プリヤのサーヴァント (ブラウニー)
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1話

キャスターに負けた翌日イリヤの左手に小さな痣が出来ていた。だが、それに気づくものはいなかった。

そのままイリヤとルビーは、特訓しに行っていた。

「うーん林の中で訓練とか・・・魔法少女にしてはずいぶん地味だよね」

 

「舞台裏なんてそんなもんですよー日々の地道な努力がいつか実を結ぶのです」

 

「それでチャチャッと転身して特訓開始といきましょうか」

その言葉を合図にイリヤとルビーは、魔法少女プリズマイリヤに転身していく。

「コンパクトフルオープン!」

 

「鏡界回廊最大展開!」

 

「魔法少女プリズマイリヤ推参!!」

 

「ではまず飛行をマスターしちゃいましょうか。今回は完全に飛行戦となりそうですし」

 

とりあえず素早く動くとか?」

 

「それもありますが魔力の効率運用も大事ですね飛行は大量に魔力を消費しますから」

 

「魔力は無制限に供給でいますが、一度に使える量は個人の資質次第なんです」

 

「より少ない魔力で飛びつつ自在に攻撃出来るようになりましょう」

 

「ん了解」

 

「リンさんからこれ預かって来たんだけど試しに使ってみていいかな?」

 

「あらカードですか いいですよー」

 

「アーチャーっていうくらいだから弓だよね。どんな必殺の武器が・・・」

 

「インクルード」

その言葉と共にカードをルビーにかざしていく。

出てきたのは、アーチャーらしく黒塗りの洋弓だった。

それも射出す為の矢もないのだ。

 

「本当に出てきたこれがあれば勝っちゃうんじゃない」

 

「よーし早速試し打ちを・・・・・・・・・・・・・・ん・・・矢は?」

 

「ありませんよ。」

 

「ええ弓だけじゃ全然意味ないよコレ!」

 

「そういえばコレだけでした。凛さんが試した時には手近にあった黒鍵を矢の代わりにしてましたが・・」

 

「あっ戻った」

 

「時間切れです。」

 

「地道に特訓するしかないよね・・・」

 

「頑張りましょう。美遊さんも今頃特訓してるはずですよ」

 

「ミユさんか・・・どんな特訓してるんだろうね?」

 

side美遊とルヴィア

その頃ルヴィアと美遊は、空を飛ぶためにヘリにのり上空を飛行していた。

「美遊貴方が飛べないのはその頭の硬さのせいですわ」

 

「不可能です」

 

「最初からそう決めつけていては何もなせません!」

 

「おやめくださいルヴィア様パラシュートなしのスカイダイビングなど単なる自殺行為です」

 

「こうでもしないと飛べるようにならないでしょう!身体が浮く感覚を実体験で持って知るのですわ!」

 

「美遊はなまじ頭が良いから物理常識に捕らわれているんですわ」

 

魔法少女の力は空想の力・・・常識を破らなければ道は開けません」

 

「付き合う必要はありません美遊様拾っていただいた恩があるとはいえこのような命令は度が過ぎています」

 

「さあ一歩を踏み出しなさい あなたなら飛べます!できると信じれば不可能など無いのですわ!」

 

いえやはりどう考えても無理です」キリ

心からの説得も虚しく美遊はルヴィアにヘリから蹴落とされてしまった。

「獅子は千尋の谷に我が子を突き落とすといいますわ・・・見事這い上がって見せなさい美遊・・」

 

sideイリヤとルビー

イリヤは、上から何かが、落ちてくる音聞き顔上げると美遊が降ってきた。

 

「全魔力を物理保護に変換しましたお怪我はありませんか美遊様」

 

「なんとか・・・あ・・・飛んでる」

 

「はいごく自然に飛んでいらっしゃます美遊様ここはやはり・・・」

 

「昨日の今日で言えたことじゃないけど・・・空が飛べなくちゃ戦えない・・その・教えて欲しい飛びかた・・」

 

と飛び方?えーとそう言われても」

 

「イリヤ様は、《魔法少女は飛ぶもの》とおっしゃいましたそのイメージの元となった何かがあるのでは?」

その後イリヤの魔法少女のイメージの元となったアニメを見たが、美遊は空の飛びかたのコツを得ることはできなかった。そんな美遊にルビーは言葉を贈る

「《人が空想できることは全ては起こり得る魔法事象》わたしたちの創造主たる魔法使いの言葉です」

 

「物理事象じゃなくて?」

 

「同じことです。現代では実現できないような空想も遠い未来では常識的な事象なのかもしれません。それを魔法と呼ぶか物理と呼ぶかの違いです」

 

まあ・・・つまりアレでしょ?考えるな空想しろ」

 

「凄く納得いかないって顔ですね」

 

その夜

ぶっつけ本番でいくしかないか

 

「リターンマッチねもう負けは許されないわよ」

 

「うん!」

 

「接界完了!一気に片をつけるわよ」

 

「2度目の前は許しませんわよ!」

 

『了解です!』

やはりキャスターは、前回のように準備して待っていた。

そしてイリヤの左手の痣が、令呪となったのをイリヤを含めた全員が気づかなかった

「昨日と同様的は上空攻撃が来る前に飛びますよイリヤさん」

 

(そういえばミユさん飛べるようになったかな?)

