異世界に転移したら植物系魔人だった! (藤海 佐月)
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白い息

なろうにも投稿させて貰っています。
これからこちらのサイトにも投稿させていただきますのでよろしくお願いします。


 

 

もう秋も過ぎ冬になり、クリスマスだというのに、その青年は”独り”でコンビニにいた。安っぽい上着につかい古したジーンズ。陰気な顔で空を仰ぎ見ている。

その男は、加佐 彰弘。

これは24歳、農業高校から経済系短大卒で今はサラリーマン。入社3年目の独身男の異世界冒険譚である。

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

ハァ、と息を吐くと真っ白な煙がもうもうと上がって、目で追えば色とりどりに街路樹が並んでいる。

普段の俺ならば足を止めてみる気になりそうな景色も今日という日は恥をかかないためにも歩きつづける。

もしも止まれば後ろにいる男女に指をさされることだろう。

今日はクリスマス、24歳で未だ彼女居ない歴=年齢の自分にはあまり関係のない話だった。そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はクリスマス。

やっと彼女との初デートであの日、俺は浮かれていた。

バイクで余所見をして彼女と電話しているくらいに。

「そうだね〜、今そっち迎えいくから待ってて……おう、分かった、じゃあ家ついたらまた連絡するから……」

ケータイをポケットにしまうときにはもう遅かった。

前に視線を戻せばあと1メートル先には”彼”がいて、ドンっと衝撃が来た時に彼は地面を転がって自分で持っていたであろう傘が刺さってしまっていて漠然と彼は死ぬんだろうと思った。

それでも藁にでも縋る思いで彼に駆け寄った。

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

ブゥンというエンジン音がやけに近くて「うるせぇな」と後ろを振り返ったら、もう目の前にはハンドルとタイヤで視界が埋まっていて避けようとしたときにゃ、もう遅かった。

ドンっと音と共に浮遊感が漂って、地面を転がるのかと身構えたら、ガリッて音がして、まるで地面に縫い付けられたかのように止まった。本能も死期を悟っているのか、とても達観していた気がした。

「、、、だ、、う、ぶ、ですか、、だいじょうぶで、すか」

ふむ、こいつが俺を轢いた犯人か。イケメンめ。畜生め!

大丈夫かって?駄目に決まってるさ。

そうだなぁこれさえなければなぁ

横腹から傘が飛びでてんだ。

ああ、駄目に決まってる

赤く染まったその傘は酷く幻想的な塔に思えた

「ぁあ、すみません、すみません。救急車呼びますから、頑張ってください。」

今日はクリスマスだからな、救急車なんて無理だろう。

大体さ、傘が刺さって生きてた奴なんて聞いたことねぇよ。

いたとしてもドキュメント番組のタイトルは”奇跡”の生還だろうよ。今までに俺の人生に奇跡なんて無かったんだからな、こんなとこで一発逆転ホームランなんかでねぇよ。

…そんぐらいわかってるさ

ハァ、と息を吐けば変わらずに街明かりに消えていく。

「俺の人生はこんな息みたく雑踏の中に消えていくものなのかなぁ」としみじみと思う

 

ただ、これだけはこいつに言っておかなければ後悔する。

俺だって人生の先輩だ、若いもんが自分のせいで罪悪感で潰れるのは見たくねぇ。

なに、俺を殺したんだ。

これくらいは言ってやんなきゃな。

 

「ぉぃ、ぉい、おい」

思ったより声が出ねぇが仕様がない。肺もいたい。だから、聞こえるように胸ぐら掴んで耳を引き寄せてやったよ。

 

 

 

「ぉい、お前。お前は俺を殺したんだ、だからな、、、立派な奴になれ、社長になれ、誇れる人になれ、俺の分の人生をやりたかったことを背負っていけよな?テレビに出てよ、バラエティー番組で俺の話でもしてくれよ。それでな笑い話にもしてみろよ。そしたら、俺だって笑って満足に成仏できるってもんだ」

