神栄 碧と暗殺教室 (invisible)
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茶番編
コラボ企画、『暗殺教室 新たな仲間は殺人鬼!?』×『神栄 碧と暗殺教室』前編


今回、ヴァンクリーフさんとコラボさせていただきました。


霧島君のキャラが壊れてるかもしれませんが、お許しください。


僕が今まで書いてきた話の中で、一番文字数多いです。

いつもの7倍もありますよ!





とある日、神栄 碧は特に目的もなくゲームセンターへ行った。

 

 

 

 

 

 

「久しぶりの外出だな……できれば変な奴には会いたくねぇな……」

 

 

 

そんなことを言いながら、神栄は1人、歩いている。

 

 

 

 

 

椚ヶ丘市にある大きなゲームセンター、都内でもなかなかない大きさで、ほぼ毎日なんらかのゲームの大会があるらしい。

 

 

 

特に出るわけではないが、景品次第では出る。

 

 

 

まぁ、そんなこと言っても、ロクなものではないことくらい俺は知っている。

 

 

 

 

 

正直、お菓子とかいらねぇんだよ。せめて現金にしやがれ。

 

 

 

 

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ゲームセンターに着くと、やはり人が多い。

 

 

だが、今日は空いてる方だと思う。

 

 

 

 

酷い時なんかゲームセンターにすら入れないから、マジで。

 

 

 

まず変人(主にE組の奴ら)がいないことを確認する。

 

 

 

よし、いない。

 

 

 

「んじゃ……なんかやろっかな……」

 

 

 

神栄が最初に向かった場所は、コインゲームがある所だ。

 

 

 

何千枚かストックがあるから、今日はそれで行こう。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

コインゲームにおいて重要なのは、「慢心」だと俺は思う。

 

 

「あ、これ行けんじゃね?」とか思ったらもう負けである。

 

 

 

そうなったら最後、コインが無くなるまでその気持ちは消えることはない。

 

 

 

だから、慢心は敵だ。

 

 

 

チャリン、とコインを投入し、大量のコインを下の段の方に落とす。

 

 

すると、なんかフィーバータイムに突入した。

 

 

 

で、なんかルーレットしたら、約500枚コインが上の段に落とされた。

 

 

 

その結果、コイン1枚で手に入れたコインの数、なんと50枚。

 

 

うわぁお、流石俺。

 

 

 

コイン1枚を使って、後はストックした後、神栄はアクションゲームをすることにした。

 

 

 

シューティングゲームだったら、学校の授業でそんな感じのはやってるし、余裕だろう。

 

 

 

 

いざ出陣!と思った瞬間、

 

 

 

 

 

『対戦を申し込まれました!やりますか?』

 

 

と画面に出てきた。

 

 

 

「あ?」

 

 

隣を向くと、青い髪の奴がこちらを見てニヤニヤしている。

 

 

 

殴りたい、あのニヤけ顔。

 

 

 

神栄はもちろん『はい』を選択し、勝負が始まる………。

 

 

 

 

(ギッタギタのメッタメタにしてやらぁ……!)

 

 

 

 

 

 

 

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一体どういうことだ。

 

 

 

 

青髪のヤツ、弱すぎる。

 

 

 

対戦申し込んどいて、これはないだろ。

 

 

 

神栄があっさり勝つと、青髪はこちらへやってきた。

 

 

 

「おい……名前教えろよ」

 

 

初対面でこれですか、

 

 

 

「あ?まず自分から名乗るべきだろ、負けた奴」

 

 

 

「………負けた奴、じゃねぇよ、俺は霧島 漣だ。お前は?」

 

 

 

「神栄 碧だ。よろしく………」

 

 

 

「お前強すぎるだろ、なんであんなことできんだよ」

 

 

 

霧島クンはなんか……その……うん。

 

 

言っちゃあ悪いけど、ゲームの才能……ないのかもしれない。

 

 

 

 

 

「バカか、お前が弱すぎるんだよ、対戦申し込んどいてあれは流石にねぇだろ」

 

 

「なんだと……?だったら他の勝負行くぞ!」

 

 

 

「上等だ、精神的に殺してやる」

 

 

 

「殺させるのはお前の方だ」

 

 

 

 

 

第2回戦、ルーレットゲーム

 

 

 

2人の設定した勝負の内容は、『先にスリーセブンを出した人の勝ち』だ。

 

 

 

「んじゃ行くぞ」

 

 

「お、おう」

 

 

 

 

試合(?)開始。

 

 

「とりゃ!うりゃ!」

 

 

 

霧島はテキトーにやってんな……。これじゃあ勝てねぇだろ。

 

 

 

一方神栄は、

 

 

 

「………こんな感じか?」

 

 

 

ダダダン!と素早くボタンを押す。

 

 

 

 

すると、なんということでしょう。

 

 

 

真ん中の列に綺麗に7が3つ横に並んでるではありませんか……!

 

 

 

 

「何…………だと!?!?」

 

 

 

「これが、じ、つ、りょ、く、の、さ☆」

 

 

 

我ながら恥ずかしいな、これ

 

 

 

「う………うぜぇ……」

 

 

 

 

 

 

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第3回戦、UFOキャッチャー

 

 

勝負の内容は、

 

 

『一回100円のUFOキャッチャーを使い、500円まで使って何個景品を取れるかで勝負する』だ。

 

 

 

 

「………こんな感じか?」

 

 

 

神栄は地味にUFOキャッチャーが初めてである。

 

 

他人のやってるのは何度か見たことはあるものの、実際にやったことはない。

 

 

まぁ、1、2回戦勝ってるし、一回くらい負けてもいいよね!

 

 

 

 

 

 

 

と、思ったのだが、それだとなんかプライドが許さなくなってきた。

 

 

 

やっぱ勝つわ。絶対勝つわ。

 

 

 

100円を投入し、ゲームスタート。

 

 

 

「なんか……上手い人ってこんな感じでやってたよな……」

 

 

 

カチッとボタンを押し、景品を落とす。

 

 

「よっしゃ、まずは1個……だ!?」

 

 

 

隣をみると、霧島は一回のゲームで小さい景品を複数個取っている。

 

 

 

こいつ……UFOキャッチャーだけ出来るのかよ!

 

 

 

「………負けましたわ、UFOキャッチャー『だけ』は負けを認めてやるよ」

 

 

 

「はぁ?負けを認めたってことは、全部の勝負においで負けを認めたってことだろ!」

 

 

 

「なんでそうなるんだ!話が飛躍しすぎだろ!!だったら他の行くぞ!ほら!」

 

 

 

霧島を連れて行こうとした時、ゲームセンター内のアナウンスが聞こえた。

 

 

 

『えー本日はゲームセンターにお越しいただき、ありがとうございます。本日はこのゲームセンターが出来た記念日です。今日は様々なジャンルを『2人1組』で行う大会を開催したいと思います!景品は素晴らしい物を用意しております!参加する方は入口へと来てください!』

 

 

 

 

神栄は、「景品は素晴らしい物」と聞いた瞬間、出ることを決めた。

 

 

霧島も、「景品は素晴らしい物」と聞いた瞬間、出ることを決めた。

 

 

 

「「なぁ……」」

 

 

 

2人の声がかぶると、2人は顔を赤くして、お互い別の方を向いた。

 

 

 

 

「なんだよヘボ野郎」

「なんだよとはなんだ見た目ヘタレ野郎」

 

 

 

 

「「あぁ!?」」

 

 

 

 

 

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「めんどくせぇ奴だ……お前」

 

 

神栄はもう、呆れている。

 

「それはこっちのセリフだ、ヘタレ」

 

 

霧島はまだやる気のようだ。何こいつ怖い。

 

 

「大会か……1人で出れないものかね……。『1人』で」

 

 

 

「そこを強調すんなヘタレ…………あ、いいこと思いついたよ」

 

 

 

「あ?」

 

 

「この大会内でも、俺らで勝負しようぜ」

 

 

勝負ってことは、またさっきみたいな感じのことなのか?

 

 

 

自分から死にに行く行為をする霧島は、ちょっと痛い子なのかな?

 

 

「………なかなか面白いこと考えちゃうな……ヘボ」

 

 

ついに霧島のあだ名にも『野郎』が抜けた。

 

 

 

「だろ?だったら参加しようぜ……地獄を見ろ、ヘタレェ!」

 

 

 

 

 

………後でこいつぶっ殺すわ……マジで。

 

 

 

 

 

 

 

 

大まかに現在の展開を説明しよう。

①ゲーセンに来た。

②イライラする奴(霧島)と会った。

③やっぱ俺マジゲーム強い。

④大会に出る事になった。←今ココ

⑤その大会で戦う事に。

 

 

 

「すみません」

 

 

 

俺と霧島は2人1組の大会に出る為に、カウンターにいるお姉さんに声をかける。

 

 

 

「大会に出たいんです。エントリーお願いします」

 

 

 

「分かりました。仲良いんですね」

 

 

 

 

笑いながら言うとお姉さんの言葉に俺の顔と霧島の顔が歪む。

 

 

 

 

「「誰がこんな奴と」」

 

 

 

霧島の声と俺の声が被り、無言で胸ぐらをつかみ合う。

 

 

 

「け、喧嘩はダメですよ! 」

 

 

 

「お姉さんの頼みなら仕方ないですね」

 

 

 

瞬間、俺の手は霧島の胸ぐらから離れ、制止に入ろうとしたお姉さんの手を掴む。

 

 

 

 

「チッ。ヘボがチャラチャラしやがって………」

 

 

 

 

「あぁ? ヘタレは黙ってなさい」

 

 

 

両者睨みあう。

 

 

 

「あ、あの。ここで他のお客様のご迷惑になりますし………手を離して頂かないとエントリーも出来ないのですが……」

 

 

 

お姉さんが顔をひきつらせながら言っている。お仕事も大変だなぁ。俺のせいなんだけどさ………本当、ごめんね、お姉さん……。

 

 

その後、エントリー完了。

 

 

 

「大会開始時刻は30分後です。遅れずに来てくださいね」

 

 

 

天使のような笑顔を浮かべてそういうお姉さんに手を振ってゲーセン内に戻る。

 

 

 

「さて神栄。どう時間潰す? またやるか? UFOキャッチャー(笑)」

 

 

 

「UFOキャッチャーはやるか。これ『だけ』はマジでお前には勝てねぇ」

 

 

 

 

「ほほう?結構思い切る奴なのか。

俺は嫌いじゃないなぁ」

 

「黙れ、他の勝てるからいいだろーが」

 

 

 

「他のは俺勝てないけど……勝てる奴呼べば……ねぇ? 」

 

 

 

(ゲームが出来る奴とは俺(霧島)義姉、霧島 翠の事だ。手先が器用なのでゲーム類は上手いと思う)

 

 

 

 

「は、ん、そ、くだろーが……まぁ、多分勝てるよ?大体の人には」

 

 

俺が勝てないのはせいぜい神崎くらいだけだ。

 

 

 

 

 

 

「デスヨネー」

 

 

 

ま、まぁ、ともかく俺達はアクションゲームやら音ゲーやらをし、30分潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果

0勝12敗0分。

 

 

 

「ぜんっぜん勝てないな……」

 

 

 

全部俺様の圧勝。流石俺、超かっこいい。

 

 

 

「つーか……お前は、なぜ勝てもしないゲームを挑む」

 

 

 

「勝てる可能性が1%でもあるなら、俺は挑み続けるぞ」

 

 

「すんげぇカッコイイこと言ってるけど、言ってる奴がアレだからなぁ………」

 

 

 

「ヘタレに言われたくはねぇ」

 

 

俺はまだ霧島とやりたいけど、そろそろ大会の時間だな………。

 

 

大会アナウンスの時は《様々なジャンル》って言ってたから、なんでもやるんだろーけど。

 

 

 

「行くぞヘボ」

 

 

 

「分かってるよヘタレ」

 

 

 

再度両者睨み合う。 回りの客が俺達を避けて通る。背景に「ゴゴゴゴゴゴ」とか流れてそう。

 

 

 

大会会場に行くと、みんながこちらを向く。正確には俺に目が行っている。

 

 

 

 

やっべぇ俺超有名人。いつかジャ○ーズからスカウトくるかも。

 

 

 

 

 

『第1戦はコチラぁぁぁ! ゲーム好きなら1回はやった事があるのであろう人気アクションゲームぅぅぅ!バイ○ハザード3ぃぃぃ!』

 

 

 

バイオ○ザードとな。また古典的なの選んだな。

 

 

 

「よし、作戦の発表だ。ヘボは黙って『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』作戦やってろ」

 

 

 

「悪いのはゲームの銃だ。本物の銃と比べて軽すぎるんだよ。フルメタルにさえなってない。反動もナシ。出来るわけないね」

 

 

「確かに……わからなくもないかもしれない」

 

 

 

 

 

(日頃本物の銃をぶちかましていた俺があんな軽い反動もない銃上手く撃てるわけないっつーの……)

 

 

 

「あ?なんだよ。本物撃った事あるみたいな事言いやがって」

 

 

 

「ある」

 

キッパリいうと神栄の顔がひきつる。

 

 

 

 

「………ん?」

 

 

 

 

『次のチームはぁぁぁ! 神栄&霧島チームだぁぁぁ! 』

 

俺達のチームが呼ばれ、ゲーム台の前に立つ。

 

 

「役に立てる事はないだろうが、出来るだけ死なないようにするわ………」

 

 

 

「本当、そうしてくれ」

 

 

 

 

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俺達のゲームが終わり、順々にみんなのゲームも終わる。

 

『第1ゲームバイ○ハザード3の結果発表ォォ! 1位のチームは~……神栄&霧島チームだぁぁぁ!!』

 

 

 

(神栄ゲーム上手すぎだろぉぉぉ!神栄1人で敵を倒し、敵も近付かせない。アシストも完璧じゃねーか!)

 

 

 

 

 

 

「神栄には一生ゲームで勝てないか………」

 

 

 

霧島は実力さを認める。

 

 

 

「認めんのか」

 

 

 

「お前が凡ミスしない限りね」

 

 

 

(まぁ、神栄に限って凡ミスは少ない……ってないとは思うが。コイツのゲームの上手さは異常だよ)

 

 

 

『第2戦はコチラぁぁぁ! UゥゥゥFOォォォキャッチャーぁぁぁ!!』

 

 

 

 

「さっきからテンション高いんだよ司会の人!」

 

 

霧島、よくぞ言った。

 

 

 

 

「ああ、確かに何言ってるのか分かんないな。今のはかろうじてUFOキャッチャーだって分かったけど」

 

 

 

 

 

 

「それなら……次は俺の番だな………」

 

 

 

神栄達は知らない。

ここから、この大会の本質だという事を………。

 

 

 

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UFOキャッチャー・ルール説明

500円で3回出来るUFOキャッチャーで大きな(高さ40㎝程)のぬいぐるみを3つ取る。

 

 

 

「楽勝楽勝♪」

 

 

 

霧島はそういってUFOキャッチャーに向かった。

一方、俺は怪しいと思っていた。

 

 

 

(いくら難しいと言ってもこれはおかしい。霧島は例外として、この課題は難しすぎるだろう。3回で3個手に入れろって事は、ミスが許されない又はミスしたら1回で2個取らないと課題クリアは不可能だ。いつも行っている大会はこんな感じのやつじゃないのにな………)

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリア♪」

 

 

 

あっという間に3つのぬいぐるみを取る霧島。何か考えているかは知らんが俺の背中をポンと叩く。

 

 

 

「どうしたヘタレ神栄」

 

 

 

「ヘタレいうなヘボ霧島。なんでもねぇよ」

 

 

 

俺は考えても仕方ないと思い、思考を中断した。

 

 

 

『おおっとォ!?最初にゴールしたペアは!神栄&霧島チームだぁぁぁ!!神栄は以前にもなんどか優勝しているがぁ!霧島は知らないぃぃ!』

 

 

 

 

 

「黙ってろ!」

 

「つーか、俺二回くらいしかこの辺の地区の大会参加してないぞ?」

 

 

「え?」

 

 

「いや、なんか記念の大会ばっか参加してて、圧倒的に勝っちゃうから、なんか………な」

 

 

「ド……ドヤ顔うぜえええええ!」

 

 

 

「あ、ぬいぐるみはそのまま貰えるらしいぞ」

 

 

(やったぁ!ぬいぐるみGETぉ!霧島はぬいぐるみ大好き。自分の名前呼ぶの恥ずかしっ!)

 

 

 

「………お前一人でなにやってんだ?」

 

 

「う……うるせぇよ!なんでもねぇし!?」

 

 

「怪しい……」

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、この課題をクリアした人達が申請に来る。5人程がゴールした時に、タイムアップのアナウンスが流れる。

 

 

 

 

『タァァァイムアァァッップ!!それでは第3戦はぁぁぁ………もぐら叩きぃぃぃ!!』

 

 

 

もぐら叩き!?

 

 

 

『パーフェクトクリアが条件だァァァ!!』

 

めんどくさっ………!

 

 

 

「まぁ余裕だろ? んじゃやるか」

 

 

 

俺はもぐら叩きの台まであるき、早速始める。

 

 

「〜〜♪♪」

 

 

(わぉパーフェクトクリアじゃん……鼻歌とかしながら余裕じゃん、流石神栄だ。これは負けを認めざるを得ないな……)

 

 

 

 

 

「俺もやんなきゃいけないみたいだな………嫌いなんだよなぁ、もぐら叩き……」

 

 

 

ハンマーを持った霧島。そして、出てきたもぐらを叩く。瞬間、もぐらは粉砕される。

 

 

 

霧島の手にあるのはゲーム用の物ではなく、鉄で出来た本物だった。

 

 

 

「うぉい霧島!?てか、ハンマー違うの確認しろよクソ運営!」

 

 

 

 

「あははははは」

 

 

 

霧島は乾いた笑いを出す。

 

「弁償額は60万です。払えないならこちらへ」

 

 

 

霧島は領収書を書いて店員に渡す。

 

 

「まぁ、金だけは腐って落ちて肥料になる位あるからね………さて、気を取り直して!」

 

 

 

見事パーフェクトクリア。

 

 

「やれるなら最初からやれよ……」

 

 

 

「行けるさ! もぐら叩きは反射神経さえありゃ出来るんだしね」

 

 

(てか……今の所はあいつと戦えるようなゲームが出てきてないな……)

 

 

 

『残りチームは2組! まずは神栄&霧島チーム! そしてもう1組は、大会4連覇中の最強ルーキー!水地&佐渡チームだぁぁぁ!!』

 

 

 

知らないけど………強いんだろうね。最強ルーキー(笑)って呼ばれるくらいだもんね。

 

 

 

てか、最強なのはこの俺なんだけど、その辺勘違いされると困るわ。

 

 

 

 

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さて、再びゲームセンターの真ん中辺りにある場所に戻り、対戦ゲームの発表があった。

 

 

 

『決勝戦は………3回戦行います!』

 

 

 

「へー、それで?」

 

 

 

クソ……霧島の野郎、予選でUFOキャッチャーやったから完全に俺に任せる気だろ……

 

 

 

『と言うかアァァァ、決勝戦では『協力』という言葉が重要になってきますううう!そこでえええ!3回戦行われるゲームのうち、3つは協力するゲームとなっておりますううう」

 

 

 

全部じゃねぇかよ!

 

 

 

てか……こりゃまずいな……。

 

 

 

ここに来て協力プレイとか、俺らを殺しにきてるだろ。

 

 

 

『第1回戦んんん!大画面大富豪ウウゥウウ!!!』

 

 

「おお、大富豪ならヘボでもいけるだろ。こりゃ勝ったな」

 

 

 

『ルールは普通の大富豪と同じです。ですが、このゲームはポイント制です。1位の大富豪は3ポイント、2位の富豪は2ポイント、3位の貧民は1ポイント、ビリの大貧民は0ポイントです。まぁ、1、2位を取れば勝てるってことですよ』

 

 

 

協力もクソもない気がするが……まぁいいだろう。

 

 

『それと、味方なら手札を公開し合うことができます!!!』

 

 

 

よし、勝ち確定だわ。

 

 

 

「なぁ……俺大富豪勝ったことないんだけど……」

 

 

 

 

「嘘つくな霧島ァ、ここに来て冗談キツイぞ」

 

 

「いや……マジで」

 

 

 

 

『では、試合開始です!!』

 

 

 

いや、待ってくれよまだ霧島との話し合い終わってないから……。

 

 

 

 

 

この際仕方ない。なんとかやるっきゃないな……。

 

 

 

 

 

 

 

大富豪は運だ。

 

 

いいカードがあれば勝つ確率は上がるし、いいカードが無かったら負ける確率が上がる。

 

 

だから、カードの神様、オラにジョーカーを分けてくれ!

 

 

………そしてカードが配られた。

 

 

 

 

「………あ?」

 

 

 

霧島は俺の手札を見ると……。

 

 

 

「弱すぎるぞ、お前」

 

 

 

「黙れお前……見せてみr……」

 

 

 

 

見た瞬間わかったよ。

 

 

 

こいつ強すぎる。

 

 

 

ジョーカー持ってるし、キングと2なんて4枚持ってる!

 

 

 

最強すぎて笑うことしかできなかった。

 

 

「ははははっ、これ、引き分け狙いで行くか………」

 

 

 

 

============================

 

 

 

結論を言おう、俺らは引き分けではなく勝った。

 

 

 

 

何故かって?

 

 

 

 

 

相手が想像以上にバカだったからさ。

 

 

 

確かに最強ルーキーではあるらしいが、こーゆーゲームは苦手なようだ。

 

 

 

バカで本当に助かったよ……。

 

 

 

 

『第2回戦んんん!予選でも行ったシューティングゲームううう!!!ですが、ルールが違います」

 

 

ハイテンションからの冷静な声をやめてもらえますか?笑ってしまう………。

 

 

 

 

『ルールは……

一つ!お互い死んではいけない!

二つ!相手を先に2人倒したら勝ち!

です』

 

 

先ほどのシューティングゲームは、的を当てるゲームだった。

 

 

だが、やることは変わらない。

 

 

 

でも……1対2ってつらいな……。

 

 

(この時点で霧島君はカウントされてません)

 

 

 

「よし霧島………行くぞ」

 

 

 

「お………おう」

 

 

 

◇◇◇

 

 

『試合開始ぃぃいいいい!!』

 

 

パァン……!

 

 

 

『霧島君、アウトです』

 

 

 

「はぁぁぁぁああぁ!?」

 

 

「やべ、殺られちった」

 

 

 

 

 

『神栄君、霧島君の拳銃拾ってください』

 

 

「あ?いいのか………?」

 

 

 

霧島はハッと気づいた。

 

 

「神栄!それは罠だ!拾うな!」

 

 

 

「あ?何言ってんd………」

 

 

 

パァン……!

 

 

 

 

 

『神栄君、アウトです』

 

 

 

なるほど、そーゆーことか。

 

 

 

拾ってる時、俺は完全に無防備だった。

 

 

 

そこを狙ったということか、流石だ。

 

 

 

『続いて第3回戦!最終戦です!!内容は…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

UFOキャッチャー!!!!!」

 

 

 

 

「なん…………だと!?」

 

 

 

霧島が立ち上がる。

 

 

 

『ルールですが、今回は交互に景品をキャッチしてもらいます。それで、先に10個手に入れたチームが優勝です!』

 

 

 

「俺がなんとか足手まといにならないようにすればいいのか……」

 

 

「そーゆーことだな」

 

 

 

 

霧島、神栄の順でついに最終戦が始まった。

 

 

 

「はい」

 

 

『おおおっとぉ!?早くも霧島&神栄チームは一個手に入れたぁ!』

 

 

相変わらずうるせぇ。

 

 

『ここですかさず水地&佐渡チームも手に入れたぞぉぉお!?』

 

 

 

「俺か……。いけええええ!」

 

 

 

ポロっと景品が落ちた。

 

 

 

「おい……外すなよ!」

 

 

 

「いや……これも作戦の一つだ」

 

 

 

 

 

霧島は落ちた景品の場所を見る。

 

 

 

「なるほど……そーゆーことね」

 

 

 

次に、霧島の番。

 

 

 

『おおおっとぉ!?霧島&神栄チーム!一気に2個取っただとぉ!?』

 

 

 

そこから、神栄はあえて景品を落とさず、霧島に取ってもらう、の連続だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして………。

 

 

 

 

『優勝は……霧島&神栄チームだあああああああああ!!!』

 

 

 

 

「「よっしゃあああ!!」」

 

 

 

2人は勢いあまってハイタッチをした。

 

 

「「あ」」

 

 

霧島は顔を赤くし、くるっと後ろを向いてしまう。

 

 

「まぁ、今回ばっかりは助かったよ、ありがとな」

 

 

 

神栄は手を霧島の前に出した。

 

 

 

「お……おう……」

 

 

 

============================

 

 

「「で、景品は?」」

 

 

 

2人は先ほどお世話になったお姉さんの元へずんずんと歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「景品は………お二人の……友情ですよ………」

 

 

 

2人は理解するのに数十秒かかった。

 

 

 

「…………はぁぁ!?」

 

 

「ふざけんな!誰がこいつなんかと………!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まぁ確かに、こいつはあんま好きじゃねぇが、同じ境遇にあってる奴だ。またこーゆーことして楽しみたいな」

 

 

霧島はまた地味にカッコイイことを言ってきた。

 

 

「ああ、そうだな。これからもよろしく………」

 

 

 

 

「おう」

 

 

 

2人は、ガシッと手を掴み、(少し嫌だが)友達?になった……。

 

 

 

ストーリーは違いますが、後編に続く………。

 

 




いかがでしたか?


半分僕が書き、半分ヴァンクリーフさんが書いてくれたものを加筆、修正した感じなので、少し変かもしれませんが、まぁ許してください。


後編はヴァンクリーフさんの作品内のみで見るとこができます。


この機会にぜひ『暗殺教室 新たな仲間は殺人鬼!?』を見てもらえればこちらとしても嬉しいです。



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コラボ企画、『神栄 碧と暗殺教室』×『暗殺教室 叶芽とカルマ』後編


お久しぶりです。invisibleです。

文化祭も終わり、ようやく暇になりました。

そんな時、ふと思い出しました。
「あ、コラボの事……やんなきゃ」と。



急いで後編を書き、コラボを受けてくださった磁中さんに修正(なかったけど)してもらい、完成しました。




叶芽ちゃんの喋り方に違和感を感じるのは、作者が関東の人だからだと察してください。

それでは、後編をどうぞ



 

「おらぁ!もっとやる気出せよ!」

 

 

 

 

 

「言われんでも……やっとるわ!」

 

 

 

先ほどまで優勢だった叶芽が、一気にやられ始めた。

 

 

 

「……んじゃ、これで終わりだ」

 

 

 

 

神栄は拳に全ての力を入れて、叶芽の顔面目掛けて殴ろうとした。

 

 

 

 

「ひっ!」

 

 

ブロックしようとして顔の前に手を出すと、

 

 

 

 

 

「……やーっと女の子らしいお前が見えたな。はぁ………喧嘩なんてするもんじゃねーぞ?」

 

 

 

「は?」

 

 

 

「聞こえなかったか?体でけぇのに頭なーんも入ってねーのか?」

 

 

 

 

「関係ないけどなぁ……あと、神栄クンよりかは頭良い自信あるわ。なんなら勉強勝負でもするんか?」

 

 

 

「いや、めんどくせぇからやらねぇよ?そんじゃあな、俺は帰る」

 

 

 

 

 

神栄が帰ろうとすると、叶芽が神栄の肩を掴んだ。

 

 

 

「ちょお待ちいや、これもなんかの縁やし、どっか行かへん?」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

………えぇ……

 

 

============================

 

 

 

場所はゲームが大量に売られている大型店。

 

 

叶芽は商品売り場で立たされている。

 

 

 

 

 

「ていうか、女の子の(超長い)買い物に男の子は付き合うってのが普通やないか?それがなんで逆なん?」

 

 

 

「そんな常識俺には全くない。それより待て、このゲーム……相当有名で在庫切れの店も多いあのゲームじゃねーか!っしゃ買いに行くぞー!!」

 

 

 

 

あはははは!と言いながら神栄は叶芽を置いていきレジへ駆け抜けた。

 

 

「なんやあの人、ゲーマーでオタクなんか?」

 

 

 

しばらくすると、満面の笑みで帰ってきた神栄に叶芽は腹パンをした。

 

 

 

「ぐはっ!何しやがる!」

 

 

 

「ちょっと手が滑った」

 

 

「……俺はやる事終わったから、次、お前の番だけど」

 

 

 

「ん?ウチはする事なんかないで?」

 

 

 

 

「………は?する事あるから誘ったんだろ?なんもねぇのかよ。なら、飯でも食べるか」

 

 

「ええよ。なに食べるん?」

 

 

 

 

「カレー」

 

 

 

「ガキかアンタは」

 

 

「心はガキでい続けたい」

 

 

 

「んな屁理屈聞いとらんわ」

 

 

 

「………まぁいいや、とりあえずどっか行くぞ」

 

 

 

神栄は叶芽の手を掴み、どこかへ走っていった。

 

 

 

「………ほえ?」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

2人が着いたのはサイゲリア。若者を中心に大人気のファミリーレストランだ。

 

 

 

ファミリーレストランなのに、ゲリとついているというものどうかと思うが、味は確かだ。

 

 

 

「いらっしゃいませー」

 

 

 

「2人で」

 

 

 

「かしこまりましたー」

 

 

 

 

とりあえず席に座り、水を一杯。

 

 

 

「……プハー!生き返るわー!」

 

 

「おっさんかアンタは、で、何頼むん?」

 

 

 

「ピザとハンバーグ」

 

 

 

「カレーは!?」

 

 

 

 

 

「俺は何でもいいから、お前何食べるんだよ。早く決めて食べよーぜ」

 

 

 

叶芽はメニューを開く。

 

 

(神栄と同じ奴にしようかなぁ……なかなか美味しそうやし…)

 

 

 

「すいませーん」

 

 

 

「は!?」

 

 

 

 

「ピザ2つとハンバーグ2つください」

 

 

 

 

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

そう言って店員はいなくなった。

 

 

 

 

叶芽は呆然としていた。

 

 

 

 

何故、神栄は自分が欲しいものがわかったのか?と。

 

 

 

 

「なぁ……何でウチの欲しいものがわかったん?」

 

 

 

「俺の事を見てたからかな。何か物欲しそうな目をしてた。なんだろーな。アニメとかゲームしてたからか、そーゆーのがわかっちゃうんだよな」

 

 

 

 

 

「………さすが、と言えばそうなのかわからんが、ウチの認めた男だけあるなぁ」

 

 

 

「あっそ………どうでもいいや」

 

 

 

 

 

 

神栄は頭をポリポリとかきながらゲームの袋を開けてニヤニヤしている。

 

 

 

 

「………待ってろよ〜。きちんと全クリしてやるからなあ〜〜?」

 

 

 

(うっわ。気持ち悪っ)

 

 

 

 

 

などと思っていると、注文した物が出てきた。

 

 

 

「お待たせしました。ピザとハンバーグです」

 

 

 

流石サイゲ、とても美味しそうだ。

 

 

 

「それじゃ、いただきまーす」

 

 

 

「いただきます」

 

 

 

 

 

 

 

食べてる時に、2人の会話は無い。

 

 

あるのは咀嚼音と、食器が当たる音だけだ。

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、食べ終わる。

 

 

 

 

 

「んじゃ、会計するか」

 

 

 

 

神栄が財布を取り出し、席を立つ。

 

 

 

「え、おごってもらうのはなんか嫌や、ウチも払うで」

 

 

「いーや、ゲーム探しに付き合ってもらったお礼だ。何も言わずに奢られてくれ」

 

 

「………そ、そう」

 

 

 

 

神栄はレジに行き、代金を支払う。

 

 

 

「うーん、なんやろーな?」

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

「さて、する事がなくなった。俺はゲームがあるからいいが、お前は?」

 

 

 

「ウチ?ウチは特に何も?」

 

 

 

 

 

すると、どこかから………。

 

 

 

 

 

 

 

「あーおくーん!」

 

 

「叶芽ちゃーん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「え?」」

 

 

 

 

 

2人は振り向く。

 

 

 

 

 

「…………あ、神崎じゃん」

 

 

「あ、カルマやん」

 

 

 

 

 

2人は向かい合い、クスッと笑う。

 

 

 

 

「ここでお別れだな。また会えれば会いたいが………な?」

 

 

 

「そうやな。それじゃ」

 

 

 

神栄は右に、叶芽は左に向かって走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『神栄 碧と暗殺教室』×『暗殺教室 叶芽とカルマ』コラボ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで碧君、誰と一緒にいたの?」

 

 

 

「………色んな意味で、暗殺者(クラスメイト)とかかな?」

 

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、叶芽ちゃんは誰と居たの?」

 

 

 

 

 

「うーん、戦友(ともだち)、かな?」

 

 

 

「………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





どうでしたか?

楽しんでくれたら嬉しいです。


そして、こっからは完全に僕の話です。暇なら付き合って下さい。


学校にも慣れ、現在(それなりに)楽しい高校生活を送っています。


前書きにもありましたように、文化祭もありました。


その文化祭で、僕は一生忘れることのない思い出を作りました。

それは………。



先月辺りかな?イギリスからやってきた留学生と2日間ある文化祭、ほぼ全部の時間一緒に回ったことです。


まるで自分がギャルゲーの主人公じゃねーのか!と言うくらい楽しかったです。


それはもう……至福のひとときでした。


……ああ、僕にも春はあるんだなぁ。と思いつつ、今こうしています。


留学生の方はアニメが大好きらしく、マイナーだと思ってた某よさこいアニメも知っていて、それで仲良くなりました。


今では某干物妹アニメの話題で盛り上がってます。

最高です。



………という自慢でした。羨ましいと思った人はかかってこい!www



そんなわけでコラボ企画でした。


さぁ誰か、僕とコラボ…………やらな(以下省略





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コラボ企画、『神栄 碧と暗殺教室』×『桜井和生と暗殺教室』前編


今回コラボさせてもらう作品は、トランサミンさんの作品『桜井和生と暗殺教室』です。


「コラボする」と言ってから相当時間かかった事をこの場を借りてお詫び申し上げます。すみませんでした。


それではどうぞ。前編です。




 

 

突然で申し訳ないのだが、俺は昔からスポーツは好きではなかった。

 

 

 

特に、チームプレイのスポーツではパスをくれないといういじめ+戦場ニート状態になるので普通に嫌いだ。

 

 

 

だから、俺はスポーツをやるときに断固としてポジションは左サイドベンチを希望する。

 

 

絶対に絶対に絶対だ。これだけは譲れないし、譲らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

ある日、神栄 碧は気分転換をする為に外へ出た。

 

 

普段は自宅でゴロゴロしながらゲームをしたり、フテ寝をかますクソ男が、外に出ることなど珍しい。

 

それはもう、突然ナマケモノが機敏な動きをするくらい珍しい。

 

 

 

 

外に出た本来の目的は新作ゲームの購入&予約だが、たまには外に出てボーッとするのも悪くない。

 

 

神栄は最近出来たと言われている公園のベンチで1人、新作ゲームのパッケージを見ながらニヤニヤしていた。

 

 

「やっと買ったぜ……スーパーノリオメーカー……マジで鬼畜、略してマジキチステージ作ってやる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、もう1人の男に移る。

 

 

 

桜井 和生は公園でサッカーボールを使ってリフティングをしていた。

 

 

 

「15……16……17……18………19………20!なかなかだな……」

 

 

和生は地面に落ちたボールを拾い、上に投げた。

 

 

「どんだけ高く蹴れるか……やってやる!!!」

 

 

 

バシュッ!

 

 

 

 

ボールは空に舞い、フラフラとしている。

 

 

 

 

「やっべ……高く蹴りすぎたかな…?」

 

 

 

 

段々不安になってきたが、なんとかなるだろうと思い和生は落下点に行く。

 

 

「……ん?こっちか……?いや…こっち?」

 

 

 

ボールがフラフラしてる中、和生までフラフラし始めた。

 

 

そろそろボールが落ちてくる。

 

 

 

すると、

 

 

 

 

「ノリオメーカー……ノリオメーカー………アハハ……ノリオ……」

 

 

 

 

なにやらゲームのようなものを見てニヤニヤしている人の上にボールがあった。

 

 

「あのー……そこにボール落ちてくるかもしれないんで、どいてもらえませんかー……?」

 

 

 

しかしその男には聞こえなかった。

 

 

 

 

「ノリオメーカー………ノリオ……ノリオ……」

 

 

 

 

「あのーー!!ボールがっ………!!」

 

 

 

和生が大声をあげたその瞬間。

 

 

 

 

 

 

グシャッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが壊れた音が聞こえた。

 

 

 

目を瞑ってしまった和生は恐る恐る目を開けてみると………。

 

 

 

 

 

 

「うわぁあああああああぁぁああぁあ!!!!!!ノリオメーカーがあああああぁぁああああぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

一体どうしたんだ?なんか変な人が叫び始めた。

 

 

「あ……ごめんなさい」

 

とりあえず、和生はペコペコと頭を下げる。

 

 

 

 

 

 

「お前か!お前マジでふざけんなよ!お前はわからないだろうがコレは最近発売された大人気のゲームなんだぞ!あのイカがインクで陣地塗り塗りしていくイカしたゲームと同じくらい、いや、それ以上に人気なゲームなんだぞお前マジでふざけんなよ!俺はこれの取り扱い説明書をここで見て早速家帰ってマジで鬼畜なステージ、略してマジキチなステージ作って全世界で一番難しいステージ作ってユーチェープの有名実況者さんとかに実況プレイしてもらってあわよくばその動画に出たりなんかしちゃって…とか色々妄想していたところだったというのにお前がお前がお前がお前がこ、な、ご、な、にしてぶっ壊したんだよ弁償と俺に謝罪して死ね!ふざっけんなよ!」

 

 

 

 

 

 

 

「すいません……じゃあ今からゲーム買いに行きましょうか」

 

 

「はぁ?お前マジでふざ………え?」

 

 

 

「別に良いですよ、そのくらいなら」

 

 

「あ……そう。なんかごめん」

 

 

 

 

「まぁ……大事なもの壊されたら誰だってそうなりますよ……というか……あなた名前は?」

 

 

 

「人に名前を聞くときは?」

 

 

 

 

 

「さ…桜井 和生です」

 

 

「俺は神栄 碧だ、よろしく」

 

 

 

「神栄……君?」

 

 

「お前見た感じ中3だろ?俺も中3だし、神栄って呼んでもらっていいぞ」

 

 

 

思ったより優しい人で助かった……。

 

 

 

和生は粉々になったゲームを見ながら自分のやった行動を悔いた。

 

 

そんな事はさておき、和生と神栄はゲーム屋まで行った。

 

 

 

 

 

「ノリオメーカー、だっけ?」

 

 

「ああ、それそれ。いやー悪いね」

 

 

 

 

 

「壊したのは俺だし、大丈夫だよ」

 

 

 

「そっか」

 

 

 

ゲームを買った後、神栄は満面の笑みで和生に、

 

 

「ありがとうな」

 

 

と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

「てか……腹減った」

 

 

 

散々言いたいことを言ったからか、神栄はそうボヤいた。

 

 

和生も運動をしていたので少しお腹は空いていた。

 

 

「俺ん家近くにあるけど、そこで食べるか」

 

 

 

神栄がそう言うので、和生は「いいのか?」と言った。

 

 

 

「いいよ、俺ん家親とか居ないし、帰ってもゲームするだけだから」

 

 

 

「料理は得意なのか?」

 

 

 

「あー特異特異、超特異」

 

 

「奇遇だな、俺も得意なんだよ!一緒に料理しようぜ!」

 

 

 

「いいね、そうと決まれば早く行くか!」

 

 

 

「おう!」

 

 

 

 

 

つづく。

 

 






後編はトランサミンさんの作品で見れます。

言いたいこと前書きで言っちゃったので以下私情です。



最近、モンストに飽きてパズドラ、白猫にハマりました。


てなわけで、モンストのデータとパズドラor白猫のデータ交換してぇなと思い始めました。


『モンスト始めたいな』
『パズドラ飽きたなー、他のやつやりてぇ』

など思いましたら、TwitterかLINEで画像を見せてもらえると嬉しいです。

Twitterは@yellowtailambe1で検索してください。

LINEはID検索でinvisible.hamelnで検索してください。

よろしくお願いします



PS.ハーメルンで小説書き始めて1年経ちました。


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新年コラボ企画『殺執事』中編

どうも、ケチャップさんからバトンパスされましたinvisibleです。
お待たせしました。中編です。
楽しんでいただけると嬉しいです!

それではどうぞ!


「「「いらっしゃいませ……?」」」

 

やる気のない声が混じりつつ、殺執事椚ヶ丘店がオープンした。

 

開店してから数十分、店名が明らかおかしいからか、客どころかここの道を通る人が全くいない状況に耐えられなくなったミナトと神栄は持ってきたゲームで協力対戦をしていた。

 

「なかなかやるなミナト。2人合わせればチートに勝てるくらいじゃねーの?俺の方が強いけど」

「神栄こそ、ここまで付いてきてるのはお前くらいだぜ。俺の方が強いけど」

「「あぁっ!?俺の方が強い!!」」

 

数戦した後、短かった友好関係は完膚なきまでに粉々になり、通信対戦になってしまった。

しかし、どこまで戦っても引き分けとなってしまったことに腹が立った2人はリアルファイトに発展しそうになってしまう。

 

 

このままだと店内がボロボロになりお金儲けどころの問題じゃなくなると感じた殺せんせーはリアルファイトを止め、今回の件とはまるで関係のない和生も一緒に接客の練習をさせることにした。

 

「まず、お客様が来た時は『お帰りなさいませ。お嬢様』ですよ?コンビニみたいに『らっしゃーせー』じゃないですよ神栄君?まず和生君から!」

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

「GOOD!ナイスVoiceですね」

 

殺せんせーは顔に赤い丸を浮かべながら笑顔で言うと、

 

「次はミナト君ですよ」

 

「…お帰りなさいませ…お、お嬢様」

 

ミナトは不満気に言うが、殺せんせーはオーケーサインを出す。

 

「問題は神栄君です。ほら、やってみてくださいよ」

 

神栄はスゥ…と息を吸うと。

「お帰りくださいませおじょーさまー」

 

と3人の中でも一番やる気の無い声で言い放つ。

 

「何というやる気のなさ…神栄くん、バイトとかやったら数日でクビだと思うよ…?」

和生は呆れつつ言うが、神栄は無関心。殺せんせーは仕方なく神栄をキッチンに戻す。

 

「どうせ神栄君は接客しないでしょう……。ミナト君と和生君に何とかしてもらいますよ……!私の生活のために」

「今思えばなんで俺たちは働かされるんだっけ、和生?」

「表向きは宿題無しになるっていうらしいよ」

(裏向きは秘蔵の写真を手に入れるため……!)

 

自分の欲望を曝け出すことなく、平然を装う2人は、何故俺たちは働くのか?とか、働くことの意味など、よくわからないことを語っていた。

2人はしばらく話していると、殺せんせーの姿が見えないことに気付く。

 

「あれ、殺せんせーが消えた」

 

和生は辺りを見回すが、殺せんせーの姿は無い。

 

「雇い主が仕事を放棄した、とんでもない職場だ。訴訟も辞さない」

 

ミナトが外を確認しようとすると、ものすごい速度でドアが開き、2人の女性が立っていた。

 

「「「「………は?」」」」

 

和生とミナト、そして2人の女性は目の前の光景に唖然としていた。

 

 

◆◇◆◇◆

 

「殺せん……コロさんが連れてきたんですか?って、完全にコロさんの趣味全開じゃないか!」

 

殺せんせーの趣味全開、つまり超が付くほどの巨乳、そして女子大生。いつも学校で隠れて読んでるグラビア雑誌にいるような女性が店にいる。

 

巨乳女子大生は未だに状況の理解が出来ていないらしく、入り口のドアから一歩も動いていない。

 

 

「と、とりあえず。お席までご案内します」

 

率先して和生が動いてくれたおかげで、女子大生はようやく席に座る。

 

「それでは、何かありましたら申し付けてください。ではごゆっくり」

 

営業スマイルと言うべきか、和生は彼女とデートしてる時のような笑顔で女子大生に接客をする。

 

「とんでもない男だな和生」

 

「接客くらいならヘーキだよ。俺がやるからミナトくんは料理持ってく係でいいよ」

 

「お、おう。ありがとな」

 

 

一方、神栄は何をしてるのかというと、

 

 

「……最近のソシャゲはガチャの確率絞ってンな……最高レア度のキャラ全然当たんねぇぞ。本当は0%なんじゃねーの?」

 

1人、愚痴を言いながらゲームのガチャをしていた。

 

 

「あ、すいません。メニュー決まったんですけど」

女子大生は手を上げて、誰かを呼んだ。

「はい」

と和生が女子大生の方へ向かう。

 

「……この、殺師特製オムライスを2つください…」

 

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

和生はキッチンにいる神栄に言われた注文をリピートする。

 

「オムライス2つだってよ。時間かけないようにお願いな」

「オムライスって、卵とごはんにケチャップぶちまければいいんだろ?」

「ざっくり言うとそうだよ。早くしてくれると嬉しいな」

 

「へーへー」

 

そう言って神栄は器用に卵を割り、オムライスに必要な材料を入れ数分で完成させる。

 

「おら、持ってけミナト!」

 

普通の場合、出来上がった料理を机などのところに置いておき、それをホールスタッフが持っていくのだが、神栄は普通ではなかった。

 

フリスビーの要領で皿をミナトに向かって全力投球(?)すると、あまりに突然の出来事にミナトは中途半端に反応してしまい、皿をキャッチはしたものの、オムライスが顔にべったりとくっついてしまった。

 

「うわっ……失敗した」

 

神栄がてへぺろ☆とドジっ娘の如く可愛く舌を出すと、

 

「ちょ、ちょっと!?何をしてるの!?ダメだ、神栄くんに優しさが見えない…もう自分で持ってってくれないか……?」

 

「たまたま失敗しただけじゃないかよ。人をダメ人間みたいに言って……」

「神栄くんがダメダメ過ぎるから言ってるんだよ!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

不満気な表情で神栄が2度目のオムライスを完成させた。今度はちゃんとお客の前まで行き、オムライスを置く。

 

「おまたせしましたぁこちらおむらいすでございまぁす」

 

誰がどう聞いても棒読みボイスの神栄を見た女子大生は、オムライスを見たあと神栄を見つめる。

 

「ねぇ。ここって執事喫茶なんでしょ?メイド喫茶みたいに、何か魔法の呪文とかないの?」

 

「そーそー。私たちをアツくさせてよ」

 

 

「……は?ちょっと意味がわかんねーでございます」

 

「なんかこう……血湧き肉躍る、的な?」

 

随分と肉食な女子大生は、神栄の方に目を向ける。

 

「それじゃあ……目ぇつぶっててろください。恥ずかしいんで…」

 

神栄か顔を赤らめると女子大生達はそこに興奮したのか、楽しそうにしている。

神栄は女子大生の2人が目を閉じたのを確認すると、キッチンに向かう。数分すると、神栄が帰ってくる……。

 

「ケチャップで絵でも描くのかな……って、えええ!?!?」

 

今にも目が飛び出そうな表情で、和生は神栄が持ってきたものを見る。

 

「おい……神栄…」

 

何かを言いたそうにミナトは口を開けるが、なかなか頭に浮かんでこない。

 

 

要は、2人が唖然とするようなブツをこの男は持ってきたのである。

 

 

「アツくさせてよって言われたから……なぁ?」

 

神栄はものすごい笑顔でオムライスにドバドバとブツをかけてかけてかけまくる。

 

「アツくて死んでも、当店では一切責任を負えませんので、その覚悟があるなら食ってどうぞ」

 

女子大生は何のことだかさっぱりなので、目を開け、スプーンを持ち、一口サイズに分けて口に入れる。

 

 

オムライスが口に入ったのを確認すると、神栄はある物が入っていた容器を女子大生に見せる。

 

それを見た女子大生は、顔が青ざめていく。

 

 

「俺、ちゃんと言ったんで。アツくて死んでも、責任は負えませんのでってね」

 

女子大生は高速でお金を置き、ダッシュで店を後にした。

 

オムライスの代金は1人860円だが、優しい女子大生は1人1000円を払って帰ってしまった。

 

「やったぞ殺せんせー。280円得した」

 

 

「そりゃお客は帰るだろうね………。『デスソース』をかけて、さらに1人分があの瓶半分って、あの量は死んじゃうよ!!」

 

和生がまた騒がしくなる。ミナトは遠い目で、空が綺麗だな…と現実逃避し始めた。

 

「(物理的に)アツくしてあげたじゃん。それで怒られる理由がわからないんですが……」

「ありまくりだよ!普通あそこはケチャップかけて萌え萌えキューンが定番だよ!」

「俺はそんなにサービス精神旺盛じゃねぇぇよ!!時には残酷な判断も必要なんだよ!」

 

「まず先に残酷な判断をする前に……例えば、ケチャップで絵を描くとか…方法はいくらでもあるよね?」

「ない」

「即答!?」

 

 

 

「あー………あったまきた。今日のお前のまかないはこれだ。今ならJDと間接キスのおまけつき」

 

ここぞとばかりにクズに成り下がる神栄に耐えられなくなった和生は、ついに神栄に手を出そうとする。

 

「自分が作ったんだから神栄くんが食べればいいじゃないか…!」

「うるせぇ!お前は俺を怒らせた!それ以外に理由はねぇ!食え!」

「おい喧嘩はやめ……」

 

ミナトが仲裁に入ろうとするが、

 

「あぁ!?じゃあミナトてめーが食え!2つあるんだから、2人が食えっつーの!」

 

「いや…デスライス作った神栄が食えば良いじゃん……」

 

完全に暴走した神栄をミナトと和生が止めようとするが、神栄が落ち着く手段はどちらか、もしくはどちらもデスライスを食べるしかない。

 

3人がデスライスを賭けて争いをしていると…。

 

 

 

 

 

「……んー。なかなか美味いですねって、かっらあぁぁあああぁぁ!!!」

 

叫び声が聞こえた先に3人が目を向けると、殺せんせーが2人分のデスライスを平らげている姿が見えた。一気食いしたのか、顔が真っ赤になっている。

 

「これはすごい破壊力ですよ……」

 

殺せんせーがムシャムシャ食べている中、和生とミナトはヒソヒソと話していた。

 

「今から神栄くんの名前はデス栄!どうかなミナトくん」

「それでいいと思う。ナイス和生」

 

 

「さて、神栄君に新たな名前が誕生したことですし、そろそろ奥の手を使おうかと思いましてねぇ。まず3人に確認を」

 

「え、何ですか殺せんせー」

先程までデスライスを食べていた殺せんせーは異常な速さで3人の元へ戻る。

 

殺せんせーは骨が無い(と思われる)のに腕をポキポキと鳴らしながら言うと、3人を呼ぶ。

 

 

「どんなお客様であろうと、3人は接客することを誓いますか?」

 

などと言い始めた。

 

「え、まぁ……やれと言われたことだから……良いよ」

和生はあっさり了承。

 

「俺も、………別にいいよ」

ミナトも多少の間はあったものの、了承。

 

「……永久に宿題無しなら」

クズになり果てたデス栄も、一応了承。

 

「なら連れていきましょう!素晴らしいお客様を!!!」

3人の了承を得ると、殺せんせーはどこかへ行ってしまった。

 

「……どこ行ったんだよ殺せんせー」

「さぁ?ところでデス栄は何してるの?」

「銀河を舞台に地球代表のサッカーチームが戦うゲーム。ミナト、お前持ってんだろ。あとデス栄言うな」

 

「確かデス栄は俺とバージョン違ったよな。いいぞ、俺は強いぞ〜?」

「強いってわかってるからやるんだろーが。あとデス栄言うな」

「そうは言うけどデス栄、ミナトくんはマジで強いよ?」

「ゲームの神と言われていた俺に敗北は99%ねぇよ。……次デス栄って言ったら穴という穴にデスソースぶち込むぞ」

 

 

((デス栄じゃないか………))

 

 

 

「ふむふむ、勤務中にゲーム、これは減給コースですねぇ。試合中かもしれませんが没取です」

そう言って殺せんせーはヌルヌルとゲーム機を奪い、服のポケットにしまった。

 

「おいこらお前何をする!今化身出そうとしたのに!」

「こっちはソウル出そうとしたのに!」

ミナトと神栄がプンスカと怒っていると、ドアについていたベルが鳴る。

 

「果たして、ゲームをしてて本当にいいんでしょうかねぇ……ヌルフフフ」

 

「は?客より超次元サッカーの方が大事だ」

デス栄はいつも通りの発言をする。

 

しかしミナトはデス栄とは違い、顔を強張らせている。

「いや……そうは言ってられないかも……あれを見ろ神…デス栄」

 

「ねぇミナトくん?今ちゃんと名前言えたよね?なんで言い直したのかな?ねぇねぇ」

「いいから…デス栄、あれを見な……」

「あーーー……あ?」

 

和生が指を指す先には、いつものメンバー、カルマや渚、茅野、中村などがいた。

それだけならいいのだが、デス栄の彼女である神崎、和生とミナトの彼女である速水もいる。

 

「あー……うん。それでも俺はゲームをするよ…多分、きっと、絶対」

「デス栄、顔が碧ざめてるし目が泳いでるよ。強がってるだけだよなそれ」

「ふっ、ふははははは!!そんなわけななななないだりょう」

 

カタカタとコップが震え、滑舌は悪くなり、辺りに水を撒き散らしているデス栄を見て神崎はデス栄の方に向かう。

 

「あーおくん。そんなに私が……怖いの?」

「えっ、あっ、その、あの、そんなわけないでございま候」

「碧くん、ついに日本語が不自由になったの?」

 

「デス栄くんはもう……ダメになってしまったんですよ」

和生はデス栄をフォローするように言ったのだが、全くもって意味がなかった。

 

「それにしても、2人は普通ね」

速水が腕を組み言うと、ミナトと和生はえへへ…と照れている。

 

「どうだ凛香!似合うだろ!」

「え、ええ。とても似合う………わよ」

和生はここぞとばかりに速水にアピールするが、ミナトは少し出遅れてしまった。

 

そこに、デス栄参戦。

「和生に奪われちまうぞ?いいのかミナト、彼女なんだろ……?」

「デス栄…俺の心配よりすることがあると思うぞ?」

 

 

「私たちは私たち、他の人は他の人よ…碧くん。私に接客、して?」

ミナトと神崎に指摘されると、デス栄は挙動不審な様子で伝票を持つ。

「かかしここままりました!ごご、ご注文は?うさぎ?それともコーヒーですか?」

「残念ながら私は和菓子の方が好きよ」

「あ、はい」

 

「デス栄!心がぴょんぴょんするネタをしてる暇があったら料理を手伝ってくれないか?当然材料持ってくだけの仕事だからね」

 

あまりの使えなさにデス栄はキッチン担当だと言うのにパシリ中のパシリになってしまった。

結局料理は和生とミナトが分担、デス栄は冷蔵庫と台所を何十往復するだけになった。

「デス栄!塩!」

「かしこまり!」

「デス栄!肉!」

「かしこまり!」

「デス栄!皿!」

「かしこま……じゃねぇよ!なんでパシリなんだよ!料理させろよ!」

デス栄は持っていた皿を床に思いっきり投げつけ、粉々に割る。するとそれを見たミナトがデス栄の方に向かい、デス栄の肩に手を乗せる。

「……凛香に何かあったら……マズイだろ?」

ミナトがものすごくイケメンな顔で神栄に言い放つと、デス栄はプンスカと怒り出す。

「なんでミナトはこういう時だけ和生より積極的なんだよ!」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

「有希…お客様…。わたくしはもう精神が終焉を迎えそうであります。こんなにベッタリくっついてたら、思考回路が壊れて死にそうです」

「碧くんはここ!ってところで何もできないのはなんでなの?別に怒ってるわけじゃないけど、気になるの」

 

ヘタレの核心に迫ることを平然と言ってしまった神崎は、デス栄の方をじっと見ている。

 

「ビ、ビビりなんだよ。失敗したらどうしよう。とか、変なことしないかな?とか、色々考えてしまうクセがあるんだよ。だから自分から行動を起こすより、人に動かしてもらう方が気が楽なんだ」

「じゃあ、それを克服するために、私をぎゅっと抱いて?まず簡単なことから始めて、そのヘタレ、治していきましょ?」

「……ほぇ?」

素の声で言うほど、神栄は何が何だか分からなくなっていた。

そんなことは置いておいて、なんとまさかのハグ宣言。ただでさえメンタルが死にかけているデス栄に強烈な追い打ちをかける神崎。

神崎はあくまでヘタレを治すためにやっているだけだと言うのに、デス栄は公開処刑と勘違いしている。

 

「か、神崎さん大胆だね。ねぇミナト」

「あ、ああ。とてもじゃないがハグしろって言われてはいハグします。なんて流石の俺も出来ないよ」

「おしとやかに見えて大胆。ものすごいギャップだね…すごい人だな神崎さん…」

 

2人が神崎の大胆行動に関心していると、マッハの囁きが聞こえた。

「2人もやっちまえよ……ほらほら、やっちまえよ……!」

完全に他人にバラす気満々の顔で殺せんせーはカメラのシャッターを押そうとしている。

(ここは…その場のあーだこーだで……)

(なんとかなるさ!!!)

2人の想いが一致した途端、2人は速水に近づいて、

 

「「な、なぁ凛香、俺らもするか!ハグ!」」

「……え?」

 

 

 

この後、神崎さんと神栄さん。和生くんとミナトくんと速水さんは他の客(クラスメイト)があるにも関わらず、あんなことや、こんなことをしていた。

どんなことをしていたかは口に出せないので、頭を働かせて妄想していただけるとありがたい。

 

「あーおくん!」

「うわぁあああああ!!!」

 

「「り、凛香ーーー!!」」

「…………!?」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「「「あ……ありがとうございました……」」」

「ねぇ、3人は今どんな気持ち!?神崎さんや速水さんにあーんなことやこーんなことをされて今どんな気持ち?自分たちが色々したりされたり……どーんな気持ち!?」

パシャパシャとカルマはげっそりとした3人を撮ると、満足した顔で店を出た。

 

「俺のいろんなモノが壊れた気がする」

「同感だよ。俺は大事なものを見失いかけた…」

「俺も、いろんな意味で死にかけた…」

最初は仲があまり良くなかった3人が、今では背中をくっつけ合い、仕事疲れの話を共有しあう仲にまで発展した。

 

もしかすると、殺せんせーはこれを目的に3人を働かせたのだろうか?

表向きは自分のお金の為だったが、こうして別次元の世界に住む人たちを同じ次元に送りこみ、最初はただの他人だと思っていた人たちをふとした理由からなんでも話せる最高の仲間にしようとしていたのか?

考えれば考えるほど、殺せんせーの考えは分からなくなっていく……。

 

「お疲れ様です。これで仕事は終わりですよ!」

「「「もう……ダメだ……」」」

 

仕事の終わりを告げられ安堵する3人だが、3人の仕事はまだ終わってはいないということを知る人は、殺せんせー以外誰もいなかった……。

 

 

「神栄…お前も大変だな」

「そうだね、神栄くんめっちゃ顔が碧ざめてたよ」

「お前らもそれなりに大変だろ……色々言ってすまなかった」

「俺たちもごめんな。これからは仲良くいこーぜ!」

「だな!」

 

「おや?みなさん仲良くなったんですか?」

殺せんせーが3人を見て言うと、

 

 

「「「おう!!!」

 

と、3人は銃を殺せんせーに突きつけ笑顔で発砲した……。

「にゅやーっ!殺そうとしないでくださいよ!!!」

 

「「「臨時ボーナスの100億が手に入ると思って……つい」」」

「そんなんで殺さないでくださいよ!!!」




僕はケチャップさんやトランサミンさんみたいに気の利いた言葉がパパンと出ないので、自分の思ったことを書きますね。
「こうして別次元の世界に住む人たちを同じ次元に送りこみ、最初はただの他人だと思っていた人たちをふとした理由からなんでも話せる最高の仲間にしようとしていたのか?」
これはリアルな3人の出会いを思い出して書きました。最初は僕たち3人は知人では無かったです。しかし、ふとした理由から色々お話しする機会があって、さらに実際お会いして作品のことはもちろん、作品以外の他のことを話し合うようになりました。
もうね、最高だよ。最高なんだよ!それしか言えないよ!そんな素敵な人たちとだからこそ出来たのがこの企画だと思ってます。素敵な出会いをありがとうございます!

とまぁ、そろそろ本当に感情的になるのでこれくらいにして、次はトランサミンさんの方で後編が投稿されます!
明日の21時からですよ〜。


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人物紹介の時間

ちょいと早めに人物紹介

『何でこーなんの?』みたいな事を思ったら、多分それは本編で触れます(多分ですよ、多分)


※04/16に神栄 碧という名前が出来るまで、を更新しました。
※4/21に神栄 碧の性格をアニメキャラで例えると、を追加しました。
※4/26に烏間先生の評価に付け足しをしました。
※5/2に東条 早希のプロフィールを追加しました。


神栄 碧(かみさか あお)

 

 

身長・173cm

体重・58kg

誕生日・10月3日

血液型・AB型

得意教科・社会

苦手教科・数学

趣味、特技・ゲーム、料理(?)

好きな食べ物・親子丼

嫌いな食べ物・甘いお菓子系ほとんど、トマト、アスパラガス

所属部活(前の中学校)・帰宅部

弁当派or買い食い派・買い食い

宝物・後日発表予定…………。

選挙ポスター 『キングオブ・ヘタレ』

 

 

 

作戦行動適切チャート(6段階)

 

 

戦略立案 ・6

指揮、統率・4

実行力・6

技術力・5

探査、諜報・4

政治、交渉・5

 

 

 

烏間先生の評価

 

全体的な能力はクラスでも上位だが、怒りなどで思考能力が低下し、せっかくの能力が台無しとなってしまう。精神面の成長が課題である。

最近は他人に頼ることが増え、暗殺の幅が広がった。今後どのような暗殺をするか楽しみな生徒だ。

 

 

 

E組生徒から見た神栄。

 

 

カルマ→簡単にハメられるいいカモ

磯貝→優しくて、いいやつ

岡島→扱いがヒドイ

岡野→カッコイイけど、ヘタレ

奥田→頭が……良い

片岡→カッコイイけど、毒舌

茅野→頭が良い

神崎→カッコよくて、ゲームが強い

木村→……なんだろうな……

倉橋→頼りになるー!

渚→友達思いのいい人

菅谷→こいつに絵を教えてあげたい

杉野→神崎さんを狙う悪い虫(と思い込んでるだけ)

竹林→ギャルゲー等の話で盛り上がれる唯一の人

千葉→その射撃を見習いたい

寺坂→チョーシ乗ってる

中村→いじりがいのある人

狭間→特にない

速水→カッコイイのに、ゲーマー

原→カッコイイ

不破→裏切りキャラっぽい

前原→毒舌

三村→ひねくれてる……かも

村松→強い

矢田→ハイスペックだけどヘタレ

吉田→様々な事をよく考えてる

律→良い人だと思います

 

 

 

 

神栄から見たE組生徒

 

 

カルマ→うぜぇ

磯貝→リーダーとして最適な人

岡島→ゲスい

岡野→ヘタレヘタレうるさい

奥田→一緒にいて安心する

片岡→悪魔

茅野→よく渚といるなー……

神崎→美人

木村→たまに話すだけ

倉橋→正直ついていけない……

渚→優しくて、相談に乗ってくれるいい人

菅谷→絵が上手すぎてちょっと引いた

杉野→なんか嫌われてる気が……

竹林→許せない人だけど、話してるといいやつ

千葉→目を見せて欲しい

寺坂→うるさい

中村→ちょっと嫌い(色々やられるから)

狭間→ネガティヴ魔女

速水→ツンデレだけど、いいとこある

原→是非料理を教えてもらいたい

不破→漫画の話をするけどマニアック過ぎてついていけない

前原→鈍感boy

三村→なんだろう………

村松→師匠

矢田→気になる娘第2位なだけあって可愛いと思う

吉田→ちょいワルだけどいい人

律→怖い

 

 

*カルマと渚以外は名字で呼んでます。(さん付けではない)

 

 

 

神栄 碧について

 

 

 

本編をみてわかる様に、ゲームが大好きで、ジャンルは問わないらしい。

アクション、RPG、スポーツゲーム、エ○ゲーなどなどをやれるので、もしかしたら岡島よりエ○いかも……しれない。

昔からモテてはいたのだが、他人に全く興味のなかった神栄は告白されても全て断っていたらしい。(むしろ二次元にきょうm……《自重》)

今は克服し、色んな人と仲良くなろうとしている。

ちなみに好きなひt…………「変なこと言うなぶっ殺すぞ?」

 

invisible「……………はい」

 

 

 

 

 

◇神栄 碧という名前が出来るまで◇

 

 

何故、《かみさか あお》という名前になったかと言うと……

 

 

 

 

 

とあるのキャラの上条と御坂を合わせただけです。

 

深い意味はありません。

 

………と言うか、本来神栄君はとあるのSSで出すつもりで、当時神栄 碧ではなく、白井 碧でしたw

作者は白井 黒子の兄弟、という謎設定で話を作りたかったのです。

 

 

今になったら、「なんでこんなのやろうとしたんだろうね」と思うだけですがね

 

 

 

で、いざ作ろう!となったら、当時暗殺教室が面白くなってるらしくそれを読み始めたら、

 

 

「暗殺教室のSS書いてみたい!」となり、名前を神栄に変更したのです。

 

 

 

ただ………それだけです。

 

 

 

 

 

神栄の性格をアニメキャラで例えると……

 

 

(超劣化版)比企谷 八幡

理由、いちいち屁理屈言うから。(作者の)語彙が貧困な為まともな事が言えない。

 

本当、すいません……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄 茜音(かみさか あかね)

 

 

 

身長・170cm

体重・48Kg

誕生日・10月3日

血液型・AB型

得意教科・英語

苦手教科・理科

趣味、特技・人心掌握・運動全般

好きな食べ物・サラダ

所属部活(昔の中学校)・帰宅部

弁当派or買い食い派・弁当

宝物・碧とのツーショット写真

 

 

 

茜音については本編で触れるのでカット

 

 

 

 

 

東条 早希(とうじょう さき)

 

年齢・36歳

身長・175cm

体重・☆☆

誕生日・5月1日

血液型・A型

趣味、特技・運動以外はなんでも

好きな食べ物・中華料理

 

 

東条さんはアニメキャラで例えたら俺ガイルの雪ノ下 陽乃さんに似てますね。(ほとんどパクリみたいなものですが)

でも運動が清々しいほとできず、体育の成績は毎回2か1だったとか……。

その分勉強は茜音と碧よりも出来て、苦手教科が無く、大学受験も1問間違えただけで後は満点だったらしい。

「リア充」と言う言葉に敏感で、モテるのに彼氏を作ろうとしない、ちょっと(いや、相当)変わった女性。

 

 

 

 

 

以上です。

 




何故誕生日が10月3日なのか、と言うと……。


ya●ooで『正義感の強い人がよく生まれる日』と検索したら出てきたからです。

ただそれだけです。

恋愛に関しても結構いいらしいです。




4/21に追記しました。

よく暗殺教室のSSなどで、このオリジナルキャラは見た目がこのアニメキャラに似てる、とかありますよね?

僕はみなさんの想像にお任せしたいと思います。


何故かって?作者のセンスがひどいからさ
(作者は黒髪verの一方通行がいいと思います)

ただ………それだけです。


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第一回茶番の時間

私、invisibleが考えた、自分の自分による自分の為の自己満足作品です。

 

 

本編に触れます。(主に恋愛)

 

 

台本形式で、地の文はほとんど…………というかありませんw

 

 

 

invisible(以下イン)と神栄の対談です。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

2人はinvisibleの(汚い)部屋でお話ししているようです。

 

神栄「あのさ、俺って、どんなキャラなの?」

 

 

イン「ヘタレ系天才キャラ?」

 

 

神栄「なにその新しいキャラ」

 

 

イン「うるせー、次回(52話)お前活躍するからいいだろ!」

 

 

神栄「てかよ!お前高校生だろ?よくこんな駄文続けてられるよな(笑)」

 

 

イン「恥ずかしいさ!でも、こんな駄文でも感想とか書いてくれる人がいると、『よし、また頑張ろう!』ってなるんだよ!」

 

 

 

神栄「うわ、『いい人アピール』してきやがった!キモ」

 

 

イン「べ、別にそーゆー訳で言ったつもりはないし!?」

 

 

神栄(図星か……)

 

 

神栄「……で?なんの為に俺を呼んだ?」

 

 

 

 

 

イン「え?それは……………。

 

 

 

 

 

 

 

お前の好きな人だr……」

 

 

 

神栄「それ以上言ってみろ、お前のバラ色高校生活ぶっ潰すぞ」

 

 

イン「すいませんそれだけは勘弁してください。友達いないけどそれだけはやめて」

 

 

神栄「お前が中学の時破壊的に頭悪かったり、キレて掃除用具入れぶち壊したりしたこと公に公表してもいいのか……?」

 

 

 

イン「ダメだそれもう言ってる」

 

 

神栄「………で?他ないのか?無いなら帰る」

 

 

イン「いやぁ、お前は今後どんな感じで行きたいの?」

 

 

神栄「どんな感じ、か……。2学期期末でカルマに勝って……可愛い人とお付き合い……とか?」

 

イン「1つ目は保留、2つ目はお前次第、だな」

 

 

神栄「マジで!?!?」

 

 

イン「お前次第、だ」

 

 

神栄「よっしゃ俺とある科学の超電○砲の佐天さんと結婚すr……」

 

 

イン「てめぇ、佐天さんと結婚するのは俺だ。お前はニセ律とでも愛を育んでやがれ」

 

 

 

神栄「あぁ!?やんのかこら!」

 

 

ケンカターイム!!!!!!!

 

 

 

5分後、

 

 

神栄「こいつ……強いな……!」

 

 

イン「へっ!俺だって空手やってんだよ!日本代表だぜ!日本代表!」

 

 

 

神栄「嘘くせぇ…………!」

 

 

イン「はい、嘘でーす」

 

 

 

神栄「殺す……!!!」

 

 

 

イン「空手やってるのは本当」

 

 

 

神栄「そ、そうか」

 

 

イン「で、どの道お前は誰かを好きになるんだよ」

 

 

神栄「バカじゃねぇの!俺が女子を好きになる?なるわけねぇだろ!」(フラグ)

 

 

イン「まぁ……楽しみにしてなよ!」

 

 

神栄「絶対好きにならねぇ、E組の中では好きな人できねぇ!絶対だ!」(フラグ)

 

 

ガラッ!と誰かがやって来た。

 

 

殺せんせー「おや、作者じゃないですか、これはどうも」

 

 

イン「殺せんせーか、こりゃどうも」

 

 

殺せんせー「私の出番が少ないんですけど!」

 

 

イン「仕方ないだろ、あんた完全防御形態だから」

 

 

殺せんせー「そうですか」

 

 

ビュン!とマッハで何処かへ行ってしまった。

 

 

イン「あれが殺せんせーか」

 

 

神栄「変態さんだけどな」

 

 

イン「また暇だったら呼ぶわ、来なかったらニセ律と結婚ルートな」

 

 

神栄「死ね」

 

 

 

 

イン「とりあえず、お前はこの夏休みで誰かと付き合うor好きになる、ってのはもう決めたからw」

 

 

神栄「その○想をぶち壊す」

 

 

 

そして、神栄は部屋から去ってしまう。

 

 

 

イン(今まで考えていた、『神栄と付き合う人』は、今から言う人たちです。

 

 

速水・神栄ペア

倉橋・神栄ペア

矢田・神栄ペア

神崎・神栄ペア

律・神栄ペア(!?)

 

これらですかね。

 

 

律は真面目に考えてました。結構最近まで………。

 

 

この中だと思います、多分。

 

 

 

一瞬、原・神栄ペアが頭をよぎりました。

 

料理がすごくできる人と、料理が全く出来ない人(本人は自覚なし)のペアとか、面白そうじゃないですか。

 

 

 

以上、自己満足作品でした。ここまで見てくれてる方、ありがとうございます!)

============================

 

 




果たして第二回はあるのか?


それと、本当にニセ律との結婚ルートを考えてしまった。


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作者、誕生日の時間

どうも、invisibleです。今日は残念ながら本編の更新はありません。

 

 

 

 

 

今日は僕の誕生日なんですよ。

 

 

でも、でもですよ!

 

 

 

友達がいない僕は、誰にも祝ってくれないんですよ(家族除く)

 

 

だから、E組の皆さんに祝ってもらうことにしました。

 

 

 

地の文なんか、ない。

 

 

安定の台本形式ですよ。

 

============================

 

 

イン「君たちに集まってもらったのは他でもない。さぁ、今日誕生日だから俺を祝ってくれ」

 

 

 

全員「却下」

 

 

 

イン「うん………え!?」

 

 

 

神栄「なんでだよ、あれだぜ?村松とか怒ってたよ?「俺のこと(キャラ的に)好きなくせに出番ねぇんだけど?」とか、吉田とか狭間とか原とかも怒ってた」

 

 

イン「そ、そうか、村松は夏休み編でちゃんと出番あるから(笑)」

 

 

村松「マジか!」

 

 

イン(吉田と狭間と原は出番無いけどな……)

 

神栄「てか、今後の内容について聞きたいのだが……?」

 

 

 

イン「突然すぎる」

 

 

 

 

神栄「はよ言え」

 

 

 

イン「おいおい、今日は俺の誕生日だぜ?たまには休ませr…」

 

 

 

神栄「毎日投稿してたんだから、文句言ってんじゃねぇぞコラ」

 

 

 

イン(ヤベェマジで怖い……)

 

イン「どこのブラック企業だよ!

 

 

 

 

 

 

えーっと、今後はですね、下の様な感じです。

 

ホテル編→オリジナルストーリーを何話かぶち込む→始業式→"狂気"編→原作通り日常話→イトナ編→コードネーム編→体育祭編→わかばパーク編→死神編……みたいな感じですね」

 

 

神栄「"狂気"編ってなに?」

 

 

イン「長編オリジナルストーリーだよ。正直この話は楽しみにしてる」

 

 

神栄「なんで?」

 

 

イン「それは言えないな……。ああ、それと、ホテル編が終わった後のオリジナルストーリーは10話位いれようと思っています。結構ありますね(笑)」

 

 

そんなことを言ってると、烏間先生とビッチ先生がやってきました。

 

 

ビッチ「あら?作者じゃない。え?あんた今日誕生日なの?なら私が脱いであげるわ……」

 

 

 

イン「是非見せてくださグハッ!」

 

 

茅野「作者さん。少し黙ろうか」

 

 

 

イン「ビッチ先生の事がキャラ的に嫌いでも、一度は見てみたくないか?ビッチ先生の裸」

 

 

 

ビッチ「キャラ的に嫌いってなによ!」

 

 

岡野「茅野っちの後ろに『ゴゴゴゴ!!』って見えるよ!作者やめときな!殺られるよ!」

 

 

イン「ビッチ先生、裸の件はまた別の場所で………」

 

 

神栄「変態だ………。終末期よりひどい……」

 

 

イン「エ○ゲーやってるお前に言われたくないわ」

 

 

神栄「はぁ?ギ○ルゲーとかはやるけど、エ○ゲーはやらねぇよ」

 

 

 

イン「ふーん、あ、なんか欲しい展開ある?」

 

 

神栄「話変えてんじゃねぇよ…」

 

 

 

杉野「神崎さんと付き…」

 

 

イン「どの道お前無理だろ(笑)」

 

 

 

 

 

杉野「嘘………だろ!?」

 

 

イン「だって神崎さんはお前の事『友達』だと思ってんじゃん。『恋人』までには絶対行かないだろ」

 

 

 

神崎「………」(満面の笑み)

 

 

 

杉野「俺の青春は間違ってるのかあああああああ!?」

 

 

神栄「間違ってるね」

 

 

 

 

イン「オリジナルストーリーでは、先ほど言った通り、村松以外の人も出します。個人的には本当村松の話楽しみだよ?話はまだ書いてないけどね」

 

 

村松「さっさと書け」

 

 

 

イン「神崎さんのも楽しみだ。あれは3話くらいかかるかもしれない」

 

 

 

神崎「そ、そうなの?」

 

 

 

神栄「あんま期待しないほうがいいぜ、そんなこと言ったって1話で終わるんだよ……あいつは」

 

 

 

磯貝「流石美術の筆記テストで全問答え書いたのに0点だっただけあるな」

 

 

イン「全く関係ないだろーが!それ」

 

 

 

 

不破「あと、(中学の)友達と交番前で堂々とチャリを並走してたらしいね、案の定レッドカード喰らったってよ」

 

 

 

イン「それ、確か卒業式の次の日だっな……結構最近の思い出だ」

 

 

 

 

中村「あとあれでしょ?今週の火曜日、ぎっくり腰になって先生におんぶされたらしいよ(笑)」

 

 

 

イン「お前ら、な?マジでつらいぞあれ。親とかが苦しむ理由がよくわかったよ………」

 

 

 

神栄「そんなのどうでもいい」

 

 

 

イン「ん?」

 

 

 

 

神栄「はよ書けや、続きを」

 

 

 

イン「嫌じゃああああ!!今日はゆっくりさせてくれぇぇ!!!」

 

 

 

 

神栄「あ、そうだ」

 

 

 

イン「ん?」

 

 

全員「遅れたけど、タンジョウビオメデトー」

 

 

 

イン「テキトーに言うんじゃねえええええええ!!!」

 

イン「でも嬉しい」

 

============================

 

 

 

 

 

イン「………とまぁ、こんな感じで今後もやっていくので、よろしくお願いします。

 

 

"狂気"編についてはいつか説明があります。

 

 

"狂気"編では地味〜にオリジナルキャラをぶち込みたいと思います。

 

 

 

以上、最初は活動方針、最後は昔話のコーナーでした」

(今回の話は作者の誕生日を祝う話です)

 

 

 




はよ"狂気"編書きたい。


その為には早く(作品内の)夏休み終わらせないと……


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情報の時間

普通に茶番です。

 

 

 

今回は"狂気"編についてですかね。

 

 

 

 

安定の台本形式です。

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

イン「今日は"狂気"編についての情報を話すよ」

 

 

 

神栄「お、おお」

 

 

イン「"狂気"編では主に神栄 碧と神栄 茜音がメインです。2人しか出ないわけではありませんよ?とりあえずE組の人は全員でるかな?多分ですけど」

 

 

 

神栄「俺がメイン……か、いつものことだな」

 

 

 

イン「"狂気"編で、神栄君は死にかけます。神栄君はちょっとの間息しません」

 

 

 

神栄「は?何言ってんだよおまえ」

 

 

 

イン「それと、"狂気"編が終わっても茜音さんがE組に来ることはありません、これは決定事項です。理由は2学期が始まったらすぐにわかります」

 

 

 

神栄「来なくていいよ、あんなやつ」

 

 

イン「それと、完全オリジナルストーリーにする予定なので、変なところもあるかと思います。その辺は(優しく)指摘してもらえると助かります」

 

 

神栄「作者は表情を表に出さないけど、内心傷ついてることよくあるからな、豆腐メンタルだし」

 

 

 

イン「前にも伝えましたが、"狂気"編は5〜10話くらいの長編になるかもしれません」

 

 

神栄「きっと嘘だ。そんなに書ける訳がない」

 

 

イン「いや、"狂気"編は本気で行くよ?超☆頑張るから」

 

 

 

神栄「それ、今まで本気出してなーい!って言ってるようなもんじゃないか」

 

 

 

イン「気にしたら負けです」

 

 

 

イン「つーか、"狂気"編で神栄殺してもいいんだよ?あんまりカンに触ること言わないほうが身のためだよ」

 

 

神栄「マジかよ……」

 

 

 

イン「"狂気"編は竹林の話が終わったらすぐに入れたいと思います。茅野さん、もう少しメインの話はお待ちくださいね」

 

 

神栄「かわいそう……」

 

 

 

イン「それと、"狂気"編には鷹岡 明がほんの少し登場します。本当に一瞬ですけど」

 

 

神栄「あいつかよ……出てこなくていいんだけど……」

 

 

イン「情報はこのくらいですかね、あ、最後に1つ」

 

 

 

神栄「こんなに教えていいのかよ……」

 

 

イン「茅野が触手持ってなかったら、ここで茜音がシロと組んで、触手細胞を神栄君にぶち込む予定でした。それで神栄君が暗殺、といった感じですね」

 

 

 

神栄「予定かよ」

 

 

イン「以上、"狂気"編についての情報でした。これを信じるか信じないかは、あなた次第です」

 

 

 

============================

 

 

イン「"狂気"編が終わると、長編オリジナルストーリーは多分ありません。ちょくちょく短編オリジナルストーリーが何話か入るくらいですかね………」

 

 

 

 

イン「それと、いつも感想や指摘など、ありがとうございます!感想などが来たりすると頬が緩むんですよ?マジで。だから、これからも『神栄 碧と暗殺教室』をよろしくお願いします!!!!!」

 

 




ちょうど1111文字で終わった……w

"狂気"編についての質問、できる限りお答えします。


答えられないこともあるので、『お答えできません』って言われても怒らないでください。


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第二回茶番の時間

 

 

どうも、invisibleです。

 

 

また新しい長編オリジナルストーリーでも書こっかなーとか思ってます。その内容はまた後で………

 

 

 

 

さて、今回はタイトル通り茶番です。

 

 

 

 

 

 

台本形式で、E組の皆さんとお話ししながら喋りまーす。

 

 

============================

 

 

イン「やぁ」

 

 

全員「やぁ」

 

 

イン「んで……とりあえず話そうか」

 

 

神栄「突然悪いんだけどさ、お前、オリジナルストーリーってどんな感じで書いてんの?」

 

 

イン「いやぁ……やりたいと思ったら即書いてる。頭の中で考えてるんだけど、結局違う展開とかになってる。一番酷かったのはあれだ、神栄の実家の話だ。あれは楽しくギャグ有りで終わらそうとしたらシリアスな感じで終わらせてしまった」

 

 

 

磯貝「なんかアレで俺変なキャラとか言われなかったかな……」

 

 

イン「想像(妄想)してることと、実際書くことは約60%違います。一番妄想してたのと書いてたのが変わらなかったのは"狂気"編だな、あれは妄想通り行きすぎて逆に怖かった」

 

 

神栄「マジか」

 

 

 

イン「あと、村松の話なんか本来無いはずだったのに、なんか書いてしまったからな?」

 

 

村松「えぇ!?」

 

 

イン「本当はね、村松と神栄が手を組み、(激マズ)ラーメンを作る話だったんだ。いつかボツ話として載せようかな」

 

 

村松「ぜひ」

 

 

イトナ「やめとけ村松、死者が出る。ついでにかみかさもだ」

 

 

 

神栄「かみさかな?かみかさじゃないからな?」

 

 

イン「あと……なんかボツ話あったかな……あ」

 

 

 

神栄「『あ』って何?『あ』って」

 

 

イン「今面白いの考えた」

 

 

 

神栄「何?」

 

 

イン「相当前にさ、『男子会の時間』ってあったじゃん?」

 

 

神栄「あー、あの闇鍋な」

 

 

渚「アレから神栄君の料理はトラウマものになったよ……」

 

 

 

イン「男子会があるなら、女子会もやろうじゃないか!!!」

 

 

 

 

女子全員「おーーー!!」

 

 

イン「そんなわけでいつか『女子会の時間』を書こう」

 

 

 

神栄「へー」

 

 

 

イン「あと、みんなでカラオケ行く話とかも良さそうだよな。候補に入れとこう」

 

 

 

カルマ「神栄音痴の予感」

 

 

イン「言ったらあかん」

 

 

カルマ「はーい」

 

 

イン「あ、あと、地味に重要な話します」

 

 

 

全員「作者が……重要な話……だと!?」

 

 

イン「結構前に、『茜音さんはE組に来ることはない』とか言いましたよね?」

 

 

神栄「言ってたな、マジ来なくていいあいつ」

 

 

 

イン「それなんですが、今少し考えているんですけど、結構な確率で入るかも……です。多分ですけどね?」

 

 

 

 

神栄「はぁ!?死ね作者!来んな来んな来んな!」

 

 

イン「まだ正式に決まってるわけじゃないんだし、いいだろ」

 

 

 

 

神栄「あいつがE組に来る件は、無しの方向で検討してください」

 

 

イン「前向きに検討します(ニヤけ顔)」

 

 

神栄「うぜえ……」

 

 

 

イン「最後に一つ、長編オリジナルストーリー第二弾は、なんと………!!!!!!」

 

 

 

 

全員「なんと……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イン「神栄君の過去編です!!!」

 

 

 

 

 

全員「ひゃっほーい!」

 

 

 

神栄「俺の過去編?なんかあったかな……」

 

 

 

イン「神栄の過去編から、神崎の話へと……そしてゴールイン!みたいな?」

 

 

 

神栄「死ね」

 

 

 

イン「……とまぁ、最近、なんやかんや言い訳言って更新できないのですが……今後もよろしくお願いします。そろそろ夏休みなんで書きまくりたいです……」

 

 

 

神栄「お前……明日期末テストじゃね?」

 

 

 

イン「あ」

 

 

 

 





過去編書きてえええ!

明日からのテスト………頑張りまーす……


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ボツ話 ラーメンの時間


みなさん、僕は生きてます


過去編書くのがめんど……疲れたので、本来載せるつもりだったけどなんか出来なかった話を加筆修正して載せます。

今回の主人公はラーメンだ!!!





 

夏休み、殺せんせー暗殺旅行が終わりひとまずすることが無くなった俺は、ゲーム調達をしに外へ出た。

 

 

 

なんと言うか、暑い。

 

 

ニュースでは記録的猛暑とか、過去最高気温を観測した地点が過去最高に多いとか言っていてもう色々わかんねぇ。

 

 

要は暑い!って事だろ?ならそう言いやがれ。

 

 

……と思いつつ俺は店へと向かう。

 

 

 

 

すると、神栄は近くに少し大きい店があるのを見た。

 

 

「……ん?なんだこのオンボロの店は……」

 

 

 

見る限り営業しているのかすらわからない店で、のれんはボロ切れと化して、なんかこう、昭和からある店みたいだった。

 

 

 

「松…来………軒か、匂い的にラーメンだな、腹減ったし、行ってみるか……」

 

 

 

 

匂いと言う名の誘惑に負け、神栄は店に入った。

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「へい、らっしゃい!」

 

 

 

「うおっ!すげぇラーメン屋って感じがするな……」

 

 

 

とりあえず席に座り、メニューを見る。

 

 

 

・醤油ラーメン

・味噌ラーメン

・とんこつラーメン

・サラダ

・親子丼

・カレー

・たらこスパゲッティ

・ミートソース

・焼き鳥

 

 

……etc

 

 

「……!?」

 

いやいやいや、ここラーメン店だよね?

 

 

なんでラーメンより他のメニューの方が多いんだよ。あれか、ここはラーメン店と言う名のサイ○リアか!?

 

 

「えーっと………醤油ラーメンください」

 

 

「おう!」

 

 

 

 

 

やたらラーメン以外のメニューが多いが、ラーメンの作り方はちゃんとしている。

 

 

 

3分も経たないうちに完成し、俺のいる机まで持ってきてくれた。

 

 

 

「ヘイお待ち」

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

まず、飯を食べるときは匂いから。

 

 

これ鉄則、テストに出るから覚えときなさい。

 

 

そしてれんげでスープを飲む。

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

 

 

なんという美味さ!

 

 

きっとすごく美味しいこの店特製の醤油を使用しているに違いない!

(違います)

 

 

 

「美味しいですねこれ、どーやって作ったんですか?」

 

 

 

 

「………………美味しい、だと?」

 

 

 

店の人は固まっている。きっと嬉しいんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「…………ええ、美味しいですけど」

 

 

 

店の人は走って厨房に入ったかと思ったらその奥の部屋に向かった。

 

 

 

「おい拓哉!俺の料理を美味いと言ったいつもの人たち以外の人が現れたぞ!!」

 

 

 

 

ここからでも聞こえるほど大声で言うと、その拓哉とか言う人も驚いていた。

 

 

「まじで!?!?」

 

 

 

…………ん?この声、聞いたことあるな………。

 

 

 

そういえば、誰か家がラーメン屋やってるとか言ってる奴がいた気がする。

 

 

 

確か村松だよな。村松……あいつ下の名前なんて言うんだっけ?

 

 

 

 

ドタバタと階段を降りてきた音が聞こえ、そこに現れたのは

 

 

 

 

 

 

 

村松だった。

 

 

 

 

「………………お、村松じゃん」

 

 

 

「神栄だったのか………さすが味覚が破壊されてる奴と言われてるだけあるな」

 

 

 

味覚が破壊されてる?俺が?

 

 

 

バカも休み休み言って欲しいものだね。一体俺のどこがいけないってんだ。

 

 

 

そりゃ確かに俺は料理特異だよ?でも、得意でもあるんだから!

 

 

 

 

 

「村松さん、俺このラーメン大好きです!俺も作りたいです!こーゆーの!」

 

 

 

「おぉ、わかってくれたか!なら新作メニューで作るか!こりゃ楽しくなってきた!」

 

 

村松のお父さんはノリノリだ。

 

 

俺は厨房に入り、借りたエプロンを付ける。

 

 

 

 

 

「やめとけ神栄……つかやめろ」

 

 

「うるせぇ!俺は村松さんと神と言われる位美味いラーメン作って金儲けしてやる!」

 

 

 

「………もういいや…勝手にしやがれ」

 

 

 

 

 

こうして、2人の最高(にマズ)過ぎるラーメン作りが始まった。

 

 

 

 

============================

 

 

 

「………これで出来た!」

 

 

 

あれから約2時間かかった。でも2時間かけただけあって最高のラーメンが出来た。

 

 

村松さんと俺は味見をしたので、村松にしてもらおうとした。

 

 

 

すると村松はすごい拒否してきたので、神栄が渚、カルマ、杉野を連れてきた。

 

 

 

「これは前の俺の料理とは違うやつだぜ、最高のラーメンだ!!!」

 

 

 

村松さんはどこかへ行ってしまった。

 

 

せっかく美味しいと言われる瞬間なのに、もったいないなぁ……。

 

 

 

 

「は……はぁ…」

 

 

 

 

やたらやる気満々の神栄の熱さについて行けない3人は、目の前に出されたラーメンをジロジロと見る。

 

 

 

 

「これ……有毒物質とか入ってないよね?」

 

 

 

 

「渚、お前どんだけ信用してねぇんだよ。入ってねぇよ」

 

 

 

「それじゃ……いただきます」

 

 

 

 

3人は箸を持ち、麺を取る。

 

 

 

少しづつ口に近づくのを見ると、なんかこっちはドキドキする。

 

 

 

まぁ俺が料理したやつだから渚達もきっと「美味い美味い!」と嬉しい悲鳴をあげるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄の想像は、いろんな意味で正しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉野は食べた瞬間箸を落とし、トイレに直行した。

 

 

 

 

カルマは何も言わずに水を飲みまくった。

 

 

 

 

渚は今にも吐きそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレからは悲鳴が聞こえ、カルマからは「殺人兵器だ………」と言われた。

 

 

 

 

 

 

 

嬉しくはない悲鳴があちこちで聞こえた。

 

 

 

「おいぃいいぃ!?なんでお前らそんなに不味いって言うんだよ!」

 

 

 

神栄もラーメンを食べるが、

 

 

 

「うまっ!美味すぎるだろ!」

 

 

 

「「「まずいわ!!!」」」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

結局全部神栄が美味しくいただきました。

 

 

 

「………ったく、どこが不味いのか…………」

 

 

 

「ほぼ全部」

 

 

 

「ひでぇ………」

 

 

「まぁいいや……村松さん!これ、お代です」

 

 

 

 

 

俺はさっき自分が食べた分のお金を払い、一応挨拶をして店を去った。

 

 

 

それと同時に渚達も店を去った。

 

 

「何なんだよアレは!初めて食ったよあんな殺人兵器食材!」

 

 

「俺が作ったメシにケチつけるのか!」

 

 

 

「まぁまぁ、神栄君も落ち着いて……」

 

 

 

渚が杉野と神栄を止めると、神栄はカルマがケータイを見ているのに気づいた。

 

 

 

「何してんだ?」

 

 

 

「ん?明日なんかちょっと遠い所にあるゲーセンで大会があるとか書いてあったから……」

 

 

 

「大会かー、俺には関係ない話だな」

 

 

 

 

 

 

俺はこの時知らなかった。

 

 

 

 

カルマの言ってることが関係ない話ではないことを………。

 





この後、神崎さんとゲーム大会という流れです。


これ書いてたらラーメン食べたくなってきました。


僕は醤油ラーメンが好きです


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クリスマスの時間 その1


メリークリスマス(怒)

どうもinvisibleです。番外編ばっかりですいません。

最近、たくさんの方の暗殺教室の二次創作を読んでるのですか、その中で多くの作品でヒロインとして活躍してる人がいるんですよ。作者の勝手な偏見ですが。

で、その人を主人公(?)として、某ヘタレといろいろするって話を今日と明日、2日間連続で投稿しようと思います。

今日と明日では人が違いますがね、


最後に1つ、この話は『全て』作者の妄想です。某ヘタレは全く悪くないです。


『クリスマス』

 

 

人間の光(彼氏彼女といちゃいちゃしてる人)と闇(それを見て殺意丸出しにしてる人)が垣間見えるリア充最大のイベントである。

 

 

 

非リアの方には申し訳ないのだが、俺こと神栄 碧はどちらかというと光の方である。

 

 

 

なぜなら………

 

 

 

 

 

 

彼女がいるからだ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

12月24日、クリスマスイブ。

 

 

 

冬休みなので神栄は朝に寝て昼に起きるという超不健康な生活を送っている。

 

 

だが今日は珍しく夜にしっかり寝て、朝に起きた。

 

 

現在朝9時

 

 

「ふわぁああ〜〜……今日も積みゲーの消化するか…」

 

 

そう言って乱暴に積まれたゲームのケースを崩す。

 

 

 

バラバラになったケースから無作為に選んだゲームが今日のお供である。

 

 

 

今日は理不尽ゲーとして知られる『みんゴル〜7人の勇者と魔王〜』だ。

 

 

メインはゴルフゲームと言ってるくせにバトル要素が9割で、レベル上げに時間がかかる上、ミッション内容が鬼畜過ぎるゲームだ。

 

 

ちなみに初っ端のミッションは

『パー5のコースをバーディー以上でキメろ』だ。鬼畜だよね?鬼畜……だよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄はゲームを起動しようとボタンを押した時。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

とベルが鳴った。

 

 

 

何だ?何か頼んどいたっけ?と思い出そうとすると、今度はノックをしてきた。

 

 

 

「はいはい俺は居ます居ます。せっかちな人だなぁ……って」

 

 

 

 

ドアを開けて出てきたのは、矢田 桃花だった。

 

 

 

 

「……随分珍しい人が来たもんだな。どうした?また買い物か?」

(第64話、第65話、第66話参考)

 

 

 

「ううん、違うよ。今日は……その……」

 

 

 

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

「デ……デートをしたいな………と」

 

 

 

「ファッ!?!?」

 

 

 

 

 

突然のデート宣言。ワタシカノジョイルケドアナタジャナイノ。ドウシヨウ。

 

 

 

「もしかして……予定ある?」

 

 

 

 

「いやいやいや!?無いよ!全く無い!」

(積みゲーの消化あるなんて口が裂けても言えない!)

 

 

 

 

 

こうして神栄の忙しいクリスマスイブが始まった。

 

 

 

===========================

 

 

 

笑顔で歩く矢田の隣では、眠気に襲われている神栄がいる。

 

 

「………何買うんですかね」

 

 

 

「んー?何かなー?」

 

 

 

 

「………え」

 

 

 

まだ決まってないのか。

 

 

「そっか。ならその辺フラフラして行くか」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

何という笑顔……!眩しい!!

 

 

 

 

 

 

 

数十分歩いて、矢田が何かを見始めた。

 

 

 

「あ………」

 

 

 

それに気づいた神栄は

 

 

 

「どうした?なんか欲しいもんあったのか?」

 

 

 

「え?あ、その……」

 

 

 

 

「よし、行こうか」

 

 

 

 

そう言って神栄は手を出した。

 

照れっとしながら矢田は神栄の手を握った。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

「これは………カフェ?」

 

 

 

「うん。私の好きなものがあって……食べたいな〜って思って……」

 

 

 

「そっか、ならいいぞ。食べるか」

 

 

 

 

「うん!」

 

 

笑顔!最高!!

 

 

 

 

 

 

店に入るとカップルがやたら多い。非リアには耐えられない空間だろう。

 

 

 

まぁ、非リアじゃないですけどね。

 

 

 

 

 

非リアじゃないんですけどねぇ!?

(大事な事なので2回言いました)

 

 

 

 

一席だけ空いてたので、そこに座ると店員が笑顔でメニュー表とお冷を持ってきた。

 

 

「今日はクリスマスイブなので、特別なイベントがあるのですが、ご存知ですか?」

 

 

「……は?知らないんですk「はい。知ってまーす」

 

 

 

え!?知っててきたの?

 

 

ハメられた……?

 

 

 

「では説明は省きますね。ごゆっくり〜」

 

 

 

 

「………で、なに。特別なイベントって」

 

 

 

店員が去った後にボソッと神栄は矢田に聞く。

 

 

 

「んーと、何というか……カップルっぽい事を複数回すれば割引されるんだよ!」

 

 

「何その曖昧な表現。カップルっぽい事って何」

 

 

「例えば………キ………とか」

 

 

 

「……?」

 

 

 

「そそそんな事より注文しようよ!」

 

 

 

 

結局何が言いたかったのかよくわからなかったが、とりあえず注文する事にした。

 

 

 

「お待たせしましたー」

 

 

「オレンジジュースください」

 

 

 

「『お1つ』ですね?」

 

 

「え、2…」

 

 

「『お1つ』ですね?」

 

 

 

何この圧力。怖い怖い超怖い。

 

 

「じ、じゃあそれで……」

 

 

 

「かしこまりました♡」

 

 

殴りたい、この笑顔。

 

 

 

「あとはカルボナーラ1つお願いします」

 

 

 

矢田が頼むと、店員は去っていった。

 

 

 

 

(どっちも1個?俺だけ食べるの?)

 

 

 

「楽しみだねー」

 

 

 

「え!?あ、そうだな」

 

 

そこから沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

 

数分待つと、オレンジジュースとカルボナーラが来た。

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

 

 

「………………ナニコレ」

 

 

 

 

別に珍百景とかでは無いのだが、ジュースの隣にあるストローがもう、アレである。

 

 

 

 

 

 

 

"恋人同士が飲むときのあのストロー"

 

 

 

 

 

1つとか言うからなんか怪しいと思ったが正解だった。

 

 

 

 

「おい………!」

 

 

「さぁ、飲もう」

 

 

 

「さぁ、じゃねーよ、何でだよ」

 

 

 

「………………割引の為?」

 

 

「え、あ、そうなの?」

 

 

 

 

てっきりリア充感を演出してたのかと思ったが違うのか。

 

 

 

まぁ、割引の為なら………。

 

 

 

2人は顔を近づけ、ストローを口に付ける。

 

 

 

店員がジロジロと見ているのが見える。

 

 

 

「……美味いな」

 

 

「……そうだね」

 

 

 

会話がすぐ終わってしまう。

 

 

 

割引の為に神栄は何かを犠牲にした気がした。

 

 

 

矢田は嬉しそうだが……。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

先にオレンジジュースを飲んでしまったので、次はカルボナーラを食べなければならない。

 

 

 

「な、ん、で、フォークが1つなんだよ!」

(それって間接キスしろって事だよな!?!?)

 

 

 

 

 

「まぁまぁ……」

 

 

 

 

そう言って矢田はカルボナーラにフォークを刺し、くるくると巻く。

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

「はい、あーん♡」

 

 

 

 

 

「………え。嘘だろ……!?」

 

 

 

 

「嘘じゃないよ。はい、あーん♡」

 

 

 

 

まさかここまで恥ずかしいとは……。神栄がもう2度とやらないと心に決めた瞬間である。

 

 

 

 

「あ……あーん」

 

 

 

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

パシャッ!

 

 

 

 

と光と共に音がした。

 

 

 

 

 

 

 

神栄はフォークを噛んだままヌッ!と立ち上がり、音と光があった方向へゆっくりと歩き始めた。

 

 

「え…神栄君?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………おい」

 

 

 

 

 

「は………はい……」

 

 

 

撮ってしまった店員は涙目で返事をする。

 

 

 

「それ…貰っていいかな?」

 

 

「は………はい……」

 

 

 

 

反抗したら殺されると思ったのか、素直にカメラを渡した。

 

 

 

 

ピピピピピ!!

 

 

 

ものすごい速さで神栄はフォルダにあった先ほどの写真を消し、最後に……、

 

 

 

 

 

 

グシャッ!

 

 

 

とカメラを握りつぶした。

 

 

 

 

 

「あああぁっ!カメラ!なんてことするんだ君!」

 

 

 

 

 

 

「金ならいくらでも払ってやるから2度と撮るな。これからやる事全部」

 

 

 

 

 

 

神栄は財布から3万円を取り出し、店員に渡した。

 

 

 

「わかったな?」

 

 

 

 

「は……はい…」

 

 

 

中学生(15)VS店員(20代)は、神栄の圧勝で終わった……。

 

 

 

 

 

 

席に戻ると今度は神栄が矢田に食べさせた。

 

 

 

 

矢田はとても美味しそうに食べるので、神栄が自分で食べてしまう。

 

 

 

 

「あぁ!私が食べさせるの!食べちゃだめー!!」

 

 

 

 

結局神栄は全部食べた。美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

割引とか言ってた割には結構な金を取られた。多分神栄がやらかしたから普通料金で支払わせたのだろう。

 

 

 

 

 

 

「何だったんだあの店は……。2度と行かん」

 

 

 

 

「まぁ…楽しかったからいいじゃん……」

 

 

 

「矢田が楽しかったならいいけど…」

 

 

 

「…え?」

 

 

 

 

「次、どこ行く?」

 

 

 

神栄は顔を赤くしながら矢田の方を見て呟いた。

 

 

 

 

「次は……あそこ行こう!!」

 

 

 

 

指をさした先には、おもちゃ屋があった。

 

 

 

 

 

「あーそっか、弟いるんだっけ。いいぞ、行こうか」

 

 

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

ここでさりげなく矢田は神栄の手を握ろうとしたのは、ここだけの秘密である。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「弟はどんなものが良いって言ってたんだ?」

 

 

 

 

「えーっとね、ラジコンって言ってたなー」

 

 

 

「わかった。んじゃ買ってくるわ」

 

 

 

 

「え!?いいよいいよ、私お金もらってるから、そのくらいなら……それに、前にもこーゆー事あったし……」

 

 

 

 

 

 

「いや、今日は結構迷惑かけたというか、いろいろ申し訳ないなーって思って……だからいいよ。そんくらいは払うって」

 

 

 

神栄は性能の良いラジコンを探し、手に取るとレジへと向かった。

 

 

 

「……碧君のバカ!そのくらいって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで明るかった空も、今は暗くなってきた。

 

 

現在夕方の5時。

 

 

 

「んじゃ、帰るか」

 

 

 

「うん…」

 

 

 

 

帰り道、矢田は神栄の左手を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

────あと数センチ、近づけば触れる事ができる。

 

 

 

 

 

 

 

勇気を出して触れようとしたその時。

 

 

 

 

 

 

 

「なんかこれ、夫婦みたいだな」

 

 

 

 

 

「…え?」

 

 

 

 

「自分の子供にプレゼントあげる為に、2人で買い物に行って、その帰り道にこーやって歩いてるのが、なんか夫婦みたいだなーって」

 

 

 

 

「うん………そうだね」

 

 

 

 

 

矢田は近づけていた途中の手をだらんと下ろした。

 

 

 

 

 

まだ、これは今度のためにとっておこう……と。

 





今日は矢田さんでしたが、明日は誰でしょうね……?


それと、データ交換の件まだお待ちしてますよ!
(とかいいつつまだ来てない)


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番外編 1周年の時間

 

今まで何個かの作品をハーメルン様で投稿してきましたが、ここまで続いたのはこの作品が初めてでした。

 

今思えば、何を理由にこの小説を書き始めたかはわかりません。あくまで推測ですが、あるとしたら、何かしらの形で暗殺教室という作品に僕は気づかないうちに惹かれていたんでしょう。

そのおかげで、様々な方と関わることができたので、それは良かったですけどね!

 

 

 

現在、番外編含めた全153話(この話を含めれば154話)を1年も書けていれたのは、言うまでもなく読者のおかげです。本当にありがとうございます。

 

 

今後も、変な時間に投稿したり、「一年経ってるのに成長してないね」とか、「ヘタレワロタ」とか言われるかもしれませんが、『神栄 碧と暗殺教室』を完結するまで見てくれると嬉しいです。

 

 

 

 

……そろそろ言うことが無くなりました。最後になりますが、今までありがとうございました!これからもヘタレとinvisibleをよろしくお願いします!

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

以下、妄想です。

 

 

 

 

 

 

『もしも神栄が神崎さんでは無く他の子と付き合っていたら』

 

 

僕が独断と偏見で選んだ人と、『もし』神栄が付き合っていたら、どうなっているのだろうか?というのをただ書いただけです。僕が考えたものなので、皆さんと思ってることが違っても何も言えないので………参考程度に見てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

中村莉桜編

 

 

 

もし、中村さんと付き合っていたら、デートはトーキョーの有名な街に行くでしょうね…。

中村さんが「ねぇ神栄!これどう?」とか言って服を選んだり、神栄が甘いもの嫌いだとわかっててスイーツショップに行って、神栄のかわいそうな姿を見て笑っていそうですね(笑)

で、初kissはほっぺとかですかね〜。当然ながら中村さんが神栄にするんです。神栄はヘタレだもんね。仕方ないね

 

 

 

 

矢田桃花編

 

 

 

矢田さんは小説内でも書いてますが、それ以外の事を妄想しましょうかね。

矢田さんの場合、神栄のやりたいことをやらせてくれそうですね。「ゲーム屋行きたい」って神栄が言えば、「うん!そうしよう!」って笑顔で答えてくれる矢田さんはマジ天使。

矢田さんのkissは恥ずかしげに……。照れっとしながらされるなんて羨ましいですね!

 

 

 

不破優月編

 

 

不破さんの場合、神栄と趣味が合うので、アキバとかに行きそうですね。

お互い好みの漫画の話をしている姿を想像すると、それはもう…たまらないです。

2人で問題出し合ったり、他人からはものすごい仲の良いカップルに見られそうですね(笑)

不破さんのkissは

「ねぇ神栄くん。こーゆー展開って、どう?」って言ってからする!言うまでも無く神栄は赤面!僕だったら倒れてます。

 

 

 

倉橋陽菜乃編

 

 

 

2人のデートはほぼ動物園。神栄は基本的に動物は大丈夫なので、特に問題はない。

いろんな動物を見ているときは倉橋さんが積極的に手を繋ぐ!

「えっへへ、迷ったらイヤだしね!いいでしょー?」

言われたいです………。

倉橋さんのkissは床ドンしてからかなぁ……。神栄がドンされてる側です。

 

 

 

 

速水凛香編

 

 

速水さんをヒロインにしてる作品が多いので、妄想が作品と被ってるかもしれませんがお許しください。

速水さんの場合、中村さんの様にトーキョーの有名な街でデートすることが多い感じがします。

やはりデートでもツンデレを忘れない速水さん。考えるだけでよだr(以下略

速水さんのkissは、2人とも奥手なのでするのに時間がかかりそうですね。

なんと言いますか、お互い同じタイミングで動いちゃって、「あっ…」みたいな感じ……かな?

結局する(させる)んですが、その時は、

「べ、別にあんたがちょっとやって欲しそうにしたからやっただけだからね!」

とか言っちゃって!本当はしたかったのに!

最高。最高です。僕もそんなシチュエーションにいたいです。

 

 

 

こんな感じですかね。

 

他のメンバーは諸事情で出来ません。

 

片岡さん→磯貝くんおるやん…

茅野さん→渚いるやろ……

狭間さん→妄想がしにくい

原さん→料理しか思いつかない

岡野さん→前原いるじゃん…

奥田さん→妄想がしにくい

律→3次元に来たらいけるかも

 

 

 

 

以上です。

 

 

1周年なのにこんなのですいません。

 

 

 




1年、長いようで短かったです。

これからもよろしくお願いします!(2度目)


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入れ替わりの時間

ただいま、と言いたいところだが、この茶番は本編かやばい展開になってかくのがつらいから逃げただけです。


勉強の息抜きじゃあああ!

学校の休み時間に書いていたものでーす。


茶番だけではない、地味に重要な話だ。


それに気づいたらその人すげぇw

この事件が起こった時期は読者にお任せです。夏休みの前でもいいし、夏休み後の話として読んでもらっても構いません。

おっと、前書きが長いですね、では茶番編スタート!!



 

とある日、3年E組にて、

 

 

 

「ヌルフフフ、ついに完成しましたよ!この薬が!奥田さん、カルマ君、中村さん、あなたたちのおかげです!」

 

 

「まぁ、俺もこーゆーの好きだし、いいと思うよ」

 

 

「これでカップルせいりt……ゲフンゲフン、楽しい時間の始まりです!!!!」

 

 

 

============================

 

 

 

朝、普通に登校してくるE組生徒。

 

 

みんなが時間内に来たことを殺せんせーが確認すると、カルマは烏間先生とビッチ先生を呼んだ。

 

 

 

現在窓は閉まっている。

 

 

そして、HRが始まった。

 

 

 

「おはようございます。今日はカルマ君から暗殺についての話があるようです」

 

 

 

「それを標的が居る前で話すバカが居るかよ………」

 

 

神栄が愚痴をこぼすと、カルマは黒板を叩いた。

 

 

 

「………」

 

 

 

あれ、カルマ君怒ってる?

 

 

 

まぁ、喧嘩になったら96%くらいの確率で勝てるけどね。

 

 

 

そして、カルマは何かを取り出した。

 

 

 

「全員、入れ替われえええ!!」

 

 

 

カルマが瓶のようなものを地面に投げると、煙のようなものが出てきた。

 

 

「うわっ!なんだこりゃあ!」

 

 

 

みんなは突然の事態で煙を吸ってしまった。

 

 

 

煙が無くなったと思ったらまた今度は中村が瓶を投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから約2分ほど経った。

 

 

 

「………ったく、何しやがる!」

 

 

 

とりあえず神栄は自分の手を見る。

 

 

 

 

おお、俺の手……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃない!

 

 

 

 

一体誰の手だよ!

 

 

 

 

手だと誰だかわからないので、下を見る。

 

 

神栄はスカートを履いている。

 

 

 

 

「え………?誰だよ、こいつ……」

 

 

 

『神栄さん、あなた………』

 

 

 

 

律は無事のようで、少し笑いながら神栄に言った。

 

 

 

「あ?なんで俺がスカートなんk…………」

 

 

『神栄さん、あなた………茅野さんになってますよ?』

 

 

 

え?

 

 

 

よく見たら、確かに胸がない。

 

 

 

永遠の0。

 

 

 

「なんで俺が茅野になってんだよおおおおおお!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、神栄だけが被害にあったわけではないようだ。

 

 

 

律、殺せんせーの人外コンビ以外の「普通の」人間たちが薬にやられたようだ。

 

 

 

作ったのに協力したのは奥田、カルマ、中村達らしい。

 

 

 

作った人たちも皆薬にやられてはいる。

 

 

 

カルマは原になっている。

 

 

 

中村はなんと前原になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして奥田は………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寺坂になっていた。

 

 

 

 

あの暴君の寺坂が、なんともぞもぞしている。

 

 

 

声は寺坂なのに、中身は奥田、これはこれで気持ち悪い。

 

 

 

「わ……わたし、寺坂さんになったんですか……?(寺坂ボイス)」

 

 

 

「あははははは!寺坂がこんなに気持ち悪いとは!あははははは!だっせぇ!うひゃひゃひゃ!」

(気持ち悪いかもしれませんが、これを言ったのは神栄君です)

 

 

「お前だって茅野になってんじゃねーか、気持ち悪い」

 

 

当の寺坂は…………

 

 

 

 

 

なんと神崎になっていた。

 

 

いつもおしとやかな神崎が、こんなガニ股でキレてる顔をしている。

 

 

怖い………怖いよ!

 

 

 

 

「うわあああああああああ!!」

 

 

 

 

誰かの声が聞こえた。

 

 

 

一体、今度は誰が……!?

 

 

 

 

こうして、殺せんせーの手によって再び「カップル成立」の作戦が始まったのである…………。

 

 

 

次回に続く…………予定

 




入れ替わったリスト(現時点)


カルマ→原
奥田→寺坂
寺坂→神崎
神栄→茅野
中村→前原



後は次回くらいですかね、いつ投稿出来るかはわかりませんが、読んでいただきありがとうございました。





では、逝ってきます………。


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入れ替わりの時間、2時間目

やっはろー!


誰か数学Aの場合の数教えてくれえええ!


なんだよあれ!

わかんねえええええええ!!!


あ、今日も短いです。


誰かをはっきりするために台本形式です。


おいおい………俺はなんで茅野になってるんだよ?

 

 

 

遡ること数分前、殺せんせーのせいで3年E組がカオスなクラスになった。

 

 

 

 

神栄「なんで俺らがこんな事に……(茅野Voice)」

 

 

 

 

寺坂「ったく、あのタコが考えたんだろーが。クソガッ!(神崎Voice)」

 

 

もう、本当にカオス。

 

 

いつもおしとやかな神崎がヤンキーもどきになってたり(寺坂が入っている)

 

 

ぽっちゃりが売りの原さんの口が悪くなったり(カルマが入っている)

 

 

暴君の寺坂はおどおどしてて正直気持ち悪いし(奥田が入っている)

 

 

 

 

 

何度でも言わせてもらおう。

 

 

 

 

カオスです。

 

 

 

============================

 

 

 

この薬の被害を受けたのは、神栄だけではない。

 

 

 

そう、もっとひどい組み合わせがあった…………。

 

 

 

「………!?全く……どうしたんだ?」

 

 

 

竹林なのだろうか、いつものようにメガネをクイッ!としようとしたらしい。

 

 

 

が、そこにメガネはなかった。

 

 

 

「竹林………お前………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ビッチ先生になってる!」」

 

 

 

竹林「僕がビッチ先生になってる………だと?」

 

 

 

竹林は下を見る。

 

 

 

そこには巨大な胸が2つある。

 

 

 

 

竹林「ああ、これは確かにビッチ先生だな(ビッチ先生Voice)」

 

 

 

神栄「てかよ……俺の中には誰が入ってんだ……?(茅野Voice)

 

 

 

 

「あ………私だ(神栄Voice)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私」と言ってる時点で女子ということが確定した。

 

 

 

さぁ……誰なんだ………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片岡「私だわ………(神栄Voice)」

 

 

 

 

いや、露骨に嫌そうな顔するなよ。

 

 

 

なにその「あっちゃー……やっちゃったわ……」的な顔してんの?マジでやめてくれませんかね?

 

 

 

 

「プークスクスクス!!!」

 

 

 

神栄「うるせぇぞ殺せんせー!お前のせいでこうなったんだぞ!家に帰れなくなるじゃねぇか!ふざけんな!!!」

 

 

 

「「「「「「「あ」」」」」」」

 

 

 

 

ここで、みんなは気づいてしまったようだ。

 

 

 

 

赤の他人が、勝手に人の家に入っていいのか………と。

 

 

 

例えば、神栄の場合、茅野の家に勝手に入ることになる。

 

 

 

言いたくはないが、いかがわしいものがあるかもしれない。

 

 

 

しかも神栄は間違っても男子、女子の家になんか行きづらくて仕方がない。

 

 

 

さて……どうしたものか………。

 

 

 

============================

 

 

神栄「帰りが遅くなったらなったで、親から連絡が来るだろ。そこで「今日はなんかお泊まりで勉強会するんだよ!」とか言えばなんとかなると思うんだが……(茅野Voice)」

 

 

 

菅谷「あー、それはアリだな」

 

 

菅谷は不破になってる。

 

 

なんか………変。

 

 

みんながガヤガヤしていると、

 

 

 

烏間先生「どうする?早くしないと、時間が来てしまうぞ?」

 

 

 

烏間先生はなんと…………あの人に!!!

 

 

 




僕は本気です。誰か場合の数教えてください。


階乗とか知らん。あと、「5P3」とかがどうして出るのか、とかね。


物理もわかんねえええええええ!!

なんだよアレ!

結論、全部やばい。

教えてください本当に!

あれっす。TwitterとかでLINEのアカウントの写真送るんで、ほんっとに……w


マジでやばい。赤点や!!

あ、新しく「高校生はいいことばかりではない」を投稿し始めました。

実話(2割から1割)と妄想が入り混じったカオスなストーリーです。

よければそちらもどうぞ



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本編
第1話 前日の時間 ☆



編集で本文を全部削除した後にコピーした新しい話をペーストすると削除したやつと全く同じ文が出てくる怪奇現象にあったので1話を消してまた新しい1話を出します。

こんな感じであと140話くらい書き直します。最近のやつは書き直すつもりはないです。



 

最悪だ。この上無く最悪だ。

 

 

神栄 碧(かみさか あお)は諸事情により椚ヶ丘中学校3年B組に転入予定だったのだが、3年E組に転入する事になってしまった。

 

本来、3年『E組』には来るはずではなかったのに……。

 

 

 

=========================

 

 

急遽2週間後に転校すると、祖母から聞いた俺は、現実を受け入れたくなかった。

 

今まで楽しく学校生活を共にしてきた仲間と別れるのは、とてもつらいことである。

みんなと遊んだこと、みんなと怒られたこと、今になってたくさん思い出してしまう。

転校が決まってから2日後くらいだっただろうか。いつも話している友人から声をかけられた。

 

「神栄ー!転校するんだって?寂しいけど、仕方ないよなー!」

何故か友達の声は軽かった。

普通だったら、少し悲しい感じで話しかけるのに……まるで《本当の友達》ではないかのような声だった。

 

「あ、あぁ、そうだな。仕方ない……事だよな」

そのあと、友人は今まで聞いたことのないような低い声でボソッと呟いた。

「いいよな………頭いい奴は有名中学校で楽しく学校生活。どーせ俺らみたいな奴といるのが嫌だったんだろ?蔑んだ目で見てたんだろ?なぁ!!」

 

「……は?」

 

こいつらは、一体何を言っているんだ……?

 

今日までそんなことを思ったことなんか一度もない。普通の友達として、分け隔て無く接してきた。

勝手な被害妄想を言われたのかと思い、つい神栄は怒鳴り散らしてしまった。

 

「何言ってんだよ!そんなこと思ってるわけ……って、え………?」

 

クラスの人の目が……狂っている。

『本当はそんなこと思ってるわけないくせに』

そう言ってるかのようにクラスの人は狂った目で神栄を見つめている。

 

 

しばらくして、一人の男子生徒が口を開いた。

「なぁ、神栄。このクラス、いや、この学校にお前も味方はいないってこと、知ってたか?」

「な……にを言ってるんだ?」

 

 

「金持ち、天才、イケメン。そんなお前が俺らみたいな奴らと普通に学校生活を送ってて、イライラしないほうがおかしいっつーの。まさか気づかなかったのか?」

 

 

今までの時間は、全て演技だったのだろうか。

楽しいと思ってた時間は、全部ウソだったのか?

 

いや、そんなはずはない。絶対……絶対にありえない。

ウソだと、言ってほしい。

今まで一緒にいた人間が、どんどんと自分から遠ざかっていくのを感じた。

味方なんか誰もいない。

 

 

 

「……どうだ。見方がいなくなった気持ちは?」

「…………してやる」

「は?」

「跡形も無く、壊してやるよ……!」

 

 

神栄からは笑顔が消え、殺意に満ちた笑みだけが残った。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

その日から、暴力の日々が続いた。

 

昔から格闘技をやっていたので、皆簡単に倒れる。

当然、やられた子の親は黙って見過ごすことなどなく、退学にしろだの補導をしろだの言われた事もあった。

だが、神栄はそんなのは気にしてなかった。

 

「俺に刃向かう言う奴は、どんな人間だろうとぶっ殺す」

それが常套句だった。

 

 

しばらく経つと、『○町の怪物』と言われ、不良生徒として名を残した。

そして月日は流れ、転校する日になる。

 

その日もいつも通りで、お別れ会などと言ったものがあるわけでもなく、先生からも、「元気でやるんだよ」とかの一言すら貰えなかった。

 

むしろ、「二度と帰ってくるな」と言われ、さらに生活指導もされるという、踏んだり蹴ったりな日だった。

 

面倒な学校が終わり、引越しのための準備で早歩きで家に帰ろうとしていると、黒い高級外車が、神栄の目の前に止まった。

車の窓から誰かが見えた。そして、こちらにやってくる。

「君が、神栄 碧君だね?」

 

 

 

知らない人からの問いかけに、神栄は少し固まってしまった。

「………ええ。そうですけど、変な宗教とかの勧誘だったらお断りですよ」

 

「いや、違うよ。私は椚ヶ丘中学校の理事長、浅野 學峯(あさの がくほう)だ」

今度行く学校の名が出てきて、やっとその人が何の為に来たのかわかった気がした。

 

「君はこの学校に来るにあたって、一つやってもらいたいことがある」

「やってもらいたいこと………?」

「その前に、今まで君が起こしたことは前々から耳にしている。君はあの出来事以降友達というものを全く信用してないね?」

どうやって事情を知ったのかわからないが、全くその通りだった。

 

「………はい」

 

 

 

「だから色々壊そうとしたのかい?人間関係や、自分の過去を」

「あながち間違ってはいないですね」

 

すると、理事長は突然拍手を神栄に送った。一体何に拍手しているかはわからなかったが。

 

「…………?」

「おめでとう、君のクラスは3年E組だ」

「E……組?」

 

 

転校するにあたって、3年E組の噂は聞いていた。

3年E組は通称、『エンドのE組』と言われ、他クラスから差別されているということ。

本校舎とはとんでもない位離れており、山奥に校舎がということ。

学食もない、便所も汚い、おまけに落ちこぼればかりだということ。

そして、E組から抜け出すには、テストで素晴らしい成績を取り、なおかつ教師が復帰を認めないと本校舎に戻れないこと。全て把握している。

 

 

「……なんで俺はE組なんですか?」

「君の大好きなことで、やってもらいたい事があるそうだ。明日になれば……きっとわかるさ」

 

「それが最初に言ってた事なんですか?」

「そうさ。物分かりが良くて助かるよ。私はそれを伝えに来ただけだから、これで失礼するよ。あ、あとこれ、E組までの道のりを書いた地図だ」

 

そう言って、紙を神栄に渡し、車を走らせてしまった。

あの人の言葉は、何か企んでいるように思えた。

あの人は一体、何をさせたいのか……?

 

「はぁ……俺みたいなやつに何をしてもらいたいんだよ……」

 

 

 

 

 

 

1時間後、私立椚ヶ丘中学校、本校舎理事長室にて………。

 

「これでいいんですね?烏間先生」

 

そう言って、理事長は椅子に腰掛けた。

「ありがとうございます。彼には暗殺のことは言ったんですか?」

「言ってませんよ、ただ、『やってほしいことがある』と言っただけです、あとは烏間先生が全ての事を伝えてください」

「……………はい」

 

烏間先生という人は、理事長室から出ると1人で考えていた。

「彼は、このE組でどのような力を発揮してくれるのだろうか………」

 

 

 

 

神栄が理事長の言葉を全てを知るまで、あと11時間……。

 

 





ゆっくり書き直しつつ新しい話も頑張ります。


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第2話 転校の時間

ここを境に毎週日曜夜から月曜の2時位の間に投稿します。


 

次の日、3年E組に着くと、少々目つきが怖い人が、こちらへやって来た。

 

 

 

「君が、神栄 碧君だね?」

 

 

 

昨日と同じことを言われてる……

 

 

 

「は、はい」

 

 

 

「俺は防衛省の烏間 惟臣(からすま ただおみ)だ。よろしく」

 

 

 

「よろしくお願いします……」

 

 

 

防衛省の偉いお方が、どうしてこんなところへいるのか、さっぱりわからない。

 

 

 

すると、烏間先生の近くに、大きいダンボール2、3個やってきた。

 

 

 

 

何が入っているか聞きたかったが、聞く暇を与えてくれなかった。

 

 

 

「さて、昨日理事長から話しがあったように、やってもらいたいことがある」

 

 

 

確か昨日、理事長は詳細を教えてくれなかった。

 

 

 

 

「やってもらいたいことは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗殺だ」

 

 

 

暗殺というのは、主に政治的、宗教的または実利的な理由により、要人殺害を密かに計画・立案し、不意打ちを狙って実行する殺人行為のことである。

 

 

 

 

その辺の中学生に、突然その暗殺とやらをしてください。なんていう人は、この人しかいない。

 

「暗殺って………誰をですか?」

 

 

とりあえず質問してみた。きっと、楽なものだろう、そう思っていた。

 

 

しかし、その人から言われたのは、

 

 

 

「ここ3年E組の担任だ」

 

 

 

 

「………ッ!!!!!」

 

 

 

先生を殺す…………!?

 

 

 

「そして、暗殺するにあたって言うことがいくつかある。

一つ、暗殺する際はこのナイフを使うこと」

 

 

 

そのナイフは、何やらグニャンとしていて、ナイフとは呼べない。

 

 

 

 

「人間には無害だが、奴には効く、俺が保証しよう。そしてもう一つ、奴は人間ではないということを知ってもらいたい」

 

 

 

「人間じゃないって………」

 

 

 

「見てみればわかるだろう。そして、奴の最高速度は、マッハ20だ」

 

 

 

神栄には想像もつかなかった。

 

 

 

マッハ20で移動されたら、普通殺せない。

 

 

 

「………なんで先生になろうとしたんですか?」

 

 

 

「奴はそのことに関してはなにも言わないんだ。俺も知らない」

 

 

 

というか、人間じゃないやつを暗殺なんて……とてもじゃないけど出来ない。

 

 

 

「すでにE組の生徒は暗殺に取り掛かっている。君も遅れをとらずに頑張ってくれ」

 

 

 

今日から、神栄 碧は、中学生兼暗殺者となる。

 

 

いいのか悪いのか………………。

 

============================

 

 

 

 

 

烏間先生によると、HRの時間に俺のことを紹介してくれるらしい。

 

 

 

それまで廊下にいたのだが、暗殺の標的に会ってしまった。

 

 

 

「ヌルフフフ。こんにちは、神栄君」

 

 

 

確かに、烏間先生の言っていた通りだった。

 

 

 

顔は丸くて黄色、正露丸みたいな目、関節のない曖昧な触手、足がタコのようにたくさんあって、ヌルッとしている。しかも、体がやたら大きい。

 

 

 

 

こんな奴から勉強を教わるのは少し嫌だ………。

 

 

「烏間先生、こいつは勉強教えられるんですか?」

 

 

 

「俺が見た中では、あいつが一番素晴らしい教師だと思っている」

 

 

 

「ヌルフフフ、そういう事ですよ?さぁ、教室に入って!」

 

 

腕を掴まれて、いやいや教室に入れられた。

 

 

 

その触手は、見た通りめちゃくちゃヌルッとしていた。正直、気持ち悪い。

 

 

 

「さて皆さん、E組に転校生がやってきましたよ!!!」

 

 

 

「………○◎中学校からやってきました。神栄 碧です。よろしくお願いします」

 

 

 

皆、何やら嬉しそうな感じだ。

 

 

 

 

「ついに転校生暗殺者来たか!」

 

 

 

「神栄君か、よろしくな!!」

 

 

 

そう言ってくれたのは、菅谷 創介(すがや そうすけ)3年E組の学級委員の磯貝 悠馬(いそがい ゆうま)だ。

 

 

 

後ほど聞いた話によると、菅谷は絵を描いたりするのがとても上手らしい。

 

 

 

そして磯貝は誰にでも優しく、人望が厚い人らしい。

 

 

 

すると、対先生用ナイフを投げてきた奴がいた。

 

 

 

神栄は人差し指と中指でそっと挟む。

 

 

 

「よォ、転校生クン。俺、赤羽 業(あかばね カルマ)ってゆーんだ。よろしくねー」

 

 

 

たまたま席が隣だし、今後話す機会が増えると思う。

 

 

彼は、神栄にもよくわからない人だった。

 

 

 

 

「えー、私のことは、殺せんせーと言ってください」

 

 

 

 

殺せない先生だから殺せんせーと言うらしい。

 

 

 

「お隣さんの赤羽クンは、何か普通の人とは違いますね」

 

「ええ」

 

 

 

 

殺せんせー曰く赤羽 業は「初めて先生にダメージを与えた人」というが、どんな方法でダメージを与えたのかは分からない。

 

============================

 

 

 

 

その後、男女たくさんの人と話し、俺は充実した学校生活が送れると思っていた。

 

 

 

今までとは違う、普通の生活だ。(暗殺を除いて)

 

だが、信用はしていない。

 

 

 

昔の傷は、簡単には癒えることはないからだ。

 

 

 

 

近い席の人とはよく話すようにはなった。

 

 

 

 

そして殺せんせーの授業はとてもわかりやすく、面白い。殺せんせーという名にふさわしく、初日では殺せなかった。

 

 

 

というか、神栄はなにもしていないが。

 

 

帰り道、カルマと潮田 渚(しおた なぎさ)と帰っていると、

 

 

 

「そーいえばさ、神栄って家どこなの?」

 

 

 

 

「……………普通の二階建てだ」

 

 

 

 

「今度、渚君と一緒に行くよ、面白そうだし」

 

 

 

すると、カルマは顔が悪そうな顔をしていた。

 

 

 

こいつ、きっと元ヤンだ……!

 

 

 

「カルマ君、やめてあげなよ!」

 

 

 

渚の一言に、神栄は救われた。

 

 

 

「ちぇー、まぁいいか」

 

 

 

「じ、じゃあ、僕こっちだから!また明日!!」

 

 

 

そう言って渚は帰ってしまった。

 

 

 

まさかの、カルマと2人きりだ。

 

 

 

「なぁ、カルマ。お前って頭いいよな?見た目でわかるぜ」

 

 

「んー?まーねぇ?テキトーにやってたら、こーなったんだよ…………」

 

 

「普通テキトーで頭良くはならないだろ」

 

 

 

神栄も頭はいい方だ。

 

 

テストで毎回1位から3位までを取る程だ。

 

 

学校が学校だったので、テストは楽だった。

 

 

「あー!こと思いついた………!!」

 

 

「……はぁ?」

 

「じゃあ、俺帰るわ!じゃーな!」

 

 

 

「お、おう」

 

神栄は考えていた。

 

 

 

奴は一体、何をやるのか………と

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 




名前の順で質問してみよう。《質問者殺せんせー》

Q、神栄君を初めて見たとき、どう思いましたか?

A.
カルマ「俺より弱い人だね」
磯貝「何か持ってる、強い人……かな」
岡島「なんかエロそう」
岡野「顔に似合わずヘタレっぽい」
奥田「べ、勉強できそう……です!」

これを聞いた神栄、
神栄「ヘタレじゃねーよ」

茶番してすいません。

次回、『戦いの時間』お楽しみにー!


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第3話 戦いの時間

週一更新から、不定期ですが週ニ更新に変更しました。




次の日、学校にて、

 

 

 

「おはようございます。今日も遅刻なし……と、素晴らしいですね!」

 

 

殺せんせーの顔が、一瞬にして赤くなり、丸が出てきた。

 

 

 

 

出席確認が終わったところで、カルマはすっと手を挙げた。

 

 

「ん?どうしましたか?カルマ君」

 

 

 

「あのー、みんなでテストで勝負しなーい?勝った奴は、殺せんせーを一回だけ言いなりにできる………ってね!もちろん、先生を自殺に追い込むことは無しだけど」

 

 

 

「何故それをしようとしたのか、説明してみてください」

 

 

 

「神栄ー、説明してー」

 

 

こいつ、責任転換してきやがった………!!

 

 

 

「え……?あ?えー……っと……そのー」

 

 

 

「神栄君?あなたが言い始めたんですか?」

 

 

殺せんせーまで言わせようとしている……!

 

 

 

「みみみ、、みんなの実力を知りたいというか…その…」

 

 

 

最悪だ。全てが狂った。

 

 

 

これでこの1年ヘタレキャラとして生きていくのかよ……。

 

 

 

 

 

 

しかし、その想像をぶち壊すような反応をE組生徒は見せるのである。

 

 

 

クラス中がニヤッとしたのだ。

 

 

「すげー考えじゃん!神栄!!」

 

 

 

「よっしゃー!頑張ろーっ!」

 

「…………は?」

 

 

 

 

 

クラス中がテストモードになっている。

 

 

「仕方ありませんねぇ、やりますか?テスト」

 

 

「「「「「やる!!!!」」」」」

 

 

「まてまてまて、俺やるなんて一言も言ってないしそもそも言い始めたのカルマなんだけど」

 

 

 

「うるさい、言い始めた奴が何逃げてんのよ」

 

 

 

速水 凛香(はやみ りんか)に怒られた。

 

 

 

何も知らなかったのに……。よし、後でカルマは処刑だ。

 

 

 

 

殺るなら、本気で殺ってやるよ……!!!

 

 

==============================

 

戦いのルール!!!!!

 

 

 

1回戦は全員参加の勝負となる。

 

科目は、理科と社会。

 

 

 

 

その2教科で点数の高い10名が2回戦進出となる。

 

 

 

2回戦の科目は、国語、数学、英語だ。

 

 

 

 

その3教科で点数の高い5名が決勝進出となる。

 

決勝は5教科での対決だ。

 

 

 

そして、点数が1番高い奴が優勝!

殺せんせーを言いなりに出来るのだ!

 

 

 

 

テストは殺せんせーが作ったオリジナルテスト。もちろん、カンニングなどの不正行為は禁止だ。やってしまうと、罰として烏間先生との地獄の授業を受けてもらう。予選で負けても、地獄の授業は受ける。

 

 

 

そうこうしてるうちに、先生がマッハで作ったテストが出来た。

 

 

 

 

 

 

ついに勝負が始まる。

 

 

 

「では、第1回ヌルヌルテスト!〜E組の頭脳は誰だ!〜開催!!!」

 

 

 

この瞬間、皆がふと思った。

 

 

こいつ、センスねぇ!!と

 

 

 

「テスト、開始っ!!!」

 

 

 

普通、始まりの音は、金属で出来たやつを叩く音?みたいなのだが、今回の音は、先生の壁パンだ。

 

 

 

しかも、音はブニョン!と何やらやる気を消すような音だった。

 

 

 

テスト問題は、普通に難しく、並みの人はここで落ちる。

 

 

 

100分後…………

 

 

「それでは、テスト結果を発表します。まずは1位から!!!」

 

 

 

ゴクッ!と唾を飲む音が鮮明に聞こえる。

 

 

 

 

「第1位………………カルマ君!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と神栄君!満点です!!!!」

 

 

 

「ええええええっ!!!!」

 

 

 

全員から、びっくりしたような声が聞こえた。

 

 

 

「神栄って、こんなに頭良かったのかよ!」

 

「ま、まぁな」

(こんなの余裕だっつーの。やっぱりカルマは頭良かったし……一番うざいキャラじゃねーかよ)

 

 

 

 

「神栄君は、前回居た中学校では、2年間はオール満点ですよ?」

 

 

 

と、殺せんせーはどうでもいいことを言ってしまったが、これは事実だ。

 

 

 

3年はとある事情があってダメだったが、今回は負けるわけにはいかない。みんなの実力を知るためには……。

 

 

 

「第3位は…………磯貝君!!点数は、195点!!!」

 

 

 

流石男子学級委員、すごいな……。

 

 

 

「第4位……………片岡さん!点数は、190点!!!」

 

 

片岡 メグ(かたおか メグ)は、女子の学級委員で、スポーツ万能、おまけにカッコイイ女子だ。

 

 

 

「第5位…………竹林君!!!点数は、187点!!!」

 

 

 

竹林 孝太郎(たけばやし こうたろう)はアニメ好きで、メイド大好きな人だ。

 

 

 

「第6位………………神崎さん!

点数は、183点!!」

 

 

 

神崎 有希子(かんざき ゆきこ)は、通称、『クラスのマドンナ』として、クラスで1番モテているらしい。

 

 

「第7位……………中村さん!点数は、170点!!!」

 

 

中村 莉桜(なかむら りお)は、なんだか、チャラチャラしてるけど、やるときはやるタイプの人だ。

 

 

 

「第8位……………千葉君!!点数は、162点!!!」

 

 

 

千葉 龍之介(ちば りゅうのすけ)の目は、クラスでは誰も見たことのないという、ミステリアスな少年だ。

 

 

 

「第9位…………… 三村君!!点数は、161点!!!!」

 

 

 

三村 航輝(みむら こうき)は、動画編集などが上手い人だ。エアギターをやってるらしい?

 

 

 

「そして、第10位は………不破さん!!点数は、150点!」

 

 

 

不破 優月(ふわ ゆづき)は、少年漫画大好きな人だ。(主にジ○ンプ)

 

 

 

こうして、準決勝へ進出した10人は、3教科のテストへ移るのだ……

 

 

 

 

 

to be continued……………

 




前回の質問の答えで岡野さんが言ったことは正しかった(笑)

そして、人物説明と戦いのルールなどの無駄な文多すぎた……

あと、その想像をぶち壊すって、○条さんのセリフじゃないからね!!そこんところわかってくれると助かります


次回、『戦いの時間、2時間目』お楽しみに!



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第4話 戦いの時間、2時間目

殺せんせーの言いなり権をかけてのテストバトル、決着です。


 

 

3教科のテストは、予選を勝ち抜いた10名で行われる。

 

 

 

理社よりも問題数が多く、難しい。

 

 

 

特に英語は、ひっかけ問題が多くて、苦戦を強いられた。

 

 

150分後

 

 

「さて、決勝に進出する5人は誰だっ!!!!」

 

 

殺せんせーのどーでもいい解説に、皆はイラっとしていた。

 

 

それを察したのか、殺せんせーは素早く順位発表をし始めた。

 

「第1位は………………カルマ君と神栄君!!!満点です!!!」

 

「神栄、なかなかやるじゃん」

 

 

 

「お前もな」

 

やはりカルマは頭がよかった、が、あいつに負けるわけにはいかない。

 

 

神栄に謎の敵意が生まれた。

 

 

 

「第3位…………磯貝君!285点です!」

 

 

 

磯貝もなかなかやる奴だ。

 

 

 

(少し警戒しといたほうがよさそうだな……)

 

 

「第4位………片岡さん!267点です!」

 

 

 

この辺に来ると、神栄の心にも余裕がでてくる。

 

 

 

警戒するのは、カルマと磯貝だけだ。

 

 

 

「そして、第5位は…………竹林君!!!265点です!」

 

 

 

役者は揃った。あとは、最終決戦、5教科だ!!!!!

 

 

 

一方、予選で負けた人たちは……

 

 

 

「まだまだだぞ!俺に当たらないようじゃ、奴になんて当たることなどほとんど無いと思え!」

 

 

 

烏間先生の(地獄の)授業を、ずっとやらされているのであった……………。

 

 

ご愁傷様です………。

 

 

 

 

 

昼食を挟み、5教科のテストに移る。

 

 

 

100分で5枚のテストをやるらしい。(時間の都合上)

 

 

 

その分問題数は少ないが、さっきとは比べ物にならないほど難しい。

 

 

 

数学なんて、未知の数字?らしきものが出てくるほどだ。

 

100分後…………、

 

 

 

「ヌルフフフ、それでは、テストの結果を5位から言っていきます」

 

 

おそらく、カルマと俺の一騎打ちとなる。

 

 

 

「5位、片岡さん!395点!」

 

 

 

「4位、竹林君!411点!」

 

 

 

 

「3位、磯貝君!424点!」

 

そして、運命の発表となる。

 

 

 

 

 

「第2位は………………か………」

 

 

 

2人とも、『か』から始まるので、よくわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神栄君!497点!!!!」

 

 

「そして、第1位、カルマ君!498点!!!!」

 

教室にいる人たちは、皆驚いていた。

 

 

 

 

あのカルマと一点差の神栄は、一体どんな奴なのか………そして、

 

 

 

 

他にはどんな物を持っているのか…………と。

 

 

 

 

 

烏間先生の地獄の授業が終わった生徒らは、2人の戦いを聞いて騒いでいた。

 

「神栄!お前すげーな!!」

 

 

 

 

「すげーじゃん!!かっけーぜ!神栄!!」

 

 

勝負は神栄が負けた。

 

 

 

 

 

が、負けて得たものは、勝った時よりも大きいものなのかもしれない………

 

 

 

 

一方、カルマは先生に何をお願いしたのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新しい悪戯道具を買ってきて欲しいなぁー!」

 

 

 

殺せんせーは何も言うことなく、カルマに言われたお店へトボトボといくのであった。

 

 

 

しかも、自腹で

 

 

 

「うわぁ、可哀想だなー、せんせー」

 

 

 

「………どこまでドSなんだよ、カルマは、」

 

 

 

 

==============================

 

 

 

カルマ「買ってきてもらったものは、ここでは説明しにくい物だから、何も言わないでおくよ」

 

 

 

殺せんせー「先生のお金が…………残り3円……」

 

 

 

 

 

to be continued……………

 

 

 

 

 




成績優秀な神栄くん、苦手な教科は数学です。


一番苦手な分野は、平方根だそうです。

神栄「√とかいう数字、なくなればいいのに」

invisible「ほんとそれ」

私invisibleも、数学は超超苦手です。

次回、『体育の時間』お楽しみに!



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第5話 体育の時間

3年E組に入ってきて、2日が経った。

 

 

 

 

今日は、初めての体育の授業だ。

 

 

体育は、烏間先生が教えるらしい。

 

 

 

 

「今から、神栄君以外はいつもの奴をやってもらう。神栄君は見ていてくれ」

 

 

 

 

すると、みんなが対先生用ナイフを手に取り、模擬暗殺が始まった。

 

 

 

 

烏間先生に当てる生徒は全くいなかった。

 

 

 

 

「まじかよ…………。こんなに強いのか?烏間先生って」

 

 

 

 

 

「大体理解したか?神栄君。早速で悪いが、やってもらうぞ、はい」

 

 

 

 

そう言って、烏間先生はナイフを渡してきた。

 

 

 

 

「よーい………はじめっ!」

 

 

 

渚の合図で模擬暗殺が始まった。

 

 

 

第一撃。神栄はナイフを振った。

 

 

 

 

 

 

その時、皆は戦慄した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイフは烏間先生を目の前にあったのだ。

 

 

 

 

しかし、烏間先生は紙一重で避ける。

 

 

 

「……っ!!!!」

 

「先生ェ、俺を甘く見ちゃダメだよ?」

 

 

 

砂場で遊んでいる殺せんせーは、砂の江戸城を建てながら呟き始めた。

 

 

 

「ヌルフフフ、彼は格闘技に関しては負けませんよ…空手、柔道、ボクシング、テコンドー、などなど………全て網羅する天才ですから………」

 

 

 

 

烏間先生は殺せんせーの呟きに気づいたのか、目つきが変わった。

 

 

 

周りも、驚いている。

 

 

 

「……すげぇ!!」

 

 

 

磯貝は、感嘆の声をあげた。

 

 

 

「烏間先生にこんな攻撃したの、神栄君が初めてじゃない?」

 

 

 

片岡は関心している。

 

 

 

「………てか、武器持ってるとか、正直好きじゃないんだよねー」

 

 

 

そう言って神栄はナイフを捨て、素手での戦闘に変える。

 

 

 

「フッ、俺に素手で戦いを挑むのか?ちょっと本気で行かせてもらうぞ!!!」

 

 

 

その後、神栄は烏間先生から受けた技を覚えてないらしい………。

 

 

============================

 

 

 

「ん………………?」

 

 

 

「大丈夫か!?神栄!」

 

 

 

磯貝が心配そうにこちらを見ている。

 

 

 

「はぁ………俺、負けたのか…」

 

 

 

落胆する神栄、だがある奴は嬉しそうにしていた。

 

 

 

「すげーよ!神栄!勉強も出来て運動も出来んのかよ!」

 

 

 

磯貝に言われると、なんかイラっとくるのは、気のせいなのか。

 

「いや、運動は出来ない。格闘技が出来ても他が全く出来ないから」

 

「他って………?」

 

 

 

 

 

「また今度説明する。今は外に行かせてくれ」

 

 

 

そういって、神栄は外へいってしまった。

 

 

 

 

 

 

外へ行くと、烏間先生が殺せんせーと話している。

 

 

 

「ヌルフフフ、彼はどうですか?」

 

 

 

「ああ、いい戦力だと思っている。能力も平均以上で、優秀だ」

 

 

 

「そうですか、私も殺されそうでビクビクしてますよ」

 

 

そう言ってはいるが、舐めた顔をしている。

 

 

 

渚曰く、黄色と緑色のシマシマは舐めている顔らしい。

 

 

 

若干、イラっとくる。

 

 

 

「それと、彼は素晴らしい人だが、決定的な弱点が一つある」

 

 

 

烏間先生は、戦った時から神栄の弱点を理解していた。

 

 

 

当然、神栄も自分の弱点は理解している。

 

 

 

「………ほう、そうなんですか」

 

 

 

「烏間先生、いちいち俺の弱点だの何だの言わないでくれませんか?いつかわかることですし」

 

 

 

「神栄君!大丈夫だったか?」

 

 

 

烏間先生は神栄の方へ来た。

 

 

 

烏間先生はとても強かった。この人が最終的に殺せんせーを殺しそうだが………。

 

 

 

「あ、はい。なんとか」

 

 

「……なら良かった。6時間目は小テストだそうだ。準備をしといた方がいいんじゃないか?」

 

 

 

 

「そうっすね、ありがとうございます」

 

 

 

6時間目、烏間先生が言った通り小テストが行われた。

 

 

 

前回やったテスト対決よりも簡単で、満点確実のテストだった。

 

 

 

隣のカルマはやる気0のようで、神栄と話をしているほどだ。

 

 

 

当然、神栄は話してないが。

 

「こらっ!カルマ君!テスト中の私語は慎みなさい!」

 

 

「へいへーい」

 

 

 

============================

 

 

 

小テスト三昧で6時間目は終わり、下校時刻となる。

 

 

 

 

帰り道、渚とカルマと茅野 カエデ(かやの カエデ)と4人で帰っていると、おそらく本校舎の生徒であろう人たちが、E組のことについて話していた。

 

 

 

「E組に最近、転校生が来たらしいぜ!」

 

 

 

 

「一体どんな落ちこぼれなんだろうなぁ……!」

 

神栄は何も感じない。これが『エンドのE組』なのだから。

 

 

 

「ひどいね…神栄君の事、何にも知らないのに」

 

 

 

茅野がフォローしてくれるが、カルマは笑っている。

 

 

 

 

「神栄ァ、お前、あんなこと言われてるけど、いいのぉ?」

 

「知らねーよ。テストで勝てば文句もクソもないだろ」

 

 

 

本校舎の生徒達は、カルマがいることに気づいた。

 

 

 

「うわっ!赤羽だ!」

 

 

 

「逃げろ!」

 

それを見た神栄は、

 

 

 

「カルマ、悪魔みたいな扱いされてんな」

 

 

 

「実際悪魔だよ……いだだだだ!」

 

渚、それは事実だ。否定のしようがない。

 

 

 

 

「渚君、そんなこと言わないでよ」

 

 

といいつつ、頭を握っている。

 

「カルマ君!やめてあげてよ!」

 

 

 

「茅野ちゃんに言われたら仕方ないなー」

 

 

 

喧嘩っ早いカルマは、これが原因でE組に堕ちたんだろう。成績『だけ』はA組クラスなのに………。

 

 

 

 

途中の道でみんなは別れ、1人で帰っていると、なにやら見たことのあるような影が見えたような気がした。

 

 

 

「…………誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

こっちを見ていた様な………?

 

 

 

 

「まぁ、誰でもいいか……」

 

 

 

 

to be continued……………

 




神栄君の決定的な弱点は、島編辺りで説明するかもしれません。

神栄「まじか………」


次回、『休みの時間』お楽しみに!

感想、指摘コメント待ってます!


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第6話 休みの時間

ビッチ先生のくだりはカットさせていただきます。



ビッチ先生「My appearance scene is a cut why」
(なんで私の登場シーンがカットなのよ)

invisible「あんまり好きじゃないし、他のキャラ出したいなって思ったから(笑)」

ビッチ先生「Bullshit!」
(ふざけんな!)


不覚だ…………。

 

 

 

まさか学校を休むなんて………。

 

 

 

神栄 碧は布団にこもっている。

 

 

 

1時間程前………。

 

 

 

「体が熱い……」

 

 

 

 

最初は興奮でもしてるのかと思い、ほったらかしにしていたが、しばらくすると体が動かなくなってしまった。

 

 

 

興奮と言っても、テンションが高かっただけで、いやらしい意味ではない。

 

熱を計ると……。

 

 

 

「38.1℃……!?」

 

予想以上の高熱だった。

 

 

 

家には誰もいないので、仕方なく殺せんせーに連絡し、休ませてもらった。

 

 

「…………てか、することが全く無い…」

 

 

 

しばらく考えてはいたものの、見事にする事が無い。

 

 

しばらく考えてから約20分後、やっとの思いで思いついたのは勉強だった。

 

そして、今に至る。

 

 

 

「数学嫌ダァ………」

 

 

 

神栄の一番の苦手教科は数学だ。

 

 

 

得意教科は社会で、文系とよく言われる。

 

 

 

 

カルマとは得意教科が全く違う。

 

 

 

どうしてカルマは数学ができるのか?

