とある人外共の生き様 (葵・Rain)
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序章 プロローグ&設定
1.転生に近い異世界移動と言うなの神隠し


 一段落がついたので新しいのを作りました。
 では、どうぞ。


 ふぁー、よく寝た。さーて、帰るか。………というかここどこだよ?白い壁紙に囲まれた部屋で寝た覚えはない。と言うことは拐われたのか。こんな役に立たない俺を拐う物付きがいたもんだ。

「………」

 俺の目の前にフード付きの黒いローブを来た奴がいた。ただ、俺を見つめている。

「おい、あんた。あんたが俺を拐ったのか?」

「………」

 まだ、言わない。

「おーい、聞こえているか?」

「………」

 ………もしかして、寝ているのか?

「………」

「ここはどこだ?何が目的だ?」

 動かない。

「(ちょんちょん)」

「………」

 突っついても反応がない。

 

 

 十分後。

「は!ここは…確か…」

「さんざん、人の事を待たせたな?」

「イヤー、訳がありまして」

「で、あんたは誰?」

「私?ああ、私ですか。私はつい最近上位の神に上がり、一つの世界の管理を任された天影(あまのかげ)と申します」

「んで、天影さんよ。ここはどこだ?」

「ここは三途の川の中間地点に位置する関所の一室です」

「…マジ?」

「マジです」

 俺は死んだらしい。まあ、勝手に死んでもよかった。

「まあ、貴方はある意味すごい方ですしね」

「そうか?」

「はい。貴方はあの人類全滅の世界で唯一生き残った人(・・・・・・・・・・・・・・・・・)ですからね」

「………」

「気に障りましたか?」

「…別に。ただ、それは真実だから」

「俺からの質問いいか?」

「どうぞ」

「俺は天国か地獄のどちらかに行けばいいのか?」

「いえ、貴方には私の世界に生き返ってもらいたいです」

「あんたの世界にか?」

「そうですけど……あんたやおまえって言うのはやめてもらえませんか?」

「わかった。影さんと呼べばいいか?」

「……もうそれでいいです」

「では、私の世界について説明させていただきます」

 

 天影の世界。

 この世界は異世界に繋がっており、たまに開く渦で異世界人が来るときがある。歴史は少年の世界と一部変更があるくらい平和な世界。

 しかし、悪い神々がその世界の行く末を替えてしまった。これを正す為に転生者という、前世を持ち、一部はチートという反則的なものを授けられた人たちが送られた。しかし、悪い神々は圧倒的な力を持って潰した。さらに最上位の神々をある場所へ閉じ込めた。

 残った神々は悪い神々の元で働いている。

 そんなある時、ある神が一か八かのゲームを挑んだ。

 それは神々の戦争遊戯〈ラグナロク〉。

 ルールは簡単。自分が選んだ転生者にスキルを与え、敵転生者を倒すいたって簡単な物。神が直接的に挑むのは禁止。

「と、こんな感じです。あ、そうだ。審判は仏さま一行だよ」

「そうn…なわけあるか!!」

「冗談だよ。本当のことは三割位だから」

「で、本当の事を言え」

「わかった」

 

 私が管理している世界は異世界と繋がっており、たまに開く渦で異世界人が来ることが多々ある。

 そんな世界に神たちの間に流行っている転生というのをやっていたらしい。だが、転生者を一方的に送り出した神がいたことで転生にストップがかかり、検査が始まった。処罰の対象になった神は能力を失い、ある監獄に入れられるか、消された。あまりにも多くの転生者はスキルや特典などの神々の間で禁止になっている能力を授けられていた。

 あまりにも多くの転生者がいたもので神たちはある兵器を使った。それは転死(てんし)という〈転生者殺し〉の異名を持つ天使。

 殺す転生者のリストを頭に叩きこんで、送り成功した。

 だが、転死はそれ以外の転生者まで殺し始めた。それを止めるために神は天使たちを送ったが、全滅した。次は二柱の神がいったのだが、返り討ちに合い入院中。

 神たちの間で転死はこう言われた。

 〈神殺し〉と。

 

「これが本当のことなんだな」

「はい。私は貴方に頼みたいのです。転死を殺してくれませんか?」

「………」

「私はなぜ貴方を選んだ理由は転生者級のチートを持ち、人間としてのスペックを越えたその肉体。そして、絶対に転死を殺せる力をもっているから。やりたくなければ、断ってもいいです」

「………」

「お願いします。私の世界を救ってください」

「………」

「…いいぜ」

「い、いいんですか?」

「ああ」

「ありがとうございます!!」

「で、いつ行けばいいんだ?」

「はい。いつでも行けます」

「なら、今すぐ行きてぇから頼む」

「わかりました。いい忘れたことが一つ」

「なんだ?」

「貴方はまだ死んでません」

「はい?」

「簡単に説明させていただきますと。貴方は今、臨死体験をしています」

「その間に貴方の世界から私の世界に肉体を送りました」

「つまり、数分気絶していた状態で神隠しにあったと言うことか」

「その解釈でいいです」

「では、いってらっしゃい。芹沢呉」

「いってくる」

 

 

 ふう、行きましたか。貴方はわかりませんが、貴方は私、いや、私たちの希望です。

 そして、救ってください。私たちが創ってしまった子を。

「行ったか」

「はい」

「呉との会話はどうだった?」

「あの子らしい会話だったわ」

「そうか」

「貴方はよかったの?」

「別に。あいつは強い」

「…そうね。私たちの息子ですから」

 頑張ってきなさい呉。貴方はただ、生き残ったわけじゃない。貴方は私とあの人の血をついだ子ですから。

「行くぞ。未希」

「はい。呉爾羅」




 感想や批評などをお待ちしております。


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オリジナルとは異なる

 遅くなりました。なかなか案が出ません。


 某英国屋敷

 英国のとある屋敷。ここではこの屋敷の一人娘の他に、メイドに執事、親戚などが悲しんでいた。

 この屋敷の主であり、大手企業の社長の母と立場の弱い父が亡くなった。正確には行方不明である。

 原因は列車での運転手のミスかトラブルなどが原因らしいのだが今だわからない。

 しかし、見つかったのは名刺などが入った鞄。本人たちの亡骸の指一本も見つからなかった。

 だが、この列車の事故は生存者数名という絶望的。

 本人たちが愛用していた物を遺体し告別式で使おうと考えた。

「お母様、お母様、お母様!!」

 お墓の前で泣いているのはこの屋敷の一人娘のセシリア・オルコット。まだ、幼い年齢の為泣いている。彼女は母の姿を見て育ったため、憧れと尊敬を持っていた。しかし、父は立場が弱いから、いつも母の後ろにいるなど理由で見下している。

 憧れと尊敬を持っていた母が死んだことに喪失感を感じていたセシリアは自分はどうすればいいかわからなくなってしまった。

 そんな、ある日。セシリアは帰宅途中で誘拐された。

 

 

 ………。…ん?ここはどこでしょうか?私はなぜこんな所に?

「よ、目覚めたかお嬢さん?」

「あ、貴方は誰ですの?」

 私の目の前には黒い服を着た男性が立っていました。それにしてもこの声どこかで聞いたことがありますわ。しかし、誰でしょう?

「俺か。俺はお嬢さんを拐った犯人を退治して、ここで休憩しているテロリストですがなにか?」

「て、テロリスト!?」

「はい」

 私を拐われた人から救われたのはテロリストってどうゆうことなのですか!?こ、これはお母様が私への試練なんですか?

「よ、要求はなんですか?」

「要求ねぇ。お嬢さんの家の場所とお嬢さんの両親の安否かな?」

「………え?」

「お、お母様は生きているのですか!?ついでにお父様も」

「父親をついでにって」

「で、どうなのですの!?」

「生きていますよ。元気っていってもまだ、寝たきりだけど」

「よ、よかったですわ」

 

 

 皆さん、こんにちは。テロ・リストゥです。ここからはオルコット夫妻の事と事故の真相を教えるよ。

 ここでネタバレ。セシリアを救ったのは俺です。理由?さっきも言ったのではないか。………え?違う?なぜ、ネタバレをしたのかって。新しいキャラ出すと混乱するからだってよ。

 

 閑話休題

 

 時はISがまだ、登場していない頃のお話し。

 オルコット家の現当主。エミリア・オルコットは大手企業を経営する若手社長。彼女を見た人々の評判は良い方が多かった。

 当時、エミリアは結婚というものは興味はなかった。仕事が忙しいということもあったが、彼女には本気で好きになったことはなかった事と自分の家、または会社、またまた肉体が目当てだと思っていたからだ。

 そんな、ある日。彼女の会社がテロリストに占拠された。(これは俺たちではないからな。)

 テロリストの要求は金と現政府の崩壊。タイムリミットは英国時間で48時間。それまで出なかったら人質を一人ずつ殺すと行ってきた。

 だが、政府が答えが出なかった。全員が諦めたときだった。

 その時、一人の男がテロリストのボスを倒した。

 名がトール・エジソン。後のトール・オルコットである。

 トールはエミリアの会社内部にある機密ファイルを盗み帰ろうとしたところにテロリストが占拠され、思うように出れなかった。それに会社の各階に時限爆弾が仕掛けられていたから、解除していた。

 で、殺されようとしていたエミリアを救い、そのまますべてのテロリストを倒し、十階の窓から飛び降りて逃げた。

 その姿に惚れたエミリアがトールを探し、そのまま強引に結婚に持ち込んだ。

 トールもまんざらじゃないらしく、結婚した。

 その姿を見た両親は大喜びしていた。

 これは余談だが、トールがいつも後ろにいたのはいつでも妻を守るためと毎晩は熱いから朝はげっそりしている。

 

 

 次は列車事故の話だ。

 エミリア、トールは首都ロンドンから北にある相手企業の方へ二人で行った。

 表向きはな。

 彼女たちは列車で会う人物が居たからだ。その人物というのが俺だ。

 俺がオルコット夫妻と会談していたのかと言うのは省かせてもらう。

 会談が纏まった時、俺たちがいる車両にとある大物テロ組織が入ってきた。

 これ事態は撃退出来たのだが、奴等は俺たちがいる車両に爆弾を仕掛けていた。幸いなことにその爆弾は俺たちしかいない車両のみだったから他の乗客は大丈夫だった。

 代償として、エミリアが入院二ヶ月、トールが骨折二ヶ月ぐらい。

 

 

「これが君の両親の真相」

「そうでしたか。しかし、お父様がいつも後ろにいたのはお母様を守るためとは知りませんでした」

「よし。では、家まで送りますか」

「お願い致します」

 

 

 

 某仏国IS会社

「お、お兄ちゃん何で乗っているの?」

「知らないよ」

「お兄ちゃんが使えることは内緒ね」

「オーケー、シャル」

 

 

 某独国軍基地

「父上、どうなさいました?」

「ラウラよ、クラリッサが言っておったのだが」

「はあ」

「日本の秋葉原は行くべきだと言っておったのだが行くか?」

「ふむ。………では、旅行のメニューに入れましょう」

 

 

 某日本武家屋敷の道場

「はぁ、はぁ、はぁ、ヤァ!」

「甘い」

「クッ、まだまだ」

「ピー、終了です」

「「ありがとうございました」」

「楯無さまお見事でした」

「いえ、まだまだです」

「刄(やいば) にぃ御飯できたよ」

「刀奈、俺のことをその名で呼ぶな。昔とは違う」

「…わかりました。お兄さん」

 

 

 某日本マンションの一室

「うみゅー、眠い」

「何しているのですか?簪さま」

「クーちゃん、私のことは簪かかんちゃんでいいのに」

「ですが、きゃぁ!?」

「言うことを聞かないと」

「く………や、やめてください!!こ、こちょこちょはだ、ダメです!!」

 

 

 某中国軍基地

「はぁ、はぁ、はぁ、もう一回、行くわよ」

「そこまでにしてとけ」

「で、でも」

「時間もないから、やめとけ」

「はーい」

 

 

 某日本の道場

「気を付け、礼」

『ありがとうございました』

「先輩お先に失礼します」

「ちょっと待って、箒ちゃん」

「どうかしたのですか更級先輩?」

「一緒に帰ろうと思って」

「はあ」

 

 

 それぞれの物語が始まるまで少し。




 これからの目標は2000文字以上。これで決まり。案がなくても 。
 感想など待ってます。


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とある作者の物語り

 連続投降行います。
 完成出来次第出します。


 春は曙。時期は冬。しかし、モガ村は夏のような暑さだ。さて、作者がいきなり変な事を呟いているが気にしてはいけない。

 ここはユクモ村のとある宿。そこにいるのは作者の葵・Rain。別にこの世界出身ではない。しかし、学生のくせに腰が痛い。そう。俺はリアルを置いてここユクモ村の温泉でまったりしているのである。(腰が痛いのはマジの話です(笑))

 話が逸れた。

 なぜ、作者が毎度ここにいるのかはいつか話そう。

 さて、こんな話をしないで君にとある少年の話を聞かせよう。あ、少し待っていてくれ。

「番頭さん、コーヒー牛乳2本」

「はいニャ~」

 では、話そうではないか。少年の話を。

 

 

 某県某市。剣道場

 夏休みが始まった頃の話。幼稚園児や小学生くらいの小さい子どもたちや中、高生や大人などが入れ乱れている場所に一人の少年がいた。彼は家族の中でも父母以外で何歳か上の姉にも勝つほどの実力者。上には三つ子の兄がいるのだが、兄は剣道に向いていなかったが、それなりに強い人だった。しかし、それを補うだけ物は成績だ。兄は成績優秀で、クラスでは一番を取るくらい頭が良い秀才。三つ子の妹が下にいる。これといった取り柄はなく兄二人より劣っている存在。しかし、彼女が見せる笑顔はとても温かく、家族の中心にいる。姉は成績優秀、運動神経が抜群、才色兼備で文武両道を表しているが、家事はとてつもなく出来ない。父は一言で言うと、バカ。しかし、家族の為なら死ぬ覚悟があるくらい家族を愛している。母はおしとやかだが、いつもバカを言っている父を叩いているくらい元気な方。

 話を戻そう。

 少年は少年の部優勝者である。その為、インタビューを受けているのである。少年は疲れていたが、心の中ではとても楽しかったと思っている。

 家に帰るときに事件が始まった。

 少年が大会帰りに神社の近くの野原で寝ていた時だった。急にサイレンの音が聞こえ始めた。少年はサイレンがなる方に目を向けた時、目を疑った。サイレンがする方角は自分の家だった。少年は走った。全力で。今、自分が出せるスピードで。家についたとき、家は真っ赤に燃えていた。少年は燃え上がる家に突っ込んでいった。そばにいた人たちはバカだと、思った。

 少年は煙を吸わないようにして、火が移っていない場所へ移動する。目指すはリビング。ドアを蹴破って、中に入るとそこには血だらけの姉と兄。その近くには銃を持った一人の男性がいた。少年は怒りながら持っていた竹刀で殺そうとした。しかし、なぜか後ろに吹っ飛んだ。それは男性が持っていた銃に撃たれたから。少年はまだ小学校低学年。それは当たり前だった。それでも、少年は男性に向かって走った。さっきよりも早く、首もとを捉えた。それでも、男性は余裕を持って避け、少年の左足、右股、左肩、右腕を計四発撃たれた。しかし、少年は動いた。急所を外したとしても動けないはず。しかし、動いている。まるでゾンビのようだ。

 何回やったんだろう。少年はボロボロだ。しかも唯一武器が壊れた。銃を持った男性は笑っていた。

「お前の両親はな。妹だけを連れて逃げたぜ。不幸だなお前ら。姉弟ともに死ね」

 少年は絶望した。父と母が僕たちを見捨てた。信じたくなかった。信じられない。だけど、少年は聞きたかった。なぜ、こんな事をしたのか。

「なぜ、こんな事をやったって?決まっているだろ。そこに家があったからだよ。そして、絶望した顔を見るのは楽しかったぜ」

 少年は思った。いやだ、死にたくない。あんな、奴の話なんか聞きたくないと。だから少年は動いた。ボロボロになった竹刀を捨て、落ちてあった包丁で最後の抗いをおこなった。

 斬る、斬る、斬る、刺す、斬る、斬る、斬る、殴る、蹴る、刺す、刺す、刺す殴る、殴る、蹴る、蹴る、斬る、刺すと永遠に繰返していった。それを高速で。さらに、さらに、さらに早く動かす。

 そして、首もとを捉えた。後は首を落とすだけ。

「死ね!!」

 男性の首が落ちた。辺り一面は真っ赤な火や血で汚している。少年の意識は途切れた。

 少年が目覚めたのは5日後だった。なぜ、自分が病院に居たのかは知らない。少年はあの時の事件から前の記憶が無くなった。 

 

 どうだったかな?楽しめたかな?

 しかし、この話には続きがあってな。聞きたいか?そうかそうか。

 ではまず、お互いのぼせてしまいそうだから上がってから話そうか。さて、コーラでも買ってからそこのベンチ話そう。

 

 

 ふはぁ~、風呂上がりのコーラは最高!どうした?飲まないのかい?おいおい、そんなに急いで飲むなよ。誰も取らないからさ。

 では、話すか。その少年について。

 

 

 

 某家

 少年は退院後自分達が住む家がないため知り合いの家に居候していた。少年はあの事件から前の記憶がなくなった。そして、苛められていた。

 ちょっと待ってくれだって。いきなりどうした?………ああ!そう言うことか。分かった。それについては後程。

 なぜ、少年が苛められていたかと言うと、少年はあの事件から前まで苛めにあったらしい。それも町の人全員だ。さらに火事のせいで付けられた名が、〈災厄〉。学校でも外出先でも家でも苛められた。少年の心はボロボロだった。少年はいつしか生きることを諦めた。だけど、自殺はできなかった。答えは簡単。まだ、死にたくなかったから。だけど、死にたい。どうすればいいのか、悩んでいた。

 そんなこんなで、高学年に上がった頃、少年は自ら死ぬのを諦めた。だが、他人の手か、偶然の事故で死ぬのを待つことにした。

 そんなある日。少年が小学六年生の時、ある出来事が起きた。誘拐事件だ。

 待ち望んでいた出来事に少年は嬉しかった。これで解放されると。

 誘拐犯のリーダーが少年を黒い渦のなかに投げ込んだ。少年はこんな死に方は不満だったが、現実は甘くなかった。

 少年が目覚めた場所は天国でなければ地獄でもない場所。潮の臭いがするここは海の近くだと知った。待っていると、一人の女性が三人の男性を連れてきた。

 

 

 おっと、この話はここでおしまいするか。俺も仕事があるから。では、また会おう。

 そうそう。忘れていたがその少年の物語はまだ、続いているよ。そして、本来の力でね。



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転生者はくせ者が多い?

 


「………ここはどこだ?なんでこんなところにいる?」

 俺は帰宅途中でその後………思い出せない。

「気がついたかね」

「あんたは?」

「ワシかい?ワシは「この方はあなたたちで言う神様ですよ」グスッ」

「いや、落ち込まないでくださいよ。先に台詞が取られたからって」

 俺の目の前でメンタルの弱い爺神様と部下であろう少し苦労人?の天使がいた。

「すみません。この神をほっといて、まず貴方には謝罪しなければなりません」

「はあ」

「実は貴方は死にました」

「………え?」

 目の前の人に死にしましたって言われた。マジかよ。

「死因は?」

「あら、落ち着いていますね」

「いいから」

「ハイハイ。死因は鈍器による出血死。犯人は逃亡中」

「そうかそうか。本当に死ぬ予定だったのかそれともそちら側の不手際か?」

「両方です」

 よし、殴ってやるといきこんでいたのに。まさかね。

「実は貴方は急性で死ぬ予定だったのですが、どっかのバカが書き換えたので「そうかそうか。では誰かな?」!?」

 おっと、落ち着け落ち着け。殺気が漏れ出しているな。

「え、えっと………」

「まさかわからないとかじゃないよね?」

「ヒィ!?あ、あああ………」

「おい聞いているのか?」

「そこまでにしなさい」

「アァ?やっと来たか」

「ああ。さすがに部下がこんなになるまでほっとおくとな」

 その瞬間、あの爺神の殺気が強くなった。おもしろい。

「なあ、俺を殺した奴わかるか?」

「わかると言ったらどうする?」

「さあな、ただ、俺はそいつを殺す。それが神であろうがな」

「………おもしろい。おもしろいぞ少年」

「そりゃあありがとよ」

 なぜ、話を逸らそうとしているのか気になる。

「では、少年、願いを5つ言いな」

「ああ。1つ目は俺を殺した奴を教えてもらう」

「それは願いではないから無効だ。ただ、殺人者は 連れて来ているぞ」

 俺の目の前には手錠と足に重い鉄球を付けた奴が俺を殺したのか。確かに、コイツはクズだな。しかも、俺に散々文句言ってきた奴か。

「そりゃ、俺にボコられる度胸があると言うことだな」

「………」

「どうした?声が出てねぇぞ」

「………」

 なにも反応しない。目が死んでいるがここは死の世界の一歩手前のはず。なのにそこには魂がないみたいだ。

「いかん、そいつから離れろ!!」

「っ!?」

「グオォォォ!!」

 いきなり、そいつは二メートル以上の化け物になった。そいつは某生物ウイルスの生物兵器のタイラントと似ている。

「おい、1つ目の願いいいか?」

「なんじゃ、忙しい時に!!」

「生前の身体能力だ」

「はあ?こんなのでいいのか?」

「ああ、早くしろ!!」

「わかったのじゃ。ほれ」

 身体に力がみなぎってきた。これならいける。

「ハァー、ハァ!」

 タイラントの腹に近づき、パンチとキックなどの体全体を使った。意外にも奴にはダメージが通っている。だが、あと1つ足りない。あの頭を壊すなにか。

「下がってください」

 そこに現れたのは鎧を着た天使だった。

「ハァァ!」

 腰から抜いた剣で斬り始めた。その華奢な体を生かして、ヒット&アウェーを繰り返している。だが、それでも足りない。そこへ。

「出来たぞ。二人とも離れろ」

 爺神が杖で魔法かなにかを使った。その瞬間、タイラントの身体が爆発した。

「何とかなったの」

 

 タイラントを倒した後、俺は残りの願いを言った。

「じゃあ、2つ目は能力の向上、3つ目は記憶力を上げることだ。4つ目はそちらで決めてください。5つ目は未定で」

「それでいいか?」

「ああ」

「では、行ってこい」

「行ってくるぜ」

 俺は渦潮みたいなところへ飛び込んだ。新しい人生か。どんなものか楽しみだな♪

 

「行ったか」

「なんかいい忘れたことがありませんか?」

「………あ!思い出した」

「なんですか?」

「他の転生者と転使のこと言ってない」

「………どうします?」

「4つ目の願いと共に手紙に伝えておけ。多分大丈夫じゃ」

「それはなぜ?」

「転使の能力が効かないと思うぞ」

「え?」

 

 

 

 

 こことは違う場所

「ワッハッハッハ、これが俺の新たな肉体か」

 この男はとある人物の体に憑依した。その人物は肉体はあるが、魂がなくなった状態。その人物は死んだとなっているが、憑依した場合はそうはならない。

 それはその人の魂が、その人の人生が終わったから。そこに別の魂が入っても入った魂はその人生を生きる。

「これでハーレム作り放題だ!」

 こう言った奴ほど早死にするけど。

 

 

 

 

 違う転生の場では

「こうゆうのだけどいいかな?」

「まあ、いいんじゃね?」

 あまりにもやる気がない神だ。彼はこういった仕事は得意ではない。

「だったら、こうするならこうゆうのがいいんじゃね?」

 しかし、自分がおもしろいと思う者にはとことん付き合う。

 

 

 

 某総合病院。

 そこには双子が産まれた。

「元気な男の子と女の子が産まれましたよ」

「あなた」

「ああ、よく頑張った」

 産まれてきた双子は転生者だ。神様転生じゃなく、れっきとした転生、輪廻転生でだ。

 方はある都で暗躍し最後は民を守った殺し屋。

 方はゲーム世界最強と言われ、大切な仲間と無事合流しこの世界に来た剣士。

「お名前は決めましたか?」

「ああ、男の子方はタツミ、女の子の方はユウキです」

 

 

 

 さあ、役者は揃った。この物語の始まりだ。




これでプロローグは終了とします。
次回から設定と人物紹介をします。


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設定とキャラ

 これでプロローグは終了します。


 主要人物紹介

 

名前 芹沢呉(せりざわごう)

年齢 16

性別 男

好きなもの 肉(鯨肉が特に好物)、昼寝、水泳、男女平等主義

嫌いなもの 野菜(特に苦味が強いもの)、自分の邪魔をする者、差別する者

紹介 別世界の住人。その世界で唯一生き残った人で、甦った自然と旧文化の廃墟で寝ていたところ、天影(あまのかげ)に神隠しに遇う。天影が救ってほしいと言われたので天影の世界に行った。

 自らの肉体による攻撃が得意。武器として口から出す光線。その場合、半龍化をしないと使えない。

 黒髪で赤目をしている。着痩せするタイプらしいので筋肉は結構ある。

 

 

名前 織村猟十(おりむらりょうと)

年齢 35

性別 男

好きなもの 酒、家族、子供、部下、お笑い番組

嫌いなもの 甘いもの、家族や子供、部下を大切にしない奴

紹介 モンハンの世界にいたハンター。数年前に天影の世界に来て、亡国企業に拾われた。その際、百菜と会い一目惚れをして結婚する。

 その後、日本に移り、長女千冬をもうけ、さらに数年後には秋二、一夏、マドカをもうけた。

 数年後に大きな火事に合い、千冬、秋二、一夏と別れてしまう。そして、死亡扱いされた。

 その数年後に織村秋二の誘拐の際、秋二ではなく一夏とあったが、別の名で会っていた。しかし、死にたいとか言っていたので偶然出てきた穴にほおりこんだ。

 武器は身の長を超す太刀が武器。

 一本に束ね髪、左目には大きな切り傷がある。

 

 

名前 坂本イザナギ(さかもといざなぎ)

年齢 九

性別 男

好きなもの 辛いもの、昼寝、男女平等主義

嫌いなもの 苦いもの、暴力、高飛車や高圧的な態度などをとる奴

紹介 とある世界の転生者。元居た世界で自分を殺した奴を探している。やる前かやったらやり返すことをモットーにしている。5つ目は未定。

 武器はそこら辺にあるものをすべて使う。(某池袋最強と同じ感じ)肉体による攻撃も得意。

 金髪で目が鋭い。

 特典は生前の身体能力、能力の向上、記憶力の上昇、仮面ライダーフィフティーンとロックシード各種

 

 

 世界設定&用語解説

 

・天影の世界 素材になっているのはオリジナルの〈インフィニット・ストラトス〉。そこに違う作品とキャラを入れ、出来ている。

 

・猟十の世界 素材になっているのはオリジナルの〈モンスターハンターシリーズ〉(作者がトライから4Gのみしかやっていなかったため前作やオンラインは知らない)。新モンスターやアイテムが増えただけ。

 

・転使 神たちが創った対転生者生物兵器。素材になっているのは転生者たちの悪事が活発化してきた時に死んだ少女を記憶を消し、そこに転生者の特典を無効かできる武器を体に入れた。操るのは最高伸のみ。悪事を働いた転生者を抹消した直後に暴走し、天影の世界にとどまっている。チートを持つ者でも苦戦せずに倒せる。神を大怪我を負わせる力がある。

別名〈転生者殺し〉〈神殺し〉

 

・白騎士事件 世界中の軍基地が一斉ハッキングに遭い、各国にある2500発以上のミサイルが日本に飛んできたのをIS〈白騎士〉が潰した事件。その影響で〈女尊男卑〉の風潮が流れ始めた。しかし、その背景では様々説が流れている。有力説は束博士の自作自演。

 

・織村家火事 約10年前に起きた火事。火元は自宅に浸入した犯人が着けた火ではないかという。犯人は原因不明の頭部の損傷により死亡。織村夫妻、次女マドカが行方不明であったが、捜査が打ちきられ死亡扱いになった。幸い、自宅内にいた長女千冬、長男秋二、次男一夏は意識を取り戻した。犯人の死亡についてだが、血まみれの一夏を見て、一夏が過剰防衛で殺したと思われる。

 

・都市伝説 人斬り天使 この都市伝説は数年前から起きているもので、この姿を見た人は人が空を飛んでいると言って、後を着けた途中で死亡した人を発見した。これには不可解なことしかなく、何かの見間違いじゃないかと言われている。

 

・辻斬り事件 日本どころか世界中で見られた無差別惨殺事件。死亡者は刃物ような物で斬りつけられていた。犯人はわからず、捜査も難航している。

 

 人物紹介

 

名前 シャルル・デュノア

年齢 九

性別 男

好きなもの 甘いもの、シャルロット

嫌いなもの 会社、死、人をバカにする人

紹介 シャルロットの双子の兄。性格は優しい絵に書いた王子様。しかし、そうと腹黒い。

 平均身長は他の男より小さい。

 原作の男装シャルロットの髪を短くした感じ。

 

名前 ゴードン・ボーデヴィッヒ

年齢 42

性別 男

好きなもの 酒(特に日本酒)、日本文化、部下

嫌いなもの 臭いもの、粘るもの、日本をバカにする人

紹介 ドイツ軍に所属している軍人。ラウラの義父。日本文化が大好き。

 

名前 更識楯無(さらしきたてなし) 旧名 刄(やいば)

年齢 17

性別 男

好きなもの 修業、洋食、刀の手入れ

嫌いなもの 当主の仕事、この世界

紹介 更識家現当主。更識家当主の中で二番目に強い。一番が初代。妹の刀奈に継ぐはずだったが、事情があって刄がやっている。

 

名前 更級宇宙(さらしなそら)

年齢 18

性別 女

好きなもの 料理、弓道、かわいいもの

嫌いなもの この世界

紹介 IS学園三年生。日本代表の一人。小さい頃に会った少年を探している。専用機は彗星。

 

名前 織村秋二(おりむらしゅうじ)

年齢 16

性別 男

好きなもの 原作ヒロイン、自分の思い通りになること

嫌いなもの 自分の思い通りにならないこと、自分に歯向かうもの

紹介 踏み台転生者。偽物。特にない。

 

名前 萩村倭(はぎむらやまと)

年齢 16

性別 男

好きなもの 走ること、早く動くこと

嫌いなもの 邪魔をする者

紹介 転生者。特典はオリジナル仮面ライダーマンティス、殺せんせーのスピード、身体限界突破。




 そろそろ、タイトルを決めないと。


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一章 無限の始まり
Gとブリュンヒルデ


 タイトルが決まりました。パフパフ(^o^)
それと、一つ言います。原作はまだ入りません。事情があるので、原作に入るのを待ってください。


 …ん、ここは…どこだ?俺は確か………思い出した!確か、影さんの神隠しに遭い、転使を倒してくれと、言われたんだ。

 って、言うことはここが影さんの世界か。あの世界と似ている。少し、懐かしいな。………それよりもここはどこか知らないと。登れそうな木は……あった。ここなら登れるな。せーの。

 シュン!!

 おお、高い高い。東側に行けば町だな。よし。そのまま、行くか。

 ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!

 ん?ポッケのなかになにか入っているな。手紙か。たぶん、俺のだろう。送り主は影さん。内容は………。

 

 芹沢呉へ

 この手紙を見ているなら、私の世界にいますね。

 最初に貴方には謝らないといけないことがあります。

 貴方と会話したのは、母の未希です。怒るかもしれませんが、その神様は私に呉と最後のお話のお話を許してくれたのです。ですが、顔を見せないことを条件にしたので、呉の顔を見れませんでした。ですが、声抱けでも元気だと言うことを知れてよかったです。こんな母親でごめんなさい。

 お父さんからの一言。「頑張ってこい」だそうよ。

 

 では、呉。今から、あなたの住む場所を教えるわ。

 まず、東側にある藍越市の藍越駅西口へ行きなさい。あとは地図通りに行けば着くから。

 それと呉には超能力が宿っているわ。簡単な予知能力はもちろん、念動力や瞬間移動などもできるわ。ただし、使いすぎると失神するから。下手するとしぬかもしれない。でも、死んだときはもう一回(物理的、精神的に)生き返らせるから。

 呉、頑張ってきなさい。応援しているわ。

 

 未希より

 

 

 母さん、死んでもそんなことが言えるんだね。俺、怖いよ。でも、ありがとう。俺も頑張るから。

 さてと、行きますか。

 

 

 私の名前は織村千冬。最近、悩み事が増えたのだ。生活費はもちろん、教育費などをこれから払わなければならない。これは行方不明の親の財産で秋二たちが中学卒業まではなんとかなる。

 最近の悩みは秋二と一夏の仲だ。あの事件があった後、一夏は記憶を無くしていた。それに成績も悪くなっていく一方だ。それぐらいは時間をかけていけば自然と直るはずだ。しかし、問題は秋二の方だ。今まで、仲が良かったあの弟があれ以降不仲になった。

 しかし、問題はあの馬鹿()だ。なにかよかなることを考えているのだ。

 なにが事件があれば大抵は束が起こしている。

 それに私は来年から高校生だ。平和に勉強やスポーツをやりたい。

 第一希望にしている藍越学園の見学会が今日あるのだ。当然、私は就職をしようとしたのだが、私たちの保護者をしている人に高校に入りなさいと言われたから、それにした。とにかく、弟たちのために頑張るとしよう。

「ねぇねぇ、彼女。俺たちといいことして遊ばない?」

 なんだコイツらは。

「ねぇ、今暇でしょ。涼しい処でお茶しない?」

 ああ、メンドイ。無視だ無視。

「おっと、行かせないぜ」

 くっ!!邪魔だ。

「そこを退いていただけませんか?」

 できる限り穏便に済まそう。内定に響きそうだし。

「それはできない相談だ」

「退いてください。遅れるので」

「いやだね」

「通らせてください」

「通りたければ通ればいいじゃん」

 …ああ、ダメだ。我慢の限界だ。

「おい、あんたら交通の邪魔だし、その学生さんから離れろ」

 誰だろ?声からにして私と同じくらいの男か?

 

 

 ああ、ああゆうのって、見ていて腹ただしい。………決めた。ぶっ飛ばそう。

「おい、あんたら交通の邪魔だし、その学生さんから離れろ」

「おいおい、邪魔なのはあんt「どの口が聞いてるんだ?」!?」

 俺に近づいてきた野郎を縛り上げた。

「あのさ、正直に言って、ウザい」

「なんだと?」

「だからさ。学生さんの手を離せよ」

「てめぇぶっ殺す!!」

 そう言って、殴りかかってきたが、その力を利用して投げた。

「野郎!」

 二人がかりか。さて、どうくる?

「いくぞ、弟!」

「OK、兄貴」

「「ダブルラリアット!!」」

 某忍者漫画のパクリをすんな!でも、ギリギリまで惹き付けて、………今だ!

「はぁ!とりゃあああ」

 一気にしゃがみ、手を地面につけて、回るだけ。一人ダウン。もう一人は………いた!スライディングか、面白いことを考えたな。けど、甘い。

「もらったあああ!」

 腕の力のみで持ち上げる。そこに踵落としを決める。

「さあて、あといないな」

「あ、あの助けて貰いありがとうございます」

「いえいえ、人として当然の事をしたまでです」

 

 

 私を助けた人は場馴れしている。それにかっ………って、私は何を考えているんだ!と、とにかくお礼を言わないと。

「あ、あの助けて貰いありがとうございます」

「いえいえ、人として当然の事をしたまでです」

 ………やばい。なぜか、熱いし、心臓がドキドキしている。き、聞かれていないだろうか?

「どうした?」

「ひゃ!?」

 な、なんで目の前にいるんだ!?驚いてしまった。

「な、なんでもないです」

「そうか。じゃあ、俺は行くから」

「お礼をしていません」

「別にいいよ」

「し、しかし」

「その心だけもらっておくよ。じゃあな、また何処かで会おう」

 また、会おうか。なんか近い内遭いそうだな。

 ………!!ヤバイ。早く行かないと。



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兎の陰謀

遅くなりました。
では、どうぞ。


 あー、暑い。体が溶けてしまいそうだ。ども、呉です。実はですね。俺、明日からここの学校に転入することになりました。え?あれからどうなったて?ああ、その事についてなら、ダイジェストで一気に言っておこうか。

 

 あの時の午後は、転入先の学校へ走っていき、転入テストを受け、合格したので正式に転入することになった。その後、校長に挨拶をし、学校内部を見て回り、教科書や制服などの購入先を教えてもらい、その日は家を探すために食べ物を買って、学校を後にした。

 昨晩に家と言うよりアパートを見つけた次の日は、近所回りと大家さんと近くの部屋の方々への品と制服などの購入にいった。

 三日目が必要な物を買いにいった。

 四日目から六日目はバイト探しをして、学校へ許可を貰いに行き、面接を受けた。

 七日間に受かったことが電話にきた。

 八日目から今日までバイトをしていた。バイトは新聞と牛乳配達。

 

 こんな感じである。そこまで苦労するわけではない。しいて言うとなればどちらも朝が早いことだ。あれから天影からはなにも反応はない。だけど、いつ起きるかわからないため、日頃からトレーニングを続けている。最近では瞬間移動ができるぐらい早くなり、一トンくらいの岩を片手で持てるようになった。あとは、超能力を少しずつだがコントロールができるようになってきたことぐらいかな?

 そういえば、バイトを始めて二日過ぎた頃かな。誰かに付きまとわれている気がする。正確に言うとなれば見られているか?カメラみたいな何かにだ。

 とにかく、気にすることではないかな。

 今日は遅いし寝るとしますか。

 

 

 

 ヤッホー。画面のみんな、篠ノ乃束だよ~。

 私はちーちゃんをたぶらかした奴を見ているんだよ。正直言って、消滅した方がちーちゃんのためだと思うんだよね。だけど、ちーちゃんが悲しくなるから脅す程度で済ませようと考えているんだ。束さん優しいね!

 お、起きたな。着替えをして、バイトに行ったのかな?あとを追ってみよう。

 バイトを終えて、家に帰るのかな?いや、違う。ここは裏山かな?何しているんだろ……!いなくなった……え?さっきまでいたのにどこに行ったんだろ?わ!?いつの間にあそこに?まあ、別に気にしなくてもいいかな?今度は何をするんだろ?……え?岩を持ち上げた!?ま、待って!あの岩はおよそ一トンのはず。それを軽々と、しかも、そのままスクワット!?き、規格外すぎだよ。で、でも慣れたから今度はこんなが出ても平気だよ。さあて、次は何かな?

 ………。あいつ、本当に人間?さっきから規格外過ぎることをやっているけど、あれはないでしょ。

 あ、帰り始めた。

 家について、朝食を作っているな。

 ………。え?私の見間違いかな?さっき、食器が浮いていたけど。もう一回見てみよう。………やっぱり、見間違いじゃない。ポルターガイストかな?

 なんか面白い。

 ………そうだ!あいつを誘き寄せて、解剖してみよ。私が作っているこれに付け加えてみたら面白いかも。

 早速、準備しよ。

 

 

 

 ブルブル!?まだ、夏なのに寒気を感じた。もう少し寝るか。

 

 時計の音が鳴り響いた。そろそろ起きないとバイトに遅れる。

 

 今日は意外と冷えるな。早く終わらせてトレーニングしないと。

「おはようございます」

「おはよう。いつもありがとう」

 篠ノ乃さんは毎度早起きだな。確かここの剣道場の師範だったはず。

「いえいえ。頑張ってください」

 さあて、次の所に行かないと。

「おはようございます」

「おう、おはよう。坊主少し待っていろ」

 この人は五反田食堂の料理人。ここの食堂はこの辺では人気がある。まあ、娘さんが美人だからかな。しかし、ここの料理は本当にうまい。

「ほれ、熱々のフライだ」

「いつもありがとうございます」

 

 あー、やっと終わった。よし、さっき貰ったフライでも食べながら行くか。

 それにしても、今日は嫌な予感がするぜ。

 

 

 

 

 私は今朝、親友の束から連絡が入った。眠気を耐えながら、束の家に行った。

「おっはよ~、ちーちゃん」

「なんだ、束。私はまだ、眠いのだが」

「実はね。ちーちゃんに協力してもらいたいことがあるんだ」

「………」

「実は、ちーちゃんが会ったあの人を私の家に連れてきてほしいんだ」

「あ、あの人をか?」

「うん」

「た、束にしては珍しい」

「うん」

「し、しかし私はあの人の住所処か名前も知らないのだぞ」

「だいじょーぶだよ。あの人が通う予定の高校に待ち伏せをしたらいいんだよ」

「まさか」

「そう。そのまさかなんだよちーちゃん。私を誰だと思っているの?そんなことバレなきゃ犯罪じゃないんだよ」

「親友を辞めたい」

「ふふ、無理だよ。ちーちゃんとの縁は永遠に切れないよ」

「はあ~」

 誰かこの馬鹿()との縁を切る方法はないですか?

「では、作戦を言うよ」

 

 

 

 今日から学校生活をするのか。学校生活をするのは久しぶりだな。

「芹沢、俺が呼んだら入ってこい」

「わかりました」

 俺の教室は一年C組か。一クラスは40人ぐらいか。

「入ってこい」

「はい」

 教室に入ってくると、俺に注目し始めた。黒板に自分の名前を書いた。

「芹沢呉です。趣味は料理とトレーニング。特技は水泳です。よろしくお願いいたします」

 これでいいかな。

 俺は言われた席に行った。廊下側の最後だ。

「SHRは終わる。一時間目を使い、自己紹介だ。日直」

「起立。礼」




タイトル変更をします。このタイトルは納得しないので今、考え中です。
活動報告にも書いているので何か案があったらお願いします。


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人外の過去話

遅くなりました。
最近リアルが忙しかったりTwitterを始めたり、艦これを始めたり………怒らないでください。
タイトル変更をしました。


 つーかーれーたー。ども、呉です。先程、自己紹介をしていました。質問の量が多すぎる。質問をダイジェストで言うぜ。

 Q.1 どこにいたの? A S県S市にいました

 Q.2 好きな食べ物は? A 肉なら何でも

 Q.3 好きなタイプは? A わからない

 Q.4 S、Mどっち? A 答えたくない

 Q.5 あなたが好きです。付き合ってください。 A そうゆうのは断っております

 Q.6 ヤラナイカ? A 嫌だ!

 Q.7 1週間で何回○○っている? A ………

 Q.8 ショタコン、ロリコン? A お前の頭はどうなっているのかな?

 Q.9 踏んでください。 A そうゆうのは専門の人にやってもらってください。

 Q.10 シスコン、ブラコン、マザコン、ファザコン? A 死にたい奴は挙手しろ。

 とこんな感じだ。後半から質問じゃなくなっているのは気にするな。

 今は二時間目の準備をしているところだ。さいわい、授業は復習として受ける感じだ。

 準備をしている時、隣席から声をかけられた。

「よ。隣同士よろしくな」

「よろしく。えっと………」

「獅子王。獅子王那琉(ししおうなる)だ」

「先程も言ったが芹沢呉だ。好きに呼んでくれ」

「よろしくな呉。俺も好きに呼んでくれ」

「おう、こちらこそ那琉」

 印象としてはいかにもスポーツをしている体つき。それでいてコミュニケーション能力は高い。

 クラスの人気者かと思っていたが、そうでもないみたいだ。

 皆が見る那琉への目付きは警戒というより怯えているように見える。考えられることは、問題児だということだ。

 まあ、俺はそこまで気になるわけではない。俺にはやらなくちゃいけないことがあるしな。

 考えているうちにチャイムが鳴った。

 

 

 

 俺、獅子王那琉は俺は人間じゃない。いきなりそんな事を言うのはバカらしいが、俺の過去話を聞いてくれ。

 そう思い始めたのは小学生の時だった。当時は普通の子供と同じように暮らしていた。確かそう思い始めたのは、小学生初めての授業の時だった。その時の時間割りは学校探索といった学校を回るものだ。ふざけていたわけではないが、落下防止のための壁?が偶然壊れてしまい学校の二階から落ちてしまったことがある。奇跡的に身体は大丈夫だったし、後遺症もなかった。だが、怪我の治りが早かった。半年、下手すれば一年近く入院のはずだったし、目が覚めるのも一ヶ月以上のはずがたった三日くらいで目覚め、退院は一ヶ月半くらいで帰ってきた。

 両親は嬉しかったらしいが、回りは、特に学校では誰も近づかなくなってしまった。

 三、四年生頃だったかな。俺はいじめをうけた。陰湿なものは少なかったが、暴力的なものが多かった。俺は無視していた。その頃だったかな。俺の傷がすぐに治るようになったのは。俺は気味悪くなったから親に相談してみたのだ。

 帰ってきた言葉は「この話はお前が中2になってからな」と。

 今すぐじゃ、ねえのかよ!!

 

 あれからいじめは収まらなかった。中学に入ってからいじめがなくなった。理由を挙げるなら、ある奴らと仲良くなったからだ。そいつらは針山烈(はりやまれつ)と阿蘇翼(あそつばさ)だ。最初はただのクラスメイトだったが、俺がいじめられていた現場にたまたま来て助けてくれた。

 それから俺は二人とつるむようになっていた。楽しいこともあり、苦しいこともあった。それでも今までよりはとてもよかった。

 そんなある日。俺たちは帰宅中にある出来事に遭遇した。誘拐現場に。俺らはその現場を見たことにより連れ去られた。相手はプロ、学生の俺らでは勝ち目がない。一瞬で無力化された。二時間くらいかな。着いた場所は波の音と潮の匂いがするので海だとわかった。目隠しされたまま、無理矢理降ろされ、倉庫に入れられた。そこで目隠しを外され見た光景は、地獄絵図みたいだった。

 至るどころに血痕、腐った肉の臭い、人の首があった。

 あの時は怖かったな。まるで映画みたいな光景だったからな。

 話の続きをしよう。俺は倉庫中央を見た。そこには恐竜がいたから。二足歩行で黒い皮膚で、鋭い目で俺らを睨んでいた。

 後ろの戸が鍵を掛けられた。それと同時に恐竜が全力で走ってきた。俺らは何とか回避した。そこから俺ら対恐竜の逃走劇が始まった。

 

 何時間経過したのだろう。俺は障害物を利用して天井に逃げたからそんなにスタミナは減っていない。とにかく、この状態で待てば外から助けが来る。そう思っていた。しかし、現実は甘くなかった。俺は天井から落ちてしまった。しかも、恐竜が進む方向にいたから襲われた。天井から落ちたから身体が動かず、迫り来る恐竜に首を噛まれ、次に腹の中の物が出てしまった。痛かった。苦しかった。早く殺してくれと願った。

 恐竜がその場を去ったその時だった。俺の身体の傷が癒えたのは。さらに力が突然溢れてきたのは。俺は軽くなった脚で恐竜を蹴飛ばした。俺は改めて身体を見てみた。後ろ腰に付いている尻尾以外、身体が軽くなったくらいしか変化がなかった。

 俺は怒った恐竜の顎に向けて蹴り上げた。空いた腹にパンチを連発した。俺はさらに速度を上げ、さらに蹴りを入れて、無刀剣士のように早く、早く、早くと繰り出した。まだ、倒れない。なら、あの技を使ってみよう。初めてだったけど成功したぜ。七花八裂。

 その後のことは気絶したから覚えていない。

 だが、烈や翼は俺と同じような姿になれるということを知った。

 両親から俺の身体のことを教えてもらった。俺の母方の家系がそのような血を持っている。それからは母方の祖父が教えてくれたので任意で変身することができた。

 これが俺の過去話だ。面白くなかったかもしれないが、聞いてくれてありがとな。

 さてと、行くとするか。俺たちと同じ奴のところに。



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兎と亀もとい、兎と黒獣

 投稿し忘れてすみませんでした。
 正直言って、くだくだです。
 どうぞ。


 放課後。転校初日が終わった。感想はまあまかな?前にも言ったが元居た世界で習った範囲の復習になるので苦労はしなかった。

「おーい、呉。少しいいか?」

「ん、なんだ」

「お前、部活に入っていないだろう?」

「おう、そうだが」

「だったら、俺らの部活に入ってくれないか?」

 那琉が部活に誘ってきた。あいにく、俺は目的があるので断るか。

「無理だ。生活費がギリギリでな。部費を出すぐらいの金がない。すまない」

「大丈夫だ。部費は臨時で取ることになっている」

「どこが大丈夫なんだよ。けど、見学だけなら」

「そうか!じゃあ、いくぞ」

 

「ここが俺たちの部室だ」

 見た目は文化部が使う部活なんだが、部の名前がない。

「ここはなに部なんだ?」

「まあまあ、入りなよ」

「おう」

「「「「「ようこそ、sk※kこ仝%£#≠∞>≧へ」」」」」

 なにいっているかわかんね!?

「だぁー、ちょっと待て。なんて言った?一人づつ言ってくれ」

「はいはーい。S○S団」

「部じゃねーのかよ!?」

「オ○○ト部だよ。ここは」

「部だけど、レー○○ン○ゲームでもするのか!?」

「奉仕部よ」

「ここは生徒の相談を解決する部なのか!?」

「ゲーム制作部(○)だ。ゲームしようぜ!」

「なぜ、○。○なんだ!?」

「オ○ルト研○部の予定だ」

「○カル○ってさっき出た!?しかも、予定って」

「とまあ、ここはセ○シーコ○○ドー部。さあ、○クシー○マン○ーを一緒に極めよう」

「それは格闘技なのか!?極めねぇよ」

 つ、疲れた。なんだよコイツらは。変人の住処か。はあー家に帰りてぇ。

「さて、改めて。この部はなんでしょう?」

「選択し三つから選べ」

「1、ボランティア部」

「2、テニス部」

「3、帰宅部」

「さあ、どれでしょう?」

 俺は扉を閉め、全力で走った。こんな部活、入ったら色々と死ぬ。逃げないと。

 

 閉められた戸を見て固まっていた。

「ああ、いっちゃた」

「そりゃ、そうだよな。いきなりこんなことすれば逃げないわけがない」

 そんな場を壊すかのように一人の長身の男性が来た。

「Hey、どうしちゃたんだよYouたち」

「あ、ノジーラ。じつわね」

 さっきのことを話した。

「OH、そうなんですか、だったらDanceをしようぜ!」

「おい、ノジーラ、なぜ、ダンスをしなければならん」

 そういってくるのは、黄色い髪が特徴の男性。

「そうだぜ。ダンスをやるよりだったら、なんか食っていたほうが断然いいのだが」

 赤い髪の男性が来た。

「じゃあ、今回の勧誘は終了ってことでいいな?」

「「「「「「「」「オッケー(はいはい・了解・わかった)」」」」」」」」」

 

 

 

 

 何も言わず出て来たけど明日謝ればいいよな。明日も早いし帰るか。

「あの、少しいいですか」

 あの時に助けた女の子が立っていた。

「何か用かな?」

「えっと、助けて貰ったお礼をしたくて、その今いいですか?」

「お礼はいいよ。俺がしたくてやっただけだし」

「で、ですが」

「いいよ」

 俺は断ろうとしていたのだが、そこへ新たな人が増えた。

「ねぇねぇ、ちーちゃん、遅いよ」

「すまぬ、束。先に帰ってくれないか?」

「いやだよ。そんなの。それに私もコイツに聞きたいことがあるからさ。連れていこう」

 俺を連れていこうとかふざけたことを言っているが。

「あのさ。君たちは誰かな?俺を連れていこうとかいっているけど」

「わ、私は織斑千冬です。こいつは…」

「はいはーい!みんなのアイドル「那珂」ちゃんだよ~。よろしくね~って、違うよ!私の名前は篠ノ乃束だ!」

「んで、織斑と篠ノ乃はどう言った用件で来たんだ?」

「私はお礼がしたくて」

「私は君の体を調べたくてね」

「は?」

「だから、少しの間寝ていて」

 右手に隠していた何を避けた。

「おしい。あと少しで刺せたのに」

「俺を殺すきか!?」

「違うって、君の体を調べたいだけだよ」

「断る!!」

「大丈夫大丈夫。血を抜いたり、毛を二、三本貰うだけだし」

「それでも………言い分けねえだろ!!」

 しつこい。俺を調べたってなんも出ないし。こうなったら、

「逃げるか!」

「逃がさないよ。いくよちーちゃん!」

「ま、待て、束!」

 

 

 

 私(織斑千冬)は束の跡を追いかけている。こう見えて体力には自信がある私だが、束は動くより頭を使う方が似合っているはずなのに、あいつは私よりも早く走っている。

 驚くことにあの人が障害物を利用して走っていることだが、アスレチックみたいに次々と屋根から屋根へ跳んでいるのだ。

 それに負けじと束を見ていると時代劇みたいだな。

「待て!鼠小僧!」

 こんな掛け声まで出して。近所迷惑だ。

 走る二人を追いかけて二時間。先にギブアップした私は諦めて家に帰ることにした。あの二人はどこに行ったのかわからない。

 二人はどこに行ったのか考えていると目の前にロボットがいた。束が前に私に見せたロボットと言うよりIS、白騎士がいた。

 インフィニット・ストラトス、通称ISは宇宙に行くことを目的としたパワードスーツ。束が作ったものだが色々欠陥を残している。その内一つが女性しか乗れないことだ。原因は不明。束は仮説としてISコアの人格が全員男性か男性恐怖症の女性など色々とある。

 この白騎士は私が見たとき、なんというか運命的な出会いだと思った。それから毎日とは言わないが、白騎士に会いに来ている。

 しかし、白騎士が無人で動くことは始めて見た。

 本来ISは人が乗って初めて動くもの。しかし白騎士には人が乗っていない。まるで意識を持ってここへ来たみたいにみえる。

 私は白騎士に手を伸ばし、纏った。目の前の画面を見て、兎マークは赤いマークを追いかけているのを見た。…絶対あの二人だ。どうやらここへ来ているようだ。………逃げるか。

「待てー!」

「いい加減諦めろ!」

 遠くから声が聞こえた。



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転使との遭遇

この小説を改めて思ったこと。時系列が合わない!?


 藍越市の路地裏。そこに一人の男性が切迫つまった顔で走っていた。時折、後ろを向きながら走っていた。

 男性の足が止まった。前が行き止まりではない。人が居たのだ。

 銀色に近いロングヘアーに何処かのいい所のお嬢様にも見えなくない。

 男性は来た道を全力で走った。怯えている顔で。だが、無慈悲にも男性の足が止まった。いや、止まるしかなかった。諦めたわけではない。首から上がなかったからだ。

 少女の右手には剣があった。血は着いていない。しかし、数m先に男性の顔があった。

 そして、少女は白い翼を出して飛びだった。

 

 

「また、無差別殺害事件か?」

 俺はバイト終了時に朝刊を見ていた。

「ああ。たっく、嫌な世の中になったな」

「そうですね。お先にあがらせてもらいます」

「お疲れ」

「お疲れさまでした」

 急いで家に帰るか。学校の準備をしないとな。

 

 学校に来たら早速、無差別殺人事件が話題になっていた。

「おはよう呉」

「おはよう那琉」

「見たかあれ」

「ああ見たよ」

「これで10件目か」

 この事件は俺がこの世界に来る前、およそ半年前に始まった。最初は自殺かと思われていたが、斬り方がどれも同じことから殺人に変更。しかし、殺された人たちには接点はない。

「当分、部活は禁止か」

「あの意味わからない部活?」

「意味わからないって」

「つか、あの部活ってなに?」

「部活っていうか、ただの集まりだよ」

「部活じゃないのかよ」

「気にするな」

 

 放課後。また、逃走劇が始まるのか。もういや。

「見つけたよごーくん」

「げぇ、篠ノ乃!?」

「さぁ、体を頂戴」

「発言!?発言がヤバい!?」

 また、徹夜かよ。

「さあ、こっちにおいで」

「もう、イヤー!!」

 

 

「ふふ、また買ったちゃ」

 帰宅途中の女学生が歩いていた。

「前世では見れなかったノベルを買えてよかった」

 言ったとおり、前世の記憶を持っている。

 彼女の場合は神様転生じゃなく、輪廻転生で生まれた。

 彼女の向かいから少女が歩いてきた。

 彼女は気にしないで通りすぎようとしたが、なぜか空を舞っていた。体が軽い。落下してきたと同時に理解した。自分の体には頭がなかったこと。そして、自分の頭はそこにあったこと。

「抹殺完了」

「見つけたぜ。転使」

 黒の髪をした赤い目をした男が立っていた。

「目撃者発見。これより記憶の改竄を行う」

「名乗りもしないうちに攻撃すんなし」

「そうですか。しかし、記憶の改竄を行うにあたったって、名乗らなくてもいいと思います」

「まぁまぁ、冥土の土産だと思ってくれればいいと思うけど」

「肯定。神造兵器対転生者抹殺神抹殺用兵器個体名0666転使。それが私の名前」

「なが!?」

「気軽に転使ちゃんと言ってください」

「製作者の顔を見たい」

「私が名乗ったのです。貴方の名前を教えてください。頭の片隅あたりらへんに覚えておくから」

「片隅かよ。まあいい」

「俺は芹沢呉。ちょっと超能力が使える少年だよ」

 

 なぜ呉が転使を見つけられたのかと言うと偶然である。束から逃げている途中に見つけたからである。最初は怪しいとかそうゆうことを考えていたわけじゃなく、己の感がそう告げていた。しかし、感であるため確証がなかった。そこで隠れて現場を見ることにした。自分の超能力の範囲内なら転使の殺す場面を見ることが可能である。そして、確証が持てたのでテレポートを使い転使のところに来たのだ。

 

「超能力?貴方も転生者なの?」

「転生者?さあな?知りたければ倒してみな」

 転使は手から剣を出し、斬りかかってきた。呉は後ろに避けて、勢いよく殴りにいった。転使は剣の腹で殴りを防いだ。

「貴方本当に人?」

「人から少し外れたけどな」

「そう」

「次はこっちだ」

 呉は見えない何かで転使を縛り上げた。転使は苦しそうな表情で何かを呟いた。次の瞬間、転使は消えた。

「情報が足りない。今日は撤退するわ」

「逃がすかよ」

 見えない何かを転使に向けて投げたが消えた。

 

 

 次の日。俺は昨晩の出来事を思い出していた。

 転使という人物は普段何をしているのか。なぜ、転使は意思を持っているのか。それが気になる。俺は兵器と言う言葉を聞いたとき、疑問に思った。見た目は普通の女の子なのに。

 俺はもう一度転使に会いたいと思った。

「よ、朝から眠たそうだな」

「まあな」

「呉、放課後部室に来てくれ。大事な話がある」

「また、あそこに行くのかよ」

「今回は真面目な話だ」

「……わかった」

 

 

 キンクリ!! 一回言ってみたかった台詞by作者

 

 作者の声が聞こえたが気にしない。気にしない。

 やって参りました。カオスな部室に。正直行きたくなかった。でも、那琉が真剣な顔つきだったから来たが。まあいい。逝くか。

「失礼します」

 ヒュー。風を切る音が聞こえた。

 ドン!!重い何かが体にあたり、学校の外に投げ飛ばされた。

 その時、「トラップ解除するの忘れてた!?」と那琉の叫びが聞こえた。

 

「は!ここは」

「部室だ」

「何時間寝てた?」

「30分くらいだ」

「そうか」

 俺が気絶して30分くらい。油断した。

「悪い!トラップの解除をするのを忘れていた」

「いいよ別に」

「そう言ってもらえるとありがたい」

「それで話ってなんだ?」

「ああそうだな」

「まず、自己紹介しないといけないわ」

 声がする方に顔を向けた。そこには生徒会長がいた。と同時に理解した。生徒会長も変人だと。

「今、侮辱された気がするのだけど」

 エスパーかよ。(人のこと言えないと思うけどな)

「私のことは知っているかと思うけど、改めて言うわ。藍越学園生徒会長のレオ・M・インファントよ。よろしく」

 なぜかあいつとかぶる。けど、あいつはいない。

「俺は針山烈。隣にいるのは」

「阿蘇翼だ。よろしく。ちなみに僕と烈、那琉は中学からの付き合いだ」

 なぜだ。この二人を見ると懐かしいのは。

「Heyyou。俺の名前はノジーラ・タトプロス。アメリカから来たぜ。趣味はdance」

 日本語をペラペラしゃべれるのか。

「そこで筋トレしているのが王鈍樹君」

「ウホウホ」

「彼身長が二メートル越えだから、初めての人にはウホウホとあいさつするの」

 驚きを通り越して呆れた。

「んで、部屋の隅にいるのは鎌田刀香。風紀委員だから気を付けろ。拘束違反すると……」

「すると……」

「男女問わず丸刈りにされる」

 ヤバイのがいた。

「まだ来ていない人がいるけど、始めるわよ」

 

「まず、何から話そうかしら」

「会長、まずこの部室のことを話したらいいと思います」

「そうね。そこから話しましょう。この部は学校非公認で、ある能力を持った人たちが集まった部よ」

「それって…」

「見せた方がいいかしら」

 回りにいた皆が体に何かを出していた。ある者は背鰭を、ある者は羽を、ある者は爪を。姿が全て人間とは異なる何かになったのだ。

「私たちの姿を見て驚いた?」

「いや、そこまで驚いていないけど」

「私たちはこの姿をミュータントと読んでいるわ。先天的なものや後天的なものまで。発現理由は今だわからないけど」

「要するに俺も同じだというのか?」

「そう。できればあなたもその姿になって」

 俺は自分の超能力の他にミュータントと同じ、いやそれ以上の質が悪いものだ。片手だけならいいはず。

 段々と俺の右手が黒い岩みたいなものに変わっていった。

「これだけでいいか?全部出すとヤバイから」

 回りを見ると皆が汗を出していた。やっぱりな。

「あなた何者?こんな力を見たの初めてよ」

「俺か?そう言えば自己紹介していなかったな。俺の名前は芹沢呉。超能力が使える異世界から来たものさ」



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誘拐と救助と翼

 タイトルをオーズ風にしてみました。


 あれから色々と話された。それを簡単にまとめると……。

 ミュータントとは先天性もしくは後天性の人を越えた存在。モデルがいて、虫系だとタイプモスラやタイプカマキラスなど。

 次にこの部の存在。この部はミュータントの保護を目的としたことが第一目標。その他に人類に敵対するミュータントを倒すのもこの部の仕事。この学校の他にあると聞いた。

 俺の保護を目的とした勧誘とはいうと……断った。理由として一つ目が俺の目的について。転使を倒し終わったら元の世界に帰るはず。二つ目はってか一番の理由が筱ノ乃の実験対象にされるから。この二つが勧誘を断った理由。

 んで、断ったことを言ったら副会長が現れて俺を倒そうとしたので催眠術で眠らせた。

 

「勧誘を断られた…か」

「レオ、すまん!俺のせいだ!」

「いいのよ。貴方が私のために怒ってくれたのでしょ」

「結局彼なぜ断ったのかな?」

「まあ、異世界から来たっておかしなことを言っていたし」

「異世界からね………あ!」

「ん?どうしたレオ?」

「バトラー、お祖父様が最近、予言したことって覚えている?」

「ああ、あれか。デマって噂じゃ……」

「いいから言って」

「お、おう。確か内容は……

 

 この世界を侵略しようと次元の狭間から来る者がいる。

 次元の狭間から来る者よりも前に白い羽を生やした者を倒すために違う次元の狭間から黒い王が来る。

 その王が侵略者を倒すだろう。

 

っていう内容だったかな?」

「ありがとうこれで確証持てた」

「なにがだ、レオ」

「彼の腕と超能力、そして目的が…」

「早速、保護するのか呉を」

「ええ、一刻を争うことになるかも」

 

 家に帰る途中でスーパーで買い物をした。そこに奴がいた。

「ハロー、ごーくん」

「また、筱ノ乃か」

「まあね。けど、今度は違うの」

「………」

「お願い、ちーちゃんを助けて!」

「……どういうことだ?」

「変な奴等がちーちゃんを拐ったの。そしたら、私宛にこんなのが」

 手紙の内容は…

『お久しぶりですね、筱ノ乃士。あなたのその天才的な頭脳を貸してくれませんか?おっと、断ったらあなたの大切な友達が死にますよ。期限は明日の午前2時。場所は藍越市第二港地区の三番倉庫で待っています。警察に通報したら友達の命が無いと思ってください。。では、よい返事を』

 ほう。つまり自分の力不足だから一緒に助けてほしいか…。

「罠だな」

「罠でm「俺を嵌めるための」もいかないtえ?」

「だって、そうだろ。お前は何度も俺を解剖しようとした。だから、こんな大きな計画を建てた。違うか?」

「違う。違う」

「嘘だろ」

「本当のことだよ」

「俺を騙すための演技だ「本当に違うの!」……」

「いいよ。もうアンタの力は借りない!」

 そのまま、筱ノ乃は何処かに行った。

 バカだな。アイツが一人行ったところで二人揃って何処かに連れていかれるだろ。

 

「ねぇ、今の聞いた?」

「ああ、聞いた」

「同じく」

 俺(那琉)、烈、翼は呉を見つけたのだが、すごい場面を見た。

「ねぇどうする?」

「知るか」

「僕は関わりたくないが」

 けどっと、二人は言った。

「「アイツは人のことを見捨てない(な)」」

 

 

 藍越市第二港地区三番倉庫

 そこに織斑千冬が縛られて気絶していた。

 その周りにはボディーガードの姿をした人たちがいた。

 千冬の近くには黒いハットを被った男がいた。

「筱ノ乃博士の姿が見えたか?」

「いえ、それらしき姿は見えません」

「そうか」

「しかしボス。どうして中学生の女に固執しているのですか?」

「お前は知らないのか?」

「はい。博士が頭が良いくらいしか」

「インフィニット・ストラトスというパワード・スーツのことは知っているか」

「いえ」

「インフィニット・ストラトスは宇宙空間を想定したスーツ。一回、この国のお偉い学者さんに披露したんだが、空想の産物なの、非科学的などと言われた。確かに作ったら欠陥機械なのかもしれん」

「だったr「しかしだ」」

「しかし、中学生の娘が披露した論文にしては理に叶っているのだ。もしかしたら、自ら作っているかもな」

「だったらそれを買い取ればいいのでは?」

「そこだ。そこが重大な問題点。もし、買い取りをして宇宙空間で使わず、紛争地域で使い、それを博士知られた場合どうなる?」

「壊すか停止にするnあ!」

「そう。私たちはテロリスト。そんなことをされればアウトとなる」

「なるほど。ありがとうございます」

「それよりも」

 ボスは呼吸を置いて、自分に話しかけてきた部下に聞いた。

「君は誰だね?」

「私はあなたの部下です」

「いや、そうじゃない。私の後ろにいる君だよ。筱ノ乃博士」

 部下たちは自分達の武器をつき出した。

「動かないで。動いたらコイツ殺すよ」

「……用件を聞こう」

「ちーちゃんを、織斑千冬を渡してもらう」

「……いいだろう。彼女を連れてこい」

 部下の一人が千冬を連れて来た。

「そこに置け。早く!」

 束はボスを連れて置かれた千冬のところに来た。そのまま、ボスの首筋になにかを入れた注射器を注した。

「安心して、少しの間痺れが取れないだけだから」

「さすがは…ハァハァ……用意周到……ハァハァ…だね」

「何が言いたいの?」

「つまり、こうゆうことさ」

「なぁ!?ど、どうやって!?」

「それよりも彼方を見たらいかがでしょう」

「ちーちゃん!?どうゆうこと!?」

「つまり、織斑千冬は最初から入れ替わっていたのさ」

「くっ!」

 結局、振り出しどころか最悪の時代に陥った。束は状況を打破する策を考えていたが、怒りと焦りで冷静な判断ができなくなっていた。

「博士、降参した方が身のためですよ。でないと」

 指を鳴らして、部下が千冬の頭に銃を突きつけた。

「どうします?」

「………くっ」

「十秒以内に言ってください。10」

 迫り来るカウントダウン。迷っていた。イエスと答えるかノーと答えるか。五秒なった時、銃声が聞こえた。

「おっと、失礼。もう十秒過ぎたので殺しました」

「……さ…い」

「博士を確保しろ」

「ゆ……さ…い」

「許さない!」

 ドッと、束を確保しようと走り出した。

 絶体絶命のピンチの時、黒い何かが落ちてきた。皆はそこを振り向くと高校生くらいの男がいた。

「あなたは誰ですか?」

「俺か。俺は呉。芹沢呉。助けに来たぞ。二人共!」 



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翼とライダーとG

 今回は仮面ライダーを出しました。
 ここでオリジナルISも出ます。


 呉の目の前に泣き崩れた束と突然現れた呉に驚くボスの姿だった。周りにはボディーガードの姿をした人たちと腕から出血している千冬の姿。二人を救出且つ短期決戦で倒さないといけない。

 最初に行動を起こしたのは呉だった。

 自身の超能力の一つであるテレポートを二人に使った。

 突然の浮遊感に襲われた束は驚いた。今だ眠っている千冬の傍に行った。

「ちーちゃん、ちーちゃん!」

「ん…た、束か。ッツ!?」

「ちーちゃんが死んだかと思ったよ。無事でよかった!」

「は、離せ束。痛い、痛い!」

 感動の再会と言うべきか。しかし、そんな暇もなかった。

「どんな手品を使ったのかは知りませんが。痛い目に合いたくなければ二人を返してもらおう」

「へぇ、やなこった」

「そうですか。では、やりなさい」

 呉たちに大量の銃弾の雨が降ってきた。絶体絶命のピンチの筈がまたしても、天井から何かが降ってきた。

 束と千冬を守るかのように何かがいた。発砲が終わったときそこには月光りに当てられた白い騎士がいた。

「白騎士なのか?」

『Yesmaster』

「嘘……ISは無人では動かないはず…なのに」

『お母さん、貴方と私のマスター、千冬が捕まったと衛星カメラ経由で知りきました』

「ありがとう助けに来てくれて」

「白騎士、さんと言えばいいのか?二人を安全な所へ」

『……わかりました。ご武勇を。それともう少しで助っ人が来ます』

 

 

「逃げられましたか。しかし、あれがISですか…」

「そうらしいな」

 ボスは嬉しそうな顔をして呉を見ていた。

「しかし、君はなぜ天井から出てきたのだ?」

「何となく」

 ボスは笑った。

「君に教えないとな。私はなぜ筱ノ乃博士を拐おうとしたのか」

「だいたい予想はつくが」

「では、話そう。君はISを知っているか?」

「さあ?」

「正式名称インフィニット・ストラトス。かつて筱ノ乃博士が宇宙に行くため、宇宙を探索するために作ったパワード・スーツ。基礎理論は筱ノ乃博士自ら作ったもの」

「なるほど、つまりアンタらは宇宙に行くために筱ノ乃を誘拐し、独占しようとした」

「半分正解半分不正解」

 一拍置いて話した。

「私たちはテロリスト。ISは有効的に活用しないといけない。手っ取り早いことは……」

「紛争地域に売る」

「正解です。私たちはテロリストと言うより武器商人として反乱を起こす者たちの補助をしています」

「よーし、わかった。殴る」

「殴るときましたか。よろしい、来なさい」

 ボスは懐から青いメモリーとWが欠けた何かをを取り出した。欠けたWを腰に着けた。

《Trigger!》

「変身」

 ボスはトリガーと聞こえたメモリーを欠けたWに挿した。

《Trigger!》

 青い姿をした怪物に変わった。

「お前たち筱ノ乃博士を追え」

『ハッ!』

「追わせるか!」

 束たちを追おうとする奴を呉は自慢の超能力で止めた。

 その時、光弾が目の前を通りすぎた。

「私の部下に手を出したことを後悔させてやりましょう」

「へぇ」

 呉の拳とボスの足が激突した。

 

 

「あともう少しで着くから」

「すまない。私が捕まってしまったせいで」

「ううん。ちーちゃんのせいではないよ」

『お母さん、マスター家に降ります』

 白騎士が家に降りたとき、黒い何かが家から飛んで行った。

「お、おい束。俺はなんだ?」

「わからない」

『やっと行きましたか』

「白騎士なにか知っているのか?」

『はい。お母さん、私の前に出来た試作ISコアを知っていますか?』

「あの子?確か起動しなかったはずだよ。……まさか!?」

『えぇ、彼女も私と同じく自分を使える人が来たのです』

「束、なんの話だ?」

「ねぇ、ちーちゃん。私が白騎士の前のコアのこと話していたの覚えている?」

「ああ聞いたことがあるな」

「コアNo.00が起動したの」

 

 

 ボス対呉。劣勢なのは呉の方だ。生身での戦闘なら右に出るものはいないだろ。しかし、ボスは変身した姿を《仮面ライダートリガー》と名乗っていた。トリガーの力は半端ではない。従来の銃に比べリロードがない。しかも、威力は大きい。それ故に近づけられない。呉自身もリミッターを解錠すればトリガー同等、それ以上に戦闘ができる。しかし、リミッターを解錠すれば被害は尋常ではない。

「どうしたのです。さっきまでの威勢は」

「ハァハァ、うるせぇ」

「まあいいでしょ。これで終わりです!」

 今までよりも早く威力が高い光弾を放った。

 呉の顔には悔しい顔というよりニヤっと笑っていた。

 光弾に当たる前に何かが防いだ。煙が晴れるにつれ、そのシルエットが姿を見せた。

 全身が黒い獣のような姿なのだが、トカゲのような尻尾に背鰭。表すなら竜と言ってもいいような姿。

『芹沢呉様ですよね?』

「はい。アンタは?」

『はい。私はISコアNo.00の黒龍です。よろしくお願いいたします。ご主人様』

「は、はぁ………はい!?」

 突然現れた黒龍にご主人様と言われた呉。驚くのも無理はない。

『さぁ、ご主人様。私を着てください』

「なんだか知れねぇけど、よろしく頼むぜ」

『はい!』

 呉は言われた通りに黒龍を着た。その瞬間、辺り一面に光が発光した。そこには黒い鎧を纏った呉がいた。

「『こっからは俺たち(私たち)のステージだ(よ)』」




 どうでしたか?自分的にライダーを出せてよかったです。次話はオリISとライダーの対決と紹介を考えています。
 感想など待っています。


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Gが纏う/相棒は美少女

 今回はW風にしました。


 ラウンド2。最初の攻撃は仮面ライダートリガーの銃撃。長所の連射で呉たちを追い詰める。しかし、その攻撃を受けるわけではない呉たちは対抗するために火炎を吹いた。

 銃撃対火炎。勝負に決着が着かない。

 勝負が動き始めた。最初に動いたのはトリガーの方だ。トリガーマグナムにトリガーメモリーと似たメモリーを挿した。

《COMMNDER!》

《MAXIMUMDRIVE!》

 銃口に黒い光が集まり、引き金を引いたら数百発のミサイルが呉たちに向かってきた。

「初期設定はまだか?」

『三分稼いでください』

「了解!」

 呉はテレポートを使い、倉庫の中を駆け巡った。当たりそうなミサイルは念力でずらしたりした。

『初期設定完了しました。決定ボタンを押してください』

 呉は止まり、決定ボタンを押した。その瞬間、すべてのミサイルが呉たちに降り注いだ。

「ふ、終わったか。面白い少年だったが、まあいい。実力がなかったとしか言えないか」

 トリガーが立ち去ろうとした瞬間、倉庫の出入り口に青い光線が出現した。

「おい、おっさん。俺はまだ終わってないぜ」

 振り向くと先程の姿とは違い、生き物らしい格好をしていた。さっき撃った青い光線が口から漏れていた。

『黒龍 ファーストシフト完了 所有者:芹沢呉 能力:原子制御(アトムコントロール) 単一能力:××××××』

「いくぞ!」

 黒龍の右腕から一本の大剣を出した。

 数メートル離れているトリガーに向かって大剣を振り落とした。その瞬間、斬撃が飛んだ。

 それに驚いたトリガー。だが、それを冷静に対処した。

「っち、防ぎやがって」

「いやはや、結構危なかったですけど」

「知るか」

 トリガーはトリガーマグナムのメモリーを変え、緑色のメモリーを挿した。

《CYCLONE!》

《MAXIMUMDRIVE!》

 トリガーマグナムから緑色の強風が発射された。

 それに対抗するかのように黒龍の口から青い光線が飛び出た。

「ハァァァァァ!」

「ゴォォォォォ!」

 緑と青が合わさり、爆発した。倉庫は爆発に巻き込まれ、跡形なく消え去った。

 

「やったのか?」

『周囲の生命活動捜索中』

『生命体反応あり』

「やってくれたね。私をここまで傷つけたのは」

「それは光栄だな」

「では、私は去るとしよう。部下が捕まったようだしね」

《ZONE!》

《MAXIMUMDRIVE!》

 ボスは別のメモリーを使い、消えた。

「消えたか」

『そうですねマスター』

「帰るか」

『はい!』

 

 

 

 筱ノ乃神社前

 そこにはボスの部下たちが倒れていた。

「こんなもんか」

 金色の毛が体の一部に出ている那琉。

「今時、誘拐など」

 背中にトゲが出ている烈。

「今時かそれ?」

「いいから、どっかにほーり投げよう」

 両手が翼になっている翼。

「いや、尋問した方がいい」

「それはやめていただこうか」

「「「誰だ!?」」」

「私は仮面ライダートリガーと名乗っておきましょう」

「仮面」

「ライダー」

「鳥がー」

「なぜか、名前がおかしいですが、まあいいでしょ」

 そこはいいのか!

「では、さらば」

《ZONE!》

《MAXIMUMDRIVE!》

 トリガーと部下が消えた。

「逃げられたか」

「僕らも帰りましょ」

「レオに報告するか?」

「しなくていい」

 

 

 束のラボ

 鎮座された白騎士とベットに横になっている千冬、椅子に腰かけている束の姿があった。

「なあ、束」

「なに、ちーちゃん」

「あの人大丈夫かな」

「わからないよ」

『マスター、お母さん彼は大丈夫です』

「どうして?」

『だって、彼の側にはあの子がいますから。噂にしてると』

 突如、ラボの入り口が開いた。そこへ降りてくる一体のISがいた。

『母さんただいま帰ってきました』

「邪魔するぜ」

『「「誰!?」」』

「俺だ。筱ノ乃」

「え?あ!んー、誰?」

「黒龍、コイツ殺すから制御頼む」

『ダメです!』

「ハハハ、冗談ダヨ冗談」

「ごめんなさい!?ごめんなさい!?」

「あんな、束見るの初めてだ」

 

「と、いうわけだね」

「まあな」

「ISをそんなために使うのか!」

「まあお前らが言うのはわかるが」

「だけどね。あれは私の夢の一つなんだよ。兵器として使うなんて許されないんだよ!」

「ああ、そうだ。アイツらの使っていた物を見ていたが、あれはヤバイぜ」

「変わったベルトとメモリーね」

「それなら私も見たぞ」

「実際、戦った俺だからわかるが、使い手が良ければかなり強い」

「問題がたっぷりあるけど、今はその事は置いといて」

「そうだ。束、ISコアNo.00はなんだ?」

「そうだね。まずはISとはどんなものか説明するね」

 

 束が作り出したISコアはプロトタイプを合わして500個近くある。

 約40個がプロトタイプ。そのプロトタイプの中で意思があったのが、黒龍。束は黒龍のコアを研究し、そこからISコアNo.01の白騎士が生まれた。残りのプロトタイプは今も保存している。

 

「つまり、筱ノ乃が多くの失敗から生まれたのが黒龍ってわけか」

「うん」

『そうです。ですけど、母さん姉ちゃんと兄ちゃんたちも意思があるの知ってた?』

「え?そうなの?」

『うん。ISコアネットワークで姉ちゃんと兄ちゃんたちとは交流してるよ』

「うん、そう。ありがとうね」

『はい!』

『それとマスター、いい加減脱いでください。少し、汗臭いんで』

「あ、すまんな。あとで洗ってやる」

『わかりました』

 すると、黒龍の体が光だした。すると、そこに美少女がいた。

 黒い艶のある長い髪をした大和撫子といっても差し支えがない。

「初めてやりましたが、成功しました」

「え、おお前誰ですか?」

「もー、マスターそんな冗談言って私ですよ。黒龍です」

「え?」

「ん?」

「お?」

「「「エェェェェェェェ!?」」」




 皆さんに聞きたいことが有ります。境界線上のホライゾン~黒き加速の剣士~って知っていますか?もし、知っている人がいたら教えてください。もしかしたら、自分が削除した作品かも知れないので。


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学園祭のT/章がやっと後半に来た

 タイトル通り、この話から後半です。


 織村千冬誘拐事件(と言っても警察沙汰ではない)が起きて数週間が過ぎた。

 呉が通う藍越学園では学園祭の準備をしていた。

 呉がいるクラスでは出し物を決めていた。

 

「では、僕たちのクラスで出し物をします。なにか意見ある人はいますか?」

「迷路はどうですか?」

「いや、定番のお化け屋敷でしょ」

「フフフ、貴様らメイド喫茶がよかろう。それにしよう」

「バカ一名います」

「メイド喫茶ならぬコスプレ喫茶はどうだ?」

「食事処はどう?」

「eto.eto」

 話が纏まらないな。あ!ども、皆さん那琉です。久しぶりの俺side。なんか、ワクワクスンナ。それよりも案がこんなに一杯。俺感激だよ。しかーし!俺はクラスの出し物に参加できないのだ。理由は生徒会の仕事でね。それより今出た案を纏めると……。

 メイド喫茶 私がご主人!

 脱出迷路 ニゲロ!

 コスプレ喫茶 秋葉原

 お化け屋敷 あなたその顔ちょうだい

 食事処 飲兵衛

 写真館 秘密の覗き部屋

 ウェディング喫茶 人生の墓場

 中華喫茶 ヨーロピアン

 SM喫茶 躾てあ・げ・る

 格闘マッチ 異種格闘技デスマッチ!

 喫茶 ハゲの里

 など……ナニコレ?

「意見出たかーって、なんだよこれは」

「あ、先生の意見は」

「とりあえず、金を巻き上げるとこな」

 喫茶店 ヤクザ

「誰がそんなの書けといった!確かに言い方が悪かったな。収入が得られるのにしろ」

 食事処 ブラック企業

「よし今出た案から絞ろ」

 ザワ、ザワ

「多数決の結果からコスプレ喫茶に決定するよ。いい人は拍手で」

 

 あーだる。コスプレ喫茶の決定したが、次はメニュー決めになった。

 オムライスやフライドポテト、ケーキなどの洋食、鯖の味噌煮や和菓子、炊き込みご飯などの和食、ラーメンやチャーハン、ホイコウロウなどの中華eto。

「はいはーい!執事セットはどう?」

「メイドセットもいいと思う」

「人間盛りはどうですか?」

「分けるなら、百合と薔薇で」

「正午のお茶、昼ドラと共にはどうだ?」

 なぜだ?なぜ、危ない単語が書かれているんだ?これはヤバい。実にヤバい。

「案が集まったので、実際に作れるものに手を挙げて」

 なぜ、委員長は気に止めないのだ?

「では、決まったので解散」

 終わった。

 

 出し物を決めがすごかったな。今、生徒会室にいます。

「では、各クラスで決まったものを提出してください」

 レオに仕事している間、生徒会メンバーを言おう。

 まずは、生徒会会長のレオ・M・インファント。

 次に副会長のバトラー・M・インファント。

 書記の阿蘇翼。

 その補佐の針山烈。

 会計の三年生の波佐見愛伊(はさみめい)

 その補佐の獅子王那琉。

 会計監査の三年生の渦巻龍馬(うずまきたつま)

 その補佐の王鈍樹《おうどんき》。

 以上このこの八名で活動している。

 んで、今回のお題は、各クラスの出し物を確認、生徒会主催の出し物決めや前夜祭と本祭の内容など。

「企画書のコピーお願いね」

「へいへい」

「じゃあ、コピーしている間、猪木先生例の剣をお願いします」

「OK」

 この人は猪木吾朗。三年部の学級担任で生徒会顧問。担当教科は物理と化学。

「では、学園祭の警備は例年通り風紀委員会と合同行います。ですが、今年はテロリストがくる可能性があるので、皆さん気を引き締めて行いましょう」

「先生、テロリストってどういうことですか?」

「そうですね。まあ、遭遇したご本人たちから聞きましょうか。ね、那琉くん、翼くん、烈くん」

「では、僕から話そう」

 

 ここでは初めましてか。僕の名前は阿蘇翼。烈と那琉とは中学からの腐れ縁だ。

 では、今から一週間前の話だ。

 その日は休日だった。だから、家でゴロゴロしていた。極々普通の平和な時間を自堕落に過ごしていた。しかし、僕の安眠が妨害された。一通の電話のお陰で。

『おはよう、阿蘇翼くん』

「どちら様ですか?」

『私はとある組織でテロリストをしているものだ』

「そういった電話は迷惑です」

 ガチャ、と切った。

 すると、また、電話が鳴った。

『君ね、最後まで人の話を聞きなさい!』

「いや、だって迷惑だし」

『まあ、いいですか。それよりも君の家に爆弾を仕掛けた。逃げるなら今のうちですよ。では、後日』

 と切られた。

 まあ、その時は気にしていなかったのでな。そのまま、台所に立って昼食を食べようと思ったとき……。

「家が吹っ飛んでいた。幸い、家族が出掛けていたお陰で被害は僕のみだった」

「で、いまどうしているの?」

「烈の家にお邪魔していたが」

「次は俺の家がミサイルで粉々になり、那琉の家で世話になったが」

「俺のアパートが火事に合い、俺らは呉の家でお世話になっている」

「それで今朝、こんな手紙が届いた」

 

〈獅子王那琉くん、針山烈くん、阿蘇翼くん。こんにちはあなた方の家を壊したテロリストです。大変、申し訳ないですが、藍越学園祭に私たちが襲撃しに参ります。狙いは教えません。ですが、それなりの準備をしてください。では、当日に。

 亡国企業 トリガー〉

 

「ずいぶん、ご丁寧に」

「まあね。けど、犯人の狙いがわからない」

「ああ、けどトリガーに会った奴ならわかる」

「誰?」

「芹沢呉」

「彼が!?どうして会っているの!?」

「呉のダチなのか?ソイツがダチを助けてくれとお願いされたけど」

「アイツ助けなかった」

「なら、どうして会ったと言えるの?」

「そりゃあ、ソイツのダチを拐った奴から、呉の臭いがしたからな。それとわずかながら放射能と火薬がソイツの体に付着していたからね」

「……よし、みんな明日風紀委員会と話し合いましょう。では、解散」

 

 

「ただいま」

「お帰りなさい、マスター」

「ヤッホー、ごーくん」

「お邪魔してます」

「少年、お邪魔してます」

 なんか増えている。と感じさせられた俺がいた。つうか

「なんで、あんたがいるんだトリガー!」

 学校で溜まった思い(ツッコミ)を吐き出した。

「ふ、すまないね。君の友達の家に色々やっちゃたからその挨拶回りにね」

「やっぱ、お前が犯人か!」

「ハハハ、すまないね。毎度毎度、調整が出来なくてね」

「本当、なにやってんだよ」

「まあ、彼らが帰ってきたら話そうと思ってね」

「なにをだ?」

「少年の学校を襲撃するってことさ」

「なにそれ!面白いから束さんもやっちゃおう!」

「束頼むから厄介ごとはやめてくれ」

「マスター、一緒に、そ、その学園祭を、ま、回りませんか!?」

「お前ら、何行く前提の話になっているんよ!そして、襲撃するってどういうことだ?」

「いやはや、襲撃するって言うのは、その学園にいる一人の生徒会の誘拐さ」

「何、バラしているんだよ。その事を」

「って言うのは冗談。その手紙間違いだからさ」

「ってことは、学園上層部はその対策に終われているんじゃ」

「そうさ。いや、部下のミスで他の方に迷惑をかけてしまって」

「それについて謝るのか?」

「いや、違う。私たちではないということさ。正確に言えば私たちの部隊は参加しないということさ」

「どういう意味だ?」

「少年の友達が帰ってきてから話そう」




 なんか次回予告行けそうなのでこの二人にやってもらうぜ!
「ども、皆さん。本編では、名前のみにしか出ていない一夏と」
「○○、親になる、で一夏父さんの息子の稲妻です」
一「藍越学園祭当日。生徒たちが楽しくやっている中、テロリストが襲撃!」
稲「その危機に立ち向かう生徒会と風紀委員会」
一「テロリストの狙いは…転使!?」
稲「次回、テロリストの襲撃と転使誘拐とミュータント(前)」


一「なんか、予告通りになるのかな?」
 やって見せるぜ!


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転使と過去と襲撃

 色々あって投稿できませんでした。
 後半はシリアスかな?
 では、どうぞ


 藍越学園祭当日。

 今日から三日間行われる行事。毎年、二日間なのだが、今年は藍越学園開校して20年の節目なので、今年は一日増やした三日間となった。

 一日目はパフォーマンスを行う。

 二日目は演劇部による劇。

 三日目は大抽選会と優勝クラスの発表。

 だが、そんな楽しい事とは裏腹に、ある者たちは緊張していた。

 藍越学園祭より数週間前に遡る。

 

 数週間前。

「では、そろそろ帰ろう」

「いや待て、肝心な事を話していないのだが」

「すまない。料理がうまかったからね。つい忘れてしまったよ」

 よ、俺の名前は針山烈だ。よろしく。呉の家にお邪魔している者だ。家がないのは前回を見ろ。

「では、拐う人物を言います。名前は立花かなで。女性で藍越学園二年A組。趣味は家庭菜園。特技は料理。特に自分好みに合わせた激辛麻婆豆腐が好きな食べ物。スリーサイズは上かr「「「「いや、ちょっと待て!?」」」」なにかね?」

「あんた、名前言えばいいのに、なんで、趣味や特技など言ってんだよ!!」

「相手の事を知るために、聞き込みやストーキング、不法侵入などやらないといけないだろ」

「なに?ドヤ顔して。バカ!?」

「バカではない。テロリストだ」

 しかし、警察に通報したほうがいいような。

「では、そこのところを省いて、拐う理由を言おう」

「拐う理由は彼女が連続通り魔の犯人という理由が一つ。それと噂なのだが彼女には特殊な力があるというらしい。あとこれもだが、なんでも彼女は一番神に近い所にいると言った噂がある」

「神って、聖書とかに出てくる者?」

「ああ」

「「「「「「アハハハハハ!!」」」」」」

「いや、笑い事じゃなくて」

「だってよいるわけないじゃん」

「そうだよ。そんなのがいたら解剖しているよ」

「そ、それに、クフフ、証拠はあるのか?」

「証拠ね。転使なら、知っているが」

 呉が変な事を呟いた。

「呉、天使ってなんだ?」

「いや、天使じゃなくて転使。転がるに使うで転使」

「その転使ってなに?」

「通り魔の犯人か」

「正解だ」

「通り魔の犯人が転使?どういうことだ工藤?」

「工藤じゃねーよ、バァーロー。トリガーや篠ノ乃、織村は知らないが。俺は別世界から来た。俺の世界は俺だけを残して、全員死んだ。そんな人生に飽き飽きしてた時に天影(あまのかげ)っていう神様にこの世界を救ってくれと頼まれたから、俺はこの世界に来た。その目的は転使を倒すこと」

「つまり、マスターはフリーっていう訳ですね」

「!!」

「転使の能力は転生者のみに有効ってことだ」

「この世界の住人は安全って訳か?」

「そうでもない」

「違うのか」

「つうか、会話文だけだからさ。わかりづらくね?」

「というわけで、箇条書きでまとめよ」

 

 テロリストの目的は通り魔の犯人であり転使である立花かなでの誘拐。

 

 というわけである。

「説明抜きにすればそういえるな」

「そうゆうこった。とにかく、立花かなでを監視しよう」

「その事は僕がレオに伝えておく」

「頼むな」

「では、私はこれで」

 そうゆうと、トリガーは煙り玉を地面に叩きつけて帰ったぜ。そこはクールに帰れよ。

 

 

 と言ったことがあったので、これを知っている者たちは警戒しているのだ。

 それはそうと、呉は何をしているかと言うと……。

 

「この子たちの親はどこにいるんだ?」

 絶賛、親探し中。

「お兄ちゃん、お母さんどこ?」

「兄ちゃん、母さんどこ?」

「あ~、よし。取り敢えず、放送室行くか」

 

 放送室に来た呉は、中にいる放送委員に迷子の連絡をさせた。

『ピーポーパーポー』

 棒読みかよ!

