俺のガンプラが擬人化した。何を言ってるかわか(ry (高坂ミチル)
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俺のガンダムが擬人化した。何を言ってるかわか(ry

はい。今回小説に挑戦した、高坂ミチルと申します。気軽にみちる、と呼んで下さい。......呼んでくれる人がいれば、ですが(白目)

この話は、機動戦士ガンダム系統なのですが、ガンプラ、が主の世界です。しかしビルドファイターズのようにガンプラに乗るわけではないので、機動戦士ガンダムという一つの枠に収めました。

ではガンプラが擬人化してしまったお話を、どうぞご覧ください。


 

 

 

「......おはようございます、マイマスター」

 

「......ういっす?」

 

 

 

 

あ、ありのまま今起こった事を話すぜ。ーーー自分の部屋のベッドで目が覚めたと思ったら、目の前に一本の角を頭に携えた、無表情の白い髪をした美少女が佇んでいた。

な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった......催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

ーーーってジョジョネタかましてる場合か!

 

「お、お前誰だ!?どうやって入ってきた!?アパートのこの部屋の鍵は俺しか持ってないはずだぞ!?それになんだよその角!こ、コスプレか!?」

 

「......落ち着いてください、マスター」

 

目の前に不法侵入者(?)がいるのに落ち着いてるやつがいたら俺はそいつを神と呼んでやる。肝がすわりすぎだろう。

 

「......人は焦ると、思考能力が、鈍くなります。......まずは、じっくりと息を吸い込んで、状況整理をしましょう」

 

な、なんで俺は不法侵入者(?)に諭されてるんだろうか。それも無表情で。はたから見たら、とてつもなくシュールな光景だろう。っていうか、思考能力が鈍くなる?息を吸い込んで落ち着け?誰のせいだと思ってるんだ。

 

......だが、焦ったままでいても仕方ないのもまた事実。

 

幸い相手はこちらに危害を加える気配はないようだ。これなら幾分か落ち着くことができるはず。これで相手が何かしらの武器を持っていたならば、俺は脇目もふらずパニクりながら逃げ出していただろう。息を吸い込んで......よし、状況整理をしよう。

 

まず、相手の容姿だ。

 

美少女。その言葉がしっくりくるほどの顔立ちとスタイルに、見たものすべてを魅了させてしまうかもしれないほどの綺麗で艶のある、腰あたりまであるかもしれないロングストレートの白髪と、ブルーサファイアのような目。そしてその頭に付いてる白い一角がその容姿と良く似合っていて、この空間が別世界のようにすら感じる。

  

......そう、付いているのだ、角が。冒頭でチラチラ思っていたが、ついているのだ。一本の白い角が。額から頭までの中間辺りに。普通なら角なんてついていたら不自然だと思えるのに、彼女はまるでそれが自然かのように似合っている。異常である。

さらにはよく見ると、手足に付けられた純白の物々しいアーマーも、とても目を引く。どうして今の今まで気付かなかったのだろうか。まるでそう、その格好は武装しているみたいなのだ。

 

......いや、こんなやつが目の前にいるのに落ち着いてられるか!

 

「......こ、コスプレ?それとも、重犯罪者の方ですかね?」

 

「......マスター、私のこと本当にわからないんですか?」

 

俺の言葉を聞いた瞬間、悲しそうな顔ーー表情はほとんど変わってないが、目尻が下がって、声音も暗そうになったので、おそらく悲しんでいるのだろうーーをしながら上目遣いで俺のことを見る白髪の美少女。や、やめてくれ。そんな顔をされたら、なんだかこっちが悪いことをしてるみたいじゃないか。

 

っていうか可愛すぎてドキッと来たわ!反則だろ!

 

「くっ。や、やめろ。落ち着け俺。相手は不法侵入を働いた犯罪者だ。そんなやつにドキッとするわけねぇだろ。落ち着け落ち着け......」

 

「......心拍数が上がってます、マスター。......熱でも、あるんですか?」

 

「ーーーッ!?」

 

ひ、人が落ち着こうとしてるってのに、どうしてこの美少女は近付いてくるんだ!......え?な、なんで俺の額に手を当ててんの?ちょっ、顔近くなってる段々近くなってる!

 

「......額と額を合わせた結果、熱は、ないもようですね。......でも、心拍数は今までにないくらい、上がってますが、何故でしょうか。......マスター?マイ、マスター?」

 

「......」

 

美少女に額と額を合わせられたら、そりゃドキドキするだろうよ心拍数も上がるだろうよすいませんね16歳だけど年齢=彼女いない歴で。女の子に対する免疫力がないんだよ。

 

「っていうか、マジでお前は何者なんなんだよ!?」

 

「......本当に、わかってないんですね、マスター」

 

だ、だからそんな悲しそうな顔をしないでくれ!こっちまで悲しくなるから!心にズキズキくるから!

 

そんな俺の気持ちが伝わるはずもなく、目の前の美少女はその悲しそうな顔をしたまま、俺の部屋の机の方を指さす。......ん、んん?特に変わった様子はないと思う、が......あっ。

彼女の指さした俺の机をよくよく見てみると、違和感があることに気付く。

 

ーーーない。

 

そう、ないのだ。俺のとても大切にしていた物の内の一つが。二つあったうちの一つが、俺の机の上から消失していたのだ。

 

......まさか、とは思うが。いや、本当にありえるのだろうか、そんなことが。いや、だがしかし......そんな、まさか。ありえるはずがない。だって、その机の上からなくなっていたのは、消失していたのは間違いなく......。

 

 

 

 

 

 

「......ユニコーン?」

 

 

 

 

 

この時、彼女は初めて表情という表情を変えた。表情を変えなかったはずの彼女の、初めて見る花の咲いたような笑顔を、俺は今後一切忘れることはないだろう。それほどまでに綺麗で見惚れてしまったのだから。

 

彼女は、誰もが見惚れる笑顔のまま口を開く。

 

 

 

 

 

「......はいっ。マイ、マスター......っ!」

 

 

 

 

これが俺と、俺の持っていた『ガンプラ』が擬人化したユニコーンとの、初めての出会いであった。

 




今回はプロローグなので文字数は少ないですが、次回からは上がります。
小説は書いてるうちに上達するって、けーねが言ってた!

まだまだまずい分の為、ご指導いただけると嬉しいです。それ以外にも感想受け付けてます!

