結月ゆかりと海老名忠のコマンドー。 (さばねぇ大尉)
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試してみるか?俺だって元ニートだ

よぉ、元コマンドーのさばねぇ大尉だ!

そんなことは置いといて・・・・・・


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Ill be back.


――社畜をやめてもう今日で3年目突入か・・・・・・

 

部屋の隅に飾られたカレンダーと睨めっこを繰り広げながら下唇を噛んでいる男、海老名忠は焦りを感じていた。

 

――どれもこれもあの会社に入ってしまったことが敗因だったか・・・・・・

 

3年前、民間警備会社に入社した彼を待ち受けていたのはあまりにもブラックな待遇だった。

元々体を動かすことが好きだった彼だったが、それすらも凌駕するほどのハードな仕事と、あまりにも安すぎる給料。

 

それは彼の体と精神を壊すのに十分だった。

 

しかし、3年も経つと安すぎる給料を必死に節約して作って貯金した金だけで生計をたてていくことは不可能だった。

 

――働かなければならない事は分かってる・・・・・・しかし3年間自宅警備をしていただけに働く気力がわかんなぁ・・・・・・

 

カレンダーとの睨めっこを終えた海老名は比較的小さなテーブルにおかれたノートパソコンを開き

なんとなく求人サイトを眺める。

 

しばらく眺めているうちに、海老名はひとつの求人に行き着いた。

その求人に対して海老名が抱いた感想は、――変な求人だな・・・だった。

 

下にスクロールし仕事内容を見つけた瞬間、海老名の動きが止まる。

画面には、こう書かれていた。

 

仕事内容:忌まわしき民営警備会社『ケラタハデマヌシ』の駆逐。

 

ケラタハデマヌシ・・・・・・それは海老名が3年前まで勤めていた会社の名前だった。

 

――駆逐・・・・・・今まで散々こき使われたんだ・・・・・・

  復讐するいいチャンスじゃないのか・・・?

 

海老名はすぐさま携帯を手に取りサイトに乗っていた番号に電話をかける。

 

スリーコールほどし、電話口で女性の声が聞こえる。

 

「こちらゲリラ制圧株式会社、結月ゆかりがお伺いします。」

 

海老名は結月と名乗る女性に僅かな恐怖を感じる。

一度呼吸を整え、求人のことについて聞く。

 

「あ、、、あの、求人サイトを見たんですけど、」

 

長い間、人と話していなかった海老名には電話ですら相当な難易度だった。

 

「面接の方ですね。面接の日時と場所をお伝えしますのでメモの用意をお願いします。」

 

海老名は携帯を左手に持ち、右手でパソコンをもう一度開きメモ帳を開く。

 

「よ、、、用意出来ました。」

 

それを聞いた結月は海老名に面接の場所と時間、

普段着のまま来ていいという事と運動に適した服をもってくるよう伝えると

それでは当日、お願いしますね。と、残し電話が終了した。

 

僅か7分ほどの電話ではあったが、人と話していなかった海老名にはあまりにも長い時間電話していたように感じ、

電話が終わったとたん、その場にへなへなと倒れこんでしまい

海老名はそのまま静かに眠りについたのだった。

 

それから面接までの二週間、忙しい日々を海老名は送っていた。

運動に適した服を用意しろということは運動が面接に入ってくると予測した海老名はできるだけ、社畜の頃に近い

体力を取り戻すためハードなトレーニングを積み、

 

当日、きちんと会話するため街にでてナンパを試し、志望動機の練習などを繰り返し

この二週間、準備としては十分すぎるほどの密度だった。

 

そして面接当日、海老名は指定された場所の前に来ていた。

 

――思っていたより小さいんだな。

 

海老名の視線の先に移っていたのはこじんまりとし、コンクリートで出来た事務所のような建物だった。

 

その建物の扉を開けた先には受付があり、そこには金髪の女性が座っていた。

海老名は女性に近づき、面接を受けに来たことを伝えると、

 

「あちらです。」

 

と、扉のある場所を指す。

 

ありがとうございます、とお礼をいいつつ名札を確認すると

そこには弦巻マキと書かれていた。

 

――かわった名前だな。

 

そんなことを思いながら海老名は扉の前まで行くと

息を整え、扉を開ける。

 

扉を開けた先に座っていたのは薄い紫色の髪が二つ結びにされ、

面接官だというのにうさ耳パーカーを纏っていた。

 

「面接の方ですね。どうぞお掛けください。」

 