『迷子のお知らせです。茶髪の男の子と紫色の髪の兄妹の保護者は至急放送室までお越しください』

『名前は言わなくてもいいのか?』

『お名前は、紺野タツミくん、紺野ユウキちゃんの保護者は至急放送室までお越しください』

 

「たこ焼き食うか?」

「食べりゅ!」

「こら、ユウキ!」

「いいって、遠慮すんな」

「いただきます」

 呉はたこ焼きをあげていた。

「Hey、俺の分は?」

「さっきまでの口調はどうした?」

「あれはあれ、それはそれ」

「そうかい。たこ焼きはコイツらの分しか買ってない」

「OhMyGood!?Myの分はないってどうゆうことだよ!!」

「交替で買いにいけばいいじゃん」

「なら、ここは任したぜ。呉」

「OKって、何でだ!」

「SeeYou!」

「あ、ちょっと待て!!」

 ノジーラと入れ違いで少女が入ってきた。

「なるほど、そうゆうわけか」

「見つけたわ」

 

 

 俺の目の前には転使、立花かなでが立っていた。

「兄ちゃん」

「お兄ちゃん」

 どうやら、コイツらは二人の内一人は転生者か。厄介だな。保護対照であり、排除対照。奴らに誘拐されるよりも先に殺すか、誘拐されないように守るの二つに一つか。実に厄介。そんなことを考えている内にかなでが襲いかかってきた。

 それを防ぐため大剣を出した。

「そこをひいて」

「嫌だ」

「お願い、そうしないと私、人間に戻れないから(・・・・・・・・・)

「どうゆうこと、だ、よ!」

 強引に弾き飛ばした。

 綺麗にバクテンして着地した。

「私は神様によって創られた存在。だから、神様は私に言ったの『人間に戻りたくば、転生者を殺せ。その行為を妨げるやつも殺せ』って、だから私が人間に戻るために死んで」

「そうかい」

「わかってくr「お前がアホってことがな」え?」

「だってよ。神様によって創られたなら、神様に直してもらえばいいじゃん」

「意味がわかr「お前は勝手に改創(かいぞう)されて、その神様にそう言われて、多くの転生者を殺した。それで何人殺せばいいんだよ」」

「百人か」

「………」

「千人か」

「……って」

「一万人か」

「だま…って」

「それともこの世界全員か」

「黙って!」

「………」

「知らないわよ!私だってそんなことしたくない。そうしないと、私……」

「………」

「どうすればいいの」

「………」

「答えてよ。助けてよ」

 

《リリリリン!!》

「「「「!!」」」」

『皆様に連絡致します。三階特別練にて、火災が発生しました。皆様、教師と生徒会の指示にしたがって避難してください』

「転使、お前はここにいろ」

「なんで?」

「その間、コイツらを校庭に避難させる」

「理由を教えて」

「だから、ここにいてくれ。絶対に動くんじゃないぞ」

「理由になっていない」

「絶対に助けにくる」

「おいてかないで」

「安心しろ。絶対に来る」

「いや」

「立花」

「!」

「お前は俺が助ける」

『じゃあね。呉』

『待ってくれ。××!』

「だから、ここにいろ」

「うん。絶対に来て」

「おう」

 コイツらを連れて出ていった。テレポートで。



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転使と過去と未遂

 テレポートをして校庭に来た。

「ここまで来れば安心だ」

「お兄ちゃんありがとう」

「ありがとう」

「どういたしまして」

「タツミ、ユウキ!」

「お父さん!」

「父さん!」

 やっと、再開できたか。

「ありがとうございます」

「いえ、それより避難してください」

「は、はい」

「お兄ちゃん、お姉ちゃん助けて」

「おう。任せておけ!」

 

 

 私、立花かなでがまだ、人間だった頃のお話。

 当時、私はこの世界とは違う世界で学生として生きていて、学生として死んだあの日のこと。そう。今日、学園祭があった日のこと。

 私は人の上に立つのが苦手でいつも後ろにいた。私を守ってくれる友達は一人。いつもその友達に守ってくれていたの。

 私は、学園祭のプログラムでピアノを弾くことになっていたの。

 ピアノは私が得意で好きでとても大事な存在。

 私の出番になったのでピアノ演奏をした。とても心が踊った。楽しくなった。そして、生き甲斐だと感じた。

 けど、そんな感じた時に一変した。

 突然のことで理解できなかったが、ナイフを持った男が入ってきた。

 会場にいる私たちに言ったの『ゾンビが、ゾンビが現れた』と。

 私はそれを聞いて一歩も動けなかった。そして、入ってきた男は倒れた。そして、起き上がった。そして、近くにいた人に襲いかかってきた。

 一歩も動けなかった私は、友達に引っ張られて逃げた。逃げたって、隠れる場所はないのに。けど、私たちは安住の地を求めた。

 けど、友達が力尽きた。友達は私に向けて言った言葉は『私の分も生きて』って。

 泣き叫んだよ。どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして!私じゃないの?私みたいなピアノしか弾けない人間が生きて、彼女みたいな優秀な人間が死ぬの。

 私は、そこに立ち止まったからかな。ゾンビに囲まれちゃた。そして、ゾンビになりかけた。私は、最後くらい人間として死にたかった。彼女みたいに。

 けど、それは叶わないものだと。

 そして、私はゾンビになった。

 ゾンビになっても死ぬのがわかった。けど、死ぬのはゾンビではなくて、人間として死にたかった。

 そして、神様と名乗る人物にあった。

 そして、転使になった。

 けど、人間に戻りたかった。

 それを知った神様は私にこう言った『人間に戻りたいなら転生者を殺せ。それを邪魔をするやつも殺せ』って、私は嫌だった。他人を犠牲にして自分の望みを叶えるなんて。けど、そうしないと私は人間に戻れない。

 決断した。転生者を殺すことを。それを邪魔する人を。

 そして、転使の力で転生者を殺し、それを邪魔したやつも倒した。

 約三千人殺した頃。

 私は彼に会った。転校生に。

 私は身の危険を感じ、殺そうとした。けど、彼が先に攻撃した。それを防いだ。重かった。人間とは思えない力で私よりも人間らしい心の持ち主だった。だから、一旦引いた。

 そして、彼にまたあった。

 幼い双子の転生者だった。罪悪感があった。そして、許してと。

 けど、それを防いだのは彼。

 なぜ、彼に私が殺してきた人たちのことを言ったの。

 どうして、彼は強いの。

 どうして、彼に助けを求めたの。

 どうして、彼は優しいの。

 彼は双子の転生者を避難させに行った。

 

 

 

「ターゲット確認。これより作戦を行う」

『了解。ご武運を』

「第一、第二は生存者がいたなら確実に殺せ。第三は俺についてこい」

「「「「「ラジャー」」」」

 

 

「これより、テロリストを倒す。皆さん、均等に別れて各階隈無く探して制圧してください」

「「「「「了解!」」」」

 

『こちら第一!謎の奴等に制圧されていきます!』

『こちら第二!同じ制圧されていきます!』

『こちら第三!リーダーがターゲット確保!これより帰投sウワァ!?』

「どうした第三!?」

『こちら第三は俺以外全滅したぜ。俺の手でな』

「き、貴様何者だ!?」

『俺の名は、黒龍。異世界の者だ』

「貴様が立花かなでだな」

「そうだけど、あなたは?」

「俺の名前何てどうでもいい。いいから来い」

「嫌よ」

「じゃあ、しょうがない。貴様を殺すか」

 男は手から一本の槍を出した。

「これはロンギヌスって言ってな。お前のような異形を殺すために特化した武器だ」

「それで私を殺せると」

「ああ、そうさ。だから、死ね!」

 かなでは剣を出して、防ごうとした。しかしそれは通り抜け、かなでの頬を傷つけた。

「どうやら本当のようね」

「ああ、そうさ」

「それさえ、見破れば大丈夫」

「ほう」

「決める」

 かなで左手の剣の形態を変えた。

「ハンドソニック、アローフォーム」

 弓の形態に変えたかなでは男に向けた。

「は!そんな武器で倒せると…!?」

「思ってないわ。だって、あなたは死んでいるもの」

 ハンドソニック、アローフォームは何も見えない光の矢を放つのだから。

「あなたは、三つミスをした。一つ目はその槍について教えたこと。二つ目は油断したこと。三つ目は警戒していなかったこと」

「よお、待たせたな」

 大剣を持った呉が立っていた。

「あんたの部下は俺のダチがやってくれたぜ」

 

 立花かなで誘拐未遂は終わった。

 レオたち生徒会は確保した男に尋問を開始した。

「さて、今回なんでかなでちゃんを誘拐しようとしたの?」

「し、知らねぇ。俺は知らねぇ。り、リーダー。そ、リーダーに聞けよ」

「そのリーダーが死んだから、あなたに聞いているのよ」

「女の誘拐しかしてねえぇよ」

「そうわかったわ」

「じゃあ、解放さr「いえ、あなたには償ってもらいます」え?」

「では、元気で」

「ま、待ってくれ!な、なんでも話す、話すから解放してくれ!」

「いえ、そんなことをしても駄目などで。では」

「や、やめろ!」

 アァァァァン!?

 

 

 俺の目の前に立花がいた。無表情なのに何か言いたい顔をしている。

「どうした?」

「いえ、あなたの名前聞いていなかったから、教えて」

「俺の名前は芹沢呉。異世界から来た者だ」

「芹沢、呉。うん。覚えた。呉」

「なんだ?」

「読んだだけ」

「そうか」

「呉」

「なんで名前で呼んでいる

「ダメ?」

「ダメじゃない」

「私のことはかなでって、呼んで」

「わかった。かなで」

「なに?」

「お前に俺がこの世界に来たことを教えるよ」



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Gの過去/神の思惑と転使の誘拐

 今回、呉の過去が明らかになります。


 この俺、芹沢呉がいた世界を話そう。

 俺の世界はこの世界と同じく少し争いが起きるだけの平和な世界だった。

 あの時までは。

 確か、俺が学校帰りの時、ダチと寄り道しながら帰っている時だった。

 突然、空が暗くなった。俺たちは空を見上げた。そこには大きな宇宙船が浮いていた。驚いた俺たちは急いで家に帰った。そしたら、宇宙船が赤い光線を出して町を焼き払った。俺は驚いたが、無視して家に帰った。

 だが、家はなかった。消えていたと言うのが正しいか。

 それでも俺は家族を探した。すると。

「呉兄ちゃん」

 弟がいた。どうやら、弟も家に帰る途中だったらしい。ここで待っていれば、家族全員が揃うと思ってた。だけど、違った。家族全員は来なかった。

 理由はわからない。けど、これだけは言えた。全員死んだと。

 

 その後、俺は弟を連れて近くの避難場に来た。だけど、そこには生存者はいなかった。そこには、いかにも私、宇宙人です。といった服装をした奴らがいた。

 俺は弟の手を引いて逃げた。しかし、弟が転んだ。そしたら、奴らは弟に向かってオレンジ色の光線を放ち、弟を殺した。

 俺は奴らを恨んだ。そして、何もできなかった俺自身を恨んだ。

 俺は我を忘れ、奴等に襲いかかった。

 その時初めて、俺は人間じゃないとわかった。

 初めて、家に伝わる姿になった。

 初めてこの世界を壊した。

 ゴジラになって。

 

 最初は弟を殺した奴らに向かって青い炎を出して殺した。

 宇宙船にも赤い炎を出して壊した。

 この世界を襲おうとしている奴らを殺した。

 その時は楽しくしょうがなかった。

 俺が世界の王だと思い込んだ。

 だけど、それはかなわなかった。

 奴らも兵器を出した。

 元生物だったサイボーグ怪獣を出した。

 俺は戸惑いなくかそいつに向かって青い炎を吹いた。

 奴はそれを避けて、草刈り機の刃を飛ばしてきた。それを防いだが、深い傷をおった。さらに奴はチェーンを飛ばして、俺を拘束した。俺は引っ張られながらも炎を出す準備をした。そして、奴に向けて吹いた。

 奴の腹に一撃を与えた。奴はロボットのように起動を停止した(まあ、サイボーグだし)。

 そして、空に向かって砲口を上げた。

 俺はそのまま町を歩き、海を泳いだ。帰巣本能に従い、洞窟の中に入った。そこで深い眠りについた。

 

 数年の時が流れた。俺は何かの気配を感じ洞窟から出た。

 数年ぶりの世界。そこは誰もいない自然に囲まれた世界。

 俺は陸に上がり、その気配を探した。

 俺は見つけた。久しぶりに見た人の姿。

 ソイツは雪のような長い白い髪をした少女。

 俺は見惚れていた。ソイツは俺に近づいてきて言った。

『あなたの本当の姿を見せて』

 ソイツに言われるがまま、元の姿に戻った。ソイツから名前を教えてと言われたから俺は教えた。ソイツも名前を言った。

『××よ。よろしく』

 俺は××と一緒に行動した。こことは違う場所に行ったり、寝たり、遊んだり、いろいろとした。××といると心が落ち着いた。母のような暖かさがあった。それと、裏腹に××に特別な感情が浮き出てきた。一般的に言う恋やらなんやらだろ。

 だけど、そんな日々はそう続かなかった。

 俺の目の前に赤い悪魔のような奴が現れた。俺は奴と戦った。

 けど、力の差は歴然。もう、諦めたその時、××が俺を庇った。俺とは違う美しい姿をした。そして、奴に殺された。

 俺はまた、無力だと感じた。また、大切な人を無くすのか。俺は自分でもわからなかった。だけど、これだけは言えた。絶対に殺すと。絶対に守ると。

 俺が目を覚めたときには赤い悪魔と××は消えていた。俺はそれを胸に刻んで、歩き出した。

 

 そして、立花かなでを転使を殺すことを命じられた。

 天界にとって、危険な存在。

 だから、殺すことにした。

 だけど、立花お前を見て、お前の声へ聞いてわかった。

『俺はお前を助ける』

 と決めた。

 これで俺がこの世界に来た目的だ。

 

 

「そう」

「ん、どうした?」

「いいえなんでもないわ。それよりもあれ」

「あれ?」

「あれどうするの?」

 立花が指差す方を見ると。

「うおぉぉぉ!」

「泣けるな」

「二人にはそんな過去が」

「ぶちゃけ、立花さんの過去聞いてないでしょ」

「呉!俺がソバニイルカラナ!」

 なぜか、アイツらがいた。

「おい、お前らいつからいた?」

「『この俺、芹沢呉がいた世界を話そう』の時から」

「最初からかよ」

「とにかく、転使ちゃんもとい立花ちゃんを人間にする作戦を考えましょう」

「そして、なぜお前が仕切るインファント!」

「それは私がここの生徒会長だからよ」

「答えになってねぇよ」

 まず、帰ったら天影に相談だな。

「あ、それとみんな藍越学園祭は中止になったから」

 

 

『そんなことが』

「ああ。だからなんとかできないか?」

『……わかりました。こちらでなんとかします。どんな条件になるかわかりませんが』

「頼む。後それと立花をそそのかした神は見つかったか?」

『いえ。ですが、その神が考えていた目論みはわかりました』

「どういうのだ?」

「はい。『対神兵器強化論』と言うものです」

「どういうものだ?」

『はい。対神兵器強化論は言葉の通り神に対抗できる兵器を作ること。その実験体として立花かなでを使うことです。そして、対神兵器を制御を完璧なものとするとことです』

「な、なんだって!?」

『コナン君ボイスになってますよ』

「気にするな!とにかく、その神をぶっ飛ばせば丸く収まるってことだな」

『そうです。私はその神を探します。なので、あなたには』

「立花の監視及び護衛というわけだな」

『ええ、頼みましたよ』

「了解」

 

 ピロロ、ピロロ♪

『大変だ工藤!?』

「工藤ではない」

『そんなことより立花ちゃんが誘拐された』

「ダニィ!?場所は、誘拐した犯人は、メッセージは!?」

『落ち着け!場所は藍越総合体育館、犯人は亡国企業、メッセージは最終実験開始』

「わかった。体育館で会おう!」



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総合体育館での戦闘

 今回はあるネタを入れました。わかる人はいますか?
 ヒントは天使です。
 では、どうぞ。


 立花かなでがいるという藍越総合体育館に呉は来ていた。

 そこには、すでに来ている者たちがいた。

「遅かったな」

 決め顔でいる那琉。

「僕はそこまで待っていませんよ」

 目を瞑りながら答える翼。

「パパっと救おうぜ」

 目を擦りながら言う烈。

「Purinnsesuを救いに行こうぜ!」

 英語を交えながら答えるノジーラ。

「筋肉、筋肉」

 明らかに場違いを言う鈍樹。

「浅はかなり」

 どっかの忍者の台詞を言う刀香。

「全く、通り魔の犯人を救出するって馬鹿馬鹿しい」

 文句を言うバトラー。

「私の生徒を傷つけるようなことをしたら殺すわ」

 殺意を言うレオ。

「お前ら何でいるんだ?」

 その疑問を言う呉。

「決まっているじゃない」

「「「「「「「「(…)学園祭を潰したんだから、その落とし前(よ!)(だ!)」」」」」」」」

「そうかよ」

「それに、さっき言ったでしょう。私の生徒を傷つけるようなことをしたら殺すわって」

「ハハハハ!そうかよ。目的は違うが、皆、頼む。ついでに立花の救出も手伝ってくれ!」

「「「「「「「「おう!(ええ!)」」」」」」」」

 

 

 藍越総合体育館B4

「総合体育館に地下があったなんて」

「ここは発電などの施設だからね」

「さて、敵さんがお出ましのようだ」

 呉たちの目の前に亡国の構成員が現れた。

「貴様らは何者ギャ!?」

 構成員は何者かに刺された。

 構成員の後ろには…。

「た、立花さん?」

「違う。立花じゃない」

「お前は何者だ!」

 立花の姿をした奴は笑う。

「フフフ、私は「えい」あ、熱!」

 名乗り出ようとしたところを呉は熱線を吐いた。

「邪魔だ。そんなに名乗りたいなら後で聞くからさっさとどけ」

 無機質な声でそう言った。その態度はただ、何かをやり遂げよとしている者のしゃべり。怒りを抑えていると感じられる。

「そんなこと聞くんだ~。かのz「どけ。殺すぞ」………」

「呉、先に行きたいのは皆同じだ。だからこそ、コイツの口から情報を聞き出すのが一番いいはずだ」

「そうか。わかった。おい、偽物。さっさと名乗れ」

「やっと、聞く態度になっt「無駄口たたいてないでさっさとしゃべれ。さもなくばこの世から消す」わ、わかったわ!だから、落ち着いて!」

「貴様の名前。立花の居場所。どうして立花の姿をしているのか。この三つをしゃべれ。それ以外ならそこにある太い鉄パイプで両方の穴にねじ込む。そして、大衆の面前に放置する」

「わ、わかったわ!」

「ご、呉お前ドSか?」

「なに言っている。こう言って脅すのが一番いい。まあ、話した後は生まれた姿で十字架に張り付けて公園に建てる」

「ヒィィ!?」

 呉のドSっぷりを見て、皆、流石に引いた。

 とにかく偽立花から聞くことになった。

「私は立花かなでの血から作られた者、クローンって言うものよ。私は立花クローン156。156は誕生順よ。オリジナルはここからさらにした。B30にいるわ。じゃあ、後は好きにしていいわ。煮るなり焼くなり好きにして」

「わかった。では、道案内をしてもらおうか」

「え?」

「なに驚いている偽物」

「確かに好きにしてとは言ったわ。でもね。敵を道案内させるって裏切るわよ?」

「安心しろ。貴様を盾に使い、死んだ後、地獄よりこわーいお仕置きをするに決まっているじゃないか。貴様何か?そうか!もっと派手に、もっと強い、もっと激しいお仕置きがほしいのか?このメス豚が!!」

「誰がそんなの望んだ!?」

 また、変な方向に流れてしまったが、一番重要なことを聞けたのでいいだろう。

「さて、貴様ここからB30まで何メートルある?」

「そうね。だいたい500メートル暗いかしら?」

「そうか。では、すぅ~~。」

「呉何する気だ?」

 息を吸い込む呉に那琉は聞いた。

「すぅ~~。」

 呉は息を吸っている。

 いち早く気付いた、翼は慌てて言った。

「皆、呉から離れろ!!」

「ガァー!」

 翼が避難しろと言っている時には、遅かった。

 呉の放射熱線が吐き出された。

 赤い熱線は地面を突き破り最下層まで達した。

「「「「「「「「「え?えぇぇー!?」」」」」」」」」

「行くか」

「いや、さりげなく行くとか言わないでください」

「ビッ筋肉!」

「浅はかなり」

 やった本人は気にしていないが、これを見ていた全員は驚いた。

 

 B16

 結局、熱線は地下までいっていなかった。

 偽立花はそのまま連行。

「二人目!」

「やっぱり」

「どうするの?」

「早く行け。ここはオラが抑える」

 そう言って出てきたのは鈍樹だった。

「「「「「「「鈍樹五段!」」」」」」」

「俺知らないんだけど」

「彼ね。柔道、空手、合気道五段なの。だから敬意をはらって鈍樹五段って呼ばれているのよ」

「待て。そんなこと会ったとき、言われていない」

「それはそうよ。だって初めていったもんあなたには」

「ウホー!」

 なんかゴリラみたいな叫びをしながら特攻していった。

「グフ!?」

「「「「「「「鈍樹五段!」」」」」」」

 刃物に刺された鈍樹。

 それを心配する皆。

「は、早く行け!あまり持たない!」

「行くぞ!無駄にするな!」

 去っていく皆を見届けながら、静かに言った。

「後は任せた」

 

 B17

「三人目!」

「It'smyturn」

「え?」

「Getchanceandluck!」

 ノジーラがそう言って、かなり早いスピードで近寄った。

「フゥーー!」

 一気に飛び上がり覆い被さった。

 だが、それと同時に刺された。カジキの先端に。

「オフ!?」

「「「「「「「「ノジーラ!」」」」」」」」

「な、なんなんだ!?この少年漫画みたいな展開は!?」

 ノジーラの名前を言うと悲痛の顔をした。

 その行動に驚いた。

「いいから、次行くわよ」

 

 B18

「この肉体を見せるときが来ましたね」

「ゴブ!?」

「「「「「「翼!」」」」」」

 

 B19

「へ、へへ、ビビっていられるか。オリャー!」

「ガハ!」

「「「「「烈!」」」」」

 

 B19

「浅はかなり。浅はかなりー!」

「ブスり!」

「「「「刀香!」」」」

 

 B20

「何人目だよ」

「知るか」

「しょうがない。バトラー!」

「ん、どうしたレオ?」

「あそこの子に告ってきて」

「は、ハァー!何言ってるんだよ!?」

「大丈夫。私は嫌いになんかならないって」

「…わかった。行こう」

 その顔はまさしく漢だった。

「俺はお前のことが好きだぁー!

「私は嫌いよ」

 言葉のナイフを刺された。

「ガハ!?れ、レオ」

「バトラー!」

「おい、いいのか?」

「行きましょう」

 

 B29

「クッ!?ここまで長い道のりだったわ」

「いや、B20以降から何があったんだ!?」

「そこの想像は読者の皆に任せるわ」

 何かとメタい発言をしているが、気にしない、気にしない。

「コイツでラストか」

「俺が行く」

「那琉」

「呉、お前は立花さんを」

「わかった。頼むぞ」

「おう。行け!」

 那琉の姿が変わった。

 金色の毛になった。その姿は獅子を思わせる姿。

「ハァ!」

「ふ!やぁー!」

「トリャー!」

 金色の光と銀色の光がぶつかり合う。

 それを見ながら呉たちは急いでB30を目指した。

「いいのか追わなくて?」

「平気よ。それにあそこにはオリジナルがいるのよ」

「そうかよ!」

 

 B30

 目的地に到着した呉たち。

 そこには白衣を着たやつれたおっさんと椅子に座っていた立花かなで。

「おい、おっさん!立花を離せ!」

「いいですよ。いらなくなったし」

 すると立ち上がった立花。

「立花大じょう、ぶ、か?」

 呉の腹から血が出ていた。

「排除完了」

「素晴らしい。素晴らしいですよ転使」

「せ、芹沢くん!」




 感想などを待っています。


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救ってやんよ

 自分の作品を読んでいて思ったのですが、IS要素があまり出てないどころか、少ししか出てい。オリジナルISや千冬、束、あとがきしか出ていない一夏ぐらいではないかな?これと二話ぐらいで白騎士事件を出して、エピローグしようかなと考え中。
 長々話してしまいましたが、どうぞ!


 呉が刺された。助ける筈の少女に。

「かなでちゃん、貴方自分がやったことが理解できる?」

「命令は絶対。貴方も抹殺対象」

「いけー!転使!お前の力で人間に戻るのだ!」

「貴方、かなでちゃんに何をしたの!」

「なーに、転使にちょっとした小細工をしたのさ」

「つまりかなでちゃんを操っているのね」

「半分正解。私は転使の欲望、つまり人間に戻りたいという欲望の幅を大きくさせてもらったのさ」

「最低ね」

「最高の誉め言葉さ」

「本当、バカで助かった」

 ここにはいない第三者の声が聞こえた。

「「え?」」

「いやー傷口を閉じるのに時間がかかった」

「き、貴様何故生きている!」

 その声は……。

「芹沢くん!」

 さっき刺された呉がいた。

「すまない。けど、これで思いきって()()()()()

「どうゆうことだ?」

「そうだな。まあ、アンタには色々聞きたいからな()()

「ほう、貴様も転生者か。なら、今度こそ止めだ!転使!」

「了解」

 殺そうと空から滑空する立花。それを見て呟く呉。

「立花、今のお前は綺麗だ。だがな」

 腕を前に出して、黒龍を纏った。

「今のお前の心は汚いぜ。だから安心しろ」

 己の爪を出して迎撃体勢に入った。

「今、お前を救ってやる。約束したからな」

 爪に蒼い稲妻が迸る。

お前を人間に戻すって(・・・・・・・・・・)

 近づいてきた立花の剣が突き出された。

「そんなわけわからない神にたぶらかされたお前の」

 拳を握り、剣へ突き出した。

「その心を惑わした幻想をぶち殺す!」

 剣と拳が衝突した。

 

「ねぇおじさん」

「何かね。今私は忙しいのだが」

「よくも私の生徒を拐ったあげく、洗脳とこわからないことしてくれたわね」

「ふん。そんなことか」

「そんなことですって……」

「そうだ!コイツは俺たち神が創り出した兵器だからな」

「…………」

「元は俺より偉い神が創り出した物。それを俺が使いやすく、俺にしか使えない物にしよと考えたのさ。その結果、成功したよ。多くの者を犠牲したがな」

「ねぇ質問いいかしら?」

「なんだ?」

「おじさん貴方は亡国企業に入っていたのかしら?」

「そうさ。私は亡国企業ってとこにいたさ。ま、今は脱退したがな。因みにお前の学園を襲ったのも俺たちだ」

「そう。なら、問題なく殺せるは」

「は!何を言っている化け物風情が!」

「そうね。たしかに私いや、私たちは化け物よ。でもね、化け物でもやって良いことと悪いこと位はわかっているわ」

「ほう。では、どうする?戦うのか。お前一人で」

「まさか。そもそも私たちの目的は学園祭を潰した貴方を倒すことよ」

「起きなさいバカ共!至急、B30へ来なさい!これは生徒会長命令よ!今からオペレーション名を言うわよ!オペレーション名はゴッドブレイクよ!」

 その声と共に壁を壊したり、天井を壊したりしてここへ集合した。

「セーヤ!」

「あさはかなり!」

「ビュュー!」

「遅いわよバカ共!」

「わりぃ、手こずった」

「いくらクローンだからといって、女の子を傷付けるのは気が引けるので」

「あ~痛かった」

「レオ~レオ~」

「はいはい。私はここにいるよ」

「あさはかなり」

「皆オペレーション名聞いた。作戦はさっき伝えた通りよ。では、オペレーション開始!」

 

 呉と転使の戦いは拮抗していた。呉が殴れば転使は防ぎ、転使が斬れば呉は受け流すといった具合だ。それでも二人はまだ、本気を出していない。

 言い方を変えよう。本気でやろうとは考えていない(・・・・・・・・・・・・・・)

 転使は本気を出そうとしているが、心の中では出したくない、と言っている。

 逆に呉は助ける相手だから本気を出せていない。

 この場ではいらない物。しかし、それが二人にはある。お互い大切だから。

「もう降参してしまえよ」

「拒否。芹沢呉の抹殺が最優先」

「そうかよ!」

 呉は新たに大剣を呼び出した。刃の所だけが蒸気を出しながら赤く光っている。

 対する転使は新たに左手に剣を呼び出した。

「ガードスキル:ディストーション。ガードスキル:ディレイ」

 得意のガードスキルで新たスキルを発動した。

「セイヤー!」

 大きく大剣を降り下ろした。そのスピードは早く当たる筈だった。転使がその場にいれば(・・・・・・・)

「消えた、だと?」

「いいえ違うわ。早く動いただけ。芹沢呉、貴方が反応できなかっただけ」

「なら、ギアを上げていくぞ黒龍!」

『はいマスター!』

 黒龍は第0世代から第3世代へ大きく変わっていた。より動きやすく、より自分の体に合うように、よりあの頃のようにと。単一能力を使いこなすために。

 呉は今までの経験を踏まえてどこから来るかを予想している。それが斬撃でも。

「大剣って使いにくいな」

『ですが、マスター。大剣以外の武器はありませんよ』

「なら、G‐ネイルを使う」

『わかりました。G‐ネイル展開』

 先程出したG‐ネイルを展開し、切り裂きにいった。転使はそれを難なくかわした。

 呉はさらに切り裂くスピードを上げる。それを転使はかわしたり、流したりしている。お互いがそれを繰り返す。

 まだ、倒れない。呉のスタミナ切れか転使の集中力切れか。それによって、最終局面になるだろう。




 さて、知っている人関係なく言います。もう一つの作品のアンケートと言うか案なのかな?を出しています。期限は十月いっぱいとしているのでどしどしください。


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呉&ミュータントVS転使&神

 短いですが、どうぞ!


 ミュータント対神の戦いが始まった。最初に仕掛けたのは鈍樹。鍛え上げた自慢の拳で神を殴ろうと向かったが、謎のバリヤーで防がれた。

「やさしいパンチだな」

「マジかよ!?」

 そう言って、大きく跳んだ。

 次に仕掛けたのは翼。ミュータント一の空中戦闘能力が神に向かって、赤い光線を噴いた。しかし……。

「温かいの」

「化け物!?」

「お前らだけには言われたくない」

 また、謎のバリヤーで防いだ。

「だったら!」

「一斉攻撃だ!」

「いくぞ!」

 跳び上がった那琉のライダーキック。片腕を鎌に変えて斬りにかかる刀香。トゲが生えた背中を丸めて攻撃する烈。

「一方向にしか防いでいなかったから三人がかりで攻撃。でも、甘い!」

 神はその場から消えた。まるでテレポートしたみたいに。その結果。

「「「あだぁ!?」」」

 三人はぶつかった。

「ならこれでどうだ!」

 バトラーが羽から光線を出した。しかし……

「狙いが反れているぞ」

「いいんだよこれで」

 神にバカにされたバトラーは気にせずに言った。

「どういうことだ?」

「こういうことだよ!」

 右に反れた光線が急に神に向かってきた。さすがの神もこれには反応出来ず光線を食らった。

「ぐうぉぉー!?」

「やっと、当たったか」

「ナイスよ。後は……」

 光線に当たった神へ素早く移動する者がいた。

「神様、私は貴方を裏切ります。私たちを生んでくれてありがとう」

 クローン156がオリジナルに劣るハンドソニックで殺しにかかった。

「もらった!」

 その剣は届かなかった。逆にクローン156に細い槍が貫いていた。

「っつ!?な、ん……で」

「いやー危なかった危なかった。これがなければ死んでいただろ」

「どうしてその槍があるのよ!?」

 ロンギヌスの槍。かつてキリストを殺した槍が何故ここにあるのか?

「これか。これはなロンギヌスのレプリカ。本物より劣るが神殺しは健在じゃよ」

 普通は人間しか持てない筈の槍。それがレプリカでも。しかし、その神は拒まれるどころか手に馴染んでいる。

「私は神であるが、元は人間。切り替えればそんなもの無害じゃ!」

 予想だにしなかった出来事に驚く皆。果たして勝てるのか。

 

 

 呉対転使の戦いはまだ終わっていなかった。殴る、防ぐ、切り裂く、受け流す、その繰り返しを行っていた。だが、二人の顔には疲れが見えてきた。あと少しで決着が着く。

 ここで動きがあったのは呉。

 背鰭を蒼く光らせて放射熱線を吐いた。

 予想外の攻撃に隙を見せた転使。だが、ディストーションの前では効かない筈だった。

「っつ!?」

 転使に放射熱線が効いたのだ。

「なんで?」

 いくらディストーションでも放射熱線の攻撃には耐えられなかった。

「いいこと教えてやる。お前がシールドやバリヤーなどを張ってもこれ(放射熱線)は絶対に攻撃は通る」

 そう言うと、呉はさらにギアを上げ、スピードを上げた。

 その域は音速に近かった。

 それを見た転使は驚きはしたが、冷静を保っていた。

 転使はその場を動かずに目を瞑った。

 それを見て、好機だと思った呉は最高速度で切り裂きにかかった。

「もらった!」

 しかし、その攻撃は通じなかった。転使がその場にいたが、場所が呉の懐だった。

「さようなら」

 ヤバい、と思ったのが最後、転使の剣はISの装甲を貫き、呉の腹へ刺され貫通した。

「ガァ!?」

「貴方は私を助けるって言ったよね?」

「ハァハァ、……ああ……言った……ぞ」

「どうして?」

「お前に…ハァハァ…頼まれ……たから」

「私に頼んだ覚えはない」

「ハァハァ……だって、な……それを覚えて…ハァハァ…るのは……お前の中にいる立花が頼んだからだ」

「貴方は傷は!?」

「黙って聞け。立花の意思を無視してそこにいるお前は偽物だ。いくら体が共有されていようと、お前の願いではない(・・・・・・・・・) 。だから、今からお前を消す」

「い、いや!?こ、来ないで!」

「黙れ!お前を消さないと立花は救えない。なら、消すしかないだろ」

「い、いや!?来ないで化け物!」

「化け物?ああそうさ。俺は化け物だ。だけどな、化け物でもイラつくことがあるんだよ。わかるか?俺はかーなーり、怒っている。元凶がそこにいるんだ。早く消さないといけないから。だからさ、消えろ。今すぐに」

「む、無理よ。仮に私がもう一つ人格でも消えろなんて無理」

「そうか。残念だな」

「なら「でも、それとこれは別だ」どうして!?」

「消えないじゃない、消えなくないだけだろ。あそこでオリジナルに劣るアイツが神に果敢に挑んでいるのに。お前は無理って、言葉だけで諦めている。お前はあそこにいるアイツより弱い」

「う、嘘よ!?なんで私が!?あの出来損ないより弱いって。私は神様から最高の体をもらい、そのご恩を返しているのに!あそこにいるアイツは神様からもらった体を神様へ使っていないのに、さらには裏切ったのよ!?あんな屑が(・・・・・)!」

「おい。誰がアイツを屑呼ばわりで言えと言った?」

「!?」

「もういい。最後の情けだ。今から俺の攻撃を防げよ。防げれたら殺していいぞ。もし、防げなかったら消える」

「いいわ。さっさと来なさい!」

「ああ」

 呉は体を吹き飛ばされないために両足と尻尾を地面に叩きつけて固定した。黒龍自身の放射熱線以外にも呉自分も息を吸い始めた。

『マスター、黒龍の放射熱線チャージ完了しました』

「ありがとうな。いくぞ!転使!」

「来なさい!」

 呉と黒龍の最大の放射熱線、その名も……

「『ハイパースパイラル熱線!』」

 貫通力が高く威力が凄まじい熱線、。

「『いけー!』」




 突然ですが、新作を作ろうと思います。まあ、二つの作品を補うような話や短編、番外編を書こうと考えています。
 感想などを待っていまーす!


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神を殺しても神殺しにはならない

 神死亡。オツカレー!


 呉が転使との決着を着ける頃。

 レオ率いるミュータント+α対神は最悪な展開を迎えていた。

「偽立花ちゃん!?」

 偽立花ことクローン156が神の手で刺された。

「ですが……これ…で……逃げれない!」

「き、貴様まさかこれを狙って!」

「えぇ……それを……寄越しなさい!」

 偽立花は刺された槍をさらに刺し込んで外れないようにした。

「き、貴様そんなことをすればどうなるかわかるのか!?」

「ええ、それに……よって……貴方が窮地曝されるってことよ」

「ライダー、キィィク!」

「しまった!?」

 ライダーキックを食らわした那琉は偽立花を抱えレオがいるところまで下がった。

「偽立花ちゃん!?」

「レオ頼む」

「ええ「ちょっと待って、これ抜くから」ダメよ!そんなことしたら貴方は死ぬのよ!」

「平気よ。抜いたら少し寝るだけだから」

「い、いやよ。私がいる前でそんなことは

「ねぇ、レオ」

「なに?」

「私ね。本当に短い間だったけど、すごく楽しかった。オリジナルよりも楽しい思い出が出来て、怖い思いもして、 笑うことも出来たのよ。私ね。オリジナルの記憶も引いているからそんなことが言えるの。けどね、寝る前にやり残したことがあるの」

「なに?私ができることなら言って」

「友達が、友達がほしかった。オリジナルには友達がいて、私にはいないの。いくらオリジナルの記憶も引いているからと言って、私はその友達のことは知らないの。だから、私だけの友達がほしかった」

「そんなの私が、私たちがなってあげるわよ。だから、まだ起きていよ」

「ありがとう。でも、本当に眠いの。ありがとうレオ」

「ねぇ、本当に寝てるの?寝ているならイビキくらい出しなさいよ。ねぇ、聞いてるよね」

 一人の作られた少女が死んだ。その顔は安らかで嬉しそうな寝顔だった。

「レオ」

「この屑が、私の手で作られた恩を仇で返すとはバカな奴だ」

「野郎!」

「……な、……よ……ョン……ト」

「なに言っている?」

「皆、行くわよ!オペレーションスタート!」

 ロンギヌスのレプリカを持ったレオが大きな声で叫んだ。

 それに答えるかのように皆が位置に着いた。

「翼くん、烈くん、バトラー、神に向かって光線で攻撃して。刀香さん、ノジーラきん、那琉くん、鈍樹くん、光線が出し終わったら素手で攻撃して」

「「「いくぞ!」」」

 翼のウラニウム熱線、烈の冷凍光線、バトラーのプリズム光線が発射された。

 それが終わったとの同時に後ろに四人が出てきた。

 最初に仕掛けたのは刀香。自慢の鎌で攻撃。次に速い那琉とノジーラの回し蹴りとタックル。最後は鈍樹の両拳での攻撃。

「む!?」

「なに!?」

「Oh MyGod!?」

「うほ!?」

 殴った感触がないのだ。煙が晴れるとそこにはいなかった。

「今までの攻撃の中で一番よかったな。だがな、私を倒すには至らなかったが」

「ええ、当たり前でしょうね」

「ならさっ「けど、貴方は次で倒すわ」なに?」

「聞こえなかった?もう一度言うわ。次で倒すわ」

「その自信どこから来るのか見させてもらおう!」

 

 ハイパースパイラル熱線を転使へ撃った呉。

 その目は警戒している。

「索敵を頼む」

『わかりました。…………』

「どうだ?」

『まだ、わかりません……!生体反応を感知。動く気配はありません』

 念のためG‐ネイルを展開しながら近づいた。

「大丈夫か?」

「…………」

「息してるか?」

『息はしています。気絶しているだけなので大丈夫なはずです』

「わかった。とりあえず、天影に連絡するか」

『ふっふっふっ、呼ばれて電波してジャジャジャジャーン!』

「懐かしいな!」

『用件はわかっている。転使にあるもう一つの人格の摘出でしょ?』

「ああ、頼みます」

『わかっている。そっちも頼む』

「了解」

『マスター、黒龍準備完了しました』

「よし、フルスロットルだ!」

 

「全員下がって!」

「おやおや、全員下がらせましたか」

「ええ、貴方を倒すためにね。鈍樹くん!」

「ウホー!」

 鈍樹の腕に電気が溜まっていく。

「刀香さんと那琉くん、ノジーラくんは牽制と設置」

「了解!」

「ラジャー!」

「(コク)」

 刀香と那琉、ノジーラが神へ接近していった。

「さっきと変わりません、ね!」

 偽立花への攻撃意外で神が攻撃したのは初めてだ。

 なにも握っていない右手を刀香と那琉へ振り下ろした。

 それを知っていたのか、那琉が先へ出た。

「グハァ!?」

 透明な何かが那琉を叩きつけた。

「一人目げきh「な、に、言って、いるん、だよ!」なに!?バカなたかが化け物が!?」

「化け、もん、なめ、んなぁー!」

 透明な何かを受け止めた那琉。受け止めた手は赤く染まっていく。

「ハァ!」

 そこへ二つの鎌で神へ斬りつける刀香がいた。不意討ちをくらった神は少しバランスを崩した。さらに追い討ちをかけるかのように地面から手が出て両足を埋められた。

「trapOK!」

「ナイスよ烈くん。翼くん、バトラー決めるわよ!」

「わかったレオ!」

「いきます!ハァ!」

 両腕を翼に変えた翼は風を起こした。そこへレオが鱗粉を撒き散らし、そこにバトラーがプリズム光線を撃った。

 そのプリズム光線は曲がる、曲がる、曲がる。そして……

「くっ!?」

 それが神に当たる。

 本来、鱗粉はレオ自身が撒き散らすものだが、神がいるなかそんなことをしているといい的になるだけだった。そこで翼が起こす風を利用して鱗粉を神の所へ運ばせた。そこへプリズム光線を発射し、リフレクターの役割を持つ鱗粉の中に攻撃する事で曲がる攻撃が出来た。

「さて、決めるわよ。鈍樹くん!」

「ウホ!」

 鈍樹は落ちていた鉄の塊を空中へ投げ、右手に電気を込め始めた。

 鉄の塊が落下する時間が長いと感じた。

 そして、時が来た。

「き・ん・に・く、サイコゥー!」

 謎の雄叫びと共に鉄の塊を殴った。鉄の塊はオレンジ色に光る光線になった。

「超・電・磁・砲!」

 超電磁砲が神を飲み込んだ。

「ぐ、うおぉぉぉぉ!」

 数秒後、超電磁砲が通った場所には片腕、片足を損傷した神がいた。

「あと、一歩のところでしたね。残念でした。では、さようなら」

「それはどうかしら?芹沢くん!」

「放射熱線!」

「なに!?」

「これで終わりだ!」

 呉はロンギヌスのレプリカを上手く使い、神の体を分解していった。

「グッ!?なぜだ!なぜ、体が再生しない」

「貴方の敗因教えましょうか?ま、言わなくてもいいけど」

「最後に言い残す言葉は?」

「貴様ら絶対に殺す!」

「では、さようなら」

 四肢がない神を空中へ投げ、ロンギヌスのレプリカで突き刺した。

 神はポリゴンが崩れたように消えた。

「貴方の敗因は一つ、私たちを怒らせたことよ」 




 神死亡。オツカレー!って、前書きに書いたな。
 第一章がもうすぐで終わります。今月中を目処に。多分。
 神の出番は番外編ぐらいしかありません。多分。


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Gの本来/白騎士の始まり

 神を倒した呉たち。呉は気絶している立花を抱え皆がいるところへ集まった。

「ねぇ、芹沢くん。立花ちゃん大丈夫?」

「ああ。当分の間目覚めないな」

「そう」

「それとお前ら逃げたほうがいいぞ。自爆装置発動しているから」

「「「「「「「ダニィ!?」」」」」」」

「と言うわけで那琉、立花を頼んだ」

「は!?おい、どう言うことだ!?」

「じゃあな」

 呉は全員をテレポートで脱出させた。

 

 さて、そろそろだな。

『マスターも逃げないと』

「ああ、けどな。俺も過去に決着着けないといけないから」

『どう言うことですか』

「天影、準備は?」

『こっちは大丈夫ですよ』

「よし、頼む」

『OK!』

 ドガン!と、爆発したな。これでいい。あとはあの二人に任せて少し寝るか。ちゃんと頼んだぞ。

「千冬、束」

 

 プルル、プルル。

「どうした束?」

『ちーちゃん、今すぐ私の家に来て!』

「わかった」

 束からの急な連絡。

 これが世界を揺るがす事件の始まりだった。

「束、来たぞ!」

「ちーちゃん、早く白騎士に乗って!」

「どうしてだ!」

「乗りながら説明するから」

 鬼気迫る声に驚きつつも急いで白騎士に乗った。

「説明するね。日本に向けて各国のミサイルが飛んできているの。原因は不明。私もハッキングしたけど、相手のプロテクトが固くてダメだった。そこでちーちゃん。白騎士の出番だよ。白騎士の装備でミサイルをぶっ壊して」

「ああ、わかったが、呉さんはどうした?」

「ごーくんはテロリストと戦っていると言っていた。終わり次第、こっちに来るって」

「わかった。束、発進するぞ」

「了解!白騎士、システムオールグリーン。発進は織斑千冬に譲ります」

「織斑千冬、白騎士出る!」

 

 まだか?

 ―…………―

 そうか。もう少し待つか。

 ―…………―

 気にしないで行け、と。なら、場所を教えてくれ。

 ―…………―

 ありがとうなモスラ。

 ―…………―

 いつ気付いていたって?そりゃ、お前が、って、嘘を言うなって。おいおい酷いな。けどな、お前がいるってことはわかっていたよ。

 ―…………―

 早く行けって、酷いな。前のお前は優しかったのに。痛い痛い!叩くなよ!全く。

 ―…………―

 そろそろ行くか!じゃあな。待っていてくれよ。

 

 日本太平洋沖

 そこには白騎士が浮いていた。今から来るミサイルを壊すために。

「準備はいいか?」

『大丈夫ですよ。マスターは緊張を解してください』

「ああ。けど、緊張するんだよ」

『なら、早く呉さんにコクったらどうです?』

「なぁ!?な、何バカなことを言っている!?」

『ライバルが多そうですし、それに緊張もほぐれましたね』

「……ありがとうな。けど、それとこれは別だ」

『わかっています。そろそろ来ますよ』

「ああ。荷電粒子砲の準備」

『了解』

「撃てー!」

 千冬の視界に入ると同時に荷電粒子砲を撃った。それにより二つのミサイルを撃ち抜き、その爆発に巻き込まれ、周りのミサイルはなくなった。

『煙を抜けて三つ来ます』

「ブレードを展開。瞬時加速を使う。エネルギー残量を常に教えてくれ」

『了解』

 ブレードを展開して、一番近いミサイルを斬り裂いた。

 瞬時加速を使い、二つ目のミサイルを斬り裂き、三つ目も同様に斬った。

『第二波来ます。!第三波が予定より早く来ます!?』

「くっ!?三波の場所は!?」

『日本海側です!?』

「間に合わん!?」

 絶体絶命のピンチ!?その時、連絡がきた。

『そっち側は任せろ』

「呉さん!」

 今までテロリストの相手をしていた呉が駆けつけたのだ。

『わりぃな、遅くなって』

「いえ、そっちは頼みました」

『任せろ。最高の助っ人がいるから大丈夫だ』

「助っ人ですか?」

『ああ、一回通信切るぜ』

「はい。白騎士いくぞ!」

『はい!』

 

 日本海沖

 呉は海中でエネルギーを溜めていた。

『マスター準備が完了しました』

「よし、本日二回目の」

「『ハイパースパイラル熱線!』」

 ハイパースパイラル熱線を無理矢理横に振った。

 あっという間にミサイルがなくなった。

「ミサイルは来るか?」

『こっちには来ませんよ』

「そうか。ならあ『マスター、謎の飛行物体が接近!』なんだと!」

『生体反応なし。無人機のようです』

「どうする?」

『わかりませんが、攻撃してきた場合やりましょう』

「わかった」

 呉が視認できる範囲でソイツを見た。かつて、自分の世界を壊した宇宙船と同じ物だった。

「G‐ネイルを展開」

『マスター!?』

「あれは敵だ」

 呉が瞬時加速を使い宇宙船へ近づき、壊した。ただ、それだけ。

『マスター』

「奴等の狙いはこの世界の侵略」

『マスター、同じ宇宙船がどんどん増えています』

「黒龍解除」

『マスター!?』

「白騎士のとこに行け。ここは俺がやる」

『なに言っているのですか!?人より体が丈夫だからと言って』

「行け、早く!」

『ああ、もう!わかりました。頼みましたよ!』

「おう、さてと、久しぶりの全力全開だ。てめえら、覚悟しとけ!」

 呉の体が変化した。いや、元の状態に戻ったと言うべきか。

 その姿は黒く、体が岩のようにゴツゴツしており、目は鋭くも熱く燃えているように見える。

 呉の本来の姿。ゴジラになった。

 かつて、自分の世界を壊した宇宙船を壊すために。

 同じ目に合わせないために。

 この世界に現れた。




 出ましたねゴジラが。説明が下手ですよね。ちなみにこのゴジラはファイナルウォーズのゴジラです。
 次回、白騎士事件終了と呉VS○○○。を予定しています。○○○はお楽しみに。○○○に当てはめなくてもいいです。最も最後の敵ならあいつでしょ。


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ゴジラVS○○○

 最初グダグダしているので注意。


 俺はゴジラになって宇宙船の大群を放射熱線で破壊した。

 だが、空にはまだ宇宙船の大群いる。減るどころか増える一方だ。

 それに宇宙から何かが落ちてきている。すぐさま、ハイパースパイラル熱線を溜める。俺が何かすると思ったのか宇宙船の大群は俺に攻撃してきた。

 その攻撃を無視しながら溜め続ける。

「ボォー!(食らえー!)」

 限界まで溜めたハイパースパイラル熱線を射った。

 神にやったものよりも強力な熱線。青い螺旋の熱線が大気圏を越え隕石に当たった。だが、熱線が押されたのだ。普通なら貫通するものだが、貫通しない。

 隕石が熱線を押して大気圏を抜けた。

 隕石が俺に迫る。徐々にヒビが広がり、俺も爆発に巻き込まれる。

 そして、それが現実となった。

 爆発した場所が海であったことで町への被害は隕石の衝撃だけだった。俺は元からある強靭な皮膚のお陰で怪我がなかった。

 殺気!?後ろか!?

「グゥオン(お前は誰だ)」

「キシャー!(モンスタァァァエェッツクッスゥゥゥ!)」

 それは止めろ。他作者の。しかも、某動画サイトにあげる怪獣のネタだから!

「気にするな!」

「気にするわ!それと鳴き声で会話しろ!」

「ええい!鬱憤をはらすわ!今まで出てきた怪獣がサイボーグ野郎と赤い悪魔だけとかギドラ出せよ!それとなに、自分が一章の主人公だからって、恋愛フラグ出すなよ!おい作者!今までギドラ出さなかったわけ言えよ!」

―ちっ、しょうがないな。本来俺はこの小説では番外編や前書き、後書きにしかでねーのに。―

「いいからギドラ出さなかったわけ言えよ。俺、出番があるんだから」

「オイィィ!ゴジラ、テメぇまだ出るのか!」

「ああ。予定では**らしいし、そのあと違う世界のいくし」

「ああ!なぜだ!なぜ、ゴジラだけそんなにあるんだ!」

―応、主役だし。ぶっちゃけ、ギドラには少し恨みがあるからね―

「なにギドラに恨みがあるんだよ!俺は、俺たちは悪くねぇ」

―親モスラ死ぬのを追いやった原因―

「それ俺じゃねぇ!」

「いやーこの小説ボケやツッコミがいなかったから一時、迷走したな」

―この討論はいつかやるとして。呉―

「なんだ?」

―ギドラぶっ殺せ!―

「おう。俺の世界とこの世界を手にかけたこと後悔させてやる!」

「ああ、こうなったら、最初からクライマックスだ!」

 

 場所が変わって日本太平洋沖では、一人でミサイルを撃墜する千冬の姿があった。

 約二時間の攻防で遂に各国のミサイルを全て撃墜させた。千冬の顔は仮面で隠れているが、明らかに疲労が見える。

 だが、千冬は一つ悔いを残した。

 先程のミサイルを二つ抜いてしまったことだ。本来なら撃墜させる筈なのだが、ミサイルの大群が目の前にあったため困難だった。

『ちーちゃん大変だよ!?』

「今度はなんだ?」

『日本海側で怪獣出現!』

「は?束、冗談はほとほどにしろ」

『ほんとなんだってば!これを見て』

『今日の朝、各国の弾道ミサイルが日本に向けられ発射されました。そこへ空に浮かぶ白い騎士のような何かが弾道ミサイルを全て撃墜しました。これを見て、各国の代表は白い騎士の捕獲命令を発令。

 そ、速報です。日本海側で謎の飛行物体と謎の巨大生物二匹が戦っているとの情報が入りました。謎の飛行物体はどこから来たのかわかりませんが、友好的ではないと思われます。そして、謎の巨大生物二匹は突然出現して戦い始めています。

 今、新しい情報が入りました。これは謎の飛行物体から発信された犯行声明と思われるものです。『我々はX星人。地球に存在する人間たちよ。我らに膝間つけ。我らの星は滅んだ。そこでこの星、地球は我らの星と似ているから選んだ。貴様らは我らに生かされていると言うことを思い知れ。そこにいる怪獣のように攻撃しても構わん。お前らにできるならな』と言うものです。新しい情報が入り次第随時連絡します』

「本当か?」

『うん。さっき、黒龍から連絡が入ったから事実だよ』

「補給と調整が終わり次第、叩きに行くぞ!」

 

 日本海側では呉とモンスターXが激しい戦闘をやっている頃。

 X星人のボスがいる母艦では……

「「「「「TK!」」」」」

「人ちがーう!やられたのはノジーラ!」

 二人の犠牲をえて、ここまで来た那琉たち。最初の犠牲は鈍樹だった。

「さすが、地球を侵略するって言う星人ね。後、二人ともX星人の幹部と戦っているしね」

「けど、呉の姿が戦後最悪と呼ばれた災害とはね」

「本人は家の全員が母親以外はなれると言っていた」

「とにかく今は呉くんが時間を稼いでいる内に星人のボスを倒さないと」

「そうですね。しかし、レオ貴方いつから芹沢くんから呉くんに変わったのですか?」

「彼が言いにくいなら下の名前でもいいって言ったからよ」

「俺の、俺のレオが!?」

「あさはかなり」

「はいはい。お喋りはここまで。この扉を開ければ戦いが始まると思ってもらえればいい。私から言えることは……アイテムはドロップした人の物よ」

「そんなんドロップするか!」

「行くわよ!」

 扉を開けるとそこには……

「遅かったな。待ちあびたぞ」

 オールバックの男と周りに男女六名がいた。

「貴方がX星人のボスね」

「そうさ。君たちは勝てるかな?」

「勝つわ。その為にいるのだから」

 ミュータント化して、戦う準備が整った。

「待て」

 そこへ白い翼を生やした人がいた。

「かなでちゃん!?」

「そうだよ。私が来たから。後ろの人も出てきたら?」

「まさか誘拐対象と鉢合わせするとは」

「全くだ」

『ですけど千冬さん、今は喧嘩しないでください』

 柱から扉から天井から三人?が出てきた。

「数が増えようが関係ないね」

 最終決戦が始まった。



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最終決戦 その1

 謎の侵入者四人を皆見ていた。

「お前らどこから入ってきた?」

「私は固く閉じられたドアを強引に斬って入ってきた」

「私はある物を使って入ってきました」

『私は天井を壊して入った』

「私はその穴に入って道に迷いながら最高のタイミングで入ってきただけ」

「いや、ちょっと待って!?」

「何よツッコミすると前回みたいな展開になるでしょう!」

 確かにレオが言っていることは一理ある。

「まあ、パーティーは楽しめそうだな」

 突如、そんな事を言うX星人のボス。

 それを聞いてカチンっときた黒龍。

『貴方何言っているんですか?』

「貴様ら人間は科学技術が低いからな。楽しめないと思ったが」

『一つ、質問いいですか?』

「なんだ?」

『黒い生物が出た世界に侵略したことがありますか?』

 黒龍は一番聞きたかった事を聞いた。

「ああ、あったな。しかし、その世界は壊れていたから諦めたな」

 プツンっと何かが切れる音が聞こえた。

 黒龍の体が少し浮くと……

『殺す!』

 X星人のボスへ殴りにかかった。

 しかし、その手を誰かに止められた。

「貴様の相手はコイツだ。行けガイガンMarkⅡ!」

 二人の激突で両者の戦いがはじまった。

 

 一方、呉対モンスターXは激しい戦闘をやっていた。

 ここが海とは思わせないくらい速い戦いだ。

 フェイントを混ぜたり、力で比べたりしている。

 なお、ここから鳴き声を翻訳します。

「つ、強い」

「ハハハ、これが我を出さなかった恨みだ!」

 一匹私怨を言っているが、気にしない方がいいだろう。

 二匹の体は今までの戦いで傷がついている。

 さらに呉には時間がない。早くケリをつけないと終わってしまう。

「次で決める」

「やれるもんなら、な!」

 呉は放射熱線の上位版スパイラル熱線を撃った。

 それに対してモンスターXはデストロイド・サンダーを撃った。

 スパイラル熱線とデストロイド・サンダーは拮抗したのはたった数秒。押し出したのはスパイラル熱線のほうだった。負け時とモンスターXは強めるが一向に強まらない。

 とうとう、デストロイド・サンダーを撃ち破り、モンスターXを倒したように見えた。だが、倒せていなかった。

 それどころか体にヒビが出ていた。

「なかなか楽しめたよ。だから、我も本気をだそう(・・・・・・)

 そう言うと、モンスターXは背中から翼を生やした。それと同時に手足が太くなり、肩についていた飾りが分離して顔になった。まだ小さいのか、大きくなっていく。全身が黒に近い青と濁った金の体色の生物になった。

「モンスターXとは仮の姿。我が名はカイザーギドラ。宇宙の帝王なり」

 宇宙の帝王、カイザーギドラが出現した!

 

「こんにゃろ!」

「グフフフ!」

 那琉はX星人の一人と戦っていた。

 格闘戦ではミュータント一だが、このX星人は自分と同じ、それ以上だ。

「もう、終わりか」

「まだだ!」

 パンチ、キックのスピードを上げた。相手もそれに合わして上げてきた。

「オラオラオラオラ!」

「無駄無駄無駄無駄!」

 その一帯だけ突風が吹き荒れていた。

「ムッダ!」

 相手は拳についた血を那琉に目掛けてかけた。

「ッツ!?」

「終わりだ!」

 X星人は目が見えない那琉を見て、好奇と思った。

 しかし、那琉は落ち着いていた。息はあがっているが、冷静だ。

 X星人が回し蹴りで止めを刺そうとしたが。

「オラ!」

 目が見えない那琉はX星人の回し蹴りを受けるはずが、逆にパンチで受け返した。

「ヌオッ!?どうしてだ!?

「簡単だ。気が見えるかどうかだ!」

 そう言うと、那琉はX星人の腹を殴り上げて、両手ではっけいし、両手を絡めて殴り、踵落としをして、回し蹴りを入れ、両手で瓦割りのように斬り裂き、右手でX星人の心臓を突き刺した。

「七花八裂・改!」

 無刀剣士の奥義を繰り出した。

「ハァハァ、って休んでいる場合じゃないよな」

 

 宇宙船の外では黒龍対ガイガンMarkⅡと激しい空中戦をしていた。

 G‐ネイルとチェーンソーがぶつかり火花が出ていた。

『どけー!』

 放射熱線を吐いた。ガイガンMarkⅡは余裕を持って避けた。

 お返しとばかりに目からギガリューム・クラスタを撃った。その攻撃を真正面から受けて黒龍は撃墜された。

「キャウウン!」

 弱いな、と言われた気がした。

 

 ああ、やられちゃた。マスターごめんなさい。私ダメでした。マスターのためにアイツを倒そうとしたのに。

 どうなるのかな?あそこにいる人たちに迷惑をかけている気がする。

 あの時、冷静になっていればこんなことにはならなかったはず。それなのに、それなのにそんな事しちゃったんだろう?

 マスター、先にあの世に行きます。さようなr『…………』って貴方は誰ですか?

 ここは私以外いないハズなのに。

『…………』

 あきらめるの?ってしょうがないじゃないですか。多分、私の体はボロボロですよ。

『…………』

 体が直ればね。けど、無理でしょ。

『…………』

 直すって、できるの!?お、お願いします!

『…………』

 約束ですか?何ですか?

『…………』

 わかりました。絶対に破りません。

『がんばって』

 はい。ありがとうございますモスラさん!

 

『機能回復。黒龍、体、武装回復まで三時間。セカンドシフトしますか?はい・いいえ』

『許可を貰えたのでこれよりセカンドシフトをします』

『セカンドシフト完了。黒龍・呉爾羅』

『武装無し。単一能力(ワンオフアビリティー)の情報を公開します。****。能力、操縦者芹沢呉の記憶から抜粋。****は無人機では使用不可能』

 これが私の新しい体ね。す、すごいわ!己の力と共にマスターの暖かさがあります。

 さあ、リベンジよ!




 加筆修正します。


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最終決戦 その二

 仮面ライダートリガー対X星人のボスが戦っていた。

 遠距離からの狙撃をものともしない動きでX星人のボスが近づく。

 トリガーはトリガーマグナムにサイクロンメモリーを挿した。

『CycloneMaximumDrive!』

「サイクロンストーム!」

 大きな竜巻が銃口から吹き出した。

「興味深いが」

 そう言うと謎の力で消した。

「本当に宇宙人のようですね」

「お前人間か?」

 両者の馬鹿げた力に周囲が驚く。

 そんな事を気にせずに両者が動いた。

 

 白騎士対X星人百体。

 その光景は大量のGの中で一騎当千をしている白い騎士の姿。

 正直に言うと気持ち悪い。

 

 ガイガンMarkⅡは那琉に目をつけ丸ノコを飛ばしたが。

『お前の相手は私は!』

 先程、撃墜された黒龍がいた。いや、黒龍だったの方がいいだろう。

 その姿は前よりも逞しく、強者のオーラが出ていた。その姿を見て、ガイガンMarkⅡは怒り出した。

『私は約束されたんだあの人に。だから負けない!』

 そう言うと、黒龍・呉爾羅は放射熱線を吐いた。

 余裕でかわすガイガンMarkⅡ。

『数分前の私ではない!』

 瞬時加速でガイガンMarkⅡの位置へ。そして

『はあー!』

 炎を纏った蹴りを食らわせた。

 さらに体を丸めて、背鰭に炎を纏わせてブースターの力でガイガンMarkⅡを斬りつけた。

「キャシューン!」

『これで終わりだ!』

 赤い熱線、ウラニウム熱線をガイガンMarkⅡへ吐いた。

 かわせなかったガイガンMarkⅡは真正面でその攻撃を受け、木端微塵に壊れた。

『マスター、もう少しの辛抱です。それまでお願いします』

 

 仮面ライダートリガー対X星人のボスとの戦いはトリガーが押され始めた。

 銃での遠距離からの攻撃なため近接に弱い。

 それを見た那琉が加勢した。

「オリャー!」

「甘いな」

「フッ!」

 即席とはいえ見事なコンビネーションでX星人のボスへ迫る。

 しかし、X星人のボスはまだ余裕があった。

 さらに瞬時加速できた白騎士が叩き落としにきた。

「セイヤー!」

「無駄が多い」

 それも避けられた。

 三対一という数で圧倒しているが、X星人のボスの技量が大きいのがいたい。

 遠くから青い光線が発射された。

『チッ!外した!』

「見事な狙いだが、ダメだな」

 青い光線を発射した黒龍・呉爾羅は舌打ちした。

「さあ、どうする?」

『アイフル』

「黒龍今言っている場合じゃない」

「私はライフルと言いそうでした」

「知らんわ!」

「無駄口を叩いている暇があるなら来いよ」

 手招きをしながら言った。

 その動きを見た四人は一斉に攻撃した。

 トリガーのマキシマムドライブ。

 黒龍・呉爾羅のウラニウム熱線。

 白騎士の連続斬り。

 那琉の七花八裂・改。

 それらを全て受けたハズなのにX星人のボスは立っていた。

「もうおしまいか?」

 そう言うと、手から黒い玉を生み出した。

 それを四人へつけた。

「それはな。お前らで言う爆弾だ」

 そう言うと四人は爆発した。

 

 呉はカイザーギドラに一方的にやられていた。

 スパイラル熱線を放ったのだが、デストロイド・カイザーに打ち負け、そこから手も出せずにいた。

「これが貴様の実力か!」

「なめんな!」

 お返しに尻尾攻撃をしたが、避けられてしまった。

 カイザーギドラは呉を押し潰しにかかった。

「は、はは、ははは!どうした?かかってこいよ!」

「クッ!」

 呉を蹴りあげた。

 デストロイド・カイザーで中に浮かせてエネルギーを吸収し始めた。

 どんどん、体が遅くなっていく。意識が遠のく。

 絶対のピンチに陥った。

 

 爆発した四人。

 それを見て笑いだしたX星人のボス。

『TriggerMaximumDrive!』

 その声が聞こえる方に向けると。

「トリガーバースト!」

「な、なに!」

 傷を負いながらも必殺技を繰り出したトリガーの姿を見た。いきなりの不意打ちに驚くX星人のボス。だが、それだけはなかった。

「いくぞ!」

 装甲が半壊している白騎士は剣にエネルギーを溜めたのを放とうとしていた。

「ギガスラッシュ!」

 某竜依頼の主人公の技を放った。

「チッ!?」

「こっちも忘れられちゃ困るぜ!」

 那琉は連続でパンチを繰り出している。那琉の姿は所々紫色に光っていおり、体から蒸気が出ていた。その姿は某麦わら帽子の船長の技だった。

「ゴムじゃないけど、Jetガドリング!」

 目にも止まらぬ速さで殴り続ける。

 最後の一撃で空へ殴り上げた。

 那琉もX星人のボスとともに空中にいる。

 空中で手足をつかみ、相手を逆立ちのような感じでいる、

「筋肉バスター!」

 某額に肉字のキャラの技をかけた。

『遺言はあるか?』

 そう言うのは、ボロボロになっている黒龍・呉爾羅。

 黒龍・呉爾羅は最後の攻撃を仕掛けようとしていた。

「ふっ、そうだな。数年後に会おう」

『安心しろ。その時はこのメンバーでお前らを倒す』

 今まで放った放射熱線よりも赤い熱線。

『ハイパースパークG熱線!』

 今までの熱線の中で強い光線だった。

 X星人のボスがいた場所は穴が空いているだけ。

 その頃になるとX星人はほぼ倒されていた。

「これで最後かしら」

「のようだな」

「けど、戦い終わってない」

 転使が言うと、窓を見た。

 そこには。

「ご、う、さん?」

『ま、す、たー、?』

「全員、これを壊してすぐに呉くんの援護に向かって!」

 カイザーギドラにエネルギーを吸収されている呉爾羅の姿があった。



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最終決戦 そのⅢ

 ああ、死にそう。

 意識が遠退いていく。

 あれ、あそこは三途の川か。

 逝きたくてねぇ。

 まだ、やり残したことがあるのに。

 けど、もういいかな。

 天影に言ったし、大丈夫だろ。

 もう少しで逝きそうだ。

 そう言えば、母さんが生き返させるとかとんでもない発言していたな。

 けど、無理かな。

 そう言えば、父さんが言っていたな。

 大事なものがあるやつは強くなるって。

 あれ、本当かな?

 と言うか、尚更死ぬしかねぇな。

 モスラどこ行った?

「呉、そこで何しているの?」

 母さんの声が聞こえる。

「……起きろバカ息子」

 父さん罵倒するなし。

「お兄様、目を開けてください」

 ビオか。お前もそこにいるのか?

「バカ兄貴何している?」

 スペースもか。

「お兄ちゃん?」

 チビ助いるのか?

「呉、起きて。私はここよ」

 モスラ。お前もいるのかよ?

「マスター!」

「呉!」

「呉くん!」

「少年!」

「呉さん!」

 どうしてアイツらの声が聞こえる?

「マスター聞いてください!今からマスターのところに行きます。一人でダメなら二人で倒しましょう。だから起きてくださいマスター!」

 ああ、そうだよな。死ねないな。

 と言うことで、さっさと用件を済ませて戻るとするか。約束果たしていないしな。

「母さん、父さん、ビオ、スペース、チビ助、もう少ししてから帰るから」

「わかったわ」

「…………」

「お兄様」

「ケッ」

「うん!」

 次は。

「モスラ!」

「はい」

「場所選ばずにごめん!お前のことが好きだ!付き合ってくれ!」

「え?」

「あらあら」

「…………」

「お兄様?」

「ひゅー、あのバカ兄貴が」

「?」

「え、えーとね。私死んだんだよ」

「知ってる」

「または死ぬんだよ」

「知ってる」

「恨んでいるかも知れないんだよ」

「知ってる」

「嫌いなんだよ」

「知ってる」

「私を殺した人」

「知ってる」

「私嫉妬してるんだよ。私は死んで、貴方が生きて」

「知ってる」

「けど、貴方のことが好きだなんだよ」

「知ってる」

「だから言う。俺はモスラのことは知らない」

「うん」

「モスラが恨んでいるのも知らない」

「うん」

「モスラが嫌いなのは知らない 」

「うん」

「モスラが生きていたいというのは知らない」

「うん」

「生き返る方法は知らない」

「うん」

「何を思っているかは知らない」

「うん」

「俺はモスラが好きだ」

「うん。だから言うよ。私は呉が好き」

「だから言う。少し待ってくれないか?」

「うん。だから言うよ。必ず勝って」

「ああ。だから少しだけ」

「少しだけ」

「「俺(私)は勝つための勇気をくれ(あげます)」」

 キスをした。雪のようにフワッとしてて溶けるような。長く感じてしまう。

「いってらっしゃい」

「いってくる」

 俺の意識が覚めた。

 

『マスター起きてください!』

「もう起きている」

『ま、マスター!』

「心配かけたな」

『いえ。それよりマスター』

「ああ。三途の川でコクって、勇気を貰ってきたから負ける気がしない」

『え?三途の川?コクって?勇気を貰ってきた?ど、どういうことですか!?』

「そんなことより」

『そ、そんなことって、そんなことってないでしょう!?』

「んなもんあとで話すから」

『……わかりました。約束ですよ』

「ああ、約束だ」

「『メルトダウン開始!』」

 呉の体が赤く水蒸気が出ている。

 バーニングゴジラ。呉が赤い悪魔を倒すときになった状態で一種の暴走状態。

 大量のウランを摂取すると起きる。これを外せる者もおり、肉体の限界まで出せる。だが、その多くは肉体が堪えきれず死ぬ。

『制限時間は五分。それ以上行うと死にます』

「了解」

「は!赤くなっているだけではないか」

「それはどうかな?」

 呉は体を噛んでいるカイザーギドラに体内放射を使った。

「グオォォン!?」

 離れたとたん、呉はタックルしてカイザーギドラのバランスをくずした。

 カイザーギドラはバランスをくずしながらもデストロイド・カイザーを放とうとしたが。

「そんなもんこうすればいい」

 右側の首を掴み、真ん中の首へデストロイド・カイザーを向けた。

 それを受けた真ん中の首は吹っ飛び、右側の首を背負い投げで引き千切りながら、投げた。

「グオォォン!?き、貴様!」

「最後の情けだ。どうやって死にたい?」

「この星を壊してやる!」

「無理だな!」

 呉はバーニング熱線で両翼を壊して、カイザーギドラの尻尾を掴み、ジャイアントスイングをした。

「な、何をするきだ!」

「なあに、宇宙へ返してやるだけだ」

 ジャイアントスイングでカイザーギドラを宇宙に向けて投げた。

「これで決める!」

 背鰭を赤くして、最大級の熱線を撃った。

「『バーニングスパークG熱線!』」

 赤い熱線がカイザーギドラを包んだ。

「絶対に復讐してやる。作者!」

 跡形なく消え去った。

「なんとか勝てたな」

『そうですね。ですが、マスター』

「ああわかっている」

 呉はメルトダウンを解除した。

 そして、倒れた。

『ま、マスター!?』

「ワリィな。どうやら限界らしい」

『な、何言っているんですか!?あの話は!?』

「そっちかよ。簡単に言うとモスラにコクった。OKもらった。ここまでOK?」

『はい。ですよね。私や千冬さんの想いを知らないで』

「ん?」

『マスター、私はマスターが好きです』

「そうか」

『だから結婚前提でお付き合いしてください』

「ごめんな。俺には彼女がいるから」

『わかっています。わかっていますけど、う、う、うえぇぇん!!』

「泣くなよ。可愛い顔が台無しだぜ」

『うえぇぇん、うえぇぇん!!だって、だって!』

「よーし、だったら俺を引き留める位の女になれよ」

『え?』

「そうすれば、お前と付き合うよ」

『マスターは軽々しいですね』

「うまい言葉がないだけだ。それと」

『わかっています。それではマスターおやすみなさい』

「おやすみ」

 異世界に降り立った竜は静かに寝た。その表情はとても微笑んでいるように見えた。




 次回で一章が終わります。


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エピローグ 終わりの始まり

 一章最終話です。
 いろいろとおかしなところはありますが、どうぞ


 あの戦いから数年たった。白騎士事件と宇宙人襲来事件が終わり、地球上で発見された生物ゴジラと宇宙から襲来してきた生物カイザーギドラを調査しようとしたが、発見されたのはカイザーギドラの右側の首と真ん中の首。ゴジラが倒れた場所には何もなかった。

 白騎士事件と宇宙人襲来事件のせいで世界は大きく三つの問題が出た。

 一つはISの価値。ISは宇宙探索用から競技用、軍事用に変わった。開発者の篠之乃束博士は467個を作り、世界各国に配り、行方を眩ました。

 二つは社会情勢は男女平等から女尊男卑に変わったことだ。ISは女性にしか反応しない。そのため、世界各国では女性優遇制度を設けた。この制度のお陰で女性の社会が大きく変化した。いい意味であり悪い意味でもある。

 三つは世界各地で謎の遺物を発見したことだ。これは白騎士事件と宇宙人襲来事件が終わったときに突如出現したものだ。姿は様々で怪獣や宇宙人など多くある。これを発見した大空博士は〈スパークドールズ〉と名付けた。

 国際連合はISを管理する〈IS委員会〉を設立。の事件の反省をいかして、地球内外の問題を解決する組織〈地球防衛軍〉を設立した。

 

 とある島。どこの国の島なのかわからない所に男性がいた。

 長く伸ばした髪を結び、ヤシの木の下で寝ていた。

 そこへ一人の女性がやって来て、男性の隣で寝た。

 波の音が子守唄に聞く。

 ザァー、ザァーと聞きながら、二人は寝ていた。その顔は微笑ましい寝顔でスヤスヤと寝ている。

 夕方になった。辺りは陽が沈み、地平線を照らしていた。

 先に起きたのは男性だった。

 男性は静かに女性を起こした。

 眠気が覚めないのか、目を細めて男性を見ている女性。

 不意に女性が立ち、男性の所に倒れた。

 男性は優しく抱き止め、お姫様抱っこをして、森の中に入った。

 女性が目を擦りながら、男性の名前を言う。

 それに答える男性はさらに女性を抱き締めた。

 女性が苦しいと言っているが、その表情は嬉しそうだった。

 二人は寝床で一日の疲れを癒すために寝た。

 

 ハァー。あれから数年。マスターはどこに消えたのかな?本当に死んだのかな?それはないと思いたい。

 それにしても母さんの計らいで人間として偽って生活しているけど、なかなか厳しい。

 それにしても愛越市からここ池袋に来たけど、退屈しないわ。人の生活も案外捨てた物じゃないですね。

 今ホットなことと言えば黒バイクの話かな?

 ガスの音がしないバイクに乗っている男性なのか女性なのかわからない人物らしい。人と会話するときはスマホみたいなもので会話することがあるし、絶対にヘルメットは外さない。

 ま、噂の域だけど。あながち間違っていなかったりしてね。

 私は母さんのお陰で高校三年生の勉強は大丈夫だから、ここ池袋を散歩中。

 いつもなら狩沢さんたちと一緒に行動するけど、全員用事があっていない。

 目の前に水色の髪をした少女がいた。姿は打撲や切り傷、手首を絞められた跡などが目立つ。

「ど、どうしたの?」

「…………」

「もしもし?」

 少女が倒れた。倒れた?倒れた!?

 ヤバイ!?ヤバイ!?ど、ど、どうしよう!?

 あ、ああそうだ警察、警察を……って、違うだろ!救急車だ!えっと、番号は一一0?一一九?ああもう、面倒だ!

 

「ふあぁぁ、寝みぃ」

「猟十さん真面目に仕事してください。前の依頼だって失敗したんですから」

「しょうがねぇだろ。あれは反則だって」

「けど、目的者を放り投げるなんて、痺れる憧れる!」

「フフフ、崇めるがよい」

「何バカなことをしてるの猟十」

「ちょ、待つんだ百菜!?それはあかん!?」

「大丈夫よ、海に沈むだけだから」

「それアウト!?」

「行くわよ!

「ちょ、まっゲブラァァ!?」

「ふう、掃除完了!」

「何やってるんですか!?」

「何ってハンマーでゴミ夫捨てたのよ」

「その夫はちがう。をだろ」

「私は上司よ。貴方は部下。ゴミ夫は夫よ」

「だからなんですか?」

「夫の不始末をするのは妻の役目。わかった?」

「はいはいわかりました」

 

 砂漠の岩影に変わった物を背負っている少年がいた。

 少年は砂漠の真ん中にいる二本の角が特徴のモンスターを見ていた。

 数メートル離れたところに弓矢を持つ少女がいた。

 少年は少女に合図を送り、モンスターに迫った。

 少年は背負っている物を分離して剣と盾を持ち、モンスターの背後から攻撃した。

 背後からの攻撃に驚いたモンスターは悲鳴を挙げた。

 少年は何度も斬りつけていく。剣に赤い光が溜まり、それを盾に入れる。ガシャっという音とともに抜刀でモンスターの足を斬りつける。

 モンスターは口から黒い煙を吐き、少年に向かって攻撃しようとしていた。

 その時、モンスターの背中に無数の矢が刺さった。

「……罠設置おわった」

 弓矢を持つ少女が言った。

 モンスターは自分に攻撃した少女に狙いを定めて、突進攻撃を行った。だが、少女のところへは行けず、体が痺れたのだ。少女は罠にかかったモンスターへ玉を二つ投げた。

 するとモンスターは寝た。

「……捕獲完了」

「お疲れ様ユウ」

「……囮ありがとうイチカ」

 

 今、物語は始まる。




 次から二章が始まります。
 と言っても原作はまだ始まりません。
 もう少し待ってください。


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キャラ紹介

 キャラ紹介

名 芹沢呉(せりざわごう)

歳 16歳

性 男

 藍越学園二年C組。元は別世界の住人で神様(天影)に頼まれて来た。困っている人(動物、怪獣、機械など)がいれば手をさしのべる。面倒臭がり屋で、助けを呼ばない限り助けない。怪獣と人間のハーフ。所持ISは黒龍。鈍感でボケとツッコミの両方ができる。

 一章終盤でもう一つの姿、ゴジラ(FinalWars版)になる。

 放射熱線などを使った熱線系が得意。一種の暴走状態、バーニングが使える。バーニングは黒龍のワンオフにもなっている。カイザーギドラを倒した後、深い眠りについた。

 恋人はモスラ

 イメージは黒い髪で目を鋭くした姿。

 

名 ISコアNo.00黒龍

武装 無銘の大剣、両腕のG‐ネイル、口から出す放射熱線。

能力 原子制御(アトムコントロール)

単一能力(ワンオウアビリティ) 原始融解(メルトダウン)

 呉の専用機IS。意思があるので無人で動くことができる。今は擬人化。女性である。

 姿は生物感がある姿をしており、二足歩行の黒いトカゲが立っているような感じ。

 擬人化は、黒く長い艶のある髪をしており、綺麗系と言うより可愛い系。

 一章終盤で二次移行になる。名前は黒龍(こくりゅう)呉爾羅(ゴジラ)

 武装は無し。能力、ワンオフは変わらない。

 

名 獅子王那琉(ししおうなる)

歳 17歳

性 男

ミュータント モデルキングシーサー

 藍越学園二年C組。元気で明るい性格。フレンドリーですぐに友達ができる。小、中学校でミュータントの体質のせいでいじめられていた。それを助けてくれた翼と烈に感謝している。出身は沖縄。ミュータントになった経緯は母方の遺伝子。格闘技にハマっており、ちょくちょく戦闘に出す。

 金髪で細マッチョ。

 

名 阿蘇翼(あそつばさ)

歳 17

性 男

ミュータント モデルラドン

 藍越学園二年B組。クールな性格。イケメンなので異性に好かれやすい。烈とは幼稚園からの幼馴染み。恋人がいるとか……。出身は熊本。両親はいなく、父方の家で育てられた。

 赤髪にした知的。

 

名 針山烈(はりやまれつ)

歳 17

性 男

ミュータント モデルアンギラス

 藍越学園二年D組。熱血で短気な性格。普段は呑気。上記の二人と同じ。小、中では喧嘩っぱやいので恐れられていた。高校では、そうならないためにイメチェンしたが、失敗した。出身は北海道。

 銀髪した不良。

 

名 レオ・M・インファント

歳 17

性 女

ミュータント モデルモスラ

 愛越学園二年A組。勝ち気で元気な性格。リーダー気質で生徒会長であり、ミュータントのリーダー。レオの一族は巫女の家庭であり、家族、親戚ともにミュータント。その中で能力が高い。

 銀髪でロング、目は虹色。

 

名 バトラー・M・インファント

歳 17

性 男

ミュータント モデルバトラ

 愛越学園二年A組。冷静沈着、レオ一筋。生徒会副会長で有能だが、レオのことになると暴走してしまう。レオの将来の旦那。戦闘能力が一族のなかで一番高い。

 黒髪で目は虹色。

 

名 ノジーラ・タトプロス

歳 16

性 男

ミュータント モデルジラ

 愛越学園二年C組。アメリカからの留学生。日本語はペラペラで時折、英語を交ぜて話す。好物はマグロ。常時、ハイテンション。暇さえあれば、踊る。

 金髪で目は髪で隠している。

 

名 王鈍樹(おうどんき)

歳 16

性 男

ミュータント モデルキングコング

愛越学園二年B組。大柄で目が細目。本気を出すと目が開く。普段は優しいのだが、あまりにも巨体なため初対面の相手にはゴリラの真似で友好を図ろうとしている。武道に精通している。

 黒髪でスポーツ刈り、二メートルくらいの慎重がある。

 

名 鎌田刀香(かまだとうか)

歳 17

性 女

ミュータント モデルカマキラス

 愛越学園二年A組。寡黙な少女。風紀委員長。口癖は「あさはかなり」。家系は忍者らしいが本人しかわからない。小太刀二刀流で戦う。

 緑髪の後ろを結んだ髪型、マフラーが特徴。

 

名 立花かなで

歳 16

性 女

 愛越学園二年A組。深窓の令嬢。料理とピアノが得意。趣味は家庭菜園。好きなものは激辛麻婆豆腐。 呉とはちがう別世界からきた。その世界は謎のウイルスのせいで全員死んだらしい。死んだ後、神様と名乗る者に転使にされた。さらに転生者を殺せば人間に戻すって言われた。しかし、呉が人間に戻すって言われたので、転生者を殺してはいない。

 銀髪でロング、金色の目をしている。

 

名 立花クローン156

歳 1

性 女

 立花かなでの血から生まれたクローン。立花と違い、元気で明るい。ドM(ちがーう!)。友達とかがいるかなでが羨ましく、妬ましかった。だが、神様と名乗る者とミュータントたちと戦い、神に刺されて死んだ。死ぬ寸前にレオと友達になれて、ありがとうといいながら息を引き取った。

 かなでと同じ髪型で、目が赤い。

 

名 裏立花

歳 不明

性 不明(一応女)

 立花かなでの中に神が無理矢理入れた人格。冷酷残虐、神一筋。神の為なら死ぬ覚悟がある。呉と戦い、呉のハイパースパイラル熱線で倒され、天影の力で分離した。

 姿は立花クローンと同じ。

 

名 トリガー

歳 不明

性 男

 亡国企業工作部隊の隊長。とある町で作られたベルト〈ロストドライバー〉とトリガーメモリーで仮面ライダートリガーに変身する。戦闘能力が高いが、工作作戦で絶対にヘマする。時にハードボイルド、時に変態、時に紳士。

 姿は帽子をかぶったワイルドおじさん。

 

名 織斑千冬

歳 15

性 女

 愛越市内の学生で後のブリュンヒルデ。所持ISは白騎士。サブキャラ扱い。

 

名 篠乃之束

歳 15

性 女

 愛越市内の学生でISの開発者兼博士。ISの生みの親で当初、ISの存在が否定されてやさぐれていた。しかし、千冬を助けた呉の体に興味を持ち、解剖しようとする。

 

名 神

歳 不明

性 男

 今回の黒幕。頭脳明晰で科学技術を司る神。上司がいるらしい。

 やつれた体型で白衣と黒縁眼鏡をかけている。

 

名 X星人ボス

歳 不明

性 男

 呉の世界を滅ぼしたX星人のボス。すべての世界を征服が目標に掲げながら、黒龍・呉爾羅のハイパースパークG熱線の前で敗れた。数年後会おうという意味不明な言葉を最後に死んだ。

 

名 カイザーギドラ

歳 不明

性 不明

 ギドラ族の王。第一形態にモンスターXがある。素早さと体が硬く、攻撃も強い。第二形態のカイザーギドラは素早さと硬さが下がり、攻撃がさらに上がった。その圧倒的な強さで呉を追い込むが、黒龍・呉爾羅と合わさったバーニングゴジラの前では意味をなさなかった。復讐してやると最後に言った。

 

名 モスラ

歳 不明

性 女

 呉の世界に現れた謎の少女。呉の恋人。赤い悪魔にやられそうになった呉を庇い死んだ。色々と呉を支えていた。




 よーし、一章の振り返りをするぞ?
「呉だ。よろしく」
「モスラです。よろしくね」
「やっと出番が……」
「感傷に浸らないで。カイザーギドラと立花クローン156です」
「またまた来ました。一夏です」
「天影もでますよ」
 さて、今回の一章は呉や那琉などの擬人化した東宝怪獣や作者が再びはまったAngelBeats!や仮面ライダーをいれましたがどうでした?
呉「俺は別世界って」
モ「私なんて、一章当初で死んでいるし」
カ「作者あのときの怨み!」
 わ!?やめろ!本当に出さねぇぞ!
カ「すみません!」
ク「私も死にました」
一「こんなことが……」
天「私の出番は少ないですね」
 実は呉にはモスラじゃないヒロインいたの知っていますか?
呉「マジか!?」
モ「本当ですか!?」
カ「し、知らなかった!?」
ク「私もです!?」
天「僕もですよ!?」
一「その話は知っています」
 当初は千冬をヒロインするぞ!っていきこんでいたんだが、その頃に艦これにはまって長門にしようと考えたことも。
一「そういえば、長門さんとクソ姉って似ている気がするのは俺だけ?」
 俺もそう思っていた。けど、話を進めていくうちにモスラをヒロインにした方がいいんじゃねと思い。
モ「私になったのですね」
一「クソ姉は生活能力がダメなんで、モスラさんに告白してよかったですね」
呉「ああ、そうだな」
モ「呉」
呉「モスラ」
カ「甘くなる前に話題変えるぞ」
 AngelBeats!ネタを使いましね。
ク「さまざまなネタも使いましたね」
天「知っている人はいたかな?」
 色々引っ張ると面倒なので二章予告、全員でやるぞ!

 二章予告
呉「白騎士事件とX星人襲来事件から七年を過ぎようとしていた」
カ「未知なるオーパーツ、スパークドールズが暴れだした! 」
ク「それを止めるため一人の少年が死んだ。その時、空から光が……」
モ「話は変わって池袋では一人の少女が非日常に巻き込まれた」
一「そこに現れたのは……」
天「次回、二章原作開始前 空から○○!?ヒーロー見参!」
 次回もリリカルマジカルがんばります!
「「「「「「それはやめろ!?」」」」」」
?「俺の紹介は?」
?「俺も」 


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二章 原作開始前 空から○○!?ヒーロー見参!
巨人現れる/出会い


 待っていた人。待っていない人。遅くなりました。
 二章、スタートです。


 白騎士事件とX星人襲来事件から七年の月日が流れた。

 二つの事件を重く見て国連はISの兵器化の防止やさらなる発展などを築くために国際IS委員会と世界各地に怪獣や宇宙人の侵略を防止するための組織国際防衛軍を作った。

 その一つがここ日本に作られた。

 国際防衛軍日本支部。

 その一室に赤と黒の隊員服と白衣を着ている男性がいた。彼の名は紺野進太郎。ここでスパークドールズの研究をしている。

 スパークドールズとは、子どもたちが持っている怪獣やヒーローなどの玩具と同じ大きさなのだが、その中に未知のエネルギーがある不思議なオーパーツなのだ。

「んー、はあ。疲れたな。よし!休憩ついでにタツミとユウキに会いに行くか!」

 進太郎は研究室を抜けて、赤色のスポーツカーに乗って家を目指した。

「そう言えば、あれから七年か。あの高校生に助けてもらったのにお礼を言っていない」

 七年前のことを思い出しながら車を走らせていると、地割れが起きた。

 慌てて車を止めて車内から出るとそこに怪獣が出現した。

「うお!?か、怪獣が出現した!早く本部に知らせないと!」

 車に戻ろうとしたが、運悪く怪獣に見つかった。

「くそ!早く連絡を!?」

 連絡をしようとしたが、ひび割れた地面に落ちてしまった。

「くそ!?どういうことだ!?」

 

 国際防衛軍日本支部本部では、突如現れた怪獣に攻撃を仕掛けようとしていた。

『本部、こちらバット1。目標に攻撃を仕掛ける』

「了解。幸運を祈る」

『ラジャー!』

 青い塗装が目立つ戦闘機ブルーフレイム以下四機が光線を放った。

『目標に命中』

「まだだ!」

 ほぼ無傷の怪獣がブルーフレイムに赤い光線を放った。

 ブルーフレイムはそれを避ける。

「固い!」

「隊長、ミサイルの許可を!」

『ダメだ!まだ、市民の避難誘導ができていない!』

「く!なんとかできないのか!「アリタ避けろ!」え?」

 アリタと呼ばれた隊員は怪獣の光線を避けれず、墜落しかけていた。

「うあぁぁぁぁぁ!?」

「『アリタ!?』」

 ガタッと大きな音がした。しかし、墜落する音にすれば小さかった。アリタは目を開けるとそこには巨人が立っていた。

 巨人はブルーフレイムを地面に置き、目の前にいる怪獣へ目を向けた。

『ハァ!』

 かけ声と共に巨人が怪獣へ走った。怪獣も走った。両者がぶつかると地震のような揺れが起きた。

 両者が取っ組み合いをし始め、巨人が怪獣を押した。

 その勢いで巨人は怪獣の腹にパンチを連発した。

『グエェ!?』

 苦痛の声を上げる怪獣。

『ハリャ!』

 巨人は怪獣を背負い投げで投げた。

 巨人は距離を開けて、斜め上下に手を開き、両手首に光が集まり交差して光線を射った。

『ハアァァァァァァァ!』

 光線が怪獣に当たり爆発した。

 巨人はそれを見届け、飛んでいった。

「あの巨人は一体何者なんだ?」

 ブルーフレイムの搭乗者アリタは疑問に思いながら、空を飛んでいった巨人を見つめていた。

 

「はあはあ」

『よくやったぞ進太郎!』

「フォース」

『どうした?』

「俺を助けてくれてありがとう」

『いや、私の不手際に巻き込んでしまったのだ。これくらい平気だ』

「けど、君がウルトラマンなんて」

『なんてとはなんだ!』

「怒るなよ」

『まあいい。それより早く回収、回収』

「そうだった。えーと、どこかな?」

『もうちょっと先だ』

「お!有った有った!」

『ん。進太郎誰かが来た!早く仕舞え!』

「え!よし」

「そこでなにをしている!」

「え、救助ですよって、アリタじゃないか!」

「え?あー!紺野博士どうしてここに?」

「いや、さっき怪獣が現れて死にそうになったんだが、そこに巨人が現れて助けてくれたんだ」

「それで救助ですね」

「そうそう。いくら研究者だって救助をするのは当たり前なんで。まあ、力が弱いのでせいぜい助けを呼ぶくらいしかできませんが」

「いえ。ご協力感謝します!」

「早く救助しましょう」

「はい!」

 

 所変わって、ここ池袋では。

 

 皆さん、あとがきぶりですね。黒龍です。今は龍間クロノって名乗っています。あれから七年。マスターは何処かへ消えてしまいました。理由はわかりません。ですが、あれだけの巨体が跡形なく消えるなんて驚きです。

 実は私、青い髪の女の子を匿っています。匿っているって言うより、気絶しているんで寝かしてあげているだけですが。

 この子と会ったのは二日前。私が仕事帰りに道端で倒れているのを見つけたのが最初。腕と首を見ただけで相当酷い目に合ったことがわかります。

 最初は病院に連れていこうとしたら、目の前に黒付く目の集団が現れ、適当に放射熱線を射ったら、金髪の男の人に当たり、怒りが爆発。その黒付く目の集団をリンチにし始めたので、それを見て自分の部屋に逃げてきたと言うわけ。

 早く目覚まさないかな?

