バカテスと艦これと東方 (海棠)
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壱:第一次試召戦争編
第0問


艦これと東方がよく喧嘩するけどね、そういうのはやめてほしいんだよ。僕はどっちも好きだし、寧ろどちらも同時に楽しみたいと思っている。

だから、この小説を書いた!

後悔などしていない!!


カリカリカリ・・・

 

鉛筆を書く複数の音が教室中に響く。

 今日行われているのは振り分け試験だ。上位クラスに上がろうと生徒は皆真剣に取り組んでいる。この文月学園ではA~Fにクラスが分けられる。それはこの振り分け試験によって決められる。そのため、カンニングや途中退席にはとことん厳しく、もしもしてしまった場合は問答無用で最低クラス行きとなる。

 そんな中、一人だけ見るからに真剣に受けていない生徒がいた。

 

―――『彩樹天龍』―――

 

これが彼女の名前である。どうやら文月学園の生徒のようだ。左目には大きな傷が刻まれている。そして、右頬にも傷が刻まれていた。そして、上にはブレザーではなくパーカーを着ている。更には、腰に物騒な代物が装着されている上、ネクタイは付けていないし、シャツはズボンの中に入れてない。しかも、女子生徒なのだ。それなのに男子の制服を着ているのだ。一年の頃からこういう感じだったらしい。

 

(暇だ…)

 

彼女は適当に書いた解答用紙を見ながら思った。時間はまだたっぷりある。しかし、解こうとしなかった。

 

(上位クラスは面倒臭そうだし…、下位クラスでもいいか。)

 

そんな事を思いながら彼女は技術の解答用紙に猛スピードで書き始める。彼女の技術の正答率はほぼ100%らしい。

 

(…時間つぶしに日本史と世界史でもやっとくか。)

 

そんな事を思いながら、日本史と世界史に手を付ける。

 

(大化の改新は…、645だったか?)

 

(第二次世界大戦中にドイツが降伏した月日は…、5月8日だな。)

 

(ここは簡単だな。)

 

そんな事を思いながら彼女は書き加え、やがて鉛筆を置いた。

 

(めんどくさ・・・)

 

そう思うと彼女は眠ろうとした。その時…。

ガタンッ

と大きな音がした。

「?」

不思議そうに音のした方を見るとピンク色の髪の女性が倒れていた。後ろ姿しかわからないが、どうやら姫路瑞希のようだ。

 

(…まあ、どうでもいいか)

 

皆が姫路を心配そうに見る中、彼女は眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・い・・・きろ」

「ん?」

彼女は揺さぶられ、夢の中から現実に戻る。

顔を上げると、其処には西村先生がいた。

「・・・あ、どうも。西村先生。」

「どうもじゃないだろ!もうテストは終わったぞ!」

彼女が顔を回すと、其処には自分達以外いない事が解った。

「あ、終わったんですか。じゃあ、帰りますね。」

「そうか。事故に合わないようにな。」

「はい」

彼女は学校を後にした。

 

~帰り道~

 

「そうだ…、食材買わないとな…。」

と言うと彼女はスーパーへ向かった。

「安売り中か、ちょうどいいな。」

 

~しばらくして~

 

「ただいま」

「お帰りなさ~い」

「お帰りなさい」

彼女が帰ると同居している義妹の夕立と春雨が出迎えてくれた。

「今日は何?」

「パエリアにしとくか?」

「「うん!(はい!)」」

天龍は少し微笑むと台所へ向かった。




どうでしたか?感想お待ちしております。


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第1問

バカテストはいつかどこかで投稿します。


俺は春の道を歩いていた。道の端に桜が咲き乱れている。とても綺麗だ。桜は咲き乱れているより散っていく姿の方が綺麗だと思う。

 

「おはよう、彩樹」

 

「あ、どうも西村先生」

 

西村先生。鍛え上げられた筋肉と人間離れの身体能力。それゆえ召喚獣と生身で戦える(らしい)。

 

はっきり思う。本当に人間と呼んでいいんだろうか?

 

「おい、彩樹。今失礼なこと考えなかったか?」

「いえ、滅相もない」

更には読心術まで使えると来た。本当に凄い。

「彩樹、お前の実力ならAクラスはいけたんじゃないか?」

「面倒くさかったです」

「よし、歯をくいしばれ」

何故だ。俺は正直に答えたぞ。何故殴られるんだ。

「まあ、冗談だ」

冗談かい。

西村先生は封筒を渡してくる。

「何故こういう渡し方をするのか聞いても?」

「この学校は世界でも注目されている学校だからな。」

「ああ、そういう事ですか。」

そう言いながら俺は封筒を開ける。

 

『 彩樹天龍 Fクラス代表補佐 』

 

俺の学園生活が始まった。

 

 

 

 

 

「・・・。」

俺はAクラスの教室を見ていた。

「金掛けすぎだろ」

豪華だ。豪華すぎる。こんなところに予算を使うんだろう。

 

『では、代表。前に出てください』

 

ん?あれは霧島翔子か。学年主席になったのか。去年クラスメイトだったがほとんど話さなかった。

・・・どうでもいいか。

そう思いながら俺はAクラスを後にした。

「………。」

誰かに見られている気がした。

 

 

 

 

 

 

~Fクラス前~

 

「・・・。」

噂程度にしか聞いてなかったがこれはひどい。どうやら生徒に期待するしかなさそうだ。俺は障子を開けようと手をかける。

 

ガッ ←障子がつっかえた音

 

・・・。

 

ドギャァッ ←蹴とばした音

 

「おはy「早く入れ蛆虫野郎」」

直後、俺はその赤い男に飛びかかった。だが目標がよけたために黒板を殴る羽目になった。

「おい、どうしてくれる。黒板にひびが入っただろうが」

「お前のせいだろ!つか、殺す気か?!」

「そのつもりだったが?」

「鬼か?!」

それは褒め言葉ととらえておこう。

「おはようございます」

「おう」

「お、明久。お前はもちろんFクラスだと信じてたぜ」

「もちろんって何さ!」

こいつが吉井明久か。

「担任がいるぜ?」

「え?」

なんか貧弱そうな先生がたっていた。確か古典の何チャラ先生だっけ。

「皆さん、席についてください」

「「「へ~い」」」

「そこの赤モヒカン。座席表は?」

「席?自由だぞ?」

席さえ決まってないとはどういうことだ。

そんなことを思いながら俺は座布団に座った。座布団の空気が抜けた。ひどいな、ここの設備。

「私の名前は…、福原慎です。」

どうしたんだ?黒板と向かい合ってすぐにこちらへ身を翻したが。

 

(何で振り向いたんだろう?あの先生。)

(見たんだがチョークの粉しかなかったぞ?)

 

俺は赤ゴリラと学園壱の馬鹿の会話が聞こえてきた。これはひどい。

「この設備に不満がある人は手を挙げてください」

不満が無い奴なんて普通はいないと思うがなw

 

「先生、座布団に綿がほとんど入ってません」

「我慢してください」

 

ゑ?

 

「先生、隙間風が寒いです。」

「後でビニールテープとセロハンテープを渡しますので我慢してください」

 

うわ…。

 

バキャンッ

 

突然俺の卓袱台の足が折れた。

「先生、ちゃぶ台が折れました。」

「我慢してください」

「できるか!」

「冗談です。足が折れたならばボンドで接着し、本体が折れたなら技術室で新しく作ってください」

おう・・・。

「ちなみに家から持ってくるのは大丈夫です」

ほう、良い事を聞いた。

 

「では自己紹介を始めてください。窓際の方から」

 

 

~略~

 

 

「木下秀吉じゃ。」

 

ん?演劇部のホープか。

「後、わしは男じゃからな」

そう釘を刺しても容姿のせいで男か女かわからん。

 

「なんだって?!」

 

「待て!あいつは男とは言ったが女とは言ってない!つまり第3の性別『秀吉』だ!」

 

『それだ!』

 

「わしは男じゃ!!」

第3の性別なんてあるわけないだろ、ファンタジーじゃあるまいし。

本当に馬鹿の集まりだな。Eクラスに行けばよかった。

 

「…土屋康太。」

 

短いな。

 

「私の名前は島田美波です。趣味は吉井明久を殴ることです。」

 

「それは趣味とは言わん。理不尽な暴力だ。」

俺は忠告しておく。

「何よ!あんたに何が解るのよ!」

「一般常識」

「www」

赤ゴリラが声を殺して笑う。

「島田さん、次にいけません。」

そう言われると暴力女は渋々と座る。

 

「吉井明久です。どうか一年間よろしくお願いいたします。」

 

意外と礼儀正しいな。

 

「俺の名前は彩樹天龍。趣味は料理だ。」

 

そう言いながら俺が座ろうとしていると

 

ガラッ

 

障子が開いた。

 

「遅れてすいません!」

 

「いえ、ちょうど自己紹介していたので姫路さんどうぞ。」

 

「はい!姫路瑞樹といいます!一年間、よろしくお願いしまひゅ!」

 

噛んだな。自己紹介が終わると、姫路は吉井に近づいていく。ついでに座席はこんな感じだ。

 

廊 明久  赤ゴリラ 俺 

下 暴力女 ピンク  モブ

  土屋  モブ   モブ

  木下  モブ   モブ

 

「質問です」

「はい」

「何でここにいるんですか?」

失礼な質問の仕方だな。

「えぇ~と、試験の日に高熱が出ちゃったので。」

つまり体調管理を怠ったのか。自業自得だな。

 

『そういえば俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに』

『ああ。化学だろ?アレは難しかったな』

『弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて』

『黙れ一人っ子』

『前の晩、彼女が寝かせてくれなくて』

『一番の大ウソを有難う』

 

バカだコイツら。

「緊張しました~」

「姫路」

座った丁度に大男が話しかける。

「は、はいっ。何でしょうか?えーっと…」

「坂本だ。このFクラスの代表だ。よろしく頼む」

代表だったのか、コイツ。

「あ、姫路です。よろしくお願いします!」

「一つ聞いておきたいんだが、もう体調は大丈夫なのか?」

「あ、はいっ。一時的な熱だったので、もう大丈夫です」

「そうか、ちょっと確認しておきたかったんだ。すまんな」

「僕も気になってたんだ。」

「よ、吉井君?!」

「スマンな、明久が不細工で」

「いえ、そんなk「大丈夫だよ、それくらいじゃ傷なんてつかないからね」・・・え?」

意外と精神はタフだったようだ。

さてと・・・。

「おい、ピンク」

俺は愛称を姫路に付ける。

「ピンク?!」

観察処分者が俺に食いつく。

「何だ、吉井。」

「もうちょっといい名前が無かったの?!」

「ない」

あるわけなかろうに。

「そこ、静かにしてくd」

そう言いながら教師が机をたたくとバキィと音を立てて崩れていった。

「替えを取りに行ってきます。」

そういいながら教師は教室を出て行った。

「ちょっと来てほしい」

と、吉井が俺に話しかけた。

「あんだよ」

「廊下で話したい。」

「ほう、面白い話じゃなきゃあ殴るぜ?」

吉井は不安そうな顔をした。

 

Fクラス前

 

「で、話は?」

「此処の設備、酷いと思わない?」

「ああ」

「まぁな」

俺と赤ゴリラの意見が一致したのは気に食わないが、まあいい。

「だからさ、姫路さんに支障が出ると思うんだよ」

「ああ、つまり御人好しなお前は姫路をAクラスの設備で授業を受けさせたいってわけだな。」

「雄二、よく解ってくれたね。彩樹さんは?」

うむ…。

 

「却下」

 

「「はぁ?!」」

「なんで?!」

「まずだ」

と俺は一つ人差し指を立てる。

「姫路みたいなやつがAクラスにいるかもしれんだろ。寧ろ多いと思うが?」

「ああ、そうか」

「赤ゴリラ、なんかいい案はねぇのか?」

「お前どういう階級だよ」

「Fクラス代表補佐だ」

「は?」

「代表補佐だ」

「お前が?」

「ああ」

「明久は?」

「僕は『秘書』だね。」

「お前に秘書が務まるのか?」

「失礼だね!」

「ヘイヘイ。で、赤ゴリラ。」

俺は呼び掛ける。

「何だよ?」

「てめぇ、代表だろ。」

「何故わかった。」

「さっき自分で言ったろうが」

その時、少し古ぼけた教卓を持って先生が帰って来た。

「おっと、先生が来たようだな。戻るぞ」

俺達は教室に撤退した。

 

~天龍サイドアウト~




次回は雄二サイドです。


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第2問

ようやく終業式が来ましたので一旦落ち着けます。


~坂本サイド~

 

「お前ら、よく聞け!」

俺は教壇の前に立って皆に呼びかける。

「なんだよ」

「ゲームするのに忙しい」

「眠い」

こいつら…、マジで興味ないみたいだな…。だったら…。

「お前ら薔薇色の学園生活を送りたいとは思わねぇのか?」

『詳しく聞かせてくれ』

ちょろいぜ。

「俺は坂本雄二だ。好きなように呼んでくれ」

「赤ゴリr(ビュッ(パシッ ビュン・・・危ないだろ」

「おお?!(サッ」

 

カッ

 

彩樹によって投げ返されたカッターは黒板に刺さった。

「・・・えー、ゴホン。さて、お前らはこの設備にいるわけだ。衛生管理が滅茶苦茶、よく壊れるちゃぶ台、隙間風の入る雨戸、綿のほとんど入ってない座布団にチョークの粉しかない。」

「更には黒板にひびが入っているときた。」

「いや、ひびが入っているのはお前のせいだ。」

「・・・。」

スルーしやがった…!

「…で、Aクラスは衛生管理は完璧、リクライニングシートに個人冷蔵庫、システムデスクに大型モニターってわけだが…」

ここで俺は区切り、そしてニヤリと笑いながら言った。

「不満はあるか?ないか?」

 

『大有りだぁ!!!!!!』

 

野太い怒号が旧校舎に響いた。

「そうか!お前らもそう思うか!この設備にはこの俺も疑問を抱いている!」

 

「つうかFとAって同じ学費だろ?!明らかなる差別じゃねぇか!」

「改善を要求する!」

「せめて卓袱台ぐらい何とかしろよ!」

「そうだそうだ!」

 

おっと、乗ってきたな。

「まあまあ、落ち着けよ。」

俺はなだめるように言う。

「代表である俺がお前らに提案しよう。」

俺は人差し指を立てた。

 

「我々FクラスはAクラスに対して試召戦争を行おうと思う!」

 

「いや、無理だろ」

「勝てるわけがない。」

「姫路さんさえいればもう何もいらない」

 

案の定、クラスから非難の嵐が来ている。そして関係ないこと言った奴誰だ。

そんなことはいい。

「そんなことはないぜ?なんせこのクラスには様々な人材や長点があるからな。」

「俺らのどこにいい所が…。」

自覚してるのか。

「そう悲観的になるなって。」

俺はそんなことを言いながら廊下に目を移す。

・・・いるな。まあ、後で持ち上げよう。

「諸君、我々Fクラスは最低だ。」

俺は言い切る。

「ちょっ?!!」

「最後まで話を聞け。」

そう、こんな救いようのない馬鹿どもにも唯一の長点がある。

「Fクラスは最低だ。それは誰しもがわかっている。もはや一般常識だ。」

全員に目配せする。

「しかし、逆に考えろ。それはつまり」

少し息を吸い、俺は言う。

 

「これ以上、下はない!つまり上に上がるだけでいいんだ!!」

 

「なるほど!」

「天才か!」

いや、普通頭ひねればわかると思うんだが。

「次に人材だ!今年のFクラスは一癖も二癖もある強者ばかりだ!」

俺は演説しようと口を開けた。

「どこにそんな証拠があるんだ?」

ほう、解らないのか。話の腰を折りやがって…。

「じゃあ教えてやるよ。」

そんなことを言いながら廊下に目を向ける。

「いるんだろ?さっさと入って来い。」

そう言うと障子が開き、小さい女の子が現れた。

 

ペコリ

 

少女がお辞儀をするとFクラス男子一同(一部除く)がお辞儀をし返した。この変態紳士どもめ。くたばれ。

「自己紹介しろ」

俺が促すと少女は自身を紹介し始めた。

 

「フランドール・スカーレットと言います!フランと呼んでくれて構いません!」

 

『フランちゃーん!!!』

 

(ギロッ)←俺が睨む音

 

(サッ)←全員が黙る音

 

「…名前を言わないでくれてもいいです。」

まあ、そうなるな。

「じゃあフラン」

俺はフランに聞く。

「何?」

「何故こんな腐ったようなクラスに?」

「試験の日を忘れてて」

コイツ論外だ。

「得意科目は?」

「音楽と美術」

「その弐教科はどれくらいだ?」

「確か…、Aクラス並!」

「聞いたか?こいつ、フランドール・スカーレットは他の教科はD~E並だがさっき言った弐教科はAクラスレベルだ。」

『おお!』

歓声が上がる。

「次に姫路だな。こいつの事は皆の周知の事実だ。」

『おお』

「姫路さんはやってくれるな」

「姫路さん、愛してr」

 

カッ(俺がカッターを投げつける)

 

「次余計な事言ったら殺す。OK?」

「OK!」

ったく…。面倒臭い奴等だ。

「次だ!…そこの女子3人のスカートを覗こうと畳にへばりついて片眼を閉じているむっつりスケベ。前に出ろよ。」

「…!(ブンブン)」

「きゃ!」

「何すんのよ!」

「見て何するの~?」

三人が反応している。ムッツリーニが首を思い切り横に振り否定している。が…。

「別にお前とは一言も言ってない。」

「…カマかけたな!」

「かかるような行為をしていたお前が悪い。まあ、いいや。」

俺はムッツリーニに壇上に上がるように指示する。

「で、三人の下着の色を答えてもらおうか。姫路、島田、フランの順にな。」

「ちょっ?!」

「坂本君、セクハラです!」

「聞いて何するのー?」

セクハラって…、確かにそうだが…。

「・・・水色、黒、…。」

「・・・ちょっと耳貸してやる。」

俺はムッツリーニの口の近くに耳を置く。

(・・・見えなかった。恐らく履いてない)

(マジだったらあまりにも危険だな。)

(コクリ)

俺達はこれで了承した。

「これで解っただろう!コイツの名前は土屋康太!保健体育はAクラスをもしかしたら凌駕する!解らないだろうから教えてやろう!コイツの通り名は通称、寡黙なる性職者!『ムッツリーニ』だ!」

 

『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!!!!!!!!』

 

ああ、本気で解らなかったのか、こいつら。

 

「あいつがそうだというのか?!」

 

「しかし今ああいう風に証拠を隠そうとしているぞ!」

 

ちなみに証拠とは頬に着いた畳の跡である。擦って隠そうとしている。

 

「まさにムッツリスケベに恥じない名前だ…!」

 

いや、恥じろよ。同じクラスだろ。

「まあ、いい。戻っていいぞ。」

俺がそう言うとムッツリーニは席へ戻っていった。

「おい、秀吉」

「儂かのう?」

「よ、女か男かよく解らないやつ。」

「儂は男じゃ!」

そんな容姿で言われても説得力は全くないわけなんだが…。

「後で男の証拠を見せろ。いいな?」

彩樹、お前は何を言ってるんだ?!

「わかったのじゃ!」

「じゃあ見せろよ?」

 

ガタッ

 

ズドン (彩樹が畳にS&W M500を撃ち込む音)

 

いや、待て。なんてもんを持ち込んでんだ、お前は!

『ハァ?!』

「次余計な事したら撃ち殺すぞ?」

『了解』

「しまったのじゃ…。」

当の本人はorzとなっていた。

「まあ、いいや。アイツは古典ならAはかろうじていけるくらいは実力があるぞ?」

『けっこn』

 

チャキッ(彩樹がS&W M500を構える音)

 

『冗談です』

「チッ」

明らかに舌打ちしたぞ?!アイツなんなんだ?!

「次だ。須川亮。前に出てくれ。」

「ああ」

須川が前に出る。

こいつ、いい面してんのにどうしてもてねぇのかね。

「お前の得意科目と本気出したら恐らくとれるであろう点数を言え。」

「英解で300はいけると思う。」

「さすが!」

「我らがFFF団団長!」

こいつら、全体的にいい面なのにこんなことしてるからもてねぇんだろう。

「そして俺も全力を出す!」

 

「そういや坂本って昔『神童』って呼ばれてなかったか?」

「確かに!」

「凄い!」

「これいけるんじゃね?」

 

お、士気が高まって来たな。

俺はにやりと笑いながら言う。

 

「それに吉井明久と彩樹天龍もいる!」

 

シ~ン

 

反応なしか。

「いたか?」

「誰だ、そいつ?」

同じクラスの奴くらい覚えておけ。

「ちょっと雄二!なんで僕の名前を出すのさ!せっかく上がってた士気が落ちちゃったじゃないか!!」

「説明してやろう!こいつらは『観察処分者』だ!」

 

「観察処分者?」

「それってバカの帝王の称号じゃなかったっけ?」

 

「違うよ!これはお茶目な16歳の愛称で…!」

「ああ、そうだ。キング・オブ・馬鹿の称号だ」

「肯定するな!ばk」(彩樹が吉井の蟀谷にS&W M500を押し付ける)

「下げて上げようとしてんだ。邪魔しない方が身のためだぜ?」

「はい」(震え声)

・・・怖いわ。

「・・・まあいい。こいつらは観察処分者だ。」

「あの・・・」

姫路が手を挙げる。

「何だ、姫路?」

「観察処分者ってなんですか?」

「さっき言ったろうが。」

「いや・・・「何か特殊な事でもあるの―?」あっ…。」

フラン、ナイス。

 

「物理干渉が出来るんだ。召喚獣は人間の数倍の力を出せるからな。それで先生のお手伝いができるんだ。その分、召喚獣の操作に慣れてるんだよ。それに、明久、彩樹。得意科目とそれで本気出してとれる点数を言え。」

 

「家庭科が300点以上。日本史が250点以上。世界史も250点以上。」

「日本史で200点以上、技術が500点はいける。世界史は200点くらいは取れるな。」

 

「だが、フィードバックも普通の生徒より多めに帰ってくるんだろ?」

「痛い目に合うんじゃねぇのか?」

「オイオイ、これじゃあ戦えないやつが二人いることになるぞ?」

 

「大丈夫だ。いてもいなくても意味のない雑魚だ」

「雄二…。」

 

「てなわけでいm「ちょっと待ちなさいよ!」あぁ?」

島田が割って入る。ウゼェ。

「何だ、島田?」

「なんd「なんで自分の名前が言われないかって?」そうよ!吉井も須川も呼ばれているのにおかしいじゃない!」

「じゃあ、聞くぞ。お前の得意科目と点数でのクラスレベルを言え。」

「数学でBクラス上位よ!」

「ヘーヘースゴイネー」

自慢げに言うベルリンの壁。俺は適当に返しとく。コイツ、俺が嫌いタイプのドストライクだな…。

「お前に確認したい。俺達の最終目標を言え。」

「Aクラスでしょ?」

「お前はタダの馬鹿だ。第一、BレベルでAクラスの下位にさえ勝てるのか!お前は吉井や彩樹とは違って召喚獣の操作も下手糞だから点数差を埋めることができねぇだろうが!その癖に自慢げに言いやがって!うぜぇんだよ!」

「なんですってー!」

おお、乗った乗ったw

「島田、静かにしろ。」

彩樹が諭す。

「あんたはd「全員の足を引っ張るつもりか」・・・解ったわよ。」

俺は島田が座るのを見やると言った。

 

「えー、我々Fクラスはまず手始めにDクラスに宣戦布告しようと思う。」

俺はニヤリとしながら言った。

 

 

諸君、俺に付き従っているFクラス諸君。 君たちは一体何を望んでいる?

 

地獄のような試召戦争を望むか? 情け容赦のない糞の様な試召戦争を望むか?

 

戦力を駆使し、三千世界の烏を焼き殺すような嵐の様な闘争を望むか?

 

『クリーク!クリーク!クリーク!』

 

よろしい、ならば試召戦争(クリーク)だ

 

我々は満身を籠めて、振り下ろさんとする握り拳だ

 

だが、このような屈辱を受けた我々にはただの試召戦争ではもはや足りない!

 

大戦争を!一心不乱の大戦争を!

 

『うおおおおおおお!!!!!』

 

我々は40人に満たぬ勉学の敗残者に過ぎない。

 

しかし、俺はお前らを過去の古強者だと信じている!

 

ならば、俺等とお前らで7人と総兵力100人の軍集団となる!

 

我々を忘却の彼方へと追いやり、自惚れ、眠りこけている奴らを叩き起こそう

 

髪の毛を掴んで引きずりおろし、連中の眼をこじ開け思い出させよう!

 

連中に敗北の味を思い出さしてやる!

 

連中に我々の勝利の雄叫びを思い出させてやる!

 

『おおおおおおお!!!!!』

 

奴等の常識では思いもよらぬことが起こる事を思い出させてやる…!

 

我々のカンプグルッペ(戦闘集団)で奴らを蹂躙しつくしてやる…!

 

『希望だ!勝利への光だ!』

 

そうだ、これが我々が望んだ勝利への希望だ

 

俺はお前らの約束を叶えてやろう…。

 

あのAクラスの設備を、手に入れるぞ

 

『雄二殿!坂本!代表!Fクラス!Fクラス指揮官殿!』

『雄二殿!坂本!代表!Fクラス!Fクラス指揮官殿!』

 

そして混沌(Fクラス)は、遂に壁(他クラス)を越えて宮殿(Aクラス)を侵食する…。

 

Dクラスへの使者!島田美波に伝達!代表命令である!

 

さあ、諸君…。

 

地獄を作るぞ!

 

『ばんざああああああああい!!!!!!!!』

『うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』

 

 

 

 

「嫌よ!」

島田が抗議してくる。

「さっさと行け。代表命令だ。」

彩樹が島田に言う。

「下位クラスの使者が上位クラスに宣戦布告すると必ず酷い目に合うっていうじゃない!」

何言ってんだ?

「阿保か。それは男子だけだろう。女子を攻撃する鬼畜な男子なんて普通おらんだろうさ。」

俺を見ながら彩樹が言った。俺は頷いて返す。

「わかったわよ」

暴力女が行った。

「お前、鬼畜だな。」

「何が?」

「お前、一言も『女子が襲ってくることはない』と言ってないんだが・・・。」

「適当でいいんだよ。」

 

数分後、島田は何故かブレザーが脱げて、第一ボタンが外れて帰って来た。

 

「彩樹!嘘ついてくれたわね!」

あ゛?

「何がだ?」

「美春に襲われたじゃない!」

ああ、あの百合女か。

「別にお前に『男子には襲われない』とは言ったが『女子に襲われない』とは一言も言ってないぞ」

彩樹が島田を嘲笑しながら言う。

「あ」

「人の話を最後まで聞け」

言うつもりもなかっただろうが。

「屋上で作戦会議するぞ。明久、彩樹、ムッツリーニ、フラン、姫路、島田、秀吉、須川。」




天龍「設定はどうした、作者。」(ゲシッ

マナイタ2「勘弁してつかぁさい…。」

天龍「断る」(ゲシッ


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第3問

天龍「設定書け」

「勘弁してつかぁあさい・・・。」

天龍「(殴」

「ヘブボォ!」


~天龍サイド~

 

俺達は屋上に上がり弁当を開けた。

「明久が弁当を持ってきてるだと?!」

ん?なんか赤ゴリラがほざいてるがどうしたんだ。

「なんじゃと?!」

「・・・ありえない」

「ほぁ~、美味そうだな」

吉井の弁当は色が程よくバランスを保ちあっており、とてもおいしそうだ。見栄えもいい。

「明久君、誰に作ってもらったんですか?!」

「アキ、さっさと教えなさい!」(釘バット)

「暴力女、屋上に真紅の花を咲かせるつもりか」(S&W M500)

「お前もだろ!」

なんか言われてるが気にしない。俺は銃をしまう。

「僕が作ったんだけど?」

嘘ではないな。

「「嘘ね(ですね)」」

信用してやれ。仕方ない、ここは手を貸してやるか。

「吉井、お前料理部に入ってるだろ?」

「何で知ってるの?!」

「俺も料理部所属だ」

「え?!」

「そこでお前に関してのうわさは聞いてるよ。で、卵焼き寄こせ。」

「あ」

 

ヒョイ パクッ

 

…うむ、この口の中でとろける感覚。この絶妙な舌触りに包み込むような味。

「上手い。」

「彩樹さんもおいしそうじゃないか」

 

ヒョイ パクッ

 

「おい」

空揚げ喰われた。

 

「負けた…。」

 

なんかしょげたが気にしない。

「ところでよ」

赤ゴリラが口を開く。

「明久に彩樹、今ここにいるメンツの特徴を言え」

ん?特徴か。

 

「赤ゴリラが一名にド変態が一名。男か女かわかんない奴が一名。観察処分者が一名と嫉妬集団の頭が一名。演劇のプロが一名。ピンクが一名。幼女が一名。」

 

「男か女かよくわからない奴じゃと?!」

「それ島田だ。」

 

ビュッ

 

何か暴力女が蹴ってきたがするりとよけ、鳩尾に蹴りをぶち込む。クリティカルしたようで悶えている。

 

「苦しんでいる帰国子女が一名に悪友が三名。FFF団団長に幼馴染。そして怖い女の人にロリっ子」

 

吉井の発言も結構率直だった。

「すいません!話が変わるんですけど!」

姫路が口を開いた。

「私でよければ後日お弁当作ってきましょうか?」

「何故?」

俺が意地悪く質問する。

「え~と…、その~…」

「ハイハイ」

「明久だけに弁当を作るのか?」

赤ゴリラ、話を膨らませるな。

「いえ、全員作ります!」

オイオイ。

「でよ、坂本」

須川が口を開く。

「どうした?」

「どうしていきなりAに行かないんだ?」

「いっても今のままじゃあ勝率が無いからな。」

そう言う事か。

「でも、何故Eクラスじゃあないんだ?」

「相手するまでもないからだ」

まあ、メンツが面子だからな。

「まあまあ、気軽に行こうぜ?」

赤ゴリラがにやりと口の端を釣り上げ、言った。

 

「このクラスは『最強』だろ?」

 

は?

 

「『最高』の間違いだろ」

 

皆笑った。もちろん俺もだ。




彩樹 天龍(あやき てんりゅう)

所属クラス:Fクラス
性別:女
身長:180cm
バスト:Eに近いD
召喚獣の服装:艦これの天龍の服装(スカートが長ズボンになっている)
召喚獣の装備:サーベル
       ナイフ2本

成績
数学:Eクラス上位~Dクラス下位
現国:Eクラス下位~Eクラス中頃
古典:Eクラス上位~Dクラス下位
化学:Eクラス中頃
物理:Fクラス上位~Eクラス下位
技術:Aクラス上位もしかしたら学年主席を超えるかもしれない(普段は手抜きでEクラス上位)
音楽:Cクラス上位~Bクラス下位
日本史:Aクラス中頃(普段は手抜きでDクラス中頃)
世界史:Bクラス上位~Aクラス下位
美術:Fクラス中頃←創造性及びデッサン能力が壊滅的なので知識とかで何とか点を取っている始末。
家庭科:Aクラス上位←元々料理はうまかったが1年の時料理部に入ったため、其処でかなり腕を上げた。(普段はかなり手を抜いてEクラス上位)
英語OC:Bクラス上位←喋ることに関しては天才級だが、筆記がうまくいかない。
英解:Eクラス上位~Dクラス中頃
英法:Fクラス上位~Eクラス下位←主部、述部とかに関して超壊滅的。
保健体育:Bクラス中頃←体育の成績がいいから。

腕輪
『50口径三年式14cm砲4門』
400点以上の時に発動。100点消費する代わりに史実の天龍の砲塔が出現(もちろんミニサイズ)。それを敵に向かって全砲門斉射する。一発で50点、全弾命中すれば200点のダメージを与えることが出来る。明らかに決定打に欠ける能力である。

解説
 問題児で観察処分者。中学の頃はかなり喧嘩に明け暮れていた。が、その喧嘩は被害にあっている人を助けるための喧嘩であった。左目には傷が入っており、見えない。上位クラスには極力入りたくないし、入るつもりもない。理由は面倒臭いから。統一能力に本人は自覚はないがかなり長けており、人の長点を見つけて、其処をほめることが出来る。極度の面倒臭がり屋である。本気さえ出したら凄い。料理部に入っているため、料理部のメンバーとの関係は良い。今は休部中。嘘をつくのが地味にうまい。後、女子の制服が嫌いなので男子の制服を着ている。しかもネクタイは付けない主義。更に上はブレザーではなく、パーカーである。本人曰く「買うのを忘れていた」。


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第4問

~天龍サイド~

 

「フラン、スカートをめくってくれないか?」

「うん」

 

ピラッ

 

・・・・・・・・・・・・。

「よし、スパッツ履け。」

「なんでー?!」

「衛生上よろしくねぇんだよ!」

 

 

 

 

「木下、こっちこようか。」

「待つのじゃ。わしだって男としてのプライドが…!」

「その顔でよくいえるな。」

「やめてくれ!やめてくれなのじゃああ!!!!!」

「断る」

 

~しばらくして~

 

「・・・終わったのじゃ」

「これぐらいで終わったとか…、まだまだ人生長いぜ?」

 

 

 

~さらにしばらくして~

 

 

 

「まさかお前らが自ら来るとは…。」

「どういう意味ですか?」

「そういう意味だろ」

それ以外にないだろ。つか、さっき先生が三人くらい保健室に行ったぞ。

「彩樹はともかくとして、明久。風邪でも引いたか?」

「なぜそうなるんですか!」

「いつもの態度だろ」

俺は率直に突っ込む。

「ひっ捕まえたんですよ。彩樹さんが、僕を。」

「そういう事か」

「さて、明久。手伝え」

俺はそう言いながらナイフを研ぐ。

「何それ?」

「自己防衛」

「オーバー過ぎない?!」

あ?これぐらいがちょうどいいんだろうが。

「許可する」

西村先生は言いながらフィールドを展開する。

「ところでさ」

「ん?」

吉井が尋ねてくる。

「クラスのみんな怒ってないかな?」

御人好しだ、コイツ。

「暴力女は怒るだろうけど俺が何とかしとく。」

「殺したりしないよね」

…………………………………………………………。

 

「考えとく。」

 

「その間は何?!」

「知らん。」

 

「おい!」

 

あ゛?

前を見直すとDクラス(だろう)が4人いた。

「どけよ。プリントが運べない。」

そう言いながら俺はナイフを突きつける。

「待て!何する気だ!」

「え?斬り殺す気だが?」

何慌ててんだ、コイツら。

「いや、ダメでしょ!」

駄目か。じゃあ…。

「この俺、Fクラスの彩樹天龍がてめぇらDクラスに勝負を申し込む!」

「なにぃ?!」

「舐めてんのか?!」

そんなつもりはない。が、おちょくるか。

「どうした、怖いのか?」

「てめぇなんかこわかねぇ!」

「来いよ貴様ら。今すぐその首を掻っ切ってやる。」

「「「サモン!」」」

「サモン!」

 

  Fクラス 彩樹天龍:51点

現文     VS

  Dクラス 秋田薫:100点

       明直人:96点

       鎌瀬狗:125点

       大藤大樹:99点

 

「どうした!怖気付いたか?!」

「馬鹿言え。ではやろうや」

そう言いながら俺は召喚獣を構えさせる。

「くらえ!」

1人が鉈を振り下ろしてくる。が紙一重でよけ、首に突き刺す。

 

Dクラス 秋田薫:DEAD

 

「はぁ?!」

「一撃だと?!」

「次だ、来い!」

「うおおおおおおおお!!!!!」

3人一気に突撃してくる。好都合だな。

俺は一人の攻撃を受け流すと同士討ちの形に持っていく。

そして、それは成功し、一人が死亡した。

 

Dクラス 鎌瀬狗:DEAD

 

次に剣を目の前の敵の眉間に打ち込み、後ろにいた奴の首を蹴り折る。

 

Dクラス 明直人:DEAD

     大藤大樹:DEAD

 

「戦死者は補習!」

西村先生が連れて行く。大変だな。…おもに連れて行かれる生徒の方が。

「やめてくれ!あれだけは嫌なんだ!」

「ヤダ!あんな拷問なんて嫌だ!」

拷問?

「拷問?何を言う。」

だよな。いくら何でも教師がそんなことやるわけ…。

 

「補習室から出ていくときには趣味は勉強、尊敬する人物は二宮金次郎に仕立て上げてやろう!」

 

前言撤回。それ完全なる洗脳じゃねえか。

「どうする、コレ。」

あ。

「俺も手伝うぜ。」

俺も荷物を持つ。

「いいの?」

「俺も観察処分者だからな。これぐらいの事は当然だ。」

俺はにやりと笑いながらプリントを運んだ。行き先は・・・。

 

・・・Aクラス。

 

「到着」

俺等はプリントをAクラスに運び終えた。

俺はノックする。

ギィ・・・

大きな扉が開く。やっぱりこのクラスの設備は異常だと思うんだが…。

開いた向こう側には木下の姉貴がいた。

「あら、彩樹さん?」

「ああ、どうも。」

「ところで何の用ですか?」

「自習用のプリントを運んできました。」

「どうもありがとう」

そう言ってプリントを渡して帰ろうとした瞬間。

「あれ、あの時の?!」

「ええ?!同じ学年にいたの?!」

「凄い!もう一度会ってみたいと思ってたの!」

女子が黄色い歓声を上げ始めた。…どうして黄色い声を上げてるんだ?

「クッキー食べてくれませんか?」

1人の女子が俺に言いかけてくる。

「ああ、いいさ。ところでお名前は?俺の名前は彩樹天龍だ。」

「吉田あかねと言います!」

「Fクラス所属なんだが…、そんな俺に対していいのか?」

「最低でも関係ありません!」

このクラス最高だ。性格もいい奴ばかりだ。それに比べて俺達のクラスは…。

「彩樹さん?!なんでそんな悔しそうな顔してるの?!」

「いや…、ちょっと…、Fクラスはやっぱり最低だなぁと思ってさ…。」

そんなことを言いながらクッキーを一つ拝借する。

モグモグ…、ふむ…。

「結構うまいな。砂糖が程よく入ってておいしいよ。」

「本当ですか?!」

「料理部所属の俺が言うんだ。間違いではないさ。」

「ありがとうございます!」

…あ。

「そろそろ戻らないとな」

「あ、忘れかけてた」

と戻ろうとしたその時。

 

『ピンポンパンポーン』

 

放送が流れ始めた。

「?」

全員不思議そうな顔をする。

 

『船越先生、船越先生。』

 

船越先生?確か、婚期を逃がして生徒に手を出そうとしている数学教師じゃ…。いや、其処は良い。ただ、この放送している声の主は横溝だという事だ。

 

『体育館裏で2年Fクラスの吉井明久君が待っています。』

 

…は?

「え?え?え?」

吉井もわからないような顔をしている。

俺も理解しかねる。

 

『生徒と教師の垣根を越えたお話がしたいそうです。』

 

それを聞いた瞬間、俺は全力疾走で放送室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

どういう事なの?!てか、彩樹さんがもういないんですけど?!

 

『お・・・お前は!何をする!それを構えるな!』

 

『ズダダダダダダダダ!!!!!ビチャッ』

 

『・・・えー、さっきの放送に訂正をします。』

 

あ、彩樹さん。って、

「あの人なにしたの?!」

明らかに発砲音と何かが飛び散ったような音がしたよ?!

 

『ここに横溝のしt・・・ゲフンゲフン、横溝君を放送室に置いておきますので船越先生、ご自由にお使いください。さっきの放送はコイツの照れ隠しです。以上』

 

ブツン

 

…なんか不穏な音が流れたけどまあ、いいか…。

その後、彩樹さんは戻って来たけどなんか服に赤いものが付着していた。僕が「その赤いの何?」と聞いてみたら。

 

「アイツの血だが?」

 

と言った。冗談で言ったと信じたい。又、これは余談だが船越先生の悲鳴が響いた。どうやら横溝君は手当てしないといけない重傷だったらしい。彩樹さん、何やったんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「お前ら、どこ行ってたんだ?まさか、戦争が始まってからどっかにいったとか吃驚したぞ。」

別に其処は俺等の自由だと思うが…。

「教師の手伝いだよ。俺が吉井を捕まえていったんだ。」

「ああ、そういう事か。」

「でよ、さっきの放送の犯人はお前か。」

「違う」

赤ゴリラじゃあないのか。じゃあ…。

「あの暴力女か」

「ああ、須川が『島田が“船越先生を吉井をどうにかして上手く戦場から離れさすことはできないか”と提案したんだが…。』て言ってきてな。」

「なんで僕を使うの?!」

「被害者面してるからだろ」

「酷くない?!」

「まあ、さておき」

「スルー?!」

うるせぇな…。そんなことを思いながらナイフを突き付けたら吉井は黙りこくった。

「さっさと逝って来い。戦線が限界の様だからな。数ではこちらが有利だが…。」

漢字が違う気がするが…。まあ、いいだろう。

「吉井、行くぞ」

「あ、待って。」

面倒臭いクラスだ、ホント。

 

「吉井、一体今までどこ行ってたのよ!」

そんなことを言いながら暴力女が吉井に殴りにかかる。

「うわっ?!」

吉井がそれを間一髪でよける。其処に追撃が来るが全てかわしていた。すげぇな、ある意味で。

「素直に当たりなさい!」

このままだと作戦に支障が出るからな。俺は少しあたりを見渡す。

お、いたぜ。

「吉井、こっちだ!」

俺は馬鹿に指示を出す。バカはよけながらこっちに来た。

「美波お姉さま!それに彩樹さんも!」

清水美春。島田美波の事が好きなガチレズ女だ。だが、こっちにとって今は都合がいい。

「清水!召喚獣で勝ったら島田を好きにしていいぞ!」

「ちょ!彩樹ぃ?!」

ザマァ見やがれ。

「清水美春!島田美波に化学で召喚勝負を申し込みます!」

「ちょっと!あなたたちも加勢しなさいよ!」

「あ、いm「おい馬鹿。俺等はこっちだ」え、でも…。」

 

「今入ったら肉体的にも社会的にも殺される可能性があるがいいのか?」

 

「やっぱやめとくよ」

切り替え早。で、点数は…。

 

  Fクラス 島田美波:51点

化学     VS

  Dクラス 清水美春:78点

 

アイツ死んだな。同じ召喚獣の操作練度でこの点数差は無理だ。ついでに皆に伝達しとくか。

「今、清水と島田が交戦中だ!お前ら邪魔しないでやれよ!どんなに助けを求めてもな!自分の事だけに集中しとけよ!」

『了解!』

よし、じゃあ。

 

「突撃ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!」

『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ』

『Fクラス、バンザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ』

 

俺が突撃指示を出すと皆がDクラスの奴らに向かって突撃し始めた。

「アンタたち!助けなさいよ!」

そして、アイツの言葉は無視された。

 ついでにこれは余談だが、あの後、暴力女は保健室に連れて行かれた。なんか悲鳴が上がったが気にしないでおこう。ついでにDクラスに勝った。姫路が相手の代表を真っ二つに斬ったからだ。其処のシーンは残念ながら見てない。理由はない。あるとすれば銃の手入れが大切だったことだ。

 

「さて、戦後対談といくか。」

赤ゴリラがDクラス代表の…、平賀だったか?そいつに言いかける。

「まさかFクラスに姫路さんがいたなんて…。」

「ごめんなさい…!これも勝負なので…。」

「いや、僕らの情報負けだった…。なめてかかってたよ…。」

あのピンク、まだ謝ってやがる。

「この教室はあけわt「いや、しなくていいぜ?」え?」

Dクラスから少しざわめきが起こる。当たり前だよな。

「俺から提案したいのはBクラスのアレを破壊してくれないか?」

何を考えてる、この赤ゴリラ。

「解った…。喜んで引き受けよう。」

引き受けるな。

「まあ…、君たちを期待してるよ。」

「本音は?」

「これが本音さ。彩樹さん達の事は聞いたよ。」

ん?

「勝手に行動してた3人を1人で倒したって聞いた時はびっくりしたね。」

ああ、あれか。

「マジで?」

「ああ」

赤ゴリラに返答しとく。

「まあ、頑張れ」

「おうよ」

 

「赤ゴリ…、いや、代表」

俺は赤ゴリラに話しかける。

「何だ?」

「次の対戦相手は?」

「Bだ」

Bと言えば…。

「根本恭二か…。」

「はぁ?!」

知らなかったのか?

「マジか!それじゃあ正攻法で勝てないじゃないか!」

こいつ、マジで頭悪いな。

「アッチが卑怯ならばこっちも卑怯だろ」

「ああ、そうか」

アイツの事は知っているが交友関係はあまり聞いたことがない。確か…、Cクラスの代表と付き合っているとか何とか…。このことを聞いたらFクラスの奴ら発狂しそうだな。まあ、いざというときの切り札に使えばいいかな?

「じゃあ明日だな」

「ああ、楽しみだぜ」

俺等は帰ることにした。




吉井明久

所属クラス:Fクラス
性別:男
身長:174cm
召喚獣の服装:原作通り
召喚獣の装備:原作通り

成績
数学:Fクラス上位
現国:Fクラス下位
古典:Fクラス下位
化学:Fクラス最低ライン
物理:Fクラス下位
技術:Eクラス上位
音楽:Eクラス上位
日本史:Aクラス中頃(普段は手抜きでEクラス中頃)
世界史:Bクラス上位~Aクラス下位(普段は手抜きでEクラス上位)
美術:Fクラス中頃
家庭科:Aクラス上位(普段は手を抜いてEクラス上位)
英語OC:Fクラス上位
英解:Fクラス上位~Eクラス下位
英法:Fクラス下位
保健体育:Dクラス中頃←そもそもFクラス男子は馬鹿だが体育の成績はいい。

腕輪
不明

解説
 キング・オブ・バカ。観察処分者。どうしようもない馬鹿で自分に対する周りの気持ちさえ察することが出来ない。が、他人の為なら自信が傷つくことさえいとわないという他人の為なら熱くなれる人間でもある。優しさだけならAクラスに行けるんじゃないかというレベル。


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第5問

バカテスト:世界史

問:第一次世界大戦でドイツが使用した武器を一つ答えなさい。




彩樹天龍の解答
「パリ砲(ヴィルヘルム皇帝砲)」
教師のコメント
 いきなりインパクトのある解答ですね。正解です。詳しいデータは残っておりませんが、これがキッカケでドイツ軍はさまざまな兵器を開発しました。




吉井明久の解答
「A7V」
教師のコメント
 これはマイナーですが、正解です。ドイツ軍が前線に初めて投入した戦車です。





フランドール・スカーレットの解答
「兵隊」
教師のコメント
 それは兵器とは言いません。



~天龍サイド~

 

「おっしゃあ!お前ら逝って来い!」

いや、字が違うと思うんだが…。

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』

マジで突撃していった。ただのバカしかいねぇ。

「じゃあ俺はブラブラしてるわ」

「何故?」

赤ゴリラが訝しげに聞いてくる。

 

「参加するかどうかは人の自由だろ」

 

俺は部屋を出て行った。

 

「ん?」

そういえば2階って一年の教室だったよな。

 

「ん?あの人だれ?」

「え?誰?」

「あの人」

 

・・・凄い気まずい。そういえばこいつらも自習中だったな、そりゃあ俺に興味を持つわな。

 

「すいません」

 

そう思っていた時、一人の少女が俺の前に近寄ってきた。

 

「お名前は?」

「そこは自分から言うのが礼儀だろ。」

「あ、はい。私は1年Bクラスの赤波結城と言います」

ほう、一年Bの生徒か。

「俺に何の用なんだ。」

「実は…」

・・・なんか嫌な予感が。

 

「あなたの事が好きなんです!付き合って下さい!」

 

・・・は?

「Du nicht bitte sagen Sie das noch mal?(独逸語で『もう一度言ってくださいませんか?』)」

「付き合って下さい」

はぁ?!

「ちょっとこっち来ようか」

「え?あ、はい」

俺は女子トイレに誘導する。

 

 

 

 

 

 

「で、その告白は間違いでないんだな?」

「はい」

「お前はそれで後悔していないのか?」

「はい」

一番面倒臭いタイプだ、コイツ。

だが、はっきり言ってやるのが礼儀だ。

 

「お前が家に来る程度ならその気持ちを受け取らんこともない」

 

「本当ですか?!」

「ああ」

「ありがとうございます!!」

ふぅ…。

「じゃあ、帰るわ。」

俺はトイレを出て行った。

 

 これは余談だが、階段を上がっている途中に2年Bクラスの女子三人が勝負を申し込んできた。

 科目は技術。俺は勝負し、コテンパンに叩きのめした後Bクラスとの休戦、及びFクラスが荒らされていたことを知った。それを聞いた時、俺が手榴弾2個と62式機関銃を持ってBクラスに殴り込みに行こうとしたところを赤ゴリラやド変態、更には馬鹿や演劇のプロにとめられたことは言うまでもない。

 ついでにCクラスに不穏な動きが見られたので条約を付けようとした赤ゴリラを殴って気絶させた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「お前ら、今から再戦だ!Bクラスをやっつけるぞ!」

『うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!』

俺等はBクラスとの戦争に終止符を刻む為準備に取り掛かっていた。

さて、今まで取っといたネタを使うか。

「赤ゴリラ、この場を借りていいか?」

「?いいが?」

「感謝する」

俺は壇上に上がるとニヤリと笑い、言う。

「お前ら、彼女持ちの男子についてどう思う?」

 

『死刑だ!』

 

「だが、よく聞け。根本恭二はCクラス代表の小山友香と付き合っているんだ。」

 

『なにぃぃぃぃ?!!!!!』

 

「しかも、手作りの弁当まで作ってもらっているらしいぜ?」

 

『なああああああああにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!』 

 

 「異端試問会」、通称「FFF団」。それは彼女持ちの男子に対して醜い嫉妬を抱き、処刑する武装集団である。そんな事している暇があったら勉強しろ。

 

「ゆるざん!」

 

醜い、コイツら本当に醜い。

「では、突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!』

『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!』

『FFF団バンザアアアアアアアアアアイ!!!!!!!!!!』

 

俺が掛け声をすると全員教室から出て行った。

「行くぞ、木下にピンク。そしてバカ。」

「彩樹さん、酷くない?!」

俺は3人を引き連れて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

「壁とドアをうまく使うのじゃ!教室に押し込のじゃ!」

「木下ぁ!古典がやヴぁい!援護を頼む!」

「トラ、トラ、トラァ!」

「補充試験を受けろ!早めに切り上げろよ!」

…上手く押し込んだのは良いんだけど、教室の前で苦戦しているようだ。

「吉井ぃ!大変だぁ!」

ん?須川君が焦って僕の所に来た。どうしたんだろう?

「どうしたの、須川君?」

「島田が拉致られた!」

?!

「どうして?!」

「どうやらお前が姫路のスカートの中を見て鼻血を出したというデマ情報を流したら捕まったらしい!」

イラッ(僕)

 

ジャキ

 

彩樹さんが真顔で機銃200発とチェーンガンを用意し始めた。フル☆パックする気なのだろうか?彩樹さん程じゃないけど僕も少しイラついている。

すると彩樹さんは無線機を取り出し、連絡し始める。

「こちら彩樹天龍。赤ゴリラ、聞こえるか?」

『どうした?』

慣れちゃったのかな、雄二。

「島田美波が持ち場所を離れ、拉致られたようだ。」

『本当か?』

「ああ。で、抹殺許可を寄こしてほしい。」

『解った、許可する。』

「感謝する」

ピッ

無線機をしまうと、彩樹さんは僕に振り向いた。

「行くぞ。木下、ピンク。ここは任せた。」

「任された。」

「どこへ行くんですか?」

すると、彩樹さんはこう言った。

「抹殺しに行くんだよ。あの足手まといをな。」

そう言うと、彩樹さんは走って行った。僕もそれに続いた。須川君や横溝君、フランドールさんもこれに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「吉井!早く助けなさい!」

「これ以上近づくな!近づいたらコイツの命はないぞ!」

寧ろやってくれ。近づいてやるからよ。

科目は日本史か。

「命乞いに答える代りに聞いてやる、暴力女。」

「何よ!」

こいつの態度、むかつくな…。

「何故持ち場を離れた。」

「吉井が心配だったからじゃない!」

 

「君は其処まで僕に暴力をふるいたいか!」

 

間髪入れずに吉井が叫ぶ。趣味が趣味だ。そう思われても仕方ない。

「ねえ、やっちゃっていい~?」

フランが俺に言う。

「もう少し待て」

俺は返す。

そういえばフランは補充試験を受けててDクラス戦は参戦できなかったな。だから殺したくてうずうずしているんだろう。

「総員に告ぐ。全員、攻撃準備。」

『え?!』

その場にいた全員が驚きの声を上げた。訂正だ。フラン以外は声を上げた。

「よお~し」

フランは召喚獣を召喚しようとしている。楽しみで楽しみで仕方がないというような笑顔をしている。いい笑顔だ。最高じゃねえか。100点満点をくれてやる。

「すまん、言い方が悪かった。」

「だよね、彩樹さn「あの裏切り者も含めて攻撃だ」・・・ゑ?」

今度こそ空気が固まった。

「ちょっと?!私を助けなさいよ!」

なんかごたごた抜かしてるが、知った事か。

「裏切り者は死ね。サモン!」

『サモン!』

俺が召喚すると全員が召喚した。相手は対応が遅れたため、あまり苦戦せずに戦死させることが出来た。その戦死された相手には暴力女が含まれていたことは言っておこう。

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

 僕らは前線へ戻ってきた。こちらが少し優勢だ。うまい事教室に押し込んでいる。FFF団がうまい事前線を張っているのだ。意外と頼りになる。

そこで少しあたふたしている姫路さんを見かけた。どうしたんだろう?

「姫路さん、どうしたの?」

「いえ、何でもありません…。」

本当にどうしたんだろう?

 

「姫路さぁん!こっちがまずい!援護してくれぇ!」

「は、はい!サモッ…!」

 

いきなり泣きそうな顔で召喚することをやめてしまった。僕はその姫路さんの視線の先を目で追いかける。

視線の先には片手に淡いピンク色の紙を持ち、にやりと笑っている根本君がいた。

あれは…。

 

『その手紙、いい返事がもらえるといいね!』

 

『はい!』

 

ああ、そういう事か…。

「姫路さん」

「はい!」

「君は前線から離れてていいよ。」

「え、でも…。」

「此処は僕らに任せて。」

「…はい。」

そう言うと姫路さんは持ち場を離れて行った。僕は教室へ急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

~坂本サイド~

 

明久が真剣な顔で教室に入ってきた。

「どうした、逃げ出してきたのか?」

「違う。」

…面白そうだし聞いてやるか。

「頼みがある。」

「何だ?」

 

「姫路さんを前線から外してほしい。」

 

・・・。

「理由は?」

「そこまでは言えない。」

「そうか。じゃあ、お前が決めろ。」

「解った。」

迷わずに返事しやがった。かなり覚悟を持っているんだろう。邪魔する必要はなさそうだ。

 

「オイオイ、それなら俺も入れろよ。」

 

其処にいつの間にか現れた彩樹が話に入ってくる。

「協力してくれる?」

「まあな。」

彩樹はにやりと笑いながら明久を見る。

「ただ一つだけ言わさせてもらうぞ?」

「何?」

彩樹が明久に向かって言った。

 

「やるんだったら全力でやれ。」

 

「・・・解った。」

そして二人は教室から出て行った。前線に向かわず、逆側の階段から行くようだ。

「オイオイ、もしや・・・。」

俺は少し嫌な予感がした。

明久の事だ。奇想天外な行動をするに違いない。

俺はそう思った。




坂本雄二

所属クラス:Fクラス
性別:男
身長:190cm
召喚獣の服装:原作通り
召喚獣の装備:原作通り

成績
数学:Aクラス上位(普段は手抜きでDクラス中頃)
現国:Eクラス下位
古典:Eクラス下位
化学:Eクラス上位
物理:Eクラス下位
技術:Dクラス上位
音楽:Fクラス下位
日本史:Bクラス上位(普段は手抜きでEクラス中頃)
世界史:Aクラス上位(普段は手抜きでEクラス上位)
美術:Eクラス中頃
家庭科:Aクラス上位(普段は手を抜いてDクラス上位)
英語OC:Dクラス上位
英解:Cクラス下位
英法:Dクラス下位
保健体育:Dクラス上位

腕輪
不明

解説
 Fクラス代表。明久の悪友。明久のことを馬鹿にはするが信頼はしている。小学生のころは「神童」と呼ばれていたがある事件をきっかけに喧嘩に明け暮れ、中学の頃は「悪鬼羅刹」と呼ばれた。しかし、頭の回転の速さは健在で、臨機応変に対応できる。本人はわかっていないが演説性に長けている。統一力は天龍の下位互換程度。翔子の事は好きだがまた怖い思いをさせてしまうんじゃないかと素直になれないでいる。


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第6問

「流れ早くない?」

「1000文字以上書かないといけないんでしょ?嫌でも早くなるよ」

「文才が無いだけだろ」

「実際その通り」


~明久サイド~

 

「ごめんね。こんな作戦に利用させてもらって。」

「構わないよ。こちらに拒否権はないと思っている。」

「それは助かるな。」

「準備は良いですか?」

「「ああ(はい)」」

僕らは今Dクラスの教室にいる。作戦を決行するためだ。

「Fクラス彩樹天龍が、Fクラス吉井明久に数学で勝負を申し込む!」

「承認します。」

「「サモン!」」

僕らの召喚獣が召喚される。

 

  Fクラス秘書 吉井明久 82点

数学     VS

  Fクラス代表補佐 彩樹天龍 100点

 

「ちょっと力入れすぎたな。」

彩樹さんが舌打ちしながら言う。

「まあ、いいか。来いよ、吉井。」

僕は彩樹さんを見据え、木刀を構えさせる。

彩樹さんも構えさせてはいないが僕を見据える。なんでもないというような顔だ。

先に動いたのは僕の方だ。思いっきり突きを入れようとする。

それを彩樹さんは紙一重でよけ、胸倉を掴み、壁にたたきつけた。

フィードバックの影響で背中に激痛が走る。

だけど、じっとしている訳にもいかなかった。何故なら彩樹さんの召喚獣が壁にたたきつけられた僕の召喚獣を蹴りぬこうとしたからだ。

僕はそれを間一髪でよける。

 

ドォン

 

大きな音がし、壁には小さいクレーターが出来ていた。

 

  Fクラス秘書 吉井明久 64点

数学     VS

  Fクラス代表補佐 彩樹天龍 100点

 

点数に補正が入る。しかし、僕が変に思ったのは彩樹さんが僕を殺しにかかっているんじゃないかという事だ。此処で僕は彩樹さんに言われたことを思い出す。

 

『やるんだったら全力でやれ。』

 

・・・そういう事か。僕は木刀を構えなおし、彩樹さんに突撃する。彩樹さんはにやりと笑う。今度は普通によけられ、僕の攻撃は壁に直撃する。

 

ドォン

 

大きな音がする。壁にひびが入った程度だった。僕の手に痛みが生じる。其処に間髪入れずに彩樹さんが殴りにかかる。僕はそれをよける。

 

ドォン

 

大きな音が教室に、いや、廊下にまで響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~坂本サイド~

 

「どうした、Fクラス?」

「何が?」

「段々と勢いがなくなってきてるぞ?」

そうかもな。しかし大丈夫だ。

 奴には隙が出来ている。これを人は「慢心」と呼ぶ。

 

ドォン

 

始まったか、あいつら…。

「なんかうるさくなってきたな?」

根本が俺に対し、嘲笑を見せる。俺はそれににやりと笑い返す。

「ああ、そうだな。工事でもしてるのかもな」

攻防が続く。被害は五分五分だ。

「おい、暑くないか?」

「誰か窓開けろ」

窓が開けられる。

 

ドォン

 

その間でも轟音は続く。明久の奴、ホントに馬鹿だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

 僕と彩樹さんはそれぞれ武器を投げ捨てていた。もう拳でやった方が早いと思ったのだ。そのせいで僕の手からは血がしたたり落ちていた。彩樹さんは少し足を痛そうにしている。

僕は息が荒くなっていた。しかし彩樹さんはあまり苦しくなさそうだ。平然としている。

「リタイアするか?」

ニヤリとしながら彩樹さんが言う。リタイア?絶対にやらない!認めない!姫路さんの為に!

 

  Fクラス秘書 吉井明久 52点

数学     VS

  Fクラス代表補佐 彩樹天龍 85点

 

僕は拳に全力を籠める。それを彩樹さんにぶつけようと突撃する。

案の定、彩樹さんに簡単によけられる。僕の拳は壁に直撃した。

壁が崩れる。その向こうに根本恭二の姿が見えた。僕は間髪入れずに勝負を申し込もうとする。

「Bクラス護衛隊、貴様ら二人に勝負を申し込む!」

止められてしまった。クソ!もうどうすれば…!

 

「土屋ぁ!」

 

彩樹さんが叫ぶ。次の瞬間、ムッツリーニが(何故か)開いてない窓ガラスを蹴り割って体育教師と共に入ってきた。

「・・・Fクラス土屋康太がBクラス根本恭二に保健体育で勝負を申し込む。」

「なっ?!」

 

    Bクラス代表 根本恭二 161点

保健体育     VS

    Fクラス土屋康太 421点

 

次の瞬間、根本君の召喚獣はムッツリーニの召喚獣に一閃された。

 

 

 

――――この勝負はFクラスの勝利で終わった。――――

 

 

 

Fクラスの勝利の雄叫びが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「さて、戦後交渉といこうか。Bクラス諸君。」

「くっ…!」

根本が赤ゴリラを恨めしそうに睨み付ける。尚、吉井は治療中だ。

「まず、教室については明け渡さなくていい。」

両クラスにざわめきが走った。

「俺達の目標はAクラスだからな。」

その発言で少し静まり返った。

「ところで」

と赤ゴリラが口を開く。

「俺達の教室の設備破壊を命じたのはお前か?」

別に破壊されてもそうそう変わらないと思うんだが…、元からぼろいし。え?手榴弾2個と機関銃持って突撃しようとした人が何を言っているんだ。ってか?冗談じゃないぜ。俺其処まで残酷じゃねぇし。

「違う。それについては小山からの提案だったんだ。」

あの糞尼か。

「しかし、それを鵜呑みにしたのはお前だろ?」

根本は黙ってうなずいた。

「根本君、君のポケットを裏返すんだ。」

其処に吉井も入ってくる。

「これだろ?」

根本はポケットから紙切れを取り出した。

「これで姫路さんを脅迫したんだね?」

「ああ」

この時、両クラスからざわめきが起こった。

「じゃあ君には罰を受けてもらおうk「おい、ちょっと待てよ」・・・!」

俺は話に割って入る。

「邪魔しないでよ、彩樹さん!」

 

スッ

 

俺がナイフを向けると黙りこくった。

さてと・・・。

「お前のした行為について、俺が評価を下してやろう」

俺はにやりと笑いながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

?どういう事?

 

「お前が姫路を脅迫したその行為。俺から見たら正しい行為だ。」

 

?!

「どういう事さ!その野郎の肩を持つつもり?!」

「持つつもりはない。持つだけ腐る。」

「じゃあ何故!」

「当たり前だろ?試召戦争は文字通り『戦争』だ。つまりどういうような手を使ってもいい。歴史を見たってそうだろ?脅迫材料を使って国を足止めする。今までやってきたことだ。どんな方法でも勝てば官軍だからな」

「だけど、これは人が死ぬようなモノじゃない!」

「召喚獣は死ぬ。それを『戦死』と言うが?」

確かに、そうか…。

「Bクラスの連中も手の平変えんな。お前達の為にこいつはしたんだ。姫路はお前らにとって少なからず脅威だったろ?」

少数は頷いた。

「俺がもしコイツの立場だったら同じようなことはするぜ?教室破壊はするかどうかわからないがな。」

でも…。

「姫路さんは、泣きそうになってたんだよ?!」

「関係ない。戦争に情けなど必要ない。足手まといはさっさと死んだ方が良い。というより死ね」

え・・・?じゃあ…。

「あの時、僕に協力したのは?」

 

「勝利の為であって、ピンクの為じゃない。寧ろいつからピンクの為だと錯覚した?俺はああいうやつは気に入らないんだ。」

 

彩樹さんは僕を見る。冷たい目だった。人を不安にさせるような目だった。

 

「ああ、お前らBクラスは俺達の教室を直せ。後、根本は…、姫路に謝って来い。更にCクラスの代表と付き合っているんだろ?それを利用して弱みも握っているよなぁ?それを脅しのネタに使ってAクラスに試召戦争を仕掛けるように仕向けてこい。」

 

「なっ!」

根本君が驚きの声を上げる。さすがにそれはきつい。彩樹さん、無茶ぶりしすぎだよ!

「勝者の命令に従えねぇのか?歴史で意思を通すのは勝った側だけだ。負けた側は勝った者の意思に従わないといけねぇんだよ。」

彩樹さんは根本君に言う。根本君は頷いた。いや、頷いてしまったといった方が正しいのかもしれない。

「これでいいよな?」

彩樹さんが雄二に尋ねる。

「ああ、それでいい。」

雄二はOKの様だ。

「じゃあ、解散。」

と言いながら彩樹さんは教室を出て行った。




島田美波

所属クラス:Fクラス
性別:女
身長:160cm
バスト:A
召喚獣の服装:原作通り
召喚獣の装備:原作通り

成績
数学:Cクラス上位~Bクラス上位
現国:Eクラス下位
古典:Fクラス下位
化学:Dクラス中頃
物理:Eクラス上位~Dクラス下位
技術:Eクラス上位
音楽:Cクラス上位~Bクラス下位
日本史:Fクラス中頃
世界史:Eクラス下位
美術:Dクラス中頃
家庭科:Bクラス上位
英語OC:Bクラス上位
英解:Dクラス上位~Cクラス中頃
英法:Eクラス上位~Dクラス下位
保健体育:Dクラス中頃

腕輪
不明

解説
 Fクラスの貴重な女子。明久に対し、恋愛感情を抱いているが、素直になれず関節技をかけてしまう。そのためか明久に警戒されるし、雄二からも注意されている。天龍からは「暴力女」と呼ばれる羽目に。根は純情(という噂)。自信過剰者。


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第7問

バカテスト:外国語

問:「笑顔」を独逸語に訳しなさい。

島田美波の答え
「Lächeln」
教師のコメント
正解です。さすがは島田さんと言うところですね。








彩樹天龍の答え
「fröhliches Gesicht」
教師のコメント
正解です。ちなみに直訳すると「幸せ顔」になります。










吉井明久の答え
「Visage souriant」
教師のコメント
それはフランス語です。しかし、何故吉井君はフランス語を知っているのですか?



数日後

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

 

「皆、よく今まで俺に協力してくれた。感謝する」

 

 

といきなり赤ゴリラは頭を下げてきた。

「…お前らしくない」

「どうしたの、雄二?」

「一体どうしたのじゃ?」

クラスから疑問の声が上がる。

 

「どうした、元々少なかった頭の螺子が更に少なくなったか?」

 

ビュン(カッターが飛んでくる音)

 

サッ

 

ドォン(俺が拳銃を撃つ音

 

サッ

 

ゴッ

 

よけやがった…!

「殺す気か?!」

「殺す気だ!」

 

カッター投げられたらお返しするのが基本だろ!

 

「で、勝率は?」

「ああ。それについてはある。」

ほう、教えてもらおうか?

「まず、正攻法じゃあ勝てねぇ。しかも相手は翔子だ。俺の動きを呼んでくる可能性が高い。よって!」

と言いながら赤ゴリラは黒板を叩く。

 

「選ばれた選手で行うエキビション形式で行こうと思う!」

 

一騎打ち方式か。それは勝率は跳ね上がるな。

「気になったんですけど、霧島さんと坂本君は知り合いなんですか?」

ピンクが聞く。

 

「ああ、幼馴染だ。」

 

「総員ねらえぇ!」

いつの間に皆着替えたんだ?

「うお!お前らどうしたんだ!」

「黙れ!男の敵!Aクラスの前にまずお前を手調べに殺す!」

Aクラスも殺す予定なのか、倒すんじゃなくて。Aクラスェ・・・。

「まあまあ落ち着くのじゃ。」

お、木下が入っていった。空気読んだな。

「『あの』霧島じゃぞ?男に興味があるとは思えん。」

そう決めつけるのはよくないだろ。もしかしたら一人の男ばかり思っている一途な乙女なのかもしれんぞ?

「吉井」

「な、何かな?島田さん」

「霧島さんみたいなのがタイプなの?」

聞いてどうするつもりだ、アイツ。

「・・・きれいだとは思うけど好きじゃないかなぁ…。って、何で姫路さんは卓袱台を持ち上げてんの?!そして島田さんはいつの間にそんな釘バットを用意したの?!!」

「お前ら二人とも一旦落ち着け。」

俺は割って入る。

 

「大丈夫だ、お前らの事が好きな男子なんてこの世に数えるほどしかいねぇよ。」

 

更に発狂し始めた。

まあ、クラスの連中が押さえ込んでるからいいか。

「ま、まあとりあえずだ。」

赤ゴリラ動揺してやがる。

「交渉しに行くぞ。須川、フラン、島田、姫路、ムッツリーニ、秀吉、明久、彩樹。ついて来い。」

俺達はAクラスに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

 

赤ゴリラがノックした。

 

ガチャ

 

「・・・どうぞ」

霧島さんが返答した。

 

霧島翔子。学年主席。一説には「絶対記憶能力者」とも言われている。それでもって美しい。男子の告白をことごとく振っているので、同性愛者じゃないかという噂が流れているがそんなことはないと思う。もしかしたら一途に一人の男子に恋をしているのかもしれない。その男子が誰かはイマイチわからないが。

 

「おお、済まない」

「……(ポッ)」

はは~ん、そういう事か・・・。

「仲良いな、結婚しろよ。」

「なっ!お前何言ってやがる!」

は?

「今口から出とったぞ?」

マジで?

 

 

 

~めんどくさいのでちょっとカット~

 

 

 

「・・・という事なんだ。」

「却下ね。」

木下姉が言う。まぁ、そうなるな。負ける確率が増えるんだから。

「そこを何とかできませんか?」

須川が言う。両手を合わせて。中々のイケメン面だから女子には通用しそうなんだけど…。

「無理だよ。」

其処に久保利光が入ってくる。

 

 久保利光。学年次席並みの実力を持つと言われている。同性愛者の噂がある。

 

「…仕方ないよ、引き下がろう?」

吉井が弱気な事を言い出した。俺も同意見だ。引き下がった方が良いかもしれない。

 

「・・・ここで引き下がったら、追いかけ、見つけ出して殺す。」

 

前言撤回だ。スタンガン持って言われたら引くに引けない。

「・・・その勝負、受けていい。」

ゑ?

