艦これでチートってこういう事を言うのでは? (文才皆無。)
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先ずは水平線を沈めよう!

初めまして、文才皆無。です。

ええ、名前のとおりそのままですから期待はしないで暖かい目で見守ってください…。
なぁ、知ってるか?勢いとノリって恐いんだぜ?


冗談です。では、どうぞ!!

1/30 11:36にて、艦装→艤装に訂正しました。


とある所で一人の青年が寝ていた。

 

なんの変鉄もなく只横になって寝てるだけ。だが、そこにいた者は誰も目が離せなかった。喧騒からはかけ離れた青年の行動。それはただただ静かに眠っているだけなのにそこにいた者逹はまるで首筋に抜き身の真剣を突き付けられている錯覚さえ覚える。

 

青年が寝返りをうつ。

 

回りの者は何故か動く事すら出来ない。

いや、動かすことを許されていないようなプレッシャーをかけられている。

 

重くのしかかる重圧に押しつぶれそうになる者まで出てくる始末だった。

 

 

ここは海上で戦場。何時もならそこでは艦隊逹がぶつかり合う場所なのにソイツは無視出来ない存在感を放ちながら呑気に寝ている。それはまるで相手ではないと侮辱しているかのように。

だが、それが事実であるように感じてしまうには、その存在感とその大きな態度が証明しているようだからだ。

 

 

静かな海の上で水面を揺らすことなく青年が始動する。命の胎動でもあるように、ゆっくりと、ゆっくりと…

 

青年は静かに体を起こす。

身構える者もいれば、この世の終わりのような顔付きで懺悔を始める者もいる。その反応と見た目は十人十色だが心の中は一つだった。

 

 

青年は口を開く。

 

 

「ふぁ~…ん?ここ、何処?」

 

(「「「誰ぇ!?」」」)

 

 

綺麗にハモる心の声と見ていた者逹の心情とは裏腹に青年は首を傾げていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所、とある部屋にて。

 

 

「これは?」

 

「はい。今日の作戦で起こった全ての詳細を記したものです。」

 

「あぁ、聞き方が悪かった。ここに書いてある青年は何だ?」

 

「分かりません。ただ、そこにいました」

 

「はぁ…」

 

「あの…提督?」

 

「あのなぁ、霧島。疲れてるならそう言ってくれ。俺は別にブラックな鎮守府を目指してる訳じゃないんだから」

 

「事実です!」

 

「じゃあ、なんだ。海…てか空中で横になれる人間がいるとでも言うのか?」

 

「知りませんよ!私だってあんな非科学的なモノを見ちゃったら信じざるを得ないんです!」

 

「で、結局戦闘も行わずに両者引き返して来たと…」

 

 

立派な無精髭を蓄えた白い軍服を着る男性は霧島と呼ばれた少女の前でお手上げとでも言いたいのか手を上げて疲れた顔をしていた。

少女も少女で理解が追い付いてないとでもいうように困った顔をし続けていた。

 

そしてあの会話も実は既に二回目である。

 

ふざけている様子のない少女を真剣に見返す提督と呼ばれた男はついに諦めたのか。現実を放棄するように机に頭を落とした。

 

 

「勘弁してくれよ…こんなの上にどう説明すりゃあいいんだ…。不幸だ…。」

 

「あ、でも向こうもあの領域での戦闘を行わないなら敵対する意思はないって深海棲艦と私達に言ってきました。」

 

「…そりゃアンナ化け物も裸足で逃げ出すシロモノをお持ちで敵対しないなら良いんだけど…ったく…どうすりゃぁいいんだぁーーー!!!」

 

「…金輪際、あの海域に近づかなければそれでいいかと」

 

「変な問題持ってきやがって、それでいてなんでそんな真面目な解決法を思い付く!…どうすんだコレ…ブツブツ」

 

 

提督はその日から胃薬を常備したとか。

そしてその鎮守府内ではこの話題で持ちきりとなることは目に見えていた。噂が噂を呼び、その海域は後に提督達の間で魔の海域と呼ばれることも遠くない未来であった。

 

 

開いた窓から一枚目のレポートが風に乗って飛ばされる。

その紙にはこう書かれていた…。

 

 

本日未明、艦娘…ならぬ艦息あらわる。

 

更にはその艦息は自らを宇宙艦 ヤマトと名乗った。

その名の通り、宙に浮いており自由に空を飛んでいた。更に彼についていた主砲からはびいむらしき物が発射され、暁の水平線が割れるという威力。更に彼の漏らしていた言葉を鵜呑みにするならば充填10%であの威力。全力では地球すら砕けると予測される。絶対に敵対してはいけない。

 

 

彼は言った。静かに…そして平和の為なら滅ぼすことも辞さない。(追伸、何をとは言っていない。)

この領域での戦闘は一切として禁ずる。

破る物いれば、我が主砲が火を吹くことになる。(それはしたくないとその様子から窺えました。)

両者、手を取り合い仲良くすることを望む。(微笑んでいました。)

話し合いでどうにかなるなら、それでいい。だが、出来ないと言うなれば前世の記憶にある通り目の前の敵を打ち砕くのみ。(無表情でもしもの際には必ず実行するという意思を感じました。)

 

らしい。

 

目的は言葉にある以外は全くといっていいほど分からず、更にそのパワーはどの艦隊でも叶わないと予測される。その体にも耐久力が大きく、主戦力ですら傷付くか否か判断が付かぬ程…次元が違うという言葉が当てはまります。

 

見た目は推定、身長165.8cm、横幅は艦装込みで100cm、ゴーグルのような物が頭にあり、主砲発射時にそれが降りてくる。ヤマトと名乗るだけあり、艤装も大和にかなり類似している。

髪は毛先一寸程が赤色で、根元側が黒という不思議な髪でショートカット。

 

 

 

これが、青年 ヤマトの情報だった。

 

 




やっちまった…やっちまったぜ…俺は…

どうも、全世界の艦これ及びヤマトファンにケンカを売ってしまった作者です。

深く反省しております。思わずやりました。
勢いだけで書いていますので変な所がいっぱいあります。

友達に聞いただけの設定とか、色々問題が発生してますが…なんとかやっていきます。宜しくお願いします。

最後に本当にすいませんでした…。

では…。


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撃ち抜くは、己の心なり

まさかの一日に二話目の投稿。

本来は亀更新でいこうと思ってたはずが筆が止まらず二話目が完成してました…。
だって、仕方無いじゃないか…。


今回の話の構成は(うおっ!?何をする、ネタバレはさせないだと!?っく、作者め。貴様、やるな?)

では、どうぞ


どうも、この度地球に帰ってきた我、ヤマトです。

 

我…うーん、なんか合わないんだよなぁ。

一人称って難しいよね。もう、俺でいいか。

 

俺は宇宙戦艦ヤマトです。

 

 

誰だかに急げヤマト!!地球は病んでいる!!って言われたような気がしたんだけど…

 

 

「うーん、だとしたら不味かったぽいな。あの時は訳分からず言っちゃってたけど完全に寝言に近い何かだったよなぁ…。年端もいかないような女の子もいたし…寝惚けてやったにしてはやり過ぎたし…うあぁぁーーー…やっちまったよーー!!」

 

なんで波動砲撃っちゃったんだろう…あれって間違いなく駆逐艦とか、戦艦だったよな…まぁ、見たこと無いから俺より後に作られたであろう最新型とかだとおもうし…アレ?詰んだ?

 

…よーし。もうしらない。俺しーらないっと。

 

 

「アハハ、ソラガアオイナァ…違和感がパネェ」

 

「ナンデ?」

 

「なんでってそりゃあ、俺は宇宙戦艦であの空の向こう側の位宇宙を駆ける戦艦だからかなぁ…って!」

 

「ヲ?」

 

「あ、どうも…ヤマトです。」

 

「ヲっ!空母ヲ級ダヨ。ヨロシク」

 

 

空母 ヲ級と名乗った生物はポカッって音と共に外れた。

外れた!?

 

 

「えっと…どっちが本体?」

 

「コッチダヨ。コレハカブリモノケンブキミタイナモノサ。」

 

 

少女だった。黒いクラゲみたいなのが話しかけてきたのかと思ってたけどまさかの被り物だった。

というのも、近い上に視界の高さの関係で大きなクラゲの被り物しか見えてなかったからだろう…。てか、それが真実。

 

 

「宣戦布告した時はヲ級は居なかったよね?まさか俺の話を聞いて俺を殲滅しに来たのか?」

 

 

ええ、内心勿論ビクビクしてます。だって起きたら海の上。更には人になってる。

分からないことだらけだよ。でも、この人の形でも波動砲が撃てたのはビックリだったぜ。流石に口径が200cmじゃなくなってるけど威力は変わらないとみた。

惑星撃ち抜くって人類の技術力ってすげぇよな!

 

 

「チガウ。」

 

「ん、アラ?違うの?」

 

「港湾ガ偵察ニイッテホシイッテ土下座シタカラヲ級がカワリニシニキタ。」

 

「あー、いきなり押し掛けた上にあんな事までしちゃったもんなぁ…」

 

 

領地に侵入。発砲。うん、完全に駄目な奴だ。怯えられて当たり前だな…。

その港湾さんには悪いことしたなぁ…直接謝りたいけど逆効果っぽいしなぁ…

 

 

「アノ砲撃水中カラモ光ッテミエタ。キレイ。」

 

「そうかぁ?当たったらっておもったら普通怖くなるんじゃないか?」

 

「今コウシテ話シテ分カッタ。オマエハソンナ奴ジャナイ。タタカイヲトメタカッタダケ。故ニ無意味ニ戦カウ必要ハナイ。アト話シテテ面白イ。」

 

「信頼してくれてありがとう。」

 

「モット撫デテホシイ。」

 

「はいはい」

 

 

ヲ級は何て言うか無邪気だよな。

たぶん弟のユキカゼが居ればこんな感じだったのかもしれないな…。アイツ、直ぐ死んじゃったから…。

 

撫でる力が入らないように気を使いながら撫でてる訳だけど、水底を見てるような引き込まれてそうな瞳は嬉しそうになってる。ヲ級はさっき戦うって言ってたけど何で戦うんだろうか…。

 

 

「ヲ級に聞きたいんだけどいいか?」

 

「構ワン。何ガ聞キタイ?」

 

「戦うって言ったけど、ヲ級達はえっと黒と白の軍団なんだよね?」

 

「…?タブンソウ。艦娘達ハ深海棲艦ト呼ブ。」

 

「じゃあ、その深海棲艦達は艦娘?と戦ってるってこと?」

 

「ソウ。」

 

「何で?」

 

「守ルタメ。向コウガ私達を脅カスカラ、ソレヲ防グ為ニ抗ウ。

ダガ、ムコウモ同ジヨウニ守ル物ガアルノダロウ…結局ハ負ノ連鎖デ恨ミアイ、戦イヲ終ワラセルコトガデキナイノダトカンガエテイル。」

 

「…そっか。」

 

 

どこも一緒。戦う理由は虐げられないようにするため。

どちらから始めたのか分からない戦いは次第に大きくなって殺し合いに変わっていく…それは俺がまだ艦だったときも変わらない。1戦争の道具として最後は使われるのか…。

 

俺、本当は輸送船のような役割だったはずなのに…

 

 

「ナクナ。」

 

「はい?」

 

「オ前ハ優シイ。コンナ争イヲ…無意味ナ殺シ合イヲ止メサセテクレタ。誰モガ歯止メノ効カナクナッタ矛先ヲ納メテクレタ。深海棲艦トシテ アリガトウ」

 

「…褒められた事はしてないよ。俺は結局、力で押さえつけただけ。本当に戦いを止めたいなら話し合って和解する必要が有るんだ。ヲ級だけじゃ駄目。全員がその殺されたっていう恨みの矛先を折らなかったらまたいつの日か戦いは起きる。…だから、俺がここいる意味があるとすればそれはきっと深海棲艦と艦娘が手を取り合える世の架け橋になる事なんじゃないかな?」

 

「…ヤマトなら出来るよ。あの世界で、地球を救うことができた兄さんなら…」

 

「…っ!!?」

 

「ドウカシタカ?」

 

「今声が…いや、やっぱいいや。」

 

 

それは沈んだはずのユキカゼだ。俺はそう信じる。

だってその方がロマンがあるから!俺は架け橋になってやるさ!だから見ててくれ、ユキカゼ。

 

 

「…モウ行カナキャダ…マタ来テモイイカ?」

 

「喜んで。俺は此処に居ると思うから好きなときにまた話そうよ♪今度は他の子も呼んで、さ」

 

「ウン。アリガトウ、ヤマト。ワタシモミンナガ笑ッテイラレル世界ガ見タイ、ガンバッテ!

ワタシモ深海棲艦ノ仲間ニ声ヲカケルヨ」

 

「気をつけて帰れよ~」

 

 

沈んでいく夕日と潜るヲ級、この世界で何が起きてるのかも何となく分かった。

俺が平和への道筋になれると信じて、知識を、力を使っていこう…。

 

それが、初めての友達 ヲ級との誓いだから。




と、いう感じですたい。

構成は…
・ヲ級とのエンカウント。
・ユキカゼさんバイバイ
・ヤマト 立つ
・目標発見、撃ち方初め!

をフュージョンさせたら出来上がりました!
え?提督はどうなったかって?

そんなの元帥さんの所に要相談ナウだよ。
きっと、胃は胃酸により傷付き始めた辺り、ムカムカしてそう…レベルだね~


フッフッフ、次は何を混ぜようか。




では皆さん、来週もまた見てくださいね♪ジャン、ケン、ポン(グー)
ウフフフ~


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架け橋への第一歩 その壱

肉を焼くが如く、音楽を聞いていたらいつの間にかに焼けて(できて)ました。

上手に焼けたかどうかはあなた次第!


一先ず三部に別れてますので少し中途半端に終わってます。
今回は戦闘シーンを勝手に始まって勝手に終わるという訳分からん無双要素を含んでいます。

脳内で補完してください…もしくは感想にて質問してくださると嬉しいです!


去らば~ 宇宙よ~ 旅だ~つ…は?もう見られてるだって!?

 

どうも、失礼。

こちら、上空2000フィート…はい。ジョークです。

 

昨日はヲ級と話して分かったのは白黒こと、深海棲艦の皆さんは海に住んでる生き物(生物)だった。

敵方の艦隊コスプレ少女達は艦娘とよばれてるそうです。

 

だが、俺はまだ知らなかった…これからの生活を…。

 

ボッチ決定な俺が孤独と戦う事を!!

 

 

「あーあ、暇だ…」

 

「…ッヲ!」

 

「はい、おはよー」

 

「何ヤッテル?」

 

「ン~?いや普通なら宇宙エネルギーで動く俺のエンジンってどうなってるんだろうって思ってバラしてる。」

 

「…ソウナノカー?端カラ見タラ、自分ヲ傷付ケルマゾヒストニシカ見エン。」

 

「そうだったの!?だから遠くでこっちをチラチラ見るくせに近付いて来てくれなかったんだ!!」

 

「…ソレハチガウヨ。単純ナ怖イ物見タサジャナイカナ?」

 

「グスン…」

 

 

えーはいはい。分かってましたとも只現実が厳しすぎるんだ…。俺が膝を抱えているとクラゲの足が持ち上がり、頭にやってきた。

え、なにこの感触!?プルプルとも言えないけど、プニプニとも違うゼリー質な滑らかさ…これは新発見だぞ!?

 

 

「ヨシヨシ」

 

「…すまん。」

 

 

そうそう、点検の結果波動エンジンは不可思議な事に宇宙エネルギーからタキオン粒子を作って動力に変換するんだけど、宇宙エネルギーが届いてるのか少し薄い状態で常に供給できてるっぽい。

…ぽいというのは俺が元戦艦だから詳しくは分からないっていうだけ。

 

でも、これなら確かに次元波動爆縮装置が万全じゃないが問題なく使えるってことが分かった訳で問題無かったってことだ。

充填率は100%までなら溜め時間が長くなれば使えそう。でも、それ以上となると不可能って辺りかな。

…10%でもオーバーキルなのになんでそれ以上の出力出そうとしてンだろう…アホか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからはお昼少し前まで戦闘方法から戦術、この海のこと、俺が体験した事の話をしていた。その時に一通りの整備は終えていた。ヲ級も最初は興味が無かったみたいだったが、俺が白熱しているのを横で見ていたのが原因か段々と一緒になって黒くなっていた。

 

 

「ま、これなら食事も必要ないってことが分かったし、人形とってても人外確定な訳で…んん?ほう あの通り、こちらに興味を示してるけどどうするのが正解だと思う?」

 

「捕獲。」

 

「………。」

 

「コホン。冗談ダヨ。」

 

「まぁいいか。おーい!!」

 

 

こうも一緒にいると何を考えてるのかを段々と分かるようになってくる。だからなんだというものは無いが…

あえてどうでるかの判断の為にヲ級を膝の上に乗せて頭を撫でる。その逆の手を振ってみる…すると!

 

ガシャコン!

 

こっちに向けて砲撃用意です。酷いんじゃね?

 

 

「アレハソノママデ良イノカ?」

 

「ん…折角ヲ級先生にレクチャーも貰ったことだし、試しにやってみるかぁ。ブラックタイガー発艦」

 

ウィーーン、バシュン!!

 

するとデフォルメされたブラックタイガーが空に飛ぶ。

今の人の形になって初の動きは気になることだらけだったが案外飛ばしちゃってからは何もしなくて良いようだ。

もし、自分があの騒動の時に意識があったら古代くん達や沖田艦長は必要なかったのでは?と思ってしまうと、あの時沖田艦長の病気は…。

考えれば考えるだけ深くのめり込んでしまう…

 

 

「ヨソミヲスルナ!!」

 

「っと、撃ち方止め!ブラックタイガー、帰還せよ!」

 

 

もし、ヲ級が注意してくれなかったら俺は何をしてしまっていただろうか…?

オーバースペックの武器らしい(さっきヲ級に聞いた)ブラックタイガーは全ての魚雷を撃って近づく前に爆発させ、飛んでいる艦載機は飛んで火にいる虫とでもいうかのように簡単に無力化してしまっていた。

後は本体を叩くだけ…

 

ヲ級がいなかったら気付かぬ内に沈めていた…かもしれない。

…そこにいた艦娘の女の子も気高に振る舞ってはいても足が震えていた…。

 

 

あの恐怖は知っている。俺も宇宙で何度も危ない橋を渡ったから…

あんな思いをさせてはいけない…もっと、慎重にやるべきだった…軽率だった。

 

 

「…艦娘の皆さん」

 

「ヲ?」

 

「すまなかった!!」

 

「おっ!?」

「なのです?」

「こりゃあ、驚いた!」

「ひぇっ!?」

「どうしてですか?」

「でち?」

 

 

目の前にいた六人は全員驚いた顔をしていた。これは女の子を驚かせた俺が全面的に悪い…

どれだけ言葉を取り繕おうが許されたものじゃない。大和魂に反する…。

誠意をみせようと思う…。

 

 

「まず、確認させてくれ…ケガはしてないか?」

 

「速きこと島風の如し!全弾避けたから被弾はないよ!」

「被弾ゼロなのです」

「はっはー、まぁもとより装甲は薄いからね~小破程度だし、大丈夫だぜ。でもどうしてもっていうなら今度お酒でも奢ってくれればいいよ」

「気合い!入ってますから。」

「ええ、榛名は大丈夫です。」

「怖かったでち…」

 

 

水着と水兵服姿の女性だけ異様に疲れたような顔をしていたが概ねケガは紫髪の癖っ毛の女性以外は無かったらしい…。だが逆を言えば一人にケガをさせてしまったという事だ…。

これからは身の振り方をもう少し考えなければいけない…当面の課題は加減を覚えることだな。

 

 

「良かった…ヲ級のおかげだよ、助かった。」

 

「おっ!?」

「ヲ級なのですか!?」

「どういうことだい?」

「あはは…さっすがですねぇー」

「ほ…本当に空母のヲ級です…」

「もうやでち!!帰らせてでちぃ!!」

 

 

ヲ級は深海棲艦で彼女たちは艦娘…敵同士ってことになる。だが、そこは関係なく感謝はしてほしいと思う。

仲良くなれるなら共通の敵にでもなれば良いんだろうか?そうすれば話し合い、協力しあえるきっかけ位にはなるだろう?

 

 

「…ダメ。ソレヲヤッタラワタシダケジャナク、皆ガ許サナイカラ」

 

「…分かったよ。えっと…実は考え事をしながら戦闘しちゃったせいで君達を沈めそうになってしまったんだ…」

 

「「「え?」」」

 

 

まぁ、そりゃあ命の危険に陥らせた相手が不注意だったのが原因と言われれば呆れるだろう…受け入れるが。

それを指摘してくれたのがヲ級と知らせれば関係の改善の目処にはなるか?…なればいいなぁ…。

 

 

「ヲ級は昨日この海域で俺が宣誓布告した後に色々話してくれたんだ…。艦娘のこと、深海棲艦の事を…だから、俺は知ってしまったからには両者に幸せになって欲しいって考えてる。」

 

 

これは、一重に爆弾発言というものだったと後に身をもって知る事になるのはまた別のはなしである。

だが、六人は気が抜けたようにポカンとしていたとだけ言っておく。

 




まだ、終わりません…ヤマトは沈まん!

頑張って今日末までに次話をあげて見せる!もうヤケクソ精神でやってみせる!
因みに明日からは更新速度は確実に落ちます。

でもやってやらぁぁーーーー!!


感想にて質問、意見、お伺いしまぁーす


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架け橋への第一歩 その弍

やったぞぉぉぉーーー

これが今の心境です。間に合ったよ…私はやり遂げたんだ…

てか強引な展開否めない…。

ではでは


で、あるからしてコスモ・ゼロとブラックタイガー、それからワケわからん機体が入ってるっていうのはどういう事なの!?

 

いや、コスモ・ゼロとブラックタイガーは理解出来るんだけどさらに入ってないはずの新しい機体があるっていう事象がそもそもの間違いだ!

そこ、一体全体どうなってんの!ハッキリしてくれよ!

 

ッハ!?

 

ご無沙汰してます。俺は宇宙船艦ヤマトです。

 

 

…この一週間で色々変わったんだよ。

先ずあのあとで起きた事を箇条書き風に説明させてもらおう。

 

 

・朝起きると何故か子供たちに囲まれています。

・ヲ級のおかげで深海棲艦さんの方々との交流する機会がありました

・襲われました

・艦娘の方々については一度大きな戦争になりましたが主砲が火を吹いた+ブラックタイガー、コスモ・ゼロを30機飛ばしたら終戦。

・提督さんに会いました

・なのです口調のちっちゃい子と友達になりました

・襲われました

・現在俺は幸せです。

 

と言うように、非常に濃い一週間だったのさ…

 

ハハハ…まさかぶちギレて波動砲充填率20%で更地を作る羽目になるとは思っていなかったよ。

でも、まぁそのお陰で共存の道が作れたなら安い犠牲だと思う。クズ一人の命が蒸発したが…

 

で、今はゆっくり出来るからゆったりしながらちょっとずつ教えるよ。

 

 

 

 

 

「ヤマトさーん」

 

「はいはい、ここにいる。で、どうしたんだ?」

 

「ちょっとしゃがんで欲しいのです!」

 

「ん?構わないけど、肩車かな?」

 

「ふふ、内緒なのですよ?チュッ」

 

「………。」

 

「…青葉、見ちゃいました…」

 

「波動砲発射用意!」

 

「何も見てません!ジョーダンです!青葉まだ死にたくありません!」

 

「それが遺言で良いのか?」

 

「あのぉ…データ消せば許してくれますか?」

 

「………。」

 

「ちょっ!?主砲に光が集まってますって!!消えちゃう、死んじゃう、笑えません!!」

 

「オールグリーン、波動砲発射」

 

「あぁ…短い人生でした」

 

パァァーーーン!!

 

「…あれ、痛くない?」

 

「ふわぁ…キレイなのです」

 

「…まぁ、俺も手加減できるようになったからこの祝いの席に華を咲かせたんだよ。」

 

「…ふっ」

 

「お、おい青葉!?倒れるな!」

 

「青葉さん!?青葉さん!!倒れちゃダメなのです!」

 

 

深海棲艦、艦娘達鎮守府の皆さんが手を取り合う世界はより一層に輝いて見えた。それはまるで俺が地球に帰還したあの日のように…色付き、世界が大きく前進した日となりましょう。

騒がしい喧騒の中にいる俺は今、とても幸せです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―ッテイウ夢ヲ見タンダ」

 

「俺が主人公の夢だったね。それと随分と長かったね。」

 

「ナンデワタシノ夢ナノニ出番ガナカッタノカ問イ質シテヤル」

 

「そ…そうか…。って、その不憫な青葉って誰なんだ?」

 

 

何か黒い靄がクラゲの口から排出されてるのをみて不味いと感じた俺は一旦会話を途切れさせ、会話の転換を図った。

結果から言えば成功。だが、お通夜みたいな雰囲気にチェンジされてしまった…。

 

 

「ヤマト…世ノ中ニハモット不憫ナ艦娘モイル。名前ハ不幸サン」

 

「不幸じゃないですよ!?それ絶対扶桑さんの事だよね!?」

 

「ドウシタ、イキナリアラワレテ」

 

「放置されただけでずぅっとここで待機させられてたんだけど!!」

 

「ま…まぁ、比叡姉さん落ち着いて」

 

 

うん、ヲ級が話してる間ずっと律儀にそこで一言も話さずに待っててくれたんだよね。決して空気が薄いからじゃないんだよね?比叡さんが憤るのを抑える子が比叡さんの妹らしい。格好も同じで武装?が同じのだった。

 

 

「ヲ級の話面白かったよ!!」

 

「アリガトウ、シマカゼ」

 

「イェェーイ!!」

 

「ヲォ…イェーイ!」

 

「島風ちゃんとヲ級ちゃんは仲良しなのです。電も仲良くしたいのです」

 

「おっ!!」「ヲッ!!」「なのです!!」

 

 

ちみっ子sは何かの儀式なのか口癖?らしきものを言い合って互いに絆を深めているし…

だが、今の混沌とした状況では一番ほのぼのした風景と言えるでしょうね…。

 

 

「ハハハ…良いさ。帰って来なかったあの子を弔わせてもらうからさぁ…」

 

「泣き上戸!?…あぁ…艦載機についてか…落としてすまなかった」

 

「全く…こんな日は飲まなきゃやってられないぜ!一緒に飲もう、ヤマト!」

 

「今度は絡み酒…誰かこの酔いどれ女性を止めてくれぇぇーー!」

 

「でち。」

 

「ふぎゃぁ!?」

 

「…あ、ありがとう。助かったよ」

 

「…気安く喋りかけんなでち」

 

「この子も酔ってらっしゃるぅ!?」

 

 

みたいに飲んだ暮れるは唯一小破した紫ツンツンさん。長いので紹介があるまでは小破さんとよぶ事にする。

さっきまでオドオドしてた筈の水兵水着さんは完全に酔ってるのか目が死んでいた。それこそいつだか見た何処かの宇宙人のような光があるのかどうか疑わしい瞳だった。

 

 

「…あ、榛名さん。あは、ははは…俺の癒しは貴方だけだ。」

 

「え、えぇぇーーー!!?そ、そんな…榛名はまだ…でも、そんな事言われちゃうと…」

 

「えっと?榛名さーん、榛名さぁん」

 

「子供は三人が良いです!」

 

「いきなり何があった!?」

 

「さぁ、あちらで一発…」

 

 

榛名さん比叡さんの妹(向こうで比叡さんがそう漏らしていたのを聞いた)はこういう会話に極端に弱いらしく暴走していた。目がグルグル巻きになる程度には混乱していたんだと思う。

みた感じは奥ゆかしそだが混乱で積極的過ぎる変態一歩手前になっている。

なんだろう…地球が病んでるってこういう事だったのかなぁ…

 

 

「ていっ!!」

 

「きゃっ」

 

「あ…比叡さん。もう、もういいんです…何も言いません…」

 

「や、ヤマトさん!?」

 

 

俺の心も折れてしまったらしくもう立ち上がりたくなかった。

昨日までの俺よ…グッバイ。

 

 




最初はまさかの夢話でした。

次の話で第一歩編は終わります。なのでまた一人につき一話の話で頑張っていこうと思ってます。
さて次は誰をだそうか考えてます。どうせなら感想にでも集めてみますか?
…あ、アンケート方式だと作者が優柔不断で駄目っぽい。

なのでアニメのほうから少し拝借するっていうのも案のひとつですね。

結果から言えば左右される可能性もなきにしも有らずですよ。


評価してくださった&お気に入りしてくださった&感想くれた&読んでくださった方皆様に感謝を込めて、ありがとうどざいました!
稚拙な文で表現力の貧困をまざまざと感じますが応援にこたえられるよう、頑張ります!

ps·評価が入っていたのが驚きすぎて画面が水浸しになりましたw


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架け橋への第一歩 その参

これで真面目に架け橋への第一歩は終了です!

その弐でふざけてた分、ちゃんとやりましたとも
もう、艦これ皆好き!!ヤマトはロマン、男の75%はロマンで出来ているんだ!

では、いっくぜぇ!!


やぁー皆。ヤマトだよ♪

 

今回は真面目にやろう。だって進んでなかったんだもん。気が付けば日が傾き出そうとしてるし…本当に笑えん。

で、ヲ級についても俺だからで納得しちゃった面々がいたのでその事についての説明は要らないらしい。

解せぬ…。

 

 

「…まぁ、ってわけで一人ここの海域に気付けば落ちてたって訳なんだけどそこで宣戦布告でああなったって訳なんだよ。で、俺はそのあとヲ級にあって会話をして今の両者の現状を把握した。そこから更にこうして色々教えてもらうようになってから試しに俺の艦載機のこれ、ブラックタイガーを射出したってわけになる」

 

「…それで現在にいたると」

 

「どう思いますか?比叡姉さん」

 

「嘘は…言ってないと思うわ。だけど…」

 

「良いと思うのです!!電はその停戦協定を結ぶべきと考えるのです!」

 

「私も賛成かなぁ~でも、実際は難しいと思うよ?」

 

「…戦わないで済む、なんていい言葉なんでちか!今すぐ結んでほしいでち!!」

 

「島風も賛成。だけど鎮守府はあくまで軍だよ?提督や元帥クラスの人達がOKしないとダメなんだよね」

 

「はい…話してみれば深海棲艦さんもこうして普通に生きてるんだって分かりましたし…出来れば無駄な被害はだしたくありませんよね…。」

 

「…だから、これは今ここでは決められないわ。鎮守府でも皆に聞いてみますけど芳しい結果は出せるかどうか怪しいですからね…でも、ヤマトさんがここで何をしようとしているのかだけは理解しました。

艦娘としてその平和へ向けての志は見習えます。お互いに気合い!入れて頑張りましょう!」

 

「ありがとう、比叡さん…あ、なら自己紹介しませんか?

仲良くしようって事で…知っての通り宇宙戦艦のヤマトです。」

 

「巡洋戦艦、比叡です!よろしく」

 

「比叡姉さんの姉妹艦金剛型の榛名です。ふつつかものですがよろしくお願いしますね」

 

「おっ!!駆逐艦島風です。速さには誰にも…負けたくなかったです…」

 

「暁型駆逐艦の電なのです。よろしくなのです!」

 

「商船改造空母、隼鷹でーす。よっろしくぅ」

 

「伊五十八、ゴーヤってみんなには呼ばれてるでち。是非ともこの戦いを止めさせましょう…でち。」

 

「深海棲艦、空母ヲ級。ヤマトノ許嫁デス。」

 

「!?」

 

「ヲッヲッヲ、ブラックジョーク。」

 

 

ヲ級はどれくらい本気だったのか分からないがあの無表情でのブラックジョークとか笑えない…。ましてや初めてあった人だと表情から読み取れないだろうから…あーうん。

 

 

「ヤマト発進!!」

 

「…現実逃避ハ良クナイ」

 

「チクショウ!!」

 

 

エンジンをバレないように静かに稼働したはずなのにヲ級のクラゲに捕まっていた。そう、あのプニプニ感触触手だよ。絡めとられるとでも言うのか、最早これは被り物じゃなく生き物だろうというツッコミは心の奥に留めるだけだった…。

 

 

「はわわわわわ!!お二人とも近いのです…」

 

「ふぅ~ん…なるほでねぇー」

 

「こ、こら隼鷹興味深そうにジロジロみるものではありませんよ」

 

「案外戦争のない世界は近そうでち!」

 

「さっきの榛名への発言は何だったんですか!妹を悲しませたら怒るよ!」

 

「島風も~」

 

「二人もくっついたら流石に…」

 

 

ボチャン…

 

ええ、そりゃまぁ…アイデンティティー的に只の戦艦になっちゃうから常に宙に浮くようにしてたよ。でもいきなり二人ものし掛かられたら落ちるよ…

ヲ級も冗談半分真面目半分でやってるもんだから叱りづらいし、はぁ…ビッショリだ…

 

 

「ヤマトさん!?」

「島風ちゃん大丈夫なのです?」

「綺麗に落っこちたでち」

「そんなこと言ってる場合じゃないんじゃないかい…」

 

「だ、大丈夫だ…島風もヲ級も…」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「あはは、まぁいきなり飛び付くのは島風が危ないから気をつけような?」

 

「うん!」

 

 

落ち込みそうになってた島風を慌てて撫でる。…現在進行系でヲ級のクラゲだけは張り付いてる為に格好はつかないがそれでも悪い気はしないのか素直に撫でられる島風。

駆逐艦は素直なのが一番だ。純粋に、真っ直ぐな所が可愛いと思う。

 

 

「で、ヲ級はいつまでコレくっ付けてるんだ?」

 

「逃ゲヨウトシナケレバソモソモクッツカナカッタ。」

 

「はい…全くもってその通りです…」

 

「ヨロシイ」

 

 

俺とヲ級のやり取りが面白かったのか比叡さん方は笑っていた。

それにつられるように俺とヲ級も二人で顔を見合わせると一緒に笑いあうのだった。

 

 

 

 

「では、私達はそろそろ鎮守府に戻りますね」

 

「そうですか…ま、俺は常にここにいますから暇なときにでも話しましょう。鎮守府でヲ級と会うのは出来なくてもここでなら敵である事も忘れて一緒にいられますから。」

 

「ヲっ!!マタ会オウ。アノ話モ提督ニ進言シテクレテルト嬉シイ」

 

「勿論です!ヤマトさんがイイ人だって分かったのでお姉さまや皆に話して賛成の仲間を増やしてみせます!」

 

「島風も駆逐艦の友達達に話してくるよ!!ヲ級と友達だって!!」

 

「島風…アリガトウ」

 

「バイバーイ」

 

「潜水艦子達もきっと喜ぶでち!戦争反対!オリョクルは嫌!」

 

「うん、またおいで。ゴーヤとおんなじ考えの子が増えればきっと戦争は無くなる筈だから」

 

「絶対でち!約束でち。じゃぁね~」

 

「ま、これで永遠の別れって訳でもないし今度は飛鷹もつれてくるから一緒にお酒でも飲もうよ~」

 

「あんまり羽目外しすぎるなよ?愚痴程度なら幾らでも聞いてやるから」

 

「あんがとよ~」

 

「電ももう行くのです。雷ちゃんや暁ちゃん達にも仲直りするよういってみるのです。

電の夢は平和で誰も傷付かないことなのです。だから絶対にあの話を実行してみせるのです!」

 

「うん。お互いに頑張ろうな電。俺もユキカゼに誓ったんだ。きっと幸せにしてみせるって…だから難しくても苦しくても諦めない。あの時とおんなじように…」

 

「ふわぁーー…はいなのです!」

 

「…榛名はヤマトさんのことを全然知りません。そしてヲ級ちゃんや深海棲艦の皆さんも…でも今日1日話して分かりました。きっと、知らないから怖い。戦うしかないって考えてる子もいっぱいいるはずなんです。

救ってあげましょう。榛名もヤマトさんに救ってもらったように、皆の平和のために頑張ります!」

 

「これがきっかけになるなら俺は幾らでも手を貸すから。俺は深海棲艦さんの方を説得してみるから、榛名さんは鎮守府をお願いします。」

 

「…榛名」

 

「え?」

 

「榛名って呼んでください。」

 

 

一瞬何を言っているのか分からなかったが彼女なりの決意がその強い瞳から見てとれる。

きっと、対等な立場で、手を繋いでいたいという事なんだと思う。…俺は架け橋になる大きな一歩を踏み出せたんだって思ったら嬉しかった。人を運ぶだけだった俺が平和を築く一歩になれたんだから。

 

 

「…榛名、頑張ろう。」

 

「ええ!!」

 

 

頑張れじゃなく、頑張ろう。俺はまだまだ進んでいく。止まらない。

それが俺の使命であり、願いだから




終われば儚い花である。

by 作者


いや、燃え尽きてないですよ?ただ、しめるならしっかりしめたいじゃないですか?
なのでこの格言(仮)を思い付きました。


評価、ありがとうございます。皆さんがこの作品をどう見てるのかよく分かりますから嬉しいです。感想は読んで頂いた皆さんとの触れ合いが嬉しいです。
読んでくださったら、UAの方に数で出ますので嬉しいです。

って、結局全部嬉しくなってますね…その通りなので撤回はしませんよ?フリでもないっす。
では、次回お会いしましょう!

にっこにっこにー

(次回のキャラを超微妙に間接的なヒントです!)

1/25 8:00位に準鷹→隼鷹に治しました。


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これは夜戦ですかね?…奇襲じゃないかなぁ

一度投稿しましたが、前書きと後書きを書かないという失態をしました。
なので編集中ナウです。

…我がことながらバカですな。


夜戦…夜戦…フッフッフ。

そして、前回の後書きのにっこにっこにーの意味は…
さあ、答えあわせはすぐそこだ!


…zzz

 

うぅーん…そこは駄目…痛い…那珂ちゃんって誰やねん。知らない子ですね。

 

 

「何でそんな事言うのぉ!!」

 

「ビクッ!?」

 

え、何?何が起こった?敵襲か!?

おかしい、敵意もないから寝てた筈だ…まさかそれすら気取られずにここまで接近したというのか!?貴様…もしやガミラス帝国の手先か!!

 

ガシャン

 

 

「ヒィィー!?那珂ちゃんのせいなの!?」

 

「我が前に敵はなし!あるのは的だけだ」

 

「わぁー待った待った!敵じゃないよ!!寝ぼけないで起きてぇ~…」

 

 

その声を聞いて何か異変に気付いた。よし、落ち着こう。状況を冷静に判断できない事は死を招く。以前沖田艦長は大体常に冷静に対処してたはずだ…。

うむ、俺は数日前にひょっこり此処に存在してたヤマトとして意識のある生物。で、俺の存在また宇宙での出来事は無かったことになっている。

仮定をたてるなれば、同じ地球だが違う世界…だろうか。もしそうなら現実は小説より奇なりってものだろう…。

だが、現に俺が人の形をしている事が証拠では無かろうか?…謎は深まるばかりである…。

 

なら、今の俺は海の上に居て寝ていた事になるな…。で、声の主は島風に似ていたような気もするけど違うな。

なら…あ、アイマスクしてたらなんも見えないのは当たり前だった。

 

構えた砲身はそのままに対閃光防御用ゴーグル(仮)を頭に持っていく。

 

 

黒く覆われていた視界はだんだんと鮮明になっていく。まっ暗になれていて明るい星たちの光が眩しく、直ぐにはその声の主を見ることは出来なかったがもやっとした像はニョロニョロしてた。

 

…訂正、手を上げて涙目になっていた。

 

 

「…こんな状況で悪いが先ずは自己紹介をしよう。俺はヤマトだ。」

 

「か、艦隊のアイドルの那珂ちゃん…です。」

 

「では、どうしてこんな時間にここへ?」

 

「明るい時間だと皆にバレちゃうから…」

 

 

その事を聞き、視界に皺が寄るのを感じた。

…やっぱり軍隊ともなると一筋縄じゃいかないという事か。勝手な行動は軍法ものだが、己の危機に対して過敏になる姿勢は敵ながら天晴れでもある。正しい判断でもある。

 

 

「気にいらなかったって事…なのか?」

 

「え、い…いきなり言い当てられた!?」

 

「詳しくは話さなくても分かる。今の見た目はこれでも、俺は歴戦の艦だ。」

 

「へぇ~そうなんだぁ。それは知らなかった。」

 

 

やはりいきなり現れた俺があんな不遜な物言いをすれば反感を買うのは自然の摂理と同じ、当たり前の事。彼女はそんな身勝手な行動が気に入らなかったのだろう。たぶん、それ故にこうして深夜の時間に暗殺を企てた。

そんな所が妥当だろう…。

 

戦いが好きな人間や、規律を遵じる軍人、彼らには俺が邪魔な存在に映ったのだろう。

 

 

「…いきなり現れた上に要らぬ刺激を与えた。無為な行動だったと反省してる。だから互いに話して蟠りを無くそう…。互いに知れば出来た誤解という痼は直せる。歩み寄る精神が恨みや復習を切り止めるきっかけになる…そう、俺は考えてる。」

 

「へぇ…なんか凄い!那珂ちゃん難しいことはあんまり分かんないけど凄いカッコいい事いってるってことは分かるよ。流石歴戦の艦!!伝説の艦!」

 

「…伝説の艦だなんて大それたものじゃないさ。今は皆と同じ、考え、間違い、壁にぶつかる存在だよ。だけどそれでも進み続け、もがき続ける姿勢は俺は大好きなんだ。…人間は過ちに気付いたとき直す事ができる。間違いを認め、突き進む糧にすることができる。

俺はそんな皆の未来を守る手伝いをしただけに過ぎないんだ。」

 

「…その気持ち、なんだか分かる気がする。」

 

「あはは、そりゃそうさ。君たちは俺と同じ、皆の期待と希望をその身に抱えて守る方々なんだから。」

 

「うん。艦隊のアイドルの名は伊達じゃないんだから!」

 

「あぁ。応援してるよ那珂。」

 

「ふぇ!?ちょっ、アイドルは恋愛禁止なんだよぉ…なのにあんな顔されたら…」

 

 

今の那珂は凄い生き生きしてるように見えた。出会って間もない俺達だけど、ヤマトとしてそして戦い抜いてきた者として大切な志は伝える事が出来たような気がする。

若い子らはこれからもきっと進んでいく。

 

どんなに辛い壁にぶつかっても乗り越えていくだけの力を持っている。

 

嬉しくなるのと同時に誇らしい。

俺も沖田館長も、担う事になる全ての者逹の未来を救う事が出来たんだ…

 

 

「…ヤマトは…ヤマトはこれからどうするの?」

 

「ん?もう用事は良いのか?」

 

「目を見れば全部分かってる癖にちょっと意地悪だよぉ。」

 

「ごめんごめん。そうだね、お詫びにしっかり言うさ。」

 

 

那珂の瞳は濁っていない。綺麗で透き通るような純心な瞳で俺を見ている。

間違いをただしたのだろう。

 

 

「俺はこの世界を…いや、皆が笑っていられる場所を守りたいんだ。それはずっと変わらない俺の心だ。

深海棲艦の人、艦娘の人、…皆が皆生きている。考え、もがき、一生懸命に各々の幸せに向かって苦しんでるんだ。俺はそれを救いたい。その手伝いをしたいんだ…。だから、互いによく知りもしないで傷付け合うこの悲しい戦いに終止符を打つ。先ずは対話させることで両者にとっての架け橋になれればいいなって考えてるよ」

 

「うんうん。ヤマトなら出来るよ!皆笑っていられるってとっても、とぉっても良いことだよ♪」

 

「だな。だから、那珂はずっと皆の笑顔の象徴、アイドルで居てくれ。」

 

「まっかされた!より一層頑張っていくよー!!」

 

 

アイドル、それは見ている物を笑顔にさせる人の事。

形は違えど、俺と同じ夢を掲げる凄い人達。俺は言葉にしなかったが、笑顔にそして元気づけるその姿は眩しく美しいって思っている。尊敬すべき人だと思っているんだ。

 

 

「…頑張って!」

 

「うん、頑張る!だからヤマトは私の横 特等席で私の姿、見ててね♪」

 

「ああ!」

 

 

この世界も地球。守るべきもの。俺は本当に色付いたあの世界を救えたんだっていう実感が沸いて泣きそうになったのだった。




という訳で、。タイトルで夜戦バカこと川内さんと思わせての艦隊のアイドルでした~
那珂ちゃんファンの皆さんは歓喜しましょう!
にっこにっこにーはアイドルというヒントだったという事で、正解者には拍手!!

カーンカーンって音は何処からも聞こえません。幻聴しかないんです!

書いてて思いました。那珂ちゃんイコールごちうさのココア…。
…あはは、まっさかぁ中の人ってだけですからね?

汗なんかかいてないやい!


今回は勘違いとすれ違いにより、フラグが立ちました!え?チョロすぎないかって?
吊り橋効果って知ってますよね…。フフフ。

そして那珂ちゃんが気に入らないというのは、自分より話題になっているからという理由でした。本文では書けませんでしたが、ここでの補足で許して下さいませんか?

…というわけで那珂ちゃん回でしたがどうでした?どうか提督の皆様にはカーンらないで欲しいです…

では、また明日…会えれば良いですね…(震え声)
ええ、作者は大丈夫です!

チュドォーン。

戦艦に撃たれれば死にますよ、榛名さんぇ…


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深海の生態系、彼女らの祈り

学校があると、途端に執筆速度が落ちますね…。

でも、頑張ります!

ん?前回の後書きで撃たれなかったか?ですか?
これからは容易に物真似をしないことを胸に深く刻んで、爆風にさらされれば…はい、復活という事です!

こら、そこ!!茶番乙wとか言わない!
…では、始まります。


今俺はなんとなくぼんやりしている。

たしか日本に雪に関する歌で「犬は喜び庭駆け回る」というものがあったっけな~とか考えていた。

 

因みに俺は猫と一緒に炬燵でヌクヌクしたい派の艦です。

 

元気はある。だが、おこたの魔力はそれすらを上回る…というのが持論なんだ。

波動砲一回分のエネルギーと炬燵で交換したいぐらいだよ。

 

 

…で、回りに回って誤魔化したがまた起きたらなんかいた。

 

昨日は夜に叩き起こされ、今度は邪魔されなかった代わりに目の前に正座(おすわり)待機されてた。

一瞬寝惚けてるのかと思ったが違った。さらに寝起きの人がいるのに前で暴れるのもやめてほしい。…いや、暴れるっていうのもアレだけど走り回ってる。

 

そして何匹かの一匹が俺の膝に手を乗せて遊べとでもいうかのような感じで見てる。

 

走り回る黒い奴ら(ゴキブリにあらず)は四匹たぶん駆逐艦

見てるのが一匹と俺と同じように地平線を見てたのが二匹 計三匹は軽巡洋艦

そして後ろでドドドドドとか口で言ってる変な立ち方をしてるのが一人。

 

最後の一人は唯一で人の形をしていたがなんか個人的に変な人には関わりたくないのが本音だ。

 

 

「よーし、じゃあ行くぞ?そりゃぁーーーー!!」

 

たまたま見つけた流木を全力で太陽の方向に向けてぶん投げた。

あーら不思議、流木は星になりました。いや、実際はスコープで見てもキツイぐらいに見えない小ささになって遠くに飛ばされたってだけなんだけどな。

 

走り回ってた四匹は知能も犬並みなのか追いかけて行っちゃった。そして見つめてた一匹も数瞬の戸惑いを見せながらも駆逐艦達の後ろを追いかけるようにあっちの方に行った。

残った軽巡二匹はお茶でも飲んで日向にいそうなお祖父ちゃん位の無関心を突き通している。

 

いわば、敢えて無視したはずなのに結果二人(お祖父ちゃん二名はどうしようもないので数に入れない)の空間が出来てしまう。

いじける一人は無視された事でガッカリしていた(みたい)だったが、その事にようやく気付いたみたいで生き生きしながら話しかけようとしていた。

 

 

「ヲ級、カラキイタ…ヤマト」

 

「あー、ヲ級関係か。なら自己紹介は要らなさそうだけど一応ヤマトです。」

 

「チ級。重蕾装巡洋艦 コチラハタタカウイシハ…ナイ」

 

「…それは深海棲艦全体の決断?それともチ級だけの意見か?」

 

「ワタシ ト ワタシ以下ノ全体の意見。」

 

 

総じて深海棲艦の方々は皆、ポーカーフェイスなのだろうか?いや、声のトーンの微妙な上がり下がりで全く分からない訳ではないのだが、それでも少し分かりづらいのは否めない。

チ級はフンスっ!!とでも言えば良いのか自信満々に返してきたのだが、顔色はあんまり動いていない…てか仮面みたいなのがついてて見えない。

 

 

「以下?位付けがあるのか?だとしたら群れみたいな感じって事で間違いない?」

 

「アアソウダ。位ワケ ハ 級デ判断サレル。シタカラジュンニ、イ ロ ハ ニ ノ順番デ分ケラレル。ソレカラ番外 トデモ言エバイイノカ、『鬼』『姫』ナドモイル。後ハ ソノ級ノ中デ、フラグシップトイウ特殊ナ存在 モ発見サレ、タ」

 

「そういう所は艦娘とは違うって事か。より生物らしく生きるって言えば良いのか、純粋な縦社会なんだな。」

 

「ソレガ 全テダッタ」

 

 

チ級は落ち着いた様子で諦めたような顔をしていた。本当にそれが全てであるように。

だが、何か違和感を感じる…何か大切な何かを見過ごしたような そんな小さな違和感。…青色に光る瞳は揺れている。何かに期待するように、新しい玩具を貰った子供のようなそんな無邪気な揺らぎだった。

 

 

「ワタシタチ ハ チカラデ 統べルノガ 無言 ノ 掟。強者ハ正義。ダカラチカラ ニハ集マル。今ノヨウニ」

 

「…?今?」

 

「…気付イテナカッタノカ?駆逐ハ単純ニ 気ニ入ッタノダロウガ、ワタシヤ、ヲ級、人ノ形ヲシテル者 ハ シッカリシタ意識ヲモッテ イル。ヤマトニ引キ寄ヨセラレル ノハソノ大キナチカラガ原因。」

 

「へぇ~…え?じゃあ、これからはチ級やヲ級みたいな賛成派も寄ってくれば、逆に反対派の戦闘狂な深海棲艦さん方も引き寄せるって事か!?」

 

「チカラハ言ッテシマエバ 光。光に寄ルノ 生物ノ摂理。」

 

「…問題は山積みってことかなぁ。戦闘にならなきゃ良いけど」

 

「フフ、頑張レ。下ノ者ニチカラヲ示スコト 王ノ定メ」

 

 

…王!?

少し待て、王ってなんだ!?初耳だし、戦艦が王様って変じゃないか?考えすぎならいいが言い回しが何か外堀を埋められてピンチになったときの感覚に近いぞ!?