 

 

 

基礎は出来るが、応用になるとさっぱりわからない。

 

 

 

………と自分のことは置いといて、今頃、みんなは何をしているのか……。

 

 

 

「√とか見るだけで拒絶するぜ…」

 

 

 

現在9時、1時間目の授業をしているところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

するとら突然、ビュン!と突風が吹き、自宅が無惨な姿になってしまった。

 

 

 

プリント類は全て舞い、一階にあるリビングの食器のほとんどは修復不可能まで割れ、なんというか、迷惑だった。

 

 

こんなことをする奴はこの世で一人、いや、1匹しかいない。

 

 

 

「ヌルフフフ、体調は大丈夫ですか?神栄君」

 

 

 

「おいせんせー、下のリビングの食器どうしてくれんだよ。弁償しやがれ」

 

 

中学生なのに一人暮らしの神栄は、沢山の食器が割れるのは大ダメージだ。

 

 

 

「にゅやっ!?とびきり遅く家に侵入したのに、こんなに割れましたか!」

 

 

 

あれがとびきり遅いなら、本気で何枚割れんだよ、

 

 

 

というか、家が壊れる。

 

 

 

神栄の家は、一人暮らしにしては大きく、二階まである。

 

 

 

元々祖父が住んでいたのだが、神栄に一人暮らしを体感してもらう為に、と祖母の意向でここに住んでいる。

 

 

 

殺せんせーは二階の開いている窓から侵入した。そこは神栄の勉強部屋であり、寝る場所でもある。

 

 

「今すぐ用事を済ませて帰るか弁償して帰るか、死ぬか、どれか選んでくれ。てか、なんでここにいるんだよ、授業サボってきたのか?」

 

 

 

 

「ああ、今日から新しい英語の先生が来たんですよ。今は彼女が授業をしているはずですよ」

 

 

この時、神栄はとある外国教師がE組に来たことを知らない。

 

 

(彼女……?ということは、女の教師なのか?)

 

 

 

神栄はどこかの変態とは違い、そんなことで興奮することもないし、妄想もしない。

 

 

ただ、普通の人ではない事は、すぐに分かった。

 

「………で?何しに来た」

 

 

 

「これです」

 

たくさんある触手から、神栄専用の分厚いプリントが小分けされていた。

 

 

普通、プリントなどの課題は全員同じだ。

 

 

 

しかし、3年E組のプリントは違う。

 

 

一人一人に合ったプリントになっている。

 

 

 

例えば神栄だと、社会は得意だが、数学はあまりできない。だから殺せんせーは数学の課題は基礎から、社会は応用からと、マッハ20を利用して一人一人のプリントを作っているのだ。

 

 

「分厚いな、これを今日中に殺れと」

 

 

 

「ぶっちゃけ、社会はそんなにやんなくていいです。その代わり、数学は全部やってきなさい。そろそろ中間テストです。カルマ君に勝ちたい、そう思っているでしょう?」

 

 

 

殺せんせーは人の能力を高める凄い人(?)だ。

 

 

 

だからこそ、殺りに行きたいと思っている。

 

 

 

「圧倒的な差でカルマに勝ってやるよ。これをやってな」

 

 

 

「おや?そろそろ時間です。ではまた明日、学校で待ってますよ」

 

 

 

ビュン!!!とまた窓から出て行った。

 

 

 

「……………明日なんとしても学校に行かなければ……!!!請求書送りつけてやる!」

 

 

そう言って、椅子に座り、課題をやり始めた。

 

 

 

その後、7時間程勉強していると、飽きてきた。

 

 

普通7時間も勉強しないが、神栄はやり始めると止まらない性格なので、夜勉強して気づいた時には朝になってました、何てことが多々ある。

 

もう3時か………。

 

 

 

 

とりあえず、掃除しよう。

 

 

 

神栄はゴム手袋をはめて、食器の片付けを始める。

 

 

 

左手にはゴミ袋、右手で食器を持ち、ゴミ袋にぶち込む。

 

 

 

「あーもう!やってられるかこんなもん!」

 

 

愚痴を言いながらもやる神栄。

 

そして、2時間後、

 

 

 

「……………なんとか綺麗になったな……」

 

床が紙で散らかっていた部屋は、なんということでしょう、見違えるようになりました。

 

 

 

割れた食器だらけのキッチンは、欠片すら家に無くなりました。

 

 

 

「自分でも素晴らしいと言えるな、これは……!」

 

自画自賛していると、ピンポーン!とインターホンが鳴った。

 

 

 

「誰だ?」

 

覗き穴から見てみると、見たことのある人が6人ほどいた。

 

 

 

居たのは、渚、カルマ、磯貝、前原、茅野、そして神崎だ。

 

「何か用か?てか、なんで俺の家知ってんだよ」

 

 

 

「殺せんせーに教えてもらったんだ」

 

 

磯貝に言われたら仕方ない。

 

 

 

「最近は個人情報だの何だの厳しいのにな、それをガン無視かよ」

 

 

 

「見た限り、元気だな」

 

 

殺せんせーのおかげで、なんとか元気だ。むしろ、いつもよりも元気だ。

 

「要件を」

 

 

 

「ああ、これ」

 

磯貝から紙が渡された。

 

 

 

そこには、明日の連絡と………?

 

 

 

女性の、写真?

 

「今日から新しい英語の先生が来たんだよ、その写真の人だ」

 

前原からもらうと、何か怖い。

 

 

 

はっきり言えば美人だ。

 

 

 

金髪で巨乳でスタイル抜群。

 

 

 

「名前は、イリーナ・イェラビッチだってさ」

 

「ビッチなのか」

 

 

 

神栄にはそれしか思い浮かばなかった。

 

それは、E組みんなそうだったらしい。

 

 

 

「その人のあだ名、ビッチ先生だぜ」

 

きっとカルマが名付けたのだろう。

 

 

すると、磯貝が付け足した。

 

 

「ビッチ先生、殺せんせーを殺そうとしたら手入れされて………なぁ?」

 

 

「いろいろ殺られたらしいぜ」

 

 

 

ビッチ先生は殺し屋なのか、そして、今後一緒にせんせーを殺そうとする人なのか。

 

 

「大体は理解した。明日見てみるよ」

 

「…そっか、じゃあな!神栄!」

 

 

 

やはり、磯貝はイケメンだな。

 

 

 

(てか、こんな奴がなんでE組に………?)

 

 

============================

 

 

 

みんなが居なくなると、神栄はやる事を探す。

 

「やる事ねーから、寝よ」

 

 

 

 

こうして、勉強と掃除の1日が終わった…………。

 

 

 

 

to be continued……………

 

 




何故かビッチ先生は好きになれない。

それと神栄君、中学生なのに一人暮らしっておかしいね



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第7話 集会の時間

今回はなぜか長めです。


 

 

朝、

 

 

 

「……さて、学校行こ」

 

 

 

いつもの道を歩いている。

 

とても平和だ。

 

 

 

『あれ』が無ければな!

 

 

 

学校に着くと、殺せんせーは追っかけられている。

 

 

みんな、ナイフを持って

 

 

 

 

 

 

「おお!神栄!」

 

 

 

昨日いなかっただけなのに、「久しぶり!」と言われるのは、何だか気になって仕方がない。

 

「ヌルフフフ、おはようございます、神栄君」

 

 

 

 

「…………これ」

 

 

 

神栄はとある紙を殺せんせーに見せた。

 

《請求書、食器5,000円分を買え》

 

 

 

「にゅやっ!?まだ覚えてたんですか!?」

 

 

 

「さぁ、俺に5,000円よこすか、俺の目の前で買うか、どうする?」

 

殺せんせーは黙り込む、

 

 

そして、消える。

 

数分後、殺せんせーはビニール袋を持って来た。

 

「買ってきました」

 

「おいコラまて、万引きしてきたのかよお前、数分で買ってこれるわけねーだろ」

 

 

ダラダラと殺せんせーの顔から汗のような液体が流れてくる。

 

 

 

「べっ、別に万引きなんかしてないんだからねっ!

 

 

「お前のツンデレなんて需要ねーよ」

 

 

 

「……いいじゃないか、ツンデレ」

 

 

 

さりげなく登場してきた竹林。

 

 

 

竹林はこういう系の事があると必ずと言ってもいいほど登場してくる…………のか?

 

「お、おう。ソウダナ、竹林」

 

 

 

 

彼は無言で校舎に戻っていった。

 

 

 

いろんな意味でカッコいい。

 

 

 

「さて、そんなことは置いといて、授業しますよ」

 

はぁ、また忙しい1日が始まる…………。

 

 

 

 

1時間目、2時間目………と時は流れていく。

 

 

4時間目が終わると、食事の時間となる。

 

 

神栄は毎日自分で作っている。

 

 

 

冷凍食品に頼っているが。

 

「これが中々美味いのよ。冷凍食品、ナメんなよ」

 

============================

 

 

 

 

食事を済ませたE組は、何故か校庭に出て一列に並び始めた。

 

 

 

「おい渚、なんで並ぶんだ?」

 

 

 

「あぁ、神栄君は初めてなんだっけ。椚ヶ丘中学校では月一で集会があるんだよ。E組は一番最初に並び終わらないと、罰があるんだ。だから昼休みを返上して本校舎に行かなきゃいけないんだ」

 

 

 

「ご丁寧な説明ありがとう。で、罰って何なんだ?」

 

 

 

磯貝を先頭に皆歩き始めた。

 

 

渚は歩きながら説明してくれた。

 

 

 

「そうだなぁ、前は花壇の掃除とかだったな……」

 

すると、前原がやって来た。

 

 

 

「そーそー!あそこだだっ広いんだよなー!一苦労したぜ!」

 

「お前、ずっとサボってただろ」

 

 

 

 

磯貝の冷静なツッコミが炸裂した。

 

「……ばれたか」

 

 

 

「ったりまえだろ、今回はそんな事がないように早く行くぞ!」

 

 

 

そして、本校舎に着いた。

 

「これが本校舎か、初めて見るな」

 

 

 

 

E組の校舎と比べると10倍程綺麗だ。

 

「おい!早く行くぞ!」

 

「「「「「はーい………」」」」」

 

 

 

体育館では、E組以外の生徒がダベっている。

 

「なぁ、渚。カルマ見てなくね?」

 

 

神栄が渚にボソッと言う。

 

 

 

「サボりだよ。集会バックれてバツ受けても痛くもかゆくもないってさ」

 

「なるほど」

 

 

 

あいつらしいと言えばあいつらしい行動だ。

 

そして、集会が始まった。

 

 

 

まずは、校長先生の話だ。

 

 

 

「えー、あなたたちは全国から選りすぐられたエリート達です。あなたたちの未来は私が補償しましょう!でも……怠けていると、どうしようもない誰かさんのようになっちゃいますよ?」

 

 

 

瞬間、どっと笑いが出てきた。

 

これが、エンドのE組。

 

 

 

「こらこら!笑わない!校長先生も言い過ぎました!」

 

 

 

屈辱以外に例える言葉がない。

 

長ったらしく、うざったい校長の話が終わり、次は生徒会の発表だった。

 

 

 

「zzzzzzz〜」

 

神栄は立ったまま寝ている。

 

 

 

 

普通に飽きたのだ。

 

「おい、神栄寝てるぞ」

 

 

隣の菅谷 創介(すがや そうすけ)が起こそうとするが、起きない。

 

「終わったら起こせばいいよ、僕も寝たいし………」

 

渚から、本音が漏れた。

 

 

 

「おいおい……………」

 

============================

 

 

気づいたら集会は終わっていた。

 

「………んあ?もう終わったんか」

 

 

「とっくに終わったよ。でさ、ジュース買いに行こうよ」

 

渚と神栄は、2人で自動販売機でジュースを買おうとしている。

 

 

 

「ここのジュース、めっちゃ種類あるな」

 

「おい渚」

 

 

 

聞き覚えのある声だった。

 

 

 

顔は見てなかったが、以前神栄の悪口的な事を言っていた奴らだ。

 

 

 

「お前ら、最近調子乗ってるよな。みんなの迷惑考えろよ」

 

神栄は寝ていたので全く知らないが、言えることは…………

 

 

「渚に用でもあるのか?てか、なんで渚だけに用があるんだ?お前ら」

 

 

 

「E組如きが何言ってんだ?お前らはもう人生詰んでんだよ」

 

 

 

「結局、それって弱い者いじめだよな。何組の生徒だか知らないけど、俺と殺り合うのか?喧嘩とか喧嘩とか喧嘩とか」

 

 

 

「神栄君!喧嘩しかないよ!」

 

 

 

こんな時でもツッコめる渚は流石だ。

 

 

「ごちゃごちゃうるせぇぞ!E組がっ!」

 

 

 

1人の男が神栄に殴りかかってきた。

 

当然、神栄は避ける。

 

 

 

「やーっぱり勉強脳の奴はそんなもんだよね。あーんまり舐めない方がいいと思うぜ、E組を……なぁ!」

 

 

 

ブワッ!!!と男に裏拳をかました。

 

風が男の頬に触れる。

 

 

 

寸止めだったが、これが本当に当たっていたら……と思ったのか、1人は逃げてしまった。

 

だが、もう1人は渚にこういった。

 

「調子乗んなよ!殺すぞ!!!」

 

 

 

(殺す………?そうか、殺す、か)

 

渚はニヤッと笑い、

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に殺そうとしたことなんて、無いくせに」

 

 

 

 

その言葉に、神栄はビクッとした。

 

(これは……殺意?)

 

1人の男は半泣き状態で逃げた。

 

 

 

「お、覚えてろよ!!!」

 

 

============================

 

 

 

 

「ったく、なんだよあいつら、俺らに何の恨みがあるんだか」

 

 

 

「結局、ジュース買えなかったね…………」

 

 

E組の校舎に戻ると、職員室から声が聞こえる。

 

「このルービックキューブの色を揃えたい、貴方ならどうしますか?」

 

 

 

 

 

「……………!」

 

 

 

サクッ!と刃物のようなものでルービックキューブが壊れていく。

 

 

 

「答えは簡単。分解して並べ直す。合理的です」

 

 

 

 

この声は……………!!!!!!

 

そう、椚ヶ丘中学校理事長。浅野 學峯だ。

 

 

 

渚と隠れて見ていると、殺せんせーはマッハでお茶とお菓子を出す。

 

 

 

そして、理事長の肩を揉み始めた。

 

 

 

「これはこれは!遠いとこからよく来てくださいました!それはそうと、私の給料もうちょいプラスしてくれませんかね!」

 

「……………なんでこいつ給料暮らしなんだよ」

 

 

 

「知らないよ……」

 

2人が見ていることを知らない理事長は、話を始める。

 

 

 

だが、この話は教師同士の話なので、神栄達には理解出来ないところが多々あった。

 

 

 

そして、一番分からなかったのは、

 

「なんとも悲しいおかたですね、地球を救う救世主のはずが、地球を破壊する巨悪になるなんて………」

 

地球を救う………?滅ぼす……?

 

 

 

2人は悩んでいた。

 

 

 

「ああ、それと………殺せんせー、《コレ》を一秒以内に解いてください!」

 

 

 

理事長は知恵の輪を空中に放り、それを殺せんせーはマッハで解こうとする。

 

しかし、解けなかった。

 

 

 

「殺せんせー、世の中にはスピードで解決できないこともあるんですよ?」

 

 

 

膝を床につけて、理事長は微笑む。

 

 

 

そして、去っていく。

 

ガラッ!と理事長が出てきた。

 

「あ…………」

 

 

理事長はニコッとしている。

 

「やあ!中間テスト期待してるよ!頑張りなさい!!」

 

 

 

この乾いた応援は、暗殺者から落ちこぼれのE組に引き戻された感じがした。

 

 

 

「なんて人だ。なんというか、ラスボス感半端ないな」

 

「そ、そうだね……」

 

浅野 學峯。一体あの人は何がしたいのか………未だにわからない。

 

 

 

============================

 

次の日、

 

「さぁ、授業しましょう」

 

 

なんか増えてる。

 

 

殺せんせーが、いっぱいいる。

 

そして、たくさんいる殺せんせーから授業を受けている。

 

「気味が悪い…………」

 

 

 

 

神栄から、とても冷たい声が出てきた。

 

 

 

なんか、残像が見える………。

 

なんかミッ○ーとかドラ○もんまで見える。

 

「これがこうなってですね………この答えになるんですよ」

 

 

 

説明はわかりやすいが、速い。

 

授業後、

 

「ハァ…!ハァ…ハァ…ハァ…!」

 

 

 

たくさんある触手を利用してうちわを何枚も使っている。

 

 

 

「…………今なら殺れそうだよな、これ」

 

中村がナイフを持ちながら、

 

 

「殺せんせー!大丈夫?」

 

と言いつつ、ナイフで刺そうとする。

 

 

 

 

殺せんせーはひらりと身をかわした。

 

「てゆーかさ、勉強してなんか意味あんのか?」

 

 

 

「そうだよね、100億あればなんでも出来るし……」

 

殺せんせーの顔が変わった。

 

 

 

 

顔にバツがついている。

 

「今の君たちに、暗殺者の資格はありませんねぇ……」

 

 

 

 

そう言って、校庭に全員を集めた。

 

 

殺せんせーはくるくる回り始めた。

 

「………何やってんだ?」

 

「君たちは、『俺らには暗殺があるからいいや』なんて考えてますよね。それは、劣等感の原因から逃げてるだけです。もし、私がここから居なくなったら?もし、あなた達以外の何者かが私を殺したら?あなた達はE組の劣等感しか残らない」

 

 

 

「………」

 

生徒達は皆黙っている。

 

 

 

事実だから、何も言えない。

 

「そんな君たちにアドバイスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

第二の刃を持たざる者は、暗殺者を語る資格なし!!!!!」

 

 

竜巻以上の風が、E組の校舎から吹き荒れる。

 

 

 

「もし、君たちが自信を持てる第二の刃を示さなければ、相手になる暗殺者がいないとみなし、校舎を平らにして、私は去ります」

 

 

 

 

「!!!!!!」

 

 

 

 

それは、殺せんせーだったらやりかねないことだ。

 

 

 

 

「そして、明日の中間テスト、全員50位以内に入りなさい」

 

 

 

「………はぁ?」

 

 

 

 

 

「君たちの第二の刃はすでに私が育ててあります。ですから、自信をもって、笑顔で仕事を成功させるのです」

 

 

…………上等じゃねーか、殺ってやるよ!テストも、殺せんせーも…!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 

 

 




竹林君の初セリフはこれです。


そして次回、テスト開始です。


感想、指摘コメントどしどしください!


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第8話 テストの時間

俺らは今、問題という名のモンスターと戦っている。

 

中間テスト。椚ヶ丘中学校では、我らE組も本校舎で受けることになっている。

 

 

 

前日まで殺せんせーに教わったE組生徒は、大体の問題を解けるようにはなった。

 

(この問題も!あの問題も!解ける!)

 

 

 

これなら、みんなで殺れる!と

 

 

 

 

 

 

 

思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、現実はそう甘くはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

E組生徒は、《見えない問題》に殺されたのだ…………。

 

 

 

 

次の日。

 

 

 

 

 

 

結局、全員50位以内に入るということができなかった。

 

 

 

テスト前に、出題範囲を大幅変更して、E組が解けないようにしたらしい。

 

本校舎では、理事長が全クラス全教科教えていた。

 

 

 

 

 

 

 

約束通り行くと、殺せんせーはここから居なくなる。

 

 

 

「………先生の責任です。今君たちに顔向けできません……」

 

 

 

「とりゃあ!」

 

 

 

腑抜けた神栄の声。

 

 

 

 

パァン!と対先生用BB弾が殺せんせーの頭の目の前まで行く。

 

 

 

しかし、避けられる。

 

 

 

 

そして、カルマがナイフを投げてきた。

 

「殺せんせー、マジでいなくなんのか?」

 

 

 

 

「「顔向けできないのぉ?殺せんせー」」

 

 

 

カルマと神栄に同時に言われた殺せんせーは、顔を赤くして怒る。

 

 

 

 

「カルマ君!神栄君!今先生は落ち込んで………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいよ」

 

2人で合計10枚の紙が机にばらまかれた。

 

 

 

 

殺せんせーは全て見た。

 

赤羽 業、合計494点。

 

神栄 碧、合計489点。

 

「………!!!」

 

 

 

 

「俺らは50位以内入ったよ…?」

 

 

 

 

 

カルマは舌を出して挑発体制をとる。

 

 

 

「……で?逃げんの?」

 

 

「………逃げませんよ!期末テストでリベンジしますよ!負けっぱなしでいいんですか!みなさん!」

 

 

 

少々キレ気味だが、まぁ許そう。

 

 

 

僕らは敗北した。だが、E組生徒はこの負けは必ず返すと心に決めた中間テストだった…………。

 

 

 

 

「神栄、ダッセェ(笑)俺に5点差負けるとか」

 

「うるせーぞカルマ」

 

 

 

 

 

============================

 

放課後、

 

「神栄君、少しいいですか?」

 

 

「なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたはカルマ君を敵視してますね?」

 

 

まぁ、テスト対決などのことがあり、自分で勝手に敵視している。

 

 

 

 

「あぁ、そうだが?」

 

「それと、カルマ君に憧れている」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

今までそんなことは思っていなかった。

 

でも、そうなのかもしれない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「自分に無いことが出来て、自分にあることも出来るカルマ君をリスペクトしている。で、先生からアドバイスです。私を殺しても、殺せなくても、月日は流れます。最後のテストの時、私は現段階では神栄君がカルマ君に勝てるとは全く思えません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冷やかしに来てんのかよ。もしそうなら………本気で殺しに行くぞ」

 

神栄はナイフを持つ。臨戦体制だ。

 

 

 

 

 

 

 

「『現段階では』ですよ。神栄君は敵視よりもリスペクトの方が勝っている。だから勝てないんですよ」

 

 

 

「………で?何が言いたいの?」

 

 

 

「殺しに行くつもりで勝ちに行く。これが一番いいかと思いますねぇ。期末テスト、楽しみにしてますよ……ヌルフフフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く、殺せんせーはこれだから殺しにくい……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

今までこんな先生、見たことないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺せんせーを殺して、カルマに勝つ。これが俺のミッションだ。文句ある?殺せんせー?」

 

 

 

 

 

「ヌルフフフ、素晴らしいです。では、数学ドリル10冊を明日までにやってきなさい!!」

 

 

 

 

「ふざっけんなああああ!!!」

 

 

 

感動を返しやがれ、殺せんせー!!

 

 

 

 

 

============================

 

3年A組にて、

 

 

「…………神栄 碧………か、なかなかやるなぁ…。ね?神栄さん」

 

 

 

 

 

「当然ですよ、碧君は『私だけの』弟なんですから………」

 

「神栄さん。寝てなければ満点なのにね……」

 

赤がかった髪の男はクスッと笑いながら、テストの順位表を見ている。

 

 

「学秀くんには負けるかもねー、多分」

 

 

 

 

 

 

 

神栄 茜音、合計点 400点。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 




ラスボス降臨の予感、そして次回修学旅行編


神栄 碧くんの教科ごとの点数。
国語 99点。数学 91点。理科 100点。社会 100点。英語 99点。

感想、指摘コメントどしどしお待ちしてまーす!!


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第9話 修学旅行の時間


今回から修学旅行編です。


 

 

 

 

「神栄君!班決まった?」

 

茅野が机に身を乗り出して聞いてきた。

 

「んあ?はんって、何が?」

 

ハン?

はん?

HAN?一体何を言ってるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「修学旅行の班だよ!」

 

 

 

 

 

 

修学旅行。3年の1学期位に行う最大のイベントだ。

 

 

 

 

 

 

 

「んー、まだ決まってないや。茅野は決まったのか?」

 

「うん!渚と杉野くんと奥田さんがいるよ!あと女子1人と男子1人以上必要なんだよ。来てくれる?」

 

「お、おう」

 

 

 

 

 

神栄的にはみんな知ってる人なのでありがたい。

 

「カルマ。お前ここの班来いよ。どーせお前を誘う奴なんざいねーだろ?」

 

「んー、いいよ」

 

すると、杉野が少し残念そうにしている。

 

 

 

 

 

「おい!神栄!あいつ何するかわかんねーから、誘うのやめよーぜ!」

 

 

神栄は渚の肩をそっと叩き、

 

「渚、言ってやってくれ」

 

「まぁ、知ってる人だし、大丈夫だよ」

 

「まさか、喧嘩とか気にしてるの………?その点は大丈夫、多種多様の力を使って口は封じるからから。安心して」

 

カルマは悪魔の顔をして、ボッコボコにされている不良の写真をこれでもかと言うくらい見せてくる。

 

「安心出来ないから杉野は困ってんだろ」

 

話を聞かないカルマは女子が1人少ないことに気づく。

 

 

 

 

 

「なぁ、女子1人足らないよ?」

 

杉野はドヤ顔でこちらを見てきた。

 

なんだろう、殴りたい。

 

 

 

「ふっふっふ、この時の為に前から誘っておいたのだ!クラスのマドンナ、神崎さんでどうでしょうか!」

 

「おおー、異議なし!」

 

茅野が納得の班。渚も納得の班。杉野的にはちょっと困った班………になってしまったが、まぁ、大丈夫だろう。

 

「みなさん。班は決まりましたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん??

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーの隣に、とても大きいバッグが見える。

 

バッグには、殺せんせー危機一発や、こんにゃくなどなど、はっきり言えばどうでもいい荷物ばかりが見える。

 

 

 

 

 

「さぁて、先生、しおり作って来たんですよ!」

 

先生のことだから、要点だけまとめた素晴らしいしおりが来るんだろう。そう思っていた。

 

「はい、これが修学旅行のしおりです」

 

「あんなこと考えた俺がバカだった」

 

一体何ページあるんだ!?と思うほどどうでもいいことだらけのしおりだ。

 

まるで国語辞典のようだ。

 

「殺せんせー!これ鞄に入んないよ!」

 

岡島が愚痴を漏らす。

 

「本当無駄だよ、これ」

 

速水 凛香(はやみ りんか)はしおりを殺せんせーに返す。

 

「にゅやっ!?意外に低評価ですか!」

 

 

 

 

 

「当たり前だろ、だったら自分達でまとめた方が100倍マシだ」

 

神栄の言葉が、殺せんせーの心臓を突き刺した。

 

「……………ひどいです。神栄君」

 

「こんなの、絶対使わないだろ」

 

============================

 

 

体育の時間、烏間先生から修学旅行の暗殺についての話があった。

 

「君たちの修学旅行を極力邪魔したくないのだが、これも任務なので仕方ない。修学旅行では腕利きのスナイパーを呼んである。君たちには、狙撃しやすい場所へ奴を連れ込み、スナイパーに殺してもらう、といった形を取る」

 

 

「………って言われてもねぇ」

 

中学校で一回しかない修学旅行でも、暗殺があるのか……と思うと、やる気もなかなか起きない。

 

「渚ー、どこ見るか決めよーぜ」

 

「そ、そうだね」

 

体育が終わり、修学旅行のルート決めが始まった。

 

スナイパーが見つかりにくく、なおかつ自分達も楽しめる場所を見つけるのは、とても難しかった。

 

 

修学旅行前日。

 

神栄宅、

 

「っしゃ、荷物入った………」

 

神栄は大きな荷物にライフルを入れるのに苦戦していた。

 

分解できないため、そのまま入れなければならない。

 

邪魔だったのは、あのしおりだった。

 

結局、しおりは置いていくという結論に至った。

 

「…………殺せんのか……?あいつを」

 

そう言って、布団に入った。

 

 

 

 

 

 

修学旅行当日、

 

 

「みんな集まったか!じゃあ、新幹線乗るぞ!」

 

学級委員である磯貝を先頭に、新幹線に乗り込んだ。

 

1班、2班……と続いていく。

 

ちなみに、神栄は4班だ。

 

「あいつらはグリーン車で俺らは普通車か。いつもの差別ですか」

 

すると、以前神栄と渚にやられた男二人組がこちらを覗いてきた。

 

「成績優秀者には優先されてるんだぜぇ…」

 

「おやおや?君たちからは貧乏な臭いがするよ……」

 

おい待てコラ、成績優秀者なら、俺とカルマはグリーン車だろ。

 

………と思ったが、死んでもあんなところへは行きたくはない。

 

こっちの方が、100億倍マシだ。

 

 

全員乗ったのを確認すると、遅れて金髪の女性が普通車にやってきた。

 

 

「ご機嫌用クソガキ共」

 

これが、休んだ時言ってた英語教師、イリーナ・イェラビッチだ。

 

「あら?あんたがカミサカって奴?中々イケてる男じゃない」

 

「………これはお世辞をどうも、ビッチ先生」

 

ピク、と一瞬固まる。

 

「誰だ!こいつにいらん事教えたやつ!!!知らないのを利用してイリーナ先生って呼ばせようとしたのに!」

 

なにやら銃を突きつけてきた。

 

おそらく、あれは本物の銃だ。

 

「こうなったら………!!!」

 

ビッチ先生は神栄に接近して、

 

銃を床に落とし、頭を両手で持つ。

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キス。

 

「………!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、ベロチューだ。舌と舌が何度も絡まる。

 

「イリーナ、何をしている……!それと、なんだその服装は……!」

 

 

 

 

 

「ははひほほひははひへほ、ははふはぁ!はひほほひほほはほ………」

(固いこと言わないでよ!カラスマ!ガキ共に大人の………)

 

 

 

 

 

烏間先生はとても低い声で怒った。

 

「いいから、脱げ、着替えろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間先生のおかげで、キス地獄から脱出した神栄は、頭を抱えて叫んだ。

 

「クソ野郎……!ファーストキス奪われたあああ!!」

 

いくら神栄でも、その辺はきっちりしている。

 

すると、岡島がそっと、

 

 

 

 

 

 

 

「どんまい、神栄」

 

「お前が言うとエロく聞こえるんだよ…………!」

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 





喧嘩最強班の決定だ、これは……ひどい


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第10話 修学旅行の時間、2時間目


今回も長めです(英語の文がある為)




 

 

神栄は初めてのキスを奪われ、絶望している。

 

「ああ………。あのクソビッチにあんなことされるなんて……」

 

「誰がクソビッチだ!」

 

 

 

 

「お前だよビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチビッチ!」

 

「This goddamn kid! Bullshit!」

(このクソガキ!ふざけんな!)

 

思わず英語で話してしまったビッチ先生、しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Noisy! A woman carried away by an amorous passion bitch! I bump it off!」

(うるさいぞ!痴女ビッチめ!ぶっ殺すぞ!)

 

 

 

 

「What……Can you speak you English?」

(なに……あんた英語話せるの?)

 

 

 

 

「No, there was such a work person, and a parent remembered me unwillingly……」

(いや、親がこういう仕事やってて、仕方なく覚えたんだ)

 

 

 

 

 

「なかなかいいじゃない!クソガキ」

 

と、ビッチ先生は肩をバンバンと叩く。

 

神栄はその手をはたく。

 

「気安く触るな。痴女」

 

 

 

 

 

 

 

 

「きー!やっぱ嫌いよ!バーカバーカ!」

 

 

子供か!と言いたかった杉野と渚。

 

今言ったら2人に殺される、と思ったのか、言いたくても口が動かない。

 

 

 

 

「こいつなんなの!?毎日キスしてやる!」

 

「とんだ痴女がE組に来たもんだ……………」

 

ビッチ先生は新幹線のトイレまで烏間先生に連れてかれ、パジャマに着替えさせられた。

 

 

それっきり、ビッチ先生とは話すことはなかった。

 

「てか、殺せんせーが居ない」

 

この修学旅行で一番重要といっても過言ではない殺せんせーがいない。

 

 

 

すぐ来たのだが遅れた理由が、

 

 

 

 

『地下のスイーツ買ってたら遅れた』そうだ。

 

奴はエロとスイーツには目が無いのか………?

 

 

やはり新幹線内でも暗殺は行われている。

 

ビュン!ビュン!とナイフを刺す時の風の音がたくさん聞こえる。

 

 

「修学旅行ってのに………暗殺かいな」

 

 

「みんなー、なんか買うものある?」

 

茅野がお金を出してくれるらしく、みんなは一斉に言い始めた。

 

「俺お茶でいいわ」

 

「僕もお茶で」

 

「あー、オレもお茶でいいやー」

 

「俺もお茶」

 

 

全員、お茶。

 

「み、みんなお茶ね…………」

 

予想外のことに茅野は少し驚いている。

 

「私も言っていいかな…?」

 

「わ、私も!いいかな?」

 

神崎と奥田が茅野の後ろについていく。

 

すると、

 

 

 

 

 

 

ドン!と誰かにぶつかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご、ごめんなさい」

 

「………………」

 

神崎らが去った後、ぶつかった男らは神崎をじっと見ていた。

 

「……………あいつ、イイ女だな」

 

「でも、新幹線内じゃ捕まえらんねーぜ?」

 

「…………なぁ、オレってさぁ、案外なんでも知ってるんだよね」

 

そう言って、男は神崎のメモ帳を持ちながら笑っていた………。

 

 

 

 

 

============================

 

1時間後、京都に着いた。

 

 

 

 

 

 

「っしゃー、京都だー。とりあえずどこ行くんだ?渚」

 

渚は自分でまとめた地図を広げ、ルートを確認する。

 

 

 

「とりあえず、ここからかな?」

 

 

 

 

「あれ……?やっぱりないな……」

 

神崎が何か探している。

 

「どうしたの?」

 

「メモ帳にルートとか書いといたのに……どこかで落としたのかな?」

 

「まぁ大丈夫だろ、渚も同じようなもの持ってるし」

 

この時は、『あんなこと』が起こるなんて誰も知らなかった……。

 

 

 

============================

 

 

1日目は、いろんな所へ回ることになっている。

 

お寺、神社、などなど………。

 

神崎の提案により、細い一本道を歩いたりした。

 

事件は、そこで起こる。

 

 

 

ぞろぞろと、何人かの男が現れた。

 

 

 

「なーんでこんな拉致り易い所に来るのかなー………」

 

見る限り、不良だ。

 

「……………お兄さんたち、目的が観光に見えないんだけど………?」

 

カルマが挑発している。

 

「男に興味はねー。女置いてとっととお家帰んな」

 

「ったく、しょーがねー奴らだ」

 

神栄は1人の男をぶん殴り、気絶させる。

 

一方のカルマは、

 

顔面を持ち、電柱にぶつける。

 

「…………でたよ、ドSの塊」

 

 

 

神栄はカルマを見て呆れている。

 

 

 

 

あんなエグいの見られたら、SAN値が下がりそうだ。

 

 

 

 

 

ゴッ!!!!

 

 

 

「やっぱり、ここ隠れやすいわぁ」

 

 

 

 

「くそ………がぁ!」

 

 

神栄とカルマは背後から来たもう一人の男に気づかず、気絶してしまった。

 

 

 

 

 

「……お前ら!ふざけんなよ!」

 

渚と杉野が男らに立ち向かうが、あっけなくやられてしまった。

 

 

「……………おい、連れてけ」

 

 

男らは、神崎と茅野を連れ去り、どこかへ逃げてしまう。

 

 

5分後、

 

 

「神栄!カルマ!大丈夫か!?」

 

「………ん、ああ」

 

杉野と渚が、こちらへやってきた。

 

 

 

「あいつら、直接俺の手で処刑させて欲しいんだけど」

 

カルマは本気だ。殺る気が今までとは段違いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はぁ、誰かしおり持ってない?」

 

カルマと同じく、殺る気満々の神栄はとても冷静だ。

 

 

 

 

 

こんな時に頼りになる男は、E組でもあまりいないだろう。

 

 

 

 

 

 

これも、神栄の一つの才能なのかもしれない。

 

 

 

 

「……あるよ。って、何に使うの?」

 

 

渚が神栄にしおりを渡す。

 

 

 

「あのタコのことだ。誰かが拉致られた時の対処法くらいあるだろ…………。お、あったあった」

 

「んじゃあ、行きますか………!女子達を助けよう!」

 

「あの!私はここに居ますよ!」

 

奥田だけは残っていた。

 

 

 

 

 

「「「「え」」」」

 

============================

 

とある車の中、神崎と茅野は腕を縛られ、身動きを取れない状態になっていた。

 

「……これ、犯罪ですよね、私達に何するんですか!!」

 

「あぁ?ちょっと俺らの相手を、な?」

 

助手席にいるボスらしき男が、前を見ずにケータイを見せてきた、

 

「それより、この写真お前だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!?」

 

神崎は固まる。

 

茅野は写真を見ていたが、外見から全く違う。

 

髪の毛は茶色で、服装もチャラチャラしている。おしとやかな神崎とは正反対だった。

 

「神崎さん!これ…………!!」

 

「うん…………」

 

「結構可愛かったから、前々から気になってたんだよ、まさか椚ヶ丘の奴とは思わなかったぜ」

 

「…………………」

 

そうこう言ってるうちに、車が止まった。

 

車が止まった場所は、おそらく閉店したであろう娯楽施設だった。

 

看板は落ちかけていて、ボロボロの状態だ。

 

不良の男らは、神崎と茅野をソファに座らせた。

 

「今から、俺らと残りの10人ほどを相手してもらうぜ、なぁに、心配はいらねぇ」

 

 

 

 

 

 

「…………さいってー………」

 

 

 

 

 

 

 

グッ!と不良は茅野の首を絞める。

 

「エリートが見下してんじゃねぇぞオラァ!いいから相手しろってんだ!帰ってきたら『カラオケに行ってました』って言えばだーれも傷つかない。なぁ……?」

 

すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィ!と錆びた鉄のドアの音が後ろの方から聞こえる。

 

 

 

 

 

「ははっ!撮影班が到着だな!おい!お前ら早くこ…………いよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男が見たのは、ボコボコにされている不良だった。しかも、撮影班の2人だ。

 

カメラも無惨な姿になっていた。

 

「しおりを見た限り、神崎さんらを捕らえた人たちは、修学旅行でおいたをする輩だってよ」

 

「しおりすげーな」

 

「やっぱり、修学旅行のしおりは持っとくべきだよねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ねぇよ!そんなしおり!」」

 

 

 

 

 

 

殺せんせーの完璧すぎるしおりには、誰かが拉致られた時の対処法があった。

 

土地勘のないこの手の輩は捕まえた後、遠くへは逃げない。

 

そして、殺せんせーがマッハで探した拉致実行犯潜伏対策マップがあった為、楽に見つけることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………で、どーすんの?お兄さんら、こんだけの事を俺らにしてくれたんだ、お前らの修学旅行、この後全部…………入院だよ!!!」

 

 

 

 

 

 

「ケッ!おもしれーなァ、でも、この後ツレが何人か来るんだ。これでこっちの方が圧倒的に有利だ。お前らみたいな奴らの見たことのない。不良がたくさんな!」

 

確かに、誰かはやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、不良とは言えない人たちが、数十人出てきた。

 

全員坊主にされて、グルグルメガネをつけられている。

 

なんというか、ガリ勉君が何人もいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不良など居ませんよ、先生が全員手入れしてしまったので………」

 

 

 

 





とりあえず、修学旅行回はあと3回位ありそうです。


感想、指摘コメント待ってます!


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第11話 修学旅行の時間、3時間目

 

 

 

「殺せんせー!!!」

 

「いやぁ、遅くなってすいません。君たちが行くところ以外のいろんな所をしらみ潰しに探していたので」

 

 

 

 

 

 

「それはいいが、殺せんせー、なんで顔隠してんだよ」

 

 

 

 

殺せんせーは歌舞伎の黒子のように、顔が見えないようになっていた。

 

 

 

 

 

しかし、黄色い顔はちょっとはみ出ている。

 

 

 

「暴力沙汰ですので、この顔が世に知られると面倒なので」

 

月ぶっ壊した犯人が何をいう。

 

 

 

 

 

「さっきからうるせぇんだよ!がたがた言いやがって!先公ってことは、俺らをバカにしに来たんだろ!」

 

 

 

 

おらぁ!と4人程が凶器を持って殺せんせーの元へ走っていく。

 

 

 

「ふざけるな」

 

クンッ!と触手で4人の顎を当てる。

 

「ごっ………!」

 

 

 

「あなたたちのような汚い手で私の生徒に触れるんじゃない!」

 

殺せんせーの顔は、真っ黒。ど怒りだった。

 

「お、お前らみないなエリートが、俺らバカ高校を見下すのかよ!あァ!」

 

「……………確かに、彼女らはエリート中学校の生徒ですが、私のクラスは落ちこぼれの集団で、他の生徒からは差別の対象とされています。ですが、そんなことがあっても、彼女らは前へ進んでいます。どんなに汚い魚でも前へ進めば、綺麗になるんですよ」

 

 

 

「……………!!!!」

 

 

真っ黒だった顔がいつもの顔に戻る。

 

そして話は唐突に変わる。

 

 

 

「さぁみなさん、彼らに修学旅行はどんな事か、叩き込ませましょう」

 

 

 

 

殺せんせーはマッハであのしおりを杉野、神栄、カルマ、渚、奥田に手渡した。

 

 

そして、

 

ゴン!!!!!!と後頭部にヒットさせた。

 

「………こいつら……躊躇いもなく鈍器(しおり)を………!!!当てて来やがった!」

 

============================

 

 

「大丈夫だったか?神崎さん、茅野」

 

杉野がナイフで縄を切る。

 

 

 

「へーきへーき!そっちは大丈夫?」

 

 

 

神栄は不良の落としたケータイを見つめる。

 

(………これは)

 

神栄はケータイを持って、神崎に見せた。

 

「神崎。これ、お前なのか?なんか………色々違うけど」

 

「………親が勉強とか結構厳しくて、成績とかは特にうるさかったの………。だから、名門の制服を捨てて、誰もいない場所で遊んでたの。それで得たのはエンドのE組なのよ」

 

「ふーん。なるほどね………」

 

突然だが、神栄には親はいない。

 

 

 

 

父母共に幼い頃に事故で亡くなり、今まで祖父母に育ててもらっている。

 

神栄は一人暮らしだが、祖父母の家はしっかり隣にある。

 

 

 

 

「俺、親が居ないからよくわかんないけど、大変だったんだな………。でも、別に気にすることはないだろ…?」

 

そして、ケータイを真っ二つに割る

 

 

「はい、これでこの事は全てリセットだ。俺らはなーんにも見てない。大丈夫だろ……?お前は頭いいんだから、いつか親にも認めてくれんだろ」

 

 

 

 

「神栄君………!!!」

 

 

 

 

「そうですよ、大丈夫ですよ…!」

 

 

 

 

 

殺せんせーもなんかきた。

 

カルマも、渚も、茅野も、杉野も、奥田も。

 

 

============================

 

「さーて、事件のせいで見事に時間がなくなった。宿舎もどろーぜ」

 

「はぁ、疲れた」

 

神栄と杉野が先頭を歩いている。

 

後ろの方では、茅野と神崎が何やら話している。

 

「神栄君、カッコいいね」

 

「神崎さん!?」

 

茅野がオーバーリアクションをしている。

 

それも当然、神崎はクラス一の美女なのだから。

 

そして、先頭を歩いている神栄と杉野は、横に並んで話ている。

 

「なぁ、神栄」

 

「なんだよ、杉野」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神崎さんのこと、す、すす、好きなのか?」

 

 

 

 

 

「馬鹿か、普通だよ」

 

神崎に対して恋愛感情なんて持たない。きっと、好きな人いるだろうし。

 

「そっか」

 

「やっと終わったぜー………いろいろな」

 

こうして、事件は解決した。

 

だが、これだけでは終わらないのが修学旅行である。

 

 

 

============================

 

その頃のリュウキ君。

 

「………なんだこれは……!!」

 

辞書並み、いや、それ以上のしおりを見て、リュウキという不良学生は覚醒した。

 

のちに、彼は修学旅行の神として京都の街に降臨する………。

 

 

============================

 

神栄「なんだそりゃ」

 

 

 




次回、ネタ回の予感


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第12話 修学旅行の時間、4時間目



ネタ回その1


とある旅館に着いた4班。

 

「だーっ!疲れた疲れた!」

 

神栄が愚痴を漏らしながら、部屋に行く。

 

「おー、おかえり。どうだったか?」

 

「それより、他の班の暗殺はどうだったんだよ」

 

磯貝はため息混じりに言った。

 

「いつもどうり、失敗だよ」

 

 

「あー、だよな」

 

殺してたら、あの場にいないか…。

 

 

「…………さて、風呂でも入るか。渚、行こーぜ」

 

 

 

 

とりあえずいろいろ疲れを癒したかった。

 

 

 

 

この旅館はどこか古くて、歩くたびにギシッ!ギシッ!と言う。

 

 

 

本校舎組は個室なのに、E組は男女1つずつの部屋のみだ。

 

 

 

 

風呂場に行くと、何やら中村と不破が男湯の近くで待機している。

 

 

 

「何してんだ?」

 

 

 

「そりゃもう、覗きだよ」

 

 

 

「…………別にいいが、誰をだよ」

 

 

 

 

「神栄君!?」

 

 

 

中村が男湯を覗くと言うことは、標的は1人しかいない。

 

 

 

 

そう、殺せんせーだ。

 

 

 

 

「殺せんせーの裸を見てやるのよ!はははははははっ!」

 

 

 

 

「ふーん………。んじゃ行くか、渚」

 

 

 

 

「え!?」

 

 

 

カラカラ………と静かにドアを開ける。

 

 

 

 

そして、その先のドアを少し開ける。

 

 

 

見えたのは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌルフフフッ〜〜〜!」

 

 

 

 

 

歌っている殺せんせー。

 

 

 

 

そして泡が出ている。めちゃくちゃ出ている。

 

 

 

 

 

耐えられなくなった神栄は、思いっきりドアを開ける。

 

 

 

「おらぁ!何やってんだよ!お前は女子か!!!!!」

 

 

「にゅや?これは粘液で作ってるので大丈夫なヤツですよ。ミクロの汚れも取れるんですよ」

 

 

(覗いていることにはノータッチなんだ……)

 

 

 

 

渚と不破は心の中でツッコむ。

 

 

 

「……………でも、私たちがここに居る限り、殺せんせーはここから出ることはできない。見せてもらうわよ!せんせーの裸を!」

 

 

 

 

すると、殺せんせーは躊躇いもなく立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お湯を身にまとって。

 

「煮こごりか!!」

 

 

 

そして、窓から逃げる。

 

 

 

 

「……………まじか」

 

 

 

「中村、この覗き、虚しいぞ」

 

 

 

============================

 

「やーっぱり一位は神崎さんか」

 

 

 

「嫌いな奴はいないよなー」

 

 

 

 

男部屋では修学旅行名物、恋話をしている。

 

 

 

何やら結果を紙に書いているようで、神崎が圧倒的一位だ。

 

 

 

「で?上手く班に引き込んだ杉野はどーだったん?」

 

 

 

「色々トラブってよ……じっくり話すタイミング無かったんだよ」

 

「………まじか」

 

 

 

すると、カルマが帰ってきた。

 

 

 

 

「………ん?面白そうなことしてるじゃん」

 

 

 

カルマは気になる娘ランキングの紙を見た。

 

「カルマ、お前気になる娘いる?みんな言ってっから、逃げんなよ〜」

 

 

 

 

木村 正義(きむら まさよし)はカルマの肩を叩き、答えさせようとしている。

 

 

 

カルマは恥じらいもなく答える。

 

 

 

「………奥田さんかなー」

 

 

 

「なんで?」

 

 

 

「だって彼女、怪しげな薬作ってそうじゃん。俺のイタズラの幅が広がるかなーって」

 

「最悪のコンビだな」

 

近づけさせてはいけない、最低最悪のコンビだ。

 

すると、今度は神栄と渚が帰ってきた。

 

「渚ー、お前気になる娘いる?」

 

突然話しかけてくる前原、デリカシー無いのか?こいつ。

 

「気になるというか、よく話すのは、茅野かなー」

 

 

 

 

理由までさらっと言える渚、恐ろしい子である。

 

 

 

でも、好きではないのか……。

 

 

 

「んじゃあ、神栄は………?」

 

 

 

 

 

「ななな、なにいってんのお前馬鹿なんじゃないの俺に好きな人なんて出来るわけないじゃんあはははははははははははは!!!!」

 

 

 

 

この時、男子は気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄……絶対好きな人いる!と

 

 

 

 

to be continued……………

 

 






次回、女子の会


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第13話 修学旅行の時間、5時間目

 

 

 

「わ、分かりやすすぎて逆に怖いぞ、神栄」

 

 

 

 

磯貝のいらない優しさは、神栄のガラスのハートを突き刺した…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

「てか、このクラスでは気になる娘居ないんだけど。昔は居たけどな」

 

 

 

 

 

 

 

みんなの期待をぶち壊すセリフ。

 

 

 

 

 

そして、昔とは以前いた中学校ではなく、小学校の時だ。

 

 

 

 

何というか、悪のない、綺麗な人だった。

 

 

 

 

 

 

「じゃあなんで動揺してるみたいに言うんだよ」

 

 

「え、だって面白いじゃん」

 

 

 

この瞬間、渚、カルマ以外の男子は、神栄に殺意を抱いた。

 

 

 

 

「ざっけんなあああ!神栄ああああ!!!!」

 

 

 

ドタバタしている男子。

 

 

 

「馬鹿だなー、神栄」

 

 

 

「ははっ、そうだね」

 

 

 

 

渚とカルマは、離れているところで静観している。

 

 

 

 

ひらひらと舞う好きな子ランキングは、窓にひっ付いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それを見逃さないのが殺せんせー。

 

 

 

 

なんと、神栄が帰ってきたときには居たらしい。

 

 

 

「ヌルフフフ、こんな感じなんですねぇ………」

 

 

 

 

いち早く気づいたのは、神栄である。

 

 

 

 

「………おい、あいつ見てるぞ」

 

 

 

 

皆が黙って見ると、殺せんせーはマッハで消える。

 

 

 

 

すると、全員はナイフと銃を持ってドアを開ける。

 

 

 

 

「殺れ!!何が何でも逃がすな!」

 

 

「ヌルフフフ、マッハ20はこの為にあるんですよ!!」

 

 

 

 

シャシャシャーッ!と逃げる殺せんせー。

 

 

 

 

それを追いかける男子。

 

 

 

 

「待てコラァ!人のプライバシー侵しやがって!」

 

============================

 

 

 

一方、女子は………。

 

 

 

 

「ねぇ、女子しかこの部屋にいないんだから、恋話しようよ!」

 

 

 

中村は、ニヤニヤとしながら紙を出し、『付き合いたい人ランキング』と書き、床に叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

「さぁ!誰かいないの?」

 

 

 

 

「はーい!私、烏間先生がいい!」

 

 

 

倉橋 陽菜乃(くらはし ひなの)が烏間先生と書き、それに続くよう他の女子も烏間先生と書いた。

 

 

 

「いやぁ、烏間先生は除外でしょ、生徒限定だよ!生徒限定!」

 

 

 

 

中村が全部消して、再び開始。

 

 

 

「でもさ、やっぱりかっこいいのは磯貝か前原だよね」

 

 

 

 

岡野 ひなた(おかの ひなた)がさりげなく言った。

 

 

 

「いやー、《付き合いたい人》だから、かっこいいだけじゃないのよ〜」

 

 

 

中村は女子全員に問いかけるが、全く聞いてくれない。

 

 

 

 

「………あ、新幹線乗る時、神栄君ビッチ先生と英語で話してたよね!あれカッコよかった〜」

 

 

 

 

矢田 桃花(やだ とうか)は女子の中でもモテる部類だ。

 

 

 

 

「ふむふむ、神栄は以外とモテると」

 

 

 

 

結局、付き合いたい人ではなく、かっこいい人は誰かとなってしまった。

 

 

 

そして、投票結果、

 

1位、磯貝 6票

2位、神栄、前原 3票

 

 

 

 

 

「やっぱ磯貝君かー、カッコいいもんねー」

 

 

 

 

 

「ガキ共ーそろそろ寝る時間だから、一応言いに来たわよー」

 

 

 

ビッチ先生がビールを持って言う言葉は、信用ならない。

 

 

 

 

「………と言っても、あんたたちは夜通しで喋ってるんでしょ?静かにしてれば私は何も言わないわ」

 

 

 

 

「流石ビッチ先生!わかってるぅ〜」

 

 

 

ビッチ先生は先程終わったカッコいい男子ランキングの紙を見つめる。

 

 

 

 

「……………へぇ、磯貝が一番か……」

 

 

 

 

「じゃあビッチ先生は誰がいいのー?」

 

 

 

中村がニヤニヤしながらビッチ先生に問う。

 

 

 

 

ビッチ先生はビールを飲みながら、答える。

 

 

 

 

「ガキ共にはいないわ、やっぱり、カラスマかしらね」

 

 

 

 

「………てかさ、ビッチ先生って何歳?」

 

 

突然の質問に、ビッチ先生は固まる。

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁ!?ビッチ先生まだ20歳ぃ!?」

 

驚いて当然だ。あんな痴女ビッチが20歳なんて、あり得ない。

 

 

 

 

今まで何人もの男をヤ(殺)ってきたんだよ…………と女子の半数は感じた。

 

 

 

 

「毒蛾みたいなキャラのくせに」

 

 

 

この一言は、ビッチ先生を怒らせる。

 

 

 

ビッチ先生本人は自分が痴女だとは思ってない。

 

 

 

これが普通だから。

 

 

 

「まぁいいわ。あなた達は平和な国で生まれたんだから、頑張って女を磨きなさい」

 

そういって、お土産で買ってきた八ツ橋をかじりながら、突然ビッチが冷静になった。

 

 

 

 

「………ビッチ先生ってさ、どんな男を堕として来たの?」

 

 

 

興味を示してきたのは、矢田だ。彼女は、先ほど殺せんせーに見られた気になる娘ランキングの第2位になった人だ。

 

 

 

 

岡島曰く、乳がすごいらしい。

 

 

 

全く興味はないがな!by神栄

 

「ガキには刺激が強すぎるけど……いいわ、話そうかしらね」

 

 

 

 

ゴクン!と唾を飲み込む…………。

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーが。

 

 

「はぁ!?秘密の花園に何来てんのよ!」

 

「いいじゃないですか……私も聞いてみたいですし」

 

 

 

 

ピンクの顔をしている。いやらしいを考えてる時の顔だ。

 

 

 

 

 

 

「………あんた、いつからいたのよ」

 

 

 

「そりゃもう、ビッチ先生が20歳だったという話の時から」

 

 

 

 

ビッチ先生は一呼吸おき、優しい顔でマシンガンを殺せんせーに向ける。

 

 

 

 

そして、顔が変わる。

 

 

 

 

「殺れ!ぶっ殺してやるわ!!!」

 

 

 

男子同様、女子も暗殺に参戦した。

 

何人いようが殺せんせーには関係ない。

 

 

 

 

茅野と渚と神栄とカルマは、廊下で話している。

 

 

 

 

「やっぱり、修学旅行でも暗殺かー」

 

 

 

暗殺に参加してない茅野も、一応ピストルは持っている。

 

 

 

「まー、俺ら中学生兼暗殺者だしな。仕方ない事だろ」

 

そういう神栄も、ナイフを持っている。

 

 

 

「明日を期待しよーか。有名な暗殺者が来るんだろ?確か報酬は活躍次第らしいぜ、4班で協力して、頑張ろーよ」

 

 

 

「そうだね、明日殺そう!!」

 

 

 

「ふぁああ………寝よ」

 

 

 

カルマ……やる気あるのかよ。

 

============================

 

 

 

結局、せんせーを何時間も追っかけていたが、死ななかった。

 

そして、次の日………。

 

 

 

 

ついに有名暗殺者の登場だ。

 

 

 

 

 

to be continued……………

 





男子で気になる娘ランキングの1位と2位が神栄に好意を寄せている。

………これはまずいw


次回、オリジナルストーリー有り

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第14話 修学旅行の時間、6時間目


最初は原作通り(めちゃくちゃ短いけど)


それが終わるとオリジナルストーリー(めちゃくちゃ短いけど)



 

 

 

彼の通り名は、『レッドアイ』

 

 

 

赤いサングラスに、帽子。見た限りは普通の日本人ではないが、そんなのを見せる暇はない。

 

 

 

そんなことしてるうちに、殺すからだ。

 

 

 

彼はどんな奴でも、撃ち殺す天才だ。

 

 

 

それが、こんなタコにコテンパンにされるとは思ってもなかった……。

 

 

 

止まっている列車で暗殺対象が下を見て目線をそらしている時に撃った高速回転する弾は、八ツ橋で止められたり、

 

 

 

演技を見ていた暗殺対象を撃とうとしたら、そいつが演技に参加して撃てなかったり、

 

 

 

しかも、決め台詞まで言う。

 

 

そして、相当離れた所から撃った弾は、油取り紙で止められる。

 

 

 

プライドがズタボロだ。

 

追い打ちをかけるように悲劇は続く。

 

 

 

 

 

 

 

暗殺対象に会ってしまったのだ。

 

 

 

しかも、一緒に飯を食った。

 

 

 

そこでは何故か、感謝されたのだ。

 

 

殺す側が殺される側に感謝なんて、今までにない。

 

 

 

暗殺対象が帰った後、レッドアイは決心した。

 

 

 

「俺も、潮時なのかな……」と

 

 

 

 

 

 

 

次の日、

 

 

 

 

「烏間さん。俺、この任務辞退しますわ。未熟だったんだよ、暗殺者として」

 

 

 

「あ、ああ。わかった」

 

 

 

 

電話が切れた後、レッドアイは大きな荷物を持ち、こういった。

 

 

 

 

「さーて、今日のスコープはどんな景色が映るかな?」と。

 

 

 

ここで、レッドアイの語りはおしまい。

 

レッドアイ「はぁ!?」

 

============================

 

 

 

時間は、寺坂の班に殺せんせーがいた頃に戻る。

 

 

 

 

「………でよー!最近はこのゲームにハマっちまってさー」

 

 

 

そう言って、杉野はケータイで画像を見せてきた。

 

 

 

「あの野球ゲームか。俺、買った日にストーリー全クリした」

 

 

 

神栄の一言に杉野は驚き、立ち止まる。

 

 

 

そのゲームは無駄に難しく、頭を使うゲームで有名なのだ。

 

 

 

「まじかよ………。今度進めてくれよ!俺三章で止まっちゃったよ」

 

 

 

「ああ、そのゲーム、オレも持ってるよ」

 

 

 

カルマも話に入ってきて、さらに盛り上がる。

 

 

 

「んじゃ、今度対戦しようぜ!確か三村が持ってた気がするから、2対2で…………!」

 

 

 

すると、昨日ぶっ倒した高校生と同じ制服の人が4、5人程こちらへやってきた。

 

 

 

「リュウキさんの言ってた通りだと、こいつらだなぁ……!」

 

 

 

カルマが先頭に立つ。

 

 

 

「…………なに?また女子でも誘拐すんの……?」

 

 

 

「逆だ。男をボッコボコにしてやんだよ。リュウキさんの敵討ちだ」

 

 

そう言って、男らはカルマ、神栄、杉野の両腕を掴み路地裏へ連れ込んだ。

 

 

 

 

「渚!どうすんの!?」

 

 

 

女と勘違いされた渚は、高校生にそーっと付いて行き、3人の様子を見る。

 

 

 

それに続いて、神崎、茅野、奥田も見ている。

 

 

 

渚はケータイを取り出して、殺せんせーに連絡した。

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいお前ら………何してんだよ」

 

 

 

 

 

気づかれた。

 

 

 

 

目の前では、神栄達が殴られている。

 

 

反抗できない渚は、男に捕まりそうになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………なにやってんだよ、てめぇ」

 

 

「……え?」

 

なぜか、神栄らは渚の前にいる。

 

 

「………ったく、あいつら変なことしやがって、あんな拘束すぐ解けるっての」

 

 

 

神栄によると、一発だけ殴られたが、その後は避け、男を殴り、杉野を助けたらしい。

 

 

カルマは知らん。と言っていた。

 

 

 

 

そして、高校生らをボッコボコにして、拘束する。

 

 

 

 

「選ぶ相手を間違えたな。さぁて、どうしてやるか………」

 

 

すると、殺せんせーが飛んできた。

 

 

 

「みなさん!大丈夫ですか!?事件があったと聞いて……!」

 

 

 

「俺らで解決しちゃった。ごめんな」

 

 

 

「全く……!怪我がないだけまだ良かったですが、もし……!」

 

 

 

「はいはい、説教とか聞きたくないから、はよ他の班で遊んできなよ」

 

 

 

「神栄君………」

 

殺せんせーは、トボトボと歩いて帰ってしまった。

 

 

「ひどいです………神栄君……」

 

 

 

 

 

「んじゃ、旅館に帰ろう。疲れた」

 

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 





短い事件だったし、駄文でしたが勘弁してください。


次回、神栄が達人と○○○対決!?そして、ある疑惑浮上の予感。


そして、次回で長い修学旅行編終了。


指摘、感想コメント待ってまーす!



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第15話 修学旅行の時間、7時間目

今回は全部オリジナルストーリー。


そして、修学旅行編終了


旅館に帰ると、男子がゴロゴロしている。

 

 

「また事件に巻き込まれた。残念な修学旅行だぜ」

 

 

「どんまい」

 

 

磯貝はバラエティー番組を見て笑っている。

 

 

「ってか、そろそろ飯の時間じゃん。早くいこーぜ」

 

 

「おーう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

食事が終わり、自由時間となる。

 

 

恋話も終わったので、みんなはテレビを見たり、ゲームをしたりしている。

 

 

 

 

 

 

 

「神栄君……」

 

 

 

 

 

「ん?なんだ?神崎」

 

 

 

 

神崎から話しかけてくるのはとても珍しい。一体何があったのかはわからないので、とりあえず聞いてみた。

 

 

 

 

「何か用か?」

 

 

 

 

「神栄君ってさ、ゲーム得意?得意なら、私と戦わない………?」

 

 

 

 

 

「杉野との話、聞いてたのか?」

 

 

 

 

 

「うん……だから、『コレ』で勝負したいなーって………」

 

 

 

 

 

 

 

よろしい……………なら勝負だ。

 

 

============================

 

 

旅館には、数台のゲーム機がある。

 

 

 

どれもこれもレトロなゲームだが、一つだけ最新のゲームがあった。

 

 

 

そこでは、大迫力のバトルが繰り広げられている。

 

 

 

 

スタタタタン!パチッ!カシュッ!

と常人ではできない手の動き。

 

 

神崎 有希子はそれを可能にする。

 

 

 

しかし、ゲーム機の奥にはもう1人、神崎と同じくらいの動きをする奴がいる。

 

 

 

 

 

 

神栄 碧。彼はゲームを嗜む(普通の人からしたら異常)程度の遊びはする。

 

そのゲームを少しやっただけで敵はいなくなる。

 

 

 

 

だが、今は違う。

 

 

 

 

今までで最高の相手がいる。

 

 

 

 

それが神崎だ。

 

 

2人は現在、通信対戦ゲームで戦っている。

 

 

 

3回戦まで勝負があり、今は1対1。

 

 

 

「強い………!!神崎!」

 

 

 

「うふふ、神栄君もよ」

 

そんなことを言ってはいるが、手の動きは普通じゃない。

 

 

 

「すげぇ!どっちが勝つんだ!?まぁ、神崎さんだよな!神崎さん、頑張れー!!」

 

 

 

「うるせぇ黙れ引っ込んでろ杉野」

 

 

 

杉野の適当解説が神栄を邪魔する。

 

 

 

そして、決着。

 

 

 

 

 

 

勝者、神崎 有希子。

 

 

 

 

「わーい!神崎さんが勝ったー!」

 

 

 

「ありがとう、杉野君」

 

 

 

 

負けた神栄は、

 

 

 

 

「人間は見ためじゃないよなぁ…。それと、杉野後でぶっ飛ばす」

 

 

 

 

この勝負には、女子全員分のジュースを賭けていた。

 

 

 

 

もちろん、神崎が負けたら男子全員分のだが、

 

 

 

 

 

神栄は女子全員分のジュースを買うハメとなる………………。

 

 

 

「負ける………か、案外いいな」

 

 

偶然その場にいた中村。

 

 

 

中村は、勝負の話は聞いていた。

 

 

 

 

それを知った上で、中村の一言は、

 

 

 

 

 

 

 

 

「え!?神栄君って…………M!?」

 

 

 

 

 

「……何言ってんだ?お前」

 

 

 

突然出てきた、神栄ドM疑惑。

 

 

それを言われてから、通る人に変な目で見られる。

 

 

 

噂というのは、すぐに広がるのか…と感じた。

 

 

 

「俺はドSだっつーの」

 

自分で言うのもなんだが、神栄はMではなくどちらかといえばSだ。

 

 

 

そろそろ怒りも出てきた。

 

 

 

 

再び中村にあったので、とりあえずそう言った。

 

 

 

 

 

「えー………だって、もっと負けたい………とか言ってたじゃん」

 

 

 

 

「馬鹿かお前は、俺は負けたいなんて一言も言ってねーし、てか、勝手な解釈で俺を変人扱いするんじゃねーよ」

 

 

 

 

 

「へぇ………」

 

 

 

関心している中村だが、神栄が消して欲しい事がまだ残っている。

 

 

 

「そんな訳で、ドM疑惑を消せ」

 

 

「はいはいわかりましたよ」

 

 

 

「全く……」

 

 

 

この修学旅行を通して、神栄はほんの少しだが、成長した気がする。

 

 

 

仲間の大切さ。これが一番神栄に足りない事だ。

 

 

今まで1人で居たということもあり、友達を作れなかったのだが、E組に来てからはそんなのはなかった。

 

 

目を見ればわかる。みんな、以前の奴らのような人間ではない。

 

 

「俺、絶対にあいつを殺す。3月までに」

 

「…………何言ってんの神栄。気でも狂った?」

 

 

 

 

 

「その、『何真面目になってんの?』的なのやめてくんないか?」

 

 

こうして、3日間の(暗殺)修学旅行は幕を閉じたのであった…………。

 

 

to be continued……………

 






次回、ついに神栄の好きな人公開………?


指摘、感想コメント、推薦(こんな駄文ですが)待ってまーす!!


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第16話 男子会の時間

ついに明かされる、神栄の好きな(?)人


 

 

そんなこんなで、3日間の修学旅行は終わった。

 

 

 

東京駅で解散したE組。

 

 

 

しかし、磯貝が男子を止めた。

 

 

 

「なぁ、今いい時間だから、男子会しよーぜ!『アレ』の続きも兼ねて」

 

 

 

 

「おー、いいねぇ」

 

 

 

それに乗る前原。

 

 

 

「………なぁ、こんな大人数を入れてくれる店なんてあるのか?」

 

 

 

「それなんだよなー」

 

 

 

結局の所、そこなのだ。

 

 

 

 

15人の中学生が一斉に押しかけてくるなんて、店的にはありがたい事だが、客的にはただイライラするだけだ。

 

 

 

 

しかも、ここでうるさくすれば、椚ヶ丘中学校のイメージを下げることになる。

 

 

 

そうすれば責任はE組に向けられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃー、俺の家来るか?15人位なら入れるかも」

 

 

 

そう言った神様は、神栄だ。

 

 

 

神栄の家は一人暮らしのくせに大きく、20人程は家に入れられる位だ。

 

 

 

 

「まじで!?行こーぜ!!」

 

 

 

「一旦帰宅して、飯持ってこい。そうだな………鍋でもしようかね」

 

 

 

「闇鍋ってことね………」

 

 

 

皆はカルマの方をチラッと見る。

 

 

 

 

案の定、やる気だ。

 

 

 

「オッケー、んじゃ、何かあったら連絡するよ、集合は椚ヶ丘駅で!」

 

 

 

「俺らパスだわ。お前らとなんか行きたくもねぇ」

 

 

 

寺坂 竜馬(てらさか りょうま)、吉田 大成(よしだ たいせい)、村松 拓哉(むらまつ たくや)は、悪ガキ3人組と言われ、他の人達とは少し距離を置いている。

 

 

 

その為か、みんなで何かをする時には必ずと言っていいほど来ない。

 

 

 

「そっか、なら12人か」

 

 

 

この時は、誰も知らなかった。

 

 

地獄の闇鍋が、男子を襲うことを………………。

 

 

 

============================

 

午後3時、椚ヶ丘駅にて、

 

 

 

「おし!全員揃ったな!」

 

 

 

学年委員の磯貝が、神栄よりも前にいる。

 

 

 

 

神栄の家に行くのに。

 

 

 

「なぁ、磯貝。なんでお前が前にいるんだよ」

 

 

 

「あ、悪い」

 

 

 

「おい神栄!早く連れてってくれよ」

 

 

 

前原の言葉で動いた神栄は、前に行って案内した。

 

 

 

「神栄は、兄弟とかいるのか?」

 

 

 

ピクッ!と肩が少し動いた。

 

 

 

 

「ん、ああ、いないよ」

 

 

 

(なんか、隠している気がするな……)

 

 

 

磯貝が考えていることは正しい。

 

 

 

神栄 碧には姉がいる。

 

 

 

だが、神栄は思い出したくないらしい。

 

 

 

『あんなこと』があると…………。

 

============================

 

 

 

「はい、ここだ」

 

 

 

立派な一軒家だ。庭付きで、新築の匂いがする。

 

 

 

「で、デケェ………」

 

 

 

 

木村が上を見上げる。

 

 

 

「神栄は金持ちのボンボンかよ………」

 

 

 

前原は愚痴を漏らす。

 

 

 

「まぁ、じいちゃんがとある企業の社長でな。○○社って言うらしいぜ」

 

 

 

その○○社というのは、男子全員、もとい、誰もが一度は聞いたことのある超超超有名な会社である。

 

 

 

「あの……○○社!?超金持ちじゃん!あれ、年収90億とか言ってたような…………」

 

 

 

三村がキラキラとした眼差しでこちらを見ている。

 

 

 

「あのタコを殺しても、100億だっけ?まぁ、いいカネだよな」

 

 

 

「こんなに金あれば、エロ本が何冊買えるんだよ……!!!」

 

 

 

ダメだ岡島、早くなんとかしないと。

 

 

 

「なぁ、神栄!!!」

 

 

 

ガシッと手を掴んできた磯貝。

 

 

 

 

「お前のじいちゃんの会社で働きたい」

 

 

 

「馬鹿かお前。成人になってから言いやがれ。まぁ、お前なら多分大丈夫だがな」

 

 

 

 

話をぶった切るかのように、中学3年生が高級住宅の前で何してんだ?とカルマに言われ、やっと家に入った。

 

 

「だだっ広いな、ここ」

 

 

 

「まぁな、二階以外はほぼ使ってない」

 

 

 

リビングがあるが、本当に必要な時以外は使わない。

 

 

 

二階に神栄の部屋があるが、そこに必要なものは揃っているので、一階に行く意味がない。

 

 

 

では、何故二階なのか。

 

 

 

一階には、思い出したくない過去がぎっしり詰まった物がたくさんあるからだ。

 

 

 

 

まぁそれは置いといて……。

 

 

 

「で、お前ら材料は持ってきたな?」

 

 

 

「あったりまえだ!」

 

 

 

杉野がドヤ顔をしてきた。

 

 

 

カルマは他の男子よりも材料が2、3倍ほど多い。

 

 

 

「カルマ、ノリノリだな」

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

「まずいぞ、カルマがやる気出したってことは、俺ら………」

 

 

 

大体予想はつく、危ない食材ばかりだろう。

 

 

 

そして、闇鍋大会開催前に、修学旅行の続き、恋話が始まった。

 

 

 

杉野は神崎の事が好きということしかわからない。

 

 

 

あとは一体誰なのか……。

 

 

 

「岡島は矢田か?お前巨乳好きだもんな」

 

 

 

杉野はとっくにバレてる為、バラされる怖さを知らない。

 

 

 

だから、めっちゃ問い詰めてくる。

 

 

「うーん、そうなのかなー?巨乳好きではあるが、なんか違う気が…」

 

 

正直、あの変態は女だったらなんでもいいかと思ってた。

 

 

 

「…………で、神栄は?」

 

 

 

杉野、こっちに振ってくんな!

 

 

 

「だから言っただろ。このクラスはいねーよ」

 

 

 

神栄は平然を装う。

 

 

 

「またまたぁ、気になる娘くらいいるだろぉ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「強いてだ、本当に強いて言うなら、速水みたいな人がいいな。『強いて』だからな!好きってわけじゃないからな!」

 

 

 

「ふむふむ、神栄はツンデレ好き……と」

 

 

 

カルマがメモを取っている。おそらく弱みを握る為だろう。

 

 

 

そんなこと、させるわけにはいかない。

 

 

 

「よこせカルマ。没取だ」

 

 

 

 

意外に、カルマは簡単に諦めてくれた。

 

 

 

 

恋話なんてどうでもいい闇鍋だ!と顔が言っている。

 

 

 

カルマの頭の中は闇鍋でいっぱいだったのだ。

 

 

 

午後5時、闇鍋開始。

 

 




神栄のあの一言、覚えといた方がいいと思います。

なのでもう一度載せときます。

「強いてだ、本当に強いて言うなら、速水みたいな人がいいな。『強いて』だからな!好きってわけじゃないからな!」

神栄、お前もツンデレなのかよ………。

指摘、感想コメント待ってます!



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第17話 闇鍋の時間

初めて予約投稿してみた。


そして安定の駄文注意





 

 

一気に入れるとまずいので、出席番号の遅い順で入れることとなった。

 

 

 

そして、5分後。

 

 

 

「おし……!入れたよー」

 

 

 

 

カルマが材料を入れたので、実食。

 

 

 

 

「せーので食べるぞ」

 

 

 

(せーの!)

 

 

 

「「「いただきまーす!!!」」」

 

 

 

 

 

パクっ!と口に入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「×%・→<→×%*€€!?!?」

 

 

 

 

声に出せないほど、不味い。

 

 

 

 

カオスな味付けだ。

 

 

 

 

「カ、カルマ……。お前何入れた」

 

 

 

 

 

「ハバネロと、唐辛子と、とりあえず辛い系はほとんど入れた。後は………、不味い食材かな」

 

 

 

 

不味い食材ってなんだよ。

 

 

 

 

しかも、カルマは一口も食べてない。

 

 

 

E組男子、ノックアウト!!!

 

 

 

「カ………ルマ………。後で殺す…………」

 

 

 

これが、神栄の最後の言葉でした。

(そしてすぐに復活)

 

 

 

 

かろうじて生きていたのは、神栄、千葉、渚、磯貝、前原の5人だけだ。

 

 

 

普通に生きてるのは、カルマのみ。

 

 

 

 

「カルマ君……食べてみなよ」

 

 

 

「えー、やだよ」

 

 

 

やっぱり、そうだよな。

 

 

 

「はよ食えやカルマ。お前にも食べる義務があるからな」

 

 

神栄はがしっ!とカルマを掴み、強引に食べさせようとする。

 

 

「くそっ……!」

 

 

 

箸を持ち、得体の知れない何か触れる。

 

 

 

 

ぶにょん。

 

 

 

「なんだ?これ」

 

 

 

真っ暗なので、全く見えない。

 

そして、一口。

 

 

 

「うぉおええええ!!不味い!不味過ぎるッ!!」

 

 

 

 

「変な食材ばかり入れたお前が悪い。もっと食え」

 

 

 

 

3分後

 

 

 

「あ、ああ………あああ……」

 

 

 

 

カルマ、闇鍋に殺られる。

 

 

 

カルマが殺られたところで、電気をつける。

 

 

 

 

「おい………!みんな何入れてやがる!」

 

 

 

 

真っ先に見えたのはマヨネーズだ。

 

 

 

 

 

普段見るマヨネーズの量じゃないのだ。

 

 

 

 

そして、みかん。

 

 

 

鍋にフルーツが入ってる。これは大問題だ。

 

 

 

みかんを見つけると、りんごだのなしだのパイナップルだの、次々と見つかる。

 

 

 

てか、パイナップルってなんだよ!

 

 

 

「食べたことを考えるだけでゾッとするんだが…………」

 

 

 

「だな……」

 

 

 

千葉もそのようだ。

 

 

 

 

「よーし、捨てよう。この食魔を」

 

 

 

 

「あぁ、二度と闇鍋はしないと誓った瞬間だぜ」

 

 

 

 

ドボドボ!と流される闇鍋。

 

 

 

 

異臭がする。

 

 

「もうやだよ………」

 

 

 

渚の本音が聞けた気がする……

 

============================

 

闇鍋を捨てた後、なかなか話が出てこない。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく喋らない5人の沈黙を神栄がぶち壊した。

 

 

 

 

「何か食べようか」

 

 

 

 

「まともなのよろしくな」

 

 

 

まとも。ここが一番重要だ。

 

 

 

「わかってらぃ」

 

 

 

30分後。

 

 

 

 

「はい、あるもので作ったから」

 

 

 

 

それは、親子丼だった。

 

 

 

黄金色に輝く卵。皿に溢れるほど大きい鶏肉。

 

 

 

 

ちなみに、神栄は料理が特異だ。

 

 

 

「いっただっきまーーす!!」

 

 

 

パク。

 

 

 

バタン!

 

 

 

何故か、皆は倒れる。

 

 

 

 

先ほど言った通り、神栄は料理が『特異』である。

 

 

 

 

自分や親族などは普通に食べられるが、他人が食べると大体の確率で気絶する。

 

 

 

 

「か………みさかぁ………」

 

 

 

 

もう、二度と神栄の家には行かないと誓った千葉、渚、磯貝、前原である。

 

 

 

 

次の日、

 

 

 

 

教室には男子が神栄しかいない。

 

 

 

男子全員、闇鍋に殺られている。

 

 

 

 

「なんで神栄君だけいるの?」

 

 

 

片岡が周りを見る。

 

 

 

見ても、男子は神栄しかいない。

 

 

 

「鍋に………殺られた」

 

 

 

神栄は闇鍋のことを女子に説明した。

 

 

 

「あっはははは!カルマ君まで食べたんだ!面白ーい!!」

 

 

 

「……で、現在も気絶中って訳ですよ」

 

 

 

すると、殺せんせーがやってきた。

 

 

 

「おはようございまs………にゅや?男子がいませんねぇ」

 

「闇鍋で死んでます」

 

 

 

また殺せんせーに闇鍋のことを説明した。

 

 

 

「君たち、間違っても受験生ですよね?まぁ、私が地球を殺るので、意味ないですが」

 

 

 

「まーな。高校なんて余裕だよ」

 

 

 

ガラガラ!とついに男子が教室に着いたようだ。

 

 

 

「あー………。死ぬかと思った」

 

 

 

「まさか神栄の料理がこんなに不味いとは………」

 

 

 

皆、神栄の激マズ料理に不満があるようだ。

 

 

 

 

「なるほど、遅刻の原因は闇鍋からの神栄君の不味い料理という訳ですか………」

 

 

 

 

「俺の料理は原因に含まれてねーよ」

 

 

 

「馬鹿言え、千葉と渚と磯貝と俺はお前の料理に殺られたんだよ」

 

 

 

前原が以前よりげっそりとしている。

 

 

 

男子が来ると、さらに烏間先生まで来た。

 

 

 

「えー、明日から転校生が来る。少々見た目で驚くかもしれんが、何も言わないでやってくれ」

 

 

 

この時期に来るってことは、間違いなく暗殺者だということは、言うまでもなかった。

 

 

 

そして、次の日。

 

とんでもない暗殺者が来たのである…………。

 

 

 




ネタ回終了。

そろそろ原作通りに進めないと………。


次回、絵文字を使用するシーンあり。

感想、指摘コメント待ってます!


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第18話 転校生の時間


超急いで書いたので、いつも通りですが、駄文注意です。




今回の話では倉橋さんか超空気読みません。





 

 

修学旅行が終わり、男子会も終わり、とりあえず楽しいイベントが終わった日、烏間先生からE組全員に一斉メールが届いた。

 

 

 

昨日教室で言われた通り、転校生が来るらしい。

 

 

 

写真まで添付されていたので見てみると女子だった。

 

 

 

「ねぇ、神栄君。彼女、見た感じだとかわいいよね」

 

 

 

 

「至って普通の女子中学生に見えるのは、俺だけか?」

 

 

 

 

 

「殺し屋という時点で普通じゃないよ」

 

 

 

 

まぁ、それは大体合ってる。

 

 

 

教室に着いた瞬間、原 寿美鈴(はら すみれ)の席の後ろに、黒い物体がある。

 

 

 

「ま、まさか………あれが転校生なわけないよな」

 

 

 

 

============================

 

 

 

「えー、ノルウェーから来た自立思考固定砲台さんだ」

 

 

 

ついにここE組にも、人外転校生が現れた。

 

 

 

教師も合わせると、2人だが。

 

 

 

「プー!クスクスクス!」

 

 

 

「お前が笑うんじゃない。同じイロモノだろうが。あと、言っておくが、彼女は思考能力と顔を持ち、れっきとした生徒として登録されている。お前は彼女に攻撃できないのは言うまでもないか」

 

 

 

契約を逆手に取ったこの転校生は、

一体どんな暗殺をするのだろうか…………。

 

 

 

============================

 

1時間目、国語。

 

 

 

「…………ですので、この登場人物たちの相関図をまとめると……」

 

 

 

くるりと背中を見せる殺せんせー。

 

 

 

この時、自立思考固定砲台は何丁あるかわからないほどの銃を出してきた。

 

 

 

「まじかよ……!!」

 

 

 

そして、発砲。

 

 

 

しかし、それを軽くかわす殺せんせー。

 

 

 

「こんくらいなら、うちの生徒もやっていることですよ?」

 

 

 

自立思考固定砲台の本当のチカラは、ここから始まる。

 

 

 

避けられた弾全てを分析し、殺せんせーの逃げ方を調べる。

 

 

 

 

すなわち、彼女は進化する。

 

 

 

AIも構造も自分の手で。

 

 

 

だんだんアップデートが入る。

 

 

再び弾が飛び交う。

 

 

 

以前と変わらない感じもするが…

 

 

 

 

 

 

 

 

ブシャッ!

 

 

 

触手に球がヒットした。

 

 

 

神栄が見た限り、殺せんせーは確実に弾をチョークではじいた。

 

 

 

だが、弾が殺せんせーに当たった。

 

 

 

「一体、何しやがった!あの機械!」

 

 

 

隠し弾。全く同じ射撃の後に、見えないように一発だけ追加していたのだ。

 

 

 

『右指先破壊、増設した副砲の効果を確認しました』

 

 

 

なにやら自立思考固定砲台は、ブツブツと独り言を言いはじめる。

 

 

 

「………まだ進化すんのかよ……」

 

 

 

その度その度進化していっている。

 

 

 

このままだと、殺せんせーを殺すのも、時間の問題だ。

 

 

 

「おい……!1時間ずっとあの機械撃ち続けていたが、これを掃除してくれる機能はついてないのか?」

 

 

 

 

何千、何万という数の対先生用BB弾が、床一面に広がっている。

 

 

 

当選ながら、自立思考固定砲台に掃除機能などない。

 

「俺らが掃除かよ………」

 

 

 

 

千葉は嘆くが、機械は動かない。

 

 

 

 

仕方なく、掃除を始めるE組生徒。

 

 

 

そして、2時間目、3時間目……と発砲してはみんなで片して、また発砲してはみんなで片付ける。

 

「やってられっかよ…!こんなの」

 

 

 

 

村松がそんなことをいっても、自立思考固定砲台は聞こえない。というか聞かない。

 

 

 

 

なんとか6時間目まで耐えたが、E組の自立思考固定砲台の評価は限りなく底辺に近かった。

 

 

 

 

このことについて話し合いたかったのだが、口で言うと殺せんせーが「転校生には仲良くしなさい!」というかもしれないので、最近中学生の間でよく使われているスマホの無料トークアプリで話すことにした。

 

 

 

 

神栄が家に帰っていた時には、すでに話し合いは始まっていた。

 

 

 

片岡『さて、固定砲台さんについてどうする?』

 

 

さて、ということは、さっきまでは雑談してたのか。

 

 

よく見ると、岡島の下衆話から始まっている。

 

 

しかも、岡島は塾だとかなんとかで退出している。

 

神栄『お前らさっきまで何話してたんだよ。早く進めよーぜ』

 

片岡『まともな人がやっと来たよ………(~_~;)』

 

 

 

 

今までどんだけまともな人いなかったんだよ。

 

神栄『他にはまともな人いなかったのか?』

 

片岡『速水さんとか、矢田さんとかかな』

 

神栄『全員女子かよ』

 

 

 

 

もう、個人トークになっている。

 

矢田『早く進めよーよー^o^』

 

 

 

そう言われたので、片岡もそうだね、と言い、やっと話し合いが始まる。

 

 

 

神栄『どうにかしてあいつの攻撃を止めらんないかね……』

 

片岡『そこなんだよねー(ー ー;)』

 

あれか、最近の女子ってのは、毎回絵文字つけてくるのか。

 

友達がいなかった神栄は、女子と話すことなど皆無に等しかった。

 

だから、キリッとしてはいるが心の中では緊張もしている。

 

 

 

 

一つだけ言わせてもらおう。興奮ではない。絶対、絶対だ。

 

 

 

 

神栄『なにすんの?結局』

 

速水『………彼女って機械なんだから、ウイルスでも入れればなんとかなるんじゃない?』

 

神栄『速水、それは酷いぞ』

 

 

 

 

そういった瞬間、片岡も同じことを言った。

 

 

 

片岡『………というか、既読してる人出てきてよ!(♯`∧´)』

 

全くその通りだ。

 

 

 

既読が7程あるのに、まともに話してるのが3人(神栄除く)しかいないのはおかしい。

 

 

 

だが、そんなことを言えば言うほど来なくなるのは、まともにメールをしない神栄でもわかった。

 

 

 

来いと言われたら行きたくなくなる気持ちもわかる。

 

 

 

逆に来るなと言われたら来たくなってしまう。そんな感じで出てこいと言われたら、何か言われると思ったのだろう、だから、誰もこなかった。

 

 

 

神栄『まぁ、俺らで話せばいいじゃん。聞いてはいるんだから、俺らが勝手なこと言っても無視ってる奴らは反抗できないんだし』

 

 

 

すると、

 

 

前原『ごめん!寝ながらケータイ開いてたみたいで、既読無視してたよ!悪いな!』

 

 

 

これはわざと言ってるのか?それとも本気で言ってんのか?

 

 

 

でも、来ても前原ただ一人だ。

 

 

 

神栄的には男が1人欲しかったのでよかったが、

 

 

倉橋『おはー!』

 

 

 

うん………あのな?

 

 

 

倉橋 陽菜乃(くらはし ひなの)はどこかふわふわとしていて、のほほーんとしているので、神栄の中ではふわふわガールと命名されている。

 

 

 

神栄『今10時なんだが…………』

 

倉橋『気にしなーい!で、何話してんの?』

 

片岡『自律思考固定砲台さんについて話してるの』

 

倉橋『へぇーそうなんだー、でさ!駅前に美味しいケーキ屋さん出来たらしいよ!今度行こーよ!σ(^_^;)』

 

片岡『倉橋さん……』

 

 

 

 

きっとこういうことが原因で、話し合いが進まないんだな、と思っていた神栄であった…………。

 

 

 

 

to be continued……………

 





最近、すげー面白いストーリー考えたけど、それを入れるための前フリができない……!!


面白いストーリー(?)は、多分5〜10話位までかかりそうな長いストーリーです。


でも、安定の駄文かと思われる。

次回、神栄悲劇………かもしれない。


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第19話 改造の時間

今回は神栄のセンスが問われる回です。


そしていつもの駄文注(ry



 

片岡『あれはこーするべきで……』

 

速水『そしてこれを……』

 

矢田『あー、それでこうすれば…………』

 

倉橋『ねーねー、明日ケーキ食べに行こうよ』

 

 

 

 

おい、一人だけやる気ない奴いるぞ。

 

 

 

神栄と前原は、女子達の話し合いに全くついていけず、既読だけしていた。

 

 

 

 

前原と個人でトークし始めるほど難しい話になった。

 

 

 

前原『難しい話だぜ……。あれは女同士がやることだ、俺らが出しゃばると、最悪死ぬ♪(´ε` )』

 

 

 

言っていることと絵文字が合ってない気がするが………。

 

 

 

神栄『眠い。寝る』

 

 

 

そういって逃げ、ゲームを始めた。

 

============================

 

 

 

 

次の日、自律思考固定砲台は原の後ろの席に佇んでいた。

 

 

 

彼女はまだ起動していない。

 

 

 

「あいつ……起きてないのか」

 

 

 

教室に入り、自分の席に座っていると、渚がこちらにやってきた。

 

 

 

「………というか、神栄君達昨日うるさかったよ。塾終わったらLI○Eに500件もあったよ」

 

 

 

「俺はほとんど参加してないし、話してたのは主に女子だろ」

 

 

 

「でも、最初の方は神栄君も入ってるよ?ほら」

 

 

 

そう言って渚はスマホを見せてきた。

 

 

 

 

本当だ。最初の方は俺が入ってる。

 

 

 

「でも悪いのは女子だっ……!?」

 

 

 

 

渚の後ろに、殺気を感じた。

 

 

「かーみーさーかーくん?」

 

 

 

「ごめんなさい俺が悪かったです許してくださいお願いします」

 

 

 

 

全ての責任は、神栄が負担するはめになった。

 

 

 

 

「扱いやすいわ、神栄君って」

 

 

 

本当、女子って怖い………。

 

 

 

「………で、自立さんの対処はどうするんだよ」

 

 

 

昨日散々話したというのに、解決策が決まってなかったらしく、片岡はてへ☆と可愛げにおでこをコツンとした。

 

 

 

「お前、そんなことするんだな。正直気持ち悪いぞ……って、いだだだだだだだ!許して!超可愛いから!」

 

 

 

 

「全く、神栄君は一言余計なのよ。口がなかったら『そこそこ』カッコいいのに」

 

 

 

「って、そこそこなのかよ」

 

 

 

 

「ごちゃごちゃうるせーよ!!」

 

 

 

寺坂が机を叩き、強引に教室を静かにさせた。

 

 

 

「とりあえず、あのポンコツ機械をどうにかするんだろ…………だったら、コレだろ」

 

 

 

寺坂がニヤッとしながら、例のブツをくるくると回し始めた。

 

 

============================

 

 

「おはようございます」

 

 

 

殺せんせーが教卓に立ち、出席確認をし始める。

 

 

 

「朝8時半。システムを全面起動。今日は6時間目までに215通りの射撃を実行。引き続き殺せんせーの回避パターンを分析し………!?」

 

 

 

 

自律思考固定砲台の体(?)には、ガムテープをぐるぐる巻きにされていた。

 

 

 

 

「………殺せんせー、拘束を解いてください。これでは射撃ができません。もしかして、これはあなたの仕業ですか?これは生徒に対する加害であり、契約違反なはずですが」

 

 

 

 

「ばーか、やったのは俺だ」

 

 

 

寺坂はくるくるとガムテープを回しながら、自律思考固定砲台に言い放つ。

 

 

 

「どう考えても邪魔だろ。常識くらい身につけてから殺りにきやがれポンコツ」

 

 

 

「そうね、昨日みたいなことされると、授業になんないもの」

 

 

 

片岡が寺坂の発言に付け足した。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あれ?LI○E必要なかったと思うのは…………どうしてだ?

 

 

 

「俺、運悪いのかな………」

 

 

 

 

すると、自律思考固定砲台は固まり、シャットダウンした。

 

 

 

「どうしたんだ?」

 

 

 

神栄が機械をバンバン叩く。

 

 

 

しかし、反応はない。

 

 

 

その日、自律思考固定砲台が動くことは、一度もなかった………。

 

 

 

 

 

 

その夜、

 

 

 

『自律思考固定砲台より開発者へ、予想外のトラブルにより、2日目の暗殺を実行出来ず。私の独力で解決できる確率、ほぼ0%。卒業までに暗殺できる確率が格段に下がる恐れあり。至急対策お願いいたします』

 

 

 

 

「………開発者に頼ってはダメですよ。自律思考固定砲台さん」

 

 

夜中、殺せんせーが、自律思考固定砲台の様子を見に、校舎にやってきた。

 

 

 

「あなたの保護者が考える戦術は………この教室の現状に合っているとは言い難い。それに、あなたは生徒であり、転校生です。みんなと協調する方法は、自分で考えるべきです」

 

 

 

 

 

 

現段階で、みんなから見た自律思考固定砲台の評価は、底辺に等しい。

 

 

 

 

 

『……協調……?』

 

 

 

「彼らにしてみれば、あなたの射撃で授業が妨害され、おまけに掃除しなければならない。しかも、君が私を殺した時、賞金は開発者である君の保護者に渡るでしょう」

 

『………………』

 

 

 

「私が言いたいことは、君の暗殺は他の生徒にはメリットが一つも無いということです」

 

 

 

自律思考固定砲台の口が、ゆっくりと動く。

 

 

 

『………………そう言われてやっと理解しました……。殺せんせー』

 

 

 

「ヌルフフフ、では、自律思考固定砲台さんの性能アップでもさせましょうかね………これも一つの手入れですよ…………」

 

 

 

殺せんせーは、工具セットを机に置いた。

 

 

 

 

 

「さて………みんなとの協調性を身につけて………どんどん才能を伸ばしてください」

 

 

============================

 

 

次の日、

 

 

 

「ったく、昨日はあいつが起動しなかったから普通の授業受けられたけどさ、今日はやばいだろ……なぁ、杉野」

 

 

 

 

 

「だなー、てかよ、烏間先生に苦情言おうぜ。あいついると迷惑だからよ」

 

 

 

 

「おはよー、杉野、神栄君」

 

 

 

 

渚が走って来る。

 

 

 

そして、杉野がドアを開けると、

 

 

 

昨日より体積が増えている自律思考固定砲台がいた。

 

「…………ん?」

 

 

 

 

『渚さん!杉野さん!神栄さん!おはようございます!』

 

 

 

昨日までは自律思考固定砲台の顔しか見えなかったが、今は体全体が見える。

 

 

 

なんか、いろいろおかしくなってきているような………。

 

 

 

「昨日色々自律思考固定砲台さんをいじったら、先生の財布の残高がなんと……………。5円!!!!!そして、なんと!あざとくタッチパネル機能付きです!!!」

 

 

 

 

「………本当か?それ」

 

 

 

 

「当たり前です」

 

 

 

神栄は自律思考固定砲台の前に立ち、顔を触る。

 

 

 

 

 

 

「硬い」

 

 

しかし、画面では触られてる感が出ている。

 

 

 

自律思考固定砲台は少し照れっとしている。

 

 

 

「うわぁ…………これはこれで気持ち悪い」

 

『………ひどいです、神栄さん』

 

 

 

 

ぐすん……!と自律思考固定砲台は泣いてしまった。

 

 

 

 

それを見てしまった女子達は、神栄を責め始めた。

 

「あーあ、泣かせた」

 

 

 

「………てかよぉ、いくら愛想よくたって所詮機械だろ。どうせまた射撃でもするんだろ?ポンコツ」

 

 

 

『………………寺坂さんもひどいです……!』

 

 

 

うわあああ!と泣き崩れる自律思考固定砲台。

 

 

 

「寺坂君が二次元の女の子泣かせたー」

 

「神栄君も泣かせたー!」

 

 

 

「「誤解させる言い方やめろよ!!」」

 

寺坂と神栄の声がハモる。

 

 

 

「………と言うわけで、仲良くしてあげてくださいね」

 

 

 

(泣いてるのに、そんなこと言うのかよ……!殺せんせー)

 

 

 

「「「「「はーい」」」」」

 

 

============================

 

 

 

 

6時間目終了後、帰る前のこと。

 

 

 

「あのさ、いつまでも自律思考固定砲台っていうのなんかめんどいし、あだ名でも付けないか?」

 

 

 

神栄が提案すると、みんなが集まる。

 

 

 

「そうだねー、なんか一文字取って………自…………律……」

 

 

 

 

「「「律!!!!!」」」

 

 

 

 

(安直すぎるが……)

 

 

 

 

神栄が最初から決めていた名前は、

 

《自律っちゃん》(じりっちゃん)だ。

 

全くセンスのない名前ですね。

 

もう少し頑張りましょう。

 

 

「まぁ………だよな………」

 

 

============================

 

 

次の日、何故か律は元に戻っていた。

 

 

 

 

「……………」

 

 

生徒に危害を加えないという契約だったが、改良行為も危害に含めると言われ、殺せんせーは教室の隅で項垂れていた。

 

 

 

 

 

「………親よりも生徒の気持ちを尊重したのに………ひどすぎますよ……開発者さん……」

 

 

 

 

元に戻っている、ということは、銃撃の絶えない毎日が始まるということだ。

 

 

 

「来るぞ!!!」

 

律が射撃準備をし始めた……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたのだが、

 

 

 

 

 

律の体からは、たくさんの花束があった。

 

 

 

律曰く、自分の意思で開発者に逆らったそうだ。

 

 

 

 

こうして、3年E組に仲間が1人(?)増えた。

 

 

 

いいのか、悪いのか…………。

 

 




最後、めちゃくちゃ雑ですが、許してください



次回、『あの』2人が………!?


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第20話 偵察の時間

最近、お気に入り登録してくれる人が多い!ありがとうございます!!


男子会の『あの』言葉がついに使われる回です。


6月、梅雨の時期である。

 

 

普段から外に出ない神栄は、雨だろうと晴れだろうと関係ない。

 

 

自宅でゲームをしていると、中村からメールが届いた。

 

『今すぐ椚ヶ丘駅集合、拒否権はない』

 

 

なぜ拒否権はないんだよ、中村さん

 

 

とりあえず、着替えて外に出た。

 

 

 

その日は梅雨の時期にしては珍しく晴れていた。

 

 

椚ヶ丘駅に行くと、中村と前原がいた。意外な奴らだった。

 

 

「…………で、何の用だ」

 

 

「ふっふっふ、君はあれを見てなんとも思わないのかい!?」

 

中村の指がさした方向を見ると、あらあらまぁまぁ、なんということでしょう、速水と千葉が《2人きり》で話してるではありませんか。

 

 

「…………これが何?」

 

 

「あんた、速水さんのことが好きなんでしょ?千葉に取られていいの?」

 

 

神栄は立ち止まる。

 

 

そうだ。男子会の時……!!!

 

 

『強いてだ、本当に強いて言うなら、速水みたいな人がいいな。『強いて』だからな!好きってわけじゃないからな!』

 

 

と言った記憶が……………。

 

 

 

というか、何で中村が知っている?

 

 

「……………どこで知った」

 

 

「………さぁね」

 

 

「………………いや、俺速水のこと好きじゃないし、ああいう人がいいってだけで、あいつに対して好意なんて全くないし」

 

 

 

「はいはい、言い訳は良くないよ。それより………偵察しよう!2人の1日を!!!!!!」

 

 

 

 

「おおー!!!」

 

 

 

前原がノっている。何で前原が来たかはわからんが。

 

 

 

 

「なんで前原きたの?ぶっちゃけ、来た意味ないよな」

 

 

「え……?俺は別に去ってもいいんだよ?でも、お前らがなんか付き合ってるって誤解されてもいいんならな」

 

 

「いや、俺はいいんだが」

 

 

神栄はもう、やる気ゼロ状態だ。

 

 

(メール無視しとけばよかった…)

 

 

 

無視してたら、今頃最新ゲームをクリアしていたというのに。

 

 

============================

 

 

千葉は、何故速水と一緒に行くのか、これにはちゃんとした理由があった。

 

 

 

千葉はクラスで射撃が男子の中で一番上手い。

 

一方速水は女子で一番射撃が上手い。

 

だから、上手い者同士で新しく入荷されたエアガンを買おうとした。

 

その為に、速水を呼んだのだ。

 

「………悪いな、勝手に呼んじゃって」

 

「いや、私も千葉と新しいエアガン買おうと思ったし、大丈夫」

 

 

遠くから見てると、ただ2人が喋ってるだけだ。

 

 

 

「……………これ、大丈夫か?」

 

 

「捕まりはしないでしょ!多分」

 

 

 

多分かよ。

 

 

 

 

 

 

椚ヶ丘駅を出発し、隣町の駅まで2人は話すことはなかった。

 

 

 

(………素晴らしい程何もないな……)

 

 

 

神栄はこのまま降りて家に帰りたい、と言ったのだが、

 

 

 

「降りたら、速水さんと付き合ってるって言っちゃうよ……?」

 

 

と言われた。

 

 

 

「いやいや、速水が迷惑だろ。なんであいつに迷惑かけなきゃいけないんだよ」

 

 

 

「………だったら、素直に来なさい」

 

 

「……………はい」

 

 

椚ヶ丘駅から電車で30分。そこそこ有名な場所へやってきた。

 

いろんなショッピングモールが建っていて、若者の街といっても過言ではない場所だった。

 

 

「おい、これからどうすんだよ。この人混みだと、あいつらとはぐれるぞ」

 

 

 

以外にノリノリな神栄。

 

 

「あれ!?前原がいない!?」

 

 

そういえば、駅出てから見てないような………。

 

 

 

すると、メールが来た。

 

 

当然、前原からだった。

 

 

『ゴメン(>人<;)今日他校の人と遊ぶの忘れてた!勝手にいなくなったけど、気にしないで偵察してね!あ、よかったら画像を頂戴ね!^o^』

 

 

 

なんだこいつ、ちゃっかりしてるぞ…。

 

「はぁ……。中村、行くぞ……ってあれ?」

 

 

 

 

 

ありゃ?いないぞ?

 

 

 

どこを見ても金髪でチャラチャラしてる女がいない。

 

 

 

これってもしかして……………。

 

 

 

 

 

 

迷子!?!?

 

 

 






神栄がどれだけ外に出てないかがわかるね!

神栄「外だるいんだもん」



次回、偵察後編でーす!


指摘、感想コメントいつでも待ってるよ!


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第21話 偵察の時間、2時間目

お気に入りが100件行った!ありがとうございます!


これからも頑張ります!


……というわけで、続きをどうぞ!


 

 

 

神栄と中村ははぐれてしまった。

 

 

 

 

しかし、今の時代、ケータイと言う神アイテムがある。

 

 

 

これで連絡すれば、すぐに見つかる。

 

 

 

「……………繋がんねぇ」

 

 

 

神栄近辺でケータイを使ってる人が多かった為、電波が異常に悪かったのだ。

 

 

離れたところから、再度かけ直す。

 

 

 

「もしもし、お前、今どこいんの?」

 

 

『あー、ごめんごめん!人混みに飲み込まれちゃって………!』

 

 

「………で?千葉達見つけるの、すごく難しくなったぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ?呼んだか?神栄」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ………………………………。

 

 

 

いたんだけど………。千葉 龍之介と速水 凛香。

 

 

 

 

 

 

これは殺される。そう思ったのか、ひたすら謝る。

 

 

 

 

「悪い!お前らのこと尾行してたんだ!別にやましい思いがあるわけじゃないんだけど!中村についてこいって言われて!」

 

 

 

「勘違いしないでよね、別にデートとかしてないから」

 

 

 

 

 

おぅ……ツンデレ出たよ………。

 

 

 

神栄はすいませんでした!と言い離れた後、再び中村に電話をした。

 

 

 

 

「もしもしー?千葉にバレだから、帰っていいか?」

 

 

 

『はぁ!?バレたぁ!?なにやってんの!』

 

 

うるさい親のような声で怒る中村は、神栄からしたら少々、いや、相当うざかった。

 

まぁ、親いないけど……。

 

 

 

っていうか、誘っておいてなぜ怒る………!

 

 

 

 

「あいつら、どーせ銃(エアガン)見て終わりだよ。しかも、お前の名前も言っちゃったから、お前も尾行できない。だから、これ以上あいつらを怒らせないためにも、帰宅するべきだ」

 

 

 

『……なるほど、神栄の帰りたいオーラがこっちまで伝わってきたよ。

あのさ………』

 

 

 

 

あのさ…………?もう用事は済んだのに、まだあるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私と……………、

 

 

 

 

 

 

 

もっと千葉達を尾行しよう!』

 

 

 

 

「こりない奴だな……。いい加減にしないと嫌われるぞ?」

 

 

中学生の色恋沙汰は広まると言われた2人は気まずい関係になり、最悪学校に来なくなったり…などととてもマズい雰囲気になる。

 

 

あいつは、デリカシーゼロ女と言うべきなのか、色恋に興味持ちすぎの迷惑女と言うのか………。

 

 

どちらでも合ってるが………何も言わないでおこう。

 

 

「んじゃあ、俺は帰るわ。じゃーなー」

 

 

『っておい!さっきの話聞いてた!?尾行は?』

 

 

正直、家に帰って最新ゲームをやりたい。

 

 

部屋の布団に篭りながら、机には寝落ちしないようにコーヒーを置いておき、食べ物まである完璧な環境でゲームをしたい。

 

 

 

結論、超ゲームやりたい。

 

 

 

 

中村はLI○Eで説得していたが、既読無視をして、ケータイの電源を切って電車に乗ろうとした。

 

 

 

 

すると、

 

 

「みーつけた!」

 

 

神栄、確保。

 

 

「………はぁ、待ち伏せしてたのかよ」

 

 

 

「まぁーね?んじゃ、行くよ」

 

 

再び来た道を歩いていると、当然ながら、千葉達の姿はなかった。

 

 

 

「あちゃー、逃げられたかー」

 

 

「当たり前だろ。どーせなんもねぇよ。帰ろうぜ」

 

 

ようやく諦めた中村は、神栄と一緒に駅へ向かった。

 

 

「ったく、今後俺を呼ぶんじゃねーぞ?めんどくさいから」

 

 

「はーい(棒)」

 

 

しばらく経ち、椚ヶ丘駅に着いた。

 

 

1人で帰ろうとすると、中村が腕を引っ張る。

 

 

「なんだよ!」

 

 

 

「女の子を1人で家に帰しちゃいけないでしょ!

 

 

 

「はいはい……わかりましたよ…」

 

 

============================

 

中村の家の前まで着くと、神栄は無言で後ろを向く。

 

 

「神栄ー!じゃーねー!」

 

 

 

 

 

神栄は、親指をしたに下げて、中村の方を向き、舌を出す。

 

 

 

そしてまた後ろを向く。

 

 

「ったく、今日は不幸な1日だったぜ………!」

 

 

そう言って、自宅に帰る神栄であった。

 

 





なんか最後の方は中村とのデートみたいになってる…!


次回は、アニメと同じ展開………なのかな?


指摘、感想コメント待ってます!


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第22話 雨の時間


アニメでカットされたから、作ってみたはいいものの、特に変更点がないので、原作通りって感じですねw


安定の駄(ry


尾行が終わり、次の日の授業にて、

 

 

(大きい……!)

 

(大きいぞ……!)

 

 

殺せんせーが大きくなっている。

 

 

主に顔が。

 

 

「ああ、みなさん私の顔を気にしてますね?水分を吸ってふやけましたんですよ」

 

 

そして、もう一つ気になったことがある。

 

 

 

「あれ?殺せんせーなんか帽子浮いてるよー?」

 

 

 

倉橋が帽子を指差し、殺せんせーに問いかける。

 

 

「先生、生えたんですよ………

 

 

 

 

髪が」

 

 

 

「「「きのこだよ!!!」」」

 

 

殺せんせーの頭の上には、確かにきのこが生えている。

 

 

今日は雨、そして、湿気が多い。

 

 

今日は、いろいろ湿った1日である。

 

 

============================

 

 

帰り道、今日は岡野が一緒にいる。

 

あとは、茅野と渚だ。

 

 

カルマはなんかいない。

 

 

「杉野、今日雨だし、お前の家でゲームしよーぜ。あのゲーム進めてやるよ」

 

 

「マジで!?じゃあ遊ぼうぜ!俺ん家わかるか?」

 

 

「まぁ、メールで送ってくれれば多分わかる」

 

 

「………ん?」

 

 

 

杉野が何かに気づく、

 

 

「お?前原じゃん」

 

 

前原は確か、昨日どこかに行ってたな……。

 

 

「一緒にいるのって、C組の土屋 果穂(つちや かほ)でしょ?」

 

 

岡野が付け足すように説明する。

 

 

本校舎の人たちは、確かE組を差別の対象にしているはずだが、こういう人もいるのか?

 

 

「ほうほう。前原君、駅前で相合傘………と」

 

 

殺せんせーがいる。カッパを着ている。まぁ、カッパ着てないと顔が膨らんで人外だとバレるからか。

 

 

「修学旅行といい今回といい、ゴシップ大好きだよな、殺せんせーって」

 

 

殺せんせーが書いてるメモは、地味に数十ページ書いてある形跡がある。

 

 

 

 

「前原君って、モテるんだよ。しょっちゅう一緒にいる女子変わるし」

 

 

 

「顔がそーゆー感じしてるもんな、クラスでもモテてる部類だもんな」

 

 

ちなみに、神栄は自分がカッコイイ人ランキングで前原と同率2位だということは知らない。

 

 

「あれェ?果穂じゃん!お前何してんの?」

 

 

「……!!瀬尾君!」

 

 

前原は驚く。そして、考えた結果、土屋 果穂は二股をしている、ということがわかった。

 

 

前原はさほど怒ってはいないが、瀬尾という男は怒っている。

 

 

そして、土屋は黙る。

 

 

「あのね、努力不足でE組に飛ばされたってことわかってるの?前原君」

 

「ハハッ!お前みたいな落ちこぼれの頭じゃ、理解できないか!」

 

 

瀬尾の追い討ちに、ついに前原は怒る。

 

 

「お前なぁ……!自分のことを…!!!」

 

 

ドカッ!!

 

 

 

瀬尾の右足が、前原に当たる。

 

 

すると、もう2人が倒れてる前原を蹴る。

 

 

 

「あいつら……….!!!」

 

 

遠くから見ていた杉野の達も、これには耐えられない。

 

 

が、

 

 

 

「やめろ!杉野!!」

 

 

神栄は杉野の腕を掴み、引っ張る。

 

 

「なんでだよ!助けてやんねーのかよ!!!」

 

 

「………いや、この喧嘩はすぐ止まる。あの支配者の手によってな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめなさい」

 

 

黒い高級車が、前原達の前で止まる。

 

 

そして、ドアが開く。

 

 

出てきたのは、椚ヶ丘の支配者、浅野 學峯。

 

 

理事長は前原の前で膝をつき、ハンカチを渡す。

 

 

「危うく学校に居られなくなるところだったね、君が」

 

 

そう言い残して、理事長は車に乗ってどこかへ行ってしまった。

 

 

瀬尾達も、笑いながら去っていった。

 

 

 

それを見ていた杉野達は、急いで前原の元へ行く。

 

 

「前原!大丈夫か!?」

 

 

「お前ら……見てたのかよ……」

 

 

「あいつが瀬尾って言うのか………(笑)」

 

 

「神栄君、今はそんなこと気にしてる暇ないよ……」

 

 

それより、彼女は一瞬迷っていた。

 

 

すぐに前原に暴言を吐いたが、前原や神栄などはE組に所属している。

 

 

だから、何を言っても構わない。

 

 

それが、E組の宿命なのだから。

 

 

「………人ってみんな、ああなのかな…………。相手が弱いと見たら、俺も、ああいうことしちゃうのかな………」

 

 

それは、ここにいる誰もが思った。

 

 

もし、自分だけがE組じゃなかったら、他の人達にはどのように接していたか……と。

 

 

「………っておい!殺せんせー膨らみすぎ!バレるぞ!?」

 

 

「……仕返しですよ………!屈辱には屈辱を、彼女達をとびっきり恥ずかしい目に遭わせてあげましょう」

 

 

こうして、土屋 果穂と瀬尾を恥ずかしい目に遭わせるための戦士達を募集し、作戦を立てる。

 

 

 

次の日、作戦が実行される。

 

 

 







次回、酷い目に合わせる、実行編

いつか神栄君の日常でも書こう!

感想、指摘コメント待ってます!



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第23話 復讐の時間

 

とあるオープンカフェ、瀬尾と土屋は昨日のことについて話している。

 

 

 

 

笑いながら話していると、老人夫婦が瀬尾達の隣にある席に座ろうとしている。

 

「すいません……そこを通らせてくれませんかね……」

 

 

老人夫婦は瀬尾の足を見つめる。

 

 

そして、それに気づいた瀬尾は足をどかす。

 

 

「なんだあれ……!老いぼれの来る店じゃねーのになぁ!ここは!」

 

 

「だめだよ!聞こえてるよー!」

 

 

と言いつつ、笑っている。

 

 

場所は移り、とある民家。

 

 

「すげーな!あれ、渚と茅野か!?」

 

 

 

「俺、あんなこと言われたらブチ殺してるわ」

 

杉野と神栄は、見張り、連絡担当である。

 

 

そして、偽装担当の菅谷は奴らの姿を見る。

 

 

「んー、この雰囲気じゃ、まだバレてないか」

 

 

「ってゆーか、よく俺らを上げてくれたよな」

 

「ああ、交渉担当の矢田と倉橋がなんとかしてくれてる」

 

 

「すごいな………あいつら」

 

 

 

============================

 

 

 

 

別の部屋では、着々と準備が進められている。

 

 

「ヌルフフフフフ、では、作戦実行ですよ」

 

 

============================

 

「………あなた、この近所にトイレあるかしら?100m先のコンビニにあったけど……?」

 

「店でしてくりゃいいじゃろうが、ここの客なんだから……!」

 

 

と言うと、おじいさん(渚)が先ほど注文したサラダをわざとらしく投げた。

(もちろん、瀬尾達が見ていない時に投げた)

 

 

 

それに反応した瀬尾達は、おじいさんの方を見る。

 

 

 

そこに、

 

 

 

 

射撃成績男子1位、千葉 龍之介と女子1位、速水 凛香が2人のコップに弾を入れた。

 

 

 

化学担当、奥田曰く、

 

 

「マグネシウムを主成分として調合した、強力下剤」

 

らしい。

 

 

名前は『ビクトリアフォール』。

 

 

「ネーミングセンスないな、奥田」

 

 

「神栄君が言えたことではないですよ」

 

 

「!?!?」

 

 

============================

 

瀬尾達は当然、ビクトリアフォールによってお腹が痛くなる。

 

 

トイレに走っていくが、

 

 

「使用中」との文字がある。

 

 

「ああ!さっきのババアか!!」

 

 

茅野はトイレで鶴を折っている。

 

 

トイレは100m先にあるコンビニにある。とババア(茅野)が言っていたのを思い出した瀬尾は、我先にと傘を持ち、走る。

 

 

土屋もそれについていく。

 

 

「………おー、来た来た。あいつらの高いプライド、サクッと殺ってやらぁ」

 

 

ナイフ担当、ナイフ術の成績男子1位、磯貝と2位、前原と女子1位、岡野が切り落とした木は、瀬尾達の元へ落ちる。

 

 

そして、汚れた姿でコンビニのトイレでいい争い………と。

 

 

 

計画は寸分狂わず成功した。

 

 

「どうですか?前原君?まだ自分が……弱い者を平気でいじめる人間だと思いますか……?」

 

 

「いや、今のみんなを見たら、そんなことできない」

 

「そういうことですよ」

 

 

先ほどまで暗い顔だった前原から、笑みがこぼれる。

 

 

「あ、俺これから他校の女子達とメシ食いに行くんだった!じゃあな!ありがとう!」

 

 

「何あいつ、反省してんの……?」

 

 

============================

 

学校に帰り、鞄を持って帰ろうとすると、烏間先生が仁王立ちしている。

 

 

「やば…………!」

 

 

「君たち……!!!!!!!!!!おい!そこのタコもだ!何してんだ!」

 

 

「すいません……!」

 

 

 

関わった者が全員正座して、烏間先生の説教を2時間程聞いていたのであった………。

 

 

 

 





そろそろオリジナルストーリー入れたいのですが、次も原作通り行かせていただきます。

次回、センセイ登場……そして、神栄がナメられる


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第24話 師匠の時間

今日は珍しくビッチ先生がメインだね!





 

先日(尾行の日)は久しぶりの晴れだったのだが、今日は雨だ。(復讐時も雨だったが)

 

 

やる気のしない授業をダラダラと受け、いろんな意味で死にかけていた神栄は、国語の時間、殺せんせーに怒られていた。

 

 

「神栄君!ちゃんと授業を受けなさい!!!」

 

 

「ふぁぁい……。眠い……」

 

 

仕方なく6時間目の英語はちゃんと授業を受けた。

 

 

 

当然、英語は痴女ビッチの受け持ちである。

 

 

 

「………周りに1人いるでしょ?「マジで!?」とかで会話成立させる奴」

 

 

「知らねーよ」

 

 

「うるさい!…で、そのマジで?に当たるのが「really」はい木村、言ってみなさい」

 

 

突然指名された木村は、焦りながら、答える。

 

 

「り、リアリー?」

 

 

 

「はいダメ〜。カミサカ、言ってみなさい」

 

 

 

「really」

 

 

「………私からしたらどっちもクソだけど、カミサカには及第点をあげるわ」

 

 

「殺すぞクソビッチ」

 

 

神栄は『一応』外国に居たし、親からレッスンを受けたのに、このようなことをされると、さすがにイラっとくる。

 

 

「まぁ、LとRは発音の区別がつくようにしときなさい。外人の私からしたら、違和感があるわ」

 

 

なんというか………わからなくもない。

 

 

「相性が悪いものは逃げずに克服する!これから先は常にチェックしてるから、もし……間違えたら、公開ディープキスの刑よ」

 

 

ブルッ!と神栄が震える。

 

 

修学旅行の一件で、神栄はビッチ先生は嫌いになった。

 

 

二度とあの様な思いはしたくない!と本能が思ったのか、

 

 

「…………クソがっ!」

 

 

そう言って、神栄は机に伏せ、眠りについた。

 

 

(痴女ビッチの授業なんてやってられっか!)

 

 

============================

 

 

放課後、職員室にて。

 

 

「私はあのタコを殺しに来たのに、あんなこと(授業)してる程暇じゃないのよ!」

 

「ここに雇われた以上、何も言うな」

 

 

「その肝心のタコは……!私のおっぱいを景色に見立てて優雅にお茶飲んでんのよ!?」

 

 

 

 

「仕方ないだろ、そういう暗殺対象だ。こいつは」

 

 

「やってらんないわよ!!こんなの!!」

 

 

 

ビッチ先生は職員室を出て、理科室に入り、窓に腰掛ける。

 

 

(一体…どうしたらあのタコを殺れるの……?)

 

 

すると、

 

 

 

糸が目の前に現れる。

 

 

 

誰かが糸を引っ張り、ビッチ先生の首を絞める。

 

 

(ワイヤートラップ!?誰がこんなことを……!?)

 

 

「………驚いたよイリーナ。教師をやってるお前をみて、コメディアンのコントを見ているようだったね」

 

 

 

「…………師匠?」

 

 

 

「お前、何者だ」

 

 

音に気づいた烏間先生は、とりあえず誰かと聞いた。

 

 

……が、東欧の言語なので、よくわからない。

 

 

「せめて英語で話してくれると助けかるのだが……」

 

 

「ああ、すまない。私は、イリーナ・イェラビッチを日本政府に斡旋した者、といえばわかるか?」

 

 

 

烏間先生はそれを聞いてやっとわかった。

 

"殺し屋"ロヴロ。

 

 

たくさんの暗殺者を育てている有名な暗殺者だ。

 

現在は引退しているが、その斡旋で財を成しているらしい。

 

 

 

「率直に言わせてもらおう。イリーナ、今日限りで撤収しろ。この仕事はお前には無理だ」

 

 

 

(………!!!)

 

 

薄々、わかっていたことだ。

 

 

自分の得意な色仕掛けが通じても、殺すことはできない。

 

 

しかも、その色仕掛けが通用しなくなったら、何もできない。

 

 

でも、殺れと言われた以上、殺らずに終えるのは自分でも嫌だ。

 

 

わがままかもしれない、そう思われてもいい、ただ、殺したいのだ。

 

 

「見苦しく居座り、教師の真似事か………。俺はお前にあんなことを教えたつもりはない」

 

 

 

そう言い終わると、ロヴロはビッチ先生の首に親指をめり込ませる。

 

(………速い!)

 

 

「確か、『もう1人』の転校生暗殺者が、驚異的な能力を示し、投入準備を終えたらしいじゃないか。ここでの暗殺は、適任者に任せた方がいいんじゃないのか……?」

 

 

「ぐっ………!」

 

 

「さっきお前は発音について教えてたな……。この教室が、お前にとってLとRではないのかね…」

 

 

 

「うーん、半分正しく、半分間違ってますねぇ」

 

 

 

これは、烏間先生ではなく……。

 

 

 

 

 

 

殺せんせーだ。

 

 

 

しかも、顔がマルとバツで半分に分かれている。

 

 

まるで、ウルトラクイズのように。

 

 

「まぁ、彼女は暗殺者として恐るるに足りません。クソですよ」

 

 

「誰がクソだ!」

 

 

殺せんせーはシカトした。

 

 

「……ですが、彼女はこの教室に適任です。では、こういうのはどうでしょう?」

 

 

 

「……なんだ?」

 

 

「殺し比べればいいんですよ。彼女とロヴロさん。どちらが優れた暗殺者かを」

 

 

 





最近前後編に分けすぎてんな……まぁ、これ終わってもまた前後編だが………。


次回、後編


何度も何度も言ってすいません!指摘、感想コメント待ってます!




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第25話 対決の時間

後編でーす。


 

 

ロヴロがやって来た次の日、

 

 

その日は1時間目から体育だった。

 

 

丸太の上での暗殺訓練。不安定な場所での暗殺を見据えての訓練らしいが、そこに、黒い影が2つある。

 

 

 

そう、ロヴロとビッチ先生だ。

 

 

誰を狙っているか、それは………。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

時間は前日に遡る。

 

 

「どう殺し比べるか、それは、イリーナ先生とロヴロさんのうち、烏間先生を先に殺したら勝ち、ですよ」

 

 

「はぁ?」

 

 

驚いたのは、ビッチ先生ではなく、烏間先生だ。

 

 

「私が標的になると、イリーナ先生が有利になってしまうかもしれませんし、私を殺す人なんて…だ〜〜〜れもいないじゃないですかぁ!」

 

 

 

殺せんせーの顔が緑と黄色に変わる、舐めてる顔だ。

 

 

 

「そして、互いの暗殺を邪魔するのは禁止、生徒の授業妨害も禁止です」

 

 

「はぁ、勝手にしろ!!」

 

 

ガラッ!と烏間先生は外にでる。

 

 

(クソ……!迷惑なことをしてくれるな!!)

 

 

============================

 

………と言うことがあり、今に至る。

 

 

 

体育の授業が終わると、

 

 

「カラスマ先生!お疲れ様でしたぁ〜!ハイ!冷たい飲み物あげる!」

 

 

 

 

(何やってんだよ…………。あんなの、俺でも騙されねーよ)

 

 

違和感たっぷりの事態に、神栄は呆れている。

 

 

 

「大方筋弛緩剤だな……。言っておくが、受け取る間合いまで近寄らせないからな」

 

 

気づかれたビッチ先生は、次の策を考える。

 

 

しかし、そんなのを考えてる暇はない。

 

 

 

ロヴロは凄腕の(元)殺し屋。

 

 

 

その気になればすぐ標的に仕留められる。

 

 

 

………と考えているビッチ先生と違い、追われてる身の烏間先生は、殺せんせーに会う。

 

 

 

 

「どうですか?たまには殺られる側も楽しいでしょう」

 

 

 

「バカバカしい。それと、俺があの2人の攻撃を全てよけたら、俺に何かあるのか?」

 

 

「そうですねぇ、では、全ての攻撃をあなたがよけたら、あなたの前で1秒間、何があっても動きません。暗殺し放題です」

 

 

「…………いいだろう、が、これはあいつらには言わないほうがいいか」

 

 

「まぁ、そうですねぇ」

 

 

============================

 

 

職員室には、烏間先生とビッチ先生がいる。

 

 

烏間先生はひたすらパソコンで何かをしている。

 

 

ビッチ先生は、対先生用ナイフを右手に持ち、様子をうかがう。

 

 

 

一方、ロヴロは木の陰に隠れながら、烏間先生の隙を狙う。

 

 

 

(………ああ見えて奴は警戒しているな………。二重三重の罠は無意味……………。なら、一瞬だけ反応を遅らせればいい)

 

 

そして、ロヴロは窓から職員室に侵入し、烏間先生の元へ行く。

 

 

「……っ!?」

 

 

一瞬、烏間先生の反応が遅れる。

 

 

机を引こうとしたら、動かない。

 

 

 

ロヴロが仕掛けた細工はこの1つだけだ。

 

 

あとは、烏間先生に当てるだけ、これで殺れる!!

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

烏間先生はロヴロの腕を掴み、机にぶつけ、動かなくなったところで膝蹴りをロヴロの頬に軽く当てた。

 

 

「……っ!強い!!!」

 

 

 

「まぁよくも俺を簡単に殺せるとでも思ったな……?わかってるな?もし全部よけたら……!!!!!」

 

 

ビッ!と烏間先生は殺せんせーにナイフを突きつけ、怖〜い顔で言った。

 

 

(ヒイイイイイィ!!!)

 

「ヒィ!!」

 

殺せんせーとビッチ先生は烏間先生の強さを改めて感じ、怖くなった。

 

 

(まずいわね……どうしよう…!)

 

 

 

 

 

============================

 

 

食事の時間、神栄は冷食セットを食べている。

 

 

いつもの見慣れた光景。烏間先生はマ○クのハンバーガーを外の木の下で食べている。

 

 

 

そこにやって来る女性が一人。

 

 

言うまでもなく、ビッチ先生だ。

 

 

右手にはナイフを持っていて、完全に暗殺しようとしている。

 

 

「さて………痴女ビッチがどーゆー風な暗殺するのか…楽しみだな」

 

 

神栄は冷食ハンバーグを食べながら、窓の外を見る。

 

 

「残留を賭けた戦いだからね、ビッチ先生も本気だよ」

 

 

 

 

一方、外では。

 

 

「俺は模擬暗殺でも容赦しないぞ」

 

 

 

 

「……でもね、私、この教室に残りたいのよ。それはわかるでしょ?」

 

 

バサッ!と上着を脱ぎ始めた。

 

 

「だから……。お願い」

 

 

当然だが、色仕掛けは烏間先生には通用しない。

 

 

彼の堅物は世界トップクラスだ。

 

 

(はぁ…所詮この程度か、軽くこっちからナイフを取っておしまいだな)

 

 

「はぁ、勝手にしろ。何処にでも当てればいい」

 

 

「うふ、わかったわ」

 

 

一方、外でビッチ先生の暗殺を見ている殺せんせーとロヴロは、何やら話している。

 

 

「ロヴロさん。彼女はとても良い先生です。様々な事に挑戦しては、克服し、それを何度も繰り返しています。そんな挑戦と克服のエキスパートが、ここに来てから何もしてないと思いますか……?」

 

 

そう言って、高級バッグをロヴロに見せる。

 

 

そこには………。

 

 

============================

 

 

「じゃあ、そっちいくわよ!」

 

 

ぐわん!

 

 

 

「………!?!?!?」

 

 

烏間先生は何が起こっているのかわからない。

 

 

ワイヤートラップ。ビッチ先生の脱いだ服と木を使い、色仕掛けでカモフラージュ、といった複合技術だ。

 

 

烏間先生は立ち上がれず、ビッチ先生に上を取られた。

 

 

 

あとは、当てるだけ。

 

 

 

 

 

 

 

ヒュ!とナイフを振り下ろす。

 

 

しかし、

 

 

 

「く………っ!危なかった…!!」

 

 

 

(しまった!力勝負じゃ勝てない!)

 

 

「あっちゃー……終わったな、痴女ビッチ」

 

 

神栄がハンバーグを食べ終わると、立ち上がり、再び外を見る。

 

 

 

「カラスマ………。殺りたいの、ダメ………?」

 

 

……………は?

 

 

 

「殺させろ!なんて言う暗殺者がいるか!バカか!!……………もういい!こんな奴に一日中付き合えるか!」

 

 

烏間先生は手を離し、ナイフが当たった。

 

 

これで、ビッチ先生の残留が決定した。

 

 

(所詮は口約束、こんなことであいつが殺られる訳ないか………)

 

 

「お前は出来の悪い弟子だな、イリーナ」

 

 

ロヴロがヌッ!と出てきて、彼なりの褒め言葉を言う。

 

 

「先生でもやってた方が、まだマシだな、必ず殺れよ」

 

 

 

「はい!!!」

 

 

そう言って、ロヴロは去っていった。

 

 

 

「くそっ!ロヴロさん!勝ってくれよ!」

 

 

神栄は落胆し、机に戻った後、眠りについた。

 

 

 




やっと25話です………。


1学期はいつ終わるのやら………


次回、2人目の転校生とーじょー!


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第26話 転校生の時間、2時間目

ついにコードネームが登場。


一体、誰のコードネームだろうねぇ………



6月15日。この日は、2人目の転校生暗殺者登場の日である。

 

 

 

防衛省曰く、『本命』である。

 

 

 

 

============================

 

 

「今日は新しい転校生が来る日ですね」

 

朝、殺せんせーがそう言うと、皆がざわつき始める。

 

 

すると、神栄が律に話しかける。

 

「なぁ、律は何も聞いてないのか?同じ転校生なんだから、少しはわかると思うんだが……」

 

 

『はい、少しだけ聞きました。最初、私と『彼』の2人で殺せんせーを殺す、と言う指令が来ましたが、『彼』の調整に遅れた為、最初に私が投入されました。そして、私より、『彼』の方が圧倒的に強いです。これは、皆さんが見てみないと……』

 

 

 

彼、ということは男なのか…………としかわからなかった。

 

 

1時間目開始前、突然ガラッ!とドアが開く。

 

 

 

出てきたのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い人。

 

 

 

顔もよく見えないし、なんというか、真っ白。

 

 

「ああ、私は転校生じゃないよ?私は保護者、シロ……とでも呼んでください」

 

 

「………初めまして、シロさん。転校生は……どこにいるんですか?」

 

 

「……………席は、機械さんの隣でいいんですよね」

 

 

 

機械……ああ、律の事か。

 

 

同じ転校生暗殺者なのに、名前も知らないのか。

 

 

 

「おーい!イトナ!入っておいで!」

 

 

 

皆、ドアを見る。

 

 

 

 

 

 

『普通』の人間なら、ドアから入るのは、言わなくてもわかる。

 

 

 

『普通』ならだ。

 

 

 

 

 

ガシャ!という音と共に、イトナと言う生徒が後ろの壁からやってきた。

 

 

 

いや、なんでだよ。

 

 

「俺は勝った……。この教室の壁より強いことが証明された。それだけでいい………それだけでいい」

 

 

 

 

全員、とても困っている。

 

 

 

それは殺せんせーも同じだ。

 

 

なんか、顔が中途半端だ。

 

 

「堀部イトナだ。仲良くしてくれ」

 

 

シロが説明してくれると、カルマは異変に気付く。

 

 

「ねぇ、イトナ君、今日は土砂降りだけど、なんで濡れてないの……?」

 

 

すると、イトナは立ち上がり、周りをキョロキョロとみる。

 

 

そして、

 

 

「俺が殺したいのは、俺より強い奴だけだ。俺はお前を殺さない」

 

 

と言って、殺せんせーの前まで行く、

 

 

「俺より強いのは、殺せんせー、お前だけだ」

 

 

「力比べでもするんですか?だとしたら、私は次元が違いますよ?」

 

 

「勝てるさ……………俺達は血を分けた兄弟なのだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………?

 

 

 

 

キョウダイ?

 

 

 

 

どこからどう見ても兄弟とは思えない。

 

 

だって、人間と人外だもん。

 

 

 

「今日がお前の最後の授業だ。勝負は放課後、それまでにこいつらにさよーならでも言ってな」

 

 

そう言って、土砂降りの中、イトナは去っていった。

 

 

============================

 

 

 

 

「てか、あの話ウソだろ。殺せんせーが元人間なら、話は別だがな」

 

 

神栄は案外冷静だ。

 

 

 

普通に見たら、2人は兄弟ではないと、そう思うが……。

 

 

 

食事の時間、

 

 

殺せんせーはお気に入りのグラビア本を開く、

 

 

 

 

すると、イトナも全く同じグラビア本を読んでいる。

 

 

「…………似てはいけないところが似てんな………。こいつら」

 

 

 

確かに………と渚が言うと、岡島がなぜか震えている。

 

 

「そうか………俺も兄弟なのk…「黙れ変態終末期。お前はもういろんな意味で終わってんだよ」

 

 

============================

 

 

放課後を知らせるチャイムが鳴り、先ほどイトナが言った通り、暗殺が始まる。

 

 

 

場所は教室、殺せんせーとイトナは机のリングの中に居て、部外者は入れない。

 

 

そして、その暗殺にはルールがある。

 

 

一つ、リングの外に足が着いたらその場で死刑。

 

二つ、観客に危害を加えない。

 

 

 

 

「死刑って……そんなの殺せんせーがやるわけないだろ!」

 

 

杉野が愚痴を漏らす。

 

 

「いや、このルールを破れば、先生としての信用が堕ちるんだ。あーゆーのは意外と効くんだよ」

 

 

「………なるほど、一理あるな」

 

 

神栄は何か違和感を感じる。

 

 

(イトナって奴………まさかとは思うが………あいつ…)

 

 

============================

 

 

「では、始めようか………………暗殺、開始」

 

 

 

こうして、殺せんせーの命をかけた戦いが、始まる。

 

 




変態終末期には原作を見て吹いてしまったので、ここで出してみました。

次回イトナ対殺せんせーの戦い後編です。

その次は球技大会ですね!球技大会はちょっとオリジナルストーリーですよ!

感想、指摘コメント待ってます!


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第27話 決闘の時間

後編です。

めちゃくちゃ雑ですが、許してください………


 

 

シロの合図で暗殺が開始された。

 

 

 

瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーの腕が落ちた。

 

 

 

 

 

この時、E組生徒は殺せんせーの腕ではなく、イトナの『ある場所』に釘付けになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ウソだろ……!!!?触手だと!?」」」

 

 

 

 

(やっぱりか………。雨の中を一滴も濡れずに行くとか、普通無理だが、触手で弾けるのか………)

 

 

「…………どこで手に入れた!!!その触手を!!!!!!!」

 

 

 

殺せんせーの顔は、修学旅行で見たときよりも、数倍真っ黒だった。

 

 

 

「しかし、怖い顔をするもんだな、何か、思い出したのか……?」

 

 

「………あなたには、話を聞かなければなさそうだ」

 

 

殺せんせーの腕が、再生した。

 

 

「ふーん。じゃ、これでも喰らいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

カッ!!!!とシロの服から、何かが光る。

 

 

 

「!!??」

 

 

「この光を見たら、殺せんせーの全身は一瞬硬直する。触手同士の戦いでは、その一瞬が命取りなのは、わかるよねぇ」

 

 

 

 

 

イトナの触手攻撃が、殺せんせーの体を貫く。

 

 

 

 

何発も、何発も。

 

 

 

 

「………殺ったのか…?」

 

 

村松が殺せんせーを探す。

 

 

「いや………上だ」

 

 

 

寺坂が少し、嫌そうに言っている。

 

 

彼は神栄が転校する前、殺せんせーのエスケープの隠し技を目の当たりにしたらしい。

 

「でも、その脱皮に弱点があるんだよ」

 

 

イトナの触手攻撃は、まだまだ続く。

 

 

「脱皮直後と腕の再生直後では、どちらも相当なエネルギーを消費する。そして、触手は精神状態に大きく左右される」

 

 

「くっ………!!!」

 

 

殺せんせーの触手でなんとか攻撃は防ぐが、こちらからの攻撃が全くできない。

 

 

そして、

 

 

再びシロの服から圧力光線によって、殺せんせーが一瞬硬直する。

 

 

 

 

ズガガガガガガガガ!!!と触手の竜巻が、殺せんせーを襲う。

 

 

 

殺せんせー自身にはダメージはないが、触手が2、3本斬られている。

 

 

「さて、触手が再生したところで、そろそろ死んでもらうよ。殺せんせー。殺れ!イトナ!」

 

 

 

………………なんでだろう。

 

 

殺せば地球が救われるのに、なんでこんなに悔しいんだ?

 

 

 

神栄は対先生用ナイフをギュッと握り、自分の無力さにナイフを持っていない方の手で顔を殴る。

 

 

「さて、とりあえず勝たなければ話てはくれなさそうだ。シロさん」

 

 

 

「殺れ、イトナ」

 

 

 

さっきとは段違いに威力のある攻撃が、殺せんせーを襲う。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

やられていたのは、イトナだった。

 

 

 

 

「おやおや」

 

 

床に、対先生用ナイフが……?

 

 

 

「あ?」

 

 

神栄の手には、何も持ってない。

 

 

(こいつ、いつの間にパクリやがった……!!!)

 

 

 

そして、バサッ!とイトナを脱皮した皮で包む、

 

 

 

「これで、終わりです」

 

 

 

 

 

 

 

イトナが入っている殺せんせーの皮(の様なもの)は、窓をぶち割り、外へ放り出された。

 

 

 

「先生の勝ちです。ルールに従えば、イトナ君は死刑です」

 

 

 

 

 

 

 

 

「がああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

敗北したことに腹が立ったのか、触手が暴走する。

 

 

さっきの攻撃が、可愛いくらいに思える程に。

 

 

 

スピードもあり、何より殺意が違う。

 

 

 

そんなイトナが、殺せんせーの方へ向かう。

 

 

 

 

「がああ!!!!!!」

 

 

 

 

「すいませんね、殺せんせー、彼はまだここにいてはいけないようだ」

 

 

プシュ!とイトナの首筋を何かが貫く。

 

 

 

その瞬間、イトナは倒れ、意識を失う。

 

 

 

「じゃあ、また会う日まで、死なずに待ってな」

 

 

そう言って、シロはイトナを担いで去っていった。

 

 

 

 

============================

 

 

「殺せんせーは、一体何が目的で、何をしにE組に来たんだ?」

 

 

神栄が問いかけると、教室がシンとする。

 

 

 

聞こえるのは、外で降っている雨音のみだ。

 

 

「………………残念ですが、ここで話したところで、何の意味もありません。地球を殺れば、何にもなくなりますし、あなた達が私を殺せば、私の過去を知ることなんていくらでもできる」

 

 

 

 

「一体何が言いたいんだよ」

 

 

「わかるでしょう。私を殺しなさい。そうすれば、答えが見つかるはずですから………」

 

 

============================

 

 

「烏間先生!!!!」

 

 

「………ん?どうした?大人数で」

 

 

磯貝が前に立ち、

 

 

「俺たちが殺して、俺たちが答えを見つけたいんです。そのために、もっと教えてください。暗殺の技術を」

 

 

 

 

今までは、誰が殺るかと他人事のように思っていたが、今は、自分達が殺りたい。そう思ってる。

 

 

 

「では早速、これをやろうか」

 

 

 

「!?!?!?」

 

 

こうして、転校生と雨が去り、地獄の訓練を受けることになった……。

 

 

 

「うわぁ………」

 

 

 

 

 

to be continued……………





毎日こうして投稿してますが、そろそろ貯めてたものが尽きてきました。


なので今後は不定期投稿となります。毎日楽しみにしてる方、申し訳ありません。

次回はオリジナルストーリー有りの球技大会です!

杉野が唯一目立つ回かもしれませんw

感想、指摘コメント待ってます!



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第28話 球技大会の時間

神栄って、苦手なものあるんだね………


ある日の帰り道、渚とカルマと杉野と神栄の4人で帰っていると、本校舎組が野球の練習をしているのが見える。

 

 

 

「お、杉野じゃないか!久しぶりだな」

 

 

「お、おう」

 

 

なにやら、あまり嬉しそうではない。

 

 

まぁ、当然か……。

 

 

「お前、来週の球技大会投げんだろ?楽しみにしてるぜー!」

 

 

「おう、ありがとな」

 

 

「なぁ渚、球技大会って、野球やんの?」

 

 

「うん。明日になれば、色々わかると思うけど………」

 

 

 

============================

 

 

「…………クラス対抗球技大会ですか、でも、なんでE組がないんですか?」

 

 

「本戦にはエントリーされない代わりに、大会のシメのエキシビジョンに参加しないといけないんだよ。簡単に言えば、見せ物だな」

 

 

三村が珍しく発言する。

 

 

「なるほど………」

 

 

「心配しないでも大丈夫よ、殺せんせー、いい試合して、全校生徒を盛り下げよう!!」

 

 

すると、女子がおー!と言って、団結し始めた。

 

 

「チッ!俺ら晒し者とか無理だわ、お前でやってくれ!!」

 

 

寺坂、吉田、村松は教室から出て行ってしまった。

 

 

「なぁ、俺、一つ言いたいことあるんだけど……………」

 

 

「ん?なんだ?神栄」

 

 

杉野がこちらを見ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺、球技超できない」

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………。

 

 

 

 

「何言ってんだ?お前」

 

 

「まぁ、ヘタレボーイはほっといて、野球、勝てんのか?杉野」

 

 

前原が言うが、杉野は無理だよ、と落ち込みながら言う。

 

 

「でも、俺は勝ちたい!好きなものでは負けたくない。みんなで勝ちたいんだ!!」

 

 

 

………と杉野が殺せんせーの方を見ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定、殺る気である。

 

 

 

 

「では、殺監督が君たちを勝利に導いてあげましょう」

 

 

============================

 

 

 

『それでは最後に、E組対野球部の余興試合を行います!』

 

 

 

野球部キャプテン、進藤 一考(しんどう かずたか)が杉野に言い放つ。

 

 

「選ばれざる者は、ここに立つべきではない。お前全員、二度と立てない試合にしてやるよ……」

 

 

 

「上等だ。ぶっ飛ばしてやんよ!」

 

 

「神栄君、何もできないでしょ」

 

 

 

こうして、野球部対E組の、球技大会が幕を開けた。

 

 

============================

 

一回表、E組の攻撃。

 

 

1番、サード木村。

 

 

 

進藤が第1球を投げた。

 

 

 

ボールはとても早く、ど真ん中に入った。

 

 

 

すると、遠近法で隠れている殺監督の顔色が少しずつ変わり、最終的にはエロいものを見てるときの顔に変わった。

 

 

 

そして、進藤が2球目を投げた。

 

 

木村は、コッ!とバットに当てる。

 

 

 

バントだ。

 

 

 

 

 

E組一の俊足の木村は、当然セーフで、ノーアウト一塁だ。

 

 

続いて、2番キャッチャーの渚もバント。

 

 

そして、3番の磯貝もバントで、ノーアウト満塁。

 

 

 

4番、ピッチャー杉野。

 

 

 

指示は、

 

 

①普通の顔②だんだん黒くなる③もう、真っ黒。

 

 

進藤は焦っている。そして、考えている。

 

 

(杉野がスクイズするかもしれない……。でも、そんなのほとんど………!!これ以上バントさせないために…本気で投げてやる!)

 

 

 

進藤の投げたボールは、内角高め。

 

 

杉野は『これ』を狙っていた。

 

 

 

 

(たとえ俺が弱くても、狙いすました一刺しで、巨大な武力を仕留められる!俺は……!!!)

 

 

 

カキーン!!!

 

 

 

ボールは深々と外野を抜け、走者一掃のタイムリースリーベースとなる。

 

 

現在、3対0、E組が勝っている。

 

 

 

 

(こんなこと……ありえない!なんでた!!!!なんでなんだ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ばかな!なんでE組にあんなことが……!!!」

 

 

「顔色が優れませんね、寺井先生、お体の具合でも悪いのでは??」

 

 

 

やってきたのは、椚ヶ丘の支配者、浅野 學峯だ。

 

 

 

理事長は野球部顧問の寺井 清(てらい きよし)のおでこを触り、

 

 

「病気でもなければ……こんな醜態を晒すような指導者が、この学校にいるはずがない」

 

 

 

その一言で、寺井先生は泡を吹きながら倒れた。

 

 

「ついに来やがったか、ラスボス」

 

 

ベンチで神栄はのほほーんとしている。

 

 

 

 

 

「一体………何を……!」

 

 

 

「なぁに、私が少しだけ教育を施すだけですよ………」

 

 

 

 

 

to be continued……………




球技大会編は3話あります。


次回、オリジナルストーリー有りです!

指摘、感想コメント待ってまーす!(^^)




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第29話 活躍の時間





 

 

 

「君たち、これは野球じゃないと思った方がいい。これは、作業だ」

 

 

 

野球部ベンチでは、理事長の助言により、とてもいいコンディションになっている。

 

 

そして、試合再開。

 

 

「なっ……!!!」

 

 

5番の前原が、その姿にギョッとする。

 

 

守備を全員、内野に集めている。

 

 

前進守備だ。

 

 

「………さて、眠い……。寝ようっかなー」

 

 

神栄は安定のベンチである。

 

 

ベンチ、最高!!

 

 

進藤の投球は、杉野に撃たれる前とは見違えるほど良くなっている。

 

 

速さが増し、威圧感がある。

 

 

 

「うわっ!!」

 

 

 

高々と舞うボールは、簡単に取られてしまった。

 

 

ワンアウト、ランナー三塁。

 

 

6番岡島は、殺監督に指示を聞こうとする。

 

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

 

①②が同じ顔で…………③が……。

 

 

 

 

『打つ手なし』と言わんばかりの顔である。

 

 

 

そして、6番岡島、7番千葉……と連続でアウトとなり、攻守交代。

 

 

 

「ねぇカミサカ!野球って、タマと棒でinしないとoutなのね!!」

 

 

「黙れクソビッチ!まずい……どうにかしねーと、裏の攻撃で逆転しちまうな………。何としても、杉野の願いを叶えてやりてーし…」

 

 

殺る気0だというのに、随分と仲間思いになったなぁ、と殺監督は遠くで眺めている。

 

 

 

一回裏、野球部の攻撃。

 

 

杉野の素晴らしいピッチングにより、得点されずに二回表へと移る。

 

 

8番、カルマが打席に立……………

 

 

 

っていない。

 

 

「ねぇ、これズルくない?理事長センセー。こんな邪魔してんのに、誰も気づかないの?ああ!そっか、お前らバカだから、なんもわかんないのかー!」

 

 

いつものカルマだ。普通にウザい。

 

 

 

二回裏、4番の進藤が特大ヒットで出塁。ノーアウトランナー三塁だ。

 

 

 

 

 

そして、5番の人が、打った瞬間。

 

 

 

 

 

 

ゴッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉野の頭に直撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然、杉野は倒れ、担架で運ばれる。

 

 

 

 

 

「まずいぞ!ピッチャーいないなんて………!!!!」

 

 

磯貝が、殺監督に指示を聞こうとするが……いない、

 

 

 

「神栄君。君の出番です」

 

ズボッ!と殺監督は神栄の足元に出てきた。もぐら叩きのもぐらのように。

 

 

 

「……………は?」

 

 

「杉野君の怪我は大したものではありません。すぐに治ります。だから、少しの間だけいるだけでいいんです。アウトを取ってもよし、投げずに杉野君の回復を待つのもよし、選ぶのは…………神栄君、あなたです」

 

 

「殺せんせー!ノーコン神栄に投げさせていいのかよ!!絶対逆転されるぜ!?」

 

岡島がそれはだめだ!と言っている。

 

 

 

 

 

でもよ、選ぶのは…………俺だ。

 

 

 

 

「投げてやらぁ!クソ野郎があああああああああ!!!」

 

 

 

一方、柵を越えて見ている女子たちは、

 

 

「うわぁ、神栄君投げるんだってよ!」

 

 

中村が舐めてる。ふざけんな。

 

 

「大丈夫なのかな………?」

 

 

神崎が心配してくれてる。ありがとう。

 

 

 

 

「彼の投球は、私が少し手入れをしてあげましたから…………。ヌルフフフ」

 

 

 

============================

 

 

進藤は既にホームに帰っており、現在3対1。

 

 

その後、磯貝が神栄のアップしているときに投げてくれたが、ランナーを増やすあまりか、得点までいれられた。

 

ノーアウトランナー 二塁。

 

 

現在、3対2。

 

 

 

 

7番の生徒が打席に立つ。

 

 

(ピッチャーは杉野じゃないのか……?なら、余裕だな)

 

 

 

余裕の表情を浮かべる男は、やる気はあるが、ゆとりを持って打席に立った。

 

 

「ああ?こっから先は、杉野より怖いピッチングすると思いな、雑魚野球部」

 

 

 

 

「あぁ!?」

 

 

 

 

 

神栄の投げるボールは、とても正確だ。

 

 

 

ど真ん中、ストライク。

 

 

 

 

 

 

「なんで……あんなの投げれるんだよ!!!」

 

 

 

============================

 

 

「神栄君、君の嫌いな人は誰ですか?」

 

 

「嫌いな人?まぁ、クソビッチだな」

 

 

殺監督の猛特訓後、神栄は残された。

 

 

残される理由は、まぁわかってはいたが。

 

 

「では、キャッチャーがイリーナ先生だとしたら、君はどうしますか?」

 

 

「クソビッチを貫く程強い球投げる」

 

 

「では、それを想定してやってみましょう」

 

 

 

あの後、夜の9時くらいまでやらされたのは、今でも覚えている。

 

 

 

(神栄君が投げる球はとても速い、しかし、コントロールが皆無に近いから、よく投げられないだけです。それを直せば、とても良いピッチャーになるんですよ……ヌルフフフ)

 

 

 

 

 

 

 

「クッソ野郎があああああ!!!」

 

 

 

神栄の豪速球が、野球部を苦しめる。

 

 

神栄が三者連続三振をして、攻守交代である。

 

 

 

三回表、E組は一度も打てず、攻撃が終わる。

 

 

三回裏、打者は一番からの好スタート、

 

 

 

「オラオラオラァ!!」

 

 

神栄の豪速球は、とどまるところを知らない。

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

「ど真ん中ばっか投げてたら、簡単に打たれちまうぞ!!!」

 

 

 

1、2番が連続して打ち、ノーアウト一、二塁。

 

 

3番が打席に立つと、理事長が指示を出した。

 

 

 

「橋本君。『手本』を見せてあげなさい」

 

 

 

「………はい」

 

 

 

 

「ウソだろ……?バントだと!?」

 





神栄は『投げる』を覚えた!


