?」

 

ポルック「つい8時間前です」

 

ココ「納入責任者は、グラント中佐の筈では?」

 

ポルック「・・・よくいるんです。いざ戦いとなると、ブルってしまうキャリア。まぁ、はじめからいなかったと言うことで」

 

ポルックの話を聞きながら、コーラの蓋を開ける。そして一口飲みながらこう思っていた。

 

ココ(うわぁ。聞かなきゃよかった。マズい!非常にマズい!!この戦場は完全に燃え上がっている!この指揮官も、更なる武器が欲しくて欲しくてキリがない状態。飲み込まれる)

 

周りの状況を見て、瞬時に情報を整理する。

 

ポルック「サインです。それとですな、追加注文と言ってはなんですが・・・」

 

ココ「ホラ来たぁ!!」

 

私の思っていた通りの答えが返ってきた。すると、何処からか声をかけられた。

 

「あれぇ?やっぱそうだ。ココちゃんお久し~」

 

ココ「ミルド!?後ルーも!!」

 

ミルド「あれ?ココちゃんバルメは?」

 

ココ「バルメは別動中。ミルドとルーが彷徨いてるって事は・・・」

 

すると、建物の中から少し年取った男が出てきた。

 

「おや、奇遇ですな。ココ・ヘクマティアル」

 

「イングランドCCAT社、カリー社長!?何が奇遇だ!!」

 

現れたのは、同じ武器商人であるカリー社長だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あらら、ココもツイテないね~。まさかここで同じ武器商人のCCAT社の社長と出会うとはね」

 

俺は、スコープを覗きながらそう呟いた。そして、手元に置いてあった資料に目を通す。

 

ツバサ「何々、CCAT社カリー社長。元イギリス空軍の精鋭パイロットか。で、その護衛がミルドとルーか。ミルドは多数のナイフと拳銃を使っての攻撃か。ルーは、元傭兵か。ココもそうだけど、武器商人はどうやってここまで優秀な護衛を集めれるのかね?」

 

溜め息をつきながら、そう思った俺は悪くはない。

 

ツバサ「暫くはココも動かないだろ。なら、その間に腹ごしらえしておきますか」

 

俺は、既にお湯を沸かしておりカップ麺に注いでご飯にするのであった。



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5話

飯を食い終わり仮眠を取る。そして目が覚めると、見知らぬ空間にいた。

 

ツバサ「・・・何処ここ?」

 

「ふぉふぉふぉ。久し振りじゃの」

 

声が聞こえたので、そっちを振り向くと、俺をこの世界に送った張本人である神様がいた。

 

ツバサ「久し振り。けどどうしたんだ?」

 

「いや、お主が余りにも能力を遠慮しておるからの。他にも能力を追加しておいたぞい」

 

ツバサ「別によかったのに」

 

「それでは、儂の気がすまん。今まで送った連中は、魔法やら、王の財宝やらとチートが多かったんじゃがの。お主は、ルパン三世のキャラ全能力だけじゃからの」

 

ツバサ「ルパンでも、十分チートと思うけど?」

 

「しかし、腕前などは鍛えれば誰でも取得できる。じゃから、儂が勝手にお主に授ける特典を2つ決めたからの。目が覚めれば、その特典の情報が分かるからの~」

 

そして神様は、徐々に薄れていくのであった。そして俺は、車のエンジン音で目を覚ましたのであった。起きて双眼鏡を覗くと、ココ達が何処かに向かう準備をしていた。兵士を二人連れて。

 

ツバサ「何処に行くんだ?」

 

俺は、ココ達が行きそうな場所を考える。

 

ツバサ「携帯弄ってたし、もしかして山の頂上に向かったのか?」

 

この辺りでは、山の頂上に行かないと携帯が通じない。俺もそれで結構困ったんだよ。

 

ツバサ「ココ達を追い掛けるとして・・・刀が2本増えてる。そしてこの緑のハチマキ・・・」

 

俺の頭の中で、前世の時に読んでいた漫画のキャラを思い出すのであった。

 

ツバサ「絶対にこれって、三代鬼徹と秋水だよな?」

 

そう!この刀はまさしく、ONE PIECEでゾロが使ってた刀だ。

 

ツバサ「新しい特典は、ゾロの能力だったのか」

 

2本を抜き軽く振る。

 

ツバサ「物凄く手に馴染むな」

 

俺は新たに手に入れた刀を握りながら、そう呟くのであった。一方ココ達はというと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「凄い霧」

 

そう言いながら、携帯電話を取り出してヨナに渡す。

 

ココ「ヨナヨナ、そろそろ通じるかも。試しにかけてみてくれる?トージョって」

 

そして車を止める。

 

「ここがオリン峠だ」

 

ココ「どうヨナ?」

 

ヨナ「呼び出してる」

 

ココ「呼んでる?やった!!」

 

やっと繋がったよ。しかし、その喜びはヘリの音により消え去った。

 

ココ「Miー24VハインドE!!ロシア軍のハインドだッ!!」

 

「離れろ!!」

 

「車から離れるんだ!!」

 

私達は、急いで車から離れる。

 

ココ(攻撃してる。近くに山岳兵がいるのか?)

 

すると、別の兵士と出会う。

 

「なんだ貴様ら!?」

 

ココ「ポルック少佐と会った武器商人だ!スティンガーを撃ってるのと別の部隊か?」

 

「民間人に答えられん!!」

 

ココ「彼らは全滅だ。貴方の隊をハインドから遠ざけろ!あの機体は人狩り専用!!」

 

「どういう事だ!!」

 

ココ「センサーポッドを見ろ!あれは温度センサーだ!!通常のLLLTV《ラドガ・F》が東欧サードパーティー製に換装されている。パイロットがその気になったら、私達は丸見えだ」

 

そう話していると・・・

 

「三十六煩悩鳳!!!!」

 

そんな声が聞こえた瞬間、飛んでいたヘリが斬られたのであった。

 

ココ「!?」

 

「なっ!?」

 

ヨナ「!!」

 

当然その場にいた全員が驚いていた。

 

ココ「何がどうなったの!?」

 

「私に聞くな!!」

 

ヨナ「けど、これで安心」

 

ココ「だね♪」

 

そして私達は、兵士と別れて仲間と合流するのであった。途中でバルメとトージョとも合流した。その時に、一緒にいた兵士達を縛り上げるのであった。そして私達は、廃墟の建物を見つけた。

 

レーム「お~い!CCAT社の連中だ。入ってOKだ!」

 

ルー「いや、OKというワケでは・・・」

 

ココ達が、建物の中に入っていくのを見守る人物がいた。

 

ツバサ「無事に、バルメ達と合流できたみたいだな」

 

そう、ツバサである。先程のハインドも、ツバサがやったのである。新しく手に入れた力で。

 

ツバサ「しかし・・・結構な数が取り囲んでるな」

 

俺は双眼鏡を覗き、建物を囲んでいる兵士達を確認する。

 

ツバサ「流石にヤバくなったら、助けにいくか」

 

そう思いながら、状況を見守ってるとココ達が出てきた。そして、武装を解除してこう叫んだ。

 

ココ「聞け!我々10人は武装を解除している!そして、兵士を殺した連中3名は、まだあの中にいる!!」

 

カリー「あの目狐!!」

 

すると兵士達は、ココ達に目もくれず建物内に入っていった。

 

「全く恐ろしいな」

 

ココ「そうですか?」

 

「行くならさっさと行け。今だけは、俺達がいないからスムーズに国境を通過できるはずだ。これで、あの時の借りは返したからな」

 

ココ「ご協力感謝致します♪皆!国境に向かって走るわよ!!」

 

ココの言葉を合図に、全員が国境目指して走り出したのであった。

 

ツバサ「ヌフフフ♪相変わらずだねココは。さてと!俺も行くとしますかな」

 

俺もその場から消えるのであった。翌朝、ココ達の後を追い掛けてて空港に来ていた。

 

ココ「1日で終わったか」

 

「はい?」

 

ココ「いえ、なんでも」

 

「よい旅を」

 

ココ「ありがとう♪」

 

すると、カリー社長達が空港に走り込んできた。

 

カリー「つ、着いた!!」

 

ミルド「社ァ長~!!疲れた~!!」

 

ココ「おお~、生きとったか。フ~フ~フ~」

 

ツバサ「マジでしぶといな。あの連中」

 

あの状況で生きてここまで来た事に、素直に驚く俺であった。

 

ツバサ「ココ達もゲートに入ったし、俺も行きますかな。そろそろココと合流するいい頃合いかもな」

 

俺は、帽子とサングラスを掛けて、ココ達が乗った飛行機に乗るのであった。



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6話

ツバサ「アッチ~!!」

 

俺は今、アラブ首長国連邦のドバイに来ている。ここに今ココ達が来ているのだ。

 

ツバサ「今度はここに武器を売りに来たのかな?」

 

テラスで珈琲を飲みながら、手元の資料を見る。少し前にココのパソコンをハッキングして、データを拝借させてもらった。

 

ツバサ「こんだけいるのかよ。どんだけ~」

 

そして今見てるのは、この国にいる殺し屋。

 

ツバサ「二人でオーケストラ。初めは8人いたみたいだけど、7人死んで1人加入して現在は2人・・・」

 

今のところ分かってるのはこれくらい。顔写真があるけど・・・

 

ツバサ「男女ペアか。サングラスにアロハシャツって。そして女の方は、カウボーイハットを被ってるのか」

 

資料を閉じて珈琲を飲む。けど・・・随分と静かな場所だな。客は、俺ともう一人しかいない。

 