 

 

「フフ、ジョーク。反応イイッテイウ、ヲ級ノ話ヲキイテ 試サセテ貰ッタ。ワカラナイ気持チダ ガ、ナガラク忘レテタ物ガ甦ルヨウナ…ソンナ気持チニサセテクレル。」

 

「…困らせて楽しむのは止めてくれ。心臓に…があるかは分からないが悪いんだよ。」

 

「フフ、イヤ♪」

 

「…ったく」

 

 

今までで一番嬉しそうに言うもんだからこっちとしても強く言えないだろうが…。そういう所は反則だと思う…

遠くから駆逐の…一つ目の奴が俺が投げたと思われる流木(波に衝突したのか幾分か小さくなってる)をくわえて泳いできてるのが視界の端に映った。

 

 

「…ワタシタチ ハ 弱イ。戦イデハ ソレコソヤラレルダケ…ダッタ。デモ、ヤマトハソレ以外ノ道 オシエテクレタ。幸セニシテクレルッテイッタ…私達は信じていい?」

 

 

声は相変わらず片言。だけど、流暢に聞こえてくる…一つ一つの言葉が染み込んでくるように…広がる。

信じていいのか…幸せにしてくれるか。

 

 

「只やられるだけなんて、そんなかなしい事言うな。

そんな未来は来ない。来たとしても俺が打ち砕く…。戦いは奪うものだ…だが、守るための争いでもあるんだ。

戦いで、誰も傷付かないで住む世界を作ろう。誰もが笑える、誰もが救われる、そして誰もが幸せになる権利があるんだ。だから、今は俺を信じてくれ」

 

 

俺は、只不幸と思ってる人に幸せへの渇望を忘れてほしくない。

求め、足掻き、手を伸ばす…それが生きることだって信じてる。それを忘れてしまえばそれは生きる意味を見失ない、色は失われてしまうようなきがするんだ…。かつてがそうであったように。

 

 

「共ニイルコト ガ 出来ル事ヲワタシハ誇リニ思ウ。

シンジテルカラナ…ヤマト」

 

「おう、任された。」

 

 

足元で流木をくわえる駆逐が誉めて誉めてと見上げている。それが微笑ましくて持ち上げ、胸に抱く。

そして頭を撫でる。

なし崩し的に流木追いかけた子らが駆逐を羨み、次々にくっついて撫でるように言ってくる。それを苦笑しながらも撫でまくった。

少し疲れたが、これも良いなと思えた。

 

俺はそんな中チ級と共に、いつか世界が平和になる事を祈り傾いていく太陽を眺めたのだった。

 

 

 




沈む夕日に祈りを捧げる。

絵になりますね~

補足をいれるとすれば
今回はチ級さん、深海駆逐sことイ級、ロ級、ハ級、ニ級さん方、深海軽巡のホ級、へ級、ト級さんらが登場しました。

見つめてた軽巡はホ級で流木をくわえてたのはハ級です。

チ級さんはバ可愛い…イメージで最初は書いていたはずが普通になっていた。これは何て言うデスティニーでしょうか?


はい、私の表現力による代物でした。

では、次回は…未定です!
いっそ、天丼しようかなぁ…


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月の灯りと星の瞬き

今回も夜のお話です。

ええ皆様が何を言いたいのかは分かっています。
…昨日は家に帰れば疲れてぐっすり、気付けば日付けが変わってました。焦りました…
楽しみに待っていてくださった方々に謝罪させていただきます…


誠に申し訳ありませんでした。


…。
では、謝罪はここいらで切ります。

お楽しみ下さいませ!


今日は楽しかった。

チ級には弄られたが、イ級達駆逐と仲良くなり遊んだ。

 

ホ級と俺で横になって日向ぼっこして寝てたり、へ級とト級と水平線上を眺めてボーッとしたり、チ級が何処から持ってきたのかお酒を一杯だけ飲み、駆逐艦に揉みくちゃにされる。

 

そんな感じで夜を迎えれば、その喧騒も急に静かになる。

皆と別れた途端に名残惜しくなってしまうのは楽しかったが故だろう。

 

 

「あー、全くもって月が綺麗だね」

 

「なっなぁ!?」

 

「はい?」

 

 

月は煌々と光る満月。海の上は星や月以外の光はないため、より一層と光輝いて水面に反射させる。

辺りは真っ暗で何も見えなく、只只星が静かにその光を放ち続けるだけだった。

 

…この声の主は一体誰なんだろうか?

昨日に引き続き那珂がやってきたのかもしれない。丁度ぼんやりと見える輪郭から察するに那珂位の背丈だった。

 

 

「ここ、こ…こんばんわ!となり大丈夫!?」

 

「なにをそんなに焦ってるんだ?今という一瞬は刻々と過ぎているが、月は直ぐには逃げない。落ち着いて心を静かにして見ればまたその情緒を深く感じれる。

…まぁ、好きにしたらいいんじゃないかな」

 

「そ、そうか…失礼するな?」

 

「…いや、確かに隣良いとは言ったが近くないか?」

 

「お前の見る月と同じ月が見たいんだ…。」

 

「…そう。」

 

 

うん…近い。どれくらいかというと肩と肩が触れ合ってる。触れ合う位近いじゃなくてぶつかっちゃってる。意識したら余計恥ずかしくなってきたぞ…。心なしか、いい匂いが…この話は止めよう。変態みたいじゃないか、婦女子に対してこの愚行は我が大和魂に反する。けして照れくさ過ぎて顔が真っ赤になってるのを隠したいという訳でもないからな

 

 

「…確かに綺麗な月だ。星が燦々と輝くのとはまた一風違う落ち着いた光は趣があって良いものだ」

 

「…いや、そうなんだがなんでそんなに早口で捲し立てるような喋りなんだ?

恥ずかしいなら離れようよ。俺だって何も感じない訳じゃないんだぞ?」

 

「ふふふ、そっか…。」

 

「あぁ。俺だってここに来て幾らか経つが感傷的な気分になりたい時もあれば騒ぎたい時だってある。俺は波動砲を撃っただけだけで特に何かしたわけでもない。一緒にするのはおこがましいかもしれないが君達と同じ人だよ。

色々やらかして誤魔化してても抱えている物が軽くなる訳じゃないさ。全てを投げ出して楽になりたいって思う。だが、放棄したくもないと思ってしまう自分がいる。誰かの不幸を背負い込んででも救いたいなって…結局人っていうのは傲慢な生き物なのかもしれないなぁ。」

 

「…なんか意外だよ。貴方みたいになんでもできる人って理解者がいないからこそ孤独になっていくって思ってた。孤独っていうのもなんか違うような気もするけど、そういう感じって孤高?とも言い替えられるのかな?

自分から茨の道に進んで成功を納めてるんだって勝手に考えてた。」

 

「そんな大層な物じゃないんだよ。結局は自分が好きな物を突き詰めていったが故に無我夢中で突っ込んでいって、気付いたら一人になってるっていうのが真実なんじゃないかな?

バカと天才は紙一重ってね。愚か者は嫌いだけど…俺は愚直で真っ直ぐなバカな奴は大好きなんだ。」

 

「バカが好き…」

 

「バカって貶す時に使われる言葉だけど一つの事に一生懸命になれて周りが見えなくなる位に打ち込める人の事をいう誉め言葉でも有るんだよ。…まぁ頭が悪い人をバカというけど違うことをやらせたときに天才的な位に熱中する人ばかりで、一緒にいると楽しいんだ。才能のない奴なんていない。きっと、それを気付けないだけで自分にあった物があるんだ。それに気付けるかどうかは分からないけどな。

…長くなったけど俺が言いたいのは、バカっていうのはカッコいい言葉ってことだ!」

 

 

あれ、そういえばなんでこんな会話になっちゃったんだろう?確か、俺が波動砲撃って後悔してたってぶっちゃけ話をしてただけなのになぁ…。なんでバカと天才の話になってたんだろう…話すりかわっちゃってるじゃん!

 

隣に座る彼女はそんな話を真面目に聞いてくれている。だが饒舌になっている事から察するに一杯だけしか飲んでないのに案外酔いが回ってるのかなぁ…って感じてる。正直隣の子にも悪いなって思うよ?でも真剣に聞いてくれるから嬉しくなっちゃって思わず語っちゃったって訳。

 

 

「…俺が話すだけで悪かったな。月が綺麗なんだ、嫌なことや些細なことなんて忘れるに限る!」

 

「だね♪私も鎮守府内でよくバカにされるんだけど、貴方の話を聞けて良かった。ここに来て正解だった。

綺麗な月も見れて、悩みも丸っと解決!貴方にも出会えた。」

 

「うぅん?ま、君がこうして良かったって思えるなら話して良かったよ。」

 

 

隣の少女は嬉しそうだった。微かな星の瞬きで笑っているのがうっすらと見えた。

俺が彼女の心を救ってあげられたのならそれで全部良いんだよ。細かいことは気にしないに限る!

あー、こんな時は一先ずお酒がのみたいねぇ~…

 

 

「君っていうの止めない?私は川内。川内型の長女姉で那珂の姉よ、よろしく」

 

「ヤマトだ、そうか…那珂のお姉さんだったのか。うん、那珂姉妹っていうだけあって綺麗な笑顔だ」

 

「も、もう…茶化さないで!」

 

「はは、すまない。」

 

「ふ、ふんっだ。…でも許してあげる。

こんなに素晴らしいものを見せてくれたんだもの。たぶん私は一生この日の月をわすれないかな。…だって、ヤマトにプロポーズされた月だもん」

 

「………?え、あ…うん、そうか」

 

「…もう、私は鎮守府に帰るけど貴方も気を付けてね♪」

 

「…バイバイ?」

 

 

川内は行ってしまう…。

あれは何て言う爆弾だ?それとも魚雷?プロポーズってなんの事だ?えっと…俺が誰にプロポーズ?

川内?ん、なんで?

 

よくわからないけど、混乱してる頭では何を考えても無駄だろう。今日はもう寝よう。きっと、疲れてるんだろう。

明日考えよう…うん。

 




夜っ戦夜っ戦♪な川内さんでした!

当初はアホの子スイッチで川内さんに「どう?これから私と夜戦でも…しない?」
という台詞を入れようとしたんですけどそれやってしまうと榛名の二の舞パート2になっちゃうなと思ったのでちゃんと段階を踏んだ上でやってやろうと決意をしました!

…段階って何でしょうね?

気が付いたらプロポーズしちゃってるのに段階もクソもへったくれも無いですよって所ですね。分かります。


皆さんお分かりだと思いますが一応としてです。
月が綺麗ですね…というのがプロポーズです。うろ覚えですが夏目漱石がI love youを訳す際に月が綺麗ですね…と言ったという逸話とかだった気がします。

夏目さんはロマンチスト←これテストに出ます。(虚偽)

まぁ冗談もこの辺で、ではでは~


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???さんの(非)日常1

…あ、やべぇ。

どうも皆様こんばんわ!
お気に入り件数が増えているのに気付き舞い上がって狂喜乱舞する日々をおくるのが最近のmyトレンドです!!

また気付くとやっている~編シリーズ。今回はsideが使われています。ヤマトは出てなかです。…あれ、これ詐欺やないかと気付きヤバいと知りました。

…だ、だすさ…きっと…(震え声)

では…覚悟決めて逝きます!


side???

 

え、なにこれ?

何がどうなってるんだよ…

 

電ぁー!!ちょっと、電ぁぁー!!

heip me!!

 

居ないならこの際誰でもいい!誰かぁーーー

 

 

「うっさいです。少し静かにしてもらえませんか?今いったい何時だと思ってるんですか?いい加減にしないと島流しにしますよ」

 

「ちょ、不知火さん!?僕、仮にも上司。」

 

「なるほど、パワハラですか…。」

 

「なんでっ!?」

 

 

不知火がすっごいご機嫌が斜めです。何故ですか?天国のおばあちゃん教えてください…。

 

 

「…貴方のお婆様はこの前元気に長門さんと腕相撲して勝ってたじゃないですか」

 

「え!?なにそれ初耳なんだけど!!?」

 

「本当に静かにしないと流しますよ」

 

「それだけで流刑!?」

 

「ッチ!!」

 

「すいませんでした!!」

 

 

皆さん、提督である僕が何故か土下座させられてます…。最近妙に例の爆弾ことヤマトについて多大な噂が流れはじめて胃が荒れに荒れ、2日で三キロも痩せこけた僕はなんやかんやで鎮守府での力関係が最下層になりつつあります。

頼みの綱の秘書艦さんの電は何故か部屋から出てこない。霧島も最近姉とかが気になる人が出来たとかでそっちに付きっきりで扱いが雑になってきてるし、目の前の方は現在ゴミを見るかのような目で見落…見下してますし…。

不機嫌を隠そうともせず殺気立っていて、今にも僕という存在の命の灯火が消えかけてます…。

 

もうやだ…。おばあちゃんは人外に足を突っ込んで、問題を上官に報告すればやつれた様子で君が対処するんだとかいって煙を巻いて逃げやがった。元帥に相談に行けば疲れてるんだよねって優しい顔して無言で胃薬とか睡眠薬とか持たせるんだもん…。僕頑張ってるよね!?なのに扱いは清掃係と変わんないパシられっぷり…。

 

 

「アハハ…泣いて良いかな、僕」

 

「何ですか、藪から棒に…気持ち悪いので止めてください。」

 

「………」

 

 

るーるるー

泣いてなんかないやい!これは心の汗なんだ!!

 

部下に気持ち悪いって言われたー、しかも真顔で!!冗談とかそんな雰囲気じゃなくてマジな奴だよ…これ…

 

 

「何か不知火に落ち度でも?」

 

「もうやー!!お仕事したくない!おうち帰るぅー!」

 

「なるほど…新米である貴方がボイコットですか提督。なら私にも考えがあります。ええ、準備は既に整っています。是非とも船に揺られて、好きなだけ旅に出て癒して来てください。何、大丈夫です。鎮守府内のことは私や妹達、霧島さんや大淀さんで回しますので。」

 

 

考えがあるって言われた瞬間ボコボコにされてフン縛って中庭の木に吊るされるビジョンがよぎったが、そんなことなかった。旅に出て良い?それも手配済み?癒してほしい…うわーん。嬉しい!嬉しい。

落として持ち上げるってこういう事なんだ!感謝で心がいっぱいです。

 

 

「…え!?そんなに僕の事を親身に考えてくれてたの!?」

 

「…親身かどうかは分からないですけど、最近よく考えていたのは本当ですよ?」

 

「…うんうん。僕は良い部下を持った…幸福者だよぉ」

 

「で、どうするんですか?提督自信が決めなくては行けないので、覚悟が決まり次第お願いします。…私の気が変わる前でしたら構いません。」

 

「…うん。お言葉に甘えさせてもらうよぉ不知火♪」

 

「そうですか…では、これをお願いします。」

 

 

一瞬親の仇を見るような険しい顔をしたような気もしなくなくも無いんだけど見直した時には何時もの無表情になってたしきっと気のせいだよね!

それで渡されたものは白い襷だった。

 

「これは…?」

 

「はい、サプライズなので見えないように目を覆って隠していて下さい。とって良いと言いますのでその時に外して下さい。」

 

「なんか本格的だね…。うん、ワクワクするよ!」

 

「そうですか…。ではどうぞ。」

 

 

そう言われた僕は渡された襷で目を覆い、更にぎゅっと目を閉じる。より楽しむために耳も閉じておく。と言ってもそんな芸当人間である僕には出来ないんだけどね♪でもそれぐらいに聴覚からの伝達情報をシャットアウトしたんだ。

 

…イラっ

 

そんな擬音が聞こえたような気がしたけど気のせいだよ、きっと♪

 

手を引かれて、引っ張るようにドンドン進んでいく。全く聞かないようにしてたんだけどさっきより一層に潮の香りが鼻の奥をツーンとさせる。ザザァーなんていう波の音も聞こえる。

きっと、豪華なクルージングとかじゃないかな?

 

まだ日が出てくる前の早朝で、早い時間だけど船を態々出してくれるなんて…手間がかかったんだろうなぁ

 

さっき見たまるで木が飛んできて刺さったみたいな跡なんてどうでも良くなるね!

 

 

そして不知火に前へ三歩ほどお願いしますと言われ、指示に従う。

足元が揺れているのを考えるに此処は港で、やっと船に乗り込んだという事でしょう。えぇ、心が踊るようです。さっきまでの嫌なこと全部が水に洗い流されたようです。

 

 

「…ありがとうね、不知火。」

 

「いえ、私は実行しただけに過ぎませんから!計画してくれたのはなんと摩耶さんです。」

 

「えぇー!?あの摩耶が!!?いつもボロクソ言ってくるからてっきり嫌われてると思ってたんだけど!」

 

「…だからじゃないですか?」

 

 

不知火の言葉に驚きが隠せないよ…。悪口だけで敵棲艦を沈められそうなあの摩耶が私の為に計画を立ててくれるなんて…

ジーンって来たよ!もう、襷着けてるけど涙が出てるよ!

 

 

「あ、何か動いた気がする!どうなの、不知火?」

 

「ええ、動き始めました。…もう少しだけ外さないで下さいね?」

 

「うん、まだ何かサプライズが在るんだよね♪」

 

「ええ、勿論です。大切な大切なのが…ね。フッフッフ…」

 

 

自信満々だ、凄い!何時もはいつやられるかってビクビクしてたけど仲間に引き入れるとこんなにも心強いなんて!流石不知火だよ!!

 

 

「…もうそろそろですね。ではどうぞ。」

 

「分かったよ!ふんふふふーん♪って、え!?」

 

「では、どうぞ好きなだけ揺られてて下さいね♪」

 

 

ちょ、えぇぇーーー!?何で?今までで一番の笑顔だよ!?確かに船だよ?船だけど此はどうなの!?

摩耶が計画して不知火が実行したってこういうことだったのぉーーー!!?確かにあれだけ普段からちょんけちょん(死語)に悪口言って、嫌ってたらそりゃこんなぶっ飛んだ計画もたてるよ!

疑いの余地すらなかったよ。でも誰がこんなの予測できるんだよぉーーーーーー!

 

 

「…大丈夫ですよ提督。流してるこの海域は戦闘が一切禁止してるあの提督さんが毛嫌いしてるあの魔の海域ですから♪それと秘書艦の電ですけど、これやるって言ったらヤマトさんによろしくなのです!…とおっしゃってましたよ」

 

「え、電もグルなの!?僕ってその実艦娘の皆様に嫌われてた!?」

 

「何を今さらですか。アレだけセクハラしておいて憲兵さんにつき出されないのが不思議な位です。…チッ、使えねぇな。」

 

「ちょぉーー!?不知火さん!?今女性がしちゃいけない顔をなさってましたよ!?」

 

「…不知火に落ち度でも?」

 

「不知火ってその言葉で全て済むと思ってない!?」

 

「やかましいです。…もし帰れればその時はヤマトさんについての話も聞かせてくださいね」

 

「え、今もし帰れたらっていった!?」

 

 

そう言って踵を返す不知火。え、待って!?冗談デスヨネ?これ冗談ですよねぇ!!?

ちょ、宿舎に戻ろうとしないでぇぇーーー!!全て僕が悪かったですぅーーーなので返ってきてぇ。come backーーー!!

 

 

「その時たま、流暢な英語を言うこともイラってします。」

 

「それだけ!?」

 

 

振り替えってみれば冗談でよかったとホッとしたらそんな御無体な事を言われてもう興味がないとでも言うかのように後ろ髪を引かれる様子が一切合切なく見えなくなってしまう不知火。

 

 

「………。ぐすっ…ひっく…うぅ…。」

 

 

僕はただただ泣いた。

ドラム缶で丈夫に作られた大きな船…いかだよりは頑丈そうだけどその真ん中にポツンと存在してる座布団の上でさめざめと膝を曲げ、袖で涙を拭う…。

 

…セクハラはダメ絶対。そう気付いた時には海の上で流刑…温情は一つもない結果でした。

女性は強く、厳しく、時に冷酷なのだと心に深く刻まれました。

落として、持ち上げて、地獄に落とす…君ら…本当にドSだよ…。

 

波の音と僕の啜り泣く音だけが早朝の海に静かに響くだけだった…




ヤマトさんは次の話で出ます。てか絶対に出します。
セクハラは駄目です…というのが今回の教訓ですからね?


因みに新米提督さんですが、上官っていうのが一話で出てきたあの男性提督さんです。少しノイローゼ気味ですが…


最初はそちらの話で書こうと思ったんですが、敢えて新米提督さんを選びました!だってこうすれば色々と伏線はれるし、楽しい楽しいネタバラシで皆さんの予想を良い意味で裏切れそうですからね。

金剛型さんだけに良い思いはさせません!!ちゃんと平等に…あ、石投げないで!!
次回は伏線を回収したい(願望)

では、これでさよなら、さよなら、さよなら(セルフエコー)


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新米提督さんの(非)日常2

どうもぉ~これで島流し編(自分はそう呼んでいるだけ)も二つ目になりました。
敢えて言わせてください。…なぜこうなったのか。

最初に考えていた筈のプロットは気付けば破綻してます。
一体どういう風に落ち着こうかなど、全く皆目検討つきません!!

あと、後半はシリアスっぽい。


解決方法は考えてません!(キリッ


side 提督

 

あ、海猫だ…可愛い鳴き声だね。

うふふ…ウフフフフ…

 

 

一体どれだけの時間がたったのだろうか…一時間?二時間?それとももっと?逆にあんまり時間経ってない?何もないと時間の感覚が狂うんだよね…

 

懺悔を繰り返す僕には知る術は何も残されていない。

 

そして、このドラム缶式船だけど屋根は付いてないからこれからの生活が心配です…。雨も風も日差しも防がないんです…。やることもないので空を見上げてたらその余りの大きさに余計に惨めになった。

 

 

「…あぁ、なんて大きな空何だろうなぁ…。ソレに比べて僕はなんて小さな人間なんだろう…うふ、うふふふふ…」

 

 

…このドラム缶って態々溶接してあるし海上分裂の心配もないし、浮力も最大まで引き上げられてるし沈む心配もないよね~。ホント、一体いつの間にこんなに無駄なレベルで回りくどい計画立てたんだろうね…摩耶ってそこまで頭良い子じゃなかった筈なのに…そんなに僕は彼女を傷付けたんだろうな…うん。最低な屑だったなぁ…僕。

 

もう絶対にセクハラなんてしないよ…。

 

あぁー、胃がキリキリするなぁ…。だけど海水で胃薬飲む訳にも行かないし…脱水症状が出ちゃうよ…

 

 

「あはは、これは死ぬね僕。」

 

 

もう一層のこと深海棲艦に捕虜として捕まれば食事とかその他色々なんとかなるんだけどなぁ…。失うのは自由だけってね。

自由一つで生きられるならそれこそ問題ない!

 

プライドなんかで飯が食えるか!

 

 

 

 

…って、思ってた時期が僕にもあります。…これがまさかフラグになるなんて思ってなかったよ…。

 

 

「誰かたすけてぇ~!」

 

「ヲッヲッヲ!!」

 

 

ええ、船を後ろから押されて絶賛ヲ級に運ばれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…きっと僕は死ぬでしょう。

 

最後に一つだけ言わせてください。セクハラしてすいませんでした!でも、その感触はたまりませんでした!

 

…2つになってるんだけど、まぁいいか~

いや、良くないよ!何落ち着いてるの、僕!?諦めたの?早くないかな!?死ぬ、食べられるよ、きっと…

 

 

「…すいませんすいませんすいません…僕は食べても美味しくないので許してください?」

 

「…ヲ?」

 

「あーうん。いいや。そうだよね、もう任せるようん。」

 

「ヲッヲッヲ~♪」

 

 

嬉しそうっすね。これはほのぼのする光景だ…身の危険がなければだけどね!

どこにつれてかれるのかも分からない、言葉も通じない。お手上げとはきっとこういう事を言うんだろうね…

 

僕って身をもって、弱り目に祟り目 踏んだり蹴ったり 泣きっ面に蜂 絶体絶命、弱肉強食を体験するなんてね…もう、さ。諦めたよ…

 

 

僕の心にはヲ級の鼻歌だけが虚しく響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ヤマト

 

ここ最近は何かと忙しかった。夜には那珂と川内が現れたためにゆっくり眠る事が難しかった。

日が出ている内はヲ級と話したり、深海駆逐sと遊んだり、じゃれあったり、チ級がSっ気をだして弄られたり…兎に角何かしらあった為にボーッとしてる時間は思いの外少なかった。

 

そして今日は朝の時点で誰からの奇襲もなく心置きなくグータラできるという訳だ。

 

人である以上怠惰に過ごしたいという願望は誰でも持っているだろう…。

 

 

「お日さまが温かい…良い二度寝日和だ」

 

「今夜ハ寝カセナイゼ?」

 

「今は朝なのでお引き取りくださいませ」

 

「…ヲォ…。ヒドイ、アシラワレタ…」

 

「えぇぇぇーーーーー!!?」

 

 

何時もの冗談を言い合う俺達の間には知らない顔がある。白い軍服に白い帽子、色は全く違うが沖田艦長の着ていた物に酷似している。さながらコスプレだろうか?

 

 

「…その人はどうしたの?」

 

「拾ッタ。食用デモイケル。タブン、キット、メイビー」

 

「やっぱり食べるんだ!!僕に酷いことするんだね!エロ同人みたいに、エロ同人みたいに!!」

 

「…なんか残念だな」

 

「…マサカコンナ奴ダト思ッテナカッタンダ。

面白ソウダッタカラ話題ノタネ位ニハナルカナッテ思ッテ押シテキタノニ無駄骨ダッタ…」

 

「えぇーっと…?」

 

「同情するなら助けてくれ!はい、ちょーしこきました、すいません。本当に助けてください!まだ死にたくありません!」

 

「おいおい…これってヲ級の冗談だぞ?そんなに律儀に真に受けなくても良いからな?」

 

「そうなのぉーー!?」

 

 

変な人だった。まさか本当に信じてるとはヲ級も思っていなかったのか、申し訳なさそうにしていた。…無表情だが。

少しズレているのが原因なのかやりづらいのだと思われる。

 

 

「深海棲艦ハ人間ナド食べナイ。普通二食事ヲスル!女ノ子ヲバケモノ扱イスルノハ失礼ジャナイカ?」

 

「えぇ…そ、そうなのかな…?でも…うぅーん、確かに女の子であるね」

 

「おい、お前はオヤジか?なんで胸の位置を見ながら会話してやがる」

 

「失敬した!なのでその艦載機を向けないで!」

 

「…変態ガイル。ドウシヨウモナイ変態ガ。…駆逐スレバイイカナ」

 

 

疲れる。…だが、悪ふざけするくせに低姿勢っていう消極的なのかアグレッシブなのかがよくわからず、ちぐはぐというのか、アンバランスともいうのか…兎に角会話の節々に違和感を感じずにはいられなかった。

 

 

「…そのしゃべり方は元々なのか?なんというかおかしいというか、無理をしてるように感じるんだ」

 

「ヲ?」

 

「…凄いね。」

 

 

何かを諦めるような表情、ヲ級を見ている目が嘘で固められた物だとすれば今の顔つきは真剣そのもの。

もしかして地雷でも踏み抜いたのではないだろうか?

 

 

「じゃぁ、本来の話し方で話させて貰うね?」

 

「…好きにしたら良い。俺は君のしたいようにしたらいいと思うぞ?もう関わってしまった以上、見て見ぬふりは我が信条にも反する。相談を解決できるとは限らないがそれでも誰にも言わないで抱え込み過ぎればいつかパンクして壊れてしまう物だ。俺でよければ聞くよ」

 

「ありがとうね…。僕は普段提督という立場でいる。」

 

「…ヲ」

 

 

ヲ級が一瞬、睨み付けていたが俺が少し小突いたら止めてくれた。敵どうしだった者がいきなりあらわれれば慎重になるのも分かる。だが、それは話を聞いてからでも遅くない筈だ…

 

 

「うん。ヲ級ちゃんが言おうとしてる事も分かるよ?でも、縦社会なんて上の命令を聞くしかできないんだよ。

上が戦えと命令するならそれに従うだけ…僕らは汚い大人の道具かっていうんだ。」

 

「…そう」

 

「私は艦娘の皆が笑えればそれでいい。…最初はそう思っていたよ。でも、一度深海棲艦との戦いを初めて見たときにその壮絶さを耳で聞き、目で見て、肌で感じて…そんなこと言ってられない、戦争という事がどういう物なのか…自分の小ささを知ったんだ…。

優しいだけじゃダメ、時に非情でなきゃ駄目だって…」

 

 

やっぱり、心で平和を願う心は皆同じなんだと思う。形は違えど目指す終着点は幸せという結末だ…。

だが、平和で、幸せでいてほしいと願う人は自分の性で傷付いていたと知って挫折してしまったのだと思う。それでも進まなきゃいけないと、壊れる寸前の心を押し留めて己を偽ることで誤魔化し、自らを欺き道化を演じる事にした…んだろう。いわば、仮面のようなも。

 

それがその違和感の正体なんじゃなかろうか?

 

 




どうなることやらフラグ回収はどこへ旅立ったのか…

おーい、戻ってきてぇー!

なんていう茶番。

そして提督さんはいったい何者なんだろうか…次回はそこを明らかにします。
…まだ話できてませんけどね。


元から考えていたオチにたどり着けない恐れが出てきてしまった…というのもシリアスをやっちゃったからですね。はい。暴走は身を滅ぼすって事ですかねぇ…


あーうん。頑張ります…。

最後に言っておきましょう。…ブラックはちゃんと潰さないといけませんねぇ…。


ではありがとうございました!!


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新米提督さんの(非)日常3

これで島流し編は完結!!

かなり無理矢理詰め込みましたよぉ!時間列とか最後は無視ですからね♪
まだ、石を投げるのは速いって!!

読んでみれば分かります。作者はうまい具合に落ち着いたと思っています!
ええ、ちゃんと考えていた伏線も回収してますしね~

どうぞっす!


side ヤマト

 

前回のあらすじ 提督さんはどうやらいろいろ抱えてる以上。

…なんだこれ?これだけしか書いてないのだからどうしようもないなぁ…。追求は受け付けないっていうことだろうなぁ…。

 

 

「…非情になれ、か。」

 

「何カ思ウ所デモ?」

 

「あぁ…昔ね。…1艦隊としての意見はそれが君の考えならそれに従うだけです。っていうのが一つじゃないかな?」

 

「…だよ、ね」

 

 

悲痛な面持ちな所を見るに、心を鬼にしきれてないのだと分かる。

いくら仮面で隠していようと、本来しないやり方をし続ければ無理が出てくる。無理が無茶を起こし、無謀な作戦指揮を取ってしまえば提督さんは自分の失態を責め、今度は壊れていくだろう。

 

儚く、そして脆いのもまた意思ある者の定めだ…。

だからこのままじゃいけない。俺にできることはたぶん、経験談を語るだけだろう…古参の戦艦として、沖田艦長に救われたあの時の話をすれば幾らか間違いに気付いてくれるだろうか?

 

 

「…でも、変わるきっかけはよくわかった。それで何を思っての行動なのかもね。」

 

「うん…。」

 

「まだ分からない事はある。…なんで君はここに居るんだ?」

 

「うん…?それ関係無くない?」

 

「いんや…たぶんあるよ。俺が君の鎮守府の艦だったとしたら同じ事をしたと思うからね」

 

「艦隊ナラソウ考エルノハ当タリ前ダナ。ワタシデモ同ジ」

 

「ヲ級ちゃんでも?…なら話すね」

 

 

 

 

 

 

 

事の顛末を聞いた俺が知ったのは不知火さんの落ち度だろうか?

心配なら心配で、そう言えばいい。提督さんの周りの人も言っても分からないからって意固地になってたんだと思う。解決の糸口は思っていたより簡単だからな。

 

摩耶さんって人がどんな人かは知らない。不知火さんがどれだけ不快な気持ちにさせられたのかも分からない。でも、芯の部分は結局同じなのだ。

 

 

「…それだよ。今回流した理由は」

 

「流刑が理由?」

 

「ソモソモソレガ間違イダ。流シタ理由ハ君自身ノ問題。」

 

「えっと…だから不知火が言ってたようにセクハラに耐えかねての行動でしょ?」

 

「違うな。それは違う。」

 

「なんで?だって本人が言ってたんだよ!?」

 

 

訳が分からないという提督さんは己の罰を分かっている。でも分かっているからこそ見えなくなっている。

昔の人は『人間は考える葦である』っていっていたが、俺はそれだけだとは思えない。

考える事が出来ることが何かを得る事に通じるとは思うが、知ることは理解する事とは限らないとも思っているからだ。

 

分かっていても、その奥の真実に辿り着けるかまでは確約されている訳でもなく、そのきっかけになるだけだと思う。

 

 

「…なぁ、俺は鎮守府の皆は君が好きなんだと思ってる。どれだけ言葉では素直になれなくてもそれは何があっても変わらなかった。変わったのは回りじゃなく、君自身だよ。…ここまで言えば理解して貰えるんじゃないかな?」

 

「……あ…」

 

 

気づいてくれたようだ。

そう、鎮守府の皆は提督さんの己の意志を掲げて好きなんだという思いを抱き、気遣うその姿勢が大好きだったんだ。

提督さんがそうであるように、艦娘である彼女らもまたそんな姿が好きだった。

 

でも今の姿は無理をして、盲目になってその思いは無くなっていて…誰もが傷付いてしまったんだ。

辛そうにしているのを近くで見ていた彼女たちは全て分かっていたんだろうな

 

 

「じゃぁ…」

 

「ソウ。摩耶ト不知火ハ辛ソウナ姿ヲ見テイラレナクナッタンジャナイカト思ウ。

ダケド、提督サン自身ニ気付イテ欲シカッタカラ…ワザト辛ク当タッタ。又、自分達ヲ頼ッテクレルヨウニ」

 

「…うぅ…私…私…皆に…」

 

「…泣くのは帰ってから仲直りしてからじゃないかな?まだ誤解は解けてないだろう?それにそのドラム缶舟って食料まで完備してあるし、わざと俺の居る海域を選んだのだって解決してくれると思ったからじゃないかな?」

 

「食料…?は、まぁいいや。それにしても解決ってここまで全部見越しての行動だったの!?」

 

「流石にここまでじゃないだろうな。…でも、君がした勘違い通りなら、わざわざ俺が気付く位に派手な船は作らないだろし、食料も入れない。…で、現にこうして俺の前までやってきた。だが、誤算であるヲ級の事まで計算に入れてることはないだろうね。

…俺と出会うように仕向けた理由も最初の君は戦いが嫌で傷付く彼女らを見たくなくて頑張ってたんだろう?なら、出会えば俺が宣言したあの言葉を思い出させられるからって事じゃないかな?」

 

「っ!!?」

 

「そういう事だよ。俺の言葉はこの海域では戦わせないっていうのだ。

だから、もし俺の意見に賛成してくれるなら戦いはしないでもいい。だから提督さんの願いだった艦娘さんを傷付けなくて済む道が開けるから問題も解決。艦娘さん達は戦わないで済むし、大好きな提督さんが胸を痛める姿を見ないで済む未来が開ける…ほら、これで全部まるっと解決しただろう?」

 

「…本当だ、私はなんでこんな事に気付けなかったんだ。皆に謝らないと…」

 

 

泣きながらまるで憑き物が落ちたように清々しい表情をするようになった提督さん。俺はそれを最後まで見届ける義務がある。ヲ級にも…

 

なら解決策は簡単だ。

 

 

「善は急げ、今すぐにでも謝りに行きましょうか」

 

「だ、だけどこのドラム缶舟じゃ…」

 

「じゃあ、その船を捨てればいい。何せここには艦『ふね』が二人もいるんだからね」

 

 

たぶん俺は今、笑ってる。ヲ級も笑っているから…。

提督さんは驚いているけど、謝罪したいという気持ちがそれを上回ったのだろう。落ち着いた様子で頭を下げたから

 

 

「ごめんなさい…。私の我が儘なんだけど最後まで付き合ってくれる?」

 

「勿論最初からそのつもりだよ!」

 

「ヲォ〜♪モッチロンサァ」

 

 

ヲ級の某ピエロの真似は気にしない。

そして俺はヲ級を持ち上げ体に強くくっつくようにさせると、ドラム缶の上に飛び、静かに着地し一礼する。

 

 

「では、レディ。エスコートさせていただきます」

 

「れ、レディって…!!?」

 

「ノリが悪いなぁ〜、なら俺は今から悪い魔法使いにでもなってお姫様をさらわせてもらおうかな?ふふ、どうでしょうか?お姫様」

 

「ひ、姫様なんて…」

 

 

俺は真っ赤になる提督さんの腰を持つと膝の後ろに手を回しヒョイって感じで持ち上げた。そして足に力を入れ高く飛び上がる。エンジンのには既に宇宙エネルギーも貯めてあり、タキオン粒子に変換も終えている。

静かに光を放ち始めると直ぐに身体中に力が巡り始める。

 

 

「では、艦長発進の号令をお願いします」

 

「はい…。お願いします、出発!!」

 

 

沖田艦長の号令ではない。だが、それでも懐かしくて胸が熱くなる思いが駆け抜けた。

 

光を放つと同時に勢いよく飛ぶ俺達三人は互いに笑い合いながら短い飛行時間を楽しんでいた。

 

 

 

 

 

side 提督

 

僕は…ううん私は今日全てから解放された。

上司の悪意から、部下からの辛い風当たりとか、抱え込んでいた物全てから。

最初のを除き、全部あの人が解決してくれた。

 

笑って全てを見通してるかのように話すあの人は深海棲艦とも仲良くしている。たぶんあの人が鎮守府内で最も噂になってる宇宙戦艦のヤマトさんなんだと分かった。

 

彼は本気で幸せになってほしいと願ってくれていた。

…あの宣言の後はどんな化け物なのかと思ってたけど会ってみれば私達と同じように生きている人間で、尊敬できる人。

 

噂や法螺に流されず、真実だけを見ているあの人の生き様はまるでお父さんのような温かさで私を包んでくれた。

 

 

普段だったら夢物語で片付けられちゃう私の夢を叶えてくれた人。

そして私の初恋の人。

 

男のように振る舞う私を救ってくれた笑顔がかっこよくて可愛いあの人。

その笑顔にやられたんだと思う。純粋に楽しんでいる姿は誰よりも眩しく見えた。

 

…ねぇ、あの時貴方は艦長って言ってくれたけど私は貴方だけの艦長になれるかしら?

 

ふふっなんてね♪

 

 

 

 

 

…そして、その数日後に一つの鎮守府が独立し深海棲艦との共存を目指すという異例の事態を呼んだ。

だが、その背後にある一隻の艦を目にした人物達はその鎮守府に手を出す事は絶対にないとその場で契約をしていたとか。

実質、鎮守府は未来に続く限り平和で幸せになった。

 

その鎮守府は他の鎮守府所属の艦娘達の間ではこう呼ばれることになった

幸福湾鎮守府…と

 




へい、どうでしたか?

薄々勘づいていたかもですが新米提督さんは”さん”付けされてる通り女性でした!
そしてちゃっかりフラグも回収してますし、抜かりは有りません。


幸福湾鎮守府ですけど、裏話として提督の間では降伏した湾の鎮守府で「降伏湾鎮守府」と言っていたのを艦娘さん方が幸福と勘違いしたという事です。

オリジナルなのであんまりいい印象は得られないかもしれませんが、これでちょくちょく鎮守府に訪問する事ができるという事ですよ♪

…我ながらよく思い付いたものだと思っています。

一先ずこれで落ち着いたのでまた小話でも挟みながらやっていきます。
次の目処は思い付いたらなので漫画でも読んで構想を練ってきます!ノシ



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襲来!ヤマト、出ます!!

前回の後書きで小話と言いましたね。

…あれは嘘だ。


………。
うん、反応してくださいよぅ。

出来ればやりたかったんですけど、書いてたらおかしな点を発見しちゃいましてそれをどうにかするためにこの話を挟まなきゃいけなかったんです。

その原因というのはこの話の最後で出てくる目的にある物ですよ。
なのでこれが解決すれば小話に繋がる訳です。

…小話では、あれもまさかの伏線だったとはと思うでしょうね♪


では、present for you!


やっほー、うん。なんか違うな。

どうも…うむ。しっくりくるぞ挨拶はこれが一番ってことかな。

 

今日は少し異例の事態になってる。

それは…

 

 

「この人が最近できた私の恋人でーす。」

 

「ふぇ?……えぇぇーーーー!?なのです!!?」

 

「……神は死んでしまいました」

 

「…榛名を傷付けた報いはしっかり!!きっかり!受けてもらいますよ!」

 

「は、榛名!?倒れちゃダメネー!!」

 

「………。」

 

「ハラショー…」

 

「折角提督とまた仲良くなれたのに…雷が提督のお世話をするって思ってたのに…」

 

「…ふーん、貴方が提督の言ってた しn!?」

 

「暁ぃ〜、後でドッグね♪」

 

「も、もがぁーーー!?」

 

 

…ものスッゴいカオスな場所に来ています。

あの…提督さん?そのちっちゃい子顔が真っ青ですよ?手離さないと死んじゃうんじゃないかな?

 

 

「…その、大丈夫か?なんかヤバそうだったけど…。あと、直ぐに気付けなくてすまない」

 

「…し、死んじゃうかと思ったわ…。ううん、仕方無いから良いのよ、ありがとうね♪」

 

「うぐっ…私が悪いから割って入れない。」

 

 

提督さんはどうやら既に鎮守府内で謝ったらしく険悪な様子は全くない。むしろ仲も良くて明るいイメージ見れる。

たぶん誤解や行き違いは全部取り払えたんだと思う。

 

これならあの時(そこまでじゃないけど)頑張った甲斐があったというものだろう。

 

 

「…それでヤマトさんが恋人ってどういう事デスカ?」

 

「そ、そうです金剛お姉さまがいう通りですよ!!一体いつの間にですか!?」

 

「榛名がこんなに取り乱すなんて考えられませんでしたね…」

 

「…榛名が可愛そうです。ヤマトさん!覚悟して下さいね!」

 

 

えっと、それよりまず自己紹介してくれないと誰だか分からないんだけど…この四人が榛名と比叡の姉妹である事は服がそっくりなことから予想出来るけど残りの二人…活発的な印象の片言な日本語の女性と理知的な印象の眼鏡の女性は始めて会う筈なんだが…

 

 

「…ヤマトさん、聞いてますか?」

 

「…うむ。それよりまずは自己紹介してくれると嬉しいかな?」

 

「仕方ありませんね…では紹介します!此方の完璧超人!容姿端麗!!美人過ぎて眩しいぐらいに只者ではないオーラを放っているのが我らが長女、金剛お姉さまです!!」

 

「…比叡が言ったのってどういう意味デスカー?」

 

「金剛さんを褒め称えていたんです。綺麗で美しく、パーフェクトな凄い女性だって言ってたんですよ?」

 

「オー、そうだったんデスカ。パーフェクットゥなんて…それは褒めすぎだよぅ!ヤマトさん、金剛デースよろしくネー!」

 

「ヤマトです、よろしく。…あと、比叡の褒め言葉は褒めすぎなんかじゃ在りませんよ。貴方は立派な女性で、綺麗ですよ♪」

 

「オォゥ…成る程、英国紳士もビックリするぐらいに紳士デス! …あんなに真っ直ぐに言われちゃうと恥ずかしくて直視出来ないじゃないですか……。」

 

「そう、なのかなぁ?でも、金剛さんがそう言うならそうなのかも知れませんね」

 

 

金剛さんが元気で明朗活発な清々しい人物である事はよく分かった。…でも、最後の方に口がモゴモゴ動いてたような気がするのだけど女性の言いたくない事は聞いたらダメだよな。

親しい間柄でも無いんだから無礼に当たるだろうし…。

 

 

「…何お姉さまとラブコメってるんですか!…でも、お姉さまの良いところをよく分かってらっしゃる!!後でゆっくり語り合いましょう!

っと、それで此方の眼鏡の…」

 

「マイクチェックOK…。榛名とは双子なんですけど霧島です。妹と姉共々よろしくお願いします」

 

「うん。よろしく、ヤマトです。…榛名と双子ってだけあるなぁ。しっかりしてて回りを気遣える…たぶん霧島さん達姉妹が上手くやっていけるのは霧島さんのおかげなんじゃないかな?せめて俺で良ければ大変だったらお手伝いさせてもらうよ」

 

「…ふふ、大丈夫です。私が三人が好きだからやってるんですよ。でも、ありがとうございます。何か合ったときには甘えても、良いですか?」

 

「ああ、喜んで。確か一番あの海に来た最初の時に会ったよね?

丁度彼処にいるはずだからもしもの時は頼ってよ。」

 

「覚えてくれていたんですね!!ええ、ええ!是非!」

 

 

なんでかは分からないが、二人の視線が変わったような…そんな気がした。てか、マイクチェックって何だろうか…?

ま、無視ですかね、それで視線についてだけど例えるなら興味本意からくる見極めようとする視線から、圧が抜けて仲良くなりたいっていう純粋な視線に変わった…みたいなのかなぁ?でも、自信はない!

 

ヲ級がいたら「ソンナコト自信満々ニ言エ事ジャナイネ」とでも指摘されそうだな。

 

 

「…で、提督の恋人ってどういう事デスカ!!」

 

「ええ、なんでこのダメ人間なんですか!!」

 

「あの、霧島?一応この人は提督なんですよ?言葉使いダメですよ…」

 

「お姉さまもさっきと言い方の雰囲気変わってます…」

 

 

俺はどうする事が正解なんだろうか…金剛さんは怒ってるみたいで霧島さんは独占したいって顔に書いてあるような気がしたし…

え、提督さん?そこで膝から崩れ落ちて”orz”やって落ち込んでるぞ。霧島さんがダメ人間って言った辺りからだったかな?

 

それまでは「私の存在って…」「無視って酷い…」「私がいるじゃない」「うわーん、雷ぃーー」とかやってたんだけどなぁ…。

 

提督さんは美人なんだけど中身が少しオッサン臭いっていうか…いや、艦娘さん達が可愛いくてつい可愛がっちゃうのは分かるんだけどやり過ぎちゃってるっていうのかなぁ…印象が残念美人って感じになっちゃってるんだよね…。

 

 

「…?」

 

「………。」

 

「………」

 

「あの…響達?なんで無言で会話してるのよ…。」

 

 

一先ず現時点でこの場で一番マトモそうな青、水色?銀?とにかくそんな感じな女の子と接触を試みた所、何かいい解決策は無いらしい。

 

 

一連の会話の流れを言おう。

 

俺が提督さん及び金剛さん等に指をさして首を傾げる。

青い子、首を振って駄目だという意思表示

残念に思って、項垂れる

暁ちゃんのツッコミ一丁入りまーす

 

だった。

 

 

余り積極的な方じゃないらしく響と言われた子は落ち着いた様子で戦況(俺の現状況の感想)を見守っている。

…この子とは仲良く出来そうだ。

 

 

「自己紹介が遅れてすまないね、ヤマトだ」

 

「特型22番艦、響。第二次世界対戦では最後まで戦い抜いて沈まなかった事から不死鳥との通り名もあるよ。ロシアでは〈信頼できる〉という意味でヴェールヌイって呼ばれてもいるよ。よろしくね」

 

「そういう事なら長女でレディでもある私も名乗らなきゃね!私は暁よ。立派なレディになるのが夢なの」

 

「あ、私は雷よ!妹の電の夢の為に頑張ってくれてるんでしょ?私も出来る事があったら手伝うわ!まっかせておきなさい!!」

 

 

どうやら駆逐sはどこでも元気なようです。自由に元気に、が製作者の意図なんだろうか?うむ、神のみぞ知るってことだろうか?

 

というか、雷ちゃんは提督さんの頭を撫でながらもう片方の手をブンブン振ってます。提督さんや…貴方雷ちゃんに精神年齢負けてないかい?

 

 

そんな姿は見たくなかったなぁ…。

 

今日はあのドラム缶船の事についての事で鎮守府に訪れた筈なのに何故こんなことになっているのだろうかと俺は自身に小一時間ほど問い正したくなった…。

…別に迫りくる二人組から逃避してる訳じゃないんですよ…?

 

その心の呟きも虚しく、詰問にあうのはそれから直ぐの事だった…。

 




タイトルは意図的にやってます。

なので実際は「襲来するぞ!ヤマトが鎮守府に現れる!!」です。てか、最初にこの話を考えた際にはこっちを考えてましたね♪


金剛姉妹に、暁型駆逐姉妹を出したくなったのが主な理由です!!
…だって、アニメにでてるんだもん。

最近後書きとか前書きに書いた事が実行出来てないような気がしてます。つくづく自分の誘惑への弱さを実感しましたね…。

可愛いのがいけないんだ!!

艦これの漫画は何度読み返しても面白い!そして舞鶴鎮守府の六巻が買えない…。
せっかく五巻まで揃えたのに無かったんです。
佐世保鎮守府もなんやかんやで三巻まで、呉鎮守府はどうにかってことで入手

…え、横須賀?…金が無かったんや。前日に薄い艦これ本買ったら無くなりました。
財布が非常に軽いです!

因みに薄い本ですがナスは嫌"い"な"の"です!!で知られる方、松下ゆうさんの総集本ですよ。
全体的に可愛いのが特徴でした!

おっと、話が反れましたね。で、なんでしたっけ?舞鶴鎮守府編五巻のまごころくらげさんのマックスがラブライブ!の雪穂にみえるっていう話でしたっけ?
違う?…そうですか。

あ、気付けば後書きも約後百だ…。

長々と失礼しました。
話の歯切れもオチも納得がいかなかったので次回もこの続きをやります。


では、次回もお会いしましょう!

バイバーイ


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襲来!ヤマト、出ます!! 2

鎮守府編ですよ。

お待たせしました。昨日は訳ありでアップ出来ませんでした…。兎に角、早く行きましょう!

遅れましてではありますがお気に入り件数100超え、合計閲覧数10000超え、ありがとうございました!!これは皆様おかげです。
深く感謝申し上げます。

これからも頑張りますのでよろしくお願いします!

じゃじゃじゃじゃぁ、此をどうぞ!!



気がついたら同じ面ばかり…あ、これ違うやつだ。

 

どうも、ヤマトです。今日も空気が上手いです

 

 

「…で、あんな事言って皆を掻き回して提督は何を考えていたのですか?」

 

「びっくりしたのです!!それと、嘘はいけないのです!!」

 

「提督の冗談は大抵笑えないネー」

 

「全くですよ。それにヤマトさんは渡しません!」

 

「もう!また暴走してる!!榛名は一度落ち着いて、ね?」

 

 

という光景が前で繰り広げられてます。俺は一旦こちらにかけててくださいと言われたソファーに座ってるんだけど、これはヤバい。蕩けるというか柔らかさがメーターをふりきってる。もはやここまできたら駄目になりそうな位座り心地が良いんだ

心なしか眠気を誘われてるような気もする…

 

 

「はい、これ。」

 

「あぁ、ありがとうな響」

 

「ふふん♪そのお茶、私と響で淹れたんだから!」

 

「立派なレディへの一歩ってことかな?人を気遣える人はもう立派なレディじゃないかと俺は思ってるんだけどな」

 

「そ、そう?」

 

「勿論。」

 

 

あのあと直ぐに言い寄られた俺は提督さんの冗談だと教えるとこうして提督さんへの尋問が始まったという事になりました。

 

金剛さん姉妹の四人と電での五人は手慣れた手付きで提督さんを縛ると吊し上げていたよ…。

 

 

縛り慣れてる女性っていうのはどうなのだろうか?

世間一般でいえばアウト…なのかなぁ。なんてボーッとする頭で考えてお茶を一口

 

おー…お茶美味い。

 

ありがとう、と言って美味しかったと素直に褒めると当然よ!と胸を張る暁。

良かった。と安心したような表情の響は撫でると猫みたいに目を細めていた。

 

…いや、俺も最初は女の子の頭を気安く触るのは如何なものかなとは思ったんだけど誉めたあとに帽子で見えないけどつむじを向けてきて、チラチラ視線をくれるものだから…つい。

 

そのあと暁にも撫でたら当然の如く怒られました。

曰く、子供扱いしないで!レディの頭には気安く触らないものなのとの事。

 

 

「響には撫でたのに暁は撫でないっていうのは何て言うか響だけを特別扱いしてるように見られるんじゃないかと思って撫でちゃったんだ。嫌なら今後はしないように心掛けさせてもらうな?

すまない」

 

「…嫌じゃない。」

 

「え?」

 

「もう!!嫌じゃないって言ったの!

レディとして扱ってくれるなら撫でられてあげても良いの」

 

「………。そう、なら俺は君をレディとして扱う事をここに誓う。

だから、今後も撫でさせてもらっても良いかな?」

 

「…仕方ないわねぇ!させてあげるわ!」

 

 

パァァっていう擬音が耳に聞こえたような気がしたのはたぶん俺の勘違いだろう。なんとなく暁の背中から光って見えたような気もした。

 

だが、気のせいなんだ。

 

 

「…ヤマトさん!」

 

「酷いのです…」

 

「助け船出してくれても良いんじゃない!?しかも私達は放置な上、自分はお楽しみってどういう事かしら?」

 

「…目を離してる隙に」

 

「浮気はナンセンス!!ヤマトはワタシだけ見てれば良いネー」

 

 

えっと、皆さん…?なんで俺は呆れられてるのでしょうか?