男は、泣きながらコクコクと必死に首を振っていた。

 

「な、くなよ、」

カヒュッと喉がなる

「おとこ、だろぉがよ、ばかや、ろ、、う」

不意に男の顔が離れていく、左手をみれば真っ青に染まっていて血が回っていないようだった。もうそんな握力も無いのかと自嘲気味に苦笑いした。

ポツンと耳に雫がたれてきて「まだ泣いてんのか」と思って右手で雫の跡を辿れば自分の目に行き着いた。俺の涙だった

ああ、悔しかったんだな、俺。

そりゃ、悔しくないわけないよな。

でも、泣いているのが急に気恥ずかしくなってしまって、そしたら同時におかしくなってしまって、気づいたら笑っていた。

 

笑って死ねるのだ。

こんな最後も悪くはないもんだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20年後、バイクの男は高層ビルの社長室にいた。

彼は、あの日からぱったりとバイクをやめ、不良仲間と縁をきり、テーマパークの事業で成功し、今この席に辿り着いた。

 

 

 

 

彼はふとしたときに、昔を思い出し、彼との約束は果たせたのかな?と思ってしまう。

バラエティー番組に出た時には、必ず彼の話をした。同じ話を何回もするものだから、次第に呼ばれなくなってしまったが少なくとも5回はしただろう。

自分は笑って死んでいいはずがないと思いつつ、もし約束を果たせたのならばそうしたいと願った。

 

 

 

 

さらに30年後、彼は家族や部下たちに見送られベッドの上でこの世を去った。

普段は厳格な彼からは考えられないほどの笑顔だった。

 

 

 

 

 



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ムカデとの死闘

 

 

 

瞼を開くと緑と茶の混ざる草原のす中にぽつんと立っていた。少々奥に見える所には草原をぐるんと囲むように森があり、正面の森の更に奥にはとっても大きな木が生えていた。

 

「……これは、夢ではないよな……まぁ、あんな事言ってまだ生きてたら余裕で死ねるしなぁ」

 

我ながら似合わないくさいセリフを言ったものだ、と頭を掻きつつ思った。こんな状況なのにとても頭が冷静に働いている。

 

まぁいいか、と思って気持ちの良さそうな草の上にゴロンと寝転がる。ふと、不思議に思ったこともあったが、多分転生の様なことをしているのだからそのくらいは普通なのかな?でも転生自体が普通ではないよな、と自問自答を繰り返す。

 

「…まぁ前世?のことは、あの時にもう終わったしな」

 

 

ふぅ、と息をついて、自分では冷静なつもりだったが思ったよりも困惑していたらしい頭を冷やすため頰をバシンと叩いて気持ちを切り替えるようにした。

 

 

 

「さーて、これから俺の物語がいざ始まる」

気合を入れて、いっちょやってやるか……

「スゥテータス!!……ッ」

 

パッと青い画面がいきなり出てくるものだから、来ると分かっていても仰け反ってしまった。 フッ、やるな我がステータスよ、私を驚かすとは……自分でやったけど一人芝居ってさむいな。だが、テンプレ通りステータスはあるみたいだな。

 

さて、ステータスの検証だ

まずは、ステータス画面の解除方法。

使ってみて思ったが意外に邪魔だ。

いきなり敵が来た時、こんな邪魔があれば逃げれもしないし。

 

 

「クローズ!ステータスオフ!えっと、閉じる?」

 

消えない。

やはり試しておいて良かった。

しかし、こんなとこでつまずくとは予想外だ。

うーむ、気合か?気合が足りんのか?

