メガシンカ?何だよ…それ… (あすてる@)
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chapter0

「いやー。やっと捕まえたよ、"レックウザ"。」

 

 

少年──紅乃 空良(こうの そら)は携帯ゲーム機から手を離し大きく伸びをする。

かれこれ一匹のポケモンを捕まえるのに1時間近くかかってしまった。

というのも空良の"モンスターボールでポケモンを捕まえたがる"性格が原因となっていただけなのだが。

 

「よし、取り敢えずホウエン図鑑─ "200匹全て" 完成ー。」

 

空良は、友人達と誰が一番早く図鑑を完成させるか競っていた。

 

──時には友人達と協力して互いのカセットには出てこないポケモンを交換し合ったり、

──時には息抜きにポケモンバトルで競い、

──縛りを加えて四天王に挑戦したり、

──バトルタワーでボコボコにされたりなど、

 

ただ純粋にポケモンというゲームを楽しんでいた。

 

 

その日の夜──

空良は明日、友人達に図鑑が完成したことを知らせようと楽しみにして眠りについた。

 

 

──僕は…夢を見ていた。

──自分は水の中にいて。

──段々沈んでいくのがよくわかる。

──不思議と息はできるんだ。

──『?… 底に何かいるのか?』

──影が見える。

──『!…こっちに来てる……!』

──そいつは凄まじいスピードで向かって来た。

──『ヤバい!どうする!』

──あいつは見たことがあった。

──ゲームでも戦ったことがある。

──ただ少し様子が変だった。

──姿が違っているように見えたんだ。

──『来るな!来るな!"■■■■■"!!』

──そして "僕" は目を覚ました。

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」

 

 

 

目を覚まし飛び起きると自分の部屋は真っ暗だった。

しかも何故かひっきりなしに、そして不規則に揺れている……。

地震?……にしてもガタガタうるさいなぁ…。

 

そんなことを考えていると頭の上に何かが降ってきた。

 

「!?……~っ いったぁ…。」

 

?……何だこれ?板?

暗くてよくわからないけど、こんなもの持ってたっけな?

暗い中で板のようなものを適当にいじっていると、いきなり光り始めた。

 

「うわっ!?」

 

急に光り出した為、目が馴れるのに少し時間がかかったが、そこには映像が映し出されていた。

しかも自分は"よく知っている人物"だった。

 

 

『いやー お待たせ お待たせ!』

『ポケットモンスターの 世界へ ようこそ!』

『私の 名前は オダマキ!』

『でも 皆からは 「ポケモン博士」と 呼ばれて いるよ』

『ポケットモンスター ……すなわち ポケモン』

『──────────』

 

 

………寝惚けてるのかなぁ…。

これってルビー・サファイアの冒険を始める時のだよなぁ…。

 

そうこう考えているうちに不規則な揺れが収まった。

 

「あ…。」

 

すると先程とは比べ物にならない強い光が目の前から差し込んできて──

 

 

「ソラ お疲れ様。 長い間 "トラック" に揺られて大変だったでしょ?」

 

 

……………………………………………………………え"。

 

 

「ソラ~?どうしたの? 早く出ておいで。」

 

 

…ここは……何処………?




お読みいただき、有り難うございます。
実はこの作品が僕自身初めての為
至らない点が多々あると思います。
ご感想、ご意見大歓迎ですのでよろしくお願い致します。

お目汚し失礼致しました(*´ω`*)


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chapter1


かなり不定期更新になると思います。
ご了承下さい(*´ω`*)


 

 

「………"トラック" ?…」

 

……ちょっと待って、何で?

つい昨日まではいつもと変わらない自分の部屋で過ごしていたはず…

それが今日起きたらトラックの中?

ドッキリか何かなのか?