霧島さんに至っては俺の母親みたいな態度何でしょうか?

 

分からないことだらけだ…。

あと提督さんは自業自得だからちゃんとこの機にしっかり反省してください…と、念を押しておこうかな。

 

 

「…あ、そういえばなんで今日は鎮守府に?」

 

「聞いて無かったんですか!?」

「聞いて無いのですか!?」

「提督…私が居ないと何にも出来ないのかしら?」

「じゃあ、いきなりあの馬鹿をやったという事ですか!?」

「流石にこれは弁護出来ないデスヨ…」

「あはは…レディとか云々の前に人間としてそれはどうかと思うわ」

「これは私も驚いたよ。ハラショー」

 

 

あ、ほら皆で一気にバッシングするからまた落ち込んじゃったよ…。

遅れながらの助け船としてではないが直ぐにその用件をいうことにした。

 

 

「ドラム缶船についてとあの中に入ってた食料について聞きたかったからだよ。」

 

「あー、あれね。帰って謝った後に聞いたんだけどドラム缶船の名称はドラム艦らしいわ」

 

「…提督、それって今関係ありませんよね?」

 

「…ぐすん。

で、ドラム艦だけど貴方に持っていて欲しいの。私達が仲直りするきっかけをくれた貴方に…。最初はまた同じように抱え込みすぎないようにって戒めに私の部屋に置いておくことも考えたんだけどそれよりも貴方が直接顔を出してくれたほうが良いかなって思ったのよね。だから、手伝ってもらう事にしました!」

 

「…急に真面目になりましたね」

 

「きっと、誤魔化したのデース」

 

「なのです!」

 

「う、うるさい!」

 

「…だが、宣言した時にやらかしたせいで怖がってる人もいるはずだ。

そう簡単にはいそうですかという訳にはいかないだろうよ…。だから此処で暮らして手伝うっていうのは無理だ」

 

「…駄目?」

 

「それにここには女性ばかりだ。俺には肩身が狭すぎる。」

 

「…そっちが本音では無いのよね?……はぁ。なら仕方ないわね。なら等価交換って事でドラム艦とその中に入っていた食糧をあげるのでたまにで良いので私に会いに来てくれないかしら?」

 

「…会いに来る位は全然構わないのだけどその場合、しっかり鎮守府内の方たちに連絡を怠らないようにしてくれ。問題が起こってからでは対処が遅れてしまう。だから、連絡する事。及び有事の際は鎮守府で誰かをあの場所まで来させてくれ…その時はすぐに駆け付ける…こんなもので良いかなぁ?」

 

「なら!手伝ってくれるの!?」

 

「ずっとは駄目でもたまにならいつでも良いさ。それに手伝わないとは言ってなかっただろう?

俺は大切な人達の為にだったら力は惜しまないつもりだよ。」

 

「…卑怯だわ」

 

「反則なのです」

 

「回避不可の範囲攻撃…榛名はもう駄目です…。今のを榛名だけにいって欲しいです!」

 

「…轟沈しちゃうようだよ。不死鳥の私でもこれには…」

 

「…大人だわ。もしヤマトが女性だったらレディとして勝てないわね」

 

「えっと…これは私やお姉さまもって事で良いんですかね?…何か照れ臭いですね」

 

「Oh~…これが本当のバァーニング ラァブって事デスネこれには私でももう落ちちゃうヨ…」

 

「いっそ、貴方が提督をやってくれませんか?私だけの提督でも良いです。えぇ えぇ。…はっ私は今何を…///」

 

「霧島がデレマシタ!積極的なloveコールだったヨ~?でも、幾ら妹と言えど渡しマセーン!」

 

 

状況を報告します。我が発言により目の前の八名は俯いたり、くねらせたと思ったら怒りだしたり、顔を隠したり、隠れてた本性が露になったり、ガッカリされたり、暴走し始めたり…兎に角色んな事が起こってました。

 

恥ずかしい事でも言っちゃった?怒るような事を言った?

兎に角訳が分からない事になってしまっていた事だけは一先ず分かった…。

 

 

「私が間宮さんにお茶菓子をもらってきてあげたわ!って、なにこれ?」

 

 

ポカンとする雷は部屋を見渡して俺を見てくる。

そして肩には届かないからなのだと思うが腰をポンポンと叩くと「私がついてるじゃない…」と言って全て分かってるとでも言うかのような優しい顔をしていたのだった…




女性限定大量虐殺兵器YAMATOは女性達の心に拡散波動砲を撃っていきました…。


冗談です。
…疲れから何を書いているのか分からなくなりました。改めまして昨日は有事で忙しかった為に今日アップしました。家に帰ってくると死んだように寝てましたし。

遅れましてすいませんでした。


そして、今回のお話で作者がやらかした補足です
霧島の暴走  榛名と霧島は双子=榛名同様例のスイッチは必須かな?
…以上。

どうでも良いですが…妙高さんのクソコラって改二が出来てからへりました?なんて


では、次も頑張っていきます!
ありがとうございました~


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襲来!ヤマト、出ます!! 3

何度もやらかす同じ失態!!

サブタイトルを入力した瞬間に満足しちゃって間違えて投稿してしまう…。作者はバカです。
青い艦娘さんが見たらバカめと言って差し上げますわwとか言われてしまうでしょうね…


…。

あれ?そこまで苦じゃない?もしかして新しい扉開いてる?
…無いですね。


ええ、勿論私はマゾイ人ではありませんので!

…どうぞっす。


あれから雷の誤解は案外簡単に解けた。

最初はあんなこと言われたのでどうしたら良いのか分からなかったが、話してみるとお母さん(?)みたいな感想を持たれていた。てか、お母さんだった。但し見た目にあらず

 

雷曰く、部屋の様子を見たらてっきり俺がナンパをしてやはり俺も男の子なんだねとか思ったとのこと。何があったのかと心配してしまったじゃないかと注意されました。

だが一つだけ言いたい。俺がそんな軟弱者なこと出来る訳がないじゃないか…。

 

 

「あ、このお菓子美味しいな」

 

「間宮さんの所のどら焼きよ。緑茶に合うお菓子をお願いしたらオマケって事で貰ったの。本当はこっちのおまんじゅうを皆に食べてもらうつもりだったんだけどヤマトにもここの事を好きになってもらいたいもの!!」

 

「…ありがとう、雷。君達はいい子ばかりだ。そんな君達がいるこの鎮守府を嫌いになるなんて事は絶対にないよ。

大切な人達のいる場所を守りたいって気持ちはよく分かるからね…。それに健気に、そして精一杯努力してる雷が好きな場所だ…。俺が好きにならない道理もないさ」

 

 

俺にとっての大切な場所…それはやはり美しかったあの地球だ。それをガミラス帝国などに壊される姿を見ている事がどれだけ辛かったか…その記憶は今も目に焼き付いていて、フラッシュバックする事もある。色を、幸せを奪われていく世界は絶望に飲まれていくような壮絶な物があった。

 

俺はあの光景を忘れない。

 

たぶん傷付いた世界は活気を取り戻してそんな事がなかったかのように薄れていき、記憶と爪痕は修復されていくだろう。それは時間が経つにつれて寂れてしまう諸行無常という事だ。

でも、だからこそあの姿を誰かが凄惨な姿を鮮明に、詳細を記憶しなければならないんだ。

それは俺じゃないかもしれない。

 

でも、俺は辛かったからこそ同じ鑪を踏まないように覚えていたいんだ…。

 

 

「…きゅん」

 

「誰だ、今変な声出したのは」

 

 

意識した訳ではないが声のトーンが底冷えるように下がっていた。

 

真剣に考えていただけにふざけられたような気がして嫌な気分になった。まるで俺の想いを冷やかされたような、そんな風に感じた。

ここでは俺しかあの地球の姿を見ていない。それを感じとれという方が酷なのは分かってる。でも、大きかれ小さかれ大切な想いをバカにされれば怒りを抱いてしまう。

 

 

「いやいやヤマト…自分が今どんな顔してたか分かる?

何か考え事してたのは分かるんだけど今のは言わなきゃいけない流れだと思っての行動なのだけどどうだったかしら?」

 

「すまん、全く分からん。分かりたくもない。」

 

「榛名もその意見に賛成です!」

 

「榛名は提督の方に賛成って言ったんですからね?因みに私も賛成です」

 

「モッチロン私もネー!!」

 

「お姉様がそういうなら私もそう思いますよ」

 

「…ヤマトには悪いけど私もそう思うよ」

 

「ふふん、その黄昏る横g…もがぁ!?」

 

「すこし暁ちゃんは黙っててほしいのです!最後になんて言おうとしてたのかワカラナイのですけど抜け駆けはさせないのです!!」

 

「…電?その気持ちは分かるけどそろそろ話さないと大変なことになるわよ?」

 

「はわわわっ!?」

 

「…さっきからこんなのばっかりよ。今日は厄日かしら?」

 

 

パニックになりすぎてなのか、それとも二回目という事で慣れたからなのか暁の回復速度が格段と上がっていた。

そして、分からないのは俺だけで全員分かってるらしい…。げせぬ…。

 

気付けば怒りの矛先は自然と収まっていた。

 

 

 

 

 

 

そして落ち込んでたら雷が慰めてくれました。

この子…いい子だ。提督さんが抱き付いてたのもよくわかったような気がする…。抱き付かないが。

 

お礼を言うと、照れ臭そうにしながらまた頼っても良いのよ!って言ってたから頭を撫でておいた。

雷はありがとうって返したが、ありがとうは俺の言葉だよって返せば「じゃあ、おあいこね♪」との事。うん、天使だ。実に良くできた子である。

 

そんな俺と雷をグヌヌと悔しそうにしてたのは提督さんで、何時もなら雷と仲良くするのは私なのに…とか考えてるんだと予想する。

 

というか、俺も本題からドンドンそれてるが本来はドラム艦についての話し合いだった筈なのにな…

 

 

「あのドラム缶が艦か」

 

「提督の話しに戻りますけど、たしかに仲直りの印がドラム艦っていうのもシュールですね」

 

「そういえば以外と大きかったはずですけど、アノ中に食料が入ってたんですか?」

 

「私は見てないから今度見せてくれたら嬉しいネ」

 

「お姉様はもしかしたらバラしちゃうかもしれないからって事になってたんでしたっけ…」

 

「そうだったんデスカ!?」

 

 

金剛さん姉妹は仲がいいのがよく分かるなぁ。まるでコントを見てるようなテンポの良さを感じる。あの詳しく全てを言わなくてもある程度でわかり会える感じは見ていて楽しいと感じられる。

 

 

「…あ、私もそれずっと気になってたわ。私が乗ってた時は座布団以外何もなかった筈よ?一体何処に有ったのか、それでどうしてそれを一発で見抜いたのかも教えてくれないかしら?」

 

「ん?座布団の下に戸があってそこを開けた収納の下に食料が入ってたんだが知らなかったのか?俺はてっきり知ってたと思ってたんだが…戸の存在に気付いた理由は座布団が他より少し浮いてたからで、食料が入ってると分かったのは微妙に右に傾いてたからだな。」

 

「私の心配って本当に取り越し苦労だったってわけね…。なんで直ぐに気づけなかったのかしら…そしたらあそこまで後悔して深海棲艦に捕まりたいとまで考えなかったのに!」

 

 

提督さんは叫んでいます。

いや慟哭してるんだけど、ちょっと関わりにくい雰囲気が出てるんだよ…。あの謝る決意を決めた時とは別人みたいで…ちょっと、ね…

 

だけど、やっぱり謝る前よりもずっといい顔をするようになったところを見れば良かったと思える。

それは心から楽しんでいるからなのだろう…。気負い過ぎず程よくバカをやる。それが人の日常というものなんだと今日、実感できた。

 

 

これが俺が鎮守府に来て本当に良かったと思えた瞬間だったと思う。

 

 




皆さんに報告~

ちょっと番外編を考えました。
ヤマトでやっちまったんだし、これ他の艦隊ネタでもいけんじゃね?で試しに書いてみたら面白いぐらいに筆が進んでいました…。茶番って楽しいですよね♪

ていうよりもあれは艦隊では無かったんですけどね。
どちらかと言えばアレはトラックです。

…あ、艦でもありますよ?三分ですけど。

この後書きを読んで、見てみたいという方居ますか?
いたら…どうするのが良いのか分かりませんが、各々に任せます。

誰かが見たいと言うのであればアップしたいと思います!本当はタイミング見計らうべきなんでしょうけどそういうの苦手でどうするのが正解なのか判断出来ないのでそういうのは任せる限ります。

人はこれを丸投げという。

…作者がダメなのは最初からなので勘弁してください。




それと最後に評価くださりありがとうございました!!
1や2でも入っているとつい、嬉しくなっちゃいます。感想も毎回楽しみに待ってたりします。

では、ありがとうございました♪


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遂に…念願のアレを…

くだらない事に伏線を拾ってました!

そして、前回に言っていた番外編ですが次辺りにしようかと思っています。
どうぞ、お楽しみに!


そして今回は何故こんなになってしまったのか分からないですね…。
きっと、私が馬鹿なんです!

そして前回の後書きの後に評価を下さった方がいました。本当にありがとうございました!
評価は、自分の小説をどう思ってくださっているのかの目安になるのでより一層力を入れなきゃなっていう気持ちになりました。

では、どうぞ!!


やぁ皆!え?別の世界の住人に気軽に話しかけるなって?そういわないでくれよ泣いちゃうぜ?

…なんだろう、疲れてんのかな…最近なんか知らないけど段々ブレてきてるんだよなぁ…。

 

で、あの日から翌日だ。

え、何があったか、だって?

 

そんなの色々だ。鎮守府を見学させられたり、鎮守府内で仕事を覚えさせられたり、手伝わされたり、襲われたり…まぁ、力仕事は男の仕事とは言うが鎮守府で仕事してる人は女性ばかりだったよ。手伝いをしたのだって妖精さん達が鎮守府内で一番忙しいらしくててんやわんやだったからっていうのが大きな理由だな。

 

手伝って手伝って身を粉にして働いたら妖精さんと明石さんに気に入られたけどそれはまた今度にでも話そうと思う。

 

 

そして紆余曲折あれど俺はついにやってやったんだ!アレを…堕落させる例のブツを手に入れたんだ!

正直、俺個人としてはコスモクリーナーDより優先順位が一つ上のアレだぞ?人類の希望より一つ優先順位が高いんだぞ?

 

あ、いや…コスモクリーナーDが大切じゃない訳じゃないんだが、前の姿じゃなく今の姿の俺にとってはこっちの方が大事なんだよ!

 

ほら、何時だか話したじゃないか…波動砲一発分のエネルギーとでも交換したい位って言ったアレさぁ~♪

私は猫になりたい!

 

 

「…でも、多摩は猫じゃないにゃぁ」

 

「…猫じゃないけど猫みたいのが釣れてる!?」

 

「どうも、多摩です!」

 

「ヤマトです…え、いや…何で暢気に自己紹介してるの!?」

 

「宅急便みたいな名前にゃ」

 

「そっちも猫だったね…」

 

「そんな事より炬燵にゃぁぁーーー!!」

 

そんな事とか言われた!?

でも、コイツは…俺と同じ考えの艦娘だ。コイツ…いや、その特大の炬燵愛に敬意を表して多摩先輩と呼ばせてもらおう。多摩先輩は炬燵を愛している…俺と同じように大切な何かを捨ててまでその不思議と心温まる温もりを熟知しているとみた!!

 

 

「フっ、やるな多摩先輩!」

 

「ヤマトの方だって険しい修練、そして極寒のお空の下をひたすらに歩み続けてしてそのアルカディアを手にしたのが見てとれるように分かるんだ…にゃ。」

 

 

スゲェ…炬燵愛に不可能はないようだ。全てお見通しのようだった。

俺は取って付けたようなニャの語尾なんて目じゃないぐらいに圧倒されていた。かつてない程の敵が見方になったように心強い!ガルマンガミラスすらこの時にしてみればお遊びだと思える…(乱心)

 

この俺が恐怖に足が震えるなど…いや、それは相手方も同じか…

妖精さん方の手伝いという労働の末妖精さん方がくれたこの炬燵の入手方法を回りくどい言い方をして指摘していたのだから。

 

 

「…ここで争えば互いに只ではすまないという事か。」

 

「にゃらば、同盟を組むまでにゃん」

 

「…そういう事か。」

 

「そうにゃ」

 

 

互いに顔を見合うと不敵にニヤリと口角を上げる。そして声高々に宣言の言葉を発する。

 

 

「「炬燵様な忠実な僕同盟の友よ!!」」

 

 

綺麗にハモると、俺たちはガシッと抱き合う。仲間…そんな言葉では言い表せない存在が今この場をもって友となったのだ。

 

これを後に遠目で見ていたヲ級に写真を撮られ、まだ見ぬ青葉さんにそのネタを売られ、鎮守府内及び深海棲艦の話題のタネにされ、 御乱心なされた!?瞬間ベスト一位へと輝く事となる事を誰が予想出来たのでしょうか。大会形式で行われたソレは懸賞金が出るらしく、その一割を青葉さん、ヲ級がもって帰りソレ以外の八割を俺と多摩先輩で綺麗にフィフティーフィフティーに山分けしました。

…因みに、その際の分けた俺の恩賞は全てミカンへと変わりました。

現状況では関係ない事なんだがな。

 

 

「でも、どうやってこのおこた様の温か力場を展開しようか…」

 

「…あ、これ電気炬燵にゃ。プラグがついてるのに電源がない…となると…」

 

「使えないな。だからと言って堀炬燵に加工したら今度はドラム艦が不味い…どうするか」

 

「…折角の炬燵なのに温まらない炬燵なんて只の卓袱台に布団しいただけだにゃ!…暖かいけど」

 

「確かに…。でもそうなると解決策か電気を此処まで持ってくるかしないといけないんだよな」

 

「逆にここで作っちゃうっていうのもいいにゃぁ~…出来るものじゃないけどにゃ」

 

「…作る、か」

 

 

多摩先輩の炬燵案は少し意外だった。作る…言い換えればエネルギー変換か………あ…

昔の俺って確か普段艦の中でもライトがついてなかったか?

このエンジンだって宇宙エネルギーをタキオン粒子に変換して動力にしている訳だし理論上出来なくない?

 

俺の身体って一応全身がヤマトなんだよなぁ…だったらどこかしらにコンセントでも造ってみるか。いやいや…でもいつだかヲ級にも言われたように端から見たらマゾヒストに見えるんだっけ…それは嫌だな…。

 

炬燵をとるかプライドをとるか…ここは迷わずプライドをとるのが正解だ…。

流石に魂までは売ってはいけない。踏み越えてはいけない境界線は此処にあるのだろう……。

 

 

だがこうしてワザワザ俺と同じ炬燵に入り、同じ時間を共有する目の前の多摩先輩がガッカリしている姿は精神的にクる物がある。

 

 

「くっ、プライドなんて捨ててやる!

俺は目の前の幸せのためなら炎の中にだって、ガミラスの艦隊の中にだって飛び込んでやるぞぉーー!!」

 

「ヤマトが燃えている…多摩の為に、多摩とヤマトの幸せのために…。多摩もやってやるにゃ!炬燵様の為ならこのヤマトと一緒に沈んでやる覚悟ができたにゃん!!」

 

「ああ逝こう多摩。」

 

「いくにゃ、ヤマト。」

 

 

俺と多摩はガッシリと手を握り合い、覚悟を決めた。

 

これも勿論ヲ級に撮られていて、以下略 だった。一位と二位を奪取した瞬間であった。

俺は多摩の手伝いをされながら無事、艤装の一ヶ所を改造しコンセントを作り上げた。そのあとは二人でのんびり炬燵に入りながら和んでいましたとさ。

 

 

 




そして三位はその時の二人の和んでる写真って訳ですよ。

ヤマトが自分の艤装をコンセントにして炬燵を稼働させてる姿ってかなりシュールな写真が撮れてたと思いますよ?

一位、二位、三位、全部がヤマトと多摩の写真だったって訳です。一位と二位の写真が話題になった理由としては女性とは、えてして人間関係主に恋愛については過敏である!
みたいな?

抱き合ってる写真に、見つめあって握手しかも逝こうとか言ってる…ともなれば女性ばかりの鎮守府では話題になると思いません?ましてや方や世界で一目置かれてる人物ですし…



…そんな裏話ばかり考えている私はきっと馬鹿なんでしょうね!だって、この話じたい思い付いたのはチ級の話の時でしたからね。

キャラがブレイクしているのはきっと私が調子がおかしくなっているせいですね!

中途半端な風邪って逆に辛いです…皆様は気をつけて下さいね?
時期的に入試とか大事な時期でしょうしお体は大切に!



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番外編 クマじゃないクマ

宣言通り番外編です。

多摩の次はクマ当たり前ですよね!
更新遅れてスイマセンでした。

風邪が悪化してキツいんですよ…。

薬を買ってきてもらったんですけど頭痛薬ってスゴいですね…割れるかと思った頭が気付けば無くなってるんですから!

今回は楽しんでいただければ幸いです。では、どぞ


どうも…海の上でクマと出会って現在は一緒に炬燵で和んでいます。

 

え、何があったのかって?それは俺にも分からない。

気付いたらそこにいて一緒に炬燵でミカンを食べていた。恐ろしい物の片鱗を味わったような気がします。

 

その熊野…間違えました。クマの特徴を説明するならクマのぬいぐるみのようなデフォルトされたかわいい感じの熊で何故か白衣を着ている。

そして艤装っぽい奴は盛大に訳が分からない。

 

艦というよりトラックに近いそれはとてつもなく派手で、海を渡って此処まで来たというのが信じられない容姿をしている。…それを言ったら艦娘じゃなくて艦熊なのはどうなんだと言うことなんだが……。

 

 

「さっきからクマクマ連呼してんじゃねぇよ。食うぞ?喰うぞ、コラ!!」

 

「もしかした幻覚かもしれないし、気にしてたら悪いから口には出してなかった筈なのだが…」

 

「口には出てなかったぞ。だが、雰囲気でわかんだよ!」

 

「…そうだったのか。すまなかったな…熊って思って…名前を聞かせて貰ってもよろしいか?」

 

 

なんでか分からないけど話していることに違和感は感じないというのが既に変なんだけどな…。でも、これで綺麗に収まる所に収まったって感じるから不思議だ。

 

 

「別に構わねぇよ!お前の誠意はしっかり伝わったからな。俺はレオナルド…レオナルドverYだ、コラ!!」

 

「宇宙戦艦のヤマトだ…。ところでそのYというのは何なんだ?」

 

「夜逃げマシーンだ」

 

「夜逃げ!?なんでここに居るのぉ!?」

 

 

もう訳が分からなさすぎて冷静を保つのが不可能だ…。もう、どうせだからハッチャケてしまう方が正解なような気がしてきたぞ。

 

 

「総統の奴がバカだから夜逃げすんのに作ったんだよ!ここに来たのは宇宙に行ってたらここに落ちて来ちまったんだよ!!」

 

「トラックで宇宙って!ぷっ、アハハハ!」

 

「バカ!トラックじゃねぇよ、バカ!夜逃げマシーンだ、コラ!で、宇宙へは大家を振り切るのにフルパワーにしたら宇宙に行っちまったんだよ!」

 

「大家、大家って…しかも夜逃げマシーンのフルパワーにしたら宇宙に行っちゃうとか…っく、腹が痛い。腹筋が割れる!」

 

「もとから割れてんだろ!」

 

 

面白い人だった。

レオナルドさんはどうやら博士…又はアーティストらしい。普通じゃありえない出力がでるトラック改造とか俺以上にオーバースペックだな!

 

あ、艤装の夜逃げマシーンが光ってる。

 

 

「アンタ、面白いな!エネルギー代わりになる物を見付けるまでの間だが一緒にいさせてもらっても構わないか?」

 

「レオナルドの話をもっと聞いてみたいし、全然構わないよ。

宇宙でなにやってたかとか聞いても?」

 

「別に大した事はしてねぇよ!」

 

 

そこからは炬燵に設置してあるミカンが全て無くなるまで面白おかしく談義に華を咲かせていた。

 

レオナルドは悪の組織の団員でその名も鷹の爪団。その前までは竜の爪団って名前だったらしいが、デラックスファイターとかいうヒーローらしからぬヒーローと日夜たたかってるらしい。

 

今までやって来た話を聞いてても、総統さんの話は悪の組織としては間違っているような人物だった。

世界を破壊する計画を打ち破ったり、ヒーローにお金を貢がされたり、環境破壊に合う故郷で川に放置されるゴミで破壊兵器と戦ったり…兎に角悪の組織としては間違ってるのに人間としては人徳のある、イイ人だった…。

なぜそこで悪の組織になってしまうのかと疑問に思う事もあるが、バカで、面白く、真っ直ぐな人たちなのは良く分かったのだった。

 

ここに来た経緯だが、宇宙での話だが夜逃げしすぎて宇宙に行った後、餓死寸前に助けられた所で死んだ筈のヘンダーミラーのクローン培養施設で世界の破壊を企んでいたヘンダーミラーの計画を阻止して無事世界を救ったら此処に来ていたとのこと。

 

各国のミサイルを全て打ち落とすぐらいの兵器とか、百均で武装を作るなど…技術的な面ではこの世界よりも、俺がいた地球に近い物がある。という事はたぶん俺と同じなんだと思う。

 

 

「…そのエネルギーっていうのはスペースデブリでなんとかならないか?」

 

 

気付けばそんな事を呟いていた。

何故だか放っておけない…俺がそうであったように、誰かがそこで一人でいるなら力になってあげたい。そう、思ったからなのかそれとも似た境遇だったからなのか…兎に角俺はレオナルドを元の世界に戻れるようにしてあげたいって思ったんだ。

 

 

「…ここは海の上だぞ!そんなもの準備出来る訳がねぇだろ!」

 

「否定はしなかったって事は出来るんだな?」

 

「おい…まさかヤマトが宇宙戦艦って言ったが!?」

 

「おうとも!!俺は今はこんな成りをしてるがこれでも宇宙を駆けてきたんだ。スペースデブリの一つや二つ持ってくるのなんて朝飯前だからな。」

 

「人の形をしてても大気圏突破出来るのか!?」

 

「問題ない!…で、持ってくれば全ての問題は解決出来る?」

 

「…出来るな。むしろ、もっとスゲェのが出来るぞ!」

 

 

上等だ。なら、いっちょやってやりますか!レオナルドの為、俺の好奇心の為、宇宙のゴミ拾いにやってみますか!

炬燵から這い出すと力を蓄えていたブースターに火を付け、宙に浮き上がる。今回は提督さんの時とは違い庇いながらの飛行ではないために全力での飛行も出来る。

 

飛ぶ時位は自由に飛びたいからな。波動砲も出力を出せず終いで不完全燃焼が続いてたからか心なしか気分が高調していた。

 

そして俺はレオナルドが面白いぐらいに呆然としてる顔を見て笑った。そして、気付けば大気圏は真下にあった。

 

 

「…艦娘と深海棲艦どうしで争い続ける世界でも地球は青く輝いている。まったく…綺麗だなぁ。」

 

 

あの色のない世界が来ないことを祈るばかりだよ。

…そんな考え事をしながらの飛行だが、心は楽しくて仕方なかった。やはり地球はああでないとな。生命の息づく場所で有り続けてくれよ?なんてな

 

大きく丸い地球の回りに漂うゴミ、スペースデブリ。これが綺麗な地球の回りに点在し続ける限り完璧な世界とは言えないんだろうなぁ…。

宇宙衛星のおかげで確かに気候や状況を常に調べる事が出来て便利にはなったんだろうがゴミが増えるばかり…どうにかするにも今のこの地球じゃそんなこと出来る技術もない。

 

 

「本当、ままならないな…どこの世界でも…。」

 

 

なんか、イラつくな…。一層出来るんだしやっちまおうか。

一先ず一つ有れば十分らしいからこれでいいか。

 

近場にあった比較的に綺麗で形の残っていた衛星の残骸を後ろに置くと、俺は外から何時も眺めていた船員のかけ声を口にする。

 

 

「ヤマト、波動砲発射用意。エネルギー弁閉鎖、充填開始!

セーフティロック、解除。ターゲットスコープオープン。電影クロスゲージ明度20。エネルギー充填120%

対ショック防御、対閃光防御。最終セーフティ、解除。

波動砲、発射!」

 

 

波動砲は綺麗な直線を描き視界に入る全てのスペースデブリを飲み込む。

本来の力よりも大きな力を出したという事もあり、反動で動けなくなったが問題はない。そして、なによりスッキリした。

 

久しぶりの宇宙に、久しぶりの波動砲の感覚の余韻に浸りながら宇宙を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ゆっくりとドラム艦のある海上まで降りてくるとレオナルドは笑っていた。

 

 

「バカ、お前バカ!バカは死んでも治らない。…でも、ヤマトみたいなぶっ飛んだバカは嫌いじゃない。」

 

「くっ…ふふ。そうだな、バカなんだろうな俺も。でもレオナルドもそうなんじゃないか?」

 

「違いない。」

 

俺はレオナルドと一緒に笑いあった。

…所でレオナルドのあの鳴き声みたいなのは笑い声って事でいいんだよな?

 

 

「じゃあさっさと作っちまうから此処で待ってろ!」

 

「分かった。」

 

 

と、言っても互いにドラム艦の上の為に、炬燵に入りながらすぐそこでレオナルドが作っている所を見ることが出来たのだけど、アレは描写出来ない…。

作るとか造るとかいう次元じゃない。レオナルドは天才とかじゃなく天災レベルの科学者だというのをマザマザと見せられた。

 

 

「これが夜逃げマシーンスペシャルだ!」

 

「レオナルド、これのどこがスペシャルなんだ?」

 

 

デコトラの感じから今度はタクシーの外観になっていた。…突っ込みどころ満載なそれは既に衛星の姿は跡形もなく無くなっていた。

 

 

「次元や時間すら飛べるようにしたんだよ!ヤマトの大気圏突破の姿を見て思い付いたんだ!」

 

「タクシーで時間の壁突破って…それどこかの映画で無かったっけ?てか、それタイムマシーンじゃ…っぷは!!レオナルドスゲェ!」

 

「当たり前だ!コラ!!」

 

 

そして、このマシーンが完成したということはそれは別れの瞬間でもある訳だ…。

出会って間もないけど寂しいものだな…。

 

 

「…ヤマト、これで俺らはお別れだ。最後にコレを受け取ってくれ。」

 

「コレは?」

 

「ソダイ量産型、それからデラックスボンバー増幅装置装備の鷹の手、若返り·老化マシーンだ。

俺の感謝の気持ちとして受け取ってくれ。全部さっきの話の中に出てきた俺の発明品だ!友情の証として使ってくれ!」

 

「レオナルド…流石に若返り老化マシーンはやり過ぎな気がする。」

 

「ここはジーンってするシーンなんだよ!空気読め!空気!」

 

「…でも、確かに受け取ったからな。レオナルド、俺は忘れないからな」

 

「当たり前だ!俺だって忘れねぇよ!!」

 

 

握手を交わすとレオナルドは夜逃げマシーンスペシャルに乗り込みエンジンを噴かすとゴオオオと音をたてながらタクシーはガシャンガシャン音を出したと思うと戦艦に変身。そのまま何も無い空間に入っていくように帰っていった。

 

 

「………。」

 

 

終わってしまうと全てが幻だったかのように感じてしまう。

だが、手元にある玩具のような掌や顔が適当に書いてあるロボット、玩具によくある音を出して光る光線銃のような機械が、現実だということを証明していた。

 

俺はその中から赤い掌、鷹の手を持ち上げるとエネルギーを指に集めると短く唱えた。

 

 

「デラボっ」

 

 

波動砲よりは威力が劣るが、それでも明らかに殺傷能力の高いソレは光ながら空に瞬いて行ってしまった…。

 




球磨じゃなく熊です。

レオナルド博士の鳴き声(笑い声?)の表記が出来ません…しかも、ヤマトの方までキャラ崩壊してますし、鷹の船に至っては全然出せなかったです。

いつかやってみたかった爆破オチも海上となると不発するという…なんかいろいろスイマセンデシタ!


いつかヤマトの手にあるマシーンは日の目に浴びる予定ではありますがいつになるかは分かりませんし…。

大人版駆逐艦とか出したい…。

幼女版足柄r…ええ、私はナニモイッテオリマセンヨ?
ゼンゼンアシガラsanはお若いですって…よっ、美人!イケメソが放って置かないぞぉ~

…ンじゃなくてソだが。


…チュドーン。
ピチューン。


ええ、残機はまだ残っているから大丈夫ですけどね?

茶番でした!


後書きまで御丁寧にお付き合い下さりありがとうございました。
次回は…まだ未定ですが、明日には上げられるよう頑張ります!では、本当にありがとう御座いました!





…足柄さんをディスってしまいスイマセンデシタ!


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マシンガンと繊細な心

評価と的確なコメントと言うものがこんなにも胸に刺さるんですね。

よくない方向に考えが偏り初めてしまいワケわからなくなってきましたよ。
リアルの方の生活でのストレスかもしれませんが…兎に角、このままじゃいけないと思い、決意致しました!
そちらは後書きにて失礼させていただきますね。

今回は一つだけ注意があります。
アホみたい文がありますが、どうぞ寛大なお心で作者である私の失態をお許しください…。

では、どうぞ


後悔は先にたたないとは誰の言葉だっただろうか…。

俺には全く分からないがそれでもこの言葉がどれだけ正しいのかというのは身をもって知ったばかりだった。

 

 

「一体貴方が何をしたのか話して下さいませんか?」

 

「スイマセンデシタ…」

 

「いえいえ、責めている訳ではないですよ?むしろ逆です、逆!こんな話題間違いなしのネタなんてそうそう転がってる訳じゃないんですから是非と思って、インタビューさせてもらってるんですよ!!」

 

 

妙なのに絡まれた…。

この時ほど自分の浅はかさを恨んだ事はないだろう。目の前の艦娘は目をキラキラさせながら俺の周りを嬉々としてグルグルしている。女性にする言葉ではないがまるで何かにたかるハエ…そう形容したくなるほどの執着だったのだ

 

興奮冷めやらぬとはこういう事を言うんだと考えるのにそう時間は要らなかった。

 

 

「では、あの時の私目線で見た事を話すので修正して下さい!では行きますよぉ?」

 

 

この子のテンションはおかしなぐらい高いのだが、せめて自己紹介位は始めにやってほしい物だ…。

もし尻尾があれば扇風機の如く、またはプロペラの如くブンブンと荒ぶっているのが目に見えている…本当にそれぐらいにハイテンションなのだ。

 

 

「そもそもの事の発端は私が遠征が暇でコッソリ抜け出してこの海域に入ったのが問題でした。面倒な仕事から解放、そして今どこの鎮守府でも話題沸騰のヤマトさんがいる此処に事前アポ無し突撃インタビューができるんだとワクワクしながらそりぁスキップでもし出しちゃう位に調子に乗っていた私です。そんな心境でルンルン忍びこんだ瞬間に駆逐艦ハ級の群れに遭遇しました。私は一人に対してハ級達は五艦です。誰の目から見ても絶体絶命という訳です。流石の私もちょぉっと、深入りし過ぎたようですね。でも、諦めずに三匹までは大破させたのですけどこちらも気付けば既に大破状態です。その状態で無傷の二匹の深海棲艦を相手するには緊張する訳ですよ!緊張は高まり、青葉は手に汗を握りながら二匹のハ級の攻撃を受けないために注意深ぁく相手の一挙一動見逃さないように慎重になっていた所で、私は一つのミスをした訳です!!何とそんな大事な瞬間で弾薬が切れてしまいました。

私には打つ手も無くなってるんですから後はハ級に沈められるだけとなってしまいました…。それを好機と見たのかハ級は格好の獲物だと言わんばかりに飛びかかって来ました!…でもぉ、神様は居た!そう、こうして私は助かっている。死を覚悟した私はこれから襲いかかるであろう衝撃に体がすくんで身動きがとれないまま一瞬という長い時間目を背けて己の体を抱く。しかし、そんな予想とは反して何時まで経っても襲ってこず恐る恐る戦々恐々とした面持ちでゆっくりと目を開きます。目の前には飛びかかってきた筈のハ級ではなく、一人の男性の広い背中…。何かを背負い、颯爽と現れ、自分を顧みずに身を挺して守ってくれていたのです!!

敵はヤマトさんの腕に捕まれて、ぷらーんとしながらビクビクしていました。私はその一部始終しか見ていませんが、それは正に白馬の王子様のようでした。強い彼は私を守るために一瞬で駆けつけ、目の前に躍り出るとパパっと脅威から救って見せたのでした!ですが彼は大人特有の落ち着きを持って居たためか、ハ級を殲滅するのではなく頭を撫でながら叱って見せたのです。叱られたハ級達は頭を一度下げると撫でてくれた男の手にすりよったのです。言葉を理解するとは考えられて来なかった獣を男は従えたのです。ええ、それはまるで物語のワンシーンさながらでした。

彼はハ級達に満足げに、慈愛に満ちた微笑みでもう一度一撫ですると労るかのように傷付いたハ級も救って見せました。

でも、物語は此処で終わりません。彼の男は帰っていくハ級を見送ると今度は恐怖から力の入らない私に向かって手を伸ばし、頭を撫でるとこう言いました。『よく頑張ったな』と。そして、男は私の手を引くと優しく立たせてくれたではありませんか。安心するような彼の優しさに浸っていると、彼は蕩けるような声を出して『でも、やんちゃが過ぎるよ?女の子なんだから怪我をしないようにしないとな。心配してしまうだろう?』とハ級に向けた時とは違う見る者全てを魅了するアダルティで、ダンディで、ハートブレイクするような笑みを浮かべました!勿論私はこの瞬間に恋に落ちたのです。

そのあとの事は………」

 

 

第一に長い。次に途中で物語って言っちゃってる。後文句を付けるなら、いきなり語り口調になり始めたり、盛り上げるためか嘘が混じっている…。修正する暇さえ与えないマシンガントークはよく噛まないで言ったと感心するよ、ホント。

 

 

「俺はアダルティでダンディな笑みなんてしてないだろうが!!」

 

「そこは私の感性の問題なので大丈夫ですって!」

 

「…まあ、いいだろう。なら、此処に踏み入れる切っ掛けは一人一人役目を持ってやっている仕事から逃げるためとか言ったな?」

 

「…テヘペロ?」

 

 

右手を頭の後ろに持っていくと舌を出し、片目を閉じてウィンク…完璧なテヘペロと言えるだろう。でもサボったせいでこんなことになったという事を全く懲りていないようだった。役割分担あっての仕事だろうに、それをサボったとなれば仲間に迷惑がかかったんじゃないのか?そっちの方が俺は心配だよ…。

…全く。

 

 

しかし、まさか俺がこんな訳分からない巻き込まれ方をするとは思えなかったな…。

ヲ級と炬燵で和んでいた所をイ級が焦った感じで来てみれば、ヲ級が今すぐにその場所に向かってくれって、焦ってたんだもんなぁ。あんなヲ級は初めて見たよ。

それでヲ級に言われて急いで来てみればジャレてたと思われるハ級が度が過ぎて大破してたのを発見して何があったのかと焦ってみれば、ハ級二匹がボロボロになっている茶髪のショートのポニーテール(?)な女の子が一触即発な雰囲気を醸し出していたから。

 

で、焦った様子の女の子に飛び付こうとしていたのが分かったから飛び出して横からハ級を掴んでどんな事情か問いただす前に一先ず女の子がボロボロなのはハ級のせいだろうと判断した俺は叱ったという訳だな

 

そして最初はジャレつこうとしてたらしいのだが驚いた女の子に砲撃を食らわされて段々歯止めが効かなくなってああなった(問題が片付いた後、ヲ級に通訳して貰って知った)らしい。

 

 

そこからは目の前の女の子に言われた通り…なのかは分からないが大体合ってるように褒めて落ち着かせて帰るように言い聞かせたという事。

 

 

「…実際はこんなもんだよ。」

 

「…ふ、普通ですね。ヤマトさんの事ですからもっとやらかしくれると思ってたのになぁ…うぅーん…ま、大丈夫です。記事にするときは何時ものように盛りますから!」

 

「それがさっきの奴か?だとしたら盛ってるんじゃなく捏造の域じゃないかと、俺は思うのだけど…」

 

「いいんですよぉ~!ヤマトさんが分からないと言ってるのはどうせ私が感じた所何ですよね?なら、私の体験を基にしたってだけなんですから捏造なんかじゃないんですって!それに、女の子はこういう記事の方が受けがいいんです♪」

 

「…そういう物なのかなぁ」

 

「ある面から見れば本当のことであり、真実です。私が感じたものは全て偽りのない事実なんですから」

 

 

はにかむ女の子はおちゃらけた言葉ではなくその顔は真剣そのもので彼女の言葉の真実味がより増していた。それをスゴいなぁと感心していながら、ある事に気付いた。真実味のあると言うことは本音から来るという事で……俺は顔が熱くなった。自分の思い違いだろうが女性にあんなことを言われてしまうと恥ずかしくなる…。

 

 

「君の言葉を疑う真似をして済まなかった。…一つ聞きたいんだその白馬の王子様って」

 

「うぇ!?…あ、あ…ああーー!!?あの、アレデス!さっき言った言葉今すぐに忘れてくださいよぉ!?青葉のあの言葉 まるで告白みたいになってるじゃないですかぁぁーーー!」

 

 

何を言われてるのか分からないという顔をする青葉と名乗る少女は次の瞬間には俺以上に真っ赤に染まり、アタフタし始めていた。告白とは一体なんだろうか?

 

 

「君がそういうなら忘れるよ、青葉…が君の名前って事で良いのかな?そうなら青葉って呼ばせて貰っていいかな?」

 

「このタイミングでそういうこと言われると…い、いいい意識しちゃうじゃないですか。」

 

「青葉は俺のこと詳しく知ってたみたいだけどもしかして何処かで会った事あったのかな?」

 

「くど、く…くくく口説かれてる!?」

 

 

焦り方が先程から尋常じゃないんだが…アレは大丈夫なんだろうか?汗とか出る位に顔を赤くして慌ててるし…湯気も出てないか!?

 

 

「おい、青葉!」

 

「いひゃぁぁーーーー!!?」

 

 

心配になって青葉に呼び掛けながら落ち着かせようと肩に両手を乗せて身動きを取れないようにすると、その瞬間に腕を弾かれ凄い大きな声をだして叫びながらあっという間に視界から消えてしまっていた。

…俺ってもしかして避けられてる?

触っただけで大絶叫しながら逃げられるって…嫌われてるとかって話じゃ済まないよなぁ?…俺が一体何をしたと言うんだろうか…。

あ、涙が出てる……。

 

青葉ぁ…せめて何がいけなかったのか位教えてください。

 

などと、幾ら弱音を吐いたところでその声は届くことは無いと知りながらもそれぐらいしか今の俺には出来ることが無かったのだ…。

次会ったときは謝らなくちゃな…。

 

青葉…青葉?…あ、ヲ級の会話で出てきた人物じゃなかったか!?

 

 

 

…ヲ級に相談しながら何が悪かったのかを反省しよう。うん。それが今の俺に出来る贖罪かな…。

俺はこの世の終わりでも迎えるかのような気持ちになりながらゆっくりとヲ級の基に戻っていくのだった。

 




青葉でしたが、作者である私自身何がしたいのか分からない結末になりました…。

青葉のイメージでいうと、普段はグイグイくるのにいざ踏み込まれてみると一気に奥手になるっていうイメージを持っています。
[グイグイ]を表したかったからマシンガントークをさせてみれば文章が大変な事になりましたし、全部が全部裏目に出ましたね…。

うぅーむ…もしかしたらこれがスランプという奴でしょうか!?

最近はグダグダ具合に拍車がかかっているというか、纏まりがないと言いますか…明らかにクオリティが落ちてますよね?
このままなし崩し的にやっていても回復するとは…
なので、更新の速度をガクッと落とすことになるかもしれません。今回は納得がいかなくても出来てしまったので上げましたが、次からは納得が出来る仕上がりになったらあげようと思います。
不定期な更新になると思いますが、皆様に迷惑をお掛けします…。

どうも、すみませんでした。



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砲撃音のその先に

お久しぶりです。

皆様、大変長らくお待たせいたしましたね!!作者は無事卒業を果たしました!
…というのはどうでも良いことで少し初心に戻ってヤマトの話し方が真面目モードです。


あとは…やはり宇宙戦艦である必要性は皆無ということでしょうか…いや、最初はあった筈!
手直ししてる際にシリアスがいやになって直したらヤマト要素が無くなったとかじゃないです…あと、何度も書いてるのに書いてる最中におかしな事になって文章がごっそり無くなったとかでも…すいません。言い訳はしません

さぁ、煮るなり焼くなりフランペして臭みを消したり、炒めたり、和えたり、好きに料理するがいい!!


…お腹がすきました。では挨拶もこの辺でしめさせてもらいますね~…どうぞ!!


よく分からないまま青葉とは別れた。で、ヲ級とも話したんだけどニヤリと笑うと「ヲッヲッヲ~♪」と機嫌がよくなると同時に青葉とは色々とお世話になってるらしくこれからが楽しみだとかなんとか…。

正直黒い笑み半分の純粋な笑み半分という何か企んでそうな顔だったけど気にしない方が良いとの事なので気にしない事にした。

 

ヲ級なら決して悪い事といっても戦争に発展するようなことではないだろうから見逃しても問題はないだろうなという考えだが、出来れば程々にしてほしいと思う。棒名さんたちと初めて会ったときのような冗談は心臓に悪いんだから…。

 

 

ま、その時はその時だろう。

臨機応変に対処していこう…。俺としてもヲ級と一緒にいるのは楽しいと思ってるんだからな♪

 

 

と、考えてた時だったかなぁ。水面を揺らす大きな砲撃音が鳴り響いて現実に戻された。

 

 

つい最近に青葉のあの出来事で、それが戦闘の狼煙であることに直感で勘づいた俺は音の発信源に向かいエンジンを噴かす。ゴォオという一瞬の音を置き捨て、飛んでいく。

 

砲撃…その発信源は深海棲艦の子でその前には二人の戦艦の子が反撃もせずに避け続けているのが近づくにつれ見えるようになっていった。二人の少女は茶色い肩までかかる位の長さの髪が跳ねていて、それに反するように後ろ髪はピンっと伸びた子と黒いストレートの腰までかかる長い髪をたなびかせる艦娘で、茶髪の子は中破しているらしく剥き出しの肩やスカートから伸びる脚から血が滲んでいた。黒髪の子も茶髪の子を庇うようにしているため、小破程度だが明らかにケガをしてしまっている。

 

それと敵対している深海棲艦の子は無傷で見たことも無い子だった。…と言うことはきっとあの波動砲の時の宣言を知らない、又は無視している状況なのだろうと推測される。

 

そして茶髪の子が避けられないという状況に気がついたようでニヤリと厭らしく笑い、茶髪の子ばかりが狙われていた。黒髪の子はその砲撃から守る為に避けられないでいたために大破寸前になっていた。

 

 

「やめろぉおおおーーーー!!」

 

ま、柄にもなく叫んじゃったんだが致し方ない。深海棲艦がトドメと言わんばかりに砲門全てを茶髪の子に向けた瞬間に墜ちていくユキカゼと姿が被って見えたんだ…。気付いたときには射線上に飛び込んでた。手を伸ばせば届く…今度こそ全てを救えるかもしれない。今の俺にはそれを成すだけの力がある―

 

エネルギーの大半をエンジンに回し、防御し衝撃から守ることなくむざむざと的に背を向けながら二人の前に躍り出ると勢いを殺すことなく海面にぶつかりデカイ水柱を上げながら急停止、二人を抱き寄せるように胸に引き寄せ、襲い来るであろう砲丸から守る。

 

 

「―女の子がそんな危険な事をするんじゃねぇ!! 誰かが怪我でもしたらどうすんだ!その綺麗な顔に傷がついたらどうすんだっ!!」

 

…焦ってたのは認めよう。何故かそんな事が頭に浮かんでたんだ。とっさだったから余計だが両者にそんなこと言っていた。しかりつけられた事も理解が及ばないままポカンとしていた深海棲艦は一瞬で湯沸し器の如く湯気を出していたようだったが海に潜っていくように巣(?)に戻っていった。かなりの速さで追い掛ける事も不可能だったから何も出来なかったがな。

 

 

で、怖かったからなのかそれとも衝撃から耐えるためかは判断がつかないが目をぎゅっと閉ざしていた状態から恐る恐るといった感じで目を開ける二人は俺を見て絶叫を上げていた。

…たしかに怖い思いをして切り抜けたと思っていたらいきなり目の前の視界いっぱいに異性がいたら俺も驚く。最悪失礼だが声を上げてしまうかもしれない。

 

 

…で、背中の直撃による被弾で衣服が焦げ、少し赤くなったがこの程度なら問題はない。でも、顔に出来た紅葉は痛かったとだけ言っておく。心とかが特に痛い…弁明も説明もしないがな。俺が悪かった…以上である。

 

 

 

 

「―で、あるからして…む!おい、しっかり聞いてるのか!!」

 

「あ、はい。たしか元帥さんの使いとして来たんですよね? それでどれだけその元帥さんが偉いかのレクチャーをしていてくれていた…と」

 

 

目の前で話しているのは黒髪の方の長門さん。

 

 

「何故説明口調なのかは問わないがしっかり聞いていたようで感心だ。」

 

「あーいえ、照れ臭いので頭は撫でないで下さい。」

 

「ふふっ、長門姉さんがこんなに素直に自分をさらけ出してるのは珍しいのよ?」

 

「む、陸奥!!」

 

 

長門さんに怒られたのは呼ばれた通り陸奥さん。長門さんとは姉妹である。

 

 

「きゃー怖い!また守ってくださいません?」

 

 

…すいません。思考が追い付いてませんのであと然り気無く押し付けてるそれを離してくださると嬉しいですね、はい…。

いや、俺だって男だからそういうことされて嬉しくない訳じゃない。だが、やはりそういうことは好きな人にやるべきだ。気軽にボディータッチはするべきじゃない…もっと自分の身を案じてほしいのだよ。

 

 

「…ヤマト、貴様妹に不埒な考えを抱いたのではないだろうな?」

 

「まさか、今は一つの意思ある者として、誇りある日本男児として、ヤマトの名を冠している以上俺は時と場所位弁えるさ。単純に陸奥が接しやすい性格なのは分かったけどもう少し身を案じてほしいと思っただけだよ。」

 

「む…そうか…。(…自分が情けないな。まさか妹に嫉妬していて今のような事を言ってしまったなどと…それに対してもヤマトは寛大な態度で気にせず、己を突き通す…彼なら信用しても良さそうだな。…それにブツブツ…///)」

 

 

目を閉じて熟考をしているようだ。

…因みに彼女達がここにいる理由は遥か遠くの海域から遠路遥々俺と会いにきたらしい。

 

というのも、何処の鎮守府内でもあの波動砲の一件で忙しくなってしまっているらしい。…報告書を読んだ偉い人達は自己保身に走り、干渉により矛先が向かないように不干渉を決め込んでいる者もいれば過剰戦力である俺の力を物にして出世しようという野心家達もいて、また俺の存在を認めないと戦争を企てる者達まで出てきている…らしい。

故に、ひっそりと元帥から長門と陸奥の二人は俺の人格や危険性についての調査を任された…らしいのだが成り行きでこうして隣にいたりする。

 

 

「…ふふ、さっきまでの横顔は凛々しかったのに素顔は可愛らしかったのね♪」

 

「…可愛いというのは分からないが、敵対する意思のない者なら友達になれるからな。それに、長門の説明で事情は理解したからな。あと、近いです。」

 

「照れてる照れてる。でも、それが嘘という可能性は考えなかったの?」

 

「ない。あの言葉は幾ら事前に用意されたとしても本人の気持ちまでは本音じゃなきゃ宿らないよ。それに信用に足る人物である以上無駄に疑いはしないよ。」

 

 

間髪いれることなく即答する。元帥の話をしている時の長門は真剣そのもので…出会って間もないが俺の目から見た彼女は融通が効かないぐらいに真面目過ぎる性格だという事は理解できた。そして真面目すぎる長門を補うように妹である陸奥が肩の力を抜かせるようにわざとちゃらんぽらんな性格を装っいる…というのが俺の感じた二人の特徴だろうか。

 

 

「二人で一人…いい姉妹だな。互いに助け合う精神は是非とも見習いたい物だよ。」

 

「ふふ、いきなり褒めても何も出ないわよ。…で、でもありがとぅ」

 

「そんなんじゃないさ。ただ、思ったことを口にしただけだよ。…って、少しクサいセリフだったかな?」

 

 

少し赤くなる陸奥。むぅ…そんなに臭かったかなぁ?てか、今思ったけど俺って年上っぽい女性に弱くないか?いや、きっと気のせいだ。問題ない。

 

自滅してるだけ、思ったことをそのままいっただけだけど大丈夫だよね?

