東方幻夢鬼 The voices of wailing ghosts (ronyvic)
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蛇は死んだ

「こちらモルフォ、管制塔応答せよ」

 

「……通じません!」

 

(……何があった…?)

 

腰をあげて、開閉スイッチを押す。

 

海上にそびえ立つプラントが炎に包まれ、

海の底へと悲愴な音をたてて引きずり込まれていた。

 

(くっ…どうなってる!)

 

側に備えてあったアサルトライフルを握った。

 

「…あれは?!ミラー副司令!!」

 

ミラーがモルフォに向かって行きやすいように敵のヘリを撃ち落とした。

 

「ムーブ!!」

 

燃え盛るプラントの上でMSF隊員の肩を借りながらミラーは叫んだ。

 

モルフォがプラントに着陸した途端、モルフォから降りすぐにミラーを助けにいった。

 

「くるぞぉ!!」

 

MSF隊員の叫びを聞いた瞬間、RPGが飛んできてMSF隊員が数名倒れてしまった。

 

「くるぞぉぉ!!」

 

敵がRPG構えていた。それに気付き、胸に数発打ち込みRPGが撃ち込まれるのを阻止した。

 

ミラーに肩を貸し、モルフォへと向った。

 

「ムーブ!!」

 

顔面が血で汚れたミラーがまた叫ぶ。

 

ミラーをモルフォに乗せたあと、残りの敵を殲滅しようとしたが敵の方が上手だったようだ。

MSF隊員は次々と倒され、どうしようもないやるせなさに怒りが込み上げてきた。

 

「うおおおおおお!!!…ん?!」

 

どうやらアサルトライフルがジャムってしまった様だ。

 

「くっ!」

 

「スネーク!!」

 

アサルトライフルを投げ捨て、ミラーの手を取りモルフォに乗った。

 

「引けぇ!」

 

即座にモルフォは飛び、燃え盛るプラントを後にした。

 

「…査察は全くの嘘だったんだ!」

 

唖然としていたミラーが思い出したかの様に話しだした。

 

「爆音がしていっきにっ…!返してくれ!あれは、あれは俺達の…!」

 

ミラーに肩をつかまれ訴えられた。かける言葉は見つからなかった。

 

「こいつ…!」

 

ミラーの怒りはパスに向けられた。

 

「おい!起きろ!全部お前のせいなんだな?!おい!」

 

「…ゴフッエフッ」

 

肩を揺さぶれていたパスが目を覚ました。

 

「こいつ…!」

 

ミラーはパスに襲いかかろうとしたがメディックに止められた。

 

「お腹に爆音が…」

 

「大丈夫、摘出した」

 

何となく状況を把握したパスが爆弾があると言ったが、摘出したと言って安心させようとした。

 

だが、パスは開閉スイッチを押すと

 

「もう一つ…ある」

 

といいながらその身を海に投げ出した。

 

「よせぇぇぇ!!」

 

 

 

--------その爆発は沿岸でも確認され、ヘリなどの残骸が確認されたが真相に隠されたままであり、今だカリブ海の底に沈んだままである--------



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さまよう英雄

本編開始です。


大妖精「チルノちゃんみっけ!」

 

チルノ「もー大ちゃん見つけるの早いよぉ!」

 

大妖精(隠れるとき羽を隠さないんだもん、すぐ分かるよ♪)

 

チルノ「なんか二人だけでかくれんぼつまんないなぁ」

 

大妖精(私は二人だけでいーな)

 

チルノ「そーだ!探検しよ!」

 

大妖精「どこを探検するの?」

 

チルノ「んー湖の辺り!」

 

大妖精「この間も行ったんじゃなかったっけ?何もなかったような…」

 

チルノ「見逃してたかもしれないじゃん!さぁ行くぞ副隊長!」

 

---紅魔館近くの湖---

 

チルノ「着いた!探そう!」

 

大妖精「何を?」

 

チルノ「お宝!」

 

大妖精「あるかなぁ…ん?ねぇチルノちゃん」

チルノ「隊長とおよび!」

 

大妖精「ハッ!!」

 

チルノに敬礼する副隊長。

 

チルノ「それで?お宝みつけた?」

 

大妖精「ちがうけど、人が寝てるよ?」

 

チルノ「ふむ…ではいたずらするのだ!」

 

大妖精「了解!」

 

