POKEMON☆ADVENTURE (神爪 勇人)
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第1章 カントー地方
主人公設定:サトシ


NAME:サトシ

CLASS:ポケモントレーナー

CV:松本梨香

属性:中立・中庸

性別:男

容姿:死んだ魚のような黒目、気ダルそうな顔。ややテンパ気味の黒髪。覇気がなさそうな、というか実際無い雰囲気。しかし顔立ちは割りと平均的で平凡的……だった。

だが、何の因果かマサラタウンのサトシに転生してしまう。

性格:めんどくさがり。遊びやら興味の湧くことは積極的だが、気が名乗らないことは、とことんやる気がない。

だが、サトシに転生したせいか、やや熱血気味。

年齢:10歳

身長:155㎝前後

体重:不明

所属/役職:マサラタウン/ポケモントレーナー

主な経歴

なし

 

備考

ひょんなことからアッサリ死んで、神様転生というものをさせられてしまった主人公。

その女神様は、振ったサイコロの目の数で特典を与えるとかいい加減な性格だった。

けれども折角なので転生することにする。

そしてその特典で、チートばかりの能力を得る。

楽して無双して、理由もなくモテて、怠惰な日々を過ごす気満々である。

その野望が上手くいくかどうかは、まだ分からない。

この主人公は、他のADVENTUREシリーズとは別の次元に存在する……云わば、平行世界の主人公である。

 

母親はハナコ。

小説では父親はサトシが生まれた後に旅に出て行方不明だが、ポケモントレーナーである模様。

設定上はサトシの部屋に父親と一緒に写った写真が飾られている。

無印編第2話のハナコの台詞に「パパやグランパ(祖父)を超えるポケモントレーナーに」とあるため、祖父もポケモントレーナーのようである。

超人的な運動神経の持ち主で、特に跳躍力は並外れている。

体もとても丈夫であり、6kgあるピカチュウを常に体に乗せていても平然としていたり、かなり高い所から落ちたりポケモンの攻撃を直に受けても無傷であることが多い。

また、泳ぎも巧みで素潜りもできる。

しかしその並外れた体力と「根性」が無茶な行動に拍車をかけるので、しばしば仲間から心配される。

また、ポケモンバトルなど自分の興味のある分野に対しては優れた才能を発揮し、頭のキレも冴える。

これぞスーパーマサラ人!

かなりの巻き込まれ体質で、行く先々で様々な事件に巻き込まれる。

 

 

ステータス

???

 

 

神様転生の特典

『スーパーマサラ人』

スーパーマサラ人になれる能力。

スーパーマサラ人が何なのか、それは誰にも分からない。

 

『ステータスMAX』

神様の力で主人公のステータスを上限限界まで引き上げる。

なんというか、言ったもん勝ちみたいなもの。

 

 

保有スキル

『闘気:A』

なんかオーラ的なモノが出せる。

 

『マサラ技:A+』

サトシが編み出した数々の超人的な技。

使用技:マサラ波・マサラ丸

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:ピカチュウ オス LV.14

タイプ:電気

特性:静電気

技:電気ショック・電光石火・電磁波

 

2:バタフリー オス LV.12

タイプ:虫・飛行

特性:複眼

技:体当たり・糸を吐く・硬くなる・念力・毒の粉・痺れ粉・眠り粉

 

3:ピジョン オス LV.18

タイプ:ノーマル・飛行

特性:鋭い眼

技:体当たり・砂掻け・風起こし・電光石火・吹き飛ばし

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

 

.



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第1話 ポケモン! 君に決めた!

アニメ1話丸々やろうとしたらかなり長い文章になるため、割愛するとこは割愛させていただく。
基本的にアニメの話数通りにいこうかなぁと思います。
更新頻度はかなり低め。



 

そう・・・俺、サトシ!

10歳。

俺の住むマサラタウンでは、10歳になるとポケモン取扱い免許を許され、町のポケモン研究家オーキド博士から初心者用ポケモン1頭を貰い、

 

 

サトシ「ポケモントレーナーを目指して、旅立てるのだ! そうさ、俺は全世界のポケモンに宣言する。最高のポケモントレーナー・・・いや、ポケモンマスター! いやいや、スーパーマサラ人‼ そうとも、それは俺だッ‼‼」

 

 

 

なんて言ってる俺だが、実はサトシであってサトシではない。

俺は転生者だ。

元の世界で死んでしまい、何故かこのポケモン世界のサトシに転生してしまった。

そしてテンプレに神様特典で能力を貰って、この世界に爆誕した。

基本的には、俺が転生者であること以外、この世界に変化はない。

だが一つ、大きな違いがあった。

それは・・・

 

 

「お兄ちゃん、まだ起きてたの?」

 

 

部屋に入ってきたのは、一人の女の子。

この俺をお兄ちゃんと呼ぶことから察せられるとおり、この子は妹である。

本来サトシには妹など存在しない。

だが、この世界のサトシは双子として爆誕したのだ。

因みに見た目としてはアレだ、ポケモンFRLGの女主人公リーフに似てる・・・っていうか、そのものだ。

腰まで伸びた茶色の髪に、白い帽子、水色のノースリーブの服と、赤いミニスカート。

そして原作ではルーズソックスだったが、俺の渾身の説得でニーソックスに変更してもらった!

もしくはハイソックスや黒タイツだ‼

ルーズは認めない‼

そんな妹の名前は、ミドリ。

公式設定ではリーフなんだろうが、流石にアニメ世界では違和感のある名前だから、コロコロコミックで穴久保幸作のポケットモンスターで出たリーフの名前『みどり』から取ったのだろうというのは俺の妄想だ。

 

 

サトシ「ミドリだってまだ起きてるじゃん」

 

ミドリ「今から寝るのよ」

 

 

そしてこのミドリは、俺と同じく転生者である。

何でもサトシの妹に転生するように神様に頼んだのだとか。

しかしいざ転生してみたら、そのサトシが憑依転生していたのだからそれはもうビックリしてガッカリしたらしい。

そんなことを俺に言われても知らんがな。

だがまぁ、もう転生してしまったモノは仕方がない。

だったらこのポケモン世界を満喫しようじゃないか!と、妹は前向きに生きている。

 

 

ミドリ「そういえばお兄ちゃん、明日どうするの? 遅刻しないの?」

 

サトシ「いや、する! 遅刻してピカチュウを貰いに行く! 待ってろよぉっ、未来の相棒ぉぉぉぉぉぉぉっ‼」

 

 

◆◆◆

 

 

そして翌日。4月1日。

俺は原作通りに遅刻した。

別に早く起きる必要ねーやって考えてたら普通に寝過ごしてしまったから、どのみち遅刻だが。

俺は着替えてのんびりと家を出る。

ダラダラと歩いていくと、このマサラタウン一番の名物・・・つーか、ここくらいしか見どころがないオーキド研究所に辿り着いた。

そしてその研究所の前には沢山の人だかりがいて、チアの恰好をした少女達がなにやらシゲルシゲルと叫んでいた。

・・・相変わらずだなぁ。

 

 

サトシ「よ、シゲル」

 

シゲル「おや、これはこれはサートシくん! サトシくんは最初から遅刻かい?」

 

サトシ「ま、別に急いで旅立つもんじゃないし、俺はノンビリ行かせてもらうぜ」

 

シゲル「相変わらず君はお気楽だねぇ・・・しかし、今日遅刻するようじゃ僕のライバルとして、既に君は始めからコケってる」

 

サトシ「コケってるなんだよ、どこの国の言葉だよ」

 

 

呆れる俺に、シゲルはファサッと無駄に前髪を掻き上げて、オーキド博士から貰ったと思われるモンスターボールを指先で回してカッコつけた。

意味が分からん。

 

 

シゲル「ありがとう友よ、ガールフレンドよ! 私はきっと、ポケモンマスターになって、この町マサラタウンの名前を世界中に広めてみせる‼」

 

 

オーキド博士が住んでる時点で、既に広まってると思うが・・・。

 

 

サトシ「で、シゲルはどのポケモンを貰ったんだ?」

 

シゲル「君に言う義理はないね。ま、僕はポケモン研究家オーキド博士の孫だからね。お爺様の名に懸けて、それなりのポケモンは貰ったぜ」

 

サトシ「そうか、ゼニガメを貰ったのか」

 

 

俺がそう言うと、シゲルはピクリと一瞬動きを止めたが、何事も無かったかのように止めてある赤い車に乗り込んだ。

 

 

シゲル「見送りの皆様ご苦労様です。オーキド シゲル、只今よりポケモントレーナーの修行に行って参りまーす!」

 

 

その他のギャラリー達を引き連れて、シゲルは車で旅立っていった。

・・・・まさかアレが後に研究家になるなんてなぁ。

 

 

「あ? サトシくんじゃないか」

 

 

去って行ったシゲルを見送っていたら、研究所の門からオーキド博士が出てきた。

 

 

サトシ「どーも、オーキド博士。ポケモンを受け取りに来ました」

 

オーキド「坊やのポケモン?」

 

サトシ「そーそ、俺のポケモン」

 

オーキド「そういえば、今日の予定は4人と聞いていたが・・・随分来るのが遅かったな。ミドリくんはもうポケモンを受け取ってるぞ」

 

サトシ「ボヤボヤしてて遅刻したけど坊やじゃないぞ、俺。10歳の少年、この世界観じゃ大人と言えるか微妙だけど成人だぜ?」

 

オーキド「君は何をいっとるのかね?」

 

サトシ「ま、とにかく俺にもポケモン寄越せ」

 

 

◆◆◆

 

 

ミドリ「お兄ちゃん、遅い」

 

 

研究所に入った俺は、さっそく妹に怒られた。

お前、俺が遅刻すんの知ってたんだし別にいーじゃんか。

 

 

サトシ「そういえば今日4人にポケモンを渡すんだよな?」

 

オーキド「そうじゃ」

 

サトシ「けど初心者用のポケモンって3匹だよな? もう残ってないんじゃない?」

 

オーキド「通勤電車もポケモンも、1秒の遅れが人生を変える」

 

サトシ「で、俺はどうすんだ。ポケモン無しで旅立つのか? ポケモン無しで襲い掛かってくるポケモンと戦うのか?」

 

ミドリ「お兄ちゃんなら勝てるんじゃない?」

 

 

ま、確かに勝つ自信あるけど。

 

 

オーキド「もう一匹いるにはいるんじゃが・・・」

 

サトシ「じゃ、それくれ」

 

 

ウィーンと、初心者用のポケモンが入っていた三つモンスターボールを置いた台の真ん中から、更に一つのモンスターボールが出てきた。

フッフッフ、ようやく出てきたな。

 

 

オーキド「この残りポケモンには、ちと問題があってな」

 

サトシ「俺が遅刻したことにも問題がある」

 

オーキド「ならば!」

 

 

と、オーキド博士が俺にモンスターボールを手渡した。

ボールが開く。

そしてその中から、黄色い光を放ちながら一匹のポケモンが出てきた。

そう、みんな大好き電気鼠!

 

 

「ピッカチュウ」

 

 

二回ほど瞬きした電気鼠が、そう鳴いた。

おー、流石は初期のピカチュウ。

体型がずんぐりむっくりだ!

 

 

オーキド「ピカチュウというポケモンじゃ」

 

サトシ「可愛いな」

 

ミドリ「可愛いわね」

 

オーキド「そうかな?」

 

サトシ「そうだ。ピカチュウよろしくな」

 

 

言って、俺は相棒を抱きかかえた。

そして電撃を放たれた。

 

 

オーキド「別名電気鼠。恥ずかしがり屋の癖に人に慣れにくく、下手に触るとそうなる」

 

ミドリ「先に言うべきじゃないですか?」

 

オーキド「うん、先に言ったね」

 

 

ビリビリと放っていた電撃が収まった。

 

 

サトシ「ハッハッハッ、元気がっていいじゃないか!」

 

 

しかし俺にはその程度の電撃なんぞ効かん!

生まれてからこの10年間、死ぬほど鍛えてきたからな‼

全く自分の電撃が効いていない俺に、ピカチュウがギョッとしていたが、直ぐにプイッと顔を背けてしまう。

フッフッフッ、可愛いやつめ。

 

 

◆◆◆

 

 

モンスターボールとポケモン図鑑を受け取った俺は、ミドリとオーキド博士と一緒に研究所を出る。

そこには町の何人かと、ママが待っていた。

・・・しかしママ―――ハナコって若いよなぁ、27歳だっけ?

17歳で俺とミドリを産んだってことか。

うーん、息子ながらなにやらアブナイ気が湧いてくるような気がするぜ。

なんて邪な事を考えてたらミドリに脛を蹴られた。

しかし、蹴ったミドリが足を押さえてもんどりうつ。

死ぬほど鍛えてるからね。

そしてママにポケモンはモンスターボールに入れとくもんじゃない?とか言われてピカチュウとキャッチボール(笑)をしたりして、俺とミドリはマサラタウンにサヨナラバイバイした。

 

 

◆◆◆

 

 

サトシ「ミドリは何選んだんだ?」

 

 

ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネ。

この3体が、マサラタウンで貰えるポケモンだ。

シゲルが選んだのがゼニガメだから、必然にヒトカゲかフシギダネということになる。

 

 

ミドリ「私が貰ったのはこの子よ」

 

 

ミドリのモンスターボールから出てきたのは、

 

 

「ダネダネ」

 

 

フシギダネだった。

 

 

サトシ「おーフシギダネ、それもメスか」

 

ミドリ「そう。可愛いでしょ!」

 

 

ミドリの足下にすり寄るフシギダネ。

よくトレーナーに懐いているようだ。

さすがは初心者用のポケモンの中でも育てやすいポケモンだ。

この反抗期全開のピカチュウとはえらい違いだ。

 

 

サトシ「そーいや、ヒトカゲって誰が持ってったんだ?」

 

ミドリ「さぁ? 少なくとも私が来た時には、もうヒトカゲもゼニガメもいなかったわよ」

 

 

マジで誰なんだろうな・・・ま、もしかしたらその内会えるかもしれんが。

・・・・アニメでまた会えるって言うセリフ頻繁に出てくるが、大抵出てこないからな。

もしかしたら合わないかもしれん。

 

 

「ピッカチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウッ‼」

 

サトシ「よし相棒・・・ちょっとO☆HA☆NA☆SHIしようか?」

 

 

中々いう事を聴かないピカチュウとちょっと拳で語り合ったり、襲い掛かってきたオニスズメを素手でボコボコに返り討ちにしたり、途中で出会ったカスミの自転車をオニスズメの群れと戦っている最中に壊してしまったり、ホウオウを目撃したりと、さっそく原作から違いがあるのかどうか分からないような目に遭いながら、俺達はトキワシティに辿り着いた。

 

 

 

.