 

 ……ん?ここはどこ?私確か……「起きた?」キャッ!?

「うお!?ビックリした」

「す、すみません!」

「いいや大丈夫さよ。それより体の調子はどう?」

「え?平気でs『グウゥゥゥゥ!』//////」

「ちょっと待ってて。すぐできるから」

「え?いや、その……」

「ん?」

「……わかりました」

「素直でよろしい」

 お姉ちゃんみたいな人でやさしい。あ!私より年上か。あの人たちとは違う。私のことを心配してくれている人。あ!名前聞いていない。来たら聞かないと。

 それにここは?

 窓を見ると、ここは東京かな?

 少しうるさいが、あそこと違ううるさい音。人が、色んな人がいるうるさい音。

 始めかも。こんな気持ちは。

「できたよ~」

「……ありがとう、ございます」

「熱いからね」

 お粥。シンプルな見た目とは違い、気持ちが篭っている。レンゲで一口。

「……おいしい。おいしいおいしい!?」

「涙流すまでおいしいのか。うれしいな!」

「」

 始めて泣いた。鍛える以外で泣いたのは。

 泣くほどおいしい、のかな?

 抱き締めた。警戒しないといけないのに。なんで、なんで、こんな気持ちになるの?

「泣いていいよ。ここには私以外誰もいないから」

「うえぇん、うえぇん!」

「よしよし」

 これが温もりなのかな?

 温もりのお陰で今まで溜まっていたものが溢れた。

 何時間泣いたのだろう?辺りは暗かった。

「泣き止んだ?」

「……うん」

「私は龍間クロノ。あなたは?」

「……更識、簪」




 皆さまの力を貸してください。ウルトラ怪獣が余りわからない。そこで活動欄に今後出して貰いたい怪獣やこんな怪獣などを募集します。
 それと関係ないんですが、ウルトラマンXが作者の地域では見れないのでYouTubeで見るしかできません。どうしてかな?


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過去と変身とニンジャ!?

 艦これイベントキツッ!
 未だボスにいけない。強くなりてぇ!


 私、更識簪という人間の姿を一言で言えば、搾りカスだろう。そう感じたのは、物心がついた辺りだろ。

 私には兄と姉がいる。二人とも優秀で、何事も上に立つ。私もその二人に憧れて努力はした。二人のようになりたいと。しかし、なれないとわかった。

 次第に二人の一歩後ろにいるようになり、勉強や鍛練が足りないだけで私を差別する人が出始めた。

 当然、二人は私を気にかけてくれた。けど、そうしてくれたのは小学校まで。

 心配はしてくれるが、同情はしてくれない。同情してくれないのはわかっていた。けど、心配してくれたことだけでも嬉しかった。ただ、あの事がなければ。

 更識楯無襲名争い。

 争いと言ってもただ、三人で三つ巴の決闘をするだけ。

 私はやりたくないと言った。なのに、兄と姉はしきたりだから、たったそれだけの理由で私も参加させた。

 結果は惨敗。体力で劣る私が兄と姉に勝てるわけがない。なのに、バカにする。クズやカス、面汚しなどと言われた。

 しまいには姉に、一生そのままでいなさいと言われる始末。

 そして、私は逃げようとした。だけど、襲名した兄に、裏切り者と言われた。

 一番信頼していた二人に裏切られた。そして、逃げ出した。

 遠くへ行っても直ぐに見つかり、連れ戻された。それを何度も何度も繰り返しているうちに、お仕置きと言うなの暴力も加わった。

 私は諦めなかった。幸い、二人より優れているハッキングで、どこへ行けばいいのか、いつ出るのかを考えた。そして練るに練って、行動に移した。

 そして、上手くいっているなか、予想外な出来事が起きた。

 怪人の襲来。私はそれを使って、死んだことにすればいいと考え、動けるだけの血を抜いて部屋にばら蒔いた。

 そして逃げた。遠くに見つからない場所へ。私を知らない人がいない所へ。

 だけど、甘かった。私の体にGPSが着いていたらしく、それにより見つかった。

 ここで終わりかと、思ったとき私は声に導かれた。

『そのまま落ちて』

 その声を聞いて、家に戻る位ならと橋から落ちた。

 そこからの記憶はなくて、私はあの路地裏でクロノさんにあった。

「ねえ、簪ちゃん」

「……なんですか?」

「よーく聞いて。私と暮らさない?」

「え?」

「えっとね。私と家族にならない?」

「え?あ、あの……」

「返答はいつでもいいよ」

「あ、はい……」

 

 あー、テステス。

「出番長すぎだろぉぉぉぉぉ!」

 いきなりですまない。俺の名前は坂本イザナギ。最後にあったのはプロローグの時か。

 今の状況をさらっと言うと、どうやら拉致監禁されているかもしれない。

 ドアは鍵がかかっているから開けられない。まあ、壊すからいいや。

 ベットの上に銀色のアタッシュケースが置いてある。

 開けると、ベルトみたいな物と果実を模様した錠前が何個か、それと手紙があった。

 読んでみると。

 

 転生特典四つ目がそこにある戦極ドライバーとロックシードじゃ。

 使い方は戦極ドライバーを腰に着け、ロックシードの錠前を開ける。ロックシードを戦極ドライバーの窪みにセットして、錠前を締める。刀のマークがついたのを降ろすと変身できる。その名も〈仮面ライダーフィフティーン〉。

 まあ、試しに変身してみな。

 P.S.お前がいる世界には他の転生者や転使がいるから気をつけてな。

 なお、この手紙は読み終わり五秒後に爆発し、部屋が開きます。

 

 え?これマジ?マジなのか?アジなんですか!?ハッ!いけないいけない。ともかく変身だ!

 えーと、確かこれを腰に……お!んでこれを開ける。

〈フィフティーン!〉

 んで、これをセットして。

〈ロックオン!〉

 レバーを降ろす!

 エレキギターの音と共に空から骸骨をもようしたのと合体!

 黒を基本とした、骨の所が銀色になっている。これが仮面ライダーふぃふt〈ドガーン!!〉爆発早いわ!改めてこれが

 仮面ライダーフィフティーン!〈バゴーン!!〉

 ん~、いいね。いかすね。さてと今の状況はっと……。

「……仮面、ライダー?」

 目の前に水色の髪の少女がいた。

 うん。います。いますね。はい。…………

『ここは君の部屋かね?』

「い、いえ。ち、違います」

 やっちまった!?どうしよう!?どうしよう!?

「あ、あのう。お、お茶飲みます?」

『あ、御願いします』

 

 変身を解除したイザナギとお茶を持ってきた簪が座っていた。

「…………」

「…………(気まずい)」

 明らかに不法侵入?をしたイザナギ。何か言い訳を考えているのだが、見つからない。

 簪は目の前にいるイザナギを見つめていた。イザナギが簪の憧れるヒーローの一人仮面ライダーに似ていたから。

(話を切りだそう)

「「(……)あ、あの……。(……)そっちからどうぞ……」」

「じゃあ、俺から。俺の名前は坂本イザナギ。あんたは?」

「……私は簪。よろしく。それより坂本さん」

「普通にイザナギでいいぜ。同い年だしな」

「……うん。イザナギくん。あなたは仮面ライダー?」

「うん、まあ。そうさ。仮面ライダーさ」

「…………」

「あの~簪さん?」

「……イザナギくん」

「はい」

「私を守って」

「……え?どうゆうこと?」

「実は私「見つけだぞ簪!」!?」

「に、に、ニンジャ!?」

「さあ帰りますよ!

「は、離して!」

「あの~状況が読めないんだが……」

「部外者は黙っていろ!」

 プツンっと何かが切れる音が聞こえた。

「へぇ~いいんだぁ~」

「なにがだ?」

「質問に答えなくて」

「だから貴様何をいっていr「迷惑なんだよ!」グホオォォォォォォ!?」

 ニンジャを片手で上から投げ落としとした。

「……?」

「簪」

「ひゃあ!?」

「理由を聞かせろ」

「う、うん」

 簪は話した。家のこと。家族のこと。自分のこと。

「そうか……いいぜ。お前を守ってやる」

「ほ、本当?」

「ああ。ただし」

「ただし?」

「俺の衣食住を提供してくれれば」

「……わかった。何とかしてみる「話は聞いたわ!」クロノさん!?」

「誰?」

「この家の主よ。それよりも二人のそれ私に宛があるのよ」

「宛?」

「そう。条件はそこで働くことよ」

「俺はいいが、簪は?」

「……私も御願いします」

 クロノの紹介でそこに住むことになったイザナギたち。そこで待ち受けているものとはなにか。

「場所は?」

「すぐ近くにある食堂よ。オープンは来週だからその為に色々と準備をしているのよ」

 



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この三人、桁違い!by黒ずくめ

 この頃、ウルトラマンにはまりまして、オリトラマンを入れてみたのを覚えていますか?
 まあ置いといて。どうぞ


 イザナギが来た次の日、簪とイザナギはクロノの案内の下来週からオープンする食堂に来た。

 その中は何か喧騒していた。

「お邪魔しまーす五反田さん!」

「お!クロノさんとこの二人が」

「はい!アルバイトの」

「坂本イザナギです。コイツは」

「簪です。よろしくお願いします」

「おう!俺は五反田弾よろしくな!」

 自己紹介を終えた三人。

 そこへやって来たのは。

「だーかーら味噌だろ!」

「いや、塩だ!」

「御手洗さんと一夏さんは何しているのですか?」

「ああ、簡単に言えば焼き肉定食を塩ダレにするか味噌ダレにするかで意見が別れている」

「おい、そこの二人!」

「「は、はい!?」」

「焼き肉定食は味噌か塩かどちらだ!」

「えっと、普通のタレかな?」

「俺は激辛ダレだな」

「「え?」」

「いいから自己紹介しろお前ら」

「そうか。俺は御手洗数馬。訳有りでここで働くことになった」

「俺は一夏。御手洗に同じく」

「じゃあ、二人ともアルバイト決定ね。住む場所はここの二階だから」

 こうして住み込みアルバイトが決まった。

「だーかーら糠漬けだろ!」

「いや、浅漬けだ!」

「今度は何だ!」

「まあ、頑張ってね」

「は、はい」

 

 その夜、イザナギと簪は弾たちに呼ばれた。

「あー、二人とも。事情はクロノさんから聞いた。大変だろが、がんばってくれ」

「「はい!」」

「それじゃあ、お祝い会でも始めるか」

「ここは俺の番だな!」

「飲みもんは全員いったな?」

「じゃあ」

「「「「「かんぱーい!」」」」」

「ぷはーやっぱ上手い!」

「だな。焼き鳥もーらい!」

「やっぱ刺身は鮮度だよなー」

「遠慮すんな。食え食え!」

「酒はまだだけどな」

 ちびちびとジュースを飲む二人。緊張しているのか、それとも遠慮しているのか、全く食べ物には手を付けない。

「よし、ちょっと待ってろ」

 一夏は調理場に行き、何かを作り始めた。

 それを見ながら弾は口を開いた。

「二人とも実は一夏は子供がいるんだぜ」

「「え?」」

「たぶんお前らと同じ年のはず」

「……一夏さんはここに?」

「まあ、訳有りでな「できだぞ!」まあその話は後でな」

 目の前にあったのは。

「「ハンバーガー?」」

「おう!上手いから食えよ」

「「いただきます」」

「感想は?」

「う、うまい!」

「…………」

「どうした?不味かった?」

「……違います。言葉がでなくて、うえぇぇぇん!」

「お、おいおい、泣くほどかよ」

「一夏。人のことは言えないけど、これは言わせろ。プライドを折るな」

「そうゆうこと!?」

「数馬もなんか言え」

「クソー、ショッカーやろー!ぜってい全滅させる!」

「壊れたよ!」

 お祝い会は夜遅くまで続いた。

 

 深夜、寝静まったころ。食堂に数人の黒ずくめたちがいた。

「ここにターゲットが?」

「ああ」

「バカな女だ。一般人を巻き込むなど」

「何を言っている。早く回収しろ」

「「「「「ハッ!」」」」」

 ピッキングをし、中に突入した。

 そこにいたのは酔いつぶれた店員。

 店員を無視して突入しようとしたところ、店員が起き上がり黒ずくめを見た。

「あんたらなにもん?」

「見られたからには仕留める!」

 素早い動きで店員の首もとにナイフを入れた。

「なに!?」

「おいおい人にナイフを向けるなんてバカな奴」

「き、貴様!」

「とりやゃゃゃゃゃ!」

「ングゥ!?」

「チッ!?nなら数で潰せ!」

「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」

 黒ずくめが一斉に来たとき、ナイフが黒ずくめの一人に刺さった。

「っち!」

 舌打ちをしながら出てきたのは。

「ぎゃぎゃうるせぇな!」

 更にそこへお玉が飛んできた。

「閉店どころかオープンしてないから早く出ていきな」

 その姿を見て、黒ずくめの一人が言った。

「貴様らここにいる更識簪を明け渡してもらおう」

「はぁ?何いってんだ?」

「お前らのようなやつらの大事なアルバイト枠を渡さねぇよ」

「そうだ!この店は癒しがいないからな!」

 その言動を聞いて腹を立てた黒ずくめは怒り出した。

「貴様ら今の状況をわかっているのか!」

 黒ずくめの一人が思い出したように言った。

「あ!隊長逃げましょう」

「何を言っている!一般人相手に」

「ち、違います!?やつらは先日ここ池袋で騒ぎを起こしたやつらなんです」

「それがどうした?」

「先日池袋で起きた事件覚えていますか?」

「あれがどうした?」

「あれを潰したのはあいつらなんです」

「ふん!それくらいこれを使えばいいだけだ!」

〈Masquerade!〉

 黒ずくめは腕にガイアメモリを刺した。

「ちっ!やっぱあったか!一夏、弾、手加減なしでいくぞ!」

「「おう!」」

「変身!」

〈カメンライドディロード!〉

「何だそれは!」

「これか?これはディロード。お前みたいなのを倒す物だ」

 ディロードはマスカレードドーパンドを殴った。殴っただけで外へ出た。

「早くメモリを使え!」

 残りの黒ずくめもドーパンドに変わった。

「マスカレードマスカレードうるせぇ!」

 いきなりキレたら一夏がナイフで斬りつけた。

 それを余裕でかわすが。

「ざーんねーん。ここでおじゃんです!」

 一夏がナイフで斬りつけたマスカレードドーパンドは爆発した。

「種はこのナイフにあるが、まあおじゃんです」

 道化のような笑いでマスカレードドーパンドを狙いつけた。

「ふんぬ!」

 弾は様々な料理器具でマスカレードドーパンドを蹴散らしていた。

 お玉で頭陥没。中華鍋で骨が砕ける。包丁で首を切断。

「本当はダメだが、俺の武器はな、年中腹が減っているんだ。それを使っていいなら使いたいな」

「「ダメだ!」」

 この中で一番残虐である。

 この戦いは当然、あの三人である。




 活動報告でアンケートをしているので、案があれば出します。お気軽どうぞ!


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IS学園の危機!

 やっと投稿できた。ではどうぞ


gの襲撃から数日。国際防衛軍日本支部の作戦基地では今回の事件のことを話されていた。

「今回の怪獣の襲撃は予期されていませんでした。地質や時空に変化は起きておらず、原因は不明です」

「博士は今回の事件をどう思いますか?」

 日本支部の神田隊長が紺野博士に聞いた。

「あの赤い怪獣、呼びづらいのでバニラと呼びましょう。バニラが倒された場所にスパークドールズが落ちていました」

 バニラの映像からバニラのスパークドールズの画像に替えた。

「スパークドールズが!?」

「ああ。これは私の仮説なんですが、スパークドールズは何かしらの未知のエネルギーによって巨大化したのではないかと」

「ふむ」

「しかしその仮説だと当てはまらないことが」

「なんだ?」

「はい。バニラは生きていました」

「それがどうどうした?」

「それだとスパークドールズで生きていると。しかし先程時間の限り様々な機械で調べたのですがその反応がなかったのです」

「なに?」

「それでもう一つの可能性がスパークドールズにバニラ、それに似た何者が巨大化したのではないかと、非科学的ですが」

「博士それあながち間違いじゃないかも知れませんよ」

「どう言うことだアリタ?」

「はい。間近で迫った時なんですが、何か違和感がありました。人に近い何かが」

「確かにX星人襲来や黒い怪獣ゴジラのこともありますから」

「この件は紺野博士頼みます」

「了解しました」

 バニラの映像から謎の巨人の映像に替えた。

「謎の巨人のことだが、博士はわかりますか?」

「それはわかりません。呼びづらいのでウルトラマンフォースと呼びます」

「何故フォースなんですか?」

「彼の姿はなんと言いますか、謎のだらけで全身が黒と銀で目は白い。頭の角がFだから私が適当に見ていた映画のキーワードを入れてフォースにしました」

「適当かよ!」

「フォースは突然現れて突然消えましたからわかりません」

「そうか。ウルトラマンの件もお願いします」

「了解しました」

 作戦基地を退出して自分の研究室に戻った。

「フォース」

『なんだ進太郎?』

「お前はどこから来た?」

『私にもわからない。しかしあの時進太郎が落ちた時に私は君が相棒だと』

「そうか」

 進太郎はフォースと初めてあったことを思い出していた。

 

 このまま落ちて死ぬのか?それはダメだ。俺には愛する家族がいるんだ!こんなところで死ねるか!

 ピカーン!

 なんだこの光は……。暖かい。誰だそこにいるのは!クソッ!光で前が!

『私の声が聞こえるか?』

 誰だ!

『私の名前はフォース。ウルトラマンフォース』

 ウルトラマンフォース?それがお前の名前か?

『ああ。君の名前は?』

 俺は進太郎。紺野進太郎だ。

『進太郎。進太郎君に頼みたいことがある』

 なんだ?

『怪獣を倒すのを手伝ってほしい』

 …………。

『今の私では倒せない。だから頼む』

 ……いいぜ!

『ほ、本当か!?』

 ああ。早く怪獣を倒そう。被害が広がる前に!

『ああ。行くぞ!』

 来いフォース!

 

 そうして進太郎とフォースは合体してバニラを倒した。

『どこから来たのかはわからないが私が目覚めた場所は小惑星だった。そこから各星で怪獣や宇宙人を倒してきた』

「そうか」

『私が何の為に生きているのかがわからない』

「まあ、そのうちわかるさ」

『この星の異変が終わるまでいてもいいか?』

「ああ」

『感謝する』

 

 

 IS学園とは簡単いえばISを使うための学校。その学園で教師をしている一人の女性立花かなでは空を見ていた。

 あれから七年世界が大きく変わり生活も変わった。かなではインファントの親が社長の技術会社でISのテスターとして第一回モンドグロッソで決勝で千冬と戦い負けた。

 その戦いは歴史に残る戦いで、千冬は力強い戦い型なのでブリュンヒルデと呼ばれ、かなでは綺麗な戦い型なのでエンジェルと呼ばれている。

 かなでは空を見上げながら独り言を呟いた。

「呉あなたはどこに行ったの?お礼言ってないのに」

 かなでのところに一人の女性が歩いてきた。

「かなで先生どうしました?」

「千冬先生」

「大方呉さんのことですね?」

「……はい」

「帰ってきますよ」

「そうでしょうか?」

 呉についての会話をしていると突然警報が流れた。

『織斑先生大変です!?』

「どうした山田先生!」

『か、怪獣がしゅ、出現しました!』

「なに!防衛軍の到着と怪獣の居場所は!?」

『十分後に到着。怪獣はIS学園と結ぶモノレールに出現しました!』

 

 ウーンウーン!警報がなり始めた。

 防衛軍の隊員はすぐに集まった。

「IS学園に怪獣が出現!モニターに出します!

 女性のオペレーターが報告した。

「今までの怪獣とは違う」

「なんだあの姿は?」

「暇はない!アリタ、ミズキ、クマノ、ハタケはブルーフレイム1号2号で出撃、ハタノ、タカハシ、アラマ、キクチはランドフレイム市民の避難誘導、クマ、タマ、キタカミ、オオイ、キソはISに乗りブルーフレイムの援護!」

「「「「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」」」

 ブルーフレイムに乗る四人は左の滑り台から降りて、ランドフレイムに乗り四人は右の滑り台から降りて、ISに乗る五人は後ろの滑り台から降りた。

「アリタ前のヘマはすんなよ」

「無駄口たたいないで乗りなさい」

「……狙う」

「全員乗りました!」

 ブルーフレイム1号2号は発射口に向けた。

「ブルーフレイム1号アリタ」

「……クマノ」

「ブルーフレイム2号ミズキ」

「ハタケ」

「「「「出撃する!」」」」

 ブルーフレイムが出撃とともにランドフレイムの準備をされていた。

「こちらも行きますか」

「「「了解!」」」

 ISに乗る五人も出撃準備を完了した。

「クマ~行くクマ~!」

「……タマ行くニャ」

「キタカミ抜錨します」

「オオイ行きます」

「キソ出撃する!」




 感想など待ってまーす!アンケートもやってまーす!


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怪獣火薬庫

ミサイル超獣ベロクロン
宇宙怪獣エレキング
登場!


 ブルーフレイム一号二号がIS学園に着いた時そこにいた怪獣はあまりにも変わった姿だった。先日出現したバニラとは違う。そう感じたアリタは基地に連絡した。

「隊長この怪獣なにかが違う気がします。急いで調べてもらってください」

『わかった。調べている間学園から引き離せ』

「了解」

 アリタは命令道理に怪獣を学園から沖の方に引き離すために目の前に飛んで誘導しようとした。

 しかし怪獣はブルーフレイムに興味を示さなかった。それどころか。立ち止まりさへしない。

「くそ!どういうことだ!?」

『アリタあの怪獣を学園いや町から離せ!』

「どうゆうことですか?」

『そいつの体は火薬庫だ。しかも一国滅ぼすほどだ』

「「『『!?』』」」

『こちらも何とか弱点を探す。お前たちはその間奴を引き付けてくれ』

「「『『了解!』』」」

 作戦基地では進太郎がIS学園に出現した怪獣の解析をしていた。

「全身が火薬庫ってどんな化け物だよ!」

『進太郎奴の名前はベロクロンだ!』

「ベロクロン?それがあの怪獣の名前か!」

『ああ。ベロクロンは怪獣ではない』

「怪獣じゃない?どうゆうことだ!?」

『ベロクロンは超獣と呼ばれる地球の生物と宇宙怪獣を合成させた怪獣を超す怪獣』

「な、なんだって!?」

『そして奴の弱点は体内にある高圧電気胃袋が弱点だ!』

「わかった」

 そこへタイミングよく神田が入ってきた。

「わかったか?」

「はい。奴の弱点は体内にある高圧電気胃袋です」

「しかし体内か、難しぞ?」

「私に案があります」

「ほう」

「ISの兵装に高圧電撃弾と三十口径ロケットドリルがあります。その二つを使い体内にある胃袋を自爆させます」

「成功は?」

「奴の皮膚があまり固くなく、兵装に不備がないなら、操縦者の技量のみ心配です」

「大丈夫だ。あの五人は成功させる」

 隊長は今の作戦を伝えた。

「今から作戦を伝える。IS部隊は三十口径ロケットドリルで奴の胃袋までの貫通させ、高圧雷撃弾を撃ち込め。ブルーフレイム一号二号は援護、ランドフレイムは市民の避難が終わり次第直ちに援護に迎え」

『『『『『『『『『『『『『了解!』』』』』』』』』』』』』

 生徒の避難を終えた二人は作戦本部として使っている所へ向かっていた。

「織斑先生学園内の生徒及び非戦闘職員の避難が完了しました」

「ご苦労山田先生。諸君今防衛軍が到着した。私らの役目は終わった。次の指示があるまで待機」

「どうゆうことですか!?」

「どうもこうも私らの役目は防衛軍が来るまでの学園の防衛が任務だ」

「だからってあんな化け物ISでイチコロですよ」

「私も同意見です。つい最近しかも成果は微々たる組織に任せられません!」

「なら七年前の怪獣も倒せると?」

「ええ!あんなトカゲもたおs「無理ね」どうゆうことですか立花先生?」

「目の前であの戦いを見たからよ。いくらISが最強だからと言って生物の域を超えた生物と一対一で戦うなんて無謀。多対一でもよ。現存兵器でもほぼ効かなかった生物にISはかなう?」

「ぐ、そ、それは……」

 無謀。その一言がその場にいる教師全員を黙らせた。それに答える教師は誰もいなかった。

「とにかく状況が変化するまで待機だ」

 千冬が待機命令をくだした時、作戦本部に通信が入った。

「こちら防衛軍日本支部の神田だ。そちらの防衛責任者を出してもらいたい」

「初めまして神田さん。防衛責任者の織斑です」

「織斑さんですか。いま対峙している怪獣が一国を滅ぼすほどの爆発範囲があります。そこで私たちは爆発を抑えるための作戦を行う。そのために本作戦が万が一失敗したらそちらにも被害が起きる可能性があります」

「つまり私たちは急ぎこの場から離れて避難しろということですね」

「はい。出来ますか?」

「幸い今は冬休みなので避難はスムーズに行えます」

「なら頼みます。その間怪獣を引き付けます」

「わかりました」

 神田の指示通り千冬は素早く指示をとばした。

「生徒たちを避難させる。船、モノレールの護衛に教師は着け」

 そう指示すると千冬は一人別の通路に入った。それをみたかなでは追いかけた。

「千冬先生!」

「かなで先生どうしてここに!?」

「一人で何をするつもりですか?」

「………」

「言えないことなんですか?」

「……ああ。今から三十分。私が来なかったら臨時責任者として指示してください」

「……わかりました。気を付けて」

 その頃防衛軍は苦戦していた。

「くそ!」

「捌ききれない!?」

「まだか!?」

「オオイっち!」

「撃ちます!」

「着弾確認クマ!」

「タマねぇ、キソ!」

「「これでも喰らえ(ニャ~)!」」

 オオイの狙撃で貫通した穴にタマ、キソは全弾撃ちまくった。

 内部で爆発する音が聞こえた。

「よし決まった!」

『全員たたみ掛けろ!』

「全弾発射!」

「喰らえ!」

「行けクマ!」

「そこニャ!」

 全員の攻撃と共にベロクロンは小規模の爆発を起こし消えた。

「や、やったか?」

「生体反応なし。倒したと思います」

『よくやった!全員帰還せよ』

 その時、空から黒い稲妻が落ちてきた。

『どうした!?』

「そ、空から何かが降ってきて!?な、何かいます!」

 そこから現れたのは薄い黄色に黒の斑点に触角みたいな怪獣が出現した。

「な、なんだまた怪獣!?」

「これより戦闘に入る!」

 突然出現怪獣に驚く隊員。

 それに気を取られていたせいでアリタが乗っているブルーフレイム一号に光線が翼に当たった。

「緊急脱出!」

「……機械が逝かれている!」

「不時着するぞ!」

 その姿を見ていた神田は苦い顔をしていた。

「どうすればいい。撤退かそのまま防衛か」

「隊長今からあの怪獣を調べてきます」

「調べてどうする?」

「先ほどはたまたま対策を取れました。しかし今回は突然の出現。現場で調べた方が早いと思いました」

「なるほど。なら頼みます」

「了解」

 進太郎は愛車のトライドロンに乗りIS学園に向かった。



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ウルトラマンフォースの実力

ミサイル超獣ベロクロン
宇宙怪獣エレキング
登場!


 進太郎はトライドロンに乗りIS学園に向かった。

 向かいながらフォースから突然出現した怪獣のことを聞かされた。

『あの怪獣はエレキング。宇宙怪獣でおとなしい性格なのだが』

「操られていると見て間違いない?」

『そう捉えてもいいはずだ。エレキングもスパークドールズ。あの時みたいに倒せばいい』

「フォース。さっき倒したベロクロンってスパークドールズになるのか?」

『わからない。スパークドールズならあの時みたいにエネルギーが凝縮されて戻るはず』

「つまりフォース又はそれに準ずるものでないと戻らない」

『もう一つは生き残っている』

「急ご!」

『ああ!』

 

 IS学園ではエレキングが電撃光線でブルーフレイム2号やISを落とそうしている。それをうまくかわして撃っていく。

「くっ!しぶとい」

「ごちゃごちゃ言ってないで当てなさいよ!」

『ハタケさんこっちもタマとオオイも損傷が激しいから離脱したクマ!』

『こちらも弾やエネルギーがなくなりそう』

『すまねえ。落とされた』

「ちっ!」

「こっちもエネルギーが!」

 連戦の影響でエネルギーが各機少ない。

「ちっ!ハタケは降りて!」

 後ろイス緊急脱出装置を押した。

「おい!ミズキ!ミズキー!」

 

「フォース!」

「行くぞ!進太郎!」

 左腕に着いている赤と黒、銀をメインとしたブレスレットから人形が出てきた。その人形は赤と黒、銀の基本カラー。その人形を取り出す。その人形の足の裏にあるマークをブレスレットの先端にくっつけた。

『フォース!フュージョンアップ!』

「フォース!」

 ブレスレットが開閉してその中から顔が出てきた。

 進太郎の姿は眩い光に包まれてそこに現れたのは、赤と黒、銀のメインの巨人。青く光る胸元、白いアイカラー、Fと見れる角が生えた巨人。

「ウルトラマン」

「フォース」

『ジュワッ!』

 ウルトラマンフォースが墜落仕掛けたブルーフレイム2号を優しく地面に置き、海にいるエレキングに向いた。

 フォースは勢いよく走り、エレキングに突撃した。エレキングはそれを尻尾で迎撃しようとした。

『ジュワッシュ!』

 フォースはその場で大きく飛び、頭に手をかざした。するとFと見れる角、フォースラッカーをエレキングの尻尾に向けて投げた。

 フォースラッカーが離れた瞬間、エレキングの尻尾が一瞬で切れた。フォースはついでにエレキングの触角の一本も切って戻ってきた。

 エレキングは苦痛を上げて潜って逃げようとした。フォースはエレキングの目の前に飛び、ジャイアントスイングで投げた。

 右胸に右手と左手を+のようにして、左胸に持ってきて斜めに開いた。右手と左手に青い光が集まり、前に+のように持ってきて放った。

「『フォースブレイク!』」

 青色の光線がエレキングに当り、爆発したそこから青い光とともにエレキングの人形がフォースの元に来た。

 終わった。フォースは帰ろうとしたが、そこに大量のミサイルがフォースに当たった。

「ジュワァ!?」

 いきなりの攻撃に対処できないフォース。

 そこに現れたのは腹が開いて、片腕を失くし、目がつぶれたベロクロンがいた。

 フォースはフォースラッカーを逆手でトンファーを持つように握り構えた。

 ベロクロンは大量のミサイル発射した。

 勝った。ベロクロンはそう思った。自分の最高の力で行ったのだ。倒したに違いない。絶対の自信があった。

 煙が晴れると、ほぼ無傷のフォースが立っていた。

 それを見たベロクロンは逃げようと空間を壊そうとした。

 フォースは握っているフォースラッカーを強く握り、赤いエネルギーが集まりだした。それを纏ったままベロクロンを真っ二つに切り裂いた。

「『フォーススラッシュ!』」

 それを受けたベロクロンは爆発し、人形になりフォースの元に来た。

 それを見て、フォースは今度こそ帰った。

 

 その戦いを見ていたフードを被った者が二人いた。

「あれがウルトラマンか」

「そうだね。私たちの出番はないかな?」

「そうだな。ないに越したことはないな」

「そろそろ行こう」

「そうだな」

 

 異次元空間ではある人物が見ていた。

「あれがウルトラマンフォース」

 そういいながら笑いだした。

「ハッハッハッハッハッハッ!楽しみだな」

 

 そしてここ池袋では。

「また巨人が出たらしいですよトムさん」

「そうらしいな。まあ怪獣も巨人も池袋には来ないな絶対」

「お待たせしました日替わり定食とステーキ定食です」

「ありがとう」

 それを聞きながら数馬は一夏と弾に言った。

「一夏、弾巨人のことだが」

「それは後だ。エビフライと唐揚げは揚げ終わったぞ弾」

「醤油ラーメン、味噌ラーメン出来た」

「はいはい。簪ちゃんイザナギ君四番テーブルね」

「「はい」」

 四番テーブルには多くの食器が並んでいた。

「美味しいですね束様」

「うんうん。何杯も行けそうだね」

「醤油ラーメン、味噌ラーメン、エビフライと唐揚げです」

「ありがとうね」

 

 日本某市では

「いろいろおもしろくなってきたね」

 少年は肩に乗っている生き物というより機械?と話していた。

「そうか?けど物語は始まるって」

 少年は空を見上げ、何かを言った。

「変身」

『HENSIN!』

 肩に乗っている機械が腕にくっつき、姿が変わった。

 その姿は黄緑をしてて、カマキリを意識した姿。背中には二振りショッテルを担いでいた。

 そこに怪人が現れたのだが、それが一瞬にして、消え去った。

「俺は最速と殺戮を楽しむライダー、仮面ライダーマンティス」




 どうでした?オリジナルウルトラマン、ウルトラマンフォースを表現できていました?
 感想待っています


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表裏の世界(1)

 書き方が悪いかも知れません。
 ではどうぞ。


 ベロクロンとエレキングの襲来から約三カ月。この三カ月の間世界各地で怪獣が出現が多くなってきた。

 一番の被害は日本とその周辺の地域。

 そのおかげなのか、日本の科学技術は発展していた。その科学技術を共有しようと各国が持ち掛けてきたが、それを阻止したのは国際防衛軍。

 そもそも日本の科学技術が発展してきたのは国際防衛軍の技術提供のおかげである。

 日本は多くの怪獣の激戦国。それを見かねた国際防衛軍日本支部が本部に通達。条件付きで許可をもらい、技術を提供した。その条件とはこの技術を侵略行為に使わない、定期報告をするの二つ。管理は日本政府と日本支部の二組織。

 さて、日本はまた大きな問題を抱えた。それは……。

 

『今日IS学園入学試験で男性操縦者を発見!その名も織斑秋二くん。年齢十五歳。家族構成はかの有名なブリュンヒルデこと織斑千冬さんを姉に持ち将来有力視されているとのこと。近所の方のお話によると……』

 織斑秋二。先ほどニュースキャスターが言ったように姉はブリュンヒルデで有名な織斑千冬。

 家族が数十年前火事で父、母、次女マドカが死んだ。さらに次男一夏が行方不明。

 二人で支え合ってきたと言われても過言ではない。

 そこが問題ではない。問題は男性操縦者が現れたと言うこと。つまり、世界各地で男性操縦者の調査が始まった。

 織斑秋二以外の男性操縦者は今の所三人。一人目はISシェア三位のデュノア社のご子息、シャルル・デュノア。二人目は国際防衛軍日本支部の博士のご子息、紺野タツミ。三人目はキセツ・ミューゼル。

 政府は男性操縦者の家族をどうするか話し合った。

 織斑秋二は織斑千冬と言うネームがあるために手を出せない。しかも篠ノ乃束と言う後ろ盾がある。その悪露斑秋二に手を出すということは二人の怒りを買うのと等しい。

 シャルル・デュノアはデュノア社の御曹司。そのバックにはフランス政府がいる。デュノア社のテストパイロットと共に将来フランス政府の下で働くことになっている。

 紺野タツミは国際防衛軍日本支部に父が博士として働いている。日本支部のIS部隊の候補生になって、将来正式に隊員になると言われている。

 この三人の家族は政府や組織に安全を確保された。

 問題はキセツ・ミューゼル。住所不明。年齢不明。家族不明。謎の人物。たまたまISを触ってしまいわかった人物。だが問題はその顔だった。その顔は行方不明なっていった織斑一夏と似ていたのだ。すぐさま検査を掛けたことによりDNAが判明した。その結果確かに一夏のDNAはあった。しかし所々におかしなものがあった。

 

「皆集まってくれてありがとう。心から感謝する」

「隊長が礼を言うなんて明日天災が起きそうだな」

「シバクぞこら!」

「それより早く話し合いましょう猟十」

「そうだな。まずこの映像を見てくれ」

 画面にピーとピーの動画が流れた。

「って何見せてんだ!?」

「間違えた」

「あんたここにいる全員にこんなハ、ハレンチなのを見せようとしたのか!?」

「わざとじゃない。ジョークだよジョーク。本題はこれだ」

 画面にこれでもかっと乗せられた食べ物だった。

「これが見せたかったわけじゃないな?」

「そうこれを食べている人物とこれを作っている人物に注目してほしい」

 注目しているとトリガーが気付いた。

「篠ノ乃束か」

「それと織斑一夏ですね」

「その通り」

「つまり」

「この二人に関係する話題だな?」

「正解。この映像は三カ月前の東京で見つけたもの」

「つまり織斑一夏と篠ノ乃束が手を組んだかもしれないってことですか?」

「それはない。篠ノ乃束は織斑一夏に興味がなかったはず」

「そう。だからここに集まったメンツに話したい。ここを篠ノ乃束との交渉場に使いたい」

「変態、話が読めない」

「そうよ。別に私たち(亡国企業)が経営しているレストランでもいいと思うわ」

「確かにそう思った。ここにいるメンツを見てくれ」

「年増ババアと」

「ドジ紳士、」

「変態隊長と」

「恐妻」

「いや違うだろ!?」

「誰年増ババアって言ったの!?」

「ドジではない。お茶目だ!」

「変態ではない!守備範囲が広いだけだ!」

「誰かしら私を恐妻って言ったのは?」

「せっかくのシリアスが!?」

「そうゆう時もあるさ」

「ねえよ!?」

「つまりここにいるメンツは別名中立派ってことですね?」

「ああ。亡国という組織ではなく個人的に篠ノ乃束と交渉するってことだ」

「なるほど。今の亡国は危ないし、それに」

「それに上層部と一部がヤバい奴らと手を組んだそうですしね」

「そうなのか百菜?」

「はい。お父様が言っていたので間違いはないかと」

「よし。ここにいるメンツ。俺の話に賛同してくれるか?」

「意義ないわ」

「同じく」

「だそうよあなた」

「ありがとう。交渉日時は後日言う。では解散」

 

「M、Sから連絡在った?」

「いやなかったぞ」

「そう」

「スコール!」

「どうしたのオーダム?」

「あいつの機体どうするんだ?」

「それは今トリガーと話したから大丈夫」

「俺らで作るのか?」

「いいえ宛てがあるそうよ」

「スコール、なぜ私を潜入に入れなかった!」

「しょうがないでしょう。貴方の顔はブリュンヒルデに似ているから何かと疑問を持たれるのよ。それにSには特別な血があるから大丈夫よ」

「そうか」

「それよりマドカISで勝負しないか?」

「いつものルールか?」

「ああ」

「わかった。先に行っていてくれ。いつもの場所だな?」

「ああ」

 オーダムが出ていくとともにスコールに行った。

「スコール」

「ええもうすぐよ。あなたの専用機は」



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表裏の世界(2)

出来ました。ではどうぞ


 池袋にある食堂。

 その食堂は今日は貸し切りとなっている。

 その中ではテーブルを囲って五人が睨んでいた。

「ワイン一つ、日本酒一つ、ウイスキー一つ、イチゴオレ一つ、カレードリンク一つお待ちどうしました」

「すき焼きです」

 簪とイザナギが飲み物と料理を持ってきた。

 誰もすき焼きをつっかない。

「(ヤベェ!?なにこの空気!?誰か何か言え!?)」

「(早く話しなさいよ変態!?)」

「(ここは久しぶりに私と篠ノ乃博士が話をするか)」

「(私コミュ障なのに‼話したことがあるのはとっくんだけなのに!?)」

「(なんで因縁あるメンツが揃うんだ)」

「フライドポテトの盛り合わせです」

「(オイー!?誰だ誰がこれを!!)」

『あなたファイト!』

「刺身の盛り合わせです」

「(確かにほしいと思っていたが一体誰が?)」

『トリガー、狙い、話せ』

「ソーセージの盛り合わせです」

「(誰が頼んだの!?)」

『スコール愛している!』

「ウサギの照り焼きです」

「(なにこれ?完全に悪意あるよね!?)」

『ナイスだ!』

『いえいえ』

『当然だ』

「キングターキーの丸焼きです」

「(俺の好物!一体誰が?ん?)」

『頑張れ。by師匠』

「(師匠!?)」

「(つうか。あっちが楽しそうなんだが)」

「マドカ一緒に食べる?」

「うん。母さん」

「クーちゃん可愛い‼」

「え!?あにょ‼あう////////」

「弾さんもう一本!」

「飲み過ぎですよ」

「くっ!?ツッコミ役がいないとだめだ!」

「すみまーせん。熱燗一本」

「はい!熱燗一本!」

「はいよ!」

「「「「「(((((早く終わらせて混ざりてえ‼)))))」」」」」

 それから一時間後。

「挨拶が遅くなり申し訳ありません。ファントムタスク隠密部隊隊長のテロ・リストゥだ」

「同じく工作部隊隊長のトリガーです。よろしく」

「同じく実働部隊隊長のスコール・ミューゼルよ」

「篠ノ乃束でーす!よろしく!」

「一夏だ。そこにいる変態と天災を斬ることが目的だ」

「「やめて!」」

「冗談。人として生きていられない惨めな思いをさせるだけですので」

「「なおさらだ!」」

「それより目的はなんですか?」

「私は知らないよ」

「私らで協定を結びませんか?」

「協定?」

「なんでそんなものを?」

「まず私たちファントムタスクの現状を話さないといけませんが、その前に」

「全員臨戦態勢!」

「オーダム、M!」

「一夏!」

 次の瞬間。部屋に大量の銃弾がばらまかれた。

「くっ!またかよ!」

「久しぶりにやりますか変身!」

<Trigger!>

「変身!」

<フィフティーン!ロック・オン!>

「またかよ変身!」

<カメンライドディロード!>

 三人はそれぞれのライダー。仮面ライダートリガー、仮面ライダーフィフティーン、仮面ライダーディロードに変身した。

「来なさいゴールデン・ドーン!」

「アラクネ!」

「黒龍!」

「マドカ、これを使いなさい!」

「これって」

「カスタムしたメイルシュトロームよ」

「来いメイルシュトローム!」

 ゴールデン・ドーン、アラクネ、黒龍、メイルシュトロームカスタムの四機が揃った。

「さて蛇と出るか」

「鬼と出るか」

 一夏と弾が話していると現れたのは。

「見つけたぞ篠ノ乃束!」

「さらに更識の娘もいるのか好都合だ!」

 大量の怪人たちが現れた。

「一夏これ!」

「あなたも!」

 弾と百菜からそれぞれの武器ディア・ロゼッタ、八界統鬼斬極刀を受け取った。

「サンキュウ弾」

「ナイスだ百菜」

 ここにいるのは個々の能力が高い面々。そして連携はない。

「奴らは十人ばかり数で押せ!」

「個々テキトーにやれ」

 先に前に出たのはフィフティーン。フィフティーンアームズの武器黄泉丸で斬りつけた。

 遅れて一夏がピアノ線付きナイフを敵三体に巻き付けて斬り落とした。

「まず一体」

「まず店の修理代を請求だ!」

 ディロードのほうへ来た敵はディロードの体術で倒された。

「弱いな」

「死ねぇ!」

 ディロードを殴ろうとした敵に一発の銃弾が当たった。

「これくらい大丈夫なんだが」

「これは失礼した」

 トリガーの銃弾が味方を掻い潜って当たる。

「ナイスショット!」

「さーて私もやりますか!」

 百菜はケースからマシンガン二丁持って撃ち始めた。

 ゴールデン・ドーンが尻尾から火球を撃ち、アラクネが砲門から銃弾を撃った。

「ハアアア!」

「フン!ハア!セイヤー!」

 黒龍の体術と猟十の剣技で敵が倒れていく。

「くっ!一回引け!」

「逃がすか!」

<フィフティーンオーレ!>

 黄泉丸に黒い靄が纏い斬りつけた。

「こっちも決めますか!」

<TriggerMaximumDrive!>

 青い銃弾が敵を撃ち抜く。

「これで終わりだ」

<ファイナルアタックライドディディディディロード!>

 黄色のエフェクトが敵を貫いた。

「こっちも決めすか」

「合わせろ変態」

「変態はないだろ!」

 猟十が鬼人大回転斬りを放ち、一夏は属性解放斬りを放った。

「こちらも決めるわよ」

 スコールの合図と共にIS四機の銃弾がばら撒かれた。

「あのさこれどうするんだ!?」

 後片付けに悩まされた弾だった。



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表裏の世界(3)

 この頃はパソコンで投稿しているからスマホと勝手違います。


「やっと落ちついたので我が組織ファントムタスクの現状を話します。

我が組織は大きく分けて三つの派閥に別れています。

戦争、紛争の手助けをし、世界征服を目的にした過激派、商業や工業など利益を考え、内側から掌伯することを目的にした武力反対派上層部曰く穏健派らしいが、そしてどちらにもつかない中立派。ここまで何か質問ありますか?」

 そこに手を挙げたのは一夏。

「その三つの派閥の特徴はこれだけか?それと中立派の目的はなんだ?」

「そうだな。過激派は争いを第一に考え武力で世界を征服しようとしている。穏健派は各国の重鎮たちとつながりを持ち、ファントムタスク側の企業の支援などしてもらう代わりに汚れ仕事を受け持って内側から征服しようとしている。中立派は自己の利益を第一に考え、自分たちの安全とファントムタスクの本来の目的世界平和を考えている」

「私たち中立派さっき変態から言ったように自己の利益、私たち実働部隊は請け負う仕事は必ずにやることを信条にしているの。その仕事で失敗しようが関係ないけど。それと過激派と同じように見えるけど私の部隊の隊員はそれしかできない人が多いだけよ」

「私たち工作部隊も同じですが、私たちは交渉を第一に考えていますね。穏健派みたいですが、私の場合はこちらの最低限度の利益だけなので」

「最後は俺たち隠密部隊だが、情報収集が主な任務だが尋問や拷問もやっている。その他に暗殺や工作任務など幅広くやっているな。まあ簡単に言えば傭兵みたいなものかな」

 中立派の代表格たちは言った。

「話を戻そう。過激派と穏健派に怪しい動きが見られた」

「ふーんそれとこの集まりは何が関係しているのかな?」

「ここにいる全員はある共通性が見られる」

「共通性?」

「少なくとも七年前のこと関わりを持っている」

「七年前って……あれのこと!?」

 束が何かを思い出したが、それを遮ってのはスコールと一夏。

「待って私はそれに直接どころか間接もかかわってないわ」

「俺もだ。それにあんたら(ファントムタスク)にかかわったのは二年位前だ」

 それに付け加えたのはトリガー。

「そうさ。少なくても一夏君やスコールはいなかった」

「ああ。だけどな俺はすくなくてもって言ったはずだ。一夏は火事にあったのは覚えているか?」

「あれか。その時の記憶は数年なかったが、思い出した」

「その時からと言うよりはスコール、お前はここに入る前のときだって言えばいいのか」

「入る前ってあの時の事!?」

「そうだ。ここで関係しているのはキーワードは異世界」

「異世界って」

 そこに全員が頭に過ったのはある組織だった。

「とーくん!」

「そうですね篠ノ乃博士」

「あいつらか!」

「思い出したわ」

「ショッカーとX星人などといった大物組織が集まった組織をディメションと呼んでいる」

「ディメションだと?」

 そこへ数馬がやって来た。

「君は?」

「俺は御手洗数馬。この店の店主だ。それより今の話を聞きたい」

「ディメションとはその名の通り異次元を指している。各異次元世界の大物組織が一段となって全異次元世界を征服しようとしている。数馬君もか?」

「ああ、俺もショッカーにやられた。そして各異次元世界を旅して潰してきた」

「私もいいですか?」

「あ、黒龍!」

「はい。私は龍間クロノ。正体はISコアです」

「こ、黒龍だと」

「黒龍ってあれか?」

「一夏お前の考えている黒龍とは違う」

「私のご主人、呉が別世界の出身でX星人に滅ぼされてしまったのです」

「呉って誰だ?」

「ゴジラです」

「ゴ、ゴジラだと!?」

「マジか!?」

 全員が驚いた。

「つまりここにいる全員が被害者みたいなものだ。かくいう俺も奴らの襲撃に合い重傷を負わされた」

「つまりこの世界で最強の戦力、最高の頭脳で迎え撃とうってことかしら」

「そうだ。俺たちは了承済みだ」

「私もいいよ~。いつかはやらないといけないと思ったからね」

「俺はいいが」

「俺もいいぞ。この世界に来たのはそれが目的だしな」

「俺もだ。前に厄介なことがあったからな」

「俺は簪を守るから無理です。それに俺も目的があるから」

「そうね。私も関係者だけどこの二人を守るために」

「え!?く、クロノさん」

「そのことだけど大丈夫だよ~」

「そうだな。俺らで護衛ってわけじゃないが助っ人呼んだからな」

「だよねクーちゃん」

「はい」

「じゃあ問題ないということで」

「連絡は随時ってことで」

「じゃあ私もいいかな」

「なんですか篠ノ乃博士?」

 束は前に出て宣言した。

「私篠ノ乃束はISを男性でもしようできるようにしました!」

「「「「「「はあああああああ!?」」」」」」

「束博士どういうことですか?」

 その発言に驚き、スコール恐る恐る聞いてみた。

「そうだね。簡単言えばISが選ぶってことだね」

「選ぶだと」

「そうISだって意識があるんだよ。実例がいるんだし」

「そうだね。それがいるんだから」

 一呼吸入れて、話を続けた。

「それとスパークドールズがISの材料にされているの知っているかな?」

「は?どうゆうことですか?」

「私もよくわからないんだけど、プロトコアたちが言っていたの。『私たち以外の何者かが来た』って」

「それも視野に入れて活動だな」

「あとはないか?」

 次に立ったのは数馬だった。

「トリガー、お前の持っているそれ、ガイアメモリーだよな?」

「そうだけどそれがどうしたんだ?」

「なぜ持っている?」

「風都って呼ばれているところで入手したものだよ。まあその組織は潰れたけど」

「……そうか」

「それじゃあ解散」



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紺野タツミとは

 よしゃできたで!とにかく二章はもう一話とキャラ紹介で終えます。


 俺の名前は紺野タツミ。親父が有名な博士なこと以外普通の娼年だったが、先日男性操縦者が見つかり、調査で見事当たってしまった。

 クラスの男子には羨ましいだとか変わってくれなどと頼まれたものだ。

 話しを戻そう。その日のうちに親父が働いている国際防衛軍日本支部に連れられてきた。俺の身柄について話された。俺の身柄は国際防衛軍が引き取った。

 それと将来は安定した職業に就くことも約束されたと言っても過言じゃない。

「兄ちゃんと一緒の学校」

 それと此奴は双子の妹のユウキ。活発な女の子と言えばいいのか?

「よかったねユウキ」

 この人は大空藍子。幼馴染で一歳上のお姉さん。とても落ち着いている女性と言った方がいいな。俺はラン姉と呼んでいる。

「それにしても父さん何で僕たちを呼んだのだろ?」

「さあ?まあIS学園に入学する間ここにいれば安全だからだからだろ」

「なら私はなんでいるのかな?」

「ついでだからじゃないですか?」

 そんな会話しているが、そのつまらないから俺の話で潰してくれないか?

 そうだな皆は転生って知っているか?

 仏教用語にある輪廻転生なんだが、簡単に言えば死んだ生物が同じまたは別の生物に生まれ変わることだな。

 つまり俺も転生者らしい。らしいって言うのはその時の記憶が曖昧だから。まあ記憶がない場合もあるらしいし、記憶が完全あると言えるから生物それぞれだろう。

 ついでに言うが、ユウキと藍子も転生者で前世では双子の姉妹らしい。

「すまない遅くなって」

 息を漏らしながら慌てて入ってきたのは紺野進太郎。俺とユウキの父親である。見た目はスポーツ万能な人に見えるが、生粋の研究者である。

 国際防衛軍日本支部の博士で主にスパークドールズの研究をしている。

「叔父さんお邪魔しています」

「父さん!」

「おお!ユウキ元気だな」

「父さん急に呼び出してどうした?」

「そうだった。三人ともついてきてくれ」

 俺たちは父さんが働いている研究室に来た。そこには今まで集めたスパークドールズが並んでいた。

 更にその奥に三機のISが並んでいた。

「ここにある三機のISはタツミたち三人に貸し出されるものだ。藍子ちゃんのは左にある藍色。ユウキは真ん中の紫。タツミは右にある白色」

 俺は右にある白のISに近づいた。

「先ずは藍子ちゃんのは倉持技研との合同IS三世代型IS雨天(うてん)

「雨天」

「そう。本来の色は水色だけど藍色に変更していて四世代型への試験機だ」

「え!?し、試験機ですか?」

「そう。国際防衛軍は常に前線にいる。そこで大事なのは臨機応変。いくら操縦者ができていてもIS自身が出来なければ意味がないからさ。厳密に言えば、三・五世代型と言っても過言じゃない」

「三・五世代……」

「さあ次はユウキだね。ユウキはISの色の通り(ゆかり)。三世代型で早さを極めたISと言ってもいいだろう」

「これが僕のIS」

「最後はタツミ。タツミのは特殊型三世代型ISインクルシオ」

「インクルシオ?」

「そうだ。このISは人型を目指した物で災害救助をスムーズにするために開発された。だが作るうちに何故かこのような姿に変わった」

 父さんの話が通り抜けたが、これを見た時頭に何かが走った。何故かわからないけどこのISを見た時何か大切な何か、思いがあったはず。

「さあ乗ってくれ。ファーストシフトをするから訓練所で動いてくれ。くれぐれも模擬戦はしないように」

 ユウキとラン姉のISは乗りやすそうだと思った。

 俺のISははっきり言えば白い竜。これはカッコいいんだが、乗りづらそうなんだ。

 俺たちが乗るとハッチが開き、飛び出した。

「じゃあIS初心者の二人に簡単にISの操作方法を教えるね」

 ラン姉の指導の元動いた。歩行ではユウキが転び、俺は身軽に走るほかにジャンプもしたが、飛行になると飛ばない、進まない、羽ばたかない。ユウキは華麗に変則的な動きもできている。

 次にやったのは武器の出し入れ。装備欄を見てみると槍のアイコンをした名無しがあった。それ以外はない。

 どうやらユウキもそうらしい。ユウキは剣しかないが。

 そうしてラン姉はラビットスイッチと言う素早く武器の出し入れをする技術を見た。これは次元が違うなと思い知られた。

 そうこうしているうちにファーストシフトが終わった。

 ユウキのISはさっきまでゴツかったが、本人に合うような形になった。(ALOの姿を所々に機械的フォルムが入った姿)

 ラン姉も同じ。(女性のジエンモーラン装備を機械的フォルムが入った姿)

 俺は確かに人型になった。(アカメが斬る!のインクルシオのまんま)

 インクルシオはどう飛ぶの?と思った。飛べました。マントで!

 あれか!アメコミのスーパーマンか!それともゲッター1か!

 試しにやってみたよ。マントが延びたりして負けるようだったよ。しかし、武器は増えなかった。名無しがノインテーターって名前に変わっただけだ。

「三人とも何か欲しいものはあるか?」

「私は大丈夫です」

「僕は小型のナイフかな。投げナイフが多くほしい」

「俺は剣を追加してほしいです」

「わかった。じゃあISを待機状態にして預けてくれ」

 来月の入学が楽しみだった。




 遅くなったけど、ウルトラマンX最終回見ました。
 最後のアーマーは感動しましたが、このアーマーは現実でもできるのかな?


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エピローグ 休日の過ごし方は大切に

 エピローグがなんだがな~。次のキャラ紹介で二章ラストです。ではどうぞ!


 一夏だ。今日は数少ない休日を使い、池袋を探検している。自分の住んでいる町くらいは知らないと後々面倒なことに巻き込まれたときに大変だから。

 それよりも俺は早くあの四人を痛め付けたい。積年の恨みと単なる八つ当たりだが。

 そうそう、あの後、テロ・リストゥもとい猟十つまり父と母の百菜、そして妹のマドカが接触してきた。

 いきなり父です、母です、妹ですと言われても気にしなかった。先ず生きていたんだと言った。(棒読みだが)

 いきなり変態が抱きついてきたので、母に投げ渡し、母の愛の往復ビンタを食らされて、飛んできた方向にマドカがいて、鳩尾へキックで母へ返し、今度は連続けりで俺のところに来たときにはボロ雑巾みたいな哀れな姿になっていた(笑)。

 話したのは母とマドカだけだった。先に謝られたが、俺にとっては気にしなかった。けど、あれがなければ家族として暮らせたと思ってしまう。けど、それはないとわかっている。そのおかげで大切な物ができた。

 誤解を解きつつ、別れた。

 それと簪の護衛なんだが、クロエと言う盲目の少女とマドカがついた。

 簡単に言えば年が近く同姓だかららしい。(後日、クーちゃん(クロエのこと)から天災の部屋が汚いと聞いたので汚物に消毒してきた。)

 そして目の前にナンパにあっている(ここ現在進行形)女性を発見。一夏はどうする?

 戦う

 特技

 魔法

 どうぐ

 作戦

 逃げる

 誰がRPGでやるか!

 しかもこの展開どっかで見たぞ!

 まあ気にしない。こんな目に合うのがいけない。ただでさえ先日のことがあるから。

「殴らないとな!」

 俺は空高く跳び、某鏡ライダーよろしくのキックをした。

「ドラゴンライダーキック!」

 

 私は簪お嬢様を探しにここ(池袋)に来た。

 私たちの三度の襲撃からお嬢様を守り倒した実力は高く評価しているけど、あなた方が戦った組織はこの国ではトップの実力者集団。はたして私の動きについてこれますか?

 と思った時期がありました。私が簪お嬢様を探しに来たのは、単なる罪滅ぼしなんですから。それとご報告もかねて。

 しかし厄介です。今この状況は。

「ねえ彼女俺らと遊ばない?」

「家まで送るぜ。何時になるかわからないけどな!ハハハハハ!」

 今どきナンパですか。しかしよくやる勇気がありますね。

 別に女尊主義者じゃないですが、助けを呼べば警察が来ますし。

 けど、この町はやはり厄介です。

 ここ池袋は色々な話が蔓延してますからはっきり言って関わりたくない。

 撃退できるから平気だけど、万が一家に迷惑なるようなことはしたくない。何かいい方法はないのかな?

「ドラゴンライダーキック!」

 空から隕石が!

 そんな呑気なことを考えているとは、けれどそんなことがあってたまりますか!

「「グボロ!?」」

 あ。ナンパが倒された。しかしこの人大丈夫なんですか?

「ああ、何てこった!逃げている最中に壁があったから蹴ったのに、そこに女性がいたとは人間の風上に置けない(クズ)だな!」

 なんでしょうこの人は?いきなり現れたと思うとわざとらしい声で私に何かをさせようとしてるのは。正直言ってムカつきます。

 しかもその顔。なんですかそのやりきった感の溢れる顔は。

「いやあ、こんなところに女性が歩いているのは。危ないのに」

 なんですかその独り言は。

「さて帰りますか。簪ちゃんのところに」

 この人今簪お嬢様のことを言ったのですか!?

「あの、少しお話を聞いてもいいですか?」

 

 今気づいたのだが、殴ると宣言していて蹴っていたよ。日本語ムズカシイ!

 そんなことよりも。ナンパされていた女性を助けたのはいいが、下手な言い訳を言ったおかげで何故か質問攻めに入りかけていた。

 俺から聞いても、いい情報はありませんよ。

 まあ折角だ、この女性を誘ゴホン招待しないとな。

「じゃあ、家って言うか店がここなのでいきませんか?」

「ええお願いします」

 よし誘えた。あとは最短距離として……。

「しっかりつかんでいてください。跳びますよ!」

「え?」

 

 いきなり跳びますよと言われて、人生初のお姫様抱っこをされた。

 次の瞬間。

 バゴンっとコンクリートがひび割れた。いきなりのことだったので目を瞑っていると。

「ヒャッホー!最高だぜ!」

 その声を聞くと共に私は飛んでいた。空を東京タワーやスカイツリーがよく見えてちょっと怖い。

「空飛ぶのは初めてか?」

「ISで飛んだのですが、生身で飛ぶのは初めてです!」

「そうか。次は着陸だけど舌噛むから気を付けろ」

 そして、自由落下が始まった。強烈な風が顔に叩きつけられると思ったが、彼が守ってくれていたので平気でした。

「そろそろ地面だから気を付けろ」

 そう言うと、ドガンっと爆弾と似た音がした。目を開けると。

「ついたぜ。」

 リフォーム中の食堂だった。

 

 なぜここにつれてきたのかはさておき。早速質問にでも答えましょうか。

「コーヒーでいいですか?」

「はい」

 先日の戦いで店はボロボロだったところをファントムタスクのトリガーって人が改築を無料(ただ)してくれた。

 ボロボロ前より改築をしてくれることはありがたい。

 コーヒーを飲むと早速女性が自己紹介し始めた。

「私は更級宇宙(さらしなそら)といいます」

 更級宇宙?以前聞いたことがある名前だな?

 

「更級さんですか。俺は一夏です。名字は捨てました」

「一夏さんですか。今の名字は?」

「海原です。気軽に一夏でいいですよ」

 海原一夏。一夏って名前だけなら私はあったことある。けど、私より下のはず。こんな大人びていない。けど、懐かしい感じがする。

「あ、あの、以前お会いしたことがありますか?」

「なにぶん幼少期の記憶がないので、会ったのかわかりません」

「そうですか。質問で、ここに更識いえ簪という女の子を知りませんか?」

「簪ですか。確かに家にいますが、今試験を受けているので後一時間後なにもなければ帰ってくるハズです」

「じゃあ少しお話をしても」

「いいですよ」

「じゃああなたと同じ名前の少年の話でも」

「いいですよ。そのお話を聞きたいので」

 

 更級宇宙は話した。

 幼少期のころに会った小さいながらも圧倒的な強さと優しい笑顔の少年の話。

 宇宙は小さい頃よく家を抜け出して探検していたらしい。その時、どこかの林で寝ている少年を見つけた。

 宇宙はその少年のところに来て、寝顔をみていた。安らかな寝顔で安心させるものだった。

 少年が目を覚ますときはもう帰っていた。

 それから毎日とは言わないが、宇宙は少年のところにいった。

 そして偶然に少年と出会った。宇宙は夢中で逃げ出し、木の影に隠れた。その行為は無意味だったけど、少年と遊べて友達となった時、宇宙はなにか知らない胸が熱くなるような想いがあった。

 

「へえそうなのか」

「ええ。あ、そろそろ門限」

「暗いし送るよ。家はどこ?」

「べ、別に大丈夫ですよ。遠いですし」

「気にしない」

「じゃあお願いします」

「喜んで」

 そして、別れるとケータイとメールアドレスを交換して別れた。




 アンケートを書き直して、明日のキャラ紹介で出します。


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キャラ紹介&次回予告

 二章主要キャラ紹介

 

名前 更識簪(さらしきかんざし)

年齢 十五才

性別 女性

紹介 更識家次女。家ではひどい扱いを受けクロノに保護される。趣味として始めたのはハッキング。今では特技として使う。気が弱く、争いごとが苦手だが、武術の心得はある。アナグラ食堂のアルバイト定員兼看板娘。

 

名前 坂本イザナギ

年齢 十五才

性別 男性

紹介 転生者。ある理由でこの世界に転生し、簪の前に現れた。生身での戦闘は食堂のシェフより下だが、純粋な力だと上位に入る。アナグラ食堂のアルバイト定員

転生特典 前世の身体能力 能力の向上 記憶力の向上 仮面ライダーフィフティーンの戦極ドライバーとフィフティーンアームズ、ロックシード各種 五つ目は未定

 

名前 紺野進太郎

年齢 三十五才

性別 男性

紹介 国際防衛軍日本支部の博士。スパークドールズの研究をしている。どっかの博士みたいにオーバースペックじゃない。バニラの襲撃の際、ウルトラマンフォースに助けられて、共に怪獣をスパークドールズに戻している。

 

名前 ウルトラマンフォース

年齢 不明

性別 男性

紹介 本作のオリジナルウルトラマン。ある星で記憶を失い、地球でバニラの襲撃に巻き込まれた進太郎を助け、共に怪獣をスパークドールズに戻している。

技 フォースインパクト フォースラッカー フォーススラッシュ

 

名前 紺野タツミ

年齢 十五才

性別 男性

紹介 世界三番目の男性操縦者。転生者であるが、前世の記憶が曖昧。熱血漢だが物事を冷静に考えている。前世の記憶があるが不満や不安はない。我流の剣術や槍術を使う。専用機はインクルシオ。

 

名前 インクルシオ

機種 特殊戦闘型IS

世代 三世代型

紹介 タツミの専用機。ISの本来の目的、宇宙での活動を考えたIS。武装はノインテーターという槍とエリュシデータという片手剣のみ。単一能力がまだない。それ以外の能力は透明化。透明化は操縦者の力量で継続時間が変化する。

 

名前 紺野ユウキ

年齢 十五才

性別 女性

紹介 タツミの双子の妹。転生者で前世の記憶がある。ゲーム世界で最強と吟われたらしい。一人称は僕。小、中は剣道をして、全国レベルでもある。専用機は紫。

 

名前 (ゆかり)

機種 高速近接型

世代 三世代

紹介 ユウキの専用機。速度を優先させたISで並のスピードが瞬時加速に近い。速度はイタリアの専売特許だが、イタリアのある会社との合同らしい。武装は細剣に近い片手剣マクアフィテルと百本の投げナイフ。投げナイフは藍子からラピットスイッチを教わり、無駄がなくなった。

 

名前 大空藍子

年齢 十六才

性別 女性

紹介 大空博士の娘。転生者でユウキの元双子の姉。落ち着きがある女性で日本の代表候補生。専用機は藍天。

 

名前 藍天(らんてん)

機種 臨戦型

世代 三・五世代

紹介 あらゆる戦闘を想定した試験機。倉持との合同ISだが、実質防衛軍が作ったIS。展開装甲を入れ、通常より倍以上の動きを想定。武装は拡張領域に入れれるだけ入れて操縦者の力量に任せている。藍子は在学中に極めたラピットスイッチで武装を変えていく。元の名前は雨天だが、ファーストシフトしたさいに藍天に名前が変わった。

 

名前 海原一夏

年齢 十九才

性別 男性

紹介 モンスターハンターの世界から戻ってきた青年。旧名織斑。七年の成果によりかのミラ三竜を狩った実績がある。モンスターハンターに近い人物だと言われている。身体能力は上位に入る。(サイタマより少し弱い)アナグラ食堂の料理人兼用心棒。

装備 武器ディア・ロゼッタ 防具不明

 

名前 五反田弾

年齢 二十才

性別 男性

紹介 ゴットイーターの世界から来た青年。記憶喪失。極東支部遊撃班隊長兼アナグラ食堂本店の料理人兼店長。ある事件に巻き込まれてMIAになったが、この世界に来た。体がアラガミに近いが制御できる。アナグラ食堂の料理人兼店長。

武装 刀身バスター 真竜大剣真 銃身ブラスト 幻影 装甲バァクラー 真竜盾幻影

 

名前 御手洗数馬

年齢 二十才

性別 男性

紹介 別世界から来た青年。自分の世界を破滅させたショッカーを根絶やしにするのが目的。ある時、謎の女性からディロードライバーを渡され、自分の復讐相手、ショッカーを根絶やしにするまで旅を続ける。アナグラ食堂の料理人兼事務。

アイテム ディロードライバー

 

 雑談室

 よしゃ、今回は主要キャラ全員といきたいが、今回は予告も兼ねて三組に別れてやるよ!最初はこの5人!

一夏「一夏だ。主な趣味はある五人を社会復帰させないことだ」

弾「五反田弾です。最近の悩みは義妹が生活できているか心配なことだ」

数馬「御手洗数馬だ。正月は鏡餅じゃなく鏡首したいと思う」

簪「簪です。クーちゃん可愛いです」

イザナギ「坂本イザナギだ。護衛任務は任せてって、どこの戦艦だ!」

 では、予告、 アクション!

数馬「四月出会いと別れの季節はここ池袋も変わらない」

弾「オープンを開始したアナグラ食堂は年齢問わず人気が出始めた頃、奴等が動き出す」

イザナギ「来良学園に入学した俺と簪。そこに待ち受けていたのは……」

一夏「そんなある日、俺は奴等に喧嘩を売られた」

簪「次回とある人外共の生き様、原作開始篇 一学期騒乱 side池袋お楽しみに」

 ありがとう。次はこの三人!

タツミ「紺野タツミだ。インクルシオを扱えるようになった」

ユウキ「僕は紺野ユウキ。兄ちゃんが最近構ってくれない」

藍子「大空藍子よ。二人よりお姉さんだからビシバシといくわよ」

 さあこちらも、アクション!

藍子「話題の男性操縦者たちが入学する話で学園は持ちきり、色々な企みが学園中に広まっていた」

タツミ「きれいに別れた俺はあるクラスで決闘するのに、なぜか巻き込まれてしまった」

ユウキ「次回とある人外共の生き様、原作開始篇 一学期騒乱 sideIS学園お楽しみに」

 最後はこの二人!

進太郎「俺は紺野進太郎。主な武器は加速装置だ」

フォース「私はウルトラマンフォース。なぜか斬ることにはまってしまう自分がいた」

 それじゃアクション!

進太郎「世界各地からスパークドールズが怪獣化する原因を調べていた。その手かがりがここ藍越市と北陸佐渡島に隠されていた。その時、強大なる悪の力が近づいていた」

フォース「絶対ピンチの時、早き戦士と黒き巨獣が現れた。そして、新たなる力が手に入った!」

進太郎「次回、とある人外共の生き様 原作開始篇 一学期騒乱 side防衛軍」

フォース「私たちの勇姿を見ていてくれ」

 よしありがとう。全員にいってもらったのでここで俺もひとつアンケートを取ります。

 とある人外共の生き様のアンケートです。今回は前のに付け加えて、出してもらいたい怪人やヒーローを加えようと思います。

 では次回会いましょう。さようなら、さようなら。




 アンケートにぜひ参加お願いします!


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三章 原作開始 一学期騒乱
風景~一日目一時間目~


 今回から原作篇ですね。知識はハーメルンとアニメ、小説は少々。では、どうぞ


 一年一組の教室。彼以外は全員女子だった。女子が彼を見つめていた。ある女子は思い詰めたり、ある女子は興味深く見たり、ある女子は見下したりとしている。

 ドアが開き、そこから女子生徒とはかわりない先生が入ってきた。

「皆さん入学おめでとうございます!私は山田真耶です。一年一組の副担任をすることになりました。一年間よろしくお願いします」

 真耶が挨拶と自己紹介をするが、反応がない。それに困り泣きそうになるが、進めることにした。

「……で、では、廊下側から自己紹介お願いします」

「はい!私は……」

 

 ようやく入学か。この時を待っていた。目指すはハーレム!ここに入ったならこれしかないだろ?ちがうか?違うなら……お前らは夢が、欲望がない!

 だが、俺が生まれてきて驚いたことがある。それはこの世界に怪獣が出現することだ!なに?当たり前だろ?だと……何を言っている!普通は画面の中の存在だ!なのにいることが驚きだ!

「……くん」

 それにだ。どうやら原作は宛にならない。そうだろ神様?

「お……くん」

 俺は主人公だ!長年、原作主人公を潰すのに掛かりすぎた。それがようやく実を結んだ!俺はこの世界の王だ!ハハハハハハハ!!

「織斑くん!」

「はい!」

「さっきから読んでいるんだけど、どうしたの?具合でも悪い?それとも先生が嫌い?」

「いえ、ちょっと考え事をしていたので気づきませんでした」

「やってくれますか!?」

「やりますよ。だから離れてください」

「へ?……!す、すみません!」

 危なかった。目の前の二つのメロンに見とれるところだった!

「……よし!」

「織斑くんお願い」

「はい!織斑秋二です。趣味は盗さ…写真撮影。特技は盗ち…料理です。一年間よろしくお願いします!」

「ほう。まあまあできたな」

「げ!ハルク!?」

「誰が!アメコミのヒーローだ!バカもん!」

 俺の頭に雷鎚の通り名が似合いそうな出席帳が繰り出された。俺の目の前は真っ暗になった。

 

「一年四組の担任になった立花かなでよ。IS実技と音楽を担当しているわ。よろしく」

 一年一組が騒がしいが気にしなかった。そりゃ、目の前に美人な先生がいるからな。

 けど驚いたのはどっかのクラスに男性操縦者をまとめると思ったが、全員バラバラなクラスにいくとは。けど、これで楽になるな。

「次、紺野タツミくん」

「はい。紺野タツミです。国際防衛軍日本支部の隊員候補生です。妹共々よろしくお願いします」

「次、紺野ユウキさん」

「はい!紺野ユウキです。さっき話した通り兄ちゃんの妹です。僕も同じく隊員候補生です。みんなよろしくね」

 俺の妹ながらいい自己紹介だ。

 そう言えば、父さんから聞いた話だとキセツ・ミューゼルには気を付けろか。

 確かにあの顔立ちは秋二の顔とそっくりだった。だけど、なにかよからぬことになりそうだな。警戒に越したことはない、かな?

 

 一年一組が騒がしいけど、僕は僕の目的を達成する。幸いもう一人がいたからよかった。

「次、デュノアくん」

「はい。シャルル・デュノアです。フランスからやって来ました。不馴れですが、よろしくお願いします」

「キャアアアアアアア!」

「守ってあげたくなる系!」

「今年の夏は決まったわ!」

「静かにしないか!」

 早く来てお兄ちゃん!

 

「次、ミューゼルくん」

「はい。……キセツ・ミューゼル。アメリカから来た。以上」

 ふむ。やはりあの人が言ったあれを言えばよかったのか?

 しかしやめておけって、隊長に言われたけど……言うか。

「それとどちらもいけます」

「き、」

「き?」

「キャアアアアアアア!」

 な、なんだ!?俺に落ち度でもあったか?

「決まったわ!シャル×キセツ!勝てる!夏コミに勝てる!」

「そうと決まれば、作業は今からよ!みんな手伝って!」

 どうやら、日本女子は夏コミというものを聞くと興奮するのか。勉強になる

「さて、今の時間を使ってクラス代表を決めるわ」

「先生!クラス代表って、中学校でいう学級委員ですか?」

「そうね。そういうものよ。わからない人がいるかも知れないから話すけど、生徒総会や来月から始まるクラス代表決定戦の代表などが活動かしら、そのクラスの顔になると思うから考えてね」

「はい!デュノアくんがいいと思います!」

「私も!」

「私も!」

「私はミューゼルくんでいいと思います!」

「私も!」

「私も!」

「Miss波佐見、自薦してもいいですか?」

「いいぞ。オルコット」

「私もオルコットさんを推薦します!」

「同じく」

「以下同文!」

「いないか?いないならこの三人で決めるぞ。適当にじゃんけんと言いたいところだが、それだと不公平だしな。ISでと言ってもデュノアはまだしも、ミューゼルが不利。と、いうことでだ。三本勝負でやらないか?」

「三本勝負ですか?」

「そう。ISでの模擬戦、生身での模擬戦、それと料理対決でどうだ?」

「私はそれで構いませんわ」

「ぼ、僕は生身での模擬戦がきついかな?」

「大丈夫だ」

「リタイアは可能ってことだから。じゃあ『キーンコーンカーンコーン』次の授業は国語だから遅れないように」



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人生行路

「入学おめでとうございます」

 保護者代理としてここにいるのだが、長い!

 早く終わらないかな?つうかこの二人は大丈夫だと思うけど……ん?あの先生変な目つきしやがっている。

 しかし入学式か。最後にやったのは……小学生の時か。そん時の記憶はある、か。

 しかし、服装の乱れている少年がいるが、停学確定か?

 それよりも仕込みしないと、昼食が間に合わない。

 

 俺のクラスはここか。

 しかし結構な人数がいるな。

 それよりも簪といっしょか。話す相手がいるだけでもうれしいぜ。

 そう言えばマドカとクロエはどこにいるんだ?

「それでは皆さん入学おめでとう。一年C組を担当することになった猪木吾郎だ。趣味はプロレス観戦だ。みんなよろしくな」

 熱血漢な先生だな。

「廊下側から順にな」

 始まったか。そう言えば、俺の戸籍って大丈夫なのか?神様が準備していたか?

 と、とにかくだ。そんなこと後でいいから、早く終わらないかな。

 次は俺か。

「坂本イザナギだ。よろしく」

 こんなんでいいか。さて、次は簪か。そう言えば簪の苗字はなんだっけ?

「龍間簪、です。よろしく」

 うん。クロノさんの苗字か。あの人が保護者か?

 

「帰るぞ簪」

「うん」

 HRが終わり、食堂へ帰る道で黒い服装の男性に声を掛けられた。

「ねえ、君たち来良学園の生徒?」

「はい、そうですが」

「ふ~ん、名前は?俺は折原臨也」

「俺は坂本イザナギ。そっちは」

「龍間簪です」

「イザナギくんと簪ちゃんね。よろしく」

「よろしく折原さん」

「君たちは最近池袋に来たね」

「!わかるんですか」

「まあね。ここ池袋と新宿行き来するし、ここに住んでいたしね」

「そうですか。じゃあこれで」

「うん。またね」

 イザナギくんが受け答えしていたからよかったんだけど、なぜかあの人、折原臨也さんに恐怖を抱いた。

 底が見えない闇があるような気がする。あの人とは必要最低限かかわらなことにしよう。

 

「三番テーブル豚しょうがごはん大盛り!」

「十番テーブル醤油ラーメン大盛り!」

 忙しい!本当昼だけでもいいからバイトを雇いたい!

「醤油ラーメンできたぞ!」

「生姜焼きできた!」

「五番テーブル牛丼大盛り!」

「二番テーブルハンバーグ定食!」

 うおおおお!

「牛丼できた!」

「ハンバーグ定食できたぞ!」

「勘定!」

「豚の生姜焼き定食ごはん大盛りで千五十円です。ちょうどです。ありがとうございました」

「三名様席にご案内」

「いらっしゃいませ!」

『ドガアアアン‼』

「なんだ!?」

 いきなり何かがぶつかった音がしたが。

『いーざーやーくん!』

 人の声が聞こえるが、ん?イザナギと簪がなんか話しているが。

「すまない。少し持ち場を離れる」

「おい、どこ行こうとしている一夏」

「見てくるだけだ」

 一夏が出て行ったが、何をする気だ?

 

「ぎゃあぎゃあ、うるせえぞ!」

「ん?ああ、すまん」

「すまんって、警察もいらん!」

「あ~しずちゃん。何やっているの?」

「お前のせいだ!臨也!」

「う、うわあああ!?」

 あ、殴られた。早く救急車呼ばないと……。

「文句はねえよな!」

 あ、悪魔だ!なんて形相してやがる!

「君たち早く逃げろ。そこの路地に店あるからそこに掛けこめ」

「あ、ありがとうございます。行こう!」

「う、うん」

 よし、その間にあいつと元凶を潰さないとな!

「じゃお疲れ!」

「あ、逃げるな!」

「逃がさねえよ!」

 な、なんてやろうだ!?自販機持ち上げて投げるな!

 しかもあの黒人受け止めたし!

「サイモンてめえ!」

「シズオケンカヨクナイネ」

「うるせぇ!」

 止めるか。

「まあまあ、落ち着けよ。しずちゃん?」

「誰がしずちゃんだ!?って、一夏?」

「こっちは客にあたるかとおもうと怖かったんだからやめてくれよ」

「しかし」

「いいから店で包帯巻くから来い」

「おお」

 

「いらっしゃいませ!席はカウンターでもいいですか?」

「はい」

「ご案内します。ご注文がきまりましたら呼んでください」

 入ってきたのは俺らと同じ来良ね。

 さっさと運ばないとな。

 

 静雄を手当てして、店に戻ると先ほどの来良の生徒がいた。

「三人とも怪我ないか?」

「は、はい。ありがとうございます!」

「いいっていいって」

「決まったんで注文いいですか?」

「どうぞ」

 

 その夜、二階の居間に一夏、弾、数馬、簪、イザナギ。

「さてと言うのが遅くなったが、俺らは三人はこことは違う世界から来た人間だ」

「違う世界?」

「そうだ。イザナギもだろ?」

「……はい。俺は転生者とよばれているらしいです」

「そこら辺は知っていたわ。まあ目的はそれぞれだが、その分危険なことがある。どうする?」

「私は……」

「答えだすのはあとでいい。しっかり考えてみてくれ」

「……はい」

「それと簪、お前に姉もしくは姉みたいな人はいたか?」

「……姉?実の姉はいますが仲がそこまで良くないですね。みたいな人ならいます」

「その人の名前は更級宇宙じゃないか?」

「どうして!?」

「お前が試験を受けていた時に来てな。話すのが遅れてしましまった。確証がなくてな。いろいろ調べていくうちにわかった上で今聞いた。でどうだ?」

「確かに更級宇宙は私にとって姉みたいな存在です。ですが、いくら姉でも私はあの家に戻りません!」

「別に追い返すことはしない。ただ、会いたいか?」

「……はい」

「なら、後で来れる日に呼ぶから、教えてくれ」

「はい」



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生徒~一日目放課後~

 もうすぐでこれも一周年になります。ではどうぞ!


 俺が起きて聞いた音はハリセンで叩かれた音だった。

「やっと起きたか織斑」

「高校はどこ?私立?」

「どうやらまだ眠いようだな。どれもう一回くらうか?」

「すみませんでした!」

「さて居眠り犯も起きたことだし、ショートホームルームは終わりだ。今日は織斑やっとけ」

「起立、礼」

 さて終わったか。しかし原作だと篠ノ乃箒の接触があるのだが、俺と篠ノ乃はそこまで仲は悪くない…はず。正直前の肉体の持ち主、原作にはいない織斑秋二は織斑家火災で死んだ。その時、神様に魂無き肉体に入れと言われ入ったが、意外とフィットした。

 話を戻そう。

 前の織斑秋二と篠ノ乃箒の仲は良かったのかは知らない。ちなみに俺と篠ノ乃は単なる剣道仲間だった。引っ越すまでは。

「ちょっといいか?」

 声のする方を見ると、目つきが鋭いポニテ―の少女、篠ノ乃箒がいた。

「別に構わないが」

「ついてこい」

 篠ノ乃の後に続いた。

 篠ノ乃箒。原作ISでのヒロインの一人。織斑一夏と幼馴染。この世界では俺も幼馴染だ。姉はかの有名な天災篠ノ乃束。父は篠ノ乃柳韻。母は原作は不明。ここでは桜だそうだ。剣道部に入り、前年の全国大会は女子の部優勝。姉妹仲は悪いのかは知らない。暴力ヒロインとかモップとかモッピーなどなどある。剣道美少女と覚えよう。

「ひ、久しぶりだな」

「ああ。七年ぶりかな?それと優勝おめでとう」

「あ、ありがとう。そ、それと昔みたいに箒とは言わなんだな」

「まあ、嫌だろうし」

 あ、チャイムが鳴った。

「さて、教室に戻るか」

「あ、ああ!」

 キング・クリムゾン!と書いて閑話休題と読む。

 それとセシリア・オルコットがいなかった。ま、そんなことがあるな。

 授業が終わった。さて、次は前述にあったセシリア・オルコットが出るはずなんだが、まあいいか。

 それでだ。前話もといプロローグでハーレムやらなんやら言ったが、あれは嘘だ。期待して悪かったな。だけど安心してくれ。なぜかハーレムを形成しようとしている奴らの匂いが、におい?そう言えばなんか香水の香りが、気のせいか。

 まあぼちぼちセシリア・オルコットについて話すか。セシリア・オルコットもISのヒロイン。父母死亡らしい。オルコット家の当主。専用機は蒼い雫と書いて、ブルー・ティアーズ。高飛車な性格で、チョロイン。料理テロ常習犯。メシマズヒロイン。

 こんな感じで放課後。飯だって?カロリー棒でOKさ!

「ちょっといいかしら?」

「はい?」

 この匂い、こいつか。つまり、こいつがセシリア・オルコットの変わり、か。

「私を見て何か思わないかしら?」

「さあ?」

「あら、あなた私がわからないってテレビ見てるのかしら?」

「あいにくそちらのニュースは知らないんでね」

「そう。なら今教えますわ。私はアルマ・ブラウン。イギリス出身よ。以後よろしく」

「知っていると思うが、織斑秋二だ。よろしく」

「ええ、よろしく秋二さん」

 アルマ・ブラウンか。転生者かオリジナルかのどちらかだな。

 そうそう別れて、今日から寮生活なので、寮部屋に行き篠ノ乃の裸を見て、目の前が白く染まった。

 

 時間は午前に戻し一年四組では。

「タツミくんの好きな食べ物は?」

「好きな異性のタイプは?」

「受け派、攻め派?」

 などの質問が休み時間の中で飛び交った。

 そして放課後。

「兄ちゃん、部屋に行こう」

「そう、だな」

 寮へ向かっていると道中で藍子と会った。

「二人とも」

「姉ちゃん!」

「どうした慌てて?」

「うん。二人に合いたくて急いできたんだ」

 そうこうしているうちに寮に着いた。

「お茶ぐらい出すが」

「ご馳走になるわ」

 あちこちに荷物があるが、気にしないでくつろいでいた。

 離れたところで打撃音が響いた。

 

 シャルルとキセツは寮部屋前にいた。

「……人の気配がする」

「そうなの?」

「ああ。一応武器の展開を」

「女子生徒じゃないかな?」

「いや、三人部屋じゃいって先生言っていただろ。それに相部屋の相手はシャルルだ」

「……僕先生呼んでくる」

「頼む」

 キセツはホルダーからデリンジャーキセツカスタムを取り出し、ドアを開けた。

「おかえりなさいご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・s」

 すぐさまドアを閉めた。

「キセツ先生連れて来たよ」

 再びドアを開けた。

「おかえりなさいごはn「ほお更識お前は人の部屋で何をしている?」お、織斑先生!?」

「とりあえず来い」

「誤解です。誤解ですから!話してください!」

 その後、盗聴器、盗撮カメラを発見し、食堂に行った。

 

 就寝前、俺は織斑先生に呼ばれ寮長室に赴いた。

「待っていたぞ」

「失礼します」

「単刀直入に言う一夏なのか?」

「…………」

「違うのか?」

「俺は一夏じゃない。けど、もし俺と顔が似ているならあったことがある」

「ほ、本当なのか?」

「数年前の話ですが」

「いい。その時の話を聞かせてくれ」

 なにかと思えば織斑一夏のことだった。似ていると言われれば似ているが、本人とあったことはない。しかし、彼の、彼の知り合い経由でなら知っている。

「一言で表すと憤怒。彼は怒り、恨み、欲していた」

「欲していた?」

「うん。家族や恋人、金、物、すべてを欲していた。自分には縁がない。けどほしいと言ってたんだ」

「そう、なのか」

「それと彼なら生きているかもしれません」

「本当か!?」

「はい。アメリカで一夏に似ている人を見つけたと」

「わかった。生きているなら探せる」

 俺は彼を知らない。知らないからこそ見てみたい。俺の存在理由を。一週間後相棒が帰ってくる。



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過去~二日目朝~

 次の朝。朝の食堂では異例の光景が見られた。

 漫画で出てくる大きいたんこぶを頭に上がった秋二の姿。

 その向かいに若干疲れた顔のキセツ。

 まったく状況が掴めない人のために昨日から今朝の出来事を話そう。

 

 秋二side

 俺が篠之乃に殴られてから二時間くらい経つだろう。その頃に俺は目覚めた。少し頭が痛むが平気そうだ。

 あたりを見渡すと篠ノ乃姿が見当たらなかった。夕食を食いにいったんだろう。

 さて、俺も食堂にいきますか。

 食堂にいきながら、まだ話せていないことを話そう。

 そうだな。最初は鳳鈴音、五反田弾、御手洗数馬について話すか。

 原作を読んだことはない。あくまで二次での世界だけど、この三人とはかかわるはずなのだ。しかしかかわったのは鳳鈴音だけ。五反田弾と御手洗数馬の二人だけかかわっていない。

 そこで二人のことを調べた。

 最初に五反田弾は行方不明。12歳の時に帰りが遅いことに気が付いた母親、警察に捜索願を出している。

 次に御手洗数馬だが、これが一番の謎だ。はっきり言うなれば、わからないんだよ!顔が!二次で出てくれば代わりのキャラで代用かいっそう出さない。

 この二人とは良い仲どこか不仲にもならないわけだ。

「醤油ラーメン大盛り、チャーハンの生徒!」

「はいはい」

 まあ、原作は信用できないことがはっきりわかった。

 とにかくだ。とことんブレイクしていくぜ!幸い転生特典が自滅必須なものじゃないから慢心しなければ大丈夫だな。

「いただきます」

 一人での飯はいつものことだな。

 前世の時もそうだったよ。親は俺のことは気にしないで、弟のみ育てていたし。そんで、墜落してきた飛行機にあたり死亡って滅多にない体験をしたな。あの世で神様に出会いここへ転生してきた。

 読んでいてあこがれた主人公の世界に行き、その役を奪った。奪ったのに虚しかった。それで最近わかったことは偽物だということ。

「ごちそうさま」

 偽物。奪った者。玉座に座る偽りの王。言い方を変えるなら、自分好みに変えるならフェイカー。偽者だろう。あながち間違ってはいない。

 間接的に殺したのも同然。

 謝って済む問題じゃない。

 けど謝りたい一夏。

 すまない!