「後悔しないのか?」

俺が霧島さんに尋ねる。

「…うん、ただ試合で勝ったそれぞれの人は負けた人に一つなんでも命令を言うことが出来る。」

「・・・!(ガチャガチャ)」

・・・土屋、お前は何を急いでカメラの整備しているんだ。

「じゃあ、俺達が勝ったら俺達が再度振り分け試験を行って、もし俺達が負けたら俺達は設備のランクダウン及び3か月の宣戦布告禁止でいいな?」

「(コクリ)」

こいつらの頭の中に『引き分け』の二文字はないのか?

「ちょっと待ってくれ。」

「何故?」

「用事を思い出した。」

「そうか。」

俺は教室を出て行った。

 

 

~カット~

 

 

俺が戻ってきたときには時間が決められている最中だった。

「…いつにする?」

「そうだな…、今週の金曜日の昼休み終了後でいいか?」

「…良い。」

「じゃあな。絶対勝つぜ。」

「…こっちこそ負けない。」

さてと…。

「ん?彩樹、戻らないのか?」

「いや、ちょっとな…。先に帰ってくれないか?代表たちは。」

「・・・そうか、解った。」

・・・よし。俺は霧島さんに向き直った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~優子サイド~

 

彩樹さんは代表に向きなおった。どうする気なんだろう?

「霧島さん。いや、放課後此処に残りたい生徒は残っててくれないか?できれば試合に出場する人で。話がしたい。」

どういうつもりなんだろう?

「じゃあ、また放課後で。」

そう言うと彩樹さんは出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

~坂本サイド~

 

「代表、ちょっと廊下に出てくれないか?」

「ん、いいが?」

彩樹の野郎、俺のこと代表と言いやがったな。

俺達は廊下に出る。

「何故代表と言ったんだ?」

「赤ゴリラと言うのが面倒くさくなったんだよ。これからはお前のことを『代表』と言うぞ?」

気分でも変わったのか。

「で、何故呼んだんだ?」

「質問したいんだが」

その次の瞬間、俺は衝撃を受けたような気がした。

 

「霧島翔子についてどう思っている?」

 

予想外だったからだ。




姫路瑞希

所属クラス:Fクラス
性別:女
身長:159cm
バスト:F
召喚獣の服装:原作通り
召喚獣の装備:原作通り

成績
数学:Aクラス上位
現国:Aクラス中頃
古典:Aクラス下位
化学:Aクラス中頃
物理:Aクラス下位
技術:Bクラス上位
音楽:Aクラス上位
日本史:Aクラス中頃
世界史:Aクラス下位
美術:Aクラス中頃
家庭科:Fクラス最低ライン
英語OC:Aクラス上位
英解:Aクラス中頃
英法:Aクラス下位
保健体育:Dクラス中頃←実技の成績が低い

腕輪
『熱線』
400点以上の時に発動。100点消費する代わりに高威力の熱線を繰り出す。しかし、発動している間動けない上に打ち切った後の硬直時間が少し長い。しかも、点数差が大きすぎると押し切られる危険性がある。

解説
 家庭科以外点数が高い。Fクラスの貴重な戦力。天然な所がある。天龍からは「ピンク」と呼ばれる。吉井明久に恋心を抱いているが、言い出せずにいる。Fクラスの毒気に侵されつつある。


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第8問

バカテスト:雑学

問:自分の好きな戦車を答えよ。又、その理由を答えよ。別に理由ではなく、その戦車について知っていることでも構わない。尚、ペーパープランで終わった戦車は除外とする。






吉井明久の答え
「独逸戦車TigerⅡ(ティーガーツヴァイ)
 形状がかっこよく、当時連合軍でその装甲を貫ける戦車が無かったため、実質世界最強だったから。」


教師のコメント
 そうですか。確かに男のロマンですね。尚、映画「フューリー」では本物のティーガーⅠが使われました。





坂本雄二の答え
「ソビエト社会主義共和国連邦戦車KV-2(カーベードゥーバー)
 155mm榴弾砲を搭載していた。その破壊力のせいでドイツ軍に『ギガント』、ソ連軍からは『ドレドノード』とさえ言われた。」


教師のコメント
 この戦車は傾くと砲塔が回転させることが不可能だったようです。








放課後

 

コンコン

 

「・・・どうぞ」

ノックに対し、Aクラス代表霧島翔子が返事をする。

「失礼する」

そう言い入ってきたのは同学年Fクラス所属の彩樹天龍だ。

「座って」

と霧島は天龍をソファーに座らせる。

「ところで話って?」

と切り出してきたのはAクラス秘書木下優子である。

 

「・・・霧島さん、坂本雄二についてどう思っている?」

 

急にそんな質問をした。霧島は少しうつむき、答える。

 

「好き」

 

「え?!」

「代表、坂本君の事が好きだったの?!」

「知らなかった!」

その場にいた生徒たちが声を上げる。

「静かに」

天龍がその場を制す。素直に静かになった。

「・・・でもどうしてそんなことを聞いたの?」

霧島が皆が思っていたであろう気持ちを口にする。

「・・・あいつの為だ。」

天龍は少し淋しそうな声で言った。

「・・・え?」

霧島が疑問の声を上げる。

「聞いたんだ、代表に。霧島さんのことをどう思ってるか。」

「・・・うん。」

霧島はスカートをぎゅっと握りしめた。聞きたくない。そんな感情が彼女を支配しようとしていた。

 

「・・・好きなんだが、怖いんだとよ。」

 

霧島は少し目を見開いた。天龍を見る。天龍は少し見返した。少し優しさがこもった目だった。

「どういう事?」

と木下は尋ねる。

「聞いたんだ。直接な。」

と天龍はその時の出来事を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「霧島翔子についてどう思っている?」

俺は聞いた。

「な!急になぜそんなことを聞く!」

代表は酷く狼狽していた。普通の代表じゃあこんなことはありえない。

「聞いているんだ。」

「別に何とも思ってねぇよ!」

嘘だ。

「本当にか?」

「ああ、本当だ!」

「じゃあ、なぜそこまで大きな声を上げる?」

「ぐっ…!」

・・・。

「正直に話せ。仲間だろうが。」

「お前に俺の何が解るっていうんだよ!」

「そりゃあ解らねぇよ!お前じゃないんだから!だがなぁ!」

俺は代表に指を突きつける。

 

「お前の話を聞いて助言することはできるだろうが!」

 

代表は目を見張った。驚いたように。

「・・・解った。話そう。」

少し決心がついたような顔をし、俺に話し始めた。

 

 色々話してくれた。小学校の頃に起こった出来事やそれがキッカケで『悪鬼羅刹』とまで言われた経緯。更にはFクラスに入った理由を。

 

「此処まで話してくれた。それは良い。で、貴様は霧島さんのことを本当はどう思っている?」

 

俺は質問する。

 

「・・・好きだ。でも、怖いんだ。」

 

代表は言った。

「怖い?」

「また俺のせいで翔子が傷つくんじゃないかと考えたら、俺が辛くても離れた方が良いと思った。」

・・・今の俺みたいだな。ただ、違うのはあいつは俺が離れてからだと幸せそうに見えた事か。

「代表」

「何だ?」

「貴様は考えすぎだ。」

バカな頭をこねくり回すんじゃねぇよ。

「どういう事だ?」

「お前の言い分もわかる。大切な人を二度と傷つけたくない。だから離れた方が良いと思う。だが」

「だが?」

俺は言い切る。口から言葉を吐き出す。

 

「それで本当に大切な人を守れているのか、考えた事はないのか?」

 

代表はハッとしたように俺を見る。

 

「寧ろ、それで傷つけていたら?自分の願いとは逆の行為をしているとは思わないか?」

 

「・・・確かにそうか。」

俺は更に言う。

 

「『自分が常に傍にいて危険な時には守ってやる対象』だろ?好きな人っつうのは」

 

代表はうなだれた。

「・・・なあ、天龍。」

俺のことを「天龍」と言ったが、もう言及しないでおくことにした。

「なんだ?」

「俺でいいのだろうか?」

「別にいいだろ。喜ぶと思うぜ、きっとな。」

「…そうか」

俺は振り向きざまに言う。

「ただし、告白は試合が終わってからな。」

「・・・そうするぜ。・・・天龍」

「あ゛?」

「ありがとよ」

「礼を言われる筋合いはない」

と言いながら振り向いて見ると代表の頬には涙が伝っていた。

「・・・オイオイ。何泣いてるんだよ、らしくねぇなあ。」

「え、マジで?」

「オラ、これ。ハンカチ貸してやるから涙拭けよ。」

「ああ、済まない。」

代表の流した涙は嬉しそうな涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天龍が話し終えたとき、教室は静まり返っていた。

「…そんなことを思ってたんだ、坂本君。」

「ああ。だが、アイツは正直な気持ちになった。直に告白するだろう。」

「・・・でもなんで」

「ん?」

霧島は天龍に話しかける。

「何でそんなことを聞いたの?」

その疑問はもっともだ。と天龍は思った。確かに理由がないのに質問するバカはいないだろう。

「お前の為だ。」

天龍は言った。まっすぐ前を見つめていた。傷跡が痛々しかった。

「どうせならよ、ハッピーエンドで終わろうじゃねえか。お互い苦悩してたんだろ?それは本人にしかわからない。だが、第三者でも助言することぐらいはできるしな。それに」

「それに?」

 

「俺は両想いな二人が結ばれて幸せにしているのを見るのが好きだからな。」

 

ポタッ

 

霧島の頬に涙が伝り、カーペットに落ちた。

「…⁈」

「代表?!」

霧島翔子はうれしかった。自分の気持ちを肯定してくれている人が、自分の苦悩を理解してくれる人がいることを知って嬉しかった。今まで自分の気持ちを否定する人がほとんどだった。それは同級生でも例外ではなかった。親も例外ではなかった。あなたたちには関係ない!と思っても思った以上にその反応や風当たりは辛かったのだ。しかし、自分の目の前にその辛さや苦悩を理解してくれた人がいた。それだけでも嬉しかった。

「あー・・・、じゃあな。」

と天龍は面倒臭いことになったと思い、教室を飛び出していった。皆が引き留めようとしたがそれよりも早く去ってしまった。ただ、いつの間にか机におかれていたメモにはこう書かれていた。

 

『試合でこちらFクラスは9人出す予定である。そちらもそれに合わせるように。ただし、秘書は秘書と、代表補佐は代表補佐と、代表は代表と勝負すること。 以上

 

追記:霧島さん、自分の気持ちに素直になってくれ。そして全力でかかってこい。アイツも喜ぶだろう。 

 

2年Fクラス代表補佐 彩樹天龍』




彩樹天龍の答え
「独逸戦車 Ⅲ号突撃砲
 SturmgeschützⅢ。略称はStuGⅢ。WWⅡに独逸が製造した突撃砲。厳密に言えば戦車ではない(これについては後述する)が大体同じように扱われるのでここでは戦車とする。『Sd.Kfz.142』又は『142/1』が正式番号である。

 突撃砲は、WWⅡの独逸における『主力装甲戦闘車両』の一つである。当初は『歩兵戦闘を直接支援する装甲車両』として設計され、Ⅲ号戦車の車台を流用して製造された。歩兵に随伴して進撃し、敵の防御拠点を直接照準射撃で撃破することを目的としていた為、所属は戦車部隊ではなく『砲兵科』に属していた。終戦までに派生形等を含めて約10500輌が製造され、これはWWⅡで独逸が製造した装甲戦闘車両中最大の生産数である。

『戦車』と『突撃砲』の決定的な違いは機動戦の任務に用いるか否かである。
『突撃砲』は狭い射界で攻撃範囲を制限されるのに比べ、『戦車』は回転式の砲塔を持ち、全周囲に対する砲の指向を行いながらの機動が可能である。その為、目標を迂回しながら突破しつつ攻撃を仕掛けることができた。
しかし突撃砲はこの種の機動攻撃には不向きで『歩兵の支援』、『堅陣地への攻撃』、『敵戦車に対する防御戦闘』に投入された。
直接援護されることが多い歩兵の側から見れば、『陣地攻撃の支援』から『対戦車戦闘』までこなす突撃砲は常に頼もしい存在で、実際Ⅲ突が一台いるだけで歩兵達は安心できたという話がある。
大戦中期以降は歩兵の最大の脅威が『塹壕・トーチカ』から『戦車』へ変化した事から、三突もそれに倣うことになった。後期型は『長砲身75mm砲』を搭載、『対戦車砲』として運用された。前面装甲厚は8㎝に強化。砲は敵の主力戦車を1㎞以上の距離から撃破する事ができた。特に東部戦線ではソ連のT-34から歩兵を守る最強の盾として信頼され、親しまれていた。皮肉な事に東部に限らず、大戦後半の独逸は守勢に回らざるを得ない場面が多く、突撃砲の投入条件に適していたともいえる。

 突撃砲開発の発端は、エーリッヒ・フォン・マンシュタイン大佐(当時)が1935年に新生ドイツ陸軍参謀本部に配属された際、歩兵師団に直射火力を付与する為の突撃砲兵をルートヴィヒ・ベック上級大将に提案した事から始まった。1936年6月15日にダイムラー・ベンツ社は75mm砲を搭載した歩兵支援装甲車輌の開発命令を受領。
その開発する突撃砲の要求は

『①搭載砲は左右の射角を少なくとも25度は取れること』

『②乗員を保護するために上部構造の全面を装甲付きの完全密閉型』

『③車輌の高さは(当時の)ドイツ人男性の平均身長を超えないこと』

などだった。さすがに③の条件は満たせなかったが。

 ダイムラー・ベンツ社は、その時点で直近に製造されていたⅢ号戦車の車台と走行・牽架装置を利用して開発を開始。試作車の製造はアルケット社が引き継ぎ、1937年に『OシリーズStuG』としてⅢ号戦車B型をベースにした試作車5輌が製造された。これは軟鋼による上部構造を持ち、クルップ社製の『短砲身75mm砲StuK37 L/24』を搭載していた。
 1940年から量産が開始されるが、当初は単に『StuG』と呼ばれ、名称に『Ⅲ』は付いていなかった。『対歩兵の近接戦闘支援』を目的としていた初期は『短砲身75㎜StuK37 L/24と榴弾』を搭載していたが、ソ連のT-34に直面するに当り、『長砲身75㎜ StuK40 L/43(1942年春頃)』又は『75㎜ StuK40 L/48(同年秋頃)』を搭載するようになった。
 1943年、某アニメで有名な『Ⅳ号戦車』をベースにした『Ⅳ号突撃砲』が開発されると、この車輌は『Ⅲ号突撃砲』と呼ばれるようになった。『G型』からは、歩兵対策として『防盾付き7.92mm MG34』を車体上部に装備。後に『車内から遠隔操作可能タイプ』に変更されたが、生産が間に合わず未装備で前線に送られた物もあった。また後期には主砲と同軸にMG34を装備した車輌もあった。
 1944年、フィンランドは継続戦争用として、59輌のⅢ突を受領。戦闘において8輌のⅢ突が喪失、ないし行動不能に伴う乗員による遺棄処理となったが、その間に少なくとも87輌のソ連戦車を撃破している。此処でもⅢ突は信頼された。理由はフィンランド自体が防衛に徹していた為、『機動戦を得意とする戦車』よりも『防衛に徹する事が出来る突撃砲』の方が都合がよかったのだ。又車高が低いので雪さえ被せてしまえば隠す事が出来たのだろう。戦後、残存したⅢ突はフィンランド軍の主力戦車に組み入れられた。チェコスロバキアは接収し装備していたⅢ突をシリアに売却。これらは1967年の第三次中東戦争まで使われ続けた。今でもなお、多くの人に愛され続けている車両である。」


教師のコメント
 詳しすぎです。裏面にびっしり書き込まなくても。


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第9問

フランちゃん、欠席です。


次の日

 

「それでは、AクラスとFクラスの試合を開始します!」

『よろしくお願いします!』

 

試合は以下のルールに沿って行われる。

 

・7試合で各一試合1対1の真剣勝負

 

・科目は自由。

 

・先に4回勝った方が勝ち。

 

・科目の選択権はAクラスが3回、Fクラスが4回とする。

 

・秘書は秘書と、代表補佐は代表補佐と、代表は代表と必ず勝負すること。

 

「では一回戦、出場する生徒は前へ出てください。」

「島田、やって来い。」

「もちろんよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

負けるかもな、アイツ。

代表もそう思っているようで興味がない目でアイツを見ている。吉井も同じだ。

「なあ、お前ら。」

俺はためしに皆に聞いてみる。

「ん?」

「あいつが勝てると思うか?俺は無理だと思っている。」

 

「無理だな」

 

「無理だね」

 

「…捨て駒」

 

「牽制にもならん」

 

 

「不可能だと思うが?」

 

「皆さん、酷すぎません?」

上から代表、吉井、土屋、木下弟、須川、ピンクだ。

「あいつ、補充試験まともに受けてなかったような気が…。」

「自信過剰は真っ先に死ぬからな。」

相手は…、十六夜咲夜か。

「ウチが負けるわけないわ!」

バカか。

「そうかしら?科目はあなたに任せるわ。」

「じゃあ数学で!」

この時、相手の十六夜?だったかな?がにやりと口の端を釣り上げたのを俺は見逃さなかった。

「「サモン!」」

お互いの召喚獣が召喚される。

 

  Aクラス 十六夜咲夜412点

数学     VS

  Fクラス 島田美波 161点

 

死んだな。

Fクラス全員が溜息をした。

「私の世界!」

そう十六夜が言った次の瞬間、島田の召喚獣がナイフによって串刺しにされていた。

 

島田美波 DEAD

 

「一回戦、Aクラスの勝利!」

Aクラス側から歓声が起こる。

 

「チッ」

坂本が舌打ちをした。俺はナイフを取り出す。斬り殺してやる。

「仕方ないよ、島田さん。相手はAクラスだったから。」

「・・・そうね。」

「お前のせいでこっちが不利なんだが?」

須川が言った。

「アンタもぼろ負けするんでしょう?!」

「吉井から教わった操作技術で多少足掻いてやるさ!」

うん、島田よりか信頼できるぜ。

「行って来い!お前の実力を見せつけてやれ!」

「ハハハ、期待しといてくれ。」

須川は笑いながら試合に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~須川サイド~

 

アイツに教えてもらったアドバイスを思い出す。

 

『召喚獣になりきっちゃえばいいんだよ。』

 

『なりきる?』

 

『そういうこと。召喚獣は人間と同じように弱点がある。其処を的確に攻撃すれば点数に比例することなく一撃で戦死する。例えAクラスでもね。』

 

『つまりこんな俺でも?』

 

『こんなとか言わないで。自信を持ってよ。君は選手に選ばれたんだからさ。光栄だよ?』

 

『確かにそうか』

 

『まあ、僕が手取り足取りやってあげるからさ』

 

・・・よし、いける!

俺は自信満々に前を向いた。後ろには仲間たちがいる。そうだ。

 

俺は一人ではないんだ。




フランドール・スカーレット

所属クラス:Fクラス
性別:女
身長:150cm
バスト:B
召喚獣の服装:原作の服装
召喚獣の装備:レーヴァティン
成績
数学:Eクラス上位
現国:Fクラス最低ランク
古典:Fクラス最低ランク
化学:Fクラス上位
物理:Fクラス下位
技術:Eクラス上位
音楽:Aクラス上位
日本史:Eクラス中頃
世界史:Eクラス上位
美術:Aクラス中頃
家庭科:Eクラス上位
英語OC:Fクラス上位
英解:Fクラス上位
英法:Fクラス下位
保健体育:Cクラス中頃

腕輪
『フォーオブアカインド』
400点以上で発動。召喚獣が4人に分身して攻撃する。点数が一体につき4分の1になるが、それぞれがオートコントロールである。

解説
 スカーレット家の妹。試験日を忘れててFクラス所属になってしまった。戦闘狂であり、何か争い事があると絶対目を輝かせる。成績自体はほとんど悪いが音楽と美術がずば抜けていい。現国と古典は元々わからない。天龍の事が気に入っている。姉とは別居中。よく欠席する。


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第10問

問:第二次世界大戦時の枢軸国をできる限り答えなさい。

吉井明久の答え
「ドイツ、イタリア、日本」

教師のコメント
 正解です。










坂本雄二の答え
「独逸、日本、伊太利亜」

教師のコメント
 正解ですが、何も漢字で書かなくても…。










彩樹天龍の答え
「ナチスドイツ、イタリア王国、大日本帝国、フィンランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、タイ、フィリピン第二共和国、ビルマ国、スロバキア共和国、クロアチア独立国、満洲国、中華民国南京政府」

教師のコメント
 正解です。まさか国際連盟が承認していない国まで書くとは…。


須川は前を見る。相手は女子の様だ。

「私の名前は佐藤美穂です。よろしくお願いします。」

「俺の名前は須川亮です。こちらこそよろしくお願いします。」

お互い一礼した後、相手を見る。

「Fクラスの人がよく勝負しようと思いましたね?」

「チャレンジ精神ってやつですよ。『最低』でも『最高』に対抗できるんじゃないかというね。」

「勝てると思っているんですか?」

「さあ、知りませんよ。ただ・・・」

「ただ?」

 

「いけるとは思ってます。」

 

この時、歓声が上がった。

「・・・そうですか。では、やりましょう。」

「科目はあなたにお任せします。」

「では、英解で」

「承認します。」

お互いの声がお互いの召喚獣を出す。

「「試験召喚獣、サモン!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~須川サイド~

 

英解 Aクラス 佐藤美穂394点

 

凄いな。さすがAクラスというところか。

俺は馬鹿だ。しかし、一科目だけならいける。

 

それがこれだ!

 

英解 Fクラス 須川亮 371点

 

吉井が少し安心したような顔をした。そのほかは驚いていた、彩樹以外は。

『おおおおおおおおおおおおおおおおお』

歓声が上がる。

『すげぇ!』

『団長!カッコいいです!』

「須川ぁ!自分を貫き通せ!」

坂本が俺に対し叫ぶ。俺は棍を構えさせる。俺の召喚獣の服装は白帯の道着だ。ダサい。

相手はカンフー着に鎖鎌だ。リーチは相手の方が上。破壊力もあっちの方が上だろう。ただ、あの懐に潜り込めればいい!

次の瞬間、鎖鎌が地面を這うように俺に飛んできた。

「っ!」

 

ガッ

 

俺は棍棒で防ぐ。相手は鉄球を自分の方に戻す。手がしびれる。さすがだな。あの武器はえぐい。

更に上から鉄球が振り落されようとしていたことに気付く。俺はバックステップさせようとする。

ビュン

しかし、よけきれない事が解るとサイドステップをさせた。

 

ドゴッ

 

床に直撃する。俺はその隙に相手に突っ込む。

「!」

相手は焦らず、ただバックステップをしながら鉄球を戻していた。

 

ヒュン

 

俺の耳元に掠る。俺は悪寒を感じた。が、思い切り突く。

 

ゴッ

 

俺の突きは相手の左肩に当たった。しかし、相手の鉄球は俺の召喚獣の左耳を持って行った。

少し痛みが走る。俺は距離を置く。

相手も距離を置いた。

 

  Aクラス 佐藤美穂379点

英解     VS

  Fクラス 須川亮 365点

 

点数は14点差か…。この点数差を巻き返す!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

 須川君と佐藤さんは攻防を続けていた。その間にもお互いの点数は削れていく。鎌が相手を掠ったり、棍棒が相手の頭を殴ったり、鉄球を棍棒で受け止めたりと様々な戦いを見せてくれた。そして・・・。

 

  Aクラス 佐藤美穂121点

英解     VS

  Fクラス 須川亮 121点

 

須川君は同点にまで追い込んだ。彩樹さんも真剣に見ている。静かに、冷静に。

 

次の瞬間、お互いの召喚獣が動き出す!ここで勝負が決まる!

 

ドォッ!!!!!!!

 

大きな音がし、噴煙が巻き起こる。そして、それが晴れてきた。

 

そこには首が無くなっていた須川君の召喚獣と棍棒がお腹を貫通していた佐藤さんの召喚獣の姿があった。

 

  Aクラス 佐藤美穂2点

英解     VS

  Fクラス 須川亮 0点

 

『勝者、Aクラス!』

『うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』

Aクラス側から歓声が起こる。

「くそ!」

須川君は歯をくいしばり、悔しがっていた。

「いい試合でした。」

と言いながら佐藤さんは須川君に近づいてきた。

「え?」

須川君は顔を上げる。

「あの時、負けるんじゃないかと思いました。何故なら気迫がすごかったからです。でも、」

佐藤さんは一拍置き、言った。

 

「何故あの時、弱点を狙わなかったんですか?」

 

須川君は言った。

 

「努力している女性を攻撃することは俺のセオリーじゃない。更にはオンボロの屑(一部除く)が集まったFクラスの俺があなたに勝つことは失礼だと思ったんですよ。」

 

須川君、君は男だよ。

「え…///」

佐藤さんは顔を少し赤くしていた。

「でも、戦えてよかった。有難うございました。」

と須川君は握手を求める。

佐藤さんは握手しながら言った。

「もし、放課後暇があれば屋上に来てくださいませんか?」

どうしたんだろう?彩樹さんや雄二は2828してるし、FFF団は処刑の準備をしている。って。

「君たち殺す気?!」

『ああ、そうだ!』

「黙れ」

彩樹さんが片付けてくれた。




ここで皆様にアンケートを取ります。

別作品で幻想入りを書く予定です。
キャラは二人組です。
其処で皆様に協力願いたいのです。
下の選択肢から選んでください。

1:天龍田

2:天龍&夕張

3:デデデ大王&カービィ

4:デデデ大王&メタナイト

ご協力お願いします。


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第11問

第一試合科目:数学 勝者:Aクラス

第二試合科目:英解 勝者:Aクラス


~天龍サイド~

 

「次はわしじゃな?」

「ああ、お前だ。行って来いよ?」

アイツの相手は・・・。ん…?

(代表、アイツは…。)

(ん?…ああ、間違いない。)

 

((霧雨魔理沙だ))

 

 霧雨魔理沙。理系なら異常な点数を見せる。噂によると教師の点数を超えたことがあるらしい。つまり理系なら無敵なのである。文系は知らん。

 

「アンタが相手かい?」

「うむ。わしが相手じゃ。」

「ふぅ~ん…。」

霧雨は木下の容姿を舐めるように見る。容姿は女くさい。しかし男だ、中身はな。まあ、告白されても仕方ない容姿ではある。

 

 

実を言えば股間にある男の印は結構大きかったりする。

 

 

「彩樹、少しよからぬことを考えておらぬか?」

「いや、全然」

こんな風に読心術も使える。ある意味恐ろしい奴だ。面倒臭いともいう。

「お前、男だろ?」

「!何故わかったのじゃ!」

一発でわかったアイツは凄いと思う。

「教科は?」

「儂でいいかの?」

「ああ、いいぜ?」

「じゃあ、古典で」

「ッ!」

顔をしかめたな。

「始めてください。」

「「試験召喚獣、サモン!」」

二人の召喚獣が召喚される。

 

  Aクラス 霧雨魔理沙121点

古典      VS

  Fクラス 木下秀吉 181点

 

・・・は?

(おい、ちょっと待て!)

代表や明久も同じことを思ったようだ。俺に目で話しかけてくる。

(121点って何?!Bクラス上位並しかないじゃないか!)

(文系は苦手らしいが、あそこまで低いとは敵としての俺も予想外だったぞ!)

(俺達から見れば十分高いと思うんだが…。)

(君たちがFクラスだからでしょ?!)

 

((お前が言うな!))

 

(orz)

そうこうしているうちに決着がついた。

 

  Aクラス 霧雨魔理沙DEAD

古典      VS

  Fクラス 木下秀吉 170点

 

・・・封殺かよ。

「あまり苦戦しなかったのじゃ。」

「当たり前だ。」

「封殺勝ちだったしな。」

「頑張ったね、秀吉。さすが僕のお嫁さん。」

「それを言うなら婿じゃろうに。」

「いや、どっちも違うからな?」

俺は吉井と木下の会話にツッコミを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姫路、お前の出番だ。思いっきりやって来い。」

「はい!」

代表の激励にピンクが答える。

 

 相手は久保利光。成績は2位、3位を争う生徒だ。人としての道理を外れかけているらしいが。

 

「天龍、何か言ってやれ。」

「ん?そうだな…。」

俺は少し考えた後、言う。

 

「死ぬ気でやって来い。」

 

ピンクは頷くと、そのまま向こうへ行った。

久保とピンクは対峙する。

「姫路さんがFクラスだったとは予想外だったよ。」

「はい、私はこの通りFクラスです。」

「そうかい…。じゃあ僕が教科を決めていいかな?」

「ええ、どうぞ。」

 

「では、『総合科目』で。」

 

この時、Aクラス内にどよめきが走った。

「理由は?」

「君と一度でいいから全力で戦ってみたかったんだ。」

「…そうですか。その勝負、受けて立ちます。」

「感謝するよ。」

「準備は良いですか?」

高橋先生が二人に問いかける。

「大丈夫です」

「構いません」

・・・。

「準備ができ次第、召喚してください。」

「解りました。」

「はい。」

二人は呼吸を整えると、同時に叫んだ。

「「試験召喚獣、サモン!」」

 

    Aクラス 久保利光3997点

総合科目     VS

    Fクラス 姫路瑞樹4409点

 

この時、歓声と驚きの声が上がった。

「何だ、あの点数は!」

「あれ、学年主席に匹敵するんじゃないか?!」

こんな歓声を俺と代表と吉井は無視し、小声で話し合う。

(いけると思うか?)

(僕はいけると思うんだけど…。)

(俺は無理だと思う。)

(なんで?)

(必死なのはわかる。だが、アイツはどこに向けて必死だと思う?)

(僕ら、かな?)

(よく解ったな。アイツはアイツ自身の為に頑張っているんじゃない、Fクラスの為に戦っているんだ。)

(つまり?)

(Fクラスに対する侮辱を言われたら動揺してミスるんじゃないか。と?)

(その通りだ、代表。まあ、見ようぜ?)

俺等は顔を上げる。どうやら姫路が押しているみたいだ。



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第12問

問:光とは波であり、()である。この()内に入る言葉を答えなさい。







姫路瑞樹の答え
「粒子」

教師のコメント
 正解です。







須川亮の答え
「津波」

教師のコメント
 どういう事ですか?







吉井明久の答え
「勇者の武器」

教師のコメント
 先生もRPGは好きです。

彩樹天龍のコメント
 先生、突っ込みどころ其処じゃないです。


試合は現在、姫路が有利に立っている。

 

    Aクラス 久保利光2998点

総合科目     VS

    Fクラス 姫路瑞樹3271点

 

どちらも真剣な表情をしている。

「姫路さん、やるね・・・!」

「例え相手がAクラスだとしても、勝ちたいんです…!」

「そう、かい…!」

お互いの召喚獣の点数が削れていく。武器がぶつかると軽い衝撃が響く。

 

    Aクラス 久保利光2732点

総合科目     VS

    Fクラス 姫路瑞樹3000点

 

姫路が大剣を構える。久保はデスサイズを構える。

「ところで、君を其処まで強くする根源はなんだい?」

「Fクラスです…!」

「Fクラス?」

 

「人の為に一生懸命になれるこのクラスが好きなんです…!」

 

「…そうかい。」

次の瞬間、久保は姫路に斬りかかった。

姫路はよけきれず、ダメージをくらう。鎧の左側が割れた。

 

    Aクラス 久保利光2732点

総合科目     VS

    Fクラス 姫路瑞樹2892点

 

「君がFクラスが好きと言うのならば、僕は負けるわけにはいかない…!しかも、それが姫路さんだからね!」

「どういう事ですか!」

「なら教えてあげるよ!」

先程とは明らかに打って変わった雰囲気を纏った久保の召喚獣が姫路の召喚獣に襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

(マジか。)

代表が言う。

(言ったとおりだったろう?)

(姫路さんが押されてきてるね)

さっきまでの攻勢が嘘だったかのように姫路は攻撃をするのではなく、うまい事当たらないように立ち回る劣勢になっていた。

ゴリゴリ姫路の点数が削れていく。まるで大根おろしだ。

 

    Aクラス 久保利光2212点

総合科目     VS

    Fクラス 姫路瑞樹2112点

 

「逆転した!」

誰かが叫んだ。どっちのクラスかは覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕はFクラス自体を否定している訳じゃないんだよ。其処は勘違いしないでほしい。Fクラスにも色々と尊敬すべき人がいるからね。君の事も尊敬しているんだよ、姫路さん。」

「え…?」

「だけど、僕はそれ以外のFクラスにいる人自体を否定しているんだ!自ら努力もしない人間が、努力をしたり、正しい事をしている人間を認めずに、理不尽に攻撃を加えるという性格を持つ人たちが!」

「…っ?!」

次の瞬間、大鎌が姫路の召喚獣を真っ二つにした。

 

「勝者、Aクラス!」

 

この直後、Aクラス方面から歓声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

チッ・・・。

横を見ると代表が苦々しそうに顔をゆがませていた。

「負けてしまいました…。」

「・・・いや、いい。お前の努力は皆が認めている。それでいいじゃないか。」

「ですけど・・・。」

「僕らで何とかするから、任せて?それとも信用してない?」

「・・・はい。解りました。次は頑張ります。」

次なんかねぇよ。

もうすぐ、か。

「此処で休憩の時間を取ります。5分後、速やかにお戻りください。」

言い忘れていたが、この試合には他のクラスも観客として来ている。周囲の目が鬱陶しい。

「5回戦は秘書同士、6回戦は副代表同士、最終戦は代表同士の対決となります。」

俺は吉井を引き寄せると言った。

「不安か?」

「うん…。」

「大丈夫だ、お前を応援する奴がいる。俺もその一人だ。」

「(コクリ)」

「気張っていけ。いいか?」

「解った。」

そう言うと吉井は深呼吸を始めた。気持ちを落ち着かせているのだろう。俺には勝つための心の準備をしているように見えた。




一試合目:数学 勝者Aクラス 科目選択権:F

二試合目:英解 勝者Aクラス 科目選択権:A

三試合目:古典 勝者Fクラス 科目選択権:F

四試合目:総合科目 勝者Aクラス 科目選択権:A

科目選択権:Aクラス残り一回
      Fクラス残り二回


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第13話

よいお年を!


~明久サイド~

 

「行ってくるよ」

僕は皆に言う。

「期待してるぞ。」(雄二)

「頑張るのじゃ」(秀吉)

「…グッドラック∑d」(ムッツリーニ)

「頑張りなさいよ、アキ!」(島田さん)

「吉井、いけるぞ!」(須川君)

「あ…明久君、頑張ってください!」(姫路さん)

僕が行こうとしたら、彩樹さんが再び僕を捕まえた。

「吉井、不安か?」

「うん」

「そうか」

少し間を空けた後、彩樹さんが言った。

 

「負けはするな。」

 

えっと・・・、つまり・・・。

 

「勝ってくるよ。」

 

こういうことだろう。そう言うと僕は前に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

 ・・・勘違いしてやがる。別に「負けじゃなければいい」としか言ってないが…。まあ、あそこまで意気込んでるし、邪魔しない方が良いか。

「えっと…、秀吉のお姉さん?」

「ええ、木下優子よ。」

木下秀吉の姉か。

「アンタ、観察処分者でしょ?それでFクラスの秘書?笑わせるわねぇ…。」

「?褒めてくれてありがとうございます。」

いや、褒めてねぇだろ。どうやったらそう受け止めれるんだよ。

「(苦笑)」

代表も苦笑してるぞ。

「・・・科目を選んでもいいわ。」

呆れられとる。

「じゃあ、日本史で」

「では、両者、召喚してください。」

「「試験召喚獣、サモン!」」

 

   Aクラス 木下優子456点

日本史     VS

   Fクラス 吉井明久432点

 

「ハァ?!」

「なぬ?!」

「・・・!」

「え?!」

全員が同じような反応をした。

代表が叫ぶ。

 

「明久ぁ!無駄なことは一切考えるな!」

 

「・・・解った!」

両者は武器を構えた。

 

ガキィ!

 

激しい音がし、お互いの召喚獣が武器を交える。

「一筋縄ではいかないようね!」

「日本史と世界史だったら僕は粘れる自信がある!」

「他は?」

「できるだけ粘ってやる!」

「どちらにしろ粘るじゃない!」

結構余裕あるな、あいつ等。

 

ガキィ!

 

キィン!

 

ガッ!

 

吉井は木下姉の突きを全て木刀でいなしながら避けている。

「この!当たりなさいよ!」

「当たったら痛いじゃないか!」

 

ガッ!

 

キィン!

 

ガァン!

 

キィン!

 

「うわ!」

バランスが崩れてしまったようだ。吉井の召喚獣は後ろ向きに倒れていく。其処にすかさず木下姉が突きを入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

僕の召喚獣が足がもつれて倒れる。

そこに木下さんのランスが突き下ろされる。

「っ!」

僕は木刀で左に受け流そうとするが受け流し切れず、左肩にランスが突き刺さった。

「っつぅ…!」

更に深く突き刺さる。床に突き刺さっているようだ。

「ぅらぁ!」

僕は無理矢理召喚獣を右に向かせ、左肩を引きちぎる。

 

   Aクラス 木下優子 421点

日本史     VS

   Fクラス 吉井明久 401点

 

ヤバい!こうなったら…!

 

「我、一撃入魂シ攻撃ス!」

 

僕は腕輪の名前を叫ぶ。次の瞬間、僕の召喚獣は右腕だけで思い切り木刀を振り下ろし、木下さんの召喚獣を60点削ることに成功した。

 

   Aクラス 木下優子 361点

日本史     VS

   Fクラス 吉井明久 301点

 

これであっちもこっちも腕輪は使えない!僕は召喚獣に傷口を前にするように構えさせた。

右腕しか使えないことがここまできついと思わなかった。

僕と木下さんは武器を構え、それぞれ突撃した。

 

「終わりだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

「させるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

ドォン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

ドォン! 

 

轟音と共に砂煙が舞い上がる。

「明久ぁ!」

代表が叫ぶ。あれは・・・。

砂煙が晴れる。

 

そこには首に木刀が貫通した木下優子の召喚獣と腹部にランスが突き刺さっている吉井明久の召喚獣がいた。

 

   Aクラス 木下優子DEAD

日本史     VS

   Fクラス 吉井明久1点

 

「木下優子、戦死!よって、Fクラスの勝ちです!」

自陣から歓声が響く。

「負けた…?」

木下の方は呆然としていた。まさか負けたのは予想外だったのだろう。

「よっしゃあ!!!」

吉井の方は嬉しがっていた。そりゃあそうだ。「勝つ」と決心していたんだからな。

 

・・・・・・・・・・さて、と。

「吉井、よくやった。其処をどけ。」

「彩樹さん?」

「次は俺の番だ。」

「うん、勝ってきてね。」

「ハハハ、勝たなきゃまずいだろ?」

俺は笑いながら言う。

「次は代表補佐同士の戦いです!両クラスの代表補佐は前に出てきてください!」

「彩樹!」

「何だ、代表?」

 

「負けるんじゃねぇぞ!」

 

・・・・・・・。

「『勝たなきゃ殺す』だろ?」

「まぁな」

俺は前に出る。

 

「久しぶり、天龍」

 

その声に一瞬思考がフリーズした。なんでこの声の主がここにいるんだ?

俺の目の前からその声が聞こえたことに気付く。俺は前を見る。

 

そこには懐かしい幼馴染の姿があった。

 

「・・・オイオイ、マジかよ。」

「うん、お久しぶり。天龍」

俺は再開した。

「何故ここにいる」

俺は夕張に聞く。

「何故って・・・、天龍に会いたかったからに決まってるじゃない!」

やめといたほうが身のためだと思うんだが・・・。

「もういい加減諦めたらどうだ?」

「いや!諦めたくない!」

・・・・・・。

「・・・そういやお前はそういう性格だな。教科の選択権はお前にやるよ。」

「いいの?」

「ああ」

 

「じゃあ、技術で。」

 

よし、補充試験で技術を重点的にしといてよかった。

「ではこれより代表補佐同士の戦いを始めます!両者、試験召喚獣を召喚してください!」

 

「「試験召喚獣、サモン!」」

 

お互いの召喚獣が召喚される。




夕張芳香

所属クラス:Aクラス
性別:女
身長:169cm
バスト:C
召喚獣の服装:艦これの夕張の服装。スカートが薄い茶色のタンクトップになったくらいの違い。
召喚獣の装備:両手に強化アーマー

成績
数学:Aクラス上位
現国:Aクラス中頃
古典:Aクラス下位
化学:Aクラス中頃
物理:Aクラス下位
技術:Aクラス上位もしかしたら学年主席を超えるかもしれない。
音楽:Bクラス上位
日本史:Aクラス中頃
世界史:Aクラス下位
美術:Cクラス中頃
家庭科:Aクラス中頃
英語OC:Aクラス下位
英解:Bクラス上位
英法:Bクラス上位
保健体育:Aクラス中頃

腕輪
『50口径14cm単装砲2基2門』
400点以上で発動。史実の夕張の砲台が出現(もちろんミニサイズ)。それを打ち込む。一発で60点、全弾命中すれば240点のダメージ。威力としては少し頼りないが天龍の腕輪と比べると40点くらい総ダメージが上である。単発火力もこっちの方が高い。

解説
 明るく素直な性格。天龍とは幼馴染だが、ある出来事が原因でしばらく会えなかった。そのことについては後々書く予定。機械オタクな面があり、メカニックな話になると自分の知識を爆発させる。いつか天龍を自分の家にあげたいと思っている。天龍に関して恋愛感情に似たようなものを抱いている。


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第14問

~吉井サイド~

 

 二人は同時に召喚する。

 

 

技術 Aクラス代表補佐 夕張芳香692点

 

 

高っ?!しかも付けている装備は強化アーマー?!凄い強そうじゃん!

「何だ、あの点数は!」

「学年主席超えてんじゃないのか?!!」

それはありえる。彩樹さんは?!

 

 

「カカカ・・・。頭良くなったんだなぁ、夕張。」

 

 

・・・ゑ?笑ってる?

 

 

「だが、その程度じゃ」

次の瞬間、僕らは彩樹さんの点数を見て、絶句した。

 

 

技術 Fクラス代表補佐 彩樹天龍898点

 

 

「俺を超えることはできんぞ?」

 

 

『はぁぁぁぁ?!!!!』

驚きの声がそこら中から響く。

「あいつら頭おかしいだろ!」

「どうやったらあそこまで凄い点数採れるんだ?!」

「すご~い!」

「というか彩樹天龍さんだっけ?!あの人何でAクラスじゃないの?!」

 

(ギロッ)

彩樹さんが殺意のこもった目で観客を見たのは僕の気のせいだろう。

「それでは試合を始めてください!」

火ぶたが切られる。

 

「速攻で叩き潰させてもらう!腕輪起動!」

 

「させない!腕輪起動!」

 

次の瞬間、床に魔方陣が描かれそこから砲塔が出現する。

 

「砲撃開始!」

 

「ファイエル!」

 

ドォン ドォン ドォン ドォン

 

お互いの砲撃音が僕らの耳をつく。お互い避けながら撃っていた。それでも、いくらか被弾してしまう。

 

  Aクラス代表補佐 夕張芳香492点

技術         VS

  Fクラス代表補佐 彩樹天龍738点

 

「オラァ!」

彩樹さんが斬りかかる。それを夕張さんはアーマーで防ぎ、カウンターを打ち込む。

「グフッ!」

思いきり彩樹さんの召喚獣が吹っ飛ばされるが床に剣を突き立ててブレーキを掛ける。

 

技術 Fクラス代表補佐 彩樹天龍672点

 

カウンターであれほどくらうの?!僕だったら即死だった!

 

・・・おかしいな・・・、何で涙が・・・。

 

「この野郎!」

彩樹さんがまた斬りかかるが全て上手くいなされカウンターをくらう。中には彩樹さんがカウンター返しを行ったやつもあるけどそれでも点数の削れ具合が半端ではない。

「ギリィ…」

彩樹さんが歯ぎしりする。余程ムカついているのかもしれない。

 

  Aクラス代表補佐 夕張芳香421点

技術         VS

  Fクラス代表補佐 彩樹天龍511点

 

マズイ…。いつもの彩樹さんじゃない…。いつもはかなり余裕がある筈なのに、今はそれが無いように見える。精神的に追い詰められてるのかもしれない。

「おい、天龍!」

雄二が叫ぶ。というよりいつの間に二人はそんなに親しくなったの?!

 

「俺に言ったことと矛盾してねぇか?!」

 

?どういう事だろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

俺が代表に言ったこと?

 

『それで本当に大切な人を守れているのか、考えた事はないのか?』

 

・・・そういう事か、矛盾つうのは。俺の顔に自然と笑みが浮かぶ。息も少し落ち着き始めた。

俺の幼馴染だ、アイツは。俺の動きも知っているだろう。だが、それでもわからないことがある筈だ。

 

俺は刀をまっすぐかまえた。剣道のように。中段構えだ。

 

「っ?!」

「さすがに読めないか?」

来い。

 

今までの過去も、今までの憂鬱もここで決着を付ける。

 

「!うん、わかった!」

そういうとアイツは突撃してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~須川サイド~

 

相手が向かってくる。

彩樹は静かに構えたままだ。ただ、眼差しは鋭く、強い目をしていた。

「おりゃあ!」

そう叫びながら相手は殴りかかる。それと同時に彩樹は自分が構えている刀を一回転して思い切り投げた。

 

ガキィン

 

もちろんはじかれた。しかし、その次が俺達の目を見張らせた。

 

 彩樹の召喚獣が腰に装着しているナイフを取り出し、隙が生まれた相手の召喚獣の頭に勢いよく突き立てる。そのまま、思い切り抉っていく。脳味噌があふれ出し始めていた。そしてそのまま相手の後方に背中から倒れ込む。相手の頭は真っ二つに割れていた。血が溢れだしていた。もちろん相手は即死だ。

 

「し、勝者2年Fクラス!」

 

何故かこの試合だけ歓声が小さかった。つか無かった。皆気持ち悪そうな顔をしていた。当たり前だろ、あんな大惨事なもの見させられたんだ。そりゃあ気持ち悪くもなるさ。かと言っている俺も少し気分が悪いんでね…。




ここで読者の皆様にバカテストです。


問:独逸軍が第二次大戦中に行った飛行機や戦車などで短時間で勝負をつけることを何と言いますか?


横溝幸平の答え
「ガンガン行こうぜ!」

教師のコメント
「命は大事にしてください」


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第15問

     科目選択  科目  勝者

第一回戦: F    数学  A

第二回戦: A    英解  A

第三回戦: F    古典  F

第四回戦: A  総合科目  A

第五回戦: F   日本史  F

第六回戦: A    技術  F ここでAクラス、科目選択権全て喪失

最終戦 : ?   ???  ? 



あ、ムッツリーニと工藤忘れてたwwww

こいつ等は1年で何かあった設定にしとこうwww


~坂本サイド~

 

「勝ってきたぞ。」

天龍が帰ってくる。

「お、おめでとう。」

「す、すごかったわ。」

「か、かっこよかったです。」

「あ、ああ。凄い戦いだったな。」

「…凄い勝ち方だった。」(汗)

「まさか刀を投げつけた隙を使うとはのう…。」(汗)

明久、島田、姫路、須川、ムッツリーニ、秀吉の順に言う。

「天龍、よくやった。」

俺も称賛の声を投げかける。

「約束は果たした。」

天龍も言葉を返す。

「行ってくるぜ。」

俺は皆の歓声を背にしながら行こうとする。

その時、天龍が引っ張ってきた。

「代表」

「なんだ?」

「耳を貸せ。」

「おう」

何を言う気だ?

 

「お前は自分のやりたいようにやれ。クラスの奴らに応えなくていい。」

 

「・・・わかった。」

「それに」

「それに?」

 

「自分で努力しないやつがAクラスに行くのは不公平だろ?(ニヤァ・・・)」

 

「(ニヤ)ああ、そうだな。」

「じゃあ、行って来い。」

背中を天龍にポンッとたたかれる。

「ああ。」

待ってろ、翔子。今、決着を付けよう!

「雄二・・・」

「翔子、待たせたな。済まない。」

「・・・ううん、待ってない。」

そういう意味じゃないが…、致し方ないか。

「科目は?」

「俺でいいか?お前たちの方は選択権は損失しているはずだからな。」

「・・・別にいい。」

よし、それなら…。

 

 

「科目は日本史!ただし、上限100点満点の小学生レベルのテスト勝負で頼む!」

 

 

その場が騒然とした。

「・・・解りました。では、準備をしますので二人ともこちらに来てください。」

俺達は教室を出た。

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

 

 

 

 

 

「では、始めてください!」

 

・・・問題は年号を答えるだけの簡単な問題。しっかりと勉強さえしてりゃあ中学生でも解ける。

 

『大化の改新』は、・・・あった。ここをどうするか・・・。

 

俺は横目で翔子を見る。翔子は真剣に取り組んでいた。俺とは大違いだ。俺みたいなやつでいいのだろうか…。

この時、ふと俺は天龍との会話を思い出した。

 

『貴様は考えすぎだ。』

 

『どういう事だ?』

 

『お前の言い分もわかる。大切な人を二度と傷つけたくない。だから離れた方が良いと思う。だが』

 

アイツは・・・、もう既に解っていたんだ。

 

『それで本当に大切な人を守れているのか、考えた事はないのか?』

 

俺が気が付かなかったことを・・・。

 

『寧ろ、それで傷つけていたら?自分の願いとは逆の行為をしているとは思わないか?』

 

当然ともいえることを・・・。

 

『≪自分が常に傍にいて危険な時には守ってやる対象≫だろ?好きな人っつうのは』

 

何か足らないとは思っていた・・・。それを・・・。

 

『俺でいいのだろうか?』

 

『別にいいだろ。喜ぶと思うぜ、きっとな。』

 

天龍、お前の一言で解ったんだ・・・!感謝するぜ・・・。

 

そしてお前も、苦悩してたんだな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「彩樹さん、涙…。」

「え?」

俺が目元に触れてみると、涙がこぼれていた。

「・・・?」

俺には訳が解らなかった。何故自分が気が付かないうちに泣いていたのかが。

俺は中継モニターを見る。

 

『大化の改新・・・()年』

 

「あった…。」

誰かが言った。

「これで俺達は…。」

『システムデスクだ――――!!!!!』

本当にそうだろうか。

『終了!』

高橋先生の声が響く。

 

『では、発表します!』

 

点数が発表される。BGMはBattle Field3の勝利テーマだ。別のウェブサイト出して流してろ。

 

『2年Aクラス代表 霧島翔子99点!』

 

『おおおおおお!!!!!!!!!!』

馬鹿共の歓声が響く。

 

『2年Fクラス代表 坂本雄二99点!』

 

『・・・は?』

・・・やはりか。

 

『よって引き分けです!』

 

『いよっしゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』

Aクラスから歓声が響いた。まあ、Fクラスに負けはしなかっただけよかったと思っているんだろう。

 

代表が帰って来た。もちろん文句の嵐が起こった。

「雄二、どこで間違えたのさ!」

「大化の改新で」

「…雄二、100点はいけるとか言ってなかったのか…?!」

「いや…、それはだな…。」

「ウチら期待してたのに!」

「「てめぇら、静かにしろ!!」」

俺と代表の声が重なった。

 

「代表は正々堂々と自分の気持ちに素直にやった結果だ!それをお前らが抗議する必要性はない!」

 

「それに戦後交渉があるだろうが!そっちの方を先にするぞ!」

 




この先、天龍は雄二を少し庇うような発言や行動をとります。

恋愛感情は抱いてないのであしからず。

ただ、信頼はしているという設定です。


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第16問

「では、戦後対談といこうか。」

お互いの代表が向き合う。

「まず、私からですね。」

十六夜が言う。

「・・・特にないのでパスします。」

いや、一般常識を教えてやってください。

「次は私ですね。」

佐藤か。

「須川さん、今日の放課後に屋上に来てくださいませんか?」

「え、どうしたんですか?」

「どうしてもです。」

お、脈ありかな?

「儂は…、特にないのじゃ」

まあ、そうなるな。

「僕は特にないよ。」

久保、今すぐピンクをお前らの所に連れて行ってくれ。これに更に毒が回らないうちに。

「僕は・・・、特にないんだけど・・・。」

「私から言うわ。謝罪させて?」

ん?どうしたんだ、木下姉は?

「今まで馬鹿にしてたわ、あんたのことをね。だけど、あなたは気にしてないの?気にしてなくても謝るつもりだから、意見だけ聞かせて。」

「いや、気にしてないよ。僕が頭が悪いだけなんだし。」

吉井、お人よし過ぎだ。

「そう・・・・。でも、今まで観察処分者と言う称号だけで馬鹿にして御免なさい!」

実際吉井はバカにされても仕方ない。

さてと・・・。

「夕張」

「何?」

「俺はあの時、お前を怖がらせてしまった。」

「・・・そうね。」

「あれから俺はお前から離れていたわけだが、どうやら俺の勘違いだったようだな。」

「・・・え?」

「お前は俺の友人だ。許してくれるか?」

「…うん!」

良かった。

「俺が命令していいか?」

「うん」

「俺で後悔しないか?」

「・・・え?」

「俺でいいなら、付き合ってほしい。」

「・・・うん!」

・・・よかったな、代表。過去を乗り越えれてよ。

 

「いいところ悪いがお前たちFクラスにいい知らせだ。」

 

そこに西村先生が入ってきた。

「てt・・・西村先生がなぜここに?!」

代表が尋ねる。

「言い直したな。まあ、いい。」

西村先生は言った。

 

「明日からFクラスの担任は俺だ!」

 

『ハアアアアアアア?!!!!!!!!』

Fクラスの連中が叫ぶ。

「何故だぁ!」

「理不尽だ!」

「横暴だ!」

バカしかいねぇ。

 

「やかましい!彩樹から聞いたがお前らは常識というものが備わってない上に勉学のありがたみを知らないそうだな!確かにお前らの言う通り、世の中は勉学だけではない!しかし、勉学は人生や社会を生きる為の大切な武器になる!そのことをわからせてやろう!ありがたく思え!」

 

『そ、そんなぁあああ!!!!!!!!』

『彩樹!売りやがったな!!』

別に売った覚えはない。

「お、おい、天龍。あの時、お前が教室を出て行ったのは…。」

代表が俺に話しかけてくる。

「ああ、お前の思っている通りだぜ?」

俺はニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~@~

 

俺は校長室の扉を軽くノックする。

コンコン

『入りな』

扉の向こうから返事がした。

「失礼します。」

「ああ、彩樹かい。どうしたさね?」

目の前にいる女性は藤堂カヲル。この学園の学園長だ。

「Aクラス対Fクラスについてウチの奴等から何か聞きませんでしたか?」

「ああ、聞いたさね。確か坂本が、『Fクラスが勝ったらもう一度Fクラスごと振り分け試験を受けさせてくれ』とかだったさね。それがどうしたんだい?」

やっぱりか。昨日の放課後に校長室に入ったのを見たから気になっていたんだ。

「引き分けになったらどういう風に対処するか聞きましたか?」

「・・・そういや、聞いてないさね。」

おいおい。

「そういう時は聞きだしといてくださいよ~」

「忘れてたんだから仕方ないだろう?で、それが?」

「引き分けになったらFクラスの担任を西村先生に変えていただけませんか?」

「…理由は?」

 

「確かに西村先生はきついです。『鉄人』と言われても仕方ないかもしれません。しかし、生徒に対して良くも悪くても平等です。それに勉学についてもあの先生ならFクラスの連中もやらざるを得ません。あの先生を怒らすと怖いですからね。それに一般常識も覚えるきっかけにもなります。」

 

「・・・アンタはFクラスをどう思っているんだい?」

え?もちろん。

 

「屑どもが集まるゴミ収容所」

 

「アンタFクラス代表補佐だろ?!」

「いや、それ以外にどう言えと?!」

「まあ…、解ったさね。西村にはそう伝えておくよ。」(汗)

「有難うございます」

そう言うと俺は校長室を出て行く・・・・・・前に一つやっておかなきゃいけないことがある。

「学園長」

「何さね?」

 

「そこの観葉植物の根元に盗聴器がありますが?」

 

「!本当さね。済まないね。借りが出来ちまった。」

「その借りは返さなくていいです。」

そう言うと俺は校長室を出て行った。

 

~@~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけだ」

「そういう事か。」

俺達は補習室に連行されるFクラスの連中を遠くから見ていた。いい眺めだ。

 

「やめてくれ!補習室に何故俺が連行されるんだ!」

「坂本―!助けてくれー!」

「衛生兵―!」

「くそぉ!誰かぁ!誰か助けてくれぇ!」

「救援を、救援を乞う!」

「彩樹ぃ!助けてくれー!」

 

あ゛?

「断る」

『そんなぁぁぁ!!!』

まあ、いいお灸になるかな。で・・・。

 

「アキ―!助けなさーい!」

 

暴力女も連行されていた。ハハハ、ワロスワロス。

 

「なんで僕が行かなきゃいけないの?!別の人に頼めばいいじゃん!」

 

全く持ってその通りである。

「さて、帰るとしますか?」

「ああ、そうだな。」

「・・・雄二、今週末デート。」

「ああ」

「帰りに買い物しようっと」

「俺もさっさと帰りますか。」

「・・・では、明日だ」

「そうじゃのう。」

俺達は解散することにした。

 

第一次試召戦争編 完




「てなわけで終わりましたよ。第一章!」

「いやー、色んなものを忘れている気がするが、まあいいか。」

「・・・姫路の弁当について書いてないから閑話で書くこととなります。そのほか様々な話を書く予定です。」

「では、お楽しみにー♪」


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閑話
第17問


Aクラス戦の一日前・・・。

 

 

 

~天龍サイド~

 

「さーてと弁当食いに行くかー。」

代表が言う。

「屋上にしない?」

吉井が提案する。

「お、そうだな。今日は天気もいいし、最適だな。」

俺達は屋上へ向かうべく教室を出て行った。

「ところで」

と木下が口を開く。

「雄二、霧島と勝負して勝てるという自信はどこにあるのじゃ?」

「よく聞いてくれた。」

待ってましたと言わんばかりに代表はにやりと笑う。

「勝負方法は100点満点の単純な日本史問題だ。」

という事は・・・。

「誰が何をしたとか?」

「いや違う。」

つまり・・・。

 

「それが起こった年は何年だとかかのう?」

 

「その通りだ。」

「それ余程の馬鹿でない限り全問正解できるじゃねぇか!」

「じゃあそういうお前は?」

「100はとれる自信があるぜ?!」

俺をなめるな!

「しかし、翔子は絶対に100点は取れない!」

「理由は?」

「大化の改新だ。」

「645だろ?」

これぐらい常識問題だろ。

「しかし、俺はあいつに625と教えてしまったんだ!つまり、そのままであれば勝てるという事だ!」

うわ・・・、屑だ・・・。

「姑息な・・・。」

土屋が言う。

「戦争は卑怯汚いは関係ねぇだろうがよ!」

いや、今回は正真正銘正々堂々とした一騎打ちだろうが。

そんな事を言っているうちに屋上へ着いた。

「じゃあシート広げますね。」

と言いながらピンクはシートを準備した。

「私お弁当作ってきました!」

『おお!』

三段重ねの重箱か。おいしそうだな。

「(ヒョイ パクッ)」

「あ、ムッツリーニずるい」

おい、まずは手を合わせて「いただきます」をしろy

 

バタッ

 

急に土屋は倒れた。ガクガクと震え始めている。顔は青ざめ、目は虚ろになってきている。

このあまりに急な出来事に俺達は絶句し、反応が遅れた。

 

「(ムクリ グッ)」

 

土屋が起き上がり、親指を立てる。だが、明らかにおかしい。顔は青ざめて、足はボクシングでKOされた選手みたいにガクガクしている。俺は卵焼きを掴み、嗅いでみる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・おい、姫路」

「なんですか?」

 

「この卵焼き明らかに薬品の臭いがするんだが…、何を入れた?」

 

「え?酸味が足りないかなと思って」

いや、卵焼きに酸味自体あまり必要ないよな?

だが、その次の発言は俺をきれさせた。

 

「塩酸を少々」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

「さっきなんつった?」

代表も動揺してもう一回聞き直した。

「塩酸を少々」

 

カチンッ

 

「おい、姫路。話があるからちょっと来いよ。」

「え?はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雄二サイド~

 

天龍は姫路を屋上から連れて行った。その直後、怒号が響いた。

 

「料理なめとんのかぁ!貴様はぁ!!!!!」

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

「ごめんで済む問題だったらここまで怒らんわくそったれがぁ!!!!!!」

 

めっちゃ怒ってるな、天龍。明久や秀吉、須川にムッツリーニまで震えてるぞ。俺?これは武者震いだよ。

島田はムッツリーニと同じタイミングで食べたので痙攣を起こしている。大丈夫か、コイツ?

フランは不思議そうな目で俺達を見ていた。

 

 

 

 

この後、姫路は料理禁止になったとか。




次はラブレター編でも書きましょうかね。


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第18話「僕と逃走とラブレター」

閑話はしばらく続きます。


Aクラス戦が終わった次の日・・・。

 

~明久サイド~

 

今日は珍しく早めに起きれたので学校に早めに来た。

鉄人に声をかける。

「おはようございます」

「おう、今日もぶk・・・」

急に鉄人が固まった。どうしたんだろう?

「明久、熱でもあるのか?」

「あるんだったら寧ろ来てません!」

なんて失礼な人なんだろう!

「ああ、すまない。吃驚してしまってな・・・。」

「てt・・・西村先生も吃驚することあるんですね」

「・・・明日は槍でも降るのか・・・。」

「降ってたまるか!」

降ったら死んじゃうでしょ?!

「まあ、いい。手伝ってほしい事がある。」

ここは手伝うのが吉か。

「何でしょう?」

「あのゴールを運んでほしい。」

「どこまで?」

「町のゴミ置き場までだ」

「わかりました。召喚許可を。」

「・・・吉井」

「何でしょう?」

「お前、まさか本気でゴミ置き場まで運ぶ気じゃないだろうな・・・?」

・・・本気で思ってた僕がいる。ここは『まさかそんなこと考えるわけないじゃないですか』と言おう。

 

「・・・そう思ってました(いやだな~、そんなこと考えてるわけないじゃないですかー)」

 

「・・・嘘をつけないのがお前だったな」

あれ?間違えた?

「冗談だ。校門の近くまで運ぶまででいい。」

「はい・・・、わかりました・・・。」

確かに町のゴミ置き場まで運ぶのは迷惑がかかると今気づきました。

僕はサッカーゴールを運び終えた後、靴箱へ向かった。

そういや、今日は全時間自習だったな。遊ぶのも気が引けるし、日本史でも補充しようかな。

「おはよ~」

「おう、吉井。疲れてる感じだが?」

僕は彩樹さんと鉢合わせした。

「まあ、召喚獣でゴールを運んだからね…。疲労もフィードバックで返ってくるんだ」

「大変だな。」

「彩樹さんも観察処分者でしょ?」

「まあ、確かにそうだが別に疲れたという感じはしないな。」

この人、本当に何者なんだろうか?

「まあ、雑用はほとんどお前だしな。」

「2年になってから頻繁に呼ばれるようになった気がする・・・。」

「気のせいだろ」

「そうだといいね・・・。」

そんな事を言いながら、僕は靴箱を開ける。

「・・・!」

 

そこにはピンク色の封筒が入っていた。

 

「こ、こ、こ、これは、ラブレター?!」

「どうした、吉井。」

「こ、コレ・・・!」

僕は彩樹さんにラブレター(らしきもの)を見せる。

「ラブレター、なのか?」

「うん、きっと。」

「クラスの連中は黙ってないだろうな。」

「そうだね。」

 

「どうしたんだ、二人とも。」

 

其処に僕の悪友、坂本雄二が入ってきた。

「雄二?!何でもないよ!」

「ああ、代表。こいつがラブレターらしきものをもらったんだ。」

え?!彩樹さん、何言ってるの?!コイツにいったらばらすに決まってるじゃないか!

しかし、雄二は少し苦々しい顔をしながら言った。

「秘密にしといてやろうか?」

え?ホントに?

「え、それ本気で言ってる?」

「ああ」

「信じても大丈夫だよね?」

「ああ」

「じゃあ秘密にしといて。」

「わかった」

僕のラブレター(らしきもの)を秘密にするなんて・・・。雄二、一体どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺してやるううう!!!!!!!!!!」

 

「おい、明久ぁ!!!!!どういう事だ!!!!!」

 

で、教室まで上がってみた結果がこれだよ・・・。

「これのこと?」

と言いながら僕が封筒を取り出して皆に見せる。

「ああ、それがそうか!」

とか言いながら僕を囲もうとする。僕は包囲されないように逃げる。

 

 

「こいつら、いつの間に情報を入手したんだ?」

「どうせ地獄耳だろ。」

 

 

雄二の疑問に彩樹さんが答える。凄い仲良くなったね、二人とも。

でも、どうしよう・・・。

 

「まだ、まだラブレターって決まったわけじゃないんだよ?!もしかしたらプレデターかもしれないじゃないか!」

 

 

「「語呂は似てるがそれはない」」

 

 

雄二たち二人にツッコまれた。

 

 

「だったら見せなさいよ・・・!」

「いや、島田さん。そんな形相で言われたら渡すに渡せないじゃないか。」

 

 

特に島田さん。あなたには見せるわけにはいかない。見せる前に腕捻じ曲げられて殺される。

 

 

「見せてください!明久君!」

「うん、姫路さん。その釘バットをおろすかどうかしようか。」

 

 

最近の姫路さん、キツイや。

 

 

「とにかく!俺達はそのラブレターらしきものが入っているのがうらやましいのだ!」

「腐りかけのパンしか出てこねえ俺達にとって吉井明久!貴様が恨めしいのだ!」

「腐りかけのパンしか出てこねぇのはどういう事だぁ!」

 

 

「普段の行いだろ」

「右に同じく」

雄二がツッコむ。彩樹さんも同じらしい。

 

「お前が今どんな立場にいるのか知ってるのか!」

 

え、見ればわかるじゃん。

 

「君たちに追いかけられる立場」

 

「違う!貴様は彼氏にしたいランキング第1位に選ばれたのだぞ!」

 

嘘だ!絶対嘘に決まってる!

「信じられないような顔をしてるな!だったらこれをみろぉ!」

僕は投げられてきた雑誌の1ページを広げる。其処にはこう書かれていた。

 

 

『彼氏にしたい男子生徒ランキング

 第一位:吉井明久

 第二位:坂本雄二

 第三位:彩樹天龍』

 

 

まってほしい。このランキングに何故、彩樹さんがいるんだ?彩樹さんは女子生徒でしょ?

 

「てなわけで死ねえええええええ!!!」

 

「死んでたまるかああああ!!!!!」

 

こうして僕とFFF団との追いかけっこが始まった。




「大体ピクシブから文章を流用してるんだよな?」

「今回は前半に新規部分追加したけどね」


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第19問

~天龍サイド~

 

「どうしようもないな、あのバカどもは」

と代表が溜息交じりに言う。

「俺もそう思う」

と須川が言った。

「どうした、須川?追いかけないのか?」

代表が訊く。

「FFF団は脱退したからな。それよりもこの紐をといてくれないか?」

「ああ、わかった。」

と返事しながら俺はナイフで須川のロープを切る。

「どうして束縛されてたんだ?」

「いや、佐藤とお弁当交換しただけなのにあいつらにつかまったんだ。」

「本当に油断ならないな。」

代表が言った。俺は一応女子だが覚えておこう。

「で、土屋は何故?」

 

「・・・工藤と一緒に登校してたら…。」

 

は?

「それだけで?」

「・・・それが奴らだ。」

マジで呆れるしかない。

「木下はいつも通りか。」

「?」

 

「お前ら、まじめに自習n・・・どうしてお前ら以外いないのだ?」

 

あ、西村先生。

「ああ、鉄人」

「西村先生と呼べ」

とか言われながら代表が拳骨をくらわされる。ヒュ~、いて~。

「・・・西村教諭。実はこういうことがあって・・・。」

 

~木下説明中~

 

「・・・ということなのじゃ」

「全くあのバカどもは・・・。」

西村先生も呆れて溜息をついていた。

「此処は俺達に任せてもらっても大丈夫ですか?西村先生。」

「・・・ああ、彩樹に免じて任せる。」

やったぜ。

「で、話変わるんですけど」

「なんだ?」

「フランは?」

「今日も欠席らしい。」

そう言うと西村先生は教室から出て行った。

「フラン、欠席多いな・・・。」

病弱なのか?

そんなことを思いながら俺はさっき吉井が落とした雑誌を拾う。題名は『HUMITUKICONNECT』とある。どうやら第24号らしい。

ったく・・・。

「こんなのどこで発行するんだか・・・。」

「新聞部が発行してるらしいぞ?」

アイツらは掲示板の仕事だけしてろ。

そんな事を思いながら1ページ目を開ける。

 

『彼氏にしたい男子生徒ランキング

 第一位:吉井明久

 第二位:坂本雄二

 第三位:彩樹天龍

 第四位:土屋康太

 第五位:須川亮 』

 

どうやらここには一位から五位までしか書かれていないようだ。

 

・・・ん?

「何故俺の名前が書かれているんだ?」

「え?あ、本当だ。」

「・・・勘違い?」

ありえそうで怖い。去年なんか女子から大量のバレンタインチョコもらったし。

「あ、俺5位なんだ」

「・・・まさかのベスト5入り」

俺達は少しばかりその雑誌を読み進める。

そしてあるページで手が止まった。

そのページにはこう書かれている。

 

 

 

『姫路瑞希の思い人に送るおいしい肉じゃが講座(DVD&Blu-ray講座付き)』

 

 

 

特典映像つきなんて手が込んでるな。・・・いや、そうじゃないか。

「・・・おい、これ。」

と代表が言いかけてくる。

「・・・言うな、言わないでくれ・・・!」

土屋が少し震え始める。あの時のトラウマか・・・。

「で、でもよ!」

と須川が言いかける。

 

 

「ふ、普段姫路さんがどんな劇薬を入れてるか知りたくないか?!」

 

 

・・・成程、多少は対処しやすくなるか・・・。

「そ、そうじゃのう。せっかくじゃし、見てみるかのう。」

「・・・そうだな。しかも映像特典付きか。こっちの方が読むより早いな。」

とかいいながら俺はバッグからブルーレイを取り出すとそのDVDをセットした。

「「「「「・・・。」」」」」

俺達は真剣に画面を見る。

 

 

『姫路×吉井の女子ごはん』

 

 

まず最初のテロップがこれだ。

 

・・・ゑ?