 




次回予告

俺サトシ!
オニスズメの大軍を拳でぶちのめし、ピカチュウとも拳で語り、すっかり仲良くなった(泣きながら喜んでいたから間違いない‼)。
トキワシティのポケモンセンターでタダ飯(ポケモントレーナーはタダなんだって! サイコーだぜ‼)を食らってたら、ロケット団の奴らが俺の夕食を狙って襲い掛かってきたんだ‼(俺の横にいたピカチュウやフシギダネが攻撃を食らってた気がするけどきっと気のせいさ‼)
ロケット団? ポケモンじゃないなら、俺が相手をしてやるぜ‼
ポケモンでも相手してやるけどな‼
次回! ポケットモンスター!
対決! ポケモンセンター!
そろそろポケモンゲットしたいぜっ‼



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第2話 対決! ポケモンセンター‼

前回のお話


サトシ「ポケモントレーナーを目指して、旅立てるのだ! そうさ、俺は全世界のポケモンに宣言する。最高のポケモントレーナー・・・いや、ポケモンマスター! いやいや、スーパーマサラ人‼ そうとも、それは俺だッ‼‼」


思い込みはそれなりのサトシ君。
ポケモンのピカチュウを連れて、マサラタウンを旅立ったまではよかったが・・・


サトシ「来いやぁっ! オニスズメええぇぇぇぇぇぇぇっ‼」

「クエエェェェェェェッ‼」

サトシ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ‼」

―――――――ズガガガガガガガガガァッ‼


ピカチュウ「ピッカチュウゥゥゥッ‼」

―――――――ビリビリビリィッ‼

カスミ「ギャアアアァァァァッ‼ アタシの自転車があああぁぁぁぁぁぁっ!?」


・・・・そんなこんながあって、トキワシティにやって来た。


ミドリ「いや、全然分かんないよ・・・・」


妹は、兄の所業に呆れるしかなかった・・・・。


.


こんにちは、妹のミドリです。

いや、もうこんばんはかな?

日は傾いて夕方だし。

さてさて、ようやくトキワシティに辿り着いた私達だけど、今何をしているのかと言えば、

 

 

サトシ「飯ぃぃぃぃぃぃっ‼」

 

ピカチュウ「ピッカアァァァァァァッ‼」

 

フシギダネ「ダネダネェッ‼」

 

 

ポケモンセンターに着いた矢先、兄達が絶叫しだした。

ジョーイさん以外に人がいないとはいえ、恥ずかしいからホント止めて・・・・。

 

 

ミドリ「もう、お兄ちゃん、先にピカチュウ達を預けるのが先でしょ」

 

サトシ「おっと、そうだったな」

 

ミドリ「それと、トキワシティに着いたこと、ママに報告しないと」

 

サトシ「そうだな、面倒だけどしゃーなしだな!」

 

 

この兄は本当に大丈夫なのだろうか?

先がすごく不安です。

 

 

◆◆◆

 

 

せっかくテレビ電話が設置されていたので、私たちはピカチュウ達の回復を待っている間にそれを使って、まずはママに電話することにした。

 

 

ハナコ「はい? サトシとミドリの母ですが?」

 

ミドリ「いや、どんな応答!?」

 

 

普通に名前でいいじゃん!

名字何なのか未だに知らないけどさ!

何処かで勇崎とか言われてた気がするけど公式設定かどうか知らないけどさ‼

 

 

サトシ「あ、ママ? オレオレ」

 

ハナコ「もしもし、サトシとミドリなの!? 今何処にいるの!?」

 

 

ヴォイスオンリーで画面が表示されていなかったのだが、急に画面にママの顔が・・・。

あー、顔にパック貼ってたのね。

 

 

ミドリ「トキワシティのポケモンセンターにいるよ」

 

ハナコ「もうトキワシティまで行ったのかい? パパの時はトキワシティに行くまで丸4日も掛かったのよ」

 

 

いや、掛かり過ぎでしょ、何やってたのさパパ・・・。

てゆーか、パパの顔知らないや。

現時点のリアル・・・XY編まででも影も形も見えないし・・てゆーか、話題にすらならないし。

 

 

ハナコ「それをたった1日で・・・親の心子知らず」

 

サトシ「親不知はもうねぇよ」

 

 

いや違う、ママが言いたいのはそういう事じゃないよお兄ちゃん。

 

 

ハナコ「朝晩歯を磨いたものねぇ」

 

 

いやそう意味でもないよねぇっ!?

 

 

ハナコ「ともかく、鳶が鷹を産んだというか、ポッポがオニスズメを産んだというか」

 

サトシ「オニスズメの話はいい」

 

 

どうでもいいけど、この世界に鳶とか鷹とかいるのかなぁ・・・?

 

 

ハナコ「こうなったら前進あるのみ! パパやグランパを超えるポケモントレーナーに絶対なるのよ! 頑張ってね!」

 

サトシ「おう‼」

 

 

てゆーか、お爺ちゃんもポケモントレーナーだったんだ。

お爺ちゃんの顔知らないけど・・・・

「おやすみ~」の言葉を最後に、電話を切った。

 

 

サトシ「なぁ、ミドリ」

 

ミドリ「なに?」

 

サトシ「俺達の親父達って出て来ると思うか?」

 

ミドリ「・・・・・いやぁ、出てこないんじゃないかなぁ」

 

 

アニメももう少しで18年目(2015年現在)に突入するけど、無印時代に少し会話に出ただけで、そっから先は全く話題になってないもんね・・・。

一生出てこないんじゃないかなぁ・・・?

 

 

サトシ「それにしても・・・・」

 

 

と、お兄ちゃんが顔をやや上に向ける。

何だろう?と私も視線を向けると、その視線の先、受付の後ろの壁に飾られているでっかい絵に視線が向けられていた。

それは4分割に分けられた絵で、其々にポケモンらしきモノの絵が描かれていた。

 

 

サトシ「これって多分サンダー、ファイヤー、フリーザー、ウィンディだよな?」

 

ミドリ「そうねぇ・・・フリーザーの絵がホウホウに見えなくもないけど、この流れで観たらフリーザーよねぇ」

 

サトシ「なんでウインディなんて場違いなポケモンの絵が一緒に描かれてんだろうな」

 

ミドリ「・・・・昔は伝説だったんじゃない?」

 

 

伝説ポケモンって言われてるくらいだし。

どの辺が伝説なのか知らないけど・・・。

なんて馬鹿な話をしていたら、急に受付のパソコンに電話がかかってきた。

ジョーイさんは今、私たちのポケモンを診てくれているから、この場には私達しかいない。

どうしよ、ジョーイさん呼びに行った方がいいのかな?

 

 

サトシ「はーい、こちらトキワシティのポケモンセンター」

 

ミドリ「何勝手に出てるの!?」

 

 

電話ボタンを勝手に押して、勝手に応答する。

お願いお兄ちゃん! ちょっとは常識を身に付けて‼

 

 

「こっちじゃこっち!」

 

 

・・・・・?

何処から声が?

少なくともパソコンの方からじゃない。

首を回すと、先程の絵のウインディの部分がスライドして、モニターが出てきた。

 

 

オーキド「サトシ君、ワシじゃ、オーキドじゃ!」

 

 

オーキド博士の姿がモニターに映った!

・・・・何故か後ろ姿で。

そしてモニターに映っているのはそれだけではなく、

 

 

サトシ「それ、ラーメン?」

 

ミドリ「何でビーカーとアルコールランプでラーメン茹でてるんですか?」

 

オーキド「え?・・・・・しまったカメラがっ!?」

 

 

モニターが暗転して、画面が切り替わる。

・・・・何やってんですか、オーキド博士。

再び画面が点いて、咳払いして話を元に戻そうとするけど、なんかもうグダグダだ。

博士の話の内容としては、ママからトキワシティに着いたと連絡があって、本当に着いたのかと連絡を入れてきたのだ。

信用無いな・・・まぁ、この兄なら仕方ないかもだけど。

 

 

◆◆◆

 

 

「あーっ‼」

 

ミドリ「ん?」

 

 

電話の後、急に誰かが声を上げた。

見てみると、そこには真っ黒に焦げてボロボロになった自転車を持ったカスミが・・・

 

 

カスミ「やっぱりここにいたわね!」

 

サトシ「おー、どうしたんだ、そのボロ雑巾みたいに使い物にならなくなった自転車?」

 

ミドリ「お兄ちゃん・・・・」

 

 

もう自分の仕出かしたことを忘れたのかこの駄兄は!?

オニスズメの大群に襲われたときに、お兄ちゃんとピカチュウの反撃の攻撃に巻き込まれてボロボロになったというのに・・・・。

 

 

カスミ「自転車ですって!? ちょっとアンタ! これが自転車って言える!? まるで食べ残しの焼き魚よ‼ 焦げ焦げの骨だけじゃない‼ 魚だったら化けて出るわよ‼」

 

サトシ「化けて出たらボコボコにしてやるぜ!」

 

カスミ「そういう事言ってんじゃ―――――――!?」

 

 

―――――――ガシャンッ‼

 

あ、こけた。

自転車の重さに耐えられなかったのだろうか?

 

 

サトシ「おーい、大丈夫か?」

 

 

言って、手を差し伸べるが、バシンッと弾かれた。

 

 

カスミ「触らないでよ‼ 私のの自転車、このままじゃ済まさないんだから‼」

 

サトシ「ま、何とかするって・・・・・そのうちな」

 

カスミ「今何とかしなさいよ‼」

 

サトシ「えーやだよメンドクサイ」

 

カスミ「何よその態度! アンタが壊したんでしょ!?」

 

サトシ「いや、壊したのはピカチュウだが?」

 

カスミ「ピカチュウはアンタのポケモンでしょーがっ‼ だったら飼い主が責任取りなさいよ‼」

 

サトシ「おいおい、まるで俺だけの責任みたいに言うなよ」

 

カスミ「アンタ以外にいったい誰に責任があるっていうのよ!?」

 

サトシ「俺達が戦ってる場所にいたお前が悪い」

 

カスミ「なんですってええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 

あー、ダメだ、収拾がつかない。

怒りっぽいカスミもアレだけど、自転車壊されたら誰だって起こるよね。

お兄ちゃんも、火に油を注ぐのは止めて・・・。

 

 

◆◆◆

 

 

カスミ「自転車、ちゃんと弁償してよねっ‼」

 

サトシ「分かってるってばよー」

 

カスミ「アンタ、ホントに自分が悪かったって思ってんの!?」

 

サトシ「メンゴメンゴwww」

 

カスミ「・・・・コロす!」

 

ミドリ「まぁまぁまぁ、落ち着いて‼」

 

 

食器のナイフで切りかかろうとするカスミを私は必死で宥める。

今、私達は食堂で夕飯を食べていた。

回復も終わったから、ピカチュウとフシギダネも一緒だ。

 

 

ミドリ「もう、お兄ちゃん。ちゃんと弁償しないとダメだよ」

 

サトシ「うーん・・・部品があれば直すっつーか、作れるんだけどな、自転車くらい」

 

ミドリ「部品売ってるとこなんて無いよ」

 

サトシ「そもそも自転車売ってるとこも、此処には無いだろ」

 

 

それもそうだ。

弁償しようにも、そもそも自転車売ってる店も無い。

 

 

ミドリ「じゃあ、どうするの?」

 

サトシ「そーだなぁ・・・どのみちカントーの殆どを回るんだし、旅してたらその内何処かに自転車屋くらいあるだろ。どーする? 俺の旅に付いてくるか?」

 

カスミ「言われなくても、弁償するまでそのつもりよ‼」

 

 

という訳で、私たちの旅に仲間が加わった。

仲間と呼ぶには兄との仲が険悪だが・・・・。

 

 

ミドリ「え、と・・・私、ミドリ。よろしくね」

 

カスミ「・・・・カスミよ。よろしく」

 

サトシ「俺はサトシ。ポケモンマスターとスーパーマサラ人を目指して旅してる、よろしくな!」

 

カスミ「・・・スーパーマサラ人?」

 

 

カスミが訳のわからないモノを見る目で兄を見た。

うん。気持ちは凄く分かる。

 

 

カスミ「ミドリちゃんだっけ・・・こんな変な兄を持つと苦労してそうね。同情するわ」

 

ミドリ「アハハハハハ・・・・うん、ありがと。後、ミドリでいいよ。私もカスミって呼ぶから」

 

 

どうやら私とは仲良く出来そうで、少しホッとする。

兄のせいで私との仲まで険悪になったらどうしてくれるのだろうか?

自己紹介もそこそこに、私たちは夕飯を再開する。

けど、コレって何なんだろう?

今私達が食べているのは、ハンバーグやチキン等といった定食だ。

この世界に牛とか豚とか鳥とか魚とかいたかしら?

実はこの鶏肉がピジョットとかだったらどうしよ・・・。

なんて馬鹿な事を考えていたら、急にブーブーと何か警報らしき音が五月蠅く鳴り出す。

 

 

サトシ「ん?」

 

 

――――警報です。警報です。トキワシティに何者かが侵入した模様。

ポケモン誘拐団の恐れがあります。

 

 

サトシ「誘拐団?」

 

ミドリ「もしかして・・・」

 

 

なんとなくだけど覚えてる。

確かロケット団の初登場回じゃなかったっけ?

ガシャンッ‼と、窓が割れてモンスターボールが飛んできた。

数は2つ。

そのモンスターボールから出てきたのは、アーボとドガース。

ドガースの煙幕が、ポケモンセンターの中を包み込む。

 

 

カスミ「何なのよコレ!?」

 

 

その言葉を合図に、

 

 

「何だかんだと聞かれたら」

 

「応えてあげるが世の情け」

 

「世界の破壊を防ぐため」

 

「世界の平和を守るため」

 

「愛と真実の悪を貫く」

 

「ラブリーチャーミーな敵役」

 

「ムサシ」

 

「コジロウ」

 

「銀河を翔るロケット団の二人には」

 

「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ」

 

「ニャーんてニャー」

 

 

来たよ、ロケット団。

うわー、何かみんな若いなぁ。

そしてこの初登場回から仕事は変わらず、ポケモンの強奪だ。

 

 

ムサシ「このポケモンセンターにあるポケモンは全ていただく!」

 

アーボ「シャアアァァァァボッ‼」

 

ドガース「ドガアアァァァァァス・・・」

 

 

ドガースとアーボがポケモンセンターの機材を壊して、此処に預けられているポケモンたちを奪おうと動き出した。

 

 

コジロウ「そのポケモンも、我らがいただいていくぞ!」

 

 

言って、今度はアーボとドガースが私たちの方に―――――!?

 

 

ミドリ「お兄ちゃん! ロケット団が来たよ‼ 戦わないと―――――――」

 

サトシ「ごめん、ちょっと待ってくれ。焼き魚の骨が上手く取れない」

 

ミドリ「―――そんなことやってる場合じゃないよねぇっ!?」

 

 

何をやっているのだこの馬鹿兄は!?

