ソードアート・オンライン  ~黒の剣士と虹の拳士~ (朝灯)
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プロローグ リンクスタート!

二次創作は初投稿となります。
朝灯(あさひ)といいます!
いろいろ至らない部分やグダグダになってしまうかも知れませんが...
頑張っていこうと思います!


ナーヴギア、それはこの世界と別の世界を繋ぐ扉だ。その扉の鍵はプレイヤーのリンクスタートという一言だ。

 

蒼也「ついに今日からSAOの正式サービス開始だな!カズ!」

 

俺はそう言いながら小さい頃からの幼馴染...桐ケ谷和人、通称カズの方を向く。今が12時だからあと1時間ほどでログインできるようになるはずだ。俺は今カズの部屋に来ていた。

 

和人「そうだな...蒼也もβ応募したのに落ちて残念だったな。」

 

そう...カズの言う通り俺もβテストにはもちろん応募した。しかし残念ながら当たったのはカズだけでこいつは一足先にその世界を体験していた。羨ましい... 

 

蒼也「ところで名前決めたか?まあ多分いつものだと思うけどさ。」

 

βテストが当たらなかった悲しみと悔しさは置いておくことにして俺はSAOの時に使うハンドルネームを聞く。

 

和人「いつものだ。」

 

と短く言葉を返すカズ。

 

和人「お前もいつものか?」

 

カズが俺に聞いてくる。

 

蒼也「いつものだ。ログインしたらフレンド申請送るからな!」

 

俺はそう意気込んでみせた。

 

和人「おう...っとそろそろ準備しとかないとな...ソウ、また後でな。」

 

カズはそう言って部屋から出ていった。俺も帰って準備しないとな...そう思いカズの後に続いて部屋を出た。

 

~数十分後~

 

俺は今ナーヴギアを被って自分の部屋で横になっていた。時刻は12時55分...そろそろログイン出来るようになっているはずだ。俺は目を閉じ呟く。

 

蒼也「さてと、行きますか...リンクスタート!」

 

俺は扉を開けるための鍵を使った。

 

文字が見える...welcometo Sword Art Online!俺は素早く「イア」と名前を入力してOKを押す、するとどんどん景色が変わっていく。そして俺は剣の世界へと足を踏み入れた。

 

イア「おぉ~!!これがSAOの世界!?すげえ!」

 

これがゲームの中だなんて本当信じられないな...さて、カズのやつにフレンド申請送らないとな。俺は申請欄を開くと「キリト」と入力すると申請を送る。するとすぐにカズ...キリトから返信が返ってくる。内容は...

 

キリト(先にフィールドにいる。スキル確認して外に来い。)

 

俺は(了解!すぐに行く!)

 

と送り返した。

 

イア「さて、スキル確認するか。え~っと片手用直剣とあとは...ん?格闘術?こんなのもあるのか!俺にぴったりだな!」

 

自慢じゃないが俺は小さい頃から武術をしていて割と得意分野だった。

 

イア「よしまずは片手用直剣と格闘術を入れておくか。」

 

俺はスキルを決め、2つスキル欄を埋めると外に向けて走り出した。そして始まりの町から出ようとした瞬間、後ろから声をかけられた。

 

?「あの!すみません!」

 

俺は後ろを振り返り声の主を確認する。声からしてそうだったが相手は女の子だった。

 

イア「え~っと...何かな?」

 

呼び止められたので立ち止まり相手の言葉を待っていると女の子が口を開く。

 

?「もしよかったら...ちょっと指南してもらえませんか?」

 

その女の子は恐らく俺をβテスターだと思っているのだろう。まあキリトのとこに連れていけば一緒に教えてくれるだろ。そう考えてから俺は答えることにした。

 

イア「いいけど、俺はβテスターじゃないよ。今から友達に指南を受けに行くけどそれでいいなら一緒に来るか?」

 

一応βテスターじゃないことを伝えながら女の子を誘った。

 

イア(しまった...カズは知らないやつと話すの苦手だっけか...まあ俺もついてるし大丈夫か。)

 

と自分の中で問題を解決していると女の子は再び口を開く。

 

?「いいんですか!?ありがとうございます!」

 

俺は笑顔を向けられドキリとしたが、すぐに考えを改める。

 

イア(いやいや、待て待て!これで中身男だったら洒落になんねー!慌てるな...俺!)

 

こんなことを思っている中、俺はとりあえず自己紹介することにした。

 

イア「俺はイア。君は?」

 

無難な自己紹介だと思ったが普通が一番だとも思ったので簡単に名前を相手に告げる。

 

シリカ「あたしはシリカっていいます!よろしくお願いします、イアさん!」

 

相変わらず眩しい笑顔でその女の子、シリカは俺の名を呼ぶ。

 

イア「自己紹介も済んだことだし、待たせてるやつのところに行こう。シリカ、スキルの確認は終わってるか?」

 

今から行くのはいわゆる圏外と言われるフィールドだ。圏内と違ってモンスターも湧くし、ダメージだって受ける。一応最終確認だ。

 

シリカ「ん~...今のところ短剣スキルだけですね。」

 

まあ最初だしこんなもんだろ。俺は最終確認を終える。

 

イア「よし、それじゃあ行くか!」

 

俺たちは圏外へと踏み出した。しばらく歩くと2人組の男を発見した。とりあえず声をかけておくか...

 

イア「あの!もしかしてそっちのバンダナ付けてない人ってキリトって名前じゃないですか?」

 

人違いだとまずいので一応敬語を使う。

 

キリト「ってことはお前イアか?遅いぞ!」

 

どうやら本人だったようだ。

 

イア「悪い!ちょっとこの子と話しててな。」

 

俺はシリカに目を向ける。

 

キリト「このリア充が!爆発しやがれ!」

 

シリカを見るなり自らの憎しみをぶちまけるバカ、もといキリト。

 

イア「もし中身が男だった場合俺はどうすればいいんだよ!」

 

ついつい本音をぶちまけるバカ、もとい俺。

 

シリカ「えぇぇぇぇ!?あ、あたし男じゃありませんよ!正真正銘女です!」

 

なんということだ。本当に女の子らしい。そんなやり取りをしているとバンダナの男も会話に入ってくる。

 

?「とりあえずキリトよぅ。誰なんだよこいつら。」

 

俺からしたらそれはこっちのセリフなのだが...めんどくさいので名乗ることにした。

 

イア「俺はイア、キリトのリア友ってやつだ。んでこっちがシリカ、さっき知り合った。」

 

バンダナ男にキッチリと必要な情報を伝える。

 

クライン「俺ゃあクライン。よろしくな!」

 

このバンダナ、クラインは悪いやつじゃないみたいだ。長話もそこそこにしてキリトに指南を受けることにした。

 

イア「そーいやキリト、スキルの格闘術って俺にぴったりじゃないか?」

 

俺はスキルの話をしてみる。するとキリトは怪訝な顔をする。

 

キリト「格闘術?そんなスキル聞いたことないぞ?」

 

キリトは本気で疑問に思っているのだろう。βテスターのこいつが覚えがない?おかしいぞ... 

 

イア「とりあえずスキルの使い方を教えてくれ。使ってみる。」

 

今度こそ本当に指南の話に戻る。

 

キリト「簡単だぞ?そのスキルに合ったモーションをすると後はシステムが勝手に発動してくれる。」

 

本当に簡単なんだな...よしやってみるか!

 

イア「え~っと格闘術の初期スキルは...この<欧掌>ってのがそうか。よし!」

 

俺はすぐにちょうど目の前に湧いたイノシシみたいなモンスターに向けてスキル発動のモーションに入る。うまく発動出来たのか俺の右手が七色の光を放ちながらスキルが発動される。弱点に当たったのかモンスターは一瞬でポリゴン化してしまった。

 

イア「おぉ~!気持ちいいなこれ!」

 

などと俺がはしゃいでいると...

 

キリト「七色の...ライトエフェクト!?」

 

傍で見ていたキリトが声を張り上げる。

 

イア「どうかしたのか?」

 

呆然としているキリトに話しかける。

 

キリト「有り得ない...普通エフェクトは七色、虹色なんてものはないんだよ!」

 

再びキリトは声を上げる。

 

キリト「もしかしたら...抽選ユニークスキルってこれのことか?...多分そうだ。」

 

ブツブツと呟くキリトにクラインが声をかける。

 

クライン「俺もやっと倒したんだけどよ...こいつら中ボスとかじゃないのか?本当に?」

 

随分とアホなことを聞いている。

 

シリカ「クラインさん、何言ってるんですか?」

 

シリカも呆れていた。

 

キリト「そんな訳ないだろ。」

 

キリトも一旦虹色のことを置いておいてクラインへと向き直っていた。

 

クライン「だよな...ん?もうこんな時間か!?やべえ!ピザを5時30分に頼んでんだ!みんな、フレンド申請送ってもいいか!?」

 

慌てた様子のクラインは飯を食いにログアウトするようだ。クラインからフレンド申請が届く。断る理由はないので俺は承認を押す。シリカとキリトも承認したようだ。

 

クライン「へへっ!サンキュー!じゃ、これでログアウトを...って、ん?...ログアウトボタンがねぇぞ?」

 

俺はまたアホなこと言いだしたと思っていた。しかしキリトも

 

キリト「そんな訳ないだろ?メニューの一番下にって...ない。」

 

ゲームでログアウト出来ないとか今後の信頼に関わるバグだなと思っていた。

 

そして突如鐘の音が辺りに響き始めた。GMからバグの事でも知らせるのかと思っていたが、違った。急に光が体を包み始める。そして気づいたら始まりの町の広場に俺達4人は転移させられていた。これが夢ならどれだけよかったか...まさかあんなことになるなんて、この時の俺たちは想像なんてしていなかった...

 




初めてこんな長く文章を打ちました...
次回は格闘術について少し触れて、デスゲームを開始したいと思います!


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デスゲーム

お気に入り登録してくれた人本当にありがとうございます!
感想まで貰えて嬉しいです。
今回もグダらないように頑張ります!


突然広場に強制転移をさせられてとまどってる俺達、いや...全プレイヤーの前に現れたものは空に浮かぶ文字と赤いローブを被った巨大な人間だった。

 

イア「な、なんだ!?あのでかいやつは!?」

 

何か嫌な予感がする...

 

キリト「恐らくゲームマスター、GMってやつだろうな...」

 

俺の質問に答えたのはすぐ隣で空を見上げるキリトだった。正体が分かってもまだこの胸の不安は消えないままだ。

 

クライン「GM?このタイミングで出てくるってことはログアウトが出来ないことに対しての謝罪か何かか?」

 

そうであって欲しかった、しかし空に浮かぶ赤いローブの男が口にしたのは...そんな希望なんかじゃなく、全プレイヤーを絶望に叩き落とすものだった。

 

茅場「諸君、私の世界へようこそ。私は茅場晶彦、このゲームのGMであり制作者だ。」

 

その発言に広場にいる全プレイヤーがざわつく。茅場晶彦だと?開催記念セレモニーでもする気か?俺は本心では違うとわかっていたが、心の中で皮肉を唱える。

 

茅場「さて、プレイヤー諸君のメニュー画面にはログアウトボタンがないことはもう諸君は確認済みだと思うが...これはバグなどではない。このゲーム本来の使用だ。」

 

一瞬広場から音が消える。本来の使用?何を言ってるんだ?まだ事態を飲み込めていない俺達だが、1人だけ発言した男がいた。

 

クライン「何言ってんだ?あいつ頭おかしいんじゃねぇの?」

 

クラインの呟きにより俺はわずかに冷静さを取り戻す。こんな状況じゃなかったらその言葉に乗っかって言葉を返していたのだが...あいにく今はそんな空気じゃない。

 

茅場「今からこの世界では、君たちのHPゲージが現実世界での君たちの命と同じとなる。つまりこの世界での死は現実世界の死を意味する。ここまではいいかな?」

 

うん、訂正あいつやっぱ頭おかしいわ。茅場は言葉を続ける。

 

茅場「すでにこの世界から213人のプレイヤーの消滅を確認している。その原因はナーヴギアを無理矢理外そうとした結果だ。つまり外から外すことは出来ない、もし警告を無視し、ナーヴギアを外そうとした場合は君たちの脳は高出力のマイクロウェーブにより脳を焼き切られるだろう。」

 

思考ぶっ飛んでるな。こんなこと有り得ないだろ、普通...頼むから冗談だと言ってくれよ!

 

茅場「この世界から出る方法はただ1つ、このアインクラッドの100層にいるボスを倒してゲームをクリアする以外は存在しない。」

 

おいおい...βテスト時でさえあまり上にはたどり着けなかったってキリトから聞いたぞ?それを100層?まじで馬鹿げてる。

 

茅場「さて、そろそろチュートリアルは終了とさせてもらうが、プレイヤー諸君に私から2つほど用意させてもらった。1つは君たちのアイテムインベントリに、もう1つはこの世界に足を踏み入れた時点で誰か1人が受け取っているはずだ。」

 

1つ目は知らないが、2つ目には心当たりがあった。<格闘術>というスキル...恐らくこれがそうだ。

 

もう1つはインベントリの中?...手鏡?俺はその手鏡を実体化させると覗き込む。

...瞬間辺りを包み込むのは眩い光だ。広場の中で次々と同じ光が上がる。

 

イア「...なんだったんだ?キリト!シリカ!クライン!大丈夫か!?」

 

俺は隣を見る。クラインとキリトの声が上がる。

 

キリ・クラ「「お前がクラインか!?(キリトか!?)」」

 

信じられなかった。そこにいたのは現実世界のカズだった。どうなってる!?なぜこの姿なんだ!?

 

イア「お前ら、その姿は!?」

 

慌てていた俺は頭の中で思ったことをそのまま言ってしまう。

 

キリト「お前だってその姿は...」

 

やっぱ俺も姿が現実世界のものに変わってるのか!とりあえず、まだシリカの無事を確認していない。俺は辺りを見渡す。

 

イア「シリカ!どこだ!?」

 

見当たらない...どこだ!?まさか...現実世界で誰かナーヴギアを外そうとしたのか!?と最高潮のパニックを迎えそうになった時、声が聞こえた。

 

シリカ「イアさん!どうしてこんな...」

 

隣にいた小さな女の子、どう見ても俺より年下の彼女、シリカのその目は今にも泣きそうだった。しばらく見守っていた茅場が再び口を開く。

 

茅場「気に入ってもらえたかな?それではプレイヤーの諸君、頑張って攻略してくれたまえ。忘れるな、「これはゲームであっても遊びではない。」ではチュートリアルは終了だ。健闘を祈っているよ。」

 

茅場はその言葉を最後に空へと溶けるように消えていった。すぐに広場は怒鳴り散らす者、泣き叫ぶ者、絶望する者で溢れかえる。そんな中キリトだけはすぐに行動を起こそうとする。

 

キリト「イア!クライン!シリカ!こっちだ!すぐに次の村に移るぞ!ここはすぐにモンスターが狩り尽くされる!少なくとも次の村にすぐ来るやつは限られるはずだ!行けるか!?」

 

俺はもちろんすぐに行ける、しかしシリカは俯いたままだ。声をかけようとするとクラインが声を上げる。

 

クライン「すまねぇ!キリト...俺は行けねぇ、俺のリア友もこの世界にいるはずなんだ...そいつらを置いていくなんて真似は俺ゃあ絶対にできねぇ!」

 

情に厚いんだな。クラインの返事を聞いたキリトは少しだけ俯く。俺はその間にシリカに話しかける。

 

イア「シリカ?大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

俺の問いかけにハッとしたシリカは我慢していたものが溢れたのか...