 

「おお飛んだ」

 

「飛んだというか跳んでないですかアレ?」

 

「それよりもわたしたちも早く空へ!攻撃が来ますよ」

やはりキャスター相手に悠長に話をしている暇などなかったのだ。なぜならトロトロしてたら狙われ攻撃されてまうからだ。

 

「あっあぶなっ」

 

「このまま魔法陣の上まで飛んでください!そこならこの攻撃は届きません」

その言葉で、美遊を追いかけイリヤも空を飛び魔法陣の上へといく。

「さあさあ小屋の空がバトルフィールドですよー!敵勢力を排除して制空権を我が物にするのです!」

 

「なんかテンション高いね!」

だがこの間も敵の攻撃はやまず、魔力弾の打ち合いになる。

「低威力で構いません!距離を保って打ちまくってください!」

 

うん!中くらいの散弾!!」

その攻撃は、散弾というには、でかく

本気の攻撃というには、小さかった

「タイミング合ってるわ!いける」

 

「やっておしまい美遊!

 

「『ランサー』インク・・・」

だが、やはり黒化してもキャスターその身は、神代に生きた最強魔術師。そんな簡単に必殺の攻撃を受けてはくれず

「消え・・・」

一瞬のうちに美遊の後ろに転移し攻撃してきた。

「申し訳ありません美遊様!物理保護の強化が間に合わず」

大丈夫大したこと・・・つツ!?」

 

「美遊様足を」

 

「このくらい治療促進ですぐ・・・」

それは同じ時代の魔術師ならば、良かった。だが英霊を相手にするときその一瞬が命取りになるのだ。ゆえに美遊は、キャスターに狙いをつけられてしまった。あとくるのは、Aランクの魔障壁を破る魔力弾だ!

「逃げなさい美遊!そんな集中火力を受ければ障壁ごと」

 

(逃げられ・・・ない・・)

だがそれは、1人の時の話。カレイドの魔法少女はもう一人いるのだ!美遊は、イリヤに助けてもらい助かった

「大丈夫?ミユさん」

 

「問題ないケガはすぐ治る。離してもう大丈夫」

 

「いやはやーしかし参りましたね。流石神代の魔女っ子(?)と言いますか。転移魔術まで使えるなんて反則ですよ」

 

「まだ手はある」そういうと美遊は、キャスターへ突っ込んでいった

 

「ちょっとまだ続ける気!?同じ策は通用しないわよ!」

 

「一時撤退ですわ!戻りなさい美遊!」

 

イリヤスフィールが前に!?」

 

「だーっあのバカ!せめて役割分担くらい守れーッ!ていうか無意味よ!また転移で逃げられて・・・」

 

(逃げられるのなら・・どこに転移しても当たるような弾幕を張る!!」

 

「極大の散弾!!!」

 

(反射平面を利用して!?)

 

(大きすぎる散弾じゃダメージは与えられないでもこれで敵の動きが一瞬止まるはずその一瞬があれば)

 

「弾速最大シュート!!!」

キャスターも止まってはいけなかった。こちらは英霊でなくとも英霊と闘う為の最強の礼装カレイドステッキを使うカレイドの魔法少女なのだ。その一瞬が命取りになるのだ!

 

「やっやった!?」

 

「まだです!ダメージは与えましたが致命傷ではありせん!早く詰めの攻撃を・・・」

 

「セット」

 

「サイン」

 

「轟風弾5連」

 

「爆炎弾7連」

『ローターシュトゥルム炎色の荒風』

 

「うひゃあー壮絶」

 

「見てるだけかと思ったら意外と役に立ちましたねあの二人」

ルビーの言った通り二人の宝石魔術のおかげでキャスターを倒すことができた。

 

「魔法陣が消えたってことは」

 

「そうです我々の勝利ですよー!!」




至らな点などがあったら教えてください


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2話

キャスターを倒したのにイリヤは、胸騒ぎがしていた。何かを見逃しているような。キャスターが逃げ延びているような感覚だ。

「美遊!降りてなさい帰るわよ」

 

「まだだリンさん、ルヴィアさん、ミユさんキャスターは生きている」

 

「何言ってるんですかイリヤさんキャスターなら今美遊さんが倒したばかりじゃないですか」

だがルビーの言葉に反してキャスターは現れた。しかも特大の魔法陣を幾つか敷いて。

 

(転移? やばい逃げて あの魔法陣は・・・)

 

「空間ごと焼き払うつもりよ」

キャスターに一番早く対応出来たのは美遊だけだった。

キャスターが生きていると言ったイリヤでさえ動けないでいた

だがそれは得策ではなかった。キャスター撃つには間に合わず脱出もできない。これに気づいた美遊はイリヤだけでも脱出させようと考える。

 

(イリヤ達が脱出するまでの時間を稼がなきゃ)

だがイリヤは、魔力弾を美遊の足場にしてスピードをアップさせるという荒技に出る。

 

「ミユさん乗って」

美遊はその魔力弾を見るとイリヤの考えを理解しランサーのカードをインクルードして乗る。そのおかげでキャスターが魔力弾を打つ前に倒す事に成功した。

 