 

 

ミドリ「行くよ、フシギダネ‼」

 

フシギダネ「ダネ! ダネフシ!?」

 

ピカチュウ「ピカ! ピカチュピッ!?」

 

ミドリ「え? 何!?」

 

 

フシギダネとピカチュウの声の様子がおかしかった。

何事かと、私は二人を見下ろした。

私の視線に映るピカチュウとフシギダネは―――――・・・焼き魚の骨を必死に取っていた。

 

 

ミドリ「いや皆して何やってるの!?」

 

 

何この非常事態に焼き魚の骨なんか必死に取ってるんだこの馬鹿たちは!?

 

 

カスミ「ちょっと、そんなことしてる場合!?」

 

 

カスミがフォローに回ってくれた。

良かった。私一人じゃこの馬鹿たちを止められない!

 

 

サトシ「そんな事とは何だ!? 骨が喉に詰まったら危ないだろうがっ‼」

 

カスミ「そんなの後でいいでしょ‼」

 

サトシ「後だと遅すぎる! 一体いつやるんだ!? 今でしょ‼」

 

カスミ「うぜえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼」

 

 

ダメだ、カスミが加勢してくれても馬鹿を止められない!?

そんな馬鹿が馬鹿な事をしていたら、

 

 

アーボ「シャアアァァァァボッ‼」

 

ドガース「ドガアアァァァァァスッ‼」

 

 

―――――――ガッシャアアァァァァァァァン‼

 

 

2体の攻撃が、私たちが食べていた、食べ物の乗った食器を弾き飛ばした。

それは今必死に焼き魚の骨を取ろうとしていた、兄やポケモン達のお皿まで吹っ飛ばしてしまい、

 

 

サトシ「・・・・・・・オイ、ゴラァ」

 

 

・・・・・兄の逆鱗に触れた。

ゴオッ‼と、お兄ちゃんの身体から闘気が溢れ出て・・・・

 

 

ミドリ「いやもう何か作品が違うよね!?」

 

サトシ「飯の敵じゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

 

ピカチュウ「ピカピカアアァァァァァァァァァァァッ‼」

 

フシギダネ「ダネフシイイィィィィィィィィィィッ‼」

 

 

お兄ちゃんだけじゃなかった!

なんかピカチュウとフシギダネまで、身体から闘気が溢れ出てきた!?

お兄ちゃんはアーボ、ピカチュウとフシギダネはドガースに襲い掛かった!

 

 

ピカチュウ「ピカチュピッ‼」

 

フシギダネ「ダネダネェッ‼」

 

ドガース「ドガアァァァァッ!?」

 

 

ピカチュウが電撃を、フシギダネが蔓の鞭に嵐をドガースに叩き込み、

 

 

サトシ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ‼」

 

アーボ「シャボッ!? シャボッ!? シャボォッ!?」

 

 

兄はアーボからマウンドポジションを取ってタコ殴りにし、

 

 

サトシ「ウラアアァァァァァァァァァッ‼」

 

 

ムサシ達の方にブン投げた!

ドンッ‼と、投げたアーボがムサシとぶつかって、倒れる。

そしてピカチュウ達もドガースをコジロウの元にぶっ飛ばし、

 

 

ピカチュウ「ピカチュウゥゥゥゥゥゥゥゥッ‼」

 

フシギダネ「フッシイイィィィィィィィッ‼」

 

 

ピカチュウとフシギダネは、電気ショックと葉っぱカッターを放つ!

 

 

「「「ギャアアアアアァァァァァァァァァァァァァッ!?」」

 

 

2体の攻撃を受けて、ロケット団はボロボロに。

しかし、まだ攻撃は終わらなかった!

 

 

サトシ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

 

 

兄の闘気が一気に噴出し、兄は何やら構えを取る。

身体を半身にし、左右の掌を腰元に・・・・て、

 

 

サトシ「マぁぁぁぁぁぁぁサぁぁぁぁぁぁぁラぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

 

ミドリ「待ってお兄ちゃん! 何する気!?」

 

 

何かとんでもない事・・・世界観が崩壊するようなことをやらかすんじゃないかと危惧して止めに入ろうとするが・・・遅かった。

 

 

サトシ「波ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

 

 

ドオォッ‼と、兄が前方に突き出した両手の掌から、極太のビームみたいなモノが放たれて、

 

 

ミドリ「何やってるのおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

私のその叫びは、ロケット団が吹き飛ばされた音によって掻き消された・・・・。

 

 

◆◆◆

 

 

翌朝。4月2日。

昨日の事を思い出すと頭が痛くなる。

早く忘れたかったのだが、全壊したポケモンセンターを見ると、嫌でも昨日の事を思い出してしまう。

まさかあんなカメハメ波擬きでロケット団が吹っ飛ばされるなんて、誰も思いもよらないだろう。

何なのよ『マサラ波』って‼

兄曰く、「何かやれる気がしたからやってみたら出来た」とか抜かすし、もう絶対人間じゃないよ。

もう充分、目指さなくてもスーパーマサラ人だよ。

頭と胃が痛くなってくる。

カスミの同情する視線がせめてもの情けか。

そんな私たちが今いるのは、トキワの森。

ポケモンを助ける為? とはいえ、ポケモンセンターを破壊してしまったことに後ろめたさを感じた私とカスミは、お兄ちゃん達を引き摺って早々にトキワシティを出たのだ。

そして今、何をしているのかと言えば・・・・

 

 

サトシ「いくぜキャタピイイィィィィィィィィィィッ‼」

 

 

出くわしたキャタピーをゲットしようと、兄がモンスターボールをブン投げてた。

 

 

 

兄の一言

「やり過ぎたとは思ってる。だが、後悔はしていない」

 

妹の一言

「ちょっとは後悔して・・・・」

 

 

.




次回予告

キャタピー! ピジョン! スピアー!
トキワの森はまだまだポケモンがいっぱい‼
みんな纏めてゲットしてやるぜ!
とか何とか言ってるうちに、またロケット団が襲ってきた!
よーし、また俺の新必殺技『マサラ波』でぶっ飛ばしてやるぞ‼
え? 何だミドリ?
ポケモンで戦えって?
よし、じゃあピカチュウ達にマサラ波を教えっか‼
え? 止めてって? 何で?

次回! ポケットモンスター!
ポケモン、ゲットだぜ‼

来週もサービスサービス!
え? 違う?


.


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オリキャラ紹介:ミドリ

NAME:ミドリ

CLASS:ポケモントレーナー

CV:平野綾

属性:秩序・善

性別:女

容姿:ポケモンFRLGの女主人公リーフに似てるっていうか、そのもの。

腰まで伸びた茶色の髪に、白い帽子、水色のノースリーブの服と、赤いミニスカート。

もしくは、ノースリーブで両脇に浅くスリットが入った黒いミニのワンピースを着ており、首元を覆う襟にはV字の切れ込みがある。

そして原作ではルーズソックスだったが、サトシの渾身の説得でニーソックスに変更してもらった。もしくはハイソックスや黒タイツ、ルーズは認めないとのこと。

妹相手に何を力説しているのだろうか。

性格:ツッコミ・仲間思い

年齢:転生時:15歳(原作開始時:10歳)

身長:150㎝前後

体重:不明

所属/役職:マサラタウン/ポケモントレーナー

主な経歴

なし

 

備考

ひょんなことからアッサリ死んで、神様転生というものをさせられてしまった女の子。

本名は、安藤 縁。

神様転生でサトシの妹に転生することを願い、その願いは叶ったのだが、そのサトシもまた別の転生者が憑依転生しており、そのことを知って少し落ち込んだ。

だが、いつまでも気にしてもいられず、このポケモン世界を満喫することにした。

 

マサラ人(笑)なためか、超人的な運動神経の持ち主で、特に跳躍力は並外れている。

体もとても丈夫であり、約7kgあるフシギダネを常に体に乗せていても平然としていたり、かなり高い所から落ちたりポケモンの攻撃を直に受けても無傷であることが多い。

また、泳ぎも巧みで素潜りもできる。

さすがはサトシの妹! スーパーマサラ人!

兄であるサトシ同様、かなりの巻き込まれ体質で、行く先々で様々な事件に巻き込まれる。

 

 

ステータス

???

 

 

神様転生の特典

『サトシの妹に転生』

そのままの意味。サトシの妹に転生する特典。しかし、実際転生してみたらサトシの中身が別の転生者だったというのは理不尽だろうな。

 

『ポケモンに懐かれやすい能力』

そのままの意味。ポケモンの性格を問わず、懐かれやすい体質になる能力。

 

『ポケモンをゲットしやすくなる能力』

そのままの意味。ポケモンを捕獲しやすくなる能力。

 

『常盤の力』

ポケモンの声を聴いたり、ポケモンを癒したり出来る能力。

 

 

保有スキル

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:フシギダネ メス LV.9

タイプ:草・毒

特性:深緑

技:体当たり・寄生木の種・蔓の鞭・葉っぱカッター

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

 

.



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第3話 ポケモン、ゲットだぜ!

前回のお話

昼間も暗い、トキワの森。
虫ポケモン、キャタピーに挑むサトシ。
はたして、ゲットできるのか!?


サトシ「行くぜぇっ・・キャタピィィィィィィイイイイイイッ‼」


ブン‼⇐ボールを投げる音

カチャンッ‼⇐ボールが当たる音

キュゥウインッ‼⇐キャタピーがボールに吸い込まれる音

クォンクォンクォン・・・⇐ボールが揺れ動く音

ブゥン・・・⇐ゲット・・・完了


サトシ「・・・・・・・・・・フ・・・フフフ・・・フフフフ」

ミドリ「お、お兄ちゃん?」

サトシ「キャタピー・・取ったどおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼」


やりましたサトシ君!
凄いぜサトシ君‼
ゲットしたポケモンは小さいけれど!
このゲットはポケモンマスターへの第一歩‼


サトシ「ヒィィィィィィハァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」

カスミ「五月蠅ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ‼」


朝っぱらからテンションがウザすぎる兄だと、妹は嘆息した。



.


 

 

おはようございます。

サトシです。

否!

SA☆TO☆SHIでっす‼

やったぜやったぜやってやったぜ‼

念願の俺の初ゲットポケモン!

キャタピーをゲットだぜぃ‼

思わずカスミとレッツダンシィングしてしまうほどに、俺のテンションはMAXHEARTだぜ‼

え? カスミは虫ポケモンが嫌いだって?

知・る・か・よ‼

 

 

サトシ「俺のこの天国に上るような気持ちがお前には理解出来んのか!?」

 

カスミ「アンタが天国でも私は地獄・・・!」

 

 

俺のこの気持ちを察せないヘソだしフトモモガールに気を使ってやる必要はねぇっ!

そーいうのは、無視っ‼(笑)

 

 

サトシ「ピカチュウ! ミドリ! 仲間が増えたぜ‼」

 

ピカチュウ「(クンクン・・・)ピッカァッ!」

 

ミドリ「う、うん、良かったね・・・」

 

 

なんかミドリが退いてるが、まぁ些細な事だ!

 

 

サトシ「キャタピーも一緒に歩こうぜ!」

 

カスミ「えっ!?」

 

サトシ「キャタピー出ろぉぉぉぉぉおおおおおおっ‼」

 

 

カスミがダッシュで遠ざかる。

失礼な奴だ。

 

 

サトシ「キャタピー、俺の方に乗れよ」

 

 

頷いて、キャタピーは地に手を伸ばした俺の腕を伝ってモソモソと肩へ歩こうとするが・・・

 

 

キャタピー「キャッタアアァァァァアァァァァァァァッ‼」

 

 

キャタピーが雄叫びを上げて、その図体と歩き方からは想像もつかない猛スピードで俺の後方・・・カスミの元へ突っ走って行った。

そして・・・カスミの足をスリスリし始めた。

今度はカスミが叫んだ。

そうか、そんなに嬉しいかwww

 

 

サトシ「良かったなカスミ、気に入られたみt―――ブッフゥッ‼www」

 

カスミ「笑ってんじゃないわよ!早くコイツをモンスターボールに戻しなさいよぉ‼」

 

サトシ「我儘だなぁ」

 

ミドリ「そこまで邪険にしなくても・・・」

 

カスミ「何よ! 人参! ピーマン! 虫! 人間誰にも好き嫌いがあって当たり前でしょ‼」

 

サトシ「お前の好みなんぞ知るかー」

 

 

俺のポケモンなんだから出すもしまうも俺が決める。

 

 

サトシ「よーし、とっとと先行くぞ」

 

 

キャタピーを肩に乗せて、トキワの森の奥へと進む。

目指すはニビシティだ!

 

 

◆◆◆

 

 

4月3日。

一晩開けてのトキワの森。

まさか朝からトキワシティを出といて野宿することになるとは・・・意外と広いなトキワの森。

一緒に寝てたキャタピーに絶叫してカスミが喚いたりしやがって、キャタピーがモンスターボールに戻っちまった。

全く、なんて女だ。

なんてカスミの性格に呆れていると、バッサバッサと何か羽ばたく音が・・・!

 

 

ミドリ「あ、ピジョンだ」

 

サトシ「あのピジョン何か食ってるな」

 

ミドリ「虫じゃない? 何かミミズっぽいの食べてるみたいだけど・・・」

 

サトシ「普通の虫っていたのか・・・?」

 

ミドリ「うーん・・・・」

 

 

実はミミズポケモン・・・・なんてことは流石に無いな。

 

 

サトシ「うっし、ゲットすっか!」

 

 

原作でもゲットするシーンだったはずだし!

 

 

カスミ「言っとくけど、キャタピーみたいにいきなりモンスターボールを投げたってゲット出来ないわよ」

 

サトシ「そんくらい分かってるよ」

 

ミドリ「じゃあピカチュウでバトルするのね?」

 

サトシ「おいおいお前ら、俺を誰だと思ってやがる?」

 

 

カスミはキョトンとし、ミドリは俺が何をするのか察してようで顔が引き攣った。

俺はあの構えを取って、気を手に集中させる。

 

 

サトシ「マァァァァァサァァァァァラァァァァァ・・・・・」

 

ミドリ「ストップ! 無し! それは無し‼」

 

サトシ「えー、何でー?」

 

ミドリ「何でじゃないでしょ! これ以上世界観崩壊させてどうするの!?」

 

サトシ「今更じゃん、今更タウンじゃん、今更人じゃん、俺?」

 

ミドリ「マサラ人関係ないでしょ!? てゆーか、マサラの人達に変な印象与えるからホント止めて! 普通にポケモンバトルで捕まえたらいいでしょ‼」

 

 

しょうがねぇなぁ・・・・。

 

 

サトシ「ポケモンバトルでゲットするか」

 

カスミ「最初っからそうしなさいよ・・・・」

 

サトシ「よし、行くぜ!」

 

 

俺は腰のベルトにセットしてあるモンスターボールを手に取って、

 

 

サトシ「キャタピー、君に決めた‼」

 

ミドリ&カスミ「「ええぇっ!?」」

 

ピカチュウ「ピィカァッ!?」

 

 

ピジョンの目の前に、キャタピーを召喚する!