ツバサ「何だか嫌な予感がするな」

 

そう考えていると、後ろから声が聞こえる。振り返ると、そこにはココとオーケストラの一人の女がいた。

 

ココ「殺し屋ごときが私に問うか!?私を殺せたら答えてやる!オーケストラ!!」

 

「ッんだァコイツ!放せよッ!!」

 

すると、俺を除いた唯一の客がココに銃を向ける。

 

ツバサ「!?チィッ!アイツもオーケストラかよ!!」

 

ココに迫る銃弾。俺は近くにいたため、何とか銃弾を斬り対応した。

 

「んだァテメェ!!」

 

ココ「!?」

 

ツバサ「いきなり町中でドンパチとはな。殺し屋は関係なしに撃つよな」

 

「関係ねぇな!銃撃戦は、音楽だ!!いい音を奏でてくれる!!そうだろチナツ?」

 

チナツ「そうなのだ。師匠はオシャレなのだ!」

 

ツバサ「お洒落ね~。服のセンスはそう見えないが?」

 

その歳でアロハは無理あるだろ。

 

ココ「なんで・・・貴方が」

 

バルメ「無事ですかココ!!」

 

バルメが急いでココに駆け寄る。

 

ツバサ「いいタイミングだ。バルメ、ココを連れて先に行け」

 

バルメ「!?あ、貴方は!!」

 

ツバサ「話は後だ!さっさと行け!!」

 

バルメ「・・・後で詳しく話を聞かせてもらいますからね!!」

 

そして、バルメはココを連れてこの場から離れた。

 

「よくも邪魔してくれたな?覚悟はできてるんだろな?」

 

ツバサ「覚悟か。それは、こっちのセリフだ」

 

俺は、斬鉄剣を抜く。

 

「チナツ!お前はあいつ等を追い掛けろ!新しく買ったド派手な楽器を使え!」

 

チナツ「了解なのだ!」

 

そしてチナツは、その場から離れていった。

 

「さぁて、さっさとテメェも殺して、チナツの後を追い掛けないとな」

 

ツバサ「させるとでも?」

 

「ウルセェ!!」

 

男はマシンガンを撃ってくる。俺は刀で銃弾を切り落とす。

 

「ウゼェ!ウゼェんだよ!!」

 

ツバサ「手当たり次第か」

 

すると、警察が現れる。

 

「チッ!サツか!!ここは退くか」

 

男は走り出した。俺も捕まるわけにはいかないので、素早く逃げ出した。走っていると、湾岸付近から派手な銃撃音が響き渡る。俺は近くに行くと、先程戦っていた男が、額を撃ち抜かれていた。

 

チナツ「ウワァア!そんなッ、そんなッ!!師匠あなたッ!ウァッ!!あたしの人生メチャメチャにしておいて!こんな別れ方ってないでしょおッ!?お前ら許さない!!皆殺しにしてやる!!」

 

ココ「殺し屋が今更何を」

 

チナツ「すぐに!数日中に!!いや、数ヶ月以内に!!・・・いや!!何年も何年も追い回して、ズタボロにしてから殺してやらァ!!」

 

女はそう言いながら、足下の銃を拾って逃げたのであった。

 

ツバサ「中々な身のこなしだな。しかし・・・何でパンツ履いてないんだ?」

 

その答えは、誰からも答えられなかった。ココは、突然現れた男に連行されていった。そして、他の連中は全員この国の警察に連行されていった。俺は取り合えず、ココがいる警察署に行く。

 

ツバサ「あいつはこの国の警察じゃないな」

 

俺はそう考えていると、ココが出てきた。しかし、そこから一歩も動けなかった。

 

ツバサ「足が震えてるぞココ?」

 

俺は止まっているココに、声をかけるのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ(どうしよう)

 

私は今困っている。先程署長に『君の部下は、全員ホテルに拘束している』と言われた。つまりだ、ホテルまで私の護衛は誰もいない。

 

ココ(まずい・・・あの女が、いつ私に襲い掛かってくるか分からない。・・・怖い)

 

知らない間に、私の足は震えていた。

 

「足が震えてるぞココ?」

 

声が聞こえた方を見ると、先程会った懐かしい顔がそこにはあった。

 

ココ「ツバサ!」

 

私は思わずツバサに抱きつく。

 

ツバサ「ったく、俺がいなかったらどうするんだよ。ほら、これで鼻血を拭け」

 

俺はハンカチを渡す。

 

ココ「アハハ・・・確かにね。でも、本当に久し振りだね♪今まで何処にいたの?」

 

ツバサ「あちこち旅をしてた。けど、ここ最近はお前達の行動を見てた」

 

ココ「そうだったの!?レームやバルメでも気がつかないなんて」

 

ツバサ「凄いだろ♪ここで立ち話もあれだし、さっさとお前らが泊まっているホテルに行くぞ」

 

ココ「うん♪」

 

ココは、嬉しそうに俺の腕に抱きつく。

 

ココ「これからはどうするの?」

 

ツバサ「お前がいいなら、これからも一緒に行動するが?」

 

ココ「本当に!?やった~!!」

 

嬉しそうにジャンプをして、喜びを表現するココであった。



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7話

何とか襲われずに、無事にホテルに到着した俺とココ。

 

ツバサ「お前ら・・・いい所に宿泊してんだな」

 

ココ「まぁね。たまに野宿もあるし、ホテル位はいい場所に泊まりたいしね。ついてきて♪皆に紹介するから」

 

ココは、俺の手を引っ張って行く。結構な高さまで上って行く。そして降りるとエレベーターの前でバルメが待っていた。

 

バルメ「無事だったんですねココ!」

 

ココ「ごめんねバルメ。でも、ツバサが迎えに来てくれたから♪」

 

バルメ「そうですか」

 

それを聞いて、安堵の表情を浮かべるバルメであった。

 

バルメ「改めて、お久し振りですねツバサさん」

 

ツバサ「固いな♪気軽に呼び捨てでもいいって昔言ったのに」

 

バルメ「それは出来ません。私やココの、命の恩人なのですから」

 

ツバサ「それでもだ。今日から仲間になるんだしよ♪」

 

バルメ「・・・分かりました」

 

渋々受け入れるバルメであった。

 

ココ「立ち話もなんだし、取り合えず部屋に戻ろう。皆のも紹介しないと」

 

バルメ「そうですね」

 

俺達は、皆がいる部屋に向かった。

 

ココ「たっだいま~♪」

 

レーム「お~ココ」

 

ワイリ「無事だったんですね!」

 

アール「全員がここにいるから、誰もお嬢を迎えに行けなかったよ」

 

ルツ「けど、よく無事に帰ってこれたなお嬢」

 

ココ「フフ~フ♪それを踏まえて、皆に話があるの」

 

ヨナ「話?」

 

ココ「そうだよヨナ♪なんと!!新しい仲間の紹介です!!」

 

『おお~っ!!』

 

ココの発表に、全員が驚く。

 

ウゴ「けど、どんな奴なんです?」

 

バルメ「少なくとも、この中の誰よりも強いと言っておきます。それとレーム、貴方はこれから会う人物を知ってますよ」

 

レーム「俺が知っている?」

 

ココ「ま~、それは会ってからのお楽しみ♪それとルツ、入ってきた瞬間撃ってみて」

 

ルツ「はぁ!?」

 

ココの言葉に驚いてるな。そりゃそうだろな。いきなり入ってきた瞬間撃てって言われりゃ。ってかココ、テメェ後で覚えとやがれ…

 

バルメ「いいですね。ルツ程度の腕前では当たりませんから」

 

ルツ「!?」

 

バルメの言葉にムッときたルツは、拳銃を扉に向けて構える。そして、扉が開いたと同時に撃った。しかし、次の瞬間・・・

 

「でやああああああ!!!!!!!」

 

叫び声とともに、銃弾は真っ二つに斬る。ま、中での会話も聞こえたから、余裕で対応できるけどな。

 

ルツ「嘘だろ!?」

 

アール「あの距離で、銃弾を斬りやがった!?」

 

トージョ「有り得ないだろ!?」

 

ツバサ「おいココ、これはどういう事だ?」

 

俺はココを睨む。

 

ココ「ごめんねツバサ。君の実力を知ってもらうには、これが一番だと思って」

 

ツバサ「・・・後で覚えてろ」

 

その言葉に、ココとバルメは顔を青ざめさせるのであった。

 

マオ「ココさん、彼が新しい仲間なんですか?」

 

ココ「そうだよ♪ツバサ、自己紹介」

 

ツバサ「ったく。ツバサ・ドリトルだ。今日からこっちで厄介になることになった。宜しく頼む」

 

ルツ「よかったなヨナ坊。後輩が出来たぞ♪」

 

ヨナ「ルツ、止めて」

 

ヨナの頭を撫でるルツ。しかし、ヨナはそれを嫌がる。

 

バルメ「ルツ、言っておきますけど、ツバサはレームの次にココと付き合いが長いです」

 

ルツ「マジで!?姉御より古参かよ!!」

 

ココ「そうだよ♪ツバサは、基本的には皆と一緒だけど、私の側に離れずにいてね♪」

 

ツバサ「ああ。アイツとの約束だからな」

 

ココ「それじゃあ、それぞれ自己紹介しようか」

 

そして、お互い自己紹介が始まる。

 

レーム「久し振りだなツバサ」

 

ツバサ「そうだな」

 

レーム「また一緒にやれることを嬉しく思うよ」

 

ツバサ「ホントか?」

 

バルメ「私も自己紹介は不要ですね」

 

ツバサ「そうだな。髪伸ばしたのか?」

 

バルメ「はい」

 