そして渚はビッチ先生に思われてる……w

次回杉野に出番はあるのか?








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第30話 復帰の時間


※すみません!予約投稿したはずが、なぜか普通に投稿してしまいました。この話が今日(3月29日)の投稿分です!


「上等だ。やってやんよ!」

 

 

 

神栄の投げたボールは、相手のバットに当たり、グラウンドに転がる。

 

 

守備がザル以下のE組は、簡単に塁に出してしまう。

 

 

ノーアウト満塁。

 

 

 

 

ここで出てくるのは、4番、進藤。

 

 

 

 

「マジで言ってんのかよ…!!!」

 

 

 

 

 

今の進藤は、まるで怪物のようだった。

 

 

 

「やばいな………!これは」

 

 

この対決は……………。

 

 

 

 

 

勝てない!

 

 

 

 

奴を見ただけでわかる。本気の目だ。

 

 

神栄は固まる。

 

 

今まで打たれた奴らが、脳裏をよぎる。

 

 

 

ここで満塁ホームランなんて打たれたら、シャレにならない。

 

 

 

(クソっ!どうすれば……いいんた!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう!待たせたな!」

 

 

 

 

 

 

ついに帰ってきた。

 

 

 

「杉野!!!」

 

 

 

「後は俺が、ケリつけて来てやるよ!ノーコンは引っ込んでろ!ってな!」

 

 

「お前後で覚えてろぶっとばしてやるからな」

 

 

そう言って、神栄は杉野にボールを託した。

 

 

 

 

これで、任務完了。

 

 

さて、ベンチ戻って寝よ………。

 

 

 

 

============================

 

 

 

「カルマ君。さっきのアレが活かされる時が来ましたよ」

 

 

殺監督は、レフトにいるカルマの足元に、先ほど同様、もぐらのようにやってきた。

 

 

 

 

「………ああ、そーゆーことねー。磯貝ー。監督から指令」

 

 

 

 

 

カルマは磯貝に殺監督の指令を話した。

 

 

「マジっすか……」

 

 

 

 

そして、カルマと磯貝は

 

 

 

 

 

前へ出る。

 

 

 

それも、先ほどの野球部よりも、さらにひどい前進守備だ。

 

 

 

「さっきそっちはこれをやってたんだ。文句は無いよね?理事長」

 

 

 

「…………ご自由に、選ばれたものは守備位置程度で心を乱さない」

 

 

 

 

 

「へぇ………じゃあ、遠慮なく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、神栄は驚いた。

 

 

 

 

 

前進守備なんてレベルじゃない前進守備。

 

 

 

神栄が見たのは、

 

 

 

 

「前進守備っつーか、バット振れば当たる位置じゃねーかよ!」

 

 

もう………なんでもありやん。

 

 

 

 

 

 

こんなことされれば、大体の人間は集中力が切れる。

 

 

まぁ、される人なんてごくわずかだが、

 

 

 

「気にせず打ちなよ、杉野の球は邪魔しないから……」

 

 

(なめたこと言いやがって!大きく振れば、奴らもビビって退くはず!)

 

 

 

 

進藤は今までで一番力を込めて振った。

 

 

 

 

が、当たらない。

 

 

 

「…………ダメだよそんなスイングじゃ……次はもっと………殺す気で振りな」

 

 

 

 

第二球、進藤は腰が引けたスイングで、カルマの目の前にボールを落とす。

 

 

カルマはそれを取り、キャッチャーの渚に投げる。

 

 

 

そして、走るのが遅れた三塁にボールを投げ、ツーアウト。

 

 

 

 

さらに、一塁へ投げて、スリーアウト。トリプルプレーだ。

 

 

 

 

 

 

結果、3対2でE組の勝利である。

 

 

 

 

「……………………」

 

 

 

理事長は何も言わずに、グラウンドを去った。

 

 

 

「はぁ………なんとか勝ったか……」

 

 

 

神栄がグラウンドに出て、杉野を出迎える。

 

 

 

「ったく、怪我なんかするから俺が登板しなくちゃいけなくなったじゃねーかよ………」

 

 

 

「ありがとな!神栄。お前がいなきゃ、多分負けてた…」

 

 

 

滅多に言われない。感謝の言葉。

 

 

 

 

神栄はその一言が普通に嬉しかった。

 

 

 

「………おう、もう野球なんて二度とやらねーけどな」

 

 

 

============================

 

 

女子の試合は僅差で負けたと聞いた。

 

 

 

なにやら、片岡がめちゃくちゃ決めたらしい。

 

 

流石っす、片岡さん。

 

 

 

「神栄君ってヘタレだと思ったのに、案外カッコいいのね」

 

 

 

 

 

 

「ふざけんな片岡、俺はヘタレじゃない」

 

 

「みんな思ってるよ、神栄君、ヘタレだよ……?」

 

 

 




球技大会編は終了でーす。



次回、オリジナルストーリー混ぜようかな………


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第31話 装いの時間

今回の話は、暇な日を襲った神栄君の不幸な1日です。


駄文注意です。


 

 

 

とりあえず球技大会が終わり、その週の休日、神栄はいつも通りゲームをしていた。

 

 

 

しかし、予想以上のゲームのクオリティが低かったため、新しいゲームを買うことを余儀なくされた。

 

 

 

「はぁ………だるいなぁ……。なんか惹かれるゲームねぇかなぁ…?」

 

 

 

独り寂しく歩いていると、やたら目立つ店を見つけた。

 

 

そこは、『メイド喫茶白黒』と書いてあった。

 

 

 

「……ん?なんか……椚ヶ丘の制服じゃん、あの人」

 

 

 

なんか……見たことある髪型の人で、学校とは違う気が………。

 

 

 

 

 

メガネをかけている。もうそれでわかった。

 

 

 

 

「あ、竹林じゃん」

 

 

二次元が好きそうな竹林は、こーゆーところにも行くのか、と思うだけで大して気にしてはいなかった。

 

 

 

 

 

 

そう、ここから俺は間違っていたのかもしれない…………。

 

 

============================

 

 

大型ゲーム店に行くと、一際目立つ女性がいた。

 

 

 

髪が長く、華麗な手さばきである。

 

 

 

 

そう、その人は……。

 

 

 

 

 

「………神崎じゃん。すげぇな」

 

 

人混みでよくわからなかったのか、神崎が神栄に会うことはなかった。

 

 

 

大型ゲーム店を去り、家に帰ろうとする。

 

 

 

再び同じ道を歩いていく。

 

 

 

 

まだ、竹林はいる。

 

 

 

すると、竹林がこちらに気づいた。

 

 

竹林は店の外に出る。

 

 

「神栄じゃないか、どうしたんだ?」

 

 

「あー、新作ゲームを買いにな」

 

 

 

「………そうか、なら、ちょっとこっち来てくれ」

 

 

「…………は?」

 

 

============================

 

 

 

 

店に入ると、やたら女性がいる。

 

 

 

しかも、皆メイドコスをしている。

 

 

キャッキャッと声が聞こえて、正直神栄は引いている。

 

 

 

「神栄、今からお前には、『女装コンテスト』に参加してもらう!」

 

 

 

女装コンテスト。まぁ、男が女性の服を着て、楽しむというよくわからないコンテストである。

 

 

 

何故神栄なのか、それは………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ近くにいたからだ。

 

 

 

 

 

そして、神栄は意外にも美形だからだ。

 

 

 

綺麗な肌、すらっとしていて、すね毛が一本もない足。

 

 

腹を隠せば、普通に女性でも大丈夫なのである。

 

 

 

……というか、格闘技やってたのに、美脚ってあり得るのか?

 

 

 

 

「やだ。絶対にやらない」

 

 

 

 

「勝てば、すごいの貰えるから」

 

 

 

 

「ったく、しょうがないな……」

 

 

 

神栄はチョロい。と謎の弱点(?)のようなものが生まれた。

 

 

 

 

「……さて、これを着てくれ」

 

 

 

 

「おい……!こんなの着ねぇぞ!」

 

 

 

超短いスカート。そして何故かブラジャー。

 

 

要するに、制服である。

 

 

 

しかも、夏服なのでスッケスケの奴だ。

 

 

 

「これ、本当に着なきゃダメなのか」

 

 

 

「ふっ、当たり前だ。優勝すれば俺が得す………いや、優勝すればお前まで得するからな」

 

 

 

「そ、そうか」

 

 

 

仕方なく着る神栄。

 

 

 

 

そして、女装コンテストが始まった。

 

 

 

 

 

皆、低レベルの女装だ。

 

 

 

『エントリーナンバー10番!ニックネーム碧ちゃんの、制服コスです!』

 

 

 

 

 

 

神栄が出た瞬間、メイドカフェが静かになる。

 

 

 

「……これ、女だろ……」

 

 

「超カワイイ」

 

 

「好きだ!付き合ってくれ!」

 

 

 

変な男らが、突然の告白をし始めた。

 

 

 

「うるせぇぇぇ!!『俺』は男だっつーの!」

 

 

 

「………Sな女性……!イイ!もっと罵ってくれ!!」

 

 

 

「竹林いぃぃぃぃ!こいつだめだ!早く(精神的な)病院で診てもらわないと!」

 

 

 

カシャ!

 

 

 

カメラのシャッター音が聞こえた。

 

 

 

 

しかも、店内ではなく、店の外だ。

 

 

 

 

そいつは、撮った後すぐに逃げた。

 

 

 

 

見えたのは、赤髪の男。

 

 

 

 

そう、カルマである。

 

 

 

 

 

 

「カルマぁぁぁああああ!!!!ぶっ殺す!ぶっ殺してやる!!」

 

 

神栄はダッシュでカルマを追う。

 

 

 

 

 

 

神栄は女装のままカルマを追った。

 

 

 

椚ヶ丘市中を女装で駆け抜ける人、として、変人扱いされた神栄。

 

 

 

これも、すべて竹林のせいである。

 

 

 

「俺は………変人なんかじゃねぇえええええ!!!!」

 

 

 

============================

 

 

 

結局カルマを捕まえられず、トボトボとメイドカフェに戻り、顔を赤くして自宅に帰り、スマホを見ると、案の定女装写真がE組のグループに貼ってあった。

 

 

片岡『神栄君、ああいう趣味あるのね』

 

 

中村『ちょっと引くわ………』

 

 

神栄『カルマああああああ!ぶっ殺してやる!!』

 

 

 

竹林『どんまい(笑)神栄』

 

 

 

こうして、神栄変人疑惑は、しばらく続くのであった………。

 




その後、大変な思いをした神栄君でした……。


しばらく学校では『碧ちゃん』と呼ばれ続けたそうです。


そして、次回は鷹岡登場ですかね。

原作だと、1日で鷹岡は消えますが、この作品では何日かかかります。


多分、3、4話くらい使います。

指摘、乾そ……感想コメント待ってます!


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第32話 愛情の時間

先に言っておこう。前原……すまん。


 

 

殺せんせーがやってきて3ヶ月。体育の授業で烏間先生にナイフを当てる生徒が増えてきた。

 

 

「まぁ!?俺はちゃんと当てるけどね!?」

 

 

 

 

 

「……一人で何言ってんの?神栄」

 

 

カルマに変な目で見られた………。

 

 

あいつ…当てたことないくせに。

 

 

============================

 

体育が終わると、倉橋が烏間先生を呼び、みんなで一緒にご飯でも食べようと提案してきた。

 

 

みんなはOKといったのだが、烏間先生は仕事がある、と言って去ってしまった。

 

 

(状況を打破する為、もう一人人員を増やす、か。それが来るのが今日なのか…………)

 

 

 

すると、ドアに人影が見えるのに気づいた。

 

 

出てきた人は、ダンボールと大きいビニール袋を持っている。

 

 

「よぉ、烏間!」

 

 

(……鷹岡!?)

 

 

鷹岡 明(たかおか あきら)は防衛省の人で、烏間の補佐としてやってきた人らしい。

 

 

 

鷹岡はE組生徒の元へ行って、ダンボールとビニール袋を置いた。

 

 

 

 

「やぁ!俺の名前は鷹岡 明!よろしくな!」

 

 

 

「これは……ケーキとかじゃん!」

 

 

よく見ると、袋の中はほとんどお菓子類だった。

 

 

しかも、高級なお菓子が多い。

 

 

「俺、甘いもん苦手だからなぁ…飲み物だけで」

 

 

「そうか!でも、モノで釣ってるなんて思うなよ!お前と早く仲良くなりたいんだ!」

 

 

「…………………」

 

 

 

なんか、おかしい。

 

============================

 

 

みんながお菓子(主にケーキ)を食べながら、鷹岡と話している中、神栄は一人で遠い所へ立っていた。

 

 

 

 

「…………君は行かないのか?」

 

 

烏間先生がこっちにやってきた。

 

 

「俺はあいつを信用できないんすよ。なんか、異常な人にしか見えねぇんだ」

 

 

 

「神栄君、君の言う通りです」

 

 

「……………誰っすか?」

 

 

「烏間さんと同じ、防衛省の者です。私は、生徒達が心配です」

 

 

名前はわからなかった。が、暗殺の手助けをしてくれてる人だな、と思い、そこまで深くは聞かなかった。

 

 

 

 

 

「神栄君、君は鷹岡の所で遊んでくればいい。俺はやることがある」

 

 

 

 

「俺、球技苦手なんで………」

 

 

神栄はしばらく鷹岡の様子を調べることにした。

 

 

 

だが、これといって何かあるわけでもなく、みんなからの評価もそこそこ高かった。

 

 

 

 

 

「俺らは家族みたいなもんだ!ちょっと訓練は厳しくなるが、終わったらまたお菓子でも食べようぜ!」

 

 

 

あははは!と皆が笑う。何か、おかしいのに………何も見つからない。

 

 

 

 

 

「俺が訓練を受け持つことで、時間割が変わる!お前もこっちこい!時間割表渡してやるから!」

 

 

「あ……はい」

 

 

 

時間割表をもらうと、みんなはそのおかしさにやっと気づいたらしい。

 

 

 

「10時間目まで……!?夜9時までやるのかよ……!?」

 

 

 

 

「待ってくれよ!」

 

 

 

前原が耐えられなくなったのか、つい言ってしまった。

 

 

「こんなの…できるわけねぇよ!」

 

 

 

 

 

 

瞬間、

 

 

 

 

 

鷹岡の膝蹴りが、前原の腹に直撃した。

 

 

 

 

 

「『できない』じゃないんだ。『やる』んだよ」

 

 

(やっぱりな………!!)

 

 

前原の元へ行くが、倒れている。

 

 

 

「それじゃあ!スクワット100×3セットだ。抜けたければ抜けてもらって構わない。そしたら俺が新しい生徒を補充するからな」

 

 

 

その時のやつの目は、とても恐ろしく、とても優しい目をしていた。

 

 

 

悟られない為の目が、神栄には見えた。

 

 

「な?お前は父ちゃんについてきてくれるよな……?」

 

 

 

神崎が標的となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」

 

 

 

 

逆らえば叩かれるのは、神崎も知っていた。

 

 

 

それでも烏間先生の授業を受けたいという気持ちが勝ったのだ。

 

 

 

 

そして、一発、平手打ちが入った。

 

 

 

 

 

もう………耐えられん。

 

 

 

 

 

殺してやる……!!!!!!

 

 

 

「ぶっ殺してやる……鷹岡あああああああああ!!!!!」

 




初めて神栄が本気でキレた回です。


次回、鷹岡vs神栄です。


指摘、感想コメントどしどしお待ちしてます!


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第33話 最悪の時間


ついに神栄の『あの人』が………?


 

 

「てめぇ、神崎と前原に何しやがった!!」

 

 

 

「何って………教育的指導さ。お前もやられたいのか……?」

 

 

 

もう嫌だ……!耐えられない!

 

 

こいつを殺して、2人の目の前で謝らせる!!

 

 

 

「うるせぇ!ぶっ殺してやる…!」

 

 

 

「やれやれ、俺だって一応防衛省の人間だ。手加減は…………」

 

 

 

最後まで言わせない。

 

鷹岡の近くまで詰め寄り、拳を振るう。

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

「ぎゃーぎゃー言ってた割には、弱いなァ!お前」

 

 

 

「う…………る……せぇぞ!!」

 

 

 

 

全く当たらない。

 

 

 

 

「じゃ、こっちも行かせてもらうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

気づいたら、空を見ていた。

 

 

一体……何をやられたんだ……?

 

 

 

「神栄君!!!」

 

 

気づいたら烏間先生がいる。

 

 

 

 

「がああああ!!あいつはどこだ……………!ぶっ殺してやる…!どこだ!!!」

 

 

 

「暴れるな、今はじっとしてるんだ。あいつには……俺がなんとかする……!!」

 

 

保健室から見える姿は、とてもいいとは言えなかった。

 

 

つらい顔が、見たくないのに見えてしまう。

 

 

 

すると、倉橋が涙目で烏間先生……と呟いてしまう。

 

 

「あいつ……!!」

 

 

 

俺は………こんなところで寝てる暇はねぇ!!!

 

 

「神栄君!!!」

 

 

 

烏間先生は、一瞬反応が遅れ、神栄を取り逃がしてしまった。

 

 

 

「おい、烏間は俺たちの家族じゃないぞ……お仕置きだなぁ……」

 

 

 

 

「く……そ野郎がああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

ナイフが鷹岡の頬に触れる。

 

 

 

「それ以上…………みんなに手ェ出すな………!もし手ェ出すなら……俺を殺れよ!それと………お前は俺らの父ちゃんでもないし、体育の教師じゃねぇ!俺らの先生は……!烏間先生しかいねぇよ!」

 

 

 

「……神栄君!」

 

 

 

「………二度とそんなこと言えない様な体にしてやる……!」

 

 

鷹岡は、神栄をナメている。

 

 

 

 

確かに神栄はクラスの中でもダントツに強い。

 

 

 

しかし、鷹岡は戦った瞬間神栄の致命的な弱点に気づいていた。

 

 

そこを狙えば、殺られるのは神栄である。

 

 

 

「前原と神崎に、土下座するまで俺は負けねぇ!それまで俺は立ち続ける!」

 

 

 

「遺言はそれだけか……?」

 

 

 

 

「ナメてんじゃ……ねぇぞコラァ!」

 

 

 

再び、神栄と鷹岡の戦いは始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは、一方的だった。

 

 

 

神栄が手を出す前に殴られ、蹴られ……と。

 

 

 

 

神栄は一発も殴れない。

 

 

 

 

「あの神栄が………あんなにやられるのかよ……!!」

 

 

岡島は圧倒的な姿に、目をギョッとしている。

 

 

「こんなの………見てらんない…」

 

 

片岡は、2人の戦いから目をそらし始めた。

 

 

「………これでお前は立てないだろ………!さて、スクワットの続きを………ん?」

 

 

 

「まだだ……!謝るまで……勝負は終わんねぇよ!」

 

 

神栄は意識が朦朧としながらも、鷹岡の足を掴む。

 

 

 

 

「殺したくはないが………お前は別だ、殺してやる」

 

 

 

グシャッ!とエグい音が響く。

 

 

鷹岡は神栄の顔面を踏み潰し、高笑いする。

 

 

 

 

「ハッハハハ!もう何も出来ねぇだろ!それじゃあお前ら、続きをやれ」

 

 

 

しかし、誰も動かない。

 

 

 

 

「あ……?なんだ?早くやれよ」

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

「こんなんで………俺は死なねぇよ………。早く………謝れよ」

 

 

 

血だらけの神栄は、まだ諦めない。

 

 

 

「神栄君!」

 

 

 

 

「烏間先生………か、俺はへーきだよ、それより、あいつを……」

 

 

 

「もう一発、これで終わるだろう。さよならだ。父ちゃんに刃向かうのが運の尽きだ」

 

 

 

と言って足を上げ、降ろそうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろ!!!!」

 

 

 

 

 

「烏間……もう、手遅れだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!!!!!!

 

 

 

 

その音は、3年E組の校庭に響き渡った。

 

 

 

============================

 

 

神栄が起きた時には、E組の校舎には居なかった。

 

 

 

真上を見る限り、病院だった。

 

 

 

時間は、現在夜中の3時だった。

 

 

 

 

「…………俺、生きてたんだ…」

 

 

 

 

起き上がろうとすると、動けない。

 

 

 

 

「…………ありゃ?動けねぇ」

 

 

 

『神栄さん!大丈夫ですか!?』

 

 

 

どこかから声がするが、人影はない。

 

 

 

 

声の主は、ケータイの中にいた。

 

 

「……律か、俺が大丈夫な訳ないだろ……この通り、動けねーよ」

 

 

『神栄さんの怪我は、大したことではないようです。擦り傷や打撲程度らしいですよ』

 

 

「あんなにやられて打撲程度なのか………。格闘技やっててよかったな………てか、みんなはどうしたんだ?」

 

 

 

『あの後、鷹岡先生が訓練を中止させ、みんなは家に帰りました。烏間先生は今、病院内にいますよ?殺せんせーも多分います』

 

 

 

 

すると部屋に誰かがやってきた。

 

 

 

人間1人と、人外1匹。

 

 

「神栄君!大丈夫ですか!?」

 

 

 

「全く、律といい殺せんせーといい、俺のどこを見たら大丈夫だと言えるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

「………神栄君、君はなぜ鷹岡がおかしいと気づいたんだ?」

 

 

 

 

 

烏間先生の一言で、病室は一気に静まる。

 

 

 

 

 

「………………俺、姉がいるんですよ………双子の」

 

 

 





姉については次回ですね。


神栄は超人←これ重要


指摘、感想コメント待ってます!


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第34話 処刑の時間

 

 

 

『神栄 茜音さん。ですか?』

 

 

律は画像を見せた。

 

 

「ああ、そいつで合ってる。あいつみたいな奴だったんですよ。鷹岡も」

 

 

 

「茜音さんは、確か前回のテストで英語以外100点でしたよね……?」

 

 

殺せんせーはテストの順位表を出して、神栄に見せてきた。

 

 

「多分、英語は0点だな。寝てたと思う。寝てなかったら、500点満点だったと思うぜ」

 

 

結局、何が言いたかったのか、

 

 

 

それは自分でも分からなった。

 

 

 

ただ一つ言えることは、外面が良くて内面はとんでもない性格だということだ。姉は鷹岡と同じ感じの人だった。

 

 

 

時間が時間だったので、殺せんせーと烏間先生は帰ってしまった。

 

 

 

律はケータイの中にいるので残っている。

 

 

 

『神栄さん………』

 

 

 

「なんだ?律」

 

 

『鷹岡さんは、明日もまた同じ訓練をするらしいです』

 

 

同じ訓練…………。

 

 

 

また逆らえば殴る、あの訓練を、また…………。

 

 

 

「やらせるか……!こんなところにいる暇なんざ、ねぇ!」

 

 

『神栄さん!やめてください!まだ完治してないですよ!』

 

 

 

「嫌だ!こんなところで寝てるわけにはいかねぇだろ!あいつを………ぶっ殺す!」

 

 

 

『またこのような事になっていいんですか?またみんなに迷惑かけていいんですか!?』

 

 

神栄は固まる。

 

 

迷惑………。

 

 

俺は…………間違ったことをしてしまったのか?

 

 

 

自分に問いかけても、答えは見つからない。

 

 

 

「焦ってんのか……俺は」

 

『はい。そう思います』

 

 

 

 

 

 

神栄はベッドで横になり、律を見る。

 

 

 

「………てか、なんでケータイにいんの?」

 

 

『皆さんとの情報共有を円滑にするためです』

 

 

「それってハッキンg………」

 

 

『これ以上は言わないほうがいいですよ……?』

 

 

 

うわぁ………律怖い……。

 

 

============================

 

5日後、神栄の怪我はほぼ治り、病院では超人という異名が付けられた。

 

 

怪我が治ったので病院を後にして、学校へ行った。

 

 

 

そこで見た光景は、まるで地獄絵図のようだった。

 

 

 

教室に着くと、殺せんせーが窓から生徒を見ている。

 

 

「殺せんせー、烏間先生は…?」

 

 

「神栄君……。烏間先生はおとといから出張なんですよ……。今日帰ってくるはずなんですが……」

 

 

「俺がいない間、暴力はあったのか?」

 

 

「いいえ、ありませんでした」

 

 

 

 

 

「………だったら、今日で鷹岡を終わらせてやるよ………」

 

 

 

「神栄君………!まさか!」

 

 

 

「……………殺るのは、その才能を持った人だけだよ。殺せんせーだってわかってんだろ……?」

 

「…………」

 

 

そう言って、神栄は校庭に行った。

 

 

 

鷹岡は、神栄を見ることはなかった。

 

 

 

「神栄!!大丈夫か…!!」

 

 

磯貝がこちらに来るが、倒れかけている。

 

 

「おい、こんな雑魚ほっといて早くやれ」

 

 

鷹岡が来た。今にも殴ってきそうな勢いでこちらを見ている。

 

 

「黙れクソ野郎。何度も言わせてもらうが、お前は俺らの父ちゃんじゃねぇし、体育の教師でもねぇ、体育の教師は……烏間先生ただ一人だ!これだけは絶対に譲れねぇ!」

 

 

 

 

「おしおき………だな」

 

 

 

バチィ!と平手打ちが炸裂した。

 

 

 

 

 

 

「………!!!!」

 

 

神栄は何か思いついたように鷹岡に言った。

 

 

「おい鷹岡。この際勝負しねぇか?負けたやつは素直に勝ったやつの言うことを聞く……ってな」

 

 

 

「………上等だ。…で、お前とまた殺るのか…?」

 

 

「さぁな?それを決めるのは………俺らの先生だろ…?」

 

 

 

「鷹岡。もうやめろ」

 

 

 

そう言ったのは、烏間先生だった。

 

 

 

「いいだろう、勝負しようじゃねぇか。ルールは、俺に誰かがナイフを当てるか、俺が誰かに『素手』で当てるか、でいいだろ?負けたら、出てってやろう」

 

 

わぁ!と皆の顔色が少しだけだが、明るくなる。

 

 

しかし、一気に絶望の色に変わる。

 

 

 

「ただし……使うナイフは対先生用ナイフじゃない………本物だ」

 

 

 

「よせ!彼らは本物のナイフを使った練習はしていない!!」

 

 

 

「………じゃあ、負けでいいのか……?」

 

 

 

烏間先生は、悩んでいる。

 

 

 

誰を選ぶがということと、

 

 

 

 

 

選んでも、その人が勝てるのか、ということだ。

 

 

 

 

神栄はニヤニヤしている。

 

 

(この中で飛び抜けて暗殺の才能があんのは………俺なんかじゃない。『あいつ』だよ……鷹岡ァ!)

 

 

 

「早く選べよ……!!」

 

 

鷹岡は素手での戦いである。

 

 

(ククク……この手の戦いはよく俺が勝ったな……。本物のナイフを使って、本気で戦えるやつなんざ、ほとんどいねぇ…これであっさり勝って、やつらを強くしてやる!烏間ァ、お前の時代はどの道終わりなんだよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「渚君、殺る気はあるか?」

 

 

 

烏間先生はナイフを渚に渡した。

 

 

 

「え……?僕ですか…………?」

 

 

 

 




今回の話、USJから帰る時の深夜バスで睡魔と闘いながら書いてたので、間違ってるところがあったり、(いつもですが)下手くそかもしれません。


次回、渚vs鷹岡です。


指摘、感想コメント待ってます!


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第35話 処刑の時間、2時間目

やっぱり原作にあるやつは雑になってしまう………。


いつも通り、駄文注意です。


 

「烏間ァ!お前の目も腐ったな!よりによってこんなチビを選ぶとは……!!」

 

 

 

鷹岡は仁王立ちで、渚の前に立ちはだかる。

 

 

 

「僕が……ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

「俺が君達に………」

 

 

 

烏間先生は渚の目を見て、そして、みんなを見て、ナイフを片手にこう言った。

 

 

「俺が君達に払うべき最低限の報酬は、普通の中学生活を保障することだと思っている」

 

 

「烏間先生……………僕…………やります」

 

 

 

渚はナイフを取り、口にくわえ鷹岡の前に立つ。

 

 

 

 

(神崎さんと前原君と、神栄君の事、一発返さなきゃ気が済まないのに……どうすれば!!)

 

 

内心焦っている渚に気づいた烏間先生は、渚の隣に立ち、耳元で囁いた。

 

 

 

「渚君、この勝負は、ナイフの有無じゃない、わかるか?」

 

 

 

 

「え……………?」

 

============================

 

 

 

 

ようやく決心した渚は、ナイフを力強く握る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ…………戦う必要はない。

 

 

 

殺れば、勝ちなんだ。

 

 

 

 

渚は何事もないようにゆっくり歩く。

 

 

まるで、通学路を歩いてるかのように。

 

 

 

そして、鷹岡の前まで近ずく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、

 

 

 

 

ナイフが鷹岡の顔の目の前に当たる。

 

 

 

 

鷹岡は目をギョッとし、避ける。

 

 

 

 

 

 

鷹岡が体勢を崩したので転ばし、背後に行き、目を隠し、ナイフを顎の近くで止める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「捕まえた」

 

 

 

 

 

 

 

 

試合終了、渚の勝ちである。

 

 

 

============================

 

 

(流石、というのか、すげぇ、というのかわからんが………)

 

 

 

神栄の予想通り、渚が勝った。

 

 

 

皆は渚の元へ行き、ワーワーしている。

 

 

「ありがとな!渚!」

 

 

前原は渚の肩を組み、笑顔だ。

 

 

 

「渚君、ありがとう」

 

 

神崎も渚にお礼を言っている。

 

 

 

ここで一つ、神栄は思う。

 

 

 

 

 

 

「俺は何もないのな……(苦笑)」

 

 

 

 

 

皆がキャーキャーしていると、後ろから殺気を感じる。

 

 

片岡のあのオーラと違い、本気で殺そうと思ってるオーラだ。

 

 

 

 

「………このガキがァ!次は油断しねぇ!もう一度だ!」

 

 

 

 

「…………次やったら、僕は必ず負けます。さっき神栄君が言ってたように、鷹岡先生は僕たちの父でもないし、体育の教師でもありません。僕たちの先生は、烏間先生しかいません。でも、本気で強くしようとしてくれたことは、感謝します。でも、すいません。出て行ってください」

 

 

 

 

「じゃあ私はあんたらの何なのよ」

 

 

 

ビッチ先生は自分を指差した。

 

 

 

「知らねぇよ、みんなのクソビッチじゃね?」

 

 

 

「…………黙って聞いてりゃ、何言ってやがんだ……!!」

 

 

 

神栄は渚の前に立ち、鷹岡に言い放つ。

 

 

「お前、約束を忘れたか?とっとと出ていけよ。これは俺だけが思ってるわけじゃねーよ。みんなそうだ。早くこの教室から失せろ。負け犬」

 

 

 

「う………るせぇ!!!」

 

 

 

鷹岡はノーモーションで神栄に近づく。

 

 

 

烏間先生が間に入り、鷹岡を肘打ちで倒す。

 

 

「………こんなことに巻き込んでしまって、すまなかった。俺が1人で君たちの教官を務めれるよう、上と交渉しておく」

 

 

「黙れ……!俺が先に掛け合ってやる……!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その必要はありませんよ。鷹岡先生」

 

 

 

出てきたのは、椚ヶ丘の支配者、浅野 學峯である。

 

 

 

理事長が出てきたということは、E組を潰す鷹岡の続投を望む……ということなのか……?

 

 

理事長は鷹岡の近くで地面に膝をつき、鷹岡の顎に触れる。

 

 

 

「唐突に言わせていただきます。貴方の授業はつまらなかった。教育に恐怖は必要ですが……暴力でしか恐怖を与えることができないなら、その教師は三流以下だ」

 

 

理事長は立ち上がり、サラサラと何かを書き上げる。

 

 

「解雇通知です。以後貴方はここで教えることは出来ない」

 

 

 

そして、鷹岡の口に入れ、去っていった。

 

 

醜態を晒された鷹岡は、耐えきれず逃げる。

 

 

 

 

「なんとか………去ったか」

 

 

 

神栄がホッとしていると、殺せんせーがやってきた。

 

 

 

「相変わらず、あの人の教育は迷いがありませんねぇ」

 

 

 

「超完璧主義なのか……?あの人は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでさ、烏間先生」

 

 

中村がバッサリと話しを切り、他の話題に移った。

 

 

それに続くように、倉橋も話し始めた。

 

 

「臨時報酬とか欲しいなぁ……鷹岡先生って、そーゆーの『だけ』は充実してた気が………」

 

 

 

(ほんっっとゲンキンな奴らだな………)

 

 

 

 

 

「甘いものなど俺は知らん。サイフは出すから食べたいものを街で言え」

 

 

皆はヤッター!と言うが、神栄は早々に帰る。

 

 

一体なぜ帰るのか。

 

 

 

 

それは

 

 

 

 

店に何人もの人が入るのは、以前(16話)言ったように、店的にはありがたいが、客的には迷惑なだけだ。

 

 

そうなると、買って他の場所で食べる必要がある。

 

 

 

まぁ、家で食えばそれでいいのだが、親に何か言われる、という人がほとんどだろう。

 

 

だから、どこか『広い』場所で食べるのだ。

 

 

例えば、人の家。

 

 

 

 

これでわかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

そう。神栄の家である。

 

 

 

(俺は食べないけど……家に来るのだけは勘弁だ……!これは早々に帰るのが一番……!!)

 

 

 

 

 

「ねぇ神栄」

 

 

 

 

 

中村が神栄の肩にポン、と手を置く。

 

 

 

ああ、終わった……………。

 

 

「あんたの家、誰もいないでしょ?みんなで入っていいよn……「無理」

 

 

 

「じゃあ、いいや、『これ』が無くても入れるならね〜〜」

 

 

 

中村は何かを持っている。

 

 

 

あ………………家の鍵………。

 

 

 

 

「ふざっけんなああああ!!!」

 

 

 

 

こうして、神栄の家でお菓子パーティをする羽目となった神栄である。

 




次回はお菓子パーティの回です。(予定)


そのあと、プールですかね、


指摘、感想コメント待ってます!




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第36話 甘(苦)い時間


時間遅れました……すいません。


駄文注意ですよ!(いつも通り)


ああ、なぜ俺は食べないのにケーキ屋さんにいるんだ…………。

 

 

 

「カーミーサーカー。これ持ってぇ〜〜〜」

 

 

 

そう、ここには8名の男子(先生除く)以外はほとんど女子である。

 

 

 

男子は、三村、神栄、千葉、岡島、渚、カルマ、磯貝、前原、である。

 

 

当然男子は荷物持ちなのだが、神栄は何も持っていない。

 

 

「カーミーサーカー!聞いてんの!?」

 

 

「Noisy! Fall silent a little! A goddamn bitch!」

(うるさいな!ちょっとは黙れよ!クソビッチ!)

 

 

 

 

「What! You may let a woman have baggage!?」

(何よ!女性に荷物を持たせていいの!?)

 

 

「It is a really annoying bitch…Does it have ability only to cry……」

(本当にうるさいビッチだ……叫ぶことしか能がないのかよ……)

 

 

………とまぁこんなくだらない会話をしているうちに、烏間先生のサイフの中身がどんどん消えていっている。

 

 

そして烏間先生が、これ以上はやめてくれ、と言ったので仕方なく神栄の家で食べることにした。

 

 

 

 

============================

 

 

 

「………はぁ、なんで俺がこんなことを…………」

 

 

 

 

ドサッ!と大量のケーキを置き、中村の掛け声でケーキパーティーが始まった。

 

 

 

言うまでもなく神栄はジュースだけである。

 

 

 

そして、テレビの前に座り、P○3を起動した。

 

 

(うるせぇけど……まぁゲームできるだけマシかな)

 

 

独り大画面でプレイしていると、後ろでは男がいるにもかかわらず恋話が始まった。

 

 

 

 

(う……る……せぇ……!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てかさ、神栄って好きな人誰なの?」

 

 

 

前原の言葉に、皆は固まる。

 

 

 

そして神栄はコントローラーを落とす。

 

 

 

 

 

それでも神栄は振り返らない。

 

 

 

聞かなかったフリをするのが一番なのだから。

 

 

 

「あれだよ!速水ちゃんだよ!」

 

 

 

中村は誤ったことを言ってしまったな……速水は好きじゃない…といったらアレだが、速水『みたいな』人がいいのであって、速水が好き、ということではない。

 

 

 

しかし神栄は平然を装いゲームをする。

 

 

時々ゴトッ!とコントローラーを落とすが。

 

 

 

「わ……私!?」

 

 

 

「そうらしいぞ〜〜?」

 

 

 

「そ……そうなんだ。別にあいつのことなんて好きじゃないけどね」

 

 

まんざらでもない顔をしている。

 

 

これじゃあ誤解を生む一方だ。

 

 

 

「おい、俺は速水『みたいな』人が好みであって、速水が好きなんか、一言も言ってないんだけど」

 

 

 

 

耐えきれなくなってので言ってみたはいいものの、みんなの反応はとても薄かった。

 

 

「なんか……苦し紛れの言い訳にしか聞こえない……」

 

 

 

「なんでだよ!」

 

 

 

きっと、何を言っても言い訳だー!とか言われるのはわかっている。

 

 

 

だったら………

 

 

 

 

 

何もしないのが一番だ。

 

 

 

 

神栄は何事もなかったかのようにゲームをする。

 

 

 

 

 

好きな人でもないのに、ああいうことを言われると、自分も嫌な気分になるし、何より速水がかわいそうだ。

 

 

ここから気まずい雰囲気が生まれてくるのは、神栄自身とてもわかっている。

 

 

 

「はぁ、甘いお菓子食べてるのに、めちゃくちゃ苦い思いするとはおもわなかった…………お菓子食べてないけどな!HAHAHA!!」

 

 

 

もう、狂ってきた……。

 

 

 

 

 

============================

 

 

話は変わるが、あれ?烏間先生はいるの?と思っていた人もいるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間先生は神栄の家に行ったらすぐ帰ったらしい。

 

 

だが、ビッチ先生はいる。

 

 

 

 

「へぇ……カミサカって凛香のこと好きなの?」

 

 

 

「だから違うっつってんだろ!話聞いてたかお前!」

 

 

 

 

「まぁ……恋をすることは良いことよ?私も………」

 

 

 

「あ、お前の好みとか本当にどーでもいいからな?聞きたくないし」

 

 

 

「ムキー!やっぱカミサカは嫌いよ!」

 

 

 

そう言いつつもちゃっかりケーキは食べている。

 

 

 

 

5分後、ビッチ先生は時間だ、といい無駄にケーキをパクって帰ってしまう。

 

 

さて、ここで生徒のみとなる。

 

 

現在午後6時、帰る人と帰らない人が分かれる時間である。

 

 

「おい、そろそろ帰った方がいいんじゃないか?親も心配してんだろ」

 

 

 

「そうだね、んじゃあまたね!神栄君!」

 

 

矢田が帰ると、他の人も帰り始める。

 

 

 

残ったのは、カルマ、渚のみとなる。

 

 

 

当然、ケーキは全て消えた。

(8割磯貝が持って帰った)

 

 

「じゃあ、3人しかいないし、飯でも作ってあげr……「お邪魔しました」

 

 

 

 

そう言って2人は走って逃げた。

 

 

 

「嵐のように去ったな……みんな。まぁ今日は好きな人がバレなかっただけ良しとしよう…………」

 

 

 

好きな人なんか、いないけどな。

 

 

 

 

 




次回はちょっと長いかもです。


指摘、感想コメント待ってるけど、多分来ねぇよな!HAHAHA!!……by神栄


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第37話 プールの時間

みんなからしたら普通かもしれないが、僕からしたら、今日の話、長い!



そして、神栄………サヨナラw


夏です。夏なのです!みんな大好き(?)夏が来た!!

 

 

夏といえばプールである。

 

 

 

とある日、E組ではプール開きの日であった。

 

 

 

 

4時間目、理科の授業。

 

 

 

「あ゛ぢぃ………なんだよこの暑さは!」

 

 

 

神栄はワイシャツの第3ボタンまで開け、教科書をうちわ代わりにしてあおいでいる。

 

 

 

 

神栄は中にシャツを着ていないので、鍛え抜かれたボディが丸見えだ。

 

 

 

「溶けて死にそう………」

 

 

 

「ほんとそれだぜ……」

 

 

菅谷が神栄の方を向き、嘆く。

 

 

 

「でもさ!今日ってプール開きでしょ!楽しみー!!」

 

 

 

倉橋のその明るさは、蒸し暑い教室を一瞬、ほんの一瞬だけ涼しくしてくれた気がした。

 

 

 

「はぁ、そのプールまで行くのがつらいんだろ………?」

 

 

木村のその一言で、また暑くなる。

 

 

 

「こんな授業してねぇで、はよプール連れてってくれ殺せんせー、マッハで!」

 

 

 

すると、殺せんせーの顔が紫色になり、顔にバツが書かれている。

 

 

 

「先生のマッハをアテにするんじゃありません!先生にもできないことはあるんですよ…………!そうですねぇ……では、山奥に小さな沢があるでしょう。そこで涼みましょう。あ、全員水着に着替えて来てくださいね」

 

 

 

============================

 

 

殺せんせーを先頭に、沢に向かっていく。

 

 

「沢って……この辺にあんのか?」

 

 

 

神栄は校舎以外あまり行かないので、この辺のことはほとんど知らない。

 

 

「足首まであるかないかくらいの深さだよ……涼めるだけマシだよ」

 

 

 

 

 

 

…………そうこうしてるうちに、小さな沢…?に着いた。

 

 

 

そこに、沢などはなかった。

 

 

 

普通、よりは少し小さいが、プールがある。

 

 

 

「本校舎になんて、行く必要がありません。さて、思う存分……」

 

 

「「「いやっほうー!!!」」」

 

 

 

============================

 

プールの中では、女子達が集まり何か話している。

 

 

「神栄ってさ……結構いいカラダしてるよね…!!!」

 

 

中村がジロジロと神栄を見つめている。

 

 

「そうだね!カッコよくて、いいカラダしてて、強くて、英語ペラペラって、すごいよね!」

 

 

矢田が楽しげに言っている。

 

 

 

 

(き、こ、え、て、ん、だ、よ………!(怒))

 

 

「神栄ー!お前、ぶっ飛ばしていいか?」

 

 

岡島が水中から上に来た。

 

 

 

 

 

「突然ぶっ飛ばしすとか言うのやめてくんないかな岡島」

 

 

 

 

「そのカラダ……俺によこせえええ!!」

 

 

岡島はこっちに飛んできたのだが、神栄は軽くかわした。

 

 

「変態にあげるカラダはない!」

 

 

「………ひでぇ」

 

 

 

神栄は水に浮きながらチラチラと女子を見る。

 

 

 

(…………プールねぇ……。あんま好きじゃねぇな……なぜなら、あいつらにカラダ見られっからだよ!)

 

 

プールでは、ボール遊びをする者、盗撮カメラを持ち、撮影する者などがいる。

 

 

盗撮カメラって、絶対岡島だよな………。

 

 

ピピーッ!と笛が鳴る。

 

 

「こら!木村君!プールサイドは走らない!怪我でもしたらどうするんですか!」

 

「あ……はい」

 

 

 

「岡島君!カメラは没取です!狭間さんも読書してないで泳いでください!菅谷君!普通のプールならボディーアートは入場禁止ですよ!」

 

 

 

 

(い………いちいちうるせぇ……)

 

 

 

 

殺せんせーは王様気分で台の上に座り、ニヤニヤしている。

 

 

すると、倉橋が殺せんせーに水をかけた。

 

 

 

「きゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

…………は?

 

 

 

カルマは台を揺らし、殺せんせーを落とそうとした。

 

 

「揺らさないで水に落ちる!!」

 

 

 

………………殺せんせーって

 

 

 

 

 

 

水に弱い!?

 

 

 

「べ、水に入ると触手がふやけて動けなくなるとかないし!?」

 

 

 

 

E組生徒らは、殺せんせーの最大級とも言える弱点を知ってしまった。

 

 

水殺………!!!

 

 

これは、暗殺に使える!!!!

 

 

============================

 

 

皆がキャッキャ言いながら泳いでる(遊んでる)時、浮き輪でぷかぷか浮いている茅野が、バランスを崩し、溺れそうになった。

 

 

 

身長が小さいプラス泳げない茅野は…………片岡に助けてもらった。

 

 

 

なんだあいつ……カッコイイな。

 

もういっそ男に生まれ変われば、そこそこモテるだろうに……。

 

 

 

授業(?)後に、殺せんせーはどこかへ行ってしまったので、クラスで話し合うことになった。

 

 

 

「……だから、私が考えた暗殺方法はさっきの通りよ、夏は長いわ!頑張りましょう!」

 

 

「zzz……はっ!何話してた!?渚!」

 

 

 

神栄は色々な疲れで石に座りながら寝ていた。

 

 

「ええっと、まずなんらかの方法で殺せんせーを水に落とす。そして、ふやけて動けなくなったところを水中にいる人たちで殺す、って方法だよ」

 

 

 

 

「へぇ、流石クラス委員だな」

 

 

「彼女、水泳で学年代表とかになってるし、泳ぎは凄いんだよ」

 

 

「………あんな恐ろしい女が……なんでモテんのかわかんねぇ」

 

 

 

…………あ。

 

 

 

 

再び渚の後ろに恐ろしいオーラを感じる。

 

 

 

これが……デジャヴ!!!!

 

 

 

「ぎゃあああああああああ!!!ごめんなさいごめんなさい!!ごめんなさいいいい!うわああああ!!」

 

 

 

 

神栄死亡のお知らせです。

 

============================

 

 

 

見事に殺られた神栄は、片岡の泳ぎを渚、茅野と一緒に見ていた。

 

 

 

「速ぇな、学年代表はダテじゃない……か」

 

 

律がタイムを計っている。

 

 

『26秒08、自己記録には0.7秒届いてません』

 

 

 

「ブランクあるな………」

 

 

「それのどこにブランクあるのか、聞かせて欲しいですな片岡さん」

 

 

たかが0.7秒届かないだけでブランクある、なんて言われると、神栄は一体なんなのか……。

 

 

「責任感の塊だね、片岡さんは」

 

 

「確かにそうですね、何を任されたかは知りませんが……」

 

 

殺せんせーが水着姿でニヤニヤしている。

 

 

(責任感の塊ねぇ………)

 

 

 

「なぁ渚、茅野。あーゆー人程、自分の苦しみを自分で抱えこんじゃうんだぜぇ……ほら、あの顔を見ればわかる」

 

 

片岡はケータイを見るや否や、服を取り、あまり良くない顔で去っていった。

 

 

「あいつには色々殺られたからな、こっちも仕返しといこうじゃねぇか!」

 

 

あははははは!!!と神栄の高笑いが、プール中に響いた。

 

 

「確かにそうですね。少し様子を見てみましょう」

 

 

 

============================

 

 

 

「あーそっかぁ、ここをあーすればいいわけねぇ」

 

 

「う、うん」

 

 

某有名ファミリーレストランでは、教科書を広げ、勉強している2人が見える。

 

 

1人は片岡。もう1人は………多分本校舎の人だろう。

 

 

「あのさ心菜、テスト前だけど、私やりたいことがあって、毎回呼ばれると、ちょっと…………」

 

 

 

 

 

 

 

「ひどい…………私の事、殺しかけたくせに」

 

 

 

 

その時の顔は、先ほどとは全く違い、とても怖かった。

 

 

 

涙を流していたが、おそらく嘘泣きだ。

 

 

 

心菜という女はケータイを見ると、広げていた教科書をかばんの中にしまい、帰ってしまった。

 

 

 

勉強してないよな……あれ。

 

 

「………で、そこの3人とニヤニヤしてる変態さんは何の用?」

 

 

 

「ふざけんな、俺は変態なんかじゃない、どこかの終末期と一緒にすんな」

 

 

「………なんであんなことになっちゃったの……?片岡さん」

 

 

某有名ファミリーレストランを出て、住宅街へ行くと、片岡はやっと話し始めた。

 

 

「去年、彼女に泳ぎを教えたのよ、1回目でそこそこ泳げるようになったら、その後なんだかんだ理由をつけていかなくなったのよ。で、そのまま海に行ったら案の定溺れちゃって………。それで色々勉強教えてたら、私の成績が悪くなっちゃって、今に至るの」

 

 

 

「本校舎の奴らって、バカしかいないのか?あの名前忘れた二股女にしても、今のツインテールにしても、本っっっっ当アホだ。まぁあいつらなんか眼中にないから、気にしないけど」

 

 

「よくそんなこと言えるよね……」

 

 

神栄が女の悪口を言っていると、殺せんせーは片岡紙芝居を見せた。

 

 

その話は『主婦の憂鬱』というタイトルで、主人公(妻)が片岡、夫が殺せんせーだ。

 

 

現実味のある話すぎて、神栄は途中で飽きた。

 

 

 

 

「んー、殺せんせーの言いたいことはわかったわ。共依存ってやつだろ」

 

 

 

共依存とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている嗜癖状態を指す。

 

 

殺せんせー曰く、片岡は依存されてることに依存してしまってるのだ。

 

 

さて、この紙芝居を見て殺せんせーがすることは、わかるだろうか。

 

 

 

 

 

『ツインテール女を泳げるようにする』だ。

 

 

しかし、誰が教えるのか。

 

 

 

「決まっています、このタコが魚も真っ青のマッハスイミングを教えてあげますよ……」

 

 

 

 

 

「タコの自覚、あるんだな、殺せんせー」

 






あとがき書くの……忘れてた。


次回、レッツ・スイミング!

指摘、感想コメント待ってるよ……?


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第38話 水泳の時間


ついにあの人降臨!!


 

 

深夜、いつもの神栄なら、ゲームをしている頃である。

(3時位まで)

 

 

「なんでここにいるんだよ!意味わかんねぇよ!!」

 

 

そう、今神栄がいる場所は、学校のプール。

 

 

 

そこには渚、茅野、片岡がいる。

 

 

ついでに殺せんせーもいる。

 

 

「はよ家帰ってゲームしたい、帰っていいか?」

 

 

「こんな時間までやってんの!?勉強は!?」

 

 

渚………俺はちゃんとやってるさ…………多分。

 

 

 

「………で、何しにここに来たんだ。殺せんせー」

 

 

「彼女に教えてあげるんですよ、泳ぎを……。ヌルフフフ」

 

 

============================

 

 

 

多川 心菜(たがわ ここな)は布団で昨日の事を考えている。

 

 

 

………なにか、パシャパシャと水の音が聞こえる。

 

 

 

ハッ!と目がさめると、魚?のような生き物が、水遊びをしている。

 

 

(なんだ………夢か)

 

 

「………目、覚めたんだね。こ、ここは魚の国!さぁ、私たちと泳ごう!」

 

 

明らかに不自然だ。

 

 

なぜかって?

 

それは…………

 

 

 

 

 

片岡の声にしか聞こえないからだ。

 

 

 

「あんた、めぐめぐでしょ……」

 

 

 

 

 

 

「ち、違うし……魚魚だし」

 

 

 

一体どこの居酒屋だよ、片岡さん。

 

 

 

「や、やぁ、僕の名前は魚太!(渚)」

 

 

「私は魚子だよ!(茅野)」

 

 

「俺は魚助!(神栄)」

 

 

茅野は浮き輪をしている。

 

 

あ、泳げないからか。

 

 

 

「そして私が魚キング。川や海を自在に跳ねる最強の…………タコです」

 

 

 

「タコなの!?」

 

 

 

なんだろう………魚キングと聞くと、あの最弱のポ○モンにしか聞こえない………。

 

 

 

そんなこんなでツインテール女を泳げるように魚魚(片岡)が熱心に教えた。

 

 

 

 

 

最弱はやる気のなかった彼女も、徐々にやる気を出し、しまいには笑顔まで見えた。

 

 

一方、殺せんせーが泳げるのかは、よくわからなかった。

 

 

 

 

 

その後、多川 心菜は泳げるようになり、片岡の助けを求める必要が無くなって、片岡は自由の身となった。

 

 

 

片岡「なんかこの辺雑じゃない?」

 

 

 

作者「気にするな」

 

 

 

============================

 

 

 

帰り道、神栄は一人で歩いている。

 

 

「ったく、疲れた……」

 

 

この時間なら誰も居ないので、堂々と歩いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?碧君じゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

そう言われたので振り返ると、『あの人』が見えた。

 

 

 

「…………お前、なんで此処に居るんだよ……!!」

 

 

 

神栄 茜音。神栄 碧の双子の姉であり、椚ヶ丘中学校3年A組の人だ。

 

 

「そ、れ、よ、り、も。なんか、見た目悪そうな顔の人が、白い服着た変な人にお金貰ってたよ……?見る限り10万くらいあったね。なんかあるかもね、『暗殺』の事……」

 

 

 

ちょっと待て、なぜこいつが暗殺の事を知っている?

 

 

あれは国家機密の事であり、神栄は他言していない。どこから漏れたのか…………?

 

 

 

「おい、なんで知ってんだ。洗いざらい吐いてもらおうか」

 

 

 

「…………嫌だね、だって私、あの人の味方だもん……裏切る訳にはいかないし……ねぇ?」

 

 

 

 

(………あの人?味方?)

 

 

 

そう言い残して、茜音は闇の中へと消えていった。

 

 

「それはそうと、暗殺の事をなんで知ってんだよ………ん?白い服着た変な人……?見た目悪そうな顔の人がお金を貰ってる……?」

 

 

 

嫌なピースが、どんどん埋まっていく。

 

 

 

「誰だ……!?誰が何をしたんだよ……!!!」

 

 

次の日、神栄の予想していた最悪のシナリオが……………起こってしまった。

 

 

 

 





皆さんはE組男子の中一番好きなキャラはなんですか?


やはり王道はカルマか渚ですよね。


みんな驚くかもしれませんが、僕は村松が一番好きです。


E組男子以外なら、ガストロさんもいいですね。




それはさておき、地味に姉が良いこと言ってますね(笑)


次回、寺坂がでしゃばります!


指摘、感想コメント待ってまーす。


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第39話 ビジョンの時間

暴君寺坂が暴れる回


次の日、神栄は見事な寝不足状態で学校に行った。

 

 

昨日の事が、頭から離れなかったからだ。

 

 

 

茜音は何の為にここに来たのか、そして、何をしているのか、だ。

 

 

そして、寺坂が何をやっているのか。

 

 

そのような事をずっと考えていて、夜も眠れなかった。

 

 

 

 

 

寺坂と断定はしてないが、一番危ないとは思っている。

 

 

 

「ったく、どーゆーことなんだよ……」

 

 

本人に直接聞きたいのだが、流石にそれはまずい。

 

 

 

「おい!プールがとんでもないことになってるぞ!!!」

 

 

 

岡島が慌てて言うと、皆は走ってプールまで行った。

 

 

 

神栄も行くと、プールは確かにとんでもないことになっていた。

 

 

ゴミが散乱していて、椅子などが壊れている。

 

 

「誰がやったんだよ……こんなこと」

 

 

すると、どこからかニヤニヤと笑い声が聞こえた。

 

 

 

そこには、村松、吉田、寺坂がいる。

 

 

「これじゃあプール出来ねぇな!」

 

「いいんじゃね?プールとかダルいし」

 

 

2人が会話してると、寺坂がこちらにやってきた。

 

 

「ンだよ神栄。お前、俺らがなんかしたと思ってんのか?」

 

 

 

「逆に、お前以外の奴がしたとは思えねぇ」

 

 

 

寺坂はグイ!と胸倉を掴み、喧嘩口調で神栄に言い放つ。

 

 

「うるせぇよ。犯人探しなんてする必要ねぇだろーがよ!」

 

 

「………怒る人間違えてるぜ、寺坂」

 

 

 

神栄は寺坂の手を掴み、離させた。

 

 

寺坂はチッ!と言って去ってしまった。

 

 

(多分寺坂だな。シロから金を貰ってる……となると、暗殺か……イトナまでが………?)

 

 

 

「おや?神栄君、珍しく考え事ですか?」

 

 

こういう時の殺せんせーの勘の良さは、素晴らしいと思う。

 

 

でも、余計なお世話、とも言える。

 

 

 

「いや、なんでもないよ。最新ゲームの攻略方を考えてただけ」

 

 

「……そうですか、勉強もしっかりしてくださいね」

 

 

 

殺せんせーはマッハでプールを片付け、どこかに行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休み時間、寺坂は机の中から、スプレーのようなものを撒いた。

 

 

「うわっ!殺虫剤か!?」

 

 

 

「寺坂君!ヤンチャにもほどが……!」

 

 

 

 

 

「気持ち悪いんだよ。お前も、あいつに操られてるE組も」

 

 

ピシャリとドアを閉め、寺坂は消えた。

 

 

 

 

「なんか、おかしいな……」

 

 

============================

 

 

 

 

 

放課後、神栄は本校舎で待ち伏せしている。

 

 

 

目的は、茜音である。

 

 

 

 

 

「あれ?碧君じゃん!何しに来たのぉ?」

 

 

「お前、俺の質問に答えろ。まずお前は何でここに来た?それと……」

 

 

 

「碧君に会いに来た。それだけよ。それと、後の質問は受け付けないわ。私にメリットがないもの」

 

 

 

そう言われれば、それで終わりである。

 

 

 

何も反抗ができない。

 

 

 

「それと……!あの人の味方ってなんだ!!!」

 

 

 

「それは、いつか気づくわよ。E組が、地獄を見る時まで………」

 

 

 

そう言い残し、茜音は高級車に乗って、帰ってしまった。

 

 

 

「…………クソがっ!わかってるんだよ!なんか、違うことは………」

 

 

 

============================

 

 

夜中、E組のプールにて、

 

 

 

 

「ご苦労様、これで奴を殺せるよ。はい、報酬の10万円」

 

 

その場に居たのは………寺坂とシロ、そして、イトナだった。

 

 

 

 

「…………お前は赤髪の奴より体格や力があるのになぜ勝てないのか、教えてやるよ」

 

イトナはヌッ!と出てきて、突然寺坂に言った。

 

 

「あぁ!?なんだよ!」

 

 

 

 

 

「お前には勝利へのビジョンが無い」

 

 

 

そう言って、どこかへいなくなった。

 

 

「まぁ、今日全て終わるんだし、それでいいじゃないか、君の望むようなクラスになるし、お小遣いもこうして貰えるし………ねぇ?」

 

 

 

 

(これで……何もかも、終わりだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその日の昼、食事の時間。

 

 

 

「寺坂、何があったんだ?」

 

 

「さぁね、でもいつもとは違う」

 

 

 

カルマはやはり気づいていた。

 

 

 

何かが違うのに、それがわからない。

 

 

食事の時間になっても、寺坂は来ない。

 

 

 

「………てか、殺せんせーはなぜ泣いてんだよ」

 

 

殺せんせーの目から、どばどばと粘液の涙が溢れ出ている。

 

 

 

 

めっちゃくちゃ気持ち悪い………。

 

 

 

すると、ガラッ!とドアを開ける音がした。

 

 

 

寺坂が来た。

 

 

 

「おお!寺坂君!今日は来ないのかと心配しました!」

 

 

 

ドロロォ……と寺坂の顔が粘液まみれになった。

 

 

 

「おい、そろそろぶっ殺してやる!放課後プールに来い。お前らも手伝え!」

 

 

 

再びガラッ!と寺坂はドアを閉め、プールへ行ってしまった。

 

 

 

「ああ……水着忘れた。俺パス」

 

 

神栄はふっつーに水着を忘れ、授業も受けないつもりでいた。

 

 

「私もー、なんか行く気なーい」

 

 

倉橋も言葉の通り行く気はなさそうである。

 

 

 

 

 

「………いいじゃないですか。寺坂君がやっと私を殺そうとしているのです。皆さんも行きましょう」

 

 

 

逃げようとするが、粘液が広がって足が動かない。

 

 

仕方なく皆は水着に着替え、プールに行った。

 

 

 

 

「よし、お前らはプールの中にいろ、俺がこれで撃ってやるから、落ちたらタコを殺れ」

 

 

「………すっかり暴君だな。寺坂の奴」

 

 

菅谷と木村と神栄は3人で話している。

 

 

「暴君?まぁ、そんな感じだけど………」

 

 

神栄はみんなの事をあまり知らない。

 

3年生になって友達になった奴らばっかだし、仕方ないことだが。

 

 

「昔っからあんな感じさ」

 

 

 

 

寺坂は銃を構え、銃口を殺せんせーの方に向ける。

 

 

「ずっとお前の事が嫌いだったよ。もう、死んでくれ」

 

 

 

「嫌ですね、これが終わったら今度はみんなで殺る方法を考えましょう」

 

 

 

 

「死ね」

 

 

 

 

パァン………!と銃声が響くが、弾はない。

 

 

 

 

瞬間、

 

 

 

 

 

ドガッ!とプールが壊れる。

 

 

 

「やばっ………!菅谷!木村!神崎!!」

 

 

 

 

寺坂は、突然の出来事に呆然としている。

 

 

「おい…………嘘だろ!?」

 

 

 




知ってるかと思いますが、碧君と茜音さんは同じ家には居ません。茜音も一人暮らしですが、家は広く、使用人までいます。

一方碧君はおじいちゃんの家の隣のそこそこ広い一軒家にいます。

今は亡き父母2人のおじいちゃんは有名会社の社長です。

なので超大豪邸が神栄の実家です。(茜音は実家には住んでいません)

その内実家の回でも出そうかと思います。

なんか矛盾してたり、変な点がありましたら、コメントしてください。

次回は原作と同じ感じですね。最後は少し変えましたが………。


50話行ったら、公式キャラクターブックみたいなのをやりたいと思います。(神栄 碧と神栄 茜音)

長文すいませんでした。次回もお楽しみに!


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第40話 操る時間

2度目のイトナ戦を1話で終わらせてしまった……!!





神栄はすぐ近くに居た菅谷、木村、神崎の腕を掴み、救出する。

 

 

 

「寺坂ァ!お前何しやがった!」

 

 

 

「お………俺は何もしてねぇよ!あいつらが悪いんだ!!!」

 

 

 

あいつら………となると、おそらくシロとイトナであろう。

 

 

すると、普段プールに来ないカルマが、爆発音に気づきプールに来た。

 

 

 

「カルマ……!神栄!俺は何もしてねぇ………あいつらが!!」

 

 

 

 

 

寺坂はカルマの肩に触れる。

 

 

 

カルマは、

 

 

 

 

 

一発、殴る。

 

 

 

「……………よかったね、標的がマッハ20の怪物で、そうじゃなきゃお前、大量殺人の男だったな………結局、流されたのはみんなじゃくて自分じゃん」

 

 

 

「……………」

 

 

 

============================

 

 

 

 

一方、殺せんせーは生徒全員を救出し、皆の元へ戻ろうとしていた。

 

 

 

 

そこに、触手が襲いかかる。

 

 

 

 

「これは……!!」

 

 

 

触手の時点で、予想はつく。

 

 

イトナである。

 

 

 

 

「寺坂君が撒いたものは、君専用のスギ花粉のようなものだ。粘液は出し尽くしてるし、水を含んだ触手は、戦える状態じゃないよね……?それと………」

 

 

 

 

シロは上を指差し、神栄も見ると、そこには木に掴まっている原がいる。

 

 

「寺坂………お前がやった事だ……お前が全部決めろ。このままイトナの暗殺を続行させるか、あるいは………」

 

 

神栄は寺坂の胸倉を掴む。仕返し、といったところだろう。

 

 

「俺が……決める…か」

 

 

寺坂は抵抗することなく、掴まれている。

 

 

「やってやるよ……俺が、やってやる」

 

 

 

 

寺坂は神栄の手を払い、死闘が行なれているところに近ずく。

 

 

 

 

一方、殺せんせーは水の影響で攻撃が出来ず、しかも落ちそうな原を気にしながらと、何も出来ずにいた。

 

 

 

それを見ている寺坂は、少し黙っている。

 

 

 

「………やっぱり、あいつらに賞金を取られんのは、納得いかねぇ、俺みたいなやつは、頭のいいやつに操られるってことは……わかってる。だから、カルマ!てめーが俺を操ってみろ。この俺がミスること無く、コンプリートしてやるよ!!」

 

 

 

 

「………わかった。でも、死ぬかもよ?」

 

 

 

「だとしても、俺がやってやんよ!」

 

 

 

 

============================

 

 

「よし、原さんは助けないで放っておこう!」

 

 

 

「何言ってんだよ、カルマ」

 

 

神栄は当然の反応を示す。

 

 

 

 

 

「てかさ、お前昨日と同じ服着てるよな………同じところにシミあるし………」

 

 

 

 

ここで、神栄は気づく。

 

 

 

まさか……寺坂を………?

 

 

 

(本っっ当、ドSだな……カルマ)

 

 

 

「寺坂、お前はバカだけど、体力あるし実行力もある。俺を信じて動きな、多分、悪いようにはなんないから(笑)」

 

 

 

寺坂は前へ歩く、神栄は寺坂の一歩一歩に、重みを感じた。

 

 

そして、プールまで着くと、寺坂は立ち止まる。

 

 

 

 

 

 

「イトナァ!テメェは許さねぇ!俺とタイマン張れ!!」

 

 

 

 

イトナはまるで、見下しているかのように、余裕の笑みを浮かべる。

 

 

 

「やめなさい寺坂君!君が勝てる相手じゃありません!!!」

 

 

 

殺せんせーは止めようとするが、寺坂がこんなとこで止まるわけがない。

 

 

 

「黙らせろ、イトナ。殺せんせーに警戒しながら、ね」

 

 

 

イトナは触手を寺坂の腹に打つ。

 

 

 

寺坂は布切れ一枚でブロックするが、あんなものは防御にならなかった。

 

 

しかし、

 

 

 

寺坂は辛うじて生きている。

 

 

 

「……なるほどな、同じ服を着ていた。すなわち、殺せんせーの粘液をドロドロ体外に出すあのスプレーとか、その他もろもろを直に浴びてる服をイトナにつけたら、同じ触手を持ってる奴は殺せんせーと同じ状態になる。そうなれば、原さんを助ける時間も生まれるし、イトナは攻撃出来ない、ということか……でも、よくこんな危ないことをさせようとしたな、カルマ」

 

 

「……………まぁ、力あるし、大丈夫かなって……」

 

 

神栄の言う通り、イトナは攻撃出来ない。

 

 

 

そのうちに、殺せんせーは原を救出した。

 

 

 

そして、

 

 

 

「村松!吉田!そっから飛び降りて………水だよ!でっかい奴!」

 

 

「「はぁ…………。しょうがねぇな…!!!」」

 

 

 

カルマは親指を下に下げ、全員を下に落とす指示を与えた。

 

 

水を喰らったイトナは、先ほどの殺せんせーと同じ状態になり、戦うことは出来なかった。

 

 

 

「………で、まだ続ける?シロさん。殺るってんなら、こっちも全力で水遊びさせてもらうけど……?」

 

 

「…………………ここは引こう」

 

 

 

シロはイトナを連れ、帰ってしまう。

 

 

 

やっと、事件は解決した。

 

 

 

 

「なんとか居なくなったか……」

 

 

 

神栄は教室に戻ろうとするが、寺坂に落とされた。

 

 

 

「ふざけんな!濡れたんだけど!」

 

 

「うるせーぞ!いちいちイラつかせること言いやがって!」

 

 

「あー、本当だよねぇ………!」

 

 

片岡さん……?納得しないでくんない……?

 

 

「お、俺は正直な人間だから思ったことは言っちゃう性格なんですよだから暴力はよくないんだよだからやめてやめてやめてやめてやめてやめてああああああああああ!!!」

 

 

 

神栄死亡のお知らせです。(二度目)

 

 

 

 

 

 

 

 

みんながギャーギャーしていると、殺せんせーは濡れた顔を絞りながら呟く。

 

 

 

「彼は、計画を練るのには向いてませんが、実行部隊として、とても良い暗殺者となるでしょうねぇ……」

 

 

 

 

 

一方、神栄は………。

 

「うぎゃあああああ!!やめて!泥水を飲ませるのはやめて!!俺死んじゃう!だから飲ませるのは……やめろおおおおおおお!!!!」

 

 

 

 

神栄の悲鳴は、プール中に響いたのである……………。

 

 




えー、みなさんどうも、invisibleです。




毎日投稿してるんですが、春休みが今日をもって終わってしまったので、明日からは投稿ペースが一気に遅くなるかもしれません。

一応高校生で、今後テストとかあるので……(すっげぇバカな為)


それと、習い事の代表練習などで毎日投稿は少し難しくなりました。

毎日0時からいつも見てくれる皆さんには本当に申し訳ありませんが、投稿ペースが遅くてもこの駄文にしばらくの間付き合ってください(笑)

2話連続あとがきが長文ですいませんが、これからも『神栄 碧と暗殺教室』をよろしくお願いします。


話は変わり、次回、気になる人もいるでしょう!!!






期末テスト編です!!!

感想、指摘コメント待ってます!!



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第41話 期末の時間

今日入学式だけど!そんなの気にしない!


そろそろやってくる、超めんどくさい行事、それは期末テストである。

 

 

 

当然神栄はカルマに勝つ、ということを最終目標としている。

 

 

だから、今回も負けるわけにはいかないのだ。

 

 

 

「今回のテストは、あなたたちみんなにチャンスのある目標を立てました。そう……みんなです」

 

 

 

何その、『大事なことなので2回言いました』的なアレは……。

 

 

 

「前回は、総合点で評価しましたが、今回は皆さんの得意教科も評価に入れます。教科ごとに学年1位を取った者には、答案の返却時、触手を1本破壊する権利をあげますよ……」

 

 

もし、全教科学年1位を取りつつ、総合点学年1位を取れば、合計触手を6本破壊できる、ということか。

 

 

 

「100億を取るかは、皆さんの成績次第、ということですよ。ヌルフフフ」

 

 

============================

 

 

「珍しく気合入ってるね、奥田さん」

 

 

その言葉の通り、奥田はやる気まんまんである。

 

 

「理科なら私もトップを狙えるので、役に立てるかも!!」

 

 

 

 

「おい奥田、それは間違ってる。全教科100点取って、触手6本ぶっ壊すのは、俺だ。そこんところ、勘違いすんなよ……?」

 

 

ここで、よくわからない理科バトルが………始まる…?

 

 

 

============================

 

 

昼休み、本校舎会議室前に、スマートフォンをいじって、誰かに電話をしようとしている人がいる。

 

 

 

その人は、球技大会で戦った野球部主将、進藤 一孝である。

 

 

 

『もしもし、杉野か……?』

 

 

 

 

 

「ああ、球技大会では世話になったな。どうした?」

 

 

『今、会議室にA組が集まって、自主勉強会をしているんだ』

 

 

神栄は冷食のコロッケを食べながら、杉野の会話を聞いている。

 

 

『………で、その中心メンバーは、《五英傑》と言われる天才達だ。

中間テスト学年2位、荒木 鉄平(あらき てっぺい)

中間テスト学年3位、榊原 蓮(さかきばら れん)

中間テスト学年5位、小山 夏彦(こやま なつひこ)

中間テスト学年7位、瀬尾 智也(せお ともや)

そして、中間テスト学年1位、全国模試1位の…………生徒会長、浅野 学秀(あさの がくしゅう)。理事長の一人息子だよ』

 

 

 

 

「ふーん、そんなにすげぇのな、ごえーけつって、俺、瀬尾に勝ったから、ごえーけつの仲間入りじゃね?」

 

 

「ちょっと黙ってろ神栄………で、それがどうしたんだ?」

 

 

『簡単に言えば、お前らE組を本校舎に戻さない、ということだよ』

 

 

 

「………ありがとな、俺らはここを出ることを目標にしてないんだよ。俺らの目標を達成するには、本気で点数取んなきゃダメなんだよ。だから、頑張るよ」

 

 

 

進藤は何も言わず、電話を切った。

 

 

 

「自分からかけといて自分から切るとか、なんなんだろうな、あいつ」

 

 

 

 

============================

 

 

放課後、神栄は磯貝に呼び止められた。

 

 

「神栄、俺らと本校舎の図書室で勉強会しないか?あそこ、すごい人気だから、すぐ予約で一杯になるんだけど、前々から予約してたから、どうだ?」

 

 

 

「まぁ、どうせ家帰っても何もしないから、いいよ」

 

 

 

磯貝は、茅野、渚、神崎、奥田、中村を誘い、本校舎へと向かう。

 

 

なんか、意外なメンツである。

 

 

 

そして、本校舎に着いた。

 

 

 

 

 

「中間以来か…?本校舎は」

 

 

 

 

 

本校舎に入れば、周囲からは冷たい目が、図書室の予約カードを見せれば、図書室の先生は苦笑いをしたりなどと、いつもの『アレ』があった。

 

 

「んじゃ、勉強するか……」

 

 

神栄が主に勉強する教科は、数学である。

 

 

数学だけはどうにもならないので殺せんせーに教わっているが、特に√を用いる計算などはほとんど出来ない。

 

 

なので、事前に買っておいたドリルで、勉強していた。

 

 

 

他の奴らは………。

 

 

 

茅野は世界のお菓子の勉強……そうか、家庭科の勉強してるんだな!

 

 

中村は寝る姿勢をとっている………そうか、睡眠学習か!

 

 

あとの人達は普通に勉強している。

 

 

 

 

すると見知らぬ人たちが、こちらを見るや否や、話しかけてきた。

 

 

 

「……君たちがここにいるなんて、豚に真珠じゃないか?」

 

 

 

………ナニイッテンノ?コイツ

 

 




焦って書いたので、誤字があるかもしれませんw


次回、神栄の『ある』部分が覚醒します。


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第42話 賭ける時間

 

「何言ってんだこいつ、お前が豚みてぇな顔してるじゃん。鏡でも見たら?」

 

 

神栄は最近毒舌になった気がする。

 

 

「どけよ雑魚共、ここは俺らが座るから、とっと失せろよ」

 

 

「あっれぇ……?俺に負けた瀬尾クンじゃん!ここって確か、成績が優秀な人には逆らえないんだよな?お前の言うことなんざ、聞きたくねぇよ性格ブス」

 

 

「神栄君………」

 

 

「でもよ、この学校じゃあ君たちは逆らえないの!E組だから」

 

 

 

性格ブス……もとい瀬尾よりもっと気持ち悪い小山がそう言うと、奥田だ立ち上がる。

 

 

「わ、私達、次のテストで全科目1位狙ってるんです!そしたら大きな顔させませんから!」

 

「ほぉ……面白い。が、確かに一概に学力が無いとは言えんな……。神崎 有希子、国語23位、中村 莉桜、英語11位、磯貝 悠馬、社会14位、奥田 愛美、理科17位か……」

 

 

 

ちょっと待てよ………!!!俺!俺忘れてるよ!お前ら!俺はぁ!?

 

 

 

「おいコラケツアゴ(小山)。俺は?俺、社会、国語学年1位なんだけど」

 

 

「ああ、お前居たのかよ。知らなかった」

 

 

 

「………ぶち殺してぇ!!でもまぁ、奥田の言う通り、俺らは全科目1位狙ってんだ。たまには俺らに席を譲ってくんねーか?エリートもどきさん達よぉ」

 

 

「………なら、俺らA組とE組で、5教科でより多く学年1位を取ったクラスが、負けたクラスに一つだけ命令できる。こんなのはどうだい?」

 

 

 

豚みたいなやつ……もとい荒木が提案すると、瀬尾が渚の方をバンバン叩く。

 

 

「自信があるのは口だけなのかよ。こっちは命賭けても構わねぇぜ…!」

 

 

瞬間、磯貝、神崎、渚、中村が4人の首にペンや指を当てる。

 

 

 

「命は、簡単に賭けないほうがいいよ……?」

 

 

 

渚が言うと、4人は、死ぬよりキツイ罰与えてやるからな!と雑魚キャラ的な発言をし、去ってしまう。

 

 

 

 

この騒動は、全校中に広まる。

 

 

 

今回の期末テストは、いろいろ波乱が起きそうだ……………。

 

 

 

============================

 

 

一方、3年A組では、先ほど起こった騒動について、五英傑で話し合っている。

 

 

「良いんじゃないか?ただ、ルールは明確にしようか、勝ったほうが下せる命令は一つのみ、その命令はテスト後に発表、でいいかな」

 

 

 

浅野 学秀は、少し考えると、パソコンを起動し、左手のみで打つ。

 

 

「僕たちの命令はこれだよ」

 

 

 

4人は恐る恐るパソコンを見ると、『勝者と敗者の協定』と書いてある。

 

 

 

要は、これを同意することで、沢山の命令を下せる、ということである。

 

 

「みんな!どんな相手でも本気を出して向き合おう!それが僕たちA組の義務なのだから!」

 

 

 

============================

 

 

一方E組では、

 

 

 

「なるほど、それは実にいいですね」

 

 

殺せんせーは椚ヶ丘中学のパンフレットを片手に、E組の出す命令について考えている。

 

 

「てかよ……A組の下す命令って、絶対一個じゃない気がするんだよ。荒木の言ってた様に死ぬよりキツイ罰かもしれねぇ、多分俺らを奴隷と同等の扱いにしてくるくらい本当にキツイ罰かもな、俺だったらそうするし」

 

 

神栄は冷静に考えているが、そんなのどーでもよくない?の一言で壊された。

 

 

「なら、『コレ』をよこせ、というのはどうですか……?」

 

 

殺せんせーは椚ヶ丘中学のパンフレットを開き、ある項目を指差した。

 

 

 

「ご褒美は充分揃いました。後は結果を残すだけです」

 

 

 

「ハッ!やってやろーじゃねーの!触手6本ぶっ壊して、ぶっ殺してやる!」

 

 

 

 

「出来ますかねぇ……?ヌルフフフ」

 

 

 

 

それぞれの利害が交錯する期末テスト。あるものにとっての勝利は別のものにとっての敗北である。自分にとっての勝利を求める……!それが期末テストだっ!!!!!!

(残念ながらナレーションは進藤君ではありません)

 

 

期末テスト当日。E組は本校舎での受験となるので、早めに出発した。

 

 

 

「ああ、前日までゲームしてて、頭に全く入ってねぇ………」

 

 

「え!?それまずくない!?」

 

 

「大丈夫、大嘘だから」

 

 

 

神栄が言う嘘は、嘘には聞こえない……と渚は言おうとしたが、やめておいた。(身の危険を感じた為)

 

 

本校舎の教室に入ると、先客がいた。

 

 

 

よく見ると、見たことのない人だ。

 

 

 

 

「律役だ」

 

 

烏間先生は、教室の壁にもたれかかりながら、説明してくれた。

 

 

「律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」

 

 

 

「頑張んなくても、勝ちますよ」

 

 

 

 

「フッ、神栄君らしい答えだ」

 

 

 

============================

 

 

 

テスト用紙が配られると、皆が同じ場所に居ると感じてしまう。

 

 

"門スター"との戦いは、1人では無く、みんなで戦うのだ。

 

 

 

俺らは殺し屋。そして、今日は闘技者。

 

 

チャイムと言う名のゴングが、ついに鳴る。

 

 

 




最初の神栄君の発言は、作者が初めて荒木を見たときに思った一言です。


次回、テスト


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第43話 5教科の時間

 

 

本校舎に向かう途中、神栄はぼーっとしている。

 

 

 

 

「神栄君、大丈夫?」

 

 

「ん?ああ、だ、大丈夫」

 

一見やる気のなさそうに見える神栄だが、E組の中では一番と言ってもいいほどやる気はある。

 

 

ここで最終目標を達成し、新しい目標を設定することで、自分を強くするためである。

 

 

新しい目標とは、『このままカルマに勝ち続け、クラスは当然、学年でも1位を取る』だ。

 

 

 

 

そのために、様々なことをしてきた。

 

 

 

今の神栄に、死角はない。

 

 

 

「………俺は、絶対勝つ。五英傑にも、カルマにも………!!!」

 

 

 

============================

 

 

 

期末テスト。

 

 

いろいろな人たちが応援してくれたり、野次を飛ばしたりしている。

 

 

 

だが、そんなものは神栄には関係ない。

 

 

殺ることはただ一つ。

 

 

5教科、そして学年1位を取る。それだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間目、英語。

 

 

(うわ………中間より強くね?こいつら……!!)

 

 

 

動きが速くなっているが、やることは変わらない。

 

 

いつも通り、普通に解く。

 

 

 

何事も焦ることはよくない。

 

 

落ち着いて解けば……勝てる!

 

 

 

(てか、中村すげぇな……勝てねぇかも………)

 

 

 

 

2時間目、理科

 

 

 

 

(地味に苦手な教科だが……それなりに行けばなんとかなる!)

 

 

 

理科のテストでは、暗記はもちろん重要ではあるが、それだけでは解けない。

 

 

殺せんせーが教えてくれなきゃ、やばかったのかもしれない……!!!

 

 

 

(よし!これで行ってやるぜ!)

 

 

 

 

 

とりあえず1日目のテストが終わり、自宅に帰る。

 

 

 

 

しかし、家でも勉強である。

 

 

「こうでもしないと……勝てないかな………」

 

 

そして次の日、

 

 

 

1時間目、社会。

 

 

 

(社会は得意中の得意!全部ぶっ殺してやるぜ!オラオラオラァ!!)

 

 

 

 

磯貝は神栄の大胆かつ完璧な戦いを見ながら、自分も頑張らなきゃ!と喝を入れ、戦いに臨んだ。

 

 

 

 

(アフリカ開発会議の首相の会議の回数だぁ?ンなもん余裕だっつーの!オラァ!)

 

 

神栄は時間を大量に余らせて、問題を解き終えた。

 

 

(マニアックな問題だらけだったけど、満点だな。これは)

 

 

 

 

2時間目、国語。

 

 

 

(国語だって得意教科の一つだっつーの!古文?余裕だわ!)

 

 

国語は問題文の中に答えがある、とよく言われる。

 

 

だから、神栄は少し長めに文を読む時間を取り、回答を速くし、とりあえず問題は全て解いた。

 

 

(もう一度だ……!心配な問題はもう一度解く!!オラァ!!!)

 

 

 

 

(神栄君……すごい……)

 

 

神崎はそう思いながらも、神栄のような戦い方をしている。

 

 

榊原は知らん。

 

 

 

 

そして、3時間目、数学。

 

 

神栄の一番の敵である。

 

 

(やばっ……!わかんねぇ!勘でもいい、解かねぇと勝てねぇ!)

 

 

 

(……あー、みんな張り切っちゃって…。勝つって、通常運転でサラッと殺るもんなんだよねぇ……。見せてやるよ。これが正しい勝ち方さ………)

 

 

 

 

============================

 

 

 

こうして、2日間の戦いが終わり、全てが終わった。

 

 

 

この対決は、すべての結果が丸の数で決まる。

 

 

 

期末テストが終わり3日後。

 

 

 

 

「さてみなさん。テストの結果が届きました。では…………発表します」

 

 

 

 

 





次回、全てが決まる結果発表です。


指摘、感想コメント待ってます!


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第44話 結果の時間

ついに結果発表


 

 

「さてみなさん、テストの結果を発表します……………。まず英語から………。E組の1位…………。

 

 

 

 

 

そして学年でも1位!中村 莉桜!満点です!!!!!」

 

 

 

 

「嘘………だ!嘘だと言ってくれええ!!!」

 

 

学年1位を狙う神栄。ここで満点じゃないと、後が不安なのだ。

 

 

 

「神栄君は2位タイです。2位は3人いますねぇ……でも、まだ触手は一本しか潰せません。続いて国語です。E組1位は…………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄 碧…………!!!!

 

 

……………だがしかし!学年1位は浅野 学秀!」

 

 

 

「………マジか」

 

 

現在、1勝1敗だ。

 

 

「次は社会!E組1位は…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おめでとう!神栄 碧!!満点です!!」

 

 

 

 

「マニアックな問題だらけだったけど………余裕だったわ」

 

 

 

 

神栄は自分の手で『破壊予約済み』と書いてある小さい旗を刺した。

 

 

「そして、理科!E組1位は……奥田 愛美!

 

 

 

 

 

おめでとう!学年でも1位です!」

 

 

 

 

これで3勝1敗、数学の結果を見る事なくE組の勝利である。

 

 

 

 

数学、となるとカルマが有力なのだが、教室に居ない。

 

 

神栄は教室を出て、カルマを探す。

 

 

 

 

「どこいったんだよあいつ……」

 

 

 

探していると、クシャッ!と紙を握る時に出る音が聞こえた。

 

 

 

おそらく、点が良くなくて、さらに学年1位を取ることもなかったのだろう。

 

 

 

それでも、神栄はカルマの元へ行った。

 

 

 

「やぁカルマ。俺に負けた感想を聞かせてもらおうか」

 

 

「…………なんだよ。なんか用か」

 

 

 

 

 

 

「正直言わせてもらうと……つまんねぇ。俺はこれでカルマに勝った、なんて思いたくねぇな。お前が本気じゃないし。だから、今回は無かったことにしてやるよ。二学期中間テスト、ここで再戦だ」

 

 

 

先ほどまで落ち込んでいたカルマは、ニヤリと笑みを浮かべ、神栄にいつもの口調で言い放つ。

 

 

「………いいの?次はお前が負ける番だけど………?」

 

 

 

「それだからいいんだよカルマ、2学期の中間テストで決着つけようじゃねぇか」

 

 

 

 

 

神栄は後ろを向きながらテストの点をカルマに見せつけて去っていった。

 

 

 

 

「まぁ、そういうことですよ。この教室では、殺るべきときに殺れない生徒はいる意味がありません」

 

 

 

殺せんせーの触手は、カルマの頭をくりくりとし、顔は緑と黄色のシマシマ。舐めてるときの顔だ。

 

 

 

「…………」

 

 

 

カルマは殺せんせーの触手をはらい、どこかへいなくなる。

 

 

カルマは、本当に悔しかったのだろう……。

 

 

============================

 

 

テスト結果が返され、皆は喜んでいる。

 

 

「さて、皆さんが取れたトップは3つです。では、ご自由に殺っt……」

 

 

「おい、5教科トップは3人じゃねぇよ」

 

 

 

すると、寺坂、村松、吉田、狭間が教卓の前に立つ。

 

 

「いや……3人ですよ、国語数学理科社会英語、全部合わせて……」

 

 

 

「あ?5教科って国語英語理科社会と………あと家庭科だろ?」

 

 

 

よく見ると、家庭科のテストは4人共100点である。当然、学年1位だ。

 

 

 

(か………家庭科ぁぁ!?!?)

 

 

「ここ、こんなの『ついで』の教科じゃないですか!なんでこんなの『だけ』本気で満点取ってるんですか!!!」

 

 

「でもよ、誰も『どの』5教科とは言ってねぇじゃねぇか」

 

 

確かにそう言われると、寺坂が正しい。

 

 

ナイスだ、寺坂。

 

 

「おい……。言ってやれよ、毒舌カルマクンよ」

 

 

神栄が挑発すると、案の定カルマは言い放つ。

 

 

 

「ついでとか家庭科さんに失礼でしょ。5教科の中じゃ最強と言っても過言ではない家庭科さんに…!」

 

 

「そーだそーだ!家庭科トップが4人いるんだから、合計触手7本だよ!」

 

 

(し、触手7本!?!?)

 

 

考えれば、家庭科で100点なんで、よく取ったなと思う。

 

 

 

本校舎でのテストだから、テストを作るのはもちろん本校舎の人間である。

 

 

特に家庭科などのサブ的教科は、100点を取るのはとても難しいのに………。

 

 

神栄に少し、ほんの少しだが、あの人たちを尊敬し始めた。

 

 

 

本当に少しだ。ちょこっとだけだ。

 

 

 

 

 

「殺せんせー、俺たちで考えたんですけど、今回の暗殺は、賭けの戦利品の時に使いたいんですが……」

 

 

 

 

「……!!!」

 

 




めっちゃくちゃ関係ないけど、最近僕は友達が少ないを見始めました。


星奈さん最高や!
(いや、見てる暇あったら本編書きやがれ……ww)

話は変わり、誰が何位なのかは次回わかります。


ちなみに、得点の配分も次回わかります

次回だらけですいません。次k……終業式です。感想、指摘コメント待ってます!


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第45話 終業の時間、1学期

ついに1学期編終了です。


 

 

期末テストが終わると、1学期の終業式がある。

 

 

 

全校生徒が参加する行事なので、仕方なく参加するが、神栄はボーッとしている。

 

 

 

 

なぜかというと…………。

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神栄君。今回のテストでは、学年3位でした。1位は浅野君。2位は神栄 茜音さんでしたよ」

 

 

 

殺せんせーはあえて誰もいない場所で話してくれた。

 

 

 

そう、E組生徒には、神栄 茜音の存在は知られていない。

 

 

 

ここで知られると、色々厄介になるし、自分でも過去の事について話したくないので殺せんせー、烏間先生、律達には言わないでくれ、と言っている。

 

 

 

まぁ、茜音からE組のみんなに何かやっていたら別だが、みんなを見る限り、茜音と接触した様子は無い。

 

 

 

 

もし会ってるなら、お前らポーカーフェースとかすげぇよな……。

 

 

 

尊敬しちまうぜ……。

 

 

とはいえ、結果神栄は負けた。

 

浅野は491点で学年1位、

 

あいつ(茜音)は490点で学年2位、

 

 

俺(神栄)は489点で学年3位……と、ギリギリで2人に負けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………とまぁ、こんなことがあり、神栄はあまりいい気分ではなかったのである。

 

 

 

「神栄ー、目が死んでるぞ……。大丈夫か?」

 

 

 

磯貝が心配してくれてるが、やはり、負けるのは嫌だな。

 

 

「……………あ、あぁ、大丈夫だ。それより……終業式とかめんどくせぇ………」

 

 

 

 

 

 

言葉の通り、神栄の歩みはとても遅い。

 

 

まるで、病院で注射される前の小さい子のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

本校舎に着くと、E組はジロジロと見られる。

 

 

それも当然か………。

 

 

 

 

底辺のクラスがトップのクラスとトップ争いをすれば、そうなるわな。

 

 

 

体育館に向かい歩いていると、期末テスト学年1位の浅野 学秀が歩いてこちらに来る。

 

 

「おい、浅野。俺らは賭けに勝ったんだ。1つ要求できるって言ったよな。要求はさっきメールで送信したんだけど、アレでいいよな?」

 

 

 

神栄は正直、賭けの内容は全くわからない。

 

 

なんか殺せんせーはみんなに見せていたつもりかもしれないが、神栄は一番後ろの席なので、よく見えなかったのだ。

 

 

そして、浅野と話し終わると、皆は体育館に行く。

 

 

 

「カルマ、お前珍しく来たのか」

 

「いや……今サボって"逃げてるー"とか言われるの嫌だし」

 

 

 

 

「ん?五英傑にか?」

 

 

「まぁ、そんな感じ」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

終業式はいつも通り始まる。

 

 

いつも通りと言っても今回が初めてだが、昔居た中学校と、大して変わらなかった。

 

 

 

しかし、少し気になることがある。

 

 

なんか……律もどきがいる。

 

 

 

 

テストでも居た、ニセ律さんだ。

 

 

 

「てか、烏間先生、殺せんせーとクソビッチは?」

 

 

「邪魔だから、置いてきた」

 

 

 

「まぁ、間違ってはいませんね」

 

 

 

終業式でのE組いじりは、集会よりもウケが悪かった。

 

 

 

それも当然と言えば当然だな。

 

 

 

「眠すぎるぜ………」

 

 

 

 

校長の長い話を耐え、ようやく終わった。

 

 

旧校舎、すなわちE組に帰ると、殺せんせーは椚ヶ丘中学のパンフレットを開き、こう言った。

 

 

「今回のテストでは、上位がA組とE組で一杯になっています。なので、みなさんにも『コレ』をもらう権利はあります。そう………二泊三日沖縄離島リゾート旅行です!!!」

 

 

 

「旅行ねぇ……そこで暗殺するのか…。悪くないなー」

 

 

 

「そ、こ、で。これを、1人1冊です」

 

 

 

「これ、しおりではないよな」

 

 

 

修学旅行の時よりも分厚く、そして重い。

 

 

 

 

 

「みなさんの親に見せる通知表は渡しましたが、これは私からの通知表です」

 

 

 

バサッ!とばら撒かれた紙には、二重丸が書かれている。

 

 

 

「うわぁ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暗殺教室、基礎の1学期、これにて終業!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




神栄姉弟のテスト結果です。

英語99点
国語97点
社会100点
理科97点
数学96点

合計、489点

茜音さん

英語99点
国語96点
社会99点
理科97点
数学99点

合計、490点………です。


とりあえず、今まで見てくれた方ありがとうございます。

今後も駄文が続きますが、温かい目で見守ってください。


次回はみんなが集まる回の予定です。


指摘、感想コメント待ってます!





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第46話 会議の時間

 

 

夏休み初日、神栄 碧は忘れ物を取りにE組の校舎にやってきた。

 

 

思えば、最初は嫌だったここも、今は楽しい場所になっている。

 

 

「たった3ヶ月で、こんな変わるとはな………」

 

 

 

さて帰ろう、と思った時、何やら草むらで人の声がした。

 

 

 

なんだろうと覗いてみると、渚と杉野がいる。

 

 

「お前らなにしてんの?」

 

「ああ、神栄君」

 

 

 

「俺ら、昆虫採集してるんだ。お前みたいにお金あるわけじゃないからな」

 

 

 

最後、妬み入ってないですか?まぁ、別に杉野に言われてもどうも思わないが。

 

 

決して杉野が嫌い、というわけではないので、安心してください。

 

 

 

「お前ら2人なのか?」

 

 

 

「いや、前原君もいるよ」

 

 

「大方あいつの目的は女だろうな、名前をゲス原に改名してあげたいくらいだぜ」

 

 

そう言うと、ゲスはr………もとい前原がこちらに気づいたようで、走って来た。

 

 

「ゲス原ってなんだよ。まぁ、目的は合ってるけど」

 

 

「合ってんのかよ。俺、虫苦手だから帰るわ…………」

 

 

 

「うん。じゃあね………」

 

 

 

あの後、変態終末期と倉橋がやってきて、白い目をしたミヤマクワガタを殺せんせーが見つけたらしいが、神栄にはそんなのどうでもよかった。

 

 

 

 

家に帰る途中、旅行のための道具を買いに、ショッピングモールに行く。

 

 

 

「歯磨き粉と……あとはお菓子類か」

 

 

たくさん買ったので帰ろうと店の外に出ると、近くのコンビニでやたら大きい人?みたいな奴がアダルトコーナーの本を立ち読みしている。

 

 

絶対殺せんせーだろ。

 

 

 

神栄は悲しい目をしながら、自宅に帰った。

 

 

テストも終わったので、ゲームをしていると、メールが来た。

 

 

 

片岡『旅行での暗殺についてみんなで話すから、5時にサイ○リアね』

 

 

 

現在、午後4時50分。

 

 

「はぁ?メール遅すぎるだろ…!」

 

 

 

不満を言っても仕方ないので、言われるままにサイ○リアに行く。

 

 

 

 

 

 

「はい遅刻、神栄がなんか払うなら許してあげるよ」

 

 

 

「ひでぇ差別だ。まぁでもドリンクバーくらいなら払ってやるよ」

 

 

「じゃあ遠慮なく、全員ドリンクバー頼もう!!!」

 

 

「ふざけんなよ!」

 

 

 

なんでこんなどうでもいいことに出費しなきゃいけないんだよ……。

 

 

 

まぁ、まだドリンクバーのみだからマシだ。

 

 

逆らうと生命の危機が危ぶまれるので何も言わないが、内心怒っている。

 

 

 

「そ・れ・よ・り・も!島での暗殺、どうする?」

 

 

 

「なんだ?触手を撃った後何をするのかを決めてるのか?」

 

 

「撃った後だけじゃなくても、撃つ前のことでもいいわ。なんか案はない?」

 

 

ふむ、と神栄が考えていると、渚が手を挙げた。

 

 

「あのー、精神的な攻撃をやってから、暗殺したらいいと思うんだ」

 

 

精神的な攻撃となると、殺せんせーの弱点からみて、エロ的なやつであろう。

 

 

「なら、それで決定だな。はい帰ろう」

 

 

神栄は自分で頼んだ料理(ドリンクバー)の数倍のお金を置いて去っていく。

 

 

(これ以上いると生命の危機が……)

 

 

とりあえず帰る。

 

 

走って帰る。

 

 

そして、帰宅。

 

 

 

「はぁ、ここが一番落ち着くわぁ………」

 

 

 

 

 

あの後、散々話し合ったくせに最終的に意見が最初と同じだったらしい。

 

 

本当、早く帰ってよかった……。

 

 

 

 

そして次の日、最終的な練習があるらしい………。

 

 

行きたくねぇ………。

 

 

 

 

 




ついに岡島は名前で言われなくなりました。


突然ですが、高校つらいです。


次回ロヴロ登場

指摘、感想コメント待ってるよ!


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第47話 策謀の時間

島での暗殺が1週間後に迫り、授業があるわけでもないのにいつもの場所に集まったE組のみんなは、いつも通り射撃訓練をしていた。

 

 

 

「だるい………。帰ろ」

 

 

暑いせいか上を見上げることが嫌になったらしく、下を向いて歩いてさりげなく帰ろうとすると、誰かにぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むにゅ、と柔らかい感触。

 

 

 

 

あ、これ胸やん。

 

 

 

 

 

「………何よカミサカ、やっと私に惚れたの?」

 

 

 

 

 

「………死ねクソビッチ。ビッチ菌が移るからこっちくんな」

 

 

「男がビッチってなんなんだろうね」

 

 

「ようは変態になるんだよ。どこかの誰かさんのように、な?」

 

 

 

満面の笑みで岡島を見つめる神栄は、数秒見つめたら逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

…………あ。

 

 

 

 

 

荷物忘れてた。

 

 

仕方なく戻ると、射撃する番になっていた。

 

 

そこには、ロヴロさんがいた。

 

 

「さぁ、君の番だろ?撃ってみなさい」

 

 

カチャ!と銃を構え、射撃。

 

 

殺せんせーの的には当たったのだが、

 

 

 

 

 

「………どうして君は殺センセーの目の部分を正確に当てられるのかね。普通真ん中に当てないか?」

 

 

「わかんないですよ。『やれ』と言われるとやりたくなくなる様な感じで、『ここに撃て』って言われると、どうしても他の場所狙いたくなるんすよ。だって、目が見えなくなったら殺せんせーだって動揺するじゃないですか」

 

 

「屁理屈を言うガキは嫌いだ……」

 

 

「でも、間違ってはないです」

 

 

「勝手にしろ………」

 

 

ロヴロさんが呆れていると、見事に的に当てた天才の2人がやたら褒められている。

 

 

「すげぇ!速水!千葉!」

 

 

「流石だな……こいつら」

 

 

 

神栄は遠くから眺めた後、帰ろうとする。

 

 

(そうだ、俺は透明人間だ。何事も無かったかのように、さりげなく帰るってやる)

 

 

 

ススススーッ!と歩いていると、目の前に烏間先生がいる。

 

 

 

これは負けたな、残ろう。

 

 

 

============================

 

 

「…………これが君たちの殺センセーに対しての暗殺方法か。中々いい」

 

 

 

先日決めた方法がロヴロさんにも良いな、と言われたので一応ホッとしている。

 

 

①精神攻撃(主にエロ本読んでる姿を見せる)

②7人が触手破壊

③全員で狙撃

これが殺せんせー暗殺計画だ。

 

 

 

「だが、トドメの射撃はどうするのだね?」

 

 

 

「ロヴロさん。分かってんのに言ってるんすか?」

 

 

「そうだな………。人生のほとんどを暗殺に費やした者として、この作戦に合格点をあげよう。君たちなら、充分に殺れる可能性がある」

 

 

 

「……まぁ、それはいいんですが、殺せんせーは何してんだ?」

 

 

すると、烏間先生がケータイを見始め、何か確認をとっている。

 

 

「ああ、奴はエベレストで避暑中だ」

 

 

「………もう、あえてつっこみませんよ」

 

 

============================

 

エベレストにて

 

 

特別な棺桶の様な物の中に、殺せんせーはいる。

 

 

作戦を聞かれないために、ここで(アダルティな)本を読んでもらっている。

 

 

「………ちゃんと奴はいますね」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

パラパラとめくっている姿が見える

 

 

しかし、殺せんせーは触手が何本もある。あの中にはいるが……。

 

 

 

「ヌルフフフ、私だって特訓くらいはしますよ……」

 

 

殺せんせーは小さな穴を掘り、お菓子やグラビアの写真を眺めたり食べながら特訓(?)をしようとしている。

 

 

瞬間、ズバッと触手が7本切れ、殺せんせーは加速した。

 

 

「……これはひどいです…時速400㎞『まで』落ちている……」

 

 

落ちこんではいるが、言ってることは頭がおかしいレベルである。

 

 

「ヌルフフフ、これに加え何をやってくるんでしょうかねぇ……面白い。受けて立ちますよ…」

 

 

============================

 

 

 

「ロヴロさんが知ってる中で一番優れた殺し屋って……どんな人なんですか?」

 

 

渚が何気ない質問をしている。

 

 

 

神栄はそれを眺めていた。

 

 

 

 

「そうだな……。俺が斡旋する殺し屋の中にそれはいない。最高の殺し屋と呼べるのはこの世にただ一人…………"死神"だ。神出鬼没、冷酷無比な男だ」

 

 

するとロヴロさんは、渚に近寄る。

 

 

「さて、君には必殺技を授けてやろう、プロの(元)殺し屋が教える"必殺技"だ」

 

 

 

「な………………!!」

 

 

 

 

そして、3年E組の暗殺旅行が、始まる………のか!?

 

 

 

 




次回はちょっと自分でも楽しみな回です。


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第48話 参観の時間


新キャラ登場!





 

 

 

 

暗殺旅行、3日前。

 

 

 

神栄の家にある人がやってきた。

 

 

 

 

 

「やぁ、碧。久しぶりじゃの」

 

 

 

神栄の父の方のじいちゃん、神栄 黒紀(かみさか くろき)である。

 

 

神栄の家の隣のやや大きい一軒家に住んでいる。

 

 

「……じいちゃん、何の用だ?」

 

 

 

「あれじゃ!授業参観したいんじゃ!お前がどんな授業を受けてるか気になっての!」

 

 

現在、夏休みです。

 

 

 

「じいちゃん……今夏休みなんだけど……」

 

 

「その辺は大丈夫じゃ、先生に給料あげればいいからの」

 

 

そういう問題じゃねぇよ。

 

 

とはいえ、じいちゃんの要望を聞かないと大変なことになるので、仕方なく引き受けた。

 

 

 

じいちゃんが去った後、神栄は素早く殺せんせーに電話した。

 

 

「殺せんせー!明日じいちゃんが授業参観したいって言い始めたんだ!どうすればいい!?」

 

 

「ヌルフフフ、簡単ですよ。烏間先生がやればいいじゃないですか」

 

 

 

「烏間先生は明日確か出張だってよ!」

 

 

 

「……わかりました。私がなんとかしましょう。みんなにも言っておきます。今日夜7時に教室に来てください………」

 

 

============================

 

 

夜、皆はE組の教室に集まった。

 

 

「どうしたんだよ……殺せんせー」

 

 

前原は疲れているのか、少し息が荒い。

 

 

 

「明日、制服を着ていつものように授業をします。明日なにやら神栄君のおじいさんが来るようなので」

 

 

「なんで授業させたいの?殺せんせー」

 

倉橋は首を傾げて言う。

 

 

当然の反応だ。

 

 

「先生に臨時の給料が入るらしいんですよ!」

 

 

 

「「「「それだけかよ!」」」」

 

 

 

そう、みんなは殺せんせーの給料の為と神栄の今後のために学校で授業をするのだ。

 

 

「つーか、人外の殺せんせーが授業出来ないじゃねーか、給料もらうのは普通の人間だと思う」

 

 

「にゅや!?そこは言わないでくださいよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「だったら、私の出番ね」

 

 

 

突然出てきたのは、ビッチだった。

 

 

「私は人間よ。もうその時点で勝ったようなものよ」

 

 

 

「そうだな……でも、俺のプライドがそれを許さないから却下」

 

 

 

「なんでよ!私は人間よ!に、ん、げ、ん!!!」

 

 

「お前に頼むと俺が死ぬ。いろんな意味で」

 

 

 

 

とりあえず、ビッチには絶対頼まない。

 

 

何故かって?さっき言ったように、ビッチのことが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

大っっっっっっっ嫌いだからだ。

 

 

「っ」が何個あっても足りないほど嫌いだ。

 

 

 

 

 

「なんか解決策は無いのか……!」

 

 

「仕方ないじゃん。ビッチ先生にたのm…………」

 

「却下」

 

 

 

「でも、こうしないとダメだし、とりあえずボーッとしてるだけでもいいから……」

 

 

 

なにやら片岡さんは帰宅したいようですね。

 

 

だから早く解決しようとしている。

 

 

 

まぁ、逆らえばどうなるかは目に見えてるので仕方なくそれで行くことにした。

 

 

「じいちゃんには1時間目の授業みたら消えてくれ、と言っておく。すまんな、みんなを巻き込んじまって」

 

 

「大丈夫だよ。一度神栄のじいちゃん見ていたいし!」

 

 

 

こういう時の磯貝の優しさは本当ありがたい。

 

 

 

大好きだぞ!磯貝!

(決して恋とかではありません。性格などが好きなだけです)

 

 

============================

 

 

次の日、何気なく登校してきたE組生徒。

 

 

 

「神栄のじいちゃんってどんな人なんだろうね〜」

 

 

倉橋が興味深く話してくるが、至って普通の人だ。

 

 

 

60代にしては髪の毛がふさふさで、染めてもいないのに黒髪で、健康的なおじいさんだ。

 

 

 

「おはようございます。私が居ない授業ですが、しっかり受けてくださいね!」

 

 

「大丈夫デース」

 

 

 

 

そして、1時間目が始まる。

 

 

 

 

しかし、黒紀の姿はない。

 

 

 

 

「授業始めるわよ」

 

 

 

ビッチの声で授業が始まる。

 

 

 

今日は『ビッチ先生』は禁句である。

 

 

今日は嫌でも『イリーナ先生』と言わなければならない。

 

 

 

神栄にとっては地獄である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッとドアが開く。

 

 

 

 

ついにやって来た。神栄 黒紀の登場だ………!!!

 

 





父の方のじいちゃんばあちゃんの名前は

神栄 黒紀
神栄 柴(かみさか しば)です。

母の方のじいちゃんばあちゃんは、

東条 三郎(とうじょう さぶろう)
東条 彩子(とうじょう あやこ)でーす!

今日は遅れてすいません!今後多分この様なことが増えます……

飽きずに見てくれるとありがたいです。

指摘、感想コメント待ってます


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第49話 参観の時間、2時間目



地獄の授業参観、後編。


 

 

「あれが……神栄のじいちゃん!?若くね!?」

 

 

 

 

………などと声があるが、いつものことなのでよくわからない。

 

 

 

 

黒紀は教室に着くと、黙って前を向いている。

 

 

 

一体何を見てるんだ……?

 

 

 

 

 

 

 

「G……いや、H…か?」

 

 

(こいつ……!胸見てやがる!変態じじいじゃねーかよ!)

 

 

 

 

 

 

妻がいるのにこのザマだ。

 

 

 

 

「えー、じゃあP50開いて、行くわよー」

 

 

「………………」

 

 

 

そこから何気なく授業は続く。

 

 

 

 

 

 

 

「ビッ……イリーナ先生、ここよくわからないんですけど」

 

 

みんな不自然な感じで気持ち悪い。

 

 

 

 

「あらあら、前原……………君。ここよ?」

 

 

 

今更ではあるが、ビッチ先生の服装はいつものような露出が激しいものではない。

 

 

 

なんというか、高級な黒服だ。

 

 

 

「では………カミサカ君。ここを英語で言ってみて?」

 

 

 

(こいつ、楽しんでわざと俺にやらせやがったな……!後でぶっ殺す!)

 

 

 

「………Tom said to Nancy.

With, "I'm sorry, will you permit it yesterday?"」

(トムはナンシーに言った。「昨日はごめん。許してくれるか?」と)

 

 

 

「OK、さすがね。その勢いで次の問題も解いてくれる……かな?♥︎」

 

 

ここぞとばかりに調子に乗るビッチに、神栄はイラついてプルプル震え始めた。

 

 

 

「Nancy because "was good, said so, I was waiting, too……I said "」

(ナンシーは「いいよ、私もそう言ってくれるの待ってたから……」と言った)

 

 

一体どこのラブコメかは知らないが、まぁ許そう。

 

 

 

まだまだ授業は続く。

 

 

 

「ではとーk………矢田さん。ここ解いて?」

 

 

 

「…………です」

 

 

 

「OK」

 

 

 

ビッチが問題を出しては解き、それを生徒が答える。といったことを50分間やり続けていた。

 

 

 

 

 

 

どうしてもわからない問題があったので、仕方なく質問したのだが……

 

 

 

「……イ、イイ………イリーナ先生………。ししし、質問が…!」

 

 

 

 

いつも通り、「おいクソビッチ、ちょっと聞きたいことあんだけど……」などと言えず、なんか恥かしげに言ってる、みたいな感じになってしまった。

 

 

 

「……どこかな?カミサカ君」

 

 

 

 

ビッチ先生は近くに来て、耳元で囁いた。

 

 

 

「あんた、こんなのもわかんないの?あははっ!」

 

 

「うるせぇ殺すぞクソビッチ」

 

 

「ここをあーして、こうするの。わかった?」

 

 

「……まぁ、ワカリマシタ」

 

 

「よろしい」

 

 

 

 

早く終わらないのか、と思いチラッと時計を見る。

 

 

 

現在、9時20分。

(授業開始が8時50分)

 

 

残り20分。

 

 

神栄にとってはまだ20分も残っている。

 

 

 

(これは………死んだ……)

 

 

============================

 

そのあとは、ビッチの昔話などを挟み、楽しく授業をしていた。

 

 

神栄は楽しくなかったが。

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン!授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。

 

 

 

あっという間に時間となった。

 

 

「気づいたら……終わってたな」

(決して寝てたわけではありません)

 

 

授業が終わると、神栄は黒紀に誘われ、廊下に出た。

 

 

 

 

「碧。あの……………」

 

 

 

 

「なんだよ。ビッ……イリーナ先生が可愛いってか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、あの黒髪ロングの子と結婚したらいいと思うのじゃが!それから、ポニーテールの子でもいい!」

 

 

 

「……………は?」

 

 

 

 

黒髪ロングとは、多分神崎のことで、ポニーテールは矢田か。

 

 

「あの二人のどちらかなら碧を託せる!!!さぁ!どっちか選びなさい!!!」

 

 

 

 

「俺に好きな人を選ばしてくれるって言う選択肢は無いのか?」

 

 

 

「無い」

 

 

きっぱり言われた。

 

 

 

いや、孫の結婚する人くらい、選ばしてくれよ……。

 

 

 

「と言うか、二人の名前が知りたいのじゃが………」

 

 

 

はぁ、とため息をつきながらも、神栄は教えてあげた。

 

 

「黒髪ロングって言ってる人が、神崎 有希子さんで、ポニーテールって言ってる人が、矢田 桃花さんだよ」

 

 

 

「神崎………有希子?」

 

 

 

 

「ん?神崎がどうかしたのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………いや、なんでもない」

 

 

 

 

「とりあえず、今日は帰ってくれ。こっちはじいちゃんの為に授業してくれたんだ。代わりに礼は言っとくから、はよ帰んないと、また病院送りになるぜ……?」

 

 

 

「わかったわい……」

 

 

 

そう言って黒紀が去っていくと、神栄は倒れこむ。

 

 

「疲れた………」

 

 

 

すると、先ほど話題になった二人がやってきた。

 

 

 

「神栄君。私たちがどうかしたの?」

 

 

「それがな……………」

 

 

 

 

============================

 

 

 

「二人のどっちかと結婚!?!?」

 

 

 

「当然断ったよ……。俺の好きな人くらい、選ばせろってんだ」

 

 

 

 

「へ……へぇ………」

 

 

 

「まぁ、そんなこと死んでもさせないから、安心しな」

 

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

 

神栄が去ると、神崎も同時に去った。

 

 

矢田だけは残っている。

 

 

 

(結婚か…………神栄君なら……悪く…………ないのかな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなわけないよね!私も帰ろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

3日後、ついに暗殺旅行が始まる。

 

 

 

あの作戦が、成功する………のか?

 

いや、成功させてみせる!そして絶対殺せんせーを殺す!

 

 





次回からついに島編でーす。


指摘、感想コメント待ってまーす。


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第50話 島の時間

ついに本編が50話逝き……行きました!ここまで続いたのも、皆さんのおかげです!これからも駄文に付き合ってくださいね………?


 

 

とある船に椚ヶ丘中学校3年E組が乗っている。

 

 

 

そう、テスト対決の末に勝ち取った沖縄二泊三日離島旅行だ。

 

 

ここで、殺せんせーの暗殺がある。

 

 

「ふにゅぁ………。船はやばい…」

 

 

 

殺せんせーはふにゃふにゃになっている。

 

 

 

殺せんせーは乗り物に弱いのだ。

 

 

これはみんな知ってることだ。

 

そして、

 

 

 

 

「船はやばい……俺も死ぬ……」

 

 

 

神栄も乗り物に弱い。

 

 

 

 

「「「「「……おい!見えたぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

島だ!!!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

ついに着いた。普久間島。

 

 

 

 

 

 

 

 

普久間島に着くと、みんなはトロピカルジュースを飲み始める。

 

 

 

「こちらトロピカルジュースです」

 

 

「うめー!」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

これが暗殺する前のテンションなのか、と思うほどみんなは楽しんでいる。

 

 

 

やばいみんな怖い。

 

 

 

みんながトロピカルジュースを飲み終わると、修学旅行の班で行動となった。

 

 

 

 

〜一班〜

 

 

一班はグライダーに乗って殺せんせーを殺そうとしているが、当然殺せない。

 

 

 

 

「うわっ!殺せんせーずりぃぞ!」

 

 

 

二人乗りのため、一人はグライダー操作、もう一人は殺せんせーを撃つ。

 

 

 

〜四班〜

 

 

 

 

「渚、どーしたんだ?」

 

 

 

神栄はグライダーで遊んでる一班を見ている渚に声をかける。

 

 

 

確かに楽しそうではある。

 

 

 

 

「計画通りなんだし、俺らも殺る事とっとと殺ろーぜ」

 

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

〜三班〜

 

 

 

悪ガキが多い三班は、殺せんせーと海底洞窟巡りをしている。

 

 

「うるせーぞタコ!」

 

 

さりげなくナイフで攻撃するが、当然殺せない。

 

 

「……………どうなの?二班の奴らは………」

 

 

 

狭間がボソッと囁くと、村松はびっくりしたのか、少し後ろに下がる。

 

 

「お……おお、大丈夫らしい」

 

 

 

 

 

 

 

〜二班〜

 

 

 

 

 

 

E組の最強スナイパーこと、千葉 龍之介と速水 凛香は拳銃入りのカバンを持ち、山奥に行く。

 

 

 

「三班は海底洞窟巡りか、これならこっちの様子は見れないな。俺らも殺ること殺るか………」

 

 

「サクッとやろ」

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

昼が過ぎ、段々暑さも増してきた頃、イリーナ・イェラビッチは露出が半端ない水着を着て、ビーチで立ち止まっていた。

 

 

 

「な…………何よ……!!」

 

 

 

 

 

見る限り人は…………いない。

 

 

 

烏間先生が紙を見ているだけで、ビッチを見ている人は本当に居ない。

 

 

 

ようやくビッチの存在に気づいた烏間先生は、事情を説明した。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「近場一帯を貸し切りぃ!?なんてことするのよ!カラスマ!」

 

 

烏間先生は黙り込み、再び紙を見つめる。

 

 

 

烏間先生の背中にビッチが乗り、頬をつんつんとしながら、悩殺したいの〜〜と言ってくる。

 

 

 

烏間先生…………かわいそう。

 

 

 

 

耐えきれなくなった烏間先生は、ビッチをお姫様抱っこで持ち上げ、そのまま歩き出す。

 

 

「え?え?何よ、積極的じゃない!」

 

 

照れっとしているのは、見ればわかることだ。

 

 

 

そして、

 

 

「まさかこのまま………」

 

 

 

 

ドボン。

 

 

 

 

まるで大きいゴミを投げ捨てる家のようにビッチを海に捨てた。

 

 

グッジョブ!烏間先生!!!

 

 

 

烏間先生は珍しく悩んでいた。

 

 

 

連絡が取れなくなった殺し屋の事。

 

 

 

そして、この島の噂……などなどだ。

 

 

 

二人がこんな茶番をしていると、先程まで晴れていた空も、段々薄暗くなり、夜になる。

 

 

 

ここからが本番だ………。

 

 

 

 

 

============================

 

 

大きな船にて、

 

 

 

「夕飯はこの貸し切り船上レストランで、夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょうよ!」

 

 

磯貝がそう言うと、皆が食事を出し始める。

 

 

 

とても美味しそうなものばかりである。

 

 

 

「実に正しいです。ですが、そう上手く行くでしょうか?暗殺を前に気合の乗った私にとって、船酔いなど恐れるにたら……」

 

 

「「「「黒いわ!」」」」

 

 

先程から言いたかったのだが、隙が無くて言えなかった。

 

 

 

今の殺せんせーは文字通り真っ黒で、口や目が見えない。

 

 

そんなに黒いですか?と言われたが、めちゃくちゃ黒い、としか言えない。

 

 

 

「ヌルフフフ、先生には脱皮があるのを、お忘れですか……?」

 

 

ピキッと皮が割れていく。

 

 

 

 

そして、いつもの殺せんせーに戻った。

 

 

「本来は『やばいときの奥の手』ですが、こーゆーときに使えるんですよ………!!」

 

 

 

 

「『やばいときの奥の手』……だってよ………ププ」

 

 

 

 

神栄の一言でようやく気づいたようだ。

 

 

 

やばいときとは、この後起こる気がするのに…………。

 

 

「あ」

 

 

「はいはい。バカな自分が悪いですね。だから早く飯食え」

 

 

 

早く殺す……!!!

 

 

 

俺らが殺して、全てを終わらせてやるんだ………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船が止まったところは、E組が泊まるホテルの離れにある水上パーティールームだった。

 

 

「席に着きなよ、殺せんせー。まずは、映画鑑賞から始めようや」

 

 

 

岡島が言うと、エロい事にしか聞こえないのは、あえて言わないでおこう…………。

 

 

 





こっからが本番ですね。


次回、暗殺……の果てに………。






指摘、感想コメント待ってる!!

質問とかもいいですよ、要は、なんでも来い!


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第51話 決行の時間

遅れて申し訳ありません……

1話で大規模暗殺は終わります。


「まず、三村が編集した動画を見て、殺せんせーには楽しんでもらって、そこからテストで勝った人たちが触手を破壊。そして、みんなで暗殺をします」

 

 

 

「ヌルフフフ、いいでしょう」

 

 

(いい、とは言ったものの、ここからは抜けられなさそうですねぇ……どこに対先生物質のものが入っているかわからないし、だとしたらこの中で避けきるしかないようですね………)

 

 

 

殺せんせーは座り、相変わらずナメた顔をしている。

 

 

はよ殺してぇ………。

 

 

「よし、上映するぜ」

 

 

 

パチッ!と電源を切り、テレビの明かりが付く。

 

 

すると、後ろからドタバタと音がする。

 

 

 

(………まぁ、それはいいとして、三村君の作った動画についつい引き込まれ………)

 

 

 

『まずはご覧いただこう。我々の担任の恥ずべき姿を』(岡島voice)

 

 

 

テレビには、トンボを上につけている殺せんせーが、正座しながらアダルティな本の山を読み漁っている姿が映っているではないか。

 

 

『お次はこれだ。女子限定のケーキバイキングに並ぶ巨影………。誰あろう、奴である』

 

 

 

「鼻が無いぞ!この女子もどき!」

 

 

神栄はこれを見るのは初めてだ。

 

 

見てて自分まで恥ずかしくなる。

 

 

何故かって?

 

 

 

 

そりゃスケベ教師と共に勉強してることだ。

 

 

『バレ無いはずがない。人間じゃ無いことがバレなかっただけ奇跡である』

 

 

「とんだバカだ」

 

 

 

『お次はこれだ、給料日前の奴である。分身でティッシュ配りに行列を作り、ティッシュを貰い、なんと唐揚にしているではないか……!!』

 

 

 

「いくら金無いからって………」

 

 

 

============================

 

 

あとは、殺せんせーがアダルティな本の希望要望を書く欄に触手ブラさせてくれー、と本気で書いてるシーンなどがあり、見苦しかった。

 

 

 

『さて、何かお気づきではないかな?殺せんせー』

 

 

 

(…………水!?誰かが流してはいなかったはず!まさか…………満潮か!?)

 

 

 

すると、テストで勝った人たちが立ち上がり、銃口を触手に向ける。

 

 

 

「さぁこっからだよ、殺せんせー。避けるんじゃないぞ……!!!」

 

 

 

 

パパパパパパパン!!!と一斉に撃つ。

 

 

 

瞬間、バリバリィ!と壁が壊れる。

 

 

 

そこには、

 

 

 

 

 

 

フライドボードの壁がある。

 

 

 

 

そう、水圧の檻である。

 

 

 

 

後ろでは、律の声で一斉射撃が始まる。

 

 

 

 

だが、この射撃自体は殺す行為ではない。

 

 

 

トドメは、あの2人だ。

 

 

 

 

 

 

 

先ほど2人で決めてた場所は、殺せんせーを騙すためのダミーの設置場所を選んでいた。

 

 

 

本物の2人は、水中にいた。

 

 

 

 

 

しかし、ここで終わらない。

 

 

 

実際弾を当てるのは、『3人』だ。

 

 

 

もう1人は、神栄だ。

 

 

 

 

 

神栄は二丁拳銃を持ち、目を狙う。

 

 

 

(さぁ!千葉!速水!こっちに気を引かせてるから、早く撃ちやがれ!)

 

 

 

神栄の拳銃が発砲した。

 

 

 

紙一重で殺せんせーは避ける。

 

 

 

「「もらった!!!!」」

 

 

 

千葉、速水が発砲する。

 

 

 

 

殺せんせーは目の前まで銃弾が来ることに気づかなかった。

 

 

 

 

(よ……くぞここまで……!!)

 

 

 

 

殺せんせーの全身は、閃光と共に弾け、消えた…………。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

「殺った………のか!?」

 

 

 

 

逃げ場もない……。これは……殺ったはず!!!!

 

 

 

 

ブク………。

 

 

 

 

 

ブクブク…………。

 

 

 

 

 

 

その瞬間、E組のみんなが見たものは、殺せんせーの……………。

 

 

 

 

 

 

顔だ。

 

 

 

 

オレンジ色の顔と透明な丸いやつ。

 

 

 

 

なんだ………あれは。

 

 

 

「ああ、これですか?先生の奥の手中の奥の手、『完全防御形態』です!」

 

 

 

カンゼンボウギョケイタイ?

 

 

 

「この形態になった先生は無敵!どんな相手も貧弱貧弱ゥ!なのです。どんなものでも効きません。水でも核でも」

 

 

 

例えの差が酷すぎる。

 

 

水と核って………。

 

 

 

「でも、それじゃあ一生殺せないじゃん。これでいいのか?殺せんせーは動けないから地球を壊せないわけだし。どっちにも得じゃん」

 

 

「いやぁ、この状態は、24時間経つと自然崩壊し、元に戻るんですよ。確かに、神栄君の言う通り、この状態だと動けません。一番最悪なのは、この状態でロケットに詰め込まれ、宇宙空間に連れてかれることですが、その点調べてあります……」

 

 

 

…………負けた。

 

 

 

完敗………だ。

 

 

 

============================

 

 

「………」

 

 

千葉と速水はみんな以上に落ち込んでいる。

 

 

 

それもそうだ。重要な役割なのに、外してしまったから。

 

 

律はできる限りの計測をした結果、あとほんの少しで、殺せた可能性があったらしい。

 

 

「……いざあの場所に立つと、指が硬直して、視界も狭まった…」

 

 

「………同じく」

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、練習と本番がここまで違うとは思わなかった………」

 

 

 

 

 

 

 

今までの暗殺とは段違いに殺れる希望があったのに、それをハズしてしまえば、もう何もできない。

 

 

全員はとんでもない疲労感と共に、ホテルに帰る……。

 

 

ホテルに帰ると、皆は倒れ込んでいる。

 

 

 

 

「………いくら何でも…そんなに疲れるもんか……?」

 

 

何か、おかしい。

 

 

 

「そ、そうだよな……明日は水着ギャルを…見て…鼻血ブ……フッ!」

 

 

岡島は本当に鼻血を出しているが、普通の量じゃない。

 

 

「おい!大丈夫か!?」

 

 

 

みんなが………何故か倒れている。

 

 

「何が起こってんだよ……!!」

 

 

 

 

すると、烏間先生のケータイから、知らない人から電話がかかってきた。

 

 

『やぁ、生徒が随分苦しんでるそうじゃないか………。ククク……』

 

 

 

「これは……お前の仕業か?」

 

 

 

『人工的に作り出したウイルスでな……一度感染したら最後、死に至る』

 

 

「………!!!!」

 

 

 

 

誰と話しているかはわからないのだが、多分みんなを苦しめた犯人だろう。

 

 

 

神栄は……そんなやつを許さない。

 

 

 

 

『………そうだな。治療薬はあるが、渡すのも面倒だ。直接来てくれないか…………?』

 

 




突然ですが、神栄の裏話。


茅野編が出てくるまで、マジで神栄君は触手持ってる設定つけようとしてましたw

まぁ、茜音が植えつけた、というのが正しいですがw


もちろん神栄に触手はつけさせません。というかつけさせたくない。



信じるか信じないかは、あなた次第です。


話は変わり、次回ホテル侵入でーす。

ホテル内の話ではちょいちょいオリジナルストーリー入れます。



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第52話 侵入の時間

先に言っておこう。不破さん、すまない………


それと、めちゃくちゃ端折ってます。すいません


『山頂にある《普久間殿上ホテル》の最上階までに、1時間以内にその賞金首をもってこい…………それと、動ける奴の中で背の低い男女2人もだ」

 

 

 

「………目的はなんだ」

 

 

 

『決まってるだろ。その賞金首を殺すんだよ………ククク」

 

 

会話を聞くことはできないが、こうしてる今もみんなは苦しんでる。

 

 

だったら、犯人の元に行くのが一番だと思う。

 

 

とりあえず、烏間先生の話が終わるまでは言わないことにした。

 

 

『フロントに話は通してる。素直に来れば薬を渡してやろう。だが、時間を過ぎたり、外部と連絡を取ったりなどをすれば、すぐに治療薬は破壊する……ハハハハハハハ!!」

 

 

 

何か言い返そうとしたのだが、すぐに切れてしまい、烏間先生は事情を話してくれた。

 

 

この普久間島は、伏魔島と言われマークされているらしい。しかも、先ほど言われた普久間殿上ホテルは国内外のヤクザやマフィア、それらに繋がる財界人がやたら出入りをしているらしい。

 

 

それに、政府の人たちともパイプがあり、警察も迂闊に手を出せないのだ。

 

 

 

 

この場合………従うしか、無いの………か?

 

 

「………なるほどね。でも、結局のところ、どうするの?従うのか、従わないのか」

 

 

 

 

 

 

 

「いい方法があります。病院に逃げるより、おとなしく従うよりも……律さんに下調べをしてもらったので、元気な人は来てください。汚れてもいい格好で……ね?」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「うわ………高すぎるだろ……」

 

 

 

『あのホテルの内部の図面と、警備の配置図は入手したので、皆さんのケータイを見てください』

 

 

 

でたよ………チート能力。

 

 

『正面玄関と敷地一帯は大量の警備がいます。ですが、この崖を登ったところにある通用口には、警備はいません』

 

 

「………危険だ。敵は明らかにプロの奴らだぞ!」

 

 

金魚すくいの袋のようなものに入れられている殺せんせーは、烏間先生に振り回されながら言う。

 

 

「まぁ、そうですが、全ては君たちと烏間先生次第です。どうしますか……?」

 

 

 

 

すると、烏間先生は地上に誰もいないことに気づく。

 

 

 

 

みんなは崖を登っていっている。

 

 

 

「な………!!」

 

 

「さぁ、どうしますか……?」

 

 

 

殺せんせーはナメた顔をしている。

 

 

殺したい、あのニヤ顏を。

 

 

 

 

「注目!!!目標山頂ホテル最上階!隠密潜入から奇襲への連続ミッション!ハンドサインなどは訓練のものを使う!19時50分作戦開始!!!」

 

 

 

 

 

「「「「「「おう!」」」」」」

 

 

 

============================

 

 

いざホテルに入ると、警備員がたくさんいる。

 

 

 

集団で行けば120%見つかる。

 

 

 

 

 

これは………どうすればいい?

 

 

 

 

「何よ……普通に通ればいいじゃない」

 

 

 

 

いや、出来ないから迷ってんだろーが!

 

 

 

突然ビッチがこんなことを言ったのだが、どうしてだ?

 

 

 

というか、ビッチはいつもより酔ってないか?

 

 

 

こんな時に飲めるビッチはいろんな意味ですごい。

 

 

さっきまでギャーギャー言っていたのに…………。

 

 

「お前、バカなの?いや、バカだけど、さらにバカになったのか?この状況でどうやったら普通に……!」

 

 

「だから、普通によ」

 

 

 

 

ふらぁっ……!とビッチは歩いていく。

 

 

 

 

 

あいつ………死んだな。

 

 

 

 

 

 

 

ふらふらっと歩いていくと、警備員はビッチの美貌に見とれている。

 

 

 

趣味悪いぞ、警備員。

 

 

 

そしてわざとらしくビッチはぶつかる。

 

 

「……ごめんなさい、部屋のお酒で酔ってしまって……♥︎」

 

 

 

警備員は胸を見ながら、気にしないでくださいと言っている。

 

 

「来週そこでピアノを弾かせていただく者よ。ピアノの調律をチェックさせてもらっていいかしら……?」

 

 

 

 

「なら……フロントに確認を」

 

 

ビッチはそいつの腕を掴み、胸に当てる。

 

 

うわぁ……騙されてやがるぞ、警備員。

 

 

「私のことをよく審査して?ダメなところがあったら叱ってください……♥︎」

 

 

 

 

その瞬間、俺らは唖然とする。

 

 

 

 

本物のピアニストのような、とても上手い演奏。

 

 

 

これは………幻想即興曲?

 

 

 

 

 

「めちゃくちゃ………上手い!」

 

 

 

「……そんな遠くで見てないで、もっと近くに……来て?♥︎」

 

 

 

するとビッチは手をこちらに見せて、指示を出す。

 

 

《20分稼いであげる。行きなさい》

 

 

 

その指示に従い、皆は階段を登った。

 

 

 

今まで、嫌いだったビッチに助けられた神栄は、ボーッとしている。

 

 

 

(あいつ……すげぇな……)

 

 

今まで散々罵倒したりしてきたけど、もう、そんなのはやめよう。

 

 

 

ビッチ先生は最高の人だな……。

 

 

なんて…………美しい女性なんだろう………。

 

 

 

============================

 

 

「……さて、入り口のチェックを抜けた今、こっからは客のフリをすることができる」

 

 

 

「客?こんな俺らみたいな奴らが泊まるホテルじゃないですよね?」

 

 

 

菅谷が自分を指差し、少しビクビクしながら言った。

 

 

「いや、金持ちの坊ちゃんとかは、酒やドラッグを幼い頃から犯ってたりするだろ。たまに聞くぜ、そーゆー噂」

 

 

「……神栄君の言う通りだ」

 

 

 

 

「ただし、我々の敵も客のフリなどをしているかもしれませんねぇ…………」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

確かに廊下を歩いていると、何事も無く通れる。

 

 

トラブルを避けたいのだろう。

 

 

「ヘッ!楽勝じゃねぇか!早く進もーぜ!」

 

 

 

寺坂と吉田が烏間先生よりも前に行くと、前に1人、口笛を吹いている男がいる。

 

 

 

…………ん?

 

 

 

 

「「寺坂(君)!!そいつ危ない!」」

 

不破と神栄の声がかぶる。

 

 

 

寺坂があ?と後ろを振り向いた瞬間、男は笑顔でガス噴射機を使い、ガスを出してきた。

 

 

烏間先生が寺坂と吉田を吹っ飛ばし、烏間先生だけがガスの影響を受けた。

 

 

 

しかし、烏間先生はそのガスの噴射機を足で飛ばし、お互いが1歩引いた。

 

 

 

「殺気を見せずにすれ違い様に殺る。俺の十八番だったんだが、なんでわかったんだ?オカッパちゃんと黒髪クン」

 

 

「……だっておじさん、ホテルで最初にサービスドリンク配った人じゃん」

 

 

それを言おうとしたが、一歩遅かった……。

 

 

「断定するには証拠が弱いなぁ…ドリンクじゃなくても、ウイルスを盛る機会はあるだろ?」

 

 

 

「その台詞がもう犯人だと断定できる証拠だ。大体犯人とかってさ、『証拠を出せー!』だの『証拠が無いのに何を言う!』とか言うじゃん?お前も同じだよ、従って犯人はまず間違いなくお前だな」

 

 

 

 

 

「……………ククク。まぁそんなのどうでもいい」

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 

ガタン!と誰かが倒れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れたのは、烏間先生だ。

 

 

 

「毒物使い、ですか」

 

 

茅野の持ってる袋から、声がする。

 

 

ああ、殺せんせーか。

 

 

「俺特製のな。でも、お前らに取引の意思が無いことがわかった、交渉決裂。ボスにでも報告するか………あ?」

 

 

 

毒物使いが振り返ると、退路が塞がれている。

 

 

 

「お前は……我々を見た瞬間攻撃せずに報告しに帰るべきだったな……」

 

 

 

「まだ喋れるのか、だが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいストーップ。烏間先生、俺が殺るから、先生はお寝んねしてな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに出てきた人物は…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄 碧である。

 

 

 

 

 




神栄のイケメソ回、キター!


次回、神栄vsスモッグ!

書いていて気づいたんですが、ホテル内で神栄君は散々な目に遭うな……

最近fripsideの曲聞きながら書いてる気がする。

はかどるんですよー!(多分)

疑問質問指摘感想なんでもかかってこい!明日は休みだから(起きてたら)すぐ返信できる!









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第53話 ガスの時間

決着!そして対決!


 

「おい、ガス野郎。俺と殺り合いでもしないか…?こっちも烏間先生がやられてムカついてんだ」

 

 

 

「………誰にモノ言ってんのか、分からせてやろうじゃねぇか」

 

 

 

ガス野郎は前へ進み、当然ながらガスを噴射する。

 

 

 

噴射する前に、蹴り飛ばす。

 

 

 

「ったぁく、これしか武器ねぇのか?」

 

 

 

 

「……まさかな」

 

 

 

ガス野郎はマスクを付け、臨戦体制だ。

 

 

神栄は指を鳴らし、本気で戦う体制だ。

 

 

右手は鳴った。

 

 

 

 

左手は……………

 

 

 

残念ながら鳴らなかった。

 

 

「……カッコ悪い」

 

 

「オラ!よそ見してんじゃねぇぞ!」

 

 

 

再びガスを噴射しようとする。

 

 

 

 

「黙れ!効かねぇぞ!!」

 

 

 

再び噴射機を蹴り飛ばした。

 

 

 

そそくさとカルマはガス噴射機を回収している。

 

 

おい……なにやってんだよ!

 

 

 

(………まずいな…。まだ持ってんのかよあいつ……これじゃあ"作戦"が上手くいかねぇな……こっちからも攻撃したいが、攻撃したらガス喰らいそうで怖いな……)

 

 

 

 

「固まってたら、ガス喰らっちまうぞ……?」

 

 

 

 

 

 

「んなもん、何度やっても意味ね…………ぇぞ?」

 

 

 

神栄はガス噴射機を蹴り飛ばした。

 

 

しかし、カクン!と神栄は崩れ落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(こいつ…………まさか飲……まさかな)

 

 

 

「どうした?ガスでも吸ったのか?」

 

 

 

 

「馬鹿かよ。お前、ボタン押してないだろーが」

 

 

 

「なら……どうしてだろうなぁ?」

 

 

 

 

「!!!!!!!」

 

 

神栄は気づいていた。ガス野郎に会ってから、わかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄は、トロピカルジュースを飲んでいた。

 

 

その影響が、今になって出てきた。

 

 

 

 

 

 

(まじでヤバイぞ………!?烏間先生はどーなってる……?)

 

 

 

 

 

「お前弱いな………その程度でよく俺に勝負を挑んできたな!どうした?攻撃しないのか……?」

 

 

 

「はいはい……わかりましたよ……攻撃すりゃいいんだろ?どんな手を使っても!」

 

 

神栄は親指を下にさげて、笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ!とガス野郎が振り向いた時には、もう遅い。

 

 

 

目の前には、烏間先生。

 

 

 

 

「こいつ……まさかこれを見据えて……!?」

 

 

 

「まぁ、それもあるけど、お前のガスを使い切ろうとしただけさ。それが無ければ、大して効き目のあるのはほとんどないと踏んでたからな。あとは、烏間先生の体力の回復かな……」

 

 

 

 

「く……そがぁ……!!!!」

 

 

ガス噴射機を使おうとしたが、遅い。

 

 

 

 

高速の膝蹴りが、ガス野郎の顔を貫く。

 

 

 

(こいつ…………人間の速さじゃねぇ……!!!)

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

「まさか神栄があんな戦い方するとは思わなかったよ」

 

 

磯貝が烏間先生の肩を持ちながら、そう言った。

 

 

「人に頼る、これが俺にとって必要なことだと思ったからな。今までは単独行動も多かったから、な?」

 

 

「ヌルフフフ、最初より変わりましたねぇ、神栄君」

 

 

人は、常に変わるもんだと思う。

 

 

ずっと同じだったら、つまらない。

 

 

「………そんなもんだよ。俺は……!ハァ…ハァ…ハァ…!」

 

 

「さっきの戦いで疲れたのか!?」

 

 

「………だ、大丈夫だ、早く行こうぜ…!」

 

 

 

神栄は殺せんせー入りの袋を茅野から奪い、小声で言い放つ。

 

 

「神栄君!ガスを喰らったんですか!?」

 

 

 

 

 

「それ以上言うな。ガスは喰らってないが、ジュース飲んだ。ここで俺だけ脱落なんてゴメンだ。俺だけたまたま効果が遅かっただけ、元気なフリなら俺は出来る。これ以上言うんじゃねーぞ、殺せんせー」

 

 

「………………」

 

 

 

 

========================

 

 

それから、どんどんと上へのぼっていく。

 

 

 

現在、5階。

 

 

5階は展望回廊で、外の景色がよく見える。

 

 

 

 

そこに、1人の男が立っている。

 

 

 

殺気でわかる。殺し屋だ。

 

 

 

 

 

男はガラスに触れると、ガラスにヒビが入った。

 

 

 

 

「……つまらぬ、足音を聞く限り手強いと思える者が誰も居らぬ……どうやら"スモッグ"のガスにやられたようだぬ、出てこい」

 

 

って言うか………

 

 

 

「"ぬ"多くね?おじさん?」

 

 

 

あ、言おうとしたのに……カルマに言われた……。

 

 




神栄は飲んでしまった。



次回、グリップvsカルマ!

指摘感想待ってるぬ


追記、しばらくお休みします……。

すいません


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第54話 カルマの時間

一つ言わせて、





なんで投稿しない日に限ってお気に入りが増えてんの?w

ありがたいことですけどね!?


いつも見てくれる方、ありがとうございます。


今後も不定期更新の可能性ありの駄文にお付き合い下さい。


 

 

「………がっかりだぬ、強い奴と戦える機会があるというのに、それがなくなってしまったぬ。ボスを呼んで皆殺しだぬ」

 

 

 

そう言って握力野郎はケータイを出し、電話をしようとした。

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

植木鉢をケータイにぶつけた頭のイカれた野郎がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なに?俺(神栄)だって?

 

 

 

ふざけんな、そんな事するのはあいつしかいない。

 

 

 

赤羽 業だ。

 

 

「ねぇおじさんぬ、速攻仲間呼ぶとか、あんた中坊とタイマン張るの怖い人なの?」

 

 

 

 

「………………面白い」

 

 

 

 

「よせ!無謀だ……!」

 

 

 

2人は殺る気だが、烏間先生はそれを止める。

 

 

「いや………今のカルマ、いつもと違うな……」

 

 

「その通りです。カルマ君のアゴが引けている」

 

 

 

 

いつものカルマなら、アゴを突き出し人(主に神栄)を見下すような構えをしている。

 

 

 

だが、今は人をよく見ている。

 

 

 

今回の戦いにおいて、俺(神栄)と全く違う点がひとつある。

 

 

 

 

それは、

 

 

 

 

 

 

 

奇襲ができない事だ。

 

 

 

ガス野郎と戦ったときは広い部屋だったから、烏間先生に攻撃させる事ができた。

 

 

しかし、5階の展望回廊は道が狭い。

 

 

背後に行く事はまずできない。

 

 

 

だから、カルマは1対1の戦いを強いられるのである。

 

 

 

これは明らかにカルマが不利だ。

 

 

 

かたや人を殺す職業のプロ、こんなの、ライオンに立ち向かうアリのようだ。

 

 

 

 

いつもと違うとは言え、流石に無理だと『思っていた』。

 

 

 

そう、思っていただけ、

 

 

 

 

これはただの予想にすぎなかった。

 

 

 

 

あんな結果になるなんて、俺は思ってもいなかった…………。

 

 

============================

 

 

 

 

カルマは持っていた植木鉢を、握力野郎にぶつけた。

 

 

 

 

しかし、握力野郎は握り潰す。

 

 

まるでりんごを潰す怪人のように

 

 

 

 

「柔い、もっといい武器を探すべきだぬ」

 

 

 

「いらないね」

 

 

 

そう言うと、握力野郎は前に出る。

 

 

当然、攻撃をしに。

 

 

 

「………………」

 

 

 

握力野郎はカルマの頭を握り潰そうとしたのだが、

 

 

 

 

 

 

 

 

避けられた。

 

 

 

「なぬ?」

 

 

 

この避け方は、見たことがある……。

 

 

 

 

見慣れた光景だった。

 

 

 

「………あれは烏間先生の技術ですねぇ、目で見て盗んだのでしょうか?」

 

 

 

「す……げぇな」

 

 

 

だが、避けてばかりでは意味がない。

 

 

 

 

「どうした。攻撃しなければ永遠にここを抜けられぬぞ」

 

 

 

「………ヘッ!安心しな、今度は俺から行ってやるよ。あんたに合わせて正々堂々、素手のタイマンで殺ろうよ」

 

 

(ケッ!『正々堂々』……ねぇ。あいつが正々堂々?バカだろ)

 

 

 

 

カルマの宣言通り、正面から行く。

 

 

 

 

カルマの攻撃が一発だけ当たる。

 

 

握力野郎はブロックが間に合わず、足に蹴りを喰らう。

 

 

一瞬ガクつき、倒れる。

 

 

 

背中を見せた。これは大チャンスだ

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガスが噴射された。

 

 

 

 

「……………マジかよ」

 

 

 

 

「ハハハハハ!俺は一度も素手だけで戦うなど言ってないぬ、至近距離のガス噴射、予期してなければ防げ………ぬ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目には目を、歯には歯を、ガスには…………ガスのお返しを。

 

 

 

カルマは神栄vsスモッグで手に入れたガスを握力野郎に向けて噴射させた。

 

 

「奇遇だね、2人とも同じこと考えてた」

 

 

 

握力野郎は最後の力を振り絞って、ナイフを取り出しカルマめがけて刺そうとする。

 

 

ガスで思うように動けない握力野郎は、カルマに腕を折られそうになる。

 

 

 

「ほら寺坂、早く、ガムテープと人数使わないとこいつになんか勝てないって……」

 

 

「テメェと素手で1対1のタイマンとか、『もっと』無いわな」

 

 

 

 

============================

 

 

 

握力野郎は見事に縛られ、何も出来ずにいた。

 

 

 

「何故、俺の攻撃を読んでいたのだ………」

 

 

 

 

 

カルマは笑顔でその質問の答えを返した。

 

 

 

「とーぜんっしょ、素手以外の全てを警戒してたもん。あんたが素手の戦いを望んでいたのは本当かもしれないけど、こんな時に素手だけを使うなんて普通ありえない。あんたのプロ意識を信じたんだ、信じたから警戒してた」

 

 

 

 

 

「大した奴だぬ、少年戦士よ、負けはしたが、楽しい時間を過ごせたぬ」

 

 

 

 

 

 

「…………は?何言ってんの?楽しい時間はこれからだよ……?」

 

 

 

 

え…………?

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

その後、無残な姿で握力野郎は発見されたのである。

 

 





ガス野郎、握力野郎と来たら次は………ww



それと、突然すいません。僕、誕生日近いんですよ。


だから、誕生日の日は特別編として、今後の『神栄 碧と暗殺教室』のストーリーについて話します。

最新話の更新はありませんので、お願いします。


誕生日の日にとっても大事なこと言うから、見とけよな!


次回、神栄が(色んな意味で)死ぬ

指摘、感想コメント待ってるよ。




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第55話 装いの時間、2時間目



今回は長いでーす。





 

 

 

 

 

5階から6階に上ると、テラス・ラウンジだ。

 

 

そこでは、連夜悪いドラッグなどのパーティーが開かれている。

 

 

 

女子にはチェックが甘い為、女子はそこから行くことになった。

 

 

しかし、全員女子だと大変なので、2人男子を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

潮田 渚と神栄 碧である。

 

 

 

 

「くそくそくそくそくそ!なんで俺がまたこんな服装を……!!」

 

 

「神栄君!顔怖い!女子っぽくしてよ!あと一人称は俺じゃなくて私ね!」

 

 

神栄はガニ股でズンズンと歩いていくが…………。

 

 

 

 

渚は恥ずかしそうにみんなの二歩前にいる。

 

 

 

これが女子だったら可愛いが、残念ながら渚は男、英語で言うとboyである。

 

 

そこに、こちらをジロジロ見てるモノ好きが1名いる。

 

 

「ねぇ、どっから来たの?君達。俺と酒でも飲まない……?」

 

 

 

「あぁ?」

 

 

 

「そこの黒髪ちゃんも一緒に来てよ、な?」

 

 

 

黒髪………?ああ、俺(神栄)か

 

 

 

「え……イヤなんですけd…」

 

 

「はい、碧ちゃんも行ってきな!」

 

 

 

 

おいコラ不破!俺はこんなブサ男と一緒に居たくねぇよおおお!

 

 

「イヤd…」

 

 

 

「神栄君、これは仕方ないのよ。ここは男に対してチェック厳しいし、作戦が終わったら迎えにいくから、それまでブサ男だろうと相手して?」

 

 

こいつ、俺の心理が読めんのかよ………。

 

 

 

てか、男手が欲しいことはわかったのだが、何故俺(神栄)を採用したのか?

 

 

 

 

原因は、竹林の『アレ』だ。

 

 

 

以前女装したのがクラスにバレたせいで、このような事態になった。

 

 

 

いいのか悪いのか…………いや、悪いな。

 

 

 

============================

 

 

「碧ちゃんは男の子っぽいね!髪もそれなりに短いし」

 

 

 

(本当は男なんですけどね)

 

 

「え?まぁ、イメチェンだよ!元々もっと髪長かったんだけど、今回の旅行でイメチェンしたの!」

 

 

普段絶対言わないようなめちゃくちゃ高い声で神栄は言う。

 

 

屈辱以外の何物でもない。

 

 

カルマがいないだけマシだ。

 

 

 

2人を誘ってきたブサ男は、酒をこちらに持ってきてくれた。

 

 

 

当然飲まない。

 

 

(あ、未成年者の飲酒はやめましょうね!神栄 碧ちゃんからのお願いだよ!)