 

シリカ「い、嫌ぁぁぁぁぁ!!!お母さん!お父さん!誰か!!助けてよぉ...」

 

まずい!俺は必死に声をかける。

 

イア「落ち着け!約束する!これからどんなことがあろうと...俺は絶対君を見捨てない!絶対だ!」

 

少々熱くなりすぎてプロポーズみたいになっているが、そんなこと気にしている場合ではない。とにかく早くシリカを落ち着かせて次の村に行かないといけない。キリトもクラインと話終えたようだ。シリカも少し落ち着いたみたいだ。

 

シリカ「イアさん...あたしは、足手まといになると思いますよ?それでも...あたしを守ってくれるんですか...?」

 

そんなこと決まっている!即答する。

 

イア「約束する!さあ、行くぞ!」

 

シリカの手を取り、キリトとともに町の外へと駈け出そうとする。その時後ろからクラインの声が飛んでくる。

 

クライン「キリト!イア!お前ぇらその姿の方が俺ゃあ何倍も好みだぜ!俺もすぐに追い付いてみせる!くたばんじゃねぇぞ!」

 

こんな状況じゃなきゃ完全にホモみたいなセリフだな...俺とキリトは同時に口を開く。

 

イア・キリ「「お前もその野武士ヅラの方が何倍も似合ってるぞ!そっちこそくたばるんじゃねぇぞ!」」

 

一字一句間違えなくキリトと同じセリフだ。流石幼馴染だわ。そして俺達3人は未だ動けずにいるプレイヤー達に背中を向け走り出した。この先にあるのは悲しいことばかりだろう...しかしシリカ、彼女は最後まで守り抜いてみせる!その誓いを胸に抱き、ずっと握ったままの彼女の手をより力を込めて握り、始まりの町を走り抜けたのだった。

 




茅場のセリフ長いわあ...
やはり少しグダってしまいます。
こんな文章でよければ次回もよろしくお願いします。


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命の重さ

今回は読みやすさを追求していきたいと思います!
それではどうぞ!



始まりの町を出て、俺達は<ホルンカの村>という場所に着いていた。何でもキリト曰くここのクエスト報酬にアニールブレードって名前の片手用直剣があるらしい。

 

余談だがここに来るまでにモンスターを倒しているので俺がLv3、キリトがLv3、シリカがLv2といった具合だ。

 

イア「んで?そのアニールブレードを貰えるってクエストの内容は?」

 

隣で歩くキリトに聞く。

 

キリト「まあ...着いて来れば分かるぜ。」

 

キリトはなぜか苦い顔をしていた。

 

シリカ「片手用直剣ってことは...あたしは短剣だから使えないですね。」

 

シリカは少しばかり残念そうだ。

 

別に使えないわけではないが、シリカは短剣スキルをメインにしてその他に使えそうなスキルが増えたらスキルスロットを埋めていくという感じにしたようだ。それにしても...

 

イア(よかった...すっかり落ち着きを取り戻してくれて...)

 

俺は実のところ心配だった。守るとは誓ったものの俺はβテスターじゃないから知識はない。その上戦闘も初心者だ。たまたま運で抽選スキルが当たっただけで期待されても困る。勢いであんなことを言ったが...一応心の支えとなってくれているようだ。

 

キリト「着いたぜ。」

 

キリトの足が1軒の民家の前で止まる。

 

イア「ん?あぁ。」

 

少しばかりボ~っとしていたようだ。

 

とりあえず民家の中に入る。中にいたのは台所に立っている女性のNPCだった。

 

「ようこそ、旅の剣士様。せっかく来ていただいたのに、今は水しか出せません。申し訳ありません。」

 

話している最中に隣の部屋からずっと子供が咳き込む音が聞こえてきていた。

 

女性が話終えると頭の上に「?」が出てきた。どうやらクエスト開始の合図らしい。

 

キリト「何かお困りですか?」

 

やはり経験者、手慣れた様子で女性に尋ねる。

 

「実は私の娘が...」

 

女性はゆっくりと語り始めた。

 

~数分後~

 

要約すると、このクエストの名前は<森の秘薬>というらしい。女性の娘の薬に必要なのが森にいるリトルネペントというモンスターからドロップする胚珠というわけだ。

 

イア「なんだ、結構簡単そうだな。」

 

クエストを受けた俺たちは、今は準備のために道具屋にいる。薬草などは買えるだけ買っておく。序盤のクエストだからそんな大した準備は必要ないと思うが、これは普通のゲームではない。自分たちの命、現実の命がかかっているんだ。

 

キリト「ちなみにな...ネペントには2種類いてな、花つきと実つきがいるんだが...胚珠は花つきからしか落ちないんだ...しかも花つきが出る確率が恐らくほぼ1%。」

 

イア「おいおい...まじかよ?」

 

道理で苦い顔をしていたわけだ。

 

キリト「それでも倒し続けていれば出現率は上がっていくからまだましだ。」

 

シリカ「でも大変そうですね...頑張りましょう!」

 

イア「なら...どっちが多く倒すか勝負だな、キリト!」

 

キリト「上等だ、受けて立つ!」

 

俺とキリトは友達だがライバルでもあった。昔から勝負ごとに関しては2人とも負けず嫌いだったため、勝敗は五分五分といったところだ。

 

イア「さてと、そんじゃ行きますか!」

 

この言葉を皮切りに俺達3人は森の中へ足を踏み入れた。

 

~数分後~

 

イア・キリ「「35!!!」

 

思わず目的も忘れそうになっていた。しかしまだ胚珠も出てないため勝負は続行しなければならない。

 

シリカ「うぅ...気持ち悪い!」

 

シリカはこのタイプのモンスターが苦手なのか近づかれると腰が引き気味になるもののきっちりと弱点にスキルを当て、すぐに片づけていた。本当に初心者なんだよな...?

そして...36匹目を片づけた瞬間俺とキリトのLvが5へと上がった。

 

同じタイミングで後ろの方からガサガサと物音が聞こえる。

 

?「や、やあ。レベルアップおめでとう。」

 

そこから出てきたのはモンスターではなく、プレイヤーだった。

 

キリト「どうも...」

 

この現実の姿になってから、キリトは軽くコミュ症を再発させていた。重度のコミュ症ではないがキリトは現実世界では人との関わり方が下手だ。

 

?「もう胚珠は出たのかい?」

 

イア「全然だ。そっちは今ここに来たのか?」

 

俺は一応聞いておく。

 

?「そうだよ。まだ出てないなら...一緒にやらないかい?人数が増えた方が効率がいいだろ?」

 

その通りだと思いキリトに目で合図する。

 

イア(どうする?)

 

キリト(まあ...その通りだし、そうするか。)

 

これは昔から決めていた俺たちのアイコンタクトだ。誰にも聞かれたくない会話の時に利用する。

 

キリト「OK、よろしく、俺はキリト。」

 

イア「イアだ。よろしく。」

 

シリカ「シリカです。よろしくお願いします。」

 

コペル「僕はコペル。よろしく、みんな。」

 

自己紹介も手短に4人となった俺たちはネぺント狩りを再開した。

 

~数分後~

 

ようやくすこしづつ花つきが出現し始めた。俺とキリトは未だに勝負が続いている。

 

イア・キリ「「50!!!」」

 

50匹目で花つきからなにか落ちたようだ。

 

イア「あ、胚珠出たわ。」

 

キリト「え?...今回は俺の負けか。」

 

よし!勝った!これでやっとペース落とすことが出来るわ。俺がホッとしていると

 

シリカ「あれ?花つきでもなく、普通のでもないやつがいますよ?」

 

シリカの視線の先には今まで倒してきたものとは別のネペントがいた。

 

イア(キリトあれは?)

 

キリト(あれが実つきだ。あの実は攻撃するなよ?あれが割れたら匂いで大量のネペントが寄ってくる。)

 

俺は頷いて、近くにいたシリカにそのことを伝える。1人ずつ伝えているのは大声をだすとモンスターが寄ってくるかもしれないという心配からだ。次にコペルに伝えようとして、視線を移すと、

 

コペル「ごめん...みんな。」

 

コペルはそう呟いていた。

 

何のことか分からずに呆然としているとコペルは片手用直剣単発スキル<スラント>を発動し、実つきの実を切りつけていた。

 

キリト「なっ!?」

 

イア「おい!?」

 

シリカ「え!?」

 

コペルは実を割り、俺達に背中を向けていた。

 

コペル「本当に...ごめん!!」

 

そのまま走り出すコペル。

 

イア(どういうことだ!?伝えるのが遅れたにしても、行動が早すぎる。そもそもコペルがここに来たのは...あいつはβテスターか!)

 

キリト「まずいぞ!このままじゃ...」

 

焦るキリト。

 

シリカ「どう...して?」

 

シリカは突然のことに頭がついて行っていない。

 

コペルのカーソルはいつの間にか消えていた。

 

キリト「隠蔽スキルか...」

 

キリトはコペルの消えた方向を見て、呟いた後俯く。

 

キリト「知らなかったんだな、お前。」

 

その呟きはどこか切なそうだ。

 

イア「どういうことだ?」

 

緊急事態のため簡潔に聞く。

 

キリト「隠蔽スキル、つまりハイディングが効くのは視覚があるモンスターだけだ、ネペントは視覚じゃなく...嗅覚で獲物の位置を割り出す。」

 

イア「じゃあ...あいつのしていることは?」

 

キリト「無駄だ。こっちはなんとか乗り切れるかも知れないが...あいつは1人だ。」

 

話していると、ネペントがうじゃうじゃと近寄ってくる。俺とキリトは怯えているシリカを守るように立ち、武器を構える。

 

イア「いけそうか?」

 

キリト「武器の消耗度はギリギリ、正直厳しい。」

 

イア「だよな~...」

 

イア(これは格闘術を使うことになるかもな...)

 

とりあえず俺たちは敵を殲滅すべく、武器を振り続けた。

 

しばらく経つとコペルの悲鳴が聞こえてきた。どうやら1人でもそれなりに戦っていたらしい。余裕が出てきたため、そちらに視線を向ける。ちょうど武器の消耗度が無くなり武器が壊れるところだった。

 

イア「っ!キリト!俺の武器を預ける!あとの敵頼めるか!?」

 

キリト「なんとか...なっ!」

 

短く会話を交わし、俺はキリトにスモールソードを渡す。そしてコペルの方へ走る。

 

イア「おらぁ!!!」

 

今まさにコペルを攻撃しようとしていたネペントを格闘術単発スキル<掌砲>を使い吹き飛ばす。<掌砲>とは助走による勢いと腰の捻りで最大力まで威力を高めた掌底だ。

 

コペル「っ!?どうして...?」

 

イア「目の前で死なれると後味悪いんだよ!この野郎!」

 

コペルは俯く。

 

イア「生きている以上は...生き続けて、命の重さを知りやがれ!」

 

俺は説教もそこそこにネペントを狩り続けた。

 

~数分後~

 

あれからネペントの群れを全て片づけた俺たちは、<ホルンカの村>へと戻ってきていた。あんだけ多く倒せば胚珠だって手に入る。目的も達成しているので長居は無用というわけだ。

 

イア「よし!アニールブレードゲットだな!」

 

キリト「あぁ...にしても疲れたな。」

 

アニールブレードを装備しながら俺はチラッとシリカとコペルの様子を見る。シリカはなんとか立ち直ってきたのか足取りはしっかりしている。一方コペルは俯いたままだ。

 

イア「とりあえず、これ。」

 

俺は胚珠を差し出す。

 

コペル「え?...どうして?」

 

イア「これはお前のもんだ。これを持ってる限りお前は今日の事を忘れることは出来ない。この世界で生き続けろ。それがお前の命の重さ、使命だ。」

 

中々に臭いセリフだが、コペルには聞いたようだ。

 

コペル「本当に...悪かった...もう2度とこんな真似はしない!」

 

決意に満ちた瞳をしている。これならもう大丈夫だろうと感じた。その後村で一晩明かし、俺たち3人はコペルと別れ、次の目的地に歩進めた。

 

現在のLv

 

イアLv7

 

キリトLv7

 

シリカLv5

 




いかがでしたか?
今回はコペルの生存についてとても悩みましたが...生存させることに決めました。
次回も見てもらえると幸いです!


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攻略会議

どうも、朝灯です。
UA700突破!ありがとうございます!
今回も楽しんで読んでいただければ幸いです!


~1ヶ月後~

 

コペルの件から1ヶ月の月日が流れた。プレイヤーは約2千人が死んだ...

 

イア(2千人...途方もない数だよな...)

 

SAOの全プレイヤーは1万人、その中の二千人。本当に笑えない。

そんなことを考えながら俺はある町へとシリカと2人で向かっていた。キリトは迷宮区、つまりで言うところのダンジョンにここ数日通っていて姿を見ていない。

 

シリカ「どうしたんですか、イアさん?考え事ですか?」

 

隣を歩くシリカが俺を見上げ、尋ねてくる。俺は咄嗟にごまかす。

 

イア「...いや、今日開かれる会議について考えてただけだ。」

 

イア(シリカに聞かせるような悩みじゃないからな。)

 

俺は頭の中を切り替える。

 

俺たちが向かっている町、<トールバーナ>で攻略会議というものが開かれるみたいだ。ついに迷宮区の最深部にあるボス部屋が見つかったと聞いた。初めてのボス戦だ。

 

シリカ「ボス戦、ですよね?」

 

1ヶ月も経てば慣れてくるものなのだろう。シリカは最近ではみるみる内に成長し、Lvも俺の1つ下だ。短剣使いらしい俊敏な動きで俺に即興で合わせてくれるまでになっていた。

 

イア(シリカは強い。まだ幼いはずなのにしっかりとした芯の強さを持っている。)

 

シリカ「あ、町が見えましたよ!」

 

どうやら考え事をしている間に<トールバーナ>へ着いたようだ。恐らくキリトも来ているだろう。更にそんなことを思いながら俺たちは町へと急いだ。

 

会議が開かれるであろう広場にはすでにプレイヤーが集まり、今まさに中央にいた青い髪の男が声を上げたところだった。

 

ディアベル「そろそろ始めたいと思いまーす!俺はディアベル!職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

男、ディアベルはそう言うと周りから笑いが起こり

 

「本当は勇者って言いたいんだろ~!」

 

などの声も飛んでいた。こいつは人を指揮するのが上手そうだなと感じた。

 

イア(さて...キリトは...いた。)

 

素早く視線を動かすと広場の階段の左上ぐらいに見慣れた顔ともう1人、シリカとは色違いのケープを羽織ったプレイヤーがいた。言い忘れていたが、シリカは今顔を隠すためにマントのような布、ケープを羽織っている。シリカ曰く、女性プレイヤーは声をかけられることが多くて面倒だから顔を隠しているとのことだ。シリカを連れ、近づいて声をかける。

 

イア「遅れた、悪い。」

 

キリト「始まったばかりだ。」

 

簡潔に言葉を交わすと俺はキリトの右隣、シリカは俺の右隣に腰を下ろした。

 

?「あなたの知り合いなの?」

 

不意にキリトから少し距離を取って座っているケープを羽織ったプレイヤーが言葉を発する。声からして女性だ。

 

キリト「あぁ、そうだけど?」

 

キリトは質問に答えるが、聞いた本人はあまり興味が無さそうだった。

 

俺たちが話している間に会議は本題に入ったようだった。

 

ディアベル「すでに噂になっていると思うが...俺たちのパーティがボス部屋を見つけた!ここまで1ヶ月かかったけど、これでやっと全プレイヤーに希望を与えることが出来る!そうだろ、みんな!」

 

イア(顔もイケメンなら言ってることもイケメンだな...)

 

試しに、よっ!イケメン!とでも叫んでみようと考えていると別の男の声が広場に響く。

 

?「ちょお待ってんか!ナイトはん!」

 

広場にいるプレイヤーが声の主へと視線を向けているとその人物はディアベルのところまで下りてくる。

 

キバオウ「わいはキバオウってもんや!途中ですまんが、1つだけ言わせてもらうで!」

 

ディアベル「何かな?」

 

キバオウ「こん中に今まで死んでいった2千人に詫びいれなあかんやつがおるはずや!そいつらに土下座してもらった上に今まで溜め込んだアイテム、装備を全てこの作戦のために軒並み提供してもらわんと、命を預かれんし、命は預けられんで!!」

 

イア(何言ってんだあのサボテン。)

 

俺は心からそう思った。

 

ディアベル「キバオウさん、それはつまり元βテスターの事を言ってるってことでいいのかな?」ディアベルの顔が険しくなる。

 

キバオウ「そうや!!β上がりどもはこん糞ゲームが始まった瞬間から、わいら初心者を置いて始まりの町から消えおった!!自分らだけは上手い狩場やクエストを独占してポンポン強くなってるにもかかわらず、わいらのことはずっと知らんぷりや!!!こん中にも少しは居るはずやぞ!!!」

 

俺は黙ってキリトへ視線を向ける。キリトは青白い顔し、何かをこらえるように奥歯を噛み締めていた。

 

イア(要するに...2千人が死んだのは自分たちを見捨てたβテスターのせいってか...)