ツバサ「ポニーテールが似合いそうだな」

 

バルメ「ツバサが喜ぶなら、後でいくらでもしてあげます」

 

ツバサ「楽しみにしてるよ」

 

そして、次に挨拶しようとしたら、残りの男連中に捕まる。

 

アール「おい!お前何やったんだ!?」

 

ツバサ「何って?」

 

ルツ「あんな姉御、今まで見たことないぞ!!」

 

トージョ「ココさんだけではなく、バルメまであの表情」

 

ウゴ「二人にあんな表情させるなんて」

 

マオ「これは驚いたね」

 

ワイリ「俺達男性陣は、すぐ撃退されるのに」

 

ツバサ「そうか?確かに二人とも、昔と比べて表情は軟らかくはなったけど」

 

ルツ「そんな事をサラッと出来るお前が凄い!!」

 

ツバサ「それより、自己紹介しようぜ」

 

アール「そうだな。俺はアールだ」

 

ルツ「ルツだ。宜しく」

 

マオ「マオと言います」

 

ワイリ「ワイリです」

 

ウゴ「運転手のウゴです」

 

トージョ「トージョだ。同じ日本人だ」

 

ヨナ「・・・ヨナ」

 

ツバサ「宜しくな」

 

そして、自己紹介も無事終わった。

 

ココ「さて、お互い自己紹介も済んだね」

 

ツバサ「まぁな。そう言えば、昼間出会ったあの女には気を付けろよ」

 

レーム「分かってるよ」

 

ルツ「けど、いつ来るんだか」

 

ツバサ「・・・多分だが」

 

ココ「私もこの日と思ってる」

 

そして二人は、口を揃えてこう言った。

 

「「アイツは三日後に来るはずだ」」

 

トージョ「三日後か」

 

アール「けど、暫くは警戒しとかないとな」

 

レーム「俺達は、交代で見回りをしないとな」

 

バルメ「私はココの側にいます!」

 

ココ「ありがとうバルメ。当然ツバサだからね」

 

バルメ「それは当然ですね」

 

ツバサ「・・・何でさ!?」

 

トージョ(ココさんと姉御自ら指名!?)

 

アール(何て羨ましけしからん!!)

 

ココ「後、部屋も同じだから」

 

ルツ(何だと!?お嬢と姉御は絶対に一緒の部屋をとる。すると、必然的にツバサはお嬢達と一緒!!)

 

(((う、羨ましい過ぎるぞツバサ!!)))

 

約三名は、ツバサに嫉妬と言う名の殺気をぶつけるのであった。



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8話

久々に投稿しました。数少ない高評価な作品ですので、このまま持続したいです♪


これを読んでいただいてる皆様、次回は出来るだけ早く投稿出来るよう頑張りますので、これからも宜しくお願いします。


あれから3日が過ぎた。俺とココの予想では、今日辺りに来るはずだ。

 

ツバサ「気を付けろよココ」

 

ココ「フフ~フ♪分かっているよ。レームには既に待機してもらってるし、ツバサがいるからね♪」

 

バルメ「ツバサ、頼みましたよ」

 

ツバサ「了解♪」

 

そして俺とココは、屋上に行くのであった。そして暫く待っていると、例の女がやって来た。

 

ココ「動くな!私に銃を向けた瞬間、死ぬぞ」

 

チナツ「・・・負けた。師匠を撃った奴より凄腕か。いる方向、見当がつかない。それに・・・あんたの横にいる人を相手にするのはね」

 

そう言いながら、持ってた拳銃を地面に置いた。

 

ココ「分かってないな。元より勝負じゃあないんだよ。アタリかハズレかの運試しだ。天気を見るように『3日以内』に、『屋上ルート』で来る。これに賭けた。明日だったら気力、集中力を欠いた私が殺られていた。まぁ良かった。話したいことがあったし」

 

チナツ「・・・はァ?」

 

ココ「チナツ、どうしてパンツ履いてないんだ?」

 

ツバサ「おい、聞きたいこと1つ目がそれかよ!」

 

俺は呆れた。

 

チナツ「・・・ムカ、ツク、女だ!!」

 

ココ「本気で聞いてる。もちろんタダでとは言わない。教えてくれたそのかわりに・・・出会い頭のお前の質問に答えてやろう。いつか殺されると分かっていて、それでも私が武器を売る理由」

 

するとチナツは、ため息をついて話し出す。

 

チナツ「あたしが師匠と組んだ初仕事の日。標的のマフィアの家は、川の向こうにあった。下半身ずぶ濡れなにが気持ち悪くて、こっそり下着を脱ぎ捨てた。その後の戦闘はやたらと弾が当たって、師匠より多く敵を殺したので褒められた」

 

ココ「プッ!パンツを脱ぐと射撃の腕があがる!?ププッ」

 

ツバサ「マジかよ・・・」

 

ココ「ギャハハ!いい話だ!!今は?」

 

チナツ「履いてるよ!!しつこいな!!」

 

スカート上げながら答える。

 

ココ「フフ~フ♪じゃあ私の番だな」

 

ココはインカム手で覆い、誰にも聞こえないようにする。

 

ツバサ「何を話してるのやら」

 

そして、チナツの言葉を聞く。

 

チナツ「我らオーケストラは、死の音楽を標的に叩き込む、芸術家だ!!見損なうな武器商人!!!我々は何者の下にもつかない!!」

 

そう言った瞬間、チナツは隠していた銃を抜こうとする。しかし、俺がチナツの銃を撃ち落とた。

 

ツバサ「レーム!撃つな!」

 

俺は狙撃しようとしてるレームに向かってそう叫ぶ。

 

ココ「ツバサ?」

 

俺はゆっくりと女…チナツの元に歩み寄る。

 

チナツ「…なんだよ~」

 

ツバサ「お前…本当にそれでいいのか?」

 

チナツ「えっ?」

 

俺の言葉に、チナツは顔を上げる。

 

ツバサ「本当に死んでもいいのかって聞いてんだよ。本当に死にたいなら別に止めはしねぇ。だがな、心の何処かに少しでも生きたいって思ってんなら、その意見を尊重しろ」

 

チナツ「……」

 

俺の言葉に、チナツは何も言わない。俺はしゃがみこみ、チナツの頭を撫でる。

 

チナツ「!?」

 

ツバサ「言葉が出ねぇって事は、お前自信が生きたいって思ってる証拠だ。確かにお前の人生は、あの男のせいでボロボロだ。だがな、お前さえよければ…俺の元に来ないか?」

 

『!!?』

 

俺の言葉に、チナツはもちろん、後ろにいるココや隠れてるレーム達も驚いていた。

 

チナツ「なんで…そこまで」

 

ツバサ「…ただの気まぐれだ。どうする?生き方はあまり変わらないが、お前を絶対に見捨てない」

 

チナツ「…ホントに、いいの?」

 

ツバサ「ああ」

 

チナツ「うっ…グスッ」

 

するとチナツは、涙を流しだした。俺はそっとチナツを抱きしめ、背中を優しく撫でてやった。

 

ツバサ「今まで辛かったな。けど安心しろ、俺をはじめここの連中は仲間を見捨てないからよ」

 

チナツ「…うん!ありがとう、ご主人様!」

 

ツバサ「…はい?」

 

俺はチナツの言葉に耳を疑った。今なんてった?ご主人様?…何故そうなるの!?

 

ツバサ「えっと…チナツ?なんでご主人様なんだ?」

 

チナツ「だって、私はご主人様に雇われたのだ!雇われてこの人に支えたいって思ったら、それがご主人様って前に雑誌で読んだのだ♪」

 

どんな雑誌だよ!待って、完全に待って!

 

ツバサ「そ、それは…流石にご主人様は」

 

チナツ「ダメ?」

 

そんな涙目と上目遣いで俺をみないで!そんな捨てられそうな子犬みたいに見ないで!

 

ツバサ「だ…ダメ…じゃない」

 

チナツ「ならご主人様なのだ♪」

 

こうして、チナツを仲間にしたのはいいが、何故かご主人様になった俺である。

 

ココ「……」

 

で、先程から無言で俺の後ろに立っていらっしゃるココさん。せめて何か言ってください!無言でそのプレッシャーは怖いから!!

 

レーム「さ~て、俺達は先に退散するかな~」

 

おいレーム!この状況で見捨てるな!ルツ!なにお前も一緒になって行こうとしてんだよ!!

 

ルツ「悪いツバサ。俺まだ死にたくないから!」

 

俺だってそうだよ!いや、ホントに待って!!俺を1人にしないで!

 

ココ「…ツバサ」

 

ツバサ「は、はい!」

 

ココ「チナツを仲間にしたのは別にいいわ。だけど、その後はどうなの?」

 

笑顔で俺を見るココ。ひえ~!おでこ横に青筋があああああああああ!!!!!!!!

