キノの旅~旅日記~ (天城黒猫)
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プロローグ~???の国~

どうも、小説(二個目)始めました。
一個目もろくに進んでいないというのに……
まぁいいか。
というかこれ友達に「キノの旅の二次小説少ないから書いてくれや」てな感じで始めたものなので、かなーり適当にうだうだやっていきます。
じゃあよろしく!!


ここはどこだろうか。

 目が覚めたら真っ白い空間にいた。

 上下左右、そういった感覚もない、浮いているようなものだ。

 自分の体はない。

 言うなれば光の玉となって浮いているようなものだ。

 これはどういう事だろうかと考える、だがすぐに思考を放棄した。

 考えるだけ無駄だ。自分の理解の及ばないことが起きている。

 

 

「少し宜しいですか?」

 

 

 声がした。

 声が聞こえた方向には何もない、正確には方向なんて認識出来ない。

 この空間には方向といった概念がないのだから。

 だが、それでもあたりを見回す。

 …………やはり何もない、ただただ無機質な白い空間が広がるのみだ。

 とりあえずは声に答えようとする。

 だが答えられない。

 正確には音を発することが出来ない。

 これでは会話も出来ない。

 

 

「別にかまわないですよ、あなたの思念は届いていますから」

 

 

 

____それは自分の心を読むことができるという事? 

 

 

 

「そういう事です、あなたは自分が誰だか分かりますか?」

 

 

____……“俺”はそう、名は……思い出せない、だが地球という場所で“人間”として生きて命が潰える過程は覚えている。

 だが、家族、友達、そういったことは記憶があやふやだ。

 “俺”の記録、知識。そういったことは覚えている。

 そして、生前は引きこもりのニートだった。

 確か突然胸が痛くなって意識をなくしたところまで覚えている。

 …………ここは死後の世界か?

 

 

「そういった認識で宜しいです、実際には少し違いますが……」

 

 

____そうですか、では俺は地獄、それとも天国行ですか?

 

 

「違います、そういったものは人間が勝手に作り出した空想の産物、そういったものににた“世界”はあります」

 

 

 

____そうなのですか……ではどういった用件で?

 

 

「……そうですね、あなたにはこういったほうが早いでしょう。『テンプレ』と」

 

 

____理解しました、転生ですか。間違って俺を殺して、というやつですか。

 

 

「はい、その通りです、申し訳ありません、お詫びとしてあなたにはこれから地球とは異なる世界に行ってもらいます。勿論チートも与えますよ?」

 

 

____……そうですねでは銃を召喚し、使う魔法がいいです。ああ、あと生産チートとかがあると嬉しいですね。

 

 

「分かりました、他には?」

 

 

____後は特にないです、銃や機械は好きですしね。

 

 

「いいのですか?」

 

 

____はい。

 

 

「これだけでは何ですし、身体能力の増加を加えときますよ」

 

 

____ありがとうございます。

 

 

「では第二の人生に幸あらんことを」

 

 

 

声がそう言うと共に俺の意識は薄れてゆく。

 

 

 

____さて、第二の人生は楽しいといいなぁ。

 

 

 

そんなことを考えながら俺の来世に期待する。

 

 

 

 

 

 




次は明日の夜頃更新するかも……?


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旅立ち~ゴミの国~

ん~3人称視点ってこんな感じでいいのかねぇ?
まぁ、この先5話ぐらい練習してキノを出すつもりなんで、「ここはこうした方がいい」といったアドバイス、よろしくお願いします。


あるところにある国がありました。

その国は見渡す限りあちこち、ゴミ、ゴミ、ゴミの山でした。

その国はゴミの国、周りの国からいらないものが毎日、毎日、捨てられます。

その中には犯罪者、育てられなくなった子供やペットも捨てられています。

 

その捨てられた子供の一人からこの物語は始まります。

その捨てられた子供の名は“ソラ”という名前です。

ソラにはほかの人とは違うところがありました。

それは、前世の記憶を持っていることです。

地球という世界にある日本という国で育ちました。

そして神様に間違って殺されてお詫びにこの世界に生まれました。

ソラは生まれて3ヶ月で立ちました。

その時、両親は歓喜しました。

ソラは生まれて5ヶ月で喋りました。それもカタコトではなく、しっかりと一つの文章を。

その時、両親は不気味がりました。

そしてソラは3歳の時、ゴミの国に捨てられました。

それでもソラは諦めませんでした。

ゴミ山から日々腐った食べ物をあさり、泥水をすすり、ある日はほかの人を殺して食べ 物を奪ったりしました。

そんな生活が続きました。

 