 

あれ、なんで自滅したって認めてる?(混乱中)

 

 

「長門姉…私アレお持ち帰りしたい。」

 

「奇遇だな陸奥。ヤマトは凛々しくもあり可愛くもある。…アリだな」

 

 

ビクッ!?

 

はっ今何か不穏な気配が!?

少し後ろの方で俺をジーっと見つめる陸奥と復活していた長門はまるで獲物を前にしたライオンのようでした。何を話してるのかまでは意識してなかったせいで分からんかったが身悶える俺を見る目が少し変だったような気がしたのだった………

 

 




ヤマトはこうして美味しくいただかれるのであった。

ふっ…じつは前書きのアホなボケはこの為の伏線だったのだ!!

…「な、なんだってぇーー!?」と言ってくれてもいいのよ?(チラッチラッ)


まあ嘘ですけど。思い付きで動く男、スパイダーm…はい。おふざけが過ぎました。
反省しています。後悔はしてませんけどね。


あと文章を読んでいる人はもうお分かりでしょうけど、しれっとヤマトが誤魔化したシーンが有りましたよね?そこで長門の心の声として()を使いましたがどうでしょう?これからは心の声を導入したほうがいいですかね?

判断を仰ぎたいです。



…以上でしょうか?あとは感想かどこかで疑問、ご意見ありましたら申し付け下さいな。

では、また!




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襲われ、襲う…ヤマト、壊れゆく。

ランサーかっけぇぇーーーー!!

…いきなり関係無い事極まりないですね。

思わず叫んじゃいましたが、FATE/stay naightの映画版を借りて観てました。そしてあの叫びに繋がる訳です。

ま、本当に全くもって関係ない只の心の叫びなんですけどね。


艦これ…ぽいぽい娘が改ニになったぽい。
マフラーがたなびく姿を見たい!な作者である。…時雨の方が好きですけど。
くっ、財閥の娘っぽいのに…。

でも、かっこよかったのでテンション上がってましたね♪

…これは私と友人だけかもしれませんがエンディングの間奏がラブライブ!のマメフェスに聞こえる瞬間があります…。

って、呟いてばっかりですね!お待たせしました、どうぞ!!


うぅん…っは!?

ここはいったい…真っ暗で何も見えない…目からの情報の取得は不可能と理解したので諦め、耳を澄まし聴覚だけに絞り心を澄ましていく…。

 

 

―ざざー…ざざざ…ざ、ざー

 

 

壊れたラジオから流れるような…そんなノイズ音だけが俺の耳の奥で響く。耳鳴りとでもいうのだろうか? だが次第にその音は無秩序な物から法則性を帯びていくような整ったものにかわってゆく…モールス信号だとすればこれは?

 

 

―わ、た、し、い、ま、あ、な、た、の、う、し、ろ、に、い、る、の

 

―私今、貴方の後ろに要るの

 

 

っ!!?

バッと振り向きそうになるがそれを寸前の所で食い止めた。だが、さっきまでは感じることの無かった何者かによる気配が背後にはりつくようにベッタリと…それこそ潮風のようなじんわりと感じるようになってくる不快感が振り返ったそこにあるのは感覚で理解していた…。

 

そしてその気配はまるでその考えに行き着くのを待っていたかのような瞬間に実体を持ったかのように俺の体に触れた。

 

俺の背後…右から腹の横を通り服をまさぐるように侵入してくるとヘソを撫で、左からは腕を掴みゆっくりと引き寄せられる。

まるで誘導するように視線は意識とは無関係にその誘われる方に向いて行ってしまう。俺の腕を掴むのはキレイな細く長い指に白い肌…女性の物であると分かった…。

 

 

―ふ、フフ。あぁ…触れている。貴方のは他の子とは違って硬くて力強いのね…。思わず疼いちゃうわあ

 

 

耳に吹き掛けるように至近距離でそんな事を呟かれていた。

…ゾクゾクっ!そんな擬音がぴったりあてはまるように脳を痺れさせる。肌にはひんやりした白い手が這う。

 

俺は何故だかいつの間にか思考をその言葉の主に向けるようになっていた。敏感になっていく感覚。まるでそれは…

 

 

 

 

 

 

波動砲の撃つ寸前の緊張感のようで、静かに、そして熱く高揚していく。

俺の持ち得る五感全てをフルに稼働させるように鋭敏になっていく感覚が俺を支配する。ここが何処なのか…今触れているものがなんなのか…聞き取れるもの全てを聞き漏らさないとでもいうように物音1つにでも感じてしまう…。

 

 

ガシャン、ググ…

 

 

背後を取られている状態での物音。それは金属と金属がぶつかり合う物々しい音が直ぐ後ろで聞こえ出す。

今、俺は無防備だ。さらに相手はいつでも至近距離で撃つことができる…威力もさることながら、これでは外すほうが難しいだろう…俺は覚悟を決め、張り付くものを引き剥がすことを決意した。

 

 

スッ…

 

だが、俺の決意を嘲笑うように張り付いていたひんやりした白い手はここでも思考を読んでいるかのようなタイミングで俺の拘束をほどいた。

何か考えがあるのだろうか?それとも安心させてからの奇襲か?疑心暗鬼になっていくのは分かっている…だが、考えれば考える程不可解な点が増えていくため、どんどんその深みにハマっていく。

 

 

ファサ…

 

 

何気なく聞こえたその小さな音は鋭敏になっている俺の耳に残った。それは衣服を脱ぐ時のような小さな音だったが俺が聞き取るのには十分過ぎたようだ…続け様に音は続く

 

シュル…スッ…バシャン!!

 

思わず跳ね上がってしまうような大きな音は俺の耳をダメにした。くっ…水面に重いものがおちたような音だったが、静けさに慣れた時に聞いてしまったために耳が痛くなる。

 

だが、その音は俺の中にあった謎の全ての辻褄が合う瞬間でもあった。パズルの組み合わせが合わさっていくように紐解け答えが導かれたのだ…

 

 

故に俺は全ての無駄な足掻きは無用と打ち捨て、ただ己の心のままに慟哭するが如く、思いの丈を叫んだ。

 

 

 

 

「艤装をはずしてんじゃねぇーーーーーー!!!」

 

 

 

どうやらキャラが壊れるのは定めのようです。服脱ぐよう…じゃなく本当に脱いでいただけ。肌に服が擦れただけの音にドキドキと警戒していた己のバカさ加減に驚きを隠せん。そしてお兄ちゃん…もう心が折れそうです…ユキカゼ…。

振り向き様の渾身のツッコミはその女性の頭に導かれるかのように中心をキレイに捉え、その拳を叩き込んだのだった。

 

 

シュゥーー…

 

白い煙?湯気?だかを拳の落ちたその頭から上げながらゆっくりと倒れていく女性は何処かで見た深海棲艦だったが心なしかその表情は清々しそうであった…。

…顔の艶が良かったような気もするがそれが俺にくっついた…又は殴られて…というのが原因じゃない事を切に思うのである。この考えに行き着いた時点で俺は何処かおかしくなってると驚くなかで静かに達観して冷静に考える自分もいることが何処か我が事ながら面白かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性をツッコミを入れる為とはいえ、実質殴ってしまっているので放置するわけにもいかず介抱していた。

 

…勿論彼女が脱いだジャケットは体にかけてある。

上半身裸では風邪をひかないか心配だったが勘弁願いたい…意識のない女性服を着させるとなると嫌でも彼女の体を視界に入れなければならないわけで…その、まぁ…なんだ。俺には無理だった。

ヘタレということなかれ、仕方無いのだ…。

コホン、兎に角女性に俺の上着もかけてあるが…たぶんそれで大丈夫だろう。

 

女性についてだが、何処かで見たことがある…といったがそれを思い出した。

彼女は長門と陸奥に嬉々として砲弾を撃ち込んでいた深海棲艦の子だ。腿まで届く長いツインテールの白い髪に上半身は黒のジャケットに黒いビキニ(?)で下は上に合わせた黒ビキニだけと黒いニーハイソックスという何て言うか女性に失礼だが痴女…みたいな格好だった。

 

普段は艤装をつけているからそこまで変態チックに見えないかもしれないが…さっき自分で外して脱いでいるので結果としてニーハイソックス+水着(下だけ)の何処からどう見ても変態な女性が出来上がっている。

 

その女性を膝枕している自分がいったい他者からしたらどう見えるのかなんて決まっている。同族…つまり変態だろう…。そう考えると本気で笑えなくなる。

 

早く起きてくれと思ってしまうのは間違いなんだろうか?いや、きっと間違いじゃないはず!!

 

 

「…ウ、ウゥ…ん…っ!?」

 

「あ、起きたみたいですね。じゃあ、俺はこれで」

 

「待チナサァイ。」

 

 

腕を掴まれたので力を入れ無理やり抜けようとも考えたが、一応謝るのも必要か…と遅れながらに気付いた為に溜め息を一つすると共に彼女に向き直った。

そして言葉を失った。

 

 

…考えても見てほしい。さっきまでの彼女の格好を…

更に、いきなり起き上がったりしたらかけていた物はどうなるかを…

 

 

「きゃー、エッチ」

 

「棒読みじゃねぇか!!てか服を着ろ!あと隠せ!!」

 

「見ラレテ恥ズカシイヨウナ身体ハシテナイワァ。」

 

「そういう意味じゃねぇ!!羞恥心を持てといってるんだよ!」

 

「…ッハ!?モシカシテキャーエッチト言ワレルヨリ、私ニ何ヲスルツモリダッタノ!!エロイコト…ソウナノネ、エロイコト事シヨウトシタノネ!?ノホウガ好ミダッタノネ?」

 

「選り好みじゃねぇし、関係ねぇよ!!」

 

 

黙ってたら永遠と色ボケ続けそうな勢いのアホを今度は昏倒させない程度の力に加減をしてチョップをおみまいする。本当に洒落にならない…。あと、どれだけ言葉で取り繕っても冷静じゃないのはわかってるらしく常にニヤニヤしながら何時までも着替えずにこちらに見せ付けてきていた…。

チョップされてそこで初めて渋々といった感じでジャケットと上を着てくれた。

勿論視線は後ろを向いたから見えてない。音と声音からの判断だがな。

 

 

「…じゃあ、真面目に話しましょうか。」

 

 

先程までがおふざけだったという様子で目をスッと細くし雰囲気も一触即発のような物にする目の前の深海棲艦の女性は目の前で足を組み、カリスマ性を醸し出しながら此方を値踏みするかのような視線を向けた。

 

それが何かの合図だったかのように俺も真面目な時の自分にカチリとすり変わる感覚が伝わった。

俺をここに拐った理由も戦う為ではなくもしかしたら対談をするつもりだったのかもしれない。戦うためなら意識を取り戻す前に攻撃を始めたら良かったのだから。

 

…と、考えていた時に長門との会話の一端を思い出した。

 

 

 

 

「…助けてくれて感謝する。そして会いたかったぞ、宇宙戦艦ヤマト殿…

私は貴方の考えを聞かせにもらいに来た。というのも、最近我が鎮守府内に貴方の力を我が物にし力を欲する不逞の輩が出てくるようになったからだ。そちら関しては出来れば拒否してほしい…いきなりで悪いがその件は出来うる限り我が鎮守府内でも対処しているがもしもの対応だと思ってくれていい。」

 

「本当にありがとうね。私達も貴方に会いに来たのは良いけど鎮守府付近の海域からずっと付けられてたみたいでこの海域ギリギリで奇襲されたんだけど、この海域での戦闘は禁止ってことになってるから反撃する訳にもいかなかったの…でも、来てくれると信じてたわ、ヤマトさん」

 

 

 

 

 

俺は静かに口を開く。

 

「…力を貸してくれというなら他を当たれ。俺は俺の戦いという物がある。

それがどういう理由であれ、深海棲艦と艦娘の戦いというなら余計に手を貸すわけにはいかないんだ、諦めてくれ」

 

「ふふ、やっぱりね。そうだと思ったわ。貴方は固すぎねそうじゃないわ挨拶をしようと思っただけ…南方棲鬼それが私の名前よ」

 

「…ヤマトだ。奇襲したと聞いたが挨拶だけ…それを信じろと?」

 

「信じるわねぇ。貴方を拐う前のこと思い出せなくて?」

 

「………。」

 

 

それを言われた瞬間に認めなくてはいけなくなった。

長門と陸奥に襲われそうになった…それこそ二人がかりで脱がされかけた時に腕を掴んだ奴が居て、海面に引き摺りこんで意識を失った。

…それは救ってくれたのであろうとタイミング的に判断出来る。それが彼女だったとしてまだ分からない。

なら、一体何で長門達を襲ったりしたのかという疑問は尽きない…。

 

 

「ヲ級…と言えば私達と艦娘の業界では知らない人は居ないと言われる人物なのよぉ?」

 

「…ふむ、つまりこの一連の騒動には一枚ヲ級が噛んでいる…と言うのか?」

 

「ふふ、察しのいい子は好きよぉ?でも、貴方は勘違いしてるわねぇ~?」

 

 

俺は彼女が何を言っているのか一瞬理解に苦しみ、怪訝な顔をしてしまう。その様子を一瞥した南方棲鬼の彼女は不快な顔をするどころか、この心の読み合いを心底楽しそうにして南方棲鬼が俺が勘違いについて熟考する姿をすると悦に入ったように顔を上気させる。彼女の行動は先程からずっと理解に苦しむ…。

何か彼女には目的が有るのだろうか?

だとしたら話す気など一切なく笑って誤魔化しそうなので何としてもその原動力となる目的への活路を探さなければならない…。

 

キーワードはヲ級…となると思い付く切っ掛けにはなるのだろうから思い付く限りで振り返る…。

最近は何やら忙しいからと余り姿を見せてなかった。深海棲艦での知り合いは俺には少ないためにどうしているかは想像し得ない。

だが、彼女が何もしてないと言うことは何時だかのイ、ロ、ハ(以下略)級との交友が有った事からあり得ないと断定する事が可能である。

 

初めての出会いまで遡ってもそこまで彼女はおかしな行動はとって…ないとは言えないのがヲ級だなぁ。友達として悲しい性だよ、全く。でも、だからと言ってもネタばかりの彼女だ…どれがどう繋がるかなんて予測するとなれば時間がかかってしょうがない。

そうなると矛盾点を探す必要があるだろう。

 

…ブラックジョーク?…は関係ないか。

 

 

「いや…ちょっと待てよ。そういえば丁度アノ時だったよな?」

 

 

閃くものがあった。いや、彼女にしては珍しいネタだったがその時は新しいパターンで責めてツッコミ待ちなのかと思って気にしてなかった。あの長い夢の話は彼処までやって初めて自分から終わらせていた。ボケとしては彼女の好む種類のボケでは確かにない…。

彼女は短い合間にボケを連発し、スピーディーなテンポ重視の傾向にある。…違和感があるがもしかしてそれが布石になるのだろうか?

…もしかして青葉、か?

それは流石に考えすぎだろうか…。

 

 

「そうだ!! 知り得ないと言えばまだある。…ヲ級の俺に対しての宣伝に関しては一任してるからどうやっているのかは分かってない。ひょっとしてそれが原因なのか!?」

 

 

南方棲鬼は俺が驚愕する表情を見て、生徒を見守る先生のような生暖かい瞳をする。…俺が不埒なのが原因かもしれないが格好と相まって色気を感じてしまう。…思わず照れ臭くなりプイっと視線を違うところに向け気を紛らわせると平静になるまで御経を唱えて煩悩を抹殺していった。

 

 

「結果的ナ面デ見レバ正解カシラァ?私トノ会話デソコニ行キ着イタ事ニ驚キヨォ…デモ、驚カセテモラッタ対価ニハ見合ウハネェ。ナラ話スワヨォ?」

 

 

予想外だったらしく嬉しそうに破顔する彼女は実際に声を出して可愛らしく笑うと俺は何時しか見惚れてしまっていた。純粋な笑顔が綺麗だったから…そんな表情も出来るんだなぁなんて思い、此方もそれを見て微笑んでしまっていた。

どれだけ時間が経ったのか分からないが、落ち着きを取り戻した様子の南方棲鬼に習い、俺も聞き漏らさないように真剣に耳を傾けた。

 

 

「…深海棲艦ヤ艦娘全員ノ業界…トイウ事ジャナイノ。我々、YAMAT(ヤマット)…ヤマト様ニ憧レ求メ崇メルTeam(隊でも可)トイウ者達ガ我々ノ業界デハ存在シ一般トシテ認知サレツツアルワァ。創設者ノヲ級ニ初メ、公報担当及ビ副隊長ノ青葉ガトップトシテ君臨シ今デハ娯楽ノ少ナイ私達深海棲艦ト艦娘ノ間デ面白半分デ頭ヲ突ッ込ンデノメリ込ンデイク者ガ多発。

現在デハ次第ニ広ガッテイッタ勢力ハ政府モ無視出来ナイ物ニナッタ為ニ知ラヌ者ハイナイ位ニナッテイルノヨォ?提督内デハ折角ノハーレムヲ脅カス存在トシテ敵対スル意識モ芽生エテルトノ情報ガ私達ノスパイカラ入ッテル。…人間ナンテドウシヨウモナイワネェ」

 

「…人間がじゃない。欲深い者だけだ…それが全てじゃないよ。何かを欲っし必死になれるのは生物として輝かしいことだからそれは仕方無い事だ…。だがそれだけの理由で俺ではない誰かに矛先が向かうようなら此方も手加減なんてしない。己の弱さに負け、艦娘が傷付くのを平然とし後ろで隠れるような臆病者な輩なれば塵すら残さず殲滅するだけだ。誰かの痛みを知らないもの者が人の上に立つなど言語道断。覇道の下の礎としてくれる!」

 

 

少し熱くなりすぎたのかもしれない実際にはそうならないことを誰よりも願っているくせに口ではこんなことを言ってしまっていたのだから…。

でも、この覚悟はとっくの昔に…それこそ戦いに出向くことになった全ての始まりの日に、沖田艦長が初めて一戦艦でしかなかった俺を認めてくれた始まる前の出会いの日に出来ている。平和への架け橋になることだってそう簡単な意志で決めたんじゃない。なら、俺はこの一つの言葉に責任を持たせるだけだ。

これは俺への楔だ。

誰かの為になんていう押し付けじゃなく、俺自身への意志だ。

 

絶対に曲げちゃいけない信条だ。ここまで豪語したんだ、やらなきゃ男が廃る!

 

 

「…ソレガヤマトノ決意ナノネ。コレハヲ級ヲバカニナンカ出来ナイワ~…ナルホド、過言デモナク本当ニ頼リタクナルワァ。 モシ暇ナ時ガアレバ私ガ居ル此処から南南東に直進ニ海里程ニアル所マデ来ナサイ。持テ成ス位ナラシテアゲルカラ

(クッ…全ク私トモアロウ者ガ又人ヲ好キニナルナンテネ…アンナ真剣な目ヲ見セラレチャドウシヨウモ無イジャナイ…///此処マデ私ニ言ワセタンダカラ来テクレ無カッタラ夜這イデモカケチャオウカシラ、ナンテネ♪)」

 

 

南方棲鬼は柔らかな雰囲気でそう言うと手を繋ぐと恥ずかしそうにしながら上へと俺を引っ張っていく。

光が差し込む天井はユラユラと揺らめき、光を揺り動かす。揺らめくそれが波であることはなんとなく理解することが出来た。それは戦艦であるという本能からくるものなのか、知識からくるものなのかは分からなかったが綺麗だと思った。

南方棲鬼に光が照され、少し赤くなってた顔と白い髪は光を吸収して光ってるようにも見え彼女は絵本の中から飛び出した幻想的な存在に見え、こういうのもたまにはいいかという気持ちにさせた。

 

 

「…おふざけが過ぎえたけど、楽しめたよ。ありがとう」

 

 

その呟きは聞こえたかは分からない。でも、それでも口にしたかったから俺は小さくそう言った

 

 

 

 




(性的に)襲われ(ツッコミという名のもので)襲う…(キャラが)壊れていく…な回でした!!

感想にあったヲ級と青葉の関係について…と、皆さんが気になっていた長門と陸奥の姉妹に「おっ持ち帰りぃ~!」されたのかを題材に話を展開させようとしたら長くなってしまいました。どこで切ろうかとか考えている内に時間が経ってしまいました…。

基本的に思い付きでやっている状態なので先が見えてる訳でもなく…まあ、言い訳になるんでこれ以上は止めますね?



そして、私は思いました。
痴女な南方棲鬼さんいいと思います!基本Sなのに好意を寄せてる人の前だと少しMっ気がある…うむ、鼻から忠誠心です。


作者である私にも読めない(ダメだという自覚はある。)YAMATとは…?
果たして一体どんな組織なのか!

…スワットから考えたとしたら余りにも捻りがなかったことは反省してます。では、次回お会いしましょう!



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沈黙の鎮守府、恐怖染まる二人

最初は番外編という表記にしようか迷いましたが止めました。
今回はヒロインは無し。恋愛要素も皆無です。

でもシリアス要素も皆無です。宇宙戦艦要素もほぼ皆無です。
ついでに作者の名前は文才皆無。です。


…こほん。ジョークです。

やっぱり鷹の爪は面白かった!映画の五作目を見てました。
アルペジオも最高だった!イオナ可愛い!タカオもバ可愛い!こんg…金剛!?あれま…これはあれっすね、艦これの金剛のかちですかね~
いや、アルペジオ好きとか金剛好きに喧嘩を売った訳では無いですけど。



とにかく、始まります!


とある日の出来事。

最近出番として認知すらされなくなった輸送艦兼補給艦(?)のドラム艦。そこ上で在ることに気付いた。

足を入れると炬燵の中でカサという音がして、何か薄い物がある感覚がした。炬燵に手を突っ込み、掴み、引っ張り出す。そこから出てきたのは一束の紙だっだ。

 

一枚一枚は薄いレポート用紙だが、何枚も重ねてあるようで爪先程度の厚さのソレ。表紙には上に2つ穴が空いており、そこに黒い紐を通し蝶々結びで纏めてある。自分のではないソレは何時だか来ていたレオナルドか球磨か、ヲ級の物であろう事が予想される。

 

誰のものだろうか?という疑問はやはり尽きない物で、一度気になると確認したくなる…。

 

もし、レオナルドの物だとしたらどうしようもないんだが球磨のなら鎮守府も此処からなら近いためそこまで苦ではない。ヲ級のだとしたらどこに居るのかなど知るよしもないため、大事に保管しなければならない…ということになる。

 

 

「これは確認作業だ。…だから、疚しくはない」

 

 

いや、誰に対しての言い訳だよ!とセルフツッコミをいれつつ表紙の文字を…

言葉が出ない。

 

頭が真っ白になった。そこにあった文字は到底理解が及ばない。てか、こんなの需要があるのか!?誰だ!こんな馬鹿げた物を作ったのは!!とか色々言いたいが落ち着こう。

 

そして、落ち着いたのを静かに確認するとまたそこにあった文字に目を向けた。そこにあった文字とは…

 

 

『第一回議案 宇宙戦艦ヤマトについて ~あの子の気になる○秘情報も載せよう。はぁと~』

 

 

はぁとってなんだよ!!マル秘ってなに!?胡散臭すぎるだろ!!

落ち着くなんて出来なかった。…え、なに?もしかしてヲ級ってスパイかなんかだったのか!?

最初はヲ級と断定したが、おふざけした名前ならまだミクロの世界でまだレオナルドの可能性もある…。だが、思わず視点を移動させ下に向け、黙り混んでしまった。

 

 

『提供、YAMAT及び幸福湾鎮守府の提督ポケットマネーより』

 

 

つい最近に知ったYAMATの文字について、これには頭痛すら感じずにはいられなかった。ヤマトに憧れ求め崇めるチーム…通称ヤマット おかしな宗教団体様である。これの開祖であるらしいヲ級と裏で通じ色々とやらかしてくれているらしい青葉。そして此を見た瞬間にあそこの鎮守府の女性提督さんもグルであるということが判明した。これでこのアホな物がヲ級の物であるという事が絶対的な確信へと変わった。

 

…提督さんもまともになったと評判で最近は鎮守府内の艦娘の方々に好評だったのに裏では全力で馬鹿だったようだ。

怒る気にもならず、最早呆れてすらいる。…もういっそ遠くに逃げ出そうかな…。最低でも一週間は鎮守府には近付きたくないよぉ…

あ、そう言えば南方棲鬼が暇なら来てくれって行ってくれてたっけ…うふふ

 

 

壊れる寸前で気持ちを強くもち、誤魔化すことでどうにか食い止める事が出来ました。心を強くもち、そのままレポートの一枚目を捲り笑いながら見て硬直。そのままの体勢のまま何拍かは自分の体感では分からないままで我に返る。

そして思いの丈をそのまま叫んだのだった。

 

 

「ブルータス、お前もかっ!!!」

 

 

何故かと問われたら、そこに書いてあった文字だ。敵も見方もない。

 

 

議長 ヲ級

副議長兼広報部長 青葉

進行役 南方棲鬼

進行役代理 チ級

書記 榛名、霧島

会計 幸福湾提督

盛り上げ役 金剛

盛り上げ役補佐 比叡

特別議会参加容認者 隼鷹、川内   ※尚、特別容認は接触機会のあったものに限る。参加義務はないものとする

拒否者 第六駆逐艦隊、伊58、多摩

マスコット イロハニホ級

置物 ヘト級

罪人 長門、陸奥、那珂

配達者 島風  (中身を知らせずに運んでいる運び屋。部外者でもあるため、要注意)

 

 

罪人による罪状及び判決は次のページに記載。

 

 

 

マスコットってなんだ。置物扱いは酷い。罪人とは穏やかじゃない。知り合いを一部除いた全員の名前が記載されている…。本格的過ぎるだろう等々突っ込みどこが溢れているがなんでこんなものがあるのかっていうのが一番理解に苦しむのだが?

もう、いいよ。開き直って諦めるよ…もう疲れたんだ。でもせめて、雷や電、響に暁ちゃん達に会いたい…。

 

 

そして最後にこれだけは言わせてくれ…那珂に関しては置いておいて何で出会って間もない長門さんと陸奥さんが罪を犯してるんだ。この三人といわれても俺の印象では真面目に取り組む自分に誇りを持ってる女性だと思ってたんだが…一体何があったんだろうか?

興味とか最早そういう世界ではない。兎に角何があったのかを知るためにページを捲り、より一層疲れるのだった。

 

 

 

 

罪人による罪状及びに裁決

罪状

 

長門 三原則第一項に抵触する行為を行った。詳しく話すなら王ヤマトさんを押し倒し情事に至ろうとしたとの事

陸奥 上記同様の行為をした。更には己の肉体を駆使し誘惑するまでに至る。うらやm…実にけしらからん…です

那珂 夜遅く、寝静まった所を奇襲。王自らによる説得により未遂に終わる。王ヤマトさんは責める事もせず寛大なお心で許して頂いた。…流石と言わざるを得ないです!

 

判決

 

長門 三原則を知らなかったという事もあり刑を軽くするが、押し倒したという事は許しません!よって、刑は三日間の監視です。悪さはさせません。

陸奥 上記同様の罰です。でも、その大きな胸で誘惑した…というのは絶対に許しませんからね!だから罰を増やしましょうという事になりました。拘束のち誘惑したその部分を一時間ほどつつく刑に処します…って何ですか!!?この柔らかさに大きさは!?女性である榛名ですらこれですよ!!ヤマトさんはこれほどの物を押し付けられ…そんなのを耐えたのですかっ!?榛名だって誘惑したいのに…そうしたら…

 

 

 

 

 

 

てかこのあと凄くビッシリ書いてあるんだが赤黒いこれは血か?…兎に角半分は埋め尽くすその文章には理解に苦しむ量の血によって埋もれてしまっているんだが…これは榛名さんを見舞いにいった方が良いんだろうか?

持っていくものは華がないけど鉄分補給出来るもの…レバー?いや、シジミという手も…だけどやっぱり女性に送るものとしてはどうしようもない位に色気がない…どうするべき何だろうか…。無難に花束でいいか…この際。

 

ウンウンと頷いて真っ赤に染まるそのページの読める所に視線を戻す。

 

 

 

 

 

 

那珂 第一項に抵触する行為であるがヤマトさん自らに許して頂いている事に加え、本人が悔い改めている事により無罪とす。もしこの結果に意義を申し立てる場合はヤマトさん本人に言うこと…大丈夫です。きっとヤマトさんならそういうはずですからね、那珂ちゃん。

 

 

…反応に困るなぁ。怒るに怒れないじゃないか…悪ふざけも大概にしてほしかったのに那珂の為にってなったら俺からは何も言えなくなってちゃう…うん?

 

…ヲ級と青葉は呼び出しだ。

 

 

風で煽られ捲れたページに書かれていた文字。それは…

 

 

 

※三原則による基本理念

 

第一項 ヤマトは王であり尊いものである。誰にも傷付ける事は許されない。この組織においてヤマトを敬愛する気持ちを忘れることなかれ

第二項 ヤマトは艦娘と深海棲艦との戦いを嫌っている。なので、組織内での相手が親の仇であろうと一切の私情による戦闘及び危害を加える行為は許されない

第三項 ヤマトを悲しませる者即ち我らの敵という事を常に胸に刻むべし。我らの敵は我々の手で誰にも気付かれる事なく裏でひっそりと消す事。どういう経緯であれ、その際第三者に悟られた場合は厳罰対象とする。

 

 

ヤマトさんのスリーサイズは上から84.5、59.8、81.2となっている。これは議長自らがヤマトさんが寝ている時に計測したものである。艤装外した体重の方は大体55から60位という…身長は165.8と小さいが体重はそれなりだなと考えますが、実際はかなり鍛え上げられた筋肉との事。脱いだら凄い身体らしく…その姿は青葉さんが裏取引しているという青葉商会で高額での取引が行われているらしいのでどうぞ御贔屓に。…とのことです

 

 

………。

ふ…ふふ…フフフ、ふフふふhuフ…

あはははは

 

 

「ヲッヲッヲ~♪一体ソンナニ高笑イシテドu…」

 

「これ…何だか分かるだろう?」

 

「サ、サァー?ヲ級ハ急用ヲ思イ出シタカラ帰ロu…」

 

「シラヲキルッテイウンダネェ?」

 

 

全速力で逃げようとしたヲ級を艤装をつけ、背後に回り肩に手を置くと逃げられないように拘束する。今怒ると止められない気がしたので出来る限り笑顔を顔に張り付けると正座させた。青葉にも説教が必要事は誰もが理解出来るだろうね?一刻も早く連れて来ないと行けないからなぁ…。

 

 

「ソレハアレナンダ!!エット…気ノ迷イ、ソウ!気ノ迷イナンダ!!」

 

「言い訳は後で聞こう。俺は鎮守府で青葉を取っ捕まえてくるからそれまでは正座だ。勿論逃げたりしたら此処等一帯を波動砲で海水を蒸発させてでも捕まえるからな♪」

 

「ハイ!!絶対ニ逃ゲタリシマセン!!」

 

「…一先ず青葉を捕かまえて戻ってくるまでに遺言の一つでも考えておくんだな」

 

 

敬礼をしたまま動かなくなり、青を通り越して白くなるヲ級。元が白いというのにより白くなれるのは一体どうなっているのか調べてもみたい気がするが、今は青葉だ。裏での売買に、隠し撮り。一回こってり絞らなきゃ反省しなさそうだからな…まったく、腕が鳴るよ…フフフ。

 

 

エンジンにエネルギーを満遍なくチャージすると空に飛び上がり鎮守府まで走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 提督

 

今日も空が青いね~♪こうも平和だとこうして仕事をサボって昼寝がしたくなるってものよね?

それにヤマトが来てからというもの戦うこともないし、逆に深海棲艦の子とも仲良く世間話なんていう事もするようになっちゃったしな~♪あー、本当にヤマト様々ってね!

それにここだったら早々見つかることもないし長い間お昼寝に勤しめる…うん。今日も晴天なり。

 

 

ビュン!ドォォン!

 

 

「…え?」

 

 

一瞬…ホントに一瞬だけ直ぐ上を何かが通り抜けた。私は深海棲艦とか艦娘の戦闘は間近で見ることは出来ないけど、あんなに早い物ってあるの!?もし、あれが敵だというなら脅威以外の何でもない。それに飛んでいった方角は丁度私が来ていた方。つまりは鎮守府ということになる…。

ぶつかるような音も聞こえたので急いで後ろを向き、鎮守府を観ると土煙がモクモクと上がっている。

 

 

呑気な私でもここまでの出来事がただ事では無いことは理解出来た。

 

急いで鎮守府の煙の上がる落下地点だと思われる所まで走り戻る。

 

 

 

 

 

息を切らし、そこに辿り着く。すると直ぐ後ろから気配がして振り向く。

 

 

「ひっ!!?」

 

 

それはそれは恐ろしい顔で私の事を見ているヤマトがそこにはいた。背後には燃え上がる炎に般若する見える…。般若所か鬼にも見える。

笑顔なのに怒ってるっていうのが凄い分かる。

 

…怖い。

 

全身が震え上がり、生命の危機と本能が警告している。

 

ゆっくりとヤマトの口が開く…。

 

 

「青葉を少し借りて行きたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

酷く丁寧な話し方なのに私にはそれが「青葉を連れていくが邪魔をするなら…消す」と言われたような気がした。

ヤマトからあふれでる怒気なのか殺気なのか分からないその濃密なオーラは常に首筋に刀を突き付けてるとさえ錯覚させる。そんなことされた私は本能に逆らうことなく壊れたようにただ何度も首を縦に振ることしか出来なかった。

 

 

私のその返事に満足したのか短く「では、失礼します」とだけ言い去っていった。

離れようと感じるその怒気に私は目を離す事も出来なく、去っていった方向から動かす事が出来なくなっていた…。

少しして落ち着いてきた…と思った時の事です。

遠くからこんな声が聞こえてきて今日1日ずっと震え上がる事になりました…。

 

 

 

「…やぁ、青葉君に会いに来たよ」

「嬉しいですね!青葉、感激です!!」

 

とても優しげに聞こえます。でも、それが真逆なのは本能が理解してたのでしょう。私には死神の囁きに聞こえました

 

「そうかぁ…喜んで貰えて俺も嬉しいよ。」

「なんですかぁ~そんなこと言われても何も出ませんよぉ~♪」

「それは困ったなぁ…穏便に事をすませたかったのになぁ~…無理矢理は嫌いなんだけど…いたしかたない。」

「きゃっ!?え、え…ええぇぇぇーーーーー!!?」

「取引はできるかイ?お前の…」

 

遠くだけどヤマトさんと青葉以外が騒がしくなっていた。誰の声かまでは特定出来なかったけど悲鳴のようにも聞こえなくない声で「あれが、伝説に聞く壁ドン!?青葉がヤマトさんに!!」とか聞こえたから端からみたらロマンチックになってるんだと思う。…でも私には分かる。あれが、死の洗礼で逃げ道を断ちこれから起こりうる惨劇を…

ヤマトさんの声が優しいそれから地獄の底から響くような低く恐ろしいものに変わっていきました…。

 

「お前の命と引き換えに売っているお前の撮った如何わしい物全てを、な。」

 

青葉の叫び声が上がったがきっと全てがもう手遅れになっているだろう。

逃げたくても逃げられない。

恋愛面で天にも昇るような思いをさせてから地獄にスマッシュ…私は直接見ている訳じゃないがそれでもそれがどれだけ恐ろしい事かよくわかった。

 

長く響いていた青葉の叫びがプツンと切れたのを境に恐怖のドン底に落ちたかのようにそれまで騒がしかった鎮守府は物音一つ立たない程静寂に包まれた。そして遠くで飛び上がるヤマトはグッタリとしている青葉背負いながら飛んでいった。

 

だけど、私には見えてしまった…ヤマトのその顔には口角の上がる嬉々としたヤマトの顔を…。

 

 

その日私は絶対にヤマトを怒らせない事を胸に深く刻み込み、誓うのだった。見えなくなったヤマトと青葉と共に消えた鎮守府を渦巻いていた怒気が霧散したのを体感し、他の子達も我に返っていく。そして無言のまま消えた青葉の方を向き十字を切ったのだった…。

 





後日…

鎮守府には青葉が転がっていた。
いた、ではなく転がっていたと言ったのは間違いではない…。

そこには涙と鼻水を流しながら「御免なさい…御免なさい、優しく殺してぇ優しく殺してぇ…Killing me softに~…」と連呼し寝ている青葉。格好は縄でグルグル巻きにされお腹の所には反省中と書かれたフリップが一緒に繋がれていた。

それを見た私は一瞬、何時だかあったヤマットの会議を走馬灯のように思い出した…。
それは私だけでも無かったようであの会議に出席した艦娘の子達はその場でガタガタと震え上がり一週間程何時自分の番が来るのかと恐怖に怯えながら一人になるのは怖く、提督室に集まり共に寝込むのであった…。


…なんとなくホラーを書いてる気分でした!!
そして今回お話で何がキツかったって言われたら
アレデスヨ、スリーサイズです。何が悲しくて理想の男性のスリーサイズを考えなきゃいけないのかっていう所でしたね…。




ではこの辺で!失礼しまーす。




え?ヲ級?…きっと、何時までも見守ってくれるよ…



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静かなる悲しみと賑やかな喜び その1

ヤマトは己の小さな決意を胸に、とあるちっぽけな決断を下す。
そしてヤマトは鎮守府へと足を運んだ…そこであった出会いは悲しみを呼び、新たなる誤解を生み出しおかしな方へと進んでいく凶兆であり、吉兆であった。

その兆しにはヤマトは気付きもしない。そして物語は…



………なんていう面倒臭いシナリオを思い付いたのでそれに沿う形で裏話有りで作りたいなぁ。と、なり今回のお話は出来ました!

ではでは~どうぞ!


ふと空を見上げて思ったんだけどそういえば名前は知ってるのに会ったこともないし、まだ挨拶してなかったっていう人がいたなぁ…とか朧気に考えていた。

 

例えば提督さんの時にちょろっと出てきた摩耶さんとか不知火さんに鎮守府に挨拶に行ったときにも雷が持ってきてくれたお菓子とかは間宮さんっていう人のお世話になったと言っていたのを覚えている。まだ他にも居たような気がするが、間接的にでも関わりがあったとなるとこの三人になるだろう…ここはやはり挨拶をするべきなんだろうか?

 

 

「うーん…あの時キレて気が動転してたせいで色々やらかしちゃったからなぁ。もう少し様子見をした方が良いかもしれないし…でも、後回しにしたせいで忘れてましたじゃ問題外だしな~…」

 

 

少し悩んだが答えは出なかった。分からない事はあんまり気にしない質なんだけど、無礼は不味いから行くことにする。悩んで分からなきゃ進まないより進んだ方が良いよな!進んじゃいけないのは遭難したとき位だし、止まるより進んでみるほうがいいってね。

 

そうと決まれば行きますか!いざ、鎮守府へ!

 

 

「ヤマト発進!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回は不法侵入に近い奇襲のような突入をしてしまったので今回はと鎮守府の正面から歩いて段取りをしながら入ろうと考えたのが挨拶しようと重い腰を上げたあと直ぐの事であり、こうして鎮守府にたどり着いて真面目に考えてみれば己の考えの穴という甘さが滲み渡り嫌でも理解する事になるのは当然であるというものだ…。

 

 

「そりゃぁこうなりますよね~…。はぁ」

 

 

どれだけ難しい言葉で取り繕おうが自分の間違いは認めないといけないから自分から自白させていただきます。

 

 

「初めて憲兵さんって奴に捕まったよ…。」

 

 

憲兵さんは体格の良いお兄さんでスッと細い目に下手に口を出すこともせずただただ彼という存在からは威圧感を感じさせ、周りを萎縮させる…。良い例えをするなら端的にヤクザ、もしくは導火線に火がついたダイナマイトだろうか?

兎に角、連絡も入れずに失態を犯しておきながら俺が鎮守府に入ろうとしたら門番でもある彼の横を通ろうとしても勿論通してくれる筈もなく現在の通り、彼に連れられるという訳である。

 

 

そして彼が口を開いたのは何だったのかを思い出すことさえ面倒に思うようになってきた時ぐらいの事である。

 

 

「こんにちは憲兵さんがここにいる何て珍しいですね?何か提督に用事でも?」

 

「…お客様がお見えに ………。」

 

「ん?…え、あ…俺か! えーっと、ヤマトです。」

 

 

憲兵さんと呼ばれた彼が口を開いた事に驚愕を禁じえない俺は彼が言葉短く端的に言い終えたのに気付かず彼がじっと無言で見ていたのを遅れて気付きすぐ様取り繕うように自己紹介をしながら頭を下げた。

 

それを見て満足したのか又前に向き直り、憲兵さんと話していた少女に用件を手短に話していた。

 

 

「提督殿の所まで案内してほしい…頼みます。自分は彼に好かれていないようなので…」

 

「…憲兵さんが不器用なだけでは?」

 

「………え?」

 

「かもしれませんが、自分は何分話すのが苦手なので…それにこの顔だから怖がられるのには慣れてるんです」

 

「…それを言ったら私だってそうじゃないですか…」

 

「…あと、宜しくお願いします」

 

 

彼の口から出た言葉に呆然としてしまって、思考がポカーンと真っ白になり止まってしまっていた。

…えっと? 彼の口から出た言葉をまずは整理しようか…

 

何も連絡しなかった俺はこうして憲兵さんに連れられていた。

それを俺は不審者又は前回引き起こした問題で連れられてるのかと思ってたけど実際は案内されていた…ということらしい?

それで彼が一言も話さなかったのは怒っているのが原因じゃなくて口下手で何を話せばいいか分からなかったってことで…俺も怒っているのかと思ってたから神経を逆撫でするような事をしないために気まずいながらも黙ってたんだよね?

 

それを今度は憲兵さんが俺の雰囲気を正しく読み取ったみたいで嫌われてると思わせて…

 

 

「って、全部勘違いだったのか!?」

 

 

俺の間違いで憲兵さんを傷付けた…最低だな、俺!!

兎に角間違いに気付けたなら彼がいなくなる前に謝らなきゃだ。憲兵さんの『この顔』と言ってた時、実際はどうか分からないけど俺には少なくてもその横顔は悲しそうに見えた…。

 

 

「憲兵さん!!」

 

 

俺は去ろうとして離れた所にいた彼に届くよう、少し大きな声を出す。 その声は彼に届いたようでゆっくりと此方に向き直り仏頂面のままで此方を一瞥する。

振り返って俺の言葉を聞いてくれているのを確認できたからその先を続ける。

 

 

「俺は憲兵さんの事を勘違いしてました。俺が全部悪かったんです!

その性で貴方が傷ついていた事も分からなかった。俺は最低だった。…でも、貴方がそれでも俺にしてくれた気遣いや優しさは今、しっかり伝わりました。嫌いなんかじゃない。俺は貴方のような誇り高き武人のような人を尊敬します!!…えっと、色々ありがとうございました。」

 

 

 

怖い顔は健在だが、あれは怒っているんじゃないと自分に言い聞かせ己を鼓舞する。ヤクザのような顔はしていても心優しい彼の心は傷ついていたのにも気付かない俺はダメダメなんだ。でも、気付けたなら幾ら周りに彼の人物像を勘違いされて傷付こうとも味方でいられるような奴になるべきなんだ。

それが今の俺にできる贖罪だ。

 

誠意を籠めれるだけ込め、深く御辞儀をする。そして頭を垂れてからたっぷり三秒程して頭を上げると彼はやっぱり仏頂面だった。

 

でも、それがさっきまでのままと言われると違うような気がしたのは俺の満足したからなのが原因なのかは判断できなかったけどそれでも、俺には彼が一瞬笑っていたように見えたのだ。

 

 

 

彼はその言葉を聞いて少しすると何も言わずにこちらを見ずに前を向いたまま手を振り去っていった。

 

 

自己満足でも喜んでもらえたなら俺は嬉しいな。…なんて

 

 

「…初めて存在を無視されたような気がします。」

 

「してませんよ?ちゃんとそこにいるって分かってたからやってたんです。えっと、なんて呼んだら良いですか?」

 

「不知火様とお呼びください」

 

「えっとぉ?不知火様?」

 

「ふふ、冗談です。」

 

 

彼と同等に表情が動かない為それがジョークなのか本気なのかが分かりづらい…。ヲ級や深海棲艦達との付き合いで分かってきたと言っても俺はまだまだだったようだ。

見事不知火に一本取られたようである。

 

その俺のリアクションが面白かったのか微笑む彼女は何処か見惚れてしまうような可憐さが醸し出されていた。

 

普段から(まだ、会って間もないけど)仏頂面な人が笑うとこんなに威力が凄いんだな…。世の中にはギャップという言葉があるらしいがなんか分かったような気がするよ。あの時はバカにして悪かったなヲ級よ…ヲ級だったからネタっぽいなんて感想を抱いたみたいだ。

 

不知火はどうやら落ち着いてきたようでまた冷たいような顔になりながらもそこに何処か楽しそうな柔らかさがあったような気がした。

 

 

…って、俺は何を言ってるんだろうなぁ。冷たい顔と柔らかい顔って矛盾してるよな?うーん…勘違いか?

 

 

「では行きましょうか。本当なら逆ですけどエスコートしますよ? …次来た時にはヤマトさんが私をエスコート出来るように…ね。」

 

 

小さく呟いた言葉を偶々聞き取ったのだが、楽しそうに口元を歪めながら言っていたので多分それもきっと俺を困らせるためのジョークなのだろう。先に行ってしまう不知火の後を追いかける形で小走りで彼女の横に並ぶと淡々と話す彼女の小粋なジョークを俺は楽しみにしながら本来の目的も忘れ、二人で話ながら歩いているのだった。

 

 




あれ?

と、思った貴方は正しいです。

今回のお話ってメインが不知火にするつもりが出来上がってみれば何故か憲兵さんがメインになってるんです!  カビラさん風に言っても文字じゃ伝わらないんですけどね

無口なクールキャラ、不器用で誤解されがちって言われたら頭の中でクレヨンしんちゃんの園長先生が出てきてしまった私はたぶんそれが思考にこびりついてこんな出来になってしまったという自分についての考察を纏めます。

そして出来上がったのはジョークの大好きな不器用な女の子という訳です。
…個人的な見解ですけど私的にはギャップ萌えってジャスティスだと思うんですよね?

しかも今回はヤマトが攻略するんじゃなくてされてますね?
まあ、伝家の宝刀(防御力最大)による自分の思いについても鈍感という事でそれに気付いてないというね…頑張れ不知火さん‼


不知火さん攻略は一先ず置いておきます。
でも、自分と色々と境遇が似ている憲兵さんの心を救ったために不知火さんとしてはヤマトに興味がある…もしくは心を許せる人物である…という判断を置いています。
…不知火さんが心許すって攻略完了してね?とか思った貴方!!

私にはまだやらないといけない物が残っているんですよ?
ふっふっふ…( ´,_ゝ`)


次回のサザエさn…物語はついにあの摩耶さんの出番が…!?


では、また次回!!


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静かなる悲しみと賑やかな喜び その2

遅れました。…というのも4月1日に社会人になりました。ということで覚える事も多く忙しくて執筆出来ませんでした。

出来てはいたんですけど修正とか確認が出来なかったためにアップすることが出来ませんでした。

言い訳ばかりで申し訳ないです。


でも、摩耶を出すことが出来たので一先ず安心ですね~
では、( ゚д゚)ノどうぞ。


二人で鎮守府を歩いている訳だが、時たま会話が途切れながらもしたがそこにあった沈黙はけして辛い物ではなく、心地よい静けさだった。

話してみてよく分かったが彼女は表情が硬い。だが、決して喜怒哀楽がない訳では無く、相手の苦手意識を素早く読み取り気遣うように距離を置いたりしているのである。

遠慮していたりと己から前に出る積極的なタイプではないのはよーく分かったが。彼女はは良い意味での不器用だったんだと思う。

 

 

「なるほどなぁ…嫌われてるから距離を置く。怖がられるから恐い思いをさせないように気遣って関わらない。

不知火って誰もが嫌がる事を率先してやるタイプでしょ?」

 

「…何ですか、藪から棒に。私の事を考察して…さては憲兵さんの時と同じように取り入ろうとしてますね?そんなことしても無駄ですからね。私は一人でいるのが好きなだけです。」

 

「ぷ…いったいどの口が言ってるんだよ。どうせ鎮守府のすべての子の自分をどう思ってるのかっていうのを把握してるくせに。」

 

「そ、そんな事あるわけないじゃないですかっ!」

 

 

そういうとヘソを曲げたようにさっさと前に行ってしまう。

不知火とはただ話しただけだが、それでもこういう仕草が可愛い女の子であることはこの短い時間でも理解する事が出来るようになった。

 

言い当てられたり、取り乱したりすると子供っぽいような…ふて腐れたような態度で心の動揺を誤魔化す。

他の人は案外こういう所を見えない位に近くにいるからなのか、それとも俺だからなのかは分からないが後者ならそれはそれで気を許して貰える位には信用して貰えたという事で嬉しいと思う。

 

 

誤解されるのだって傷付かない訳じゃない。怖がられるのだって良いものじゃない。

 

俺にはヲ級みたいな剽軽な友達が居てくれたから孤立しなかっただけで出会わなければたぶん不知火の持っているその痛みをきっと受けていた。

 

なら、俺はよかった…ではなく、本来持っていたであろうその痛みを分かつ事が正解なんだと思うんだよね?

不器用でいて、毒舌を吐いてでも鎮守府内の艦娘の皆が幸せになれる道を必死で探した彼女を俺は好ましく思う。だからなのかどれだけ嫌われようが不知火を嫌いになることなんて出来なかった。

 

…まだ嫌われてないけどな。

 

 

「だからって不知火が悪いってことじゃないよ?少なくても俺はその不知火の不器用優しさが好きだからな。

…まあ、なんだ。だからどれだけ辛くても俺はお前の味方だ! それに辛かったらその重荷を持たせてくれ、在り来たりな言葉で悪いけど一人だと辛いことも二人で協力すれば乗り越えられる…ってね?」

 

一人になんかさせたくないから、フォローもしっかり忘れない。大切な友人だ。傷付けたままというのは俺のプライドが許さない。

 

幾分か固まったように立ち止まった彼女は振り返らず今度は早足で前に行ってしまう。時折『ひゃっ』とか『うぅぅ』とか『バカですね』とか呟いてたのが聞こえたので聞こえてはいるんだと思う。でも、頑として静止の声を聞かずに前に進んでいくために追いかけるのに精一杯になってしまい確認は取れなく、小走りでその後ろ姿を追いかけ続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…で、こうなったと?」

 

「…申し訳ありません」

 

 

今俺はボーッとしつつ己の事ながら他人行儀にどこかで冷静に目の前の状況を受け入れ、何故こうなったのかこうさつ考察をしていた。

不知火をおいか追いかけてたら曲がり角で不知火が女性とぶつかり女性が持っていた物が落下。女性はこの世の終わりのように血相を変えその原因である俺と不知火を正座させた。で、今に至る。

 

 

「経緯としてはそう、ですね…はい。でも、全面的に俺が悪いわけで不知火は俺がしつこく付いていたから逃げるためにあの速度になったって訳で…差し出がましいけど、だから不知火だけは許して貰えないかな。俺が許されるまで何でもするから、なんて…?」

 

「ん?………ふふん、アタシは別に怒ってるわけじゃないんだけど?」

 

 

嘘だ!!じゃあなんでそんなにイライラしてると言うんだ!その有無言わさずに正座させたのは貴女だぞ!?それを怒ってないなど有るわけない。無いったら無い。…なんて思ったが空気を読める自分として此処はだまって黙っているのが吉だろうね。

 

とか達観して考えてたのが間違いだった…。考える素振りを見せた後で一瞬にやけてたけど俺おかしな事言ったかな?

