男鹿「ゼブルブラスト!」美琴「超電磁砲!」 (ギッチョン!)
しおりを挟む

転成

 

 

男鹿家。男鹿辰巳は机の上に置いてあった本を拾った。

 

辰巳「姉ちゃん、なんだよこの本」

 

美咲「あぁ、超電磁砲。なんかBOOKOFFで安かったから買っちゃった」

 

古市「買っちゃったって……」

 

美咲「読む?」

 

辰巳「読まねーよ。ベル坊読むか?」

 

ベル坊「あー」

 

首を横に振るベル坊。

 

辰巳「だよな」

 

古市「俺読みたいっす!」

 

辰巳「死ねきも市」

 

 

×××

 

 

その夜。

 

辰己「あークソッ。最近喧嘩してねぇからストレス溜まってんな…」

 

横ではベル坊が熟睡中。

 

辰巳「寝るか」

 

 

×××

 

 

風紀委員一七七支部。気が付けば男鹿は机の上で寝ていた。

 

固法「……きなさい」

 

男鹿「んあ……」

 

固法「起きなさい。あなた、風紀委員の支部でなにしてるの?」

 

男鹿「……あ?」

 

固法「まぁ事情は後で聞かせてもらうわ。とりあえず手錠掛けさせてもらったから」

 

男鹿「誰だお前」

 

固法「風紀委員の固法で…」

 

男鹿「ふんっ」

 

バギッと手錠をぶっ壊す男鹿。

 

固法「!? て、手錠が…!」

 

男鹿「んだこれ…夢か?ベル坊は…いるな。おい起きろーベル坊」

 

ベル坊「あーい…」

 

固法「か、可愛い!……はっ、じゃなくてあなた!その子どうしたの!?まさか、誘拐したんじゃないでしょうね!服も着せてないみたいだけど!」

 

男鹿「拾ったんだよ」

 

男鹿は言いながら窓に足をかけた。

 

固法「拾ったって……待ちなさいどこへ行くの!?」

 

男鹿「帰る」

 

固法「ま、窓から飛び降りて…」

 

 

×××

 

 

街を歩く男鹿。目の前には知らない街が広がっている。

 

男鹿「ここどこだろーなーベル坊」

 

ベル坊「あーい…」

 

ドカーンッ!と、なにかが爆発する音。

 

男鹿「あ?」

 

スキルアウトA「引き上げるぞ!」

 

スキルアウトB「おうっ!」

 

男鹿「強盗かよ」

 

ベル坊「あーい!」

 

男鹿「喜ぶなベル坊」

 

久々に喧嘩でもしようと首を回した時だ。

 

黒子「初春は住人の避難!お姉様はジッとしててください!」

 

初春「はい!」

 

美琴「分かってるわよ」

 

黒子「待ちなさい!風紀委員ですの!」

 

なんだよジャッジメントって、と思いつつも口に出さない男鹿。しばらくその様子を眺めていた。

 

スキルアウトA「なに!?もう来たのか!?……ってガキかよ!風紀委員も人手不足か!?」

 

スキルアウトA、手から火を出す。

 

男鹿「おいおい…あいつもスペルマスターか?あのガキ勝てんのかよ」

 

黒子「そういう三下の台詞は、死亡フラグですのよ」

 

スキルアウトA「なにっ!?……ぐあっ!」

 

男鹿「やるじゃねーかあいつ…」

 

とか言いながらもウズウズしている男鹿だった。

 

 

×××

 

 

一方、初春。

 

初春「ダメですよ!今この広場から出ちゃ!」

 

母親「でも!私の子供が…」

 

御坂「えっ!?」

 

初春「私、探してきます!あなたはここで待っていてください」

 

捜索中。

 

佐天「うーん…そんなに遠くに行ってないはずなんだけど…」

 

子供「お兄ちゃんだれー?」

 

スキルアウトB「いいから黙って来いやクソガキ!」

 

佐天「! (私が助けなきゃ!)」

 

 

×××

 

 

御坂「いないわねー。どこに行ったのかしら…」

 

スキルアウトB「な、なんだお前!離せ!」

 

初春「あっ!佐天さん!」

 

佐天「ダメ!この子に手を出さないで!」

 

スキルアウトB「いいから離せ!」

 

スキルアウトは足を振り上げた。

 