「魔力弾を美遊に向かって打つとはなんて無茶をしますの?この子は!」

そう言いながら頭を拳骨で締め上げる。

「できると思ったから」

凛が止めに入る。

「ルヴィア子供相手に手をあげるな!!」

 

「それにしてもなんでカード回収したのに空間が崩落しないのかしら?」

 

「確かに」

 

『まさか』

凛とルヴィアは同じ結論にいったった。その刹那凛とルヴィアは、何者かに切られる。

 

「えっどういうこと?」

 

「あり得るのこんなことが?」

 

「最悪です」

 

「完全に想定外の事態ですが、現実に起こってしまった」

 

『二人目の敵です』

その事実は美遊とイリヤ焦らせるには、事足りた。

「リンさん。、ルヴィアさん」

イリヤは、凛とルヴィアを救うために飛び出した。それを止めたのは、美遊であった。

「落ち着いてくださいイリヤさん。生命反応あり!凛さんとルヴィアさんは、生きています!」

 

「だったらなおさら早く助けなきゃ‼︎」

 

「だからこそ!冷静に確実に行動来るべきなの‼︎」

 

「選択肢は、二つ速攻で、敵を倒すか。敵の隙をつき、すぐに二人を確保し、脱出するしかない!」

 

「ならあの槍は?あれなら一撃で・・・」

 

「だめ今は、使えない」

 

「一度カードをインクルードはせると数時間は使えなくなるのです」

 

「『ライダー』は単体で意味を成さず。『キャスター』は、本番でいきなり使うにはリスクが高い」

 

「くわええて『アーチャー』は、役立たずとこれは選択肢二番しかなさそうですね」

 

「敵は、私が引き付ける。イリヤは右側から木の影に隠れて接近して、二人を確保。この空間から即座に脱出。いい?」

 

「わっわかったわ」

言うや否やイリヤと美遊は飛び出す。美遊は敵を攻撃し、囮となるために。イリヤは美遊を囮にし凛とルヴィアを確保し脱出するために。

「ルヴィア様達に近すぎます」

 

「大玉は打てないか」

 

(あの場から動かないのは、二人を囮にするため?どちらにせよ敵をおびき出す)

 

「速射」

だが素早い魔力弾も黒い魔力の霧に阻まれ意味を成さない。

「敵に損害なし。攻撃が効いていません」

 

「霧に阻まれた?あれは一体」

 

「どういこと。ルビーもしかしてあれ反射平面とかいう・・・」

 

「いえ魔術を使っている様子は、ありません。あの黒い霧は、もしかして」

敵もただ攻撃を受けてるだけでは、なかった。剣に黒い霧を乗せて斬撃として放ってきたのだ。

(障壁が破られた)

 

「ミユさん」

 

「敵に気づかれました。逃げてください。こちらにもあの斬撃がきます」

魔法少女になろとイリヤは一般人逃げることができず障壁を張ることしかできなかった。

「痛ッ!腕が血が」

 

「大丈夫です。軽傷です。すぐに回復できます」

だが、斬撃が障壁を越え怪我をしたという事実は、イリヤの戦意を喪失させるには、充分すぎた。

「サファイアあの黒いのは?」

 

「間違いありません。あれは信じられないほど高密度な魔力の霧です!あの異常な高魔力の霧に魔力弾が弾かれていたようです」

 

「飛ばしてきたのも魔力かなら魔術障壁じゃ無効化できない」

 

「追撃がきます。逃げてくださいイリヤさん!」

イリヤは、恐怖心に苛まれ逃げることはおろか立つこともできない。

「何してるの!?早く逃げて‼︎」

 

「イリヤさん‼︎」

それでもイリヤは、逃げることができない。美遊は、そんなイリヤを助ける為に突っ込んできた。

「イリヤスフィール‼︎」

だが、敵の攻撃を一瞬防いだのは、美遊では、なく凛とルヴィアの宝石ではあった。

『あれは凛さん!ルヴィアさん!』

 

「くっやってくれわこの黒鎧!」

 

「美遊一度距離をとり立て直して」

宝石魔術で、防げたのは、一瞬敵を止めることができなかった。

(足止めにもならない!?)

 

「サファイア物理保護全開」

それでも敵の剣を受け止めることができず美遊は、弾き飛ばされてしまった。

「ミユさん」

 

「平気それよりあの敵」

 

「まずいですね。とんでもない強敵ですよ。アレ」

 

「魔力弾も魔術も無効。近距離も遠距離対応可能。こちらのアドバンテージがことごとく真正面から覆されてますね。直球ど真ん中で、最強の敵ですよアレ」

 

「えっ最強」

 

(戦意を失いかけてる無理もないか状況は最悪今までの敵と基本性能が違いすぎる倒すどころか撤退すらさせてもらえるかわからない)

 

「リンさん!!」

ここで、凛とルヴィアが膝をつく。無理もない今まで立っていられたのが不思議なくらいの重傷なのだから。

「どうしようルビー!?どうすればいいの?」

 

「落ち着いてパニックを起こさないで。私が敵に張り付いて足止めする!イリヤは、その隙に救出を・・・」

 