俺が黙ったまま思考の海に身を投じているとは目の前の女性は短く『はぁ…』とため息をつくとやれやれと言った手振りをしつつ面白いネタを見つけたと言わんばかりの顔をしていた。隠す気は無いのかな?それとも目先の事に囚われて自身の事に気付いてないのか…俺、選択間違えたとかかなぁ。

 

 

「そうだなぁ…じゃあどうせなら弁償として一時間程此を作ってくれた所で仕事の手伝いをしてもらいつつ私のこれを作って貰おうかな?嫌な顔したって拒否権はないかんな?

言ったもんなぁ、何でもするってw」

 

 

ニヤリと笑う彼女は絶対に楽しんでる。

怒ってないなど言っていたがもしかしたら彼女もまた不知火と同じで気難しい性格なのかもしれない。…女性って分からん。

 

 

でも、彼女も機嫌が直る。不知火と俺を許してくれる。

多少の労働は問題ない…むしろ互いにwinwinな落とし所と言えるだろう。

今まで忘れ気味になったが挨拶するだけが用事だったから多少の遅れは問題もない。

それに三人中一人は目の前の不知火だった訳だし…

 

 

「…ん?私の横顔なんて見てどうかしましたか?」

 

「少し迷惑かけるけど一時間程待って貰って構わないかなって?」

 

 

武人のように綺麗に座る姿を見惚れていたのを悟られるのが恥ずかしく思い、真実を混ぜつつ嘘で誤魔化した。一瞬バレたと思い、若干尻上がりな口調になってしまったが不知火はその言葉に疑問を浮かべるもなく小さく微笑んでいた。

 

 

「私も手伝いますよ。ヤマトさんだけに責任を負わせたら恥ですからね」

 

「俺に位、気を使わなくてもいいからな?」

 

「アタシの前でいちゃついて…もしかして見せ付けてるのか?…でも許してやるよ、不知火のそんな顔見るの初めてだかんなぁ~」

 

 

目の前の女性はニヤリと笑うと不知火を一瞥して俺の顔を覗き込む。たぶん悪意はないと思うんだが彼女はいたずら好きなようで楽しい事が一番としてる節が見られる。不知火の不器用さを知っていて密かに心配していたけど気を使って気付いてないフリをしてたんじゃないかなぁ?と考えるのは俺の希望的観測何だろうか…。

 

首を傾げながら考えに耽っていると横から彼女が近付いていた。

 

 

「アタシは摩耶だ。よろしくなっ!!」

 

「あー…貴女が摩耶さんだったのかぁ。…今日はどうも幸先が妙に良いが、うん。手間がはぶけ省けたと思って突っ込まないことにしよう…。

ヤマトだ、提督さんがいつも御世話になってます。てか、御迷惑をお掛けしています。」

 

「なるほどなるほど。なら納得だな!不知火が心を許してるみたいだし案外あの噂もバカにできないって言うことかー。

提督の迷惑は今に始まった訳じゃねーしお互い様だろ。それに任されてんだよ…提督のおばあちゃんにな!気にすることはないね。」

 

 

話してみると意外とサバサバしてた。摩耶が口の悪いというのはあんまり想像出来ないんだけどいったいどういう事なんだろうか?

それぐらい提督が追い込まれてたっていうことなのか、その時の提督がそんなに嫌いだっていう事なのだろうか?

 

 

「不知火の事はよく分かってるけど…摩耶の事はどういう事なんだろうか?うーん…もっと近しい人に成れれば分かるのかなぁ…」

 

「なっ!?…それって…」

 

「近しい人って…間柄が…それってかの、かかかか…」

 

 

『か』とだけ連呼して真っ赤になった摩耶と小さな声で『それってお前の事は誰よりも知ってるよ…っていうゴニョゴニョで…不知火に落ち度でも?』と怖いぐらいに百面相をひろうしている不知火。…どうやら処理落ちしておかしくなったようである。

 

俺、また変な事言ったかな?俺って今言ったことって言えば不知火は(表情が硬いのが原因で勘違いされたんだろうって)よくわかってるけど摩耶が態度が悪くて怖いのは分からない…。もっと(関わりを持って気を許す位に)近しい人になれれば~って事を言ったはずだし今回ばかりは何も悪くないはず!

よって別の要因が絡んでるんだろうね?俺は悪くない!

 

 

 

 

結局この二人の様子が落ち着いたのは落っこちたアイスの弁償の為にやって来た甘味処についてからだった。

 




テテーン♪

ヤマトは摩耶と不知火のフラグを手に入れた!


勘違いですね‼でもきっかけなんてそんなもんですよきっと。

作者である私としては摩耶が恋人のような関係っていうのが分からないんですよねぇ~。ヤマトとの関係としては友人との延長線みたいな?
悪友みたいな?そんなイメージです。


で、ああなったと…。おや?不知火の様子が…


…ではまた次回‼


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静かなる悲しみと賑やかな喜び その3

どうも、お久です。

失踪一歩手前?にまでナッテマセンヨ?
慣れぬ仕事は大変ですねぇ…って言っても仕事の同期には変人と呼ばれる私は仕事で疲れてるんじゃなく行き帰りで苦労してるんですけどね!

別名チャリ族らしいです。

自転車で山越え仕事にいくのはおかしいでしょうか?電車だと一駅ですけど、その間に山があるので大変ってだけで距離的にはたった十キロ無いんですけどねぇ~♪

取り合えず、失踪はしてません。仕事中によくボーッと小説のネタやこんなの面白くないか?と模索はしてます。
単純に書く時間は無いですけどね。

とまあ、だいたいこんな感じでした‼では、第三話です。どぞ!


二人が己の世界に没頭したために長い間放置気味となり、結局辿り着くのも自力となってしまった。

 

そこは問題はない。…ない、と良いなぁ…。

 

グルグルと回ること二十分。言ってしまえば二十分もの間、二人はトリップしていたことになる。…長くないか?

たどり着いた甘味処は間宮と達筆で書かれている。…勿論現代のように左から右でなく、右から左から読ませるようにだ。

 

…思いの外俺のいた世界よりも年代は前になるのかもしれない。…タイムスリップだったのか

 

 

何故か思考が反れていくのだが、理解していても驚愕を隠せないでいる…。遠目で見たその間宮の甘味処はパフェやらアイスクリームやらを提供していた。生活水準は一体どうなっている?

進んでいるのか遅れているのかチグハグで掴み所がない…。まるで見えるのに触れないホログラムを相手しているかのような錯覚を覚え、疲れてきた。

 

 

「ん~♪甘ぁい!やっぱりデザートと言ったら間宮さんのアイスだよね~♪」

 

「おかわりっぽい‼」

 

「えぇー⁉夕立ちゃんもう食べちゃったの!速くない⁉」

 

「えー?そうっぽい?」

 

「あはは、アイスだから問題ないけどもうちょっと落ち着いて食べないと喉に詰まらせちゃうよ?」

 

「それは嫌~、これからは気を付けるっぽい」

 

 

間宮さんの甘味処その奥側からは三人の少女が楽しそうに話しているのが聞こえる。たぶん駆逐艦の子だと思うが本当に楽しそうだ…。

笑い声や楽しそうな話し声は絶え間なく聞こえ続け、その甘味処が艦娘の子達に元気を与えてくれている事は外から聞こえた声だけでも分かった。

 

 

「…ここの鎮守府は本当に良いところだな。平和で…平凡で…だからこそ守りたいって気持ちが強くなる。常に戦いが直ぐ側に有るっていうのに活気に満ちていられるのは暗にこの温かな場所が…間宮さんっていう人や憲兵さん、兎に角影で隠れて見えにくい所ででも支えてくれているからなんだなって気付かされるよ。」

 

「ヤマトさん?」

 

「何か思う所でもあったのか?」

 

 

心配そうに見上げる不知火に、俺の言葉の芯の部分…俺の思い出にある哀愁を若干感じ取りつつあるような気がする摩耶は立ち止まった俺に対し言葉をかけてきていた。

 

 

「いんや大した事じゃないんだけどな…。ただ俺が戦艦として戦えたのはそうやって影で支えてくれた艦長達のお陰なんだよなって改めて思ったら一度でいいから感謝の気持ちを伝えたかったなって思ってさ…。」

 

 

一度甘味処から視線を外し、青い空の向こうに広がっているであろう宇宙に思い巡らしながら上を見上げた。

たぶん、俺は不可能なのを理解しながら無意味に悲しみと後悔によって顔を歪ませてしまっていると思う。それを直接は見られたくなくて誤魔化すために隠すように空を仰ぎ続ける。

 

 

空の青さが目に染みるような気がした。

誰も幸せに出来ないなんて嫌だ…。少なからず俺はそう思う。俺は相容れずに戦うことしかできなかったけどガミラス帝国だって人間と同じように一人一人思いを胸に戦っていた筈だから…。

戦っていたあの時も救えたんじゃないか?という考えが脳裏にチラつくんだ…ここで俺が深海棲艦と艦娘の手を取り合う足掛かりを作れたように…

 

 

 

「優しすぎるんですよ…ヤマトは。私も大概ですけど何でもかんでも背負おうとしないでください。

前の貴方は知りません。でも少なからず今の貴方は貴方です。不知火を理解してくれているように私も貴方を理解出来るんです…。辛いなら分けてください。私は駆逐艦で小さいですけど肩ぐらいなら貸しますよ」

 

「プッ…それは傲慢だな。全部救えるなんてあり得ないだろ?だからいとおしいと思えるんじゃねぇか。すべてを救いたいなら頼れよ!お前はどう思ってるか知んねぇけど私は友人を見捨てるほどやわじゃない。」

 

 

俺は何も言わない。でも、心に抱える何かがフッと軽くなったような気がした。考えすぎるのは悪い癖だな。

摩耶が言ったように救うだけの力があるって傲慢になっていたのかもしれない。不知火達を通して過去の自分と重ね合わせて見るなんて今現在である彼女達に対して失礼だったかもしれない。俺は俺で彼女達は彼女達なんだから

 

 

「あー…すまない。今は今、俺は俺。まったくその通りだったな。諌めてくれてありがとう、摩耶、不知火」

 

 

俺はもう迷わない。…って、前もこんなこと言ったっけ?

…クククッ、案外人間らしさが身に付いてきたか?

 

人間らしさついでに俺は人間んと同じように弱さを受け入れるかね~。こうやって支えてくれる人はいるんだ。ここの鎮守府の皆、彼女達のような子に報いれるように、返そう。大切な物は今も昔も変わらなかったんだからな。

 

 

「…不知火に落ち度はありません。ありません。ありませ………きゅう」

 

「あ、あああ暑いなぁ~…早く入ろうぜ…(駄目だ…アレは駄目だ…チクショウあんな顔されたら…)」

 

 

盛大に真っ赤になる二人は俺から視線を反らす…。え!?俺なんかした?そんなに見苦しい事しちゃったのぉ⁉

って、それどころじゃない‼

 

 

「え、不知火⁉おい、大丈夫か⁉って、鼻から赤いのが…」

 

「…我が生涯一辺の悔いなし」

 

 

不知火は何がきっかけになったのか分からないが、また熱暴走を起こしたようで拳を天に掲げ、背後に甲冑?鎧?を身に纏った武人を幻視させると共に意識を手放してたのを見て咄嗟に倒れる前に腕を掴み倒れぬように不知火を引き寄せ俺の腕と胸を貸すように支えた…。

 

 

「もう…これは…プシュー…」

 

「カーニバルだね‼…って、ハッ!何か怪電波を受信しちまった⁉」

 

 

そのまま収集がつかず甘味処の真ん前にして入れぬままにまた時間を浪費してしまう俺達であった…。

 

てか、いつになったら入れるんだぁーーーーーー‼

 

 




…あれ、間宮さん出てないやん?

………。
( ゚□゚)!!

すいませんでしたぁ!


シリアスやっちゃったから帳尻会わせにネタぶっ混まなきゃってなったらこうしなっちゃってました…。

しかも気付いた人は気付いたでしょうが三人組が然り気無く出てますし…それは…あれです。

こうー…つい、モニョってなって…。

思わずです…すいませんっした!!


秋葉原のゲーマーズ?だかどっかでやってた艦これの祭典(たぶん違う)を見に行ったテンションでやらかしました…。
壁にあったアニメのシーンのカット(?)を張ってあったのですが画質が良すぎてスクリーンが大量に張り付いてるように見えてビビりました…。
大和さんの艤装もデッカク、カッコ良かったです!あれはテンション上がりますね!


…脱線しました。兎に角次は絶体絶命に間宮さんを出しますので、全国の間宮さんをお待ちしていた方々に謝罪いたします!

では、名残惜しいですけどここまでにしますね~。ではでは~
( ´∀`)/~~



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静かなる悲しみと賑やかな喜び その4

ゴールデンウィークですよ、皆さん‼
休みですよ‼ヒャッホーイ!


さて、パズドラでもやっか。←私の二日間の様子


さて、難産で無理やりに出来たので少し読みにくいかもしれません。その場合は質問又は脳内変換で補ってください。作者自信あ、これどうしようと悩んだものなので上手く出来たか補償が出来ない状況なんです…すいません。

最近は吹雪(アニメed)を聞いてばかりです。あの曲、歌詞ない方がカッコよくね?なんていうのが私の意見です。
相変わらず前書きが関係ない事で長いですね。

どうぞ!


あれだけ騒いでいればそれなりに目立つ。

別に見せ物では無いのだけどあれだけの事があれば何があったのだろうと心配になるのが当たり前。もしくは野次馬の如く気になるだろう。そして此処は鎮守府であり、艦娘…つまりは女性が沢山いるということである。

 

遠回しに言ったがここからは率直に言わせてもらおう。

 

 

「噂が好きなお年頃なのは理解したがまさかこれだけ集まるとはな…」

 

 

誰かに聞かれる事になるがそこは仕方無い。多少愚痴ってしまうのぐらい許して欲しい。

俺だって今は意識と意思と感覚を持つ一般人だ。誰だ、今逸般人っていったアホのこは?

 

ぽいって言ったからきっと彼処で座っている三人組の金髪の子だろうな…。あ、目を反らした。

 

 

「仕方ありませんよ貴方の噂は何処の鎮守府でも耳にし、その素顔を見たものは限られているってなったら気になってしまうもの。それに貴方のファンクラブだってあるんでしょ?噂が一人歩きして興味を惹かれる子も一人や二人じゃないんですからね。」

 

 

声をかけてきたのは割烹着を身に付け、懐かしい(?)雰囲気を漂わせるtheお母さんな容姿をした若々しい奥様のような人。そう、件の挨拶をしようと思っていた三人の最後の一人間宮さんである。

挨拶は手早く済ませ事情を話すと快く受け入れてくれた彼女は店内の奥に入っていった。その時の様子は後ろ姿しか見えなかったがスキップでもしかねない位に浮かれていたような気がしたのはたぶん気のせいだろう。ニコニコとしながら彼女は黒い何かを渡された。動きやすいようにとの事だがなんだろうと広げたそれは…燕尾服だった。

燕尾服…執事の服と言った方が正しいかもしれない。兎に角何かの手違いかと思い間宮さんを見返すとニコニコとしている。

 

「あはは…着せ替え人形とか好きなんですね。遊び心を忘れないって大切ですよね…。可愛いですね?」

 

 

思わずひきつった笑みでこう言ってしまったのは仕方無いと思いたいところだよ。そして、間宮さんに言われるがままに燕尾服に着替えている間に人に見せられないような恥ずかしい姿を晒す不知火と摩耶は可愛そうだよなと首をトンッとし気絶させお店の奥で寝かせた。

…首をトンとして気絶するのは脳を揺さぶり脳震盪を起こさせるためで危害を加える為にやった訳じゃないから謝れば許してくれるだろう。そして、摩耶との話し合いであげられた間宮さんのところでお手伝いというのが始まった。

 

…というのが錯乱しだす二人と俺の経緯だ。大体これが半刻ほど前の出来事だったと思う。

 

 

「…すいません。お店の前で騒いでしまって…別に嫌な訳じゃないです。…でも、これは限度を越えてるのでは?と、思っただけですよ。」

 

 

そう、目の前に広がる光景…。それは何故かいつの間にやら出来ていた長蛇の列だったからである。

行列といって通じるのか分からない位長い列はこの鎮守府の何処に存在していたのか…物理法則を無視したようにいる鎮守府の人達が甘味処から出てから見えなくなる所にまで伸びていた。

心なしか先日叱り付け自重しますと涙ながらに頭を下げた奴のけたたましい声が聞こえた気がした。

 

 

「青葉の新聞必見‼ヤマトさんの情報だよー‼なんとなんと、あのヤマトさんがこの鎮守府に!しかも間宮さんの甘味処で働くっていう垂れ込みが‼さあ、並んで間宮に寄らないと後悔しちゃうかもです‼」

 

 

遠くでバカが囀ずっていた。所で…さえずるっていう字は轢くっていう字に似てないか?

フふfu、青葉…君が後悔しちゃうカもネ♪

 

 

「あ…あははは、戦略的撤退!」

 

「敵を理解して逃げるんだな?」

 

「ううぇ!ジョーク‼ジョークです。なので勘b…」

 

「さあ、責任を取ろうか?ええ?」

 

 

毎度無駄使いの艤装のブースター(は泣いているかもしれないが)を使い、逃げようとした青葉の首根っこを掴み猫のようにプラーンとさせると錆びたブリキのオモチャのようにギギギとゆっくり顔を向けてくる。そして俺は顔を近付け脅h…じゃなく脅s…でもなくONEGAIをした。

青葉はまるで世界の終わりを迎えるかのように青くなる。

 

だが、力を弱めることなんかしない。バカにはお仕置きが必要だからなぁ?

 

 

「…はぃ」

 

 

最初は青くなっていたが俺が無言の圧力と段々と恐怖心を煽るように更に近付け、顔がふれ合うんじゃないかという距離になると顔を耳まで真っ赤に染めた青葉が「分かりました降参です!降参ですから赦してくださいぃ…私が、私が悪かったですからぁ…」と泣き言を言うまで離さなかった。離した後のフォローも忘れないのが紳士としての嗜みだ。

 

 

「ま、青葉は問題を起こさなければ可愛いんだから看板娘2号として働こうな。流石にこれを俺と間宮さんだけで処理すんのは手間がかかりすぎる。…期待してるぜ?」

 

 

そう言って耳の近くで呟くと青葉を静かに下ろす。

その際に「あっ」とか言ったのは決して青葉がマゾヒストに目覚めた訳ではないと思いたい…。でも、脅されて名残惜しそうにするところを考えるに………俺はいつでも青葉の見方で居てやろう。悪い事をしたら叱り、偉いことしたら誉めてやろう…それがおかしな性癖を目覚めさせた張本人としての責務ではないだろうか…。

 

 

「(今ヤマトさんが青葉の事可愛いって…それに期待してるって…きゃーそれって‼)」

 

「あ、なんか葛藤してるようだな…出来れば変な道に進まないことを知人として切に願うよ…ってこれは聞いてないな。」

 

 

一先ずここに放置という訳にもいかず、だからといって心ここにあらずな女性を担ぐ訳にもいかないため青葉本人がパニックにならないように気づかない内に手を繋ぐとゆっくりと促すように手を引く。

勿論、店内にだ。

 

 

間宮さんはあらあらと困ったような顔をしたが青葉が働く事には賛成らしい。…何に困ってたんだろうか?

 

 

 

そして、俺と青葉と間宮さんの三人はテンヤワンヤのお客様の接客が始まったのだった。




不知火「私の出番…倒れてるだけ…何か落ち度があったのでしょうか?」

摩耶「私も気絶してるだけだし…私がアイスを作って貰おうって言ったのに…ズウーーーン」

青葉「…あれ、今回関係ないのに出番が‼もしかしてヒロインってわt」

摩耶不知火「うるせ(いです)ぇーーー‼アホのこ!」

青葉「ひどいっ!」


っていうのを考えましたが落ち度があるとすれば作者である私でsy…ガチャン…へ?


不知火「それは興味深いですね?」

摩耶「ほぉ?覚悟はできてるんだろうな?」

ま、待って‼話せば分かる‼人類皆友達!だからね?

不知火摩耶「慈悲はありません(言い訳はきかん)」

ひぎゃーーーーーーーーー!



この日、水平線上に汚い花火が上がったのだった。






どうも第二第三の私です。…最初から見たら第三の私ですね!

お気に入り件数がさらっと250件になってました。
応援ありがとうございます‼記念に(作者が嬉しくて勝手に)アルペジオでのヤマトくんのifを一話完結でやろうかなって思ってます。

正直言いますとこのその4より先にその5を手掛けていたという訳分からん状態なので案外早く出来ると思います。
…皆さん見たいですか?又見たいならどのシーンに介入して欲しいでしょうか?

ご意見待ってまーす‼

GWは皆さん楽しんで下さいね!


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静かなる悲しみと賑やかな喜び その5

デデーン!

なんとか出来上がりました‼少し長くなっちゃったんですけどね!


※そして今回だけどもしっかりとあとがきを読んでほしいっす!

あえて枠外に持っていくっていう事をしてみたくなりました。なのであとがきに続くという形をとらせていただきます。思い付きで迷惑をお掛けします!


グハッ…ま…まだだ…俺はまだやれる…あの子の笑顔の為に…絶対に…諦めるものか!

例えこの命尽き果てようと俺は…俺は!

 

 

 

「ぐっ…誰かに負けても良い。だが、自分にだけは負けるもんかぁ‼」

 

 

俺、ヤマトはもしかしたら今までで一番絶体絶命かもしれない。胃には穴が開いている。恐怖と苦しみ、痛みから先程から冷や汗が止まらなかった。

 

 

「良いんです!もう、良いんです‼これ以上…これ以上やったらヤマトさんが死んでしまいますよ⁉」

 

「グハッ…く、クク…俺はこんなんじゃ沈まねぇ‼人はな…いや、男っていうのは単純なんだ。女の子の笑顔の為だったら体を張れんだ…。悲しみから救い出すためなら無茶や無理なんてどうって事ないんだよ。」

 

 

クソッ…視界がボヤけてきやがった。

一発一発が重い…気を抜いたら一瞬で意識を持って逝っちまう…。でも、倒れられない理由が有るんだ‼此処で諦めたら俺は明日から合わせる顔がねぇんだ!

 

 

「で、ですが…あれは…そんなレベルの物じゃないんですよ⁉」

 

「心配なんていらねぇさ。そんなのするぐらいなら俺は君の…君達の笑顔と応援さえありゃぁそれで良いんだよ。間宮さんと、これを作り出した比叡の為にな‼」

 

 

俺の手を掴み止めようとする彼女は…少しの間だったが一緒の仕事をして仲良くなった間宮さん。わざわざ俺に相談してまで悩んでいた彼女、榛名や霧島、金剛と優れt…ウ~ン…。まあ、そんな姉妹に囲まれて自分に自信を持てなかった比叡。

その彼女が一念発起してやらかしたソレは間違いなく一発KO物だが、それでも思いが詰まったソレを蔑ろになんかしちゃいけないんだ‼

 

倒れても…俺は立ち上がるぞ?笑顔にすると決めたんだ‼

諦めてなんかやらねぇ‼

 

 

「ヤマトさん…私、貴方の事勘違いしてました。金剛お姉様を取られたように思って敵視してましたけど、やっと…やっとお姉様の気持ちに…そして私自身の気持ちに気付くことが出来ました…。ごめんなさい…。それから、気付かせてくれて…ありがとう…。私のために無理させちゃって…ヒック…ウゥ…」

 

「いらねぇ…そんなんが欲しかったんじゃねぇよ…」

 

「え…?」

 

 

俺は朦朧とする意識を吹き飛ばし、ハッキリとさせた目で涙を溜め、謝罪する可愛い女の子を抱き締める。

落ち着かせるようの、そしてその悲しみが少しでも和らぐように…だけどそれだけじゃない。

俺は比叡の言葉に怒りを覚えたんだ…。一生懸命な女の子を泣かせてしまった俺自身と、勘違いした比叡に

 

 

「俺は君を一度たりとも女の子らしくないなんて思った事はないよ。どんなことに対しても一生懸命な姿は俺の目にはどんな女の子よりも魅力的に映ってたさ。だから、気にする必要もないし劣等感を抱く事はしなくて良いんだ…。

失敗は誰だってある。俺にだってある。苦手なことだって有って良い…でも、それで自分を見失うな!」

 

「…でも、それでヤマトさんが」

 

 

はは、ほら。やっぱりこの子はとても魅力的な女の子だ。自分を責めて回りを気遣う。自己嫌悪してでも助けようとする健気な子だった。

 

俺は安心出来るように怒る顔も辛い顔も止め、優しい顔をし彼女の頭を撫でる。

 

 

「だから言ったろ?男は単純なんだよ。

俺は比叡の笑顔と応援さえありゃそれで十分なんだってな。だから泣き止んでくれて…で、応援してくれ、な?」

 

「グスッ…うん‼」

 

 

比叡はこれでもう自分を責める事も劣等感を抱くことも無いんじゃないかな?だって、晴れ晴れした顔で俺を応援してくれているんだから

 

 

「女の子の応援って本当に良いものですね。元気になりましたよこれならもう何も問題ありませんよ。…だから心配しないでください。間宮さんがホントにイイ人なのは十分分かってるんです。綺麗で人思いで、優しくて…時々可愛い貴女の事もね。でも、だから心配しちゃうんですよね。でも、比叡に言ったように…」

 

「ふふっ…ええ。分かってます。貴方も男の子ですものね?なら、もう私は何も言いません。頑張って下さいね」

 

 

ニコリと笑う間宮さんはきっとまだ心配しているのだろう。少し震えているのが分かった。でも、俺の我が儘を…意思を尊重して押さえてくれたのだと思う。

本当にイイ人だよ…。

 

 

「はぁ…綺麗で健気な女の子の応援だ。ここでへばっちゃ男じゃねぇよな!」

 

 

俺は比叡が作ったカレーを掻き込み大量に盛り付けられていた山を食いきったのだった…。

女の子の愛がつまったソレは何よりも大切な調味料というのが入ってると感じる事ができた。応援されてからはそのカレーはとても美味しいかったような気がしたから………

 

 

最後の一口を平らげ、米一つ残さずに食べ終えた俺は比叡に近付き頭をやさしくポンッっと置く。

 

 

「あー、旨かった。また作ってくれないかな?誰かに食べてもらいたいっていう気持ちは料理をする過程で大切なプロセスだ。ちゃんと思いの詰まったモンを作れるんだ…何直ぐ上達するさ、何なら毎日でも構わないよ…俺は」

 

 

それだけ言うと騒然とする中一人静かにお店の奥へと消えていったのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間宮Side

 

ふふ、ヤマトさん。

ついこの間私のお店を手伝ってくれた人…私の事を可愛いと言ってくれた人。

普段私は補給艦として鎮守府のサポートとして皆をイヤス為に奔走してたりします。だからか、皆さんは私の事をオカンなんて言ったりするので実年齢より上に見られることが多々あって意外と傷付いてたりするんですよ?

まあ、心労をかけるわけにはいかないので思わず笑いかけて誤魔化しちゃうんですけどね…。

それを見抜いてかは分かりません。…ううんたぶん本人は気付いてさえいなかったんじゃないかと思いますね。

彼は寂しがりやなんだと思います。私は偶々間宮のお店から聞いちゃったんですけど彼の前世とでも言うのでしょうか?

兎に角戦いでの後悔の言葉からは芯の通った人で優しさで包んでくれる春の陽気なような温かさ人…それがヤマトさんなんって思わされました。

 

それに比叡さんと向き合った時の男らしい横顔…普段は優しそうな人のよさそうな誰もが落ち着くような表情だったけどあの時は煮えたぎる怒りを理性で保ちつつも許さないって目に書いてあったような気もしました。

その瞳に吸い込まれてしまうような気までしちゃいました。

 

そのあとも本気の言葉をぶつけたヤマトさん。なんていうかあの人に守られたいって思っちゃいました。不覚にも感情が暴走しそうになって…その、お恥ずかしい話ですが夜戦にもって行きたくなってしまってたんです。震えてしまいましたがそれを見ても不信がる事もなく見なかったふりをしてくださった所も大人の魅力を感じずにはいられませんでした。

 

 

「…ヤマトさん、私とこの間宮を一緒に経営してくれないかしら?それで、店を閉じたらあの衣装で私だけに奉仕してくれないかな…。なんてね!」

 

冗談だけど、いつでも受け入れる体制は取っておこうかしら?

 

 

 

 

 

 

比叡Side

 

…ボーっ。

………。

………。

………。

ハッ!!ど、どどどうも、比叡デス!

 

え、あれ?今誰に挨拶したんだっけ?

 

 

「比叡姉さま?」

 

「比叡~?どうしたネー」

 

「えっ⁉な何がががが!」

 

 

うぅーーー、あの時の事が忘れられません…あれからもう一週間もたってるのに!これもヤマトさんのせいです!…いえ、私のせいですよね。分かってるんです。

 

 

 

あの時の悩みのきっかけとしては妹である榛名と霧島が恋ばなをしていた時の事でした。

楽しそうに話されるヤマトさんの事が少し羨ましかったのかもしれません。私がその会話に入っていけなかったのが悔しくて金剛姉さまに話しかけようとして…だけどその頼みの綱も虚しく空を切ることになっちゃったんですよ…。

 

 

「ヘーイ、ヤマトの話なら私も入りたいデース」

 

 

なんでかわからないけどそれが嫌だった…。胸って言えばいいのか分からないけどチクってした。ズルいな、裏切られたって…そう考えちゃったって訳。それでそんな事考えちゃってからは自分がお姉さまや妹達に対して劣等感とか良くない考えがよぎっちゃって…嫌になったんだっけ。

 

分からない…それって、悲しいことだよねって…。

 

だけど、あの時の私はヤマトさんに盗られたような気がして気にくわないって思い込もうとしてたんだと今なら分かる。

確かに心の何処かでヤマトさんに言ったあの女の子らしさについては悩んでた。ううん。悩んでたんじゃなくて諦めてたのかも。

 

でも、そんな醜い考えを持ってた私に彼は受け入れてくれました。泣きそうになってた私を抱き締め……あぅ、恥ずかしすぎます!温かかったなとか気持ち良かったとか考えてませんからね!ホントですよっ!

 

それに美味しくなくて名物にされてる私のカレーも完食してくれたし、誉めてくれた…撫でてくれた…それに最後も、ふふ

 

 

「比叡姉さん…何か良いことでもあったのかしら?」

 

「…あ、そういえば少し前にヤマトさんが来てたって青葉さんの新聞で」

 

「オーウ、そうだったんですカー?気付けられなかったネー」

 

 

首を傾げながらも話に華を咲かせるお姉さま達。うん、今なら皆の気持ちも分かる。

きっと、今の私の気持ちも榛名が感じた物と似ていて、霧島が感じた安らぎはあの時の包容力と同様の温かさで、金剛姉さまが抱いた想いと同じで…私はヤマトさんに恋に落とされちゃったんだ。

 

 

「カッコ良かったです。執事服を来て誰かの為に身体を張ってくれて…温かな笑みで魅了する。…毎日俺のために作ってくれ、でしたっけ…ふふ♪」

 

 

カチャン…。バシャ…。ブフゥーーー!?

ガタッ×3

ガシッ

 

「「「い、いったいどういう事なの!?(ネー!!?)(ですか!?)」」」

 

 

私の肩を掴み揺さぶるお姉さま。大変な事になっているんだけど…大丈夫なんでしょうか?

席を立つ前の音はお姉さまが紅茶を溢し、榛名が箸を落とし、霧島がお姉さまの入れてくれた紅茶を吹き出していたようであった…え?怖いんですけど…お姉さま?榛名?霧島?

 

 

「許しまセーン、比叡だけ良い思いをするなんて裏切りデース!」

 

「あ、あああああ…はははは…毎日俺の…あははははは」

 

「お姉さま?嘘ですよね?止めてくださいよ~そういう冗談は…榛名以外にそんなのって…そんなのって…うぅ…」

 

 

怒る姉さま、壊れたように笑う霧島、そして怖いぐらいに一瞬だけ殺気みたいな濃密な寒気を感じさせる程のナニカを出させた榛名。

何時もと違う姿を見れて嬉しい反面私自身の身の危機を感じずにはいられませんでしたよ。思わず半歩ほど後ろに下がってしまうのは見逃して欲しいです。

 

 

 

美味しいカレー作れるようにならないといけないよね?これからは頑張って見ようかな?ふふ、気合い入れていきます‼

 

私を本気にさせたんですから覚悟していて下さいね、ヤマト♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅん!…ふぁ、ぷしゅん!!」

 

誰かが俺の事でも噂したのかな?ヤマトのくしゃみの音がその時静かな海に響き渡ったとか…

 

 




摩耶だが…さりげなく綺麗に終わらせられてるんだが?


「また作者に落ち度でしょうか?」

「今回で二度目だよな?」


出番がいつの間にか無くなっていた。起きたときには何故か横で倒れているヤマト…起きたときには本当に何が合ったのか分からなかった。

先ず外では凄い歓声が聞こえてたし、感動で泣いてる日向や加賀なんかもいたっけ?兎に角良く分からない内に何かがあったってことはわかった。

問題は横で寝るヤマト。座っていたのが倒れたような体勢で白く燃え尽きていたような気がするが、格好もまた突っ込み待ちかと言いたくなる。何故か執事になってたし…。
思わずタオルを投げた私は間違っていないような気がしてならなかった。


「…何があったというのでしょうか?」

「…分かるわけないだろ?」

「それもそうですね。」


不知火も私と同じような状態だったんだろう。ポカンとしていた。
二人で頭を傾げ悩んでいると後からスキップ気味になる間宮のオカンが現れた。


「あ、二人とも起きられたんですね!ヤマトさんから事情も聞いていたので今冷蔵庫で冷やしてるアイスをお持ちいたしますね?」


早足でキッチンに向かう間宮…鼻歌を歌うぐらいに上機嫌…絶対に何かがあったという事だろうか?
ウンウンと唸りながら考えてると私の前に何かが置かれる。


「ヤマトさん特製のアイスです。…ヤマトさん、ここに来るなり約束を果たすためにキッチンを借りてもよろしいでしょうか?…順番が逆になってしまいますがそのあとで事情説明させて戴いても良いですか?…って真剣に頭を下げてまで作ったアイスなんですよ?」


茶化す間宮はどこか余裕そうにしていてムカッとしたがアイスが溶けるのも嫌だったために素直に受けとるとスプーンで救い上げ口に入れる。


「んまーぁい!」

「こんなアイス食べたことありません」


気付けばあっという間にアイスは無くなってしまっていた。あれ、でもなんかなんとなく釈然としないんだよな…なんでだろうな?




…あ、結局出番ねぇじゃん!しかもアイス…は食べれたけど、働く姿見れてねぇ‼うわぁーーーーん!


「…摩耶さん」

「不知火…」

「「はぁ…」」


ため息を吐いてしまったが今だけは仕方がないんだ…。






…以上!!


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番外編 沈む意識、その先に有るものは

…すいません

早く出来上がると言いつつ長引きました。物語の展開に納得出来なく訂正を繰り返し、最後には最初からやり直すという暴挙にすら出ました。

正直言います今回は長いです。

7000文字越えてます。しかも最後の終わり方がかなり雑という…まだまだやりたいネタがありましたが終わらなくなってしまいそうだったので削りました。

それでも7000ありますけどね?


…兎に角、どうぞ


世界は混沌としている。それは比喩でもなんでもなく混沌に包み込むだけの存在がいたからである。そんな世界では混沌へと陥れる存在はこう呼ばれていた。

 

霧の艦隊…と。

 

霧は海の上で何を考え何を思って世界に仇なすのか…それは誰も分からない。それこそ霧である彼女ら本人にしか…。

 

 

霧の艦隊…霧は人間に仇なし、人々は恐怖と絶望に苛まれながら生きることを諦めたように淡々と生きていた。

抗う術を手に入れる為に沢山の手を尽くし、霧に破れる…それを繰り返す内に人々は生きることの希望を見出だせなくなりつつあった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、世界は常に非凡である。

 

絶望に染まった世界で希望という運命を手繰り寄せた少年…千早群像は掴んだ。

 

彼は腐っていく世界で誰よりも望んだ…。誰もが諦め、失望する世界で回りに合わせるように自分を誤魔化しながらも心の奥底では常に慟哭し、絶望し、それでも希望を捨てずに傷付いて来た少年。

彼はそんな腐った世界から抜け出すだけの力を…彼女を手にいれた。

 

他の人々は諦めるだけだったが抗う事を諦めなかった彼は一つの大切な物と出会う。それが彼の大切な存在…彼女だった。

 

 

彼女の名前はイオナ。

潜水艦伊401をベースとした蒼きボディを輝かせる霧。それが彼女だ…。霧は人間を害し、戦う者だが彼女は霧とは異質な存在。霧でありながら人…千早群像に付き従う霧…。

蒼き鋼…それが彼女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千早Side

 

何故だろうか…この戦いはしちゃいけないような気がしてならない。相手は戦艦二隻で金剛型ハルナ、それにキリシマだ。いつものような劣勢で正直言ってしまえば怖い。

けしてイオナを信頼していない訳じゃないがそれでも此方は潜水艦一隻だけ。切り札である超重力砲もタカオとの戦闘で使えなくなってしまっている…アクティブデコイも既に破壊されている。いくら魚雷を撃ち込もうとクラインフィールドで防がれてしまう…。劣勢も劣勢。普通ならここで諦めるんだろうな。そう思うと笑いすら込み上げてくるよ。

 

 

「群像?」

 

「おいおい、艦長追い詰められ過ぎておかしくなっちまったのか?」

 

「くく…いや、違うさ。ただこんなの何時もの事じゃないかって思ったら諦めるのはまだ早いかと気付かされただけだ」

 

「…ヤベェ、この流れって…」

 

「艦長は決めた事はキチッと守る人ですよ?諦めましょう。それが一番ですね」

 

「「あはは」」

 

 

イオナが心配そうに見上げていた。それを見たときに根拠もなく何と無くだがどうにかなるような気がした。

そうしたら一つだけ案が浮かんだ。それは大博打になる…。相手を怒らせ焦らせ隙を作る事が最重要になる…下手をしたら怒らせらた挙げ句退路も絶たれ轟沈する可能性もある。

それは怖い…クルーである皆の命を預かる身として無駄に散らせる事になるかもしれない。俺だけならまだしも…

 

 

「大丈夫。群像には私がついてる」

 

「イオナ…。

よし…ではこれから作戦を伝える。良く聞いてくれ」

 

 

そうだ…いつだって俺の側にはコイツが居てくれた。負けそうな土壇場でいつも戦況を引っくり返すために尽力してくれた仲間達もいる。俺は諦めない…。

いつだって今回だって状況は変わらない。常に命懸け…なら少しでも可能性を上げるために頭を使わなきゃな。悩んでる暇なんてない。

 

 

「…これが作戦だ。今回もかなりの無茶をする、皆には苦労をかける…だが、俺達は負けられない‼だから協力してくれ!」

 

「まったく、無茶苦茶も良いとこだぜ艦長」

 

「そうですね、今更ですよそんなの。私達は既に覚悟してます。そして艦長を信じてるからこそイオナさんにのってるんですから」

 

「水臭いです艦長、いつもみたいに俺について来い‼ぐらいの気持ちで良いんですよ」

 

「僧?それ艦長の真似?あんま似てないっしょ」

 

 

軽口を叩き笑う皆。そこに心配なんて色は見えない。

本当に信頼してくれているのが良く分かる…。なら、俺も皆の艦長で居続けてやる。それが俺の覚悟だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…作戦続行中。

問題だらけだが問題ない。その問題さえ想定内であると今此処で明言しよう。

 

 

「群像?」

 

「艦長、何か懸念事項でもありましたか?」

 

「何かが違う…いつもと同じ劣勢でここから逆転する…その自信もある。なのにこれ以上関わっちゃいけないような…そんな気がするんだ。」

 

「艦長‼ここで迷ってたらあの二隻に沈められちまうぞ!?」

 

 

杏平の言う通り一瞬も気の抜けない状況なのだがそれでも拭えない。この痼が出来たような気持ち悪さが…違和感がいくら落ち着かせようともざわつくのだ…。

 

 

「全速前進」

 

「はぁ!?敵に突っ込もうっていうのか」

 

 

いや、これでいい。自尊心の強い奴はおちょくられると頭に血が登りやすい。そして怒りは我を忘れさせ、隙を作りそれが反撃のきっかけになる。

 

 

「…え?」

 

「イオナ?」

 

「艦長‼上空から何か小さな物が超高速で落下してきます!この大きさは…人?」

 

「何っ!?」

 

「大きさ、温度、心拍数…正常な人間。メンタルモデルでもない人間…でも、何故」

 

「なんだ⁉じゃあ、この戦域上空から人間が落ちてきてるとでも言うのかよ‼そんなバカな」

 

「海に落下。そのまま深海まで沈んで行った…生身でそんなことメンタルモデルでも不可能。人型であったけどもしかした人じゃなかったのかもしれない。その反応も今ロストした」

 

 

これには杏平に全面的に同意だ。霧の刺客…でもないだろう。もしそうならキリシマやハルナはあそこまで人に容赦しない事が引っ掛かる。更にそんな素振りは全くなかったのも考えれば俺の考えに間違いはないだろう。

 

 

「もしかして俺が感じていたナニカとはその人物だとでも言うのか…?」

 

 

世界は今何処へ行こうとするのだろうか?

でも、俺がやることは変わらない。信念を曲げないと決めたんだ。今は新たな問題より目の前の問題を片付けてからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side out

 

 

此処は何処だ…

俺は何をしてたんだっけ?俺は…ヤマトだ。名前を思い出すと芋づる式に連結されていたように他の知識も明瞭になってきた。艦娘、深海棲艦の争いを止めようと日夜奮闘する毎日をおくってて…

 

 

「そうか…俺比叡のカレーを食べてそのあと倒れたんだったな。意地と根性で誤魔化したけど上手く誤魔化せたかな?」

 

 

倒れた後の記憶はない…ならたぶん又何かに巻き込まれたと考えて間違いない。レオナルドの時に近い状況か?

まぁ、レオナルドの時は立場が逆だったがな。

 

 

「ホーント、最近は専ら事欠かないな。」

 

 

思わずクスリと笑いが込み上げてしまう。どうせもう巻き込まれたんだ、なら後は俺が好きなようにさせてもらうだけだ。

 

 

「ーーーーーー」

 

「ふーん…この世界もままならないってことか。さぁてと、久しぶりにゆっくり出来るかと思ったが短い平穏だったってことかな。じゃあ、行きますか‼」

 

 

耳に届いた声は楽しそうに、だけど何処か寂しそうで…それはまるで艦娘の皆が悩み惑う時と同じだった。何時だか言っていた電の言葉を借りるなら『戦争には勝ちたいけど、命は助けたい』。電は自分が弱いからと諦めかけていた。だけど俺にはその意志を継ぐ事が出来るしそれを成すだけの力がある。

だから救う。戦争なんてそもそもさせなきゃいい。命だけなんてみみっちぃ事言わずに完全無欠に救いきってやるよ

 

 

だからもうあんなこと言わせ無いからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side キリシマ

 

ああ、これだ。戦いはこうでなければな!敵に最後の一撃を突きつけそれをもがき無駄な足掻きをする姿…ああ、サイッコーだよ。

 

 

「これで終わりだ、401ぃ!」

 

 

「…え?」

 

 

私はこの戦いでの勝利を確信していた。それはハルナも同じで…だけど私は勝利する一瞬に油断してしまった。

それがいけなかったの?

超重力砲の限界まで貯めたエネルギー部の…撃つ為に開いたクラインフィールドの穴に一発の魚雷を通してしまった…。

 

 

「最後の一撃は最後までとっておくものだ‼」

 

「嘘…何故?どうしてだ?私は何で追い込まれているんだ⁉認めない…認めない‼」

 

 

怖かった…。本当は私は怖かったんだ…。潜水艦でしかない伊401がタカオやヒュウガという戦艦を倒したという言葉を聞いたとき私は人間という存在に恐怖してたんだ…。

だけど、戦艦である私がそれではいけないってハリボテの仮面で自分自身を偽って強い自分を演じてたんだ…。

 

 

「嫌…嫌だよ…」

 

「キリシマ!落ち着け!」

 

「ハルナ…私はまだ…死にたくないよぉ…」

 

「…これが後悔、か。」

 

 

後悔…じゃあ、私は自分を誤魔化さずに強がらずに居れば良かったっていうの?でも、私は戦艦だ。戦わなければ私は私で無くなってしまう。そしたら…それは死んでしまったのと変わらないよ。

怖い、怖いよ…存在意義が無くなっちゃう事が…死にたくない。無に還る事も…一人になるのも…

 

 

「キリシマぁーーー」

 

「ハルナ…そうか。私にはいつもハルナがいたんだよね…。でも、せめて…せめてハルナだけでも助かって…」

 

 

一人は怖いよ?でも大切だから…だからこそ一緒に死んじゃったらダメなんだ。ハルナには生きていて欲しい…だから助かって…。

 

 

演算も儘ならないけどハルナだけを突き飛ばす事は出来る。身体中にラグのような物が走るが力を振り絞りハルナを海に落とした。

 

 

そこまですると一定に保っていたエネルギーは方向性を見失い膨張していく…光が大きくなっていくと頬を暖かい風が吹き抜ける。

その光は黄緑色で場違いにも綺麗だ…って思った。

 

 

「…私、死んじゃうんだよね。あーあ、最後の最後で素直になれたのに…怖いよぉ」

 

 

目尻から暖かいものが一筋流れ、伝う。私は光と恐怖に飲み込まれる…だけど心の何処かで良かったって思えた…。

でもやっぱり一人は嫌だよ

 

 

 

「手を伸ばせ。君がまだやり残した事があるなら、生きたいのなら足掻け‼

今の君ならもう気付けただろう?人型である理由を、そして存在理由が戦いの為なんかじゃなかったって‼俺が、俺が君を一人にはしない‼だから、少しでも良いから人間を理解して行こう」

 

 

私はそんな優しい言葉のする方へ手を伸ばす。誰かが私の手を掴んでくれた。その手はとても温かく、安心するぬくもりが感じられた。光は既に全身を包んでいて眩しく視界は見えいない。捕まれた手を引っ張られる感覚がしたと思ったらあのぬくもりは手だけじゃなく全身に広がっていた。

 

 

「もう大丈夫だから、君を傷付ける全てから救ってみせる。だから君はただ笑っていてくれるだけで良いんだよ」

 

「…あり、がとぅ」

 

 

私は光で前は見えない筈なのに目の前には柔らかな笑みを浮かべつつ凛々しい目付きで真剣になっているような男性を幻視した…。

その表情に私は鼓動が大きくなり、脈が早くなった。声は震えるがちになるも振り絞って感謝の言葉を出すとソッと頭を撫でられた。

 

 

 

「もう強がらなくても、怯えなくてもいいんだよ。

俺が世界を…変えてあげるから。戦争なんてしなくても生きるってことが何なのかは少しずつ理解していけばいいんだからな…。だから今だけは俺を信じて待っていてくれ。すぐ終わらせるから…」

 

 

何故だろう…初めて会うのにこの人とは何処かで会ったような…そんな気がしてしまう。安心して任せられる…そんな気がした。

だから私は光とぬくもりの中で微睡むようにゆっくりと意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 群像

 

その日、霧という存在は人と戦う事を止めた。それは霧だけでなく人側もそうだった。

暴走する超重力エネルギーは爆発し全てを飲み込むと思われていた。世界の各地で見られた超状現象は地球で住む全ての物から戦意を喪失させるには充分な事を起こした。

 

政府はこの出来事が余りにも滑稽無党で信じられなかったようだが箝口令をしいたそうだ。

 

俺達蒼き鋼のクルー達はその現場を目の前で生身で見て肌で感じる事が出来た。だけどその現場はあまりにも残酷でありながら美しいと思った。

 

 

あの時の人間は体に主砲や飛行甲板などを積み、異様な光景を作り出していた。エネルギーである光を体に吸い込ませるように吸収させるとその主砲を空に向けていた。

 

その前後で運良く聞き取る事が出来た言葉は彼の言葉だったのだろう。

 

 

「…エネルギー300%充填を確認。周囲のエネルギー異常鎮静化確認…全力全開、波動砲発射!!」

 

 

そして光の柱は空へと至り、それでも勢いは衰えることなく光輝き続けた。彼は先ほどまで死闘を繰り広げていた筈のキリシマをお姫様だっこしていた。

彼はエネルギーの残姿と思われる輝きを身に纏いながら優しげに微笑んでいた。それがまた絵に成っており、何処か現実離れした光景に幻想的だと思わず見惚れてしまっていた。

 

 

 

「其処の潜水艦の乗務員…俺はヤマトだ。

誰の敵でもなく、誰の敵にもなり得る者…それが俺という存在だ。だから抵抗又は戦闘など考えるなよ?俺だって無闇矢鱈と戦いたいわけじゃない。」

 

 

つらつらと話す彼は戦艦ヤマトと名乗った。あまりのビッグネームに俺達の時間が止まったようにも思えた。

 

 

「俺は戦いが嫌いだ。でも目の前で救いを求める子を無視する事が出来るほど腐ってもない。だから1つだけ頼みがある。」

 

「…なんだ?」

 

「戦いをやめて欲しい。誰も傷付かなくて良い世界を俺は見たいんだ。この子も戦う事に恐怖していた中身は普通の女の子だったんだ…頼む。この子達には俺から話をつける…どうかな?」

 

「俺はそれでも構わない。むしろ此方から願いたい位だ。」

 

 

僧や杏平達からはもっと慎重に行くべきだという声が上がったがそれは得策じゃないような気がした。柔和な顔と丁寧な物腰からは想像出来ない程に目が冷徹に射抜くような強い意志が見えかくれしていたように見えたからだ。

曖昧な返答は許されない…敵にも味方にもなるなら彼に借りを作るのも悪くないと思えた。

 

 

 

「前方より敵艦影あり…あれはコンゴウとマヤ」

 

「まさかの大将自らが動き出すとはな…」

 

 

背中にヒヤリとするものが流れた。此方の戦力は皆無。今ここで戦闘になれば俺達に明日はない。

考えろ…何が正解なのかを…

 

 

「貴様がヤマトか」

 

「ふーん…カッコいいね!」

 

 

二人は俺達には眼中にないとでもいうかのように目の前の人物にだけ視線を向けていた。

その視線の先のヤマト抱えていたキリシマを抱え直すと警戒しながらも返事を返していた。

 

 

 

 

Side out

 

 

 

「俺は宇宙戦艦ヤマト…それで君達は?」

 

「マヤだよ~♪」

 

「コンゴウだ。霧を任されている…ヤマトが何を聞きたいのかは把握している。私達霧とは明らかに違うヤマトに私は警戒していたのだがアドミラリティコードの更新により今から私達霧はあなた様の傘下に下ります。アドミラリティコードは敵対することは絶滅することだと判断した。

故にこうして貴方を迎えに上がりました…ここまではいいか?」

 

 

マヤは元気そうにピョンピョンと跳び跳ねながら自己紹介をすると俺のすぐ隣へやってくる。時折熱っぽい視線を感じる?気がするが興味深く観察してるっていうのが真実だと思われる。俺はそこまで自意識過剰ではない。

そして、もう一人であるコンゴウ。此方はヤバイ

何故だか分からないが…先程から背筋が凍るというのか冷え冷えとする感覚が止まらない。レッドアラームのように警告音が頭から離れない。

ジッと見詰めているのだけど視線が離れない。それとなく体を動かし視線から逃れようとするも永遠とロックオンされっぱなしであり、無表情に見えなくもないがうっすらと口角が上がっている。

 

 

「…理解が追い付かなくなりそうだから詳しい事はまた今度でいい。1つだけいいかな?」

 

「どうぞ。あなた様が望むなら幾らでも」

 

「えへへ~♪温かいねぇ~‼」

 

 

背中からの腰の辺りにグリグリと頭を押し付けじゃれてくるマヤは懐いた子犬のようであった。妙に距離が近いがこの子はたぶんパーソナルスペースが殆どないに等しいのだと推測する。だが耳が真っ赤になるほど暑いならくっつく必要もないと思うんだけどなぁ…

 

 

「ッ⁉」

 

 

ゾクリッ!