ならばっ

 

 

「ッスゥ、キェェェエエエィィ!」

そして唐竹割り。

そしたら霧が晴れるように消えていった。

どちらかと言うと、消えろと強く念じたら消えていった気がする。

 

結果、ステータスはあまり人前では出さない方が良さそうだ。

 

さて、こっからが本当の検証の時間だ。

 

「ステータス!」

 

名前

種族 植物人

レベル 1

体力 1150/1150

魔力 250/250

スキル

光合成 パッシブ

レアスキル

伸縮自在 lv1

 

 

 

どうやら”筋力”とか”素早さ”とかはないみたいだ。まぁそんなもんコンディションでいくらでもかわるしな。

それより、種族!

植物人ってまさか、植物人間?身体うごかせないの!?

積み?積みなのか?

いや、さっきから騒いでるし唐竹割りできてたからそれはないか。

 

ふむ、ならばタッチで詳細確認ができたりするかな?

 

”ポチッ”

 

 

植物人 マンドレイクが亜人化したもの。

体表が茶色のため、知能の有無で魔物と魔人に分かれる、として分類されている。

 

 

予想通りか…タッチで詳細か

ふむふむ、まぁ体表が茶色なのは知っていたがこの場合は魔人転生か…

ということは目指せ魔王かな?

次はスキル検証。

 

光合成 水と光があれば食物無しでも活動可能。ただし、食事をすればエネルギーを蓄えておける。

 

 

意外と便利かも知れない。

パッシブは常時発動かな?

となると、レベルがあるのがアクティブ。

つまり自分で発動といったところか

 

 

伸縮自在 手が伸びる。

 

 

少なっ。まぁそれより言い方が無かったんでしょう。

これから、ゆっくりと行き”ズシンッ”え?なに今の?

 

ズシン、バキバキ、ズシンと音がどんどん近づいて来ている気がする。

取り敢えず逃げ?うん?音が止まった?これは不味くない?

 

 

 

 

「ギチギチギチギチギチギチギチギチ」

 

 

 

 

不快な音を出している発信源を見れば、百足の体にクワガタの頭を持つ謎生物がいた。

紫色の堅そうな甲殻は太陽の光を反射するどころか吸収している、大量にある脚たちはその一本一本が杭のように太く逞しい。

どうやらさっきの音は、強靭な顎で木を倒して来たからのようだな……逃げるか。

 

 

逃げることに全神経を集中させて、熊の対処法のように目を合わせてゆっくりと立ち去ろうとしたが、眼を合わせたら

 

”ビクッ”

 

いきなり体がうごかなくなった。

脂汗が垂れてきている。手が小刻みに震える。

物凄い威圧感と恐怖感。

昔、中学の田舎で石を投げてたらヤンキーの集団に当たってしまい、一瞬にして囲まれたときのような……それよりも数倍凄みが増したくらいだ。

奴はゆっくりと地を舐めるように恐怖を煽るように近ずいてくる。

 

 

「ッゥ、舐めやがって」

奴め、自分が圧倒的強者だと疑いもしていない。事実その通りだが…

その事実だけが自分をイライラさせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間には体が壊れないように脳が力に対して制限を掛けて100%の力を出せないようにしている。よって使われているのは50%の力にさえ満たない。

しかし、火事場の馬鹿力と呼ばれる力があるとおり生命の危機を感じると一部解放することがある。ただし終わったあとにはとてつもない疲労が残るなどの代償がある。

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

自分の体が完全に動けないのからして、奴は威圧みたいなスキルを持っているハズ。

そして、そんなのはだいたいは物語中盤以降の強キャラしか持っていない。

ならばっ俺の身体よ、本当に力に枷をつけていていいのか?

違うだろっ!

全身全霊をつくし、こいつを倒すことに集中するんだ!

後のことなど、まず生き残ってからだ。

アドレナリン全開のフルスロットルで行かせてもらう!

 

 

ビクッと体が痙攣した後に力が湧き上がる。

だが、足りん。

もっとだ、もっともっともっともっともっと

必要だ!

出し惜しみなどするな!