「ダメそれじゃさっきと同じ」

 

「大丈夫物理保護全開にすれば十数秒はもつ!」

 

「ダメだってば!ミユさんが危なすぎる」

 

「必殺ルビーデァアルチョップ」

 

「いった。こんな時に何するの」

ルビーの空気を読んだのか?読んでないのかわからないチョップにより、イリヤと美遊は少し冷静さを取り戻すことができた。

 

「お二人ともケンカしてはいけません!まったくもーそんなじゃ立派何魔法少女には、なれませんよ」

 

「だだって」

 

「わかっています。このままでは、勝機がないですから。いいですねサファイアちゃん?」

 

「はい姉さん」

 

「最後の手段です」

どうやらルビーとサファイアはこの絶望的な状況を覆す残された手段を隠していたようだ

(止めを刺しに来たか障害認定てわけね)

 

「理性なんてないのに嫌になるくらい冷静な敵だわあんた」

 

「宝石も弾切れ。魔力もない。こんな所で・・・」

 

「リンさん!ルヴィアさん!」

 

「バカ退きなさい。あなた達のかなう相手じゃないわ!」

 

(救出もできない。倒すこともできない。でも・・・だから)

美遊とイリヤは、サファイアとルビーをルヴィアと凛に向かって投げる。これがルビーとサファイアの最後の手段なのだ。

 

「第三の選択肢」

 

「まったく世話の焼ける人たちですね。見捨てるのもかわいそうだから今回だけですよ」

 

「よく言うわ。最初からこうしてれば、良かったのに」

 

「ゲスト登録による一時的な承認です。不本意ですが」

 

「何を偉そうに。これが本来の形でしょうが」

そうルビー達の最終手段とは、凛とルヴィアを一時的なマスターとして契約して魔法少女にすることだったのだ。

 

「それじゃ本番を反撃を始めましょうか」

 

 

 

 

 

 



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3話

「それじゃ本番を始めましょうか」

 

「いやーしかし相変わらずいい歳こいて恥ずかし格好ですね」

ルビーは、この状況でもマスターをいじるのを止めず、緊迫した空気を少しだけ和ませる。

「なっあんたが着せてるんでしょうが!」

 

(はたから見ると魔法少女ってやっぱり恥ずかしいなあ)

 

「この服を着こなすには、品格というものが必要なのですわ」

 

「さすがセレブファッションセンスも斜め上なのですね」

ここは、戦場なのだ。話してる暇などなかったのだ。

敵は、剣士の英霊セイバーなのだ。黒くなろうとこの隙を見逃すわけがなかった。セイバーは、黒い魔力を剣に乗せ放ってきた。

「ボケーッとしてる暇はありませんよ。今は、戦闘中なのですから」

 

「年中ボケ倒してるあんたに言われたくないわよ」

そう言うと凛は、気を引き締める。

「気をつけてください!その斬撃は、魔力と剣圧の複合攻撃です!魔術障壁でも無効化できません」

 

「厄介ね。防御に魔力を割きすぎると攻撃が貧弱になるわ」

 

「けどそんな攻撃では、あの霧の壁を突破できない」

 

『ならば』

 

「いきますわよ速射!」

 

「なんて威力基本性能がまるで違う」

 

「けど全然当たってないよ!?」

 

「それでいいのよ」

凛は、ルヴィアの魔力弾がおこした轟音で足音を消し、砂煙で視界を悪くし、不意打ちをする。それでもセイバーは、凛の気配だけで、攻撃を防いだのだ。

「なっブレード!?」

 

「硬いわねコイツ!筋力が足りてないわ!ルビー身体強化7物理保護3!!」

 

「相変わらずこき使ってくれますね!」

凛は、ルビーの力を借り、セイバーと何合か打ち合い力を探る。セイバーに理性があれば、この時点で凛は、負けていただろう。

「高密度で編まれた刃」

 

「あれなら魔力の霧を突破できる上残りの魔力を身体強化と防御にまわせる。こんな戦い方があったなんて」

 

「砲撃だけが能じゃないのよ!」

凛は、そう言うと全力でセイバーを吹き飛ばす。

「ふー私としては、泥臭い肉弾戦は、主義に反するんですけどー魔法少女は、もっと派手にキラキラした攻撃をすべきです」

 

「うっさい!刃交えて見えるものもあろのよ」

 

(実際わかったこともあったしね。こいつ確かに実体はあるけど人間らしい感情がまったく感じられない。まるで目の前の敵を倒すだけの獣か機械いや英霊の現象か!)

また凛とセイバーが打ち合う。十数合打ち合うと凛が徐々に押され防戦一方になってくる。とうとうステッキで攻撃する前に片手で止められ、剣を片手で持ち、止めを刺しにきた。

「物理保護全開。やっと捕まえたわ」

凛は、こうなることを見越してたのかように相手の動きを封じる。そこから零距離の魔力弾を撃ち込み吹き飛ばす。

「砲射」

 

「零距離砲撃‼︎」

 

「いったー剣士相手に近距離戦なんてやるもんじゃないわね」

 

「両手持ちだったらやばかったですね」

 

「まひとまず時間稼ぎご苦労様と言ったところですわね」

 

「準備出来てるんでしょうねルヴィア」

 

「フン当然ですわ」

どうやらルヴィアは、凛が、囮となってセイバーを止めてる時に魔法陣を作っていたようだ。

「魔法陣?」

 

「シュート6回分チャージ完了。ちょうどさっきの敵とは立場が逆転ですわね」

 

「魔力の霧だろうがなんだろうが」

 

『一切合切吹き飛ばしてあげるわ‼︎』

 

(まさか初めから・・・これを狙ってたの!?)