 

いやいやいや、それにしては規模がおかしい。

 

確かにうちの母さんは俺の事を驚かしては面白がったりするが、流石にこんな規模のドッキリを仕掛けるような人ではない。

 

「どうしたの? 早く降りてきなさい。」

 

…と、とにかくここから出よう。

 

取り敢えずその場から立ち上がって、

トラックなのであろう部屋から出てみることにした。

 

 

「うわぁ……。」

 

見たこともない場所だった。

辺りは木々に覆われ自然に溢れかえっていた。

先程までの混乱も忘れてしまうほどに、俺は見入ってしまっていた。

 

「お疲れ様。 ソラ。」

 

「あ、母さん。」

 

──紹介しよう。俺の母さんだ。

 

………いったい誰に紹介してんだか…。

 

 

「どう? ここが "ミシロタウン" よ。」

 

……今度はつい先程までの余裕がブッ飛んでしまった。

どうなってるんだいったい。

ポケモン好きが生じて変な夢まで見るようになってしまったのか?

頬を叩いたり、つねったりしてみる。

…痛い。

 

「どうしたの? さてはトラックの中で寝てたのね?」

 

取り敢えず寝ていたのは事実なので頷いておく。

 

「まったくもう…。 怪我はしてないわね?

そうそう、これが私たちの新しいおうちよ。

ちょっと古風な感じて住みやすそうな所でしょ?」

 

 

──もしかしたら、これは夢ではないのかも。

この短時間でよくそんな発想に至れるなと、自分でも感心してしまっている。

 

──もしかすると俺は『ポケモン』の世界にでも来てしまったのではないか?

柔軟な子供の頭脳がそんなことを考えるようになってきた。

 

よく見ると自分の格好も、

さんざん見慣れている格好であることに気付く。

?──少し "違和感" があるような気もするが、

多分自分が着ているからだろうと納得させる。

 

しかも自分の大好きな "ホウエン地方" ときた。

この後の流れも覚えている。

 

 

「今度はソラのお部屋もあるのよ。

さ、なかに入りましょ。」

 

……元々、自分の部屋があっただけに少し複雑な気持ちになるが、気にせず母さんのあとに着いて家に入る。

──そこで俺は激しく後悔してしまうことになる。

 

 

 

(初めて生で見たポケモンが "ゴーリキー"かよぉぉぉおっ!! )

 

 

 

俺はその場に崩れてしまった。

…せめてピカチュウとか最初の3匹とか、

出来れば可愛いポケモンがよかったよ……。

 

そんな俺の気持ちを知るよしもなく罪のないゴーリキー達は、自分の肉体美を披露していた。

 

 

「ほら。 おうちの中も素敵でしょ?

片付けは引っ越しやさんのポケモンが手伝ってくれるから楽…

…って、何してるの? ソラ?」

 

 

と、とにかくゴーリキー達が悪い訳じゃないんだから落ち込むのは失礼だよな。

 

すると作業を終えたのか、ゴーリキー達は俺と母さんの前に集まり。

 

「ぎゃお ぎゃお ぎゃお」

 

「あら? 終わったのね。 お疲れ様 引っ越しやさん。」

 

と、母さんとの会話?を終えて、

ぞろぞろと家から出ていった。

 

 

「ソラも2階にある自分のお部屋を見てきてごらん。

パパが引っ越しのお祝いに買ってきてくれた時計が……」

 

「わかった。合わせてくるよ。」

 

「そうそう……って、あら?」

 

──俺はそそくさと2階に上がった。

 

……俺には本来、父親はいない。

物心ついた頃には父親と呼べる人物はいなかった。

俺は父親が誰だかも知らないし、知らないままでもいいと思って今まで過ごしていた。

だから今、パパという単語が出たとき、

なんとも言えない複雑な気持ちになってしまい、どんな顔をしていいかわからず

その場から逃げるかの様に2階に上がってきてしまった。

 

──多分、この世界の俺の父親は間違いなくあの人だろう。

だけど俺にとっては全くの赤の他人な訳だ。

 

 

 

──俺は、今の状況に少し頭を抱えてしまっていた。





ソラ君の適応力の高さは"主人公補正" ということで←



お目汚し失礼致しました。


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