 

そして、ソラが10歳になりました。

 

「よし、これで完成だ」

 

そう呟いた少年の名はソラ、ボロボロのシャツにズボンというみすぼらしい格好をしていました。

長いあいだ髪を切っていなかったのか、長くて黒い髪が肩にかかっている。

そして長いあいだ栄養のあるものを食べていなかったので身長は低く、体はひどく華奢でした。ですが神様からもらった身体能力のおかげで今まで何とか生き延びてこれました。

だが、体の線はとても細く、つもりに積もったゴミ山が太陽の光を通さないので、日焼けする事もなく白い肌をしています。

 そのせいかその容姿はぱっと見女の子のように見えます。

 

 ソラが作っていたのは、前世の知識を使った車です。

 銃弾を通さない分厚い鉄の装甲、どんな悪路でも走れるタイヤ。

 その姿はまるで日本の自衛隊が使ってる軽装甲機動車モドキと呼べるものでした。

 ゴミの山から小さなパーツを少しずつ集めて3年かけて完成させたものです。

 勿論、普通はこんなことは出来ません。

 神様からもらった生産チートがあってこその技です。

 

 なぜそんなものを作ったのかというと3年前にゴミ山からある本を見つけたことがきっかけです。

 その本は、旅人の日記でした。

 様々な国の様子、そこで起こったこと、道中での盗賊との戦い。

 そんなことがおもしろおかしく綴られていました。

 ソラはその本を読んで旅人に憧れました。

 そして、こう考えたのです。

 

(こんなところはさっさと出て俺も旅人になるんだ、そのためには足が必要だな、よし。車を作ろう)

 

 そんな考えから3年、来る日も来る日もゴミ山からパーツを集めて完成させました。

 

 そして、今日やっと完成したのです。

 

「これで……俺はこの国から出て世界中を旅するんだ!」

 

 その顔は歓喜、これまでにない笑顔にあふれていました。

 そして、出来上がった車に乗り、キーを回しエンジンをかけました。

 ぶるるん

 そんな音が響き、マフラーからは黒い煙がもうもうと出てきました。

 

 そして、ソラの小さい体格でも運転できるように調節されたシートに座り、ペダルをふもうとしたその時。

 

『なあ、そこのお嬢さん、ちょといいか?』

 

 そんな声が聞こえました。

 

「誰だ!何処にいる!それと俺は男だ!」

『そうかい、そいつァすまなかった』

 

 ソラは車の屋根にのぼり、神様からもらった能力の一つ、銃を生み出す能力で銃を生み出しました。

 その手に握られているのは、とても大きなリボルバー式のハンドガン、S&W M500 です。

 全長は381mm、玉数は5つ、重量2,05kgという世界最強クラスの銃です。

 

『おいおい、その物騒なモンをしまってくれや、俺は危害を加える気はねぇよ』

「ふん、このゴミ山でそんな言葉が通じるとでも?俺が子供だからって舐めるなよ?」

『いやいや、話を聞いてくれるだけでいいんだよ』

「……下か!いつの間に!」

 

 声は車の下から聞こえていました。

 ソラは車から飛び降り、車の下を覗き込みました。

 

「……誰もいない?」

 

 そこにはだれもいませんでした。

 

『そりゃあそうさ、しゃべっているのはこの俺……お前が作った車なんだからよぉ』

「はぁ?」

『本当だぜ?』

 

 なんと、しゃべっているのは車だと言いました。

 ですがそんな機能はソラはつけていません。

 せいぜいがラジオをつけるぐらいです。

 

『まぁ信じられないと思うがな、お前が真心込めて作ってくれたおかげだぜ?なんつーの?付喪神的な?』

「……確かに車から聞こえるな」

 

(まぁ、ここは異世界だしこんなことが起こっても不思議ではないか)

 

『だろう、で、だ、俺と契約しねーか?』

「契約だ?魔法少女なんかになる気はないぞ?」

『いや、そうじゃなくってよぉ、いいか?俺は一台だけでは動けない。そしてお前は俺を動かし、移動が快適になる。そういった助けあいの契約だよ』

「……そうだな、元々乗るために作ったんだしな、いいだろう」

『よーし、契約成立だ、お前の名前は?』

「俺の名はソラ、お前の名前は?」

『……俺にはまだない、ソラ、お前がつけてくれや』

「デロリアン」

『俺はタイムマシンじゃあねえぞ?まぁ、あの映画は神だがな』

「えーじゃあラリーとか?」

『んーまぁいいだろう、よろしくな』

「おう、さっさとこんな国出るぞ」

『いきなりだな、操作方法は分かるな?』

「当たり前だ、誰がお前を作ったと思っているんだよ」

 