 

『斉射』

それは、まるで魔力砲だった。魔力砲は、地面を抉りながらセイバーに向かっていく。残ったのは、抉られた大地と滝のように流れる皮だけだった。

「楽勝!快勝!常勝ですわー!」

 

「ふーようやくスッキリしたわ」

 

(リンさんとルヴィアさんの全力攻撃それは)

 

「しかしちょっとやりすぎちゃったかもしれないわね。カードごと消滅してないといいけど」

 

(見たこともないほどの大規模な破壊力だった)

 

「すごい何かも格が違う」

この威力に、イリヤと美遊は、驚く。

(カレイドの本当の力は、想像を絶していた。けどすぐに私たちは思い知らされる。どれほど知略を巡らせても)

 

「嘘っ!?」

 

あれを受けてまだ・・・」

 

(どれほど力で圧倒しようとも全てをひっくり返す絶対的力がある。私たちが一体どんな怪物と戦っていたのかその宝具の真名とともに知ることとなる)

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)

黒き極光は、鏡面界を裂き、凛とルヴィアを飲み込んだ。

イリヤと美遊は、最後の希望も絶たれ、絶望に飲み込まれた。その時イリヤの中で、何かがはずれて、左腕に紋章が刻まれる。イリヤは、ここから記憶が途切れる。そして、膨大な魔力が溢れる。

「な何が起きてるの?イリヤスフィール」

 

「理解できない」

 

(けどこの圧力間違えようがない。魔力の嵐。イリヤスフィールの身体から膨大な魔力が噴出されている)

 

(彼女は魔術師ではなかったはず。いやそれ以前にあんな魔力一人の人間が許容できる魔力量じゃない)

その魔力に、反応してセイバーが、歩いてくる。

 

「倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 殺さなきゃ」

 

(どうやって?)

 

「どうやって?手段?方法?力?」

 

(ああーそういえば)

 

「ないなら別の場所から持ってくればいい」

 

「英霊召喚」

その言葉と共にイリヤは、魔力に包まれる。

「嘘・・・どうして?倒したはずライダーやキャスター達がいるの?」

魔力が、晴れた時いたのは、イリヤとイリヤを支えてる8人のサーヴァント達だった。だが、美遊は、8人の英霊達が、イリヤのサーヴァントだとは知らず、倒したはずなのにまた現れたことに絶望する。

 

『問おう』

 

『貴女が』 「君が」 『お前が』

 

『私の』 「俺の」 「我の」

 

『マスターか?』

だが、その深い絶望も、8人の男女の声により、希望へと変わる。あろうことかイリヤは、膨大な魔力をを使い過程を飛ばし黒化したセイバー達と同じ英霊を召喚したのだ。人の身に余る英霊を自分の魔力だけで、なんの補助もなく。

「なっ!君は、イリヤ」

 

「まさかイリヤスフィールが私たちのマスターなのか?」

それと同時に美遊は、驚く。なぜなら現代に生きているはずのない英霊達が、イリヤのことを知っていたからだ。

鉛の巨人が、ボロボロのイリヤを見て、黒いセイバーに怒りの雄叫びをあげる。

「◾︎◾︎◾︎◾︎」

 

「待ちなさい。バーサーカーあれは、どうやら黒化した私のようだ。あれを倒すのは私だ」

 

「いいの。セイバー見た所貴女と同じ力じゃなくて?」

 

「大丈夫です。キャスターあれは、理性がないようだ。ならば、負けるはずがありません」

そう言うとセイバーは、黒セイバーと打ち合っていく。

何合打ち合うちに、黒セイバーは、押されていく。黒セイバーは、半ば吹き飛ばせれるように距離を取る。

「なっ宝具まで使えるのですか。ランサーマスターとそこの少女を連れて、離れてください」

セイバーもそれに合わせて最後の幻想(ラストファンタズム)を放つ。

 

いま常勝の王は高らかに、手に執る奇跡の真名を謳う。

約束された勝利の剣(エクスカリバー)

白き極光は、黒き極光を飲み込み、黒セイバーを消滅させる。その白き極光は、さっきの黒き極光とは、比べもにならないくらいの破壊力だった。後に残ったのは、セイバーのカードだけだった。

「おいどうなってんだ。キャスター」

 

「わからないわ。でも一つわかることがあるとすれば、私達のマスターは、このお嬢ちゃんだって事」

 

「おいおい・・・マジか」

 

「よもやこの(おれ)を読んだのが、アインツベルンの小娘とはな」

 

「ふんどうやらここで、考えても結論は出ないようだな。あの子にでも聞くか?」

 

「アーチャー貴方にしては、いい案じゃない」

その時地面から、ステッキ二本と人が二人出てくる。

「ルヴィアさん凛さん。それに、サファイア無事だったんですか?」

 