 

 

 

「自分で言ってて恥ずかしくないの?」by速水

 

 

「くっっっそ恥ずかしいです」by神栄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは置いといて………。

 

 

 

 

「ぼ……私達、お酒飲めないんだけど……」

 

 

 

「いいじゃねぇか、飲もうぜ!」

 

 

「飲まねぇっつってんだろーが……ブサモゴッ……!」

 

 

神栄がキレそうになったところを見事に止めた渚は、神栄の異変に気付いた。

 

 

「………!!!」

 

 

「……………ひひひはひはは、ほほへほほはひへふへ、はひは」

(息したいから、その手をどかしてくれ、渚)

 

 

 

何事もなかったかのような振る舞いをする神栄は、渚の方を向き、笑顔を見せる。

 

 

 

この笑顔は、おそらく作り笑顔だし、とても無理をしている。

 

 

「あ………君ってあの有名なテレビの司会者の息子だよね?なんか似てるし!」

 

 

 

神栄はとりあえず話題を作り、時間を稼ぐ。

 

 

「ああ、知ってるのか、そうだよ、俺の名前はユウジだ、よろしく」

 

 

 

 

まぁお前の名前聞いたところで得なんかないし多分数秒で忘れるけどな。

 

 

 

自己紹介(ユウジのみ)が終わるとユウジはタバコのようなものを取り出した。

 

 

 

だがよく見るタバコではなさそうだ。

 

 

かといって葉巻でもない。

 

 

 

「ん?ああ、これは法律じゃダメなやつだ、俺らの歳でこーゆーのやってるやつはカッコいいんだぜ」

 

 

 

カチッ!とユウジが火をつけようとした瞬間、渚はヤクを奪う。

 

 

「吸ってカッコ良くなるかはわからないけど、確実に生きづらくなるだろう、って学校の先生は言ってたよ?」

 

 

すると、神栄はこの状況がめんどくさくなったのか、トイレ行ってくると言っといて何処かへ消えた。

 

 

 

別場所では、女子達がヤンキー(のような人たち)に絡まれていた。

 

 

 

(全く、次から次へとめんどくさいなぁ……)

 

 

「うぃーす、お前ら何してんだy…」

 

 

 

神栄は出会ってしまった。

 

 

普通の歩き方でヤンキーに出会ってしまった。

 

 

 

「あぁ?お前男か?」

 

 

 

 

「え……えぇ?私女ですよぉ♥︎そんなこと言わないでくださいよぉ!」

 

 

 

我ながら恥ずかしい。

 

 

「あ、ああ、そうか」

 

(この娘、普通に可愛いな)

《残念ながら彼は男です》

 

 

 

 

こんな茶番をしていると、矢田がやってきた。

 

 

 

「お兄さん達カッコいいから遊びたいけど、あいにく私たち、今日パパと同伴なの。うちのパパちょっと怖いから、やめとこ?」

 

 

 

え?マジでパパと同伴なの?

(嘘です)

 

 

「パパが怖くてナンパできっかよ…」

 

 

「じゃあ、パパに紹介する?」

 

 

 

矢田の指には、エンブレムのようなものが挟まっている。

 

 

それには、『凶』と書いてある。

 

 

確か、ビッチ先生からもらってたヤクザのエンブレムだな……。

 

 

 

少人数だが凶悪で有名らしい。

 

 

ヤンキーは失礼しますと言って逃げていった。

 

 

============================

 

 

 

 

「神栄君、アレ恥ずかしくなかったの?」

 

 

 

「恥ずかしくて死にたいレベルでしたよ。カルマと中村いなくて本当助かったよ」

 

 

 

『え……えぇ?私女ですよぉ♥︎そんなこと言わないでくださいよぉ!』

 

 

 

「フフフ、私が録音したよ!」

 

 

 

不破はスマホを堂々と神栄に見せつけ、ドヤ顔でこちらを見ている。

 

 

「よこせ、ぶっ壊してやる!弁償はしてやるから俺に差し出しやがれ!」

 

 

「ま、まぁまぁ、あーゆー神栄君も面白かったよ?」

 

 

 

「フォローになってねぇぞ矢田あああああ!!!」

 

 

もう、死にたい………。

 

 

 

============================

 

 

一方渚はまだユウジと話しているようだ。

 

 

(うぅ……もう終わらせたい……)

 

 

 

神栄組は全員で抜けれる方法を模索していた。

 

 

 

 

片岡だけが、

 

 

 

 

「そう言えば矢田さんビッチ先生の仕事の話よく聞いてるよね」

 

 

「う、うん、色仕掛けがしたいわけじゃないけど……」

 

 

 

その胸があるだけで充分色仕掛けは出来ているのではないかと思うのは俺(神栄)だけですか?それとも皆さんもそう思いますか?

 

 

 

「殺せんせーも言ってたじゃない?"第二の刃を持て"ってさ、接待術も交渉術も、社会に出た時最高の刃になりそうじゃない?」

 

 

 

 

「みんな、店の奥まで来たけど、やっぱここからが難しいよ」

 

 

 

 

片岡が言うと、皆は話を止め、奥を見始めた。

 

 

 

「なんだよ、あそこに居るなら俺がぶっ飛ばせばいいじゃねぇか」

 

 

 

「いや、もしぶっ飛ばしちゃったら、すぐバレちゃうよ」

 

 

 

だが渚抜きでここを出てはいけないので、茅野が渚を呼びに行った。

 

 

 

 

渚はやっと来た…という顔でこちらに走ってきた。

 

 

しかし、ユウジも付いてきた。

 

 

そのハッ○ーセットはいらないです。ユウジ君はお帰り下さい。

 

 

「おう、待ってくれよ彼女ら、大サービスだ、俺のダンスを見せてやるよ」

 

 

 

 

 

拒否させる暇もなく踊りを始めるユウジはリズムに乗り始めた。

 

 

 

 

正直、邪魔。

 

 

 

 

 

すると、コップに手が当たる。

 

 

 

そこには、明らかに「俺ヤクザやってるぜ」風の男は怖い顔でユウジを見ている。

 

 

「おいコラ、この服100万したんだぞ!弁償しやがれ!」

 

 

 

男はユウジの胸倉を掴み、当然ながら怒っている。

 

 

 

(………あ)

 

 

矢田は何かを思いつき、岡野の耳元で囁いた。

 

 

すると岡野は男の前に行き、蹴り飛ばす。

 

 

「うわぁ……体柔らかいな…」

 

 

 

男が倒れたので、店員を呼び、いなくなったのを確認して鍵を開け、みんなは7階に行った。

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

『え……えぇ?私女ですよぉ♥︎そんなこと言わないでくださいよぉ!』

 

 

 

どこかから聞こえた。

 

 

 

また不破か!と思ったが、違った。

 

 

 

 

 

カルマだ。

 

 

「神栄……こんなこと言ってたの?恥ずかしっ!」

 

 

 

「うわああああやめろおおおおおお!」

 

 

もう遅い。

 

 

全員にあの声は聞こえたし、L○NEで知られた。

 

 

「もう………死んだよ」

 

 






いやいややってたにも関わらずノリノリだった神栄。


今日学校休みだからめっちゃ書きました。



次回は僕の好きなキャラ出ますね!(村松ではありません)


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第56話 武器の時間


今回は短いです。すいません


 

 

7階に着くと、人がいなくなってきた。

 

 

神栄と渚は素早く着替え、みんなは先へ進む。

 

 

 

ここからはVIPフロアとなり、ホテルの者だけに警備を任せずに、客が個人で雇った奴を見張りとして置いているらしい。

 

 

 

「………こっからどーすんだ?殺せんせー」

 

 

「こっから先の見張りたちを倒すには、寺坂君の持ってる武器が最適ですねぇ……ヌルフフフ」

 

 

 

寺坂だけはカルマのせいで荷物持ちとなっている。

 

 

中には悪習化合物(奥田さん特製)や爆竹、辛い系の物が入っている袋が入っている。

 

 

 

 

 

 

「チッ!お前は透視能力でもあんのかよ……おい木村、あいつらおびき出してこいや」

 

 

 

「俺が?どうやってだよ」

 

 

 

木村はE組の中で足が一番速い。だから寺坂は木村を指名したのだ。

 

 

 

 

「じゃあこう言ってみな木村…」

 

 

こういう時のカルマは怖いな……。

 

 

 

木村は指示通りに私兵の近くで立ち止まる。

 

 

 

そして、

 

 

「あっれェ〜〜?脳みそ君がいないなァ〜〜。こいつらは頭の中まで筋肉だし……。人の形してんじゃねぇよ、豚肉共が!」

 

 

 

と言いながら少しずつ離れて行く。

 

 

それを聞いた私兵は黙っていない、

 

 

 

ダッシュで木村を追う。

 

 

 

「おい、待てコラ」

 

 

 

 

そしてこちらに来た瞬間、

 

 

 

 

スタンガンでビリッ☆と殺った。

 

 

 

 

「タコに電気やったらどーなるのか気になって買ったのに、まさかこんな形でお披露目とは思わなかったぜ」

 

 

 

「いい武器ですが、その2人の胸元を探ってください」

 

 

 

寺坂が男の胸元から取り出したものは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本物の拳銃だった。

 

 

 

「千葉君、速水さん、この2つの拳銃はあなたたちが持ちなさい。まだ烏間先生は精密な射撃ができるまではいっていません。現時点で一番それを使えるのは、あなたたちです。ただし、先生は殺すことは許しません。君たちの腕なら、殺さずに倒す方法はたくさんあるはずです」

 

 

 

============================

 

 

 

 

8階、コンサートホール。

 

 

 

そこに1人の男がいる。

 

 

 

男の名は、『ガストロ』

 

 

 

ガストロは口に拳銃を咥えて、目つきを変えた。

 

 

「14……?いや、15匹か、呼吸も若い、ほとんどが10代。驚いた、動ける全員で乗り込んできたのかよ」

 

 

 

ガストロは一発、撃ち放つ。

 

 

 

人間にではなく、照明の光に向かって。

 

 

 

「言っとくが、このホールは完全防音で、この銃はホンモノだ。すなわちお前ら全員殺すまでだーれも助けにこねぇってことさ」

 

 

 

 

 

ガストロは銃をクルクルしている。

 

 

 

その瞬間、速水がガストロの持っている銃に向けて一発撃つ。

 

 

 

しかし、大きく外れて照明にヒットした。

 

 

 

(実弾!?まさか手下のM60をパクったのか!?)

 

 

 

 

するとガストロは、照明をつけた。

 

 

 

神栄達のいる位置からは、照明のせいでガストロがよく見えない。

 

 

 

 

 

 

「ハハハッ!いーねぇ!意外と美味い仕事じゃねぇか!ハッハハハ!」

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




明日は本編の更新はありません。


次回は、E組vsガストロですね。


明日(4/25)は今後の展開について語る予定




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第57話 超える時間

誕生日終わった………。


王様気分も24時間で終わり、か……。


そんなわけで、57話見てくださいね。


(眩しくてあいつがよく見えねぇ……!!)

 

 

 

 

ガストロは口に銃を咥え、唾液まみれの銃を取り出した。

 

 

 

「今日も銃が美味ェ!!」

 

 

撃った場所は、

 

 

 

 

 

座席の間だ。

 

 

そこには速水がガストロの姿を覗いていた。

 

 

その隙間は20㎝もないくらい狭く、常人なら絶対出来ない事だ。

 

 

「一度発砲した敵の位置は絶対に忘れねぇ、下にいた奴らは暗殺専門だが、俺は軍人上がりだ、これ以上の1対多数の戦闘はイヤってほどやってんだよ。さーて、お前らが奪った銃はあと一丁あるはずだが?」

 

 

 

 

 

 

「速水さんはそのまま待機!今撃たなかったのは賢明です千葉君!君はまだ相手に位置を知られていない!」

 

 

「一体どこから喋ってるんだ……」

 

 

 

ガストロが見たものは、丸い透明なものに入ったオレンジ色の顔。

 

 

 

完全防御形態の殺せんせーだ。

 

 

 

 

「お前……何かぶりつきで見てやがんだ!!」

 

 

ガストロは撃てるだけ撃ちまくるが、全く効かない。

 

 

 

「ヌルフフフ、これぞ無敵形態の強さですよ」

 

 

もう無敵って言ってる時点で最強だけどな。

 

 

「………チッ!」

 

 

「木村君!5列左にダッシュ!」

 

 

 

 

指示通り木村は移動する。

 

 

「寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列!」

 

 

ガストロはキョロキョロし始めた。

 

 

「死角ができた!このスキに茅野さんは2列前進!」

 

 

 

「カルマ君と不破さんは同時に右8!礒貝君は左に5!」

 

 

 

 

(シャッフル、か。だが名前を言っちゃ全部覚えるぞ……?)

 

 

「出席番号12番!右に1で準備しつつそのまま待機!」

 

 

「へ?」

 

 

流石に出席番号まで覚えられたら普通に気持ち悪い。

 

 

 

次々とシャッフルしていくと、誰がどこにいるかがわからなくなってきた。

 

 

「ヘタレ君!右に7!」

 

 

 

ヘタレとか……誰だよ(笑)

 

 

 

 

 

「ヘタレ君!早く移動しなさい!」

 

 

だからヘタレって誰だよ……。

 

 

 

 

「ゲーマー!右に7!」

 

 

ああ、俺(神栄)か。

 

 

 

 

(神栄……自分がヘタレだと思ってないイタイ子じゃないか……)

 

 

皆がそう思った瞬間である。

 

 

 

 

 

「………さて、いよいよ狙撃です。千葉君。指示の後、君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは千葉君のフォローです」

 

 

 

 

たまたま近くに速水が居たのでそーっと見てみると、表情が少しおかしい。

 

 

 

普段ポーカーフェースな2人が、緊張している。

 

 

「君たちは先生の狙撃を外したことで、自分たちの腕に迷いがありますね?

言い訳や弱音を吐かない君たちは、勝手な信頼を押し付けられたこともあるでしょう。苦悩していても助けてもらえなかったこともあるでしょう」

 

 

2人は思っていた。

 

 

親からのつらい言葉を。

 

 

 

誰も助けてくれなかった思い出を。

 

 

 

 

課題をやらされていたことを。

 

 

 

 

「でも大丈夫。君たちがプレッシャーを1人で抱える必要はない。ここにいるみんなは同じ経験を持つ仲間だ。安心して引き金を引きなさい?」

 

 

 

殺せんせーが話しているうちに、ガストロは目星がついていた。

 

 

 

出席番号12番が、一度も動いてないことに気づいた。

 

 

 

 

 

「では、行きますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出席番号12番!立って狙撃!」

 

 

 

 

(ビンゴォ!)

 

 

 

ガストロは12番のおでこに銃弾を当てた。

 

 

 

しかし、それは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人形だった。

 

 

 

ちなみに出席番号12番は菅谷だ。

 

 

15番が千葉だ。

 

 

 

『分析の結果、狙うならあの一点です』

 

 

 

 

「OK、律」

 

 

 

千葉は躊躇いも無く撃つ。

 

 

 

 

しかし、ガストロには当たっていない。

 

 

 

「へへへ……外したな……。これで2人目の場所も……!?!?」

 

 

 

ガストロに照明の台が襲う。

 

 

 

千葉は吊り照明の金具を狙った。

 

 

そしてガストロはつらい体勢でも銃を撃とうとする。

 

 

そこに、一発。

 

 

速水が撃ったのは、ガストロではなく銃だ。

 

 

 

そしてガストロは気絶し、簀巻きの餌食にされた。

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

「すげぇな、お前ら」

 

 

 

 

 

「なんか……スッキリしたよ」

 

 

速水や千葉の見せた笑顔は、とても、輝いていた………。

 

 

(一瞬可愛いな、とか思ったら負けだ……神栄 碧。正気に戻るのだ………!!!)

 

 

 




次回か次回の次にやっとホテル編が終わる!


そしたらみんな楽しみにしてる肝試しだよ!

どんなペアにしよっかな〜〜〜アハハ!




そういえば、この話が投稿されたらUAが50,000超えてるはずですよね。

だから今回のタイトルが『超える時間』なんですよw


あと50,000で100.000だよ!遠いね!

指摘、感想コメントまってるよ。


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第58話 黒幕の時間

やぁっと登場だよ…………


 

ついにホテルの最上階まであと2階だ。

 

 

 

9階に着くと、見張りがカードキーを持っていた。

 

 

 

おそらくそのカードキーは10階、すなわち最上階の鍵だろう。

 

 

 

9階で烏間先生の指示を聞いていると、寺坂の足がガクガクしているのが見えた。

 

 

 

あいつもドリンクを飲んだのだろう。

 

 

「寺坂君、まさかウイル……ん!」

 

 

渚が気づいたようだ。

 

 

神栄もドリンクを飲んだ事を渚に気づかれている。

 

 

だから、寺坂に言う言葉がわからない。

 

 

 

「黙ってろ、俺はこれ以上迷惑かけたくねぇんだよ。烏間の先公がガス喰らったのも、俺がヘタに前に出たからだ。それよりも前には、みんなを殺しかけた事もある。ここでリタイアだなんて、かっこ悪りぃしやりたくねぇんだよ……!!!」

 

 

 

 

それは……神栄も同じ事である。

 

 

こんなところでリタイアなんてしたら、迷惑がかかる。

 

 

なるべく普通のフリをしていたい。

 

 

 

もうすぐ終わる。

 

 

あと少し我慢すればいいんだ。

 

 

そう心に決めて、平然を装っていた。

 

 

 

============================

 

 

 

そして、とうとう10階に着いた。

 

 

 

部屋の中はただっ広いだけで遮蔽物が多い。

 

 

 

(一刻を争う緊急時なのに、決して焦らず悲観せず……。全員が私の自慢の生徒です!)

 

 

ついに見えた、黒幕。

 

 

 

 

皆がジリジリと前進する。

 

 

 

(みんなの前で謝らせてやる!)

 

 

 

残り、数メートルだった。

 

 

 

 

 

 

 

「かゆい」

 

 

 

 

 

 

 

最大限の気配は消したはずだった。

 

 

 

 

「でも、そのせいかな。いつも傷口が空気に触れるから、感覚が鋭敏になってんだよ……」

 

 

 

その男は、バッ!とボタンを床に複数個落とした。

 

 

 

 

 

 

その男、という表現は間違っていた。

 

 

 

聞き覚えのある、嫌な声。

 

 

 

「どういうつもりだ…………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡ァ!!!!!」

 

 

 

============================

 

 

「屋上へ行こうか。愛する生徒への歓迎の用意をしてあるからな」

 

 

 

 

鷹岡はぐにゃりと笑った。

 

 

それは、まさしく"狂気"という言葉が似合うほどに。

 

 

屋上のヘリポートにみんなは着いた。

 

 

 

そこでは鷹岡がキャリーバッグを持ちながら、本来の計画を話していた。

 

 

神栄の意識は、そろそろ限界に達していた。

 

 

 

「屈辱の目線と、騙し討ちで突きつけられたナイフが、頭ン中チラつく度にかゆくなって、夜も眠れねェんだよォ!

特に潮田 渚。お前だけは絶対許さない!!」

 

 

 

 

こんなの………逆恨みじゃないか……!!!

 

 

言いたかったが、言えない。

 

 

 

「チビ、お前一人でヘリポートまで登ってこい!」

 

 

 

 

指示通り、渚はヘリポートに行った。

 

 

そこには、ナイフが2本。

 

 

 

 

 

 

「言わなくてもわかるだろう?この前のリターンマッチだ」

 

 

 

「待ってください!!僕は戦いに来たわけじゃ……!!」

 

 

「んな事分かってる。だから、戦う前にやってほしい事があるんだよ。

 

 

 

土下座だ。

 

 

実力が無いから卑怯な手で俺を倒した。その事をちゃぁぁんと謝れ」

 

 

 

 

不本意そうな顔をしながらも、渚は膝を地面につける。

 

 

「僕は………実力が無いから卑怯な手で奇襲しました。ごめんなさい。ガキのくせに、生徒のくせに、先生に生意気な口を叩いてしまい、すいませんでした…………」

 

 

鷹岡はうんうん、と頷いた。

 

 

 

「褒美にいいことを教えてやろう。あのウイルスで死んだ奴がどうなるかを"スモッグ"が持ってた画像を見せてもらったんだけどよ…………君も見たいだろ?」

 

 

 

 

鷹岡はキャリーバッグを投げ、ボタンを押そうとする。

 

 

 

「やめろ………!!やめろおおおお!!!!!」

 

 

 

神栄の言葉は、惜しくも届かなかった。

 

 

 

 

 

ボタンは押され、薬は破壊された。

 

 

 

 

「…………千葉、銃をよこせ!ぶっ殺してやる……!あいつを……殺す!!!!」

 

 

 

 

 

その時、やたら呼吸の荒い奴が1人いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺す…………!殺してやる……!」

 

 

その声の主は、潮田 渚だった。

 

 

 




次回かな?ホテル編完結ですかね。


その前に肝試しのペア決めないとな………w


みんな、文句言うなよ?ww

話は変わり、最近(といっても1ヶ月位前)囲い込みの時間の名前を神栄にしたらやたらフレ申請が来てる。


囲い込みの時間はあんまやってませんが、よろしくお願いしますww(リーダーはグレた神崎さんです)



指摘、感想コメントまぁぁぁってるぅうううぞ!


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第59話 必殺の時間

だんだん雑になってきたことを気にしたら負けです。


 

「渚………キレてるぞ!」

 

 

 

「おいガキ共、動くな!」

 

 

神栄は警告されても動いている。

 

 

千葉が神栄を止める。

 

 

いつもなら押しても倒れない神栄が、簡単に倒れた。

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

「神栄君、寺坂君、渚君の頭を冷やしてください」

 

 

 

殺せんせーがそう言うと、寺坂がスタンガンを渚の頭めがけて投げた。

 

 

 

 

「チョーシこいてんじゃねぇぞ渚ァ!!いっちょ前に他人の気遣いしてんじゃねぇぞ!ウイルスなんざ寝てりゃ余裕で治るんだよ!」

 

 

「寺坂……お前!」

 

 

 

礒貝は寺坂がウイルスにやられていたことにようやく気づいた。

 

 

 

寺坂は耐えられなくなったのか、倒れてしまう。

 

 

 

そこに、神栄がやってくる。

 

 

「………そうだな、寺坂の言うとおりだ。ウイルスなんか、余裕で治る………。どんな雑魚だろうが、息の根止めたら殺人罪だ、見るのは俺らじゃない。あのクズの方だ。殺れ……渚!死なない範囲でブチ殺せ!!!」

 

 

 

 

 

 

「神栄君や寺坂君の言う通りです。渚君、寺坂君のスタンガンを拾いなさい」

 

 

 

渚はスタンガンをしまい、戦う体勢をとった。

 

 

 

 

「烏間先生、もし渚君が生命の危機だと判断したら、迷わず鷹岡先生を撃ってください」

 

 

 

「…………」

 

 

 

寺坂と神栄は倒れこみ、動けない。

 

 

 

かろうじて息はしているが、

 

 

(………あんな事言っちまったが、誰がどう見てもこれはマズイ。この勝負、間違いなく渚は負ける!!)

 

 

 

============================

 

 

 

 

渚は以前同様、ゆっくり前に出た。

 

 

 

しかし、鷹岡には通じなかった。

 

 

 

前に神栄をボコボコにした時よりも重く、鋭い攻撃を渚は喰らってばかりだった。

 

 

「へばるなよ、今のは序の口さ。それより、そろそろ『これ』を使うか……ククク」

 

 

鷹岡はナイフをクルクルし始め「ダメだ……!最後の薬が壊されちまうだろ!」

 

 

 

 

 

 

「渚………なんか考えてるな……」

 

 

 

「よくわかったな……神栄、渚の奴、まだ何か隠し玉持ってるよーだぜ」

 

 

 

「隠し玉って………あの時のやつか……!?」

 

 

 

============================

 

 

ロヴロさんが今回の暗殺の為に指導してくれた時、渚は質問をしていた。

 

 

 

その時に、ある技について教えてもらったらしい。

 

 

 

神栄は近くで見たいたから、よくわかっている。

 

 

 

あの技は、必殺技とは言われていたが、必ず殺す『為の』技だという事。

 

 

そして、それに必要な状態があるという事。

 

 

 

一つ、武器を二本持っている事。

二つ、敵が手練である事。

三つ、敵が殺される恐怖を知っている事。

 

 

全て揃っている。

 

 

 

 

 

そして、渚は歩き出した。

 

 

その時の渚は、前と同じ、笑顔だった。

 

 

 

 

「笑って歩いてるって……前と同じじゃないか…!」

 

 

 

 

「でもこれは……前と違うぞ」

 

 

 

 

 

(これから………殺れる!)

 

 

 

渚はゆっくり前に進む。

 

 

 

そして、

 

 

 

 

ナイフを空中に置くように捨てて、

 

 

 

 

 

 

 

パァン………!!!!!!

 

 

 

 

と音の爆弾が鷹岡を襲う。

 

 

 

「な……にが……起こっ…!!」

 

 

 

倒れそうになった鷹岡は、体制を崩した。

 

 

そこに、二本めの刃、スタンガンを抜き、当てる。

 

 

 

 

 

 

「トドメだ、さぁ、殺れよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鷹岡先生、ありがとうございました」

 

 

 

 

 

バチィ!!!

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「なんとか終わった………」

 

 

 

 

「寺坂!神栄!大丈夫か!?」

 

 

 

「これを見て大丈夫な訳ねぇだろ………」

 

 

 

やっと終わったのだが、薬が足りない。

 

 

 

「とりあえずここを脱出して、下にいた毒使いに話を聞こう」

 

 

烏間先生がケータイを取り出すと、握力野郎こと"グリップ"、ガス野郎こと"スモッグ"、そしてガストロがやってきた。

 

 

 

「ガキども、このまま生きて帰れると思ったかよ……!」

 

 

 

まじかよ………。

 

 




次回強引に肝試しにさせます。


超☆カットするので、よろしくね。

次回は肝試しのペア決めからの肝試しです。


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第60話 決める時間

ついに決まった!


それと、超展開注意かもですね。


「これ以上、お互いに被害が出ることは、やめにしないか?」

 

 

 

「ん、いーよ」

 

 

ガストロは口に銃を咥えながらそういった。

 

 

すると、スモッグがガストロの発言に付け足した。

 

 

「お前らに薬は必要ねぇよ。俺が使ったのは食中毒菌を改良したものだからな」

 

 

 

そこから、ヘリコプターに乗って帰ったらしい……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

らしい、と言う表現はおかしいと思う人もいるだろう。

 

 

 

この時神栄はもう動けず、意識も朦朧としていた。

 

 

 

だから、起きた時には皆が宿にいた。

 

 

 

 

「ん………?ここは?」

 

 

目を覚ますと、目の前には神崎がいた。

 

 

「うわっ!なななななななんだよ神崎、どうした?」

 

 

 

 

「え………いや、ゴミが付いてたから、取ろうと思って……」

 

 

 

「あ、そうなのか、ならいいけど」

 

 

 

そんなことより、現在夕方。

 

 

外に出ると、コンクリートの塊が見えた。

 

 

神崎曰く、あの中に殺せんせーが入っているらしい。

 

 

 

そして、爆破した。

 

 

 

 

しかし、死んではいなかった………。

 

 

「はぁ………。おはようございます、殺せんせー」

 

 

 

「おはようございます。では、皆さんにはスペシャルなイベントをプレゼントしましょう。その名も!『納涼!ヌルヌル暗殺肝試し!』」

 

 

 

 

いや、何が「では」だよ。

 

 

 

「この肝試しは男女2人ペアになりますよ?皆さんが勝手に決めてくださいね」

 

 

 

 

殺せんせーの頭の後ろには………。

 

 

《カップル成立♥︎》の文字があった。

 

 

 

当然神栄達には見えていない。

 

 

 

「どうする?どーゆーペアにするんだ?」

 

 

 

 

「くじもありますが、どうしますか?」

 

 

殺せんせーはくじ引きに使う割り箸を取り出した。

 

 

 

最悪それでもいいだろう。

 

「くじか……それでいいんじゃね?」

 

 

 

 

「……………」

 

 

「自由にやるのもいいと思う」

 

 

杉野がボソッと呟いた。

 

 

 

ああ、こいつ神崎と組みたいのか。

 

 

 

「別にいいけど、くじの方が楽しみだと思うな………」

 

 

 

と言っていると、中村がくじを引いてしまった。

 

 

「どうする?一番と二番がペアになる?後は普通に順番で」

 

 

 

「それでいいか、みんな引けー」

 

 

 

 

神栄は残り物でいい、と言ってくじの台を持っている。

 

 

 

結果発表ー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマ&奥田ペア

礒貝&片岡ペア

岡島&倉橋ペア

前原&岡野ペア

渚&茅野ペア

木村&矢田ペア

杉野&不破ペア

千葉&速水ペア

村松&寺坂ペア

吉田&狭間ペア

三村&原ペア

菅谷&中村ペア

竹林&律ペア

神栄&神崎ペアとなった。

 

 

 

 

 

 

「よし……じゃあ決まっ……」

 

 

「うわぁぁあああ!俺は………神崎さんとペアになるはずがぁ……」

 

杉野は神栄にしがみつき、泣いてしまった。

 

 

 

全く、中学3年生がこんなのじゃなぁ…………。

 

 

 

「ん、じゃあ変わるか?」

 

 

「「「「「「「え」」」」」」」

 

 

 

 

クラス中がざわつき始めた。

 

 

 

「流石にダメっしょ、決まったことだし」

 

 

 

「まぁ、そんなに言うならいいけどな、ぶっちゃけ俺は誰でもいい」

 

 

 

 

「ま、まぁ早くやりましょう!最初は渚君と茅野さんペアです!」

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

「渚はこーゆーの大丈夫なの?」

 

 

 

「怖いのは大丈夫だけど、急に来るとダメかも………」

 

 

そんな事を言っていると、三線の音が聞こえてきた。

 

 

 

現れたのは、殺せんせーだ。

 

 

 

「ここは血塗られた悲劇の洞窟。かつての沖縄で戦いに敗れた王族達が死んでいった場所です。決して2人離れぬよう、1人になれば彷徨える魂にとり殺されます」

 

 

 

 

渚&茅野は特に何もなく、この洞窟を抜けた。

 

 

 

そして次から次へと洞窟へ入っていく。

 

 

 

くじを引いた結果5番目だった神栄&神崎ペアが洞窟に入った。

 

 

「ねぇ………神栄君」

 

 

 

「ん?なんだ、怖いのか?腕掴んでるくらいなら俺は大丈夫だぞ。腕を潰す勢いのアレはやめて欲しいがな」

 

 

 

 

「そういう事じゃなくて………」

 

 

 

 

「ならどうした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私達、昔会ってるんだよね……小さい頃に………。覚えてない?」

 

 

 

 

 

神崎は長い髪の毛を縛り、ポニーテールになった。

 

 

 

「…………!!!!」

 

 

 

 

この姿は………見覚えがある……。

 

 

 

 

 

それは………………!

 

 

 





書いてて気付いた。

この人達、中学3年生だったんだ………!と


それと、過去編行くのか?とかはまだ全然決めてません。




次回も肝試しだぜ。


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第61話 思い出す時間


書いてて思ったよ。


リア充爆ぜろ、と。


 

(あの姿は見覚えがある……。俺の……………俺の……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初恋の人だ)

 

 

 

 

「そ、そうなのか……昔と髪型違ったから、よくわからなかったよ……」

 

 

「神栄君が初めてE組に来た時に言おうと思ったんだけど……タイミングが……」

 

 

 

 

2人は気まずくなって数分黙り込んでしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず行こうぜ……終わったら話そう」

 

 

 

「うん」

 

 

 

 

しばらく進むと、明るい場所があった。

 

 

 

 

そこに殺せんせーが居るのか、と思った時、

 

 

 

フゥッ…………!

 

 

 

 

 

 

と神崎の背後に気配を感じた。

 

 

 

神崎は驚き、神栄の腕をギュー!と掴んでしまった。

 

 

 

 

「………どうした?」

 

 

 

「なんか……変な気配がして……」

 

 

 

 

「びっくりしたわ……突然だったから……」

 

 

 

「ご、ごめん」

 

 

 

============================

 

 

またしばらく進むと、今度は殺せんせーがいた。

 

 

 

 

「………琉球伝統のカップルベンチです。ここで2人で1分座り、会話をすると呪いの扉が開きます」

 

 

 

「はぁ………。とりあえず座るか……で、何話すんだよ」

 

 

 

 

「………」

 

 

 

ダメだ、神崎と話すネタがない。

 

 

 

ゲームは好きなジャンルが違うと話にならないからなぁ……。

 

 

 

かといってさっきの話の続きを話すと殺せんせーにバレる。

 

 

こーゆー事は言わないほうが良いと思う。

 

 

 

神崎の為にも、神栄の為にも。

 

 

 

「さぁ!もっと会話を弾ませて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んな事………出来るわけねぇだろーがあああああああ!!!」

 

 

 

神栄は銃を出し撃ちまくる。

 

 

 

結果は言わないでくれ。

 

 

 

 

逃げた殺せんせーは、入り口で待っている寺坂組に設定説明をしていた。

 

 

 

 

「ここは血塗られた……ギャアアアアアア!」

 

 

 

殺せんせーが見たものは、

 

 

 

 

 

 

 

狭間のメイク姿。

 

 

 

 

 

それはもう、モノホンのオバケみたいな顔だったらしい。

 

 

 

再び逃げていると、殺せんせーは千葉に出会う。

 

 

 

 

「ヒィィィ!目が無い!!!ギャアアアアアア!!」

 

 

 

 

また逃げてしまった。

 

 

 

「なんだ?勝手に驚いてるぞ?てか、俺にも目はあるんだけどな……」

 

 

 

またまた逃げていると竹林に出会う。

 

 

 

「うわぁぁ!水木しげる大先生!?ギャアアアアアア!!」

 

 

 

 

「うわぁぁあああ!日本人形!?」

 

 

 

 

殺せんせーは神崎を見るとすぐに逃げる。

 

 

 

 

「……一番楽しんでるのは、殺せんせーだな………」

 

 

 

「そうだね………」

 

 

 

============================

 

 

 

「要するに、怖がらせて吊り橋効果てカップル成立を狙ってたのか」

 

 

 

「………だって、手ェ繋いで照れてる2人を見てニヤニヤしたいんだもん!」

 

 

 

「ゲスい大人だな………」

 

泣きながらのキレが入り、みんなは正直呆れている。

 

 

 

 

 

 

「みんながみんなゲスい訳じゃないんだし、そっとしておくのが一番だと思うんだよねぇ」

 

中村の発言に、皆が納得した。

 

 

 

殺せんせーを除いて。

 

 

 

 

 

 

 

「はい……わかりました」

 

 

 

「やっと納得したか………」

 

 

 

 

そんな事をしていると、ビッチ先生と烏間先生が洞窟を抜けてやってきた。

 

 

 

 

「何よ!怖がって歩いて損したわ!」

 

 

「だからくっつくだけ無駄だって言っただろ」

 

 

 

ようやくみんながいる事に気付いたビッチ先生は、スーッと烏間先生の腕を離し、逃げようとしていた。

 

 

「これさ…………」

 

 

「薄々気づいてたけど………」

 

 

 

「アレだよな………」

 

 

 

「ビッチ先生と、烏間先生………」

 

 

 

 

(((((((くっつけちゃいますか!?)))))))

 

 

何が『みんながみんなゲスい訳じゃないんだし』だよ。

 

 

 

みんなゲスいじゃねぇかよ!

 

 

(ゲスい奴らばっかりだな……神崎の事は絶対に言わないと誓った瞬間だぜ…………)

 




2人のお話はまた今度に書きます。


そして多分これが4/30に投稿する分だと思います。

では、宿題の地獄へ逝ってきます………。








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第62話 オトす時間

こりゃしばらく投稿できねぇな……www


「意外だな、まさか烏間先生が好きだったとは………」

 

 

 

「うん。あんなに男を操るのに、自分のことになると全然だな……」

 

 

 

「仕方ないじゃない!あいつの堅物っぷりは世界に匹敵するのよ!」

 

 

 

 

 

確かにそれはあってる。

 

 

 

烏間先生、超鈍感だもんな………。

 

 

 

「そんなことより、恋愛コンサルタント3年E組の会議を始めましょう」

 

 

殺せんせーはさっきの姿とは違い、真面目なキャラ風の服装にチェンジしている。

 

 

 

議題は『烏間先生とビッチ先生をくっつける為には』らしい。

 

 

 

「くっつけるというか、普通に告白しちゃダメなのか?それが一番良いと思うんだけど……」

 

 

「フッ!わかってないな神栄は、これだから鈍感ヘタレ野郎は……」

 

 

 

 

「うるせぇぞ前原、じゃあ他にあんのか?烏間先生ってめっちゃスキがないように思えるが……。よく考えてみろ……烏間先生の女性の好み知ってるやついるか?いないだろ」

 

 

 

 

とっととこんな事終わらせて早くゲームしたい神栄は、早く終わらせる為に事実を言った。

 

 

しかし、なかなか終わらない。

 

 

 

「神栄はほっといて、烏間先生の女性の好みはわかんないけど、清楚な感じで攻めればなんとかなるでしょ!」

 

 

 

「清楚って言ったら神崎ちゃんかね………」

 

 

 

 

神崎は服を持ってきてビッチ先生に渡す、

 

 

 

そして男子を強制的にその場から離れさせ、再び呼ぶ。

 

 

 

「全っっ然清楚じゃねぇな……。服のサイズ合ってないだろ……」

 

 

 

 

「………あ!!!!」

 

 

何かを思い出した矢田は、テレビの方を指差した。

 

 

 

 

「そういえば、テレビのCMであの人の事ベタ褒めしてたよ!"俺の理想のタイプだ"って!」

 

 

 

 

そのCMは、ア○ソックのCMだった。

 

 

 

某霊長類最強女子が3人映っていた。

 

 

 

「それは理想のタイプじゃなくて理想の戦力だろ!!!」

 

 

 

 

次は奥田の提案で、『手料理で行こう』だ。

 

 

「ホテルのディナーも豪華だけど、そこをあえて烏間先生の好物でいけば良いんじゃないんですか!」

 

 

 

 

「俺、烏間先生ハンバーガーかカップ麺しか食べてるの見た事ないぞ」

 

 

 

「神栄は文句ばっかり言ってるけど案は無いの!?」

 

 

 

 

するとみんなはそーだそーだ!とブーイングし始めた。

 

 

 

「だからさっき言っただろ!普通に告白すれば良いだろって!!」

 

 

 

 

「まぁいいや、ディナーの時間までに男女で仕事分担して、早くやっちゃおう!」

 

 

 

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

 

 

============================

 

 

 

 

夜の9時、作戦開始。

 

 

 

 

烏間先生が到着。

 

 

 

「なんだ……これは」

 

 

 

 

「烏間先生の席はありませーん」

 

「先生方は邪魔なので、外の席で食べてくださーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、普通に『烏間先生は外で食べてくださーい』って言えよ。

 

 

 

いちいちやり方が面倒だな……。

 

 

 

「何なんだいきなり……。最近の中学生のやること考えることはよくわからんな……」

 

 

 

 

烏間先生が外に行ったことを確認して、皆は外で見守る。

 

 

 

「イリーナ、なんで俺らは追い出されたんだ?」

 

 

ビッチ先生は柄でもなく緊張している。

 

 

さぁ、いけビッチ先生!!!

 

 

 

「………今回は色々あったが、この調子で2学期中に奴を必ず殺す。その為にも、イリーナ、お前の力が必要だ」

 

 

 

 

「……………私、12歳の時初めて人を殺したの。その時にいた私の国は民族紛争が絶えなくて、ある日私の家に敵がやってきたの、親は殺された、でも私だけは隠れてた。それでも私は見つかったの。"殺さなければ殺される"だから父の拳銃を至近距離で撃ったわ」

 

 

 

「………!!!!」

 

 

「敵の死体と一緒に見つからないように隠れていたの。一晩かけてぬるくなっていく死体の温もりは、今もはっきり覚えてるわ……。ねぇカラスマ、『殺す』ってどういうことか……本当に分かってる?」

 

 

 

 

ビッチ先生は立ち上がり、烏間先生のつけているナプキンを手に取り、唇をつけ、それをつけたナプキンを烏間先生の唇につけた。

 

 

「好きよ、カラスマ」

 

 

 

 

============================

 

 

 

ビッチ先生はよくやったと思う。

 

 

 

でも、烏間先生がこれでビッチ先生の気持ちがわかるとは思えない。

 

 

 

一つ言えること、

 

 

 

 

どんまい、ビッチ先生。

 

 

こんな終わり方だったが、この島での暗殺旅行は幕を閉じたのである…………。

 




一応ホテル編は終わりました。


次回は帰り道での話かな?まだ書いてないのでわかりませんが………。



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第63話 帰る時間

今回は短めです。




 

 

 

 

ホテルのチェックアウトも終わり、船で東京まで帰る前の自由時間で、神栄は神崎に呼ばれた。

 

 

 

「まぁ、言いたいことはわかってるが………一応聞いとく、なんの用だ?」

 

 

 

「神栄君はさ……昔の事を本当に覚えてないの?私と会った事とか……」

 

 

 

「…………………」

 

 

 

 

 

本当は、覚えている。

 

 

 

でも、『初恋の人でした』なんて言えない………。

 

 

だから…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘をついた。

 

 

 

 

 

今まで普通の人として接してきた神崎が、特別な人のように思えてくる。

 

 

 

 

「悪い………よくわかんないんだ。今の状況が…………よくわかんない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだよね………突然だもん。仕方ないよ………」

 

 

 

「とりあえず、早く行こうぜ。ほら」

 

 

 

神栄はポケットから手を出し、神崎の手を握り、走っていった。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

(俺は…………この気持ちを伝えるべきなのか……それとも………)

 

 

 

 

「神栄君……そろそろ離してもらって……いいかな?」

 

 

 

神栄はみんなのところに着いても神崎の手を握ってたままだった。

 

 

よかった……みんな見てなくて……。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

「みなさん、お疲れ様でした。家に帰るまでが旅行ですので、気をつけてくださいね!」

 

 

 

殺せんせーの話が終わり、解散となる。

 

 

 

「………………はぁ」

 

 

 

 

「ん?神栄にしては珍しくため息を何度もつくねぇ…なんかあったの?」

 

 

 

 

中村に言われると、『バレた…?』と言ってしまいそうだ。

 

 

だが、神栄は平然を装う。

 

 

 

「まぁ、色々あんだよ……」

 

 

 

「どーしたん?悩みなら聞いてあげるよ」

 

 

 

 

「悩みなんかねぇよ……ちょっとモヤモヤがあるだけだ」

 

 

 

 

「それを世間一般では悩みと言うんだよ…………」

 

 

 

自分でも思う、なんか変だ。

 

 

 

たかだか昔の好きな人がこのクラスにいただけなのに……………なんでだろう。

 

 

 

「………神栄さ、昨日から変だよ?本当は何か隠してるんじゃないの?相談くらいなら、私でよければ聞いてあげるよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………うるせぇよ、俺の事を知りもしないのに、勝手に言ってんじゃねぇ。俺は何も隠してない、だからいちいち話しかけてくんな」

 

 

 

 

我ながら最低な事を言ってしまったと思う。

 

 

 

 

本当、最低だ…………。

 

「そう、ならいいけどね」

 

 

(あんな神栄だったかな……?いつもの方が……私は………)

 

 

 

 

中村が去って、1人になった。

 

 

 

 

 

 

 

「もういい、悩むのは……やめよう…………悩んでても……仕方ない気がする……」

 

 

 

神栄は1人、違う道から家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神栄君………………」

 

 

 

 

============================

 

 

 

自宅に帰ると、10件程着信があった。

 

 

 

 

再生すると、神栄 黒紀の声がした。

 

 

 

 

『おい、碧、いないのか?まぁいい。夏休みの間いつでもいいから実家に帰りなさい。お友達を連れてってもいいぞ?あの2人だったら無条件でオーケーじゃ!』

 

 

いや、神崎と矢田以外は審査とかあるのかよ。

 

 

 

 

先ほどの悩みをぶち壊されたような伝言は、神栄を苦しめることになる…………………!!!

 

 

 

 

そして、今度はケータイから着信があった。

 

 

 

中村『さっきは悪いことしちゃったね……ゴメンね><』

 

 

神栄『俺も悪かった、あんな態度とっちゃって……』

 

 

 

そっから返信はなかったが、一応仲直り?はできた。

 

 

 

 

「今日は………色々疲れた……寝よう…………」

 

 

 

 

そう言って、神栄はベッドに入って寝た……。

 

 

 

 

 




そう言えば明日暗殺教室最新巻発売ですね。

学校の帰りに買おうと思います。



次回からオリジナルストーリーたくさん書きます。


オリジナルストーリーに登場するキャラは以下の人たち…………


・神栄(これは当然)
・村松
・矢田
・カルマ
・渚
・杉野(ほんのちょっとだけ)
・神崎

………の予定です。追加したり消えたりするかもしれません

次回は村松の話から行こうかな!www


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第64話 デート(?)の時間


前回、村松を出すと言ったな?

あれは嘘だ。


今回は………!!!!


神崎の一件があり、この夏休みで神栄は少し人に会うことが減った。

 

 

 

 

 

というか、外に出ないだけだが。

 

 

 

「…………」

 

 

神栄の家で聞こえるのは、ゲームから流れてる音だけだ。

 

 

 

 

「…………暑い」

 

 

 

 

 

エアコンを使ってるにしては暑い。

 

 

 

 

 

なぜなら、長袖しか無いからだ。

 

 

 

 

 

 

引っ越しの際、春物の服しか持ってこなかった為、このようなザマになっている。

 

 

 

神栄は半袖を買うことを余儀なくされた。

 

 

 

「し○むら行くか………ユ○クロ行くか………」

 

 

神栄はスマートフォンを開き、『半袖 安い店』と検索した。

 

 

 

結果、ユ○クロが安かったので、ユ○クロに行くことにした。

 

 

 

幸いなことに、自宅から近かった。

 

 

「これなら人に会うことも無いかな………」

 

 

 

 

============================

 

 

 

「あ゛づい…………」

 

 

 

これが遠かったら、多分暑さに殺られてたな……と思いながら歩いていると、知っている顔が見えた。

 

 

 

ユ○クロの前で何か悩んでいる。

 

 

 

これは声をかけるべきなのか、かけないべきなのか。

 

 

 

 

 

その人はくるりと振り向き、

 

 

 

 

 

 

 

「あ!神栄君じゃん!どうしたの?」

 

 

 

 

 

き、気づかれた〜〜〜!!!!

 

 

 

 

 

 

「お前もどうしたんだよ……矢田」

 

 

 

 

「いやー………ビッチ先生にどーゆー服を着ればいいかって聞いたんだけど……露出がすごくて……」

 

 

 

 

「聞いた相手が悪かっただろ……」

 

 

 

 

 

 

 

「だから………男子の神栄君に選んでもらいたいの!」

 

 

 

 

……………は?

 

 

 

「意味がわかんねぇよ、ビッチ先生に聞いたらダメでした。じゃあ神栄君に聞こうか、ってなるか?ならねぇよ!」

 

 

 

 

「一人でボケて一人でツッコんでる…………」

 

 

 

 

神栄は自宅にいれば良かったと思っていた。

 

 

 

 

 

なぜ矢田がこんなことをするのかはわからなかったが、とりあえずオーケーをしておく。

 

 

 

「………はぁ……女子の好みなんか知らないが、そこまで言うならいいぞ」

 

 

 

 

 

「やったー!ありがとー!」

 

 

 

 

くそっ…何でこんな目に………!

 

 

 

 

============================

 

 

 

女子の買い物は長い、とはよく言ったものだ。

 

 

 

というか、買う店に迷うというのはそれ以前の問題だと思う。

 

 

だんだん店が高級になってくのは気のせいなのか……?

 

 

 

「つーか、何で服買うんだ?誰かに見てもらいたいのか?」

 

 

 

 

「べっ!別にそういうわけじゃない…………かも」

 

 

 

 

「かも」ってなんだよ。曖昧過ぎるぞ………。

 

 

 

(あいつ、好きな人でもいるのか?まぁ、年頃の女子はそんなもんか)

 

 

 

店を探すこと5軒目。

 

 

 

 

「おい………普通に安い店でいいだろ………お前も金無いだろ?」

 

 

 

「え……?神栄君が払ってくれるんじゃないの?」

 

 

 

「流石にそれはダメだ。お金はあるけどこれは俺の娯楽の為に用意したものだ。絶対に渡さない!!」

 

 

 

「娯楽って……いい感じの言い方してるけどゲームでしょ?」

 

 

 

間違ってはいない。が、本当に払うのだけはやめてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局それなりにおしゃれな店で買うことにした。

 

 

 

 

 

「んじゃ、決まったら呼んでくれ。試着とかも見てほしいなら待ってるが」

 

 

「うん………」

 

 

 

 

神栄は外に出て、自動販売機のコーヒーを買った。

 

 

 

 

ちなみにそのコーヒーはB○SSだ。

 

「………流石ブラック…………うまいな……」

 

 

 

 

神栄がベンチに座ろうとすると、誰かから……

 

 

 

 

 

 

「あれ?神栄クンじゃん!久しぶりだじゃね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は……………!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、続き&新キャラ登場です。


暗殺教室最新巻買いました。

1つ言わせてもらおう。






神崎さんは俺の嫁だ!!

寺坂………どんまいw


次の巻で茅野編来るのかな?色々楽しみです!


指摘、感想コメント、○○さんは俺の嫁だ!って人コメントくださいよ!www


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第65話 デート(?)の時間、2時間目


デート回の続きだぜ!


デートなんかしたことないのでよくわからない………。


 

 

 

 

「お前……じゃなくて……早希さんじゃないですか………」

 

 

「やっ!碧クンー!相変わらず可愛いねぇ……!」

 

 

 

 

東条 早希(とうじょう さき)は神栄からすれば伯母だ。

 

神栄の実の母、神栄 志乃(かみさか しの)の姉だ。

 

 

 

 

「碧クン!なーにしてんの?デート?デートか!リア充爆ぜろ!」

 

 

 

「いや……友達が頼み事あるって言うから、それだけですよ」

(地味にリア充爆ぜろ、とか言ってたな……この人モテるくせに)

 

 

 

 

 

早希さんは綺麗な黒髪で、矢田に負けない程の巨乳、頭は良くて東条グループの次期社長候補、隙の無い女性なのに、年齢イコール彼氏居ない歴というよくわからない人だ。

 

 

 

ちなみに、年齢は36歳だが、20代前半と嘘ついてもバレないくらい綺麗だ。

 

 

 

「早希さん、何でこんな庶民的な店に行こうとしてたんですか?あなたならもっと高級なところで買えるはずですよね……?」

 

 

 

「確かに実家暮らしだけど、一人暮らしだしね、お金のやりくりは一応しなきゃいけないし……」

 

 

 

 

正直、早希さんはあまり好きではない。

 

 

 

よくわからないことを言うし、何より裏がありそうで怖い。

 

 

 

ああいう女性ほど裏があると思っているし、そう教わってきたから本当怖い。

 

 

 

あの人の笑顔とか本当ヤバイ。背後に殺気感じる……。

 

 

 

「早希さん、俺じいちゃんに実家来いって言われたんですけど……まさか早希さんもいるんですか?」

 

 

 

「んー、わかんないなー、どっかにいるかもしれないし、実家に戻るかもしれないし……」

 

 

 

「さぶろーさん怖いからなぁ……横暴だし」

 

 

「確かにお父さんは怖いねぇ……でも、お友達も来ていいって言われたんでしょ?お友達がいるならあんまり怒ったりはしないんじゃない?」

 

 

 

現時点で誘う人決まってはいないんだけどな………。

 

 

「それに、彼女さんもいるんでしょ?あの人、結構可愛いじゃん!お似合いだね☆」

 

 

 

 

2人が会話している時、矢田はそっと神栄の姿を覗いていた。

 

 

 

(神栄君……誰かと話してる?若いな………まさか、彼女?)

《早希さんは36歳です》

 

 

 

思い切って矢田は神栄の元へ行く。

 

 

 

 

 

「か、神栄君!ちょっと見て欲しいんだけど…………」

 

 

 

「あらあら可愛いじゃない!近くで見るともっと可愛い!流石碧クンが決めた彼女さんだね!」

 

 

 

「べっ……別に彼女とかじゃ……ありま……せん」

 

 

 

「その照れ方は怪しいゾ?まさか………本当に!?」

 

 

 

 

 

「だから違うっつってんだろーが……早希さん。ああ、そういえば矢田には紹介してなかったな、この人は俺の母さんの姉の東条 早希さんだ」

 

 

 

「お姉さんとかでいいよー!」

 

 

 

 

「は………はぁ」

 

 

 

矢田はこの状況について行けない。

 

 

 

突然の事態に、ふらっとしてしまった。

 

 

 

「おい……!大丈夫かよ……熱中症か?」

 

 

神栄は矢田をおぶってベンチに座らせた。

 

 

 

「………リア充爆ぜろ………」

 

 

 

 

(そんなに嫌だったら、付き合えばいいのに………モテるんだから……)

 

 

 

 

============================

 

 

 

しばらく時間が経ち、ようやく着替え終わった矢田は、神栄に服を見せた。

 

 

 

 

「いいじゃん、それ買っちゃえよ」

 

 

 

「じゃあ……これにしようかな……」

 

 

 

 

 

 

「あ、私払おうか?矢田ちゃんの分なら余裕だよ?」

 

 

 

「早希さんは別に関係ないだろ……だったら俺が払うんで、そしたら今度お金くださいよ」

 

 

 

 

「いちいちやり方がめんどくさいねぇ………まぁ、いいか」

 

 

 

 

値段は大した事なかったのでまぁ、よしとしよう。

 

 

ゲーセンに使ってしまった、程度の出費だし問題はない。

 

 

 

 

(神栄君が買ってくれた服………大切にしよ…………)

 

 

 

「ありがとね、神栄君!」

 

 

 

 

「お………おう」

 

 

 

笑顔が素敵だったな………。

 

 

 

一瞬可愛いと思ってしまった。

 

 

 

いや、いつも普通に可愛いか。

 

 

 

「………じゃあ私は帰るね!お幸せにー!」

 

 

 

 

突然やってきて突然帰る早希さんは………本当によくわからない。

 

 

 

 

「んじゃ、俺らも帰るか……」

 

 

 

「うん……」

 

 

 

 

============================

 

 

帰り道、2人は黙っている。

 

 

 

話しのネタが無いからだ。

 

 

 

黙って数分が経つ、とりあえずなんか話そう…………。

 

 

 

「神栄君はさ…………………」

 

 

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好きな人とかって………いるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「好きな人……いるの?」
↑一度は言われてみたいセリフだ………。


いつか早希さんのプロフィールでも書きましょうかね…。


とりあえず、明日からGWだけど学校なので寝ます………感想は朝起きたら見て書くので返信は遅くなります。

たくさん感想書いてくれる程、作者のテンションが上がって発狂します。


指摘、感想コメント待ってるよ!


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第66話 デート(?)の時間、3時間目

デートとか言ってるけど、デートしてません!


後半は矢田さんいませんしね………。


 

 

 

「あ?突然何言ってんだよ?好きな人……?」

 

 

 

 

「うん…………好きな人……」

 

 

 

 

神栄はいつにも増して悩んでいる。

 

 

 

「好きな人か………俺は………」

 

 

 

「…………わたしじゃ……ダメかな……」

 

 

 

 

矢田は確かに何かを言っていた。

 

 

 

が、神栄はよく聞き取れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ん?どうした?」

 

 

 

 

 

「いや………何でもない………」

 

 

 

「俺の好きな人は………いない。でも……昔好きだった人に似てる人は…………いる」

 

 

 

 

 

「そうなんだ……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その人は……どんな人なの?」

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

どんな人、と言われると……答えられない。

 

 

 

 

これは矢田の為に言いたくない、というのもあるし、神崎の為に言いたくないというのもある。

 

 

 

 

この事があったせいで、神崎と矢田が何か気まずい関係になるのは、神栄にとって一番嫌な事だ。

 

 

 

2人の関係を邪魔する気は今も、今後もない。

 

 

 

だから、神栄は曖昧な答えしか言えなかった。

 

 

 

 

「…………何て言えばいいのかな?昔好きだった人がどんな人だったのかは……よく覚えてないんだ……。でも、その似ている人を見た瞬間、この人だ、と思ったんだ……」

 

 

 

 

(それを私に言ってるって事は……神栄君は私の事が好きじゃ………………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………なんかしんみりしちゃったな………。この話はもう、やめにしないか……?」

 

 

「う…うん」

 

 

 

 

再び2人は黙ってしまう。

 

 

 

「………あ」

 

 

 

「ど、どうしたの……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺、服買いに来たのに、買うの忘れてた………」

 

 

 

早希さんに出会ったり、矢田の買い物に付き合ったりしたので、本題を見事に忘れていた。

 

 

 

とりあえず矢田を家まで送ってから行こうと思う。

 

 

「まぁいいか……矢田を家まで送るよ、そっから1人で買いに行くわ……」

 

 

 

 

 

「うん……ごめんね」

 

 

 

「謝る必要はねぇよ、俺もいろんな事があって楽しかったしな」

 

 

 

「そっか……。私も楽しかったよ!ありがと、神栄君!」

 

 

 

 

 

やっぱ、笑顔が素敵だな………。

 

 

 

 

 

============================

 

 

矢田を無事に家まで送って1人になった神栄は、ユ○クロに走って行った。

 

 

 

安物でなおかつカッコいい服を選ぶのに、約10分かかった。

 

 

 

買い終わった後、家まで歩いていると黒い車が神栄の前に止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは………!とても懐かしい光景だ。

 

 

 

 

 

今思えば、あの人がいたおかげで神栄はE組にいたのかもしれない………。

 

 

 

 

 

「やぁ、買い物かい?神栄君」

 

 

 

そう言ったのは椚ヶ丘学園の理事長、浅野 學峯だ。

 

 

 

「偶然通った……訳では無いですよね……?」

 

 

「当然、君に用があってここにきたんだ」

 

 

 

理事長のやることは迷いが無いし、合理的だ。

 

 

 

 

今回も、また理事長にメリットのある事でもするのか……と思いながら理事長の話を聞く事にした。

 

 

 

「単刀直入に言うと、神栄君、君はA組に戻れる権利を得た。言う事はわかってるね?」

 

 

 

「はい、簡単に言えば、A組に行けるけど君は行くかい?という事ですかね」

 

 

 

「わかりが早くて助かるよ。さぁ、答えを聞こうか、戻るか、暗殺生活を続けるか」

 

 

 

そんなの………決まってる。

 

 

 

 

俺は…………!!!

 

 

 

「当然、殺せんせーを殺しますよ。理事長がなんと言おうと俺はこの答えを変える気はありません」

 

 

 

「………そうか……なら……他の人にもあたってみるかな……」

 

 

 

 

理事長はその後何も言わずに車に乗り、去ってしまった。

 

 

 

『他の人にも』という事は、まだ候補があったという事なのか……。

 

 

 

 

神栄の次に成績が良かったのは、片岡と竹林だ。

 

 

 

片岡はクラス委員だし、暗殺する仲間からしたら欠かせ無い存在だ。

 

 

となると、理事長は竹林に声をかける可能性が高い。

 

 

 

確か竹林は訓練でもそれほど良い成績ではなかったはずだ。

 

 

 

そうなれば、勉強に集中したい、と言い出すかもしれない。

 

 

 

そうしたら竹林はA組に行ってしまう………。

 

 

 

理事長はおそらく、誰か1人をA組に入らせる事によって、俺らE組に何かをするのだと思う。

 

 

 

未然に防ぎたいが、案がない。

 

 

 

 

ここは不本意だが、事件が起きてから対処するとしよう…………。

 

 

 

「とりあえず、帰るか………」

 

 

 

神栄はいろんなことで悩みながらも、自宅に帰るのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか英単語の再テスト地獄は免れました。invisibleです。


これにて矢田さんとのデート(?)は終了。



次回は村松が登場予定でーす。

村松「予定ってなんだよ!」


明日……というか今日からGWですね。課題とっとと終わらせてこの作品の投稿にGW全て費やしたいと思います……。


指摘、感想コメント待ってる………ぞ!

追記、今日か明日くらいに早希さんのプロフィールを第0話に書きます。


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第67話 事故の時間


今回は神栄の過去がわかる重要な回です。



でも、超展開です。


村松出るけど、そんなに出てこない………。





 

 

 

 

 

暗殺旅行が終わって1週間、神栄は最新ゲームの調達のために、少し離れた街で買いに行った。

 

 

 

そこには椚ヶ丘市よりもたくさんゲームがあった。

 

 

 

 

「うおっ!マ○クラの新しい奴がこの値段!?椚ヶ丘市よりも安い……!ん!?なんだ?3○Sのソフトの……『暗殺教室、殺せんせー大包囲網!』ってなんだ……?いろんなキャラが出てるな………あ?」

 

 

 

知ってる人たちがなんかたくさん出てる。

 

 

磯貝やカルマ、渚やその他もろもろみーんな出ている。

 

 

 

しかし、そこに神栄はなかった。

 

 

 

「そっかー………俺は所詮オリジナルキャラだもんなー……存在しなくて当然だよなー……」

 

 

 

放心状態になって5分、正気に戻った神栄は買い物を再開した。

 

 

 

 

 

「ふぅ、結構買えたぜ………」

 

 

買えたはいいが、お腹が減った。

 

 

 

 

作るのも面倒なので、どこかで食べようとした。

 

 

 

 

しばらく歩いて、神栄の目に見えたのは……。

 

 

 

 

 

 

 

「松……来……軒……ラーメン屋っぽいな……」

 

 

 

そう言えば最近ラーメンを食べてない気がする。

 

 

 

 

最後に食べたのは……いつだっけな………。

 

 

 

 

とりあえず店に入ることにした。

 

 

 

 

 

 

「すいませーん」

 

 

 

 

「あ?神栄じゃねぇか、何の用だよ」

 

 

 

 

そこにいたのは、村松だった。

 

 

 

「お前、ここで働いてんのか?」

 

 

 

「いや、俺ん家ここだから。オヤジが今いねぇから俺が作ってる」

 

 

 

「じゃあ、『醤油ラーメン』1つ」

 

 

 

「はいよ」

 

 

 

 

作っているときの村松は、勉強してる時より真剣だった。

 

 

 

いや、勉強しっかりやれよ。

 

 

 

 

そんなことを考えいたら、すぐに出来ていた。

 

 

 

「はいよ」

 

 

 

「ん……じゃあ、いただきまーす」

 

 

 

 

 

一口食べると…………!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う………うめぇ!!なんだこれは!!!!」

 

 

 

 

「あぁ!?マジで言ってんのか!?」

 

 

 

なんとも言えないこの美味さ。

 

 

 

「うちのラーメン、まずいって有名なのに………何でお前はそんなことが言えんだよ!」

 

 

 

「お前の父ちゃんが来るのを待つわ。どんな感じで作ってるか見てみたい!」

 

 

「話聞いてねぇ……!」

(つーか、俺が全部作ったんだけどな………)

 

 

============================

 

 

 

村松の父を待つ事数十分、やっと帰ってきた。

 

 

 

 

「ん?拓哉の友達か?」

 

 

「そんなところですかね、初めまして、村松君と同じクラスの神栄 碧と言います、ここのラーメンがとてもおいしくて、どういう作り方をしているか知りたくて………」

 

 

 

 

 

「神栄………だと!?」

 

 

 

村松の父はオーバーリアクションをしている。

 

 

なんでだかは知らないが、何かを知っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………何か話したいことでもあるのか?無いならこの場から失せな。お前らの顔は………見たくもねぇ」

 

 

 

 

 

お前「ら」か………。

 

 

 

ということは、おそらく何か神栄家に関係のある人だろう。

 

 

 

 

 

「何があったんですか?俺はよくわからないんですけど……」

 

 

 

「………聞いて俺に攻撃とかすんなよ………?それと、拓哉、どこかへ行ってくれないか?」

 

 

 

 

 

 

「お……おお」

 

 

言われるがままに村松は外に出る。

 

 

 

「村松さん、攻撃なんて………俺がそんなことするわけないですよ……」

 

 

 

神栄は心当たりがあるか考えてはいるものの、特になかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の父と母は交通事故で亡くなったそうだな………」

 

 

 

「はい、そうらしいですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その時交通事故を起こしたもう一つの車は、俺と拓哉が乗っていた」

 

 

 

 

 

 

え……………?

 

 

 

 

 

俺の父と母が亡くなった理由が交通事故だったことは前々から知っていた。

 

 

 

 

だが、ぶつかったもう一つの車のことは知らなかった。

 

 

 

「は…………ははっ!そうでしたか………。別に過ぎたことだし、俺はなんとも思いませんが……理由がわかってよかったです。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

なんとも思いません、というのは全くの嘘だ。

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳がない、なぜなら………。

 

 

 

「俺はその時捕まりはしなかったものの、嫌われ者になってしまった。だから俺は椚ヶ丘に逃げた。そこでなんとか金を稼いで、拓哉をいい学校に行かせるよう頑張った。だから……あいつが悪いことは何一つない……!だから……拓哉には何もしないでくれ」

 

 

 

 

 

 

「俺は……そんなことはしません。絶対です」

 

 

神栄は村松の父の手を握り、少しずつ、昔のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

「村松さん、俺は…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父親が嫌いでした」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

「うちの父は横暴で、理不尽で、最低でした。でも………母は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の事を一番好きだと言ってくれた………ただ一人の女性なんですよ………!!」

 

 

神栄の目から、涙が落ちる。

 

 

 

「俺は………!俺は…………!母が死んだ時……事故を起こした人を……許しませんでした……。でも、もういいんです、終わったことだし………」

 

 

「…………」

 

 

 

神栄は何も言わずに松来軒を去っていった。

 

 

 

 

村松の父も、何も言わずに店の奥に行ってしまった。

 

 

 

 

その日、自宅で神栄は大声を出して泣いた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





話が話だったから、あとがきくらいテンション上げよう。



えーっ↑とぉ!次回はぁ鬱な展開をぶち壊すようにぃ「あの人」がやってきまぁす!


多分何話か続くかもぉしれませぇん!


(これはウザいな)


指摘、感想コメント待ってます!
あと、○○さんは俺の嫁企画(?)はまだまだ続いてるぞ!




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第68話 大会の時間


病んでる神栄を普通にさせるすげぇ人は………この人しかいない!


 

神栄はあれから1週間、外には出ていない。

 

 

 

外に出る気がないし、行ってもすることがないからだ。

 

 

 

 

1週間前のことを考えていると、頭がズキズキと痛む。

 

 

 

黒紀は現在海外出張で家に居らず、神栄は独りだ。

 

 

 

 

あれからゲームも触ってないし、食事もまともに取ってない。

 

 

 

ただずっと布団で横になってるだけだった。

 

 

 

「母さん…………会いたいよ……」

 

 

 

 

神栄は起きた時間を知りたくて、ケータイを開く。

 

 

 

現在は午前11時。

 

 

 

 

「………腹減らないな……」

 

 

 

 

食欲もないし、何かをやろうとする気も起きない。

 

 

 

そんな時に、1通の電話がかかった。

 

 

 

 

「………もしもし、誰ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『も、もしもし……神崎……です』

 

 

 

 

 

(珍しいな……神崎から電話だなんて……。まぁ、俺から電話したことないけど)

 

「何か用か?」

 

 

 

『ちょっと付き合って欲しくて…………今家の前にいるんだけど………』

 

 

 

 

おっと?家の前だと?

 

 

 

2階の窓から見ると、確かにいる。

 

 

「わかった……今から着替えるから……ちょっと待ってろ」

 

 

 

 

 

============================

 

 

「一体どうしたんだよ……神崎」

 

 

 

「突然ごめんね……?神栄君にしか頼めない事なの……」

 

 

 

俺にしか頼めない事、か。

 

 

 

 

どんな事だろう………。

 

 

 

とりあえず、あの事は忘れよう。

 

 

邪魔でしかない………。

 

 

 

今日は神崎と一緒に楽しもう。神栄は久しぶりに外に出る。

 

 

 

 

 

 

 

神崎とどこかへ歩いて行くと、何か懐かしい……。

 

 

 

 

これは………昔の記憶……?

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……!」

 

 

 

神栄の頭が再び痛くなる。

 

 

 

「母…………さん……!」

 

 

ふらぁっ……!と神栄は倒れそうになる。

 

 

それを神崎が止める。

 

 

 

神栄が軽かったおかげでなんとか神崎でも支えることができた。

 

 

 

「大丈夫?神栄君……!」

 

 

 

「あ…ああ、なんでもない…大丈夫だ」

 

 

 

 

(この感じだと……大丈夫ではなさそう……体調悪いのに…私のために無理してまで来たのかな……)

 

 

 

 

(いかんいかん、神崎に悟られないためにも……普通を演じなければ………)

 

 

 

その後、神崎について行くこと10分、やっと着いた。

 

 

 

 

着いた場所は………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲーセン?」

 

 

 

 

「うん、ここで定期的に大会があるの、2人1組だから、神栄君に頼んだの……。ダメ……かな?」

 

 

 

「ゲームのジャンルによるな……。シューティングゲームは苦手なんだが……」

 

 

 

「『コレ』だよ」

 

 

 

 

 

 

ゲーセン内に入り、神栄が見たものは、太鼓だ。

 

 

 

 

あれか、『太鼓の超人』ってヤツか。

 

 

リズムに合わせて太鼓を叩くゲームだ。

 

 

ゲーセンにはほとんどあって、有名なゲームである。

 

 

神栄も昔ハマっていた頃があったらしい。

 

 

 

 

「太鼓の超人か、まぁいいや、とりあえず選手登録するか……」

 

 

 

 

受け付けまで行くと、店員が数人で待ち構えている。

 

 

 

 

 

 

「すいません、ここの大会にエントリーしたいんですけど」

 

 

 

「こんにちは!今日は『カップルで太超大会』(太超は太鼓の超人の略)に参加するんですね?」

 

 

「カップル……?なんだそれ」

 

 

 

「カップルで太鼓の超人をやり、愛を深める大会ですよ!」

 

 

 

 

あぁ?なんだそりゃ。

 

 

まさか神崎……それを知ってて……?

 

 

 

 

 

「まぁいいや、はい」

 

 

 

「ありがとうございます!では、そちらの席でお待ちください」

 

 

 

 

係員の指示に従って席で待機する。

 

 

 

 

特に話す事も無いので2人は黙っている。

 

 

 

(そういえば、大体のゲーセンの大会って、優勝したら景品的なものくれるよな……。この大会の景品的なものはなんなんだろうな……)

 

 

 

「なぁ神崎」

 

 

 

「ど……どうしたの?」

 

 

 

 

「この大会で貰える物ってどんなのだ?」

 

 

「それは……勝ってからのお楽しみ☆」

 

 

 

 

くっ……!すげぇ可愛かった……!

 

 

 

照れっとしてるところがGOODだ。

 

 

 

 

 

ああ、そんな事考えてる俺は変人だ。

 

 

 

(たまには……こーゆーのも、アリなのかな……)

 

 

 

 

とりあえず勝ちゃいいんだ、この際手段は選ばない。

 

 

 

 

(景品が気になるから)絶対勝ってやる!

 

 

 

============================

 

 

 

対決方式はトーナメントだ。

 

 

 

神崎は椚ヶ丘市で知られた顔だからトーナメントも有利になるんじゃね?とか思っていたがそれは間違いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1回戦から全国大会に出場経験のあるヤツで、しかも前回のこの大会で優勝したらしい。

 

 

 

これは………ヤバくね?

 

 

 




僕は兄弟がいません。


兄弟ほしいです。

出来れば兄か姉が欲しかった………。



次回、神崎&神栄ペアVS強い人


指摘、感想コメント待ってるよ!


○○さんは俺の嫁企画の途中経過、

1位、速水さんと倉橋さん。2票
2位、神崎さん(作者が推薦)。1票



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第69話 大会の時間、2時間目


最近太鼓の○人はやってません、


だって難しいから……




「最初の曲は………さ○たま2000か……これは全良いかねぇと勝てねぇな……」

 

 

「2人の点数を足した得点が最終的な結果になるから、大丈夫だよ!」

 

 

 

最初は強い人達の番だ。

 

 

 

 

強い人、と言うだけあってミスは当然ない。

 

 

 

フルコンボか……まぁ普通なのか?

 

 

 

 

(俺の場合、ブランク(約3年)あるからな………フルコンボしただけでも感動もんだよ………)

 

 

 

 

神栄は柄でもなく緊張している。

 

 

「じゃあ……行こうか」

 

 

「ふぅ………いっちょ殺りますか…………!!!」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

『さぁ、始まるドン!!!』

 

 

 

 

〜〜〜♪♪♪〜♪〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪〜

 

 

 

ドドドカカカカカッ!と隣で聞こえる。

 

 

 

神崎すげえええ!

 

 

(俺も足手まといにならないように行くか………!!!)

 

 

 

 

 

 

 

結果、神崎は全良フルコンボ。

 

 

 

神栄は途中、危ない場面もありながらもギリギリのフルコンボだった。

 

 

 

 

勝負は、なんと1000点差で神崎&神栄ペアが勝った。

 

 

 

「なんとか難関を乗り越えたか……これで後は余裕で行けるな……」

 

 

 

神崎&神栄ペアは怒涛の勝利ラッシュを続ける。

 

 

 

だんだん太鼓の超人に慣れてきた神栄は、フルコンボが普通となり、神崎は安定の全良フルコンボだ。

 

 

 

流石神崎だ………。

 

 

 

 

そして、準決勝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何………!?特別ルールだと?」

 

 

 

 

 

「はい。準決勝からは速さ4倍モードで行ってもらいます。決勝では日本どこを探しても絶対に無い曲で戦ってもらいます。それは4倍モードではなく、ドロンモードでやってもらいます!!」

 

 

 

 

 

まるで神崎&神栄ペアを潰しに来たような特別ルールだ。

 

 

 

まぁそれでも神崎は行けるだろ……。

 

 

 

 

 

「なんとかなるだろ?神崎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、普通のモード以外でやったこと無いの………」

 

 

 

 

「え………嘘だろ……!?」

 

 

「ああ、それと言い忘れました。準決勝からは2人同時ではなく、1対1でやってもらって、2勝した方の勝ちです!1回勝った人は2回目も戦えます!要は勝ち残り対決です!!!」

 

 

 

 

 

これはマズイ!

 

 

相手がどれだけやりこんでるかなんて知らないし、まず相手がどういう奴らなのかすら知らない。

 

 

 

これは詰んだのか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だが神栄の嫌いなものは2つある。

 

 

1つは、姉のような人。

 

 

もう1つは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負に負けることだ。

 

 

 

 

 

 

「どうするの?神栄君……!」

 

 

「なぁに……俺に考えがある……!」

 

 

「…………?」

 

 

============================

 

 

 

対決まで残り3分、そろそろ行かないとまずい時間となった。

 

 

 

 

「神崎、順番の件だが……最初に出てもらえないか?神崎のやり方を見て、それを覚えて俺が全良フルコンボしてやる……だから……頼む」

 

 

 

「うん……わかった、頑張るよ……」

 

 

 

 

「ミスしても大丈夫だからな?変な緊張しないで、俺に任せろ!」

 

 

 

「うん………よろしくね…?神栄君」

 

 

そう言って台の前に神崎が立つ。

 

 

 

神栄はそれを見る。

 

 

 

 

(頼む………神崎!!!)

 

 

 

 

 

準決勝の曲は、幽玄○乱だ。

 

 

 

とても難しいことで有名な曲で、フルコンボする人はいるが今回は4倍の速さだ。

 

 

 

フルコンボはしなくていい、でも……出来る限りの事は……してくれ!!!神崎!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに曲が始まる。

 

 

 

〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪♪〜♪♪♪♪

 

 

 

 

 

 

 

「は……………速すぎる!」

 

 

 

 

想像以上の速さに、神崎はミスを重ねてしまう。

 

 

 

 

相手は100コンボ程行って失敗している。

 

 

 

(相手の方が点数高いな……。だが、俺が全良フルコンボすれば勝機はある!)

 

 

 

 

 

 

神栄は今までやってきたリズムゲームを思い出す。

 

 

 

(リズムを覚えろ……順番を覚えろ………!!!これは作業だ。フルコンボするっていう……作業だ!)

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

結果、神崎は負けた。

 

 

 

しかも、相当差が開いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対決が終わると、先ほどの相手がヘラヘラとしている。

 

 

 

 

「俺もヤバかったけど、相手が雑魚でよかったよ………」

 

 

 

 

「…!」

 

 

 

神崎が雑魚?

 

 

 

ふざけるな………!神崎は弱くなんかない。

 

 

 

 

俺にゲームで勝ってる神崎が、あんなやつより弱いわけがない!

 

 

 

 

「私、弱いのかな……?」

 

 

 

神崎が涙目になる。

 

 

 

 

初めて見た、神崎の泣く姿。

 

 

 

 

 

俺はあいつが許せない。

 

 

 

 

人の涙なんか…………見たくないんだよ!!!

 

 

 

 

 

 

「あいつも弱そうだし、優勝は俺らかー………ハハハハッ!次も絶対勝ってやるよ……!ハハハハッ!」

 

 

 

ふざけんな…………優勝すんのは…………俺と神崎だ、これだけは誰にも譲れない……!!

 

 

 

 

「フーッ…………!!完璧だ、あの曲も、全部覚えたわ……………!!」

 

 

 

 

 

(神栄君………あの短時間で完璧に覚えたの……!?)

 

 

 

「神崎、俺が………絶対勝ってやるよ……!だから………!!」

 

 

 

 

 

 

 

「うん………頑張って……私の分まで………殺ってきて!」

 

 

 

 

神栄は神崎の頭をポンポンと叩き、こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「任せとけ、ぶっ殺してやる」

 

 




イケメン神栄、降臨。



次回大会編完結の予定


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第70話 大会の時間、3時間目


やっぱ今回では終われませんね、次回完結(の予定)です





 

(………んじゃ、行きますか……)

 

 

 

神栄はバチを持ち、曲が始まるのを待つ。

 

 

 

相手は常に笑顔をこちらに見せてくる。

 

 

だが、そんなの見てる暇はない。

 

 

 

全良フルコンボを出して、奴らの焦っている顔を見せてやる、という思いで戦いに臨んでいる。

 

 

 

だから、本気で殺る。

 

 

 

『さぁ、はっじまるドン!!!』

 

 

 

 

〜〜♪♪〜♪〜♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪

 

 

 

ドドドカカカカカッ!!

 

 

 

神栄は見事にタイミングを合わせて曲中盤に入ってもミスはしていない。

 

 

 

一方隣では、先ほどの笑顔が嘘のように焦った顔をしている。

 

 

 

隣では今の所全良していて、しかもまだミスはしていない。

 

 

それに『絶対勝つ』という言葉の重さをようやく知ったらしい。

 

 

 

相手は焦りなどから中盤ほとんどタイミングが合わず、ミスを連続してしまう事が増えた。

 

 

 

 

 

それに比べ神栄は余裕の表情だ。

 

 

 

 

〜〜〜♪♪♪〜♪〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪〜

 

 

 

「これで敵討ちは完了…………と」

 

 

 

 

(はぁ……想像以上に手ごたえのないヤツだったな……これで終わりだ!!)

 

 

 

 

神栄の台では、『フルコンボだドン!』という声が出てきて、曲が終わる。対決終了だ。

 

 

周りからは歓声が上がり、神栄は一気に注目された。

 

 

 

 

神栄は全良フルコンボという偉業を成し遂げ、圧倒的な差で勝った。

 

 

 

「ふぅ……なんとかいけたか……まだ次があるんだけど……疲れた」

 

 

ゲーセン内のひと気の無いところで神崎が待っている。

 

 

 

 

 

神栄は祝福してくれる人混みを押し退け、神崎のところまで行き、笑顔でこう言った。

 

 

 

 

 

 

「ただいま………有希子」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ…………え!?

 

 

 

いやなんでこんな事言ってんだよ俺!別にそういうわけで言ったつもりじゃないし大して深い意味はないんですよごめんなさいごめんなさいごめんなさい!

 

 

神栄は顔を赤くして下を向いてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん……今のは無かったことにして………くれ……」

 

(やべっ!あんなこと言ってしまった!聞こえてないよな……てか聞こえて欲しくない!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎はニコッとしながら神栄の前に立ち、

 

 

 

 

 

 

「おかえり、碧君」

 

 

 

 

 

と言って……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抱きついた。

 

 

 

「ありがとう………碧君」

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

ちょっと待ってください心の準備が出来ていません今めっちゃ恥ずかしい思いしてからこんなことされると流石に俺もその笑顔に殺られちゃいますって!

 

 

 

「え………あ………その……離してもらって………いい……ですか…神崎…さん」

 

 

 

声を出すも、神崎には聞こえてない。

 

 

 

 

あれから1分くらい抱きつかれたままだ。

 

 

 

一瞬、いや、ずっとこのままでいいとか思っていたけど、流石にこの状況はマズイ。

 

 

 

神栄の頭は完全にパンクしている。

 

 

 

 

「〜〜〜ッ!」

 

 

俺は、昔こんな感じだったのか……。

 

 

 

 

有希……神崎とこんな感じで遊んでいたのか………。

 

 

 

何故か神崎を見ていると顔が赤くなってしまう。

 

 

 

 

 

これは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『恋』なのか?

(作者はこんな思いしたことありませんが間違いなくそれは『恋』です)

 

 

2分後、

 

 

やっと正気に戻った神栄は強引に神崎を離した。神崎は少しいやそうな顔をしていた。

 

 

 

どれだけ神栄と居たかったのかが、よくわかった。

 

 

 

 

 

「神崎………、その………」

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの?碧君」

 

 

 

その碧君っていうの……やめてほしい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故かって?照れるからだよ。

 

 

 

 

「決勝戦……あとちょっとで始まるぞ?」

 

 

 

 

「………決勝なんかよりも…碧君とずっと一緒にいたいなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良いのか悪いのか………聞こえてしまった。

 

 

 

「お……おい!さっさと行ってさっさと終わらせようぜ……!」

 

 

 

神崎は残念そうな顔をしているが、また笑顔になり、

 

 

 

 

「うん!」

 

 

 

と言った。

 

 

 

 

 

………今の超かわいかった……。

 

 

 

まともに太鼓叩けなさそうだな……………これは…。

 

 

 

 





神栄はついに『恋』をしてしまったな……



てか、神崎さんに抱きつかれたら襲ってしまいそうだ………

おまわりさん、コイツです。


そんなことより次回は決勝戦!2人は勝てるのか!?

指摘、感想コメント待ってるゾ☆
(食蜂さん風に言ってみました。男が言うと気持ち悪いですね、はい)




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第71話 大会の時間、4時間目


朝から何も食べてない!!!


さて、決勝戦の前にルールをおさらいしよう。

 

 

 

決勝戦の曲は誰もやったことの無い曲で、しかもドロンモード。

 

 

完全初見なのにこれは無いだろ……

 

 

 

以上。

 

 

 

 

「って、おさらい少ないなおい!」

 

 

 

 

============================

 

 

 

「まぁ、決勝戦は気楽に行こうか、相手も知らない曲だし、なんとかなんだろ」

 

 

神栄は先ほどの作戦と同じく、神崎を最初に出そうとした。

 

 

 

 

神崎が台へ移動しようとした時、

 

 

 

 

「碧君、相手に点数で勝ったら、何してくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

え?何かしなきゃいけないの?

 

 

 

それ岡島が聞いたら鼻血モンだよ……。

 

 

 

「決まってないなら……私がやってる間に、考えておいてね?」

 

 

 

おいおいマジかよ………。

 

 

 

(これ、絶対勝っちゃうって!)

 

 

 

 

『えー、決勝戦の曲は……。

 

 

 

 

 

 

 

《自力本願レボリューション》です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

し………知らねぇ!本当に知らねぇ曲来やがった!

 

 

 

 

 

なんだよ自力本願レボリューションって!

(アニメ第2クールのopです)

 

 

 

神崎が拗ねないようなご褒美をあげれればいいのだが、見つからない。

 

 

 

 

そんなことを考えているうちに、曲は始まってしまった。

 

 

 

〜〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪♪〜♪♪♪♪〜〜

 

 

流石完全初見といったところか、2人共ミスが多い。

 

 

 

 

しかし、若干神崎がリードしている。

 

 

 

 

 

「壁ドン………」

 

 

 

 

 

いや待て、正気に戻れ神栄 碧!

 

 

これはやってる自分が恥ずかしいぞ!

 

 

 

 

 

 

ついに曲が終了。

 

 

 

 

勝ったのは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎だった。

 

 

 

 

 

「……ただいま、碧君」

 

 

 

もう…………どうにでもなれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄は神崎の前に立ち、神崎を抱く。

 

 

 

 

そして、頭をポンポンと叩き、「おつかれ」と耳元で囁く。

 

 

 

 

 

(よし……これで神崎へのご褒美は終わった。あとは俺が、勝つのみだ)

 

 

神栄は台の前に立ち、バチをクルクルさせる。

 

 

 

その瞬間、周りからは歓声が上がる。

 

 

 

「っしゃあ!来いや!優勝は俺らのもんだ!」

 

 

 

〜〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪♪〜♪♪♪♪♪〜

 

 

(うわ……難しい……。隣の奴も地味に上手いし、勝てんのか?これ)

 

 

 

 

神栄はついに、この曲で初のミスをする。

 

 

 

「うわっ!あの人ついにミスしたぞ!」

 

「でも……点数では勝ってる!がんばれ!」

 

 

 

その一言から、謎のがんばれコールが出始めた。

 

 

(う………うるせぇ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、曲が終了。

 

 

 

 

結果は………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎&神栄ペアの勝利。

 

 

 

 

「……はぁ、なんとか勝ったか……」

 

 

 

 

『おめでとうございます!では、景品の発表です!』

 

 

 

そうだった、それを忘れていた。

 

 

 

神栄はワクワクしながら景品をゲットした。

 

 

 

 

それは、カードのような物だった。

 

 

「なんだ?これ」

 

 

 

『優勝景品は、プリクラ無料券です!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

『プリクラにこのカードをスキャンすれば、無料で撮れるんですよ!カップルで撮ってくださいね!』

 

 

 

「き……期待した結果がこれかよおおお!!!!」

 

 

 

「…………」

 

 

 

神崎がなんか嬉しそうにしてるから、まぁ、よしとするか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表彰式が終わり、もう夜になりつつある。

 

 

 

ゲーセン内にいた人のほとんどが帰り、いつもうるさいゲーセンが珍しく静かだ。

 

 

「ふぅ、みんなもう帰ってるし、俺らも帰ろうぜ、今日は疲れた…」

 

 

 

「ねぇ……碧君」

 

 

 

 

だからその碧君っていうのを本当にやめてもらいたい……。

 

 

 

「なんだ?まだ遊ぶのか……?」

 

 

 

 

 

「いや、コレを貰ったことだし、記念に一枚撮らない?」

 

 

 

============================

 

 

 

「これ……どうやるんだよ……」

 

 

 

 

神栄は生まれて初めてプリクラと言う名の詐欺マシーンの中に入った。

 

 

 

「これが現代に生きる最新機械か………すげぇ…!」

 

 

 

 

「とりあえずパパッとやっちゃお?」

 

 

言われるがままに動いて、撮影開始。

 

 

 

 

 

 

(今日は、神崎のいろんな表情が見れたな………。楽しかった…またやりてぇな……)

 

 

パシャッ!

 

 

 

 

「うわ……ひでぇ顔だな、俺」

 

 

 

 

「私も、これはすごいと思っちゃった………」

 

 

 

目がキラッ☆としていて、むっちゃくちゃ気持ち悪い。

 

 

 

 

『次はポーズをとってね!』

 

 

 

機械からそんな声が聞こえると、2人はピースをした。

 

 

 

「これが一番良いかもしれないな………」

 

 

 

 

結局、あれから何枚か撮った。

 

 

 

とても楽しかったけど、とても疲れた…………。

 

 

 

 

帰り道、2人で帰っていると、何か変な感じがする。

 

 

 

 

 

誰かが見ているわけではないんだが…頭がふらつく。

 

 

 

 

あ、そういえば…………。

 

 

 

 

 

 

 

朝から何も食べてない………。

 

 

 

 

 

これは……貧血!?

 

 

 




あ、そういえば、結構前に僕の友達のリュカ君とTRPGをやりました。

それが今小説となり投稿されています。タイトルは『れっつくとぅるふ!』だっけな?

僕のバカっぷりをとくとご覧あれ……ww

それと、リュカ君はオリジナル作品を書いています、よければそちらも見てください!


次回、貧血神栄は生きて帰れるのか?


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第72話 つらい時間



うわぁ……課題終わんねぇ……


 

 

「あっ………」

 

 

 

突然周りが見えなくなった神栄は、フラフラしながら歩いている。

 

 

「おっ…!!?」

 

 

 

神栄は電柱にぶつかり、倒れてしまった。

 

 

「大丈夫!?碧君……!」

 

 

 

 

「………ん、ちょっとやばいかも……家まで帰れなさそう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ……私の家に泊まる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、いいや。

 

 

 

 

どうにでもなれ……!

 

 

 

 

 

「お世話になります………」

 

 

 

============================

 

 

 

 

「おじゃまします………」

 

 

 

 

「有希子!こんな遅くまで何してたんだ!」

 

 

 

 

神崎の家に着いた瞬間こんな声が聞こえた。

 

 

そりゃそうか、いい年の少女が夜遅くまで外に出てたら父も心配するよな……。

 

 

 

父がいない神栄にはわからないことだが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません、有希子さんと一緒に遊ぼうと言った僕が悪かったです。ごめんなさい」

 

 

 

 

「え……?碧君?」

 

 

 

「そのお詫びと言ってはアレですが、今日1日僕が勉強を教えますよ。一応、学年3位なんで」

 

 

 

 

 

おそらく神崎の父は"遊んでる暇があったら勉強しろ"という奴だろうと思い、神栄は素直に謝り、もめ事を起こさずに神崎の家に入ろうとした。

 

 

 

神栄はケータイを取り出し、テストの点数を神崎の父に見せつけた。

 

 

「な……本当に学年3位なのか…!」

 

 

 

「はい。だから入れてください、マジで倒れそうなんで………」

 

 

 

 

これで神栄の信用度を上げることに成功した。

 

 

 

 

 

神崎の父は神栄を神崎の部屋へと案内した。

 

 

 

 

「やべぇ………フラッフラする、死ぬかと思った………とりあえず寝させてくれ」

 

 

これが神栄の家なら真っ先にベットに突っ込むが、ここは神崎の家だ。流石に女子のベットに突っ込むなんてアホな事はしない。

 

 

 

神栄は若干冷たい床に倒れ、目を瞑った。

 

 

 

 

 

(思えば、俺が小さい頃にこの街に来て、道に迷ったところから出会ったんだよな……)

 

 

 

神栄は昔のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………のだが、全てをかき消すように事故のことを思い出してしまう。

 

 

 

 

今まで目の前にいた母が、一瞬で消えた。

 

 

 

「母………さん」

 

 

 

神栄は無意識に母さん、と連呼する。

 

 

 

 

 

(碧君………昔のことを……)

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

神栄の母、神栄 志乃と父の神栄 緑夜(かみさか りょくや)が亡くなったのは、神栄が小学1年生の夏、神崎と出会い、そして別れる時だった。

 

 

 

 

神栄家では、引越しのために新しい家を見に行くために、車でその場所まで行っていた。

 

 

 

 

 

その時に、悲劇は起こった。

 

 

 

 

神栄が当時見たものは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボロボロになっている車、そして、

 

 

 

 

 

 

 

神栄姉弟を守ろうとしていた父と母の姿だった。

 

 

 

姉弟2人は血塗れになり、当時からすればトラウマになってしまう状況だった。

 

 

 

 

そこからは………覚えていない…。

 

 

 

 

 

「母さん………帰ってきてよ………母…………さん」

 

 

 

 

「碧君………そんなにお母さんの事が……」

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

朝、神栄が起きた時にはなぜかベットにいた。

 

 

「あ?なんで俺がここに……?」

 

 

 

むくっ、と起き上がると、神崎は自分の机に伏せて寝ている。

 

 

 

(………これもお礼だ、よいしょっ……と)

 

 

 

神栄は神崎を起こさないように椅子からベットに移動させた。

 

 

 

(……人の寝顔って、こんなに可愛いのか……!?)

 

 

 

いかんいかん、耐えろ耐えるんだ俺の理性。

 

 

 

興奮したら負けだ。

 

 

 

 

 

 

 

神栄がリビングに着くと、食事が置いてある。

 

 

 

「あ……朝からすいません……」

 

 

 

「いいのよ、勉強教えてもらってるんだしね!で、有希子ちゃんとはどうなの?付き合ってるの?」

 

 

 

母がノリノリなのは意外だ。

 

 

 

神崎の母のことだから、おしとやかな人だと思ったのに。

 

 

 

というか、この人俺が昔ここにいたことを覚えてないのか……?

 

 

 

「いや……俺が有希子さんのこと好きだとしても、有希子さんが俺のこと好きじゃないと思いますよ…」

 

 

 

「そうかなぁ?男の子を家にあげるなんて初めてだよ?」

 

 

 

そもそも神崎に話しかけてくる人がいないから家にあげる事がなかったんじゃないのか……?

 

 

 

それに神崎ってゲーム好きなこと隠してるんじゃなかったっけ?

 

 

「あ、いただきます」

 

 

 

「召し上がれ」

 

 

 

このやり取りは神栄にとっては懐かしい。

 

 

 

神栄の叔父の家などでは、叔父がいなかったり、1人でご飯を食べている事が多かったので、こういうのは正直やってみたかった。

 

 

 

「いいですね……家族って」

 

 

「突然どうしたの?……えっと、名前なんだっけ」

 

 

 

「神栄 碧です。俺……家族が誰もいないんですよ……」

 

 

 

誰もいない、というのは間違いだ。

 

 

だが神栄はそういうものだと思っている。

 

 

 

「そっか……いつでも家に来ていいからね?それは有希子ちゃんも望んでるかもしれないけどね」

 

 

 

 

「えっ……あっ……その……そんな心配しなくてもいいですよ?もう慣れてますし」

 

 

 

「急に照れちゃって!ヘタレだなぁ!神栄君は!」

(神栄君は超ヘタレです)

 

 

 

「ハッ…ハハハ」

 

 

神栄は食事を取った後、神崎にはなにも言わずに帰って行った。

 

 

 

 

 

「いつでも来なよ……か」

 

 

 

 

 

多分………また行くかも……。

 

 

 

 







神崎編終了ー!

ああ、神崎のお母さんがあんなフレンドリーなのは僕の想像です。


次回からアレですかね、実家訪問編かな?


誰を誘おっかな………。


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第73話 実家の時間

「じっか」の「じっか」ん………なんてねw


 

神崎の家から自宅に帰ってきた直後、神栄の帰りを待っていたかのように電話が鳴った。

 

 

 

 

 

 

「なんだよ………まさか神崎じゃねぇだろうな……」

 

 

 

電話を取ると、聞き覚えのある声がした。

 

 

『やぁ、碧クン!東条 早希でーす!』

 

 

 

「貴女から電話してくるなんて珍しいですね、で、何の用ですか?早希さん」

 

 

『明後日までに(早希の)お父さんの家に来なさい!だってよ!明日なら私もいるよー?』

 

 

「絶対明後日に行きます。てか、三郎さんの家に行きたくねぇ……」

 

 

『私も半ば強制的に来てるからねぇ、あ!お友達も連れてこい!だってよ』

 

 

「それ絶対早希さんの希望ですよね、貴女普通三郎さんと話しませんよね、本当は今日も明日も明後日も実家に居ますよね?ねぇ、聞いてるんですk……」

 

 

『しつこいオトコは、嫌われるゾ☆』

 

 

「……うぜぇ」

 

 

神栄は耐えられずに電話を切り、スマートフォンを開き、L○NEの3年E組のグループでみんなに明後日行けるか聞いてみる事にした。

 

 

 

神栄『明後日、俺の実家に行きたい人いるか?』

 

 

10秒後、

 

 

 

中村『行く(`・ω・)』

 

倉橋『行くー!』

 

 

速っ!そして女子ィ!?

 

 

 

確かにこういう系のヤツだと女子がノリノリなのはわかる。

 

 

 

磯貝『行きたい』

 

 

 

なぜ希望なんだよ。それに磯貝って兄弟いるんだよな?泊まりだけど大丈夫なのか?

 

 

 

CHIKURIN『行けないo(`ω´ )o』

 

 

 

 

 

 

だったら送るなよ……紛らわしいんだよ!

 

 

てか、CHIKURINって誰だよ。

 

 

 

ちくりん………竹林(ちくりん)…………ああ、竹林(たけばやし)か。

 

 

 

結局「行ける」と言った人たちは、

 

 

磯貝、カルマ、岡野、倉橋、渚、杉野、千葉、中村、速水、不破だ。

 

 

 

(神栄含め)10人か……。うん、多い。

 

 

 

とりあえず集合場所を設定し、明後日になるのを待った。

 

 

 

 

 

そして2日後、

 

 

 

 

まさかの不破、岡野、杉野らがキャンセルしたので、7人になった。

 

 

 

しかし、何故か神崎、矢田が入ってきて結局9人となった。

 

 

「とりあえず集まったか……お前ら『もちろん』財布持ってきたよな?」

 

 

「持ってきてるわけないじゃん」

 

 

 

え、全員持ってきてないの?

 

 

 

磯貝は持ってきてそうだよね!そうだよね!

 

 

 

「ん?俺か?持ってきてないぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信用できる人に裏切られた時の悲しみは、言葉では表せないと思うんだが……みんなはどうだい?

 

 

 

 

「なんでここで余計な出費を……」

 

 

神栄は全員分の切符を買い、みんなに渡す。

 

 

 

五千円札出してお釣りが三千円しか返ってこない。

 

 

 

これはどういうことですか?J○さん。

 

 

============================

 

 

椚ヶ丘駅から少し離れた場所で、神栄達は降りる。

 

 

 

「なぁ、神栄の実家って、どんなところなんだ?」

 

 

 

磯貝は当然言われるであろう質問の第1位を見事言ってくれた。

 

 

 

 

「ん?ああ、一言で言えば大豪邸だな。あそこでかくれんぼしたら、行方不明者が出てくるほど広い」

 

 

 

「マジで!?!?」

 

 

実際、神栄があそこに行ったのも結構前なので、実家がどうなってるかはわからない。

 

 

それと、『実家』とは言っているものの、東条家の実家であって、神栄家の実家はまた違う。

 

 

 

神栄家の実家は東京には無く、大阪にある。

 

 

いざとなれば行けるが、当分行かないだろう。

 

 

 

 

 

さて、とある駅から歩いて約30分、ついに東条家の実家に着いた。

 

 

 

 

 

先に言っておこう。東条家は神栄家よりも大きいグループだ。

 

 

 

しかも、東条家の方は政治家と仲が良く、地味に暗殺について知ってるらしい。

 

 

これに関しては神栄もよく知らない。この情報が本当かすらわからないし、嘘かもしれない。

 

 

 

それに、ヤクザとの関係も少なくなく、結構悪いヤツなのだ。

 

 

その東条 三郎は神栄の父によく似て、横暴で理不尽な男である。

 

 

 

今回何があって神栄を実家に招待したのかはわからないが、きっと何かあるに違いない。

 

 

 

 

 

だが、無駄に楽しみにしてるあいつらを心配させるわけにはいかない。

 

 

 

 

神栄は不安を胸に東条家の実家まで行った………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




課題(色んな意味で)終わった。


音楽聴きながらだったからかな?英語難しすぎる……!!



僕はfripsideの曲が好きです。

そんなことより次回、神栄ピンチ


指摘、感想コメント待ってるぜ


追記、タグに『オリ主ヘタレ』を追加したぜ……




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第74話 実家の時間、2時間目

課題終わったぜ!

それと、誠に勝手ながら、カルマを入れる事にしました。


第73話にも、カルマの名前を書いておくので、よろしくお願いします。


ああ、あと超展開注意です。


コメント次第では、消す可能性のある話です。

突然消えても何も言わないでね!



 

「で…………デカい!」

 

 

「すごすぎるだろ……神栄の実家!」

 

 

 

まぁ正確には『東条さんの』家だがな。

 

 

 

神栄は大きな門を開け、中へ入る。

 

 

 

 

「こんにちは、神栄様、それとご学友のみなさん」

 

 

「久しぶりですな、杉谷」

 

 

 

「ええ、私も今日を楽しみにしておりました」

 

 

杉谷 輝夜(すぎや かぐよ)この人は東条家の執事で、家事全般をこなすすごい人だ。

 

 

ちなみに男です。

 

 

「てか、なんで三郎さんは俺らを呼んだんすか?」

 

 

「さぁ、私も詳しいことは聞いてないので………」

 

 

 

 

まぁ、いいか。

 

 

 

============================

 

 

建物内に入ると、「西洋の城かっ!」と突っ込みたくなるほど城だ。

 

 

本当に………城。

 

 

 

「これってさ……家?」

 

 

 

「多分………家だと思う」

 

 

神栄はキョロキョロと周りを見渡す。

 

 

 

まるでハ○ー・ポッターのホ○ワーツ魔法学校みたいだな………。

 

 

 

杉谷さんの後ろをついていくと、大きな扉がある。

 

 

 

おそらくここが三郎さんの部屋なのだろう。

 

 

 

杉谷さんは立ち止まり、クルリと振り向く。

 

 

 

「神栄様、おじいさまに挨拶を、そしてご学友のみなさんはこの先にある待合室でお待ちください。では、こちらです」

 

 

 

「………ここで俺は1人、か」

 

 

 

 

神栄は両手を使い大きい扉を開ける。

 

 

そこには……東条 三郎が待っていた。

 

 

 

「やぁ、碧。久しぶりだな」

 

 

 

 

「はい……そうですね」

 

 

 

 

「………あ?」

 

 

 

三郎さんは突然顔色を変え、神栄を睨みつけている。

 

 

 

「お前………弱くなったか?」

 

 

 

「いえ……俺はどこも弱くなんかなってな……」

 

 

 

「お前、確か超生物を殺す任務をやってるらしいな、防衛省の奴から聞いたよ。それで何か変わったか?」

 

 

 

 

「………変わりましたよ。人に頼るってことや……その他にもたくさん」

 

 

 

「へぇ………。あ、そういえば、9月になったらその超生物を本気で殺すらしい。茜音がな」

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

あいつは現在A組に居て、暗殺の事は全く知らないはずなのに……前もそうだ。なんで知ってやがる!

 

 

 

「茜音の奴は貴様を使うらしいな、どういう物か見せてもらったが、なかなかいいと思う。お前は死ぬかもしれんがなァ!ハハハハハ!!」

 

 

 

「………」

 

 

 

そう、東条 三郎にとって神栄 碧という人間はゴミクズ同然である。

 

 

東条家の中では才能のある人しか普通の人間ではないらしい。

 

 

 

それに、女に負けてる俺は東条家の中では最底辺の扱いなのだ。

 

 

これだから……ここには行きたくなかった……。

 

 

 

「で、どうだ。最底辺のクラスにいる感想は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………実に素晴らしいクラスだと思いますよ。俺は本校舎の人たちよりも100倍いいと思いますけどね」

 

 

 

「碧、ちょっとこっち来い」

 

 

 

 

神栄は恐る恐る三郎さんに近づく。

 

 

 

 

そして……。

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで言えるまで腐ったか、汚物は掃除してやろう。おい、お前ら、こいつを処分しろ」

 

 

 

 

その瞬間、黒い服を着た男が数人、神栄をどこかへと連れ去った。

 

 

 

============================

 

 

 

「神栄遅くない?」

 

 

 

「そうだな……あれから30分くらい経つぞ?」

 

 

 

「電話してみろよ……」

 

 

千葉が神栄に電話するが、出てこない。

 

 

 

 

はぁ、と諦めて電話を切ろうとしたその時。

 

 

 

 

『やぁ、君たちは碧とかいうゴミクズの友達かい?』

 

 

 

「!?」

 

 

この声は、神栄ではない……!

 

 

 

 

 

「誰だ、あんた」

 

 

 

千葉はみんなを呼び、この声を聞かせた。

 

 

『今、神栄 碧を預かっている。汚物を助けたかったら、ここまで来るがいい。ああ、今この瞬間、出口に繋がる全ての門は閉めさせてもらった。出れる可能性は2つ。1つはゴミクズの救出を諦めるという事、そして、ゴミクズを助ける事だ。ああそれと、午後の5時までに来なかったら、こいつを殺す』

 

 

 

「なにを言ってるんだ……!」

 

 

 

『グッ……!ガアアアアアア!』

 

 

 

ボキッ!グシャッ!とエグい音が響いている。

 

 

 

『さぁ、ヤッテミナ。落ちこぼれクラスのクソ野郎共さんよ』

 

 

 

ブチッ!と強制的に電話を切られ、千葉は先ほどの状況を説明した。

 

 

 

「なんで神栄はあんな事されてんだよ……!」

 

 

 

「ねぇ!みんな!」

 

 

 

渚は慌てて何かを言おうとしている。

 

 

「これ………使えるかも」

 

 

 

 

そこにあったのは、本物の拳銃、そして、ナイフ。

 

 

拳銃は三丁ある。

 

 

 

 

「拳銃は千葉と速水と俺が持ってるか……」

 

 

「ていうか、ここから出れんの?さっき鍵かけられなかった?」

 

 

 

「そこは強引に開けるしかないとして、まずどこから探すかだ、闇雲に探しても時間がかかるだけだし、ある場所に絞っていかないとな……」

 

 

 

すると、千葉がこの家の地図を見つけた。

 

 

 

 

「さっきの会話から、外っていう事は無かったな、風の音はしなかったし、だからここから遠いところにある場所かもしれない」

 

 

 

この家は2つの城のようなものからできたものである。

 

 

 

千葉はもう1つの方の城に神栄らがいる、と考えた。

 

 

 

「わかった、じゃあ行くか…」

 

 

 

磯貝が扉を開けようとした時、

 

 

 

バタン!と誰かが倒れる音がした。

 

 

 

神崎、矢田、倉橋だ。

 

 

 

「え……?」

 

 

 

「……多分これだ、この紅茶だよ」

 

 

 

速水が紅茶をみんなに見せる。

 

 

 

そして、それを磯貝が壊す。

 

 

 

「クソっ……!ヒントも無いのかよ……!」

 

 

「殺せんせーに電話しようよ!それが今は一番かもしれない……!」

 

 

 

渚がスマートフォンを取り出す。

 

 

 

 

しかし、現在圏外である。

 

 

 

「……やられた!」

 

 

 

 

「しかも、周りの執事たちは敵かもしれないし……」

 

 

「いや、さっき通った道もそうだし他もだけど、執事が通ってるのはあの人だけだった。だから簡単に行く事はできる」

 

 

 

現在、午後1時。

 

 

制限時間まで、あと4時間を切った。

 

 

 

「やるっきゃないのか……俺らだけで……」

 

 

 

「会ったらぶっ飛ばしてやる……」

 

 

 

ここで、カルマは考えていた。

 

 

 

(確かに難しいミッションだけど、そこまで悩むようなものじゃない気がする……電話から聞こえた神栄と電話に出ていた人以外の声からして、その部屋には複数人が入れるほどの大きさがある。しかも、無駄に声が響いていたという事は、地下?なのか?)

 

 

「カルマ君?」

 

 

 

「やけに簡単なお仕事だ。これならいけるかもな………神栄にはあとでお金もらおう……」

 

 

「カルマ君!?」

 

 

 

 

「よし、行こうか、みんな」

 

 

 

 




なんなんだよ東条さん。


勝手に連れ去るとかマジありえない!


次回、救出できるのか!?


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第75話 実家の時間、3時間目

なんとか出来たよ………。


碧クン災難の回


 

 

東条家、とある場所にて……

 

 

 

「あんた……三郎さんじゃないだろ……!」

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

三郎さんは、確かに横暴だ。

 

 

 

でも、そこまでするような人ではなかったはずだ。

 

 

 

 

「…………何を言っている。俺は東条 三郎だが、何か?」

 

 

 

「誰だ」

 

 

 

 

「こんな状況で何を言ってる」

 

 

 

なんか………違う。

 

 

(………………あやしい…)

 

 

 

============================

 

 

 

「え?地下?」

 

 

 

時間は少し戻り、カルマが作戦をみんなに伝え、ドアを開けようとする時だ。

 

 

 

 

「そう、確かにここはデカくて特定の人物をすぐに見つけるのには難しいが、部屋を見る限り広い部屋は少ない。それに、電話の奥から聞こえた声がよく響いてたんだよ」

 

 

 

「……カルマ、あの短時間でよくわかったな!」

 

 

 

「まぁ、そんなもんだよ。で、神崎さん達をそこにおいていくワケだけど、中村さん、ここに残って3人の様子を見ててくんない?」

 

 

「あー、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

カルマ達は部屋から出て、地下への道を探していると、杉谷さんが慌ててこちらにやって来た。

 

 

 

 

「みなさん……!先ほど電話に出てきた人は………!!」

 

 

 

「ど……どうしたんですか!?」

 

 

 

「あの人は三郎様なんかじゃないんです………!おそらく……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

みんなは杉谷さんの話を詳しく聞くことにした。

 

 

 

 

 

当然、早歩きしながらだ。

 

 

「……あの人が本当の三郎さんじゃないって、どういうことですか?」

 

 

「なんといいますか……これが本当の三郎様だとしたら、行動が大胆というか……普通ならあの方は陰でヒソヒソやりながら何かを行うんですよ……」

 

 

 

(((やってることが最低だ……!)))

 

 

 

 

杉谷さんが考えるに、あの人は本当の三郎さんではない、もしくは誰かに操られている、という結果になった。

 

 

 

本当の三郎さんではない、となると少し証拠がないが、操られている、となると少しわかる気がする。

 

 

 

「神栄君はどこにいるんだろう…………」

 

 

 

 

============================

 

 

 

「多分あんたは三郎さんで合ってるな。誰かに操られてんだろ?答えろ」

 

 

 

 

「……………出てこい」

 

 

 

 

ん?こいつ誰に言ってんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、久しぶりだね、碧クン」

 

 

 

この声は、聞き覚えがある。

 

 

 

 

テンションの高い声で、黒髪の美しい女性。

 

 

そんな人は1人しかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早希さん?何やってんですか?」

 

 

 

「それはあの人たちが来てからのお楽しみだよ……フフフ」

 

 

 

 

早希さんは本当によくわからない人だ。

 

 

 

 

あの人……とはどういうことだ?

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

話はまた変わり、カルマ達が神栄を探しているときに戻る。

 

 

 

 

 

 

「ここだな………そうですよね?杉谷さん?」

 

 

 

 

「はい、ここしか地下に繋がる道はありません……三郎様が城を改造していなければ……」

 

 

 

「んじゃ、開けるか」

 

 

 

 

磯貝がドアを開けると、そこには1人の男、そして神栄と、1人の女性がいる。

 

 

 

 

「神栄!大丈夫………か?」

 

 

 

 

神栄はなんか解放されていて、何やら怒っている。

 

 

 

「あなた本当にやめてくれますか!?俺マジ死ぬかと思いましたからね!?三郎さんがキレてたから……!!」

 

 

 

「ハハハッ!まぁ、そういうことじゃ、早く例の人を呼んでこい、早希」

 

 

 

 

「あ………その子紅茶飲んじゃった………」

 

 

 

 

 

磯貝達は唖然としている。

 

 

 

(何やってんだこの人達………)

 

 

 

カルマは考えている。

 

 

(これ……ハメられたの俺ら?)

 

 

 

 

「あ、お前ら来たのか。ちょっとこの人説得してくんない?」

 

 

 

神栄はみんなのところへ行き、今までの状況を説明した。

 

 

 

 

「てか……あの人誰?」

 

 

 

「ああ………」

 

 

 

 

 

「神栄君の彼女でーす!」

(大嘘です。信じないでください)

 

 

 

 

「嘘………だろ!?こんな若い人が………神栄の彼女!?」

(早希さんは36歳です。磯貝君、騙されないでください)

 

 

 

「まぁ、嘘だよ?私は東条 早希、立派な独身アラサーです☆」

 

 

 

うわぁ、うぜぇ。

 

 

 

アラサーなのは事実だがな……

 

 

 

神栄は呆れながらも早希のことを教えてあげた。

 

 

「東条 早希さんは運動以外は超人だから、でも彼氏いないらしい。モテんのに」

 

 

 

 

 

「嫌味としか言いようがないな」

 

 

 

本当そうだよね?磯貝君、よくぞ言ってくれた。

 

 

 

 

俺ら男子は本当モテないよね?

 

 

 

(磯貝と神栄はカッコいい人ランキング1位と2位です)

 

 

 

……とまぁ、そんなことは置いといて、三郎さんが突然大声で叫んだ。

 

 

 

「碧!早く例の人を呼んでこい!!」

 

 

 

 

「例の人って誰だy……誰ですか!?」

 

 

 

「矢田ちゃんだよ、碧クンの結婚相手だよ?」

 

 

 

 

 

その一言で、みんなは立ち止まってしまう。

 

 

 

 

け………結婚相手ぇ!?!?

 

 

 

 

 




全ては早希さんが悪かった。


さて次回は……まだ書いてないのでよくわかりませんが、また碧クンはヒドイ目に合うと思います。


次回も投稿遅くなるかもです………。

追記、リュカ君の書いてる『れっつくとぅるふ!』見てくださいよ。僕がプレイヤーとなってTRPGやってるんでw僕のバカっぷりを見たい方にオススメですよ?まだ一話しか書いてませんが、これから面白くなると思います。


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第76話 実家の時間、4時間目

そういえば、あと1件で感想が100件行くんですよ。


記念すべき100件目に感想書いてくれた人になんかしてあげたいなぁ………。


でも、何すればいいんだろう……。


そんなことより、本編をどうぞ。


あー…………うん、あのね?

 

 

 

 

『結婚相手』って何だろうね。

 

 

 

神栄は当然、他のみんなも驚いている中、早希さんはニヤニヤしている。

 

 

 

「ま、まぁ、じぃちゃん(黒紀)が言ったんだろうけど、なんで矢田なんですか?確か神崎も候補にありましたよね?」

 

 

 

 

 

 

「え?だってデートしてたじゃん!」

 

 

 

 

それ、デートじゃないって以前言いましたよね?(65話参考)

 

 

 

ニホンゴワカリマスカ?ワカリマスヨネ?

 

 

 

 

 

 

「デ……デート!?」

 

 

 

渚たちはもう、驚くを通り越してぼーっとしている。

 

 

渚たちがいるのに、よくそんなこと言えるよな……早希さん……。

 

 

 

すごいとは思うが今はそんなこと気にしている暇はない。

 

 

 

早くなんとかしないと……!!!

 

 

 

 

早希さんはダッシュで矢田を呼んでいってしまった。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

「矢田はそのことを望んでるのか……?そんなわけないよな……」

 

 

磯貝が顔を赤くして言う。

 

 

 

やっぱり、そういう色恋沙汰には奥手ですね。みなさん。

 

 

 

「ねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇ今どんな気持ち?」

 

 

カルマがおちょくってくる……。

 

 

 

「黙れ、これは………逃げるが勝ちだ!!!」

 

 

 

 

神栄は訓練で培った経験を生かし、木村と同じくらいの速さで逃げた。

 

 

 

「うわぁ………超ヘタレじゃん」

 

 

 

「さすがキングオブ・ヘタレ」

 

 

 

 

 

 

 

「安心と信頼のヘタレ、それが神栄だね」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「結婚なんかするか!俺は自分で選びてぇ!もっと………こう……!」

 

 

 

神栄は走りながら独り言を言う。

 

 

「俺は……あいつ…みたいな人がいいんだよ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつって、誰のことかなぁ?」

 

 

 

 

あ…………。

 

 

 

30代だけど美少女の東条 早希が降臨しました。

 

 

 

 

 

 

神栄は何も……できない。

 

 

 

 

「………なんですか?」

 

 

「いや?あいつって誰なのかなーって思っただけよ。ねぇ?矢田ちゃん」

 

 

 

もう連れてきたのか……。

 

 

そこには矢田の他にも、神崎、倉橋、中村もいる。

 

 

 

なんなんだこのハーレム状態…!

 

 

どこのゲームなんですか?是非教えて欲しいです。

 

 

 

 

「いや……その……ただの妄想ですよ、いっつもゲームしてるから、たまに変なこと言っちゃうんですよ。これは別に変な意味じゃなく、ただポロっとどうでもいいことを言ってしまっただけで……その……ね?」

 

 

 

「………ふーん、ならいいけどねぇ……。じゃあ矢田ちゃんと碧クンはこっちに来てねー!」

 

 

 

ここで早希さんは神崎、倉橋、中村たちを磯貝たちのいる部屋に連れて行き、神栄と矢田と早希さんの以前と同じ状態になってしまった。

 

 

 

 

くっっっっそ、帰りたい。

 

 

 

とある場所に入り、早希さんはドアを閉める。

 

 

 

 

「あの、帰っていいですか?」

 

 

 

 

「ダメdeath☆」

 

 

 

と言いながら早希さんはボディーブローを神栄にカマした。

 

 

 

神栄はくの字に曲がり、倒れる。

 

 

 

(なんて強さだよ……!マジで全部吐きそうだった………)

 

 

 

 

「………てか、何を話せばいいんですか……?」

 

 

 

 

「さぁ……?全てはお父さんが……」

 

 

 

すると、ドアが開き、三郎さんが笑顔でやってきた。

 

 

 

さっきの怖い顔はどこに行ったんだよ……。

 

 

 

あれはトラウマの1つになりそうだったんだよ……!?

 

 

 

「君たちが結婚するにあたって、君たちの愛を見てみたい。さぁ、なんかしろ!」

 

 

 

なんかって、なんだよ。

 

 

 

あれか?Kissとかするのか?

 

 

絶っっっ対にお断りだ。

 

 

 

そもそも矢田とは普通の友達(?)と思ってるし、そこまでイチャコラしてる気はない。

 

 

話しかけられたら普通に話す程度だし、好きでもなんでもない。

 

 

なのに何でこんなどうでもいいことをしなければならないのか。

 

 

 

 

「矢田……ちょっと話そうか」

 

 

 

神栄は矢田の腕を掴み、ドアを開け、少し遠い場所へと走っていく。

 

 

 

 

「どうしたの?神栄君」

 

 

 

 

「どうしたもこうしたもあるかよ、テキトーにやり過ごしてなんとかしようって話をしようとしてんだ。なんかあるか?」

 

 

 

多分、少しの犠牲がないと三郎さんは許してくれないだろう。

 

 

 

ここでいう犠牲、とは、神栄に対しての害、主にファーストキスなどが含まれる。

 

 

ビッチ先生のキスはノーカウントだ。

 

 

 

仮にキスをするなら、それをした後、どうすればいいのか、

 

 

 

答えは簡単。

 

 

 

 

 

普通に過ごす、これに限る。

 

 

 

 

所詮じじい共の口約束だ、こんなのすぐに忘れるだろう。だったら一瞬だけそういう雰囲気を作って仕舞えばそれで終わりだ。

 

 

これで勝てる!

 

 

 

いや、誰にだろう……。

 

 

それなら、仕方ないがキスをしないといけない……のか?

 

 

 

神栄は悩む。

 

 

 

 

本当にそれでいいのか…………と

 

 

 

 




安心と信頼のヘタレ、それが神栄。


次回、答えが決まる……予定。



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第77話 実家の時間、5時間目

磯貝が活躍(?)の回

そして、全てが決まる。


ちょっと変かもしれません。(優しく)指摘してね!


「矢田、どうすりゃいいと思う?」

 

 

 

 

「私……は……なんでもいい……よ?」

 

 

 

一番嫌な答えが出てきてしまった。

 

 

 

 

なんでもいいとか、男にそんなこと言ってしまったら何されるかわかんないよ?

 

 

まぁ、俺は変態じゃないし、一番楽な方法で済ますけど……。

 

 

 

とはいえ、本当に何もない。

 

 

 

 

(どうすりゃいいか……誰にも被害がなく、平和に終わる方法はないのか………?)

 

 

 

「わかったよ……だから、俺が何しても、何も言うなよ……」

 

 

「………?」

 

 

 

============================

 

 

 

「おや?話終わったのかい?」

 

 

 

早希さんはまたニヤニヤしながら神栄と矢田を見つめる。

 

 

 

すると、

 

 

 

「神栄ー!トイレってどこにあるの?」

 

 

 

 

この声は………!

 

 

 

 

中村達じゃねぇか!

 

 

でも、カルマはいないな……。よかった………。

 

 

 

「ん?矢田ちゃんと何してんの?って、ああ、結婚のヤツか」

 

 

 

 

「結婚?」

 

 

倉橋はキョトンとしながら神栄を見る。

 

 

「そうそう、なんか2人、いろいろあってなんか……ねぇ?」

 

 

 

「碧君………」

 

 

 

「ん?どうしたの?神崎ちゃん?」

 

 

「いや、なんでもない……」

 

 

 

神崎はあんなことを言ってはいるがそれは嘘だ。

 

 

神崎はとても嫌そうな顔をしている。

 

 

この神栄でもわかるくらいなのだから。

 

 

 

 

「………で?碧クン。何するの?」

 

 

 

こいつらが来たせいで計画が丸つぶれだ。

 

 

 

でも……もう一つの方法で行くしかない……。

 

 

 

多少の犠牲があるかもしれないが、この際仕方ない。

 

 

 

 

俺のやることは………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は、神崎が好きだ。矢田もいいかもしれないが、俺は神崎が好きなんだ」

 

 

 

 

 

 

「!!?!?」

 

 

 

「え………?」

 

 

 

みんなはしばらく、固まる。

 

 

 

 

 

 

「ふーん、ならいいや。やること終わったから、出て行ってもいいよ?このことはちゃんと黒紀さんにも伝えとくからねー」

 

 

 

「…………」

 

 

 

============================

 

 

 

 

「神栄!あれは本当なの……!?」

 

 

突然の事態に、中村は焦りながらそう言った。

 

 

 

「あぁ?嘘に決まってんだろ。一瞬だけそう思わせて、あとは普通に過ごせばいいって作戦さ」

 

 

 

その時神栄は、矢田の姿を見てしまう。

 

 

 

自分でもわからない。でも、見てしまった。

 

 

 

 

「…………矢田、すまないな、あれは全部嘘だから、安心してくれ……」

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

(嘘だったの……?碧君……私は………嬉しかったのに……)

 

 

 

神崎は下を向きながら歩いている。

 

 

磯貝はそれを見て、少し目を瞑る。

 

 

(神崎や矢田も、神栄のことが好きだったのか……?だからあんなに落ち込んでるのか………。なのにあいつは……!!!」

 

 

 

 

 

 

 

磯貝は神栄の隣に立つ。

 

 

「神栄……………!!!!」

 

 

 

 

「なんだ?磯貝……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

磯貝は力一杯神栄を殴る。

 

 

 

「っ……!?何しやがる!」

 

 

 

 

「あれを本気で信じてた奴はどうすんだよ!人の気持ちを知らないで、自分だけいい気になってんじゃねぇぞ!」

 

 

 

「………あれしか、方法が無かったんだよ……俺だって嫌だった……のに……!!」

 

 

 

 

「神栄、お前には失望したよ。もう、あんなのはやめてくれよ……」

 

 

 

 

 

 

磯貝は神栄以外の人たちを連れて、帰ってしまった。

 

 

 

神栄は座ったまま、ただただ考える。

 

 

 

(犠牲とか……そんなこと言ってたけど、一番被害を受けたのは、俺なのかもな…………)

 

 

 

 

「碧クン、友情をぶち壊された気分はどうだい?」

 

 

 

「あんまりおちょくってると、さすがに怒りますよ、早希さん」

 

 

 

「私は碧クンの味方だから、一つアドバイスをしてあげよう。今回のとは関係ない事だけど」

 

 

 

早希さんは腕を組みながら、神栄を上から目線で見下した。

 

 

「茜音ちゃん、碧クンを利用して暗殺するらしいよ?なんか、ヤバい薬でも使うのかもね!」

 

 

 

あいつが何をしようと俺の知った事ではない。

 

 

 

早希さんは言う事が終わったのか、走ってどこかへ行ってしまった。

 

 

 

もう、帰ろう………。

 

 

 

============================

 

 

神栄はいつもよりも遅いペースで歩いている。

 

 

 

「………はぁ………」

 

 

 

トボトボと歩いていると、駅に着いた。

 

 

そこには、磯貝たちがいた。

 

 

 

 

そういえば、あいつらお金持ってなかったのか………。

 

 

 

神栄は無言でお金を渚を渡し、1人、違う道で帰った………。

 

 

 

(我ながら………最低だ……)

 

 

 

ここから、神栄達の『何か』が壊れたのかもしれない…………。

 

 

 




何としても夏祭りまでに関係の修復をしないと、やばい………!!


みんな、知ってる?そろそろ80話行くけど、まだ夏休みなんだよ?


夏休みだけで20話くらいやってるなぁ……。


変な終わり方ですが、実家編終了……です。


次回は何も決めてません。出番のない人たちを出そうかなー……って想像をしているだけです。

できれば皆さんに決めてもらいたい!

なーんて、コメント来るわけないか!あははは!
(露骨なコメ稼ぎはやめましょう)


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第78話 壊れた時間

諸事情により短いです。


その諸事情はあとがきで説明します。


 

『あれを本気で信じてた奴はどうすんだよ!人の気持ちを知らないで、自分だけいい気になってんじゃねぇぞ!』と磯貝に言われた言葉が、今も頭の中を駆け回る。

 

 

 

 

あれから3日が経つ。

 

 

 

神栄はベットで横になりながら、ケータイを見る。

 

 

 

しばらくごはんは食べてない。

 

でも、お腹が減ることはない。

 

 

 

現在、夕方の4時。

 

 

(あれから、誰とも話していないし、外出もしていない。俺は、どうやって前の関係に戻せばばいいんだろうか…………?)

 

 

 

しばらく考えても、答えは見つからない。

 

 

 

(もう……………いいや)

 

 

 

 

神栄は再び、眠りについた。

 

 

 

============================

 

 

 

みんなからの信頼や友情が壊れた今、無駄にみんなと話しても全く意味はない。

 

 

 

完全に詰んだ。

 

 

何度でもやり直せるゲームはどれだけ素晴らしいのだろう……と感じた瞬間だった……。

 

 

(…………)

 

 

そんなことを考えていると、突然、夢が見えてきた。

 

 

 

みんなが笑顔な世界が映っている。

 

 

 

そうだ、俺はこれを望んでいたんだよ……!

 

 

 

 

 

 

しかし、それは一瞬で壊され、周りが真っ赤に染まっている。

 

 

 

 

 

そこには、1人の女性の姿があった。

 

 

 

その女性は、神栄 茜音。神栄 碧の双子の姉であり、現在3年A組に所属している、神栄の最も嫌いな人だ。

 

 

 

 

 

何故だろう。あいつは関係ないはずなのに………。

 

 

 

だが、あいつはナイフを持っている。

 

 

ナイフには、赤い液体がついている。

 

 

 

 

それは、『血』だ。

 

 

 

ただただ彼女は、笑顔だった。

 

 

 

いや、笑顔という例えではなく、『狂気の』笑顔だった。

 

 

 

神栄はその異常な光景に、立っていることしかできなかった。

 

 

ーーそうだ…これは、夢なんだーー

 

 

ーーだから、怖がる必要はないーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狂気の笑顔のまま、茜音はこちらに歩いてくる。

 

 

 

(…………!?)

 

 

そして、神栄の前に立ち、茜音は耳元で囁く。

 

 

 

「次は、碧君の番だよ?」

 

 

 

============================

 

 

「あぁぁあああぁあぁぁ!!」

 

 

 

ようやく夢から覚めた神栄は、再びケータイを見る。

 

 

 

時刻は、朝の4時。

 

 

 

今は、何もする気が起きない。

 

 

 

 

ゲームも、漫画も、勉強も、何もやれない………。

 

 

 

誰とも話せない。俺はもう、終わったんだ……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だったらもう、全て消えればいいんだ………。

 

 

 

 

神栄は再び眠りにつき、昼になるまで起きることはなかった。

 

 

 

 

 

昼、1時。

 

 

 

神栄は殺せんせーに電話をし始めた。

 

 

 

「なぁ、殺せんせー」

 

 

『にゅや?あなたから電話してくるなんて珍しいですねぇ、どうしたんですか?』

 

 

 

電話した理由はただ一つ。

 

 

 

 

 

ここから消えることを、殺せんせーに言うだけだ。

 

 

 

 

「突然で悪いんだけど………俺、A組に行くわ。もう、ここに居られる気がしない………」

 

 

 

 

『な、何があったんですか!?』

 

 

 

「俺………もういいんだよ、とりあえず今言っておくよ。ありがとう、殺せんせー。これからも頑張れよ……」

 

 

 

 

神栄は勝手に電話を切り、ケータイの電源を切った。

 

 

 

 

さぁ………理事長に言いに行こう。これで、みんなの関係は真っ白になる。

 

 

これが、俺のできる最大の事だ………。

 

 

 

さようなら………暗殺教室…………。

 

 

 

 

 

 

 




今回は短いし変な文ですがすいません。


えー、明日からまさかのテスト週間です。

流石に最初のテストを落とすとマジでヤバイので、2週間位は投稿できません。

すっげぇ変なところで終わらせて本当にすいません。


次回………は全く決めておりません。


あ、感想はできる限り返信しますよ……?


では、また2週間後にお会いしましょう。


さようなら………じゃなくて、逝ってきます





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第79話 壊れた(後の)時間


テストって、4日間あるのな。


明日が一番やばいわ。


今日もやばかったけど。



そんなわけで、久しぶりに本編です。


最後に一つ、神栄は(色んな意味で)切り替えの早いやつだ。


 

 

 

 

殺せんせーとの最後の電話が終わり、次の日の朝、神栄はいつもの制服に着替え、本校舎まで行く。

 

 

 

 

 

噂によれば、A組はこの夏休みに本校舎へ自主的に勉強をしているらしい。

 

 

しかも、大体の人が行っているので、話す人も増えるだろう。

 

 

 

 

 

 

「ここが、3年A組か……」

 

 

神栄はA組に入る前に、理事長室へ行った。

 

 

 

事情を伝えると、理事長は快く受け入れてくれた。

 

 

そして、3年A組に入る。

 

 

 

そこには、五英傑の姿はなかった。

 

 

ついでに茜音の姿もない。

 

 

………と思ったのだが。

 

 

 

 

「あ?なんでお前がここにいるんだよ」

 

 

 

そう言ってきたのは、五英傑の1人、瀬尾だった。

 

 

 

 

「お前なんでここに来てんだ?五英傑サンは自由だろ?」

 

 

 

 

「バカか……!俺は五英傑ハズされたんだよ!あの女のせいで!」

 

 

 

それはおそらく、神栄 茜音の事だろう。

 

 

 

そりゃあ、まぁ、前回のテストで学年2位になれば、五英傑の仲間入りするのは当然のことだ。

 

 

 

 

しかもあいつは英語が得意。そしたら強い奴が生き残るに決まっている。

 

 

 

瀬尾はハズされ、茜音が新しく五英傑の中に入った、という事だ。

 

 

 

 

「今は「新」五英傑だー、とか言って、俺はもう終わってんだよ。だから見返す為に今こうして頑張ってんだろーが!」

 

 

 

「まぁ、俺も今日からここに来るし、よろしく」

 

 

 

瀬尾は差し出された手をはらい、怒っているようだ。

 

 

「断る。というか、なんでお前がこんなところにいるんだよ。それと、E組の分際で、俺に気安く触るな」

 

 

 

………ふーん(怒)

 

 

 

 

 

ちょっとウザイな、瀬尾。

 

 

 

 

 

 

「いっぺん痛い目合わせねぇとわかんねぇな……!」

 

 

神栄が拳を握ったその時、

 

 

 

 

ドアが開いた。

 

 

 

「やぁ、神栄君、A組に来てもらったのは嬉しいが、少し来てもらおうか」

 

 

さっき理事長室に行ったばかりなのに、また行くのか……?

 

 

 

 

 

 

「君は、確かにE組から抜けた。だが、心の中では、少し戻りたい、とか考えてはいないか?」

 

 

 

 

「………まぁ、無くはないですね」

 

 

 

「正直でよろしい。が、その雑念を消さなければ意味がない。そうだな……『コレ』を書いてきなさい。話はそこからだ。提出期限は明後日まで、もし書けないのであれば、君を再びE組に落とす。それか……退学、という手があるな………」

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

 

============================

 

 

 

自宅に帰り、再び紙を見る。

 

 

 

「これは……E組に対してのヤツか………。E組を変えるための委員会の設立?俺が委員長になるってことか……」

 

 

 

 

「こんなことしてまで……E組を変えたいのか……?あの人は………」

 

 

神栄は考える。

 

 

 

 

仮にこれをやったら、みんなが苦しむ。これ以上みんなに被害を加えたくない……。

 

 

 

これが……俺のできることだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長に………話そう。これはできない、と。

 

 

 

 

神栄はケータイを出して、殺せんせーに電話をしようとした。

 

 

 

すると、ケータイからとあるアニソンが流れた。

 

 

「もしもし…」

 

 

 

 

 

 

 

「も……もしもし……神栄君………ですか?」

 

 

 

 

 

「ん………?お前は……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





「新」五英傑か……。「真」と迷ったことがあったぜ…

「真」だとちょっとおかしいから、「新」にしました。


ああ、当然頭いい順にしたら、浅野→茜音→荒木→榊原→小山の順です。

次回、電話の向こうにいる人は………!?


はよテスト終われ。


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第80話 修復の時間


明日テスト終わるわ。最高だねぇ、



そんなわけで本編第80話行きました。


ねぇ知ってる?まだ夏休みなのに80話も行ってるんだよ?

死神のところなんか200話行っちゃうんじゃないの!?
(多分行きませんよ、そんなに)




 

 

「一体なんのようだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

磯貝」

 

 

 

声の主は磯貝だった。

 

 

 

多分、前のことで話すことがあるのだろう。

 

 

 

『前は……悪かった。でも、抜ける何てことはしないでくれよ。お前がいなくなるだけで、殺せんせーを殺す確率がガクンと下がるんだし……本当に………頼むよ』

 

 

 

 

 

「嫌だ。これが俺のやるべきことだ、もう戻りはしない」

 

 

 

 

『それは……ただの逃げだろ?』

 

 

 

 

 

「……!?」

 

 

 

逃げる………か、

 

 

 

 

ビンゴだ、正解だ。Correct answer(正解)だ。素晴らしいくらいその言葉は合っている。

 

 

 

 

 

 

 

だが、逃げることの何がいけない?

 

 

 

悪いことではないはずだ。

 

 

 

 

 

 

「逃げて…何が悪い」

 

 

 

『逃げようが、起こってしまったものは消えないんだよ……。だったら、真正面から立ち向かえよ!そうすれば、消えることだってあるだろ!』

 

 

 

 

神栄はケータイを握りしめ、少し怒った声で磯貝に言い放った。

 

 

「綺麗事ばっか言いやがって!人の気持ちも知らねぇで、勝手にあーだーこーだ言ってんじゃねぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………そうか、ならいいよ。本当にそう思うならそれでいい。もし、戻りたいなら……夏休み最後の日、まぁ、明日だけど……祭りがあるんだ、そこに一緒に行こうぜ………。戻りたいなら、いつでも誘ってやるよ』

 

 

予想をぶち壊されたかのように磯貝はいつも通りだった。

 

 

 

普通、あんなこと言われたら怒る、誰だってそうだ。

 

 

 

でも、そんなことを言われてまで怒らないのは、それだけ神栄がこの3年E組に必要か、わかってもらいたいからなのだろう。

 

 

 

だが、神栄の答えが変わることはない。

 

 

 

「うるせぇ……!」

 

 

 

神栄はケータイを布団に投げる。

 

 

 

 

 

 

 

「……くだらねぇ…何もかも……!」

 

 

 

神栄はカレンダーを見る。

 

 

 

現在、8月30日である。

 

 

 

(明日………行くわけねぇだろ………)

 

 

 

============================

 

 

 

気付いたら、もう次の日の朝だった。

 

 

布団から出ると、なんかいる。

 

 

 

 

「おはようございます神栄君。今日、祭り行きませんか?」

 

 

「嫌だ断る。めんどくさいから絶対に行かない」

 

 

 

「にゅやっ!?ま、まぁいいですよ……所詮私はそんなヤツですから……」

 

 

こりゃ本当に来て欲しかったんだろうな……。

 

 

 

でも、行くわけがない。

 

 

 

 

「ああ、悪いな……」

 

 

 

「まぁ、いいですけどね……話は変わりますが、神栄君。君がいなくなることによって、悲しむ人たちがいるということを……忘れてはいけませんよ?先生が言うことはそれだけです。では、さようなら」

 

 

 

「何が言いたいんだよ」

 

 

 

「簡単に言えば、抜けて良いことはあるんですか?その行為をすることによって、メリットはあるのか、先生はメリット何て皆無だと思いますが、神栄君はどうですか?」

 

 

 

「うるせぇよ、俺の人生だ。俺に決めさせろよ!」

 

 

「そうですねぇ、先生も少し言い過ぎました。では、また

明日、学校で会いましょう、今日も会いますがね?」

 

 

 

 

殺せんせーは言うことを言ったら去ってしまった。

 

 

 

(悲しむ……人たちか……)

 

 

 

 

 

『逃げようが、起こってしまったものは消えないんだよ……。だったら、真正面から立ち向かえよ!そうすれば、消えることだってあるだろ!』

 

 

この言葉が脳裏に浮かんでくる。

 

 

 

 

(確かに……逃げても無くなることはない……。磯貝の言ってることは間違ってない。それに……『伝えたいこと』も言ってないし……行くべきなのか?)

 

 

 

 

神栄は今までで一番悩んでいる気がした。

 

 

 

このままいなくなるか、再び戻るか。

 

 

 

そんな時………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び神栄のケータイが鳴った。

 

 

 

 

(今度は誰だよ………)

 

 

 

「もしもし?」

 

 

 

『あ……もしもし………神崎……です』

 

 

 

また電話か、でも、今回は内容が違うだろう。

 

 

「何の用だ?」

 

 

 

『その………夏祭り、一緒に行かない?私、道がわからなくて……』

 

 

 

「いや、道がわからなかったら、他の奴と行けばいいだろ。俺もわかんないし、つーか行かないし」

 

 

 

 

『話したいことがあるの……だから……来て?』

 

 

 

 

またどうせ戻ってこい、って話だろう。

 

 

とりあえず聞くだけ聞いて、E組へ行くのをやめればいい、

 

 

 

 

だから………。

 

 

「……わかったよ。じゃあ行くけど、誰にも見られないところで話そう。それならいいぞ」

 

 

 

最悪の状態だが、誰にも見られないところならまぁ良しとしよう。

 

 

「んじゃあ、4時に俺の家の前に来てくれ」

 

 

 

『わかった……ありがとね』

 

 

プツン、と電話が切れると、神栄はベットに頭から突っ込んだ。

 

 

(はぁ……)

 

 

 

 

神栄は集合時間の午後4時まで、少し寝ることにした。

 

 

一体……神崎は何を言うんだ……?

 

 

 

 





次回、夏休み終わればいいなぁ、



みなさん察しの通り、神崎さんの話すことはわかりますよね………?



わかりますよね………?
(大事な事なので二回言いました)


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第81話 決断の時間


これ、R15つけよっかな……。


過激(とは言えないけど)なシーン?のようなものはある。


タイトル通りです。全てが決まります!


 

午後4時、自分の部屋から外を見ると、神崎が待っている。

 

 

 

あいつ浴衣じゃん。可愛いな(確信)

 

しかも……………。

 

 

 

でも、そんな人たちを見るのは今日で最後。

 

 

明日からはもう、なんでもない人たちになる。

 

 

 

たくさんの気持ちが交差する中、神栄は外へ出た。

 

 

「よう、んじゃ行くか」

 

 

 

 

「うん……」

 

 

 

 

神崎は、今ポニーテールだ。

 

 

 

 

まるで、昔を思い出せよ、と言わんばかりに。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

カラン、コロン、と下駄の音しか聞こえない。

 

 

 

「………で、話って何?」

 

 

 

 

「その……私……」

 

 

 

 

 

神崎は下を見ててこちらを見てはいない。

 

 

 

 

そのまま時は流れ、祭りの会場まで着いてしまった。

 

 

 

 

人気のない草むらに2人はいる。

 

 

 

 

 

何を言うんだ?

 

 

「一体どうした?何か言うことでもあるのか?」

 

 

 

 

 

 

「私………その……碧君のことが……す……」

 

 

 

 

「あ、ちょっと待って」

 

 

 

 

神栄はケータイを取り出し、画面を見る。

 

 

 

そして、そのケータイを投げ、踏みつける。

 

 

 

 

「邪魔だ律。ちょっと他のケータイにいやがれ。んじゃ、話しの続きを」

 

 

 

 

(こんな状態で話せないよ……)

 

 

 

「無いなら帰r………」

 

 

 

「待って!」

 

 

 

神崎は神栄の服をぎゅっと引っ張り、引き止める。

 

 

 

 

「おわっ!なんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と神崎を見た時には……もう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キスをされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかのビッチ先生とはまた違う、なんというか、その……

 

 

 

 

 

 

 

 

(離れろ離れろ離れろ離れろ離れろ)

 

 

 

この辺ヘタレな神栄はどうしていいかわからない。

 

 

 

 

 

 

数秒後、神崎は離れ、ついに………。

 

 

 

 

 

「私、碧君のことが好きなの。昔会った時から………ずっと……好きだった」

 

 

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

俺は、この言葉をどれだけ待っていたのだろう、

 

 

 

小さい時から言えなかった、「好きだ」の一言。

 

 

 

これを言うために何度も何度も会っては失敗を重ねていた。

 

 

 

 

正直言うと、嬉しい。

 

 

 

 

 

 

「………ああ、何となくはわかってた。俺も……『そうだった』から………」

 

 

 

『そうだった』とは言っているが、今は好きでは無い、ということではない。

 

 

 

簡単に言えば、俺も神崎が好きだ。

 

 

 

でも、俺はE組には…………。

 

 

 

 

「……もしかして、磯貝君たちのことで悩んでるの?大丈夫だよ。みんな待ってるから……怒ってなんかないよ……?だから………戻ってきてよ……」

 

 

 

 

 

そうだよな………俺は、大事なことを忘れてたな…………。

 

 

 

人に関わること、人を信用すること、これは……E組があったから今、こうしているんだ。

 

 

それがなくなれば、俺は………

 

 

 

 

 

 

「俺は………間違ってたのか……?」

 

 

 

「そうだね……」

 

 

目から、ぽつり、ぽつりと涙が出てくる。

 

 

 

「あ……あぁ……あ」

 

 

 

神栄は立っていることが出来なくなり、神崎の胸に飛び込んだ。

 

 

 

 

そして、大声で泣き、叫んだ。

 

 

 

「おかえり、碧君」

 

 

 

 

============================

 

 

 

祭りの会場に着いて、みんなに会う。

 

 

「おかえり、神栄」

 

 

 

磯貝は神崎の言う通り、いつもの感じだ。

 

 

 

「さぁみんな、俺が戻ってきたぞ、感謝しやがれ」

 

 

 

 

「ヘタレが何言ってんのよ」

 

 

 

中村さん、相変わらずひどいですね。

 

 

 

「てか、神栄どうしたの?ケータイボロボロじゃん」

 

 

 

「間違えて踏みつけてしまった」

 

 

 

「それは間違えてというのか……?」

 

 

 

 

まぁ、何はともあれなんとかE組に戻ることができた。

 

 

 

「やっぱ………E組が一番だな………」

 

 

 

 

 

「ん?なんか言った?神栄?」

 

 

 

「いや?何にも……?」

 

 

 

 

============================

 

 

とある場所にて、

 

 

 

 

「ねぇシロ。これであいつって殺せんの?」

 

 

「当然だ。彼の力は最強クラス、殺せないわけがない」

 

 

 

 

 

「そう、待っててね……?碧君?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時神栄は知るよしもなかった。

 

 

 

 

神栄 茜音によって、とんでもないことにまきこまれ、自分がどんどんと『狂気』に満ち溢れることを………。

 

 

 

 

 

神栄 碧と暗殺教室、夏休み編 完

 

 





次回からは2学期ですね。

さぁ、竹林編が終われば『狂気』編だ。


最後に一つ、


神栄は『付き合う』とは一言も言ってない。





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第82話 鎖の時間

神栄の告白シーンは、多分狂気編が終わったらになるかもです。


それまでお待ちください、



あ、初めて多機能フォーム使いました


ついに始まった2学期。

 

 

 

正直言わせてもらおう、だるい。

 

 

 

 

非常にだるい、だるだるだ。

 

 

もう、イングリッシュできちゃうくらいだるだるだ。

 

 

とりあえずいつものようにE組へ行く。

 

 

「うーす」

 

 

 

「おう、早く本校舎行くぞ」

 

 

 

 

磯貝に言われ、並ぶ神栄。

 

 

 

「めんどくせぇ………」

 

 

 

本校舎に着くと、なんか五英傑がいる。

 

 

 

そこには、茜音の姿もあった。

 

 

 

「まぁ、お前らも大変だろーけど、せいぜい頑張りなギシシシシ」

 

 

 

ケツアゴ野郎(小山)がやたらうざい。

 

 

 

あのメガネ壊したいわ。

 

 

 

「うわぁ、出五(出ばなから五英傑)かよ。あれ?瀬尾いなくね?」

 

 

「確か、なんか変な奴が新しく五英傑に入って、『新』五英傑ができたらしいぞ」

 

 

神栄の説明にみんなは納得してくれた。

 

 

危ない危ない、バレるところだった。

 

 

 

そんなことはさておき、始業式が始まった。

 

 

 

野球部が都大会準優勝をしたらしく、表彰が終わると、荒木がマイクを持ち、なんか喋り始めた。

 

 

 

 

「次は、新しくA組に来てくれる生徒を紹介します。彼は昨日までE組に居ました。紹介しましょう!

 

 

 

 

 

 

 

竹林 孝太郎君です!!」

 

 

 

 

(やっぱりな……理事長が動き始めやがったか)

 

 

 

竹林は壇上に上がると、紙を広げて、喋りだした。

 

 

 

「僕は先日までE組にいました。そこは、地獄でした。でも、こうしてA組に入れたことはとても嬉しいことです。2度とこのようにならないよう、頑張っていきます」

 

 

 

 

シーンとしていた体育館が、突然どっ!とうるさくなった。

 

 

 

「やっぱりお前は違うと思ってたぞー!」

「おかえりー!」

 

 

なにやら歓迎されてるらしい。

 

 

「はぁ………今度は竹林か」

 

 

 

============================

 

 

E組に戻ると、竹林の話で盛り上がる。

 

 

 

「ありえねぇ!あいつ賞金捨ててまでA組行きやがった!」

 

 

前原は黒板をドン!と叩き、少し嫌そうな顔をしていた。

 

 

 

「それに、ここのこと地獄とか言ってたよね!」

 

 

 

 

「いや、合ってるだろ」

 

 

 

「は?」

 

 

神栄は冷静に考えている。

 

 

 

「よく考えてみろよ。お前らの基準だったらここは地獄ではない、でも、あいつらの基準だったら、この環境は間違いなく地獄なんだよ。言われても言い返す言葉はないはずだ」

 

 

 

 

「でも……!」

 

 

 

「確かに神栄君の言ってることは合ってるわ。でもね?竹林君の成績が良くなったのって、殺せんせーのおかげだと思うの、それすら忘れちゃったら、私は彼を軽蔑するな……」

 

 

片岡がそう言うと、みんなは頷いた。

 

 

 

 

「まぁ、それはそうだな」

 

 

 

 

「とりあえず、今日竹林の所へ行くぞ」

 

 

 

============================

 

 

「一体なんのようだ」

 

 

 

 

本校舎前、3年E組の生徒らは竹林を待っていた。

 

 

 

「なんでこんなことしたんだ?」

 

 

 

「………家族に認められる為、それと、僕にはこの教室が合わない」

 

 

 

 

「それがどうした、お前はいつまでも家族に認められたいとか思ってんのか?バカかよ」

 

 

 

「僕のやったことが最低なのはわかってる。僕は賞金目当てなんかじゃない。家族に認められたいんだ……!」

 

 

 

竹林の家は代々病院をやってるらしい。

 

 

 

そこそこ有名な病院なら、殺せんせーを殺したときにもらえる金額は、病院でもらえる金と同じくらいだ。

 

 

 

そんな天才だらけの竹林家にエンドのE組なんかがいたら、確かに家族は竹林のことを一人の家族としては認めないだろう。

 

 

 

俺から言わせれば、その時点で間違ってる。

 

 

 

認められることは、いいことばかりではない。

 

 

 

それをぶっ壊してから、いいことがある可能性だって少なからずある。

 

 

俺が言いたいことは………。

 

 

 

 

 

 

そのくだらない鎖を、壊せ!ということだ。

 

 

 

 

「くだらないな……竹林。別に認められる必要なんか、ないだろ。逆にお前に聞きたい、認められて、何がある?」

 

 

 

 

「……そんなの決まってるだろ……!」

 

 

 

「早く言えよ。決まってるんだろ?」

 

 

 

「………ッ!」

 

 

 

竹林は走ってどこか行ってしまった。

 

 

「さぁ、後は竹林の思い次第だ。戻るか戻らないか……とっとと決めやがれ」

 

 

============================

 

 

本校舎、A組にて………。

 

 

 

一人の少女、神栄 茜音は窓を見つめる。

 

 

 

「変わんないなぁ、碧君。ますます改造(いじ)ってあげたくなる………」

 

 

 

茜音は一人、教室で笑っていた………。

 

 

 

 




いやぁ、茜音さんちょくちょく出すぎですよ。



次回竹林編終わらせたい。


そうすれば次は狂気編です。


あ、あと僕の作品の評価とかして欲しいです。


なるべく高評価でお願いしますw

まぁ、低評価されても僕は何も言えないので、別に大丈夫です。

でも、精神的にきちゃうかも


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第83話 強者の時間

おおおお!みなさんが評価してくれたおかげで日間ランキング23位に入ってますよ!