 ソラは改めてシートに乗ってペダルを踏む。

 ゆっくりと進む。

 そしてだんだん早くなっていき、最終的には90㌔というスピードが出ていました。

 

『おいおいおい!!スピード出しすぎだ!!』

「いや、いいんだよ!これで!!」

『はぁ?ってなんだあいつら!?』

 

 ラリーの前に出てきたのは、大量の人。

 その全員が何かしら武器を持って、目は欲望の色に染まっています。

 

「ここは治安なんて無いからな!こんな車が走っていたら奪い取ろうとするのが当たり前」

『おいおい!どうするんだよ!』

「決まってるだろう、轢くんだよ」

『はぁ!?ふざけんなよ!』

「いや、本気と書いてマジだ」

 

 がすん

 そんな音と共に一人の男が弾き飛ばされた。

 それでも人々は止まらない。

 ぼごん、ごしゃっ、

 そんな音とともにたくさんの人々がボウリングのピンのように弾き飛ばされています。

 血や肉片がラリーの車体にこびりついています。

 

『ああ、クッソッ!!後で洗車しろよなっ!』

「勿論、そら、城門が見えてきたぞ」

『……一応聞くが、弾き飛ばすのか?』

「それ以外に何か?」

『いやいや!無理だろうが!鉄の門なんて俺がぶつかったらこっちが壊れるだけだぞ!』

「誰がお前の車体で吹っ飛ばすといった?」

『は?』

 

 ソラはサンルーフを開け、そこから身を乗り出しました。

 ハンドルは足できように操作しています。

 能力で取り出したのは、110mm個人携帯対戦車榴弾。

 全長は1.2m、重量13キロ、有効射程約500m。

 通称パンツァー・ファウストと呼ばれるロケットです。

 

 どしゅう!

 そんな音とともに発射され、ぼがん、という音とともにあっという間に鉄の門を破壊しました。

 

「さて、いくぞ」

『おいおい……無茶するなぁ……』

 

 そして一人と一台はゴミの国を出て行きました。

 

「さーて、これから俺とラリーの面白愉快な旅の始まりだ!!」

『おお!そうだ、さっさと洗車してくれよ?』

「……」

『なぜ黙り込む!?』

 

 

 

 

 

 

 




3/5編集。


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ま、とりあえずはちょっとしたアレで。

サブタイトルは適当です。

予告よりも、早く投稿。


「ああ~拙いなぁ」

『何がだ?』

「何がって、まってるだろう、この状況だよ」

 

 ソラと装甲車のラリーは3日前にゴミの国を出て、地図もないので宛もなく、とにかく適当に走り回っていた。

そして、迷子になり、現在。

荒野のど真ん中で一人と一台は盗賊たちに囲まれていた。

それも4~5人ではなく、20~30人という数だ。

 

『しっかし……あの盗賊達の奇抜な格好は何なんだろうか?民族衣装かねぇ?』

「よく覚えとけラリー、あのモヒカン&は肩パットは通称、世紀末ファションと言ってだな、大体がヤラレやくの雑魚が着るものだ」

『へぇ、そうなのか。という事はこれからソラにぶち殺されるのか?』

「まぁ、そういうこった」

 

「ぎゃはははは!!そこの嬢ちゃん!一人旅か?大変だろうなぁ、俺たちとイイコトしねーか?」

『あ、やべぇ』

「あ゛ぁ?誰が嬢ちゃんだぁ?ぶち殺すぞてめーらッ!!」

『はぁ……そんなに女に見られるのが嫌なら髪を切ればいいのに……』

「るせぇぇぇぇッ!!これでも食らってろや!!このカスどもがぁ!!」

 

 そう言い、ソラが取り出したのは、5・56mm機関銃minimiだ。

 全長1040mm、重量7・01kg、発射速度750~1000発/分

 コンパクトな機関銃で、弾は能力によって無制限に作り出せるという恐ろしい武器だ。

 ソラは自分の顔が女顔であることを気にしている。

 そして、迷子になって大量の盗賊に囲まれ、自分を女だと勘違いされて、ブチギレた。普段はそんなに怒ることはない、だが、迷子、盗賊に囲まれる、そういった状況が重なりストレスが溜まっていた。