美琴「佐天さん!」

 

ボガッ

 

男鹿「痛っ」

 

スキルアウトB「は?」

 

佐天「え?」

 

美琴「ん?」

 

初春「へ?」

 

全員が戸惑う中、男鹿は淡々と続けた。

 

男鹿「痛いんですけど」

 

スキルアウトB「え、いや…あの…」

 

減り込みパンチが見事に直撃し、スキルアウトはその辺の壁に減り込む。

 

ベル坊「あーいー!」

 

男鹿「うん。ナイス減り込み」

 

佐天「あ、あの…」

 

男鹿「あ?」

 

佐天「ひいっ!」

 

振り返る男鹿にビクッとしてしまう佐天。それを見た黒子が、

 

黒子「佐天さん!?このっ…!」

 

と、テレポート。

 

佐天「待って白井さん!」

 

黒子「まだいたんです…ねっ!」

 

空中からドロップキック。だが、男鹿は平気でかわした。

 

男鹿「危ねっ」

 

黒子「くっ!」

 

美琴「待って黒子!」

 

黒子「へ?」

 

佐天「白井さん。この人、私を助けてくれたんです」

 

黒子「そ、そうでしたの…それは申し訳ありません」

 

男鹿「おう」

 

ベル坊「……」

 

なんて場が収まりかけてる中、ベル坊は美琴達をジト目で睨む。

 

男鹿「どーしたベル坊?」

 

美琴「あ、その子可愛い!ちょっと抱っこさせて!」

 

男鹿「だってよベル坊」

 

ベル坊「だっ」

 

そっぽを向くベル坊。

 

美琴「そんな!」

 

男鹿「嫌がってますなー」

 

絶望する美琴とにやにやする男鹿。

 

黒初佐(すごい嫌な顔!)

 

男鹿「残念だったな。ベル坊は強い奴じゃないと懐かねぇんだよ」

 

美琴「はぁ?そんなこと言ったら私だって…」

 

スキルアウトC「チィッ!」

 

スキルアウトCが車に乗って逃走。

 

黒子「しまった!まだいたんですの!?」

 

スキルアウトC「あばよ!」

 

美琴「そうはさせないんだから!いい機会だわ、あんたらも見てなさい!」

 

言いながらコインを弾く美琴。

 

黒子「ダメですのお姉様!」

 

男鹿「あ?なにやってんだこいつ…」

 

ビシュームッ!ドォーンッ!

 

男鹿「」

 

美琴「どう?えーっと、ベルちゃん?」

 

男鹿「ふ、ふん。まぁまぁだな。だがあれくらい俺だってよくやって…」

 

ベル坊「あーーいーーーっ!」

 

飛び付くベル坊。

 

美琴「えへへーすごいでしょー」

 

男鹿「う、裏切り者ーっ!」

 

佐天「な、なんだろうねこの人…」

 

初春「さ、さぁ……」

 

なんてやってると、男鹿の手になにかがガチャッと付いた。

 

男鹿「あ?なんだこれ、手錠?」

 

黒子「あなた、誘拐で逮捕しますの」

 

男鹿「は?誰が?誰を?」

 

黒子「詳しい話は支部で聞きますからついて来なさいな」

 

男鹿「はぁぁっ!?」

 

そんなわけで、連行されてしまった。

 

 

 

 

 

 




男鹿のキャラが思いのほか難しいですね。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

癇癪

 

 

 

 

一七七支部。

 

黒子「で、あなたは何者ですの?」

 

男鹿「男鹿辰巳でーす。よろしくぅ」

 

黒子「いや、睨まれても全然怖くありませんから」

 

男鹿「はぁ?睨んでねーよチビ」

 

黒子「んなっ!だ、誰がチビですか誰が!」

 

そんなことしてる中、ベル坊は御坂やら佐天やら初春やらに遊んでもらってる。

 

固法「白井さん。論点がズレてるわ」

 

黒子「くっ……失礼しました。それで男鹿さん?あの子はどうしたんですの?」

 

男鹿「拾ったっつってんだろ」

 

固法「どこで?」

 

男鹿「川」

 

黒子「その子はどのようになっておりましたの?」

 

男鹿「アランドロンのオッさん割ったら出てきた。すべてはあれが元凶だったんだよな…」

 