......自分のガンプラも擬人化しないかなぁ。


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ユニコーンは貧νだった。何を言ってるかわか(ry

はい。更新でございます。まだまだまずい文のため、誤字脱字やここがおかいしなどのことがありましたら、ご指導お願いします。それでは、どうぞ。


『ユニコーンガンダム』正式名称、『RX-0ユニコーン』

 

 

機動戦士ガンダムシリーズの『機動戦士ガンダムUC』にて主人公、バナージ・リンクスが乗っていた白い機体。

地球連邦軍の対ニュータイプ(NT)用ガンダムタイプモビルスーツ。連邦宇宙軍再編計画の一環である「UC計画」の最終段階として開発された実験機。アナハイム・エレクトロニクス社が保有する月面のグラナダ工場にて作られた。

バナージ・リンクスはこのユニコーンガンダムに乗り、地球連邦軍と一緒に様々な戦いを繰り広げる。時にはビームマグナムでひゃっはーしたり、時にはユニコーン用の装備じゃないけど、などと言いながらビームガトリングを乱射してひゃっはーしたり、NT-D(ニュータイプドライブ)を発動させデストロイモードになってビームサーベルで敵をぶった切って無双しながらひゃっはーしたりと、数え上げればきりが無い。

 

......それで。

 

「そんな俺の知っているユニコーンのガンプラが擬人化してしまった姿が、君だと?」

 

「......その通り、です。......私自身、どうして自我をもってしまったのかは、わかりません」

 

俺の目の前にちょこんと正座をしながら、さも当然のようにそう言い放つ彼女。

 

ううむ。正直な話、にわかには信じ難いものだ。それもそうだろう。いきなり目の前の美少女が私モビルスーツのプラモデルだったんです、などと言われても信じられるはずがない。そんな話を美少女だからという理由だけで信じてしまうやつはいっそ病院に行った方がいいと思う。

 

「......むっ、その顔、信じてませんね、マイマスター」

 

「そりゃすぐには信じられないよ、そんな話。......っていうかそのマスターっていうのやめてくれ。俺には藤堂(とうどう)薫(かおる)って名前があるんだから、藤堂とでも薫とでも呼んでくれて構わないから」

 

「......それは、いくらマスターの命令でも、受け難いです。......私は、マスターの手によって作られた、いわば従者のようなものですから」

 

無表情でそんなことを淡々と告げる彼女。奴隷などと言わないだけまだマシだと考えるべきなのだろうか。いや、マスターなどと呼ばれていては到底マシだなどと言えない。

 

はたから見たらまるで、いたいけな美少女にマスターと呼ぶよう強制している変態じゃないか。このまま外を出歩けば、間違いなく通報される。

 

「......まぁ、すぐに信じてもらえるとは、思っていません。......ですから、証拠を、お見せしましょう」

 

「証拠?」

 

はい、と相変わらず表情を変えずに彼女は、スっと立ち上がり、そのまま流れるような作業で俺のベッドの布団のシーツを引っペ剥がし、その裏に隠されていた鍵を手に持つと、これまた流れるような作業で鍵のついた俺の机の引き出しに鍵を差し込んで回し、がちゃりという音を確認してからそのまま引き出しをーーー

 

 

 

「って何してんだてめっこらぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

開けようとした瞬間我に返った俺は、引き出しを開けようとした彼女の手を慌てて掴んで止める。あまりにも自然にその作業を行っていたため、呆然としていた。対する彼女はというと、あまり表情を変えないが、頭に『?』という疑問系を抱いているのだけはわかる。だがどうしてそんなキョトンとした顔をするんだ。

 

「......私は、マスターに、証拠を見せようとしただけですよ?」

 

「それがどうして俺の秘蔵コレクションの隠し場所と繋がるんだ......あ」

 

そこまで言って気付く。異常な現象に。そうだ、そうだよ。

 

「なんでお前......俺の秘蔵コレクションの隠し場所、知ってるんだ?」

 

そう、なんで俺の目の前であまり変えることのなかった無表情さを一変させてドヤ顔を作っている彼女は、俺の秘蔵コレクションの隠し場所を知っているのだろうか。あんなに厳重にしていたのに、あの多恵でさえ気付かなかった隠し場所を、今日初対面の彼女は知っていた。ありえない。

 

 

それも......まるで最初っからそこにあることを『わかっていた』かのような動きだった。

 

 

そこまでわかっているなんて、と思いストーカーの可能性を考えたが、破棄する。こんな美少女が俺みたいな普通の男を追いかける理由もないし、仮に、俺に気付かれずに追いかけてきたとしても、こんな美少女がここら辺をうろついていれば、すぐに噂になる。ここはアパートなのだから、住人である俺にもすぐに噂は聞こえてくるはずなのだ。

 

しかしそれがないということは......。

 

「......マスターが、私、ユニコーンを作ってから、1ヶ月が経ちます」

 

「あ、あぁ。確かに、ユニコーンと『あいつ』を作ってから、そろそろ1ヶ月が経つな」

 

「......マスターは私のことを、大切に、それはもう、大切に扱ってくれました。......ただの、物なのに、無機物だったのに」

 

な、なんか、微笑みながらそう言われると、恥ずかしいんだけど。っていうか彼女、ひょっとしてだが、無表情などではなく、あまり感情表現が上手くないだけなのではないだろうか。だから時々感情がはっきりと表情に出ている時があるのでは?先程のドヤ顔だったり、今のこの微笑みだったり。......いや、今はそんなことどうでもいいか。

 

「......私は、その1ヶ月、マスターのことをずっと見ていたのです。......この人は優しい人なんだな、と思いながら。......私としては、そんな優しい人がマスターで、光栄です」

 

「いやだからそれがどうして俺の秘蔵コレクションの隠し場所と......」

 

ずっと、見ていた?

 

仮に、今目の前にいる彼女が、ユニコーンとしよう。この1ヶ月ユニコーンは、ずっと俺の部屋の机の上に、『あいつ』と一緒に飾られていた。つまりユニコーンは、俺のこの部屋での出来事は、全て知っているはず。コレクションの隠し場所であったり、そのコレクションに行き着くための鍵のありかであったり。

 

......え?じゃあ、まさか?

 

「も、もしかして、本当にユニコーンなのか!?」

 

「......先程から、何度もそう、伝えてます」

 

ぷぅ、と無表情のまま頬を膨らますその姿を可愛らしいと思えるのだが、今の俺はそれすらも考えきれない。

 

ガンプラが人になった?美少女になった?そんなのありえない。物理的に無理だ。じゃあどうして彼女は俺の部屋のことを知っている?ストーカー?いやそれはない、ありえないとさっき考えたばかり。そうだ。もっと証拠が必要だ。

 

「ユニコーンっていうわりには、角と手足のアーマーくらいしかつけてないが......武器はどうした?ビームマグナムは?見たところ何も持っていないようだが?」

 

「......武器は、出せるには、出せます。......ですが、マスターに危害が及ぶかもという、万が一のことを考えて、出しません」

 

それじゃあ証拠にはならない。どうすれば彼女は武器らしい武器を見せてくれる?それとも、本当は武器なんか持ってなくて、ただのコスプレだったのか?いや、それにしては辻褄があわない。

 

怒らせれば武器を取り出したり?

 

「えっと、ユニコーンのばーか」

 

「......怒らせて、私に武器を取らせようとお考え、ですか。......危害が及ぶ、かもしれないのですから、その手には乗りませんよ」

 

「ユニコーンかっこ悪い」

 

「......乗りません」

 

「ユニコーン弱い」

 

「......怒りません」

 

「ビームマグナムとか対したことない」

 

「......無駄です」

 

「貧νーーー」

 

「......右目と左目、どちらをこのビームマグナムで、ぶち抜かれたいですか?」

 

あ、これ本物だわ。

 

いつの間にか持っていたビームマグナムの銃口を向けられた瞬間、そう悟った。うんわかった。この子ユニコーンだわ。考えるな、感じろってこういうことだったのか。

 

しかしユニコーン......貧νなこと、気にしてたんだな。

 

「......マスター?」

 

「誠に申し訳ございません」

 

まぁそんなこんなで俺は、彼女のことをユニコーンと認めることにした。何故ユニコーンが擬人化してしまったのかは謎すぎるが、今は考えていてもしょうがない。彼女自身わかっていないようだし。今はとにかく、こうとだけ言えるだろう。

 

 

アパートでの一人暮らしではなくなった、とだけ。

 

 




作者はユニコーンが好きですが何か。いいじゃないか、こういう物語が一つくらいあったって。
え?主人公の持っている秘蔵コレクションってなに?あれですよ。保険の参考書ですよ。

感想等、心待ちにしております。

P.S.そろそろ冬休み。来年は受験の時期になりますねぇ(遠い目)。忙しくて更新遅れたらごめんなさい。


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ユニコーンは女子力が高かった。何を言ってるかわか(ry

更新遅れてすいません!......ええ、それしか言いません。だって事実だもの(錯乱)!