 

「おい、天龍。さっきのテロップをもう一回見せてくれ。」

「ああ」

少し巻き戻す。

 

『姫路×吉井の女子ごはん』

 

・・・ああ。

「あいつ、くわされたのか…。」

「あの時、心肺停止してたのはそのせいか…。」

「・・・天龍がいなかったらヤバかった。」

「AEDが効かなかったしのう…。」

「天龍が思い切り鳩尾を殴ったからな。」

殴ったのは賭けだったがな。

音声が流れる。

 

 

『作って楽しい、食べて楽しい姫路の女子ごはん。今日のメニューはあの人の舌もとろける特性肉じゃが。これを食べたらほかの肉じゃがを食べられること間違い無し。』

 

 

「物理的にな」

「「「「うんうん」」」」

 

『トラウマになること保証付き。』

 

料理食ってトラウマになること自体おかしい。そして保証するな。

 

『では、食材です。』

 

「「「「「(ゴクリ)」」」」」

俺たち全員固唾をのんだ。怖いかって?もちろんです、ピンクですから。

 

『まず材料はじゃがいも4個、玉ねぎ1個、しらたき1玉、牛肉200g、グリーンピース大さじ4、しょうゆ大さじ4に、みりん大さじ3、食塩小さじ1、水2カップに隠し味です。』

 

「あれ?」

「普通・・・だな」

材料は普通だな。・・・隠し味ってなんだよ。

「隠し味ってなんだよ」

どうやら代表も同じことを思ったようだ。

 

『まず下ごしらえとして皮をむいたじゃがいも、玉ねぎと牛肉を適当な大きさに切ります。

 お鍋に油をひいて、玉ねぎを透明になるまで炒めます。

 そのあと、牛肉、じゃがいも、しらたきを加えてさらにいためます。

 ほどよく炒めたら、水、砂糖、しょうゆ、みりん、お塩をいれて、よく煮込みます。』

 

「普通だ」

「「「「うん」」」」

 

『ほどよく煮込めたら、ここで隠し味です。』

 

全員に緊張が走る。

 

『濃硫酸45CCを加えます。』

 

「「「「「?!!!」」」」」

馬鹿じゃねぇの?!馬鹿じゃねぇの?!!

 

『これにより、じゃがいもに含まれるデンプンが活性分解をおこし、単糖類にかわり甘味がまします。」

 

ない。絶対ない。

 

『仕上げに、しっかり煮込んだ肉じゃがの火をとめて、隠し味にクロロ酢酸を加えます。

 さっぱりした酸味が食欲をそそりますよ。』

 

・・・肉じゃがに酸味って必要だったか・・・?必要かもしれないがクロロ酢酸はおかしいだろ。

 

『このとき一緒に防腐剤として硝酸カリウムを入れましょう。美味しさが長持ちし、お弁当にも喜ばれます。』

 

絶対に喜ばれないな。防腐剤なんて毒だろ。

 

『最後によく掻き交ぜてから、もう一度強火で煮込みましょう。これで完成です。

 コツとしてはのんびりしていると、鍋まで溶けてしまうので素早くガラス食器に移しましょう。』

 

「何故鍋が溶ける事態になるんだよ!」

須川が少し大きな声で言う。全くその通りだ。

・・・・・・・・・・いや、待てよ。

 

 

 

1:濃硫酸が加水分解すると炭素が出てくるから灰になる。

2:濃硫酸は脱水作用も引き起こす。

3:そもそも塩酸と硝酸が混ざると「王水※」になる。

4:結論として食った人は死ぬ。

※王水とは・・・

 金さえ溶かす強力な劇薬。プラチナも溶かすことが出来る。

 

 

 

・・・よし。

「ちょっと姫路探してくr(ガチッ)離せ、代表!」

「おい、待て。試食シーンがまだだろうが!」

「結果なんてもうわかりきったことだろうが!」

「明久は大丈夫かもしれんだろ!」

「絶対ねぇよ!」

 

『では、試食していただきましょう。』

 

「「「「「・・・。」」」」」

 

 

『ガタン カランカラン ドサッ』

 

 

まあ、そうなるな。

プツン

俺はブルーレイを切る。

「・・・姫路探してくるわ」

「・・・俺も協力する」

「そのためにはまず明久をかくまわないと」

「スピードが命じゃ、短時間で済ませよう。」

俺達は明久を探しに行くことにした。




活動報告にバカテストを掲載します。

皆様、興味が向いたら、ぜひ回答してみてくださいね?


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第20問

ここの天龍は物事に関係ない人にはあまり手を出しません。
例え、殴られても斬られても手は出しません。













ルパンスタイルですね。


~天龍サイド~

 

「何故演劇準備室にいるんだ?」

「仕方ないじゃないか!これしか思いつかなかったんだ!」

俺と吉井は今演劇準備室にいる。

「とりあえずだ。」

「うん」

「姫路はどこにいったか知らないか?」

「さ、さあ・・・」

「チッ、使えねえなぁ・・・。」

「どうする気?!僕をどうする気なの?!」

そうだな・・・。お、そうだ。

 

 

「女装していけ」

 

 

「・・・は?」

「女装だよ。見た目を誤魔化しちまえばウマい事いくもんだぜ?」

「ちょっと待って。するにしてもこの状態でどうすれば・・・。」

俺はそこらへんにあるロッカーからカツラとウィッグと女子の制服を取り出す。

「え?え?」

「悪く思うなよ。」

「ちょっと!待ってよ!いや!誰か助けて!誰k(ドゴッ)グフッ!」

 

ガクッ

 

「さてと」

と俺は手袋を外す。

「やるか。」

十分後、吉井は可愛い可愛い女の子に変化した。これでばれることはまずないだろ。そして、この声帯変化薬を飲まして、と・・・。

 

パチン(俺が吉井の頬を叩く音)

 

「おい、起きろ。」

「んん?あれ、声が変わってる?」

「薬飲ませたからな」

「・・・薬って、彩樹さん・・・・。」

「いいだろ?別に」

「黒歴史が・・・。」

 

「死ぬのと黒歴史のどっちがいい?」

 

「・・・黒歴史でお願いします。」

「そういうこった。行って来い。」

と、言いながら俺は吉井を蹴り出した。俺はスマホを取り出すと代表に電話を掛ける。

「彩樹だ」

『明久は?』

「女装させたから大丈夫だろ。それより、お前らはどこにいるんだ?」

『女装はさておき、俺と秀吉は屋上にいる。須川とムッツリーニはFFF団の排除に取り組んでいるらしい。』

「俺も姫路を見つけて捕まえて半殺しにしたらすぐ行く。」

『わかった』

 

プツン

 

「おい、吉井」

「どうしたの?」

 

シュパッ カシャカシャカシャカシャ

 

「お前はどこから来たんだ?」

「・・・秘密」

ま、いっか。

「ところで、土屋」

「?」

「姫路の場所は?」

「…俺が確認した限りでは2-F教室前にいた。」

待ち伏せか・・・。

「島田は?」

「一階で散策中だったはず」

ふむ・・・。

「吉井」

「何?」

「今2階だから屋上まで全力疾走していけ。」

「彩樹さんはどうするの?」

「え?俺?姫路に話があるんでね・・・。」

「ああ、そう・・・?」

吉井は全力で階段を駆け上がり始めた。

「土屋、いっていいぞ」

「・・・(コクリ)」

 

フッ

 

マジでアイツ忍者だな。さてと・・・。

 

「姫路を半殺しに行くかなぁ?」

 

俺は指を鳴らしながら階段を下りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アキ~、一体どこに隠れたっていうの~?」

ひゅ~、こえ~。

「おい、島田」

「何よ!」

「落ち着けって。一体どうしたんだ?般若のような顔をして。」

「アンタもあそこにいたじゃない!」

「そういやそうだったな」

と言いながら俺は近寄っていく。

「とりあえずよ。島田」

「?」

「一旦落ち着きやがれや」

と言いながら俺は回り込んで拳銃で後頭部を殴った。

「ガッ・・・!」

と叫びながら島田が倒れていった。

「・・・よし、次」

俺は階段を上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

キャァァァァァァァァァァ・・・・・

 

・・・走っている途中で姫路さんの悲鳴が聞こえた気がしたが気にしないでおこう。

 

・・・げ、横溝君だ・・・。

「可愛いね、君。どうしたの?」

・・・・・・・・・・・泣きそうだ。

「いえ、気にしないで下さい!」

僕はそう言って走り去る。

後ろから横溝君の悲鳴が聞こえた気がした。

 

 

ギィ・・・

 

 

僕は屋上の扉を開ける。少し風が強い。

「お、明久か?」

凄く訝しそうな顔をして雄二が訊いてくる。

「雄二?」

「声どうした?」

「天龍さんに声帯変化薬飲まされた。」

「そうか」

「儂もおるぞい。」

「秀吉も・・・。一体どうしたの?」

「いや、ちょっとそのラブレターというものに興味があってのう・・・。ここで読んでくれんか?」

「いいよ、別に。どうせ減るものは無いしね。」

僕は手紙を開けると読み始める。

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

僕が手紙を読み終えると雄二と秀吉が苦虫でも噛み潰した様な表情になっていた。どうしたんだろう?

「マジもんだったな・・・。」

「マジもんだったぞい・・・。」

「うん、そだね・・・。」

次の瞬間、僕の持っていた手紙が誰かにとられる。

その方向を見ると少し赤いものが付着している彩樹さんがいた。

「彩樹さん?!」

「おう。・・・吉井、少し訊きたいんだが。」

「な、何かな?」

 

「お前は姫路のことをどう思っているんだ?」

 

「憧れ、かな・・・?恋心じゃないのは確かだから・・・。」

「ふ~ん、そうか。」

と言いながら彩樹さんは手紙を少し眺めるように見る。そして言った。

 

 

「これ姫路が書いてると思うんだが…。」

 

 

・・・ゑ?

「どういう事?!」

「どういう事じゃ?!天龍!」

「どういう事だ!説明してくれ!」

「・・・俺にも」

ムッツリーニはいつの間にいたの?

 

ジャキ(彩樹さんが拳銃を構える音)

 

「ちょっと静かにしろ。」

「「「「はい」」」」

拳銃を突きつけられたら黙るしかないじゃないか。

 

 

「一つ目。この手紙、紙自体にウサギが描かれているんだ。姫路の髪留めはウサギだ。ウサギに思い入れがあるんだろう。違うか?吉井明久」

 

 

「え?なんで僕に?」

「小学校の時に姫路と一緒じゃなかったか?その時に何かあったとか覚えてないのか?」

「え~と、・・・ごめん。覚えてないや。」

「それが普通だ。二つ目」

彩樹さんが指を二つ出す。ピースの形になった。

 

 

「この字体は明らかに女子だ。ただし、しかもFクラスの可能性が高い。」

 

 

「何故そう言いきれるんだ?」

「確かに疑問に思うだろう。だが、こう確信するにふさわしい決定的なものがあるんだ。」

「なんだよ」

彩樹さんは僕を指差しながら言う。

「こいつの称号を覚えてるか?」

 

「「「観察処分者」」」

 

皆、何でそこだけ息ぴったりなの?!

 

 

「それだよ。まず上位クラスはコイツを『ただの馬鹿』、『学園の恥さらし』、『問題児の中の問題児』くらいにしか思ってないだろう。そんなヤツにわざわざラブレターを渡すバカがいると思うか?」

 

 

全員首を横に振った。もう泣きたいや。

 

 

「だからだ。Fクラスに限定することが出来る。その中の女子だという事は確定的に明らか。ここで更に人物が絞られる。」

 

 

一息ついて彩樹さんは言う。

 

 

「俺とフランはまずありえない。理由はフランはそんなものに興味を示す可能性が限りなく低い・・・いや、無いからだ。俺は言わずもがなだな。次に島田もありえないと俺は見る。理由はここまで回りくどい説明書きの様なものを書く訳が無いだろうし、そもそも書けるか怪しい。よって俺には姫路しか思い当たらないんだ。どうだ?」

 

 

「そこまで見抜くか。」

「凄いのう」

「・・・探偵レベル」

「へえ・・・。」

「それに」

彩樹さんは付け足した。

 

 

「ラブレターの主は吉井と同じ小学校卒業者で、その上文月学園に入学したやつ。そして同学年か一つ上だ。更には文体が主の文章力の高さを表している。よってこの条件をすべて満たせるのは姫路瑞樹ぐらいしかいない。」

 

 

そう言うと、彩樹さんは僕に向き直った。

「で、吉井。お前はこの手紙への答えは書くつもりか?」

「うん、書くつもりだよ」

「どういう風に?」

それは・・・。

 

「ごめんなさい、で。」

 

「つまり、NOだな?」

「うん」

「何故?」

「え?だって、僕には、僕には・・・、別に好きな子がいるから。」

そう言うと皆(彩樹さんを除く)がしみじみしたような目で僕を見た。

やめて!そんな目で見ないで!

「つまり、この手紙を焼いてもいいんだな?」

「いいよ。別に」

「そうか。」

そう言うと彩樹さんはポケットからライターを取り出すと手紙に火をつけた。・・・なんでポケットの中にライターがナチュラルに入ってるのさ。

見る見るうちに燃えていく。

「綺麗だね」

「夕日がな」

僕らは夕日を見ていた。

 

その後、Fクラスの皆は徹夜で西村先生の補習を受けたんだとか。

 




次は何かな?次は何かな?

ソォイ!

・・・・オウフ。


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第21問

アニメの話もいくらか混ぜる予定です。




次の日

 

~明久サイド~

 

僕が登校するとクラスの皆が教室の前に集まっていた。

「どしたの、これ?」

と雄二に訊くと雄二がこう返した。

「なんか祭りごとでもやるみたいだぜ?」

そう言いながら顎で黒板を見るように指示されたので僕は黒板を見る。

そこには「第1回文月学園オリエンテーリング大会」と書かれていた。

「何するの、これ?」

「どうやら問題を解いて座標を求め、その座標に宝があるそうじゃ」

「・・・ここでの宝は景品のこと」

「早い者勝ちらしいな」

「だけど、他チームと戦って奪うこともできるんだよー☆」

秀吉にムッツリーニに須川君、そして久しぶりに登校したフランさんが説明してくれた。

 

・・・・あれ?それってFクラス余計に不利じゃない?

 

「学力向上も図ってるんだろうよ」

と彩樹さんが付け足すように言った。ふむ・・・、成程。

「で、その景品って?」

「それは見つけるまでの内緒らしいのじゃ」

「学園長の悪戯心が少し作動したみたいだな」

天龍さんが少しぼやく。

・・・そんな悪戯心なんていらないです。

って、それよりも・・・。

「チーム編成は?」

できれば頭のいい人と当たりたいな・・・。

すると急に雄二にポンッと肩を叩かれた。

「何?雄二」

「明久、お前は俺と天龍のチームだぜ?」

・・・・・・ゑ?

「Really?」(僕)

「Yes」(雄二)

「You are a team same as us.」(彩樹さん)

・・・なんで僕らは今英語で話したんだろう。

 

「で、体操服に着替えないといけないんだってよ」

 

と横溝君が誰にともなく言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始まった直後、僕らは屋上に上がって頭をひねっていた。

「・・・雄二、解ける?」

「いや・・・、数学以外全く解けん。天龍はどうだ?」

と雄二が何故か上下両方とも冬の体操服を着ている彩樹さんに話を振る。

「技術と戦争・紛争関係以外はイマイチわからん。」

う~ん、こうなったら・・・。僕はポケットから三本の鉛筆を取り出す。

「これ、全部選択問題だよね?」

「ああ、そうだが?・・・明久、一体お前は何をしようとしているんだ?」

「え?これ?僕のお供だよ。此処に受験するときにもお世話になった。」

と僕は説明し始める。

 

「数学が『ストライカーσ(シグマ)Ⅴ』。現文が『プログラムブレイカー』。歴史が『シャイニングアンサー』。これ中々正答率がよくて………。」

 

と僕が説明をし終えると雄二は憐みの目で、彩樹さんは無表情で僕を見た。

「な、何・・・?」

「・・・すまない、明久。お前に一瞬でも期待した俺が馬鹿だった。」

「お前は『水●どう●しょう』のように6分の1の確立に振り回されてきたのか?」

「それより歴史はいらんだろ。」

二人から猛烈なツッコミが襲いかかる。

「なっ・・・!見ててよ!いけぇ!『ストライカーσ(シグマ)Ⅴ』!」

 

ヒュンッ カランッ コロコロコロ・・・・・

 

「絵的に凄く地味じゃね、これ?」

「ダサい」

「二人は少し黙ってて!」

で、結果は・・・。

 

「X座標が652!Y座標が237!Z座標が5!よって、あそこだぁあああああ!!!!!!」

 

と僕はその場所を指差す。

「・・・思いきり上空だな、明久」

「とってこい、バカ。」

・・・・・・・・・・・・・・。

「ハイ、すいません。少し調子に乗りまs「あったー!」?!」

「「?!」」

 

僕らが校庭を見るとそこには宝を掘り出して嬉しそうにしている工藤さん達がいた。

 

『やったー!商品の引換チケットだー!』

『初問から正解ね!』

『・・・この調子で次にいこう』

 

「XとYは当たってたようだな・・・。」

と雄二がつぶやいた。

「ね?!凄いでしょ?!」

 

「・・・信じられるか?あいつ等と俺等って同じ文月学園の生徒なんだぜ?」

 

と彩樹さんが残酷なことを言った。

・・・はい、そうですね。

「・・・一旦真面目に解こうよ」

「・・・お前が言うなや、明久」

「・・・技術なら任せておけ。吉井、お前日本史な?代表は数学を頼む。」

と彩樹さんが役割分担を言い始める。

「それ以外の科目が来たときにはどうすんだよ?」

「・・・そん時はそん時だ」

「・・・それしかないな。俺ら全員『馬鹿』だしな」

と僕らは屋上を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~須川サイド~

 

「ここらへんあたりだよねー☆」

とフランが俺達の前を先導するように走る。

「わかってるわよ」

と島田がそれを追いかけるように歩く。

「たしか、ここのはずじゃ・・・。」

・・・・・・・・・。

「アキの・・・、靴箱・・・?!」

「んー?どうする~?あける~?」

・・・島田、驚愕するな。そして、フラン。考えてる暇があるんだったら開けろ。

 

 

「え?!須川君も?!」

 

 

「さ、佐藤さん?!」

俺は佐藤さんとのチームと鉢合わせした。

「よ、吉井君の靴箱かい?!」

「うん、そだよー☆」

「・・・どうするの、これ?」

「うむ・・・。」

ていうか明久の靴箱に入っていたラブレター(彩樹から聞いた)のせいで厄介事に巻き込まれたし、開けたくねぇな・・・。

 

 

 

 

「え?!アキちゃんの靴箱?!」

 

 

 

といいながら滑り込むようにしてバンッと開けたKYがいた。

確か、こいつは・・・、玉野美紀?!

 

 

玉野美紀:Dクラス秘書。腐女子中の腐女子のうわさがある。

 

 

「待ってよ、玉野さん。」

と平賀たちもやってきた。

「・・・ハッ!私は今何を・・・?!」

条件反射だったのかよ・・・。

「・・・もらっていいか?」

「・・・いいよ?別に。」

「うん・・・、大丈夫だよ」

すげぇ気まずい。

で、見ると景品は『喫茶ラ・ペディス』の商品券だった。今週末でも佐藤さんを誘おうかな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「うなれぇ!プログラムブレイカー!」

結局、現文の問題がわからず代表がノリノリで転がしているのを俺は後ろで見ていた。転がす前に吉井と代表が奇妙な踊りを踊っていたのを俺は一生忘れることが出来ないだろう。

 

 

「おい、あったぞ!」

「おお!雄二、さすがだね!」

「いや、俺は関係ないだろ」

 

 

で、男子トイレの貯水タンクで見つけたわけだが・・・、女子である俺が入っていいものだろうか?

 

「何も入ってねぇ!外れだ!」

 

「な、なんだって―?!クソ!ヒッカケだったのか・・・!」

「選択問題にフェイクもくそもねぇだろ」

・・・ったく。

「ここじゃねぇのか?」

と俺はドアの一つを開けるとカプセルが壁に張り付けられていた。

「何だと?!」

「真面目に解いたの?!」

「技術系の問題と座標が近かったんでな、もしかしたらと思って。」

とカプセルを開けると映画の無料チケットが入っていた。

「俺いらねぇんだけど?」

と言いながら俺は吉井に渡す。

「僕もいらないよ」

と言いながら吉井は代表に渡す。

「・・・翔子と一緒に行けと?」

「応援してるよ」

と吉井は親指を立てた。

「しかし、なんでなかったんだろうね?」

と吉井が訊いてくる。

「誰かほかのチームが先にとったんじゃね?」

と俺は適当に返しておいた。

「それで思い出したが、ほかのチームと鉢合わせした時には勝負した方が良いのか?」

「その必要はないだろ。すぐにずらかろうぜ」

と言いながら俺達はそそくさとトイレから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうするよ?技術系は全て天龍が解いたろ?数学も大体俺が解いたし、歴史系も明久が解いた。で、今残ってるのは俺達全員苦手な科目ばっかりなわけだ」

と代表が言う。

「手当たり次第に校庭でも掘るか?」

と俺が冗談交じりに言う。

「手当たり次第・・・?・・・だったらXとYを全部求めてやればいいじゃないか!」

は?お前何言ってんの?

だが、代表はわかったみたいで「そうか!」と声を上げていた。

「XとYのクロスした場所は宝が隠されている可能性がある!」

「そうだよ!高さはわからないから、全部まわる!!」

「お前らバカか?!いや、バカだったか!無茶だろ?!どれぐらいあると思ってんだ!」

「面白そうじゃねぇか!バカならバカなりのやり方があるってことを教えてやろうぜ!」

「あー!最悪だ!仕方ねぇな!俺もやってやらぁ!」

「なら『善は急げ』だ!明久、お前は二階だ!俺は三階!天龍、お前は四階だ!」

俺達は走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、見つかったの?お前ら」

屋上まで来る途中に上から黒板消しが落ちてきたため、髪の毛真っ白になった俺が訊く。

 

「いや、全然・・・。」

と何故か上半身真っ黒になっている吉井が言う。

 

「なかったな・・・。」

と少し服が破れている代表が言う。

 

「どこにあるんだろう・・・。」

と言いながら吉井は立ち上がりウロウロし始める。

「ん?あ、あったよー!」

「え?マジで?!」

「・・・マジかよ」

と俺達は立ち上がりながら駆け寄る。

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

後ろから声をかけられた。って・・・。

 

「木下の姉(あね)さん?!」

 

「僕らもいるよ~?」

「・・・雄二には渡さない」

おう、まじか・・・。

「どうすんだ?」

「断れないだろ・・・。やるしかねぇ!」

「でも、相手Aクラスでしょ?!」

 

「承認します」

 

「「「「「「サモン!」」」」」」

 

 

   Aクラス代表   霧島翔子 384点

   Aクラス秘書   木下優子 322点

   Aクラス     工藤愛子 344点

家庭科     VS

   Fクラス代表   坂本雄二 342点

   Fクラス代表補佐 彩樹天龍 379点

   Fクラス秘書   吉井明久 365点

 

 

・・・は?

「代表、家庭科得意ならなぜ言わんかった!」

「天龍、お前もだろ!」

「二人とも喧嘩はやめて!勝負中でしょ?!」

 

「もらったぁ!」

「しまっ・・・!」

 

『時間です!!』

 

・・・時間切れかい。

「やったぁああああ!!!!!」

と吉井が喜んで跳ねていた。

「・・・・運だろ、最後。」

と代表がつぶやいた。

「・・・で、何故霧島さんはチャイナドレスを?」

「・・・恥ずかしい」

とか言いながら少し顔をそむける。

「・・・。」

 

代表はそれを鼻血をたらしつつ無言で見ていた。

 

「おい、代表。鼻血」

「え?まじで?」

「で、景品は?」

「え~と・・・。」

と言って吉井が固まった。

「なんだ、見せろ。」

と俺がひったくり、読み上げる。

 

 

「『西村先生の補習弐日分』だってよ。」

 

 

全員かたまった。

「え・・・、それはちょっと・・・。」

「・・・(ススス」

「・・・ボクも勘弁してほしいね」

「おい、最低でも最高クラスのアンタらが逃げるな。」

「・・・(ソォ~」

「・・・(コソコソ」

「そして、お前らも逃げるな」

 

「いや、いらないし・・・。」

「・・・(コクリ」

「ボクも二人と同じ意見だね・・・。」

 

「僕は勘弁だよ、彩樹さん」

「俺もだ。」

 

「しかたねぇな。・・・勉強熱心な奴にでも渡すか。」

 

こうして、俺達のオリエンテーリング大会は終了した。

 

 

 

これは余談だが、その景品は久保のポケットにこっそりと忍ばせておいた。



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第22問「設定『改』」

設定が無いとつまらないじゃん!














「今日より復帰することになりました彩樹天龍です。皆様、またご迷惑をかけますが、よろしくお願いします。」

『彩樹さん!お帰りなさい!』


彩樹天龍(あやきてんりゅう)

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:5月17日

誕生花:フクシア

花言葉:愛を信じます

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:小清水亜美(僕の中での天龍が本家の声優さんには申し訳なかったが合わなかった為変えました)

身長:180㎝

バスト:Eに近いD

得意科目:技術 (400~800)

     日本史(200~300)

     世界史(200~300)

     家庭科(300~500)

苦手科目:美術 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:缶詰シリーズ、あたりめ

嫌いな食べ物:チーズケーキ

好きな単語:「kampf(闘争)」

家族構成:父 自分 義妹2人

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:スピリタスウオッカ

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Porsche Tiger(6号戦車 ポルシェティーガー)

好きな国:ナチスドイツ(Nazi Jarmany)

召喚獣の武装:ナイフ2本

       サーベル

特殊能力:『即効性自己再生能力』

 もし腕が切断されたとしてもくっつければすぐにつながるような能力。生きてさえいればすぐに再生する。ただし熱を持っていればその再生スピードは少し遅くなる。

召喚獣の腕輪:『大砲』

 400点以上で発動。100点消費。四本の大砲を出現させ、ぶっぱなす。ダメージは壱本に付き50点、全部当たれば200点のダメージを与えられる。

 

解説 

 主人公及び物語の語り部であることが多い。

Fクラス代表補佐で成績はクラス内で2位。問題児で観察処分者。しかし「問題児4人組(雄二・明久・土屋・秀吉)」とは別の意味で問題児。左目には傷があり、視力を失っている。上位クラスには極力入りたくないし、入るつもりもない。理由は面倒臭そうだから。統一能力に本人は自覚はないがかなり長けており、人の長点を見つけて、其処をほめることが出来る。極度の面倒臭がり屋である。でも、本気さえ出したら凄い。料理部に入っていたことがあり、料理部のメンバーとの関係は良い。しばらく参加していなかったが、復帰した。嘘をつくのが地味にうまい。女子の制服が嫌いなので男子の制服を着ている。しかもネクタイは付けない主義。更に上はブレザーではなくパーカーである。理由は「ブレザーは嫌い」だから(他にも買う金が無かったとも言われている)。

 英語は書くことは無理だが、話す事やリスニングは結構上手い。日本史と世界史は武器を通じてまあまあの成績をとれる。が、点をとれるのは日本にあたる「明治初期から戦後。しかも1964年」までで、それ以外はイマイチわからない。ただし、紛争が起こった年や場所は詳しく覚えている。見た目に反していい筋肉をしている。夕立と春雨で3人暮らし。

 

 

吉井明久

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:10月18日

誕生花:秋海棠

花言葉:恋の悩み

所属クラス:F

一人称:「僕」

CV:下野紘

身長:170㎝強

得意科目:日本史(300~600)

     家庭科(200~300)

     世界史(300~500)

苦手科目:化学 (1~10)

     英法 (3~20)

好きな食べ物:パエリア

嫌いな食べ物:ゴーヤ

好きな単語:「愛」

家族構成:父 自分 姉

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:鬼殺し

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Tiger Ausführung B "Tiger Ⅱ"(Ⅵ号戦車ティーガーB型『ティーガーⅡ』)

好きな国:日本(Japan)

召喚獣の武装:木刀

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『我、一撃入魂シ、攻撃ス』

 400点以上で発動。100点消費。攻撃力を一回だけ3倍に引き上げる。

 

解説

 キング・オブ・バカ。観察処分者第一号。Fクラス秘書で成績はクラス内で3位。どうしようもない馬鹿で自分に対する周りの気持ちさえ察することが出来ない。が、他人の為なら自身が傷つくことさえいとわないという他人の為なら熱くなれる人間である。優しさだけならAクラスに行けるレベル。先程も言ったように「バカ」だが、操作のうまさで点数の差を補えたりする。坂本雄二や木下秀吉、土屋康太とは高校1年からの付き合いでうまくやっている。女装が似合うランキング第1位。本人によると遠距離恋愛をしているらしい。1人暮らし。

 

 

坂本雄二

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:五月頃だと判明しているが、詳細は不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:鈴木達央

身長:186㎝

得意科目:数学 (200~500)

     家庭科(200~300)

     日本史(300~400)

苦手科目:音楽 (1~10)

     美術 (3~20)

好きな食べ物:ラーメン

嫌いな食べ物:生エビ

好きな単語:「力」

家族構成:父 自分

     母

飲んでみたいアルコール飲料:黒霧島

好きな戦車:KV-2(カーヴェードゥーバァー)

好きな国:ソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)

召喚獣の武装:メリケンサック

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『強化』

 400点以上。100点消費。一回だけ攻撃力を5倍に引き上げる。

 

解説

 Fクラス代表でクラス内の成績は1位。明久の悪友。明久のことを馬鹿にはするが信頼はしている。小学生のころは「神童」と呼ばれていたがある事件をきっかけに喧嘩に明け暮れ、中学の頃は「悪鬼羅刹」と呼ばれた。しかし、頭の回転の速さは健在で、臨機応変に対応できる。本人はわかっていないが演説性に長けている。統一力は天龍に劣るが高い。翔子の事は好きだが、また怖い思いをさせてしまうんじゃないかと思い素直になれないでいた。しかし、天龍の激励で前向きになれ、見事晴れ晴れ告白することができ今はラブラブ。よくFFF団に狙われる羽目に。最近は天龍とも会話することが多くなった。そして明久はともかく天龍とも息の合った珍解答や協力プレイを見せるようになった。中学の頃に一回天龍に負けたことがあるが、覚えていない。

 

 

木下秀吉

 

文月学園高等部2年

性別:男(!)

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「儂」

CV:加藤英美里

身長:160㎝

得意科目:古典 (400~700)

     家庭科(300~500)

苦手科目:英解 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:梅干し

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「演」

家族構成:母 父

     姉 自分

飲んでみたいアルコール飲料:ビール

好きな戦車:九七式中戦車チハ

好きな国:台湾

召喚獣の武装:薙刀

特殊能力:『絶対複製音』

 色々なモノの声や鳴き声をまねることが出来る。

召喚獣の腕輪:『コピー』

 300点以上。50点消費。20秒だけ召喚獣の武器を相手と同じ武器に変えることが出来る。複数いる場合はランダムで選ばれる。

 

解説

 Fクラスの貴重な常識枠。演劇部に所属しており、すごい上手なことから「演劇部のホープ」と呼ばれるようになった。しかし、その裏には凄まじい努力があり、時には怪我をすることや声を思い通りに出せなくなったこともあったらしい。

 女性みたいな顔だちをしており、よく男子から告白される。しかし、それは自分のプライドを傷つけることになるため、全て断り、相手にきつい態度をする(冗談だとわかった時は笑って済ます)。明久の事は何だかんだで信じており、結構決断をゆだねたりしている。後、姉がずぼらなため家事はそつなくこなせる。

 

 

土屋康太

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:宮田幸季

身長:163㎝

得意科目:保健体育(400~800)

     家庭科 (200~500)

苦手科目:上の教科以外すべて壊滅的

好きな食べ物:炒飯

嫌いな食べ物:ピーマン

好きな単語:「美」

家族構成:母 父

     妹 兄×2 自分

飲んでみたいアルコール飲料:龍殺し

好きな戦車:九五式軽戦車ハ号

好きな国:イタリア

召喚獣の武装:小刀×2

特殊能力:『絶対視力』

 約10㎞先の物体を見ることが出来る。(例:バストの微妙なサイズ)

役に立つかは不明。

召喚獣の腕輪:『加速』

 400点以上で発動。距離に応じて点数の消費量が変わる。

 

解説

 Fクラス生徒。並外れたスケベ心を持ち、本心に実直な行動を取るが、それを絶対に認めないことから「ムッツリーニ(寡黙なる性識者)」の異名を持つ。元ネタは「ムッツリスケベ」と「ムッソリーニ」から来ている。男子にしては小柄だが、引き締まった身体で運動神経もよい。外見はやや幼く感じられる。大半の教科においては明久以上のバカだが、性に関する知識だけは人並みはずれて豊富である。ただし妄想ですら致死レベルの鼻血を噴くほどのウブで、常に輸血パックを携帯している。

 秘密裏に「ムッツリ商会」を営んでおり、その売り上げはデジカメや盗聴機材などの資金になっている。一部の監視カメラは文月学園に寄付している、匿名で。

 

 

島田美波

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「ウチ」

CV:水橋かおり

身長:160㎝

バスト:A

得意科目:数学 (100~200)

     家庭科(100~300)

苦手科目:古典 (1~10)

好きな食べ物:ソーセージ

嫌いな食べ物:らっきょう

好きな単語:「好」

家族構成:母 父

     妹 自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:一号戦車

好きな国:ドイツ

召喚獣の武装:サーベル

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『マッハトルネイド』

 300点以上で発動。100点消費。総計200点のダメージを与えることができるが、途中で逃げたり、点数差が大きすぎると相殺されたりする。

 

解説

 Fクラスの貴重な女子成分。明久に対し恋愛感情を抱いているが、素直になれず関節技をかけてしまう。そのためか明久に警戒されるし、雄二からも注意されている。天龍からは「暴力女」と呼ばれる羽目に。根は純情(という噂)。自信過剰者。帰国子女ということもあってか古典は苦手。数学も証明問題は得意ではない。

 

 

姫路瑞希

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:原田ひとみ

身長:160㎝

バスト:F

得意科目:数学 (300~400)

苦手科目:家庭科(20~60)

好きな食べ物:桃

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「麗」

家族構成:母 父

     自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:ディッカー・マックス

好きな国:フランス

召喚獣の武装:大剣

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『熱線』

 400点以上の時に発動。100点消費する代わりに高威力の熱線を繰り出す。しかし、発動している間動けない上に打ち切った後の硬直時間が少し長い。しかも、点数差が大きすぎると撃っても押し切られる危険性がある。

 

解説

 家庭科以外点数が高い。Fクラスの貴重な戦力及び女子成分。天然な所がある。天龍からは「ピンク」と呼ばれる。吉井明久に恋心を抱いているが、言い出せずにいる。Fクラスの毒気に侵されつつある。島田美波の影響で更に浸食が進んでいるもよう。天龍から料理することを禁止された。

 

 

フランドール・スカーレット

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:不明

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」「フラン」

CV:?

身長:158㎝

バスト:Bに近いA

得意科目:美術 (300~400)

     音楽 (300~400)

苦手科目:家庭科(80~100)

     現文 (70~90)

好きな食べ物:ケーキ

嫌いな食べ物:にんにく

好きな単語:「頑」

家族構成:姉  従者

     自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:ディッカー・マックス

好きな国:ナチスドイツ

召喚獣の武装:レーヴァティン

特殊能力:『あらゆるものを破壊する程度の能力』

 東方知っている人は言わなくてもわかるし、知らない人も見れば大体わかると思うので説明はカット。

召喚獣の腕輪:『フォー・オブ・アカインド』

 400点以上で発動。100点消費。召喚獣が4人に分身して攻撃する。点数が一体につき4分の1になるが、三体はオートコントロールである。

 

 

解説

 スカーレット家の妹。試験日を忘れててFクラス所属になってしまった。戦闘狂であり、何か争い事があると絶対目を輝かせる。成績自体はほとんど悪いが音楽と美術がずば抜けていい。現国と古典は元々わからない。天龍の事が気に入っている。姉とは別居中。よく欠席する。天龍は病弱だと結論付けている。



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第23問

土屋康太と工藤愛子の最初の出会いです。

一年生の時に知り合ったという設定にしています。

後、土屋が工藤に触れている描写がありますがその時は鼻血を必死になって耐えていたという設定で。

更に後半はそんなことを忘れていたという設定で。


・・・俺は小さいころから綺麗なものや美しいものが好きだった。

 

 

自然や夜景、それに人など、全ての綺麗なものや美しいものが好きだった。

 

 

美しい。しかも、その美しさが心を打たれるような美しさが俺は好きだった。

 

 

中学に入ってからもそれは変わらなかった。

 

 

・・・皆はよく『女子』が好きだと言うが、そうじゃない。俺がよく『女子』を撮るのは撮り方によって美しさが際立つからだ。俺はその方法を研究していたんだ。『男子』なぞどんな方法で撮っても美しくない。

 

 

・・・俺はそのうち『人間』自体に深い関心を持った。だから、保健体育に情熱をささげたのだ。全てを知りたかった。だから、知らなかったら必死になって調べた。

 

 

・・・そんなことを理解してくれるはずはないのだ。カメラを叩き割られたり、蹴られたりした。だが、俺は追い求め続けた。この高校に入ってからもだ・・・。

 

 

・・・俺が明久たちと知り合っていくらか月日が経った頃、一人の女子生徒が転校してきたことを知った。俺とは別クラスだが、俺は一枚でもいいからその姿をカメラに収めたいと思った。俺は得意の身体能力や情報網を駆使し、その女子生徒を突き止めた。

 

 

撮影には成功した。しかし、それを現像してからが問題だったのだ。現像してみてみると俺は何かわからない衝撃にかられた。

 

 

今まで感じたことが無かった。心臓がバクバクと胸を叩いていた。呼吸が荒くなった。

 

 

その次の日は別のアングルから撮ることにした。結果は同じだった。その時から彼女のことを考えていたら胸の中がもやもやした。

 

 

・・・その写真を兄貴に見られたのが不幸中の幸いだった。親父だったらどうなっていたか・・・。そして、俺は事情を説明すると兄貴は笑いながらこう言った。

 

 

『そりゃあ、お前恋だよ!』

 

 

恋?意味が解らん。俺は彼女のことを『被写体』と考えたことはあるが『恋愛対象』としてみた覚えはない。そう反論すると兄貴にはこう返された。

 

 

『そう思ってるだけだ』

 

 

次の日の放課後、また撮ろうと思い背後の物陰に隠れていた。すると

 

 

「そこにいるの、誰?一昨日からずっとつけてきてるでしょ?」

 

 

ばれた?!俺は身を隠そうとその場を離れようとするがうっかりこけてしまった。

 

 

幸いカメラは無事だった。だが、その女子生徒につかまってしまった。

 

 

「君だね?ずっとボクをつけてくるのは」

 

 

その女子生徒を見る。俺は直感的に思った。

 

 

『可愛い』、と・・・。

 

 

お世辞にも美人ってわけではない。だが、その気楽そうな目、活発そうな声。正に明るさを体現したような人間だった。

 

 

「そのカメラ、見せてよ」

 

 

俺は抵抗したが空しくも捕られてしまった。俺は終わったと思った。

 

 

「・・・あれ?なんでボクしかとってないの?」

 

 

俺は返答に困った。まさか「貴方に恋心を抱いてたんだと思います!」と言えるはずがない。

 

 

はて、どうしようか・・・。

 

 

そう考えた末、俺はこう返した。

 

 

「・・・あなたが、可愛かったからです・・・!」

 

 

・・・一旦の静寂。

 

 

「え・・・?」

 

 

彼女がカメラを手放してしまったため、俺が滑り込んでキャッチする。残念ながらスカートの下はスパッツだった。

 

 

「もう一回言って?」

 

 

俺は立ち上がるともう一回言った。

 

 

「あなたが・・・、可愛かったからです・・・!」

 

 

またもやくる静寂。

 

 

ポロッ

 

 

突然、彼女の眼から泪がこぼれた。

 

 

俺はひどく焦った。何か泪を拭くものが無いかと思ってポケットをあさったが残念なことか、そんなものは持ち合わせていなかった。

 

 

俺は仕方なしに近くの公園まで彼女を連れて行く。

 

 

彼女は泣き声を上げながら何故泣いたかを説明してくれた。

 

 

それによると、彼女には友達がいなかったそうだ。そして、ひどく孤独感を味わっていたそうだ。また、元々が大人しかったのでよく苛められていたのだ。明るくしているのはそれを恐れてであり、俺に気付いたのは自分が誰かに見られているような気持ちになったからだそうだ。

 

 

事情を説明して泣きやんだ後、彼女は涙声で訊いてきた。

 

 

「貴方の名前、なんていうの・・・?」

 

 

「・・・土屋康太」

 

 

「土屋君・・・?」

 

 

「・・・なんだ?」

 

 

こっちは耐えるのが精いっぱいだ。こんな可愛い子に涙目に上目遣いされたら死にそうになる。

 

 

「ボクと友達になってくれる・・・?」

 

 

俺はその時、何を考えたのかはわからない。だが、これを言った方が良いと直感的に思ったのだ。

 

 

 

「寧ろ、俺と付き合って下さい・・・!」

 

 

 

静寂が訪れる。

 

 

「・・・いいの?私でも」

 

 

「・・・構わない!・・・むしろ喜んで付き合いたい!」

 

 

俺は彼女の肩を掴んで言った。

 

 

「あ、あ、あ・・・」

 

 

彼女の目から大粒の泪がこぼれる。

 

 

「ありがとう!」

 

 

そう言いながら抱き着いてきた。

 

 

俺はそのまま、しばらく抱き返した。

 

 

帰った後、俺は鼻血を出して倒れたが。

 

 




やべぇ、イケメンに書き過ぎたwww


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弐:学園祭編
第24問


いよいよ始まります。


~天龍サイド~

 

よお、彩樹天龍だ。近日学園祭があり、学園中がそのムードになっている。つまり、ほかのクラスは準備をもう進めている訳だ。

ウチのクラスはどうかって?

 

「どうすんだ、コレ!」

 

代表が叫ぶ。

「後、1時間しかないんだぞ?!その間に決めろと言うのか?!」

ご覧のありさまだ。決まってさえねぇんだ。

「ところであの人たちはどうすんのさ」

と吉井がグラウンドを指差す。今ここにいるメンバーは俺、代表、吉井、元嫉妬武装集団の団長、フラン、ピンク、演劇のプロぐらいだ。他は全員野球してるってよ。

 

「横溝!行くわよ!」

 

「望むところだ!やってやるぜ!」

 

・・・何にもはじまらねぇし、いっちょやるか。

俺はロッカーから「ワルサーWA2000」を取り出すと弾込めをし、構える。

「おい、ちょっと待て」

代表から声がかかる。

「あ?」

「何故そんなものが平然とあるんだ」

「趣味だが?」

「前、俺が確認した時には手榴弾が入ってたんだが?」

確認したのか。今度から指紋認証装置でもつけるか。

「彩樹さんは一体何と戦ってるの?」

・・・・・・・。

「・・・クラスメイトだ」

「せめてSR-25にしようぜ」

「うるせぇ、俺はワルサーWA2000が好きなんだよ!」

そんなことを言いながら俺は構えなおす。

狙いはボールだ。

・・・。

「なあ」

「ん?」

「別によ」

「おう」

 

 

「島田を打ち殺しても構わんのだろう?」

 

 

「大丈夫じゃないに決まってるだろ」

なん・・・だと・・・?!

「え?マジでダメ?」

「お前は今まで何を習ってきたんだよ!」

「テロリストに対する対抗策」

なんかおかしいのか?

「・・・正直済まんかった」

「は?」

まあ、いいや。

 

ドンッ

バァン

 

そこまで狙いをつけていなかったが、ボールに直撃した。

「お前らいい加減にしろぉ!!!」

俺が叫ぶ。同時に西村先生も参上した。

 

「貴様ら、何をやっとるか!」

 

『ゲェ?!鉄人?!』

その後、西村先生は全員を運んできた。・・・全員しょっていたがマジであの人は「人間」というジャンルに属するのだろうか?

 

 

 

 

 

 

「あー、出し物を決めるぞ。」

代表がだるそうに言う。

「案がある人は手を挙げてくれ」

「(スッ)」

お、土屋か。

「何だ?」

「・・・写真館」

・・・。

「・・・何を飾るつもりだ」

「・・・やましいものは一つもない。」

「・・・そういうことにしてやるよ。吉井、『写真館』だ。」

「わかった」

代表が全体を動かし、俺が出し物案を吉井に伝える。そして吉井が板書だ。

 

カリカリ・・・

 

写真館「秘密の部屋」

 

絶対に客を呼ぶきねぇだろ。つか誰もこねえな、コレ。

「次は?」

「(サッ)」

「お、高須賀」

「ウェディング喫茶はどうだろうか」

・・・個人的に嫌だが、理由でも聞いとこうか。

「何故?」

俺が尋ねる。

「誰しもがやってみたいと思っていることだからだ!」

いや、俺はやりたくないです。

 

カリカリ・・・

 

ウェディング喫茶「人生の墓場」

 

「絶対に誰もこねぇだろ」

不吉すぎるのも程があるわ。

「他は?」

何事もなかったように代表が次の案を促す。気にしているのは俺だけか?

「お化け屋敷とかどうだ?この教室はぼろいし、それなりの雰囲気は出るはずだ。」

なるほどなぁ~。

 

カリ、カリ・・・

 

お化け屋敷「彼氏彼女と一緒」

 

欲望丸出しだ、コレ。しかも彼氏彼女いない人はどうするんだよ。早急に彼氏彼女を作れってか?

「他」

「俺から行こう」

「おう、須川。やれ」

俺が須川をあおる。

「中華喫茶はどうだ?」

「それはただ単にチャイナドレス見たいだけじゃないのか?」

それに俺はシナに対してあまりいい感情は抱いてないんだぞ?

 

「決してやましい気持ちはない!我らFクラスは元々ここまでぼろいんだ。だったらタイトルで釣って、更には料理の評判で釣るんだ。いけると思わないか?ただ最近はヨーロピアンに負けつつあるが。」

 

・・・それだったらお化け屋敷の方が無難だと思うが。というより前提として中華の文化なぞイマイチわからないんだが・・・。

 

カリカリ・・・

 

中華喫茶「ヨーロピアン」

 

いや、どっちだよ。欧州か中華なのかはっきりしろよ。

「俺から一つ」

俺が手を挙げる。

「ん?なんだ?」

 

「此処で一つ。『和風喫茶』を提案する。」

 

『?』

全員が『何故そんなものを提案したんだ?』というような顔になっている。

「いいか、お前ら。日本には日本なりにいいところがあるんだ。しかも、西洋文化と東洋文化が交わって弐で割ったような文化は結構いいものがある。今でも通用する。つまりそれを利用すべきなんだ。」

『ハァ?』

こいつら、マジで何もわかってないんだな。解っていたことの筈だったんだが。

 

「つまりだ!『大将浪漫』を利用するという事だ!そのような服装も用意してな!」

 

「なるほど!」

「それはいい!」

「さすが代表補佐!」

口々に言い始める。何故ここまで言わないとわからないのか、俺には訳が解らない。

「明久、書け。」

「へ~い」

 

カリ、カリ・・・

 

和風喫茶『大正浪漫』

 

ネーミングセンスが一番マシだと思った。

ここまでで黒板に書かれている出し物案を見る。

 

・写真館「秘密の部屋」

 

・ウェディング喫茶「人生の墓場」

 

・お化け屋敷「彼氏彼女と一緒」

 

・中華喫茶「ヨーロピアン」

 

・和風喫茶「大正浪漫」

 

・・・いや、コレ実質の選択肢一つしかないんじゃないのか?

ガラッ

あ、西村先生だ。

西村先生は黒板を見る。そして呆れたように

 

「もう少し補習を増やした方が良いな。」

 

と言った。やっちまってください。お供いたします。

 

「ちょっと待ってくれ!」

「それはアキのせいよ!」

「そうだそうだ!」

『俺達は悪くねぇ!』

 

こいつら最低だ。

「バカモノ!」

お?あいつらを叱ってくれるのか?

 

「俺は板書を吉井に任せたお前らの判断力に対して言っているんだ!」

 

訂正。西村先生、それは教師の発言としてはかなりアウトだと思います。

「彩樹」

「はい、なんでしょう?」

「いつ決まるんだ?」

「もうすぐです」

「そうか。後、出し物案を認定してもらえるまで20分しかないからな」

そう言うと、西村先生は教室から出て行った。

「じゃあ、多数決・・・・・・と言いたいところだが『チクショー!』、今くじを作ったんでよ。天龍、引いてくれないか?」

「ちょっと待て。自分で引けよ。」

「俺が作ったくじを俺が引けと?」

「わかった、わかった。俺がやるよ。やればいいんだろ?」

「ああ、そうだ。」

全く・・・。

「後で霧島さんにメール送ってやるからな。『大人の階段をさらに上りたいと代表が言ってたぜ』ってよ。」

「やめろ」

断る。

心の中で返事をしながら俺はくじを引く。

 

和風喫茶「大正浪漫」

 

自分の発案を自分が引くってどうなんだろうか?まあ、いい。

俺は引いたくじを代表に見せる。代表は叫んだ。

 

「和風喫茶、やるぞー!」

 

『オーーーーー!!!!!!!!!!』

学園祭に向かっての火ぶたが切られた。

許可は生徒会に俺が出しに行った。凄い冷たい目で見られたが。

 

 

 

 

 

 

これは後で聞いた話だが、あのクジには和風喫茶しか書いてなかったらしい。



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第25問

次の日

 

~天龍サイド~

 

ガヤガヤザワザワ・・・

 

俺が学校に登校するとクラスの奴らが騒がしかった。

「何でこんなに騒がしいんだ?」

と代表に訊くと

「転校生が三人来るようだぞ?」

と返された。転校生ねぇ・・・。

「何故このクラスに?」

「さあ」

 

キンコーンカンコーン

 

チャイムが鳴り、西村先生が入ってきた。

「今日はお前らに知らせがある。転校生が三人来ることになった」

と西村先生は言った。

 

「男ですか、女ですか?!」

 

クラスの馬鹿が質問する。

其処は重要事項ではないだろ。戦力が増えるんだぞ?

「三人とも女だ。」

 

『イイイイヨッシャアアアアアア!!!!!!』

 

と叫び声が上がった。あきれるしかない。

「静かにしろ!!!」

 

シーン・・・

 

やはり西村先生は偉大だな。

「では、新しい仲間だ。入ってくれ。」

そう言った後、西村先生は教室を出て行った。俺達に任せる気なのだろうか?

・・・あれ?なんか一名見たことあるような顔をしているが、気のせいか・・・。

 

「鈴谷恵美です。よろしくお願いします。あ、後ラブレターとかラブコールとか受け取らない主義なんで。」

 

気のせいではなかった。

「鈴谷ぁ?!」

「お、天龍じゃん!ちぃーす!」

「おお、ちぃーす。じゃねーよ!何故ここにいるんだ?!」

お前は濠太剌利(オーストラリア)に行ったはずでは?!

「いやさー、面倒臭くなって。」

初めてみたぞ、面倒臭いから日本に帰って来たなんてよ。

「親からは許可とったよー?」

なら問題ないな。そんな会話をしている間に自己紹介が続いていく。

 

「吉井明菜です。吉井明久の二卵性双生児の妹です。」

 

おお。って・・・。

「なんでお前らは武器を吉井兄に向かって構えてるんだ?!」

何だよ、この武装集団は!妹さえ持たせないというのか?!

 

「ついでにお兄様に危害を加えようとした人は社会的にも肉体的にも抹殺します。」

 

途端、静かになった。なんという女性主義な事か。気持ち悪い。

 

(ねえねえ、天龍)

鈴谷が小声で話しかけてくる。

(なんだ?)

(このクラスいっつもこんな感じ?)

(ああ)

(キッモー)

(ダヨナー)

 

この反応が当然だ。

「えっと、神田亜紀です。明久君の」

ん?

 

「許嫁です。」

 

・・・・・・は?

「すいません」

「何ですか?」

「もう一回さっきの言葉を」

「許嫁です。」

一旦の沈黙。

 

『なんだってえええええええええええええええええええええええええええええええ?!!!!!!!!!!!!』

 

そして叫び声が上がった。

須川と代表、土屋、フランが必死になってFFF団を取り押さえ、姫路と島田を吉井妹と秀吉、そしてそこに俺も入って取り押さえた。マジで面倒なクラスだな、マジで!

「明久~、お久しぶり~」

「亜紀~。会いたかったよ~」

あのお二人はお互いを抱きしめている。おお、熱いねぇ。・・・じゃなくて。

「お前らも止めるのを手伝ってくれ!」

この騒動をとめねぇとな!

「「嫌だ」」

糞野郎がぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

「吉井明菜とか言ったな?」

「はい、そうですが?」

「俺の名は彩樹天龍だ。このクラスの代表補佐を務めている。好きに呼んでくれて構わないぜ。」

「じゃあ、天龍さんで!」

「お前のことはなんと呼べばいい?」

「ご自由にどうぞ」

「では、明菜でいいか?」

「はい、よろしくお願いします」

「ああ。こちらこそ、よろしく。」

 

「神田だっけ?」

「は、はい!」

「俺の名は彩樹天龍だ。好きに呼んでくれ。」

「では、天龍さんでよろしいでしょうか?」

「それでいい。」

「よろしくお願いいたします!」

「そう固くなるな。まあ、よろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「でさ」

と鈴谷が話しかけてきた。

「なんだ?」

「料理はどうするの?」

吉井が割って入ってくる。

「それならもう決まってるよ。」

「何?」

「おにぎりにカステラ、ラムネにアイス、唐揚げ、ケーキ、牛丼その他いろいろ」

「そうなんだ。じゃあ、作ってくるね」

そう言うと鈴谷は出て行った。

 

~しばらくして~

 

「ただいまー。作って来たよー」

「おお」

「そういや、鈴谷。お前料理できるんだったな。」

「天龍には負けるけどね」

そうか?充分おいしかったと思うんだが・・・。

「おいしそうじゃの」

「食べてみようよ」

「そうだな、ちょうど12人分あるし」

そう言いながら俺達はおにぎりを一つずつ取り、口にする。

「ん、美味いな。塩むすびか。」(俺)

「あ、鮭だ。」(暴力女)

「昆布だ。美味し~」(フラン)

「・・・うまい。チキンだ」(土屋)

「うむ、美味いのお。」(木下)

「ゴマの味がちょうどいいハーモニーだ。」(須川)

「納豆か。美味しいね。」(吉井)

「おいし~」(明菜)

「おいしいです。私もこれぐらいおいしくたれたらなぁ・・・。」(ピンク)

「おいしいです。後で作り方を教えてください」(神田)

「うん、我ながらうまくいった。」(鈴谷)

「おう、ねばねばしてて、薬品の味が米のうま味を殺してグボァ?!!」(代表)

 まず状況を整理しよう。

さっきは俺、暴力女、フラン、変態、木下、須川、吉井、明菜、ピンク、神田、鈴谷、代表の順で感想を言ったんだ。つまり、異常事態は代表に起こったというべきだ。間違いない。実際痙攣しているしな。

「鈴谷、代表が食ったおにぎりに何を入れたんだ?」

「え?私自身は11個しか作ってないけど?」

は?

「しかし、今代表はああして苦しんでんだぞ?」

「え?なんで?」

「何か作っていた間に何か見なかったか?」

「無かったけd・・・あ。」

お、心当たりありか?

 

「私が調理室に入る直前に薬品の臭いがしたのよ。入ってみたらおにぎりがもう既に一個置いてあったんだけど。」

 

・・・・・・。

「おい、姫路」

俺は姫路に問いかける。

「なんですか?」

「調理室で何かしたか?」

「はい。おにぎりを一個作ってました。」

「そのおにぎりに何を入れた?」

「えっと酸味が足りないと思って」

いや、おにぎりに酸味なんてほぼいらねえだろ。

 

「青酸カリを」

 

・・・・・・・・・。

「姫路、後でちょっと廊下に来なさい」

こいつは絶対に粛清してやる・・・!

「ねえねえ、天龍」

鈴谷が小声で話しかけてくる。

「何だ?」

「廊下に出してどうするつもり?」

聞いてたのか。

 

「殺ス」

 

「冗談だよね?」

「・・・三割は」

「残り7割は?!」

想像に任せる。

「雄二、しっかりして!」

「ああ、大丈夫だ。」

あっちは大丈夫そうだな。

 

「別に目の前の三途の川を渡ってしまっても構わんのだろう?」

 

別にそうでもなかった。

「代表!その川は渡るんじゃない!今すぐこっちに戻ってくるんだ!」

此処で死んじまったら後処理が困るんだよ!

「え?6万だと?それはおかしい。運賃は6文と決まっているはずだ。え?俺の爺ちゃんが頼んだ?爺ちゃん何を考えてやがる!いつも事前準備が早かったが、ここでも発揮しているのか!」

こいつの爺さん、冥界で元気そうだな。

「AEDを持ってきたのじゃ!」

おお、ナイス!

「離れとくのじゃぞ!」

バン!

「・・・あれ?」

どうやら効果はなかったようだ。

「NOOOOOOOO!!!!!!」

秀吉が狂った?!

「どうするのじゃあ!どうすればいいのじゃあ!」

こうなったら・・・。俺は自分で首をへし折ると、すぐに代表の所へ向かった。誰かが叫んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

「彩樹さぁああん?!」

と亜紀が叫ぶ。

彩樹さんも自害してしまったし、一体どうすれば・・・!

「全く、困ったなぁ。このままじゃあ通れねえぞ。」

どうすれば・・・!

 

「おい、天龍。何故ここにいる。」

 

ああ、もう終わりだ・・・。

「は?首をへし折ってきた?すぐに治るから大丈夫だぁ?」

・・・え?

「いやいや、おかしいだろ。首の骨が治るなんてほぼ聞いたことないぞ?」

どういう事?!

「馬鹿言え。そんな人間いてたまるか。シモ・ヘイヘや船坂弘じゃねえんだぞ?うお!急に殴りかかるな!ぐおお!!首を絞めるなぁ!グアア・・・ガク」

・・・なんかあっちでカオスなことが。

「ハッ!」

あ、生き返った。

 

ゴキ!バキ!ゴキンッ!

 

・・・彩樹さんの方から明らかに変な音したけどぉ?!

その音のした方を振り向くと、彩樹さんが起き上がってきていた。

「おい、代表。気分はどうだい?」

「・・・すげぇ体が重い」

「そんなもんだ。臨死体験した後はな」

 

「・・・カオス」

ムッツリーニが言う。正にその通りだよ・・・。

ついでにその後、姫路さんが廊下に連れていかれ、悲鳴が聞こえたのは後述しておく。



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第26問

問:ベンゼンの化学式を答えなさい。




島田美波、姫路瑞樹の答え
「C6H6」

教師のコメント
 正解です。






須川亮の答え
「C6H5C2H5」

教師のコメント
 それはエチルベンゼンです。何故そちらの方は覚えているのですか?





土屋康太の答え
「解りません」

教師のコメント
 正直でよろしい。



次の日

 

~天龍サイド~

 

ザワザワ・・・

 

ん、なんだ?少し騒がしいな。学校にきたらまず初めにこの心情が生まれた。

「代表、何故こんなに騒がしいんだ?」

「どうやら新任の教師が副担任としてくるそうだぞ?」

ふぅ~ん…。

「それくらいでここm「しかも、女性だそうだ」ああ、納得した。」

どうやらこのクラスは変態のゴミ置き場のようだ。

 

キーンコーンカーンコーン

 

お、チャイムが鳴ったな。西村先生が入ってきた。

「今日は高橋先生が急用で来れなくなったから、俺が代理としてAクラスの担任を行うことになった。」

あ、そういえば西村先生はAクラスの副担任もやってたな。

「だから、貴様らは新任の副担任の言う事をよく聞くように」

『ハイ!!!』

ここまで欲に忠実なクラスなんていないだろう。

「では、先生。入ってきてください。」

そう言うと、西村先生は教室を出て行った。

 

「こんにちわ~」

 

『こんにちわぁ!!!』

ココまで元気な糞豚どもを見るのは初めてだ。

・・・あれ?少し待てよ?さっきの声はどこかで聞き覚えが…。

そんな事を思っていると、新任教師が教室に入ってくる。

「あら~、元気な子たちね~。良い事だわ~。」

おっとりした雰囲気、柔らかそうな薄黄色い髪、Gに近いF、浄化されそうな(主にこのクラスの行かれ男子共が)微笑み。間違いないな、こいつは…!

 

「愛宕奈央と言います。皆さん、よろしくね~」

 

『よろちくびー!!!』

次の瞬間、俺はあおむけになった。もうこのクラスはどうしようもない。遅すぎたんだ・・・。軽いセクハラじゃねえか。愛宕さんはスルーしたようだけど・・・。

「では、自己紹介していただけませんか~?廊下側の人から」

「儂からじゃな」

そう言いながら木下が立ち上がる。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。」

 

「木下君?」

「何ですか?」

「何故、女の子のような顔をしてるの?男の子なのに。」

「な?!儂を男と認めてくれるのですか?!」

「ええ、昔男の子みたいな女の子とよく遊んでたから~」

恐らくその『男の子みたいな女の子』とは俺の事だろう。

 

「・・・土屋康太。趣味は・・・ありません。」

 

嘘をつくな。愛宕さんが来た瞬間カメラのシャッター切りまくったくせに。

「趣味が無いのはいけないわ~。ちゃんと趣味を持ちなさい?」

「・・・はい(ポタポタ」

鼻血が出てるがスルーしよう。そして座るとすぐにカメラを整備し始めた。さすがエロスに生きる男。伊達じゃない。

 

「島田美波です。趣味は吉井明久を殴る事です。」

 

「その趣味はよくないわね。もっと朗らかな趣味を見つけてみなさい?」

「え、あ、はい・・・。」

まあ、そうなるな。

 

「フランドール・スカーレットでーす。趣味はサンドバッグを完膚なきまで殴って痛めつけることで~す」

 

その趣味を人間に置き換えてみよう。R-18Gは確定だ。

「ストレス発散なのかしら~?別に悪いとは言わないけど。」

まあ、そんな感じにはなりますな。

 

「えー、須川亮です。趣味は映画観賞です。」

 

「いい趣味ね~。どんなジャンルの映画が好き?」

「特撮モノやSFです。」

「いいわね、私は恋愛系かな?」

昔からそんな感じだったな、愛宕さん。

 

「姫路瑞樹です。趣味は料理です。」

 

その料理は惨殺兵器だという事をここで記述しておく。

「ふ~ん、女子力をあげる為の努力は良い事よ?」

いえ、違うんです。寧ろ、低下していってるんです。

「えー、モブです。趣味は…」

 

~色々とカット~

 

「吉井明久です。このクラスの秘書を務めております。趣味は料理やゲームです。よろしくお願いいたします。」

 

「礼儀正しい子ね~。親の育成がよかったのかしらね?」

「まあ、そういう感じです。」

胸を見ないようにしながら明久が座る。次は俺なんだが・・・、おかしいな・・・。手の震えが止まらないや。

「天龍、お前まじでガタガタ震えてるがどうした?」

「な、な、なんでもないぜ?」

これは武者震いだ。うん、きっと武者震いだ。絶対にそうだ。そうだと思いたい。といってもこの震えが止まらないとどうしようもない気がする。

 

「あ、あ、あ、彩樹天龍と申します。こ、こ、このクラスの代表補佐を務めております。しゅ、しゅ、趣味はプラモ作成や射撃、筋トレです。お、お、お久しぶりですね。あ、あ、愛宕さん・・・。」

 

「天龍~?」

「な、なんでしょう・・・?」

「後でOHANASHIがあるから私の所へ来なさいね~?」

逃げるしかない、地獄の果てまで。

 

「坂本雄二です。このクラスの代表を務めております。こんなみすぼらしくて頭数ばかりのただの案山子のようなクラスの連中をどうか今後ともよろしくお願いいたします。」

 

「は~い、では準備してくださ~い」

次の瞬間、俺はすぐさま廊下に走り出そうとした。

「天龍~?昔からそうだけど、私から逃げられると思ってるのかしら~?」

まあ、こうなりますよね。って・・・。

「放してください!もうあれだけはやめてください!」

「あれ以外だったらいいのかしら?」

「いえ、ダメですけど!あれは拷問です!」

「だったらするわ~。」

「この鬼畜ドSがああああ!!!!」

このおっぱい星人め!昔から胸が大きかったのに、更に胸が大きくなりやがって!その胸に今までどれだけ苦しめられたと思っているんだ!昔でもきつかったのに、今なんか更にきついに違いない!

「さ~て、天龍~?何であの時、私たちに無断で町をでたのかしら~?」

「いや、心残りになるんじゃないかと思って!」

「さらに心配したのよ~?」

「悪かった!悪かったから!壁際に追い詰めないでくれ!誰か!助けてくれ!鈴谷ぁ!」

「ごめん、天龍。私も怒ってるんだ。」

マジかよ!

「代表!助けてくれー!」

「スマン」

えええええ?!!!

そんな事をしてるうちに俺は愛宕さんの胸の中に抱きしめられた。

「~!~!~~!」

息が出来ない!助けてくれ!誰か!目の前が真っ暗だ!

そんな事をしてるうちに俺は気を失った。




彩樹天龍の答え
「Pz.ⅠC」

教師のコメント
 それは壱号戦車C型でしょう?







吉井明久の答え
「B1bis」

教師のコメント
 それはフランスの重戦車です。






坂本雄二の答え
「D.W.2」

教師のコメント
 あなた方は化学をなめてませんか?


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第27問

~天龍サイド~

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・」

死ぬかと思った。マジで死ぬかと思った。あの人、更に胸が大きくなってやがる。あともうちょっとで死ぬところだった。

「愛宕さんは・・・?」

「どっかいったぞ」

俺はほっとするとすぐさま立ち上がる。

「さて、てめぇら!」

と代表が言う。

 

「準備だ!」

 

そこにピンクが割って入る。

「み、皆さん!頑張りましょう!!」

 

『オー!!!!』

ただ、その準備が後で難航するとは誰も思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

僕らは唖然と見ていた。理由がある。僕らの目の前にはえぐいものがあったからだ。

 

畳の裏が腐ってて蟲が湧いていたのだ。

 

もちろん女子は気分を悪くしたし(彩樹さんや鈴谷さん、フランさんを除く)、男子だって気持ち悪がっていた。つまり、これはどういうことか。今教室には僕と雄二と彩樹さんと秀吉とムッツリーニ、鈴谷さんフランさん。そして須川君しかいないのだ。

「天龍、どうにかできないのか?」

雄二が彩樹さんに尋ねる。

「無理言うな。俺は何でも屋じゃないんだぞ?」

そりゃあそうか。

「じゃあ、どうするんだ?」

「(スッ)」

彩樹さんは無言でスマホを取り出した。

「どこに連絡するの?」

「業者に」

しばらくした後、業者さんが来てくれて見事に修復してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

ピンポンパンポーン

 

『2年Fクラスの坂本雄二、吉井明久、彩樹天龍は今から速やかに校長室に来なさい。』

 

「お前何かしたか?」

「何故俺に聞く。吉井が怪しくないか?」

「僕は何もしてないよ?雄二、何かやらかした?」

「俺は何もしてねぇぞ!」

どこの口が言うんだか・・・。

「まあ、こんなことしても何も進展しないし、行くか」

俺達は校長室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……賞品の……として隠し……』

『……こそ……勝手に……如月ハイランドに……』

学園長室の前まで俺達三人が来ると、扉の向こうから誰かが言い争っている声が聞こえてきた。

「・・・どうする?」

「帰るか」

俺はUターンして帰ろうとすr(ガシッ)

「おい、放せ」

「お前も一緒に行くんだよ。」

「付き合えるか。俺は帰るぞ」

「失礼しまーす!」

吉井は勢い良くドアを開ける。お前は自重ってもんを知ろうな?

「本当に失礼なガキどもだねぇ。普通は返事を待つもんだよ」

「すいません、ウチの連れがここまで馬鹿で」

「ちょっと!それどういう事さ!彩樹さん!」

校長室にいたのは長い白髪が特徴的な藤堂カヲル学園長と鋭い目つきとクールな態度の竹原教頭だった。

 俺は竹原教頭の事は快く思ってないが・・・。

「やれやれ。お取り込み中だというのにとんだ来客ですね。これでは話を続けることもできません。……まさか、貴方の差し金ですか?学園長」

とか言いながら竹原教頭は学園長をにらみつける。

「さあね、ご想像にお任せするよ」

さすがだ、学園長。クールにスルーしていらっしゃる。

「・・・では、失礼させて頂きます。」

竹原教頭は観葉植物を一瞥した後、校長室を出て行った。・・・ああ、あれか。

「で、名前は?」

と学園長が聞いてくる。

「ええ、私は彩樹天龍と申します。で、こちらの大男が坂本雄二。もう一人のいかにも馬鹿そうな顔をしたのが吉井明久です。」

「彩樹さん、酷いよ!」

うるせぇ。

「ほう、A級戦犯に観察処分者二人か。気が変わったさね、聞いてやるよ。」

どっかの悪役だろ、その口調にその態度。

「えー、学園長。俺達のクラスの設備についてなんだg」ドグッ

俺は代表の鳩尾に裏拳を叩き込んだ後、腰に装備してあるサイレンサーを引き抜き、叫ぶ。

 

 

「お前ら、耳をふさげぇ!」

 

 

その直後、俺はサイレンサーの引き金を引く。

其処から放たれた弾丸は一直線に観葉植物の根元に到達した。

「何するさね?!」

「盗聴器が仕掛けられていたので破壊しただけです。」

「・・・本当かい?」

「だったら確認すればいいでしょう?」

学園長は観葉植物を確認する。

「!本当さね!また借りが出来ちまったね。」

「それは返さなくていいです。それよりも学園長。この写真を見てください。」

俺は学園長に一枚の写真を提示する。

「何さね?」

「これは土屋康太が撮影したFクラスの畳の裏です。見事に腐っている上に蟲が湧いております。」

「本当さね。で、どうしたいんだい?」

「業者にかかった経費を俺達の収入で払う代わりに、俺達に試験召喚大会の科目を決めさしてほしいのです。」

「・・・いいさね」

「有難うございます、学園長」

「だが」

何かあるのだろうか?

「吉井に坂本、そして彩樹の三人は誰とでもいからペアを組んで絶対に参加し、優勝することが条件さね」

は?