「どこに行っていた秋二」

「……食堂だよ」

「そ、そうか」

「なあ篠ノ乃?一夏のことどう思っている?」

「アイツか?弱者だな」

「そうか。うん。おやすみ」

「お、お休み秋二」

 次の朝。そこにいたのは制服に着替えている篠ノ乃の姿だった。そして朝の食堂に戻る。

 

 キセツside

 織斑先生に織斑一夏のことを話し終えて、自室に戻る時、また痴女が現れた。

「誰が痴女よ!」

「あんた以外いないだろ」

 ネクタイの色が黄色だから二年生か。しかし見た目があれだ。あれだな。

「先輩周囲から猫っぽいって言われているだろ?」

「そうね。言われているわ」

「そうか。やっぱり歩く発情猫だな」

「誰が歩く発情猫よ!」

 簡単に言うならビ〇チ。

「誰がビ〇チよ!」

 心で思っているのによく突っ込めるな。

「で用は何ですか変態会長?」

「変態じゃないわよ!それに私は更識刀奈よ!」

「でなんですか座敷会長?」

「私を和式の一室のように言わないで!私は更識よ!」

「しつれい噛みました」

「わざとよ!」

「かみまみた」

「わざとじゃない!」

「YesIam!」

「誰がハイだ!」

「チッチッチッYesIamチッチッ!」

「いくらアメリカ出身だからってチッチッチッはないわよ!」

 やれる…だと。そうか、なら、やるしかない。

「ところで私のお話し聞いてくれない?」

「一杯おごれ」

「私が?」

「先輩なら懐は温かいでしょ?」

「そうね。いいわよ」

 ついた場所は。

「生徒会室?」

「そう。ここなら大丈夫よ」

 コーヒーを入れながら聞いてきた。

「何個か質問するけどいいわね?」

「ああ」

「まず同室のシャルルくんは君から見てどう?」

「スパイだけど、フランス政府が公認した操縦者。誤報はないから、影武者だろ?そこら辺はあんたより学園長が詳しいと思うけど」

「次は君は一夏くんかな?」

「違いますよ。俺はただ顔が似ているだけの孤児ですよ」

「わかったわ。次はあなたは何者?」

「俺はキセツ・ミューゼル。家族とよべる人はいない」

 次々質問してくるが、自分に不利な質問は答えていない。

 深夜になる頃に解放された。そして寝た。

 起きたら、なぜかビ〇チが寝ていた。んで朝に戻る。

 

 二人は向き合いながら黙々と食べていた。

 その二人の所に近づいてくる人たちがいた。

「となりいいかな?」

「俺は構わないよ」

「同じく」

 さらに増えた。

「俺たちもいいか?」

「ん紺野タツミとその妹か」

「妹じゃなくてユウキだよ!」

「僕もいいかな?」

「デュノアか?」

「そうだね。僕がシャルル・デュノア。よろしくね織斑くん」

「秋二で構わないよ。俺もシャルルって呼ぶから」

「うん」

 周りが黄色の声をあげたり、ぶつぶつと言っている。

「すごい量だね」

「いや、あの二人には負けるよ」

 秋二の刺した先には、二人前の朝食を食べているキセツとタツミの姿だった。

「いや食べ過ぎでしょう」

「動くと腹が減るからな」

「朝に多く食わないと夜までもたない」

「え、夜?」

「昼食を抜かしていたから」

「そうなんだ」

「腹減ったら適当に食うし」

 話している時に食堂に織斑先生の声が響いた。

「ごちそうさま」

「ごちそうさま」

「はや!」

 二人前を食べ終わった二人を見て急いで食べ終えた。



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クラス長~二日目三時間目~

 一年一組は三時間目の授業に入ろうとしていた。

「今日は再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。代表者とはクラス委員長みたいなものだと思ってくれ。自薦、他薦どちらでもいい」

「はい、織斑くんを推薦します」

「私もそれでいいと思います」

 秋二はやはりかとあきらめ顔していた。

「はい、わたしがやります」

 そう声を上げてきたのはアルマ・ブラウン。

「イギリス代表候補生であり、専用機を持っている私が適任かと」

「私もブラウンさんでいいと思います」

「そうよね。わざわざ男がやる必要なんてないし」

「そうそう」

 アルマは突然立ち上がった。

「そこのあなた、あなたは男がやる必要がないって言いましたね?どういう意味ですか?」

「決まっているじゃない。男はISが乗れない。これに乗ることができない男って劣っているのよ」

「つまり、あなたは男じゃあ不満ってことね」

「そうよ「ほんと、馬鹿ね」はあ?」

 口を釣り上げながら、アルマは笑い出した。

「男が乗れないからってすべての男に言えるのかしら?」

「そうよ。男なんか傲慢で威張っているくせにいざっとなったら逃げだしているのよ。劣っている以外何言葉も出ないわ」

「一つ聞くけど、今この学園にいる男性操縦者は乗れるから有能じゃないかしら?」

「…………」

「それにすべての男性が乗れないからって劣っているわけじゃないのよ」

「だったら、乗れない男性はISに勝てるの!?」

「確かに勝てないわよ。生身対IS武器無しでは」

「そうよ!そうなのよ!やっぱり勝てないじゃないの」

「けどね、IS以上のスピードが出せる兵器や高威力の兵器があったらどうするの?」

「そんなの当たらなければどうてことないわ。それに絶対防御があるから平気よ!」

「異議あり!」

 立ったのはいままで聞いていた秋二だった。

「あんたは絶対防御があるから平気って言ったな?」

「そうよ。それが?」

「一つ言うけど、あれって意味なさないよ」

「え?」

 全員が驚いた顔が見えるが、教師は知っていた。

「絶対防御をすり抜ける方法だっていくらかあるし」

「それにISを所持しているからって展開していなければ意味ないよ。それにだ、感がいい人ならある方法で解除できるだろうと考えるね」

 秋二が言い切った顔をしていると、女尊男卑の生徒が言った。

「そんなことが言うなら戦いなさいよ生身で!」

「無理無理、俺でも自分の身の安全が大事だし」

「ほーら、結局男は意気地なしよ」

「けど、俺は無理って話だ。いるんじゃないそうゆう人は」

 手を叩いて話を戻した。

「さてそこまでにしてもらおうか。クラス長は来週の月曜日に決める。いいな、ブラウン、織斑。小原放課後生徒指導室に来い。いいな!」

「はい」

「はい」

「は、はい!?」

 

 昼の食堂に秋二、タツミ、ユウキ、シャルルがいた。

「へ~そんなことがあったんのか」

「ああ」

「大変だね」

「タツミたちの方は?」

「俺たちの方か?こっちはまだ」

「僕と兄ちゃんはやらないと思うよ」

「ん?なんで?」

「そりゃ国際防衛軍の一員だし何かとあるから、そうゆう役職には入らないでくれだって」

「あのさ、国際防衛軍ってあまりわからないんだけどどうゆう組織なの?」

 シャルルがきいてきた。

「そうだな。みんなが知っていることは、怪獣、宇宙人からの侵略から守るってことだけだよな?」

「うん/ああ」

「そのほかに調査とか交渉、実験などかなりあるよ」

「交渉って?」

「友好的な怪獣、宇宙人とコンタクトを取り、住む場所を提供したりしている」

「ほかには、IS学園特記事項に書いてあるんだが、ありとあらゆる組織の干渉を受けないって書いているけど、国際防衛軍候補生は緊急時に限ってそれは無効になるんだ」

「そうなのか」

 そこへ篠ノ乃が入って来た。

「それより秋二、来週の試合勝てるのか?」

「何言っている勝てるわけないだろ」

「それでもお前は男か!」

 篠ノ乃が声を上げた。その声に食堂にいた生徒が注目した。

「勝てるわけないだろ!生身で!」

 その言葉に全員が沈黙した。

「だ、誰が生身でって言った!」

「俺だがなにか?」

「まあま落ち着けって篠ノ乃さん」

「そうだよ箒ちゃん」

「これが落ち着いていられるか!」

「けど、生身でって話なら噂程度だけど聞く?」

「なにをだ?」

「生身でISに勝てた人の話」

 その発言に全員が止まった。

「なんでも変な格闘技を使って操縦者もろとも潰したらしいよ。まあ、噂だけど」

 ユウキがしゃべり終わると、全員が驚いた声を上げた。

「まあ、噂だけどね」

「とにかくだ。生身で潰すなら卑怯な手でいくしかないよな」

「そんなの断じて認めないからな!」

 そこへ赤色のネクタイを付けた生徒が来た。

「ねえ、君が代表候補生と戦う子でしょ?」

「あ、はい」

「私が教えてあげようか?」

「いえ、結構です」

 そう言ったのは、篠ノ乃だった。

「私は三年生だけど、あなた一年でしょ?候補生じゃない君が教えてもわからないんじゃないかな?」

「私は篠ノ乃束の妹なんで」

「う、そうなのね。なら、しかたないわね」

 そう言うと去ってしまった。

 秋二は聞いた。

「おい篠ノ乃、いくら篠ノ乃博士の妹だからって、お前教えられるのか?」

「放課後剣道場に来い。いいな?」

 そうゆうと食堂を出て行ってしまった。

 

 篠ノ乃束。この世界ではいい意味でも悪い意味でも有名人だ。幼少期の頃は世話になった人で、千冬姉さんの同級生。そして、ISの生みの親だ。

 今は行方不明で各国が必死に探している。

 篠ノ乃博士と篠ノ乃は仲は悪い。そう決定づけたのはISの解説の時、ISコアの時に篠ノ乃と言う苗字のこと織斑先生が言った。その時言った言葉が『あの人は関係ない!』。

 つまり、赤の他人のはず。なのにその言葉に矛盾を感じている。

 その矛盾を知るために剣道場に赴いた。

 そこにいたのは防具を付けた篠ノ乃姿だった。

「来たか。さっさと着替えてこい」

 やりたくはないんだが、しょうがない。着ますか。

「篠ノ乃箒対織斑秋二の試合を開始します。礼、始め!」

 正直言うが、剣道は篠ノ乃が引っ越したと同時に止めた。その後は鳳が中国に帰るまでその父に気功っていう技術を教えてもらった。

 つまりはこういうことだ。

「ハッ!」

 竹刀を篠ノ乃に投げて一気に距離を詰める。胴に両手掌を合わせて打つ!

「あああああああ!?」

 場外に飛ばされた篠ノ乃は気絶した。

「勝者織斑秋二!」

 毎日体力作りをしていたが、受験に入ると落ちるな。明日からまた始めるか。

 その前に目的の場所に行くか。

「ここだな。失礼します」

「は~いって、織斑くん!?」

「ここが新聞部ですか?」

「そうだよ。ま、まさかここに入りたい?」

「まあ、そうです」

「よっしゃ!部員として入ってくれた!」

「その代わりお願いがあって」

「お願いって?」

「はい。俺にISのことを教えてください」

「うん、いいよ」

「ほんとうですか!?」

「うん!その代わり来週の学校新聞に載せてもいいかな?」

「いいですよ」

 クラス代表決定戦まであと七日。やるだけやってやる!



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一念発起

 今回、紀田正臣が出ます。


 ここに入学して数日経つが,この学校には慣れた。昼食を簪と食べている時、マドカとクロエがやって来た。

「イザナギ、いっしょにいいか?」

「いいですかイザナギ様?」

「いいけどクロエ、様付けはやめろ。いくら慣れてしまったからって」

「そうだよ。様付けは私だけでいいから」

 簪がそう言うが、決して様付けはお前限定じゃないからな。

「そんで、何かあってきたんじゃないか?」

「いや、別に用事はないが」

「私は食べる人がマドカ様だけなので」

「私がいるよクーちゃん!」

「いえ、簪様は熱いので」

「私は熱くないよ。クーちゃんだけその熱さを見せているんだよ」

「それはどうでもいい」

「ひどいなマドカちゃん。あ、一夏さんに今会えないからって妬んでいるの?」

 簪が冗談を言う。それにテンパるマドカ。それを見て笑うクロエ。

 ほんと、毎日が楽しい。前生きていたころよりずっとな。

 それにしても簪の奴覚悟を決めたとはいえ、変わり過ぎだろ。

 

 二日前。

「一夏さん、弾さん、数馬さん、お話があります」

 簪が三人を呼んだ。

「私は、あの家と決別します。だから、その為に力を貸していただきませんか?」

「……理由は?」

「私はあの家で劣った存在で兄と姉と比べられていました。もう戻りたくない。あの家にいると私は、一生比べられたまま生きていく」

「……俺はいいが」

「俺もだ」

 数馬と弾が賛成する。一夏は。

「……簪、俺も昔お前と似た境遇にいた。嫌だったあそこにいるのが、そんな時転機が訪れた。世界がガラッと変わって、俺の才能と努力を認めてもらえた。師匠や家族、仲間もできた。そしてこの地に戻ってきて、帰る前に決着をつける」

「えっと、どういうことだ?」

「つまりだ。簪お前には何が残っている?」

「私には……なにも」

「いやあるさ。それは物でも能力でもない」

 簪が首をかしげる。それを見て一夏は自分の胸に手を当てた。

「心だ。まあありふれたことだけど、自分が一番譲れない信念とかあるだろ?俺は家族を守るって信念なんだが、ここにいる時点で守れていない。心配はしているだろうし早く帰らないとな」

 それをきいた簪は目を瞑り、考えていた。自分の信念とは何か、自分が譲れないものとは何か、自分が一番失いたくないものは何か、考えた。そして、見つけた。

「どうやら」

「はい。私は、私は……です」

「本当か?」

「はい」

「いいぜ。貸してやる。その代わり向き合えよ。そして決別して来い」

「はい!」

 

 まあ、その為に力をつけないとな。守れなくなってしまう。

 けど、その前にひと時の平穏をかみしめるとしますか。

「イザナギくん行くよ」

「おう」

 とにかくだ。使ってまだ間もないあれを使うには実践あるのみだよな。しかしそんな場所どこにある?

「ねえ、か~のじょ」

「えっと、誰ですか?」

「俺は紀田正臣っていうんだ。よろしくね簪さん」

「は、はい。こちらこそ」

 馴れ馴れしい奴だが、チャラ男か?ま、ナンパじゃないだけマシか。

「紀田って言ったか?何か用事があるのか?」

「あれぇ、あんたは?」

「坂本イザナギって言うんだ。よろしく」

「よろしくなイザナギ」

 フレンドリーな奴だな。

「そろそろ時間だし行くね」

「またな」

 

 食堂にいく途中の道でカップルを見つけた。彼女の首に傷がついているが、手術の後なのか?

「お前は坂本イザナギか?」

「そうだけどあんたは誰だ?」

 俺に接触してきた男が一人いた。

「ご同行願う」

「いやだ」

「力ずくでも」

 そうゆうとポケットからメモリーを取り出した。

『Arms!』

「ガイアメモリ!」

「知っていたか。フン!」

 そう言うと自分の首に刺した。

 俺もカバンから戦極ドライバーを取り出し着けた。

「変身!」

『フィフティーン!ロック・オン!』

 エレキギターが鳴り響き、上から頭蓋骨が降りてきた。それが展開して鎧になった。

「来やがれ!」

 黄泉丸を抜き斬りかかった。相手も右手の剣で斬りかかって来た。

「ふっ!やああ!」

「ふん!遅いな。そんなものか!」

「まだまだ!」

 蹴りを撃ち込み、下がった。ブレードを一回降ろした。

『フィフティーンスカッシュ!』

 黒い斬撃を放った。

 アームズドーパンドは赤い銃弾で相殺した。

「こんなものか?」

「ちっ!まだまだだ!」

 俺は違うロックシードを出した。

「こいつで決める!」

 フィフティーンロックシードをウォータメロンに変えた。

『ウォーターメロン!ロック・オン!』

『ウォーターメロンアームズ!乱れ玉ババババン!』

 攻守、遠距離に否がないこのアームズで倒す!

「くらえ!」

 ウォーターメロンガドリングでアームズドーパントを撃つ。

 遮蔽物に隠れていようが、関係ねぇ。あぶりだしてやる!

「どうした?早く来いよ!」

「ならいくぞ!」

 決して早くないスピードなのだが、近づいてくる。こいつ慣れていやがる。銃撃の嵐に!

「ちっ!なら」

 近づいてくるなら、こっちだって!

「ふん。は!」

「くっ!?」

 剣による斬撃でやられた。

「これで終わりだ!」

 やられる!

「おいおい、うちのアルバイト定員に何手出してんだ?」

 その声は!

「一夏さん!?一夏さん逃げてください!」

「ほう、貴様が一夏か?」

「そうだが、あいにく俺には変人と変態ぐらいしか知り合いいないんで、アンタみたいなの知らないが?」

 あきらかに挑発だ。今のうちに体制を整えないと。

「ふん、まあいい。これだけは覚えておくんだ「三下みたいなセリフ言ってないで早くかかって来いよ」言わせておけば!」

「言っとくが、負けだ」

『ウォーターメロンスパーキング!』

「はあ!」

「しまった!?」

 溜めておいたエネルギーを撃ちだした。それに当たったアームズドーパントは爆発した。

 変身を解除して一夏さんの元に行った。

「しかっし、イザナギお前弱いな」

「はい。わかっています」

「いいや、わかってないね。よく見てみろ」

 言うので向いてみると、メモリブレイクがされていなかった。つまり。

「弱くても、油断はしないで見ることだ。お前は倒した過信と安心が一気に出ていた。そんなんでよく簪を守るって言ったな」

「うるさい」

「さらに言うとなれば、周りを見ろ」

 言われた通り周りを見た。そこは俺らがつけた後だった。

「確かに自分の命を守るのは大事だ。しかし、周りに人がいればけが人が出ていた」

「…………」

「そこんところ踏まえて今後頑張れ」

 説教じみた言葉が俺の胸に刺さった。



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乱闘~日曜日~

 勢いで完成させました。


 俺がIS学園に入って一週間になろうとしている。この一週間、黛薫子先輩とのISの練習はこれといってやれた気がしない。大きな理由としてISに乗って訓練ができなかったことと篠ノ乃に毎日付きまとわれたことがあげられるな。

 ISの基本動作や重要な言葉を教えてもらいながら過ごしていたか、落ちていた体力を戻していたか、戦略を立てながらここ一週間を過ごした。

 それと三組もやるらしい。あっちの方が面倒くさい勝負内容らしいが。

 そんで今日がその日。そして、絶賛ピンチ!

「もう棄権でいいんで」

「何言っている秋二!」

「織斑あと少し待て。そろそろ来る頃だ」

 まあ俺に専用機が受理されるのだが、肝心な専用機が未だ来ない。フィッテングどころか乗れないとはかなりやばい。

「んで、なんで篠ノ乃がいる?」

「お、お前の幼馴染として当然だろ!」

「答えになってないから。織斑先生いいんですか?」

「無理に追い返しても面倒だから、織斑は自身のことを優先しろ」

 ああそうそう今回はバトルロワイヤル方式。まあ、乱闘と言えばわかりやすいのか?

「織斑くん!来ました専用機!」

「織斑時間がない。そのままで行けるな?」

「はいはい。そんじゃ」

 鉛色のISに乗り込んだ。なんていうか、ああ!これ欠陥機だ!

「白式か」

「秋二、勝ってこい!」

「ごめんこれ無理ゲーだ」

 そう言って飛んで行った。さあ、どうする。どうする。どうする俺!?つづく!

 

 アリーナ上空には紫色のISと鉛色のISがいた。二機はアリーナから出てくる秋二を待っていた。そこへ秋二が乗っている鉛色のISが出て来た。

「すまない。なかなか来なくてな」

「別に構わないよ。世界初の男性操縦者の機体だから気合入っていたじゃない?」

「まあ、さて」

 秋二はブラウンと小原の機体情報を見た。

『あの機体はサイレント・ゼフィルスか。原作通りだと遠距離型でファンネルみたいなもので飛ばしてくるんだっけ?そんであっちが打鉄だな。まあどちらも近距離に持ち込めば勝てるし、銃撃での相打ちみたいなこともできるな。んで、こっちも原作通りだと雪片二型だな。まあ、剣より拳が勝つな』

『それでは3、2、1、始め!』

 開始の合図がなった。

 先に動いたのは秋二と小原。焔備を出して秋二に向かって撃った。対する秋二は地面ギリギリまで降りて低空飛行で避けた。

 傍観しているブラウンは高度を上げてアリーナのシールドのギリギリのところで止まった。

「逃げてばっかで、向かってきなさいよ!」

 小原は弾が切れるまで秋二に撃ち続けた。それを回避している秋二。何かを待っているようだ。

 そんなこと関係ない小原はマガジンを変え撃ち続けた。その時、上空から蒼いレーザーが小原、秋二に向かって飛んできた。

「そろそろ私も参加しようと思いまして」

  スターブレイカーと四基のエネルギーアンブレラを展開したブラウンがいた。スターブレイカーを構えながらエネルギーアンブレラ四基を秋二と小原に向けてきた。

「おいおいマジかよ!?」

「なんで私にも撃ってくるのよ!?」

「バトルロワイヤルですよ。敵味方関係ありません!」

 笑いながら問い返したブラウン。

 その表情は戦いを楽しくを感じてしまう。

「あと十分」

 時間を気にしながら、雪片二型を展開して壁側により構えた。それを見て、好機と思った小原は一気に焔備を撃ちながら迫って来た。

「これで終わりよ!」

「それはどうかな?」

 秋二は壁を伝いながら低空飛行で弾を避け飛んだ。

「この!逃げるな!」

「あと一分」

 目の前にレーザーの雨が降って来た。

「ちょこまかと、逃がしません!」

「くっ!?」

 雪片二型を当たりそうなレーザーだけ捌いてかわした。そしてその時が来た。

「これで終わりよ!」

 小原が葵と焔備を持ちながら迫っていた。

「いや終わらね」

 そう言うと秋二は雪片二型を小原に投げた。その行動にアリーナにいた全員は驚いた。

「唯一の武器がないんじゃ」

 その時、白式が白い光で包まれた。光が晴れるとそこに白式はいなかった。

「え!?どこ行ったの!?」

「お前の後ろだ」

 振り向くとそこには白い機体がいた。先ほどの機体より手足が太くなっていた。

「ここから俺のステージだ!」

「まさかさっきまでファースト・シフトしてなかったの!?」

「いくぜ!」

「話を聞きなさ『打鉄エネルギーエンプティ!』え!?」

 一瞬だった。白式が通り過ぎた後、打鉄のシールドエネルギーが切れたのは。

「ど、どう言うことよ!?」

 叫びながら落ちていった。

「あ、ヤベェ」

 秋二がキャッチしてアリーナの入り口に降ろした小原は気絶していた。

 上空にいたブラウンは降りてきた。

「さていいかしら?」

「どうぞ。こっちもいいですよ」

「その前に一ついいかしら?」

「簡単なら」

「今のって零落白夜でしょ?」

「よくわかりましたね」

「当然でしょ。ブリュンヒルデが使っていたワンオフと似ているどころか、一発でほぼ満タンの打鉄を倒したんだから同じとみて間違いないってわかったわ」

「まあ、姉の譲りもんなんて気に入りませんが、この状況を打破するにはそうするしかないですし」

 二人は構えた。それから動かなくなった。

 

「二人はなんで動かなくなったの?」

「一種のこう着状態だな」

 そう言ったのはタツミだった。

「え?どういうこと?」

「そうだね。お互いに隙がないって言えばいいかな?」

「有利なのはブラウンさんだけど?」

「いや、一見ブラウンが有利に見えるのは警戒しているからだな。さっきの白式の動きを見たか?」

「うん」

「それを警戒しているんだよ。たぶん時間がきてエネルギーが減っていないブラウンが勝つね」

「あ、動いた」

 

 動き出したのは秋二。両腕から小さな刃、『雪片輪型』を出した。雪片輪型から青白い光が出ていた。

「乱月」

 周囲に青白い斬撃が飛び、エネルギーアンブレラを切り裂いた。

「そこ!」

 スターブレイカーで狙い撃った。

「乱月」

 そこへバク転して青白い斬撃を放った。

 それをレーザーで相殺した。

「マジかよ」

「あらここまで?」

「いやまさか」

 そう言うと地面に降りて、クラウチングスタートのような姿になった。

「時間もないしお互いこれで最後にしないか?」

「そうね。いいわよ、来なさい」

「驚かないのか?」

「別に知り合いにそんなことができる人がいるので」

「そうかよ」

 足に全エネルギーを込めて飛んだ。

「移動術、月兎!」

「はっ!」

 レーザーに当たろうが、迫って来た。衰える何処かますますスピードを上げてきた。

「これでも、喰らいなさい!」

 二つのミサイルを秋二に向かって撃った。ミサイルに当たったはずなのに、まだ飛んできた。

「なんで!?くっ!」

 そう言うと、インターセプターを展開して構えた。

 秋二は手を握り、回転し始めた。その姿は一個のドリルに見えた。

「奥義、竜巻!」

 回避が間に合わないと判断したのか防御したが、インターセプターとスターブレイカーが壊された。そして。

「くっ!?」

『サイレント・ゼフィルスエネルギーエンプティ!勝者織斑秋二!』

「大丈夫か?」

「見えるかしら?」

「運んでやるよ」

「ありがとう」

 そう言うといきなりお姫様抱っこされたブラウン。

「罰ゲームどころかご褒美に見えるわね」

「嫌いですか?」

「いいえ」



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悪戦苦闘

 一巻に相当するところが終わります。


「これ全部……ダラーズ、なの?」

 私、龍間簪がここ60階通りに来ていたのは、おとといに届いたメール、ダラーズの勧誘メールだった。最初は警戒して調べてみたが、問題がなかったので登録した。

 今日の夕方にダラーズの一人からメールが届き、お店を早く切り上げて来てみた。

 まだ、六時にもかかわらずに多くの人がいた。最初は何か特別なことでもあるのかなと思ったんだけど。

 それから一時間待ったのかな。突然メールが届くと周りからも一通、また一通とメールが届いた音が聞こえた。

 

 簪が店を出て行ってので一緒に出て行こうとしたが、一夏さんに止められた。

「イザナギ」

「何ですか?」

「今は行かない方がいい」

「どうゆうことですか?」

「ただの感さ」

 ただの感?だと意味わかんない。

「それと行くなら気をつけろ」

「はあ」

 店を出て廃工場まで歩いた。ベルトを着けながらある人物を待った。

「やっと来たな」

「あんまり周りをうろちょろされると迷惑何で。またお誘いですか?」

「ああ。もう一度言う。坂本イザナギ我らにつかないか?」

「お断りだ」

「仕方ない。『Arms!』」

「『フィフティーン!』変身!」

 見せてやる。数日間の特訓の成果を!

 

 数日前

「数馬さんお願いします。俺に戦い方を教えてください!」

「どうゆうことだ?」

「昨日襲われて変身したんです」

「待て、襲われた?どういうことかはっきり言え」

「……はい。昨日怪しい男に来いって言われたんで断ったら、怪物になって襲い掛かって来たんで返り討ちしてやろうとしたら」

「負けたのか」

「はい。一夏さんがいなかったらさらわれていました」

「んで、また同じ奴が来てもいいように戦い方を学びたいと」

「はい」

「別にいいが、なんで学びたい?正直言って弾や一夏の方が戦い方を知っていると思うが?」

「あんたが身近にいる仮面ライダーだから」

「ふ~ん。いいけどさ、剣の使い方や銃の使い方は我流だがらそこらは二人に教えてもらえ。俺が教えるのは集団との戦い方ぐらいだから」

「ありがとうございます!」

「特訓は明日からやるから俺の部屋で待っていろ」

 

「あの時のようにはいかないぜ!」

「面白い。かかって来い!」

 フィフティーンは黄泉丸を構えて様子見をした。

「(まずは相手の出方を探ることと周囲の様子だ)」

「どうしたかかって来い?」

「…………(挑発に乗るな!乗ったら俺の負け)」

「こないならこっちから行くぞ」

 アームズドーパントは左手をデカい銃に変えて、フィフティーンに撃ってきた。

 フィフティーンは黄泉丸ではじいたり切ったり、避けたりして銃弾をかわした。そのまま接近して黄泉丸で袈裟斬りで攻撃した。アームズドーパントは右手で防ぎ、左手を大きな刀に変えて斬りかかってきた。

 後ろに飛びかわし、斬ろうとしたが左手をショットガンに変えたアームズドーパントに撃たれ飛ばされた。

「あああ!?」

「どうした?まだまだだろ?」

「ったりめえだ!(油断している今なら変えられる!)」

『レモンエナジー!』

「使わせてもらうぜ」

『ロック・オン!』

 黒いレモンエナジーをフェイスプレート側に差し込み、エレキギターが流れるとフィフティーンアームズとブラックレモンエナジーアームズが合わさり、陣羽織のようなアームズに変わった。

『 ~!ジンバーレモン!ハハア~!』

 弓型の武器を左手に持った仮面ライダーフィフティーンジンバーレモンがいた。

「こっからは俺のターンだ!」

 フィフティーンの左腰から黄泉丸とは違う刀を出した。

 アームズドーパントは左手をアサルトライフルのような形に変え撃ってきた。

 それをソニックアローと新たな武器無双セイバーで斬ったり防いだりして近づいてきた。

 アームズドーパントも左手を刀に変えて、フィフティーンと斬り始めた。

「セイ、ヤー!」

「ふん!」

 近距離での戦闘。フィフティーンは素人は思えないほどの剣捌きでアームズドーパントと戦っているが、アームズドーパントの方が一枚上手でだんだんと動きについてこれなくなっていた。

 そして。

「くっ!?」

「フン!」

 無双セイバーを飛ばしてフィフティーンの胴体を何度も斬りつけた。

「がはぁ!?」

「フン。前よりも楽しめたぞ。だがこれで終わりだ」

 左手を大砲のようなものに変え、チャージし始めた。

「最後に言い残すことは?」

「殺さないじゃないのか?」

「別にお前みたいな男がいないわけじゃない。またさがすさ」

「つまり俺は用なしか」

「落胆するな。生きていれば俺らの組織で改造できるんだからな」

「そうかい。それとそれが素か?」

「そうだが?」

「そうかよ」

 そして、アームズドーパントは撃った。ためらいなく。確実に。

「あれほど面白い男を消すのは痛かったが、変わりなんていくらでもいるs「それはどうかな?」何!?」

 そこにいたのは。

「ば、ば、バナナ!?」

「バナナじゃねえ!」

『バナナアームズ!ナイト・オブ・スピア―!』

 灰色と黄色の姿をしたフィフティーンがいた。

「これで止めだ!」

『フィフティーンスカッシュ!』

 バナスピアーを地面に刺し、そこからバナナのエフェクトがアームズドーパントに刺さった。

「ぐおぉ!?どういうことだ!?」

 無双セイバーにフィフティーンロックシードをセットした。

『ロック・オン!一、十、百、フィフティーンチャージ!』

 無双セイバーに黒い靄がまとわりつき、アームズドーパントに斬りつけた。

「セイヤー!」

 アームズドーパントを切り裂くと爆発して、男とガイアメモリが出て来た。

「お、終わったのか?」

 未だ勝った気がしないイザナギ。最後の力を振り絞って男の所に近づいた。

「おい、あんた。起きろ。ん?これって!?」

 イザナギが手に持ったものはアームズガイアメモリだった。

「……い、」

「気が付いたか?」

「こ…こは?」

「廃工場だが」

「そう…か。負けた…のか?」

「ああ。色々聞きたいが」

「時間が、ない。聞け」

 切羽詰まった声で言った。

「お前らは誰だ?」

「俺らは大ショッカー」

「大ショッカー、だと」

「知っているのか?」

「悪の組織ぐらいしか」

「なら詳しくはな!離れろ!?」

 男が叫び、イザナギを突き飛ばした。

「いててて、何するんだ『バゴォォオオオオン!』!?」

 男が爆発した。それは突然だった。男がいたところには黒く焦げた後しかなく肉片がなかった。

 その現状にイザナギはただ突っ立っているしかなかった。

 

 イザナギがアームズドーパントと戦っている中、簪はと言うと。

 

 私は突然のメールを見てみた。そこに書いてある内容は『このメールを見ていない人が敵だ。そのまま何もしないでじっと見つめていろ』と。私、いや私たちはケータイを見ていない人たちを見つめていた。

 表すなら無言の圧力。私にはそう思えた。私も見られたら同じ反応するのかな?

 そう思っているとハンズ屋上から黒いバイクにまたがり、大鎌を持った黒い影が降りてきた。

 そして、何かを言っていた。何を言っているのかはわからなかったけど、たぶん吹っ切れたんだと思う。なんか今まで溜まっていた何かが全部解決したかのようなそんな叫びが聞こえたから。

 私はそれを見て思い出した。黒バイクの都市伝説。

 私はその姿に見惚れていた。なんて言えばいいかな?妖しい魅力って言えばいいのかな。そんな感じで。怖いとかそんな感じはしなかった。懐かしさを感じさせるそんな感じ。

 黒バイクは自分の周りにいた男たちを大鎌で切り裂いた。体は真っ二つにはならず気絶していた。見ていて切れ味の良いものだと思ったんだけど違った。

 隙を見ていた男が黒バイクのヘルメットを殴った。並みの人間なら失神もしくは死んでいたはず。なのに黒バイクは頭がなかった。前にプレイしたゲームのモンスター、デュラハンに似ていた。

 周りが驚いている中、黒バイクはそのまま男を切り裂いた。

 私は逃げ纏う人たちに流されながら店についていた。

 私はこの町のことを知らなかった。けど、面白いほど狂っている人たちがそこにいることが今日の新しい発見だった。

 店に入ろうとした時、ぼろぼろのイザナギくんがいた。

「イザナギくん!?」

「簪、声を下げろ」

「あ、ごめん。ってどうしたの?」

「ちょっとな。それより入ろうぜ」

「う、うん」



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終了~日曜日~

 クラス代表決定戦は終わりです。ちょっとR‐18に引っ掛かりそうな気がします。ではどうぞ!


 私こと篠ノ乃箒と織斑秋二との関係は幼稚園から付き合い。最初は赤の他人だったけど、姉さんと千冬さんが友達だったので千冬さんに連れられて秋二と出来損ないが来ていた。

 私が姉さんが開発したインフィニット・ストラトスのせいで家族と秋二と別れるまでいた。

 私が秋二に惚れたのは小学校でいじめられた時に助けられたのだ。一対多にもかかわらず一人で立ち向かってきてくれた。その男らしい姿に惚れて、別れるまで一緒にいてくれた。

 日本を転々としていても、つらくても、悲しくても秋二にまた会えると信じて。

 そんな時だった。たまたまテレビを見た時にISを動かした男性操縦者として成長した秋二の姿を。別れた時よりものさらにカッコ良くなっていて惚れ直してしまった。

 しかも、IS学園に行くことになっていたので、そこで秋二に会えると早く時間が過ぎないかと待ちあびていた。一日に何回もやってしまうほど秋二が好きなんだと理解した。

 入学して私はすぐに秋二の元に行って二人きりになりたいから屋上に連れ出した。私は緊張していてうまく話せなかったけど、秋二が率先して話してくれた。だけど、話し方が淡々としていて、さらに箒と呼ばず篠ノ乃さんと呼んでいた。

 一緒の部屋になって、その顔を見ながら何回も逝ってしまった。いつも一緒にいてくれない分、部屋にいる分は何回もやってしまう。

 秋二は他の男性操縦者たちと女と一緒にいる。私が近づくと何故か避ける。

 イギリスの代表候補生と小原と戦うから稽古をつけてやろうと道場で模擬戦をやったんだが、何故か気絶していた。その日はしょうがなく部屋に戻り寝た。

 朝起きると秋二がいなくて、脱いだ服が有ったので嗅ぎながら逝ってしまった。

 それから一週間、秋二は朝と放課後は何処かに行ってしまうから、道場で剣を振りながら溜まった鬱憤を吐き出していた。

 そして試合当日。秋二は初心者とは思えない動きで小原の攻撃を避けていた。

 だが私が許せなかったことは刀を投げたことだ。そのことは後で問いただしてやるが。

 試合が動いたのは秋二がファースト・シフトなった時だった。既存のISとはけた違いの速さで小原を倒した。

 次にイギリスの代表候補生との戦いだけど、すごい一言に尽きる。

 それでも許せないことは刀を使わなかったことだ。

 

 アリーナに戻ってくるとちふ…織斑先生と篠ノ乃が待っていた。

「織斑お前のISを一時的に預からせてもらう」

「どういうことですか?」

「倉持から送られてきた機体スペックと違いが出ているために学園側と倉持で調べることになった」

「そうですか。わかりました」

 白式を渡すと山田先生が分厚い本を持ってきた。

「織斑くん専用機所持者が絶対に読む本です。絶対に読んでくださいね」

「あ、はい。これ全部ですか?」

「当たり前だ」

「はい……」

 山田先生から必読本を持たされると、篠ノ乃が話しかけてきた。

「秋二、さっきの剣の使い方なんだ!」

「は?」

「なぜ本来の使い方じゃない!?それとさっきの戦い方なんだ!?」

「いいだろそんなこと。ただ剣が合わなかっただけだ」

「き、貴様剣道を捨てたのか!?」

 落ち込んだ顔しているが、気にしない。

 次に来たのは小原とブラウン。

「秋二さん先ほどはありがとうございます」

「礼をされるほどのことじゃない」

「小原さんも」

「さ、さっきはあ、ありがとう」

「どういたしまして」

 あれは思い出しただけで笑えてくる。

「な、なに笑っているのよ!?」

「べ~つに」

「なによ!その含みのある喋り方!」

 俺に掴みかかろうとして倒れてきた。

「きゃあ!?」

「おわぁ!?大丈夫か?」

「……ふぇ?な、なにしているにょよ!?」

「そっちから急に倒れて来たんだろ」

 慌てて立ち上がり、顔を赤らめながら睨んできた。

「あ、あんたね!この侮辱覚えていなさい!」

 ヤラレ役のようなセリフで逃げて行ってしまった。

 

 そのまま一年3組の代表決定戦が始まった。

 その戦いは互角と言っても過言じゃない。

「そこ!」

 セシリアが六基以上のソードピットとシールドピットを完全に操っていた。さらにフレキシブルと言うレーザー銃を曲げる射撃で完全に独断場になっていた。

 シャルルは銃や剣などの武器を高速で変えていく戦法、ラピッド・スイッチでセシリアのビットと対抗していた。

 キセツはナイフ二本で捌いていた。その姿は踊っているように見えた。

 セシリアが乗るISブルー・ティアーズはブラウンが乗るサイレント・ゼフィルスの実験一号機。

 シャルルが乗るのは世界第三位のデュノア社が完成させたラファール・リヴァエルの自分用にカスタマイズに完成させた、ラファール・リヴァエルカスタム。

 キセツが乗るのはウインド・ラビットと言うインファント社が作ったIS。この機体は素早さを第一に置いた機体。

 今までの勝敗はセシリア一勝一敗、シャルル一勝一敗、キセツは一勝一敗。

 料理対決は家庭の味を出したシャルルが勝った。セシリアとキセツはまずいといったもんじゃない料理を出した。一種の生物兵器だった。

 体術対決はキセツが完全勝利、セシリアがキセツに瞬殺されギリギリシャルルから勝利をもぎ取った。

 もうすぐで勝敗がつきそうだ。

 セシリアとシャルルが偶然にも同時にキセツに狙いつけた。

 キセツは地面に着陸して捌き始めた。危ない弾だけナイフで切った。だんだんとナイフが欠けてきて、そして壊れた。キセツは一気にセシリアの所に飛び、剣を展開して斬りにかかってきた。

 セシリアは二丁目の銃を展開してキセツに撃った。キセツは剣を盾にして突進してきた。セシリアが展開したサブマシンガンは剣を削り落としていた。そして剣を砕いた。そのままキセツを撃ち、シールドを削り切った。

 その後、シャルルと銃撃戦に持ち込み、あと一歩のところで試合が終了し多く残っていたセシリアが三組代表となった。




 もうすぐでこの作品が一周年になると同時に50話になります。
 そんな話題を出したならなにかすると思いますね?一応するつもりです。
 一周年の時にこの作品の振り替えりをする予定です。50話の時は一夏、弾、数馬の池袋での話をしようと思います。
 それとぐちなんですが、最近評価してくれる人がいて大変気分がいいんですが、その低評価にしてくる人がいるのですよ。悪いところがあるからつけると思うのですが、どこが悪いのか教えてください。正直いって不安なんでお願いします。


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番外編 再開しても……

 祝五十話記念にあの三人の再開を書きました。


 ……ん?…ここは、どこだ?確か爆発に巻き込まれて……『ブウウウン!』うぅ!?この臭いと騒音はまさか!?

「帰ってきたのかここに?」

 しかしここはどこだ?日本は間違いないじゃないだが、ちょっと歩くか。と思ったんだが、恰好がな。しょうがない予備のマントに包まって歩くか。

 町中を歩いているとガキどもに囲まれた。

「おいおっさんなんちゅう恰好してんだ?」

「…………」

「無視ですか?」

「おいこれ剥がそうぜ」

「いいね。そうしよう」

 剥がそうとした手を叩き落とした。

「痛たあ!?」

「おっさん何してくれてんだよ!」

「痛い、痛いよ~。骨折れた!」

「治療費払えよ」

 ぎゃあぎゃあうるせへぇな。

「ちょっと来てくれよ」

 そのままついていくと黄色の服やバンダナを着けたのがいた。

「俺ら黄巾賊って知っているのか?」

「……知らん。この町に来たのは初めてだ」

「そうかよ。まあ金は貰うぜ」

「……これでいいか?」

 金は渡した。ただしこの世界のじゃないけどな。

「んだよこれ!?金じゃねえな!」

「これじゃダメか?」

「ああダメだ。やっちまえ!」

 殴りかかってきたが、半歩ずれて腹を殴った。

「があ!?」

「おいどうした?」

「っち!なぶり殺しだ!」

 一斉にかかってきたが、まあ殺すって言ったしこの場合は正当防衛でいいはずだよな?

「オラァ!」

「ほい」

 まず一人。

「ハアア!」

「ッサー!」

「せい」

 二人、三人。

「ひ、ヒィ!?」

「おいおい逃げるなよ。殺すじゃなかったのか?」

「わ、悪かった。こ、この通りだ!許してくれ!」

「男が泣いて謝るじゃねえよ」

「お願いだ。見逃してくれ!折れたなんて嘘なんだ!」

「そうだとしても、報復が怖いからな。徹底に潰さないといけないんだよ?わかって殺しにきたんだろ?」

 怯えてやがるな。ほんと根性ねえな。

「おいおい兄ちゃんそのへんでいいじゃねえか?」

「だれだあんた?」

「おっと俺は赤林って言うんだ。兄ちゃん名前は?」

「一夏だ。おいガキども今回はこの人の顔を立てて見逃してやる。だけど、次同じことをしたらその時な?」

「あ、ああわかった!引くぞ!」

 そう言うと逃げて行った。

「んじゃ俺はこれで」

「そうかよ。またあったら一杯どうよ?」

「ああいいぜ」

 赤林と別れて市街地の方に歩いて行った。

 

 ……う?ここはって騒がしいな。ん?ここはどこだ?アナグラじゃないし、それに建物が廃墟じゃない?極東、アメリカなのか?けどアジア系がいるだから極東なのか?

 まあちょっとの間我慢してくれ。焔、氷華。

 標識やら看板などが日本語で書かれているから極東に間違いないな。つうことはここって過去の世界なのか?

 アラガミに滅ばされる前の極東が日本って言われていたからな。

 とにかく情報だ。食いもんなんてどうにかなる。

「そこの君」

「うん?俺か?どうした?」

「いやさ。こんな場所にいるからね道に迷ったの?」

「そうと言えるな」

「どっちよ」

「すまない。ここはどこだ?」

「ここ?ここは池袋」

 池袋か。完全に過去の世界だな。本当のことをしゃべってみるか。

「信じてもらえないだろうが俺は未来から来た者だ。信じてもら「未来から!?どうりでわからないわけだ」えないだろうって、へ?」

「未来からね。驚きはしないと思ったけど本当に」

「あのう?」

「あ、ごめんごめん。信じるよ君が未来から来た事」

「ありがたい。俺は五反田弾。貴方は?」

「私?私は龍間クロノ。さて弾くんどこかで休もう。ここじゃあ落ち着けないだろ?」

「ああ。すまない」

 

 どうやら天影の世界に着いたようだな。さてここは……ふむ池袋か。

 問題は拠点がないことだな。金はあるからどこかのアパートを借りて住むしかないな。

『バゴオオン!』

 爆発音!?ち、ショッカーか!?場所は町の中かよ!来てすぐ、戦いなんて己ショッッッッカァァァァ!

 

 池袋の中心、六十階通りの遥か上。上空で激しい空中戦が行われていた。

 一機はテンペスタのカスタマイズ。もう一機はかつてX星人襲来の時出現した黒龍に似た機体。

「何なのよ!?」

 先ほど仲間がいたのだが全部叩き落された。

「男がISに乗るなんてありえない!?」

『遺言はそれだけか?それと俺の目の前でISをみせんじゃねえ!』

 黒い剣でテンペスタカスタムを斬り壊した。

『それとこれは鎧だ』

 黒い鎧は飛び去ってしまった。

 地上に落ちたテンペスタカスタムの操縦者は目の前にいる男に助けを求めた。

「た、助けなさいそこの男」

 男は手を伸ばして助けたと思ったら、女の首を噛みついた。

「な、なに…する…の…よ…」

「うまかったぜあんたの血」

 男は女を放り投げて立ち去ろうとし時、前から一台のバイクがきた。

「あんたファンガイアだな」

「お前は?」

「ただの復讐者さ」

「ならお前の命くれよ」

 男はステンドグラスが体に写ると、姿がサイのような怪人になった。

「死ぬ前に一つ」

「なんだ?」

「ショッカーって知っているか?」

「知っているも何もその組織の一員だ!」

「そうか。なら『カメンライド』大丈夫だな、変身!『ディロード!』」

 黒と黄色が特徴のライダー。ただの復讐者、仮面ライダーディロード。

 ライノセラスファンガイアが突撃してきた。ディロードは冷静にカードを取り出してディロードライバーに入れた。

『アタックライドナックル!』

 ディロードの両こぶしに黄色のエフェクトが纏わり、ファイティングポーズをとって迎え撃つ準備をしていた。

 ディロードはライノセラスファンガイアの突撃を避け、顔面に一発殴った。怯んだ隙にもう一発、また一発と殴りまくった。そしてライノセラスファンガイアの角をへし折った。

「うおおお!?き、貴様!」

 がむしゃらに突撃してきたライノセラスファンガイアを見て、ディロードはカードを取り出した。

「これで終わりだ」

『ファイナルアタックライドディディディディロード!』

 十枚の黄色のエフェクトを潜り抜けて、ライノセラスファンガイアの顔面を殴った。そして、左拳のアッパーで殴り飛ばした。

「グオオオオオ!?」

 空中でガラスが壊れた音がした。

「フン弱いな」

 ディロードは変身を解き、バイクにまたがり立ち去った。

 弾とクロノは近くの店に行こうとした時、一台のバイクの持ち主とマントを包まれた男がケンカしていた。

「だからなんでここにいるんだよ!」

「知るか!お前こそなんで!」

「依頼だよ!」

 弾は見たことある二人を見て疲れてしまった。

「龍間さん早く店に入りましょう」

「そうね。こっちよ」

 マントの男が弾に気付き、近づいてきた。

「お前弾だよな?」

「人違いです」

 そこへバイクの主現れて。

「弾だな。お前もきていたのか?」

「知りません」

「じゃあ手に握っている神機はなんだ?」

 弾は慌てて両方の手を見た。しかし何も握っていなかった。

「神機握ってねえよ一夏、数馬!」

「うそだよ~ん!」

「やーい引っかかった引っかかった!」

 馬鹿にされた弾は切れて姿を変えた。

『お前ら死ぬ覚悟はデキタカ?』

「「ハハハ、上等だ!」」

 これが一夏、弾、数馬の再開であった。




 次回予告
 クラス代表戦から一段落着きたい秋二。しかしクラス対抗戦が一週間に控えていた。手強い相手が数多い中、妨害を受けてしまい負傷してしまった。その時代理にえ!?あの子が!?そして出番があるのか中国娘!?
 太平洋上に浮かぶ島、多田良島に謎の隕石が落ちてきた。その調査に国際防衛軍日本支部の隊員たちにピンチが来る。そのピンチを救ったのはパンツ一枚の青年だった。
 それと同時に謎の怪電波を受信し、その調査に進太郎が行くことになった。その場所に待ち受けていたものとは。
「私の出番!」
「わ、私が行きます!」
「こ、こいつ!?」
「「「「きゃああああああ!?」」」」
「待っていたぞウルトラマン!」
「見せてやる!俺とフォースの新しい力を!」
「もっともっと速くなってもいいか?」
 一学期騒乱第二部……と呼ぶべきか?


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番外編 妄・想・爆・発・!

 ちょうど一周年突破!皆さんまた一年よろしくお願いします。


呉「ここはどこだ?」

一「知らない空だ」

弾「いや天井だ!」

数「ああ。天然の天井だな!」

?「ようこそ死んだ世界戦線サードシーズンへ。歓迎するわ」

呉・一・弾・数「「「「死んだ世界戦線!?ってお前は誰だ!」」」」

?「私は中村ゆり。みんなからゆりっぺって言われているわ」

呉「そうか。これで三度目か死ぬの」

一「人生初の死。心境は?」

弾「残してきた妹が心配です」

数「地獄の人と戦ったけど、死んで死後の世界に来たのは始めてだな」

ゆ「話聞けやこらぁ!しかも順応するのはや!しかも死んだことあるんかい!」

呉「おう!しかしツッコミうまいな」

一「ちなみに死んだの初めて。死因は不明」

弾「はあ~生き返れないかな?」

数「くそ!神様と連絡着かない!」

ゆ「勝手に話を進めるな!」

?「お~いどうしたゆりっぺ?」

ゆ「日向くん聞いて。この人たちはな…し…をって日向くんが二人!?」

?「か、会長!?それに呉!」

呉「お、久しぶりだな那琉!」

日「って音無!?」

?「呼んだか日向?」

日「よ、音無。セカンドぶりだなって居たのか!?」

音「ああ。って言ってもさっき目覚めたからな。それに誰だこいつら?」

一「呉さんが二人!?」

数「まさかワームか!?」

弾「落ち着け。こうゆう時は円周率を出すんだ」

一「すまない。円周率ってなんだ?」

数「そこから!?」

ゆ「お前ら黙れ~~!いいから作戦本部に行くわよ!話は後よ!」

 

ゆ「ここが作戦本部よ」

音「変わらないな」

那「うちと変わらないな」

日「そうなのか?」

呉「ああ。俺なんて知らずにハンマーで吹っ飛ばされたぜ」

ゆ「貴方たち以外の人もいるからね」

音「そうなのか?」

日「ああ。俺様キャラとか、見た目が変態、とか色々な」

?「ゆりっぺの偽者め!」

?「貴様、俺のレオが偽者だって!表出ろや!」

?「上等だ。誰が上か思い知らせてやる」

?「だいたいお前の宣伝がだな」

?「だってよねえもん。そんな技術」

一「入りたくないな」

?「!……一夏の匂いが!」

弾「待っているな俺の妹たちが」

?「遅いねお兄ちゃん」

?「何しているのよロンゲ!」

数「入ると何かヤバい」

一・弾「「それはない」」

那「だけどこの懐かしい感じは」

?「レオちゃゃゃゃん!」

?「久しぶりねえっと……」

?「カエデです!」

?「カエデちゃんね!」

呉「どこだ?どこにいる、モスラ!」

?「呉!」

呉「モスラ!」

モ「やっと会えたね呉!」

呉「うん。よかった。本当に」

日「俺もユイに会いてぇな」

音「よかったあれじゃなくて」

ゆ「入るわよ!」

呉「あ、居たんだ」

?「あ、居たんだって、呉くん!?」

呉「久しぶり。レオ、バトラー、奴隷」

奴?「誰が奴隷じゃ!私の名前はカエデだ!」

呉「よろしくな偽者」

カ「引っ張るな!」

レ「どうしてここに?今までどこに行っていたのよ?」

呉「なぜかここにいた。それと帰省中+旅行かな?」

モ「旅行のレベルじゃないわよ。あれは」

レ「貴方は?」

モ「私はモスラ。呉の恋人よ」

レ「そうなの…って恋人!?呉くんいつできたの!?」

呉「最終決戦の時だな。詳しくは第一章の最終決戦を見ろ」

レ「ちゃっかり宣伝するな!」

弾「いたのか焔、氷華!?」

焔「いたよロンゲ!」

氷「おにいぃぃぃちゃゃゃゃゃん!」

弾「ゴホォ!?いきなり抱き着いてくるな氷華!」

一「マジ?」

?「……一夏みっけ」

一「ユウお前も来たのかよ。それにラインさん!」

ラ「お!一夏お前もきていたのかそれに弾と数馬も」

?「なに全員そろったことだし追加するか。全員体育館に集合な」

ゆ「いやあんた誰だ!?」

?「我は帝王。貴様らを呼んだ者だ。それと久しぶりだな呉」

呉「性格変わったな」

帝「番外編の進行役をもらえてな。待遇が良くなったんだ」

 

帝「あ~。では、第一回サバイバル鬼ごっこ開始する。ルール説明するぞ!鬼役と逃げ役を分けるぞ。捕まった逃げ役は体育館のステージを牢屋にするからそこに入れよ。一人でも多くいれば逃げ役の勝ち、全員捕まえれば鬼役の勝ちな。んで特別ルールで逃げ役は武器の所持をOKにする。ここまで質問は?」

呉「武器は何でもいいのか?」

帝「なんでもいい」

一「戦っても?」

帝「OKだ。鬼は逃げ役をタッチすればいいからな。自分からタッチは無効」

ラ「審判は俺と帝王それと焔、氷華。それと稲妻、ユキネ、ツキヨ」

数「殺してもOK?」

帝「OKだ。理由はここは死後の世界だからだ」

ラ「そんじゃ鬼役を発表するぞ。一夏、呉、弾、かなで、刀香、椎名の六名な。それじゃあ鬼のスタートは一分後全員逃げ切るように。よーいスタート!」

数「鬼ごっこってそもそもさっき紹介してない人結構いるんだけど」

ラ「なお、結構な人数なので減らします」

?「え?」

ラ「はっきり言ってグダグダになるんでキングクリムゾンで残り十分まで早送りします。閑話休題!」

 

一「逃がさないぞ織斑千冬!」

千「ふん。一夏お前がこうなった原因は私にあるが、ここは番外編だ。姉弟ケンカは後でだ」

一「まあいい。けどな何べん殺しても死なないからな。いいだろ別に」

千「変わったな」

一「ああ変わったさ。あの時からな」

千「来い白騎士!」

一「出番だミラハーツ!」

弾「ここにきてアラガミとか」

焔「いくらネタが尽きたからってバカでしょ作者!」

氷「お兄ちゃんとアクエリオン出来る」

弾「しないぞ!」

焔「いいから倒すぞ!」

数「ショッカーめ!いつからここに来た!」

帝「さっき呼んだ」

数「お前かよ!」

呉「本編に出る時の肩慣らしには、な」

ラ「さて、行くぞ!」

一・弾・数・呉・ラ「学園へ!」

 

タ「って夢を見たな」

ユ「独特だねその夢」

藍「ありそうね」

キ「で、結局何の話?」

秋「こんなIS学園は嫌だって話」



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宇宙からの帰還者

 報告、艦これでやっと二ステージ目が終わって初月がきました!


 国際防衛軍日本支部にあて先不明のメールが届いた。

「『今夜多数の隕石群が地球に向けて飛んできている。うそ偽りなく本当のことだ。うそだと思っているなら確かめてみたまえ』これが今届いたメール内容です」

「これは本当のことか紺野博士?」

「はい。ハタノと共に各国の支部に連絡を取り確認しました」

「そうか。隕石の着弾地点は?」

「太平洋沖の多田良島とその近隣の島々です。住民はいないです」

「避難勧告を日本政府経由で知らせ、我々は隕石の破壊を行う。あて先不明のメールだ。何かあるに違いない。もしかしたら日本政府と共同で行うかもしれないな」

 神田が日本政府に連絡を取りに行くと隊員たちはしゃべりだした。世間話やら流行の話など。

 進太郎はタツミから電話が掛かってきたので出ていた。

『父さん今いいか?』

「なんだい?」

『うん。シャルル・デュノアのことでね』

「その子がどうしたんだ?」

『キセツがその子が怪しいって言うんだ。生物の雄雌の判別得意だったよね?』

「ああ。その子の写真を見せてもらっても?」

『今送る』

 メールから届いた写真を見ると、集合写真だった。金髪の子がシャルルだとわかった進太郎は放送された映像と見比べてみると骨格の違いなどで女だと見破った。

「タツミはどう思う?」

『俺は女かな?』

「どうしてそう思う?」

『なんて言うか、妙に違和感を感じるんだ?なんか歩き方がなんていうか女に近い感じ』

 息子の洞察力に感心していると神田が戻ってきた。

「すまない。後で電話する」

『あ、うん』

 電話を切ると神田の方を見た。

「みんな今夜隕石群を大気圏で迎え撃つ。破片の方は日本政府と共同で行う。アリタ、ミズキ、クマノ、ハタケはブルーフレイム一号、二号で隕石の破壊。クマ、タマ、キタカミ、オオイ、キソは自衛隊IS部隊との共同だ」

「みんな行く前にこのカードを渡す」

 進太郎は三枚のカードを渡した。そこに描かれているのがベロクロンだった。隊員たちは残りのカードを見てみるとエレキングの他に赤い体に複数の目を持っている怪獣ガンQも描かれていた。

「このカードはバスターズカードスパークドールズの怪獣たちの力を入れたカードです。このカードは皆さんが持っているチェンジガンのカード読み取り機にスラッシュすれば使えます。ブルーフレイムにもポーンⅡでも使えるので安心してください」

「博士試しに使っても?」

「いいですよ」

 アリタが実践で使えるかためにし出ていった。それに続くように進太郎と神田以外出ていった。

 神田は進太郎に今回のことを聞いた。

「そうですね。明日受信した場所までいってみようと思います」

「大丈夫なのか?」

「ええ。その途中でIS学園によって三人に新しい武装を渡そうと思います」

「そうか」

 

 地球に向かっている隕石群の中に目を見張るほどの大きな隕石が一つとその後ろにUFO?みたいなものが来ていた。UFO?は回転しながら大きな隕石を壊そうと突進した。

 大きな隕石は突進を避けスピードを上げて地球へ向かった。UFO?は大きな隕石に向かって二つ火球を撃った。

 大きな隕石は二つの火球を軽々と避ける。避けられた二つの火球は緩いUカーブをしながら大きな隕石に当たった。

 その隕石から宇宙怪獣を出現した。

『ピギッ!』

 可愛らしい声を上げたと思うと隕石を操ってUFO?へ向けた。UFO?は回転して向かってくる隕石を壊した。そのまま宇宙怪獣へ突撃した。

『ピギィィィィイ!?』

 UFO?はそのまま宇宙怪獣の体を壊した。UFO?が通り過ぎた後、宇宙怪獣は爆発した。

 回転を止めたUFO?は遠くに見える地球を懐かしんでいるように見えた。

 

 宇宙空間ではブルーフレイム一号、二号が隕石群を待っていた。

 キクチから連絡が来た。

『隕石群が地球まであと五分。ブルーフレイム一号、二号発射準備をしてください』

「「『『(……)了解』』」」

 アリタの握る操縦レバーに汗が滴りだした。

 クマノは左手を閉じたり開いたりしていた。

 ミズキは目を瞑りながら操縦レバーを握った。

 ハタケは鼻歌を歌いながら待っていた。

 地上では隕石群の一群が来たことを地上部隊にも連絡していた。

『第一群来ます!』

「行くぞ!」

「『『(……)了解!』』」

 ブルーフレイム一号が後ろに下がりブルーフレイム二号が前に出た。

 ブルーフレイム二号はハタケが乱れ撃つ。その時の操縦はミズキ。戦闘機とは思えない機動で隕石群の中を進み、危険な隕石を破壊していった。むちゃくちゃな機動でもハタケは一発も外さず、的確にもろい部分を破壊していく。

 ブルーフレイム一号はまだ来ない第二群を撃っていた。距離は一万キロから撃っているクマノ。アリタは機体の安定のみ専念していた。

 ブルーフレイム一号二号で第一群を破壊。続いて第二群も破壊しので、帰還しようとしたら別の隕石が近づいてきた。

 だが、その隕石は他の隕石と違い早かった。しかも肉眼で見えるところまで来るとUFO?にも似ていた。

 ブルーフレイム一号二号は作戦本部に連絡を取り、UFO?と一応連絡を取ったがなかったため攻撃した。

 UFO?は素早い動きでブルーフレイム一号二号を通り過ぎた。追いかけようとしたが、活動限界を迎えたため追撃は断念した。

 隕石が落ちた場所は南極だった。

 宇宙怪獣の残骸は多田良島に落ちた。その日のうち多田良島では異変が起き始めていた。その異変を見ている一体の怪獣がいた。

 別の場所では一体の宇宙人が不気味に笑っていた。



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パーティ~四月二週目火曜日~

 サブタイの書き方こんな感じにしました。


 side織斑秋二

 クラス代表決定戦が終わった次の日、無事白式が戻り授業に出られた。

 かるーく白式のスペックを話すと。高速至近距離型で刀が無くなり、腕に着いた刃『雪片輪型』がある。ワンオフアビリティーが『零落白夜』。スピードが全ISの中で上位に入る。武装はないが、拡張領域がない。

 んで今飛行してんだが、早すぎて止まらない!

『何をしている!』

 織斑先生が叫んでいるが、ムリデェェェス!?

 だってこんなに早いと思わなかったもん!

 そろそろ止まらないとヤバ、吐く!?

『秋二くんスピードを弱めて!』

「む、無理!?」

 あんなところに地面が、も、もう限界。

 

 sideアルマ・ブラウン

 ヤバいわ!?秋二くん気を失いながらISを解除してしまったわ。早くいかないと。

「とどけぇぇぇぇ!」

 もう間に合わないと思ったその時、秋二くんが光り、白式を纏っていた。白式はそのまま着陸して解除された。

「織斑大丈夫か!?」

 急いで来た織斑先生と山田先生が秋二くんの容体を見ていた。

「気を失っているだけだが、保健室に連れていく。山田先生とブラウンで織斑を連れていけ。今日の授業は自習にする。全員教室に戻れ」

 私と山田先生は秋二くんを保健室に連れていくのだけど、篠ノ乃さんは私たちを睨んでいたんだけどやめてくれないかしら。

 

 side篠ノ乃箒

 何をしているんだ秋二の奴!たかがあの速さで気絶など軟弱な奴め。目が覚めたらその軟弱を叩きなおしてやる!

 それになぜ私じゃなくブラウンなんだ!幼馴染の私の方が適任なのに!なぜだ!

 まあ後で私と秋二がいっしょになる時間なんてたっぷりあるしな。

 

 この時篠ノ乃箒は知らなかった。秋二といっしょになる時間なんてあるはずがないということを。

 

 sideキセツ・ミューゼル

 屋上で寝ているとまた更識がきた。

「ここにいたのね?」

「なんだよカラ識会長」

「私をなにもないもののように呼ばないで!私は更識よ!」

「失礼噛みました」

「ちがうわざとよ」

「かみまみた」

「わざとじゃない!?」

「感じてました?」

「何を感じてたのよ!?」

「貴方の後ろにいるなにかを」

「ヒィイ!?」

「お嬢様私を見て驚いているのですか?」

「虚ちゃん!?」

「さあ行きますよ。生徒会室に」

「いやよ!私は「いいから行きますよ!」ハイ」

 なんだあれは?まあ少し寝るか。

 

 side更識刀奈

「虚ちゃんから見て彼はどう思う?」

「……得体の知らない何かを感じました」

「やっぱり?私もねそう思っているのよ。特にクラス代表決定戦の時、本気を出してないわね」

「報告した方がいいじゃないですか?」

「うん。そうね」

 

 side織斑秋二

 ん、ここは?保健室か?

「気付いたかバカ」

「織斑先生?」

「今はプライベートだ。普通に呼べ」

「千冬姉さん俺はどうしてここに?」

「ISの操縦のミスで気を失っていたんだ」

「そうなんだ。なあ千冬姉さん」

「なんだ秋二?」

「一夏のことどう思っている?」

「一夏か。今でも心配しているし生きていると思っている。お前がそんなことを言うなんてどうした?」

「うん。俺さ、一夏のこといじめていたんだ。あの日、消えてせいぜいしたと思ったんだ。だけど、なんか心のなかに穴が開いたような気がして、それが三年。この年になってもわからないんだ。どうすればいいかな?」

「…………」

「聞いてもわからないよね」

「私も言えるようなことがないが、私は一夏に謝りたい。今まですまないと、けど無理なのか?」

「…………」

「すまないな。お前の答えも言えなくて。けどこれだけは言いたい。一夏が目の前に出たらその時は、な」

「うん。それでね。まじめな話になるんだけど」

「なんだ?」

「篠ノ乃を別の部屋におくれませんか?」

「どうした?幼馴染だからいっしょにしたんだが駄目だったか?」

「思い切って、初日から木刀で頭を殴られて、次の朝も殴られて、それに下着とか無くなるから」

「それは本当か?」

「はい」

「わかった。部屋の荷物をすぐに纏めて寮長室に来い。いいな?」

「は、はい!?(なんか目が怖い!?)」

 

 その日篠ノ乃箒は織斑千冬に生徒指導室に入ったきり出ることがなかった。

 

 side食堂

「それじゃあ織斑秋二くんのクラス代表を祝ってかんぱ~い!」

「本人は来てないけど」

「…………。かんぱ~い!」

「いいの!?」

 シャルルが疑問に思って言ったが、女生徒は気にしないでそのまま続行した。

「けど残念だね秋二」

「授業中に気絶、それに同室の子が変態であり怪我までさしていたからな色々ごたついているな」

 ユウキが残念そうにいい、詳しいことを話すタツミ。

「そう言えばブラウンさんは?」

「あっちで三組のクラス代表と話しているよ」

 ユウキが指をさした先にブラウンと話すオルコットがいた。

「災難でしたね」

「そうだね。それよりセシリア、ちゃんとした料理はできないの?」

「も、申し訳ありません!あれから頑張って練習しているのですが」

「今度一緒に作ろうか」

「はい!」

 二人の会話は仲のいい姉妹みたいだった。

 そこへ眼鏡をかけた二年生の先輩が来た。

「はいは~い新聞部ですってあれ織斑くんは?」

「実はかくかくしかじか」

「なるほど。あとで聞くからいいかな。それより男性操縦者が一度に揃うなんて、写真何枚かいいかな?」

「いいですよってキセツは?」

「気分が悪いから抜けるって」

「そうなの?」

「じゃあ並んで」

 シャルルとキセツが並ぶと新聞部生徒がカメラを持ち撮っていく。

 3、4枚撮ると全員で撮った。

 

 IS学園玄関前。そこにツインテールの勝気な少女が立っていた。

「ここがIS学園。待っていなさい秋二」

 そう呟くと中に入っていった。

 その道中、聞き覚えのある怒鳴り声とキレのあるツッコミを聞いた。



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非通知

高速宇宙人スラン星人
登場!

※書き足しました。


 side紺野進太郎

 隕石群の襲来から数日。俺は謎のメールの送信先を助手のタカハシくんと探っていた。

 だが、探っても探っても送信先が見つからない。まるで地球ではない場所から送られている気分だ。

 休憩がてらに外に出ていた。謎のメール自体は研究、開発、解析チームがやっているから抜けだしてきた。本来の研究、スパークドールズのこともあるが、一応一段落したとおもっているが、バスターズカードの改良がある。その為少し忙しいのだ。

『進太郎少し根を詰め過ぎじゃないか?』

「俺もそう思う。けどな……」

『確かに私も気になる。しかし、時にはあきらめも肝心だ』

「そう…だな」

『進太郎電話だ』

 プライベート用の電話にかかってきた画面には非通知と書かれていた。

「だれからだ?もしもし?」

『紺野進太郎はお前か?』

「そうですが、誰ですか?」

『そうだな……Xと名乗っておこう。私が指定した場所に今すぐ来い』

「どうゆうことだ?」

『早く来ないとお前の大事な人が死ぬぞ』

「どういうことだ!っち、切りやがった」

 無機質に近い声。声を変えているのか?

『どうした進太郎?』

「フォースお前の力で今の電波特定できるか?」

『すまない。だがヤバいことなんだろ?』

「ああ」

 作戦本部に戻って休暇願を出して、研究室に戻り必要な物を取ってトライドロンで指定された場所に向かった。

 

 進太郎が向かっている場所は愛越市。

 愛越市はここ数年発展しだした都市。多くの理由は元愛越学園の場所にIS学園が出来たのが多くの理由だ。市街地から離れた高台には愛越市全体が眺められるので、デートスポットしても知名度が高い。

 愛越市街から離れた場所に異形の人型が二体いた。

 一体は暗い紫が基調とした生物。

 もう一体は明るい緑色を基調の機械。

「そろそろ観念するんだな」

 そう言ったのは緑色の機械だった。それに答えた紫の生物。

「何言ってやがる。この星にいるウルトラマンを囮に近い、奴をマックスをおびき出すために必要なんだ!」

「何言ってやがる?ウルトラマン?マックス?は!目の前にいる俺を倒してからにするんだな」

 緑色の機械は二本の鎌型の武器を構えて紫の生物に言った。

「そろそろ決めるぜ」

『クロックアップ!』

 腕から発した声の瞬間、目の前から消えた。紫の生物もついていくように消えた。

 周囲から金属がぶつかり合う音が何回も何回もした。

『クロックオーバー!』

 発した時、緑色の機械が立っていた。空中には紫の生物が飛んでいた。

「これで、『1、2』終わりだ『3!』ライダースラッシュ『ライダースラッシュ!』」

 腕の機械を押して、両腕に緑色の稲妻が鎌型武器に伝っていきながら、緑色の機械は空を飛んだ。空中にいる紫の生物を二本の鎌型武器で切り裂いた。緑色の機械が地面に着地すると、紫の生物は爆発して倒された。

「こんなものかな?」

「お見事です」

 木の陰から手を叩きながら男が出て来た。

「別にあんたでも倒せただろ?」

「ご冗談を。私みたいな科学者は争い事は苦手ですよ」

「どうだが?」

 冗談を言い合える中に見えるが、腕についていたカマキリのような機械が何処かにいくとそこから高校生ぐらいの少年が現れた。

「それで本当にくるのか?ウルトラマンは?」

「ええ、来ますよ。こないとこの星が滅ぶんですから」

 

 太平洋沖多田良島諸島。

 先日落ちて来た隕石の影響で封鎖されている。しかし、多田良島諸島には手つかずの自然が多く残されており、諸島だけの生き物たちが多く生きている。

 かつて、東京を火の海にしたゴジラもこの諸島の出身と言われている。

 しかし、先日落ちて来た隕石の影響で多田良島諸島には僅かであるが隕石が落ちてしまった。その調査のため多田良島諸島の領土内で先日の隕石の破壊をした日本支部の他、フィリピン支部、台湾支部、インドネシア支部で協力で調査をすることになった。

「しかし、また乗るとは思わなかった」

「先輩ちゃんとやってください」

「はいはい」

 アリタたちが乗っている航空機はスペースフレイム。宇宙空間を想定した航空機で瞬間スピードがブルーフレイムに劣る。しかし、圧倒的に硬い装甲、豊富な武装、まさに空飛ぶ戦艦と呼んでも過言じゃない。

 スペースフレイムには致命的な欠点があった。それは操縦する人がいない。いないというより、操縦できる人が限られている。スペースフレイムのような大型の航空機は小型の航空機を最低二年操縦しないといけない。さらに本部に赴き一年の教育課程をしてそれから操縦できるもの。多く言いたいことがあるが、大きな欠点と言うより問題がある。それが操縦したことがあるのが試験的なときだけ。その為操縦は今回で五回なるかどうか。

 アリタは数年前に試験運転を一、二回。ミズキは去年本部で操縦したばかりのひよっこだ。

「にしても、なかなかいい空間ですね」

「……元は輸送船だったから」

「詳しいねクマノさん」

「さっすが、クマノっち」

「そろそろ着くから席に座れ」

 全員座ったのを確認すると、スペースフレイムを降下した。

 青い海の上に多くの島々があった。その中央に大きく尖らせた山があった。

「ここが多田良島諸島」

 その光景に圧巻されたアリタたち。合流地点の岩ヶ島に着陸した。



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チャイナーガール~四月二週目水曜日~

 side秋二

 俺がいないときにあったパーティから次の朝。今までにない開放感に包まれていた。そう一人部屋がやっと来たんだ。篠ノ乃はどうしたって?決まっているだろ、独房にいる。

 清々しい気持ちで教室に来たんだが、なんだが騒がしい。

「どうしたんだこんなに騒いで?」

「織斑くんおはよう」

「おはよう」

「二組にね転校生が来たんだって」

「転校生?こんな時期に?」

「うん。それでね二組のクラス代表が変わったんだって」

「へえー」

「みんなおはよう」

「ブラウンさんおはよう」

「ああおはよう。なにかあったのか?」

「二組に転校生が来て、代表が変わったんだって」

「大丈夫でしょう?専用機は一組と三組だけの話だし」

「その情報古いよ!」

 声がする方に全員が向いたが、いなかった。

「あれいない?」

「いや声が」

「聞こえないの?」

 また声が聞こえた。俺は知っている。だから、あえて言わない。

「また~声が~」

「まさか幽霊!?」

「はあ~しょうがない。声がする方に来て」

 俺たち(俺は知っているが)はする方に歩いてみた。

「下を見なさい」

「うわぁ!?」

 クラス全員が驚いた。明らかに無かったからな色々。

「ったく~転校初日から苦労したわ」

「相変わらずだな」

「ええ」

「また消えた!?」

 全員が目を俺に向けた瞬間また消えた。

「面倒だからこのままいくわ」

 決めポーズをしながら紹介した。

「中国代表候補生、鳳鈴音(ファンリンイン)!宣戦布告しにきたってわけ!」

「鳳、影薄いな」

「う、うるさい!私は根暗キャラじゃないはずなのに、どうしていつも影薄いのよ!」

 自分の影の薄さを否定していると、後ろに鬼がいた。鬼は最強装備(出席簿)で鳳の頭を叩いた。

「ったぁ~、何すんの!」

「そこにいると邪魔だ。さっさと教室に戻れ」

「ち、千冬さ~ん!」

 クラス全員が口を開けたまま立ち尽くしていた。

 鳳が千冬姉さんに抱き着いた。泣きながら抱き着いていた。がっしりとホールドして抱き着いた。

 まあ抱いていたのは、山田先生だけど。

「学校では織斑先生だ。それといちいち抱き着くな」

「は、はい。秋二また来るから!」

 立ち尽くしている生徒全員にモグラ叩きのごとく頭を叩かれた。俺にも被害が!?

「織斑お前はいらないことを考えていただろ?全員座れ。大事な話がある」

 全員座ったのをみはらかって挨拶をした。

「おはよう諸君。早速だが、篠ノ乃について話すことがある」

 全員が何かを察した。理由がわかったからだろう。

「昨日篠ノ乃は織斑の生活に支障きたす問題が見受けられた為、一週間自室謹慎になった」

「それっと織斑くんに迷惑かけたのですか?」

「ああ。本人は事故で謝ったのだが、篠ノ乃は木刀で織斑の頭を殴っていた。しかも織斑の衣服が無くなるという始末まで出て来たからだ」

 酷いやサイテー、私もクンカクンカしたいなどって最後何言ってんだよ!?

「じゃあ小原さんは?」

「小原は明日まで来ない。それでは山田先生授業の方を……ふん!」

 山田先生も被害者に。

「はえ?」

「山田先生授業の方をお願いします」

「あ、はい。皆さん教科書を開いてください」

 

 sideユウキ

 兄ちゃんと食堂に向かっている途中、キセツとシャルルが前に歩いていたので誘ったんだけど。

「すまない。ちょっとシャルルと話したいことがあるから」

 断られてしまったから兄ちゃんと二人で食べていると騒いでいるテーブルの方を見てみると、秋二が見知らね女子生徒と話しているのを見つけた。

 どんな話かと聞いていると。

「だから悪かったってば」

「こんな場所で言うなんて信じられない!」

「許してくれ鳳」

「フギャー!?」

 どうやら痴話喧嘩みたいだね兄ちゃん。ん?兄ちゃん誰に掛けていたの?

「ん、父さんに。聞きたいことがあったから」

「どんなの?」

「ああ、人の骨について」

「ふ~ん」

「それよりユウキお前勉強しているか?」

「えっと、ね」

「帰ってからやるからな」

「そ、それは勘弁!?」

 

 sideタツミ

 あれから放課後に父さんから連絡が来た。

『すまないな。それでシャルルって子の話だな。お前が言っていることであっているぞ』

「じゃあ」

『明確な証拠はあるのか?』

「ないけど、地道に『やめておけ』どうして!?」

『学園側も知っているかもしれないし、お前は防衛軍の候補生だ。へんなことすると消されるぞ』

「お、おう。わかった」

『ユウキにもよろしく。じゃ』

 父さんがやめておけって言われても、やめない。もしも、俺たちに害になるんだったら、この手で葬らないといけないから。

 

 sideシャルル?

 キセツに呼ばれて屋上に来た僕。

 キセツの様子がおかしかったのは昼休みの時だった。やたら家族のこと、特に兄や姉、弟と妹がいるか聞いてきた。

 なんて言うか露骨に聞くからわかっちゃた。

「シャルル」

「早かったかな?」

「いいや。遅れた俺が悪い。単刀直入に聞く、お前は女だな?」

「どうしてそう思うの?」

「一つは男性にしては声が高いこと。別に声が高い男性もいるから確証じゃなかった。二つ目が体格。手を握ったとき、細いと感じた。そこも何かしらの問題があると思っていたが、確証ではなかった。三つめが匂い」

「匂い?」

「ああ。鼻が敏感過ぎて、僅かな匂いでも嗅いでしまう。シャルルの場合、女性独特の匂いがしたから」

「で、でもそれだけでわかるものなの?仮に男性で女性特有の匂いがする人もいるんじゃない?それと変態?」

「俺は変態じゃない。確かにそうだが、だが、シャルルには男性にはあるはずの匂いがしなかったからだ」

「それが決めて?」

「そうだ。これのお蔭でさっきのが確証に変わった。それと物的証拠がないと認めないとするならお前の衣服にあるんじゃないか?別に髪やらなんやらを採取して専門の機関に頼めばそれも証拠になる」

 キセツはどうだ?の顔をしているけど、それがどうしたの?IS学園にそんな機関あるどころか機械とかもないのに?

「なら、探してみれば?」

「ほ~う。なら、一つ試してみるか?」

「なにを?」

「簡単なことだ。今ここで脱げ」

「え?」

「どうした?男なら脱げるだろ?お前の体が傷や腫物があるくらいどうとない」

「っ!?」

 油断した。どうする?ここでばらして素直に言う?ダメだ!きっとなにかしようとする。どうすればいい!?

「まあいい。どうせ編入するときに明かすんじゃないのかシャルロット・デュノア?」

 どうして僕の名前を!?

「ただデュノア社のホームページに名前があったから言ってみたまでだ」

「…………」

「まあいい、俺は先に戻るよ」

 迂闊だった。警戒はするように言われていたけど、まさかここまでの人物とは。

 ねえ、どうする?お兄ちゃん?



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動く植物と青年

 皆さんお久しぶりです。報告はのちほど。


 岩ヶ島でミーティングをし終えたアリタたちは岩ヶ島を含めた多々良島本島周辺の調査を任された。

「さてと隕石落下現場に行くか」

「……ここから島中央までは約五キロだ」

「落下地点からだと二、三キロですね」

 四人は隕石の落下地点へ歩いた。

 ここで多々良島について話そう。多々良島は数少ない手付かずの自然が残されている島で、その奥には小さな祠が奉ってある。その祠の壁には僅かしか解読できていない謎の文字が書かれている。

 その祠に奉られているのは恐竜に似た生物の石像と石で作られた勾玉の二つ。

 それを発見した研究者はサンプルとして持っていこうとしたが、全く動かなかったのだ。一ミリも。

 さて、アリタたちは祠の近くまで歩いてきていた。そこでみた光景はあまりにも無残だった。

 隕石の余波で木々は倒れ、例の祠は無残に壊されていた。

「ひでぇな」

「…………」

「それよりも隕石のところへ行こうぜ」

 ハタケの発言に怒声を発したのはミズキだった。

「この惨状を見て、何言ってるのよ!?」

「おいおいそこまで怒らなくても」

「……そうだ。なってしまったものはしょうがない」

 その光景を見ていたアリタは、後ろから視線が刺さった。

 放り向いたが誰もいなかった。

 

 結局のところ二組に別れることにした。

 祠組ミズキ、ハタケ。隕石組アリタ、クマノ。

 ここで別れるのはキツいが、報告のためなので割りきった。

 

 隕石組のアリタとクマノは森を歩きながら隕石の落下地点を目指していた。

 アリタの頭のなかでは違うことがよぎっていた。

『あの視線はなんだった?人じゃないのは確かだ』

「……考え事か?」

「ん!?いや違う違う」

「……そうか」

 目的の場所に来た二人は早速調査を開始した。

 

 祠組として残ったミズキとハタケはとういうと……。

「ハタケちゃんと調査をしろ!」

「いいじゃねえかよそんなこと」

 喧嘩をしていた。

 そもそもハタケ自身がそんなのに興味を持っていなかったためである。

「そもそもこんなの写真と現状だけ記録すればいいだろ?」

「うっ!?だ、だって」

「俺にはそんなのわからないからミズキお前が全部やれよ」

「は!?」

「そんじゃ」

 ミズキ一人を残してどっかに消えたハタケ。

 ミズキは一人で黙々と調査をすることになった。

 

 ミズキと分かれたハタケはその周辺を回っていた。

 その近くに水辺があったのを発見した。嫌々ながらも水質検査を始めた。

 ふと顔を上げると、水辺の中央に大きなつぼみを発見した。その蕾は人の二倍の大きさである。

 早速ハタケは報告しようとその場を去ろうした時、頭上から何かが降ってきた。

「いて!?なんだ?」

 頭上から降ってきた物をよく見てみるとリンゴより大きくメロンより小さいオレンジ色の木の実だった。

 それを拾ったハタケはミズキのいるところに戻った。

 

「で、私が調査をしている間、あんたは何してたの?」

「だ~か~ら、さっき説明しただろ」

「信じられるわけないでしょ」

 ここに戻ってきた訳なのだが、信用してないらしく疑っているのだった。

「なら行こうぜ」

「仕方ないわね」

 さっき見つけた水辺いった。

 

 その頃、アリタ、クマノは隕石を調査しているとき、あるものを発見した。それは……。

「なぜ機械の残骸が?」

「……侵略者か?」

「だろうな。それに触ってみろ」

 クマノは隕石を触ってみると、暖かったのだ。しかも動く。

「……これって!?」

「ああ、タマゴだ」

「……どうする?」

「とりあえず、保護だな」

 そういうとタマゴを持っていこうとした時。

『ギャアアアアア!?』

「「!?」」

「今の声は!?」

「……アリタはここにいろ。どうやら」

「ああ」

 バスターガンを装備して二人のもとへ向かった。

『キャアアアアア!?』

 その数分後に女々しい叫び声が聞こえた。

 

 話を数分前に戻す。

 ミズキとハタケは水辺に来ていた。

「本当にあったのね」

「おいおい、信じていなかったのかよ」

 それよりも、とミズキは水辺の中央にある大きなつぼみを見ていた。

「あれは何?」

「さあな?」

「なら調べるわよ」

 そう言ったとき、つぼみがピンク色の花を咲かせたのだ。

「きれい」

「構えておけ。何か来るぞ」

「え?」

 そういうと花が起き上がったのだ。それはただ大きい花ではなかった。動くのだ。植物的な動きではない。動物的な動きだ。そして顔があったのだ。

「なにあれ」

「いいから、うぇ!?」

 ハタケの足をツタが掴み、投げ飛ばした。

「ギャアアアアア!?」

「ハタケー!?クッ!?」

 バスターガンを装備して撃った。しかし、聞いた様子はない。何回も何回も。

『シュルルル』

 そして、口から黄色液体を吐き出した。

 それを避けるとその場所は解けていた。

「溶解液!?ならこれで!」

『エレキングカッタースタンバイ!』

「当たれ!」

 バスターガンにエレキングのカードをスキャンして、エレキングが発射する攻撃に似たものを撃った。

 それがツタを切り落とした。

『シュロロロ!?』

 悲鳴を上げて、ツタを出鱈目に振り向け、ミズキに当たろうとした時、火球がツタどころか動く植物ごと焼き払った。

「大丈夫か?」

 そこにいたのは浅黒い肌をした青年。だが問題はその恰好だった。

「な、な、な!?」

「ん?ああ気にするな」

「き」

「き?」

「キャアアアアア!?」

 全裸である。




 仕事はまだ安定していません。今、休みなので投稿していこうと思います。
 シン・ゴジラは皆さん、見に行きましたか?俺は行きました。リフレッシュ兼ねて公開の次の日に行きました。
 え?書けてたって?それは言わないで!?


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夕暮れの廃校

暗殺宇宙人改造ナックル星人ツナギ
登場!