二人はいたずらの対象である人物に茂みから隠れながらタイミングをはかっていた。

 

チルノ「三つ数えたら飛び出て驚かそう」

 

大妖精「了解」

 

1…2…3。

 

二人「うわああああ!!」

 

……静まり返った湖に二人の声が響く。

 

チルノ「……死んでるね、この人間」

 

大妖精「ほんとだね(左腕が無い…ルーミアちゃんの食べかけかな?)」

 

チルノ「…あー!つまんない!帰ろ!」

 

大妖精「まってよチルノちゃん!(後でルーミアちゃんに聞いてみよ)」

 

----------------

 

「挿管、はやく!」

 

「死ぬな!ボス!」

 

「クリア!」

 

----------------

 

「!!」

 

「?…どうなされたんですか?」

 

「今すぐに宴会の片付けに追われてるおめでたい人の所に行くわよ!」

 

 

「どうしてそんな回りくどい言い方を…」

 

 

---おめでたい人の所---

 

「あぁ…だるいわ…」

 

「大変そうね」

 

「ちょっと…邪魔よ、洗い物出来ないじゃない」

 

「…それどころじゃないわ!」

 

「…湖のこと?」

 

「知ってるならはやく動きなさいよ!」

 

「はぁ…じゃ片付け手伝いなさいよ、そこの式神でもいいわ」

 

「えぇ…」

 

「…」

 

「なによ…」

 

「…状況はあなたの思っているより重いのよ、霊夢」

 

----------------

 

(…………)

 

「ぅ…」

 

身体が動かない、だが痛みはない。

 

「…ここは…?」

 

重たい瞼を開けると澄んだ青空があった。

 

(…なんだ?波の音…?)

 

波の音がする方向を確認するために身体を起こそうと両腕に力を入れたが、

 

(……!!ひ、左腕が…無い!!!)

 

そう、自身の左腕、主に二の腕の真ん中から指先までが全て無くなっていたのだ。

 

(…本当に痛みがない、出血もない…)

 

無意味に左腕に力を込める。

何もない。左腕が、無い。

 

(……)

 

どうしようもないと悟って、右腕の力を使い身体を起こした。両足にも力を込めて動かせるかどうか確認した。

 

どうやら動かせるようだ。

 

立ち上がり周囲を確認してみる。目の前は湖が広がっていた。

 

(ニカラグア湖をおもいだすな…)

 

ニカラグア湖は面積8026km²である。目の前の湖よりも数十倍はある。つまり記憶が曖昧なのであろう。

 

(…本当にここはどこなんだ)

 

(…少し前のことも思い出せない)

 

浅いため息をついて湖で顔を洗うことにした。

 

(……)

 

湖にうつる角のようなものが生えた自分の顔を見つめていると少しだけだが記憶がよみがえってきた。

 

(そうか…スネーク、スネークだ!)

 

思い出したのは自分の名前と傭兵だということ。

 

スネーク(これからどうする…?無線は繋がらないし、武器もない)

 

 

ふたたび周囲を見回し何かないか探してみる。すると森のなかに建物が見えた。

 

 

スネーク(紅いな、見えているのは正面じゃなく裏のようだな。ここはヨーロッパか?)

 

 

スネーク「とにかくあの館にむかって行ってみるか」

 

スネークは謎の紅い館に向かって歩き始めた。

 

---迷いの森---

 

スネーク(…何故だか懐かしさを感じる、木々の葉の擦れる音、新鮮な森の匂い…)

 

ぐぅぅぅ。自分の腹のなる音がした。

 

スネーク「腹、へったな…」

 

スネークは腰に装備していたCQC用ナイフを取り出しあたりに食べれるものを探した。

 

スネーク(?…このキノコは食べれそうだな…)

 

スネークの胃袋がこのキノコは食べれると訴えているようだった。

 

スネーク「ふむ…」

 

スネークはそのキノコを一つもぎ取るとまず鼻で香りを堪能しようとした。

 

スネーク(…鼻、詰まってるな…まぁ色は派手じゃないし食えるだろう)

 

味は良好、感触も良い。

 

スネーク「うまいじゃないか…」

 

毒ではなくうまいと感じると、腹が膨れるまでそのキノコを食べようとした。

 

スネーク(モグモグ…?…なんだ急に眠気が……)

 

腹が膨れると同時に急な眠気に襲われてスネークはその場で寝てしまった。

 

---ある魔女の家---

 

ホーラーイ!