「何故です?優勝せずとも景品はもらえるのでしょう?」

「確かにもらえるさね。だが、この内容を見てみな。そして座りな。」

と学園長が紙を突きだす。俺はそれを受け取ると座って内容を見る。吉井や代表も隣から覗き込むようにしている。

「えっと・・・、優勝が『黒金の腕輪』に『白銀の腕輪』で・・・・、準優勝が『如月グランドパーク プレオープンプレミアムペアチケット』・・・・。最後に準々優勝が『食堂タダ券1年分』・・・。」

吉井が読み上げる。そして顔を上げながら学園長に尋ねた。

「これのどこに問題があるのですか?」

「その準優勝の景品が問題なのさ。それについてよからぬ噂を聞いてねぇ。なにやら『ここを訪れたカップルは幸せになれる』に基ずくモノさ」

「「「?」」」

次の発言が吉井と代表を本気にさせることなどその時の俺にはわからなかった。

 

 

「プレミアムチケットを使ってやって来たカップルを結婚までコーディネートするつもりらしい。」

 

 

ガタッ

 

 

「座れ、お前ら。」

見事な『ガタッ』だった。百点満点、模範的な『ガタッ』だった。

「おい、明久。これは準優勝を狙わんといかんなぁ!」

「そうだね、雄二!やってやろうよ!」

優勝を狙え、バカども。

「後、『白銀の腕輪』についてなんだが・・・。」

「何か問題があるんですか?」

「これは点数に対する出力に問題があって『腕輪を使用する時の科目が学年平均以下』しか使えないのさ。」

俺は横目で吉井を見た。

「で、何故その問題が景品にした後で発覚したんですか?」

「経営は全て竹原に任せてたからね。知らなかったのさ」

せめて目は通しといてください、学園長。

「それだけさね。質問は?」

「ないですよ。失礼しました~」

俺達は学園長室を後にした。

 

 

 

 

「いきなり鳩尾を殴るなよ・・・。」

鳩尾をさすりながら代表が言いかけてくる。

「その行為については本気で反省してるから許せ」

俺が返す。

「しかしさ、よく盗聴器が仕掛けられてるってわかったね。」

「まあな、教頭の目線を観察してたからな。」

「成程・・・。」

俺達3人は教室へ戻りながら話し合う。

「ところでよ」

「何だ?」

「姫路の野郎、なんかやる気満々だったよな。」

「確かにそうだね。小学校の頃からそういう傾向があったけど、今回は更にやる気があるような・・・。」

「あいつと幼馴染のコイツが言うんだから間違いではないんだろうさ。」

「何でだろうな?」

「僕にもわからないよ・・・。」

「理由を聞いてみるか?」

「あいつが簡単に口を開けると思ってるのか?代表」

俺の疑問に代表は首を横に振る。

「だろ?だったら関係者に聞けばいい。」

「誰?」

「暴力女だろ」

「・・・確かに会話するところよく見かけるし、有力だね。」

「さっさと帰って聞くか。」

「「うん(おう)」」

「といってもあいつも口を開かないだろうし、作戦たてるか。」

「ああ」

「そうだね」

俺達は教室に戻るまで歩きながら作戦を練っていた。

 

 

 

 

 

 

「あれ?皆は?」

「帰ったわよ?」

吉井の疑問に島田が答える。

ここにいるメンバーは、俺、代表、吉井兄、神田、明菜、暴力女「殴るわよ?」、変態忍者「…異議あり!」、演劇のホープ、現リア充の嫉妬武装集団元会長に、フランに鈴谷か・・・。それ以外は全員帰ったのか。

 

・・・本当にEクラスに入るべきだったと後悔している。

 

「そういえば」

と吉井が口を開く。

作戦はこうだ。

 

1:吉井が何も知らないように疑問を投げかける。

2:反応した人に代表(もしくは俺)が尋問する。

3:俺がそいつが疑われる証拠を言う。

4:話させる。

 

「何で姫路さんはあんなに積極的なの?」

その直後、暴力女が少し目をそらしたのを俺と代表は見逃さなかった。

「おい、島田。」

「何よ?」

「何か知ってるだろ。」

「Sie sagen, dass es nicht weiß.」

『仰っている事が解りません』か。独逸語だ。そういえばアイツは独逸からの帰国子女だったな。

「知ってるな?」

「どこに証拠が・・・。」

「目をそらした。更にさっきの返答が独逸語だったからだ。」

「わかった。話すわよ。」

あくしろよ。

「瑞希は、・・・親に転校を進められたらしいの。」

心底どうでもよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

え?つまりそれは・・・、オアシスがさらに減るってことか?!こんな砂漠みたいな糞のクラスからさらにオアシスが減ってしまえば、秀吉や亜紀、明菜にも被害が及んでしまうではないか!そうなったら僕は三人を守るためにどこぞやの世紀末の様にモヒカン頭で筋肉モリモリのマッチョマンになって皆を守らなければならないんだ・・・!

 

「おい、コイツ思考停止してやがるぞ。」

「明久!しっかりして!」

僕の天使が話しかけてくる。

「ねえ、亜紀。僕が守ってあげるから、モヒカン頭になっても好きでいてくれるかい?」

 

 

~申し訳程度の天龍&坂本サイド~

 

 

坂本:いや、どうやったらそういう結論になるんだ?

天龍:なんか錯乱して訳がわからんこと言ってるな。

 

 

~再び吉井サイド~

 

 

「なんか明久の脳内環境が超トリップしておるぞ?!!!」

「明久ぁ!ねえ、しっかりしてよ!明久ぁ!」(涙目)

「ハッ!僕は一体何を?!」

「なんか錯乱してどこぞやの世紀末でも想像してたのか?」

イグザクトリー。その通りでございます。

「まあ、いいや。で、姫路が転校するようだがそれがどうかしたのか?」

静かに彩樹さんは誰にともなく、質問した。



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第28問「命令」

~天龍サイド~

 

プルルルルルル・・・

 

「ん?」

学校から帰る途中に携帯が鳴る。

 

ピッ

 

「もしもし。天龍です」

『ああ、天龍?こっちに今すぐ来てくれないかな?』

「何故です?」

『きみに任務をね』

「ヘイヘイ、わかりました」

 

ピッ

 

俺は携帯を切ると近くにあった低めのビルの壁を壁キックで駆けあがった。

「・・・。」

風が少し強かった。其処から近くのビルに飛び移る。

「確か・・・、あそこか。」

俺はそう言うとフックを取り出した。それを目標のビルに投げつけて突き刺すと一気に飛んで窓ガラスに突入する。

 

ガッシャァーンッ

 

見事に着地すると目の前の人物に対し、挨拶しておく。

「ドーモ。ハク=サン。テンリュウ=デス。」

「ドーモ。弱音ハク=デス。じゃないよ!」

頭に拳骨を一発もらった。

「相変わらず派手だねぇ~」

北上に言われる。

「それがいい所でしょう?」

赤城が助言する。

「相変わらずだな」

と摩耶に言われる。

「ヘイヘイ。で、用事って何すか?」

「アンタに殺してほしい奴がいるのさ」

「んなもんほかの奴に頼めばいいだろ」

「アンタの方がやりやすいと思ってね。」

と言いながらハク姐はウオッカを飲み始める。ウオッカを飲んでもそこまで酔わないあたり凄いと思う。

「あんたんとこの竹原って御存知よね?」

「ああ、教頭だ」

「そいつがテロリストだってことが発覚してねぇ?殺してほしいわけよ。」

「ヘイヘイ。・・・そんだけ?」

「ええ」

「じゃああんた、学園祭に来いよ」

「行かないわよ。他の奴が行くから。」

「・・・は?」

「だからほかの奴が行くから行かないわよ?」

「・・・誰が来るんだよ」

「それは言えないわね」

「ケチだな」

「ケチじゃない。だって当たり前だろう?知られたらまずいんだぞ?」

それもそうか。

「で、誰?」

「人の話聞いてた?」

「聞いてた。だから誰?」

「お前もう帰れ」

「ハーイ」

俺は部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本気で帰るやつがあるかぁ!」

「うお?!」

いきなり引き込まれた。

「帰れっつったから帰ろうとしたんだろ!何が悪いんだよ!」

「せめて何か対応しろや、阿保ぉ!」

「お断りします」

「バァァァァカ!」

「私の話にも付き合えよ!」

「摩耶さん、勘弁してつかぁあさい」

「私の話もねー」

「北上、放せ」

「酒のつまみでも買って来い!」

「それぐらい自分で買えばいいでしょう!」

「買って来い!」(ゴスッ)

「ぎゃああああ!!!!!」

「じゃあ金渡すから買ってこい」

「へーい」

こうして俺は何故か酒のつまみを買いに行くことになった。

 

 



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第29問「喧嘩」

そういや天龍と明久を喧嘩させたことないや














まあ、いっか。


~吉井サイド~

 

僕は思い出す。あの時、彩樹さんが言ったことを・・・。

 

~@~

 

僕は絶句した。声が出なかった。彩樹さんに対して反論しようにもできなかった。

「だって問題じゃない!」

島田さんが反論する。

「どこがだ?寧ろ転校した方がよくないか?」

それに対して少し不思議そうな表情をして驚きと怒りがまざったような表情を張り付けた島田さんに対して更に言った。

「そもそも俺達Fクラスを考えてみろ。『下の下』、『底の底』、『屑の屑』、『頭数だけのトーシロばかり』、『馬鹿の中の大ばか者の溜り場』とか言われてんだぞ?俺が思うにこのクラスは『問題児収容』だ。そうだよな?代表」

雄二は何も言わずにコクリと頷いた。ここまでひどくいえる人を初めて見た。って・・・。

「それでも!」

と僕は叫ぶ。

「それでも!姫路さんはこのクラスが好きだって!」

すると僕をさげすんだ目で彩樹さんは見た。

「はぁ?それがなぜ姫路がここにいる理由になるんだ?いずれアイツもさらに凶暴になるだろう。今でも釘バットを振り回してくるレベルだぞ?これが悪化してみろ。どうなるかわかるだろ?代表」

雄二が言葉をつなぐ。

「まあな。後、このクラスは衛生環境は劣悪だしな。親が催促したんだろ。転校するようにな。不思議な事じゃないな。子供の健康に害が出るだろうと考えたんだろ。明久、お前が一番知ってるだろ?」

「うん・・・。」

僕は返事する。

「それに・・・」

と彩樹さんが区切り、言った。

「この問題はあいつとその親が決める事だ。俺達が介入するような話じゃないだろ?」

「だけど、何か手伝いh「暴力「島田よ」女。お前其処まで御人好しじゃねえだろ?」・・・。」

「ま、どうせ女子が減ることが嫌いなだけだろ?」

「・・・(コクリ)」

彩樹さんは立ち上がり、教室を出て行こうとする。

「・・・待て」

ムッツリーニが止めた。

「何だよ?」

「・・・お前はそれでいいのか?」

「別にいい。俺にとってうざい奴が消えるだけだ。」

そう言い残すと彩樹さんはどっかへ行ってしまった。

 

~@~

 

「・・・・。」

「アキ兄、どうしたの?」

「いや、なんでもないよ」

「そんな暗い顔しないで下さい」

「うん、ごめんね」

僕は今明菜と一緒に買い物に来ている。夕食のおかずの材料を買うところだ。

 

 

「ん、吉井兄妹か。」

 

 

「あ、彩樹さん」

「ああ、奇遇ですね。こんばんわ」

「ああ」

天龍さんの片手には買い物かごがぶら下がっていた。

「何してるの?」

「俺のだちが酒を飲める年齢でな、パシリに行かされたのさ」

「そうなんだ・・・。」

僕は彩樹さんをにらむ。

すると彩樹さんは僕に対し言った。

「どうした?」

「彩樹さん。あの時の発言を撤廃してほしい」

「バーカ。誰がやるか」

「だったら拳で決着をつけよう」

「ああ、いいぜ」

明菜が心配そうな目で僕らを見る。

「大丈夫だよ、明菜。すぐに終わるから。」

僕は買い物かごを明菜に預ける。

天龍さんは財布と買い物かごを明菜に預け、店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここでやるか?」

「うん、ここでいい。」

僕らは公園で対峙していた。

「来いよ」

「ッラァ!」

 

僕は飛びかかる。が、空中で蹴り落とされる。

彩樹さんは地面にたたき落とされた僕の胸倉を掴み、思い切り殴り倒す。

その後、腹を思い切り蹴られる。

「グフッ!」

僕は立ちあがると蹴りにかかる。

彩樹さんは僕の足を掴むとひねり倒す。

「ガッ・・・!」

去ろうとする彩樹さんの足にしがみつく。

「・・・!」

僕の頭を思い切り蹴りつける。だが、僕は離さない。

「何故諦めない・・・!」

「僕が、諦めたら・・・!」

「ああ?」

「諦めたら!姫路さんにとって傷つくこと言うに決まってる!」

「なぜそこまでしてアイツに執着する!お前には神田がいるだろうが!」

「亜紀は恋人だよ!知ってるさ!だけど!僕は皆に悲しい思いをしてほしくない!」

「黙れぇ!グズがぁ!」

 

ドゴッ

 

かなり鈍い音がして僕の手が彩樹さんの足から離れる。

「・・・さっさとどっかいきやがれ」

「まだだ・・・!」

僕は立ち上がる。

「・・・チッ。とことんやらねぇと黙らねぇか」

彩樹さんの拳が右頬に直撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

俺は間髪入れずに顔面に拳を叩き込む。

倒れた吉井に対し、蹴りをお見舞いする。踏みつける。

「グフッ!ガフッ!・・・ペッ」

口の中を切ったようでつばに血が混じっていた。

「・・・。」

ボロボロになった状態で吉井は再び立ち上がる。

「・・・。」

俺は腹に蹴りをぶち込む。すぐさま倒れた。

「まるでサンドバックだな、お前。」

「・・・誰の、せいだと、思って、るんだい・・・。」

「吹っかけてきたのはお前だろ?」

「・・・それも、そうか。」

そう言うと吉井は殴りかかる。俺はよけなかった。俺の左ほおに直撃する。俺は黙って左ストレートをお返しする。

吉井が2mほど吹っ飛んだ。

草むらにつっこむ。しばらくすると再びよろよろと立ちあがり、近づいてきた。

 

 

「二人とも、そこでやめろ」

 

 

俺は声のした方向を向くと代表がたっていた。

「・・・代表。アンタが何故ここにいる」

「店に買いにいってたら明菜とでくわしてな、どうしたと聞いてみたらお前らが喧嘩していると聞いたもんで」

「・・・雄二、止めないでくれ。僕と彩樹さんの二人だけの話なんだ」

「止めるわ、アホ。お前が死ぬわ。」

そう言うと代表は俺と吉井の間に割って入った。

「明久、帰ろうぜ?お前の妹さんが心配してるぞ?」

「・・・うん。彩樹さん、覚えとけよ」

「覚えてるわけねーだろ、バカ。」

俺は明菜から預けていたものをもらうと戻った。



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第30問

問:自分の得意技を書いてください。









須川亮
「自転車でドリフト」

教師のコメント
 どうやってしてるのか気になります。









島田美波
「筋肉ドライバー」

教師のコメント
 それは人が死ねるレベルです。










土屋康太
「天井に張り付く」

教師のコメント
 アイエエエエエ?!ニンジャ!ニンジャナンデ?!



~吉井サイド~

 

僕らは出し物の準備をしていた。彩樹さんは参加してないけど。

 

(チクチク)

 

ムッツリーニが着物を縫っている。かなり手馴れているようだ。本人曰く、『紳士のたしなみ』らしいけど僕の記憶にはそんなたしなみは存在しない筈なんだけど・・・。

「どこでスリーサイズをはかった?」

「・・・裏の手を使った。」

何をしたんだ、ムッツリーニ・・・。

 

 

「おい、ピンク」

 

 

彩樹さんが姫路さんを呼ぶ。

「はい、なんですか?」

姫路さん、慣れちゃったの?

「ちょっとこっちこい。」

「はい。」

姫路さんは廊下に出て行った。少しして、姫路さんの怒った声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~姫路サイド~

 

「何ですか?」

早めに終わらしてほしいです。ですが、こうしてみると彩樹さんかなりスタイルいいんですね。

「お前、転校するんだろ?」

え?!

「どこでそれを?!」

「暴ry…島田の野郎が言ってた。」

美波ちゃん、言ってしまったんですか…。

「で、実際の所だ。お前はどう思っているんだ?」

「え?」

「済まない。言葉が足りなかった。お前は転校に関してどう思っているんだ?」

「嫌です!私はこの学校に残りたいんです!」

私はFクラスが好きなんです!人の為に、一生懸命になれる人たちがいる、このクラスが!

そう思っている私を彩樹さんは見透かすように見つめてきます。そして口を開いて、言いました。

「何故残りたいんだ?」

そんなの、決まってるじゃないですか!

「このクラスが!皆の為に一生懸命になれるこのクラスが!優しくしてくれるこのクラスが!明久君のいるこのクラスが好きなんです!」

一瞬、『何言ってんだ、コイツ』みたいな表情をした後、彩樹さんは更に質問を重ねてきました。

「何故文化祭で張り切っているか、理由を教えてくれ。」

彩樹さんは何がしたいのでしょう?

「お父さんがFクラスの皆を馬鹿にしたんです、許せません!」

少しばかばかしそうに溜息を吐くと、彩樹さんは質問してきました。

「何故許せないんだ?」

「私はこのクラスが好きだからです!」

すると彩樹さんは人差し指を立て、言いました。

「少しばかりだが訂正させてもらうぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~彩樹サイド~

 

「え?」

ピンクが不思議そうな顔で見つめてくる。

「『壱:お前は転校した方が良い。

  弐:お前はFクラスに対し、勘違いしている。

  参:お前の父親に対しての感情。』だ。」

「え?え?え?」

ああ、コイツ状況をうまく呑み込めてないな。飲み込ませてやるか。

「まず、お前は転校しろ。こんな劣悪な環境にいたらいずれ体を壊す。そして、お前の将来に支障が出る可能性がある。」

「どういう意味ですか?」

「これは弐つ目の訂正部分に関わることだが言うぞ。つまりお前はいずれ凶暴になる。あのFクラスの屑どもと同じようにな。そして、自分の不満だけで平気で人を殺めるかもしれん。」

「そんなことないです!」

こいつ、本気で言ってるのか?

「ほう?じゃあ吉井にやっていることは?あれは見てたが、明らかに殺しにかかっているぞ?」

「それは!明久君がほかの女子をいちゃついているからです!」

はぁ?

「お前はそれだけで攻撃するのか?あいつはお前の玩具じゃないんだぞ?きちんと意志がある『人間』だ。人間は釘バットで殴ったら死ぬだろうが。」

「それは・・・・・・。」

俺は指でピースマークを作る。つまり『弐』を意味する。

「次に、Fクラスの連中は仲間思いじゃない。ただ自分の欲望と嫉妬で動いている。弐足歩行の獣だ。」

「そんなの酷いです!」

「酷くねえよ。そして、お前はどこまであのバカどもを庇えば気が済むんだ?」

俺はピンクの髪をぐしゃぐしゃと乱暴になでる。

「ま、そういうところが良いんだがな。」

と言いながら。

「FFF団って知ってるか?」

「はい、一応」

ピンクは嬉しそうに言う。男ならいちころだろう。

「あれはリア充を叩き潰すための武装集団だ。そんな自分のせいでもてないのを恨みにして相手にぶつける奴は嫌いなんだ。」

「え?」

俺はピンクから手を放すと言った。

「つまり、お前みたいに自分の構ってもらえないという寂しさを相手に暴力でぶつけるような人間は苦手だと言っているんだ。」

姫路がきょとんとした目で俺を見る。

俺は人差し指、中指、薬指を立てる。すなわち、『参』を意味する。

「最後に、お前の父親が言っていることは正しい。俺達を馬鹿にした?正解だ。正しい文句だと思う。」

「何故そう思うんですか!自分も馬鹿にされてるんですよ?!」

「それがどうした!俺はこのクラスに入った時点で威厳は捨ててるんだよ!代表だってそうだ!そんな状態の俺等が馬鹿にされても仕方ないだろうが!俺と代表はわかってやってるんだよ!誤解するな!」

そう言うと彩樹さんは教室に戻っていきました。私は廊下で少し泣いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




吉井明久
「頭突きで西瓜割り」

教師のコメント
 だから馬鹿なのですか?







彩樹天龍
「拳骨で西瓜割り」

教師のコメント
 あなたの筋力はどうなっているんですか?







坂本雄二
「蹴りで西瓜割り」

教師のコメント
 何故三人とも西瓜に限定するんですか?


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第31問

遂に開幕です!




















・・・後に姫路たちを攫う不良はどうしようか。


~天龍サイド~

 

「てめぇら!準備はいいかぁ!」

『おう!!!』

返事を確認すると代表は叫んだ。

 

 

「学園祭、開幕じゃあああ!!!!」

 

 

『うっしゃあああああ!!!!!!!!!!!』

何故こんなに無駄に戦意が高いか、それには理由がある。投票で一位に輝いたものは『Fクラス女子の和服姿写真集』が贈られるからだ。くだらない理由だ。

 

あともう一つ。このクラスに謎の女子が出現したからだ。

 

その名前も「吉井明子」。皆からは「アキちゃん」と呼ばれている女(装した男)子だ。・・・誰がどう見ても吉井明久だがな。

「なんでこんな格好をしなきゃいけないのさ!」

吉井が叫ぶ。

「アキ兄、似合ってるよ。」

「全然うれしくないよ!」

「・・・アキちゃんは最高の被写体(ツー」

約一名、鼻血を出しながら吉井を撮っている変態忍者がいた。

「男を撮って楽しいのか?」

「・・・女装した明久と秀吉なら問題外」

「俺は?」

「・・・。・・・問題外」

何ださっきの間は。

何故明久がこんなことになっているかには一応だが理由がある。鈴谷が無理矢理着させたのだ。意外と似合うものだな。

「今から行ってくるよ。明菜、行こう」

「ハイ!」

「あ、ちょっと待って。アキたちも召喚大会に出るの?」

止めるな、バカ女。

「いくよ?」

「やっぱり景品が目的なんですか?」

入っていくな、巨乳ウサギ。

「一応、ね」

すると、ジワリとバカ二人は吉井に近づいていく。

「「・・・誰と行くつもり(なんですか)?」」

「え?もちろん亜紀とだけど?」

「「すこしO☆HA☆NA☆SHIしないといけないわね(いけませんね)」」

俺は拳銃を二丁取り出すと島田と姫路の後頭部に押し付ける。

「撃つぞ?」

「・・・解ったわよ」

「・・・はい」

その間に二人は召喚大会の一回戦に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「えー。それでは、試験召喚大会一回戦を始めます。・・・吉井君はどうしたのですか?」

 

ほっといてください。

 

それを感じ取ったのか先生が少し苦笑しながら続ける。

「では、始めてください!」

 

 

「「「「試験召喚獣、召喚。サモン!」」」」

 

 

叫ぶと魔方陣が展開されて召喚獣が出現する。

 

   2年Bクラス代表補佐 岩下律子 168点

   2年Bクラス秘書  菊入真由美 172点

世界史     VS

   2年Fクラス秘書 吉井明久 200点

   2年Fクラス   吉井明菜 52点

 

「・・・明菜、武器は?」

「これです」

そういって明菜は召喚獣を指差す。武器は銃剣だった。

「戦えるの?」

「一応ここに来る前に銃剣道を習いましたので感覚は掴んでいけると思います。」

「弾丸は?」

 

「400点以上取らないと弾撃てませんけど?」

 

あれか。銃剣突撃か。特攻か。

「こら!あんたたち!無視するな!」

「Fクラス!此処で片付けてやるわ!」

「ああ、すいません」

僕は召喚獣を構えさせる。

「此処は譲れません!」

そう言いながら明菜も構えさせる。

両チームの召喚獣が走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果だけ言おう。

 僕らの勝ちだ。

何故か一方的な蹂躙試合だった。明菜はなぜか操作にたけていたし、僕は言わずもがな。頭をたたき割って勝利した。ちなみに明菜の方は銃剣でグサグサと突き刺しまくって惨殺し、勝利した。見てて気分が悪かった。



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第32話

~天龍サイド~

 

「天龍、いる?」

夕張が俺を呼ぶ。

「ああ、いるが?」

「もうすぐ試合が始まるから呼びに来たの」

「そうか、わかった。すぐに行く」

俺は厨房を帰って来た吉井に頼むと教室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「対戦相手、お前らかよ・・・。」

俺達の相手は根元と小山のペアだった。

「俺もやだよ・・・。まあ、やらなきゃならないんだろ?」

「悲しいが、これが戦争だ。受け入れろ」

「そうかい」

「何言ってるのよ。片方はFクラスでしょ。恐れることなんかないわ。」

「小山、お前、後で痛い目見るぞ?」

「?どういうことよ。」

「さあな」

何かぎすぎすしてるがあいつら本当に付き合ってるんだよな?

「それでは、Bコート第一試合を始めようと思います!」

「「「「試験召喚獣、サモン!」」」」

俺達は召喚獣を召喚する。

 

 

  2年Aクラス代表補佐 夕張芳香 777点

  2年Fクラス代表補佐 彩樹天龍 856点

技術       VS

  2年Bクラス代表 根本恭二 212点

  2年Cクラス代表 小山優香 172点

 

 

「すまないな、根本。お前が最近善行に働いているのは知っている。だが」

俺は根元を見る。

 

「男にはやらねばならぬ時がある。」

 

「お前は女だろ」

そのツッコミが来た瞬間、根本の召喚獣は夕張によってふっとばされていた。

次に俺が小山の首を跳ね飛ばしてこの試合は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

 

僕がトイレから戻ると怒声が聞こえた。

 

「おい!料理はまだかよ!」

「此処の教室ぼろいなぁ!」

 

うん、殺そう。そう思った直後。

 

二人の男子生徒が吹っ飛ばされた。

 

「アラアラ、お客様。どうなさったのですか?」

帰って来た彩樹さんが対応する。

「うるせぇ!お前gゴギャアッ?!!」

「夏川?!てmゴバァ?!」

うわ・・・。

「お客様、目をつぶり、耳をふさいで暫しお待ちください。」

 

そう言いお客さん全員が目をつぶり、耳をふさいだのを確認した瞬間、二人の男子生徒を窓から蹴り出した。

 

「皆様、目を開けてくださっても構いません。少しお騒がせしてしまいました。御詫びとして3割引きとさせていただきますがいいですか?」

「構わないよー。寧ろこんなにおいしい料理を三割値引きしてくれるのはとてもうれしいよ。」

「ままー。もっと食べたい―!」

「うん、解ったわ。」

更に忙しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「あれ、なんかお客さん減ってない?」

「そうだな」

俺は少し不思議に思った。

「おい、変態」

「……事実無根」

…別にお前と言った覚えはない。

「調べてくれないか?」

「・・・報酬は?」

「昔、妹から取り上げた百合しかないエロ本」

「・・・OK!」

ビュッ

煙のように消えて行った。すげぇな。

バッ

「・・・戻った」

早いわ。

「・・・どうやらAクラスにあの二人がいるようだ。」

「明久、行くぞ」

「え、待ってよ雄二。」

二人は行ってしまった。



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第33問

~天龍サイド~

 

相手チームが食中毒を起こしたようで不戦勝となり、帰ってくると声が聞こえた。

 

 

「で、そいつを探してんのか?おチビちゃんたちは」

「おチビちゃんじゃないよ!」

「お姉ちゃん、少し違います・・・。」

 

 

ん?誰かいんのか?

「おい、代表。誰と話してんだ?」

「あ、天龍だー」

「あ、天龍さ~ん」

「うおっ」

いきなり抱きついてきた。って・・・。

「何だ。春雨に夕立か。」

「わざわざ来たっぽい~」

「来ちゃいました~」

皆が不思議そうな顔をする。

「そいつらとどんな関係なの?」

「え?同居してるだけだが?」

 

『エェ~~~~~?!!!!!!』

 

うるさい。

 

「異端者には死刑を!」

「我ら、異端試問会!」

俺、女だよな?

「突撃ぃぃぃぃいいいい!!!!!!!!!!!」

 

 

「西村せんせー!こいつらが暴行しようとしてきまぁーす!」

 

 

俺が叫んだ瞬間、西村先生が飛び込んできた。さすがですぜ、西村先生。

「貴様ら、補習を受けたいようだな」

『いえ、滅相もない!』

 

「なあ、お前ら。手伝ってみないか?」

俺は馬鹿共をスルーして二人に聞く。

「やりた~い」

「やってみたいです~」

「サッ)・・・計測は任せろ」

「ぶっ殺すぞ、土屋」

「・・・冗談」

俺は土屋にクギをぶっさしておく。

 

「すいませ~ん、和風喫茶ってここですか~?」

 

この声は北上か。

「はい、そうです。席へ案内しますね」

と俺は北上を案内する。

北上は席に座ると私に小声で話しかけてきた。

(で、どうなの?)

(今日中にやるのは無理だ。明日に持ち込む予定だ。)

(作戦とかあるの?)

(あったら苦労しねぇよ)

(青葉にも情報を得る為に走らせてるけど)

(そうか。アイツはこの手に関しては信頼できるからな)

(でしょ?だから走ってるんだ。アイツもやる気満々だからね)

(お前は?)

(私も一応やる気だよ。あんたほどじゃないだろうけどね)

(まあな)

俺は話終えるとメニュー表を差し出した。

 

 

~しばらくして~

 

 

「あ~、似合ってる~」

「似合ってます~」

「当たり前だろ?俺が縫ったんだからよ」

俺は着替え室で二人を着終わらせた後、教室へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、事件が起きたことも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「あれ?亜紀たちは?」

僕らが試合から戻ってくると秀吉や天龍さん、夕立ちゃんや春雨ちゃんを除く女子勢がいなくなっていた。

「どこ行ったんでしょう?」

隣にいる明菜も不思議そうに言う。

 この小説を読んでいる人は思い出してほしい。我がFクラスは53人。そのうち女子は6・・・、間違えた。7人しかいない。今は+αで二人はいっているから9人か。秀吉は女子じゃないからカウントしない。そのうちの6人は消え去ったとなる。つまり残りのほとんどは、むさくるしく嫉妬深い男子と絶滅危惧種級に少ない女子しかいないという事だ。

「「どしたの、皆~?」」

鈴谷さん達がいたから4人か。

「鈴谷にフラン、ほかの皆は?」

「え?いないの?わたしがトイレに行ったときにはいなかったからどこ行ってたのか探してて」

「いつくらいだ?」

「え~と…、15時くらい?」

確かに気の抜けやすい時間だけど、急にはいなくならないだろう。

「・・・雄二はいるか?」

どこから来たの?ムッツリーニ。

「どしたのさ?」

少し焦ってるように見える。

 

「・・・姫路たちがさらわれた。」

 

この時、僕の脳天に稲妻が落ちたような感覚が走った。

「誰に…?」

「・・・不良に。」

「場所は?」

「・・・近くのカラオケ」

「ムッツリーニ。情報は?」

雄二が入ってくる。

「・・・近くのカラオケにいるようだ。」

「攫われてるのか…。チッ」

雄二が苦虫をかみつぶしたような顔で舌打ちする。

 

「・・・どうやら霧島も攫われているみたいだ。」

 

プチンッと何かが切れる音がした。

 

「…何と言った?」




雄二、ガチ切れです。


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第34問

~明久サイド~

 

 

プチンッと何かが切れる音がした。

 

「…何と言った?」

あ、雄二がまじで怒ってる。

「…霧島翔子も攫われている。」

 

ダッ

 

雄二が駆け出そうとする。

 

ガチッ

 

それを彩樹さんに止められる。

「離せ、天龍!はやく翔子を助けねぇといけねぇんだ!」

「馬鹿野郎!テメェが慌ててどうする!」

「あわててなんかない!」

「一旦黙ってろ!深呼吸しろや!」

雄二は言われるがままに深呼吸をする。

「・・・すまなかった。俺としたことが・・・。」

「その反応が普通だ。」

そう言いながら彩樹さんは僕らの方を向いて左手の親指を立てて、入口の方へ振った。

「行くぞ、バカ野郎共。」

僕らはカラオケ店へ向かった。

カラオケ店へ向かっていく途中に様々な情報が解った。

 

・攫われているのは、秀吉のお姉さん、姫路さん、島田さん、亜紀、霧島さんの5人。

 

・不良はおよそ7人。

 

・武器として金属バットを持ってるくらい。後は拘束するためのロープ。

 

これくらいだ。

カラオケ店の前に着いた。

「ここが例のカラオケ店か・・・。」

「よし、お前ら。行くぞ」

「まだだ、代表。」

「なんで?」

「まず役割分担を決めとかねぇと」

「何故決める必要がある。」

彩樹さんは呆れた目で僕らを見た。

「恐らく店員もグルだ。止めねぇわけねぇだろうが。普通はよ」

「それも、そうか・・・。」

「吉井、代表。アンタらは全力でいいから店員を潰してくれ。」

「わかった」「おう」

僕と雄二は頷く。

「土屋は監視カメラのハッキングを任せる。大丈夫か?」

「・・・この土屋康太に、不可能はない。」

あ、ムッツリーニも怒ってる。

 しかし、どうしてこんな状況で彩樹さんは冷静に指示をとばせるのだろうか?僕は不思議でならない。

「木下に須川は増援が来ないようにしてくれ。」

「どうするのじゃ?」

「ホイ」

彩樹さんは二人に拳銃と弾丸を渡す。渡した拳銃は秀吉はコルトSAAで須川君はコルト・バイソンか。って・・・・。

「何ナチュラルに渡してんの?!」

「ん?じゃあこれで」

 

 

スッ(恐らくマグナム弾

 

 

「違う、そうじゃない。なんで拳銃を渡してんのさ!」

「ハァ?じゃあこれだな」

そう言うと彩樹さんは持ってきたバッグから何かを取り出す。

 

 

ガチャ(エンフィールドL85A1

 

 

「たまに弾が出ることがある鈍器渡そうとしないで!」

「殴れるからいいだろうが!」

それもそうか。

「で、彩樹さんは?」

 

「俺が単身で救出に向かう。」

 

「「「「「は?」」」」」

「数が多いだけ邪魔だからな。」

「ハァ?!お前正気か?!」

「正気も何も俺はマジで言ってるんだぜ?」

「・・・死にに行くのと同じだ!」

「大丈夫だ。ただじゃ死なねえよ。」

彩樹さんは笑いながら言う。

 

「じゃあ、やるか。」

 

全員頷くとカラオケ店に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

 俺は廊下を歩いていく。少し早めに、焦らずと。

そして、目的の部屋の前に着いた。中から声が聞こえる。

「ヘッヘッヘ、安心しな、お嬢ちゃん方。悪いことはしねえ。ただ囮となってもらうだけさ…。」

「何する気!」

「いやだー!怖い―!」

「・・・嫌、・・・嫌・・・!」

「きっと後悔するわ!ええ!きっとどこかでね!」

「うるせえ女だ!」

 

ガッシャーン

 

「きゃあ!」

俺はふうとため息をつくとガチャッとドアを開ける。

「何だ、お前は?」

「いえ、少し楽しそうでしたので」

等と言いながら、近くにいた不良の肩を掴む。

「?」

「うちの奴らがお世話になりましたね!」

そして、股間を蹴り上げた。

「はぐぉお?!!!」

男はうずくまった。他の奴らが口々に言う。

「こいつだ!やっちまうぞ!」

「おう!」

しばらく俺はうまいこと避けながら攻撃していた。この調子ならいける!そう思った直後、後頭部に衝撃が走った。

「ヘヘッ、油断したなぁ。」

金属バットか・・・!起き上ろうとしたが、間髪入れずに殴られる。蹴られる。踏みつけられる。頭部から出血していた。視界が少し赤い。無理矢理起き上がらされると腹にパンチが来る。正確に言えば鳩尾か。口から血を吐く。

「ゴフッ・・・」

そして、俺は気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロス

 

 

 

 

 

 

 

 

~神田サイド~

 

 彩樹さんが…!彩樹さんが…、やられてしまいました……!私たちがふがいないばっかりに…、彩樹さんが…!そう思うと涙がこみ上げてきました。情けなかった。自分が情けなかった。私がこんなことになったばっかりに…!彩樹さんがあそこまで酷い目に合わされるなんて・・・!助けてよお、明久ぁ・・・!

「ヘッ、邪魔者も片付いたことだし。やるかぁ」

「抵抗もできないしな。」

・・・嫌!・・・嫌!私はそう思いながら震えていました。しかし、

 

「ガァ?!!」

 

『?!』

全員その場にいた人たち皆びっくりしました。何故なら・・・。

 

 

 

 

 

 

何故なら、彩樹さんが悪い人の一人の首を絞め上げていたんですから。

 

 

 

 

 

 

その時、彩樹さんは血まみれでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

 俺は起き上がると男の一人の首を絞める。口から泡を吹き、ガクンッとなると俺は手を放した。男は力なく倒れる。それを蹴飛ばすとゆっくりと残りの奴らの方を向いた。

「か、かかれー!」

「お、おうよ!」

 俺は殴りかかってきた奴の顔面にストレートをお見舞いする。陥没したように見えた。次にきた奴をラリアットで潰す。顔面に当てる。足が浮いていた。そのまま背中を打ち付けていた。金属バットで途中頭を殴られたが、カウンターで殴り返す。次にとびかかってきた奴の髪を掴んで机にたたきつける。血が飛び散った。女子が悲鳴を上げる。更にもう一人の鳩尾を殴ってうずくまったところを蹴り飛ばし、もう一人の顔面に膝蹴りをくらわす。間髪入れずに股間を蹴り上げる。最後の奴には俺が飛びかかってドアにたたきつける。ドアが外れて廊下に倒れる。其処に俺が間を開けずにマウントポジションに乗っかり、殴る。殴る。殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴るナグルナグルナグルナグルナグルナグル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 気が付くと俺の拳は血まみれに、殴られていた奴は痙攣を起こしていた。顔はほとんど原型がない。顔の周囲には血溜まりが出来ていた。俺は顔をぬぐいもせずに女子の方を向く。少し怖がっていたが、気にせずにロープをナイフで切った。俺は女子どもに早く店から出ていくよう指示すると、ロープで不良どもを縛っておく。どうせ片付けてくれるだろ。俺は少し溜息を吐くと、皆の所へ向かった。後ろから声が聞こえた。

 

 

「いや~、これは良い情報材料ですね~。」

 

 

・・・あいつか。ホント神出鬼没だな。俺はフッと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「明久~」

「ごめんね、怖かったね。もう大丈夫だよ。」

僕は泣きながら抱き着いている亜紀をなだめていた。

「えぐっ・・・えぐっ・・・」

「済まなかった翔子。俺がもう少ししっかりしていれば…!」

「・・・ううん・・・!雄二のせいじゃない・・・!」

「怖かったわ…」

「姉上、もう大丈夫じゃ。」

「うわあああん!」

「姉上、よくこらえたのお…。」

周りも同じか。ついでに島田さんと姫路さんは工藤さんとムッツリーニがなだめている。

「ところで彩樹さんh・・・!」

僕は言葉を詰まらせた。当たり前だろう。

 

 

 

血だらけのクラスメイトが出てきたら誰だって驚くに決まっている。

 

 

 

「てん・・・りゅう・・・?どうしたんだ、それ…。」

雄二が聞く。

「・・・少し手間取っただけだ。帰るぞ。」

僕らは帰ることにした。

 

不良のその後は知らないまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~NOサイド~

 

不良たちが意識を戻すと真っ暗だった。いや、正確に言えば目隠しをされていた。更に椅子に座らされ拘束されていた。

「気が付きましたか?」

誰かが話しかけてくる。

「何を…、する気だ…。」

1人が問いかける。不安なのだろう。声が弱々しくなっていた。

「ちょっと情報を聞き出そうと思いましてねー?」

声の主は楽しそうに言う。どうやら楽しみにしているようだ。

「じゃあ、それ用の準備をしますねー。」

と言った後、少し静寂が訪れる。

「では、始めまーす。あ」

ぱんっと手を合わせる音が響く。

 

「貴方達の座っている椅子、電気椅子ですからね?嘘をついたと思ったら、殺しますよ?情報さえくれたら助ける『かも』しれませんがね?」

 

「わかった!わかった!嘘はつかない!」

彼女はにやりと笑うと質問をし始める。

「じゃあ、一つ目。何のためにさらったんですか?」

「・・・営業妨害だ。」

「そうですか。次、何故カラオケ屋に?」

「・・・あそこなら一番解りやすいと思ったからだ。」

「あれ、変ですね?攫うんだったら解らないような場所にいく方がよかったのでは?何か待っていたのですか?」

「・・・吉井明久と坂本雄二をおびき寄せるためだ。」

「それで使ったと」

「ああ」

「で、実際に来たのは?」

「女だった。」

「特徴とか覚えてます?」

「確か…、左眼に傷があったな。」

「他には?」

「紫色」

「何が?」

「髪が」

「よく覚えてますね」

「印象に残ってたんだろうな」

「名前は知ってます?」

「いや、知らん。」

「本当に?」

「本当だ!信じてくれ!」

「いいですよ。信じましょう」

「ホッ・・・」

「・・・ところで」

「なんだ?」

 

 

「誰に命令されたんですか?」

 

 

「え・・・、それは・・・。」

「電気椅子」

「やめてくれ!竹原と言う人だ!」

「・・・へえ~、そうなんですか。」

「あいつは俺達に金と2枚の写真を渡してこういったんだ。『吉井明久と坂本雄二を殺せ』と!だからやったんだ!」

「嘘ではないですよね?」

「本当だ!本当だから!」

「そうですか…。成程。」

彼女はにやりと笑うと言った。

「これで質問は以上です。」

「そうか、だったらこれを外してくれ。」

「何を言ってるんですか?」

「は?」

 

「誰が助けると言ったんですか?」

 

「お前が言ったろうが!」

「え?私は『助けるかもしれない』とは言いましたが」

 

 

――――『助ける』とは一言も言ってませんよ?――――

 

 

「貴様、まさか…!」

 

「あ、自己紹介を忘れていました。私、青葉と言います。よろしくお願いします。そして」

 

 

――――サヨウナラ――――

 

 

次の瞬間、電気椅子が作動した。悲鳴が上がった。

「う~ん、上手く焼けちゃいましたね~。」

と彼女は言った。

「じゃあ、あの人に処理してもらいましょう♪」

彼女は楽しそうに死体を片付け始めた。

 




青葉
種族:人間
性別:女
国籍:日本
誕生日:2月4日
誕生花:ヒトリシズカ
花言葉:静謐(静かで落ち着いていること。また、そのさま。)
一人称:「私」
CV:洲崎綾
身長:175㎝弱
バスト:C(?)
好きな食べ物:パスタ(と思われる)
嫌いな食べ物:チーズケーキ(らしい)
好きな単語:情報
家族構成:不明
飲んでみたいアルコール飲料:不明
好きな戦車:不明
好きな国:不明
特殊能力:『強制完全自白』
 人の知っている情報を完全に自白させる。
解説 
 対テロリスト用武装集団「A.K」の「Tiger」の一員。彼女の経歴はほとんど謎に包まれている。大体の人には敬語を使う。かなり外道な所があり事情聴取の時にそれが大きく出る。何となく胡散臭いが、情報は絶対と言っていいほど正確な事ばかりなので信頼はされている。天龍とは何だかんだで仲がいい様子。「いつもどこかで神出鬼没。這い寄る外道。その時の恐さはクトゥルフ級」(天龍談)


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第35問

 小説を書くとき、期待している人がいることを思い出すと、真剣に書くことができる。

 ただ、それが拘束具にもなるが。











辛い。













だが、やるんだ。


二日目

 

 

~天龍サイド~

 

俺達は全員教室に揃い、代表が目の前に立っていた。

その時、放送用のスピーカーからノイズが聞こえた。

 

『只今より、清涼祭二日目を開催します!』

 

という、宣言が。

 

代表はそれを聞くと拳を掲げて叫んだ。

 

「てめぇら!今日が最後だ!死ぬ気でやるぞぉ!」

 

『おっしゃああああああ!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

 

 

 

 

 

「天龍?準々決勝だよ~?」

「マジで?すぐ行くわ」

夕張が俺を呼んできた。

「天龍。昨日また無理したの?」

「誰から聞いた?」

「坂本君から聞いたよ?血まみれだったって。」

「・・・まあな」

「無理しないでよ?」

「善処する。」

そんな会話をしながら俺達はリングに立つ。

「お前らか。」

「彩樹さん?!」

「彩樹?!」

相手は島田と姫路だった。

「此処でお前らには脱落してもらいたいんだが。」

「そう言うわけにはいかないわ!」

「こちらにも意地があるんです!」

「だよなぁ。」

「準備は良いですか?」

「「ああ(うん)」」

「「ええ(はい)」」

 

「では、試合を開始してください!」

 

「「「「試験召喚獣、召喚。サモン!」」」」

 

   2年Aクラス代表補佐 夕張芳香 299点

   2年Fクラス代表補佐 彩樹天龍 300点

家庭科      VS

   2年Fクラス 島田美波 245点

   2年Fクラス 姫路瑞希 30点

 

「・・・ッ!行きます!」

「宣言すんな、阿保」

姫路の大剣がふり降ろされる。

俺はサイドステップでよけると鎧の隙間をつく。

 

ガキィ

 

相手が体を少しよじったせいで鎧に弾かれてしまった。めんどくせぇ武装だなぁ・・・。

「くらって下さい!」

姫路が再び大剣を振り下ろす。

 

 

ガキィィィィンッ

 

 

俺は刀で受け流さずに受け止める。凄い音がしたが、構わない。俺は刃が削れながらも滑るように懐に潜り込み、頭突きをかます。

相手がひるんだ瞬間に首を貫いた。

 

ドガァ

 

と鈍い音がした。その方向を見ると島田の召喚獣がこちらへ飛んできていた。

俺は刀で一閃する。

 

「この勝負、彩樹天龍&夕張芳香ペアの勝利です!」

 

俺達は喜び合った。これで準決勝進出確定だ。

 

 

帰っている途中で吉井兄妹と出くわした。

「彩樹さん、おめでとう」

「おうよ。吉井、お前らはBコートだよな?」

「うん。準決勝戦だよ」

「そうか。勝てたらいいな。」

「そだね。」

「じゃあ、健闘を祈るぜ」

「ありがと」

俺達は吉井兄妹と別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

「兄さん、頑張ろう!」

「うん、そうだね」

僕らはリングへ上がる。

 

「遅かったじゃねぇか。」

 

聞きなれた悪友の声が聞こえた。

「雄二、やっぱり君なんだね。」

「ああ。俺も意地があるんでな」

「僕にもあるよ」

「お互い様だな。」

「まあね。違うところは兄妹かカップルかの違いだけど」

「では、準備はよろしいですか?」

僕らは少し身構える。

「「ああ(・・・はい)」」

「「大丈夫です(問題ありません)」」

「では、召喚してください!」

 

「「「「試験召喚獣、召喚。サモン!」」」」

 

 

  2年Aクラス代表 霧島翔子 240点

  2年Fクラス代表 坂本雄二 66点

古典     VS

  2年Fクラス代表補佐 吉井明久 56点

  2年Fクラス 吉井明菜 44点

 

 

(明菜、雄二をお願い。)

(はい、わかりました。)

僕らは走り出した。僕の真正面には雄二の召喚獣がいる。しかし、僕はそれを狙わず、霧島さんの召喚獣に狙いを定める。明菜は雄二に狙いを定める。

 

ガキィン

 

負けられない戦いが幕を開けた。




どうでしょうか?


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第36問

~雄二サイド~

 

俺は防戦必死になっていた。時々俺がカウンターに動こうとしたら呼んだかのようにバックステップを踏まれる。相手は明久の妹だ。しかし、召喚獣の操作がそこまでうまいというわけではない。というより、アイツがすごいだけだが。それでもここまで抑え込まれるとは思わなかった。幸いなことにアイツの攻撃は一個も当たっていない。

「チィ・・・!」

俺は舌打ちする。まさかここまで相性が悪かったとは・・・!

 

~三人称サイド(CV:水どうのナレーター)~

 

此処で皆様に一つ、説明しよう。

彼らの持っている武器を思い出してほしい。吉井明久は木刀、吉井明菜は銃剣、霧島翔子は日本刀、坂本雄二はメリケンサックだ。今、戦っている組は坂本雄二氏と吉井明菜氏だ。しかし、これが坂本雄二氏が苦戦する原因にもなってしまったのだ。

 そもそも、銃剣という武器を思い出してほしい。あれは突撃用に作られたものであるため、振って斬ることにはまったく向いていない。突くことが専門となる。

これに対し、メリケンサックは超近距離戦御用達の武器である。しかし、これでも彩樹天龍氏等がもっている刀に対しては意外と相性がいいのである。理由がある。拳を突きだせば、防ぐことが出来るからである。槍などの突く専門の武器に対して相性は最悪でなる。いや、まだ槍はまだいい方だろう。懐に潜り込めば一方的にやれるからだ。

しかし、銃剣だと話は違ってくる。先程も説明したように銃剣は突撃専門でつくられた武器である。銃剣道をやったことがある人や見たことがある人はわかりやすいと思うが銃剣は体の半分ほどの長さがある。構えるとそんなにリーチは長く見えないが、実際に戦うとその長さが真価を発揮するのだ。しかも、そのある意味中途半端なリーチのせいで懐に中々もぐりこめない。坂本雄二氏はそれに苦しめられているのだ。しかし、もう一つ理由がある。銃剣は突き以外の攻撃に向いていないことが理由である。つまり、メリケンサックでは防ぎにくいのである。吉井明久氏は其処まで考えて自分の大切な妹を倒すべき悪友にぶつけたのだ。恐るべし、吉井明久・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

ヤバい、マジで死ねる・・・!

僕は今必死になって霧島さんの攻撃をよけながら木刀で突きを入れていた。だが、カスダメしか入らねぇ。

 

2年Aクラス代表 霧島翔子 200点

 

点数に補正がかかる。しかし、いまだに40点しか削れてないのか・・・!

原因はあの防具だ。固すぎる。僕の今の点数では一点集中しても破壊することは難しいだろう。寧ろ、ヒビを入れることすら無理かもしれない。

 

ザクッ

 

「ガァ・・・?!」

右腕に激痛が走る。召喚獣を見ると右腕にずっぷりと日本刀が刺さっていた。

「くそがぁ!」

僕は霧島さんの右手を木刀で叩き割るとすぐに距離をとった。

続く



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第37問

~霧島サイド~

 

私は刀を左手に持ちかえる。右手は使えなくなっていた。

 

観察処分者でなくとも、フィードバックは多少かえってくる。痛い。

 

少なくとも、吉井明久はこれ以上の痛みを感じていることだけはわかった。

 

今はかなりの点数差がある。しかし、油断はできない。何故なら、相手は吉井明久だから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

僕は左腕で構えさせる。左腕の痛みが思考回路に支障をきたす。なんとか意識をつなげ、はっきりさせる。

 

歯をくいしばり、力を入れないように肩を落とし、深呼吸を行う。まっすぐ見つめる。

 

木刀は削れている。しかし、一撃なら耐えてくれそうだ。

 

僕は木刀を構えると、突撃した。

 

 

  2年Aクラス代表 霧島翔子 200点

古典      VS

  2年Fクラス代表補佐 吉井明久 21点

 

 

僕の召喚獣の左手で振り下ろした木刀が、霧島さんの召喚獣の頭を直撃する。それと同時に霧島さんは僕の左腕を切り裂いた。激痛が走る。再び意識を手放しそうになる。

 

 

  2年Aクラス代表 霧島翔子 DEAD

古典      VS

  2年Fクラス代表補佐 吉井明久 1点

 

 

明菜は大丈夫かな・・・?僕はその場に膝をついた。

 

 

「明久、決着だ」

 

 

僕はその声を聞き、ふっと笑う。

「雄二、・・・・やっぱり君は僕の前に立ちはだかるんだね」

「当たり前だろ。お前を打ちのめすのは俺の仕事だからな。」

「・・・じゃあここで決着をつけよう」

僕は立ち上がると、召喚獣に構えさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~坂本サイド~

 

俺は召喚獣にバックステップをとらせる。相手は警戒しているようでそれ以上近づいてこなかった。様子を見ているのだろう。

俺は少し構えなおすと相手を見据える。『待ち』の体勢だ。

俺が中学の時に喧嘩に明け暮れていた時に身に付けた戦法だ。

明菜は少し驚いたのか、目を見張る。しかし、すぐに目つきを鋭くすると体を前後に揺らし始めた。

 

・・・なんの、体勢、だろうか?

 

次の瞬間、奴は飛びかかってきた。俺はそれに合わせるように体を動かし、カウンターをぶち込んだ。

 

 

  2年Fクラス代表 坂本雄二 2点 

古典      VS

  2年Fクラス 吉井明菜 DEAD

 

 

腹部に銃剣の刃が突き刺さっていた。しかし、急所には当たらなかったようだった。

俺は明久の方を見る。明久の召喚獣はズタボロだった。

しかし、それはこちらも同じことだ。

俺は言う。

 

 

「明久、決着だ」

 

 

すると明久はふっと笑い答えた。

 

「雄二、・・・・やっぱり君は僕の前に立ちはだかるんだね」

 

「当たり前だろ。お前を打ちのめすのは俺の仕事だからな。」

「・・・じゃあここで決着をつけよう」

そう言うと明久はゆっくりと立ちあがった。

「くたばれ雄二いいいいいい!!!!!!!!!!」

「くたばるのはお前だ、明久あああああああ!!!!!!!!!!」

お互いの拳がさく裂した。

 

「・・・片手じゃあ、やっぱり無理があるかぁ・・・。」

 

そう言うと明久は笑いながら言った。

「雄二、決勝、おめでとう。」

俺は明久にこう返した。

「ナイスファイトだったぞ、明久ぁ!」








同時刻のAコートでは、工藤&土屋ペアが保健体育で常夏コンビを瞬殺したもよう。




更にそこを天龍&夕張ペアの技術により、瞬殺されたもよう。


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第38問

OP:海色

ED:バカ・ゴー・ホーム


「皆様、お待たせしました!いよいよ決勝戦です!」

司会がそう宣言すると観客席から歓声が響いた。そして、この司会はどうやらその道に精通する人間を雇ったのだろうと選手たちは思った。

「ここまででAコートとBコートのそれぞれで戦いが繰り広げられました!そして、その中を勝ち抜いてきた両チームが、今!此処でどちらが最強か決着をつけるのです!」

更に歓声が大きくなった。

「では、登場してもらいましょう!

 

赤コーナー!2学年Aクラス代表の霧島翔子と!同じく2学年Fクラス代表の坂本雄二です!これは代表同士のコンビだぁ!Aコートを制して此処まで上り詰めてきたぁ!そして、あの二人は付き合っているという噂があるぞぉ!」

そう紹介された二人がリングに上がると客席がさらに盛り上がっていた。

 

ワアアアアアアアアア・・・・・

 

「続きまして、青コーナー!Bコートを制し、勝ちあがってきたチームです!2学年Aクラス代表補佐の夕張芳香と!同じく2学年Fクラス代表補佐の彩樹天龍だぁ!相手が代表コンビなのに対し、こっちは代表補佐のコンビです!」

二人がリングへ上がると、夕張は手を振って、天龍は左の拳を掲げてアピールした。

「これは今までにない対戦カードですね!」

「ええ、そもそも今までAクラスとFクラスのペアは今までありませんでしたし、それに代表と代表補佐が対戦することも前例がありませんでしたからね。」

「これは期待してもいいんですかね?!」

「はい、期待しても大丈夫だと思います。では、赤コーナーにいるリポーターの新野すみれさん!」

 

 

「・・・はい!今、私はこちらの赤コーナーにいます。では、さっそくインタビューしてみましょう!すいませ~ん」

「ん?なんだ?」

「わたくし、新聞部の新野すみれと言います!今回はインタビューさせてもらいます!」

「ああ、どうぞ」

「ズバリ、お二人は優勝は狙っていますか?!」

 

「もちろん、優勝を狙う」

「・・・優勝したい。」

 

「おお!お二人とも自信満々ですね!では、二人はお互いのことをどう思っていますか?!」

 

「「(・・・)将来の妻(夫)」」

 

客席からヒューヒューと二人を茶化す音が聞こえた。

「お熱いですねぇ~。ありがとうございました―!」

「はい、中継の新野すみれさんでした!では、青コーナーにいる井川健吾に中継してもらいましょう!井川さーん!」

 

「・・・はい!只今私は青コーナーにいます。では、インタビューしてみましょう!どうも~、こんにちわ~。」

「あぁ?」

「新聞部員の井川健吾です!今回はインタビューしようと此処に参りました!」

「・・・どうぞ」

「ズバリ、優勝は狙ってますか?」

 

「ここまで来たんだ。狙ってないわけねぇだろ。」

「狙ってるに決まってるわ」

 

「ハイ!では、お二人はお互いをどう思っていますか?!」

 

「背中を任せれる友人」

「頼りがいのある親友」

 

「お互い信頼し合ってるんですね!有難うございました~!」

「では、両チーム!召喚準備をお願いします!」

4人は構える。

「・・・翔子」

「・・・何?」

「優勝するぞ!」

「…うん!」

 

「天龍」

「あ?」

「優勝しよう」

「当たり前だ」

 

「では、両チーム、召喚してください!」

「「「「試験召喚獣、召喚!サモン!」」」」

魔法陣が展開され、そこから召喚獣が現れる。

 

 

   2年Aクラス代表 霧島翔子 299点

   2年Fクラス代表 坂本雄二 280点

日本史      VS

   2年Aクラス代補 夕張芳香 270点

   2年Fクラス代補 彩樹天龍 278点

 

 

「では、開始してください!」

試合のゴングが鳴らされた。次の瞬間、天龍は召喚獣を猛スピードで動かし、雄二の召喚獣に斬りかからせた。

 

 

ガキィ!

 

 

「っ・・・!」

「テメェの相手は俺だぁ、代ひょ・・・いや、坂本雄二ィ!」

「望むところだ!」

 

 

キィン

 

 

一方では夕張の召喚獣に霧島の召喚獣が斬りかかっていた。天龍はそれを横目で見て少し不思議そうな顔をしたがすぐに前を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕張サイド~

 

私は代表の攻撃を防がせるとカウンターを打ち込む。手ごたえはそんなになかったようだ。

 

 

   2年Aクラス代表 霧島翔子 286点

   2年Fクラス代表 坂本雄二 280点

日本史      VS

   2年Aクラス代補 夕張芳香 270点

   2年Fクラス代補 彩樹天龍 278点

 

 

今度は連続で突きを入れてくる。上手くそれをそらしながら後ろへ下がるが、いくらかさばききれなかったものが点数を削ってきた。

私は再びカウンターを打ち込ませるとすぐに後ろへ飛ばせる。

 私は横目で天龍を見る。真剣な雰囲気だった。髪のせいで表情をうまく見ることはできなかったが。

・・・私は昔を思い出した。天龍は幼馴染だ。昔はあんな性格ではなかったが。

あの頃から友達のいない私をリードしてくれた。私が迷った時は常に手を貸してくれた。

何故自分に手を貸すのか、と聞いたことがある。すると、アイツはこう答えた。

 

 

『え?人を困っているのを手助けするのに理由なんているの?』 

 

 

それを聞いて、わかったことがある。

天龍は、常に全力で物事に取り組むことを。理由なんていらない。ただ、取り組めばいい。彼女はそんな考え方だった。

・・・今の彼女は昔と比べてがらりと変わってしまった。

 

殺気なんて昔は出していなかった。

 

髪なんて短くなかった。

 

口調も荒くなかった。

 

一人称も『俺』じゃなかった。

 

拳銃なんて持ってさえいなかった。

 

ただ、変わってなかったのは私を信頼していたことだった。

 

 

『背中を任せられる友人』

 

 

・・・天龍は私を信頼している。だったら、私はそれにこたえよう!私は召喚獣を殴りかからせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

キィン

 

キィン

 

俺は召喚獣を駆使し、代表に連撃をかます。

代表は苦そうな顔をしながらさばき切っていた。

さすがだな、代表。だが、これはどうだ!

俺は召喚獣にナイフを投げさせる。代表がそれを弾いた瞬間、一気に斬り込んだ。

 

シュッ

 

どうやら服を掠っただけのようだ。代表の召喚獣はバックステップをとっていた。

 

・・・少し厄介だな。

 

続く

 



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第39問

OP:海色

ED:バカ・ゴー・ホーム


天龍は召喚獣にバックステップをとらせる。

 

坂本の召喚獣の拳は空中を殴っていた。

 

夕張と天龍の召喚獣は背中合わせになる。

 

「夕張」

「何?」

「交代だ」

「・・・わかった!」

 

天龍は召喚獣を霧島の方へ向けて走り出させる。

逆に夕張は坂本の方へ走らせた。

 

「っ・・・?!」

「持ち場交代ってか…!」

 

ガキィン

 

ギィィィン

 

天龍の刀を霧島は刀で受け止め、夕張の拳を坂本は拳で相殺していた。

 

 

「さあ、ここからは本格的にすてきなパーティーの幕開けだ!」

 

 

天龍が叫ぶ。それとほぼ同時に観客から大きな歓声が沸き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

俺は召喚獣を駆使し、霧島さんの召喚獣を猛攻する。しかし霧島さんは召喚獣をうまく操り、俺のはなった猛攻は1、2発当たっただけだった。

 

 

   2年Aクラス代表 霧島翔子252点 

   2年Fクラス代表 坂本雄二272点

日本史    VS

   2年Aクラス代補 夕張芳香254点

   2年Fクラス代補 彩樹天龍267点

 

 

霧島さんが召喚獣を斬りかからせる。俺は剣でさばかせるがいくらか被弾してしまった。

「チッ」

俺は軽く舌打ちすると、カウンターを打ち込む。

 

・・・残りのナイフは一本。左手には刀。

 

・・・・さて、ここからどうやって決着(ケリ)をつけてくれようか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~坂本サイド~

 

俺は夕張の攻撃を全て防ぎきるとバックした。

メリケンサックのとげが少し欠けていた。・・・何故だ?

俺は翔子を見る。天龍と五分五分の勝負を繰り広げているようだ。

 

・・・俺は召喚獣に構えさせると夕張(てき)の様子をうかがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

ダッ

 

突如、霧島さんが斬りかかってきた。俺は召喚獣をよけさせる。

 

ブォン

 

剣が空中を薙ぐ音が聞こえた。

しかし、霧島さんは召喚獣をまだうまく扱いきれてない。今がチャンスだ!

そう俺は思うと召喚獣に霧島さんの召喚獣の後ろに回り込ませる。

そして首に狙いを定め、突かせる。

それと同時に霧島さんが剣を横振りしてくる。俺は左腕を突きださせる。腕一本ぐらいくれてやる!

 

ザクゥ

 

俺の召喚獣の刀は霧島さんの召喚獣の首を貫通していた。逆に霧島さんの刀は俺の左腕を広く、そして浅く斬っていた。縦に斬られていた。しかし、まだ稼働できる範囲内だった。

 

「霧島さん、チェックメイトだ」

 

「・・・そうね」

俺は召喚獣に刀を抜かせる。刀は血に紅く塗れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕張サイド~

 

私は相手の腹に拳を叩き込ませる。同時に相手の拳が私の召喚獣の右頬に突き刺さる。

 

お互いかなり点数が削れていた。

 

 

 

だけど、此処で終わらせる!

 

 

 

私は落ちていた天龍の召喚獣のナイフを拾わせると思い切り投げつける。

相手は案の定よける。

私はさらに一歩踏み込み、相手の召喚獣に胸に拳を叩き込ませた。

同時に私の腹部に敵の拳が突き刺さった。

 

 

   2年Aクラス代表 霧島翔子 DEAD

   2年Fクラス代表 坂本雄二 DEAD

日本史    VS

   2年Aクラス代補 夕張芳香 4点

   2年Fクラス代補 彩樹天龍 2点

 

 

「勝負あり!優勝は、彩樹・夕張ペアです!!」

 

私はへたへたとしゃがみこんでしまう。客席から歓声が沸き起こる。天龍が私のそばに来てくれた。

天龍は私に手を差し伸べながら、言う。

「立てるか?」

「うん」

私は立ち上がると天龍に抱きついた。嬉しさのあまり涙が流れそうになったのを見られないようにするためだった。

「どうした?」

「やったよ、私たち!優勝だよ!!」

「・・・そうだな」

天龍は優しく私を抱きしめ返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

しばらくして俺は夕張と別れると代表たちと合流した。霧島さんとはすでにわかれたようだった。

「吉井?そいつは?」

「人の話を聞かなくて・・・。」

「ああ、そうか」

俺達は学園長室のドアをノックすると入室した。俺が先陣を切る。

「失礼します、学園長。俺達のチームがベスト3に入ったことを知らせに来ました。」

「聞かなくても言わなくてもわかってるさね。」

一瞬だがイラッと来た。

「で、学園長。景品は?」

吉井が目をキラキラさせながら言う。・・・こいつ、チケットを狙ってやがる。

「これさね。で、『白銀の腕輪』と『黒金の腕輪』は誰がつけるさね?」

「黒いのは代表がつけたらどうだ?」

「何故?」

「俺じゃあ扱いきれねぇだろうし、それに俺の性に合わん。」

「白銀は?」

「これを装備する条件として『腕輪を使用する時の科目が学年平均以下』だろ?」

「うん、そうだけど?」

「吉井、テメェが適任だ。つけろ」

「ゑ?」

「え?じゃねぇよ。つけろ」

「う、うん」

「ただし、それを起動させる条件は知ってるな?」

「確か…『使用する時の科目が学年平均以下』だっけ?」

「ああ」

「で、BBA長。畳の改修の件についてなんだが・・・。」

「っ!代表!その話はまずい!」

俺はドアを開け、廊下を見ると二人の男子生徒が走っていくのが見えた。

「あの野郎・・・!まだあきらめていなかったのか!」

「まさか・・・!」

「盗聴された可能性がある!代表!」

「何だ?!」

「奴らは多分教頭の野郎につけ込むつもりだ!先回りして待ち伏せてくれ!」

「ああ!」(ダッ

「明菜は万が一の為に放送室と屋上の器具を()っとけ!」

「はい!」(ダッ

「吉井は素直にアイツらを後ろから追いかけてろ!」

「OK!」(ダッ

俺は全員に指揮を出すと自分の教室まで駆け上がる。

そして後ろの古錆びたロッカーからバズーカを取り出す。

更にEクラス前の空き教室のドアをけ破ると床に向かってそれを打ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

「待ってたぜぇ、先輩方よぉ…。」

「お前ら…!」

僕が追い付くとそこには雄二をにらむ常夏コンビがいた。

「観念しろ、常夏コンビ!」

僕は叫ぶ。

「ハッ、誰がお前らなんかn」

 

 

ドォォォォンッガラガラガラ・・・

 

 

一瞬思考が停止した。いや、たぶんその場にいた全員が硬直していた。

 

「アキ兄、放送器具全部壊しといたよー。って、あれ?どうしたの?」

 

明菜は状況が解っていないようで頭の上に疑問符を浮かべている。

しかし次の瞬間、常夏コンビ以外のその硬直はとかれることとなった。

 

 

教頭室から彩樹さんが土埃まみれで竹原教頭を引きずって出てきたのだから。

 

 

「さっきの轟音はなんだ!」

ゲ?!鉄人?!!

 

「俺がバズーカを撃ちました。」

 

彩樹さん?!

「ついでにアイツらを補習室送りにしてください。」

見ると常夏コンビはいつの間にか雄二によって縄で縛られていた。

「・・・で」

ん?

 

 

「何をしとるんだ、貴様らぁ!!!」

 

 

次の瞬間、彩樹さんは窓から飛び降りていた。僕らもそれに続く。

「待てぇ、貴様らぁ!」

「待てと言われて待つ人がどこにいるんですかぁ!!」(明菜)

「余程補習を受けたいようだな!!!」

「勘弁してつかぁさい!!!」(彩樹さん)

「助けてー!!変態教師に犯される―!!!」(僕)

「誰かー!!この筋肉モリモリ、マッチョマンの変態を止めてくれー!!!!」(雄二)

「何をさけんどるかぁ!!!」

「お前ら、失礼過ぎにもほどがあるだろ!!」(彩樹さん)

しばらくの間、僕たちは鉄人と追いかけっこをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「イテテ・・・。鉄人の奴まじで殴りやがって・・・。」

結論だけ言おう。俺達は捕まっちまったんだ。

「だけどさ、厳重注意だけで済んでよかったことない?」

吉井の言う通り、俺達は一時間くらい正座で説教を浴びせられ続けられた上での拳骨一発で済んだのだ。明菜と俺は拳骨は免れたが。女性でよかった。

「私は退学を覚悟していましたが・・・。」

明菜の言う通りだ。本当は退学になってもおかしくないことを俺達はしたのである。

「ま、学園長が何か西村先生に言ったんだろ。教頭室と引き換えに学園の将来を守れただけよかったじゃねぇか。」

「僕らの脳細胞も犠牲になったけどね」

「それらすべてをくるめて、『コルテラル・ダメージ』というんだ。」

・・・何か忘れてる気がするが、まあいっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~NOサイド~

 

竹原は学園から抜け出し、路地裏へ入る。

そして後悔した。

血が散乱していた。その中心に変な中華風の格好をしたヒト(?)が座っていた。

竹原に気付いたようで顔を向ける。

そしてニヤァ・・・と笑うと彼に襲いかかった。

その時、竹原は襲い掛かってくる者の顔を見た。見てしまった。

 

奴の口は裂けていた。

 

そう思った直後、彼は首が胴体から離れていた。

 

「・・・不味い」

彼女はペッと竹原の肉塊を吐き捨てる。

そして、どこかへ姿を消した。

 

その出来事は翌日のニュースで取り上げられることはなかった。

 

学園祭編 了




やっと終われましたよ、学園祭編!

次は少しこの小説の召喚獣の設定などを書いて行こうかと思っています!


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参:強化合宿編
第40問


バカテストのネタが浮かびません。












~吉井サイド~

 

僕はいつも通りに学校に来た。そして玄関で秀吉と会い靴箱を開けると手紙が入っていた。

秀吉が覗き込んでくる。

「ラブレターかの…?」

「・・・。」

「・・・!明久?!どうしたのじゃ?!」

「っ・・・。ゴメン、前の出来事が・・・。」

「ああ、逃げ惑った時かの?」

「それそれ」

「で、中身は?」

「まだ見てないよ。・・・って、須川君?!」

僕らが後ろを振り向くといつの間にか須川君が後ろに立っていた。

「いつの間におったのじゃ?!」

「いや、さっきからいたが?」

「「全然気づかんかった・・・。」」

「それだけそっちに集中してたんだろ。で、吉井。それ中身は?」

「う、うん」

僕は中身を開ける。

「こ、これは・・・!」

「うわ・・・。」

二人は絶句した。僕もそうだ。

 

 

『同クラスの女子に近づくな。もし近づいたらコロス』

 

 

の書かれた紙と共に

 

 

僕の女装写真があったのだから(第20問参照)。

 

 

「・・・最悪だぁああああああああ!!!!!!」

僕の朝は最悪から始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・・・」

僕は大きなため息をつく。

「大丈夫か?」

「ほっといてやろうぞ・・・。」

どうしよう・・・。

「どうしたんだ、お前ら?」

「あ、彩樹さん・・・。」

彩樹天龍。彼女は僕らFクラスの代表補佐を務めている。

「どうした、吉井。変な顔して。まるでこの世に絶望したみたいな顔してるぜ?」

何故こうたとえが的確なのだろうか?