 

 

サトシ「行くぜぇっ‼」

 

カスミ「馬鹿ね! アンタ自分が何やったか分かってんの!?」

 

ミドリ「お兄ちゃん! 相手は鳥ポケモンだよ!?」

 

サトシ「知ってるよ、そこまで無知じゃねぇよ舐め過ぎだろお前ら」

 

カスミ「じゃあ何でキャタピーなんて出すのよ! キャタピーでピジョンを相手にしたらどうなると思ってんの!?」

 

サトシ「ボコボコにしてやるぜ‼」

 

カスミ「キャタピーがボコボコにされるわぁっ‼」

 

サトシ「バトルはレベルや相性じゃねぇ! 度胸だぁっ‼」

 

ミドリ「度胸あるのお兄ちゃんだけだから! キャタピーとピジョンのレベル差を考えて!?」

 

 

アニメはどうだか知らないが、ゲームだとキャタピーのレベルは1~6。

ピジョンはレベル18~35だ。

ピカチュウ版だとレベル8だったか、そんな感じのピジョンがトキワの森で出たりしたが、コレはどうなんだろうな?

まぁ、普通通りだとして。

キャタピーが最大レベルでも6で、ピジョンが最低レベルでも18。

その差、実に12レベル。

 

 

サトシ「・・・・・・・・・・行ける行ける!」

 

ミドリ&カスミ「「無理だっての‼」」

 

 

否!

ポケモンマスター、そしてスーパーマサラ人を目指すなら、このくらいの事はやってのけなければならない‼

 

 

サトシ「行くぜキャタピー‼」

 

キャタピー「クァッ‼」

 

 

キャタピーもやる気充分。

フッ、流石俺のポケモンだぜ!

虫ポケモン(餌)が自らやって来たとでも思ったのか、ピジョンは嬉々としてキャタピーに襲い掛かる。

 

 

サトシ「キャタピー、糸を吐く‼」

 

 

キャタピーの吐いた糸が、ピジョンの身体にグルグルと巻きついて、その翼が身体ごと糸に包まれる。

アニメの糸を吐くってチートくさいよなwww。

身動きが取れない今がチャンス!

 

 

サトシ「キャタピー、体当たりだ‼」

 

 

ガッ‼と、キャタピーがピジョンにぶつかり、ピジョンは吹っ飛ぶ。

 

 

サトシ「今だ! モンスターボール‼」

 

 

ブン‼⇐ボールを投げる音

 

カチャンッ‼⇐ボールが当たる音

 

キュゥウインッ‼⇐ピジョンがボールに吸い込まれる音

 

クォンクォンクォン・・・⇐ボールが揺れ動く音

 

ブゥン・・・⇐ゲット・・・完了

 

 

サトシ「よっしゃあぁぁぁ! ピジョンゲットだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」

 

 

ついに2匹目ゲット‼

テンションが連日MAXだが、コレで終わりではなく・・・。

キャタピーの身体が突然発光しだした!

 

 

ミドリ「え!? 嘘、コレって・・・・」

 

カスミ「進化の光よ!」

 

 

・・・・マジで?

光が収まると、そこには進化したトランセルの姿が・・・・!

 

 

カスミ「キャタピーがトランセルに進化した!」

 

 

驚くカスミを置いて、ミドリは俺の傍に寄って来てカスミには聞こえないように喋る。

 

 

ミドリ「ねぇ、早すぎない? 確かキャタピーが進化するのってロケット団倒してからだよね?」

 

サトシ「ああ。ピジョンを倒したからかもな」

 

ミドリ「どうするの? 原作無視しちゃったけど・・・」

 

サトシ「別にいいだろ、進化が少し早まったくらい」

 

ミドリ「そりゃそうかもだけど・・・・」

 

 

なんてことをヒソヒソと話していると、

 

 

「ほーほっほっほっ!」

 

「またお会いしましたね」

 

サトシ「この声は・・・!」

 

 

噂をすれば、聞き覚えのある声が聴こえてきた。

 

 

「世界の破壊を防ぐため」

 

「世界の平和を守るため」

 

「愛と真実の悪を貫く」

 

「ラブリーチャーミーな敵役」

 

「ムs――――」

 

 

サトシ「―――もうお前らに用はねぇっ‼」

 

 

マサラ波ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼

 

 

――――――ドオォッ‼

 

 

「「「やな感じぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」」」

 

 

台詞を言い終わるどころか、姿すらまともに見せないまま、悪の三人組は空の彼方へと飛んでいった。

 

 

ミドリ「うわー、何か可哀想・・・」

 

サトシ「キャタピーが進化した以上、アイツらの登場に意味はねぇ」

 

ミドリ「酷い・・・」

 

 

 

仲間も増えて、サトシ、只今絶好調!

しかし、トキワの森は、まだまだずぅーっと奥が深いのだ。

また続く。

 

 

兄の一言

「マサラ波の次はどんな技にすっかなぁ」

 

妹の一言

「お願いだからポケモンで戦って・・・」

 

 

 

.




次回予告

ありゃぁ・・・噂には聞いてたけど、トキワの森って結構広い!
出口はいったいどっちだぁ?
え? あそこに鎧を着た変な奴?
いったいいつの時代の人間だ?
まぁいいや、ちょっと道を聞いてみよー・・と思ってたら、いきなりポケモン勝負を挑んできた。
何? 流派飛天御剣流?
望むところだ!
俺は誰の挑戦も受けてやるぜ!
俺の流派マサラ不敗でなぁっ‼
え? 何だよミドリ?
そんな流派言ってない?
ちゃんとポケモンで勝負しろって・・・?
馬鹿野郎! 漢の戦いは自ら土台に上がってこそだろうがっ‼


次回! ポケットモンスター!
侍少年の挑戦!

皆も俺と一緒に、ポケモンファイトォッ!
レディィィィ・・・ゴオォォォォォォォオオオオオオオオッ‼


.


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レギュラーキャラ設定

NAME:カスミ

CLASS:ポケモントレーナー

CV:飯塚雅弓

性別:女

年齢:12歳

生息地:ハナダシティ

所属/役職:ハナダシティ/ポケモントレーナー

主な経歴

なし

 

備考

自称、世界の美少女、恋するプリティ人魚のカスミ様。

ハナダジムの四女として生まれた、自称将来有望のトレーナー。

ジム業を放棄し金と道楽に夢中の姉に代わって最強のジムリーダーになるべく、ポケモン修行の旅に出た。

旅の途中でサトシに自転車をぶっ壊されちゃったことがキッカケで、いっしょに旅をすることにした。

ヘソだしとフトモモが眩しい格好をしていて、初代ヒロインという事もあってか、未だに根強いファンが多い。

日本よりも海外の方が人気のあるキャラクター。

しかしあのヘソとフトモモはエロいと思う。

12歳児のせいか色気が残念な気もするが、たぶんアニメ化したのが今頃だったのなら、胸のボリュームはもうちょっと盛られていただろう。

この辺は時代である。

そして後に手持ちに加えるトゲピーを抱える姿がデフォルトになるため、ヘソ部分が隠れてしまう。

これには全米が泣いた。

 

 

保有スキル

『おてんば:A+』

勝手・我儘・自己中と、我が強すぎる上に人の話を聴きやしない。

 

『水泳:A+』

家が水族館やら水中ショーとかやっているせいか、泳ぐのは上手い。

水中でなら無類の強さを発揮する、スーパーハナダ人である。

 

 

手持ちポケモン

 

1:ヒトデマン LV.16

タイプ:水

特性:発光

技:体当たり・水鉄砲・高速スピン・自己再生・サイコウェーブ・スピードスター

 

2:スターミー LV.18

タイプ:水・エスパー

特性:自然回復

技:体当たり・水鉄砲・高速スピン・自己再生・サイコウェーブ・スピードスター・バブル光線

 

3:トサキント メス LV.13

タイプ:水

特性:スイスイ

技:つつく・水遊び・超音波・角で突く・ジタバタ

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:タケシ

CLASS:ポケモントレーナー

CV:うえだゆうじ

性別:漢

年齢:15歳

生息地:ニビシティ・お姉さんがいる所

所属/役職:ニビシティ/ジムリーダー

主な経歴

ニビシティジムリーダー

 

備考

ニビシティのジムリーダーだったけど、世界一のブリーダーになるためにサトシの旅に付き合うことになった。

どうすれば世界一のブリーダーになれるのかはナゾだ。

途中、全てを投げ出して南国ライフに生きようとしたけど結局戻ってくる。

その後またずっと旅をしてたんだけど家族問題に決着をつけるため一度家に帰宅した。

そもその後もまた旅に出る。

よっぽどお姉さんとの出会いに飢えているのだ。

調理道具や傷薬、テントは全てタケシが持っている。

タケシ無しでは生きられないトレーナーは増加中だ。

オカンかコイツは。

 

保有スキル

『お母さん?:A+』

お兄さんやお父さんを通り越して、もはやお母さんとも言うべき家事能力や面倒見の良さ、そしてオカン級の寛容さを持っている。

 

『美女んアイ:A+』

間違っても『予見眼‐ヴィジョンアイ‐』ではない。

お姉さんを識別し、判別する超眼。

美人の存在を、その目は見逃さない。

 

 

手持ちポケモン

 

1:イシツブテ オス LV.10

タイプ:岩・地面

特性:頑丈

技:体当たり・丸くなる・転がる

 

2:イワーク オス LV.15

タイプ:岩・地面

特性:石頭

技:体当たり・締め付ける・岩落とし

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:ムサシ

CLASS:ロケット団

CV:林原めぐみ

性別:女

年齢:20代

所属/役職:ロケット団/エリート⇒平団員

生息地:いろんな場所

主な経歴

???

 

備考

姓はミヤモトらしい。

ムサシはおそらく4歳のときに、ロケット団の母から親戚に預けられ、親戚中をたらい回しにされた後、暴走族に入ったり看護学校に入ったりしたけど最後は母と同じロケット団に入ったらしい。

色々と複雑な経歴やら過去があり、その過去は謎が多い。

つーか、多すぎ。

 

 

保有スキル

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:アーボ オス LV.10

タイプ:毒

特性:威嚇

技:巻き付く・睨みつける・毒針・噛みつく

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:コジロウ

CLASS:ロケット団

CV:三木眞一郎

性別:男

年齢:20代

生息地:いろんな場所

所属/役職:ロケット団/エリート⇒平団員

主な経歴

???

 

備考

姓はササキらしい。

コジロウはどこかの名誉ある一族の跡取り息子だったけど、自由を求めて家をとび出しロケット団に入団した。

モダンバレエやバイオリン等、かなりおけいこ事をやらされていたそうな。

そんなコジロウは王冠集めが趣味で、得意の女装はタケシでも見破れない。

 

 

保有スキル

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:ドガース オス LV.10

タイプ:毒

特性:浮遊

技:毒ガス・体当たり・スモッグ・煙幕

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:ニャース

CLASS:ロケット団

CV:犬山イヌ子

性別:オス

年齢:???

生息地:いろんな場所

所属/役職:ロケット団/平ポケモン

主な経歴

???

 

備考

恋をしたメスのニャースにふられたことで、全てを恨みロケット団に入団した。

 

 

ステータス

LV.14

タイプ:ノーマル

特性:物拾い

技:引っ掻く・鳴き声・噛みつく・猫騙し・乱れ引っ掻き

 

 

保有スキル

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

NAME:オーキド博士

CLASS:ポケモン博士

CV:石塚運昇

性別:男

年齢:たぶん60歳くらい

生息地:マサラタウン

所属/役職:マサラタウン/オーキド研究所/所長

主な経歴

色々

 

備考

フルネームはオーキドユキナリ。

ポケモン研究の第一人者で川柳が大好きな事でも有名で、番組のナレーションもしている。

マサラタウンを旅立ったトレーナーは博士をボックス代わりに使うことができる。

トレーナーから送りつけられたポケモンの世話をしないといけないから、苦労が多い。

あのピカチュウは捕まえられそうになってケガをしているところを博士が助けたらしい。

食事は主にインスタント。

フラスコやビーカーを食器代わりに使い、アルコールランプで火を起こす。

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

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手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:ハナコ

CLASS:ママ

CV:富島まさみ

性別:女

年齢:29歳

生息地:マサラタウン

所属/役職:マサラタウン/サトシとミドリのママ

主な経歴

なし

 

備考

ハナコはサトシのママ。

マサラタウンにやってきたトレーナーと恋に落ちて電撃結婚。

トレーナーはその後また旅に出て行方不明にらしい。

料理上手でガーデニングが好き。

子持ちとは思えない位にスタイルが良い。

結構人使いが荒い。

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

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???

 

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手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

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5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:シゲル

CLASS:ポケモントレーナー

CV:小林優子

性別:男

年齢:10歳

生息地:マサラタウン

所属/役職:マサラタウン/ポケモントレーナー

主な経歴

なし

 

備考

フルネームはオーキドシゲル。

つねにサトシの先を行く優等生だったけど、まさかの大番狂わせでライバルから転落。

その後修行を積み直し、再びライバルの座へ返り咲いた。

トレーナーとしての旅を終えた後は研究者になった。

一番早くオーキド研究所へ来て、ゼニガメを持っていったトレーナーがシゲルだと判明するのに約6年かかった。

シゲルギャルズは一族が雇っているらしい。

サカキ戦でウインディを使ってるのに2番目のOPではガーディとセットだった。

 

 

保有スキル

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『???:???』

 

『???:???』

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『???:???』

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『???:???』

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『???:???』

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手持ちポケモン

 

1:ゼニガメ オス LV.13

タイプ:水

特性:激流

技:体当たり・水鉄砲・殻に篭る・泡

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:ジョーイ

CLASS:医者

CV:白石文子

性別:女

年齢:20歳代

生息地:ポケモンセンター

所属/役職:ポケモンセンター/女医

主な経歴

ポケモン看護学校卒業

 

備考

ジョーイさんはポケモンセンターとセットで、ポケモンとトレーナーの世話をし続けるポケモンの専門医。

ジョーイがいないだけでポケモンの回復ができなくなるから気をつけないといけない。

センターの門限は午後11時までで、夜中は夜勤のラッキーが管理している。

リーグ出場を目指す者に、公式ジムの検定員、心理学研究者、学校の先生、化石発掘調査隊の隊長、コンテストの審査員、ミュウツーの世話係、果ては自転車の修理までマルチ活躍している。

女医というよりは超人の類だと思う。

ジョーイは完全母子確定遺伝で、必ず女の子が生まれ、必ずジョーイの見た目になると言う。

ナニソレ超怖イ。

トキワのジョーイは、ニビシティのジョーイの妹らしい。

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

『???:???』

???