 

俺は軽く腹が立ち文句の1つでも言ってやろうと立ち上がる。

 

?「発言いいか?」

 

その前に別の男が発言する。明らかに日本人ではない体躯、外国人だろう。

 

エギル「俺はエギルだ。キバオウさん、あんたはつまり2千人が死んだ責任を謝罪、賠償をしてβテスターに償えと言っているんだな?」

 

キバオウ「そ、そうや。」

 

エギルというプレイヤーの迫力に気圧されたのか、半歩後ずさるキバオウ。

 

エギル「...金やアイテムはともかく、情報ならあったぞ。」

 

エギルがそう言い取り出したのは町の道具屋に置いてあったガイドブックだ。

 

エギル「これ、あんたももらったよな?無料で。」

 

キリト「む、無料だと?」

 

キリトが何か呟いている。

 

キバオウ「も、もろたで?それがなんや!」

 

エギル「これは色んな情報が載ってる。しかし、これが公式のガイドブックならクエストの事までビッシリは書かないはずだ。」

 

キバオウ「それがなんや!」

 

エギル「これはβテスターが書いたものだ。情報があっても2千人死んだんだ、それは決してβテスターのせいじゃない。」

 

エギルの静かながら迫力のある言葉にキバオウも何も言えないようだ。

 

エギル「俺からは以上だ。」

 

言い終えたエギルはもといた場所に戻っていく。

 

ディアベル「そっちの人は?」

 

イア「あ、あぁ、...俺はイア。少しエギルさんの言葉に付け足させてもらう。」

 

キバオウ「何や?まだ何かあんのか?」

 

キバオウが噛みついてくるが構わず続ける。

 

イア「死んでいった2千人の中にβテスターは何人いたと思う?」

 

キバオウ「知るわけないやろ!」

 

イア「...300人だ。」

 

俺は静かに告げる。

 

キバオウ「何でそんなこと分かるんや!」

 

イア「鼠の情報だ。」

 

鼠とはアインクラッド初の情報屋のことだ。金さえあれば色々な情報を売ってくれる。その情報はほぼ確実だ。

 

イア「いいか?情報を知っていて、更にいいアイテムを持っていたかも知れないのにβテスターでさえ300人も命を落としたんだ。それが何を指しているか分かるか?」

 

キバオウ「...何や?」

 

イア「βテストの時とは情報も変わってる部分もあるかも知れないということだ。覚えておけ。」

 

言いたいことも言ったので俺は座る。キバオウも黙って元いた場所に戻っていった。

 

ディアベル「...会議を再開させてもらう。ここにいる人でパーティを組んでくれ!」

 

周りはすぐにパ-ティを作り始める。

 

イア「キリト、シリカ、そこのケープ羽織った人も組もうぜ。」

 

キリト「あぁ。」

 

シリカ「はい。」

 

?「えぇ。」

 

俺は既にキリトとシリカとはパーティなので、パーティ申請をケープのプレイヤーへと送る。申請が承諾されたことを確認し、新たに加わったゲージに目を向ける。

 

イア(「Asuna」、アスナか...)

 

名前を確認していると再びディアベルの声が響く。

 

ディアベル「よし!それじゃボス戦での役割を決めたら今日はもう解散だ!」

 

~数分後~

 

俺たちはボスの取り巻き潰しとなった。会議も解散され、今は俺、キリトが借りている小屋に帰ろうとしている時だった。...ちなみにシリカは俺たちの借りている小屋のすぐ近くの宿屋を借りている。

 

シリカ「イアさん、キリトさん、お風呂借りてもいいですか?」

 

俺たちが借りている小屋には風呂があった。シリカは初めて見たときすごく感動していた。懐かしく思っていると

 

アスナ「今、何て言った?」

 

アスナがものすごく食いついてきた。この後少し騒動?みたいなものが起こるのだが、それはまた別の話だ。

 

イア(そんなことより、明日は...ボス戦だ!)

 

俺は決意を固めておこうと俺は静かに目を閉じ借りている小屋へと帰るためにキリト、アスナ、シリカの後に続いて歩いて行った。

 

現在のLv

 

イアLv8

 

キリトLv9

 

シリカLv7

 

アスナLv7

 




今はテスト週間なので、あまり更新出来ません...
勉強ついでに話のネタを考えることにします!
では、また次回お会いしましょう!


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ビーター

久々の投稿になります。
今回も駄文ですが楽しんでもらえれば幸いです!今回からセリフの前の名前を省略し頭文字だけ取っています。
それではどうぞ!



12月4日、日曜日、午前10時。このデスゲームが開始されたのが11月6日、日曜日の午後1時なので、あと3時間でぴったり4週間が経過することになる。

 

今現在昨日の攻略会議の会場でもあった<トールバーナ>の噴水広場に44人のプレイヤーが集まりつつあった。昨日の第1回目となる攻略会議でついに1層のボス部屋を見つけたという報告から俺たちプレイヤーはボスを倒し、第1層を攻略すべくここに集まっていた。

 

イ「なあ、第1層のボスってどんなやつなんだ?」

 

俺は隣にいるキリトに問いかける。

 

キ「ん?あぁ、ここのボスの名前はイルファング・ザ・コボルドロード、武器は右手に斧、左にはバックラー、そして腰にはタルワールを所持しているやつだ。姿はβ時代と変わってないと思うが...武装までは分からない。」

 

キリトは簡潔に答えてくれた。

 

イ「やっぱ武装は代わってる確率の方が高いのか?」

 

更に質問する。

 

キ「はっきりとは言えないけど...そう考えたほうがいいだろ。」

 

俺とキリトが話しを終えると今度は別方向から質問が投げかけられる。

 

シ「代わってたらどうなるんですか?」

 

シリカは初心者故の質問をする。

 

キ「まず攻撃パターンとスキルが代わる。恐らくβ時代に見てない武器は出てこないと思う。でもそれを見切ることの出来るのは元βテスターだけだ。初心者は見たことのない武器やスキルに戸惑い、その隙に相手にやられてしまう、なんてことが起こりかねない。」

 

ア「何にせよ油断なんて出来ないってことよね。」

 

キリトの説明を聞いた俺たちは油断してた訳じゃないが、より一層表情を引き締める。

 

キ(ところでイア。)

 

今度はキリトが目で質問してくる。

 

イ(どうした?)

 

俺もアイコンタクトで答える。

 

キ(お前のその格闘術のスキル...ボス戦では使わない方がいいと思う。)

 

イ(一応理由を聞いとくわ。)

 

キ(まず抽選スキルはお前の持ってるものだけじゃない。抽選で当たってるプレイヤーはまだ4人ほどいるはずだ。それは前情報でみんな知ってる。)

 

イ(あぁ。)

 

キ(それを使えば間違いなくお前は嫉妬の対象となるからな。だからここぞという場面、もしくはピンチの場面だけ使え。)

 

イ(了解。)

 

俺とキリトがアイコンタクトの会話を終えると同時にどうやら全員集まったようだ。これから俺たち44人は迷宮区の1番奥のボス部屋に向けて出発する。その前に青髪のリーダーディアベルが俺たちに告げる。

 

デ「みんな、ありがとう!たった今44人が1人もかけることなく集まってくれた!色々と言いたいことはあるが、今は1つだけ言わせてくれ!...勝とうぜ!」

 

その瞬間湧き上がるうぉぉぉぉぉ!という声。

 

イ(絶対に勝たなきゃな!)

 

俺はそんなことを思い、迷宮区に向け足を踏み出した。

 

-午前11時、迷宮区到達-

 

-午後12時30分、最上階踏破-

 

とりあえずここまでは死者は出ていない。問題はここから先のボス部屋だ。最上階のボス部屋の前に到着した俺たちは一旦足を止める。再びディアベルが何か話すようだ。

 

デ「行くぞ!」

 

青髪の騎士は振り向き、そう叫ぶと扉を開け中に入る。

 

俺たちもディアベルに続き、うぉぉぉぉぉ!!という気合とともに足を踏み入れた。

 

広間に明かりが灯り、ボスが姿を現す。<イルファング・ザ・コボルドロード>その名前の下にHPゲージが4本出てくる。そして周りの穴から取り巻きである<ルインコボルド・センチネルが出現する。

 

俺たちは別の隊からこぼれてきた<センチネル>を対処する。その間俺は、チラチラとボスと戦うプレイヤーを見る。

 

イ(レイド隊のHPは約8割...このままいってくれよ?)

 

そんな思いとともに時は過ぎていった。

 

-数十分後-

 

ボスのHPゲージは残り1本となり、<イルファング・ザ・コボルドロード>は一際大きく叫ぶと後ろのタルワールを抜き取る。ここまでは本当に順調だった。

 

イ(なんだ?嫌な予感がする...)

 

俺と恐らくキリトとアスナ、シリカも何か感じとったようだ。

 

イ(なんだ...この感じは...)

 

俺たち4人がそんなことを思っているであろう最中にディアベルたちのパーティが前に出る。

 

デ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

気合も十分に放たれる片手剣垂直切りスキル<スラント>、それを見たキリトは突然叫ぶ。

 

キ「駄目だ!!!逃げろ!!!!」

 

そんな叫び声はスキル発動音に掻き消される。コボルドの王はニヤリと獰猛な笑みを浮かべると、タルワールではなく細い曲刀を振りかぶる。

 

イ(キリト!あのスキルは!?)

 

俺は急いでキリトにアイコンタクトを送る。

 

キ(あれはモンスター専用カテゴリースキル...カタナ用水平スキル<旋車>だ!攻撃範囲は360度だ!)

 

当然そんなものを躱せるわけもなく、ディアベルのパーティは直撃を受ける。まだそれだけならHPが減るだけなのだが、HPが減ると同時にディアベルたちのHPゲージの横にイナズマの表示が現れた。

 

キ「スタン!?」

 

スタン、それは麻痺を意味する。受けると当然動けなくなり、何をされても一定時間動けない。つまり...この状況はモンスターの前で動けなくなるってことは...

 

俺はこれから起こる最悪の未来が頭に浮かぶ。それを決定付けるかのようにコボルドの王は更に曲刀を光らせ、スキルを発動する。標的になったのは...正面に倒れている青髪の騎士だった。

 

<イルファング・ザ・コボルドロード>は短く唸りディアベルを空中へと打ち上げ、自身も飛び更にスキルを発動させる。

 

イ(このままじゃ...ディアベルは...駄目だ!!そんなことはさせない!」

 

駄目だ!の辺りから声に出しながら、俺は騎士を助けるべく駆け抜けた。

 

イ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

渾身の気合とともに空中用格闘術スキル<天牙>を発動し、虹色を纏いながら<イルファング・ザ・コボルドロード>を曲刀を蹴りつけ、弾く。

 

床に落ちるとまずディアベルたちを安全な場所に逃がすために行動を起こす。

 

イ「キリト!アスナ!シリカ!手伝ってくれ!」

 

仲間に向けて俺は言葉を発した。

 

キ「あぁ!」

 

ア「えぇ!」

 

シ「はい!」

 

イ「俺とキリトがボスを引き付けるからその間に安全な場所に運んで回復させてくれ!」

 

そう告げると俺とキリトはボスと対峙する。どうやら獲物を逃がしたことで機嫌が悪いようだ。すぐさま曲刀を振りおろしてくる。その攻撃をキリトが弾く。

 

キ「スイッチ!」

 

曲刀を弾かれ隙が出来たところに俺は格闘術単発スキル<掌砲>を発動し、殴りつける。少しボスのHPが減少する。回復が終わったのかアスナとシリカはこっちに走ってくる。

 

<イルファング・ザ・コボルドロード>は今度はスキルを使ってくるが、俺は<掌砲>キリトは<スラント>を使い弾き返す。

 

イ・キ「「スイッチ!!!」」

 

俺とキリトが同時に叫ぶとこっちに向かってくる2人からも

 

シ・ア「「はいっ!!!」」

 

と返ってきた。

 

そして俺とキリトは後ろに下がる。その瞬間アスナとシリカはフードを脱ぎ捨てる。そして露わになる2人の女性プレイヤーの顔。周りのプレイヤーは女性プレイヤーを見て、驚いているようだ。

 

俺自身もシリカの姿に見惚れていた。キリトもアスナの顔を見るのは初めてなのか、驚いていた。

 

驚くのはそれだけが理由じゃない。2人の剣技だ。アスナはレイピア、細剣を使う。ここまでは普通のプレイヤーと変わらないが、剣先がぶれて見えない。

 

イ(速すぎる!)

 

キリトはすでに知っているようであまり驚いてはいない。

 

一方のシリカは素早い動きで相手の攻撃を完全に見切っていた。

 

キ「すごいな...。」

 

イ「...あぁ。」

 

戦いの最中にのんびりしている場合ではないが、思わずそう漏らしてしまっていた。

 

そして再びスイッチが行われる。

 

俺は格闘術2連撃スキル<連掌>を発動させ、ボスに攻撃を行う。相手のHPは残り1割を切っている。

 

イ「キリト!いけるか!?」

 

キ「これで終わらせる!」

 

俺たちは短く言葉を交わし、スイッチを行う。

 

イ(さっき俺が2連撃を習得したから恐らくキリトもだろうな...)

 

キ「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

キリトは大きく叫ぶと<イルファング・ザ・コボルドロード>にスキルを発動させる。大きく下まで切りつけるとボスのHPゲージが大きく減少し、残り1ドットを残し止まる。コボルドの王は俺の勝ちだと言わんばかりにニヤリと笑いスキルを発動しようとするが、下まで到達したキリトの剣がVの字を描くように跳ね上がる。

 

そのスキルが終わるとコボルドの王は停止し、大きな音を残しポリゴンとなって消えた。

 

俺はキリトに近づき声をかける。

 

イ「お疲れさん。」

 

キ「あぁ、そっちもな。」

 

2人してニヤリと笑みを交わす。アスナとシリカもこちらに近づいてくる。その前に広場にいた体格のいい男、エギルが話しかけてきた。

 

エ「コングラチュレーション。この勝ちはあんたたちのおかけだ。」

 

エギルの発言を機に次々と声がかかる。

 

「ありがとう!」

 

「やったぜ!」

 

などみんなが口々に喜びを表している。そんな中突然

 

キ「なんでや!!」

 

とこっちに近づいてくる男がいた。

 

キ「なんでさっきのボスの武器が違うことをみんなに教えんかったんや!」

 

その男は広場でβテスターを非難したプレイヤー、キバオウだった。どうやらキリトの避けろと言う叫びが聞こえていたらしい。

 

キバオウの叫びを聞いた他のプレイヤーも

 

「そういえば...」

 

「そうだな...」

 

など疑問を口にし始めた。そしてその中の1人がキリトを指さす。

 

「お前!βテスターだろ!」

 

喜ぶはずの展開なのに周りはすでにキリトと俺を非難する空気になっていた。

 

キ「それに自分!なんでさっきの虹色のスキルを最初から使わへんかったんや!最初から使っとればこんなに苦労せんかったやろ!違うか!?」

 

それを聞いたシリカとアスナは俺とキリトをフォローしようとするが、俺たちはその間にアイコンタクトを交わし、ある決意をしていた。

 

イ(どうする?)

 

キ(このままじゃβテスター全員に被害がかかるな...俺に案がある、だけどこれはこれから俺をソロプレイヤーとして孤立させるものだ。...止めるなよ?お前を巻き込まないようにする。)

 

イ(俺がお前を1人にするわけないだろ?何を言われても俺は巻き込まれに行ってやるぜ!)