「そんなに変な顔してる?」

「顔面蒼白の上に死んだ魚のような目だぜ?」

「本当に?」

「ああ」

鏡ないかな・・・。って、そうじゃない。

「ねえ、彩樹さん」

「なんだ?」

「もし、もしもだよ?僕の女装写真を手に入れたらどうするの?」

「・・・急にどうした、お前。」

「いや、僕は君に訊いてるんだよ」

「そうだな・・・、とりあえず亜紀に渡しとくわ」

亜紀になら見られてもいいや。

「何かあったのか?」

「いや!な、何もないよ?!」

 

「何してるの、二人とも。」

 

其処に僕の天敵である島田さんがやってきた。

「「うわ・・・。」」

「何よ、その反応」

「自分の胸に聞け。いや、聞く胸もないか」

彩樹さんにパンチが繰り出されたが彩樹さんはその手をひねって関節技をかけていた。

 

ゴキィ

 

今、明らかに変な音したよね?

「私も気になります。」

「姫路さん・・・。」

君は呼んでないんだよ。

「何でそんな疲れたような顔になってるんですか?」

「亜紀、君を待ってたんだ。」

やはり僕には君しかいないようだ。

「ん?なんだこれ?」

彩樹さんが僕がうっかり落としてしまった脅迫状を拾い、中身を見ようとする。

「あ、彩樹s(ガシィ)イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイt(ry」

僕にアイアンクローをかける意味は全く持ってない筈だ・・・!

「あー、そういうことか。」

彩樹さんが拘束から解放する。凄い痛い。

「これは土屋に聞くべきだろ。」

「ああ!成程、彩樹さん!流石は代表補佐だね!」

「いくら俺でもこれは照れるな」

全然照れてる風には見えないけどね。

「じゃあ、いってくるね~」

僕は教室から出て行った。

 

『ピンク、お前がもし吉井の女装写真を手に入れたらどうする?』

『その時はバックアップしまして~』

『おう』

『世界中に明久君の魅力を伝えます』

『やめろ』

『姫路。公開処刑というのじゃ、それは』

『そうなんですか?』

 

 

 

 

・・・聞かなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ムッツリィ~ニィ~」

僕はムッツリーニに助けを呼ぶ。

「何だ、明久か」

「・・・どうした?」

チッ、先客がいたか。雄二め・・・!

「雄二は何でいるのさ?」

ココは平穏を装って訊こう。

「・・・これを聞いてくれ」

雄二はMP3プレーヤーを取り出すと再生した。

 

『翔子、結婚しよう』

 

・・・・・・・・・・・う、うん。

「・・・雄二」

「・・・なんだ、明久」

「結婚は親の許可アリだったら男性は18歳で女性は16歳でできるんだからそれまで我慢したら?」

「違う、そうじゃない。俺はまだ結婚するわけにはいかんのだ!」

何でだろう。

「それに翔子は恐ろしいほど機械音痴なんだ。」

「例えば?」

「CDプレーヤーを壊したことがあるんだ。」

・・・それって音痴ってレベルじゃないと思うよ?一種の才能だと思うよ?

「で、明久は?」

「うん、実は…」

 

説明中

 

「成程、脅迫されたのか」

「そういうこと。でも、ムッツリーニじゃないんでしょう?この写真は」

「・・・俺だったらもっときれいな角度で撮る」

・・・そういう問題じゃないと思うんだけどな。

「・・・まあ、二人とも俺が尻尾を掴んでやる」

「本当?」「マジで?」

「・・・俺は嘘をつかん」

『こういうことに関しては』が抜けてると思うよ、ムッツリーニ。

 

 

 

続く



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第41問

明日から海外へ旅行する羽目になりましたので17日まで休止します。


~吉井サイド~

 

僕らが戻ると鉄人が教卓の前で立っていた。

「遅いぞ、貴様ら!」

「「「すいませんでした」」」

ここはとりあえず平謝りをしておこう。

「まあ、いい。座れ。今から強化合宿について説明するところだったからな」

僕らは座ると卓袱台の上に置かれているしおりを手に取った。

「全員、それの2ページを開いてくれ。」

開いてみるとそこには日付けとスケジュールが書かれていた。・・・ん?

「鉄人」

「西村先生だ」

「・・・西村先生、これは4泊5日ですか?」

「ああ、そうだ」

拷問か?!拷問だな?!!

「すいません、先生」

彩樹さんが手を挙げる。

「何だ、彩樹」

「AからEまでは格差がありますが移動手段が『バス』と書かれているのに、何故Fクラスだけ何も書いていないんですか?」

「ああ、それか。貴様らFクラスは」

『ゴクリ』

全員が息をのむ。

 

 

「現地集合だ!」

 

 

『『『いくら何でもひどすぎやしないか?!!!!』』』

全員が万場一致して叫ぶ。

クソッ・・・!これがFクラス(ごみくず)に対する仕打ちか・・・!

「では、授業を始める。」

僕は教科書を開いた。先が思いやられそうだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その日の夜~

 

「どれにします?」

明菜が移動手段を提示する。

「電車かぁ・・・。それもいいけど・・・。」

「?」

 

「僕、一回深夜バス乗ってみたかったんだよね。」

 

この時、明菜が固まった。

「・・・死ぬ気ですか?」

「冒険家と呼んでくれないかな?」

「それ『冒険』じゃなくて『無謀』っていうんですよ?!」

「『無謀』?違うよ、明菜。僕は経験してみたいんだ。『水●どう●しょう』の芸人と誤解されやすい俳優さんの気持ちを」

「・・・わかりました。その心持はしっかりと受け止めました。私もお供いたしましょう!」

「やっぱり明菜は僕の自慢の妹だよ!」

僕は明菜を抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「で、代表」

俺は代表に電話をかけていた。

『なんだ?』

「何で行く気だ?」

『普通に電車だ』

「そうか。じゃあな」

『ああ』

ツー ツー

俺はスマホを切ると合宿の準備をし始める。

「行きはあいつに頼むか」

俺はハク姐に連絡した。

「もしもし、ハク姐」

『何?』

「明後日強化合宿だからバイクで送ってくんない?」

『・・・いいわよ』

「あんがと」

『で、時刻は?』

「5時にお願い」

『早いわね』

「距離あるから」

『ああ、そういうこと』

「じゃあな」

『ああ』

俺は電話を切る。

さてと、二人はどうしようか・・・。とりあえず北上に任せとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~吉井サイド~

 

僕は今、念願の深夜バスに乗っている。

「楽しみだね、明菜!」

「はい、そうですね!」

僕らの乗っているバスは発進した。

 

続く




次回は宿舎へ到着したところから始まります。


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第42問「設定・甲」

彩樹天龍(あやきてんりゅう)

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:5月17日

誕生花:フクシア

花言葉:愛を信じます

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:井口裕香

身長:180㎝

バスト:Eに近いD

得意科目:技術 (400~800)

     日本史(200~300)

     世界史(200~300)

     家庭科(300~500)

苦手科目:美術 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:缶詰シリーズ、あたりめ

嫌いな食べ物:チーズケーキ

好きな単語:「kampf(闘争)」

家族構成:父 自分 義妹2人

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:スピリタスウオッカ

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Porsche Tiger(6号戦車 ポルシェティーガー)

好きな国:ナチスドイツ(Nazi Jarmany)

召喚獣の武装:ナイフ2本

       サーベル

特殊能力:『即効性自己再生能力』

 もし腕が切断されたとしてもくっつければすぐにつながるような能力。生きてさえいればすぐに再生する。ただし熱を持っていればその再生スピードは少し遅くなる。

召喚獣の腕輪:『大砲』

 400点以上で発動。100点消費。四本の大砲を出現させ、ぶっぱなす。ダメージは壱本に付き50点、全部当たれば200点のダメージを与えられる。

 

解説 

 主人公及び物語の語り部であることが多い。

Fクラス代表補佐で成績はクラス内で2位。問題児で観察処分者。しかし「問題児4人組(雄二・明久・土屋・秀吉)」とは別の意味で問題児。左目には傷があり、視力を失っている。上位クラスには極力入りたくないし、入るつもりもない。理由は面倒臭そうだから。統一能力に本人は自覚はないがかなり長けており、人の長点を見つけて、其処をほめることが出来る。極度の面倒臭がり屋である。でも、本気さえ出したら凄い。料理部に入っていたことがあり、料理部のメンバーとの関係は良い。しばらく参加していなかったが、復帰した。嘘をつくのが地味にうまい。女子の制服が嫌いなので男子の制服を着ている。しかもネクタイは付けない主義。更に上はブレザーではなくパーカーである。理由は「ブレザーは嫌い」だから(他にも買う金が無かったとも言われている)。

 英語は書くことは無理だが、話す事やリスニングは結構上手い。日本史と世界史は武器を通じてまあまあの成績をとれる。が、点をとれるのは日本にあたる「明治初期から戦後。しかも1964年」までで、それ以外はイマイチわからない。ただし、紛争が起こった年や場所は詳しく覚えている。見た目に反していい筋肉をしている。夕立と春雨で3人暮らし。

 

 

吉井明久

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:10月18日

誕生花:秋海棠

花言葉:恋の悩み

所属クラス:F

一人称:「僕」

CV:下野紘

身長:170㎝強

得意科目:日本史(300~600)

     家庭科(200~300)

     世界史(300~500)

苦手科目:化学 (1~10)

     英法 (3~20)

好きな食べ物:パエリア

嫌いな食べ物:ゴーヤ

好きな単語:「愛」

家族構成:父 自分 姉

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:鬼殺し

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Tiger Ausführung B "Tiger Ⅱ"(Ⅵ号戦車ティーガーB型『ティーガーⅡ』)

好きな国:日本(Japan)

召喚獣の武装:木刀

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『我、一撃入魂シ、攻撃ス』

 400点以上で発動。100点消費。攻撃力を一回だけ3倍に引き上げる。

 

解説

 キング・オブ・バカ。観察処分者第一号。Fクラス秘書で成績はクラス内で3位。どうしようもない馬鹿で自分に対する周りの気持ちさえ察することが出来ない。が、他人の為なら自身が傷つくことさえいとわないという他人の為なら熱くなれる人間である。優しさだけならAクラスに行けるレベル。先程も言ったように「バカ」だが、操作のうまく、多少の点数の差は問題ない。坂本雄二や木下秀吉、土屋康太とは高校1年からの付き合い。女装が似合うランキング第1位。1人暮らし。『黒金の腕輪』所持者。

 

 

坂本雄二

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:五月頃だと判明しているが、詳細は不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:鈴木達央

身長:186㎝

得意科目:数学 (200~500)

     家庭科(200~300)

     日本史(300~400)

苦手科目:音楽 (1~10)

     美術 (3~20)

好きな食べ物:ラーメン

嫌いな食べ物:生エビ

好きな単語:「力」

家族構成:父 自分

     母

飲んでみたいアルコール飲料:黒霧島

好きな戦車:KV-2(カーヴェードゥーバァー)

好きな国:ソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)

召喚獣の武装:メリケンサック

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『強化』

 400点以上。100点消費。一回だけ攻撃力を5倍に引き上げる。

 

解説

 Fクラス代表でクラス内の成績は1位。明久の悪友。明久のことを馬鹿にはするが信頼はしている。小学生のころは「神童」と呼ばれていたがある事件をきっかけに喧嘩に明け暮れ、中学の頃は「悪鬼羅刹」と呼ばれた。しかし頭の回転の速さは健在で、臨機応変に対応できる。本人はわかっていないが演説性に長けている。統一力は天龍に劣るが高い。翔子とはラブラブ。よくFFF団に狙われる。最近は天龍とも会話することが多くなった。そして明久はともかく天龍とも息の合った珍解答や協力プレイを見せるようになった。実は中学の頃に一回天龍に負けたことがあるが、覚えていない。

 

 

木下秀吉

 

文月学園高等部2年

性別:男(!)

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「儂」

CV:加藤英美里

身長:160㎝

得意科目:古典 (400~700)

     家庭科(300~500)

苦手科目:英解 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:梅干し

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「演」

家族構成:母 父

     姉 自分

飲んでみたいアルコール飲料:ビール

好きな戦車:九七式中戦車チハ

好きな国:台湾

召喚獣の武装:薙刀

特殊能力:『絶対複製音』

 色々なモノの声や鳴き声をまねることが出来る。ゴジラの咆哮も真似ることが出来る。

召喚獣の腕輪:『コピー』

 300点以上。50点消費。20秒だけ召喚獣の武器を相手と同じ武器に変えることが出来る。複数いる場合はランダムで選ばれる。

 

解説

 Fクラスの貴重な常識枠。演劇部に所属しており、すごい上手なことから「演劇部のホープ」と呼ばれるようになった。しかし、その裏には凄まじい努力があり、時には怪我をすることや声を思い通りに出せなくなったこともあったらしい。

 女性みたいな顔だちをしており、よく男子から告白される。しかしそれは自分のプライドを傷つけることにつながるため、きつい態度をする(冗談だとわかった時は笑って済ます)。明久の事は何だかんだで信じており、決断をゆだねたりしている。後、姉がずぼらなため家事はそつなくこなせる。

 

 

土屋康太

 

文月学園高等部2年

性別:男

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:宮田幸季

身長:163㎝

得意科目:保健体育(400~800)

     家庭科 (200~500)

苦手科目:上の教科以外すべて壊滅的

好きな食べ物:炒飯

嫌いな食べ物:ピーマン

好きな単語:「美」

家族構成:母 父

     妹 兄×2 自分

飲んでみたいアルコール飲料:龍殺し

好きな戦車:九五式軽戦車ハ号

好きな国:イタリア

召喚獣の武装:小刀×2

特殊能力:『絶対視力』

 約10㎞先の物体を見ることが出来る。(例:バストの微妙なサイズ)

役に立つかは不明。

召喚獣の腕輪:『加速』

 400点以上で発動。距離に応じて点数の消費量が変わる。

 

解説

 Fクラス生徒。並外れたスケベ心を持ち、本心に実直な行動を取るが、それを絶対に認めないことから「ムッツリーニ(寡黙なる性識者)」の異名を持つ。元ネタは「ムッツリスケベ」と「ムッソリーニ」から来ている。男子にしては小柄だが、引き締まった身体で運動神経もよい。外見はやや幼く感じられる。大半の教科においては明久以上のバカだが、性に関する知識だけは人並みはずれて豊富である。ただし妄想ですら致死レベルの鼻血を噴くほどのウブで、常に輸血パックを携帯している。

 秘密裏に「ムッツリ商会」を営んでおり、その売り上げはデジカメや盗聴機材などの資金になっている。一部の監視カメラは文月学園に寄付している、匿名で。

 

 

島田美波

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「ウチ」

CV:水橋かおり

身長:160㎝

バスト:A

得意科目:数学 (100~200)

     家庭科(100~300)

苦手科目:古典 (1~10)

好きな食べ物:ソーセージ

嫌いな食べ物:らっきょう

好きな単語:「好」

家族構成:母 父

     妹 自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:一号戦車

好きな国:ドイツ

召喚獣の武装:サーベル

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『マッハトルネイド』

 300点以上で発動。100点消費。総計200点のダメージを与えることができるが、途中で逃げたり、点数差が大きすぎると相殺されたりする。

 

解説

 Fクラスの貴重な女子成分。明久に対し恋愛感情を抱いているが、素直になれず関節技をかけてしまう。そのためか明久に警戒されるし、雄二からも注意されている。天龍からは「暴力女」と呼ばれる羽目に。根は純情(という噂)。自信過剰者。帰国子女ということもあってか古典は苦手。数学も証明問題は得意ではない。

 

 

姫路瑞希

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:原田ひとみ

身長:160㎝

バスト:F

得意科目:数学 (300~400)

苦手科目:家庭科(20~60)

好きな食べ物:桃

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「麗」

家族構成:母 父

     自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:ディッカー・マックス

好きな国:フランス

召喚獣の武装:大剣

特殊能力:不明

召喚獣の腕輪:『熱線』

 400点以上の時に発動。100点消費する代わりに高威力の熱線を繰り出す。しかし、発動している間動けない上に打ち切った後の硬直時間が少し長い。しかも、点数差が大きすぎると撃っても押し切られる危険性がある。

 

解説

 家庭科以外点数が高い。Fクラスの貴重な戦力及び女子成分。天然な所がある。天龍からは「ピンク」と呼ばれる。吉井明久に恋心を抱いているが、言い出せずにいる。Fクラスの毒気に侵されつつある。島田美波の影響で更に浸食が進んでいるもよう。天龍から料理することを禁止された。

 

 

フランドール・スカーレット

 

文月学園高等部2年

性別:女

国籍:不明

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」「フラン」

CV:?

身長:158㎝

バスト:Bに近いA

得意科目:美術 (300~400)

     音楽 (300~400)

苦手科目:家庭科(80~100)

     現文 (70~90)

好きな食べ物:ケーキ

嫌いな食べ物:にんにく

好きな単語:「頑」

家族構成:姉  従者

     自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:ディッカー・マックス

好きな国:ナチスドイツ

召喚獣の武装:レーヴァティン

特殊能力:『あらゆるものを破壊する程度の能力』

 東方知っている人は言わなくてもわかるし、知らない人も見れば大体わかると思うので説明はカット。

召喚獣の腕輪:『フォー・オブ・アカインド』

 400点以上で発動。100点消費。召喚獣が4人に分身して攻撃する。点数が一体につき4分の1になるが、三体はオートコントロールである。

 

 

解説

 スカーレット家の妹。試験日を忘れててFクラス所属になってしまった。戦闘狂であり、何か争い事があると絶対目を輝かせる。成績自体はほとんど悪いが音楽と美術がずば抜けていい。天龍の事が気に入っている。姉とは別居中。よく欠席する。天龍は病弱だと結論付けている。



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第43問

~NOサイド~

 

「着いたぞ」

ハクが言う。

「ああ、そうか。ありがとな」

「どういたしまして」

天龍は礼を言う。ハクは返事すると再びバイクを走らせた。

ハクが去っていくのを見届けると天龍はポツリとつぶやいた。

「もっと素直になればいいのによぉ」

天龍は後ろを向いて歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「ねえ、明菜」

「何ですか?」

「僕ね」

「はい」

「大泉さんの気持ちがわかった気がするんだ」

「・・・私もそんな気がします」

「地獄だよ・・・、全然眠れないんだもん・・・。」

「私も一睡さえできませんでした・・・。」

「はぁ~、眠い」

「右に同じく」

僕らはふらふらしながら合宿所まで歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

僕は気が付くと畳の上で眠っていた。外はもう暗くなっていた。起き上がると雄二にムッツリーニ、秀吉と彩樹さんがパソコンを真剣な目で見ていた。

「どうしたの?皆」

「起きたのか、明久。今、脅迫した犯人についての重要な手掛かりが見つかったんだ。」

その瞬間、僕は飛び起きた。

「誰なの?!」

「落ち着け。土屋だって全てが分かったわけじゃねぇんだ。」

「それも、そうか。」

確かにムッツリーニだって人間だ。なんだってできるわけじゃない。其処を忘れるところだった。

「・・・これが手掛かりの映像だ」

僕らは画面に釘づけになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして&天龍サイド~

 

「女子でケツにお灸をすえた痕かぁ・・・。」

俺が言うと吉井がうなった。

「スカートめくってもわかんないよねぇ・・・」

スカートめくった時点でアウトだがな。

「ノーパンならいけるのじゃが・・・」

木下、お前は一体何を言ってるんだ?

「・・・サーモグラフィーでもお灸の痕は見抜けない」

痕跡以外だったら何が見抜けれるんだよ。

「そうだ!もうすぐ女子のお風呂の時間だし、秀吉に見てきてもらえばいいじゃないか!」

「何故儂が女風呂に入ることが前提になっておるのじゃ?!」

「冗談に決まってるじゃないか、秀吉」

「・・・明久がいいというのなr「いや、無理だ」・・・?!」

代表がきっぱりという。つか木下、お前は何を言おうとしてたんだ?

「何故?!」

「これを見ろ」

代表はしおりを吉井の前に突きだす。

≪男子≫

A クラス 20:00~20:30 大浴場(男)

BCクラス 20:35~21:00 大浴場(男)

DEクラス 21:05~21:30 大浴場(男)

F クラス 21:35~22:00 大浴場(男)

 

≪女子≫

A  クラス 22:00~20:40 大浴場(女)

BC クラス 20:45~21:20 大浴場(女)

DEFクラス 21:25~22:00 大浴場(女)

 

 

Fクラス木下秀吉 21:30~22:00 個室風呂③

Fクラス彩樹天龍 21:30~22:00 個室風呂④

 

「」

木下が絶句する。ショックだったのだろうか。って。

「何故俺が個室風呂だぁ!」

俺は女子だぞ!一応!!

次の瞬間、ドアが叩きつけられるように開いた。

「貴方たち!両手を頭の上に組んでしゃがみなさい!」

小山が叫ぶ。

4人はいきなりすぎて対応に遅れる。俺はガン無視して小山に抗議する。

「テメェらのせいでドアが壊れたぞ!どうしてくれんだよ!」

「そんなの今は知った事じゃないわ!これを見なさい!」

小山は手の平を開ける。

「何だ、これ?」

「・・・それは超小型監視カメラ?!」

土屋が即座に反応した。

「・・・・それって盗撮じゃないか!誰がやったのさ!」

吉井が叫ぶ。

「とぼけないで!こんなのを取り付けるのはアンタたち以外いないじゃない!特に土屋!」

小山が土屋を指差すと土屋は恐ろしいほど鋭い目で小山をにらみつけて言い切った。

 

「・・・俺だったらもっと高精度のモノを取り付けるぞ、このド素人め・・・!!」

 

取り付けることは認めるのかよ。

「それに俺達は着いた後はずっとここにいたんだぞ?なぁ、お前ら」

代表が言う。俺達はそれに賛同するしかない。

「うむ」

「僕なんか爆睡してたしね。」

「・・・うんうん」

「ああ」

「そうやってしらを切るんですね!」

「そうよ!あんたたち以外ありえないじゃない!」

其処に島田達(くずども)も入ってきた。

「こいつらに呼びかけたのはお前らか。」

「そうよ!何か悪い?!」

「そうですよ!明久君達が悪いんです!皆さん!取り押さえてください!」

姫路の合図で女子全員が飛びかかる。木下はその隙に抜け出していた。俺達は救援が来るまでよけ続けることにした。

 

「何してるんですか!」

 

女子の叫び声が、吉井の彼女の叫び声が、俺達の部屋に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

僕は叫び声を聞くと一気に安心した。

「亜紀・・・!」

「隙アリよ!」

「しまっ・・・!」

島田さんのバットが僕の頭めがけて振り下ろされる。

「明久ぁ!」

雄二が叫ぶ。無理だ!よけれない!

次の瞬間、僕と島田さんの間に誰かが割って入った。

 

ズドン

 

銃声が響く。硝煙の匂いが鼻を衝く。

島田さんのバットが粉砕されていた。その向こうの壁には弾痕があった。これって・・・。

「彩樹、さん・・・?」

「さっきから聞いてたらグチグチ自分が被害者みたいに言いやがって・・・、ほざくんじゃねぇぞ、三下がぁ!!!」

彩樹さんの怒号が響く。肌がピリピリするぐらいに衝撃が伝わる。

「お前らのせいで周りにどれだけ迷惑をこうむったと思ってやがる!コイツラの中にもさっさと風呂に入りたいやるがいるだろうが!!」

彩樹さんが女子陣を指差す。

「何よ!私たちのことなんかわからないくせに!!」

小山さんが抗議すると彩樹さんは反論した。

「わかるわけねぇだろうが!お前らと俺は違うんだからよぉ!!そんなことも知らんのか、このゴミがぁ!!!」

続けざまに彩樹さんは叫ぶ。

「貴様らに言われる筋合いはねぇよ!俺がいる限りな!俺は女子だ!正真正銘のな!女子が女子を盗撮しようと思うか!・・・ッ!!」

この時の彩樹さんはなにかに気付いたような気がした。

「いい度胸ね!だったら試召戦争で決着をつけましょう!」

「上等だ、やろうぜ。試合をな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この合宿からだろうか。

 

小山さんと根本君の仲にひびが入ったのは。

 

僕が姫路さんや島田さんのことを本気で信じなくなったのは。

 

亜紀や明菜が姫路さん達と仲が悪くなったのは。

 

 

 

 



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第44問

次の日

 

~吉井サイド~

 

僕らは事前に戦力を集める為に各クラスを周回していた。

彩樹さん曰く『A,B,Dが仲間にできるだろう』。本当にうまくいくんだろうか・・・。

そんな事を思っていたらAクラスの人たちの勉強部屋に着いた。

コンコン

「・・・彩樹?どうしたの?」

霧島さんはやはりきれいだ。これは雄二が『俺の自慢の彼女だ』と自慢したのが納得できる。まあ、その時の僕は『亜紀だって僕の自慢の彼女だぞ!』と返したが。

「勉強中済まない。俺達に協力してほしい」

彩樹さんは綺麗なお辞儀をして頼んだ。

「・・・一体何があったの?」

霧島さんも少し驚いたようで焦りが見えた。

「実はかくかくしかじかで」

彩樹さんは昨夜の出来事を説明した。

すると霧島さんの表情にわずかだが、『怒り』の表情がうまれていた。

「・・・協力させてもらってもいい?」

「ああ、寧ろしてほしい。」

「・・・雄二を犯人にしようとした!許せない・・・!」

霧島さんの怒った顔は初めて見た。

「開戦は20時だ。では、19時にまた来る。」

彩樹さんはそう伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、何故Bなのじゃ?」

秀吉が彩樹さんに尋ねる。

秀吉が尋ねるのも無理はない。Bクラスの代表はなんたってあの根元だ。裏切る可能性だって否定できない。

それなのに彩樹さんは得意そうな顔でこういった。

「大丈夫だ。俺もそこまで馬鹿じゃねぇよ」

?どういうことだろう?

雄二を見ると雄二も同じく不思議そうな顔をしていた。

コンコン

「お、お前らか」

無駄に警戒されている気がする。

「根本、肩の力抜けって。Bの代表がFにビビってちゃあ話になんないぜ?」

彩樹さんはニタニタしながら言う。

「俺達に協力してくんねぇか?俺等によぉ」

「・・・急にどうした?」

「昨晩の騒動を覚えているか?」

「・・・なんかあったな。女子風呂であーだこーだあったらしいが」

「そうだ。女子風呂で超小型監視カメラが見つかった。姫路に島田、そしてお前の彼女である小山が俺等に部屋に殴り込んできて俺達に身に覚えのない罪を被せようとしたわけだ。しかし、残念ながら俺達にはアリバイがあるんだ。しかし、奴らはどうしても俺等に罪を被せたいらしい。此処で根元、質問だ。」

彩樹さんは真顔で訊いた。

 

「『彼女』が間違った方向へ進んでいくときに『彼氏』はどうすればいいと思う?」

 

「・・・『正しい方向へ導く』か?」

「その通りだ。根本、協力してくれるか?」

「・・・ああ、協力するぜ。小山が間違った方向へ進んでいくのであれば、俺がそれを止めなくてはな」

「そういうことだ。頼んだぜ、Bクラス共」

彩樹さんは根元君に背中を向けながら言った。

「開戦は20時からだ。19時にまた来るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で次はDなんだ?天龍」

雄二が訊く。確かにそう疑問に思っても仕方ないのだ。

Dクラスにはあの清水さんがいる。彼女は島田さんを溺愛しているのだ。そして、男子をとことん毛嫌いしている。まあ、その殺気が僕に向かなければ島田さんを僕から離してくれる唯一と言っていいほどの存在だから文句はないんだけど・・・。まあ、そういうことで清水さんに平賀君が押されてしまうんじゃないかと僕らは懸念している訳で。運が悪かったら男子と女子で真っ二つに分かれてしまうかもしれないし。

「大丈夫なの?」

「やらんとわかんねぇだろ」

彩樹さんはこんな感じだし、本当に大丈夫かな・・・。

コンコン

「平賀、いるか?」

「ああ、いるよ。どうしたのさ。」

「話がある。」

「・・・?」

あ、警戒していらっしゃる。

「廊下で話そう。」

彩樹さんは平賀君を廊下へ誘導する。

「平賀、質問だ。

『正しい事を言って理不尽な目にあうやつ』と『間違っているのに自分たちが正しいと思い込んで罪のない奴に暴力をふるうやつ』のどちらの味方に付く?」

「もちろん『前者』だろうね」

「では、俺達がその『前者』だとしたらどうだ?味方に付くか?」

「え・・・。」

「その判断を強要するつもりはない。お前にゆだねる。」

「・・・。」

「それだけだ。では開戦は20時だ。そして19時にまた来るからそれまでに決めといてくれ。敵はC,E,そしてFクラスの大半だ。」

「ああ・・・。」

「それと、清水!」

「ハ、ハイ!」

予想していなかったのか、清水さんはびくっとなった。

「今日の17時にここに書かれている場所に来い」

そう言って彩樹さんは清水さんにメモを手渡した。

「以上」

僕らはその場を立ち去った。

「清水さんに何を手渡したの?」

「場所の書かれたメモ」

「何故手渡したのかの?」

「・・・秘密」

彩樹さんはにやりと笑いながら言った。



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第45問

~天龍サイド~

 

今は16時57分・・・。もうすぐで来るな・・・。お、来たな。

俺は清水が女子風呂に入って行くのを見やると、そっと後を追うように歩いて行った。

 

『確か、彩樹さんが呼び出したのはここで間違いないはず・・・。』

 

ああ、間違いねぇよ。清水。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~NOサイド~

 

清水は女子風呂に入るときょろきょろし始めた。不安で無意識にしているのか、もしくは何かを探しているのかどちらかわからないような雰囲気を出していた。

 

ガラッ

 

清水はぎょっとして音のした方を向くとそこには自分を此処へ呼び出した張本人である天龍がたっていた。

「待たせたか?」

「いえっ!全然っ!」

「ならいい。」

すると天龍は手の平を見せた。何かが乗っている。清水はそれを見て目を見開いた。

「これは何だかわかるか?」

「・・・超小型監視カメラ、ですね。」

「これは昨日小山たちによって発見されたものと同じものだ。」

清水は自分の背中から冷や汗が流れていくのを感じた。

「清水、今朝早くここで何をしていた?」

「え・・・?」

「俺がここに来た時、此処で何をしていた」

「・・・・・・。」

清水は押し黙ってしまった。

「・・・わかった。もういい。俺が話す。」

天龍は今朝について話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~@~

 

「フワァ~、ねみぃ・・・。」

俺はあくびをする。

「やってられねぇよな~。なんで個室風呂だよ・・・。もっとでけぇ所で入りたいんだよ、こっちは。・・・せっかく早く起きたんだし、浴場で入るか。」

 

ガラッ

 

「!」

俺は物陰に隠れる。

「・・・。」

しばらく観察を続けていると、清水が出てきた。何やら深刻そうな顔をしている。

「・・・・・・・・・・・・。」

俺は清水が向こうへ行くのを見やるとすぐに女子風呂へ入った。

「・・・ここか。」

俺は服を入れるかごの中に手を突っ込んでまさぐる。何かが手の平に当たる。俺はそれを握ると取り出した。

「・・・やはりか。」

俺はそれをポケットの中へ突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~@~

 

「ま、予想はしてたんだがよ。やっぱ証拠が欲しかったわけよ。こっちとしてはな。」

天龍はそう言いながらカメラを床に落とし、踏み砕いた。

「・・・何故こんな真似をした。」

天龍が問うと、清水は何かをこらえるように言った。

「・・・お姉さまを、撮りたかったんです・・・!」

やっぱりか。と天龍は思った。しかし、更に質問する。

「他の理由はないのか」

「・・・あの豚やろうと、お姉さまを引き離したかった・・・!」

「逆効果だったがな。ま、結論を言えば、島田が派手にやってくれたおかげで吉井は更に島田との距離を置くようになったし、結果オーライなんでねーの?」

 

「ダメです!」

 

清水が大きな声で言う。少し面食らったような顔を天龍はした。

「何故だ?」

「・・・暴力を振るってほしくありませんでした・・・!」

そう言うと清水は顔を覆い隠して崩れ落ちた。

「つまり、あれか。お前は島田に暴力を振るわずして吉井と離れさせたかったわけだな?」

「(コクリ)」

清水は頷く。

「・・・黙っててやるよ、お前が犯人だってことはな。」

「・・・え?」

顔を上げた清水の目には涙があふれていた。

「ただし、戦果を上げろ。それなりのな。」

そう言って天龍はその場を去って行った。ただ、出ていく前に天龍はこういった。

 

 

アイツ(島田)が暴力を振るわないはずがないだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~19時~

 

「で、Dクラス」

「うん」

「参加するか?」

「・・・うん」

「どちら側で?」

「A,B側で」

「よろしく」

「こちらこそ」

「では、今から作戦会議をしたい。代表と代表補佐、それに秘書は5階の空き部屋に来てくれ」

「部屋番号は?」

「501だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「今から作戦会議を始める」

と彩樹さんが言う。

「今回、吉井を主軸とした連合軍団として俺達は存在している訳だがはっきり言って勝てる勝率は十二分にある」

少し歓声が起こる。

「まず、俺達の勝利条件と敗北条件を伝える。」

そう言うと天龍さんはホワイトボードにキュッキュッと書き始めた。

「まず、勝利条件として敵の大将を戦死させる、全敵軍を殲滅する。この二つだ。そして敗北条件は吉井明久の戦死、及びこちらの全滅、女子風呂への侵入だ」

そしてホワイトボードを指し棒で叩く。

「3階はBとDの大半、1階はAクラスで固める予定だ」

「・・・!」

ムッツリーニがドアの方をにらんだ。どうしたんだろう?

「・・・盗聴された危険性がある・・・!」

僕が廊下へ飛び出すと向こう側に走っていく屑二人の姿が見えた。

「あんの野郎・・・!」

根元が憎々しげな表情を浮かばせていた。

「大丈夫だ、想定の範囲内だ。さっきのは忘れてくれ」

「「「・・・ゑ?」」」

「さっきの人員配置は真っ赤な嘘だ」

彩樹さんが言うと雄二が抗議した。

「嘘かよ!じゃあ何で言わなかった!」

「敵をだますには最初は味方からだませっていうだろ?」

そう言って彩樹さんは何事もなかったかのように続ける。

「で、人員配置についてだが、土屋」

彩樹さんはムッツリーニの方を向く。ムッツリーニの方を向くと通信機の様なものを調節している姿が見えた。・・・いつの間にあんな機材を手に入れたんだ?

「・・・よし!つながった!」

「聞かせろ」

ムッツリーニがヘッドフォンを抜く。

『・・・皆、相手は3階にBとDの大半。1階にDの少数とAを置くそうよ。』

「小山・・・!」

根元が悔しそうな顔をする。

『だったら私たちは3階にEとF、1階にCを投入しましょう!』

「見事にかかったな」

彩樹さんはそう言うと説明する。

「人員配置は3階にA,D、1階にBを投入する。で、俺達Fクラス(あっち側じゃない奴)は吉井の護衛だ。で、土屋。ここにきている教師は?」

「・・・9人」

「じゃあそのうち6人は動けなくする。」

「どうやって?」

平賀君が訊くと彩樹さんはにやりと口をゆがませながら言った。

「補充試験だ。これを利用すれば教師はそれに立ち会わないといけなくなる。しかも、この間は試験を受けてる生徒の方が尊重される。これを利用する。」

「誰がやるんだ?」

「人員はもう決まってる。国語を木下、数学を鈴谷、英語が須川、理科がフラン、その他のうちの保体は工藤、社会は亜紀だ。全員開戦直後に受けるように指示してある。」

「で、動けるのは?」

「西村先生に高橋先生、それに愛宕さんだ」

「で、科目は?」

「姫路、島田には愛宕さんを使わせる。愛宕さんは技術だからな」

「どうやって?」

「三階に西村先生を、一階に高橋先生を使えばいい。」

「科目は?」

「三階は英語、一階は総合科目だ」

「吉井の護衛は?」

「俺に代表だ。後は夕張に霧島さん。頼めるか?」

「・・・うん」

「まかせといて!」

「おうよ。では、解散!全員持ち場に着け!」

彩樹さんの号令で皆は部屋を出て行った。

 

「見せてやろうぜ、作戦指揮の差をな・・・。」

 

 

続く



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第46問

吉井明久からの質問:「小山さんと島田さん、そして姫路さんはどうする気?」

彩樹天龍の回答
「拷問にかけてトラウマを植え付けてやる」
明久のツッコミ
「やめたげてよぉ!」



坂本雄二の回答
「拳をぶつける」
明久のツッコミ
「ちょっとバイオレンス過ぎない?!!」



明菜の回答
「学校追放」
明久のツッコミ
「あの人たちにも一応将来があるからね?!!!」



亜紀の回答
「停学で反省してもらいます!!」
明久のツッコミ
「僕もできればそうしたいよ、亜紀」


~根本サイド~

 

後5分か・・・。緊張するな・・・。

「代表、大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。なんともねぇよ」

「だといいんですけれど・・・。」

クラスの女子が心配して声をかけてくれた。信頼されているのだろうか?

まあ、別に今はどうでもいいか。

 

 

一時間の内に勝負を決めねぇといかん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~須川サイド~

 

「補充試験まであと5分ですよ?」

「ああ、はい・・・。」

俺は教科書を読みなおしていた。補充試験は時間内、…最大で一教科に付き一時間。その内にどれだけ解けるかにある。補充試験には上限というものが無いので余計に焦ることになる。

 

 

普通の場合はな。

しかし、今は時間稼ぎのためにこの補充試験を受けることとなっている。それが俺の仕事。はっきり言えば任務なのだ。教員を動かないようにするための。

彩樹はこれを利用して、三人しか動けないような状態にする気でいる。俺達六人には各員一人づつ先生がくっついている。一時間持ちこたえてみせる。

 

俺は教科書をしまうと机に正面を向けた。やってやろうじゃねぇか。

 

「では、始めてください!」

 

開戦のゴングが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~久保サイド~

 

開戦の法螺貝が廊下中に響いた。

「皆!突撃!!」

 

「ヨッシャアアアアア!!!!!!!!!!」

「やったるぞぉおおお!!!!!!」

「皆殺しだぁあああああああああ!!!!!!」

戦意が高いのは主にDクラス。Aクラスもそこそこ戦意が高い。

お互いがお互いの戦意を上げる。今が最高のパターンだ!

 

「我々、吉井軍は姫路軍に対し、英語で勝負を申し込む!!」

 

「承認する!!」

『『『サモン!!!』』』

 

※表示の仕方が面倒なので一部を除いて省略させて頂きます。すいません。

 

「なっ・・・!Aクラスだと?!!」

「Bじゃなかったのかよ!!」

「卑怯だぞ!!!」

相手側がギャーギャーと何か喚いている。だけど、知った事じゃないね!!!

「皆―!押せ――――――!!!」

「うおおおおおおお!!!」

「ひるむな!相手は格下だ!つっこめぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「おい、土屋。姫路の場所は?」

「・・・3階と4階の踊り場」

俺達はトイレの中に隠れていた。しかも、男子トイレに。

「ねぇ、天龍」

夕張が声をかけてくる。

「なんだよ」

「何で男子トイレにしたの?」

「此処が一番予想外の所だと思って」

「吉井君を奥の掃除用具入れに入れたのは?」

と言いながら夕張は奥の掃除用具入れを指差す。

「できるだけ離れさせるためだ」

「此処で私たちが死んだらどうなるの?」

「死ぬわけねぇだろ」

「何でそう言えるのよ」

「お前、作戦内容ちゃんと聞いてたか?」

「?」

「お前の大好きな技術を相手がわざわざ持ってきてくれるんだぞ?負けるわけねぇだろうが」

「・・・それもそうか」

「夕張は昔からこういうところに限って頭回らねぇんだからなぁ~」

「う、うるさい・・・!」

 

バンッ

 

いきなりドアが開く。根本が息を荒げて立っていた。走ってきたのだろう。

「入電だ!」

根本が言う。

「なんだ?」

「三階の制圧を完了。一部を除いて一階の敵戦力の攻撃に向かう。」

「一部?」

「姫路たちを後ろから追い立てる部隊のことだ」

「ああ。編成は?」

「Dが3人、Aが1人だ」

「部隊長は?」

「清水に任せてある」

「それでいい。報告ご苦労。さっさといけ。」

「言われなくても行く!」

そう言うと根本は廊下を走って行った。

「これは、勝てますよね?!」

明菜が訊いてくる。

「俺達がここでヘマをかまさなきゃな」

俺は返した。

「・・・姫路は?」

「・・・今、4階と5階の踊り場だ。」

俺はスマホを取り出すと代表にかける。

「おい、代表」

『あ、ああ。なんだ?天龍』

「もうすぐ来るから迎撃態勢に移ってくれ。」

『合図は?』

「俺が壁を叩くから先に出てくれ」

『わかった』

・・・・・・・・。

「少し息が荒いが、何かあったのか?」

『い、いやっ!何にもねぇよ!!』

「・・・そうか」

俺は携帯を切る。

「・・・そういや一緒に霧島さんもいたな」

なにかしたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕張サイド~

 

天龍は無言でスマホを取り出すと電話をかけた。

「おい、代表。もうすぐ来るから迎撃態勢に移ってくれ。・・・俺が壁を叩くから先に出てくれ。・・・少し息が荒いが、何かあったのか?・・・そうか」

そう言うと天龍は携帯を切った。

「・・・そういや一緒に霧島さんもいたな」

・・・何があったんだろう?

「・・・5階に到着」

「夕張、準備」

「う、うん」

私達は少し身構える。

沈黙が私たちを襲う。重い、重い沈黙が。

 

ドンッ

 

天龍が壁を叩く。

 

バンッ

 

廊下からドアが開く音がした。

 

「今だぁ!!」

 

そう叫び、天龍が廊下に飛び出す!!私もそれに続いて飛び出した!

 

「俺達吉井軍は姫路軍に対し、技術で勝負を申し込む!!」

 

「承認します!!」

「クッ・・・!邪魔よ!!」

「どいてください!!」

「俺を倒してからな!」

 

『『『サモン!!!』』』

 

全員が召喚獣を出現させる。

 

 

  吉井軍 Fクラス彩樹天龍 872点

      Fクラス吉井明菜 62点

      Fクラス坂本雄二 124点

      Aクラス霧島翔子 385点

      Aクラス夕張芳香 692点

技術       VS

  姫路軍 Fクラス姫路瑞希 324点

      Fクラス島田美波 45点

      Cクラス村田奈々 92点

      Cクラス神戸慎  100点

 

 

「お前らの敗北した理由を教えてやろうか」

召喚獣を操りながら天龍が言う。

「なん・・・ですかっ・・・!!」

「お前らの敗因は」

姫路さんの召喚獣を圧倒しながら天龍は言った。

 

 

「単なる情報不足だ」

 

 

次の瞬間、姫路さんの召喚獣の首が飛んでいた。

「終わりだな、姫路」

「・・・・・・・・・・・・。」

天龍はにやりと悪人のように口端をゆがませていった。

 

 

「この戦争、俺達の勝利だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして&天龍サイド~

 

・場所:女子風呂前

・BGM:The Carol of the Old Ones ~旧支配者たちのキャロル~(このBGMを垂れ流して読むことを推奨します)

 

「で、用件を聞こうか?」

と俺は縄で縛られて俯けにされている姫路(ゴミ)島田(人間の屑)小山(クソアマ)に言った。

 

「これは卑怯よ!やり直しを要求するわ!!」

「そうですよ!彩樹さん!これはルール違反です!反則ですぅ!!」

「貴様ぁ・・・・・!」

 

俺はハァ・・・とため息をついた。これだからこいつらは・・・。

「お前ら、言ってやるが」

と代表が言った。

「時間稼ぎのために補充試験を使ってはいけないとは一言も書かれていないんだぜ?それにお前らが実際負けたんだしよ。償いはしてもらうぜ?」

その発言にその場にいたものは全員頷いた。

「じゃあ、拷問にかけますk「待ってよ!彩樹さん!!」・・・・んだよ、なんか文句でもあんのか」

俺は吉井の方を向くと訊いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「僕はこの三人を許す気はないし、信じようとも思わないよ。だけど、拷問はさすがにやりすぎだよ!」

「こいつらはお前にそれをしようとしたんだぞ?だったらどれだけ痛いかを己の身で体感しろという話だ。だから、こういう風に」

と彩樹さんはたくさんの拷問器具を指差した。・・・アイアンメイデンがあるけど、僕を殺す気だったの?!!

「再現度99%で味わってもらおうという話だ」

「それもう殺戮の領域だよね?!!てか、何でそんなに大量の拷問器具があるの?!!どっから用意したの?!!!!というより再現度はせめて100%にしてよ!!!!!」

「それだったら」

と彩樹さんが少し不思議そうな顔をして言った。

 

 

「ギロチンが一台追加されるが、いいか?」

 

 

「やっぱりお断りします」

それ完璧に死んじゃう。

「じゃあ、連行しろ」

「「「了解」」」

後ろの黒づくめの人たちは三人を連行していった。・・・あれ?さっきの声、Fクラスの人たちだよね?

 

「覚えてなさいよ、アキぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」

「この恨みは一生忘れませんからねぇええええええええええええ!!!!!!!」

「覚えてなさいよ!覚えてなさいよぉおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

僕は死刑囚の恨みのこもった叫び声を聞きながらその場を後にした。

 

この一連の出来事で根本君は小山さんを振ったんだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2年Fクラス 姫路瑞希

2年Fクラス 島田美波

2年Cクラス 小山優香

それ以外のこの三人に加担した生徒

 

上記の者を1週間の停学処分とする。

尚、表記されている三人は一年間教師の手伝いを強制参加すること。

 

学園長

 

 

強化合宿編 了







かなり短かったですが、いかがでしたか?

次章は、『一学期期末考査編』です!



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四:一学期期末考査編
第47問


~明久サイド~

 

早くも7月になった。外は十分に暑い。そして、僕らもその暑さにへたばっているのだ。

 

 

「・・・明菜、暑い」

「・・・そうですよね」

僕らは早朝からベッドの上でぐったりとしていた。暑い、暑すぎる。

「・・・ちょっとアイス持ってくるよ」

「お願いします・・・」

僕は冷蔵庫からアイスを取り出し、半分に折ると明菜に渡す。

「ああ~、生き返ります~」

「夏にはやっぱりアイスだよね~」

頭がキーンと来るのは嫌だけど。

 

ピンポーン

 

ん?誰だろう?

「ハーイ、今いきまーす」

僕は玄関に向かう。

 

ガチャッ

 

「お久しぶりですね、アキk」バタンッ

 

・・・待てよ、おつちけ吉井明久。まずは状況整理だ。

 

①明菜と家でぐったりとしていた。

②玄関のチャイムが鳴ったのでドアを開ける。

③向こう側には姉さんがいた。

 

・・・何故姉さんがここにいるんだ?!!姉さんはアメリカ合衆国に行ったはずだ・・・!

『アキく~ん?』

「ちょっと待ってて~」

僕はそう答えると明菜の方へ向かう。

「明菜」

「どうしたんですか?そんなに慌てて」

「姉さんが帰って来た」

「・・・マジで?!!」

「マジで!」

「ありがとね、アキ兄!」

 

此処で皆様に説明いたしましょう。今日は厚い。しかもクーラーが壊れてて使えない。水もぬるい。服に熱がこもる。扇風機は修理に出してる。

僕はそれでもパジャマを着ている。しかし明菜は我慢できなかったんだろう。パジャマを脱ぎ捨て、下着姿で今までいたのだ。それを考えると僕はよく欲情もかかずにいれたものだ、と自分に感心した。

パジャマを着たのを確認すると僕はチェーンを外し、ドアを開ける。

開けた瞬間、僕は顔を手で覆った。明菜は驚いて叫びに近い大声を出していた。

 

「何でバスロープ姿なんですかぁ?!!!」

 

そうなんだ!何故バスロープ姿なんだぁ!!

「い、家に上がって・・・。」

僕は姉さんを台所まで誘導する。

「「姉さん、話がある(あります)!!」」

姉さんは首をかしげる。

「「何故その格好で来たんだぁ(ですかぁ)!!」」

「落ち着いてください」

これで落ち着けと言うのならここまで騒がないよ!!

「これには理由があるのですよ」

「・・・話してくださいよ、だったら。」

「日本は暑いでしょう?」

「それはアメリカでも同じことが言えると思うよ?」

「日本はアメリカと違ってむしむしするでしょう?」

アメリカの一部地域はむしむしすると思うよ?

「だから汗臭くなりますよね」

女性特有のお悩みなのだろうか。僕には理解できない。

「で、それとその格好とどう関係があるんですか?」

明菜が突っかかるように言う。

「バスロープには高い吸水性があるのはご存知でしょう?」

知るかそんなこと。

「汗を吸収してくれるため、私は汗臭くならずに済みます」

・・・ん?待てよ?とういうことは・・・。

「・・・姉さん」

「?」

「どこで着替えたの?」

頼む……!まともな場所で着替えていて下さい・・・・・・!

 

 

「電車の中で」

 

 

「「ハァアアアアア?!!!!」」

非常識にも程があるぐらい非常識だよ、あんた!!

「人目が少なくてよかったです」

グググッ・・・

僕は今、自分の姉を全力で殴りたくなった。この行き場のなくなった拳をどこにぶつければいいんだ・・・!

「だから今、こうしてあなたたちと汗臭くならずに再開することが出来たのです」

僕らは崩れ落ちた。せめて、せめてタオルで汗を拭くという発想はなかったのか………。

「で、二人とも?」

「「ハイ?」」

「約束、覚えてます?」

「「?」」

僕らは顔を見合わせた。

「覚えていないんですか?では、私が二人に物凄いチューを」

「「いえ!

①不純異性交遊禁止!

②ゲームは一日一時間!

③ご飯は毎日三回です!」」

「いえ、今回は一つ訂正を加えさせていただきます」

「「?」」

 

「家族内での異性交遊はOKです」

 

「「WTF?!!!!」」

この人はアメリカで一体何があったの?!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

俺は一人でくつろいでいた。夕立と春雨は学校のお泊り会でしばらく帰ってこねぇし、退屈だ。

 

ピンポーン

 

「ん?は~い」

俺は玄関へ向かう。

 

ガチャッ

 

「天龍ちゃ~ん、お久しぶり~」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゑ?

一瞬思考が停止する。

「え~と・・・」

「お久しぶり、天龍ちゃん」

この声は・・・・・・・。

 

 

「龍田…?」

 

 

「ええ、会いたかったわ~」

俺はフランスに行っていた龍田と再会した。

「大丈夫だったか?怪我はなかったか?誰かに脅されたりとかはしなかったか?」

「大丈夫よ~、心配しないで~」

「いや、しかしだな・・・。」

実の妹を心配しない姉がどこにいるんだよ。

「まあ、入れよ」

俺はリビングに龍田を入れる。

「飲み物は?」

「お水で」

「わかった」

俺は氷水を差し出す。

「ありがと~」

「でよ、龍田」

「?」

ん~~~、可愛いなこの野郎!

「どこに通うんだ?」

「文月学園よ~?」

「そうかそうか。で、どこクラスだ?」

「F」

・・・・ハイ?

「今なんつった?」

「F」

・・・・・・・ハァ?!!!

 

続く





龍田、参戦です!


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第48問

~天龍サイド~

 

「天龍ちゃ~ん」

「?」

「荷物はこぶの手伝ってくれな~い?」

「おう、いいぜ」

しかし、結構あるな。何故こんなに多いんだ?

 

しばらくして

 

「タンスの中に入れてもいい~?」

「別にかまわねぇけど、解るように入れとけよ」

「は~い」

畜生、後ろから思い切り抱きしめて頭を撫でてやりたい・・・!

「・・・・・・・・・。」

ん?どうしたんだろう?

そう思ってると龍田はクローゼットを開けて、中を見る。

本当にどうしたんだ?

「天龍ちゃ~ん?」

俺の名を呼びながら龍田はこっちに振り向く。

「な、なんだよ・・・」

笑顔がこえぇんだが・・・・・・・・。

「何でこんなに服が少ないの~?」

「別に其処まで必要ないし」

「何でブレザーやネクタイが無いの~?」

「そ、それは、買う時間が無いんだ・・・。」

「大体これらのせいじゃないの~?」

と言いながら龍田はまだ開けてないプラモの山を見た。

・・・・・・・。

「ハイ、ソウデスネ・・・。」

「これにはまるのは良い事だと思うし~、一体いくらつぎ込んだか私には知った事ではないけどね~?せめて制服は揃えとかないと~」

ぐうの音も出ねぇ。

「しかも私服が一着しかないじゃな~い。寝間着もそんなにないし~。いっぱいあるのは下着だけよ~?しかも、ブラジャーとトランクス、そしてランニングばっかり・・・。」

「俺にパンティーなんて似合うわけねぇだろ?」

「(チラッ)・・・・・・(チラッ)・・・・・確かに、『今の』天龍ちゃんには似合わないわねぇ~」

何故二度見したし。

「この私服着てみて~?」

「いいとも」

俺はよく使っている私服を着る。

「・・・・・・・・・・・まんまT-800ね・・・。」

「仕方ねぇだろ!好きなんだからよ!!」

「女子力0を超えて(マイナス)よ・・・・・?ここまで下がってるとは思わなかったけど・・・・。」

「んなもんいらねぇよ」

「じゃあ、せめてブレザー買いにいこ~?」

「・・・・わかったよ」

その後、俺はブレザーとネクタイを買った。

 

 

 

 

 

~次の日~

 

 

 

 

「起きろ、龍田」

俺は龍田を起こそうと声をかける。

「ん~・・・」

龍田は一向に布団から出ようとしない。

「お~い、龍田~?」

「・・・・」

「おい、龍田!起きろ!」

更に布団にこもってしまった。

「がぁああああああ!!!起きろ龍田!起きろってんだよ!!」

「眠い~・・・・・」

「今何時だと思ってやがるんだ!」

そう言いながら俺は龍田の布団をはぎ取ろうとする。しかし、はぎとれなかった。

こいつこんなに腕力あったか?!!

「後五分・・・・・。」

「よし、お前を置いて学校に行ってやる」

「嫌だ~・・・・」

「だったら起きろよ、オイ!!」グイー

「ん~!!」グググ

・・・・・・ハァ。

俺は足音を立てずに龍田から離れるとそっとドアを閉じて廊下へ出た。

全く・・・、あそこまで頑固になっていたとは思ってもなかったぜ・・・。

『天龍ちゃん?』

龍田が俺を呼びかけるが無視。さっさと学校に行かねぇと遅刻しちまう。

次の瞬間、どたばたと音がして部屋から龍田が出てきた。

「・・・・置いてかないでよ」

「いつの間に着替えやがった、龍田」

「さっき」

「できるなら俺が部屋から抜ける前にやって欲しかった・・・・。」

「?」

 

 

~通学路~

 

 

「・・・スゥ」

「オイコラ」

「ん~・・・?」

「何たちながら寝ようとしてんだよ」

「眠いよ~・・・」

「今8時だぞ、解ってんのか」

「朝の時間が始まるのは~?」

「8時25分だ。」

「あと25分もあるじゃな~い」

「『あと25分しかない』の間違いだこの野郎」

「・・・・スゥ」

はぁ、昔から世話のかかるやつだぜ・・・・。

「よっと」

俺は龍田をお姫様抱っこすると全速力で走る。

「・・・ん?」

「おい、起きたか?」

「・・・。」

龍田は俺と自分の状況を見る。

「!」(ボッ)

真っ赤になった。

「どうした?」

「降ろしてぇ!!」

「寝るからヤダ」

後、俺は龍田を抱っこしたい。

「寝ないわよ~!!」

「・・・明日から降ろしてやるからな」

「今日はこれで行くの~?!」

「玄関までな」

そうワイワイしながら走っているといつの間にか学校に着いた。

「すいません、西村先生。」

「・・・彩樹、その女子生徒は?」

あれ?なんか気まずい顔してるけど、勘違いされてねぇか?コレ。

「紹介します。俺の妹の彩樹龍田です」

「ああ、こいつか・・・。お前のクラスに通うことになったのは。」

「はい」

「似てないな」

失礼な先生だ。まあ、確かに似ていないと思う。俺は昔から活発な奴だったと自分で記憶しているが(それでも今よりか柔らかかったはず)、龍田は昔からお淑やかだ。って・・・。

「zzz…」

寝てるし。

「起きろ」

そう言いながら俺は龍田に頭突きをかます。

「ん~・・・?」

「着いたぞ」

「・・・・?・・・?!」

・・・龍田ってここまでおっちょこちょいだったか?って・・・・。

「顔を押しのけるな」

「離して!」

「お前のせいでこうなったんだろうが!!」

その後、俺は龍田にひっかかれた。ネコか、この野郎。

 

 

続く

 

 



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第49問

~天龍サイド~

 

龍田と一旦別れて俺は階段を駆け上がった。そしてそのまま障子をけ破って中に入ると席に座った。俺の後ろが一つ空いていた。

「おい、障子壊すな」

「すまん代表。今度から気を付ける」

「でも、どうしたの?ここまで遅く来るなんて。しかも、いつもより機嫌よさそうだね」

何故吉井はこういうことには鋭いんだ。

「色々あってな」

「そんなことないでしょー?教えなさいよー」

「鈴谷、お前に教えることなんかねぇよ」

 

キーンコーンカーンコーン

 

チャイムが鳴って皆席に座る。愛宕さんが入ってきた。・・・・・・・・は?

「愛宕先生」

「はい、なんですか?」

「西村先生はどこ行ったんですか?」

吉井が訊く。

「西村先生なら用事で明後日まで来れないらしいの。だから副担任の私が代理を務めることになってるわ~」

 

『『『ヨッシャアアアアアアアアア!!!!!!!!!』』』

 

野太い男どもの叫び声が響く。コイツラにとっては天国かもしれんが、俺にとっては地獄だ・・・・・!!!!

「さ~て、皆さん。今日からこのクラスに新しい仲間が来ますよ~。」

「男ですか!女ですか!」

第一声がそれか!俺は馬鹿な質問した生徒を蹴り飛ばした。

「天龍~?」

「・・・すいませんでした」

俺は渋々と席に座る。

「では、入ってもらおうかしら~。おいで~♪」

まず見えたのは太ももだ。綺麗で、美しい太ももだ。俺でも少しドキッとする。

「(ツ――――――)」

そして土屋は案の定鼻血を出していた。

次に笑顔だ。可愛いと綺麗が合わさったような笑顔だ。この世に天使が降り立ったのかと思うくらいの笑顔だ。

「では、自己紹介してくださいね~」

愛宕さんが言うと龍田は微笑んで自己紹介した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

綺麗な子だなぁ。

僕の彼女に対する第一印象はこれだった。

しかし、自己紹介で僕は驚愕することとなる。

 

「初めまして~。彩樹龍田です。天龍ちゃんの双子の妹で~す。」

 

・・・・ゑ?

僕はとっさに彩樹天龍さんの方を見ると誇らしげな顔をしていた。

「では、皆さん自己紹介してくださいね~」

愛宕さんが言うと秀吉がまず立ち上がった。

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。」

「木下君だっけ~?一つ質問してもい~い~?」

「うむ」

「何で男子の制服を着てるの~?」

「なっ・・・!儂は男じゃ!」

「・・・・?」

龍田さんは『何を言ってるの?この子』みたいな顔をして秀吉を見た。

「・・・次にパスじゃ」

あ、いじけた。

「島田美波です。趣味は吉井明久を殴る事です。」

いつも通りだな、島田さん。

「怖い・・・」

龍田さんが少し弱々しくつぶやいた。次の瞬間

 

「おい、島田。龍田ビビらせてんじゃねぇぞ」

 

天龍さんが物凄い殺気で島田さんに言った。さすがの島田さんもビビッて座ってしまった。

「・・・土屋康太」

「あの~、鼻血出てますよ~?」

「・・・・これくらい日常茶飯事」

うん、そだね。

「須川亮だ。よろしくお願いします」

「こちらこそ~」

 

「姫路瑞希です。よろしくお願いします!」

バイオレンスなピンクの巨乳ガールはどっかへ消え去ってもらいたいものだ。

「よろしくね~?」

・・・さっきから天龍さんが自己紹介していく生徒をじっと見てんだけど、なんで?怖いよ。

「鈴谷恵美だよー。何年振りだろうねー?」

ゑ?知り合い?

「何年ぶりかしら~?」

 

~中略~

 

「吉井明菜です。吉井明久の双子の妹です。よろしくお願いします」

「あら~、可愛い子ね~」

天龍さんがうらやましそうな目で明菜を見てるよ?!一体全体どうしたの?!!!

あ、僕か。

「秘書の吉井明久です。・・・ッ?!」

何だ、この殺気は?!全生物を殺すような殺気だ・・・!

いや、出所はわかっている。

「・・・・・。」

天龍さんだ!何でそんなに殺気を出してるの?!!!

僕は震えているのを悟られないように座る。

次は、天龍さんか。

 

「このクラスの代表補佐を務めている彩樹天龍だ。龍田の言う通り、俺は血の繋がった双子の姉だ。言っておくが龍田はお前らにはやらねぇからな」

 

『『『そんな馬鹿なぁああああああ?!!!!!!!』』』

「あと」

と天龍さんが付け加える。

 

「手ぇ掴んだら切り落とすからな?」

 

怖っ!

次は雄二か。

「えー、このクラスの代表を務めている坂本雄二だ。」

「代表ってことは・・・・、天龍ちゃんよりも上ってことよね・・・?」

「ああ」

「迷惑かけてないか心配だわ~」

「寧ろ迷惑をかけさせてもらってるから問題ない」

「龍田に迷惑かけたら代表であろうと潰すからな?」

だからどうしたの!天龍さん?!!

「では、天龍の後ろの席が空いてるから、そこに座ってね~?」

「は~い♪」

龍田さんは笑顔で席に座る。可愛いなぁ。・・・イカンイカン!僕には亜紀がいるんだから!

天龍さんの顔を見るとにへらーとしていた。

 

続く




天龍は龍田を溺愛してる節があります。


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第50問

~天龍サイド~

 

「ねぇ、天龍さん」

学校も終わり、俺が帰ろうと支度していると吉井が声をかけてきた。

「なんだ?」

「今日、天龍さんとこで勉強を教えてくれない?」

「私からもお願いします」

明菜からも頼まれる。コイツラ、一体どうしたんだ?

「ダメよ~、二人とも~」

と言いながら龍田が割り込んでくる。

「確かに天龍ちゃんは魅力的だけど~、あなたたちには神田ちゃんがいるでしょ~?」

・・・・・・・・・は?

「龍田」

「なぁ~に?」

「お前が想像してるものとは程遠いからな?」

「・・・・・(ボンッ)」

あ、赤くなった。

「天龍ちゃんのエッチぃ~」

と言いながら龍田はいやんいやんと体をくねらせる。って・・・。

「いや、変な勘違いをおこしたのはお前の方だからな?!!」

まあ、それは置いとくとして・・・・。

「吉井、二人ともどうした。今日はやけに勉強熱心じゃないか。」

「そ、そろそろヤバいと思ってさ・・・・。ハハハ・・・・・」

「そ、そうです!私もそう思ったんです!」

嘘臭い。何か隠してやがるな。

「そろそろ吐いたらどうだ?何か隠してんだろ?」

「いや?!何も隠してないけど?!」

「じゃあお前んとこで勉強しようぜ。どこで勉強会開いても問題ないだろ」

「だったら天龍さんとこでも・・・」

「俺んちは龍田の荷物整理で忙しいんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

なんてこった・・・!僕の算段が崩壊した・・・・!

「というより明久」

と雄二が声をかけてくる。なんでこんなタイミングの悪い時に声かけてくるんだよ!空気読めよ!

「おまえんちで今日遊ぶ予定だったろ。ムッツリーニと秀吉、須川も含めて。」

え?そうだったっけ?

「儂ら友人じゃろ。正直に言うのじゃ」

「・・・まさか・・・!」

ムッツリーニがカッと目を開いた。なんか嫌な予感がするんだけど・・・・・。

 

「・・・お前、神田を差し置いて女でも作ったんじゃないだろうな・・・?!!」

 

ブフォ?!!

 

「そんなわけないだろ!僕は亜紀以外の女子なんかに興味なんてないよ!!」

 

亜紀のいない世界なんて考えられない!

「あ、明久?」

「ん?どしたの、亜紀?」

「そう言ってくれるのはうれしいんだけど、恥ずかしい・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・。

「ア――――――――――――――――!!!!!!!」

僕は恥ずかしくなって転がりまわった。死にたい!恥ずかしすぎて死にたい!

 

「あ~~~きぃ~~~~~?」

「明久くぅ~~~~ん?」

 

急にどうしたの、二人とも。なんか怖いよ。

「ま、あれは置いといてだ」

と雄二が言う。その間に天龍さんが二人を背後から殴って気絶させていた。

「何か言えない理由でもあるんだろ?言えよ」

 

「電子レンジが爆発しました」

「お前では到底できそうにもないミスだな。家庭科の授業の時に俺が卵を電子レンジに入れようとしてたのをすごい形相で止めたからな」

 

「火事が起こった」

「お前、明菜が来るまでライフラインとまってなかったか?」

「明菜が来てからだよ」

「明菜はやりそうだが、お前料理したことあるか?」

「いえ、したことありませんけど・・・・って、ハッ!」

其処は嘘でも『扱ったことがあります』と言ってほしかった・・・・!

 

「工事中で・・・。」

「工事中でも生活できるはずだよな」

「五月蠅いだろうし」

「今ぐらいの時刻だと終了してるはずだぞ」

「・・・・・・・・・・。」

 

「正直に言え。明久」

・・・・・・・もはや、逃げ場はないか・・・・・。

「ああ、わかったよ!見せればいいんだろ?!!!!見せればそれで満足なんだろ?!!!!!!」

「私達も連れて行きなさいよ!」

「やだよ!」

何でゴリラ女なんかを家にあげないといけないの?!!!!

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

 

 

 

 

ハァ、着いてしまった・・・。

「ここまで鬱な気分で家に帰るのはさすがの僕でも初めてだぁ・・・。」

「ええ、全くです。チョー最悪です。アメリカ生活が天国のように思える程ですから・・・。」

「さっさとドアを開けろ。時間稼ぎしようたって無駄だ。」

えっと・・・、合鍵・・・・・。

「ゴメン。忘れてk「これはなんだ?」・・・・・・。」

天龍さんには嘘さえ通じないというのか……。

「・・・・・・。」

僕は処刑台に上がる死刑囚の様な気分で鍵を開けた。

あ、無い。靴が無い。どっかでかけたのかな?

 

「「」」

 

ん?どうしたんだろう?

僕は皆の目線の先を追う。

 

・・・まあ、誰だって目の前にブラがあったら驚くよね。・・・って。

 

「「アウトォォオオオ!!!!」」

 

僕らは急いでブラを片付ける。なんなの?!なんでここで干そうと思ったの?!!馬鹿なの?!!!!

僕が皆を見ると約一名が殺気を出していた。

 

「アァアアアアアアアキィイイイイイイイイ(ドゴッ)グフッ・・・・・・(ガクッ」

 

鳩尾に天龍さんが拳を叩き込んで鎮圧していたが。

「ダメじゃないですか、明久君」

「ゑ?何が?」

 

「これ、明久君のサイズに合ってまs「阿保か」痛いですぅ!」

 

何か姫路さんがとんでもないようなことを言おうとした気がするけど、天龍さんが姫路さんの尻にキックをお見舞いしたおかげで聞かずに済んだ。

「・・・これは?」

とムッツリーニが訊いてくる。

「ん・・・?」

僕がムッツリーニの視線の先を見ると女性用のお化粧器具がおいてあった。

「・・・やっぱり女をたぶらかして」

「そんなわけないだろ?!!僕は亜紀一筋だよ!!」

 

「これははんぺんですね」

 

「「「ハァ?!!!!」」」

姫路さん、それはボケで言ってるの?!!なんなの?!!!

「・・・・。」

龍田さんが少し不思議そうな顔をした。そして、天龍さんの服を少し引っ張った。

「何だよ、龍田」

「天龍ちゃん、耳貸して」

「ん?」

ヒソヒソ

・・・・・・・なんだろう?少し嫌な予感がする。

「・・・吉井」

「な、何・・・?」

 

「明菜は化粧するか?」

「いや?しないと思うけど・・・・。」

 

?何でこんな質問をしたんだろう?

 

「・・・じゃあ、明菜は香水をつけるか?」

「いや、私はあまりつけませんけど?というより、休日で出かけるとき以外つけませんよ?」

「・・・・今日は?」

「つけてませんよ?」

「・・・・・・吉井」

「な、何・・・・・?」

 

「何故この部屋一体に妙に香水のにおいが漂ってるのか教えてもらおうか?」

 

そう言いながら天龍さんはサイレンサーを押し付けてくる。

「待って!怖い!話そうにも話せない!!」

「・・・・やはり他の女をたぶらかして」

「んな訳ないだろ、ムッツリーニ!いつまで引っ張る気だ、それ?!」

「・・・いや、女にだらしない明久ならあり得るかも」

「秀吉まで乗るな!何真剣に受け止めてんだよ!いい加減にしろ!というより、いつから僕が女にだらしないというレッテルが張られたんだよ!!」

「バレンタインチョコじゃないか?小学校の頃たくさんもらってたんだろ?」

「誰がその情報を?!!」

「明菜が」

「明菜ぁ!!」

「ごめんなさい!」

「クッ!これが島田さんだったら殴ってるけど、明菜には手を出せない・・・!!」

そう騒いでいるとガチャッと玄関が開く音がした。

 

「アキく~ん?なんか靴が多いですけど、友達でも連れてきたんですか~??」

 

・・・・・・・ゑ????

「・・・明久」

「どしたの?ムッツリーニ。そんな怖い顔して」

「やはり亜紀以外にも女を・・・・!!!」

「えええええええ?!!!!!なんでスタンガン構えてるの?!!!何勘違いしてるの?!!!」

「・・・・あれが勘違いだというのか・・・・!!!!」

「あれは僕の姉さんだよ!!」

 

「「「「「え?」」」」」

「え?」

 

何で僕、そんな不思議そうな顔されてるの?