 

ココ「…とにかく、後でバルメと一緒にO☆HA☆NA☆SIね♪」

 

ツバサ「…はい」

 

そしてその晩、ココとバルメ、そしてチナツの3人でお話をした俺であった。そして翌日…

 

トージョ「おはよ~ってうおっ!?」

 

俺の姿を見たトージョが驚く。だろうな、俺…肌カサカサだもん。

 

トージョ「お、おいツバサ…」

 

アール「今は止めとけトージョ。ツバサ、風吹けば簡単に飛んでくぞ」

 

トージョ「わ、分かった。けど…」

 

今度は、ココ達3人を見る。3人とも俺と違い、肌にハリがあり艶ついていた。

 

ルツ「ま~、お嬢達とツバサの間に、何があったかは一目瞭然だが…」

 

アール「ああはなりたくないな」

 

トージョ「同感だ」

 

レームを除いた男連中は、俺を見ながら頷いていた。お前ら…回復したら覚えてろ。そして、新しい仕事に向けてドバイを出発したのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、今現在は貨物船の上。

 

ツバサ「今度はどんな仕事を受けたんだか」

 

あれからようやく回復した俺は、バルメに聞く。因みにルツ達には、キッチリと仕返ししておいた。

 

バルメ「そうですね。今回の積み荷は、かなりな数だそうですよ」

 

俺とバルメ話していると、バルメ通信機に連絡が入る。

 

バルメ「はい・・・すぐに代わります。少しココの所に行ってきます」

 

ツバサ「俺も行くよ」

 

俺もバルメの後についていく。そしてココと合流する。

 

バルメ「ココ、船長です」

 

ココ「小型貨物船?そうそう、朝言ったやつ。クレーン用意。ドバイで積み残した荷を本部の者が持ってくる」

 

そう指示してると、ここの通信機に連絡が入る。

 

ココ「ン?誰じゃ?もしも~し」

 

するとココの顔が、焦りの表情になる。

 

ココ「え?うん、久し振り。え?乗ってるの?ウンウン、はい、10分後?んじゃ」

 

バルメ「どうしたんですか?ココ」

 

ココ「ヤッ、ヤッ、ヤバーイ!!!」

 

ツバサ「何がヤバイんだよ」

 

ココ「兄さんが乗ってくる!その船で!」

 

バルメ「!!」

 

ココ「ワイリ!!ヨナを隠して!!語学の授業をして、部屋から出さないで!!」

 

そして10分後・・・

 

「やぁココ」

 

バルメ「双子でもないのに、相変わらずソックリです」

 

ツバサ「あれがココの兄貴か」

 

ココ「キャスパー兄さん」



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9話

キャスパー「VL・ミカ・ミサイル。売れるのこんなに?」

 

運ばれてきたコンテナを見ながら、キャスパーはココに聞く。

 

ココ「売れるもなにも、代金貰ってるし届けるだけ」

 

キャスパー「ふ~ん。お久しぶりですバルメさん。それと・・・」

 

ツバサ「ツバサ・ドリトルだ。後ろの人、中々な腕前みたいだな」

 

そう言った瞬間、キャスパーは驚いていた。

 

キャスパー「これは驚きましたね。まさか、初見で彼女を見抜くとは」

 

ココ「フフーフ♪凄いでしょ」

 

ツバサが褒められて、嬉しそうに言うココである。

 

ココ「ところで、どうしてアフリカにいるの?」

 

キャスパー「野暮用。そう言えばドバイで捕まったって?」

 

何故か嬉しそうに言うキャスパー。

 

キャスパー「CIAのスケアクロウか。メチャクチャな奴だろ?でも金策の才能があるので、合衆国に重宝されてて自由が利く。黄金の畑の『カカシ』って意味だよ」

 

ツバサ「あいつにそんな二つ名があったのかよ。けど、物凄くしつこそうだな」

 

そう言うと、ココは更に頭を抱えるのであった。そこから暫く話してる2人であった。

 

キャスパー「僕はそろそろ帰るよ。その前にトイレ借りてもいいかな?」

 

ココ「どうぞ」

 

そしてキャスパーはトイレに行ってしまった。すると、キャスパーが向かった方からヨナの叫び声が聞こえた。

 

ツバサ「今の声は・・・」

 

バルメ「ヨナ君ですね」

 

すると、キャスパーがヨナと一緒にやって来た。

 

ココ「まだこの船に乗ってるとは思わなかった!!いい大人が、2人してヨナをいじめてんじゃないよ!!」

 

ココはココで、ヨナが虐められて怒っていた。

 

ココ「出てけ~!!オラの船から出てけ~!!」

 

ツバサ「オラって・・・」

 

普段使わない言葉に、俺は頬を引くつかせる。すると、さっきの女性がレームに話しかけた。

 

「アラアラ、まだ生きてたのねぇそこのオジサン」

 

レーム「相変わらず口の悪ィ女だぜ、チェキータ」

 

どうやら彼女の名前はチェキータと言うらしい。

 

チェキータ「仲良くしてあげてね、ミーシャ。それと」

 

するとチェキータは、俺

に近づく。

 

チェキータ「貴方いい男ね♪あのオジサンよりいいわ。一緒に来ない?」

 

まさかの勧誘であった。当然、ココ達がそれを許すはずもなく・・・

 

ココ「ちょっとチェキータ!!ツバサを勝手に勧誘しないでくれる?」

 

バルメ「そうです!!」

 

チナツ「ご主人様は渡さないのだ!」

 

3人は、俺の腕や体に抱きつきながら、チェキータを睨み付ける。

 

チェキータ「怖いわね。今回は諦めるわ。でも、私は諦めないからね♪」

 

そう言い残して、チェキータはキャスパーと一緒に帰っていったのであった。

 

ココ「ツバサは、ずっとウチで働くんです!!」

 

バルメ「その通りです!」

 

チナツ「そうなのだ!」

 

レーム「ハッハッハ。モテ男だねツバサ」

 

煙草を吹かしながら、笑っているレームであった。

 

ツバサ「見て笑ってるなら、どうにかしてくれ」

 

レーム「そいつは無理な相談だ。俺もまだ死にたくねぇしな」

 

そう言いながら、俺達から離れていくレームであった。そんな状況だが、取り敢えず商品を無事に届ける事が出来たのであった。そこからは暫くはのんびりとした航海が続いている。しかし、その時間は長い事続かなかった。

 

ツバサ「ホントに、ココといると忙しいったらありゃしない」

 

ココ「ハイハイ!ハイハイハイ!!ダッシュダーッシュ!!戦闘準備!!準備~!!!!」

 

俺達は武装準備をしている。理由は、現在この船は海賊に襲われかけているのである。

 

ココ「相手は目がいいよ!!一撃必殺エリアに引き付けるまで、こっちの武装を気づかれちゃイカン!!あんなちっこい船1隻なわけない!トージョ、更なる敵は!?」

 

トージョ『敵1の後方3km、200km/hで接近、敵2。1分で来る』

 

無線で説明するトージョ。すると、右舷から1隻のボートがやって来た。

 

ココ「海賊め!!狙う相手を間違えたのが運の尽きだぜ!!!」

 

ツバサ「ココって、たまに言葉遣い変わるよな」

 

そんな事を言うが、当然ココの耳には届いていない。

 

「止まれ!止まれば殺さない!!」

 

ココ「止まるかバカ!!」

 

相手の挑発に応戦するココ。

 

ツバサ「止まれと言って、止まる馬鹿はいないよな。しかも、ホントに止まって殺さないって保証はないし」

 

そんな事を言いながら、俺はココ達から離れていった。

 

ココ「も~、バルメはああいう連中の発見早くて、大手柄だよ!」

 

バルメ「オホッ!!コ、ココの為なら地球の裏まで千里眼です!!」

 

ココに抱き着かれ、嬉しそうにそう答えるバルメであった。すると、ヘリコプターが2台やって来た。それと同時にトージョから連絡が入る。

 

トージョ『ココさん、更に敵4だ!』

 

ココ「了解トージョ!皆、敵が更に追加だよ!!」

 

的確に仲間に指示を飛ばすココ。

 

ココ「それにしても、何で海賊がこんなに兵器持ってんだろ?」

 

バルメ「そうですね」

 

その答えに答えるのは誰にも分からなかった。

 

ココ「それじゃあ、やるよ!!」



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10話

作者「かなり久々の投稿です!」

ココ「随分遅かったけど、今までなにしてたの?」

作者「仕事とか他の作品を書いたりとか。後、二週間前にぎっくり腰になたり色々と」

ヨナ「ぎっくり腰…」

バルメ「その歳でぎっくり腰ですか。レームが聞いたら笑いそうですね」

作者「相変わらずバルメさんは厳しいですね」

バルメ「当然です!私はココとツバサにしか優しくしません!!ヨナ君は別ですよ」

ツバサ「良かったなヨナ」

作者「男性諸君!君達の気持ちが今分かった気がします!!では、参りましょう!!!」


ココの合図で、レーム達は攻撃を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨナside

 

 

ヨナ「ホントだ。ヘリコプターの音だ」

 

そんな事を思っていると、船の後方からモーター音が聞こえたので、隙間から覗く。すると、後方からモーターボートが近づいてきていた。

 

ヨナ「ココ、後方から1隻近づいてくるよ!」

 

ココ『了解だヨナ。それは敵4だ。警戒しておけ』

 

ココ「了解」

 

そして僕は、後ろの船に警戒するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココside

 

 

 

ココ「後方からも来てるか」

 

バルメ「大丈夫でしょうか?」

 

心配そうな表情で、私に言うバルメ。

 

ココ「大丈夫よ。一応後ろにはルツやアールもいるし。それより、こっちが厄介だね」

 

そう言いながら見上げる。そこには2機のヘリコプターがいた。

 

ココ「まだよ・・・もう少し近づいて」

 

そう呟きながら、ヘリコプターが自分の所に近づくのを待っている。そして、一定の距離まで来た瞬間・・・

 

ココ「今だ!!」

 

無線で合図を出すと、マオがガトリングで1機のヘリコプターを攻撃する。もう1機は、回避して後方に避難しようとする。しかし・・・

 

ココ「フフーフ、その行動は既に予測済みなのであ~る♪ツバサ!!」

 

そう叫ぶと、鉄塔に登ってたツバサが剣を抜いた。そのままヘリコプターは、通りすぎようとする。だが…

 