 

 ぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ

 ばらばらばらばらばらばらばら

 そんな音とともにフルオートで放たれる銃弾、弾き出される薬莢。

 盗賊達は為すすべもなく全滅した。

 あたり一面血の海になり、肉塊が飛び散っている。

 

 

『あーぁ……たっくよぉ……これが最近話題になっているキレる子供か……盗賊共から使えそうなモン剥いどけよ。ソラ』

「言われなくっても分かってるってーのラリー」

 

 

 一人と一台は駄弁りながら盗賊だったモノから小銭、ナイフ、パースエイダー、そういったものを拾っていく。

 

「んじゃま、こんなモンかな?」

『ま、十分だろ、ガソリンも携帯食料もあったしな』

「そうだな、さっさと国を目指して走りますか」

 

 ソラは剥ぎ取った荷物をラリーの後部座席に乗せた後、運転席に座りアクセルを踏みマフラーから黒煙を吹き出し荒野を進む。

 

『……そういやさ』

「ん?なんだよ?」

『いや、地図とか道とか国の位置とか分かっているのか?』

「…………まぁ、とにかく走っていれば何とかなるだろ」

『おいおい、大丈夫か?』

「ははははは、なるようになるでしょ」

『それはフラグという奴じゃ……』

 

 そんな会話を交わしながらあてもなく一直線に土埃を巻き上げながら進む装甲車があった。

 

*****

 

 

「はぁ……ちょっとヤバイかもねぇ……」

『いやいや、ちょっとどころじゃねーだろ、どうすんだ、俺はこんなところで鉄屑になるのはゴメンだぞ』

「それは俺はもうダメということか……ふふふふふ………お腹減った……」

 

 

ソラとラリーの一人と一台は何処ともない荒野をひたすら走っていました。

 

 




次回はとあるかキノ旅。どちらか。もしくは両方。
今週の土日に更新します。


書きたい小説がたくさんある……

とりあえずアイデアでも。

IS

二人目の操縦者は小学生1年生!?

ハンターハンター

転生者は原作を見てニヤニヤしたいそうですよ?




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バトル

パソコン治ったー!投稿だぜ!


「んー、とりあえずはこの道を行けばなんとかなるかもなあ……うん、なんとかなる……かも?」

『おいおいおいぃ!随分と適当だな!大丈夫なのかァ?もう燃料が無いぜ、せいぜい2㌔走れるかどうかってところだぜぇ?』

「いちいちうるせえなあ、何とかなるっつてんだろうが」

 

 

 森の中にある、一本道を一台の車が走っていました。その車の名前は、ラリー。そしてそのラリーを運転するのが長い黒髪に小柄なからだが特徴の女の子のような容姿の少年、名をソラといいます。

 この一人と一台はなんのあてもない旅をしています。ですが、旅に出るのは初めてで、旅のことを教えてくれる人もいなかったため、この一人と一台は現在ピンチな状況に立たされていました。食料は尽き、ラリーを動かす燃料も後わずかといった状況です。

 いくらソラが高い身体能力を持っていたとしても、銃火器を自在に出せる能力を持っていたとしても、開発能力を持っていたとしても、現在はなんの役にもたっていません。このままラリーの燃料が尽きれば、ラリーは動くことができなくなってしまいます。

 そうなったら当然、移動するのにも不便になってしまいます。ソラがラリーを引きずって行くという案もありますが、ソラは身体能力が高い分、消費が激しいようなのでその内体力がなくなり、空腹になって倒れてしまう可能性もあります。森の動物や植物を食べるということもできますが、現在彼らにはその発想はありません。……というか、今の状況をピンチとも認識していませんでした。

 この一人と一台は基本呑気なため、今の状況を楽観しているのです。

 

 

「お!見てみろよ、ラリー」

『アァ?なんだよ?」

 

 

 ふと、ソラが指さした先には、森の中に開けた広場があり、その中心にはログハウスが建っていました。

 

 

「あそこの人から食料と燃料を譲ってもらおうぜ」

『……あの家、人が住んでいるのかよ?壁につたが這っているし、周りの草もぼうぼうだぜ?』

 

 

 そう、その家は、ラリーの言ったとおり、ボロボロで、誰も住んでいない廃屋のようです。壁一面にはビッシリと蔦が這っており、周りの草も伸び放題で、かなりの高さまで伸びていました。