初めて上の方の順位に行きました!ありがとうございます!


これからもよろしくお願いします!

あ、少し竹林視点有りです


「なぁ、明日竹林の様子を見に行かないか?」

 

 

神栄がそう言うと、みんなはおう!と言って本校舎へ行く用意をした。

 

 

 

「あいつ危なっかしいからなー、俺らが監視しとかないと、何やらかすかわかったもんじゃねー」

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

次の日、A組には竹林の姿があった。

 

 

 

「E組の先生はテキトーだった思うから、俺らのペースめちゃくちゃ速く感じるかもしれないけど、頑張れよ」

 

 

 

前の席の人からはそう言われた。

 

 

 

すると、

 

 

 

「大丈夫、E組を抜けた君ならいけるさ、ね?」

 

 

 

浅野がにっこりと笑顔を見せた。

 

 

 

その笑顔はどこか、裏がある気がした。

 

 

============================

 

 

 

いざ授業をやってみると、確かに速かった。

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

 

(こんなの……E組じゃ1学期でやった事だぞ!?やり方も非効率だし、まるで出来ない奴らを落とすための授業だ……!)

 

 

 

そんな事を考えていると、一人の女子から声をかけられる。

 

 

「ねぇねぇ、君って碧君と元同じクラスの子でしょ?」

 

 

 

「ま……まぁそうだけど」

 

 

「あの子、何か変わったことあった?」

 

 

 

 

 

「……さぁ、僕にはわからないですね」

 

 

 

 

「君はE組にいた方が、輝いていられると思うよ?」

 

 

「!?」

 

 

一体この人は何を言っているんだ?

 

 

僕にはわからない。

 

 

 

射撃も下手、ナイフを使うのにも少し戸惑い、みんなに貢献したことなんか一度もないのに、一体どこで輝いていられる部分があるのだ。

 

 

 

この人の言ってることを理解するのには、少し時間がかかった……。

 

 

 

 

授業が終わり、学校が終わると、みんなは焦っているのか、早くに帰ってしまった。

 

 

 

このA組に付いていくために、こんなに頑張っているのは、正直すごいと思う。

 

 

 

昔、自分もそうだったのだから。

 

 

 

 

 

本当に余裕なのは、五英傑の人達だけ、あの女子もどうやらその一人だったらしい。

 

 

 

「あの……名前を聞いてないんだけど……」

 

 

 

「ん?私は神栄 茜音だよ。よろしくね!竹林クン」

 

 

 

 

 

(神栄……!?あいつの……姉?)

 

 

 

 

 

 

 

竹林が窓を見ると、なんかいる。

 

 

 

(何をやってるんだ、あの人達は……)

 

 

 

どうしてそこまで僕を見る?

 

 

 

どうしてそこまで僕のことを知りたい?

 

 

 

 

 

あいつらには悪いが……帰ってほしい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「竹林君、少し僕に付き合ってくれないか?」

 

 

 

浅野がまたにっこりと笑顔を見せると、理事長室に連れてかれた。

 

 

 

============================

 

 

一方外では、理事長室を覗こうとしていた。

 

 

「見えるのか?あそこ」

 

 

 

「大丈夫だろ、なんとかなる」

 

 

そんなことを言っていると、ピシャリとカーテンを閉められた。

 

 

「ダメじゃねーか」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、理事長室では、

 

 

 

「やぁ、そこにかけてくれ」

 

 

 

 

この親子を見ると、僕はすこしビクビクしてしまう。

 

 

 

何をさせるのか、わからないからだ。

 

 

 

 

「明日はね、私がこの学校の前身である私塾を開いた記念日なんだよ。その創立記念の日に、竹林君にはもう一度スピーチをしてもらいたい、いいかな?」

 

 

 

「………?」

 

 

 

「君はまだ弱者から完全に抜け切れてない。そう、これは強者になるための儀式………これを言うことによって初めて君は家族に認められるのだよ」

 

 

 

「家族……に……認められる?」

 

 

 

 

理事長は竹林にスピーチで読むための紙を渡す。

 

 

 

そこには………ひどい文章がたくさんあった………。

 

 

(……僕はE組の腐敗してきた生活を目の前で見てきました。不特定多数との不純異性交遊に没頭してしまっている生徒……。食べることだけにしか生きがいのない肥満生徒……。変態行為に手を染める生徒……。コミュニケーション能力が普通の人達よりも劣っている生徒……。暴力行為を頻繁に行う生徒……。彼ら彼女らは本校舎に戻れるような状態ではありませんが、同じ学校の生徒として、少しでも変えようと思うのです。それに伴い、僕が彼らを更生するために、『E組管理委員会』というものを立ち上げる賛同をください………か)

 

 

 

「それを読み上げることによって、君は強者になる。どうだい?」

 

 

 

 

 

 

 

竹林は悩む時間もなく、

 

 

 

 

 

「やります…………」

 

 

 

と言ってしまった。

 

 

 

 

 

浅野親子はニヤリ、と笑い、竹林を退出させた。

 

 




次辺りで竹林編が終わって、その次は狂気編ですかね


それまで神栄の告白はお預けです。


それと、感想内で神栄を殺すのは………



面白いのでもっとやってくださいw


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第84話 序章の時間


今回は長めです。


なぜかって?タイトル通りですよ。





 

 

「………浅野君、これが……君の見てきた景色なんだね」

 

 

 

 

 

「まぁね」

(お前如きが支配者になれるわけないだろガリ勉がッ……!)

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

夜道、竹林は一人で帰っていると、真っ黒な生物がいる。

 

 

 

 

「警察呼びますよ殺せんせー」

 

 

 

「にゅやっ!?何故闇に紛れた先生を見つけられたんですか!?」

 

 

「何の用ですか?殺しとはもう、無縁の僕に、まだ何か言うことでもあるんですか?」

 

 

 

竹林はいつものようにメガネをクイッと上げる。

 

 

すると、殺せんせーにマッハでメイクをさせられた。

 

 

 

 

「ビジュアル系メイクですよ。君の個性でもあるオタクキャラを殺してみました。竹林君、先生を殺さないのは自由ですけど日常には、『殺す』というのは腐る程あります。家族に認められるのに、君は自由な自分を殺している。でも、君ならいつか、その鎖を壊す日が必ず来ます。相談があるなら、先生はいつでも来ますよ……?」

 

 

 

 

 

「………」

 

============================

 

 

『殺す』呪縛された自分を殺す。

 

 

 

出来るものなら、僕はそうしたい。

 

 

 

僕を認めてくれなかった家族より、僕を認めてくれたクラスメイトの方が全然いい。

 

 

 

僕は…………決心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、椚ヶ丘中学校の創立記念日である。

 

その日は集会で、再びE組は本校舎の体育館に行くことになった。

 

 

 

 

めんどい校長の話が終わると、浅野が出てきた。

 

 

 

「次は……竹林君による『新しい委員会設立について』です。みなさん、静かに聞いてください」

 

 

 

「ハァ?また竹林?」

 

 

 

狭間はもう、聞く気がなさそうだ。

 

 

 

「いや……待てよ?胸騒ぎがする」

 

 

 

 

千葉が竹林を見ると、みんなも続けて見る。

 

 

「確かにな。あいつから……殺気を感じる。なんかをめちゃくちゃに壊そうとしてる気がする……」

 

 

 

 

 

 

 

竹林はすぅっと息を吸うと、マイクに顔を近ずけ、喋り始めた。

 

 

 

「僕のいたE組は……弱い人たちの集まりです。学力という強さが無かったために、本校舎の生徒らからは差別待遇を受けています。でも……僕はそんなE組が、メイド喫茶の次くらいに居心地が良いです」

 

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

体育館にいる全校生徒が、驚きを隠せずにいた。

(約2人、神なんとか君とカルマを除いて)

 

 

 

「僕は嘘をついてました。強くなりたくて、認められたくて……でも……E組のみんなは、役立たずな上、裏切った僕を何度も様子を見に来てくれた。先生は、僕のような人でもわかるように、手を替え品を替え工夫して教えてくれました。家族は認めてくれなかったけど、E組のみんなは同じ目線で接してくれた」

 

 

 

「こりゃ名演説だ。最高だね」

 

 

 

神栄がケタケタ笑っていると、みんなもクス、と笑う。

 

 

 

「世間が認める明確な強者を目指すみなさんを僕は正しいと思うし、尊敬します。でも、僕はしばらく弱者でもいい。弱いことに耐え、弱いことを楽しみながら、強い者の首を狙う生活に戻ります。だから……!?」

 

 

 

最後の一言を言おうとした瞬間、浅野が壇上に上がってこちらにやってきた。

 

 

 

「撤回して謝罪しろ!さもないと……??」

 

 

竹林は、私立学校のベスト経営者に送られる盾を持っていた。

 

 

 

「理事長室からくすねて来ました。理事長は本当に強い人だ。全ての行動が合理的で、やること一つ一つに、迷いがない」

 

 

 

竹林は木のナイフに鉄をつけた物を振り下ろす。

 

 

 

ガッシャーーーン!

 

 

 

と粉々になる音が大きく聞こえた。

 

 

 

「浅野君が言うには、過去にこのようなことをした人がいたそうですね。前例から合理的に考えて、E組逝きですね、僕も」

 

 

 

 

竹林の話が終わると、皆はポカーンとしている。

 

 

「救えないな君は、強者になるチャンスを与えてあげたのに……」

 

 

竹林はメガネをくいっと上げて言い放つ。

 

 

「怖がってるだけの人に見えたけどね?君も……みんなも」

 

 

 

 

 

 

「………ッ!」

 

 

 

============================

 

 

「2学期からは、新しい要素を暗殺に組み込みたいと思う。その一つが火薬だ」

 

 

 

とある日の体育の時間、烏間先生はみんなを集合させ、何を言うのかと思ったら………。

 

 

 

火薬、確かに威力は素晴らしい。

 

 

「そのためには、火薬の安全な取り扱いを1名、完璧に覚えてもらう。俺の許可とその1名の監督が火薬を使うときの条件だ。さぁ、誰か覚えてくれる物はいるか?」

 

 

すると、1人の男子が烏間先生の元へ行く。

 

 

「勉強の役に立たない知識ですけど、まぁこれもどこかで役に立つかもしれないし」

 

 

 

出てきたのは…………

 

 

 

 

 

竹林だった。

 

 

 

 

「暗記できるか?竹林君」

 

 

 

 

竹林はメガネをくいっと上げ、

 

 

 

 

「ええ、二期OPの替え歌にすればすぐですよ」

 

 

 

 

============================

 

 

帰り道、神栄は一人で帰っていた。

 

 

 

「とりあえず竹林も戻ったことだし………しばらくは普通の生活に戻れるのか………」

 

 

 

 

神栄が自宅のドアを開けた瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

「…………あ?」

 

 

 

 

 

ブシャッ!!!!

 

 

 

 

何者かに斬られた神栄は意識を失った。

 

 

「いっちょあがりー☆シロ、早く連れて行きなさい」

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

神栄の家には………赤い……液体が流れていた…………。

 

 

 

 

「さぁ………殺しの時間の始まりよ」

 

 

 

 

 

この時から、神栄の姿を見た人は………誰一人居なかった……。

 







次回、狂気編です。


☆狂気編を読む際の注意☆

・超展開有り
・安定の駄文
・神栄のキャラがぶっ壊れる
・神栄が発狂してしまう。
・鷹岡が一瞬だけ登場
・今まで無かった残酷な描写のタグがついに使われる




以上のことを理解していただいて狂気編を読んでもらえると助かります。


では、次回お会いしましょう、



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第85話 狂気の時間

狂気編第1話です


クイズ?のようなものがあります。


わかったらコメントください。もちろん間違ってても構いません。







竹林がE組に復活し、早くも1週間が経った。

 

 

 

神栄は竹林の件の後、1週間一度も学校には来ていない。

 

 

 

風邪にしては長すぎるし、怪我したのなら報告に来るはずだ。

 

 

 

明らかにおかしい事態だったので、E組のみんなは神栄の家に行くことにした。

 

 

 

ついでに、殺せんせーも一緒に。

 

 

============================

 

 

「どうしたんだろうな、神栄のやつ」

 

 

前原は歩きながら隣にいた岡野と話している。

 

 

「うん、なんかあったのかな………?」

 

 

 

「てか、殺せんせーは神栄の様子を見に行かなかったの?」

 

 

「いやぁ……以前色々あって、神栄君だから、今回は大丈夫かと思ったので………」

 

 

 

 

 

 

「この辺だな………。おい、みんな、着いたぞ」

 

 

普通の二階建てよりかは大きく、全体的に綺麗な家だ。

 

 

 

そりゃ、国内、いや、世界でも活躍してる会社の孫なら、この程度の家を貰えるのは当然だろう。

 

 

みんなにとっては訳のわからない話だが、まぁいいだろう。

 

 

 

磯貝はピンポンって音がするやつ(名前がわからない)を鳴らす。

 

 

 

しかし、反応はない。

 

 

 

「神栄君……一体どうしたんでしょう」

 

 

 

「殺せんせー、ピッキングとかして開けてよ」

 

 

 

「……まぁ、仕方ないでしょう。では、開けますよ」

 

 

 

殺せんせーは服の中に入ってた針を使って、鍵を開けることに成功した。

 

 

 

 

開けてみると、そこには………。

 

 

 

 

 

 

 

血が所々に広がっていた。

 

 

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

 

その血は、2階まである。

 

 

 

みんなは2階へ行くが、大体の人は1階にいるか、帰ってしまった

 

 

この光景について行けなくて、女子の大半は帰った。

 

 

 

「殺せんせー!?」

 

 

 

「………床に日本刀が落ちていました。おそらく何者かが神栄君を斬ったのでしょう。そして連れ去ったのでしょう………何があったかはわかりませんが、これは警察に通報したほうが……」

 

 

 

 

「いや、超生物さんが通報していいの?逮捕されるのあんただよ……?」

 

 

 

「それに、俺らだけで解決したいな、神栄には色々お世話になってるしな」

 

 

 

 

岡島は少しドヤ顔で言う。

 

 

「そうだねぇ、なんとかしよっか!」

 

中村もノリノリだ。

 

 

 

 

============================

 

2階へ着くと、血の量は1階の約2倍あった。

 

 

生臭い匂いはさらに増し、床に血がついているだけでなく、壁一面に広がっている。

 

 

 

カルマは神栄の机にあった紙を見つめる。

 

◇◇◇

 

拝啓

 

 

殺るということは

苦しいことではない

他人は最低だ

姿を

消すのに長けているのだから

 

 

 

 

蝋燭の光を辿れ

場合によっては

死を目の前で見せる

ようやく気づけば

早く行くべきだ

苦悩しろ

温もりを感じろ

偽善は悪くない

骸骨を持ち帰る羽目になる

お前らは死ぬ

開放感に溢れ

野道に連れてかれ

多い死体の中の一人になる

危害は当然加わるだろう

今すぐに行くがよい

満を持して行くがよい

死を選択するか、生を選択するか

 

 

 

 

読んでる暇があるのなら、彼を救え

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

(「彼」と言ってる時点で神栄が書いたというわけではないな……)

 

 

 

すると、中村もその文を読み始めた。

 

 

「ふむふむなるほどねー」

 

 

 

「え……わかったの?」

 

 

 

カルマは自分よりも早くわかった中村が少し許せなかった。

 

 

「でもね、私にはよくわからないや。本当に大変なことになったなぁ………」

 

 

カルマは再び悩む。

 

 

(文自体が少し変だ。「殺す」を「殺る」と書いてあるし、一体何の為にこの紙を俺たちに見せつけたのか………?)

 

 

 

「これは………暗号ですかね?」

 

 

 

殺せんせーも参加し、謎解きが始まる。

 

 

この暗号に、一体なにが隠されているのか………?

 

 

 

 

 




中途半端なとこで終わってたので書き足しました。





バカが即興で考えたクイズのようなものなので頭のいいみなさんならすぐ解けるでしょう。


答えは次回辺りに文中に出す予定です。

「カバディカバディカバディカバディ」

摘香のカバディにハマりました。




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第86話 狂気の時間、2時間目


露骨な文字数稼ぎ注意。


そして、正解の発表です。





 

 

「これってさ、何かを示してるんじゃないのか?」

 

 

「まぁ、そーなんだけどさ、これを書いた人の言いたいことはわかった」

 

 

 

カルマは紙をみんなに見せる。

 

 

そして、ペンを持ち、

 

 

 

◇◇◇

 

 

拝啓

 

 

殺るということは

苦しいことではない

他人は最低だ

姿を

消すのに長けているのだから

 

 

 

 

蝋燭の光を辿れ

場合によっては

死を目の前で見せる

ようやく気づけば

早く行くべきだ

苦悩しろ

温もりを感じろ

偽善は悪くない

骸骨を持ち帰る羽目になる

お前らは死ぬ

開放感に溢れ

野道に連れてかれ

多い死体の中の一人になる

危害は当然加わるだろう

今すぐに行くがよい

満を持して行くがよい

死を選択するか、生を選択するか

 

 

 

 

読んでる暇があるのなら、彼を救え

 

◇◇◇

 

 

「これをさ、ひらがなに直してみなよ」

 

◇◇◇

 

はいけい

 

やるということは

くるしいことではない

たにんはさいていだ

すがたを

けすのにたけているのだから

 

 

ろうそくのひかりをたどれ

ばあいによっては

しをめのまえでみせる

ようやくきづけば

はやくいくべきだ

くのうしろ

ぬくもりをかんじろ

ぎぜんはわるくない

がいこつをもちかえるはめになる

おまえらはしぬ

かいほうかんにあふれ

のみちにつれてかれ

おおいしたいのなかのひとりになる

きがいはとうぜんくわわるだろう

いますぐにいくがよい

まんをじしていくがよい

しをせんたくするかせいをせんたくするか

 

 

 

よんでるひまがあるなら、かれをすくえ

 

 

◇◇◇

 

 

「頭文字をよくみると、

 

 

『はやくたすけろ、ばしよはくぬぎかおかのおきいましよん』

 

ってなる。けどさ、これじゃあ少し合わないよね?だから、ちょっと強引だけど、これをこうして……

 

 

『はやくたすけろ、ばしよはくぬぎかおかのおおきいまんしよん』

 

にするんだ。漢字で書けば………、

 

『早く助けろ、場所は椚ヶ丘の大きいマンション』

 

になるってこと。椚ヶ丘市にある大きいマンションを探そう。殺せんせー、マッハで行ってきてよ」

 

 

 

「ヌルフフフ、わかりました」

 

 

 

 

 

やっと謎が解けた。あとは神栄の救出だけだ。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

とあるマンションの、ある場所にて

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」

 

 

全身を鎖で縛られて、身動きの取れない神栄は、牢屋のような場所で、1人、鎖を外す為の策を模索していた。

 

 

 

だが、思うように頭が回らない。

 

 

 

血が少ないからだ。

 

 

 

 

 

ちなみに、神栄は斬られたことを知らない。

 

 

だから、なぜここにいるのかすらもわからない。

 

 

 

 

 

「か……みさか……さん」

 

 

 

弱々しい声で神栄を呼んだ人は、現在東条家の執事をしている、杉谷さんだった。

 

 

「何してるんすか……?まさか、あなたもここに来た理由を知らないとか……?」

 

 

「その通りでございます。茜音様が、突然笑顔でこちらに来て……!」

 

 

やはり茜音が一枚噛んでいたのか。

 

 

すると、

 

 

 

「やぁ、なんかあーだこーだ喋ってるみたいだけど、大丈夫なの?杉谷は後数分で死ぬけど……いいの?」

 

 

「!?」

 

 

茜音は注射器を取り出しこちらに見せつけてきた。

 

 

 

「これ、碧君の為だけに作られた最強のクスリなの。試しに杉谷に射ってみよっかなー」

 

 

「やめろ………!杉谷さんに……手を出すな………!!!!!」

 

 

 

 

 

「遅い」

 

 

 

プスっと、刺した瞬間、

 

 

 

 

「がっ………!がああああああああああああああ!うがぁっ!あああぁぁああぁぁぁあああぁあ!」

 

 

 

これが、杉谷さんの最後の声だった。

 

 

 

射たれて数秒、杉谷さんは倒れ、起き上がることは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

なかった。

 

 

 

 

 

 

「碧君以外に射つと、異常なまでの拒絶反応を見せるのよ。それがアレよ」

 

 

 

「なんで………そんなことをするんだよ!杉谷さんは関係ないだろ!」

 

 

 

「実験台、モルモット、って言えばわかる?あの人は実験に使われた人なの、ねぇ、知ってる?科学に犠牲は………つきものなのよ」

 

 

 

その時の茜音の笑顔は、まさしく……………

 

 

 

 

『狂気』という言葉が似合う程……

 

 

 

 

 

 

狂っていた。

 

 






多少強引な暗号でした。


多少じゃねぇな……相当だな。


こっからが本当の"狂気"編だと思います。

次回、神栄が………!?


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第87話 狂気の時間、3時間目

ピンポンパンポーン!


この作品では以下の成分が含まれております。(今更)

・超展開
・駄文



もう、タグをつけたくなるくらいです。


それでは、狂気編第3話だ、見てくれると嬉しいな♥︎



茜音は笑顔でこちらに近づいてきた。

 

 

 

「やめろ………!やめろっつってんだろーが!」

 

 

「抵抗もできない人に言われたくないよ。とっととあの超生物殺して、私の元に戻って来なさい………♥︎」

 

 

 

 

プスッ!!!

 

 

 

 

 

 

「ガッ………があああああああぁぁあぁぁああぁぁああ!!!」

 

 

 

 

 

刺された瞬間、神栄の顔は急変した。

 

 

 

 

 

 

「さぁ……!最強の人間になるの………そして……あいつを殺すのよ!ハハッハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ハハッ!アッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

今までの神栄とは大違いだった。

 

 

神栄も、茜音のように……『狂気』の状態になってしまった。

 

 

 

神栄の精神は壊れ、異常な行動を起こす。

 

 

 

その1つとして、神栄は鎖を強引に取る。

 

 

 

先ほどまで取れなかった鎖も、簡単に取れてしまった。

 

 

 

 

 

 

「シロ……こっからどうすんのよ。早く監禁しないと、暴れるんでしょ?」

 

 

 

シロは突然現れ、神栄の目の前に立つ。

 

 

 

「これが全てを出すことのできる神栄君か…………面白い、これで奴を殺せる」

 

 

「……………」

 

 

 

 

最『凶』になった神栄は、檻を手で曲げ、強引に逃げようとした。

 

 

「おっと、ここで逃げられると君は何をするかわからない。とりあえず、眠ってもらうよ」

 

 

 

シロは拳銃のようなものを神栄の前に突き出した。

 

 

そして、発砲。

 

 

 

シロとの距離はなんと数センチ。

 

 

 

だが、神栄はいとも容易く避けた。

 

 

 

「なんだと!?」

 

 

 

「でも、さすがに1対2は無理でしょ」

 

 

プスッと再び茜音は何かを刺した。

 

 

 

 

「これで1日2日は寝てるだろう。あいつらが来たら起こせばいい」

 

 

 

「はーい………」

 

 

 

 

============================

 

 

場所は変わり、神栄の自宅にて、

 

 

 

 

「殺せんせー、どうだった?」

 

 

 

「明らかにおかしい場所が一つだけありました。そこだけなぜか警備が強かったですね」

 

 

 

「殺せんせー、そのマンションって、大きかった?」

 

 

 

 

「そうですね……」

 

 

 

「じゃあ、そこに決定だね」

 

 

「…………ではみなさん、準備はいいですか?相手が殺し屋かもしれませんし、心して立ち向かいましょう!」

 

 

 

 

 

 

「「「「「「おう!」」」」」」

 

 

 

 

 

現在、神栄の救出に参加するのは男子全員と、中村、神崎、不破、狭間だが、殺せんせーは残りのみんなを呼んだ。

 

 

 

 

今回の潜入において、夏休みの時と違う点が1つある。

 

 

 

烏間先生がいないということだ。

 

 

烏間先生は今どこかへ出張へ行っていて、戻ってくることはできない。

 

 

 

 

 

 

確かに殺せんせーがいるが、神栄が今どうなってるのかわからないし、殺せんせーも人質になるかもしれない。

 

 

「神栄……大丈夫かな……」

 

 

 

============================

 

 

 

 

殺せんせー達と一緒に行くと、確かに警備はすごかった。

 

 

「とりあえず近くまで行ってみましょう」

 

 

殺せんせーを先頭に、他の人たちも近づく。

 

 

 

すると、

 

 

 

「お前らは3年E組の人間か?ならここを通れ、茜音様からの伝言だ」

 

 

 

「…………茜音……?」

 

 

 

「お前らが知るような方ではない。早く行け」

 

 

 

やたら怖い警備の人たちを過ぎ、エントランスに入ると、誰もいない。

 

 

 

 

「…………神栄はどこにいるんだよ…」

 

 

周りを見ても誰もいない。

 

 

 

おそらくここにはいないだろう、と思い、みんなは階段を上ろうとした。

 

 

 

 

その時、

 

 

 

 

ヌッ!という効果音が合うかのように、背後から声がした。

 

 

 

 

「久しぶりだね、3年E組の人たち。もうここからは出られないけど……死の準備は出来てるかい?」

 

 

 

 

 

 

声の主は、シロだった。

 

 

 

 

「あなたですか………!?神栄君を拉致したのは!」

 

 

 

 

「人聞きが悪いな、やったのは俺じゃない………あくまで手助けをしただけだ。その辺勘違いしてもらうと困るな……」

 

 

 

 

 

 

カルマは殺せんせーを押しのけ、前に出た。

 

 

 

「ねぇシロ、神栄はどこだよ。まさかさっき言ってた『茜音さん』とやらがなんか関係あんの?」

 

 

 

「さぁ………なんのことだか……なっ!!!!」

 

 

 

シロはスッとボタンのようなものを取り出し、そのボタンを押した。

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

殺せんせーが立っていた床が、突然落下し始めた。

 

 

 

 

「にゅやっ!?ここは触手で床に触れなければ………」

 

 

 

殺せんせーは、かろうじて床に触れるが、その瞬間、爆発音のような音が聞こえた。

 

 

 

「………おい………嘘だろ?」

 

 

 

 

 

ペタ……ペタ…と足音が聞こえる先を見るとそこには………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目がいつもと違う神栄がいた。

 

 




そういえばテストが4教科帰ってきました。


結果が知りたかったらコメントください。
(露骨なコメント稼ぎとか思ったら負けです)


あとがきに追加します。


でも、1つ言えることがあります。


なんと、(返してもらった教科の中ではまだ)赤点がない!



そう、赤点がないんです。

もうね、感動ものですよ。勉強してなかったから、マジで怖かった。


てか、神栄やばいね、次回辺りに一瞬だけ鷹岡登場



追記、テスト結果


配られたら随時更新


現代文→98
古文→43
数学Ⅰ→52
数学A→44
英語Ⅰ→53
英語Ⅱ→53
物理→54
科学→67
世界史→99


赤点は35点以下です。


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第88話 狂気の時間、4時間目



課題「今夜は寝かせないゾ☆」


作者「死ね」


そんなわけで狂気編第4話です。


 

 

 

「神………栄!?」

 

 

頭からは血が少し、いや、結構出ていて、固まっている。

 

 

半裸の状態で、歯をギリギリとさせている。

 

 

 

 

 

 

みんなはいつもと相当違う神栄を見て、ゾッとしている。

 

 

 

中には、目を閉じてしまっている人もいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「見ての通り、神栄君だね。どうする?助けるのかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………をした………!」

 

 

 

穴から脱出した殺せんせーは、顔を真っ黒にしてシロの方を向いた。

 

 

 

真っ黒の時の状態は、ど怒りの時である。

 

 

 

殺せんせーは口をガパァ……と開けた。

 

 

「神栄君に何をした……!!!」

 

 

 

「…………知らないね、というか、それを知った時にはもうお前は死んでるさ」

 

 

 

 

「……!?」

 

 

 

「そういえば、彼の実力を測る為に、『ある実験』をしたんだ。相手は知ってる人がいるだろう。鷹岡 明だ」

 

 

 

 

「…………!!!!」

 

 

覚えている。みんなの体にウイルスを入れ、みんなを苦しめた最低の人間。

 

 

今は多分、刑務所にでも居るのだろう。

 

 

 

「彼と戦ったんだ。当然、鷹岡にも本気でやってもらう為にある条件を出してね。『この戦いに勝てば、今まで犯してきたことを全て無かったことにする』だ。彼はもう、本気だったね、ナイフまでもって、完全に殺す気だった」

 

 

 

「…………?」

 

 

「でも、結果は一瞬だった。

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡の負けだ、しかも1発で殺られた」

 

 

 

「…………え?」

 

 

「その後も鷹岡は戦ってた。だが、神栄君はおもちゃのように扱ってたよ。投げたり、踏み潰したり、彼の顔は、戦った後原型を留めてなかった」

 

 

すると、殺せんせーはシロに問いかける。

 

 

 

「それと……神栄君に何の関係があるんですか……!?」

 

 

 

 

 

 

「知らないね、でも、この状況でそんなこと言えるのか?」

 

 

 

「何を……………………ハッ!」

 

 

 

殺せんせーは気づいてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すでに、神栄が目の前にいることを。

 

 

 

 

 

神栄は手を後ろにして、殺せんせーには見えないようにしている。

 

 

 

 

ここからナイフを当てるには少し時間がかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、殺せんせーは避けれる気しかしてなかった。

 

 

 

所詮憎悪を煽っただけ。この程度なら楽だ、と。

 

 

 

早く正気に戻し、いつものようにさせようとしていた。

 

 

 

 

だが、それはただの目標で、結果はまた違う。

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、神栄の手から鞭のようなものが出され、神栄はそれを思いっきり振った。

 

 

 

「完全体の神栄君が鞭を使用した時の最高速度はマッハに近い状態かそれ以上だ。流石にあんたも避けられないんじゃないか?」

 

 

 

 

「…ッ!!!」

 

 

反応が少し遅れたせいで、殺せんせーは触手を2本斬られた。

 

 

 

神栄はすかさず、追撃。

 

 

 

 

神栄は鞭を捨て、ナイフでの斬撃に移る。

 

 

今まで見せたことのない技術を駆使し、殺せんせーを苦しめた。

 

 

 

そして、その攻撃で触手を1本失った。

 

 

合計3本。戻るまであと少しかかる。

 

 

 

「…………神栄君!正気に戻りなさい!」

 

 

 

「聞こえないハズだ。集中してるからね」

 

 

 

 

殺せんせーの言葉は無情にも届かない。

 

 

 

 

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

戦いは一方的だった。

 

 

避けては斬られ、避けては斬られの連続。

 

 

 

しかしだんだん斬られることは少なくなった。

 

 

 

 

 

 

「慣れてきたか………なら作戦変更だ。奴らを標的にしなさい」

 

 

 

指を指された方向には、E組の生徒がいた。

 

 

 

 

 

神栄は方向を変え、E組のいる場所へと向かう。

 

 

 

「嘘だろ………!?やめろ神栄!」

 

 

 

 

神栄は急に走り出し、標的を決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

標的は……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎 有希子だった。

 

 





逃げて!みんな逃げて!


茜音さんマジ空気です。


明日……あ、今日か、


今日古文のテスト返ってくるわ……怖いよ。


テストの結果は87話のあとがきに書いてます。随時更新ですよ。


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第89話 狂気の時間、5時間目



今回のテスト、赤点は一個もありませんでした。
(まだ現代文が返されてないが、赤点じゃないと信じて)


では、狂気編第5話をお楽しみください。


今回は短いです。




 

 

「…………」

 

 

何も言うこと無く、神栄は神崎に近づく。

 

 

 

ナイフを振り下ろそうとした瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「危ない!」

 

 

 

 

殺せんせーが神崎を庇い、触手を1本失った。

 

 

 

「大丈夫ですか!?神崎さん……」

 

 

 

「私は大丈夫ですけど……他のみんなが……」

 

 

 

「!?」

 

 

 

殺せんせーが気づいた時には、もう…………遅い。

 

 

 

周りを見ると、岡島、菅谷、木村、三村が倒れている。

 

 

 

(この数秒で4人の生徒を倒すなんて……なんでそんなことを………!?)

 

 

 

 

 

「ガッ……ハァ!」

 

 

岡島は血を吐いている。

 

 

 

かろうじて息はしている。

 

 

 

 

 

「…………!」

 

 

 

カルマは耐えきれなくなったのか…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマの目の色が変わった。

 

 

 

 

「か……み…さかあああああああ!!!!!!!」

 

 

 

そう言って、カルマは神栄に向かって行った。

 

 

 

 

「とうとう怒ったか。だがやることは変わらないんだよ……!さぁ、殺せ!神栄君!!!!」

 

 

============================

 

 

 

 

「カルマ君!?」

 

 

 

 

「正気に戻りやがれ、戻らないなら……ぶっ殺す」

 

 

 

カルマはナイフを神栄に当てようとするが、全く当たらない。

 

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなの……勝てるわけがない!」

 

 

 

「殺せんせー!どうすんだよ!このままじゃカルマが死んじゃう!!」

 

 

 

 

 

「………………!!!」

 

 

 

「……ククッ、その程度の攻撃じゃあ神栄君はやられない。やり返してあげなさい。神栄君」

 

 

 

カルマが神栄の顔をめがけてナイフを当てようとした瞬間、

 

 

 

 

 

カルマの顔面に膝蹴りが入った。

 

 

 

 

「ガハッ………!」

 

 

 

少し血が出てきている。

 

 

 

 

「ハァッ……ハァッ……ハァ…」

 

 

 

 

 

しかし、カルマは神栄の腕を掴む、

 

 

 

 

「………………まだ……殺られるわけにはいかない…」

 

 

 

 

 

神栄はその手を振り払い、カルマに平手打ちをした。

 

 

 

「………………ッ!」

 

 

 

 

だが、カルマは再び腕を掴む。

 

 

 

 

「早く正気に………戻れよ」

 

 

 

 

「……まだ!!邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だジャマだじゃまだじャマだジャマダ邪魔ダジャ魔だ邪魔だああああああああああああ!」

 

 

 

神栄の怒りのボルテージは段々と上がってくる。

 

 

 

「う……るせぇぞ、早く……戻りやがれ!」

 

 

 

 

 

神栄はすぅ……と息を吸って、目の色を先ほどよりさらに変えて、カルマに言い放った。

 

 

「…………す」

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

神栄からは、笑顔が見えた。

 

 

しかし、その笑顔はいつも笑ってる笑顔ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に人を殺す時に見せる、狂気に満ちた笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

「…………やめろ!神栄!これ以上はやめろ!」

 

 

 

 

 

「死ね死ね死ね死ね死ねシねしネ死ネ死ね死ね!!!」

 

 

 

 

神栄がナイフを振り下ろそうとしたその時、誰かがカルマの前に立ち塞がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………!?神崎さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、やめよう?ダメなことくらい、自分でもわかってるはずでしょ?だから…………もう、やめて?」

 

 

 

神崎の目からは、ポツリ、ポツリと涙が溢れていた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(fripsideを知らない人は調べてからまた戻ってくるか、次回予告のようなもののところまでスクロールしてください)



最近、fripsideの曲をよく聴きます。


特に
・Only my railgun
・Level5-judgeLight-
・closest love
・trusty snow
・悲しい星座
・memory of snow
・late in autumn
・I’m Believing you
・Black bullet

が好きです。

あと、やなぎなぎさんの『終わりの世界から』もよく聴きます。



うん、どうでもいいね。



次回、神崎の想いは届くのか……?


指摘、『テスト乙』や『コラボしたいです』的なコメント、質問など、お気に入り、評価よろしくお願いします。

お気に入りが一件付くだけで作者は超嬉しいです。


評価なんかしてくれた日には学校で暴れてます。


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第90話 狂気の時間、6時間目


あと10話で本編が100話行くなぁ、


長いようで短かった。


あ、まだ終わりませんよ?


安定の超展開注意


 

「殺す……ぶっ殺す!!!!」

 

 

 

今の神栄に、どんな言葉も効かない。

 

 

 

それでも、神崎は立ち塞がる。

 

 

 

「前みたいに……楽しい……教室に戻ろうよ………だから……お願い、いつもの神栄君に戻ってよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな言葉はどうでもいい、早く殺りなさい」

 

 

シロの言うことは絶対だ。

 

 

 

だから、殺す。

 

 

 

「……ガァ!!!」

 

 

 

神栄は吠えると、神崎のところまで走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

神崎まで残り1メートル。

 

 

 

拳を握り、殴ろうとした瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピタ、と動きが止まった。

 

 

 

「…………神……崎?」

 

 

 

 

「神栄君……!やっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ……薬の効力が切れたか、ストックを……!」

 

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

 

 

E組の生徒がいるところからではなく、違う場所から声がした。

 

 

 

 

 

「お前か………茜音」

 

 

 

 

神栄 茜音。実の弟である神栄 碧に薬を投与した女である。

 

 

 

 

 

 

 

「全ての指揮は私が取る。あんたは100億の用意でもしてなさい……!」

 

 

 

神栄同様、茜音も狂気の状態だ。

 

 

 

「その子を殺しなさい。殺せばあの超生物を殺せるのよ………?」

 

 

 

 

「頭が………割れる……!痛い……!殺す……殺す……?」

 

 

 

 

神栄は頭を手で抑えながら、声を震わせて言う。

 

 

 

 

 

「殺せ」

 

 

 

 

茜音の冷たい一言で、一瞬正気に戻った神栄を再び狂気の状態にさせた。

 

 

 

 

それでも、神崎は絶対に引かなかった。

 

 

 

 

 

神栄は再び拳を握る。

 

 

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

昔のことが思い出される。

 

 

 

 

 

あれは………確か小学校の頃……。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………私、好きな人がいるんだー、碧君にはわからないだろーねー」

 

 

「えー、俺がわからない人?どんな人だよー。おしえてー」

 

 

 

 

「それはねぇ……………君だよ」

 

 

 

 

 

 

そこからはよく聞こえなかった。誰が好きだったのか、その頃あの人は、どんな人が好きだったのかわからない。

 

 

 

 

 

でも、神栄はその人の事が………好きだった。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

過去の事を思い出した神栄は、急に力が抜けたかのように倒れる。

 

 

 

倒れた時、神栄は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

それは、さっきような恐ろしい笑顔ではなく、普通の笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……早く………起きなさい!早く!!!!」

 

 

 

 

茜音が神栄を起こそうとした時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーが茜音に触手で平手打ちをした。

 

 

 

 

 

 

その時の殺せんせーの顔は、また真っ黒だった。

 

 

 

 

「あなたは神栄を好き過ぎたようだ………。だからこのような異常な行動も簡単に出来た。あなたはしばらくの間、反省するべきです。自分がどのようにして好かれるかを……学ぶために…………」

 

 

 

 

「そんなもん……知らない!碧君が殺さないなら………私がっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

茜音が突進した、

 

 

 

 

 

「ああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

殺せんせーに突っ込んだその時!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄が右手で一発茜音にぶちかました。

 

 

 

 

 

 

「黙れ……クソ茜音。殺せんせーがそんなところで死ぬわけねぇだろ……!ハァ…ハァ…!二度と来るな……!E組に!お前の事なんか……生きてるうちは大嫌いだ。ハァ…ハァ…ハァ…!いっぺん……死んできやがれ!」

 

 

 

 

 

 

バタン!と神栄は崩れ落ちた。

 

 

 

 

「神栄!神栄!!!!」

 

 

 

 

 

そこから………神栄が起きることは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無かった。

 

 

 

 





重大なネタバレ

・神栄は死なない



そういえば日間ランキングに載ってた!

前にもあったけど嬉しいです。


これからもよろしくお願いしますね、


次回、半分までマンション内での話、残り半分は病院内の話だと思います。


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第91話 狂気の後の時間


まだまだ狂気編は終わりませんよ。



あ、あと病院の知識は全く無いのでめっちゃ変かもしれませんが、よろしくお願いします。
(入院したことあるけど、救急車で運ばれたことはない)


余談ですが、テスト赤点無かったです。





 

とあるマンションで、神栄は倒れている。

 

 

 

 

 

 

薬の効力も切れ、集中力も切れた今、神栄は何もできない。

 

 

 

ただ、血を流しているだけである。

 

 

 

かろうじて息はしているが、ピクリとも動かない。

 

 

 

 

「………とりあえず救急車を呼ばないと……!」

 

 

殺せんせーは自分のケータイで救急車を呼び、呼んだ後どこかへ行ってしまった。

 

 

 

「フッ、いつか死ぬ奴を助けるのか………めんどくさいヤツだね」

 

 

 

 

「シロ!お前はこんなことしといといて見捨てんのかよ!」

 

 

前原はシロに言い放つが、シロは聞く気は無いようだ。

 

 

「………知らないね、彼らは所詮使い捨ての駒だから……………」

 

 

 

そう言うとシロはどこかへ消えていった。

 

 

 

 

「………神栄………」

 

 

 

 

 

 

シロがいなくなってしばらく経つと、救急車がやってきて、神栄姉弟を運んで行った。

 

 

 

 

E組の生徒らは、椚ヶ丘にある大きな病院へ走っていった。

 

 

 

============================

 

 

 

病院では、緊急の手術が行われた。

 

 

 

このままだと神栄は出血多量で死ぬ。

 

 

 

それを止めるため、医師達が全身全霊を込めて手術に臨んだ。

 

 

 

 

 

一方茜音は、意識不明だけなのでベットで眠っている。

 

 

 

 

手術室前、殺せんせーを除くE組の生徒が座って待っていた。

 

 

 

「神栄………大丈夫かな……?」

 

 

「あんな出血してたんだもんな…………」

 

 

 

ガラッ!とドアが開いた。

 

 

 

 

そこには、残念そうにしている医師がいた。

 

 

見ただけで結果はわかっているようなものだが、磯貝はそれでも聞いてみた。

 

 

 

 

「あの……!神栄は……!?」

 

 

 

 

「………最善は尽くしました。ですが、彼はしばらく起きないでしょう……」

 

 

 

医師によると、大量の出血は治まったものの、骨が所々折れていて、しかも意識不明らしい。

 

 

 

 

医師がそう言った後、神栄は病室まで運ばれた。

 

 

 

============================

 

 

 

現在、午後9時。

 

 

 

だいたいの病院はこの時間になると面会は終了だ。

 

 

 

 

しかし、神栄の病室には殺せんせーと律(ケータイの中にいる)がいる。

 

 

 

 

「…………神栄君…………」

 

 

 

殺せんせーは一言言うと、律を置いて窓から去っていった。

 

 

 

 

それでも、神栄は起きない。

 

 

 

 

『…………』

 

 

 

プツン。

 

 

 

 

ケータイの充電が切れ、律はいなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

それでも、神栄が起きることはない。

 

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

コンコン、とノックをする音がした。

 

 

 

当然、「どうぞ」など言えない。

 

 

 

何も言うことなく入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その人は、神崎だった。

 

 

 

============================

 

 

 

「碧君……起きてよ……みんな心配してるんだよ?いつもならけろっとしてるじゃん………だから……起きてよ…!!」

 

 

神崎は再び涙を流す。

 

 

 

 

 

 

でも、起きない。

 

 

 

 

現実は悲しいものである。

 

 

 

おとぎ話と違って、キスをすれば目覚めることは無いし、願ってるだけで目覚めるならみんなそうしてる。

 

 

 

 

これが、現実。

 

 

 

夢でも理想でもない。

 

 

 

 

 

神崎は眠っている神栄に抱きつくが……………。

 

 

 

 

「………起きて……碧君!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんど神栄に叫んでも起きることは、なかった。

 

 

 

 

「………………………」

 

 

 

 





結局現代文は98点でクラス1位でした。


なんとクラス1位の科目が2つもある。


でも、全体の成績的には低い方です。


後の教科が悲しくなるくらい低いからさ!


そんなわけで次回かその次、狂気編完結です


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第92話 狂気の後の時間、2時間目

※ネタバレ※

案外あっさり神栄は目覚める


そしてみなさんお待ちかねのこk………!?


俺は…………何をしてたんだ?

 

 

なんか、痛い。

 

 

 

 

 

 

そして…………何か、光っている。

 

 

 

 

 

光っている道が、うねうねとしている。

 

 

 

 

そこにはたくさんの人が流されていて、何というか、ガヤガヤしている。

 

 

 

 

光っている場所以外は、完全な闇だ。

 

 

俺は誰かに押され、流された。

 

 

 

 

すると、流れは急に早くなり、気づけばもうすぐ闇の中にのみ込まれる。

 

 

 

時折、光の道からこぼれて闇の中へ堕ちていく人も見えた。

 

 

その人は、多分………死んだ。

 

 

 

 

(まずい……!このままだと……俺も………死…………!?)

 

 

 

 

流され、あと数メートルで闇の中へ堕ちようとしたその時!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁああぁぁああああぁぁあ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めると、そこは病院だった。

 

 

 

辺りを見渡すと、ケータイが立っていて、なんか神崎が寝ている。

 

 

 

 

「俺………何してたんだ?」

 

 

 

 

 

神栄は今までの事を覚えていない。

 

 

 

だから、何故病院にいるかわからない。

 

 

 

 

(………神崎寝てるなぁ…起こさないようにしないと………)

 

 

 

 

そーっと布団を神崎にかけて、いざ外に出ようとすると、足が動かない。

 

 

 

 

左足が固定されている。

 

 

 

「折れてんのかよ………まぁいいか、神崎起こさなけりゃいいや」

 

 

 

神栄は再び寝ようとする。

 

 

 

すると、

 

 

 

「碧君………お……きて…?」

 

 

 

 

(……ッ!寝言か…よ……?起きてるんだけどな………)

 

 

 

 

今の状況を理解できないまま、数分が経つ。

 

 

 

今は………何時だろう?

 

 

 

 

ケータイを取り出そうとするが、以前自分で壊したことを思い出す。

 

 

 

 

「そうだ……壊しちゃったんだよな………それで、神崎が………俺に……」

 

 

 

 

「……………碧君?」

 

 

 

あ、起きちゃった。

 

 

 

 

「お……おう、久しぶり……なのか?」

 

 

 

 

神栄はははっ!と笑うと、神崎が飛び込んできて、何故か、泣いていた。

 

 

 

「本当……心配したんだよ?2日も起きなくて……もう………!!」

 

 

 

 

「まー泣くな泣くな、俺はこの通り(怪我してるけど)元気だ。しばらくすれば学校いけるだろ」

 

 

 

 

すると、コンコン、とノックした後、誰かが入ってきた。

 

 

 

「やぁ、神栄君だね?しばらく起きなくて心配したんだが、もう大丈夫のようだね。よかった」

 

 

 

「病院の人っすか、まぁ元気ですよ」

 

 

 

「そういえば、君のお姉さんが謝っていた。『すまなかった、もう、許してくれ』とね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははっ!俺には関係ない話ですよ。俺は許すつもりはないですし、許さない、ということもないです。"普通"ですよ。好きでもないし嫌いでもない。これでいいんだ」

 

 

 

 

「………君は本当に中学生か?随分と冷静だな」

 

 

 

「最近の中学生はこんなもんですよ」

 

 

 

 

 

「……そうか、ならいいんだ。では、これで失礼するよ」

 

 

 

 

神栄は帰ろうとする医師を止めた。

 

 

 

「なんだね?」

 

 

 

「あいつには、ライバルという存在であってほしい、と言ってくれませんか?」

 

 

 

 

 

「………わかった」

 

 

 

 

 

今度こそ、医師は去っていった。

 

 

 

「なぁ神崎、あのさ…………」

 

 

 

 

 

「どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

今度こそ、伝えるべきだ。

 

 

 

 

 

今まで言えなかった、『好き』の一言を………。

 

 

 

 

 

 

「その………前に神崎言ったじゃん?『好きだ』ってさ……」

 

 

 

 

 

「う……うん」

 

 

 

 

 

 

ものすごく緊張している。

 

 

 

 

 

もう、ヤバイ。

 

 

 

 

 

 

「あの時の返事がまだだったんだが………俺は………」

 

 

 

 

 

 

今にも心臓が飛び出そうだ。

 

 

 

今になって、ヘタレと言われていた理由がわかった気がした。

 

 

 

 

 

でも……そのヘタレを………

 

 

 

 

 

 

今、壊すべきだ。

 

 

 

 

 

「俺も……その………好きだ。だから………その……あの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと言ってくれたね、碧君!私も好きだよ!碧君の事」

 

 

 

 

 

 

うわぁ笑顔の神崎すげぇかわいい。

 

 

 

 

「……お、おう。そうか」

 

 

 

 

「これからずっと………よろしくね、碧君」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………で、そこにいる女、出てきやがれ」

 

 

 

 

 

「あ……ばれた?」

 

 

 

 

出てきたのは………なんと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ばれた?じゃねぇよ早希さんがああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

東条 早希だった。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「もしE組の奴らなんかに言ってみろ、怪我治った瞬間殺す」

 

 

 

「私の方が年上なのにそんなこと言っちゃう?Sか?Sなのか?」

 

 

 

「Sだ!」

 

 

 

 

「開き直んないでよ……」

 

 

 

まぁ、なんとか言わないでくれるようにはしてくれた早希さんだが、めちゃくちゃ怖い。

 

 

 

絶対言うだろ、あの人。

 

 

 

 

 

 

2週間後、神栄は退院し、怪我も完治した。

 

 

 

茜音の事は知らないが、どうやら俺よりも先に退院し、授業に出ているらしい。

 

 

 

 

この事件は誰にも知られず、真相はつかめていない。

 

 

 

ただ、シロがやった、という事だけは知っている。

 

 

 

 

シロは一体、どんな人で、何のために殺せんせーを殺そうとしているのか?

 

 

 

神栄は全くわからないまま、学校へ行く用意をした……。

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、神栄君」

 

 

 

「早速今日から殺しにかかるぜ、殺せんせー!!!」

 

 

 

元気良い挨拶と、エアガンを打つ時の音が一緒になる。

 

 

 

これが、3年E組の暗殺教室。

 

 

 

 

始業のチャイムが、今日も鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"狂気"編、 完…………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「はぁ、碧君には嫌われっぱなしだ……」

 

 

 

3年A組の教室で、神栄 茜音はため息混じりに言って、顔を伏せた。

 

 

 

「まぁ、仕方ないよ、何をやったかは知らないけど、やり方を変えればいいんじゃないのか?」

 

 

 

浅野 学秀がアドバイスすると、茜音は顔を上げ、何かを思いついた。

 

 

 

 

「そうだ!今度は…………!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、今度は一体何をするんだ?神栄さん」

 

 

 

「ひ、み、つ♥︎」

 

 

 

 

 

 

今度こそ、"狂気"編 完

 




ついに"狂気"編が終わりました。

次回からは原作の通りに進めていきたいですね。


突然ですが、問題です。


Q.『なぜユダヤ人は大量に殺されたのか』



「キリスト殺し」「成功者への妬み」以外の答えでよろしくお願いします。



正解すると、僕の世界史の成績が上がり、執筆スピードが速くなるかもしれません。

正解したら、その人を尊敬しますよ。マジで。


では次回、「茅野、大活躍」「神栄、ヘタレ」「神崎、可愛い」の3本です。


追記、TRPGやりたいです


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第92.5話 兄の時間


今日でこの小説(擬き)を書き始めて2年ということで、番外編ではないけど本編ではないものを書きました。
前々からこの話考えてたんですけど、実際行動に起こすまで数ヶ月かかりました。
ファンブックで神崎さんに兄がいることを知った時はちょっとびっくりしました



 

 

「え?一人暮らしをする?」

 

 

 

「ああ、有希子の顔もしばらく見れないかもしれないな……あと母さんも」

 

とある日、親二人が仕事の都合で家にいない時間帯、食事をしている時のことだった。

 

「私は大丈夫だけど……どうしてこんな突然?」

「そろそろ自立しようと思ってな。最近有希子も熱心に何かに取り組んでるし、母さんも結構頑張ってるし、俺も頑張らなきゃな、って思ってさ」

「そっか、でもすぐ戻ってくるんじゃない?」

「大丈夫。母さんの写真をたくさん持ってるから」

(それは大丈夫じゃないんだよお兄ちゃん………)

 

 

神崎の兄は重度のマザコンで、母を待ってるのかつらくなって高校生のくせに泣き出したこともあるくらいひどい。

それ以外はそれなりにまともなので、マザコンの部分だけがものすごく目立ってしまう。

そんなマザコン兄が、突然の自立宣言。兄の全て知っている妹からすれば、杉野がサッカー選手になろうとし始めるくらいヤバイ。

もっと言えば、神栄が突然積極的になるくらいヤバイ。

「ま、まぁ……頑張ってね」

「有希子こそ、綺麗だから変なヤツとだけは絶対付き合うなよ。特に奥手の奴はダメだ。男からリードしてかないヘタレはただのヘッポコだぞ」

(ごめんお兄ちゃん………その奥手てヘタレなヘッポコが私の好きな人なの…)

 

 

「う、うん。わかったよ」

ガラでもなく、嘘をついてしまった……。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

1週間後、兄は部屋にある荷物を全て新しい家に持って行き、自宅を後にした。

兄の部屋に行くと、秘蔵のママアルバムも、ママボイス付き目覚まし時計も、全て無くなっていた。それほど本気の一人暮らしなのだろう。

「………いたらいたでお母さんお母さんとうるさかったけど、いないとなんか寂しいような……」

兄の部屋でポツリと呟くと、今までに起きた出来事を思い出す。

 

 

出来事と言っても、兄と喧嘩なんてした事はないし、兄が怒るなんてことも無かった。

主にゲームのことだった。

おばあちゃんのへそくりでたくさん買えたゲームで、クリアできない時は兄と一緒にプレイしていた。

だがゲームをやり込んでいくうちに、だんだん兄の助けが必要なくなり、練習相手としてしか一緒にゲームをすることがなくなってきてしまった。

今になって、また一緒にゲームしたいな……と思ってきた。

 

 

 

 

「……ゲームセンターにでも行こうかな」

 

 

 

 

 

 

 

最近のブームはオンラインFPSゲームだ。全国のプレイヤーとのオンライン対戦が可能なゲームで、月に何度か非公式ではあるが大会が行われる。

神崎はそのゲーセン内では有名なプレイヤーで、有鬼子と噂される強さである。

 

 

今日は運がいいのか大会が行われる日で、ゲーセンは少しばかり混んでいた。

 

 

「……碧くん?碧くんがどうしてここに?」

 

 

「……神崎か。太鼓の時は世話になったな。今日は大会出んのか?」

「うん……一応」

「そっか。決勝で戦えるといいな」

多分、神栄の力なら容易に決勝には行けると思う。

それに比べて神崎は、若干動揺している。

 

 

 

 

(……碧くんと戦えば…少しは楽になるかな…?)

そんな淡い期待を込めて神崎は大会に参加するための紙を書いた。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

一回戦の対戦相手が発表されると、嘆いてる人がいたり、喜んでいる人がいた。

 

神崎の場合嘆かれる方が多いのだが、神崎もため息を吐いていた。あまり乗り気ではなさそうだった。

 

 

試合開始時間になり、続々と勝者が出ている中、神栄も一回戦を突破していた。

試合が終わり神崎のいるところへ向かうと、相変わらず神崎はいつもとは違う。

「なぁ神崎……なんかあったのか?話あるなら聞くぞ?」

 

「じゃあ、ちょっと場所を変えてもいい、かな?」

「え、でも大会が……って、まぁいいか」

 

 

 

神崎は神栄の腕を引っ張る形で、人気のない場所で話し始めた。

 

「……お兄ちゃんが、一人暮らしを始めたの」

「なんだよそんなことか。別に大丈夫だろ。どんな兄か知らんけど、お盆とか正月とかには帰ってるでしょ。てか、神崎に兄がいたのな、初めて知った」

 

「うん、一応…」

 

「そんな寂しいものかね……兄がいなくなるって」

神栄の場合、姉がいなくなって嬉しすぎて涙でる姉不孝者だ。

性格が合わないのが原因だが、それが無くても神栄は嫌っていただろう。

「まぁ、兄がいなかったら俺が兄になってやるぜー!なんつって。無理か……あはは」

 

神崎の顔が一瞬で明るくなる。

 

「ってうわぁあああ!どうした神崎!?だ、大丈夫、ですか?」

「碧くん……私、 碧くんのことお兄ちゃんって言っていい?」

「え…い……やではない気もするけど、それは良いのだろうか…」

「むー、碧くんはそうやって曖昧にして結局やらないんだもん。たまには私に構ってくれてもいいんだよ?私はいつだって待ってるから」

「………」

 

あまりの綺麗さと可愛さに死にかけた。が、兄妹プレイをするとなると、また死にそうな予感がする。

変な態度で臨めば有希子に迷惑がかかるし、ちゃんとやれば自分が精神的に殺られるし、逃げれば死ぬ。どのルートへ行っても逝ってしまうことは避けることができない。なんて鬼畜な!

 

しかし、ここでやらねば男ではないし、ヘタレというのが事実になってしまう。

 

「………わかった。具体的にどんなことをやるかを聞こうか」

「え?いいの?」

「今更なんだよ。神崎がやってほしいって言ったんじゃないか。俺はやるぞ」

「………あれ?」

 

神崎はふと思う。

これは本当に碧くんなのだろうか。

誰もがヘタレと呼ぶ神栄は、これまでどんなアプローチも曖昧にしたり、逃げたり、逃げたり、逃げたりしたのに、なぜこんな時はやると言ったのだろうか。

あまりの事態に動揺している神崎に、神栄は首をかしげる。

 

「どうした?どこか具合が悪いのか?」

「い、いや、大丈夫だよ!けど、ちょっと碧くんがいつもと違うから……」

「ん?俺はいつも通りだぞ?」

 

だめだ。本人がヘタレっていう自覚がない。

 

「じゃあ……やってもらおうかな…。お兄ちゃん!」

「ゴフッ!」

吐血したような咳をすると、神栄は膝をつく。

「碧くん大丈夫!?」

「…破壊力がありすぎる。俺の彼女がこんな美少女だった件について」

「…どうしたの?」

「あー、なんでもないよ。ちょっとびっくりしてて」

「そう?なら良かった。それじゃお兄ちゃん、どっか行こっか!」

「大会は………どうでもいいか」

 

 

そう言うと2人は大通りへと手を繋いで行ったのである。もちろんリードしているのは神崎だが。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

「碧く……お兄ちゃんは何したい?」

「無理してお兄ちゃんなんて言わなくてもいいんだぞ?兄だと思えばいいだけだし…」

「お兄ちゃん、どこ行きたい?」

「え」

 

お兄ちゃんをゴリ押す神崎は可愛いが、本当に妹になりきっているのはどうだろうか?

「そうだな…公園なんかどうだ?のんびりできるし」

「うん!そうしよっか!!」

 

 

公園のベンチに座ると、神崎がこちらに寄りかかってくる。

「あの……これは一体?」

「お兄ちゃんに甘えてるの」

「なるほど。よくわかりません」

「むー、また曖昧にした!」

「え、これが?」

 

 

「…………有希子?」

 

バサッ、とレジ袋が落ちる音が聞こえると、神栄と神崎は落ちた音の方を見る。

 

神崎には、既視感のある姿が。

神栄には、何か神崎に似てる人だなぁと思った。

 

「有希子…?何だそいつは」

「え……?誰だこの人」

 

まるで二股かけたような会話だが、一体誰なのか。

 

 

「俺は有希子の兄だぞ!お前!有希子に何してるんだよ!」

 

「あんたが兄か。俺はそちらの妹さんとお付き合いしてる神栄です」

「なんだと!?どう見てもただのヘタレじゃないか!有希子!俺はそんな奴が彼氏なんか認めないぞ!」

 

 

 

 

「……おい。初対面の人にヘタレだなんて失礼だな。やれやれ、これじゃ妹さんが心配するわけだ」

「なんだと!?」

「別におせっかいが悪いってことじゃあないが、いい加減妹離れしようぜ。こっちだって薄っぺらい付き合いしてるわけじゃねーんだよ。真剣に愛してんだよ。そんな妹を見て、応援する気持ちにはならんのか?」

「うっ、それは……」

「なら、別に俺が付き合ってても問題ではないだろ。少なくともあんたが思うような人間じゃないような努力はするつもりだし、そんな簡単に別れるような真似はしないから。な?いいだろ?」

 

「………なんか、随分大人びてるな。神栄……くん、だっけ?有希子をよろしくお願いします……」

「わかってもらって嬉しいです。では、これで」

 

そう言って神栄は神崎の腕を掴み走ってどこかへ行ってしまう。

 

「………真剣に頑張ってるのは、お付き合いってことなのか…?」

 

 

 

 

 

 

 

「………はぁ。だめだ…。ガラでもなくあんなこと言ってしまった。恥ずかしすぎて逃げちまったよ」

「碧くん」

「……ん?どうし」

 

た?と言おうとしたが、その瞬間に神崎が抱きついてきた。

「碧くん…。私嬉しかったよ。普段ちゃんと言ってくれないんだもん……だから、嬉しかったよ?」

「…そうだな。多分今後言わないかもしれんからな…」

「それはどうかと思うけど…」

「まぁ、なんだ。兄公認のお付き合いができるから、それで許してくれないか?」

 

 

 

「そうだね。じゃあこれからも末長くよろしくね!あーおくん!」

 

今まで見た中での、最高の笑顔になっている神崎を見て、神栄は顔を背ける。

 

「ごめん……耐えられない」

「……まずはそのヘタレを治さなきゃね」

 

 

 

 





1年経った時から数話しか進んでないですけど、どんな理由があっても必ず終わらせます。ここまでやって逃げるとか嫌ですし。

今年は受験だし、きっと忙しいですけど気がついたら書いてた的な感じでポンポン出してることでしょう。

2年生最後のテストが終わって気が緩んでるけどテストは終わってないという謎の矛盾。
(なんか諸事情があって再試験するらしい)


今後もよろしくお願いします。次回こそ本編書きます!


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第93話 茅野の時間



今回、作者と神栄のテンション高いです。






 

 

いろいろあってから1週間、神栄は自宅でテレビを見ていた。

 

 

「っはははは!やっぱり俺○イルは面白いねぇ!貯め録りしてて正解だぜぇ!」

(神栄はアニメを見てるときはこんなテンションです)

 

 

 

 

 

 

神栄は机をバンバン叩きながら大笑いしている。

 

 

 

 

 

すると、神栄のケータイ(買い直したやつ)が鳴った。

 

 

 

 

またどうせ冷やかしに来たんだろう。

 

 

 

主にカルマとかカルマとかカルマとか

 

 

 

『もしもs……』

 

 

「死ね」

 

 

『え、ちょ、何言ってんの?神栄君』

 

 

 

声の主は茅野だった。

 

 

 

「あー、ごめん。カルマだと思ってな……で、何」

 

 

 

『明日、エプロン持ってきてね!殺せんせー暗殺計画を立てたから!』

 

 

 

いつも後方支援の茅野が計画したヤツ?まぁいいか、明日からまた学校だしね!

 

 

「あー、わかった。んじゃまたな」

 

 

 

 

電話を切ると、再びアニメを見る。

 

 

 

が、貯め録りしてたものが終わってしまったので、次はゲームに移る。

 

 

 

最近発売された、『スプラ○ゥーン』をやることにした。

 

 

 

「…………」

 

 

 

うん。面白い。

 

 

 

神栄は、あれから5時間ぶっ通してやり続けた…………。

 

 

 

============================

 

 

 

朝、神栄はいつも通り今日の用意をして、登校する。

 

 

 

 

「眠すぎるぞ……」

 

 

 

「あーおくん!」

 

 

 

後ろからなんかやってきた。

 

 

あ、神崎か。

 

 

 

なら許す。

 

 

茜音だったら殺人事件もんだ。

 

 

 

「…………おう、どーした?」

 

 

 

「今日は茅野さんがなんかするんでしょ?楽しみだね!」

 

 

 

「まぁな」

 

 

 

◇◇◇

 

 

学校に着くと、なんかトラックが何台も止まっている。

 

 

 

「なんじゃこりゃ………」

 

 

 

「プリンよ」

 

茅野が神栄の前に立ちふさがる。

 

 

 

 

 

 

「プリン?」

 

 

 

「プリンで殺せんせーを殺すわ」

 

 

 

「あれか、プリンにBB弾混ぜんのか。出来たらとっくにやってる気もするんだが、まぁいいか」

 

 

 

 

 

「ふふふっ、烏間先生にお願いして、プリン爆殺計画を今から始めるわ!!!!」

 

 

 

プリン爆殺計画(ネーミングセンス皆無)は巨大プリンの底に対先生弾と爆薬を仕込み、殺せんせーが底まで食べたら竹林の発破で爆☆殺というわけである。

 

 

 

はっきり言おう。

 

 

 

 

 

 

プリン可哀想だろ。

 

 

「んー、じゃあ早く作ろうか、とっとと終わらせて寝たい」

 

 

 

============================

 

 

 

 

作業はとんでもないものだった。

 

 

「うわぁ、こりゃすげぇ」

 

 

 

 

「ふふふっ」

 

 

 

茅野によると、プリンに必要な卵はマヨネーズ工場の休止ラインを借りて機械で割ってもらってるらしい。

 

 

他?知らねぇよ。

 

 

 

寒天だがなんだかで味を変えたりしてるらしいが、聞かされたのは卵だけだ。

 

 

 

 

 

「………仕事ねぇな、俺」

 

 

 

 

神栄は料理や食べ物系においてカスなので、この企画では下っ端の使いっぱしりで、荷物を持ってきたりするだけの役だ。

 

 

 

しばらくすると、神栄に仕事がやってきた。

 

 

 

「神栄ー!あれ持ってこいあれ」

 

 

 

「へい!」

 

 

「神栄ー!次こっちー」

 

 

 

「へへい!」

 

 

 

「神栄ー!これもー!」

 

 

 

「へへへい!」

 

 

 

 

「神栄ー!これ忘れてるー!」

 

 

 

「へへへへ……って、なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよおおおお!!!」

 

 

 

ようやく気づいた神栄は、岡野に自分がどれだけ料理がカスか、という事を聞かされた。

 

 

 

「くそっ!釈然としねぇ!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

いろいろあったが、2日後に巨大プリンは完成した。

 

 

 

「これ、食べられるよな?」

 

 

 

 

「てか、プリンの下に爆弾ある事忘れちゃうよ」

 

 

 

みんなはケータイでパシャパシャ撮っている。

 

 

 

神栄は甘いお菓子系はほとんど苦手なので、撮っても意味はない。

 

 

 

 

 

 

 

「こ……これ、本当にいいんですかぁ!?!?」

 

 

「はよ食えよ、腐るぞ」

 

 

 

「ひゃっほーい!!!」

 

 

 

殺せんせーはプリンに飛び込んだ。

 

 

 

 

バクバクとプリンを食べてくれてる。

 

 

爆弾だけに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

……………。

 

 

 

 

 

そろそろ爆破、と言うところで、茅野が暴れ出した。

 

 

 

 

「ダメだー!!!愛情込めて作ったプリンを爆破なんて出来ない!」

 

 

 

 

 

「おい!企画したやつが何言ってやがんだ!はよ爆破してしまえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、少し休憩」

 

 

 

神栄は後ろを振り向く。

 

 

そこには殺せんせーがいた。

 

 

 

なんかを持って。

 

 

 

 

 

ああそうか、バレたのか。

 

 

 

 

「それと、プリンはみんなで食べる物です。みなさんにもあげます」

 

 

 

「あ、俺いらないわ」

 

 

 

 

 

 

すると、カルマが神栄の口に強引にプリンを入れた。

 

 

 

「もがっ……!うぉおえええ!何しやがる!くそカルマあああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

これにて、プリン☆DE☆爆破計画は終わった。

 

 

 

ん?名前が違うって?

 

 

 

俺が変えたんだよ、気にするな。

 

 

 

 

 

 

 





スプラ○ゥーンやってみてぇ………、

ベチャベチャベチャ!


次回はアレですかね?鬼ごっこ。

気分によってオリジナルストーリーを鬼ごっこの前に入れます。


だから次回はよくわかんないです。


前話での問題の答え、まだまだ募集してます。


指摘、感想コメント、評価よろしくお願いします。


PS、

100話超えとるやんwww


ここまで来たのも皆さんのおかげです。これからもよろしくお願いしますね!




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第94話 鬼ごっこの時間


神栄は鬼ごっこする気あんの?ってなるかもしれません


 

 

最近、体育の授業でフリーランニングを始めた。

 

 

 

道無き道を進むその姿は、まさに忍者。

 

 

 

超カッコいい。俺もああなりたい。

 

 

 

 

 

============================

 

 

フリーランニングの練習が始まり2日が経った。

 

 

 

烏間先生のおかげか、みんなはそれなりに出来るようになった。

 

 

 

いつからかは忘れたが、体育が楽しくなったな………。

 

 

 

 

神栄は眠そうにしながら登校してると、山の上の方からチャイムが鳴った。

 

 

 

 

あ、遅刻した………。

 

 

 

 

まぁ遅刻しても大丈夫。対して怒られないし。

 

 

 

ノロノロと山を登って行くと、やっと教室が見えた。

 

 

 

そこには、不破が居た。

 

 

 

 

あいつも遅刻したのか……。

 

 

 

 

「おー、お前も遅刻か」

 

 

「ジャンプ買おうと思ったらどこも売り切れでさ……、やっぱ人気だよ、あれ」

 

 

 

「まぁ、だろうな、俺は月刊コミック電撃○王の方が好きなんだよな、超○磁砲があるから。あ、月刊少年○ンガンもいいぞ、禁○目録あるから」

 

 

 

「これ、ジャンプの作品だよ」

 

 

 

「こまけぇこたぁいいんだよ。早くいこーぜ」

 

 

 

2人仲良くドアを開けると、カシャリ、と何かを付けられた。

 

 

 

 

それは、手錠だった。

 

 

 

 

 

「遅刻ですねぇ、逮捕する」

 

 

 

プク〜とフーセンガムを膨らませながら殺せんせーは言った。

 

 

 

しかも、なんか警官の制服着てるし。

 

 

 

「いや、意味わかんねーよ」

 

 

 

「みなさん、最近フリーランニングやってますよね?そこで先生、いいこと思いついたんですよ!」

 

 

 

「?」

 

 

「ドロケーです。ドロケー!!」

 

 

 

 

ドロケー、もしくはケイドロは泥棒役と警察役の二つに分かれる鬼ごっこである。

 

 

 

鬼ごっこと違う点は、牢屋の中に入ってしまった泥棒をタッチすることで助けることができることだ。

 

 

 

「いや……それはいいけどよ、鬼って当然殺せんせーだよな?」

 

 

 

 

「いえ、先生も鬼ですが、私は終了1分前に動きます。それまでは烏間先生が鬼です。もしあなたたちが勝てば烏間先生の財布でケーキ買い放題です。ただし負ければ宿題2倍!」

 

 

 

 

 

「ちょっと待て、なんで俺が…!」

 

 

 

烏間先生は当然驚いている。

 

 

 

でも一つ言わせてくれ。

 

 

 

 

普通、最強の生物と最強の人間が一緒に手を組んでかよわい(!?)中学生を追いかけ回すか?

 

 

 

 

「まぁ……ケーキ食べられるなら……」

 

 

 

 

「はぁ?お前らチョロいな!たかだかケーキ如きで参加すんのかよ…負けるリスクとか考えたのか?」

 

 

 

 

「じゃあ、もし勝ったらどうする?」

 

 

 

中村がどんどんと詰め寄ってくる。

 

 

 

怖い、怖いよ……。

 

 

 

「知らねぇよ」

 

 

 

「ではみなさん、4時間目が終わったら体育着に着替えてドロケーしましょう!はい、授業入りますよ。教科書開いて!」

 

 

 

全く、切り替えの早い先生だ……。

 

 

 

============================

 

 

 

やっと4時間目が終わり、飯を食べ終わるとみんなは校庭に集合した。

 

 

「さぁ、ドロケーを始めましょう。私と烏間先生が3分間数えるので、それまでに逃げてください」

 

 

 

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

 

みんなは一斉に散らばった。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

山奥にて、

 

 

 

「………めんどくさ」

 

 

 

 

神栄は木陰に隠れて座っている。

 

 

 

走るのめんどい、てか、動くのめんどいです。

 

 

 

 

 

とりあえず今どうなってるのかを確認する為、ソローっと奥の方を覗くと、岡島、速水、千葉、不破がいる。

 

 

 

こちらからはよく聞こえないが、何かを話している。

 

 

 

そして、4人がいるところから少し離れた所を見ると………。

 

 

 

 

烏間先生がいた。

 

 

 

 

「………キョロキョロしてんな………あ、走った」

 

 

 

ババババッ!と駆け抜ける烏間先生に気づかなかった4人はすぐに捕まってしまった。

 

 

 

その間、わずか15秒。

 

 

 

 

(これ…………無理じゃね?)

 

 

うん、勝てないな…………。

 

 

 

 

 

 






殺戮の裏山になるまで……残り1分。


神栄は捕まってる人を助けるのか?それとも……?



次回、鬼ごっこは終わる……のかな?


多分次で終わります。てか、終わらせます。


そしたらイトナがやってくんのか……、楽しみだな


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第95話 鬼ごっこの時間、2時間目



久しぶりだね、僕は生きてるよ!


月曜に投稿するって言ったよな?


あれは嘘だ。


明日英検だけど、知らないよ。



今回長めですが、雑です。





 

 

 

神栄は異常な光景を見て数秒ぼーっとしてしまった。

 

 

 

「やべぇな………こりゃ報告だな」

 

 

 

 

神栄はケータイを取り出し、電話アプリで報告をした。

 

 

「おい、烏間先生ガチだぞ、さっき目の前で4人一瞬で捕まえるの見ちゃったよ、マジでヤバイから」

 

 

 

 

『お……おう、神栄も気をつけろよ……』

 

 

 

「もしかして、後ろにいるとかありそうだな……あはははは……は?」

 

 

 

 

後ろを見ると、烏間先生がいる。

 

 

 

 

うわぁお、これはヤバい。

 

 

 

 

「神栄君、逮捕だ」

 

 

 

 

 

負けた………これは勝てねぇ……。

 

 

 

 

神栄、開始1分でアウト。

 

 

 

 

 

「捕まった………」

 

 

 

牢屋まで歩いていると、草むらでなにやらコソコソやっている奴らがいる。

 

 

 

ちょっと覗くと、カルマ、渚、杉野がいる。

 

 

「……なにやってんだ?」

 

 

 

「あいつらを助けようとしてるんだけど、無理っぽいんだよ……」

 

 

 

「まぁな、じゃあ俺は捕まったから牢屋行くわ……」

 

 

 

 

 

 

 

牢屋エリアに入ると、殺せんせーがいる。

 

 

 

 

なんだろう。みんな数学ドリルをやっている。

 

 

 

 

「くそ……なんでこんなことを…!」

 

 

 

 

 

 

「だまらっしゃい囚人ども!おとなしく刑務作業に没頭したまえ!」

 

 

「殺せんせー……役職で図に乗ってやがる………」

 

 

 

 

 

そこに、我らがヘタレ、みんなのヘタレと言われている(?)神栄がやってきた。

 

 

 

「ういーす。殺せんせー、ドリルよこせ」

 

 

 

 

 

神栄はドリルを貰い、早速やっていると岡島が何かを思いついた。

 

 

 

岡島はポケットの中身を確認し、殺せんせーの肩を叩く。

 

 

 

 

「………」

 

 

 

岡島はなにも言わずに"ブツ"を差し出した。

 

 

 

 

 

その"ブツ"とは………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨乳な女性の水着写真だった。

 

 

 

 

殺せんせーもなにも言わずに写真をしまい、触手をチョイチョイ、とさせた。

 

 

 

そして、殺せんせーは後ろを向き、その写真を見ていた。

 

 

 

(……最低じゃねーか)

 

 

 

 

それを見たカルマ達は、走ってみんなを逃がすことに成功した。

 

 

 

「汚職警官じゃん………。殺せんせー」

 

 

 

「あ……神栄君。ちょっといいですか……?」

 

 

 

「なんだよ……殺せんせー。捕まえるなら捕まえろよ」

 

 

「いえ……違いますよ……」

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

山奥では、烏間先生がみんなをとっ捕まえている。

 

 

 

 

残り人数を確かめるため、ケータイを開くと、服がボロボロになっている律が真っ先に見えた。

 

 

 

『全員……脱走しました』

 

 

 

烏間先生は殺せんせーに電話をかけた。

 

 

 

「おい………どうして捕まえた泥棒が逃げてんだ…!」

 

 

 

『思いの外奴らやり手ですねぇ……ヌッひょー!この乳ヤベェ!』

 

 

「お前モノで釣られたな!?次欲に負けたら俺はお前を殺すぞ」

 

 

『大丈夫ですよ』

 

 

烏間先生は電話しながらも何人かを捕まえ、牢屋に送った。

 

 

 

そして再び牢屋にて、

 

 

 

矢田が殺せんせーに話しかけた。

 

 

 

 

「殺せんせー、実は弟が重い病気で寝込んでるの……ドロケーやるってメールしたら、『絶対に勝ってね!』って言われて……捕まったって知ったら……きっとあの子ショックで………」

 

矢田は涙(嘘)を流しながら殺せんせーに言う。

 

 

いいストーリーだけど、嘘なんだよね。

 

 

 

 

あ、ちなみに神栄は捕まってます。

 

 

弱いね、神栄。

 

 

 

「………行け」

 

 

「……え?」

 

 

 

「本官は泥棒なんて見なかった、行け」

 

 

 

殺せんせーは涙を流しながら後ろを向いている。

 

 

捕まえる気はなさそうだ。

 

 

 

 

そして再び烏間先生は電話をした。

 

 

 

『烏間さん聞こえるか!どうして牢屋から犯人が脱走するんだ!』

 

 

 

「こっちのセリフだザル警官!」

 

 

 

 

 

………その後も殺せんせーは泥棒の取り逃がしを続けた。

 

 

 

もう、牢屋が牢屋じゃなくなっている。

 

 

入っては抜け、入っては抜け、の連続で、それはもう楽だ。

 

 

 

 

 

さっき言われた『アレ』もあるが、何とか勝てそうだ。

 

 

 

 

 

しばらく経つと、烏間先生がマシンガンだの何だのを持ってきて牢屋まで来た。

 

 

 

 

「おい!あのクソ警官はどこだ!出てこい!」

 

 

 

 

 

「どっか行った」

 

 

 

すると、マッハで殺せんせーが帰ってきた。

 

 

 

殺せんせーはそばを食べている。

 

 

 

「……次そんなことしたら俺は降りるぞ!」

 

 

 

「はい、もうやりませんよ。でも、こっからは少し見つけるのが難しくなるかもしれませんよ………?」

 

 

 

「…………なんだと?」

 

 

 

 

 

============================

 

 

(なんだと?ヤツの言った通り見つけるのが難しくなった……!)

 

 

 

 

やっと烏間先生は気付いた。

 

 

 

(そうか、ヤツが生徒たちに教えたのか……!)

 

 

 

 

一方、神栄は電話でみんなに伝言をした。

 

 

『とりあえず、勝つ方法を教えるわ。機動力が特に優れてる4人を烏間先生とやらせて、あとは逃げるor水中にいる。これで勝てる。だから、早急に決めろ』

 

 

 

 

 

 

 

神栄は森の奥へ行って、前原、岡野、片岡、木村を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

一方、烏間先生は神崎、岡島、倉橋、ビッチ先生を連れて牢屋に行った。

 

 

 

 

すぐに捕まえに行ってしまったが。

 

 

 

 

「………ん?」

 

 

 

烏間先生も奥に行ったらしく、4人を見つけた。

 

 

 

「機動力が特に優れている4人か………」

 

 

 

「さぁ、やりましょうよ!ほら!!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

一方、片岡ら以外の奴らは殺せんせーが移動するまで待っている。

 

 

 

「5……4…3…2…1!!」

 

 

 

バッ!!!とマッハで殺せんせーは移動した。

 

 

 

 

瞬間、覗き見していた奴らは捕まった。

 

 

 

「嘘だろ!?!?」

 

 

 

「さぁ……残りは何人でしょうかね………」

 

 

 

 

 

場面はまた変わり、山奥にて、

 

 

 

 

 

「うわっ!」

 

 

「くそ……!」

 

 

「さすがだが、もう終わりだな。俺らの勝ちだ」

 

 

 

疲れた表情で前原は烏間先生に言う。

 

 

「へへ……俺らの勝ちっすよ!だって……こっから1分で戻れませんよね?」

 

 

 

 

 

現在地から牢屋近辺に戻るのには相当時間がかかる。

 

 

 

これは、E組生徒らの作戦勝ちである。

 

 

 

「しまった……!!!!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

またまた場面は牢屋である。

 

 

 

残り30秒、

 

 

電話にて、

 

 

 

 

 

 

現在生き残っているのは杉野、神栄、カルマ、渚のみ。

 

 

 

残りは全員捕まっている。

 

 

 

神栄はカルマ達を水中に入れさせた。

 

 

「全員助けようかね………」

 

 

 

殺せんせーがマッハでやってきた!!

 

 

 

 

 

 

そこには、誰もいない。

 

 

 

「私の見間違いでしたか………プールにはいない…ん?」

 

 

 

ブク………ブクブクブク!と泡が出ている。

 

 

 

 

「しまった!!!」

 

 

 

 

 

 

その隙を見て神栄は走る。

 

 

 

 

「…………!」

 

 

 

神栄は全員をタッチしようとする。

 

 

 

 

残り……5……4……3……2…1!

 

 

 

 

「おりゃあああああああ!」

 

 

 

 

全員をタッチしたその時、

 

 

 

 

『終了ー!!泥棒が4人以外逃走成功ー!!!』

 

 

 

律が言うと、殺せんせーが烏間先生にスッ、と笑顔を見せた。

 

 

 

「おい……なんだその笑顔は」

 

 

 

「ケーキ」

 

 

 

 

 

「チッ………!」

 

 

 

 

============================

 

 

 

数時間後、大量のケーキを買わされた烏間先生の財布には、ほぼ0円だったらしい………。

 

 

甘いもの好き、恐るべし。

 

 





次回、殺せんせーが泥棒となる話にするか、デート行くか、どっちにしようかな………、


全ては作者の気分次第です。


どの道デート回は書きますけどね。


あ、あと、活動報告のあのやつ、まだまだ募集してますからね






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第96話 疑惑の時間



今回は結局イトナ編やります。



デートはまた今度………。

余談ですが、最近fripsideの『alice in rosso』がキテます。


 

 

 

 

(地獄の)鬼ごっこが終わった次の日、神栄は暇つぶしの為に新聞を見ていた。

 

 

 

そこには大きく椚ヶ丘中学校の理事長、浅野 學峯について掲示されている。

 

 

「理事長すげーな……超人だろ」

 

 

 

 

 

下の方を見ると、地図がある。

 

 

 

 

その地図にはやたらバツが多く書かれている。

 

 

 

 

「下着ドロ……?犯人は大柄で黄色の頭、『ヌルフフフ』と笑い、現場に謎の粘液を落とす……か。ん?これって………」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

「おはよーっす」

 

 

 

ドアを開けるとなんか、みんなが集まっている。

 

 

 

「なぁ……神栄見た?アレ」

 

 

 

教室に入った瞬間、片岡に言われた。

 

 

「ん?アレか、下着ドロか?」

 

 

 

「そうだよ。あれマジでやったのかな?」

 

 

 

 

 

すると、再びドアが開いた。

 

 

 

 

「今日も生徒は親しみの目で私を見つめ………汚物を見る目!?」

 

 

 

 

 

「なぁ…殺せんせーさ、コレやったの?」

 

 

 

中村が新聞を殺せんせーに見せた。

 

 

 

 

殺せんせーは新聞をクシャッ!としながら、自分はやってない、と言い張っているが、生徒らはなかなか納得していないようだ。

 

 

 

「待てよみんな!決めつけてかかるなんてひどいだろ!!!」

 

 

 

 

磯貝が殺せんせーを庇うように前に立った。

 

 

流石イケメン、なかなかやるじゃいか。

 

 

 

「殺せんせーは確かに小さな煩悩いっぱいあるよ。でも、今までやってきた事なんかせいぜい………」

 

 

 

 

「エロ本を拾い読み、水着生写真を買収、休み時間中狂ったようにグラビアを見てたり、『手ブラじゃ生ぬるい!』『私に触手ブラをさせてください。by触手ボーイ』ってハァハァしながらハガキに応募してたり………か、コレのどこが小さな煩悩だよ(笑)」

 

 

 

神栄が半笑いで言うと、磯貝は黙り込んでしまった。

 

 

 

 

「先生……正直に言ってください……」

 

 

 

唯一の味方をしてくれた磯貝にも裏切られ、殺せんせーはみんなを職員室に連れて行った。

 

 

何をするんだ?と思っていると、

 

 

 

「先生は潔白です!そこまで疑うのなら、先生の理性の強さを証明するために、今から全部のグラビア捨てますよ!」

 

 

 

バサバサとどんどんグラビア本が処分されていく。

 

 

 

 

 

「見なさい!机の中身全部出し……………て?」

 

 

 

殺せんせーは本の間にあったものを出すと、そこにはブラジャーがあった。

 

 

 

「………マジかよ」

 

 

 

「うわぁ……」

 

 

 

すると、岡野が出席簿を持ってきてこちらへとやって来た。

 

 

 

「女子の横に書いてあるアルファベット……、これ全員のカップ数が書かれてる………」

 

 

 

AだのBだの書かれてるが、茅野だけなんか永遠の0になっている。

 

 

 

「永遠の0……ププッ!」

 

 

 

「やめとけ神栄、殺させるぞ」

 

 

 

 

 

「あ!!!!」

 

 

前原が何かに気づいたらしい。

 

 

 

近くまで来てみると、出席簿の最後のページに街中のFカップ以上のリストがあった。

 

 

 

 

 

 

「そそそそうだ!いい今からバーベキューしましょう!放課後やろうと準備してたんですよ!ほら!この串……美味しそう……で……しょ?」

 

 

 

串には、ブラジャーがたくさん刺さっている。

 

 

 

こりゃもう、やばいじゃん。

 

 

「マジかよこいつ………」

 

 

「不潔………」

 

 

 

 

 

 

 

突然やって来た、殺せんせー変態疑惑。

 

 

まぁ今までも変態っぽいやつだとは思っていたが、まさかここまでだとは思わなかった。

 

 

でも、なんかおかしい気もするんだよな………。

 

 

============================

 

 

 

 

 

「今日の授業は………ここまで………」

 

 

 

トボトボと去っていく殺せんせーはもう、いろんな意味で死にかけていた。

 

 

 

「この状態でよく授業やろうと思ったな………。まぁ俺はずっと寝てたけど」

 

 

「神栄君……本当中間行けんの?」

 

 

 

「余裕」

 

 

 

すると、神栄の背後からカルマがひょこっと顔を出してきた。

 

 

 

「カルマ君……」

 

 

「なに?渚君」

 

 

 

「殺せんせー、本当に犯ったのかな……こんなシャレにならない事を」

 

 

 

「まぁ、地球爆破に比べりゃ安いもんでしょ」

 

 

 

「そうだな」

 

 

 

神栄は体育倉庫にあったボールをカルマに投げつけた。

 

 

 

そのボールには、ブラジャーがついていた。

 

 

 

カルマはそれを持ちながら、渚に話した。

 

 

 

「あのタコが本当にこんな事してたら……俺らの中で先生として死ぬ事くらいわかってんだろ。あのタコからしたら、俺らの信用を失うのは、殺させるのと同じ位避けたい事だと思うけどねー………」

 

 

 

 

神栄は何かを思いついたようで、手を挙げた。

 

 

 

「却下」

 

 

 

「まて、言う前から否定するな、多分これ、にs……」

 

 

 

「偽よ」

 

 

 

神栄よりも早く言ったのは、不破だった。

 

 

 

 

「ニセ殺せんせーよ!ヒーローモノのお約束!偽物悪役の仕業だわ!!!!」

 

 

 

 

 

まぁ、言いたい事は大体同じだし、なにも言わないでおこう。

 

 

 

神栄は再び、何かを思いついた。

 

 

 

 

 

「ねぇ、知ってる?」

 

 

「なに?」

 

 

 

 

 

 

 

「こーゆー回りくどいことして来るやつって、俺知ってんだけど……」

 

 

 

 

============================

 

 

 

夜、とある合宿施設。

 

 

 

正面の門には防犯カメラが二台設置され、厳重な警備体制である。

 

 

 

 

そこに、黒い影が6つ。

 

 

 

 

壁を乗り越えやって来たのは、先ほど話していた神栄、カルマ、渚、不破、茅野と、あとなぜか寺坂だった。

 

 

「ふふ、体も頭脳もそこそこ大人の名探偵参上!」

 

 

 

 

「………で?なんで犯人はここを選ぶってわかるんだ?」

 

 

 

寺坂が問いかけると、不破は普通に答えた。

 

 

「ここは某芸能プロの合宿施設。この2週間は巨乳を集めたアイドルグループが新曲のダンスの練習してるらしいの。真犯人ならこれを盗らないはずがないわ!」

 

 

 

「98%位律のおかげだよな」

 

 

「うるさいヘタレ」

 

 

 

6人は白いシーツに囲まれている場所の近くまで来た。

 

 

 

 

そこには案の定ブラジャーがたくさんある。

 

 

 

草むらからそーっと覗くと、殺せんせーもいた。

 

 

 

でも、でもだ。

 

 

 

 

姿がどう見ても泥棒側なのだが……。

 

 

 

「もう、あいつが犯人にしか見えねぇ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく殺せんせーを見ていると、壁の方から音が一瞬だけ聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「おい、誰か来るぞ」

 

 

 

神栄がそう言うと、確かにやって来た。

 

 

 

黄色い頭(ヘルメット)の大男。新聞に書いてあった通りの姿である。

 

 

 

 

身のこなしが只者ではない。

 

 

 

「持ってかれるぞ………!?」

 

 

 

 

 

「捕まえた!!!!」

 

 

 

殺せんせーが触手で大男を捕らえ、ヘルメットを外した。

 

 

 

 

「顔を見せなさい偽物め!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメットを外した先に見えた人は……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つ………つる………鶴なんとかさんだ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「え………?なんで貴方がここに……」

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

シーツが殺せんせーを囲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「国にかけあって烏間先生の部下をお借りして、ここまで誘ってもらったんだ。さぁ殺せんせー、最後のデスマッチを始めようか」

 

 

 







カラオケ行きたいです。誰か今度行きましょうよ!


次回イトナ君登場だね。その前に神栄がキレるかもです。





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第97話 捨てる時間



復活………ではないかもです。


とりあえず出来たので載せます。


修正は多分明日以降になります。


今日は時間がないので………。


 

 

「シロ………テメェか!!」

 

 

 

「おや?その声は神栄君じゃないか、生きてたのか」

 

 

 

 

「なめてんじゃ………ねぇぞコラ!!!」

 

 

 

神栄はシロのいるところまで走り、拳を握り、殴る体制をとった。

 

 

 

 

「私に攻撃かい?あたるはずがないだろう」

 

 

 

 

 

「死ね」

 

 

 

ブン!と風の音がよく聞こえた。

 

 

 

 

神栄の攻撃は外れた。

 

 

「死ぬのは……殺せんせーじゃないのかい?」

 

 

 

 

ドッ!ドドドド!!!とシーツの中では普通ではありえない音が聞こえる。

 

 

 

 

触手が少し見えたので、おそらくイトナvs殺せんせーだろう。

 

 

 

だが、んなもん知らん。

 

 

 

 

こっち(神栄)の敵はイトナじゃない。シロだ。

 

 

 

 

「よそ見なんかしてんじゃ……ねぇぞ!!」

 

 

 

 

今度は背後から殴る。

 

 

 

 

しかし、シロに腕を掴まれ、投げ飛ばされた。

 

 

 

 

 

「君はまだ子供だ。大人に勝てるはずがない。諦めなさい」

 

 

 

 

「子供が大人に勝つのは……いけないことなのかよ……!」

 

 

 

神栄は立ち上がる。

 

 

 

「少々めんどくさい相手だな……少し本気を出そうか」

 

 

 

 

次は、シロからやってきた。

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

腹へのパンチが神栄に当たった。

 

 

 

 

「ガッ……ハァ!」

 

 

 

 

「これで黙ることができるな。少し寝ていた方がいい」

 

 

 

 

 

シロはうずくまっている神栄を見下しながら、シーツの方をじっと見つめていた。

 

 

 

神栄の口からは、少しだが血が出ている。

 

 

 

「神栄君!?」

 

 

 

 

「ったく……俺は大丈夫だ。問題は殺せんせーだろ」

 

 

 

 

 

 

神栄はこの時痛感した。

 

 

 

この男には勝てない、と。

 

 

 

だからあっさり諦めた。

 

 

 

シロは、強い人間だった………と。

 

 

 

 

 

 

「その辺の人は置いといて、この戦術を教えてあげよう。

 

 

 

シーツに見せて囲ったのは対先生繊維の強化布だ。とても丈夫で戦車の突進でも破けない。

 

 

それと、イトナの触手につけたのは対先生物質で出来たグローブ、そして、イトナの位置取り。常に上から攻撃し、奴を逃さない」

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「うおっ………!?」

 

 

 

突然の事態に、驚きを隠せない殺せんせー。

 

 

 

そこに、触手の雨が降り注ぐ。

 

 

 

 

「イトナ………君!!」

 

 

 

「これでサヨナラだ兄さん。さぁ、死ね」

 

 

 

 

イトナは触手(装備あり)で殺せんせーの顔を貫こうとした。

 

 

 

 

 

しかし、殺せんせーは避けた。

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

「見事ですイトナ君、でもねテンパりやすい先生でも、3回目となればすぐに順応して見切ることはできます。先生だって学習するんですよ」

 

 

 

 

次は腹部への攻撃だったが、再び弾かれた。

 

 

「先生が日々成長せずして、どうして生徒に教えることができるでしょうか……?」

 

 

 

 

すると、殺せんせーは触手全体を一部分に集めた。

 

 

 

 

「………なんだよあのパワー……!?」

 

 

 

シーツから光が漏れ、その圧倒的なパワーにシロを含めた7人は驚くことしか出来なかった。

 

 

 

 

シーツ内のイトナは少しビビっている。

 

 

 

 

「覚えておきなさいイトナ君、暗殺教室の先生は、教えるたびに強くなる!!」

 

 

 

 

触手から発射されたものは、シーツをたやすく壊し、イトナの装甲まで破壊した。

 

 

 

 

近くの施設のガラスも壊れ、イトナは上空に舞っている。

 

 

 

 

 

落ちてきたイトナを殺せんせーは助け、シロを見つめた。

 

 

 

「彼をE組に預け、おとなしく去りなさい。それと、私が下着ドロじゃないという正しい情報を広めてください」

 

 

 

「……わ、私の胸も正しくはび、Bだから!!!」

 

 

 

安心したまえ茅野さん。君はAだ。

 

 

 

 

いや、それ以下かも…。

 

 

 

 

 

シロは少し黙ると、イトナの様子を見始めた。

 

 

 

 

「………痛い、頭がッ!脳みそが裂ける……!!!」

 

 

 

「度重なる敗北のショックで触手が精神を蝕み始めたか、この辺でこの子の限界、か。次の素体を運用するためにも、どっかで捨てる必要があるな……。さよならだイトナ。あとは1人でやりなさい」

 

 

 

 

そう言って去ろうとすると、神栄がシロを止めた。

 

 

 

 

「おい、それでもイトナの保護者かよ」

 

 

 

「……私は許さない。お前の存在そのものを、そのためならばどんな犠牲を払っても構わないんだ」

 

 

 

 

 

シロは殺せんせーを指差し、壁を飛び越え去ってしまった。

 

 

 

 

 

「…………!?」

 

 

 

イトナは頭を抑えながら、があああ!と言い、どこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

次の日、鶴田さんを見かけると、頭にはたんこぶがあった。

 

 

 

デフォルメ的なヤツかと思っていたのだが、あれは烏間先生がやったらしく、マジのやつらしい。

 

 

 

近くにいた園川さんによると、直径4センチに渡って頭髪が消し飛び、頭皮が内出血で2センチ持ち上がる技だと言っていた。

 

 

 

 

多分、これくらったら死ぬね。

 

 

 

 

 

そんなこともあるが、教室に入るともっとやばかった。

 

 

 

教卓にはみんなが群がってるし、殺せんせーは口を尖らせている。

 

 

 

 

「ごめんって!俺らもシロに騙されたんだよ!」

 

 

 

 

 

「先生のことはご心配なく、どーせ心も体もいやらしい生物ですから」

 

 

 

う……うぜぇ。

 

 

 

 

「でもですね。心配なのはイトナ君の方です。触手細胞は人間に植えて使うには危険すぎます」

 

 

 

 

結局、あの後誰もイトナを見つけることは出来なかった。

 

 

 

 

一体、どこへ行ったのだろう……。

 

 

 

 

そして、今日は、イトナを見つけられなかった。

 

 

◇◇◇

 

 

 

深夜、とあるケータイショップにて、

 

 

 

 

「がああああああ!!!」

 

 

 

 

 

その人の一撃で、ケータイショップは一瞬で壊れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………このことを次の日、みんなはニュースで知った。

 

 

 

 

見た瞬間、これはイトナの仕業だと思った。

 

 

殺せんせーに聞いても、「これは触手でなければ出来ない」と言っていたし、イトナがやったと特定してもいいだろう。

 

 

 

 

だが、やたらケータイショップが狙われている。

 

 

 

 

イトナは、ケータイショップに何か恨みでもあるのか………?

 

 

 

 

神栄はそのことを考えていた。

 

 

 

 

一体、何を目的にやっているのだろう……………。

 





やっと治ってきたよ……。


次回イトナ編終わらせたいです。


そしたらデートかな……?


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第98話 保護の時間



あと2回くらいでイトナ編終わりそうです。









 

 

「担任として、責任を持って彼を止めます。彼を探して保護しなければ……」

 

 

 

テレビを見た後、殺せんせーはそう言うが、それに賛成の人はあまりいないようだ。

 

 

 

 

「ほっといたほうが、賢明だと思うけどね……」

 

 

 

ボソッとカルマは言った。

 

 

 

 

神栄もそんな感じの答えだ。

 

 

 

 

シロにとって他人は全て使い捨ての駒。

 

 

当たればラッキー!程度にしか思ってはいない。

 

 

 

 

だから平気で同じクラスメイトの俺(神栄)を使った。

 

 

 

神栄はほんの少しだけ覚えている、

 

 

 

みんなが反対意見を述べている中、殺せんせーは窓を開けた。

 

 

現在、夕方。イトナの行動時間は夜がほとんどだ。

 

 

 

 

多分、これからイトナの元へ行くのだろう。

 

 

「それでも担任です。先生は先生になる時誓ったんですよ。『どんな時でも自分の生徒から触手を離さない』とね」

 

 

 

 

============================

 

 

 

夜、ケータイショップ付近では警備が強化されている。

 

 

 

 

 

そこに、1人の男がやってきた。

 

 

 

言うまでもなく、イトナだ。

 

 

 

 

イトナはぶつぶつと独り言をいいながら、ケータイショップを破壊した。

 

 

 

 

「……キレイ事も、遠回りもいらない……!負け惜しみの強さなんて…ヘドがでる……!勝ちたい、勝てる強さが……欲しい」

 

 

 

 

イトナはフラつきながらケータイショップを去ろうとすると、目の前には殺せんせーがいた。

 

 

 

「兄さん………」

 

 

 

「殺せんせー、と呼んでください。私は君の担任ですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

「スネて暴れてんじゃねーぞイトナ、てめーには色々されたがよ、全部水に流してやるからおとなしくついてこいよ」

 

 

 

 

寺坂が前に少し出ると、イトナは触手を動かし始めた。

 

 

 

「うるさい……勝負だ……!今度は………勝つ」

 

 

 

 

「もちろん勝負してもいいですけど、お互い国家機密の身、どこかの空き地でやりませんか?勝負が終わったらバーベキューでもしながら、みんなで私の殺し方を勉強しましょう」

 

 

「担任になったらもう永遠に教えに来るぞ……マジで」

 

 

 

 

神栄は若干嫌そうに言うと、

 

 

 

「当然です。目の前に生徒が居るのだから、教えたくなるのが先生の本能です」

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

イトナがポカーンと口を開けていると、壊れたケータイショップの入り口から何かが投げられた。

 

 

 

人間には効かないが、イトナと殺せんせーには効いた。

 

 

 

 

 

その瞬間、煙の中から対先生弾が何発も発砲された。

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

「これが今回第二の矢、イトナを泳がせたのも予定の内さ」

 

 

 

この声は………シロ!!!

 

 

 

 

 

ピッ!という音の後、発砲音よりも大きい音がした。

 

 

 

そこには、ネットがあった。

 

 

 

ネットはイトナを包み込み、イトナは身動きが取れなくなっている。

 

 

 

そして、トラックに引っ張られ何処かへ行ってしまう。

 

 

 

「……………大丈夫ですかみなさん!?」

 

 

 

「まぁ、なんとか」

 

 

 

「では先生はイトナ君を助けに行きます!!!」

 

 

 

 

ドシュッ!とマッハでイトナの元へ行くと、みんなはちょっと怒っている。

 

 

 

 

「あの野郎……流石に怒るぞ…」

 

 

 

寺坂が怒りを露わにしていると、神栄が何かを言い始めた。

 

 

 

「なぁ、みんなで殺せんせーのところまで行こう。シロに……仕返ししよーよ。そんな遠くまでは行ってないだろうし、今から行けばなんとか間に合うだろ」

 

 

 

 

「オーケー、じゃあ、早く行こうぜ!」

 

 

 

磯貝が賛成すると、みんなも賛成し、俺らは殺せんせーについて行った。

 

 

 

============================

 

 

トラックは少し走ると止まり、殺せんせーが来るのを待っていた。

 

 

早速救出をしようとすると、イトナの触手が少しづつ溶けていくのが見えた。

 

 

これは対先生繊維で出来ている、

 

 

 

(まずい……!!どうすれば……!!)

 

 

 

 

 

「お察しの通りさ、そしてここが君たちの墓場だよ」

 

 

 

 

 

シロがそう言うと、四方八方から光が見えた。

 

 

この光は殺せんせーの動きを一瞬だけ止める圧力光線だ。

 

 

 

シロと同じような服を着ている奴らは、イトナを狙って対先生弾を撃ち始めた。

 

 

 

「くっ……!!」

 

 

 

 

殺せんせーは風圧で弾を防いだが、殺せんせ自身、対先生弾を少しづつくらっている。

 

 

 

「お前は自分への攻撃は敏感に避けるが、自分以外への攻撃の反応は格段に鈍いな」

 

 

 

 

そんなことを言われても殺せんせーは救出をやめない。

 

 

 

しかも、殺せんせーへのダメージが増えてきた。

 

 

 

「………」

 

 

 

イトナは救出をしてくれている殺せんせーを見る。

 

 

 

(俺は無力だ……力が無かったから見捨てられた。

 

 

 

俺は……こんな雑魚たちに負けるのか………?)

 

 

 

すると、発砲している奴らのいる木から、声がした。

 

 

 

 

 

 

「こーんばーん…………は!!!!」

 

 

 

 

そう言って神栄は白服のやつらをぶん殴り、下へ落とした。

 

 

 

下へ落とすと、シーツがあり、その後すぐにぐるぐる巻きにされた。

 

 

「さぁさぁみなさん落ちてください!今ならイケメンがあんたらを落としてあげるから!!!」

 

 

 

ハイテンション神栄の言った通り、カルマ、前原、そのたもろもろが白服のやつらを落としまくっている。

 

 

「くそっ!ガキ共が……!返り討ちにしてやる!」

 

 

「なんだ?実弾でも使うのか?」

 

 

 

「……!?」

(背後からなんだか、怖い殺気が………!)

 

 

 

「さ、よ、な、ら♥︎」

 

 

 

白服のやつが振り向くと顔面を蹴っ飛ばし、シーツに落とした。

 

 

 

結局、数分で木の上にいる白服のやつらは全員ぐるぐる巻きにされた。

 

 

「…………!?」

 

 

 

「なんでお前ら…………」

 

 

 

「カン違いしないでよね、シロの奴にムカついてただけだけなんだから、殺せんせーが行かなきゃ私たちだって放っといえたし」

 

 

 

うわぁ……ツンデレじゃないですか……。

 

 

「ねぇ、こっち見てていいの?撃つのやめたら、ネットなんて根元から壊されるよ……?」

 

 

 

 

カルマがシロに言うと、シロは気づいた。

 

 

カルマの言った通り、ネットの根元は壊されている。

 

 

 

「去りなさいシロさん。イトナ君はこちらで引き取ります。あなたはいつも周到な計画を練りますが、生徒たちを巻き込めばその計画は台無しになる。当たり前のことに早く気づいた方がいいですよ」

 

 

 

「………確かに、私の計画には見直しが必要なのは認めよう。イトナなんかくれてやる。どのみちすぐに死ぬ。みんなで楽しく仲良く過ごせばいい………」

 

 

 

シロはトラックに乗ってどこかへ去った、

 

============================

 

 

 

イトナは未だに意識を失っている。

 

 

 

 

そして、殺せんせーがネットを外し、触手のことについて話し始めた………。

 

 

 

 

 

 





最近、モンストにハマってます。


フレンド9人しか居ないのでフレンド募集しまーす

674 885 458です。

ヘタレ、神栄、とか書いてたら即フレンドになります


あと、囲い込みの時間のIDは、

000137369054です。

名前は神栄碧です。最近ログインしてないですが、まぁ、よろしくw


(ゲームは執筆に支障が出ないくらいしかやってませんので安心してくださいね)


次回はあれかな?イトナが学校に来るくらいまで出来れば最高ですね。

そしたらその次岡島の変態さがモロに出る回だ!

個人的にはあの回好きです。



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第99話 バカの時間



こんな遅くに投稿したの久しぶりだなぁ……。




 

「……触手は、意思の強さで動かすものです。イトナ君に力や勝利への病的執着がある限り触手細胞は強く癒着して離れません。そうこうしてる間に肉体は強い負荷を受け続け、最終的には触手もろとも蒸発して死んでしまいます」

 

 

 

この時神栄達は触手の恐ろしさを知った。

 

 

「…………まぁ、それは仕方ないとして、イトナにもこうなった理由があるはずだ。なんか知ってる人いないか?」

 

 

 

 

「その事なんだけどさ、律と一緒に調べてたら、イトナ君、『堀部電子製作所』って所の社長の子供だったの」

 

 

不破がケータイを見せると、みんなはすこし驚いているようだ。

 

 

「聞いたことあるな……世界的にスマホの部品を提供してた町工場だったきがするんだが………」

 

 

 

 

「でも、おととし負債抱えて倒産しちゃったんだって……それで社長夫婦は息子を残して雲隠れ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「へー………それでグレただけかよ。つまんねーの」

 

 

 

寺坂はイトナを掴むと、吉田、村松を連れて行った。

 

 

 

「俺んとこでこいつの面倒見させろや、そこで死んだらそれまでだろ」

 

 

 

「…………」

 

 

============================

 

 

 

 

 

寺坂達の動きをみんなは覗いている。

 

 

 

悪ガキ達のやることが心配なのか、それともイトナの暴走を防ぐためか、よくわからないがとりあえずついていくことにした。

 

 

「寺坂、どうやってイトナの心を開く気だ………?」

 

 

 

「はぁ?あいつが何か策を持ってると思ってんのか?磯貝」

 

 

 

 

 

「え?ああやってるってことは、何かあるってことだろ?」

 

 

神栄は呆れている。

 

 

 

「無計画バカが計画を立てた時、日本は異常気象が………!ってくらい寺坂には策がない」

 

 

 

 

「え………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてお前ら…………」

 

 

 

「なんだ?寺坂」

 

 

 

村松が首を傾げる。

 

 

 

「どーすっべ?これから」

 

 

 

「「「…………」」」

 

 

 

「何も考えてねーのかよ!」

 

「本当無計画だなお前は!!」

 

 

 

 

 

「うるせー!4人もいれば考えの1つあるだろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「………ほら、何も考えてないだろ?」

 

 

 

 

 

あのバカが計画を立ててたら、マジで日本は異常気象になってるわ。

 

 

 

 

すると、狭間が提案をした。

 

 

 

「村松の家ラーメン屋でしょ?一杯食べたらこの子も気が楽になるんじゃない?」

 

 

 

 

「お………おお」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

松来軒にて、

 

 

 

 

イトナは少し嫌そうな顔でラーメンを食べている。

 

 

 

 

「……マズイ、おまけに古い。手抜きの鶏ガラを化学調味料で誤魔化している。トッピングの中心には自慢気に置かれたナルト、4世代前の昭和のラーメンだ」

 

 

 

「ひでぇ言われようだが、反論できる要素が1つもないのがかわいそうだ」

 

 

 

「んだと寺坂ァ!」

 

 

 

村松は中指を立てた。

 

 

 

しかし、寺坂はどうも思ってない。

 

 

 

 

「じゃあ次はうち来いよ。こんな化石ラーメンとは比較になんねー現代の技術見せてやるよ」

 

 

 

 

「お前もうるさいぞ吉田ァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

お次は吉田の家、吉田モーターズという場所だ。

 

 

 

 

 

吉田はイトナを後ろに乗せ、バイクに乗っている。

 

 

 

いや、中学生がなにバイク乗ってんだよ!ってなる人もいるだろう。

 

 

 

バイク屋の敷地内で走っているので、無免許でもいいんだとよ。

(本当はダメだけどね)

 

 

 

 

「どーだ?テンション上がってきたか?」

 

 

 

 

 

「………悪くない」

 

 

 

 

バイクはどんどんとスピードを上げる。

 

 

 

 

「よっしゃいくぜ!必殺!高速ブレーキターンだ!!!」

 

 

 

 

 

一応、その、なんとかターンは成功したが、イトナが飛ばされた。

 

 

 

まぁ理由は、吉田に掴まってなかったからだ。

 

 

 

 

その後、寺坂達がバカなことばっかやっていると、狭間が本を何十冊かイトナの前に置き始めた。

 

 

 

「復讐したいでしょ、シロの奴に。だとしたら、名作復讐小説「モンテ・クリスト伯」全7巻2500ページ。これを読んで暗い感情を増幅しなさい?あ、最後の方は復讐やめるから読まなくていいわ」

 

 

 

「うわぁ………読みたくねぇ……」

 

 

 

「怖そうだよな、それ」

 

 

 

「もっとねーのかよ!簡単にアガるやつ!だってこいつ頭悪そう……」

 

 

 

……といった時、イトナが震え始めた。

 

 

最初は寺坂にバカにされたからだ、と思っていたが、バンダナがぶっ壊れた時、違うと確信した。

 

 

 

触手の発作。まだイトナは力を求めているようだ。

 

 

 

「俺は……適当にやってるお前らとは違う!今すぐあいつを殺して……勝利を………!!!」

 

 

村松、吉田、狭間が逃げる中、寺坂はその場で止まっている。

 

 

「奇遇だなイトナ、俺もあんなやつ今日にでも殺してぇって思ってるさ、でもよ、お前には今すぐあいつを殺すなんて無理なんだよ」

 

 

 

 

「………」

 

 

 

「そんなビジョン、捨てちまえ。楽になるぞ」

 

 

 

 

「…う……うるさい!!!」

 

 

 

 

イトナは躊躇いもなく寺坂に攻撃した。

 

 

 

 

しかし、寺坂は腹で触手を抑える。

 

 

 

 

 

「2回目だし、弱ってるから捕まえやすいわ………でも、吐きそうな位クソ痛いけどな………」

 

 

 

「…………!!!」

 

 

 

 

「吐きそうといえば村松の家のラーメン思い出した……。あいつな、タコから経営の勉強奨められてんだよ。今はまずくてもいい、『いつか』店を継ぐ時があれば、繁盛させてやれってよ……。吉田も同じだ。『いつか』役に立つかもしれない……ってな」

 

 

 

 

 

「それが……どうした!!」

 

 

 

 

寺坂は拳を握ると、イトナを殴った。

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一度や二度負けた程度でグレてんじゃねーぞ、『いつか』勝てればそれでいいじゃねーか!今殺れなくてもいい、100回失敗してもいい、3月までに1回でも殺せれば、それだけで勝ちなんだよ。親の工場なんざその時のカネでなんとかなるだろーが!」

 

 

 

 

 

 

「それでも……耐えられない……次の勝利のビジョンが出来るまで……俺は何をすればいいんだ……?」

 

 

 

 

 

「アホか、さっきみたいにバカやって過ごすんだよ。そのためにE組があるんだろ?」

 

 

 

 

 

その瞬間、イトナの触手の力が抜けた。

 

 

 

そのついでに、目から執着の色が消えた。

 

 

 

 

「……俺は、焦っていたのか?」

 

 

 

 

「ああ、だと思うぜ」

 

 

 

 

 

 

「……流石です寺坂君。イトナ君、今なら君を苦しめる触手細胞を取り払えます。大きな力を失う代わりにら君は多くの仲間を得ます。明日から、殺しにしてくれますね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝手にしろ……もう、触手も兄弟設定も飽きた…………」

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

次の日、神栄はいつも通り登校していた。

 

 

 

 

 

前には、バンダナをしている奴がいた。

 

 

 

 

 

「…………よう、イトナ」

 

 

 

 

 

「……誰だ?」

 

 

 

「ふざけんな、俺は神栄だ。覚えとけ」

 

 

 

イトナと一緒に歩いていると、殺せんせーに会った。

 

 

 

「おはようございますイトナ君。気分はどうですか?」

 

 

 

 

「最悪だ。力を失ったんだから……でも弱くなった気はしない。最後は殺すぞ、殺せんせー」

 

 

 

 

 

ついに、堀部 イトナが3年E組に加入した。

 

 

 

 

とりあえず、明日からは平和な日だ…………と思う。

 

 

 

 

 

「村松、金がない。吐くの我慢するからラーメン食わせろ」

 

 

 

 

 

「金ならいくらでもやるよ……それか、俺の家泊まるか?」

 

 

 

 

「それは嫌だ。か………神……かさ……かみかさ」

 

 

 

 

 

「絶対こいつわざとだろ……」

 

 

 

 

もう決めたよ、こいつに絶対お金あげないわ。

 

 

 






次回でイトナ編が終わる!


そしたらデートじゃあああああ!!!




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第100話 紡ぐ時間

本編で100話超えましたー!


わーい!!!





 

 

イトナが入ってきた次の日、イトナは何かを作っている。

 

 

 

「おい、イトナ何作ってんだ?」

 

 

 

 

「かみかさ、見ればわかるだろ。ラジコンの戦闘車だ」

 

 

「ねぇ、なんなのそのあだ名、俺の名前「かみさか」なんだけど、「かみかさ」じゃないからな?」

 

 

 

 

「そんなことはどうでもいい。昨日1日あのタコに勉強漬けにされてストレスが溜まった。失敗覚悟で殺してやる………」

 

 

 

 

 

いや、どうでもよくないから、超重要だから。テストに出るぞ!

 

 

 

 

 

 

「殺しに行くといっても……イトナ…………すげぇな」

 

 

 

 

すごくハイテクな機械ではんだごてとか使ってるよ……。

 

 

 

 

「親父の工場で基本的な電子工作ハイテク大体覚えた。こんなのは寺坂以外誰でもできる」

 

 

 

イトナは戦闘車を床に置き、操作し始めた。

 

 

 

 

そして、標的(空き缶)の目の前に行くと、発砲。

 

 

 

 

 

これだけなら多分その辺の人でもできると思うのだが、イトナの作った戦闘車は、走ってる時や弾を撃つ時に音がほとんどしない。

 

 

 

イトナ曰く、電子制御を多用することで、ギアの駆動音を抑えているらしい。

 

 

しかも映像付き!

 

 

 

 

素晴らしいね!

 

 

 

 

 

「……それと、お前らに1つ教えてやる。狙うべき理想の一点、シロから聞いたあのタコの急所だ」

 

 

 

「…………!!!」

 

 

「奴には"心臓"がある。位置はネクタイの真下。そこに当てれば1発で絶命できるらしい」

 

 

 

 

 

サラッととんでもないこと言ったな、イトナ。

 

 

 

 

「………で、教室内だけで戦闘車移動させるのか?だったら外で移動させた方がいいと思うんだけど……」

 

 

 

 

「わかった。やってみよう」

 

 

 

戦闘車はくるりと方向を変え、廊下へ向かう。

 

 

 

廊下へ行くと、曲がり角で何やら声がした。

 

 

 

戦闘車は上を向き、様子を見ている。

 

 

 

 

 

 

戦闘車が見たものは、スカートの中だった。

 

 

 

 

「………見えたか?」

 

 

いや、見るなよ。

 

 

 

「クソ……カメラが追いつかなかった。視野が狭すぎんだよ」

 

 

 

こいつら変態過ぎて救いようが無い………。

 

 

「カメラをもっとデカくして、高性能にしたらいいんじゃないか?」

 

 

村松がそう言うと、その意見をイトナはきっぱりと反対した、

 

 

「重量がかさんで機動力が落ちて色々めんどくさくなる」

 

 

 

 

 

「………なら魚眼レンズにしてみればいいんじゃないか?」

 

 

 

"参謀"竹林が提案すると、メガネをくいっと上げ、説明を始めた。

 

 

 

「送られた画像をCPUを通して歪み補正すれば、小さいレンズでも広い視野を確保できる」

 

 

 

 

 

「……わかった。視野角の大きい小型魚眼レンズは俺が調達しよう……」

 

 

"カメラ整備"岡島がなんかカッコよさげに言うと、みんなに協力を求めた。

 

 

 

 

「録画機能も必要だな」

 

 

 

「そうだな………」

 

 

 

こいつら……下着ドロにはドン引きしてたくせに……最低のゲス野郎ばっかじゃねーか。

 

 

 

「これも全て暗殺のためだ!ターゲット(女子)を追え!!!」

 

 

 

こうして、E組男子の、E組男子による、E組男子の為のプロジェクト、その名も…………!!

 

 

 

 

 

『プロジェクトE』が始動した。

 

 

 

ちなみにプロジェクトEのEは《エロ》のEだ。

 

 

 

============================

 

 

 

 

早速発進した試作品一号。

 

 

 

外に出ようとした瞬間、段差でコケた。

 

 

 

 

それを映像越しで見ていた男子(渚、磯貝、カルマ、神栄除く)は、しばらく黙り………。

 

 

 

「俺が復帰させてくるわ!」

 

 

"高機動復元士"の木村がダッシュで行くと、改善点についての話し合いが行われた。

 

 

 

「段差に強い足回りも必要じゃないか?」

 

 

竹林がまた提案すると、

 

 

 

「俺が開発するわ、駆動系とか金属加工には覚えがある」

 

 

"駆動系設計補助"吉田が加わった。

 

 

 

 

 

「それと、車体の色についてだが、学校の景色に紛れないと標的(女子)に気づかれる」

 

 

またまた竹林が提案すると、今度は………。

 

 

 

「引き受けた。学校迷彩、俺が塗ろう」

 

 

"偽装効果担当"菅谷が筆を持ち塗る準備をしていると、

 

 

 

「ラジコンは人間とはサイズが違う。快適に走り回れるように俺が歩いて地図を作るわ」

 

 

 

"ロードマップ製作"前原が紙を持つ。

 

 

すると、

 

 

「腹が減ったら開発は出来ねぇ、校庭のゴーヤでチャンプルーでも作ってやらァ」

 

 

"糧食補給班"村松がエプロンをつけて家庭科室へ向かった。

 

 

 

 

 

こうして、本格的に移動し始めたのだが……なかなか思うように行かずに、みんなが交代交代しながらやっている。

 

 

 

 

もう、クラスに馴染んでやがる……。

 

 

 

ワイワイ楽しくやっていると、戦闘車に搭載しているカメラが真っ黒に染まった。

 

 

上を見ると……。

 

 

 

 

カワウソのような生物がこちらを見ていた。

 

 

 

 

驚いて発砲すると、近づいてきた。

 

 

 

 

「うわあああああああ!!」

 

 

 

============================

 

 

試作品一号は破壊されたのだが、みんなは思ってるよりか落ち込んではいない。

 

 

 

むしろやる気になっている。

 

 

 

 

「次からはドライバーとガンナーを分担しないとな、射撃は任せたぞ、千葉」

 

 

新たな役職、"搭載砲手"に任命された千葉。

 

 

 

なんだろう、かわいそうになってきた………。

 

 

「開発には失敗がつきものだ。糸成一号は失敗作だ。だが、ここから紡いで強くする」

 

 

壊れた糸成一号にペンで『糸成Ⅰ』と書くと、イトナはこちらを向いて話した。

 

 

「100回失敗してもいい、最後には必ず殺す。だから、よろしくな、お前ら」

 

 

「そーだな、よろしく」

 

 

「よっしゃ!3月までにはコレで女子全員のスカートの中を偵察するぜ!!」

 

 

 

 

「へー………今なんて言ったのかな?岡島君」

 

 

 

あ…………。

 

 

 

女子の皆さん、戻られたようですね。

 

 

 

 

 

では早速岡島を殺っちゃってください!片岡さん。

 

 

 

 

「うわあああ!!助けてくれええええ!!」

 

 

 

「無理」

 

 

 

 

「あ……そうだよ!全部神栄が提案したんだ!俺は協力されてて…俺は無実だ!!」

 

 

 

うわぁ、勝手に俺を犯人扱いしやがった。

 

 

 

「待て、俺は悪くない。俺は鉄の理性を持ってるんだ。その程度で興奮するような男じゃねぇ、しかも俺がやってないということに関して証人がいる!渚!俺は何もやってないよな……?」

 

 

 

 

「え……あ…そうだね、神栄君はやってない……よ」

 

 

 

 

「確かに……このヘタレがこんなことできないわね。やってたらヘタレじゃないもの」

 

 

片岡さんも納得してくれてなによりです。

 

 

 

 

「ほら!見たか!俺はやってない!やってないんだよ!だから岡島、さ、よ、な、ら♥︎」

 

 

 

 

「うわあああ!助けてくれええ!」

 

 

 

その日、岡島は30分女子達に説教されたらしい………。

 

 

 

自業自得だな、ざまぁみろ。

 

 




次回、お待ちかねのデートです。



地味に何話かかかりそうだな……。


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第101話 デートの時間



デート回だよ!読者全員集合!!!


あ、E組生徒はお帰りください。




 

 

土曜日、神栄は自宅でテレビを見ている。

 

 

 

 

「暇だなー、することないなー」

 

 

 

とか言いつつ、P○Pでゲームをしている。

 

 

 

「うわっ!負けた………。最悪だ…もう一度やんなきゃ」

 

 

 

バトルゲームをやってるらしく、最難関のクエスト中だ。

 

 

2分後、

 

 

『K.O!!』

 

 

 

「よっしゃ!全クリだぜ!」

 

 

 

神栄はこれまでたくさんのゲームで全クリをしてきた。

 

 

 

その回数、なんと100回!!!

 

 

 

 

「俺にかかれば、24時間以内でゲームのストーリーはクリアできる。全クリは1週間くらいかかるけどな」

 

 

 

独りで自慢気に話していると、テレビでは天気予報をやっていた。

 

 

 

『本日は昼頃から土砂降りの可能性が高いです。外出は少し控えた方がいいでしょう!』

 

 

……と言っているが、神栄には聞こえていない。

 

 

 

「このゲーム、エンディングいいな……続編出たら買おう。あ、そうだ、外行ってなんか買おうかな……」

 

 

 

 

 

 

……と外へ出ようとドアを開けた瞬間、ケータイがブルブルと震え始めた。

 

 

 

「……ったく誰だよ…。もしもしー?」

 

『も…もしもし…神崎…です」

 

 

 

 

「!?!?」

 

 

 

最近神崎から電話してくることが増えてきたな……。

 

 

「……どうした?」

 

 

 

『その…碧君とデートしたいなー』

 

 

 

突然電話してきて、突然デートしたいと!?

 

 

まぁ、暇だから構わないけど、でもなぁ……馬鹿ども(カルマとか中村とかその他諸々)にバレると面倒だしなぁ…。

 

 

 

「まぁ……いいけど、どこ行くんだ?」

 

 

 

『服を買いたいから……一緒に来てほしいな………』

 

 

 

 

「おう、いいぞ。じゃあ椚ヶ丘駅で待ってるわ」

 

 

 

 

『うん!!』

 

 

============================

 

 

30分後、

 

 

 

 

 

 

「………?」

 

 

 

あれ?いない。

 

 

 

確かに椚ヶ丘駅集合だよな?間違ってないよな?

 

 

 

神崎はどこ行ったんだろう……。

 

 

 

神栄はウロウロしていると、突然前が見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

「だーれだ?」

 

 

 

 

「………」

 

 

「だーれだ?」

 

 

 

 

「………はぁ、そこにいたのかよ神崎。まぁいいか、じゃあ行こうか」

 

 

 

「あ、うん」

 

 

(なんか反応が薄いなぁ……碧君)

 

 

(反応薄いかな……でも、何て言えばいいんだろう……)

 

◇◇◇

 

 

 

 

神崎と神栄が歩いていると、周りの人たちから羨ましそうに見られている。

 

 

※ちなみに手は繋いでません!残念ながら!

 

 

 

 

 

 

「うわ!あの人かっこよくない!?」

(ヘタレの神栄ですけどね)

 

 

「本当だー!彼氏さんイケメンー!彼女さんも可愛いね!」

(神崎は可愛いけど、男の方はヘタレです)

 

 

 

「………なんか、見られてんな」

 

 

 

 

「そうだね……」

 

 

 

しばらく歩くと、最近出来たばかりの服屋に着いた。

 

 

 

出来たばかりにしては客が少ない。どうしてだろう…。

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませー」

 

 

 

 

店員を華麗にスルーした後、神崎は服を探し始めた。

 

 

 

「………碧君、これどう?」

 

 

 

うむ、なかなか良いではないか。

 

 

 

素晴らしい。

 

 

 

「おう、いいじゃん。似合ってるぞ」

 

 

 

「じゃあこれは?」

 

 

 

 

「うーん、もうちょいなんか欲しいな。これとかどうだ?」

 

 

 

あーだこーだしてるうちに、神崎は何回服を着ただろう……。

 

 

 

結局決まったのだが、予算は見事にオーバーした。

 

 

 

しかし!しかしだ!

 

 

 

ここは彼氏が買ってあげるのが一番だ。(と思っているだけ)

 

 

 

だから……。

 

 

 

「……ん。それ、ちょうだい」

 

 

 

そう言って、神栄は手を服の前に出した。

 

 

「え?」

 

 

 

「それ、俺が払うから、ちょうだい」

 

 

 

 

「………うん、ありがと」

 

 

 

 

「お会計、3250円でーす」

 

 

 

 

「はい」

 

 

 

神栄はカッコよく5000円札を渡し、会計を済ませた。

 

 

 

買い物が終わったが、時間はまだまだある。

 

 

 

 

現在、午前10時。

 

 

 

 

「なんかねぇかな……することねぇぞこりゃ……」

 

 

 

「そうだね……何しよっか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、2人が考えていると、ポツポツ……と雨が降ってきた。

 

 

 

 

「うわ……雨かよ……とりあえずどっかで雨宿りするか」

 

 

 

神栄は神崎の手を握り、走っていった。

 

 

 

この時、神崎は嬉しくて言葉も出なかった。

 

 

 

「………」

 

 

最初は小雨だった雨が、だんだん強くなってきた。

 

 

 

「………やべぇな、どしゃ降りになってきた………。神崎、家に入れてくれ………」

 

 

 

「え?」

 

 

「近くにあるだろ?俺風邪ひいちゃうよ。だから案内してくんないか?」

 

 

 

「わかった!じゃあ、行こうか!」

 

 

 

今度は神崎が神栄の手を引っ張った。

 

 

 

ヘタレの神栄は恥ずかしくて声が出なかった。

 

 

 

(……うわぁ、これは恥ずかしい。でも、雨に感謝だわ…)

 

 

 

 

2、3分すると、神崎の家に着いた。

 

 

 

「………お…お邪魔します」

 

 

 

 

ずぶ濡れの2人を見て、神崎母は驚いていた。

 

 

 

「ど、どうしたの!?2人とも」

 

 

 

「見ての通りですよ……濡れました」

 

 

 

 

「と、とりあえずシャワー浴びてきたら?」

 

 

 

「はい……すいません」

 

 

 

============================

 

 

 

風呂場に着き、神栄はシャワーを浴びる。

 

 

 

「へっくし!」

 

 

 

地味に可愛いくしゃみをした神栄。

 

 

 

それほど寒かったのだろう。

 

 

 

神栄は風呂場にあった椅子のようなものに座り、頭を洗っている。

 

 

 

「暖かいなぁ……風呂って素晴らしいよな……」

 

 

 

ワシャワシャと洗っていると、ガラ!とドアが開いた。

 

 

 

クルッ、と後ろを振り返ると、そこには、

 

 

 

 

 

 

(タオルはしていたが)裸の神崎がいた。

 

 

 

 

「…………へ?」

 

 

 





もうこれR18だろ(笑)


まぁ、小学生でも読める健全な小説にしたいですけどね。
(暗殺の時点で健全ではないですが気にしたら負けです)


次回、ヘタレのとる行動は………?




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第102話 デートの時間、2時間目



やぁ、久しぶり。相当遅れました、すいません。
(モンストのやり過ぎだなんて口が裂けても言えない…)


それと、先に言っておこう。デート(のようなもの)は案外あっさり終わる。

今度またデート回はやるので、待っててねー。


 

 

 

「………は!?」

 

 

 

 

 

神栄が振り向くと、目の前には神崎がいた。

 

 

 

神崎は恥ずかしくなり、顔を赤くした瞬間、ドアを閉めた。

 

 

 

「……どどどどどうしたんだよ神崎、何かあるのか?」

 

 

 

「……なんでもないです」

 

 

 

「そ……そうですか」

 

 

============================

 

 

 

恥ずかしい思いをした後、リビングへ行くと食事の用意が既にできていた。

 

 

 

ちなみにこの時、神栄はメガネをしている。

 

 

「あら神栄君、メガネかけてるの?」

 

 

 

 

神崎のお母さんがそう言うと、神栄は竹林のようにメガネをくいっと上げ、説明した。

 

 

 

「あ、はい。たまにつけるんですよ、目が悪いので……」

 

 

 

「元々カッコいいのに、メガネかけたらさらにカッコよくなっちゃって!このこの!」

 

 

「そ…そうですか」

 

 

 

正直、俺はメガネは似合わないと思っている。

 

 

 

理由は特にないが、そう思っている。

 

 

 

神崎のお母さんと話していると、そろーっと神崎がやってきた。

 

 

 

こっちの方を見ると顔を赤くして別の方を向いてしまう。

 

 

 

 

まぁ、あんなの見られちゃそうなるか……。

 

 

 

◇◇◇

 

 

昼ごはんを食べた後、神栄は神崎の部屋へ行った。

 

 

 

以前行ったことがあるので、特に何かが変わった、というのは無く、むしろ綺麗になっていた。

 

 

 

 

でも、ベットは一つ。

 

 

「……眠い」

 

 

 

 

現在、午後1時。

 

 

 

普通ならまだ起きてる時間だが、いろいろな疲れがたまったのか、神栄は眠くなってしまった。

 

 

 

 

 

「眠いけど…流石に女子のベットで寝るわけにもいかないよな……床で横になってるか……」

 

 

そう言って床で横になる。

 

 

 

 

あっさり眠ってしまった神栄は、夜の7時まで起きることはなかった。

 

 

 

 

一方、神崎は、

 

 

 

 

 

「碧君寝ちゃったのかな……」

 

 

と言い自分の部屋に着くと、床に倒れてる神栄が居た。

(寝てるだけです)

 

 

 

神崎は神栄の寝顔を見ると、

 

 

 

 

 

「……可愛いなぁ……碧君の寝顔」

 

 

 

それはもう、可愛い、としか言えないくらい可愛いかったらしい。

 

 

 

当然神栄はこのことを知らない。

 

 

 

「スー……スー……スー……」

 

 

 

「………寝てる」

 

 

 

「スー……スー……」

 

 

 

 

「やっぱり、碧君はかわいいなぁ……カッコいいし」

 

 

 

そう言って神崎は神栄の唇に自分の唇を重ねた。

 

 

 

============================

 

 

7時、やっと目が覚めた神栄は周りを見る。

 

 

 

目を開けキョロキョロすると、布団がある。

 

 

おそらく神崎のお母さんが色々やってくれたのだろう。

 

 

そして神栄は後ろを向いた。

 

 

 

そこには、

 

 

 

 

寝ている神崎がいた。

 

 

 

「…………疲れてんのか…まぁ仕方ないか」

 

 

 

 

神栄はそっと起き、リビングへと向かった。

 

 

 

 

 

「随分と長く寝てたねー、夜ごはん出来てるよ」

 

 

 

「あ、はい、ありがとうございます」

 

 

「神栄君、有希子を起こしてきてくれない?夜ごはんできてるし」

 

 

 

「え?あ、はい」

 

 

神栄は部屋へ行き、寝ている神崎を見つめていた。

 

 

「……神崎ー、起きろー」

 

 

 

 

「スー……スー……」

 

 

 

うわぁ………可愛い。

 

 

 

 

起こしたくない!この寝顔!

 

 

だが、神栄は起こす。

 

 

 

「おーい神崎ー、おーきーろー」

 

 

 

 

ゆっさゆっさ揺らして、神崎を起こそうとするが、起きない。

 

 

 

「おーきーろー!夜ごはん食べらんなくなるから!おーきーろー!」

 

 

「………?」

 

 

 

「やっと起きたか……早くごはん食べようぜ」

 

 

 

「え……?あ、うん」

 

 

 

============================

 

 

 

「やけに長かったねー、なんかしてたのー?」

 

 

 

 

お母さんがニヤニヤしていると、神栄は顔を赤くして答えた。

 

 

「え?いや、別に、普通に起こしてきただけですよ……?変な誤解を生まないでくださいよ……」

 

 

 

「その反応はおかしいなー、はははっ!」

 

 

 

(非常に食べづらい………!!)

 

 

そのあとは何事もなく、食べ終わり、部屋に戻った。

 

 

 

現在、夜8時。

 

 

 

 

 

神栄は1人でゲームをしている。

 

 

 

神崎をチラ見しながら……。

 

 

 

「………なぁ、ごはんも食べたし、することないなら、俺帰るけど……」

 

 

 

「………ま、まぁ、碧君がそうしたいなら……いいけど…」

 

 

「あ、ああ、ごめんな、また遊ぼうぜ、いつでもいいから」

 

 

 

「うん………」

 

 

◇◇◇

 

 

やはりヘタレはヘタレだった。

 

 

この状況で帰るなど、先が長いぞ。

 

 

 

 

 

 

………とまぁ、神栄は自宅へ帰ろうとする。

 

 

 

すると、神栄のケータイがブルブルと震えた。

 

 

 

ケータイを見ると、誰だかはわからない。

 

 

 

 

「ったく誰だよ………もしもし」

 

 

 

『○○病院です。神栄 碧君だね?』

 

 

 

「………だから誰だよ」

 

 

 

『それは病院に来てからにしてくれないか?警備の人には伝えてある。名前を言ってくれれば通してくれるはずだ』

 

 

 

「今から行けってか……?もう9時近くだぞ……』

 

 

 

『とりあえず、来てくれ』

 

 

 

そう言うと、電話は切れた。

 

何があるかわからないが、とりあえず行くか……。

 

 

 

 

神栄はいつもの帰り道とは違う方向へ歩き出した。

 

 





とりあえず次回もオリジナルストーリーです。


ついに神栄君にも次回、チート能力が追加されます。


これで暗殺の幅が広がるね!やったね碧君!


あ、あと、今日クシナダ勝ったよ!タスカンしたよ!


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第103話 病院の時間


お久しぶりです。

今回、短いです


 

 

土曜日、夜の9時頃。

 

 

 

神栄は以前世話になった病院を訪れた。

 

 

 

「やぁ……久しぶりだね」

 

 

 

 

出迎えてくれたのは、神栄を治療してくれた人だった。

 

 

 

「一体こんな遅くに何の用ですか?」

 

 

 

「まぁ、それは中に入ってからにしてくれ………」

 

 

 

============================

 

 

 

神栄は病院の先生について行き、とある部屋へと連れてかれた。

 

 

 

「突然だが、君は一時期"狂気"の状態だったのは、わかるかね?」

 

 

 

「まぁ……一応」

 

 

 

 

「確か…超生物を殺す学校の生徒、だっけか?君にはその素質が充分にある」

 

 

 

殺す………素質?

 

 

 

何を言ってるんだ?

 

 

 

「君を呼んだ理由は、単刀直入に言うと、君を"狂気"状態にさせることができる薬を作ったのだよ」

 

 

「!?」

 

 

 

「もちろん、前みたいに暴走することは無いようにはしてある。これを飲むことで、君が超生物を殺すのだよ………」

 

 

この人は、俺に期待をしているのか……?

 

 

 

 

 

 

 

でも、俺は『好奇心』に負けた。

 

 

 

 

「…………わかりました。それ、貰います」

 

「そうか………なら」

 

 

 

先生は俺に薬を2錠くれた。

 

 

 

 

 

先生によれば、この薬は噛み砕き、それを全て飲み込めば劣化版ではあるが、"狂気"状態になることができるらしい。

 

 

 

持続時間は約2時間。副作用は、30分ほど気絶するらしい。

 

その時、神栄は何もすることができない。

 

 

 

これは………

 

 

 

神栄は病院から出ると、じっと薬を見つめていた。

 

 

 

「これ……まさか違法な薬物とかじゃねぇよな………」

 

 

 

今更だが、少し不安になってきたのか、薬を返そうと再び病院に戻ろうとすると、

 

 

 

 

 

 

「およ?碧君じゃないか、久しぶりだねぇ」

 

 

 

この声は、茜音だった。

 

 

 

 

「んだよ……散々俺を苦しめて、何言ってやがる!」

 

 

 

 

 

「………まぁ、それは悪かったよ。私も、狂ってたから……」

 

 

あの茜音が頭を下げてきた。

 

 

 

俺はその光景がおかしく見えた。

 

 

 

 

2度とないであろう、茜音が謝る姿。

 

 

 

自分が正義だと信じていた女がとったこの行動。

 

 

 

俺は、信じられなかった。

 

 

 

 

「……なんだよ。不自然過ぎるんだよ……お前はこのままいつも通り己の道を歩んでろよ……」

 

 

 

「……そうだね」

 

 

 

これが、一番長い姉弟の会話かもしれない。

 

 

「てか、お前E組には来ないのか?来てほしくないけど」

 

 

 

 

「私は一応新五英傑の人だからねー、『中間テスト』待ってるよ……?勝ってみなよ……私に」

 

 

 

 

 

「上等だ。殺ってやる!」

 

 

 

神栄はくるりと背を向け、茜音を別れを告げた。

 

 

 

「はぁ……今日は色々不幸だなぁ………」

 

 

 

 

初めて姉とこういう風に話した気がする。

 

 

これはもう、2度とないだろうけどな………。

 

 

============================

 

 

 

帰り道、現在午後10時半。

 

 

 

そろそろ警察の補導が始まる時間だが、人はいない。

 

 

 

神栄は、特に理由もなく、神崎の家の前を歩いていた。

 

本当に、理由はない。絶対。

 

 

 

 

 

 

そこに、

 

 

 

 

 

 

「ん?神栄君じゃないか?久しぶりだね」

 

 

今度は誰だよ………と後ろを見ると、

 

 

 

 

神崎のお父さんかよ………。

 

 

 

こりゃ泊められるパターン入りましたよ。

 

 

 

「どうしたんだ?明日は日曜だし、泊まっていかないか?」

 

 

 

 

ほらー!やっぱりー!

 

 

 

ここで「あ、いいです」とか言ったら怖いから行くけど。

 

 

 

「あ……お世話になります……」

 

 

 

 

これじゃあ神崎に会う顔がない!!

 

 





テスト2週間前入りました。

最近ただでさえ更新ペース遅いのに、さらに遅くなります。


それと、提案なのですが、『超人高校生』にハマりましてね、それのSSを書きたいんですよ。

これっていいのかな?ダメなのかな?んなわけでみなさんの声が聞きたいです。


もちろん暗殺教室の方を優先しますが、暇な時に書きたいです。


今度は世界史100点目指す!!!


そんなわけで、しばらくお休みします。
(ふとした時に復活するかも)


では、待っててね


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第104話 お泊まりの時間


ねぇいなくなったかと思った?いなくなったかと思った?


残念!います!あーはははははははは!


あ、テンション高いです今、なぜなら、『とある魔術と禁書目録と学ぶ数学A.I』と『とある科学の超電磁砲とやり直す中学数学』を手にして嬉しいからです。

でも、こっちの方は駄文だよん。


 

 

 

「……………」

 

「……………」

 

 

まさか、また神崎の家に行くとは思ってなかった。

 

 

 

そう、全ては神崎のお父さんが悪い。

 

 

真面目そうなあの人が結構酔ってたせいで、半ば強引に神崎の家に連れてかれた。

 

 

 

そして、今に至る。

 

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 

時計の音だけが部屋中に響く。

 

 

 

何事もないまま、時間は過ぎる。

 

 

(マジで何しろってんだよ!)

 

(何をすればいいんだろう……)

 

 

 

「………なぁ……」

 

 

 

「!?」

 

 

突然のことにびっくりしたのか、神崎はビクッ!として神栄を見た。

 

 

 

「え……?どうしたの?」

 

 

 

「……眠いから寝させてくれないか……?」

 

 

 

「え?あ、いいよ」

 

 

そう言って布団を出してくれた。

 

 

 

「ああ……ありがと」

 

 

……布団に入ると、

 

 

 

「私も………眠い」

 

 

 

もぞもぞと布団に入ってきた神崎、

 

 

 

いや、おかしいだろ。

 

 

突然ですが、問題です。

 

 

Q、ベッド一つと、布団一つがあり、人数は二人います。さて、あなたならどうしますか?

 

 

普通の人なら、

 

A、ベッドと布団別々に入る。

 

 

なのだが、これは明らかにおかしい。

 

 

 

「ねぇ碧君……私も……眠いの…」

 

 

 

ほぼゼロ距離の二人、神栄は頭がポーッとしている。

 

 

「……そそそそうだな」

 

 

「おやすみ……碧君♥︎」

 

 

と言って…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日2度目のキスをしてきた。

 

 

 

 

 

しかも、ベロチューだ。

 

 

 

 

「〜〜〜〜ッ!?!?!?」

 

 

 

神栄はクタァ……としてしまい、無防備な状態だ。

 

 

 

今なら誰でも殺せそうである。

 

 

 

目の焦点は合ってないし、ポーッとしているし、思考は停止してるし、現実逃避してるし……と簡単に言えばヘタレモードに入っている。

 

 

 

「………………」

 

 

神栄はそのまま気絶したかのように目を瞑る。

 

 

 

7HITくらいすると、本当に眠ってしまい、神崎は悲しそうに唇を離した。

 

 

「…………寝ちゃった……」

 

 

 

「…………んなわけないだろ……あんなことされたら現実逃避するに決まってんだろ……」

 

 

 

神栄は背を向けながらボソッと喋っている。

 

 

「今さらだけどさ……神崎」

 

 

 

「…………?どうしたの?」

 

 

 

 

 

「なんで……俺のことを好きになったんだ?」

 

 

 

「……………惚れ」

 

 

 

とても小さい声で言った神崎は、顔を赤くした。

 

 

 

「……え?なんて?」

 

 

 

「一目惚れ……」

 

 

一目惚れか………。まぁ、俺もそんな感じだったな………。

 

 

初めて会ったとき、まだ椚ヶ丘に来て一週間も経ってなかった。

 

 

そんな時声をかけてくれたのが神崎だった。

 

 

 

俺は、その時のことは今になっても忘れない。

 

 

 

だから、俺も……す……

 

 

 

 

 

「そうだったんだ……」

 

 

 

「うん………」

 

 

 

 

また黙り込んでしまった。

 

 

 

 

「……碧君……さっきまで何してたの……?」

 

 

 

「…………病院だよ。いろいろ……な?」

 

 

 

「そう……じゃあ……おやすみ」

 

 

 

「お……おう」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

あれから何時間経っただろう。

 

 

 

起きた時には、部屋は明るかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ん………あ……何時だ……?」

 

 

 

「11時だよ!あーおくん!」

 

 

 

バサッ!と布団を取り、暖かかったのが一瞬にして寒くなった。

 

 

「寒い……寒い……布団…」

 

 

「フフフ……私を喜ばしてくれたら布団を返してあげよう」

 

 

神栄はメガネを付け、考える。

 

 

 

「………え」

 

 

 

 

「………フフフ」

 

 

 

「………あ、あそこにUFOが!」

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

神栄は力ずくで布団を奪おうとすると、神崎が抵抗した。

 

 

「うおりゃああ!」

 

 

 

布団を手に入れると神栄はすぐに寝る体勢をとった。

 

 

「………ずるい」

 

 

 

「これも作戦のうちd「神栄くーん。昼ごはん出来たよー」

 

 

 

 

なんて不幸なんだ……。

 

 

 

============================

 

 

「昼から豪華な食事ですね」

 

 

 

「そう?いつもこんなのだよー」

 

 

 

神崎のお母さんが食事を置きながらそう言うと、ニヤニヤしながらこちらに話しかけてきた。

 

 

 

「………で?お二人さんはどうなの?夜を共にしたわけだけど…」

 

 

(まさかだと思うけどあの人夜に部屋覗いてたな……?)

 

 

「え?ああ、普通でしたよ。普通」

 

 

 

「へー……ほー……」

 

 

 

 

そんなこんなで食事も終わり、神栄が帰る用意をしていた。

 

 

「ねぇ碧君……」

 

 

 

「ん?どーした?」

 

 

 

「今度…遊園地行かない?」

 

 

 

 

今度か、特に予定もないし、大丈夫だろ。

 

 

「おう、いいぞ」

 

 

 

すると神崎は少し照れながら……。

 

 

 

 

「じゃあね!碧君!!」

 

 

 

「………うん、また学校でな」

 

 

 

 

神栄は笑顔で神崎の家を後にした。

 

 

 

 

 

 

「………遊園地………か」

 

 

 

 

 

 





てか、今日なんかコンビニ行ったら暗殺教室最新巻があったんですけど……。


立ち読みしたら、殺せんせーの過去の話の前で終わってる!

ふざけるなああああ!!!