 すこしR-18に近いようで近くないそんな話があるので一応注意。


 ハタケとミズキの悲鳴を聞き現場に来てみたら、気絶しているハタケと赤面したミズキ、浅黒い肌をした全裸の青年がいた。

 この絵面がインパクトがありすぎて忘れていたが、水辺の中心辺りを燃えている。

「……何があった?」

「ん?あんたは?」

「……俺はクマノ。そこにいる二人の先輩隊員だ。お前は?」

「僕の名前は草薙アトス」

 

 場所は変わって藍越市の篠乃之神社。その場所に進太郎はいた。

 その場所から謎の怪電波が発信されていたことを知る。進んでいくとそこには古びた廃校があった。なかにはいる前に場所を確認しようとデバイスを見た時、画面にノイズが走っていた。

「フォ、フォースこれって!?」

『どうやら罠にかかってしまったようだな。危険はあるが中には入ろう。何か手がかりが見つかるハズだ』

 フォースの言葉にしたがって、進太郎は廃校に入っていった。それを見ていることを知らずに。

 中に入るといたってシンプルな木造造り、そう簡単に道には迷わないハズだが……

『おい進太郎何回同じところをぐるぐる回っているんだ!』

「いやちゃんと進んでいるんだけど!?」

『だったら何で上に行ったのに元の位置にいるんだ!?』

 フォースはなぜ進太郎が同じところを回っているのかを言っていたのだ。その事に気づいたのかすぐさま手がかりを探し始めた。

 今、進太郎がいるのは元の位置、生徒玄関にいる。中央に二階に行く階段、教室練がある右の道、職員室等がある左の道。

 先に左の道から行き、右から出たため繋がっている考えた。次に二階に上り、さっきと逆の道順で行くことにした。そしたら、さっきの元の位置にいた。

 そう、坂があるわけではないのに、ましてやワープ装置みたいなものは使っていない。

 ここで考えたのは薬物の摂取。薬物の煙を吸ったため一時的な催眠状態になったのだと考えた。だが、ここで大きなことが一つ、フォースの存在だ。フォースはフォースレットになっているためこれは効かないのだ。

 密室ならぬ、密校。

 いくら宇宙人の科学でもそれは出来ない。

「さて、どうする?」

『お前が追い詰められているんだ!?』

「そりゃ、後ろから人体模型の大群や勝手になるピアノ、あげくにトイレから青いつなぎの髪が長いおっさんが出てくるしまつ。つまりだ、学校の七不思議を体験しているんだよ」

『だったら早く始末しろ!?』

 進太郎は回し蹴りで後ろにいた人体模型を三体蹴り壊した。右見ても左見ても人体模型。進太郎は玄関へ走り出した。

「逃げるんだよー!」

 それを追いかける人体模型。さながらゾンビ映画に見える。

 進太郎を囲むように人体模型が溢れた。某将軍の成敗にも見える。

「さて、ヤるか」

 バスターガンにバニラのカードをスキャンした。

『アボラファイヤースタンバイ』

「ははははははっははっはははっはははははははっははははっは汚物は消毒だ!」

 バスターガンから火炎放射が人体模型を焼く。人体模型は素早い動きで進太郎に迫るが……。

「遅い、遅い!」

 蹴って後ろに飛ばす。そして燃やす。

「貧弱貧弱!」

 進太郎の周りは熔けたり真っ黒になった人体模型しかない。

 玄関にはあの青いつなぎが立っている。二つの意味で。

「ヤラナイカ?」

「だが、断る。ヤるのは俺だ!」

 

 決着は苦戦を仕入れれるものだった。その勝敗は進太郎の勝ちだった。

 説明するほど高度な戦い。シンプルに言うとなれば、進太郎のドリルが貫いた。

 その進太郎もボロボロで青いつなぎを見ていた。

「俺はやりたかったんだ。それがオレノイキルサガ。お前のナヲオシエテクレ」

「進太郎だ」

「進太郎、オレノネガイキイテクレナイカ?」

「……」

「俺に止めヲ」

「……ああ」

 進太郎はバスターガンを青いつなぎに向けた。そして撃った。青いつなぎは後悔していなかった。最高の(ライバル)に挿されることを誇りに思って。だが、いつまでも痛みが来なかった。音はなるのに。

「どうして挿さない!?」

「それが最高の戦いをしてくれたお前に対する礼儀だから」

 青いつなぎは泣き出した。泣きながら、自分の首しか動かないことを知るも泣いた。

「ありが、トウ」

 青いつなぎは止まった。進太郎は地球防衛軍の敬礼をしていた。自然となっていた。

 

 改造ナックル星人ツナギ死亡。敗因、ドリルで掘られ快楽死。

 

『進太郎、これはやめたほうがいいじゃないか?』

「しょうがないだろ。あれしか浮かばないし」

『だからって○○えもんの歌は駄目だろ!』

「しょうがないじゃん!月光だっけ?それがないならこれにしたんだよ」

 そう言うと進太郎はピアノの楽譜を○○えもんの歌に替えた。

 すると、音程のずれた曲になった。

「アンアンアン、とっても大好き○○えもん♪」

 二番の歌詞を言おうとしたら、言えなかった。

『進太郎どうした?』

「なんだっけ?そりゃ、ダメでしょう、か?」

『知るか!』

 思い出そうとしていると、誰かに肩を叩かれた。

「な、なあフォース?」

『な、なんだ進太郎?』

「もしかしてやバス?」

『ヤバスヤバス』

 振り替えると黄緑色をした機械怪人がいた。

『そこ、それ突撃、ですよ』

「あ、ご丁寧にどうもってあんた誰だ!?」

『仮面ライダー』

「仮面、ライダー?」

『早く来いこっちだ』

 仮面ライダーの案内のもと進太郎はいつの間に開いていた隠し部屋に向かった。




 昨日、君の名。を見に行ってきたんです。ラストで感動しました。

 それとツナギは以前登場しています。もしかしたら出番があるかも。


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怪我~四月二週目金曜日~

「と言うわけで、部屋を替わって」

 突然、鳳が俺の部屋に来た。

「なぜ?」

「そりゃ決まっているでしょ。千冬さんと住んでいるんだから、羨ましいのよ」

「だから変われと?」

「そうよ。因みに同室の子は金髪巨乳よ」

「……鳳、一旦整理しよ。鳳は千冬姉さんと寝たい。そのため俺は鳳の部屋で暮らす。そして同室の子は金髪巨乳」

「どうしたの?女の子と寝れるんだよ?」

「思春期真っ盛りの男女が寝るのはいささか問題があるに思えるんだが」

「気にしたら負けよ」

「いや気にするから!?」

 鳳が可笑しくなったのは前からか。って、原因ってあれでしょ!?千冬姉さんが鳳をシバクからこうなったんだろ。千冬姉さん責任とってくれ。

「ねえ、秋二覚えてる?私が酢豚が上手くなったら付き合ってくれる、って話」

「ああ、覚えているぜ」

「なら「しかし俺は悪い餃子がいいって言ったのを覚えているか?」え?」

「やっぱ知らないのか。酢豚より餃子が好きなんだ」

「初めて知ったわよ!?」

「それとお前が言った相手一夏だぜ」

「ッ!?知らないわよそれ!?」

「と言うわけで、部屋替えはなしだ」

「どうしてよ!?あそこで言う相手間違えたのよ私!?確かに似てるけど。秋二の優しいオーラを間違えたのよ。しかも何気に終わっているし」

「ハハハ、さあ鳳。就寝時間だ。おとなしく帰りやがれ」

「ええ。けど秋二。今度のクラス代表戦勝ったら千冬さんと同じ部屋、私と結婚前提のカップルよ」

「すんげぇ~、感情こもってないな。まあ俺が勝ったら1つ願い叶えてもらうが?」

「いいわよ。じぁあねぇ!」

 

 翌日。早速出られなくなりました。

 理由は事故。右足骨折、左腕骨折。あ、あと局部複雑骨折。

 遡ること。放課後。

 

「ブラウン行くぞ!」

「ええ、かかってきなさい!」

 今月から始まるクラス代表戦に向けて特訓を開始した秋二。その相手に選ばれたのがブラウンだった。

 クラウチングスタートの体勢の月兎のみでブラウンのところへ跳んだ。足のスラスターだけを吹かし回転蹴りを叩き込んだ。

 それをかわしたブラウンはスターブレイカーで撃った。それを見越してなのか足のスラスターを吹かしたまま下へ降りたふりをして、乱月を放つ。それをミサイルで防いだ。

「……」

「どうしました降参ですか?」

「いやなに、今から編み出した技を使う」

「してどうのような?」

 ただ立っているだけ。次の瞬間。

「……‼」

 バゴォォォォンと、後でぶつかった音が聞こえそこを向くとアリーナの壁へぶつかっていた秋二がいた。

 いやそれよりも驚くことはその速さ。いくら学園トップのスピードを持つ百式でもあの速さは異常。イグニッション・ブースト(瞬時加速)ぐらいはあった。いや、さらに高度な曲がる瞬時加速、リターンイグニッション・ブーストなるものを使った。違ったとしてもリボルバイグニッション・ブースト(多重瞬時加速)もあり得ない。それは秋二は素人だからと表してもわけないから。

「今のは一体……」

「歩行術駆燕」

「駆、燕?」

「本来、地面でやる移動術だがIS戦ように置き換えてみたが、ムズいな」

 そう言いながら、拳を構えた。

 ブラウンは四基のシールド・ビットを出した。

 先に動いたのは秋二。乱月を撃った。それをエネルギーアンブレラ共々かわす。次に構えたのは手刀の状態を引き締めていたから。何かを察知したのか四基のシールド・ビットを自分の目の前に出し、青いレーザーシールドを出現させた。それと同時にドンッと大きな音が響いた。

「乱月・棘」

「やりますね」

「ああ」

「ですが、これでチェックメイト」

 気づいた時には遅かった。秋二が縛られている。完全に油断していた。エネルギーアンブレラをさらに四基、計八基に増えていることに。

「このサイレント・ゼフィルスは八基のエネルギーアンブレラ、四基のシールド・ビットがあるの」

「クッ!?外れねえ!?」

「今から見せるのはティアーズ系の必殺技と言うべきでしょう」

 スターブレイカーの銃口に更に大きい銃口を取り付けた。その銃口に四基のエネルギーアンブレラが合体した。

「スターライトブレイカー。スターライトMarkⅡとスターブレイカーを合わせた特大武器よ」

 溜まると収束まで約十秒。秋二はまだ抜けられなかった。零落白夜を使っても、上手く斬れないように固定されていた。

 そして、視界は青白い光で包まれた。

 

「本当にすみませんでした!」

「いや気にしてないよ。二ヶ所だけだから一ヶ月くらいで治るから」

「そうでしょうか?」

「それよりも、アリーナのほうがすごいんだが」

「そうですね。まさかぶっつけ本番はダメですね」

「おいぃぃぃ!?試してからおこなえよ!?」

「それよりもどうします?」

「棄権するしかないか」

「しかし、棄権も些か問題が」

「代理にブラウンをと思ったが」

「一週間自宅謹慎ですし」

「小原に頼むか」

「それしかないでしょう。出ないよりは」

「お見舞いに来たわよ秋二」

「鳳か」

「あんたも災難ね」

「うるせぇ。お見舞いの品はないのか鳳くんよ」

「あんたのことだから、自分の仙豆でも食ってなさい」

「いや無いから。俺の豆は種だし」

「あの鳳さん、本当に姿見えないのだけど」

「もう慣れたわ。それに鈴でいいわ」

「では、鈴さん。私はこれで」

「じゃあな」

「ええ」

 

 クラス代表戦当日アリーナ控え室。

「何で私が」

「すまないな。俺たちのせいで」

「あんたはいいの?」

「何がだ?」

「暴言をはいた相手に頼むなんて」

「仕方ないさ。俺たちと戦ったのは小原しかいないからな」

「……とりあえず勝ってくるわ!見てなさい織斑!」

「小原千紗、打鉄出るわ!」



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水晶の背中

宇宙植物怪獣スフランショッキス
どくろ怪獣レッドキング
水晶怪獣クリスタルゴモラ
馬力怪獣ブロズドン
超古代守護怪獣ガメラ
登場!

 オリジナル怪獣の詳細は番外編で乗せます


 全裸騒動を納めて、全裸の青年草薙アトスに服を着せた。

「……君は何者なんだ?」

「何者って、海人?」

「いや、それはないでしょう。いつから住んでいるの?」

「来たのは昨日」

「覚えていることはあるか?あ、あと服な」

「おう。そうだな。俺は守護神!かな?」

「意味わからん」

「ピグ!」

「っているんですけど!?どちら様!?どこの怪獣様!?」

「ピグ!?ピグピグ!?」

「ああ泣ーかせた」

「ハタケが泣ーかせた」

「……取り上げず謝れハタケ」

「そうだそうだ」

「あんたらの方が可笑しい!?」

 その時、地面が揺れた。

「な、何だ!?」

「今すぐブルーフレイムの方へ」

「行くぞピグモン!」

「ピグピグ!」

 急いでブルーフレイムのところへ来ると、水辺の辺りから巨大な植物が現れた。

 その姿は植物怪獣と言っていいくらい獰猛な目と口。蔓は蛇のように見える。その見た目はギリシア神話のヒュドラに似ている。そして、花の部分には巨大な隕石がついていた。

「本部!こちらアリタ!多々良島本島から謎の植物怪獣が出現!至急応援を!」

『フィリピン支部、台湾支部、インドネシア支部至急現場に向かってくれ!』

『『『ラジャー!』』』

『隊長!奴の弱点は火と海水です!』

『なに。そうか。ブルーフレイムは一時離脱し「隊長別の怪獣出現!レッドキングとゴモラと思われる怪獣です!」なに!』

 突如、現れた怪獣に呆然とする。

 

 突然の出来事で頭が追い付いていない。

 一体は植物怪獣。

 体色が赤ではない黄色に近いレッドキング。

 青いクリスタルを体の至るところに出ているゴモラと思われる怪獣。

 三体のバトルが始まった。

 植物怪獣が蔦の口からは消化液を噴射。

 レッドキングは口から爆弾岩石を噴射して相殺した。

 ゴモラは普通に植物怪獣へと向かっていた。植物怪獣は蔓を伸ばしてゴモラを絞め殺そうとしたが、青く鋭い爪で無惨に切り落とされた。蔓はすぐに再生してゴモラへ向かおうとしたが、高く飛び上がったレッドキングが頭部に目掛けて鉄鎚打をする。隕石が一瞬の内に砕け散った。

 その時だった。レッドキングが砕いた隕石から太い蔓が出て来たのは。太い蔓はレッドキングを拘束して砕かれた口の中に引きずり込まれた。怪獣の中で強い力を持つレッドキングが抵抗を許さずに引き込まれた。

 薗中でも抵抗していたが、徐々に抵抗が弱まり、ついには止まった。そして、外からでもハッキリとわかる植物怪獣の皮膚からのレッドキングの肉体が無くなった。

『クキュルルルル』

 植物怪獣の次のターゲットはゴモラと思われる怪獣。

『グゴオォォォン!』

 ゴモラと思われる怪獣の低い威嚇を植物怪獣に向けた。

 植物怪獣の無数の触手はゴモラと思われる怪獣へ向けられた。ゴモラと思われる怪獣は大きく跳ねて身体を丸め空中で回転し始めた。無数の触手は回転ですべて潰された。ゴモラと思われる怪獣はそのまま植物怪獣へと回転攻撃を繰り出した。大きく弾き飛ばされた植物怪獣にゴモラと思われる怪獣は突撃した。植物怪獣は太い蔓を出してゴモラと思われる怪獣を拘束しようとしたが、それから赤と青のビームが阻止した。

「目標スフランショッキス。撃て!」

「……当てる!」

「避けるからちゃんと当てなさいよ」

「了解。使うっすよこいつを!」

『ベロクロンミサイルスタンバイ!』

 ハタケは弾着点を決めて撃った。

「いくぜ!当たれ!」

 ブルーフレイム2号から無数のミサイルがスフランショッキスへと放った。スフランショッキスはミサイルを触手で防ぐが、あまりの数に防げず食らった。

「よし!」

「このカードで止め!」

「こちらも」

「……ああ」

『アボラファイヤースタンバイ!』

『ジャッパ水流スタンバイ!』

「……狙い撃つ」

「焼かれろ!」

『グオォォオン!』

 ゴモラと思われる怪獣はスフランショッキスの胴体に自慢の角を突き付け、ブルーフレイム1号は青いレーザーを、2号は赤いレーザーを空から撃った。

 スフランショッキスを焼き、溶かした。

 最後はゴモラと思われる怪獣が海へと投げた。

『クキュルルルル!?』

 スフランショッキスは煙を出しながら溶けていった。

「終わったのか?」

「……たぶん」

「よっしゃ!」

 だが、ゴモラと思われる怪獣だけは戦闘体勢を解かなかった。

「アリタ!レーダーに地中から反応が!」

「怪獣か!」

「3、2、1来ます!」

『ガオォォォン!』

 地底から銅色をした怪獣が現れた。

「ブロズドン!」

「ブロズドンって?」

「シルバゴンの同族怪獣じゃなかったけ?」

「……やっかいだな」

『グゴオォォォン!』

 ゴモラと思われる怪獣はブロズドンへ突撃した。ブロズドンはずんっと構えて、ゴモラと思われる怪獣の突撃を受け止めた。そのまま放り投げた。

 地面に寝そべっているゴモラと思われる怪獣の尻尾を持つとジャイアントスイングして投げる。

『グオォォオン!?』

「っ!目標クリスタルゴモラの援護!」

「何言ってんだ!同士討ちした方がいいだろ!」

「ミズキ説明を」

「クリスタルゴモラいえ、水晶龍はここ多々良島の守り神的存在。水晶龍はこの島を守るために戦っているのよ。

 逆にブロズドンはここ多々良島を死の島にしたのよ。体から出す有毒ガスで。だから水晶龍は戦っているのよ。同じ過ちを犯さないためにね」

「……強化個体だな」

「ええ差し詰キングブロズドンって言えばいいかしら」

「と言うことだ」

「何だが知らねぇけど悪い怪獣じゃないんだな」

「あ、クリスタルゴモラが」

「いくぞ!」

 クリスタルゴモラの背中の水晶を砕いたキングブロズドンは口に毒ガスをためて、クリスタルゴモラへ吹こうとした時、空から火球が何発も降ってきた。

 空から岩がキングブロズドンを吹っ飛ばした。

 岩はクリスタルゴモラのとこまで来ると手足を出した。

『グオォォオン!』

 緑色のオーラをクリスタルゴモラへ送った。ゴモラは安心したのか眠りについた。

 その怪獣は黒い身体をしていてゴジラを思い出されるが姿は亀に近い。二足で立つ亀がいてたまるか!ってくらい見事なバランス感覚で立っている。

 そいつの名は……。

「ガメラ!?」

「ここに戻ってきたのか」

 地球が産み出した最後の守護神、ガメラが十数年ぶりに現れた。



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黒き斬撃

天才宇宙人ハイブロー星人シュタイン
宇宙凶険怪獣ケルビム
用心棒怪獣ブラックキング
頭脳星人チブル星人
登場!

 フォースの新武器と新フォームが出るよ。
 それとチブル星人は名前だけ。


 仮面ライダーと名乗った人?に連れられて隠し扉の中にある一室に来た。

 なんと言うか。

「やっぱのび○ザだろ」

『私は知らないが』

『俺が好きだからな』

「『お前か!?』」

 仮面ライダーは扉を開けると、社長などが座っている椅子に誰かが座っていた。

「やあ待っていたよ紺野博士。私はハイブロー星人のシュタインと言う。よろしく」

「改めて、俺は紺野進太郎。歓迎ありがとうございます」

 二人は握手した。

『って何気に平和的なっている!?』

『敵対の意思はないですから

「さて、君たちを呼んだのは私を匿ってもらいたいからだ」

「匿う?誰かに狙われているのか?」

「ああ、ディメションと呼ばれる私が昔いた組織。そこでは悪質な実験などに付き合わされていた。そこから嫌になって君が戦ったと言うか生きているツナギともう一人の宇宙人と一緒に抜け出したんだ。ここ地球に来て地球防衛軍に匿ってもらおうとしたが、ディメションの尖兵たちが来て別れて逃げたんだ。合流したのはツナギだけ。しかもツナギが大怪我をしてディメションの尖兵にかこまれたときに仮面ライダーマンティスに助けられた」

「そうか……もう一人は?」

 首を横に振り、わからないと言った。

『それで偶然ここに来たら廃校があったそこにシュタインを住まわせ暮らしていた。ちなみに自分も生活があるから毎日ってわけじゃないけど来ている』

「わかった。シュタイン俺の助手として雇えばいいな。俺より発明などの技術は上だし、地球防衛軍の研究職は高いノルマ必要とされていない。試験管は俺にすればいいし、姿も俺たちにそっくりだからな」

「いいのですか?」

「ああ」

「ありがとう紺野博士」

「いえ、貴方から色んな事を学ぶかもしれません」

『進太郎!怪獣が来るぞ!』

 突然、デバイスが揺れてフォースが声を発した。

「ウルトラマンフォースってことは知っているので存分に戦ってきてください」

「ああ、いくぞフォース!」

[フォース!フュージョンアップ!]

「フォ「おっとこれを!」ん!」

 突如、シュタインから四枚のカードを渡された。

「これは!」

「匿ってくれるお礼だ。受け取ってくれ!」

「ああ!」

「フォース!」

 

「さて、とやま『連れてきたぞ』ありがとう」

『なにツナギには世話になったし、ツナギなら俺の家で暮らせばいい』

「そう言ってくれると助かるフン!」

「アンビィィシャァン!?」

『さて、俺は外にいる連中たちをぶっ飛ばしてくる』

「頼むね」

[クロックアップ!]

 

 フォースは黒い身体をした頭の角が自慢な怪獣ブラックキングと青い身体の長い尻尾と爪、特徴的な耳の怪獣ケルビムが現れた。

「早速使うぜ!」

 銀色の長い棒が書かれたカードをフォースレットにかざした。

[フォース!ベターロッド!]

 現れたベターロッドを振り回し、両怪獣に突いた。

「いくぞ!」

『デュワシュ!』

『キュロン!キュロン!』

『グォォングォォン!』

 ベターロッドを使い、両怪獣と拮抗していた。ブラックキングの突進を巴投げの要領で投げ、ケルビムにぶつける。フォースはフォースラッカーを投げて追い討ちをかける。

 怪獣たちもただではやられない。ケルビムが長い尻尾を振り回してフォースに当てるがベターロッドで防ぎ、フォースラッカーで斬りつける。尻尾の先端を斬られたケルビムは火球を吐き、ブラックキングは熱線を吹いた。フォースはベターロッドで空中に飛び、それを回避した。そしてベターロッドにフォースラッカーを着けた。

『シュワサー』

 フォースラッカーに青い光が纏う。

「まず一体!」

[ガンダーアイスレーザースタンバイ!]

「『氷鬼百連撃(アイスオーガひゃくれんげき)』」

 三叉になった氷のベターランスをケルビムに突いた。連続の突きがケルビムに当たるたび凍りついてきて、最後は氷像ができた。そこへベターランスを叩きつけ粉々に砕いた。もちろん砕いた時にスパークドールズになった。残ったブラックキングも同じ技で倒そうとしたが、ベターランスを掴み、フォースの手から離した。

 格闘戦に持ち込んだブラックキングの猛虎が始まった。無理矢理つかんだブラックキングの足蹴りを食らったフォースはあまりの力に圧倒された。倒れたフォースの上に乗りマウントポジョンで殴りまくった。

 何回も殴られたフォースのエネルギータイマー赤に変わり活動限界が近づいてきた。

 ブラックキングの熱線を食らいそうになったが、ギリギリ押し退けてかわした。

「これで決める!」

[フォース!エッジブレイド!]

 黒い刀が現れた。そして……。

『なんだこの力は?』

「わからない、だけど」

『感じる』

「この力を!」

「『見せてやる!()フォース(進太郎)の新しい力を!』」

 黒いフォースのスパークドールズが出てきてそれをスキャンした。

[フォースチェンジ!フォースエッジ!]

 黒い身体に銀色が所々ある姿になった。

 ウルトラマンフォース、フォースエッジ。

「この一撃にすべてを!」

[エレキングサンダースタンバイ!]

 抜刀のように構えたフォースに突撃してきたブラックキング。

 すれ違い様にフォースは斬りつけた。

「『フォースサンダースラッシュ!』」

 胴体を斬られたブラックキングは倒された。スパークドールズに戻った。

『シュワ!』

 

 もとの姿になった進太郎はシュタインのとこへきた。

「行きなり本番で使うとは大したものだ」

「まあ、なんとかなったし」

『こちらも片付いた』

「では、行こうか」

「仮面ライダー君は?」

『俺はシュタインの護衛が終わった。ここでお別れだ』

「そうか。いつできな少年」

『!……そうするさ』

 三人と別れたマンティスは、ツナギを担いだ。

『いいのか別れても』

「ああ、地球での暮らしは長いから色々大丈夫だ」

『だな。少し待っていてくれどうやらお客が来たみたいだから』

「チブル星人か」

『行ってくる』

『もっともっと速くなってもいいか?答えは聞かないから』



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小原~五月一週目初日~

 織斑の代理で出ることになった訳だが、これでも日本代表候補生だから無様な負けは認められないわ。

「へー、秋二じゃないのね」

「ゆ、幽霊!?」

「失礼ね。いるわよここに!まあいいわ」

「棄権したいな」

「あんたのことは聞いたわ。この前のことを」

「私も反省はしているわ」

 カウントダウンが始まった。

「許さないわ絶対に」

 3

「別に。当事者じゃないあなたには言われたくない」

 2

「まあいいわ」

 1

「そうね」

 0

「「叩き潰す!」」

 

 試合しながらだけど、私の家族のことを話そうかな。

 母と今はいないけど父と姉と四人で暮らしていた。

 母は民人党の政治家でテレビにはでないけど、政界では有名な人物、父は重機企業の社長、姉はまあ日本代表候補生の試験には受かった。

 うん?私?それと言って……成績が下から数えた方が早いと言っておくわ。

 ISが登場してから変わった家族ではない。

 政府が変わってからなったと言えばいいかな?

 ISが登場して、モンド・グロッソが終わった頃かしら二回目の。

 織斑一夏殺害事件。これも有名じゃないかしら。いや、隠蔽されたから一部ね。

 その責任を母がとらされたのよ。言えば、織斑兄弟の護衛の任を母が命ぜられて、最高の護衛を用意した、はずだった。その護衛にテロリストが混ざっていたのよ。母は直ぐに救助隊を編成し、行った。

 それを阻止したのは、政府上層部。なぜかは知らないわ。メリットは織斑千冬に恩を売ることができたはず。それを阻止したのよ。

 さて、母はこれのせいで政治家を止めて、違う仕事をし始めた。

 父は女尊男卑の影響で、女性権利団体が企業を潰した。そのせいで父は多額の借金を背負い、母と離婚した。そして、死んだ。

 これだけでは、心は壊れなかった。父が死んだからって憎しみはなかった。苛立ちもなかった。母も生きているし大丈夫と思っていた。

 姉はまあ殺された。反女尊男卑の連中に殺された。

 これが私の家族のすべて。え?私のこと?そうね……舐められないように女尊男卑の女のようになった。

 いや、苛立っていたわ。母を潰した原因の織斑家は。

 父の企業を潰す原因にもなった篠ノ乃束。

 そして、こんな世の中にしたIS。

 憎んでいたわ。こんな世の中は潰したいわ。

 だからさ。死んでとは言わないわ。潰す。

 だからさ、憎い憎いIS、私に少しは力を貸してくんない?ただとは言わないわ。私のすべてをあげるわ。

 矛盾しているけど、それでも力がある方に寄り付かないと生きていけないのよ!

『イイネイイネ。ソウユウノヲマッテイタンダヨ。カシテアゲヨウ、チサ。コノオレ、番外コア666ノ力ノ一端ヲ!』

 

 打鉄が持つ焔備が甲龍を撃つ。甲龍は近接戦闘をするため接近をさせない。

「やるわね!」

 甲龍は双天牙月を持ち、打鉄に接近してきた。

 焔備をもう一丁増やし、弾幕を張った。

「はあああ!」

 双天牙月を合わせ、バトンを回すかのように弾幕を防いだ。打鉄を交代させながら、撃つ。

 その時、打鉄は何かに当たり、吹っ飛んだ。

「かはっ!?」

「ふふん!どう龍咆の威力は?」

 瞬時加速を使い、打鉄に接近した。分離した双天牙月を打鉄に斬りつけた。二丁の焔備で応戦するが、防せきれず連続で斬られる。さらに龍咆を撃たれ壁に飛ばされた。

「私の勝ちでs『狙われています!』!?」

 砂煙から赤い弾丸が甲龍の頭部に命中した。

「はあはあ!まだ終わってないわよ!」

 アンチマテリアルライフルのような武器、長距離射撃装備の撃鉄を構えた打鉄がいた。

「嘘でしょ!?」

「打鉄全身パージ!」

 打鉄は最低限の以外の装甲をすべて外した。

「葵、葵改!」

 それぞれ長さが違う刀型武器を出し、甲龍へ飛んだ。そしてさっきのお返しで連続で斬りつける。人間としての弱点である頭部と壊れそうな所を執拗に。

 甲龍は慌てて防ごうとしたが、先に手元を斬られ、双天牙月を落とした。徒手で迎えうとうとしたが、リーチの差で追い詰められる。龍咆で離れようとしたところへ葵、葵改が突き刺さり、龍咆が機能しなくなり、新たな葵、葵改で攻められる。

 打鉄は止めの踵落としを決める。

『試合終了!勝者小原千紗!』

 打鉄はコクピットヘ戻った。

 

「さっきの見たか?」

『ええバッチリ』

「この試合、相当波乱になるな」

『けど、希望は見えてきたんじゃなかしら?』

「違いね」

『秋二、この武装を次の試合で使って見てって言ってくれない?』

「いいぞ。丁度、来たところだしな」

 

「小原一回戦おめでとう」

「これぐらい大したことないわ」

「それで「おい小原!」織斑先生」

「どうしました?」

「貴様、学園の備品をいじるな!最初からそうゆう風にしろ!」

「ですが!」

「だが、よく勝ったな。次からは言うように」

「は、はい!」

「よかったな」

「う、うん。で、でも……」

「話はあとだ。打鉄の改造をするぞ」

「へ?」

「戦闘スタイルにISが合わないのは可笑しいだろ?だから次の試合までにカスタマイズする」

「別にそこまでしなくても」

「あのまま出るのか?」

「う!?」

「ほら行くぞ」

 

 その後、打鉄をカスタマイズしながらこの日は終わった。

 明日も試合に間に合うように、変えついに出来た。

「これが打鉄?」

「疑似三世代IS、仮設打鉄弐式」

「武装は?」

「葵、葵改が三本ずつ、焔備が一丁、撃鉄も一丁。あとは小型浮遊盾が四つ、その中に小雨という小刀が四本隠されている。乗り心地は?」

「最高よ」

「相手はセシリア・オルコット。機体はブルー・ティアーズ、サイレントゼフィルスと同じ機体だ」

「行けるわ」

「勝てよ」

「当たり前よ!」

『小原選手、準備お願いします』

「小原千紗、打鉄出るわ!」

 

「よろしくお願いしますね千紗さん」

「こちらこそセシリアさん」

『試合開始!』

『『未確認ISを確認!上部から攻撃来ます!』』

 両ISの警戒を聞いて、その場から離れるとピンク色の光線が地面を焼いた。

 光線が当たった所に黒い全身装甲のISが現れた。



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万の灯火

馬力怪獣キングブロズドン
水晶怪獣クリスタルゴモラ
超古代守護怪獣ガメラ
登場!


 アリタたちは目の前にいる二体の怪獣を見た。方は何百年前に多々良島を壊滅寸前に追い詰めたキングブロズドン、方は数十年前に突如出現したガメラ。

『ガオォォォォォン!』

『グォォォォォォォォン!』

 キングブロズドンは毒球を、ガメラはプラズマ火球を撃った。

 相討ちというわけでもなく、ガメラのプラズマ火球がキングブロズドンに直撃した。

『ガル!?』

 倒れこんだキングブロズドンへ再度プラズマ火球を撃った。何回も。何回も。

 その光景は圧倒的と言わざる終えない。

 ボロボロになりながらもキングブロズドンは立ちあがり、体中から紫色の煙を出した。

「奴め、勝てないからって自爆する気か!?」

「そんなことはさせない!ガメラ!?」

 いち早く動いたガメラはキングブロズドンへと突撃し、足のジェットでキングブロズドンを掴んだまま、空へ飛んだ。二体の姿が消え、アリタたちは空を見上げることしかできなかった。

 ガメラは掴んだキングブロズドンを放り投げて、プラズマ火球を撃とうとした。しかし、そのプラズマ火球は溜めているように見えた。

 そのプラズマ火球は大きかった。

 キングブロズドンが爆発しようとしたとき、プラズマ火球を撃った。

 プラズマ火球改めてハイ・プラズマに当たったキングブロズドンはあとかたなく四散した。

 倒したことを確認したガメラは地球へ帰還した。

 

「あれがガメラ?」

「強さが異常すぎないか!?」

「……圧倒的」

「…………」

「どうした?」

「ピグ?」

 黙りこんだミズキを見て、気になったアリタ。

「いえ、さあ帰りましょう」

「そうだなっと言いたいが、まだ調査が残っているから帰れない」

「そんなもんパッパっと終わらせてしまいましょうぜ!」

「……アトスは?」

「あそこだ!って乗らなかったんかい!?」

 浜辺で手を振っているアトスを見つけた。その後ろにクリスタルゴモラが立っていた。

 クリスタルゴモラはお辞儀しているみたいな姿で地中へ消えた。

「アトス~!大丈夫か!?」

「はい。守ってくれました水晶みたいな怪獣と亀の怪獣に」

「……よかった」

「すまない。俺が気づいていなかったから危険な目に遭わせてしまい」

「慣れっこなんで」

「しかし、君の素性を知らないからといって一般人を危険な目に遭わせてしまったことにはかわらない」

「固くならないでくださいよ。もし、罪悪感が拭えないなら僕に働き口をみつけてください」

「働き口?」

「はい。僕は世界中を旅をしていたのですが、そろそろお金が無くなくそうなので」

「うちで働く気はないか?」

 アリタは提案した。

「防衛軍で?」

「ああ」

「いいですか?」

「まあ、試験とか受からないといけないが、旅をしていたなら色々あるだろうし合格とか硬いはずだ」

「じゃあ、お願いします」

 

 Side草薙アトス

 こう言った視点は初めてです。

 まあお気付き方はいるかと思いますが、改めて。

 ガメラです。はい。

 今まで何をしていたかって?宇宙にいました!ウェエエエエエエエィ!?今日の僕は荒ぶりますよ!

 ではでは。4、50年前の話をダイキャストじゃなくて、宇宙にいってからのことを話しますよ!

 理由?そうですね……自意識過剰じゃないですが、強いです(笑)見たでしょうさっきの。弱すぎ(笑)

 いくら地中にいたからって鈍りすぎだろ。僕が来なかったら死んでいたよマジで。

 何万年の付き合いだよアイツとは。

 それじゃあ、ざっと百万年前の話をしよう。

 

 僕は今より小さい亀で5メーターくらいかな?

 アイツは3メーター。

 もう一人いるんだが、割愛な。

 この三人で世界中を回っていたんだよ。

 時には荒れ狂う海を僕の背中で進み、ある時はアイツの角で掘ったり、ある時はもう一人の胴体を使い、デカ物を凪ぎ払ったりとめっちゃくちゃにやっていた。

 あの頃が懐かしいな。

 しかし、別れは突然来た。

 もう一人が消えたのだ。現代風に言うなれば、失踪とか神隠しとか。

 僕とアイツは別れて探したんだが見つからず、途方にくれていたときに、『我が国で働かないか』と人の祖先の人にさそわれたわけ。

 もちろん、OKしてしまったわけよ。

 入って後悔したよ。ブラックどころか闇だよ闇。闇国と言ってもいいはず。

 僕はそこで働き害鳥退治していたときにアイツに会うけど、闇国崩壊。ヒャッハーなったんだけど、同時に寒いとこに強制冬眠。ふざけるなー!

 人のことを弄んで、あんなことやこんなことしたのに最後は放置プレイ。ドMじゃない!

 そして、4、50年前に目覚めたら、巨大化してた。

 ……わかる。何眼鏡探偵の逆バージョンって、美少女ないの!?

 そんで近くにあった大きな国に八つ当たりして、ネオアームストロングゴリラ咆みたいなものに捕まって、飛ばされて、色んな星を旅しましたよ。時には上司にしたい宇宙帝王と七つのベトベト玉をかけた戦いをしたり、時にはピンクのあくまと大食い勝負をしたり、またある時は暗黒卿と戦って新たな技を身に付けたりとしていたよ。

 ある時、モスラと名乗る怪獣から地球の危機と聞き、大紅蓮団よろしく亜空間ダイブをしてきたわけ。

 大変でした。あとは結果の通り。

「ついたぞ新人」

 おっと、ではここまでです。聞きたい人がいたらどんどん来てください。

「草薙アトスです。先輩方に追い付けるよう頑張ります」



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ゴーレム~五月一週目二日~

 投稿しました。久しぶりですよ久しぶりですよ。新作考えています。予告ができたら出すよ。


 黒い全身装甲ISは二人に向かって突撃してきた。

 二人は急いでその場を避けて距離を保った。

「なんですのあれは!?」

「少なくとも敵ですね」

『二人とも聞こえるか?』

「「織斑先生聞こえます」」

『目の前にいるのは無所属ISゴーレム』

「ゴーレム?」

『ああ。唯一わかったのは名前のみ。こいつが来たと同時にハッキングされた。この場のみだが、奴はアリーナのシールドを破る兵器を使うため、下手に動けない』

「人質を捕らえたってことですわね」

『教員たちが解除に専念する間、お前たち二人にはゴーレムの相手をしてもらう。異論は?』

「そうゆうことなら任せてください!」

『別働隊を今編集している。サポートに私と織斑が受け持つ』

『今出来た作戦を言う。小原が接近戦を主体にオルコットが援護。無理にやろうとするな。隙を見て、一撃を与える』

「その方が効率がいいですわ。異論はなくってよ」

「私も無いです」

『織斑は二人のサポートをしながら解析をしろ』

『わかりました』

 

『トップスピードで接近だ』

「やあぁぁぁぁぁ!」

『ビームが来るぞ。援護しろ』

「そこですわ!」

『シールドで防ぎつつ、攻撃をしろ』

「わかったわ!」

 織斑の指示はすごい。まるで実践慣れをしているようなもの。やり易い、その一言で済ませるぐらいのいい指示。本来は軍師とか参謀みたいなのが得意なのかしら?

『小原は一時後退、二人で五秒後に両腕を撃て』

 後退しながら撃鉄を出し、狙い撃った。

 貫通はしなかったが、今までより大きいダメージを与えたに違いない。

『よし、ゆっくりと接近しつつ攻撃をしろ』

 焔備を構えながらゴーレムに近づいた。撃てる体制でもあるし、援護も万全、そうおもった。

「え?腕がない」

 ゴーレムの両腕が無かったのだ。斬ったはずはないのに綺麗な断面が見えたのだ。

『小原上空からなにか来る……ッ!オルコットを守れ!』

 機が動転した私はすぐには動けなかった。動こうとした時にはセシリアさんは倒れていた。私の目の前に黒い物体が2つ接近していた。

「くっ!?なに!?」

 黒い物体はゴーレムの腕にくっつき、手になった。

『ろ、ロケットパンチだと!?』

「あんなのどう止めればいいのよ!?」

 2つのロケットパンチを避けながら、突破口を探すが中々見つからず、浮遊盾でビームを防いだがロケットパンチで壁にぶつかった。

「っ!?」

 ゴーレムは止めとばかりに千紗に向けてビームを撃った。

「あああああああああああ!?」

 煙が晴れるとボロボロの打鉄弐式。

『おい小原返事をしろ!』

 ゴーレムが一歩、二歩と進み打鉄を持ち上げ潰しにかかった。

 ミシミシと潰れる音が聞こえ、私は気絶した。

 

『ソレデイイノカ?』

 よくない。

『ナラタテ』

 でも……。

『アンシロ、ソノタメニ、ココニカイニュウシタ』

 カイニュウ?

『ナカマガクル』

 待って!名前は?

『ビースト、デハナ』

 

「……よ」

 ゴーレムは握る手を強めた。

「は……」

 ビームを収束し、

「離せよ!」

 ビームが発射される寸前に撃鉄を撃った。

 脱出した打鉄弐式は撃鉄を鈍器代わりにゴーレムを殴った。葵、葵・改を肩に足に腕にぶっ差した。浮遊盾を掴み、内蔵されている小雨を四本抜き、切り裂き始めた。

 それを見ていた秋二は考えた。

『(復活したのはいいが、あの力はなんだ?まるでなにかがついたような動き……動き?っ!?まさか、…………やはり)』

『小原後退だ!』

「潰す!」

『くっ!?いいから後退だ!これは命令だ!』

「うるさい」

『おい、おい小原返事をしろ!?ちっ、切りやがった』

『(またかよ。またなのかよ。俺から消えるのか?いや駄目だ。今度こそ、今度こそ)』

『織斑先生出ます』

『織斑貴様何言っている』

『ハッキングはした。それに』

『すまない』

 千冬は秋二を気絶させた。

『頼んだぞ』

『『了解』』

 

「ユウキいくぞ」

「いいけどさ、纏わなくていいの?」

「いいさ。それにそろそろ来るだろ」

「ふ~ん、うん。行こうか」

 紫を纏ったユウキはタツミを持って、アリーナへ高速で入っていった。

「離せ」

「うん。はああ!」

 マクアフィテルを出し、ゴーレムの足を切り裂いた。

「だれ?」

「僕はユウキ。救護できたんだ。休んでいなよ」

「いい」

「いいからいいから、もう厳しいでしょ。それに」

「インクルシオ!」

 秋二とは違う白い西洋甲冑が現れた。

「セヤァアアア!」

 ノインテーターをだし、ゴーレムの背中を二回切り裂いた。

「ユウキ、オルコットと小原を救助しここへこい」

「りょ~かい」

「だれ?」

「僕の自慢の兄ちゃん!さあ行こう!」

 ユウキは二人を助けて突入した穴から出てきた。それと入れ換えに藍色の機体が無数の弾丸を撃ってきた。

「ここはわたしが」

「援護お願いします」

「任せて」

 小原が与えたダメージがゴーレムにある。エネルギーは残りわずか、ここで勝負に出た。

 ノインテーターで邪魔な腕を叩き壊し、腹に蹴りを食らわせ、ノインテーターを投げた。投げたノインテーターをかわしたゴーレムだったが藍天からの銃撃で避けれずその場で立ち往生してしまった。そこへ上空から紫が来た。

「はあああ!や!」

 トップスピードで来た斬撃で胴体を斬られた。そこには人がいなくISコアがむき出しになった。

「や!せい!はああ!」

 そこへ11連撃の斬撃を胴体に叩き込んだ。受けたダメージがやっと来たのかようやく倒れた。

 ユウキがコアを抜き取り、動きが止まったことを確認した。

 

「ここは?」

「お、起きた起きた」

「あんたは?」

「僕はユウキ、紺野ユウキ」

「小原千紗よ。よろしく紺野さん」

「他人行儀だなユウキでいいのに」

「癖よ」

「ふ~ん。そうだちょっと待ってて」

 私は確かあの時、思い出せない。だけど、ビースト。これだけは忘れてはいけない。何か大切なものだから。

 

「山田くん解析の方はどうだい」

「あ、織斑先生。はい、やはり無所属で新しいコアでした」

「そうか。これは差し入れだ」

「ありがとうございます」

「解析頑張ってくれ。あと、連休入れて三日間休んでも大丈夫だ。と言うか休め」

「あ、ありがとうございます」

「では」

 新規のコアか。あいつなら知っているな。

『モスモスモスバーガー束さんだよ』

「単刀直入に言うぞ、貴様がゴーレムを送ったか?」

『束さんじゃないよそれは。そしてそのコアも』

「なに」

『それじゃあねおやすみブイブイ』

 謎が増えたな。私もそろそろ動く時期か。



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番外編 怪獣紹介&新作予告&次回予告

 今年最後かとではどうぞ!


「やあ、こんにちわ。俺は紺野進太郎。地球防衛隊日本支部で働いている科学者だ。これまで出て来た怪獣を紹介しようと思う。」

 

宇宙植物怪獣 グリーンスフラン

身長     100メートル(まだ成長するとされている)

体重     2.5万トン

出身地    不明

 

「宇宙植物怪獣グリーンソフラン。何処かの星から隕石に乗ってきた怪獣、元は種の状態で地球の環境で大きくなり肥大したと思われる。無数の蔓で生き物を捕らえ、頭にある大きな口で食べる。蔓や口から出す強酸性の噴射攻撃が得意だ」

 

馬力怪獣 ブロズドン

身長   65メートル

体重   8万トン

出身地  多田良島

 

「馬力怪獣ブロズドン。剛力怪獣シルバゴンの格下の同種怪獣。胴色の特徴な怪獣で口から有毒ガス攻撃が武器。しかし、今回登場したのは強化個体さしずめキングブロズドンと呼ぶ。こいつは体から常に毒ガスを出す。武器は口から出す毒の玉、ポイズンブラスト」

 

水晶怪獣 クリスタルゴモラ

身長   52メートル

体重   4万8千トン

出身地  多田良島

 

「水晶怪獣クリスタルゴモラ。古代怪獣ゴモラの亜種。億単位の歳月を地中の奥深くで寝ていた為、身体中に水晶が生えている。皮膚はものすごく硬く並みの攻撃は通さない。地中を掘り進むために角から出す超振動波と身体中から出す超振動波が武器。」

 

天才宇宙人 ハイブロー星人シュタイン

身長    1.7メートル

体重    55キロ

出身地   ハイブロー星

 

「天才宇宙人ハイブロー星人、名前はシュタイン。異次元世界征服組織ディメションに強制的に入っていたが、嫌になって友人とツナギと抜け出した。力はないが、頭がよく色々な兵器や発明をしている。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここからは予告を出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西暦2015年。

 魔術がまだ成立していた最後の時代。

 人理継続保障機関・カルデアに呼ばれた50人マスター候補の一人。

 この時代最後の神秘殺し、ゴーストハンター大空ライカ。

 給料と自身の修行の為に来たのだが、そこで待ち受けていたのは、人類史の滅亡。

 その回避のために、2004年のある都市の人理修復の際、謎の爆発が起き死んでしまったライカ。

 しかし目覚めると燃え盛る町にいた。

 

「なんだよなんなんだよ!?」

『GiーGAAAAAAAAAAAAAAA!』

 

 二名のマスターと後輩サーヴァントに助けられる。

 

「大丈夫ですか先輩?」

「あっちにも叫び声が!?」

「行こ!」

 

 原因を知っている現地のサーヴァント。

 

「いつの間にか聖杯戦争が変わっていた。セイバーを倒せば終わる」

 

 次々に倒れる中、ライカが立つ。

 

「行くぞ騎士王!」

「来い人間モドキ!」

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『開眼!オレゴースト!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!』

「この命散らせるもんなら散らしてみろ!」

 

 Fate/GhostOrder

 

 今、七つの聖杯を巡る旅が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにこれ?」

 何って新作ですが?

「おい何やっているんだよ!ただでさえ完結していない作品があるのによ!?」

 そう言うお前だって、作ってないじゃん!

「うぅ!俺の方は不定期だからいいんだよ!」

 帝王貴様とは雌雄決する時が来たな。

「言ってろ!今から潰す奴の名前を憶えておけ」

 

 次回予告

 ひと時の平和に浸る簪。しかし、その影は迫ってきていた。

 その影はここ池袋もを包み込むほどの大きさになる。

 IS学園では二人の転校生がやってきた。

 一人は千冬の教え子、もう一人はシャルルの妹!?

 そして、学年別トーナメントが始まった。

「簪ちゃん!」

「かんちゃん!」

「どうしているの!?」

「連れ戻しに来たのよ」

「戻るぞ簪」

「あんたら!」

「うちのバイトに手を出さないでもらえるか?」

「更識簪はもらった」

「お前と戦えることに嬉しく感じるぞ織斑秋二!」

「お兄ちゃん」

「ありがとシャル」

「しゅうじぃぃぃぃぃ!」

「これから見せるのは錬武法で新しく作られた建物内想定の技」

 一学期騒乱第三部

「ごめ、ん……かんざ、し……」

「イザナギ?イザナギィィィィィ!?」

 

 さて、今回の新作の話なのだが、あれは色々考えていたら作りたいと願望が出てきて書くことにした。

「公開は来年一日に出すと言っている」

 一応計画ではね。

「ちなみに性別は決めてないぞ。だからこの名前にしたんだ」

 軽ーく自己紹介させるか。

 

名前 地鎮ライカ

性別 不明

身長 172(男)155(女)

体重  60(男) 50(女)

年齢  22

 現代最後のゴーストハンター。暗い茶髪で肩より少し髪が長い。日本人の父とイギリス人の母のハーフ。幼い時に死徒に家族を殺されてたまたまそこにいた聖堂教会の代行者に助けられた。

 その後、ゴーストバスターの叔父のとこへ引き取られてその修行を受けた。

 高校卒業と共に世界中を旅をし始めた。数々の地で怪奇現象や死徒討伐等をしていくうちに《神秘殺し》と言われるようになった。

 22才の時、オルガマリーからカルデアでマスターをしないかと(強制的に)誘われた。

 一人口調は俺(男)、私(女)。

 どっかの侍が使っていた長い太刀、刀、古びたコンテンダー。

 

 こんな感じかな?

「なんか神秘殺しとか、ゴーストハンターとかなに?」

 なんとなく?

「次回も見てくれ。作者はこっちに来い」



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一日千秋

 あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。
 やっと武蔵出たよ!


 旧更識簪、現龍間簪、私がこの名前で名乗って約三カ月経つ。線引きはできたのかと言えば、経歴上は死んだとされる。けど、嘘だと思ってしまう私がいる。

 しかし、嘘とは思わない。思いたくない。一夏さんがいて、弾さんがいて、数馬さんがいて、クロノさんがいて、そしてイザナギがいる。この日常が嘘とは思わない。

 けど、そんな日々が一瞬で崩れ去るとは思わなかった。

 それが起きたのは6月のこと。

 その日はイザナギが日直で遅く帰る時だった。

 

「龍間さんはいます?」

「どうしたの園原さん?」

 園原杏里、彼女と知り合ったのはダラーズの集会以降のこと。その時は、ダラーズの話題が上がっていて誰もかも話していた。以前、ナンパしてきた人、記田くんがもう一人、竜ヶ峰くんと一緒に来たのが園原さん。なぜかはわからないけど、自分と似た雰囲気を感じて、私から会話して友達になった。

「校門でIS学園の制服の人が待っているよ」

 そう言われたので見てみると、タボタボの制服を着て人を当たりが良いマイペースそうな女子がいる。

「本音……」

「だ、大丈夫?」

「……うん」

 園原さんが心配している。

 大丈夫、もう過去は振り返らない。例え幼馴染でも、元従者でも。

「簪行くぞ」

「うん。園原さんまたね」

「それじゃあね龍間さん」

 イザナギと一緒に帰っている時、イザナギがさっきのことを聞いてきた。

「簪さっきのは?」

「私の従者って言えばいいかな?」

「従者?」

「そう……さっきその子が来ているって言っていた」

「近道して帰るか?」

「うん」

 イザナギは私の手を引っ張って外へ、そのままお姫さま抱っこされて塀を飛び越えた。ふぇ!?

「い、イザナギ!?」

「巻くならこう言うのがいいだろ?」

 本当にすごい。私が出来ないことを平然とやってのける。そこに痺れる!憧れる!

 ……コホン。

 イザナギの行動力は目をみはるものがある。私も真似をしたいくらい。けど、真似じゃなくて私と言う個人の行動力を持ちたい。

 私と言う存在が認められるようになりたい、そう思っていた。けど、違った。いえ、違うと思っていた。

 イザナギや数馬さんたちと生活していくうちに、私を見てくれる人がいるって気づかされた。幼少期に家であったのが再び見れた。嬉しかった。自分が一番欲しているものがまた手に入ったこと。

 だから、二度と無くしたくはない。

 それと同時に決めたことがある。

 更識との決別、そしてイザナギと共に歩むこと。

 長期休みの時でも戻って絶縁する。

 そして、イザナギと一緒に生きよう。初めてあった時は怖かった、憧れた。しかし、私は惹かれた。イザナギと言う男の子に。

「よっと、着いたぞ」

「うん。ありがとう」

 いつの間にか好きになっていた。

 

 アナグラ食堂の朝は早い。仕入れから仕込みまでの昼夜の準備で。

 朝早くから働き、夜まで働き詰めでいつ休むのか。

 彼らは疲労は感じなかった。

 今日の夜が無ければ。

 

「と言うわけで、更級宇宙さんだ」

「久しぶりね簪ちゃん」

 いつ子の二人を会わせるか、悩んだ悩んだ。二人の都合があわなかったとは言え、期間が空いたと感じた。

 俺と言う男が面倒くさいと思ったわけではない。

 言うなれば、邪魔者がいたと言うことだ。

「お姉ちゃん!?」

「この人が簪の」

「正確には従姉妹のね」

 更識家のことはくそ兎の話だと古くから日本にいる対暗部組織の家、国家を第一に考え、テロリストの襲撃を防ぎ、汚職や危険思考の人物の暗殺をする、時には国外へ行き日本に敵対する組織等も殺す。

 この家のせいでなかなか会わせることができなかった。

 そこで同盟組織の亡国に会談しても問題なく、襲撃されても問題ない店を紹介してもらった。(脅してないから)

 やっと日程を組んでここまで来た。

「さて、俺らは外にいるから何かあったら呼んでくれ」

 舞台は整った。あとは、決着が着くのを待つだけ。

 

 数ヵ月前、簪ちゃんが消えたあの日。私は後悔していた。側にいれたとは言えない。ただ、気にかけることはで来たはず。なのに、あの時、あの時私が気付いていればならなかったはず。

 また大切な人が消えた。そう思っていた。

 しかし、そうならなかったわけはただの勘。

 偶然にも幼少期にあった男の子と同じ名前の人と知り合い、偶然にも簪ちゃんの名前を聞き、今日の会談で話すことができる。

「久しぶりね」

「うん宇宙お姉ちゃんも久しぶり」

「元気そうで良かった」

「それで何しに来たの?」

「お話ししに来たの」

「お話し?」

「簪ちゃん私はあなたを連れ戻しに来た訳じゃないわ。あなたに今の生活はどう?って聞きに来た」

「楽しめているよ。友達が出来たり、勉強やアルバイトは大変だけど楽しく過ごせている」

「良かった~。で、隣にいたの彼氏かな?」

 顔を赤くした。

「ち、違うよ!?」

 違うけど、好きなのね。

「そ、そう言う宇宙お姉ちゃんは一夏さんのことじろじろ見ていたよね?」

 それを聞いて、反論した。

「にゃ、にゃにを言ってるのか、わ、ワカラニャイニャ!?」

「呂律回ってないよ」

 はう。

「好きとは言えなくはないけど、気になっているのよ。前話したかと思うけど、似ているのよあの男の子に」

「だったら聞いてみたらいいのに」

「聞いてみたよ。知らないと言われた」

 聞いてみた。はぐらかせたけど、まだ確信は持てていない。

「そうだ!アルバイト!そうアルバイトはどんな感じ?」

「さっき話したと思うけど?」

「詳しく」

「話をそらしたよね?」

 焦らせようとしたとき、扉の外から爆発音が聞こえた。

「な、なに!?」

「簪ちゃん後ろに!」

 扉が開き、黒服の男たちが現れて、私たちへ来ようとしたとき。

「なに、いこうとしているだ?」

 黒服の男たちが止まり、後ろから一夏さんの声が聞こえた。

「質問、お前らは俗に言う身内殺しか?」

「そうだ!」

 男が行った瞬間、全員床に伏せられた。

「貴様らの目の前にいるものに対して無礼!」

 ここからでもわかる殺気が肌に響く。人の殺気じゃない生物の、それも頂点にたつ威圧だと思う。

「おぅりゃあああ!」

 人が投げられてきた一人は女。

「刀奈様!?」

「見つけたわ簪ちやあああああ、ガハ!?」

 女性が出してはいけない声と共に壁にぶつかる。

「もういっちょおおおおお!」

「見つけたぞ簪いいいいい!?」

 今度は楯無様ですか!?しかも、天井ぶつかり落ちてきたところへ。

「ライダー、キック!」

 イザナギくんに蹴られ、起き上がった刀奈様と共に壁へ。

「どういうこと?」

 私が聞きたい!



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転入~五月三週目一日~

 六月に差し掛かる頃、俺の腕と足が治った。

 全力で気を回したお陰で一ヶ月弱で治せた。

 さて、良いお知らせと悪いお知らせどちらを話そうか?

 悪い話から。篠乃之が自室謹慎が解けて、ちょっかい出してきたこと。俺よりもブラウンや小原が標的なので、殺気を飛ばしている。

 良い話は、篠乃之と同室じゃなくなった。つまり、THE☆一人部屋。

 本当はミューゼルと一緒になるはずだったけど、生徒会長の陰謀?でなくなった。(生徒会長権限よ!)

 そして、驚く出来事があった。それは。

「シャルロット・デュノアです。改めて、よろしくお願いします」

 シャルルじゃなくてシャルロット。うん、原作通り、のはずでした。

「僕がシャルル・デュノア。シャル共々よろしく」

 お兄ちゃん登場ですよ。……ええ、言いたいことはわかる。

 原作はどこ行った!崩壊一歩?手前がギリギリだよ!

 しかも、原作男装シャルロットよりイケメンですよ!なに、このイケメン王子様!惚れるわ!男だけど。

「身代わりか」

「そうだよ、ごめんねキセツ」

「いいさ。それに気づいていたやつもいるだろ?」

「骨格云々が違っていたから」

「気が女だった」

「盗撮したのよ」

「いつからいた武家屋敷」

「私の家は確かに武家屋敷屋敷だけど、苗字は更識よ!」

「失礼噛みました」

「違うわざとよ」

「かみまみた!」

「わざとじゃない!?」

「カミングアウトしろよ」

「何を!?」

「家のことを」

 更識会長とミューゼルのコントが続きそうなので、もう一人の転校生を紹介しよう。

 

 ~回想~

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツでシュヴァルツェ・ハーゼの隊長をしている。父と副隊長の影響で日本文化が好きだ。よろしく頼む」

 ラウラが着た。性格が軟化しており、隊長の雰囲気が出ていない。

 俺のところに着た。原作通りぶたれるのか?

 バシッと机を置かれた。よく見ると、果たし状と書かれた手紙があった。

「織斑秋二、貴様に決闘を申し込む!放課後、第四アリーナで待つ」

 ~回想終了~

 

 それで放課後。

 デュノア兄妹の暴露更識会長とミューゼルのコントで時間が潰れていたが、ボーデヴィッヒが現れたのでカタパルトにセットした。

「織斑秋二、白式出る!」

 アリーナの中心に黒いIS、シュヴァルツェア・レーゲンに乗るボーデヴィッヒが立って、プライベートチャンネルを出してきた。

「来たか織斑秋二」

「果たし状の内容はなんだよ?」

「見ていないのか?」

「『織斑秋二、貴様に決闘を申し込む』しか書かれていないが?」

「ふん、まあいい。理由は織斑先生否、織斑教官を再びドイツで働いてもらうため、教官の弟である貴様に挑めば我がドイツのIS科学は世界一と言わせることが出きるからな」

「ごめん、理解できない」

「教官は日本のIS技術と科学は合わない。だから、我がドイツに向かいいれるわけだ」

「つまり、日本文化は好きだが、日本のIS技術と科学は好きになれないので、日本のISである白式対シュヴァルツェア・レーゲンを戦わせて勝てば引抜き、負ければ諦めると言うわけか」

「貴様はSFの塊と聞いたからな」

「サイエンスフィクション?」

「否、ストリートファイター」

「俺そんな呼び名になっている!?」

「他には李氏の再来(鳳)、百八煩悩(紺野妹)、島風(ミューゼル)など」

「……因みに誰が言っていた?」

「新聞部だが?」

「……委員長、後でO☆HS☆NA☆SHIですよ」

『えー、それでは織斑秋二VSラウラ・ボーデヴィッヒの模擬戦闘を行います』

 お互い武器を構え、スタートの合図を待つ。

『3』

「本当に武器を構えないのだな」

『2』

「俺のことを調べてきたんだな」

『1、始め!』

 右肩にあるレールカノンを3発撃つが、秋二は余裕でかわした。秋二は輪月、輪月・棘を放つが、プラズマ手刀で斬る。

 ワイヤーブレードで四方を攻めてみるが、綺麗に手刀で斬られた。輪月、乱月の混合技で攻めてみたら、ワイヤーブレードを円を描くようにして、それを防ぎつつ、プラズマ手刀で斬る。

「ふん!」

 クラウチングスタートの体制で月兎を出そうとしたら、ボーデヴィッヒは避けないで構えている。

 秋二は一応用心して、月兎を出す。

「!?」

 嫌な予感がした。出てから気づいた。それは注意しないといけないほど目には見えない透明な何かがボーデヴィッヒの手から出ていた。しかし、勢いは止まらない、なら!

「駆燕!」

 一気に曲げた。そのままボーデヴィッヒの後ろに行き、瞬時加速(イグニッションブースト)で攻撃をした。

「甘いな」

 突如、俺は止められた。あと一歩のなのに、破れなかったか。

「AICか」

「どうする降参するか?」

「まさかと言いたいが、そうする。だけど、今度こそ破るぜ」

「かかってこい」

 こうして、ボーデヴィッヒとの果たし合いは終わった。因みにお互い僅なダメージと運動エネルギーしかエネルギーしか消費しなかった。

 

 sideボーデヴィッヒ

 さすがと言ったところか。今のIS戦では白兵戦は無用のものと言われている。(一部例外はいる)しかし、ヤツは己が鍛えた武術と短いながらも覚えたIS戦闘の基本と応用を使い私を攻めに着た。

 最後はリタイアしたが、この際教官のことは三年間だけ保留して改めて決着をつけるとするか。

 夕食を食べに食堂へ向かっているとなにやら騒がしいな。

「秋二貴様なぜ言わなかった!」

「だって年若い男女の相部屋は駄目だろ?」

「そうゆうことではない!私とは嫌なのか!」

「うん」

「っ!?バカ者!もう知らない!」

 篠乃之箒だな。織斑め、女を泣かせるのは些かどうかしているな。こっちに着たが、私に止める資格はない。

「織斑」

「ボーデヴィッヒか、飯か?」

「ああ。先程のはダメだ」

「そういってもな、アイツは幼馴染だとか私と付き合えとか無理強いをしてくるから嫌だ」

「だけど」

「暴力を振るわれてでも?」

「どうゆうことだ?」

「お前が来る前に木刀でやられたり、無理やり剣道をやらされたりと」

「それは」

「それでも優しくと言われても、もう無理だ。ま、この話は忘れて飯食べよう」

 どうやら少し聞かないといけないな。織斑と篠乃之の関係を。



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一家眷属

 今回はデュラララ!!サイドで簪目線


 家族とは、婚姻によって結びつけられている夫婦、およびその夫婦と血縁関係のある人々で、ひとつのまとまりを形成した集団のこと。夫婦、血縁、親族、人間関係などある。単一家族や核家族、劇場家族などがある。

 と、某辞典から見た物だが、俺からしたら俺が家族と思う者が家族だと思う。稲妻しかいないけど。だから、大事だ。親として当たり前の感情だ。

 さて、俺が見ている家族たちの話になる。

 

 龍間簪。前にも話したけど元の家族とは縁を切った。正式な縁切りはしていない。

 まだ、家族として迎えてくれたクロノさんには感謝しきれない恩がある。だけど、この人たちはこう言ってきた。

 「簪お前の家族は俺たちだ」今さら家族顔するな!どれだけ傷付いたのかわかる!?唯一信じていた人たちに裏切られた気持ちも知らないで!

 「戻ってきてこの人たちはあなたを不幸にするわ」そっちこそ何言っているのよ!一夏さんたちを悪く言うな!あんたらに言うわそんなの!

「ねえ、簪ちゃん戻りたくないんだよね?」

 宇宙お姉ちゃんはわかっている。私の気持ちを理解して。だから、言う。

「うん。あなたたちとは今後一切関わりたくないのでこないでください」

 刃いえ、楯無は息を吐いて発した。

「……この方法はしたくなかったが、殺れ」

 天上、扉からマスカレードドーパントが出てきて、私たちを囲んだ。

 楯無はロストドライバーを着けてメモリを出した。

「変身」

〈Scull!〉

 骸骨をモチーフにした戦士、仮面ライダースカルと言うかな。

「まあ、わかっていたし」

 一夏さんは黒塗りのナイフを構えて、

「そうだよな、けどまあ」

 一枚のカードをディロードライバーにセットして、

「こんなにいるし、久しぶり喰うか」

「そうだねお兄ちゃん」

「早く出しなさいよこのバカ兄!」

 氷華ちゃんと焔ちゃんを出て、二人の頭を撫でる弾さん。

「簪俺の後ろに」

 戦極ドライバーを着けて、フィフティーンロックシードを構えて、

「殺れ!」

「「変身」」

〈カメンライドディロード!〉

〈フィフティーン!ロック・オン!〉

 楯無と数馬さん、イザナギの声で乱戦が始まった。

 一夏さんが持ち前のスピードでマスカレードドーパントたちの間に入りながら切りつける。さらに投げナイフを付けたピアノ線を飛ばして、一体のマスカレードドーパントに巻き付け、首を落とす。

 後ろから殴ってくるマスカレードドーパントたちが殴る寸前で止まった瞬間、体がバラバラになった。

 これがギルドナイトの実力。

 弾さんは人間とは思えない太い腕でマスカレードドーパントたちを殴り吹っ飛ばす。

 氷華ちゃんはシルバーカラーのバスターソードを振り回して、自分の周囲にこさせないようにして、焔ちゃんの赤いスナイパーで氷華ちゃんの周囲のマスカレードドーパントたちを撃っていく。

「よっと」

 焔ちゃんを殴ろうとしたマスカレードドーパントは弾さんが飛ばした炎で焼かれた。

「危ないじゃない!」

「はいはい、文句は後で聞くから」

 フェンリル極東支部遊撃部隊の実力。

「ハッ!」

 ディロードに変身した数馬さんは一体一体確実に倒していく。一発が重いパンチとキックでつぎつぎと撃破していく。

 フィフティーンに変身したイザナギは黄泉丸と無双セイバーの二刀流で切りつけていく。袈裟斬りや右横凪ぎ、無双セイバーをガンモードにして牽制していく。

 これが仮面ライダーの実力。

「強い、強すぎる」

「楯無様私にIS使用の許可を」

「ダメだ」

「どうしてですか!?」

「室内では動きにくいし、それに使えないだろ」

「っ!?……わかりました」

「話は終わったか?」

「ふん。今日のところは見逃す。だが、簪運命には逃げられない」

「どうゆうこと?」

「いくぞ!」

 楯無が去っていき、宇宙お姉ちゃんが残っていた。

「何をしている!」

「待ってください」

「行くぞ!」

「宇宙お姉ちゃん!」

 あの男お姉ちゃんを無理矢理連れていくき!?

「あー、すまないが彼女にはあんたらが出ていくまでの人質になってもらう」

 無理矢理連れていこうとされていた宇宙お姉ちゃんを一夏さんが引き戻した。

「返せ!」

「返してほしければ去れ」

「いいから返せ!」

 腰からスカルマグナムを出し撃ってきたが、一夏さんは持っている黒塗りのナイフで弾いた。場の雰囲気が重くなった。

「貴様、王の意見に反故するとはいい度胸だ」

「っ!?」

 さっきより重いプレッシャーがこの場を支配する。

 楯無は後退りながら、消えていった。

 そんなこと知らないのは顔を赤くしたまま気絶している宇宙お姉ちゃんだけ。

「一夏、彼女をうちに連れていけ」

「そうするよ」

 一夏さんは宇宙お姉ちゃんをお姫様抱っこしながら帰っていった。

「さてと、店を汚してしまったな掃除してから帰るから」

「はい」

 掃除しながら私は楯無に言われた『運命には逃げられない』この意味がわからない。意味がわからないわけではない。また襲ってくると言う意味だけど、違う気がする。何かが来ると言う意味にも聞こえた。

 その帰り道、イザナギと一緒に帰りながら話そうと思う。

「お嬢さんトイレはどこか知っているかい?」

 さっきいなかった四十代後半の男が話しかけてきた。「わからないです」

「そうかい。ならお邪魔したね。お帰り帰れるならね(・・・・・・)

「え?……ええ!?ここどこ!?」

 店の廊下から薄暗い部屋に変わっていた。

「ごめんね」

 男の人が私の首に電流を流してしまったため気絶してしまった。



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因縁~五月四週目休日~

 今回はISSideでラウラとタツミ視点です。


 Sideラウラ

 我がドイツの情報網を活用し、二人(織斑と篠乃之)の関係を調べた。

 二人の関係は姉同士の交流から始まった。当時の話を聞くと仲が悪かったと聞く。その確認を教官に聞いてみたところお互い気に入らなかったと聞く。織斑は体が弱かったと聞く。教官の薦めで剣道をやり始めたら、非常に良いが教官と比べていたため才能がないと思っていたらしい。しかし、剣道の少年の部で優勝するという。それに対し、篠乃之は努力を否定されたと勘違いしてしまい悪くなった。

 教官の家が火事になり、父母と妹が失踪した時からISが出るまで間に変化が起きた。

 織斑が学校でいじめられていた篠乃之を助けたらしい。織斑は違うと言ったが、篠乃之は間違いないと言ったらしい。そこから篠乃之と交流を持つことになる。その後、篠乃之博士が失踪と共に家族共々離れ離れで暮らすことになった。

 これを読んで私は思った。マンガですか!?本当にマンガみたいな話ですね!日本文化の幼馴染みとの別れ、数年後に偶然会うと言うラブコメですね!しかも、暴力系清楚、大和撫子キャラだな。時期にヤンデレ入りますな、これ。織斑に至っては鈍感系爽やかと来た。結構フラグ建てていますねこれは。

 さて、ではもう一枚。織斑一夏についてだな。

 学校の成績は普通、運動も普通。これと言って目立つことはない普通の少年だな。しかし、次の項目を読んでいるとき、それは目に焼き付いた。学校問わず地域全体でのいじめ。暴力もあるが、陰湿な方が多くある。一番酷いのは濡れ衣。誤解は解けても噂が飛び交って悪化すると書かれている。交流はないと聞く。第二回モンド・グロッソで誘拐、そして行方不明となったと聞いた。

 教官には聞いたが、これほどとは。

 だが、一番気になったのは家族構成だ。

 織斑猟十、旧名猟十・ミューゼル。ミューゼルの苗字を見て、キセツ・ミューゼルを思い出した。血が繋がっているのかどうかはわからない。この二人はどちらもスラム出身と読んでいたが、スコール孤児院に入園。猟十は誘拐されたと聞くが、その数年後に見つかり、仕事をしながら世話になった孤児院に募金し、その中、妻織斑百菜と交際、次の年に結婚した。猟十とミューゼルはその孤児院の院長の苗字をもらう。

 さて、偶然なのか。織斑猟十の顔写真を見たとき、驚いた。織斑とその弟、ミューゼルに似ていた。ここで驚くのはミューゼルの方だ。ミューゼルは織斑の弟、一夏に似ているいや、そっくりなのだ。髪や目の色は違うが。それでも驚く。

 これは確証ではないが、副隊長の言う通り、違法とされているクローンの可能性が高い。

 もう少し、調べてみないとわからないことばかりだ。

 

 Sideタツミ

 今日は防衛軍の研究所に来ていた。なんでも紹介したい人がいると言われた。

「兄ちゃん、父さんは誰を紹介したいのかな?」

「意外と新しい母さんだったりして」

「兄ちゃん冗談でも!?」

「悪い…冗談過ぎた」

 俺たちの母さんは藍姉さんの父母と行方不明になっている。

 当時の俺たちにはキツいことだった。けど、一番キツかったのは藍姉さん。一気に父母を無くしたんだ。その時は気丈に振る舞っていたが、陰で泣いていた。

 当時の俺たちも励ましたりしていたけど、ダメだった。そんな時だったかな?

 藍姉さんは誘拐にされたことがある。目的は身代金と 研究成果。亡国企業というテロ組織の犯行。解放されたのは拐われてから三日後。何かあったのか、問いただしていたが、何も言わなかった。覚えていないと言っていたが、少し経ってから俺たちに覚えていることがあるって言ってた。

 自分と同じ姿をした者が怪物に変わり、襲おうとしたとき、若緑をした機械人間がいて、それを見て気を失った。

「待っていたぞタツミ、ユウキ」

「「父さん!」」

 白衣姿の父が入り口で出迎えてきた。

「さ、中に入ってくれ。色々忙しいぞ!」

「忙しいって何が?」

「新しい隊員の紹介におまえたちのIS整備だな」

「そこまで忙しくはないと思うけど?」

「パッケージの作成さ。林間学校までに作らないとな」

 父さんの研究室に入ると二人の男がいた。浅黒い肌の男、父さんと同じ白衣を着ている茶髪の男。

「紹介するぞ。右が草薙アトス、左がシュタイン・ボールト」

「草薙アトスです。前までは世界を旅をしていて、アリタさんにスカウトされました。よろしく」

「私はシュタイン・ボールト。紺野博士の一個下の後輩で大学では世話になっていました。よろしくタツミくんユウキさん」

「紺野タツミです。よろしくお願いします」

「妹のユウキです。こちらこそよろしくお願いします!」

 印象は好青年と知的な人。そして、何故か危険信号が発している。何て言うか、昔あった変態と何か似た雰囲気を感じてしまう。身の危険じゃなくて、周りに被害出す方。

「草薙はたまに脱ぐ、シュタインは魔改造するから」

「それヤバイでしょ!?」

「……妹の前で脱いだらわかりますね?」

「さすがに脱がないよ。まあ、場所によるけど」

「パッケージのプランの候補は決まっていますよ。デンドロとかミーティアとか」

「ガンダムじゃねえよ!」

「ナニィ!?」

「ちなみにメイスとかあるけど?」

「何進めているんだよ!」

「さて、茶番はそこまでだ」

「ふざけていたのあんたらだろ!?」

「タツミ俺は悲しいぞ!あんなに心優しかったタツミがこんな風に。父さんは悲しい!」

「俺が悲しいわ!」

「それより兄ちゃん早く行こ。父さんも」

「では、着き次第調べるから体を動かして。草薙も入っていいぞ。シュタインはタカハシとアラマと共に機体、操縦者の測定、武器開発の見積りをしてくれ」

 普段から真面目な父さんに戻った。あそこまではっちゃけたりしないから驚いたけど、後輩が来てよろこんでいるのかな?

 インクルシオと紫を調べて、欲しい武器と性能を聞かれて今日は終わった。



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宣戦布告

 Sideイザナギ

 更識一家の襲撃にあった俺たちは、無事退けることができた。だが、掃除から簪が戻ってこなかった。俺たちは手辺りしだい調べたがいなかった。まるで煙のように、そう思っていた。しかし、数馬さんがあることを言った。

「ガイアメモリを使われたな」

「ガイアメモリって!?」

「たぶん更識じゃないな」

「ショッカーか?」

 一夏さんが言うが……。

「いや、財団だな」

「財団?なんだそれ?」

「財団とは、ショッカー並みもしくはそれ以上の兵力、技術力、資金源。目的は不明な組織でな。ガイアメモリだってその組織が作っている」

「財団ですか。けど、その組織からもらった何処かの組織ってことですね!なら更識が怪しいですよ?」

「さっきも言ったが、更識ではない。そう言った組織には売らないからな。だから、別組織か財団そのものだな」

「よし、そうと仮定するならさっそく変態、ドジ紳士、年増婆に聞くか」

「自分の父親にそれはないだろ。それにトリガーさんとスコールさんにも失礼だろ」

 一夏さんの罵倒に突っ込む弾さん。

「それよりイザナギ、簪の傍になぜいなかった。いたら、なんとかなったはずだ」

「ちょっと待ってください。簪についていこうとした時、弾さんに俺が行くと言われました」

「はあ?俺は言ってないし、一夏にゴミを捨てに行けと言われた。だろ?」

「何も言ってない。それに宇宙を送りに行っていたからわからない。帰ってから数馬に廊下を掃けと言われた」

「まて、そんなこと言ってないぞ!それに俺は店の人に今回の事を言いに行っていたからいなかったぞ」

 四人とも食い違いが生じた。けど、おかしい。本当に言われたし、一夏さんも数馬さんも……?

「待ってください。数馬さんっていました?」

「そう言えば、いなかったぞ?」

「そうだろ?来たのはイザナギが呼んできたからな?」

「待て、イザナギはここを動いていない」

「やられた。奴らは俺たちを騙して、攫っていきやがったのか!」

「これを解決してもどこに行ったのかわからないな?」

 簪がどこにいても探せるために俺はある物を預けている。

「大丈夫ですよ。もしものためにロックシードを持たせているので、それをたどれば見つけれますよ」

「ロックシードにそんな機能はないはずだ!?」

「ご都合ですね。わかります」

「弾がツッコミをあきらめた!?」

 

 ~Loading~

 

 地図と簪が持っているロックシードを見比べながら、バイクを走らせていた。

 そして、着いた場所は池袋から離れた所で、愛越市と隣の街、古都に来た。その古都を原初市と風鳴市の二つの市から成り立っている。

 風鳴市の端になっている大きな会社、ザナドゥに俺たちは来ていた。ここから簪のロックシードの反応が大きく反応する。

「待っていろ簪」

 入ろうとした時、数馬さんに止められた。

「待て、入るならとびっきり派手に入ろうじゃない?変身」

〈カメンライドディロード〉

〈アタックライドGXランチャー〉

 召喚したGXランチャーをザナドゥの入り口に撃ち込んだ。

「へ?」

 アホ面していたら爆発を起こし、入り口その他が黒くすすけていた。

「何やっている!?」

「そうだ!やるなら大タル爆弾Gを設置したのに」

「何いってんだよ!?そこじゃない、バレずに侵入して救うはずだろ!?」

「「しらんな」」

 一応、変身しておくか。

〈フィフティーン!ロック・オン!〉

「一夏も弾姿変えておけよ」

 一夏さんは黒い西洋鎧に変え、弾さんはアヒルの顔の被り物を被り、白衣を着ていた。

「「待て、ツッコミのお前がボケたら俺らはどうすればいい!?」」

「その為のイザナギだろ?」

「俺に振らないでください」

「それにガーヴィヘルムだ!」

「いや、そこではない!」

 そうこうしているうちにお馴染みのマスカレードドーパントにグール、初級インベス、そしてショッカー戦闘員。

「出たかショッカアァァァァ!」

「出たぁぁぁ!数馬のショッカー絶対殺す宣言!」

「なんですかそれ?」

「実は「説明しよう!」俺のセリフ……」

「数馬は故郷をショッカーに滅ぼされたので、その恨みにショッカーもしくはショッカーと連携している組織は目に入ったら絶対に潰すことから言われている」

「えっとつまり?」

「ショッカーが出たから」

《アタックライドイリュージョン》

 六人のディロードが現れ、さらにファイナルアタックライドのカードを挿す。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()》》》》》

 ディメンションパンチとディメンションキックを食らわせた。

「一瞬で終わる」

 七人のディロードが必殺技を決め、怪人たちの爆発を見ていた。振り返ったディロードはまるで悪魔のように見えた。

「さ、行くぞ」

 

 ザナドゥの最上階の社長室に白の背広をきた男が笑っていた。

「やっときたか。坂本イザナギいや、仮面ライダーフィフティーン」

 手には戦極ドライバーに似たドライバーを持っていた。

《ブラットオレンジ!ザクロ!》

「変身」

《ロック・オン!》

 エレキギターの音が鳴り響く。

《ブラットザクロアームズ!狂い咲き・サクリファイス!ブラットオレンジアームズ!邪ノ道・オンステージ!》

 血のような赤い仮面ライダーが不敵に笑っていた。



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三位一体 其の一

 Sideイザナギ

 ザナドゥ社一階のフロア。敵は誰もいなく、薄暗い照明しかついていなかった。

 十五階建ての会社内部としては最新のビル造りと同じに見える。

 

「階段で行くのがいいが、敵さんにバレるぜ」

「なら、ここからは別れていくのがいいな。俺と弾は一階から七階、イザナギと一夏は八階から上を頼む」

「ご武運を」

「高校生が難しい言葉を使うな」

「そうだそうだ。気楽にそして、素早く親玉と簪を見つけだそうぜ」

「はい」

 

 俺と一夏さんは上に登りながら、各部屋を潰していった。敵はいなく、人もいない。怪しさ満点でとうとう十五階についた。

 社長室、その部屋の前に立っていた。

 

「さてと、こっちが親玉らしき部屋を見つけてしまったが、問題はないな」

「たしかに、親玉を潰せば簪は見つかりますしね」

 

 扉を開けると、椅子に座っている男とその側に立っている男がいた。

 

「こうして会うのは初めてだね。私の名前は彰彦。このザナドゥ社の社長だ。ここにいる男は私の右腕のカイナだ」

「どーも、そして、簪はどこだ?」

「教えてほしければ、交換と行こうじゃないか」

「交換?バカバカしい。お前らの誘拐はそもそもの原因だろ?」

「しかし、不法侵入に器物破損をしている者たちとは違うかな?」

「人権無視しているのにな?」

「何を言っているトカゲが?」

「ゲス野郎が?」

 

 なんで、一夏さんが怒っているんだ!?

 俺とカイナって人が空気過ぎるだろ!?

 

「「てめぇ、表に出ろぉぉぉぉぉ!」」

 

 窓割って外に出ていったよ!?

 

「さてこちらもやりますか」

 

〈Gentleman!〉

 

 ジェントルマンと発音したメモリを腕に指して、黒いシルクハット、スラッとした体型のドーパント、ジェントルマンドーパントになった。

 

〈レモンエナジー!ロック・オン!~!ジンバーレモン!ハハア~!〉

 

 レモンエナジーを取り出し、ジンバーレモンになった。

 

 Side一夏

 

「貴様、本当に人間か?」

「君に言われたくないね」

 

 腹が立つ。こいつにあって初めて抱いた感想だ。人間をやめた俺が言うのはなんだが、俺と同類何じゃねぇのか?と言うか、十五階から落ちてきて人間やめているのは当たり前か。

 

「まあいい。君は死ぬのだから。変……身」

 

〈ブラッドザクロアームズ!狂い咲・サクリファイス!ブラットオレンジアームズ!邪ノ道!オンステージ!〉

 

 ソニックアローに類似した弓型武器とブラットオレンジ色をしたオレンジの断面に似た刀を装備していたやつがいた。桜色をした剣盾型の武器、ディア・ロゼッタと装飾がされていない素朴なナイフを口にくわえて構えた。

 

「さあ、やろうじゃないか」

「そうだ……な!」

 

 やつの武器と俺の武器が鍔摺り合う。

 

 SideNo

 七階まで探索した数馬と弾は再び一階に来ていた。

 

「見つからない」

「けど、いるんだけどな。反応はするし」

「反応?」

「そこにいるようでいない。まるで……神隠し(・・・)にあったみたいな感覚だな」

「なるほどそうゆうことか。さすが、悪の組織だな」

 

 数馬はカードを引き抜き、ディロードライバーにセットした。

 

〈アタックライドイマジンブレイク!〉

 

 黒と青が纏った右手を床に殴りつけた。

 次の瞬間、ガラスが割れた音があたりを響かせる。

 

「見つけた!うおぉぉぉ!」

 

 簪を見つけた弾が腕が化け物ような腕に変えて、床を殴った。殴ったところから半径2メートルが穴が空き、そこから下まで衝撃が貫通されていた。

 二人は頷き合い、降りて行った。

 そこにいたのは謎の機械に繋がれた簪の姿だった。その近くにいたのは西洋甲冑を纏ったロボットと両腕が肥大化している獣人型の怪人。

 

「こりゃあ、ロイミュードとB.O.Wかよ」

「ちょっと待て。最初はわかる。なんで他作品の化け物らしきやつがいるんだ⁉」

「異世界からサンプルを連れてきたんだろ?だいたい、並行世界があるんだし当たり前だろ?」

 

『ギャオオオン!』

『侵入者発見。これより排除を開始する』

 

「俺はロイミュードをやる。弾はB.O.Wをやれ」

「へいへい」

 

 両腕を広げて威嚇するB.O.W、銃剣を持ち排除しようとするロイミュード、中腰になり左腕を曲げて構える数馬、バスターブレード真竜大剣真と幻影を構える弾。

 落ちてきた小石の音で戦いが始まった。

 

 Side一夏

 やつと戦い始めて初撃は与えることを成功した。偽ソニックアローと大橙丸を盾で受け止めて蹴り返した。剣で袈裟斬りで斬って斬り返し、回転斬りを食らわせる。腰を引き戻し盾に剣を収めて、チャージする。そこから火が噴出してきたのを確認して、やつに抜刀する。横一文字に火が噴出しさらに奥へ飛ばす。

 殺し慣れている俺でもライダーと戦うのはこれで二回目だ。言わずとも初めては数馬だ。

 やつはまだ使い慣れていないと俺はそう感じている。

 

「やるね」

「…………」

「仕事人気質かな?」

「…………」

「まあいい。そろそろ本気出そうかな」

 

 本気か。まあ、いいだろ。さっさと、倒してしまって帰って仕込みをしないとな。

 やつはロックシードを抜き、フィフティーンロックシードに似たのをセットした。

 

〈魔蛇アームズ……邪ノ道は蛇……!〉

 

 フィフティーンに類似したライダーに変わった。

 

「これが真の姿、竜王ってやつさ」

「…………」

「こんなネタをやったのにさみしいな。ポロローン」

「…………」

 

 むかついた。盾に剣を収めて、もう一回抜刀をする構えになった。

 最大瞬発力で間合いを詰め、斬る!

 

「そんなのは効かないよ」

 

 武器を持っていない左手で受け止められた。だが、それは計算のうちだ。

 盾でやつの腹を殴った。それによりやつはふっ飛ばされた。

 盾に剣を収め、背負い、ナイフを二本持ち、やつの元へ歩いて行った。

 無双セイバーと黄泉丸の二刀流でこちらに向かってきた。

 俺はナイフを二本投げて、やつは無双セイバーで弾く。

 やつは戦極ドライバーのブレードを三回倒した。

 

〈魔蛇スパーキング!〉

 

 黒いオーラを宿した武器で斬り付ける。上に飛んで躱し、ナイフを投擲する。斬り上げられた二刀を剣と盾で防ぎ、投げ捨てる。そして、やつへ向かって走る。

 

〈魔蛇スカッシュ!〉

 

 黒いオーラを宿した右パンチを躱し、やつの背後に回る。そして、手を上に引くと三本のナイフが俺の手元に戻り、やつの動きを止める。

 

「何をした?」

「動きを止めた。これでも怒りは抑えているほうでな」

「……糸か」

 

 器用に戦極ドライバーを糸で外し、変身を解除し、さらに首を絞める。

 

「お前殺しなれているな」

「御託はいい。質問だ」

 

 さらに首を絞める俺は質問をした。

 

「ベルトの入手経路、簪を使い何をやろうとしている?」

「ベルトはわかるだろ?」

「組織か」

「更識簪は「龍間だ」龍間簪は体の中に果実を持っている」

「果実?」

「ああ、その果実は世界を変えることができるほどの力を持っている。そいつを使い「もういい」」

 

 首を絞めてやつの息の根を止め、首を胴体と別れさせる。

 

「貴様は死んでも問題ないよな。俺から家族を攫っていったんだからな」



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三位一体 其の二

 一夏は魔蛇に勝っていたとき、イザナギはジェントルマンドーパントと戦っていた。

 

「その程度ですか」

「っさいな!」

 

 再びジェントルマンドーパントへ斬りに行くが、ステッキで弾かれる。細い杖からとは思えない鋭い突きがフィフティーンの胴体を突く。

 

「ごふっ!?」

 

 そのまま壁にぶつかった。落ちてきた瓦礫を押し退けながら立つ。ハァハァっと、たった数分で疲れていた。

 イザナギはまた新しいロックシードを出した。オレンジロックシードとは違う大きなオレンジ色のロックシード。

 

『カチドキ!』

「また新しいのですか」

『ロック・オン!~!カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!』

「力負けしないからな!」

 

 背中にあるカチドキ旗を抜き、構えた。身の丈ほどあるカチドキ旗を豪快に振り回す。しかし、それでもステッキを使い、受け流すジェントルマンドーパント。

 だが、ジェントルマンドーパントは地面に叩きつけられた。まるで、何かに持ち上げられたかのように。

 

「やっと効いたぜ」

「何をした?」

「カチドキ旗で重力を操っただけ」

 

 カチドキアームズの能力で重力操作。

 技量が上なら能力が強いのを使えばいい。

 ただ、それだけのこと。

 どんどんと押していき、とどめとばかり大振りを繰り出した。

 立場が逆転した二人。

 

「これで最後だ!」

 

 腰から大きな銃、火縄大橙DJ銃を取り出し、カチドキロックシードを着けた。

 

『オー!オー・オ・オ・オ・オー!』

 

 火縄大橙DJ銃の砲口にオレンジ色のエネルギーが溜り、引き金を引いた。

 

『カチドキチャージ!』

 

 オレンジ色のビームがジェントルマンドーパントへ放たれた。左に避けようとするが、ビームは追いかけてきた。

 

「ぐああああああ⁉」

 

 ジェントルマンドーパントは爆発と悲鳴を上げながら、ビームに飲まれた。

 

「はあはあ、待ってろ簪!」

 

 

 場所は変わり、簪のいるところにいる弾と数馬はB.O.Wのハンターに近い赤い生物、バット型から上位進化したロイミュードと相対していた。

 弾は神機に戻した二機を持ち、ハンターに構えた。

 数馬は赤い機械の仮面ライダーのカードをディロードロイバーにセットし、ロイミュードに向き合った。

 

『ギャオオオン!』

 

 体を大きく見せ、球体になって襲ってきた。だが、その動きは遅く、単純だったため弾は最も威力が高いバレットを選んで撃った。そのバレットがハンターに当たり、大きな爆発の後を複数の小さな爆発も起きた。それに怯んだハンターは大きく弾み、壁を突き抜けてしまった。弾は素早くハンターの元へ行き、捕食形態にし、喰らいついた。

 素早く引き抜き吐き出させた。吐き出した中にはハンターの頭部と心臓と思われる部分。

 僅か一分少しの出来事である。

 

「あっけな」

『そうだね~お兄ちゃん』

『うぇえ、気持ちわる』

「焔後で美味しいもの食わせるから」

『……特製パフェ。大好物をふんだんに使ったものだからね!』

「おう」

『むぅ~、わたしもわたしも!』

「はいはい」

 

 数馬はカードをディロードライバーに読み込ませた。

 

『カメンライドドライブ!』

 

 赤いオーラを纏ったディロードがいた。さらに二枚目のカードを読み込ませた。

 

『アタックライドハンドル剣!』

 

 さらにもう一枚。

 

『アタックライドドア銃!』

 

 ディロードとロイミュードは銃を構えながら撃つ準備をした。相手が動いたら足元に一発牽制し、こっちが動いたら相手が撃つ。それを繰り返していくうちに徐々に接近し、とうとう向かいながら銃撃し始めた。

 リーチの長いロイミュードの銃剣がディロードに突き出される。ディロードはハンドル剣で弾き、至近距離でドア銃で五発撃つ。無くなったのでドアを開けて閉める。

 

『チャージ!』

 

 ロイミュードから撃たれ仰け反るディロード。倒れずにドライブの基本形態からのスピードを利用し、後ろに下がり、ハンドル剣にオレンジ色のシフトカーをセットして、ディロードライバーにファイナルアタックライドのカードを挿し込む。

 

『ファイナルアタックライドドドドドライブ!』

 

 炎を纏ったハンドル剣でロイミュードの胴体を斬りつけて、ハンドルを右に三回回し、回転斬りをする。

 

『ギギギ、ガガガ⁉』

 

 後ろに倒れて爆発した。

 

「あっけないな」

 

 丁度、フィフティーンと一夏が下りてきた。

 

「終わったようだな」

「なんだそっちも戦っていたのか?」

「はい。結構強かったです」

「さすが、事務業は弱いな」

 

 簪を謎の装置から外そうとしたとき、拍手が聞こえた。その先にいたのは、先ほど一夏が倒した魔蛇がいた。

 

「さすがだね。仮面ライダーと竜王とオメガだね」

「生きていたか」

「そういえば君はどうして私が生きていると思ったのかね?」

「簡単だ。あんたから生物特有匂いがしなかった。生きている匂いがな」

「正解。私は死んでいる」

 

 そのことに驚いていたのは数馬だけ。

 

「どこから話そうか。そうだな私が死んだときのことを「っさい」ぎゃああああ⁉」

 

 響鬼にカメンライドしたディロードが音撃棒:烈火で容赦なく攻撃していた。

 

「幽霊ならさっさと成仏しろ」

 

 音撃鼓:火炎鼓を魔蛇に着けて、ファイナルアタックライドを挿しいれる。

 

『ファイナルアタックライドヒヒヒ響鬼!』

「音撃打:豪火連舞・改!」

 

 火炎連打で連続でテンポよく叩き、一気火勢を入れる。またそこから火炎連打を叩き込み、一気火勢を入れ、筒の外側を叩く数馬オリジナルの煙火左右を打ち込み、猛火怒濤を打ち込む。小刻みに火炎連打を持ち込み、音撃棒:烈火に溜まった清めの音を一気火勢に乗せる。

 魔蛇はもがぐが、砂のように消え去った。

 

「お前の敗因は一つだ。……お前がショッカーだったからだ」

 

 魔蛇の敗因を述べる数馬。他から見ると八つ当たりにしか見えなかった。

 

 

 Side簪

 あれここはどこ?私、……そっか攫われたんだった。どうしよう、ここから抜けるには……『お嬢さんお嬢さん』

 誰⁉

 

『僕のこと覚えていない』

 

 ……思い出した。あの時の声の人?

 

『思い出したんだね。今回も声だけだけど話を聞いてくれるかな?』

 

 うん。

 

『ありがとう。あ、自己紹介まだだったね、僕はハネジロー。この世界とは違う世界から動物だよ』

 

 よろしくハネジロー。私は龍間簪。

 

『よろしく簪ちゃん!さて、僕はディメションというところに捕まっているの。捕まった理由は僕の全て』

 

 すべて?

 

『そう。あいつらは最強の生物兵器を作り出して、この世界いや、全世界を侵略および破壊をしようとしている』

 

 標的はこの世界ってこと?

 

『うん。あいつらの計画を阻止しないといけない。そのため、簪ちゃん君には何としてもここから脱出してもらわなければならない』

 

 私の価値なんてないと思うけど?

 

『君の価値はあるよ。それも世界を左右するとてつもない力。黄金の果実が君の中にある』

 

 黄金の果実?

 

『エデンの園はわかる?そのエデンの園にある木の果実。だけど本質は異なる』

 

 異なるって、爆弾⁉

 

『う~ん、そう言うのではなくて……いや表現としては当たりかな?その本質は持ち主の願いを叶える力がある』

 

 叶える力って、不死身になりたいとか世界の王様になりたいなど?