――この声・・・・・・この人が結月ゆかりさんか・・・・・・

 

そんなことを考えながら海老名は椅子に腰掛け、手を軽く握り脚の上に置くと

ゴクリと息を飲む。

 

数秒の静寂を壊すかのように結月は質問を開始する。

 

「それではお名前とご年齢をお願いします。」

 

「海老名忠、25歳です。」

 

ナンパで鍛えたおかげだろうか、

すらすらと答えることができた。

 

結月はそれを兎の柄のメモ帳に書き終え、質問を続ける。

 

「志望動機をおねがいします。」

 

海老名は何度も繰り返し、完全に暗記した志望動機を言いあげる。

 

「18の時に、高卒でケラタハデマヌシに入社したのですが22の時に理不尽さに耐え切れなくなり

 退社。その後3年間の自宅警備員生活を送り、焦りを感じ始めた頃この求人を見つけました。

 私はぜひケラタハデマヌシに復讐をしたくてたまらず、この会社に応募したというわけです。」

 

そこまで言い終わると、結月はメモ帳を机の上におき海老名に告げた。

 

「おっけ、採用。」

 

――・・・・・・え?今この人採用って言った?

  今?今採用がきまった?

 

目を丸く開き、口を開け動揺を隠せない海老名に結月はもう一度言う。

 

「聞こえませんでした?採用です。」

 

――やはり聞き間違えなんかじゃなかった・・・・・・

  職が決まり、そしてケラタハデマヌシへの復讐の始まりを踏み出した・・・・・・

  やってやるぜ、俺は・・・・・・

  野郎オブクラッシャアアアアアア!!!!!

 

心の中で歓喜する海老名。

それを見抜いたのか結月はフッと笑い海老名に声をかける。

 

「海老名さん。嬉しいのは分かりますが今からすぐ移動しますよ。」

 

結月は扉を開けながら「いきますよ」と、海老名に笑みを向ける。

 

「あの、、結月さん・・・・・・」

 

海老名は結月に問いかける。

 

「今からなにがはじまるんですか。」

 

それを聞いた結月は間髪いれずに答える。

 

「第三次世界大戦だ!」

 

――・・・・・・!?この人、コマンドーを知っているだとっ!?

 

動揺を隠せない海老名に呆れたのか「はぁ」とため息をつくと結月は続ける。

 

「嘘ですよ、今から海老名さんの身体能力を測りに行くんです。」

 

――あぁ、動きやすい服装って面接に使うんじゃなくて採用後に使うんだったのか。

 

「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか!」

 

勢いよく海老名が言葉を返したかと思うと、

やはり間髪いれず返答が帰ってきた。

 

「試してみるか?俺だって元コマンドーだ」

 

――やはりこの人はコマンドーを知っている・・・・・・。

 

二人は面接室を後にし、トレーニングルームへと向かうのであった。




評価、感想まってるぜ!


そんなことは置いといて・・・・・・

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Ill be back.


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10万ドルポンッとくれたぜ

眠たいですが、コマンドーの力で復活しました。




突然ですが!

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野郎オブクラッシャアアアア!!!!


「ハァハァハァ・・・・・・」

 

「どうしたんですか?動きが止まってますよ?」

 

トレーニングルームで身体能力検査と言う名の擬似戦闘が始まって10分

海老名は結月に圧倒されていた。

 

攻撃を仕掛ければ止められ、

防御しようとすると僅かな隙をつかれる。

 

勝てるとは思っていなかったが、ここまで突き放されるとも思っていなかった。

それを物語っているかのように海老名の体からあふれ出る汗、

それに対し、結月は汗ひとつ流さず余裕の表情を浮かべている。

それはまるで小さな子どもをあやしているかの様だった。

 

――この人・・・・・・めちゃくちゃつえぇ・・・・・・

  隙があるようで隙が無い、ある意味完璧だ・・・

 

海老名は汗を拭うともう一度構える。

 

「それじゃあいきますよ」

 

ニコリと可愛らしい笑みを浮かべると結月も軽く構えた。

あの可愛らしい笑顔で何回やられたことか・・・

とにかくあの笑みと構えはやばいことがこの10分で海老名が学んだことだった。

 

「先手必勝・・・・・・」

 

そう呟くと一気に間合いを詰め、拳を対角線上に繰り出す。

しかし、繰り出した先にはさっきまでいたはずの結月の姿はもう無く

その代わりに海老名の横顔に強烈な蹴りが炸裂する。

 