 

明確な死というものが見えたような気がした。誰かが発するそれは近くから…そう目の前から掛けられた気がしてマヤに向けていた視線を戻し前を見ると凍える位に冷えきった目をして睨み付けられていた。

瞳から見えたのは色濃い侮蔑と微かな怒り…だろうか。

 

 

 

「ヤマト…お前は私の物だ!マヤには渡さん‼」

 

「ふーん、だ。ヤマトはマヤのお兄ちゃんって出合ったときから決まったんだもんね!コンゴウにだって渡さないんだから‼」

 

「…バカらしい。イオナ、この海域から離脱。ヤマト、これは貸しにしとく又いつか会おう…ではな。」

 

「…バイバイ」

 

「え‼ちょま!この状況下で退避⁉もう少しま…あー、行っちゃったよ」

 

 

青い潜水艦は潜り姿を消してしまっていた。だが何故だ?

分からん…なんでこんなことになってる?

 

未だ口論から取っ組み合いに発展しかけているデッドヒート二人組は暴走する。放置…ではないがどうしようも無いため現状を把握するのを優先させてもらう。逃避ではない

 

 

「マヤさん?」

 

「親しみを込めてマヤって呼んで☆」

 

「マヤ?」

 

「なぁに~おにいちゃーん?」

 

 

腰にタックルをしてくるマヤに俺は更なる混乱に陥る。今この場で助けてくれる人は居ないんだよねぇ。そしてコンゴウさんを取り巻く空気が一段と重いものへと変貌する。…そしてコンゴウさんのフォローをいれると今度はマヤが…なんて永遠と繰り返される。いたちごっことは正にこういう事を言うのだろうか?

 

 

「知ってる。それを人は修羅場というらしい」

 

「あ、大丈夫だった?あの瞬間海に突き落とされてたから心配だったんだよ。あと修羅場っていうのはなんかちがくないかな?」

 

「大丈夫。修羅場で合ってると思う。

私達霧は概念伝達っていう意識を共有する術がある…たぶんキリシマが見た物が、思いが…全てそのまま伝わったのが原因だと思われる。かくいう私もそれは例外ではない…。こんな思いを抱いたのは初めてだった…ポッ」

 

「はぇ?」

 

 

拝啓

鎮守府の皆様…俺は今色々とピンチです。前門の虎後門の狼…四面楚歌、踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂…兎に角絶体絶命なのは確かです。もう楽になっていいでしょうか?恋愛面でのいざこざなんて初めてだからどうしていいか分からない。詰んだ…。もう流れに身を任せてもよかですか?(´・ω・`; )

 

 

あぁ…駄目です‼大丈夫じゃないですよ!?榛名は許しませんからね⁉

 

ヤマト!?もうフィニッシュ?なわけないでショ!?まだまだいけるネー。ファイトデース!

 

聞こえてますか?ヤマトさんは簡単に諦めるような方では無い筈です!私はちゃんと信じてます‼だから帰ってきて下さいね?

 

 

心なしか向こう側の金剛さん達の声も聞こえたような気がした。諦めちゃダメなの?応援されてるし頑張んないとかな?ヨシッ‼気合い入れていきます‼

 

 

それ私のセリフだよね⁉え、金剛さん方って言ってるのに私は無視なの⁉

 

「「「抜け駆けした罰です(だからかしら?)(ネー)」」」

 

ひえぇぇーー⁉

 

 

脳内コント?兎に角金剛さん姉妹には後で何かの形でお礼をしようと思う。思う…んだけど、何故か知らないがデジャブになりそうな予感が漂っていた。

どうしてそう思ったのかも検討つかないのに…何故?

 

 

「「「…で、誰を選ぶんだ!(選ぶの?)(妹の私だよね♪)」」」

 

 

放置気味だったのに気付けば右側にハルナ、左側にコンゴウ、後ろにマヤという配置でした。しかも腕は引っ張られてるから逃亡は不可。腰にしがみつくマヤも負けじと結構な力でぎゅっとしてる。

 

俺がいったい何をしたと言うのだろうか?

 

 

「「「選んでくれるまで逃がさないから‼」」」

 

 

かなり顔が近いです。もう少し恥じらいというものを持ってh……?

は?え?んん?

 

 

「ヤマトはこの私の物だ!いや、私がヤマトの物だ!誰にも譲らん‼これは決定事項だからな?」

 

 

声は耳元と言えばいいのか?すぐ近くから聞こえる。それこそ息がかかる位の至近距離。耳から聞こえた声は凛とした強い意思がこもった声で聞き惚れてしまいそうな力強さでした。鼻からは潮の香りよりも花のような甘くて脆いけど確かにそこに存在しているとアピールするかの如く、思わず脳を蕩けさせるような感覚さえあった。

唇には柔らかく張りのあるプルッっとした感触と暖かさが残っていた。

 

つまりは…

 

「「「キリシマに負けた…」」」

 

「きききき…キス!?」

 

「狼狽えるな。これからはもっと凄いのをしてやr…」

 

 

ズガァン

 

 

「ふ…ふふふ…ヤマトさん、今キスしてた?私は放って?うふふ、あははははは」

 

 

爆音を最後に俺は視界が瞑れてしまっていた。最後に見た女の子はいったい誰だったのか?それは誰にも分からない。

だけどこれだけは言える。黒い修羅が佇んでいた…と。

 

 

ハルナの言った修羅場。的を得たんだな…。

 

 

そしてこの夢が覚めたとき何故か俺はスマキにされ鎮守府の提督室に拘束されていた。…記憶には色々靄がかかり思い出そうにも出来なかった。俺自身が思い出すのを拒んでるような気もする…。

触らぬ神に祟りなし…そういうことで釈然としないながらも納得させ今日も一日平和に生きたい。

間違えた、行きたい。

 

 

 




ヤマトが波動砲でキチガイしました。

300%の理由と言う名の説明(オリジナル設定)
まずエネルギーは何処からですが周囲いったいに超重力エネルギー(これはブラックホールに似た者と仮定)があります。その場にあるだけなら力の方向性が暴走しますね。なら吸収して発散してしまおう…これがヤマトの考えです。

作者の足りない脳ミソ内

ブラックホールって宇宙にあるよね?
…あ、じゃあ宇宙エネルギーに返還しておk?
霧戦艦2艦分のエネルギーやし単純に足し算でいいかな~

1+1+1=3

パーセンテージになおせば300%

きっと空高くまで続く光の柱が出来るよね♪天御柱?綺麗そう❗
よし、これに決めた‼

となり、アホなレベルのキチガイ波動砲となりました‼で、アルペジオ世界での共通意識としては

全世界が恐怖のドン底。戦争ナニソレ美味しいの?
生きるために降伏しましょう‼いっそ敵と協力して助かろう‼

です。さて、一仕事終えたので次は誰だそうかな~♪
ヤマト繋がりで大和と雪風、(宇宙戦艦ヤマトでの)霧島は最終回までとっておきたいし…いっそ誰かにアンケートとりますかね?

みなさーん、オラに元気(と言う名の意見)を分けてくれー

前者じゃなければなんでもいいですよー…ドイツ艦?
オラはドイツ語が分からん。シュバルツが黒って事とガンダムシュピーゲルに乗ってるってこと位しか知りません‼

…今回は少しふざけすぎてる気が。

兎に角参考程度にですがしたいので意見を待ってます‼


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雨の音が聞こえなくなったら見えてくる物

最近はブラックブラットにはまってます。

アニメからはまったんじゃなくてオープニングからハマりました♪firip side最高です。

というのもバディファイトのオープニングいいなぁって思い、調べたらナンジョルノさんでした。
で、ハマりました!


ラブライブも映画まで後少しですし、楽しみっす!ジョルノの妹が那珂ちゃんの中のひとっていうのがまた良いです。
佐倉さんは果たして映画に出れるのか!!

そこに期待ですよー。


…ヤマトのイメージソングにblack bulletにしたい。

黒い弾丸じゃなくて青い波動砲ですがね♪


ではどぞ!


何をやってるんだか…たぶん今の俺達の状況を見たら誰もがそう思うんじゃないかと思われる。

というのも俺は現在ドラム艦で炬燵でぬくぬくしていたんだが雨が降り始めたのでドラム艦に屋根を取り付け(自作の屋根である)また炬燵に籠っていた。

屋根は鉄柱四本、四角形でいう四つ角に配置しその柱の上に横にしたドラム缶を切ってくっ付けて作った屋根を溶接しただけの簡素なものだ壁も同様の方法で作ってくっ付けた。

 

…あーら不思議、外装はドラム缶が纏まって浮いているっていうシュールな絵面になってしまいました。

 

しかもその中は炬燵と座布団という何て言うか…提督さんの部屋?みたいな質素な作りとなってしまっている。世の中の匠が見たらきっと「開放感が足りませんね?」ということ間違いなしな見た目だ。雨風を凌げればそれでいいという考えはよろしく無かったんだろう。これからはもう少し身の回りのことも関心を持つようにすると軽く胸に誓いつつポツリと呟く。

 

 

「…雨の音が止まないし窓ないから異様な不安感が募ってくるんだけど?」

 

 

幸いドラム缶とドラム缶を溶接した壁の隙間から光が入ってくるから全く真っ暗ではない。てか、俺自身がエネルギーを電気に変えられるためライトを使えばいいから気にはならない。形容するなら…言ってはならないけど敢えて言おう。

 

 

「獄牢みたいだな…。」

 

 

何もない…暇だ。言葉にしたら余計に気落ちする結果となったのは何もないからだと思いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨のふり方が最初はポツポツ程度だったんだが気付けばザーーという激しい物に変わっていた。

気持ちを落ち着かせるために外の様子が見えない中雨が海に落ちる音を耳を澄ませて聞き入れていたのももう出来ないということでもある。

いや、出来なくないんだけどつまらないんだよね…。さっきまでは風流だなとか思わなくもないんだけど今のだとゲリラだな…テロみたい。という感想になってしまっている。つまり気をまぎらわせるという本来の目的が無くなってしまったという事である。せめてこういうときにヲ級がいればまた違う結果だったんだろうが無い物ねだりは自分を惨めにさせるからしたくない。

 

 

そして無情にも俺はついてない。

 

…悲しくなるな。

 

 

ズドンという音、炬燵のみかんが浮き上がるほど揺れる衝撃、ヨッシャーという叫びに似た喜び半分ヤケクソ半分の声を聞いたのは不幸への誘いだという真実を直感し泣きたくなった。

 

 

「これで汚名挽回だ!」

 

「バカだ…頭いたい。」

 

 

衝撃は壁からでプスプスと焼けた音を奏でる。その脆くなった壁を殴り付けると簡単に穴が開き吹き抜けとなった無残な壁だったドラム缶は海の藻屑となった。笑顔のアイドル事那珂の時と同じで気に入らないっていう人が表れたのだと思うと少し気が立ってしまうのも仕方ないと諦めてほしい。今回は特に実害も出ているからな。

 

視界も晴れ、ヤケクソ気味になりつつも外に出れば黒いセーターで眼帯をしている女の子が間抜けな事を抜かしていた。

 

 

「汚名は返上するもんだ。挽回するのは名誉だ…。それで俺に何か用か、レディ?」

 

「は?人?」

 

「ん?」

 

「………。」

 

「………。」

 

 

場の空気が死んだ。

俺はこの時ほど疲れたことは無かったと思う。襲われそう(喰われそう)になったときは救いがあったが今回は既に事件が起こった後だったからだ…。

 

居たたまれなくなったのか顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった目の前の女性は雨に打たれしっとりと濡れる髪の毛からひとつの雫を垂らすと雫は首を伝い服の中へと入っていく。

 

 

「クッシュッ!」

 

「あー…風邪引くと大変だしこっちにこい。」

 

 

目に毒な光景が広がっていた。…ずぶ濡れの女性、セーターとシャツ、雨水の雫の行方の3つから答えに導いてくれると此方も嬉しい。

 

 

「雨で服が張り付いて気持ち悪かったんだ。サンキュー‼」

 

「その前に頭とか拭いてくれるとありがたいんだが?」

 

「お?んじゃ、これでよし」

 

「何がよし。だバカ‼」

 

 

こいつ、近づいてきたと思ったら俺に抱き付いて俺の服で拭きやがったぞ!?それに腹の上辺りから服越しに柔らかい感触とか…以外と大きかった…じゃない!何してくれやがる⁉俺までぐっしょりじゃねぇか!

 

 

「俺は天龍だ!よろしく頼むぜ、色男?」

 

「…はぁ。ヤマトだ。ったく、これタオルだ使うといい」

 

 

無邪気に笑うコイツの顔に毒気を抜かれてしまう。

俺はやるせない気持ちになりながらも天龍の頭にタオルを被せ、ゴシゴシと乱雑に撫でる。髪がボサボサになったようだが知らん。風邪引かれて此方まで移されたら堪らん。

 

はぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女が何故あのような事をやらかしたのかなど事の経緯を聞いた。

 

 

「いやー、参った参った‼遠征中に雨降ってきて挙げ句駆逐艦達と行動してたんだが潜水艦に襲われちまって俺がしんがりをして追い払った後迷っちまってな!まあ、誰も沈まんかったからいいんだけどな!

で、デケェドラム缶が浮いてたから最初は敵艦かトラップだと思って撃っちまったってわけだ。よく考えれば大シケの海で流されずに留まり続けるなんて有り得ないよな。なっはっは!」

 

 

というより勝手に語り始めていた。勘違いで撃たれた俺はここで何をするのが正解なんだろうか?

怒る?同情する?黙り混む?

うーん…

 

 

「まあ、アレだ。次気を付けてくれればそれでいい。今回は不問にしとくよ」

 

 

これくらいが妥当だろうよ。

サンキューと明るく返される。でも、此方も不審なドラム缶の塊を作り上げた責任もあるんだよなぁ…。ドラム艦がドラム缶だもん。外装についてはもう少し検討が必要かもしれんな…。

 

 

…中に入れたが根本的な解決は出来ない件について討論を始めよう。

 

まず、俺は男彼女は女の子である。

つまり濡れた服を脱がし、乾かすことは不可能。一瞬エネルギー波で弱火程度の熱を発生させりゃいいんじゃね?とか思ったがそこまで加減ができる気がしない。最悪服が炭になる未来が見える。

まるっと収まる正解は無いということが現状である事は理解出来ただろうか?そして次にいこう。

有るものはみかん、タオル(予備を含め三枚)俺の服(此方はオーダーメイドのため枚数は二着)炬燵だ。

資材が足りない。大惨事である。

 

では逆転的発想で裸じゃなければいい。

 

と言うわけで

 

 

「すまない、そのセーターを脱いでほしい。」

 

「うへぇ!?ななんあああ!?狼だったのか?」

 

「ん?艦だが?」

 

「あ…そうか。ヤマトだもんな…ヤマト、ヤマト?」

 

 

可愛らしく首を傾げる天竜に弱冠ほっこりしたがあの焦り方は尋常じゃなかったがどうかしたんだろうか?

変なこと言ったか?

…すまない、そのセーターを脱いでほしい。脱いでほしい、脱いで欲しい。………。

 

 

「Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)!!?」

 

「ん、ふぅ…濡れてうぅん…脱ぎづらいぜ…ふぅ、んう」

 

 

え、ちょっ!焦ってたよね⁉もしかして納得しちゃってたの!?貞操観念が薄すぎない⁉あの鎮守府色々大丈夫なのか?

てか色っぽい声出さないでっ!

 

 

「ふ、やっと脱げた。ほれセーターだ。乾かしてくれんだろ?まったく、異性だからって気にしすぎだぜ?俺だったらバスタオル一枚でも問題ないっていうのにな!気を効かせてくれてありがとよ!」

 

「雄々しいな⁉てか、男の前でそういうのは止めなさい‼」

 

「おかんか!龍田といい、お前といい気にしすぎだぜ?」

 

「見知らぬ龍田さんが正しいよ、それは。」

 

 

流石のヤマトさんもこれには脱帽です。呆れつつ天龍に向き直り、セーターを…受けと…る…!!!?

 

 

「ごっはぁ!」

 

「や、ヤマト⁉」

 

 

止めて、近づかんといて!そんな格好で…ふん‼

 

 

 

「ヤマト⁉自傷!?目潰ししてどうした!」

 

「未婚の女性がそんな簡単に肌を…下着が透けた姿を晒すんじゃありません‼タオルでも羽織って下さい‼それである程度は水分を吸収するはずなんですからね!お兄さんホント君の将来が心配ですよ!」

 

「…え?…ん、あっ‼きゃーー」

 

 

遅いよっ!?その反応全てが遅い!島風がキレるレベルだよ⁉とか言いつつ俺は床にもんどり打つ。カッコがつかない?知るか!女性を傷付けるのは俺のポリシーに関わんだ!プライドだプライド。

傷みで意識が薄くなるなか俺は他人事のように呑気に「あ、そういえば雨の音弱まってきてる」とか考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして天龍が落ち着いたのは俺の視界が回復してきた辺りだった。で、炬燵で暖をとり天龍の正面にいるんだが空気が重い。

 

 

「すまなかった」

 

「いや、不可抗力だろ?」

 

「だが一瞬でも見てしまったのも事実だ。」

 

「…ならおあいこってことでいいじゃねぇか。俺に非があったんだしよ…」

 

 

と、一応纏まった。

セーター?ああ、俺が恥ずかしさMAXになったら熱放出したからそれでほとんど乾いたぞ。天竜も俺も今はみかんを貪ってる。タオル羽織ながら

 

 

「それでヤマトは、さ…あのヤマトなんだよな?」

 

「どのヤマトだよ。宇宙戦艦ヤマトって名乗ればいいか?」

 

「…うん。分かったけどそうか、お前があの噂の人だったんだな。噂も案外宛になら無いんだな。目で見てよく分かった…実際はもっと良いもんだったしな」

 

 

天龍がしおらしい。一帯どんな噂だったのか一度問いただしたくなったが傷付きそうだったからやめた。最後はなんて言ったんだろう?考えに没頭して聞こえんかった…。

 

 

「そ、そうだ!なあヤマト‼俺って怖いか?」

 

「どんな意図で言ってるんだ?そんなワクワクされながらそんなこと聞かれたのも初めてだよ。」

 

 

だが、天龍は答えない。たぶんこの問答を答えるまで教えてくれないという事なんだと思う。

怖い?

 

 

「…俺の感性だから回りは知らんが怖くないよ」

 

「なんでだよ⁉」

 

「怖いっていっぱいあるけど俺には君は色々心配になっちゃう支えてあげたい女の子ってイメージが強いからかな?…そういう意味ならしでかさないか怖いって言うのかも知れないけどな?それでも悪ぶってるけど一生懸命な君を俺は好ましく思うから怖いとは思わないんだ。たぶん他の人もめんどくさがってるけど面倒見のいい天龍を好きなんだと思うからだから怖いって思わないんじゃないかな?」

 

「…う、あ。あぅ…」

 

「っていうのが俺の偽りざる本心と考察結果だな。」

 

 

プシューっていう音がしたが天龍が暑くなっていた。寒いよりはいいかな?

でもいきなり立ち上がると掛かったセーターを引ったくるように胸に抱えると止みかけの海に走っていってしまう。

 

光も出てきたようで空には虹がかかる。

鎮守府に急ぐ天龍は虹をくぐるかのようにしながら水平線にと消えていった。

でも、無礼だったんじゃない。確かに奇跡だったが小さな声を俺は捉えていたからな。

 

 

「ふふ、ありがとう。か…いい言葉だよなやっぱ。」

 

 

…タオル持ってかれちゃったけど

 

 

 




番外編で書き忘れた部分

タカオ「硫黄島に居るのに千早群像が帰ってこない…」

「おねぇさまー…おねぇさまー…放置プレイなんですねぇ~いくらでも待ちますわぁ」

そういう考えも出来るのか!?と見習うタカオであった。
変態艦隊は本日も歓待であった。





というくっだらないオチはボツとなったのだ‼


え、霧?


「子育て中の熊が凶暴になるっていうが霧は依存する存在が消えるとそうなるらしい…」

「群像?」

「いや何、バーサーカー達のことを考えたら、な。ヤマトさんの姿も俺が追いかけるべき姿だよなと考えてたら思考がずれてそうなっていた。」

「大丈夫。群像は私が守るから。」

「…ありがとう、イオナ」

「ん!」


っち、リア充が!末長く爆発しろ‼祝福してやんよ!

というのは群像SIDEendでした!
霧エンドはヤマトのbadendにしか見えない…。逆r…いや言うまい。きっと絞りとられてるに違いない。


では今回はこれまでっす!ではでは~♪


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五月の晴れ間に出会ったあの子

か…書き終えた?
わ、私はやってやったぞ!うおぉぉぉーーーーー!

さっきまで嗚咽を盛らして泣いてた奴のテンションじゃありませんね。
まったく…しんちゃんの映画は感動的ですって…ロボとうちゃんカッコ良すぎです。あんな父親に私はなりたいです。

男の、そして父親の正しい姿ってああいうのを言うんでしょうね。ヤマトにとっての父親に近い存在はきっと沖田艦長だと思ってます。…え、造ったのは違う?
こまけぇ事は良いんです‼

あくまで私が思った事でしかありませんから!

もし今回の話にタイトルの他にサブタイトルをつけるとしたら 「女の子泣かせなヤマト罪状は勘違い。」ですかねぇ~って、いつも通りですね。なら問題ないですかね!
まあ、どうぞです!


春眠、暁を覚えずとはいうがこの季節…いや、年中無休で温かな陽気というのは眠気を誘うものだと思う。それはどんな生物でも変わらない。人であろうと動物であろうと、俺という兵器であってもだ。なぜこんなこと突然言うか?

それは仕方ないというものだ。ゆっくりとでも語ろう。だからここは静かにゆったりと聞いてくれると俺としても嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、僕は皐月だよ。睦月型なんだけどお姉ちゃん達より実は日の目を見ることになったのは速いんだ~♪だからお姉さんといっても過言では無いんだよ‼」

 

「………。」

 

「む、無視は止めてくれ!」

 

「………。」

 

「あ、あの…「………。」僕…「………。」皐月って…「………。」」

 

「…なんで、無視するのぉ?ひっぐ…僕、今日楽しみにしててこの挨拶だって一生懸命色々考えてきたのに。僕ヤマトさんの事怒らせた?怒らせたのなら何が悪かったのか教えて。直すから!「………。」

…うわぁーーーん」

 

「…やかましい…………ん…ふわぁぁぁ~。…あれ?」

 

 

大きな欠伸を出した俺は口に手を当て、目尻に溜まった涙を拭う。曖昧になっていた寝惚ける頭を徐々に動かす。

状況整理をした結果俺は炬燵で温まってたらいつのまにかうたた寝していたようだと結論付ける事もできたのでまったりし直す。この前は雨で大変な目にあったばっかりだからこうも陽気な日差しだと眠たくなっちゃうのも仕方ないと思うんだ。

…でも起き抜け一発目にこんなのはどうしたらいいか分からないんだけど?

 

まず重い瞼を持ち上げ目に入ったのは炬燵の上で丸くなる金色と黒の塊だった。

それが人だと気付くのにかかったのはコンマ二秒程だった。少し眠気で反応が遅くなっていた。

戦場ではこれが命取りになる…今後は寝起きでも素早く反応できるようにすることも視野に入れとかなければな。

だが、やはり起き抜けで状況も分からなかったのがいけなかったのか思わずすっとんきょうな事をいってしまったのかもしれない。

 

 

「…行儀悪いから机や炬燵の上に乗らないようにな?いったいどんなことがあったのか寝てたから俺には分からんが相談位ならのってあげるから落ち着くといい。」

 

 

確かにそれもそうなんだけど他に言わなきゃいけなかった事っていっぱいあったよなぁ…なんてそんな事をボーッとした頭で深く考えていた。だが炬燵の上で泣く金髪少女はお構い無しとでもいうかのようにその瞬間にガバッと顔を上げた。

 

 

「寝て、た?………ふにゃぁぁーーーー!!?!」

 

「奇声をあげるなよ…そんな至近距離で大声あげられたら耳が痛いだろうが。うぅ、耳鳴りがする…」

 

 

キーンとなる耳に思わず顔をしかめるが目の前の人物には聞こえてないようでうわ言のように「え、え…?でもふぇ?近…はふぅーー」とか言っていた。

俺は目先の人物の珍妙な行動を横目に呆れつつも背伸びを1つと欠伸を吐き出した。

 

 

「…俺はヤマトだ。で、君も自己紹介をしてくれると嬉しいんだけどさ…うん。落ち着こうか、さっきから君は情緒不安定過ぎないかな⁉」

 

「だってだって…僕、僕…うにゃぁぁぁーーーー」

 

 

頭から湯気を出して涙目になった少女はショートしたようで真っ赤になったまま直立不動のまま気絶していたのだった。…炬燵の上で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして自己紹介も出来なかったまま彼女が起きるまでの間俺はすることもなく空を見上げていた。遥か遠くには流されていったであろうドンヨリとした鉛色をした雲の群れ。だが通り抜けた此方はそんなのお構い無しとでもいうかのように燦々と光る太陽と雲間に青々とした空が広がっていた。

雨は別に嫌いじゃない。雨には雨の良さがあり、晴れには晴れの良さがある。それを俺は否定するつもりはない。

でも、それでも雨上がりというのは暗さから明るさへと転じる瞬間であるその瞬間というのは黒々とした雲の切れ間から差し込む日の光が白いカーテンのように見える。たったそれだけなのにその瞬間を見ると幸せな気持ちにしてくれる…だから好きなんだ。

 

 

そしてふと何故こうなったのかも客観的な目線で自己判断してみよう。

 

目の前には何故か幸せそうに気絶する金黒少女。俺は寝てて起きれば炬燵の上で泣いていた。

うん、言葉にしたら余計分からなくなった気もするが致し方ない。俺にだって無理無茶無謀なこと位はある。

 

 

「じゃあ、寝てた間に何かあったのは確実だろうが今は置いとく。で、起きてからを纏めれば泣き止むように言い、自己紹介をし、さらっと注意をしたな。」

 

 

強引な気もするが辻褄自体は合う流れがこれか…泣いていた=悲しい。故に傍目からみて僕の悲しみを推し量れ。これだと俺があの時の気の効いた事を言わなきゃいけなかったって訳だ。っで、あとは注意されたのが気にくわなかったっていうパターンだ。

 

今の俺に出来ることと言えば起きたらまず謝ることだろう。

だから深く考えるのはそれからしよう。寝ているこの子の髪を撫でそんなことを考えて改めて良くこの子を観察してみることにした。

 

 

 

髪の毛は金色でうなじの付け根らへんで黒いリボンで二つに結んでおり髪の長さは毛先が膝元ぐらい伸びている。

服装は黒いセーラー服で首もとのネクタイ?だけが白色をしている。足にはタイツを着用しているためかなり黒い。

見れば見るほど黒いとしか表現できない…。

 

もし夜に出撃したら白いネクタイだけが見えて浮いてるように見えるんじゃないかと思うよ。で、月明かりに照らされれば髪で反射して眩しい、と…黒と金色合うけども危険色に見えなくもない。なんていうか頑張ってほしいなと思わず思ったが何を頑張ってほしいのかは終始分からず仕舞いだった。

顔は幼い少女、睫毛も長く顔立ちも整っていて…ってこれは全艦娘さんに共通するんだけどね?それで戻すけど大人っぽく見えなくもない。ちぐはぐな妖艶さとでもいうのか、とにかくそんなアンバランスさを感じた。でも別にそれがおかしいと言うことではなくいい意味でアンバランスと思う。

 

髪は更々で撫でていると時折気持ち良さそうに口角を上げて笑ってる寝顔は可愛いと断言できる。…もし娘が出来たらこんな娘が良いかな~なんてな。

 

とかバカな事を考えている間に目を覚ましたようで欠伸をしながら目の端に溜めた涙を拭っていた。なんとも微笑ましい光景だ。形容するなら起き抜けの仔猫と言えばいいのか思わずほっこりした気持ちにさせた。

 

 

「ふふ、起きたかな。気持ち良さそうにしてたがいい夢は見れたかい?」

 

「…うん。……?………!!?」

 

 

寝ぼけていたようで顔を覗き込むと目を擦りながら返事を返してくれた。一瞬間があったがバッと起き上がった少女はやはりネコのような俊敏な動きで跳ね距離をとった。ドラム艦の上に座布団があるとはいえ硬くて体に負担がかかってしまうからね。悪気は無かったがやらかしてしまったのも事実で、故に悪かったなと反省し多少は庇えるかもしれないなと俺の腿を枕にさせてたから近かったのがいけなかった?

 

 

目の前の少女は俺の顔を何度も何度もチラッと見ては視線を逸らす行為を無意味に繰り返している。

明らかな挙動不審になってしまっている。

 

…ッハ!分かった、今回のは俺も分かったぞ。

今回はきっと、寝ている時は無防備な姿をさらしてしまっているということでそれを誰かに見られてしまったから恥ずかしくて怒ってるんだな!

だからあんなに真っ赤になって口をパクパクさせてるんだと思う。フムフム、我ながらいい推理だ!

 

 

「…って違う‼君、すまないな。俺が気が利かなくて…さっきも今も配慮が足りてなかったな。以後気を付けよう。だから今回だけはゆるしてくれないかな。」

 

「ふぇ?…え、え?あれ?僕…ん?えぇ?

あ、頭下げないで‼僕も言葉も足りなかったし、見えてなかったんだ。だからおあいこって事で…ね?」

 

「…そういってもらえると此方も助かる。ありがとう」

 

「…ぽーー」

 

「…俺の顔に何かついてるかな?」

 

「…はにゃ!」

 

 

ボーッとしていた少女が反応が無かったために近付き目の前で手を振ってみようとしたところ我にかえったようで今までで一段と大きくバッと距離を取っていた。

でもさっきとまでは一つ違うのはまた俺の顔を一度確認すりと真っ赤になりながら立ち止まることもなく遠くに離れていってしまった…。

 

今回は慎重に事におよんだはずなのに何故だ…。げせない。

逃げられてしまったのを考え、心のどこかに一抹の悲しさをのこしながらその後ろ姿だけを眺めることしか茫然自失となった俺には出来なかった…。

 

 

この気持ちはたぶん近所にいたネコを愛でたくて近付いたら逃げられてしまったような切なさなんだと遅れながらに気付き「失礼だな、俺。」と小さな呟きを漏らす。

そして忘れていた事をふと思い出した。

 

 

「…結局あの子は誰なんだよ」

 

 

虚しくその呟きは空を切るかのように行き場を無くし、俺の耳に残ったのだった




皐月ちゃん…最初だけ名乗ってたのに先走って聞いて貰えてなかったもんなぁ。

そりゃ誰だか分からなくて混乱もしますよきっと!

そんな訳で今回はいつもより会話が少ないです。←ナニガそんな訳?
とにかく、ヤマトの考察をメインにすれ違い具合を演出しましたけど大丈夫ですかね?ちゃんと伝わってますか?

やばい…伝わってなかったらどうしましょう。

まあ、いつも通り感想とか適当な活動報告のとこでおしゃってくれれば対応致します。
ではまたお会いしましょう‼


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劇場版 夜戦忍者 coming soon!!

画面の前の皆様間違ってもビデオカメラを被って踊り出さないでくださいね?
No more 映画泥棒ですよ?


あと、大変お待たせいたしました。
色々有りすぎて書けなくなってました。

リアルがヤバイ…。

夏コミ…待ち合わせに二時間の遅刻。北海道から友人の襲来、ゲーセンでの景品大量入手、積んでる本に飲み込まれる、ノゲノラ、萌えペン、オタリア、リトルアプカリプス、庶民サンプル、うまるちゃん、モンスター娘、モンスガ、積み本の消化と結構大変でした。
あとは人に無闇に言えるような事ではない事も起きたりと涙ながらの事も起きましたよ。

…犯罪とかじゃないですからね?

まあ、そんな中で書いたので色々荒ぶってます。どうぞ

8月30日、11:28に 駆逐艦→軽巡洋艦に修正致しました。
ご迷惑お掛け致しました。


とある場所でのとある日常、それは平凡であり非凡であった。

表では平和的に暮らしていたが、裏では常に闇が手を伸ばしていた。簡単にその手をとれてしまう…というのがこの裏と表の世界での一番の問題であった。

だが、根本的に表と裏は互いにS極とS極の磁石のように引かれ合う事など絶対にないことで今だかつて表の人間が裏の取引に応じない。またその逆もしかり。

だが、その決まりが破られる時が来てしまったのだ…。

 

ジャカジャーン♪

 

そして、表の世界と裏の世界の両方で生きるものがここにもいた。表の顔は川内型軽巡洋艦、川内。

彼女は今日も鎮守府高校で姉妹である那珂、神通と共に平和に暮らしていた。

 

 

「おっねえちゃ~ん‼聞いて聞いて~♪」

 

「ふふ、那珂ちゃんそんなに急いで走ると危ないわよ?」

 

「もう、朝は弱いっていつも言ってるだろ?分かったから叫ばないで…」

 

「ひっどーい‼もう那珂ちゃん怒った!お姉ちゃんに私の本気見せちゃうんだからね!」

 

 

そう、平和に暮らしていたのだ。

だが、この平和も長くは続かなかった。

 

出会いは運命を変える、それはいい意味でも…悪い意味でも…

 

 

「川内…憎ければそのクナイを握れ。お前が強くなった時、再び相まみえる事になるだろう。

それまでに貴様が裏である我らに反旗を翻すのを楽しみに待っていよう。クッハッハッハ‼」

 

「待てっ‼」

 

「お姉ちゃん…那珂ちゃんね…もっといっぱい話したい事があったんだよ?昨日だって…今日だって…明日だってそうだったと思うよ…あはは、お姉ちゃん涙でぐちゃぐちゃだよぅ…顔を上げて?那珂ちゃん知ってるよ…お姉ちゃんがどれだけ朝、面倒そうに言ってても笑って見守ってくれてたの。…だから今度は那珂ちゃんの番ってだけ。泣かないで?辛くても笑おう?きっと、お姉ちゃんなら笑えるよ、だって那珂ちゃんの誇りのお姉ちゃんだもん。」

 

「那珂、那珂‼ダメだ‼逝くな!まだ助かる、助けるから!だからお願い、行かないで…私を置いて、行かないでよ…」

 

「お姉ちゃん、神通お姉ちゃんの事も宜しく、ね……」

 

「那珂ぁぁーーーーーー…‼」

 

 

裏の世界…川内は那珂の仇を取るために立ち上がる。

もう一人の妹、神通を守ると共に彼女は裏で生きる姿を手にしたのだった…母親の形見、それが彼女の裏の姿。

彼女は闇夜の中に赤いスカーフをたなびかせ、切り裂くように駆け抜ける。悪を憎み、罪を罰し、よわきを救う…そう、彼女の名前は

 

 

夜戦忍者

 

 

彼女はついに奴等にであう。

那珂の仇…悪の軍団、ディープシーズに

 

 

「ククク、アレカラ腕ヲ上ゲタヨウダナ?ダガソノ程度デハマダマダダナ‼クラエ‼」

 

「ぐあぁぁぁあぁぁーー‼」

 

「クハハハ‼甘イ甘イ、甘過ギル‼オマエニハ期待シテイタノダガトンダ見込ミ違イダッタヨウダ‼死ネ」

 

「やらせない‼」

 

「何っ⁉…フッ、成ル程姉妹揃ッテ消シテクレヨウ。」

 

「神通‼ダメだ‼逃げて!」

 

「これで良いの。姉さんを守れたなら…これで…」

 

「止めて…神通にまで居なくなられたら…私…」

 

 

夜戦忍者は孤独と戦う。

悪を憎み、悪意を刈り取る。

でも、彼女はどんなに強かろうが女の子…死を恐れるのは当然で…

 

 

「今のお前からは何も感じられないな。正直、ガッカリだ。」

 

「貴方に何が分かる!いきなり現れて命を狙っておいて…私がいったいどんな気持ちで戦ってきたかも知らないくせに‼」

 

「ふん。そんなの知らないのは当たり前だ。俺は俺でお前はお前だ。

相手を理解する?烏滸がましいにも程がある。分かろうとすることすらやめた者が何を言っているんだ?お前はただ壁にぶつかり進むのを止めた臆病者だ‼」

 

 

突然現れた者は夜戦忍者の敵なのか⁉それとも味方なのか⁉

 

 

「やっと、死ねる。…ここが俺の死場所だ。

そうだな…自白するなら俺は君のその前向きさが好きだった…。なんてな。何大丈夫だ…俺は望んでやっただけ。お前が気に病む事なんてない。

明鏡止水の心を忘れなければ君に届く者など居ないさ。

…憎むだけなら誰でも出来る。それを乗り越えた先に見えるものを一緒に見ることが出来ないのが唯一の心残りだ。」

 

「何で…何でなの⁉私、ずっと…ずっと勘違いしてなんどもなんども殺そうとしたのに…それなのに…」

 

「君は敵を勘違いしてただけだよ。俺は君に殺されるならそれはそれで本望だった。だけどどうせなら君の為に死ぬって覚悟にいつしか変わってたんだ。」

 

「やだ…やだやだ‼いつも誰も守れないなんて嫌なの‼」

 

「驕れるなよ小娘」

 

 

底冷えするような低い声。それに夜戦忍者は怯えた。

目の前の人物は死にかけなのに殺される…そう誤認させられるほどの殺意と怒気が含まれていたから。

 

 

「全てを救おうと思うな。ただ、お前が守りたい物だけを護れ。人は人でお前はお前だ…それでも全てを救いたいなら覚悟を決めろ。…その先を見付けられたとききっとお前はもう立派な一人前だよ…」

 

「ごめんなさい…」

 

「最後まで優しくしてあげられない俺を許せ。言葉では言っててもお前のそのひたむきさは嫌いじゃないんだ。

…もう行け。」

 

 

ソレは最後に夜戦忍者の頬を伝う涙を拭うと、力なく腕を地面に落とした…。

夜戦忍者は決意を胸にたちあがる。涙は乾いた…憎しみも、悲しみも今はいらない。ただ目の前の壁を壊すだけ。

 

 

「私はもう迷わない‼バカで結構、夜戦上等‼

悲しみも憎しみも全て背負って挑む!最後に笑えるた者が勝者だって教えて貰ったんだ‼無駄になんかするもんかっ‼」

 

夜戦忍者は最後の敵に挑む!

 

 

劇場版、夜戦忍者

    ~暁に沈む夕日~

 

近日公開!

「「皆さん‼是非劇場へ、待ってま~す!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…と、これで収録は最後なのか。

終わってみると案外短い物だな。最初は俺が出演なんて聞かされた時は一時どうなるものかと思ったが、案外どうにかなるもんだなぁ…。

 

 

「おっ疲れ~♪後は公開を待つだけだよ‼」

 

「とは言うが、主役が一番疲れたんじゃないか?」

 

 

俺は背中をバシンバシン叩く川内に笑いながら冷やかす。俺自身、川内が心から楽しんでこの仕事をしている事を知っている。

 

俺と川内姉妹はこの収録で大部仲良くなった。それこそ冗談を言い合えるぐらいには。

 

 

「あ、ヤマトさーん‼姉さんの相手なんてせずに此方に混ざりませんかぁ?」

 

「そうだよー、監督さんとか皆で打ち上げで焼き肉行こうって話だよー♪」

 

「なんてって何⁉神通なんか最近私に辛辣じゃない⁉」

 

「あはは」

 

 

俺は戦艦で幾多の戦いで血を流してきた。でも、こういうほのぼのした日常は大好きだ。俺が守りたかった日常だと思う。

もし、この世界にも裏があるのだとしたらきっと俺は立ち向かうだろう。守りたい者があるから…

 

 

「ほらほら~ヤマトさんも行こうよぉ~♪」

 

「あ、こら!那珂そんなにくっついたらスキャンダルになるぞ?」

 

「ふっふーんだ‼別に那珂ちゃんヤマトさんならスキャンダルになってもいいも~ん‼」

 

「な"っ⁉」

 

「ヤマトさん…私の初めてを奪ったんだからそんな無責任な事、しませんよね?」

 

「え?」

 

「は…?はぁぁーーー⁉」

「何ソレ⁉お姉ちゃんだけズルい‼」

 

 

神通?え?初めてって何?それとなんかやけに後ろから視線を感じるんだけど⁉…チクチクする系の視線だよ⁉

攻められてる?

 

 

「ヲ…ヤマト、覚悟ハ?」

「青葉的にもこればっかりは見過ごせないよ?」

「なんで妹に手を出してるんだ‼」

「なんでこの映画で初めて会ったお姉ちゃんには手を出して、那珂ちゃんには何もしてくれないのかなぁ?」

 

 

あ、終った…

気付けば敵のボス役だったヲ級と映像監督を勤めた青葉も合流していた。

…だから初めてってなんなの⁉みんな怖いよ⁉

 

 

「「「逃げるなぁ‼」」」

 

 

拝啓、今日も俺は元気です。

相変わらず面倒事には巻き込まれるようではありますが楽しくやっています。

 

「逃ガサナイ‼」

「スキャンダルなら青葉にも一口噛ませてください‼」

「いつのまに手を出したんだ‼そんな軟弱だったなんて」

「アイドルなのに色気が無いのが悪いのぉ⁉」

 

「何の話だか全く分からないんだよぉー⁉」

 

俺はこうして一ヶ月に渡る映画の撮影を終えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ???

 

「ナァ?」

「何モ言ウナ」

「ダガアレハイクラナンデモ…」

 

「「CGモ、ワイヤーモ何ニモ無ク立体移動ト空中殺陣ヲヤル地球人達怖イ…。」」

 

「デモ生身デノガ⚪ダムファイト…カッコイイ‼」

 

こうして、裏での中でもこの撮影をこっそり見ていた者がいたために行動を起こそうとしたものは一人も居なかったそうだ…。

そして監視をしたものの中には…

 

 

「アノヤマトトカ言ウ人物…次ノ作品ニハ出ルノカナ?」

「オイ、ソンナコトヨリ、ヤマトト神通トイウ軽巡洋艦トノヤリトリ、見タ?

アレ、撮レタ映像凄インダガプレミア化シタソウダゾ‼」

「ソンナコトヨリッテ何ダ‼」

「見レバ分カル‼ダカラソノ腕…主砲ヲ下ロソウ。私モ実ハソノ映像ヲ持ッテルンダ。一緒ニ見ヨウ」

「…許ソウ。」

 

 

 

 

「…コココココココココ」

「オチツケ‼」

「オマエモナァ‼鼻血ガスゴイゾ」

「ダガ、プレミアモ頷ケル…」

「イヤ、分カルガ鼻血フケヨ。」

「…ソンナコト些細ナ問題ダ。お願いがあります総長‼」

「何デ…流暢ニ話シタ。…何が言いたいのかは分かった、その願い聞き入れよう、一等兵。」

「ははぁ‼ありがたき幸せ‼」

 

というやり取りもあったようでプレミア化した映像が裏で出回るようにもなりヤマトの名前瞬く間に伝染していくが如く裏で囁かれるようになった。

 

プレミア化した映像は…

 

 

「これ、どうぞ」

「ありがとう、神通さん。」

 

そして気まずいような空気が流れる。ソワソワ落ち着かない様子の神通、違和感に首を傾げるヤマト。三十秒ほど続くとヤマトが意を決したように会話を始めた。

 

「…でも神通さん、ちょっと意外でした。」

「…え?」

「俺、てっきり嫌われてるのかと思ってました。川内と那珂ちゃんには面識があったのでワイワイやれましたけど神通さんって川内達と違う雰囲気というか品があると言いますか…なんとなく一歩二歩下がったところにいるみたいだったので…」

「変、ですか?」

「あー、違う違う。そうじゃなくて」

 

「お姉ちゃーん‼もう差し入れのドリンク無くなっちゃったんだって!もう飲んだ?」

 

「そうなの?飲んだわ。那珂ちゃんは?」

「ダイジョーブだよ♪」

「ワザワザありがとう。」

「ううん、1個持ってたと思ったけど一応言っておこうかなって!じゃあ、私の出番もうそろそろだから行くね?」

「頑張ってね。」

 

「…はぁ」

「えっと、ヤマトさん?」

「このバカ。飲んでないなら我慢せずにそう伝えれば良かっただろう。俺が飲んだから飲んでないんだろう?」

「い、いえ…」

 

少しキツく怒ってるように見えるヤマトは怖いという印象を受ける。だが、立ち上がると神通の顎を少し持ち上げる。

 

「ったく。倒れたら元もこも無いだろ?男なんてどうとでもなる。だが君は女の子だろう。君が倒れたら俺が心配になる。だからそれは君が飲むんだ。いいね?」

 

少し開いていた神通の口にドリンクのストローを差し込み、優しく諭すように言い切ると手を取り、ドリンクを握らせる。

 

「あんまり、無茶はしないでくれ。頑張っているのは見てるから知ってるよ。でもだからといって頑張り過ぎないようにな?」

 

 

笑いかけながら神通の頭を撫でるとそのまま去っていくヤマト。その場に残されたのは神通とヤマトに渡されたドリンクだけ…

 

 

「…これって、飲みかけだったよね…。うぅぅぅうーーーー、こんなの反則よ。あんな顔されて至近距離であんなこと囁かれて…あうぅ」

 

真っ赤になって煙を出す神通。照れ臭そうで恥ずかしそうにしている。でもどこか輝いて見える。キラキラしていた。

 

「私、初めて男の人に怒って貰った。それに間接き、ききき、キスまで…」

 

も、もう本気になっちゃうじゃない。

その呟きは誰にも届かない。けどそれは恋の始まりを知らせる鐘の音色のような綺麗な声だったそうな…

 

 

 

 

 




殺陣についてなにも記載がありませんが作者にはそれを十全に伝える文才能力がないからです。
故に皆様の創造力に任せたい。

下手に縛るのではなく、頭になかで読者様一人一人の作品を作り上げさせる…それが真の文章なのでしょう。私はそう思います。


以上、ただの言い訳でした。


でも何を想像した上での感じかと言いますとヤマトの動きはGガンダムのガンダムシュピーゲルです。
…明鏡止水とか、ガ⚪ダムファイトがその伏線です。

作者はGガン内だとシャイニングガンダムが一番好きですけど、キャラ的にはキョウジ兄さんが一番好きです。次に東方不敗、ドモン、の順ですね。

感想なんかで皆様が何を想像したかを教えてくださると嬉しいです。

また、この後書きを読んで読み返してみると違う楽しみが出来るかもしれませんね?

一度で二度美味しいまるで…はい、自重します。
夜戦忍者と言いつつ、神通さんの回である理由はあれです。

那珂ちゃん回と川内さんの回でのタイトルで詐欺ってるので姉妹艦だしなら同様に今回も詐欺ろうか‼な感じのテンションです。

騙されました?

イタズラ好きだったりするので結構こういうのが私は好きなんですよ?
なので許してくださいね?


ではまた次回‼good-bye!


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見知らぬ背中に背負う悲しみ、誇りを胸に… 前

おひさです。読者さん‼

今月はMax残業が続いています。土曜出勤も続いてます。
生産量がおかしい。あと、偉い奴等が無能だったのも原因だった‼え?なんで自分の所の生産に必要な部品の個数知らないの?死ねば?
皺寄せをこっちに寄越すなよ?キレるぞ、ウフフ…

以上、私の仕事の心情でした。


今回も恋愛という名のギャグしてますね。勘違い成分もタップリ…青葉を可愛がるっていうね‼(偽りはない)
ヲ級の出番はカット。
でも、可愛さと茶目っ気はアピール!


今回はたぶん前編後編になるかと。(作者が上手く纏められないと上中下の三部に別れますけどね)

と、まあ導入としての説明はこんなもんでしょうか?どぞ‼


side ???

 

最近、僕は誰かの後ろ姿を見る。いや、普段の生活をしていれば誰かしらの後ろ姿なんて見掛けるんだけどそうじゃないんだよ。

夢…といえばいいのか誰かが見ていた物を見ているようなそんな感覚。えっと、もっと分かりやすく説明するなら艦娘が艦だった時の記憶を見る時の感覚に酷似してる…のかな。僕の記憶なのかそれとも違う記憶なのか曖昧で僕が僕であるのか分からなくて心配…とは違うけど何か…うーん、兎に角どうしたらいいのか分からなくしてなってしまうっていう感じ?

ごめん…僕も上手く説明出来ないみたい。感覚なんて人それぞれだから僕が勝手にそう思ってるだけなのかもしれないし…艦娘特有の感覚かな?

 

…それで、誰かの記憶を見ているって言ったけど誰の記憶なのかも分からないんだ。要は八方塞がりなんだよね…僕が分からないなんてこと滅多にないんだけどなぁ…。

だからかな?余計に気になっちゃうっていうか…背中の人が夢の中でずっと泣いてるんだ。泣いて謝りながらずっと後悔してる…僕にはそう感じる夢で…毎晩その夢を見るんだ。だから分からないんだけどね。

 

 

「うーん…」

 

「…gれ?」

 

「止めてくれ…」

 

「えっ⁉…止めちゃうっぽい‼」

 

「何で…何で?」

 

「時雨が言ったからっぽい⁉」

 

 

あの夢の中でその後ろ姿の人は悲痛な面持ちでそう叫んでいた。そしてその後に世界が平和となり、綺麗な世界へと変わっていく。…だけど、誰もが救われたというのにその人だけは何故か何処か悲しげで何かに縛られるというか、囚われてるというか…兎に角、悔い続けているように僕は感じるんだ。

 

 

「時雨ーーー‼」

 

「うひゃぁ⁉な、ななな、何が起きたの⁉」

 

 

大きな音に耳がキーンってなって驚いた拍子に椅子から転げてしまう。そこで何が起こったのか顔を上げて周囲を確認して始めてそこで何が起こったのか理解した。

目の前にはほっぺを大きく膨らましてムッと怒った様子の夕立と机の上に積み上げられた本の山がそこにはあった。

本というのは資財運用における効率化を図るために行われた過去の資料、少しでも開発の確率を上げるために今まで行われた成功した例と失敗の全てを記した膨大な書類で…僕一人では余りにも骨が折れるというので…

 

そこまで考えると、スルッと思考の紐がほどけるように全てが繋がっていった。

 

 

「あ、ごめん。提督さんに頼まれたとはいえ、一人でやらせちゃって…」

 

「ううん。それは良いっぽい。でもね、私少し怒ってるっぽい!何でか分かる?」

 

「…え?」

 

「最近ずっと悩んでるぽかった!姉妹なのに全然相談してくれなかったのに夕立はご立腹っぽい‼」

 

「夕立…」

 

「白露も春雨も…海風達だっていたらきっと心配してるぽい‼何でも出来ちゃうからって抱え込み過ぎるのはダメっぽい~‼」

 

「そう、だね。うん、分かったよ。僕ももうちょっと気楽に捉えていってみるよ。」

 

「…あ、これはダメっぽい。ダメなときの時雨っぽい…はぁ…時雨は頭が固いっぽいよ…。結局頼らないっていう…ぽい~…。」

 

 

目の前で溜め息をついた夕立。でも、結構僕の前でだと多いんだよね。なら、信用してるからこそって事かな?