 

『そう。けど安心して覚醒しなければ使えない。だけど、あいつらにとって都合がいい。だから、放棄するか覚醒するかどっちかを選んで』

 

 選ぶって、そんな急に⁉

 

『迷っている時間は……い。てれ……が途切れ……』

 

 ハネジロー⁉

 

『簪ちゃん、答えを見つけるまで耐えて、そしたら……』

 

 ハネジローハネジロー⁉うっ⁉苦しい、痛い痛いよ⁉

 

『耐えて、絶対に……助けに来るから』

 

 ううううううううっ⁉

 

 SideNo

 簪をマシーンから出そうとしたとき、謎のせいぶつによって捕らえられてしまった。

 

「おいおいマジかよ」

「数馬知っているのか⁉」

 

 動揺している数馬に弾は聞いた。

 

「奴らめ、とうとう完成させやがった」

「だからっ⁉散開!」

 

 一夏の声で散り散りになる四人。

 ウツボのような顔、クラゲのような透明な体、イカのような十本の足、サメのような尾びれ、人間の腕と足、手には二本の赤い三又の槍を持った五メートルくらいの怪物が立っていた。

 

「おいおい。あいつから二つの生命反応が」

「現代に復活させたかショッカー⁉」

「生物とは異なるまるで、悪魔のようだ」

 

 弾の問いに数馬は答えた。

 

「奴はグリード。中世の錬金術師が作った化け物だ」

『そうだ。よくわかったなディロード。我が名はラーペンジ』

「ラーペンジ⁉」

『ここだと狭いな。場所を変えよう』

 

 そう言うとラーペンジは変わった形の物を取り出し腰についていた差し込み口に入れ、スイッチを押した。

 

『ステージセレクト!』

 

 場所が大海原に変わった。

 

「有利なところを選ぶか」

『これぐらいじゃないとお前らを倒せそうにないからな』

「いくぜ!」

 

 胸に赤、黄、緑の仮面ライダーのカードを挿し込む。

 

『カメンライドオーズ!』

『フォームライドシャウタ!』

「ならこっちもとっておき見せてやる!」

 

 道と書かれたロックシードに変える。

 

『ライダー!ロック・オン!~!平成アームズ!新たなる道・オン・ザ・ロード!』

 

 エレキ音と共に空から赤い重厚なフィフティーンのロックシードが下りてきた。

 今までの姿とは違い、軽やかなイメージから重量のある姿になった。背中には武骨な大剣、真・黄泉丸が装備していた。

 

「俺は退散するか」

 

 弾は戦力外と悟り空を飛んだ。

 

「………」

 

 一夏は重厚な鎧を外し、黒いレザーの服に着替えた。一本の黒い盾斧を取り出し、水中に潜った。

 

『さあ、来い!』

 

 ラーペンジの声と共に戦いが始まった。



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三位一体 其の三

 先に仕掛けたのはラーペンジ。二本の紅いトライデントをディロードに向け突撃をする。

 ディロードはメダジャリバーでいなす。いなしたと同時に蹴りをいれようとしたが、クラゲのところに当たり、ディロード自身が吹っ飛ばされた。

 そこに追い討ちをかけようとしたときにフィフティーンが真・黄泉丸で攻撃してきた。横切りからきた攻撃をトライデントで防ぎ、その力を利用して、その場を離れた。

 次に仕掛けたのは一夏だった。真 ・黒龍盾斧を構えて来るのを待つ。二本のトライデントからの突きを剣と盾で防ぎ、顔面へドロップキックした。やっと攻撃らしい攻撃が当たったのだが、ラーペンジはさほど効いていなかった。迫り来るトライデントを最低限の動きでかわす。さすがに人として動きのせいで傷はつく。

 

「やりづらいな」

『どうする?』

「ならこうする」

 

 真・黒龍盾斧を仕舞い、一本の剣が現れた。機械のような作りのロングソード。鈍色の中に赤、青、碧、白、黒、紫、黄、水、橙の九色の珠埋め込まれていた。

 

「機巧龍剣ハーツ」

『なんだそれは?』

「行くぞ」

 

 青の珠が輝くとラーペンジの近くまでいた。そのまま、クラゲの胴体に横一閃。セルメダルが溢れて出てきた。

 

『グオォォォォ!?』

 

 ここに来てまともな一撃がラーペンジに決まった。続け様に、ディロードとフィフティーンの攻撃がイカの足を切り下ろした。

 フィフティーンはクラゲの胴体に手を突っ込み、簪を引きづりだした。

 急いで海面に出ようとしたら、ラーペンジに足を捕まれていた。

 

『逃がさないぞ!』

「放せこの野郎!?」

 

 その腕にメダジャリバーを向けて切ったディロードは急いで二人を海面に上がらせた。そうはさせまいと、再び追いかけてきたが、一夏に止められた。

 

『邪魔をするな!』

「嫌だね。行きたいならこの俺を倒してから行け」

 

 海面に出たディロードたちは弾にフィフティーンと簪を預けて、また潜っていった。

 

「弾さん!?」

「呼吸はある。直に目は覚ますだろう」

 

 弾は見つけた島で簪を休ませることにした。

 

「交代だ」

「え?」

「俺は退散はすると言ったが、泳げないとは言ってないぜ」

 

 弾はそう言って潜っていった。

 

 

 

 Side簪

 ……うっ、ここはどこ?私はさっき、なにをしていたの?

 

『気がついた?』

「ハネジロー?」

『そうだよ』

 

 黄色いリスみたいな動物だった。てっきり、人だと思っていたけど……。

 

『まだ、決めかねているね?』

「うん」

『なら、一回起きてみたら?すぐそばにこいびとがいるよ?』

「恋人?」

『ちがうの?』

「それってイザナギのこと?」

『そうだよ』

「こ、恋人じゃないよ!?」

『そうなの?でも、一回起きて』

 

 意識が……。

 

『最善の方を選んで』

 

 SideOut

 

 Sideイザナギ

 呼吸はしているって言っていたけど、早く病院に連れていかないと!?

 

「うっ」

「簪!大丈夫か?」

「いざ……な…ぎ?」

「そうだ、俺だ。少し休んでいろ」

「平、気だよ。それより、聞いてほしい」

「なんだ?」

「私がもし、もしもだよ。人でなくなったらイザナギは私を倒してくれる?」

「何言っているんだよ!?倒さない、絶対に」

「頼んだら?」

「絶対にそんなことはしない」

「どうして?」

「お前が好きだから」

「嘘でもありがとう」

「嘘じゃねーよ。本当だ。何がなんでも人には戻すし、絶対に倒さない」

「ほんとう?」

「本当だ」

「……ありがとう」

 

 簪は目を閉じて寝てしまった。

 まったく、柄じゃないことはしないほうがいいな。それよりも、あそこにいる敵を倒すか。

 

『見つけたぞ、更識簪』

「また、かよ」

『更識簪の身柄を渡せ!』

「言っとくが、渡す気はないぜ」

『なら死ね!俺の名前はアリゲイタイガー!』

 

 ワニと虎の怪人に真・黄泉丸を向け、今度こそ守るための戦いをすることにする。絶対に守る。

 

 SideOut

 

 Side簪

 

『答えは見つかった?』

「うん。私はー」

 

 ここ数分で見つけた答えを言う。

 

「私は覚醒するよ。だから、教えて覚醒の仕方を!」

『本当にいいんだね?』

「うん」

『念じればいい。そしたら、それが手にいれることができる』

「やってみる」

 

 念じること。それは、私の憧れであるヒーローたちの姿。正義の味方でもダークヒーローでもどんなものでも私が思うヒーローはただ一人。初めてあったときから、カッコよくて、少し間抜けで、どんなときでも私を守ってくれるイザナギの姿を。一人の黒い仮面ライダーの姿を。

 そして、私に手を差し伸べてくれたクロノさん。少し怖い一夏さん、いつも手助けしてくれる弾さん、店長でいつも優しい数馬さん。私のことをちゃんと見てくれる宇宙お姉ちゃん。

 届いて、この思い。

 

『汝ノ願ハ?』

「私の願いは共に生きたい。もう、後ろにはいたくない。一緒に戦いたい!」

『ソノ願、確カニ』

 

 イザナギが持っている戦極ドライバーとは違うジューサーのようなドライバーとリンゴのようなロック・シードが目の前にあった。

 私は疑問に思わず着ける。弱くてもいい、だけど守れる力があるなら、……それを望む!

 

『アップルエナジー!』

『ロック・オン』

 

 甲高い声が響く。

 私はその窪みにアップルエナジーを差し込む。

 

「変身!」

『ソーダ!』

 

 上からリンゴエナジーアームズが落ちてきて、アンダースーツを纏う。

 動きやすさを重点に置いた小さな鎧、赤のマントを着けた姿をしていた。

 

『いってらっしゃい簪ちゃん』

「絶対に助けに行くから」

『うん、待っているね』

 

 SideOut

 

 水中戦を繰り広げている一夏たち。そろそろ体力ノ限界がきていた。

 

『何故、倒れない!?』

「決まっているだろ。まだ内のアルバイトが頑張っているんだ。倒れるわけないだろ」

『そろそろ死ね!?』

「喰らい付け!」

 

 横から神機で喰らい付く弾。

 

「これで決める」

 

 龍の姿をした水がラーペンジに突撃するその一瞬を斬りつける一夏。

 

『グオォォォォ⁉』

「これで、ラストだ!」

 

 メダジャリバーを構えた数馬が、カードを差し入れていた。

 

『ファイナルアタックライドオオオオーズ!』

「セイヤー!」

 

 

 一閃。その斬撃は敵を切り裂く、どころか空間まで切り裂いていた。空間が戻ると同時 、ラーペンジは胴体を別れさせていた。

 

『ハ、ハハハハ!残念だったな!』

「それはどうかな?」

 弾が再度神機で上半身を喰らい付き、一夏が一夏が下半身を細切れにした。

 

 その中から一枚のメダルが逃げるように飛び出た。

 

『(クゥ!?なんだ、あいつら「容赦ないだろ?」)ギャアアアア!?』

「逃げるなんてひどいな?」

 

 数馬はラーペンジの意識を持つオーメダルを掴み、握りつぶそうとした。

 

『や、止めてくれ』

「止めてほしいか?」

『あ、ああ「だが、断る」ギャアアアア!?』

「ショッカーは許さない主義でね。まあ、どっちみち潰すのは確定だ」

『い、嫌だぁぁぁぁぁ!?頼む、何でも言うことを聞く頼む見逃してくれ!?』

「じゃあな」

 

 ラーペンジのオーメダルを握り潰した。

 

「はああ!」

『ガッ!』

「な、何!?」

 

 陸ではアリゲイタイガーと戦っているイザナギ。自慢の顎で真・黄泉丸を受け止められた。驚きつつも、話してパンチやキックをするフィフティーン。アリゲイタイガーは噛んだまま、それを受け止めている。アリゲイタイガーの尻尾がフィフティーンを吹き飛ばす。

 

『嬲り殺してやる!っお!?』

「大丈夫イザナギ?」

「簪なのか?」

 

 そこにいたのは赤い鎧を着た仮面ライダー。



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学年別トーナメント~六月一週目~

 学年別トーナメント当日。その組み合わせが発表された。

 第一回戦

 織斑秋二&小原千沙VSラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ乃箒(第一アリーナ)

 セシリア・オルコット&鳳鈴音VSアルマ・ブラウン&シャルル・デュノア(第三アリーナ)

 シャルロット・デュノア&キセツ・ミューゼルVSモブA&B(第四アリーナ)

 となった。

 各アリーナの代表者で決勝戦が行われる。

 

 Side秋二

 

「秋二!わ、私が勝ったら付き合ってもらうぞ!」

「何、恥ずかしがっている?」

「は、恥ずかしがっているわけではないぞ!」

「はいはい。じゃあ」

「あ、おい待て!」

 

 はあ、嫌になるな。なんでこんな奴の相手をしなきゃいけないんだ。

 それよりも……お、いたいた。

 

「よ、ボーデヴィッヒ」

「む、織斑か。どうした?」

「今回勝つのは俺たちだ」

「なるほど、宣戦布告か。いいだろ、蹂躙してやる」

「はは、強者は言う言葉は違うな。自称と違い」

「自称?」

「まあいいさ。「だから、私織斑とはそういう関係じゃない!」小原どうした?」

「いくぞ!」

 

 Side千沙

 機体のチェックをしていた時、篠ノ乃が声を掛けてきた。

 

「おい」

「なにかな?」

「貴様と秋二の関係はなんだ?」

「友達以下嫌な奴だよ」

「なんだそれは!?嫌な奴とはなんだ!?」

「嫌な奴だけど、それでも近くにいないと無茶をする」

「ち、近くにいないとだと!?つ、付き合っているのだな!?」

「無茶苦茶ね」

「ええい、ええい、貴様のような奴はふさわしくない!?」

「だから、私織斑とはそういう関係じゃない!」

「どうした小原!?」

 

 織斑とボーデヴィッヒまで来たのね。

 

「大方、こいつが仕掛けて来たんだろ?」

「まあね」

「き、貴様!?」

「そこまでにしとけよ篠ノ乃!」

「「「織斑先生!」」」

「篠ノ乃!」

「……はい」

「ここで説教をしたいが、今から試合だな?なら、これで勝敗をつけろ。いいなお前ら!」

「「「「はい」」」」

 

 今回のタッグマッチは一対一で戦うことになったのね。いいわ、それでも。

 

「どうやら、俺がに変更か」

「どっちでもいいぞ。かかってこい」

 

 あっちはいい雰囲気なのに。

 

「楽しみに待っているね」

「ふん、その余裕いつまで持つかな?」

『織斑くん、小原さんもう少しで試合です。支給、発射口に来てくだい』

「いくぞ」

「ええ」

 

 SideOut

 

『これより第一回戦第一試合を開始を行います。第一試合は織斑、小原ペアVSボーデヴィッヒ、篠ノ乃ペアです』

「来たか」

 

 先に来ていたラウラがそう呟いた。

 

「ふー、はー」

 

 呼吸を整える秋二。

 葵を素振りする篠ノ乃。

 焔備を構え、標準を確かめる千沙。

 

『試合カウントダウン十五秒前』

『十秒前、9、8、7、6、5』

「錬武法織斑秋二」

「小原千沙」

『4、3、2』

「シュバルツハーゼ所属隊長ラウラ・ボーデヴィッヒ」

「篠ノ乃剣術皆伝篠ノ乃箒」

『1、試合開始!』

「押して参る!」

「いく!」

「これより目標の撃墜を開始する」

「行くぞ!」

 

 月兎で一気にラウラに接近する秋二。ワイヤーブレードとレールカノンを放つ。それを駆燕でかわし、一気にラウラの懐に……

 

「通り過ぎただと?」

 

 そのまま、通り過ぎた秋二にワイヤーブレードを四本使い追い詰めるラウラ。エネルギーシールドギリギリをせめ、上昇する。それを追従するワイヤーブレード。どんどん、張って行くのに疑問を抱くラウラ。しかし、わからないまま、再度接近を許すがまたもや通り過ぎる。

 三度目で来たらAICで止めてやろうと考えていた。

 ところ変わって千沙対箒の戦いは千沙の焔備二丁による銃撃で追いつめていた。ただ単に箒は接近戦しかできないため。卑怯者!と言っているが、卑怯ではないと反論している。箒のシールドエネルギーが100を切ったあたり、勝負を掛けに来た。焔備を仕舞い、撃鉄を取り出して、箒に狙いをつける。

 それを好機と見た箒は接近戦に持ち込もうとしたが……

 

「これで終わり」

 

 バンっという音で箒のシールドエネルギーを全て無くし、脱落させた。

 

『篠ノ乃箒、エネルギーエンプティ』

「こっちは終わったよ」

『了解!こっちも下準備はできた。壁に移動してくれ』

「うん」

 

 千沙が気絶した箒を連れて、入ってきた入り口に避難した。

 

「行くぞ。錬武法、大海の構え……蜘蛛舞!」

 降りた秋二はチョンと跳び、ラウラが出したワイヤブレードの上に乗った。乗ったまま滑るように進む。後ろから迫ってきたワイヤーブレードをバク転でかわし、また乗り移る。とうとう五メートルの所まで迫っていた

 

「ふん!」

 

 ラウラはAICを発動し止めようとした。しかし、またしてもかわし不発に終わる。そこへ月兎の準備をしている秋二。ラウラ、レールカノンで撃とうとした。しかしそれよりも早く月兎を使い、ラウラの傍に行く。レールカノンを止め、ワイヤーブレードを四本だし捕らえようとしたが、蜘蛛舞でかわされる。駆燕で真後ろに移動し、殴る準備をしていた。それに気づいたラウラはイグニッション・ブーストでかわし、反転しレールカノンを撃った。

 

「錬武法、輪月!」

 

 カポエラーのように周りレールカノンの砲弾を掬い、撃ち返した。ラウラは驚いたが、冷静にかわしもう一度撃とうしたが、そこに秋二がいなかった。

 

「月兎!」

「そこか!」

「駆燕!」

「ふん!」

 

 見つけたラウラはプラズマブレードを展開し、斬りつけたが、まるで幻を斬ったような感覚に陥った。

 

「幻蝶」

 

 声の先には壁に足をつけた秋二の姿が見えた。

 

「錬武法室内戦闘対応型、大地の構え、弾狼!」

 

 月兎のような技に思ったラウラはすぐに攻撃と防御ができる体勢になった。だが、その速さは今まで感じたことがないほどの速さ。ギリギリでかわしたラウラ。しかし、またもや来ていた。しかも、さらに速くなったと感じた。

 

「決めるぞ!衝月!」

「ぐあぁ!?」

 

 

 加速した運動能力を上乗せした衝月はラウラのシールドエネルギーのほか、体にも響かせた。だが、それで終わる秋二ではない。

 

「双月!」

 

 双月という技は鎧通しを真似て改良した技。衝月とは違い、体の内部まで響かせる技になる。もちろん手加減しても危険な技でもある。

 それを喰らったラウラは当然、その場に倒れた。

 

『ラウラ・ボーデヴィッヒリタ「まだいけるぞ!」』

「マジかよ」

「来い、織斑秋二!」

 

 そういった途端、シュヴァルツェレーゲンは泥のようなものに飲み込まれて、姿が暮桜に変わった。



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強さとは?~六月一週目~

『力が欲しいか?』

 

 謎の声を聴いたラウラ。返答はもちろん。

 

「欲しい。この戦いを終えたくないからな!」

『いいだろ。使え!』

「うわあああああああ!?」

 

 そこでラウラの意識は失った。

 

 泥に飲み込まれたラウラのところにいたのは暮桜を模様したIS。偽暮桜は雪片を持ち、秋二に襲い掛かってきた。

 

「っ!?危ないな!」

『コロス、コロス!』

「物騒だな!」

 

 雪片輪型を展開し、迎え撃つことにした。雪片と輪型の斬り合い、打ち合いが始まった。高速でやる剣と拳による攻撃は人の許容範囲を超えるものだった。

 どちらも零落白夜を纏っているため一度でも掠れば多大なダメージを負うことになる。なのに、絶妙なうち合いによりどちらも掠ってはいない。

 先に勝負を仕掛けて来たのは偽暮桜。

 雪片を高速の唐竹割りをしてきた。それを逆手に取った秋二は零落白夜を纏った片手の輪型で防ぎ、開いている片手で取られないようにしっかりと抑え、乱月を放つ。それにより離れた雪片を手に持って居合いの構えになった。

 

「(集中、集中。楽しい戦いは終わりだ)」

 

 秋二は隙を探し、偽暮桜は雪片を二本出し斬りに来た。幻蝶を発動し、一撃目、二撃目をかわし、三撃目を上にかわし、四撃目を雪片の零落白夜が出ていないところに立ち、斬り落とす。

 

「蜉蝣」

 

 そういった途端、二人目の秋二が出て来た。二人目は手ぶらな状態で月兎を構えている。

 

「錬武法剣術(・・)

 

 剣術、秋二の口から出て来た言葉は気が付いた箒、千冬を驚かせた。

 

「(俺が身に着けた技、最速を!)零せぇぇぇぇん!」

 

 しかし、剣を振りぬいていなかった。失敗、みんなの頭に過った。しかし、秋二は笑った。

 次の瞬間、偽暮桜は斜めに斬りつけられていた。その中から気を失ったラウラが出て来て、つかさず二人目が月兎で救出。

 

「うおおおお!熊手、衝月、双月、棘、乱月、輪月!」

 

 熊手で肥大化した腕で衝月から臨月を偽暮桜へぶち込み、平手にした手を後ろに構えて打ちだす準備をしている。

 

「奥義!白掌!」

 

 白掌が偽暮桜の胴体に決まり機能を停止、コアを残し消えてしまった。

 

「はあ、はあ……っしゃぁぁぁぁぁ!」

 

 叫んだ後、後ろに倒れた。

 

 Loading

 

 Sideラウラ

 ……ん、ここは?この臭いは消毒液、つまり保健室か?

 

「気が付いたか」

「教官?」

「教官ではない、織斑先生だ。調子はどうだ?」

「体が少し痛いですが、生活には支障はないです」

「そうか。二日、三日は安静にしてろよ」

「私は何をしていたのですか?」

「ヴァルキリー・トレース・システムがお前の機体に入っていた」

「あれは条約で禁止されていたシステムですよね。なぜ私の機体に?」

「ドイツ軍の上層部が仕込んだものだとボーデヴィッヒ准将が言っていた」

「父上が?」

「ああ。連絡するか?」

「いえ、後で報告します」

「そうか」

 

 織斑先生は退出し、入ってきたのは鳳鈴音とセシリア・オルコット、キセツ・ミューゼルの三人。

 

「あら気付いたのですね?」

「先ほどな」

「ふ~ん、それより秋二知らない?」

「織斑か?」

「ええ、彼も運ばれたと聞いたので代表して私たちが来ました」

「いや、知らない」

「奥のベットにいるぞ。寝ているが」

「あら、お見合い品だけ置いて帰りますか。それよりラウラさん先ほどから私以外に誰と会話しているのですか?」

「誰って、鳳だろ?」

「おい」

「ええ」

「何話している?」

「ラウラさん落ち着いてください。ここに鳳さんはいませんよ」

「いや、いるから。影薄いからっていない扱いはしないで」

「そうだぞ。先ほどからそこで漂っている奴と一緒にするな」

「「え、漂っている?」」

「半透明な日本幽霊が「「ギャアアアアア!?」」お、おい!?」

 

 絶叫しながら保健室から出ていくオルコットと鳳。

 

「ボーデヴィッヒ居るからと言って、それはタブーだぞ」

「そうなのか?ドイツでは一部軍人の後ろには常にいるからついその類だと思って」

「スタ〇ドもまで兵器にするのかドイツは!?」

 

 ミューゼルに注意されて、出て行った。

 さて、起きているんだろ?

 

「いつから?」

「先ほどな。そいつは?」

「寝ていたからベットの中に入れた。色々ヤバいから」

 

 寝ている小原をベットに入れて起きた織斑。

 

「看病ありがとな」

「織斑試合はどうだった?」

「俺の勝利で幕締めで、学年別トーナメントは一回戦だけやって終わり。それで今週は休みだ」

「そうか。私は弱かった」

「力か?」

「いや、心が」

 

 話してしまうか。私の過去を。

 

「私はデザイナーベイビーとして生まれた人とは言えない存在だ。兵士として兵器としては最高だと当時言われた。しかし、ISが出てから操作向上実験として実験体として使われた。その時の私はさらに強くなってドイツの為にやれる、と思った。しかし……」

「失敗か?」

「ああ。私の左目に宿っている力の制御不能として失敗作の烙印を押された。今までの階級をはく奪されて、生きる証を失った。その時だ。第二回モンド・グロッソで一年間教官としてくれた織斑教官いや、織斑先生に鍛えられたお蔭で、力も階級も取り戻した。それと同時になぜ優勝できなかったと思ってしまった。原因は……」

「俺だな。正確に言えば兄さんだな」

「ああ、原因とは思っていた。愚かだったなあの時の私は。織斑先生が日本に帰ってから半年後のことだな。そんな私を正してくれたのは父上だった。養父だけど、調子乗っていた私をISなしでぶっ飛ばされた。その時、私にこう言ってくれたんだ。『強くなる向上心は良いことだ。だが、そんな私情では力で勝っても心では負けるぞ。俺と来い。そしたら、世界にいるごまんといる強者たちから学べる』そう言われて、父上の元で強くなるために修行している。その時か、養子縁組を組んだのは。結果はこのようなものだが」

「ボーデヴィッヒは強いよ。自分の弱さを知り、次はならないために考える。それと、お前は人間だ」

 

 驚いてしまった。なにか言われると思っていたが、こんな私を否定せず、考えてくれる。しかも、人間と言ってくれた。これだけでも私は救われた気分だ。

 

「まあ、強くなるなら、俺らも協力する」

「ありがたい」

「俺もボーデヴィッヒみたいな時があった。そんな俺を見てくれたのがいたんだ」

「いたって、もういないのか?」

「ああ。失って初めて気づいた。こんな俺を俺として見てくれた人がいたと。それから俺は失わないために強くなるために今生きている」

「貴重な話ありがとう」

「よせ、俺は少し寝る」

「ああ」

 

 織斑のこと初めて知った。こんな事実があるとは知らなかった。私も少し寝るとするか。

 

 SideOut

 

『もすもす、ヒメマス』

「姉さん」

 

 久しぶりの篠ノ乃姉妹の会話。

 

『おお、箒ちゃん久しぶりだね。で、なにかな?誕生日プレゼントかな?』

「いえ、私にISをください」

『何のために?』

「秋二の隣に立つために」

『……わかった。臨海学校の時に持っていくね』

「お願いします」

 

 妹は喜び、姉は心配する。 



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愛別離苦

 何気に連日投稿していることに気付いた。


「簪なのか?」

「うん。仮面ライダーヴラ。手伝うよ」

「……俺が前に出てる」

「うん。援護行くよ!」

 

 簪はソニックアローを取り出し、アリゲイタイガーへ向け弦を引いた。撃たれた赤い矢はアリゲイタイガーの胴体に刺さり、二本、三本と吸い込まれるように当たっていく。真・黄泉丸と黄泉丸を持ち、アリゲイタイガーの胴体へ斬っていく。高速で唐竹、袈裟、逆袈裟、右薙ぎ、左薙ぎ・左切り上げ、右切り上げ、逆風で斬りつける。

 

『平成スカッシュ!』

「はああああ!セイヤー!」

 

 黒いオーラが纏った状態で黄泉丸で左切り上げで斬り、止めに真・黄泉丸で袈裟で斬りつけた。

 アリゲイタイガーは後ろに二、三歩下がり、叫びながら突撃してきた。それを真・黄泉丸受け止め、ブレードを三回倒す。

 

『平成スパーキング!』

 

 簪もソニックアローにアップルエナジーを差し込む。

 

『アップルエナジー!』

 

 ソニックアローの中心に赤いエネルギーを集めていく。

 上へ跳ぶフィフティーン。空中で回転し、両足に黒いオーラを纏いドロップキックを放つ。

 

「「ハアアアアア!」」

 

 先に仕掛けたのは簪。六切れに切ったリンゴのようなエネルギーがアリゲイタイガーを包み、小さな爆発を起こしながら当たっていく。

 ドロップキックをアリゲイタイガーの頭上に落とす。着地と同時に裏拳で胴体を飛ばす。

 

「ガハァァァァァ!?」

 

 アリゲイタイガーは立ちながら、こう言った。

 

「ショッカー万歳!」

 

 大きな爆発を起こし、爆散した。

 それの上に『GAMECLRAR』と出ていた。

 大海原が消え、元いた場所へ戻ってきた。

 

「どうやらそっちもって、誰だ?」

「えっと、簪です」

「「「ウエエエエエエエエエイ!?」」」

「どこの剣ですか!?」

「えっと、カクカクシカジカ一角竜です」

「なるほど」

「通じたのか一夏!?」

「ああ。三位一体を見ればだいたいわかるぞ」

「あ、本当だ。って、イザナギお前修行な」

「マジっすか!?」

「じゃあ帰るか」

 

 それぞれのバイクに乗り、食堂に帰って行った。

 

 Loading

 

 Sideイザナギ

 今回の顛末と言うか落ち。

 簪の人権、昔の人権はないということがわかった。もちろん、龍間さんから聞いたことなので間違いない。もう、更識簪は死んでいることになっているのだから。今いるのは龍間簪なのだから。

 それと変化したことは、簪が守られるじゃなく守るために戦うことだ。そのことで反対する人はいなかった。今は一夏さんから弓を教わっている。センスはかなりあるって言っていたな。

 もう一つ変化したことがある。それは……。

 

「一夏くん!」

 

 更級宇宙さんが来るようになったこと。本人は簪ちゃんのことが心配だから来ていると言っていたが、どう見ても別件にしか来ていない気がする。

 簪曰く、「お姉ちゃんは私を心配しているよ。だけどね、お姉ちゃんには私のことで心配されても、もう大丈夫だよって言ったの。私を口実でもいいから来てね。一夏さんが待っているから」と言っていた。

 まあ、ここにいる全員は知っている。一夏さんを除いて。数馬さん、弾さん曰く、恋愛だけは朴念仁で鈍感、しかも自然に臭いセリフや惚れさせるセリフを簡単に言うらしい。頑張って宇宙さん。

 ああそれと簪と付き合うことになりました。

 戦いが終わった後の夜に、本音を言い合った後に俺が口から漏らしてしまい、そのまま告白して、そしたらいいよと返事をもらい、押し倒されました。深い意味はないぞ。学校では一瞬で浸透したな。

 今は学校帰り。帰り道を歩いているんだが、マドカとクロエと一緒にだ。

 

「なんか久しぶりに出た気がする」

「はい、そうですよね。そこのところ作者は忘れていたのでは?」

「メタいよ二人とも」

「簪様はゴールインしたのですからいいじゃないですか」

「そうだ。私も兄さんに思いを告げているんだがなかなか伝わらなくて」

「マドカは一夏さんに?」

「いや、Sと言う人にな。優しいしかっこいいし、そ、それに私を好きだと言ってくれたんだ」

「確かに惚れるね。だけどさ、それって……」

「わかっている。わかっているのだが」

「応援するよ。とりあえず、買い物でもいいから誘ってみるのがいいと思うよ」

「そうなのか?」

「うん。無難に買い物を誘ってみる。その時は私たちも行くから安心して」

「い、いや、遠慮する」

 

 マドカも好きな人が出来ているらしい。なんか一夏さん臭が半端ないな。もしや、クロエもか?

 

「はい」

「マジで?」

「マジです」

「ウエエエエエエイ!?」

「イザナギ様、はしたないですよ。お相手は聞かないでください」

「はいはいっと、悪いが先に帰ってもらっていいか?」

「なぜ?」

「先生からプリントもらうの忘れたから」

「わかったよ」

 

 よし行ったか。さてと……。

 

「そこにいるやつ出て来いよ」

 

 建物の陰から男が出て来た。

 

「いつから気付いていた?」

「学校出てから気付いたよ」

「そうか。なら、死ね」

 

 戦極ドライバーとフィフティーンロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

 フィフティーンロックシードを差し込み、ブレードを倒す……え?

 

「変身できないだと」

「ふふ、どうやら本当に効いたらしいな」

「それは?」

「お前には無用な代物だ」

 

 謎の男は懐から少し大きめのナイフを取り出す。

 

「うりゃあ!」

「ふふ、甘いな」

 

 パンチをかわされて一発で喉へ。

 

「かはっ!?」

「じゃあな仮面ライダー」

 

 悪いかん、ざ……し。

 

 SideOut

 

 なかなか帰りが遅いと思った簪は学校へ向かっていくとその通りに血を流しながら倒れているイザナギがいた。簪は急いで病院に連絡した。

 

「かん、ざし?」

「イザナギ!?話さないで!」

「もう、ない、からさ」

「しゃべらないで!?」

「生きろ……」

「イザナギ?イザナギィィィィィィ!?」

 

 イザナギは目を閉じた。その場には救急車とサイレンと簪の叫びが響くばかりだった。



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ライダー&怪人紹介/次回予告/小話

 連続投稿します。では、どうぞ!


 マテリアル

・仮面ライダーヴラ

・身長:185㎝

・体重:88㎏

・パンチ力:10.3t

・キック力:14t

・ジャンプ力:ひと跳び30m

・走力:百メートルを5.0秒

・紹介

 龍間簪が変身する仮面ライダー。自分の中にある黄金のリンゴをロックシードに変えて変身する。使用するドライバーはゲネシスドライバー。ロックシードはアップルエナジーロックシード。名前の由来は善悪の園のヴネから。

 姿はリンゴの赤と白をレモンエナジーアームズをイメージしている。眼は青。武器はソニックアロー。

 

・ジェントルマンドーパント

・紹介

 ザナドゥの社長の右腕の男、カイナが変身する。紳士のいでたちの男がジェントルマンメモリーで変身する。能力はないが、スカルやジョーカーと言ったライダーと同じ基礎体力が強いバランス型。手に持ったステッキよる攻撃とハットを使った攻撃が得意。

 姿はマスカレードに黒いハットと赤いネクタイ、シルバーのステッキを持っている。

 

・レッキング

・紹介

 ザナドゥが作り出したB.O.W。姿はハンターの姿をしているが、手と腕はハンター以上に大きい。その手腕は攻撃にも防御に使えるが、あっけなくやられた。

 

・バヨネット・ロイミュード

・紹介

 ザナドゥが作り出したロイミュード。基本性能はあるが突出した能力はない。コストも低く、警備、兵器としては有能。

 

・ラーペンジ

・紹介

 ショッカーが作り出したグリード。新たな海洋系コアメダルを使い、命令にも忠実。ウツボのような顔、クラゲのような透明な体、イカのような十本の足、サメのような尾びれ、人間の腕と足、手には二本の赤い三又の槍を持った五メートルくらいの姿をしている。

 

・アリゲイタイガー

・紹介

 ショッカーが作り出した新たな怪人。攫った人間を素材にアリゲイタ―とトラを合わせている。強靭な顎とトラの手腕が武器。

 

・影彦

・紹介

 ザナドゥの社長。セイヴァーと魔蛇に変身する。そして、半幽霊体だが、数馬の音撃打:豪火連舞・改で倒された。いや、成仏された。

 

 

 

 

 

 

 次回予告

 夏到来シーズン。IS学園では臨海学校が開始された。そこで新たな専用機持ちが二人増える。そして、アメリカとイスラエル合同軍用ISの暴走、それを迎撃に出る秋二、箒、キセツ。だが、箒の暴走により秋二が意識不明、キセツが行方不明どうなる日本の運命!?

 その近くには防衛軍が海底に謎の信号が発信されていることを発見する。調査に乗り出したアリタたち。そこには海底遺跡に眠る謎の石巨人がいた。それを目覚めさせようとする一人の宇宙人が眠りを目覚めさせてしまった。どうなるアリタたち。

 イザナギが死んだことで悲しみに暮れる簪。弾の提案で海で店を開くことになる。しかも、IS学園の臨海学校ところで開くことになった。だが、一夏と簪に気まずい場所だった。そんな場所でも仕掛けてくるショッカー。倒れる簪の前に黒い衣を着たライダーと黄緑色のライダーが前に立った。

 

「海だぁぁぁぁ!」

「典型的なダンジョントラップがあああ!?」

「なに、全部作ってもいいのだろ?」

「コノヤロー!?」

「秋二!?」

「ナタルなのか?」

「目覚めよ大海巨人よ!」

『グオオオオン!』

「アトラぁぁぁぁ!?」

「キャアアアア!?」

「簪!?」

『目標の沈黙を確認』

 

 とある人外共の生き様 夏だ!海だ!だけど、騒動はいつも起きているんだから、今日ぐらい休めよ。

 

「これがキセツと」

「秋二の合体奥義」

「「画龍転生!」」

「いくぜ、紅の弾丸見せるぜ!」

『テンガン!ムクロ!メガウルオウド!インビンシブル・ザ・スカル!』

 

 

 

 小話

「さて、作者よ。なぜ今回は連続投稿することになっている?」

 

 休み期間に入ったから今ならできると思い。

 

「一夏くん、石畳追加ね」

「命令するな!」

 

 一夏洒落ならない!?そいつはやめろ!?

 

「だが、断る。それに石畳じぁなくグラビモスだ」

 

 ウソだぁぁぁぁぁあ!?

 

「わかったよ。劇薬マーボーラーメンでも食え」

 

 鬼か!?

 

「龍だ!」

 

 知っているは!それに帝王お前も久しぶりだし、何気に新作出してんだよ!

 

「うお!?怒り矛先が俺に向かってきた。いいだろ別に」

 

 ええい。うるさい、うるさい!ハゲちゃえ、ハゲちゃえ!

 

「どこの灼眼と禁書目録だ!」

 

 知るか!ええいええい。いいだろ!ならば、戦争だ!

 

「いいのか?本気出せば元に戻るが?」

「言ってろ」

 

 貴様の目の前にいるのは誰か知っているか?

 

「「「死にされせ!この野郎が!」」」

 

 小話2

「……ん?ベット?」

「すぅーすぅー」

「(秋二!?なんで一緒に寝ているの!?と、とにかく起きないと……)「ごめん、ごめん。だから、そこに行くな」(寝言?)「千咲」(!?どうして姉さんの名前を?人違いかな?)え?泣いている」

「千咲、ごめん。気付かなくてごめん。千咲、いなくなるな、そこに行くなこっちにこい千咲!?」

「きゃあ!?」

「はあ、はあ、夢か。ん?悪い起こしたか?」

「ううん。ねえ……」

「なんだ?」

「やっぱいい。それより離れてもいい?」

「ああ、すまない」

「じゃあ私は帰るね」

「(退院したら聞いてみようかしら)」



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水着選び/夏のMarineFight パート1

 臨海学校編開始!


 Side秋二

 熱き戦いと入院生活が終わり、そして、絶望のテスト期間を乗り越えて、俺はレゾナンスに来ていた。ブラウンと小原に誘われて。ことの発端は二時間ぐらい前に遡る。

 自室で鍛錬の服装になっていたときに一本の電話が掛かってきた。

 

「もしもし、織斑だがどうしたブラウン?」

『おはようございます秋二。今日は暇ですか?』

「今から鍛錬だが……」

『いつごろ終わりますか?』

「昼前に終わるけど、遊びに行きたいのか?」

『ええ、水着を選んでもらいたいのです私たちのを』

「私たちの?」

「小原さんと」

「同姓と行ったほうがいいじゃないのか?」

『異性目線で選んでもらいたいので』

「なるほど。つまり、落としたい相手いるからその落とし相手に決めてもらうより、他の異性が選んだ水着を着て落とす。ってことだな」

『ええ、その認識で問題ないですわ』

「だが、俺以外にもいたと思うけど?」

『キセツはデュノア兄妹と一緒に行き、紺野兄妹たちは防衛軍のほうに行ってしまったの貴方しかいません』

「なるほど。いいぞ。今すぐ行くか」

『え、鍛錬のほうは?』

「なに、帰ってからできるしかわいい女の子二人を待たせるよりはいい。それに『秋二!いるのはわかっている!ここを開けろ!』ほら来たから。窓を開けていてくれ。じゃあな」

 

 と、服を着替えて窓からブラウンの部屋に移動した。

 

「本当に来たのですね……はあ~」

「これくらい大丈夫だし、遅刻するときはこれを使っている。それより小原は?」

「駅のほうで合流する予定よ。あ、着いたと連絡来ました」

「よし、外から出るぞ」

「はい?」

「戸締りはいいな?」

「はい。本当にやるんですか?」

「ああ、しっかり捕まっていろ」

 

 窓を閉めて、お姫様だっこでブラウンを抱き、近くのベランダに跳んだ。

 

「きゃあああ!?」

「もう少しで駅だから、我慢してくれ」

 

 この声を聞いた一人の女子生徒は、デジャブを感じた、と言っていた。

 と、駅で合流した俺たちはレゾナンスの水着売り場にやってきた。

 

「では、少し待っていてください」

「覗くんじゃないわよ」

「ああ」

 

 さて、少し店員に聞いてくるかこの二人に似合う水着を。

 

「すみません」

「はい、って貴方は百八煩悩の秋二さん!?」

「ちょっと待ってくれ。なぜの名を!?」

「もちろん。その情報は学園にいる生徒から聞いたからな」

「なん、だと!?」

「それより、何か御用が?」

「ああ、二人の水着を選びたいのだが、どれがいいのかわからなくてな」

「その二人の特徴を教えてもらえますか?」

「写真を見せます」

「ふ~ん、うん。この水着はどうですか?」

「……いいですね。各二着ぐらい選んでもらっても?」

「貴方が選んで差し上げたらいいのでは?」

「俺だと、ね」

「女の子は異性が選んだものは着たいものですよ」

「そう、ですか」

 

 で、店員のアドバイスの下、水着を選んだ。

 

「これとこれだけどどうだ?」

「うん、着てみるわ」

「ありがとうございます」

 

 あとは待つだけだな。気配だけ消しておくか。色々めんどくさいし。

 意外といけるな。後はこれをISでもできるようにならないとな。

 

「秋二さんいますか?」

「いるぞ。おわった?」

「ええ、小原さんは?」

「私もいいわよ」

 

 カーテンを開けると定員の選んだ水着を着ていた。

 ブラウンは、ブルーのパレオ付きホルタービキニ。小原は、ホワイトのレースフリルバンドゥービキニ。

 

「ど、どうですか?」

「に、似合ってないよね」

「じゃあ、率直に。ブラウンはブルーの水着を着ているため、清純な印象に見える。小原は白は似合いそうだったし、落ち着いた印象を持つ。似合っているよ二人とも」

「///あ、ありがとうございます」

「///っ!?」

 

 二人とも顔を赤らめながら閉めたな。恥ずかしいな、やめたらいいのに。まあ「ねえ、あんたこれ買いなさいよ」あ?

 

「なんで?」

「あんたが男で私が女。これだけでは意味わからないかしら?」

「なるほど、私は偉いんだからということか。バカか、あんたは?」

「な!?ば、バカはあんたでしょ!?」

「どうしましたお客様?」

「すみません痴漢です!」

「違います」

「嘘言わないでよ!防犯カメラ見ればわかるはずよ!」

「すみません百八煩悩を撃たれるのは困るんでやめてください!」

「なに百八煩悩って?」

「CP9の一人ですよ彼は」

「はあ、あんたこそ何言っているのよ?」

「お客様は名前は?」

「織斑秋二です」

「え?う、うそなんでこんなところに!?」

「連れの荷物持ちですよ。で、どうします?」

「し、失礼するわ!」

「すみません、助かりました。ですが、俺はCPの一人ではないですよ」

「時期になるのでは?」

「なりません!」

「どうしたの?」

「なんでもないぞ!」

 

 さて、次は……。

 

 小原はピンクのクール花柄フリルスカート付ワイヤーホルタービキニ、ブラウンはブラックのヒートカット柄パンツリバーシブルビキニ。

 

「似合っているね。うん、ピンクも似合うかなとおもったけど、やはりかわいい印象を持つね小原。ブラウンは白人としてのそして黒の水着のお陰で、さらに美しいな」

「ねえ、なんで平然に言えるのよ」

「率直に言わないとな」

「似合っていなかったら?」

「俺の判断ミスだろうな。それよりももう少し選ぶか?」

「いえ、これでいいです」

「私もこれでいいよ」

「わかった」

 

 着替えを待ちながら、気配を消す。さっきみたいなことなるとめんどいしな。

 

「着替えたわよ」

「二人ともよこせ。払うから」

「いえ、いいですよ!」

「そうよ。私たちがほしかったからであって」

「いいから、さすがに店員に白い目を見られるのは嫌だからさ」

 

 かごに入った水着をレジに持っていった。

 

「合計43,000円です」

「はい」

「ちょうどですね。レシートとお品物です。また、ご来店をお待ちしてます」

 

 買った水着を二人に渡し、近くの喫茶店に入った。

 

「ここでご飯食べてから次は秋二さんですね」

「いやいいよ」

「いいから、それに私たちが選びたいのよ」

「……わかった。お願い」

「「はい!」」

 

 まあ、ご飯食ってから俺の水着を選んでもらい、すこし買い物をして学園に帰った。え?移動手段?ベランダを登っていきましたけど。何か?



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謎の振動/夏のMaliceFight パート2

 久しぶりのウルトラマンsideです。


 Side進太朗

 

「博士これを見てくれ」

「これは?」

 

 シュタインが俺に太平洋のある地点を見せた。

 

「伊豆・小笠原海溝のこの地点に謎の振動が起きているのです」

 

 赤い地点に波のような動きがあったのだ。

 

「こいつは、地震?違う、海底火山?」

「ここの地点調査が必要だね」

 

 神田隊長にこれを見せに行った。そして、その地点の調査への会議が昼にやることになった。その間、可能な限り資料を作成した。

 

「では、臨時会議を行う。紺野博士資料を」

「はい」

「謎の振動?」

「はい。地形的には変化なし。しかし、未だ振動が収まっていないのです」

「そうなんですか?」

 

 次に画面に映したのは水色の炎マークが特徴な潜水艦。

 

「そこで、海中探索用機体マリンフレイムでその原因を突き止めてもらいたい」

「質問いいか?」

 

 アリタが質問を投げてきた。いいぞと答えるとその場に立って、マリンフレイムのことを聞いてきた。

 

「マリンフレイムの性能を聞きたい」

「そうだな。最大速度、40ノット、最大圧力は1500気圧まで耐えることにできています。ですが、そのため武装は最低限にしか詰め込めませんでした。一応言いますが、対怪獣魚雷を十、切削ドリルと作業アームしかありません。乗員数は三名」

「ありがとうございます」

「これにアリタいけるか?」

 

 神田隊長がアリタに乗員できるか聞いた。アリタから無論と返ってきた。

 

「草薙、タカハシいけるか?」

「「はい!」」

「紺野博士とシュタインは行く直前までデータを取ってくれ。アリタ以下二名は準備をして、今から0600まで集合、0630には出発する」

「「「「「了解!」」」」」

 

 謎の震源のデータを取りながら、タツミ、ユウキへ持っていくパッケージの調整をおこなう。この辺のデータをより細かく伝わるようにし、必要ないこの辺りは最低限にって、エラー?こんな時に『ピィーピィー!』今度は震源になんかあったな。なになに……え?こいつは山か?山にしては歪ではない。まさか⁉

 

「シュタイン!今すぐデータを取るぞ!」

「もうやっている!」

 

 やはり建物だったか。しかし、建物がこう上がってくるものなのか。そもそも、海底にあるのだから壊れていないといけない。しかも、深いところなのに。

 

「どうやら、海底遺跡だね」

「そうだな。隊長に伝えてくる。データを頼む」

「了解」

 

 神田隊長に連絡をしないとな。

 

「隊長、紺野です」

『どうした?何か進展でも?』

「はい。これを見てください」

 

 隊長の端末に先ほどのデータを送る。送られたデータを額にしわを寄せながら見ていた。

 

『……なるほど。三人へ俺が送っておく』

「頼みますこちらも引き続きデータを取るので」

『疲れないようにな』

 

 さて、パッケージの調整に戻るか。『プルプル!プルプル!』今度は何だよ。

 

『紺野さんお久しぶり』

「インファント社長久しぶりだな。何かありました?」

 

 今、電話をよこしたのはアメリカにあるIS会社、インファント社の社長、レオ・M・インファント。若手ながら世界のIS業界ではその名を知らぬ者はいないだろ。そして、俺らのスポンサーだ。

 

『今回送ったインクルシオと紫のパッケージなのだけど何か不備が生じましたか?』

「そうだ!ここなのだが、今データを送る」

『受け取りました。何々…………ああ!ここですね。確かに伝達能力を上げるなら中枢の細かい器官をさらに細かくする。理に適っているのですが、やはり、オーバーヒートするのでキツイですよね。ならこことここを変えてみるのは?』

「はい。……なるほど!いいですね。なら、次のパッケージは」

『そう……宇宙用パッケージの試作パッケージ、海中用パッケージ、スプラッシュアサルト』

「子供たちに試験パッケージを使わせるのは危ない気がするな」

『大丈夫よ。こっちのほうで試験運転は済ませたし、後は、それなりのデータが特に海中での行動を』

「社長のほうでもできたんじゃないのか?」

『一応ね。だけど、私的にはあなたには迷惑を掛けたのを忘れていないわ』

「あれはしょうがないが、起こした奴が全面的に悪い」

『ですが……』

「水に流しましょう。それより、アメリカも大変そうですね」

『まったくよ。大体、アメリカやロシア、中国などが脅してくるからたまったものではないわ。それよりも、紺野さんあなた最近変わったわね?』

「変わった?どういうことだ?」

 

 俺は疑問に思った。その口元はかすかに笑っていた。

 

『最近さ、こっちのほうにある人たちが来ていてね。それ撃退よ。まったく』

「はあ?」

『誰もがウルトラマン(・・・・・・)って口々言うのよ』

 

 少し背中に汗が落ちた。だが、呼吸は乱さないで聞いた。

 

「……こちらから何人か送りますか?」

『いいのよ。こっちはこっちで処置しているから。気を付けてくださいね。特に後ろにいる()デバイス(・・・・)には。それじゃあ、仕事が来たから切るわ』

「ええ、伝えておきますよ。巫女(・・)社長」

 

 まさかばれていたとは、協力関係だからとかスポンサーとか命の恩人とか。色々感づかれると面倒だな。

 

 SideOut

 

「ふうー」

「お疲れさま、コーヒーだ。砂糖は多めだろ?」

「ええ、ありがとうバトラ」

「それでどうだ?」

「間違いなくあいつらと同じところの奴だわ。けど、大丈夫そうだったわ」

「そうか。では、あいつの話を信じるってことだな」

「ええ。彼を、いえ彼女を」

 

 インファント社地下のある一室。そこには黒と白の縞々の宇宙人が立っていた。赤い瞳を光らせながら。



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乗り越える/夏のMarineFight パート3

 夏が終わっているのにここではまだ夏が到来したばかり。
 何気に新作を作りたいと思ってしまう作者います。
 それと、書き方がクソです。それでも読んでくれる人はありがとうございます!


 池袋にあるアナグラ食堂は悲痛な空気が流れていた。

「……イザナギ」

 

 先日、イザナギが何者かに殺された。死因は喉に刃物による刺し傷。戦いに後れを取ることがまずないイザナギが殺されたのだ。簪は突如死んだイザナギことで酷く悲しんでいる。

 

「簪ちゃん」

「すまない龍間さん」

「しょうがないとは言えない。言えないけど弾くんが悔やむ必要はないよ」

「弾、少し話がある。龍間さん簪のことお願いしします」

「わかったわ」

 

 一夏は弾を休憩室に呼んだ。

 

「来たな」

「まじめだな」

「さすがにふざけるほど、今は馬鹿じゃない」

 

 数馬はクリップで纏めた紙を渡した。渡された弾は読んでみた。一番目に入ったのはディメッションの文字だった。中身を読んでみると、そこに書かれていた言葉に驚いた。

 

「おい。これって⁉」

「奴らの目的は、転生封じの技術の実験」

「確かにこの世界には最大の脅威というわけではない。ないが、これ以上犠牲者は増やすわけにはいかないな」

「ああ、俺も伝手で調べてもらったが、この世界には四人転生者がいる。次のページ」

 

 捲ると、五人の顔写真が写っていた。

 

「三人はIS学園所属。一人目は織斑秋二。織斑千冬の弟で一夏の元弟。二人目、三人目は紺野タツミ、ユウキ兄妹。防衛軍候補生で、紺野進太朗博士の子。四人目は愛越学園の萩村倭」

「この四人の護衛か?」

「護衛というより陰から見守ることだな。いつ襲撃するのかがわからないが、IS学園は来週臨海学校があるらしい。そこで一夏」

「ああ。社会的抹殺対象がいるんだ。俺よりも先に殺されるのは避けるのは当たり前だ」

「うん。ツンデレ?ありがとう。そして、頼む」

「じゃあ、俺は愛越学園か?」

「いや、そこはマドカとクロエが二学期転校するらしい。その間は俺が行く」

「俺は?」

「ここにいてくれ。ここの処置は任せた」

「了解」

 

 最後のページには、重要なことが書かれていた。

 

「おいおい、これも本当かよ」

「ああ、そのための機関らしい」

「メンバーは俺と数馬、弾は決まっている。候補はごまんといるってよ」

「じゃあかい「すみません⁉」うん?簪かどうした?」

 

 扉を開いていた簪が息を切らしながらいた。

 

「わ、私も一夏さんと一緒に行ってもいいですか?」

「まさか?」

「はい。話を聞いていました。」

「立ち直った?」

「少しわ「少しか、いいけど。辛かったら言えよ」一夏さんありがとうございます!」

 

 そこへ、クロノも来た。

 

「一夏くん、私もついて行ってもいいかしら?」

「事情を知っているならいいですが」

「ええ、大丈夫よ。それになんか会えそうな気がするんだ」

「恋人ですか?」

「違うわ。初恋よ」

 

 IS学園臨海学校へは一夏、簪とクロノの三人。愛越学園二学期までは数馬、二学期からマドカとクロエ。池袋には弾。

 

「それじゃあ、少しの間休学届を出して、水着を買いに行きましょう!」

「え⁉」

「そうだな。それと終わったら鍛えるぞ。最低、自分の身を守るぐらい力をつけてもらう」

「えー⁉」

 

 Side???

 白い謎の空間。そこに老人、女性、青年の三人がいた。

 

「本当にいいのか?」

「ああ、強くらならいといけないんだ。頼む!」

「レナ、例のを」

「はい。???これを」

 

 青年はレナから黒い腕輪型の機械を受け取った。

 

「頼んだぞ???」

「ああ。死んでも死にきれないんだ。また生きられるんだ。今度は約束を守らないといけないし」

「では、第一の世界は、クウガの世界じゃ。気を付けるんじゃぞ」

「はい!」

 

 青年は灰色の空間へ入っていった。それを見送った二人は今話題の話した。

 

「レナよ。一部の神々が結束して対ディメッションのある機関の話を聞いたか?」

「はい。天影様とスピード様たちが作ったと」

「ああ。表だっては裏神が作っているといわれておる」

「ま、待ってください⁉かの神は行方が分からないのではなかったはず⁉」

「そうだ。じゃが、いち早く気づきそのための準備をしていたのもかの神でもある」

「久しぶりだな、ディーノ」

 

 その場に現れたのは黒いマントに包んだ男性。

 

「裏神様」

「ああ、久しぶりだねレナちゃん」

「え、ええお久しぶりです」

「大きくなった?」

「もうこの世界にいるので成長という概念はないです」

 

 そうれもそうかと笑ってごまかした。そして、真剣な顔つきになった。

 

「ちょっと協力してもらいたい」

「なんなりと」

「今、俺はある機関を作っている。そのメンバーを今探している。誰かいないか?」

「候補が多数いると聞きましたが?」

「三人は決まったのだが、残り九名を決めかねている。紹介してくれるとうれしい」

「そうです……二人います」

「二人か。名前は?」

「???という者と???という者です」

「???は、数馬たちの弟子か?」

「弟子なのでしょうか?確かにあの三人の下で鍛えられた者です」

「もう一人は、この世界にいるのか」

「ええ、見込みはあるかと」

「死んだら迎えに行くか」

「その前に終わるのでは?」

「かなり大きな組織だ。生半可のもので行くと死ぬ、いや消滅する」

「そこまでの相手なのですか⁉」

「ああ。すまないが、できる限り表にいる神々どもにはばれないようにな」

「御意に」



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戦前/夏のMaliceFight パート4

 Side秋二

 とうとうこの日がやって来た。待ちに待った。

 

「さんさんと照らす太陽」

「風に乗る潮風」

「目の前には青い海」

「「「「臨海学校よ、私が来た!」」」」

「うるさいぞ馬鹿共!」

「「「「セラフ!?」」」」

 

 ……殴られた奴らはほっといて、早速今日から三日間お世話になる旅館の女将に挨拶をすることになった。

 

「今日から三日間お世話になる花月荘だ」

「みなさん、ゆっくりしていってください」

「「「「「お願いします」」」」」

 

 本当に若いなこの人。既婚者で子持ちなのにまだ二十代くらいには見えるんですけど。

 

「あら、この子達が」

「ええ、すいません。色々迷惑をかけます」

「いえいえ、迷惑なんてそんなことはないですよ。すごく素直な子達じゃないですか」

「お前達は私ら教員と部屋がいっしょだから」

「「はい」」

「これが日本美人ですか」

「初めて見たよ着物」

「「すごく美しいです」」

「こんなおばさんを、お世辞でもうれしいわ」

「女将さん、こいつらは素で言っているんで」

「さて、肝心な授業は明日からだ。今日一日は遊んでもよい。ただし、迷惑はかけるなよ。特に男子ども一線を越えるようなことはするな。いいな?」

「「「「Yes,mam!」」」」

「誰が、女ボスだ!」

 

 さっそく、部屋に行き、水着アップ!(すいませんテンションが変わると思うのですが、気にせず見てください)

 選んでもらった黒いトランクスタイプの水着を履いて、白のパーカーを羽織ってさっそく千紗とブラウン達と合流した。

 

「来いよ。サマーデビル」

「私をそう呼んで生き残った(勝った)人はいないわ織斑くん」

「ふふ、見せてやろう。行くぞキセツ、ブラウン!チームソレスタルビーイング!」

「行くわよ!ユウキちゃん、タツミくん!チーム鉄華団!」

「えー、鉄華団VSソレスタルビーイングの試合を開始します。スタート!」

 

 サーブ権は俺たちから。

 

「行くぞ!」

「でませい!」

 

 鋭いサーブが鷹月へ放たれる。鷹月はレシーブでうまく上に上げて、それをトスするユウキ。

 

「兄ちゃん!」

「おう、任せろ!」

 

 高くジャンプしたタツミは回転して足でボールとアタックする。回転と普段から動かす足の力でボールは強い一撃として放たれた。だがそれを止めたのは。

 

「遅いわね」

 

 そうブラウンだった。足でボールをトスし、秋二へ繋げ、キセツへ繋げた。

 

「いくぞ」

 

 足に風が纏いはじめ、纏った右足でボールを蹴った。

 

「ストーム!」

 

 それを受け止めようと鷹月はボールを掴んだ。だが、思い出してほしいなぜビーチバレーをしていたのにサッカーみたいになっているのか。

 

「ピー!鷹月、イエローカード!」

「え!?」

 そんなリアクションだよね。

 

 

 SideOut

 

 Side千冬

 三年ぶりに私はアイツと今日の夜会うことになった。黒のビキニに着替えて、生徒たちがいるところに来たのだが、なにがあった?

 

「お、織斑先生!?」

「これはなんだ山田先生?」

 

 ビーチバレーなんだろう。だが、死屍累々はなんだ?

 

「織斑先生もやりますかビーチバレー?」

「これがビーチバレーだったら、この有り様はなんだ?」

「ビーチバレーをしてたら、周りに被害が起きてしまい、全員気絶しました」

「馬」

「鹿」

「者」

「共」

「が!」

「「「「「「ビィビィ!?」」」」」」

 

 足下に転がっていたボールで馬鹿六人へ当てる。

 呆れた私はこの場を離れて、お腹が空いたから海の家へ来た。

 

「いらっしゃいませ」

「焼きそばとかき氷メロンを一つ」

「はい」

 

 更識に似た格好の少女に注文していると隣にいる店員に目を疑った。どこぞのロリコン吸血鬼擬きや某妖怪アンテナのような黒い髪型で、目が鋭い。そして、姿が秋二は似ている。こっちのほうが大人びているから父に似ている。

 

「お待たせしました」

「ありがとう」

「また、来てください」

 

 焼きそばとかき氷を持って、山田先生のところへ戻ってくると、赤のスポーツカーが道路に止まっているのが見えた。

 

「あれは紺野兄妹?」

「あ、織斑先生」

「こちらが」

「失礼します。紺野兄妹の関係者ですか?」

「父です」

「お父さんでしたか」

「初めましてタツミとユウキの父、紺野進太郎です。息子娘がお世話になっています。そちらにご迷惑はなかったですか?」

「いえ、二人は我々教師一同に見習わせる所がただただあります」

「そうですか。では、明日はよろしくお願いします」

 

 車に乗って、この場を去っていった。

 そうこうしている内に夕方になっていた。生徒達を旅館に戻し、夕食が準備されえている大広間に先に来た。続々と生徒、教師が集まり、最後の教師が席に座った。

 食事は何事もなく、この海で取れた新鮮な魚介類を使った料理を舌鼓した。

 そして、その夜。待ち合わせ場所のいた。

 

「ちーちゃんおまたせ」

「来たか束」

 

 童話アリスに出てくる服装で機械的なウサギの耳を着けているのが、篠ノ乃束。全世界で指名手配されている友達だ。

 

「直接会うのは何年ぶりかな?」

「さあな、大体の用件は察している。だが、今必要な事なのか?」

「……そうだね。だけど、私もうかうかしていられないしね。それに今の箒ちゃんを見てみたいし、それにこのコアが反応したんだよ。ちーちゃん」

「束、一つ聞きたい。お前は何をする気だ?」

「勿論、戦争だよ。止めるための。もう二度とあんな思いはしたくないから」

 

 そう言うと束は消えていた。何が始まるのか、その時は私は……。



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海底遺跡/夏のMaliceFight パート5

 Sideアリタ

 俺率いるマリンフレイムにはタカハシと新人の草薙が乗っていた。

 

「草薙大丈夫?」

「大丈夫ですよ。これでも世界中を旅していたので。しかし、遺跡か。久しぶりだな」

「そう言えば、旅って何が目的で?俺たちよりも川瀬たちと同い年みたいな気がするんだが?」

「まあ、実は俺友達探しているんですよ。各国二週間くらい滞在して、そこで遺跡とかもいくんですよ。懐かしいなピラミットの地下迷宮並みなのかな?それともバラージ遺跡の大量のトラップぐらいの難易度かな」

「「いや、バラージ遺跡に遺跡荒らしの犯人お前か!?」」

「あ、荒らしていませんよ!ただ、そこに入って大量のトラップにすべて引っかかって虫型兵士を倒したのはしかたなくで、それで壊したのはすいません。でも安心してください。青い宝石とクワガタみたいなスパークドールズは手元に持っているので」

「あとで報告な」

「ええ」

「ちょっと待ってくださいよ!?」

『おい、お前ら無駄口叩くな。そして、草薙お前はスパークドールズと青い宝石を帰ってから渡せ。さらに防衛軍の本部に連行し然るべき処置をする』

 

 目的の海底遺跡に着いた。命令通りに遺跡全体にサーチをかける。お!内部に入る入り口を見つけたか。

 

「これより遺跡の内部に入る」

『了解。気をつけろ』

 

 とりあえず、道なりに進むことにした。幸いと言うべきなのか、壁には松明が灯されていた。それだけ、謎の多い遺跡だと思い知らされる。

 

「松明か。もしかしたら……やっぱり熱くない」

「熱くない?そんな馬鹿なことがあるわけないでしょう」

「本当ですよ。このタイプは文明が発達した物かな?さらに付け加えると案外古式のトラップが大好きな発明家が作りそう」

 

 馬鹿馬鹿しいと、タカハシがそう言うとタイルが沈んだ。

 ドンッ!と大きな音が入口付近から聞こえた。

 

「ハハハハ、走りますよ!」

 

 草薙が先行して走ったので俺たちは急いで追いかけた。するとゴロゴロ!と転がる音が聞こえた。俺は全力で走った。タカハシが後ろを振り向こうとしていたのを前を向かせた。

 

「な、なによこれ!?」

「逃げることに専念しろ⁉」

「ふふふ、な~に見えた!左右の窪みに入れ!」

 

 SideOut

 

 Sideタカハシ

 新隊員の草薙のこの少年とは言えない大人びている訳でもないただ坦々に己の経験談を聞いて、少しムカッときた。

 嫉妬なのは理解しているけど、やっぱりそれでも腹立つ。

 そんなこと思っているとき、草薙の声が響いた。

 

「ハハハ、走りますよ!」

 

 いきなり走った草薙を追いかける先輩と私。その後ろから何かが追ってきた。私は後ろを見ようとしているのを先輩が止めて、さらに走るスピードを上げた草薙を追いかける。

 

「な、なによこれ⁉」

 

 私が叫ぶと先輩は逃げることに専念しろ⁉、と言う。けど、体力が、ない。

 

「ふふふ、な~に見えた!左右の窪みに入れ!」

 

 草薙が見つけた。ひと一人分入れる窪みを見つけたけど、もう限、かい。

 

「タカハシ⁉」

 

 ああ、先輩の声が聞こえる。ごめんなさい先輩、私はここで落ちます。後ろ迫りくる何かを感じながら目をつむった。その時、腕を誰かに捕まれ壁に乱暴に押された。

 

「大丈夫ですか?」

 

 草薙の声が聞こえた。目を開けると草薙の胸が目の前にあった。密着されているわけではないけど、それでも顔から湯気が出てそう。

 

「あの~?」

「ひゃい⁉」

 

 あああああ⁉動揺して変な声出ちゃった⁉

 

「そこどいて⁉」

「はいはい」

 

 草薙は退くと後ろを向きながら先輩に話しかけていた。

 

「ケガはないですか?」

「ああ。そっちは?」

「私は大丈夫です。彼がかばってくれたので」

「では、行きますか。俺もそろそろ本腰いれて安全なところへ連れていきます」

 

 草薙がそう言うと目を細めてある一点へ石を投げるとその地面から無数の棘が出てきた。

 

「結構、多いですね。迂回する道はないですし、このまま、気を付けていきましょう」

「一気に破壊はできないのか?」

「一応、いけるはずです。じゃ、失礼します」

 

 そう言って私を抱えた草薙。

 

「え、え⁉」

「舌噛みますよ。では、行きます」

 

 その時、私はここには化け物しかいないか、と思ってしまう。

 

 SideOut

 

 SideUnknown

 遺跡部最深部。そこまでの道のりのトラップを回避してきたアリタと草薙、気絶しているタカハシ。そこにあったのは中央に赤い光を輝く玉が填め込まれえている壁。そこはこの遺跡の心臓部だろう。コントロールらしき物はなく、通路が三つある。

 

「二手に分かれますか?」

「いや、一つずつ潰していくのがいい」

 

 中央の道へ進もうとしたところ、そこから何かが現れた。その姿人だが、まるで石膏で作られた石人形のような姿だった。

 

「海底人間ってか?」

「そんな冗談言えるほど、状況は緩くないぞ」

「ん?何か人のみではありえない現象が起きたような?って、どんな状況なんですか?」

「見ればわかるほど、会話が通じない人?が来たのでね」

 

 三十体くらいで囲んでアリタたちを取り囲んでいた。通路の奥から石人形とは違う生身の人が現れた。正確に言えば人ではないが。

 

「よく来たな」

「こいつらのボスってところか?」

「そうだ。我はクレイト。この神殿そのもの。そして、この者たちはアテナイ。ここに住んでいたお前らで言う人間に当たる者たちだ。どうだ、我の話を聞かないか?」

 

 クレイトは一拍置いて。

 

「我の下で働けば、好待遇。例えば、世界の半分はくれてやる」



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作戦会議/夏のMaliceFight パート6

 Sideキセツ

 翌朝、専用機持ちと一般生徒に分かれた。その専用機持ちの中に何故か問題児がいた。?日本人は問題を起こした人を問題児と呼ぶと教わったのだが、違うのか?……そういうことか。問題児とは篠ノ乃箒のことだ。俺は接点はないのだが、秋二が言っていたのだが、しつこい女らしい。しつこい女は嫌われると聞いていたが、あそこまで図々しいと天晴だっけ?

 

「すいませんなぜ篠ノ乃さんがいるのですか?」

「それはだな「ちぃぃぃぃぃっちゃぁぁぁぁぁんっ!」はあぁぁぁっ、はっ!」

 

 こちらに向かってきた人を織斑先生はアイアンクローで掴み、地面に叩きつけた。

 

「痛い痛いよちーちゃん!?けど、癖になりそう」

「なに変態発言している束」

 

 さらに手を強めて、束って人の頭を潰していく。束?

 

「もしかして、しのののの束博士ですか?」

「そうだよきーくん。後、のが一つ多いよ」

 

 やはり、篠ノ乃博士だったか。それときーくんって?

 

「束さんお久しぶりです」

「姉さん」

「うんうん。久しぶりだねしゅーくん、箒ちゃん」

 

 問題児は博士に聞いてきた。

 

「わっているよ。けどね、それは箒ちゃんや束さん、他の有象無象が決めるじゃなくて、この子紅椿が決めるから」

 

 そう言うと、空に指を指して見上げた。空から黒い箱が落ちてきた。その中から紅い機体が現れた。これが紅椿か。

 

「ふふふっ、これが束さんが作り上げた第四世代型IS、紅椿。性能は白式にも搭載している展開装甲と言う技術を組み込んだ全戦闘対応型さ」

 

 篠ノ乃博士が紅椿の性能を簡単に説明した。確かに高性能だが、所有者が扱えなかったらただの鉄くずだよな。銃やナイフだってそうだ。

 

「身内だってね」

「うらやましいなぁ」

 

 確かにそうだ。身内だからっていいのか?いや、身内に甘いからそんなことをするのか。

 

「人類、皆平等だったことがあったかね。さ~て、箒ちゃん乗って」

「はい」

 

 なんだ、身内だから当然、って表情していてなんかムカつく。俺もやるか。と言ってもイコライザーに着ける装備と外す武器の選定だけど。

 やっぱ、ナイフが使いやすいかな。普段から使っている分、これが一番手に馴染むし、軽量武装を多めに装備してもらった。そして、注文していた武装を入れた。

 

「どうですか?」

「すごくいいです。このストームとトルネードは軽くて遠近両方に対応していて使いやすいですよ」

 

 リボルバータイプとハンドガンタイプの銃剣を振り回して、仮想的を射ぬ射たり、弾倉交換を試したりと。

 

「それはよかった。大型武器は全部持っていくのでご安心を」

「ありがとう」

「織斑先生!?」

 

 慌てて現れた山田先生は織斑先生に何かを話していた。

 

「中止だ!今すぐ一般生徒は全員は部屋で待機!許可なく出歩くことをしたら厳罰だ!専用機持ちと篠ノ乃は大広間に集まれ!」

 

 事件か?

 

 SideOut

 

 Side秋二

 専用機持ちと篠ノ乃は千冬姉さんに言われた通り、大広間に集まった。

 

「今から一時間前にアメリカ・イスラエル共同ISが暴走した。その鎮圧にIS学園に任された。正直言って私たち教員が出ればいいのだが、一般機では太刀打ちはできない。もし、力を貸してくれるなら、力を貸してくれ!」

 

 太刀打ちできない。そんなこと言われたら断れないよな。

 

「やりますよ俺は」

「むしろ、俺の国の尻拭いは俺がするよ」

 

 俺の他にミューゼルが立候補した。そして、紺野兄妹以外はやると言った。

 

「織斑先生、実は俺たち別の案件が起きてしまったのでそちらに行ってもいいですか?」

「緊急か?」

「はい。怪獣が出ると言っていたので」

「わかった。補給を済ました後、出発しろ」

「わかりました」

 

 紺野兄妹が別の任務で出て行ってしまった。

 

「さて、何か聞きたいことはあるか?」

「スペックについて聞きたいですわ」

「いいだろう。だが、他国の技術なので一年間の監視がつく」

 

 オルコットがスペックを要求してきた。原作と同じ、機体性能と未知数そして操縦者。

 

銀の福音(シルバリオン・ゴスペル)とナターシャ・ファイルスだと」

「どうしたミューゼル?」

「織斑先生、俺をその任務ついていいですか?」

「知り合いか?」

「はい。戦ったこともあるので、もしかしたら生かせると思えるので」

「……いいだろう。ミューゼルは確定。後、オルコット、ブラウン、織斑行けるか?」

「俺は良いぜ」

「私たちは三十分あればインストールできますわ」

「よし、作戦は「ちょぉぉぉっと、待った!」なんだ束今忙しいんだが「断然、紅椿の番だよ!」なんだと?」

 

 束さんは紅椿のスペックを言い始めた。確かに早いと思うが、俺は篠ノ乃のことを言った。

 

「束さん、篠ノ乃はまだもらったばかり扱えるわけがないでしょう?」

「しゅ、秋二!?私はやれるぞ!」

「なにがやれるだ?お前は浮かれているぞ」

「浮かれているわけないだろう!」

「なら、俺はいかない」

「な!?」

「お前は俺が立候補していなかった参加していないだろ?」

「そ、そんなわけ「事実、お前は俺の顔を見て言ったのは知っているから」っ!?」

「束すまないが」

「いいよ。確かにあの数分で操れるかと言えば無理だもんね」

「……作戦は今から一時間後各自装備の確認をし、海岸に集合、解散!」

 

 悔しい顔をした篠ノ乃を見ながら、俺は部屋を出ていった。



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ラウンド1/夏のMaliceFight パート7

 Side秋二

 

『目標確認!スクランブルまで五十メートル!』

「作戦通りに!行くぜ!」

 

 今回の作戦はシンプルで賭けに近い、だが問題ない。失敗をしても策はまだある。

 俺はブラウンのビットを足場代わりにし、月兎で第一加速を、さらに最近会得したイグニッション・ブーストを使い、一気にシルバリオ・ゴスペルへ近づいた。だが、ただの速いだけではダメだ。さらに重い一撃を乗せないと。それに使う技はこれだ!

 

「錬武法奥義、竜巻!」

 

 速度は申し分ないし、その分重い一撃を叩きこめる。そして、白式には霊落白夜がある。それを合わせれば、倒せる。

 シルバリオ・ゴスペルは気付いたが、遅い。

 ドリル状になった一撃が一気に胸に叩きこんだ。シルバリオ・ゴスペルはそのまま、海に落下した。

 

『シルバリオ・ゴスペルのエネルギーエンプティ』

「作戦成功かな?」

「たぶん。一応、警戒は『海面より高熱反応!?来ます!?』っ!?」

 

 どうやら、相手は簡単に倒れてくれないらしい。しかも、姿も二次移行。

 俺は作戦2へ移行した。

 俺は今あるエネルギー接近戦で戦い、遊撃をブラウン、援護をオルコット、そして、指揮をミューゼルにしてもらう。

 エネルギー弾を撃ってきたのでとりあえず、全部回避!縦横無尽に空を駆けぬけ、できる限り後方にいる者をターゲットされないように回避。時折、乱月を撃ったりして、常に俺がヘイトを稼ぐ。

 

『動きは読めた。織斑は今まで通りに動いて、ブラウンとオルコットはパッケージの解除。その間は俺が援護する』

「了解!」

「わかったわ!」

「わかりました!」

 

 とりあえず、動くのを必要最小限にするのみ。主にエネルギーがヤバそうだし。動から静へ変える。

 好機と見たのか、シルバリオ・ゴスペルが接近戦を仕掛けてきた。速度は速いが、避けられないわけじゃない!パンチを受け流し、キックを抑えて、投げ飛ばす。エネルギーはさっきよりは少ないが、消費するスピードも多いわけではない。

 そこへ、ブーメランが二つ、俺とゴスペルの間を通り抜けた。

 

「あぶなぁ!?」

「す、すまない!?」

 

 どうやら、ミューゼルが投げたブーメランだった。本当に危なかった。シールドエネルギーがまだあるうちにできる限り、減らさないと!

 

「お待たせしました!」

「ブラウンとオルコットが来たな。二人は攻撃範囲外でゴスペルを中心に平行になるように援護」

「ええ」

「織斑は一回交代だエネルギーがやばいだろ?これを使え」

 

 ミューゼルに長方形の物体を渡された。

 

「エネルギー回復のバッテリー、後方でそれを使ってくれ」

 

 俺は言われた通り、後方に下がった。だが、予想外なことが起きた。

 

『しゅーくん大変だよ!?』

「どうしたんですか束さん?」

「箒ちゃんがそっちに行っちゃったんだよ!?」

「なんだと」

 

 SideOut

 

 Sideキセツ

 俺はシルバリオ・ゴスペルと戦いながら、保護されたときにあった出来事を思い出していた。

 

『ハーイ!貴方が四人目の男性操縦者ね?』

『キセツ・ミューゼルです。よろしくMs,ファイルス』

『私って有名かしら?』

 

 ナターシャは天然気味の人だった。

 

『ここはね、ISの研究室よ。ここに私が乗っている子、シルバリオ・ゴスペルがいるのよ』

『子?物じゃないのか?』

『あの子は物じゃないわ。私が乗るとね、甘えてくるのよ。いつも、おはよナタルって』

 

 楽しそうに話していた。その時に会ったんだ。近くに鎮座していたこいつに。愛着がわく、わかないかかわらず、とりあえずコミュニケーション取ることが大事と言われた。

 

『おお、お前がキセツ・ミューゼルか?』

『そうだけど。Ms,コ―リング』

『俺の名前を知っていて当然か。まあいいさ、お前乗って一週間か?』

『ああ、稽古つけてくれるならナタルがついてくれている』

『そのナタルに、言われたから今日は俺が相手だ』

 

 イーリスにも会い、色々来い期間だった。俺がIS学園に行くときに、別の所で働くと聞いていたので休みの時はい行こうと思ったが、意外と早く会えた。

 ぱっぱと倒すとするか!

 

『警告!こちらに未確認ISが接近中!』

 

 なんだと!?

 

『俺だ!こちらに篠ノ乃が向かっている!無断で出たらしい俺が止める!』

「わかった!ここは任せておけ!」

 

 織斑が抜けた。三人でやるのか、少しきついがやるしかない!

 ストームとトルネードを取り出した。接近しながら翼を狙い撃つ。格闘戦できる範囲まで来た。右手に持つストームで突きつける。避けたが、左手に持つトルネードで撃つ。もう一段階、スピードを上げて蹴る。片手で足を掴まれたが、顔面に三発づつ撃った。掴まれていない足で蹴る。

 大きく避けれたが、そっち側にはオルコットがいる。

 

「見えましたわ!ブルー・ティアーズ!」

 

 ブルー・ティアーズを操りながら逃げられないように道を潰している。戻ってきたな!さっき同じだ!

 

「はああああ!」

 

 空から紅いISが突っ込んできた。

 

「何をしている!?」

「こっちのセリフだ!」

「お前たちが、私と秋二がいればそんなの終わる」

『逃してしまった!』

 

 追いつかないと!ウインドラビットの速度を上げた途端、その先に篠ノ乃がいた。早い!これが性能の差かよ!

 

「キセツ!行くぞ!」

「おう!」

 

 やっと現れた織斑と共に攻撃を仕掛ける。

 お世辞にも剣道の戦いをしている篠ノ乃。普通の人なら倒せるじゃないかという腕前だが、今はいらない。むしろ邪魔だ。

 

『名称不明の船を発見!』

 

 こんな時に!?

 

「織斑さん、ミューゼルさん危ない!?」

 

 ブラウンの声を聞いた時、俺は、俺たちは船の方に飛んで行った。

 目の前に輝く光を包まれたと同時に意識は無くなった。

 

 SideOut

 

「お、織斑先生」

「オルコットとブラウン織斑とミューゼル、篠ノ乃を回収して離脱だ。作戦失敗だ!」

 

 千冬は作戦に出ている者たちを離脱させた。大広間に沈黙が招いた



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言葉の重み/夏のMaliceFight パート8

 Side一夏

 IS学園の教師に砂場を退避された。何でも、事故が発生したらしい。急遽、店仕舞いすることになった。

 そう言えば、クロノさん急遽これなくなったと言っていたけど、仕事か?

 

「一夏さん冷蔵庫の中身終わりました」

「ありがとう。帰るのは明日以降になるけど」

「大丈夫ですよ。クロノさんが迎えに来ると言っていたので」

 

 そうなのか。まあ、元気にはなったからいいか。

 

「あれは何?」

 

 簪が空に指を指していたので見てみたら、ISがこちらにめがけて飛んできた。そのまま、砂浜に着陸し解除されると元兄と掃除道具、見知らぬ少女が二人砂埃を巻きながら地べたに倒れた。

 

「おい、大丈夫か?」

「私たちより彼を!」

「簪は救急箱を、歩けるか?」

「大丈夫ですわ。それよりも秋二さんを!」

「わかった」

 

 いくら恨みを持っていても、目の前で死にかけている奴を見ていると助けるもんだな。たとえ、ムカついた相手でも。

 目立った外傷は擦り傷や打撲ぐらいだな。まずは消毒からだ!

 

 

 久しぶりのキンクリ!

 

 全員の応急処置を終え、ゆっくりしようとした時外からIS学園の先生が現れた。と言うか、元姉だった。

 

「あなたは海の家の店員さん。すみません、ここまでしてもらって」

「いえ、問題ないですよ。ですが、まだ、半端も行かない子たちを送って、そして怪我もさせるとか教師として人として失格ですね」

「っ!反省するしかありません」

 

 いや、知らない人にこんなこと言うなんて、YU・E・THUだ。そうだ、イタズラするか。

 

「そんなんだから、大切な弟たちを救えないんですよ」

「あなたに、何がわかるのですか!?」

「おいおい、図星だからと言って怒るなよ。それよりもけが人がいるんだろ?運ぶぞ?」

 

 いやぁー、こんなに悔しい元姉を見ると、なんだかゾクゾクするな。あれだな、激辛麻婆を食べた人に激辛のご飯に熱くて辛いお茶を飲ませたぐらいの、そう気持ちが昂る。イタズラと違った感じ、正しく愉悦だな。

 旅館に元兄を運び終えて、帰ろうとした。

 そこへ一人のIS生徒がきた。

 

「お、織斑は、織斑は大丈夫ですか⁉」

「目は覚ましていないが、医者がくればわかるんじゃない?」

「そ、そうですよね。ありがとうございます助けてくれて」

「目の前にいたからな。すぐに病院はいけないと思ったからな」

「千沙さんどうしました?」

 

 先ほどの生徒がやって来た。

 

「今、お礼言ったところだよアルマ」

「そうでしたか。私も、先ほどは助けてもらいありがとうございました」

「気にしないでくれ。俺は戻るから」

 

 そう言ってその場から出ていった。旅館を出るとき、バチンッと叩く音が聞こえた。

 SideOut

 

 Side千沙

 たまたまだった。織斑が運び込まれたのは。急に隠れたのでわからなかったが、大怪我を負ったんだろう。すぐに行きたかった。だけど、場所がわからなくて、諦めていたら片目を髪で隠した人にあった。

 

「お、織斑は、織斑は大丈夫ですか!?」

 

 見知らぬ人に聞いてしまった。いくら、運んでくれた人でも失礼な言い方をしてしまった。けど、その人は笑いながら言ってきた

 

「目は覚ましていないが、医者が来ればわかるんじゃない?」

 

 無責任な言い方なのだが、なぜか安心してしまった。それにホッとした自分がいた。わからないけど、無意識だった。本能的に身を委ねたわけではない。

 

「そ、そうですよね。ありがとうございます助けてもらい」

「目の前にいたからな。すぐに病院にはいけないと思ったからな」

「千沙さんどうしました?」

 

 そこへアルマがやって来た。

 

「今、お礼を言ったところだよアルマ」

「そうでしたか。私も、先ほどは助けてもらいありがとうございました」

「気にしないでくれ。俺は戻るから」

 

 男の人は行ってしまった。私も部屋に戻ろうとしたとき、そこへ篠ノ乃がやって来た。頬に大きな絆創膏を着けていた。そして、怒っていた。

 無視して戻るとしたが、アルマの顔が怒っていた。わからなかったが、篠ノ乃が何かしたのだろう。

 

「おい!秋二はどこだ?」

「知りませんよ。私も大広間でにいましたから。それよりも出歩いていていいのですか?」

「どう言うことだ?何かしたのか私は?」

「白を切るのですか?無断出撃したあげく作戦の失敗を起こしたのに」

 

 それを聞いたとき、私の中疑問が浮かんできた。

 そんなことを知らずに話が進んでいく。

 

「お前らがモタモタしていたのが悪いだろ!最初から私と秋二が出ていれば終わっていただろ!」

「あなたが出ていても終わるとは思えません。それに素人がすぐに使いこなせるわけがないでしょう。だから、秋二さんはあえてキツい言葉であなたを下がらせたのですよ」

「そんなことされても、私はできる!」

「だとしたら、彼を探さなかったのですか!」

「あ、あの時は秋二が!」

「さっきから秋二秋二言って、秋二さんのことしか言ってないですか!私はいいにしろ、セシリアや今行方不明になっているキセツさんのことはどうなのですか⁉」

 

 ミューゼルが行方不明って、それにさっきから疑問に思っているけど、とりあえず聞くことができた。

 

「アルマ、篠ノ乃は人を見殺しにしたの?」

「み、見殺しって⁉ですが、言うなら彼女は邪魔しただけです」

「お、お前たちが手こずっていたから⁉」

 

 バチンッと篠ノ乃の頬を叩いた。

 

「あんた、自分が何をしたのかわかる?あんたは下手すれば死んでいたわよ。何か言いたそうだけど、あんたがやったことは自分のみならず、その場にいた仲間だって殺していたのよ。

 現に織斑やミューゼルがそんな状態よ。わかる?あんたは手助けどころが、迷惑をかけたのよ。

 もし、その場に無関係な船や飛行機等がいたら、その人たちまで死んでいたのよ。あんたは、篠ノ乃博士のせいで苦しむ可愛そうな人から一般人を殺した殺人半にもなっていたのよ」

 

 篠ノ乃が絶望の顔をしていたが、すぐさまその場から消えていった。

 

「千紗さん」

「アルマ、ミューゼルの捜索活動があるなら私も誘って、一応候補生だから戦闘はできなくてもそれぐらいわするわ」

「言っておきますわ」

「ありがとう」

 

 絶対に目を覚まして織斑。

 SideOut

 

 ここはどこなんだ?俺はそうだ、負けたんだ。けど、死後の世界か?

 

「違いますよ。ここは私の中ですよ私の操縦者(秋二)

 

 白い少女が目の前にいた。



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巨人起動/夏のMaliceFight パート9

 Side進太郎

 本部から緊急の命令が入った。今回はタツミとユウキを現場に向かわせろと命令をもらってしまった。抗議をしたが、今すぐ出れる者がいないと言われた。しかたなく、俺は急いで二人に連絡を入れた。

 

「すまないが、緊急事態だ。小笠原沖に謎の物体が浮上してきた。内部に隊員が三人いる、救出作戦に参加してくれ。なお、こちらからもそちらも大変なことが起きているのは重々承知だ。頼めるか?」

『了解。こちらも補給が終わり次第向かう』

「了解。場所をインクルシオと紫に転送した。現地で集合」

『了解』

 

 トライドロンを動かして、すぐさま向かった。安全な道を検索して、法廷速度を無視した速度で現場に向かった。

 さて、運転しながらこのトライドロンの性能を説明しよう。

 トライドロンは四つの形態を持っている。

 一つ目は基本形態、メインカラーはレッドのスポーツカー、タイプスピードと呼んでいる。

 二つ目は悪路走行形態、メインカラーはブラックの4WD車、タイプワイルドと呼んでいる。

 三つ目が特殊車両形態、メインカラーは黄緑の作業車、タイプテクニックと呼んでいる。

 四つ目が今回の目玉。ブースタートライドロンを!赤と青のレーシングカート、通称ライドブースターが合体することで飛行能力を得る。だが、ワイルドとテクニックと違い、変形機能はない。どうやってライドブースターを使うのか、それはバスターカードを使うことだ!この際だ、バスターカードについても説明しよう。

 バスターカードとは、スパークドールズになっている怪獣達の力をカードに入れて使うカード。バスターガンやフォースなどで使うことができる。そして、属性がある。大まかに六つ、火、水、土、風、光、闇だ。エレキングを例にすると、雷属性でバスターガンに使うと電撃弾になる。だが、怪獣の個性を忠実に入れているため、攻撃方法が変わってしまう場合もある。例として挙げるならばベロクロンだ。こいつは火属性なのだが、攻撃がミサイルなので攻撃方法がミサイルになってしまう。

 さて、本題にでも入ろうか。ベロクロンの攻撃方法を見てもしかしたらと、武器をカードにして戦えないかといたった。ISの拡張領域を観察し、その技術をバスターカードにした結果できたのがライドブースターなのだ。試験運転もすませていたのでこうやって使える。

 そろそろ小笠原諸島の島、弟島についた。ライドブースターをしまい、空を見上げると白と紫色の機体が浜辺に到着した。

 

「父さん来たよ!」

「待っていたぞ二人とも。さっそくだが、現状を説明しよう。小笠原沖に出現した謎の物体は海底遺跡だ。そして、その内部にアリマ、タカハシ、草薙がいる。三人の救助をしてもらうため内部に侵入してもらう。俺はナビゲーターとしてここで待機する。時期に応援が来る。いけるな?」

「もちろんだよ」

「父さん、もし通信が聞かなくなった場合どうすればいい?」

「各自の判断に任せる。タツミお前がリーダーで進めろ。三人を救出したら脱出。一応、小型酸素ボンベを五つ持て。質問は?ないなら、エネルギー回復しだい、開始だ」

「「了解!」」

 

 SideOut

 

 Sideアリタ

「我の下で働けば、好待遇。例えば、世界の半分はくれてやる」

 

 まさか、竜依頼のボスの台詞が出るとは思わなかった。

 

「どうした?そうかそうか、では、土日休みで残業なし、幹部クラスで入り、おやつありでどうだ?」

 

 すげぇ、いいな。そこに遅刻あり早退あり、昼寝有りもあればいいのに。だけど……。

 

「どうだ?なんなら、体験もあるぞ?」

「本当なんだな?」

「ああ。どうD「だが、断る」何!?」

「この有田隼人が好きな事のひとつ、自分で強いと思っているやつに『NO』と断ってやる事だ」

「先輩」

「アリタさん」

「どうした?」

「ふはははは、いいだろう。では、やれ」

 

 俺たちを囲んでいた石膏人間が襲いかかってきた。バスターガンを構えて、近いやつの頭部を撃つ。後ろから襲ってきたやつを背負い投げで投げる。そして、撃つ。打撃系は効かないと考え、やってみたがよかった。

 タカハシはライフルに変えたバスターガンで遠近関係なく撃っていく。

 んで、草薙なんだが、一人で無双している。石膏人間も俺たちより草薙に行っているし。殴る、蹴る、投げる、流す、返すといった武術の達人顔負けの攻撃をしている。殴るれば胴体が砕け、蹴れば体が半分に分かれ、投げれば全身が粉砕し、流すと何故か自ら頭が無くなり、返すと仲間を巻き込みながら仲間ごと壊れていく。

 

「こいつ人間?」

「お前人間じゃねえ!?」

「お、お前が言うな!」

 

 全くその通りだ。草薙が全て倒したお陰でこいつと向き合っているのだが、不気味な笑い声を上げながら喋りだした。

 

「まあいい。貴様らには見せないといけないな。我の本当の姿を!」

 

 やつは消えた。目の前にいたのはホログラムらしい。すると、遺跡が動き出した。

 

「ここを離れるぞ!」

「「了解!」」

 

 だが、突然岩が落ちてきたため、逃げ道を失った。絶体絶命のピンチの時、壁から白と紫色の機体が出てきた。

 

「救出に来ました!」

「ありがとう!」

 

 俺たちは助けに来たタツミとユウキとともに遺跡を脱出した。そこで見たのは、石の巨人だった。



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コアの中/夏のMaliceFight パート10

 シンフォギアの二次を見ていて、ビルドとクロスオーバーを思い付いてしまった。
 戦兎を響で、万丈をクリスにしたらどうかな?
 みーたんは未来固定だな。


 Side秋二

「違いますよ。ここは私の中ですよ私の操縦者(秋二)

 

 目の前の少女に私の中と言われ、操縦者と呼ばれた。

 

「白式なのか?」

「はい。あなたに問います」

「いきなりだな」

「あなたは力を望みますか?」

 

 力か。正直、今はいらない。どんな力なのかがわからないから。

 

「いらないよ。力なんて」

「どうして?」

「逆に聞くけど、力って何かな?」

「私の?」

「それもあるけど、世間一般的にだ。俺は筋力的な力はあるし、精神的な力もある。そして、暴力的な力もある。権力や財力、社会的、組織的、色々あるけど君は俺にどんな力を与えたいの?」

「私は……」

「わからないよね。けどさ、力って人によっては不要なものの場合がある。俺が思う力は、ここだ」

 

 胸を叩きながら、答えた。己の後悔と共に言い出した。

 

「心だ。精神的な力じゃない。別の言い方なら心の強さ。俺の過去話になるけど、俺は転生者で、この体に入った憑依者。高校に入る前はクズだった」

 

 白式は驚いた。白式には優しいとか見られていたのだろう。

 

「ことの始まりは、昔の家が火事でこの体の本来の主が死んだのと共にこの中に入ったのが始まり。俺の世界ではISは空想の産物で、主人公は織斑一夏、俺の弟なんだ。一夏の周りは女性が多くいて全員好意を持っている所謂ハーレムってやつさ。その座を俺がいたいと願い、死んだとき神様に会って、織斑一夏の才能の剥奪、織斑の血統と篠ノ乃束並の頭脳を欲した。当然叶えてくれた。そして、前の話しの通りこの体に憑依したわけ。

 俺の一夏は犬猿と言っても過言ではない位喧嘩した。その時、大きな転機が訪れた。それが第二回モンド・グロッソ。その時、一夏を殺したのと同然の行いをしてしまった。その時は後悔なんてものはしなかった。

 中学に入ってからだ。後悔したのは、俺の一つ上に女の先輩がいたんだ。当時、俺は反抗期とは違うけど荒れていた。なんかやる気が沸かなくて、煮えきれない何かが心の中で埋めいていた。先輩はそんな俺の側にいてくれた。だけど、俺はそれを鬱陶しくて無視していたんだ。そんなこんなで一年なる頃、友達が転校したとともに先輩は死んだ。全員は自殺って言っていたけど、交通事故らしい。又聞きだしな。その時俺は先輩に恋って言うものをしていたみたいだ。あとは祭りだ。全ての後悔がのし掛かってきて、一ヶ月くらい家に塞ぎ混んでしまった。

 そして、俺は後悔を背負うことにした。これはエゴでしかないけど、死んだ人たちにお詫びを出来るならって。

 これが俺の過去」

 

 白式は俺の頬を叩いた。当たり前だな。そして、拳骨もおりてきた。

 

「痛って!?誰だ殴ったの、は……白騎士?」

 

 白騎士は頷きながら、剣を向けてきた。

 

「貴様は後悔はないのだな?」

「話聞いていたか。後悔はあるって言ったぜ。その後悔を背負うっては喋った。そして白式、答えは見つかったか?」

「私は……わからない。力も強さもわからない。だから、教えて」

「教えない。俺は自力で見つけた。そして、白騎士もあるんだろ?」

「ああ。操縦者と黒龍とともに見つけた」

 

 白式は俯いた。俺は撫でながら、こう言った。

 

「一緒に探さないか?白式だけの力を」

「うん!」

 

 空間が砕ける。そこに見えたのは、水の上に青い空が写っている空間。

 

「織斑秋二と白式、二人はこれで一つ目のステージを登りました。織斑秋二あなたは白式を十全に扱い愛情を持って歩み、白式は織斑秋二を支え、手となり足となり、翼となって歩んでください。二人とも目覚めの時です」

「ああ」

「はい!」

 

 意識が遠退くとともに、目覚めようとしていた。

 

 SideOut

 

 Sideキセツ

 黒い空間。俺はそこに漂っていた。自分の姿は見えていることは暗いわけじゃないだろう。

 俺は死んだのか?そんなわけないか。死んだなら、もっとあの世らしい明るかったり、川が流れていたり、バス停があったりするはず。

 

「夢か」

「合っているようで違うんだけど」

 

 後ろから声が聞こえた。振り向くとそこに白髪の少年が立っていた。

 

「誰だ?」

「誰と言われても、僕はウインド・ラビット。お母さんからベルと呼ばれている」

「ウインド・ラビット、だと」

「驚くよね。だけど、キセツ、君には聞きたいことがある。君はシルバリオ・ゴスペルを、ナターシャ・ファイルスを助けたい?」

「当たり前だ。生身でも行くぞ」

「そう。うん、わかっている。だけどね、他の人に任せればいい。考えてほしい。力がない君はどうやって戦うの?」

 

 確かにそうだ。俺には、秋二のような力もない。ISだって壊れている。どうやって、助ければいいのか。そうか!そうだよな。一人で戦うといっている訳じゃない。

 

「助けを借りればいい。他の人に任せるじゃなくて、助けを借りてその人と共に行く」

「そうなんだね。うん、足手まといになるかもしれないよ?」

「ならないようにすればいい」

「その人に迷惑かけるかもしれないよ?」

「掛けないように動けばいい」

「そう。なら、その人が殺してしまった場合はどうする?」

「それは、その時はその時だ」

「明確な答えはないね。だけど、気に入った。正式に僕の操縦者として認めてあげるよ」

 

 認めてあげる?どういうことだ?