遅れに遅れた最新話をどうぞ!


「......マスター、お風呂が、沸きました」

 

「おっ。悪いな、ユニコーン。風呂の掃除までしてもらったあげくに湯の監視までしてもらって」

 

いえいえ、と小さく呟きながら、『料理』をしにキッチンへと向かう元ガンプラのユニコーン。

 

『料理』。

 

いや、実をいえば俺自身すごく驚いている。まさか元ガンプラのユニコーンが料理をできるだなんて。しかも俺なんかより相当上手く、材料も安いものばかりだ。つまり低コストでありながら美味しいご飯を作っているのだ、ユニコーンは。一人暮らしで料理スキルはかなり上の方だと自負していた俺が恥ずかしい。

 

「いやぁにしても......ユニコーンが来てから、この部屋も随分と綺麗になったな」

 

ユニコーンが擬人化してから、実に三日。その三日間でこのアパートの一室は、見違えるほど綺麗になっていた。散らかっていた物などは分かり易いようにまとめられており、誇りなども全くない。ユニコーンの家事力には頭が上がらないよ。

 

「......風呂に入るか」

 

そう思い、風呂場に向かう。ユニコーンはキッチンで料理を作っているから、今のうちに風呂を済ませておこう。

 

 

☆☆☆

 

 

「ふぅ......んー、湯加減最高っ」

 

脱衣所で服を脱いだ俺は、早速風呂に入ることにした。何とも言えない絶妙な湯加減さに、感激の言葉を漏らす。この湯加減が俺の一番好きなやつだからだ。......まぁ、どうしてそんなことをユニコーンが知っているかは聞かないが。うん。ユニコーンだからだよ。

 

「......あと一週間で、冬休みも終わりかぁ」

 

そう考えると、感慨深いものがあるなぁ。夏休みとかでも、終わりが近づいてくると、無性に悲しくなったり。まさにあんな感じだ。

俺も来年からは二年生になる。まぁそもそも、明日から来年なのだが。父さんも母さんも、今頃海外で元気に働いているんだろうが、せめて正月くらいには戻ってきてほしい。悲しくて何が悪い。こちとらまだ高校生なんだよ子供なんだよ。

 

「あー何考えてんだか。正月にユニコーンもいるだろ。一人じゃないっての」

 

そうだ。俺は今一人じゃない。ユニコーンがいる。それに、今は旅行でここにいない多恵も、明後日には戻ってくる。いつもの日常に、ユニコーンが加わっただけ......ん?

 

「......多恵にユニコーンのこと、なんて説明すれば?」

 

そ、それを完璧に忘れていた。どうしよう。あの幼なじみにユニコーンのことをなんて説明しよう。

 

生き別れの妹です。ダメだ、似てなさすぎる。

 

俺の恋人だ。ユニコーンと俺じゃ見合ってなさすぎだろ図に乗るな。

 

コスプレの会場で知り合って。じゃあなんで俺の家で暮らしてんだよってなるだろ。

 

正直にガンプラが擬人化した子なんだ。痛い目で見られて今後が気まずくなりそうだ。

 

......考えつかない。どうしようか。なんて説明すればいいんだろうか。下手すれば俺は実の幼なじみに通報されそうだ。幼なじみが白髪の美少女をコスプレさせて監禁してます、と。それだけはいかん。俺の人生に幕を降ろすわけにはいかないんだ。

 

「考えろ、考えるんだ。こんな時お前ならどうする、バナージ」

 

まぁ、俺の名前はバナージではありませんがね。こうやってふざけてないとやってられないからだ。やけになって酒を飲むのと一緒。いや飲んだことないけどね。

 

「......まぁとりあえず上がって、ユニコーンに多恵の話をしてーー「......私がどうか、しましたか、マスター」ーーいやだから、お前に多恵のことを、ってうぉぉぉぉぉいっ!?」

 

湯船から上がろうとした体を瞬時に下げ、湯船に勢いよく浸かる。そんな俺の目の前には、キョトンとした顔をしているユニコーンが。

 

「なっ、なななっ、なんでお前入ってきてるの!?ねぇなんで!?」

 

「......あ、いえ、そう言えばシャンプーを、切らしていたので」

 

つまりは詰め替えをしにきたってことか。そこはいい。それは嬉しいんだ。その気遣いは嬉しいんだ。......でも!

 

「おまっ、じゃあ服は!?」

 

そう。服だ。どうして目の前にいるこの元ガンプラは、バスタオル一枚でこの場にいるのだろうか。おかしい。おかしすぎる。

 

「......少し前にマスターから、お風呂は、服を脱いで入るもの、と教えられたので」

 

「時と場合によるだろ!」

 

い、いかん。普段の服ーーユニコーンの手足のアーマーは取り外しが可能だったので、普段は外して白いワンピースなどを渡している。頭の角は取り外し不可能だったがーーとは違い、今はその体にバスタオル一枚。しかもこの風呂場の湿気でバスタオルが少し濡れ、体のラインが......。

 

「......マスター、流石に、そんなに見つめられると、恥ずかしいです」

 

「え?あっ、ご、ごめん!」

 

指摘されて気付き、恥ずかしさから慌てて目を逸らす。

 

「......もしかして、マスター、私の体に興味が?」

 

その問に俺は、答えることができない。ここでイエスと答えれば、これからの生活に支障が生じるし、ノーと答えれば、傷付くかもしれない。

 

「......」

 

「......あ、そっ、そうだったの、ですか。......あ、ーーーッ!」

 

などと考えていたため黙っていた俺を肯定と感じたのか、ユニコーンは突然バスタオル一枚しか着ていない自分の体を両手で隠すように抱きしめながら、真っ赤な顔をして風呂場から走り去ってしまった。

 

「......き、気まずくなりそう、だなぁ」

 

一人ぽつんと呟いた俺の声は、途中で恐らくユニコーンがこけたであろうゴスッと言う音にかき消されたのであった。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「......」

 

「......」

 

カチャカチャと、食器の音だけが虚しく響く。俺の予想通り、気まずくなってしまった。せっかくの美味しいご飯も、これでは美味しさ半減だ。誰だってご飯は静かに食べるより、楽しく食べた方が美味しく感じる。......しかし。

 

「......ユニコー」

 

「ーーーッ!?」

 

名前を呼ぶ度に顔を真っ赤にして体をびくりと震わせるこの子を、俺はどうやって落ち着かせればいいんだ?