 

そして、フォローしようとしたアスナとシリカを両手の微妙な動きで制す。

 

イ・キ「「ははははははははは!!!!!」」

 

俺とキリトは高笑いをする。周りのプレイヤーは驚き、目を剥く。

 

キ「元βテスター?あんな素人連中と俺を一緒にしないでくれよ!」

 

キ「元βテスターのほとんどはレベリングのやり方も知らなかったんだぞ?今のあんたらの方がよっぽどましさ!」

 

キ「俺はβテスト中誰もたどり着けなかった層へと到達した!1人でな!そこで散々さっきボスが使ってたスキルを見続けたんだ!だから対策も知っている!」

 

キ「他にも色々と知っているぜ?それこそ鼠のアルゴなんか問題にならないくらいにな!」

 

「なんだよ!?それ!?」

 

「そんなのもうチーターじゃねぇか!」

 

「チーターとβテスター、2つ合わせてビーターだ!」

 

そんな非難の中、キリトはウィンドウを開きスクロールをするとアイテムをタップし黒いコートを身に着ける。

 

キ「ビーターか、いいね...使わしてもらおう、そうだ!俺はビーターだ!俺はこれから2層へ行き転移門を有効化しといてやる。」

 

キ「この上の出口から主街区までフィールドを少し歩く。ついてくるなら初見のモブに殺される覚悟しとけよ。」

 

キリトはそう言うとコートを翻し、ボスが座っていた玉座の後方の扉まで歩いて行き、先に上って行った。

 

イ(さてと...次は俺の番だな。)

 

イ「あいつだけじゃない!俺だってこの抽選スキルを親のコネで手に入れたんだ!俺の親は茅場晶彦の部下だ!他にも色々と優遇されてるんだぜ?」

 

イ「流石にログアウト出来なくなるのは予想外だったがな!」

 

キリトの上をいく発言に更に怒声や罵声が飛んでくる。

 

「汚えぞ!」

 

「虹色のエフェクトとコネ、お前はそのまま七光りだ!」

 

イ「七光りね...気に入った!使わせてもらうぜ!」

 

イ「俺はあいつのあと追う!死にたいやつから追ってきな!」

 

俺はそれだけ言うとキリトが上って行った扉へと歩き、そのまま2層へ続く階段を上った。

 

するとそこには先に行ったキリトが立っていた。

 

キ「よかったのか?あんなこと言って。」

 

イ「まあ、あの場合はあれ以外なかったからな。」

 

イ(俺の親が茅場晶彦の部下でコネで優遇されてるってのはあの場を乗り切る為の嘘だからな。)

 

俺とキリトが話していると後ろから声がかかる。シリカとアスナだ。アスナはキリトの方へ行き、シリカは俺の方へ来た。

 

イ「どうして来た?」

 

シ「確かに死ぬのは怖いです。でも守ってくれるんですよね?」

 

イ「...こんな俺に君を守る資格なんてない。別の頼れる人を探してくれ。」

 

シ「私も一緒に行きます。どんなことがあってもイアさんは私が守ります。」

 

少女の静かで力強い言葉を聞いた俺は

 

イ(これはどんなことがあっても諦めない人の目だ...)

 

と思い再び少女に誓う。

 

イ「分かった、俺も守って見せる。」

 

それを告げるとキリトの方へ向く。キリトもちょうど話終わり、アスナは1層へと降りていった。

 

キ「行くか。」

 

イ「あぁ。」

 

シ「はい!」

 

こうして第1層のボスを倒した俺とキリトは汚名を自ら被り、俺はシリカを連れ、2層へ続く階段を上って行くのだった。

 




長引きました!
まとめるのが上手ければこんなことにはならないんですが...
今回も感想お待ちしています!




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人物設定1

今回は登場人物の設定です!
感想で言われてたにもかかわらず今まですいませんでした!
それではどうぞ!


主人公:伊崎蒼也、HN:イア 二つ名<七光り><虹の拳士>

 

SAO開始時14歳 クリア時16歳 誕生日7月7日

 

身長は169cmぐらい、容姿は中性的な顔つき。髪はキリトと同じくらいで少し青みがかった黒。

 

使用スキル、片手用直剣、格闘術、隠蔽、索敵、その他はこれから増やしていく予定。

 

現実世界で体術をしており、身のこなしは軽く、格闘術スキルを完璧に使いこなすことが出来る。キリトとは家族ぐるみで昔から仲がいい。

 

困っている人は極力放っておけない正義感の強いタイプ。

 

<格闘術についての説明>

 

今作オリジナルの設定でプレイヤーがログインした時点で当選した者にのみ与えられる。もちろん原作と同じように特定の条件を満たすことで手に入るスキルもある。

 

<体術との違い>

 

体術スキルというのは便利ではあるが、ソードスキルほどの威力はなく完全に牽制用のためメインにはならない。

 

格闘術スキルは完全メイン用でソードスキルと同じ威力を持つ。スキル使用後の硬直時間を短くしたり、敏捷値が少し上昇する。

  

<装備>

 

キリトと同じような深い青色のコート、ブーツには薄い鉄板を仕込み、武器は片手用直剣<サイレントレイジ>という名前の深い青色の刀身の剣。

更にオリジナル武器のグローブ<紅烏>という武器を使用する。

 

グローブはプレイヤーメイド、モンスタードロップからも入手可能だが、この世界は剣の世界の為、人気は低く、滅多に使用されていない。

 

 

 

 

桐ケ谷和人  HN:キリト 二つ名<ビーター><黒の剣士>

 

SAO開始時14歳 クリア時16歳

 

原作と同じ容姿だが、コミュ症は蒼也のおかげで軽め。

 

スキルも原作通り、装備も原作通りだから変わりはない。

 

原作通りとなる二刀流で反応速度はプレイヤー内随一である。

 

 

 

<ヒロイン組>

 

綾野圭子 HN:シリカ 二つ名<竜使い>

 

SAO開始時12歳 クリア時14歳

 

今作のヒロインで初めてイアに会い、指導を受けてから彼にとても懐き、段々とイアに惹かれていく。

 

原作と同じようにピナという小さな竜をテイムする。初心者ながら戦闘センスは抜群で後にイアとともに攻略組となる。

 

 

結城明日菜 HN:アスナ 二つ名<閃光>

 

SAO開始時15歳 クリア時17歳

 

原作通りの容姿

 

キリトとともに過ごす内にキリトに惹かれていく。その剣技はもはや視認さえ難しい程の速度で後にその力と戦術を考える頭を買われ、血盟騎士団という大型ギルドの副団長を務める。

 

 

 

<原作との違い>

 

コペル、ディアベル生存。

 

主人公の前では極力死人は出さないつもり。

 

抽選ユニークスキルなどがあり、そのことは前情報として出回っていたためほとんどのプレイヤーは知っている。

 

オリキャラも出すかも知れない。

 




こんな感じですね。
今回は物語の中枢を担うキャラの紹介なので、サブのキャラ設定はまた別に出します。
主人公以外は大変短いですが、原作通りなので書きようがありませんでした...
主人公もあまり詳しくは無いかも知れませんが、大体このような感じです。

オリキャラなども読者のみなさんから募集するのでドンドンご意見下さい!

次回はかなり話が飛ぶと思いますが、黒猫団やピナの蘇生の話などはやっていきたいと思います!


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テイム

今回はテイムイベントについての話をしようと思います!
上手く書けるといいですが...それではどうぞ!




俺が<七光り>と呼ばれ始めてからも攻略は順調に進み、今現在は第8層まで進んでいた。

主街区<フリーベン>は周りを自然に囲まれた高い丘に位置している。

 

イ「スイッチ!」

 

シ「はい!」

 

俺とシリカは長年コンビを組んでいたかのように完璧なコンビネーションで狼のようなモンスター<ラグルフ>をポリゴン片に変えてから軽く息をつく。

 

イ「少し休憩にしよう。」

 

1時間ほどレベリングを続けていた俺たちはモンスターの湧かない位置に移動し休憩を取る。長時間の狩りは集中力が続かなくなるため危険だ。

 

シ「イアさん、これ食べます?」

 

そう言ってシリカが差し出してきたのはナッツだった。ちょうど甘い物が欲しいと思ってた俺は貰うことにした。

 

イ「ん?」

 

ナッツを口にしたところで俺の索敵スキルに何か反応がある。この位置には湧かないはずだから移動してきたのかと考えているとすぐ近くの茂みから音がし始める。

 

イ「シリカ!武器を構えろ!」

 

シ「はい!」

 

シリカは短剣<ローズフルラバー>を構え、俺はつい最近手に入れた7層フィールドボスLAボーナスの武器<スラスター>という片手用直剣を構える。

 

そして音がした方向から現れたのは小さな水色の竜だった。

 

シ「うわぁ!可愛い!」

 

シリカの目はキラキラしていた。

 

イ(倒し辛いな...)

 

どうしたものかと考えを巡らせていると、攻撃をしてこず頭を下げ始める。

 

イ(これって!?)

 

情報屋...鼠のアルゴから聞いた話では極稀にテイムイベントというイベントが起こるらしい。条件としては同種のモンスターを狩り過ぎないこと、それにそのモンスターの好物を与えるということだ。

 

イ「シリカ!何か食べ物を与えてみてくれ!」

 

俺は急いでシリカに指示を飛ばす。

 

シ「えっ!?は、はい!」

 

シリカは手に持っていたナッツをその小竜<フェザーリドラ>に与える。

 

イ(どうだ!?)

 

フェザーリドラはしばらく咀嚼を繰り返し、ナッツを飲み込む。

 

すると小竜はクルルッと一声を上げ、同タイミングでシリカの前にウィンドウが出現する。

 

イ「驚いたな...どうやらテイムに成功したらしい。」

 

シ「やりました!...よしこの子の名前はピナにします!」

 

素早くウィンドウを操作し名前を入力するシリカ。この世界で会って一番の笑顔だな。

 

イ「ピナ?」

 

俺は名前の由来を聞いてみる。

 

シ「はいっ!現実世界で飼ってる猫の名前です!」

 

ああ、なるほどと納得した俺はある提案を持ち出す。

 

イ「じゃあ、一旦町に帰って捕獲方法をみんなに教えてやらないか?」

 

シ「そうですね、レベリングのキリもいいですし。」

 

こうして2人と1匹となった俺たちは主街区に戻ることにした。

 

そして町に戻ってしばらくすると<フェザーリドラ>のいた森にはプレイヤーが溢れかえったことは言うまでもないことだった。

 

ちなみに後で知った話だが、<フェザーリドラ>はかなりのレアモンスターで滅多なことでは遭遇しないらしい。

 

少しシリカが羨ましいのは内緒のことだ...

 




今回はかなり短めですね。
どうでしたか?想像しながらキーボード叩いてみました!
次回も話は飛ぶと思いますが、次回もお楽しみに!


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月夜の黒猫団編 涙の出会い

スランプって怖いですね...
話が全然思いつかず苦戦しました。
それでは今回もどうぞ!


SAOというデスゲームが開始されてから5ヶ月という月日が流れたある日のことだ。俺は珍しくシリカやキリトと一緒ではなく、1人で迷宮区に潜って素材を集めていた。

 

イ(とりあえずこんなもんでいいかな...)

 

俺はちょうど素材を集め終わり、転移結晶を使うのももったいないから歩いて迷宮区からでようとした。ちなみに今いる階層は現在攻略が進んでいる階層よりも10層以上も下なので危なげなく素材を集め終えることが出来た。

 

その時遠くから声が聞こえてきた。俺は気になり声の方向へと向かう。

 

キ「あの~ちょっと前支えてましょうか?」

 

イ(黒っぽい格好にあの声はキリトか...)

 

どうやら他のプレイヤーのパーティがモンスターと遭遇し苦戦してたところにキリトが通りかかり手助けを買って出たようだ。確かにそのパーティはバランスが悪く、5人編成のうち前衛と言えるのは盾とメイスを装備を装備した男1人で、他は短剣のみのシーフ型にクォータースタッフを持った棍使い、長槍使いが2人とメイス使いのHPが減ってもスイッチして盾となる仲間がおらず、ずるずると後退するのは必至の構成だった。

 

イ(キリトがいるなら問題ないだろうけど、一応俺も加わるか!)

 

俺は片手用直剣<ライトソフィア>を背中の鞘から出し、リーダーと思しき男に声をかける。

 

イ「俺も支えておきますよ!」

 

すると男は目を丸くし、

 

「ごめんなさい!それじゃあお願いします!」

 

承諾をもらったところで前衛に入り込んだ俺は隣の黒い男にアイコンタクトをする。

 

イ(キリト!何でお前ここにいんの?)

 

キ(素材集めだよ!お前もか?)

 

イ(まぁな、そろそろ武器を強化しときたいしな!)

 

キ(その武器十分強くないか?)

 

イ(用心にこしたことはないだろ?)

 

俺の武器<ライトソフィア>は15回ほど強化が出来る。すでに俺は10回ほど強化しており、現在は3S3D4Aという強化内容になっている。

 

Sは鋭さ、Dは丈夫さ、Aは正確さだ。

 

イ(それより珍しいな、お前が他人に干渉しにいくなんて。)

 

キ(さすがに目の前で困ってたら放っておけなかったんだよ...)

 

俺たちはアイコンタクトをしながらも目の前の敵を殲滅し終わった。

 

「我ら、月夜の黒猫団に乾杯!」

 

「「「「乾杯!」」」」

 

「んでもって、命の恩人のキリトさんとイアさんに乾杯!」

 

「「「「乾杯!」」」」

 

キ「か、乾杯...」

 

イ「乾杯!」

 

このパーティ、正確にはギルドの5人を助けてから俺とキリトは感謝の証の宴を開きたいと言われ、彼らとともに酒場に来ていた。

 

ケ「自己紹介がまだでしたね!僕はケイタって言います!」

 

キ「敬語じゃなくてもいい。」

 

テ「俺はテツオ!よろしくな、2人とも!」

 

イ「あぁ、よろしく!」

 

ササ「俺はササマル、助けてくれてありがとう!」

 

ダ「本当に助かった!俺はダッカ-、よろしく!」

 

サチ「怖かった...だから助けてくれた時すごく嬉しかった!えっと...私はサチ!」

 

自己紹介も終えて、俺たちはわいわいと賑やかに過ごしていた。するとケイタが聞き辛そうに尋ねてくる。

 

ケ「これを聞くのはマナー違反なんだけど...2人って今レベルどれくらい?」

 

イ(本当のこと言うのか?)

 

俺はキリトに目で問う。

 

キ(...ここで言わなかったら、何か取り返しがつかなくなるかも知れないけど...言ったら軽蔑されるだろうな...)

 

イ(その時はその時だろ、決めてただろ?俺たちがビーターと七光りと言われ始めた頃から他人に火の粉がかからないようにあまり人に関わらないようにしようってな。)

 

キ(そうだな...正直に話す。)

 

イ(おう、あっ!でも俺たちのことを気にかけてくれるやつだっているんだからさ!あんま気にすんなよ!)

 

キ(分かってるつもりだ。)

 

目での会話を終えた俺とキリトはケイタに向き直り、正直に話すことにする。自分たちがビーターと七光りだということを。

 

キ「レベルは40だ。」

 

イ「俺は39だ。」

 

ケ「え!?僕たちより20は上じゃないか!じゃあもしかして攻略組だったりするのか!?」

 

イ「確かに攻略組だ、それもソロプレイヤーのな。」

 

キ「ビーターと七光りって聞いたことあるだろ?」

 

ケ「...もしかして2人がそうなのか?」

 

イ・キ「「...あぁ。」」

 

話終えた俺たちは俯き、ケイタの言葉を待つ。

 

ケ「...もしよかったら、僕たちのギルドに入らないか?」

 

一瞬、何を言われたのか理解出来ずに固まってしまった。

 

イ・キ「「は!?」」

 

突然のことに対応出来ずに反射的に聞き返す。

 

イ「話聞いてたのか!?俺たちは...」

 

俺がもう一度説明しようとするとケイタに遮られる。

 

ケ「確かにビーターと七光りのことは知っているよ。」

 

キ「なら!何でだよ!」

 

キリトもいつもとは違い声を張り上げる。

 

ケ「でもさ、僕には2人が悪人に見えないんだ。本当に噂通りならきっと僕たち5人を助けることなんてせずに見て見ぬ振りをしてたと思うよ?みんなはどう思う?」

 

ケイタの問いに先に答えたのはテツオだ。

 

テ「まあ...俺たちにとってそんな悪名なんてささいなもんさ、俺は目の前で起きたこと...2人が助けてくれたことを信じるぜ!」

 

次にダッカ-。

 

ダ「何よりも困った時はお互い様!それがこの月夜の黒猫団のルールだ!」

 

続いてササマル。

 

ササ「命を助けられた借りは返すぞ!」

 

最後にサチ。

 

サチ「だから...もうそんな苦しそうな顔をしなくても良いんだよ?」

 

全員が喋り終ると1人1人立ち上がり、こちらに手を差し伸べてくる。

 

俺はふと頬を流れる雫に気づく。

 

イ(涙...そういえばこの世界にきて泣いたことは無かったな...。)

 

キリトの方をちらりと見ると同じように泣いていた。キリトも同じようにこちらを見て同時に頷く。

 

イ・キ「「...仲間に入れてくれ!」」

 

俺とキリトは目の前にある手を掴み、そう願った。

 

「「「「「喜んで!」」」」」

 

俺は知らなかった、この世界にも温かいものがあったんだと。何故かそこでシリカの顔が浮かんでくる。

 

イ(何か...無性にシリカに会いたいわ。)

 

そうしてきっとこう言うんだ。いつも傍にいてくれてありがとう!...と。

 

人の温かみの大事さを再認識した俺はメッセージウィンドウを開き、今日あったことを伝えるためにすぐにメッセージを飛ばしたのだった。

 




悩んだ末、キリトとイアは正直に話すことにしました。
今のとこ黒猫団生存ルートで進めることにしています。
...まだイアとシリカは付き合っていませんよ!
このままシリカルートでも面白くないのでオリジナルヒロインでも出そうかと考えています!