 

 

「いいや、よく見てみろ、煙突から煙が出ているし、周りの草も何度か踏み潰された跡がある。間違いなく、今現在誰かがあの家にいる」

『へえ!?ああ、ホントだな、しっかし、よく気付くなあ』

「まあ、ゴミ捨て場じゃあ、人をぶち殺すためのトラップなんてものもあるし、俺を騙そうと甘い言葉をかけてくるやつも居たしなあ、目は肥えている方だぜ?__まあ、とにかくはあの家に食料と燃料があり、かつ、それをおとなしく分けてくれる親切な人かどうかだ」

『“親切な人”じゃあなかったらどうすんだ?』

 

 

 ラリーの疑問にソラは口を歪め、言い放った。

 

 

「__勿論、皆殺し」

『……そうか、まあ頑張れや』

「ま、勿論最初は媚に媚びるさ、癪だけれどな」

 

 

 ソラはそういい、ラリーから降りて家の扉をノックした、そして暫くして出てきたのは白い髪のお婆さんだった。

 

 

「何用ですか?子供がこんな森に来るなんて、昆虫採集なら、さっさと帰ったほうがいいですよ?」

「……あー、いやいや、俺は昆虫採集とかそんなんじゃあなくってだな、旅人なんだよ」

「成程、その年で旅とは大変ですね」

「まーそうなんでよなあ、今も食料と燃料がないしよ、__だからまあ、死んでくれや、アンタの遺品は俺が有効活用してやっからよ」

「………………」

 

 

 ソラがそう言って手元に召喚した銃は、とても巨大で、彼の手では握れきれないほどだ。だが、握力のみで手に固定しているため、引き金を引いても撃った時の反動で手から飛ぶこともないだろう。

 その銃の名前はS&W M500という名前の超大型拳銃である。全長は381mmという普通のハンドガンよりも100mmほど大きく、重さは2.05kg普通のハンドガンよりも遥かに重いまさに超大型拳銃の名にふさわしいものである。ちなみにこの銃よりも威力の劣るマグナム44がグリズリーからの護身用という用途である。

 そんなものを突きつけられた老婆は、なんの反応も示さない。ただただそこに立っているだけだ。

 

 

「あぁん?ビビってなんにも言えねぇかぁ?んじゃまあ、遺言なんざ聞く気もねーしとっとと死ねや」

 

 

 ソラはそういい、銃の引き金を引いた__が、引き金を引くことは出来なかった。なぜならば老婆の姿が一瞬ブレて消えたからである。

 

 

(後ろッ!?)

 

 

 ソラが老婆がなぜ消えたか、それを思考している途中、後ろから極わずかな殺気を感じてしゃがんだ。そして、ソラの首があった位置を足が過ぎてゆく。今のけりが決まったら、ソラの首は間違いなく空を跳ねていただろう。そう思わせる程の威力の蹴りであった。

 老婆のやった事は言葉にすれば至極簡単なことである。ソラが銃の引き金を引く寸前、高速でソラの背後に回りこみ、ケリをソラの首を跳ね飛ばすつもりで放った。ただそれだけもことである。

 

 

「……躱しましたか、私もだいぶ鈍ったものです」

「糞が!」

 

 

 ソラは片足が上がった状態の老婆の軸となっているもう片方の方の足目掛けて足払いを仕掛ける__が、老婆は

片足のみの脚力のみで跳んだ。その高さ1.5mだろうか、有り得ないものであった。

 そして、屋根の端を掴み、鉄棒で逆上がりをするかのように屋根の上にあがった。そして、懐から小型の銃、パースエイダーを取り出し、構えた。

 だが、老婆が見たとき、そこにソラの姿はなかった。

 

 

「家の中に入りましかね?まあ、別段荒らされても困るわけではありませんが……」

「その読みは外れだぜ!このクソボケが!」

「ッ!?」

 

 

 老婆の言葉とともに、老婆の立っていた屋根が崩れ、足元からソラのアッパーが老婆の鼻を掠める。

 ソラは老婆が屋根にあがる途中、雨よけの為だろうか、玄関の屋根は少し出っ張ている。その出っ張り、屋根の裏に張り付いて老婆の視界から逃れたのである。あとはそのままアッパーを繰り出したのである。完全な不意打ち、流石の老婆とはいえ、反応が遅れてしまったが、バックステップで屋根の中心地に下がった。ソラもまた、屋根に登っていた。

 

 

「やりますね、年齢の割に経験も豊富なようです。貴方は一体どのような育て方をされてきたのか気になりますね」

「ハッ!俺を育てたやつなんていねえよ!ゴミ山の中で生き残るために戦ってきた。それだけだ!」

 

 

 ソラは懐からナイフを取り出し、老婆の頭をかち割らんと振り落とす。が、よけられる。勿論ソラもこれまでの戦いによってそのくらいは想定していた。

 

 

(本命はコッチだ!)