 

「......ええと、そこのマヨネーズ、取ってほしいんだけど?」

 

「......これですね、わかりました」

 

そう言ってユニコーンは、先ほどの慌てぶりなどなかったかのように平然とした態度で目の前にあったマヨネーズを手に取り、こちらへと差し出してきた。当然差し出されたそのマヨネーズを取るために手を伸ばす俺。しかしマヨネーズを取る瞬間、俺の指とユニコーンの指が接触した。

 

ぴとっ。

 

「ーーーッ!?」

 

「ゆ、ユニコーン!?」

 

と思った瞬間だった。顔を前よりもさらに真っ赤にしたユニコーンは、バッと立ち上がり、瞬時に自分の部屋ーーユニコーンの部屋は今まで何も使っていなかった部屋だ。一応掃除もしてあるーーに走って戻っていってしまった。

 

一人ポツンと食卓に残っているのは、呆然としている俺だけ。

 

 

 

「......女の子って、いろいろと難しいんだな」

 

 

 

改めてそう思う出来事であった。

 

 




いいですよね。純粋な子ほど女の子(意味深)として見られてると認識してしまったときの慌てようって。ええ、興奮します。作者は変態ですが何か(^ω^ ≡ ^ω^)?


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俺のガンプラがもう一つ擬人化した。何を言ってるかわか(ry

はい。今回ついに......もう一機、主人公が最初に言っていた、『あいつ』が擬人化してしまいます!どうなる主人公!?ちくしょう羨ましい!爆発しやがれ!!


 

 

......さて、と。

 

 

まずは、何から話をしようものか。そう考えるが、一向にどこから話を切り出せばいいのかもわからず、頭を悩ませる俺。

 

そうだ。昨日だ。

 

昨日はユニコーンと色々あり、一時は気まずい空気が流れていたが、なんやかんやでなんとかなった。その後のユニコーンの行動が色々といつものユニコーンっぽくなかったが、俺の気のせいだろうと思い、あえて何も触れなかった。

 

そうして昨日は終わったんだっけか。

 

......さて、ここからが問題だ。問題が起こったのは、今朝。目を覚ました時から、俺は異変に気が付いていた。

 

さてさて、その問題とは、異変とはなにか、であるが。

 

結論からして、これは俺の頭では到底理解できないことだったのだ。だから上手い説明の仕様もない。これは仕方が無い。ユニコーンのことでも俺の頭では到底理解できなかったが、今回のことも理解できないくらいだ。

 

ほら、よくあるじゃないか。科学で解明できないことはない、って感じのやつ。

 

確かに俺も最初はそう思っていたさ。科学者ってのに異様に憧れた時期もあってか、中学時代は科学のことを知りつくそうと色々やっていたのだ。だからこう見えて知識や雑学はかなりある方だと自負している。特に科学系統は。......いやまあ、ほとんどネットにあった知識の受けおりだけどな。それは御愛嬌ってことで。

 

とにもかくにも俺には、科学で得た知識があった。

 

しかし前回のユニコーンの件といい、今回の件といい、科学などでは到底証明のできない問題があるのだと、俺はそうとだけ理解した。この世に科学で解明できないことはない、などという言葉は嘘だと、はっきりわかった瞬間である。

......さて冒頭に戻るのだが、果たしてこの件、どう説明すればいいのだろうか。

 

もうこの際、はっきりと言ってやろう。俺の出来る限りわかりやすくした説明の仕方だ。

 

 

 

 

「マスターマスター!白いのだけずるいぞ!私にも撫でたりとかしてくれよ!」

 

「......そもそも撫で撫では、私がマスターのために頑張ったご褒美であり、あなたには関係ないはずです。......引っ込んでください」

 

 

 

 

ーーー俺のガンプラがもう一体、擬人化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー......と、いうわけで。お前は俺の机の上にあったガンプラ、『バンシィ』......ってことでいいんだな?」

 

「そうだよマスター!いやぁ、自我はあったんだけど、ずっと動けないしどうすればいいんだろって思ってたら白いのだけ先に人間の体になるし、マスターとお喋りばっかしてずるい!って思ってたら勝手に人間の体になってたんだ!びっくりだな!」

 

びっくりなのはこっちだばかやろう、とは決して言わない。ややこしくなるから。

 

......まあ、驚かないさ。ユニコーンで慣れてるしな。この程度では全く驚かないーーーわけねぇだろ!?

 

えっ?なんで?なんでバンシィまで擬人化してんの!?ユニコーンだけだと思ってたら、まさかの二機目!?不意打ちすぎるわ!!

しかもなんか、ユニコーンより色々と発達してる!次世代機だからか!?

 

「......マスター、いま、私の胸とバンシィの胸、見比べましたか?」

 

「ソンナコトナイヨーナニヲイッテルンダー」

 

あ、あぶない。危うくビームマグナムの餌食になるところだった。何故かユニコーンは、胸のこととなると異様に勘が鋭い。大丈夫です、まだ成長余地はあります。なんて言って自分の胸に手をやってるユニコーンに俺はエールを送りたい。

 

......だがそれにしても、バンシィの『それ』はいかんだろうに。完全にユニコーンに喧嘩売ってるぞ、あれは。

 

真っ黒、それでいてどこかきらびやかさを醸し出している漆黒の髪。その髪を二つに束ねている、いわゆるツインテール、というのがバンシィの髪型。

姉妹機ということもあってか、顔もユニコーンにどことなく似ているが、明らかに違うのは、瞳の色。ブルーサファイアのユニコーンに対し、バンシィの瞳の色は燃えるように真っ赤なガーネット、と例えられる。

漆黒の髪とは正反対のユニコーンのような白い肌に、これまたユニコーンと同じくらいの背丈。身長170cmの俺の肩あたりにユニコーンの頭は位置しているので、ユニコーンもバンシィも大体160cmくらいだろう。

更に四肢には、ユニコーンと同じようなゴテゴテの黒いアーマーが。ここまで似ているものなのか。やはりこれは、姉妹機だから、というのが大きく影響しているからだろうか。......いや、髪の色髪型、瞳の色とその活発そうな喋り方以外にもう一つ、明らかにユニコーンと違うところがある。

 

 

 

 

ーーー胸だ。

 

 

 

 

これがもうほんと、俺が最初に思った『それ』。ユニコーンに喧嘩売ってると思ってもしかたがないほどの差が、そこにはあった。

あれだな。バンシィは発育が良いんだ。後に作られたから。うん。だからユニコーン。そんな今にも『その脂肪の塊引きちぎってやろうか?あぁん?』みたいな目はやめてくれ。怖い。

 

「......ビームサーベルで、焼き切って、あげましょうか」

 

「ユニコーン!?」

 

いかん!俺よりさらにひどいことを考えてやがった!

 

本気ではないだろうがーー恐らく冗談だ。そう信じたいーー念のために俺はバンシィの前に立ちふさがる。ユニコーンから守るために。

 

「マスター!!今まで動けず机の上で我慢していた分、今日は甘えさせてもらうからな!!」

 

「のわっ!?」

 

すると奴さん、何を考えたかは知らないが、突然俺の背中へと飛びついてきやがった。もちろん奴さんっていうのは、後ろにいたバンシィのことだ。まったく、何がしたいんだバンシィは。っていうかもう、こいつがバンシィであることに疑いを持たない時点で俺も相当ユニコーンに毒されてるんだなと思う。......ん?

 

 

 

ーーーッ!?む、胸が!?その豊満なおっぱいが俺の背中にぃぃぃぃ当たってるぅぅぅぅ!!