今回はさすがに話の流れに無理があったかも知れませんが...後悔はしていません!
それでは、また次回会いましょう!


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赤鼻のトナカイ

テスト週間終わりじゃあ~!
本当憂鬱ですね...あの紙の束
まあ、勉強なんてテストの1日前にノート見返すだけなんですけどね!
...それでは今回もどうぞ!


月夜の黒猫団に入団後、俺は自分のホームに帰ってきていた。そこまではいい。

 

シ「で?何か言うことはありますか、イアさん?」

 

イ「本当に申し訳ないと思ってます...」

 

今の状況を説明しよう。

 

さっきメッセージを飛ばす→家に帰る→シリカが何故かご立腹→俺、正座。今ここ。

 

イ(何か怒らせるようなことしたかな...?)

 

とりあえず理由を聞いておかないことには始まらない。...俺は意を決し、シリカに理由を尋ねてみることにした。

 

イ「あの...何で怒ってらっしゃるのですか?」

 

この問いにシリカは少し深呼吸をする。そして真剣に俺を見つめ理由を話してくれた。

 

シ「まず、パーティを組んでるあたしに相談もなくギルドに加入したことですね。」

 

イ「はい...。」

 

シ「それから...自分を悪く言って、自分を傷つけてまで...他人から距離を取ろうとしたことです!」

 

イ「...俺は別に気にしてないぞ?」

 

シ「またそうやって嘘をつく...。」

 

シリカはため息交じりに呟く。

 

イ「俺もさ...さっきまではそう思ってたんだけどな?...あいつらいいやつ過ぎてそんな考え吹っ飛んだわ。」

 

シ「...。」

 

黙ってその先の言葉を待つシリカ。

 

イ「確かに人を遠ざける行為を取ってたな...俺。ただ俺の悪名のせいでシリカやいろんなやつに迷惑かけることになるのは...やっぱ嫌だったんだよな。」

 

シ「それこそいい迷惑です!約束したじゃないですか!お互い守り合うって!」

 

イ「あぁ...それで、シリカ。」

 

シ「...何ですか?」

 

イ「いつも...傍にいてくれてありがとな!」

 

シリカは俺の言葉に目を丸くし、満面の笑みで言い放つ。

 

シ「こちらこそ...いつもありがとうございます!」

 

何とか機嫌は治ったようで、シリカはここ最近アスナと一緒に行動しているらしく、明日も早いのだろう。鼻歌交じりに自分の部屋に戻って行った。

 

イ(俺も明日は予定あるし、今日はもう寝るか。)

 

ここは俺の部屋なので、すぐにベッドに横になり、俺は深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

時刻は午前9時、今日の予定というのは俺とキリトで黒猫団のメンバーを強化しようという話だ。なんでも黒猫団は攻略組入りを目指しているらしい。

 

強化うんぬんでは無く、まずは陣形の確認が必要だ。危険が伴うが今日はフィールドで実際にモンスターを相手にしながら陣形の確認をすることになっている。

 

キ「スイッチ!」

 

キリトの掛け声に合わせてダッカーとテツオが前に出る。

 

現在の編成はケイタは棍、サチが長槍、テツオはメイス、ササマルは長槍、ダッカーは片手用直剣の盾持ちだ。

 

バランスの取れてなかった陣形も俺とキリトが前衛を務めることでグッと違ってくる。

 

イ(どう思う?)

 

キ(...みんな筋は悪くないけど、もう1人は前衛が欲しい。)

 

短く目でやり取りすると、モンスターを倒し終えたみたいなのですぐにこのことを伝える。

 

イ「みんな筋はいいと思う。でも...もう1人前衛が欲しいかな。」

 

剣3、槍2、棍1、メイス1、これだけ見れば前衛は十分足りているが、それは俺とキリトがいるからだ。黒猫団に加入する期間は1ヶ月だけとみんなで決めている。俺たちがいなくなれば再びバランスの悪いパーティとなるだろう。

 

ケ「うん...そのことについては圏内に戻ってから話そう。」

 

ケイタも考えていたらしく、街に戻って話し合うことになった。

 

 

 

 

キ「どうするんだ?」

 

街の酒場に戻るなりキリトは切り出す。黒猫団はまだ自分たちのギルドハウスを持っていないため彼らが借りている宿の酒場で話し合うことになった。

 

ケ「う~ん、槍使いの2人のどちらかが片手用直剣の盾持ちにスキルを変えるのが一番だと思うんだけど...」

 

サチ「っ!」

 

サチはビクッとする。

 

普通女の子は前に出したくないよな...それは女の子の中にはアスナやシリカのように前で戦える子もいるだろう。

 

ササ「俺、やr「待って!」

 

サチ「私がやる。」

 

みんなは驚くが、そのままサチの言葉を待つ。

 

サチ「確かに怖いよ...今まで後ろでチクチクやってただけなんだから...でもいつまでも怯えるのは嫌だから!」

 

イ(この世界の女の子はみんな強いんだな...。)

 

キ(...そうだな。)

 

ササ「分かった。でも、俺も一応練習はする。無理な時はいつでも代われるように。」

 

この日見たサチの真剣な瞳の奥に宿った意志の光を俺は忘れることはないと思った。

 




書いている内に流れでこんなことに...だから考えて話を書けと...
それに加えて短いです。ごめんなさい!
よければ次回もよろしくお願いします!


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赤鼻のトナカイ2

話を考えるのに必死で授業をまともに聞いていない作者です。
文才があればすぐに書けるんでしょうね...
それでは今回もリンクスタート!




黒猫団と一緒に過ごすのも、残りわずか1週間となった。

 

結論から言おう。前衛に転職したサチはクイックチェンジという武器を素早く変えられるスキルを駆使し、様々な武器の熟練度を上げるスタイルを取った。

 

イ(よく1ヶ月だけでここまでこれたもんだ...。)

 

月夜の黒猫団のメンバーは最初出会った時に比べるとかなり強くなっていた。

 

元からあったコンビネーションを活かし、隙の無い攻防を繰り広げる。そして、個々の強さも上がり、後は経験を積めば攻略組に入ることが出来るだろう。

 

ケ「コルも溜まったし、そろそろギルドのホームを買おうと思うんだけど...どう思う?」

 

今日の特訓を終えて、メニューウィンドウを開いていたケイタがみんなに告げる。

 

ダ「おぉ!まじで!?」

 

まるで子供のようにはしゃぐダッカ-。

 

ササ「ようやくか~!」

 

落ち着いてはいるが、やはり嬉しいのだろう、ニヤニヤするササマル。

 

テ「賛成!」

 

待ってました!と言わんばかりに賛成するテツオ。

 

サチ「これでようやく本格的にギルドが出来るね!」

 

そして、ホッと一安心するサチ。

 

キ「おめでとう。」

 

イ「おめでとう!」

 

最後に嬉しいくせに照れてクールに振る舞うキリトといつも通りの俺。

 

ケ「じゃあ、早速買いに行ってくるよ!」

 

俺たちの視線を背中に受けたケイタは転移門から目的地に移動していった。

 

イ「俺たちはどうする?」

 

ダ「提案!ホームを買うとコルすっからかんになるだろ?今の内に少しでも多く貯めとこうぜ!」

 

キ「でも、この階層じゃあんま稼げないだろ?」

 

ダ「今の俺たちなら少し上に行っても余裕だって!」

 

テ「そうだよな!」

 

ササ「いいと思う!」

 

サチ「でも...まだちょっと怖いかな。」

 

イ「あんま無理はしない方がいいけど...俺とキリトもいるし、いいんじゃないか?」

 

ダ「よ~し!決定!早速行こうぜ!」

 

そして俺たちも転移門へ向かう。

 

この時、俺は完全に油断していた。あんなことが起こるとも知らずに...。

 

~20分後~

 

 

サチ「スイッチ、行くよ!」

 

イ・ダ「「おう!」」

 

やはり今の黒猫団は少し上の層でも十分戦える。俺たちはすぐに目の前のモンスターを蹴散らす。

 

キ「お疲れさん。」

 

イ「おう。」

 

戦闘を終え、少し息をつく。

 

ダ「おい!ここに何か扉があるぞ!」

 

ダッカ-の声に俺とキリト以外の黒猫団のメンバーは隠し扉にテンションが上がる。

 

イ(この層ってマッピング完璧だったよな?)

 

キ(そのはずだぞ?)

 

キ「みんな!待ってくれ!」

 

不信に思ったキリトはすぐさま指示を飛ばす。

 

サチ「どうしたの?」

 

イ「俺たちはここをすでにマッピングしているけど、こんな隠し扉知らないんだよ。」

 

キリトに代わって説明を行う。

 

ダ「まじかよ!?大発見じゃん!」

 

キ「だから何があるか分からないから...入らない方がいいと思う。」

 

ダ「大丈夫だって!今の俺たちならいけるいける!」

 

イ「キリトに賛成だ。危険すぎる。」

 

サチ「2人がこう言ってるんだし...辞めておいた方がいいんじゃないかな?」

 

テ「もしやばそうだったら転移結晶使えばいいって!行ってみようぜ!」

 

ササ「そうそう!」

 

キ(どうする?)

 

イ(...念のためにシリカたちにメッセージを飛ばした方がいいと思う。)

 

俺はそのことをみんなに言っておくことにした。

 

イ「...入る前に俺のパーティにメッセージを飛ばしておきたい。一旦迷宮区から出てもいいか?」

 

ダ「オッケーオッケー!俺たちここで待ってるから早く戻ってこいよ!」

 

イ「あぁ、悪いな。」

 

俺はすぐに迷宮区から出て、シリカにメッセージを飛ばす。迷宮区内ではメッセージは飛ばせないのがとてもめんどくさい。

 

イ<シリカ、未発見の隠し扉を下の階層で見つけた。何もないといいけど、一応アスナに連絡しておいてくれ。地図を送っておく。頼んだぞ。>

 

飛ばし終えると、すぐにシリカから返事が来る。

 

シ<分かりました!無茶しないで下さいね?>

 

これでよし。俺はすぐにキリトたちのところへと戻る。

 

 

 

イ「すまん、待たせた。」

 

キ「連絡は出来たか?」

 

イ「大丈夫だ。」

 

ダ「そんじゃ入ろうぜ!」

 

扉の中にダッカ-、テツオ、ササマル、俺、キリト、サチの順番で入る。

 

中は不自然なほど広く、奥の方に玉座が1つ置いてある。

 

テ「本当に何もないな...」

 

ダ「何だよぉ~!仕方ない、そろそろケイタも戻ってきてるだろうし...戻るか!」

 

ダッカ-に続いてみんなが入って来た扉へ向かう。...その時だった、辺りが明るくなり、玉座の辺りが歪み、何かが形作られていく。

 

<クイン・メデュ―サ>

 

名前がその歪んだ空間に表示されると、巨大なヘビと女が現れる。

 

そして、HPバーが3本表示される。

 

キ「こいつは...まさか、隠しボス!?」

 

ダ「おい!扉が開かねぇぞ!?」

 

イ「何!?」

 

キ「転移結晶は!?」

 

サチ「駄目!使えない!」

 

イ「クリスタル無効化エリア!?こんな下の階層に!?」

 

キ「戦うしかない...みんな!陣形を組め!俺とイアがなるべく前でタゲを取る!その間に横から攻撃しろ!」

 

イ「...格闘術を最初から使う、みんな絶対死ぬなよ!」

 

俺たち6人は巨大なメデュ―サにそれぞれの武器を構え、向かって行った。

 

 

~40分後~

 

攻撃パターンを解析しながら、何とかHPバーが残り1本を切る。

 

キ「攻撃モーションが変わるかも知れない!気を付けろ!」

 

キリトが指示を飛ばす中、<クイン・メデュ―サ>の髪の毛のヘビの目が光る。

 

...そして、サチから悲鳴が上がる。

 

サチ「きゃっ!?...足が動かない!?」

 

イ「メデュ―サ...もしかして石化か!?」

 

敵の目の前で動きを止めるなんて、殺してくれと言っているようなものだ。

 

メデュ―サはサチに向かって尻尾を振り下ろす。

 

イ(この距離じゃ間に合わない!)

 

俺はサチを守る為に走るが、間に合わず、サチは直撃を受ける。

 

直撃を受けたサチのHPバーはグングン減っていき、赤でギリギリ減少が止まる。

 

ダ「サチ!...っく!?邪魔だ!」

 

ダッカ-がすぐに救助に向かおうとするが、メデュ―サがそれを阻む。

 

キ「俺が行く!」

 

キリトは猛スピードで走りだし、すぐにサチの元へたどり着く。

 

イ「っ!?キリト!上!」

 

キリトの死角からヘビが近づき、目が光る。

 

キ「くそっ!」

 

サチ諸共キリトは固まってしまう。

 

イ(このままじゃサチが...)

 

次の攻撃が始まる前に2人を助けるために走ろうとするが、見た目の割に素早い<クイン・メデュ―サ>が俺の前に立ちはだかる。

 

そして石化して動けない2人に尻尾を振り下ろす。

 

?「はぁぁぁぁぁ!!!」

 

直撃寸前に何かが閃光の如き速度で尻尾の先端を弾く。

 

?「ギリギリセーフって感じね。」

 

その人物は...

 

キ「アスナ!?」

 

ア「イア君!2人を安全な位置に運んでポーション飲ませてあげて!」

 

イ「どうやってこの中に!?...いや、今はそれどころじゃない...アスナ!そいつのヘビの目が光った時に気を付けろ!動けなくなるぞ!」

 

俺は2人を移動させながら叫ぶ。

 

ア「了解!シリカちゃん、手伝って!」

 

シ「はい!」

 

なんとシリカもここに来ていた。...本当にどうやって入ってきたんだ?

 

俺は2人にポーションを飲ませると、残りHP僅かになっているボスを睨み付け、助走を開始する。

 

イ「アスナ!シリカ!スイッチ、頼む!」

 

シ・ア「「はい!」」

 

イ「うぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

俺は虹色を纏い、空中へと飛翔する。そのまま<クイン・メデュ―サ>の顔の前で宙返りをし、踵落としを放つ。格闘術空中単発スキル<飛旋>だ。

 

そのままメデュ―サは動きを止め、ポリゴン片となって消えた。

 




ご都合主義もいいとこですねw
ピンチになって味方が助けに来るとか...
次回は何故シリカたちが部屋に入ることが出来たのか、説明から入ると思います。

それでは...次回もよろしくお願いします!


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赤鼻のトナカイ3

休日最高!

...はい、というわけで休日でテンション上がってる内に投稿しておくかとPCに向かうものの、話が浮かばない!

前途多難です。

そんなこんなで今回もリンクスタート!