固法「その人はどなたかしら?」

 

男鹿「次元転送悪魔」

 

黒子「あーもうっ!」

 

バンッ!と机を叩いて立ち上がる黒子。

 

黒子「あなた!さっきからふざけてるんですの!?これは取り調べなんです!もっと真面目に……!」

 

男鹿「だから真面目に答えてんだろ。なにが気に入らねんだよ」

 

黒子「その回答です!そんな悪魔だの拾っただの信じられるわけありませんわ!」

 

男鹿「いやだって事実だし。こっちこそここがどこなのか聞きてぇよ。石矢魔じゃねぇだろここ」

 

固法「石矢魔?」

 

男鹿「俺の住んでた町だよ」

 

黒子「そんなところ、学園都市にはありませんわ」

 

男鹿「まずその学園都市ってのが分からねぇーよ」

 

黒固「「は?」」

 

男鹿「ん?」

 

黒子「……初春。男鹿辰巳さんのデータをお願いします」

 

初春「はーい」

 

しばらくして、

 

初春「白井さん!男鹿辰巳さんのデータはありません!」

 

黒子「え?」

 

固法「ど、どういうこと…?あなた一体……」

 

男鹿「いいからテメェらも挨拶しろ。さっきから名前わかんねぇんだよ」

 

黒子「し、失礼しました。白井黒子ですの。レベル4の空間移動で…」

 

男鹿「ちょっと待て。レベル4ってなんだよ。D○レイマン?」

 

黒子「あなた、本当に学園都市の人間ではありませんのね。まぁいいですわ。簡単に説明すると、」

 

そこまで言うと、黒子は近くにあったペンをテレポートさせた。

 

黒子「こういうことですわ」

 

男鹿「」

 

なにか反応する前に固法が続けた。

 

固法「私は固法美偉よ。レベル3の透視能力よ」

 

男鹿(人によって能力がちげーんだな)

 

初春「初春飾利です」

 

佐天「佐天涙子でーす」

 

美琴「御坂美琴よ」

 

興味無さそうに見回す男鹿。なにか言おうと思った時、固法が声を上げた。

 

固法「もう最終下校時刻じゃない。質問は明日にするわよ」

 

その号令で全員が支部を後にする。

 

黒子「そういえば男鹿さん?あなた、どこで暮らすつもりですの?」

 

男鹿「あ?あー…野宿」

 

ベル坊「まーーっ‼︎」

 

男鹿「おいこらベル坊髪の毛抜くな。振り落とすぞ」

 

すると、キラーンと目を輝かせる美琴、佐天、初春。

 

美琴「ねぇあんた!良かったら私の寮に泊めてあげてもいいわよ?」

 

黒子「お姉様、寮監になにされても知りませんわよ?」

 

美琴「うっ!そ、そうだった…」

 

初春「じ、じゃあ私が…」

 

佐天「わたしがやります!」

 

三人が望むのは勿論、ベル坊である。

 

男鹿「あぁ?どこでもいいっての。お前らで決めろよ」

 

ジャンケン。

 

佐天「やったー!大勝利!」

 

初春「うぅー!ズルイです佐天さん!後出しなんて!無効です!」

 

佐天「勝ちは勝ちだもーん!さ、ベルちゃん行こうねー」

 

勝手にベル坊を取り上げて走り出す佐天。その瞬間だった。

 

男鹿「ちょっ!バカおまっ……!」

 

ベル坊「うああああぁぁぁぁーーーッッ‼︎‼︎」

 

男鹿「ぎゃあぁぁぁぁっっっ‼︎‼︎」

 

電撃が走った。男鹿に。

 

女子達「」

 

ぷすぷす煙を上げる男鹿に機能した佐天が聞く。

 

佐天「あの、大丈夫ですか?てかなんですかこれ?」

 

男鹿「ベル坊を俺から15m以上離すな…致死量の電撃が……言っとくけど、そいつが泣くごとに電撃が走るからな」

 

佐天「………」

 

佐天が振り返ると、

 

初春「負けは負けです。仕方ありませんね」

 

黒子「ではよろしくお願いしますの。佐天さん」

 

美琴「あ、あは…あはは……」

 

固法に至ってはすでに消えている。

 

男鹿「ま、まぁ…よろしく頼むわ…」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。