 

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『???:???』

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手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:ジュンサー

CLASS:警察

CV:西村ちなみ

性別:女

年齢:20歳代

生息地:世界各街

所属/役職:派出所/巡査

主な経歴

警察学校卒業。

 

備考

ジュンサーさんは交番とセットで街の平和を守る婦警さん。

交通整備から救援活動、犯罪捜査まで警察がやりそうな仕事は何でもこなす。

でも平和を乱し続けるタケシはなぜか逮捕しない。

サトシを泥棒と間違えて捕まえたこともある。

出世したのか、他の警察官に指示を出すジュンサーさんもいる。

ポケモンリーグでは各地のジュンサーさんが集結、一画面に同じ顔がたくさん出た。

ジュンサーもジョーイと同じく完全母子確定遺伝で、必ず女の子が生まれ、必ずジュンサーの見た目になると言う。

お前ら本当に人間か?

ジョーイとジュンサーという種族じゃなかろうか?

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

『???:???』

???

 

『???:???』

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『???:???』

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『???:???』

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手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

NAME:???

CLASS:???

CV:???

性別:???

年齢:???歳

生息地:???

所属/役職:???/???

主な経歴

なし

 

備考

 

 

 

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

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『???:???』

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手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

ボックス

???

 

 

 

 

 

 

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ゲストキャラ設定

NAME:サムライ

CLASS:虫捕り少年

CV:ゆきじ

性別:男

年齢:10歳

生息地:トキワの森

所属/役職:トキワシティ?/ポケモントレーナー

主な経歴

なし

 

登場話:第4話 侍少年の挑戦

 

備考

トキワの森で修行をしていたポケモントレーナー。

いきなり刀で人に斬りかかって来る危ない奴。

こんなんでポケモントレーナーとか言われても誰も信じない。

名前も格好も侍だしな。

因みに、4人のマサラタウンのトレーナーに負けている。

トランセルがバタフリーに進化して使いこなせたら、サトシにまた戦いを申し込むようだが、そんな日が来るかどうかは誰も知らない。

 

 

保有スキル

『不意打ち:A』

それは見事な不意打ちだったさ。

 

 

手持ちポケモン

 

1:カイロス ♂ Lv.10

タイプ:虫

特性:怪力鋏

技:挟む・気合溜め・締め付ける・地球投げ

 

2:トランセル ♂ Lv.8

タイプ:虫

特性:脱皮

技:体当たり・糸を吐く・硬くなる

 

◆◆◆

 

NAME:ムノウ

CLASS:石屋

CV:土師孝也

性別:男

年齢:約40歳

生息地:ニビシティ

所属/役職:ニビシティ/石屋⇒ジムリーダー

主な経歴

ニビシティジムリーダー

 

登場話:第5話 ニビジムの戦い

 

備考

タケシの父親で10人の子の父親。ニビジムの元ジムリーダー。

ポケモンマスターを目指し旅に出るが、夢をかなえることが出来ずニビシティに戻り、家にも帰る事が出来ず石を売って生活していた。

タケシに敗北したサトシを見てかつての駄目な自分を思い出し、見て見ぬふりは出来なかったのでサトシの特訓に協力した。

サトシのジム戦後にタケシが一緒に旅に出ると聞き、子供たちのために家に戻ることになった。

ポケモンバトルの実力は高いが、家庭では妻・ミズホの尻に敷かれ、少し頼りない所があるのでタケシの悩みの種である。

DP特別編ではニビジムリーダーをジロウにする為の変更届の用紙を紛失した上、そのまま放置するといういい加減な面も見られた。

 

 

手持ちポケモン

 

1:ゴローニャ ♂ Lv.???

タイプ:岩・地面

特性:???

技:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

◆◆◆

 

NAME:リカオ

CLASS:研究員

CV:岩永哲哉

性別:男

年齢:約30歳

生息地:ニビシティ⇒オツキミ山

所属/役職:ニビシティ科学博物館/研究員

主な経歴

ニビシティ科学博物館に入社

 

登場話:第6話 ピッピと月の石

 

備考

ポケモン大好きにして宇宙大好き研究員。

自称『愛と勇気の研究員』。

意味不明だ。

ポケモンが好きすぎて、遂にはオツキミ山に住み着く事となった!

よく叫んだり抱き着いたり手を握ったりして来る。

暑苦しい。

30歳前後位だと思われ、かなり夢見がちな性格をしている。

流石は研究員。変態だ。

嫁さんなんていないんだろうな。

きっとピッピが嫁さんになるに違いない。

つか、科学博物館の方は大丈夫なんだろうか?

科学博物館から出勤するのか?

流石に辞めるなんて事は無いと思うが・・・・・・。

どうでもいいが、作者は初見での視聴で声優は保志総一郎っぽいなとか思ったけどそんなこと無かったぜ。

 

 

保有スキル

『浪漫:EX』

独特なロマンチックという発音をする。

ちょっとイラッとくる。

 

『熱血:A』

熱い、とにかく暑苦しい。

 

◆◆◆

 

 

NAME:???

CLASS:???

CV:???

性別:???

年齢:???歳

生息地:???

所属/役職:???/???

主な経歴

なし

 

登場話:

 

備考

 

 

 

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

◆◆◆

 

 

NAME:???

CLASS:???

CV:???

性別:???

年齢:???歳

生息地:???

所属/役職:???/???

主な経歴

なし

 

登場話:

 

備考

 

 

 

 

 

保有スキル

『???:???』

 

『???:???』

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

『???:???』

???

 

 

手持ちポケモン

 

1:???

 

2:???

 

3:???

 

4:???

 

5:???

 

6:???

 

 

 

 

 

 

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第4話 侍少年の挑戦!

前回のお話


サトシ「ポケモントレーナーを目指して、旅立てるのだ! そうさ、俺は全世界のポケモンに宣言する。最高のポケモントレーナー・・・いや、ポケモンマスター! いやいや、スーパーマサラ人‼ そうとも、それは俺だッ‼‼」


思い込みはそれなりのサトシ君。
ポケモン、ピカチュウを連れて、マサラタウンを旅立ったまではよかったが・・・


サトシ「来いやぁっ! オニスズメええぇぇぇぇぇぇぇっ‼」

「クエエェェェェェェッ‼」

サトシ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ‼」

―――――――ズガガガガガガガガガァッ‼


ピカチュウ「ピッカチュウゥゥゥッ‼」

―――――――ビリビリビリィッ‼

カスミ「ギャアアアァァァァッ‼ アタシの自転車があああぁぁぁぁぁぁっ!?」


新たな仲間との出会い。


サトシ「飯ぃぃぃぃぃぃっ‼」

ピカチュウ「ピッカアァァァァァァッ‼」

フシギダネ「ダネダネェッ‼」


トキワシティのポケモンセンターで夕飯を食べるのだが、一難去ってまだまだ災難。


ムサシ「このポケモンセンターにあるポケモンは全ていただく!」

アーボ「シャアアァァァァボッ‼」

ドガース「ドガアアァァァァァス・・・」

コジロウ「そのポケモンも、我らがいただいていくぞ!」

ミドリ「お兄ちゃん! ロケット団が来たよ‼ 戦わないと―――――――」

サトシ「ごめん、ちょっと待ってくれ。焼き魚の骨が上手く取れない」

ミドリ「―――そんなことやってる場合じゃないよねぇっ!?」

カスミ「ちょっと、そんなことしてる場合!?」

サトシ「そんな事とは何だ!? 骨が喉に詰まったら危ないだろうがっ‼」

カスミ「そんなの後でいいでしょ‼」

サトシ「後だと遅すぎる! 一体いつやるんだ!? 今でしょ‼」

カスミ「うぜえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼」


ポケモンを狙う、ロケット団の攻撃。


サトシ「飯の敵じゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

ピカチュウ「ピカピカアアァァァァァァァァァァァッ‼」

フシギダネ「ダネフシイイィィィィィィィィィィッ‼」


を、何とかかんとか切り抜けて、辿り着いたのがトキワの森。


サトシ「行くぜぇっ・・キャタピィィィィィィイイイイイイッ‼」


まずはキャタピーを、


サトシ「キャタピー・・取ったどおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼」


そして、ピジョン。


サトシ「よっしゃあぁぁぁ! ピジョンゲットだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」


でもって、でもって、でもって・・・・


ミドリ「え!? 嘘、コレって・・・・」

カスミ「進化の光よ!」


キャタピーは、トランセルに進化した。



.


 

 

カスミ「きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ミドリ「ど、どうしたのカスミ!?」

 

カスミ「むし! 虫! 蟲! 無視‼」

 

サトシ「牛!」

 

ミドリ「ズコー」

 

 

こんにちは、妹のミドリです。

私とお兄ちゃんがマサラタウンを旅立って、もう7日目。

お兄ちゃんのくだらないダジャレでズッコケつつ、私たちはまだトキワの森をさ迷っています。

お兄ちゃんのスーパーマサラ人っぷりも時が経つにつれ酷くなり、いったいこの兄は何処に向かおうとしているのか、妹の私は凄く心配です。

 

 

サトシ「お、ビードルだ!」

 

 

ノソノソと茂みの奥から現れたビードル。

あ、なんか嫌な予感が・・・・

 

 

カスミ「私が虫嫌いなの知ってるでしょ! 早く追っ払ってよぉ‼」

 

サトシ「おいおい、俺は世界一のスーパーマサラ人ポケモンマスターを目指してんだ。折角見つけたポケモンを見逃したり出来るもんか、当然ゲットだぜぃ!」

 

 

スーパーマサラ人ポケモンマスターってなんだろ、人種なのか、職業なのか、称号なんだろうか、それとも馬鹿の名称なんだろうか?

 

 

サトシ「ゲットするにはまずは弱らせる!」

 

 

言ってお兄ちゃんは「ハアァァァァァァ・・・」と何やら気を練り始め、

 

 

ミドリ「だからお兄ちゃんマサラ波とか使うの禁止!?」

 

 

いったい何度世界観を崩壊させれば気が済むのだこの馬鹿兄は‼

私が憤慨していると、兄はチッチッチッと「分かってるさ」と呆れた顔をする。

イラッとくる。

 

 

サトシ「ミドリがマサラ波使うなって五月蠅いからな、使わないよ」

 

ミドリ「・・・・・まぁ、使わないならいいけど」

 

 

軽くイラッとくる物言いだったが、ここは我慢だ。

この幼稚な馬鹿兄を相手に一々腹を立てていたら身が持たない。

ここは私が大人の態度で接しなければ!

兄は練り上げた闘気を右手に集中、その気が渦巻き、乱回転を起こして・・・て、おい。

 

 

サトシ「行くぜビードル! 俺のマサラ丸をくらえってばよ‼」

 

ミドリ「マサラ波じゃなかったら何やっても良いって訳じゃないからね!?」

 

 

やっぱり駄目だ、この駄兄相手に我慢とか私には荷が重すぎる‼

 

 

「お主、マサラタウンから来たポケモントレーナーか?」

 

サトシ「あん?」

 

 

ビードル相手に、マサラ丸という名の螺旋丸擬きを撃とうとしているお兄ちゃんの後ろから、何やら鎧を着たおかしな人がやって来た。

あ、この人って確か・・・・

 

 

サトシ「そうだけど、今忙しいんだ、後にしろ」

 

 

けどお兄ちゃんはビードルに集中していて、鎧の人に見向きもしない。

鎧の人の眼光が怪しく光る。

 

 

「見つけたぞ・・・・」

 

 

鎧の人何やら呟くと、腰に差してある刀を抜刀して、て・・・!?

 

 

ミドリ「おn――――」

 

 

お兄ちゃん後ろ!と叫ぼうとするが、鎧の人の方が速い!

鎧の人は抜刀した刀をお兄ちゃんの脳天目掛けて振り下ろす!

 

 

サトシ「殺気‼」

 

 

しかし、お兄ちゃんは身を捻って飛び去り、斬撃を回避した。

お兄ちゃんのマサラ人っぷりが無駄な所で役に立ったようだ。

てゆーか、何で急に人間バトル!?

 

 

サトシ「ああ? んだよお前、金は持ってねぇぞ俺」

 

「拙者は強盗ではござらん!」

 

カスミ「だったら何なのよ!?」

 

 

どう見ても辻斬りの類だ。

 

 

「拙者は侍。この森でポケモントレーナーの修行をしている。拙者とポケモン勝負をするでござる!」

 

カスミ「・・・・刀振り回しといてポケモントレーナーの修行してんの?」

 

 

カスミの言葉も尤もだが、侍はこちらの事は眼中にないようで、「いざ尋常に勝負!」とモンスターボールを取り出した。

いきなり人を後ろから斬りかかっておいて尋常とはどの口が言ってるのだろうか?

 

 

サトシ「あ、ビードル!?」

 

 

そう言えばビードルをゲットしようとしていたことを思い出し兄は視線を変えるが、そこには既にビードルはいなかった。

どうやら逃げてしまったようだ。

 

 

サトシ「おいテメェ、せっかくゲットしようとしてたのに逃げられちまったじゃねぇか!」

 

侍「拙者のせいではござらん。お主の腕が未熟だっただけでござる」

 

 

だから人を後ろから斬りかかって来たアンタが言うな。

 

 

サトシ「言ってくれんじゃねぇか・・・・」

 

 

あ、お兄ちゃんがキレかかってる。

 

 

サトシ「そのポケモン勝負、受けてやるよぉ‼」

 

侍「望むところでござる‼」

 

 

大丈夫かなぁ・・・またマサラ技をぶっ放したりしないだろうか?

キレた拍子にやりかねん。

 

 

◆◆◆

 

 

そしてお兄ちゃんと侍少年の戦いが始まった。

お兄ちゃんの最初のポケモンはピジョン。

侍少年はカイロス。

確か原作だとお兄ちゃんのピジョンが負けたはずなんだけど、どうやら無駄にスーパーマサラ人っぷりを発揮して、カイロスを倒してしまう。

侍少年はトランセルを出してきた。

お兄ちゃんもピジョンを戻して、トランセルを出した。

いやいやいや、これって確か・・・・・・・・

 

 

侍「トランセル、硬くなるでござる!」

 

サトシ「こっちもだ硬くなれ!」

 

 

やっぱりか!

これ硬くなる合戦じゃん!

決着つかないじゃん‼

何やってるのお兄ちゃん!?

硬くなる、硬くなる、硬くなる、硬くなる・・・・いったいいつまでやるんだろ?