イ「それにしても...アスナとシリカはどうやってこの部屋に?」

 

LAボーナスを確認しながら2人に問いかける。

 

シ「簡単ですよ。この部屋は中から外に行けないだけです。」

 

キ「つまり...なるほどな。」

 

ア「外から中には入ることが出来たのよ。」

 

もし...もし俺がシリカにメッセージを飛ばしていなかったら...キリトとサチは死んでいたのかも知れない。

 

俺は安堵と共にゾッとしていた。

 

ダ「えっと...話の途中で悪いんだけど、その2人は誰なんだ?」

 

声がする方へ向くと、ダッカ-、テツオ、ササマルが疑問を顔に浮かべ、こちらを見ていた。

 

イ「紹介しておく、この小竜を連れてる子がシリカ。俺がずっとパーティを組んでる子だ。」

 

シ「シリカです。イアさんがいつもお世話になってます。」

 

キ「それでこっちの細剣使いがアスナだ。」

 

ア「初めまして。」

 

イ「それで右から順に、ダッカ-、テツオ、ササマル。黒猫団のメンバーだ。」

 

ダ「どもっす!」

 

テ「助けてくれてありがとう!」

 

ササ「助かりました!」

 

俺を除いた6人が会話をしている間に、俯いて座るサチの元へと駆け寄る。

 

イ「サチ?大丈夫か?」

 

サ「.............や。」

 

何か呟いているが、小さすぎて聞こえない。

 

キ「いつまでもここにいるのもあれだから...黒猫団の新しいホームへ移動して話をしよう。」

 

背後からキリトの声がする。

 

イ「サチ、移動しよう。」

 

サチは俺の言葉に力なく立ち上がりそのまま出口へと向かう。

 

イ(...大丈夫じゃなさそうだな。)

 

そんな不安を抱え、俺もみんなの後に続いて出口へと向かった。

 

***************************************

 

ケ「そうか...そんなことが....」

 

キ「あぁ...本当に危なかった。」

 

転移門の前に立っていたケイタに案内され、黒猫団のホームへと移動した俺たちは先ほどまでのことをかいつまんで説明した。

 

ケ「何にせよ...無事でよかったよ、みんな!」

 

ダ「そんな簡単にくたばらねぇよ!」

 

和気藹々とした空気の中、俺は1人ベランダへと出る。そのまま空を見上げ、ため息をつく。

 

シ「イアさん?どうしたんですか?」

 

空を見ていると、後ろからシリカが話かけてくる。

 

イ「...いや、ちょっとな。」

 

誤魔化すように笑顔を浮かべ、部屋の中に戻ろうとすると、すれ違いざまにシリカは口を開く。

 

シ「あまり...1人で抱え込まないで下さいね?」

 

その言葉に俺は軽く手を上げ、そのまま部屋に戻る。

 

ケ「よーし!今日はホームを買った記念パーティだ!」

 

テ「やったぜ!」

 

ダ「うひょぉぉぉ~!」

 

ケ「イア、キリト、シリカさん、アスナさんも楽しんでいってくれ!」

 

ア「それなら私料理作ります。」

 

シ「あ!あたしも手伝います!」

 

今夜は長くなりそうだな...俺は疲れを悟られないように、みんなの輪の中に入っていった。

 

***************************************

 

今日はクリスマス、12月25日だ。黒猫団にいるのも今日で最後になる。

 

イ「長いようで短かったな。」

 

キ「あぁ...そうだな。」

 

現在は夜、俺とキリトは黒猫団のホームで談笑していた。

 

キ「そんなことより、お前シリカと過ごさなくていいのか?」

 

イ「...一応このあと、店に食べに行く予定だけど?」

 

キ「聞くんじゃなかった...。」

 

となぜかがっくりと項垂れるキリトに俺は軽く尋ねてみる。

 

イ「お前こそ、アスナはいいのかよ?」

 

キ「...どうしてそこでアスナの名前が出るんだ!?」

 

こいつ...もしかして気づいてないのか?

 

イ「いや、予定がないならいいんだ、悪い。」

 

などと談笑していると

 

ケ「2人とも!」

 

突然ケイタが大声を張り上げる。

 

イ「どうかしたか?」

 

ケ「サチを見なかったか?」

 

キ「いや、見てないな。」

 

ケ「そうか...どこに行ったんだろう。探すの手伝ってもらってもいいかな?」

 

イ・キ「「あぁ。」」

 

俺とキリトはすぐにホームから出て、キリトが追跡スキルを使いサチが向かったとされる方向へと走る。

 

イ(まさか...自殺する気じゃないよな!?)

 

あのボスを倒した日から、サチの様子はおかしかった。ほとんど口を開かなくなり、フィールドに出て特訓がある日には何かと理由をつけて一緒に来なくなっていた。

 

俺は歯を食いしばり、キリトの後ろをついていった。

 

***************************************

 

そう遠くないところにサチはいた。

 

橋の下の奥の方に座っていた。

 

イ「サチ!」

 

俺の呼びかける声でサチは静かにこちらを向く。

 

サチ「イア、キリト....。」

 

そのまま黙ってしまったため、俺とキリトはサチの横へと腰を下ろす。

 

そのままサチが口を開くのを待つ。

 

サチ「どうして...ここが分かったの?」

 

キ「この世界には追跡スキルって言う便利なスキルがあるからな。」

 

再び静寂が訪れる。

 

サチ「...ねえ。」

 

イ「っ!?どうした?」

 

どこか...遠くを見ているような瞳を向けられ、俺は息を飲む。

 

サチ「2人とも...一緒に逃げよう?」

 

サチの願い...本音を初めて耳にした瞬間だった。

 




今回から*を場面切り替えの合図とします!

もう少し文字数を増やしたいですが...今回はここで切らせて頂きます!

それでは次回もよろしくお願いします!



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赤鼻のトナカイ4

最近本当に話が思いつかないです!

別にスランプってわけでもない...はずw

とりあえず今回もリンクスタート!


イ「逃げようって...何から?」

 

サチは自虐的に笑い、俺の問いに答える。

 

サチ「この街から。黒猫団のみんなから。モンスターから。......このゲームから。」

 

言葉の意味を理解しようと頭を捻っていると、キリトが恐る恐ると言った具合に口を開く。

 

キ「それは...心中しようってこと?」

 

キリトの思わぬ発言に俺は目を開き驚愕する。

 

イ(やっぱり...死ぬ気だったのか?)

 

俺は更に自問自答する。

 

サチ「ふふ......そうだね。それもいいかもね。.....ううん、ごめん、嘘。死ぬ勇気があるならこんな圏内に隠れてないよ。」

 

その言葉にホッと胸をなでおろす。しかし、どうすればいいのかはまるで分からないままだ。

 

サチ「あの死にかけた日から...あまり眠れないんだ。目を閉じると浮かんでくるのは...目の前に迫るボスの攻撃。」

 

サチはポツリと呟く。そして更に言葉を紡ぐ。

 

サチ「...どうしてこうなっちゃったのかな?なんでゲームから出られないのかな?どうしてゲームなのに本当に死ななきゃいけないのかな?......こんなことになんの意味があるのかな?」

 

そんな質問に俺たちはすぐに答えることが出来なかった。その質問の答えを個別に答えることは出来る。でも、サチが求めているのは...そんな答えじゃない。

 

それが分かったからこそ、俺たちは懸命に答えを探す。

 

やがて、キリトが何かを言おうと顔を上げる。

 

キ「きっと...意味なんてないんだ。この世界が始まった時にはもう大事なものは終わってたんだと思う。...だから誰も得なんてしない。この世界を作った茅場でさえもな。」

 

正直...キリトの言ってることは理解が出来なかったが、心のどこかできっとそうなんだと俺も納得していた。

 

イ「なあ...サチ?」

 

だからこそ、言わないといけないんだ。生きる意味、可能性を。

 

イ「死ぬのは怖いよな。」

 

サチ「当たり前だよ。」

 

イ「だよな...俺もキリトも、この世界のプレイヤーも、それが分かってるから、足掻き続けているんだと思う。このまま何もせずに終わるぐらいなら...いっそのこと戦ってしまおうってな。」

 

サチ「何が言いたいの?」

 

イ「俺も言っててよく分からなくなってきた。」

 

俺の言葉にサチはようやく少しだけクスクス笑う。先ほどまでの自虐的な笑みとは違い心から笑っている。そんな笑顔だった。

 

イ「だからさ...最後まで一緒に足掻いてみようぜ?サチの周りには仲間がいる。...きっとみんなが助けてくれるさ。」

 

サチ「無茶言うなあ。...死ぬのに怯えてる人に言うセリフじゃないよ?それ。」

 

少しムッとした表情をサチは浮かべる。

 

サチ「...でも、それも悪くないって思っちゃった。不思議だよね。」

 

キ「あぁ、そうだな。」

 

イ「さあ、みんな心配してるし、そろそろ戻ろうぜ。」

 

俺たち3人は橋の下から出て、ホームへと戻る。

 

ここから見える街の光は....まるで夜空に浮かぶ無数の星のようだった。

 

***************************************

 

ホームに戻ると既に俺とキリトの脱退式とは名ばかりのパーティの準備が整っていた。

 

ケ「さて...2人とも、1ヶ月間ありがとう!本当に助かったよ!」

 

イ「それは...こっちのセリフだ!」

 

キ「あぁ...本当に楽しかった。」

 

ケイタ、ダッカー、テツオ、ササマル、サチの黒猫団全員と握手をしてまわる。

 

ダ「湿っぽいのは無しだぜ?...さて!今日はクリスマス!」

 

テ「クリスマスと言ったら?」

 

ササ「プレゼント交換だ!」

 

それぞれウィンドウを開き、個別に用意したプレゼントを交換する。

 

俺のところには手紙が来た。

 

イ(なんだ?手紙?)

 

内容をすぐに確認する。

 

<この後少し、時間を下さい。待ち合わせ場所はあとでメールします。サチ>

 

一体なんだろうと思いながら、パーティはそのままお開きになった。

 

***************************************

 

サチ「イア。」

 

指定された場所、それは街を見渡せる高台だった。待っていると、サチがやってくる。

 

イ「どうしたんだ?」

 

サチ「あのね。...プレゼント、渡さなきゃって思って。」

 

イ「みんなの前じゃダメなのか?」

 

サチ「駄目だよ...恥ずかしいもん。」

 

人前で渡すのが恥ずかしいプレゼントって何だ?...俺は思考する。

 

サチ「...真っ赤なお鼻の~♪トナカイさんは~♪」

 

誰もが聞いたことのあるメロディーをサチが口ずさむ。

 

サチ「いつもみんなの~♪笑いもの~♪」

 

イ(なんか...こういうのいいな。)

 

最高のプレゼントだ。...形があるわけではないけど、心がこもってる。それだけで十分価値のあるプレゼントになる。

 

サチはそのまま一曲歌い終わる。

 

俺は黙って拍手をする。

 

サチ「メリークリスマス。イア。」

 

イ「メリークリスマス。サチ。」

 

サチ「必ず、君とキリトに追い付いてみせるから!」

 

イ「あぁ、待ってる!」

 

そこには数時間前まで、死ぬことに怯えていた少女の姿は無く、強く生きようとする少女の姿があった。

 

***************************************

 

サチと別れたあと、俺はシリカとの約束の場へと走っていた。

 

イ(俺ももっと強くならないとな!)

 

決意を新たに、クリスマス使用になった街を駆け抜けていった。

 




黒猫団編終了となります!

話は全く思い浮かびませんでしたがw

次回からどうなるのかは、お楽しみってことでお願いします!

それでは、次回も楽しんでもらえると幸いです!


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番外編:クリスマスの2人

月夜の黒猫団編の番外編です。

サチと別れたあとの彼と彼女のお話です!

はてさてどう転ぶのか...今回もリンクスタートです!


俺のクリスマスはまだ終わっていない。さきほどサチからクリスマスソングのプレゼントをもらったが、シリカとの約束が残っている。

 

一緒に過ごす予定の店に入ると視線を動かし、シリカを探す。

 

シ「あ、イアさん!こっちです!」

 

俺が見つける前にむこうは気づいたようで、呼ばれた方を向くとこちらにむかってブンブンと手を振っているシリカを発見することが出来た。

 

イ「もしかして...待たせたか!?すまん!」

 

席に近寄り、勢いよく頭を下げる。

 

シ「えぇ!?頭を上げてください!まだ約束の時間の前ですよ!」

 

時刻を確認するとまだ約束の時間の10分前だった。

 

イ「シリカはいつ頃ここに?」

 

シ「え~っと...大体20分前ぐらいですね。」

 

ってことは...

 

イ「約束の30分前に来てたのか!?なんで!?」

 

すると、シリカは頬を赤く染め、

 

シ「だって///...楽しみでしたから。」

 

目をうるうるさせながらそんなこと言われると...やばい可愛いすぎるっ!

 

イ「お、俺も楽しみだった。////」

 

耐えられず俺は顔を背ける。

 

シ「よかったぁ~、えへへ!////」

 

やばい!これ以上は...やばい!

 

イ「わ、忘れてた!メリークリスマス!」

 

シ「メリークリスマスです!」

 

イ「とりあえず...何か頼むか?」

 

何とか理性を保った俺は提案する。

 

シ「あ、はい!そうですね!」

 

イ「じゃあ...このケーキとチキンでいいか?」

 

シ「はい、大丈夫です!」

 

俺は手早くケーキとチキンを頼んだ。

 

***************************************

 

...何てことだ。この店、カップルだらけだ!

 

シリカもさっきから妙にソワソワして落ち着いていない。...これはシリカも気づいてるよなぁ...。

 

「はい、あ~ん!」

 

「美味しいね!」

 

など甘いセリフが店内には飛び交っている。

 

...壁だ!壁を持ってこい!

 

シ「イ、イアさん!」

 

急にシリカに名前を呼ばれて驚く。

 

イ「な、なんだ!?」

 

すると目の前にケーキの乗ったフォークが差し出される。

 

シ「あ、あ~ん...です。////」

 

俺は一瞬何が起きているのか理解出来ず、数回ほど瞬きをする。

 

イ「え!?あ、あの!?」

 

シ「やっぱり...嫌ですよね?」

 

シリカはしゅんとした顔になり、フォークを下げようとする。

 

イ「嫌じゃない!あ、あ~ん!////」

 

目の前のフォークからケーキを口に入れる。...いつもの数割増しで甘い!

 

イ「ほら、今度は俺だ...はい、あ~ん。////」

 

シ「あ、あ~ん!////」

 

結局そのあとは開き直ってしまい、ケーキ完食まで食べさせ合いを続けた。

 

***************************************

 

その後、ケーキを食べ終わった為、店を出てイルミネーションに彩られた街を歩く。

 

シ「...今日はありがとうございました。とても楽しかったです!」

 

隣を歩いていたシリカは不意に俺の前に小走りで出てきてお辞儀をする。

 

イ「俺の方こそ、楽しかった!」

 

照れくささでシリカを直視出来ず、俺はイルミネーションを見ながら頬を人差し指でかき、お礼を言う。

 

...今なら言えそうな気がするな。俺が伝えたかったこの気持ちを。

 

意を決し、口を開く。

 

イ・シ「「シリカ!(イアさん!)」」

 

全く同タイミングでお互いの名前を呼び合う。

 

シ「お、お先にどうぞ!」

 

イ「...じゃあ、お言葉に甘えて...。」

 

深く息を吸い込み、シリカを見つめる。

 

イ「...すk「おぉ~そこにいるのはイアとシリカちゃんじゃねぇ~か!」

 

誰だよ!今すごい大事な場面だろうが!

 

俺は苛立ちを隠さず、声の方をギロッと睨む。

 

イ「...何だ、クラインかよ。」

 

声の主は野武士面の男、クラインだった。どうやら少し酔っているらしい。この世界はアルコールまであるのかよ...。

 

ク「お前ぇらこんなとこで何やってんだよ?」

 

酔ってるせいか今がどんな場面なのかも区別がつかないようだ。

 

イ「何って...今日はクリスマスだろうが。」

 

ク「...そういやそうだったわ、俺も女の子とイチャイチャしてぇよぉ~!」

 

シ「...頑張ってください、クラインさん。」

 

シリカもどこか不機嫌そうだ。

 

ク「...慰めなんていらねぇ!」

 

クラインはそのままフラフラと何処かに歩いて行った。

 

...もう雰囲気も何も無くなったわ。

 

イ「ごめん、シリカ!この話はまたいずれ!」

 

シ「...はい、待ってます!」

 

クラインという邪魔が入ったが、それでも今日は最高の日になったと思った。

 

いつか...いつか必ず、伝えてみせる!...好きだって。

 

俺のクリスマスはこうして幕を下ろした。

 




何じゃこりゃあ...自分で書いててなんか悲しくなりました。

私はどちらかと言えばクラインサイドですので...

次回もよろしくお願いします...。


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番外編1 相棒

おかげ様で...UA4000突破致しました!

本当にありがとうございます!

書き始めた当初は、この小説伸びるのかなぁと不安だったのですが...これからも慢心せずに頑張ります!

それでは今回もリンクスタート!


イ「ふっ!」

 

短い気合とともに俺は格闘術3連撃スキル<掌鬼《しょうき》>を使い、相手のモンスターを吹き飛ばす。

 

現在攻略は65層まで進んでおり、このSAOが始まってから1年と半年、アインクラッド攻略はかなりのハイペースで行われていた。

 

イ「少し休憩するか...シ」

 

そこまで言いかけて1人でフィールドに出てレベリングをしていることを思い出す。

 

イ(まあ...いつも一緒にいたからこうなるのも当然か。)

 

俺の横には常にシリカというパートナーがいた。そのシリカは現在アスナのところに出向き、稽古を受けているらしい。何でも...

 

シ(いつまでも甘えてるわけにはいきませんから!)

 

ということらしい。

 

俺は嬉しいと思う反面少し寂しさを感じていた。

 

イ(俺はいつからこんなに甘えん坊になったんだ?)