 

「僕は、普通のコアとは違い、異常な力を有していて、並みの操縦者だと扱いきれない。君は肉体とかが並みの人より優れているから、僕の質問で答え次第で一部の能力の解放をしたんだ。君は合格だ。だから受け取って欲しい。僕の一つ目の力を」

「力?どんな力なんだ?」

「風」

「風?」

「そう、風さ。今から使い方を伝授する。今から一時間で会得させるよ」

 

 そう言うと、右腕に白い籠手が現れた。左手には黄緑色のトンファーが現れた。

 

「僕は厳しいよ。その力は使い方次第で地球を壊すことも出来るから。行くよ!」

「ああ、来い!」

 

 SideOut

 



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黒と白の覚醒/夏のMaliceFight パート11

 大広間にいる教師陣に緊張が走っていた。千冬はマイクを掴み怒鳴った。

 

「貴様ら、今すぐ帰還しろ!」

『すみません、相手の猛攻で撤退おろか攻撃ができません!?』

「くっ!?なぜだ!なぜ、今になって目覚めたシルバリオ・ゴスペル!?」

 

 千冬は自分が出した命令を悔いていた。だが、あってしまったことは仕方ない。と片付けられるほど、千冬には思えなかった。

 なぜ起きてしまったのか。それは数時間前のこと。

 

 アルマからキセツ・ミューゼルの捜索を願い出て来たことが始まりだった。

千冬はシルバリオ・ゴスペルの索敵範囲外なら問題ないと判断し、教師陣数名と専用機持ちで出した。だが予期せぬことが起きた。シルバリオ・ゴスペルが起動し、移動したのだ。異常事態が起きたことにより撤退を促したが、間に合わず教師が乗っていた訓練機打鉄を撃ち落とされた。あまりにもの速度に衝撃を受けた。すぐさまもう一人の教師が落とされた教師を救出、離脱しようとしたとき、目の前にシルバー・ベルが撃たれていた。殺られると目を閉じながら思ったとき、痛みは来なかった。ラファール・リヴァイブに似た機体が大きな盾を出しながら防いでいた。

 

「今のうちに!」

「ありがとう!」

 

 教師がその場を抜け出した。

 そして、現在千冬の撤退の話まで戻る。

 救出は終わった。後は撤退なのだが、出来ずにいた。シルバリオ・ゴスペルのシルバー・ベルの攻撃で思うようにいかない。

 攻撃しようにも、中々できない。攻撃しても弾幕として張っているシルバー・ベルによって防がれる。

 防戦一方。アルマが専用機持ち全員に通信をした。

 

「皆さん、このままではジリ貧です。デュノア兄妹、スタングレネードはありますか?それも強力なもの」

「あるよ」

「では、みなさん。私が囮になります」

 

 アルマが言った一言はあまりにも、彼女らしくない。セシリアが反論した。

 

「でしたら、私が!」

「セシリア、あなたはまだ、格闘戦は甘い。それにあなたのスタイルは遠距離からの狙撃のはずよ」

「だとしたら、一人では重いな!シャル、防御は任せた。アルマ、格闘戦は僕が持つ」

「だとしたら、私が適任だ」

「ボーディッヒは撤退した教師陣の護衛に行った方がいい。戦闘経験があるのは、この中で一番のはず」

 

 二人の言い分には説得力があった。だが、あまりにも危険なことに納得は行かなかった。状況が状況のため、渋々了承した。

 二人を除く全員が撤退中の教師陣の元へ向かった。

 それを見て、追跡をしようとしたシルバリオ・ゴスペル。アルマはスターブレイカーの銃撃で止めた。その隙にシャルルが接近し、右手に持っていたブレッド・スライサーで斬りつけた。左手に持っているガルムで追撃するが、避けられてしまう。至近距離からシルバー・ベルを撃とうするが、二枚の実態楯を出して防ぐ。

 その周りからエネルギー・アンブレアで撃つが、それも避けられる。

 

「はあはあ、さすが、軍用IS。リミットでもはずれているのか?」

「そんなことを言っている場合ではないです。倒せなくてもいいか、撃退させたい」

「……こっちも出し惜しみしている場合じゃないね」

 

 アルマはシャルルの発言に頭をかしげてしまった。

 シャルルはイグニッション・ブーストを使い、シルバリオン・ゴスペルへと近づいた。当然ながら、シルバー・ベルで前進を防がれるが、ラピッド・スイッチを使い、今度はエネルギーシールドで防ぐ。ブレッド・スライサーとガルムを消し、レイン・オブ・サタディを二丁取り出し、シルバー・ベルへ向けて撃っていく。レイン・オブ・サタディの散弾とシルバー・ベルが当たり爆発する。その中をくぐり抜けて、上にあるシルバー・ベルにも撃つ。シルバリオン・ゴスペルまで距離は十メートル。

 

「ペタルローズ!」

 

 シャルルは叫ぶと、ラファール・アンジュの周りから数多の銃火器が現れて、前方のシルバー・ベルを撃っていく。いきないのことで、シルバリオン・ゴスペルとアルマは動揺してしてしまった。それが狙いだった。

 シャルルはイグニッションブーストを使い、シルバリオン・ゴスペルへと近づく。近づいたシャルルは左手を引っ込めて、右手でシルバリオン・ゴスペルの頭を掴み、引っ込めていた左手を突き出した。その左手は楯の中心に筒状のものがある武器、灰色の鱗殻(グレースケール)と呼ばれるパイルバンカーをシルバリオン・ゴスペルの腹に目掛けて打ち付けた。

 ドンっ、ドンっ、ドンっ、ドンっ、ドンっ、と五発全部撃ち込んだ。シルバリオン・ゴスペルは体をくの字に曲げ、海へ落ちていった。

 

「やったのでしょうか?」

「わからない。だけど、油断はしないほうがいい」

 

 突然、海面に黒い稲妻がほとばしった。二人はそこを注視してみると、そこには黒い稲妻を両手に纏っているシルバリオン・ゴスペルを見た。

 

「第二形態⁉うそ⁉」

「たぶん、これが本当の力で、姿も変わる!」

 

 シャルルの宣言通り、まばゆい光を纏いながらそれが消えると、シルバリオン・ゴスペルの姿は変わった。全身がより、スリムな人型に変わり、特徴的な機械の翼は鳥のような翼に変わり、片方側は黒くなっていた。まるで堕天使。

 

堕ちた福音(フォールン・ゴスペル)。物騒な名前ね」

「だけど、っ早い⁉」

 

 シルバリオン・ゴスペル改めフォールン・ゴスペルは、新たに発現した能力を使い、トップスピード二人に近づいて、二人に一つづつ、雷球を打ち込んだ。

 

「「がはっ⁉/あああ⁉」」

 

 二人の頭を掴み、合わせるようにたたきつけた。それを十回くらいやると、海面に叩き付けた。追い打ちかけるようにシルバー・ベルを撃つ。とどめの雷球を手に溜めていく。

 二人は辛うじて、意識がある状態だった。それでも、ISがあるおかげだ。これをやられたら、今度こそやられる。

 フォールン・ゴスペルは溜めた雷球を二人に撃ち込もうとした時、海面と上空に向けて撃った。雷球は当たり、爆発した。その中から何かが二つ、フォールン・ゴスペルへ攻撃した。フォールン・ゴスペルの体に殴られてへこんだ痕が二か所あった。

 

「い、いったい何が」

「生きているか?」

「二人とも大丈夫か?」

 

 白一色に拳には青い宝石がついているフォールン・ゴスペルより人に近い姿をしたISと同じ白い姿に赤のライン、白とエメナルド色のボードに乗っているISがそこにはいた。姿や形は変わっていたが、声で判断した。

 

「あとは」

「俺たちに」

「「任せろ!」」

 

 意識不明の状態だった秋二と行方不明だったキセツがその場にいた。



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赤い弾丸/夏のMaliceFight パート12

 Side進太郎

 タツミとユウキが三人をつれて巨人の内部から出て来た。俺はその近くにより怪我がないか確認し始めた。するとアリタが話してきた。

 

「本部は?」

「たった今、ブルーフレイムとIS部隊が来るそうだ。着き次第、一号に乗れとのことだ。ここからは俺の指示だが、タツミとユウキは島周辺の海域にいる漁船に避難勧告、三人はこの島の住民の避難を。俺は石巨人の監視及び解析をする」

「「「「「了解!」」」」」

 

 トライドロンに乗り、石巨人クレイトへ向かった。トライドロンに内蔵されているレーダーで内部をスキャンした。

 その内部はまるで迷路のような構造をしていた。弱点になりそうなところは……あった。人でいう心臓に当たるところに何やら高エネルギー反応があった。ISで壊れたということは脆いはず。そこをつけば倒せるはず、はずなんだがこの異常な修復速度は何だ!?

 

『どうやら高エネルギー反応があるところにコアとなるものがあるのだろう』

「そこへ一撃がデカい攻撃もしくは内部へ通す攻撃か」

 

 トライドロンへ通信してきたブルーフレイム一号。俺はあるカードをきることにした。

 

『こちらアリタ、たった今、一号へ乗車』

「了解。ブルーフレイム、IS部隊へ連絡する。二号機はゼットンのカードを使用し石巨人クレイトへ攻撃せよ。その他はクレイトを引きつけろ」

『『『『『『『『『了解』』』』』』』』』

 

 二号は上空1000メートルで待機し、ゼットンの攻撃を溜めている。

 ゼットン。この怪獣からカードへ送った能力は相当なものだった。並みの攻撃では壊すことができない強力なバリア。距離は短いがそれでも一瞬で移動することができる瞬間移動。そして、地域いや国をも破壊すことができる一兆度の火球。怪獣としては強力な一体。それを扱うことは本当に緊急事態のみ。それが今だ。

 

『発射準備完了!』

「よし、全員撤退!」

 

 二号が上空から急降下し、クレイトの胴体へゼットンの火球を撃ちこんだ。

 あたり一面に衝撃と爆発音が響き渡る。煙っていて見えないが、倒したと思った。だが、そこにいたのは赤い球体。破壊はできなかった。ただその事実だけで判断遅れてしまい、あたり一面輝くとそこにいたのは一瞬で修復したクレイトだった。

 クレイトは目の前にいる二号へ向けて殴り始めた。難なく躱すが、突如攻撃方法を変え、石を撃ってきた。突然のことだったためかわすことができなく攻撃に当たってしまった。

 

「フォース!」

『いくぞ!』

 

 フォースレットからソフビ人形サイズのフォースを掴み、先端と足裏にあるマークへを合わせた。

 

[フォース!フュージョンアップ!]

「フォース!」

 

 カードからベターロッドを取り出しクレイトへ殴った。

 

『ディハッ!?』

 

 あまりもの硬さにロッドを持っていた手が痺れてしまい離してしまった。その隙にクレイトから殴られてた。石でできた拳はそれだけで武器にも鎧にもなる。俺は体をくの字に曲げてしまい、背中から手痛い一撃をもらった。ウルトラマンの体だとしてもあまりにも強い一撃で一瞬気絶しかけた。

 ブルーフレイム一号からクレイトへ攻撃していた。

 おれはその隙に後ろに下がり、近接に特化したエッジにフォームチェンジした。変わったエッジブレードにゴモラの力を付与した。

 

『ディオッ!』

 

 ゴモラの能力、超振動を付与したエッジブレードで右腕を斬りつけた。だが、弾かれてしまった。クレイトからパンチが俺へ打ってきた。ブレードで防御したがそれでも防ぐことができなかった。殴られた時にブレードを飛ばしてしまった。そして、近づくクレイトへ必殺技を喰らわすことにした。

 

『ディ……オッ!』

 

 大きく飛び上がり、空中で前宙やバク宙をし、回転による攻撃力アップを図り、クレイトへ向けて回し蹴りをした。

 

「喰らえ、エッジスライサー!」

『デュオラァァ!』

 

 回し蹴りをする足に青白い刃が着いた。クレイトの胴体を切り裂いた。切り裂いたところに赤い球体が見えた。フォースラッカーを投げた。だが、あと少しの所で刺さらなかった。

 

「クソぉぉぉ!?」

 

 本当にピンチだ。どうする、ベターに戻りフォースインパクトを撃つか。

 考えている時にクレイトから岩石砲を喰らってしまった。同時にカラータイマーにも点滅が。どうする!?

 未だ動けない俺に止めを刺しに来るクレイト。やられる!?目を瞑った。…………。……あれ痛くない?どういうことだ?俺は恐る恐る目を開けると体を盾に俺を守っているガメラがいた。

 

『グオォォォン!』

 

 ガメラはクレイトを押していった。今がチャンス。俺はもう一つの力に委ねた。

 

[フォース!ガンアロー!]

 

 赤、銀のハンドガンタイプの武器が出て来た。

 それより驚いたのはガメラの体から青い光が俺に向かってきたことだ。中に入りそこには赤と銀色のウルトラマンが描かれていた。

 

「これは……」

『ウルトラマン?私もわからない。だけど使うしかないぞ!』

「ああ、いくぜ!もう一つの姿見せるぜ!」

 

 謎のウルトラマンと同じ色をしたフォースが現れたが、いつも通りにフォースレットに合わせた。

 

[フォースチェンジ!フォースガン!]

 

 フォースガンを構えた俺はクレイトへ撃った。だが、威力が低いのか大したダメージを与えていなかった。このフォームは遠距離型、遠くからの攻撃が有効だが、打撃対する攻撃が低下している気がする。ここで一発大きいのを撃ちたいがそろそろ限界だ。

 そこへ俺の傍にガメラが寄ってきた。ガメラは口に炎を溜め始めた。ガメラはここで大きい攻撃をしようと魂胆だな。なら、それに便乗させてもらう!

 

[ウルトラマンスペシウムスタンバイ!]

 

 フォースラッカーとガンアローを合わせて、ロングボウ状に変化したガンアローに青い光が溜まる。

 ガメラが口に溜めていた炎を火球として撃った。それはゼットンの火球と同じくらいに感じた。

 クレイトは三度体を破壊され、赤い球体を曝け出した。

 

「決まれ!スペシウムアロー!」

 

 青い矢が赤い球体を貫き、ひび割れしながら砕け散った。

 

『グオォォン!』

『ディユア!』

 

 俺とガメラは飛び、その場を後にした。



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リベンジマッチ/夏のMaliceFight パート13

 久しぶりに二回投稿したような。


 それは海上でも旅館でも驚きの声があった。それもそのはずだ、そこにいる二人はけが人であり、行方不明者だったのだから。だが、それがどうした。叱られるのがどうした、とっとと機関城とどうした、二人が立っているのはただ単純なこと。

 守るべき人たちがいるからだ。

 先に仕掛けたのは秋二だ。二次移行した新たな白式、否白若(はくじゃく)。その白は白銀と言えるほど輝いていた。両拳には百合を模った青い宝石が付いていた。予備動作なしにそれでいてイグニッションブーストと同じ速さでフォールン・ゴスペルの体に入った。その零距離で掌底を叩きこんだ。それにより吹っ飛ぶと思ったが何かに絡まり、スリリングショットみたいに跳ね返ってきた。それを拳を構えた秋二に接近され、胴体に撃ち込まれた。撃ち込んだと同時に翼が壊れたようにもげた。

 

 

「双月から糸月、衝月。次いくぞ!」

 

 今やった技を言った秋二。すると四人に分身した。四体はその場で自身を回転し竜巻を繰り出した。だが、その場を動かずに回転だけしていた。

 次に出たのはキセツ。配色はウインド・ラビットと変わらない白主体に血管みたいに張り巡らされている赤色、姿は今までより機械的な姿になり、名はウインド・レクイエムと変わっていた。キセツは新たな武装、グラスボートに乗り、フォールン・ゴスペルがふっ飛んで行った方向へグラスボートを飛ばした。両手には銃口が着いたトンファー、ストライクを装備しフォールン・ゴスペルへ撃った。ストライクは空気銃みたいな武器。そこから圧縮された空気の弾丸はゴスペルの装甲を凹ますことはできなかった。だが、キセツに注意を引き寄せることに成功した。ストライクを腕にしまい、腰からストームとトルネードに変えた。

 二丁銃剣から火が噴く。まだ動けるゴスペルには効いていない。それでも撃つ。微弱なダメージだろうと撃ち続けた。空になり銃剣を仕舞い、ストライクを取り出し格闘戦を挑んだ。性能面では互角、技能面で相手が上、なら先ほどまで磨き上げた力で挑むのみ。

 殴ってくるゴスペルのパンチを躱し、胴体にストライクを叩きこんだ。そこから零距離から空気弾を撃った。今度こそ明確なダメージを喰らわせることに成功した。キセツは間合いを取らずに、そのままラッシュを叩きこんだ。より早く、より正確に、そして最小限のケガで済むように殴った。何百回殴ったのかわからないが、胴体には無数の凹みがあった。これならいけると、頭を合わせた。

 IS技術の応用でお互いのIS同士で記憶を見せることができる。今回は暴走ということもあり、記憶を司っている脳に直接当てることにした。

 そこで見たのは、研究施設に入る謎の人物。その人物がシルバリオン・ゴスペルの体に撃ち込んだ。

 

「そうか、これが原因か!」

 

 キセツは一旦下がり、秋二の所まで下がった。

 

「秋二、ゴスペルはたぶんウイルスを撃ち込まれている。修復するには普段通りエネルギーをなくすのがいいと思うけど、解除と共に全壊寸前まで壊すしかない」

「いいのかそれで?」

「治療するにしてもそのままで暴走されても困るし、コアに達しているかわからないからね」

「んじゃ、やるとするか」

 

 秋二の周りに分身していた四体が一斉に飛び上がり、秋二を中心に本当の竜巻が起こった。竜巻はだんだんと形を変えて龍を思わせる姿になった。小規模ながらそれは自然現象、大広間でも各国の気象台もそれが観測されていた。

 

「牙龍天生」

 

 その上にキセツが乗った。そして、緑色に輝くとさらに風圧を変え、全体が緑色になっている牙龍天生。

 

「「碧の牙龍天生!!」」

 

 碧の龍に変わった牙龍天生、それがフォールン・ゴスペルへ向かって行った。

 ヤバいと、判断したのか。その場をすぐさま離脱した。これでも軍事用IS。暴走しているため操縦者の負担を考えずに動くことができる。だが、龍は追いかけてきた。

 そもそも、牙龍天生とは秋二が編み出した錬武法の奥義。その実態は相手を殺すことを、町一つ壊すことを前提とした裏奥義なのだ。そして、己の体を壊す諸刃の刃でもある。しかし、その制限はISを自分もしくは相手が纏っているために出せた奥義。対人、対物、対国にたいして有効な一撃でもあった。

 そよ風程度ならまだ知らず。今のは一つの台風と同等なのだ。しかも、追尾性なため質が悪い。

 そして、とうとうフォールン・ゴスペルを捕らえたのだ。顎に加えられたゴスペルの装甲は軋み、飲み込まれると同時に装甲は剥がされていった。

 四散する風の中から二人が出て来た。キセツはそこからトップスピードでゴスペルの方へ向かった。フォールン・ゴスペルは姿を消し、そこから落下している操縦者へ向かっていた。

 

「届けぇぇぇぇぇ!」

 

 その思いはしっかりと届いた。東から太陽がちょうど昇ってきたところ、キセツが抱えた女性の金髪にちょうど太陽の光が当たり輝いて見えた。女性はゆっくりと目を開けた。

 

「キセ、ツ?」

「そうだ、ナタル大丈夫?」

「う、ん。ありがとう、助けてくれ」

 

 コクっと頷いた。

 

「だんだん落ちていない?」

「あ、エネルギー切れた」

 

 IS解除された季節たちは空中へ投げ出された。

 

「「きゃあああああ!?/秋二ぃぃぃぃぃ!?」」

「後先考えろバカ野郎!」

 

 急いで回収に向かう秋二。うまく捕まえることができず、海へ入っていた。

 なんだか閉まらない終わり方だったが、これにて戦いは終わった。



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知己朋友/夏のMaliceFight パート14

 秋二やフォースたちが戦っている間、一夏たちもショッカーの襲撃にあっていた。

 

「ハッ!」

 

 全身黒タイツの集団ショッカー戦闘員の一人を殴った一夏。ショッカー戦闘員はイッー!?と断末魔を上げて小規模の爆発を起こして倒れた。

 一夏の周りにはまだたくさんの戦闘員が囲んでいる。

 

「ちっ!邪魔だ、どけっ!」

 

 一夏が向かう場所を阻む戦闘員。その先には簪とメカニックな蜘蛛怪人が相対していた。

 ゲネシスドライバーを着けながらアップルエナジーの錠前を外していた。

 

『アップルエナジー!』

「視察に来ただけなのにまさか一個小隊を俺に預けるとか」

「あなたは誰?」

「ん、俺か?俺はダークアサルト。よろしくって言うほど仲はよくはないな。こちらも仕事をしますか」

 

 後ろの八本の蒸気を蒸かしながら簪に向かってきた。

 ゲネシスコアにアップルエナジーを差し込み、ハンドルを押し込んだ。

 

『ロック・オン』

「変身!」

『ソーダ!』

 

 ヴラに変身と共にソニックアローでダークアサルトへ撃ち込んだ。ダークアサルトは配管のようなハンドガン、トランスチームガンとバルブが着いた片手剣、スチームブレードで防ぎながらこっちに向かってきた。

 ソニックアローとスチームブレードがつばぜり合う。トランスチームガンを撃ってきたが、残っている方の手で抑えて防いだ。

 

「一応聞くがこちら側にこないか?」

「嫌だ」

「そうか、残念だ。なら、こちらの実験に付き合ってもらおうか!」

 

 つばぜり合いを止め、両者後ろへ飛びそれぞれの武器を構えて撃った。先に当たったのはダークアサルトの攻撃。トランスチームガンによる銃撃は威力は小さいが連射に優れているのでヴラにダメージを与えた。ヴラのソニックアローによる攻撃は威力が強い分、連射には優れておらず一発しか撃てていなかった。赤い矢はまだ浮いているダークアサルトの胴体を射ぬいた。

 

「きゃっ!?」

「っ!?」

 

 吹っ飛ばされる両者。ヴラの方が起き上がるのが早かった。肩で息を吐きながら先程の攻防を思い出していた。

 

『強い!?見た感じ幹部クラスだとわかっていたけど、今の私では勝てない!』

 

 ヴラは、簪は己の強化形態を使おうと考えた。だが、それよりも先に出てきたのはなぜ自分を狙うのか。それを聞いてからでもいいと思っていた。

 

「そう言えば、実験って?」

「ん?ああ、そうだな。いや待てよ。実践してからだな!」

 

 スチームブレードをトランスチームガンに合体させてライフルモードにした。

 

『デビルスチーム!』

 

 黒いガス状の攻撃がヴラを包み込もうとした。その時、黒い弾丸がデビルスチームの攻撃を四散させた。

 

「なに?誰だ!」

『テンガン!ムクロ!メガウルオウド!インビンシブル・ザ・スカル!』

 

 黒い胴体に白いパーカーを纏った髑髏が両刃片手剣を持って立っていた。

 謎の人物が来たお陰で簪は隠していた戦極ドライバーを着けた。

 

「力借りるよイザナギ!」

『フィフティーン!アップルエナジー!ロック・オン!』

「変身!」

 

 カッテングブレードを落とした。周囲になり響くエレキギターの音。頭上からフィフティーンアームズとアップルエナジーアームズが現れて合わさった。

 

『~♪ジンバーアップル!ハハア~♪』

 

 ジンバーレモンとは柄が違うのは勿論、丈が長くなっており、軽快さを表しているように見える。赤と金の色が着いた新たなヴラ。

 仮面ライダーヴラ ジンバーアップルアームズ

 名付けるならそうなる。

 今まで青色だったソニックアローがより近接よりの刃にスロット部が口が空いた髑髏に置き換わり、色は黒と金色のなった新たなソニックアロー、幻魔弓ソニックアロー・廻を持っている。

 敵か味方かわからない今ヴラができることをするのみ。

 ソニックアロー・廻の弦を引き、ダークアサルトへ放った。放った赤と金のエネルギーの矢はソニックアローの時と比べ速く跳んでいった。ダークアサルトはさっきとは比べにもならない速い矢をかわすことよりライフルモードにしたトランスチームガンで防ぐことにした。

 しかし、ライフルモードにしたままのトランスチームガンはあまりにも強い一撃により壊されてしまった。それによりダークアサルトは防げずに吹っ飛ばされてしまった。

 

「っは!マジかよ!?いいね、あんたも本気出したんだ。俺も見せてやる!ふん!」

 

 ダークアサルトは気合いをいれると同時に腰回りから八本の鈍色の鋭い蜘蛛の足を出した。更に小型の機械蜘蛛が予備に持っていたトランスチームガンと合体した。

 ヴラの近くに先程の髑髏の怪人がやってきた。

 

「今さら聞くんだけど、敵なの?」

 

 髑髏の怪人は少し間を置いてからボイスチェンジャーを使い機械のような無機質な声を出した。

 

『……ムクロ。仮面ライダームクロ、だ。行動で示そう』

 

 ヴラに名を名乗った仮面ライダームクロは両刃片手剣、ガンガンセイバーを構えてダークアサルトへ飛び込んだ。素早い一撃をダークアサルトの足へ撃ち込んだ。だが、残りの足がすべて攻撃してきた。

 バシュンっ!とその攻撃をソニックアロー・廻の矢で相殺どころか転ばせることに成功した。

 

「うおっ!?」

『フン!』

 

 倒れたダークアサルトへガンガンセイバーを降ろす。すぐさま蜘蛛の足でガードする。

 ヴラは ブラックレモンエナジーを取り出しソニックアロー・廻のエナジードライブベイへ差し込んだ。

 

『ブラックレモンエナジー!』

 

 音声と共に弦を引き、矢に黒いエネルギーが集まり始めた。溜まりきったところで離すと、八等分になった黒いレモンのエネルギーがダークアサルトへ刺さる。

 気づいたムクロも横飛びして回避。

 気づけなかったダークアサルトは攻撃を食らった。

 ヴラとムクロはそれぞれの変身アイテムで決めにかかった。

 

『フィフティーンスパーキング!アップルエナジースパーキング!』

『ダイテンガン!ムクロ!オメガウルオウド!』

 

 赤と金のエネルギーが足に集まり、空中で一回転する。

 後ろに髑髏を出し、腰だめに灰色のエネルギーを集める。

 同時にダークアサルトへライダーキックを食らわせた。ダークアサルトも抵抗しようと防いでいる。拮抗していると思われたが、一瞬だった。ついに抑えることができずに食らうダークアサルト。その後ろに着地した二人。

 

「……ふっ、ふは、フハハハハ!面白い!まさか、お前ら気づいていないとか、言わないとか、ひたむきに何を隠しているんだ!」

 

 いきなり笑い出したダークアサルト。振り向く両者。

 

「どういうこと?」

「まあ、それはお楽しみだ。下っ端どもやられたし撤退するとするか」

 

 そういうと、トランスチームガンから煙が出てダークアサルトを包んだ。そこに倒れていたダークアサルトがいなかった。

 

「とりあえず、ありが……あれ?」

 

 変身をといた簪はムクロにお礼を言おうとしたが消えていた。まるで幽霊のように消えた。

 簪のそばに来た一夏。

 

「大丈夫か?」

「はい。ケガは……ないですね」

「あれくらいどうてことない。それよりさっきのやつは?」

「お互い消えました」

 

 お互いの無事を聞き、ダークアサルトとムクロのことを聞いてきた。

 

「よし、帰るか。話は後でもいいだろ」

 

 一夏は簪を連れて海の家に戻っていった。水平線から昇る太陽とともにこちら側に戻ってくるISを見つけた。

 

「今日は俺だけでやるから簪は休んでいろ」

「はい、そうします」

 

 疲れていてもやると思っていたが、素直に受け入れていたことに少し驚いていた。

 

 その晩、松が茂っている崖に来ていた。すこにいたのは千冬と束の二人。

 なぜそこに一夏がいるのかは、あることを問いただすため。

 

「久しぶりだな駄兎」

「いきなりひどいね!」

「そして、また会ったな」

「……貴様海の家の」

「俺は海原一夏。そして、旧名織斑」

「ま、まさか!一夏なのか?」

 

 千冬にとって思いがけない再会。一夏にとっては会いたくない存在。



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問答/夏のMaliceFight パート15

 待っていてくれた方そうでない方、一ヶ月遅れの更新すいませんでした!
 ではどうぞ!


 Side千冬

「久しぶりだな織斑千冬」

「海の家の店主か?いや、薄々感じていたが一夏だよな?」

「ああ、今は海原一夏と名乗っている」

 

 行方不明になっていた一夏が数年ぶりに再会した。私はあまりにも突然のことに驚きつつも嬉しかった。姿が大人びていたためわからなかったが、抱き締めようと近づいて行ったが払われてしまった。

 

「近づくんじゃねぇよ。俺は別れを言いに来たんだ」

 

 頭の中に『拒絶』と一言が浮かんでしまった。

 

「その前にだ。おい駄兎、今回の事件関わっていないんだよな?」

「うん」

「なら、あのこと話さないとな。事情を知っている奴が多くいればいいしな」

 

 あのこととはなんだ?それよりも一夏が一夏が、別れを伝えに来たとはどういうことだ?

 

「ちーちゃん、いっく「そのふざけた愛称で呼んだら、口が塞がれるか、切り裂かれるか、欲情した兎のように穴と言う穴を全部開くぞ!」はーい」

 

 一夏がドSになってしまった。

 ん?束は元から変態兎だから問題ないが。

 それよりも話を進めろ。こっちは一夏に拒絶されて今すぐ引きこもりたいのだが。

 

「六年前の惨劇が、ううんさらに大きくなるよ。確実に」

「まて、それはまた来たのか奴らが」

「違うよ。さらに大きい組織だよ」

 

 束は一拍置いて、その組織を言った。

 

「ディメション。聞いたことはないはずだから説明するけど、規模は地球全部隊を合わせてもまだ大きく、各世界の悪の組織が合わさった大規模組織。科学力さえあちらの方が上手。

 六年前に相手したX星人の残党をはじめ、ショッカー、ザンギャック、暗黒星雲などまだわからないけど、多くの組織が共通の目的を持っている」

「な、なに!?」

「そして、こいつ等に一早く気付いたのはこの束さん……じゃなくて芹沢呉、彼が伝えに来たの」

「そうか、呉さんが。生きていたんだな」

「うん。それでねちーちゃん、このことをIS学園長に伝えて」

「ああ、わかった」

 

 今回のことを伝えて置くのは最優先事項だな。

 だが、もう一つ聞いておかないといけないことがある。

 

「そうだね。私とこいつとの関係を」

「同盟者と怨敵、あと食材か?」

「しょ、食材って!?私とのあれはそういうプレイだったの!?」

「よーし、わかった。あんたが俺をバカにしていることがわかった。つまり、先ほどよりハードな行為がご所望か?いいだろう、サーカスの動物のように鞭で叩き、燃え盛る炎の輪を何十、何百も潜らせ、その顔を泣きっ面に変えてやる。その後、三角木馬に乗せ、首枷を着けて、感度と体の火照りを増加する薬をうち、さらに手錠と足枷、猿轡に目隠しをして公共の場に曝け出す。

 だが、これでも俺の気がすまない。

 あるルートで手に入れた女性ならどの生き物の×××でも妊娠できる薬を投与し、そこらの男どもの液体をお前の出入りする穴から注入しさらに生きているウナギも入れてやる。サービスだ。そして、大きく太った腹と尻に×××などを書いて、公衆の面前で騎乗位で常に動きながら、こう言え。「私、篠ノ之束は人間を止め、奴隷以下のメスウサギ改めメスブタとして皆様の役に立ちます。そして、妊娠腹のまま迎えてしまった処女を奪ってください」と言えよ。まだ足りない?おい、とんだ変態だな。いいだろう、人から動物、植物に無機物、さらにソフトからハードに拷問が可愛く見える地獄を「もうやめろ!これ以上×××を増やすな」」

「私の心配じゃなくてこの作品!?」

 

 本当に六年で変わり過ぎだろ。ドS加虐者にドM変態に誰か教えてくれ。

 

 SideOut

 

 Side一夏

 ああ本当に愉快だ。いじりがいがあるよこいつは。だけど、そろそろ止めるか。

 

「そんじゃあ、織斑千冬が気にしていることはなんだ?」

「一夏もう私を姉とは言ってくれないんだな」

「言っただろ俺は別れを言いに来たんだ。経緯は別れるんだから話さなくてもいいよな」

 

 悲壮な顔をしていても俺の心には響かない。

 

「すまなかった。今更謝っても遅すぎるのは重々理解している。それでも私は一夏お前に謝りたい」

 

 いくら謝罪されようが許す気も起きないし、許すわけでもない。

 

「もう一度やり直さないか?お前は私の大事な弟だ」

 

 いるだろ。俺じゃない(偽者)が。

 

「いっしょに帰ろう」

「はあ」

 

 あきれた。どんだけ恋しいんだ。わかるが、こいつの考えていることは、今度こそ守る、と言う考えだろ。会えたんだから連れ戻すのは当たり前か。だけどな、俺はこれっぽっちも考えていない。

 

「いまさらそんなこと言われてもな。お前には心底呆れた。俺はな、その為にあったわけでもないし、帰ってきたわけでもない。織斑千冬あんたにはわからないだろな、そんな上っ面のような言葉を並べられても、俺の心には響かないし、どちらかと言うと、どうでもいい。俺には居るべき場所と待っている人たちがいる。勿論、お前らではない」

「そ、そんな」

「じゃあな、六年前は世話になった」

 

 コイツの泣きっ面を見ても罪悪感はないに等しい。これでスッキリする。

 もう会うことはないけどな。

 

「それフラグだよ」

「黙れゴミ屑以下の変態野郎が!?」

 

 SideOut



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秘密/夏のMaliceFight ラストパート

 投稿遅れてすいません!
 今回はマテリアルは無しになります。前に出したマテリアルは一度消して纏めます。身勝手ですいません!
 では、どうぞ!


 Side束

 意気消沈しているちーちゃんを横目に私は説明することにした。こちらだって暇ではないしね。

 

「それじゃあ話すよ。

 とりあえずちーちゃん、ISコアはプロトとオリジナルがあるのは知っているよね?」

「……」

「ちーちゃん……」

「束その前にだ。私だって人として通さないといけないことがある。

 一夏、お前には迷惑を掛けた。すまなかった。家族としてやり直すことはできない。だが、ときどき顔を見せに来てくれないか?」

「それって」

「わかっている。わかっているのだが、どうしてもなんだ。そばにいなくてもいい。たまには会いたいのだ。罪滅ぼしではないが今私がしたいことなんだ」

「いやだな。そもそも縁を切るために来たんだ。それなのにまた繋がろうとしている?バカか?」

「そ、それは……確かにそうだな。今の話はなかったことにしてくれ。それよりも束コアの話だな?」

 

 空元気出して、必死に繋がろうとして、結局報われないなんて。それもそうだね。私もいつかそうなる。クーちゃんにも迷惑をかけてしまう。そのために同年代の人たちと一緒に暮らしてもらっている。

 ……よし、話してしまう!

 

「うん、では話そうか!

 まず最初に話すことはプロトコアについてだね。名前の通りオリジナルコアになる前の試作品なんだ。そもそもなんでISコアに自己進化と人格を与えたのか。そこから話さないといけないね。私はね、昔の偉人たちが成し遂げれなかったことの一つをしようとした。生物の誕生をね。いまでもあるクローンや強化人間といったものではなくて、一つの生命体を創りだそうとしたんだ。そう、ミュータントっていえばわかるよね?」

「まさか!?」

 

「そう、無機物と有機物を合わせた生命体サイボーグをね。そのためにまず研究所と素材が必要だった。幸いなことに研究所は見つかったし、そのための機材もあった。あとは素材のみ。素材に関しては人以外のDNAが必要だったしね。その辺は胸糞悪いから言わないよ。当時の小学生にしてはイカれていたけど。そんなときだね。自己進化する事ができる細胞を作り出すことに成功したんだ。

 次に行ったのは心臓の部分。地球上の鉱物は勿論、宇宙の鉱物も取りに行ったよ。さらにゴムやガラスといった加工品にも手を出した。そうしてコアは完成した。コアの方が案外早くできた。

 そうして、自己進化の細胞N細胞とコアを定着させる実験をした。だけど、成功したのは僅か百個と暴走したコア一個の合計101個。暴走したコア、忌ましめを込めてNo.666と名付けた。666は早急に冷凍保存した。

 そのコアでも成功したのは僅か一個。そのコアがプロトタイプ、オリジナルの祖、No.0、黒龍。

 ここまでなにか?」

 

「なんだその実験は!?」

「おいおい天災のほかにマッドサイエンティストもかよ」

 

「だけど、まだ話終えてないから。

 次はオリジナルコアだね。黒龍のデータの元作り出したコアは500個。その中でNo.1のコア、白騎士はワンオフアビリティが二つあったんだ。その段階で私の実験は成功したんだ。

 さっそくそのデータを発表しようとした矢先事件が起きた。X星人襲来事件だよ。当時、世界各国のミサイルのコントロールをハッキングしたX星人は狙いをここ日本に向けた。自衛隊はもちろん対応に遅れた。私も面倒くさかったけどね、それをしようとしたのは白騎士だった。彼女にはちーちゃんのことを話していたんだ。最初にできたコアだからね。私の最高の友達のことを話たせいなのか止めたいと言った。私は反対したんだ。ほら、復興のさなか私が発明したものを使えると思ったからね。だけど、彼女は己の正義と事情を知っているならちーちゃんはこうするんだと言ったんだ。だけど、ISは一体しか擬人化機能を有していなかったからね。ちーちゃんを呼んだんだ。後は起動してミサイルを破壊し、そのついでにX星人を潰したぐらい。

 これでISは完成した。そして各国にコアを配布し、私は逃げ隠れの生活をすることになった。

 私の事情が入っているけど、その辺は気にしないでもらいたいね」

 

「駄兎、色々言いたいがとりあえず目的はなんだ?新人類の創造か?それとも当初の目的通り宇宙開拓か?」

「ふふふ、半分あっていて半分間違っている。私はね、この子達を生きさせたいんだ。つまり愛着がわいたというのもおかいしけど愛情が芽生えたと言う方がいいかな?うん、創った者としての使命を全うしないいけない。それにプロトのほうも遅れながら人格を出してきたしね」

 

 一気に喋ると喉が乾くな。

 

「ラムネだ」

 

 おお!気がきくね。ふんっ!……うまい!

 喉も潤ってきたし、次の本題を話すとしますか。

 

「では、ここからが本題ね。

 ちーちゃん、五月頃所属不明のISが出現したのはわかるよね?」

「ああ、今も解析している」

「そのIS、私は作っていない。

 そして、今から言うことは他言無用ね」

「ああわかった」

「そのコアはね、スパークドールズを使っているんだ」

「スパークドールズだと!?馬鹿な、そんなはずはない!?第一お前にしかできないコアをどこの誰が作ったんだと言うのだ?そもそもコアの作り方が違うではないか」

「そこに気づくよね。だけど敵の方が上手だったよ。そもそもなんであの時あの論文を信じたのか。私は馬鹿だったよ」

「やはりかディメションの仕業か。前から怪しい動きをしていたとおもっていたが、なるほどお前にいやこれを作れるやつなら誰でもよかったわけか」

「正解。混乱しているちーちゃんに簡説にわかりやすく言うとね、悪の組織。規模は不明、表や裏の有名人のバックにいるチョーヤバイ組織」

「急に頭悪くなったぞ」

「話を戻すが、スパークドールズと所属不明のコアの反応が一緒だったわけだな」

「正解。データはハッキングしてとった」

「それやめろ」

 

 会話に弾みがなくなってきたし、そろそろ終えないと。

 

「ちーちゃん後日会おうね」

「待て束!最後に聞きたいことがある!お前は何をしたい!?」

「決まっているじゃん。私がいる世界を私以外が好き勝手に遊ばせないためだよ」

 

 そう言って私は崖から落ちていき下にある飛行機に乗ってその場から消えた。




 次回予告

 町に待った夏休みの季節。そんなとき、冥王星から隕石が地球に向かっていると情報が出た。その調査に勤しむ進太郎たち研究者たち。破壊作戦を立案するが、それより早く地球に到来する。
 さらに強くなろうとする秋二の前に師匠が現れる。
 そして、何気に忘れられた最後の主人公が本格的に動こうとしていた。主に生活費のために!

「規模1Kmの隕石地球衝突まで残り五分!」
「久しぶりだな秋二!」
「し、師匠!?」
「後書きこんなことを書いていいのか?」

 次回、SummerVacation

『私は、私は、誰なんだァァァァァ!?』


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間章 バケーションEvildoer
冥王星から使者/前編


 令和初投稿はこいつからです。
 では、どうぞ!


 SideNO

 どこの誰が使っているのかわからない研究室。その中に一人の男の声をする人物がいた。その人物は壁に備えている液晶に映っている人物と話していた。

 

『第31世界への侵攻準備はどうだ?』

「はっ!今から三日後から第一侵攻を開始します」

『そうか。結果は楽しみに待っているぞ』

「はっ!御心のままに!」

 

 男は液晶に映る人物に頭を下げていた。俯きながらニヤニヤと笑っていた。液晶が切れると顔を上げ、笑いながらしゃべりだした。

 

「覚悟していろよ!裏切り者どもめ!」

 

 液晶に映っていたのはシュタイン、ツナギ、そして、黒と白の幾重模様の宇宙人の姿が映っていた。

 そして別画面にはEX-Tと凶悪な顔をしている怪獣の全体像が見えた。

 

「お前らが作った兵器と私が作った兵器どっちが強いか試そうじゃないか!」

 

 SideOut

 

 Sideシュタイン

 その日、悪夢を見てしまった。

 ウルトラマンフォースが倒される悪夢を。敵には黒い霞が纏っていてどのような姿なのかはわからなかった。しかし、あの動きは四肢を持つ怪獣だろう。似たような怪獣がいるが、そいつよりも小さいがそれでも並みの怪獣より大きい。

 それそろ話さないとな。今の二人なら話してもいいだろう。フォースのことを。

 

「おはよう」

「ああ、おはよう進太郎」

「資料のまとめはできたか?」

「ああ勿論さ。作戦立案と使用方法までやらされるとは」

「そこんところは上層部が固いからな」

 

 笑いながら話しているが、大きな問題でもある。

 その話は置いておいて。私たちは作戦室へ向かった。

 主要メンバー揃っていた。どうやら私たちが最後のようだ。

 

「集まってくれたな。では、こちらに向かっている隕石についてだ」

 

 神田隊長はディスプレイを操作し予想軌道を見せた。

 

「冥王星から突如出現した隕石は土星を入った。地球接触時刻は今から一週間後の1000だ」

「ここからは私から説明しよう」

 

 予想軌道を端によせ、今回使う最新兵器を紹介した。

 

「今回使用するのは振動波ミサイル。詳しい詳細は渡した資料に書かれているい通りです。

 作戦は基地から隕石目掛けて射つ。その後、破壊した残骸をすべて宇宙空間内で破壊、以上となります。

 最悪を想定した場合の為原初市及び近郊の町の住人の避難を今からやれば被害は住宅のみかと」

「質問いいか?その場合誰がミサイルを射つ?」

「熊野さんに頼もうかと」

「ああ、わかった」

「個人的な質問、緊急があるまで待機。では、解散!」

 

 SideOut

 

 SideNO

 

 作戦開始まで残り半分切ったころ、研究室に熊野が現れた。

 熊野はここへきて作戦の大まかな行動を細部聞きに来ていた。その後をつけて来たアトスは興味津々だった。

 

「シュタイン博士、今回使う振動波ミサイルの練習と当日の動きの確認をしたいのだが」

「そこに座っていてくれ。アトス君、紺野博士が呼んでいたよ」

「わかりました」

 

 アトスは進太郎がいる部屋へ向かった。

 シュタインと熊野の二人が残って、パソコンと睨みあっていた。

 

「開始二時間前、特別視覚室で待機。そこでデータの調整と軌道修正並び軌道の再予測。ここまでなにか質問ある?」

「ないですよ」

「次は練習だね。まだ特別視覚室の準備が整っていないから、ここでやろうか」

 

 そう言うと、人一人入る部屋に熊野を入れた。簡易ながらも物は揃っており、いつでもできるようになっていた。

 さっそく練習をし始めた熊野はレバーを持ちながら集中し始めた。

 シュタインも調整を行い、成功率が上がるようにしていた。

 二人が四時間没頭している間、進太郎がいる部屋にやってきたアトス。ドアをノックし、入った。

 

「待っていたよアトス。いや、ガメラ」

「ガメラ?どういうことですか?」

「警戒はしないで。俺も証拠見せるから」

 

 進太郎は左腕に着いているブレスレットを見せ、ウルトラマンフォースのスパークドールズを取り出した。それに驚くアトスは警戒はさっきよりは下がった。

 

「一応、君たち側のつもりだから。そして俺がなぜ君の正体を知っているのかと言うと、岩巨人との共闘の時にスキャンしていたから」

「……」

「それと、あいつらを助けてありがとう」

「……!」

 

 アトスは自分のスパークドールズを取り出して見せた。

 

「あんたが敵じゃないことはわかった。だが、俺に何をしろと?」

「頼み事だ。今回の作戦ではガメラにはならないでほしい」

「どういうことだ?」

「一つは君の秘匿だ。もう一つは最後の要としていてくれ」

 

 最初の秘匿はわかった。だが、最後の要とはどういうことなのか。そのことに疑問を持った。

 

「まあ、失敗はしたくないからね。でも、失敗したら今度は俺たちが出て壊す。それでも壊れなかっなかったら君の出番だ」

「三段構え、ね。いいぜ」

「ありがとう」

 

 進太郎はそう言うとアトスにある資料を見せた。

 そこに書かれていたのは、青い宝石とクワガタのスパークドールズの事細かに書かれていた。

 

「青い宝石はバラージの石。この石はある怪獣を封印するときに使われたものだ。その怪獣はアントラ―。そのクワガタのスパークドールズのことだ。今回は運よく封印が解けずにいたからいいものを」

「すんませんでした」

 

 綺麗な土下座でどこから取り出したのかわからない菓子折を頭上に挙げていた。

 

 作戦開始まであと四日間。



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冥王星からの使者/後編

 作戦開始残り五時間。

 隕石破壊作戦は順調に進んでいた。作戦の要になる振動波ミサイルの発射を担当する熊野は自分の部屋で集中していた。

 

「(やることは変わらない。いつもの通り狙い撃ち、変わらない心でいる)」

 

 熊野雄二。彼のことを話すことは今は関係ないだろう。しかし、彼も主要人物の一人である。

 

 有田の場合

「背中を任せられるな」

 

 水樹の場合。

「見習いたいわね。特にこいつに」

 

 畑の場合。

「銃処か武器の扱いならたぶんここでは一番だね。あと余計なお世話だ!」

 

 シュタインの場合。

「そうですね。まだ関わりは少ないのですが、優しいですかね」

 

 神田の場合。

「こいつに関しては……まああれだ。感情を少し出せばいいかな」

 

 紺野の場合。

「いいやつだよ。有田の他に子供たちを任せられる奴はコイツしかいない」

 

 彼に対する印象は好印象である。だが、彼の過去は少し壮絶である。

 彼の生まれ故郷は北海道の道北地域に位置する街で学生時代は過ごしていた。母は幼い頃に亡くなっており父は東京で働いていた為、祖父母と暮らしていた。祖父は猟師だったためその近くで動物の解体を見ていた。周りには遊ぶ友達がいなく、自然と興味を持ってしまった。

 その興味が彼を銃を使うきっかけになってしまう。

 高校生に上がったころ。アルバイト帰りにそれに遭遇した。この時代から怪獣や宇宙人などの目撃や遭遇、討伐などが発生していた。

 帰り道は山しかなく、もう春だと言うのに寒かった。自転車で家に向かっている道中、それは出た。

 羆である。

 羆は北海道に生息する大型の哺乳類。雑食であるが肉食よりでシカやイノシシ、鮭などのほか人すらも食べる。

 遭遇してしまった当時の熊野少年。彼は祖父から教わった対処方法を思い出した。だが、羆は襲ってきたのだ。その羆は穴持たずだった。絶体絶命、走るしかなかった。危険な行為なのだが、幸い近くに小屋があった。中に入り込み持っていたスマホで警察と祖父に連絡し助けを求めた。

 長いながらも短い戦いが始まった。

 入ってすぐに目を着けたのは入り口を塞いだ。それに竈を見つけたので急いで火をおこした。少しでも入られないようにするため。そして壁に立てかかっている銃を見つけた。偶然なのか知らないが玉も見つけた。

 行くしかないとか危険なことは考えていなかった。ただ、彼の脳裏には祖父の姿が映った。

 腹が減った。安心したわけでもないが、それでも食べないとやっていけないと考えた。

 ただ、落ち着いていた。

 冷静にならなければいけないと。その時だった。塞いだ入り口が揺れたのは。

 すぐさま物音を立てず階段を上った。階段に油を撒き、階段も塞いだ。

 その時とうとう現れた。羆はその大きい体を使って入り口を突撃して壊してきた。

 ジッと通り過ぎるのを待った。通り過ぎることは難しいだろう。だが、それでも時間を稼ぐにはそれしかなかった。ただ物音を立てず、臭いはできるだけごまかし、助けを求めるしかなかった。

 しかし、スマホの音を切るのを忘れていた。

 気付いた羆は階段を上ってきた。熊野少年は銃を構えた。バリケード代わりのタンスを壁にギリギリを狙っていた。祖父の教えを思い出した。

 

「頭を狙うな。狙うなら心臓を狙え」

 

 羆は頭蓋骨は硬く、銃弾すら跳ね返すほど。

 やるしかないから。自分の命と法、どちらを守るのか。

 羆は撒いた油でスベリ、腹を出していた。構えた銃のスコープで心臓へ三発。外から二発。羆へ命中した。

 羆は死んだ。

 祖父と警察官に保護され、無事家に変えれた。銃を撃ったことに関してはお叱り無しになった。

 熊野少年の心には生物を殺した罪悪感や虚無感もなく興奮も狂気もなかった。

 ただ、あったのはあっけない死に方。自然の摂理ぐらい。そう、命の尊さも感じなかった。

 無意識。

 ただそれだけ。

 だからだろう。高校を出てから防衛軍に入り己がしたいことを考えた。

 これが熊野雄二のちょっとした過去話。

 ピッピッ、ピッピッと作戦に時間前。部屋から出て特別視覚室へ向かった。

 

「待っていたよ」

 

 座席に座り遮光グラスを着けて発射レバーを握ると遮光グラスには隕石が映りだした。隕石の中心に狙い着け、ギリギリまで引き寄せる。少しでも威力と外さないために。

 一秒が長く感じる。手に汗が滲んでくる。汗が落ちるとき、その時が来た。

 

「今だ!」

 

 発射レバーのボタンを押し、ミサイルを発射した。ミサイルは隕石へと向かい、動き出したドリルが掘り始めた。そして、内部まで行ったミサイルは爆発し、隕石は破壊された。

 

「作戦は成功したぞ!」

「ふう~」

「ゆっくり休んで『ブゥー、ブゥー!!』何事だ!?」

「博士!大変です!破壊された隕石から怪獣が出現し、地表に降り立ちました!?」

「な、なにぃ!?」

 

 画面にはギリシャのケンタウロスを想わせる姿たが、今まで見た怪獣より凶悪に見える。

 

『ギャオオオオオン!!』

 

 鳴き声を上げながら、建物を破壊した。



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暴君の蹂躙

 久しぶりの感想ありがとうございます!
 この章が終わったら設定を上げます!
 ではどうぞ!


 SideNo

 原初市に現れたケンタウロスの姿をした凶悪な怪獣は街を壊滅させた。着地時の衝撃で破壊されたのが多いが、一番の被害はその巨体を生かした移動である。一歩動いただけで地面が沈み、手を振るっただけビルをドミノ倒しの如く倒壊させ、尻尾を揺らすだけ家屋が潰れていく。

 そして、街一つを燃やす火炎放射で辺り一面を跡形なく吹っ飛ばした。

 それをたった一瞬でやったのだ。あまりもの規格外な怪獣、むしろ怪獣というより悪魔と言ったほうが正しい。

 その大きさ、その強さ、その凶暴さ、まさに数年前のゴジラを、カイザーギドラを思い浮かぶ。

 遅れて到着した防衛軍の飛行機、ISはその悲惨な街を見て、動きを止めてしまった。

 幸いなことに悪魔はこちらの様子を気にしてはいなかった。いや、次の惨劇場所を決めようと動こうとした。

 その時、光が現れウルトラマンフォースが現れた。

 

『デュワ!』

「ウルトラマンが来てくれた!」

「ああ、俺たちはウルトラマンの援護をする。行くぞ!」

「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」

 

 フォースは飛び上がり悪魔の頭部へチョップした。だが、その攻撃は効いていなかった。並みの怪獣なら悶絶するものを平気な顔をしていた。それどころか笑っているように見える。だが攻撃の手を休めずに腹を連続でパンチを行ったり、回し蹴りを頭部に蹴ってたり、首を絞めつけたりしたがまったく効いていなかった。

 悪魔は右手の鎌でフォースを攻撃した。危険と判断したフォースは素早く下がり距離を保った。悪魔は左手の鉄球を投げた。その大きさと悪魔自身の力が強いことによりよけることができず喰らってしまった。

 鉄球を戻した悪魔は倒れているフォース目掛けて走り出した。横に回ろうとした瞬間、飛び上がりのしかかった。避けることが叶わず押さえつけられたフォース。そこから悪魔は何回も踏みつけた。

 

『デュオォォォォォ!?』

 

 何回も、何回も、踏みつけていく時、自分の周りがうるさいと感じた。よく見ると防衛軍の攻撃だった。

 マシンガンやミサイル、レーザー光線を撃ったりとしているが全く効果が見えない。

 悪魔は虫を払うかのごとく、払い始めた。

 だが、効いていなくても注意を逸らすことができるならという感じでひたすら攻撃した。

 そして、うっとうしくなった悪魔は火炎放射を吐き始めた。直線状の攻撃を薙ぎ払いながら決めようとしていた。

 意識が逸らされいるうちにフォースは足から脱出した。

 

『デュワ!』

 

 フォースは赤い姿フォースガンに代わり、専用武器ガンアローを取り出し、フォースラッカーを差し込みボウガンの姿に変わった。その先端に青白い光が光り始め収束されていく。

 偶然、振り向いた悪魔に向かって、撃ち込んだ。

 必殺光線が当たり、二発目を発射するとき、胸のカラータイマーが点滅し始めた。そんなを気にしている暇もなくさっきとは違う赤い光が集まりだした。そして、上に撃ち込んだ。それは雨のように降り注ぎ、悪魔だけを当てていた。あたりは煙に覆われて姿どころか見えない。

 そして晴れるとそこには無傷の悪魔がいた。そして動じなかった。まるでその攻撃を予測していたかのか様に。

 悪魔は口に炎をため込み始めた。フォースはフォースガンから黒主体の色、フォースエッジに変えた。取り出したエッジブレードを取り出し、フォースラッカーに合体した。エッジブレードに水が纏わり、光の速さの如く、悪魔の胴体目掛けて斬りつけた。

 パキィィィン!!。その場に響いたのは金属がぶつかった音ではなく、金属が折れた音、風切り音ともに折れた物が落ちてきた。それはフォースブレードだった。

 その場に動かなくなったフォース。姿を変えて元のフォースベターに戻り、拳を握り腕を十字に交差し回転し反対側に持ってきた。斜めに開くと同時に悪魔のほうに向けて十字に交差してフォースインパクトを撃った。

 それと同時に悪魔は貯めた炎を吐き出した。

 ぶつかり合った光線と火炎放射。しかし拮抗することもなく火炎放射が押し出した。とうとう火炎放射はフォースに当たり、爆発した。

 直立不動しているフォースがいた。しかし、カラータイマーの光は消滅しており、目から光が消えていた。

 

『ギャオオオオオン!!』

 

 悪魔は咆哮を上げると同時にフォースは倒れ、消え去った。

 悪魔は声を上げながら天候を操り、その場にいた戦闘機、ISを吹っ飛ばして、原初市一帯を台風のような状態にして自分はその中で眠りについた。

 ウルトラマン、防衛軍の敗北であった。

 

 SideNo

 

 SideNo

 

「……ここは?」

『医務室だ。進太郎……すまない!!私がしっかりすればこんなことにならなかった』

「フォースそれは違うぜ。あれはしょうがない。だが、奴と戦ったデータを元に次を生かす。まだ死んでいないから」

『……そう、だな』

「そうではないわ。紺野進太郎、ウルトラマンフォース」

「『誰だ!?』」

 

 彼らの目の前に白い女性がいた。

 

「ウルトラマンフォース。あなたは自身の記憶をなくしているのでしょう。私が教えてあげる」

『なぜこのタイミングで』

「あれじゃない、話的に」

「紺野進太郎、メタい話はあとがきの時にやりなさい」

 

 女性は一呼吸置いて、話始めた。

 

『あなたはディメッションから生まれた人造ウルトラマン。それも対ウルトラマン抹殺兵器よ』

 

 突然の出来事に二人は頭は真っ白になった。




 どうでしたか?隠せていたかと思うんですか。
 では、次回!


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Fの誕生

 SideNo

「事の始まりは単に改造怪獣の時よ。あなたの所にいるシュタインが主体で最強怪獣の制作研究している時、怪獣や超獣を作っても倒されるのならいっそうウルトラマンを作ってみるのはどうだ?と当時の幹部連中が提案してきたのが始り」

 

 白い美女が言うのと同時に手から青白く光るキューブ状の物を出すと大きく広がりだして進太郎とフォースを巻き込んだ。

 そこに映りだしたのは液体の中に入っている胎児だった。呼吸ができるのか気泡が上に上がっていた。

 その周りには大小様々な宇宙人たち。その中にシュタインもいた。

 

「彼らはこことは違う地球に赴き、光と闇の遺伝子を採取、さらに光の国に向かってウルトラマンの死体からは遺伝子を抜き取ったわ。そこから彼らの研究が始まった。

 彼らは最初に行ったのはウルトラマンのクローンの制作。これはバルタン星人が行ったわ」

 

 彼女の指の先には鋏を持った宇宙人がいた。

 

「これ自体はうまく行ったわ。体の方だけはね。

 次に魂の作成に入った。一番の問題と言っても過言ではないわ。神ではないのだから魂を作ることは不可能。だけどそれを成し遂げたのは亡霊人よ」

 

 

 指の先には黒いローブを纏った宇宙人がいた。

 

「では、魂を体を入れることになったわ」

 

 指を鳴らすと場面が変わり、そこに映っていたのは大量に遺棄された生物。よく見ると人の腕だったり、足だったり、腸など。

 

「実験は失敗。彼らには結局、できなかったのよ。当たり前よね、生物を一から作り出すのは不可能なこと。

 けどあきらめきれない男が三人いたわ。シュタインとブレン、今回の黒幕、バット星人マッド。

 どうしてなのかは知らないわ。

 彼らは最後の希望として石像のウルトラマンを取りに行ったわ」

 

 宇宙船にウルトラマンを運んでいる映像が映ると今度はレッドキングが目の前に写った。しかし生きている様子はなかった。その周りには数多の怪獣や宇宙人がいた。しかし、どれも静かで生きているとは言えなかった。

 その中ひたすら進んでいく宇宙船。その奥にあるワームホールに入ると、別の場所に着いてた。そこは光と闇が広がる謎の空間だった。そこにウルトラマンの石像とある程度に成長したウルトラマンの子供を置くと、石像には光が集まり、子どもには闇が集まってきた。

 

『こんなことをしてもいいのか』

『研究を成功するにはこれしかない』

『ああ、お前も理解しているはずだシュタイン、科学には常に犠牲は付きもの。それを知らないとは言わせないぞ』

『マッド』

 

 会話している内に終わったようだ。子供だったウルトラマンは大人程の大きさに変わり、姿は赤と黒色の闇や悪を感じる姿に変わった。

 しかし起き上がることはなかった。

 

「研究は最終段階に移行する」

 

 大人になったウルトラマン黒い光になると石像のウルトラマンに入った。すると石像だったウルトラマンは一気に剥がれて姿を現した。その姿はクロと銀それに赤を混ぜたウルトラマン。そうフォースにそっくりだった。

 

「あれは私?」

「そう、あなたはこうして生まれた。しかしまだ完成ではなかった。

 その間に貴方はここに置き去りにした。彼らは次の準備をするためにね」

 

 彼女は指を鳴らすと元の場所に戻った。

 

「ウルトラマンフォースあなたはウルトラマンでなければ怪獣でもない兵器よ。あ、あとねあの怪獣はEXタイラントよ」

 

 今回の怪獣のことを言って彼女はこの場を去って姿を眩ませた。追いかけることができなかった進太郎とフォース。

 

『進太郎、私はここから消える』

「おい待てよ。どういうことだ!今の話を聞いて信じたのか!」

『私がいるからだろ。あの怪獣が現れたのは。これ以上君を巻き込むいかない』

「ならいっそう『では、今までありがとう。さようなら』おい、ふぉー、す」

 

 フォースレットが消えると同時にフォースは何処かへ消え、消えたことに倒れた進太郎。数分後、倒れていた進太郎を発見したシュタイン。運んでいる時うわ言のようにフォースと言っていた。

 その姿を見ていた白い美女はこう言った。

 

「ごめんなさい。けれどあなたが勝つにはこれしかなくてそれでいて次のステップに行くにはこれしかないのよ。ごめんなさい」

 

 謝罪の言葉をすると灰色のカーテンが現れて消え去った。



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赤雷の黒斧 前編

 Side神田

 ウルトラマンが敗北して三日たった。進太郎が現場の戦闘に巻き込まれ負傷。他の隊員も同じだ。戦力が低下している中、幸運と言えるのはあの怪獣が動かないこと。それまでに奴を倒すための作戦を立てなければならない。

 しかし、ここまで戦力低下は初めてだ。さて、どうするか。

 む、だれか入ってきたな。

 

「進太郎か」

「神田隊長」

「体調はどうだ?」

「大丈夫ですよ。そんで迷惑をかけてすいません」

「気にするな。しかしどうしたものか」

「奴ですか。わかったことがあります。奴の名前はEXタイラント。様々な怪獣たちのパーツを合わせた改造怪獣でさらに強化した個体」

「EXタイラントだと!?しかし、どこでその情報を」

「俺が倒れた原因は謎の女性に話されたから。その女性はおそらく敵の幹部。色々話していたので」

「なら対策は少しとれるな」

「はい。今からシュタインと籏野、高橋と調査します」

「無理はするなよ」

 

 返事をして出て行った。

 さて私は私としての仕事をするとしますか。

 

 SideOut

 

 Sideウルトラマンフォース

 私は本当に何のために戦っていたんだ。

 巻き込ませまいと思っていたことが、私自身のせいで巻き込んでしまっていた。

 こんな私にも進太郎は戦ってくれると言ってくれた。だが、今の私には耐えられなかった。こんな兵器である私を受け入れることはない。ないんだ!

 

『そうだ!貴様は兵器だ!』

「誰だ!」

『俺はお前だ!フォース!』

「私……?」

『そうだよ。ぼくはぼく』

「今度は何だ!」

『貴様は所詮作られた存在!生きる意味はない!』

『ぼくはぼくをころしていきるんだぁ!』

「黙れ!私が、生きる意味はないだと、殺すだと、ふざけるな!お前らはなんだ!何者なんだ!」

『言っただろ、お前は俺だって。そうだな、俺は光だ』

『ならぼくはやみだね』

「光に闇、だと……」

『そうだ。お前の中から覗いていたが、腑抜けた戦いを見せておいて』

『あんなにたのしいことをひとりじめとか』

「お前らは私に何をさせたい?」

『冷静になったか』

『そうだねぇ、からだのしゅどうけんのこうたい、かな?』

 

 話を聞く限り、私の素体になった者たちだな。確かに受け渡した方がいいかもしれない。しかし、私は例え一人になってもやらなければならないことがある。それを達成できなければ意味がない。

 

「あいにく、この体を渡すことはできない。無理やりでも奪ってみろ。私はお前たちを倒す!」

 

 そうだ。例え兵器だとしても私にはやらなければならない。この星を守る。進太郎が傷つかない世界に。子の生きとして生きる者たちのために!

 

『そうか。ならやってみろ。丁度出て来たぞ』

『ぶ~、たのしいじかんだとおもったのに』

「そう簡単には渡せないからな!」

 

 いくぞ!EXタイラント!貴様を私は倒して見せる。

 私はその時知らなかった。この体にあるカードの力が妖しく光っていることに。

 

 SideOut

 

 SideNo

 防衛軍日本支部のサイレンがなった。

 

「隊長、EXタイラントが目覚めました!」

「なに!?今すぐ近隣住民の避難を呼びかけろ!今動ける隊員は!?」

「有田と草薙、熊野だけです!」

「今すぐ二人にブルーフレイム一号、二号で出撃命令!」

「はい!」

 

 オペレーターの新間は急いで三人へ緊急で通信した。

 それを聞いた三人は急いで発射口へ向かった。

 画面に映された映像には嵐の結界を解除し、進行しだした。予測進路は静岡県と山梨県に跨っている富士山。それを見た神田は本部に緊急通信回線を開いた。

 

「本部、本部!応答願います!日本支部神田です!」

『こちら本部。どうしました?』

「こちらで休止していた怪獣が行動を再開しました。至急応援を願いする!」

『了解しました!』

 

 自分ができることはやった。後は、被害を抑える、いや違うな、阻止だ!

 

「IS学園にいる三人にも召集!調査班にも呼びかけろ、現段階の情報を持ってこいと!」

「わかりました!」

「隊長、ブルーフレイム一号、二号がEXタイラントとの戦闘に入りました!」

 

 ブルーフレイム一号、二号がEXタイラントの頭部へ集中的に銃撃していた。目つぶし程度には効いているのか、その場から足踏みしていた。首を振るうと口から火炎放射を掃きながら二機を追い回していたがその攻撃をかわしていく。

 なかなか当たらないことに怒りだしたEXタイラントは鉄球と尻尾を振り回しながら、自分の周りに攻撃されないようにした。一撃一撃が強力なためいったん離れることにした。それを見逃さないEXタイラントは火炎放射ではなく白いガスを吐き出した。しかし、ガスはここまでは来なかったため正面から銃撃を開始した。

 やはりその固い皮膚に守られた体には傷一つ付かなかった。

 

『遅くなりました!』

「お前たちか!」

 

 そこへタツミ、ユウキ、藍子の学生組が現場に到着した。

 

「やつの足止めをする。頭部を集中的に狙え!」

『『『了解!』』』

 

 

 近接主体のタツミとユウキはブースターを飛ばしてEXタイラントへ向かい、マルチに対応できる藍子は種子島を取り出し遠距離から撃つことにした。

 インクルシオを纏ったタツミは武器であるノインテーターをやり投げのようにしてEXタイラントへ向けて投げつけた。

 

『ギュオオオオオン!?』

 

 人間大ほどの大きさを誇る武器を片目に受けたEXタイラント。初めてダメージという受けたため、余計に暴れ出した。

 単調なその動きを距離を取ることによって被害を避け、遠距離から撃ちだした。

 これならいける!誰もが思った。しかし、ノインテーターを回収したとき、ある違和感を抱いたタツミ。抜くのが重いと感じていたのだ。

 その違和感は的中したのだ。

 煙が晴れると潰した片目の傷が治っていたのだ。

 

「回復能力があるのか!?」

『皆さん、EXタイラントから高密度のエネルギー反応を検知!避けてください!』

 

 菊池の通信は間に合わず、EXtタイラントは角に溜めたエネルギーは空へ撃ちだし、雷を自身に向けて浴びせると周辺へばらまき始めた。

 その威力に避けることを叶わず、全員が全滅した。

 邪魔者が消え去ったEXタイラントは富士山へ向けて進行し始めた。

 

「くっ!?今すぐ負傷者の元へ迎え!誰一人死なすな!」

 

 作戦室にいた神田は呼びかけると、机の上を強く叩いた。

 二度目の敗北に途方もない怒りがこみ上げた。無謀過ぎた戦いにこれ以上どうしようもないほどにだ。

 

「隊長、ウルトラマンです!」

 

 画面には最後の希望の一人、ウルトラマンフォースが映っていた。

 

 SideOut



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赤雷の黒斧 後編

 一カ月ぶりです。次の話でEXタイラント編、終わります。
 それではどうぞ!


 SideNo

 EXタイラントの前に現れたウルトラマンフォース。黒、銀、赤のトリコロールのフォースベターで迎え撃とうとしていた。

 先に攻撃を仕掛けたのはフォース。取り出したベターロッドで攻撃を仕掛けた。

 当然、EXタイラントの硬い体表の前では弾かれる。弾かれた瞬間に炎を先端に燃やし、頭へ振り下ろした。しかし、割れるどころか赤い羽根すらも燃えなかった。右腕のモーニングスターで吹き飛ばした。

 

『グオォォォォォ!?』

 

 吹き飛ばされたフォースは残骸をまき散らしながら倒れた。

 EXタイラントは口からデスファイヤーをフォースへ噴いた。それに気づきバク転で回避し、姿を黒と銀のフォースエッジへと。そして、エッジブレードを取り出し刀身に電気を纏わせて胴を斬りつけた。

 だが、切り傷どころか擦り傷すらつかなかった。

 これで攻撃をあきらめるわけじゃない。フォースラッカーも取り出すと二刀流で攻める。

 EXタイラントもモーニングスターと鎌で攻撃してきた。

 遅いながら重い一撃を持つEXタイラントと受け流しながら素早い連撃を取れるフォース。力対技の戦いを制したのは。

 

『グッギャアアアアア!?』

 

 フォースだった。受け流すと同時にフォースラッカーを投げ、ムーンサルトをして顎を蹴り上げたのだ。すかさず尻尾へ向かい投げたフォースラッカーを撃ち込んだ。青白い光と共に二つの尻尾の付け根を真っ二つに切断した。

 苦痛の声を上げるEXタイラント。さらに追い打ちをかける。

 姿を赤と銀のフォースガンに変え、ガンアローを取り出すとフォースラッカーと合体させて、アローモードにすると青白い矢へと変わった。それを喉元へ向けて撃った。今まで傷一つつかなかった体表はスペシウムショットで貫通した。

 これでデスファイヤーは出なくなった。

 一気に二つの武器を亡くしたEXタイラント。

 

『グッオオオオオン!』

 

 フォース目掛けて突進してきた。フォースは躱すとともに前方へ飛び上がり、光弾を撃ち込んでいく。大したダメージはないが蓄積させていくことが最善だと思っていた。だが、そうもいっているわけにはいかなかった。

 突然フォースのカラータイマーが赤く点滅しだした。長い戦闘でダメージは勿論、必殺技を使ったためだ。しかし、フォースは気にせず姿をフォースベターに変わると手を大きく広げ光を集めて、胸の付近で腕をクロスする。その光はカラータイマーへ吸い込まれた。

 フォースインパクトを撃つ準備へ。

 対するEXタイラントは腹の口を大きく開けていた。

 フォースインパクトを放つとEXタイラントの胸に吸い込まれた。フォースインパクトを撃ち続けていくごとに、カラータイマーの点滅が早くなっていく。

 フォースインパクトを吸い込んでいくEXタイラントには限界がないのか。いまだ平気な顔していた。

 そして、決着がついた。

 

「……フォースが負けた」

 

 EXタイラントを倒す前にカラータイマーの光が消え、目から光が無くなり生気を失っていた。

 EXタイラントニヤリと笑い、吸い込んだ腹から青白い光線をフォースへ撃ち込んだ。

 青白い光線はその一帯を白い煙で包み、一瞬で氷原が出現させた。その中心にフォースの氷像が出来ていた。

 

 ウルトラマンフォース、完全敗北

 

 全員の頭に過った。誰もがそう思った。

 EXタイラントは歩みを出した。空に黒い曇天が赤雷を迸っていることに気にしないで。

 

 SideOut

 

 Sideウルトラマンフォース

 

 私は結局負けてしまったのか。見栄を張ってまで倒すと宣言しておきながら、また負けたのか。

 

 

 

 

「ふっざけるなぁぁぁぁぁ!」

「何がだ!なぜ負けているのだ私は!もっと強い力を!」

「あいつを倒せる強い、チカラをぉぉぉぉぉ!!」

 

 私の目の前に赤いカードが現れた。

 

「これを使えば倒せる、のか?」

『ソウダ』

 

 黒い私が現れた。黒い私は赤いカードを掴もうとしているのを、腕を掴んで止めた。

 

『そうそう。だからかしてよ』

 

 白い私が現れると赤いカードを奪って行こうとした。私は蹴って突き放した。

 

「それに触るな!!」

『ドウシテダ?』

『まけいぬはひっこんでいろ、よっ!!』

 

 殴ってきた黒い私を私が白い私の方へ投げ飛ばした。

 二人はもみくちゃになり、その隙に私は赤いカードを掴んだ瞬間、ドス黒い何かが私の中へ入ってきた。

 吐き気を催す感情が、怒りが、憎しみが、辛みが、そして悲しみが一気に入ってくるのがわかった。まるですべてを詰め込んだ暴悪が私の中に納まっていく。

 

『キ、キサマ!?ソレヲトリコムッテコトハドウイウコトカワカッテイルノカ!?』

「知らないが、だがこれを使わないと奴には勝てない!」

『べつにいいけどさ、しんだらいみないんだよ。げんにしんでいるし』

「私が対策立てずに負けたと思っているのか?」

 

 私か体から光を放出させるとだんだんと透け始めた。

 

『オイソノワザヲツカッタノカ!?』

「ああ、これで蹴りを着ける!」

 

 私はカードを握りながら、姿を消した。

 

『厄介なことになったな』

『くちょうがもどったね』

『まあな、区別するためとはこれじゃあな。しかし、あの技は確かに強力だ。だが、使った後の反動が凄まじい』

『だからまけた。やみにね』

『ああ。俺らもとっとと準備しないとな』

 

 SideOut

 

 

 誰もかが諦めていた時、それから赤雷が氷像とかしたフォースへ振り落ちてきた。

 赤雷が辺り一面を覆いつくす。それに気になったEXタイラントが振り向いた瞬間、飛んできた巨大な斧がEXタイラントの体を引き裂いていた。

 斧が飛んできた方向を見ると、そこにいたのは赤と黒の姿のフォースがいた。しかし、目は赤い。

 

『デュオオオオオ!!』

 

 雄たけびを上げながらEXタイラントへ駆けて行った。



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エピローグⅠ 次へのステップ

 雄たけびを上げながらEXタイラントへ向かうウルトラマンフォース。勢いよく飛び上がり、EXタイラントの顔面にドロップキックを決めた。

 

「ギャアアアアア!?」

 

 倒れたEXタイラントの胴体へ何回も踏みつけた。

 あの圧倒的な力をしていたEXタイラントが逆転されたのだ。

 フォースはその体に見合わない蹴りで吹き飛ばした。

 地面に突き刺さっている斧を抜くと、立ち上がったEXタイラントの左腕を吹き飛ばした。さらに飛び上がり頭に一撃を与え、最後は右腕を斬り落とした。

 苦痛の叫びを上げるEXタイラント。辺り一面EXタイラントの赤黒い鮮血で染まっていた。しかし、倒れないEXタイラント。使える武器を全て無くした。戦う力がないのにまだ立ち上がる。

 

『あいつには逃げるってことはないのか』

 

 熊野はそう呟いた。

 生物としての生存本能が最初から入っていないのか。生物としてではなく兵器に見えてしまった。

 だが、そんなことお構いなしにフォースは斧に赤雷を溜め始めた。頭上で何回も回転させ、大きな刃に変わった。

 EXタイラントも最後の力を振り絞り、腹部から先ほどフォースへ止めを指した冷凍光線を撃ちだした。

 だが、肥大化した斧に受け止められた。ゆっくりとEXタイラントへ歩み出す。

 その足取りは死の宣告をする死神のようだ。一歩、二歩と恐ろしく、それを見ている防衛軍の隊員には恐怖だった。

 EXタイラントの前まで来ると、ゆっくりと振り上げ、上から下へ真っすぐに勢いよく切り裂いた。真っ二つになったEXタイラントは別れたまま爆発した。辺りを煙と赤雷が少し見えそこに立っているフォース。その姿はまさに悪魔のようだ。

 姿を戻したフォースは飛びだった。

 

 Side???

 フフ、ここまで作戦通りとは恐れながらこうも順調なものだと些か不安である。

 しかし、フォースがあの形態を使うとはどうやら新たな作戦ができそうであるな。

 

『どうやら負けてしまったようだな』

 

 突如あの方からの通信である。

 

「いえ、これは成功すればいいと考えたプランです。本命は富士山を霊脈として使い噴火と共に、日本を潰す作戦」

『ほお、つまり元から死ぬ予定であったと』

「ハッ、奴は死ぬと第二形態とよべる姿になります。その姿になれば、日本はおろか、第31世界は消えます。そこに集まっている怪獣も怪人も宇宙人も」

『そうか。では引き続き頑張れ』

「ハッ!」

 

 これで邪魔をするものはいなくなった。あとは勝手に作戦が進む。

 さあ、どうする?

 

 SideOut

 

 Side進太郎

 フォースがEXタイラントを倒して二日が経過しようとしていた。

 神田は本部へ向かった。今回出現したEXタイラントについてとフォースの今後の処置だ。

 あまりにも強い力を見せた二者は危険度が上。しかも、残虐な姿を見せたフォースは生きているため、今度我々に向かってきたらどうするのか。そのことを今話し合っている。

 フォースはそんなことをしない。短い間しか一緒にいなかったけど、それでもフォースは絶対に敵対しないと信じている。

 

「さて、三人ともISについてだけど、夏休み期間中に修理とメンテナンスを終わらせるから」

「わかったよ父ちゃん!」

「父さんも病み上がりなんだから無理すんなよ」

「そうですよおじさん。おじさんが倒れたらみんな心配してしまいます」

「わかっているよ」

 

 ユウキたちへそう言うと、あ!っとユウキが何かを思い出したかのように言い出した。

 

「父ちゃん、夏休みの最後さ、夏祭り一緒にいかない?」

「夏祭りか。おういいぞ!」

 

 やったー!と嬉しいそうな顔をするユウキを見つめていると、タツミが話してきた。

 

「おいおい、いいのか?」

「いいんだよ。どうぜ一日休めとか言われそうだし、それに父さん自身もこういったことしないとな」

 

 楽しみなことができたため、今回のことを纏めて、ぱっぱとフォースを探しにいかなければな。

 

 SideOut

 

 Sideウルトラマンフォース

 な、なんとか倒せた。しかし、なんだあの力は!

 濁流に飲まれるような気分だった。

 

『それがフォースダークの力だ』

「黒い私」

『あれは、闇の力だ』

「闇の力だと」

『そうだ本来お前がなる姿でもある』

 

 本来の姿だと?あれがっ!

 

『お前はその力をものにしなければならない』

『べつにいいじゃん。だってほんとーはぼくだったんだもん』

「だろうな」

『それくらいのことではおどろかないようね。だったら、うばえばいいもんね』

 

 白い私は私に近づいてきて、腹部へ狙いをすまして殴ってきた。私は手首を掴み、腕を捻った。

 

『いたい、いたい!?』

「やめろ!何回言ったらわかる!?この体は私のだ」

 

 そうだ、譲れないんだ。

 

『だったら奪われない方法は一つだ。オレタチヲオイダセバイイ!』

 

 黒い私はそう言うと殴ってきた。私は白い私を盾にしたが、あまりの力に吹っ飛ばされてしまった。

 

『サア、フタリトモコノカラダヲカケテヤルゾ!』

 

 そう言って私たちに向かって光線を撃ってきた。

 長い長い戦いが始まろうとしていた。

 

 SideOut

 

 

 

 それはどこか遠い星。その星の大地に錆びついたひし形が埋まっている。

 それは淡い光を出しながら、何かを待っているようだ。

 

 

 




 ウルトラマンフォース編が終わりました。
 次回から秋二の修行編です。予定では三話で終わらせます。そのようにします。
 では、次話で!


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師の訪問

 二部目の秋二編をやります。
 では、どうぞ!


 Side織斑秋二

 シルバリオン・ゴスペルの暴走事件や海底巨人出現といった前年より濃い臨海学校が終わり、待ちに待った夏休みが始まった。

 色々とあったが、とりあえず全員帰還となった。

 作戦に参加した人たちはIS学園帰宅後精密な検査をして異常が見当たらなかったが、俺と篠ノ乃は処罰をもらった。俺重傷患者であるのに検査を受けずに無断出撃に対すること。

 篠ノ乃に関しては木刀による暴力行為、臨海学校での暴走事件の命令違反及び無断出撃、その他盗難や脅迫など言った犯罪行為。普通なら退学ものだが、政府関係者が束さんの怒りを買うことに恐れて退学は取り消された。その代わり、多くの処罰を言い渡された。

 因みにその処罰は夏休みまるごと使うって話だ。

 俺も反省が終わり、新聞部の新聞を作って来月号に掲載する予定。

 そして、この期間を利用して錬武法の更なる強化と新技の完成を目指す。

 とりあえず、家に帰ることにした。修行するための道具を準備するためだ。

 自宅に着くと玄関に大人の男が立っていた。俺は警戒しながら近づくと、いきなり殴りかかってきた。俺は受け流して腹部へエルボーを喰らわせた。男は俺の肘を掴んだ。それに対いして、足を踏んでって!?効いていないのか!?無理やり脱出した。

 

「ふっ、強くなったようだな秋二」

「いきなり仕掛けてくるとか酷いですよ師匠」

 

 俺に攻撃してきた人は師匠の獅子王那琉。俺が知っている中で千冬姉さん以外だとこの人が人類最強だと思う。

 ガトリング砲の嵐を避けるし、レーザービームを弾くし、大砲に至っては爆発させずに受け止めるとか。ISに至ってはパンチの衝撃だけで吹っ飛ばして止めることができる。

 人間を止めていると言うと寂しそうな顔をして、そう思うかって、言ってくる。言った後はメニューが増える。

 

「連絡とかしていないのですが?」

「なに、今回の事人伝だが聞いている。どうせ、山籠もりか無人島に籠るだろうと思ったからな」

「そうっすね。外は熱いから中に入りませんか?」

「世話になるな」

 

 俺と師匠は家に入り、買っておいたお菓子と麦茶を出した。

 

「俺と会って三年は過ぎたか」

「いえ、二年半ぐらいですよ」

「そうだっけ?」

 

 相変わらず元気そうだ。こんな感じだったよな師匠との出会いわ。

 まだ熱い、夏休みの時だった。

 

 ~回想~

 

 当時、荒れていた時期だった。遅かったけど、大切な人だと思える人を亡くした。

 それと同時に一夏を蔑ろにして行方不明の件、千冬姉さんとの劣等感、憑依転生までして主人公になろうとした嫌悪感が出て来た。

 後悔先に立たず。その言葉が俺の頭の中を駆け巡っていた。

 ストレス発散のため、表では優等生を演じ、裏では不良をしていた。そんな生活に板挟みをしている時に出会ったのが師匠だった。

 師匠は今と同じように、軽い感じで話しかけてきた。

 

『どうしたチュー坊がこんなとこで』

 

 当時の俺は何も答えず、殴りに行った。行ったんだ。そしたら、空を飛んでいた。俺の目には雲一つない青空が広がっていた。そのまま、受け身を取れずに地面と接吻し気絶した。

 目が覚めると公園のベンチだった。

 

『目が覚めたか?』

 

 スポーツドリンクを飲んでいる師匠がいた。起き上がると買ってきていたもう一本のスポーツドリンクを渡してきた。少し飲む。冷たい液体が喉を通っていくのを感じ一息できた。

 少し時間が経ってから師匠が聞いてきた。どうしてそんなことをしていたのかのと。俺は己自身の悩みを打ち明けた。

 俺がしでかしたことの数々。

 一夏に対するいじめ。

 先輩に対する思い。

 自分の出生。

 そのすべてをかき混ぜたストレス。

 それを話し終えると師匠は俺をアッパーをしてきた。本日二回目の飛翔は師匠の受け止めで夢へは飛び立たなかった。

 

『馬鹿野郎が!お前はどうされたい?謝りたいのか、許されたいのか、それとも罰してほしいのか?

俺が言ってやる。お前は後悔している。後悔しているからこそ、なんとか逃れたい。だけどな、人は逃げることはできない。だからこそ、逃げるのを諦めろ』

『諦めろ?諦めたって一生変わらない!だったら、死にたい!』

『死ぬとかいうな!死で救われるなら、お前が虐めた人や思い人は戻ってくるのか?戻ってこないだろ!なら、一生後悔していろ!その後悔がお前を死なせない枷になる。その枷は償っても永遠に外れない枷だ。お前はどうしたい?』

『……俺は、……俺は、……俺は!強くなりたい!あんたよりも千冬姉さんよりも俺の心よりも負けない、諦めない、強い力と心が欲しい!』

『俺は宣言する!俺は俺が無くしたもの全てを背負って生き抜く!絶対に後悔はしない!もう二度と失わせはしない!』

 

 師匠は俺のその言葉を聞いて安心したのか去ろうとしていた。

 そんな師匠に俺は修行をつけてくれと頼み込んだ。二つ返事で了承してくれた。そして、師匠との修行は高校に入るまで続いた。

 

 ~回想終了~

 

 これが師匠との最初の出会い。そして、場所を移動して雑木林に来ていた。

 

「そんじゃ、ひっさしぶりの組み手をしてみますか」

「お願いします」

 

 一定の距離から離れて構えた。拳を突き出したどっしりと足を開いた構えた大地の構えをし、師匠は自然体でまるで少し出かけてくるような感じだ。

 風が吹く中、何かが落ちてくる音で俺は動き出した。



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エピローグⅡ 段階を上げて

 一カ月遅れてすいません。今年度に投稿できたことをうれしく思います。
 今年度中にもう一本上げていきたいと考えています。
 それではどうぞ!