 

 

 

「......マスター、鼻の下が、伸びてますよ?」

 

はっ。いかん!心頭滅却!おのれバンシィ。こんな方法で俺が動じるとでも......思って、いる、の、やわらけぇ!!

 

「......バンシィ、マスターから、離れてください」

 

「やーだよーだ!白いのはもう存分にマスターと触れ合っただろ!!」

 

「......そんなに、触れ合って、ません。......これから、です」

 

ん?これから?どういうことだろうか、ってやめろぉバンシィ!背中に密着したまま動くなぁ!!感触がぁぁぁぁぁぁ!!

 

「......マスター、あとでお説教です」

 

ほら見ろぉ!?ユニコーンさんがお怒りじゃないか!!どうしてくれるんだバンシィ!!

 

と目線だけ背中に向けると、バンシィは俺の顔を見て、ニッと笑ってみせた。こういう表情豊かで明るいところ、ユニコーンとは正反対だよな。

 

そしてバンシィは改めてユニコーンを見据え直して......。

 

 

 

 

 

「うっさい!マスターを喜ばせることすらできない胸部のくせに!!」

 

 

 

 

 

ーーーなどという、爆弾発言をかましやがった。

 

「......」

 

「......」

 

「ふふん」

 

いや、何ドヤ顔してんですかバンシィさん。何私勝ったよ褒めて褒めて、みたいなキラキラした目をしてるんですか。向こう見てくださいよ。ドロドロした目をしてますよ?ちょう殺気立たせてますよ?

 

「......あなたが、人の形をする前に、手足の二、三本へし折ってやれば、よかったですかね?」

 

「「ーーーひぃっ!?」」

 

や、やばい。こんなにドスの効いた声をしたユニコーンは初めて見るぞ。本気で怖い。怖いっていうかやばい!

 

「ふ、ふんだ!そんな脅し効かないぞ!私は我慢した分、マスターといっぱい仲良くなるんだ!」

 

「......私とマスターとの間に、何勝手に入ってきてるんですか、この泥棒猫」

 

「そんなの私の勝手でしょうが!ねぇ知ってる?噂では白いの、あんたは『白いバンシィ』って呼ばれてるんだよ!私の方がスペック機体性能その他もろもろ勝ってるのよ!敗者は出ていきなさい!!」

 

「......私は、一度仕えると決めた方には、一生尽くす。......逆にあなたは、乗り手を色々と変えられてる、いわば淫乱」

 

「い、いいいいっ、言ってはならないことを言ったなぁ!?誰が淫乱だぁ!!」

 

な、なんだこれは!?なんでこいつらはこんなに仲が悪いんだ!?姉妹機だろ?もっと仲良くしろよ!

 

そもそも俺は喜んでいいのかそれともこれからの生活に不安を抱かなければいけないのか、一体どっちなんだ!?どっちなんだってばよ!!

 

「......その点私のことをマスターは、部品の一つ一つを、大切に扱いながら、心を込めて作ってくれた。......作った後も、ちゃんと私のことを、想ってくれていた。......私こそ、マスターにふさわしい」

 

「ふふん!それは私のことを、より正確に、精密に作ってくれるためよ!白いのはつまり、本命である私をより上手く作るための、試作品ってわけよ!現に私の方がよりいい作り方をしてくれてるし!」

 

いや、そんなことはないぞ?普通にその時あったお金で買えるのがユニコーンで、そのあとにもう一回同じ店に行ったら、買ったユニコーンが置かれていた場所にバンシィがあったから、買ったんだぞ?だってユニコーン世代のこの二機は一番好きだったし。

 

ちなみにバンシィはよりいい作り方、とか言ってるけど、ユニコーンを作った時と同じような物しか使ってないからな? ......などということは言わない。死にたくないからだ。

 

あぁ、もう......。

 

「やるのか、白いの!!」

 

「......ふん、三分で、ケリをつけてあげます」

 

「いやそもそもこの部屋で喧嘩しないでくれるかなぁ!?」

 

俺の生活、これからどうなるのさ!!

 

 

 




はい。バンシィがついに擬人化しましたね。ちなみに言えば私、ユニコーンなどの知識は、昔見ただけなので、結構うろ覚えだったりします。え?ggrks?......坊やだからさ(錯乱)。


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俺のガンプラがNT-Dを発動させた。何を言ってるかわか(ry

うおおおお!更新遅れて申し訳ないいいい!テストやっと終わったぁぁぁ!!……というなの言い訳さ。

久しぶりに、しかも夜中に勢いで書いたため、もしここがおかしい、などの点があった場合は、お気軽にご指導お願い致します!


「おい白いの、マスターに近付きすぎだぞ。離れろ」

 

「......私より、貴女の方が、マスターに近すぎです。......離れて、ください」

 

「いやお前ら二人共だよ!?」

 

二人の口喧嘩を、喧嘩両成敗でバッサリと切り捨てる俺。だがしかし、それも仕方ないことであろう。それほどまでに、この二人はお互いのことを言えないくらい俺に近付いているのだ。いや、もうこれは、くっついている、と表現したほうがいいのか。

 

ーーーとにかくっ!

 

「ええい離れろ!宿題できないだろ!」

 

「ええー?そんなのより私と遊ぼうぜマスター!」

 

「……わかり、ました、離れます。……私は、できる、女なので、子供みたいに駄々こねる、子供みたいな貴女とは違いますから」

 

なんだとぉ?と、一足先に離れたユニコーンに、立ち上がって噛み付くように威嚇をするバンシィ。売り言葉に買い言葉、とはまさにこのことだ。この二人はほんとによく喧嘩する。喧嘩するほど仲がいいのだろうか?

 

……まあ、とにもかくにも、これで宿題に集中できるのだ。大体美少女二人に挟まれて密着状態になってるのに、集中できるわけあるか。俺がどれだけ我慢するのに必死だったことか。相手は元プラモデル、無機物、宿題……などと、一人で葛藤していた俺の努力を水の泡にしたくはない。

 

じゃあ早速、数学から始めまーー『NT-Dを起動します』ーーはい?

 

 

「なんでいつもいつも我の邪魔をするのだ、白いの!!よいではないか、少しくらいマスターと戯れても!!」

 

「よくないです!!マスターは、決して貴女のものではありません!!」

 

 

……え?ちょ、な、なにこれ!?どうしてバンシィの体から金色のオーラみたいなのが出てるの!?なんで口調変わってるの!?ってかユニコーンに至っては表情が豊かになってる!?それどころか、基本無口なのにめちゃくちゃ語気を荒げてる!?