 

「ウォォオオォ」

 

力がどんどん沸いてくる。 ムカデも不味いと思ったのだろう。

体を縮めて一気に距離を詰めようとしてくる。

だが、遅い。今の俺は刹那の間に生きてるのだ。

両者の実力ならこの闘いは先に攻撃がヒットさせた方が勝つだろう。そして自然界での負けは死に直結する、ならばこの勝負負けは許されない

 

男、加佐彰弘。一世一代の大勝負。賭けるは己が命。

手を尖らせ中腰になる。重心を徐々に後ろへ持っていく。

だが、奴の堅い甲殻を破るには相対速度だけでは足りないだろう。

 

昔、 武術を習っていたときに”気”というものが丹田あたりにあると師範代が言っていたがあのころは全然わからなかった。

 

だが今ならば何か熱いものがあるのがわかる。

丹田のあたりから引っ張ってきて、心臓を回って力を手に集める。腕はボコっと破裂しそうなくらい変形した。

それは、この世界では魔力と呼ばれるものだろうと予想する。

 

 

「魔力強化!」

 

 

準備は整った。

ムカデも随分と距離を縮めている。

あと10mくらいだろうか

 

 

 

「喝っっ!」

重心を腰から肩へ、腕を伸ばすと同時に肘へと重心をずらす。

ドンッと音がなれば、腕が超高速で伸びる。

空気を殴ったようだ。カマイタチが周りの草花を蹴散らしていく。

そしてあと一瞬遅かったらこちらがやられていた距離まで迫っていたムカデに腕はまるで二本の槍の様に、頭と腹に刺さった。

勢いあまって後ろの木にも腕が刺さり張り付けのようになったのはご愛嬌だ。

 

ムカデはしばらく暴れていたが一度大きく痙攣するとグッタリとしたまま動かなくなった。

 

 

 

 

「ふぅふぅ、や、やってやったぜぇ」

 

今までの人生で味わったことのない達成感と勝利を噛み締めた数瞬後には頭が「クラッ」として視界が暗転した。

 

 

 



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かみさま

 

 

 

 

 

まっしろな空間だ。

まるで格闘ゲームのトレーニングルームのようなラインが入っていて、巨大なタイルのようである。

そこにイキナリ瞬間移動してきたかの様に茶色の肌を持つ人が現れた。

 

 

 

♦︎

 

 

「…うぅん、ここは?」

 

ヤバいな、全く知らんとこに来てしまった。

どうする?

 

あの後、身体が耐えられなかったか、何かに追い打ちを掛けられたか。

要するに死んだか。

 

それとも無我の境地に達したか?

 

いや、ここは神との遭遇なのか?

フッ最初からそうだとわかってさ。

 

……しかし、神がいない。

どーゆーことだ?

まさか、謎空間”いしのなか”だとでも?

いやいや、なんと”ガコッ”

「ウワッ!」

なんかの民族みたいな声がでた。

めっちゃ恥ずかしい。だっていきなり大きな音がするんだ。しょうがない。

 

音源を見れば黒い穴がある。

……………くぐるしかないっしょ。

それ以外に道はないしな。

 

黒い穴の中は通路のようになってる。

足場や壁はガラス張りの様になってるようだ

そして、ガラスの奥は闇が蠢いている。

つまり、真っ暗。

取り敢えず入ったら入り口が消えた。

なんも、見えへん。

 

「怖いなぁ、しかし私は歩み続けることしか出来ないのだ!」

 

 

意外に長い、10分位歩いてる。

 

 

更に30分歩いた。

疲れたから座ろっと

うっっすらーと目を凝らすと闇は蠢いてるというか、俺に向かってる?ん?何かを出している。手かな?

と言うか、人じゃね?