「皆さん、こんばんわ~」

「あれ?何でこんなに早く帰ってきてるの?10時までだったんじゃ・・・。」

「残念でしたか?早く終わったんですよ」

「全然残念じゃない!」

寧ろ僕の生命の危機だったから!!

「あら、お友達ですか?」

「うん、そういうところだよ」

「たったままじゃ疲れますよね。座ってくださいな」

姉さんに催促されて皆が座る。

「・・・明久」

「何?ムッツリーニ」

「・・・美人だな」

「それは俺も思った。ってイテテテテテテテ。龍田、俺の腕をつねるな」

「(ムスー)」

「冗談だって。機嫌直してくれよ龍田」

「(ムスー)」

「あーあ、せっかく今週の土曜日にお前に付き合ってやろうかと思ったのに」

「・・・・ゴメン」

「いいってことよ」

何、あの夫婦。爆発しろよ。

「では、皆さん。自己紹介してくれませんか?」

「まずは自分の名を名乗るのが先だよ、姉さん」

「そうですか?」

「「そうだよ(ですよ)」」

姉さんを相手にすると本当に疲れるなぁ・・・・・。

「初めまして、私は吉井玲と言います。こんな愚弟と愚妹が世話をかけて大変ありがとうございます」

「「ちょっと愚弟ってどういう意味なの?(愚妹ってどういう意味ですか?)」」

「そのままの意味です」

「「あ?(威圧)」」

いつか見てろよ・・・・・・・!絶対ぎゃふんと言わせてやるからな!

「神田亜紀です。お久しぶりです。」

「ええ。あなたが小学校の頃からずっとお会いしてなかったですものね」

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。ちなみにいっておくが儂は「ええ、男性でしょう?」何故わかったのじゃ?!!」

「アキ君みたいな愚弟に亜紀さん以外の女友達なんてできるわけないじゃないですか。」

何そのレッテル。いや、結構嬉しいけど。

「で」

と姉さんは天龍さん達を見る。

「この方も男でしょう?」

「ゑ?」

龍田さんが鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。

「何言ってるの姉さん?!!!!天龍さんはともかくとして!!!「オイ」あそこにいるのは皆女子だよ!!!!」

「そうですよ!」

「アキ君?」

ゑ?なんか怖い。

「明菜もですよ?」

「私もですか?!」

「ええ。私との約束、覚えてますか?」

「「えっと・・・」」

「忘れたのですか?では、私が二人に物凄いチューを」

「「いえ!忘れてなんかいません!!

①ゲームは一日一時間

②ご飯は毎日三食

③(家族以外の)不純異性交遊禁止

です!!」」

「違います」

「「ゑ」」

何が違うんだ!僕らはきちんと答えたはずだ!

「③に関してですがこれでは子孫を残せないではありませんか。」

「「言ったのは誰だと思ってやがる(んですか)」」

「私です」

「あ、そこは正直に答えるんですね」

姐さんも知ってるかもしれないけど最近はiPS細胞なるものがあるんだぞ。いや、これ言うと③を認めることになるから嫌だ。絶対に言わんぞ。

「だから訂正します」

「「?」」

 

「亜紀さん以外との不純異性交遊を禁止します」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・。」」

ん?え?それって・・・・・・・。

「「姉さん、頭打ったの?病院行こう?」」

「何故私が患者扱いなんですか」

「いや、だって・・・・。」

「今までそんなこと言いませんでしたもん」

「ハァ~・・・・・、あなたたちは本当にわかってませんね」

何がだ。

「私は二人の意思を尊重したのですよ?それに」

と言いながら姉さんは亜紀を見る。

「亜紀さんはどうなんですか?アキ君とS○Xしたいですか?」

ドストレートに聞いたなぁ、オイ!!

「え?いや、えっと・・・・。」

「どうなんですか?」

 

「・・・・・・・・明久となら、してもいいかな」(ボソッ

 

「そこは否定してよ、亜紀ぃ~」

僕の今まで守り抜いてきた貞操はどうなるんだよ~~~~。

「アキ君は亜紀さんとシたくないんですか?」

「いえ、シたいです」

あの柔らかそうな体をこの手で汚して僕の色に染め上げたいです。

「では、両方Win-Winではありませんか。」

そういう問題か?!!

「ゑ?私は?」

そうだった。明菜はどうなるの?!!

「では、明菜は誰と一番シたいですか?」

 

「アキ兄です」

 

ゑ?ゑ?ゑ?ゑ?

「明菜、冗談は程々にしてよ」

「いえ、冗談じゃないです」(真顔)

「僕ら兄妹だよ?!!!しかも二卵双生児の!!!!」

「では、明菜はその二人の中に入ってしまえばいいのです。」

「成程。名案ですね」

「迷案だよ!!勝手に話を進めないで!というより、納得しないでよ、明菜!」

「吉井」

「何?!天龍さん?!」

「お前、愛されてるなwww」

「どこをどう見ればそう言う風に見えるの?!!!」

糞っ、皆僕の反応を見て楽しんでやがる…………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、どたばたし、勉強したのちに皆帰ったので風呂入って寝た。その間に僕の性癖がばらされるというアクシデントがあったが何の問題もなかった。だって・・・・。

 

 

 

 

 

 

『オッドアイで巨乳(D以上)で髪を結んでて(ポニーテール風ではなく、普通にくくった感じ)更には優しくて笑顔が可愛くて幼馴染系の同じ年の女の子』だからね、僕の性癖は。

 

 

 

 

 

その条件を満たせるのは亜紀だけなんだも~ん。島田さんなんて眼中になんかないね。姫路さんも眼中にないよーだ。

 

続く




明久のキャラを少し崩壊させてみました。


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第51問「今だからこそ語れる没設定」

「はい、皆さん。こんにちわ。吉井明久です」

「おっす。坂本雄二だ」

「ヘーイ、彩樹天龍だぜー」

「ここではどういう事するんだっけ?」

「まず先にすることがあるだろ」

「あっと忘れるところだったね」

 

「「「皆様、ここまで読んでくれてありがとうございます」」」

 

「まさかここまで皆様に読んで下さるとは思ってさえいませんでした。」

「至らない点はいまだに多いと思いますがこれからもこの小説をよろしくお願いします」

「さて、前置きはここまでにしてだ」

「僕ら三人で没になった設定達を紹介していこうと思います」

「まずはこちら!」

 

 

『僕と私と試召戦争』

 

 

「はい、これですね」

「これは吉井明久を主軸とした作品になる予定だったんだ。」

「まずはその時のメインキャラとその設定についてみて行こうと思います!」

「まずは吉井からだな」

 

 

吉井明久

 

文月学園高等部2年

性別:男

年齢:16

誕生日:10月18日

誕生花:秋海棠

花言葉:恋の悩み

所属クラス:F

一人称:「僕」

身長:170㎝

得意科目:日本史

     家庭科

     世界史

苦手科目:化学

     英法

好きな食べ物:パエリア

嫌いな食べ物:特になし

家族構成:父 自分 姉

     母

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①観察処分者

   ②秋とは幼馴染

   ③優しい

 

 

「秋って誰だ?」

「没になった世界線での僕の彼女みたいだよ?」

「といっても完璧な告白はしてないんだろうな」

「ぐぬぬ・・・」

「じゃあ、次はその没になっちまったヒロインだな」

 

 

奥村秋

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:17(病弱だったため留年してしまった)

誕生日:10月17日

誕生花:みずひき

花言葉:祭礼

所属クラス:F

一人称:「私」

身長:172㎝

バスト:D

得意科目:現文

     地理

苦手科目:家庭科

好きな食べ物:チョコケーキ

嫌いな食べ物:トマト

家族構成:父 自分

     母

召喚獣の格好:セーラー服に日本刀

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①明久のことが好き

   ②病弱

   ③可愛い

 

 

「こんな感じだな」

「他にいるのか?」

「とりあえず雄二や秀吉たちの設定も書いてるんだよ」

「此処で一気に見せるぞ」

 

 

木下秀吉

 

文月学園高等部2年

性別:男

年齢:16

誕生日:不詳

所属クラス:F

一人称:「ワシ」

身長:164㎝

得意科目:現文

     古典

苦手科目:数学

好きな食べ物:梅干し

嫌いな食べ物:特になし

家族構成:父 自分

     母 姉

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①女装癖がある

   ②男と認識されると凄くデレる

   ③最近自分が女の子で生まれたらどうなっていたかの妄想にふけるのがマイブーム。

 

 

坂本雄二

 

文月学園高等部2年

性別:男

年齢:16

誕生日:不詳

所属クラス:F

一人称:「俺」

身長:180㎝

得意科目:数学

苦手科目:古典

好きな食べ物:焼き肉

嫌いな食べ物:ゴーヤチャンプル

家族構成:父 自分

     母

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①筋肉質。「高校生のメイトリクス大佐」というあだ名がある。

   ②霧島翔子とやるときには自分が受けになることが多い。

   ③原作よりも少し優しい。

 

 

「アウトォ!」

「くたばれ雄二ィ!!」

「あぶねぇ!」

 

 

土屋康太

 

文月学園高等部2年

性別:男

年齢:16

誕生日:不詳

所属クラス:F

一人称:「俺」

身長:166㎝

得意科目:保健体育

     家庭科

苦手科目:上記科目以外の全部

好きな食べ物:卵かけごはん

嫌いな食べ物:不明

家族構成:父 自分 妹

     母 兄×2 

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①意外と筋肉がある。

   ②助平。

   ③明久を応援している

 

 

島田美波

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「ウチ」

身長:162㎝

バスト:A

得意科目:数学

苦手科目:古典

好きな食べ物:イチゴケーキ

嫌いな食べ物:苦瓜

家族構成:父 自分

     母 妹

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①秋に対して少し嫉妬しているが制御できている

   ②暴力はそこまでふるわない

   ③自虐症がある

 

 

「島田さんってこんな設定だったの?!!」

「こっちの方が良いじゃねぇか!!」

「これにも理由があるようだから最後まで聞け。」

 

 

姫路瑞希

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」

身長:162㎝

バスト:E

得意科目:数学

苦手科目:家庭科

好きな食べ物:ケーキ全般

嫌いな食べ物:特になし

家族構成:父 自分

     母

召喚獣の格好:原作通り

召喚獣の腕輪:熱線

特徴:①秋のことを応援している

   ②明久の幸せを願っている

 

 

「これが没になった理由は?」

「一つだけ理由があるんだ」

「「?」」

 

「そのノートが行方不明になったんだ」

 

「「ハァ?!!」」

「で、今になってようやく見つかったわけだ」

「いつ失くしたの?」

「1年前」

「あー、それはきついわぁ」

「だから作者は新しい小説を一から書き直さなくちゃいけなくなったんだ」

「ふむふむ」

「そして艦これが始まっていたことに気付く。最初は『なんだこれ?』と思って色々検索してみたんだが、途中からやってみるかとなって今はトラック泊地の提督として無事着任したんだ。そして、俺と出会う。実をいうと作者は艦これを始めた理由が何と俺だったんだ。だから、俺がドロップしたときなんかは絶叫してたからな。そして、作者は東方も同時に好きだった。」

「「ゑ?」」

「最初は艦これキャラを幻想入りさせる案もあったんだ。しかし、艦娘ってどういう風な基準にすればいいかということに悩んだわけだ。しかし、作者は以前失くしてしまった小説を思い出す。」

「まさか・・・」

「そう。艦これのキャラクターと東方のキャラクターの一部をバカテスの世界に入れてみたらどうだと思ったんだ。これについてはかなり人を選んじまう。だがやってみるしかなかったんだ。作者曰く『艦これと東方を同時に楽しめる小説を書きたかった』だからな。」

「ああ、そういうことね」

「ああ。しかし、そこでまた没設定が発生したんだ。」

「またぁ?!!」

「ああ。実をいうと前作のことをまだ引きずっていてな。最初は俺ではなく村雨を入れようという案があったんだ。」

「また恋愛系?」

「ああ。しかし、『艦これのキャラクターって提督や艦娘以外とのカップリングはあまり受けないんじゃないか』と思った作者は恋愛に興味がなさそうな原作では戦闘以外にはあまり興味がなさそうな天龍を入れることにしたんだ。」

「まじか」

「その時の初期設定がこちら」

 

天龍

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:(未記入)

所属クラス:F

一人称:「俺」

身長:175㎝

バスト:D

得意科目:技術

苦手科目:古典

好きな食べ物:焼き鳥

嫌いな食べ物:チーズケーキ

家族構成:父 自分

     母 妹

召喚獣の格好:ゲームの服装に得物

召喚獣の腕輪:大砲

特徴:①口が悪い

   ②目つきが悪い

   ③隻眼(またはオッドアイ)

 

「ここで設定自体は固まってたんだな」

「まあな。しかし、ここで問題が更に発生したんだ」

「「ゑ」」

 

「俺の身長が180になったんだ」

 

「何故5㎝増えた?!!」

「記憶違い」

「馬鹿じゃねぇの?!!」

「そして、それに合わせて全員の身長を少し上げたんだよな」

 

※参考(設定では間違えて没原稿の書いているままに書いてしまっているためここに書かれている身長とは違いますのでご了承ください。これからはこの身長で行かさせてもらいます)

吉井明久:175㎝

坂本雄二:183㎝

姫路瑞希:164㎝

島田美波:164.5㎝

木下秀吉:166㎝

土屋康太:167㎝

 

 

「で、ほかに何かあるのか?」

「あるぞ。学園祭編で明菜とか鈴谷とか亜紀とか登場したろ?」

「うん、したね」

「実をいうと明菜自体に没設定があるんだ」

「ゑ」

「それがこちら」

 

 

吉井明菜

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:(未記入)

所属クラス:F

一人称:「私」

身長:163㎝

バスト:B

得意科目:家庭科

苦手科目:技術

好きな食べ物:パエリア

嫌いな食べ物:トマト

家族構成:父 自分

     母 妹

召喚獣の格好:黒のセーラー服に銃剣

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①ブラコン

   ②ヤンデレ

   ③明久至上主義

 

 

「怖っ!」

「フフフ・・・、怖いぜ」

「これはきついな」

「ちなみに亜紀の設定はこちら」

 

 

神田秋

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:(未記入)

所属クラス:F

一人称:「私」

身長:165㎝

バスト:E

得意科目:数学

苦手科目:日本史

好きな食べ物:炒飯

嫌いな食べ物:キムチ

家族構成:父 自分

     母

召喚獣の格好:和服に日本刀

召喚獣の腕輪:不明

特徴:①明久のことが大好き

   ②よく明久の家に泊まる

   ③オッドアイ

 

 

「何で『亜紀』になったんだ?」

「変換ミス」

「それだけかっ!」

「あと、鈴谷についてなんだが」

「ああ、アイツ?」

「あれにも没設定があってな。元々は北上か大井を入れる設定があったんだ。結局は没になっちまったがな」

「何でそれにしなかったの?」

「召喚獣の武器が思いつかなかった」

「それだけ?!!」

「それだけ」

「ださっ」

「まあ、そうなるな。で、第一次試召戦争編で夕張が参戦したろ?」

「おう」

「あれ、初期設定だと龍田が出る予定もあったんだ。」

「何故没に?」

「何か『天龍の相棒と言えば龍田』という感情が生まれたようだよ?」

「まあ、あのコンビは最強だよな。ある意味」

「二次創作で一番多様性が高いんじゃないかな」

「そして、龍田の参戦だな。これは元々用意してなかったんだが、作者の友人が『玲が出てくるんだったら龍田も出した方がよくね?』といったらしいぜ?」

「理由は?」

「『天龍にはやっぱり龍田が一緒じゃないと絞まるところも絞まりにくいと思う』だった」

「それで龍田さんを参戦させたわけだ」

「そしてその設定がこちら」

 

 

彩樹龍田

 

文月学園高等部2年

性別:女

年齢:16

誕生日:天龍の生まれた次の日(天龍がうまれたときが23時59分で龍田がうまれたときは0時を超えていたから)

所属クラス:F

一人称:「私」

身長:176㎝

バスト:Dに近いC

得意科目:化学

     地学

苦手科目:技術

好きな食べ物:竜田揚げ

嫌いな食べ物:チーズケーキ

家族構成:父 自分 義妹2人

     母 姉

召喚獣の格好:ゲームの服装に得物

召喚獣の腕輪:大砲

特徴:①天龍の二卵双生児の妹

   ②天龍とは真逆の性格

   ③綺麗

 

 

「これで全部だな」

「次回は本編の続きを書こうと思います」

「皆様、お楽しみに」

 

終わり



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第52問

次の日

 

~明久サイド~

 

僕は今左腕に包帯を巻いていた。

これには理由があって・・・。

 

 

島田さんに折られた。

 

 

これは今朝の出来事だった。

 

「ねぇ、雄二」

「何だ、明久」

「自慢していい?」

「・・・?」

「昨日ね、あの後亜紀と一緒にお風呂に入ったんだよ」

「な、なんだって?」

「うん、気持ちよかったよ~」

「それは・・・」ガチッ

「ゑ?」

 

「良かったわねぇ!!」グググ

 

「イタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!島田さん!!!腕はそっちに曲がらない!曲がらないからぁ!」

「だったら曲がるようにしてあげるわ!」

「こんなんだから男子に嫌われrって力掛けないでぇえええええええ!!!!!」

 

 

ボキッ

 

 

「「「ゑ」」」

 

雄二に昨日あの後亜紀と一緒にお風呂入ったことを自慢してたら急に島田さんが入ってきて僕の左腕に関節技をかけたのだ。

そして結果がこれだ。

あの後、島田さんは雄二に首絞められて落とされていたが。

 

「腕の骨が折れた・・・。」

 

と言ったらムッツリーニはこういった。

 

「人間には215本の骨があるんだ。一本くらい折れたのが何になる!」

 

どこのサラ・コナーだよ。更にこういった。

 

「それにお前がやられたのは左腕だ。利き腕じゃないんだぜ?」

 

いや、支障でるでしょ。

それはともかくとして、僕は鉄人に言い訳をすることとなった。

 

「左腕のそれは?」

「電柱にラリアットかましました」

「・・・あっちにいってもいいぞ」ハァ

 

何とか乗り切れたようだ。

「で、どうするんだ?報復は」

「島田さんに?」

「ああ。なんかやらんと気が済まんだろ?」

「いや、別に・・・・・。」

「お前は優しすぎるんだ、この馬鹿野郎が」

「そ、そうかな・・・。」

こんな会話もあったが特に何事もなく、放課後になった。

「今日はどこで勉強する気だ?」

「え?どこにしよう・・・」

「なんなら俺んとこがいいんじゃないか?なあ、龍田」

「うん、私たちは歓迎よ~?」

「なら決まりだな。準備しろ。すぐに出発だ。痕跡を残すな」

「了解」

最近天龍さんと話してると軍隊と勘違いしそうになるよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが俺んちだ。覚えとけよ」

「ほえ~結構普通なんだね」

「俺はてっきりコンクリートの豆腐を連想したんだが・・・・。」

「お前らの俺に対する気持ちがよく分かったよ」

そう言いながら天龍さんは玄関を開ける。

「お帰りっぽい~」

「お帰りなさ~い」

「おう、帰ったぜ。いい子にしてたか?」

天龍さんが頭をなでると二人は気持ちよさそうに目をつむった。

ほほえましいなぁ。

 

続く




こんな底辺ですいません


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第53問

OP:海色(艦これ)
ED:Lost boy(怪談レストラン)


バカテスト:第二水雷戦隊の歴代旗艦を全て答えよ

 

吉井明久の答え

「利根・出雲・吾妻・天龍・北上」

教師のコメント

ココまでよく書けたと思います。

 

 

坂本雄二の答え

「神通・那珂・天龍」

教師のコメント

それしか思い出せなかったんですね。

 

 

彩樹天龍の答え

「重巡洋艦:衣笠(3日だけ旗艦だった記録がある)

 防護巡洋艦:利根・出雲・吾妻・平戸

 軽巡洋艦:天龍・北上・夕張・五十鈴・神通・長良・鬼怒・能代・矢矧・那珂・名取・木曾(短期間だが二水戦の旗艦だったという記録が一応ある)

 駆逐艦:早潮・陽炎・長波・照月・島風・霞・初霜」

教師のコメント

・・・・あ、正解です。此処までよく細かく書けましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「おい、吉井」

天龍さんが僕に対して声をかけてくる。

「何?」

「何故日本史を開けているんだ?」

「いや、勉強しようかと思って………」

「・・・貸せ」

そう言って天龍さんは僕から日本史の教科書をひったくる。

「ああ・・・!」

「じゃあ問題出すぞ。

邪馬台国について記された資料のことを何と言うか」

「『魏志』倭人伝」

「正解。次だ。

ミッドウェー海戦が起こったのは何年何月何日か?」

「1942年6月5日から6月7日」

「・・・てめぇ充分だろ!それよりも数学やれよ」

「天龍さんは?」

「手伝ってやるからやれ」

「そういうことね」

僕は問題集と向き合う。

・・・だめだ、全然わかんねぇ・・・。

「・・・ねぇ、天龍さん」

「?」

「勉強しないで成績が伸びる方法ってないの?」

「・・・吉井」

「?」

 

「それって亜紀にキスするのに彼女を引き寄せないのと同じ意味だぞ?」

 

・・・・・・・・・・・・。

「・・・やるよ」

「やれ」

僕らはもくもくと勉強する。

「天龍さん」

「なんだ、夕立」

「此処教えてほしいっぽい!」

「わかった。どれどれ、ああ、ここはこうして・・・」

「すごいっぽい!」

「お前も将来こうなれるから勉強頑張りな」ナデナデ

「うん!」

・・・・・・・・。

「ほほえましいねぇ」

雄二が言う。

「・・・(コクリ)」

「そうじゃのう」

秀吉やムッツリーニも同意見のようだ。

「お前ら、何見てんだよ。さっさと勉強しろよ」

「おうよ」ニヤニヤ

「何ニヤニヤしてやがる気持ち悪い」

そうしているとだれかのお腹が鳴った。

「・・・///」

・・・明菜か。

「・・・そういや腹減ったな。飯作ってやるからそこで待ってろよ」

そう言いながら天龍さんは立ち上がる。

「だったら私も手伝うわ~」

龍田さんも立ち上がる。

 

「何作るの~?」

「今日は奮発して炒飯でも」

「わぁ、私大好き!」ダキツキ

「おうよ」ナデナデ

 

・・・・・・・・・・。

「本当に仲良いんだな」ダバー

「(コクリ)」ダバー

「そうじゃのう」ダバー

「姉妹内で仲がいいのはとてもいい事だと思います」ダバー

ココは砂糖製造所か!

 

 

 

 

 

天龍さんの炒飯はとてもおいしかった。

 

 

 

 

 

続く



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第54問

OP:海色(艦これ)

ED:Losy Boy(怪談レストラン)


~明久サイド~

 

「じゃあ帰るよ。きょうはありがとね」

僕は天龍さんに礼を言った。

「いいってことよ。仲間だろ?これくらいは当然だぜ」

天龍さんはニカッと笑いながら言った。

「また来てね~」

と龍田さんが言った。

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

 

「おはよう明久」

「おはよう雄二」

僕は勉強しながら返事する。

「何見てんだ?」

「数学」

「・・・熱でもあるのか?」

「あるわけないだろ!」

「冗談だ」

雄二の言う冗談は真顔で言うことがあるからわかりづらいんだよ!

「で、今日はどこで勉強するの?」

「もう聞くのかよ。それは放課後の方が良いだろ」

「・・・そだね。僕としたことが急ぎ過ぎたよ」

「お前はゆっくりした方がお似合いだ」

 

 

 

 

 

 

 

壱時間目

「・・・。」カキカキ

「・・・明久君」

「?」

「保健室に行ってきなさい」

「何故にぃ?!」

 

 

 

 

 

 

弐時間目

「では教科書の47ページを開きなさい」

「・・・。」サッ ペラペラ

「・・・明久君」

「?」

「保健室に行きなさい」

「何かデジャブだ?!」

 

 

 

 

 

 

参時間目

「明久君、答えは?」

「はい。Xの値は12です」

「・・・明久君」

「何ですか?」

「熱でもあるんですか?」

「ありません!」

 

 

 

 

 

 

四時間目

「・・・・・・。」カキカキ

「・・・・・・・・明久君」

「?」

「悩みがあったら聞きますよ?」

「何か親切なのが辛い!」

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

「ダ――――――」

僕は机に突っ伏した。それでも参考書とかは手につかんだままだけど。

「大変だったな、明久」

雄二がケラケラと笑いながら僕に声をかけてくる。

「うっさい黙れ!下手な慰めなんかいらん!」

「・・・そんなこと言わずに飯を食おう。」

ムッツリーニが僕に声をかけてくる。

「そうじゃぞ明久。勉強に真剣になるのはわかるが、飯を食わんと戦もできんぞ」

「・・・そだね」

僕は弁当箱を開けると食べ始める。

「ところでさ」

と僕はふと思ったことを口にする。

「「「?」」」

「何で最近試召戦争が無いんだろうね」

「バカか明久」

どうせ僕は一生馬鹿だよ。

「勉強に忙しいからに決まってんだろ」

「それでもだよ。それでたまったストレスはどこで発散するのさ」

「・・・・たしかにそうだな」

「僕が思うにね、いつか爆発すると思うんだ」

「おう・・・」

「その時にたぶんだけど、・・・Fクラス(僕ら)に標的が向くと思うんだよね。」

「まあな。俺ら、色々と反感買ってんもんな。特にCクラスに」

「うむ」

「それでだよ。今、試召戦争したら確実に嫌われることは確実だよね」

「・・・ああ」

「そうなると先手必勝できないことになるよね」

「・・・何が言いたい」

「つまり」

僕は一呼吸おいて行った。

 

相手に先手を打たれる可能性がある(・・・・・・・・・・・・・・・・)ということにもなるよね」

 

そう言うと3人とも苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

「そういやFクラス(俺達)って自分達から戦争を望んだんだよな」

「そうだったのう。わしらは戦争を申し込まれたことはなかったのう」

「・・・確かに」

 

「それだったら例外があったぞ」

 

「「「「どわぁあああああああ?!!!!!!」」」」

僕ら全員がビックリした。

「って、なんだ天龍さんか。吃驚させないでよー」

「すまん」

「で、例外とは?」

と雄二が訊いた。

「ああ。去年の先輩方はこの時期にかなり『例外』が発生しているんだ。」

「れいがい?」

最低(F)が上から戦争を申し込まれることだ」

「・・・・マジで?」

天龍さんは頷くと紙を僕らの机に置いた。そしてさりげなく僕らの中に入ってきた。

「一回目の例外はEがFに対して申し込んだことだ。これは模擬試召戦争だったからどちらにもデメリットはないし、点数も戦争前にリセットされるからある意味問題ないんだ」

「結果は?」

「Fの勝利だ」

僕らは少し目を見開く。

「どうやらその時の代表は不慮の出来事で振り分け試験に参加できずにFクラスに入ったようでな、かなり頭がきれたようだ。」

「・・・一回目ということは、ほかにもあったのか?」

 

「ああ。二回目はAが申し込んだようだ」

 

「「「「ゑ?」」」」

僕ら四人とも唖然とした。

「どうやら最高クラスということもあってかなりプレッシャーがかかっていたようでな、それがストレスとなって積りに積もって爆発したんだろう」

「それでFに?」

「ああ」

「勝敗は?」

「Aのボロ勝ちだよ。代表はかなり粘ったようだがな」

「・・・ん?」

僕は少し疑問に思ったことを口にした。

「それって模擬戦?」

天龍さんは少し溜息をついて答えた。

 

「いや、本番だ」

 

「何?それはつまり・・・」

雄二が少し驚いたような表情を浮かべながら言った。こんな表情をする雄二は1年生の頃のあの時ぶりだった気がする。

天龍さんは雄二の言いたかったことであろうことを言った。

 

「ああ。設備はランクダウンだ」

 

「ミカン箱に?」

秀吉も信じられないような表情をしながら言った。

「ああ。お察しの通りだ。しかし、それだけじゃ終わらなかったんだ」

「まさか・・・」

「その後、まだ点数も十分に回復できていない時にBから申し込まれたようだな」

「結果は?」

「ぼろ負けだ。戦意もかなり落ちてたしな。ちなみに設備は更にランクダウンしたらしい」

「・・・これで終わりなのか?」

ムッツリーニが疑うように訊いた。

 

「まさか。まだあるぞ」

 

「「「「ゑ?」」」」

天龍さんは話を続ける。

「Dクラスからだ。この時に代表は前線を張る事さえできないと判断したんだろう。籠城戦を図ったんだ。これでかなり粘ることはできたようだな」

「結果は?」

「結果的に負けたようだ。すり減らされて嬲り殺される結果になっちまったようだな」

「そりゃそうでしょ」

「ここにさらにダメ押しするようにまたAからだ。瞬殺だったようだな。兵士が炎天下の中に置いたアイスのように溶けていったらしい。」 

「うわ・・・」

「次にとどめを刺すようにCから戦争を申し込まれたんだ。ここで代表は作戦を敢行したんだ。真っ向勝負では絶対に負ける。だからウソ情報を流して別のクラスを戦争させるように仕向けてから戦争を開始させたんだ。・・・この戦争の結果、仲が悪くなったり、いじめが発生したようだな」

「うわぁ・・・・」

僕らは苦汁をなめさせられたような顔をしていた。去年のFクラスの悲惨さに、その時の卑怯な手段に。

そして天龍さんは少し悲しそうな顔をしながら話を続けた。

「そして校舎内を逃げるようにして勝負したらしい。時には1対複数になるように仕向けたりしてな。」

「結果は?」

「屋上に追い詰められて戦死したらしい。」

「で、天龍。」

「何だ、代表」

「どこで情報を手に入れた?」

「料理部の先輩から聞いた。」

「どういう風なシチュエーションで?」

「確か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~@~

 

「天龍」

「何すか?」

「あんたんとこって始業式の日から戦争をしたらしいわね」

「はい、そうっすよ。」

「よくやろうと思ったわね」

「これはうちの代表からの提案だったんすよ。『下剋上するぞー!』なんか言い出したんで」

「へえ、変わってるわね」

「よく言われますよ」

「今の時期にやろうという気は?」

「全く持って無いっすね。代表も同じようですし」

「ストレスとかはたまらないの?」

「さあ」

「平和ね」

「それはウチのクラスを見て同じこと言えますかね」

「クラス内だけでいいじゃない。私たちの頃なんか他クラスまで巻き込んで色んなことがあったんだし」

「・・・今何とおっしゃいました?」

「他クラスを巻き込んでまでいろんなことがあったんだし」

「それはいつあったんですか?」

「今ぐらいの時期よ」

「それについて詳しく教えてくださいませんか?」

「うん、いいけど・・・それはFクラスが主な被害者となった出来事よ?」

「だからこそ教えてくださいませんか?Fとなると余計に知らなければなりません」

「いいわ。教えてあげるわ」

 

~@~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・という感じで」

「・・・・・・・・少し警戒しといた方が良いかもしれんな」

「そうした方が良いだろう。過去にこのような事例があるのなら今起こっても不思議じゃない。過去に起こったことが今起こらないなんて保証はどこにもねぇんだからよ」

「ああ」

僕らは食事を再開した。

 

続く




その去年のFクラスの代表についての伏線は後ほど回収されます。


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第55問

「やっと授業終わった―」

僕は机の上にへばる。参考書は握りしめたままだ。

「もう放課後か。早いな」

と雄二が言った。

「今日はどこで勉強するかの?」

と秀吉が言ってきた。もう日常みたいになってるや。

「・・・行く当てがない」

ムッツリーニが言った。確かに行く当てがない。いや、無い事はないがあまり期待できないと言った方が正しいかも。

「私の家とかどうですか?」

と亜紀が言ってきた。

 

なんだって?亜紀の家に行けるだと?だったらどさくさまぎれに部屋に忍び込めるということでは?これはチャーンス!姉さんも『亜紀さんや家族以外との不純異性交遊は禁止です』と言ってたし丁度いい!合法だ!

「神田とこの両親も入れてやれ」

と天龍さんに言われた。この人はエスパーか?!

・・・というよりも、すっかり忘れていた。orz

「あの、ダメでしたか?」

「いや、全然ダメじゃないよ。亜紀。寧ろ今僕はここで昇天してしまってもいいくらい幸福に満ち溢れている気分なんだ。」

「見ろよアイツ。凄い幸せそうな顔してやがるぜ」

「よほどうれしかったんだろうなぁ」

「左腕を骨折しておらなかったら今頃両手を広げているぞい」

「・・・(カシャ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「あの、ダメでしたか?」

「いや、全然ダメじゃないよ。亜紀。寧ろ今僕はここで昇天してしまってもいいくらい幸福に満ち溢れている気分なんだ。」

「見ろよアイツ。凄い幸せそうな顔してやがるぜ」(俺)

「よほどうれしかったんだろうなぁ」(代表)

「左腕を骨折しておらなかったら今頃両手を広げているぞい」(木下)

「・・・(カシャ)」(土屋)

「撮る必要性は?」

「・・・気分」

「お前気分で撮るとかあったの?」

「・・・さすがにある」

「需要は?」

「・・・亜紀に売りつけとく」

それは需要ありそうだな。

「ちょっと、うちも入れなさいよ」

入ってくんな、暴力女。

「島田さん」

「何よ」

吉井が神田を背後に庇うような立ち位置になった。

そして代表を一瞥してから言った。右腕を突きだしながら。

 

「Hasta la vista, baby」

 

そして代表が瞬時に叫ぶ。

「起動!」

すると召喚フィールドが展開される。

吉井が叫ぶ。

「試験召喚獣、召喚!」

島田も遅れて叫ぶ。

「試験召喚獣、召喚!」

弐体の召喚獣が召喚される。

 

  2年Fクラス秘書 吉井明久 32点

古典       VS

  2年Fクラス 島田美波 6点

 

アイツ、ロクに勉強してなかったろ。

「えい」

ボコッ

「ゑ」

まあ、そうなるな。

「戦死者は補習うううううううう!!!!!!!!」

「いやあああああああああああああ」

西村先生、いつの間に?!!!

「おい、エコーかかってたぞ」(代表)

「うん、かかってたね」(吉井)

「・・・恐ろしい」(土屋)

「ホントに人間なのかの…?」(木下)

「・・・俺さ」

「「「「?」」」」

「あの人ターミネーターじゃねぇかって思ったことあるぜ」

俺は直ぐに否定に近い言葉を入れる。

「それにしては表情豊かだがな」

「TOKなんたらじゃない?」

「あれは女性だろ」

「そっか」

 

 

 

続く




「Hasta la vista, baby」の意味は「地獄で会おうぜ、ベイビー!」or「さっさと失せろ、ベイビー!」のどちらでも構いません。元ネタはターミネーター2ですから。


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第56問

僕は今亜紀の部屋にいる。理由がある。

 

今晩泊めてくれるのだ、しかも僕だけを。

 

これは襲っても大丈夫だよね?ね?

いかんいかん!ここは尚更平常心を保っていかないと嫌われてしまう。

落ち着け、吉井明久。

深呼吸。そして息を吐く。・・・よし落ち着いたこれでしばらく何とかなりそうだ。

・・・しかし、可愛い趣味持ってるんだな~。

・・・・あ、僕と亜紀の小さいころの写真。まだ持ってたんだ。僕も持ってるけど。

 

「明久?」

 

「シュワッチ!」

僕は驚いて布団の方へ飛び込んでしまった。ああ、亜紀の匂いがする・・・・・・・。

「僕、此処で昇天しても悔いはないや・・・・・」

「ヤダ!死なないで!」

「冗談だよ、ってうわぁ?!」

急に亜紀が僕に抱きついてきた。うわ、胸が!胸が!胸が当たって理性がまるで大根おろしの様にゴリゴリ削られていく!

ヤバい!ヤバい!

「はなして!こここここここここここのままじゃ、まままままままままままままずい!」

「やだぁ!やだぁ!」

「あああああああああ!!!!!!!!!!!」

ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!

って、ん・・・?

「ねぇ、亜紀」

「何?」

グフッ!上目遣いに涙目のコンボは死ねる・・・・・・。ってそうじゃない!

「ブラ、付けてないの?」

「寝るときはさすがにつけてないけど・・・。それがどうしたの?」

「ああ、そういう・・・・・・・ことか・・・・・・・・・・。」

我が生涯に一片の悔いなし。

「って、明久?どうしたの?」

「亜紀」

「何?」

「一緒に寝ていい?」

「うん!いいよ!」

その夜は凄い温かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「・・・ってことがさ、あったんだよ」

「羨ましいなぁ」

学校に行く途中で僕が自慢したら雄二が気持ち悪いほど純粋に羨ましがった。

「亜紀は渡さないよ」

「そういうわけじゃねぇよ。恋人の温もりを感じながら眠れるって本当に羨ましいと言ってるんだ」

「頼んでみたら?」

「・・・そうだな」

 

「・・・何話してるの?」

 

「「シュワッチ!!」」

僕らは吃驚して電柱の後ろに隠れてしまった。

「って、なんだ。霧島さんか~」

「おいおい、翔子・・・。心臓に悪いからやめてくれって言ってるだろうが。」

「・・・今度から気を付ける。」

「今直せよ」

「えへへ・・・」

純粋に笑う霧島さんを見た瞬間、雄二の顔が赤くなったのが見えた。

「雄二ぃ、誘ってやりなよ」

「お、おう。お前に言われるとなんか狂うなぁ」

雄二は霧島さんに歩み寄る。

「翔子」

「・・・?」

「今夜、俺と一緒に寝てくれないか?」

「・・・・!」

霧島さんは少しびっくりしたように目を見開いたが少ししてにっこりと笑ったかと思うと言った。

「・・・雄二となら、一緒に寝ていい」

「よっしゃああ!!」

良かったね、雄二。

「何やってんだぁ?」

あ、天龍さん。

「いや、雄二が霧島さんに一緒に寝てほしいと頼んだんだよ」

「ついに大人の階段をさらに一歩登っちまうのか?」

「いや、たぶん抱きしめるだけだと思うよ」

「それはそれでつまらないな……」

何がだ。

「いいなぁ・・・」

あ、龍田さんも。

「『いいなぁ・・・』って、お前男でも作ってたのか?どこの馬の骨かしらねぇが龍田に見合っている相手かどうか調べてやる。」

「天龍ちゃん、そういう意味じゃないのよ。私も天龍ちゃんに抱かれてみたいな、っていうことなの。」

「・・・・それくらいしてもいいぜ?」

「本当?」

「ああ、約束する」

「やっぱり私の姉だわ~」

「よせ。照れるだろ」

天龍さんは少し頬を赤らめた。

天龍さんってこんな表情もできるんだ。今までずっとあまり表情変えてたからできないのかと思っていた。

 

 

続く



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第57問

~明久サイド~

 

終わった……………。

何が終わったって?

 

 

テストが終わったに決まってるだろ?

 

 

そりゃあ努力しましたよ。努力しましたとも。死ぬほど努力しましたとも。

でもね?

 

 

英語には勝てなかったよ……。

 

 

そして、今僕は姉さんに対して土下座していた。

「姉さん、勘弁してつかあさい」

「確かに見てて必死になって解こうとした形跡が見れますね。問題用紙共々」

姉さんは珍しく苦笑いをしていた。

「まあ、アキ君はそこまで問題じゃないんですよ。いや、問題ですけど」

どっちだよ。

「問題は明菜。あなたですよ」

「へ?」

「何故数学が真っ白なのですか?」

「全然わかりませんでした!」

「素直でよろしい」

「せめて抵抗しろよ、明菜」

姉さんは少し表情を曇らせた。

「判定が難しいですね・・・・・・・。」

「「判定?」」

「はい。」

「「なんのですか?」」

「罰の」

「「罰…?」」

なんか嫌な予感が・・・・・・・。

 

 

「ええ、私がお嫁に行けるくらいのディープキスを。・・・・・ってなんでそんなに離れてるんですか?」

 

 

まずい!これはまずい!姉さんとしては別にいんだろうけど僕らとしては死活問題だ・・・!

「明菜!君が生贄となれ!女性同士だからやりやすいはずだ!」

「いえ、アキ兄が行くべきです!姉さんはアキ兄とのキスを望んでいるはずです!」

「「ぐぬぬ・・・・・・・・・・・」」

 

「いえ、私としては別に両方しても構わないんですよ?」

 

「「そこはどっちかに選んでよ、姉さん」」

見境なく人を襲わないでよ。

 

ピンポ~ン

 

その時、玄関のチャイムが鳴った。

「私が行きます。」

明菜が行こうとする。そうはさせるか・・・・・!

明菜の肩を僕は掴む。

「アキ兄、放してください」

「いや、僕が行くよ。明菜。君はここで寝てるといいよ」

「いえ、アキ兄がここで寝ててください。」

「「グググ・・・・・・・」」

「は~い」

「「あ」」

玄関のドアが開く。

「あの~・・・」

「ああ、神田さんでしたか。どうぞあがってください」

亜紀?!!ここに何の用があってきたのだろうか?

「亜紀、何故ここに?」

僕は明菜に押さえつけられながら言う。

はたから見ればシュールかもしれないが仕方ない。組み手だったら明菜の方が一枚上手なのだ。

 

合気道で全国優勝したことのある妹にただの一般ピープルの僕がかなうはずがない。

 

「いえ、その、お礼がしたくて・・・・」

「おれい?」

姉さんが不思議そうに訊く。

「アキ兄、なんかした?」

「え・・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。

「いや、あれは僕の方がお礼を言うべきじゃないかなぁ・・・。」

「?」

僕らを置いて話は進む。

「はい。ちょっと前に私の家に泊まった事があったじゃないですか」

「ええ」

「その時に明久に抱きしめてもらったんですよ」

「・・・・ゑ?」

姉さんの吃驚する顔を初めてみた気がする。

「それで、そのおれいがしたくて・・・」

「ええ」

「パパとママに訊いてみたんですよ」

 

 

 

『そりゃあ脱げばいいんでねぇの?』

『ええ?!脱ぐの?!!』

『明久君のこと、愛してんだろ?』

『はい!この世のすべてを敵に回してでも明久を愛してると言える自信があります!』

『そう思うんだったらすぐに実行するべきよ。ねえ、アナタ?』

『ああ。俺もそう思うな』

 

 

 

「・・・・って、ことがあって」

ご両親方何教えてはるの?!!!

「それで、どう脱げばいいかわからいんですけど、とりあえず頑張るから!」

「そこは頑張らなくても大丈夫!大丈夫だから!」

「アキ君」

「何?姉さん」

 

「据え膳くわぬは男の恥って諺を知ってますか?」

 

「ごめん!知らない!」

知ってるけど知らない!知りたくない!

「アキ兄」

「?」

 

「人は決断しないといけない時が来るんです」

 

「待って!それは今じゃない!最低でも今じゃない!」

「あの・・・・・・」

僕はその時、亜紀の方を見るのを後悔しなかった。何故なら僕はその時、この世に桃源郷がある事を実感したからだ。

 

ブラ姿の亜紀がいたのだ。

 

「ゴフッ」

僕は口から血を吐いた。

「明久?!!!」

「明久?!!」

「アキ君?!!」

 

「我が生涯に、一片の悔いなし・・・・!」

 

そういうと僕は親指を立てて意識を手放した。

 

 

期末考査編 了




次回からは少しの閑話休題と新章突入です!


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閑話2
第?問「キャラクター設定集完全版(仮)」※加筆されること有り


吉井明久(よしいあきひさ)

 

文月学園高等部2年

所属部:料理部

性別:男

国籍:日本

誕生日:10月18日

所属クラス:F

一人称:「僕」

CV:下野紘

身長:170㎝

得意科目:日本史(300~600)

     家庭科(200~300)

     世界史(300~500)

苦手科目:化学 (1~10)

     英法 (3~20)

好きな食べ物:パエリア

嫌いな食べ物:ゴーヤ

好きな単語:「愛」

家族構成:父 自分 姉

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:鬼殺し

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Tiger Ausführung B "TigerⅡ"(Ⅵ号戦車ティーガーB型『ティーガーⅡ』)

好きな国:日本

召喚獣の武装:木刀

召喚獣の腕輪:『我、一撃入魂シ、攻撃ス』

 400点以上で発動。100点消費。攻撃力を一回だけ3倍に引き上げる。

特殊能力:『鋼鉄の精神』

 どんなにピンチでも決してあきらめない能力。というより明久本人の根性。

 

解説

 キング・オブ・バカ。観察処分者第一号。Fクラス秘書で成績はクラス内で3位。どうしようもない馬鹿で自分に対する周りの気持ちさえ察することが出来ない。が、他人の為なら自身が傷つくことさえいとわないという他人の為なら熱くなれる人間である。優しさだけならAクラスに行けるレベル。操作がうまく、多少の点数の差は問題ない。坂本雄二や木下秀吉、土屋康太とは高校1年からの付き合い。女装が似合うランキング第1位。姉と双子の妹、明菜で3人暮らし。亜紀一筋。『黒金の腕輪』所持者。得意技は人間魚雷頭突き。

 

 

吉井明菜(よしいあきな)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:10月18日

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:堀江由衣(艦これの山雲イメージ)

身長:162㎝

バスト:C

得意科目:特になし

苦手科目:世界史(10∼80)

好きな食べ物:明久が作ってくれた料理なら何でもいい

嫌いな食べ物:ゴーヤ

好きな単語:「愛」

家族構成:父 自分 姉

     母 兄

飲んでみたいアルコール飲料:日本酒

好きな戦車:C.V.33(カルロ・ヴェローチェ=快速戦車、33年型)

好きな国:日本

召喚獣の武装:銃剣

召喚獣の腕輪:不明

特殊能力:『擁護』

 明久がピンチの時にその場に居合わせた時に、発動する。・・・これ、能力じゃなくてただの兄思いな妹だよね?

 

解説 

 明久の双子の妹。兄思いで頼りになる。容姿はアキちゃん(明久の女装姿)をもう少し幼くした感じ。姉である玲を苦手とし、兄である明久を誇りにしている。料理は得意ではない。得意技は明久直伝の人間魚雷蹴り。

 

 

神田亜紀(かんだあき)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:10月19日

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:種田梨沙(艦これの羽黒イメージ)

身長:162㎝

バスト:C

得意科目:不明

苦手科目:不明

好きな食べ物:カキフライ

嫌いな食べ物:明太子

好きな単語:「明」

家族構成:父 自分

     母 

飲んでみたいアルコール飲料:テキーラ

好きな戦車:10式戦車

好きな国:オーストラリア

召喚獣の武装:銃剣

召喚獣の腕輪:不明

特殊能力:『阿修羅』

 明久が傷つけられた時に居合わせた場合に発動。誰かが必死に止めるまでターゲットを追いかける。

 

解説 

 明久の許嫁。容姿としては顔は艦これの羽黒の左眼を青色、右眼を水色にした感じ。恥ずかしがり屋で怖がりな面があるが、意外な所で大胆でもある。明久曰く「彼女こそ、僕にとって女神なんだ・・・・・!」。

 

 

吉井玲(よしいあきら)

 

性別:女

国籍:日本

誕生日:不詳

一人称:「私」

CV:井上喜久子

身長:177㎝

バスト:E

好きな食べ物:明久が作ってくれた料理なら何でもいい

嫌いな食べ物:?

好きな単語:「家」

家族構成:父 自分 妹

     母 弟

好きなアルコール飲料:赤ワイン

好きな戦車:Tiger 131(ティーガー131)

好きな国:アメリカ

特殊能力:『咄嗟格闘術』

 何か危険が迫った時、何故か格闘技が出る。プロも顔負けである。

 

解説 

 明久と明菜の姉。グラビアアイドル顔負けのグラスマスボディー。

自分にも他人にも厳しい性格で、できないことはできるようになるまで努力し、そうして結果を出さなければ意味がないというスタンスの持ち主。ではあるが、妥協する面も多い(第57話の「確かに見てて必死になって解こうとした形跡が見れますね。問題用紙共々」)。明久と明菜に対する評価は基本的に低いが、彼らを励ますことも多く、二人が無茶をすることについては彼らの真っ直ぐな気持ちの表れとして誇りに思い、尊重している。亜紀については服を脱ごうとした彼女を必死に止めようとする明久に対して「据え膳くわぬは男の恥って諺を知っていますか?」と言うくらい寛容的。得意技は腕ひしぎ十字固め。

 

 

坂本雄二(さかもとゆうじ)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:男

国籍:日本

誕生日:五月頃だと判明しているが、詳細は不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:鈴木達央

身長:176㎝

得意科目:数学 (200~500)

     家庭科(200~300)

     日本史(300~400)

苦手科目:音楽 (1~10)

     美術 (3~20)

好きな食べ物:ラーメン

嫌いな食べ物:生エビ

好きな単語:「力」

家族構成:父 自分

     母

飲んでみたいアルコール飲料:黒霧島

好きな戦車:KV-2(カーヴェードゥーバァー)

好きな国:ソビエト社会主義共和国連邦

召喚獣の武装:メリケンサック

召喚獣の腕輪:『強化』

 400点以上。100点消費。一回だけ攻撃力を5倍に引き上げる。

特殊能力:『一発逆転』

 どんな危機的状況でもなんらかにより打破することが出来る。ただし発生条件は不明。

 

解説

 Fクラス代表でクラス内の成績は1位。明久のことを馬鹿にはするが信頼はしている。小学生のころは「神童」と呼ばれていたがある事件をきっかけに喧嘩に明け暮れ、中学の頃は「悪鬼羅刹」と呼ばれた。しかし頭の回転の速さは健在。演説性に長けている。霧島翔子とはラブラブ。明久はともかく天龍とも息の合った協力プレイを見せるようになった。実は中学の頃に一回天龍に負けたことがあるが、覚えていない。得意技はダブルラリアット。

 

 

木下秀吉(きのしたひでよし)

 

文月学園高等部2年

所属部:演劇部

性別:男

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「儂」

CV:加藤英美里

身長:164㎝

得意科目:古典 (400~700)

     家庭科(300~500)

苦手科目:英解 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:梅干し

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「演」

家族構成:母 父

     姉 自分

飲んでみたいアルコール飲料:ビール

好きな戦車:九七式中戦車チハ

好きな国:台湾

召喚獣の武装:薙刀

召喚獣の腕輪:『コピー』

 300点以上。50点消費。20秒だけ召喚獣の武器を相手と同じ武器に変えることが出来る。複数いる場合はランダムで選ばれる。

特殊能力:『絶対複製音』

 色々なモノの声や鳴き声をまねることが出来る。ゴジラの咆哮も真似ることが出来る。

 

解説

 Fクラスの貴重な常識枠。演劇部に所属しており、すごい上手なことから「演劇部のホープ」と呼ばれるようになった。しかし、その裏には凄まじい努力があり、時には怪我をすることや声を思い通りに出せなくなったこともあった。

 女性みたいな顔だちをしており、よく男子から告白される。しかしそれは自分のプライドを傷つけることにつながるため、きつい態度でかえす。明久の事は何だかんだで信じており、決断をゆだねたりしている。後、姉がずぼらなため家事はそつなくこなせる。

 

 

土屋康太(つちやこうた)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:男

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:宮田幸季

身長:166㎝

得意科目:保健体育(400~800)

     家庭科 (200~500)

苦手科目:上の教科以外すべて壊滅的

好きな食べ物:炒飯

嫌いな食べ物:ピーマン

好きな単語:「美」

家族構成:母 父

     妹 兄×2 自分

飲んでみたいアルコール飲料:龍殺し

好きな戦車:九五式軽戦車ハ号

好きな国:イタリア

召喚獣の武装:小刀×2

召喚獣の腕輪:『加速』

 400点以上で発動。距離に応じて点数の消費量が変わる。

特殊能力:『絶対視力』

 約10㎞先の物体を見ることが出来る。(例:バストの微妙なサイズ)

役に立つかは不明。

 

解説

 Fクラス生徒。並外れたスケベ心を持ち、本心に実直な行動を取るが、それを絶対に認めないことから「ムッツリーニ(寡黙なる性識者)」の異名を持つ。男子にしては小柄だが、引き締まった身体で運動神経もよい。外見はやや幼く感じられる。大半の教科においては明久以上のバカだが、性に関する知識だけは人並みはずれて豊富である。ただし妄想ですら致死レベルの鼻血を噴くほどのウブで、常に輸血パックを携帯している。

 秘密裏に「ムッツリ商会」を営んでおり、その売り上げはデジカメや盗聴機材などの資金になっている。一部の監視カメラは文月学園に寄付している、匿名で。工藤愛子とは彼氏彼女の関係。得意なことはカッター投げ。

 

 

島田美波(しまだみなみ)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「ウチ」

CV:水橋かおり

身長:163㎝

バスト:A

得意科目:数学 (100~200)

     家庭科(100~300)

苦手科目:古典 (1~10)

好きな食べ物:ソーセージ

嫌いな食べ物:らっきょう

好きな単語:「好」

家族構成:母 父

     妹 自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:Ⅰ号戦車

好きな国:ドイツ

召喚獣の武装:サーベル

召喚獣の腕輪:『マッハトルネイド』

 300点以上で発動。100点消費。総計200点のダメージを与えることができるが、途中で逃げられたり、点数差が大きすぎると相殺されたりする。

特殊能力:不明

 

解説

 Fクラスの貴重な女子成分。明久に対し恋愛感情を抱いているが、素直になれず関節技をかけてしまう。そのためか明久に警戒されるし、雄二からも注意されている。天龍からは「暴力女」と呼ばれる羽目に。根は純情(という噂)。自信過剰者。帰国子女ということもあってか古典は苦手。数学も証明問題は得意ではない。得意技はドロップキック。

 

 

姫路瑞希(ひめじみずき)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:原田ひとみ

身長:163㎝

バスト:F

得意科目:数学 (300~400)

苦手科目:家庭科(20~60)

好きな食べ物:桃

嫌いな食べ物:特になし

好きな単語:「麗」

家族構成:母 父

     自分

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:Dicker Max(ディッカー・マックス)

好きな国:フランス

召喚獣の武装:大剣

召喚獣の腕輪:『熱線』

 400点以上の時に発動。100点消費する代わりに高威力の熱線を繰り出す。しかし、発動している間動けない上に打ち切った後の硬直時間が少し長い。しかも、点数差が大きすぎると撃っても押し切られる危険がある。

特殊能力:不明

 

解説

 家庭科以外点数が高い。Fクラスの貴重な戦力及び女子成分。天然。天龍からは「ピンク」と呼ばれる。吉井明久に恋心を抱いているが、言い出せずにいる。Fクラスの毒気に侵されつつある。料理の腕は絶望的で天龍から料理することを禁止された。

最近自分の行いを反省しつつある。

 

 

フランドール・スカーレット

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:不明

誕生日:不明

所属クラス:F

一人称:「私」「フラン」

CV:金元寿子(紅魔城伝説)

身長:158㎝

バスト:Bに近いA

得意科目:美術 (300~400)

     音楽 (300~400)

苦手科目:家庭科(80~100)

     現文 (70~90)

好きな食べ物:ケーキ

嫌いな食べ物:にんにく

好きな単語:「頑」

家族構成:姉  従者

     自分 その他

飲んでみたいアルコール飲料:無し

好きな戦車:パンター戦車(Pz.Kpfw. Panther)全種類

好きな国:ナチスドイツ

召喚獣の武装:レーヴァティン

召喚獣の腕輪:『フォー・オブ・アカインド』

 400点以上で発動。100点消費。召喚獣が4人に分身して攻撃する。点数が一体につき4分の1になるが、三体はオートコントロールである。

特殊能力:『あらゆるものを破壊する程度の能力』

 東方知っている人は言わなくてもわかるし、知らない人も見れば大体わかると思うので説明はカット。

 

解説

 スカーレット家の妹。試験日を忘れててFクラス所属になってしまった。戦闘狂であり、何か争い事があると絶対目を輝かせる。成績自体はほとんど悪いが音楽と美術がずば抜けていい。天龍の事が気に入っている。姉とは別居中。よく欠席する。天龍はそのことを『病弱だから』と結論付けている。

 

 

彩樹天龍(あやきてんりゅう)

 

文月学園高等部2年

所属部:料理部

性別:女

国籍:日本

誕生日:5月17日

所属クラス:F

一人称:「俺」

CV:井口裕香

身長:174㎝

バスト:Dに近いC

得意科目:技術 (400~800)

     日本史(200~300)

     世界史(200~300)

     家庭科(300~500)

苦手科目:美術 (10~60)

     英法 (10~80)

好きな食べ物:特になし

嫌いな食べ物:チーズケーキ

好きな単語:「闘争」

家族構成:父 自分 義妹2人

     母 妹

飲んでみたいアルコール飲料:スピリタスウオッカ

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Porsche Tiger(Ⅵ号戦車 ポルシェティーガー)

好きな国:ナチスドイツ

召喚獣の武装:ナイフ2本

       サーベル

召喚獣の腕輪:『大砲』

 400点以上で発動。100点消費。四本の大砲を出現させ、ぶっぱなす。ダメージは壱本に付き50点、全部当たれば200点のダメージを与えられる。

特殊能力:『即効性自己再生能力』

 もし腕が切断されたとしてもくっつければすぐにつながるような能力。生きてさえいればすぐに再生する。ただし熱を持っていればその再生スピードは少し遅くなる。

 

解説 

 主人公及び物語の語り部であることが多い。

Fクラス代表補佐で成績はクラス内で2位。観察処分者。しかし問題児というわけではない。左目には傷があり、視力を失っている。統率能力はかなり長けている方である。面倒臭がり屋で、興味のある事以外あまり動こうとしない。やるときは徹底的にやる。男子の制服を着ている。ネクタイは付けない主義。

 英語は書くことは苦手だが、話したり聞いたりすることは得意。日本史と世界史は武器を通じてまあまあの成績をとれ、紛争が起こった年や場所は詳しく覚えている。細マッチョ。龍田と夕立と春雨で4人暮らし。

子供を傷つける大人を容赦しない性格である。後、いじめは大嫌いである。理由はそのせいで夕張に怖い思いをさせてしまったからである。得意なことは肉弾戦。

 

 

彩樹由美(あやきゆみ)※元々の名前:夕立由美

 

中学3年

所属部:パソコン部

性別:女

国籍:日本

誕生日:1月7日

一人称:「私」

CV:谷邊由美

身長:162㎝

バスト:Bに近いC

好きな食べ物:天龍が作ってくれた料理なら何でもいい

嫌いな食べ物:からし

好きな単語:「家族」

家族構成:天龍さん 自分 義妹

     龍田さん 

飲んでみたいアルコール飲料:ウオッカ

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Porsche Tiger(Ⅵ号戦車 ポルシェティーガー)

好きな国:ナチスドイツ

特殊能力:『狂犬』

 キレた時に発動。かなり怖い。

 

解説 

 元々孤児で孤児院で生活していたが、脱走。公園の中で隠れていたが天龍に見つかり、引き取られる(その時に孤児院側と天龍が喧嘩をしている)。その後はすくすくと育ち、元気に学校生活を送っている。いつか天龍みたいになりたいと思っている。

 

 

彩樹寿子(あやきひさこ)元々の名前:春雨寿子

 

中学3年

所属部:パソコン部

性別:女

国籍:日本

誕生日:8月7日

一人称:「私」

CV:金元寿子

身長:162㎝

バスト:B

好きな食べ物:天龍が作ってくれた料理なら何でもいい

嫌いな食べ物:わさび

好きな単語:「家族」

家族構成:天龍さん 自分 義姉

     龍田さん 

飲んでみたいアルコール飲料:ウオッカ

好きな戦車:PanzerkampfwagenⅥ Porsche Tiger(Ⅵ号戦車 ポルシェティーガー)

好きな国:フィンランド

特殊能力:『猟犬』

 夕立に近い能力。ただし、少し大人しめ。

 

解説 

 元々大富豪の娘だったが倒産し、孤児となった。そして夕立と同じ孤児院で生活していたが、脱走。公園で倒れているのを天龍に発見される。(その後、その孤児院には問題があると天龍が警察に通報した)。その後はすくすくと育ち、夕立と共に元気に学校生活を送っている。天龍を尊敬している。夕立とは孤児院からの仲である。

 

 

彩樹龍田(あやきたつた)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:5月18日

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:井口裕香

身長:172㎝

バスト:C

得意科目:家庭科(300~500)

     美術 (200~400)

苦手科目:英法 (10~80)

好きな食べ物:イチゴケーキ

嫌いな食べ物:ゴーヤチャンプル

好きな単語:「姉」

家族構成:父 自分 義妹2人

     母 姉

飲んでみたいアルコール飲料:ワイン

好きな戦車:H35 Hotchkiss

好きな国:フランス

召喚獣の武装:薙刀

召喚獣の腕輪:『大砲』

 400点以上で発動。100点消費。四本の大砲を出現させ、ぶっぱなす。ダメージは壱本に付き45点、全部当たれば180点のダメージを与えられる。

特殊能力:『堕天使龍田』

 天龍が傷つけられると発動する。天龍曰く「正直言って怖い」。

 

解説 

 天龍の二卵双生児の妹。

おっとりとした口調で、いつもにこにこしている。少しおっちょこちょいでよくドジる。ファッションについては人一倍うるさい。

両親の仕事の関係上フランスに行っていたが、帰還。今は天龍と一緒に過ごしている。

天龍依存症の所がある。

料理は人並みにできる。と言ってもフランス料理しか作れない。

得意なことはカウンター。

 

 

夕張芳香(ゆうばりよしか)

 

文月学園高等部2年

所属部:技術部

性別:女

国籍:日本

誕生日:3月5日

所属クラス:A

一人称:「私」

CV:ブリドカット セーラ 恵美

身長:172㎝

バスト:B

得意科目:技術 (400~700)

     数学 (150~400)

苦手科目:家庭科(100~200)

好きな食べ物:カロリーメイト

嫌いな食べ物:姫路が作った料理全般

好きな単語:「機械」

家族構成:父 自分

     母 

飲んでみたいアルコール飲料:テキーラ

好きな戦車:61式戦車

好きな国:日本

召喚獣の武装:アーマー

召喚獣の腕輪:『大砲』

 400点以上で発動。100点消費。5本の大砲を出現させ、ぶっぱなす。ダメージは壱本に付き50点、全部当たれば250点のダメージを与えられる。

特殊能力:『改造』

 マシンを改造する、いい方向に。

 

解説 

 天龍の友人。オタク。人を殴ることをとてつもなく嫌っており、どんなにひどいことをされても口で抗議する。人との会話では話題についていけないことが多い。戦車や軍艦の知識だったら天龍にも引けを取らない。よく天龍が料理を持ってきてくれている。1人暮らし。

 

 

鈴谷恵美(すずやえみ)

 

文月学園高等部2年

所属部:帰宅部

性別:女

国籍:日本

誕生日:

所属クラス:F

一人称:「私」

CV:ブリドカット セーラ 恵美

身長:174㎝

バスト:D

得意科目:数学(100~300)

     英解(200~400)

苦手科目:古典(20~80)

好きな食べ物:カレーライス

嫌いな食べ物:ゴーヤチャンプル

好きな単語:「楽」

家族構成:父 自分

     母 

飲んでみたいアルコール飲料:焼酎

好きな戦車:10式戦車

好きな国:

召喚獣の武装:ハンマー

召喚獣の腕輪:『ハンマートスバッティング』

 400点以上で発動。100点消費。火球を8個召喚してそれをハンマーでバッティングする。火球は一つに付き70点のダメージを与える。

特殊能力:不明

 

解説 

 天龍の友人。明るく気さくに話しかけてくるが、真剣な時は無言になる。龍田や夕張とは幼馴染でよく天龍を取り合っている。料理はできるのだが、カレーしか作れない。

基本フリーダムだが、仲間を馬鹿にされるとマジでキレる。意外と仲間思いで優しい子。

得意な事は遠距離狙撃。




追記します

これは加筆し続けますのでご了承。


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第58問

お待たせいたしました。閑話でございます












~明久サイド~

 

どうも、皆様。お久しぶりです。吉井明久です。僕は今、明菜と一緒に姉さんの前で正座をしています。何故かって?

「で、海に行きたいのですね?」

「うん、そうなんだ。やっぱり、夏は思い出を作りたいからね。」

「それで、友達を誘った、と」

「うん、そうだよ」

「で、そのことについて質問があるのですが・・・」

「何・・・?」

「何故、彩樹k・・・さんと神田さん以外の女子を呼ぶことにしたのですか?」

さっき、この人彩樹君って言おうとしたよ?!!

 

 

~同時刻~

 

「ベックシ!」

「天龍ちゃん、風邪~?」

「いや、どっかで俺の噂してる奴がいるな」

「?」

 

~舞台は戻る~

 

 

「いや・・・、霧島さんは雄二の恋人だし、佐藤さんも須川君の恋人だし、工藤さんもムッツリーニの恋人なんだよ。それに鈴谷さんや夕張さんは天龍さんと龍田さんの友人だし、フランさんはクラスメートだk(prrrrrrrrrr」

急に僕の携帯電話が鳴った。

「ごめん、ちょっと待って」

僕はケータイを開けると返事をする。

「もしもし」

『俺だ。天龍だ』

「ああ、天龍さん。どうしたの?」

『今度の海の件についてはお前の姉さんが手配してんだろ?』

「うん、そうだけど」

一応、ね。細かいスケジュールは僕ら三人で練ってるんだけどね。

『だったら伝えてくれないか?』

「ゑ?何を?」

 

『二人追加だ』

 

「・・・・・・・は?」

『夕立と春雨が自分たちも行きたいとギャーギャー言い出してゆうことを聞かなくてな。連れて行くしか方法が無くなったんだ』

天龍さんって子供に弱いんだろうか?

『じゃあな』

「ゑ?!ちょっと!いきなり言われても困るんだけd(ツーツーツー」

・・・きられた。

「どうしたんですか?」

「・・・・二名、追加だってさ」

「・・・え?」

あ、姉さんの驚く顔は初めて見たかも。

「・・・理由を率直に言いなさい」

焦ってるよ、この人。

「いや、天龍さんには義理の妹が二人いるんだよ」

「ええ」

「どうやらその子たちが連れてけと人の話聞かなかったらしくてね?」

「ええ」

「連れて行くしか方法が無くなったんだってさ」

「・・・そうなんですか・・・。」

姉さんはぐったりとうなだれた。僕の記憶にある姉さんはもっとしっかりとしていてすごい落ち着いて対処していた。そう思うとなぜか胸が痛んだ。

「・・・で、もう一つ質問が」

「何でしょう」

「姫路さんと島田さんを誘った理由は?」

「え、え~~~~と・・・・・・・・・」

どうしよう・・・。脅迫されたからなんて言えない。姉さんのことだから言った瞬間、きっと包丁を持って二人の家に殴り込みをかける確率が非常に高い。あの二人は確かに非常に迷惑極まりないけど、将来は残させておきたい・・・!一体どうすれば………!

「あ、あれだよ!クラスメートなのに誘わなきゃおかしいかなぁって!ハハハハハ・・・・・・・・」

「・・・・・・・・アキ君って本当に嘘をつくのが下手糞ですね・・・・。」

あれぇ?上手くついたつもりだったんだけどなぁ・・・。

「・・・・いいでしょう。其処は咎めませんよ」

ゑ?マジ?

「ただし」

「ただし・・・?」

「アキ君に危害加えたら真っ先に酷い目にあわせます♪」

「ええ?!」

僕は立ち上がる。

「どうしたのですか?アキ君」

「どうしたのですか?じゃないよ!危険でしょ?!!!明菜も何とか言ってやってよ!」

「ハァ~~~・・・アキ兄は本当にあまいんだね。そんなんだからなめられるんだよ」

「え・・・?明菜・・・?」

明菜はゆらりと立ち上がる。僕は少し驚いて座り込んでしまった。

阿修羅だ。阿修羅が見える。

「姉さん」

「何でしょう?」

「協力させてください」

「いいですとも」

アクシュガシィ!

ここに同盟が築き上げられていた。

 

 

続く



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第59話

~天龍サイド~

 

「姉さん、綺麗だね」

「ええ。全く持ってその通りです」

吉井姉弟の会話の通り、外はとてつもなくきれいな海が広がっていた。土屋が必死になって写真を撮っている。

姫路たちはどうしたかって?置いてきた、日にちを嘘ついて。

「クッ・・・!ここでトンネルだと?!」

土屋が舌打ちした。真っ暗になる。

「ボクの方も撮ってよー」

工藤が愚痴る。土屋は少し振り向いて答えた。

 

「・・・着いてからだ」

 

ああ、成程。つまり・・・。

「周りに俺等がいると邪魔だ、と・・・。」

「・・・!(ブンブンブン)」

必死になって首を横に振っている時点でもう認めているのと同じだと思うが・・・。

「アキ君」

「何?」

「私の水着とってくれませんか?」

「うん、わかった」

吉井はそう言うと車の後ろに行った。

「え~と・・・」

次の瞬間、吉井の叫び声が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

「え~と・・・」

僕は水着を探す。

ん?

 

 

僕が引っ張り出すとスク水が握られていた。しかもMサイズ。

胸のワッペンには「あきら」と平仮名で書かれていた。

 

 

「ほわあああああああああああああああああああああああああああっつ?!!!!!!!!!!」

僕は叫んでしまった。

「どうした、明久?!!」

「雄二、誤解するなよ。僕はそういう趣味は全く持ってないからな?勘違いしないでくれ。頼むから変なこと言うなよ?言わないで下さいお願いします」

「落ち着け、明久」

「わかった。で、姉さん?!!」

「なんですか?」

「何故スク水を持ってきた!しかもMサイズだぞ?!!何考えてるのさ!姉さんにあうわけないだろ?!!」

「いや、それ以外水着が無くて…」

「ないならないなりに前日買いに行こうよ!昨日さんざん言ったじゃないか!」

「アキ兄、私のもとってー」

「うん」

 

 

そして引っ張り出すとまたもやスク水が出てきた。しかも白だ。

 

 

「もうヤダ!!」

僕は叫ぶ。

「明久、またもやどうした?!!」

「秀吉、僕は絶対に認めないぞ。僕にはこういう趣味は全く持ってないからな?勘違いしないでくれ頼むからお願いします」

「一体何があったのじゃ?!!説明を求むのじゃ!」

「あああああああああああ明菜、君は何故白スクなんだ?!!」

「え?それ以外なかったから・・・」

「君も買いに行きなさいよ!どうするのよ!」

「え、でもそれサイズあってるし・・・」

「色々と危ないでしょ!ナンパされたらどうするのよ!お兄ちゃんこんなの絶対に認めないからね!!」

「落ち着け、吉井。オネエみたいになってるぞ」

落ち着けるかっ!