 

何がなんだかわからない俺は、とりあえず説明を求めることにした。

 

「ちょ、お前ら!その姿なんだ!?角開いてるし、口調変わってるし!!」

 

「マスター、もう暫し待っておるといい。手土産にこの貧νをボッコボコにしてマスターの前に献上するからのう」

 

「はん、貴女なんかにできるんですか、この淫乱!冗談はその乳だけにしておいてくださいよね」

 

 

 

「人の話を聞けえええええええええーー!!!」

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「……なるほど。あれが設定にあった、NT-D。デストロイモード、ってわけか」

 

「ううっ……いたいぃ」

 

「……痛い、です」

 

一人うんうんと納得する俺の目の前で、少し涙目になりながら頭を押さえている二人の少女。言わずもがな、ユニコーンとバンシィである。

 

あのあと、人の話を聞けと言ったにも関わらず、いきなりビームサーベルを取り出して斬り合いをした挙句に俺の冬休みの宿題である数学のプリントを細切れにしたため、鉄拳制裁を食らわせて物理的に静かにさせた。

 

その結果、今はNT-Dを収めて、俺の目の前でちょこんと正座をしているだけの少女となった。

 

「しかもお前らの場合、NT-Dを起動させると、姿が少し変わる上に、性格がだいぶ変わるみたいだな」

 

「……NT-Dは、私たちの中で要約してしまえば、足りない部分を補っているシステム、でしょうか。……いたい」

 

ふんふんなるほど。つまり、ユニコーンの場合は性格面、要は表情などか。……バンシィは、まあ、なんだ。馬鹿っぽいところ、かな。NT-Dを起動させてるときは、知的だったしな。つまりは、そういうことなのだろう。

 

「……まあ、仕組みについては大体わかった。が、それとこれとは話が別だ。なぁ、ユニコーン、バンシィ?」

 

「うっ」

 

「……はい」

 

まったく。喧嘩するほど仲がいい、ってなことで、仲がいいのは大いに結構なのだが、それで周りに迷惑をかけてはいけない。今回は俺だったからよかったものの、これが他人とかだったら、最悪通報されるぞ。

……いや、まあ、まず信じられないか。ビームサーベルを振り回している美少女が二人います、だなんて言われても、警察は『?』としかならないだろうから。って、そうじゃなくて。

 

「とにかくお前たち。今度からは、喧嘩は頻度を抑えること。あと、度が過ぎた喧嘩はしちゃいけない。わかったか?」

 

「ごめんなさい、マスター……」

 

「……申し訳、ありません」

 

うん。わかってくれるならいいんだ。それにこうやって見ると、まるで、妹ができた気分だな。兄に叱られている妹、って感じで、不思議とそう思ってしまう。

 

「じゃあもう正座をやめていいよ。ごめんな、ゲンコツなんかして」

 

「ううっ、マスター!」

 

「……ありがとうございます、マスター」

 

まったく、可愛いなぁこの二人は。ほんとに元プラモデルなのだろうか。そうとは全く思えないのだが。……いや、そもそも、なぜプラモデルが擬人化したのだろうか。普通はありえないことだ。世紀の大発見レベルだ。

 

……もし、この二人が研究者に連れてかれたら。

 

そう思うと、ぞっとした。おそらく、徹底的に研究されるだろう。それこそ、人には言えないような実験までするはずだ。俺の知っている科学者とは、そういった存在なのだから。

 

「マスター、どうしたんだ?そんな怖い顔して」

 

「……何か、不安な、ことでも?」

 

……そんな顔してたのか、俺。

 

まずいまずい。変なことを彼女たちに言って、逆に不安にさせたらいけない。純粋なこの子達には、知ってお区必要性も感じられないだろうし。そう思い、すぐに表情を笑顔に変え、話題転換をする。

 

「いや、なに。……どっちが胸でかいんだろ、って思っーーーあっ」

 

言って、後悔する。

 

いやいやいや。待って待って。おかしいだろ今の話題転換は。いくらなんでもおかしいだろ。なんで俺は胸について怖い顔をするのだ、いやそもそも、なぜ胸について、だなんて言ったのか。だいぶテンパっているのだろうか。

 

「……マスター」

 

「ーーーひゃいっ!?」

 

地獄の底まで響き渡るかのような、そんな、暗い声。それを聞いた瞬間に頭の中で理解する。

 

 

『NT-Dを起動します』

 

 

ーーーあぁ、やってしまった、と。

 

 

 

 

 

「マスターの、ばかぁぁぁぁぁぁぁーー!!!」

 

 

「ぐべらぁっ!?」

 

 

 

 

 

ちなみにその日のことは、よく覚えていない。

 

 

 




更新、もっと早くしないとね:(´◦ω◦`):。


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俺のガンプラが電波を受信した。何を言ってるかわか(ry

ほんとにすみません就活とかで忙しかったんですいい訳ですすいません!!

遅れに遅れた最新話、どうぞ!!


「……いま、確認できてるだけですが、この周辺に私達以外にも、擬人化したガンダムが、います」

 

「……マジで?」

 

嘘だろ、と言ったふうに呟いた俺の言葉にユニコーンは、頷くことで否定を顕にした。

この周辺、つまり俺の住んでいるこの街に、ユニコーンやバンシィ以外にも何体かガンプラが擬人化した、ということだ。

 

「私達の他にも擬人化した奴らがいるのはわかってたけど、別にいいんじゃないのか、白いの」

 

「……わからない。……中には、好戦的なやつもいるかも、しれないし」

 

好戦的……つまり、戦闘。戦い。擬人化したガンプラ同士の、だ。

その戦いが何の利益になるのかもわからないし、そもそも何故ユニコーンやバンシィ、そしてこの街にいると言われているガンプラたちが擬人化したのも含めて、わからないことだらけ。……だが、しかし。

 

 

ーーーもしも擬人化したガンプラ同士が戦えば、ただでは済まない。これだけはわかる。

 

 

なにしろ、人を超越した力、武器、能力などがあるのだ。それらを持つ者同士がお互いと戦えば、無事ではないということくらい、想像がつく。

 

「……なぁ、ユニコーン、バンシィ。お前らはどうやって擬人化したガンプラ達がいるってわかったんだ?」

 

「電波さ、マスター」

 

「電波?」

 

「……電波、です。……私達は、特有の電波を、発していて、それらを、受信しているんです」

 

電波、ね。なるほど。つまりユニコーンやバンシィは、近くに擬人化したガンプラ……いや、もうガンダムでいいか。とにかく、ガンダムがいるかがわかる、ということか。

 

「まあ、と言っても、危害を加えられるわけでも、ここら辺で暴れ回ってるわけでもないから、白いのが考えてるほどじゃないと思うぞマスター」

 

……いや、わからない。バンシィはこう言ってはいるし、実際何も耳よりな情報なんて何も入ってきてないし、不可思議な現象も、ガンプラが擬人化した事以外何も起きていない。……が。

 

俺のところで擬人化したガンプラの、ユニコーンやバンシィのように、他の誰かのところでも、擬人化現象は起きている。だとすると、そう。

 

ーーー擬人化したガンプラ……いや、ガンダムを、悪用するマスターも現れるんじゃないか。

 

そう考えても何ら不思議はない。そもそも、どういった理屈で、どういった理由で擬人化するのかもわからないが、人には様々な者がいる。例えば、悪い心を持っている人のところに、何らかの拍子にガンプラが擬人化した、となると、果たしてその人は何もしないのであろうか。

 

 

ガンダムを『使って』。

 

 

「なぁ、ユニコーン、バンシィ。お前らは、人だ。俺は、少なくとも俺は、そう考えてる」

 

「ど、どうしたんだマスター。こそばゆいぞ」

 

「……はい、マイ、マスター」

 

「だから俺は、そんなお前たち人間を道具みたいに使うやつが、もしも現れたとしたら、俺はそいつを許せない。だから、ユニコーン、バンシィ。……その時は、戦ってくれるか?」

 

これは、ただの俺のエゴだ。自分勝手な考えだ。こんな考えをユニコーンやバンシィに押し付けて、ましてや戦ってほしいだなんて。……でも、それでも彼女たちは。

 