 その時だけだろう風が止んだのは。汗が滴るとき、溶けたアイスが落ちるとき、ボールを投げたとき、弓を射つとき、その全てが一瞬重なった音が響いたとき、二人が動いた。

 拳と拳がぶつかり合い、二人を中心に衝撃波が発生し雑草がなくなりそこだけが荒れ地に変わった。

 少し拮抗し先に攻撃したのは秋二。ぶつかりあった衝撃を足へ流し腹へ横蹴りをした。それを弾く那流、すかさずぶつかっている拳を開き、秋二の拳を握るとそのまま上へ投げ飛ばした。しゃがんで足に力を入れて跳んだ。

 跳んできた那琉を迎えるため、その場で一回転し飛んできた野球ボールを足場にし、月兎で一気に加速した。落下しながらその場で回転し、竜巻で迎え撃つ。

 那琉は垂直蹴りでぶつかり合った。

 落下のほうが打ち勝つはずが拮抗ところが押し返している。押し返していることがわかると、回転をやめて那流の手首を握りしめ投げ飛ばし地面にぶつかった。

 地面に着地すると手腕を肥大化させる技、熊手で追い打ちを掛けようとした。しかし、砂煙から赤炎が噴き出て秋二の腹にぶつかると炎は中を貫通し背中から噴き出ていた。吹っ飛ばされ木にぶつかって止まった。

 砂煙が晴れると足を燃やしている那琉が現れる。

 

「相変わらず不意打ちには弱いな」

「そ、それを、不意打ちで、片付けるのはどうかと思いますよッ!」

 

 足に力を込め、人とは思えないスピードで那琉へと迫る。

 対する那琉も全身に稲光を走らせながら、接近する。

 すれ違いざまに拳撃、蹴撃に殴打、ときには手刀から放たれる斬撃波に足刀、鞭打が入ってくる。目潰しや金的、陣中の他脆い骨といった急所も的確に。

 そのあまりにも早い応酬に目では負えない。

 先に勝負を仕掛けたのは……秋二。

 地面に四つん這いになり、力士の四股踏みのような力強い体制に入ると、動かなくなった。その姿を見て、明らかにカウンターか突進の2つだと絞った。だとしたら、那琉は多方面からの高速攻撃で仕掛ける。

 動こうとした時、それは突然襲ってきた。何もわからずただただ空を飛んでいた。そして遅れてくる痛みに耐えながら秋二の方を振り向いた。そこには蒸気を発しながら地面を抉ってできた二列の線、まるで線路みたいだ。その先に移動した秋二が先程と同じ姿勢でいたのだ。

 

「っち!」

 

 那琉は空中で無理やり体勢を変えて着地した。

 目の前に秋二が拳を構えて腹を殴ってきた。さらに足を踏み込んで強い一撃をもう一回撃った。さらに打ち込んできた。秋二はここを勝負どころと見たのか何回、何十回と殴りこんできた。ガトリングガンのように。

 防ぐこと間に合わない那琉。あえて受けざる終えない状況。

 止めの一撃を決めるため、白掌を撃ち込んで吹っ飛ばした。構えないで月兎で跳んで、握りこんだ右手で殴ろうとした。その際、赤く光りだしていた。だが気付いているのは那琉のみ。防ぐか避けるか考える暇も与えない距離まで迫っていた。

 バキュンっと、ゴムが当たった音が聞こえた。那琉がやったのは受け止めることだった。そのまま自分の方に引き寄せて、前と後ろに手刀を撃ち込んで決着を着けた。

 

「あ、危なかったか!?まさかここまで成長していたのか」

 

 受け止めた手を見ると夥しい出血をしていた。軽く止血して、気絶している秋二の手当てをし木陰に運んで休ませた。

 時間にして一時間は経った頃に目を覚ました。

 

「負けたんですね」

「結構危ない場面があったけど、な」

 

 スポーツドリンクを投げ渡された。キャップを開けて一口飲む。冷たい液体が喉が潤っているのがわかる。

 立ち上がると、秋二の目の前に拳が突き出されていた。

 

「秋二、海外渡航の準備をしておけ。今からお前の技術の改良を行う」

「へ?」

「お前が見せたこの技、お前自身は気付いていないけど、こいつの習得を行ってもらう」

「ちなみにどこへ?」

「ヒマラヤ山脈の秘境地とだけ言っておこう」

 

 とんでもないことをしゃべりだした。当然断る…、

 

「わかりました!」

 

 ことはなく、この師にして、弟子である。

 早速学校側に海外渡航目的を話して、知り合いに連絡を取り、明日から出発準備を整えた。

 怒涛の一日が終わる頃、那琉のスマホから電話が掛かってきた。その相手は“生徒会長”と書かれていた。

 

「久しぶりだな会長」

『ええ、久しぶり那琉くん。さっそくだけど貴方に依頼したいことあるのだけど』

「ワリィが三週間ぐらい用事があってな、受けることができない」

『あらそうなの。まあいいわ、それよりもだんだんだけど奴らの情報が増えて来たわ』

「本当か!」

『ええ、あちらが動くにはまだまだ先だけど、先手の一つは打ちたいのよ』

「そのための戦力、といったところか?」

『ええ、私たちの方でも裏から動くわ。そちらも気をつけて』

「ああわかっている。おやすみ」

『お休みなさい』

 

 スマホを切って眠りについた。

 眠っている中、一人の少年が夢から出て来た。那琉や生徒会長たちの中では死んだとか思ってはいない。那琉は卒業と同時に彼を探すために世界各国を旅した。紛争地域で人質なりかけたり、裏オークションで売られかけたり、時には孤島の原住民の生贄にされかけたこともあった。それでも手掛かりは見つけられなかった。

 そして、朝。リュックを背負い家を出た。

 

「行くか」

「はい師匠!」

 

 夢に友が出たからにはまた会えるだろうと考えていた。

 彼が守ったこの世界を今度は俺たちが守る。そう誓って。



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NEXT とある転生者のスピーチ

 連日投稿です。昔から見てくれている人は少しでも彼のことを思い出してあげてください。
 それではどうぞ!


 …………。……あ、あー!マイクテスト、マイクテスト、本日は晴天なり、本日は晴天なり。あー、アー!

 よし!

 たぶん初めまして。知っている人はこんにちは。忘れた人は忘れたままで。

 萩村倭です。一応、ちょくちょく出ていましたが、本格的に出るのは今回が初めてですよ!

 まったく、この駄作者は!

 存在までは覚えていることには感謝していますよ。だけど、自分自身が主役になる回が一本もないとかヒドイ、ヒドすぎる。

 ほかのオリキャラ処か、追加されたキャラまでに出番取られるとか、何たる不幸。

 マジで雇用待遇の頑固要請します!

 とまあ、駄文が始まりましたが、今回は番外編!

 自分の日常を少しお見せしようかと。といっても普通の人たちどころか、一歩人外の領域に行っている人たちとは比べ物にはならないですけど。

 

 とある倭のワンデイ

 

 朝、午前6時起床。

 いつもこの時間帯に起きる。起きた洗顔とかすまし朝食作りから始まる。今日はご飯と目玉焼きにキャベツの千切りとネギとジャガイモの味噌汁。

 学校に行く準備と戸締り、火元確認を行い、家を7時に出る。

 学校までの距離は自転車で15分かかる。

 自分が通うここは藍越学園。元はIS学園がある所に造られていたのを移動して愛越市内の沿岸沿いに造られた。生徒数は456人。1学年152人。普通科と商業科に国際ビジネス科の3つの科があり、5クラスに分かれている。因みに自分は普通科に入っている。

 今日は日直のため早く来ているが、30分遅く来ている。

 職員室にから日誌を受け取って教室に向かう。

 教室には朝練を終えた奴らがたむろっていた。

 

「おはよう」

「おはよう倭」

 

 今日使う道具を整理したり、日誌に今日の予定を書いたりする。

 それが終えるとスマホを開いて、ネット小説を読む。な〇うやハー〇〇ン、Pi〇ivとか見ている。

 転生する前に読み切れなかった作品の完結とかあるとか結構幸運だよね。

 

「みんなおはよう!」

「おはようございます!」

「日直挨拶お願い!」

「起立!礼!」

 

 先生が来たから仕舞って、挨拶をした。

 着席をすると今日の予定を話し始めた。これと言って予定はなかった。

 8時50分から授業が始まるけど授業風景とかいる?というわけど、昼休みまでキング・クリムゾン!

 

 昼休み。作った弁当を屋上に持って食べる。

 ん、友達はいないのかって?うん、いないよ。人間強度が下がるとかボッチが楽だとか断じて違うから。

 まあ、話す人がいるぐらいで別に作らなくてもなんとかなりそうだから。

 お、昼休みが終わるな。戻るか。放課後までキング・クリムゾン!

 

 放課後。掃除当番ではないが、日直のため最後まで居残って居なければならない。

 掃除が終わったなら、日誌を職員室に置いていく。

 それが終わったならば、家には戻らずにある人物の店に向かう。

 

「店長こんにちは!」

「ハァイ、こんにちはぁ。まかない食べて着替えてきてね」

 

 ここはラウンジTHUNAGI。食事処と居酒屋を合わせたお一人様から家族連れにも安心して食事できるお店。評判は結構いいのだが、ちょっと欠点がある。その辺は話していくうちにわかると思うから。

 自分はホールを担当している。アルバイトだからね。

 んで、欠点て言うのがこれ……。

 

「んもぉ~、〇〇くんまたぁ怒られたのねぇ。けぇど、大丈夫よぉ~。ワテクシがいるからあ・ん・し・ん・し・て・♡」

 

 その1、店長のインパクト。世間一般でいうオカマという類の人。けど、相談ごとや悩みを打ち明けたり解決するのは得意。男女問わず信頼はあるのだが、その姿。何というかシティーで狩人している仲間の人とか紛争地域で生き残った人とか、ロケランを持って怒りだしている人とかに近い。というか日本人ですら怪しい。

 

「いらっしゃいませって、また来たのですか?鼻息荒立てながら入ってくるの止めてもらえますか。キモイので」

 

 その2、ドSなバイト先輩。毎回冷や冷やされるけど、店長曰くあがり症を治すためにこういうキャラにしたと聞く。さらに天然発言とその言い回しの難、蔑んだ目つきがヤベェー方向にベストマッチをした結果こうなった。ぶっちゃけ緊張しやすい天然口下手ドS店員が誕生した。一部の人には人気がある。犯罪に走らなければ問題ない。

 

「そこのお嬢さ~ん、今夜俺と夜の街でレッツパーリィーナイしないか!」

 

 その3、ナンパ料理人。腕はいいんだよ腕は。だけどそのナンパをするせいでちょっとした問題が出てしまう。主に女性関係とか三角関係。昼ドラの展開から土サスまでこの一人で起きてしまう。しかし、無関係で。なぜかこじれて、こじかけて。結果何故か解決する探偵料理人。この人顔がいいからね。

 

「この人たちがいるのにこの店成り立っているのかが不思議だよ」

「お前も対外だ」

 

 この店の数少ない常識人がいうけど。自分も!

 バイト終了の時間が来たので上がって、家に帰る。

 家に着くと今日の宿題を終えて、夜12時に寝る。

 これが自分の1日。

 

 どうだったかな?

 これが自分の生活だけど。まあ、本編とは全く関係ないから。

 それでは次の章で活躍できるように期待して、また次回会いましょう。

 またな!




 次回予告
 長い夏休みが終わりIS学園では学園祭が控えていた。
 各クラスでは色々と案が出ている中、学園に悪の影が迫っていた!
 それはどこにいてもおなじだった。
 それはここ池袋でも。新たなる事件が幕を開ける。その時、簪は怒りの炎を溢れ出ていた。
 その炎は山の底からも出ていた。
 富士山から倒したEXタイラントの怨霊体、デスボーンが出現した。
 未だ対立二人はこの危機を撃破できるのか。

「今上がった案全て却下だー!」
「さあ始めようか、ISによる戦争ってやつを!」
「私には関係」
「あんたたち人以下よ。私の手で潰すわ」
「地球消滅規模の隕石が来ています!」
『ウオォォォ!』

 次回、二学期戦乱編

「アニキ、アカメ、みんな……行くぞ!」
「アスナ、僕はやるよ、みんなに会うために!」
「フォース!」
『進太郎!』
「『これがすべてを救う力だ!』」
「……変身」
「ここがアナグラ食堂か」
『パム~』


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4章 二学期戦乱編
IS学園祭/準備編Ⅰ


 皆さん新年あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。
 皆さん、今回のFGOガチャどうでした?作者はキャスターを回して無事マーリンを迎えることができました。親友と医神の他にインドのジャンヌそして、ユウユウこと楊貴妃を迎えることができました。そして、血の血涙が足りません。
 閻魔亭をやればいいんじゃん?そこまで進んでいません!それどころかまだ一部です。
 早くクリアしたい。
 では、雑談はここまで!
 どうぞ!


 Side秋二

 夏休みが終わり、休み明けテストが今日終わった。

 まあ成績は上位には入っているだろう。

 

「さて、みんなテストお疲れさん!今から学園祭の出し物を出し合ってもらうけど、あまりにも奇抜なことは無しだから」

 

 さて、何が出てくるかな?

 

『織斑秋二のホストクラブ

 織斑秋二とツイスター

 織斑秋二とポッキーゲーム

 織斑秋二と王様ゲーム』

 

 だろうな。ええわかっていたよ。だけど、決定権は俺にある。つーか、それはなしだな。

 

「もう少しな、常識を弁えてくれ!負担100%俺だし!他にはないか!」

「なら、コスプレ喫茶はどうだ?」

 

 よし、なんとかまともな案が出て来た。他にないかな。

 

「もし借りれるなら劇とかどうです?」

「なら、お化け屋敷はどう?」

「縁日みたいな感じで屋台を作るのはどう?」

 

 案が出終わったか?

 

「ここから「はい!全部まとめてみるのはどうです?」え?」

「テーマを決めたコスプレをしながら、屋台で料理を作って、日にちごとにイベントをするみたいな」

「なるほど、だけど費用だよね。うん案に入れるよ」

 

 出て来たのは九つ。ここから決める。

 

「はい。それじゃあ、ホストクラブ……、ツイスター……、ポッキーゲーム……、王様ゲーム……、コスプレ喫茶……、劇……、お化け屋敷……、縁日……、ごっちゃ混ぜ……。

 ……はい、ごっちゃ混ぜがきまりましたので、これの正式な名前を考えて明日費用とかの話し合いをしたいと思います。織斑先生これでどうですか?」

「ああ、それでいい。そのまま帰りの挨拶を行う」

 

 にしても千冬姉さん表面上は真顔を貫いているけど、なにか悩みでもあるのか?まあ教師だし生徒に関する悩みとかかな。

 帰りの挨拶は終わったから部室に行くか。

 臨海学校が終わってから篠ノ乃がかかわってくることが減ったな。反省しているのかまではわからないけど、とりあえずに被害はないからそのまま放置して。

 

「入ります。お疲れ様です先輩」

「お疲れ様、こちらも準備があるから」

「わかりました」

 

 新聞部の学園祭準備に取りかかった。

 新聞部はというか、文化部は基本は全体で一つから二つほど部屋を借りて掲載したり体験活動したりする。

 我ら新聞部は三年の先輩方の三年間の大きな話題があった新聞をランキング形式で掲載する。ランキングの集計は一番下の一年生の俺たちが担当。

 今更だが、新聞部は三年生四人、二年生六人、一年生五人の計十五人でなりたっている。

 

「みんな今日はここまでにしようか」

「はい」

「先輩、自分はこれが終わってから帰るのでお先にどうぞ」

「ありがとうね。カギお願い」

「はい」

 

 さてと、あと少しだな。

 ん、誰だ?

 

「織斑くん少しいいかな?」

「生徒会長ですか、どうしたんですか?」

 

 ドアから更識刀奈先輩が入ってきた。

 そうそう、変化があったことはここもだ。楯無ではなく刀奈の名前で生徒会長をしており、そして簪はいないことだ。それでも成り立っているから問題はないんだよね。俺がいるだけでもね。

 

「あなた生徒会に来ない?」

「生憎、クラス委員長と新聞部の兼任はキツイので遠慮します」

「あら、そうなの」

 

 生徒会への勧誘か。原作通りだよな。確か、強制的に入らせられるはずだけど、この感じだと手あたり次第かな。

 まあ、男子の意見が欲しいなら誰でもいいはず。たまたま俺に来た?確かにあり得ない話ではないけど、消去法で俺が来ただろう。日本人且つ有名なのは俺だけ。納得はする。

 

「しかし、この時期にこのような話が出て来たのですか?」

「慣れてきたからじゃあダメかしら。出来れば入ってほしいのだけど」

「紺野兄とかデュノア兄、キセツじゃあダメなのですか?」

「彼らは組織とか会社にいるからね。言い方が悪いけど、フリーなのがあなただけなの」

「先ほども申した通り、自分も部活とかクラス委員長になっているのですが」

「そこまで忙しくはないわよ」

「……わかりました。少し織斑先生に相談します。いいですか?」

「ええ、お願いね」

 

 更識先輩は退出した。

 俺も終わった仕事を片付けて部室を施錠し職員室に向かった。

 

「入ります。部活の鍵の返納に参りました」

「織斑こっちにこい」

「はい」

 

 千冬姉さんに呼ばれた。どうしたんだろう。

 

「先ほど更識からお前の生徒会入りの話を聞いた」

「早いですね。出来れば受けたくないのが現状です。来年ならいざ知らず」

「そうか。因みにポジションは……雑用なんだが。ダメか?」

「三つの掛け持ちはさすがに。あと、そうなるとクラス委員長はどうするのですか?一年は変更できない」

「確かに生徒会は会長自らの指命で行うからな。それにそこまで急を要するわけではない」

「なら」

「ああ、わかった。私の方から言っておく」

「お願いします」

 

 千冬姉さんに任せて職員室を後にした。

 食堂で飯でも食べて鍛錬しますか。

 

 SideOut



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IS学園祭/準備編Ⅱ

 今回、バンドをしているところを書いていますが、下手なのと歌詞が表示されなかったため曲名のみとなっています。
 では、どうぞ!


 Sideキセツ

 俺たち四組は学園祭でやる催し物を話合っていた。そこで出て決まったのは日本の縁日に倣った秋祭りになった。

 因みに廃案はキセツ&シャルルの執事喫茶やホストとか出たが、全て却下させてもらった。普通に負担が大きいからな。具体的な話し合いは話し合いは明日行うことになった。

 その帰り俺はお化け屋敷に遭遇した。

 

「確かに突然現れた幽霊みたいな遭遇の仕方はしたけど、私は遊園地のアトラクションではないわ。私の名字は更識よ」

「失礼噛みました」

「違うわざとよ」

「……かみまみた!」

「わざとじゃない!?」

「神は言っている」

「え!?なにが、何に対して!?」

 

 一連のルーティンを終えると早速聞き出してみた。

 

「会長はまた抜け出しているのですね」

「違うわよ。お願いに来たのよ」

「何ですか、お願い事って?」

「生徒会に入らない?」

「生徒会?俺にハーレムを目指せとでも?」

「違うわ」

「下ネタしか言わない生徒会長や書記をツッコめばいいですか?」

「そもそも君はボケでしょうが!そして違う!」

「どっかで戦争発言をする副会長やや卑猥物を隠している生徒会長をとめればいいですか?」

「全然ちがーう!そもそもうちの生徒会を何だと思っているの!?」

「痴女と眼鏡の人とダボダボがいる奇妙な一行?」

「エジプトには向かわないわ!」

「それでは用事があるので帰ります」

「まだ終わっていないわ!」

「もう、わかりましたよ。大方秋二には断られて、タツミは軍所属ですからね、シャルルは今年度一杯は会社の方が忙しいと言ってましたしね。そこで俺なんでしょう。たいした後ろ楯がない男ならってとこですか?」

「さすがね。どう?」

「別に俺でなくてもいいでしょ?女子生徒からは取らないのですが?」

「ま、まあ、色々ね」

「まあ、断りますよ」

「え?ど、どうして?」

「理由は面倒いから」

 

 その場を後にした俺。こっちだって、やることがあるからね。

 

 SideOut

 

 

 

 そして、IS学園祭前日祭。

 生徒自身が楽しむため色々な催しをする。

 そんな中、秋二、キセツ、シャルロット、ユウキたち四人は講道館横の倉庫にいた。

 

「いやあ、急にバンドやりたいって言っちゃって」

「うんうん、気にしていないよ」

「にしても、当初のメンバーがね」

 

 本来は秋二とキセツはいなかった。なぜ、急にやることになったのか。それは……。

 

「兄ちゃんたちこんな時に緊急点検があるとか聞いてなかったよ」

「だけど、なんでなのかな?」

「なにが?」

「今までだって異常とかなかったのに」

「帰ってから聞いたらいいよシャル」

 

 そんな二人を余所に最終チェックをする二人。

 ベースはキセツ。ドラムは秋二となっている。

 

「よし、様にはなっているな」

「うん、久しぶりに握ったからな」

「よーしぃ、じゃあ楽しんでいこう!」

「「「おう!!」」」

 

 各々楽器を持っていき、ステージに立つ。

 ステージの明かりが暗くなった。

 ドラムスティクを鳴らしたと同時にドラムとベースが前奏を奏で始め、ピアノ、ギターが一斉に鳴り、猛々しい音が講道館内に響きだした。

 ユウキがマイクに口を近づけ、歌い出した。普段の声とは違う強い声色を出し、生徒教師を魅了する。

 歌詞を聞きながら何故か二人の少年が少女を救うために必死に戦う姿を浮かび上がってきた。

 そして、今よりも強い声でサビを歌う。それに合わせるかのように楽器を響かせていく。

 ギターとドラムの音で一曲目が終わった。

 

「いきなり始めてしまってすいません!僕たちの演奏はどうでしたか?今歌った曲は『ADAMAS』です。

 では、時間が短いですが、軽く自己紹介を。まずは僕、ギター担当のユウキです!」

 

 軽くギターを弾く。

 

「どうぞよろしく!つぎはベース担当、キセツ!」

 

 低音を鳴らして、終わらせる。

 

「ありがとう!次はピアノ担当、シャルロット!」

 

 全員が知っている曲を弾いてアピールする。

 

「精一杯やります!」

「うんうん、いつもありがとうね!最後はドラム担当、秋二!」

 

 巧みなドラムとシンバルを鳴らして決める。

 

「いい音だね。次も頑張って行こうね!この四人でやっていきますので短いですが、楽しんでいってください!次の曲は……」

 

 前夜祭はまだまだこれからだ。



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IS学園祭/本祭Ⅰ

 IS学園祭当日。入場者は例年通りかそれ以上だった。多くの入場者の狙いは今年入った男性IS操縦者。男子が入っているクラスには一般の入場者以外にその国で抱えているハニートラップや有名企業、中小企業が挙って勧誘をしている。

 そんな一組に一人の企業のOLが訪ねてきた。それに対応しているのは秋二。

 

「えっと、巻紙さん」

「はいどうですが、我が社の製品は?」

「とても魅力的な武器のほか、付属品の数々とても使いたいと感じました」

「それはありがとうございます。で、どうですか?私どもは契約してもらいたいのですが……」

「それについてはこの場では決めかねます。今いる倉持技研にも相談しないと。なので、決まったら此方から連絡します」

「はい!では、もし使いたい武器があるのでしたら体験という形で今日はいますので。では」

「お仕事頑張ってください」

 

 お辞儀をしてその場を去って行った。

 仕事に戻ろうとした時、放送が聞こえた。

 

「生徒会です。今から呼ばれる生徒は直ちに生徒会室に。織斑秋二、キセツ・ミューゼル、シャルル・デュノア、紺野タツミの四人。繰り返し連絡します。生徒会です。今から呼ばれる生徒は直ちに生徒会室に。織斑秋二、キセツ・ミューゼル、シャルル・デュノア、紺野タツミの四人。直ちに生徒会室へ」

 

 急に呼ばれた四人は生徒会室へ向かった。

 生徒会室へ着くなり、ノックをして入った。そこにはバニー姿の刀奈が仁王立ちしていた。

 

「「「「ち、痴女!?」」」」

「誰が痴女よ!」

「会長、その恰好でいるからですよ」

「なによ、虚ちゃん!」

「で、何の用事で俺らを呼んだのですが?」

「そうだったわ。今から私たちの出し物に出てほしいのよ」

「急ですね。というか事前に言ってこないあたり隠していませんか?」

 

 キセツが答えると、若干冷や汗を掻いている刀奈。

 それを見ていたシャルルは参加を表明した。何を考えているのかはわからないが、クラスの出し物のアピールだろう。

 それを見て、クラスに宣伝になるならと秋二とタツミは手を上げた。

 

「キセツくんは?」

「俺は先約あるんで参加しませんよ。それにシャルルがやるなら大丈夫でしょうし」

「わ、わかったわ。じゃあ、三人とも講堂に集合して。着替えもそこにあるから」

「「「わかった/わかりました」」」

 

 生徒会室を出る秋二たち。各々クラスに戻る中、キセツだけはクラスには帰らず入場入り口に向かっていた。

 その入り口に白いワンピースと青のカーディガンを羽織った金髪の女性がいた。

 

「待ったか?」

「ううん、そんなに待ってないよ。では行きましょう」

「ああ」

 

 キセツが女性の手を繋ぐと女性は指を絡め、離れないようにしていた。

 周りにいた生徒や一般の人は騒ぎ立てていた。

 

「先にどこに向かう?」

「あなたのクラスでもいい?」

「いいが、少し騒がしくなるぞ?」

「いいわよ。それに牽制しておきたいしね

「何か言ったか?」

「ううん、何も!」

 

 二人がその場から離れると周りにいた女子生徒がキセツの隣にいた女性のことでしゃべりだしていた。

 彼女は誰なのか?どんな関係なのか?いつ知り合ったのか?などと騒いでいると鈴と一緒にクラスの宣伝をしているティナ・ハミルトンに聞いてみた。

 

「彼女?ああ!ナターシャ・ファイルスさんね。彼女はアメリカ軍のIS操縦者よ。大会には出たことはないけど操作技術はとてもうまいし、指導も丁寧な人よ」

「へえ~、じゃあキセツは案内人ってこと?」

「それは……と、とりあえず後を着ければいいかな?理由はここで言うより聞いた方が信ぴょう性は高いし何より面白いからね」

 

 二人の後を追う鈴たち。

 さて、キセツのクラスに到着した二人は開いている席に座り、料理を注文していた。

 キセツたちのクラスは多くの人が料理ができることから喫茶店にしていた。一年組では暫定一位を取っていると。因みに二位は一組である。

 出て来た料理に舌鼓している時、二人の前に不敵な顔をした女性が立っていた。

 

「少しよろしいですか?」

「ん?」

「私はこう言うものでして」

「『IS装備開発企業 ミツルギ 渉外担当 鎌谷藤子』さんですか?」

「はい。本日は「ちょっと待ってもらえますか?」あなたは?」

「アメリカ軍所属のナターシャ・ファイルスよ。彼はねIS開発企業、インファント社所属の子よ。企業に何交渉の話とかないのかしら?普通なら連絡するわ」

「私どもみたいな小さい会社では取り合ってくれなく「それはないわよ。この企業はね電話でも直でも来た人なら話し合うわよ。それからキセツに受ける受けないの連絡が来るはずよ」し、しかしっ!?」

「あの、すまないけど話は来てないし今日は帰ってもらっていいですか?」

「せ、せめてカタログだけでも」

「いえ、名刺だけ結構です」

「わかりました。では、いつでもご連絡をください」

 

 その場から立ち去った藤子。

 やっとゆっくりと食事ができると思ったとき、突如爆発音が二か所から轟いた。

 

『緊急放送です!?講堂内で爆発が起きました!専用機持ちは直ちに生徒及び一般来賓の避難を行ってください!?繰り返し連絡します!講堂内で爆発が起きました!専用機持ちは直ちに生徒及び一般来賓の避難を行ってください!?』

 

 放送からして刀奈がやらかしたと思ったが、目の前に現れた黒いISを見て、笑い出した。

 

「ガチの方かよ!」

 

 ウインド・レクイエムを装着し、黒いISをクラスから離した。二丁の銃で迎撃しようとする。

 銃声と共に二か所で戦闘が開始された。



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IS学園祭/本祭Ⅱ

 緊急放送が流れる一時間前。それは講堂内で開かれている生徒会の出し物が行われている時まで遡る。

 舞台裏に集まった秋二、シャルル、タツミの姿は変わっていた。

 西洋の王子様の格好をした秋二。

 執事の服装になったシャルル。

 西洋甲冑を兜だけ外したタツミ。

 

「うんうん似合っているわね。台本は無いから思い思いやって頂戴」

「台本ないのですか?」

「ええ、そうよ。そもそも急遽決まったものだからね」

 

 急遽決まったとはどういうことなのか?三人の頭にはクエスチョンマークが浮かんでしまう。そんな疑問を述べる前に出し物が開始された。

 出し物のタイトルが《シンデレラ~バトルロワイヤル~》。

 

『むかーし、昔、あるところに一人の王子様がいらっしゃいました。王子さまは次期王様になるために妃を一人迎えようと国中の貴族から娘を選ぼうと考えていました。そこで王様はパーティを開こうと提案しました』

 

 ステージに明かりをつけられるとその中心に秋二が立っており、その傍にはシャルルとタツミがいました。

 

『楽しい楽しいパーティになるはずでした。そこには様々な陰謀が巡っていました。

 富、名声、力、金、権力、血統、復讐、戦争、今まさに第決闘時代!』

「って、おいぃぃ!?某マンガみたいな展開で切るな、アホぉぉぉ!?」

 

 振り下げられた刀を剣で受け止めたタツミ。その相手は篠ノ乃だった。動きにくそうな十二単の着物を着て。

 

「秋二、お前の王冠を取れば私の傍から離れないだろう!?」

『言い忘れていましたが、秋二くんの頭にある王冠を取ると取った人は生徒会が可能な限り願いを叶えます。では、いざデュエル!』

「させないよ!」

 

 目の前にゴム弾を通り過ぎて行った。

 

「なんか楽しそうなことしているし、参加するわね」

 

 次はアルマが参加してきた。城の上から狩猟用の銃と白のイブニングドレス。

 

「へえ、つまり秋二を奪えば合法的に千冬さんといれるわけね」

「影の薄さを最大限に生かした奇襲はなんだ!?」

 

 柳葉飛刀を白刃取りしている秋二。赤いチャイナドレスを着ている鈴。

 

「秋二、っ!?」

「お兄ちゃんどうして僕を選んでくれないの?(劇だからからかっちゃおう♪)」

 

 メイド服を着てナイフを振り落としているシャルロット。

 

「シャル、目、目!ハイライトが無いよ!?」

「え?だってそうした方が受けがいいよって言っていたから」

 

「兄ちゃん隙あり!」

「ふん!」

 

 淡い紫色のミニスカドレスを着てタツミに斬りかかるユウキ。それを盾で受け止めるタツミ。

 

「いいだろう。ここまでくるとさらなる伏兵がいることがわかる気がする。なら、一気に片付ける」

 

 マントと上着、靴を脱いで戦える状態になった。

 

 先にかかってきた篠ノ乃の刀を手放すために腕に掌打をかまして、そのまま背負い投げからの首に手刀を落とした。

 次に投げていた柳葉飛刀を掴み、手放して、鈴の目の前で猫騙してから首絞めを行った。

 その時間僅か三秒。

 飛んでくるゴム弾を落ちていた刀で弾き、弾込めしている間に柳葉飛刀を投げて、銃の中に吸い込まれて暴発した。そのまま駆けあがってアルマのところに行き、気絶させようとしたところ、降参を言われた。

 場所は変わりステージにいるデュノア兄妹の戦い。

 左右にナイフを持つシャルロットに対し手刀で戦い合っているシャルル。何度も急所を狙っているが互いに攻めあぐねている中、何かが近づいているのに気づいた。咄嗟に避けると二人のいた所に鍔迫り合いのタツミとユウキこと紺野兄妹が競い合っていた。

 

「ユウキ、ちょっと本気出しすぎじゃないか?」

「兄ちゃんにはこれくらいのことをやらないと勝てないから、ね!」

 

 鍔迫り合いから離れた二人。互いの信用する仲間の元まで下がる。

 

「さて秋二は大丈夫だとして、どうするこの状況?」

「終わりが見えないからここは耐えるしかないよな。人も増えそうだし」

 

 その時アナウンスが聞こえた。

 

「ただいまからフリーエントリー組の参加です!みなさん王子様の王冠を目指して頑張ってください!」

「はあ!?」

 

 城門が開けられ集まっていた学年関係なく集まっていた生徒たちに囲まれた男子三人。

 

「更識先輩、これはどういうつもりですか?」

「まさか俺とタツミまで巻き込むんですか?」

「あははは、なんかミューゼルが苛立つ理由がわかった気がする」

「「「覚悟しとけよ発情猫!!!」」」

 

 男子三人は一目散にバラけて逃げ出した。

 逃げた三人を追いかけていく生徒たち。

 その姿を観客席で見ている一人の女性が会場を出て行った。

 

 Side秋二

 俺を追いかける女生徒を巻くために細い路地に逃げ込むが足の速い奴らが先頭にいるため巻ける気がしない。

 

「諦めなよ!」

「私といいことしない?」

「大丈夫よ天井のシミを数えているだけで終わるから!」

「ねぇ、どうして逃げるの?」

「置いてけ、首を、置いてけェェェ!」

 

 一部変人混ざっている!?

 向かいから人が来たため、壁を蹴り上がりながらその場を脱出したが、それでも追いかけくる奴ら。ちょうどマンホールほどの大きさの穴が開いていた。そこに向けて飛び込んで逃げることにした。

 俺が落ちた穴に何人か来た気配がしたが、無視した。

 出口まで落ちてくる寸前、手摺に捕まって中の様子を確認した。いないことを確認し降りてみた。

 どうやら更衣室に繋がっていたらしい。俺の体操着を取り出そうと白若を起動したとき、こちらに歩んでくる足音が聞こえた。すぐさま隠れられるところに身を隠し様子を見てみると、そこにいたのは俺に契約の話を持ってきてくれた人だった。

 そのため、挨拶でもと思い身を乗り出す時なぜここにいるのか疑問に思った。

 そもそも、なぜあそこが開いているのか気が付かなかった。よく考えてみると不自然だ。

 

「織斑秋二、あなたがここにいることはもうわかっています。大人しく出てきなさい」

「(!?バレているのか、監視カメラでも見たのか?)」

「まあ、いいでしょう。出てこない来ないならこうするまでよ!」

 

 俺が考え事をしている時、外で多数の爆発音を耳にした。

 

「私は亡国企業のタイダル。さあ、白若を渡しなさい」

 

 テロリストが攻め入ってきたらしい。



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IS学園祭/本祭Ⅲ

 皆様、あけましておめでとうございます!
 今年も亀更新ながらもこの作品の完結を目指していきます。
 それでは、去年投稿するはずの話でしたが、どうぞ!


 Sideタツミ

 多数の爆発音を聞いた俺とユウキは避難誘導を行うことにした。

 爆発場所から遠いといってもここにも爆弾がセットされていることを考えれば急いで行分ければならない。

 近くにいる生徒にも協力してもらい、全員を外に出すことに成功した。その時、無線通信が掛かってきた。

 

『紺野くん大丈夫ですか!?』

「俺とユウキ、他ケガ人はいません。何があったんですか山田先生?」

『テロリスト、ファントムタスクの襲撃です。こちらも教師を使って事に当たっています。貴方たちはそのまま避難誘導を。自衛隊のIS部隊が三十分で着く予定です。くれぐれも戦闘は行わないように!』

「わかりました!」

 

 通信を切っているとユウキがこちらに近づいてきた。

 

「兄ちゃん……」

「専用機持ちは俺とお前だけだ。インナーを着ておけ。すぐに戦闘を行えるようにな」

「わかった」

 

 重い鎧を脱ぎ捨てているとどこからか銃弾が俺に向けて飛んできた。持っていた鎧を盾にして、壁際に隠れた。インクルシオを展開し敵の位置を探した。反応は上空!?

 

「ユウキ!?」

「わかっている、よ!」

 

 右手にマクアフィテルを展開しその攻撃を防ぐユウキ。

 俺も正面からくるもう一人を相手にとる。ノインテーターの柄で敵の武器を防ぎ、押し返すと同時にノインテーターを払う。

 

「あんたらテロリストか」

「そうだ!俺はハイだ!早速だがお前のISをいただくぜ!」

「兄ちゃん!?このっ!」

「ハイちゃんの邪魔なんてさせないよ~」

「頼むぜロー!」

 

 ユウキはローというやつの相手か。

 あっちは任せておいて、こいつを倒す!

 突き出す構えでハイに突っ込む。当然ライフルで迎撃してくるがあえて受けいく。胴体にノインテーターを突き出すが、右手に持っている三日月状の剣で防がれるが、そのままその速度で突っ切りながら離れた位置で回転し、ノインテーターをハイに向かってぶん投げる。それと同時にこちらに突っ込んでくるハイが叩き落し、ライフルで撃ってくる。それを避けながらエリュシデータを展開する。

 

「いいね!いいね!」

「なぜこんなことを?」

「上からの命令しか言えないぜ!」

 

 袈裟斬りで突っ込んでいく俺。先ほどと同じくライフルで迎撃してくる。俺はそのまま飛び上がって空中で1回転し、横薙ぎで斬りつけるが剣で防がれる。そのまま一歩踏み出して半身になった状態でもう一本の剣、ダークリパルサーで邪魔なライフルを斬り壊す。

 二本の剣で斬りつけよとしたが、剣で防がれた。

 

「ちっ!」

「うおおおおおッ!」

 

 一撃を与えられる!と思ったときだった。横から強い衝撃が襲ってきた。

 よく見てみると、装甲が傷つけられシールドエネルギーが半分まで減らされたユウキだった。

 

「ごめん兄ちゃん」

「気にするな」

「ふふふッ、どんなもんだい~」

 

 なるほどな、あの赤い奴のせいか。

 

「そろそろとどめさそうかな~」

「ローやるぜ!」

 

 二人は手を抱き合うと持っていた剣が二人の背中にくっ付いた。そのまま回転し、辺り一面に銃弾をばら撒き、近くの物を壊していく。

 ユウキを守るために背中で受けていたが、攻撃が止んだ。

 後ろを振り向くと居なかった。どこへ消えたのかわからなかった。

 

「兄ちゃん上!」

 

 俺は上を見上げると回転しながらこちらに突撃してくるハイとロー。回避が間に合わない!

 

「う、オオオオオオオオオオッ!」

 

 全身使ってユウキを守るがあまりにも強い一撃に一緒に跳んでしまい、そのまま壁にぶつかった。そして、意識を失った。

 

 SideOut

 

 Side秋二

 更衣室でタイダルという女テロリストに白若を渡せと脅されている。目的を考えてみて単独犯ではないと確信した。

 陽動のために複数の場所で爆発はするかもしれないが、そんなことをしないで今脅迫して奪えばいい。なのにそんなことをするなら他の男性操縦者も奪うわけだな。

 俺は白若を展開せず、ワイズバトンだけ取り出す。

 

「武器だけなめているの?」

「こんな狭い所で戦うのもおかしいと思うけどな」

 

 展開した鎌を防ぐがやはり力で負ける。ならと、瞬時に熊手にして衝月をぶち込んだ。仰け反ったのをみはらかってその場で月兎を行い、急所の首に狙いを着ける。

 

「武器術、弌月」

 

 当然防がれるが、今度は吹っ飛んでいった。時間をかけていられない。ワイズバトンを槍に変化させて、四肢の関節に狙いを着ける。立ち上がったタイダルは接近している俺に気付いて鎌から銃に変えて俺を撃ってきたが遅い。

 

「武器術、四天」

 

 同時に突きを両肩の関節、両太ももの関節に撃ち込む。これで終わるわけじゃない。二度と起き上がらないようにしなければならない。今度は直剣に変えて同時に撃ち込む。

 

「武器術、六凛」

 

 高速で顔から足まで斬りつけ、ナイフに変えながらタイダルを打ち上げて、右腕を始点にし、左腕、左もも、右もも、右脇、左脇、首と行ったがシールドエネルギーが邪魔して刺さらないのでそのまま突き刺さないで心臓まで振り落として、心臓目掛けてナイフを突き出した。今度こそ、殺すために。

 タイダルのISのシールドエネルギーが尽きたため解除された。

 

「武器術、八気」

 

 気絶しているが念のため双月をぶち込むため近づいた時、タイダルが目覚めた。

 

「あ~あ、負けたか」

「拘束する」

「まあ、待て。最後のわるあガッ!?」

「やっと黙ったか」

 

 俺はたまたまあった紐で腕と足と胴体を縛り上げて持ち上げた。

 それよりも早く向かわないとな!

 

 SideOut



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IS学園祭/本祭Ⅳ

 書き方を変えてみました。
 いろんな方から感想をもらい、今回から出てくる主要キャラを前書き出だします。
 そして、作者が独自に読み取ったものなので、似ていないと思われるかもしれませんが、気にしないでもらえると嬉しいです。
 では、どうぞ!

 登場キャラ
・紺野タツミ
・紺野ユウキ


 Sideタツミ

 ……ん?俺は……そうだ、あいつ等に負けたのか。ということは気絶している間に拉致られたと考えたほうがいいな。

 牢屋にしてはあまりにも奇麗すぎるな。全体が白い部屋って、実験室かなにかか?それに拘束されていない。

 インクルシオはないけど、ここから出るための扉を探してみるか。

 


 Sideユウキ

 ……ここは?確か……そっか、僕はアイツらに負けたんだ。

 だったらここは牢屋かな。牢屋全体が紫色って目が悪くなるな~。拘束はされていないし、出入り口がないとかとりあえず体が動くなら紫を展開してみよう。

 

「おいで紫!」

 

 ……?

 

「紫!!」

 

 ……あれ?もしかして……ない、ない、ないぃぃぃ!?いつも右耳にイヤリングとして着けているのに……。と、取られちゃった!?

 どうしよう!?

 


 Sideタツミ

 長く歩いたけど壁にすら到着しない。どういうことだ?かれこれ一時間は歩いた気がする。

 もしかしたら異星人の技術を使っているのかもしれないな。それも精神を壊す又は疲弊させて洗脳させる類。

 そのような兵器だったら助けが来るまで耐えるか、自力で抜け出すしかない。

 こんなことなら父さんに詳しく対処法を聞いておけばよかった。うじうじ言っている暇はない。座禅とか組んで帰りたいとか抜け出したいと考えていけば抜けれるかもしれない。

 目を瞑り心を落ち着かせる。

 ユウキ、父さん、防衛軍のみんな、デュノア兄妹、織斑、ミューゼル、四組のみんな、それにアカメ

 アカメって誰だ?……ダメだ思い出せない。何か大切な、大切な、俺とはどんな関係だった?

 

『目覚ませタツミ!』

 

 男の人の声だ。

 

『起きてタツミ』

 

 今度は優しい女の人の声だ。

 

『起きろよタツミ』

 

 張りあるの女の人の声。

 

『何寝てるんだタツミ?』

 

 飄々している男の人の声。

 

『まだ寝ているのかタツミ』

『起きろ』

 

 ハスキーな女の人の声とぶっきらぼうな男の人の声。

 

『タツミ起きなさい!』

 

 勝気な女の人の声。

 

『起きろ~タツミ』

 

 甘い女の人の声。

 

『起きろタツミ。起きないとお前のご飯食べるぞ』

 

 落ち着きがあって食いっ気があって、少々不愛想な顔をする俺が今で好きでいる女の人の声。

 ああ、俺はそうだ。

 俺がいた場所は。

 俺の記憶は。

 俺は、俺は……ナイトレイドのタツミだった。

 


 Sideユウキ

 紫を亡くしたことに焦っていたけど、僕捕まっているんだから無いのは当たり前じゃんと、理解しちゃった。

 どうすればいいのかわからいないけど、とりあえず外からのコンタクトを待つしかないかな。

 

「ユウキ」

 

 僕は知っている。この綺麗な女性の声を。

 

「アスナ?」

「久しぶりユウキ」

 

 服装は違うけど、アスナがいた。だけど、アスナはこの世界の人じゃない。

 

「ユウキが思っていることはわかるわ。私の事情は後よ。今から私と戦おう」

「ぼ、僕武器がないよ」

「腰に着いているのはなに?」

 

 さっきまでなかったのに僕の腰にマクアフィテルが差されていた。

 僕はマクアフィテルを抜こうとしたけど、手が震えていた。わからないけど、またアスナに会えたのに、アスナの方から戦いを挑まれたのに抜けなかった。

 僕が恐怖でも抱いている?戦いたくない?

 

「どうしたの?」

「アスナ僕怖いよ。わからないけど怖い」

「ユウキ……ッツ!」

 

 突風とは思えないほどの衝撃と光のような速さが起きた。そのせいで目を瞑ってしまい、目の前に細剣が突きつけられていた。

 

「ユウキ、怖いのは私にもわかる。私だって戦いたくなかった。だけどそうしなければ現実世界に帰れなかった。無理にでも戦った。

 そんな私をキリトくんは手を差し伸べてくれたのよ。あの暖かい手を、あの世界では味わえなかった温もりを、私が戦うための理由ができたのよ。

 今のユウキはどう?一回の敗北で負けてしまって立ち上がれない?でもね、あなたはまだ生きているわ。何回負けてもいい、何回逃げてもいい、何回折れてもいい、最後に勝てばいい。

 ユウキはどうしたい?」

 

 そっか、僕は弱気になっちゃっていたんだ。だけどもう一度立つよ、勝つよ!

 

「僕はユウキ。絶剣と呼ばれたALO最強の剣士。

 今の僕は防衛軍の、兄ちゃんの妹、紺野ユウキ!」

 

 再度マクアフィテルを抜き、紫色のエフェクトを纏わせてアスナに向けて突き出した。

 アスナも白紫色のエフェクトを細剣に纏わせて突き出した。

 

「「マザーロザリオ!!!」」

 


 Sideタツミ

 俺の運命を変えたのはあの晩の出来事だ。

 俺は重税に苦しむ故郷の村を救うためにサヨとイエヤスと共に帝都に旅立った。

 盗賊に襲われるトラブルが出て、三人別々に別れ、俺一人帝都に到着した。

 俺は自身の力を過信していたかもしれないし早く故郷の村を助けたいと思いで、一兵卒ではなく大将恪として採用してくれと頼んだが、断られた。そんな時に後に仲間になるレオーネに騙され、無一文になる。その時に貴族のアリアに助けられて、二人の捜索と軍の推薦、護衛を任された。

 次の晩にナイトレイドの襲撃を受け、俺はアカメに襲われるアリアを間一髪助けて、そこからアカメと戦った。当時は実力差があり過ぎて死ぬのを覚悟していたし、その時に一回斬られた。

 神は俺のことを見捨ていなかったようで何とか生きることができた。もう一度斬られると寸前にレオーネに止められて戦いは終わった。

 レオーネに帝都の闇の一端を見ることになる。

 拷問で無残に殺された男女の死体があった。本当にこの世の地獄と呼べるほどクソッタレナ現状に天井につるされたサヨの死体、虫の息で俺の名前を呼ぶイエヤス。俺の中で何かが切れる音が聞こえた。

 アカメが殺そうとしたところを俺が殺した。

 初めて人を殺したあの晩は、不快感とか嫌悪感はなく、快楽とかはなかった。怒りとか、復讐とかもあったかもしれない。それでも俺の中にあったのは

 それから俺は強制的にナイトレイドの仲間になり、帝都の癌を排除し仲間を失い誇りを受け継ぎ時には折れることがあった。それでも俺は目指していた帝都の夜明けを。

 そして、俺はシコウテイザーを止めるために体を犠牲にし、後に託した。

 ああ、そうだ。俺はアカメの言葉を守れず死んだんだ。

 

『タツミ、約束しただろ!生きて帰るって!』

 

 約束破ってごめん。

 例え幻想でも俺はもう一度立ち上がるよ、もう一度言うよ。

 

「なに辛けぇくせぇ顔してるんだよタツミ!」

 

 俺は振り向くとアニキ(ブラート)が、みんながいた。

 

「ごっ、ごめん、守れなくて」

「タツミ、お前はここで謝るためにきたのか?」

「アカメ……」

「タツミ、今度は生きて勝て!」

 

 シンプルでとてつもなく難しいことを言われた。だが、今は忘れよう。もう一度、勝つために!

 

『『『『『『『『『叫べ!タツミ!熱い魂で!』』』』』』』』』

 

 燃やせ魂を、叫べ熱い心で、蹂躙しろこの場を!

 

 「インクルシオォォォォォォォォォッ!!!」

 



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IS学園祭/本祭Ⅴ

「それじゃ~奪っちゃお~」

 

 ローが二つのリムーバーを持って近づいてきた。

 その様子を見ていたハイはタツミの指が動いたのを見逃さなかった。

 

「ロー、コイツ動いたから気をつけろ!」

「ほいほ~い」

 

 タツミの動きに気をつけながらリムーバーをくっ付けた。リムーバーから四本の足みたいなものが出て二人の体に貼り付き電流を流した。

 苦しむ声を上げながら徐々にコアが露出し始めた、がインクルシオの黄色の目が光りだした。

 それを見たローは三日月状の剣で攻撃したが、片手で受け止められた上に破壊された。さらにあと少しで浮き上がるコアを強制的に戻し始めた。激しい放電がぶつかり合う、好機と見たハイに攻撃されるがその攻撃をものともせずに未だ止めることはなかった。

 あたり一面に閃光が迸る。閃光が収まると傷を負いながらも立ち上がるタツミとユウキ。

 

「あれぇ~まだ立てるんだ~?」

「いいぜ!もう一度ぶっ倒してやる!」

 

 ハイとローがしゃべっているが気にせずに、タツミは一本の機械的な直剣を地面に突き立てる。自分の右耳にあるイヤリングを手に持った。

 

「ユウキ行けるか?」

「行けるじゃないよ行くんだよ!」

 

 タツミは心の中で言葉を呟き、ユウキは常に最強だった自分自身の姿を見る。

 

「インクルシオォォォォォォォォォ!!!」

 

「いくよヴィオラ・ロザリオ!」

 

 赤色のオーラを発しながら大きい騎士の姿を現したかと思うとその姿をドラゴンに変化し、タツミに纏わりつく。

 紫色の竜巻をを起こしながら、辺り一面に花びらをまき散らしながら竜巻を拘束し、一本の紫のバラが創られた。

 繭のような状態から二人は現れた。その姿は一新されていた。

 タツミは先ほどのドラゴンを纏わせたような様で正に竜騎士だった。ユウキは六門の大砲が追加され重装に見えるが、何かを隠しているようだ。

 

「いくら二次移行したって扱えないだろ!」

 

 先に動き出したのはハイ、ではなくタツミの方だった。先ほどの戦闘より移動速度を上がっており一瞬で間合いに詰め寄ることができ、腹部に重いパンチを喰らわせる。

 吹っ飛ぶハイに助けに向かおうとするロー。背後から六門の大砲で撃ち落とすユウキ。

 その姿を見たタツミは吹っ飛んで行った方向に向かった。

 兄の姿を少し見たユウキは持っていたランスを構えた。

 

「僕は負けない」

 

 ローに向かってイグニッションブーストと同等の速度で一突きしようとするが、間一髪で躱される。相手は虫の息だが、油断はしない。

 二門の小型大砲を撃つ。バックステップで躱すが衝撃で身が崩れる。その隙を中型二門で砲撃。大型二門で止めを刺す。センサーで相手の反応を見る。相手のISは解除され操縦者のローは気絶していた。手早く拘束して、タツミの方へ向かった。

 

「死ねぇぇぇぇぇっ!!!」

 

 ハイは怒涛の雄叫びを上げながら半壊した状態で剣で攻撃してきた。

 タツミは背後に回り込んで背部を殴り、地面に落ちていく寸前で片足を掴み投げ飛ばす。飛んで行ったハイを追い越してさらに上に跳んでいき、キックの姿勢で向かって飛んでいるハイの腹部に蹴りこむ。あまりにも高い位置からの蹴りに加え落下とその分加速した速度が合わさり、五体満足で生きていれるかがわからない。

 その一撃が終わりの合図となった。

 

「兄ちゃん!」

「ユウキどうやら無事だな」

「うん。兄ちゃんも大丈夫だね!」

 

 三メートルくらいのクレーターに気絶して倒れているハイを縛って教師の所へ向かった。

 


 大きな衝撃音が遠い場所から聞こえたと同時に避難誘導を終えたキセツとナターシャは他の生徒と教師と共に周辺を飛び回り、逃げ遅れた人はいないか、新たな敵や危険物はないか探索していた。無線通信が全員に入った。

 

『皆さん、襲撃犯の確保が終わりました。応援に行ける方は第二更衣室及び講道館脇へ』

 

 山田先生からの通信を聞いて向かおうとする時、センサーにこちらに向かっている反応が出た。あまりにも突然の反応で対応できなかった。それは敵か味方かわからなかった。

 こちらに向かっているタツミ、ユウキ、秋二には目もくれず、三人が縛ったハイとロー、タイダロを奪うと三人を上空に投げ飛ばすと同時に火球を作り出し三人へ向けて撃った。

 三人に当たると同時に小規模の太陽がその場にあるようだった。

 

『敗北者ノ処分ハ終ワッタ。コレヨリ帰還スル』

 

 火球が消えると共に突然現れた侵入者は消えた。まるで瞬間移動をしているみたいだった。

 楽しく行われるはずだった学園祭は襲撃犯により中止することになった。重症患者が二人、軽症患者が二十人余り、他建造物五棟の爆破による破壊。そして捕縛した敵は新たに侵入してきた者に殺された。

 IS学園が開校して以来の襲撃事件。

 それは新たなる火種の幕開けでもあった。



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IS学園祭/本祭Ⅵ

 今年最後の投稿です。
 皆さん、よいお年を!


 謎の集団による襲撃事件によりIS学園は1週間休学することになった。今回重症を負った紺野兄妹は国際防衛軍所属の病院に入院していた。

 大きな怪我や目立つ傷などは最新の医療のお陰で大方なくなっていた。しかし、無理な戦闘や怪我の修復により疲労が大きく出てしまい、1週間は入院することになった。

 二人は二度目の戦闘後から会話はない。いや、会話をするのに戸惑っているのがタツミだけなため。

 

「(どうやって話を切り出すか。)」

 

 タツミは自分の前世が前世(元殺し屋)な為に大いに話せない。そこを濁して話した方がいいのかありのまま話してもいいのかわからないでいた。

 一方ユウキはアスナとの会話を思い出していた。というより、あのアスナが本物であるというのが気にかかっていた。

 

 二人して悶々としているうち扉をノックしている音が聞こえた。それに気づいたユウキは返事をして招き入れた。

 入ってきたのは二人の父である進太郎だった。だが、その姿は見るに耐えなかった。

 髪はボサボサになり、目には隈ができていた。猫背の姿に相当疲労が貯まることしているのがわかる。

 

「二人とも今回はお疲れ様。怪我はどうだい?」

「平気だよ!ほら、この通り!」

 

 ユウキは起き上がり、体を回転して元気アピールをしていた。

 その姿を見てにっこり笑った進太郎はタツミに声をかけた。

 

「元気そうだね。タツミは?」

「俺もほら」

 

 巻いている包帯を取り、怪我をしていた腕を見せた。

 二人の元気な姿に嬉しくなった。

 

「うん。元気で良かった。二人ともケーキ買ってきたから食べて。あと、二人のISだけど修理は終ったけど、その後にデータ収集するから退院後の3日はこっちのほうで過ごすから」

「わかった」

 

 退院後のことを話し終えた進太郎は袋からジュースを二本を取り出し二人に渡した。進太郎自身はコーヒーを取り出して一口飲んだ。

 一息ついたとき口を開いた。

 

「父さん、もし、もしなんだけど、俺が人殺しをしていたとしてどう思う?」

「お前が人殺し?何言っている?」

「もしもの話だ」

「お前が人を殺したってなら親として止める」

 

 進太郎は考えもせず言った。

 世間一般の親が言うことを言った。家族ならそうだろうが、タツミ自身は記憶を思い出してから本当の家族だと思っていいのか不安になっていた。

 実際、前世では家族がいなかったためそんな考えになってもしかたない。

 

「だが、何をしようとして殺したっていうならしかたないと思う。まあ、警察に突き出すか一緒に死んでやるさ」

 

 殺しを肯定したのだ。どの世界でも殺しは犯罪だ。なのに否定すらしなかった。

 

「現に俺は人はないがこの世界を守るために怪獣だろうが異星人だろうが殺すための道具を作っている。その道具が人殺しのために使われているのならそれが間接的にでも開発者が背負う義務だ」

 

 ああ、この(父さん)には勝てない、それと同時に、この(父さん)が親でよかった、とタツミは思った。

 だけど、前世のことを話そうと思ったがやめた。これは俺自身が背負う業なのだから。

 タツミが考えていると進太郎の電話が震えていた。

 

「もしもし、はい。……わかりました。すぐ向かいます。それでは失礼します」

 

 電話をきるとこちらに振り向いて基地に戻ると言い、病室を出て行った。

 ユウキは立ち上がると持ってきた進太郎が持ってきたケーキを渡してきた。

 タツミにはチョコレートケーキ、ユウキはブルーベリーのチーズケーキを食べた。

 

「兄ちゃん、もっと強くなろう」

「ああ」

 

 改めて強くなると決意を固める二人だった。

 


 

 IS学園武道場剣道スペースでは、一人黙々と竹刀を振るう篠ノ之箒がいた。

 その顔は怒りを通り越して憎悪で歪ませているようだ。理由は一つ、嫌いな姉に頼んで頼んだ専用機IS、紅椿を姉に取られたからだ。

 これで秋二の隣に立てる、そう思っていたのに、立つところが足手纏いに、しかも腹立たしいことにその隣には一夏に似た顔立ちをした男(キセツ・ミューゼル)秋二に怪我を負わせた女(アルマ・ブラウン)、さらに頼ったのは喧嘩を吹っ掛けた女(小原千沙)といったこの学園できた友達に頼っていたのだ。

 これはおもしろくないのだ。

 

「(なぜ、あんな奴らが近くにいて私は遠い場所にいるのか。幼馴染みなのに、数年いた私のほうが親しいのはず、なのに数か月の奴らなんだ、教えてくれ秋二)」

 

 箒はそんなことを考えているとき、声をかけられた。

 

「箒ちゃん、休みの日なのに素振りとか偉いね!」

「更科先輩」

 

 更科宇宙、箒が中学校時代、IS学園の先輩。中学校は剣道部にいたためそれなりに信頼している相手でもある。本来は弓を得意としていたためIS学園では弓道部に入部している。その実力はインターハイ個人優勝をしている実力者。

 

「先輩、私にはこれしかないですから」

「これしかないと言わないで。私は知っているから」

 

 箒の心は少し安らいだ。やはりこの人といると落ち着くと。姉よりも姉らしく、自分の悩みをよく聞いてくれる。恋愛のほうは疎いが。

 箒は自信が抱えている悩みを相談することにした。

 

「先輩、私は嫉妬しています。本来私が傍に立つのにそこには見知らぬ人が立っています。私はその人たちを追い出したいほど、その人たちより優れていると証明したい。どうすればいいですか?」

 

 宇宙はそれを聞いて考え出した。

 宇宙は箒の恋心を抱いている人物はわかっている。織斑秋二だ。自分の幼馴染であり、友達がいなかった自身の最初の一人であり、同じ道場にいた門下生でもあり、宇宙自身が危惧している依存している相手だ。

 その手のことは学園に入ってからもたまに相談される。

 しかし、上記で述べた通り恋愛には疎い。それでも聞いて欲しくて言っている。が、今回は違うようだ。

 一学期で起こした騒動で何かを感じたらしい。彼女自身の問題は聞いている。本来なら退学ものだが、姉が専用ISを回収して、反省の意味を込めて夏休みで学園のボランティアをやらせていた。それでも彼女には自分自身のことを考えておらず、常に秋二の傍にいることが絶対。八年の差を埋めるだけでは足りない、一生いなければならない。

 

「箒ちゃん、一つ聞きたいけど力で証明したい?」

「力です。今の私には紅椿はありません。剣で証明したいです」

「……箒ちゃん、私もね剣ではないけど力で証明したいって思ったことがあるよ。それだけでは難しいわ力だけでは」

「先輩は何が必要なんですか?」

「それは人それぞれよ。力を使うには制御するには正しく使うにも悪く使うにもあなた次第よ。それだけは相談しても私には出せないわ」

 

 力の使い方は人それぞれ。宇宙は見つけている。箒はまだ見つけられていない。

 

「私が見つけたのは、なにも失わせない、離さない欲望かしら」



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隠姓埋名

 やっと更新しました。
 今回からデュラララ!!罪歌編です。
 4章完結を目指します。
 ではどうぞ!


 始まりは一通のメッセージからだった。

 

ー罪歌さんが入室しましたー

罪歌:人

罪歌:愛

罪歌:望

罪歌:望

ー罪歌さんが退室されましたー

 

 話しは半年ほど遡る。

 いつもの喧騒の中、ここアナグラ食堂では一人の男が来店してきた。

 

「初めまして東京ウォリアーの贄川周二といいます。この度の取材ありがとうございます」

「いや~こちらこそ夜遅くまで待たしてしまって」

 

 取材対応しているのは五反田弾。

 

「それで池袋最強はだれかですよね?」

「はい。池袋の人たちに聞きました」

 

 首なしライダー、露西亜寿司のサイモン、新宿に移した折原臨也、カラーギャングのダラーズや黄巾賊と色々いるが、大半が平和島静雄と答えた。

 件の首なしライダーやサイモン、粟楠会幹部、折原臨也やらに取材していたらしい。その折原臨也から平和島静雄の強さを知っている人物として紹介されたのはアナグラ食堂の従業員だった。

 

「では、いくつか質問していきますが一応聞きます。今回の記事を投稿するにあたって名前を掲載したいのですが、大丈夫ですか?」

「俺だけなら問題ないですよ」

「ありがとうございます。では、一つあなたから見て平和島静雄はどう見えますか?」

「獰猛な獣っていいますかね。人としては強い部類ですし、ISと比べれば弱いと思いますよ。格闘家とか軍人やらその辺に通ずる者たちにも勝機はあります」

「獰猛な獣……ですか。なら彼は猛獣と変わらないと?」

「いや、人ですよ。ただ法があるから縛られるだけだから死人とか出ていませんし、静雄に喧嘩売った奴は大体自己責任ですからね。ただ、生きる時代が違っていれば英雄やら暴君やら呼ばれていたかもしれません」

「ありがとうございます。では最後に平和島静雄が負けたと聞いたことがあります。それは本当ですか?」

「さあ?彼とかかわったのは半年くらい前なんで」

「わかりました。ありがとうございます」

 

 彼は取材を終えて席を立ち、挨拶を述べてから去っていた。

 

 そして、現在新たな問題が浮かび上がってきた。

 

「すいません。今日は閉店なんで」

「知っている。更識簪を呼んでくれ」

「失礼あなたは?」

鹿水晶(かすいあきら)

「パム~」

「こいつはハネジロー」

 

 一人と一匹を店の二階に上げて暖簾を降ろしにいった。

 店の電気を消し、先に上がった一夏がコーヒーとミルクを出していた。

 ちょうどよく簪も部屋から出てきて、向かいに座る。

 

「改めて名乗る。俺は鹿水晶、こいつはハネジロー。そこの三人は気づいているが、俺は怪獣だ。人間的に言えばゴモラと言われる名で通っているらしい。ここに来た目的は、こいつが気になっている少女、更識簪の状態の確認が理由だ」

「簪の状態だと?どういうことだ」

「そこの復讐者は知っているな?」

「ああ、まだそこまで至っていないから問題ないが」

「そうか。なら今話したほうがいいな。受け入れるにも手放すにもちょうどいい」

 

 パム~と鳴きながら簪の膝の上に座るハネジロー。

 

「まず初めに更識簪、お前は一度死んでいる」

「え?」

「驚くのも無理はない。では、なぜ生き返ったのか。ハネジローが持っていた禁断の果実という不可思議な果実によって生き返った。厳密にいえば宿って生き返ったと言えばいいだろう。

次に禁断の果実が宿ったのか。そのことについては選ばれたということだ。選考理由はランダムといわれている。実際に選ばれた奴らの話を聞くとそんな感じだ。関係性はなに一つもないが。

最後に除去ができる理由はこいつ自身は自分らの星をより良い方向やら破滅への道とか決めていない。意思がある。だから、選ばれたものは断れば禁断の果実は消える。

ただし、更識簪は一つ大きな違いがある。お前の場合は体が回復しきっていないからな。今度こそ死ぬ。だから体の回復を優先し、極力変身はするな」

「わ、わかりました」

「では、俺はこれで失礼する。ハネジロー行くぞ。ここにいると店の迷惑になる」

「パム~!」

 

 晶はハネジローとともに店を出て行った。

 

「私死んでいたんだ」

「まあ、ケガが治れば取り除けるんだ。辛抱強く待つしかないないな」

 

 弾の言葉に頷きながら自室に戻った。

 

「これのことを知っていればイザナギは死ななかったよね」

 

 罪悪感を抱きながら眠りについた。

 窓の外ではカーテンが閉められた簪の部屋を見ている男がいた。男の表情は後悔のある顔をしていたが、それを隠すかの如く消えた。

 これはまだ序章に過ぎない。



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荊棘叢裏

 遅くなりました。
 連続投稿をします。
 では、どうぞ!


ー罪歌さんが入室しましたー

罪歌:見つけた

罪歌:目的、愛する、見つけた

罪歌:静雄

 

 Side龍間簪

 先生の用事を手伝っていたため少し変えるのが遅くなってしまった。

 最近、切り裂き魔に襲われる事件が多くなってきた池袋。早く帰って来いと言われていたけど、しょうがないと諦めてた。

 誰もいない教室を出て玄関まで降りるといつもの三人組が帰ろうとしていた。

 

「あれ龍間さんも今帰るの?」

「うん」

「簪ちゃんもいっしょに帰ろうぜ」

 

 私に話しかけてきた園原さんと帰宅を誘う紀田さん。少し慌てている竜ヶ峰さん。

 途中まで一緒なので帰ることにした。

 この三人組とは店でご飯を出した時に知り合った。片足裏の世界に入っている私は異常だと思うし、当時はイザナギがいたから乗り越えることができた。ちょくちょく店に来ては売り上げに貢献していたし、弾さんたちも一人暮らしの園原さんと竜ヶ峰さんに多く作りすぎたおかずを分けに行くほど仲はいい。そしてダラーズの創始者の一人でもある竜ヶ峰さんはあの時集会で見つけた。

 駅についてから私は紀田さんに呼び止められた。

 

「那須島先生に気をつけろですか」

「ああ、杏里がさっき詰め寄られていて、同じことがあるかもしれないからその時はってこと」

「わかりました。避難させておきますね」

「ありがとう。それじゃ!」

 

 那須島隆志の悪い噂は聞いている。逆に良い噂がでないまである。

 気に入った女子生徒に手を出し、その生徒との関係がばれそうになったら退学や転校までさせる正に屑である。

 そいつが園原さんに手を出すかもしれない。私は帰宅後、急いで自分の部屋に戻りあるアイテムを探した。前に数馬さんから数が多いガシャットを貰っていた。その中から監視兼護衛用のガシャットを見つけて、色々と書き換えて園原さんの家に派遣した。

 これで手を出されても対応できる。そう思い、店の手伝いに行った。

 那須島先生が園原さんに手を出しかけてから数日が過ぎたころ、ことが動いたのは。

 鳥型ガシャットが不審者に襲われる園原さんのことを教えてくれた。

 

「弾さん!すみませんが、少し抜けます!」

「事情は聴いているが、行かなくていいぞ」

「え?」

 

 弾さんの言葉の意味はわからなかったが、映像を見てみて理解した。

 ワゴンで不審者が跳ねられ、そこから黒バイクに引かれた。さらに追い打ちをかけるように平和島静雄にドアで押しつぶされて、トドメに配達終わりの一夏さんに出前箱で殴られた。

 なんていうか不運だけど、解決したからこれでいいのかな?

 

「簪ちゃんもう上がっていいよ」

「は、はい」

 

 店を上がって自室に戻り、戦極ドライバーを持ち出して夜の池袋に向かった。

 罪歌の噂、チャットに現れた罪歌、そして辻切事件と不審者に襲われた園原さん。嫌な予感がする。

 サクラハリケーンに乗り、園原さんがいる地域に向かった。

 

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

ー罪歌さんが入室しましたー

罪歌:失敗した。失敗してしまったわ

罪歌:母の命令は絶対なのに

罪歌:平和島静雄に愛を与えるの

ー罪歌さんが入室しましたー

罪歌:静雄を愛することができればきっとこの町の全てを池袋という人間の営みを愛することができるから

ー罪歌さんが入室しましたー

罪歌:現れて私の前にもう一度現れて

罪歌:今度はみんなで一斉に愛してあげるから

罪歌:静雄

罪歌:静雄待っているから

罪歌:現れないと私は他の人を愛するわ

罪歌:池袋の人達を愛して愛して愛して

罪歌:南池袋公園今晩ずっとで待っているから

罪歌:警察も一般人も絶対に公園に近づけさせないから

罪歌:囮はばっちりだから安心して静雄

罪歌:池袋は今夜混乱にまみれるから

罪歌:でも安心して静雄あなたは私が愛してあげるから

罪歌:私も愛してあげるから

罪歌:私も

罪歌:私も愛してあげるから

 

 池袋で一つの事件が起こるとき、私も一つの戦いが始まろうとしていた。

 

「更識簪さん会いましたね」

「また私を付け狙う輩ですか」

「我が組織でもあなたの存在は大変の価値がありますからね」

「それに、足止めも兼ねているのですからね」

 

Cutler!

 

 全身ナイフや剣、刀、フォークなど鋭利なもので構成された怪人、カットラスドーパントが現れた。

 

「行かせないわけね」

「ええ」

「変身」

 

 私もすぐに仮面ライダーヴラ ジンバーアップルに変身した。

 

「ここを通らしてもらうよ!」

 

 ソニックアロー・廻を構えながら戦いが始まった。

 

 それと同時に違う場所で別の戦いが始まっていた。

 

あそこの(池袋での戦い)邪魔はさせない」

 

 多数の怪人の目の前でガンガンセイバーを振り落とす仮面ライダームクロが立ちはだかった。



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物怪変身

 連続投稿です。
 よいお年を!


 カットラスドーパントが腕にはやした二本の直剣を振り下ろして攻撃してきたのを簪は危なげなく回避し、ソニックアロー・廻で斬り払う。それを大剣を生成して受け止め、左腕の直剣で刺突していくのを右頬に感じながら紙一重に躱して、袈裟斬りで一撃を与える。ガキンッ!と金属同士がぶつかり合う音を響かせながらエネルギーの矢を一発撃ち、離れる。

 手応えはあったけど硬い、そう思う簪。多少の煤がついているが、ほぼ無傷のカットラスドーパントがゆっくりとこちらに向かってくる。先ほどと違い刀に変えてこちらに来ている。

 簪はマンゴーロックシードを取り出してソニックアロー・廻にセットし、マンゴー状のエネルギーの塊を形成していき、矢に変化していく。

 

『マンゴーボレー』

 

 鋭い一撃を撃つ。避けることはせず唐竹割の構えで待ち伏せて斬り捨てる。矢は真っ二つに割かれ四散した。斬り払いの状態で駆け出した。それ迎え打つ簪。交わるその瞬間、刀の刀身が短くなり簪の攻撃は空振り、元の刀身に戻った刀で切り付けられた。少し後退し、反撃で上から斬る時、左腕を無数の刃に変えて受け止めた。そして、右ストレートからの一撃を喰らうと同時にパイルバンカーのような杭がさらに重い一撃入れた。

 吹っ飛んでいく簪、受け身は取れず石壁に当たり止まる。

 

「(強い、今までの相手とは比べられないほど強い)」

 

 そう思ってしまうほど強い一撃をもらった。

 

「(だけど、こいつを倒さないと園原杏里の命が消える。それだけは絶対に駄目!)」

 

 簪の脳裏には半年前のイザナギが死んだ姿が思い浮かんだ。己の無力さ、相手への憎悪、亡くなって気付く尊さを。

 絶対に倒す。腰からブラックレモンエナジーロックシードを取り出し、アップルエナジーロックシードと交換した。

 ジンバーブラックレモンに変わるとソニックアロー・廻にアップルエナジーロックシードをセットし、地面に突き刺した。そして、無双セイバーにフィフティーンロックシードをセットして、二刀流で決めにかかる。

 相手から10mの距離を駆ける。カットラスドーパントも刀で反撃準備にでる。伸びる刀身での一撃を躱して突き刺しにくる針をソニックアロー・廻で滑らせながらエネルギーの矢を撃ち出す。胴体に無数の刃を出して防ぐ。足から無数の刃を伸ばしてくるのを無双セイバーで砕く。その反動で飛び上がり素早くカッティンブレードを3度落とす。

 

『フィフティーンスパーキング!ブラックレモンエナジースパーキング!』

 

 黒く染まった右ライダーキックで決める。

 

『アップルエナジーボレー!』

 

 赤と金のリンゴのエネルギーが当たり爆発する。

 

『フィフティーンパワー!』

 

 トリガーを二回引き、髑髏のエネルギーで斬りつける。

 後ずさりするカットラスドーパント。しかし、体全体に罅が走る。最後のあがきとしてナイフを投擲したが、無双セイバーではじき返した瞬間カットラスドーパントは爆発した。

 

「早くいかないと!」

 

 サクラハリケーンに乗り、園原杏里のところへ向かう。

 


 

 Side龍間簪

 

 現場に着くと刀を刺す園原さんと年上の女学生、蹲っている那須島に黒バイクがいた。

 近くで見ていると那須島は何か語り始めた。いや、いいわけかな。これで分かったのは倒れている女性は贄川春奈さんということ。聞いているとメンヘラストーカーに追いかけられているクズ教師の構図だった。

 那須島は何をとち狂ったのか胸ポケットからメモリーを取り出した。

 

『テンタクル!』

 

 胸にメモリーを差し込み変化した。イカやタコを思わせる触手が出てくると巻貝のような頭部が出てきた人型の怪人、テンタクルドーパントが現れた。

 

「今日で二回目とか聞いてない、よっ!」

 

 触手で園原さんを攻撃してくるテンタクルドーパントを無双セイバーとソニックアロー・廻で捌いていく。

 

「仮面ライダー!?」

『なぜ仮面ライダーがここに!?』

 

 無双セイバーを仕舞って、ソニックアロー・廻を構えた。

 

「あなたには関係話よ」

 

 向かってくる触手を捌きながら進んでいく。時折牽制程度で撃っていく。テンタクルドーパントまで近づき、カッテングブレード二回降ろし、フィフティーンオーレ!アップルエナジーオーレ!でヤクザキックを蹴りこみ変身解除とメモリーブレイクを行う。

 素人だからなのか手ごたえがなかった。

 倒れた那須島は放置し、後ろで構えている二人に振り替える。

 

「那須島先生はどうするの?」

「え?このまま放置するよ。どうせ証拠はないし、巻き込まれたくないならかかわらないほうがいい」

 

 私はサクラハリケーンに跨り食堂へ戻った。

 

《SideOut》

 

 簪が去ってからすぐのこと。

 黒バイクのセルティは考えていた。

『(あれが仮面ライダー実際に見るのは初めてだったけど女性の声だったな)』

「セルティさん、あの時はすみませんでした」

『あの時のこと?ああ、いいよ。事情はさっき聞いていたし、その本人は倒れているし』

「ですが!」

『文句は罪歌に言うとしよう。では、この子のことを医者に見せに行くから』

 

 セルティが贄川を背負って帰る姿を後ろから見ている園原がいた。

 園原は今日あったことを思い出していた。そして、自分は力を持ったことを自覚して。

 彼らといる日常を巻き込ませない。縛りと責任感を心に抱いて、今ある自由を謳歌しようとしていた。

 

貴女のことは愛せないけど、嫌いじゃないわよ

 

 罪歌の声が聞こえたような気がした。



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光り輝く盾 Ⅰ

 お久しぶりです。昨日投稿しようとして忘れました。
 今回はフォース編です。
 ではどうぞ!


 EXタイラントの撃破から2カ月が経過しようとしていた。

 IS学園襲撃事件があったばかりであるが、防衛軍でも一つ大きな問題が上がっていた。

 ウルトラマンフォースについてである。過去6回出現し数多の怪獣を倒している。人類は怪獣、異星人との敵対や親交、共存が行われていたが、そこにウルトラマンフォースという第三の勢力が現れた。

 防衛隊全体では接触を図り共存もしくは協力という穏健派、問答無用で怪獣、異星人ともども攻撃するタカ派に分かれていた。

 本日もその会議に神田清志も参加していた。

 日本支部のみウルトラマンとの接触しているためである。

 

「以上のことを言いますと、ウルトラマンは四つの形態があると判明しました。お近くの資料をご覧ください。そこに書かれていることはすべてとは言えません。引き続きこちらから接触してみます」

「彼は私らの味方とは言えないが、敵とも言えないわけか」

「いや、そう言っている場合ではないだろう。現に富士山では、小規模で揺れが起きているんだ。ウルトラマンが関係しているぞ」

「まだわかりませんが、こちらでも引き続き調べています」

 

 進まない問答が1時間過ぎたころに解放された。神田はゆっくりと指令室へ向かって行った。

 

「(彼は私たちの味方か敵かか。そんなのはどうでもいい。彼は何か使命を帯びていると思う。なら、私は私がすべきことを行うまで)」

 

 ウルトラマンのことを考えながら前へ進んでいた。

 


 

 ウルトラマンフォースとの一方的に分離された紺野進太郎はシュタインにフォースのことを問いただしていた。

 

「やはりあの姿になったのは暴走ではなく力を求めてしまったためか」

「たぶん。フォースを落ち着かせる方法はないのか?」

「ない。そもそもあの研究は失敗していたんだ。そもそも生物を一から生み出すのは違うのだ」

「だが、成功しているぞ。そもそも異星人の中でもトップクラスに頭がいいあなたが言うのだからそうかもしれない。しかし、成功例がいる」

「……進太郎、私が行っていたのは肉体の構築ではない。魂の構築なのだよ。ウルトラ一族という種族は彼ら自身から言っていたが人工太陽のおかげであの姿の身体的特徴を持ったんだ。そんな生物を一からそれも魂の構築から始めているんだ。魂の捉え方は人それぞれだ。私は光の心と闇の心を合わせれば生まれると考えていた。光の存在であるウルトラ一族、ウルトラ一族に似た闇の巨人を合わせるというより欠点を補うように合成されると考えていた。そして成功した。だが、目を開けることはなかった。経過観察として見ていたが失敗した。そのため破棄した。

 私自身は少々頑固でね、もし彼が目覚めることがありえると思い、君たちの世界に行き怪獣を封印するようにとメッセージを残し、ピンチの時にそれに対応した武器を作っていた。だが、私が作ったもの以外が出るとは予想外だった」

「予想外?」

「フォースには基本形態のベター、近接戦闘特化のエッジ、遠距離戦闘特化のガンの二種類だけだ。仮にあの姿を名付けるならダークだね。闇にすべてを委ねる暴走形態といったところだが、生憎暴走はしていないことが救いだね」

「とにかくだ。救うにはどうすればいい?」

「単純な戦闘能力はウルトラ一族また類似する一族が三分前後、またはそれ以上に戦えるし、エネルギー消費が激しいためそれ以下になるときもある。彼がエネルギー回復のためいるとしたら太陽に近い所だろう。それになぜかこの国もしくはその周辺しか怪獣が出現しない。それを踏まえている場所は」

「富士山」

「ご名答。そして救う方法は正直君にはないと言おう。あえて言うが私もこの基地の皆も全人類もだ。それを踏まえてどうする?」

「行くさ。俺が家族以外を救おうと考えているのは助けられたし、相棒と思っているから」

 

 進太郎は荷物を纏めて駐車場へと向かった。

 その姿をシュタインは遠目で見ながらコーヒーを入れていた。

 

「果たしてうまくいくかな」

 

 彼はパソコンのファイルからあるデータを取り出した。

 そこに映っているのは盾であった。

 

「闇があるんだ。なら光を具現化することだってできるはずだ。待っていろ二人とも」

 

 そのデータを入力し始めた。

 


 

 異次元空間に存在する研究室には吸血鬼のイメージをした異星人、バット星人のマッドが富士山の図解を表示していた。

 

「ふふふっ、これでこの怪獣は復活しそのまま星、いや世界ごと破壊できる」

 

 富士山の火口に三つの柱が立っている映像が映し出された。そこに黒い靄が漂っており不気味な光景が映っていた。

 

「さて、時間まであと少しだ。こちらも準備しないとね」

 

 マッドの手にはEXタイラントと似た黒い姿の怪獣の人形と拳銃型のアイテムを持っていた。

 

「あんな出来損ないがいたんだ。こちらも最大の支援を持ってね」

 

 目を光らせながら研究室を後にした。

 画面にはタイマーのカウントが無くなっていっていた。

 

「さあ、はじめようじゃないか。破滅への始まりを!」

 



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光り輝く盾 Ⅱ

 久しぶりの投稿です。
 ウルトラマンブレーザー見ましたか?蕨野友也さんといい石黒英雄さんといい、仮面ライダーのボスをやっている方々がウルトラマンの主役をしているとなんかいいですよね。
 ウチのウルトラマンはオリジナル。100%伝わるわけではないです。しかし同じ父親が変身しているという共通点。モデルとなったのはあの人。性格は違いますが、それを伝えられるようにしたいです。
 長々と話しましたが、本編をどうぞ!


 防衛軍の基地を出てて2時間ほどで目的の富士山へ到着した進太郎。

 進太郎はバスタースキャナーを起動し最後に使ったスパークドールズの残滓を辿って前に進んでいた。

 富士山の森林地帯に入り、太陽が西に傾いている時、バスタースキャナーから連絡が届いた。

 

「はい紺野」

『こちら新間。今どこにいますか?』

「気がかりな反応を見つけたためその調査の為、富士山の森林帯に入っている」

『わかりました。こちらからの連絡もそのことです。ですが、そろそろ離脱を。遭難のきk』

「おいどうした?反応を!」

『………』

 

 連絡はすぐに切れてしまった。

 連絡の阻害ではなく、磁場のみだれによるものではない。バスタースキャナーの反応が強くここを示していたのだ。

 

「ここの洞窟か」

 

 トンネルより小さいため車の往復ができない洞窟があった。

 バスタースキャナーのライト機能を使い中に侵入した。

 洞窟特有の冷たい温度が肌を突き刺さるが、構わず前に進んでいく。

 洞窟侵入から0時に差し掛かろうとした時、開けた場所に出た。

 自然に発行する石がまばらに散らばっており、ほんのりと周りの様子がわかった。その中央に人型が倒れていた。

 

「フォース」

 

 進太郎は傍に近寄っていく。起きる様子がないフォース。その姿は赤と銀、黒のカラーはしておらず、黒い靄と白い光の体をしていた。

 

「おい、起きろよ。帰るぞ」

 

 しかし返事はない。

 唐突に手を握り、頭を撫でた。

 

「小さい頃藍子やタツミ、ユウキをこうやって撫でていたよ。十年前のあの時、俺の嫁が消えてな。子供たちがいる前では泣かなかった。けどな、子どもって意外と敏感みたいでな。二人とも俺の手を握ったりしていたよ。自分の子供を優先するのは当たり前なんだ。けど、二人は大丈夫だよって。母親がいない歳なのに他の子供の所言って支えて言われているみたいでな。だからさ、俺が守らないといけないと思って三人を育てている。

 フォース、お前の事情は聴いているよ。不安かもしれないし、葛藤しているかもしれない。けどな、お前の相棒は俺だ。頼れよ、俺たち二人でやれないことはない。

 だから、起きろ」

 

 すると、フォースの体は光り始め、視界が防がれた。

 次の瞬間、目を開けると白いフォースと黒いフォース、そしていつものフォースが戦っていた。

 黒いフォースが白いフォースとフォースに光線を撃ち、白いフォースはフォースを盾にするが、その拘束を解いて回避する。

 三つ巴の戦いをしていた。

 進太郎は拳を握り、フォースを殴ろうとする白いフォースを殴り飛ばした。

 

「し、進太郎!?」

「なにやってんだよ。こっちは俺が倒すから」

『人間一人が僕に勝つ?馬鹿なの?』

「父親なめんなよ」

『オモシロクナッテキタナ』

「進太郎、何ぜここにいるのかはこいつら倒してからゆっくり聞くからな!」

 

 進太郎対白いフォース、フォース対黒いフォースの戦いが始まった。

 


 

 進太郎がフォースを発見する6時間前。指令室では謎のエネルギー反応が確認された。

 進太郎以外の全員が集まっていた。

 

「紺野はどうだ?」

 

 隊長の神田が新間に聞いてきた。

 

「はい。先に反応があった場所へ向かったのですが、通信が途中で途切れてしまい応答がありません」

「そうか。本題に入ろう。先ほど富士山周辺で謎のエネルギー反応が感知された。原因追及のため行動するが、少々トラブルが発生してしまった。今から紺野の捜索とともに原因追及を行ってもらう」

「ここからは私から話そう。紺野の捜索班は紺野が最後に発見された場所が幸い残っている。そこから捜索してもらう。もう一班には謎のエネルギーの追及を行ってもらう。場所は富士山山頂に強い反応が見られた。そこまではブルーフレイムでいってもらい、空中降下を行ってもらう。そこで調査を」

「捜索班には有田、水樹、籏野、高橋の四名。追及班は川瀬姉妹で担当。なおISの使用は許可されている。作戦開始は19時30分から。では解散!」

「「「「「了解!」」」」」

 

 命令を下し終えた神田はイスに座り画面を見ていた。

 

「心配ですか?」

 

 話しかけてきたのはシュタインだった。

 

「逆に2ヵ月前にあのような出来事があったのに心配がないとは言えない」

「確かに先日はIS学園襲撃の三回目もあった。罠と言われればそうかもしれない」

「いや罠ではないと思うが、結果がわからないとどうにもならない」

「そういえば、IS学園への派遣増員はどうする予定で」

「それはないな。こちらも操縦者があの五人しかいないのに、怪獣掃討には人手がいる」

「では、それ以外から?」

「いや、防衛軍自体もある研究で動いているためにそれはありえない。代打案としてインファント社が受け持つのはどうだと提案されている」

「インファント社ですか?」

 

 インファント社。10年前に創設された会社。日用品から工場用品、ISの開発をしている。その会社の社長はレオ・M・インファントという若い女性が代表を務めている。

 そして、防衛軍の装備はこの会社から受領している。その代わり試作品を配給されるため使い心地の感想をもらっている。

 

「ああ。正直言ってあそこの警備員はここと同等の訓練をしている」

「まるで、何かに備えているみたい」

「一介の企業がそこまでのことをするとは思えない」

「こちらからしたらありがたい話だな。実際は警備の実績を創りたいのかもしれない」

「新しい事業にも手を出すためとは確かに被害ゼロという実績を取ってくればデカいですね」

 

 その時にサイレンが激しく鳴り響きだした。

 

「何があった!?」

「映像映します!」

 

 そこに映っていたのは前回出現したEXタイラントに似ているが骨だらけの怪物だった。その体長は前回出現したEXタイラントの二倍の大きさをしている。過去出現した怪獣とは比べ物にならないほどの大きさだ。

 

「今待機している隊員に緊急出動!直ちに現場に急行し、怪獣の殲滅をしろ!」

 

 命令と共に画面からフォースダークが出現し、ダークアックスを構えていた。

 両者叫びながら激突した。



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人外3 完

 あけましておめでとうございます!
 20日空けてからの遅い挨拶です。
 今年も遅い更新ですが、よろしくお願いします。
 では、どうぞ!


 蘇ったEXタイラントとの戦闘から遡る。

 獣のごとく荒い喧嘩殺法を繰り出す白いフォースの攻撃を汗一つ流さずに受け流している進太郎。

 その光景は子供のじゃれつきをうまく宥める父親のようだった。

 不意に進太郎は白いフォースにある疑問を投げかけた。

 

「君はフォースの別人格って認識でいいのかな?」

『少し違うかな?』

『ソウダナ、オレタチハ、ベツノニクタイカラアワサッタモノ』

 

 黒いフォースが答えだした。進太朗は自分が以前見た記録が当たっていると確信した。

 

『モトハシンダソンザイ、ト、ツクラレタソンザイ。オレタチガ、アラタナニクタイヲエテ、イキヨウト、カッテダロ』

『今度は僕たち二人が肉体の所有者を決めるんだけどね』

「事情はわかったけど、はいそうですかって言えるほどひとはできていない。今の体はフォースがいるから殺させはしない」

 

 殴ってきた拳をスレスレで交わし腕を掴み、背負投で投げ飛ばしたあと、関節を外した。

 さらに顎に向けて蹴りを放ち一撃を決めた。

 

『こふっ!?』

 

 白いフォースは気絶した。

 進太郎はフォースと戦っている黒いフォースへ行こうとしたが、見えない壁にぶつかり行きことができなかった。

 黒いフォースと対峙しているフォースは冷静さを取り戻して距離を空けている。

 ついに動き出した。頭部のフォースラッカーを投擲した。だが、相手も同じだった。両者のフォースラッカーがぶつかりあい戻ってきた。

 フォースは掴み、走り出した。黒いフォースは頭部に戻し、ベターロッドを取り出し構えながら走り出し、突き出した。それをフォースラッカーで受け流しながら首に一閃、しかし戻したベターロッドでギリギリに防がれたので離れて、エッジブレードを取り出し二刀流で再度攻勢に出た。

 黒いフォースはガンアローを取り出し、フォースラッカーと合体させ、クロスボウに変化させた。

 クロスボウから発射される無数の黒い光弾がフォースに向かって行く。エッジブレードとフォースラッカーの二本で防ぎながらも打ち返していく。

 エッジブレードに炎を纏わせ、フォースラッカーには青い波を纏わせx字の斬撃を放つ。続け様にエッジブレードとフォースラッカーを合体させて黄色の雷光が纏わりつき再度放った。

 ガンアローに毒々しい紫色の矢じりが大きく形成されていく。3発の斬撃が当たる目前、それは発射された。

 接触した際の爆発の衝撃が進太郎の方まで届いた。辺りは土煙で覆って見えなかったが、その中から青い光線が見える。

 強制的に土煙を晴らすように黒い斧が現れた。黒い靄を纏い黒い斧を持った巨人、黒いフォースが赤い斬撃を横一線に薙ぎ払われた。土煙から飛び上がる影、フォースガンを持ったフォースは素早い動きで黒いフォースを撃っていく。攻撃は当たっているが微動だにしない。

 黒いフォースは無数の斬撃を放つ。素早い動きで躱していくが斬撃の回数は増えていく。そして赤い斬撃の一撃を受けたフォースはぶっ飛んでいく。

 

「ハア、ハア、っ!?」

『コンナモノカ』

 

 片膝で睨みつけているフォースの目の前に立ち、ダークアックスを振り下ろそうとしている。

 

『シネ』

 

 フォースは顔を守るため最後の抵抗で腕でカードをした。ガギンっと振り下ろすダークアックスを受け止めた音がした。腕をどけるとダークアックスを持っている進太郎がいた。

 

「し、進太郎!?」

「フォース、大丈夫か?」

 

 つらい表情をしているが人のことを心配する進太郎。

 

『キサマ、ドウヤッテトッパシタ?』

「わからない。けど俺が行かないといけないと思ったらこれが出てきて壊すことができた」

 

 フォースに顔を向いた進太郎。つかさず拳を握り頭を殴った。

 

「フォース。グタグタ考えるのはやめろ」

「しかし進太郎私は君を戦いに巻き込んだ!なのに手を差し伸べる!?」

「お前がきっかけなのかもしれない。だけど、最後まで付き合うと誓ったぞ。」

『ハナシハオワッタカ?』

「フォース、あの姿になるぞ」

「しかし、あれは暴走するぞ」

「俺を信じろ。それに対策してきてないわけはない」

 

 突き出された拳を打ち合うと二人の姿はフォースダークにかわった。

 しかし、その瞳は赤から白に変わっていた。握ったダークアックスを振り下ろした。

 空間が裂け、その場にいた黒いフォースごと切り裂いた。

 

『オミゴト』

『うへぇ~はでにやっちゃったね』

 

 黒い粒子を裂傷から零す黒いフォース、白い体を薄くなっていく白いフォース、姿をフォースベターに戻したフォース。

 

『私はもう間違えない』

「あと、ありがとうな」

『ナンノコトカ?』

「気にするな。フォース、闇は心の中に常にある。だけどそれもお前だ」

『わかっている。そしてこの二人は私。私というもう一つの心』

『ノマレルナヨ。オレタチハツネニイル』

『わすれないでいまからきえるぼくたちを』

『いや消えない、消させない。君たちは私の中にいる。共に背負っていく。私はウルトラマンフォース(四人で一人)だから』

 

 白と黒のフォースはフォースの体の中に入る。

 進太郎の姿に戻ると左腕には赤と黒と銀のブレスレットが身につけられていた。

 

「フォースいくぞ!」

『ああ、進太郎!』

 

 フォースレットから赤と黒の人形を取り出し、先端と足裏を接触させる。

 

フォースダーク!フュージョンアップ!

 

『ドゥワ!』

 

 フォースダークに変身し、出現したEXタイラントを倒すために飛びたった。



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