ツバサ「でああああっっっっ!!!!!!!!!!」

 

ヘリがツバサを通りすぎると、刀を鞘に入れた瞬間、ヘリは真っ二つに斬れたのであった。

 

ツバサ「また、つまらぬ物を斬ってしまった」

 

そんな台詞を言うと、斬られたヘリは海に落下したのであった。

 

ココ「お見事♪」

 

バルメ「流石はツバサです!!」

 

私とバルメは、ツバサに対して称賛を送っていた。

 

レーム「いやはや、ホント驚かされる」

 

マオ「ハハハッ、凄いねツバサ君は」

 

ルツ「いやいや!凄いってレベルじゃね~だろ!?」

 

アール「恐ろしいね」

 

トージョ「いやいや!リアル斬鉄剣って初めて見たわ!!」

 

ワイリ「本当だね」

 

ヨナ「凄い・・・」

 

それぞれの感想であった。残りの1機も、レームがとどめをさしてくれたみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「全く、つまらない物を斬らせるなよな」

 

ココ「別につまらなくはないでしょ?」

 

反撃も終わったので、皆がゾロゾロとココの元に集まる。

 

ルツ「けどよ、ホントに刀で斬ったんだよな?」

 

アール「確かに、普通は疑うよな」

 

ルツの言うことはもっともである。普通、刀でヘリが斬れる筈はないからな。敵を倒し後方にいたヨナと合流した。そこにはヨナと同じくらいの子供がいた。お互い顔が傷だらけだ。

 

ヨナ「たっ、助けたっていうのに僕を殴ったんだ…だから…」

 

『アハハハ!!』

 

その言葉にココと俺以外の全員が笑った。するとココが拘束してた少年を開放する。

 

ココ「Moenie swem?(泳げるな?)Nie 'n groot deal afstand te land(陸までたいした距離じゃない)

 

「??」

 

少年はココが言っている事をすぐには理解でいなかった。

 

ココ「Duik! !(飛び込め!!)

 

すると少年は海に飛び込んだ。

 

ココ「Ek sal my veel dryf-wiel! Gaan! !(浮き輪くらいくれてやる!行け!!)

 

ツバサ「待てココ」

 

さっさと行かそうとするココを止める。まだ子供だし、これくらいいいだろ。適当に食料とかをリュックにつめてやった。

 

ツバサ「ほらよ!」

 

そのリュックを海に投げる。少年は、そのリュックを背負い陸に向けて泳いでいった。

 

ココ「ツバサ、少し甘いんじゃない?」

 

ツバサ「相手は子供だ。大人だったら俺も無視したが、流石にな」

 

そう言い残して俺は船内に戻っていった。

 

バルメ「ですが、ココの海賊への容赦なさっぷりは特筆モンです!」

 

ココ「何言ってるのぉ。メチャメチャ優しいよ、今日の私は!じゃなきゃ、ツバサがリュック投げるの止めたモン」

 

そう言いながら、ココは少年が泳いでいった方を見る。

 

ココ「さぁ、そろそろ南アフリカに到着するよ!!」



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11話

遅れましたが投稿しました。短いかもしれませんが、楽しみにしてくれてる方達申し訳ありません!!m(__)m


南アフリカに上陸したココ達。ここに来た理由はというと…

 

バルメ「ドクター・マイアミ。相変わらずチョウチョ追いかけ回してるんですかね?」

 

ココ「だろうね。あいつのマニア度異常だもん。国際なんとか蝶の会だかの幹部だし」

 

着いたホテルでそんな会話をしている。

 

ツバサ「ドクター・マイアミ…天田南博士か」

 

ココ「ツバサ、ミナミの事知ってるの?」

 

会話に混ざった俺に質問してくる。

 

ツバサ「まぁな。天田南博士、ドクター・マイアミ。日本人科学者。今はドイツの玩具会社の南アフリカ工場にいるが、必ずといっていいほど、彼女が作る物は軍事転用されてしまう。ロボット技術のスペシャリストだよ」

 

バルメ「よくそこまで知っていますね」

 

ツバサ「昔、天田博士が働いていた工場に潜入した事あるしな。一時だが、秘書もしてたしな」

 

俺の言葉にココとバルメは驚くのであった。

 

ココ「へ~…随分ミナミに気に入られてるんだね」

 

ココ、そんな青筋浮かべながら言わんでも…後バルメさん、無言でナイフを研がないで下さいな。その日は特に何もする事がなかったので、それぞれが自由に過ごしていた。翌日、ココとレームとヨナは天田博士との待ち合わせ場所に向かい、残りはホテルで待機している。

 

ルツ「今頃、お嬢はアマダ博士とご対面かな?」

 

ツバサ「どうだろうな。あいつは普通にボイコットする事があるしな。潜入してた時もそうだったし」

 

トージョ「確かツバサは一時的にアマダ博士の施設に潜入してたんだよな?」

 

ツバサ「まぁな」

 

そんな話をしてると、レームとヨナが戻って来た。

 

レーム「ココから指示だ。完全武装してドクター・マイアミの保護だ。準備しろ」

 

『ウェ~イ』

 

レームに言われ、それぞれが準備に取り掛かる。

 

ツバサ「レーム、ココはどうした?」

 

レーム「ココは、中国紳士と夕食だよ。一応護衛にウゴを行かせるつもりだ」

 

ツバサ「なるほど…」

 

少し考え、俺はレームに言う。

 

ツバサ「悪いレーム。俺は変装してココの方に行く」

 

レーム「そうだな…こっちは8人もいるし、ウゴ1人じゃ少し不安だ。頼んだよ」

 

ツバサ「了解。場所は?」

 

レーム「発信機を辿れば分かるさ」

 

そして、俺はGPSを頼りにココがいる店に向かった。

 

ツバサ「ここか」

 

その店は、この辺りではかなりな高級店だ。

 

ツバサ「さて…どうやって中に入るかだな」

 

そんな事を考えていると、裏口からゴミを出す男を見つけた。

 

ツバサ「服装的に、この店の従業員だな。だったら」

 

見つからないように背後から忍び寄り、男を気絶させる。

 

ツバサ「悪いね♪服装と顔と声借りるよ」

 

気絶した男ソックリに変装する。

 

「さて、それじゃあ潜入開始♪」

 

中に入ると、厨房だった。

 

「おい遅いぞ!さっさと料理を運んでくれ」

 

ツバサ「ああ悪い。すぐに運ぶよ」

 

「そのラーメンは、30番テーブルだ」

 

取り敢えずバレない様にするため、料理を運ぶか。

 

ツバサ「30番テーブル、30番テーブル…あそこか」

 

場所を見つけてそこに行くと、座ってた客を見て驚いた。

 

ツバサ(なんでここにスケアクロウがいるんだよ!?)

 

そこにいたのは、以前ココを殴ったCIAの男だった。一緒にいる女性も恐らくCIAで、スケアクロウの部下のようだ。

 

ツバサ「お待たせいたしました」

 

「待ってました!いただきます!!」

 

ラーメンを美味しそうに食べ始める女性。スケアクロウはそれを呆れながら見ていた。

 

ツバサ「さて、一体何しに来ているのか」

 

俺は、食品庫に引きこもり先程ラーメンと一緒に仕掛けた盗聴器の電源をいれる。

 

『…だ…か』

 

ツバサ「おっ、繋がった」

 

スケアクロウ『メシと酒の話しかしてね~じゃね~かショコラーデ!!俺はもっとヤバい商談とか録音して~っつの!』

 

ショコラーデ『人が何喋るかなんて予測不能に決まってるじゃないっすか!』

 

ツバサ「確かにショコラーデっていう女の言う通りだな。人が何話すか分かれば物凄い商売になるっての」

 

スケアクロウを馬鹿にしながら2人の会話を聞くツバサ。

 

ショコラーデ『こっちとしちゃアレですよ。スケアクロウさんが、噂通りのクソッタレな事に衝撃&感動っす。あれ?食べないんですか??ここの料理メチャウマっすよ♪ココちゃんに同意!』

 

ツバサ「く、くくくく…」

 

ショコラーデの言葉に、笑いそうなのを思いっきり我慢する。だって、部下にここまで面と向かって言われる上司って。すると、数人の気配を感じ取る。

 

ツバサ「やれやれ…どうやら向こうさんは準備万端なようですな」

 

食糧庫から外に出て、隠してある刀を取り出し変装を解く。

 

ツバサ「さて、それじゃあ害虫駆除でもしますか」

 

敵に気づかれないように建物の上に行く。

 

ツバサ「ん~…敵さんは2人だな。ご丁寧にスナイパーライフルで挟み撃ちかよ。入り口正面を左右斜めから狙撃準備中。確かに狙撃ポイントはそこしかないな」

 

屋上に潜んでるスナイパーを見ながらそう呟く。

 

ツバサ「ま、こっちはどちらも狙えるし、暫くは様子見だな」

 

そんな事を考えていると、上空からヘリが降りてきた。

 

ツバサ「なになに?何事!!?」

 

店の前に着陸すると、中からスケアクロウやココ達が一緒出でてきた。

 

ツバサ「なるほど。ショコラーデちゃんに上手く説明したみたいだな。なら、俺はこのまま撤退するか」

 

無事に飛び立つのを確認すると、俺もその場から離れたのであった。そして泊まってるホテルに戻ると、部屋の中が騒がしかった。

 

レーム「お帰りツバサ」

 

ツバサ「ああ。ところで…何の騒ぎだ?」

 

レーム「ココの奴が酔っぱらって帰っていてな。で、いつも通り悪い癖が出てルツ達が犠牲になってんだよ」

 