「戦わせてくれ、マスター。私も同意見さ。マスターに命令かれたって、背いてでもそいつぶん殴ってやりたいくらいさ」

 

「……それが、マスターの願いとあれば、当然のことです。……その時は、一緒に、戦いましょう」

 

それでも彼女たちは、わかってくれる。俺の気持ちを。俺の考えを。だから俺は、そんな彼女たちのことを、出会ってそんなに経ってないはずなのに、信じているのだ。そこには確かに、『絆』が生まれていた。そしてそれこそが、彼女たちが人間だという、確かな証拠なのだ。

 

「……と、言ってもまあ。そんなやつが現れたら、の話だけどねマスター!」

 

「確かにそうだな。今はまだ、そこまで危惧することでもないかな。お前たちと同じように、擬人化してみんな時間は経ってないはずだし」

 

「……そうですね、マスター。……では、マスター、ご飯を作ってまいります」

 

「お、白いの!今日のご飯はーー「……あなたは、残飯で、十分です」ーーむっかぁ!!なんだと白いのぉ!?」

 

「おいおい、喧嘩はやめろよなー?」

 

 

 

 

ーーーこの時の俺たちは、まだ、知らなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

「あれが、ユニコーンとバンシィのマスター、か……こちらのマスターの、言った通りだな」

 

 

 

 

 

ーーー既に俺たちは、戦いの渦に巻き込まれていたということに。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「ふふーん。明日は久しぶりに薫君に会えるなぁ!楽しみ楽しみ!」

 

ある家の風呂場で、湯船に浸かりながらルンルンと、ひと目で上機嫌とわかるほどの鼻声を上げ、彼女は旅行で疲れた体を癒していた。そして思い浮かべるのは、明日には会うであろう自分の幼なじみのこと。

 

「ふっふっふーん。さぁて、明日こそ薫君のガンプラ癖を治してみせるんだから!」

 

一人意気揚々と声を荒らげる、ナゾのテンションの彼女。それほど幼なじみに久しぶりに会えるのが嬉しいのだ。そして、そんな彼女の幼なじみは、彼女がそう呼んでいるだけであるが、ガンプラ癖を持っている。これを彼女は治したいのだ。……理由は、とても簡単で明白なもの。

 

 

ーーー彼女が、その幼なじみに恋をしているからだ。

 

 

ガンプラが好きなあまり、ガンプラばかりを見て自分をあまり見てくれない幼なじみに彼女は、要は、ガンプラに嫉妬しているのだ。そんな彼女が考えたのは、そのガンプラ癖を治して、改めて自分を見てもらおう、という作戦だ。

 

「無機物なんかより、人間の方がいいに絶対決まってるよ」

 

そんな独り言を呟きながら、彼女は浴槽から上がり、洗面所へと場所を移す。

タオルで濡れた体を拭き上げ、予め用意してあった下着を履き、そのうえに寝間着をきる時、ふと、思い出す。

 

「……でも、薫君からもらったガンプラは、憎めないなぁ」

 

そう。幼い頃に、幼なじみが彼女にガンプラの魅力を教えるために、ガンプラを買ってあげたのだ。その頃から幼なじみに惹かれていた彼女は、ガンプラを理解することで幼なじみの気を引けるのでは、と考え、本気でガンプラの制作に当たった。

 

結果として理解はできなかったし、気も引けなかったが、それでもその時彼から言われた言葉、『すっげぇ!多恵って才能あるぞ!』という褒め言葉で、終わりよければ全て良し、としているのだ。良くも悪くも、恋する乙女は単純というわけだった。

 

「さーてさて、寝る前に、明日の服でも選ぼー」

 

想いビトに会える明日に心躍らせながら、彼女は自分の部屋へ行くための階段を登っていく。

一段、また一段と、着実に上へと登っていき、ついに一番上までたどり着いた多恵は、自分の部屋の扉を開ける。

 

……そして、そんな彼女の目に真っ先に移りこんだものは。

 

 

 

 

 

 

「ーーーむ。やっと会えたな、マスター。この姿では、お初にお目にかかる。私の名はシナンジュ。これからもよろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

「ーーーへ?」

 

 

 

 

 

机の上に飾っていたはずの、UC好きの彼から貰ったシナンジュというガンプラが、擬人化した姿だった。

 

 




久しぶりなので、拙い文ですが、面白ければ幸いです。

評価、感想、批判等、心よりお待ちしております!!


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俺のガンプラが吹き飛ばされた。何を言ってるかわか(ry

はい、ここまで更新遅れてすいませんでした!就活や車高等でモチベーション上がらなくて……すいませんでした!!

今回、結構な急展開だったりします!


 

 

「……マスター、下がっていてください」

 

 

「目標を補足。これより、捕獲行動に移行する」

 

 

「……おいおい、嘘だろ」

 

 

乾いた喉から発せられた俺の声が、静まり返った空間に広がり霧散する。

 

 

ーーー擬人化ガンプラ。

 

 

俺はユニコーンやバンシィの存在をこう呼んでいる。メタリックなガンプラが擬人化し、人の肌を持ち、人の感情を持ち、人の温もりを持つ。それが、擬人化ガンプラ。

 

いや、わかっていたんだ。少なくとも予想はしていた。擬人化ガンプラは、何もユニコーンやバンシィだけではない、と。

ほかの人達だってガンプラは買ってるんだし、俺が特別な力か何かを持ってない限りは、ガンプラは擬人化なんかしない。だからこそ、俺以外でもガンプラが擬人化しているかもしれない、ということは、少なからずとも予想していた。そして、その予想は見事に当たっていた。……もっとも。

 

 

ーーーその擬人化ガンプラが俺を襲う、というのは、流石に予想外であったが。

 

 

それは、突然だった。ユニコーンを連れてーーバンシィは家でお留守番をさせているーー買い物に付き合わせたついでに、この世界のことについて色々と教えていた。買いたいものも買えたし、帰って一人で待っているバンシィの機嫌をどうしようかと悩んでいた時、ユニコーンが公園を見つめていたのを見てしまった。

 

だからこそ俺は、ここでちょっと休憩していこうか、と提案して、遊具に興味津々のユニコーンを見て楽しんでいた。……が、それが間違いであったことに後悔した。

 

最初から妙な気は感じていた。もう夜がかった夕暮れとはいえ、人が誰もいない。子供も、大人も。ましてやこの公園の周りを、誰も歩いていない。正真正銘、俺とユニコーンの二人しかいなかったのだ。

 

 

ーーーそして、『ソレ』は現れた。

 

 

肩までかかる、蒼色の髪のセミロング。鋭く、凛としたエメラルドの瞳。非の打ち所のない輪郭。間違いなく美少女。ユニコーンやバンシィにも引けを取らないであろう美少女だ。

 

それが、今俺たちの目の前にいる、シールドとソードの融合した武器を構えている、彼女。間違いなく擬人化ガンプラ。そして、あの装備……見覚えがある。俺の間違いでなければ、あの装備と容貌は。

 

「エクシア、か……?」

 

「む?私を知っているのか?」

 

「あ、ああいや、まあな。ダブルオー世代は見てなかったから、知識だけの判断だったが……当たりか」

 

当たりが故に不運。確かエクシアは、近接戦闘がとてつもなく強いはずだ。対してユニコーンは射撃専門。そのユニコーンが戦うとして、無事で済むかどうか……万が一にも、ということも、十分にありえる。

どうする?あいつの雰囲気からして、明らかにこちらに危害を加えるものだし、正直怖い。そりゃそうだ。

 

 

ーーー俺は、ただの人間だ。

 

 

命懸けの戦いなんて、ましてや人間を超越したもの同士の戦いなんて、怖いに決まっている。ユニコーンの後ろに隠れている今でさえ、怖いのだ。あいつの持っている剣を見るだけで、足が震えるのだ。

 

「ユニコーン、私の目標はそちらの男だ。こちらに引き渡せば、手荒な真似はしないが」

 

「……ジョークとして、言ってるんですか、それは。……だとしたら、全然、笑えませんね」

 

場の空気が、一層張り詰めたものになる。静かだ。自分の心臓の心拍数が聞こえるほどに。これが、殺し合いだとでも言うのか?……いや!