 

「ん?どしたの蓬莱?…森で誰か倒れてる?しかも鬼?!」

 

(どうしよう…鬼、萃香よね?…なんで森なんかに…)

 

(まぁいーわ、どーせ酔って寝てたんだわさっさと起こして巫女の所に返しましょう。じゃないと上海達が怖がって外の警備をしてくれないし)

 

「それで、どこなの?蓬莱」

 

蓬莱人形に連れられ、その人物の所まで来てみると、

 

「…萃香じゃない…人間?妖気も感じないし、左腕が無いわね。でも角は…生えてるというより刺さってる感じね」

 

「それに傷だらけじゃない、手当しないと」

 

ホーラーイ!

 

「ん?そのキノコかじりかけね…」

 

少し考えて、

 

「なるほど、空腹に耐えきれずこのキノコを食べて寝ちゃったのね」

 

「しかしよく寝てるわね…まぁこれお腹いっぱい食べれば深い眠りになるわね、このスパーッツァなら」

 

蓬莱人形や上海人形に引きずられても、人間は深い眠りについたままだった。




スネークの格好はグラウンドゼロズのスニーキングスーツにCQC用ナイフだけです。あと頭に何か刺さってて左腕が無くて、眼帯がちぎれてどこか行きました。


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山の技術革命

鬼蛇熟睡中…


『こち……応……ません』ザザッ

 

(……ん?)

 

(……空耳かな?)

 

『制塔……ルフォ……せよ』ザザッ

 

(…空耳じゃないみたい)

 

『管………こち………ません』ザザッ

 

「これから聞こえてくるな」

 

途切れ途切れ聞こえてくる謎の男の声。その声が発せられているのは両手に収まる程度の大きさの、アンテナが壊れたラジオだった。

 

「電源なんて入れてたっけ?」

 

電源ボタンを探してみるとボタンがとれ、シリコン部分がむきだしだった。シリコン部分がむきだしではあったが、埋めこまれていて先の細い物で押さなければ電源を入れたり切ったりすることは難しいようだった。

 

「あ〜爪楊枝かなんかないかなー」

 

地面に落ちていた先の潰れた爪楊枝を拾い、シリコン部分を1回つついて電源を切ろうとした。

 

「……あれ?おかしいな……」

 

『管制……応答……』ザザッ

 

「切れないな……」

 

シリコン部分をつついても電源が切れなかったので、電池が入っているフタを開けた。

 

「……え?」

 

乾電池の単四を二つはめ込めば動くラジオには、その乾電池の単四がはめ込められてはいなかった。

 

「分解してみよ」

 

気になることは納得の行く所まで突き詰める彼女の性格は、その電池が入っていないのに動くラジオに対しての何故、どうしてそうなってしまったのか知りたいという知識欲を駆り立てた。

 

「精密ドライバーは~っと」

 

ラジオの裏側にある五つのネジを外すために精密ドライバー探し始めた。

 

「あっれ~どこやったかな〜……あ、作業台の上だった」

 

ラジオを作業台の上に持って行き、プラスドライバーで五つのネジを外しはじめた。

 

「ご開帳〜、ほう中身は意外とシンプルな構造でできてるのか」

 

「…壊れてる」

 

電波を送受信するためのユニット部分はさびて使い物にはなっていなかった。

 

「うーん、壊れてるし電池は入ってないし……こりゃ相当強い思念だね」

 

「誰がこの思念を発してるんだろう……」

 

「まぁいーや、特に害は無いみたいだしほっとこ。将棋する約束もあるし。」

 

ラジオを作業台の隅に置いておき、帽子をかぶって将棋の対戦相手の所に向かおうとしたその時、

 

「……ォリィイイイイイ!!!!!」

 

「…今度は女の声、しかも聞き覚えのある泥棒の声だ……」

 

「ニィトォリィィイイイイ!!!!!」ドンガラガッシャーン

 

いきなり窓を突き破りながらダイナミックお邪魔しますしてきたのは、ほうきをまたいで魔女っぽい帽子が飛ばないように手で押さえていた白黒の泥棒であった。

 

 

「よっ!ニトリ、また八卦炉が壊れちまったんだ!直してくれよ!」

 