(____な)

 

 

 ソラは片手、それも()()でナイフを振り落とした。ソラの利き手は右手だというのに。

 

 

(……彼は見たところ右利き、ミスでしょうか?何しろ、ここまでです)

 

 

 老婆もこれまでの戦いにより、それは分かっていた。

 老婆は左側に避け、死角となるその位置から攻撃を加えようとしたが、老婆は信じられないものを見た。

 ソラの右手に()()()()()()()()のである。そう、なんの前触れもなく現れた。比喩でもない。言葉どうりだ。

 

 

THE・END(ジ・エンド)だ、ババア」

 

 

 そして、引き金が引かれ、弾丸が発射された。

 その弾丸は老婆の額に当たるかと思いきや、またもや老婆の姿が消えた。最初にソラの背後に回った時とは比べようのないスピードでだ。

 そして、ソラの首に手刀を当て、意識を刈り取った。

 

 

「……私が本気を出すとは……一体何年ぶりなんでしょうかね?彼には先程の技についてお聞きしたいですし、とりあえずは生かしておきますか」

 

 

 そういい、老婆はソラを抱え家の中に入っていった。

 

 

 

 

 

『アレ?今回俺何もしてねえ……というかさっきの戦いって何なんだよ!ソラもババアもめちゃくちゃだなオイ!』




……アレ?今回バトルシーン?この世界ってほのぼのな世界だよね?
 

次回は明日別の作品……あ、もう0時だから今日か。を投稿します。


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ああん?そんなモン適当でいいだろ。

久々の更新。
急いで書いたからざつ。


「あ゛あ゛ん?何だこりゃあ?」

 

ソラは、目を醒ますと自分の体が縄で縛られているのに気づく。

常人ならば、ソラの様に体を縄で何重にも、ギュウギュウに縛られると、縄を解くのは不可能だろう。だが、ソラは、持ち前の怪力で己の体を縛っている縄を無理矢理、引きちぎり、高速を解く。

そして、立ち上がり、周りを見渡す。

 

ーー木でできた部屋。家具は自分が縛られて寝ていたベッドと、クローゼット。そして……正面にある木の扉。その向こうから……いや。この家?の外から圧力を感じる。

恐らくは俺を気絶させたクソババアの物だろう。俺が起きている事にも気がついているだろうな。…………俺じゃあ、あのクソババアをぶっ殺す事は出来ないな……だったっらーー

 

ソラはゴミ山の中で培った、野生的なカンで、老人の気配を察知し、どうするか考察する。

そして、辿りついた結論。それは……

 

「嫌がらせだぁ!ザマーミロ!!」

 

ソラはそう言って、銃火器……ではなく、手元にあるのは、パイナップルの様な模様をした物体。

そう、手榴弾である。ソラは、こういったものも創造出来るのである。

 

「爆発は、芸術とか言ったっよなあ!!」

 

ソラは手榴弾の安全ピンを外し、投げる。

爆発するまでに、僅か2〜3秒のタイムラグがある為、その隙にベッドとクローゼットを重ねて、バリケードを作り、その裏に避難する。

その直後、ドグワァン!!という爆発音が鳴り響き、手榴弾が部屋だけではなく、壁の向こうにあった家具なども破壊する。

「グオォオオオッッッ!?」

 

……どうやら、耳栓をするのを忘れた為、ソラの耳にダメージがいっていた。

 

「クソがっ!耳がキーンとしやがる!今畜生がぁぁ!!」

 

ブチ切れたソラは、手榴弾を更に多方面にばら撒いて、爆破させる。

その結果、老人が住むログハウスは、粉々に吹っ飛び、炎上した。

その様を家の外……ラリーの直ぐ隣から見ていた老人とは言うと……

 

「……まさか私の家を破壊するとは思いませんでしたよ……銃を自在に出現させるネタを聞きたかったのですが……もういいでしょう。生かしておく必要はありません」

『うおおおおい!?ソラアァ!何やってんだアア!婆さ……お姉様が激おこじゃねーか!?』

 