 

「……見なかったことにしよう」

 

昔読んだ蜘蛛の糸の亡者みたいなのがいた

南無。

 

「しかし長い。そうだ、あの時無理矢理使った魔力擬きを使おう」

 

もしかしたら神が与えた修行回かもしれないし。

確か、丹田から引っ張ったら心臓を回って腕にいったはずだから。

今度は足に。

「魔力強化」

ブォン。おお、百足と戦ったときは気づかなかったがオーラの様なものが。

さて、いくか。

 

1時間後

「限界をこえロォー、唸れ俺の脚ぃ!」

 

2時間後

「…なっがいよ、流石に予想外だよ。」

だって、通常の3倍は出てるんだぜ?

もうフルマラソン以上に走ってる気がする。

スタミナも魔力で強化されるようだが疲れが見えてきた。

 

途中からいつか、いつか着くんだ。ほらもうすぐゴールだとか思ったがもう無理だ。仕方がないのでもう帰ろう。入口がしまっていて出られないかも知れないがそのときはそのときだ。

 

 

さて、帰ろうと思ったのだが振り向いた瞬間、閃光が走った。

 

目が慣れて来たら、だんだんと風景が見えてきた。というか初めのトレーニングルームだわ

まぁ十字架に人吊るしてあったけども。

 

 

 

「と言うか、イエス様?」

 

 

 

 

おっと、未来が大きく変わったか。

しかも今日が私の誕生日だとわ。

え〜と、ほうほう。ここの所増加していた自殺者が30年後頃から大幅に減るか……

 

「喜ばしいことじゃあないか!」

 

いやはや嬉しいものである。

ここのところ、これから先を憂うものの叫びが多くてね。神界でも大変だというしね。

さて、今日はどんなことがあったのかな?

 

 

……うっうぅ。

不覚にも泣いてしまった。

いい話じゃあないか

自分が死の瀬戸際なのに、相手を叱咤激励するその心意気。

そして、想いを受け取り未来へのアテもない努力をする若者。

なんというエピソード。

 

 

そうだ、この人を異世界に転生させよう。

復活させてやりたいが、それは今の責任ある立場では難しい。

転生と言えば、たしかマルティナがいたはずだし、彼女の世界に転生させて貰おう。

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

「そうだとも、イエスだよ。それにしても時間がかかったね?普通の人ならあの中の人たち見たら引き返すんだけど?」

 

中の人とは、あの亡者たちだろう。

「と言いますと、私を驚かせたかったのですか?」

そしたら、幾ら何でも趣味が悪い。

そのときは、早急に立ち去ろう。まぁ実際に立ち去れるかはわからんが。

 

 

「いや、違うよ。あの穴のテーマは今までの罪の重さと過去を振り返れといったところだよ。

まぁ本当は異世界に送る前にやる筈だったんだけどマルティナが張り切ってしまってね」

 

トホホ、という顔で落ち込んでいる。

嫉妬するのも馬鹿馬鹿しいくらいのイケメンさんである。

(しかし、やる筈だったとは?どういうことだ?そしてマルティナって?)

 

 

「まぁ、あれは簡易的な地獄ってとこさ。

一応の規則でね」

 

なるほど、一理ある。

確かに重犯罪を犯した覚えはないが何にもしていないわけでもないしな。

 

「おっと、時間が少なくなっているね。

ならば加護を授けよう。効果は生命力のアップといったところだよ、なにか質問はあるかい?」

 

「はい、マルティナという方を知らないのですが…その、どなたでしょう?」

 

「あれ?合わなかった?その体だと確実に干渉はされているはずだけど。大きい木は無かったかい?」

 

「えぇ、ありましたが」

 

「ならばきっと、君の転生で予想以上に体力を使ったようだね。

彼女は再生と破壊の女神。そして世界樹に腰を下ろしている」

 

ならば、あのデカい木は世界樹か。

ふむ、色々と聞きたいことはあるがもう時間のようだ。

 

「ありがとうございました。もう何も質問はありません。」

 

「そうか、ではもう会えないかもしれないが君が何になろうとも君の正義を、信念を貫き通すんだよ」

 

「はい、分かりました。では。」

 

「ああ、君に幸あらんことを」

 

 

 

 

そこで意識がきれた。

 

 



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