二人のトランセルはひたすらに硬くなり、硬質化していく。

硬くなりすぎて妙に肌が煌めいている。

一体トランセルは何になろうとしてるんだろ?

 

 

サトシ「まだまだぁっ‼」

 

侍「まだまだまだでござる‼」

 

 

無駄に熱くなる二人だが、当然ながら何も変わらない。

だって硬くなっていってるだけだし。

 

 

カスミ「男の子って強情なんだから、いい加減にしなさいよ・・・」

 

 

流石のカスミも呆れている。

 

 

ミドリ「お兄ちゃん・・・・」

 

 

もう止めたら?と、視線で訴える。

流石の兄もこれ以上は無意味と悟るほどには馬鹿では無いらしく、

 

 

サトシ「おい、侍」

 

侍「何でござるか?」

 

サトシ「これ以上硬くなっても何も変わらん」

 

侍「・・・・・・・・」

 

サトシ「なら、やる事は一つだと思わねぇか?」

 

侍「・・・・・その通りでござるな」

 

 

お兄ちゃんはフッと笑い、侍少年もニヤッと笑う。

・・・・・何なんだろ?

一体何をするつもりだ、この二人は?

 

 

サトシ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ‼」

 

侍「はあああああああああああああああああっ‼」

 

 

二人は雄叫びを上げると駆け出し、互いに自分のトランセルをその手に取って、

 

 

サトシ&侍「「死ねやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼‼」」

 

 

互いに手に握ったトランセルで相手に殴り掛かって・・・て、

 

 

ミドリ「いや何やってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

何で急に二人してトランセルで殴り掛かってんの!?

私のそんな叫びなど聞く気はないのか、二人はトランセルを振り、ギンッ、ガキンッ、キィンッと何度もトランセルで殴り掛かる。

しかし生物で殴っている音じゃない。

まるで金属同士がぶつかっているような・・・・

 

 

カスミ「そ、そうか! 硬くなりすぎて二人のトランセルがまるで刀のように鋭く金属質になってるんだわ‼」

 

ミドリ「いやカスミまで何言ってんの!?」

 

 

まるでさも当然と言わんばかりに驚愕のリアクションを取ってるけど、驚くところが違うよね!?

二人は未だにガキンガキンッとトランセルでの殴り合い・・・否、斬り合いを続けている。

ギンッと二人のトランセルが鍔競り合い?、ギンッと音を立てて飛び退く。

 

 

サトシ「流石は侍と言った所か・・・俺の魔剣トランセルを相手にここまでやるとは!」

 

侍「フッ、貴様こそ、拙者の妖刀トランセルを相手に斬り合えるとは、流石はマサラタウンのトレーナーでござるな!」

 

ミドリ「いや二人ともおかしいよ!?」

 

 

何を中々やるな的な感じで互いに笑っているのだろうか?

ポケモンで斬りかかるとかどうかしている!

 

 

ミドリ「二人ともポケモンで戦いなさいよ!」

 

サトシ「ああ? 何言ってんだ? ちゃんとポケモンで戦ってんだろうが!」

 

侍「そうでござる! 拙者もこやつもちゃんとポケモンを使って戦っているではござらぬか!」

 

ミドリ「ポケモンを使うの意味が違うわっ‼」

 

 

ダメだ、私だけじゃ馬鹿を説得出来ない!

カスミ! 貴方からも何か言ってやって!

 

 

カスミ「・・・・・・・・(ゴクリ)」

 

 

ダメだ!

カスミの眼が「この勝負分からなくなってきやがったぜ」的な感じになってる。

私だけ!?

この状況をおかしいと感じているのは私だけなの!?

 

 

侍「喰らえ! 侍切りぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいっ‼」

 

サトシ「なんの! マサラざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ‼」

 

 

ガキンッ‼と、トランセル同士がぶつかり合う。

いや、ただトランセルで斬りかかってるだけじゃん‼

なんの技でもないよ!?

 

 

サトシ「一気に決めるぜ!」

 

 

馬鹿兄がトランセルを正眼の構えで握る。

なんだ? 何をする気なの!?

 

 

サトシ「必殺! トランセルゥ・・・ビィィィィィィィィィィィィムッ‼」

 

 

ビーム!? トランセルがビーム!?

まさかマサラ波をトランセルで撃つ気なの!?

トランセルの口?だと思われる場所から気が集中し、ブシャアアァァァァァァッ‼と白いモノが、

 

 

ミドリ「いやそれただの糸を吐くじゃん!?」

 

 

吐かれたビーム・・・否、糸を吐くが侍の腕に巻きついて、侍は腕を固定される。

あれじゃ思うようには動けない。

 

 

侍「仕方がないでござるな、これは拙者にとっても禁断の技でござったが・・・」

 

 

言って、侍はトランセルを構えて、

 

 

侍「奥儀! トランセル・・・レェェェェェェザァァァァァァァァァァァッ‼」

 

 

ブシャアアァァァァァァッ‼とトランセルから白いモノが、

 

 

ミドリ「だから糸吐いてるだけじゃん!?」

 

 

侍のトランセルから放たれたレーザーという名の糸が、兄の腕に巻きついた。

 

 

サトシ「くっ! 腕が動かせねぇ!」

 

 

なんて唸ってるけどどうでもいいよ‼

何なのコレ?

何バトルなの!?

少なくともポケモンバトルじゃない事だけは確かだけど‼

 

 

カスミ「・・・・・・・何の音?」

 

 

カスミの呟きに、私は耳を澄ませた。

確かに、何か音が聴こえて来る。

これは・・・・虫の羽ばたく音?

音の咆哮へ目を向けると、その方向の空には・・・・スピアーの群れが!?

 

 

ミドリ「お兄ちゃん‼ 侍さん‼ 戦ってる場合じゃないよ! スピアーの群れが・・・」

 

サトシ&侍「「漢の決闘に口出し無用‼」」

 

ミドリ「いや聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼」

 

 

私の叫びに、二人は「ん?」と視線を向ける。

ようやく気付いてくれたようだ。

二人は腕に巻きついている糸を引きちぎって、辺りを包囲しだしたスピアーの群れを見据えた。

 

 

サトシ「んだぁ、こいつ等?」

 

侍「お主が逃したビードルが呼び寄せたのではござらぬか?」

 

サトシ「超ウゼェな」

 

カスミ「そんな呑気に喋ってる場合!?」

 

 

カスミの言うとおりだ。

流石にこれだけの数のスピアーを相手にするのは・・・・

 

 

サトシ「おい、侍」

 

侍「何でござるか?」

 

サトシ「一時休戦にしねぇ? このままじゃ勝負どころじゃねぇし」

 

侍「致し方ないでござるな」

 

 

二人は互いにニヤリと笑い、

 

 

サトシ&侍「「行くぜぇぇぇぇぇぇええええええええええええ‼」」

 

 

トランセルを握り締めてスピアーの群れに突っ込んだ。

そしてトランセルでバッタバッタとスピアー達を殴り飛ばす・・・・て、

 

 

ミドリ「だから何で二人してそんな使い方してるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

ポケモンの使い方じゃない!

どう考えても‼

けれども兄達は確実にスピアーの群れを追い払っている。

ピカチュウも電撃で応戦しているが、それでもトランセルで殴り掛かっている兄達の方が多くスピアーを撃退していた。

もう訳が分からない・・・。

 

 

サトシ「一気に決めるぜ! この技を受けたが最後! 2度と帰っては来れない‼」

 

 

兄はトランセルを振りかぶり、

 

 

サトシ「トランセルゥ・・・ブーメラン‼」

 

 

ブンッ‼と、思いっきりトランセルをブン投げた‼

いや投げるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

自分のポケモンをブン投げるとか何考えてんの!?

クルクル回りながら飛んでいくトランセルはスピアーの群れを蹴散らしていく。

そして森の奥までクルクルと飛んでいき・・・・・・・・戻ってこなかった。

 

 

ミドリ「どの辺がブーメランなの!? トランセル戻ってこないじゃん‼」

 

サトシ「言ったろ、2度と帰ってこれないってな‼」

 

ミドリ「そっちかい‼」

 

 

自分のポケモンを何だと思ってるんだ‼

私が憤慨していると、なにやらガンッ‼と大きな音が聴こえて来た。

目を向けると、さっきお兄ちゃんがブン投げたトランセルがクルクルと回転しながら戻って来た!

 

 

サトシ「フッ、流石は俺のトランセル・・・信じてたぜ!」

 

カスミ「アンタさっき2度と帰ってこないとか言ってなかった?」

 

 

カスミのツッコミもどこ吹く風と、兄は聴く気はないようだ。

けど何で戻ってこれたんだろ?

そう疑問を抱いていると、

 

 

「「「やな感じ~~~~~~~‼」」」

 

 

何やら聞き覚えのある声が空から聞こえて来た。

観ると、星が一つ輝いていた。

もしかしてロケット団に当たって跳ね返って戻って来たのだろうか?

だとしたらなんという幸運。

無駄にスーパーマサラ人のスペックを発揮している。

そしてまたもやロクに出番も無く退場するロケット団。

いいとこ無しだ。

いや、元々いいとこなんてないけど・・・・。

 

 

サトシ「うし、終わり!」

 

 

私がロケット団に同情している間に、何時の間にか皆でスピアーを追い払ってしまったようだ。

そして、ピカァッ‼と、お兄ちゃんのトランセルが光り輝いて・・・・

 

 

「フリィフリィィィィィ」

 

 

お兄ちゃんのトランセルが、バタフリーに進化した!?

 

 

カスミ「進化したんだわ!」

 

ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 

いや、ちょっと待って!

何で進化したの?

だってバトルしてないじゃん!

侍さんとのバトルだってただ硬くなってただけじゃん!

その後はただお兄ちゃんに振り回されてただけだし‼

まさかとは思うけどそれで進化したの!?

確かに侍さんのトランセル相手にぶつかってたり、スピアーの群れを薙ぎ倒してたけど、アレどっちかっていうと戦ってたのお兄ちゃんだよね!?

もしかしてロケット団を吹っ飛ばしたから?

それはそれでどうかと思うけど‼

 

 

◆◆◆

 

 

侍「この道を行けばニビシティでござる」

 

 

その後、侍少年の案内で、私達はトキワの森の出口らしき場所に辿り着いた。

 

 

サトシ「サンキュー。でもまだお前とのポケモン勝負、ケリついてねぇぜ?」

 

 

アレをポケモン勝負と言い張るのか。

 

 

侍「拙者は負けと分かってる勝負はせぬ主義、バタフリーを使いこなせるようになる為、この森で修行を続けるでござる」

 

サトシ「また勝負できる日を楽しみにしてるぜ!」

 

侍「拙者もでござる!」

 

カスミ「その時はトランセル対トランセルだけは止めてよね」

 

 

確かに、またポケモン勝負という名の斬り合いを始めるとか勘弁だ。

私達は、侍さんに別れを告げて、歩き始める。

再開を約束したけど、たぶん会うことないんだろうなぁ・・・・・。

 

 

こうして、無事トキワの森を抜けたサトシ達は、一同ニビシティを目指す。

 

 

兄の一言

「『剣‐トランセル‐』からバタフリーか・・・・これってもしかして卍解?」

 

妹の一言

「いや、絶対違うから・・・・」

 

 

 

.




次回予告

暗いトキワの森を抜け、やって来ましたニビシティ!
さぁ、グレーバッジを賭けてジムトレーナーのタケシに挑戦だ!
と思ったら、なんか怪しいオッサンに俺のピカチュウじゃタケシに勝てないとか言われた。
おいおい舐めてくれるなよ?
岩地面のポケモンなんて、スプリンクラーで水浸しにした後電撃撃てば勝てるんだよ‼
え? 何だミドリ?
それは反則?
おいおい何言ってんだ?
原作通りだろうが!
勝った奴が正義なんだよ、どんな勝ち方だろうとなぁ‼

次回、ポケットモンスター。
ニビジムの戦い!

皆も、ポケモン勝負に手段は選ぶなよ‼


.


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第5話 ニビジムの戦い!

この話から名前表示無しでいきます。


最高のポケモントレーナーになる為の、修行の旅を続ける、サトシ少年。

トキワの森を抜け、次に辿り着いた街は・・・・・・?

 

「ニビシティよ!」

「まさかトキワの森を抜けてもまだ森が続いてたとはな、地味に長い距離だったぜ・・・・・・」

「永遠に森の中をさ迷うのかと思ったよね・・・・・・」

「チュウ・・・・・」

「ダネ・・・・・・」

 

こんにちは、サトシです。

俺とミドリがマサラタウンにサヨナラバイバイして、早12日。

4月12日現在、長いトキワの森を抜けて、俺達はようやくニビシティにやって来た。

フッフッフッ、ようやくジム戦が出来るぜ!

 

「ニビは灰色、石の色だ。この町は昔から石で有名な町だ」

 

足下からそんな声が聴こえて来て目を向けると、そこそこ深い段差の下に1人のオッサンが胡坐を掻いていた。

誰だ、このオッサン?

 

「何だこのオッサン? カスミの知り合いか?」

「まさか」

「じゃあミドリ?」

「そんな訳無いじゃん・・・・・」

「ですよねー」

 

ヒソヒソとやってたら、俺達の声が聴こえたのか「ワシはムノウ」と自己紹介をしてくれた。

空気は読めるらしい。

 

「お前が立っているのは、ウチの商品なんだ」

「あ、すまん」

 

一歩後ろに下がって、俺は踏んでいたらしい石の上から退いた。

断さから跳び下りて、直ぐ視界に入ったそれに気づく。

木で出来た棚に、石が陳列していて、その石は様々な形や大きさがあり、其々に値札が付いていた。

 

「へぇ、ムノウさん石を売ってるんですね」

 

ミドリが物珍しそうに見る。

ただの石っころにしか見えねぇからな、そんなもんを売りつけようなんざそりゃ珍しいだろ。

 

「お前ら、漬物石いる? いるわけないな」

「まぁ、旅の途中だからな。持つ理由が無い。てか、邪魔にしかならない、何の修行だ」

「そりゃそうだな」

「岩を持ち運びする修行なんて3歳の頃からやってたしな!」

「・・・・・・・・お前、人間か?」

「いや、ポケモンマスターを目指して旅をしているスーパーマサラ人だぜ‼」

「すーぱー・・・・・・?」

「あー、気にしなくていいです。馬鹿な発言なんで」

 

横文字に首を傾げるムノウに、ミドリが失礼な言葉を挟んできやがった。

誰が馬鹿だ。

 

「お前達のポケモン、だいぶ疲れておるようだのう」

 

ピカチュウとフシギダネが、地面に座ってグテーっとしていた。

まぁ、トキワの森を歩き続けたからな、疲労が溜まってるんだろう。

ムノウは立ち上がり「付いて来い、ポケモンセンターに案内してやるよ」と、歩き始めた。

 

「怪しい見かけによらず、いい人だな」

「えー、そう?」

「おいおいカスミ、初対面だからって人を疑うのは良くないぜ?」

「まぁ、それもそうよね」

 

信じる所から、人と人との関係は始まるんだよ。

 

「ところでお休み代、50円頂きじゃ」

「おいおいカスミ、初対面の人は疑ってかからないとダメだぜ?」

「アンタさっきと言ってる事違う!」

 

石に立っていただけで50円要求するって、ホームレスでもそうねぇよ。

 

 

◆◆◆

 

 

ポケモンをジョーイさんに預け、ニビシティのジョーイさんはトキワシティのジョーイさんの姉だというどうでもいい情報を会得した俺達は、適当にポケセン内をウロウロしていた。

 

「お兄ちゃん?」

「何だよミドリ」

「ピカチュウ達の回復が終わったら直ぐにジム戦に行くの?」

「モチ!」

 

俺とミドリの会話に、ムノウが「ほう?」と興味を示した。

 

「ニビシティのポケモンジム公認トレーナーのタケシに挑戦するつもりかね?」

「当然! リーグ戦に出る為にバッジが必要だからな!」

「ハッハッハッ! お前がのぅ・・・・・」

 

ムノウはそのまま「ハッハッハッ」と笑いながら立ち去った。

 

 

◆◆◆

 

 

「何だったんだ、あのオッサン」

 

ピカチュウ達の回復待ちで、俺達は遅い昼飯を食っていた。

夕方と呼べる時間ではないが、もう昼は過ぎている。

トキワの森で時間食ったからな。

因みに今俺達が食ってるのは、俺はコロッケ、ミドリはハンバーグ、カスミはウインナーだ。

・・・・・・何の肉を加工したんだろうな、コレ?