額にビキビキィ!と青筋が浮き上げるほど、怒っていた。

そして、足元にあるスーツケースらしきものを、手に取るとそのスーツケースが、ガチャガチャ!と変形し、最終的に、肩掛け式のロケットランチャーになった。

そして、そのまま引き金を引き、ずぱん。そんな音と共に弾頭がログハウスがあった場所の中心に向かって、飛んで行った。

弾が着弾する寸前に、

 

「ババアァ!ロケランとかアホかああぁ!」

 

という声と共に、老人に向かって飛んでいく人影が見えた。

その人影が老人の頭上に達する瞬間、ドガアアアァァン!!という轟音が、ロケットランチャーの弾が着弾し、爆発音した瞬間、発された。

だが、二人ともその音には何の反応もしない。

老人は、素早く懐からパースエイダー()を取り出し、まだ滞空しているソラに向かって、撃った。

 

「グガァ!?」

 

そんな声がソラの口から発された。どうやら当たったようだ。

 

「糞がッ!」

 

ソラは、地面に着地する瞬間に撃たれた部分に走る激痛を我慢し、ラリーの扉を素早くあけ、エンジンをかけてペダルを踏んで、ブルルンッという音を出して、道を走っていく。

 

「チィ!肩に当たったか。あの糞ババア!いつか絶対殺す!」

 

ソラの肩から、ドバドバと赤い血が流れていた。

 

『オイオイ、大丈夫か?……ま、それよりもだな、あの婆さん、俺の中に燃料を入れてくれたし、保存食も入っているぞ?』

「マジでか!その点は感謝する!だけどぶっ殺す!」

『そうか、まあ。精々頑張れや』

 

残された老人は、目の前にある家の残骸を見て、呟いた。

 

「……旅に出ますか」




次回の更新は、土日です。


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マナーの国

ふー、やっと国の中に入るわー


 ただっ広い荒野を一台の装甲車が、土煙を巻き上げながらものすごいスピードで走っていた。

 

『うおおおおおい!スピード出しすぎじゃァ!このままじゃあスリップしかねんぞ!』

「るせえよ!さっさと国があるところに行きてえんだから、このスピードでないと今日中に着かねえんだよ!」

『ああもう!クソッタレが!どうなってもしらんぞ』

 

 そんな喋る装甲車……ラリーと言い争っているのは、そのラリーを運転しているのはソラという名前の小さな少年である。

 

『その国ってのはどんなところなんだぁ?』

 

 ラリーは、ソラにふと浮かんだ素朴な疑問をぶつける。

 だが、ソラもあまり良くわかってないないのか、訝しげな表情だ。

 

「よくわからん。だがあのクソババアの地図には「とても窮屈な国」って書いてあったぜ?」

『ハア?なんだそりゃ』

「さあな、大方よっぽど狭い……というよりは小さい国なのか、それとも人口密度が高すぎる国なんだろうなあ」

『おいおい、お前は狭っ苦しいのは嫌いじゃあなかったのか?それに、あの婆さんの家からじゃあ、東に行くよりも、南にある国の方が近いだろ?半日でつくだろうし、なんでそんなところに行くんだ?』

 

 ラリーの疑問にソラは肩を竦め、皮肉気味に言う。

 

「まあ、確かにそうなんだが、やっぱり目指すなら東かなー。と思ってな?」

『……なんだそりゃ?』

「ま、俺の魂に刻まれた白米があるなら東だと思ってな?」

『……ますますもって分からん』

「理解する必要はねえよ。まあ、カンだカン」

『カンってお前なあ……』

  

 ソラの言葉にラリーは呆れたように溜息を吐く。

 

「ま、大丈夫だ。俺のカンはよく当たるかんな」

『そうかよ……ってうおおおおおおおおぉおおおぉおおおお!?』

「んなああああぉぉあああぁぁッッッッ!?」

 

 ラリーのタイヤが砂に取られて、スリップする。

 ギャギャギャギャァ!と地面を削りながら、滑るように車体を振りながらもハンドルを取り、なんとか制御を取ろうとするが、結局は日本社会ならば逮捕待ったなしのスピードで走っていたため、ソラの小さな体は、ラリーの窓から投げ出され、ラリーの車体は転倒する。

 ソラは地面を転がり、しばらく転がったところで止まる。

 