あ、次回コードネームのやつです。



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第105話 正義の時間


今回はなんか長いです。


3000文字なんて久しぶりだ。


 

 

 

 

「………は?ジャスティス?」

 

 

 

 

学校でのことだった。

 

 

 

突然、木村 正義が衝撃の告白をし始めた。

 

 

「いや……だから、俺の名前はきむら じゃすてぃすなんだよ」

 

 

「………は?まさよしって言ってたじゃん。あれはなんなんだ?」

 

 

 

「じゃすてぃすって言われたくないから、まさよしにしたんだよ」

 

 

じゃあ、木村のあだ名は今度からジャッスンだな。

 

 

 

 

すると、狭間も話し始めた。

 

 

「親なんてそんなもんよ。私なんてこの顔できららよ?きららに見えるかしら?」

 

 

「いや………」

 

 

「あれか、DQNネームとか、キラキラネームって奴か。親のネーミングセンスが皆無だったのが悪かったな…ジャッスン……狭間……とカルマ」

 

 

 

確かに業(カルマ)なんてつける親おかしい。

 

 

一体どういうことがあってカルマになったんだろう……。

 

 

 

「あー、俺?俺はこの名前気に入ってるよー?ぶっちゃけ神栄には言われたくないよ」

 

 

 

「あ?碧のどこが悪いんだ?業よりマシだろ」

 

 

ちなみに、碧と付けられた理由は、先祖から名前には色が使われていたからだ。

 

 

蒼とか、葵とかが候補にあったらしいが、最終的には碧になった。

 

 

「葵」だと、「あおい」って見えて女の子みたいだから、やめたという説がある。

 

「蒼」も同様に、女の子っぽい名前だからだ。

 

 

 

「碧」には「王」という字が入っている。だから碧にした………らしい。

 

 

「名前ですか、先生も名前には不満があります」

 

 

ぷにょん。と変な感触がしたかと思ったら、なんか横に殺せんせーがいた。

 

 

「あんたはいいだろ……茅野だっけ?名前付けてもらったじゃん」

 

 

「気に入ってるから不満なんです。未だに約2名、その「殺せんせー」と呼んでくれない人がいるんですよ……?烏間先生なんて、私を呼ぶ時、「おい」とか「お前」とか言うんですよ!?熟年夫婦じゃないんですから………」

 

 

「まぁ……仕方ないだろ……」

 

 

「それに、ビッチ先生は「タコ」とか「タコ」とかって言うんですよ!?」

 

 

 

それもうタコしか言われてないよ。

 

 

 

あながち間違ってはないけど。

 

 

 

 

 

「だったら……あだ名みたいなのをみんなで考えればいいんじゃね?」

 

 

 

「あだ名?」

 

 

磯貝が不思議そうにこちらを向くと、神栄は偉そうに説明した。

 

 

「コードネームみたいなもんさ、あれだ。南の島で殺り合った奴ら、みんな本名隠してただろ?そんな感じで俺らもやろう!ってな」

 

 

 

「では、皆さん各自全員分のコードネーム候補を書いてもらい、その中から無作為に先生が引いたものが皆さんのコードネームです………というわけで、今日一日名前で呼ぶのを禁止です!!!」

 

 

 

============================

 

 

 

1時間目、体育の授業で烏間先生を標的とした擬似暗殺訓練が始まった。

 

 

「野球バカ!野球バカ!堅物に動きはあるか!?」

 

 

 

"美術ノッポ"こと菅谷がそう言うと、

 

 

「まだ無しだ。貧乏委員チームが堅物の背後から沢に追い込み、ツンデレスナイパーが狙撃する手はずだ」

 

 

"貧乏委員"こと磯貝がじりじりと烏間先生に近づくと……。

 

 

 

 

 

烏間先生は磯貝の方へ戻り、素早く磯貝の間を抜けた。

 

 

 

「甘いぞ2人!包囲の間を抜かれてどうする!特に女たらしクソ野郎!銃は常に撃てる高さに持っておけ!」

 

 

"女たらしクソ野郎"こと前原が烏間先生の動きを見ていると、

 

 

 

「おい!そっち行ったぞ!キノコディレクター!ゆるふわクワガタ!」

 

 

 

"キノコディレクター"こと三村と、"ゆるふわクワガタ"こと倉橋が銃を構えると、烏間先生は森の中へと消えていった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「だああああああ!!!!」

 

 

 

小型拳銃を2丁使い、乱暴に撃っている男がいる。

 

 

 

なんか色々やってたらたまたま烏間先生にヒットした。

 

 

「ヘタレ!もっと精密な射撃を心がけろ!一発一発的をしっかり定めとけ!」

 

 

 

ったく……ヘタレとか誰だよ。

 

 

 

 

「「「「お前だよ!!!」」」」

 

 

「え?俺!?」

 

 

 

 

「毒メガネ!永遠の0!射点が見えては当然のように避けられるぞ!」

 

 

「嘘……気づかれた?そっちお願い!凛として説教!」

 

 

"毒メガネ"は奥田、"永遠の0"は茅野。"凛として説教"は片岡である。

 

 

 

これさ、傷ついたりしないの?

 

 

俺は傷ついてます。

 

 

「行くよ!ギャル英語と性別!」

 

 

"ギャル英語"は中村、"性別"は渚……か。

 

 

 

「……!?」

(凛として説教の指揮能力のおかげか……先ほどより射撃が上手くなっている……。背後から距離を保って隙を窺う、変態終末期とこのマンガがすごい!もなかなかのものだ……)

 

 

 

あ、変態終末期って書いたのは俺(神栄)だ。

 

 

 

 

(中二半が退路を塞いだ!頼んだぞ……!ギャルゲーの主人公!)

 

皆が"ギャルゲーの主人公"こと千葉をちらっと見る。

 

 

緊張がありながらも、千葉はためらいなく発砲した。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

「ギャルゲーの主人公!君の狙撃は常に警戒されていると思え!」

 

 

 

「……わかってますよ……だから仕上げは俺じゃない……!ジャスティス!!!!」

 

 

 

その瞬間、"ジャスティス"こと木村が、草むらから烏間先生の背後を狙い、狙撃した。

 

 

 

 

============================

 

 

「……どうでしたか?1時間目をコードネームで過ごした気分は」

 

 

 

「その前に……お前ら、俺のこと『ヘタレ』にしたやつ……手ェ挙げろ」

 

 

 

31人(殺せんせー、ビッチ先生、烏間先生含む)のうち、『ヘタレ』と名付けたのは、なんと27人!

 

 

 

おそらくビッチ先生、烏間先生、殺せんせー以外のほとんどが『ヘタレ』と名付けた。

 

 

 

「そりゃ……31分の27だったらヘタレになるか……っておい!俺のどこがヘタレなんだよ!ふざけんなあああああ!!!」

 

 

 

 

「でもさ……27人ってことは、誰か1人はヘタレ以外のコードネームを付けたってことじゃん。その人がいるだけマシだろ?」

 

 

……大体予想がつくが……言ったら色々面倒だし……。

 

 

 

 

「へー……そんな奴いるのか……その人はいい奴だな。なんせヘタレ以外のコードネームを付けてくれたんだから……」

 

 

 

「……まぁ神栄のやつはいいとして、なんで俺だけ本名のままだったんだよ。殺せんせー」

 

 

「いえ……今日の体育の訓練内容

知ってましたし、君なら活躍できると思って……。さっきみたいにカッコよく決めたら『ジャスティス』って名前もしっくり来ましたよね?」

 

 

 

木村は腕を組み、うーん、と言いながら悩んでいる。

 

 

「安心の為言っておくと、木村君。君の名前は比較的簡単に改名手続きができるはずです。極めて読みづらい名前であり、君はすでに読みやすい名前で通している。改名の条件はほぼほぼ満たしてます……」

 

 

 

「え?そんなに改名手続きって簡単なの?」

 

 

別に改名したいわけではないが、神栄は少し気になっていた。

 

 

 

改名するなら……どんな名前にしよう……と。

 

 

「でもね木村君、もし先生が私を殺せたなら、世界はきっと君の名前をこう解釈するでしょう。『まさしく正義だ』『地球を救った英雄の名にふさわしい』とね。親がくれた名前に正直大した意味はないです。意味があるのは、その名の人が実際の人生で何をしたかです」

 

 

「………」

 

 

 

「名前は人を造らない。人が歩いた足跡の中にそっと名前が残るだけです。だから、もうしばらくその名前を大事に持っておいてはどうでしょうか……?少なくとも暗殺に決着がつくときまでは………ね?」

 

 

 

確かに……言う通りかもしれない。

 

 

 

仮に、そーゆー名前になったとしても、俺は変える気はないと思った。

 

 

 

大事なのは……行動という事か…。

 

 

 

 

「……さて、今日はコードネームで呼ぶ日でしたね。先生のコードネームを紹介するので、以後この名前で呼んでください」

 

 

殺せんせーが黒板に書いたものは。

 

 

 

 

『永遠なる疾風の運命の皇子』

 

 

とわなるかぜのさだめのおうじ!?

 

 

「センス無さすぎだろ……」

 

 

 

 

 

その日、殺せんせーは

 

 

『バカなるエロのチキンのタコ』と呼ばれたのである……。

 

 

 

 

 





今更ですが、新しいやつ書き始めました。

『超人高校生、超高校級のヤクザ』です。

超人高校生+おまけのやりたい放題クトゥルフという動画のストーリーにオリキャラが参加する話です。

オリキャラはチート級の強さです。

暇なら見てくださいね。


あと、最近お気に入り登録が増えて嬉しいです。評価とかしてくれたらもう……超嬉しい。

そんなわけで、指摘、感想、質問、その他コメント、お気に入り登録、評価待ってまーす!



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第106話 イケメンの時間


外国語打つのつらかった……!!


そんなわけでどうぞ、


 

 

学校帰り、とある喫茶店にて。

 

 

「実にイケメンだ。イケメン過ぎてその………イケメンだ」

 

 

「いや、何言ってんの神栄」

 

 

現在、磯貝のバイトを覗きに来ています。

 

 

 

理由?暇だから。

 

 

 

中学生がバイトは本来いけないのだが、磯貝なら許せる。

 

 

磯貝にも正当な理由があるのだし、まぁ、いいだろう。

 

 

「うわぁ……あんなに一度に皿運んでるぞ……」

 

 

 

磯貝はE組に落ちた理由がバイトをしてたから、らしい。

 

 

普通ならA組にいてもおかしくないのだが、磯貝の家は母子家庭で最近お母さんが体調を崩してしまった。

 

 

それで、バイトを少ししているらしい。

 

 

話は変わるが、なぜ磯貝はイケメンイケメン言われているのか、それは、

 

 

 

 

 

 

人格だ。

 

 

女たらしクソ野郎(前原)やカルマのような危険さが無く、友達には優しく、目上の人には礼儀正しい。

 

 

こんな人、ゲームや漫画の中だけだと思ってたけど、本当にいるんだね!

 

 

 

「あいつの欠点なんて貧乏くらいだけどさ、それすらイケメンに変えちゃうんだよなぁ……」

 

 

 

「は?」

 

「私服は激安店のを安く見せずに清潔に着こなすし、この前祭りで釣りまくってた金魚を食わせてもらったけど、めっちゃくちゃ美味かったし」

 

 

 

「「イケメンだ!」」

 

 

 

女子2人(片岡、茅野)がそう言うが、イケメン伝説はまだ続く。

 

 

 

「あいつがトイレ使った後よ、紙が三角にたたんであった」

 

 

「「イケメンだ!」」

 

 

「あ、紙なら俺もたたんでるぜ、三角に」

 

 

「「汚らわしい……」」

 

 

 

こ の 差 で あ る。

 

 

イケメンな磯貝と変態の岡島だと、こんなに差があるのか……!?

 

 

「俺もたまに三角にしてるぜ」

 

 

 

「「へー」」

 

 

「……聞けよ!」

 

 

俺に対して無関心過ぎだろ!

 

 

俺だって磯貝には負けるけどそれなりに容姿はいい方だと思ってる。

 

 

「おい……見ろよ!あの天性のマダムキラーぶり」

 

 

「「イケメンだ!」」

 

 

「あ……僕もよく近所のおばちゃんにおもちゃにされる」

 

 

「「シャンとせい!!」」

 

 

「俺もたまに近所の人たちに色々いじられてる」

 

 

「「へー」」

 

 

片岡さんと茅野さん一回ぶっ飛ばしていいっすか?

 

 

「それに……あいつ本校舎の女子からラブレター貰ってるらしいぜ」

 

 

「「イケメンだ!」」

 

 

「……あ、私もまだ貰うなぁ…」

 

 

「イケない恋だ!!!」

 

 

 

片岡さん、流石っす、マジぱねぇっす!

 

そりゃイケメグとか言われるのも無理はない。

 

 

 

「イケメンにしか似合わない事があるんですよ……。磯貝君や、先生にしか」

 

 

キリッとした顔で殺せんせーが言うと、ハニートーストをむしゃむしゃ食べている。

 

 

「ここのハニートーストは絶品です。これに免じて磯貝君のバイトは目を瞑ってます」

 

 

「ちょろすぎるだろ」

 

 

 

「でもみなさん。彼がいくらイケメンでもさほど腹は立たないでしょ」

 

 

 

「まーな」

 

 

「うん」

 

 

「それは何故?」

 

 

何故って言われても……神栄にはわからなかった。

 

 

「だって、単純にいい奴だもん、あいつ。それ以外に理由いる?」

 

 

 

「わかんね」

 

 

すると、店に何人かの人たちがやってきた。

 

 

 

そこには……。

 

 

 

 

 

「おや?おやおや?情報通りバイトしてる生徒がいるぞ〜?」

 

 

見た瞬間「こいつ見た目豚に似てる(笑)」と思った奴(荒木)と

 

 

「いーけないんだぁ〜磯貝君」

 

見た瞬間「こいつケツアゴすげぇ」と思った奴(小山)がそう言うと、

 

 

 

「これで2度目の重大校則違反。見損なったよ……磯貝君」

 

 

 

 

「浅野?何しに来たんだ?」

 

 

◇◇◇

 

 

店の外に出ると、みんなは話を聞いていた。

 

 

 

「浅野……この事は黙っててくれないか?今月いっぱいで必要な金は稼げるからさ」

 

 

 

「……なるほど、そうだね。僕も君にチャンスをあげたい……」

 

 

 

また変な事考えてんのか……。あの顔、理事長にそっくりすぎて怖い。

 

 

 

 

「では一つ、条件を出そうか。闘志を示せたら、今回の事は見なかった事にしよう。椚ヶ丘の校風はね、『社会に出て闘える志を持つものを何より尊ぶ』なんだよ。違反行為を帳消しにするほどの尊敬を得られる闘志、それを示すには………」

 

 

 

 

============================

 

 

次の日……、

 

 

「体育祭の棒倒し?」

 

 

「そう、これでA組に勝てば、磯貝の事はなかった事にしてくれるんだってさ」

 

 

 

「でもよ……こっちは不利だよな」

 

 

 

 

「ああ、神栄の言う通り、こっちが完全に不利だ」

 

 

竹林がメガネを上げると、

 

 

「A組男子は28人、E組男子は16人、とても公平な闘いではない」

 

 

しかも、棒倒しは一種の戦争。ガチファイトである。

 

 

そーゆーのにおいて人数の差は大きなハンデとなる。

 

 

 

これをわかってて浅野は明らかに不利な勝負を誘ってきたのだ。

 

 

 

「はぁ……俺らに赤っ恥かかせようとする魂胆が丸見えだぜ」

 

 

 

 

「もし、負けたら磯貝は退学になりかねない。どーすんだ?」

 

 

 

磯貝は下を向いている。

 

 

 

責任感でもあるのか、見つかった事を反省しているのか、よくわからないが、とりあえず下を向いている。

 

 

 

「いや……やる必要はないよ…みんな。これは俺が播いた種だ、責任は全部俺が持つ。退学上等!暗殺なんて校舎の外でも出来るしな!」

 

 

磯貝はいつものように笑顔を見せたが、なんだろう……。

 

 

 

これはさすがに……イケメンじゃない。

 

 

 

「イケてねーぞ!何自分に酔ってんだアホ毛貧乏!」

 

 

「アホ毛貧乏!?」

 

 

 

うむ、こうなるわな。

 

 

 

「なに深く考えてんだよ磯貝」

 

 

 

「前原……」

 

 

 

前原はナイフを机にどん!と置き、

 

 

 

「A組のガリ勉共に棒倒しで勝てばいいんだろ?楽勝だろーが」

 

 

 

そこにたくさんの手が加わる。

 

 

「日頃の恨み、まとめて返すチャンスじゃねーか」

 

 

 

「「「「倒すどころかへし折ってやろーぜ!なぁイケメン!」」」」

 

 

 

 

 

「お前ら………よし!やるか!!」

 

 

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

 

 

============================

 

 

 

一方、A組では………。

 

 

 

「It's been a long time. Asano」

(久しぶりだな、浅野)

 

 

「Welcome. I want to borrow the unyielding soul of the beefhead who came well」

(よく来てくれた。テキサス人の不屈の魂を借りたくてね)

 

 

 

 

 

「Disons. c'est pas mal ce sacre stage si je reverrais Asano」

(浅野にまた会えるならこの研修留学も悪くないね)

 

「T'as tout compris. Amuses toi bien ton bref sejour」

(そうだろ?短い間だが、楽しんで行ってくれ)

 

 

 

 

 

 

「고맙고 상효가.너의 그 최강의 육체가 필요하다」

(ありがとうサンヒョク。君のその最強の肉体が必要だった)

 

 

「무엇을 하다 学秀.너와 만나며 몸의 힘은 크기가 아니라고 깨달은」

(何をいう学秀。君と会って体の強さは大きさじゃないと思い知らされた)

 

 

 

 

 

「Bem-vindo ao outro lado do mundo!」

(地球の裏からようこそ!)

 

 

「E.ai Asano. Quand e que comeca minha luta」

(おう浅野。早く俺に闘いをさせろ)

 

 

4人もの外国人と話をしている浅野、

 

 

 

 

 

「……徹底的にやる。僕は生まれついての支配者だ」

 

 

 

 

「化け物だねぇ……学秀君は」

 

 

「人身掌握を得意としてる茜音さんには言われたくないけどね……」

 

 

「人身掌握程度なら学秀君も行けるって……」

 

 

「まぁ……僕は本気でE組を倒すつもりさ、神栄君に言うなら、そこまでにしておいてね?茜音さん」

 

 

 

「会うかすら……わからないけどねぇ……会いたいけど」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「うっ……!」

 

 

「どうした!?神栄!」

 

「悪寒がした……」

 

 






どうでもいい話なので、飛ばしてもらって構いません。


何ヶ月後かに、文化祭があるんですよ。

何やるか決めてる時、「劇やらね?」とか言う奴が現れたんですよ。

まだ正確にはやる事決まってないですけど、劇のシナリオを任されたよ…………。


というわけで、なんか面白いネタあればください。




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第107話 体育祭の時間


明日でテストが終わる!


やったね!

あ、今回、神栄の新しいあだ名が決まります。


ヒント:Hから始まる
(決してやましいあだ名じゃないです)


 

「………は?」

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

「俺はなんて事を……!」

 

 

 

「え?なに?」

 

 

体育祭が始まったわけだが、最初の種目、100m走でハプニングは起こった。

 

 

 

 

 

まさかの、茜音と同じレース。

 

 

 

 

「なんでお前いんだよ……!!」

 

 

「逆にこっちが聞きたいよ……」

 

 

 

 

何としてもあいつとは走りたくない

 

 

なら………!!

 

 

 

 

 

 

「アーボクオナカイタイカラトイレイッテキテイイデスカー?」

 

「あ、もう始まるんでダメです」

 

 

神栄の願いは残念ながら叶わなかった。

 

 

 

 

「さ……走ろ?」

 

 

 

「嫌だ断る」

 

 

「あ……そうだ」

 

 

 

「あぁ?」

 

 

「棒倒し………頑張りな」

 

 

 

 

「は?なに言ってんだ?」

 

 

 

 

 

『位置について……よーい!ドン!』

 

 

 

 

 

 

何を言ってんのかわかんないまま、ピストルが発砲(?)され、姉弟対決が始まった!!

 

 

 

のだが…………。

 

 

 

 

 

神栄はスタート直後、ずっこけた。

 

 

 

 

しかも、大胆に。

 

 

 

 

 

「痛ったぁ………」

 

 

 

「「「「ヘボっ!!」」」」

 

 

 

1レースに1分弱かかり、当然ビリになった後、膝が血まみれになってる神栄はE組の席に帰ってきた。

 

 

 

 

「神栄、お前のあだ名が変わったぞ、喜べ」

 

 

 

「は?」

 

 

「ヘボだ!」

 

 

 

 

「はぁ?」

 

 

「よかったな!HETAREとHEBOの2つの称号を手に入れたぞ!」

 

 

 

「欲しくねぇ……その称号」

 

 

こいつら…本当人をイラつかせるのが上手だよな……。

 

 

 

「………まぁ別にいいけどよ。棒倒し、行けるのか?」

 

 

 

「…………」

 

 

 

神栄やカルマを除く男子ら、特に磯貝は、緊張しているように見える。

 

 

俺らは知ってしまった。

 

 

 

 

浅野の本当の目的と、浅野の戦略を………。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

棒倒し前最後の競技、綱引き。

 

 

 

E組は参加しないのだが、A組が参加していたので、神栄はそーっと見ていた。

 

 

 

 

『それでは行きましょう!レディー………ゴッ………!?!?』

 

 

 

GO!といいかけた瞬間にA組の相手であるD組は吹っ飛ばされた。

 

 

 

綱の後ろには、やたらデカい奴が4人いる。

 

 

 

『A組には幸運に感謝すべきでしょう!たまたま偶然!4人の外国人が研修留学に来ていたことに!』

 

 

 

 

「なーにがたまたま偶然だ。強引に呼んで強制的に来させた、の間違いだろ」

 

 

 

「強引と強制って意味同じじゃない?」

 

 

「まぁ……意味的にはあんま変わらないけど」

 

 

「あ……そうなんだ」

 

 

 

神栄らは録音機を搭載してある糸成2号であの外国人の事はある程度知ってる。

 

 

 

そこで、浅野の本当の目的も知った。

 

 

 

 

浅野の目的は簡単に言えば、

 

 

 

 

『E組を痛めつけろ。次回の中間テストに影響が出るくらいにな』

 

 

である。

 

 

 

 

「俺は……苦戦はするけど、敗北は無いと思ってる。磯貝なら、なんとかしてくれるはずだ。俺らをどう動かすかで、勝ちか負けが決まるからな」

 

 

 

「神栄君……」

 

 

渚が若干感動すると、

 

 

「ヘボなヘタレに言われると、感動なセリフも感動じゃなくなるよ?」

 

 

 

「ひでぇ……渚はそーゆーの言わないヤツだと思ってたのに」

 

 

「………」

 

 

「さーて、A組の綱引きも終わったし、はよ行こーぜ」

 

神栄はポケットに手をいれながら、歩いて行った。

 

 

 

 

◇◇◇

 

一方、E組ベンチでは、

 

 

 

「殺せんせー、俺にあんな語学力は無い。俺の力は浅野には及ばない……」

 

 

 

「確かにそうですね……。浅野君は完成度の高い15歳ですからねぇ。磯貝君がいくら万能だとしても、社会に出れば君より上は必ずいます。浅野君のように」

 

 

 

磯貝はまだ悩んでいる。

 

 

 

このままやられたら、みんなが傷ついてしまう。

 

 

痛め受けられたらどうしよう、と。

 

 

 

「大丈夫ですよ。社会において1人の力には限界がある。仲間を率いて戦う力、その点で磯貝君は浅野君を上回れます。頑張ってください」

 

 

 

「………そうだな!」

 

 

磯貝は棒の前まで行き、すぅ、と息を吸った。

 

 

 

「よっしゃ!いつも通り殺る気で行くぞ!!!」

 

 

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

 

 

============================

 

 

 

「……おい……あいつら勝つ気あるのか!?」

 

 

 

小山が驚いたように言うと、浅野も若干驚いている。

 

 

 

「なんだと!?攻めるヤツが誰1人もいない!?」

 

 

 

 

(さぁ!攻めてこい!浅野!)

 

 

(フッ……誘い出そうとしてるのか?甘いな)

 

 

 

「攻撃部隊、指令Fだ」

 

 

 

 

浅野が手を動かすと、1人の外国人がずんずんとやってきた。

 

 

 

 

「うわ……怖」

 

 

 

「こっち来るぞ……?」

 

 

 

ずんずんと来ている外国人だが、突然スピードを上げて突進してきた。

 

 

 

 

「くそが……!」

 

「無抵抗でやられっかよ!」

 

 

 

吉田、村松が盾になる形で外国人の前に立った。

 

 

 

そして、

 

 

 

 

まるで闘牛のように迫って来た外国人は、吉田と村松を数十メートル飛ばし、こちらに話しかけてきた。

 

 

 

「How about without protecting it like a tortoise if I attack it?」

(亀みたいに守っていないで攻めてきたらどうだ?)

 

 

「That's all right, in this. Present two people are the weakest among us and,Because the repetitious complaining is good, why don't you attack it?」

(いいんだよ、これで、今の2人は俺らの中でも最弱だし…御託はいいから攻めてくれば?)

 

 

 

 

カルマが挑発すると、外国人は怒って再び突進してきた。

 

 

「今だ!"触手"!!」

 

 

 

突進してきた外国人の上に飛び、攻撃をかわしながら、押さえ込んだ。

 

 

そして、棒で固める。

 

 

 

 

「よし……!俺らも攻めるぞ!作戦は"粘液"!!神栄は……アレだ!」

 

 

 

 

「へーへー、わーったよ」

 

 

 

神栄は磯貝について行くが、歩いている。

 

 

(この作戦……俺の安全が保障されてねぇよな……。まぁ、やられないけど)

 

 

 

 

神栄が歩いていると、目の前には外国人がいた。

 

 

 

「oh……戦う感じ?」

 

 

「当たり前だ」

 

 

おお……怖い怖い。

 

 

 





8月2日に僕は幕張メッセ行く予定です。

あれ行きます。モンストのなんか。

あそこでもらえる徳川さんがほすぃ!

そこで会えたらいいですねぇ。


僕は肌がやたら白くて、メガネかけてます。



この体育祭、ラスボスvsヘタレがあります。

次回かその次あたりにやる予定です。


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第108話 作戦の時間


神栄君今回怖いけど、前回同様、ヘボです。


 

 

「えー、何?殺る気?」

 

 

 

 

「当たり前だ。締めあげて殺してやる」

 

 

 

「あっそ、せいぜい死なないようにな、『お前』が」

 

 

 

神栄は一呼吸おき、そして、

 

 

 

 

 

 

上段蹴りを外国人(ブラジルの人)に当てようとする。

 

 

マジで当てると退場になるので、かすらせる程度だ。

 

 

 

「……!?」

 

 

 

「あれ?ビビっちゃった?同じ格闘技を極めた者じゃねーのか?弱っちいなー」

 

 

 

そう、ヘタレだのヘボだの言われてる神栄だが、一応、本当一応だが格闘技はほぼ網羅している。

 

 

 

「チョーシ乗ってるんじゃねーぞ、クソガキィ!!!!」

 

 

ブラジルの人は神栄に向かって突進し、手を出してきた。

 

 

 

おそらく、締め技をするのだろう。

 

 

 

 

「……ねぇ、知ってる?」

 

 

「あぁ!?」

 

 

「殺す…とか言わない方がいいよ?特に俺には」

 

 

 

「………!!!」

 

 

 

ブラジルの人は、急に止まった。

 

 

 

この時、悟ってしまったからだ。

 

 

 

"こいつはヤバイ。俺とは殺意が違う"と。

 

 

 

 

「わかればいい。どけ」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

神栄に何もせず通すと、神栄は笑顔で手を振った。

 

 

 

「さーて……もう一人……か」

 

 

 

フラフラ歩いていると、もう一人の外国人がやってきた。

 

 

「よう弱い日本人、ここは立ち入り禁止区域だ。帰んな」

 

 

「あっそ、知らね」

 

 

「……」

 

 

 

外国人の男、カミーユは、威嚇程度に殴ろうとしてきた。

 

 

 

「こいつ……俺を殺す気かよ」

 

 

 

神栄はスリッピングアウェーで楽々と躱した。

 

 

「こいつ………ボクシングもやってんのかよ」

 

 

 

「はぁ…なんども言うのめんどいから、あえて言わないけど、どけ」

 

 

 

神栄は目を大きく開き、カミーユの方を睨みつけた。

 

 

 

「……!?」

 

 

 

カミーユもブラジルの人同様、固まっている。

 

 

 

(コイツ………学秀と同じくらい怖…………い!!)

 

 

「わかればいいんだよ。じゃあな」

 

 

 

神栄は再び歩き出す。

 

 

 

「よし……後は浅野か」

 

 

 

神栄は浅野のいる相手陣地へ走って行った……。

 

 

============================

 

 

 

「神栄がなんとかやってくれたな……俺らも行くぞ!」

 

 

 

「「「おう!」」」

 

 

 

磯貝を先頭に、機動力が特に優れている6人、カルマ、岡島、杉野、木村、前原が中央から突っ切ろうとした。

 

 

 

のだが、これは浅野の作戦だった。

 

 

 

中央から来る奴らを潰す。

 

 

こっちの棒目がけてやってきたA組は、自分の陣地へ戻ると同時に磯貝達を挟み撃ちにさせた。

 

 

 

 

そして、その挟み撃ちの中心には、先ほど神栄にやられそうになったジョゼとカミーユが待ち構えていた。

 

 

 

彼らは相当イライラしていて、殺る気満々だ。

 

 

 

"ここ"に神栄の作戦がある。

 

 

 

人間、イライラしたりすると行動が単純になったりすることがある。

 

 

実際、神栄もそうだ。

 

 

 

だから、人を散々イラつかせ、さらにイライラさせる。

 

 

 

その為には、磯貝の作戦を使う必要がある。

 

 

 

この作戦は、簡単に言えば常識はずれだ。

 

 

 

こんな体育祭、見たことあるだろうか。

 

 

選手が観客席に突っ込み、逃げ回る姿を………。

 

 

 

「挟まれたか……なら、行くぞ!」

 

 

 

 

磯貝らは、棒から離れ、どんどんと………近づく。

 

 

 

 

 

 

そう、観客席に。

 

 

 

 

「場外を使うな、なんてルールは無かった。来いよ、この学校全部が戦場さ」

 

 

 

「チッ……小賢しいマネを…」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

(奴ら……めんどくさいマネを……!だが、あの6人を封じれば、もうE組は何もできない………。いや…神栄がいるのか………!?神栄が……いない!?)

 

 

 

 

「浅野は考えごとねぇ……チャンスだな。行くか……」

 

 

 

A組の奴らが棒より磯貝らを見ている隙に、神栄はA組の棒のふところに突っ込んだ。

 

 

 

「さぁ!終わりだ!浅野!」

 

 

 

「……何を言っている。終わるのは君だ」

 

 

 

 

 

浅野が突然背を向けた。

 

 

 

 

「はぁ?やられるのが怖くなった?安心しな、軽くやってや……!!」

 

 

 

瞬間、

 

 

 

 

 

浅野は神栄のみぞおちに綺麗に後ろ蹴りをかました。

 

 

 

 

「マジかよ……こんな飛ぶか!?」

 

 

 

神栄は観客席の中へと飛ばされ、現状、再起不能となった。

 

 

 

 

「え………?」

 

 

「神栄君が……やられた!?」

 

 

 

女子達はその光景を見て、唖然としている。

 

 

 

 

 

 

「神栄がやられたか……これでこちらが有利になった。それより……」

 

 

 

浅野は、再び考え始めた。

 

 

 

(あの6人で攻撃が可能なのは……磯貝、木村、赤羽……だな。一度に来られたらこちらも困る。なら……)

 

 

「橋爪!田中!横川!深追いせずに守備に戻れ!混戦の中から飛び出す奴を警戒するんだ!」

 

 

 

 

そう言うと3人は棒の前に立ち、E組の動きを監視している。

 

 

 

 

一方、磯貝達は、

 

 

 

 

「ねー、磯貝、そろそろじゃね?」

 

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

E組の作戦の土台になったのは観客席の近さだ。

 

 

これが無ければ神栄と磯貝の作戦は何も機能しなかった。

 

 

どんな競技でも間近で見れる、とてもいいシステムだ。

 

 

 

 

だからこそ、利用する。

 

 

 

「村松……吉田、俺の指示に従えよ。絶対に」

 

 

 

「ろくなことじゃねーよな……絶対」

 

 

「だまらっしゃい」

 

 

皆さん。俺を信用してないみたいですが、俺はすごいいい奴だから!マジで!

 

 





今回のテスト、なんとか赤点無かったです。


超ギリギリだったのもあるけどね☆


次回体育祭終わったら、なんだろう。打ち上げとか?


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第109話 敗北の時間


タイトルの時点でネタバレなのを気にしたら負けです。


茜音さん登場!


 

 

「さぁ……走れ!」

 

 

 

神栄の指示通り、村松、吉田は走りだした。

 

 

 

浅野たちには見えない場所からなので、気付かれてはいない。

 

 

 

 

そして、遅れて神栄も走りだした。

 

 

 

 

 

 

 

村松、吉田が棒に触れる寸前、神栄は二人の背中に飛び乗り、ジャンプして浅野より上の方へと行った。

 

 

そして村松と吉田は浅野にしがみついた。

 

 

 

「ヒーローは殺られても復活するんだよ。覚えときなガリ勉君」

 

 

 

「くっ……!」

 

 

 

「さぁ!倒して終わらせてやる!」

 

 

(こいつら……!負傷退場のフリをしてこっちから来たのか……!)

 

 

磯貝達を追っている奴らも、これのおかげで神栄を見ている。

 

 

 

「逃げるのは終わりだ!全員"音速"!!!」

 

 

 

磯貝が大声で言うと、攻撃部隊の6人は棒へと向かった。

 

 

 

 

これで棒にいるE組とA組の人数が変わらなくなった。

 

 

 

それに神栄が浅野より上にいるため、完全にE組が有利だ。

 

 

 

「っしゃあ!もらった!」

 

 

 

神栄が浅野のうでをつかもうとすると、突然、棒がグラグラと揺れ始めた。

 

 

「フンガー!降りろチビ!」

 

 

韓国の人、サンヒョクがぐいぐいと神栄を降ろそうとしている。

 

 

そのせいで浅野まで落ちそうになった。

 

 

「그만두상효크!이 고 중심으로 무리하게 잡아당기면 막대기까지 쓰러지다」

(やめろサンヒョク!この高重心で無理に引っ張ると棒まで倒れる)

 

 

 

「그럼……수단이 없다는 것인가?」

(じゃあ……打つ手が無いってことか?)

 

 

 

すると、浅野は頭につけている防具を外し、冷たい声で言い放った。

 

 

 

「그렇지 않다...……지탱하는 데 집중한다.이놈들은 나 혼자서 치운다」

(そうじゃない………支えるのに集中しろ。こいつらは僕一人で片付ける)

 

 

そう言うと、浅野は神栄の腕を掴み、あっさりと倒した。

 

 

 

「うわっ……!」

 

 

神栄を倒すと、浅野は飛び、岡島を蹴り飛ばした。

 

 

その光景に磯貝はゾッとした。

 

 

 

「え……?」

 

 

 

「君たち如きが僕と同じステージに立つ……蹴り落とされる覚悟はできてるんだろうね」

 

 

その一言から、浅野はE組の人たちを投げては蹴り、落としたりした。

 

 

 

「さぁ……!君たちは終わりだ!」

 

 

 

浅野が磯貝を蹴り飛ばすと、磯貝は地面に叩きつけられた。

 

 

磯貝はすぐさま体制を立て直し、

 

 

 

 

 

「……!?」

 

 

 

4人の増援を棒まで行かせた。

 

 

 

「おい……!あいつら守備部隊だぞ!って、E組の守備は2人だけ!?どうやって支えてんだよ!」

 

 

A組の生徒が守備部隊の寺坂、竹林を指さすと、竹林はメガネをくいっと上げた。

 

 

「梃子の原理さ」

 

 

 

「そ……そうか、梃子なのか」

 

 

 

 

 

「……でも、君たちはここから動けないよね」

 

 

「……?」

 

 

「5対2なら棒は簡単に倒せるけど、A組には目標があったはずだ。まだ浅野くんからの指示は出ていない、浅野くんは今、少し忙しそうだね。彼ならきっとすごい作戦があるはずだが……」

 

 

 

ドヤ顔で言う竹林の言葉は、めっちゃくちゃ腹が立つ。

 

 

 

 

竹林の言う通り、浅野は指示が出せない。

 

 

 

顔を掴まれ、棒は倒れそうなのに……指示が出せない。

 

 

 

(嘘だろ……?僕が……負ける?)

 

 

そんなことを考えていると、

 

 

 

「来い!イトナ!」

 

 

 

イトナは走りだすと、磯貝の真ん前でジャンプし、磯貝の手の上に乗り、その手を磯貝が思いっきり上へ投げるようにしてイトナを飛ばした。

 

 

 

とんでもないハイジャンプだ。

 

 

 

棒の先端まで飛ぶと、イトナは全体重を棒に乗せ、棒を倒す。

 

 

 

 

「おらあああああ!!!」

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

「……これが君の計画した棒倒しの結末か。あの転校生のハイジャンプは凄かったねぇ」

 

 

 

理事長室では、外国人留学生と一緒に理事長が話している。

 

 

理事長は笑いながらイトナの事を褒めている。

 

 

 

「単刀直入に言うと君たちは完敗した。その状態が私の教育方針に反しているのはわかってるね?」

 

 

「………」

 

 

 

「どんな理由があろうと、試合に勝たなければ意味はない。君はリーダー失格だな」

 

 

 

 

その一言を言われると、ケヴィンが理事長に話し始めた。

 

 

「それは違うだろ。確かに浅野は負けたが、コイツはできる奴だ。今回ダメでも、スグに結果を出す。親父ならこう言ってやるべきだろ。『負けから得るものだって沢山ある』ってな」

 

 

 

 

理事長は立ち上がると、

 

 

「なるほど、では、私にも学ばせてくれないか?一つ勝負をしよう。互いにどんな手を使ってもいいから、私の膝を地に着かせれば君たちの勝ちだ」

 

 

 

「大人気ねぇ親父さんだ。俺にタイマンなんて挑むとは……」

 

 

ケヴィンはジャージを脱ぎ、ため息混じりに言った。

 

 

「あー、違う違う。4人がかりでいい。暴れ足りないだろ?君たちも」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

浅野が見たものは、異常な光景だった。

 

 

 

 

例えるなら、地獄絵図。

 

 

「………!!!」

 

 

 

理事長は傷一つ付いていない。

 

 

 

そして、とても低い声で浅野に話してきた。

 

 

「私が空手の黒帯を倒したのは、空手を始めて3日だった。初日はコテンパンにされたんだ。これ以上ない敗北を味わい、さて、2日目は何をしたと思う?」

 

 

 

「………?」

 

 

「ただ見てた。尋常ではない屈辱の炎に身を焼かれながら、私を負かした師範をただただ見ていた。そして3日目、私は一発も触れさせずに師範を倒した。何が言いたいかと言うとね。敗北から学ぶというのは確かにそうなのだが、多くの者は口先だけで大して学ばず敗北を忘れる。ねぇ……浅野君」

 

 

 

 

浅野は理事長をそっと見ると、

 

 

 

 

 

「負けたというのに何故君は、死ぬ寸前まで悔しがっていないのかな?」

 

 

 

理事長はまるで化け物のようだった。

 

 

 

(……化け物め!!!)

 

 

 

 

============================

 

 

「ふぅ…なんとか勝ったな」

 

 

 

「だな!危なかったよ」

 

 

 

E組では、岡島が鼻血を出していた為治療をしていた。

 

 

「へへ……俺らマジですげーのかもしんねーな」

 

 

 

「ああ、こんだけの劣勢ひっくり返して勝ったんだもんな」

 

 

 

 

 

 

E組のみんなが校庭にいる中、神栄は1人で体育倉庫裏に座っていた。

 

 

 

 

「……はぁ、疲れた」

 

 

 

「やぁ、碧君。100m走では残念だったね」

 

 

 

気安く声をかけてきたのは、言うまでもなく茜音だった。

 

 

「あ?何の用だよ。A組は何かするんじゃねーのか?」

 

 

 

「いや?なんかするのは生徒会の仕事だし、私は関係ないよん」

 

 

「あっそ……じゃあ消えてくれ」

 

 

 

いい加減いなくなってほしいと思っている神栄は、舌打ちしたりしている。

 

 

「ねぇ碧君。ちょっといいかな?」

 

 

 

「無理、もう帰るわ」

 

 

 

神栄は立ち上がろうとした。

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、E組に行く。あの先生、なーんかありそうだから」

 

 

 

 

 

 

 

「………何が目的だよ。俺に何かあるんだったら、俺以外の奴ら巻き込むんじゃねーよ」

 

 

 

 

 

 

「へぇ……優しくなったね、碧君。『昔』と違って……」

 

 

 

「………用はそれだけか?なら帰る」

 

 

 

 

神栄は走り去った。

 

 

 

(……目的なんか無いよ……ただ碧君の近くにいればいいだけだよ……)

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

 

神栄が校庭へ行くと、中村達がワイワイ騒いでいた。

 

 

「ねぇ、神栄!これから打ち上げ行こうよ!」

 

 

 

「どこ行くんだよ………」

 

 

 

 

「カラオケ!!」

 

 

 

「………え!?」

 





僕はモンスト大好きです。

明日から?だったか知りませんが招待ボーナスでオーブ7個くれるんですよ。

誰か110回招待させてぐれええ!

もし!もししてくれるなら本当お願いします。


まぁ、ダメ元ですけど。


あ、それと、僕と暗殺教室とかその他諸々話したい方はいますかねぇ……。

活動報告でも言いましたが、僕はTwitterよりLINE派です。


話したいなら、LINEのID教えましょう。(多分)


次回、神栄の歌のセンスはいかに!!!!





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第110話 打ち上げの時間


やった今日から夏休みだぜぇ!


 

『帰ってすぐ着替えて椚ヶ丘駅に集合ね』

 

 

 

……とメールで今さっき言われ、とりあえず打ち上げに行くことになった。

 

 

 

体動かした後またカラオケと言う名の運動をするなんて、どんだけ体力有り余ってんだよ。

 

 

 

「つか……カラオケって行ったことねーんだよなぁ……不安しかない」

 

 

 

神栄は身支度をし、椚ヶ丘駅までチャリで行った。

 

 

 

============================

 

 

 

「はい遅刻」

 

 

 

「30秒遅れただけだろーが、それは遅刻とは言わない。てか、時間指定無かっただろ!」

 

 

 

 

「30秒だろうが0.1秒だろうが遅刻は遅刻なんだよ」

 

 

「ぐぬぬ………」

 

 

 

 

「罰として、今日頑張った磯貝とイトナの分のお金は神栄が払ってね♥︎」

 

 

中村がウィンクすると、神栄はため息をついた。

 

 

どの道払わなきゃいけないと思っているのは、俺だけか……?

 

 

 

 

そんなことは置いといて、椚ヶ丘駅の近くにあるカラオケ屋へ着いたE組ご一行。

 

 

 

「さすがに全員はマズイから、4人〜5人の班に分けてやろうか!」

 

 

 

「自由に決める……ってことか」

 

 

 

 

「そ!じゃあ店に入る前に決めちゃお!」

 

 

ぶっちゃけ誰と歌ってもいいのだが、神栄は一緒に話し合いに参加した。

 

 

 

あ、カルマと中村はダメだわ。来たら帰る。

 

 

 

「これをこーして………。こうだ!」

 

 

 

やっと決まったか……。

 

 

 

「チームは……

①菅谷、岡島、三村、不破、倉橋

②磯貝、前原、片岡、矢田、岡野

③寺坂、吉田、村松、狭間、イトナ

④中村、木村、千葉、速水

⑤竹林、神栄、神崎、杉野

⑥カルマ、渚、奥田、茅野

 

これでいいかな!どっか他の所行きたかったら自由に行ってもいいし、大丈夫っしょ!」

 

 

うむ、カルマと中村がいないからOKだ。問題ない。

 

 

「んじゃあ、入ろーか!」

 

 

 

============================

 

 

 

「これがカラオケか……すげぇな」

 

 

 

「僕も行ったことが無かったからよく知らないが、確かにすごいな」

 

 

「神栄ー!竹林ー!神崎さーん!何か歌うか?」

 

 

杉野がドリンクを持ってきて、マイクを渡された。

 

 

 

「めんどくせぇから神栄、なんか歌えよ!」

 

 

「え!?なんかって言われても………あ」

 

 

 

神栄は機械を杉野から強奪し、ピピピッ!と動かした。

 

 

「これで」

 

 

 

 

神栄は某有名アニメ、とある何とかのなんたらガンのOPを歌い始めた。

 

 

 

「〜〜〜♪♪」

 

 

 

想像以上に下手くそかと思っていたのだが、地味に上手い。

 

 

 

「……2番からは僕も歌わせてもらおう」

 

 

竹林もマイクを持ち、神栄と熱唱した。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

「いやー、なかなか上手かったな、もっと下手くそだと思ってたのに」

 

 

「ほっとけ。それなりには歌えるわ」

 

 

お次は杉野らしく、杉野はなんだ………?

 

え……?

 

 

 

 

 

ラブソング……だと!?

 

 

 

 

「〜〜〜♪♪♪〜♪〜♪♪〜♪♪♪♪♪♪〜」

 

 

 

神栄の知らない曲で、全く歌詞がわからない。

 

 

でも、その………君の思う好きな人には、全く届いてない……気が……。

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「あー……普通に上手いな」

 

「だろー!結構カラオケには行くからなー!」

 

 

「じゃあ次は神崎か」

 

 

 

 

「あ、うん」

 

 

 

神崎は一体どんな曲選ぶんだろうな……ちょっと気になる。

 

 

 

 

「ちょっと待って、僕も歌うぞ」

 

 

 

あれから、竹林のアニソンメドレーでほとんど時間を使った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は変わるが、他の人たちは……。

 

 

 

「あーあーあー!」

 

「ははっ!前原歌ヘタだなー!」

 

 

 

など、

 

 

 

「村松、飯もマズイし歌も下手くそじゃないか」

 

 

「うるせーイトナ!お前はどうなんだよ!」

 

 

「〜♪♪♪〜♪♪」

 

 

 

(ふ……普通に良いじゃねーか!)

 

 

 

 

など、

 

 

 

「…………」

 

「いや、歌ってよ、千葉」

 

 

 

「…………歌うのは好きじゃない」

 

 

 

「あ……そう」

 

 

などなど、いろいろあるようです。

 

 

 

 

まともなのは神栄の所くらいなのかもしれない……。

 

 

 

 

 

 

「おいコラ!何時間歌いやがった!竹林!」

 

 

「いや、ちゃんと他の人たちにも歌わせたさ、神栄はトイレ行ってたりしてて見てないだけだ」

 

 

「え!そうなのか?」

 

 

すると、杉野と神崎はこくりと頷いた。

 

 

「うわ………ひっでぇ」

 

 

 

「そろそろ時間的にラストだな、神崎さん、なんか最後に歌うものある?」

 

 

 

 

 

 

あ、そうだそうだ。神崎はどんな曲を選んだんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

♪〜〜♪♪♪♪〜

 

 

 

「……?これ聴いたことあるな」

 

 

神栄が反応すると、神崎はもう一個のマイクを神栄に渡した。

 

 

 

「じゃあ、あ……神栄君も歌う?」

 

 

 

 

「あ!!!その手があったか!!」

 

 

 

杉野、無念。

 

 

 

 

 

 

「「〜〜〜♪♪♪♪♪」」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「いやー、なかなかよかったな。楽しい」

 

 

 

神栄はチラッとドアの方を見ると、

 

 

 

 

 

なんか……やたら人がいる。

 

 

 

気になったのか、神栄はドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

「なに」

 

 

 

「いやー、男女で歌ってるの、ここしかなくてさー、二人とも息ぴったりだから、すごいなーって」

 

 

 

中村さん。それ、

 

「あんたら付き合ってんの?」に聞こえるんだけど……。

 

 

まぁ、付き合ってますけどね(ドヤ顔)

 

 

 

「いや、たまたま知ってる曲だったから、歌っただけなんだけど……」

 

 

 

「そっかー。てか、そろそろ時間だよ?私たちは会計終わったから、先出てるね」

 

 

 

 

 

 

 

「お、おう」

 

 

 

 

店を出ると、心に深い傷を負ってる奴や、キレてる奴がいる。

 

 

 

 

「楽しかったな。なかなかいい打ち上げだった。んじゃ、帰ろうか」

 

 

 

「あ!待って!!!」

 

 

 

不破が神栄を止めると、

 

 

 

 

「いや、神栄じゃなくてね。女子達だよ!今から女子会やろう!!!」

 

 

 

「お、いいねー!」

 

 

「やろうやろうー!」

 

 

 

 

「あ、そう。なら俺ら男子はいるべきではないな。帰ろーぜ」

 

 

 

 

女子達は不破について行き、どこかへいなくなった。

 

 

 

しかし、男子は………。

 

 

 

 

「おい君達」

 

 

 

岡島が突然喋り始めた。

 

 

 

「女子会を覗きにいこうぜ!」

 

 

 

 

「はぁ?」

 

 

 

============================

 

 

 

岡島のせいで残された男子は、とりあえず岡島の話を聞くことにした。

 

 

 

 

「いや……その、気になるじゃん!女子から見て俺らはどう見えてるかって」

 

 

 

「そうだな。好かれるためにはどうするかをこの女子会を通して知るべきだよな」

 

 

 

前原がうんうん、と頷くとそれに続いてゲス男子共が乗ってきた。

 

 

 

「イトナ!イトナ一号の改良版はあるか?」

 

 

 

「あるぞ、『イトナ真一号』だ。これは小型化に成功し、ほぼ無音で移動できる優れものだ」

 

 

「よし!女子の後ろで発進させろ!」

 

 

 

「わかった」

 

 

 

こうして、女子会覗き大作戦、『プロジェクトE〜続〜』が始動した。

 

 




今週のジャンプ見ました。


気になりますねぇ……渚とカルマ。


どっちが勝ってもおかしくない戦いですが、個人的にはカルマに勝って欲しいです。

このまま暗殺を続けて欲しいからね!


次回、覗く男子、気づくのか?女子。

感想、お気に入り、評価待ってまーす


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第111話 女子会の時間


今回、やたら効果音多いです。





 

 

とある飲食店、E組女子一同は、宴会するとか言って予約し、大人数で押し寄せた。

 

 

 

それをイトナの作った機械で覗く。

 

 

 

「とりあえず話だけ聞ければいいか。机の下に入っとけ」

 

 

 

 

イトナ真一号は椅子の下に潜り、録音を始めた。

 

 

「……どうだろう……いけるか?」

 

 

 

「バレた瞬間斬首刑間違いなしだぞ、これ」

 

 

冗談抜きでマジで首マミられるぞこりゃ。

 

 

……とか言いつつ神栄もちゃっかり聞いているのである。

 

 

 

 

『……でさー、単刀直入に言うけど、みんな好きな人とかいるのー?』

 

 

 

「……始まったぞ!みんな!」

 

 

 

その声でみんなが道路のど真ん中で集まっている。

 

 

 

「おい……どっか集まろーぜ?ここじゃ流石に……」

 

 

 

 

============================

 

 

 

仕方なく神栄の家で話を聞こうとしている中でも、女子達のお話は続く。

 

 

 

だが、まだ誰も好きな人を言っていない。

 

 

 

『いやー、結構食べたねー』

 

 

 

『そうだねー』

 

 

 

話を聞く限り、今まで食事をしていたのだろう。

 

 

 

本題に入るのも時間の問題だ。

 

 

 

「なかなか話し始めないな……」

 

 

 

「だな………」

 

 

『あ、そうだよ!みんな好きな人とかいるでしょー!?誰かいないのー?』

 

 

 

((((キタ!))))

 

 

 

『片岡ちゃんはアレなのか!?磯貝とかがいいのか!』

 

 

 

『え……いや…別に……』

 

 

 

 

「磯貝、ご指名だぞ。よかったな」

 

 

 

岡島は片岡にいろいろやられてるからね、別にどうでもよかったんだね。

 

 

 

『あ!神崎ちゃんはどうなの!?さぞかしモテてるでしょー!』

 

 

その瞬間、

 

 

 

ガタッ!と何人かが録音機の真ん前に耳を傾け、マジな状態だ。

 

 

 

こいつらどんだけ神崎好きなんだよ………。

 

 

『え……私?』

 

 

『気になる人とか、いないの?』

 

 

 

ここで俺の名前出した瞬間殺されるのは目に見えている。

 

 

 

頼む神崎、俺の名前を出すな!

 

 

 

『えーっと……気になるなーって人はいる……かな?』

 

 

 

『えー!?誰!?誰なの〜!』

 

 

 

「誰なんだ?」

 

 

「知らん。でもな、少なくとも岡島ではないと思う」

 

 

 

 

『神栄君とか優しそうだなー、みたいな感じかなー……好きとかそういうのじゃなくて』

 

 

 

 

バタン!!!!

 

 

 

 

と人が倒れる音がした。

 

 

 

「杉野!杉野おおおおお!!!」

 

 

 

「………へへへ、俺……もう終わった……」

 

 

 

涙を流しながら、笑っている。

 

 

こいつ、そろそろ死ぬな………。

 

 

 

それでも神栄は杉野の元へ行き、肩をポンと叩く。

 

 

 

 

「別に、神崎に好きな人はいないんだろ?まだワンチャンあるじゃねーか。な?」

 

 

神栄がE組に来て一番の笑顔を杉野に見せた。

 

 

まぁ、ワンチャンなんか無いけどな。

 

 

 

「これが神栄じゃなかったら説得力あるんだが……」

 

 

 

「ほっとけ」

 

 

 

 

 

『……へー、じゃあ神崎ちゃんは神栄の事が好き………と』

 

 

『いや……好きとかじゃなくて……その……』

 

 

『その照れ方はあやしいなぁ……まぁいいや、学校で神栄いじめてあげよう』

 

 

 

 

「俺、不登校になろっかな」

 

 

 

「俺も」

 

 

 

 

「杉野と神栄が卑屈モードに入った………」

 

 

 

すると、録音機から普通じゃ考えられない音が聞こえた。

 

 

 

ゴン!

 

 

 

『ん?なんか蹴ったんだけど……なんだろう』

 

 

 

声を聞く限り、片岡が蹴ったのだろう。

 

 

 

「やばくね?」

 

 

 

 

「イトナ!カメラ機能をオンにしろ!」

 

 

「わかった」

 

 

 

ボタンを押し、カメラ機能をオンにすると、目の前には片岡の顔が映っていた。

 

 

 

『これ………なに?』

 

 

 

「「「うわあああああ!逃げろおおおお!!!」」」

 

 

 

イトナ真一号は猛ダッシュで店を出て、夜の道路を駆け抜けた。

 

 

 

片岡はお金を置き、イトナ真一号を追いかけた。

 

 

 

============================

 

 

 

「まずいぞ!はよ家で保護しないと………って!追いかけて来てる!」

 

 

 

『っ……!速っ!』

 

 

 

「おい!俺の家に保護すんなよ!片岡にバレるぞ!」

 

 

 

「…………………………もう遅いよ、それ」

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

『つーかまーえた』

 

 

 

 

グシャッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ」

 

 

 

 

 

イトナ真一号は、悪魔片岡の必殺技、踏み潰しによって粉々に砕け散った。

 

 

 

 

「終わった……!録音も全部……水の泡に……!」

 

 

 

「やばい。これ死んだかも」

 

 

 

 

 

 

 

10分後、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピピンポーン!

 

 

 

 

ピンポーン!ピピピンポーン!

 

 

 

ピピピピピピピピピンポーン!

 

 

 

「かーみーさーかーくーん。居るんでしょ?出てきなさいよ」

 

 

片岡と他の女子達が神栄の家の前で立っている。

 

 

 

 

ピピピンポーン!

 

 

ピピピピピピンポーン!

 

 

神栄の家には、インターホンの音だけがしている。

 

 

 

マジで鳴り止まねぇ……!

 

 

 

 

 

「かーみーさーかーくーん。居るんでしょ〜〜?」

 

 

 

今度はノックをしてきた。

 

 

 

たまにすげぇ音がする。多分蹴ってる。

 

 

 

 

 

(女子怖い…………!)

 

 

 

それでも、片岡は神栄を呼ぶのをやめない。

 

 

 

「かーみーさーかーくーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だーーーー!!!!!うるせぇな!お前はアレか!?借金取りのヤクザかよ!!!!」

 

 

 

 

 

「知らないわよ。で、最高に言っておく言葉は?」

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

突然なに言ってんのかわからなく、神栄はキョトンとしている。

 

 

 

そして、片岡はヘッドロックで神栄の動きを完全に止めた、

 

 

「人の恋話………覗いてんじゃないよ!!」

 

 

 

 

瞬間、神栄は片岡に首をはねられた。

 

 

 

 

二階から覗いていた岡島達は、身を乗り出し叫んだ。

 

 

 

「か………神栄ああああ!!!」

 

 

 

「いやー……マジで斬首刑だったな」

 

 

 

カルマが笑いながらポテチを食っていると、

 

 

 

 

「おーかーじーまーくーん……?」

 

 

 

「え………?」

 

 

 

片岡は見た事ないくらいの速さで神栄の家に乗り込み、階段を駆け上り、岡島を捕まえた。

 

 

 

「うわあああ!やめてくださいお願いします!!」

 

 

「謝って済むなら警察は………!」

 

 

 

 

「助けてええええうわああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ゴキン☆

 

 

 

============================

 

 

神栄の家には2体の死体(生きてるけど)と、それ以外の人たちがいた。

 

 

「………で、どこまで聞いてたの?」

 

 

 

中村が机をトントンと叩いている。

 

事情聴取してるみたいな状態だ。

 

 

 

ちなみに、男子全員正座させられている。

 

 

 

どっかの2人は星座…というより星を見ているが。

 

 

「どこまで見たの?って聞いてるの、で、どこまで見たの?」

 

 

 

「………んぶ」

 

 

 

 

杉野がボソッと呟いた。

 

 

 

「え?聞こえない」

 

 

 

 

「全部………です」

 

 

 

「全部って、壊されるまで全部?」

 

 

 

 

「はい」

 

 

 

「はぁ………前の盗撮といい今回といい、なにがしたいのよ」

 

 

 

 

呆れたように中村が言うと、寺坂が岡島の方を指差した。

 

 

「んなもん、あの変態に聞きやがれ。ちなみに、今回も神栄何もしてねぇぞ?」

 

 

 

 

「え?」

 

 

「あいつ、無実だぞ」

 

 

 

片岡はしょんぼりして神栄の方を向いた。

 

 

 

「まぁ………ヘタレだから仕方なかったのよ」

 

 

 

 

「理由になってねぇ……ぞ」

 

 

 

ようやく起きた神栄。

 

 

 

まだ岡島は寝ているようだ。

 

 

 

ざまぁみやがれ。

 

 

 

「てか……首痛えな……」

 

 

 

「首折ったんじゃねーの?」

 

 

 

「んなわけあるか、折れてたら俺死んでるわ」

 

 

神栄は頭を抑えながら、本当に痛そうにしている。

 

 

「まぁいいや、それより、早く帰ってくんね?」

 

 

 

「「「「「は?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今何時だと思ってやがる。今日のことは明日話す、でもいいだろ。早よ帰れ」

 

 

 

強制的にみんなを帰らせた神栄は、ソファでぐったりとしていた。

 

 

 

 

「はぁ……マジで疲れた。首痛え」

 

 

 

============================

 

 

 

神栄がみんなを帰らせた後、神崎は1人で帰ろうとしていた。

 

 

 

 

 

女子達とは道が違うからだ。

 

 

 

「かーんざーきさーーん!」

 

 

 

ハイテンションで神崎の方へやってきたのは、杉野だった。

 

 

 

「どうしたの?杉野君」

 

 

「え?いや……話したい事があるから………」

 

 

 

(もしかして、碧君と付き合ってんの?とかかな……)

 

 

 

 

 

 

神崎は言い訳を考えていた。

 

 

 

 

しかし、それは必要無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その……ずっと好きなんだ、神崎さんの事が……だから……付き合ってください………」

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

杉野は、今までで一番頑張っていると思う。

 

 

 

散々言われていたにも関わらず、こうして告白しているのだから。

 

 

 

「……無理にOKしなくてもいい、でも、気持ちだけは言っておこうって思って…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、私、好きな人がいるの……だから、ごめんなさい」

 

 

 

 

 

「そっか……ありがとな!」

 

 

 

杉野は笑顔だった。

 

 

 

これで杉野は人として少し成長したのかもしれない…………。

 

 





夏休みの宿題に、読書感想文あるんですよ。


あれ、「800文字までにまとめて提出ね」って言われて、早速本読んで、感想文書いたら、1000文字行ってしまった。

800文字って、少ないですね。
(多分この小説の書きすぎで少ないと感じるだけ)


そんなこんなで、杉野撃沈。


次の日杉野は登校しているのか!?


……もありますが次回、わかばパークで神栄はどーゆーあだ名をつけられるのか!?





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第112話 間違う時間


あと10体でサガット運極だああい!

がんばろ。



あ、あとがきはスーパー愚痴タイムです


 

「さて皆さん!2週間後は中間テストですよ!熱くいきましょう!熱く!」

 

 

 

「暑いわ!」

 

 

 

 

「あ、こら!寝るんじゃありませんカルマ君!神栄君!」

 

 

「だりぃ」

 

 

勉強めんどくせぇ、俺にゲームをよこせ。

 

 

……残り5ヶ月。

 

 

 

 

先ほど言った通り、テスト2週間前になったのだが、ぶっちゃけ勉強なんかしてる暇はない。

 

 

 

最大の目的である、暗殺をしなければならない。

 

 

「お?チャイムが鳴りましたね、今日はここまでです」

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、

 

 

 

「残り5ヶ月………か」

 

 

 

「うん。正直勉強より暗殺のスキル高める方が優先じゃない?」

 

 

 

神栄がボソッと呟いた言葉を聞いた矢田は帰ろうとするみんなを止めた。

 

 

 

そのことを言われると、みんなは険しい表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、難しく考えんなよお前ら。俺に任せろよ」

 

 

 

岡島は親指を立てドヤ顔で言ってきた、

 

 

 

 

「は?お前なんか信用出来ねーよ」

 

 

 

 

「いやいや、来てみればわかるって!」

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

岡島に言われるがまま来させられたのは、森だった。

 

 

 

しかし、岡島は椚ヶ丘の住宅地を指差した。

 

 

 

「新しい通学路を見つけたんだ、それがここさ」

 

 

「それがここって……住宅地じゃねーか」

 

 

 

「フリーランニングで建物の屋根を伝っていけば、ほとんど地面に降りずに隣駅の前まで行けんだよ」

 

 

 

「あー……なるほど。でも、事故ると怖いから俺は帰るわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てよヘタレ」

 

 

 

「あ?」

 

 

「これやってくれたら、ヘタレの名前を消してあげるよう、みんなに話してやるよ」

 

 

 

 

どんだけ来て欲しいんだよ。それでも俺は行かないけどな。

 

 

 

「あー、じゃあゴールに連れてってくれよ、そこで安全なら明日からやってやる」

 

 

 

「今からそこまで行けんのか?」

 

 

 

「………チッ、なら一緒に行くわ」

 

 

 

 

渋々神栄も行くことになり、岡島が先頭に立って移動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっはー!気持ちいー!」

 

 

 

 

 

「確かにすげぇな……高いけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実のところ、神栄は高所恐怖症なのである。

 

 

 

とは言ってもそこまで酷いものではなく、10〜20メートルくらいの高さまでならギリ大丈夫らしい。

 

 

 

「俺らはすげぇんだよ!体育祭でわかったろ?他の生徒とは大違いだってな!」

 

 

 

 

「まぁ……間違ってないな」

 

 

 

 

 

そうそうしているうちに、ゴール近辺まで着いた。

 

 

 

あとは道路に降りるだけなのだが、木村と岡島二人が一番最初にゴールした。

 

 

 

 

それに続いて神栄も飛び降りるのだが。

 

 

 

 

真下には自転車に乗っているおじいさんが見えた。

 

 

 

「やばっ……!岡島ぁ!」

 

 

 

神栄がスクールバッグを岡島の腹目掛けて投げつけ、岡島を自転車に乗っているおじいさんから離した。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

木村とおじいさんがぶつかった。

 

 

 

 

おじいさんはとても痛そうにしていた。

 

 

 

おそらく足だろう。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

「とりあえず救急車だろ……」

 

 

神栄はケータイを取り出し、救急車を呼んだ。

 

 

 

============================

 

 

 

病院の外では、誰一人話そうとはしていなかった。

 

 

 

ただ黙って下を向いていた。

 

 

当然神栄もぼーっとしている。

 

 

 

 

 

そこに、烏間先生がやってきた。

 

 

 

「右大腿骨の亀裂骨折だそうだ。君らに驚きバランスを崩し、ぶつかってヒビが入った。低度は軽いので二週間ほどで歩けるそうだが……」

 

 

 

 

「俺らはやばい事をしてしまったな」とやっと自覚した時、殺せんせーが来た。

 

 

 

 

いつもの顔とは違い、真っ黒、怒っている時の顔である。

 

 

 

「………まさかあんなところにチャリこいでるじーさんがいるとは思わなかった」

 

 

 

「確かに悪い事したとは思ってるけど……」

 

 

 

「地球を救う重圧と焦りが……てめーにわかんのかよ」

 

 

 

 

皆言い訳を言っていると、

 

 

 

 

殺せんせーは容赦なくみんなの頬を叩いた。

 

 

 

 

そりゃ死ぬ低度の一撃ではないが、とても痛かった。

 

 

 

「……君たちは強くなりすぎたのかもしれない、身につけた力に酔い、弱いものの立場に立って考える事を忘れてしまった。それでは本校舎の生徒と変わりません」

 

 

 

 

殺せんせーは顔にバツのマークを付けて怒った。

 

 

 

これが、間違うという事なのだと痛感した。

 

 

 

 

「で、話は変わります。今日からテストまで二週間、クラス全員のテスト勉強を禁止します」

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

「罰ではない、テストより優先すべき勉強をするだけです」

 

 

 

 

 

………と言って殺せんせーはマッハでどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

「……………あ、そういえば」

 

 

 

 

 

神栄は何かを思い出すと、病室のある方へと歩いて行った。

 

 

 

「神栄?どうしたの?」

 

 

 

「ちょっと用がある。お前ら先帰っていいぞ」

 

 

 

 

そう言って、みんなと別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄はとある病室へと到着し、ノックをした。

 

 

 

 

「………入りなさい」

 

 

 

 

 

「あ、失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………また何かやらかしたようだねぇ、あのおじいさん、亀裂骨折してるよ?」

 

 

 

そう、神栄は例の薬をくれた病院の先生の元へ行っていたのだ。

 

 

「知ってますよ。それより、薬の件ですけど………」

 

 

 

 

病院の先生はカーテンを閉め、パソコンの電源を切った。

 

 

 

 

「なんだい?」

 

 

 

「まだ使ってないですけど、『強』より上の薬をください。いつか使う時が来ると思ったんで」

 

 

 

 

「君はバカかい?確かに『強』より上の薬は実在する。しかし、生存確率が限りなく低い。並みの人間なら即死レベルだ」

 

 

 

 

「バカは貴方ですよ……俺は並みの人間じゃない、最高の人間だ。仮に0.1%しか生きてられる確率が無いとしても、俺はその0.1%の中に入るんだよ。絶対にな」

 

 

 

 

「………副作用は酷いぞ?」

 

 

 

 

「一応教えてください」

 

 

 

 

「最悪死ぬ。そして、2〜3時間前の記憶が吹っ飛ぶ可能性がある。そして、君がなってしまった"狂気"状態と同じ、もしくはそれ以上の力を手に入れることになる。その分、自身の治癒能力がほぼ0になる。要は、怪我をしてもそれが治らないということだ」

 

 

 

 

それでも、神栄の意思は変わらなかった。

 

 

 

神栄は薬を貰うと、薬をじっと見つめていた。

 

 

 

 

(誰かを守る為なら、死んでも構わない………か。死ぬ訳にはいかねーけど、薬が必要な時が必ず来る。特に…………)

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

神栄は病院から出ると、何やらもめ事を起こしている人が見えた。

 

 

 

 

明らかに暴力を振るわれていて、一方的だった。

 

 

 

神栄はそこへ向かう。

 

 

 

それに気づいた不良は、神栄に言い放つ、

 

 

 

 

「てめぇ……何見てんだよコラァ!」

 

 

 

 

と言った瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

「………なんか言った?」

 

 

 

 

神栄は大きく目を開き、少し笑顔で不良に言った。

 

 

 

すると不良は逃げ出した。

 

 

 

 

「あ、大丈夫ですか?」

 

 

 

とやられていた一般人を見ると、

 

 

 

 

「ひぃ!」

 

 

 

 

と言って逃げ出してしまった。

 

 

 

 

 

「………顔になんかついてんのかな……?」

 

 

 

この時、神栄は気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

神栄の目は……少しづつ黒くなっていくことを……………。

 

 

 

 

 

 




(僕の口調がいつもと異なるし、汚い言葉連発の可能性アリなので、嫌な方は下の方の次回予告まで飛ばした方がいいです)



ああああああなんだよこらあああああ!


(文化祭で)劇やるっつったよな?やるって言ったよな?


なんでやらねぇんだよおおおお!ふざけるなあああああ

ここに来て映画だと?死ね!

しかも、シナリオ俺かよ!だりぃよ!やりたくねぇよ!

久しぶりに人ぶっ倒そうとしたよ!

あああああああああああああやってらんねええええ!


シナリオ書くのだりぃよ!めんどくせぇよ!俺にこの小説書く時間よこしやがれええええええ!


……はぁ、はぁ、はぁ、言いたいことは言った。


んな訳で次回、大改造劇的ピフォーアフターです
(ビをピにしたのは『あえて』です)


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第113話 ビフォーの時間


最近毎回2000文字超えてる気がする。


それと、最近アニメ観まくってる気がします

昨日だけで下セカ、中二恋、電波教師、モン娘観ました。


電波教師面白いですねー、

そんなわけで113話どーぞ


 

「………という訳で今日から園長先生に代わって中学生のお兄さんお姉さん達が来てくれました〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

「わーい!」

 

 

「やったー!」

 

 

などなど、いろんな声が聞こえるが、正直子供は好きになれない。

 

 

うるさいし、ちょこまかちょこまか動くし、タメ口だし、上から目線だし、デリカシーないし、おもちゃ好きだし、すぐ喧嘩するし(これは神栄の言えたことではないが…)すぐ泣くし。

 

 

 

これ以上あるが、ここまでにしておこう。

 

 

 

要は、子供は大っ嫌いということだけわかってもらえばいい。

 

 

 

「ねーねーお兄ちゃん私とおままごとしよーよー」

 

 

 

早くも超絶イケメンの磯貝は女の子に捕まっている。流石っす。

 

 

 

 

 

「……で?何やってくれるわけ?おたくら。大挙して押しかけてくれちゃって……減った酸素分の仕事くらいはできるんでしょーね?」

 

 

 

なんだこいつ、偉そうだな。

 

 

 

すると、神栄の隣にいた子供が、

 

 

「やべぇな…さくら姐さんがご機嫌ななめだ」

 

 

 

「入所5年の最年長者」

 

 

「ああ……学校の支配を拒み続けること実に2年」

 

 

 

「「エリートニートのさくら姐さんに殺られるぞ」」

 

 

 

 

なんか息ぴったりで腹立つけど、言ってることは不登校だよな。

 

 

 

というか、俺は別に不登校なのは悪いことじゃないと思う。

 

 

クラスに居づらいのに学校に行く必要なんてない。

 

 

そりゃ、出席日数とか色々問題はあるかもしれないが、そこまで放って置いた先生の方に問題があると言ってあげたい。

 

 

その点に関しては、殺せんせーはとてもいい先生だと思う。

 

 

 

実際に体験した俺は、この子の気持ちが少しだけわかる気がする。

 

 

 

 

 

だからと言ってずっと不登校なのはいけない。

 

 

どこかで勇気を出さなければならない。

 

 

まぁ、その勇気が出せないのが現実だが……。

 

 

 

神栄が考え事をしていると、エリートニートのさくら姐さんがほうきを持ってこちらにやってきた。

 

 

「あんたらが働く根性あるのか……試してやるわ!」

 

 

 

 

残り数メートルのところでさくら姐さんは傷んでる床に突っ込み、落ちた。

 

 

 

「なんて残念な子なんだ……さくらちゃん」

 

 

 

 

「と言うか、修理しないんですか?」

 

 

 

磯貝が空いた穴を指差しながら先生に言った。

 

 

「お金がないのよ、だから園長先生も働いてるのよ」

 

 

 

 

この時E組の人たちは知ってしまった、

 

 

 

自分たちが、どれだけの戦力を潰してしまったのか、と。

 

 

 

「なんか……俺らにできる事ないか?」

 

 

 

 

「この施設を直すとか?」

 

 

 

いや、どんだけ大がかりな計画なんだよ。

 

 

まぁ、別にいいけど。

 

 

「よっしゃ!あのじいさんをあっと驚かせてやろーぜ!」

 

 

 

「「「「「おう!」」」」」

 

 

 

(マジでやるつもりかよ……)

 

 

 

 

 

神栄が哀れみの目でさくらちゃんを見ていると、

 

 

 

 

 

 

 

 

「なー、お前何してんだー?」

 

 

 

男の子がこちらに近づいてきた。

 

 

 

 

「なにしてんだーって、お前らのお世話してんだよ」

 

 

 

 

すると男の子はげしっ!げしっ!と神栄の膝近辺を蹴ってきた。

 

 

 

「蹴りながらなんか言ってんじゃねーよ……!ガキンチョが!」

 

 

 

神栄は男の子を持ち上げた。

 

 

 

「はーなーせーヘッポコ!」

 

 

 

 

そう言われると、他の奴らもヘッポコ!ヘッポコ!と言い始めた。

 

 

 

 

「ヘッポコ………ぶふっ!」

 

 

 

「笑ってんじゃねーよ岡島!『変態終末期』よりマシだわ」

 

 

 

 

神栄はめんどくさくなり外へ逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

(2週間の労働……って!14日間ヘッポコって言われるってことじゃねーか)

 

 

 

神栄はさりげなく保育室学童保育わかばパークから去ろうとした。

 

 

 

思い出せ、幼稚園の時になった木の役を!

 

 

 

 

俺は木!俺は木!俺は木!俺は木!

 

 

 

 

 

 

 

 

などとほざいていると、

 

 

 

 

 

「あ、そこのヘッポコ!俺に宿題教えろー!」

 

 

 

 

 

 

「バレたし…………」

 

 

「なんか言ったか?ヘッポコ」

 

「宿題?めんどくせぇな……あとヘッポコ言うな」

 

 

 

============================

 

 

 

 

「なるほど、頭良い組(主に中村、神栄、竹林、片岡)がガキンチョに色々教えるってことか。いい考えだが、ふざけんな」

 

 

「まーまーそう言わずに、ほら、そこの子の宿題教えてあげなよ」

 

 

中村に言われるがままにその子のところまで行き、算数の宿題を教え始めた。

 

 

 

 

 

「……おい、『1250÷5』くらいはわかるだろ」

 

 

 

 

「えー、わかんないよ」

 

 

 

「なんでだよ!筆算書けば行けんだろ!」

 

 

 

 

子供に算数教えるのは案外難しいな……。

 

 

 

普通に言っても通じないし、ナメられてるし。

 

 

 

「わーかーんーなーいー!」

 

 

 

「わかろうとしろよ!わかんないわかんない言ってたらわかるものもわかんなくなるぞ!」

 

 

とか言いながら神栄はその子の持ってる鉛筆を取り、筆算を書いてあげた。

 

 

 

「これでわかるだろ。1÷5は出来ないから、12÷5をすればいい。2になるだろ?あ、余りとかは考えるなよ?そしたら、12-10で2になる。次に25÷5、これは5になる。次に0を加えて、答えは550になる、簡単だろ?」

 

 

 

「なに言ってるかわかんなかったけど、わかった気がした!ありがとう!ヘッポコ!」

 

 

「ヘッポコは余計だ」

 

 

 

神栄はその子の頭をグリグリとした。

 

 

 

グリグリしながら窓の外を見ると、みんなが丸太だの何だのを持っている。

 

 

 

「力仕事じゃなくて正解だわ……俺、か弱いし☆」

 

 

 

 

「どの口が言ってんの…?神栄君」

 

 

 

 

誰にもバレずに言えたと思ってたら茅野に見られていた。

 

 

「ちょっとやってほしい事があるのよ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「やめて騎士カルマ!もう誰も傷つけないで!」

 

 

 

 

「いやいや、姫。この魔物ヘッポコーを退治しないと王国の平和は戻りませんって!」

 

 

ゴスッ!ゴスッ!ゴスッ!とカルマは神栄を殴っている。

 

 

どうしてこうなった………。

 

 

 

それと、ヘッポコーってなんだよ。

 

 

 

 

「おいこらてめぇ殴るな殺すぞ」

 

 

 

神栄も反撃に出る。

 

 

 

普段やってる喧嘩のように、壮絶なものになっている。

 

 

 

「殴るの無しって言ってたのに殴りやがって、お前マジでぶっ飛ばす!」

 

 

子供達は驚いている。

 

 

 

そりゃ、その辺にいる不良の喧嘩の約50倍ハイレベルな闘いだからな。

 

 

 

「うわぁ!魔物ヘッポコーにやられちゃう!騎士カルマ頑張れー!」

 

 

 

「騎士カルマ頑張れー」

 

 

 

 

うわぁ、完全アウェイ。

 

 

 

だがしかし、勇者が魔物をボッコボコに倒すのはもう見飽きただろう?ガキ共!

 

 

 

教えてやるよ。

 

 

 

全ての勇者が最強じゃねぇんだよ。

 

 

 

最強の魔物がいるって事を、じっくりねっとり叩き込ませてやる!

 

 

 

「死ねクソ騎士ぃいいぃいい!」

 

 

 

カルマが華麗にパンチを避けると、

 

 

 

 

 

 

 

「ね………眠れ魔物!」

 

 

 

 

と、奥田が言うと、ハンカチを神栄の口に当て、完全に息ができない状態になった。

 

 

 

神栄は泡を吹いて倒れ、子供達は大笑い。

 

 

 

こんな事聞いてねぇぞ……ふざけんな!

 

 

 

============================

 

 

 

あれから2週間、俺らはたくさんの事をした。

 

 

力仕事はほぼしてない神栄は、子供達のお世話で死にそうになったり。

 

 

力仕事組のおかげで、今までアレだったわかばパークが…………おっと、これはまだ言うことじゃないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、じいさんが来るまでE組の生徒は待っていた。

 

 

 

しばらく待っていると、じいさんは殺せんせーと一緒に来た。

 

 

 

 

 

じいさんはわかばパークの入り口に来た瞬間、杖を落としてしまった。

 

 

 

 

 

「な………なんということでしょう!!!!!」

 

 

 

 

「ようこそ、新しくなったわかばパークへ!」

 

 

 




そう言えば、神栄の目が黒くなる時は
『誰かを倒す、もしくは殺す、と思った時』
『誰かを守りたいと思った時』です。




次回アフターの時間終わったらついに死神編ですねー、


当然茜音さんが登場します。

死神編が終われば神栄の過去編の予定です。

あくまで予定です


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第114話 いろいろな時間


今回の話はめっちゃくちゃ雑です。

・おじさんの話がすぐ終わる。
・さくら姐さんと渚の描写が皆無。
・中間テストの教科ごとの戦いがちょっとだけ出てくる。
・超体育着の手の内を殺せんせーに明かさない。




……それでも良いという方はどうぞ!


じいさんがわかばパークに入ると、いろいろ変わっているところがあった。

 

 

 

まず見た目から変わっている。

 

 

あんなにボロかった施設が、頑丈で大きい施設に変身している。

 

 

 

まだまだ変わっているところはある。

 

 

 

 

例えば、図書室。

 

 

 

子供達の宿題スペースとしても、本を読むスペースとしても使える場所だ。

 

 

本はいらなくなったのを大量に貰ったりした。

 

 

 

お次は、遊具。

 

 

木で出来ているが、雨に濡れる心配がないので腐らないし、錆びない

 

 

 

しかも、床は柔らかいマットになっており、万が一落下しても怪我を最小限に食い止めることができる。

 

 

 

そして最後、

 

 

 

 

 

じいさんの使用していたチャリを、吉田、イトナが見事に改造し、電動アシスト自転車になった。

 

 

しかも、充電に必要な電気は、先ほど言ったあの遊具で半分以上賄える。

 

 

つまり!

 

 

 

 

 

子供達がたくさん遊ぶほど、じいさんが助かる仕組みになっているのだ!

 

 

 

だが、こんな所で終わらないのがTAKUMI!

 

 

 

TAKUMIは細部までこだわる。

 

 

 

 

TAKUMIはチャリのベルを鳴らす部分を入れ歯にしてあげた。

 

 

 

ここが、TAKUMI一番のポイントだ。

 

 

流石TAKUMI、すげぇ。

 

 

 

 

 

この後いろいろあって、じいさんは俺らがやってしまったことを許してくれた。

 

 

 

しかし、許してくれた日はテスト前日。

 

 

 

授業をしないでテストに臨むなんて、うちの中学では裸でテストするようなものだ。

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

「テスト、大丈夫かな……」

 

 

 

渚が心配そうに言うと、

 

 

「わかんねぇけど、なんとかなるさ」

 

 

 

 

神栄が偉そうに言う。

 

 

 

そして、E組は中間テストに臨んだ。

 

 

 

 

 

〜英語〜

 

 

 

 

「うわぁ!なんだこりゃ!習ってねぇぞ!」

 

 

 

みんなが焦っている中、神栄とカルマは……。

 

 

 

 

「こんな感じ?」

 

 

 

「なるほど、確かにそうだな」

 

 

 

2人は何事もなく問スターを倒している。

 

 

 

 

 

〜国語〜

 

 

「漢字とか余裕すぎで笑える。漢検2級持ちナメるなよ!」

 

 

 

神栄は漢検2級、英検準2級を持っている。

 

 

数検は嫌いだからやってない。

 

 

 

 

 

〜理科〜

 

 

 

 

「簡単簡単♪って……神栄やられてるし……」

 

 

 

「んなあああああああ!」

 

 

 

 

強引な答えでなんとかなっている神栄。

 

 

 

「まぁ、神栄だから仕方ないか」

 

 

 

 

〜社会〜

 

 

 

(三枚舌外交の3つの宣言、協定を全て答えよ、か……『バルフォア宣言』『フセイン・マクマホン協定』

『サイクス・ピコ協定』だっつーの。ロシアが暴露したことでいろいろあったらしいけど)

 

 

神栄は時間が余り、10分間寝ていた……。

 

 

 

 

〜数学〜

 

 

 

「√来やがった!死ねばいいのに!」

 

 

 

「簡単なんだけどな………」

 

 

 

 

………などと、たくさん試練があったが、一応テストは終わった。

 

 

 

 

 

結果が返され、みんなは落ち込んでいる。

 

 

 

理由は簡単、前回より大幅に下がっているからだ。

 

 

 

学年50位をキープしていた人たちはほとんど50位より下になっていた。

 

 

悲しいオーラ全開で帰っていると、五英傑に遭遇した。

 

 

 

しかし、茜音の姿はない。

 

 

「やっぱり前回はまぐれだったのか!」

 

 

「あーははは!」

 

 

 

笑われるのも無理はない。

 

 

五英傑は以前よりも勉強し、再び上位に上がっているからだ。

 

 

「この学校は下の者が上の者に逆らえないからね、仕方ないことさ」

 

 

 

榊原がそう言うと、後ろから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ………」

 

 

 

 

「じゃあ、俺とカルマには逆らえねぇってことだよな?お前ら」

 

 

やってきたのは、神栄とカルマ。

 

 

 

 

今回のテスト、1位は浅野だった。

 

 

 

 

2位は、赤羽 業

3位は、神栄 碧

4位は、神栄 茜音

 

 

 

 

 

 

だが、そんなことどうでもいい。

 

 

 

「なぁ、知ってるか?今回、お前らの顔潰さない為に"わざと"点数下げてあげたんだよ。また点数上がっちゃったらお前ら、精神的に死にそうだし」

 

 

神栄は舌を出し、五英傑らをナメている。

 

 

 

「な……なんだと!?」

 

 

「まぁ、神栄のことはいいとして、次回のテスト、2学期期末テストで全てを決めようよ」

 

 

 

 

「期末テスト?学年末テストじゃないのか?」

 

 

 

転校してきた神栄はこの学校のテスト方式を知らない。

 

 

 

「本校舎組はほぼみんな内部進学だから、学年末テストは俺らと違うテストなんだ。だから、全員同じテストを受けれるのは、2学期期末テストで最後なんだ」

 

 

 

「なるほど、上等だ」

 

 

 

 

浅野が反応すると、カルマは渚たちと一緒に帰った。

 

 

 

 

(カルマ君と神栄君、僕たちのことフォローしてくれたんだ……)

 

 

 

 

 

しかし、神栄は違う方向から帰った。

 

 

 

 

 

 

 

「…………で?今度は何?」

 

 

 

神栄は塀に寄りかかると、角の方から声がした。

 

 

 

声の主は

 

 

 

 

茜音だった。

 

 

「いやー、前に言ったこと、本当にやろっかなーって思っちゃって」

 

 

 

前に言ったこと……確かE組に入るってことだったか?

 

 

 

はっきり言って迷惑だ。

 

 

「あっそ、どーでもいいから早く失せろ」

 

 

「はいはい」

 

 

 

案外素直にいなくなった茜音に、神栄は驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

次の日、学校に来た俺らは職員室に行き、烏間先生に謝った。

 

 

 

これも仕事だから、と言われ、ちょっと悲しくはなったが、謝った後烏間先生はダンボールを何個も持ってきた。

 

 

 

え?反省文を原稿用紙100枚分とか書くのか?

 

 

とか思っていたが、違った。

 

 

 

中身は、服だった。

 

 

 

「なんすか、これ」

 

 

 

「これは、体育着だ。それも、世界で一番最強のな」

 

 

 

「すげーな………これ」

 

 

 

 

みんなは超体育着に触れると、その軽さに驚いている。

 

 

 

学校のジャージよりも軽い。

 

 

 

「軍と企業が共同開発した物だ。衝撃耐性、引っ張り耐性、切断耐性、耐火性など、ありとあらゆる要素が世界最先端だ」

 

 

 

「他にどんなのがあるんですか?」

 

 

 

菅谷が気になったことを言うと、烏間先生は答えた。

 

「特殊な揮発物質に服の染料が反応して、一時的に服の色を変えられたり、服全体に衝撃吸収ポリマーが入っている。この位かな」

 

 

 

「すげぇ………」

 

 

 

「なんか憧れるな!最強の服って!」

 

 

杉野が興味を持ったらしく、もう着ていた。

 

 

 

「うわ……めっちゃ飛ぶな、この靴」

 

 

 

ぴょんぴょん神栄が跳ねていると、チャイムが鳴った。

 

 

 

 

放課後、特にすることもないので家に帰ろうとすると、ビッチ先生がやってきた。

 

 

 

「女子の服はね、私が考えてあげたのよ!カラスマの奴、男女同じ服にしようとしてたからね!」

 

 

 

「へぇ…ビッチ先生が」

 

 

「あいつって、本当に女心わかってないんだから、、結局私にはプレゼントくれなかったし……!タコでさえわかってたのに!」

 

 

 

プレゼント………女心………。

 

 

 

あ、思い出した。

 

 

 

そういえばビッチ先生の誕生日って、4日前だったな……。

 

 

俺も誕生日過ぎたけど、誰にも祝ってもらってねぇ……。

(神栄の誕生日は10/3です)

 

 

「なるほどね、烏間先生からプレゼントが欲しいと、そう言ってるのだな?」

 

 

 

「ああ、また背中押してやるか!」

 

 

こうして、ビッチ先生と烏間先生をくっつける企画第2弾が始まった。

 

 

 

 

============================

 

 

とある国、夜にて、

 

 

 

 

(ヤバイ!あいつ絶対にヤバイ!)

 

 

サングラスをかけている男は、走っている。

 

 

 

(まさか……噂のあいつ……!?)

 

 

 

「あの遠距離から身の危険を感じるとは、さすが"レッドアイ"だね」

 

 

 

 

レッドアイは恐る恐る後ろを見ると、

 

 

 

 

 

人がいた。

 

 

「ちょっと待てよ、誰だよレッドアイって、人違いだろ?ビビらせんなよ………さーて、一服しますか…………な!!!!」

 

 

 

 

レッドアイは小型の拳銃を構え、狙いを定める。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

前には何もない。

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

その瞬間、

 

 

 

 

 

ブシャッ!!!!

 

 

 

 

何かに斬られた音がした。

 

 

 

背後を見たときには、もう遅かった。

 

 

 

(こいつ………殺し屋殺しの……し……に……が……)

 

 

 

レッドアイは意識を失い、倒れてしまった。

 

 

 

 

 

レッドアイが倒れた後、その男は黙ってタブレット端末を開き、スクロールしていた。

 

 

「レッドアイは……死亡と。次は………この人かな?」

 

 

 

 

指が止まった先には、

 

 

 

 

 

 

イリーナ・イェラビッチの写真があった。

 

 

 

 

 

 

「畏れるなかれ……『死神』の名を………」

 

 





あ、神栄の誕生日の話書くの忘れてた。


多分死神編終わったら書きますよ。


それと、最近新しい作品を書いてます。

オリジナル作品です。

それなりに面白くしようとしています。



それでは次回、さよならビッチ、こんにちは死神です。


茜音がどう登場するのか、神栄はどうなるのか?


というところを楽しみにしつつ、死神編、読んでくださいね!


指摘、感想、お気に入り登録、評価よろしくお願いします!






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第115話 プレゼントの時間


invisible渾身のギャグがどこかにあります。


笑わなかったやつ、あとで呼び出しだ。


そんなわけで死神編の最初の方ですね。




 

 

 

「まず、烏間先生とビッチ先生を引き離すか。そしたらまたくっつける!」

 

 

 

今回の作戦のリーダーである前原が指示すると、片岡が職員室に入っていった。

 

 

 

《作戦その1!まずは2人を別の場所に離すべし!》

 

 

 

 

「ビッチ先生ー、フランス語会話教えてくださーい」

 

 

「え?あ、しょーがないわね、ここに座んな……」

 

 

「天気もいいし、今日は外でやろーよ外で!!」

 

 

と言い、半ば強引に外にビッチ先生を連れてくことに成功した。

 

 

 

 

前原はそれを覗きながら、スマホのトランシーバーアプリで神栄に伝えた。

 

 

「買い出し班、大丈夫か?」

 

 

 

『大丈夫だ。問題ない』

 

 

 

一度言いたかったので、とりあえず言ってみた。

 

 

 

◇◇◇

 

《作戦その2!買い出し班は、ビッチ先生へのプレゼントを買いに行くべし!》

 

 

 

 

 

買い出し班、と言っても修学旅行の班と同じで、カルマ、神崎、杉野、渚、茅野、奥田で行くことになった。

 

 

 

「クラスのカンパは5000円、この額でどーすんだよ」

 

 

 

「その5000円の約8割は俺だよな?」

 

 

 

神栄は4000円を寄付してあげた。

 

 

 

なんて優しい人なんだろう。もう俺を神として崇めるべきだよ。

 

 

 

『神』栄だけに!ってな、あはは……は……はは……はははっ…………。

 

 

 

 

「まぁ、それはいいとして、ビッチ先生のことだから、大体のプレゼント貰ってそうじゃん」

 

 

 

「確かにねー……どうしよ」

 

 

 

……と5000円の入った封筒を持っていると、車の近くにいた人から声をかけられた。

 

 

 

「あ、君達!あの時は大丈夫だったかい?」

 

 

 

「あの時?」

 

 

 

「ああ、おじいさんは大丈夫だった?」

 

 

 

その一言でやっと理解した。

 

 

 

「あー……俺らがやらかした時には救急車呼んでくれた人じゃん」

 

 

「そーそー、で、今なんかプレゼントが欲しいとか言ってたよね?」

 

 

「あ、はい」

 

 

 

すると、その人は花を出してきた。

 

 

「こんなのは、どうかな?」

 

 

 

 

「花束か、なかなかいい趣味してるな」

 

 

 

「ものの1週間で枯れるものに数千〜数万円。ブランド物のバッグより実はずっと贅沢なんだよ」

 

 

 

「うお……すごい説得力あるけど、電卓持ってっからなぁ……」

 

 

 

 

「いや……一応商売なんでね…。どーする?これも花の縁だし、安くするよ?」

 

 

 

「じゃあ300円でよろしk」

 

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

茅野が神栄の腹を肘で殴り、「何言ってんのよ!」と小声で言うと、神栄は、

 

 

 

「なんで花如きに金かけなきゃいけないんだよ。だったら他のがあるだろ」

 

 

と言い返した。

 

 

 

だが、神栄の言葉は全く届かず、花束を買った。

 

 

 

しかも、5000円全額使った。

 

 

 

 

「とりあえず作戦完了か、前原に報告……と」

 

 

 

 

神栄はスマホを取り出し、前原に作戦完了の報告をした。

 

 

 

 

============================

 

 

 

「それで?フランスの男はどーゆー殺し文句に弱かったの?」

 

 

 

 

場面は変わりE組校舎前の校庭。

 

 

 

買い出し班以外の人たちは、ビッチ先生の周りで話を聞いていた。

 

 

すると、原がピアノを持ってきたり、

 

 

岡島と菅谷が悩殺ポーズを要求したり。

 

 

 

何やらビッチ先生は大人気のようだ。

 

 

 

 

最近元気のなかったビッチ先生を元気付けているスキに、買い出し班がこっそりと職員室まで走っていった。

 

 

 

職員室には、烏間先生がいた。

 

 

 

 

「イリーナに誕生日の花束?何故俺が?君らが渡したほうがあいつも喜ぶだろ?」

 

 

なんて鈍感さだ。鈍感力530000あるんじゃねぇの?

 

 

 

「あのビッチが必要な戦力だと思うなら、同僚の人心掌握も責任者の仕事じゃね?あ、俺らが用意したのはナイショで」

 

 

 

カルマがそれっぽいことを言うと、烏間先生も納得し、花束を持っていった。

 

 

 

 

神栄らは職員室から出ると、

 

 

 

「前原、烏間先生に渡した。次の作戦に移るぞ」

 

 

 

 

『………了解』

 

 

 

 

 

外では前原の指示に従い、みんなは帰った。

 

といっても、本当に帰ってはいない、職員室の近くでスタンバイしている。

 

 

 

 

そしてビッチ先生はひとりぼっちになった。

 

 

耐えられなくなり職員室に戻ると、烏間先生がいた。

 

 

 

 

「ちょっと聞いてよカラスマ!ガキ共が……」

 

 

「丁度いい、イリーナ。誕生日おめでとう」

 

 

 

 

突然の事態に、ビッチ先生は何が何だかわかっていない。

 

 

 

「え?」

 

 

「遅れてすまなかった。色々と忙しくてな」

 

 

ビッチ先生は嬉しそうに花束を貰った。

 

 

 

「まさか、なんか企んでたりしてないでしょーね?」

 

 

 

「バカ言え、祝いたいのは本心だ、恐らくは最初で最後の誕生日祝いだしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…………?何よ、最初で最後って」

 

 

 

ビッチ先生は冷めた口調で言うと、烏間先生は話を続けた。

 

 

「当然だ、任務を終えるか地球が終わるか2つに1つ。どちらにせよあと半年もしないで終わるんだからな」

 

 

 

 

ビッチ先生は悔しそうに、そして悲しそうに烏間先生を見ると、窓のほうまで歩いて行った。

 

 

 

思いっきりドアを開け、こそこそと隠れて見ていた俺らを冷たい目で見下す。

 

 

 

「……こんなことだろうと思ったわ」

 

 

 

と言うと、ビッチ先生は本物の拳銃を取り出し、発砲した。

 

 

 

(そうか……思い出したわ。このガキ共とはただの業務提携関係、平和か世界で先生ごっこをしていただけ)

 

 

 

 

「おかげで目が覚めたわ、最高のプレゼントありがと、カラスマ」

 

 

 

 

ビッチ先生は花束を烏間先生に返し、荷物を持って去ってしまった。

 

 

 

 

 

「烏間先生、流石にアレは無いと思うんですけど……」

 

 

 

 

「まさか、まだ気づいてないんですか!?」

 

 

 

 

「そこまで俺が鈍く見えるか?」

 

 

 

 

はい、見えます。超見えます。

 

 

 

 

と言いたいが、空気を読んで神栄は黙っていた。

 

 

 

 

 

「非情と思われても仕方ないが、あのまま冷静さを欠き続けるのなら、俺は他の暗殺者を雇う。色恋で鈍るような刃なら、ここで仕事をする資格は無い……それだけのことだ」

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「へぇ……なるほどねー。英語教師がいなくなって、クラスの仲が壊れてきてるねぇ……。碧君に盗聴器つけてて正解だったね」

 

 

イヤホンで現在の状況を確認している茜音は、歩きながら笑っている。

 

 

 

「動くんだったら、そろそろ……かな?2つの事件を目の前にして、碧君は正気を保っていられるかな…………?アッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 

 

 

椚ヶ丘市の住宅街には、茜音の笑い声が聞こえていた………。

 

 

 

 





死神と茜音が動き出しましたね、


次回、ほぼオリジナルストーリーの予定です。

茜音がまた出てきて、神栄はまた危険な状態になる!


次回をお楽しみに〜


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第116話 死神の時間


前回、オリジナルストーリーやるとか言いましたよね?


残念ながら嘘です。すいません。

でも、死神編が終わったらオリジナルストーリーやります。

茜音は死神編後の登場となります。






 

 

ビッチ先生がいなくなってから、3日が経った。

 

 

 

 

6時間目終了後、烏間先生はバックを持って帰ろうとしていた。

 

 

 

「烏間先生!なんであんな事を…!」

 

 

 

「……先に帰るぞ」

 

 

 

「……そうですか」

 

 

 

 

「一つ言っておく。これは地球を救う任務だ、君たちの場合は中学生らしく過ごしてもいいが、俺や彼女は経験を積んだプロだ、情けは無用だ」

 

 

 

 

「なるほど………ブレないよな、その辺」

 

 

 

============================

 

 

 

烏間先生が防衛省に戻ると、ビッチ先生の代役である暗殺者が来ていた。

 

 

 

どう考えてもその辺にいるホームレスみたいな奴が拳銃をクルクルしていた。

 

 

 

「おかえり頂け、仕事以前の問題だ」

 

 

暗殺者(?)が帰ると、烏間先生のケータイから着信があった。

 

 

電話に出ると、ロヴロが出てきた。

 

 

 

 

「烏間だ、ロヴロさん何をしていた……?」

 

 

 

『………死にかけていた』

 

 

 

「……!?」

 

 

 

ロヴロは今にも死にそうな声で、烏間先生に言った。

 

 

『カラスマ、この暗殺から手を引け、出ないと、君たちが危険だ!』

 

 

 

「どういうことだ?」

 

 

 

 

『殺し屋死神、とうとう奴が動き出した、奴が狙うのは言うまでなく、100億の賞金首だ』

 

 

 

◇◇◇

 

 

少し時間が戻り、3年E組にて、

 

 

 

神栄達はビッチ先生の事について話していた。

 

 

「ケータイも繋がらない、完全に安否がわかんねーな、大丈夫なのか?」

 

 

 

「まさか、こんなところでバイバイとか無いよな……?」

 

 

 

 

「そんなことはないよ、彼女にはまだやってもらうことがあるからね」

 

 

 

 

「だよねー、なんだかんだ居たら楽しいもん」

 

 

 

(………え!?)

 

 

 

神栄は今の状態に何も言えない。固まっている。

 

 

 

「そうだね、君たちと彼女の間には充分な絆が出来ている。それは下調べで確認済みだ。僕はそれを利用するだけだ」

 

 

 

 

奴が花束を置くと、とうとうみんなは気付いた。

 

 

 

「お前……花屋の!!!!」

 

 

 

 

「花束の奴じゃないよ?僕は………『死神』と言われる殺し屋です。今から君たちに授業をしたいと思います」

 

 

 

(なんでこんなに平然と入って来やがったんだよ………!)

 

 

「花はその美しさにより、人間の警戒心を打ち消し、人の心を開きます。でも、花が美しく芳しく進化してきた目的は……」

 

 

 

すると、律が何かを受信した。

 

 

「律さん、送った画像を表示して」

 

 

 

律が画像を表示すると、

 

 

 

 

腕と足が縛られているビッチ先生がいた。

 

 

 

「さっきの目的はね、虫をおびき寄せるためさ」

 

 

 

「え………?」

 

 

 

 

「手短に言います。彼女の命を守りたければ先生達には絶対に言わず、18時までに君たちだけで僕が指定する場所に来なさい」

 

 

 

 

死神は何か書いているな、と思っていると、ビッチ先生を書いていた。

 

 

 

ビッチ先生の体にたくさんの線が書かれている。

 

 

 

「来たくなければ来なくてもいいその時は彼女を君たちに届ける。全員に平等に届くように小分けしてね」

 

 

 

 

小分けにする、すなわちバラバラにして死んだ状態で俺らに送るということか……。

 

 

「そして多分、次の『花』は君たちのうちの誰かにするでしょう」

 

 

 

 

(くそ……!上手いようにハメられてる、しかも、先生達がいないこんな状況で、どうしろってんだ!)

 

 

 

「君たちは自分達で思ってる以上に彼女が好きだ。話し合っても"見捨てる"という結論には至らないだろうね、そして……」

 

 

 

 

死神は花束の花を真上に上げると、花が空中に舞った。

 

 

 

 

「人間が死神を刈り取ることなどできはしない、畏れるなかれ、死神が人間を刈り取るのみだ」

 

 

 

 

 

そう言って消えると、教卓には地図があった。

 

 

 

============================

 

 

 

「あの野郎、盗聴器を花束の中に仕込んでいやがった。これで俺らの行動を探って、ビッチ先生が一人になる瞬間を狙ったってことか」

 

 

前原が盗聴器を壊すと、みんなは話し合い始めた。

 

 

 

「このままじゃラチが明かない、おとなしく死神に従って、ビッチ先生を助けたほうがいいと思うぞ?……いざとなれば『アレ』を使うし…」

 

 

 

 

「アレ?なんだ?」

 

 

 

「いや、何でもない」

 

 

「でも、神栄の言ってることは正しいかもな、んじゃ、使うか?」

 

 

 

寺坂が指差した先には、超体育着があった。

 

 

 

 

「……なるほどね、使うか」

 

「そーだね、色々世話になってるし、使うか!!」

 

 

 

 

「………」

 

 

 

神栄は珍しく迷っている。

 

 

 

例の薬を使用して、自分はどうなってしまうのか、と。

 

 

 

(使った瞬間、はい死亡。とか無いよな?副作用があるとは言ってたけど、やっぱ抵抗はあるよな……)

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

また場所は変わり、烏間先生がE組に帰ろうとしているところである。

 

 

 

「……ん?」

 

 

 

花が落ちていた。

 

 

烏間先生は花を拾うと、花屋の人であろう人に渡した。

 

 

 

「あ、ありがとうございます。お礼に一輪どうぞ!」

 

 

「これは……」

 

 

 

「ガーベラです。割と繊細な花でしてね、水をやらねばすぐ枯れてしまいますよ?」

 

 

「……ありがとう、せいぜい長持ちさせるさ」

 

 

 

この花屋の人は、言うまでもなく死神。

 

 

死神は時計を見て、E組の人たちに言っておいた場所へと車で向かった。

 

 

 

============================

 

 

 

 

「どうだ?イトナ」

 

 

 

「……偵察ヘリで建物を見てみたが、周囲や屋上に人影はない」

 

 

 

「……手下はほぼ0と考えもいいな、んじゃ、行くか……」

 

 

 

神栄はポケットに入っている薬を触りながら、死神に指定された場所に入っていった。

 

 

 

 

 

『全員来たね?それじゃ閉めるよ』

 

 

 

 

…と言われた瞬間、ドアは閉められ、完全に出れなくなった。

 

 

『ん?みんな揃ってカッコいい服着てるね、スキあらば一戦交えるつもりかい?』

 

 

「それより、クラス全員で来る約束は守ったでしょ!ビッチ先生さえ返してくれればそれで終わりよ!」

 

 

防犯カメラ越しに片岡が言うが、死神は全く聞いていない。

 

 

 

 

『部屋の端々に散っている油断の無さ、よくできてるけど、それは通用しないよ?』

 

 

 

 

すると、

 

 

 

 

床が突然下に下がっていった。

 

 

 

 

 

「うわっ!なんじゃこりゃ!」

 

 

 

 

 

限界まで下がり、床が止まると、死神がいた。

 

 

 

「捕獲完了、予想外だろ?」

 

 

 

 

死神の奥には、捕らえられているビッチ先生が見える。

 

 

 

「ビッチ先生!」

 

 

 

「あ、わかってると思うけど君たち全員あのタコをおびき寄せる為の人質になってもらうよ?」

 

 

 

 

「っ……!」

 

 

 

「大丈夫、奴が大人しく来れば誰も殺らないさ」

 

 

 

みんなは壁を殴ったりしている。

 

 

「くそ!ここから出しやがれ!」

 

 

 

「本当にビッチ先生を殺すつもりはないのか?」

 

 

 

「人質は多いに越したことはない。奴を確実に狩場に引き込む為に、場合によっては大量の見せしめが必要になる。交渉次第では30人近く殺せる命が欲しいところだ」

 

 

 

「………!」

 

 

 

「でも……今は殺さないんだよな?俺たちがアンタに反抗的な態度をとったら、頭にきて殺したりしないよな……?」

 

 

 

 

岡島がびくびくしながら言っている。

 

 

死神はそんな岡島に少し笑みを浮かべて答えた。

 

 

「しないさ、子供だからってビビりすぎだろ」

 

 

 

「いや?ちょっと安心した」

 

 

 

 

「?」

 

 

 

 

「ここだ竹林!空間のある音がしたぞ!」

 

 

 

竹林は指向性爆薬を壁につけ、奥田がカプセル煙幕を使って爆発させた。

 

 

 

爆風で何も見えず、死神は何もできなかった。

 

 

爆風が消え、爆発した跡を見ると、見事に穴が開いている。

 

 

逃げたか。

 

 

 

「いいね、そうこなくちゃ!」

 

 

 

死神はタブレットを開き、TALKと書いてある項目をタップした。

 

 





あぁ、PSvita欲しいです。


そんでマイクラしたいです。

次回神栄が……………!?


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第117話 死神の時間、2時間目


睡魔って強いですね。


勝ったことはほとんどないです。





 

 

『聞こえるかな?E組のみんな。君たちがいるのは閉ざされた地下空間、外に通じる出口には全て電子ロックがかかっている。ロックを解くキーは、僕の眼球の虹彩認識のみ。要は僕を倒さないとここから出れないってことさ』

 

 

 

 

たくさんの場所から出てくる死神の声は、正直怖かった。

 

 

 

だが、そんなこと言ってる暇はない。

 

 

『実はね、竹林君の爆薬で君たちが逃げて嬉しかったんだ。これだけの人数の殺し屋達を一度に相手するのは滅多にない。君たち全員に、僕のスキルを高める相手をしてもらうよ………じゃあ、どこからでも殺しにおいで』

 

 

 

============================

 

 

 

「役割を決めよう、狭い屋内じゃ全員でいても身動きが取れない」

 

 

 

「OK、じゃあA班は戦闘、連絡役の茅野以外はバトル要員だ。積極的に探して見つけ次第一気に叩く」

 

 

 

A班にはカルマ、磯貝、岡野、渚、茅野、木村、千葉、前原、村松、吉田がいる。

 

 

 

本来神栄もここに入るつもりだったが、戦力の偏りがひどいので、別の班に入った。

 

 

 

「B班は救出、気絶してたビッチ先生が心配だし、人質として敵の手駒にさせたくない。片岡、神栄、杉野が守りながら助けに行ってくれ」

 

 

 

「C班は情報収集、寺坂を壁に各自の力で偵察と脱出経路を探してくれ」

 

 

「そして律、お前は各班の円滑な連絡頼んだぞ!」

 

 

 

 

 

と磯貝がスマホを見ると、

 

 

 

 

『やる気しねぇ〜。死神さんに逆らうとかマジありえないし。働くくらいなら電源落とすわ』

 

 

 

 

「もうハッキングしたのかよ!『優れた殺し屋は万に通じる』って、マジだったんだな」

 

 

 

 

「よし……散るぞ!!!」

 

 

 

 

 

〜A班〜

 

 

 

周囲を警戒しながら、死神の場所を探していた。

 

 

 

「多分死神は、不意打ちで襲ってくる。それをかわしてバトルに持ち込めば、俺らにも勝機がある!」

 

 

 

……と言っていると、遠くから足音が聞こえた。

 

 

 

 

カツーン……カツーン……

 

 

 

 

カツーン……カツーン……

 

 

 

 

やってきたのは、死神。

 

 

 

花屋の時の面影は全く無く、姿が見えない。

 

 

 

その光景を見たA班の特攻隊、村松と吉田が小型スタンガンを片手に死神に近寄った。

 

 

 

すると、

 

 

 

 

死神は2人の背後にいた。

 

 

 

肘打ちで2人を倒すと、死神は語り始めた。

 

 

 

「僕が殺し屋になって一番最初に磨いたのは正面戦闘のスキルだった」

 

 

 

と言いながらも、木村をアッパーでなぎ倒す。

 

 

 

「殺し屋には99%必要ないスキルだが、これがないと残りの1%の標的を殺り漏らす。世界一の殺し屋を目指すなら必須のスキルだ」

 

 

死神が走ると、磯貝と前原の間を抜け、茅野の目の前に立った。

 

 

 

 

そして、一蹴。

 

 

 

「あっ……がっ……!」

 

 

 

蹴った瞬間、バキバキッ!と音がした。

 

 

 

「っと、あばら折ったか?女子はさすがに脆いな。残りの人質は粗末に扱えないか……」

 

 

 

 

 

みんながやられている姿を見て、渚が立ち上がった。

 

 

 

 

「どいてみんな!僕が殺る」

 

 

 

渚はナイフを持って死神に近づいた。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

段々と距離が近くなっている。

 

 

 

それでも死神は動じない。

 

 

 

片手にナイフ、ポケットの中にはスタンガン。武器は揃っている。

 

 

 

渚がやるのは、鷹岡にやったあの技。

 

 

 

(みんなのお返しを……この両手で!!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

渚がそっとナイフを落とす。

 

 

 

そして両手で死神の顔の手前で叩こうとしたその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

渚の目の前には両手があった。

 

 

 

 

 

パァン…………!

 

 

 

 

 

叩いた後、死神は素早くカルマ達の背後に行き、全員を倒した。

 

 

 

 

再び渚の目の前に立った。

 

 

「……クラップスタナー、ロヴロや君のでは単なる猫だまし、このスキルにはもう一段階上がある。人間の意識には波長があって、波が山に近い時ほど刺激に対して敏感になる」

 

 

 

 

「あ………あぁ……」

 

 

 

 

渚は口が思うように回らず、何を言っているのか自分でもわからない状態になっていた。

 

 

 

「相手の意識が最も敏感な山の瞬間に、音波の最も強い山を当てる。その衝撃は一瞬ビビらすなんてレベルじゃない。当分は神経が麻痺して動けなるなる……まぁ、こんなもんさ」

 

 

 

全員が倒れるのを確認すると、死神はまた歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

〜B班〜

 

 

「このドアの先にビッチ先生がいると思う。この鍵くらいなら爆薬でなんとかなるね」

 

 

 

片岡と三村が爆薬をドアにセットし爆破させると、神栄が腕を組んで壁にもたれかかっていた。

 

 

 

 

 

「死神が来てるか見てるから、お前らでビッチ先生救出して来なよ」

 

 

 

「……そう、ならしっかり見ててね」

 

 

 

 

そう言って神栄以外の人たちは中へ入って行った。

 

 

 

 

「ビッチ先生!」

 

 

 

「まだ息はしてる……よかった」

 

 

 

 

杉野がビッチ先生をおんぶし、この部屋から抜けようとしていた。

 

 

片岡と杉野は後ろの方にいて、残りはドアから外へ出ようとしている。

 

 

 

 

 

三村が一番最初に外に出た瞬間、

 

 

 

 

 

 

杉野と片岡が倒れていた。

 

 

 

 

さっきまで気絶していたビッチ先生が何かを持っている。

 

 

 

「6ヶ月くらい眠ってたわ。本来の自分の姿を忘れて……さて、逝かせてあげるわボーヤ達」

 

 

 

 

「ビッチ先生……!!」

 

 

「まさかとは思うけど、1人で俺らと戦うつもり?」

 

 

 

 

「当たり前じゃない……それともなに?『俺らは訓練してるし、ビッチ先生程度余裕で倒せるんだけどなー』なんて思ってんのかしら?フフ……じゃあ、アンタらに最後の授業をしてあげるわ」

 

 

 

 

ビッチ先生はゆらりゆらりと迫ってきた。

 

 

 

 

両手には注射針のようなものを持っている。

 

 

 

 

B班の人たちまで、残り数メートル。

 

 

「あっ……痛ぅ!裸足で石踏んだ……」

 

 

 

 

「え……大丈……」

 

 

三村と矢田が心配そうにビッチ先生を見ると、ビッチ先生は突然立ち上がり、2人の首に注射針で刺した。

 

 

 

刺された後2人は倒れた。

 

 

 

 

またよろっとしながら歩き、今度は岡島と中村にしがみつき、腕に刺した。

 

 

 

お次は布を使って神崎と速水の視界を真っ白にさせ、布越しに首もとを刺した。

 

 

 

「訓練が良くたって、結果を出さなければ意味がない。手段はどうであれ、私はこの場で結果を出し、あんたたちは出せなかった。これも経験の差よ。修羅場を踏んだ数が違うと心得なさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

ビッチ先生が部屋から去ろうとすると、

 

 

 

 

 

 

拍手が聞こえた。

 

 

 

 

「いやー……さすがビッチ先生、と言うより殺し屋だな、流石だね」

 

 

 

 

「カミサカ、あんたも相手になって欲しいの?」

 

 

 

「まーそうだね。でも俺はあいつらと違って、きちんと結果を出すから、また眠っててくんないかな?」

 

 

「嫌だ、と言ったら?」

 

 

 

 

 

 

 

「ぶち殺す」

 

 

 

 

 

そう言うと神栄は薬を取り出し、噛み砕いた。

 

 

 

 

 

その瞬間、神栄の目の色が黒に侵食され、ビッチ先生に向かって突進した。

 

 

 

 

 





神栄!ついに薬物に手ェ出しやがったな!

次回ビッチ先生vs狂気神栄&…………!?


眠い!寝たい!

けど寝れない!


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第118話 死神の時間、3時間目


殺せんせーのペロペロ描写はカットしました、

殺せんせー「え!?」


それと、ビッチ先生vs神栄はすぐに終わる。


 

 

 

「…………!!!」

 

 

 

ビッチ先生は固まっている。

 

 

見たことのない、神栄の本気の姿。

 

 

 

「あんた……何よそれ」

 

 

 

「…………」

 

 

 

神栄は何も言うことなくビッチ先生に向かって突進した。

 

 

 

そして顔を掴み、投げ飛ばす。

 

 

 

 

 

ビッチ先生は何も出来ずに壁にぶつかり倒れ、気絶した。

 

 

 

「驚いたな……。わずか数秒でイリーナを倒すなんて」

 

 

 

「…………」

 

 

神栄はクルリと振り向くと、死神がいた。

 

 

「おぉ……目の色が人間の目じゃないな……殺す気?」

 

 

神栄は頷きもせず死神に近づいた。

 

 

 

そしてポケットの中からに二丁、奥田特製の催涙液入りペイント弾が入っている拳銃を取り出し、死神に向けて発砲した。

 

 

 

 

だが、死神は避ける。

 

 

 

 

 

「………フフ、やはり君は素晴らしい!さぁ!もっと僕に相当する相手になってくれ!!!!」

 

 

 

神栄は拳銃を捨て、ナイフでの攻撃に移った。

 

 

 

当然死神は躱し、カウンターを仕掛ける。

 

 

 

神栄は腕でそれをガードした。

 

 

 

「特攻型だと思ってたけど、防御までしっかりしているのか……さすがだ」

 

 

 

「…………!!!」

 

 

死神はロープのようなものを取り出した。

 

 

 

 

「次は僕の番だ。避けれるもんなら、避けてみな」

 

 

 

ロープの先には、刃物が付いている。

 

 

刃物を避けるのは簡単だが、ロープのせいで避けにくくなっている。

 

 

 

「これで……終わりだ!」

 

 

 

死神がロープを思い切り振ると、神栄はかろうじて避けた。

 

 

 

 

「やはり避けるか……なら次のスキルだ。これは君でも避けられないさ」

 

 

 

死神が親指を下に下げると、背後から気配がした。

 

 

 

 

 

プスリ。

 

 

 

 

注射針で刺された音がした。

 

 

 

 

「…確かに君はビッチ先生を倒した。だが、その攻撃は弱かったね。『本当に投げ飛ばしてよかったのか?』とか思ってたんじゃないのか?」

 

 

「あ………あぁ………」

 

 

 

 

「気の迷いはここでは必要ないんだよ。そのせいで君は負けたんだから」

 

 

 

 

 

 

「し……に…がみィ!!」

 

 

 

 

そう言って、神栄は倒れた。

 

 

 

 

圧倒的敗北で、神栄対死神の戦いは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、C班は死神に降伏し、全員が再び牢屋に閉じ込められたのである…

 

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

みんなはビッチ先生の手によって手錠をかけられ、牢屋に入れられた。

 

 

「練習台はもう結構。あとはもう人質でいればいいよ」

 

 

 

「……………死神ィ!」

 

 

 

「神栄君。まだ負けを認めないのかい?君は狂気状態で勝てなかったのに、この状態で殺り合うのか?『副作用』もあるだろうし、ね?」

 

 

 

 

 

全てお見通しか……。これはさすがに勝てないな…。

 

 

桁違いだ。

 

 

 

 

全員が拘束された事を確認すると、死神はタブレットを開いた。

 

 

「さて、次は烏間先生だ。彼なら君たちよりかは良い練習台になるだろう」

 

 

 

 

「…ん、これは……」

 

 

カルマがモニターをこっそり見ていると、入口近辺に人影が見えた。

 

 

「死神さーん。モニター見てみなよ。あんたまた計算違いしたみたいだねー」

 

 

 

 

 

「……………なぜわかった?」

 

 

「さーね。なんかあったんでしょ」

 

 

 

 

 

「まぁいい。かなり予定が狂ったが、イリーナ、プラン16だ」

 

 

死神はタブレットをタップすると、入口を開け、DOWNのボタンを押した。

 

 

 

「おい……!先生達はビッチ先生の裏切りを知らねーぞ!」

 

 

 

「今の俺らには何も出来ねー。ここは殺せんせーを頼るしか…」

 

 

 

 

 

地下1階では、死神がビッチ先生を掴んでいる。

 

 

 

そこに、殺せんせーと烏間先生が来た。

 

 

 

 

「お前…この前の花屋!」

 

 

 

「花屋じゃないさ、僕は死神。これならわかりやすいだろ?」

 

 

 

「……!」

 

 

 

「彼女と生徒達全員の首には爆弾を着けた。合図一つで爆破可能のね」

 

 

 

と言い死神はビッチ先生を投げ捨てた。

 

 

 

「随分と強引な方法ですね。人質で私を脅した程度で素直に死ぬとでも思ってるんですか?」

 

 

殺せんせーはチラチラとビッチ先生を見ながら、死神に話す。

 

 

そして、死神に視線を向けたその時。

 

 

 

 

 

プシュッ!

 

 

 

 

 

 

触手に向かって何かが打たれた。

 

 

 

後ろを見ると、ビッチ先生が小型の銃のような物で発砲していた。

 

 

 

「え……?」

 

 

 

殺せんせーが動揺していると、ビッチ先生はあるボタンを押した。

 

 

突然殺せんせーのいた床が開き、殺せんせーは落とされる。

 

 

 

 

床に捕まろうと触手を伸ばすと、

 

 

 

 

 

弾かれる。

 

 

 

 

再び触手を伸ばすと、

 

 

 

 

 

また撃たれる。

 

 

 

 

(まさか……触手を見切って撃っているのか!?)

 

 

 

 

死神は何度も何度も発砲し、触手を弾く。

 

 

 

そうこうしているうちに、殺せんせーは神栄達のいる牢屋に落とされた。

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

「嘘だろ……!?」

 

 

 

 

 

死神は下を見ると、階段を降りて殺せんせー達のいる牢屋に向かった。

 

 

 

「ここは一体……」

 

 

 

 

キョロキョロと殺せんせーが辺りを見回すと、死神は答えてくれた。

 

 

 

「洪水対策で国が造った地下放水路さ。密かに僕のアジトと繋げておいた。地上にある操作室から指示を出せば近くの川から毎秒200トンの水がこの水路一体に流れ込む」

 

 

 

「まさか……俺らを巻き添いにして殺せんせーを殺すのか!!」

 

 

「ご名答。生徒を詰め込んだのも全部計画の一つだったのさ」

 

 

 

 

 

 

「イリーナ!お前それを知ってる上で……!」

 

 

 

「プロとして結果優先で動いただけよ。カラスマ、あんたの望んでいた通りにしてあげただけよ」

 

 

「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、急ごうかね。来いイリーナ、今から操作室を占拠して水を流す」

 

 

 

死神が移動しようとすると、

 

 

 

 

 

烏間先生が止めた。

 

 

 

「…なんだいその手は?確かに手荒な方法ではあるが、地球を救う最大のチャンスを逃せ、と言うのか?」

 

 

 

「はぁ………」

 

 

 

 

烏間先生はため息をつくと、死神に裏拳をかました。

 

 

 

 

死神は後ろに後退する。

 

 

 

「28人の命は、地球より重い。それでもお前が彼らごと殺すのなら俺が止める」

 

 

 

 

「へぇ……面白い」

 

 

 

「それとイリーナ。プロってのはそんな気楽なもんじゃないぞ」

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 





次回は烏間先生メイン回ですね。


そんで死神編終わったら…………


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第119話 死神の時間、4時間目


夏休みなのに、夏休みって感じが全くしない……。





 

 

「さて、どうする死神。生徒ごと殺すのなら俺はここでお前を倒す」

 

 

 

(思ったより隙がないな、強靭な肉体に武装もしている。殺すのに時間がかかる……だとしたら、あのタコを殺すことが最優先だ!!)

 

 

 

死神は空いているドアから走ってどこかへ消えた。

 

 

 

「くそ………!!」

 

 

少し遅れて烏間先生も死神を追う。

 

 

 

 

 

 

 

一方、牢屋ではビッチ先生がまだいる。

 

 

 

「確かにカラスマはすごいけど、死神はそれ以上にすごいわ。このタコですら簡単に捕らえたしね」

 

 

ビッチ先生は首につけた爆破装置を外しながら、俺らに話していた。

 

 

 

「ビッチ先生……なんで裏切ったんだよ。今まで楽しくやってたじゃねーかよ」

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

「怖くなったんだろ?ビッチ先生」

 

 

 

「……!?」

 

 

 

「散々プロだの何だの言ってた先生が、緩い学校生活で殺し屋の感覚を忘れて。だから俺らを殺そうとした。アピールしたかったんだろ?ビッチ先生」

 

 

 

ビッチ先生は爆破装置を牢屋に向かって投げた。

 

 

 

 

「あんたたちに私の何がわかるのよ!」

 

 

 

「………だとしても!」

 

 

 

 

神栄が何かを言おうとしたが、ビッチ先生は死神の指示を聞くのに耳を傾けており、そのまま階段を上がってしまった。

 

 

 

 

 

============================

 

 

場面は変わり、烏間先生が移動しているところに移る。

 

 

走っているとドアを見つけた。

 

 

 

普通なら何事もなく開けるのだが、

 

 

 

何かがおかしい。

 

 

違和感が少しある。

 

 

 

それでも烏間先生はドアを開けた。

 

 

 

 

 

その瞬間ドアが爆発し、周りの壁が壊れた。

 

 

 

その光景を防犯カメラで見ていた神栄達は、驚いていた。

 

 

「うわっ……!烏間先生大丈夫かよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「チッ!思ったより強力だったな」

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

多少の傷はあるものの、烏間先生はほぼ無傷。

 

 

 

 

「なになになに!?何が起こった?」

 

 

 

 

 

「烏間先生はトラップの内容ら見抜いてました。だからあえてドアを開け、爆風と同じ速さで後ろ受け身を取ったのです」

 

 

 

 

「なんて人だ。人間じゃねー!」

 

 

 

そして烏間先生はどんどんと先に進む。

 

 

 

曲がり角に着くと、とんでもない量の弾丸が烏間先生を襲う、

 

 

 

それをモニターで見ていたE組一同は、弾を撃っている奴に驚いていた。

 

 

 

 

「犬が銃を撃ってる……!?」

 

 

 

 

「あれだ、調教ってやつだ。全部死神がやったんだろ」

 

 

烏間先生は一旦引き、再び犬の元へ行くと、(超怖い)笑顔で歩き始めた。

 

 

 

 

「俺は犬が大好きなんだ……!だから傷つけられない。お前らの主人には悪いが、優しく(!?)通らせてもらうぞ」

 

 

 

犬は誰かに「やめろ!こいつに逆らうと殺されるぞ!」と言われたのだろうか、何もできずに烏間先生を通した。

 

 

 

 

 

その後もたくさんのトラップに阻まれるが、烏間先生はダメージを食らわずに水流操作室へと向かった。

 

 

 

 

一方、牢屋では。

 

 

 

 

「こりゃ勝てねーわ。全部俺らとは桁が違う」

 

 

「確かにそうですね。彼らはとても強い。でも君たちはどうするんですか?」

 

 

 

 

 

「………」

 

 

「今この場で彼らや牢屋より強くなるのか、勝てないと言って土俵を降りるか」

 

 

 

 

 

みんなが黙っている中、一人、声を出した。

 

 

 

 

 

 

そう、神栄だ。

 

 

 

「違う、弱者なりの殺り方を見つけて、強者を驚かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうです。弱いなら弱いなりの戦い方があります。いつもやってる暗殺の発想でいけば、大丈夫ですよ」

 

 

 

 

 

とは言うものの、現状ここから抜け出す方法は見つからない。

 

 

 

 

みんなが周りを見ていると、

 

 

 

 

「あ……!」

 

 

 

「ん?どうした三村」

 

 

 

 

 

「見つけたかも。死神に一泡吹かせる方法が」

 

 

 

 

============================

 

 

「参ったな……これじゃあ足止めにもならない。だったら……」

 

 

 

死神はタブレットで烏間先生とE組の動きを見ながら、操作室とは逆の方へ歩いて行った。

 

 

 

 

操作室まであと少しのところで、烏間先生は止まっていた。

 

 

 

狭い一本の道があり、下に落ちたら即死するほどの大きな穴。

 

 

 

少しづつ動き始めると、奥から殺気を纏った者がこちらに近づいてくる。

 

 

 

 

烏間先生は拳銃を取り出すと、

 

 

「殺気の察知も完璧か、見くびってたよ烏間先生」

 

 

「………まるでトラップの見本市だった、多彩なもんだな」

 

 

 

 

「まぁね。人殺しのスキルを身につけると、片っ端から使いたくなるんだよ」

 

 

死神が指を鳴らすと、後ろから誰かに発砲された。

 

 

 

 

 

 

幸いかすり傷で済んだが、烏間先生はかなり危険な状態になっている。

 

 

 

片方を放っておけば、どちらかに殺される可能性がある。

 

 

 

 

とりあえず撃たれた方を見ると、ビッチ先生がいた。

 

 

 

烏間先生はビッチ先生を狙い拳銃を構える。

 

 

 

「死ぬぞ、イリーナ」

 

 

「死ぬなんて覚悟の上よ。アンタには理解できないだろーけどね。でも、死神はわかってくれた。『僕とお前は同じだ」ってね」

 

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

「そうだね。イリーナなら僕の気持ちをわかってくれる。たとえ………」

 

 

 

 

 

死神は『EXPLODE』と書かれた場所をタップする。

 

 

 

 

その瞬間、烏間先生とビッチ先生のいる所の天井が爆発し、がれきが落ちてきた。

 

 

 

 

「たとえ僕が君を捨て石に使おうと、ね?」

 

 

 

「お前……!!」

 

 

 

「おや?生きてたのか……だが閉じ込められただけマシさ。多分タコや君単独ならこのトラップだってたやすく抜けただろう」

 

 

 

烏間先生はがれきを投げたりはらったりしながら、死神のいる所へ行こうとする。

 

 

「だから僕は彼女を雇った。君たちみたいな怪物を惑わすためにね」

 

 

 

その言葉で烏間先生は後ろを見て、ビッチ先生が倒れてることに気づく。

 

 

「可愛らしいくらい彼女は迷ってたね。その迷いは伝染する。君も彼女を攻撃してもいいのか?と迷っていた。これで僕の勝ちだ。じゃあね」

 

 

 

 

 

死神はゆっくりと操作室へと向かった。

 

 

 

「くそっ……!」

 

 

 

『大丈夫ですか!?烏間先生!イリーナ先生!』

 

 

 

 

スマホから殺せんせーの声が聞こえた。

 

 

 

「俺は大丈夫だが、イリーナはがれきの下敷きだ……。だが構ってる暇はない。俺は死神を追う」

 

 

 

 

『ダメ!どうして助けないの烏間先生!!!』

 

 

 

倉橋が大声を上げて烏間先生に言う。

 

 

確かに、それは神栄も思っていたことだ。

 

 

 

でも、烏間先生の選択も決して悪くはない。

 

 

「倉橋さん……。彼女なりに結果を求めて死神と組んだ結果だ。責めもしないし、助けもしない。プロなら自己責任だ」

 

 

 

 

『烏間先生!プロだとか今はどうでもいいだろ!15歳の俺らが言うようなことじゃねーかもしれないけど、ビッチ先生はまだ20歳だぞ!?』

 

 

 

「神栄君……」

 

 

『ビッチ先生は、安心の無い世界で育ったから、大人になる途中で大人のカケラをいくつか拾い忘れたんだよ。だから助けてあげてくださいよ!』

 

 

 

 

「だが……時間のロスで君たちが死ぬぞ?」

 

 

 

 

『んなこと気にしなくて大丈夫ですよ。死神は多分、目的を果たせずに俺らのところへ戻ってくるはず。だからビッチ先生を助けてあげてください』

 

 

「……?」

 

 

 

 

その自信はどこからあるんだ?と思いながら、烏間先生はビッチ先生の上にあるがれきを持ち上げる。

 

 

 

 

「ぐっ……!重いな……!」

 

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

 

ビッチ先生はゆっくり目を開けた。

 

 

 

すると、なぜか烏間先生が助けている。

 

 

 

「さっさと出てこい。重いもんは背負ってやる」

 

 

 

 

「カラスマ……」

 

 

 

============================

 

 

 

操作室に着いた死神は水流を流すためのボタンを探していた。

 

 

「殺す前に………と。彼らは何をしているかな……」

 

 

確認がてらタブレットでE組の動きを見ていると、誰もいない。

 

 

 

 

「……!?全員逃げ出しただと!?」

 

 

 

 

 

 





多分あと2、3話くらいで死神編終わります。


まぁそれは置いといて、個人的にやりたいことが一つありましてね。
(ここから先は最近のジャンプ読んでる人にしかわからないかもしれないので、俺マジ単行本派だから!って人は見ない方がいいかもしれません)




E組内で殺せんせーを殺す派と殺さない派で勝負しましたよね。

結局渚がカルマを倒して殺せんせーを助ける、という風になったんですが、この小説ではちょっと違う感じでストーリーを進めたいと考えてます。

『もし、カルマが渚を倒したら』というパターンと
『原作通り、渚がカルマを倒した』というパターン二つを同時並行で書いてみようかな?みたいな感じです。

通称、『殺ルート』と『守ルート』ですw

それに伴い、殺ルートと守ルート一緒に投稿するので、投稿ペースがとんでもなく遅くなります。

まだまだ先の話ですけどねw


長文すいませんでした。では次回、死神vs烏間先生!

まで行ければいいな……。


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第120話 死神の時間、5時間目

なんだかんだで120話か………早いですね。





 

「なんだと!?」

 

 

 

死神は驚いているが、少し笑顔だ。

 

 

 

「まぁいい……何人か殺せば嫌が何でも出てくるだろう」

 

 

死神はE組の人たちの首につけておいた爆破装置を爆破しようとした。

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

爆破装置だけが牢屋の中に残って、生徒は誰一人もいない。

 

 

「アレだけ外して逃げたのか!?人質とあのタコがいなければ水を流す意味がない!もう一度振り出しに戻してやる!」

 

 

 

 

 

============================

 

 

「爆破したってことは、この状態を見ていたってこと。多分動揺してる死神は烏間先生の所まで戻るはず、結果がわかるまではこのまま我慢だ」

 

 

 

「……マジか、きっついなこれ」

 

 

「それにしてもよく考えたもんだな、保護色になって壁と同化って……普通思いつかねーよ」

 

 

 

 

「はぁ……ラジコン盗撮の主犯共が大活躍なんて……いいのか悪いのか……」

 

 

 

物は使いようだってことか……うちの男子はクソみたいなことにしか得意なことを使わねーからな…。

 

 

 

 

どうしてこうなったかというと、ビッチ先生の投げた爆破装置をイトナが見て、乱暴に破壊しても問題なかったから、とりあえず全部壊して、手錠も壊して、カメラの性質を利用し菅谷がなんとかしてくれた、という訳です。

 

 

「問題は…死神が烏間先生のところまで行くかだよな……」

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、烏間先生とビッチ先生がいる所に移る。

 

 

 

 

烏間先生はワイシャツを引き裂き、がれきの一部を使ってビッチ先生の腕を固定した。

 

 

 

「左腕は骨折の可能性があるな。他に痛む所はあるか?」

 

 

「うぐっ……!」

 

 

 

ビッチ先生は鼻血を出す。

 

 

 

「おい!大丈夫か?」

 

 

 

「いや……あんたが良い体過ぎて興奮した」

 

 

 

「脳に異常かと思ったがお前の場合それが正常だな」

 

 

 

確かに烏間先生の体はとんでもなくすごい。

 

 

「お前に嵌められてもなお、生徒たちはお前身を案じていた、それを聞いてプロの枠にこだわっていた俺の方が小さく思えた。思いやりが欠けていた……すまない」

 

 

 

烏間先生がビッチ先生に謝っていると、何か殺気を感じた。

 

 

「戻ってきたか……。イリーナ、お前が育った世界とは違うかもしれない。だが、俺と生徒がいる世界にはお前が必要だ」

 

烏間先生は歩き出す。

 

 

 

 

 

そして、がれきで埋もれた所から、爆発音がした。

 

 

 

そこには死神がいる。

 

 

「イリーナ……烏間は?」

 

 

 

「……別の道を探しに行ったわ、ひどいじゃない、私ごと爆破するなんて」

 

 

「いやぁ、ごめんよ。ああでもしないと目的が達成できなくてね。文句があるなら今度は確実に殺してやれるけど?」

 

 

 

 

ビッチ先生はため息を吐き、死神に左腕を見せつける。

 

 

 

「別にいいわよ。私もね、すぐオトコを乗り換えるビッチだから」

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

その瞬間、死神の後ろに誰かがやってきて、身動きが取れなくなった

 

誰かというか、烏間先生だが。

 

 

 

 

「自分のスキルを過信せずに、もっと信頼できる仲間を作るべきだったな。この場所じゃどんなことされるかわからない。スッキリした場所に行こうか」

 

 

 

烏間先生は死神と一緒に下にある大きな穴へと飛び降りた。

 

 

 

「思ったんだが……お前そんなに大した殺し屋か?」

 

 

 

 

烏間先生は着地する寸前で死神を捨て、受け身を取る。

 

 

 

 

捨てられた死神も受け身を取った。

 

 

 

「受け身のスキルはさすがだな。だがツメも脇も甘すぎる、ブランクでもあったのか……?」

 

 

 

 

ベシャッ!

 

 

 

 

 

烏間先生の前で何かが浮いている。

 

 

 

「お前の顔……?」

 

 

 

 

 

 

「黙って聞いてりゃ言ってくれるね」

 

 

 

「なんだ?その顔は!」

 

 

 

まるで骸骨のような顔になっていた死神。

 

 

「顔の皮は剥いで捨てたよ。それがコレさ、お前を殺して顔の皮でも貰うつもりさ!!!」

 

 

 

 

 

「いくら何でもお前は生徒の教育に悪すぎる、ここから退出願う」

 

 

============================

 

 

「うわっ!烏間先生、死神と殺りあってんぞ!」

 

 

 

「本当だ!すげぇ戦いじゃん!」

 

 

「でもよ、ハイレベルな戦いに見えるけど、お互いに決定打がない。どっちにも有効な攻撃がなければ、いつまでも終わらないぞ」

 

 

 

神栄がメガネをかけながら言うと、死神が攻撃を避けながら何かを語り出しているのが見えた。

 

 

 

「真実を言うよ烏間先生、僕は実は大金持ちの何不自由ない家庭で育った。悲惨な境遇で育った、というのは嘘さ」

 

 

 

「……?」

 

 

 

「でもね、僕の親は殺し屋に殺された。いろいろ恨まれる仕事をしていたからね、家でも横暴だったし死んでも大して悲しくはなかった。その代わり、僕は目の前で親を殺した殺し屋をみて、こう思った。『なんて美しいスキルなんだろう』…てね」

 

 

「………」

 

 

 

 

「目の前で見る野球選手の華麗なキャッチはそれだけで少年の進路を変えてしまうインパクトがある。僕の場合それが暗殺だった。こうして殺し屋になった僕が極めたスキルの極致を見せてあげよう」

 

 

 

 

死神は服の中をゴソゴソと漁り、一本の薔薇を持つ。

 

 

そして、投げる。

 

(これが僕のスキル、見えない鎌さ!)

 

 

 

 

一瞬烏間先生は薔薇を見てしまう。

 

 

 

死神はゆっくりと腕を下ろす。

 

 

 

プシュッ!という音と共に、烏間先生の胸から血が出てきた。

 

 

 

(フフ……わずか10口径、極小サイズの仕込み銃から放たれる弾丸は避けられないだろう)

 

 

 

「これが僕のスキルさ、どうだい?烏間先生」

 

 

 

 

烏間先生はその場で膝をつき、何も言わない。

 

 

 

血が吹き出ている。

 

 

 

 

死神は烏間先生の前に立つと、違和感を感じる。

 

 

 

 

「……?」

 

 

確かに血が出ている。

 

 

 

でも、烏間の後ろに何か伸びているものがある。

 

 

「まさか……タコの触手だと!?」

 

 

 

 

牢屋の方では、殺せんせーはトマトジュースを飲んでいる。

 

 

 

「……あー、うん。何してんだよ殺せんせー」

 

 

 

 

 

「それよりも……烏間先生ですよ」

 

 

 

 

死神は動揺して動けない。

 

 

 

そこに烏間先生が一発、下突きを決めた。

 

 

 

決めた場所が股間なので死神はめちゃくちゃ痛がっている。

 

 

 

「うぐおおおおおおお!?」

 

 

「やっと決定的なスキを見せたな。死神でも急所が同じでホッとした」

 

 

 

 

(まさか……血管の位置に触手を貼りそれで弾丸を受け止めてジュースで出血に見せかけたってことか!?一体どうなってるんだ!)

 

 

 

「それと…覚悟はいいな死神。俺の大事な生徒と同僚に手を出したんだ」

 

 

 

 

「ま、待て!僕以外に誰が奴を殺れると思ってるんだ!」

 

 

 

「スキルならE組に全て揃っている」

 

 

 

 

烏間先生は思い切り死神を殴り、死神は気絶した。

 

 

 

「殺し屋なんて辞めたらどうだ、職安に行けば役立つスキルはたくさんあるぞ」

 

 

 




夏休み早いなー、そろそろ学校かー、9月になったら文化祭かー、いやだなー。


文化祭、invisibleが生きてきた中で最大のピンチかもしれません。

今もなんか話し合ってるそうで……怖いです。


僕は生きて帰ってきて暗殺教室の小説を書き続けるんだ!(完全にフラグ)

そんなわけで次回、(作者次第で)オリジナルストーリーです。どっかの誰かさんの言ってた『2つの事件』の2つ目が……?





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第121話 事件の時間

タイトル通り、事件です。


○○が○○に○る、という事件です。




 

「ぐっ……!くそ……!何とかこいつだけを閉じ込めたまま殺す方法は無いのか……!?」

 

 

烏間先生は死神から奪ったタブレットを見ながら、何とかしようとしている。

 

 

「考えても無駄ですねぇ烏間先生、というか、出ようと思えばこんな檻はすぐ出れますよ。マッハで加速して壁に何度も体当たりしたり、音波放射でコンクリートを脆くしたり。ただそれはどれも一緒にいる生徒にとても大きな負担をかける。だからあなたに死神を倒してもらったんですよ」

 

 

 

 

「はぁ……言われなくてもわかるさ、お前がクラスの結束を強めるために、最小しか手を出してないこともな」

 

 

 

こうしてE組一同は牢屋から解放された。

 

 

殺られていた死神を見ていると、烏間先生は話し始めた。

 

 

「驚異的なスキルを持っていた男だったが、スキルを過信しすぎていた。人間としてどこかスキがあった」

 

 

「うわ……顔の皮がねぇ……」

 

 

 

これ、割とマジな方でSAN値がゴリゴリ削られる。

 

 

人間の顔の構造を見た後、神栄は考えていた。

 

 

(……果たして俺はいい選択をしたのか?人を守る為にアレを使って……。なんかこう、『染まっていってる』気がするんだよな…)

 

 

「神栄、どうした?」

 

 

 

木村に言われて焦った神栄は

 

 

「……!?なんでもない、なんでもない……うん、なんでもない」

 

 

「?」

 

 

すごい動揺してしまった。我ながらひどい。

 

 

(まぁいいか、深く考えることでもねぇし)

 

 

 

 

今考えても特に何もないし、気持ちを切り替え神栄はビッチ先生の方を見ていた。

 

 

何も喋ってないな……。

 

 

 

「おーいビッチ先生、何してんだよ。早くこっちに来いよって……あれ?」

 

 

ビッチ先生は何も言わずに逃げて行く。

 

 

 

それを追うE組。

 

 

 

「おいコラまてビッチ!」

 

「逃げてんじゃねーぞ!」

 

 

 

そして、捕獲。

 

 

 

 

「あーもー!好きなようにすりゃいいわ!思う存分性的な暴力で発散すればいいじゃない!ほら!ほら!」

 

 

 

「何言ってんだこいつ、ンなことするかバーカ。どーでもいいけど普通に学校来いよ」

 

 

 

 

「……でも、殺す直前まで行ったのよ、あんた達のこと」

 

 

 

 

「そーだな、あん時は殺してやろうと思ってた。でもよ、たかだかビッチと学校生活楽しめないで、俺らは何の為に殺し屋兼中学生やってると思ってんだ?」

 

 

 

「そういうことだ。イリーナ」

 

 

 

ビッチ先生の背後から烏間先生が一本の薔薇を持ってきた。

 

 

 

「この花は生徒達からの借り物じゃない。俺の意思で、敵を倒して得たものだ。誕生日はそれならいいか?」

 

 

 

ビッチ先生はとても嬉しそうに

 

 

 

「……はい」

 

 

と呟いた。

 

 

 

 

 

「こりゃすげぇ」

 

 

 

「可能性出てきたな」

 

 

 

 

「ただし、烏間先生。いやらしい展開に入る前に一つ」

 

 

 

「断じて入らないが言ってみろ」

 

 

 

殺せんせーは顔を赤くして俺らの頭を触った。

 

 

「今後、このような危険に生徒を巻き込みたくない。安心して殺し殺される環境作りを防衛省に要求します」

 

 

「いや、何がこのような危険だ。殺せんせーという存在が危険だろーが」

 

 

 

 

「そうだな……打つ手は考えてある」

 

 

 

============================

 

 

 

とりあえず死神を烏間先生が倒して、何とか事件は解決した。

 

 

帰り道、神栄は制服に着替えていた。

 

 

 

「疲れた……これは死ぬ……。明日休みで大正解だわ…」

 

 

 

ヘトヘトな状態で家に帰ると、突然吐き気がした。

 

 

 

 

「うっ……!おえっ!」

 

 

トイレで吐くと、血が大量に出ていた。

 

 

 

「なんだこれ……!」

 

 

トイレの近くにある鏡を見ると、ワイシャツが少し赤くなっている。

 

 

 

ワイシャツを脱ぐと、ところどころから血が出ている。

 

 

 

「まさか………薬の副作用!?」

 

 

 

 

神栄は何度も吐く。

 

 

 

何度も血が出る。

 

 

 

「うぐっ……!気持ち悪りぃ……」

 

 

 

 

数分後、ようやく吐き気が無くなると、神栄はベットに行くことなく、廊下で寝てしまった。

 

 

 

(………身体が……動かねぇ……)

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

神栄が起きたのは、日曜の朝だった。

 

 

 

(あれから1日ずっと寝てたのか?なんで一回も起きなかったんだ?)

 

 

 

おとといとは違い、普通に身体は動く。

 

 

 

(確か副作用で睡魔に襲われるとは言ってたけど……こんな酷いのかよ)

 

 

 

そんなことを思いつつ、神栄はキッチンに行き、朝食の支度をする。

 

 

 

 

「ふぅ、これでよし、と」

 

 

 

手慣れた感じで朝食が完成し、食べる。

 

 

 

「さて……撮り溜めしてたアニメでも観るかな……」

 

 

 

と言いリモコンを取ろうとしたその時、

 

 

 

 

携帯が鳴る。

 

 

 

「あぁ?一体誰だよ……まさか死神倒したから打ち上げやろー!とかか?お断りだっつーの」

 

 

 

文句をぶつぶつ言いながらケータイを開くと、電話だった。

 

 

 

「……非通知からか、まぁいいや。もしもし」

 

 

 

 

 

 

『あ、もしもし?碧君?』

 

 

 

またこいつか……この声はもう聞きたくないのだが、

 

 

 

もちろん声の主は茜音だ。

 

 

 

「切るぞ」

 

 

 

 

『あー、ちょっと待ってよ!私明日からE組行くことになったからよろしくって言いたかっただけなのだから切らないd』

 

 

 

 

プツン。

 

 

 

「くそが……迷惑電話報告してやる。二度と来んな!」

 

 

 

 

………ん?ちょっと待てよ?

 

 

 

 

あいつ……明日からE組に行くって言ってたよな……。

 

 

「はぁぁ!?なんであいつが……!」

 

 

 

 

何としても茜音をE組に行かせるわけにはいかない。

 

 

神栄はケータイを見ながら、今の時間を確認する。

 

 

 

「昼の11時か……帰ってくんのは明日……ヤバくて遅刻か……」

 

 

どうして遅刻する可能性があるのかというと、

 

 

自分でもよくわからない。

 

 

 

 

とりあえずそうしとく。

 

 

 

「何としてもあいつにはE組に行かせねぇ!何としてもだ!!」

 

 

 

 

神栄は重い足取りで茜音のいる大豪邸に行くのである。

 

 

 

 

 

 




今更ですが、作者はシリアス展開を書くのがあまり好きではないです。

かといってギャグも得意、というわけではないです。

どれを取っても中途半端ってことさ。


さて……寝るか。
(夏休みで生活リズムが完全に狂いました)


最近、たくさんの曲を聴き始めました。ほぼアニソンですが。

お気に入り登録、評価、よろしくお願いします!

一件でも増えてるとマジで喜びます


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第122話 事件の時間、2時間目


やっぱオリジナルストーリーだと文字数少ないな……





 

 

「………めんどくせぇ……」

 

 

 

神栄は制服に着替え、外に出る。

 

 

いつもより多めに荷物を持って行き、茜音の家までノンストップで向かう。

 

 

 

ここで、気になる人もいるだろう。

 

 

 

お前、茜音の家知ってんの?と。

 

 

 

安心したまえ、杉谷さんに家は聞いた。

 

 

杉谷さんは信用出来る人なので、茜音には言わないでくれるらしい。

 

 

前の事件があって少し茜音とは距離を置いているらしい。

 

 

 

「最悪じゃのう………なんで暇な日曜に嫌いな人間の家にダイナミックこんにちはしないといけねぇんだよ」

 

 

あーもー!と言いながら椚ヶ丘駅に到着し、茜音の家の近くの駅に行く。

 

 

 

そして、到着。

 

 

 

 

「結構離れてんな……ここどこだかわかんねぇ」

 

 

 

キョロキョロと辺りを見回す。

 

 

「コンビニ……護身用のナイフ売ってねぇかな、いざという時に!」

 

 

 

「……全く、何を言ってるんですか……神栄さん」

 

 

 

 

「あ、杉谷さん、わざわざ来てくれたんすか?」

 

 

「ええ、今日は有給でお休みを頂いたので、なんとか大丈夫です」

 

 

 

「そーですか、じゃあ家の近くまでお願いします」

 

 

 

「はい、かしこまりました」

 

 

 

神栄は杉谷さんの車に乗る。

 

 

「……あいつ、今はどーなんすか?」

 

 

「今は……というか昨日からウキウキしてましたね、何か良いことがあったんですか?とウチで働く職員が言っていたのですが…」

 

 

「答えは秘密、ってか?」

 

 

 

「はい。その通りです」

 

 

 

「なるほどねぇ、何が目的か知らないけど、E組に来ることは許さん」

 

 

 

 

「…………」

 

 

杉谷さんは運転しながら微笑む。

 

 

「昔と随分変わりましたね、神栄さん」

 

 

「む……どこが?」

 

 

「何か、優しくなったような……そんな感じですよ」

 

 

「まーな………クラスの奴らと、嫌でも殺らなきゃいけないことがあるからな、仕方ないさ」

 

 

 

「やらなきゃいけないこと、ですか」

 

 

 

「ああ、ちょっとね」

 

 

 

杉谷さんは振り向き、神栄を見る。

 

 

 

「……到着しました。ここからまっすぐ行けば、家に着きますよ」

 

 

 

「ありがとうございました、じゃあまたどこかで」

 

 

 

「ええ、では」

 

 

杉谷さんはいい人だな……。流石です。

 

 

さて、杉谷さんもいなくなったところで、こっちはやる事やらないとな……。

 

 

 

◇◇◇

 

 

神栄は茜音の家の門の前に立つ。

 

 

 

そして、

 

 

 

「ダイナミック…………お邪魔します!!!!」

 

 

 

と言い門を蹴っ飛ばす。

 

 

 

当然門は壊れた。もう門じゃなくなっている。

 

 

今なら誰でも通り放題だ。

 

 

 

「んじゃ、次は……ダイナミック……こんにちは!!!」

 

 

と足を上げてドアを壊そうとしたその時、

 

 

 

 

「まーったく、どこの押し売りだっつー……碧君!?」

 

 

 

「あ?」

 

 

 

「なになになに、どうしたの?何しに来たの?」

 

 

「うるせぇ、用あるから言いに来ただけだ」

 

 

「え、なに!?」

 

 

 

 

「簡単さ、E組に来んなって事だけ伝えに来た」

 

 

「ふーん……でも今回は引き下がれないなー、もう貰っちゃったんだもん、コレを」

 

 

 

茜音はポケットの中から紙のようなものを取り出した。

 

 

 

「それって………!」

 

 

E組転入の為の紙だった。

 

 

「チッ!なんか騒ぎでも起こしたのか」

 

 

「無断欠席、遅刻を繰り返してたら、ねぇ?」

 

 

「………目的はなんだ」

 

 

 

 

神栄は拳を握りながら言う。

 

 

 

「目的?そんなの簡単よ、碧君の近くにいれればいい。ただそれだけ」

 

 

「んなわけあるか!」

 

 

 

こいつはその程度の奴じゃない。

 

 

もっと他の目的があるはずだ。

 

 

「そこまで私が怪しいかー、そうかそうか………なら」

 

 

 

 

茜音はピラピラと紙を持ってニヤける。

 

 

 

「私が負けを認めたら椚ヶ丘中学からいなくなってあげる。ただし、碧君が負けを認めたら何がなんでもE組に行く、これでどう?」

 

 

 

突然の事に、神栄は驚いている。

 

 

(………あいつから勝負を仕掛けてくるとは……面白い。乗っかってやる!!!)