「・・・(ドクドクドク」

「ムッツリーニが耐え切れずに轟沈したぞ!」

「誰か、救急キットを!」

「輸血パックがケースの中にある筈じゃ!」

「早くしろぉ!!」

「もうなんなんだよ、これ!」

「むにゅむにゅ・・・・・ぽい~・・・」

「ZZZ」

「スー・・・スー・・・」

これもう波乱すぎるよ。不安になってきた。

 

続く



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第60問

皆様、お待たせいたしました。

私も学校でいろいろとスケジュールがきりきりになっておりまして、台風が来てくれてまじで助かってます。

不謹慎かもしれませんが、勘弁してください。

では、どうぞ。


~明久サイド~

 

「で、姉さんに明菜。」

「「はい」」

僕は正座している二人に仁王立ちで立ちはだかる。

「水着買おう。今すぐだ」

「あれじゃ、やっぱり、ダメ?」

明菜が訊いてくる。ここはしっかり言っておかないと。

「ダメ。悪い人にさらわれる危険性が高いからダメ」

「どっちにしろナンパされそうですけどね」

「そん時は僕がそいつらをブッとばす」

姉さんと明菜は僕が守る!

「だったら心強いですね。行きましょう」

「はい」

「ホッ・・・」

僕は少し息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「着替えたか、お前ら」

「「は~い」」

俺が確かめに行ったときにはすでに着替えが終わっていた。ちなみに俺も着替えは仕上げている。

二人ともビキニだ。対して、俺は女性用トランクスだ。

「天龍さんかっこいいっぽい~」

「あんがとよ」

俺は二人をなでると外へ出た。

「お、着替え終わったのか」

「ああ」

「天龍ちゃん胸大きいのね~」

「ああ。大きいと何だかんだで不便な時もあるがな。」

「例えば?」

「下が見えねぇ」

「ああ・・・」

龍田がなんだか同情の目で俺を見た。

「で、吉井は?」

「水着買いに行ったぞい」

「あの二人のか?」

「(コクリ)」

確かにスク水じゃあな・・・・・・。

「お待たせ~」

お、来たか。

「待った?」

「いや、そんなことはないぜ」

「そう?ならいいんだけど。」

本当は待ったがな。特に代表たちが。

「ホント大変だったんだよ。明菜と姉さんがぐずぐずしてさぁ」

「ああ。その二人今からまれてるがな」

「ゑ」

明久が後ろを向くと男4人に絡まれている明菜と玲さんがいた。

「ちょっと待ってて」

明久は一気に走り出すと男の一人にこう言った。

「僕の家族に手ぇ出さないでいただけますか?」

すると男たちは面食らったが少しにやにやしてその場を去った。その時に明久に何か言ったが。

「只今」

「お帰り~」

明久を亜紀が迎える。

「亜紀、綺麗だね。」

「え・・・、そんな・・・。エヘヘ・・・・/////」

うん、仲睦まじくて大変よろしい。

「将来結婚したいよ。」

「もう許婚の仲じゃない♪」

「ああ、そうだったね♪」

「もう♪明久ったらおっちょこちょいなんだから♪」

「アハハハハ♪」

「」(ドゴォ

「代表。いくら羨ましく感じても壁の代わりに砂に穴開けるのはどうかと思うぞ。」

「・・・雄二、私がいるじゃない」

「・・・ああ、そうだったな。俺は、幸せ者だ。」

もうなんだ、このコント。

「(ぐったり)」

「ムッツリーニ君?!しっかりして!」

「・・・せめて、名前で呼べ。」

「そういう問題?!!早く手当てしないと!」

「・・・・大丈夫だ、問題ない」

「それダメなヤツだよ!早く輸血しないと!」

あそこでは夫婦漫才してるし。

「須川君・・・。私、この水着自信ないんだけど・・・」

「・・・(少し息を吐く)、どんな姿でもお前は輝いているさ。それに、その水着、似合ってるぞ。」

「そう、かな・・・?エヘヘ/////」

「//////」

あそこではナチュラルに落としにいってるし。いや、最初からああいう仲だったか。

で、俺は・・・・・・。

 

「天龍ちゃん、この水着、どうかな…?」

・・・・うん。

「ああ、とても似合っているぞ。素晴らしいじゃないか。いい水着を買ったな。」

「ありがとう・・・。フフッ♪」

龍田の笑顔は少しまぶしかった。

 

続く



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第61問

~明久サイド~

 

僕の目の前は今真っ暗だ。何故かって?今は西瓜割りをしているからだ。

視覚が封じられた今、僕は聴覚しか情報を掴む方法が無い。嗅覚?論外だ。

そしてその情報には嘘が含まれていることがある。

どれが嘘かしっかりと見極めて、僕は正しい情報を掴んでいく。

そして、僕は振り下ろした。

 

 

 

 

 

ガスッ

 

 

 

 

 

 

当たり損ねたような音がした。

 

「惜しいな。あと数センチ左だったら直撃だったぞ」

 

「くそがぁああ!!!!」

僕は思わず叫んだ。

「まあまあ、落ち着けよ」

雄二が言ってくる。

「俺は直撃させるからな。」

フラグかな?

「・・・・。」(ススッ

天龍さんは雄二が目隠ししたと同時に西瓜の場所をこっそりと変えた。

「では、始め!」

雄二が一気に真剣になったのが解る。

「代表、右に1m、前に5mだ」

正確に言うと、左に3m、前に3√3mだね。

「雄二―、その逆だよー」

僕も便乗して言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雄二サイド~

 

どれだ?!どれの情報が正しい?!

さっき天龍と明久が言ったが、どっちの情報を採ればいい?!

「前方左30度、距離にして6Mだ」

須川が言う。

「実はその逆だよー」

だからどっちだよ!

「・・・雄二、左に3.5m、前に3m」

翔子の声が聞こえた。・・・どれだ。どれを選べばいい。

その時、天龍が叫んだ。

 

「オイオイ、恋人の言葉を信じねぇのかぁ?w」

 

これはヤジに近い。しかし、その発言は俺にこたえた。

俺はしっかりと握りなおすと移動し始める。

俺は神経を研ぎ澄ませる。

しっかりと歩を進める。

「ここだぁ!!」

 

バキィ

 

手ごたえあり。

「な・・・なん・・・だと・・・」

「やりやがった・・・・。」

「お主ら、なぜそこまで驚いとるのじゃ」

「いや、雄二が外したのを馬鹿にしようと思って…。」

「右に同じく」

よし、アイツら後で殺す。

俺が目隠しを外すと西瓜が真っ二つに割れていた。どうやら直撃したようだ。

「・・・雄二、凄い」

「ああ、翔子」

俺は胸を張った。

「チッ」

ムッツリーニが軽く舌打ちしたのを俺は聞き逃さなかった。

「で、お前ら」

俺は三人の方へ振り向く。

「な、なに・・・?」

「・・・(コソコソ」

「逃げるな」

「残念だったな、直撃だよ」

「ゆ、雄二ならやると思ってたよ!アハハハハハハハハハ!!!」

「吉井、何言っても無駄だ」

「天龍さん諦めるの早すぎない?!!」

「くらえ」

「ウオッ?!!」

俺の目に水が直撃する。

「逃げろ―!」

「「おー!!!」」

三人が散開する。

俺は明久に狙いを定めると一気に追いかける。

「雄二?!なんでこっちにくるのさ!!!」

「お前が一番近かったからだ!!」

「クソォ!!逃げ切るぞ、僕は!逃げ切るぞ僕はぁ!!おぉん!!」

「待てやごらぁああああああ!!!!!!!!」

俺と明久の追いかけっこがしばらく続いた。

 

続く



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第62問

~明久サイド~

 

僕は雄二と追いかけっこをしばらくしていた。

「はぁ・・・はぁ・・・、雄二・・・」

「なんだ・・・、明久・・・?」

「もう・・・やめない・・・?」

「・・・そうだな。・・・自分が怒ってるのかも思い出せねぇ・・・」

「・・・お疲れさん」

ムッツリーニも合流し、僕らは三人で歩いていた。

「天龍さんはどこ行ったんだろうね?」

「散歩してんじゃね?」

「そうかn「グハァッ!」・・・ゑ?」

僕と雄二は声のしたほうを向く。そこには倒れているムッツリーニがいた。

「「ムッツリーニ?!!」」

僕らはすぐに駆け寄る。

「どうした!誰にやられた!」

「くそぉ!君の仇は絶対にとる!」

「・・・勝手に殺すな」

そういいながらムッツリーニは向こうを指さした。

「「?」」

僕らはその方向へ目を向ける。

「「カハッ」」

僕らは倒れた。なぜかって?

 

 

そりゃあ女子にナンパされている天龍さん見たら誰だってびっくりするだろうが!

 

 

しかもこっちに気づいてるし!手話でこっちになんか言ってるし!

え~と・・・

 

『タ・ス・ケ・ロ』

 

・・・。

「・・・どうする?」

「・・・無視するか」

「・・・そうしたほうがいい」

すると天龍さんはそれを感じ取ったのか手話で言ってきた。

 

『ニ・ゲ・タ・ラ・コ・ロ・ス』

 

・・・・・・・・。

「・・・行こう、雄二。今ここで逃げたら天龍さんが本気で僕らを殺しにかかる気がする。」

「俺も同じことを考えていた。行くか」

「・・・・・・まだ死にたくないし、行こう」

僕らは処刑台に行くような気分で天龍さんのところでトコトコと歩いて行った。

「あら、カッコいい人たちが来たわ!」

「しかも一人はマッチョなイケメンだし!」

「この子かわいい!」

僕らもターゲットか!

その隙に天龍さんは全速力でどっかに行っていた。え、つまり・・・。

「「「あの野郎はめやがったな!!!」」」

今度会ったらひどい目にあわせてやりたい!願望だけど!

そんなことを思いつつ僕ら三人は抜け出すのにしばらく苦労した。

 

~しばらくして~

 

「ようやく抜け出せたね…」

「まじできつい…。」

「・・・鼻血出さなかった、偉かったぞ俺」

僕ら三人は思い思いのことをつぶやきつつとぼとぼと歩いて帰っていた。

「ただいま~」

「グスッ・・・」

「・・・ゑ?」

え?なぜ泣いてるの?なぜ亜紀は泣いてるの?

「誰に泣かされた!言って!そいつを今から100g100円のミンチ肉にしてスーパーに売りつけてやるから!」

「落ち着かんか、バカたれ」

「・・・明久ぁ、私のこと、嫌い?」

「は?好きだよ。君以外見てないよ」

「よかった~・・・。天龍さんが明久がほかの女の子とイチャイチャしてるって言ったから・・・。」

「天龍ぁ!」

「グッ)(人差し指と中指の間に親指を入れたハンドサイン)」

そういうことかぁ!!!

その方法で慰めろというのかぁ!!!

 

続く



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第63問

お待たせいたしました。


「ハッ!」

僕が起き上がるとそこにはリビングの風景があった。

「起きたか、明久」

声のしたほうを向くと雄二がいた。心なしかすごくやつれているように見えるが。

「雄二」

「・・・なんだよ」

「なんかすごいやつれてるように見えるけど・・・。」

「・・・翔子にヤられた、しっぽりとな。」

・・・ああ、さいですか。

「・・・僕も体が重い気がする」

「お前もすごかったらしいぞ。秀吉が行ったときなんか死にかけてたらしいし。」

亜紀、すごい性欲なんだね・・・。少し怖いわ。今度から精力剤でも何でもいいから精をつけるもの食おうそうしよう絶対にそうしたほうがいい間違いない。

「で、今何時?」

「20時」

えっと、つまり・・・。

「8時?!!」

「ああ。」

「どんだけ寝てたの?!」

「あの後神田に拉致られて6時くらいに部屋から亜紀が出て行ったぞ?結構肌がつやつやしてたな」

間違いなくヤられてますわ、僕。

「で、皆は?」

「もうすぐ来ると思うぞ」

ガチャッ

「ほらな」

「うん」

振り向いたその時、僕は一瞬にして昇天した。なぜなら、亜紀の浴衣姿が目に入ったからだ。

「わが生涯に、一片の悔いなし……!」

「おい、死ぬな」

「なぜ邪魔をする!雄二!ここで悔いなく死ねるはずだったのに…!」

「ゑ?!明久死んじゃうの?!!」

あ、亜紀が泣きそうになっている。

「冗談だよ、亜紀。僕が簡単に死ぬわけないじゃないか」

「手のひら返し速いな、おい。」

この時、僕は予想していなかった。

あんな醜態をさらすことになるなんて。

 

 

~一旦CM入ります~

 

 

Q.夏休みの楽しかった思い出を書いてください。

 

坂本雄二

「女とは、時に化け物と化す」

教師

「何があったのですか?」

 

 

彩樹天龍

「海水浴はなかなか楽しかった。その夜の祭りもなかなか良かった。吉井は大変なことになっていたが。」

教師

「かけがえのない思い出になるでしょうね。で、明久君は何があったのですか?」

 

 

吉井明久

「僕の彼女は満月の夜になると豹変します。すごく怖いです」

教師

「?!」

 

 

~後半へ続く~

 

 

「いや~、すごいねぇ。何年ぶりだろ?」

「さぁ・・・。でも」

「でも?」

「明久と来れて、よかった!」

ああ、神様。ここが天国ですか。そうですか。

「あ、アキ兄。これ参加しましょう」

ん?『浴衣コンテストグランプリ』?

「そっか。参加しておいで」

「何言ってるの?アキ兄も参加するんだよ?」

・・・・・・こいつ今なんとぬかしやがりました?

「今なんと?」

「アキ兄も参加するんだよ?」

「逃げる!」

「逃がさないで!捕まえて!」

「えい!」

「くそっ!HA☆NA☆SE!」

誰かに援護を!

「雄二・・・」

「翔子、俺は身長的に無理がないか?おい聞いてるのか?!ちょっと待ってくれ!」

「土屋君☆」

「・・・断る」

「そんなこと言わずに…さぁ?」

「!」ブシャアアアアアア・・・・

「須川君…」

「ごめん、無r「だめ?」・・・くっ」

「天龍ちゃ~ん」

「「天龍さ~ん」」

「断る。いくらお前らの願いだからと言って聞きはせんぞ」

「そこをなんとか~」

「無理だ」

天龍さんつえぇ…。

 

 

~しばらくして~

 

 

「まさかこんなことになろうとは・・・」

「おい!なんで俺は中国人って設定なんだ!」

「雄二は身長が高いから仕方ないのぅ」

「中国人でもここまででかくねぇよ。むしろ日本人と同じくらいだろ」

「・・・土屋、香美」

「須川亮子って少し無理があるだろ!」

僕ら男子陣(一人女性混ざってるけどいいや)は抗いはしたが浴衣に着替えさせられた。

「で、トップバッターは?」

天龍さん切り替え早いな、オイ。

「明久だな」

「何故じゃあ!」

「さっさと行って来い。」ガスッ

「痛い痛い」

さっさと出てさっさと終わろう!それがいい!

僕は覚悟を決めると前へ出た。

「お名前は?」

「吉井…明子です…」(裏声でか細く)

くぅうう・・・・、殺せえええええええ!!!!!!!!!

 

~同時刻裏側~

 

「・・・(ピクピク」←鼻血出しすぎて瀕死

「おーい、土屋ー。明菜に輸血パックよこしてやれー」

「・・・わかった」

 

~表側~

 

「趣味は?」

「お料理…とか、かな?」

「今日は誰と来ましたか?」

「家族で来ました・・・」

「では、瀬川さん。質問したいことは?」

 

 

「下着はつけているのかどうか知りたい!」

 

 

はぁ?!!何いってんだ、このエロジジイ!

「そんなの、着けてるわけないじゃないですかー!!!」

僕はトランクス一択だ!

『FOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!』

なぜ会場は興奮した?!!!

「はい、ありがとうございましたー」

これは・・・。

「・・・ナイス」

「よかったな、明久。」

「まあ、そうなるな」

「ナイスだぞ、明久」

「チィッ・・・!!!」

「次は俺だな」

「天龍さん頑張ってねー」

「おうよ」

天龍さんは表へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天龍サイド~

 

「次の方。お名前は?」

「彩樹天龍だ」

「趣味は?」

「プラモだな。よく戦車のやつを作ってる。」

「ほかには?」

「特にねぇな」

「今日は誰と一緒に来たんですか?」

「それはプライバシーにかかわることだからいえねぇな」

 

~同時刻裏側~

 

「すごい…。天龍さん、軽くいなしてる…。」

「だが、絶対何かに引っかかるはずだ。」

「そだね」

 

~再び天龍サイド~

 

「それは自分で選んだんですか?」

「いや、妹に選んでもらった。」

「妹さんはこの企画に参加してるんですか?」

「参加してるんでねぇの?俺は知らんけど」

「では、瀬川さん。」

 

 

「妹さんをください!!」

 

 

カチンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

天龍さんは急に壇上から降りると瀬川というエロジジイの胸倉をつかんで殴り始めた。

「誰が!お前なんかに!渡すかよ!」

ゴッゴッゴッゴッ

「おい、止めるぞ、明久!」

「OK!雄二!」

「放せ!こいつはここで殺しておかねぇと!」

「落ち着いて天龍さん!」

「落ち着けるかぁ!!!」

結局、その後この企画は強制終了した。二度と開催されることはないだろう。つか絶対に開催するな。

 

~しばらくして~

 

「亜紀」

「何?」

「なんでそんなにくっついてるの?」

「ダメ?」

「いや、だめじゃないけど・・・」

むしろウェルカムだけど・・・。

「いや・・・その・・・当たってるというか・・・」

「何が?」ムギュッ

くそ!からだ押し付けてくるな!当たってる!当たってるから!

「でさ、明久・・・」

「な、なに・・・?」

「今夜ね・・・・、明久の部屋に来ていいかな~?って」

涙目に上目遣いだと…?!最強のコンボではないか!くそ!しかも今夜の亜紀ってちょっと色っぽいというか大人っぽいというかなんというか・・・。

 

とにかくエロい!

 

落ち着け吉井明久。ここは正念場だ!耐えきらねばならん!

「い、いや・・・、今日はさすがに無理だよ」

「チェー・・・」

さすがに僕の理性が持たない。

僕は亜紀から離れるように走って部屋に戻った。その後、すぐに布団に潜り込むと死ぬように眠った。

 

しばらくして僕は何かがもぞもぞと入ってくるような感覚が起こった。

何かな?と思って寝ぼけている頭で見てみるとそこには

 

亜紀がいたのだ

 

あれ?おかしいな?カギは?

「あれ?亜紀」

「何~?」

「カギは?」

「開いてたよ~?」

・・・あ。

「でさぁ、明久」

「な、なに?」

「させて?」

「は?」

「だから、させて?」

「何故にぃ?!!」

「私たちの種族じゃこれが普通なのよ!いいから脱ぎなさいよ!」

そういいながら亜紀は僕の服を破ってくる。

「ちょっ?!!どっからそんな力出てくるの?!!」

「この!抵抗しないで!」

「抵抗するわ!」

「この!明久の≪規制音≫よこしなさいよ!」

「ゑ?!!!」

「よこせえええ!!!!」

「落ち着け亜紀いいいいいい!!!!!!!!」

「私サキュバスだから≪規制音≫摂らないときついのよ!!!」

「ええええええええ?!!!!!!!!」

その後、僕の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~三人称サイド~

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「おい!明久!口から何か白いものが浮かんでるんだが?!!!」

「またこいつ救助しねぇといけねぇのかな」

 

 

 

 

その後、明久はしばらく亜紀恐怖症になりました。



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伍:学年対抗!肝試し!編
第64問


新章、突入です!









「・・・・・・学園長。これはなんですか?」

「そう非難がましい目をするんじゃないさね高橋先生。少しシステムの調整をしたらこうなっただけさ」

「・・・これのどこが『少し』ですか」

「『少し』見てくれが悪いだけさね」

「ええ、そうですか」

「ああそうさ」

「「・・・・・・。」」

「・・・夏、だねぇ・・・。」

「学園長。遠い目をしても無駄です。それに今は時期的に言えば秋です。」

「はいはい。それじゃ復旧作業を進めるから手の空いてる教師を全員連れてきな」

「それは構いませんが、コレが生徒に知れ渡ったら・・・」

「面白そうさね。」

「面白そうでもないと思います。収集つけるの大変なんですよ?特にあのクラスは」

「でも、ばれたらばれたでその時さね」

「ハァ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久サイド~

 

皆さま、お元気ですか?吉井明久です。

8月が過ぎ、9月が来ました。しかし、くそ暑いです。

しかも授業しているのが鉄人だから余計に暑いです。

(雄二)

(なんだよ、明久)

今僕らは前を向いたまま話している。このクラスで生活してて習得した授業中会話したいときに使う方法だ。

(暑くない?)

(ああ、そうだな・・・。逃げるか)

(おい、坂本に吉井。逃げるのか?)

(そうそう。どうやって逃げるか考えてるんだよ)

(わしも参加させてもらおうかの)

(・・・俺も)

(鈴谷もいいー?)

(どうぞどうぞ)

(ちくわ大明神)

((((((誰だ今の))))))

(私だ)

(お前だったのか)

(暇を持て余した)

(神々の)

(((((((遊び)))))))

やってる場合じゃねぇよ、こんちくしょう。

(どうやって逃げる?)

(普通に出ていくのは論外だ。殺される)

(じゃあ人海戦術は?)

(それも昔やったろうに。失敗したがのう)

(・・・じゃあ隙をついて皆で一斉に行くか)

(ああ、後ろを向いた瞬間が一番隙がある)

(ああ、やるか)

(振り向いたぞ!)

僕らが一気に立ち上がろうとしたその時

 

ガッ!

 

大きな音が教室中に響き渡った。

「なんだ、さっきの音は?」

鉄人が振り向く。しまった、チャンスを逃した…!

「すみません、俺です」

天龍さんが直々に手を上げる。

よく見てみると天龍さんのちゃぶ台にはナイフが突き刺さっていた。

「何があった?」

「鉛筆削ってたら手を滑りまして…」

絶対に嘘だ。

「・・・そうか。」

信じるのかよ。

そう返事すると鉄人は僕らのほうへ向いた。そして言った。

 

「お前ら、よほど俺の授業を受けたくないようだな。」

 

・・・ゑ?なぜばれたし。

「天龍が言ってくれたからな」

ゑ?いつの間に?

(明久)

(何雄二?)

(たぶん手話だ)

(・・・その手があったか…!)

僕は絶望を感じた。

 

 

その後、僕らは鉄人の死ぬほどむさくるしいレスリングの話を聞かされて死にかけた。

その間天龍さんはにやにやと僕たちを見て笑っていたし、亜紀は何が起こったのかわからないというような顔をして(天龍さんが耳をふさいだから)、島田さんは巻き添えをくらい、姫路さんは吐きそうになり、鈴谷さんに限っては白目向いて泡吹いて倒れていた。龍田さんは耳栓をしていたようで何も知らないような顔をして、フランさんはずっと居眠りしていた。よくこんな状況で寝れるな、おい。その後、少しの間休憩となった。

 

続く




バカテスト
以下の意味を持つことわざを答えなさい。
(1)得意なことでも失敗してしまうこと
(2)悪いことがあったうえに、更に悪いことが起きる喩え

木下秀吉の答え
(1)弘法も筆の誤り
(2)泣きっ面に蜂

教師のコメント
二問とも正解です。この調子で頑張ってくださいね


坂本雄二の答え
(1)河童の川流れ
(2)泣き面蹴ったり

教師のコメント
あなたは鬼ですか。


彩樹天龍の答え
(1)猿も木から落ちる
(2)踏んだり蹴ったり

教師のコメント
二問とも正解です。


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第65問

「ところでさ」

と僕は切り出す。

「なんだ?」

「召喚獣はどうなったんだろうね?」

「確かにそうだな。8月の序盤に禁止されてたからもうできてるはずだよな。」

「じゃあ、今から召喚許可もらおうよ」

「ああ、そうしようぜ。幸い、こちらにはこれがあるからな」

と言いながら雄二は腕輪を見せてくる。

「西村先生」

「どうした?急に本名で呼んでくるなど」

「召喚許可をもらいたいのですが構いませんか?」

そういうと鉄人は急に苦虫を噛み潰したような顔をした。

「ああ、それは・・・」

しかも妙に歯切れが悪い。

これは何か裏がある。

そう僕らは確信するとすぐさま行動に移した。

「先生、なぜ許可をくれないのでしょうか?」

「それは、だな・・・。まだ、終わっていないんだ」

「いや、あのババァのことだ。もう終わってるはずだぜ。ということは、何か隠してるんだな?」

「いや、そんなものはない」

「そんなこと言いながら許可くれないのはなぜですか?」

「・・・。」

「わかったぜ、鉄人。だったらこっちはこっちで勝手にやらさせてもらうだけだ。起動!」

雄二の掛け声で召喚フィールドが展開される。

「明久」

「OK!サモン!」

僕は召喚獣を召喚する。魔法陣が展開されて煙が上がる。

「え・・・?」

「等身大・・・?」

「え、ちょっと待って。え?」

そこには剣を持ち、甲冑を着込んでいる、いかにも西洋風な騎士が立っていた。顔は僕にそっくりだ。

「これ、僕の召喚獣?」

「わあ、カッコいいです!」

すると鉄人は疲れたような顔をしてため息をついた。

「西村先生、これはいったい…?」

天龍さんもうまく状況がつかめずに困惑しながら鉄人に質問する。

「ああ、学園長が少し設定をいじったようでな」

またあいつか。

「オカルト面が強く押し出されているんだ」

「へぇ・・・」

「後、召喚者の特徴をとらえているように設定されてしまっているらしい」

「なるほど、つまり僕はカッコいいと…」

「寝言は寝て言え」

雄二が僕の召喚獣の頭を小突く。

「いてっ、なにするのさ雄二」

すると、召喚獣の頭が胴体から離れていった。

そして地面に落ちた。

「・・・・。」

沈黙。

「キャアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

島田さんの悲鳴で教室が騒がしくなる。

「アイエエエエエエエ?!!クビガ!ナンデ?!!」

「え、ちょっと待って?!これ首が座ってないとかそういうレベルじゃないよ!胴体から離れちゃってるよ!」

その時、天龍さんが冷静に言った。

「これ、デュラハンナイトじゃね?」

「首無し騎士?」

「ああ。で、こっから推測される吉井の特徴は・・・」

なんか嫌な予感がする。

 

「吉井は『バカ』だと」

 

言い切りやがったよ、この人!!!

「ああ、なるほど」

雄二も納得するんじゃねぇ!

「じゃあ、わしも召喚するとするかの」

「秀吉のことだし『可愛い』じゃないかな?」

「うるさいぞい。サモン!」

現れたのは黒くうごめいているヒト型の何かであった。

「なんじゃ、これ?」

「・・・?」

するとその物体はうにょうにょと動き始めると姿を変え始める。そしてそれは僕の召喚獣とそっくりの姿になった。顔は秀吉だけど。

「ドッペルゲンガー、か」

天龍さんが言う。

「つまり、わしの特徴は…」

「『物まね』だろうね」

「なんか釈然とせんのぉ・・・」

『可愛い』よりかましだったと思うけどなぁ…。

「じゃあ、俺だな」

「お、待ってました代表!」

雄二を天龍さんがちゃかす。

「うるせぇ。サモン!」

そこには上半身裸の雄二そのものがいた。

「弱体化してるじゃんか!」

「は?え?まじかよ。」

素手かよ!まだ前のがましだったよ!

「これは何の妖怪じゃ?」

「・・・見当もつかない」

・・・そうか!

「わかったぞ!」

「知っているのか、明久!」

「これは新種妖怪『坂本雄二』なnグハァ?!!」

僕の召喚獣の頭を雄二が思い切り蹴飛ばした。

「雄二、なにすんのさ!」

「いうだろ、友達はボールだって」

「ボールは友達だ、ばかたれぃ!!!」

「ちょっと二人とも見るのじゃ」

「「?」」

「雄二の召喚獣を見るのじゃ」

僕らが見ると雄二の召喚獣は低いうなり声を上げたかと思うとそのまま化け物に変化した。

「狼男だったのか」

だからなんで天龍さんはそこまで冷静にいられるんだろう。

「でも、満月がないのにどうやって?!!」

「さっきのボールじゃね?」

「僕の召喚獣の頭はボールじゃない!!」

「すまねぇ、今のは素で間違えた」

素でかよ!

「・・・次は俺だ」

お、ムッツリーニか。

「サモン!」

そこには漆黒の服とマントを身にまとった男の姿があった。

「ドラキュラだな」

「いつも血に飢えてるもんね」

「どちらかというと若い女性に飢えてるんじゃね?」

「・・・!(ブンブンッ」

ムッツリーニ、今否定しても遅すぎるよ・・・。

「じゃあ俺が」

お、天龍さんか。

「サモン」

天龍さんが召喚するとそこには頭に二本の角をはやした和服を着て巨大な棍棒を持った巨躯な女が立っていた。

「鬼、だな」

「じゃあ特徴は『怖い』、なのかな?」

「さぁ・・・」

「じゃあ、次はウチで!サモン!」

突如壁が出現した。いや、違うか。あれだ、これぬりかべだ。

「・・・・・・。」

だめだ、今笑ったら殺される。

「こ、これは何が特徴なんでしょうねぇ・・・?吉井」

「ゑ?!!こ、これはあれだよ!拳が固いとかそういう意味じゃないかな?!!」

「胸が薄いんだろ」

「天龍さん言ったぁ!全員が思っていたであろうことをオブラートに包まず、しかも臆さずに率直に言い切ったぁ!!!」(僕)

「さすが天龍!俺たちにできないことを平然とやってのける!」(雄二)

「そこにしびれる!!」(秀吉)

「憧れるぅ!!!」(ムッツリーニ)

ノリいいな僕ら。

「どうせ・・・私なんて・・・」

「教室の隅っこでいじけ始めた!!」(僕)

「何故だ!ここは腹いせに明久を殴ると思いきや、まさかそのままいじけることに走った!」(雄二)

「明日は空から槍でも降ってくるか?!!」(須川君)

「こんなの島田じゃねぇ!!」(天龍さん)

「あんたたちの私の評価どうなってんのよ?!」

 

「暴力女」(天龍さん)

「貧乳」(僕)

「女子にモテる女子」(秀吉)

「特攻隊長」(雄二)

「AAカップ」(ムッツリーニ)

「理不尽に暴力を行う人」(須川君)

 

「モウイヤダ・・・」

あ、本気でいじけた。

 

続く



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第66問

・・・久しぶりに筆を取ろうと思いました。

・・・うまいこと書けてるかどうかわかりませんがどうぞご覧ください。


~明久サイド~

 

「肝試ししよう」

 

 

 

誰がこう言いだしたかは知らない。だけど僕らはいつの間にか、本当になぜか肝試しの準備をAからFクラスまとめて行われていた。

 

「・・・どうしてこうなった」

この問いに答えてくれる者はいない。僕の言葉はただ少しうるさい空間に溶けていくように消えて言った。

 

「口動かしてる暇あったら準備の手伝いをしろ。バカ」

天龍さんが悪態をついてくる。うん、相変わらず口悪いよね。

 

「そこまで言わなくてもいいじゃないか、天龍さん」

「いや、お前はそこまで言わねぇとわかんねぇ『バカ』だからな」

「雄二、なんで『バカ』を強調したの? ねぇ、なんで」

「さぁな、自分の胸に訊いてみな」

雄二に言われて僕は自分の胸に語り掛ける。

 

「ねぇねぇ、僕ってなんで『バカ』を強調されたと思う?」

「「そういう意味じゃねぇよ、アホ」」

こ、今度はアホになった・・・。

 

「まぁ、そういうとこが明久らしいの…」

「・・・バカのスペシャリスト」

秀吉やムッツリーニも混ざってくる。

・・・なんで苦笑いしながら雄二の意見に賛同するの?

 

「おい、吉井。お前大丈夫か?泣きそうな顔になってるが」

「うん、大丈夫。大丈夫だよ」

ちくしょう! 目から汗が出やがる! なんだこれ!

 

「・・・ところで」

と秀吉が話を切り出してくる。

 

「なんだ?」

「・・・前回から1年以上たっている気がするのはワシの気のs「それ以上いけない」う、うむ・・・」

なんか秀吉がとんでもない禁忌に触れようとした気がしたけど真顔の天龍さんにさえぎられたので聞かずに済んだ。よかったよかった。

と安堵していた次の瞬間、頭に激痛が走った。

 

「いたぁ?!!!!」

「どうした?!」

「なんか頭を思いきりけられたような感覚がぁ!!!」

しかも何回も蹴られてるぞこれ!!なんだこれ!!僕は転がりながら悶絶する。

 

「・・・あれじゃねぇか?」

天龍さんが指さした先を僕たちは見る。そこには

 

 

 

「おい、パスパス!」

 

「うなれ、俺のシュートぉおお!!」

 

 

 

僕の召喚獣の頭でサッカーをしているFFF団と島田さんの姿があった。

 

「ちょっとぉ! 何やってんのー!!!!」

僕は痛みに耐えながら割り込む。

 

「うるせぇ明久!お前がモテるのがいかんのじゃ!!」

「なんのことぉ?!!」

「これを見ろ明久ぁ!!」

すると僕の顔面に何かがたたきつけられた。

 

「ひでぶ!」

僕は転びそうなところを寸でのところで耐えて顔面にたたきつけられたものを見る。

雑誌だった。『FUMITSUKICONNECT』と書かれていた。どうやら第28号らしい。

・・・なんか既視感(デジャヴ)を感じたのは僕の気のせいであろうか、いやない。(唐突な反語)

とっさに雄二たちのほうを見ると全員どっかで見たことあるような目で僕を見ていた。そうだな、あの目はラブレター事件の時の・・・。

・・・って、そんなことは割かしどうでもいい。今はそんなに重要なことじゃない。

 

「で? これがどうかしたの?」

「それの4ページを開けてみろぉ!!」

僕は言われるがままページを開ける。もちろん、頭の痛みはまだ治まらない。おい、誰かまだ蹴ってるだろ。誰だよ蹴ってるの。お兄ちゃん怒らないから素直に出てきなさいよ。

で、開けたページには

 

 

 

『彼氏にしたい男子生徒ランキング

 第一位:吉井明久

 第二位:坂本雄二

 第三位:須川亮

 第四位:土屋康太

 第五位:木下秀吉 』

 

 

 

と書かれていた。

 

 

・・・・・・・・・・。

 

 

「あ、秀吉ー」

「ん? なんじゃー?」

「彼氏にしたいランキング第5位に入ってるよ、おめでとう」

「ホントかの?!」

「ホントホント!」

「秀吉やったな!」(雄二)

「さすがは演劇部のホープと言われることはあるな!すげぇぞ!」(天龍さん)

「・・・すごく賞賛する」(ムッツリーニ)

いやー、今まで女子にしか見られてなかった挙句、第3の性別『秀吉』とまで呼ばれてしまっていた秀吉からすればすごい大大大大大快挙だと思う。今夜は炭酸飲料を思いきり秀吉にぶっかけても許されるかもしれない。きっと秀吉のお姉さんも今ごろ草葉の陰で喜んでいることだろう。「死んでないわよ」

・・・じゃなくて! そういうことじゃなくて!!

 

「え?! また僕は1位なの?!!」

「そうだ! しかも5回連続1位じゃないか!!」

「知るかそんなこと! そんなの僕の管轄外だよ!!」

「お前の場合、特に勉強に関する管轄外が多すぎなんだよ」

「それな」

天龍さんの鋭いツッコミに適当に返事しつつ「おい、認めんなアホ」僕はFクラスのみんなに問いかける。

 

「で? なんで僕の召喚獣の頭を蹴ってるわけ?」

「まずだ!お前には彼女がいるだろう!」

「そうだねいるね僕の最愛の彼女である亜紀は確かにここに存在するねそれがどうかしたのかいアァ?」

「おーい、明久ー。お前急に冗舌になった上におかしくなってんぞー」

なんか雄二が僕に言ったような気がしたが無視して「無視すんな」話を続ける。

 

「俺たちは今すぐにお前を絞め殺したいわけだが」

「うん」

「亜紀ちゃんが許さないわけだぁああああ!!!」

「オイゴラてめぇらが亜紀ちゃんとたやすく亜紀を呼ぶんじゃねぇよ缶詰めにするぞ」

「缶詰めにするってなんか新手の脅迫でもかなりインパクトのあるフレーズだと思わねぇか?代表」

「あぁ、俺もそう思う」

なんか天龍さんと雄二が何か缶詰めについて話していたような気がするが華麗にスルーしておいた。今はそれよりも重要なことがある。

「で?」

「それでだ! 幸いなことに召喚獣には触ることができる!」

「うん。そうだね。触ることができるね。それで?」

「つまりだ! 吉井明久ぁ!! お前の召喚獣をボコることによって間接的にお前をボコることになるわけだぁあああ!! しかもお前は観察処分者!! 痛みのフィードバックも人一倍に帰ってくる!! それでお前の召喚獣の頭を蹴っていたわけだぁあああ!!!」

うわ!なんてすごく陰湿で地味にすごく効果のある嫌がらせなんだろう!!

 

 

すごく効果があるですって奥さん!

 

 

・・・おい、誰だ今の。

「こういうことを勉強に生かせばもっと上行けると思うんだがなぁ・・・」

と天龍さんはぼやいていた。うん、実際その通りだと思うよ。

 

「で? 蹴るのはいいとしてさ。「良くねぇだろ。よく考えろ」なんでサッカーしてたの?」

「「「「いや、サッカーしたかったから」」」」

こいつら・・・!

「まじめに準備しろよ!」

「「「「(…)お前(お主)が言うなよ」」」」

・・・あれ? 僕に味方いないの?

 

「うん、サッカーのことはもういいよ。水に流してあげるよ。「流すなよ」で、もう一つ質問があるんだけど」

僕は召喚獣の頭をわきに抱えながら質問する。これすごくシュールな光景な気がする。

 

「なんだ?」

「なんで島田さんがそれに参加してたの?」

「ストレス発散よ」

島田さんはすごく悪びれずに言った。うん、そこまで悪びれてないと逆にすがすがしいね、お兄さん困っちゃうな。・・・ってそうじゃないよ。

 

「僕は今島田さんにすごくストレス発散したいんだけど」

そう言いながら僕は島田さんの塗り壁と化している召喚獣を少し強めに何回か蹴つっておく。・・・うん、なんか落ち着いた。・・・まあ、全力で蹴って足の骨が折れたらすごくシャレにならないし。人間には215本の骨があるとはいえただ事じゃすまない。亜紀も悲しむだろうし。

 

「お前も随分とすさんできたなぁ、吉井」

なんか面白いものを見るような目で天龍さんは言った。

 

「何? 殺されたいの?」

「おお、怖い怖い。安心しろよ、殺される前にまずお前を殺してやるからさ」

そう言いながら天龍さんはへらへらと笑う。・・・天龍さんってこういう性格だったっけ?イマイチ覚えてないや。

やれるもんならやってみろ。僕は出かかった言葉を飲み込んだ。・・・うん、今一瞬天龍さんが僕を殺すビジョンが浮かんだからだ。うん、天龍さんならやりかねないと思う。自慢の拳銃でパーンッと僕の頭をザクロみたいにしてしまうだろう。

その時、怒号が飛んできた。

 

 

 

「アァー?!おまえらうるせーんだよ!!」

「俺たちが授業に集中できねぇだろうがよ!!」

 

 

 

『うるせぇ!お前が言うな!!』

・・・うん。

 

「こういう団結力をいつも発揮してくれればいいのに・・・」

「発揮してるだろ、主に嫉妬方面に」

「そういう意味じゃないんだよなぁ・・・」

・・・って。

 

「常夏コンビじゃないですか。どしたんすか?」

「どしたもこしたもねぇ!!てか略すな!」

「お前らがうるさいから文句入れに来たんだよ!!」

「うっせぇお前の第二ボタン心臓ごと抉り取るぞ」

「明久、お主随分とキャラ変わりおったの」

人間は誰でも成長する生き物なんですそうなんです。

 

 

 

ヒルナンデス!!

 

 

 

・・・オイ、だから誰だ今の。

「いや、おかしいだろ」

そこに雄二も入ってくる。

 

「あんだよ」

「だってよ、お前らんとこの「ああ、もうため口なんだ。そしてお前呼ばわりなんだ」教室って俺たちの上だろ? しかもお前らそんななりしてAクラスなんだろ? だったら防音対策とかしてるんじゃねぇの?」

「「うぐ・・・」」

・・・なーんだ。

 

 

 

「パイセン共も混ざりたかったら言えばいいじゃないですか」

 

 

 

「「「「どうしてそうなるんだよ!!!」」」」

あれ? 違うの?

 

「いや、吉井!お前の発想に『違うの?』って言いたいわ!」

ナチュラルに心を読むのやめてもらえませんかね?

 

「どこをどうやったらそういう結論に行きつくんだよ明久! ここは『サボってたんですね、先輩共は』だろ?!!」

「サボってたんですね、先輩共は」

「いまいってもおせぇよ!」

どうしろってんだよ!

 

「お前な、馬鹿だってことは俺たちの学年でも有名だったけどよ・・・。まさかここまで馬鹿だとは思わなかったぞ!」

うわ、今すごくばかにされた。

 

「・・・」

で、もう片方はやれやれみたいなポーズをしている。

 

「で? 参加するんですか? しないんですか?」

「「「「まだ引きずるか?!! それ!!」」」」

すごくはもってる。どっかで打ち合わせとかしたのかな?

 

「いや! するわけねぇだろ! なんでこんな下らねぇことに」

「そうだ! 俺たち受験生はお前らと違って暇じゃねぇんだよ!」

 

 

「まぁまぁ、そこまでにしときな」

 

 

そこにしわがれたババァのような声が響いた。

 

「「「「「「ババァ長!」」」」」」「学園長!」

「「「「「「え?」」」」」」「え?」

「まともに私を呼んだのは天龍だけかい。ま、そんなことは今は置いとくさね」

置いちゃったよ、この人。

 

「あんたら3年も参加しときな」

「「ハァ?!!」」

「いいストレス発散になるだろ?脅かす側は3年で2年はチャレンジ側ってのでどうだい?」

「いいぜ、乗った」

雄二、君に決める権利ないよね?せめて、霧島さんに通しなよ。

 

「で?霧島さんはどうなの?」

「・・・雄二の言ったことに私は従う」

そう言いながら霧島さんは雄二の腕にぎゅっと抱き着いた。

おうおう、おしろい夫婦ってか? 爆発しろやこの野郎。

 

「2年は決まりさね?で、あんたたちはどうするのさ?」

「まず代表に通していいか?」

「いいさね」

そう言って常夏コンビは出て言った。

 

 

数分後、奴らは戻ってきて承諾が出たことにより、2年VS3年の肝試し対決が幕を開けることとなった。

 

 

 

 

続く




いや~、疲れました!

そして同時に楽しかったです!


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第67問

~天龍サイド~

 

「・・・」

「おい、明久魂抜けたみたいに微動だにしないけど大丈夫なのか」

「大丈夫だろ、代表。あいつはあんなので死ぬやつじゃないことはあんたが一番よく知ってるだろ?」

なんか吉井はひとしきり暴走するとまるで電池が切れたみたいにピクリとも動かなくなった。

「しっかし、あそこまで動かなくなるのは少々不気味ぞい」

「・・・さっきの明久は何か取りついてたような感じだった」

木下や土屋も心配そうにつぶやく。

「なんか妙にハイテンションだったよな、気持ち悪いくらいに」

「「「うんうん」」」

俺たちはそんなことを言いながらモニターのほうに目を移す。・・・結構本格的だな。

「・・・こういうのは男女ペアだと映えるよな~」

そう言って俺はニヤニヤしながら代表たちに視線を送る。

「で?どうするんだ?ペア」

「ああ。決めてない」

「おいおい。大丈夫か?お前らの彼女、ほかの奴らに取られるかもしれねぇぞ?」

「別に大丈夫だろ」

「Fクラスの奴でも?」

「よっしゃムッツリーニ。行くぞ」

「(コクリ)」

早かったな、決断が。そこまでFクラスの奴らに渡したくないか。・・・まあ、俺も龍田を渡したくないけど。

「・・・ハッ!僕はいったい何を!」

お、気が付いたか。

「おはよう」

「もう昼だよ」

なんでわかるんだよ。

「で?気分は?」

「嘘みたいに気分がいいんだけど、どういうこと?」

「数分前の自分に訊きな」

「???」

吉井は首をかしげる。オイ、記憶ねぇのかよ。こえぇよ。

するとそこに明菜がやってきた。

「お兄ちゃんは少しというかだいぶおかしくなってたんだよ」

「え?そうなの?」

「うん。だって缶詰めにするぞとか言ってたもん」

「何それ新手の脅迫?割と怖いんだけど」

「それ、お前が言ったやつだからな?」

「ところで、ムッツリーニと雄二は?」

無視かよ。

「あやつらならペアを決めに行ったぞい」

「どうせ霧島さんと工藤さんでしょ?」

「・・・まあ、そうだろうな。あれ見ろよ」

俺が指さした先には手をつないでいる霧島さんと代表、工藤に詰め寄られている土屋の姿があった。

「ハハハ、あやつらも大変じゃのう」

「ところで秀吉。秀吉は誰と組むの?」

すると木下は考え込んだ。

「わしは別に明久でもいいんじゃが…」

「僕もねぇ、少し悩んでんだよ」

「ヘェ、お前も悩むことあるんだな」

「あるよ。一つや二つくらい」

さいですか。俺は少しため息をつきながら思い出にふけた。

あー・・・、そういや龍田が昔お化け屋敷でガチで泣いたっけなー。俺はその時あんまり怖いと思わなかったけど、あいつが本気で泣き出して収拾がつかなくなった時があるんだよなー。

夏の夜には一人でトイレいけなかったよなー、あいつ。さすがに今は何ともないけど。

むしろ脅かす側のほうが今は適任じゃねぇかな、あいつ。

 

「天龍ちゃーん」

 

そんなことを考えていると横から声をかけられた。

「ん?なんだ、龍田」

「えへへ~、呼んでみただけよ~?」

・・・かわいいところは今でも全く変わんねぇんだけどさ。

そう思いながら俺は龍田の頭をわしゃわしゃとなでる。自分でも少しがさつだとは思うが俺にはこのやり方が一番相手を撫でてると自分自身が実感することができるのだ。

「ん~~~~」

なにこのかわいいいきもの。いや、俺の妹だわ。

 

「ちょっと!どういうことよ!」

「どういうことですか!明久君!」

 

俺は少し大きな声のしたほうを向く。

そこには明久に詰め寄る姫島コンビがいた。

「おい、何の騒ぎだ」

俺は明久に質問をぶつける。

「いや、僕は決めてないって言ったらこの二人が詰め寄ってさ?少し困ってるんだ・・・」

「・・・迷惑なら迷惑だって言えばいいだろ」

何を我慢する必要があるのか。いや、ない。(反語)

 

嫌なら嫌と言えばいいだろう。

 

そうじゃないならそうじゃないと言えばいいだろう。

 

ものすごい単純な話ではないのか。

 

それはそんな意味も込めて明久に言ったのだ。

「え?!で、でも・・・」

・・・なんかじれったいな、こいつ。

「さっさと決めろ。こいつらと組みたいかそうでないのか。今から5秒以内だ。5秒以内で決めろ」

「えぇ?!」

「5」

 

お前は自分を押さえつける必要性はない。

 

「4」

 

お前とは短い付き合いだからこそ分かる。

 

「3」

 

お前はもう十分に自分をおさえてきただろう。

 

「2」

 

もう我慢しなくてもいいんじゃないか。

 

「1」

 

 

 

その気持ち、解放しろ。

 

 

 

「僕は、君たちと組む気はないよ」

 

その時の明久の目はとてもまっすぐな目だった。

 

俺はそう言わさせてもらおう。

 

「0」

 

俺はニヤリと口端をゆがめた。

 

そして暴れ出そうとする2人を押さえつけると言った。

 

「お前は今の自分の欲望に従って動け。誰とくむかはその欲望に任せろ」

 

 

 

続く



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第68問

Q:沖縄が日本に返還されたのはいつですか?また、その時の首相をお答えください。

吉井明久の答え
「1972年、佐藤栄作」
先生のコメント
正解です。吉井君は歴史の正答率が高いですね。



彩樹天龍の答え
「1972年、(無解答)」
先生のコメント
首相の順番や年代はしっかりと覚えておきましょう。



土屋康太の答え
「去年」
先生のコメント
・・・もっと前の話です。





~吉井サイド~

 

「なかなか進んだな」

天龍がモニターを見ながらつぶやく。

「そうだな。これなら何とかなるんじゃないか?」

「しかし、Fクラスの野郎どもだしなー」

天龍さんと雄二はなにやら話し合っていた。

「何の話してんの?」

「ああ。複数のチェックポイントあるだろ?」

「うん、あるね」

「全部に3年が二人待ち構えてんだよ」

「なんで?」

「あれ?言ってなかったか?チェックポイントを通過するには3年を倒さなきゃいけないって」

・・・・は?

「え?なんだって?」

「だから3年の奴らをムッコロさないといけないんだって」

「聞いてないよ!」

それ初耳なんだけど!

「まあ、どうせモニターで確認できるしいいだろ」

「そういう問題じゃないよ。松田君と元浜君はどうなるの」

「え?仕方のない犠牲だろ?コラテラルコラテラル」

出たよ、便利な魔法の言葉。

「あ、接敵した」

「え?」

 

『『ギャーーーーーー!!!!』』

 

「・・・あの、瞬殺されてますけど?」

「大丈夫だ。4点と3点削ってる」

「・・・意味ある?」

「はっきり言って誤差の範囲だ。・・・とも言えないな、よく考えたら」

「え?なんで?」

まさかの発言撤回に僕は思わず目を丸くしながら訊いてしまった。

「だって点数足りなかったら腕輪使えないだろ」

「あ、そっか」

よく考えたら当たり前のことだった。僕の召喚獣なんか400点以上とらないと発動しないもんなぁ・・・。

「実際300点切ってるし、たぶん大丈夫だろ」

「いや、わからんぞ代表。もしかしたら200点で発動できるものかもしれん。」

「いや、明久の腕輪がアレだから大したことないだろ」

「それもそうだな」

「それで納得するなんてすごく僕に対して失礼だと思わない?」

「知らん」

後で覚えとけよ、雄二。

僕はそんなことを思いながら次の犠牲者を見た。

「お、Cクラスの子か」

「相手はBクラス上位だがなんとかなるだろ。まあ、死んでもどうせ相手の点数変わんねぇけど」

「・・・え?」

「え?お前聞かされてねぇの?」

「その前に全くもってそんな情報知らされてないんだけど」

「お前が聞いてないだけじゃねーの?」

「それもそっか」

・・・うん?なんかうまく丸め込まれたような・・・。

「気のせいだろ」

「ナチュラルに心読むのやめてくれない?」

そしてまた僕らはモニターに目線を戻す。

・・・お、倒してる。

「どうやら第1関門は突破したようだな」

「そうみたいだね」

僕らがそう言っているとき、天龍さんはなぜか訝し気な表情をしていた。

「どうしたの?天龍さん」

「いや、なんとなく嫌な予感するんだが」

「きのせいでしょ」

「どうだかな。俺の嫌な予感は当たることがすげぇ多いんだよ」

「そう?」

「杞憂だといいんだがな」

そう言いながら天龍さんは少し不安そうな顔をしていた。

・・・そういや天龍さんって初めて会った時の頃よりか少し表情が豊かになっている気がする。

それになんだかんだで丸くなったし。あの頃は拳銃を突き付けてきたりしてすごく怖かったけど。

『『キャァアアアアアア!!!!!!!!!』』

うお?!

叫び声が上がったのでモニターを見るとさっきのペアが失格になっていた。

「・・・そういやこれ肝試しだったわ」

「今更だよね、雄二」

「そうだぞ代表。霧島さんとペアを組めたことで浮かれてるんじゃないのか?」

「そ、それとこれとは関係ねぇだろ!」

「・・・まあ、そういうことにしといてやるよ」ニヤニヤ

あ、天龍さんすごく悪い顔してる。めっちゃにやついてるよこの人。

「ん?なんかいないか?アレ」

すると雄二がモニターを見ながらそうつぶやいた。

「え?どこだ、代表?」

「どこ?雄二」

「ホラ、目の前に」

「「・・・?」」

秀吉やムッツリーニもモニターを凝視する。

そして直後、僕らはその行動に後悔した。

突如照明が当たる。そしてそこには

 

 

けばい化粧をしてゴスロリファッションの服を着た常夏コンビのハゲのほうがいた。

 

 

『『『『ギャアアアアアアア!!!!!!!!!!!』』』』

『『『『キャアアアアアアア!!!!!!!!!!!』』』』

そんな醜い姿が移された瞬間、Aクラスは阿鼻叫喚の嵐となった。

「きたねぇ!今まで見た中で一番きたねぇ!」(雄二)

「夢に出そうですぅ~~~!!」(姫路さん)

「・・・」(島田さん)

「・・・うわ」(ムッツリーニ)

「おrrrrrrrrr・・・」(秀吉)

「オイ、しっかりしてくれ!佐藤さん!佐藤さぁん!!」(須川君)

「うぇええええん!!!お姉ちゃぁあああん!!!」(龍田さん)

「オイ大丈夫か龍田!大丈夫だぞ!!俺はここにいるからな?な?」(天龍さん)

「・・・グスン」(鈴谷さん)

「おうちかえるぅうううう!!!!」(フランちゃん)

「びぇえええええええん!!あ”ぎびざぁああああ!!!!」(亜紀)

「亜紀ぃいいい!!!」

僕はそう叫びながら亜紀をしっかりと抱きしめる。亜紀も僕にしがみつくように抱き着いてくる。

・・・ところで僕に二つの素敵な果実が押し付けられているわけですが・・・。実際結構柔らかいし、いいにおいするしですごい得してる気分だ。

いや、今はそんなことはどうでもいい。どうにかしてあのオカマ野郎をぶっ倒さなければならないのだ。

「・・・俺が行こう」

ゆらりとムッツリーニが立ち上がりながら言った。

「僕もついていくよ」

そしてその後ろには工藤さんがくっついていた。

「・・・奴に、地獄よりも苦しいものを教えてやる!」

そう豪語するムッツリーニの目には燃えさかるような闘志がうつっていた。

 

続く



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第69問

Q:今までを振り返って何を思ったか書きなさい。


彩樹天龍の回答
「俺はこの学校で平和に過ごそうと思っていました。さらには授業を普通に受けて普通に学校生活が過ごせればいいなと思っていました。2年になっても今間のままで過ごせるだろうと思っていました。しかし、現実はそううまくいきませんでした。坂本雄二が試召戦争を起こしたことで俺の計画はぶち壊れました。しかし、あまり悪い気はしていません。なぜなら俺は今の学校生活がすごく楽しいからです。そして、ちょっと面倒だがなんだかんだ言って頼りになる仲間もできました。バカだがまっすぐな吉井、変態だがなんだかんだで仲間思いな土屋、演劇部のホープの木下、俺たちの総大将で元神童の坂本。そして、様々な仲間たち。俺はこのクラスに入ったことでいろいろと教えられたこともありました。妹や旧友との再会もあって俺は今まで過ごしてきました。そしてこれからもあいつらによって俺は変われると思います。」
先生のコメント
すごく感動しました。


坂本雄二の回答
「俺は元神童だった。そして今は悪鬼羅刹の肩書きだ。そんな俺を怖がって皆近づいてこなかった。だがあいつらは違った。バカな明久、変態なムッツリーニ、女くさい秀吉。そして2年からかかわった天龍。特に天龍は俺に勇気をくれた。俺と幼馴染をくっつけてくれた。感謝してもしきれない。あいつらのおかげで俺はここまで変われたんだと思うとあいつらに毒されたんだなぁと思うことがある。まあ、悪い気分はしないが。」
先生のコメント
あなた方に感動する日が来るとは思いませんでした。


吉井明久の回答
「亜紀がいてくれるだけですごく僕は幸せ者だなぁと感じています。」
先生のコメント
ノロケですか?




~明久サイド~

 

「大丈夫かな?ムッツリーニたち」

僕が少し心配してそんな疑問を天龍さんに訊く。

「たぶん大丈夫だろ。頼りになるときはすげぇ頼りになるからな」

・・・天龍さんって・・・。

「天龍さんってさ」

「おう」

「なんだかんだ言っても僕らを信頼してる?」

「してなかったら今頃こうやって話してねぇよ」

「マジか」

「マジマジ」

なんだかんだ言ってても僕たちを信頼くれているのか。なんかちょっとうれしいな。

「どうした?吉井。急にガッツポーズなんかしてよ」

「いや、なんかうれしくてね」

「そうか?よくわかんねぇな。お前の行動原理」

そう言いながら天龍さんはあきれたようにため息をつく。

「なんか僕動物扱いしてない?」

「気のせいだろ」

「気のせいか」

そう言いながら僕らはモニターのほうに目を向ける。もうすぐあのスポットだ。

僕らは少し身構える。ちなみに亜紀は僕の手で目隠しをしている。うわ、女の子の肌って結構柔らかいんだな・・・。ってそうじゃない。

そして問題の光景が映し出された。

次の瞬間、ムッツリーニたちはどこから取り出したかわからない鏡を目の前に出した。

先輩は自分の今の姿に耐えれなかったのか食べたお昼ご飯を戻していた。

 

 

\ワァアアアアアアア!!!!!!!!/

 

 

その場にいた全員が歓声を上げる。そりゃそうだろうね。あんな気持ち悪いもの(地獄)なんかもう二度と見たくないもんね。

 

・・・待て。ちょっと待って。今吐いたよね?あの人吐いたよね?ということは・・・。

「「「確認してなかったのかよ!!!!」」」

いや、最低限自分がどうなっているのか先に確認しとけよ!

「いや~、しかし、まさか鏡使うとはな」

「手段を使わないのはこっちも同じだったか」

うんうんとうなずきながら天龍さんと雄二は話し合う。

・・・あのころと比べたらすごく仲良くなったよな、二人とも。

「ん?どうした明久。そんな変な顔して」

「あ、いや、二人とも4月の頃と比べたらすごく仲良くなってるなぁと思ってさ」

「ああ、確かにな」

「確かにそうだな」

そう言いながら僕たちはモニターに目線を戻す。

そこには脅しにもビビらずに堂々と歩いているムッツリーニと少し怖がってしがみつく工藤さんの姿があった。

「意外だね、工藤さん」

「ああ、あいつってなんか怖がりのイメージねぇよな」

「いつもあんなに明るいからのう」

そう言ってるとモニターから会話が流れてくる。

『・・・どうした、工藤。怖いのか?』

『う、うん。ちょっとね・・・』

『(フッ)・・・素直に怖いと事前に言えばいいものを。なぜそんなに強がる必要がある?』

『だ、だって。なんか土屋君にはそんなところ見せたくなかったし・・・』

『・・・なぜ?』

『・・・だって、それでいじってくるだろうから。それに』

『・・・それに?』

『・・・それに、心配させたくなかったし』

『・・・フッ』

『アー!笑ったね、今僕のこtムグッ?!』

『・・・大きな声出すな、失格になりたいのか?それに』

『?』

『・・・ここだとお前の声はそんなに大きくなくても聞こえるからな』

『う、うん。そうだね』

『・・・行くぞ。ほら、ついてこい。こんなことで屈するお前じゃないだろう』

『当たり前じゃん!』

『・・・だから、・・・いや、いいか。そっちのほうがいつものお前らしい』

・・・何だこの会話。

「意外だな。あいつのことだしすぐに鼻血出すと思ってたんだが」

「しかも人差し指を当てるなんていつものムッツリーニじゃ見れない光景だぞ」

「レアじゃのう。レアレア。SRじゃ」

「いや、SSRクラスだろ」

そんなことを僕らは話しながらモニターを見る。

お、第2関門だ。

「さて、どうなるやら・・・」

天龍さんはそうぼやきながら背のびをする。

・・・天龍さんって今気づいたけど胸大きいよね。

・・・っていかんいかん。僕は亜紀ぐらいのサイズがちょうどいいと思うんだ。ってこれも違うか。

で、どうなったんだろう?

僕がモニターに再び目を向けるとそこにはすでに勝利しているムッツリーニたちの姿があった。

・・・え?

「はやっ!」

「俺も目で追いかけることができないくらいのスピードだった…」

「わしもわからんかったのう・・・。天龍よ」

「あん?なんだ?」

「お主、わかったかの?」

「ああ。一応な」

「なんだと?!わかったのか?!」

「ああ。工藤の召喚獣はのっぺらぼうだった。そして着物をすぐさま脱いで裸になった後すぐさま相手の急所を突いて倒していた。そしてそのあと目にもとまらぬ速さで服を着ていた。」

「・・・なぜ脱ぐ必要が?」

「そんなこと俺が知るか!」

「となると・・・」

「で、土屋の召喚獣のほうは鼻血出したがすぐさま止血してそのままズバァッと」

・・・やはりどこかしら謎が多いカップルだと思う。・・・ん?

「え?致死量クラスの血を出してないの?」

「ああ。・・・あれ?」

天龍さんもなんか違和感に気づいたようで腕組みをしながら頭をひねった。

「「・・・耐性ができてる?」」

いや、それはおかしい。・・・いや、待てよ。

「もしかしたら・・・!」

天龍さんがはっとしたような顔でつぶやいた。

「あいつ・・・、いや・・・、待てよ・・・?いや、あいつらならやりかねんかもしれん・・・。・・・・いや、しかし土屋だぞ・・・?」

「どうした、天龍?」

「ああ、いや、代表。もしかしたらだぞ?もしかしたら土屋は」

「ムッツリーニは?」

 

「・・・工藤と夜の営みをしてるんじゃないのか?」

 

言いまわしに少し笑ってしまった。

「ブフーッ!!」

ああ、雄二の吹き出したジュースが天龍さんに!!

「・・・」

「すまんホントにすまん悪気はなかった」

「・・・(殴」

「いてぇ!!」

「・・・まあ、俺もさ?変なこと急に言ったから俺にも責任あるかなとは思うけどよ?けどよ?さすがにこれはねぇわ」

「殴りながら言うな!マジでごめん!だからやめろって!」

「許さん」

「まあまあ天龍さん落ち着いて!」

「俺は今すごい冷静なんだが」

真顔で天龍さんが二人の間に割り込んだ僕に向かって言ってくる。

あ、これヤバイ。死ぬ。

すると天龍さんは少しため息をついて言った。

「・・・ちょっと着替えてくるわ。なんか数発殴ったら冷静になったし」

そう言いながら天龍さんは部屋の隅に移動するとシャツを脱ぎ始めた。

「え?!そこで着替える?!!」

「見んじゃねぇよ」

「んぐっ?!」

シャツが僕に向かって投げつけられる。うわ、ジュースの匂いがする。

「よし、着替えたぞ」

そして天龍さんは冬の体操服を着ていた。

「で?どこまで進んでんの?」

「オイ、またなんかいるぞ」

「え?ホント?って」

 

 

そこにはなんか美人な和服を着た女性がいた。

 

 

「「「「オイごらぁ!!!」」」」

僕らは思わず叫んだ。

「誰だよ、あんな人呼んだやつ!」

「むしろムッツリーニがああいう系で鼻血出して死にかけるのを知ってるよね?!!」

「ここはムッツリーニに祈るしかねぇ…!」

僕たちはワラにすがる思いでムッツリーニを見る。

『・・・お前、何者だ』

『あら、初めまして。あなたが土屋康太君ですね?』

そう言いながらその女性は着物をはだけて肩を出してくる。

「おい、あれやばいんじゃないか?」

さすがの天龍さんにも少し焦りの色が出ていた。

『・・・』

ムッツリーニは眉間にしわを寄せながら何か思案しているような顔をしている。

「あれ?ムッツリーニどうしたんだろう?」

「ホントだな。どうしたんだろうな」

『・・・愛子』

『何かな、土屋君』

 

『お前にああいう寒色系の色は似合わないな』

 

『・・・へ?』

「「「「いや、何の話だ?!!!」」」」

え?!ムッツリーニ着物しか見てなかったの?!!あのエロの権化のムッツリーニが?!!

『あら?効果ないのですか?』

『・・・残念ながら、俺にも耐性がついているもんでな』

「・・・どうやってつけたんだろう?」

「そりゃあれだろ?セッ【規制音】だろ」

「やめい!」

『では、私のもう一つの姿をお見せしましょう・・・』

『『・・・』』

『実はわたくし』

そう言って彼女は着物を脱ぎ去る。

 

 

そして着物の下には競泳水着を着ていた。

 

 

『水泳部でもあるのです!』

僕らはすぐに目をつむった。なんか見てはいけないような気がしたからだ。

 

『『『ウォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!』』』

 

そして男性陣が一気に突撃していった。

 

『『『ウォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!』』』

 

そして一気に全員リタイアになった。

「・・・バカばっかかよ」

天龍さんがあきれたようにぼやいた。

「僕もそれには賛同するよ」

「まともなやつって片手で数えるくらいしかいねぇな、マジで」

「ハハハ・・・」

僕はかわいた笑いしか出せなかった。

『・・・あら?あなた、倒れないのですね?』

あ、なんか焦ってるぞ。

『・・・フッ』

あ、鼻で笑った。

そしてムッツリーニはどや顔でとんでもないことを言った。

 

 

『・・・俺がいつから童貞だと錯覚していた?』

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

『『『『はあぁああああああああ?!!!!!!!!!!』』』』

その場が騒然となる。

「え?!あいつ童貞じゃねぇの?!というよりいつの間に卒業してたんだよあいつ!」(天龍さん)

「まさか、ムッツリーニに負けるとは・・・」(雄二)

「は?・・・はぁ?!!」(須川)

「え?!えぇ?!」(明菜)

「「ふぇ?!」」(亜紀&姫路さん)

「(絶句)」(島田さん)

「・・・雄二、私たちも」(霧島さん)

「・・・///」(木下さん)

「こ、こここここここれは一大事じゃぁああああ!!!!!!」(秀吉)

え?・・・えぇ?え?マジで?ムッツリーニ卒業しちゃったの?

『ちなみに私も、・・・うぅ///』

『・・・愛子はおなかをさするといい声で鳴くんだ』

『そ、それだったら土屋君だって耳をなめたらかわいい声出すじゃんか!』

『生々しすぎます!』

『あ、ちなみにちゃんとコンドームつけてたよ?』

『聞いてませんし知りたくないです!』

・・・生々しいわぁ。

「いやー、しかし、あいつが卒業してたとはなー・・・」

「世の中何が起こるかわかんねぇな」

そんなことをうんうんとうなずきながら天龍さんと雄二は会話していた。

『・・・よって、お前のそれなぞ愛子と比べたら全然だ』

『・・・グスン』

・・・もうあの人が気の毒になってきたよ。

『・・・それにな』

そう言いながらムッツリーニは落ちていた着物を女性にかける。

 

『・・・いくらリタイアさせたいからと言って素肌を見せるのはよくないぞ。・・・女というものは素肌を隠していても魅力的な人は魅力的なんだからな』

 

そう言ってムッツリーニと工藤さんはその場を後にした。

 

続く

 





土屋康太の回答
「・・・工藤と会えたことが人生で一番のサプライズ」
先生のコメント
ブルータス、お前もか。


木下秀吉の回答
「なんだかんだ言って持つべきものは仲間だということがよく分かりました」
先生のコメント
そうですね。これからも仲間と助け合い、高めあっていくことが大事です。


須川亮の回答
「FFF団を抜けて佐藤さんと恋仲になれて俺は一番の幸せ者です」
先生のコメント
よかったですね(諦め)


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第70問

Q:自分の趣味を書いてください。

吉井明久の回答
「ゲーム」
先生のコメント
予想のど真ん中を突き抜けていきました。さすが吉井君ですね。


坂本雄二の回答
「ゲーム」
先生のコメント
雄二君も予想のど真ん中を突き抜けていきましたね。


島田美波の回答
「吉井を殴ること」
先生のコメント
・・・後で職員室に来るように。


~明久サイド~

 

「順調だな」

天龍さんがそうつぶやくとみんなが頷いた。

 

「ムッツリーニが耐性ができたのが大きいな。もしもついていなかったら・・・」

「あそこの時点で鼻血出して即退場だったよね」

「すごいのう・・・。いったいどれだけ苦悩があったのじゃろうか」

皆が感慨深そうにつぶやく。

 

「セ【規制音】したくてもできねぇから特訓したんだろ、たぶん」

天龍さんががそう言うと皆がすごく嫌そうな顔をした。ちなみに僕もその一人だ。

 

「・・・なんだよ」

「そういうのすごい生々しいからホントやめて?」

「何故だ?俺は事実を言ってるまでだぞ?」

「もし仮にそうだったとしても女の子が言うセリフじゃないよ」

そういうと天龍さんはなんか納得できない表情になった。何が納得できないんだよ。

 

「むしろ天龍はもうちょっと乙女になるべきなのじゃ」

「断る。何で好きに恋する乙女をせにゃならんのだ」

「結婚できないよ?」

「別にしなくてもいいだろ」

なんなのこの人、すごく男前だ・・・。惚れてまうやろ・・・。

 

「俺に惚れても何もいいことねぇぞ」

「何故ばれたし」

さらにこの人やっぱり読心術使えると思うんだよ。本人は否定してるけど。

 

「明久・・・?」

「大丈夫だよ、亜紀。僕は浮気なんか絶対しないから」

最近こういう系の話題になると亜紀の目からハイライトが消えるんだけど本当にどうしたんだろう。

そしてものすごく怖い。

そしてその目で僕を見ないで。さらに怖いから。

ただでさえ怖いのにその目で見られたら王蛇に殺される直前のガイのようになってしまう。

・・・ん?王蛇ってなんだ?ガイって誰だ?

