(変態)紳士よ!ヤンデレを倒せるのか? (佐岩爽)
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序章

はぁ始まったよ!


一瀬渡 高校生

彼は変態紳士だった。

己を抑え、理想を求める。

それが彼のモットーである。

故に彼は変態が許せなかった。

彼は変態狩りに尽力した。

 

東に痴漢されている娘がいれば、

「うぅ…(痴漢だ…誰か助けて)」

「やめなさい…痴漢ですよ?」

「くそっ‼覚えとけよ!」ダッ!

「ありがとうございました!」

「いいえ、それより大丈夫ですか?」

「はい!あの何かお礼を…」

「…では僕を痴漢してください。」

「えっ…」

 

西にイジメにあっている娘がいれば、

「やめてよ…お願い…」

「うるせぇな、また蹴られたいのか?」

「ひぃ!」

「やめなさい。」

「何だテメェ⁉」

「今だに母親とお風呂に入っている人に名乗る名前はありませんよ。」

「⁉」

「さぁ、バラされて欲しくなければ去りなさい。」

「くそがっ‼」ダッ‼

「あ、ありがとう。」

「いいえ、別に大した事はしてません。」

「な、何かお礼を…」

「では、あなたのお母様とお風呂に「ふん‼‼」ゴハッ⁉」

「…良い蹴りですね。」

北に強姦魔に襲われそうになっている娘がいれば、

「はぁはぁ、いいか?俺がお前を誘っているんじゃない、

お前が俺を誘っているんだ‼」

「だ、誰か助けてー‼」

「やめなさい。」

「誰だ⁉テメェ!」

「警察呼びますよ?」

「クソがっ‼」ダッ‼

「さぁ、もう大丈夫ですよ。」

「ありがとう…」

「お礼と言ってはなんですが…」

「?」

「あなたSですよね?よろしければ僕の右「ふん‼‼」ゴハッ⁉」

「…そ、想像以上です。」

 

南に死にそうになっている巨乳の娘がいれば、

「し、死にたくない…」

「コレを飲んでください。」

「えっ⁉」

〜数時間後〜

「ありがとうございます!」

「いいえ、(変態)紳士ですから」

「あ、あの私に出来る事が有れば…」

「では…」

「君何してるの?ちょっと署まで来てもらおうか。」

「えっ?ちょっ!僕はまだナニもしてn」

 

 

 

一部の人は彼をある意味紳士だとよんでいた。

だが世間は彼を紳士と認めず変態と決めつけた。

彼は諦め無かった。

(変態)紳士になるために…

 

だが、世界は非情だ。

彼は偶然転び、偶然胸を揉む。

世に言うラッキースケベだ。

しかし、彼はただのスケベ、もとい変態になってしまった。

 

彼はその日命を絶った。

 

 

 

死因はテクノブレイクだった。

 

彼は死後、白い空間に居た。

そして神に問われる。

 

「お主はまた生きる時も理想を求めるのか?」

 

彼は美しい笑みを浮かべ答える。

 

「ええ、僕は(変態)紳士ですから。」

 

神は涙した。

遠き理想と知りながらも、理想を求めるその姿に。

 

そして彼は白く大きな扉を開ける。

 

 




これから行く世界を募集中‼


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東方project編1

無数の軍勢から逃げる金髪の美女。

彼女の名前は玉藻。

彼女は妖怪の身でありながら上皇から寵愛を受けた。

だが上皇は病に伏せ、次第に弱っていった。

病の原因は彼女にある、と容疑をかけられ妖怪であることが暴露された。

上皇は安倍晴明に彼女の討伐を命じた。

 

そして今、那須の地まで逃げていた。

彼女は許しを請おうと立ち止まり、軍勢を振り向いた。

だが彼らはそれを勝機と思い、彼女に向けて弓を放った。

彼女は密かに目を閉じ、死を待つ。

やはり人間は人間。

妖怪と人間は分かり合えない。

 

だが人間の中には

 

「大丈夫ですか?」

 

紳士と呼ばれる者が居る。

 

 

〜玉藻視点〜

無数の矢が放たれ目を閉じた。

走馬灯が頭の中に流れる。

私はただ愛して欲しかった。

それだけなのに濡れ衣をかけられ、殺される。

絶望感が胸に響く。

だがそんな状況の中、弓は一つも降って来なかった。

恐る恐る目を開けると目の前に上半身は裸で下は袴では無い東洋風の服を着ている男がいた。

 

「大丈夫ですか?」

 

彼は顔を後ろを向きながら言ってきた。

だが答えない。

数えきれない軍勢の前で妖怪一匹を助けるなんて人間は決して居ない。

この男もそうだ。

助ける振りをして私を捕まえ奴らの所に連れて行くかもしれない。

私は彼を睨みつける。

だが彼は

 

「ありがとうございます‼」

 

と言いながら私に深々と頭を下げる。

だが再び軍勢から多数の弓が放たれた。

 

「少し休んでください。ここは僕が何とかします。」

 

彼はそう言って何かを構える。

手に持っていた物は先が丸くなっている所が回転している棒状の物だった。

 

「ここは弱でいいか。」

ブゥゥゥゥゥ!

 

手元のスイッチを押し、棒から音が出てくる。

そして飛んでくる弓を難無く叩き落とす。

彼はそのまま軍勢に向かって走り出した。

 

「くらえ‼」「ぶち殺す‼」「オラァ‼」

 

兵士達が下品な言葉を発しながら彼に襲いかかる。

彼は華麗に避け、彼らの肩に棒を当てる。

 

「「「気持ちぃぃぃ⁉」」」

 

兵士達は喘ぎ声に似た声を発しながら倒れていく。

そして彼は兵士達を指揮していた安倍晴明の前に立ちはだかった。

 

「貴方は人間でありながら妖怪を助けるのですか?」

「僕は紳士ですから。」

 

彼の答えが気に食わなかったのか晴明は彼に向けて護符を投げ飛ばす。

彼はそれを叩き落とそうとするが棒に引っ付き爆破する。

 

「さぁ武器は無くなりましたよ。」

 

晴明は勝利を確信した顔で彼に言う。

彼は棒を捨て晴明に向かって走り出した。

 

「ふん!無駄なことを‼」

 

晴明は再び護符を投げる。

彼は下にしゃがみ避ける。

 

「な⁉」

「隙あり‼」

 

晴明が驚愕している間に彼は晴明の背後にまわり、晴明の股間を蹴り上げた。

 

「な、何故この私が普通の人間に…」

 

晴明は倒れ、痛みに悶えながら呟く。

彼はそんな晴明に背を向けながらこう言った。

 

「妖怪だろうと女性を傷つける貴方には一生分かりませんよ。」

 

 



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