 

「アンタ、本当に勝てると思ってんの?」

「あん?」

「ジムのトレーナーは、その辺のトレーナーと違ってメチャメチャ強いのよ!」

「俺だって強ぇよ! マサラ人は伊達じゃねぇ‼」

「だからマサラ人って何なのよ・・・・・・」

「お兄ちゃん、マサラタウンの皆がお兄ちゃんみたいに超人って訳じゃないからね?」

 

いや、そうでもないだろ。

オーキド博士とかも、ポケモンの攻撃喰らっても何だかんだで無事ジャン。

 

「お願いしますって頼むんなら、私手伝ってあげても良いわよ?」

「いや、いい」

「何でよ?」

「勝算があるから」

「勝算って・・・・・ニビジムのタケシは岩タイプのポケモンを使うのよ。アンタその意味分かってんの?」

「使用ポケモンが確か・・・・・・イシツブテとイワークなんだろ?」

 

ジム戦は結構情報がオープンだ。

少し人に聞いただけで、使用ポケモンが何かくらいは分かる。

まぁ、そんな事をしなくても原作知識で知ってるけどな。

・・・・・・・アレ? 原作知識っていえば、あのムノウってオッサン何処かで観たような?

 

「そうよ。イシツブテとイワークには地面タイプもあるから、ピカチュウの電気技は効かないし、ピジョンとバタフリーは飛行タイプがあるから、岩タイプのポケモンとは相性が悪い。そんなんでどうやって勝つつもりなのよ?」

「フッフッフッ・・・・・・教えてやるよカスミ」

「何がよ?」

「スーパーマサラ人に不可能は無いって事をだよ!」

「だからスーパーマサラ人って何なのよ・・・・・・・」

「あ、すいませーん! 苺パフェ追加でー!」

 

妹が俺達を無視して、ウェイトレスにデザートの注文をしていた。

ツッコミ放棄ですか、そうですか。

 

 

◆◆◆

 

 

「あぁん?」

 

夕日が落ちて来るこの頃、ジムに向かう途中で俺達は不審者を見つけた。

 

「何やってんだ、オッサン?」

「覗きですか?」

「む・・・お前達か・・・・・・」

 

一軒家を草陰から窺っている、ムノウがいた。

 

「変質者にしか見えないわよ」

「ジュンサーさんに連絡した方が良いのかなぁ・・・・・・」

「おまわりさーん、この人でーす!」

「待て待て誤解だ!?」

 

慌てて弁解する様が、尚の事怪しい。

一体何を覗いていたのか、俺達も視る。

そこには、何人もいる小さい子供たちと、1人の男の姿が・・・・・・。

て、アレ、タケシじゃん。

てことは、あの無数にいる同じ顔の子供たちはタケシの弟と妹か!

タケシが料理を作ったり、裁縫をしたりと忙しそうに動いている。

俺達はソッと、誰かに見つかる前にその場から離れた。

 

「なーんか、タケシのイメージ崩れちゃったわね・・・・・・」

「そうか?」

 

カスミが何か言ったが、俺的にはさっきのイメージのまんまなんだが、タケシって。

お母さんていうか、オカンっぽいっていうか・・・・・・。

俺と同意見なのか、ミドリもカスミの感想には賛同しかねているようだ。

 

「タケシには10人もの幼い兄弟がおってな。この町を離れる訳にはいかんのだ」

「お父さんとお母さんはどうしたんですか?」

 

カスミがムノウに当たり前の疑問を投げかけるが、原作を知る俺とミドリは「そいつが親父だよ」と言いたくなるな。

 

「ポケモントレーナーになると言って町を出たまま、音信不通のダメ親父。そして、母親はそんな父親に愛想を尽かして家出してしまった。頼りになるのはタケシだけって訳さ」

 

言って、ムノウは何処かへ行ってしまった。

・・・・・・・さっさと帰ってやればいいのにな。

 

 

◆◆◆

 

 

「此処がニビジムか・・・・・・」

 

ポケモンの回復を終えた俺達は、石造りの様な大きな建物の前にやって来た。

ニビジム。

岩タイプのポケモンを扱うに相応しい建物だ。

 

「たのもう‼」

「道場破りか・・・・・・」

 

後ろでカスミが何か言ってたが俺には聞こえない。

鉄の扉を開けて、明かりが点いていない室内を進む。

 

「何者だ?」

 

パッと部屋が明るくなる。

明かりがついてもまだ少し薄暗いが。

 

「ニビジムのジムリーダー、タケシだな?」

「そうだ」

「俺はマサラタウンのサトシ! ジム戦の申し込みに来たぜ‼」

「・・・・・・・ジムの試合は初めてか?」

「あ? ああ」

「ジムの試合は町場の喧嘩とは違う。ポケモンリーグの公認試合だ。ちゃんとルールがある」

 

コイツ本当にタケシか?

あの「お・ね・え・さ・ん♡」とか言ってるタケシのイメージが強すぎて、初期の頃がどんなだったかなんてもう思い出せねぇぜ。

 

「使用ポケモンは2体。いいな?」

「おう!」

 

言ってタケシは、俺の足下に居るピカチュウを視る。

 

「お前そのポケモンと、どれくらい付き合ってるんだ?」

「あー・・・・・何日ぐらいだ?」

 

トキワの森をさ迷いすぎて、時間の感覚が狂ってきている気がする。

冒頭で何て言ったのかも忘れてしまい、後ろにいるミドリに聞いてみる。

 

「12日だよ」

「約2週間だ」

「それじゃあ一番可愛い盛りだな」

「ピカチュウ!」

「止めておけ」

「チュウ!?」

 

あ、ピカチュウがこけた。

 

「心配しなくても、俺達は強いぜ」

「・・・・・仕方がない、ジムトレーナーとしては申し込まれた試合は受けねばならない」

 

パチンと、タケシは指を鳴らす。

すると、照明がさらに点き、室内が一気に明るくなった。

そして壁のシャッターが開き、岩のフィールドが出て来る。

俺達は後ろに急いで下がる。

左右から現れた岩のフィールドが、ガシャン‼と部屋の中央部分でドッキングした。

いきなりやるなよ、危ないだろーが!

 

「試合開始だ!」

「よーし!」

 

ようやくジム戦開始だ!

 

「行け! イシツブテ!」

 

やはりイシツブテが先手か。

 

「ピカチュウ! 君に決めた‼」

「ピカッ‼」

 

勢いよくピカチュウが飛び出した。

 

「愚かな。イシツブテを相手に電気タイプで挑むとは・・・・・・・」

「相性だけかバトルじゃないぜ‼」

 

それを教えてやる!

 

「岩・地面タイプのイシツブテに電気技は効かない・・・・・どうする気だ?」

「こうするんだよ! ピカチュウ‼」

「ピカ‼」

 

ピカチュウは電撃を放った。

狙いはイシツブテではなく、そこらにある岩の塊だ。

この岩のフィールドで、岩には困らない。

なら、それを使うだけだ!

電撃で砕けた岩を、ピカチュウは掴み取った。

 

「行けェッ! ピカチュウゥゥゥゥゥゥッ‼」

「ピッカァァアアアアアッ‼」

 

そして掴んだ岩で、イシツブテの頭を全力で叩きにかかる!

 

「何ぃっ!?」

「電気が効かないなら物理攻撃! 頑丈な武器使えばいいんだよぉっ‼」

 

岩が砕けても、ピカチュウはイシツブテの攻撃を避けては新しい岩を掴んで、イシツブテに攻撃する。

 

「ちょ、ちょっと待て! そんなのアリか!?」

「あぁん? ポケモンバトルでポケモンに岩で殴り掛かっちゃいけないなんてルールでもあんのかぁ? あぁんゴラァ!?」

 

後ろから観戦してるミドリが「お兄ちゃん、チンピラみたいだよ・・・・」と、何やら呆れた声を発した気がするがきっと気のせいだぜ!

 

「行けぇぇぇぇぇぇぇっ‼ ピカチュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ‼‼」

「ピッカァァアアアアアッ‼」

「イシツブテの頭叩き割れェェェェェェェェェェェェェェェッ‼」

「ピカチュピィィィィッ‼」

 

ピカチュウが岩でイシツブテの頭を叩きに行く度、タケシの「イシツブテェェェェェェェェェェェェェェェッ!?」と泣きが入った悲鳴が聞こえる。

いやー、良い声だ。

 

「お兄ちゃん、サイテーだよ・・・・・・」

「鬼畜ねアンタ・・・・・・」

 

後ろから絶対零度の視線が突き刺さって来るが、俺には気持ち良いだけなんだぜ!

 

「よし、そろそろトドメと行くか! ピカチュウ! イシツブテを抱えろ‼」

「ピカァッ‼」

 

ピカチュウは、体力が減っているイシツブテの背後に回り込み、その身体を持ち上げる。

体重20㎏? はん! そんなもんは知らねぇなッ‼

俺のピカチュウはマサラタウンで手に入れたんだぜ?

元は何処かからやって来て、怪我してた所をオーキド博士に助けて貰ったんだが、マサラタウンに住み着いてたんなら、お前もマサラの力を持ってるはずだぜ!

ピカチュウ! お前はスーパーマサラポケモンだッ‼

 

「壁に叩きつけてやれェェェェッ‼」

「ピッカァァアアアアアッ‼」

 

ピカチュウはイシツブテを思いっきりブン投げて、鉄製らしい壁に叩きつけてやった。

 

「コレがホントのイシツブテ合戦じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」

 

イシツブテは戦闘不能になった。

 

「いや、イシツブテ合戦も何も、投げてるのピカチュウだけだからね?」

 

今日の妹のツッコミは、いつもみたいに力が入っていないな。

疲れてんのか?

タケシはイシツブテをボールに戻した。

 

「何て戦い方をするんだ、お前は・・・・・・」

「おいおい、フィールドを使って戦うなんざ基本だろ?」

「限度があるだろう・・・・・・」

 

流石のタケシも呆れ顔のようである。

まぁ、どうでもいいがな!

そしてタケシはイワークを出してきた。

 

「イワークなら、ピカチュウが抱える程度の岩じゃビクともしないぞ!」

「俺が同じ手で倒しに行くはずないだろ!」

「ならどうするつもりだ? イワークも岩・地面タイプなんだぞ?」

「・・・・・・宣言するぜ、タケシ。この勝負は速攻で終わる!」

「何だと?」

「ピカチュウ!」

「ピッ‼」

 

事前に打ち合わせしておいた方法で倒す。

 

「やれ! 電撃だぁっ‼」

「ピカチュウゥゥゥゥゥゥッ‼」

 

ピカチュウの放った電撃が、天井へと真っ直ぐに伸びていく。

もう、お分かりだろうか!?

 

「あー、やっぱそうするんだ・・・・・・」

 

後ろでミドリが呟いた。

そう! そうするんだよ‼

ピカチュウの放った電撃が、天井に設置しているスプリンクラーを打ち抜いて、爆ぜた。

瞬間、ビシャァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼と、凄まじい勢いでスプリンクラーから水が噴き出した!

雨の様に噴き出すスプリンクラーの水に、イワークの身体が一気に水浸しになる‼

 

「イワアアァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

イワークは苦しんでいる!

 

「今だ! ピカチュウ‼」

 

水は電気を通しやすいのがこの世界の理ッ‼

 

「イワークをぶち殺せェェェェェェェェェェェェェェェッ‼」

「ピカチュウゥゥゥゥゥゥッ‼」

 

水浸しになったイワークに電撃が迸り、

 

「イワアアァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・」

 

イワークはその巨体を地面へと打ち付けて、倒れた。

 

「イワーク!?」

 

だが、まだ戦闘不能にはなっていない!

 

「ピカチュウ! トドメを刺せ‼」

 

瞬間、俺の身体が急に重くなる。

何だコレは!?

タケシの妹や弟達が、俺の身体に縋り付いて、闘志を鈍らせる!

クゥッ‼ 俺の優しさがこんな幻を見せるのか!?

 

「て、本当に纏わり付いてるじゃない・・・・・・」

 

うん、まぁ、知ってたけどね。

 

「お兄ちゃんが一生懸命育てたイワークを虐めるなぁ‼」

 

弟がそう叫ぶ。

 

「コレは試合だ、漢の勝負に割り込むんじゃねぇ‼」

「いや、漢の勝負のワリにはまともな戦闘シーンが一つも無かったけど?」

 

カスミのそんな声は俺には聞こえない!

 

「お前達止めろぉっ! サトシの言う通り、コレは正々堂々の公式試合なんだ‼」

「正々堂々の要素あったかしら・・・・・・・?」

 

カスミのそんなツッコミには怯みません!

 

「まだ試合は終わっていない‼」

「そうだ! ピカチュウ‼ だから電気ショック‼‼」

「ピカチュウッ‼」

 

―――――――ビリビリビリビリビリィィッ‼

 

「イワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」

「イワークゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!?」

 

こうして俺は、タケシに勝った。

 

「アンタのお兄ちゃん、ロクでもないわね。汚いしセコイし」

「こんな兄ですいません・・・・・・・」

 

カスミと妹のそんな賛辞の言葉は素直に受け取ろう‼

 

「褒めてないッ‼」

 

そんなツッコミは知らん‼

 

 

◆◆◆

 

 

そして俺はグレーバッジを受け取り、なんやかんやでタケシが仲間になった!