 

「……逃げよう、ユニコーン。戦っちゃだめだ」

 

「……マスター?」

 

そうだ。戦う必要なんてない。逃げればいいだけだ。あいつより速く、足止めでもなんでもしながら。命懸けの戦いなんてごめんだし、なにより……。

 

「ユニコーン。お前に、傷付いてほしくない。だから、戦う必要なんてないんだ。逃げよう」

 

「……マスターが、それを、望むのであれば」

 

こくりと頷き、俺の意見に同意するユニコーン。ヒソヒソと話をしているため、向こうは怪訝そうな顔をしているが、こちらの話が終わるまで待ってくれるあたり、まだ話のできる相手なのかもしれない。

 

「作戦タイムは終わりか?」

 

「ああ。っていうか、なんで待ってくれてたんだ?話してるあいだに攻撃しようとか思わなかったのか?」

 

「……まあ、こちらにも色々あってな」

 

エクシアの色々、という言葉が妙に気にかかるが、今は気にしてる場合ではない。時間稼ぎさえやれば、後はユニコーンが何とかしてくれる。それまで粘らないと。

 

「なぁ、ユニコーンのマスター。お前は、ニュータイプ、と言うものを信じるか?」

 

「ーーーは?」

 

そう思っていた矢先に、エクシアは突然言ってきた。ニュータイプ?信じる?何を言っているのかわからないが、向こうがわざわざ時間をかけて言ってくれるんだ。これはチャンス。

 

「ニュータイプ、だと?アムロ・レイや、カミーユ・ビダン達のことか?」

 

「いいや、それは人物であって、ニュータイプというものではない。彼らはニュータイプに選ばれただけだ」

 

「……わからないな。エクシア、お前は何が言いたいんだ?」

 

「この話は、まあ、所謂私のマスターの話なのだが……そう、ニュータイプはいたんだよ。漫画の中やアニメの中だけの話じゃなく、な」

 

「……マスター、逃げる準備が整いましーー「待っててくれ、ユニコーン」ーー……マスター?」

 

もう少し、この話は聞いていた方がいい。そんな気がした俺は、逃げる準備を整えたユニコーンに静止の声を出し、エクシアの話の続きを聞くことにした。

 

「ニュータイプが、存在する?」

 

「そう。おかしいと思ったことはないか?何故、自分のガンプラが擬人化したのだろうか、と」

 

……それは確かに思っていた。友達に話を聞いても、ガンプラが擬人化したなんて話は聞いたことがない。いや、それもそうだ。科学的に説明できないだろう。ただの観賞用無機物が、いきなり人の体を持ち、人の声を持ち、人の感情を持つなんて。

 

そんな擬人化ガンプラが、何故、俺の元にあるのだろうか、と。その考えに行き着くのは、至極当然のこと。

 

エクシアは、話を続ける。

 

「先程も言ったが、この世には、ニュータイプというのは存在する。私のマスターがそうだ。……そして、ユニコーンのマスター。恐らく、お前もな」

 

「……じゃあ、何か?つまり、ガンプラが擬人化するのは、持ち主がニュータイプだから、と?君はそう言うのか?」

 

「あくまでも推論さ。だが、現時点ではその推論が一番可能性が高いというだけだ。最も、この推論はマスターの受けおりだがね」

 

「……」

 

このエクシアのマスターは、どれだけのことを知っているのだろうか?いや、先程エクシアは推論と言っていた。まだ確証はできていない……?

 

わからない。わからないことだらけだ。だが、元々わからないことだらけだったガンプラの擬人化現象だ。今更文句は言わない。ただ……、

 

「なぜ俺を捕獲するんだ?」

 

「それがマスターの命令だからだ」

 

「……拒否する、と言ったら?」

 

「こちらとしても、手荒な真似はしたくないのだが……そちらが拒否するならば、止むを得まい」

 

交渉の余地はなし、か。正直、エクシアのマスターについてはかなり興味があるが、このまま大人しく捕まるわけにもいかない。俺にはユニコーンもいるし、バンシィだっているのだ。俺が捕まる=彼女達はそのマスターの思いのまま、ということにしたくはない。

 

「逃げるぞ、ユニーー「遅い」ーーは?」

 

「……くっ!!」

 

ユニコーン、と。そう叫ぼうとして、ユニコーンの方を振り向いたが、そこに彼女の姿はなかった。公園の奥にあるジャングルジムまで吹き飛ばされたらしい。咄嗟に出したシールドによってガードができたようだ。

 

「む、やるな。あれをガードするのか」

 

……って、いや、いや、いやいやいや。当たり前の事のように呟いてるけど、このエクシア、まさかとは思うが、決して近くないあの距離を一瞬で詰めた挙句、ユニコーンを吹き飛ばしたのか?いくら接近戦が得意と言っても、あんな、まるで瞬間移動じゃないか。

 

「……さて、ユニコーンに体制を立て直される前に、お前を攫っていくとするか」

 

「くっ!?」

 

そうだ、ユニコーンの心配をしている場合じゃない!シールドでガードできたユニコーンより、今の自分の方が遥かに危機的状況にいるのを忘れていた!ユニコーンが距離を離された今、俺は丸腰。まずい、このままじゃ……!!

 

 

ーーーそう、諦めかけていた時だった。

 

 

 

「その男の捕獲、待ってもらおうか」

 

 

 

そう言って、突然現れた女の子……いや、『擬人化ガンプラ』は、俺とエクシアの間に割って入ってくると、躊躇いなく右手に持っているビームライフルをエクシアに向けて放った。

 

「ーーーちっ、新手か」

 

一度後方に飛び、距離を保つエクシア。その少しの間に、俺の元まで戻ってきたユニコーン。ユニコーンが吹き飛ばされてからここまで、わずか数秒。……これが、擬人化ガンプラ。

 

 

ーーーいや、そんなことより。

 

 

「ま、さか……」

 

腰まで長い、煌めく金色の髪。ユニコーンやバンシィにも負けず劣らずの、輪郭。いわゆる美少女。どこまでも澄んでいるかのような、赤い赤いサファイアの瞳。

 

そして、何よりも目を引くのが、その装備。赤く、紅く。そのシールド、そのビームライフル。俺の、俺の間違いでなければ、彼女は……。

 

 

 

 

「ーーーシナンジュ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、ちょっとだけ謎が解けましたね!キーワードは『ニュータイプ』です!

これからまた更新していこうと思ってます。大変ご迷惑をおかけいたしますが、つきあっていただければ幸いです!

評価、批評、誤字報告、待ってます!!


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