ウルトラマンレオ2 (桂ヒナギク)
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1.地球外惑星
満開の桜の下、一人旅立つゲン。
「本当に行ってしまうの?」とあゆみ。
「おおとりさん。私たちはね、もしも、もしもよ。あなたが他の星の人でもちっとも気にしてないのよ」と咲子。
「私の知っているおおとりさんは宇宙人なんかじゃないわ。私たちと同じ血の流れている人間よ」といずみ。
「ありがとう。僕にとってその言葉は一生忘れることができません。やっと今、この地球が僕の故郷になったのです。だから、青い空と青い海のある故郷を、この目で見て、この手で確かめてみたいんです」。
獅子の瞳を指から外すゲン。
「必ず帰ってきてね」とトオル。
「気をつけてね」と咲子。
「おおとりさーん」。
ゲンを追いかけて走り出すトオル。
海まで走ってきたトオル。
「おおとりさーん」。
ゲンの乗るヨットに手を振るトオル。
「おおとりさーん」とトオル。
「さようならー」とゲン。
あれから四十年、ウルトラマンレオは地球の近くまで来ていた。
宇宙から地球を見ていると、レオの横を巨大隕石が通り抜け、地球へと落下していった。
レオは直ぐに追い掛け、隕石に光線を放った。
隕石は爆発し、中から地球外生命体が現れた。
生命体は地上に降り立ち、町に火を放った。
燃え盛る建物。
逃げ惑う人々。
レオは生命体に飛び蹴りを浴びせた。
レオは飛び上がり、レオキックを生命体に浴びせて粉砕する。
そこへ飛んで来る戦闘機。
戦闘機には五十代くらいの男が乗っていた。
その男の名は
レオは直ぐに彼だと分かった。
「久し振りだな、トオル。もう四十年になるのか」
「おおとりさん!」
レオはゲンの姿になり、着陸して降りてきたトオルと抱き合った。
「おおとりさん、どうして地球へ?」
「呼ばれたんだ」
「呼ばれたって?」
「誰かにね」
その時、上空に時空の裂け目が現れる。
「「え?」」
二人の体は宙に浮き上がり、裂け目へと吸い込まれて行く。
「うわ!」
「いて!」
裂け目に吸い込まれた二人は、どこかの地面へと叩き付けられた。
立ち上がり、辺りを見渡す。
そこへ集まって来る人々。
「あんたら見ねえ顔だな。どこから来た?」
ゲンは上空を指差す。しかしそこに裂け目はなかった。
「ここは地球ですか?」
「地球? 何だそれは?」
「僕たち、地球って
「ここは何て言う惑星ですか?」
「ここはイサトって惑星だが、あんたら宇宙人か?」
「イサト……?」
聞かない名だった。
「ここが地球でないのなら僕らは宇宙人になるよ」
「そうか。この惑星には何の用なんだ?」
「用があって来たわけじゃないんです。時空の裂け目に飲み込まれて、気付いたらここへ」
「神隠しにあったのか。ここじゃ何だ、我々の村へ来い」
ゲンとトオルは村へ案内された。
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