その言葉を聞いて、俺は頭を抱えた。昔から酔うと酒癖悪いんだよなアイツ…

 

ツバサ「だから言っただろう。飲ますなとは言わないが、ほどほどにさせろと」

 

レーム「うひゃひゃひゃ」

 

ツバサ「笑いごとか!!」

 

そして俺が介入したおかげで、これ以上被害は出なかったのであった。もっとも、ルツは気絶させられヨナにいたっては、パイルドライバーを喰らっていた。もろ頭からいってるじゃねぇか…

 

ツバサ「バルメ、その怪我はどうした?」

 

ココを寝かせ付けた俺は、一緒にいたバルメに話しかける。

 

バルメ「いや…これは…」

 

チナツ「バルメが勝手に先行して、勝手に負傷したのだご主人様」

 

バルメ「ちょっ!?チナツ!?」

 

チナツが暴露したお陰で、バルメは罰が悪そうな顔をする。

 

ツバサ「…煙草吸わしてもらうぞ」

 

断りを入れ、煙草に火を点ける。

 

ツバサ「フ~…過去の事は聞かないが、それが原因でココ達に被害を出すなよ」

 

バルメ「…分かっています」

 

ツバサ「…ならいいさ。もう遅い、そろそろ寝るぞ」

 

そして俺は座ってたソファーに横になり眠った。翌日、ココと一緒にメルヒェン社に来ていた。

 

ココ「あ~~~~~!!!もうっ!!!!ミナミの奴!!完っ全にすれ違いか!!」

 

「スミマセン!スミマセン!!申し訳ございません!!!」

 

しかし、肝心の天田博士はいなく、ココ達が来る前に浜辺に貝を取りに行ったようだ。

 

ココ「貝。私より貝が優先なのかあいつは…」

 

テーブルに手をついて落ち込むココ。しかし、置かれていた手紙を見て持ち直す。

 

ココ「基礎理論は完成した…か。フッ、半年後またすっぽかしたらブッ飛ばす」

 

こうして、アフリカに来た目的を果たしたココ達は、次の目的地に向かうのであった。

 

ココ「次はイギリスに向かうよ!!」

 

チナツ「お~!」



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12話

大変長い間お待たせしました。久々の投稿!今回はパッと書いたので短いですが、次回作も五月の内に投稿する予定です!


イギリスに向かう中、ココ達は乗り継ぎ手続きの真っ最中だった。

 

ココ「うじゃうじゃいるな~。ま~、そんな事はどうでもいいけど」

 

ココはマオと2人で乗り継ぎ手続きなどをしている客を眺めていた。

 

ココ「イタイな~」

 

マオ「痛い?どうかされましたココさん?」

 

ココ「ほら、南アフリカの陳の中華店にさ、我が隊の愛車ボルボを置いてきちゃったんだよね。防弾仕様の高級車!損失デカいよ~~」

 

マオ「ははぁ、なるほど」

 

ココの話にマオは理解する。

 

マオ「ですが死者ゼロ、怪我人二名と人的損失は奇跡的な結果です。我々の身代わりになってくれたと思えば…」

 

「なら、その言葉を今朝から超ブルーモードなウチの名ドライバー・ウゴ君に聞かせてやれよ」

 

ココ「ツバサ!」

 

俺が現れココは腕に抱き着く。

 

ツバサ「抱き着くな!暑苦しい!!」

 

チナツ「ココだけズルい!」

 

そう言いながら、反対の腕に抱きつくチナツ。

 

マオ「手続きは済んだんですか?」

 

もう見慣れた光景なので、マオもこれ以上何も言わない。その優しさが地味に痛いんだよ。

 

ツバサ「俺はな。他の連中はまだだけどな。で、あの車に愛着があったウゴに話してやれよ」

 

親指で落ち込んでいるウゴを指す。それを見たマオは…

 

マオ「ウワァ……難易度高いですよソレ…」

 

と言いつつも、マオはウゴに説得に行くのであった。

 

ツバサ「さて、上手くいくか」

 

ココと2人でその光景を見守る。しかし、更に落ち込むウゴの姿に必死に説得するマオがいた。

 

ツバサ「失敗だな」

 

ココ「作戦失敗だよマオ」

 

チナツ「残念なのだ~♪」

 

悲しい結末を迎えたマオであった。一方、他のメンバーは金属探知機でチェックを受けている。すると、ヨナが通ろうとした時に探知機が反応した。

 

「あ、ボク、鉄とかで出来た物を持っていないかな?それが何か教えてくれないと、次の飛行機に乗れないん約束なんだよ」

 

ヨナ「知ってる。僕の尻には弾丸があるんだ」

 

その言葉に、警備員の人は頭に?が浮かんだだろう。

 

ルツ「言ってる通りだぜ。ヨナ坊のケツには弾が入ってんだよ」

 

ココ「そうだったそうだった!」

 

慌ててココがやって来た。

 

ココ「本当なんです。彼は過去の負傷でお尻に弾丸が…」

 

「あ、そうですか分かりました!何かのジョークかと」

 

こうしてヨナは無事に検査を通過した。

 

ルツ「三回ケツ説明してやっとかよ!なぁヨナ坊」

 

ツバサ「そう言ってやるな」

 

俺がフォローしてると、今度は後ろに並んでた客が言う。

 

「子供でモタモタするのは保護者の責任だぞ!ったく!!」

 

ルツ「アア?」

 

ココ「すみませ~ん」

 

ツバサ「そんな事程度でキレるな」

 

ルツがキレそうになるのを止める。しかし、ルツよりもっと厄介な人がいた。

 

「アガッ!?」

 

バルメ「今のはココが謝るような事でしょうかぁ?そんなに生き急ぎたいのでしたら…私が超特急を用意しますが」

 

片手で男の顔面をアイアンクローするバルメ。

 

ツバサ「離せバカ!!

 

すぐさま客を掴んでるバルメを離し、バルメの頭に拳骨する。

 

バルメ「イタッ!?何するんですかツバサ!!」

 

ツバサ「『何するんですか』じゃない!!本来はこっちが迷惑かけてるんだ!それに相手は一般人だ!!むやみやたらに手を出すな!!」

 

バルメ「ですが!!」

 

ツバサ「いいから来い!!すみませんでした」

 

は先程の男に謝り、バルメの腕を引っ張って連れて行った。

 

ココ「んも~!!飛行機の乗り継ぎくらい静かにやってよね!貴方達!!」

 

バルメ「ココに文句つけたあいつが悪いんです!」

 

ツバサ「ばっかも~ん!!!!」(磯野波平・永井一郎)

 

俺の怒鳴り声が空港中に響き渡る。

 

ツバサ「一般人相手に本気でアイアンクローする奴がどこにいるんだ!!」

 

バルメ「す、すみません」

 

普段見ない俺の姿に、流石のバルメも反省する。ってかこんな場所で叫ばすなよ。

 

ココ「まぁまぁ、落ち着いてツバサ。バルメも反省してるし」

 

ツバサ「全く」

 

ココのお陰で俺も落ち着く。

 

ツバサ「やるならルツかアール辺りで我慢しろ」

 

「「おい!!?」」

 

その言葉に被害を受けるであろう2人は驚いた。

 

ワイリ「けど、楽しく旅行したかっただろ~に。運の無い奴!」

 

トージョ「ヨナの尻の弾くらいで、よくこれだけ騒ぎを起こせるもんだ」

 

ルツ「分かってねぇな。ケツの銃弾は勲章だぜ!」

 

アール「取りゃいいじゃね~か。今時手術なんて、痛くもなんともないだろ?」

 

アールの言葉にヨナが答える。

 

ヨナ「別に手術が怖い訳じゃないんだ。ただ…」

 

アール「ただ?」

 

ヨナは答えにくそうな顔をする。

 

ヨナ「注射がね」

 

その言葉に、ヨナ以外の全員がこけた。それも盛大に…

 

『注射嫌いって子供かよ!!…あ、子供か』

 

そんなこんな色々あったが、ようやく目的地のイギリスに到着したのであった。




YouTubeで、昔の波平を見てなんだか書きたくなったので、主人公で使ってみました( ^∀^)


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13話

ツバサ達はようやくイギリスに到着した。で、今現在ツバサ達は全員でとある射撃場にやって来ている。バルメが銃を的に向かって撃っている。

 

バルメ「高圧ガス銃です。ペイント弾を撃ち出します。当たると結構痛いですよ」

 

ルツ「知ってるよ姉御。何?それ使って訓練しろって?」

 

バルメ「その通り!!」

 

ルツの言葉に、バルメは大声を出す。

 

バルメ「この間の戦いで、敵の弾を頂戴したのはルツ!貴方だけですよ!!」

 

(なるほど。ルツの事を思っての訓練な訳か。ってか、それを言ったらバルメ、お前も単独行動で敵に貰ってたよな?)