 

少々弱音を吐きそうになるが、喝を入れ直し、レベリングを再開しようとすると...後ろから草をかき分ける音が近づいてくる。

 

イ「索敵スキルには...1つ反応があるな、モンスターだな。」

 

武器をグローブから剣に変え、ジッと相手の姿が見えるのを待つ。

 

「ぎゃう!」

 

イ「へ?」

 

茂みをかき分けて姿を現したのは、黒い...小さな

 

イ「狼?」

 

どうやら名前は<ファントムフェンリル>というらしいこの小さな肩に乗る程度の黒い狼。

 

「ぎゃう!」

 

イ(そういえば...ピナをテイムした時もこんな感じだったような?)

 

懐かしく思いながら、そんなことあるわけないと考えを改め、下ろしかけていた剣を構え直す。

 

「ぐるっ!」

 

突然目の前の狼は頭を下げる。テイムイベントだ。...嘘だろ!?

 

イ「何か...何か食い物!」

 

急いでアイテムインベントリを開き、中を探る。

 

イ「...さっき倒したやつから手に入れた固い肉しかねえ!?」

 

こんなんでいけるのか...と思いながらダメ元で狼に与えてみる。

 

「がう!」

 

狼はまず匂いを嗅ぎ、それから一口くわえ、一気に咀嚼し始める。

 

「がるる!」

 

狼が一鳴きすると俺の前に名前を決めるためのウィンドウが出てくる。...テイム成功したみたいだ。...まじかよ!?

 

イ「名前...名前か...」

 

ファントムフェンリル...

 

イ「よしお前は今日からリルだ!」

 

素早く<riru>と入力しOKボタンを押す。左端のパーティメンバーの体力ゲージが3つから4つに増えた。

 

イ(そろそろ帰るか...シリカにも報告しないといけないしな!)

 

俺はリルを肩に乗せ、街へと戻った。

 

***************************************

 

シ「イ、イアさん!?パーティメンバーが増えてますけど...誰ですかこの人!?」

 

ホームに帰るなり、シリカに開口一番はそれだった。

 

イ「あぁ、それは...」

 

シ「まさか...女の人ですか!?」

 

イ「いや、違うからな!?」

 

どうやらシリカはパニックで俺の肩に乗っているものに気が付いていないらしい。

 

イ「ほら、俺の肩を見て見ろ。」

 

シ「え...狼しか乗ってないですけど....って、えぇ!?」

 

ようやく気付いたみたいだ。

 

イ「こいつはリル、さっきたまたまテイム成功した。」

 

シ「そうなんですか!ほら、ピナ!お友達だよ!」

 

「くるるっ!」

 

「ぎゃうっ!」

 

ピナとリルは一目見て仲良くなったのか、そのまま部屋でじゃれ合い始めた。

 

イ「でも、大変だったぞ...街を歩いていたら急にみんなに声かけられて...。」

 

シ「仕方ないですよ、ビーストテイマー自体があまり多くないですから、みんな珍しいんですよ!」

 

イ「あぁ...どうやら<ファントムフェンリル>は希少なモンスターで滅多に現れないし、現れたとしても、本当に懐き辛いらしい。」

 

これはさきほどアルゴにメッセージで聞いておいた情報だ。

 

シ「何にせよ...これでまた賑やかになりますね!」

 

イ「そうだな!」

 

部屋でじゃれ合っているピナとリルを見ながら、俺とシリカは自然と笑顔がこぼれていた。

 




さて、とうとうイア君にもテイムモンスターが出来ましたね。

そろそろ物語も本格的になっていく!......といいんですけどねw

それでは次回もよろしくお願いします!


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鍛冶師(スミス)

人物設定のイアの武器、グローブの名前を<蜃気楼>から<紅烏(べにがらす)>に変更いたしました!

今回はタイトルのように鍛冶師が登場します!

誰とは言いませんよ?

それでは今回もリンクスタート!


イ「なぁ...キリト。」

 

キ「どうかしたのか?」

 

俺は自分の武器とキリトの武器を見比べて、思わず尋ねる。

 

イ「お前の剣を作った鍛冶師、紹介してくれないか?」

 

つい最近キリトは剣を作った。今は装備していないが...あまりの出来具合の良さに俺は驚いたものだ。

 

キ「別にいいけど...高くつくぜ?」

 

イ「あぁ、今はコルに余裕あるからオーダーメイド代ぐらいは普通に払えるぞ?」

 

キ「違う、紹介代だ。」

 

イ「そっちでコル取るのかよ!」

 

このまっくろくろすけ...予想外のことを言いやがる!

 

キ「まあ、冗談だ!...じゃあ今から言ってみるか?」

 

イ「そうだな、時間はあるし...案内してくれ。」

 

ちょうど転移門の前にいたため、すぐに転移が出来るしな。

 

キ「分かった。...転移!リンダース!」

 

俺たちは光に包まれ、目的層のリンダースへ運ばれていった。

 

***************************************

 

-48層主街区<リンダース>-

 

キ「リズ~?いるか~?」

 

店の外見を見た俺はオシャレな店だなと思った。水車が回る音がとても心地がいい。店の名前はリズベット武具店というらしい。

 

リ「何よ、突然連絡も無しに、武器のメンテ?」

 

キリトの知り合いの鍛冶師、それは女の子だった。顔は童顔、見た目は髪はピンクで服も全体的にピンク色でエプロンの白色が上手く調和している。

 

キ「悪い。今回はメンテじゃない。こいつが武器を作って欲しいらしくてな。」

 

リズという少女はキリトから目線をずらし、こちらを黙視したあと口を開く。

 

リ「あぁ~!ごめん!今ちょっと予約が多すぎて...オーダーメイドは受けられそうに無いのよ!」

 

キ「大変だな....仕方ないな、イア。」

 

イ「あぁ、別にいいぜ。」

 

リ「本当はあんたの頼みは極力聞くべきなんだけどさ...。」

 

イ(お前この子に何したんだ?)

 

キ(誤解だ!多分専属鍛冶師なのに手伝えなくてごめんって言いたいんだろ。)

 

イ(...専属鍛冶師だと!?)

 

いつの間にかキリトは専属鍛冶師なる人を見つけていたようだ。

 

リ「...あっ!じゃああたしが別の鍛冶師の子を紹介してあげるわよ!」

 

イ「本当か!?それはありがたい!」

 

キ「リズの知り合いか...腕はいいのか?」

 

キリトの問いかけにリズは胸をドンッと叩き、自信満々に頷く。

 

リ「安心しなさい!なんたってこのあたしの愛弟子だからね!」

 

キ「そうか、リズの弟子なら大丈夫だな...弟子!?」

 

この反応...どうやらキリトも知らなかったらしい。

 

リ「待ってて!今呼ぶから!」

 

リズは誰かにメッセージを飛ばした。

 

***************************************

 

俺たちが自己紹介を兼ねた談笑をしていると、店の扉が静かに開く。

 

リ「あぁ、来たわね!こっちに来なさいよ!サクラ!」

 

リズに呼ばれた少女、名前はサクラというらしい。外見は黒髪ロングの可愛らしい顔立ちで、和を基調とした服装だった。

 

サ「リ、リズさん...さっきの話、本当なんですか?」

 

リ「本当よ!このイアの武器を作って欲しいの!」

 

俺は袖をリズに捕まれ、サクラの前に引き出される。

 

サ「む、無理ですよ!私なんて!」

 

リ「あんたは腕は確かなんだから...あとは自信をつけないと駄目よ!」

 

サ「で...でも....。」

 

サクラは顔を伏せてしまい、こちらからは表情が伺えない。

 

イ「...まあ、無理ならいいんだ!急に呼び出して悪かったな!」

 

サ「っ!?...無理なんてそんな!」

 

リ「ほら、あんたはあたしの弟子、鍛冶師としてのプライドがあるなら...この依頼受けてみなさい!」

 

リズの叱咤にサクラはバッと顔を上げ、決意を固めた表情を見せてくれた。

 

サ「わ、わかりました!...私も鍛冶師の端くれ、何が出来るかは分かりませんが...この依頼受けさせて下さい!」

 

イ「あぁ!よろしく!」

 

リ「それじゃあ...早速あんたたちには素材を集めに行ってもらうわ...当然2人でね!」

 

とんでもない提案をしてくれる...。

 

サ「え!?でも...。」

 

リ「いいから!そうねぇ...よし!この火山に行って来なさい!」

 

地図を開いていたリズとキリトは火山エリアを指差し、俺とサクラを店の外に押し出した。

 

イ「おい!?ちょっと!?」

 

サ「あ、あの!?」

 

問答無用で締め出された。

 

イ「.....多分素材取ってこないと入れてもらえないんだろうな...。」

 

サ「はい...。」

 

イ「仕方ないから...行くか!」

 

サ「はい....。」

 

素材を集めるべく、俺とサクラは火山地帯に渋々だが、向かうことにした。

 

***************************************

 

一方、リズベット武具店店内。

 

キ「よかったのか?あの子、強引に行かせても。」

 

するとリズは心配ないという具合に笑う。

 

リ「いいのよ!言ったでしょ?あの子は腕は十分あるんだから...大事なことは自信を持つことよ!」

 

キ「もう待つしかないんだけどな...。」

 

こんな会話が行われていたとか。

 




書いていて思ったこと...もっと詳細に外見的特徴を書けるようになりたい!

今回の展開は...割と難しい気がします。

...次回は火山を攻略すると思います!

次回もよろしくお願いします!


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ありのままで

どうも、親しらずが右端の上下から生えてきて痛みに苦しんでる作者です。

まあ、それはいいとして...

今回もリンクスタートです!


イ「暑い...。さすが火山のフィールドだな....。」

 

サ「そうですね...。」

 

早く素材取って帰らないと体中の水分が全て飛んでいきそうだ....といってもこの世界で脱水症状なんて起こらないだろうけどな。

 

イ「目的のインゴットってどの辺にあるんだ?」

 

俺の質問にサクラは首を傾げ、

 

サ「確か....火口近くにあるって情報を聞いています。」

 

イ「げっ!まだここより暑くなるのかよ......。」

 

うんざりする......。

 

サ「ふふっ。」

 

サクラは微かに笑みを浮かべてこちらを見てくる。

 

イ「どうかした?」

 

サ「い、いえ!ごめんなさい!イアさんを見てたら面白くて...つい。////」

 

イ「つまり...顔が面白いと...。」

 

軽くショック受けるな......それ。

 

サ「ち、違いますよ!?感情が豊かで見ていて楽しいって意味です!」

 

イ「自分じゃそんなことあまり分からないからな...。」

 

するとサクラは少し悲しそうな顔をする。

 

サ「羨ましいです...。」

 

イ「何がだ?」

 

サ「どうして...いつも自然にしていられるんですか?」

 

胸の前で両手を合わせ、切なそうに聞いてくる。

 

イ「それは」

 

「グルルルルルルルルル!!!!!!!!!!」

 

答えようとした瞬間、雄叫びによって遮られる。話しながら移動しているといつの間にか火口付近にたどり着いていたようだ。

 

イ「こいつが目的の素材を落とすモンスターか!?」

 

恐竜のような風貌。体を包むように伸びている巨大な翼。燃え盛る火炎の如く唸り続けている。

 

サ「<B・レックス>...間違いありません!」

 

B...多分ボルケーノとかそんなところだろう。俺は武器を構えて対峙する。

 

イ「サクラ!そこの岩の影に隠れてろ!」

 

俺の指示にサクラは首を横に振る。

 

サ「私も戦います!いくらなんでも1人じゃ無茶です!」

 

サクラも武器を構える。長い刀...居合刀か!?

 

サ「<抜刀術>...いかせてもらいます!」

 

イ「あ、おい!」

 

サクラは居合刀を構えたまま、<B・レックス>に向かっていく。

 

「グルルルルッ!!!!!」

 

当然向かってくるサクラに反応し、<B・レックス>はは尻尾による打撃を放つ。

 

サ「はぁ!」

 

直撃寸前にサクラの右手が『七色』に閃き武器を抜き取る、すると...

 

イ「あれはまさか!?...というか尻尾が切れた!?」

 

当たる寸前だった尻尾が居合刀の一撃だけで千切れ、火口へと飛んでいく。

 

サ「抜刀術単発スキル...飛燕(ひえん)!」

 

火炎竜は怒り狂い、顎を大きく開き噛み砕こうとしてくる。

 

イ「させるか!」

 

俺はモンスターの顎の下に潜り込み、格闘術単発スキル<虎砲>をお見舞いする。

 

痛烈なアッパーを受けた火炎竜は怯む。

 

サ「そのスキルは...<虹の拳士>ってイアさんだったんですか!?」

 

俺は<七光り>という二つ名よりも<虹の拳士>という二つ名の方が有名になっていた。

 

イ「驚いたか?」

 

サ「当たり前です!」

 

<B・レックス>を怯ませて距離を取ったことに安心したのか、サクラはモンスターから目を放していた。そのため、火炎竜が翼を広げたことに気づいていない。

 

イ「危ない!」

 

サ「え?」

 

火炎竜は体を包むようにしていた翼を広げて、風を巻き起こす。突然強風に吹かれたサクラは吹き飛ばされる。.......それだけならよかったのだが飛ばされた先は大きな穴が空いていた。

 

サ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

イ「くっ!届けぇぇぇ!!!!!」

 

俺は穴に落ちていくサクラへ咄嗟に手を伸ばし、庇うように体を抱える。そして武器を片手用直剣に変更し、勢いを殺すため壁に突き刺す。

 

火花を散らし、剣の耐久度もガリガリと減っていく中、落ちるスピードは減らない。

 

そのまま地面に激突した。

 

***************************************

 

イ「生きてたな...。」

 

サ「はい.......。」

 

結論から言って、HPバーが数ドット残る形で生き残ることに成功した。

 

イ(あそこで少しでも直剣に変更するのが遅れてたら...間違いなく死んでたな。)

 

サ「......転移結晶も使えません。」

 

イ「メッセージも送れないな。」

 

生き残ったのはいいけど...この穴を脱出するための方法が見つからない。

 

サ「どうしますか?」

 

俺は顎に手を当て、

 

イ「壁を走って登るとか?」

 

サ「...さすがにそれは無理だと思いますよ?」

 

サクラの制止を聞かず、俺は壁に向かって助走を開始し、壁の前で上へ飛ぶ。

 

イ「うぉぉぉぉぉ!!!」

 

敏捷力を最大に発揮し、垂直の壁を脚力だけでよじ登る。

 

サ「嘘!?」

 

これも格闘術の恩恵だな...敏捷値を少しプラスする、ここでも役に立つなんてな。さすがの茅場晶彦もこれは想定外だろ。

 

イ「あ...うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

途中までは順調だったのだが、俺は足を滑らせ再び地面とキスをすることになった。

 

***************************************

 

サ「この案は無しですね......。」

 

イ「そうだな.....。」

 

もうちょっとだったのに...新しい案を考えようとすると腰のポーチがもぞもぞと動く。

 

「ぎゃう!」

 

イ「リル.....なんてのんきなやつだ......。」

 

ポーチに入っていた理由は......寝てたからだ。

 

サ「か、可愛いです!」

 

サクラはリルに興味深々らしい。

 

イ「紹介が遅れた、こいつはファントムフェンリルのリル!最近テイムしたんだ!」

 

リルをサクラに預けて、その間に俺は新たな案を出す。

 

イ「......仕方ない、今日はここで寝よう。」

 

サ「えぇ!?でも...寝る場所が....。」

 

俺はアイテムインベントリからあるものを引っ張りだす。

 

イ「キャンプセット一式なら持ってるしな...っと!」

 

サ「何であるんですか?」

 

イ「攻略だと外で寝るなんて日常茶飯事だからな....。」

 

寝袋を敷きながら、俺は気になっていたことを口にする。

 

イ「サクラの抜刀術って...もしかして抽選スキル?」

 

サ「はい......人前じゃあまり使いたくはないんですけど......。」

 

イ(あぁ...なるほど。)

 

サクラはSAOじゃ珍しい女性プレイヤーだ。なおかつ顔も整っていて、それだけでも注目を浴びるのにそこに抽選スキル持ちなんてことが知られたら.....嫌でも目立つよな。

 

サ「見た目だけならただの長い刀ですけど......スキルを使えば必ずばれちゃいますから。」

 

イ「そうだよな.....俺も最初は人前で使っていいか悩んだからな。」

 