「ああ……クソが!なんでこうなるんだよオイコラ!」

『いやいや!最初に言っただろうがよ、スリップしかねんってなあ!』

「ああこんちくしょう!そういや言ってたな!」

『全く……人の助言は聞いとけよな。それよりもひっくり返った俺の体を元に戻してもらいてえんだが……お前一人じゃあ無理だなコレ』

 

 ラリーの体は文字通り逆さまになっていた。装甲車の車体というのは言うまでもなく、とても重い。普通の乗用車とは違って、装甲がある分、乗用車よりも重い。

 普通ならば人間一人の腕力どうのこうのできる問題ではない。

 だが、ソラは別だ。神より授かった身体能力がある。

 

「よっと」

『んなあ!?お前が力持ちなのは知っていたが、ここまでなのか!?』

「ハッ!当然だ、馬鹿野郎!」

 

 ソラは、ラリーを片手で軽々と持ち上げた。

 ラリーはソラの力に驚愕するが、ソラは出来て当然だと鼻で笑い、ラリーを投げて元の体制に戻す。

 

『いてて……いや、サスペンションあるから振動は殆ど吸収されるからあまり痛くないんだが、もちっと優しくしてくれよ』

「るせえ。何をほざいてやがる。さっさと国目指して走るぞ」

『ヘイヘイ……俺のボディどっか凹んでねえよな?』

「アホか?俺が作ったんだ。この程度じゃあ傷一つつかねーよ。ボケナス」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「おお、ついたか」

 

 ソラの目の前には巨大な石で組み立てられた城壁。

 この城壁の中が「国」となるのだ。そして、ソラは国に入るための手続きをしようと門の前にいる。

 

「おーい、この国入りてぇんだけど」

「……何か御用でしょうか」

 

 ソラはそう言って詰所の扉を乱暴に叩く。

 しばらくして出てきたのは、汚れ一つ無い上品なスーツに身をまとった如何にも上級階級の男性であった。 

 その男性はソラを見て、一瞬ぎょっとしたが、ソラに優しい声でこういった。

 

「申し訳ありませんが、そのコーディネートでは我が国への入国を認めるわけにはいきません」

「はぁ?こーでねーとだぁ?そんなもんがあるのか?」

 

 ソラは怪訝な顔をする。ちなみに現在のソラの格好は老婆のところで老婆が洗ったのか、ボロボロのシャツが小奇麗になったものであったが、この国に来る前にラリーの転倒でまた薄汚くなってしまっていた。

 

「はい、我が国はマナーを何よりも優先的にしておりますので」

「まなー?」

「ええ、健全な心は健全な生活、健全な環境、健全な格好、健全な人……といったように我が国では、健全なるマナーを何よりも大切にしているのです」

「ふーん、で。俺の服がアレだから入国はダメってわけか?」

「ええ、その通りでございます。ついでに言いますと、その言葉遣いもズボラな動作も駄目です。あなたには入国資格はありません」

「へーそうかい……」

 

 ソラの額にビキッ。と筋が入るがソラは何とかこらえて、審査員に問う。

 

「だったら、どうやったら入国出来るんだァ?俺の見た目は追求のしようがねえが、例え見た目が良いからってマナーが出来るわけじゃあねえだろぉ?そこんとこどうなってんだ?」

「ええ、あなたの疑問はごもっともです。ですので、我が国に入国するには、必要最低限のコーディネート、そして次にテストがあります」

「テストぉ?」

「ええ、マナーについてのテストです。筆記と実技に分かれておりまして、そのテストで合格し、初めて入国資格が得られます」

「へぇ、そうかい。じゃあ俺にもそのテストとやらを受けさせろや」

 

 ソラのコトバに、審査員はふう。とため息をついてかぶりを振る。

 

「いえ、まずあなたの場合、第一の条件であるコーディネートが満たされておりません」

「わーってんだよ。んなこたぁ。だから服はこれ以外に持ち合わせがねえからこの国で買うってんだよ」

 

 ソラはそう言って懐から袋を取り出した。

 その中には金がたっぷりと詰まっていた。

 

「……なるほど。分かりました。では此方に、あなたの寸借をとります」

「オーケー、オーケー」

 

 ソラは審査員に促され、建物の中に入っていく。

 ちなみにお金は、ゴミ山の中で拾ったものが1割、6割が道中襲ってきた盗賊のもの、残りの3割は老婆の家からパチったものである。




……と思ったら、まだかよ……
 
果たしてソラはマナーテストに合格できるのか!?

次回は……木曜日あたりに別の話を更新します。


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