「はい何とか地中へ潜って緊急回避を負傷しましたが、無事です。」

 

「なっ凛君までいるのか?それに、ルヴィアも」

その声に反応し、凛とルヴィアが振り返る。そこには、理性のある英霊が8人もいるのだ。その光景に、驚愕する。

「大丈夫ですの?美遊」

 

「大丈夫です」

 

「凛聞きたいことがあるのだが、さっきの黒きセイバーは、何だ?」

凛は、この8人の英霊達が自分の事を知っているのに驚いた。

「そんなことより、あなた達誰よ?」

 

「なっ凛聖杯戦争の事を忘れたのか?」

その言葉を聞いて、美遊は、戦慄する。

(まさかあの人達聖杯を狙っているの?)

 

「いえ、アーチャーどうやらここは、聖杯戦争のおこらなかった並行世界みたいよ」

 

「そういうことか。私達は、イリヤのサーヴァントだ」

 

「なっなんですって、イリヤは、一般人じゃないの」

 

「なるほど。で、さっきの黒いセイバーはなんなのだ?」

 

「リンそれに、このカードは、なんですか?」

そう言うとセイバーは、saberと書かれたカードを見せる。

「そのカードは魔術協会が分析したけど、制作者不明、用途不明で、構造解析もうまくいってないのよ。分かったのは英霊の『座』に干渉し、英霊の持つ宝具を、ステッキを媒介に具現化することができるってこと」

 

「何英霊の座に干渉するだと。下手したら、抑止が働きかねん」

 

「アーチャーだいたいの事情がわかったし、ここで、お開きにしましょう。それでいいわね遠坂のお嬢さん」

 

「ええいいわ」

 

「いいのですか?」

 

「ええイリヤのサーヴァントということは、また会えるでしょうし。それにここがもう持たないわ」

そう言うと皆は地上に戻り解散した。

そして長い夜が明ける。



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4話

次の日イリヤは、10年間封印されていた魔力の一部を無理矢理解放した反動で、熱を出していた。

「38度2分。風邪ではないようですが熱がありますね」

 

「ん〜確かに熱ぽっいかも」

 

今日は大事をとってお休みしましょう。学校へは私が連絡を入れときます」

 

「えーセラ過保護すぎ」

 

「過保護で結構です。万が一にもイリヤに何かあったら奥様(アイリ様)に顔向け出来ません」

 

「とにかく今日は、お休みです!お昼にはお食事を持ってきますので安静にしていてくださいね!」

 

「お休み・・・かー・・」

 

sideセラとリズ

「どうだったの?」

 

「ほぼ間違い無く『力』の影響でしょうね」

 

「イリヤさんの封印が一時的に解けた形跡があったわ。10年間蓄積された魔力の一部が、解放されたとみて間違いない」

 

「今の発熱もその反動でしょう」

 

「熱はすぐ治るでしょうけど問題封印が解けてしまった原因です」

 

「あの封印は、死の瀬戸際とかそういう状況にならない限り外れることはないのに!もしかしたらイリヤさんやっかいな事件に巻き込まれているのでは」

 

「セラ考えすぎだって!実際のとこは交通事故に遭いそうになって封印解除ーとかそんなじゃないの?」

 

「それはそれで問題です!」

 

「っていうか最近のイリヤさん私に何か隠し事しているような気がするんですけど‼︎」

 

「年頃の娘なんてそんなもん。セラ神経質すぎ」

セラとリズは、イリヤの封印が解除された理由を話し合っていく。

 

sideイリヤ

「重病でもないないのに学校休むのってちょっぴり罪悪感あるなー」

 

「まー昨晩は、激闘でしたから今日くらいはゆっくり休んでもバチは当たらないと思いますよ」

 

「そっかなー最近夜更かしが多かったから」

 

「朝起きるの辛かったんだよね」

 

「あー平日の昼間からゴロゴロするのって幸せかも」

 

「休息は、結構ですがそのまま登校拒否児(スクールエスケキパー)にならないでくださいよ」

 

「寝ましたか」

 

「大きくなったらニートになりたいなzzz」

 

「なんて寝言ですか」

 

《ふむそれでは状況確認といこうか》

 

《ほーアーチャーにしてはいい事言うじゃねえか》

 

《まず私達のマスターは、イリヤという事になりますね》

 

《そしてイリヤスフィールは、聖杯としての機能を封印されているって事であってますよねキャスター》

 

《ええ概ねあってるわ》

 

《後は、この家の中で、魔術に関係あるのが、坊や以外って事と英霊の現象を呼び寄せるクラスカードの回収に何も知らないマスターが巻き込まれた事》

 

《では何故私達は、第5次聖杯戦争の記憶を持って呼ばれたのでしょうか?キャスター》

 

《それは、私にもわからないわ》

 

《まあいいんじゃねえの理由はどうあれオレ達は、サーヴァントとして呼ばれたんならマスターを護るだけの話だ》

 

《ランサーの言う通りだな。では、後はマスターが起きたら自己紹介するだけか》

 