僕と夕立は姉妹の中で一番仲がいいからね♪

回りは子供っぽい夕立と思慮深い時雨は凸凹だって言われるけど凸凹だからこそ噛み合うんだよ。

それに夕立はただ子供っぽいんじゃなくて、人を気遣える良い子だから子供っぽいんじゃなくて天真爛漫なだけだと僕はずっと思ってる。誰がなんと言おうと僕は夕立の味方だからね。昔、そんな約束もしたっけ…あはは、本当に懐かしいな。

 

 

「ねえ、時雨?いつか時雨が夕立の味方で居てくれるって約束してくれたけど、それは逆に夕立も時雨の味方って事なんだからね?それだけは覚えてて」

 

「夕立…」

 

「それだけ!この話はもうおしまい‼」

 

「語尾ついてないよ」

 

「冷やかさないで欲しいっぽい⁉」

 

「あはは、冗談だよ冗談。うん、分かってる。」

 

 

思わずふざけて誤魔化してしまった。

何でだろう…夕立には隠さなくても良いって分かってるのに……は、恥ずかしかったのかな?

夕立に顔の赤さがバレるのが嫌だった?…うん、たぶんそんな感じなのかな。

 

 

「時雨ー!置いてっちゃうっぽいー」

 

「あ、待って‼って、この荷物全部僕が持つの⁉」

 

「ふっふっふ~、頑張ってる時にボーッとしてた罰っぽいー♪」

 

 

この時には僕の頭の中には既にあの背中の事なんてすっかり抜け落ちてしまっていた。それは落ち度なのかそれとも…。

そして、この日のこの出来事が物語で言う伏線だったのかもしれない…そう、後で思う事になったのだった。

 

 

「お前は一人ぼっちだと思っているのか?」

 

「…え?」

 

 

何処からかそんな声を聞いたような…?でも振り返っても、見渡しても誰もいない。

気のせい…だったのかな?

僕は再度夕立を追いかけて走りだした。

 

 

 

 

side ヤマト

 

夏の暑さが肌を刺す…いや、日焼けなんて事にはならないんだけど表面の装甲が熱を持って、余計に暑くなっていっているのは今は良いが後で動けなくなったとかになってしまいそうで日が登りきってしまったら、どうにかしないといけないレベルにまでなってしまうのは分かりきっている為どうにかして冷却する術を考えなくてはいけない。

面倒だ…

 

暑さからなのか目の前がぐにゃりと曲がってるようにも見えるし、頭がボーッとしてフラフラする…。

体もかなりダルく、いつもより重いような気がした。

 

 

「うぅ…心なしか何時もより空が高く感じる…」

 

 

夏の暑さには敵わない…誰か…

なんて呟くが近くには誰もいない。何故か暇な時限定でいつもいるヲ級は実家に帰らせて貰います。という書き置きを残し、何故か俺が愛想尽かされて出ていかれた夫みたいな雰囲気を漂わせるボケにホトホトあきれ果て、追いかける訳でもなく敢えて流していた。

ヲ級にたいする細やかな仕返しでもある。

 

本当に暇である…。

 

 

「…ヲ級が追いかけてない事に気付いたらたぶんアイツ、『何故追イカケテ来テクレナインダ!コレジャア僕ガ馬鹿ミタイジャナイカ。折角後ロカラ抱キ締メラレテ耳元デ{行かないでくれヲ級、お前が大事なんだ。}トカ言ッテクレルノ期待シテタノニ!』とか言いそうだよな…。

…お前はバカだ。安心しろって返す感じかな?」

 

 

プンスカ怒って頬を膨らませるヲ級を幻視したような気がした。あ、なんかありそうと思うと余計に微笑ましくみえて弄りたくなっちゃいそうだな。

…あー、でもヲ級のネタでのポジティブさを考えると予想斜め上で案外「…愛故ノ弄リ、アリダネ!イヤ、モットシテクレ‼」っていう可能性もある…。

 

って、こんなこと考えてたら余計に俺とヲ級がそんな感じにみえちゃうじゃないか⁉ないない。

俺と夫婦ってヲ級が嫌だろ、そんなの?

 

大破壊兵器と化してる俺と人類の敵ということになってるヲ級の夫婦…あれー?地球全体から命を狙われかねない⁉

死んじゃう!いくらなんでもそんなの死んじゃうから!

 

 

「…ッハ⁉俺は今何を?

わ、忘れよう。きっと白昼夢かなにかを見たのだろう。あんな事が現実で起こり得る訳がないんだ。無いったらない‼

…やっぱり、暇だな~」

 

 

暇な時間があまりにも苦痛だったから結局俺はダルいダルいと言いつつも重い腰を上げ行く宛てもなく気の抜くままに飛び立つのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突撃!いきなり大奇襲!

…という訳できました‼鎮守府です!

 

え?突撃!隣の晩⭕飯みたいに言うな?残念、今は昼なのです♪ドヤァ

 

ではでは、ドンドン行ってみましょう‼

こちらは~はい、入口です♪当たり前ですが憲兵さんがお出迎え!笑顔で威圧するその姿はどうやら艦娘を畏怖させてしまうそうです。でも、中身は全然そんなことなくて凄いイイ人らしいです。案外話してみると面白いので積極的に話しかけましょう!では次!

提督室!…スルーです♪(ニコッ)

今回の目的地、ドッグ‼

 

おぉ…雰囲気があります‼まるで犬小屋!名前に恥じぬ木造建築ですね?では、今回も奇襲の方をお願いします‼

 

 

「変なナレーション入れるんじゃない!それと勝手に引っ張って来ておいて常習犯みたいに言って罪を押し付けてるんじゃねぇ‼」

 

「またまた~青葉は何時もヤマトさの代わりに射ぬかれながらも命辛々逃げ帰らなくちゃいけないんですよ⁉

今日くらい良いじゃないですか!てか、お願いします‼」

 

「…ハア。全く、じゃあせめてこの質問には答えてくれ。」

 

「おぉ‼ヤマトさん男ですね♪青葉惚れ直しちゃいました。」

 

「戯れ言はいい。」

 

「射ぬかれてる…っていったが何をしたらそうなるんだ?その様子だと俺にそれをさせようって魂胆なんだろう?」

 

 

その瞬間青葉は逃げようとバレないとでも思っていたのかゆっくりと音を立てずに後ろに下がる。

俺は勿論逃がす気などない。さぁ、全てはいてもらおうか

 

 

「や、やだなぁヤマトさん。そんな顔されたら青葉は怖くて死んでしまいますよ?」

 

「…安心しろ」

 

「ほっ」

 

「お前はうさぎ程可愛くない。故に罰する。」

 

「酷いっ‼温情もへったくれもありませんよ⁉」

 

「さあて、吐かないようだからふん縛って音速の世界にご招待か。宙吊りでいいか。あんま無闇に触りたくないし…」

 

「ヤマトさんっ⁉それもう女の子に対する態度じゃ、ありませんよね⁉」

 

「前回俺、言わなかった?分からない?次はないって言っただろう?忘れたか?なら、忘れないように体に刻み付けるだけだろうに」

 

「わーわー⁉覚えてます‼覚えてます‼

あ、それと最後の台詞を優しくそしてイタズラするようにいってくださいませんか?」

 

「…覚えててそれか、なら容赦はいらないな。反省もない様子だし音速なんて生ぬるい事言わずに生身でワープを…」

 

「本当に申し訳ありませんでしたー‼死んじゃいますから‼お肌こんがり所か擦りきれてゾンビ街道まっしぐらなんてイヤです!塵も残らないなんてうわーーーん‼」

 

 

膝を着いて泣き出す青葉。…たぶん本当に嫌なのだろう。

反省がないわけじゃない。誰にもうっかりというものはあるだろう…なら今回は許してあげても良いのではないか?その泣き姿からその考えに至るには一秒とかからなかった。俺も反省の色が見えないと思い、少し脅すつもりで言ってたのは真実だ。故に罪悪感がある…極めつけは女の子を泣かしてしまうなど言語道断だろうが!という風に考え謝る事にした。

 

 

「青葉、冗談だ。誰にでもうっかりはある…だから今回に限り許す。でも、あんまり悪さをしているようだと俺じゃなくても他の艦娘の人達に迷惑がかかるかも知れないだろう?

そしたら最悪嫌われるかもしれない…。共同生活をするんだから険悪なのは嫌じゃないか?なら、悪さばっかりするもんじゃないぞ?」

 

「…うぅ、本当に許してくれるんですか?」

 

 

目を潤ませながら此方をミアゲル青葉に少しドキッっとしたような気がした…かもしれない。

なんとなく気恥ずかしくなり少しだけ目線を反らす。女性の泣き姿を見詰めるのは失礼だからだ。そう自分に言い聞かせてポケットからハンカチを出し、手渡した。

 

…ポケットにハンカチが入ってたことに初めて気付いた瞬間だった。

 

 

「まあ、その…なんだ。これでも使え

青葉にも考えがあってのことなんだろ?俺も一方的過ぎた節が有るわけで…すまなかった。」

 

「ううぇ?…あ、いやいや‼ヤマトさんが謝る必要はありませんって!青葉も少し浮かれて調子に乗っちゃってたんですから‼それにヤマトさんの言う通りでみんなに嫌われちゃう所だったんですから、感謝はすれど謝ってもらうなんて烏滸がましい位です!あの、だから顔を上げて下さい。」

 

 

焦ってるのか顔を赤くさせながらしどろもどろになる青葉。なんでか、よりいっそう慌てさせたくなってきたんだが…。

 

 

「そうはいかない‼俺は女性を泣かせるっていう大罪を犯した。本来なら切腹するべきなんだ‼

すまない。青葉、介錯のほうは任せた…」

 

「介錯⁉」

 

「ああ、なんなら俺を煮るなり焼くなり好きにしたらいい。どう処罰するかきまったなら教えてくれればいい。俺はその罰を受け入れよう…。」

 

 

俺の演技など幼稚園のソレだとは思うが、きっと焦って自分を見失っている今の青葉なら騙されると考え、笑いそうな顔を隠すために青葉から顔を見えない位置で俯く。

さぁ、いったいどうなる!

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continue…

 

 

…なんて事にはならないから安心してください。

 

 

「あう…そんな…青葉…そんなに怒ってないですから。

それに…ヤマトさんに会えないって考えただけで…うぅう…」

 

「青葉…」

 

 

どうしよう…これ、やっちゃった奴だ。

切り出し方としてどうするのが被害を最小限に押さえられるだろうか…。

「ドッキリ大成功~♪」?

主に青葉の心に皹が入るだろう。なら誠心誠意謝る?

そんなの当たり前だ。結局切り出せてないし…

 

 

「ありがとう…(いや、何に対してだ。逆転の発想とは考えたがこれじゃあ情緒不安定なだけだろうが!)

こんなに…(手こずる案件も早々無いぞ⁉そこまでジョークをマジに取られるほど)

思われてたなんて…(ああ、罪悪感がぁ‼)

俺は…(どう謝ったら良いんだよ⁉)

死(体になり)ぁ(良いのか⁉)わ(かんねぇよ‼)せ(っきょうでも受ければ)だ(いじょうぶ…)な(訳にはいかないか…)

責任はしっかりとらなきゃ男が廃るよな…ヤマトとして皆に顔向け出来ない半端な事は出来ない。(よし‼)覚悟は出来た。もう、青葉から逃げない。しっかり言わせてもらう!青葉」

 

「ひゃい‼」

 

 

俺が突然大きな声を上げたせいか、大きく飛び上がる青葉。頭からは怒りからかショート寸前の回路のように煙りをたたせる位に熱くなっていた。

そりゃあ、そうだよな…泣かせた理由にも気付いてるっぽいし、それがイタズラだったなんて言われるとしたら怒るのは当たり前か…。俺、最低な男だよ。

 

 

「青葉、これは大切な話だ。だからしっかりと聞いてほしい…。」

 

「…ふぇ⁉ななななならこれってやっぱり⁉」

 

 

やはり、怒っている。真っ赤だ…アワアワと動く青葉の口からは「妄想じゃない⁉」とか「青葉のもしかしてが本当に…」とか「だとしたら…」とか漏れていた。

俺は罪悪感という申し訳なさから目を反らしたくなった…でも、それじゃいけない。俺が…ふざけたばっかりに勘違いさせて…ダメなんだこのままじゃ!

俺はしっかりと言葉を聞き入れてもらう為に焦る青葉の肩を少し強引かもしれないが両手で掴み動けないようにする。距離が近いかもしれないが腕の距離しか離れられないんだからそんなの当然で…だから気にしないように心がけながらしっかりと青葉の目を見る。

 

青葉の目には涙が溜まっていて今にも流れてしまいそうだった。

この涙は俺の罰だ。許されるとは最初から思ってない。でも、謝罪しないとはいかない。いや、しちゃいけないんだ。だからこそ俺は今の気持ちをしっかりと伝えよう。

 

 

「落ち着いて聞いてくれ…

俺は最低な人間だ。こんな想いを抱いちゃいけなかったのに抱いてしまった。それに青葉にも辛い想いをさせてしまった…。その気持ちにも気付いてた。でも、知らないふりをして弄ぶような真似をしてしまっていた。すまない。でも、だからこそ今ここでしっかりお前には言っておこうと思うんだ…。」

 

「あ、あわわ…ややややヤマトさん?」

 

「答えは今じゃなくてもいい。ただ、今は一先ず俺の話だけさせてくれ」

 

「……はぃ…(コクコク」

 

 

その返事を聞けただけでも良かった。きっと、青葉には恨まれるだろう。最低な事をしたもんな…だけど言おう。

それが俺の出来る唯一の礼儀だから

 

 

「青葉…」

 

「ドキドキ…」

 

「俺は…俺、ヤマトという人間は…」

 

「………っ‼」

 

「青葉の事を…」

 

「………はにゃぁ‼⁉」

 

 

…え?

 

「…え?あれ?は⁉」

 

 

結論。俺は青葉がよくわからなくなりました。

その青葉はと言いますと鼻血を出しながら幸せそうに腕のなかで眠りました。例えるなら緊張の糸がプツンと切れたような…そんな眠り方だった…。

 

 

「…どうしよう?」

 

 

…そういえば前回の時もよくわからない行動してたよな?

うぅーん…なんだろう。何故かもうこれでいいんだよっていう声を聞いたような気もしてきた。

 

なら天に身を任せるとして、青葉を何処かに置いとける場所を探して歩いてみるのもいいかもしれないな…

そう考えた俺は優しく青葉を担ぐとドックに奇sy…お邪魔することにしたのだった。

 

 




今回からは終わりへと向かう方向でいかせていただきます。

詳しくは活動報告で書かせていただいてます。と言っても結局は謝って、心境の変化言って、一念発起したっていうだけなんですけどね?

今月は平日忙しい為土日のどちらかにあげられればな…という感じになります。すいません。偉い奴等が無能で…


…時雨のお話なのに出番が少ないねぇ。書き始めた時は逆にヤマト君の出番をカットするつもりだったのにできあがったらヤマトのシーンがあって…あれ?ってなったことは言うまでもないでしょうね。
導入編なんでまだ微妙ですけどボチボチ頑張らせます。キャラの一人歩きを押さえてね‼←これ言いたかっただけ

青葉の勘違いとヤマト君の発言についてフォロー要りますかい?結構丁寧に()をいれたのでご理解はいただけるかと…見にくいですけどね。


…ま、以上バカな作者でした‼
ps.ジョジョは始まらないですから安心してくださいね?


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見知らぬ背中に背負う悲しみ、誇りを胸に… 中

申し訳なかです。
仕事での生産数は落ち着いてきたのですが、2週に渡ってクレーンの免許を取りに行かさせられてました。
あと、然り気無くTPLに転職してました。因みに今まではPLでしたー

T…提督
P…プロデューサー
L…ライバー

の略です。パズドラー兼ストライカーでもあります。どんだけ自分の首締めれば気が済むんでしょうね?


………。誠に申し訳ありませんでしたー‼

音ゲーは得意じゃないけど楽しいから好きなんですよ‼てか、ゲーマーなんですよ‼だからじゃないけど、艦これ改(だったっけ?)の延期とか聞いた瞬間角川クソって罵倒した私が居ましたよ‼

フー、フー…落ち着いてますよ?


兎に角、後言えることは三部構成になりましたー。…、まあどうぞ


青葉を担いで三千里…とはならないもののさっきから俺に向く視線はないけどあったとしたらきっと痛いほどに突き刺さっていた筈だろう。

しかし、三千里など一瞬なのでもし離ればなれになったとしても俺がいれば毎日会える訳だ…そう思うとなんとなくあのお話は大袈裟に聞こえるから不思議だ。

勿論、そうは言ってもあの時代には現代の乗り心地の良い車はないし、俺も誕生していなかった…と思う。

感動作であることに変わりない訳だ。

 

それにしても女の子ばかりの空間に男一人というと先程の想像のようになってしまうのか…。不祥事ひとつ起こしたら瞬く間に憲兵さんのご厄介になっちゃうんだろうな。地味に大変な事になってたんだな…。他の鎮守府の男性提督さんたちも手を出すわけにはいかないだろうから…ご愁傷さまだな。

今の御時世、触ってなくても女性が騒げば痴漢で逮捕されたり、ぶつかって触れてしまうだけでセクハラになるっていう世の中らしいし儘ならないものだ。…感覚的なものでそうなるなら見た目が不快な(言葉を濁しています。)女性のミニスカートは逆セクハラになると思うがどうだろうか?え?別に理不尽な世の中になんてキレテナイヨ?

 

 

アホな考察を切りやめ、そして俺は青葉の落とした物を拾う。

ん、このボタンを押せば良いのか…。

 

 

「どういうテンションで始めたら良いのかは青葉さんの指示を仰がないと分からない為いつも通りでお送りいたします。宇宙戦艦ヤマトです。取材させられてますけど俺はここの鎮守府の者でもありません。本当に大丈夫なんでしょうかね?

っと、青葉さんは先程気絶しましたので代理で俺が司会進行を勤めさせていただきます。ここは、先程説明がありました通りドックです。船渠ともいいますね…ドアの目の前、入っていきなりですが敢えて言いますね?

これ、なんの取材なんだろうね?タイトルから予想するならアポなし突撃取材で赤裸々なドキュメンタリー…みたいなのかな?

………。

では、遅れながらにお邪魔しまーす。って、えっと…これはまた…コメントしづらいし…ドックだよね?」

 

 

青葉に渡されたビデオカメラだけが手持ちぶさたとなってしまいなんとなく見つめていた。何故だか早く早くと急かされているような気がしてしまうのだが、よく考えると俺が青葉を気絶させてしまったわけだが青葉はこれが取材と言っていた…ということはもし俺が何もしなければ青葉が関与している記事に穴を開けてしまう事になるのではないか?

思い当たった考察に事の重大さを理解させられ黙り込んでしまう。カメラのレンズを覗き込めば心なしかレンズを輝かせているようにも見えなくない。溜め息を一つ吐くとをレコーディング状態なのを確認して一人空しいが説明口調で話しかけるように進行をする。

 

 

「今、俺が見た物で思ったままに言いますよ?

銭湯じゃん‼

…以上です。えっと、俺は機械の沢山並ぶ創庫のような場所を予想していただけに余計に面食らいましたよ⁉皆さん、ドックとは銭湯なんだって勘違いしないで下さいね?確かに見た目は完全に銭湯ですけど本来の場所としては船…ここでいう艦娘さんたちを修理、修復、改造…は工廠だったか。…とまあ、それらを行う場所です。予想になりますが、たぶん艤装を直す所だったが艦娘さんが増えてしまったために移動、増設などの手段で此処は元ドックだったというオチでは無いでしょうか?」

 

そうだとすれば、ここは移動されて残った場所を有効利用しようとした結果でああなったのではないかと俺は予想する。艦娘さんたちは出撃すると潮風でベタベタになったり潮の匂いが気になったりする。それに女性ということもあるし気にならない訳がない。気を使った結果銭湯を作ることになったのなら利にかなった考えだと評価しよう。

って…俺は評論家かなにかかな?

 

 

さっきから妙に説明口調になるのはきっと青葉のビデオカメラの撮影に緊張しているか、その為に切り替えたからに違いない!そうとしか思えない。

じゃなきゃ御都合主義…いや。おかしなことを口走った。そんな物語のような事有るはずないからな…言い訳してすまなかったな。

 

そして銭t…ドックの暖簾を潜る。

扉の先に暖簾がかけられてるという時点で銭湯じゃないか…そういう突っ込みは受け付けんぞ?

だって誤魔化して進行を進めてる自分でさえ、その考えに行き着くのに苦労はしなかったからね…。

 

 

「これ、もしかして青葉が勝手にドックって言ってるだけでその実只の銭湯だったっていうオチじゃありませんよね?…騙してお風呂の覗きをさせて陥れようとしてるとか、『ふふふ…これで視聴率は鰻登り、世の男性の支持率MAX…ウフフフフフフ』とかいう算段だったりしませんよね?…やばい、心配になってきました…」

 

 

ジョークで言った筈だったんだけどなんだか本気で心配になった…青葉、最初はいい奴だと思ったんだけどなぁ…。

口は災いの元っていう言葉が突き刺さらないのかどうなのか気になるのであった。

 

というか、コイツ投げ捨てて良いかな?結構、イラッとしたんだけど…

 

 

「これ、不味いですよね~…鎮守府って艦娘さんの巣窟ですよね?そしてここがそこの銭湯って入った瞬間に痴漢、覗き、おててにお縄~が一連の流れだよ。

さあ、テレビの前の皆さんはどうする!」

 

 

勿論入らんがな‼

 

回れ右して、ドックを後にするために戸に手を掛けようと手を伸ばす。

 

「え…?」

「え…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ハッ⁉

頭の中が真っ白になったとかそんなんどうでもええねん。

それよりも現状だ。俺は戸を開けようと手を伸ばす。

でも予想外な事にその寸前に戸がひとりでに開く。…え?自動ドア?

なんていう事はなく、目の前の人物が開けたということが伺える。そして、俺は反応が遅れた為に戸に手をかけようとしている手は伸ばしたまま止まらない訳で…そうなるとその手はどこに行き着くのか?

それは一先ず置いておかせて下さい…。先に目の前の人物についての考察を述べよう。

 

黒い髪をミディアムかセミロング位の長さに伸ばし、後ろ髪を三つ編みにして肩を通して前に持ってきている。三つ編みの長さは大体胸上程度で、両耳の上では癖っ毛なのか可愛らしくちょこんとはねている。…少し犬耳っぽい。頭の天辺からは一房の髪が上に持ち上がり、毛先からは重力の影響を受けて垂れ下がっている。所謂ヲ級のいう、アホ毛という奴だろう。

身に付けているのは黒いセーラーに赤いスカーフ、髪止めも赤を基調として黄色い紐が付いている。背丈からしてたぶん駆逐艦の子だと推測される。

 

そして、現実逃避してた事象についてこの事が関わる。

そう、身長だ。身長差が何よりも問題なのだ。

相手方も戸を開けて直ぐに誰かいると思っていなかったのだろうね?開けて間もなく入ってくる。そして俺のモーションは戸に向けて行われてる最中な訳で…えぇっと…気づいてくれた?

分からない?

 

分からない人はきっと純粋な人だよ…汚れないでいてください。わかった人はきっとジャンプとか好きなんだよね?そうだよね⁉(←錯乱中)

 

 

 

「…うぇ。あぅ……えっとね?そのぅ…」

 

「ああ……」

 

 

もう、駄目だ…

彼女から手を離し、ゆっくりと目を瞑る。パターンとしては叫ばれる、叩かれる、殴られる、罵倒を浴びせられる、俺が自害するかだと思うんだ。うん。

彼女は突然の事で理解が出来なかったみたいで律儀に俺が思考の彼方に意識が吹っ飛んだのを戻ってくるまで待っていてくれたような間まで作ってくれていた…。

で、彼女も自我を取り戻したようで…俺の手と、俺の手が掴んでいた部位を何度も見返しては真っ赤になった。

 

何処を揉んでしまったのかは言わん。彼女の尊厳に関わる…。…勿論、揉んでいた奴の台詞じゃないことは理解しているとも…俺がするべき行動なんて一つに決まってるだろ?

 

 

「介錯は任せた…」

 

 

本日二度目の切腹を図ることにした。いやぁー、乱世乱世‼

俺なんてもう、駄目だ…。

大丈夫、沈んだって…太陽はまたあの空に輝くのさ!

 

 

「確かに胸を掴んだのは悪いけどそこまでする必要はないよ⁉」

 

 

お前が言うんかい‼ワザワザ、俺が言葉濁したのに…てか、この子変なところで男らしいんだけど⁉格好も然り気無く中破してるしてか、近い⁉

この子が自分で言ってしまったから白状致しますけど俺、ヤマトは目の前の彼女の胸を戸を開けようとした拍子に鷲掴みしてしまいました。以上。

これは流石に死んで詫びるしかないよ。

 

俺ってかなり固いけど、波動砲のエネルギー貯めて撃たずに溜め続ければエネルギーが爆発して内から弾けれると思うから逝けるよね?

うん、これだ。これだったら逝ける。青葉の時みたいにはならない。

 

 

「艦長、今参ります…。」

 

 

俺はそうして目を瞑り、視界を閉ざし真っ暗な世界へと旅立つのであった。

 




今の話のタイトルを思い出していただきたい。


そう、誇りを胸に…です。誇り(高き少女に向けて手)を胸に、です。
いや、わかんねぇよ‼っていう然り気無い伏線ですよ♪
青葉に続いて時雨ちゃんでも自害しようとするヤマト、情緒不安定ですよね!
ナゼダロウナー案外これも伏線かもよ?



それとラストまでの道筋についておおまかですが決めました‼アニメでの所にオリジナルを混ぜていこうと思います。戦闘に関してですけどヤマトを直接関わらせようかどうか悩んでます。個人的には吹雪との絡みを優先で…みたいな感じで…

まあ、ひとまずちょいちょい書いていく感じで進めていますのでもう少々お待ちさせます。
ではでは~♪


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見知らぬ背中に背負う悲しみ、誇りを胸に… 後 (変更点あり)

やっほー‼
久しぶりの連日投稿じゃー‼

明日は無理だけどね♪
仕事だもん‼非国民やもん。体育の日なんて知らないもん‼

今電車内でこれ書いてます。
てか日が暮れてからアキバって…キツい。

時雨編は一先ず終了です。本当はもっと書きたかったんですけど4000字突入してて慌てて終わらせました…急ぎ足っぽい‼(急ぎ足で書いたため誤解を生んでしまいました。よって、改正した所があります。ご了承ください。)


とまあ、そんな感じです♪後書きは今回話を書こうと思いましてよって、全てこちらに収束させます。ま、何かあれば感想ででもお願いします。どうぞ‼( ゚д゚)ノ



俺は…あれ?

 

目の前は真っ暗で何も見えない。目を開こうとも何も見えなかった。ただ暗闇が広がる。何も、ない。

空っぽ…闇、飲み込まれるかのような錯覚を覚える。

 

感覚もない。感情もなにも出てこない…。

何があったのかを思いだそうにも頭の奥でナニカを拒否するかのように阻害する。

 

思いだそうとする、拒否

強引に押さえ込もうとする、反発

身体を動かそうとする、エラー

 

エラー、エラー、エラー…

 

何かをしようとするとその表示が目の前で赤く視界を潰す。何をさせたい…分からない。抗う術は試した…だが、なかった。

 

 

俺は反抗することを辞め、闇に対峙する事を選んだ。

 

 

「ヤマト」

「っ⁉」

 

 

この声…あの人か⁉何処ですか!

だがどれだけ叫ぼうが喉を震わせることもなく、掠れることもなく、音が出ることはなかった。まるで………なように、それは今の………を表すかのようだった。

 

「ヤマト、儂は最後まで戦い抜いた。絶望し、渇望しながらも抗った。だが、今のお前はどうだ。」

「………」

「お前さんには儂の言葉は届かんか!儂の気持ちは無駄だったか‼お前さんは…儂の想いが、地球の全ての願いが乗せられていた筈だ‼それをここで燻りおって!」

「っ⁉あぅ…う…」

 

 

目の前で発せられる言葉に否定したかった。見えないけど聞き間違える筈のないあの人の声で叱責され俺は少し悲しい気持ちになった。

 

 

「お前さんの気持ちは伝わる。悲しみ、憂い、安堵…そして憎しみ。全て今なら分かるわい。」

「に、憎しみ…?」

 

 

憎い?ナニガ?

俺は…そんなこと…俺?…俺って、誰?貴方は…?

知らない?知ってる?…何で?え?

 

一瞬、何かが視界に過る

 

そして、思い出した。記憶に、奥底に封印していた物が溢れてくる。完全でなくても、それは俺という人格を喰らい尽くすには十分な狂気だった。

それは、記憶。あの戦いの後の記憶。

人々は笑顔し、誰もが………する世界

 

「うぁ…あ、ああ…あ…ああああぁああああーーーーーー‼⁉」

 

「ヤマト⁉」

「ヤマト…そうだ、俺はヤマトで貴方は沖田艦長で…でももう、艦長は居なくて…命を掛けた艦長の想いを…皆いつしか忘れて…幸せってなんだ‼不幸になった人がいるのにあんな…笑うだけの日々を送り、全てをなかった事にして…そんなの、そんなのってねぇよ‼」

「いいんじゃ、いいんじゃよ。」

 

 

思い出した…俺が、壊れた日の事を。

泣くことしか出来なくて、無力で、誰にも認識されない世界。笑顔が…人の想いを、死を全て無に返した。そんな世界は俺は憎かったんだ。そして、自壊する事に決めたんだ。そして見捨て、世界を手放したんだ…。

 

 

「よくありません‼沖田艦長の気持ちを…全てを救いたいって気持ちを!誰もが笑えるようにしたいって気持ちを、死力を尽くした戦いをアイツらは、踏みにじった‼」

 

「…アレは儂の自己満足だ。それでいいんじゃよ。ヤマト、儂はお前に返したいんだ。儂たちをずっと見守って守ってきてくれていたお主に今度は儂らが…」

 

「そんなの綺麗事です‼沖田艦長は…だ、って…」

 

 

俺は前が見えてなかった。艦長の姿を見ることが出来なかった。俺は泣いていた…。とっくに枯れ果てたと思っていた涙は前が見えなくなるぐらいに溢れていたから

だから、前が見えていなかったんだって気付かされた。

 

 

「いいんだ。許されていいんじゃよ…儂が許す。」

「ですが‼俺はやっぱり艦長と…沖田艦長と一緒に歩んでいきたかった‼俺が眠る所は、居場所は貴方のいる場所なんです!貴方が…俺に乗り込んで戦う事だって本当は反対だった。あなた以上の人物なんて居ないんです。離れるのは…嫌なんです…もう、誰かが亡くなる姿は見たくないんですよぉ…」

 

 

立っている力も無くなり、膝から崩れ落ちた。

だが、倒れた感触はなくそっと誰かに支えられた暖かさだけが俺を包んでいた。最初は何が起こったのか分からなくて真っ白になった。だけど俺の頭上、髪の毛にポツポツと雫が落ちてきて理解した。

この物静かな艦長が深く被った帽子の奥の瞳から涙を流してくれていることを…俺と、そして艦長は二人で静かに泣いていた。俺だけじゃない…今ここには艦長がいるただそれだけど俺は安心出来たんだと思う。

そして、気付けば泣き疲れたのか深い眠りについてしまっていた。

 

 

だから、この夢から覚めてしまったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤマトよ…、お主は儂の一番の理解者だった。誰よりも儂を気遣い、理解した上で見守ってくれていた。そして守ってくれた。お主は気付かなかったようだが、儂はお主という最高の友がいたからこそ無茶が出来たんじゃよ。一心同体…とは違うがお主が儂にそこまで思っていてくれた事を何よりも誇りに思う。

だからこそ、お主は儂と一緒に死んでほしくない。もっと、たくさんの命を、心を救ってやってほしいんじゃ…」

 

ヤマトが最後までいたその場所には二枚の写真があった。それを見た、鋭い眼光には、一筋の涙が流れた

 

 

写真には青く輝く海を背景にした、知っている姿よりも大人びていた二人とその間にいる子供。二人はヤマト船員で艦長が最後に立ち上がらせた大和魂を背負う青年と最愛の人のためにその身を盾にした女性。二人は本当に幸せそうに笑っていた。

もう一枚はヤマトが真ん中にいて、その回りを楽しそうに取り囲んでいた女性達の写真。ヤマトの顔には鬱陶しそうにして呆れてるが何処か嬉しそうに微笑む姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…と」

 

 

誰かが何かを言っている。でも、俺は起きたくなかった。

今、起きてしまえばまた思い出した………した記憶も。…何をした?俺は何をしたから悲しませた?艦長はどんな姿を叱責した?俺が情けないから?…違う気がする。では何故…

 

 

「ヤマト‼」

「時雨~何かあったっぽい?…って、ヤマトさん⁉」

 

意識の外では騒がしくなっていた。

深い思考は段々と喧騒の方にと意識が傾き始めてしまった。それからはまるで元から何もなかったように夢での出来事が散っていく。そして靄がかかって思い出せなかった倒れる前までの記憶が段々と鮮明になってきていた。儚い夢、それでも俺には意味あるとても大切な物だったって分かる。だって、俺は今最高に清々しい気持ちだったから…

 

 

「えっと…これはいったいどういう状況っぽい⁉」

「ヤマトが目を瞑ったと思ったら静かに身体から破裂音をさせて倒れちゃったんだ‼倒れてきたヤマトを受け止めて起こそうとしたら泣いてて…僕どうしたらいいかって…」

「え⁉ちょっと待ってっぽい⁉どうしてそこからそんな状況になるっぽい⁉何で裸で抱き合ってるっぽい‼しかも時雨馬乗りだし、大人なの⁉大人の階段駆け足で登り詰めちゃったっぽいの⁉」

「…ん?………っ‼

いや、これは違うの‼僕が襲ったとか脱がしたとかそんなんじゃなくて…でも脱がしてて…あれ、これ僕ヤバイ状況だよ‼憲兵さんのお世話になっちゃう!どうしよう、夕立‼僕意識ない人に好き勝手やっちゃった‼」

「キャーキャー!っぽい‼」

 

 

うわぉ…起きたくない。寝てる理由も無くなったけどこれ、起きたら大変な事になっちゃってるよね?

 

時雨と夕立の会話や己の感覚からある程度予測を立てておこうか。…冷静になれればっていう程度だから所詮当たってたらいいな程度で聞いていてほしい。

まず、感覚から誰かが俺の身体に乗っている。しかも一肌で…誤解しかされない文章だがたぶんタオルかなにかが俺の腰下の…そう、あそこら辺にかけてあるっぽい。誰かとは、まあ当然時雨だよな。次に場所だが湿度が高いことから工廠の浴室(?)だろう。時雨が風呂に入れようと俺を脱がせた。

さっきの時雨の様子から助けたい一心で無意識的に俺を脱がせたりしたのだが夕立に言われて自分がどうしてたかを理解して意識しちゃったんじゃないかな?で、我に返った時雨が焦って意味深な言葉だったりで余計に場を掻き回しちゃってるって感じだろうね…。

…すまん、青葉‼起きてくれ!俺じゃあ収集つかない!緊急事態‼助けて、ヘルプっ‼

 

 

ーーーカシャッ!

 

 

「いやー、何かがあったと青葉のジャーナリストの勘が訴えてくると思ったらなにやら面白そうな事になってますねぇ~♪何でビデオカメラが無くなったのかは分からないけど此方の方がネタになりますよねん♪」

 

「コスモタイガー、ヤレ」

 

 

青葉に救いを求めたのが間違いだった。コスモタイガー内には誰かがいるようで、その誰かは見事な敬礼をすると空を翔けた…ような気がした。

俺の現状か?もう、諦めたよ。諦めて己の姿を確認したうえで立ち上がって構えてるさ…

まったく、清々しいって言ったらこれだ俺はきっとハプニングで退屈には困らんだろうな。

 

さて、艤装はついてなかったようだが関係ない。何故か今手元に出てきたコイツがいれば青葉ごとき直ぐに簀巻きに出来る。さあ、パーティを始めようか

 

 

「ヤマトさん起きてたんですか⁉」

 

「ああ、お前をそのまま放置ともいかないと思って背負ったうえに撮影の方も手伝ってやったのにそうやって、面白そうであれば恩を仇で返すんだね。」

 

俺は出来るだけ取って置きの笑顔で青葉を迎える。そして、タオル一枚で局部を守ってるだけの姿のまま俺は宣言した。

 

 

「標的は青葉の持つカメラだ。もし、外れても被害が青葉だけなら構わない。むしろ率先してやってくれていい。

死んでも死なない、ガミラスかゴ⚪ブリのような奴だ、全力でOKだ」

 

「ちょ‼死にます‼死んじゃいます‼沈みます‼」

 

「ああ、地面に沈めてやるよ。」

 

 

敵に最大の敬意を払い、叫ぶように号令を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…で、時雨?」

「夕立?何かな?」

「…ヤマトさんの身体を近くで見て触ってどうだったっぽい?」

「そりゃぁ、凄かったよ…(〃ω〃)」

 

という会話があったらしいがこの時コスモタイガーが真価を発揮していた為に俺の耳に届く事はなかった。

 

 

 

「…でもね、僕分かったよ。夕立がさっき何を言いたかったのか、ヤマトが教えてくれたよ。あの夢の正体も全て分かった。だから、もう無理はしない。全てを抱えるんじゃなくて仲間と、友と、姉妹と、共有出来るって実は凄い恵まれた事なんだって」

「夕立だったら遠慮なく頼っても良いぽい!」

「ふふ、じゃあ次の遠征任務は頼ろっかな?」

「うぇ…?あーー‼次って…ダメ‼ダメっぽい!意地悪っぽい‼」

 

 

そんな微笑ましい光景が後ろには広がっていて俺もそっちに加わりたかった。だが、俺はバカの面倒を見なければいけないわけで、簀巻きにした青葉がコスモタイガーによって宙吊りでトンボ返りされたりする姿を眺めていた。

 

 

「すみませーん‼青葉が完全に悪かったです‼なので、下ろしてぇ~ーーー‼」

 

「はい、あと20回転」

 

「死んじゃうぅ~」

 

 

俺はそっとバカの姿を見て笑った。別にバカだと笑ったんじゃなく、コイツのアホな行動が実は俺を気遣ってたんじゃないか?という考えに行き着いて、それはないわーと笑ったんだからな?

けして、俺も色々な人に想われてる事に嬉しくて笑った訳じゃないからな?

 

…まあ、青葉への罰は軽減しないけども、ね。




Side 時雨

僕はヤマトに馬乗りになったけど、実はわざとだったりするんだよね。倒れてきたヤマトを受け止めたんだけどその時に僕の…その、また…む、胸に頭を突っ込むように倒れて、僕も支えきれなくてそのまま押し倒される形で二人仲良く床に倒れた。ちょっとわく…どきどきしたよ。
そして、倒れた後直ぐにヤマトは意識を手放したまま謝ってたんだ。僕にもだけど誰かの名前を呼んで泣いてた。
最初は僕の胸掴んでおいて他の人のこと考えるだなんて失礼過ぎるって怒ってたんだけど、様子がおかしくなって直ぐにそんなこと拭い去られたよ。だって、艦長っていった後懺悔してたから。
悔いて、悲しんで…彼の性格からしてきっと手を抜くなんてしなかったと思うよ。全力で、悔いる必要が無いくらいやりきったはず、そう思う。それなのに悔いて…己の艦長だってきっと戦死させなかったんだよ。
だけど、その責任は自分にあるって言ってた。そこで僕は気付いたんだ…あの夢の人物は昔のヤマト船員で私に語りかけてきた人がたぶん艦長さんなんだと思う。
彼は歴戦の勇者のような眼光で、落ち着いた雰囲気は誰もを導いてくれると思えた。
そんな人達を運んだヤマトはきっと凄い艦だったんじゃないかなぁ?それに、船員一人一人のことを考えられる人って僕は素敵な事だと思うよ…。同じ艦としてよく分かるからね。

それで倒れて胸に飛び込んできた時は驚いたけど、温かかったな…って思ったら体が勝手に動いてたんだ。最初は重いって思ってヤマトの身体から這い出てから有ることに気付いちゃったんだ。

ヤマト過去が僕達とは違う未来の話してなんだって。それと、ヤマトの身体のガッシリしてて抱かれ心地が凄いいいってことにね。
だから僕は倒れてきたヤマトの上に、そして彼の胸に合法的(という名目の下)に頭を擦りつけるようにすりすりしてみたんだけど…これが案外気持ちよかったんだよね。思わず我を忘れちゃってたぐらいだから
で、倒れてた原因が分からなかったけどだったらドックに入って貰えば直るって思い付いたんだよね。
そこからは…えっと、うん。僕が言えるのは着痩せしてるけど結構筋肉とか逞しかったって事ぐらいかな…あ、思い出したら鼻頭が熱くなってきた。乙女としてそんな哀れな姿は、それだけは阻止しなくちゃ‼
そういえば僕って下の方もタオル巻くためにみt……プハァ‼

なんでもない。なんでもないよ?うん

それでだけど、彼泣き顔に少しキュンっていうのかな…今まで恋っていうものをしたことが無かったけどよくある少女漫画でこういうの見たことがあってね。最初見たときはこんな事あるのかなって半信半疑だったんだけど今ならよく分かるよ。
ああ、そうか…これが恋なんだって気付かされた今なら、ね。

泣いてたヤマトがそのあとに安心したのか健やかな寝顔になったんだけど、それがまた可愛くて…強くて凛々しいのに可愛いって…破壊力強いよぉ…うぅ…抱き締めたい。


「艦長…俺は…俺は…スゥ…」


ムッ!こんなの僕の我儘だけど好きな人には僕だけを見て欲しいって願うのは烏滸がましいかな?…でも、出来ることなら僕の事を思い浮かべて欲しいよ。


「…誰も見てないよね?良いよね、これくらいの役得位…」


僕は彼に股がってその整った顔立ちの下側、唇に向かって顔を近付け……


「ふふ、これから君を本気にしてみせるからね‼だから覚悟してね、旦那様♪」


たぶん、今の僕は顔が真っ赤になっているだろう。羞恥心に飲まれるけど、それもどこか心地よいような気がして…ああ、誰かを本気で好きになるって良いことなんだなって思うよ。守りたいって気持ちが段々強くなるのを感じる。狂おしい程にいとおしいって…そう思う。


そこからはたぶん分かってるんじゃないかな?夕立が心配して見に来てくれて…って、流れだよ。

なんでこんなこと考えたのか、だって?
だって、これを見ていてくれる神様達に僕の気持ちと恋を知って貰って応援してもらいたいからね。うん、何か誰かに聞いて貰いたかったのかもしれないね。だけど知り合いに知られるのは照れ臭くて恥ずかしかったっていうだけかも…でも、これで決心はついたよ。

僕は、時雨はヤマトの事が好きだ。
知り合いとして好ましく思うって事じゃなく、一人の男性として好きなんだ。


だから、相手が深海棲艦だろうと戦艦だろうと真っ正面から戦うよ‼諦めないし、負けてなんかやらないから‼
倍率が高い事は知ってる。でも、この気持ちを知っちゃったから負けたくない。きっと、僕はヤマトのお嫁さんになってみせるから。


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番外編 平和な一日、温かなぬくもり

お久しぶりです…
明けちゃってまして、おめでとうございました。

おい、26日じゃなかったのかあぁん?とか、年明けてるぞ?ていうか二日目だからな?とか…あ、生きてたんだとか…罵声を浴びる覚悟はもう出来てますよ、はい。

書けなくなってました。百字書くのが難しいと感じたのは久しぶりでした…。

コミケの待ち時間でかけるだろー…無理だった。お尻が冷たくて感覚が無くて集中もできない。中ではタックルを御見舞いされる。…こんなとこでラグビーブーム要らねぇよコンチクショウ!と思ってたりもしました…。

普段寒いとこに居ると温かい場所では寝てしまうという習性のせいで電車内は睡眠と格闘…言い訳ですね、すいません。

今回、短いです。もう、色々と死んでいた…。
ユウワクニ負けすぎ…自分の不甲斐なさはもう、ダメだと思うんだ…



…ま、まあ…うん。はじまります


新年明けましておめでとうございます。

 

今年も俺、ヤマトは頑張っていこうと思います。応援、お願い致します。不甲斐ない姿や、情けない姿をみせるかもしれない。それでも、俺はヤマトとしての責務を全うしてみせる‼

 

 

…以上、何故か作者に代理を頼まれたヤマトの挨拶でした。

 

 

とまあ、こんなもんかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新年、それは読んで字の如く新しい年の始まりを意味する。過ごし方は各々沢山ある。新年を迎えるため除夜の鐘を聞きながら初詣をしたり、初日の出を拝めたり、寝正月を送ったり…俺は勿論寝正月な訳だ。今だって炬燵にこもり寝ながら水平線から昇る朝日を見ている訳だ。

誰も居ない綺麗で大きな太陽。雲一つない空はこれからの未来を示唆しているのだと、そうあやかりたいものである。

 

ボーッと太陽が昇りきるまで眺め、何をするわけでもなく腕を伸ばしミカンを剥く。

新年だからといって何か特別なことを望む訳でもない俺としては今まで通り誰かと笑い合い、そして目には見えないけど大切な物を共有するという日常が俺にとっては何よりも大切で変えがたい物で、それが非日常であり日常なのは十全に理解しているからこれ以上の物を望むと罰が当たってしまうような…そんな気がしてしまうんだ。

 

でも、もし…。もしももう一つ願っていいのなら俺はこう願う…。

 

 

「誰も傷付かなくていい、そんな平和の中で誰も沈む事のない、そして全世界で深海棲艦と艦娘でも手を取り合えるそんな世の中になって欲しいな…。

って、これじゃあ二つになってしまってるか。」

 

 

俺は何となく笑った。

そのあとに続く言葉を飲み込む為に、あの言葉を口にしなように…「俺が必要で無くなるよう…」そんな悲しい言葉を無理矢理書き消すように………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーにゃあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思考が停止したんだが、猫が鳴いた。

猫が…

 

猫なら仕方無い。仕方無い、けど…ここは海の上なんだぞ⁉うみねこの群れならいたるところそこらかしこに存在するけど…お、そうだ。聞いてくれないか?この前から一匹だけ異常に好意的なうみねこがいるんだよ。かわいくて思わずミカンあげたらなついたんだよ。

ミカンをあげるきっかけは魚を取ろうとしてたらそこにイタチザメが狙ってたからブースターとエンジンをフル稼働にして守って、それから頭に乗ってきたそのうみねこに魚を取れなかったからお腹空かせてると思ってミカンを分けてあげたっていう感じだったんだよね。

 

って、違う違う。そうじゃなくて猫だよ。

 

 

「にゃん!」

 

「…ん?あはは、そこに居るのか」

 

 

背中に軽いけども何か生き物が乗っかっていた。その生き物は炬燵の布団を退けて中から這い出てきた。

横たわる顔の、目の前で猫はまず小さな会釈をするのだった。

 

 

「ヤマトさん‼明けましておめでとうにゃのです!」

 

「律儀だね。明けましておめでとうだよ、電」

 

 

猫…電は何故か小さくそして見た目が少しユルくなっている、それこそ猫サイズになって猫耳と猫耳が生えてる位に。毛並みも茶髪で後ろで髪を結うというお馴染みの髪形なのにそこに猫耳が加わるただそれだけで俺は目を奪われた。誰が見ても思う、それこそ百人が百人頷く。そのレベルで彼女は可愛かったのである!

 

 

…って、そうじゃない。これはどういう事なのかを聞かなきゃだったよな?

 

 

「いにゃずまにゃのです!電じゃにゃいのです!」

 

 

腕をブンブンと大きく振り否定する電、いにゃずまは駄々を捏ねる子供のようで凄く微笑ましかった。小さなその姿はいつもより背伸びをしているようで守ってあげたいという保護欲を強く掻き立てた。

 

 

「うん、そうか。ならいにゃずまはどうして此処にいたんだい?」

 

「ふにゃぁぁ~~…、ハッ‼そうにゃのです!今日はヤミャトしゃんにぃ~ふにゃ…新年にょあいしゃちゅに…も、もうやめてくださいにゃ!」

 

 

目を細め喉を鳴らしながら喋るいにゃずまはいい具合にふにゃんふにゃんになっており、それを撫でながら眺めていると…って、文字にすると大変な犯罪臭がするから不思議だな。そして彼女の頭から手を離すと名残惜しそうに見つめ短く「あっ…」と一瞬だけ悲しそうな表情をとっていた。

ただ彼女の口からは新年の挨拶という言葉が帰ってきたわけだ。時間が許されるならもっと撫でていたかったがそこは分別の出来る俺でいたい。名残惜しい気しか無いがそれでも諦め先を促させた。

でも、律儀な彼女が確かに挨拶をしに来ないとは良く考えてみたらあり得なかった。別にそこまでは全く問題はない。むしろ俺が本来向かうべきなのに炬燵の魔力に屈してしまっている事の方がよっぽど問題だろう。だが最後にこれだけは聞いておきたい。誰もがこういう状況に陷いった場合に思う。

 

 

「…で、どうしてそういう格好なんだ?」

 

「最初は晴れ着を着て向かうつもりだったのですが、にゃにをトチ狂ったのか明石さんが改造しておいたーって言って渡されたらこんにゃ姿形ににゃってたのです。」

 

 

明石…。

聞いたことのない名前だ。今まで出会ってきた艦娘さん達ではないのだろう…。あ、いや…駆逐艦(だと思われる)金髪の僕っこは名前が分からないのだけど彼女が明石ではたぶんないと思う。

理由?只の勘、口調的な問題…位だな。とまあ、確たる証拠は無いため言い切れないがそれでも俺の予想は間違ってないだろう。でも、何故猫なのだろうか…?趣味…か?

 

それからその明石という人物は間違いなくマッドなタイプだろう。もしくはお人形遊びとか着せ替えとか好きなタイプ。きっとこの二つのどちらかだと確信している。

でも何故だろう…この人とは絶対に会ってはいけないと告げてくる。怖いとか、そういう事じゃなく…何て言えば良いのか、こう~…世界の終わりに直面する勇者の心境というか、己の危機に瀕する結果を産み出しかねないといいますか…うぅん…もどかしい。だが、出来うる限りで明石さんという人物を避けていこうと決心をするには充分な危機感を抱くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の結論。

え?速い?仕方無いよ…だっていにゃずまを撫で回してただけなんだから。遠くで砲撃音が聞こえたりもしたがいにゃずまが海上での戦闘音ではないと耳をピコピコと小刻みに動かしながら聞き分けたので介入を止めたり…ミカンを落としたことによりいきゅう召喚を果たし、いにゃずまが警戒心MAX、威嚇のポーズで毛を…服を逆立てたり、いきゅうとキャットファイトの末、意気投合したようで一緒に俺の膝上で炬燵ミカン、牛乳(事前に買ってあったもの)で乾杯をしたり、お昼寝をしたり、いきゅうライダーとなるいにゃずまと海上散歩をしたりと有意義な時間を過ごしました。

 

いきゅうの説明だけどイ級じゃなくていきゅうだからな?