サ「虹色ですからね...。」

 

どうやら抽選スキルのライトエフェクトは虹で統一されているらしく、俺だけが<虹の拳士>として有名なのは、他の抽選スキル持ちプレイヤーは上手く隠してやり過ごしているみたいだ。

 

俺は寝袋に入りながら、ふとあることを思い出す。

 

イ「サクラ。」

 

同じく寝袋に入り、横になっていたサクラはこちらを向く。

 

サ「何ですか?」

 

イ「さっきの......どうしてそんな自然に出来るのか.....だったか?」

 

サ「はい。」

 

イ「簡単なことだと思う。ただ単に...この世界でまで自分を偽るのはどうかと思ってるだけだ。」

 

サクラは微かに声を発する。

 

サ「...別の自分になりたいとは思わないんですか?」

 

イ「思わない。」

 

即答した俺にサクラは動揺する。

 

サ「ど、どうしてですか?」

 

イ「結局どんな自分でも自分だし...一時的にこの中だけで自分を変えたとしても本当にその場凌ぎでしかない。それに......何か演じるって疲れるだろ?」

 

サ「ぷっ!あははははははは!!!!」

 

イ「え!?また変な顔してたか!?」

 

戸惑う俺にサクラは

 

サ「い、いえ...そうじゃなくて!何かイアさんと話してたら変わりたいって悩んでた自分がおかしくて!」

 

イ「と、とにかく!大事なのは自分を受け入れることだ!」

 

サ「...ありのままの自分でいいんですよね?」

 

イ「そういうことだ......さて寝ようか。」

 

サクラに背を向ける。

 

サ「あ、あのっ!」

 

俺はもう一度サクラに向き直る。

 

イ「どうかした?」

 

サクラはもじもじとしたあと意を決したように口を開く。

 

サ「眠るまで......そ、そのぉ.....手、手を繋いでても.....いいですか!?/////」

 

イ「そんなことなら......ほら。」

 

俺は寝袋から片手を出し、サクラの手を取る。

 

サ「あ、ありがとう......ございます。////////」

 

イ「大丈夫、じゃあお休み!」

 

サ「は、はい!お休みなさい!」

 

イ(今日は色々あったな....。)

 

と思考しようとするが......すぐに睡魔に引き込まれた。

 

***************************************

 

イ「....あぁ、朝か。」

 

寝袋から這い出て、周りを見る。壁、壁、壁。状況は変わっていない。サクラが起きる前に簡単な朝食を作るか....。サクラを見ると幸せそうな表情をして眠っている。

 

イ「何か吹っ切れたのか?」

 

1人呟くが、寝袋から出ていたサクラの片手を寝袋の中に入れて、俺は朝食の準備を始めた。

 

しばらくして、

 

サ「うぅ~ん......朝ぁ?」

 

寝ぼけ眼のサクラが寝袋から出てくる。

 

イ「あぁ、おはよう。」

 

サクラはしばしこちらを見つめ、顔を赤らめる。

 

サ「お、おはようございます!?ご、ごめんなさい!みっともないところを見せてしまって!?」

 

イ「朝は誰だってそうなるだろ、はいこれ。」

 

俺はあらかじめ火にかけておいたスープをサクラに手渡す。

 

サ「ありがとうございます。/////」

 

俺たちは朝食と言うにはあまりにも寂しいものを談笑しながら胃に収めた。

 

***************************************

 

イ「で?どうしようか?」

 

サ「そうですね...救助は期待しない方がいいですよね?」

 

イ「...このままここに住むとか?」

 

俺は冗談で言う。

 

サ「...それもいいかも知れませんね!」

 

イ「え!?」

 

サクラはいつもの上品な雰囲気の中にどこかいたずらっぽい雰囲気も混ざっていた。

 

サ「冗談です♪本当にどうします?」

 

イ「あ!」

 

俺はあることに思い至り、壁の方へ駆け出す。

 

サ「どうしたんですか!?」

 

サクラも俺のあとに続く。俺は壁を探り、確信する。

 

イ「やっぱりあった!」

 

俺が手にしたもの、それは鉱石インゴットだ。

 

サ「どうして...こんなところに?」

 

鉱石インゴットをサクラに手渡す。

 

イ「おかしいと思ったんだ。こんな穴があるなんて、多分ここはあいつの巣なんだ。」

 

サ「つまり...この鉱石は<B・レックス>のエサなんですか?」

 

イ「そんなとこだと思うぞ...あれ?」

 

何か違和感があり、俺は動きを静止する。

 

サ「まだ何かあるんですか?」

 

イ「いや...ここがあいつの巣ってことは...朝になったら戻ってくるんじゃないか?」

 

俺たちは2人同時に上を見る。そこにはちょうど穴に下りてくる巨大な影があった。

 

イ「やっぱりか!?」

 

サ「えぇ!?」

 

<B・レックス>はこちらに気が付き、唸り始める。

 

サ「戦うんですか!?」

 

イ「まあ...普通に勝てるとは思うけど....。」

 

違う、戦うんじゃない...俺は1つの考えを思いつき、サクラを肩に担ぐ。

 

サ「ちょ!?ちょっと!?」

 

イ「いいから捕まってろ!リルもポーチから出るなよ!」

 

俺は軽い助走から入り、徐々にスピードを上げて、壁を走る。しかしそれは昨日みたいに上に登る走り方じゃない。<B・レックス>を中心に円を描くように走る。

 

すると、火炎竜はこちらを見失い、きょろきょろと首を動かす。そのすきに昨日切ったはずなのにもう再生している尻尾の先端を掴む。

 

「グルゥッ!?」

 

<B・レックス>は驚き、そのまま翼を広げて、猛スピードで穴から飛び出す。火口に落ちないように俺は尻尾から勢いよく手を放す。

 

サ「きゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

イ「イエーイ!!!!!」

 

「ぎゃうっ!」

 

三者三様のリアクションを取り、宙を舞う。まるで永遠に飛んでいるような時間だったが、すぐに地面に足がつく。俺はサクラを抱えて目いっぱい足を広げ、勢いを殺す。

 

そんなに高く飛んだわけじゃないのでダメージもあまり受けない。

 

こうして俺たちは主街区へと帰れることになった。

 

***************************************

 

イ「あ~!!疲れた!!」

 

転移門をくぐるなり、俺は盛大に声を張り上げる。

 

サ「そうですね~!」

 

サクラも伸びをしながら同意の意を示す。

 

イ「それじゃ...武器作ってもらってもいいか?」

 

サ「はい!行きましょう!」

 

すぐにリズベット武具店へと行き、さきほど入手したばかりのインゴットを用意する。

 

サ「武器は何にしますか?」

 

イ「じゃあ...グローブで頼む!」

 

グローブと言っても当然ガントレットになる。

 

サ「かしこまりました!出来たら渡しに行くので...噴水の前で待っていてくれませんか?」

 

イ「ここじゃダメなのか?」

 

サ「少し...集中したいんです。」

 

イ「分かった、待ってる。」

 

リ「ほら、キリトも出ていく!」

 

キ「俺もなのか....。」

 

俺とキリトは外に出される。

 

キ「どうだったんだ?」

 

イ「まず...穴に落ちて、一晩そこで過ごしたな。」

 

今までに起こったことを伝える。

 

キ「そのインゴット...本当にエサなのか!?」

 

インゴットを見つけた下りを話すとキリトは驚愕する。

 

イ「それ以外に何があるんだよ?」

 

キリトはリズに作ってもらったという剣を取り出す。

 

キ「これ...この素材になったインゴットの鉱石は...ドラゴンのンコだ。」

 

イ「.......まじで?」

 

キ「.......まじだ。」

 

何かそれを聞くと........超使いたくなくなるわ。

 

***************************************

 

サ「お待たせしました!」

 

ちょうどキリトがメッセージで誰かに呼び出されたタイミングでサクラがやってくる。

 

イ「出来たのか!?」

 

サ「今までで最高の出来です!」

 

転移門前の噴水なので人目もあるのだが、サクラは人目を気にせずに声を上げる。

 

サ「名前は<紅烏>です!どうぞ!」

 

武器が渡される。淡い赤を基調としたグローブだ。

 

イ「ありがとな!」

 

サ「...それで、お代ですけど.....。」

 

イ「あぁ、いくr!?」

 

俺の言葉は最後まで続かなかった。なぜなら...俺の唇はサクラの唇によってふさがれていたからだ。

 

サ「....好きです!私をイアさんの専属鍛冶師にしてください!」

 

イ「いや、その...ごめん、俺は....」

 

サ「分かってます!イアさんに好きな人がいるのは!」

 

イ「何で知ってるんだ!?」

 

キリトは言ってないだろうし...まさか、リズから漏れたか?

 

俺は会ったことが無かったが、シリカから名前は何度か聞いたことがあったから.....シリカとリズは顔見知りらしい。

 

サ「いえ...その...寝言で....。」

 

イ「まじかよ....。」

 

この世界寝言まで再現してあるのかよ!?意味無いだろ!ていうか....寝言でシリカのこと言ったのか!?

 

イ「そうだ....俺は好きな人がいる。だからごめん。」

 

サ「...でも、諦めたくないです。だから専属鍛冶師になりたいんです!せめて傍にいたいから!」

 

イ「.......はぁ。多分ダメって言っても聞かないんだろ?」

 

このまま好意を利用した感じで専属鍛冶師になってもらうのはクズのやることだとは思う。

 

サ「勝手なのは分かってます!どうかお願いします!」

 

イ「やっぱり許可出来ない。」

 

サ「そうですよね....」

 

イ「専属じゃなくても......また武器を作ってくれるか?」

 

これが妥協点だ。

 

サ「はい!もちろんです!...そしていつかきっとイアさんの専属鍛冶師になってみせます!」

 

イ「...もしその時がきたらよろしく頼む。」

 

その言葉を最後に俺たちは別れたけど....俺は知らなかった。この一部始終を少女が見ていたことに。

 

「どうしてですか........イアさん。」

 

少女の呟きは誰にも届かなかった。

 




長引きました!

最後の専属鍛冶師の辺りがどうしても納得がいかないので...まだ修正を加えると思いますが、ひとまずはこれで投稿します。

恐らくグダグダで目に余ると思いますが、次回も見て頂けると幸いです!


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失うもの...潰えない希望

投稿が遅れました!ごめんなさい!

最近色々と考えることが多く...いまいち自分の書く描写に納得出来ず、結果投稿遅れるという悪循環ですw

それでは今回もリンクスタート!



イ「シリカー?いるのか?」

 

サクラから武器を受け取った俺はホームに帰ってきた。俺の呼びかけに答えるように奥からシリカが出てくる。その顔はどこか悲しみを帯びている。

 

シ「お帰りなさい...イアさん。」

 

顔同様にシリカの声は沈んでいた。

 

イ「シリカ?どうかしたのか?」

 

シ「....何で昨日は帰って来なかったんですか?」

 

もしかして、昨日帰らなかったから機嫌が悪いのか?

 

イ「昨日は武器の素材を火山に取りに行って大きい穴に落ちて...それで帰れなかった。」

 

シ「...1人でですか?」

 

イ「いや、鍛冶師の女の子と一緒だった。」

 

何でそんなことを聞くんだ?いつもはそこまで細かいことを聞いてこないのに....。

 

イ「シリカ?何かあったのか?」

 

俺の言葉にシリカは肩をビクッとさせ、顔を伏せる。

 

シ「......イアさん、どうして女の子とキスしてたんですか?」

 

地を這うような声で...シリカは静かに言葉を発する。

 

イ「見てたのか!?」

 

まさか.....それが原因か!?早く誤解を解かないと!

 

イ「それにはわけがあr「言い訳なんて聞きたくないです!」

 

俺の言葉は今まで感情を抑えてたようなシリカの大声に遮られる。

 

シ「...すみません、あたしには関係無いことですね。」

 

イ「聞いてくれ、俺h「ちょっと1人にさせてください。」

 

再び俺の言葉はシリカに遮られ、シリカはそのままホームの外へと出ていく。

 

イ(俺は...)

 

ちょうどそのタイミングで誰かからのメッセージが届く。...キリトだ。

 

俺は内容を確認し、ホームの外へ出た。

 

***************************************

 

シ「あたしは.......。」

 

最低です。ちゃんと理由を聞かずにホームを飛び出したりして.....。

 

シ(戻る気になれないなぁ......。)

 

街をトボトボ歩いていると

 

「シ、シリカちゃん!」

 

横から知らない人に声をかけられる。

 

シ「何ですか?」

 

「僕らのパーティに入らない?」

 

どうやらパーティの加入の誘いらしい。あたしは今日だけならいいか、といつもは断る誘いを受けることにした。

 

シ「今日だけならいいですよ。」

 

「まじで!?やった!」

 

あたしはパーティ申請のウィンドウが開くと少しためらうがイエスのボタンを押した。

 

***************************************

 

クエストはすぐに終わった。今は次のクエストの打ち合わせとアイテムの分配を話し合っている。

 

「じゃあシリカちゃんの分はこれね。」

 

パーティを組んでいる男性からアイテム分配の確認を要求される。

 

「ねぇ。」

 

確認しようとすると赤髪の女性が声を上げる。...確かこの人は

 

シ「何ですか?ロザリアさん。」

 

ロ「あんたはそのトカゲが回復してくれるんだから...回復結晶なんか使わないでしょう?」

 

その物言いに少々カチンとしてしまった。

 

シ「ロザリアさんこそ...前にも出ずに後ろから槍で突いてるだけなんですから...必要ないですよね?」

 

一触即発、あたしはロザリアさんを睨む。

 

シ「分かりました...すみません、パーティ抜けます。」

 

「えっ!?」

 

シ「パーティ内がギスギスしてるのも嫌でしょうし...ありがとうございました。」

 

あたしはフィールドの安全地帯から大急ぎで出ていった。

 

シ(ここのフィールドぐらいならあたし1人でも戦える。)

 

あたしは完全に油断していた。

 

***************************************

 

シ「はぁっ!」

 

短く息を吐き、目の前にいる猿によく似たモンスターを切りつける。だけど...3対1ではさすがに相手の方が有利になってしまう。1体が傷つくと、他の2体が前に出てきて、その間に手に持ったツボで切りつけたモンスターは体力を回復してしまう。

 

シ「切りがないっ!」

 

その時だった、モンスターはツボから何やら粉をあたしに投げつけてくる。少しだけ当たったけど...これは!?

 

シ「スタン!?」

 

モンスターの前でスタンになる...これはパーティだったらまだ生き残れる可能性はある。...でも今のあたしはソロ、1人だった。

 

モンスターの一体があたしに殴りかかってくる...

 

「くるるっ!」

 

相手の攻撃が体に届く直前、何かが目の前に出てきて、あたしの変わりに殴られる。

 

「...ピナ?」

 

その何かはピナ...あたしの友だちだった。

 

ピナのHPゲージはグングン減っていき...0になる。

 

その瞬間ピナは形を崩し.......ポリゴン片になった。

 

すぐにピナの元へ走りたいけど...麻痺して動かないや。あたしはここで終わるのかな?

 

狙ったかのようなタイミングであたしに殴りかかってくるモンスター。あたしは目をつぶることはしなかった。ここまでして逃げるのは恥だ。あたしは最後の瞬間を待った。

 

しかし...いつまで経ってもあたしのHPゲージは減らない。

 

シ(どうして?)

 

あたしに殴りかかってこようとしたモンスターは音を立てて砕け散る。

 

シ「え?」

 

他の2匹の背後から虹色の光が上がる。...これは!?

 

「おらぁ!」

 

そして聞き覚えのある声。いつもあたしを助けてくれる...七色の光と安心するこの声。

 

シ「イアさんっ!」

 

イ「大丈夫か!シリカ!」

 

あたしの大切な人。互いに守り合うと誓った......最高のパートナー。

 

シ「ピナがっ!ピナがっ!」

 

今になってピナがいなくなったという感覚が襲ってきた。

 

イ「...ピナは何かアイテムを落としたか?」

 

イアさんの言葉にあたしはアイテムを見る。

 

シ「ピナの...心?」

 

イ「.....よかった、それがあれば蘇生は出来る。」

 

シ「本当ですかっ!?」

 

まだ...希望は潰えていない!あたしは....きっとピナを生き返らせてみせる!

 

イ「その方法はな.......。」

 

あたしはイアさんの言葉に耳を傾けた。

 




今回は後半はシリカ目線です!

ここまでイア以外の目線を入れたのは初めてですねw

次回もよろしくお願いします!


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