《ええそのですねアーチャー》

こうしてサーヴァント達の話し合いは、終わりサーヴァントたちは、イリヤが起きるまで各々自由に過ごしていた。

 

その後イリヤは、昼すぎに目を覚ました。

 

「暇だ‼︎」

 

《暇なのかねマスター。暇なら我々の自己紹介をしたいのだがいいかね?》

 

「暇だけどってどこから話しかけてるの?」

 

「等々イリヤさんが、壊れてしまいましたか?」

 

「すまないマスター。どうやら驚かせてしまったようだ」

そういう言うと8人サーヴァント達が実体化した。

「へっあなた達誰?」

 

「どうやら少し混乱して居る様だな。我々は、君に召喚されたサーヴァントだ」

 

「サーヴァントて何?」

 

「イリヤさんサーヴァントとは、英霊をクラスに当てはめて使役する使い魔みたいなものです」

 

「では、失礼だがマスター君の名前を教えてもらっていいかね?」

 

「私?私は、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 

「では、イリヤと呼ばせせてもらおう」

 

「私もイリヤと呼ばせて貰います」

 

「イリヤスフィールと」

そうしてサーヴァント達の自己紹介に移っていく。

 

「私は、セイバーのサーヴァント真名は、アルトリアもといアーサーペンドラゴンです」

 

「俺は、ランサーだ。真名は、クー・フリーンよろしくな

嬢ちゃん」

 

「私は、ライダーのサーヴァントです。真名メデューサです」

ここで、ルビーが、耐えきれず茶化してくる。

 

「それにしてもでかいですね〜。伝承だと2人の姉は、もう少し小さいのに」

その言葉は、ライダーのコンプレックスを的確に着きトラウマを引きづり出した。

 

「あールビーとやら愉しむのは、いいがそこまでにしてやってくれないかね。ライダーが、身長が高いのが嫌なんだ」

 

「それで私は、アーチャーのサーヴァントだ。すまないがが、自分の真名は、わからない」

 

「どうしてなの?アーチャーさん」

 

「どうやら前回のマスターの召喚不備らしい」

 

「ふーんそのマスターってどんな人だったの?」

 

「ああ私空中から召喚してスカイダイビングさせたり、

自分言うこと聞けって必要もなく令呪を使ったり、

自分に壊した原因があるのに掃除を私に押し付けたり、

ここ一番の時にうっかりで大ポカやらかしたり、

親しい者以外には猫被っていたり、

切れたら悪魔のように笑みを浮かべ手に負えなかっり、

朝に弱かいなどというマスターだったよ。まあでも私には見に余るマスターでは、あったな」

アーチャーは、そのマスターのことをさも誇らしげに語る。

その後ろで、サーヴァントの何人かが何かをつぶやく。

イリヤは、周りのサーヴァント達に聞こえないようにルビーにつぶやく。

「ねえルビーそれってもしかしてリンさんのこと?」

 

「多分そうですね。まあでも平行世界の事でしょうが」

 

「では、次は、私の番ね。私は、キャスターのサーヴァント真名は、メディアよ」

 

「へ〜神代の魔女っ子もとい魔女ですか」

 

「やめなさい魔術礼装次魔女って言ったら破壊するわよ」

 

(うわぁー本当に破壊しちゃいそう)

 

「私は、アサシンのサーヴァント。佐々木小次郎」

 

「えっあの宮本武蔵と闘った佐々木小次郎なの?」

 

「私は、秘剣・燕返しを修得しただけの農民が佐々木小次郎の殻を被っただけの亡霊よ」

 

「えっどういうこと?」

 

「何生涯を剣に捧げただけのこと」

 

「イリヤさんわかりました。あの人伝承の佐々木小次郎と同じ技を修得したから佐々木小次郎として呼ばれたんですよ」

 

「そんなことがありえるの?」

 

(でも生涯の全てを剣に捧げるなんて凄いな。

燕って生涯かけないと切れないほど俊敏なのかな?)

 

「で、このデカイのがバーサーカーのサーヴァント。ヘラクレスだ」

 

「▪️▪️▪️▪️」

 

「えっヘラクレスって私も知ってるよ」

 

「ええギリシャの大英雄ですよ。」

 

7人の英霊は、名乗りを上げてる。そして最後に残ったのは、英雄王唯一人。

 

(おれ)にクラスはない。我の真名は、英雄王ギルガメッシュ。呼びたいのならギルか英雄王とでも呼べ小娘」

 

こうして最後の一人も真名を名乗る。

英雄王は、友のを助ける為に呼んだことで、少し気に入っているようだ。

 



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5話

 

「では、自己紹介も終わった様なのでイリヤさん暇ですしミユさんと話してみませんか?」

 

「えっ?でもどうやって?」

 

「24の秘密機能(シークレットデバイス)のひとつにテレフォンモードと言うものがあるんです。

説明するよりも試した方が早いですね」

 

「サファイアちゃん起きてますか?」

 

はあーほんとこのステッキって何でもありだな。何か出来ない事ってないのかな?

