とある女性提督達の災難 (陸戦型ももんじゃ)
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愛宕

女性提督という事以外に設定は考えていません




「ねぇ提督ぅ。私と結婚しましょう?」

 

「…またか」

 

手のひら程の小箱を両手に持ち、目の前の重巡洋艦愛宕は言った。

小箱の中身は恐らく、愛宕の言葉から察するに女性なら誰もが憧れるアレだろう。いつも思うが、どこで手に入れたんだ。

 

「いきなり執務室にやって来たかと思えば…。貴女は今の時間、海にいるハズでしょう」

 

「そんなものどうでもいいのよぉ?私の経験値より、提督と私の愛の経験値を貯めましょう?」

 

「どうでもいい訳ないじゃない。良いからはやく行きなさい。他の娘も待ってますよ」

 

「提督のいけずぅー…」

そう言って愛宕は私に背を向け、執務室から出て行った。

「はぁ…」

愛宕からの結婚申し込みはこれが初めてではない。

 

ふと私は艦娘達から初めて結婚申し込みをされた日の事を思い出した。

 

ケッコンカッコカリ

 

一定の練度に達した艦娘と結べる絆のような物。

ケッコンと名付けられてはいるが、本当に結婚する訳ではない。これを受けた艦娘は練度の限界突破、燃費向上等、様々な恩恵を受ける事が出来る。

本来は極秘の筈なのだが、どういうわけか、私が治める鎮守府では提督である私が知る前に、艦娘達にケッコンカッコカリなる物があると知られてしまった。

…他所の艦娘と演習でもしてたいた時に、吹き込まれたのかもしれない。

 

それからだ。先の愛宕を筆頭に陸奥、金剛、龍田、榛名、不知火らその他大勢が私に結婚を申し込んできた。

 

 

もちろん、ケッコンカッコカリなら喜んでしよう。

 

だが違う。ケッコンカッコカリではなく、ケッコンカッゴガヂにしましょう?と不幸が口癖の姉妹に言われ、私は戦慄した。

 

第一に私は女だ。女は男を愛し愛されるもの

そして彼女らは艦娘。軍規にも彼女らと必要以上に親しい関係になってはならないと書いてある。

どうだ道理的だろう。これで彼女達も納得…

 

 

「そんな道理、ワタシのloveでこじ開けるネー!!」

しなかった。この世界に神はいないらしい。

もちろん全員断った。だが…

 

「提督のハートを掴むのは私ネー!だから諦めないヨ!絶対提督を振り向かせて見せるヨー」

 

「一航戦の誇りにかけて提督と添い遂げます」

 

 

 

 

 

「提督さーん、いるー?」

執務室の扉がコンコンとノックされ瑞鶴の声が聞こえ、ハッとなり結婚申し込み初日の思い出を頭の片隅に追いやる。

 

今日は瑞鶴か。

 

「うん。いるよ。開いてるから入りなさい」

 

どう断ろう。そろそろ口実がなくなってきた。

 

「失礼しまーす。提督さん、私と…」

 

ほらきた…

 




続くかも?


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加賀さん

加賀さん


1.カイロ

 

「提督、いつまでこの態勢でいれば」

 

「修理業者が来るまで」

 

「…そう」

 

正規空母加賀。

提督私室のベッドに座る、主の膝に腰掛け、後ろから抱きつかれています。

 

執務室の暖房器具が全滅したため、提督からカイロになってと頼まれて30分。

提督と触れあえるのは嬉しいけど少し恥ずかしい。

 

「嫌なら退いて良いよ?」

 

「…嫌じゃないけれど」

 

「やったね。あー本当に加賀は暖かいなぁ」

 

私のお腹に回された提督の腕の力が少し強くなる。さらに、背中にスリスリと提督が頬擦りする感触がして、何とも言えない気分になる。

 

「提督」

 

「なーにー」

 

「その、胸が」

 

「当ててんのよ」

 

「…っ」

 

「なんつってー」

 

人の気も知らないで…!

 

高鳴る心臓の鼓動がバレやしないかとヒヤヒヤする。

 

「加賀」

 

「何ですか」

 

「好き。愛してる」

 

「…」

 

「加賀?」

 

「…私もです」

 

左手の薬指を見ながら言った。

ここは譲れません。

 

 

2.あれ

 

加賀の場合

 

「加賀ーあれ取ってー」

 

「はい」

 

「ありがとうー」

 

 

赤城の場合

 

「赤城、あれ取ってー」

 

「は、、、どれでしょうか」

 

「そこの棚の2番目の引き出しに入ってる印鑑よ」

 

「これですね。はい、どうぞ」

 

「ありがとうー」

 

 

金剛の場合

 

「金剛、あれ取ってくれない?」

 

「提督ゥ!アレ、じゃあ分からないヨー」

 

「あ、ごめん。棚に入ってる印鑑の事よ」

 

「oh!これの事ですネー!」

 

「ありがとう」

 

「いくら私と提督がheartで通じあっていても、言ってくれなきゃ分からないネー」

 

「そうだね。気を付けるよ」

 

「これでまた私と提督がまた一段と親密になったネ!提督のheartを掴むのは私ネー!」

 

やりました。

 

 

3.耳そうじ

 

「ん…!」

 

正規空母加賀。

今日は提督の耳そうじをやっております。

 

「提督。誤解を招くような声を出さないでくれますか」

 

「いや、だって気持ち良いもん。加賀はテクニシャンだね」

 

「そうでしょうか」

 

「私は自分で出来ないからね」

 

提督は幼い頃、一人で耳そうじをしたらあまりの気持ち良さに病みつきになったらしく、血が出るまでやって親から怒られたそうな。

 

それ以来、提督は自分でやらずに、誰かにやってもらうという事を決めた。

 

「はい。終わりました」

 

「ありがとうー。さすが加賀。一航戦は伊達じゃないね」

 

「やりました。次は私の番ですね」

「どんと来なさい!」

 

入れ替わりに、提督の膝に頭を乗せる。「痛かったらごめんねー」

 

提督は他人にしてあげるのは問題無いので、心配はしていない。

 

好いた人の膝に頭を乗せる。

気分が高揚します。

 

「んっ…」

 

「加賀も変な声出すじゃん」

 

「…」

 

 




キャラ崩壊?知らぬ存ぜぬ(`・ω・´)


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