 

レームから聞いたことを思い出したツバサ。

 

「バルメの言う事は尤もだ。けど、聞いた話じゃバルメ、お前も勝手に先行して敵に一発もらったって聞いたが?」

 

バルメ「なっ!?レーム!貴方ツバサに喋りましたね!!」

 

ツバサに指摘され、すぐに現況のレームを睨むバルメ。睨まれたレームはそっぽ向いている。

 

「レームを責めるな。バルメにもそういう事があるんだ、ルツばかり強く言ってやるな」

 

バルメ「…分かりました」

 

そして説明に戻る。

 

レーム「ヨナ君と山でフラグ戦をしろってさ。先に旗を取った者が勝ちってやつだ」

 

ヨナ「…僕はヤダよ。ルツと撃ち合うなんて」

 

まぁ、ヨナの言い分も分かる。

 

ココ「じゃあこうしようヨナ!ルツに1発当てるごとに15点、先に旗を取れば30点!50点につき1枚!特別(スペシャル)ご馳走券をプレゼント!レッツゴー・ヨナ!!」

 

ココの言葉を聞いて、指で計算するヨナ。

 

トージョ「それくらい暗算でやれ!」

 

レーム「ルツ(お前)の射撃の器用さは、誰もが認めてる。山も器用に歩けって事さ。行動開始!」

 

そしてヨナとルツは、山の中に入っていった。ココ達は全員射撃場で待っている事になる。

 

アール「さて、どっちが勝つと思う?」

 

ウゴ「普通に考えたらルツだろうが…」

 

ワイリ「けど、今回は山の中だ」

 

マオ「そうだね。山の中ならヨナ君が有利かもね」

 

男連中はどっちが勝つか賭けている。

 

ココ「ツバサはどっちが勝つと思う?」

 

「俺か?俺はヨナだな」

 

バルメ「何故ですか?」

 

バルメがツバサに聞いてくる。

 

「確かに、ルツの射撃の腕前はいい。だが、逆にヨナはあの小さい体だから機動力があるし隠れやすい。それに、少年兵だった時の知識もある。おそらく、山の中に色々と罠を仕掛けてると思うぞ」

 

レーム「俺もツバサの意見に同意だな」

 

ココ「レームも?」

 

(やっぱりレームも、俺の意見と同じか)

 

そして、フラグ戦が終わりヨナとルツが戻って来た。戻って来たルツを見て、アール達は笑っていた。

 

アール「ギャハハハハ!!」

 

ココ「全く、期待を裏切らないなぁルツは!フフ~フ!」

 

レーム「へっへへ」

 

「はぁ…」

 

ツバサは見事に負けたルツを見て呆れた。何故なら、体の至るところにペイントがこびりついていたのである。

 

ルツ「ハイハイ!!ちゃんと訓練します!次からはしっかりとしますから!!」

 

トージョ「だっせぇ!!」

 

バルメ「5,6,7…」

 

こうして、ヨナとルツのフラグ戦はヨナの勝利で終わったのであった。翌日、ココが起きて準備をしている。

 

ココ「バルメ、ツバサ。起きて準備して」

 

バルメ「おはようございます、ココ!」

 

「ふぁ~…」

 

ココに起こされ、ツバサは眠ってる頭を覚醒させる。

 

バルメ「今日の予定は【顔合わせ】ですね!」

 

ココ「イエース。ロンドンB国大使館、無人航空機(UAV)導入【調達委員会】!」

 

そう、今日はその顔合わせにココとツバサ、そしてバルメの3人で行くことになっている。

 

「あっ!」

 

ツバサはある事を思い出す。

 

「よくよく考えたら、俺スーツ持ってないぞ」

 

ココ「フフ~フ!それについてはご安心を」

 

そう言うとココは、クローゼットを開ける。

 

ココ「私が特注でツバサのスーツを作っておいたの♪」

 

中には5着色違いのスーツがあった。黒、白、ブラウン、青、赤だ。

 

「あ、ああ…ありがとう」

 

ツバサはバルメが来てるスーツを見て、黒を選ぶことにした。そして顔合わせの場所に向かった。

 

「ここか」

 

ココ「そうよ」

 

中に入ると、既に多くの人が集まっていた。

 

「HCLI、ココ・ヘクマティアル様。ようこそいらっしゃいました!私、B国外交対策委員クロトと申します」

 

ココ「よろしくお願いします!」

 

「ココ・ヘクマティアル!」

 

「HCLIだ!」

 

ココが入ると、周りの客達が話し出す。

 

「流石フランスのダッソー、凄いのを送り込んできたな」

 

ココ「ワァ~~~オ!」

 

ツバサがそう言うと、1人の女性を見る。

 

「アマーリア・トロホブスキー。元女優の兵器ブローカーだ」

 

ココ「スッゴイ美人じゃ!」

 

バルメ「!?」

 

ココの言葉にショックを受けるバルメ。

 

アマーリア「ココ・ヘクマティアルさん!あらあら!まぁまぁ!」

 

すると、アマーリア本人がココに話しかけてきた。

 

アマーリア「とても若くて可愛らしいディーラーさんがいるって聞いて、どうしても気になって見に来ちゃったんですよ!アラ、ホントだわ~。お手柔らかにね」

 

ココ「は、はぁ…」

 

流石のココも、アマーリアの行動に困惑してる。そして顔合わせも何とか終わったのだった。

 

「……」

 

ツバサは出て行くアマーリアを見つめていた。

 

バルメ「ツバサ?」

 

それを見てたバルメが話しかけてくる。

 

バルメ「あの人が何か?」

 

ツバサ「ん?いや、なんでも(あの女…どうも面倒な気がするな)」

 

バルメ「まさか!ツバサまであの人を美人だと思ってるんですか!!」

 

「はっ!?」

 

突然の言葉に、流石のツバサも驚く。

 

バルメ「ココもそうですが、私の方が若くて張り艶もあります!!気になるなら、今日でもココと一緒にベッドで…」

 

「いきなり何を言い出すんだお前は!!」

 

ツバサは慌ててバルメの口を塞ぐ。

 

「人前でんな事を大声で言うな!」

 

バルメ「ですが!」

 

「だから落ち着け!あの人を見てたのは、嫌な予感がしたからだよ」

 

バルメ「嫌な予感…ですか?」

 

「ああ。面倒な事が起きなきゃいいんだがな。後、バルメやココが美人なのは知ってるから安心しろって」

 

バルメ「なっ!?///」

 

ツバサの言葉で顔を赤くする。

 

(いや、さっきの言葉で赤くなっててほしかったよ…)



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14話

顔合わせが終わり、大使館の近くのハイドパークで待ってるヨナ達と合流する。バルメは先に戻っている。残ると言ったが、ツバサが無理矢理帰したのだ。

 

ココ「合~流~!」

 

ヨナ「ココ、ツバサ」

 

ココ「んも~参った参った!聞いてよ、ヨナ!」

 

ヨナ「僕が聞いてもどうにもならないと思うけどね」

 

確かにその通りだな。ココはヨナと話しながらアイスを買い、歩き出す。ツバサも一緒になって歩く。すると…

 

「ココちゃ~ん!!」

 

金髪の巨乳女が手を振っている。

 

「暑いねこの国。空気がどんよりしてるし、ご飯もあんまり美味しくないッス」

 

ココ「まぁまぁ」

 

「ココ、彼女は?」

 

ツバサはあの時会っているが、向こうは知らないんのでわざとココに聞く。

 

ココ「彼女はショコラーデ。CIAのスケアクロウの部下?だよ」

 

「そうか。初めまして、ツバサだ。ココ専属の護衛だ」

 

ショコラーデ「はわ~…」

 

握手すると、ショコラーデは顔を赤くしている。

 

「大丈夫か?」

 

風邪かと思い、ツバサは手をショコラーデのデコに当てる。

 

ショコラーデ「はわわわ!?」

 

(どこのはわわ軍師だよ…)

 

前世で見ていたゲームのキャラを思い出すツバサ。

 

ショコラーデ「だ、大丈夫ッス!」

 

「な、ならいいけど」

 

慌てながら言うから、ツバサも少し焦ってしまう。

 

ココ「……」

 

(何でしょう。後ろにいるココの顔が見れないんだが…)

 

ココ「んっんんっ!!で、頼んでた情報は?」

 

ショコラーデ「は、はいッス!」

 

ココに言われ我に返るショコラーデ。

 

ショコラーデ「お望みの米製“プレデター”ですが、アメリカさん全然乗り気じゃないッス。今回の案件って、中東A国に民族問題を穏便に納めるって事を条件に、アメリカがUAV売ったら、今度は隣のB国がモーレツに反発しちゃって、それじゃB国にも売るよって、【火消し】の意味が強いじゃない?本当のところはB国が、【ニューロン計画】で自分らもUAV作りに参加してたのを思い出して…自然鎮火してくれたならまぁOKみたいな、ね」

 

「ま、UAV市場はこれから更に燃え上がるだろうな」

 

ココ「後になって『もっと足場を組んでおけばよかった』なんて間抜けなセリフだ」

 

ショコラーデ「それじゃそろそろ」

 

ショコラーデは、食べてた菓子の袋を潰し帰る準備に入る。

 

ショコラーデ「あんまりココちゃんとくっつくと、スケアクロウが煩いッス」

 

ココ「うん」

 

するとココは、ショコラーデのデコに自分のデコを引っ付ける。

 

ショコラーデ「えっ!?なになに!?」

 

ココ「スケアクロウと一緒に、私をつけ回す事を選択したんだね。CIA付きの技術屋さん。って事は、私と一緒に色んな橋を渡るかもってことだよ。止めはしないけど」

 

そう言いながら、ココはショコラーデに何かを渡した。

 

ショコラーデ「ん?こっ、これはもしや…ダッダダ…ダイヤ!ウワッ!!スッゲ!!」

 

渡されたダイヤを見て興奮するショコラーデ。

 

ココ「アメリカがこの件から勝手に手を引かないように、牽制し続けろ。いいね」

 

そしてココ達は公園を出ていく。

 

「おっとそうだ」

 

何かを思いだし、ツバサはショコラーデの所に戻る。

 

ショコラーデ「えっと…ツバサさん?」

 

「悪いが、スケアクロウに伝言を頼めるか?」

 

ショコラーデ「伝言?」

 