 

「はい。どうしたの姉さん?」

 

「どうしたのサファイア?その声何?」

 

「おお!ほんとだ繋ががったね」

 

「えっイリヤスフィール?どうしたの?何か用事?」

 

「あ・・・ううん用事って程じゃないんだけど・・・今何してるかなって思って」

 

「今は家にいる。ルヴィアさんが今日は、休養とるために休みなさいって」

 

「そうなんだ。私と同じだね。私もさっきまで熱出て休んでたし」

 

「そうなの・・・・身体は平気なの?」

 

「うんちょっと熱出たけど少し寝たから今は大丈夫」

 

「そうなんだ」

 

「うん」

 

やっぱり会話続かないなちょっときまづい。

 

「はあー何やってるんですか?ああもうじれったいですね。なに好きだけど好きって言えない思春期の男女やってるんですか」

 

「顔見ないと話しづらいようならテレビ電話の機能もありますよ」

 

「うわーなんかでた!」

 

ほんとルビーって魔術からかけ離れているような気がする。

 

「プロジェクターです。これで今サファイアちゃんが見ているものを写すこことが出来るんです」

 

「ほんとルビーって無意味に多機能だよね」

 

「ではちょうど白い壁もありますしここにちゃっちゃと映していきますか」

 

「えっ!テレビ電話?あっちょっと何を」

 

 

「ではいきますよ!」

 

「待っ・・・」

 

まだ準備できない。

 

そこには、仕事のために着せられた美遊がイリヤに見られた恥ずかしいさで今にも泣き出しそうなイリヤがいた。

 

「メッメイド服?」

 

「あらあらあらまあまあまあまとても素晴らしい趣味をお持ちですね」

 

まあなんとも愉悦な予感

 

そこには、はっきりと愉悦型礼装が現れた。

 

「あっこっ・・・これは違うの」

 

「その私の趣味じゃなくて・・・ルヴィアさんの命令で無理矢理着せられて」

 

その顔は恥ずかしいさに頬紅くさせて涙目だった。もしここに某赤い悪魔がいたらいたづらしそうなほどいつもの感情を見せない顔とは違い感情豊かな顔だった。

その顔は、他の人にまで影響を与えるほどだった。

 

その時私には私の中の変なスイッチがカチリと入る音がした。

 

「ねえミユさん今すぐあなたに会いたい。うんすごく会いたい。てか今すぐ生で見たい」

 

「は?何を?」

 

「今すぐ来て早く来て!そのまんまの格好できて!!」

 

「家は向かいでしょう。駆け足できて」

 

 

sideサーヴァント

その頃英霊たちは、各々自由に過ごしていた。

イリヤのそばにいるもの。

外に行くもの。

外に行ったのはランサーと英雄王だけだ。なのでここでは、その二人の話をしよう。

 

ランサーと英雄王は、自己紹介が終わると別々に外に出た。

 

ランサーは、街でワカメに竿を貰い釣りをしに行った。

英雄王は、公園に出向きまだ穢れを知らね子供達と遊ぶ。

 

「それにしてもいい事もあるもんだぜ。へっぴり腰直してやるだけ釣り竿を貰えるんだからよ」

 

「せっかく釣り竿を貰ったんだ釣りに行くかな」

 

ランサーは、釣りができそうな場所まで歩いていく。

 

英雄王は、気まぐれに公園へとおもむいていく。そして子供と親しくなっていく。

 

「いいか物事を知らね幼童の頃は、無邪気に我を慕えばいいのだ」

 

そう言いながら子供達と遊び気に入られ子供達の王になっていく。

 

「良しここで釣りするか」

 

 

ランサーは、歩いているうちに防波堤に辿り着く。

そこは、どうやら穴場のようで良く魚が連れた。

だが、釣れすぎてるのも問題だ。何匹目かを釣った時にたまたま通りかかった通行人に、これまたたまたま釣れたタコがへばりつく。それに追い討ちをかけるように、英雄王達が遊んでいたボールがぶつかる。

 

「おぅすまねえ嬢ちゃん手元が滑っちまった。」

 

「不遜にも雑種が王のボールに触れるか。それは万死に値する。だが今回は、我にも責任がある。処刑せずおこう。さっさと立ち去れ」

 

ぶつかった相手が一般人ならばよかった。やはりランサーの幸運E伊達はないようだ。通行人とは、性悪シスターであったのだ。

 

「大丈夫です。その代わり有る所に連れて行って下さい。駄犬達」

 

「あんたまさかカレンか?」

 

「何カレンだと」

 

ランサーと英雄王は、直ぐに逃げる決意をする。だが、カレンがそう簡単に逃がすはずがなかった。

 

「何逃げようとしてるの?駄犬ども」

 

「逃がすわけ無いでしょう。フィッシュ」

 

その言葉共にランサー英雄王は、マグダラの聖骸布に巻かれて、泰山に連れていかれる。

 

「さあ食べなさい。貴方達の麻婆豆腐よ」

 

けっこんなもの食えるかだが食わなければ、カレンに何されるかわからねえ。

 

「この麻婆を食いきれずして何が英雄だ」

 

「何こんな物この世すべての悪の泥と同じように飲み干してくれる」

 

そうして味覚は、辛さだけしか感じないほど一時麻痺し顔は、苦痛に歪ませながら麻婆を食していく。最終的にここの料金まで払わされた上にカレンを喜ばせる結果になってしまった。



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