「グハッ・・・・・・」

 

鈍い音を立てながら海老名は地面に叩きつけられそのまま意識を失った。

 

 

――ここは・・・どこだろう・・・

  

海老名の視界の先に写っていたのは、

純白のタイルだった。

 

「・・・・・・おきましたか」

 

――ゆかりさん?あぁ、そういうことか

 

ここにきて結月に完全敗北したことに気づく海老名。

あまりにも力の差はあったのだが女性に負けたことが

海老名の心には大きくのしかかった。

 

「あ、、あの、ごめんなさい。つい本気をだしてしまって・・・」

 

結月の頬がすこし染まる。

それは赤でもなくピンクでもなく桜のような色だった。

 

それを聞いた海老名はベットから体を上げ、結月に問いかけた。

 

「あの、俺・・・役に立てますかね・・・・・・」

 

結月は少し首をかしげながら言う。

 

「一番気に入っているのは・・・」

 

「何です?」

 

「値段だ」

 

――やっぱりコマンドーネタだったか・・・

  

そんなことを考えながらも海老名はもう一度質問する。

 

「値段ですか?ネタではなくて?」

 

結月はもう一度先ほどとは反対の方向に首をかしげると口を開いた。

 

「はい、値段です。コスト的な?何を不思議がってるんです?」

 

この人は天然なのだろうか・・・

コスト的な値段っていったらやっぱり給料なんだろうな・・・

あの会社より良いかな・・・・・・

 

海老名が色々な考えを交差させ、ふと顔を上げると

そこには結月と弦巻が立っていた。

 

「マキさん、例のあれお願いします。」

 

「おっけーだよ、ゆかりん」

 

弦巻が黒いショルダーケースをだし、それをあける。

其処にはドル札がぎっしりと詰まっていた。

 

それを見た結月の顔が一気に緩くなる。

 

「マキマキにいくら貰った?」

 

「10万ドルポンッとくれたぜ」

 

――まぁ10万ドルももらえる訳ないんだろうけどな・・・

 

「海老名さんなんでこれが10万ドルってわかったの?」

 

「・・・・・・・・・え?」

 

そんな予想をいい意味で弦巻は裏切った。

余談ではあるが現在の為替は1ドル184円。

つまり、海老名の年収は1840万となる。

 

海老名は結月の近くに近寄り耳打ちする。

 

「もしかして、弦巻さんはコマンドー知らない口ですか?」

 

「う、、うん。しらないはず」

 

海老名は少しずつ結月との距離をとりつつ頭を抱える。

コマンドーの台詞といってしまえば簡単に終わるのだが

コマンドー好きを増やすためにはきちんと説明しなければならない。

 

悩みに悩んだ末、海老名は結月の力もかりながらコマンドーの説明からするのだった。

しかし、あまりにも長いのでこの話はまた今度・・・・・・

 

 

数日後・・・・・・

 

「ゆかりーん!」

 

「なんですか、マキさん。」

 

「なんか今日弦巻さんテンション高いですね」

 

3人は事務所の椅子に座り駄弁っていた。

 

「私、コマンドーみたんだよー!」

 

「「!?」」

 

結月と海老名は目を見開き口をポカーンとあける。

それを見た弦巻は首をかしげる。

 

「どうしたの2人とも?あと、海老名さんマキってよんでくれていいよ」

 

「え、あぁ、はい。それでマキさん本当にみたんですか?」

 

海老名が質問すると、弦巻は頬を膨らませ

すぐ萎ませると口を開く。

 

「口だけは達者なトーシローばかりよくそろえたものですな。全くお笑いだ。メイトリクスがいたら奴も笑うでしょう」

 

2人は思う・・・・・・

 

――マジじゃねーか・・・!!

 

「じゃあ、じゃあこれはわかりますか!」

 

結月が目をキラキラさせ、前のめりに弦巻に質問しつつ

コホンと軽く咳払いをする。

 

「メイトリクスは見つからんのか」

 

「イェアアア、3人の死体だけです!まだ他にもあると?!」

 

「奴が生きていればまだ死体は増えるはずだ」

 

「イャッフゥゥゥゥゥゥ!!」

 

結月の目はさらにキラキラ度を増し、

次第に海老名の目もキラキラし始めた。

 

とある夏場の昼下がり・・・3人は幸せにコマンドーの話をしていましたとさ。

 




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みてくれてありがとな!


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