 

 

 

「いいぞ、だが後悔すんなよ?」

 

 

 

「後悔なんかしないわよ、だって負けないもん」

 

 

 

「ぶっとばしてやる!!」

 

 

 

 

 

============================

 

 

神栄は茜音の家の中にある広い部屋に連れてかれた。

 

 

「ここでやんのか……」

 

 

「あ、当然だけど武器の使用はダメだよ?」

 

 

「んな事するか。そんな事しなくても倒せる」

 

 

とは言うものの、神栄は茜音に勝ったことは一度もない。

 

 

 

 

 

空手の稽古でも、毎回やられていた。

 

 

 

ボクシングの練習でも、負けばっかりだった。

 

 

でも、もう負けない。

 

 

 

「………泣いても俺は知らねぇぞ?クソ女ぁ!!!」

 

 

 

神栄の目の色が変わった。完全に殺る気モードだ。

 

 

 

「………アハッ!そう来なくちゃ私も殺りがいってのがないもの!」

 

 

両者の思惑がぶつかり合う中、神栄姉弟の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 





みなさんは夏休みの宿題終わりましたか?


僕は終わってません。最悪です、今からやります

今日は朝から忙しく、大学のオープンキャンパスに行かなきゃいけないんですよ。


久しぶりに長い時間外に出ます。

とりあえず都内の大学見てきます!

僕を見つけたらラッキーですね
(多分無理)

そんなわけで次回、茜音VS碧。その結末とは……!?




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第123話 姉弟の時間

宿題が終わらない。





 

昔っから俺は泣き虫だった。

 

 

 

喧嘩も弱かったし、人と話すのが苦手だったから、いつも1人だった。

 

 

そんな俺とは違い、同い年の姉は人気者だった。

 

 

完璧と言わざるを得ないくらいすごくて、頭良くて、喧嘩も強い。

 

 

 

そんな姉に、俺は少しだけ憧れていた。

 

 

でもその憧れは、やがて憎しみに変わる。

 

 

 

今は………言うことじゃないかな………。

 

 

 

============================

 

 

神栄はゆっくりと茜音の方に向かう。

 

 

「もう弱虫な俺じゃねぇんだよ。いい加減気づけ」

 

 

 

「そんなこと知ってるよ。私が……世界で一番知ってるわ!!」

 

 

 

茜音が尋常じゃないスピードで走る。

 

 

 

反応が遅れた神栄は、足が動かない。

 

 

 

「ぐっ……!」

 

 

 

茜音突然跳躍し、ヒーローキックみたいなことをするのかと思ったら、

 

 

後ろ回し蹴りで神栄の腹を狙う。

 

 

茜音はニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

 

だが、神栄もニヤリとしている。

 

 

「……!?」

 

 

「そんなので………勝てると思うなああああ!!!」

 

 

神栄はわざと蹴りを喰らっていたのだ。

 

 

そして茜音の足を掴み、投げる。

 

 

 

「う……わっ!こんなパワーあったんだ……」

 

 

 

茜音が感心していると、神栄は追撃する。

 

 

「なっ……!」

 

 

 

茜音は舌を出して目を細める。

 

 

 

「なーんちゃって♡これも想定の範囲内だわ」

 

 

 

殴ろうとした神栄は後退しようとするが、もう遅い。

 

 

 

(これって………)

 

 

「残念」

 

 

 

茜音はクロスカウンターを決めるつもりだ。

 

 

(嘘だろ……!?こんなドンピシャなタイミングで……!!)

 

 

「うふふ………」

 

 

 

 

ドゴッ!!!

 

 

完璧なタイミングで神栄は殴られた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

結果からして、神栄はやられた。

 

 

あんな完璧なクロスカウンターを決められたら、誰でも倒れる。

 

 

だが、まだ負けたわけじゃない。

 

 

「まだだ……俺はまだ負けてねぇ!」

 

 

 

足がフラフラしているが、神栄は立ち上がる。

 

 

「それでやるつもり?押しただけで倒れそうじゃん」

 

 

「んなわけ………あるか!!」

 

 

神栄は一歩踏み出す。

 

 

「あ………れ?」

 

 

 

カクン!と膝カックンされたように神栄は倒れる。

 

 

 

「これが私の実力よ。さて、これは負けってことでいいかな?」

 

 

 

「う……る……せぇ……!!!」

 

 

神栄はポケットの中から例の物を取り出す。

 

 

言うまでもなく、薬だ。

 

 

 

 

しかし、茜音は手を蹴る。

 

 

「そんなもの使わせないわよ………こうして碧君の頼みの綱は切られた。さぁ、どうする?」

 

 

「……どうする、ねぇ……。ならこうだ!!」

 

 

 

 

神栄は茜音の足を掴む。

 

 

 

 

茜音にとってが意外だったのか、少しビックリしている。

 

 

 

「……顔を蹴られたいの?」

 

 

「……………」

 

 

 

神栄は無言で足を掴む。

 

 

「あっそ……そういう態度取るなら……!!」

 

 

茜音は足を大きく上げ、サッカーボールをシュートするように蹴る。

 

 

「ガハッ………!!!」

 

 

 

 

それでも掴むのをやめない。

 

 

 

「どんだけ私をE組に入れたくないのよ……」

 

 

 

「そんな理由じゃねぇ………負けるのが嫌なんだよ……!俺は負けない……誰だろうと負けたくねぇんだよ!!!!」

 

 

 

「へぇ、でも現実(リアル)は甘くないの、見せてあげるよ。現実を」

 

 

 

茜音は神栄の腕を振りはらおうとする。

 

 

 

「鬱陶しい。早く負けを認めなさいよ」

 

 

「………嫌だ」

 

 

「ならこっちもやることやらしてもらうよ」

 

 

 

 

茜音は掴まれてる足とは逆の足で神栄の腕を踏み潰そうとした。

 

 

 

「これで………終わりよ!!」

 

 

 

と足を上げた瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わるのはお前だ、くそ野郎」

 

 

 

 

神栄は素早く立ち上がり、手を引いて茜音を転ばせる。

 

 

 

「………え?」

 

 

 

「これが……俺の本気だ。そんで、終わるのはお前だ」

 

 

 

神栄が殴ろうとする。

 

 

 

茜音は怯まない。

 

 

 

(諦めたのか?それでもやってやる!!)

 

 

 

拳が顔に迫っている。

 

 

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

と、見たことのある事を茜音にされた。

 

 

 

 

 

 

猫騙し、だ。

 

 

 

「裏の裏を読んだ結果よ。残念だったね。あと少しだったのに」

 

 

 

「………く……そがぁ!!!」

 

 

 

今度こそ、勝負が決まった。

 

 

 

完全に神栄の負けである。

 

 

 

 

(また………ダメだったのか……くそ……)

 

 

 

============================

 

 

「………」

 

 

 

ようやく意識を取り戻したのか、神栄は起き上がる。

 

 

「やぁ、おはよう」

 

 

 

「……………」

 

 

神栄は何も言わずに帰る準備をする。

 

 

こんな家からとっとと出て行きたいからだ。

 

 

「……帰る」

 

 

 

「そう、じゃあ明日からよろしくねー」

 

 

 

神栄は静かにドアを閉め、茜音の家から去った。

 

 

 

 

 

 

家から出ると、殺せんせーがいた。

 

 

 

「なんの用ですか?」

 

 

「いやぁ、茜音さんがE組に来ると理事長から聞いて、どんなものかと見ていたんですよ」

 

 

「……そうかよ」

 

 

 

 

「神栄君。単刀直入に聞きますが、君は何故茜音さんの事が嫌いなんですか?」

 

 

 

「…………言わねぇ、って言ってもあんたは聞こうとするよな」

 

 

「そりゃそうですよ。生徒の過去は知りたいですもん」

 

 

「そのくせして自分の過去は言わねぇよな」

 

 

「私の過去は言うほどのものでも無いですし」

 

 

 

「そうかい……」

 

 

 

神栄はしばらく黙る。

 

 

 

「どうかしましたか?」

 

 

 

 

 

そして、神栄はゆっくりと語り始めた。

 

 

 

 

 

 

自分の過去の事を。

 

 

「俺は………………」

 




さて、唐突ですが次回から神栄の過去編に行きます。






そして、残念なお知らせが……。

えー、文化祭の準備をしなければならなくなり、僕は文化祭で見せる映画のシナリオを書くことになりました。

それを書くのとセリフを覚えたり色々準備がある為、しばらくの間投稿ができなくなりそうです。


いつも見てくれる方には本当に申し訳ないです。すいません。

出来れば近況の報告をしたいのですが、活動報告が見れない方もいると思うので、Twitterなどフォローしてくれれば近況報告見れると思います。

それでもダメなら、LINEでも近況報告します。

ここでは言いませんので、教えてほしかったら感想欄にお願いします。

本当、すいません。


では次回、過去の時間、神栄の場合でお会いしましょう。

それと、質問があります。

授業中寝ている生徒を面白おかしく起こすストーリーを現在考えてます。
何かありますかね……?

あったら教えてください!お願いします!


それではここまで見てくれた読者の皆さん、ありがとうございました。
(作品はまだ終わらないよ!)


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第124話 過去の時間(神栄編Ⅰ)

とりあえず、お久しぶりです。


えー、本当すいません。

過去編は長くなるから長編オリジナルストーリーにするとかほざいたじゃないですか?


あれー……どうした事か、短いなぁ…。


そんなわけで、2つか3つに分けるのが精一杯でした。

本当楽しみにしていた方、ごめんなさい。


言うまでもなく、変な文です。





「俺は………昔は姉のことが好きでした。自慢の姉でした。なんでもできて、頭も良くて……。でも……」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

殺せんせーは何も言わずに俺の話を聞いてくれた。

 

 

 

 

「俺は…………」

 

 

 

 

 

 

今から約10年前、俺は何不自由なく姉の茜音と生活していた。

 

 

その時は『まだ』仲が良かった。

 

 

一緒に遊んだり、話したり……。

 

 

 

でも、その楽しかった日常は簡単に崩れる。

 

 

 

 

10年前の夏休み、椚ヶ丘の道路で起こした交通事故、つまり俺の親が死亡した時から、何かが壊れた。

 

 

思えば、その事故が無ければ今も仲良くしているのかな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

10年前、親を事故で亡くした神栄姉弟は死亡した2人を見ていた病院の先生に、

 

 

 

「君達の親はもういない。今この瞬間から君達は孤独の中で生きていくんだ」

 

 

と、とても冷たい言葉を言われた後、俺は現実を受け入れられなかった。

 

 

この時、まだ小学一年生だ。

 

 

 

姉である茜音はなんとか俺を慰めようとしていた。

 

 

あの手この手で俺を笑わせ、親の事を記憶から消そうと努力していた。

 

ある日、

 

 

 

 

 

「ねぇ、碧君!ゲームしようよ!」

 

 

 

「え……?僕と?」

 

 

 

当時ゲームをしたことが無かった俺は姉の誘いを断ることなくゲームをやった。

 

 

 

そのゲームは某ポケットに入るボールでモンスター捕まえるゲームだった。

 

 

新しいモンスターを捕まえると、なんか嬉しくなった。

 

 

「お姉ちゃん!これ面白いね!」

 

 

 

「でしょー?私オススメのゲームだもん」

 

 

 

それから俺はそのゲームにハマって……2日でクリアした。

 

 

 

「え!?碧君2日でクリアしたの!?」

 

 

「うん、面白かった!」

 

 

 

その時から俺はゲームに目覚めた。

 

 

茜音は何回もゲームをやらせ、それを俺は何度もクリアした。

 

 

 

その時は親のことは忘れてゲームを楽しむことができた。

 

 

 

 

俺はその時間が、一番幸せだった。

 

 

============================

 

 

事故から2ヶ月、夏休みも終わり秋も本格的に始まった頃、俺と茜音は近所のおじさんのところへ引き取ってもらった。

 

 

 

当時東条家、神栄家共に忙しくそんな暇は無かったらしい。

 

 

子供を放ったらかしてでもやるべきことがあったのだろう。

 

 

 

 

 

「碧君!ここが新しい家だよ!」

 

 

 

「…………うん」

 

 

俺は乗り気では無かった。

 

 

親の家が一番だったのに……そこから離れるのはなんだか嫌だ。

 

 

 

俺はこの時初めて茜音に反抗した。

 

 

「やだよ!僕はあの家に行きたい!戻りたい………よ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

茜音の眼を見た瞬間、俺は固まった。

 

 

 

これはまずい、と感じた。

 

 

 

その予想は正しく、俺は茜音に平手打ちをくらった。

 

 

 

「…………もう忘れなさいよ…そんなこと……」

 

 

 

「…………はい」

 

 

俺はこの時から、茜音に逆らう事をやめた。

 

 

 

今思えば、茜音も昔の事は忘れたくなったのかもしれない。

 

 

だから冷たく俺に当たったんだ。

 

 

きっと……そうなんだろう。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

近所のおじさんの家に着くと、おじさんはあたたかく俺らを迎えてくれた。

 

 

 

「やぁ、ここが君たちのお家だ。遠慮しないで楽しく生活しなさいね」

 

 

 

 

ここでの生活は楽しいと言えば楽しかった。

 

 

テストで100点を取れば褒められるし、悪い事をしたら叱られる。

 

 

それは茜音も同じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで3年が過ぎ、4年生になった時、2人の関係が崩れ始めた。

 

 

 

 

 

 

きっかけは算数のテストだった。

 

 

 

今まで90点以下を取った事がなかった俺がとんでもなく低い点を取ってしまった。

 

 

「…………」

 

 

当然茜音は100点だった。

 

 

 

「これはどういう事だ?」

 

 

 

「…………ごめんなさい」

 

 

なぜ俺は謝ったのか?なんで俺は怒られているんだ?

 

 

 

「お前は男だろう?何故女に負けている。男は常に上に立たなければならないのだよ。それがこのザマじゃ、お前は女か?」

 

 

 

「…………はい」

 

 

この辺りから何を言っているのかわからなくなった。

 

男は女に負けちゃいけないのか?別にいいだろう。負けても俺は悔しくないし、どうも思わない、なのにどうして………?

 

 

「おい茜音。姉だからって手加減するんじゃないぞ。普通にやりなさい」

 

 

茜音はそーっと俺の事を見てたらしく、それがバレてビクッと動いた。

 

 

小声で「はい」と言うと茜音は階段を上り部屋に行ってしまった。

 

 

 

 

俺もそれに便乗しようと部屋を去ろうとした時、俺は小さく「………ふざけんな」と言った。

 

 

 

どうして……こうなったんだ?

 

 

◇◇◇

 

 

次のテストでは、元々わからなかった内容がさらに難しくなっていた。

 

 

テストは当然、ダメだった。

 

 

俺は家に帰るのが怖くなった。

 

 

「………」

 

 

 

 

 

でも、家に帰らないと怒られる。

 

 

仕方なく家に帰ると、おじさんが玄関に立っていた。

 

 

 

 

「碧、テストを出しなさい」

 

 

 

 

 

「……………嫌だ!!」

 

 

 

 

大声で反抗した俺に、おじさんは笑った。

 

 

 

「っはははは!お前も反抗期になったのか!でも……関心しないなぁ!!」

 

 

 

そう言って拳を俺に向ける。

 

 

 

「……………っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっぱ、変な文だよなー……いつもの事ですが。

ほかの人の作品とか見てると、「どんな感じで書いてるのかなー」とか思っちゃいます。


そして、最近下セカにハマりました。


ハマりすぎて原作買ったけど、お金無くて三巻しか買えなかったです。


いつか、というかそろそろ下セカのSSでも書こっかな!
(形的なのは一応出来てます)

というわけで次回、神栄の過去後編or中編!


下セカは、気分で出すかな!


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第125話 過去の時間(神栄編Ⅱ)

お久しぶりです、invisibleです。


いろいろ学校関連で忙しかったため更新が出来ず、そして風邪をひく。

LINEとかだとめちゃくちゃタイムラインに書きまくってたんですが、いろいろありました。


とりあえず神栄過去編、中編どうぞ。
(久しぶりに書いたから雑で変な文だし、時間の流れが変です)










おじさんはきっと完璧主義者なんだ。

 

 

だから完璧じゃない俺に暴力をしようとしたんだ。

 

 

しかも、女に負けているという事もあり、イライラが止まらないという事か。

 

 

 

 

 

 

………ふざけるなよ………。

 

 

 

俺は……お前のおもちゃじゃない。

 

 

 

「…………」

 

 

 

俺はそう思いながら、反抗する事なく殴られた。

 

 

悔しかった。復讐したかった。

 

 

 

でもその想いは叶わず、俺はおじさんに暴力をされ続けた。

 

 

 

ごはんだってまともにくれなかった。

 

 

小さい皿に少しだけ盛られた白米を食べていた。

 

 

そして、おじさんは俺と茜音を隔離させた。

 

 

俺をウイルスの様に扱い始めたのもこの頃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから茜音と喋る機会も少なくなり、俺は独りで勉強をしていた。

 

 

 

とはいえ、できない物をやっていても楽しくない。

 

 

自分なりに理解しようとしてもやっぱりわからない。

 

 

茜音に聞きたいが、現状それは無理だ。

 

 

俺は考えるのをやめ、机に突っ伏した。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

この頃からおじさんを避けるようになった。

 

 

ごはんは昼の給食を多めに貰ってタッパーに詰め込み、それを食べていた。

 

 

家では姉に対して優しく、おじさんは俺に対して厳しかった。

 

 

 

 

 

俺は何のために生きて、何のために学校なんか行ってるんだろう。

 

 

その事を今でも答える事は出来ない。

 

 

多分、一生無理だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苦しい生活を送り始めて何ヶ月か経ったある日、俺は学校で「ある噂」をされるようになった。

 

 

 

 

 

「神栄君の双子のお姉ちゃんは凄い頭いいけど、弟の方は頭悪いからいじめられてるらしいよ」と。

 

 

 

 

俺はもう、どうでもよくなった。

 

 

人に好かれるくらいなら、嫌われる方が楽だと思った。

 

 

 

 

 

 

その噂が広がると、クラスの友達も俺から距離を置き始めた。

 

 

 

 

 

完全に孤立した。一人ぼっちになった。

 

 

 

 

誰にも話しかけられず、誰にも心配されない。

 

 

むしろ茜音の方が心配されている。俺は何もしてないというのに、悪い噂しか広まらない。

 

 

 

俺は何処にも居場所なんか無い。そう常に思って生活していた。

 

 

============================

 

 

 

 

何年間つらい思いをしてきたのだろうか。思い出したくもない。

 

 

 

年月を重ねるごとに親から受ける暴力も増して、痣を隠すのも難しくなってきた。

 

 

それに、それを黙認する茜音にもそろそろ腹が立ってきた。

 

 

普通止めるだろ。大好きな弟が暴力を受けてるんだぞ。なのに何故何年間も止めない。

 

 

…………俺は茜音を嫌うようになった。

 

 

 

珍しく学校で話しかけてきても、俺は無視してきた。

 

 

すると、クラスの人からは

 

「うわー、茜音ちゃんの事無視してるよ……」

 

 

「茜音ちゃんかわいそー」

 

 

 

 

 

こう言われた。

 

 

 

だが、気にしない。

 

 

 

気にするとすれば、ちょっかい出してくる男子がちょっとうざったいくらいだ。

 

 

 

 

 

それでも俺は耐えてきた。何日も、何年間も。

 

 

 

 

 

 

しかし、その耐えてきたものが、小学校6年生の時、爆発する。

 

 

教室で一人、読書をしていると、男子の中でも特に人気なヤツが俺の席まで来た。

 

 

何だ?"どうせ俺の読んでる本よこせ"とか言うのか?と思っていると。

 

 

 

「おい、誰にも心配されない気持ちってどーなんだ?アハハハハ!」

 

 

 

続けて何人もの男子が笑う。

 

 

 

 

……………プツン。

 

 

今まで何とか繋がれていた糸が、真っ二つに切れた。

 

 

「……………す」

 

 

 

 

 

 

「あ?なんだよ」

 

 

 

 

 

「お前ら………全員ぶっ殺してやるよ」

 

 

 

 

 

その瞬間、俺は立ち上がり、男子を殴る。

 

 

 

一人やられると、また男子がやってくる。

 

 

それを殴る。

 

 

またやってくると、また殴る。

 

 

 

 

 

 

 

────しばらくすると、俺は正気に戻った。

 

 

 

 

そこには、何十人もの男子が倒れている。

 

 

ある者は泣いていて、ある者は血が出ている。

 

 

 

 

 

……やりすぎた。

 

 

 

「……………」

 

 

 

下を見ながら立っていると、先生が数人走って来た。

 

 

 

「神栄君!?何をやってるんだね!」

 

 

 

「……………知りませんよ」

 

 

 

 

「とりあえず職員室に来なさい!」

 

 

 

手を掴まれ、俺は職員室に連れてかれた。

 

 

 

「神栄君!何でこんな事をしたんだ!」

 

 

 

 

「…………あんたが一番わかってんだろ」

 

「…!?」

 

 

 

 

「いじめられてるからやり返した。それだけだよ」

 

 

 

「だからと言ってだな……!」

 

 

 

「は?お前も同罪だろ。お前だって俺がいじめられてんの知ってんだろ?わかってんのに止めない、止めたらなんかあるかもしれない。だからそうしたくなかった。大方そんなもんだろ。…………ふざけんなよ!俺はそーゆー奴らが一番嫌いだ!自分さえよければ他なんてどうでもいい?だからって何で俺だけが被害受けなきゃいけねーんだよ!何でだよ!おい!教えろよ!!!!」

 

 

 

 

血がついた手で、先生の胸ぐらを掴み、今まで溜め込んでいた嫌味を全て吐き出した。

 

 

 

「………今すぐその手を離しなさい」

 

 

言われた通り手を離す。

 

 

 

 

「神栄君、そのことについては謝る。が、やりすぎだ。親とじっくり話してみたらどうだ?」

 

 

 

何を言ってるんだこいつは。親に話す?話したらまた俺は暴力を受ける。

 

 

…………まさか!

 

 

 

 

 

「親に引き取ってもらおうか。電話番号は?」

 

 

 

「………さぁ、俺は知りません」

 

 

 

「まぁいいか……緊急連絡先名簿で調べればいいし………」

 

 

 

 

 

「………あの!!!」

 

 

 

背を向けている先生を呼ぶと、先生はくるりと俺を見ようと振り返った。

 

 

 

俺はタイミングよく飛び込み、先生の顔面を殴った。

 

 

うずくまる先生を見て、俺は学校から逃げた。

 

 

 

 

おじさんに連絡されることはもう止めることは出来ない。だったら、もう逃げるしかない。こんな家放っておいて、どこか……遠くへ逃げよう。

 

 

 

 

 

ふと、小学1年生の時のことを思い出した。

 

 

 

親の事故の前、あの人に会った思い出を。

 

 

黒い髪、かわいい笑顔。どれを取っても素晴らしいあの人に、俺は会いたいと思った。

 

 

だが、もうあの人は転校してしまった。

 

 

 

どこにいるかもわからない。

 

 

 

か……ざきさん……だっけな…?

 

 

思い出がだんだん曖昧になってきた。

 

 

誰だか忘れたくないのに、誰だったか思い出せない。

 

 

 

 

 

 

 

また………会えるのかな……あの人に。

 

 

 

 

 




えー、9月の最後の方に高校の文化祭があります。


そしてうちのクラスでは、映画をやるのです。

更新が遅れた理由①は、映画のシナリオ製作です。
(これはどこかで言った気がする)
そして理由②は前書きで言った風邪です。
理由③は…………ですね。








ポケモン(エメラルド)にハマってそれに自由な時間を注ぎ込んでました。すいません。
僕の近況は大抵LINEで言ってます。友達登録して、なんか変な事してたら、叱ってください
(別にMとかじゃなくて)

IDとかは感想で教える(予定)です


では次回、神栄の過去も終盤。中学1年〜2年の過去についてですかね。


いつ更新するかわかりませんが、待っててくださいね!


では、おやすみなさい………(笑)
(今日は寝てない)








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第126話 過去の時間(神栄編Ⅲ)

おはようございます、こんにちは、こんばんは、invisibleです。


3話くらいで終わると思ってたら、全然でした。


とりあえずタイトルはこの後変えるつもりです。


余談ですが、暗殺教室最新巻での、
『触手細胞はあります!』に大爆笑しました。

ただそれだけです


そして、また文がッ………!雑です。


 

 

学校から逃げてからしばらく経った。

 

 

 

見たことのない道、見慣れない景色が多く、よくわからないことだらけだった。

 

 

俺は走るのをやめて、立ち止まった。

 

 

 

 

 

「……ハァ…ハァ…ハァ…!ここまで行けば……大丈夫だろ……」

 

 

 

俺は膝に手を乗せ、ゼーハーゼーハーと息を吸っては吐き、また息を吸っては吐き、を繰り返す。

 

 

 

何メートル……いや、何キロ走ったのだろう。

 

 

 

 

辺りを見回し、状況の確認をする。

 

 

誰かが追って来てることはなく、何もない。

 

 

「これじゃあ帰れないな……どーしようか……?」

 

 

 

一応財布を持って来てるので、夜ご飯なら食べることはできる。

 

 

が、そこからどうすればいいのかわからない。

 

 

「………はぁ」

 

 

 

 

俺は仕方なく自宅へ向かい、歩き始めた。

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

夜、12時。

 

 

 

 

 

 

「…………鍵かかってる……」

 

 

 

 

 

当然と言えば当然なのか、鍵がかかっている。

 

 

電気もついてないし、もう全員寝たのだろう。

 

 

 

「………ここで待ってるか…」

 

 

 

俺は家の前で座り込み、朝まで待った。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

朝の6時、いつもならまだ寝ている時間だが、今日は少し違う。

 

 

「ん………?」

 

 

 

悪い目覚めだった。

 

 

 

 

 

 

いつもと寝ている場所が違うからなのか、腰が痛い。

 

 

 

今日は土曜日、みんなにとってはいい日だろう。が、俺にとっては最悪の日だ。

 

 

 

自宅から外に出ることを原則禁止されている俺は、1日中おじさんの監視の下生活しなければならない。

 

 

部屋に籠もればいいじゃないか、と思うが、俺は朝、昼、夜のご飯の度にリビングに行き、「来い」と言われたら行かなければいけない。

 

 

もし無視をすれば暴力。無視しなくても暴力と、俺にはハッピーな道が無い。

 

 

 

………あぁ、また家に戻れば地獄のような日々が戻るのか。

 

 

 

ため息を吐き、俺は立ち上がる。

 

 

 

すると、おじさんが玄関のドアを開けた。

 

 

……最悪のタイミングだ。よりによっておじさんが新聞を取りに行く時間と被ってしまった。

 

 

 

「…………」

 

 

目の前に来ると、おじさんは何も言わずに新聞を取った。

 

 

 

そして、ドアを閉めた。

 

 

 

何もされなかったのは良かったが、俺は完全にいない者とされた。

 

 

 

認識されず、ただ存在するだけの人間と化した。

 

 

……一体何がいけなかったのか。

 

 

 

 

人には得意不得意がある。不得意な物が無い人間など存在しない。

 

 

それがたまたま、はっきりとわかってしまっただけで、何故こんなにも差別されなければならない?

 

 

 

確かに俺は算数が苦手だった。だが社会のテストは毎回100点だ。

 

 

 

何故おじさんは得意な物を見ようとしない?何故苦手なところしか見ない?

 

 

………なぁ教えてくれよ。

 

 

 

 

教えろよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで………俺だけがこんな目に…………。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

時間が少し経ち、午前9時。

 

 

 

3時間待っても開けてくれないので、俺は強引に入ることにした。

 

 

 

 

 

壁をよじのぼろうとしたその時。

 

 

窓から誰かが見えた。

 

 

 

 

 

大体予想はついているが……茜音だった。

 

 

また俺を助けるフリをしてどこかへいなくなるのだろう。

 

 

いちいち俺を見てから消えるので余計タチが悪い。

 

 

俺は茜音を睨みつけながら壁の前で立ち止まる。

 

 

 

「…………!」

 

 

 

茜音が口を開けて、何かを言っている。

 

 

遠くて全く聞こえなかったが、おそらくバカにしているのだろう。

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

茜音はチェーンの付いた謎の物体を投げてきた。

 

 

なんとかキャッチして、見てみると………。

 

 

 

 

家の鍵だった。

 

 

 

 

 

「…………?」

 

 

 

なんだ?突然優しくなりやがって。

 

 

 

そう思いながらも、俺は鍵を使って玄関に入った。

 

 

 

戻って来たが、嬉しくはない。

 

 

 

俺は再びため息を吐きながら自分の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

部屋に着くと意外にも、何も手を加えられてないそのままの状態だった。

 

 

てっきりほとんどの物が捨てられてると思ったが、そんなことはなかった。

 

 

 

いや………冷静に考えたら、俺の持っているものすべてに触れたくなかったのだろう。

 

 

 

 

 

俺は自分の部屋から出て、さっきもらった鍵を茜音の部屋に投げてまた部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

============================

 

 

 

 

それから、俺は特に何もされなくなった。

 

 

暴力は減り、ごはんもちゃんと食べれるようになった。

 

 

 

叱られることなんか、あれから一度も無かった。

 

 

すごくおかしいが、また何か言えばいつものクソみたいな日常に戻ってしまうと思い、言えなかった。

 

 

 

 

………何かが……おかしいのに…。

 

 

 

 

 

 

何もされなくなって数ヶ月。俺は小学校を卒業する日になった。

 

おじさんからの暴力は無くなったが、学校でのいじめは終わることは無かったので、卒業はとても嬉しい。

 

 

とっとと卒業して、一人で生きていこうと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式が終わり、学校を後にしようとすると、そこにはおじさんがいた。

 

 

 

 

ペコペコとしながら媚を売っている。

 

 

 

「…………で、どうだね、碧と茜音の奴は!」

 

 

 

 

 

「はい……仲良く生活していますよ」

 

 

 

 

……何を言ってるんだこいつは。

 

 

 

そして、何故俺の名前を知っている?

 

 

 

 

「…………?おー、碧じゃないか!久しぶりだな!」

 

 

 

 

………この人は……確か……?

 

 

 




文化祭があったせいか、理数系の科目の要点をほぼ忘れました。

なんとか赤点回避&高得点を狙いたいです。

文系の科目は油断しなきゃ大丈夫だしょ!前回だって90点台だったし。なんとかなるよね!


そんなわけで次回、おじさんがしばらく何もしてこなかった理由が明らかに……?そして、中学に入って神栄はどうなるのか………?


そろそろ過去編も終わります。過去編終われば茜音のE組転入、そして文化祭ですよ。


それでは、おやすみなさい。


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第127話 過去の時間(神栄編Ⅳ)


お久しぶりです。invisibleです。


あーあ、来週からテストか……めんどくさ……

今回短いし、神栄が中学生の時の過去描写なんて皆無に近いです。


次回から長くしますすいません


 

確か……あの人は……。

 

 

 

 

「おじい……ちゃん?」

 

 

 

俺の父の方のおじいちゃん、神栄 黒紀だ。

 

 

 

なにがあったかは知らないが、ようやく俺を引き取ってくれるのだろう。

 

 

 

 

「……?おー!碧じゃないか!久しぶりだなー!」

 

 

「どうも…」

 

 

 

「わっはは!固くなるなって!一応血は繋がってるんだから!」

 

「そうですね……あはは」

 

 

 

 

ついに………終わるんだ。

 

 

 

この地獄から、抜け出せるのか……。

 

 

 

 

俺は内心嬉しかった。でも、ここで顔に出したら何か誤解を生んでしまうかもしれない。

 

 

俺は嬉しさを顔に出さないよう、なんとか堪えている。

 

 

 

「………」

 

 

 

 

「碧や、お前は明日からわしの家の近くに住むことになった」

 

 

突然おじいちゃんにそう言われた。

 

 

 

「………え?」

 

 

「茜音は東条家の方で世話になる。お前はわしの所で世話になるのじゃ」

 

 

「そう………ならよかった」

 

 

 

何なんだろうこの嬉しさ。最高だ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

そして、俺はこの家から去ることになった。

 

 

当然、『お世話になりました。今までありがとうございました』などの一言は無い。

 

 

荷物を持ち、笑顔でいなくなった。

 

 

 

今まで耐えてきて………よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺は新しい家に着いた。

 

 

それなりに大きい家で、前より数十倍綺麗だ。

 

 

 

 

「どうだ!前の生活よりこっちの方が断然良いだろ!わーはっはっは!」

 

 

 

「そうだね」

 

 

 

 

俺は自分の部屋に入り、とりあえず布団に潜り込んだ。

 

 

 

===========================

 

 

 

 

短い春休みが終わり、俺は中学生になった。

 

 

 

前いた奴らはいない、新しい環境での中学生活に、俺は期待していた。

 

 

友達とか、出来るのかな?

彼女とか、出来ちゃうのかな?

 

 

などなど……。

 

 

 

 

 

 

その期待は、どこか合っていて、どこか間違っていた。

 

 

 

中学1、2年ではそれなりに楽しい生活が出来た。

 

 

でも、この時から俺はクラスの人からハブられていた。当時このことには気づかなかったが……。

 

 

そして、中3になってあの出来事(本編第1話参考)が起こって、今に至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は現在に戻る。

 

 

 

「これが、俺の話せる全てです」

 

 

 

「…………」

 

 

 

殺せんせーは黙り込んだ。

 

 

 

「…………どうしたんすか?」

 

 

 

「いやぁ、まだ気づかないのかな?と思っただけです」

 

 

 

 

「……?」

 

 

 

 

その瞬間、俺の頭の中に電流が走った。

 

 

 

 

「よく考えてみてください。あなたは何故茜音さんのことを嫌っていたのですか?」

 

 

 

 

「あ…………あぁ………」

 

 

思いついた一言は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誤解』だった。

 

 

 

 

 

 

 

俺は何年間もの間、ずっと『誤解』をしていた。

 

 

 

 

茜音はただ、その『誤解』を解こうと必死になっていただけなのか?

 

 

 

今考えれば、茜音は間違ったことをしていない。

 

 

 

俺に好かれるために、いろいろしてくれたのか。

 

 

 

 

間違っていたのは……俺だったのか?

 

 

 

 

 

 

「……ははっ、流石殺せんせーだ。全部わかってたのか………」

 

 

 

 

「ええ、先生ですもの」

 

 

 

「そっか……」

 

 

 

 

神栄は全身の力が抜け、倒れてしまう。

 

 

 

「神栄君!大丈夫ですか!?」

 

 

「大丈夫………。もう……大丈夫だから………」

 

 

 

 

神栄はガラでもなく泣いた。

 

 

 

きっと、涙の中には過去が入っている。

 

 

 

それを出そうとして、涙が溢れてきてしまったのだろう。

 

 

 

 

 

「過去に縋り付く人は成長しません。ですから神栄君はまだ成長しきってない。まだ間に合います。神栄君。茜音さんと共に……成長、してくださいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はい」

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

自宅に戻り、神栄は茜音に初めてメールをした。

 

 

 

 

 

 

 

『お前本当に明日からE組に来るのか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待つこと数分、返信が返ってきた。

 

 

 

 

 

『もちろん!(≧∇≦)』

 

 

 

 

『あっそ……なら別に良いけど』

 

 

 

 

これから普通の姉弟として、生活していくのか……。

 

 

 

多分最初はわからないことだらけだと思う。でもそれで良い。

 

 

 

少しづつ変わっていけば、きっと…………殺せんせーだって殺せる。

 

 

 

 

 

そう思いながら、神栄は布団に入って寝る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さーて、次の日、一体何があるのやら……。

 

 

 

 

 

 





最近、パズドラ始めました。


昔やってたけど、ほぼ変わっててよくわからないまま始めたら、クシナダが出たのでそれで始めました。

ランクはまだ低いですが、フレンドになってくれると嬉しいです。

359 418 464です。

確かパズドラはメール機能あるんですよね。それで話したりしてみたいなーと思いつつ、今から勉強してきます。


次回、茜音がE組に降臨。どうする神崎!




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第128話 転校生の時間、3時間目

さーて、修羅場の始まりだ(笑)





 

自分の過去の話をしてから1日が経ち、ついに茜音がE組に転入する日になった。

 

 

 

だが、神栄は普段通りである。

 

 

 

「さーて、行くか……」

 

 

 

いつも通りの道で学校まで行く。

 

 

 

 

「はぁ……。今日から来るのか…あいつらなんて言うんだろうなぁ……」

 

 

神栄は特に何も思わないが、クラスの人たちは何も思わないという事はまずない。

 

 

クラスの人たちには、『茜音は神栄を暴走させた』と言うことしか見たことがないからだ。

 

 

最初は絶対嫌われる、というか、ずっと嫌われるかもしれない。

 

 

 

そこで神栄がカバーするかしないかで茜音のE組生活は大きく変わるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

何事もなく神栄はE組の教室に着いた。

 

 

 

「おいーす」

 

 

 

 

 

 

 

「お前!何しに来たんだよ!」

 

 

 

「えーっと……それはー……」

 

 

 

 

早速かよ。てか来るの早すぎるだろ。

 

 

「あ、碧君!助けてよ!」

 

こちらに気づいた茜音は神栄に近づく。

 

 

 

 

 

「……あー、そうだな」

 

 

 

「なんでだよ神栄!こいつはお前に色々してたんだぞ!?」

 

 

 

「別にいいだろ。もう終わったことだし、俺はどうも思わねぇ」

 

 

 

「キャー!流石碧君!だーいすき!」

 

 

 

 

と言い茜音は神栄に抱きついた。

 

 

 

 

 

「おいやめろ離せ!」

 

 

 

神栄が抵抗していると、ドアの方に誰かが見えた。

 

 

 

 

 

 

ん……?

 

 

 

 

んんん!?

 

 

 

 

 

 

 

ドアの方に居たのは、神崎だ。

 

 

 

 

 

 

おっと?

 

 

 

 

 

 

 

これは?

 

 

 

 

 

 

 

 

まずいぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

ゴトン!と神崎はスクールバッグを落とした。

 

 

 

 

 

「…………あ」

 

 

 

 

「………?」

 

 

茜音とクラスの人たちは頭に『?』マークが浮かんでいる。

 

 

それはそうか。だってあの人たち色々知らないもん。

 

 

 

 

 

 

………なんて言ってる場合ではない。

 

 

 

今はこの危機的状況をなんとかしなければならない。

 

 

 

 

 

「えー………あー……おはよう神崎」

 

 

 

 

今言える言葉がそれだけだった。

 

 

 

 

「うん……おはよう」

 

 

 

少し殺気のある挨拶だった。

 

 

これは放課後説教かなぁ…。怒られることは回避出来なさそうだ。

 

 

本当、ごめんなさい神崎さん。

 

 

 

 

 

 

神栄が修羅場を迎えていると、窓から殺せんせーがやってきた。

 

 

 

「おはようございます皆さん。おや?茜音さんもう来てるんですか?」

 

 

 

「そうですよー。これからよろしくお願い『死』ます『ね』!」

 

 

 

 

瞬間、神栄を抱きついていた手が動き始め、神栄を投げ捨てる体制になった。

 

 

「……は!?」

 

 

突然の事態に少し慌てている殺せんせーは、とりあえず神栄を助けることを優先した。

 

 

 

「やっぱり生徒が一番、か。んじゃ、死んでねー♡」

 

 

 

 

尋常じゃない速さで殺せんせーに向かってナイフを投げる。

 

 

しかし、これでは殺せんせーは殺れなかった。

 

 

 

「まだまだ甘いですねぇ。私はこの程度では………!?」

 

 

何か変なものが後ろにある。

 

 

 

「これが私の本命だよ。背後に自動で撃てる拳銃を2丁セットしたの。これで死ぬでしょー」

 

 

 

「いいや、まだまだです」

 

 

 

 

「そっかー、それじゃ………え!?」

 

 

 

気づけば神栄は椅子に座っていた。

 

 

 

まぁ何があったかというと、

 

①来た瞬間に拳銃の存在に気づいた殺せんせーは拳銃内の弾を全て取った。

②茜音が話している間に神栄を座らせる。

③拳銃を取る。

 

 

 

教室に着いた瞬間にマッハで弾を取った為、茜音はわからなかったのである。

 

 

 

「すごいなぁ……まるで『以前に体験したような手さばき』だねぇ」

 

 

「………!?」

 

 

 

殺せんせーが一瞬固まる。

 

 

 

 

「………?殺せんせー?」

 

 

 

 

「いえ……何でもないです。それよりHRを始めましょうか」

(何もないということは、本当は……………な………)

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

「今更ですけど、今日からE組に転入した神栄 茜音さんです。仲良くしてあげてくださいね!」

 

 

 

「碧君の双子の姉、茜音でーす!よろしくー」

 

 

「…………」

 

 

 

皆は黙っている。まぁ仕方ないか。

 

 

 

 

 

 

沈黙が続いている中、1人拍手をした人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹林である。

 

 

 

 

「…………別に悪いことは何もないだろう。彼女は反省していたんだ。僕は普通にクラスメイトとして接するが……君たちはどうするんだい?」

 

 

 

 

 

 

「………まぁ…竹林が言うなら…仕方ないかな……不本意だけど…」

 

 

杉野が仕方なさげに言うと、みんなが「よろしくー」と言ってくれた。

 

 

 

 

 

「…………では、1時間目は体育ですので、皆さん着替えてくださいね」

 

 

 

「「「「はーい」」」」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「君が神栄君の双子の姉か。よろしく。俺は烏間だ」

 

 

「よろしくお願いしまーす」

 

 

 

「早速で悪いが、ナイフを用いた訓練をする。見てもらってからすぐ実践してもらう」

 

 

「はーい」

 

 

 

 

最初は前原と磯貝ペアが烏間先生と戦っている。

 

 

 

 

 

「ほー、なかなかすごいねぇ。どっちも優秀なんだろうなぁ……」

 

 

 

 

次に片岡、岡野ペアだ。

 

 

 

「女子でこんなに動けるの、久しぶりに見たなぁ……。まぁ私よりはアレかもだけどねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………次々に対人訓練が終わっていく中、最後、なぜか余ってしまった神栄が茜音と一緒に烏間先生と戦うハメになった。

 

 

 

「えぇ……俺がー……」

 

 

 

 

 

「仕方ないだろう。とりあえず茜音さんの実力が見たいが、神栄君もいつも通りやってもらって構わないぞ」

 

 

「はーい……わかりましたよ」

 

 

 

 

 

神栄はナイフを口に咥え、腕を伸ばす。

 

 

 

 

「はぁ……めんどくせぇ」

 

 

 

 

「碧君ー。私とやるんだっけ?」

 

 

 

「ああそうだよ。不本意だけどな」

 

 

 

「そっかー、初めてじゃない?協力するの」

 

 

 

「そーだな。どうでもいいけど」

 

 

 

 

 

 

 

こうして、最強(?)姉弟の協力プレイが始まった。

 





えー、パズドラの件はありがとうございました。たくさんの人が申請をしてくれて、とても嬉しかったです。


親友選択してくれた人もありがとうございました!


これらのお礼と言ってはあれですが、今自分の残っているプレゼントと親友選択なんたらを、ランダムに選んで誰かにプレゼントしようと思います。

完全にランダムなので、ランクが高い人が当たりやすい、とかは全くありません。


抽選は12時くらいを予定しています。

当たった方にはメールを送りますので、よろしくお願いします。

残念ながら当たらなかった人は……ごめんなさい!


そして次回、茜音&ヘタレの協力プレイと激おこ神崎さんについてを書こうかと思っております。


では、火曜日からテストなので現実逃避してきます!!


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第129話 愛の時間


テスト終わったぁああああああああああ!





 

 

「神栄姉弟vs烏間先生か……なかなか凄そうだな……」

 

 

 

「…………」

 

 

 

ムスッとしながら神崎は神栄を見つめる。

 

 

 

「神栄君、本気で来るんだぞ?」

 

 

 

 

「当たり前じゃないですか、俺は卒業までに先生を倒しますから、こんなところで手ェ抜くわけないっすよ」

 

 

「茜音さん、君もだぞ」

 

 

 

「私は本気なんか出した事ないですよー、いつだって手抜きです」

 

 

 

 

 

「ほう………なら本気を出さしてあげよう」

 

 

 

今日はやたらと烏間先生がやる気である。

 

 

よほどの事がない限り勝てる事は無さそうだが、まぁ、頑張ってみよう。

 

 

 

「では始めるぞ」

 

 

 

「「はーい」」

 

 

 

2人は対殺せんせー用ナイフを持ち、戦う姿勢をとった。

 

 

一方烏間先生は、ネクタイを少し緩めて、神栄のほうをじっと見つめた。

 

 

 

 

「……?」

 

 

 

神栄は少し戸惑いながらも、前進する。

 

 

(烏間先生は何をしてくるのか……。まぁいい、なんかアイツが変なことしてきそうだからそれに乗ってやるか…)

 

 

 

 

 

 

神栄が前に出ると、茜音は後退した。

 

 

「はぁ?」

 

 

「ほらほら、早くやってよ!」

 

 

 

「ぶっ殺すぞお前」

 

 

 

 

「きゃー怖〜い」

 

 

 

 

「本当にやってやろっかな……」

 

 

 

茜音は後で殺るとして、今は烏間先生を倒すことが先である。

 

 

 

「どうした?早くやらないのか?」

 

 

 

「言われなくても………やりますよ!」

 

 

 

突進した神栄は、烏間先生の後ろを取ろうとした。

 

 

だが、烏間先生はそれを見切ってくるりと回る。

 

 

「やっぱダメか……」

 

 

 

「まだまだだな」

 

 

「なら……!!」

 

 

 

と、また前に出ようとしたその時。

 

 

 

 

ドゴッ!

 

 

と背後から蹴りをくらった。

 

 

 

 

「いっ……てぇ!」

 

 

 

烏間先生の体でなんとか怪我は無いが、烏間先生との距離はゼロだ。

 

 

 

「ほら碧君!身動き取れないようにしてよ!」

 

 

「え?あ?あぁ?」

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

 

 

 

烏間先生は解こうとするが、神栄の特殊なやり方で力が入らない。

 

 

「ぐっ……!なんなんだこれは!!」

 

 

 

 

「俺もわからないですよ……」

 

 

 

「なら……!!」

 

 

 

 

烏間先生は全身の力を足に集中させ、神栄を膝で蹴り飛ばした。

 

 

 

「うぉっ……!?」

 

 

「えぇ!?碧君!?」

 

 

 

「仕方ねぇだろ!この人のパワーはヒトを通り越してんだよ!」

 

 

 

本来、この後茜音が烏間先生の背後からナイフで刺す。と言う流れだったのだが、完全に狂った。

 

 

まぁこの後は察してください。

 

 

 

 

 

結果から言えば茜音はこてんぱんにされました。

 

 

===========================

 

 

「だから無理だって言ったのに……」

 

 

 

 

「まさか、あんな超人だとは……」

 

 

「だが、2人ともすごかったぞ。あんなことするとは、俺でも考えられなかったからな」

 

 

 

「ありがとうございまーす。でも、負けたから何も良いところはないですけどねぇ」

 

 

しれっと茜音がそんなことを言っていたが、俺は違うと思う。

 

 

 

完璧主義と言うか、こいつは昔のままだった。

 

 

どうでもいいことだがな………。

 

 

 

 

 

 

体育の授業が終わり、今日1日の授業がすべて終わった。

 

 

 

帰りの支度をしていると、また茜音がやってきた。

 

 

「碧君!今日帰「嫌です」

 

 

 

「そっか、ならいいけど」

 

 

 

 

……?

 

 

諦めるの早くないか?

 

 

昔ならもっと粘ってたと思うが…まぁいいか。

 

 

 

 

カバンを持って帰ろうとした時、

 

 

 

 

「あ……神栄君、ちょっといいかな…」

 

 

 

「……どうした?」

 

 

 

少し予想はしていたが、神崎だった。

 

 

 

 

 

おそらくさっき茜音に抱かれてたのに抵抗しなかったことを怒っているのだろう。

 

 

 

「……一緒に帰らない?」

 

 

 

神栄は何も言わずに神崎について行った。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

何も言わずに何十分か経った。

 

 

 

 

「………あ…」

 

 

 

 

神栄が口を開けた瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎が神栄に抱きつく。

 

 

 

 

 

 

「…………なんであおくんは私に無関心なの……?みんなにバレるのが怖いの?たったそれだけで私との距離を離してるの?所詮その程度だったの?私は………私は………!!!」

 

 

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

………何も言えない。

 

 

 

確かにバレるのは嫌だった。だが、俺なりの理由はちゃんとある。

 

 

 

"神崎に嫌な思いをさせたくない"からだ。

 

 

どうせうちのクラスのことだ。色々いじるのはもうわかっている。

 

 

そのせいで神崎が嫌な気持ちになったら俺は耐えられないから。

 

 

だから………距離を置いていた。

 

 

 

そう思いながらも、俺は話を聞いていた。

 

 

 

すると、神崎の目からは涙がでてきた。

 

 

 

 

 

 

「…………ごめん。言ってることを否定はしない……けど、一つ言わせて。

 

 

 

 

 

 

俺が神崎を好きにならないなんてことは絶対にない。いつだって神崎のことを見てるし、距離を置いたとしても好きだという気持ちは変わらない。それだけは…………誓える。たとえ何をされても、それは変わらないよ……だから………」

 

 

 

 

 

神栄は神崎を抱きしめ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「涙なんて……俺に見せないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………うん」

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

 

「ねぇあおくん」

 

 

 

 

「……ん?」

 

 

 

 

「また今度、デーとしようよ!」

 

 

 

 

 

 

「そうだな……今度はどこ行くんだ?」

 

 

 

 

 

「遊園地!」

 

 

 

「おう、じゃあまた決まったら連絡してよ。俺はいつでも暇だからさ」

 

 

「うん!!」

 

 

 

神崎は笑顔で答えた。

 

 

 

今更だけど、すげぇかわいいな………。

 

 

神栄はそう思いながらも口には出さなかった。

 

だってヘタレだもん(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄は神崎を家まで送り、1人で家まで帰った。

 

 

 

 

 

「………楽しみだなぁ………」

 

 





パズドラに見事ハマり、ログイン11日目ですでにランクが108です。

たくさんのフレンドさんのおかげで、チャレンジモードが楽しいです。普通にやるよりチャレンジモードの方が降臨勝てるんじゃねーの?って位です。


それで、フレンドの件なのですが、すごい高ランカーなら「あ、ID見て申請してくれたんだな」ってわかるんですけど、自分と近いランクだと、「あ、野良の人かな?」と勘違いしてフレンド拒否することがたまにあるんですよ。

なので、僕と近いランクの人は、なるべく「ヘタレ」とか、「神栄」的な名前をどこかに付けて貰って申請してくれると助かります。そうじゃないと消しちゃうかもしれないので……。

よろしくお願いします。

あと、僕は基本暇人なのでメールとかじゃんじゃんしていいですよ。遠慮とかはいらないです。


まぁ……ゲームの話はここまでにしといて、本編の話でもしましょうかね。


次回からはちゃんと原作進めていこうと思いますw

130話も行っててまだ学園祭してないのはちょっと遅すぎるかな……と思ったので、しばらくは原作やって来ますよ〜〜〜


そんなわけで次回、School festival!!!





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第130話 進路の時間


えー、この話書く直前になって原作読んだら、学園祭より先に進路の話でした。

すみません。









 

2学期も中盤に入って、一応中学3年生のE組の人たちは進路についてそろそろ考えなければならなくなってきた。

 

 

ある日、殺せんせーが一枚の紙を渡してきた。

 

 

 

「進路相談?」

 

 

「ええ、もし誰かが私を殺して地球が無事だとしたら、皆さんは卒業後の事を考えないといけません。まぁ……殺せないから多分無駄になりますがねぇ!」

 

 

殺せんせーは神栄の目の前で顔をしましま模様にし、明らかに挑発している。

 

 

普通にウザい。

 

 

 

「と、いうわけで、一人一人面談を行うので進路希望がかけた人から職員室に来てください。ああ、もちろん相談中の暗殺もありですよ」

 

 

 

それはもう暗殺じゃないと思うのたが………。まぁあえて言わないが。

 

 

 

 

「進路か……特に決めてなかったな」

 

 

 

神栄は『あなたの進路希望は?』と手書きで書かれた紙を見てうーん、と首を傾げた。

 

 

 

「とりあえず……高校行かなきゃな……」

 

 

神栄は進路希望の紙に文系高校と書いて職員室に行こうとした。

 

 

 

すると、渚が悩んでいたので、行ってみた。

 

 

 

「おい渚、どうしたんだよ」

 

 

 

「いや……僕進路とか全く決めてなくて……」

 

 

 

「お前書いてあるじゃん」

 

 

 

「え?」

 

 

紙には、

志望校→女子校

希望する職業→ナース

職業の第二志望→メイド

 

 

と書いてあった。

 

 

 

「まぁ……世の中そーゆー趣味持ってるやついるからな?仕方ないとは思うけどこう、堂々と書かれるとなんかこっちが恥ずかしくなってくるな」

 

 

「違うよ神栄君!僕書いてないから!」

 

 

「渚ちゃん、君には漢の仕事は似合わんよー?」

 

 

 

 

 

「中村さん……僕の進路を勝手に歪めないでよ……」

 

 

 

 

「渚、お前そーゆー趣味あるなら、タイかモロッコ行けよ」

 

 

「そーそー、渚君、卒業したら俺と行こうよ!」

 

 

カルマがタイとモロッコの旅行誌を渚に見せてきた。

 

 

「なんでカルマ君は僕からアレを取ろうとするの!?」

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

職員室内では、当然のように暗殺が行われている。

 

 

 

 

 

シュッ!シュッ!と空気の音が聞こえる、

 

 

 

殺せんせーはナイフでの攻撃を避けながら進路について丁寧に説明してくれている。

 

 

 

何人かが終わった後、神栄の番になった。

 

 

 

「俺か……」

 

 

 

 

「神栄君、君の進路は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……叔父の後を継ぐのが今のところ考えてることかな」

 

 

 

「社長、ですか?」

 

 

 

 

「まぁ、茜音次第ですよ。あいつがなりてぇって言ったのなら他のことでもやりますよ。道はいくらでもありますし」

 

 

 

 

 

「では、学校は?」

 

 

 

「文系高校ですかね。そこなら最難関の所でも余裕ですし」

 

 

 

「そうですか、なら大丈夫ですね」

 

 

 

 

「んじゃ……殺らせてくださいな」

 

 

 

 

「ヌルフフフ、皆さん懲りませんねぇ」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「……ダメだった」

 

 

 

 

「うん、知ってた」

 

 

 

みんな進路相談が終わっていろいろ話しているが、渚は1人、真剣に悩んでいる。

 

 

「渚ー、お前大丈夫か?」

 

 

「うん……なかなかわからないなぁ…」

 

 

 

 

 

 

「何よガキ共、進路相談やってるの?」

 

 

 

この声はビッチ先生か。また露出の激しい服装なんだろうなぁ、と思って見ると

 

 

 

 

 

 

 

「普通………だと!?」

 

 

 

言った通り普通だ。その辺の人が来てる服だ。

 

 

「一体あの人に何があったんだか知らねぇけど、どうした?」

 

 

 

「……あんた達に合わせてあげたのよ!庶民的な服で普通の人っぽくしただけよ!」

 

 

 

「別にいつも通りで良いと思うんだけどな……服で誤魔化したってビッチは所詮ビッチなんだから……」

 

 

 

「何よ!死にたいの!?」

 

 

「少なくともお前には殺されない」

 

 

 

「キー!やっぱカミサカはムカつくわ!」

 

 

 

「へーへーそーですか」

 

 

 

ビッチ先生は呆れたのか、どこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 

神栄がビッチ先生のすがたをみていふとあ、服にサイズシールが付いているのが見えた。

 

 

 

「安物慣れしてないのか?まぁそうか」

 

 

 

「どーする?そっと言おうか?」

 

 

 

杉野がビッチ先生の元へ行こうとすると、

 

 

 

 

 

 

「いや、僕が取るよ。進路の事も書いたし、そのついでにね」

 

 

 

「そ……そうか」

 

 

 

 

渚は立ち上がり、ビッチ先生に近づく。

 

 

 

渚がビッチ先生の後ろに来た瞬間。

 

 

 

 

 

ピッ…………!!!

 

 

 

と、気づかれずにシールをはがした。

 

 

 

 

「……………!?」

 

 

 

 

 

 

 

渚が職員室に着くと、殺せんせーが座っていた。

 

 

今更ながら、珍しい光景だった。

 

 

 

いつもはどこかへ飛んで行ったり、アダルティな本を熟読していたり、おかし食べてたりと、教師らしからぬ姿ばかりを見てきた。

 

 

 

流石に殺せんせーも人の進路にはちゃんと対応してくれるということなのか…?

 

 

 

 

 

「おや?君が最後ですね渚君。君の進路を聞かせてください」

 

 

 

 

渚は黙り込み、進路希望調査の紙を机に置いた。

 

 

 

 

そこには自分の名前以外何も書かれていない。

 

 

 

「渚君…?何も書いてないじゃないですか」

 

 

 

「殺せんせー……多分僕は……」

 

 

 

「……?」

 

 

 

 

 

 

「多分僕には、人を殺す才能があります。だから……僕の進む路を教えてください」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

「なんとなく、僕の中では他人の顔が明るく見えたり、暗く見えることがあるんです。明るい時は安全で、暗い時は危険。今まで深く考えて来なかった。けど、あの時「死神」に受けた一発の柏手で全身に電流が走って世界が変わりました」

 

 

 

「……………」

 

 

 

「死神が言った『意識の波長』僕が今まで感じていたのは多分それでした。だから……僕は「死神」と同じことが出来る気がするんです。大した長所がない僕は……殺し屋になるべきなのでしょうか?」

 

 

 

殺せんせーはゆっくりと口を開いた。

 

 

 

 

「君ほどの聡明な生徒だ、今の質問は殺し屋になるリスクや非常識も考慮した上だと思います」

 

 

「……はい」

 

 

 

 

「確かに君は暗殺の才能がある。そして勇気もある。そのことを疑うことはありません。でもね、君の「勇気」は「自棄」を含んでいる」

 

 

 

 

「………!!」

 

 

 

「君はどこか自分の安全などを軽く考えています。だから殺し屋という職業を進路の選択肢に入れられる。でも、考えてみてください。君がどうしてその才能を身につけたのか、をね?それでも殺し屋になりたいのなら、先生は全力でサポートします」

 

 

 

 

 

「………はい……」

 

 

 






ゴッドフェスというやつ、やりました。


光カーリー欲しさにやったら、サリア?って奴出ました。あと火のフェス限定の…カエデ?みたいな奴出ました。

想像以上に変なの出過ぎてやめようかとも思いました。


だから、今は東方人形劇に手を出してます。


そして某よさこいアニメの曲、
・ヨロコビ、シンクロニシティ
・コドクシグナル
・dream jump!
にハマりました。

ぜひ聞いてみてください。


そして、重大発表!




現在、同じ暗殺教室の小説を書いている方とのコラボ小説を制作中です。お楽しみに!

さぁ……誰でしょうかね?



次回、渚のママンが暴走。ヘタレも出番有り!?



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第131話 渚の時間

渚のママンのあのセリフの解読に約30分かかってしまった




 

「絶対に正体は明かすなよ!」

 

 

 

殺せんせーの電話から烏間先生の大声が聞こえた。

 

 

 

どうやら渚のママンが学校に来て、渚がE組から抜けると言うことを話しに来たらしい。

 

 

無論渚はE組を抜けたくないと言っているが、渚のママンは一度言い始めたら聞かないらしい。なんて横暴なママンだ。

 

 

で、本来面談には烏間先生が入る予定だったが現在出張中なので、殺せんせーにやってもらう事になった。

 

 

 

「てか……殺せんせーがやるんじゃなくてビッチ先生がやればいい気が…」

 

 

 

 

神栄がつぶやき程度に言うと、みんながそれに納得した。

 

「それが一番いいじゃん。神栄も『たまには』役立つね」

 

 

「ふざけんな。『いつも』だろ」

 

 

 

 

……ということでビッチ先生を呼んで、とりあえず模擬面談をやることにした。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「……担任として最も大切にしてることは何ですか?」

 

 

 

 

ママン役の片岡がそう言うと、

 

 

 

「そうですねぇ、あえて言うなら『一体感』ですわお母様」

 

 

 

 

中々良いこと言うじゃないか。

 

 

 

 

神栄が関心していると、片岡は続けて言う。

 

「うちの渚にはどういった教育方針を?」

 

 

 

「まず渚君にはキスで安易に舌を使わないよう指導しています」

 

 

 

 

……いや、何でだよ。そういう一体感じゃないだろ。

 

 

 

「まず唇の力を抜き、数度合わせているうちに相手の唇から緊張感消え、柔らかくなります」

 

 

 

 

もうこいつ止まんねぇな。早く止めろよみんな。

 

 

 

「……密着度が上がり、どっちがどっちの唇かもわからなくなったところで『一体感』を崩さないよう、そっと舌を忍ばせるのです」

 

 

 

これには片岡も耐えられず、エアガンをビッチ先生に突き付けようとしたが、渚に止められた。

 

 

 

「今まで見てきた中で最低の面談だぞこれ。訴えられても反論出来ねぇよ」

 

 

 

 

 

「いやいや……私が烏間先生になりきればいい話じゃないですか?」

 

 

 

ドア越しに殺せんせーの声が聞こえた。

 

 

影を見る限り、人間の形は一応している。

 

 

 

「なんだよ……せんせーも出来るじゃん」

 

 

 

 

 

 

ガララッ!とドアを開けると。

 

 

 

 

「よう、ワイや、烏間や」

 

 

 

 

 

 

 

「「………再現度ひっく!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

少しでも期待したのが馬鹿だった。

 

 

 

 

まず口、鼻、耳、顔のほぼ全てがモロ殺せんせーだ。

 

 

 

 

しかもソーセージのような気持ち悪い腕、足は1ミリも見えてない。

 

 

 

「似てなさすぎだろ!ふざけてんのかよ!」

 

 

 

「いや……でも眉間のシワとかそっくりやろ!」

 

 

 

「その似非関西弁やめーや」

 

 

「お前もだよ神栄」

 

 

 

 

 

「え、これって関西弁なん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなことより……!そのソーセージ腕は何なの!?」

 

 

 

「こ……これは烏間先生のガチムチ筋肉を再現したんや!」

 

 

 

 

 

 

 

「確実にナメてる、ふざけ過ぎだろ」

 

 

 

 

 

そして何やかんやあって………。

 

 

 

 

大体はサイズについてだった。

 

 

 

烏間は2メートルも身長が無いし、顔のサイズも全く違う。

 

 

なので、常識的なサイズ分だけ上に出し、残りは全て机の中に詰め込むことにした。

 

 

これで、似てるわけでは無いが烏間先生に近づいた。

 

 

後は菅谷が眉毛と耳と鼻を作り、準備完了。

 

 

 

渚は外に出てママンを待ち、残りも外には出てるが、教室近辺の窓に隠れていた。

 

 

 

しばらくすると、渚のママンはE組にやってきた。

 

 

 

 

「母さん……」

 

 

 

「言う通りにするのよ渚、母さんが挫折から救ってあげるから」

 

 

 

 

===========================

 

 

 

「ようこそ、渚君のお母さん」

 

 

 

 

 

全く首が見えてないが、まぁ何とかなる範囲だろう。

 

 

 

 

 

面談が始まって数分はなんかとある体操選手の話題とか、食べ物の話とかで盛り上がった。

 

 

 

しかし、本題に入ると渚のママンの態度が豹変する。

 

 

 

中の声はあまり聞こえなかったが、渚が髪をとめるために付けていたゴムを千切り、髪の毛に触れ、何かを呟いていた。

 

 

 

その時、殺せんせーは突然カツラを取り始めた。

 

 

 

そして、カツラを千切り、何かを言った。

 

 

 

 

それに怒ったのか、渚のママンは大声を上げて殺せんせーに言い放った。

 

 

 

その声は、窓越しからでも聞こえるほど大きかった。

 

 

 

「何なのアンタ!教師のくせに保護者になんて言い方なのよ、バカにすんじゃないわ!!はァ!?人の教育方針にケチつけれるほどアンタ偉いの!?こんな山奥にバカ共集めて教えるよーなバカ教師に説教されるほど堕ちちゃないわ!言っとくけど私アンタなんかよりずっと世の中のこと知ってるのよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっかね〜……めっちゃキレてる」

 

 

 

「渚!最近妙に逆らうと思ったらこのズラ教師に要らないこと吹き込まれてたのね!」

 

 

 

ダン!!と机に手を思い切り置き、カバンを持って挨拶もせずに去っていった。

 

 

 

「大丈夫かよ!渚」

 

 

 

みんなが教室に戻ると、殺せんせーもいつも通りに戻った。

 

 

 

 

 

だが、神栄とカルマは戻らなかった。

 

 

 

 

「なぁカルマ、この足跡なんだ?少なくとも俺らの靴じゃないよな…?」

 

 

「まぁ……ここに他人が来るってことはただ者じゃーないよねー」

 

 

 

 

 

 

 

「ああ……そうだな」

 

 

 

 

 




ラー×第6使徒があと少しで運極だぁあ!

そして、誰かダヴィンチ×第10使徒周回入れさせてー!w



そしてここからはお知らせです。

えー、来月の9日からかな?とある事情でロシアに行ってきます。
現在状勢的にとてもまずいのですが、どうしても外せない用事なので、行かざるを得なくなりました。

万が一……と言う場合もあるので、17日(僕がロシアから帰ってくる日)に必ず生存報告を活動報告に書きます。

それに伴い、ゲームのログインも無くなります。まぁロシアにWi-Fiがあれば生存報告も毎日書けますけどね。

Wi-Fiがあろうが無かろうが、17日には必ず生存報告はします。(本当最悪18日になるかもしれません)

もし、18日にも生存報告が無かった場合、私invisibleは亡くなったと思ってください。


………なんかすごく暗い。何とか明るくしないと!


次回、ヘタレとカルマの天才探偵団が足跡について探る!そして渚は……?


ややオリジナルを混ぜてやっていくつもりです。

絶対帰るから、待っててね


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第132話 前進の時間


久しぶりにこんな時間に起きてる。








 

 

「ねぇ碧君。私もそれに参加させてよ!」

 

 

 

「え……は?あぁ?」

 

 

 

突然出てきた茜音に神栄は驚く。

 

 

 

「んー、人は多いに越したことはないし、いいよ」

 

 

 

「おいカルマ勝手に決めんなよ」

 

 

 

「やったね!じゃあ探そっ!」

 

 

神栄は完全にやる気を失い、腕をだらんとしてネガティヴ少年みたいになった。

 

 

「今からやめてもいいかな………」

 

 

 

===========================

 

 

 

夜、3人は学校に行き、足跡の犯人を探すために隠れていた。

 

 

 

「…………いないねぇ」

 

 

 

「そう簡単に出るモンなのか……?」

 

 

 

 

すると、3人のいる方向とは逆の所から、足音が聞こえた。

 

 

そのあとに、光が見えた。

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

「え……何してんのあの人」

 

 

 

そこにいたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

渚の母だった。

 

 

 

 

渚の母は渚を地面に叩きつけ、起こそうとした。

 

 

 

 

そして、火がついた木をじっと見つめる。

 

 

 

「…………まさか、燃やす気か?」

 

 

 

「相当怒ってたもんな。でも、そんだけで学校燃やすアホいるか?」

 

 

「碧君……。人はね、誰かのために何かを起こす時、その行動がたとえ狂ってたとしても、それは正義だと思っちゃうの。だからあの人だけを責めることはできない」

 

 

 

「…………そんなの痛いほど理解してるわ。お前がいろいろやってくれたからな……」

 

 

 

 

「ねぇ、渚君起きたけど、なんかめっちゃ怒鳴ってるよ」

 

 

 

 

カルマが指差した所は、2人が言い争ってる場所だった。

 

 

 

「〜〜〜〜!!!」

 

 

 

「〜〜〜〜!」

 

 

 

必死に止めようとする渚を見ていて、彼らは気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「おい……お前らここで何してんだ?」

 

 

 

バッ!と後ろを見た瞬間。

 

 

 

 

殺気を感じた。

 

 

 

 

「いやぁ、ちょっと探し物があってね………」

 

 

「謎の足跡探してて、まさかとは思うけど、犯人あんた?」

 

 

 

 

「さぁな、そんなことより、お前らはこの場にはいらねぇ。とっとと死ぬか帰るか、どっちか決めな」

 

 

 

殺し屋らしき男は鞭のようなものを持っている。

 

 

 

こちらは何も武器を持っていない。普通に不利だ。

 

 

 

 

 

のだが………。

 

 

 

(………ん?)

 

 

神栄はポケットの中からある物を取り出した。

 

 

 

「なら………こうするさ」

 

 

 

 

カチャッ!

 

 

 

 

とエアガンを男に向けた。

 

 

 

 

「…………!?」

 

 

 

男は動揺している。

 

 

 

(まぁ、弾入ってないし、バレた時が一番重要だな……。後はこの天才(笑)達がやる事やってくれたら……可能性はあるよな)

 

 

 

 

「そんなので俺がビビるとでも?こっちは幾多の経験を積んできたんだ。日本で拳銃持ってるやつが強い訳ねぇ!撃つなら撃ってみやがれ『ヘタレ』野郎!」

 

 

 

 

 

ブチッ。

 

 

 

 

「今………なんか言ったか……?」

 

 

 

 

「だから………ヘタ」

 

 

 

 

「死ね」

 

 

 

神栄は全力で右ストレートを男の腹に打ち込んだ。

 

 

 

 

「ガハァッ……!」

 

 

 

あまりの威力に男は鞭を落としてしまった。

 

 

神栄はそれを拾いニヤッと微笑む。

 

 

 

「死ね」

(大事な事なので二回言いました)

 

 

 

 

 

バチィッ!!!

 

 

 

 

「うわぁあああああああ!!」

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

渚の母はくるりと振り向く。

 

 

 

 

「誰か……いるの!?」

 

 

 

 

(………あの髪……カルマ君と……神栄君!?)

 

 

 

渚もそっちを見ている。

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

「たまにここは不良のたまり場としてここを使ってるので、夜には来ない方が良いですよ」

 

 

 

「え……は?」

 

 

 

 

殺す間先生はカルマと神栄姉弟と殺し屋らしき男をまとめて縛った。

 

 

 

 

そして消化器で火のついた木を普通の木にさせた。

 

 

 

 

「………え?」

 

 

 

 

渚の母はキョトンとしている。

 

 

 

「………あ!!お前!自ら来てくれるとは好都合だなぁ!今すぐぶっ殺してやる!!!」

 

 

男は強引に縄を解き、目の前に置いてあった鞭を取り殺す間先生に近づいた。

 

 

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

 

 

渚が殺す間先生の間に入り猫騙しを決めた。

 

 

 

 

男は気絶し、再び縄で縛られた。

 

 

 

そして、渚の母も倒れた。

 

 

 

「母さん!!!!」

 

 

 

 

 

 

「大丈夫だろ。緊張が解けたかなんかで気ィ失ってるだけだ」

 

 

 

「というか……何で3人は捕まってるの?」

 

 

 

神栄「犯人探し」

カルマ「暇だったから」

茜音「碧君と一緒に居られるから」

 

 

 

 

「し、正直で結構です……」

 

 

 

 

 

「それはそうと!こんなに遅い時間にここにいるとはいけない人達ですねぇ。宿題2倍にしてやろか?」

 

 

 

「似非関西弁やめろよ殺す間先生」

 

 

 

「わかったから縄解いて。そして帰らせて」

 

 

 

「わかりました。では私は渚君のお母さんを連れて行くので」

 

 

 

「「「はーい」」」

 

 

 

 

===========================

 

 

 

次の日、渚の家にて。

 

 

 

 

 

 

 

「何なのこれ」

 

 

 

 

渚の母は目の前に出された食事を見ると不機嫌そうにそういった。

 

 

 

「これからは毎朝ちゃんとご飯作るから、お願い。E組にいさせて……」

 

 

 

 

 

「…………好きにしなさい。お母さん知らないからね」

 

 

 

 

「…………うん。ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

朝食も食べ終わり、学校へ行くとき、渚の家の下にはレ○○のおじさんにそっくりなせんせーが掃除をしていた。

 

 

 

渚は笑顔で殺せんせーにナイフを振り下ろした。

 

 

 

 

 

「僕、殺し屋以外の夢を探すよ!!」

 

 

 

「ヌルフフフ、頑張ってください」

 

 

 




この話の投稿前までに起こった出来事
・某6つ子アニメにハマりました。僕は数字松推しです。
・白猫始めました。以外と面白いですねw
・アンケートゴッドフェス引いたら何とびっくり、2体目の赤ソニア出ました。ふざけんな。




次はやっと文化祭ですね。どうせヘタレは何も出来な(ry


文化祭終わったらなんかオリジナルでも作りましょうかね。デートとかデートとかデートとか。


お知らせ、という名の募集

・今週からテスト期間に入るので、更新はほぼ無いです。
・僕に分詞と分詞構文を教えてください。マジで赤点取りそうです。

なんか僕は特例だか何だかで10教科中初日に受ける3教科しか受けないんですよね。(ロシア行くため)

なのでじっくり勉強できるのは良い事なのですが、英語が壊滅状態なのでやばいです。

暇な方、SNSとかででもよろしいので教えてください……


では次回、文化祭その1です。

感想、指摘、評価、質問待ってまーす


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第133話 学園祭の時間・準備

明日テストだー。

初日だけ受けてその後はロシアだー。




 

2学期。たくさんのことがあったなぁ、と今更ながら思う。

 

竹林が突然A組に行く、と言った時は驚いた。

 

そのあと、俺が色々やらかしたり、死神がやって来たり……と、思い出作りには充分すぎた。

 

 

 

 

そんな2学期の中でもこのイベントは一味違う。

 

 

 

『学園祭』

 

 

 

 

 

 

 

各クラス工夫を凝らした店を作り、お客さんを楽しませる学校の中でも1、2を争うイベントだ。

 

 

そんなイベントがこの椚ヶ丘中学校でもあるらしい。

 

 

 

学園祭まで1週間という今日、帰り際に本校舎に寄ると、たくさんの人が準備をしていた。

 

 

 

「…………張り切ってるねー」

 

 

 

本校舎組が何かの台を作ってるのを見ながら、神栄はそうぼやいた。

 

 

「うん、うちの学園祭はガチの商売合戦で有名なんだよ」

 

 

 

隣にいた渚が付け加えるように言うと、

 

 

 

「へぇ………。それに浅野が入ったらやばいじゃん。その辺の店より繁盛するだろ」

 

 

 

 

「そうだね………」

 

 

 

 

 

 

「なぁ、またE組の奴らなんかやるのかな?」

 

 

 

 

本校舎組の人がトンカチで釘を叩きながら隣にいた男子に話しかけていた。

 

 

 

「だなー、なんか今年は凄いよな。もしかしたらA組に勝っちゃうんじゃね?」

 

 

 

 

「いやー………今回は無理だろ。なんたってE組は山の上にあるんだぜ?あそこまで行く人なんかいやしねーよ」

 

 

 

 

「それもそうだな……ははは」

 

 

 

 

 

 

結局何が言いたかったのかよくわからなかったが、今回の学園祭では本校舎組はA組vsE組で盛り上がってるということだけはわかった。

 

 

 

 

こりゃー……クラスもやる気になってるであろう………。

 

 

 

===========================

 

 

次の日

 

 

 

「……って感じで、やたら本校舎の人たちが盛り上がってんだよ。どーする殺せんせー」

 

 

 

三村が事情を説明すると、殺せんせーは団子を顔中に突き刺したまま振り向いた。

 

 

 

「勝ちに行くしかないでしょう。この対決は1つの集大成になりそうですからねぇ」

 

 

 

 

「はぁ……集大成と」

 

 

 

 

「ええ、必ず勝機は見えてきます。今の皆さんならね………ヌルフフフ」

 

 

 

 

「あ、そういえば、聞くところによると浅野がな…………」

 

 

 

杉野がそれから言った事は、中学生ではほぼありえない事だった……。

 

 

◇◇◇

 

 

 

「スポンサー契約!?何してんだよあいつ!!」

 

 

 

「きっとアレだろ………あいつイベント系のやつやるだろ……。アイドルとか呼んでワーキャーしたり」

 

 

 

どうやらイベント系と店系では料金の限度が違うらしい。

 

 

イベント系だと600円まで、店系だと300円までと決められているらしい。

 

 

単純な利益だけならイベント系の方が高い。

 

 

この時神栄はうちのクラスもイベント系をやるのだろうと思った。

 

 

だが、何をするのか。

 

 

 

暗殺ショー?問題になって退学になるだけだ。

 

 

 

ビッチ先生のストリップ?そんな事やったらビッチ先生はクビだ。

 

 

学園祭でタメになる事を今までしてきた事はない。

 

 

だとしたら店系のをやるのか?たかが300円のためだけに、わざわざ山の上まで来るとは思えなかった。

 

 

 

神栄は勝負にならない。そう結論づけた。

 

 

 

しかし、その結論は殺せんせーの手によって覆されるのであった………。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「結局店系にするのか?殺せんせー」

 

 

神栄がそう問うと殺せんせーはすぐ答えた。

 

 

「ええ、そっちの方が『有利』ですから」

 

 

 

 

有利……?どこがだろう。

 

 

 

 

 

「……そうですねぇ。例えば『コレ』とかどうでしょうか」

 

 

触手の上にあったのはどんぐりだった。

 

 

 

「どんぐりって……何するつもりだよ」

 

 

 

 

「みんなで拾ってきてください。できるだけたくさんね」

 

 

 

 

 

 

 

1時間ずっと探すと、大量のどんぐりが袋につめられていた。

 

 

「それでは作業に移りましょう。まずどんぐりを水に漬けて浮いたものは捨てましょう」

 

 

 

 

 

 

言われた通りにすると、3分の1のどんぐりは浮いていた。

 

 

 

「次に殻を割って渋皮を除き、中身を荒めに砕きます。そしたらそのどんぐりを布袋に入れてアクを抜き、天日干しをしてから、さらに細かく砕けばどんぐり粉の完成です」

 

 

 

 

「そんなにやって……何すんだよ」

 

 

 

「それはもう、客を呼べる食べ物といえばラーメンです。これを使ってラーメンを作りましょう」

 

 

 

「「ラーメン…………だと!?」」

 

 

 

 

村松と神栄が反応すると、渚と杉野は神栄の腕を封じた。

 

 

 

「やめろ。お前が作ると死傷者がでる」

 

 

 

「何でだよ!俺も作りてぇよ!」

 

 

「絶対にダメ」

 

 

 

 

なぜみんなはそう言うんだ………。料理得意(特異)なのに。

 

 

 

「……と、このように麺の材料の大半が無料です。残ったお金でスープ作りができます」

 

 

 

「え……俺がいろいろ悩んでたら説明終わってるし!!」

 

 

 

 

「別に聞いてなくていいだろ。むしろ聞いてなくてありがたいわ」

 

 

 

 

 

岡島がそう言うと神栄は耐えられなくなったのか、ついに怒った。

 

 

 

「うるせぇうるせぇうるせぇうるせぇ!だったらやらねーよ!学園祭なんて知るか!勝手にやってやがれクソが!」

 

 

 

 

 

「待ってください神栄君。君にもやってもらいたい事があります」

 

 

 

殺せんせーが神栄を止めると、紙を大量に渡してきた。

 

 

「何だよこれ」

 

 

 

 

「ビラですよ。まだ白紙ですけど、完成したら本校舎で配ってください。いいですね?」

 

 

 

「要するに雑用、という事か」

 

 

 

「正解です」

 

 

殺せんせーの顔が赤くなった。正解、という事か。ふざけんな。

 

 

 

 

神栄は呆れて教室に戻ると、烏間先生が何かを書いていた。

 

「どうした?学園祭の準備はしないのか?」

 

 

 

「雑用を任されてて、仕事がまだ無いんですよ」

 

 

 

「そうか。今更だが、君は以前とある薬を貰ったそうだな」

 

 

 

突然の事に、神栄は驚きを隠せなかった。

 

 

 

誰にも行ったつもりは無いのだが……何故烏間先生は知っているのだ?

 

 

 

「え……まぁ、ありますよ」

 

 

 

 

「副作用はあるのか?」

 

 

 

「30分間の気絶、その後起きた後しばらくの間は物を持つ事が出来ないそうです」

 

 

 

「そうか………ならいい。気をつけるんだぞ」

 

 

 

「あ、はい」

 

 

 

よくわからないまま会話が終わった。

 

 

 

 

「それとだ………君は茜音さんとカルマ君と一緒に深夜学校に行き、殺し屋と遭遇したそうだな………!」

 

 

 

 

「え!?あぁ、それはその………」

 

 

 

「何故そんな危ない事をする!殺られたらどうするんだ!!!」

 

 

 

 

「ご……ごめんなさいーー!!!」

 

 

 

 

あぁ、そうか……。

 

 

烏間先生は俺のことを心配していたんだろう。

 

 

 

「神栄君!君はいつもいつも………!!」

 

 

 

「ぎゃぁああああああぁぁ!!」

 

 

 

 

その後、みんなが帰ってくるまで神栄は説教をされていたのである……。

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

 

そんなこんなで1週間が経ち、ついに椚ヶ丘中学校の学園祭が始まった。

 

 

 

神栄は………本校舎に着くと絶望していた。

 

 

 

 

「なんでだ………?本来こんなになるとは思わないんだが………?」

 

 

 

 

 




最近オリジナルの小説を書いてるのですが、全然できません。

出来たのはタイトルだけです。

出来たらここに載せるつもりですが、途中でやめるかもしれないですね。


あ、タイトルは
『姉は弟にゾッコンの様です』です。

まーた姉弟モノかよ。と思った方。


そうだよ!そーゆーのしか書けなくて悪かったな!


次回、雑用の神栄、略して雑栄は何人集められるのか。


最後に、
これ終わったらオリジナルストーリーやると言ったな?あれは嘘だ。
(文化祭→テスト→理事長の話→茅野暴走→せんせーの過去……と、これらの間にほのぼの回が入る隙がなかったからです。すいません。しばらくは原作に沿ってやります)



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第134話 学園祭の時間・当日


この話を書くにあたって、前話の最後の方を少し修正させてもらいました。申し訳ありませんが、前話の最後の方を見てから、この話を見てもらうと助かります。


ヤンデレって怖いね


 

 

 

………どうしてこうなったのか。

 

 

 

 

学園祭当日、いつもより早めに登校した所までは普通だった。

 

 

 

が、学校に来たら突然拘束され、目隠しをされた後、シュー!とスプレーを使ってるような音がした。

 

 

そして目隠しが取れると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪の毛が染められていた。

 

 

 

「なんっじゃこりゃぁああ!?」

 

 

 

 

「雑栄にはA組の偵察をしてきてほしい。まぁ一応イトナのマシーンでも偵察はするけど、それ以外でテキトーにフラフラしててくれ」

 

 

 

それって要らない子扱いをされたってことでいいんですよね?

 

 

やったね碧君!除け者扱いされたよ!

 

 

 

いや、ふざけんなよ。

 

 

 

 

そのあと、必死の抵抗を続けたのだが、全て拒否された。

 

 

 

結果からして、

 

 

『お前マジで料理下手だし、雑だからここには要らねえ、偵察がてらA組に行ってろ』

 

 

 

ということだった。ふざけんなよ。

 

 

 

 

 

 

 

あとはサングラスとマスクを着けられて準備完了。

 

 

 

どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

同じクラスの人もいないので、

 

 

「ねぇねぇ、このE組ってクラスのどんぐりラーメン美味そうじゃない?ちょっと遠いけど運動がてらに行こうよ!」

 

 

などの演技ができないため、雑栄は完全にぼっちになってしまった。

 

 

しかも青髪、チャラいぼっちである。いや、意味わかんねーよ。

 

 

 

 

周りをキョロキョロとしていると、若い女子高生の集団がやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……でさー、このA組の奴凄いの!いろんな芸人とかアイドルとかいっぱいいたんだよ!HTR47とかと握手しちゃったんだよ!凄くね!?」

 

 

 

……どうやらA組の方が一歩リードしているらしい。

 

 

 

「………ねぇ、あの人カッコ良くない!?」

 

 

 

突然女子高生の集団はひそひそ話し始め、こちらをチラチラ見ている。

 

 

 

「そこのお兄さーん。私達と一緒に回りませんかー?」

 

 

1人の茶髪の女子が話しかけてきた。

 

 

 

顔面偏差値45、といった所だろう。

(ちなみに神崎は120)

 

 

 

 

 

ここで雑栄は

 

『マジー!?いくいく〜!』

 

 

と言ったクソみたいなノリを抑え、あえて冷静キャラで行った。

 

 

「………どこ行くんですか?」

 

 

 

 

 

「Cパラってゆー、中学の3年C組の縁日的な奴だよー?」

 

 

 

 

 

 

「………俺、E組のどんぐりラーメンって奴行きたいんだけど……いいかな?」

 

 

 

 

雑栄のイケメソスマイル(爆笑)に惚れたのか、女子高生は

 

 

「うん!そっち行こう!」

 

 

 

 

と言い山の方へ向かった。

 

 

 

 

 

チョロい。チョロいぞ女子高生。中学生の俺にやられるなんてオレオレ詐欺に引っかかる婆さんくらいヤバイぞ。

 

 

 

まぁいいか、良い金ヅルだし(嘲笑)

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

金ヅル女………もとい女子高生をE組まで連れて行くと女子高生らはクタクタになっていた。

 

 

 

「はぁ………はぁ………こんな所にあるの?ヤバくね?」

 

 

 

「それな、これで美味しく無かったらツミッターで拡散してやろ」

 

 

 

「それな」

 

 

 

それな使いすぎだろ最近の女子高生。そのうち、

 

 

『それな?』

 

『んー、それなー?』

 

『あー、それなそれな』

 

 

みたいに、「それな」だけで会話してきそう。

 

 

 

「やっと着いたし、早く行こうか」

 

 

 

雑栄がレデーファーストのように女子高生らを先に席に座らせた。

 

 

「俺はちょっとトイレ行ってくるから、先に注文してていいよー」

 

 

 

 

「「「はーい」」」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「お疲れ」

 

教室に着くと、磯貝が肩を叩いてくれた。

 

 

 

 

「まじつらい、なんなのあの女子高生、マジやばたんとか使いまくってて気持ち悪かった」

 

 

 

「まぁまぁ、一応お客さんなんだし、しっかりもてなせよ?」

 

 

「いい金ヅルになることを祈るだけだわ」

 

 

 

 

「クソ野郎じゃないか、お前」

 

 

 

 

「勝利の為さ、俺は手段なんか選ばねー」

 

 

 

話すことを話すと、磯貝はラーメン作りに行ってしまった。

 

 

 

 

 

「俺も行くか……」

 

 

 

 

雑栄が戻ると、女子高生たちはすでに食事をしていた。

 

 

 

「美味っ!なにこれ神じゃん!ツミッターにツミートしないと!これはマジ神!」

 

 

 

「へー、美味しいんだ。俺も頼も」

 

 

 

 

 

「ご注文を承ります」

 

 

 

 

 

「あぁ、お願いま……!?!?」

 

 

 

目の前にはメイド服(のようなもの)を着ている神崎がいた。

 

 

 

「え………あ、その……えーっと……どんぐり……ラーメン…く……ださ……い」

 

 

ガチガチに固まってしまい、ちゃんと喋れていない。

 

 

「はい。では確認させていただきます。

 

『浮気性の人に試したい超激辛ドリンク』をおひとつ」

 

 

「え」

 

 

「『どんぐりラーメン〜ハバネロソース入り〜』をおひとつ」

 

 

「ちょっと待ってください!?」

 

 

「以上で………よろしいですか?♡」

 

 

「よろしくありません!少しお時間いいですか!?」

 

 

 

雑栄は神崎の腕を握ってE組の中へと入っていった。

 

 

 

===========================

 

 

「あれは誤解です!俺はあいつらを連れてきただけなんです!信じてください!!」

 

 

「それにしてはやけに笑顔……」

 

 

 

「演技!演技です!あんな顔面偏差値45以下の女と、顔面偏差値測定不能(いい意味で)に値する神崎を一緒にするわけねーだろ!」

 

 

「そっか……。そうだよね……そうだよね………」

 

 

 

「うん、そうです……ごめんなさい」

 

 

 

 

「わかった。今度から気をつけてね?」

 

 

 

「はい……」

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

本当に怖かった。死ぬかと思った。

 

 

 

「あ!おかえり〜どうしたの?」

 

 

 

 

女子高生(以下JKって書きます)はすでに食べ終わっており、ケータイをいじりながら話しかけてきた。

 

 

 

「あぁ、色々ね」

 

 

 

 

…………。

 

 

……。

 

 

…。

 

 

 

 

少しの間沈黙が続いた。

 

 

皆ツミッターでも開いて拡散しているのだろう。良いことだ。

 

 

 

 

 

すると、雑栄用のどんぐりラーメンが来た。

 

 

 

持ってきたのは神崎ではなく、磯貝だった。

 

 

 

「お待たせしました。どんぐりラーメンでございます」

 

 

 

 

「………んん?」

 

 

なんか、違う。

 

 

 

 

それは匂いとか味とかではなく、サイズ

 

 

 

JK共のサイズより、こっちの方が小さい。

 

 

どのくらいかというと、JK共が2Lのコーラだとすると、こっちは500mLのコーラだ。

 

 

明らかに小さい。

 

 

 

「こりゃどーゆーことだ磯貝」

 

 

「お前は客でもクラスの人間だからいいだろ、って片岡が」

 

 

 

「もういいよ……僕はいじめられてんだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタッ!

 

 

 

突然JK共が机を叩く。

 

 

 

「何この人!チョーイケメンじゃん!!」

 

 

 

 

「え!?俺!?」

 

 

 

 

 

JK共は椅子から立ち上がると見たことないようなスピードで磯貝の元へ走った。

 

と言っても1mもないが。

 

 

 

その間、雑栄は1人のJKにはっ倒された。

 

 

 

 

 

 

結局……金ヅルを集めるのは磯貝だったというわけか……なんか悔しい。

 

 

 

 

 





はい。帰ってきました。invisibleです。

時差ボケのせいで最近朝の4時就寝が多いです。

最近多くの本を買いまして、それを消化する作業が大変です。

買った本
・妹さえいればいい。 全巻
・掟上今日子の備忘録とその2巻目を除く全て
・新約、とある魔術の禁書目録 10巻まで(中古)


これらを参考にして小説書ければ最高ですねw


次回、学園祭編完結出来ればいいと思ってます。


茜音がE組来ても空気なのは学校に来てる回数がすげぇ少ないからです。


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第135話 学園祭の時間・当日その2


そろそろ新キャラを作れと言われた気がする。





 

 

 

金ヅル……もといJKは磯貝に持ってかれたので、雑栄は再び本校舎に戻ろうとした。

 

 

 

すると、男の集団の中の1人にぶつかった。

 

 

 

「いってねぇなコラァ!てめぇ……!?」

 

 

 

「あ、お前あの時(修学旅行)のヤンキーじゃねーか。元気しとったか?」

 

 

 

 

「ケッ!お前らんところのセンコーのせいで痛い目見たから、仕返ししてやろうと思ってんだ。元気ないわけねーだろ」

 

 

 

「素晴らしい説明ありがとう。でも、そんなの無理だと思うぜ。ほら」

 

 

 

 

 

「なんだと?」

 

 

 

雑栄は今の光景をリュウキらに見せた。

 

 

 

 

 

 

男1人に集まってるビッチで金ヅルなJK………は置いといて、席は結構埋まっていて、みんなが美味しい美味しいとつぶやいているのが見える。

 

 

 

「まぁざっとこんなもんだ。店員(じゃないけど)側としては、いい金ヅ………いや、長い時間ここで食べてもらいてぇから、頑張れや」

 

 

 

「止めねぇのかヨ」

 

 

 

「止めない。食わなかったらお前ら後悔するから」

 

 

 

 

 

 

 

そう言って雑栄は本校舎へと向かった。

 

 

 

「ケッ!なんだあいつ。気持ちわりーな」

 

 

 

 

 

……我ながらかっこいい事言った気がするぜ……ふふ。

 

 

===========================

 

 

 

本校舎に戻ると、出店の人気が落ちてきているのか、外にいる生徒はボケーっとしている。

 

 

 

 

「A組の無料で食えるライブ、E組の美味しいラーメン。それで腹がいっぱいになった人で溢れかえってるから、飲食店は売れねぇってことか。俺も帰ろうかな……」

 

 

 

本校舎に来て1分、雑栄は再びE組に戻った。

 

 

E組前の階段を上ると、制服を着た集団がこちらを見ているにもかかわらず、退く気配もなく駆け下りてきた。

 

 

「………こいつら……」

 

 

 

下りてきたのは、リュウキ達だった。

 

 

 

「あははははは!!」

 

 

 

 

気持ち悪い位笑いながら降りていく姿は、変態そのものだった。

 

 

 

E組に着いて事情を聞いたら、どうやらビッチ先生に惚れたらしい。

 

 

 

雑栄の予言通り、リュウキ達は良い金ヅルとなった。

 

 

 

「ほら、長い時間食べるハメになったろ?」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

文化祭が始まり数時間が過ぎて、現在12時となった。

 

 

昼時だが、客足は伸びていない。

 

 

 

雑栄的には仕事が無いから寝ようと思った時、

 

 

 

 

「おーい!来てやったぞー!」

 

 

 

 

 

「あ、あんたらは……」

 

 

 

 

おじいさん、子供、子供、子供、子供、子供、子供。

 

 

 

 

わかばパークの子供達と園長が来た。

 

 

「あ!ヘタレだ!髪型気持ち悪〜い」

 

 

 

 

「うるせぇ黙れ。こっちだってやりたくてやってるんじゃねーんだよ」

 

 

 

 

雑栄は若干キレ気味で園児にそう言うと、杉野に呼ばれた。

 

 

「なんですかね。これから寝るところだったんですが」

 

 

「ふざけんな。はい、エプロン」

 

 

 

 

 

 

 

「フッ、ついに俺が料理するのか、客足は好調間違いなしだぜ」

 

 

 

 

「は?何言ってんの?お前は食事を席まで届ける仕事だよ。いくら能無しでもそのくらいは行けるだろうって片岡が。それにお前が料理したら事件になりかねない。人気ガタ落ちどころか、閉店しちまう」

 

 

 

 

 

 

「納得いかねぇな……。それと、あのくそばb……片岡さんに言われたならしょーがねぇですね。やります。やりますから背後で止まってるのやめてくださいお願いしますマジで」

 

 

 

 

「わかればいいわ。ほら、ちゃっちゃとやって」

 

 

 

 

(覚えてやがれクソ学級委員……!)

 

 

 

 

ざつさかはついに"しごと"をてにいれた!

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

それから、料理を運び、渡し、運び、渡しを繰り返していると、たくさんの人が来た。

 

 

 

例の普久間島のホテルで出会ったユウタ……ユウ……カ…?

 

 

まぁ、ユウなんとか君に会って渚が女装するハメになったり。

 

 

 

My grandfatherとMy grandmotherの黒紀じーちゃんと紫乃ばーちゃんが来てくれたり。

 

 

 

神崎のお母さんに会っていじられたりした。

(なお、クラスの人たちには見られてない模様)

 

 

 

 

 

本当、色々あった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、いつも通り登校すると、長蛇の列が見えた。

 

 

 

「なんだこれ」

 

 

 

 

『コレです』

 

 

 

どこから声がするなと思ったらケータイからだった。

 

 

「ああ、律か。……って、こいつグルメブロガーだったのかよ!」

 

 

 

『幼少期から美味しいものを食べていたおかげで、舌の確かさは折り紙付きの様です。お金に任せた食べ歩きは信頼性が高いとのコメントが』

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。それで人気になったと」

 

 

 

 

 

「ほらほら!みんな準備して!お客さん待たせちゃダメでしょー!」

 

 

 

そう言われて雑栄は教室に行き、エプロンに着替えトレーを持ってメニューが来るのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、学園祭2日目が始まった

 

 

 

 

 

始まった途端、人の波がE組に押し寄せた。

 

 

 

「ほら!神栄!コレ運んで!」

 

 

「へい!」

 

「神栄!コレもー!」

 

「へへい!」

 

「コレもー!」

 

「へへへい!」

 

 

 

 

 

「神栄!レジお願い!」

 

 

 

「へへ…って、なんでもやると思ったら大間違いだぞお前ら」

 

 

 

 

 

 

たくさん人が来るのは嬉しいことだが、仕事が増えるのはごめんだ。

 

 

 

 

どんどんと人が来ては接客、食事を渡す、お金をもらう、を繰り返し、数時間が経過した。

 

 

 

 

ここでついにラーメンの在庫が無くなってきた。

 

 

 

看板メニューが無くなっては何もできないと思う神栄は、殺せんせーに問いかける。

 

 

 

「うーむ、そうですね。ここらで打ち止めにしましょう」

 

 

 

 

それは最高の選択だった。

 

 

 

もしここで続けてしまえば山の生態系に影響が出る。

 

 

それは殺せんせーも同じ考えだった。

 

 

「この学園祭で実感したでしょう。君たちがどれほどの縁に恵まれていたことを」

 

 

 

「……だな」

 

 

 

「やるからには勝ちたかったけど、しゃーないよな」

 

 

 

 

 

「それでは、店じまいです。みなさん、最後まで手を抜かずやりましょう!」

 

 

 

 

 

==========================

 

 

 

 

 

 

時間が経ち本校舎では、学園祭の総合成績が張り出されていた。

 

 

 

1位は中学3年A組で、我らE組は3位だった。

 

 

この結果を見た生徒はE組はさほど悪いところではないのではないか、と思い始めてきた。

 

 

 

 

そこに、理事長が通ってきた。

 

 

 

彼はゆっくり歩いて、微笑んだ。

 

 

 

 

理事長は理事長室に入り、浅野たちを呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





本編です。中途半端なところで止めました。


この小説を書き始めて9ヶ月位経って、いろんな人に読んでもらって今では総合評価が700行って作者としては嬉しい限りです。


たくさんの方から感想をもらう際、2つほど気になることがありました

「みんな、性別どっちなんだろ?」と、「みんな、何歳なんだ?」です。


正直、深夜に投稿して深夜に感想送って来てくれる人は学生だと思うんです。

基本感想を書かないでちょくちょく感想書いてくれる人は大人かな?と思うんです。

作者の勝手な偏見ですがね。


そんなわけで、みなさん、性別と年齢、言えたら教えてください!今後の参考にしますので!


ちなみに私invisibleは16歳の男です。


次回テストまで行ければベスト、最悪テスト開始前までの予定です!

感想、評価、世間話、お待ちしてます!




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第136話 本心の時間

テストまで行かないなぁこれ……。


「君は、害する努力を怠ったんだ」

 

 

 

 

理事長の口からとんでもない言葉が出てきた。

 

 

 

理事長の目の前には五英傑が立っている。

 

 

浅野以外のメンバーは驚きを隠せていない。

 

 

 

だが、浅野は理事長に話をする。

 

 

 

「弱い相手に勝ったところで強者になることはない。これが僕の結論だ。それはあなたの教える道とは違うものです」

 

 

 

 

「ほう、では浅野君。3分ほど席を外してくれないか。友達の4人と話がしたい」

 

 

 

 

 

突然理事長は浅野を追い出し、3分ほど話していた。

 

 

 

内容は浅野には全く聞こえず、ただじっと待つしか出来なかった。

 

 

 

 

そろそろ3分だと思い理事長室に入ろうとすると、タイミングよくドアが開いた。

 

 

「蓮!瀬尾!大丈夫……!?」

 

 

 

 

 

「「「「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」」」」

 

 

 

4人はただ、その一言を言い続けている。

 

 

目の色を変え、殺意をむき出しにしているその姿は、人間とはかけ離れたものだった。

 

 

 

「理事長!一体みんなに何を!?」

 

 

 

 

 

「……ちょっと憎悪を煽ってあげただけさ、君の言ってる事なんて二言三言囁けば壊れるわ。私の教える強さはそんな脆いものじゃない。もういい……私が出るとしようか………」

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

一方E組では、

 

 

 

 

「さて、この1年の集大成、次は『学』の決戦です。トップを取る用意は出来てますか?カルマ君、神栄君」

 

 

 

 

「さぁね。バカだから難しいことわかんないや」

 

 

「さーな。まぁ行けるけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうですか……では少し話を」

 

 

 

殺せんせーがそう言うと、頭に50の数字を出した。

 

 

 

「1学期の中間で先生は全員50位以内という目標を掲げました。あの時はダメでしたが、今回は行けます。全員が50位以内に入り、本校舎復帰の権利を獲得し、堂々とE組として卒業出来るように私も努力するので、ね」

 

 

 

 

「あ!そういえばA組の担任が変わったらしいぜ……担任はまぁ…なんとなく想像つくだろ」

 

 

 

確かに、ここまでくればなんとなく想像つく。

 

 

 

 

「理事長、か」

 

 

 

「ああ、あの人だよ。あんな人の授業受けたら誰も逆らえないよな…」

 

 

 

「確かに。寝てたら殺されそう」

 

 

 

 

 

「授業は寝るもんじゃないよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

授業が終わり、帰る時は必ず本校舎を通る。

 

 

いつものように帰ろうとすると、意外な人物が待っていた。

 

 

 

 

「浅野……?」

 

 

 

「………」

 

神栄は浅野の動きを見逃さなかった

 

 

浅野の拳からは震えが見えた。

 

 

 

余程言いたくないことなのだろう。

 

 

 

 

 

「こんなことは言いたくないが……君たちに依頼がある」

 

 

 

 

 

「………?」

 

 

 

 

 

「あの怪物を君たちに殺してほしいんだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺すって……物理的に?」

 

 

 

神栄はわかっていながらも浅野に言う。

 

 

 

「そんなわけがないだろう。殺してほしいのは理事長の教育方針だ」

 

 

 

 

「………なるほど、今のA組は全員50位以内に入ることを目標にしてる。だからそれを阻止するために俺らが50位以内を独占する。そうすれば理事長の教育方針を壊すことができる。って事かな?」

 

 

 

 

「ほぼ正解だ。無論僕が1位になり、その下がE組になるのだがな。そうすればあの人の教育は壊せる」

 

 

 

 

さらりと1位宣言をした浅野に、神栄は再び問いかける。

 

 

「………で、いつもと違うよな。特にお前らの担任が」

 

 

 

 

「ああ、今のA組は地獄だ。E組への憎悪を支えにして勉強し、勝ったとしても、彼らはこの先それしか出来なくなってしまう……だから、どうか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

浅野は頭を下げ、

 

 

「どうか………正しい敗北を僕の仲間と父親に……教えてあげてくれ」

 

 

 

 

 

意外だった。

 

 

 

プライドの塊の浅野が頭を下げている。そのこともそうだが、仲間を思っていることが一番意外だった。

 

 

 

てっきり捨て駒のようにしてるかと思ったのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

「は?他人の心配してる場合?1位になんの君じゃなくて俺なんだけど」

 

 

 

 

浅野の目の前で舌を出し挑発するカルマ。まだ手を止めない。

 

「1位は俺、その下もみんなE組。浅野クンは10位くらいがいいところじゃん?」

 

 

 

 

「くっ……!」

 

 

 

 

なぜか浅野が押されている。頑張れ浅野。

 

 

 

 

「余計なこと……考えねーで、殺す気で来なよ。そうじゃないと俺も楽しくないし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

浅野はニヤリと笑い、カルマに背を向ける。

 

 

 

「面白い。なら僕も本気でやるさ」

 

 

 

 

「そーそー。その意気その意気」

 

 

 

 

「お前もだ神栄。本気で来い」

 

 

 

 

「本気?あぁ、そうだな。出せるほどの力がお前にあったらな」

 

 

 

 

 

 

 

「くっ……どこまでもウザい奴だなお前は…!!」

 

 

 

 

「よく言われる」

 

 

 

 

 

浅野がいなくなると、みんなはバラバラの道へ行った。

 

 

 

今は『たまたま』神崎と、他、杉野と茅野が帰っている。

 

 

 

「神栄、行けんのか?」

 

 

 

「さーね。数学と理科頑張れば可能性はあるよな」

 

 

 

 

「そーゆー問題かよ……あ、俺こっちだから、じゃーな」

 

 

 

杉野がいなくなると、同じように茅野もいなくなった。

 

 

 

現在いるのは神崎と神栄だけだ。

 

 

 

「碧くん。本当に大丈夫なの?」

 

 

 

 

「なんとかなるさ、多分……」

 

 

 

 

「……そうだ。いまから私の家に来て苦手な教科一緒に勉強しようよ!」

 

 

 

 

「え、ちょっと待ってどうしてそうなった」

 

 

 

「今日は金曜日で、月曜は祝日だから3日間もお泊りしながら勉強出来るよ!」

 

 

 

「お泊り…ですか」

 

 

 

「うん!!」

 

 

なんという素晴らしい笑顔。

 

 

 

神栄は言われるがまま神崎の家に連れてかれたのである……。

 

 

 




はい。というわけでこっからオリジナル!そしてお泊りデート!最高ですね。

これ書きながら暗殺教室 囲い込みの時間のキャラメダル一覧を見てたんですが、神崎さん可愛すぎやしませんか?

くすぐられてる(?)あの顔!
そして水着姿の神崎さん!
笑顔でスナイパーライフル持ってる神崎さん!
ナース姿の神崎さん!!!

最高!!!即保存しましたよ!

あとは矢田さんの画像を少々。

個人的には神崎さんは『美しい』
矢田さんは『可愛い』と思ってるので、暗殺教室の中で一番好きなキャラは?と言われるとこの2人!と答えます。

美しいと可愛いは違うんですよ。

そんなわけで次回、お勉強という名のいちゃいちゃ

最近、お気に入り増えて嬉しいです。そのまま評価もバシッと決めてくれると更に嬉しいです。


お気に入りが増えることと評価されることが僕の作品が続く唯一の方法です。


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第137話 テスト勉強の時間


あけましておめでとうございます(今更)

今年もよろしくお願いします(今更)


今回は作者もお勉強しました、難しかったです。結局解けずに答えを見てましたアハハ




 

 

「はい、まずは数学やろ!碧くん!」

 

 

 

 

神崎は目の前に数学の教材を起き、神栄の隣に座り、神栄に寄っかかった。

 

 

 

「そ、そうですね……」

 

 

 

この状態で勉強なんか出来ない……!

 

 

だが、一応やらなければならないのでノートを出して教材を見る。

 

 

 

二次関数、二次不等式、平方根、図形、集合、どれも見ても何がなんだがさっぱりである。

 

 

「ったく、これは何が言いてえんだ!」

 

 

神栄はこの問題に苦戦していた。

 

 

 

 

 

 

 

長さ12cmの針金を折り曲げて長方形を作る。そのうち1つの辺の長さをx(cm)とし、出来上がった長方形の面積をy(cm²)としたとき、yが最大となるときの値と、そのときのxの値を求めなさい。

 

 

 

 

 

「yが最大……?xの値……?」

 

 

 

「あ、これ分かるよ!」

 

 

 

すると神崎は、自分のノートにグラフを書きながら話し始めた。

 

 

 

 

「仮に、もう1辺の長さをz(cm)としたとき、長方形の辺の長さの合計が12cmじゃない?」

 

 

「まぁ、長さは変わらないよな」

 

 

 

 

「よって2x+2z=12

x+z=6

z=6−x

と表すことができる所まではわかる?」

 

 

 

「ギリギリ……わかります」

 

 

 

 

 

 

 

「このことから長方形の面積yは

y=x×(6−x)=−x²+6x

そして長方形の辺の長さは必ず0より大きいから

・x>0

・6−x>0

まとめて、"0<x<6"になるの!」

 

 

 

驚くほど丁寧に説明してくれる神崎の声を聞きながら、神栄はノートに言われたことを書いている。

 

 

 

 

 

 

「"y=−x²+6x"という式が立てられたから、あとは"0<x<6"の範囲で、この式の最大値がどうなるのかを求めればいいの。

"y=−x²+6x"を平方完成すると"y=−(x−3)²+9"になるの」

 

 

 

そう言うと神崎は自分のノートを神栄に見せる。

 

 

 

ノートにはグラフが書かれている。

 

流石女子、字が上手いし放物線も綺麗だ。

 

 

 

「グラフより、x=3のときにyの値は最大になって、その値が9であることがわかるでしょ?よって答えは最大値が9(x=3)になる。わかった?」

 

 

 

 

「お…おぉ、すげぇわかる」

 

 

 

 

 

「フフフ、これでもちゃんと勉強してるんだよ!」

 

 

 

この後一通り勉強し、数学は何とか理解した。

 

 

 

次は理科、これはもう暗記とかよく言うが複雑な言葉が多くて暗記できない。

 

 

 

 

今は摩擦力のところをやっているのだが、解き始めて数秒で答えを見た。

 

 

しかし、その答えを見てもどうしてその答えになるのかがわからなかった。

 

 

 

 

「だああぁぁ!何なんだよこれは!どうしてこうなった」

 

 

 

 

「今度は何?碧くん」

 

 

 

「これです…」

 

 

 

 

 

図のように、粗い水面上で、物体に力を加えて一定の速さ10[m/s]で引いた。

物体を受ける動摩擦力は4.0[N]であったとして、次の各問に答えよ。

(1)物体に加えた力の大きさを求めよ。

(2)加えた力がする仕事の仕事率を求めよ。

(3)物体が、10[m/s]とは異なる一定の速さで運動しており、このとき、

(1)と同じ大きさの力がする仕事の仕事率が60[W]であった。

物体の速さはいくらか。

 

 

 

 

「答えはわかるんだよ。

(1)4.0N

(2)40W

(3)15m/s

これなんだが、どうしてこうなるかがわからない」

 

 

 

 

 

「ふむふむなるほどねー……」

 

 

 

少しの間神崎は考え、ノートに解答らしき物を書いている。

 

 

 

 

「……どうだ?わかったか?」

 

 

「もう!碧くんも解いてよ!」

 

 

 

 

 

むすっとして神崎は怒る。超可愛い。

 

 

 

頑張って解いてはいるが、解けない。

 

 

 

「んーっと……(1)は一定の速さ=加速度が0だから、物体にはたらく力はつりあってるんだよ。左向きの動摩擦力が4.0[N]だから、加えた力は右向きに 4.0[N] になるの。答えは4.0N!」

 

 

「おぉ!すげぇ」

 

 

 

「(2)は仕事率=1秒間にする仕事=力×1秒間に移動する距離=4.0×10=40[W]

よって答えは40W!」

 

 

 

「おぉ!」

 

 

 

「(3)は(1)と同じ大きさの力がする仕事の仕事率が60[W]になって、

4.0[N] の力のする仕事率が60[W]

4.0[N] の力が1秒間にする仕事が 60[J]

そして4.0×1秒間に移動する距離=60

そっから、1秒間に移動する距離=60/4.0=15

よって速さが15[m/s]になるの。答えは15m/s!」

 

 

 

「おぉ!すごい…!」

 

 

 

神栄が感嘆の声をあげていると、神崎は再び怒る。

 

 

「もう!碧くんは何度も何度も私に聞いて!ちょっとは自分でも解いてみたりしてよ!だいたい碧くんは………」

 

 

 

 

 

こっから数時間、神栄は神崎の説教を受けることになった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

「………疲れた」

 

 

 

「疲れたのはこっちだよ!私だって勉強したいのに…」

 

 

 

「じゃあ、神崎のわかんないところ俺が教えるよ」

 

 

 

せっかく教えてもらったのだから、こっちだって教えてあげなければ不公平になってしまう。

 

 

 

今度は数学、理科ではなく英語を勉強することになった。

 

英語は昔海外に少し居たからそれなりに解ける。

 

 

 

「碧くん……ここわかんない」

 

 

「お…おう」

 

 

 

 

次の文章を読み,下線部(A)を英語に訳しなさい。

 (A)日本語の作家になる前に,ぼくはアメリカで日本文学を研究していた。日本語の書き手になる前に,まずは日本語の読み手だった。そして読んだ日本語で感動をおぼえると,それを英語に翻訳することもあった。

(ここまで)

 現代から始まって,そこから時代をさかのぼり,古い日本文学も,少しずつ,読めるようになった。そしていつの間にか万葉集にたどりついた。

 

 

 

「なるほどねぇ。じゃあ1つずつ説明してくぞ」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 





この小説書き始めて10ヶ月。ここまで良くやってたなぁと思います。

ですが文章力が変わってない。むしろ下がってる。

ただでさえ駄文なこの作品が「見せられないよ!」状態になってしまってる。

少しずつ上達してくよう精進していくつもりでございますが、少しずつが本当ちょびっとかもしれません。

だから今ストレートに酷評とか貰うとガラスのハートがぶち壊れてしまいますのでオブラートに包んで酷いこと言ってくださいお願いしますマジで。

あと、問題は自分で考えてません。問題集の問題の数字をちょっと入れ替えたり、知恵袋を参考にしました。

英語のやつは……モロ…りました。
すいません。


次回はお勉強その2の予定。進んでもお寝んねシーンまでかな?


では、おやすみなさい。




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第138話 テスト勉強の時間、2時間目


この話を読む前に、コラボ企画、『神栄 碧と暗殺教室』×『桜井 和生と暗殺教室』を読むことをお勧めします。

そのネタが少々入ってるのでね。

前半はお勉強!




 

 

「うーん……」

 

 

 

 

 

神崎が悩んでる様に、この問題は難しい。とてもじゃないが中学3年の問題とは思えない。

 

 

 

だが、そんな問題でも神栄はそれなりに解くことができる。

 

 

 

「まず、文を区切って行くんだよ。最初の『日本語の作家になる前に』『僕はアメリカで日本文学を研究していた』

『日本語の書き手になる前に』『まずは日本語の読み手だった』『そして読んだ日本語で感動を覚えると』『それを英語に翻訳することもあった』ってね」

 

 

「区切り方は?」

 

 

 

「自分が出来る限界まで文を長くして、出来なくなったらそこで区切る。区切らず出来ればそれがベストなんだけどね。で、『日本語の作家になる前に』はBefore I became a writer and wrote in Japanese,になるのはわかる?」

 

 

 

「なんで『日本語の作家は』『a Japanese writer』じゃないの?」

 

 

「それだと『日本人の作家』になっちゃうんだよ。だから『日本語で書く作家』と置き換えて英文を書けばさっきみたいになる。んで、その後の『僕はアメリカで日本文学を研究していた』だけど、これは出来るよね?」

 

 

 

 

神崎はノートに英文を書き、それを神栄に見せた。

 

 

「…I was studying Japanese books in America.うん、合ってるよ。じゃあ次行こうか」

 

 

 

神栄はこの後の短文の訳をノートに書き、確認をしている。

 

一方神崎は神栄に言われた問題に取り組んでいる。

 

 

が、神崎は考えてもわからなかったらしく、神栄に質問した。

 

 

 

「碧くん…こっから全部わかんない」

 

 

 

「マジかよ…まぁいいか。じゃあ『日本語の書き手になる前に』の『書き手』は最初みたいにBefore I became a writerになるんだけど同じ表現になるのは避けたいから、他の表現で考えるんだよ。例えば不定詞のbegin to〜を使って、before I begin to write in Japaneseという文にしたり、ね」

 

 

 

 

「あとはstart to〜とか?」

 

 

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

神栄は神崎にノートを取らせる時間を与え、この後の文について再び考えていた。

 

 

ノートを取らせる時間をくれる辺り、良い先生だ。

 

 

「『まずは日本語の読み手だった』からは簡単だから答えだけ言うけど、I was a reader of Japanese.になる。そして『読んだ日本語で感動を覚えると』はWhen I was happy to read Japanese booksになる。そして最後の『それを英語に翻訳することもあった』はI sometimes wrote them in Englishになる。はい。これで終わり」

 

 

 

 

 

 

 

神栄の完璧過ぎる解答に、神崎は唖然としていた。

 

 

 

解答解説の冊子を見てみると、神栄が答えた解答全く同じだった。

 

「……すごい…!」

 

 

 

 

 

「ふぅ……疲れた。ちょっと休憩しないか?」

 

 

学校が終わってからそのままここに来て、すぐ勉強をしていたので、神栄は疲れていた。

 

 

現在夕方の5時。いつもの神栄なら夕食(激マズ)を作っている時間である。

 

 

 

「腹減ったな……神崎ー。親は居るのか?」

 

 

 

 

大の字になっている神栄はあくびをしながら問いかけた。

 

 

 

「家に着いてわからないの?普通ならお母さんが「キャ〜神栄君!久しぶりー!」とか言ってくると思わない?」

 

 

 

「本当にそうしてきそうで怖い……」

 

 

 

「だから今はいないよ。というか…連休中ずっと居ないよ!」

 

 

 

 

 

「そっかー……居ないのかー…って、え?」

 

 

衝撃的な言葉が出てきたにも関わらず、神崎は平然としている。

 

 

「じゃあ連休中飯作ってくれるのって……神崎ぃ!?」

 

 

「うん!」

 

 

ありとあらゆるモノを跳ね返すような天使の笑顔の前には、神栄も反抗出来ず、「そ……そうですか」としか言えなかった。

 

 

「じゃあ、パスタ作るから待っててね!」

 

 

 

 

そう言って神崎は一階にあるキッチンへと小走りで向かった。

 

 

一方神栄は大の字のまま、スマホを取り出し現在の時間の把握と様々なゲームのログインをおこなった。

 

 

 

 

「ふーん。パスタかー……パスタ…。パスタぁ!?」

 

 

 

神栄は叫ぶと同時に起き上がり、キッチンに向かう神崎に追いつこうとドタバタと走った。

 

 

 

「神崎!!俺が作るよ!俺パスタなら作れるから!!いや他も作れるけど!」

 

 

「…?」

 

 

 

こう言ってるのには、2つ理由がある。

 

 

 

1つは自分の嫌いなトマトを入れないため、

 

 

もう1つは、以前パスタの作り方を一から教えてきた奴がいたから、それを試そうとしたからである。

 

 

まぁ、教えてもらったあと神崎にも食べさせたのだが、パスタの話をしだしてきたという事は、彼女は覚えてないということだろう。

 

 

ちなみに教えてくれた人を神栄は覚えていない。

 

 

 

桜……和…なんだっけな?思い出せない…。

 

 

 

 

 

 

 

「そっか、なら……頼んじゃおっかな〜〜」

 

 

 

 

 

神崎からどのパスタがいいかなどの指名が無いので、とりあえず第一目標はクリアした。

 

 

 

「おう、俺に任せな!!」

 

 

 

神崎がつけようとしたエプロン(どう見ても女性用)を装着し、神栄の色々変わったパスタ作りが始まった。

 

 

 

これは…殺人料理と言われるのを終わらせるチャンスだと思い、神栄は張り切っていた……。

 

 

 

 





どうも、今日から学校ある系男子、invisibleです。


こんな時間まで起きてるのは、宿題やってたからです。

国語の問題集の範囲がわからず、クラスのグループに聞いてみたら2時間待っても返信来ず、20人中12人が既読無視。(そっから退会したからわからない)

でも他人の「明日ホッチキス貸して」とかいう意味不明な要求には1分で返事が来てる。

そっか……。僕はいじめられてるんだ…と思いつつ、この話を書きました。

もうね、この作品は癒し、ユートピアですわ。

結局範囲はわからず、問題集全部(約60ページ)やりましたよ。長かった。

というわけで、明日からは学校なのでただでさえ遅い更新ペースがさらに遅くなります。

まぁ1月は地味に休みが多いのでその日に書こうかなとは思います。

それでは次回、神栄の料理の腕はいかに!そして夜!どうやって寝るのか!

感想、評価待ってます。




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第139話 料理の時間

某駄菓子漫画にハマって全巻+小説買っちまったぜ!ビンラムネ食べたくなっちまったぜ!




「……まず、どんなパスタを作るか、だな」

 

 

 

神栄はワイシャツの袖をまくり、料理をする用意をする。

 

 

「なぁ神崎、何食べたい?」

 

 

 

「うーん……カルボナーラかな?突然食べたくなっちゃった」

 

 

 

「オーケー、じゃあ準備するから冷蔵庫から色々使うよー」

 

 

 

 

そう言って神栄は冷蔵庫の中身をチェックする。

 

 

まず卵、そしてベーコンや牛乳やチーズがあることを確認して、取り出す。

 

 

「あとはニンニクと……パスタとバターか」

 

 

 

台所の戸棚を開くと、目立つところにパスタがある。

 

 

神崎のお母さんは近々パスタを作ろうとしていたのかな……?そう思いつつパスタを出す。

 

 

 

2人分なので、180gを用意した。

 

 

 

 

「よし、まずは………」

 

 

 

 

はじめにパスタを茹でるためのお湯を沸かし、沸かしている間ににんにくとベーコンを切る。

 

 

こうして時間を有効活用するのが料理の鉄則らしい。

 

 

 

にんにくとベーコンを切り終わると、今度はバター、牛乳、卵黄、黒胡椒、チーズを混ぜる。

 

 

いい感じになってきた頃にはお湯が沸いているので、塩を入れてパスタを投入する。

 

 

 

まだ休んでいる暇はない。お次はフライパンを用意し、オリーブオイルを熱した後、弱火でにんにくを炒める。香りがしたらベーコンを投入!

 

 

 

そして茹で上がったパスタを加え、よく混ぜておいたバターとその仲間たちをフライパンにぶち込む。

 

 

 

 

 

よくかき混ぜて最後に黒胡椒を少々、ここで味を整えるのだ。

 

 

 

 

 

この後火を止めて、神栄が作ったカルボナーラの完成である。

 

 

 

 

 

約20分くらいで作れるので、神栄は家でも作ろうと思った。

 

 

 

 

そんなことはさておき、完成したので部屋にいる神崎を呼びに二階に向かう。

 

 

 

「おーい、出来たぞー」

 

 

 

「………すー…すー………すー………」

 

 

 

 

神崎は目を閉じ、同じリズムで呼吸をしている。要は寝ている。

 

 

 

「はぁ……。寝させたいけど冷めちゃうからな…、どうしたものか。あ、そうか」

 

 

 

 

神栄は再びキッチンに戻り、カルボナーラを皿に盛る。

 

 

そしてその皿を部屋に持って行く。

 

 

 

神栄は神崎の目の前に皿を置き、じっとしている。

 

 

 

「匂いで起きるかな……」

 

 

 

待つこと1分。ようやく神崎が目を覚ました。

 

 

 

「……どうしたの碧くん」

 

 

 

「それはこっちのセリフです。まぁいいや、できたよカルボナーラ」

 

 

 

「出来たの!?食べる食べる!」

 

 

 

先ほどまで寝ぼけてた神崎が突然大声で喋る。まるで普段化粧濃い人がすっぴんの状態で家に友人がやって来た時の反応のように大声だった。

 

 

「んじゃあ……どーぞ」

 

 

 

「いただきます!!」

 

 

神崎はフォークで丁寧にカルボナーラをくるくると巻く。

 

 

丁度いい大きさになり、口に入れようとしたら……

 

 

 

 

 

 

「はい、あーん」

 

 

 

 

 

 

「……え、えぇ!?」

 

 

 

「あーん」

 

 

 

迫り来る神崎、若干後退する神栄。

 

 

これには神崎さんもご立腹のようで、

 

 

 

「いいじゃん!せっかく作ってくれたんだし、このくらいのお礼はさせてよ碧くん!」

 

 

 

「そ…そうですね。じゃあ……あーん」

 

 

 

………自分で作ったからか、神崎が食べさせてくれたからか、とても美味しい。

 

 

 

 

どのくらい美味しいかといえば、セ○チュリースープ飲んだくらい美味しい。セ○チュリースープを飲んだことは無いが。

 

 

 

「んっ……。おいひい」

 

 

 

「じゃあ私も食べようかなー」

 

 

 

また神崎はくるくると巻き、今度はちゃんと自分で食べようとする。

 

 

 

ここで神栄は思う。

 

 

やられたら

やりかえそうぜ

倍返しだ!(字余り)

 

 

 

この季語もへったくれも無い下手くそ俳句が言ってるように、やられたなら、自分もやり返すべきではないか?

 

 

倍返しとまではいかなくても、同じくらいの量で返すことは不可能ではないはずだ。

 

 

 

 

神栄は高速でカルボナーラを巻き、フォークを神崎に突き出した。

 

 

 

「あ……あーん」

 

 

「………?」

 

 

 

 

「お、お返しだよ。やられっぱなしは嫌だからさ…」

 

 

 

「………あーん」

 

 

 

 

 

神崎は抵抗もなく食べた。

 

 

この辺がヘタレかヘタレじゃないかが分かれる。

 

 

 

「うん!美味しい!!」

 

 

 

 

嗚呼、きっと僕はこの笑顔を見るために生まれ、そしてこの料理を作ったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===========================

 

 

 

 

「……結構量があったな……」

 

 

 

 

皿には麺一本も残っておらず、2人とも完食していた。

 

「じゃあ、俺皿洗ってくるわ」

 

 

後片付けの為に神栄は皿をキッチンまで行き、シンクに皿を置いた。

 

 

 

「よし、洗おう」

 

 

 

 

「待って碧くん!私も洗う!」

 

 

 

ドタバタと音を立てて神崎が降りてきた。

 

 

 

「………そっか、ではお願いします」

 

 

「なんで敬語!?」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

皿を洗ってる時間、喋ることが無い。

 

 

 

ただ水が流れている音とスポンジと皿が擦れる音しか聞こえない。

 

 

 

 

「……ねぇ碧くん」

 

 

 

沈黙を破った神崎は神栄の方を向いて笑顔で、

 

 

 

 

「なんかこれ、夫婦みたいだね!」

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

 

 

突然言われた、『夫婦』という言葉。

 

 

 

これは一体どういうことだろう。『結婚してください』と言われているのか?逆プロポーズなのか?俺は試されているのか!?

 

 

 

 

 

「………そうだな、こーゆーのなんか憧れるよな」

 

 

 

「うん。結婚して、子供が出来て、たまにこうやって2人仲良くやってるのって、理想だよね」

 

 

 

 

「……そそそそうだな。結婚ねぇ……考えたことないなぁ」

 

 

 

 

「私はもう…………と結婚するって決めてるけど……」

 

 

 

 

神崎は小さな声でポツリと呟く。

 

 

それは当然神栄には聞こえていない。

 

 

 

「ん?なんか言ったか?」

 

 

 

 

 

「いや……何でもないよ!あーおくん!!!」

 

 

 

 

 

神崎は神栄に抱きつく。

 

 

 

 

「うおっ……!?突然どうした…!」

 

 

 

 

「いーや?何でもないよー」

 

 

 

 

 

 

私は………碧くんと結婚したい!

 

 

 

 

 

そう言えずに神崎はただただ抱きつくことしか出来なかった。

 

 




はい。リア充爆発しろ。

僕は結婚とか考えるほど深く関わった女性はいない!!

……私情はさておき、今回の話を書くにあたって、私invisibleは実際にカルボナーラを作ってみました。

作中では20分くらいで出来るとか言ってましたが、実際30分以上かかりました。

ちなみに完成したカルボナーラは親にあげました。よしこれで親孝行はカンペキだ。


そして次回予告!(アニメ風に)

こうして楽しくリア充してる俺は、とんでもないことを思い出してしまう!
どうして俺は……今までやってこなかったんだよ!!!
次回、『衝撃の事実』サンドバックスタンバイ!(ストレス発散用に)



PS、
150話超えました。正直こんなに行くとは思ってませんでした。
ここまで行けたのは読者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
これからももう少し、もう少しだけヘタレの成長を見てくださいね!

1/21追記
多分展開違うかもしれないです。すいません


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第140話 夜の時間


本当に申し訳ないです。まさかここまで内容考えるのが難しかったなんて……、

考えに考えたにも関わらず駄文なんですけどね。

日に日に文章力が落ちていく………。





 

 

皿洗いが終わり、部屋に戻った2人は、今はテスト期間と言うのを思い出したが、勉強する気が無くなっていた。

 

 

現在夜8時。

 

 

 

 

 

「なぁ神崎、これからどうする?」

 

 

 

 

 

「……ねぇ碧くん」

 

 

 

 

「ん?どうした?」

 

 

 

 

「………いや、やっぱ何でもないや」

 

 

 

 

「何だよそれ」

 

 

神栄は神崎が言いたかったであろう言葉を聞こうとしたが、やめておいた。

 

 

 

どうせ、明日あたりに知ることになるだろう。

 

 

「早いけど、寝るか。明日早く起きて勉強すればいいし」

 

 

 

「うん、そうだね」

 

 

 

見事に話す事もなく、神栄は部屋の電気を消そうとした。

 

 

すると、神崎は神栄の腕を引っ張った。

 

「ねぇ碧くん。一緒に寝ない?」

 

 

「え、まぁ……いいけど」

 

 

 

言われるがままに神栄は神崎のベッドに入り、目を閉じた。

 

 

電気は神崎が消してくれて、神崎もベッドに入った。

 

 

ちなみに神崎と神栄の距離はほぼ0だ。神栄はヘタレ故に背中を神崎に見せているが……。

 

 

 

「もう、碧くんはいつになったら素直になるの?」

 

 

「……いや、ガツガツは好きじゃないんだ。恋愛は基本奥手なんだよ」

 

 

「じゃあ、私がガツガツした方がいいの?」

 

「そういうわけではな……ってうわぁっ!」

 

 

神崎は神栄に抱きつき、離そうとはしない。

 

 

「えへへ、我慢出来なくなっちゃった」

 

 

 

神栄は何も言うこと無く、眠りについた。

 

 

余程疲れたのか、神崎よりも早く寝てしまった。

 

 

「碧くんはやっぱり可愛いなぁ……寝顔とかもう最高♡」

 

 

 

神栄はこのあと、神崎にキスされたことを知らない。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

深夜1時、神崎は未だに眠れずにいた。神栄は爆睡している。

 

 

「……すー…すー……すー」

 

 

 

「…私も寝ないとなぁ…」

 

 

その時、神栄が寝返りをした。

 

 

 

 

ふにゃん。

 

 

 

神栄は神崎の胸を触っていた。

 

 

 

「〜〜っ!?」

 

 

 

「すー…すー…」

 

 

 

完全に悪気は無いのだが、やはり触られると神崎でも少し怒る。

 

 

 

「……碧くんのえっち」

 

さりげなくグーでポカポカ殴り、神崎も寝ようとする。

 

 

 

 

 

 

……のだが眠れない。

 

 

 

「………どうしよう」

 

 

 

このまま眠らないのもいいが、寝ないと次の日に影響が出る。

 

 

どうにかして目を瞑り寝ようとするが、隣に神栄がいるからなのか、落ち着かない。

 

 

「……かんざ…す……あはは」

 

 

 

神栄が訳のわからない寝言を言っている。しかも笑っている。

 

 

「どんな夢を見てるんだろう…」

 

 

 

 

深夜2時

 

 

「なんとか本読んでたけど、そろそろ眠くなってきたかも…」

 

 

 

神崎は本を置き、再び目を閉じた。

 

 

 

 

===========================

 

 

時間は経ち、朝になる。

 

 

珍しく早めに起床した神栄は、腕を伸ばして欠伸をした。

 

 

「とんでもなく素晴らしい夢を見た気がする。どんなのだったかは忘れたけど」

 

 

 

 

 

 

「……すー…すー……すー」

 

 

隣で寝ている神崎を起こさないように、神栄は布団から出てキッチンに向かった。

 

 

 

 

 

「朝飯くらいはいけんだろ」

 

 

 

いくら料理スキル皆無の神栄でも、焼くだけのパンなら出来るはずだ。

 

 

 

「えーっと……トースターにパンをぶち込んで、このレバーを下げると、焼き焼き開始…か」

 

 

 

パンが焼けるまでの間神栄は棚にある『ほかほかコーンスープ』を取り、やかんに水を入れ、コンロに火を付けた。

 

 

 

 

 

一方神崎は、

 

 

 

 

「………ん。碧くんがいない」

 

 

抱き枕感覚で抱きついていた神栄がいないので、神崎はキョロキョロとあたりを見渡す。

 

 

部屋内にはいないことを確認すると、神崎は部屋から出て一階に向かった。

 

 

そこではあくびをしながらも料理を作っている神栄が見えた。

 

 

「ふぁぁ〜…あ、おはよう」

 

 

 

「おはよう碧くん」

 

 

 

「神崎が遅くに起きるなんて珍しいな、ゲームでもしてて寝てなかったのか?」

 

 

 

「いや……そういうわけじゃないんだけど…」

 

 

「そっか。そろそろ出来るからちょっと待っててよ」

 

「うん!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

「………これは何?」

 

 

 

「パンです」

 

 

「真っ黒じゃない?」

 

 

 

「まさかトースターで焦げるとは思わなかった。何でだろう」

 

 

 

神栄の料理スキルは機械をもぶっ壊す。もはや人間の業とは思えない。

 

 

 

 

「パンはもういいからこれで許してください」

 

 

神栄は二つ目の料理、ほかほかコーンスープを神崎に渡した。

 

 

「これは大丈夫だ。何もない」

 

 

 

「これはまぁ……大丈夫だよ」

 

 

 

「良かった…」

 

 

 

ホッとした神栄はテレビの電源を入れて、本日のニュースを見ていた。

 

 

テレビでは『全国のあだ名特集』をやっていた。

 

 

「あだ名か……俺のあだ名なんか無いよなぁ」

 

 

「ねぇ碧くん」

 

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で私は『碧くん』って言ってるのに、碧くんは私の事をあだ名とか、名前で言ってくれないの?」

 

 

 

 

 

 

「…………え」

 





約1ヶ月ぶりの投稿です。本当にすいません。

だがしかしにハマって漫画全巻、ファンブック、小説全部買って、Twitterのホーム画像をサヤ師にして、更に小説を書くという浮気をしました。

そして白猫にどハマりして時間が潰れる潰れる。

その他ときメモにハマりました。


「っしゃー書くか」ってなってもつい漫画に手が出て読んでしまい、「眠い」とか言って寝てしまう生活をしてしまった僕をどうか叱ってください。

最低でも2週間に1話投稿出来るように精進します。


あ、だがしかしの小説読んでもらえると嬉しいです。


そして次回、名前呼ぼうよ、ヘタレ君。

感想、待ってまーす。他愛も無い話でも可
(ただしリア充ネタはご遠慮ください。作者がイライラします)





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第141話 再告白の時間


お久しぶり、それしか言えない……。

明日からテストです。死にそうです。

ごめんね、駄文で。



 

このままバレないと思っていたところを見事に突かれた。

 

 

「待って、これには理由があるんだ。とりあえず聞いてくれ」

 

 

「……?」

 

 

まず、何故今の今まであだ名や下の名前で呼ばなかったのかというと、単純にそのような呼び方をするのが苦手だったからだ。

 

 

そこまで深く関わってきた人がいないというのが大きな問題で、以前裏切られた事もあり、あだ名で呼ぶのには抵抗があった。

 

 

そして、あだ名で呼ぶのが恥ずかしい。

 

 

 

これらの理由からあだ名で呼ぶ事が無かったのである。やはりヘタレはヘタレだった。

 

 

「………って事なんです」

 

 

 

「ふーん。そうなんだ」

 

 

「もしかして怒ってらっしゃいますか?」

 

 

「当たり前だよ!過去の事なんかどうでもいいよ。今私は碧くんの彼女!だから他の名前で呼んでほしいの」

 

 

 

「………じゃあ」

 

 

 

 

………なんと呼べばいいんだ?

 

 

 

 

なんと呼べば神崎は喜ぶんだ?

 

 

有希ちゃん?

ゆーちゃん?

ゆっきー?

ざっきー?

 

 

全くわからない。未知の世界だ。

 

 

神栄はしばらく悩み、答えを出した。

 

 

そうか。あだ名じゃなくても良いんだ。普通に、何も変えずに呼べばいいんだ。

 

 

 

 

 

「え、あ、その……有希子……とか?」

 

 

神栄のその答えは正解だった。

 

神崎はパァっと笑顔になり、神栄に抱きついた。

 

「えへ……えへへ……碧くん……碧くーん………」

 

頬をスリスリと擦らるか……有希子はこのまましばらく抱きついたままだった。

 

 

===========================

 

 

 

あれから何分経っただろうか。最後に時計を見た時は8時ごろだった気がする。

 

 

現在は9時半。料理などをしていた時間を考えれば約30分抱きつかれていた。なんという天国。

 

 

「なぁ……そろそろ勉強しないか?間違ってもテスト期間だし、3連休終わって1週間したらすぐテストだぜ?」

 

 

「まぁ……そうだね。勉強かー…憂鬱だなぁ」

 

 

「仕方ないよ、今回は殺せんせー張り切ってるし、50位以内に入んないとやばいだろうし。絶対入れるけど」

 

「前回碧くん、3位だったもんね。私はあんまり良くなかったけどね…」

 

 

「今回はわかんねぇなぁ……カルマは本気出すし、当然浅野もガチで来る。あの女(茜音)次第で順位は大幅に変わるし、もう何が何だかわからん」

 

 

「大丈夫だよ、碧くんは1位取れるって!私は信じてるよ!」

 

 

「そうだな……最善を尽くします」

 

 

プレッシャーを感じつつ、神栄と神崎は勉強会2日目を始めた。

 

 

 

 

「碧くん……ここ教えて」

 

 

「ここはこうして……こうだ」

 

 

 

 

「有希子ー、ここ教えてくれ…」

 

 

「ここはねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中休憩を挟み、10時間ほど勉強をしていた。

 

 

教えあっているうちに自分も勉強になり、なんか楽しくなってしまった。

 

 

気がついたら夕方になって、子供の帰宅を催促するチャイムが椚ヶ丘市中に鳴り響く。

 

 

「もう夕方だね…」

 

 

「夕食を作りましょう、腹が減りました」

 

なぜか敬語になる神栄は、腹を抑えながら呟く。

 

 

それに頷いた神…有希子は急ぎ足でキッチンに向かい、料理を始めた。

 

 

 

 

「………ふぁぁ〜…眠いな」

 

 

有希子の部屋で待機している神栄は欠伸をし、腕を伸ばしたりして軽くストレッチをした。

 

 

そりゃ何十時間も勉強をしたらそうなるのも仕方ないが、今寝たら夜寝れなくなってしまう。

なんとか我慢して起きようとするが、睡魔が手を止めることは無かった。

 

「………すー、すー」

 

 

 

 

 

結局寝てしまった。

 

 

 

 

 

神栄が爆睡してから30分後、食事が出来たことを伝えに部屋に戻ってきた有希子は神栄の寝顔を見るなり、笑顔になっていた。

 

 

「………えへへ、今度は私が…!」

 

 

有希子は再びキッチンに向かい、出来た料理を部屋まで持ってきた。

 

 

 

有希子は神栄の目の前に料理を置き、起こす。

 

「碧くん!おーきーてー!」

 

 

「ん〜……あと10分」

 

 

寝起きが良くない人にありがちな行動に、有希子は強引に起こした。

 

 

その起こし方は簡単。

 

 

 

床☆ドン!

 

 

有希子は耳元で大きな音を出して目を覚まさせそうとしていた。

 

その作戦は見事的中。神栄はハッ、と目を覚ました。

 

 

「うわっ!どうした。か……有希子」

 

 

未だに「有希子」というのに慣れていない神栄は、どうも最初に「か」と言ってしまう。

 

 

「慣れるまではいいけど、なれたらちゃんと呼んでね?碧くん!」

 

 

「し、精進します……」

 

 

◆◇◆

 

 

「これ、全部作ったのか!?」

 

 

目の前にあったのは、「THE、日本食」と言えるものばかりだった。

 

味噌汁、ご飯、漬物、その他諸々も全て日本食。さすが有希子さん。これは将来素晴らしい嫁さんになること間違いなしですね。

 

 

 

「うん。結構頑張ったんだよ?」

 

「頑張りすぎだよ……まぁいいけどな。いただきまーす」

 

 

 

「召し上がれ!」

 

一口食べると、自分が作った料理とは格が違うのを理解した。

全ての食材が上手い具合に組み合わさっている。

 

以前誰かに言われた。『笑顔が歪むほど不味い』というのを思い出した。あの野郎マジで許さねえ。

 

 

「すげぇ………これ毎日食べてえ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

 

有希子には、それは「結婚したらさぞかし良いんだろうなぁ」と同じように聞こえた。

 

つまり、結婚してくれ。ということだ。

 

 

「え……えええいやいや、でもまだそーゆーのはちょっと月日を重ねないとダメというか……!!」

 

「ん?」

 

神栄は純粋に言っただけなのに、有希子は顔を赤くして下を向いている。なぜだろう。

 

「……なんか、有希子変じゃないか?」

 

「き、気のせいだよ!私はいつも通りだよ!」

 

 

「そうか……ならいいんだが」

 

 

 

「そんなことよりご飯!ご飯食べよう!」

 

異常なまでに動揺している有希子に、神栄は少々不安だったが、言われた通り和食フルコースを食べることにした。

 

 

今日の夕食は人生で最高の食事だった。役立つ知識をいただいたので、今後有希子さんの料理を見習っていこうと思った。……思っただけ、じゃないよ。

 

 

 

全て食べ終わると、神栄はキッチンで皿洗いをする。

 

その間有希子は勉強をしていた。どうやら物理がわからないらしい。

 

 

 

神栄は早急に皿洗いを終わらせ、有希子に物理を教えるためにダッシュで部屋に戻った。

 

「お待たせー。どうだ?わかった?」

 

 

「ねぇ碧くん……。ちょっといい?」

 

 

 

 

ぱちん。

 

 

 

 

 

有希子が電気が消した。何でだかはわからない。

 

 

 

「すごい今更だけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

好きだよ。碧くん」

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

有希子は、誰にも渡さないよ。という確認の告白なのか、愛を伝えたい告白なのか、どの告白を神栄にしたのだろうか。

 

結局神栄はわからないまま、「あぁ…俺もだよ」

 

 

そう言って有希子を抱きしめた。

 





オリジナル小説を書き始めました。この小説同様、あまりいい作品ではないですが、見てくれると嬉しいです。


3月は大忙しなので、これが本年度(3/31まで)最後の投稿かもしれません。


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第142話 バレる時間


タイトル通り、バレます。何とは言いませんが


それと、お泊まりデートは前話で終わりました。


(´-`).。oO(2日連続自動ドアに反応されなかったinvisibleです)


 

 

 

勉強会という名のお家でお泊まりデートは、この後何事もなく終わった。

 

何事も無いと言っても、あんなことやこんな事、ここでは書くことのできないことをしたが、それは触れないでおこう。

 

 

3連休が終わり、テストまでは残り一週間を切った。

 

神栄は有希子の家を出た後も、自宅にすぐ戻り、理数系の教科の勉強を始めた。

 

 

後は数えるくらいしか勉強するところはない。覚えることはたくさんあるが、これも有希子のためだと思えば苦ではない。

 

「あああああぁ……四分位偏差!?分散!?箱ひげ図!?意味わからん」

 

 

特に理数系と英語。私立の中学は早め早めに高校の範囲までやることが多く、中学でも高校の数学をやることは珍しくない。

 

そのため、数学が出来ない人は本当に何も出来ず、ふるい落とされてしまう。

 

 

 

 

 

今までの締めくくり、最高のラストを迎えるためには、一点も落とすことが出来ない。だから神栄はどんなにわからないものでもわかろうと試行錯誤する。

 

 

 

「何とか……出来た。かな?」

 

 

恐る恐る答えを見ると……一応合っていた。

 

 

「部分点だけでも貰いたいしなぁ……まぁ100点取らなきゃいけないんだけど」

 

 

最後のテスト、最大の目標はカルマに勝利することだ。

 

E組全員が50位以内、これは殺せんせーが何とかしてくれる。が、自分の目標までは何とかしてくれない。自分の目標に手助けする必要がないという事を、殺せんせーはわかっているからだ。

 

今までやってきた事を信じれば、きっと達成できる。

 

 

そう信じて神栄は勉強に集中した。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

再び日にちが経ち、登校日になる。

 

 

テスト期間だからか、学校に着くと人がたくさんいる。一人一人に分身殺せんせーが配備されていて、めちゃくちゃ風が来る。

 

「おはようございます神栄君、どうですか、勉強は」

 

 

「何とかわかる感じ。3連休結構やったし、多分いけるよ」

 

「おぉ!それは良かった。今日の授業からは少し先生も工夫するので、君の助けも必要かもしれないですねぇ……ヌルフフフ」

 

 

「………?」

 

 

何を言ってるのかわからなかったが、別に良いか。

 

 

神栄は席に着くと、カバンから数学の教材を取り出した。

 

 

「なんつー量だ……テスト範囲おかしすぎだろ。総まとめだからって張り切り過ぎ……」

 

愚痴をこぼしつつ、問題を解いている神栄の元に、有希子がやって来た。

 

「ねぇ…あ、神栄くん」

 

「………ん?どうした有希子」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………あ。やらかした。やってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれー?神崎さんと神栄って、そーゆー関係なの?」

 

 

隣から声が聞こえた。カルマか。

 

 

すると、カルマの隣にたまたまいた中村まで、

 

「神崎ちゃん…前々から思ってたけど、やっぱりそーゆー関係だったんだね」

 

 

「で、そこんとこどうなの?」

 

前原まで来やがった。なんなんだこいつら、勉強しろよ。

 

 

「………なんでもないよ、ただ下の名前で呼んでみたくなっただけ」

 

 

「それが今?どう考えても不自然だよね〜」

 

ぶち殺してやろうか、カルマ。

 

「べ、別に良いだろ人の呼び方なんて」

 

「うん、別にいいよ。でもオレが聞いてんのは、そーゆー関係なのかどうかってこと。話逸らさないでくれるかい神栄」

 

 

神栄がどんどん何か言えば言うほど不利になっていく。最悪の事態だ。

 

 

「まぁ言わないよねぇ……じゃあいいよ。テストでオレが勝ったらどういう関係か必ず言ってよ。オレが負けたらなんでも言うこと聞いてあげるよ」

 

 

ぷつん。と切れた音がした。

 

 

「あぁ?上等だこの野郎。俺が勝ったらお前を丸刈りにしてやる」

 

 

「やる気だねぇ、そこまでして勝とうとするってことは………」

 

 

「んなわけあるか!」

 

「本当かなぁ?まぁオレが勝てば良いだけだし、別にいいか〜」

 

 

「くっそ……こいつマジで腹立つ」

 

 

 

「じゃ、決まりだな」

 

 

………もう1つ目標が出来た。『カルマを負かして土下座させてやる』

 

 

 

 

 

クラス中、『神崎と神栄が付き合ってる説』で盛り上がっている。テスト一週間前なのに。

 

 

 

「えーなに、碧君とゆーちゃん付き合ってるの〜?」

 

 

この声は茜音か……こいつにまで知られた…。死にたいです

 

 

 

「うるせぇ。んなことより勉強しろ勉強」

 

「えー、どうせわかるし。いいよ。そんなことよりなに、ゆーちゃんと付き合ってるの?」

 

「あぁ!?しつこいな!勉強させろよ!」

 

 

久しぶりに茜音に対して怒った。この時神栄は珍しく短気になっていた。

 

 

「ふーん……どうせ私にテストで勝とうと思ってるんでしょ?前回みたいに」

 

 

「……なにが言いたい?」

 

 

「さぁね……」

 

 

いつまでたっても、この女の本性はわからないままだ。

 

なにを考えてるのかもわからないし、こいつの行動もわかんない。双子の姉なのに、わかんない事だらけだ。

 

 

今までわかろうとした事もあったが、それでも自分の力では足りなかった。

 

 

「あっそ…なら何も言うな」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

1時間目の授業が始まり、ようやく勉強に集中出来る。

 

 

……と思ったのだが。

 

 

「神栄君。神崎さんと付き合ってるって話、本当なんですか?」

 

 

そうだった。殺せんせーは生徒のゴシップが大好物なんだった。忘れていた。

 

 

「……ノーコメントだ。それより数学教えてくれないか?」

 

 

殺せんせーは口を3にして、

 

 

「答えてくれなきゃ教えてあげませーんよ〜」

 

 

「ぶっ殺してやろうか…?」

 

「殺れるものなら……どうぞ」

 

 

「チッ……」

 

 

殺れない事などわかっているので、神栄は手を出す事はなかった。

 

 

「はぁ……とりあえず教えてください、これあげるんで」

 

 

いつかあげようとしたお菓子を、たまたま今日持ってきたので、殺せんせーに手渡した。

 

 

上機嫌になった殺せんせーは神栄に数学を教えまくった。

 

 

これにて数学、完了!!!