 

「ん?あれは・・・」

雄二が何かつぶやいたのでモニターを見直す。

そこには常夏コンビのはげてないほうがいた。

 

『・・・何用だ』

『残念ながらお前らに用はない』

『・・・そうか。工藤、行くぞ』

『うん』

・・・なんでだろうな、すごく嫌な予感がする。

 

『・・・ここか。チェックポイントは』

どうやらムッツリーニたちは無事チェックポイントまでたどり着いたようだ。

 

「・・・そういや代表」

「なんだ?」

「土屋ってよ」

「ああ」

「保健体育以外の科目で点が高いのあるか?」

「・・・あー、家庭科とかだな。あとは・・・、あったか?明久」

なぜそこで僕に振るんだ。

 

「そんなこと、僕が知るか」

「だろうな」

予想してたんなら言うなよ。

 

『『『『召喚(サモン)!』』』』

 

 

  2年Aクラス工藤愛子  341点

  2年Fクラス土屋康太  62点

数学   VS

  3年Bクラス佐藤香苗  275点

  3年Cクラス岡本甚之助 192点

 

 

・・・。

「あー・・・」(僕)

「あいつ一点集中型だったなぁ・・・」(天龍さん)

「すまねぇ、ムッツリーニ…!」(雄二)

あ、ムッツリーニ死んだ。

 

『愛子、すまない・・・』

『いや・・!死んじゃ嫌だよ土屋君!』

おい、なんか始まったぞ。

 

『俺はもうここまでのようだ・・・。後は頼む・・・』

『イヤ!土屋君がいないなんてボク嫌だ!』

『そうか・・・』

『・・・もう攻撃していいですか?』

『『いや、もうちょっとこのままで』』

『そうですか・・・』

先輩方が気の毒すぎる・・・。

 

『まあまあ佐藤さん、いい雰囲気なんだしそっとしとこう?』

『・・・(ムスー』

あ、頬っぺた膨らましてる。かわいい。

・・・ってそうじゃない。

 

「何いい雰囲気になってんだあの人たち」(僕)

「もげればいいのじゃ」(秀吉)

どうしたの?秀吉。

 

「爆発しろ」(須川君)

「こんな茶番見せられてるこっちの身にもなりやがれってんだ」(雄二)

「おかしいな。コーヒーがなんか甘いんだが」(天龍さん)

何で天龍さんはコーヒー飲んでんのかな?

 

「・・・おかしいな。俺砂糖は一切入れてないはずなんだが・・・」

天龍さんはそう言いながらコーヒーを飲み切って新しいコーヒー豆を用意していた。ブラックで飲むんだ。天龍さんらしいな。

・・・って。

 

 

 

「天龍さんなんでコーヒー豆わざわざ煎ってんの?!」

 

 

 

しかもなんか本格的!

「俺は深煎りが一番好きなんだよ」

うわ、なんか香ばしい香りがする!

 

「まさかの豆の種類まで手作りか」

「・・・意外な趣味」

「天龍ちゃんが入れたコーヒーってすごくおいしいのよ~?」

なぜか龍田さんが胸を張っていた。

 

「茶化すなよ」

「茶化してないわよ~」

そう言ってる間に決着がついていた。

 

 

  2年Aクラス工藤愛子  0点

  2年Fクラス土屋康太  0点

数学   VS

  3年Bクラス佐藤香苗  64点

  3年Cクラス岡本甚之助 24点

 

 

・・・うん、すごく頑張ったね。工藤さん。

「一人であそこまでやれるんだな」

「だけど、工藤さんそこまで操作うまくなかったはずだよ?」

「やはり武器のリーチの問題か?」

「ああ、確かにそうかもしれないな。大斧だったし」

僕らは珍しく真剣に話し合った。

 

「あ、ところでコーヒーほしいやついる?」

「結局作ったの?!」

「ああ」

「じゃあもらいます」

「姫路さん?!」

「砂糖いるか?」

「ミルクもお願いします」

「あいよ」

そう言いながら天龍さんは慣れた手つきでミルクと角砂糖を入れる。

それを差し出された姫路さんは一口飲むと少し渋い顔をした。

 

「・・・角砂糖まだありますか?」

「ここにあるぞ。自分で調節しな」

「・・・はい」

そう言いながら姫路さんは3、4個角砂糖を入れると再び啜る。

 

「・・・」

すると少し笑顔になった。どうやらお口にあったらしい。

 

「今度からお前に出すときは5個事前に入れとくわ」

「ありがとうございます!」

・・・なんか天龍さんって姉御みたいになってきた気がする。

 

「次はワシが行くぞい」

秀吉が立ち上がった。

 

「お、行け行け。やっちまえ」

「わしは数学苦手なのじゃが・・・」

「だったら私もついていくわ」

木下さんも続けて立ち上がった。

 

「おお、木下姉弟か」

「頼りにしてるぞ」

「ええ、頼りにしてちょうだい」

木下さんはムフンと胸を張って言った。

 

「行くわよ、秀吉」

「うむ」

そして二人は出て行った。

 

「・・・」

天龍さんはコーヒーをつぎながらその光景を見ていた。

 

「どうしたの?天龍さん」

「・・・いや、なんか嫌な予感がしたんだ」

「また?」

「ああ。・・・これでちょっと占ってみるか」

そう言いながら天龍さんはトランプを取り出した。ちなみにコーヒーは霧島さんに差し出していた。

 

「・・・苦い」

「意外ですね。霧島さんなら角砂糖一つで飲めるかな、と思っていたんですが」

「・・・私はそこまで大人じゃない」

「そうですか~。次から気をつけますね~」

・・・天龍さんの敬語って死ぬほど似合わないのはなんでなんだろう。

そう言いながら天龍さんはシャッフルをしていた。

そしてそれらのうち何枚かを机の上に置いて並べるとその中から一枚取り出した。

 

 

そこには狂言師、JOKERが描かれていた。

 

 

「・・・」

天龍さんはそれを見ると顔をしかめた。

 

「ねぇ、それってどういう意味・・・?」

僕は恐る恐る聞く。

すると天龍さんは少し黙りこくった後つぶやいた。

 

「・・・最悪なことが起こるだろうな」

「・・・ゑ?」

「しかも」

「しかも?」

天龍さんは頭に手を置いてため息をつくと言った。

 

 

 

「俺の占いってすげぇ当たるんだよなぁ・・・」

 

 

 

・・・・・・・は?

『ん?常夏コンビの片割れじゃかの?いったいここで何しておるんじゃ』

『私たちは今からチェックポイントに行かなきゃいけないの。どいてもらえるかしら』

あ、なんか対峙してる。

 

『いや、俺はここをどかない。俺には果たすべき使命があるからだ』

『なによ』

『木下秀吉』

『な、なんじゃ』

そしてソフトモヒカンの野郎は息を吸うと大きめの声で言った。

 

 

 

『お前のことが、好きだったんだよ!』

 

 

 

僕らはこの時、秀吉の本気の悲鳴を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

「うぇええええん・・・」

「秀吉、つらかったわね・・・」

「あねうえ~~~」

あれからしばらくして秀吉が木下さんに連れられて泣きじゃくりながら帰ってきた。

 

「あれはさすがにねぇわ・・・」

さすがの雄二も少し涙目になっていた。

 

「・・・告白されただけでも相当ショックだったのにまさか自作のポエムまで持ち出してくるとは・・・」

「ダブルコンボフルコンボだわな・・・」

ムッツリーニや天龍さんもうんうんとうなずいていた。

 

「・・・わしってホントに何故いつも男子に告白されるのじゃ・・・」

あ、ついにひがみ始めた。

 

「・・・容姿のせいじゃないか?」

「土屋、お前・・・」

天龍さんは少し攻めるような目でムッツリーニを見た。

 

「・・・天龍、お前の言いたいことはわかる。さすがにこの場で突きつけるのはまずいだろう、と言いたいんだな?」

天龍さんは小さめに頷く。

 

「・・・しかし、問題の芽は今のうちに摘んでおかないと後々面倒なことになる。・・・俺たちはその面倒を今まで後に後にしてしまっていたんだ。そしてこの事件は起きた」

ああ、もう事件扱いなんだ。まあ、そうなるよね。

 

「・・・だから、今は言わなければならない。どんなにつらくてもな」

そう言いながらムッツリーニは秀吉の目線に合わす。そして天龍さんは目をつぶった。

 

「・・・秀吉」

「ムッツリーニ・・・」

「・・・髪を切ろう」

「・・・」

「・・・言いたいこともわかる。お前はその髪型で今まで演劇部とか日常生活とか過ごしてきたから愛着があるんだろう。・・・しかし、さっきのようにお前は容姿のせいで損をしている。これからも今回のようなことが起こらないとは限らない。

・・・もう一回聞くぞ。

・・・髪は、切るか?」

それに対して秀吉は黙りこくっていた。まるで考えているみたいだ。

 

「・・・(コクリ」

そして結果、頷いた。

 

 

 

続く





彩樹天龍の回答
「深煎りのコーヒーをいれること」
先生のコメント
深煎りのコーヒーですか。天龍さんには似合っていると思います。・・・そう言えば天龍さんはコーヒー豆を煎ることから始めると風の噂で聞いたのですが本当ですか?


工藤愛子の回答
「土屋君とゲームをすること」
先生のコメント
そう言えば工藤さんは土屋君と仲がいいですよね。仲がいいことはいいことです。


神田亜紀の回答
「観察」
先生のコメント
・・・この二文字から恐怖を感じたのは先生は初めてです。


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第71問

「で?次は誰が行くんだ?」

雄二が誰にともなく言葉を投げかける。

まさかの秀吉が撃沈したことで皆の士気が下がっているのだ。

 

「じゃあピンクに暴力女。お前らが行ってこい」

「「えぇ(はぁ)?!」」

天龍さんが真顔でそう言ったら当然二人は抗議にかかった。どうやら二人はお化けとかそういう類が苦手らしい。

これはいいことを知ったぞ。

使えるな、と僕は思い、思わずニヤリと口元をゆがめた。

 

「おい、明久」

「何?」

「お前新世界の神になろうとした男の笑みになってんぞ?」

「・・・むしろ俺は"913"の人の方かと」

え?僕そんな顔してたの?どんだけゲスな笑みをしてたの?

 

「い、嫌ですぅ!」

「そうよ!だったらあなたが行きなさいよ!」

すると天龍さんは悪びれずにこう言った。

 

「じゃあ、強制的に連れていくだけだな」

「「へ?」」

天龍さんは二人の襟首をガシリと掴むと引きずって行く。

 

「は、放してくださいぃいい!!怖いですぅううううう!!!」

「どっちが?」

「天龍さんです!・・・ハッ!」

「どうやら余計に手を放すことができなくなったようだなぁ・・・」

「いやよ!行きたくないわ!ねぇ、吉井!」

なぜ僕に振る。僕は関係ないだろうに。

 

「何?」

とりあえず聞いておこうかな。

 

「私を助けなさい!あんたと私の仲でしょ?!」

何言ってんだ、あのまな板。

 

「僕と島田さんって助け合うほどの仲じゃあないよね?」

「へ?」

「え?」

なんでその『なんで?』みたいな顔するん?実際そうでしょ?

 

「…うだうだ言ってねぇで」

天龍さんはそう言いながら二人を前に放り投げ、

 

「さっさと行って来い!」

そして二人を扉の外へ蹴飛ばした。

そのままバタンと扉を閉めると言った。

 

「さて、と・・・。じゃあモニターでも見るか」

僕らはモニターのほうに目を移す。

 

『怖いですぅ・・・』

『天龍め・・・後で覚えときなさいよ・・・』

『そんなことより早くいきましょう、美波ちゃん・・・』

『それもそうね・・・気乗りしないけど・・・』

『あぁ・・・不幸だわ・・・』

「あのまな板後で関節という関節全部外してやる」

「何それすごく怖いんだけど」

想像しただけで背筋に悪寒が走った。

 

「まあ、冗談だが」

「冗談なの?!」

「ああ。やっても得しないし」

やっぱり天龍さん丸くなったよねぇ。昔は有言実行主義だったのに。

 

『美波ちゃん、手を放さないでくださいね・・・?』

『当たり前よ、うちも怖いもの・・・』

「いつも野獣みたいなことしてるくせによく言えるよな」

「うんうん」

雄二が的確なことを言ってきた。

 

『い、いきなり来ないわよね・・・?』

『・・・(プルプル』

そしてそんな光景を天龍さんが死んだ目をして紅茶を飲みながら見ていた。

 

「・・・(グビッ」

「天龍さんなんで紅茶飲んでるの?」

「落ち着きたい」

「ああ、そう・・・」

なんか天龍さん哀愁漂ってるなぁ・・・。疲れてるのかなぁ・・・。

 

「なあ、吉井」

「なに?」

「おれの話聞いてくれるか?」

・・・明日は槍かな。

 

「うん。僕でよければ」

「ありがと」

そう言いながら天龍さんは紅茶をグビッと飲み干す。

 

「俺さ、夕立と春雨いるじゃん?」

「うん」

「あいつらがさ、最近俺の言うこと聞いてくれなくて困ってんだよ・・・。俺、なんか悪いことしたか・・・?」

「・・・」

・・・これ、あれかな?子供が反抗期で困っている父親かな?

 

「たぶん、難しい時期なんだよ」

「うん、そうかな・・・。最近は俺の作った飯を残してるからさ、なんか自信なくなってきてて・・・」

そう言いながら涙目になる天龍さん。

うわぁ、この人のこんな顔見たくなかったなぁ・・・。

 

「大丈夫だよ!天龍さん!」

僕は天龍さんの肩をポンッとたたきながら言った。

 

「大丈夫!」b

ついでにサムズアップもつけておいた。

 

「・・・おう。あんがと」

そう言いながら天龍さんは立ち上がり、気合を入れるように顔をたたき、口元にこぶしを当てた。

 

「ッシャア!」

僕はこの時、鏡の世界で人知れず戦う赤い騎士(ライダー)のイメージがふと浮かんだ。

 

『『キャアアアアムグッ』』

突如叫び声が上がったのでびっくりしてモニターを見たらなんか二人がお互いの口をふさいでいた。

 

「叫びそうになったペアの口をお互いでふさぐ。いいチームだな」

「そのチームを作ったのはお前だがな」

「さあ、なんのことやら」

天龍さんは肩をすくめてへらへらと笑った。

 

 

 

次の瞬間、姫路さんの頬をシャーペンがかすめた。

 

 

 

「「「「「『・・・へ?』」」」」」

今起こった出来事に全員がびっくりしてあんぐりと口を開けた。

いや・・・、だってシャーペンが飛んでくるんだよ?

 

「おかしいな。物理的に危害を加えるやつは禁止だったはずだが・・・」

雄二がなんかつぶやいていた。

 

『お姉さまに近づく輩は例え女性でも容赦しません・・・!』

なんか呪詛みたいな声を絞り出すようにしゃべっている清水さんがいた。なんだ、あれ。

 

「おい、あいつ何やってんだ」

天龍さんも少し焦ったように言う。

 

『み、美波ちゃん!はやく逃げましょう!』

『え?!どこに?!』

『地獄の果てまでです!』

「・・・なんだかんだ言って姫路も毒されたな、Fクラスに」

「今更だよね、すごく今更だよね。ムッツリーニ。というよりいつの間に?」

「・・・気配を消すなど俺たちにとってはたやすいこと」

「さいですか」

なんか割とどうでもよくなったので適当に返しておく。

 

『このままでは死んでしまいます!何か隠れるところを!』

『どこにあるっていうのよ!』

『・・・!思いつきました!美波ちゃん!こっちに!』

『え?!ここ行き止まりよ?!』

『美波ちゃん!召喚獣を召喚してください!』

『え?!さ、サモン(召喚)!』

 

 

ゴゴゴゴゴ・・・

 

 

・・・あ(察し)

『ここでこういう風に・・・』

『・・・ええ』

そうしている間に清水さんが出現した。

 

『オ姉サマオ姉サマオ姉サマオ姉サマオ姉サマオ姉サマ・・・アレ?ドコ行ッタ?』

『どうやらここじゃないみたいだね・・・』

あ、久保君いたんだ。

 

『オ姉サマ待ッテイテクダサイ。今スグアノ淫乱女ヲ砕イテ見セマスカラネエエエエエエエ』

『君のほうが化け物に見えるよ、清水さん』

「どっちが妖怪だろうな?」

「どういう意味?」

「レズとゲイの妖怪」

「本当にどういう意味?!」

本当にどういう意味なのその発言?!

 

「明久」

「何?秀吉」

「この世には知らないほうがいいこともあるのじゃ」

「何その発言?!ものすごい怖いんだけど?!」

僕の知らないところで何が起こってるの?!すごい怖いんだけど?!しかもそれを回りが知ってるのがなんかさらに怖いんだけど?!!

 

「そんなことよりモニター見るぞ」

うん、天龍さん。ナチュラルに心読まないでくれるかな。

 

『瑞樹』

『どうしたんですか?美波ちゃん』

『ちょっとあっち向いてなさい』

『?』

『この、デカ乳が!』ペシーン

そう言いながら島田さんは姫路さんのお尻を思いきりたたいた。

 

「おい、そこ胸じゃねぇのかよ」

「ごめん、雄二。多分ツッコミどころはそこじゃない気がするんだ」

『痛いですぅ!』

『私の召喚獣を利用するってどういう神経してるのよ!』

『だって仕方ないじゃないですか』プクー

「どっちもまともな神経はしてないと思うがな」

「うんうん」

「というより私怨でたたいたよな」

「というよりあいつは最初から私怨しかないだろ?」

「え?呪怨?」(難聴)

「なんか呪われそうだな」

「白い男の子出てきそう」

「女の髪の毛で首吊りさせられそう」

「風呂場で浴槽に引きづりこまれそうだな」

「なんかこの話終わらなそうだからストップストップ。モニター見ようよ」

「いや、もう気絶してるんだが」

「え?」

『『キュ~~・・・』』

僕がモニターに目を向けるといつの間にか姫路さん達は気絶していた。

 

「おお、ひめじたちよ・・・。きぜつしてしまうとはなさけない・・・。」(雄二)

「クックック・・・。・・・しかし奴らは(お化けに対しての耐性という意味で)Fクラスの中では最弱・・・」(ムッツリーニ)

「Fクラスの面汚しよぉ・・・」(僕)

「やっぱりなんだかんだ言ってノリいいよな、お前ら」

天龍さんがそう言ってくる。実際その通りだと思う。

・・・のどかわいたな。

 

「・・・自販機ならあそこ」

・・・なんで僕の周りには心を読める人が多いのだろうか。

そんなことを思いながら僕は自販機に歩いていく。

えっと、なにがあるかな・・・。

 

 

・フルーツバスケット(スイカ味)

・オレンジスカッシュ!一!十!百!

・バナナ?!バナ?!バナナ?!ジュース

・俺の味にお前が泣いた!(レモン味)

・BLACKコーヒーRX

 

 

アカン(確信)

やばい!まともなタイトルが一つもない!というよりどれ選んでも地雷な気がする!

ええい!こうなったらやけだ!

僕は小銭を入れると目を閉じて深呼吸する。

 

「ソイヤッ!」

 

ガコン

 

僕が目を開けて取り出し口をのぞき込むとそこにあったのは

 

 

 

【俺の味にお前が泣いた!(レモン味)】

 

 

 

・・・どうやらこれが僕の選んだもののようだ。

僕はそれを取り出して開けると一口飲む。

すると何か頭の中で電車が通り抜けるような感覚を感じた。なんだろう、頭の中で演歌が流れてくる。

 

「で、次誰が行くんだ?」

「・・・雄二」

「なんだ?翔子」

「・・・(クイクイッ」

霧島さんが黙って雄二の裾を引っ張り始める。・・・ハハーン、そういうことか。

 

「雄二」

「なんだ?」

「一緒に行ってあげなよ」

「・・・なるほど、そういうことか。翔子、言えばいいのに」

「・・・恥ずかしい」

「あー・・・」

何だ、この夫婦。早く結婚しろよ。しかもさりげなく手つないでるし(しかも恋人つなぎですよ、奥さん)。

 

「明久!」

「何かな、亜紀」

「私たちも対抗しましょう!」

「え?」

すると亜紀は急に僕の腕に抱き着いてきた。・・・うわ、やっぱりいい匂いするししかも胸が当たってそれがまた柔らかいっていうかなんというか・・・。

 

「最高です」

「え?何が?」ギュッ

「言わせんな恥ずかしい」

そしてその光景を天龍さんはニヤニヤしながら、龍田さんは頬に手を当ててニコニコしながら見ていた。多分天龍さんは龍田さんと組むだろう。というより絶対組むだろう。

 

「・・・で?誰がトップバッターだ?」

「俺たちは最後でいい。龍田はどうだ?」

「私も天龍ちゃんに賛成だわ~」

「で、亜紀。どうする?」

「私は二番目でもいいけど・・・」

「じゃあ俺たちが一番だな」

「・・・じゃあ雄二、行こう」

「オイ、ちょっと引っ張るな。大丈夫だって。俺は逃げやしないから。おーい、話聞いてるかー?」

「・・・少し間開けてからいこうか」

「そうですね」

ちょっとモニター見よ。

 

『おい、翔子。お前お化け怖がらねぇだろ』

『・・・』ギュッ

『・・・おい、黙ってたら何もわかんねぇだろうが』

『・・・離れたくない』

『・・・』

『・・・あの時みたいに、離れたくない』

『翔子・・・』

『雄二・・・』

「さっさと行けよさっさと。出ないと俺たち行けねぇだろ」

天龍さんが無線機に話しかけた。

 

『お、おい。いいとこなんだから邪魔すんな』

「邪魔するに決まってんだろドアホが。見せつけてんじゃねぇぞクソが」

『見てるお前らが悪い』

「見ざるを得ないんだよ。さっさと行けそして死ね」

何で天龍さんそんなにイライラしてんの?

 

『ヘイヘイ』

『・・・(ムスー』

『よしよし』ナデナデ

『えへへ・・・』

それを見ながら天龍さんは少しため息をはく。

つられて僕も溜息を吐いた。

 

「・・・で?吉井に亜紀はいつ行くんだ?」

「もうすぐ行くよ」

「頑張りましょう!」

「そうだね、亜紀」

「おう、そうか。じゃあさっさと行ってこい」

そう言いながら天龍さんは僕に対してサムズアップしてきた。僕もそれにサムズアップで返す。

 

「行くよ!亜紀!」

「ええ!明久!」

「いってらー」

僕らは扉を開けた。

 

 

続く



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第72問

本当は前回と今回で終わらす予定だった。

しかし、我慢できませんでした。


~天龍サイド~

 

 

「さて、と・・・」

 

俺は背伸びをした。

 

「俺たちもそろそろ気合い入れるかぁ」

「そうね~~~」

 

俺たちはモニターを見た。今は三分割されている。

清水・久保ペアと代表・霧島ペア、そして吉井・神田ペアの3組だ。

 

『ケタケタケタ・・・』

『大丈夫かい?』

『オ姉サマオ姉サマオ姉サマオ姉サマ・・・』

『ダメみたいだね』

「あれ大丈夫か?」

 

須川が俺に訊いてくる。・・・あれ?

 

「お前、いたの?」

「その反応はひどくねぇか?!」

「いや、だって、とっくの前に退場して消えたと思ってたし」

「あんたの中での俺の扱いがよく分かった気がしたぜ」

 

すまんな、いつも。

 

『ウオォオオオオオオオ!!!!オ姉サマヲヨコセェエエエ!!』

『ヒ、ヒィイイイイイ!!!!』

『『『『召喚(サモン)!!』』』』

「まだ召喚する知性は残ってんだな」

「もしも残ってなかったら大参事大戦だろ」

「なんで、こう、彩樹はちょくちょく急にネタをねじ込んでくるんだろうな」

 

知るか、そんなこと。

そう思っていたらもう試合が終わっていた。

 

『ケケーッ!!』

「アイツ野生(アマゾン)化してないか?」

「人喰ってないから違うだろ」

「どういうこと~?」

 

フラン、お前もいたのか。

 

『かゆ・・・うま・・・』

「代わりにゾンビしてるんだが」

「ホントだ」

「どうするの~?」

「ほっとけ」

 

どうせ俺たちにはあの殺意は向かねぇんだし。

 

『オォオオオオ・・・』

『戻ってきて清水さん。それ以上行くとさすがの僕も付き合いきれそうにない』

「・・・あれ大丈夫かな?」

「大丈夫じゃね?」

「どっからそんな自信から来るんだ」

「知らん」

 

俺はモニターに集中する。

 

『『・・・』』(無言のダッシュ)

「・・・すげぇ怖いんだが」

「ごめん。俺もそう思ったわ」

 

そして坂本ペアの画面を見る。

 

『凝ってるな、これ』ペタペタ

『・・・そうね』ギュッ

「何あいつ置物に触ってんだ」

「違う。ツッコむところはそこじゃない」

「え?なんだって?」(難聴)

「あ、もういいです」

「そうか」

 

そして俺は吉井共が映っている画面に目を移す。

 

『明久・・・』

『大丈夫だよ、亜紀。君はこの僕が必ず守る』b

『明久・・・///』

「ケッ」

「犬も食わねぇな」

 

全くもってその通りだと思う。さっさと爆発しろ、クソが。

 

「?」

 

そしてフランが首をかしげていた。

 

「お前はそのままでいろ」ナデナデ

「えへへ~」

 

俺がなでるとすごくいい笑顔で笑った。やっぱりかわいらしいと思う。

 

『ケタケタケタ・・・』

『清水、さん・・・。おいて、いかないでくれ・・・。僕は体力が、ない、んだから・・・』ゼェゼェ

「なんだ、アレ」

「恐ろしいな」

「アハハ・・・」

 

俺達3人は久保に同情した。

 

『なんだお前ら』

『なんだそこの女』

『ウォオオオオオオ・・・・』

『ほっといてあげてください』

「幻影を追う人を見るってのは意外とつらいよな」

「確かに」

「・・・(コクコク」

『『『『召喚(サモン)!!』』』』

 

 

  2年Dクラス清水三春 64点

  2年Aクラス久保利光 199点

物理

  3年Aクラス常村勇作 412点

  3年Aクラス夏川俊平 408点

 

 

「「ハァ?!!」」

 

俺たちは思わず叫んだ。

 

「おいあのパイセン共頭おかしいぞ?!!」

「どっちの意味で?!!」

「どっちも!!」

「そっか!」

『参りました』

『ケヒ・・・オ姉サマ・・・』

「「はやっ?!!」」

 

これはまずい。絶対にまずい。

こんな状態で代表と吉井を戦わせるわけにはいかない。

・・・よし、そろそろ行こうか。

 

「おい、龍田」

「何かしら~?」

「そろそろ行くぞ」

「あら、そう~?」

「ああ」

俺たちは立ち上がる。

 

 

 

「よっしゃあ!キバッていくぜ!」

「私たちは最初っからクライマックスよ~~」

 

 

 

その時、俺たちの頭の中にはそれぞれ黄色いおしゃべりなコウモリと時をかける紅い鬼(みたいなもの)がイメージされた。

 

「よし、さあ。いざ新世界へ!」

「ええ!」

 

そう言いながら俺たちはドアを開ける。

すると少しひんやりした風が足元に流れ込んできた。

 

「やっぱり実際に見るとすごい作りこんでることがわかるよな」

「そうね~~」

「だがそんなことは今はわりとどうでもいい。今は重要なことじゃない。」

「そうね」

 

龍田の目がスッと開く。

 

「今重要なのは代表たちと合流することだ。それ以上に重要なことは今はないな」

「私もそう思うわ~」

 

俺たちは走り出した。

すると吉井ペアと坂本夫婦が見えてきた。お、一緒にいるのか。これは好都合だな。

 

「おい、お前ら!」

「「え?天龍さん?!!」」「は?!天龍?!!」「・・・?!」

 

吉井たちがびっくりしたような目で見てきた。そりゃそうだろうな。急に後ろにいた人が横に来るなんて誰が予想しようか。

 

「お前らに言いたいことがあってな」

「どうした?」

「こっから先に常夏ペアがいるわけだが」

「マジか」

「点数高いぞ、マジで」

「えぇ、うそぉ・・・」

「マジマジ大マジ」

 

「なるほど・・・。最後の最後で俺たちをつぶしに来るか・・・」

代表があごに手を当てながらつぶやく。

 

「ああ、たぶんその通りだな。奴ら俺たちをここでつぶしにかかることは間違いねぇな。だが」

「「こんなところでつぶされる俺たちじゃない、でしょ(だろ)?」」

「わかってんじゃねぇか、お前ら」ニタァ

「わかるよ。半年の付き合いだよ?」ニヤ

「さすが俺たちだよな」ニヤニヤ

 

すると突然照明が切れた。

 

「あ、あれ?!亜紀?!どこ?!」

「雄二…」

「きゃー天龍ちゃーん」

龍田全然不安そうじゃねぇな。

 

「亜紀?!どこ行ったの?!!」

「翔子!」

「お前ら狼狽しすぎだ」

 

すると突然照明が戻った。

 

「・・・なんで雄二が僕の腕をつかんでんのさ」

「・・・そっくりそのまま返してやるよ」

「天龍ちゃーん♪」

「おう、龍田」

 

・・・あれ?

 

「神田と霧島さんは?」

「あれ?!ホントだ!」

「畜生!どこ行っちまったんだ!てか明久手をはなせ!」

「雄二こそはなせよ!」

「お前らさっさとしねぇと腕を切り落とすぞ」

「「(サッ)」」

「よし、行くぞ」

「レッツゴ~」

「ホント冷静だね」

「俺のことじゃねぇからな」

「もうちょっとオブラートに包もうよ・・・。ちょっと傷つくじゃん・・・」

 

知らんわ、そんなこと。

そう思いながら俺たちは進んでいった。

 

 

続く




悔しい・・・!

今回で終わらせれなかったのがすごく悔しい・・・!


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第72.5問「初詣」

「ファ~ア~なんでこんなに早く起きなきゃいけねぇんだ・・・」

「今日は新年よ~?初詣に行くのが決まりってものじゃな~い」

「そんなルール知らねぇよ」

「少なくとも天龍ちゃん以外は皆知ってるわよ~」

 

俺は龍田に引っ張られながら歩いていた。理由は簡単。俺はそこまで初詣に興味がないからだ。

 

「つーかおみくじ引いて何になるんだよマジでさぁ」

「景気づけよ~」

「そう言いながら俺小凶しかでたことないんだけど」

「・・・今年こそいいくじ出るわよ~?」

「そんなこと言われて何年たつんだかなぁ・・・」

 

俺たちはぼやきながら歩いていた。

 

「お」(代表)

「・・・天龍、おはよう」(霧島さん)

「「あ、天龍さーん」」(吉井兄妹)

「天龍さん!」(神田)

「・・・久しいな」(土屋)

「お久しぶりー!」(工藤)

 

・・・なんでこういう時に合うんだろうなぁ。

 

「・・・なんでお前らこっから先の神社なんだ?」

「ここに住んでるからでしょ?!」

「・・・そういやそうか」

「どうしたの?天龍さん。今日は一段と頭がおかしいような言動してるけど」

「・・・それは俺がいつも頭おかしいという風に聞こえるんだが」

「違うの?」

「・・・吉井、お前も言うようになったなぁ」

「それほどでも~」

「・・・」(無言の顔パン)

「殴るこたないじゃん!」

「いや、なんかすげぇむかついたんで」

「せめてなんか合図してよ!ノーモーションはずるいよ!」

「うるせぇんだよ鏡モチにするぞ」

「何それ?!よくわかんないから余計に怖いんだけど?!!」

「さっさと行くぞ」

「え?!無視?!ちょっと僕の質問に答えてよ!!ちょっとぉ!!オーイ!!」

「うっせぇぞ明久。さっさと行くぞ」

「あれ?味方いないの?!僕の味方いないの?!!」

「大丈夫ですよ」カタポンッ

「え?」

「私と」

「私が」

「「いるじゃないですかー!」」

「・・・」(無言の抱擁)

「「キャー♪」」

 

ここでイチャイチャされても俺たちが困るのでやめてもらおう。俺は輪ゴムを取り出すと指に引っ掛けて撃った。

 

「あ痛っ」

「さっさと行くぞ」

「天龍さん、やっぱり丸くなったよね」

「そうか?」

「昔なら拳銃を頭に突き付けてたに違いないよ」

「・・・確かにそうかもな」

 

俺たちはそう言いながら再び歩き始める。

 

「ところで皆どんな夢見た?縁起がいいと言えば一富士二鷹三茄子とか言うよね」

「俺は1号、2号、V3の夢なら見たぞ」

「いや確かに1、2、3だけどね?!」

「なんだよ、演技いいだろうが」

「いや、確かに演技いいかもしれないけどさ?!」

「ちなみにその時の夢で俺はライダーマンだった」

「マジで?!」

「マジマジ」

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

「おーい、明久ー。お前運勢どうだった?俺小凶だけど」

「・・・」(ボソッ

「え?なんて?」

「・・凶」

「そうか、今日k「大凶」・・・え?」

「大凶」

「(オイオイ、マジで引くやついんのか)」

 

 

~☆~

 

 

ガランガラン

 

(今年も翔子と一緒にいられますように)

(今年も雄二と一緒にいられますように)

(今年も亜紀と一緒にいられますように)

(今年も明久と一緒にいられますように)///

(今年もアキにぃと亜紀さんが一緒にいられますように)

(今年も愛子と一緒にいられますように)

(今年も土屋君と一緒にいられますように)///

(今年は天龍ちゃんと一緒にいられますように)

 

 

(・・・今年もこいつらに何事もなく共に過ごせますように)

 

 

続く



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第73問

~明久サイド~

 

 

「亜紀どこ行ったんだろう・・・」

「翔子どこ行ったんだ・・・」

僕らは愛している人を探しながら進んでいた。

 

「もしかしたらもうあいつらと接触してるかもな」

「そうね~」

すると天龍さんがとんでもないことを口走った。

 

「それだけは避けないと!」

「俺の翔子がけがされちまう!」

「雄二! 僕の亜紀もけがされるんだぞ!」

「うるせぇ! 今は知ったことか!」

「なんだと雄二!」ガシッ

僕は雄二の胸倉につかみかかる。

 

「何しやがる明久!」ガシッ

「うるさい!僕の亜紀を侮辱したな! ゆ”る”ざん”!!」

「お前だけはここで始末した方がよさそうだなぁ!」

「うるせぇんだよ缶詰めにするぞお前ら」

「「(サッ)」」

「いやなら喧嘩すんなアホども」

「「ハイハイ」」

「ハイは一回だアホ二人組」

「「こいつと一緒にするな!」」

「見事にはもったな。仲がいい証拠だ。」

「「なかよくn「ちなみに仲良くないって言ったらここでお前らをつぶす」・・・」」

僕らは押し黙る。というより押し黙るしかない。

 

「で、お前の彼女なんだが」

「うん」「おう」

「あそこにいるぞ」

「「え?!」」

僕らは天龍さんが指さした方を見ると確かに霧島さんと亜紀がいた。あ、亜紀が霧島さんにしがみついてる。しかもものすごく震えてる。

 

「あk「アホ」ムグゥッ?!!」

僕が話しかけようとすると急に天龍さんが口をふさいでこっちに引き戻した。

 

「な、なにするのさ!」

「今話しかけんな」

「なんでさ!」

「後のことを考えたらあいつらを泳がしておいた方がいい。」

「どういう風に?」

「良く考えろ。お前が一緒にいて一番安心するのは誰だ?」

「亜紀」

「だよな、そうだよな。で、それはあいつも同じはずだ」

「うん」

「そして今あったとしよう」

「うん」

「お前らは安心するだろうな、これ以上ないくらいに」

「うん」

「そしてその時に脅かしが来てみろ。あいつは気絶するかもしれん」

「・・・なるほど」

「明久、しっかりしろ。こいつ結構支離滅裂なこと言ってるぞ」

「代表、少し黙ってろ。で、とにかくだ。そんなリスクがないわけではない。だから今はかわいそうだが霧島さんで我慢してもらおうってわけだ」

「おい、天龍。それは聞き捨てならねぇぞ」

「良く見ろ代表。霧島さんも少し震えてるからな」

「え? マジで?」

「マジで」

そう言われて僕らは霧島さんを注視する。・・・あ。

 

「確かに震えてるね」

「ああ。だが今がちょうどいい。」

「何故?」

「緊張してるから」

「・・・そうか」

・・・あれ?なんか僕ら丸め込まれているような気がするんだけど・・・。

 

「そんなことより代表。あれを見ろ。どうやら着いたみたいだぞ」

「え? マジで?」

「マジマジ。あれを見ろ」

天龍さんが指さした方を見ると霧島さんと亜紀の二人が常夏コンビと遭遇していた。

・・・ちくしょう、ぶん殴りたい。僕はそんな衝動をぐっとこらえる。

 

「あ、ホントだ。いるね」

「どうなるかしら~?」

そして僕たちは物陰から顔をのぞかせながら様子を見守っていた。

 

「おいおい、お前らかよ」

「お前らに用はねぇんだけど、仕方ねぇなぁ」

そう言いながら常夏コンビはニヤニヤしていた。

 

「しっかし、あいつら俺たちに怖気づいたか」

「よくそんなヘタレの彼氏と付き合えんなぁ、お前ら」

「誰が怖気づくか、誰が(ボソッ」

 

 

 

「なんですか、あなたたちは!」

 

 

 

すると急に叫び声が聞こえたので全員がびくっとした。

 

 

 

「あなたたちに何がわかるんですか! 明久のなにがわかるんですか! 何も知らないくせにそんなことを言わないでください!」

 

 

 

「亜紀・・・」

僕は思わずつぶやいた。

 

「ヘッ、何言ってんだ。てめぇ」

「あいつらに何ができる。そしてお前ら、退場だぜ?」

そう言われると亜紀と霧島さんはそのまま退場していった。

 

「「・・・」」

僕と雄二は黙り込んでしまった。

 

「さて、行くかー」

「そうね~」

「待ってくれ、天龍さん」

「あん、なんだ?」

「僕たちにやらせてくれないか?」

「・・・理由は?」

「あそこまで亜紀が言ってくれたんだ。やらなきゃ男じゃないよ」

「・・・ハッ、そういうことか」

そう言うと天龍さんはニヤリとして、再び口を開いた。

 

「お前ならそう言うと思ってたぜ」

「じゃ、じゃあ」

「ああ、行って来い。そのかわり」

「そのかわり?」

「絶対勝てよお前ら」

「「うん/ああ」」

 

 

 

「もしも勝たなかったらお前らの腹搔っ捌いて内臓を全部海外に売り飛ばすからな」

 

 

 

ヤバイ。余計に頑張らなくちゃいけない理由が増えた気がする。

 

「よぉ、よく来たな」

「ああ」

「ほぉ、俺たちに向かってくるか。恐れずに向かってくるのか」

「近づかねぇとお前らの顔をぶん殴れねぇんでな」

そう言いながら僕たちは対峙する。そして後ろには天龍さん達が見守っていた。

 

「「「「試験召喚獣、召喚サモン!!」」」」

 

 

 

  2年Fクラス代表補佐 吉井明久 35点

  2年Fクラス代表   坂本雄二 100点

物理

  3年Aクラス 常村勇作 215点

  3年Aクラス 夏川俊平 322点

 

 

 

「「なにぃ?!!」」

「「っしゃあ!」」

僕たちはそう叫んで召喚獣を常夏コンビに突撃させる。

 

「2年を甘く見ていたな!」

「そんな点数じゃお前たちは腕輪を使えない!」

「クソッ! 予想以上に削りやがったな、あいつら!」

「だがあてればこっちのもんだ!」

そう言いながら常夏コンビは召喚獣を操作して攻撃しようとする。

だが、僕には意味がない。

 

「経験値が違うんだよ、経験値が!」

僕はそう叫びながら召喚獣を駆使して常夏コンビのハゲの方を攻撃する。狙いは・・・、頭だ!

 

「くらえ!」

「あっぶねぇ!」

僕が剣で頭部を攻撃した瞬間、ハゲは翻そうと召喚獣を動かした。しかし、完全には避けきれず眉間に赤い鮮血がほとばしった。

 

 

 

  2年Fクラス代表補佐 吉井明久 35点

  2年Fクラス代表   坂本雄二 100点

物理

  3年Aクラス 常村勇作 142点

  3年Aクラス 夏川俊平 277点

 

 

 

「なんでお前らそんなに慣れてんだよ!」

「なんでかって? 僕達2年Fクラスをなめるなってことだ!」

「答えになってねぇ!」

その間にも僕は召喚獣を素早く動かして狙いをつけさせないようにする。狙いをつけさせたら最後だ!

 

「そこだぁ!」

そう叫びながらハゲは攻撃してくる。

 

「あまい!」

そんな攻撃、もうとっくの前から読んでるんだよ!

 

「お返しだ!」

僕はそう叫びながら召喚獣の頭を外させると思い切り蹴り飛ばした。そしてそれが直撃してひるんだすきに一気に距離を詰めて首を貫いた。

 

「ッラァ!」

雄二の召喚獣が肉弾戦でしのいでいたので後ろから思いきり斬りつけておく。

 

「おい、卑怯だぞ!」

「卑怯もラッキョウもあるものか!」

そう叫びながら僕は連続で切り付ける。

 

「クソッ! なめるなぁ!」

「グッ・・・!」

受け流そうとして体をそらさせるが受け流しきれず、体にかする。くそ、さすがに点数差がきついか・・・!

 

「雄二ぃ!」

「任せろぉ!」

そう叫びながら雄二は召喚獣をモヒカン野郎の召喚獣にチョークスリーパーを決める。

そしてそのまま首の骨を折った。するとモヒカンの召喚獣は力なくうなだれて消滅した。

 

「っしゃあ! 俺の勝ちぃ!」

「"俺たちの"だろ、雄二!」

「さて、と・・・」

すると天龍さんは常夏コンビのところまで歩いて行った。

 

「な、なんだよ」

「お前ら、まさかこれで終わりだと思うなよ。お前らにはきちんと償ってもらうからな」

「な、何をだよ」

天龍さんは口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

「明久…」

「亜紀…」

僕はあの後、しばらくしてから屋上に行ってこいと天龍さんに言われて素直に言ってみるとそこには亜紀がいた。

 

「先輩の二人、謝ってくれたよ」

「そっか・・・」

「天龍さんが言ってたよ。私のために怒ったって」

「そりゃそうだよ。亜紀を侮辱されるのが僕は一番嫌なんだから」

「そっか」

僕たちは夕陽を見る。

 

「亜紀」

「何? 明久」

「やっぱり僕、亜紀のこと好きみたい」

「知ってる」

亜紀はくすっと笑った。

 

「亜紀…」

「明久…」

僕たちはだんだんと距離が近くなっていく。そして唇が触れ合いそうになったその時、扉が開いた。

 

「おーい、かえるぞー」

「「?!!!」」

「・・・あー、すまん。どうぞごゆっくり」

「ちょ?! て、天龍さん?!!」

「気にするな。お前らならそうするだろうなとは思ってたからよ」

「だから弁解させてよ天龍さ~~ん!!」

 

 

続く





肝試し編、完ッ!!


次は体育祭編だよ!!



わーい!たーのしー!


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第74問特別篇「姫路と天龍と料理の特訓」

「ハイ変わったー! お前なんで汁物にそんな劇薬混ぜんだよ! 廃棄だ廃棄!」

「えぇ?!」

「真面目にやれ真面目に!」スパーン

「は、はぃいいい!!」

なぜこんなことになったのか、それは数時間前にさかのぼる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

「ここでしたよね・・・」

休日でありながら彼女、姫路瑞樹は学校に来ていた。

・・・エプロンを用意して。

彼女は指定された部屋、家庭科室に来ていた。

そしてガラガラと扉を開ける。

 

「よっ」

 

そこには彩樹天龍がいた。

「ああ、天龍さん。どうしたんですか?」

「いや、お前を呼んだのは俺だけどさ。お前、なんで呼ばれたかわかるか?」

「?」

姫路は首をかしげる。当たり前である。彼女には実際心当たりがないからである。

 

「わかった。説明しよう。お前を呼んだ理由は料理の改善だ」

「料理の改善、ですか・・・?」

「ああ」

姫路が復唱するようにつぶやくと天龍はうなずいた。

 

「お前の料理ははっきり言ってまずいとか言う味覚の次元をはるかに超えてしまっている。それを改善するためにここにお前を呼んだ。というわけで」

そう言いながら天龍はキッチンを指さした。

 

「米1合、そして味噌汁の具材にサンマだ。これで料理を作ってみろ」

「え、あ、はい」

「じゃあちょっとほっつき歩いてくるから。できたら携帯で呼べ。味見してやる」

「はい!」

彼女はエプロンをつけて腕まくりをすると料理に取り掛かった。

天龍はそれを見ると部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

 

 

 

「できたのか」

携帯で連絡が入ったので天龍が家庭科室に帰ってきた。

 

「はい!」

そこには見た目はすごく良い料理が出来上がっていた。

 

「・・・」

天龍は味噌汁を少しかぐ。

 

「・・・おい、ピンク。いや、姫路」

「なんですか?」

「これすごい薬品の匂いがするんだが、お前何入れたんだ?それになんでガラスの器なんだ?」

「えっとですね・・・」

姫路は頬に人差し指を当てて言った。

 

 

 

「塩酸をちょっと」

 

 

 

次の瞬間、天龍のハリセンが姫路の頭をひっぱたいた。すごくいい音がした。

「痛いですぅ!」

「当たり前だ! 器が普通に溶解するわ! だからお前いつもガラスなんだな?!」

「は、はぃいい!!」

「・・・まあ、これは捨てるとしてだな。で、この米は?お前何か仕込んだんじゃないだろうな?」

そう言いながらおにぎりを少し口にする。そして吐き出した。

 

「・・・すごい変な味がするんだが、どういうことだ?」

「えっとですね。お米って洗うじゃないですか?」

「そうだな」

「だから」

「だから?」

 

 

 

「漂白剤を・・・」

 

 

 

次の瞬間、再びハリセンが姫路の頭をひっぱたいた。

「痛いですぅ!!」

「殺す気か! 水で十分だわ!」

「え? でも洗うんですよ?」

「水で十分だっつの! 洗濯か! シャツ洗ってんじゃねぇんだぞ?!」

そして天龍は焼かれたサンマをみる。

 

「これはまともに見えるな・・・」

そう言いながらサンマをかじる。

すると天龍は無言で洗面台に歩いたかと思うと

 

 

 

「オェエエ・・・」

 

 

 

吐いた。

「は、はいたぁ?!」

「お前これ何入れた! これだけはいつもと違ってまともだと思った俺がバカだったわ! オイこれホントに何入れたんだ!」

「えっとですね・・・、ちょっと色合いが悪かったので」

「おう」

 

 

 

「着色料を・・・」

 

 

 

次の瞬間、ハリセンが今度は姫路の胸をひっぱたいた。豊満な胸がぽよよんと揺れた。

「今度は胸ですかぁ?!」

「てめぇは何を作ってんだよ! 今は美術の授業じゃねぇしレプリカを作ってんじゃねぇんだぞ?! 殺す気か!」

「えっと・・・」

「なんだ? 言い訳だけなら聞いてやるぞ?」

 

「ホントに色合いが悪かったので・・・」

 

「だからと言って着色料を入れる意味がホントにわからねぇんだけど? お前俺になんかうらみでもある? あるんだったら今すぐ謝るけど」

「ないですよ?」

「そうか。・・・つまり普通にやってこれか?」

「はい」

「そっか~・・・」

そう言いながら天龍は腕組みする。

 

「わかった。おまえを徹底的に叩き直す。」

「ふぇ?」

「お前、もうすぐ運動会だろ?」

「はい!」

「だったらお弁当作るよな? お人よしのお前のことだ。絶対みんなのためにおにぎりでも握るだろうな」

「はい!」

「いい返事だ。まあ、そこでだ。今のままだったらお前は人を殺めてしまう可能性が高い。」

「・・・ふぇ?」

「つまりだ。今のまま薬品をぶちこみまくってたらいつか死人が出てお前は刑務所行きだ。それだけは嫌だろ?」

「はい」

「それに」

「?」

「お前の将来にお婿さんがかわいそうだ。仕事が終わって帰ってきたら待っていたのはくそまずい料理・・・。いつか『嫁の飯がまずい』とかいうスレ建てられるのがオチだぜ?」

「えぇ?!」

「そういうの嫌だろ?」

「・・・はい」

「そうならないためにもお前をここで今鍛えなおそうと思ってるわけだよ、わかる?」

「はい!」

「いい返事だな。よし、やるぞ」

「はい!」

 

 

~☆~

 

 

「お前の」

「はい」

「料理は」

「はい」

「ハイッ豚のエサぁああああああ!!!!」

「豚の、エサ・・・」ガクッ

 

 

~☆~

 

 

「お前」

「はい」

「なんで化学の実験してるんだ?」

「・・・エヘッ」

「(無言のハリセン)」

「痛いですぅ!」

 

 

~☆~

 

 

「お前さ」

「・・・はい」

「ホント学習能力ねぇな! 鍋とけるに決まってるだろ?!」

「偶然なんですぅ!」

「うるせぇ!」

 

 

~☆~

 

 

「「・・・」」

メキメキ・・・(サンマの頭が4つに分裂する音)

「なーんでサンマがキメラみたいになってんだよぶち転がすぞ」

「なんでなんでしょうね・・・」

「お前いつかキメラを大量生産しそうですげぇ怖いんだけど・・・」

「それは、ない、です、よ・・・?」

「なぁんでそこで断言できねぇんだよ・・・」

 

 

~☆~

 

 

「ここまで(いろんな意味で)苦戦した相手はお前が初めてだわ・・・」

「じゃあ、天龍さんの初めては私ですね!」

「・・・」

「ごめんなさいちょっと冗談で言いましただから無言で拳を握らないでくださいお願いします」

「ふん!」スパーン

「ハリセンですかぁ?!!」

「握った拳は飾りだぁ!」

「後から言うんですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハイ変わったー! お前なんで汁物にそんな劇薬混ぜんだよ! 廃棄だ廃棄!」

「えぇ?!」

「真面目にやれ真面目に!」スパーン

「は、はぃいいい!!」

そして今に至る。少しはましになった姫路瑞樹。しかし、薬品を入れる癖は直っていない。

 

「・・・」

すると天龍はドカッと椅子に座った。

 

「天龍さん・・・?」

「姫路」

「はい、なんでしょう?」

「お前ここに座れ」

「はい」

姫路は天龍の目の前の椅子に座る。

 

「姫路」

「はい」

「生きるってどういうことかわかるか?」

「・・・へ?」

「だから生きるとはどういうことかって聞いているんだ」

「それは・・・」

「わかった。もういい。俺が言う。

生きるっていうのはな、誰かの命を喰らうってことだ。」

 

「・・・」

「サンマだってもともとは生きていたものだ。鶏肉だって豚肉だって牛の肉だってもともとは生きていた物の肉だ。それは野菜にも言えることだがな」

「・・・」

「料理をする、食事をとるというのはその生きていたものに対する一種の感謝みたいなものだ。いただきますというのがいい例だな」

「・・・」

「そして食べ物を粗末にすることは人の思いや命を無下にすることだ。わかるか?」

「・・・はい」

「つまりだな、姫路。お前が今やっていることは」

「・・・」

「はっきり言って生きていたものに対する冒涜でしかない」

「・・・」

「これ以上改善する気がないのならお前はさっさとこの世からいなくなればいいと思う。感謝もできないような人間が生きる必要性はないからだ」

「・・・グス」

「それが嫌ならその癖を直せ。そしてうまくなれ。手伝ってやるから」

「・・・ほんとですか?」

「ああ、今回ばかりは嘘はつかねぇ」

「・・・やります」

「そうか。だったら俺は最後までそれにこたえなければな」

そう言って姫路を立ち上がらせる。

 

「・・・チャレンジ、しようぜ?」

「はい!」

 

 

 

~☆~

 

 

 

「・・・お、だいぶ良くなったな」

「ホントですか?!」

「ああ。だがまだまだだ。お前ならできるだろ?」

「はい!」

 

 

 

~☆~

 

 

 

「もう少しだな」

「はい!」

「と言っても赤みそと白みそを混ぜるのはいただけないな」

「う・・・」

「まあ、次から直せばいいさ」

「はい!」

 

 

 

~☆~

 

 

 

「おい、休憩だ」

「へ?」

「ずっと立っているのも疲れただろう。ほら、ショートケーキだ」

「えぇ?! 食べていいんですか?」

「食べていいぞ」

「わーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして・・・。

「・・・まあ、及第点だな」

「本当ですか?!」

「ああ、普通に食える範囲だな。よくやったぞ」

「ありがとうございます!」

「どういたしまして」

そう言いながら天龍は片付けを始める。

 

「姫路、手伝え」

「はい!」

二人は食器を洗い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

「いや~、疲れたな~」

「はい、そうですね~」

二人は帰り道を歩いていた。

 

「これでお前は晴れて殺人料理人から普通の料理人になったな」

「そうですね」

「あー・・・舌がしびれてるなぁ」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だろ。ハハッ」

「フフッ」

そんなことを話しながら二人は笑いあった。

 

 

続く



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六:はじけろ!体育祭!編
第75問


体育祭編、開始です。







最近は夜も少し肌寒くなってきたこの時期、運動の秋、食欲の秋、勉強の秋、芸術の秋といろいろあるがなにより運動の秋であろうと俺は思う。

体を動かすことによってストレスというのは解消されるからだ。

そしてあいつらも例外じゃない。

 

「雄二ー! きっちり投げてよ!」

「明久ぁ! しっかりとれや!」

なぜかあいつら二人は口論している。どうやらお互いの息が合わないらしい。やれやれ・・・。

俺は口喧嘩から殴り合いに発展している二人に近づいていく。

 

「お前ら」ガチッ

「「え?」」

「猛省しろ」

「「そげぶっ?!!」」

そして頭を掴むと地面にめり込ませた。うん、なかなかいい具合にめり込んでいると思う。

こんなことしてる暇なんてないだろうに…。

・・・ああ、なんでこんなことしてる暇がないかを教えないといけないな。

・・・あれは今から一週間前の出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一週間前~

 

あの時、俺たちはいつも通りに西村先生のSHRを受けようとしていたんだ。

 

その時だ。地獄行の鐘が鳴ったのは。

 

 

 

 

「今から持ち物検査を始める!!」

 

 

 

 

あの後は大惨事だった。

 

「やめろ! やめてくれぇえええ!!!!」

 

「こんなこと、残酷すぎるぅうう!!!!!!」

 

「ウワァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

「ギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

・・・なんであいつらあんなに叫んでたんだろ。

ま、とにかく・・・そういうことがあって持ち物がすべて取られたわけ。

・・・まぁ、さすがに抱き枕のシーツはアウトだわな、誰とは言わないけど。

 

「くそう・・・ゲーム機を取られた・・・。あとでみんなで一狩り行こうとか考えてたのに・・・」(吉井)

「一狩り行くのはお前の家でもいいだろ」

 

「クソッ、翔子の写真集を取られちまったぜ・・・」(代表)

「持ってる方が悪い」

 

「わたし・・・! わたしはぁ・・・!!」(亜紀)

「言うな言うな。そんなにつらいなら言うな。こっちが悲しくなる」

 

「うちは・・・! うちはぁ・・・・!!」(島田)

「はいはい。落ち着け。今にも人を殺しそうな顔してるから」

 

「私は抱き枕のシーツを…」(姫路)

「おいおい」

 

「お人形とられちゃった…」シュンッ(フラン)

「なんで持ってきてんだよ・・・」

 

「・・・(明久の写真がとられたのじゃ)」(木下)

「・・・ッ?!(こいつ直接脳内に・・・ッ?!)」

 

「俺何も取られてないぞ」(須川)

「それが普通なんだよ」

 

「・・・」

「土屋、どうしたんだ? そんなに静かにして」

「・・・」

「…土屋?」

「う~~~ううう…」

すると土屋から嗚咽の声が漏れ始めた。

 

「つ、土屋?」

「写真のデータを取り上げるなんて…う~~~ううう・・・あんまりだぁ・・・」

するとぽろぽろと土屋の目から涙がこぼれ始めた。

 

 

 

 

「HEEEEYYYY あァァァんまりだァァアァ

AHYYY AHYYY AHY AHYWHOOOOOOHHHHHHHH!!

おおおおおおれェェェェェのォォォォォ写真のォォォォォデェェェェェ

タがァァァァァ~~~~!!」

 

 

 

 

『『『?!!』』』

すると突然土屋がギャンギャンと泣きわめき散らしたのだ。

俺たち全員が困惑の色を示している。

な、なんなんだこいつは・・・?! いつもなら血涙を流しておどろおどろしい表情をするのに・・・。

・・・それはそれで怖いな。

 

「あァァァァァァァァァァあああああああ」

「な、なぁ・・・、止めた方がいいんじゃ…」

「わかんねぇ・・・。俺にはさっぱりわかんねぇ…」

「・・・」ピタッ

すると急に土屋は泣きわめくのを止めた。

俺たちにはあまりにも不気味でどうしようもなかった。

 

「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

『『『ゴクリ』』』

「・・・フー。スッとしたぜぇ」

『『『?!!』』』

「俺はあまりにも怒りのパラメータが上がると、泣きわめくことでクールダウンすることにしてるんだ」

「す、すげぇ! 泣きわめくこと(イコール)相手へのけん制かつストレス発散につながってるぞ!!」

「さすがムッツリーニ! 僕らができないことを平然とやってのけるッ!! そこにしびれるあこがれるぅ!!」

「・・・あれ? ムッツリーニさっき写真のデータがなんたらって・・・」

「・・・」

「・・・ま、まさか」

 

「・・・ああ、写真のデータが入っているメモリーをすべて奪われた」

 

『『『『『『『なにぃいいいいい?!!!!!!!!』』』』』』』

その時クラスに電撃走る!

 

「つ、つまり! 僕たちは『おあずけ』をくらうってのかい?!!」

「・・・ああ。バックアップもとっていなかった。こんなことは予想外だったからな・・・!」

「ひどいよぉ・・・こんなこと、あんまりだよぉ・・・・・」

「・・・」

皆が嘆き始めているとき、代表は険しい顔をして腕組みをしていた。

 

「代表、おまえ、まさか・・・」

「ああ、行くぞ。お前ら、ついてこい」

「ゆ、雄二! 君は、まさか・・・!!」

「ああ。取り返しに行くぞ

すると俺と龍田と須川を除く全員が立ち上がった。

 

「「いってらっしゃ~~い」」「健闘を祈る」

「ああ、吉報を届けてやるよ」

そういうと代表は皆を連れて教室を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

「まぁ、予想はしてた」

俺はFクラスの光景を見ながらそう言った。

 

「まさか反省文を書かされるとは…」

「これだったら停学処分の方がまだましだよ・・・」

「これ人間のやることかのう・・・」

人間だからだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~放課後~

 

 

「天龍」

「あん、なんだよ」

「折り入って相談があるんだが」

「・・・おい、龍田」

「?」

「先に帰っといてくれ。少し話があるから」

「わかったわ」

そう言うと龍田は教室を出て行った。今この場には俺と代表しかいない。

俺は胡坐をかきながら代表の体面に腰を落とす。そして頬杖をしながら口を開いた。

 

「・・・で、なんだ? 折り入って話すんならそれほど価値のある話なんだろうな」

「俺たちの持ち物がある場所が分かったんだ」

「どこだ?」

「例の地下金庫だ」

「ああ、あそこか」

「そこでだ天龍・・・代表補佐としてではなく、友人としてお願いしたいことがあるんだが、一緒に地下金庫に『ブツ』を取りに行かないか? (中略)

もし、それが手に入るのなら・・・天龍、俺たちは再びムッツリーニの最高の写真集を手に入れることができる」

「噂によれば・・・、あの金庫は文月学園代々に伝わる由緒正しい金庫らしいな。(中略)

・・・お前らが普段いつどこで写真を取引してるのかは知らないが・・・教師たちから堂々と(鍵を)借りればいいだろう?」

「しかし目的が目的。教師共は誰も貸してくれない」

「オイオイオイオイオイ

 オイオイオイオイ

 オイオイオイ

 オイオイオイ

 オイオイオイオイオイオイオイ

貸してくれないから金庫から勝手に『ブツ』を奪うってそれって『違反』ってことだろうッ?!

「奪うのは俺と明久とムッツリーニ、そして秀吉だ。・・・夜こっそりと侵入するからお前は『照明』と『見張り』をしてくれればいい」

「ナアナアナアナアナア

 ナアナアナアナア

 ナアナアナアナアナア

 ナアナアナアナアナア

 ナアナアナアナアナア

照明と見張りだけって・・・俺は一応料理部の副部長なんだぜ・・・。

・・・学校的には少し有名な方なんだ。

それに!あの金庫はこの学園代々に伝わる由緒正しい金庫だ! それを守ってきた先生たちの苦労は想像もできない!」

 

 

「『金庫破り』をする」

「だから気に入った」

 

 

「よし・・・そう言ってくれると思っていた」

「一応保険として言っとくぜ」

「なんだ」

「いざとなったら俺はお前らを置いて逃げるからな」

「ああ、それで構わない。巻き込んでるのは俺たちの方だからな」

「・・・もしかして木下、乗り気?」

「ああ、予想以上にな」

「いよいよこのクラスから常識枠がいなくなってきたぞ」

「なにいってんだ天龍」

「?」

「もともといねぇだろ」

グーで殴り飛ばした俺は悪くないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、侵入したのはいいが普通に見つかって全員反省文を書かされることになった。しかも代表たちは前科ありということでさらに追加されていた。

 

続く



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第76問

「あのさ、やっぱり無茶ってやつだと思うぜ。代表」

「ああ、さすがに夜中にこっそり潜入するのは邪道だったか」

「違う、そうじゃねぇ」

反省文を書かされた次の日の朝、俺たち3人はちゃぶ台で対峙しながら話していた。ちなみに龍田はフランと遊んでいる。

 

「そもそもさ、抜け道を行くこと自体が無理なんじゃないかと俺は考えてるわけだよ」

「じゃあどうするの」

「正面突破だろ」

「そうか。堂々と正面から突撃すればいいのか」

「違う、そうじゃねぇ。つか吉井、なんでそんなに死に急ぐ?」

「じゃあなんなのさ?」

「おい、吉井。お前近々運動会あること忘れてないか?」

「うん、確かにあるけど…、それが?」

「それを利用するんだよ。ここまで言ってわからねぇとなるとよほどのバカだぞ?」

「・・・ああ、そういうことか」

「ようやくわかったか、代表」

「確かにその手があったね」

「ああ、じゃあ今から」

 

 

 

 

「運動会のどさくさに乗じて金庫破りをするんだね」

 

 

 

 

俺は次の瞬間、思い切り吉井の顔を左腕に回転をかけつつぶん殴った。

すると面白いほどに吉井が吹っ飛んだ。そして床に倒れると吉井は起き上がりながら頬をさすって叫んだ。

 

「な、何をするだぁ――――ッ?!!」

「てめぇまじでバカだろ?! どうやったらそんな発想になるのか教えてくれよ!」

「え、違うの?」

「お前が言いたいのは、優勝したら返してもらうとかの契約を結ばせるとか、そんなことだろ?」

「さすがだぜ代表。理解したうえでの呑み込みが早いな」

「いや、普通は気づかないって!」

「「普通は気づくんだよ、バカ」」

俺は頭に手を置いてやれやれと首を振った。

 

「で、今から交渉しに行くのか?」

「いや、あんたたちは来るな。来ない方がいい」

「「なんで/だ?」」

「信用の差だ。言わなくてもわかるだろ」

「「・・・あー」」

納得する二人をよそに俺は龍田に話しかける。

 

「龍田」

「ん~?」

「今から西村先生に話しつけに行くぞ。交渉だ」

「わかったわ~」

さっきの会話で俺がだいたい何をしたいか分かったようだ。さすがわが妹。

 

「「いってらっしゃ~い」」

「おう、交渉してくるわ」

そう言いながら俺たちは教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交渉から少ししてこんな文面が掲示板に張られた。

 

 

文月学園生徒から取り上げた持ち物について

 

  体育祭で3学年のうち勝ち抜いた1クラスが教師陣との召喚獣野球大会に勝利したらその学年全員分の持ち物が帰るものとする。

 

  文月学園学園長 藤堂カヲル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~視点変更~

 

 

 

「「ふざけんなババァ――――!!」」

 

 

 

僕と雄二は叫びながら学園長室に殴りこんだ。その後ろを天龍さんがついてきていた。

 

「おい、お前ら。せめてノックしろよ。あと敬語使えよ」

「全くさね。天龍の言う通りさね」

「そんなことは今はどうd「ああん?」ごめんなさい嘘です少し調子に乗ってましただからアームロックかけないでくださいお願いします腕はそっちには曲がらないからぁあああああああああ」

なんかギチギチ音が鳴ってるんだけど?!!

 

「ホイ」パッ

「し、死ぬかと思った・・・」

「で、ババァ長。なんであんな条件にしやがった?」

「言い方はともかくとして、私も同意見です。なぜ、あんな条件にしたのですか?」

「ただ返したらつまらないだろう? そういうことさね」

こいつ、まじか…! 面白半分で決めてやがる…!

 

「あとは世間体の問題さね。優勝したらかえすってのは、学校の沽券にもかかわるってことさね」

「なるほど」

「あの・・・本当に・・・、かえしてくれるんですよね?」

僕は不安になって聞いてしまった。

 

「ああ、返すよ。優勝したら、お前たちの持ち物はすべて返すさね」

その時のババァ長の面白そうにニタニタした笑みを、僕は一生忘れることはないだろう。

覚えてろよ、ババァ長。絶対あの鼻っ面をへし折ってやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

~視点変更~

 

まぁ、そういうわけでこんなことになってるわけだが・・・。

 

「お前らさ、やる気ある? 俺としては何も取られてないから別に不服はねぇけどよ、お前らはあるんじゃないのか?」

「「ああ、あるとも!」」

「だったらこんなけんかしてる暇があると思うか?」

「それは、ないと思うけど・・・、雄二がきっちりやってくれないからいけないんじゃないか!」

「なにおう、明久!てめぇこそ俺の思ったとおりにやってくれねぇじゃねぇか!」

「このッ!」

「やるか!」

「おう! 口で話すより早いよ!」

「俺もそう思っていたところだぜ!」

すると二人は乱闘をし始めた。

 

「・・・」

俺はあきれながらその様子を見ていた。

・・・まぁ、喧嘩すればするほど仲はいいとも言うし? 少し放っておこう。どうせ二人とも冷静になって意気投合するだろうし。

 

 

 

続く



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第77問

お久しぶりです。

この調子だといつ終わるのか全くもって予想ができません。







次の日、僕たちは教室にいた。

あの後、喧嘩してもどうしようもないということで終わり、天龍さんからはあきられたような目で見られた。死にたい。むしろだれか殺してくれ。

 

「・・・せめてもの介錯なら任せろ」スッ

するとムッツリーニがどっから取り出したかわからないカッターナイフをキチキチとしだした。うん、目がマジなんだけど。()ると言ったら殺るという凄みを感じるんだけど。

 

「ごめん。せめて亜紀と結婚してできた子供の赤ちゃんを見るまでは生きたい」

「お前未練たらたらじゃねぇか」

「おはようなのじゃ」

こんなくだらないことを話していたらだれかが入ってきた。口調からして秀吉だろう。

 

「やぁ、おはy」

僕はここで詰まった。雄二も少し驚いたような表情をしている。

なぜなら、秀吉は髪形をバッサリと変えていたからだ。

今までの女性とも男性ともとれるような髪型から一変してどっからどうあがいても男性としか見えないような髪型をしていたからだ。分かりやすく言うとオールバック。

うん、見違えったね。かっこよくなりすぎてお兄ちゃん困っちゃうな。

 

 

「そ、そんな・・・」

 

「ウワァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

「こんなこと、こんなこと残酷すぎるぅううううううううう!!!!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

「ウゾダドンドコドーン!!」

 

「HEEEEYYYY あァァァんまりだァァアァ」

 

 

ちなみにFクラスの面々は泣き叫んでいた。何を泣き叫ぶ要素があったのかその時の僕にはちょびっとばかり理解できた。理解したくなんてなかったけど。

すると美少年に生まれ変わった(?)秀吉はムッツリーニに話しかける。

 

「ムッツリーニ」

「・・・なんだ?」

あ、ムッツリーニがなんか複雑そうな表情をしている。大方男性としてのけじめ(?)をした秀吉を祝福したいけど自分にとっての被写体が減って悲しいという感情がまぜこぜになったような顔をしている。

 

「わしはわかったのじゃ」

「・・・」

「人間は変われるということじゃ」

「・・・おう」

「お主が変われたのじゃ。わしも変われるはずじゃ」

「・・・そうだな」

「よって外見を変えてみたのじゃ」

「・・・おう」

「そしてこうなったのじゃ」

「・・・おう」

「いいじゃん、秀吉。これで彼氏にしたいランキング上位間違いなしだよ!」

僕はそんな生まれ変わった秀吉を適当におだてることにした。ここでおだてた方がなんかいいことある気がするし。

 

「そ、そうかの?」

すると秀吉は恥ずかしそうにもじもじとした。

うわ、これがギャップ萌えってやつか。ちょっとクラァってきちゃったよ。なんか前の髪型以上にキュンてきた。

これがギャップ萌えってやつか。(大事なことなので二回言いました)

 

「どうしたの? 秀吉」

「いや、なんか、髪型が変わって少し落ち着かんのじゃ」

「大丈夫。少しずつ慣れていけばいいよ」

「そうじゃの」

「うーす」

するとそこに天龍さんが入ってきた。何か左目に眼帯をつけている。

 

「うむ。おはようなのじゃ」

「・・・ん? お前木下か? 髪型変えたんだな」

「そうなんじゃ。どうかの?」

「ああ、すごく似合ってるぜ。もともと顔立ちはいいほうだから余計に似合うな」

「うむ。ありがとうなのじゃ。ところで天龍よ」

「?」

「その眼帯はどうしたのじゃ?」

「ああ、これか。夕張からもらったんだよ。どうだ?」

「すごく似合ってるのじゃ」

「そりゃどーも」

すると天龍さんは少し満足そうな顔をした。

 

「でよ、代表」

「なんだ?」

「練習は順調か?」

「・・・」←(肩をすくめるジェスチャー)

「…ダメダメか」

「・・・」コクッ

「どうするんだよ、こんな調子でよぉ。勝てなかったら没収された品は帰ってこないんだぞ?」

「いや、勝てないからこそ皆落ち込んでるんだ」

「はぁ?」

「考えてみろよ、教師共を相手にするんだぞ? 俺たちFクラスで相手できると思うか?」

「・・・ハァ~~~~」

すると天龍さんはクソデカ溜息を吐いた。

 

「あのさぁ、代表。テメェはそんなことであきらめんのかよ」

「・・・?」

「今まで自分たちよりも上のクラスに立ち向かっていったお前が、いや、俺たちがこんなことで怖気づくのかよ」

「だけど、先生だよ?! AクラスやBクラスを相手にするのとはわけが違うんだよ?!」

「わかってんだよ、そんなことぐらい。だけどな、だからこそ立ち向かうんだろうがよ!」

そして一息つくと天龍さんは再び口を開いた。

 

「だからさ、代表。ここは一度頑張ってくんねぇかなぁ? 俺もこう、手を合わせてお願いすっからさ?」

「・・・仕方ねぇなぁ! そこまで言われたらやるしかねぇじゃねぇかよぉ!!」

雄二は顔をパンっと叩くと教壇の上に立った。

 

 

続く







うーむ、少し天龍を柔らかくし過ぎましたかね・・・。


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