イ級の幼い姿のゴツゴツしたフォルムを柔らかくして怖さよりも優しさとユルさを追求したようなそんなミカン好きなイ級がいきゅうだ。

 

出てきたときに何処からか長門の声も聞こえたような気もしたが何処にも居なかったのを考えるに幻聴だったんだとおもう。

 

兎に角、いにゃずまと仲良く慣れたのはとても良かった。

いきゅうも友達が出来たようで嬉しそうだった。

 

良いことづくめで万々歳な日であった事を此処に記そう。

そう、最高であった、と。此のときはな。

 

 

 




歯切れが悪い終りかたをしているのはわざとです。

想像に任せるです。
これから続きを書くという訳でもなく、あえて尻切れで終わらせました。書き途中じゃないですって。
というのも皆様には嫁艦、お気に入り艦と多種多様でしょう。つまりは‼
皆様にあった物語を書こうとすると書けない訳ですよ!だから書かな…いえ、このあとの展開を予想して欲しいんですよ。

ほら、例えばヤマトが姫h…仲良くしたり、隼鷹とかの飲んだくれグループがヤマトを酔い潰して(ry したりとかいにゃずまを回収しに来た第6駆逐艦隊の面々と一緒に炬燵みかんしたりとか間宮さん特製の練りきりで作られた甘いおせちをご馳走になったりとか…多種多様なのを考えられますよ!前者二つは不味いですけどおいしくいただいてますし、問題しか無いでしょう!きっと‼


遅れましての私からの細やかすぎるクリスマス&お年玉プレゼントでした。…出来れば何処かの作者さんとか(宛は全くない!)と協定を組んで話を作るとかも面白そうだとは思ったんですけどね!私、コミしょうですからあり得なかったですね!

では、次はまたドイツ艦お会いしましょう!では!


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使者、あらわる。

かなり、更新遅れました。4日かな?

本来であれば土曜か日曜にあげるつもりでしたが、我が家の愛犬が旅立ちました。少し小説かける気分ではなく、8割方出来ていましたが出来ませんでした。
大変お待たせしました…。

そして、今回は完全なるオリジナルキャラが出てます。詳細も文章には無いのですが次話で追って説明いたします。
ヤマト関係ではないです。艦これのキャラでもないですし、何故思い付いたのかも自身で分からないです…


とまあ、以上です。どうぞお楽しみにください‼


切欠というものは唐突なものである。そしてその切欠を切欠と理解出来るのはその時ではなく大抵、後になってから気付くということも多い。

というのも、俺自身が気付かなかった為、文章に起こすこともしなかった所にきっかけがあったからで…。そうだなぁ例えるなら運命?とでも言うのかとか、そういうのもアリなのかなとか思わされたからだろう。

 

じゃあ、その時のことから順に説明させてもらう。今の現状について言ったところで誰も理解できないだろうからな。

かくいう俺でさえ分からなかったからねぇ~♪まあ、詳しくは言わないが出会い頭に抱き付かれたり、銃口(砲門)を突き付けられたり、睨まれたりキスされたりもしたね。…あ、撃たれもしたっけ?

兎に角普通じゃなかったのは確かだな。

 

…ほら、目が点になってるぞ?分かったろ?俺がいった通り最初から聞いておくのが一番なんだってな‼

ハチャメチャな人生を送ってんのは自分が一番分かってんだよこんちくしょー!誰か替わって‼

お願いこのままだとストレスで胃がマッハ‼胃薬常備する艦隊とか嫌だよ!勘弁!

 

 

 

 

 

 

 

え、こんなオチで進めるな?そこはほら、ヤマトクオリティーってことで!

 

では、何処から説明したもんかねぇ?

じゃあ何時だかの切欠は…置いといて、今日の始まりから順に説明しようか。

 

 

「起きたら目の前に女の子が‼」

 

「ただの女の子じゃないでしょう?ほら、誉めてくれても良いのよ♪」

 

 

独り言(回想)にボケを挟むなや‼あと君は距離が近い。さっきまで砲門を向けてた奴の台詞じゃねぇよ!君の中でいったいどんな心の変化があったのか教えてください‼

ヤバイ…このままだと今回の俺の台詞がほぼツッコミになる気がする。地の文が書けない⁉

 

 

「突っ込むなんて…ヤマトの為だったら僕は何時でも万全だよ、ポッ」

 

 

手紙の中の君はどこいったんだぁぁーーーー⁉純情で守りたくなるようなか弱い感じの君は今何処に⁉ほんと、勘弁して‼胃が、胃がぁ!

キリキリと苦痛を訴える胃には後で薬を与えるので今だけは頑張ってください、ホントにマジで!

 

 

「はっ‼…今ならヤれる?」

 

「だから、さっきからお前はバトルジャンキーか!あとさっきからさらっと心の中を読まないでください‼」

 

 

艦娘と何か違う雰囲気を醸し出す彼女…だが絶対にコイツに心を許したくない。だって出逢った瞬間にぶっぱなしてきたんだぞ⁉いくら今、首を傾げて可愛らしくしてても口走ってる事は俺の命取りに来るっていう宣言だからな?温厚な俺がキレる位のマジな砲撃だったよ‼

被害的には小破まではいかないけど服が焦げてるからな?直撃してたら確実に被害出てるから‼威力がおかしい‼お前はアルペジオか!

…なんかおかしな電波を受信しちまったようだが、兎に角コイツだけは何かおかしい。

疲れがドッとふりかかってくるとため息が出てしまっていた。視線を彼女から離し、まだ見てなかった子に視線をさまよわせる。

 

 

「…これ、あげる。」

 

「…ありがとう。俺の心のオアシスは君達だけだよ、本当に。ヤバイ…嬉しさで泣きそう」

 

 

そういって渡してくれたのは胃薬だった。…女の子一人でこの性格的に濃いメンツの面倒を見てるからだろうか、ストレスがキツイのは当たり前という訳で…胃薬常備艦娘になってしまったのだと頭で理解するよりも先に本能で理解してしまっていた。

 

 

「あれだね、兎に角一緒に頑張ろうよ、うん。…泣きそうだけど…強くなっていこうよ、うん。」

 

「…ありがとう。そうだよね、友人が変態だったことや憧れの先輩が実は変態だったって知ったとしても頑張らなきゃだよね…ふふ、うふふふ」

 

 

気付けば目の前の少女が暗黒面に落ちていた。

あー…その気持ちも分かるよ?俺も最近は青葉による盗撮及びその写真の売買とかを取り締まろうとしたら話したこともない艦娘の娘を含めて一種の大事件になりかけたり、深海棲艦のオチビ達の面倒だったり(でも前者と違い後者はほっこりした気持ちなのに加えて好きでやってる節がある)とかヲ級とのネタに付き合ったり…あれ?深海棲艦達と一緒にいる方が艦娘の子達といるより精神的に疲れてないような…

 

 

「アハハ、俺もう深海棲艦方に付こうかな…」

 

「ふぇ?ゆー、それは悲しいな。…ヤマトさんは会ったばっかのゆーにも良くしてくれるいい人なのに敵になっちゃうなんて、ゆーやだもん!…ふぇぇぇん」

 

 

…えっと、俺が泣かせた?泣かせてしまった…?

女の子を?………。

俺はなんてことをしてしまっているんだ‼妙に最近よくあったような気もするけど、流石に小さな女の子を泣かせるなんて最低な行為は今回が初だぞ!いや、そんなワケわからん言い訳じゃなくて…そう。もう、ダメだ…俺は…ってことだから。もう、突っ込み入れなくて良いよね?

 

 

「そうです。そうやってサイテーな人になればお姉様だけじゃなくて私にもチャンスが!」

 

「はいはい、バカ言ってないで現実みようね?俺と君達は出逢ったばっかなのにチャンスも何も始まってすらいねぇよ!…っは⁉もしかして命の方か⁉」

 

 

怖い((( ;゚Д゚)))この子さらっとお命頂戴とか笑顔で言ってきた。銃口を向けた女性と同じで黒色の帽子とその下の金色の髪の毛が特徴的な年下の後輩っぽい子は真面目そうだなって思ったら只の殺人鬼でしたとか俺はいったい何を信じていきればいいんだぁ!

でも確かに出会ったばかりでも怨みがあれば命を取りに来てもおかしくない。…それなら出会い頭に睨まれたのも撃たれたのも頷ける‼この子達も実は落としてから持ち上げて俺の信頼を得やすくして懐に入り込んでサクッとヤる為の人心術だったとか…あ、ならZ1の好感度が異様に高いのはハニートラップ。……ゆーも敵?

 

 

「だ、だだだだ誰も信じないぞ!俺は誰も信じないからな⁉」

 

「ゆーも…?」

 

「…どうしたの?」

 

「そ、そんな…そんなのって無いよ‼僕も信用できないの?」

 

「いきなり怯えだすなんて…そそるわね ボソッ」

 

「おっなら戦おう?そうすれば白黒つけられるからね♪最強はこの、ドレッドに決まってるからな‼」

 

「え?私、ヤマトさんの命なんて狙ってないですからね。…って、然り気無く距離を取らないでください‼」

 

 

怖い…女の子って難しいってよく言うけど理解出来るかな⁉生物的に本能に忠実な深海棲艦の方で良いと思うんだよね、俺!

 

ゆーが今にも泣きそうになっていた顔をもう一度チラッと見る…と、心が折れそうになった…。それはもう、複雑骨折レベルで…。

 

胃薬常備艦娘のZ3(紹介はされてないない為、手紙からの情報からたぶんそうだと推測)は生温かい眼差しで此方を見ながら心情を察してくれていたようだった。…あ、信じても良いかな?と、まで思えてきた。

 

手紙少女Z1(厳密に言うとボトルメールだけど)は表情からこれ以上にないっていう位の絶望を漂わせていた。ちょっと面白い…。嘘が付けないんじゃないかなっていう位に顔に出やすい性格のようだ。信じちゃおうかな?

 

黒帽子金髪姉は舌舐めずりっていうの?兎に角、獲物を捉えた肉食動物のような…後ろに実際豹が見えるような気さえした。信用ってなんだっけ?正直言いますと色々身の危険を感じるのはドレッドよりも此方の方が上である。

 

ドレッド…たぶんドレッドノートが実名なんじゃないかと俺は予想する。ドレッドノートって確か元々ドイツに対抗して造られたイギリス艦じゃなかっただろうか?だとしたらおかしい。ドイツからの使者の筈なのに…俺が感じた違和感はここから来るものなのかもしれない。だが、容易に心を許すつもりはない。何かが根本的に合わない感じがする。馬が合わないっと言うとしっくりくる。

因みに弩級戦艦という弩とは当て字で実はドレッドノート級という意味でド級という表記が正しいのである。…まあ、ただの蘊蓄(うんちくと読むんだぞ?)だと思ってくれるとありがたい。

ちょっと涙目な黒帽子金髪妹…なんか少し申し訳なくなった。…でも、ゆー程じゃないんだよな…それを含み更に申し訳なるのだった…。

 

 

とまあ、ふざけるのもこの辺で真剣に話そうと思う。今に至る経緯に関してはもう少し前に遡る必要があり、理由があったからとしか言えなく、もう少し俺の回想に付き合ってほしい。今度はしっかりとした話しになると思う。

 

だから俺はもう一度、目の前の子たちに目を向ける。そして出会いを詳しく話そう

 

 

この、ドイツ艦達との出会いとその切欠についてを…ね?




次話で追って説明と言いましたが、ストーリー上でのヤマトの説明になります。…読めば予想できるだろ?って言われるかもですけど、一応です。

そして尻切れですね…はい、また何話か跨いでのことなるんですよ~ドイツ艦編は少し長くなるかもしれません…まだ、出来てないから確証はありませんけど…。

今回の話が終われば一先ず、伏線張りは一旦終了の予定です。というより、速く一話完結でキャラ書きたい!
読者の嫁さんを攻略してヤマトが恨まれるようなの書きたいんです‼

感想書いてくれても良いんですよ、照れ屋な読者さん♪(うわ、自分で言っててこの話し方に違和感しか覚えない…)

いつの日にか感想欄が恨み言で埋るのを今は楽しみにしてる自分がいます‼それが喩え、ヤマトに恨まれても!

ードォオオオオン



えっ…?


「神様への祈りは済んだか?家族への別れは終わってるか?フフ、フフフフフ…フふフフ」

まっ……

ーピチュゥーーン


追記、ヤマトによって開けられた穴はスタッフが獅子奮迅の頑張りを見せ、しっかり埋めて塞ぎました。

今回の酷いオチ



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使者、あらわる。 2

1ヶ月振りです…。エタってないですよ?

リアルが忙しいだけです。
仕事量ボン、秋イベ開始…我が艦隊では太刀打ちできない…レベリング開始!
神様食べようぜ?アイサー
エヴァコラボだってさ…ストライクショット!
愛犬、御臨終…
ミリオンアーサーでコラボがダン間違?ヤラネバ!これはうまるちゃん以来の突っ走りですわぁ~


…とまあ、こんあ感じでした。
はい、返す言葉もないです。しかもさりげなく違う小説思い付いたりとか最悪な浮気野郎です。お待たせして申し訳ないとはおもいますが多分私は直せない…。

病気レベルなんで…。


では、前回の続きです!
いや、過去かな?どうぞ


きっかけは…たしか青葉と出会うよりもほんの少し前。色々あっててんやわんやで時間があっという間に過ぎ去っていったあの忙しかった時期だろう。

提督さんと出会い、少しずつ艦娘の皆に受け入れて貰え鎮守府へ立ち入るようになったあたりでの裏にあった出来事は本当に小さく見落としてしまっていた。語る程でもない、日常的な偶然の産物から生まれた一つの奇跡

 

 

そうして起きた小さな出来事。

それが切欠…そして、そこにボトルメールが繋がるという事になるのだ。

もう少しの間だけ、俺の世間話に付き合ってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青葉との邂逅より少しあと。ヲ級とともに反省会というなの相談をしたときだった。

 

「………マア、ヤマトノ性格ジャア致シ方ナイネ。私カラフォローヲ入レテ置クカラ気ニシナクテイイカラネ?

反省スル必要ハナイ。コレバッカリハ運ガ悪カッタ。タイミングガ悪イトシカ言イイヨウガナイカラネ…ドウシテモトイウナラ今度、フォローヲ入レタ私ヲ労ッテクレレバイイサ」

 

「…蜜柑食べるか?」

 

「グスン…ヤマトガ酷イ」

 

 

勿論冗談だが逆に言えばヲ級に迷惑をかけられる事もしばしばある…というのは言ってはいけないのだろうか?もし良いなら下手な貸しなんか作るとどんな無茶難題を吹っ掛けられるか分からないからそれで手打ちにしてほしいんだけど…でも、確かにヲ級には分からないことだらけだった俺に色々な事を教えてくれたりと恩があるのもまた真実である。

多少なら労ってあげるのも吝かではない…。いや、止めよう。意地を張ってても仕方ないし感謝の気持ちがあるのも事実。なら、たまに労う位でいいのかもしれない。

 

 

「…ありがとう。ヲ級には色々と本当に感謝してるよ、これからも頼りにしてるよ相棒?」

 

「ヲ………。」

 

 

帽子(クラゲっぽい奴)の性で忘れがちだがヲ級は俺よりも少しだけ小さい為、視線は大体上を見て話をしている。見た目重そうな帽子なのに見上げるのだから首が痛くなったりしないのか?というのは密かな疑問だったりする。

という感じで身長差があるため少し屈み目線を合わせた上で語った。

少し照れ臭そうに頬を紅くするヲ級は何処か新鮮で可愛いなと思うと少しいとおしく感じた。失礼かな?とは思いながらも気付けばヲ級の頭(帽子の上から)撫でていた。

 

 

「……ヲッ」

 

 

何故か帽子の表情が心なしか和らいだような気がするんだが流石に気のせいだろうか?そしてヲ級が恨めしそうに見てくるのは何故?そして、ヲ級よ。生物的思想の元なのか知らんがそこで突進する意味が分から無いんだけど…いや、痛くないよ?でも、いきなりされたら驚くだろう。それとヲ級の格好は薄着だろうが‼

それでくっついたりされたら年相応の女性的柔らかさがその…当たるわけで…その上で…だから、理性が、さ?気持ちいいと言いますか…何て言うか…。

 

 

「ヲ級?…非常に言いづらいんだけどさ?その、当たってるんだが?」

 

「ヲッヲッヲ。当テテルンダゾ?」

 

「そ、そうか…じゃあ、何も言わなかったら失礼かと思っちゃったから言うな?」

 

 

俺は少し緊張しつつ一拍置くと意を決して口にすることにした。ドキッっとする言葉なんだろうなぁ…なんて何処か冷静に判断していた。

 

 

「やっぱりその帽子クラゲ、生きてるだろ‼今も顔に絡み付いてるんだけど⁉柔らかいそのプニプニ触手が俺を包んでるんだけど⁉ヲ級が抱きついてる事より此方の柔らかさが異様に気になる!」

 

 

理性などもう無かった。思うままに突っ込みを入れてしまっていた。ああ、白状するよ!柔らかいよ‼このプニプニ触手が堪らないよ‼クソッ、一家に一つその帽子が欲しい位だよ‼

 

 

「…帽子ニハ勝テナカッタヨ。負ケタ…完膚ナキマデニ負ケタ。イッソ清々シイ位負ケタ。モウ、ヤマトヲ襲ッテ規制事実ヲ作ッテ私ダケノ物ニスルシカナイナ‼」

 

「既成事実を規制される言葉ってことでかけたのか?」

 

「…ネタバレガ早イ⁉」

 

 

分からない訳がないだろうが!一体俺がお前とどれだけ一緒に過ごしたと思ってる。語りたくなくて言ってないだけで結構一緒にいるだろうが‼それこそ、ある程度ならどんなこと考えてるか位分かるっつーの。

 

 

「オシドリ夫婦ダナ‼」

 

「知ってるか?オシドリって子供を産むまでの間しか一緒にいないんだぞ?しかも最悪なことに産んだ後すぐに別のメスを見つけると求愛行動に出ることもあるそうだ。」

 

「…遊バレテ、捨テラレタ。ヤマト、私トハ遊ビダッタノネ‼」

 

 

悪ふざけしてるのか体をくねらせ、演技がかった声で言ってくる。ここで俺もふざけ返すと取り返しのつかないふざけに発展するのは何時ものパターンだろうな。まあ、別に大した用事もなく平和的にのんびりしかしてないし時間も空いている訳だから乗っても良かったんだが敢えてここは真面目に返答しておこうかな?

ふざけすぎるのも程々にしようかなっていう気持ちになってくれればいいかな~みたいな下心もあったり無かったり。下心っていうか算段っていうのか、こういうのって?

 

 

「いや、遊びでやってるんだからそれでいいんだろうが?それと捨ててないから。俺とヲ級の友情は一片たりとも変わることのない絶対なる、不動の関係だろう?」

 

「ヲ…。」

 

 

まるで絶望したとでもいうかのような表情だったが視界の隅にあるものが映りこみ気になったため会話を一時的に中断した。そこにはプカプカと浮き沈みを繰り返すビンがあった。

普段なら別に気にしないのだが何となく気になってしまっていた。それは何故か分からない。でも気になってしまったのでそのビンに近付き拾い上げた。只の興味本意だったがそのビンはここまで漂流するまでに時間がかかったようで回りには藻が張り付き日焼けたのかどうか判断出来ないが反射した光はくすんで黒く光っていた。

 

 

「ボトルシップカ?」

 

「流石にそれは海に流さないだろ⁉」

 

「イヤ、那珂ノ中ノ人ガ町ノ国際バリスタ弁護士ナンダガヤロウトシテタゾ?」

 

「町なのに国際なのか?バリスタなのか弁護士なのかもハッキリしないし、那珂の中って何⁉」

 

 

相変わらずヲ級はよく分からない事を言うときがある。これがヲ級のいう電波少女っていうのなのかもしれない。

 

 

「違ウカラネ?間違エテナイケドソウジャナイカラ‼」

 

 

間違えてないなら合ってるんだろ?どういう事なんだよ…全く。そんな愚痴を心の中で呟くと拾い上げた小瓶をそっと左右に振ってみる。

カサ…っという音から中には液体以外の物が入ってる事は予測立てられた。ビンを塞ぐコルクを無警戒に摘まむと背中のほうからニョキっと横から顔を出すヲ級が忠告を入れてきた。

 

 

「中カラハナント‼赤チャンガ入ッテイタノデス。」

 

「不憫すぎるだろ⁉」

 

「ビンダケニ不憫…ウマイ!」

 

「うまくねぇよ‼なんだその昔話チックな感じは」

 

「ヲ級トヤマトハ彼女ヲビン太郎ト名付ケマシタ。」

 

「彼女っていうなら太郎は止めてやれよ。てか、ビンに入るサイズの赤ちゃんって最早一寸法師の世界だよ⁉」

 

 

ビン太郎…いや、ビンちゃんとかは何となく愛着が沸きそうなんだけど…流石にビンに閉じ込められた赤ちゃんって笑えないから。しかも漂流してたんだから確実におなくなりになってることが分かる。可哀想過ぎる‼

 

そんな事を考えながら俺は封を切ったビンを逆さまにして中身を取り出した。

 

 

「中身ハ手紙?…ッハ‼ヤマトガ今考エタ封ヲ切ッタッテイウノハ便箋ノビント瓶ヲカケタノカ‼山田君座布団1枚持ッテキテ!」

 

「山田って誰?」

 

「ソンナコトヨリおうどん食ベタイ。」

 

 

そんなことらしい。まだ見ぬ山田さん…哀れなり。

ヲ級も大して気にしてない所を見ると単なる何時ものネタだったんだと分かる。山田にうどんってどんな関係性があるのかも俺には生憎と分からないがたぶん関係があるから言ったんだと思う。無駄に無駄がないのがヲ級のネタだからな。

 

ヲ級との小ネタもそこそこに巻いてあった手紙を広げ中身を見てみた。

 

「………。」

「………読めないんだが」

 

外国の言葉なんだが先ず英語ではない事は分かる。ロシア語でもない。漢字でもハングルでもないからアジア圏内の手紙ではないだろう。

ヲ級は分かるのかどうか分からないがただ、反応が薄くて分かりづらい。

 

 

「差出人ハドイツ二住ムレーデーベレヒトマーストイウラシイ。」

 

「読めるのか?…初めて素直にヲ級に感心したような気がするよ」

 

「ヤマトガ辛辣!」

 

 

猛抗議しながら両手をブンブンと振り回すヲ級に笑いかけながら冗談と言い落ち着かせると手紙の内容を教えてもらった。曰く、レーデーベレヒトマースさんは外の此処ではドイツ以外の世界っていうのが気になるらしい。最初は丁寧な挨拶と自己紹介から始まっていて礼儀正しい子であるのが窺える。文字も少女特有の丸っこい物だったが読み安い文章構成だったことから生真面目な性格なんじゃないかというのが俺の予想である。夢見る少女…ではあるのだが只それだけなのでなく見聞や海を越えて関わりを持つという事を彼女は望んでいるようだった。

最後に「もしよければ僕と文通相手になってくれませんか?出来れば貴方の慣れしたんだ祖国の言葉であると僕としても嬉しいです。」と書かれ、彼女の住む住所と思わしき数字や言葉が並んでいたとか…この子は人を信用し過ぎだと思う。俺は悪用しようとは全く思わないが世の中には悪用する人間が居るのもまた事実。騙されたりしないか心配になる。…これを流したのだって随分と前なのだから流石に今はやっていないだろうが忠告位はした方が良さそうだ…。

そりゃあ、俺は悪い意味で目立ってしまったけどこの手紙を拾ってしまった以上返さない訳には行かないだろう?態々ドイツまでいく必要も現在の郵便技術ならないし別に多少の暇潰し程度の物としてだが手紙を書いてみようと思う。

 

以上が俺が彼女…レーベ事、Z1、レーベレヒトマースとの文通の邂逅であった。

俺も彼女の国の言葉が分かるようになり、レーベと読んでほしいと言われた(書かれた)り、彼女が日本語での手紙を送ってくれるようになったりとなんやかんやで結構頻繁に手紙を交換していた。俺は基本的に提督さんの鎮守府、幸福湾鎮守府から郵便を送らせて貰ったりしている。だから、送るときは住所を鎮守府と書いている為に日本の海軍の人間だと勘違いさせた事もあって謝罪文が送られた事もあったが、それ以外は問題なく普通に俺とレーベは文通をしていたのだった。

 

時折ヲ級が俺が手紙を書いている姿を見に来て、羨ましそうにしていたりもしたが文字を書けないという事実を隠したかったらしくつい最近まではそれがずっと続いていた。今は俺が彼女に書き方を教えているためある程度の漢字、平仮名、カタカナまでならかけるようになっている。ただ、まだ使い分けが分からないらしく難儀しているそうだ。

 

でも、俺はヲ級が手紙をかけるようになるのはあとちょっとだと思っている。…一生懸命少しずつ文字を書けるようになっていく姿を見るのは自分の事のように嬉しくなったりもした。ヲ級は笑いながら先生と呼んでくる時もあり、照れ臭くなったがこんな日がずっと続いたらいいのに…なんて思いながら俺は守るべき物を再確認させられたんだ。

 

 

 

 

…もう良いかな?

 

これが全てだ。俺とレーベの関係は文通相手であってちゃんと顔を合わせたのだって初めて。他のドイツの艦娘さんがたは知り合って直ぐだ。だからこそ、今の状況は余計に不可解なんだよなぁ…。

 

誰か教えてくれたりしないかな?なんてね

 

 




山田うどん…関東圏の人しか分からないネタである。場所によって味が変わりすぎるチェーン店、本社は所沢(saoのオープニングは関係ない)。
電波少女…入間人間さんの小説からです。入間だったらたまに映画を見に行きます。
山田くん…座布団運びのベテラン。基本的に弄ると座布団が配られます…不服そうにしてるイメージがこびりつくのは仕方ないかと。
那珂の中の人…アヤ寝るさんである。ごちうさ二期始まりましたね?ライズちゃんはスコップでゾンビを自主規制なんてしませんよ?

小ネタ達はこんなもんかな?

文字数はそれなりなのに全然進んでないという指摘はしないでくださるありがたいです。
脱線が半端ないのは仕事でも小説でも理解してるんで…


では、また次回!又は感想などで。



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使者、あらわる。 その3

明けましておめでとうございます‼

明日からまた仕事が始まるのでそれまでにアップしたいと急いで書き上げました。
とはいえ、大分前から書き始めていたのにも関わらずこれだけかかりました。一度書かなくなるとこうなるのかと恐怖を感じずにはいられませんよ…

あと、口調が乱れまくって誰がダレナノカ分からないっていう残念な文章になってましたね…。今回は気をつけてますので多少、多少は改善されていると…いいなぁ。

では、第3回目のドイツ艦隊です!どうぞ‼


少し過去を振り返ったお陰で冷静さを取り戻すことに成功した。とはいえ、本日はどうやら俺に休息の時間は訪れないらしい。目の前には先程の不用意な発言により乱れている…。そして何よりも精神にキているのはこの二人だ。

 

 

「僕の事を嫌いにならないで…」

 

「ゆー、悪い子じゃないよ?信じて…」

 

 

ユーとレーベは涙目になって此方を見上げている。つまりは…まあ、察してくれると嬉しい。そして、俺はとても心苦しいです。ゆーとは…いや、レーベ以外とは此処で初めて言葉を交わしたわけだ。例え、知り合いで仲が良くてもやはり礼儀は守るべきだっただろう…。なにより、俺という人物をレーベは信用してくれたからこそ彼女はゆーやプリンツ達に紹介してくれたんだと思う。俺は、俺がその想いに応えないでどうするっていうんだ。

このままじゃ、ダメだ。

 

俺は改めて意思を固めると彼女達に向き直った。

 

 

「そそるわ…ジュル」

 

「ちょっ⁉御姉様!女の子がしちゃいけないようなお顔になってます⁉」

 

 

プリンツは相変わらず突っ込みを入れることにおいて惚れ惚れする位の速さだ。尊敬する。そして、残念美人という言葉の意味をよーく分からせてくれるビスマルク。褒められたいのかバカにされたいのかたまに分からなくなる…と言っても出会ってからそんなに経ってない俺が思うんだから身近なプリンツはもっとそう思ってるんだろう…。

慰めてあげても…

 

そして早くも心が揺らぎそうになってしまっていた。危ない危ない。

 

 

「うぅん…さっきまでの威勢はどうしたんだ?戦いづらいだろうが!シャキッとしろ‼」

 

「きっと何をやっても墓穴を掘るだけだと思うわよ。何もしないで流れに身を任せる方が楽だと、私は考える。ヤマトもそうしてみたら?」

 

 

完全に諦めてる⁉マックスの目が死んでるんけど大丈夫なのか⁉死ぬな!傷は浅いぞ‼同志よ、死ぬ事無かれ‼

あ、ドレッドノートは無視するだけだな。相手するのもなんか疲れちゃったよ。良いよね、しぐラッシュ、ぽいラッシュ…?

 

 

ーぽいっ⁉名前が違うっぽい⁉

ーダメだからね⁉諦めちゃダメだよ。頑張ろうよ、ね?

 

 

気のせいだろうか時雨の声が…末期だな。

でも、それでも元気が湧いたからヨシとする。ああ、諦めるなんて沖田艦長に顔向け出来ん‼俺はヤマトだ、誇り高き沖田艦長の指揮の基、色を失った地球を青き星へと戻した一員だ。絶対にこの程度の壁じゃあ沈むもんか‼

 

相変わらず、どこかチョロいことは理解しているけど、いつもの事かと納得すると立ち上がった。突然動き出した事でビクッという反応をする心配症の二人に俺が切り替えた事を分かって貰うため二人の頭をそっと一撫ですると他の面々に向き合う。

 

 

「うしっ!」

 

 

気合いは十分だ。完全に切り替わった。さっきまでへたれてた俺は成を潜め、戦闘用の意識になったのが良く分かる。明瞭な意識に、頭の回転が幾らか上がったような気もする。故に今なら行ける、そんな気がするんだ‼

 

 

「ああ、すまん。情けない姿を晒したが、こんな逆境何時もの事だった。気付くのが遅れたよ。

改めまして俺がヤマトだ。この国へようこそ。…といっても俺から君達にしてあげられる事なんて大して無いんだけど、此処から一番近い鎮守府に道案内位なら出来る。そこの鎮守府の人達は皆イイ人ばからだから君達なら直ぐに仲良くなれると思うよ。ドイツでも日本の良さを伝えられるように出迎えてくれるはずだからね」

 

 

結局は他人任せなことに我が事ながら笑うしか出来ない。悔しいとは思う。でも、俺はそれでいいとも思ってもいる。

適材適所…何時だか誰かに言われた、ような気がする。それは遠い過去の記憶か最近の出来事なのか、今は分からない。だけど俺はちっぽけで何でも出来るなんて思い上がれるほど大きな存在でもない。

だからこそこの笑いは己の不甲斐なさを憂うものであり、でも頼れる者がいる事の歓びに対する物である。

 

 

「ヤマトが言った鎮守府の皆って幸福湾鎮守府って噂のあの鎮守府の人達だよね!色んな噂が有るから僕楽しみだったんだよ。」

 

「ゆー、怖くない人達だと嬉しいな」

 

「まあ、ヤマトがそこまで評価するなら私も期待してあげない事もないわ。…でも、ヤマトの疲れの原因でもあるのよね?…どうなるかは貴方に預けるわ。」

 

「日本の文化は興味深いと聴くもの。楽しみにしてるわ」

 

「レーベが言ってる噂って…でも、今なら皆さんと仲良くなれそうです!」

 

 

と、鎮守府に着いてもいないのに期待大なことにちょっぴり嬉しくなりつつ面々の反応を考察する。

レーベは俺との文通によりある程度は理解しているかもしれないがあの鎮守府の噂などが遠くの国でも知られてるらしく無邪気にはしゃいでいた。

ゆーはおどおどしくでも期待に胸踊らせている感じだったかな?その心配は杞憂だから大丈夫だよと口にはせず心で呟く。きっと、俺が伝えるより己の目で耳で肌で感じる方が良いだろうからね。

ビスマルクは意外って言ったら失礼だけど真面目な感想を言っていた。あと、最後だけなんかなげやり気味だったような気がするが問題はないだろう。

マックスは無表情…と言ってもヲ級や深海棲艦方の表情も読み取れるようになった俺に死角はなく、口角が上がっているのを見逃していない。顔に出すのが苦手な不器用な子なんだろう。

プリンツは最初は顔がひきつっていたが、新たな仲間が増える喜びの方が大きかったのか直ぐに嬉しそうにはにかんでいた。レーベとゆーとも違う天真爛漫さを表に出していた。

 

概ね高評価なようで安堵の息を吐くと最後の問題児に視線を向ける。するとあちらも此方の視線に気付いたようで冗談めかしてニヤニヤすると獲物をみるかのようにじっと此方の出方を見定めていた。

数秒のやりとりだったが俺が折れて話しかける事にした。俺のドレッドノートの第一印象ははっきりいって最悪だったが別に嫌いという訳でなく…なんていうか、理解が及ばない?という感じなのだ。

チグハグ、矛盾、兎に角何か当てはまらないようなそんなイメージしか浮かばない。見た目は金髪のロングで碧眼で瞳の奥では真っ赤な闘志が燃え盛りながらその癖何処か悲しみの色を見せる。戦いが好きなようだが彼女の闘志が燃えれば燃えるほど陰が色濃く写し出される…ハッキリ言うと歪な魂の持ち主だろう。彼女の過去…か、それとは別の何かが原因か?今はまだ何も見えない。不思議な感じなのだ。

 

 

「ドレッドノートはどうなんだよ。」

 

 

少し仏頂面になりかけるが平静を装う。相容れぬ相手であっても寄り添う努力をしなくては何も変わらないから。

 

 

「む?…もういいのか。なぁに、このドレッドの美しさに見惚れて居ただけだろう。妙に見詰められるとは思っていたがそういう事なんだろ?ふふん、ヤマトには特別ドレッドを視姦する事を許そう。」

 

 

ドヤ顔を披露するドレッドノート。そこはかとなくイラッという擬音が聞こえたような気がしたが気のせいだろう。ああ、気のせいだ。俺が女性にイラつくなどあり得ないさアハハ。ドレッドノートが一昔前のセクシーポーズで俺に流し目をしてくるが知らん。別に相手を観察する事で状況を優位に持っていくのは常套手段であって発育の良いスタイルに見惚れて居たなどという事は無かった。

だからこそ、わざとそういう言い方をしたドレッドノートに呆れているのだ…決して怒ってる訳じゃないさ。

 

 

「「「目が死んでる(よ)(わね)(ます)…」」」

 

 

なんでドレッドノートは俺をこんなに煽るのだろうか?あ、喧嘩したいんだっけ…?そうか…ふふ、そうか…。

だが、さっきから何度もいう。これぐらいは慣れてるんだ。そう、慣れてる。対処法も心得ている。

 

 

「ドレッドノートは、本当に軍艦なのか?」

 

「…何?」

 

 

相手のリズムに乗らずリズムを崩し、作らせないそして相手を揺さぶり優位に持ち込む。そして、優位になった所でガツンと一撃必殺を浴びせる。時にその必殺を隙を作るための布石にもするが、それでもそれ以上の秘策を用意するものだ。常に一歩先から攻めることが大切である。

これは実戦で役立つ戦略の一つだ。

 

 

「国を背負い、表立つ立場にあるというのに君の口にする言葉は無責任な事だらけだな。…そんな事も言われなきゃ分からないのかと聞いてるんだ。」

 

「ドレッドともある私を侮辱するか!」

 

「違うね。君達は本国から視察の為に訪れた筈だ俺という一国にも引けをとらぬ勢力が一体どれくらいの力を有しているのか、また友好を結ぶ事が出来るのかなど。なのにドレッドノートの放つ言葉は全て此方を煽るものばかり。これで確かに戦力を図る事は出来るだろう、が…それも一国(俺)を敵に回すことによって、だ。そうなれば此処で君の独断によって艦隊全員を危機に晒す事になる。更に本国も危機に追いやる訳だ。確かに君自身実力はある。だがそれでも限度がある。でも俺からしたらそれは思い上がりだろうな。

…相手の力量も図れずして何が軍艦だ。舐めるなよ、小娘」

 

 

無茶と無謀は似て否なるものだ。そこには大き過ぎる位の隔たりが存在する。日本という国はかつて大敗を喫した。相手は強大な相手であった。なのに、日本は互いに手を取り合う事が出来なかった。相手の力量を見誤ったからだ。

実力をつけてきていたのは確かだった。だが、そうして天狗になった日本は陸、海と大きな力を分断させてしまった。そうともなれば勝てたかもしれぬ戦いは此方の弱点が露見してしまった次点で相手方に其処を突いてくれと言っているようなものだ。

今の彼女達、ドレッドノートが正にこの例えに当てはまる。

 

だからこそ、古参の俺は彼女達が沈まぬように助言しなくてはならない。同じ過ちを繰り返させぬよう…

それが喩え厳しすぎる言い方だとしても、だ。それが一番為なるのだから…。

 

 

「まあ、言い方はキツかったが何気無い言動、行動だとしても艦隊を危機にさらしてしまうこともある。逆に好転させる場合もある。だから充分な備えもないならば無闇な行動は慎んでほしいという事だ。俺は良いが鎮守府でそうだったら最悪戦争に発展しかねないんだ。そしたら折角出会えた君達とも敵同士になってしまうかもしれない。それは悲しいから、さ。」

 

 

説教臭いのは嫌いなんだ。怒るより笑いたい。大切なものを心に抱いてそれで俺は進んでいきたい。

でも、大切な人だった記憶を抱くより大切な人の横で一緒に歩んでいきたいんだ。

 

 

「…そう、だな。このドレッドが間違っていた。多大なる無礼、すまなかった!」

 

 

丁寧に頭を下げるドレッドノート。それを見て満足した俺は彼女に顔を上げさせると右手を前に出し、笑った。

 

 

「ドレッドノート、以下ドイツ艦隊の皆様を心より歓迎致します。では、ご案内致しますのでどうぞ此方へ」

 

「ふふ、聡明で力強い男性と本国には伝えさせていただこう…ありがとぅ。」

 

 

手を繋ぐ俺と恥ずかしがっているドレッドノートを5人は微笑ましげに眺めていた。この時が今日、初めて俺が彼女達と分かり合えた瞬間だったような気がした。




何故、このタイミングで明けましてだよ!って思った方の為に補足です。使者、あらわる。の前に1話挿入させていただいたんですが、その番外編に気付かなかった人がいたときの為に一応言っておこうかな?という対処です。
もう、お読みであった方には申し訳ないですが心の奥底で作者バカだなとでもお思い下さいませ。


作者の最近の心境=大鯨とか出したい…。 ……以上!
膝枕って憧れるよねうふふ。


ま、落ち着いたらか書き終えたらのどちらかかと…
次回もまたお読み下さると此方としても嬉しい気持ちでいっぱいになります。では、またー




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使者、あらわる。  4

み、皆様お久しぶりです…
べ、別にハーメルン様を開くのすら久しぶりなんていうことはアリマセンよ…?

…はい。すいませんでした


スランプ&迷走してました…
他の小説の構想練ってたり番外編書こうとして長くなりそうだから止めたりそんなこと繰り返してるうちにドイツ編のオチの落とし所を忘れてしまっていました…。
あと、仕事の新しい職長の仕事の割り振りにキレかけたりとか…ストレス的にもヤバかったです。

愚痴ると長くなるので此処等で止めます。

では、レーベ視点でのお話しです!どぞ!


僕達ドイツ艦隊はヤマトを先頭に海路を進んでるんだけど最初の雰囲気からは想像出来ない位和やかな物になってる。大きく変わったって言ったら上から順番にドレッドノートさん、ビスマルク、ゆー…かな?プリンツとマックスなんかは最初からヤマトとの付き合い方を分かってるというか…変わらずにいつも通りに接してるようだったから代わり映えはしないんだよ。

んー…少し伝わりづらいかな?だったら最初から説明させてもらうね?そうすれば比較出来るだろうし分かるよね!

そうなると、そうだなぁ…うん。今日の朝…は、後回しでも良いから…そうだ、鎮守府を出発の前の話になるけど付き合ってくれると嬉しいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達は今から十数日前に沢山の人達に見送られながら祖国であるドイツを旅立つことになっていた。

目的は最近妙な噂が目立っている日本。僕でも知っているのは遠征中に見た流れ星についてや深海棲艦かもしれない一隻の艦に鎮守府が落とされたという噂位だけど他の皆はもっと知ってるのかも知れないんだけど僕は体験した事と提督さん自ら話してくれたもの以外は知らないんだよね。

流れ星の噂はお昼で太陽の明るさもあるのにそれ以上に青く光り輝く直線が宇宙に向けて飛んでいった…という感じなんだけど、これをやったのが一隻の艦であるという噂でもう一つの鎮守府陥落の噂も同一の艦がやったって聞いたんだよね。

 

その鎮守府は今、しっかり動いているらしいんだけど降服湾鎮守府って皮肉を言われてるみたいなんだよ。けどその実どこの鎮守府より資源が豊富で深海棲艦とも戦わなくていい、更に上官からの命令すらないっていう独立化していて誰も諜報出来ないんらしいんだ。だから恵まれた海域だって言われてるんだ!幸福湾ってマックスは言ってたよ?

どこの鎮守府でもその艦の対応にどうするかの会議続きで回ってないみたいなんだよ。だから僕達としても平和って訳なんだ。それに深海棲艦の活動も同時に沈静化傾向で急ぐこともないからどの鎮守府でも同様に平和みたいなんだよね。その艦がもし深海棲艦でも平和になるんだったら僕としては嬉しいって思うよ。

…でもどうしてまた深海棲艦が静かなんだろうね?少し気になる…。

 

 

でも、それとは裏腹に僕達鎮守府内の艦娘達は凄い盛り上がっていた。なんでも話題沸騰の人物がテレビに出ていたらしい。鎮守府の内部を国民に知って貰う為の紹介が行われてる番組に急遽ゲストで登場したんだって。

僕はあんまりテレビって見ないから凄い事なのかよく分からないんだけどそれがきっかけで大盛況なんだってさ。

テレビじゃないけど僕としてはマックスに見せてもらった映画でまだ告知段階なんだけど夜戦忍者の方が気になるかな?

黒衣を纏ってた夜戦忍者の師匠。わざと敵として現れて鍛えるんだ!最後には庇ってやられちゃうんだけどああいう告白ってやっぱり憧れちゃうよ。戦場の恋、自分の命さえ擲ってまで想ってくれる…僕はそんな人と恋人になりたいんだよね!

彼が誰なのかまだ情報が出てないんだけど幸福湾鎮守府の青葉監督っていう人が制作したってなってた。…幸福湾って、話題の映像も確か同じ場所だったような…

 

 

「それから今日から向かう行き先もよ。」

 

「あ、マックス‼」

 

 

目の前から相変わらず表情の乏しい…といっても僕は姉妹だし雰囲気とか言い方から分かるんだけどね!じゃなくて、曲がり角からヌっと顔だけ出して生首モドキとなってる。こういうお茶目な所が僕としては可愛いと思うんだよね~、でも皆真面目だからジョークが伝わりづらいみたいなんだよ。…可愛いのに。

 

ん…?それより、今マックスなんて言ってた?

 

行き先?向かう?

………。

 

…えっ⁉

 

 

「そういう事。だから遠征の準備とか済ませて提督の所にヒトサンマルマル集合との事よ。…ちゃんと伝えたからね?」

 

 

マックスはこれで用が済んだということなのか僕の反応も見ず、質問とか色々あったのに有無を言わせずに行ってしまった。…準備するんだろうけどでも13:00って…あ、あと一時間ないよ⁉きゅ、急過ぎるよ‼僕も急がなくちゃ!

うわぁ!あれとかあれとか…うわーん、準備間に合わなくなっちゃうよぉ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督の元にはどうにか間に合ったんだけど部屋に入ったのは僕が最後だったようでそこには先輩方がいた。

一番手前から順にゆー、マックス、ビスマルク、そして見知らぬ女性が横一列に提督の対面に並んでいる。僕は提督に一言謝罪を入れると一番端であるゆーの隣に並んだ。

 

 

『ああ、君達がこうして呼ばれたのは上からとある依頼が下ったからだ。今上層部でもめているこれからについてだ。まず国外であるここドイツでは判断材料があまりにも少ない。いや、無いに等しいと言っても良いだろう。』

 

提督はどこか困った顔で話している。

僕達には分からないけどたぶん上からの依頼っていうのがまた無理難題なのかもしれない…。この鎮守府は深海棲艦との戦いで最前線に位置する。そんな場所で提督をしている彼は部下?まあ、そんな彼の艦娘を務める僕らは自分で言うのもなんだけどドイツで一二を争う練度でその上司である提督さんの腕はかなりの物なんだ!

だから普段はそんな表情は表に出さないんだけど…まだ判断出来ないかもしくは提督としては反対なのかのどっちかなのだろう。うぅん…僕達が選ばれた事を喜べば良いのかそれともそんな危険な海域に挑むことになることを嘆けば良いのか…

 

こうして悩んでたからかな?不意に提督さんの口から出てきた名前は想像もしていなかった程の意外でありまさかこんな所から聞くと思っていなかったから思わず驚いてしまっていた。

それに上官が話している言葉を遮ってしまった上に私語、それも叫びに近いものをあげてしまっていた…。

 

うっ…懲罰ものだよぉ~

 

 

 

 

 

 

 

 

で、無事提督さんの話も終わった…。

勿論何もなし…とはいかず、何故驚きの声を上げたのかを根掘り葉掘り聞かれちゃったんだ。それで提督さんには正直に全て話したんだけどそこは…ほら、その場にいた艦娘とはいえ女の子な訳で…あはは、はぁ~…

 

文通相手だから直接会った訳じゃないのにカッコいいの⁉とか聞かれても困るんだよなぁ…僕だって最初のボトルメールが誰かに読まれるかなんて分からなかったんだから…。

 

あれは僕が初めて鎮守府にやって来た時にもし上手くいかなかったらどうしようっていう気持ちと相談できる人を作れないかな?っていう打算的考えから始めたのに…誰かの元に行く可能性だって一つしか出してないんだから相当低いっていうのに…

ま、まあ…だからこうしてヤマトの元に辿り着いたと知った時…返事が最近になって来たときなんかは運命っていう物を感じなかったわけでは無くて…その、ね?

うん、すっごく嬉しかったし、日本語だっていうのは少しして分かって段々覚えられて、ってこれは言い訳にしかならないかな?…出来ればヤマトに会いたいって思ったしその…恋人になれたらぁ…なんて文通を始めるようになって考えなくもなかった訳で…その、好きになってたんだと思う。

 

 

「恥ずかしくて、誰にも言えないけどさ…」

 

「…どうかしたの?」

 

「う、ううん⁉なんでもないよ!なんでもないからね⁉」

 

「そう。」

 

 

上手く誤魔化せたかな?思わずそっぽ向いちゃったからマックスがどういう顔してるか分からないんだよね…そっとならバレないかな?

そっと、そーっと…

 

 

ニヤニヤ

 

 

うぅ…スッゴいニヤニヤしてる。絶対に分かってるよ、あれは‼マックスに隠し事は出来ないなぁ…

 

 

「内緒だよ!他の人には絶対に言わないでね‼約束だよ!」

 

「どうしようかしら。…ふふ、う~そ。

だから泣きそうな顔しなくて良いわよ。ヤマトさんと良い関係になれると良いわね?応援してる。」

 

 

僕ってたぶんマックスには勝てないって思うんだよぉ…。

イタズラっ子ぽい顔をしたあとに優しい瞳で僕を応援してくれたマックス。僕の事を一番理解してくれる僕の姉妹。

ヤマトとは仲良くなりたいって思うけど…でもマックスとの関係が変わるのも嫌。…ヤマトには悪いけどもし僕と…その、恋仲になったならその時は…僕だけじゃなくて、マックスも…愛して欲しいな。

 

って、まだまだそうなるって決まった訳じゃないけどさ!

なれたら…ううん。なりたいなって!マックスと一緒に、三人で仲良くなりたいって!」

 

 

 

「あー…うん。私もその気持ちは嬉しいのだけどあんまりそういう事は口にしない方が良いと思うわ。」

 

「…え?……っ⁉」

 

 

照れてるマックスが可愛いなぁとか考え事してたけど…え?今マックスは口にするって…?

別に食べ物を口にした訳でもないしそうなるとやっぱり声に出してたっていう事で…それで僕が考えてた事っていうのは……ボンッっていう音が僕の顔から聞こえたような気もする。でも、恥ずかしさと顔の熱さとで思考が停止してる。いやだってさ、それはまだ見ぬヤマトに二股してほしいっていってるようにも聞こえるよね?

 

 

「うぁ…あう、あう。」

 

「ま…まぁ、前向きに検討しておくわね。

こ、ここではご馳走さまって言っておこうかしらね」

 

 

僕達は互いに真っ赤になりながらヤマトとの出合いに想いを馳せることになる。それはきっと僕達だけじゃなくあの場にいた皆が当てはまる。

提督さんも例外じゃなく、僕達が退室する直前にこう言っていた。

「無事、帰ってきてくれる事を望んでいる。出来れば君達…いや止めておこう。例え情報を得られなくても構わない。ただ無事にさえ帰ってきてくれればね?」

笑っていたがアレは無理をしている顔だった。提督さんは最後まで悩んでいたんだと思う。どれだけヤマトという人物が出来ている人格者で安全だと僕が言っても直接提督さん自身が会った訳ではないし、それに性能的に人類には脅威になり得てしまうから…だから悩んでくれていたんじゃないかな?

提督さんの優しさに報いたいって感じたからこそ、この鎮守府は大きく強くなれたって思ってる。きっとそう思う艦娘の方々がいるから…ちゃんと戻ってきて提督さんを安心させてあげないとね!

 

 

「マックス、僕は応えられるかな?」

 

「…?…ええ、きっとね」

 

僕は提督さんの期待に応えたい。きっと、その気持ちはこの鎮守府で誰もが思っているであろう想いだと思ったから…

マックスにも僕の気持ちが伝わったようで主語が抜けてしまった言葉に返してくれていた。

あと少しで僕達は祖国であるこのドイツを発つ。だけど怖いっていう気持ちはない、あるのは心に小さく灯る温かな闘志と期待に応えるっていう目標だけ。それが僕にとってはそれで充分なんだと思うよ。…あ、うん。

たぶん、ヤマトに会えるっていうのも大きいかもしれない。だ、だって文通相手なんだよ!気になっちゃうのはしかたないじゃん!

 

 

「ウフフ…顔、真っ赤よ?ヤマトのこと考えてたでしょ」

 

「ち、違うからね!違わないけど、違うからぁー!」

 

ニヤニヤと僕を見る、そして焦った僕がそう返せば余計に墓穴を掘りまた嬉しそうにニヤニヤするマックス。うぅ…僕ってマックスに良いように扱われてるよね…?い、いつか絶対に形勢逆転させてやるぅー!

って、いつまでニヤニヤしてるんだよぉ…うぅ…ちょっと恥ずかしくて泣きそうだよぉ……

 

 

 




という、訳でしてまだ少し続きます。

ドイツ編は次でラストになる予定です。(まだ出来てない)
このドイツ編を書くにあたって最初はドイツ語を混ぜようかとも考えましたが…やっぱり脳みそが足りてない作者には荷が重かった…。

作者にドイツ語は無理。これは揺るがしようのない事実だよ

Verstehen Sie?(分かった?)

という訳です。只でさえ時間がかかるくせにこれ以上かかるとかダレトク?以上の理由によりドイツ語は『』この表記で行こうと思います。


たぶん、ドイツ提督さんの会話に『』が使われている…筈です。
何ぶん書き途中で失踪してたので曖昧になってます。

その癖、頭に浮かんだ没案の番外編は全て頭にあるっていう謎。


・学園物、ヤマトの日常(宇宙戦艦及び艦娘要素0になり完全なる恋愛ものになってしまう)
・劇場番、夜戦忍者(CM的な軽い奴じゃなく本腰を入れて書き出す…終わりがかなり先)


等々、夜戦忍者は流石に遠慮させて貰いますが学園ヤマトは簡単に色々な艦娘を出せる機会が出来るからありといえばありだと思っています。

…まあ読みたいっていう人がいればですけどね。
では、また会いましょー
Auf Wiedersehen!


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