ニトリ「……いい加減、普通に入ってきてよ……魔理沙。いや、泥棒。」

 

魔理沙「ごめん、ごめん!きゅうりあげるから許してくれよ!さ、八卦炉直して!」

 

ニトリ「無理だよ、魔理沙がダイナミックお邪魔しますの被害額いくらかかってきてると思ってるの!?今ので被害額七桁いっちまったんだよ!?」

 

魔理沙「まぁまぁ怒ってる顔も可愛いけど、そう怒るなよきゅうりあげないぞ?」

 

ニトリ「怒ってない!!……はぁお店もだいぶクライアントが減っちゃったんだよ…魔理沙が何回もダイナミックお邪魔しますするからだよ?自覚あるの?」

 

魔理沙「よく潰れないなw」

 

ニトリ「はぁ、ほんとに……もうほんとに!お店が成り立ってるは皮肉にも魔理沙のおかげでもある……」

 

魔理沙「なんで?w」

 

ニトリ「……魔理沙大好き人形使いさんが「魔理沙が現れると聞いてやってきました!ついでにこれください」って言ってやってくるんだよ」

 

魔理沙「あいつか……」

 

何故かさっきまでニトリをいじってほくそ笑んでいた魔理沙が、ニトリと同じ尻子玉を抜かれた顔をしていた。だが、

 

魔理沙「でも店が潰れなくて良かったじゃないか、私のおかげだな!」

 

ニトリ「…そのポジティブ思考が羨ましいよ」

 

魔理沙「んで、直してくれるよな!八卦炉!」

 

ニトリ「………」

 

魔理沙「な!」

 

ニトリ「………」

 

魔理沙「きゅうり!」

 

ニトリ「………」ピク

 

魔理沙「えー………(ダメか…ならば)」

 

魔理沙「……もみじ」

 

ニトリ「……!」ピク

 

魔理沙「…ここにもみじのあられもない姿をおさめた写真がある」

 

ニトリ「ひゅい!?」

 

魔理沙「…欲しいか?」ピラピラ

 

ニトリ「くっ…どんな感じなのか見せておくれ…!」

 

魔理沙「おっと、目の前で八卦炉を直してくれるのならいいぜ☆」ピラピラ

 

ニトリ(うおおおおおお!!見てえええええ!!!)

 

ご覧の通りニトリは妖怪の山の警備員である犬走椛のことが好きなのである。

待機中の間、将棋の対戦相手であるニトリは初めは真面目に相手をしていたものの、真剣に数十手先を読んでいる椛の表情、特に冷ややかに見える目が次第にニトリの奥底に眠っていたマゾの部分を引きずられて行ったのである。

以来、将棋するという口実で椛の冷ややかな目を見ながら己の性欲を満たしていたのである。

 

とんだエロがっぱである。

 

ニトリ「わ、わかった!直そう」

 

魔理沙「お、サンキュー」

 

ニトリは壊れた八卦炉を受け取りすぐさま修理に取りかかった。写真が欲しい一心で。

 

ニトリ「うおおおおおお!!椛モミジもみじぃぃぃいい!!!」

 

魔理沙(とんだエロがっぱであるw)

 

魔理沙が心の中でほくそ笑んでいる間に八卦炉は新品同様になっていた。

 

ニトリ「できた!さぁよこせ!!」

 

魔理沙「はいはい、ありがとな。お礼に私は使えないけどニトリなら使えそうなガラクタ置いとくぜ、じゃな☆」ピュー

 

そう言うと魔理沙はダイナミックお邪魔しますした所から飛んでいった。

 

ニトリ「んほおおおお椛もみじぃぃぃいい…………は?」

 

椛、マキ科の常緑針葉高木、園芸植物。

秋になると綺麗な紅葉を魅せる。

そう写真に写っていたのは白狼天狗の犬走椛ではなく、植物のもみじの葉っぱだったのである。

 

ニトリ「……騙された、ぁああんまぁりぃだぁ〜」

 

泣き叫ぶニトリ。そうであろう当然であろう、気持ちは誰しもが分かるだろう。非常に同情する。

 

その時、ニトリの泣き叫ぶ声で聞こえなかったが魔理沙が置いていったガラクタが小刻みに震えていた。

それと同時にラジオがまるで共鳴するかの様に謎の男の声を発していたのである。




ああ、スネークごめんよ


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