 

「超テキトー!?」

「いいだろ別に、こんな扱いで」

 

原作でも何かそんな感じジャン。

 

 

仲間も増えて、サトシの旅は、まだまだ続く。

続くったら、続く・・・・・・!

 

 

兄の一言

「アレ? 今なんか踏んだ?」

 

妹の一言

「たぶんロケット団じゃない?」

 

 

 

.




次回予告

次の町を目指す俺達の前に、不思議な山が!
アレが昔、月が落ちたって云うオツキミ山かぁ‼
え? 何だミドリ?
月じゃなくて、月の石?
ま、似たようなもんだって!
オツキミ山に月の石・・・・・なんてロマンチックでファンタスティックでエゴイスティック‼
え? 何だミドリ? エゴイスティックは関係ない?
いやー、人間が割り込んでる時点でエゴだよソレは!
そして、そこに潜むピッピ達に時が見えたんだ!
待ってろよ! 俺も直ぐにニューマサラタイプになってやるからなぁっ‼

次回! ポケットモンスター‼
ピッピと月の石!

月は、いつもそこにある!

.


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第6話 ピッピと月の石!

気が付けば1年近く更新していなかった・・・だと?

『前回までのお話』
ニビシティで、ついにサトシはポケモンジムでのトレーナー対決での初挑戦。
そのファイトぶりを認められ、ポケモンリーグ参加資格の一つであるグレーバッジを手に入れたサトシ。
ポケモン界のトップブリーダーを目指すタケシも加わり、旅は続く。
続くったら、続く。


でもって、その続き。

こんにちは、妹のミドリです。

4月13日現在。

私達は今、オツキミ山にやってきました。

次のジムがあるハナダシティへの最短の近道は、この山なのです。

 

「オツキミ山って風流な名前よねぇ」

「風流も風流。この山には隕石が落っこちたっていう伝説があるんだ」

 

カスミとタケシの言葉に、馬鹿兄が「隕石?」と首を傾げた。

 

「お兄ちゃん、また馬鹿な事考えてない?」

「おいおい失礼だなミドリ。それだと俺が常日頃馬鹿な事を考えてるみたいだろ」

 

いや、実際そうでしょ。

 

「ただ隕石のコスモパワーと、俺のマサラパワーのどっちが上なのかと気になっただけだぜ?」

「ごめん、意味分かんない」

 

もう10年も生まれた時から一緒にいるが、この兄の思考回路が理解できません!

 

「うわぁぁああああああああああああああああああああああああ‼‼‼」

 

「!? 何?」

 

急に悲鳴が聞こえて来て、私達は立ち止まる。

兄が「あっちだ」と気配でも感じたのか駆け出し、私達もその後に続いた。

 

 

◆◆◆

 

キーキーキー、と金切り声の様な音が聴こえてくる。

足を進めると、そこにはズバットの群れに襲われてる人が!

 

「ズバットか」

 

兄はポケモン図鑑を取り出して、ズバットの情報を読み取る。

 

「ちょっと何やってんのあの人を助けなくちゃ‼」

「そうだよお兄ちゃん!」

「ちょっと待て。ちゃんと図鑑で情報を取らないと、俺の図鑑の『出会ったポケモンの数』が更新されない!」

「そんな事どうでもいいでしょ!?」

「よくねーよ! どっちの出会いが多いかマサラタウンに帰ったら勝負しようぜ‼ってシゲルと賭けてんだからよ‼」

 

シゲルさん、お兄ちゃんと何やってるんですか!?

 

「兎に角早く助けないと! フシギダネ‼」

「ダネ!」

 

私は相棒のフシギダネに、ズバットを蹴散らす様に指示する。

ピカチュウも電撃を放ち攻撃し、駄兄もマサラ波でズバットを蹴散らす。

・・・・・・うん、もうツッコまないよ私は。

 

「おーい、大丈夫か?」

 

洞窟の奥へと逃げていくズバットを見送り、兄が襲われていた人を足で突いた。

いや、礼儀悪すぎるよお兄ちゃん・・・・・・。

 

「うぉぉおおおおおっ! 君達は素晴らしいぃぃいいいいいいいいいいっ‼」

 

倒れていた人は急にガバッと起き上がり、お兄ちゃんに熱き抱擁を交わそうとするが、

 

「マサラ丸‼」

「グハァッ!?」

 

お兄ちゃんがマサラ丸でふっ飛ばして・・・って、

 

「ちょっ、お兄ちゃん!?」

「野郎が俺に抱き着くんじゃねぇよ。俺に抱き着いていいのは女とポケモンだけだぜ」

 

あ、ポケモンは良いんだ。

 

「人間とポケモンの斯くも熱き絆、見せてもらいました!」

 

あ、起き上がった。

丈夫だな、この人。

 

「絆?」

「そうとも! モンスターボールなんか無くたって、人間とポケモンは分かり合える!」

 

そして山に向かって「お天道様ありがとぉぉおおおおおおおおおおおお‼‼」と吠える。

見かけによらず熱い人だ。

 

「で、ズバットは何でオッサンを襲ってたんだ?」

「オッサンじゃない! 僕の名前はリカオ。ニビシティ科学博物館の、愛と! 勇気の! 研究員‼」

 

・・・・・・研究者って変な人多いよね。

カスミもタケシもポカンとしてるもん。

 

 

◆◆◆

 

 

「この洞窟を見てごらんよ」

 

リカオさんの案内で、私達はオツキミ山の洞窟の中へ進む。

洞窟の中は、壁に取り付けられた電球のおかげで明るく、洞窟の中って感じがしない。

 

「昼間みたいに明るいだろ? 変な連中が洞窟中をこんなにしちゃって、おかげでポケモン達の生活は滅茶苦茶さ」

「ズバットはこの光のせいでおかしくなってしまったんだな」

「他にもパラスがキノコをパラパラ植えたり、サンドは身体が干からびて散々。だから僕は、悪い奴等からオツキミ山を護るために、パトロールをしてるんだ」

「へぇ、パトロール・・・・・・」

「でも、何で荒らされてるんですか?」

「・・・・・・月の石が有名になったからさ」

「そうなのか・・・・・・」

「そうなんだ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

兄が黙ってチラッと私を見た。

何だろう?

 

「なぁ、ミドリ」

「何?」

「お前月の石でメイクアップとかしてみないか?」

「・・・・・・は?」

 

意味が分からなかった。

 

「いや、洞窟を荒らす悪い奴等を『月に代わってお仕置きよ』的な感じで変身とか」

「いや、しないから」

 

どういう発想うなんだろうか?

 

「ああ、大宇宙のロマンチック! 月の石‼」

 

私と兄の馬鹿なやり取りを無視し、リカオさんは何かトリップしだした。

何なんだろ。

 

「この山に眠っていると言われながら、未だ破片しか見つかっていない! 伝説の宇宙からの贈物‼ 月の石がポケモンのパワーをアップさせるという研究報告が出てから、人間は月の石を探してドンドン山の中に入って行ったんだ」

「なるほど」

「僕はね、小さい頃から、ポケモンは宇宙から来たと思ってるんだ!」

「「「宇宙!?」」」

「ああ。きっと月の石は宇宙船で、ポケモン達はそれに乗って地球に来たに違いない‼」

「凄い発想力・・・・・・」

 

ホント、子供並みだ。

 

「いいや! きっとそうなんだ‼ 月の石はポケモンの物! 人間が取っちゃいけないんだ‼ なぁ、そう思うだろ!?」

「そーですね」

 

兄に力説するリカオさんだが、兄は適当に聞き流してる感じだ。

あまり興味なさげ。

 

「いや、待てよ? 月の石のパワーで俺のマサラパワーが上がったりするのかもしれん・・・・・・」

 

なんか馬鹿な呟きが聴こえたのは、きっと私の気のせいだ。

 

「あ!」

 

カスミの声に、みんなの視線が集まる。

見ると、そこにはピンク色の体色をした丸っこくずんぐりとしたポケモンが!

 

「アレは、ピッピだ!」

「キャー、可愛い!」

 

カスミのリアクションに、兄は「あーハイハイ、可愛いモノを見て可愛いって言ってる自分の事を可愛いって言うナルシーな自画自賛ね」と鼻を穿り乍ら呟き、それを聞いたカスミの鉄拳が愚兄に炸裂する。

その鉄拳を避けて、なんかマサラ人とハナダ人の戦いが始まった!

カスミもダンダン常人から外れていくなぁ・・・・・・。

私は思わずピッピをゲットしようとモンスターボールを取り出すが、リカオさんに止められてしまう。

 

「このままそっとしておいて欲しいんだ」

 

真剣なその眼差しに、私は渋々モンスターボールを仕舞った。

うー・・・ゲットしたかった・・・・・・。

 

―――――ピィィイイイイイイーッ!?

 

「!?」

 

ピッピの悲鳴が聞こえて来た!

さっきのピッピに何かあったの!?

 

 

◆◆◆

 

 

ピッピの悲鳴が聞こえた先に向かった私達の目に映ったのは、ピッピに迫っていた――――

 

「――――ニャース!?」

「ピカチュウ」

「ピッカァァァアアアアアッ‼」

「ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」

 

私が驚いている間に、兄は有無を言わさず速攻で片付けるべくピカチュウに指示を出し、ピカチュウは10万ボルトでニャースを攻撃した。

お兄ちゃん、ちょっといきなりすぎだよ・・・・・・。

 

「この洞窟で悪さする奴ってのは、やっぱロケット団か」

「となれば、叩かねば漢が廃るってもんだ!」

「廃っててくれりゃあ良いのに」

 

!? この声は・・・・・・!

 

「世界の破壊を防ぐ為」

「世界の平和をm――――」

「ピカチュウ」

「ピッカァァァアアアアアッ‼」

「「――――ギャアアァァァァァーッ!?」」

 

ああ、台詞の途中なのに!?

お兄ちゃん容赦無さすぎ!

せめて喋らせてあげて!

こんなんでもレギュラーキャラだから‼

 

「「「のっけからやな感じぃぃいいいいいいいいいいっ!?」」」

 

あー、洞窟の外に飛んで行っちゃった・・・・・。

哀れ。

 

 

◆◆◆

 

 

その後、私達は洞窟の外に進むピッピの後に付いて行き、更に別の洞窟へとやって来た。

そこにあったのは、でっかい月の石。

・・・・・・きっとコレが欠片の本体だ。

私達が追っていたピッピ意外にも、たくさんのピッピがこの場所に居た。

そしてピッピ達が大きな石を囲んで、飛び跳ねて周り始める。

コレは、何だろう?

何かの儀式?

 

「・・・・・・・・・・」

 

ピッピの声を聞いて分かったが、ピッピ達にとってこの大きな月の石は、神様のようなモノらしい。

 

「なんか、こうして幸せそうに暮らしているピッピ達の邪魔はしたくないわね・・・・・・」

「そうだな・・・・・・」

 

うん。確かにそうなんだけど・・・・・・

 

「・・・・・・お兄ちゃん、両手を上に掲げて何やってるの?」

「いや、月の石から発せられてる宇宙パワーを集めようかと」

「そんな元気玉みたいな事出来る訳無いでしょ・・・・・・」

 

いつものことながら、兄のやる事には呆れるばかりだ。

 

「あ」

 

と、カスミが声を上げた。

何だ?と目をやると、大きな月の石の周りに並べている、月の石の欠片が輝き出す。

コレは・・・・・・!

 

「進化の光だ!」

 

ピッピ達が輝き出し、ピクシーに進化した。

流石に全員ではないが、この場にいる半分ほどのピクシーが進化した様だ。

 

「フ・・・・・・」

 

兄が何かドヤ顔してる。

まるで進化したのは自分のおかげだぜと言わんばかりのムカつく顔だ。

いや、お兄ちゃんの力じゃないからね、今の。

ホントにただの偶然だから!

 

 

◆◆◆

 

 

オツキミ山を登っている間に一晩明け、私達は洞窟を抜けた。

 

「リカオさーん、ピッピー、また会おうねー‼」

「さよーならー‼」

「ピッピ達、本当に宇宙から来たのかな?」

「そう考えると、楽しいわね!」

「ああ!」

 

リカオさんはピッピ達と一緒に暮らす為、オツキミ山に居を構えるんだそうだ。

これもまた、ポケモン大好き人間の1つの姿なんだろう。

 

「この道を行けば、ハナダシティだ」

 

洞窟を抜けた先の森を抜け、看板が目に入る。

看板には『ハナダシティへの近道はこちら』と描かれていた。

 

「ん? 落書きがあるぞ」

「いるんだよなぁ、看板とかポスターに悪戯書きする奴って」

 

お兄ちゃんが「どれどれ?」と、書かれた落書きを読み上げる。

 

「『シゲル参上! サトシのバーカ‼』・・・・・・子供かアイツは」

「まぁ、私達まだ10歳だし」

 

10歳児の発言じゃないかもだが。

やれやれと肩を竦めながら、私達はハナダシティを目指す。

 

 

ああ、ライバルたちは今何処に?

遅れたっていいじゃないか。

最後に笑うってのも、結構カッコいいかもしれないぞ。

たぶん。

続く・・・・・・

 

 

兄の一言

「よーし、俺も落書きしてやる! えーと『マサラ神サトシ様降臨! シゲルは下僕‼』っと・・・・・・」

 

妹の一言

「お兄ちゃんも子供じゃん・・・・・・」

 

.




次回予告

今度はハナダシティのジムでブルーバッジをゲットするぜ!
ってあれぇ? 中で深紅のナイスの睡眠具やってる!
え? 何だミドリ?
『深紅のナイスの睡眠具』じゃなくて『シンクロナイズドスイミング』だって?
それだと深紅色のナイスな睡眠アイテムだろって?
どっちも同じようなもんだろ、水中でだって寝れるぜ、俺?
シンクロナイズドスイミングだって水中で何か沈んだり浮かんだり漂ったりしてるだけじゃん。
つか、此処は何処? ポケモンジム? それともソープなの?
え? 何だミドリ?
ソープじゃなくてプールだろって?
いや、だって美女が3人も並んで濡れてるんだぜ。
ソープだろ?
それに何でカスミがいるんだよ!?
お前にソープ嬢は務まらん!
後5年は成長してから出直して来い‼
圧倒的に色気が足りんわ‼‼
え? 何だミドリ?
後? 後ろを見ろって?
え、何で? 何かいるの?
何かそれ俺への死亡フラグの様に聞こえるんだけど?

次回! ポケットモンスター‼
ハナダシティの水中花

おいカスミ、何でお前そんな般若みたいな顔してんの?


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