ツバサの言葉に首を捻るショコラーデ。

 

「ああ。次会った時、取り敢えずココを殴って鼻血出させた落とし前付けさせてもらうってな」

 

ショコラーデ「ヒッ!!」

 

ツバサの怒気の入った言葉に、ショコラーデはメチャメチャビビっていた。

 

「いいか?一字一句間違えるなよ?あの時も、本当はあいつの顔面を一発殴ってココと同じ様に鼻血出させるつもりだったんだからな」

 

ショコラーデ「わわ、分かったッス!絶対に伝えるッス!!」

 

そう聞いたツバサは、ショコラーデの頭を優しく撫でた。

 

「頼んだぞ。ビビらせて悪かったな。これはお詫びだ」

 

そう言い一枚の封筒を渡した。そしてココの元に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショコラーデside

 

 

ショコラーデ「…あ~怖かった」

 

私は、あまりの怖さに腰が抜けてしまった。だって、ついさっきまで優しかった人が、いきなり雰囲気が変わったッス。マジで死ぬかと思ったッス。漏らさなかった自分を褒めたい…

 

ショコラーデ「ところで、中身なんだろ?」

 

封筒の中を見ると、紙が入っていた。一枚は小切手、もう一枚は電話番号が書かれていた。おそらく、ツバサさんの番号なんだろう。だけど、小切手に書かれた金額…

 

ショコラーデ「45万ドルって…」

 

書かれてた金額を見て、これ以上言葉が出ない。

 

ショコラーデ「流石にこんなには貰えないッスよ」

 

後でツバサさんに電話しようと決めた私であった。だって、ココちゃんからダイヤ貰ったし、その上この金額はね…あれ?なんだかんだでいい感じに使われてる気が…

 

ショコラーデ「でもまぁ…いいか♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「B国の幹部がいるロンドン中のホテルを巡るよ、ウゴ」

 

ウゴ「了解」

 

ココ「よ~っし!いっちょ売ったるか~!!」

 

「随分と乗り気だなココ」

 

そしてココ達は、無人航空機を売りに、各幹部の場所に向かうのだった。



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15話

これが今年最後の投稿です。
今年ものたくさんの小説を読んでくれてありがとうございます。

来年もよろしくお願いします。


ココ「むむむむむ…」

 

ココは、体を捻りながら手を頭に当て唸っている。

 

ルツ「お嬢、どこまで体を捻るんだ?」

 

ツバサ「さぁな。けど、向こうも随分と手が早い事。流石に驚いたな」

 

ココがここまで唸っている理由は1つ。ココのいく先々で、調達委員会で会ったアマーリアが先に交渉していたのだ。いく場所全てで既に彼女と話がついており、ココの話はほとんど聞いてもらえなかったのである。

 

ツバサ「武器商人に関しては素人だが、女優時代のパイプが凄いな」

 

ツバサは、彼女の人脈の強さに感心していた。

 

ルツ「だな。お嬢をここまで悩ませるとは驚きだ」

 

ツバサ「その通りだ。ココはキャスパーと一緒で、武器商人としては世界で上位に入るだろう。だが、今回は場所が悪いな」

 

ルツ「何でだ?」

 

ツバサの言葉に、ルツは疑問に思った。

 

ツバサ「向こうは、武器商人としては駆け出しだが、今回マーケティングが行われたのはここだ。そして、彼女は元女優であり、ヨーロッパでは知らない人はほぼいないだろう。見事にその部分を活かしている」

 

ルツ「なるほどね~」

 

ツバサ「ああ。途中であった警察も、もしかすると彼女の仕業かもしれないしな」

 

ツバサは、商談に向かう途中で警察に止められた事を口にしたのだ。

 

ココ「もう1件!もう1件行こう!」

 

こうしてツバサ達は別の商談に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ま、結果は見えてたがな」

 

最後の1件も、アマーリアが手回ししており契約には至らなかった。

 

ルツ「なんかお嬢って、あのポーズ似合うよな!」

 

ウゴ「でもなんか諦めっつーより、スゲー案を考えてそうな気がするぜ」

 

ルツ「オッ!言うねぇ」

 

ツバサ「ま、ココの性格上このまま引き下がる事はないわな。この場合のアイツに引くって文字は、辞書にねぇからな」

 

ルツ「言えてる」

 

取り合えず俺達は、今日はホテルに帰った。翌日、起きるとココから作戦を聞き、B国にレーム達を送り込んだ。イギリスに残ってるのはココは当然として俺、バルメ、チナツ、ワイリ、ルツだ。とはいえ、向こうにも()()()()んだけどな…ん?何で俺がイギリス(ここ)にいるのにってか?ま、簡単に言えば神様の特典のおかげだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B国国際空港

 

 

 

 

 

アール「レームのおっさんよぉ」

 

レーム「ん?」

 

アール「大丈夫かよ?イギリスにはチナツと姉御(バルメ)とワイリとルツだけってさ」

 

レーム「別段不安はねぇけど?俺達は俺達の任務をやろうぜ?」

 

ツバサ?「だな。バルメにワイリがいるんだ。ルツもヘマしなきゃ大丈夫だろ」

 

マオ「こっちだって気は抜けないぞ。尾行されてんだぜ、ユーログループの方々に」

 

アール「マジで!?」

 

レーム「ツバサの言う通り、5人いりゃ大丈夫だろ。仲間の実力ってのは信用するもんだぜ」

 

トージョ「要するに、俺がサッサとB国との交渉を纏めちまったら、万事OKっつ〜事だろ?」

 

『ハハハッ!ムリムリ、そりゃ〜無理だ!』

 

レーム「ココでも手こずってるのにヨ」

 

当然だな。ココが交渉できてないのに、トージョには無理だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス・ロンドン

 

 

 

 

 

っとまぁ、俺の分身が向こうにはいる。んで、俺は今現在ココの為に食事を作っている。交渉初日から2日間、奥の部屋でTVを付けながらずっとPCをイジっている。その間食ってるのがお菓子だ。

 

ツバサ「おし出来た!」

 

簡単だがサンドイッチとスープを作った。それを部屋に持っていくと声が聞こえた。

 

バルメ「…ココ?運動しないでお菓子ばかり…太っちゃいますよ?」

 

ココ「胸だけバルメ並みにふくよかになる方法はないだろうか?」

 

バルメ「いいえ!ココはそのままが丁度いいんです‼」

 

ココ「んも〜、何言ってんだか」

 

ツバサ「全くだ」

 

ココ「ツバサ、どうしたの?エプロンなんかして」

 

ツバサ「お前がこの2日間お菓子ばっか食ってるからだろうが。ほら、サンドイッチとスープだ」

 

ココ「うわ〜!ツバサの手料理!」

 

ツバサ「分かったら食え。後、お残しは許しまへんで?」

 

ココ「は、はい!」

 

ココは怯えながらサンドイッチとスープが乗ってるお盆を受け取った…見るとバルメも怯えていた。飯を食い終わり、ココは携帯で誰かと話し出す。

 

ココ「もしもし、ショコラーデ!」

 

電話の相手はショコラーデか。

 

ココ「ダメ!全然ダメ‼今回のUAV売り込み戦、私の負け‼」

 

「「!?」」

 

そんな事を突然言い出すココ。

 

ココ「隣のA国を刺激しないように、プレデターをイタリア経由でB国に流す私のプラン。イタリアのマスコミにバレちゃったのはマズかったよ。トロホブスキーさんのコネクションでしょ、絶対。あれで身動き取れなくなった!」

 

ツバサ「……」

 

ココの奴。あれは盗聴されてると分かってワザと言ってるな。だが、相手は元女優…芝居等で培った演技を見抜く感覚は、ココ…下手すればココをも上回る可能性がある。

 

ココ「我がHCLIは本件から手を引く!明日の決議には、挨拶くらいはするけどね」

 

そしてショコラーデとの電話を終わらせる。それと同時に、ココは俺とバルメを見て…

 

ココ「嘘デース!」

 

ツバサ「だろうな」

 

ココ「おっ!やっぱりツバサにはバレちゃったか♪」

 

バルメ「わ、私は本当に諦めてしまったのかと」

 

ココ「かく乱だよ。効いてるといいけど」

 

ツバサ「それは大丈夫だろ。他の連中は知らないが、あの人はお前の演技を見抜いている筈だ」

 

ココ「だよね〜!ま、それこそが本命なんだけどね♪」

 

ツバサ「ま、伊達に女優業を長い事していないってこった」

 

ココ「そうそう。後でショコラーデが書類取りに来るから」

 

ツバサ「はいよ」

 

俺は食い終わったお盆を持って部屋を出た。暫くして、ホテルから電話がありフロントにショコラーデが来た事を伝えられた。俺は彼女と面識あるから俺が行く。

 

ツバサ「大変だなあんたも」

 

ショコラーデ「うぅ…ツバサさんだけッスよ」

 

ツバサ「……」

 

泣き出されて、流石に同情するわ…

 

ツバサ「これがココから受け取った契約書だ」

 

ショコラーデ「うわ〜…メッチャいっぱいあるッスね」

 

ツバサ「まぁな」

 

ショコラーデ「分かったっす。今回は報酬も貰ってますし」

 

ツバサ「悪いな」

 

ショコラーデ「そんじゃ、私は行くッスね」

 

そしてショコラーデは出て行った。

 

ツバサ「…さて」

 

俺は物陰に隠れ、もう一体分身を作る。

 

ツバサ「頼んだぞ」

 

ツバサ2「任せろ」

 

分身はショコラーデの後を追い掛けた。さて、本体は戻るか。



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