 

 

 

 

 





この次の次くらいにテストを始めようかなと思います。


リアルな方では現在テストなうなのですが、数学が全くわかりませんね。
いろいろ教えてもらったのですが、やはり数学は難しいです。
特に正弦定理、余弦定理は何言ってんだこいつ状態です。

友人からは公式あてはめろとか言ってるんですが、そもそも公式がわかりません。教科書紛失したからもう絶望的です。

テストが終われば春季講習、それが終わればホームステイと、私立学校はつらい事ばかりです。

感想、評価待ってます!
(オリジナルの方も感想や評価お待ちしてます)


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第143話 勉強の時間


闇を見ました。なんの闇かは言いませんが。


それと、最終回見ました。

みんな!神崎さんのその後の話に投票しようぜ!
(ジャンプ内にあったアンケート(?)の話です)


 

 

あれから神栄と有希子は休み時間になる度にしつこいメディアのように付きまとわれた。

 

飯の時間も満足に食べることが出来ず、腹が減ったまま授業を受けるハメになってしまった。

 

そして、学校が終わり即帰ろうとすると、「社会がわかんない」と言われ神栄は帰れなくなった。

 

一方、有希子も「国語がわかんない」と言われ教えることになったのである。

 

 

 

 

………と、こんなことがあり、今に至る。

 

 

 

 

「……豆知識程度の感覚で覚えていれば良いが、戦時中、『欲しがりません、勝つまでは』や『ぜいたくは敵だ!』と言った看板がいろんなところにあったのはわかるよな?

で、『ぜいたくは敵だ!』という看板に漢字一文字だけいれて、真逆の意味にしてみろ」

 

 

「これ、絶対テストに出ないだろ」

 

前原に社会を教えている神栄は、何としても勉強を飽きさせる為に、本当にどうでも良い知識を前原に植え付けようとしていた。

 

「うるせぇ。答えは?」

 

 

「わからねーよ!『ぜいたくは《無》敵だ!』か?」

 

「はい不正解。次、岡野」

 

「えー?『ぜいたくは《大》敵だ!』とか?」

 

「それじゃ意味が変わらないだろ。次、イトナ」

 

 

「知らん、パスだ。かみかさ」

 

「かみさか。な?

答えは『ぜいたくは《素》敵だ!』だ。言われりゃなんとなくわかるだろ」

 

 

皆は「おー!すげぇ」と感嘆の声をあげている。そんなにすごいことではないのだが。

 

 

 

 

とっとと帰りたい神栄は教える気が失せてきたのか、曖昧な答えしか言わなくなってきた。

 

「あ?あー、こんな感じじゃないのか?」

 

 

「おい神栄!ちゃんと教えてくれよ!俺らマジでやばいんだからさ」

 

 

「うるせぇうるせぇ。俺はとっとと帰りたいんだ。そんなに教えて欲しかったら岡島とか磯貝がいるだろうが」

 

「あいつらは例えがわかりづらいんだよ。とくに岡島」

 

岡島の例えは必ずと言っていいほどエロが入るから、確かに教わる側としてはわかりにくい。

 

神栄の場合は例えもなく、ただ普通に教えるので、無駄のない教え方ができる。そういった点では社会に関しては神栄に聞こう、とみんなが言っていたのである。

 

 

 

「……ちっ、10分で第二次世界大戦の範囲終わらせるから、覚悟しとけよ」

 

 

 

「さすが!わかってるな神栄!」

 

実際、教えるもなにも社会は基本暗記で十分である。余程変な先生じゃない限り普段聞かないような問題は出されない。

 

さすがに○○年に、○○が起こった。などの情報は知っとかなければいけないが。

 

 

 

 

 

 

…本当に10分後。

 

 

「……と、こんなもんだ。社会の場合は基本暗記と自分の持ってる知識で行ける。あとは戦前の総理大臣覚えときゃ80点は余裕で取れる」

 

 

「総理大臣って……『いくやまいまいおやいかさかさ』ってやつとかか?」

 

 

「そうそう。それは明治のやつだけどな。どうせ範囲は縄文時代からだから、覚えといて損はないけど」

 

 

 

 

 

 

………。

 

……。

 

…。

 

 

 

 

こうして神栄の社会講座が終わった。

 

 

皆はわからなかった事がわかり、ご満悦だが、神栄はわかってる知識を教えるだけ教えたので疲れている。

 

チラリ、と横を見ると、有希子が奥田と岡島と千葉に漢文を教えていた。

 

 

……これは話しかける時間無いな。

 

そう思い、神栄はカバンを持ち、1人で自宅に帰った。

 

 

 

 

 

=========================

 

 

 

当然だが、神栄は家に帰ると勉強を始めた。

いつもなら帰宅したら即パソコンの電源をポチり、まとめサイトの巡回とゲームの実況動画で数時間費やすが、さすがにテスト期間、しかも集大成のテストなので帰宅するとすぐに二階の自分の部屋に行き、理科のノートを開いた。

 

 

ここで1つ。

 

 

理科は暗記、と言う人が多い。確かにそれは間違ってはいない。

神栄は暗記は基本的に得意だが、なぜか理科になると暗記する事が出来ない。

 

『○○事件』など、起こった事を覚える社会とは大きく違う理科は、どうも頭に入らない。

 

特に元素記号。これは色々混ざってしまって全くわからない。

 

 

結論を言えば、「理科は難しい」

 

 

 

 

そんなことを思いつつ、神栄は酸と塩基についての基本について学んでいた。

 

「……アルカリ性じゃなくて塩基性。よくわかんねぇな……」

 

 

なかなかペンが進まない。神栄は早く帰らずに殺せんせーに聞けばよかったのか、と今更ながら後悔している。

 

 

 

悩みに悩んだ結果、神栄は家に殺せんせーを呼び、教えてもらおうとした。

 

が、殺せんせーは「お二人がどのような関係か教えてくれないと先生も教えません!」などとふざけた事を言ってるので、その作戦は失敗した。

 

 

 

 

殺せんせー以外に理科が出来る人となると、奥田あたりしかいない。ちなみにカルマと茜音は論外だ。

 

 

 

とりあえず奥田に聞いてみるだけ聞いてみようと、神栄はケータイのメールで問題を送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに数十分で返信が来るとは思ってなかったが、一時間経っても既読すらつかなかった。

 

 

 

まだ有希子に教わってるのか、それとも帰って勉強してるのか。わからないまま神栄は再び理科の勉強を始めた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「結局返信どころか既読すらつかなかったぞ……」

 

 

朝、起きた瞬間にケータイを開くと通知が無かった。これは返信が無かったということと同じ、つまり奥田はケータイを見てない。

 

 

また学校で聞けばいいか。と自分に言いつけ、制服に着替えていつもと同じ時間に学校に向かった。

 

 

 

 

 

「……………うーん…難しい」

 

 

自分より少し前に単語帳を見ながら歩いている生徒がいた。青い髪、小さい、これらの情報からして渚だ。

 

 

「よぉ。大丈夫か?」

 

 

「う……うん。まだ数学の暗記が出来てなくて……」

 

「あぁ、sin、cos、tanとかか。あれは図を見て覚えれば余裕だぞ。俺はそれで覚えたし」

 

「うん。やってみるよ」

 

 

「それはそうと、渚は理科わかるか?」

 

「え?まぁ、それなりに」

 

 

それから、学校に着くまで渚に理科をたくさん教えてもらった。

 

 

 

 

 

「渚は、なんかを教えるの上手いよな。先生とか向いてんじゃね?」

 

「え……?僕が?」

 

「あぁ、将来の夢とかまだ無いんだろ?この際先生になってみろよ」

 

 

「そうかな……?考えてはみるけど、僕が先生か…」

 

 

渚は戸惑いながらも、どこか嬉しそうだった。

 

渚は殺せんせーに憧れていたのだろう。確証は無いが。

 

 

 

「先生……ねぇ」

 

 

 

=========================

 

 

それからというもの、勉強まみれの1週間だった。

 

朝から夜まで勉強勉強。ゲームなんかする時間はない。

 

 

ついに来たテスト当日、E組全員は受験のために圧倒的アウェーの本校舎に早めに行った。

 

 

指定された教室に入るので、たくさんの教室を覗けるのだが、A組はなんか変だった。

 

 

狂った顔でただただ「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺す……(以下略)」と言っていた。

 

 

 

「こりゃ、手強いねぇ〜。行けんの?カルマと神栄」

 

 

「まぁ、それでも手強いのは1人だけだよ。あ、2人か」

 

「カルマてめぇ俺のこと眼中に無かっただろ殺すぞおまえ」

 

「じゃあ殺ってみろよ。テストで」

 

 

 

 

 

 

「ぶっ殺してやる!!!」

 

 

 

 

 

ついに始まる……3年で最後のテスト。

 

 

 

俺たちは、チャイムと同時に武器を持ち、未知の問スターに立ち向かうのである。

 

 





みなさん、お久しぶりです。

今日(いや、昨日か)僕の高校1年が終わりました。

進級できます。やったぜ
学年末テストで数学7点取ったときは死を覚悟しましたが、なんとかなって良かったです……w

ここで連絡。

今日の夜から、諸事情によりオーストラリアに行ってきます。感想や、メール、Twitterなどのリプライは今日の夜9時まで返信出来ますがそれ以降、4月1日までは完全に返信出来ません。空港でWi-Fi貰えれば別ですが。

それに伴い、ゲームもログイン出来ません。
「あれ……こいつプレイ○日前じゃね?」
と思っても消さないでいただきたい。

ロシアよりかは安全だと思うので死ぬ危険は無いと思いますが、まぁ……なんとかなるさ。

次回は、テスト!結果まで行ければ最高!

感想、評価待ってます


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第144話 期末の時間 -2学期-


実はこの小説、僕の友人が書いてるんですよ………。





 

 

 

1教科目、英語。

 

 

 

 

「うぉお……!?」

 

 

前回とは圧倒的に違う『何か』にE組は襲われていた。

 

問題の質か、内容が難しくなってるのか。

 

だとしても、神栄のやることは変わらない。

 

「ほらよ!」

 

 

大問1は撃破された。その勢いで大問2、大問3と……倒していく。

 

 

 

 

 

そして、終わりのチャイムが教室という名の闘技場に鳴り響いた。

 

 

 

 

「終わり!!」

 

 

試験監督の合図で1時間目の英語が終わった。

 

 

15分の休み時間、E組の教室では嘆きの声が多数あった。

 

 

「解ききれなかった……」

 

「問題エグすぎだろ……流石にビッチ先生でもあんな豊富じゃねぇよ…」

 

 

「神栄はどうだった?」

 

突然菅谷に聞かれた神栄は、多少びっくりしながら答えた。

 

「え?あー……まぁ、多分100かも」

 

 

「は!?じゃあカルマも……?」

 

 

「オレも100だね」

 

 

余裕ありげに神栄は腕を組む。そんだけ自信があるのだろう。

 

 

 

(………負けられないなぁ…これは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2教科目、社会

 

 

 

 

以前とは比べ物にならないほどマニアックな問題に、E組の生徒は苦しんでいた。

 

 

 

 

そんな中、次々と問スターを倒していく生徒が3人いた。

 

 

 

神栄姉弟と、カルマだ。

 

 

 

「あ〜〜そんなんあったなぁ。忘れかけてたけど、この問題のおかげで思い出したわ」

 

「神栄、そんなに余裕ぶっこいてると殺られるよ〜」

 

 

「そうだよ碧君。私にも負けるかもね〜」

 

 

この『史上最悪のペア』に話しかけられ、気力が削がれる中、神栄はミスをする事なく問題を解いていった。

 

 

(これも100かな……?)

 

 

 

3教科目、理科。

 

 

 

「確かに俺らは俺らで頑張んないといけないが、肝心のA組はどうなんだ?」

 

 

「それはもう狂ってるようにただただ集中してるぜ。憎悪の力で、な」

 

 

「憎悪って怖いな」

 

 

 

 

神栄は少し迷う事がありながらも、スムーズに問題に取り掛かる事ができた。

 

 

不安な点は一個だけ。摩擦の問題だ。

 

 

せっかく有希子に教わったというのに、我ながら情けない……。

 

 

 

4教科目、国語

 

 

 

武将姿をした問スターに、刀1つで立ち向かう神栄は、次々と満点回答を繰り返した。

 

 

「あーっはははは!超!たのしい!」

 

 

 

砕け散る問スターを見て、狂気の笑いをする神栄に、E組のみんなは引いていた。

 

それも当然、何匹もの問スターをぶっ壊してるのだから。

 

 

 

「くっっっっっそ、弱ェな。雑魚共が」

 

 

 

 

5教科目、数学。

 

 

 

 

「おうおう、とんでもねぇモン出てくるじゃねーか………。漸化式さんや……!」

 

 

 

 

漸化式とは、数列分野の最重要事項の1つで、高校数学で学ぶ。その漸化式で言える事はひとつだけ、マジで難しい。

 

 

わかる人にはわかるのだろうが、さっぱりわからん。

 

 

 

だか、いやいややらされたカルマの数学講座で学んだ特殊解でなんとか倒した。

 

 

 

 

最初の基本問題やらなんやらで時間を取られ、最終問題に取り掛かる時間が少し少ない。

 

 

 

それは神栄だけでなく、ほぼ全員の生徒がそうだった。

 

わずかな残り時間で、最終問題を解く希望がある生徒はたったの4人。

 

 

神栄 碧

神栄 茜音

赤羽 業

浅野 学秀

 

だけだった。

 

 

 

「最後の問題………俺が……正解してやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図のように、一辺aの立方体が周期的に並び、その各頂点と中心に原子が位置する結晶構造と体心立法格子構造という、ナトリウムやカリウムなど、アルカリ金属の多くは体心立法格子構造をとる。体心立法格子構造において、ある原子Aоに着目したとき、空間内のすべての点のうち、他のどの原子よりもAoに近い点の集合が作る領域をDoとする。このとき、Doの体積を求めよ。

 

 

 

 

 

ここに来て過去最高にエグい問題が来たものだ。

 

 

解答者を惑わせまくっているこの問題に、しばらく神栄は固まっていた。

 

 

(まず、何から解くか、そこを間違えた瞬間ゲームオーバー。その辺の縛りプレイよりも100倍怖いぞこれ……)

 

 

複数本ある電線の中から、たった一本のダイナマイトと繋がっている物を探すような感覚に陥った神栄。

 

ペンを持つ手が震えながら、問題用紙にまず一文字書いた。

 

 

"全くわからん"

 

 

 

ふざけてるように見えるが、本心だ。

 

 

 

一方カルマも同様だった。

 

時間を気にしながら、問題の殺り方をうかがっていた。

 

 

 

 

………4人が最終問題に取りかかって、2分が経った。

 

 

 

残り時間、5分。

 

 

 

神栄とカルマの頭から、電流が走った。

 

 

 

 

 

 

「待てよ……!?」

 

 

「これ……」

 

 

 

「「難しい計算、いらなくね?」」

 

 

 

………………。

 

 

………。

 

 

…。

 

 

 

 

 

 

 

=========================

 

 

 

テスト休みを挟み、月曜日。テスト返却の日となった。

 

 

 

「ではこれからテストを返します。先に言いますが、今回のテストで細かい点数をあーだのこーだの言うのはよしましょう。大事なのは全員が50位以内とったかどうかなのでね」

 

 

 

 

「俺は細かい点数も気にするけどな………」

 

 

「今頃本校舎でも順位が発表されてるはずでしょう……ですからE組でも順位を発表します!」

 

 

 

シュパパパパパ!!とマッハで5枚のテストが一人一人返された。

 

点数を見ることが重要だが、今はどうでもいい。順位がどうなっているかがもっと大事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

神栄は黒板に貼られた順位表を目にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位 赤羽 業 500点

第2位 神栄 碧 499点

第3位 浅野 学秀 497点

第3位 神栄 茜音 497点

中略

第43位 前原 陽斗 323点

第45位 木村 正義 321点

第47位 菅谷 創介 320点

第48位 寺坂 竜馬 317点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確か、E組のビリって寺坂だよな?その寺坂が48位ってことは………全員が………」

 

 

 

 

「50位以内に入ったってことだ!!!!そして1位は初のカルマ!!!」

 

 

 

皆が立ち上がりやったぁ!と叫んでいる中、神栄だけは座って歯ぎしりしていた。

 

 

(クソが……!茜音には勝ったがカルマに負けただと!?)

 

 

 

「今回のテストの上位争いで大きく明暗を分けたのは数学の最終問題でした。ですが………神栄君は理科の問題でつまずいてしまいました」

 

 

 

「…………」

 

 

「まぁ、良いんですよ。神栄君は負けた程度で折れるような人間では無いでしょう?」

 

 

「んなことはどうでも良い……!話さなきゃいけねぇだろうが!色々とよぉ!!!」

 

 

 

 

 

 

墓穴を掘ったのはわかってるが、どうせ言われることだ。先に逝ってしまった方がこの先楽に………はならないか。

 

 

 

 

 

「あぁ、そうだったね。じゃあ話してよ。お前と神崎さんの関係」

 

 

「先生も気になりますそれ」

 

 

もう視線は順位表じゃなくて完全に神栄だ。

 

神栄は顔を赤くして下を向く。

 

 

 

 

 

「俺と…………神崎は………その、だな。お………おつ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォッ!

 

 

 

突然教室全体が揺れた。

 

 

 

窓から何があったのかと外を見ると、入り口から見て左部分がショベルカーによって壊されていた。

 

 

 

「……なっ……なんで!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「退出の準備をしてください。今朝の理事会で決定しました。この旧校舎は今日をもって取り壊します」

 

 

理事長が笑顔で言い放ったその言葉に、皆は戸惑いを隠せなかった。

 

 

 

「君たちには来年開設される系列学校の新校舎に移ってもらい様々な設備、主に刑務所を参考にした校舎で学習してもらいます。これが私の教育の理想形です。そして殺せんせー。私の教育にあなたは用済みだ。今ここであなたを殺します」

 

 

 

 

 

 

理事長の手には、解雇通知と書かれた紙が一枚、あった。

 

 

 

 

 

 





前書きのやつは当然嘘です。なんたって今日はエイプリルフールですからね。

オーストラリアに行く前に、暗殺教室原画展に行ってきました。限定(なのか?)グッズも買えて満足です。

オーストラリアでは肉食いまくりました。太りませんでした。

この話を書く寸前まで、神栄の順位に迷ったのは内緒です。マジで。

次回は理事長が発狂、理事長の過去編はバッサリカットの予定。書ければ書きます。

最後に、オーストラリアに行ってる間にお気に入りがすっごく増えてましたね。ありがとうございます。これからも頑張ります


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第145話 理事長の時間


こんにちは。invisibleです。

何か今回端折り過ぎてる気がします。なんか変な感じですが、まぁ、よろしくお願いします。

すごい変なら指摘してください。





 

 

 

「解雇通知………だと!?」

 

 

ここにきて理事長が突然旧校舎にやってきたのは、何かあったのだろうか。

 

大方、テストでE組が勝ったから、その憂さ晴らしに殺せんせーを殺そうとしたのだろう。

 

 

「早合点なさらぬよう。あくまで私は殺せんせー、あなたを暗殺しに来たのですよ。私の教育に必要なくなったのでね」

 

 

そう言って理事長はきょうしつのなかに入り、机を5つ半円を描くように並べ、その真ん中に椅子を1つだけ置いた。

 

 

1つ1つの机には、国数英理社の問題集と、手榴弾が置かれていた。

 

 

「見ての通り、ここには5教科の問題集と、5つの手榴弾を用意してます。うち4つの手榴弾は対先生用、1つは対人用。つまり本物の手榴弾です。どれも見た目などで区別することは出来ず、ピンを抜いてレバーが起きた瞬間に爆発する方式のものです」

 

 

「…………」

 

 

「そして、ピンを抜き、問題集の適当なページに手榴弾を入れます。殺せんせーはこれを開き、爆発するまでにページ右上の問題を1問解いてください。当然ながら解けるまで動くことは出来ません。殺せんせーが4問解き終わった後、私が1問解きます」

 

 

 

 

 

「………超不公平じゃねぇか?理事長さんよぉ」

 

窓から神栄がぼやく。

 

すると理事長は殺せんせーの方をポンと叩き、こう言った。

 

 

「そうだね……神栄君の言っていることは間違ってはいない。が、これは君たちへの教育でもあるんだ。強者になるための……ね。それで殺せんせー。やりますか?

 

 

 

 

 

まぁ………私があなたなら、迷わずやりますがね」

 

 

 

 

殺せんせーの選択肢は、1つしかない。ここで殺せんせーが『やらない』を選択するとはE組の皆は誰も思っていない。

 

 

が、殺せんせーはちゃんと問題を解けるのだろうか?

 

 

 

「………くそったれが。クビをチラつかせてやらせようとして殺す。強者じゃなくてタチの悪い暗殺者じゃねーか」

 

 

「人聞きが悪いな神栄君。強者故の策略、強者故の刃、これが私の暗殺なのだよ」

 

 

「ぐっ………!」

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーは席に着き、数学の問題集を見つめている。

 

 

「開けた瞬間に解いて閉じれば爆発はしない。まぁこれは言わなくても分かることでしょうがね」

 

 

「………ええ、当然です」

 

 

バッ!と問題集を開き、手榴弾のレバーが上にあがっていく。

 

(へ、平面図形計算!?)

 

 

 

 

殺せんせーが考えること1秒。

 

 

 

 

バァァン!!!

 

 

 

逃げることなく真正面から強力な爆発を喰らった殺せんせーは、死んではいないものの、今までに無いダメージを受けていた。

 

 

「まずは1発。さぁ、あと3回耐えてください。回復する前に」

 

 

 

 

 

まさか、こんな単純な方法で300億の賞金首を殺せるのか!?

 

「なんだよあれ……これをあと3回って………無理だろ」

 

 

「さぁ!回復する前に解いてください。殺せんせー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ!

 

 

 

お馴染みのスピードで社会の問題集を開き、閉じた瞬間に答えを置いた。

 

 

理事長からは先ほどの笑顔が見えなくなった。

 

「…………」

 

 

「はい。開いて閉じました。この問題集シリーズ、どのページにどの問題があるかはほぼ覚えてます。数学はすこし難しかったですけどね」

 

 

 

「………」

 

 

「さぁ、残り1冊。あなたの番ですよ。どうです?目の前に自分の死がある気分は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………!!」

 

 

 

 

=========================

 

 

 

私は………『良い』生徒を育てたかった。

 

 

一人一人の長所を存分に育てる、それが私の理想の教育だった。

 

 

 

………初めて教えた3人の子供たちはとても『良い』生徒だった。

 

 

 

 

私の教育が変わっていったのは、それから3人の教え子が中学に上がってから3年後の事だった。

 

 

 

 

とても元気だった3人の教え子の1人が、自殺した。

 

 

理由はいじめによる自殺、誰にも相談することなく、自分で解決しようとした結果、自殺してしまったと聞いた。

 

 

私は………何を教えてきた?

 

 

 

 

 

 

良い………生徒を育てる……?

 

 

違う。強い……生徒を育てるのだ。

 

 

 

 

 

私は強い生徒を育てなければいけなかったのだ。

 

 

だとしたら、強いとは何か。私は強さについてありとあらゆるものを学んだ。

 

 

 

数年後、私は新たに学校を開き、自分の弱さの象徴だった旧校舎は、弱者の見せしめとして残した。

 

 

 

強い生徒を育てるためなら……私は何でもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが今、強者も弱者も私の元から去っていき、

 

 

 

 

目の前には『死』だけが残った。

 

 

 

=========================

 

 

 

 

 

 

「………殺せんせー。もしあなたが地球を滅ぼすなら、私はそれでも良いんですよ」

 

 

 

 

理事長は迷いもなく英語の問題集を開いた。

 

 

「……嘘だろ!?」

 

 

 

 

ズドン!!!

 

 

 

明らか対先生用ではない爆発音。本物の手榴弾だ。

 

 

 

凄まじい音がしてからしばらくすると、煙がおさまり人影が見えた。

 

 

 

 

 

「理事………長?」

 

 

 

理事長の周りに薄い膜のようなものがあった。

 

 

「ヌルフフフ。脱皮をお忘れですか?」

 

 

 

 

「………何故私に使った?」

 

 

「あなたは間違いなく自爆を選ぶと思ったからです」

 

 

 

「………」

 

 

「私の求める理想は、昔のあなたの教育とほぼ同じでした。私があなたと比べて恵まれていたのはこのE組があったからです」

 

 

 

「…………」

 

 

「もう何も言わなくても分かるでしょう。これからは、お互いの理想を貫きましょう」

 

 

 

 

 

「………そうか、私は知らない間にあなたに手入れされたのか……ハハ。

そうだ。殺せんせー、たまには私も殺りに来て良いですかね?」

 

 

笑顔で理事長はナイフを殺せんせーに向けた。

 

 

先ほどの笑顔とは違う、真っ直ぐな笑顔。

 

 

 

 

「ヌルフフフ。いつでも歓迎しますよ」

 

 

 

理事長はそれから何も言わずに旧校舎を後にした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

「はぁ、終わった終わった。早いとこぶっ壊された校舎直そうぜ」

 

 

神栄が外に出ようとすると、岡島に引き止められた。

 

 

 

「あ?終わってねぇよ」

 

 

 

 

「何がだよ。殺せんせーの弱点か?」

 

 

 

「いや………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前と神崎さんの関係だよ!」

 





久しぶりに昼間に投稿した……。

次回はお待ちかね、神栄いじりタイム!

その後もオリジナルストーリーです。
キーワードは茜音さん!

もしかしたら演劇の後にオリジナルストーリーかもしれないですけど……。

(順番はこんなかんじ
神栄いじる→オリジナルor演劇→選んでない方→茅野編………これでいきます。)

そろそろ学校が始まるからまた更新遅れそうです。気長に待ってもらえると嬉しいです


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第146話 演劇の時間

誕生日が近い



 

理事長とのいざこざが終わってから何日か経ち、旧校舎が完全に元に戻ったある日、磯貝から演劇についての説明があった。

 

 

どうやら椚ヶ丘ではこの時期演劇発表会をするらしい。

 

ちなみに予算は全クラスで一番少ないし、小道具は全て自分達で旧校舎まで持っていく。いつもの待遇だ。

 

 

そして今、劇の内容を決めているところだ。

 

 

 

「………ってことで、俺らは何をする?」

 

「まずは脚本、監督、その他を決めようぜ。それから劇の内容を決めればいい」

 

珍しく神栄が仕切っている。神栄はとっとと終わらせてゲームしたいと思っているのだろう。

 

 

「監督は三村で、脚本は……狭間が適任かな」

 

三村はにっこりと笑い、狭間はニタァ……と笑みを浮かべる。おそらくオーケーのサインだ。

 

 

「よし、じゃあ劇の内容を決めよう!何がいいのか、内容を大まかに説明してくれると助かるんだけど……」

 

 

「はい」

 

 

 

「お……カルマ。何がいい?」

 

 

「これなんかどうよ。渚君」

 

 

カルマが渚に見せたものは、『阿部定』と描かれていて、その横に、『これ……僕のです(照)』と書かれていて、小さな像を持ってる絵があった。

 

 

 

 

 

「……これ、タグにBLってついちゃうよ」

 

「やめろ不破。メタい」

 

 

 

「ほ……他にあるか……?」

 

「はい!」

 

 

お次は不破。一体どんなのをするのか。

 

 

「んーとね……『デ○ノート』は?」

 

「え……」

 

「それがダメなら『○リコ』、『○ンピース』他にもまだまだあるけど……」

 

 

「能力なんか誰も使えねぇし、筋肉もモリモリじゃないぞ………」

 

 

完全に自分の趣味になってしまっている。これは間違いなく却下だろう。

 

 

「他………」

 

 

そろそろ磯貝も呆れてきている……。何かいい案でも無いのか。

 

 

「はい」

 

 

 

「おっ、神栄。どーゆーのだ?」

 

 

「桃太郎」

 

 

「……おう。内容は?」

 

 

「え、普通のヤツだぞ?逆になぜオリジナルにする?」

 

 

 

 

 

「……桃太郎、いいわ。それにしましょう」

 

狭間がペンを持ってノートにシナリオを書き始めた。

 

そんな中、殺せんせーはずっとソワソワしている。トイレならはよ行け。

 

「落ち着きが無さすぎだろ殺せんせー。なにがあった」

 

 

 

 

「主役……」

 

 

「は?」

 

 

「先生、主役やりたい」

 

 

教室が固まった。

 

 

それは全員呆れているからだ。

 

 

 

 

「何でしゃばってんだよ国家機密が!」

 

 

 

 

「いーわよ。殺せんせーを主役にした桃太郎、書いたげる」

 

 

 

 

「「「……え?」」」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

まず、役決めからだった。

 

 

 

殺せんせーは人外なので、一瞬で桃役に決まった。

 

 

あとはおじいさん、おばあさん、桃太郎、犬猿雉と鬼だ。

 

 

「んー……じゃあ、杉野、神崎とおじいさんとおばあさん役やんなさい」

 

 

 

「え!?いいのか!?」

 

 

「そんで神栄、あんたは桃太郎」

 

 

「あっ、はい」

 

 

 

 

「鬼は……寺坂組とカルマで」

 

 

……と、このような感じでパパパッと役が決まると、早速練習を行うことになった。

 

 

いろいろ微調整を繰り返し、ついに演劇発表会当日となった。

 

 

 

E組は昼休憩発表があるので、皆は飯を食べながらの鑑賞となる。

 

 

 

 

ほとんどの人間はバカにしてやろうと思っているだろう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

『……桃です』

 

 

舞台真ん中では、桃の形をした殺せんせーの周りに光が当たっている。

 

 

そして、場面が変わり、おじいさんとおばあさんが出てきた。

 

 

「どうしてこんなに大きな桃が……?」

 

「とりあえず切ってみよう!話はそれからだ!」

 

 

おじいさんは桃を包丁を使って全力で切った。

 

切り終わると、なんということでしょう。桃から赤子…………ではなく大きい子が出てきたではありませんか!

 

 

 

「………だれだ!?」

 

 

「桃太郎だ。俺は鬼を倒す使命があるから、きびだんごください」

 

 

おばあさんは桃太郎なる者の指示通り、きびだんごを3つ作り、手渡した。

 

 

「ありがとうございます。では鬼退治してくるわ」

 

 

桃太郎なる者が去ると、おじいさんとおばあさんは何が何だかわからない顔をしていた。

 

 

「なんだったんだあいつは……?」

 

 

「さ、さぁ…?」

 

 

 

ここでおじいさんとおばあさんの出番は終わり。

 

 

場面は野山に移る。

 

 

桃太郎なる者は仲間を求めて村中を歩いていた。

 

 

 

しばらく歩いた先にいたのは、犬、猿、雉だった。

 

 

桃太郎なる者は3匹にきびだんごを渡して強制的に仲間にさせて鬼ヶ島に連れてった。

 

 

 

 

 

鬼ヶ島に着くと、寺坂鬼と愉快な仲間たちが待ち構えていた。

 

 

「出たな鬼共!この桃太郎が成敗してくれる!」

 

 

桃太郎なる者が刀を構えた瞬間、

 

 

 

 

犬猿雉が何故か死んだ。理由はわからない。

 

 

「……おい、これ台本に無いんだけど」

 

小声で寺坂に問いかけるが寺坂は無視している。

 

 

「おうおう!お前だけじゃねーか!カルマさん!こいつやっちゃってくださいよ!」

 

どうやら寺坂鬼は子分だったようで、カルマ鬼がズンズンとこちらに近づいてくる。

 

 

「…………」

 

 

「この鬼め!最後に言うことはあるか?」

 

 

「………お前がな」

 

 

「…あ?」

 

 

何を言ってるのか、そう考えていた矢先、金棒(プラスチック製)が桃太郎の刀を真っ二つにした。

 

 

「おいなんだよこれ!聞いてな……グハァ!」

 

グーパンチが腹にモロ喰らった。しかもみぞおちに入っている。

 

 

「こんなの台本に書いねぇだろうが!」

 

 

 

 

 

 

「………いつ、桃太郎の話で桃太郎が勝つと言った!

 

 

 

 

この話はな……鬼が勝つんだよ!!!」

 

 

 

 

 

「ふざっけんなクソがぁあああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

結果、桃太郎の惨敗。

 

 

 

 

 

 

『……このように、正義が勝つことは多くはありません。彼も、あなたがたも………(笑)』

 

 

最後にそれっぽく律が締め、終了。

 

 

 

 

これを見てA〜D組の人たちは

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざっけんなE組が!!!!」

 

 

 

と叫んでいたのである。

 

 

 

 




茜音の話は次辺りにかしようかと思ってます。そしたら茅野編ですな!

アニメの2クール目のOP、僕は大好きです。みんなも聴こうぜ!

あ、去年みたいに誕生日に番外編はやりませんよ。ネタも無いですしw

プレゼントなら待ってますよ!


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第147話 正体の時間

作者の苦手な戦闘描写がそろそろ来る……。




 

演劇発表会が終わり、下校時刻になると、殺せんせーの周りには暗殺しようと何人もの生徒がエアガンなりナイフを突きつけていた。

 

そんな中、神栄は倉庫裏に連れてかれた。

 

 

連れてったのは、茜音だった。

 

 

 

「………なんだよ」

 

 

「碧君……私、話しておく事があるの」

 

「今更改まってなんだよ」

 

 

「その………」

 

 

 

茜音が口を開け、何かを話そうとしたその時、地面から殺せんせーが出てきた。

 

「………何をしてるんだよ殺せんせー」

 

「いやぁ、皆さん結構的確なところに狙ってくるもんで……殺られかけました」

 

 

「嘘つけ」

 

 

「それはそうと、お二人は何を話してるんですか?」

 

 

茜音は口を閉じる。先ほどのタイミングが完璧だったのに、殺せんせーがきたせいでタイミングを失ったのだろう。

 

 

何があったのか全くわからないが、相当重要なことだということだけはわかった。

 

「まぁ、なんだ、家の話だよ」

 

 

「そうですか、みなさん何かするそうですし、そろそろ集まった方がいいんじゃないんですかねぇ」

 

 

おそらく冬休みの暗殺についての会議だ。烏間先生も、予算も大量にあるから、冬休みは壮大な暗殺計画になりそうだと言っていた。

 

 

「はいはい……まったく、殺される側がなんでウキウキしてるんだか…」

 

 

「ごめん碧君、私用事思い出したから先帰るね!みんなに言っといて!」

 

 

「え?あ、おう」

 

 

 

 

 

 

結局、茜音はそのまま帰ってしまい、神栄は一人教室に戻って行ったのである。

 

 

 

 

「なんなんだよあいつは……」

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「……で、何をしているんだお前ら」

 

「何って、暗殺についての話だよ」

 

目が狂っているのか、自分の目には穴を掘っているとしか見えない。

 

疲れているのだろう。早急に帰らなければ。

 

 

「穴を掘るのと暗殺に何の関係が?」

 

「殺せんせーは落とし穴にめっぽう弱いだろ?それを使って殺るんだよ」

 

磯貝が丁寧に説明してくれると、イトナが会話に割り込んできた。

 

「このボタン一つで落とせるように現在改良中だ。完成したらかみかさが実験台となって落ちてくれ」

 

「かみさかだ。あと実験台は嫌だぞ」

 

 

 

「安心しろ、お前に拒否権はない」

 

「安心出来ねぇ」

 

 

イトナと戯れていると、渚が茅野について行ってるのが見えた。

 

こそこそしていたから、まさか告白!?などと思ってしまった。

 

神栄は渚のあとを追うことにした。

 

「……わくわく」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

渚らを尾行すること30秒。E組の倉庫で二人は止まった。

 

 

「どうしたの茅野?」

 

 

「その……派手にぶちまけちゃって…」

 

渚は倉庫中にビーズが散乱しているのを見る。

 

 

「「なんだ、そういうことかよ(ですか)」」

 

 

背後から声が重なっているのが聞こえた。

 

バッと渚が振り向くと、倉庫のドアの前に神栄と殺せんせーがいた。

 

 

「二人ともどうしたの!?」

 

「二人がこそこそとどっか行ってたから、告白かと思ってついて行ったらこうなった」

 

「私もそんな感じです」

 

殺せんせーは真っ白な顔になっていた。口が横棒になっている。これは覗いていたと言ってるようなものだ。

 

 

「まぁいいや……人が多いことに越したことは無いし、二人とも手伝ってよ!」

 

「おう、いいぞ」

 

 

どうやら演劇で使ったビーズがそこら中にばら撒かれてしまい、返す時に重さが最初と違っていると金を払わなきゃいけないらしい。

 

殺せんせーはシパシパとややマッハでビーズを取っている中、渚はそっとエアガンを取り出した。

 

(………背中がガラ空きだ)

 

だが、ここで殺せるはずがない。と判断したのか、渚はエアガンをしまった。

 

「そういえば、E組で色んな学校行事やったよね……」

 

 

「うんうん、最初渚が自爆しようとした時はビックリしたよ」

 

 

この話は神栄が転校する前のことだ。寺坂らの指示で、渚は自爆をしたらしい。

 

その後殺せんせーが怒り、なんやかんやあったと以前話していた。

 

「そしたらカルマ君が来て、初めて殺せんせーに攻撃を当てたよね」

 

 

「そっから神栄君が転校してきて、体育で烏間先生と本気でやり合ったり…」

 

どんどんと楽しい思い出が浮かんでくる。

 

修学旅行で初めて有希子とゲームで対決したり、闇鍋でみんな死んでたり、デートをしたり……と言い出すとキリが無いくらいの思い出があった。

 

 

「………」

 

 

(私もたくさんこの教室でやってきたなぁ……)

 

 

 

後ろに手を組んで思い出に浸る茅野。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茅野の首から、徐々に、徐々に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪とは違う、長い物が出てきた。

 

 

 

 

 

 

「………は?」

 

 

 

 

「…………………気づかなかったね。最期まで!!」

 

 

 

ハッ!と殺せんせーが振り向くと、茅野が殺せんせーに攻撃をした。

 

 

床に当たると、その床は真四角に壊れ、落とし穴になっていた。

 

 

 

「大好きだよ、殺せんせー。

 

 

 

 

 

 

死んで」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「か……やの?」

 

 

「おい……ウソだろ?」

 

 

 

高速で落ちる殺せんせーに、茅野は容赦しなかった。

 

思い通りの動きができない殺せんせーは、ただただ落ちていくことしかできなかった。

 

 

死神よりも速い攻撃。茅野は触手を自在に操り、殺せんせーの行動を一つ一つ潰していった。

 

 

(つ……強い!)

 

 

残り数メートルといったところで、殺せんせーは壁に自分の触手をくっつけ、落下を止めた。

 

だが、茅野はそれでも攻撃を止めない。

 

 

(あと一撃!!)

 

 

全力で触手を振りかざすと、殺せんせーは触手を一点に集めた。

 

 

(まずい!これはイトナ君に使ったエネルギー砲!?防御を……!)

 

 

殺せんせーは狙いを横にズラし、壁に向かってエネルギー砲を発射した。

 

 

その瞬間、空いた穴から脱出をした。

 

 

 

 

 

エネルギー砲の爆発音でクラス全員が外に出てきた。

 

 

そこから見えたのは、傷だらけの殺せんせーと、髪を下ろした茅野だった。

 

 

 

「………茅野……なんだよその触手!」

 

 

 

「……あーあ、思わず防御しちゃったよ。殺せんせーが生徒を殺すわけ無いのに……しくじった」

 

 

「茅野さん……なぜ…」

 

 

 

「ああ、殺せんせー。茅野カエデは本名じゃないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

雪村あぐりの妹。そういえばいいのかな?人殺し」

 

 

 

 

突然の事態に、神栄は唖然としているだけだった。

 

 

この時神栄は気づかなかった。

 

 

 

一件のメールが届いていることに……。

 




茅野&茜音編の第1話って感じです。

このままサーっと行きたい所ですが、GWが終わるとテスト期間に入り、テスト、そして体育祭、修学旅行とその他諸々…予定がびっしりです。

少しずつやっていくつもりので、気長に待ってもらえると助かります。


次回……は、まだ何にも書いてないです



追記:様々なご指摘を受け、少しずつではありますが最初から全部修正しようと思います。
相当時間がかかることは承知の上です。ですが、皆さんの為に少しでも良い文を読んでもらいたいという気持ちがあっての決断です。
修正版でもヘタクソだったら僕はその程度の文才なのだな、と思ってください。

ご指摘をしていただいた方、ありがとうございます



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第148話 交錯の時間


本当に申し訳ないです。





 

 

「さっきの戦いでわかったよ。今の私なら必ず殺れる。じゃあね殺せんせー、また後でね」

 

 

 

触手を枝に巻きつけ、跳躍したあとどこかへ消えていった。

 

 

「……ありえない。メンテナンスせずに触手なんて生やしてたら地獄の苦しみが続いていたはず…!」

 

 

イトナの顔からは、人よりも多く汗が流れている。よほど衝撃的なことだったのか、自分と照らし合わせているのか。

 

 

「あと、雪村あぐりの妹って、殺せんせーが来る前の担任の先生じゃねーか!」

 

 

「んなことはどうでもいい。殺せんせー、茅野は人殺しって言ってたが、一体過去に何があった?」

 

 

神栄は殺せんせーに問いつめる。

 

 

が、殺せんせーは喋らない。相変わらず顔は変わらないし、何かを考えているのだろうか、

 

 

 

「……わかりました。先生の過去の全てを話します。ですが、話すときはクラス全員が揃った時にでもいいですか……?」

 

 

全員が揃った時。つまり、殺せんせーは茅野が戻ってきて、暗殺が終わった後に話すということだ。

 

 

 

「……なるほど、ってちょっと待ってくれ。メールが来た」

 

 

「今殺せんせーは真面目なこと言ってんだがな…」

 

 

 

 

 

メールを見た後の神栄は、とても険しい顔をしていた。

 

 

 

「………あ?」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「悪い、先に帰るわ」

 

「おい、どうした神栄?」

 

 

 

 

「どうしたもこうしたもあるか、帰るっつったから帰るんだよ」

 

「なら理由を……」

 

 

磯貝の説得に応じることなく、神栄はカバンを持ち、教室を去った。

 

 

 

しばらくし、ようやく立ち止まると神栄はため息を吐いた。

 

 

「まずったな……。

 

 

 

 

 

 

茜音が椚ヶ丘を去るのと、茅野のことが重なった……」

 

 

茜音が去るというのは叔父が経営してる仕事の影響だ。

 

どうやら海外進出をしようとしているらしく、しばらく日本に戻ることがなくなり、海外での生活を送ることに決めたと言っていた。

 

それ以上のことを聞こうと思わなかったし、聞く気もなかった。

 

 

碧の場合、叔父達とは完全に独立した人のため、海外へ引っ越しするという情報は今さっき知った。

 

 

これが、今自分が話せる全てである。

 

 

暗殺についての話を全く知らない叔父はおそらく近日中に去る日程を教えてくるが、敵か味方かわからないままでいる茜音が何をしてくるかわからない。本当に困った存在だ。

 

 

 

 

 

家までの距離が残り数10m程になると、神栄のケータイが震える。

 

 

『午後5時、空港に来るようにだってよ。byおじいちゃん』

 

 

現在午後3時半、確実に無理な時間ではないし、叔父の命令なら従わざるを得ない。それが本当に叔父が言っていたのかは謎だが。

 

 

 

 

 

 

 

「………!?」

 

 

ふと、殺気を感じた。

 

 

 

それは一瞬の出来事で、もし襲って来たらほとんどの確率で死んでいたであろう殺気だった。

 

だが、後ろを見ても誰もいない。

 

 

 

「………普通の殺気じゃねぇな…何か、本当に人を殺すような感じだ……」

 

 

 

 

そう言って空港へと急いだ。

 

 

 

 

結局……なんだったのだろう。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

1時間半後、とある空港に着いた神栄は、荷物を預けている茜音を目撃した。

 

「……何で俺は呼ばれた?」

 

 

「…………茅野ちゃん、触手持ってたそうだね?それに対して何か無いの?」

 

「お前に言うことなんか無いんだが」

 

「…………これでも?」

 

 

 

茜音がケータイを見せてくると、そこには茅野からのメールが届いていた。

 

全員へ一気に送ったメールだった。

 

 

『今夜7時、椚ヶ丘公園奥のすすき野原まで』

 

 

今の時刻は午後5時半、これから空港近辺の通りは混み合う時間になる。

 

 

すなわち………

 

 

 

「ハメやがったな………!クソが」

 

 

「いやいや、碧君にはピンチをぶち壊すチカラがあるから、この程度のピンチは普通の事だよ?」

 

「だから何だよ!ふざけろ!!」

 

「……これが」

 

 

 

「あぁ!?」

 

 

茜音はすぅ、と息を吸い、今まで見たことのない笑顔でこちらを見る。

 

 

 

「最後の《姉として》のいじわるだよ碧君……最後の、いじわる」

 

「……!?」

 

 

この言葉が意味していることは、『二度と日本に戻っては来ない』ということなのだろうか。それにしても遠回しに言いやがる。

 

「あっそ……戻ってこないなら来なくてもいい。むしろ来るな。でも、戻って来た時、覚えてろよ……?」

 

「……そうだね、絶対覚えてるよ」

 

 

 

いつまでもそっけない会話、これが神栄姉弟の最後の会話だった。

 

 

別れの挨拶もなく、見送る気も無い。だが、それでいい。むしろそれがいい。

 

そう茜音は思い、搭乗口に足を運んだ。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

「タクシーなんかで行ったら3時間くらいかかる……電車だと間に合うか?」

 

 

 

残り1時間と25分。行きよりも短い時間で戻ることは現実的に不可能だ。

 

 

茜音が言っていた、ピンチをぶち壊すチカラ。それを自分は発揮できるのだろうか?

 

 

 

考えれば考えるほど不安になってくる。

 

 

 

 

 

「仕方ない、やれる最大限をするしかないな……」

 

 

神栄は車の通りが少ない道を選び、走り出した。

 

 

 

「建物の屋上に行ければ、楽なんだがなぁ……」

 

 

 

ボヤきながら神栄は【椚ヶ丘まで30km】と書いてある看板を発見した。

 

 

約1時間で30km、全く出来ない訳ではなくなったかもしれない。

 

 

「僅かな可能性だろうとそれに賭けろ。やりもしないのに諦めるのは三流以下のやることだ」

 

 

 

現在の叔父にあたる神栄 黒紀に言われた言葉だ。

 

思いもよらない状況になった神栄に、この言葉が脳裏に浮かんだ。

 

 

 

(僅かな可能性、賭けてやろうじゃねーの!)

 

 

逆境に陥った神栄に、笑みが浮かぶ。

 

 

それは殺る気のある、素晴らしい笑顔だった。

 





1ヶ月も投稿しなかったこと、本当にすいません。

またしばらく投稿出来ないかもしれませんが、気長に待っててください。

学年が上がって勉強が忙しくなって、更に行事が重なり……と、この他たくさんの事情(言い訳)がありまして、投稿が遅くなりました。

おそらく次回は茅野VS殺せんせーor……?になるかと思います。

では、おやすみなさい。


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第149話 守る時間


あ、20万UA突破ありがとうございます。こんなのが20万なんて……突破した時は嬉しかったです。

あと、れんちょんかわいいのん。僕は赤ちゃん時代のれんちょんが一番好きです





………確かに、不可能ではないと言った。

 

が、ちょっと無理っぽいかもしれない……。

 

 

全力で走っていても、距離が短くなってる気はしなく、ただただ時間だけが過ぎているような感じだ。

 

 

時計を見ると、現在午後6時半。茅野がメールで送った時間まで残り30分である。

 

そして、残りの距離は20km。

 

 

30分で10kmしか進んでいないのに、残り30分で20km進むのは流石に厳しい。

 

 

神栄はただ立っていることしか出来なかった。さながら木のように。

 

 

 

「くそっ……!奇跡さんよ、今の俺の姿を笑ってくれても構わねぇ!それでもいいから、起きてくれよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォン!とすさまじい風が神栄の周りで起きる。

 

 

 

「奇跡は望んで起きるものではありませんよ神栄君。ヌルフフフ」

 

 

 

 

「……っ、これを奇跡って呼ぶんだよ。殺せんせー!」

 

 

相変わらずのヘタ変装の姿で、うちの担任、殺せんせーは笑っていた。

 

これだから、マッハ20は怖いんだよ……。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「全く……何をしてるんですか神栄君は、こんな大事な時に…」

 

 

「……茜音が海外へ行ったんだ。仕事の都合らしいが、それが何か変というか、その…」

 

 

「別に、変ではないでしょう。突然の出来事なんかザラにありますよ。………今回のように、ね?」

 

さすがの殺せんせーも茅野のことを気にしているということか。確かに自分含めほぼ全員が唖然とするほど驚いた出来事だ。

 

 

「でも、やっぱ疑っちゃうんだよ。海外に行ったフリして、また俺らの前に立ちはだかろうとしたり……」

 

「……神栄君はまた戻るんですか?せっかく人を信じてこれてきたというのに、また信じなくなるんですか?先生だって、全てを信じるほど聖人ではないですが、生徒全員を信じると決めています。茅野さんのことにしろ、今のことにしろ」

 

 

「じゃあ、殺せんせーは茜音のことも信じるってのか?」

 

「敵対勢力だった茜音さんですが、十中八九今回の事は本当だと思います。茜音さんだって、喜んで海外に行ったわけでは無いでしょうし」

 

 

 

 

『最後の《姉として》のいじわるだよ碧君……最後の、いじわる』

 

ふと、最後の言葉を思い出す。本当に、その笑顔の裏には悲しみがあったのだろうか。

 

確証がない今は、《信じておく》しかないのか。

 

 

 

「もういいや……唯一の姉のことだ。ひょっこり出てくんだろ。味方として」

 

 

「そうですねぇ。ヌルフフフ」

 

 

 

「それより急いでくれ。そろそろ茅野が指定した場所に着かないとヤバいぞ」

 

 

「それはご安心を。1分で着きますから」

 

 

 

バヒュン!という音と共に、神栄を乗せた殺せんせーは上空へと飛ばす。

 

……本当に1分後、すすき野原前に着くと、みんなが集まっていた。どうやら10分前からいたらしい。

 

 

「殺せんせー。今みんながいるからこそ、言いたいことがあるんだ」

 

磯貝が1人だけ前に立ち、皆を見ながら殺せんせーに言い放つ。

 

覚悟を決めたように、目をカッと開き……。

 

 

「もし、全てが終わったら、殺せんせーの全てを話してください。俺らは《そこ》まで来てしまったんだ……」

 

 

「……言い逃れしても無駄な様だな……。わかりました。全て、つまり茅野さんとの闘いが終わった時、私の過去のことを話します」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「……ん?時間通り来た様だね?それじゃ始めよっか!」

 

 

茅野はこの時期とは思えない薄着で、触手をだらりと見せつけ、笑顔になっていた。先日狂気の顔で殺せんせーを襲っていたとは思えないほどに。

 

 

茅野は薄着だが、異常なまで汗をかいている。イトナ曰く、触手を植え付けられた人に見える特殊な現象らしい。

 

 

「……茅野。その汗の量は触手を植え付けられた人特有の現象と聞いた。その末路は………死」

 

 

「うるさいよ神栄君。ベラベラ………うるさいよ!!!!」

 

 

茅野が触手を使い飛び跳ねると、空中で触手を器用に使い、円を描いた。

 

その瞬間、円を描いたところから次々と発火し始めた。

 

 

「炎のリング?これは殺せんせーの苦手な環境変化か!!

 

……それになんだよあれ……炎の触手だと!?」

 

 

茅野は狂った笑顔で炎の触手を見せつける。時々ブンブンと動かし、挑発をする。

 

 

「どんな欠点も弱点も磨き上げれば武器になる。つまり、体が熱いなら触手も熱くすればいい!」

 

「バカ野郎!そんなことしたらお前の体が……!?」

 

 

「やる、と決めたら私は一直線なの。どんな形でも、私はやるの!!!」

 

 

「うるせぇ!だったら俺はそれをやらせないぞ!どんな形だろうと、お前の暗殺を阻止してやる!」

 

 

 

 

神栄はゆっくりと足を動かす。全ては茅野の命のため、神栄は、炎のリングの中へと入る。

 

 

「……死にたいの?」

 

 

「お前こそ、死にたいのかよ」

 

「いいわよ、殺せんせーの前に出ようものなら、神栄君も一緒に殺ってあげるわ!!」

 

「だったら俺は、お前を生かしてやる。また一緒に楽しい暗殺生活を送らせてやるよ!」

 

 

神栄はポケットから対殺せんせー用ナイフを取り出し、構える。

 

一方茅野は触手を先ほどとは全く違う速さで振り回す。

 

 

「……覚悟は、いい!?」

 

「こっちの……セリフだ!!!」

 

 

2人の戦い……もとい死闘が始まった。




空白の2ヶ月。主にぼーっとしてました。
(なお、大量のアニメと音楽を聴いたり見てたりした模様)

多少は書いてましたが、全部ボツ。そして新しい小説に手を出すという所業に出る誰ビジブルとかいうやつがいるんですよ。本当頭おかしいですよね。

てな訳で一番納得したのがコレだったので、早速投稿です。


PS.新しい小説書きました。良ければ見てください。
あと、次回以降に結構重大(と思われる)お知らせしますね。


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第150話 救う時間

結構ハート殺られてる中書いたものです。過度な期待はしないほうが良いかと思います


殺意むき出しの茅野に、今更説得など無意味。戦闘中に殺意を消すことに全身全霊をかけるしかない。

 

「ほらほらぁ!ヘンなこと考えてたら、すグ殺さレちゃうよ!?」

 

死神との戦いとは別次元のモノだった。あちらはまだ人間だったが、茅野はもうモンスターと言っても過言ではない。

 

 

「こりゃ相当な荒療治になるな……」

 

 

茅野の触手の動きに合わせ、神栄は右へ左へと移動する。規則性のないステップに、茅野の触手の動きはだんだんと荒くなっていく。

 

 

「早く……殺らレレバイイのに……チョロちょロ鬱陶シいなぁ!!神サカ君!」

 

 

そろそろ喋ることが苦行になるレベルなのか、片言混じりの言葉が増えてきた。それでも茅野の触手は止まらない。

 

 

「そんなニ逃げルなら……殺センセーから殺しテやル……!!!」

 

 

茅野は突然方向転換しマッハとまではいかないがとんでもない速さで殺せんせーの元へと向かった。

 

当然触手持ちの茅野に追いつけるはずがなく、戦いは茅野対殺せんせーに移った。

 

「……ッ!!」

 

 

殺せんせーも予想外だったのか、相当驚いた顔をしている。

計画通り、といった顔をしている茅野はさらに攻撃を続ける。

 

 

「殺せんせー!ワタシすごク気持ちイイの!アツイのが気持ちイイの!!だから死ンで!殺せンセー!!」

 

「……茅野さん」

 

 

圧倒的パワーに、殺せんせーはただ避けることしか出来ない。

 

「チッ、どうすれば……!」

 

その戦いでは完全に蚊帳の外扱いの神栄は、茅野を救う方法を模索していた。

 

直接触手を抜くにしても、抵抗されて最悪殺されるのがオチだ。

 

 

 

 

 

「死んで!死んデ!死ンデ!死んで!!」

 

狂気混じりのその言葉は、日常的に言うモノとは全く違い、本当の意味での言葉だった。

 

だが、その言葉の裏にはどこか、助けてほしい。そんな気持ちがある気がした。

 

これが本当の茅野の気持ちなのか。

 

 

 

「か……やのぉぉぉぉおお!」

 

 

茅野が2本の触手で殺せんせーに攻撃しようとしたその時、

 

 

 

 

 

ブシュッ!

 

 

 

と、何かが潰れたような音がした。

 

 

 

「ぐっ…アアッ!」

 

「神栄…君?」

 

1本の触手は手のひらで止まっており、もう1本は腕で止まっていた。

神栄の手は血まみれになっており、腕は広範囲が内出血になっていた。

 

 

「……やめろ……もうやめるんだ」

 

 

 

「…ウルサイ!!」

 

茅野は触手を引っ込めたかと思わせ、次は触手をバットのようにし、神栄を炎のリングの端まで投げ飛ばした。

 

幸い火だるまにはなってないが、着地の際に手をついたらしく手を抑えている。

 

 

 

「ガッ……あああああ!!」

 

 

今までに体験したことのない激痛が腕に走る。

 

 

「神栄!大丈夫か!」

 

リング越しから神栄の状態を心配する声が聞こえるが、痛みに全てを支配されているのか、声が全く聞こえない。

 

 

「神栄……君……………ハッ!?」

 

 

 

神栄の方を一瞬振り向いた殺せんせーの行動を見逃さなかった茅野は、殺せんせーの最大の弱点である心臓の位置に2本の触手を突き刺した。

 

 

「ゴフッ…」

 

少量ながら、殺せんせーは吐血をする。さらに炎の触手のせいで熱さのダメージがある。

 

「殺ッた……?」

 

 

 

 

「……こ、これで私が死ぬわけ…ないでしょう。茅野さん。私はクラスみんなが『無事』で卒業出来ないことが、先生にとって死ぬより嫌なことなんです」

 

 

 

 

「だカラ……ナニ!?」

 

茅野はさらに奥深くまで触手を食い込ませる。

 

「うっ……!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

渚は神栄と茅野と殺せんせーとの戦いの最中、自分には何が出来るのかを考えていた。

 

(神栄君の考えていることは多分僕と同じだ、どうやって茅野の殺意を消すか。この一点に絞っている)

 

 

でも、その方法はどれも茅野に危害が加わるようなものだ。

 

ナイフでの斬撃、拳銃での狙撃、対触手系統の武器は全て使えない。

 

自分たちは今までに何をやってきたのだろう。

 

 

 

テストで勝つ方法、野球部に野球で勝つ技術、少ないお金で贅沢をする技術、超実践的な英会話の会話技術。

 

 

 

 

 

(……ある!茅野を救えるたった1つの技術が!!)

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

殺せんせーは今ある最大限の力で複数本の触手を使い茅野を拘束した。

 

 

拘束し終わったと同時に、渚が茅野の目の前に立った。

 

 

「……茅野」

 

 

 

渚は一言、そう呟くと猫騙しの要領で茅野の方へ走り、手は出さずに顔を近づけ、茅野にキスをし始めた。

 

 

全員が突然の出来事に驚いている中、カルマと中村はケータイを取り出し左右に分かれ撮影をした。

 

 

「〜〜〜っ!?」

 

 

普通のキスではなく、ディープキス。つまり舌と舌を絡めるオトナなキスだ。

 

 

段々意識が遠のいていく茅野。渚はその事に気づかずにただ殺意を消す為にキスを続ける。

 

 

15HITした辺りで、茅野は完全にやられた。

 

 

目がクルクル状態になった茅野は自分の力では立つことができずその場で倒れた。

 

「……殺せんせー、これでいいかな」

 

 

「完璧です渚君!」

 

 

殺せんせーは最速で茅野の触手を抜き取る。

 

 

一方神栄の方では神崎が意識の有無を確認していた。

 

「碧くん!碧くん!しっかりして!」

 

 

「……ああ、大丈夫だよ。腕以外は……」

 

 

 

 

殺せんせーの方では触手が完全に抜き取れたらしく、殺せんせーは安堵していた。

渚はカルマに先ほどの一部始終を見せられ赤面している。

 

 

 

「……渚がなんとかやってくれたのか、良かった。んじゃ、後は頼んだ……」

 

 

「そんなことさせませんよ神栄君。さぁ、腕を出して。私が治しましょう」

 

 

さっきのようにものすごいスピードで一部折れている神栄の腕と手を完璧に治す。

 

「元医者かよこの人。まぁ……いいか」

 

「そんなことも、あったかもしれませんねぇ」

 

 

他愛もない会話をしていると、神栄の腕は完全に治っていた。

 

「それは別にどうでもいい。茅野は大丈夫か?」

 

 

 

「ええ、今寝ていますが、すぐに起きますよ」

 

 

神栄が茅野の方に行くと、触手は抜かれており、寝ている。

 

「さっすが渚だな。何したらこうなった」

 

 

「キスだよキ、ス。神栄と神崎ちゃんとの濃厚キスみたいなキッスを……ねぇ?」

 

「おいバカやめろ」

 

 

 

「………ん?」

 

神栄の声で起きた茅野は目をこすり今の状況を見る。

 

 

全員が茅野が元に戻ってホッとしていると、どこかからかバチュン!と音がした。

 

 

狙いは、殺せんせーだった。

 

「んなっ……!」

 

「何血を流して死にかけている。そこの使えない娘もそうだ。折角いい展開を見れると思っていたのに残念だ」

 

「何言ってるんだお前……」

 

 

「黙れ無能モルモットの弟。だがまだ策は残っている。ここにあと2人ほど、な……。最後はこの俺だ」

 

シロはマスクのような部分をブチっとちぎると声が変わる。

 

「どんなことをしてでも、お前だけは絶対殺す。どんなことを……してもな」

 

 

シロは今まで見せなかった素顔を見せる。

 

左目は機械のようなものでできていて、髪もチリチリしている。

 

「覆面を被って声を変えた天才科学者。やはり君だったか、柳沢」

 

「そんなことはどうでもいい。行こう2代目。3月までには呪われた命に完璧な死を……見せてやる」

 

 

そう言ってシロ改めて柳沢と2代目なる人物は森の中へと消えていった。

 

 

「今はあいつの事はどーでもいい。茅野が先だろ」

 

茅野は目をパチクリとさせ、周りを見渡す。

 

そこには茅野が復活して涙している者、やれやれだぜ……と言っている者、安心している者がいた。

 

「やっとちゃんと起きたか茅野」

 

 

「……最初は、純粋な殺意だったの。けど次第にその殺意に自信が持てなくなっていった。もしかしたら、殺せんせーには私の知らない他の事情があるんじゃないか?殺す前にそれを確かめたほうがいいんじゃないか?って。でも、もう遅かった。触手がそれを許さなくて、純粋な殺意は真っ黒な殺意に変わったの」

 

 

 

皆が黙って聞いていると、

 

「……目的なんかどうでもいいよ。どんなに1人で苦労してたとしても、みんなと楽しく過ごした日を、全部演技だなんて絶対言わせない。だから、みんなで聞こう。殺せんせーの事を」

 

 

「……うん。もう、演技やめて……いいんだ」

 

 

何もかも解き放たれた茅野の目から、涙が溢れてきている。これは演技ではない、本当の茅野の涙だった。

 

「殺せんせー。茅野はここまでして殺せんせーの命を狙った。………もう何も言わなくてもわかんだろ。言ってくれよ、殺せんせーの過去を」

 

神栄は真剣な表情で殺せんせーに言い放つ。

 

 

 

「どんなことであろうと俺たちは受け入れます。だから話してください。殺せんせー」

 

磯貝が神栄の言葉に付け足すと、殺せんせーははぁ……と大きく息を吐き、自分の触手を絡ませる。

 

 

「……正直過去の話はしたくなかった。けど、君たちの信頼のためにも、ここは言わなければいけないようですね。夏休みの南の島で、烏間先生はイリーナ先生をこう評しました。

 

 

『優れた殺し屋ほど万に通じる』

 

至極まともな言葉です。そして、私は教師をするのはこのE組が初めてです。ですが全教科を満遍なく君たちに、完璧に教えることができた。それは何ででしょうか?」

 

 

 

 

「……それって、まさか…」

 

 

 

 

 

「そう。

 

 

 

2年前まで、私は【死神】と言われた殺し屋でした」

 

 

殺せんせーは今まで秘密にしていた壮絶な過去を………ゆっくりと、語り始める。

 

 

 




前話のあとがきで言ってた重大だと思われることはですね、このあとE組がいろいろあって分裂するじゃないですか。そこで神栄くんをどっちにするか、それをみなさんに決めてもらいたいと思うんですよ。一応どっちも書く予定ですが、票が多かった方のルートを投稿。少なかった方は何かの機会に投稿。的なことを思いつきましてね。悪くはないと思うんですよ。

ですので、invisibleの活動報告でアンケートとりたいと思います。これを投稿次第活動報告にて書きますので、是非投票お願いします。
あと、Twitterでもアンケートとろうかと思ってます。Twitterの方もこれを投稿次第アンケートとる予定です。
(Twitterアカウントは『@yellowtailambe1』です。)


ですが、その話まで行くのに相当時間がかかると思われるので、Twitterの場合はアンケートに必要な時間を最大までして、かつ何回もやる予定です。
それで多かった方+活動報告の票数で決めようと思います。

何を言ってるのかわからなかったら、自分が暗殺教室の世界に入ったら、殺す派と守る派どっち入りたいかで決めてもらえると嬉しいです。


そして次回、殺せんせーの過去。これはどう頑張っても原作を丸コピーになりそうで怖い。もしダメだったら何事もなかったかのように殺せんせーの過去話あとを書こうかと思います。


長文失礼いたしました。アンケートは活動報告に書くんですよ?感想欄には書かないでくださいね?

ではありがとうございました。また次回。


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第151話 迷う時間


殺せんせーの過去編を書くのは無理だと判断し、大まかなことだけを書くことにしました。




 

殺せんせーの口から、死神と呼ばれていた頃から教師に至るまで、余すことなく話してくれた。

 

唯一の弟子であった人に裏切られ、シロ…柳沢によって反物質の生成の人体実験のモルモットになったこと。

 

監視役として、茅野の実の姉である雪村 あぐりを置き、彼女は学校の教師をやっていたこと。雪村 あぐりが受け持っていたクラスは、3年E組だということ。

 

殺せんせーに反物質エネルギーの実験をしているうちに、腕や指先が触手のようになり、それを自由自在に使えたということ。

 

その他にも、人間より老化が早いマウスを使用して、反物質エネルギーの実験をしたところ、月の7割を消しとばしたこと。

 

それを見た柳沢は、マウスよりも身体が大きい初代死神にも同じことが起こると判断し、殺害を計画するも、触手を使いこなせるようになった殺せんせーによって左目を失ったこと。

 

触手まみれになった初代死神を救うかのように、あぐりが殺せんせーに抱きついた瞬間、触手地雷によって腹部を貫通した後、あぐりが死亡したこと。

 

そして、あぐりが3年E組の教師を殺せんせー任せるといったこと。

 

 

殺せんせーが全てを話した後、全員の頭を殺せんせーの思い出が駆け巡る。

 

今まで逃げてきていた。本当はやらなければとわかっていたのに、逃げていたんだ。

 

 

改めて実感する。

 

 

 

この先生を、殺さなくちゃいけないのだ……と。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

殺せんせーが過去の話をしてから、E組の皆は冬休みを迎え、年が明けた。

 

 

1月6日の昼頃、神崎、奥田、杉野、渚の4人は病院で入院している神栄と茅野のお見舞いに来た。

 

 

「2人とも大丈夫?」

 

渚がフルーツ盛り合わせのカゴを机に置くと、心配そうに見つめる。

 

「大丈夫大丈夫。俺は別に擦り傷だし。今すぐ退院してもいいくらい」

 

「私も大丈夫だよ。明後日に神栄君と一緒に退院って言われたしね」

 

「そっか。ならよかったよ」

 

 

「あの……茅野に謝らないといけないことが…。あの夜のこと、もしかして…怒ってたりしてたら、ごめん。方法が思いつかなくて…」

 

あの夜のこと、渚が茅野にキスをしたことだろうか。とんでもないことを渚はしたらしい。

 

「大丈夫だよ。助けてくれたんだもん。こっちがありがとうって言いたいくらいだよ」

 

「よかった……」

 

 

 

 

「あ、そろそろ帰ろ渚君。茅野さん、まだ万全じゃないみたいだし」

 

神崎が帰るよう促すと、渚たちは病室を後にする。

 

 

 

 

 

「……っておい。神栄はなんで来てんだよ」

 

「帰りたいから」

 

「ダメだよ碧くん。もし何かあったらどうするの?」

 

 

「えっ、あっ、そ、そうですね」

 

 

(神栄よぉ……そこは「なら有希子の家で看病してくれよ」だろ…。ヘタレスキルは未だ健在かよ…)

 

杉野は自分の妄想が混じりつつ、心の中で言うが、もう神栄の場合は完全に手遅れ。

 

「……んじゃ明後日…またなー」

 

 

渋々と病室へと帰ると、茅野がバタバタとしている。

どうやら神栄が帰ってきたのには気づいていない。

 

「……何してんの茅野」

 

「はっ!ななななんでもない!なんでもないよ!」

 

「ふーん………顔を真っ赤にして足バタバタさせていたのの何がなんでもないんだろうな。もしかして、渚に惚れたのか?」

 

茅野はさらに顔を赤らめると、背を向けてしまう。

 

「かっ、神栄君だって神崎さんに言いくるめられてたじゃん!このヘタレ!」

 

「うるせぇ。アレは戦略的撤退だわ」

 

「そうやっていつも戦略的撤退(笑)してるから歩み寄れないんだよ!」

 

「じゃあお前も渚に歩み寄れよ」

 

「うぐっ!」

 

 

人のことを言えないにも関わらず、茅野にトドメの一撃を放つ。

 

反論できなくなった茅野は再び神栄に背を向ける。

 

「……まぁ安心しな。カルマや中村には言わねぇよ……気づいてるかもしれないけどな」

 

 

「…………ありがと」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

冬休みの間、殺せんせーを暗殺しに来た人は誰1人としていなかったらしく、学校に行くと全員のテンションは最底辺に近い状態だった。

 

授業でもそのテンションは変わらず、魂が抜けているのか?と思うほどだった。

 

 

「みんな……ちょっといいかな」

 

 

放課後になると、渚が全員を森の中へと集め、話し始めた。

 

 

「で、お前が全員集めるなんて珍しいじゃねーか。なんだよ」

 

寺坂が問うと、渚は一呼吸置き、

 

 

「……殺せんせーを、助ける方法を探したいんだ」

 

「それはつまり、3月に爆発させない方法を見つけるってこと?」

 

「そう。今はまだアテはないけど、僕たちに色々と教えてくれた先生を、殺すより助けたいって思ったんだ。だから…」

 

 

 

 

「わたしさんせーい!まだ殺せんせーと色々生き物探したいもん!」

 

「私も賛成。殺せんせーに恩返しもしたいしね」

 

「俺も賛成だよ。やれるだけやってみよーぜ!」

 

倉橋、片岡、杉野が渚の意見に賛成していると、その他にも続々と渚の元へ集まる人が増えてくる。

 

 

そんな中、

 

 

 

「こんな状況で言うのもアレだけど、私は反対」

 

中村が口を開くと、全員が固まる。

 

「……え?」

 

「確かにそれなりの恩は感じてるけど、暗殺者と標的が私たちの絆。それを今更助けるのはちょっと違うと思う。暗殺者である以上、殺せんせーを殺すことで感謝の気持ちを表せると思うんだ」

 

中村の発言の後、そのうしろには寺坂組のメンバーと、カルマが立っていた。

 

「仮にだけど、助ける方法を模索していて、3月経っちゃったらどうするの?それで殺せんせーは満足するの?そんな無様な結果で、殺せんせーは納得するの?渚くん。随分と調子に乗ってない?」

 

 

「………」

 

カルマの説明は実に正しい。殺せんせーを助ける方法を見つけるのは簡単ではないし、見つけて実行するまでにとてつもない材料が必要になったら、たった2ヶ月で準備できるはずがない。

 

そんな無謀な賭けに出るのなら、実力がついてきた暗殺に全力を尽くすのは最善の策だと言える。

 

 

「E組で一番暗殺力がある人間が暗殺をやめて助ける方法を見つける、今まで殺せんせーを殺してきた人の気持ちも理解せずにそんなことしてるけど……」

 

 

「そーゆーのじゃなくて、普通に…!!」

 

「普通に、何?助けるために殺意すら消すの?殺意が鈍ったらこの教室は成り立たないんだけど。それすらわかんないの?」

 

 

渚は何か言いたそうにカルマを見ているが、いう気配はない。

 

とうとうカルマの目が変わる。

 

 

「何それ、文句あんの?言ってみなよ、ホラ!ホラ!」

 

 

カルマは渚に近づくと、右手で渚を押す。数発押した後、ネクタイを掴もうとすると、渚はその手を抑え、足を首に巻きつかせる。

 

強制的に膝をつかせ、首を締め付ける。

 

 

「僕だって半端な気持ちで言ってる訳じゃない!そこまで力ずくでっていうなら……!!」

 

 

「それが……なんだよ!!」

 

体重の軽い渚の締めつけを物ともせず、カルマは立ち上がり、空いている左手を握る。

 

 

「おいやめろ!ここでケンカしてどうするんだよ!」

 

磯貝と前原がカルマを止め、渚を杉野が止める。だがカルマは言うことを聞かない。

 

「こいつ……なんつー馬鹿力だよ!」

 

 

殺伐とした空間に、空気を読まないかのようにある生物がやってくる。

 

 

 

「中学生のケンカ、大いに結構!暗殺で始まったクラスなのですから、武器で決めてはどうでしょう?」

 

殺せんせーはさながらマッカーサーのような姿でケンカの仲裁をしてきた。

 

事の張本人は赤と青と書かれたダンボール箱を自分の前に置くと、説明を始める。

 

「先生を殺すべきと思う人は赤、殺すべきでないと思う人は青に入り、赤と青のインクがついた武器で、この山を戦場に戦ってもらいます。相手のインクをつけられたら死亡。つまり退場です。相手チームを全滅させるか、敵陣の旗を奪ったチームの勝利、そのチームの意見がクラス全員の総意とします。これでどうでしょうか?」

 

 

「ここに来て力技ってか?」

 

「そう。多数決も一種の力技ですが、これもまた同じ、多人数有利ですね。ですが今までの経験を活かせば、人数や戦力は関係なくなります。さぁ武器をとりなさい。先生を殺すか、助けるか。全てはあなたたち次第なのです」

 

 

殺すか、助けるか。それを決めるのは自分次第。果たして、俺はどうすればいいのだろうか………。

 

 

 

「……殺す……助ける?」

 

 

 

神栄 碧の選択肢は…………

 

 





神栄の選択肢、アンケートを取ったのですが、結果は素晴らしい位半々だったんですよ。

次回神栄がどっちに入るか決まるので、〆切は8月いっぱいまでにします。

どっちに入れたいか、自分の活動報告にコメントよろしくお願いします。

あと、知ってる方もいると思いますが、25日にトランサミンさんとケチャップさんとオフ会してきました。色々なことを学べたので良かったです。そして前中後編に分かれたコラボもします。お楽しみに!


次回、神栄は……○○派に!!


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第152話 殺し屋達の時間


お ま た せ




 

 

「まず俺らから決めさせてもらうよ」

 

 

千葉と速水は迷うことなく赤のダンボール箱から拳銃を取り出す。

 

「誰が、何が、俺たちを育ててくれたのか。そこから目をそらしたくない」

 

 

続いて茅野、奥田、竹林は青のダンボール箱からナイフを取り出す。

 

そのあと、菅谷、三村、岡島は赤の殺す派に入り、更に木村、狭間も殺す派に入る。

 

 

矢田、前原、磯貝は青の助ける派に入り、イトナは殺す派に入る。

 

 

 

 

「碧くん。碧くんはどっちに入るの……?」

 

「……」

 

おそらく、神崎は助ける派に入る。彼女からしたら、共に戦う方が様々な面で楽になる。そういった思いがある。

周囲も、女子の押しに弱い神栄なら助ける派に行くだろう。そんな安易な考えをしていたが、それは大きな間違いだった。

 

 

「……俺は、殺せんせーを殺す。それは俺にとっての意思表示だ。殺すことで、自分が言いたいことを言う場がこの教室だ。それを今更「殺せんせーを助けたい」なんて、ナメた真似するのは腹が立つんだよ。殺すための場所なのに、殺さなくなったらただの教室なんだぞ。俺はそんなのは絶対に嫌だな。悪いが、俺は殺す派に入る。例え有希子、お前が何を言ってもこの意見を変えるつもりはない」

 

 

 

「……わかった。碧くんの意見だもんね。私は止めないよ」

 

やはり心のどこかでは、一緒に戦いたかったという気持ちがあったのか、その気持ちを殺すような表情で神栄を見送る。

 

そのあと、2人は何も言わずに神栄は殺す派、神崎は助ける派の方に向かってしまった。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

(さーて、俺は有希子でも殺りにでも行こうかな)

 

神栄は準備運動と同時に崖の下の方で、皆が作戦を練っているのを見つける。

神栄は、竹林が何やらコソコソしているのを怪しんでいた。

 

「んー……。速水ー、俺が竹林を殺すの失敗したら、竹林撃ってくれ」

 

「え?別にいいけど、って、あんたもしかして崖から飛び降りる気?バカなの?」

 

「いや、バカじゃないんだが。あと、本気で狙ってるのは竹林じゃない。もっと脅威がいる。それの捜索ってものあるな」

 

 

「ふーん……。そう言うことなら別にいいわよ。失敗した時に変なところに飛び降りて竹林をズラしたりしないでね」

 

すると、神栄は目を細め、

 

「俺が失敗するとでも思ってんのか?」

 

いつもよりトーンも低く、まるで叱っているかのような声で速水に言い放つと、神栄は少し遠くでジャンプの準備をし、開始の合図を待つ。

 

 

「…神栄。くれぐれもヘマしないように。せめて3人は殺すこと。いいね?」

 

近くの岩に座っているカルマは、ペンを回すかのごとくナイフをクルクルとさせ、神栄の方を見ずに独り言のように言った。

 

「うるせぇカルマ。有希子殺れたら充分だろ」

 

「…まぁ、それでもいいけど」

 

 

双方の準備が整い、審判の烏間先生の合図で、殺せんせーの暗殺をかけた戦争が始まった。

 

 

合図よりもほんの少し前、神栄は崖から竹林の元へと飛び降りる。

 

「…………え!?」

 

 

ズシャン!という音と共に、竹林の超体育着には赤色のインクがびっしりとついている。

 

「うそだろ……神栄だと!?どこから来たんだ!?」

 

「崖」

 

「…まさか最初の布陣から見られていたのか…。流石だよ」

 

「そんなもんかな。それじゃ、また後で」

 

 

 

 

 

時間はほんの少し戻り、竹林がナイフでインクをつけられた時とほぼ同時刻、片岡は何者かにインクをつけられた。

 

 

「………え?」

 

何が起こったのか、わからないような様子をしている。それもそのはず、自分の周りには誰1人として人がいない。いるとしたら少し先にある山。仮にそこから狙撃したとしても100m以上距離がある。100m以上も距離があるなら、BB弾は対象を大きく外してしまう。

 

だが、片岡はそれを可能にする人物を1人知っている。

 

……千葉 龍之介の超遠距離狙撃だ。

 

 

 

 

 

 

「………まさかすぐ殺られるなんて…」

 

 

 

竹林と同時に、殺された人たちを集める場所に片岡が座ると、殺せんせーがすでに座っていた。

 

「それもそのはず。彼らは片岡さんのチカラを知った上であのような策を講じた。それに、竹林君も何かするつもりだったんでしょう?」

 

竹林はポケットからスイッチと筒状のものを取り出すと、それを見て呟く。

「ええ、これでインクの雨を降らせようと思って……」

 

 

「…これは見ものですよ。君たちもここから学ぶといい。自分たちの意見を聞かせるために、どのような方法で殺るのかを……」

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「流石だな千葉!もっと殺っちまえよ〜。俺がちゃんと守ってやるからよ!」

 

「……おう」

 

千葉のスナイプをみた岡島は、千葉を守るようにエアガンを構える。

 

その瞬間。

 

 

 

 

ズドドドド!と銃声が聞こえると、青色のインクが千葉と岡島にベッタリとついていた。

そこに立っていたのは、神崎 有希子。彼女は手についたインクをペロッと舐めながら笑顔で去った。

 

「え……?何で神崎さんが……?」

 

「思い出した。神崎さんって、オンライン戦場ゲームの達人だった。FPSゲームとかでも結構強いらしいんだ。敵の隠れてそうな場所とかがわかるってことか…!」

 

 

一方、その情報が入ると神栄は顔を強張らせ進んでいた方向を変える。

「ちっ、あんなところにいやがったのか…!」

『神栄。オレだけど、神崎さんを見つけ次第即殺って。これ以上戦力を削られるのはこっちとしても痛いんだよね。最悪相討ちでもいい。頼むよ』

 

無線でカルマからの神崎討伐命令。今回の戦いでは不服だがカルマがリーダー。仕方なく神栄は、命令を遂行する。

「……了解。こちらとしてもタイマンでやりたい。周りに誰もいない状況でやりたいから、俺の周りに1人来てもらえると助かる。誰でもいいから」

『その辺は安心しなよ。オレが見てるから』

「……ならいい、のか?」

 

 

一方、神崎は周囲の状況を確認していた。

(千葉くんと岡島くんを倒して、赤側はこれ以上戦力を削られることを恐れている…多分碧くんがやってくる。逃げないと!)

 

 

「やぁ。奇遇だね。付き合ってる人同士、考えてることは似てるのかなぁ」

 

背後から、聞き覚えのある声がする。

 

「碧くん……なんでここが?」

「さぁ、それは言えないな。こっちに人の居場所がわかるヤツがいるんじゃないか?」

 

 

「やっぱり、戦わなくちゃいけないの?」

「当然。俺は戦うために来たんだ。逃げるなら殺るぞ」

 

神崎は持っている銃を捨て、ナイフを構える。戦う体制になっている。

 

「悪いけど、こっちも本気でやらせてもらうぞ」

神栄は上着を脱ぎ、投げ捨てる。さらに銃も投げ捨てる。

 

神栄は目を細め、神崎の様子をうかがう。

 

(怯えてるのか?若干震えているな。それは早く殺りたくて震えてんのか、本気で怯えてるのか。ここはひとまず待機ってところだな。さぁはよ攻撃をしろ!!!)

 

「碧くん。私は殺せんせーを助けるよ。たとえ碧くん相手でも」

 

神栄を見て笑顔になった神崎は、一瞬神栄の視界から消えた。

 

「……!?」

 

 

「こっち、だよ」

 

左を向いていた神栄とは逆の耳から囁いた神崎は、青のインクが付いたナイフを振り下ろす。

 

「知ってるよ。そんくらい」

 

神栄はすぐにしゃがんで、手を重心として足伸ばして回転させる。

神崎の足を刈るようにして蹴ると、神崎はバランスを崩して倒れる。

 

「有希子。俺はお前が相手だろうと殺せんせーを殺すぞ。それが俺たちにとってのお礼だからな!!」

 

神栄は神崎がやったのと同じように、赤いインクが付いたナイフを振り下ろす……。

 

 





約3ヶ月も待たせてしまい申し訳ありません。
いろいろな理由で萎えていたのが投稿が遅くなった原因の1つです。あとは鬱憤晴らしに遊んでたからです。

そろそろ学業が忙しくなる時期なので、次話もいつ出るかわかりませんが、気長に待っててくださいな。

次回は、神崎さんVS神栄。勝敗はいかに!

最後に、神崎さんのヤンデレはすごくイイと思うんですよね。


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第153話 想いの時間


今年最後の投稿です。




 

「俺はこの手で殺せんせーを殺す!何事も殺す気で勝ちに行くって、俺は教わってきたんだ。そして殺せんせーを殺し、かつカルマに勝つ。これが俺のミッションなんだ!それを今更放り投げるなんてしたくねぇ!」

「碧くん。私はそれでも、殺せんせーを助ける。違う方向から何かを見つける事も、大事だから……!」

「だとしても……俺は殺すね」

 

神崎は神栄の横へ逃げ、足を出し神栄が持っていた対殺せんせー用ナイフを落とさせる。

しかし、神栄が動揺することはなかった。

「ははっ、ナイフを無くさせて肉弾戦でもやる気が?だけど残念だ。ナイフは死ぬほどあるよ」

「だったら……ナイフを取らせない!!」

神崎は素早く自分のナイフを落とし、小型の銃を取る。

「これでどう?動いたら撃つよ?」

「上手いね。でも、作戦は刻一刻と遂行されてるんだ。俺はこのまま止まっててもいいけど、有希子が死ぬだけだぜ」

 

「なにを言ってるの?今間違いなく不利なのは碧くんだよ?武器を取り出す時間もない、前に進める暇もない、お手上げ状態じゃない」

「じゃあ大ヒント。俺は銃を捨てたよね。その銃、詳しく見てみなよ。そんな余裕があるなら」

 

神崎は後ろを向くことなく、周りに散乱している自分の銃以外を見る。

すると、明らかに形がおかしいものがたくさんあることに気づく。

まさか……と神崎の顔は青ざめていく。

 

「ボタン式拳銃型手榴弾。中身は真っ赤なペイント付、そこら中にあるから逃げることはほぼ不可能だよね。俺を殺せば逃げれるけど、俺にボディーチェックでもする?どこにあるかわからないボタンを探す?」

 

「……っ!まさかここまで計算していたの?」

「いや?たまたまイトナがくれたのを思い出したから。さぁどうする?俺は自爆覚悟でやるよ?そっちが撃ってきたらボタンを押すし、拳銃捨ててこっち来たらそれはそれで押すし、どうする!!!」

 

「だったら……私は……」

神崎は持っている銃を上にあげる。

「戦いを放棄する……。

 

 

 

 

1対1の戦いを!!!!」

神栄が上に視線を上げると、神崎はにこりと微笑む。

「もっと周りを見な?碧くん」

 

おそらく神崎は今撃とうとしている銃には仲間に助けを求める弾が入っている。

そして、神栄は上を見ていたゆえ、神崎が太もも近くで銃を構えていたのに気づかなかった。

躊躇なく発砲する神崎に、神栄は反応が遅れる。

だが、神栄は余裕の表情だった。

「想像以上の短期決戦だったな。周りを見なかったのはお前だよ有希子。終わりだ」

 

神栄は右手の親指を曲げ、4の字を作ると神崎の後ろで風船が割れたような音がする。

「……え?」

 

そして、神栄は右手の手袋を外し、撃ってきた弾を受け止める。

その直後、神崎の背中は赤いインク塗れになった。

「前は囮さ。実際使えるけど、全部発動させるとかバカな真似はしないよ」

「嘘……ゲームで負けることなんてあんまりなかったのに……負けるなんて」

「修学旅行の借りは返さしてもらったよ。じゃーな」

 

 

神栄がいなくなると、神崎は座り込む。

「碧くんと想いのぶつかり合いで負けた……悔しいけど、なんか…楽しかったな」

 

神崎有希子、死亡。

 

 

◇◆◇◆◇

 

『お疲れ神栄。死ななくてよかったよ〜。こっちとしても戦力はなくなって欲しくなかったしね』

「はぁ……もうああいう勝負はごめんだぞ。いろんな意味で死ぬかと思ったわ…」

『さすがというべきか、おいというべきか…。まぁいいや。次のターゲットは前原ね。磯貝とかは速水さんがなんとかしてくれてるから』

「言おうとしたことを先に言うな」

 

神栄は木の上で相手の動きを探っていた。

カルマの指示通り、前原を優先して捜索しているが、なかなか見当たらない。

仕方ないので、他の人を探していると、近くの木で岡野と茅野が戦っていた。

茅野はいつも見せないような動きで岡野を翻弄していた。

茅野が木から落ちたかと思ったら、銃を取り出し、構える。

これはさすがに負けたか?と思ったら茅野の後ろで木村が茅野の背中を撃ち抜く。

そして高速コンビは森の中へと消えていった。

「素早いなぁ……。で、前原を探さなきゃな」

 

 

そうしているうちに、どんどんと相手と自軍の人数が減っていっていた。

気づけば殺す派は8人、助ける派は5人と、若干殺す派がリードしている。

「前原発見した。けど速水たちの方にいるぞ。どうするカルマ」

『速水さんたちが磯貝たちをできれば殲滅。最悪相打ち。神栄は裏に回って速水さん達を手伝って。寺坂たちは旗を取って行って』

 

「……了解。速水、イトナ。頼むぞ」

『神栄こそ』

 

 

一方、助ける派は決戦に備え、会議をしていた。

「……守備は捨てる!狙うは速水達のいるところだ。勝てば勝算がある。行くぞ!!」

 

磯貝の合図でこの場にいる4人は速水がいる巨大な木に向かって突撃した。

戦いに備えていたのか、速水はすぐに奥田を撃ち抜く。

(磯貝を倒せば……勝ったも同然!先ずは磯貝を狙う!!!)

 

速水は磯貝を狙い………撃つ。

「うわっ!!」

磯貝の頭には、赤いインクがべったりと付いていた。

 

 

磯貝悠馬、死亡。

 

 

 

「よし!」

と、調子が良くなってきたのか、次は矢田に焦点を当てる。

すると、青いインクの付いた球が速水の首元に当たる。

 

「………え!?」

速水凛香、死亡。

 

速水を撃ち抜いた矢田はすぐさまイトナに撃たれる。

矢田桃花、死亡。

 

イトナが矢田を撃ち抜くと、背後から誰かが来るのを予想していた。

来るのは同然、助ける派でかつこの場で生きている前原だ。

 

前原の第1撃はなんとか持っていた銃でガードできたが、第2撃を避けることが出来ずに、真っ青なインクを身体中にべったりとつけられた。

堀部イトナ、死亡。

 

この決戦では、助ける派が1人の差で制圧していた。

 

 

 

 

一方中村達はこの隙を狙って旗を取りに向かっていた。

旗まで残り数メートル。走っていた4人は勝利を確信していた。

しかし、赤羽 業は目撃してしまった。4人の真上では、迷彩柄の死神が降臨しているのを。

ここで、4人が一気に死亡し、残るは殺す派がカルマと神栄、助ける派が前原と渚となった。

 

「……ったく、コレだから渚くんは」

(……もらった!!)

カルマの背後では、前原が奇襲を企んでいた。

だが、

 

 

 

「はいどーーーん!」

神栄が横蹴りで前原を遠くへと飛ばす。

「お前の相手は俺だ。もっと遠くで殺り合おうじゃあないか。あいつらはあいつらで殺らせて、こっちはこっちで、本気の戦いやろーじゃねーか」

 

「いいぞ神栄……!」

 

 

「……最終ラウンドだぜ!来いよ前原。本気で、倒してやるよ」

 

 

 

 

 

神栄VS前原。

渚VSカルマ。

 

本当の最終決戦が、始まった。

 

 

 





やっぱりバトルシーンは苦手ですね…。そもそも普通のですらまともに書けてないですけど。

次回、神栄VS前原、渚VSカルマ。どうなるのか?

ワーキングの小説も読んでもらえると嬉しいです。感想とかも書いてくれると嬉しいです。評価なんかしてもらったら嬉しい以上の感情が出ます。
では、来年もよろしくお願いします。来年は受験とかで投稿遅くなるけど、必ず完結させますんで、待っててください!


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第154話 ぶつかり合う時間



ラストスパート、かけて行こうぜ!!!


 

「さーて、本気の戦いをする前に、もっと遠い所に行こうか。カルマ達の邪魔にならない程度にな……!」

少しずつ後ずさりしている前原の足元に、一発の弾丸が撃たれた。

「おい。今この状況で、カルマを殺すことが最優先か?俺を野放しにいてもいいのか?答えはNOだね。もっと遠くで、誰にも邪魔されない所で、本気でやろーや」

 

2人の距離は、おおよそ3m。前原が拳銃を使うことが苦手なのはすでに知っているので、万が一ナイフでの攻撃が来たなら、3mくらいから奇襲されても防げると思っているのでこの距離を保っている。

 

「そういえば、転校してきてすぐにお前は烏間先生を倒しかけていたよな。あの時、正直ビックリしたよ。こいつ、強い!ってな。

一緒に過ごしてきて、いろんなことを知れた。勉強も運動もできるくせに、女子と目を合わせられないほどのヘタレだったり、そのくせ純粋だったり、話題に尽きないやつだったよな。俺はそんなお前に憧れていたよ。だから、俺も言ってやるよ……本気でやろうぜ!!」

「うだうだうるさいけど、気持ちだけは酌んでやるよ。じゃあ、やろうか」

 

 

同時刻、カルマと渚はお互いに動かない状態だった。

しかしカルマの一言で、渚は動き出す。

「渚くーん!神栄と前原は完全に遠くへ行ったんだ。俺たちも本気で殺り合おうよ!このまま睨み合ってても、意味がないと思うからさぁ!」

 

カルマはナイフ片手に渚に近づいていく。渚は銃のスコープでカルマを見るが、撃てない。

「おい……撃っちゃえよ!そうして神栄との戦いに奇襲すれば俺たちの勝ちだぞ!?」

 

杉野は敗者席から言うが、茅野がそれを止める。

「渚は撃てないよ…カルマくんの挑戦を断ってカルマくんを倒した挙句、本気のぶつかり合いをしてる神栄くんと前原くんに奇襲なんてしたら、あっち側としては不本意な負け方になっちゃうよ。渚は全員を認めさせたいんだよ」

 

 

 

 

「やっぱり……カルマくんはズルいよ」

渚は銃を置き、カルマの方に向かう。

「そうそう。んじゃ……本気で殺ろうぜ」

 

 

渚とカルマが対面していると、遠くの森からはパパパン!と銃声が聞こえた。

「あいつらも殺りあってることだし、俺たちも殺ろうか」

 

「……」

 

 

 

 

 

「なぁ殺せんせー。これを見てどう思う?」

4人がいるところよりもはるかに高い位置で敗退者達が現在の状況を見ていると、千葉が口を開く。

「そうですねぇ。単純なパワーなら赤が有利ですが、ここは何でもありな場所です。青だって簡単に負ける様な戦い方はしないでしょう……」

 

「って!神栄と前原が戦い始めたぞ!?」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

「ほんっと、お前は強いよ。神栄」

「それはどーも。だが死ね」

お互い有効打がないまま時間だけが経っていくが、ほんの少しだけ前原が後ろへと退いてしまっている。

「油断も隙もねぇ奴だな……」

「当然だろ。こちとら本気なんだよ。お前は"助ける"ってことがどんなことだかわかってんのか?今までやってきた訓練や、今までやってきた授業、知識、それらを全て無駄にするんだぞ。

"殺す"という明確な目標があるから、今こうしてこの教室は成り立ってんだ。それをお前らは否定してんだ。そんな甘っちょろいヤツら達に負けるなんざ、絶対に嫌だね。俺は」

「……あー、そうだな。神栄の言ってることは間違ってねーよ。けどな、俺たちだって簡単に助けたい。だなんて言ってるわけじゃねーんだぜ?渚のことなんだ。何か策があるに違いねぇだろ?」

「……その確実性の無い事が…、俺は嫌いなんだよ!!!!」

 

今まで落ち着いた攻撃をしてきた神栄が、ここにきて感情的になって動き出す。

それを見切った前原は神栄から繰り出される連撃を躱す。

「チッ、ギア上げて来てんな…」

「そんな余裕、もう見せられなくしてやるよ」

 

神栄は攻撃を続けるが、その攻撃は今までとは違う速さだった。

前原も避けるのが精一杯で、そこから反撃しようとしても神栄の攻撃が邪魔をする。

完全に後手に回ってしまっている。

 

(くっ……このまま後手に回り続けたら、倒されるのは時間の問題になっちまう!なんとかそれだけは避けねーと!)

「何考えてるのか知らないが、俺はそんな事をさせないと言ったんだ。考える暇すら与えず、余裕を無くす事。圧倒的勝利。それが俺の戦い方だ。

ほら、次はもっとスピードアップさせんぞ!前原ァ!!」

 

「うおっ……!?」

 

対殺せんせー用ナイフに付いているインクの量が少なくなり、若干乾き始めているが、神栄は気にする様子がない。

前原はただ避けるだけで、目の前にあるナイフすら取り出す事が出来ない状態になってしまっている。

 

誰もが神栄の方が有利と思われたこの試合。前原は意外な行動に出る。

 

「……ナイフは諦めるか」

「………!?」

 

この一瞬で、前原はナイフを捨てる。

神栄が立ち止まったこの一瞬で、前原は自分の得意分野であるナイフ攻撃を捨てた。

 

「……面白ぇな。やっぱ面白いわ。こんなもん、必要ねぇよな!」

そう言うと神栄はナイフを投げ捨てる。さらに持っている武器を全て自分のはるか後ろに投げ捨てた。

 

「こっから先は本気の喧嘩だぞ!前原ァ!!!!」

「受けてやるぜ!神栄ァ!!!!」

 

2人はニヤリと微笑み、拳を握りお互いの顔面に向けて放つ。

「ぐはっ…!」

「ぐえっ」

同時にパンチはヒットし、お互いに同様の反応を見せる。

 

何度も何度も殴られては殴る。そんなヤンキーの喧嘩のような状態がしばらく続く。

 

 

「ぐはっ…!」

神栄のボディーへの攻撃がクリーンヒットすると、前原はくの字に曲がってしまう。

おそらくみぞおちに直撃したであろうその攻撃の後、前原は倒れこむ。

「はぁ…はぁ…。これで終わりだ…前原」

 

神栄は前原に背を向け、ナイフを拾うと再び前原の元へ戻る。

「俺の勝ちだ前原。楽しかったぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、俺も楽しかった。俺が勝てて、な」

前原はうずくまっていたと思いきや、何かボール状の物を握っており、それを迷いなく投げる。

超近距離で投げられたものは、青いインクで出来た水風船だった。

「素晴らしいアイデアだよ前原!けど、俺の死に方の問題でこの勝負に勝ちも負けもねぇんだよな。

俺は死ぬときは道連れにするって決めてんだ。1人は寂しいからな。だから…お前も死ぬんだよ!!!」

神栄はナイフ入れを空に向かって投げる。

その直後、神栄は前原の投げた水風船に直撃する。

「………俺は前原の水風船を食らう前にそのナイフ入れを手放していた。よって俺の攻撃はまだ続いている。前原、お前も負けだ」

 

上半身にべったりと青いインクが付いた神栄がそう言うと、前原の頭上に赤いインクが付く。

 

神栄 碧、前原 陽斗、両者死亡。

 

 

 

 

 

「烏間先生!アレはアリなの!?」

敗退者席ではなく、間近で見ていた杉野は今の勝負に付いて反論しようとしていた。

 

「確かに神栄くんの言う通りだ。前原くんの攻撃を食らう前に神栄くんのナイフ入れは手から離れていた。その時点で攻撃は有効になる。よってお互い死亡。引き分けだ」

「うっ…マジか。けど神栄を負かせた前原もすげぇよな。結局は神栄が道連れにした形だけど…」

「勝利への執念、だよ」

「神崎さん…?」

「碧くんは絶対負けないって思いがあるんだよ。多分それはどんな人に対してでも見せるの。現に私に見せつけてきたんだもん。あんな気迫ある戦いに怖気づかなかった前原くんはすごいよ」

 

実際そうだった。神栄の目は完全に倒す目だった。そんな目を見て震えてしまったし、思うように動けなかった。

そんな人に対して本気の勝負を挑んだ前原には、冗談抜きで素晴らしいと思う。

「神栄……腹痛いんだけど」

「馬鹿野郎、超近距離で水風船投げられてこっちは目が死にそうだわ。目ェ開かねえよ」

 

「お疲れさま、2人とも」

2人の勇姿を見た神崎は、2人にタオルを持ってきてあげていた。

「サンキュー神崎。ほら、彼女のタオルだぞ。受け取れよ神栄」

「……前が見えない。本当に」

 

そんな微笑ましい光景とは別に、神栄達とは真逆の方角で戦っているカルマと渚の戦いは、佳境に差し掛かっていた。

 

 





戦闘シーンは本当に出来ませんね。他も言うほど出来ませんがw

次回は時間を戻して渚vsカルマですね。
正直神栄くんを負かすのはこれしかなかった気がします…。
(個人的には、殺す派助ける派どちらに行こうとも原作通りに進めるつもりでした。過去に殺ルート助けルート書くとかほざいてましたけど、多分やりません。やれません。
もしやるのなら全て終わった後ですかね。全部終わった後にやることの方が多くなりそうですね!例えば助ける派に行った話とか)

では、また次回。
そう時間は経たないようにします。


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第155話 本気の時間


今日はホワイトデーらしいですね。



神栄と前原が戦闘を始めた頃に時間を戻す。

別の場所では、渚とカルマが対峙していた。

 

(………思えば、カルマ君との出会いは)

渚が中学1年生の頃、2年の範囲をやっていたカルマを見て憧れの念を抱いていた。

『あんな風になれたらな』そんな誰でも思うような気持ちを持っていたある日のこと、とある映画雑誌を読んでいた時にカルマ君は話しかけてくれた。

それを皮切りに、カルマ君とはよく遊ぶようになっていった。

しかし、そんな楽しい時間は長く続かなかった。

カルマ君が喧嘩をしている姿を見て、僕は驚きとか、そういった感情はなかった。なんと言うか、場違いなところにいるな。ただそれだけだった。

勉強でも喧嘩でも、とても僕には上がることのできない舞台。そこにカルマ君は平然といられた。

そんなカルマ君は僕と居る舞台に飽きたのか、だんだんと関わる機会が減って行き、カルマ君が停学になった時には、知人のような状態になってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

(………渚君は……)

 

渚君から距離を置く前、俺は渚君の『何か』を感じ取っていた。

当時の俺には分からなかった、『何か』

ただ、後ろから触られただけなのに、思い切り刺されたような感覚。何か油断できないものが渚君にはあった。

『何か』が怖い。得体の知れない『何か』が恐ろしい。

ただ、その『何か』は喧嘩とか、勉強とかで勝つことで知ることはできない。明らかにそれとはジャンルが違うからだ。

今思えば、俺はその『何か』から逃げてしまったのだと言えるかもしれない。

 

お互い色々やりにくくなっていき、気づけば疎遠になっていた。

 

 

しかし、今は違う。

僕は今カルマ君と暗殺で同じ舞台に立っている!

俺は今なら暗殺で渚君に勝つことが出来る!

 

勝つことで、自分の意見が通る。

 

 

 

(…ねじ伏せてやる!!!)

(…ねじ伏せてやる!!!)

 

 

お互いの想いが一致した時、決戦の幕は切って落とされる。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

初撃はお互い本気のぶつかり合いだった。

双方のナイフが当たると、ギリギリと歯ぎしりの音が聞こえる。

 

「……殺す!!」

「……助ける!!」

 

すると、カルマは渚の腹を横蹴りを撃つ。

腰を上手く使ったその蹴りで、渚は2回転ほどするが、すぐに体勢を整えた。

 

 

「やっぱりパワーはカルマの方が上ね…」

片岡がポツリと呟くと、磯貝が渚の方へと指差す。

「でも、渚にはもう一本のナイフがある。やる気なんだろ……アレを。けどカルマもそれは知ってることだし、アレを決めるのは至難の技だぞ…」

 

「……!!」

 

再び双方のナイフが当たるが、先ほどと同じようにはいかない。

渚はほんの少しナイフをズラすと、カルマは渚が何をしたいのかを理解し、すかさず避ける。

(変に近づくと、インクが付きかけないな…。けど)

 

ガラ空きのボディーに2度目の横蹴りが入る。

さすがに耐えられなくなったのか、すぐ立ち上がることは出来ず、少しの間うずくまってしまう。

それをみたカルマは間髪入れずにナイフを振り落とす。

しかし、渚はそれを避ける。

 

さらに、地面に刺さったナイフを見た渚はくるりと一回転してその反動で刺さったナイフを遠くへと飛ばした。

カルマがナイフが飛んだ先を見た一瞬で渚は立ち上がり、突進する。

だが、カルマはそれに対して退くどころか、迎え入れる。

 

ナイフを持ち突っ込む渚に、カルマは頭突きでその攻撃を防ぐ。

横蹴りとは違う痛みに、渚は思わず手を離し、ナイフが飛んでいった。

 

 

「これでお互い武器を落とした…」

「けど、渚にはまだもう一本のナイフが残ってる…!」

 

 

渚が2本目のナイフを取り出そうとした途端、カルマの肘打ちが炸裂する。

「出させないよ。そのスキがあったら殴るから」

 

カルマがそう言うと、素手の戦いが始まった。

カルマは髪を掴み、ボディーに膝蹴りの連打を浴びせた後、手を離し顔面にストレートを打ち込む。

それに負けじと渚も顔面めがけて殴るが、カルマはケロっとしている。

 

「……そんだけ?」

 

平手打ちをして体勢を崩させると、渚はその崩れた体勢を活かし、飛び蹴りを放つ。

その攻撃は首の真ん中辺りに直撃するが、カルマは倒れる様子がない。

 

「……カルマ、なんか攻撃をわざとくらってないか?」

「……アレだ。渚の攻撃をあえてくらう事で勝った時にちゃんと負けを認めさせるんだろ……」

「神栄!?どうした突然」

「どうしたも何も、負けたからここに来たんだが」

「いや、ずっと目をタオルで抑えてるから…」

「前原の野郎、インク入り水風船を俺の目の前で投げやがって、今完全にムスカ状態なんだよ」

「そ、そうなのか」

 

 

 

そう言っているうちにカルマが複数発殴ったり蹴ったりをしている。

今、圧倒的有利はカルマだ。こんな差を見せつけられたら、誰でもカルマ優勢だと思ってしまう。

 

 

「……マジかよ」

 

悍ましいものを見た時に、とっさに言ってしまうような声で神栄が言うと、カルマは渚の頭めがけてかかと落としを放つ。

「これは……。カルマの勝ちだな。かかと落としなんかくらったら勝ち目無ぇよ…」

 

渚は倒れたままピクリとも動かない。それを見たカルマはゆっくり息を吸い、飛ばされたナイフを取る。

 

(……こんなに自分の思いをさらけ出せる場所は、もう2度とないだろうな)

そして、殺せんせーの方をじっと見つめ、

 

(それでも俺は殺すよ殺せんせー。それが正しいことだと信じてるから)

 

カルマがナイフを振り落とそうとしたその時だった。

 

 

 

 

パァァン……!!!

 

上半身をわずかに浮かし、死力を尽くして猫騙しを使う。

いつか必ず来るであろう猫騙し。わかってはいたものの、まさかここでやって来るとは!と誰もが思った。

さらに、この一発で戦況が変わると誰もが思った。

 

しかし、カルマは猫騙しをくらった瞬間に自分の舌を思い切り噛んだ。

その痛みで気絶を防いでいた。

 

(……殺してみろよ。渚君。けど、それすらをへし折って、俺が勝つ!!!!)

 

「う……あああああっ!!!!」

 

 

渚の全てを賭けたこのナイフを見たカルマには、勝利のビジョンが見えていた。

これさえ防げば、渚君にはもう何もない。

全ての殺気が込もったこのナイフさえ防げば、俺が勝つ。と。

 

 

(持ち手の部分をはたき落とす…!そうしたら渚君には対抗する手段が無い!これで俺の……勝………!?!?)

 

 

勝ち。そう頭の中で言いかけた途端、渚の手からナイフが離れる。

こんなところで手が滑るだなんてありえない。これは一体何が起こったのだろうか。

 

「………え?」

 

ナイフを……『捨てた』!?

 

 

 

手から離れたナイフは、カルマの腹部付近に向かうが、カルマはすぐにはたき落とす。

 

「………!?」

渚はカルマに抱きついたと思うと、お互いに宙に浮いた。

お互いが地面に着いた時には、カルマは頸動脈が締め上げられている状態になっていた。

 

 

「肩固めだと!?」

少しずつ見えてきた目で2人の戦いを見ていた神栄は、思いもよらない行動をしてきた渚に対して驚くことしか出来なかった。

 

 

「〜〜〜ッ!?」

「ぜったいに……言うことを聞かす!!!」

 

思うように呼吸が出来ないカルマに渚は容赦なく締め上げる。

 

(やばい………やばい!!このままだと、気絶する!!!)

必死に横腹をボスボスと殴るが、渚は動く様子がない。

 

「……まさか渚のヤツ、カルマと同じように相手の得意分野で勝つことで負けを認めさせようとしてるな!?」

 

 

 

 

 

 

 

「………ガアッ…!!!」

ジタバタともがくカルマは、手に何か感触を得た。

 

 

────自分のナイフだった。

 

これを当てれば、俺の勝ち。

ナイフを当てるだけなら、まだ耐えられる。

当てるだけで、俺の勝ちなんだ。

 

 

 

 

 

だけど、何でだよ………何で渚君の頭の上から……動けないんだよ。

 

一生懸命に、ただ目の前の敵を負かそうとしている姿を見て、カルマはふと昔のことを思い出す。

 

 

「僕が喧嘩?怖いから一生出来ないよ。まぁ、やらなきゃ死ぬって言うのなら話は別かもしれないけどね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「降参。俺の負けだよ。渚」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「……赤チームの降伏により、青チームの勝利!!!!」

審判の烏間先生の一言によって、この戦いは終わった。

 

結果は青チーム。すなわち助ける派の勝利だった。

 

 

 

 

 




こっからはノンストップで行きたいものですね。




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第156話 可能性の時間


エイプリルフールって、直訳すると4月馬鹿ですよね。




 

「まさか、あのカルマが負けるなんて…」

「いや、番狂わせとかではなかっただろ。鷹岡との勝負や、いろんなところで渚の才能は見えていた。今更驚くようなことでもないとは思うがな」

「そうは言うがな神栄。お前が前原に負けるのも結構番狂わせというか…」

「引き分けだよアレは。道連れにするというのは比喩表現で、結局先に死んだとはいえ俺はナイフケースを投げていたし、負けではないし勝ちでもない。だから引き分け」

「……結構負けず嫌いだな」

 

負け惜しみのような発言をする神栄に、磯貝は呆れていた。

一方渚とカルマは何をしていたのかというと、

 

 

 

「はぁ……まさか素手で勝負して来るとは思ってなかったし、これで俺がナイフで勝っても誰も俺を認めないわな。降参するしかなかったってことか。殺せんせーを助けるんだろ?なんでもいうこと聞くよ」

「………?」

何が起こったのかと言わんばかりの表情を見せる渚に、カルマはいつも通りの口調で話す。

「ボコボコの顔でアホみたいな表情してんなよ。伝染病にかかったネズミみたい」

 

「……何でそんなに悪口がスラスラと出てくるかなぁ、カルマ君は」

「はぁ…。もう俺たち君付けするのやめない?喧嘩終わった後に君付けとか出来る気がしないし」

 

カルマが立ち上がりそう言うと、渚はまだ寝そべりながら話す。

「今更呼び方を変えるのもどうかと思うんだけど……」

「じゃあ俺だけ呼ぶよ。渚」

 

カルマが渚に手を差し伸べると、渚はため息を吐き、

「わかったよ。カルマ」

と笑顔で言った。

 

 

「人は大きな選択を迫られた時に本気で争う。ってことか。ものすごい教育方法だな」

カルマと渚から少し離れたところでは、神栄と殺せんせーが2人で話していた。

「ええそうです神栄くん。本気で戦った者同士だからこそ、普段は見せない部分まで理解し合える。本気の争いだから、仲が深まることだってあるんですよ。ヌルフフフ。

だから神栄くんも神崎さんと色々やっちゃっていいんですよ?」

「するか!!」

 

 

「烏間先生!」

渚が先頭に出て、烏間先生を呼び止める。

無論話すことは決まっている。それは烏間先生もわかっていた。

 

 

『殺せんせーを助ける方法を見つける』

みんなで戦って決めた方針に、異論を唱える人は誰1人としていなかった。

 

「……やむをえんな。だが、1つだけ約束してほしい。方法を探す期間は1ヶ月だ。君たちが暗殺を一時やめたとしても、他の殺し屋が奴を殺しにくる。俺は、他の殺し屋ではなく、君たちに殺してほしいんだ。だから1月の結果がどうであれ、2月からはいつものように暗殺を続けてもらいたい。生かすも殺すも、全力でやってほしい」

 

 

「「「「はい!!!!」」」」

全員の殺る気に満ちた良い声は、山中に響いたのであった。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

次の日、竹林が黒板の前に立ち、殺せんせー助命計画についての話をしていた。

竹林によると、殺せんせーを殺すだけの計画をしているようには思えず、殺す計画と同時に助かる可能性を探しているのではないのかと考えている。

その意見は間違っていない。なぜなら本来の目的は、地球を救うことなのだから。

「だから、殺せんせーを助ける計画を探してみないか、と僕は思う」

 

その意見に反論する人はもちろんいない。

だが、烏間先生が立ちふさがった。

 

「おそらくそれは無理だ。こいつを作った研究機関は月の爆発以降その責任を問われ先進国にその研究のデータを譲り渡したからだ。先進国間でプロジェクトチームを形成しているが、当然内容は国家機密レベル。君たちがその研究内容を知るのはとても難しいぞ」

『プロジェクトのデータベースに侵入しました』

 

「……なに!?」

 

『……オンラインで繋がっているCPUなら大体侵入できます。この1年、いっぱい機能拡張しましたから…』

そう言ったのは、律だった。

律が画面を変えると研究項目とスケジュールが並べられた図が表示された。

『ただ、具体的な内容は厳重にされていてわかりません。研究の核心に関する情報は全てオフラインで、それよりさらに重要な情報は、イントラネットすら使われた形跡がありません』

 

「……そういうモンは手渡しでやってるってことか」

「ご名答です神栄くん。原始的な方法ではあるものの、それが一番情報を盗まれにくい。だから手渡しなんですよ」

「……とっとと助ける内容のところだけ探した方が良くないか?」

 

神栄が律の画面をスクロールしていると、1つだけ、殺せんせーを殺す以外の計画を見つけた。

「これしかねーな。現在研究中でなおかつ殺せんせーを助ける系のヤツは。アメリカの研究か。『触手細胞の老化分裂に伴う反物質の破滅的連鎖発生の抑止に関する検証実験』

最終結果サンプルは1月25日、ISSより帰還予定。か」

「ISSって……?」

 

「国際宇宙ステーションかよ。でもまぁ…」

「あり得ます!宇宙じゃないとできない研究とかありますし、爆破するような研究だと、地球で研究するよりも、宇宙の方が被害が少ないですし!」

珍しく奥田が前の方に出てくると、神栄が付け足す。

「確かにそうだが、その結果は地球に帰ったらすぐわかるのか?25日にISSから帰ってきて、31日までにわかるのかよ」

「……おそらくだが、いずれの結論にせよ、君たちに伝わる可能性は低い。最先端のデータであるがゆえ、すぐに公表せずに外交の材料に使うかもしれん。最悪、最後まで君たちに情報が来ることはないかもしれない」

 

そりゃそうだ。そんな最重要データをポンポン他国に教えるのなら、莫大な金を払わせて教えた方が得だ。そんな金を払えない中学生にその情報が来るだなんて、美味しい話にもほどがある。

 

「……どんな結果であれ、俺らは暗殺をやめないよ。烏間先生」

「……カルマ君」

「だけど、半端な気持ちで殺りたくない。救う方法があれば救うし、救う方法が無ければみんなもきっぱり諦める。だからはっきり知りたいんだ。卒業まで堂々と暗殺を続けるために」

 

「むむ……」

久しぶりに烏間先生が悩む姿を見た気がする。

生徒の気持ちを尊重したいけど、情報をどうやって渡そうか。そう言ったところだろうか。

 

「烏間先生、席を外してもらえませんか?ここから先は、あなたの責任問題になりかねませんので……」

土星のような形になった殺せんせーは、ビッチ先生と烏間先生を教室から出すと、話し始めた。

 

「君たちの望みはこうですね?宇宙から戻ったデータがアメリカに渡る前に、ちょっとだけ盗み見させてほしい。と」

全員がコクリと頷くと、殺せんせーは律の画面をスクロールする。

 

「ただ、スケジュールにはこう書いてあります。『研究データを積んだ帰還船は太平洋上に着水する。万が一私に奪取されるのを防ぐため、帰還船ごと研究施設に搬入する』とね。とても素晴らしい警戒態勢です。先生はあまり重いものが持てないし、太平洋上となればほぼ奪えないでしょう。

そこでです!近々これが打ち上げられるのをご存知でしょうか!?」

 

「……は?」

 

「日本で開発中の、有人宇宙往還船の実証試験機です。センサー付きのダミー人形を実際に座らせてロケットを打ち上げ、生命維持に問題がないかを計測し、宇宙でISSとドッキングさせ、荷物を積んで地球へ帰還するという計画です」

 

「………有人、打ち上げ、生命維持。嘘だろ……?」

神栄は嫌な予感がした。まさかこの先生…。

 

「この日本の宇宙船がISSに着くのは、当のアメリカの実験データがISSから離れる3日前です。もしもこの時、ダミー人形ではなく本物の人間が載っていたら……?」

 

「うわぁ……マジでやりやがるのかよ」

「そう!!暗殺教室!季節外れの自由研究テーマ!

『宇宙ステーションをハイジャックして、実験データを盗んでみよう!!!』」

 

「アハハハー、チョウタノシミー」

 

こうして、前代未聞の時期外れな自由研究が始まった。全員最初は怖がっていたが、後々になるにつれ、楽しく訓練をしていた。

殺せんせーの手引きだし、安心もしていた。

だが神栄はずーっとビクビクしていた。

 

 

「さて、今回の計画はいかに相手の眼と耳と手足を乗っ取れるか。出来ますね?律さん」

『はい、お任せください!律の能力の全てを使って宇宙までお連れします!!』

 

 

1月18日、決行の日である。

E組一行は某所の宇宙センターに忍び込んだ。

 





そろそろ神栄くんが助ける派になった場合のお話でも書きましょうかね。
なんとなくの内容は出来たのでw

次回はお忍びISSですかね。そしたら受験からのバレンタイン!!!!
(お話内での)受験前になったらとあるアンケートしたいと考えてます。
内容はまぁ……その時になったら話します。



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第157話 ハイジャックの時間

昨日は(twitter内で)嘘ついたんで、今日は本当のことをします


「わー!すごーい!ここが宇宙センター?」

「ほんとだー!すごーい!」

若い女子の声がすると、近くにいた職員が2人を引き止める。

それも当然、ここはIDカードが無ければ入れない場所なのに、矢田と倉橋は普通に入っているからだ。

 

「君たちどうやって来たんだい!?」

「おじさんについて行ったらなんか着いた」

「けどここは立ち入り厳禁なの!」

「えー、発射ボタン押したい〜」

「コラコラ!くすぐってもダメ!ちょっと警備さん!!」

 

ISS運用管制室を警備していた人がその場からいなくなると、E組一の俊足、木村が中へと忍び込む。

職員はどうやら前の方で話し合っているようで、こちらを見向きもしない。

木村は何かのメモリを適当なパソコンに差し込むと、即座にISS運用管制室から離れ、宇宙センターを後にした。

これにより、管制室のパソコンに遠隔操作ウイルスを侵入させ、律の命令で管制センターを動かすことができる。

 

「よし、発射台に近づくぞ!」

律のウイルスによって、ロケットのセキュリティを一時オフにし、発射台へ楽に近づけるようになった。

 

 

 

 

 

「でかいな」

目の前で巨大なロケットが立っていると、言えることはそれだけだった。

セキュリティの大半がネット関連とはいえ、流石にロケット付近は人の警備もある。

片岡の指示により、気配を消してその場を突破する。

ロケットに入るために階段に登って仕舞えばこちらのもので、階段以降の警備は皆無だ。

入り口では既に殺せんせーが待機していて、ロケットの点検をしていた。

 

『管制室には、ダミー人形の録画画面を流しておきます。今なら人間に取り替えてもバレません』

「マジかよ。すげぇな」

「さて、これに乗って宇宙に行けるのは2名のみ、適性検査では誰でも大丈夫でしたが、行きたい人手ェ上げて!」

 

バッ!と多くの男子が手を上げる。

そんな中、神栄とカルマは手を上げない。

 

「あれ?碧くんは手を上げないの?」

「だって怖いじゃん」

「女の子みたいだね……」

「戦略的撤退って感じ」

 

「まだ一度も成功していない試験機ですが、それでも乗りたい人!!」

さすがにここでは手を上げるのをためらう人が多くいた。

だが、イトナだけはそれでも手を下げることは無かった。

「それでも俺は乗りたい。ロケットなんてメカ好きには垂涎ものだ。けど、今回だけ譲ってやる。渚、カルマ、お前ら乗れ」

 

「はぁ?俺神栄じゃないけどこーゆーリスキーな挑戦嫌なんだよね。怖いとかじゃなくて。だから寺坂とダミー乗せりゃいいじゃん。仮に落ちても損害ゼロだし」

「「なんだとカルマ!」」

 

神栄は最初の方に、寺坂は後の方の言葉に怒っていた。

「まぁまぁ……。挑発・戦闘のカルマに、安心・暗殺の渚か。宇宙ステーションのハイジャックにはいい人選なんじゃない?」

 

「はぁ……。そうだな。お前らがあんなに本気でやりあったから俺たちだってこうやって1つにまとまってんだ。だから先頭を切るのも当然だろ?」

「行ってみようよカルマ」

 

「…え?」

 

「卒業旅行、みんなで宇宙行けたら最高だな」

「……はいはい。なんでも言うこと聞くのが約束だしな。わかったよ」

 

「それでは、ダミーを持って私たちは退散しましょうか」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

それからしばらく経ち、鉄格子の外からロケットの様子を見守るE組。

ロケットの中ではカルマと渚が宇宙服を身にまとい座っていた。

「……確か前にこーゆー緊張あったね」

「……あー」

 

前というのは殺せんせーの服の中に入って、マッハを経験したことだ。

前はまだ地球の中での出来事だったからまだ良かったが、今回は宇宙。地球外での出来事だ。

いくら暗殺の訓練をしてきたからとはいえ、宇宙へ行くのに緊張しない人はおそらくいないだろう。

 

「俺も渚も、あの頃から変わっただろうね」

 

 

ポツリとカルマが呟くと、ロケットがガクガクと震え、上にあがっていく感触のようなものがする。

「うおっ……!?」

「にゅや!流石に速い!!」

 

ロケットの外から殺せんせーの声が聞こえる。一体どれだけ心配なのか。

「なんで着いて来てんの殺せんせー!?」

「心配になってきて……。先生のデータを手に入れることにこだわり過ぎないように!せっかくの宇宙の旅を楽しんでください!」

 

「殺せんせー。これだけ言っておきたい。

殺せんせーは自分の命を使って僕たちにたくさんの学びの機会を与えてくれた。

けど、僕たちにとって殺せんせーの命は、教材で終わるほど軽くはないよ」

 

 

「……はい。わかってますよ」

 

 

 

ロケットが宇宙に行くのに必要な速度は秒速7.9km。約マッハ23という速さである。

この時、彼らは初めて殺せんせーの最大速度を超えた。

 

 

 

 

またさらに時間は過ぎ、ISSでは試験用のダミー人形入りの宇宙船を迎え入れていた。

そこには日本人宇宙飛行士の水井さんがいて、メンバーは冗談半分でダミー人形にハグでもしてやれよ。と言った。

水井さんが宇宙服を見ると、違和感があった。

なぜか、人形が入っていない。

もう少し見てみようと身を乗り出すと、何者かに引っ張られ、気づいたら目の前にはナイフと、何かを持った少年が浮いていた。

 

この事態を他のメンバーは見過ごすわけがなく、全員が宇宙船に入ると、そこには少年2人が1人を人質に取っていたのである。

 

 

「ハ、ハロー…」

ここで律が地上への中継を遮断した。これでこれから行われるやりとりが誰にも見られなくなる。

 

「僕らは爆弾を持っています。できれば平和に済ませたいです。だから話がしたいので下がってください」

渚は乗っていた宇宙船から出てくると、それについて行くようにカルマも水井さんを持ちながら出てきた。

 

「ここじゃ狭いから、もっと広いところで話そうよ。ほら、早く」

足で近くにいた宇宙飛行士をどかそうとするカルマに、メンバーはこいつら、何者だ?と思い始めた。

それも当然、本来無人の宇宙船が来るはずが、有人でさらに中学生くらいの少年ときた。何者だ?と思わないはずがない。

 

「……そんなわけで、アメリカチームの研究データをコピーさせてください。それ以外は何も要求しません」

「知ってると思うけど、うちの担任怪物でさ、断ったら地上で何するかわかんないよ?」

 

いつものように挑発気味に話すカルマだが、それに対してメンバーは何も話さない。

明らかにまずい。彼らは異常に冷静だ。誰がどう見ても常識から外れた行為をしているのに、慌てる様子がない。さすが本物の宇宙飛行士、と言ったところだろうか。

 

「……まずは、この2人の少年にブラボーと言わせてもらおう。だが、軍人含むこの6人とやりあうつもりかい。爆弾なんざ脅しにならんよ。なぜなら…我々はこの宇宙で、いつ爆発するかわからない命がけの実験をしてるんだぞ」

水井さん除く5人の纏うオーラは、殺し屋の持つ殺気に似たものにそっくりだった。

 

「……いや、無益な争いはやめよう。ここは戦争を最も嫌う場所だ」

「「!?」」

 

「話し合うから、彼を離してやってくれないか…?」

リーダーであろう男のこの言葉に嘘はないと思ったカルマは、水井さんを離す。

すると、水井さんは5人の元へ戻り、2人の帰還方法についてたずねた。

 

「データを奪ってもどうやって帰るんだ?まさかハイジャックしておきながら協力を頼むのかい?」

「いえ、自力で帰れます。クラスメイトが帰りの軌道計算を完璧に済ませてるので。微調整はウチの担任がなんとかしてくれるようです」

 

「君たち、若さゆえに命を軽く考えていない?」

 

1人の男がそう言うと、渚は黙り込んでしまう。

だが、カルマが口を開く。

「俺だって来たくて来たわけじゃないよ。だけど友達が行こうって言うからさ。

あと、俺たちは命については最近めちゃくちゃ考えるようになったよ。だって、俺たちがいる場所は先生を殺す教室だもん。命に対しては命で向き合う。そういう覚悟はして来たつもりだし、それはあんた達と一緒でしょ?」

 

 

 

「……そうか、わかった。私の責任でハイジャックの要求を呑もう。データを準備をしてくれ」

「……お、おう!」

 

「それと、君たちは補給物資の手伝いをしたまえ。さっさと出て行ってもらう為に働いてもらおうじゃないか」

2人は船長に言われた通り、色々仕事をした。

カルマは主に食料を食べてしまったり、宇宙空間をいいことに渚をぐるぐる回したりしていた。

手伝い終わると、船長は殺せんせーの爆発を防ぐための実験データを2人に見せた。

それを律がコピーするが、その前にその情報が偽物ではないことを確認してからコピーした。

 

「んじゃ、コピーも完了したし、さっさと帰って検証しよっか」

「そうだね」

カルマはBOMBと書かれた爆弾を船長に向けて投げると、笑いながら言う。

「それ、ただの羊羹だよ。ウチの担任からの差し入れ。もしなんかあったら爆弾で脅されて逆らえなかったことにしておいてよ」

「……大した勇者だよ。君たちは」

「今度は正規ルートで遊びに来なさい。歓迎するよ」

 

「俺はもうごめんだね。その代わり偉くなったら宇宙開発の予算増やしてやるよ」

「ああ………楽しみだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ISSから離れ、宇宙空間を彷徨っていると2人は自由にしていた。

「データも手に入れたことだし、あとは無事に地球へ帰れるか、だけど、律。大丈夫だよね?」

『はい。大丈夫です!!』

「そっか……良かった」

 

『渚さん。カルマさん。私は今回のハイジャックでたくさん考えて、動かして、感じたりして……私の知性が進化させたのを肌で感じます。私は、「感情」を初めて自覚しました。

私は幸せ。このE組に来れて幸せです』

 

「律……」

『あと、私は不安です。どこかで計算間違ってないか』

「「!?!?」」

 

 

 

 

 

『……そろそろ宇宙服に着替えましょうか。あと少しで地球に到着します』

律の指示通り宇宙服に着替え、しばらくすると殺せんせーの声が聞こえた。

「2人とも、宇宙の旅お疲れ様です!」

「殺せんせー!」

 

 

ボン!と上の部分から音がすると、巨大なパラシュートが開……かない。

殺せんせーが正常に開くよういじるとようやく開く。

「ここまでくれば、あとは先生が押しましょうか。行き先は…」

殺せんせーはE組専用プールでその宇宙船を着地させた。

 

 

その様子を見ていた烏間先生は絶句した。

それも無理はない。こんなことをしてしまえば、一体いくつもの省庁に謝らなければならないのか予想がつく。

だが、殺せんせーはスマートフォンで今回の件についての考察が書かれたページを見せる。

「人形の代わりに本物の人間を乗せたデータは、ロケットをもう一回飛ばす分の価値がありますし、律さんが見つけた効率的な宇宙への航路。さらにパラシュートの構造の根本的な見直し、これを全部あげるからチャラってことでいいでしょうか?」

「……悪人め」

 

 

◇◆◇◆◇

 

全員が教室に戻ると、律の画面に手に入れたデータを載せた。

だが、英語しかないし、専門用語まみれのその文章は、普通の人にはわからない。

「……なんとなーくわからなくもないが、専門用語に関しては全くわからんな。けどよ、奥田、お前なら出来るだろ?俺たちにこれをわかりやすく説明すること」

「は、はい!!」

 

 

またしばらく時間が経つと、奥田は要約を説明した。

「反物質サイクルの暴走を防ぐための実験の結果、爆発リスクは反物質生物のサイズと反比例する。大きいほど安定で、小さいほど高確率で爆発した。つまり、月を破壊したネズミの悲劇を起こす条件は、人間ベースでオリジナル細胞の『奴』にはほぼ該当せず、爆発の可能性は極めて低い。さらにこの化学式の示す薬品を投与することで、定期的に全身にケイ素化合物の流動を促すことで、さらに爆発の可能性は低くなり、これらの条件を満たした時、爆発の可能性は少なくとも1%以下になる……。もしくは、爆発より先に他の細胞が寿命を迎え、90年以内に穏やかに蒸発するだろう……と書いてありました」

 

 

 

「1%以下……だと?」

「……はい」

「それよりも、さっき言ってた薬品は作れんのか?結構難しいんじゃねーの?」

「いえ、割と簡単です。というか、前に私、これとほとんど同じ薬を作ったことが…」

「アレか!!」

 

「アレ?なんだよそれ」

 

どうやら神栄が転入してくる前に奥田はこれに似たものを作ったらしい。

 

「なんにせよ、殺せんせーを殺さなくても地球は爆発しないで済むぞ!!」

全員が喜んでいる中、磯貝だけは不安な顔をしたままだった。

「じゃあ…暗殺はどうするんだ?」

 

「………」

 

 

「一学期から続けてきた暗殺は、もう終わりにするって事なのか?」

「……それは」

「おい、どうするんだ、渚」

 

 

 

「カルマや中村さんに、神栄くんや千葉くん、速水さんや殺す派だった皆、全員の気持ちを大切にしたい…」

 

渚、いや、E組が出した結論は、『国からの依頼が消えない限り、3月まで全力で暗殺を続ける』だ。

自分たちにとって暗殺は、使命であり、絆であり、E組の必修科目なのだから。

 

 

ただし、3月までに殺せんせーなければ、暗殺からも卒業し、他の人たちに手を下してもらう。

 

こうして、今日も暗殺の日々が始まっていくのである…。

 

 




…そろそろ時期的に、作品内も僕も受験シーズンになります。
これから話すのは作品内の事ですが、受験の話を書く際に、1つ決めてない事があります。
神栄くんは一体どこの学校に行くのか。です。
彼の実力はカルマと張れるレベルという設定なので、椚ヶ丘高校に行くという選択肢だってないわけではありません。
ですが、神栄くんは神崎さんとお付き合いをしています。彼なら同じ高校に行く可能性だってあります。だって好きだもん。
そこで、僕はみなさんに問いたいのです。彼がどういう選択をするべきかを。
・神栄くんは、神崎さんと同じ高校に通うべきだ。
・神栄くんは、神崎さんと違う高校に通うべきだ。

本来ならお前が決めろよ。って話なのですが、僕にはとても決められる様な気がしないのです。
どちらにせよ、ストーリーはなんとなく出来ております。
ただし、前回の殺す派助ける派の様に、そのうち選ばれなかった方を書く。というのは、今回は無しにしようかと思います。
それが僕たちが決めた彼の未来なのだから。(なんかすげぇかっこいいセリフっぽくなってて申し訳ない)

前回と同じように活動報告にてアンケートしようと思います。参加してもらえると嬉しいです。

次回は原作通り、受験についてですね……。
僕もそろそろ本気で勉強しましょうかね。


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第158話 進むべき時間


進む人は、生徒だけじゃない。


 

 

2月。2月である。

2月といえば何があるだろうか。我らE組では、何故かクリスマスパーティーが開かれていた。

「メリー……、クリスマス?」

「疑問形にならない神栄くん!やはり2月といえばクリスマスですね!!」

殺せんせー曰く、2月といえばクリスマスなのである。

「いや、疑問形にならない方がおかしいような」

「おっと、そろそろ良い子は寝る時間です。さぁ、布団に入って!!」

 

言われるがまま布団に入っていく生徒たち。

電気が消えると、そーっと殺せんせーが大きめの袋を持って入ってきた。

殺せんせーは一人一人の布団の横にプレゼントのような包み箱を置くと、全員が一斉にナイフを突きつけた。

殺せんせーは全て避けると、教室に電気がついた。

 

「あけましておーめでとー!!!!新年です!今年一年頑張りましょう!!さて。あとは寝正月です」

クリスマスから正月まで、わずか3分である。

さらに全員の服装が和服になっている。

 

「ご丁寧にありがたいが……なんだよこれは!!」

殺せんせーは聞く耳を持たず、テレビを見る。

だがそのテレビでは自分の分身を使い絶対に笑ってはいけないあのシリーズ、今回は絶対に笑ってはいけない暗殺教室として、お馴染みのメンバーに扮した殺せんせーが色々とやっている。

当時流行ったネタを多めに入れていて、なかなか完成度は高いのだが、なんかこう、ぱっとしない。

当時流行ったネタがもう古いのか、あまり笑わなくなってきているからなのだろうか。

安心してはいてる人や、説明が必要な謎言葉や、ダメなダメダメなど、時期としてはもう終わってるネタばかりが採用されている。

今の時代はwith Bだったり、イエェェェェイ!だったりするのだが…。

「なんだよこれ、マジで」

「アレだよ、年末年始という学園モノの美味しいイベントをやり逃したから、2月で一気に回収しちゃおう…と」

「その通りです不破さん!先生のことで真剣に悩んでいたからこちらからも誘いづらいですし……」

 

殺せんせーにも殺せんせーなりの悩みがあったのか。とはいえ、クラス中がそういう雰囲気だったというのに、そんな悩みがあるというのはちょっと変ではないのか?と思ったが、何を言っても無駄なのは毎度のことなので何も言わなかった。

 

「さぁ続きです。冬休みモードで油断してる先生を殺してみなさい!!!」

 

 

 

 

 

大晦日の格闘技、正月カウントダウン番組、初詣、駅伝、高校サッカー、成人式、節分……と殺せんせーは全ての役をやりきり、年末年死をやり終えた。結局死んではいないが。

 

「これで年末年始は思い残すことはありませんね…。では次の段階に進みましょうか」

「次の段階?」

 

 

 

 

 

「さぁさぁ!皆さん、暗殺もいいけど受験もね!!」

「「「「……」」」」

先ほどまで完全に冬休みモードだった皆が一斉に固まる。まるで、夢の世界から現実に引き戻されたかのように。

 

「……急に現実的なこと言ったな」

「当然でしょう。私立は再来週に迫ってます」

そう。自分たちはターゲットを殺す暗殺者であり、普通に中3の受験生でもある。

どちらかを疎かにするなど、暗殺者としてよろしくない。と殺せんせーは言うのだろう。

 

「みなさんが悩んだり頑張っていた先月も、それぞれの志望校に合わせてきっちり授業はしていましたし、問題はないと思いますが…」

「マジかよ…」

「そして、受験の結果が出た後で再度面談をします。みなさんがE組を出た後、どう言った未来を選びたいのか」

 

殺せんせーはさらに続ける。

「この先どんなことがあろうとも、君たちの暗殺は卒業で終わりです。ナイフと銃を置き、それぞれの道へ歩き出さなければならないのです」

 

先ほどのどんちゃん騒ぎなと無かったかのように淡々と話す殺せんせーを見て、自分たちが今おかれている状況を再確認することになる。

地球の危機が遠ざかった今、自分たちは自分自身のことを考えなければならなくなった。

 

「殺せようが殺せまいが、別れは必ず来るのです。それが教室というものなのだから…」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

渚と神栄はいつものメンバー達と帰っている時にこの時期ならではの質問をしていた。

 

「カルマはどの高校に行くの?」

「あー、それ俺も気になるな。どこ行くんだ?」

「んー、俺は椚ヶ丘に残ろうと思うんだ」

「……へぇ」

 

「わざわざ外部受験で入り直すのかよ!?」

「よく考えみなよ。追い出したはずのやつが戻ってきた挙句、自分達の上に立たれるんだよ?そんな奴らの屈辱的なツラをあと三年も拝めるなんて最高じゃん!」

 

「相変わらずキツイ性格だなぁ。けど、他にも理由はあるだろ?」

神栄はカルマが見ている方向を見ながら呟く。

「まぁ、平均的な学力だったら椚ヶ丘より上の学校はあるけど、タイマンの学力勝負で面白そうな奴って、多分椚ヶ丘にしかいないと思うから。あ、俺の志望校なんか置いといてさ、神栄は神崎さんと同じ学校行くの?」

 

「180°以上話が変わったなおい」

いつものメンバーの中には、もちろん神崎はいる。

出来ればちゃんと2人きりの時に話したかったが、ここで逃げればいろんな意味で殺されてしまう。ここは、言うしかない。

 

 

「……俺の学力ならカルマ同様、どこの学校だって行ける。もちろん有希子と同じ高校に行くのは可能だ。けど、その、なんというか……俺のやりたいこと、目的を果たすためには、有希子とは違う学校に行かなきゃいけないんだよ」

「目的って、どんなの?」

「それは言えないよ。けどまぁそれは表向きの理由だ。本当の理由は、有希子、お前の夢を邪魔したくないからだ」

「……え?」

「少なくとも俺がそばにいる限り、有希子は俺に構ってくるはずだ。さらに色々心配になるはずだ。それが例え、自分が危険な状況に置かれても……だ。それならいっそ同じ場にいない方がいい。別に別れようだなんて言う気はないし、将来希望した仕事に就くまで会わないだなんて言わない。たまに会えるくらいが、俺たち丁度いいんじゃないか?

『会えない時間が、2人の想いを強くする』ってどっかの漫画内の小説でも言ってたし……それで我慢してくれないか…?」

神崎は少し考える。そして、答える。

 

「……碧くんはいつだって無茶するし、奥手だし、ちょっと変わってるけど、碧くんがそう言うなら私は我慢するよ。でも、毎日ゲームの相手だけはして欲しいな……」

「……もちろん。あ、たまには会いに行くぞ?流石にちょっとは、な」

 

 

自分の想いを伝えると、神栄はぐったりとしていた。彼女に面と向かって真剣に話すだけで疲れている神栄を見てみんなが呆れているが、もうそれはいつものことだ。

 

「俺たち、もうお別れなんだなぁ……。もうすぐで……」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

神栄が想いを伝えている時とほぼ同時刻、とある研究機関では実験室の様子を常に監視していた。

そこには、シロ…ではなく柳沢が立っていた。

「二代目の研究は確かに重要だ。だがな、俺だって装備しなければなるまい………第二の刃を。クックック………!!!」

 

資料を見ながら、柳沢は実験室の壁に優しく触れる。

「さぁ、君もそろそろ出陣の時だ。督界くん」

 

 

その声を聞いたからか、壁が大きく振動する。その後、ゆっくりと実験室のドアが開く。

 

「おはよう、督界くん」

「………ああ、おはよう」

「君が殺す相手は、誰だい?」

 

 

「神栄…………碧」

「フッ……完璧だ。あの出来損ないに教えてやろうじゃないか。本当のかみさかは、誰かを…」

 

 

 

 

 

「………にい、さん」

 

 





アンケートの結果兼新キャラの登場です。
想像以上に違う学校がいいと言う人が多くて、びっくりしました。(invisibleは同じ学校派だった)

最後の方のやつは最終暗殺前に書こうかなと思ってます。大した話ではないですけど、よろしくお願いします!

次回は、滑って落ちてetc,
受験生の僕には耳が痛いお話ですね!!


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第159話 七三の時間/督界の時間


豪華二本立てとかじゃないんです。


 

ついに受験が始まった。全員が滑り止めや本命の私立高校の入試が終わり、今日は平常登校の日だった。

いつも通り教室に着くと、淀んだ心全開の竹林が座っていた。

髪もいつも以上にボサッとしており、見るからに志望校が不合格だったんだ…と思わせるその姿に、同じ教室内の生徒は誰も声をかけようとはしなかった。

 

「……聞くまでもないが、竹林はどうしたんだ?」

「あいつ、志望校落ちたってのはわかるだろうけど、落ちた場所が場所なんだよ」

「確か…国内最難関の学校じゃなかったか?」

「そうそう。そりゃ落ちたって無理ないだろうに……」

 

 

 

「なんで僕はあんなところでマークミスしたんだ…。プレッシャーがかかると僕はいつもダメなんだ。E組を離れて1人で戦ったらこの程度さフヘヘへへへへ」

 

「おい趣味変わるほど落ち込んでるぞ。けど、こればっかりは仕方ないしなぁ…」

メガネのレンズはいつもの位置には無く、顔が青ざめているし、ブツブツと何かを言っている。

 

「か…確率の問題こういう不運もありますって!90%は受かってたんです!元気出して!!!」

傷口に塩を塗りたくる殺せんせーを見て皆が呆れている。

そろそろ竹林のライフがゼロになりかけようとしたその時、岡野の一言で殺せんせーは大声を出す。

 

「前原、定期落としたよ」

「落ちるとか滑るって言っちゃダメです!!!!竹林くんが傷つくでしょう!今後一切禁止します!!」

言い出しっぺが大声で竹林の耳元で言うが、もう竹林はなにも反応しない。

 

「受験生は戦う場所が違っても助け合う…!受験は団体戦なんです!ですので以後受験生のヘイト発言をする者は不良生徒と見なし全員七三に手入れします!!」

 

「……なんつーくだらないNGワードゲーム」

「先生の粘液で滑らかに整え……あ」

 

これも言い出しっぺの法則なのだろうか。殺せんせーが早速アウトになったが、殺せんせーには髪は生えてない。なので七三のカツラを被ってゲームが再開した。

「楽しい話をして場を和ませましょう!!神栄くん!!」

「え…えぇ?俺かよ」

 

「はい!神栄くんならではの話でいいです!」

「さ、最近のギャルゲーですっげえ面白そうなのがあったんだよ…。キャストは有名声優ばっかりで、タイトルは……『速攻fall in LOVE♡』ってのなんだけどさ」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「死にたい」

「fallは『落ちる』なのでアウトです!次!」

 

ぴっちりと七三にされた神栄は、竹林のようにどよーんとしていた。おそらくもう余計なことは喋らないだろう。

「わ……わたしは、どんな髪型の碧くんもす…ふふっ…好きだよ。ふふっ」

「本っっっっっ当に死にたいです…」

 

 

その後、倉橋が七三にされ、三村もやられ、寺坂組も被害にあった。

さらにタチが悪いのが、スベらない話をするとかヌカしてオチのない話をした後皆に「オチは!?!?」と言わせ全員七三にしたことだ。

 

さすがにここで全員は殺せんせーは楽しんでやってるなと思い始め、銃口を向ける。

 

「もうみんな七三にされた今、言えない言葉はない。死ね!!!」

殺せんせーが立っていた床が突然開き、下には対殺せんせー用BB弾がびっちりと敷かれていた。

その後、全員が狙撃するも七三のかつらで防御される。

「人の受験を楽しみやがって!」

 

「ええそうですとも!お祭りなんでよ受験なんて!」

「あっさり認めんな!」

 

「竹林くん!君の刃は一本だけですか!?ニ本目の刃でもちゃんと勝負はできるでしょう?」

「もちろんですよ!滑り止めの学校だろうが僕の進路に影響はない!」

 

「君がなりたいのは医者ですか?それとも爆発物取扱!?」

「医者ですよ!迷ったけどやっぱりなりたい!!」

「それがいい!君に合ってる!!!」

 

 

竹林は怒りながらも殺せんせーを狙ってひたすら撃っている。

だが、だんだんと怒りが無くなり、笑顔になってきた。

 

「よく考えりゃNGワードなんて余計なお世話だ!滑って転んで落ちて、そんなのE組で慣れっこだ!!!」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

その日の夜、とある研修所では柳沢と科学者がある契約をしていた。

 

「……これが、督界 蒼くんですか?」

「…ええ、間違いなく督界 蒼くんです」

柳沢は冷たい笑顔で督界の肩を叩く。

科学者は資料に載っている写真と、今目の前にいる督界を見て、間違いなく本人だと確認すると、謎の印を押した。

「本当にそっくりだなぁ。これも現代の技術ということか」

「もちろんですとも。なんせ彼らは同じ人物ですから……」

「戦闘的価値を持ち、オリジナルを遥かに超えるパワーを持った督界くんは、今後色々な場所で使われる事だろう……!さらに、何度でも造り直せる。つまりアップデートが行える。これ以上の事があるだろうか」

 

「……フフ、貴方ならそう言うと思いました。ですが、不安材料もあるのです」

柳沢は、もう一枚の資料を科学者に見せる。

 

「オリジナル……いえ、神栄 碧の始末です。彼が2人居ると言うのは、我々には都合が悪いのですよ」

「……ああ、そうだな。督界は1人でいい。神栄などという男などこの世に存在してはならないのだ。存在していいのは、督界だけだ」

「その神栄という男の始末の日程ですが………この日に行おうと考えております」

 

「……ふむ。一石二鳥ではないか。300億は貰え、不安材料も始末できる。私にはメリットしかないな」

「ええ、それでは私はこれで失礼します」

「ああ、また来たまえ。柳沢君」

 

 

 

 

督界と柳沢は、研究所を後にする。

「全てが終わった後、君は彼の元で仕事をするのだ。だが今はそんなことを考える必要はない。最優先事項は奴の始末だ」

「兄さんの……始末」

「ああ…兄さんの始末だ。クックックッ…!」

 

「兄さんを……殺す」

 

 

 

 

 





ここまで来ればなんとなくわかるでしょうが、督界の読み方は『かみさか』です。蒼は言うまでもないでしょう。

入れ替わりの時間は……もう少しお待ちください!
次回、みんな大好きバレンタイン。



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第160話 バレンタインの時間


連日30度を超えてめちゃくちゃ暑いですが、うちはエアコン縛りしてるのでうちわで過ごしてます。
なんか、エアコンつけたら負けだと思うんですよね。




 

 

2月13日、世間はバレンタインムード一色だが、それはE組でも例外ではなかった。

女子陣がチョコレート作りに勤しんでいる中、男子は誰にもらえるのだろうか、とソワソワしている。

そんな中、きっと誰よりも良いチョコレートを貰えるであろう男は、3日ほど前から休んでいた。

その男は、もう言うまでもないが神栄だ。

 

「………滑り止めに受かって…ゲホゲホ、安心してたら…ゲホゲホ、ウイルスがスッと入ってきたゲホゲホ。ゲホゲホ」

熱もあり、学校に行ける体力もない神栄は何も出来ずにいた。

 

 

「はぁ……ゲームする気力も失せる…。かと言って勉強もする気起きないんだよなぁ」

布団に入ってから天井を見上げること1時間、空が段々暗くなっていた。

朝から何も食べてない神栄は、腹が鳴りっぱなしだった。

「おおっふ。そろそろご飯をmakeしなければ……とはいえ動きたくない…ゲホゲホ」

布団から出るか出ないかの議論を頭の中でしていると、普段聞こえるはずのない足音が聞こえる。

 

(………不審者か?じいちゃんなら電話なりで一声かけるはず。それがないということは、その可能性が高いな。この部屋に来て、さらにこっちに近づいて来たらぶん殴ってやる)

 

足音はどんどんと鮮明に聞こえるようになり、神栄の部屋の前で止まる。

(……来たか。ここは寝ているフリをするために…寝言でも言っておくか)

「んん〜〜〜っ」

 

と寝返りをしながら言うと、ノックもなしにドアが開く。

「碧くん!?大丈夫!?」

 

聞き覚えのある声、というか、なぜ来れた。有希子さんよ!!!!

 

「何しに来たぁあ!?」

「うわぁ!びっくりした!起きてたの…」

「んなこたぁどうでもいい!なんで来れた!?」

 

「……ピッキング?」

ニッコリ笑顔でそう言うと、神崎は針金を神栄に見せる。

「怖いよ……怖いよ」

「これでも碧くんを心配してたんだからね?どうせロクにご飯も食べてないんでしょ」

「なぜバレたし…」

「全く……ちゃんと食べないとダメだよ?」

「ごめんなさい」

 

その声を聞いた後、神崎はモジモジとしていた。トイレに行きたいのか?と聞こうとしたが、そういうモジモジでは無かった。

「……どうした」

「…あのね?碧くんって……」

 

「……?」

「こういうの、好きなの?」

神崎は袋に入ったものを取り出す。

そこには、過去に竹林のせいで女装したあのメイド喫茶のコンテストの優勝景品があった。

『コレで完璧ナース!ナースコスプレ!』

 

「ちょっと待て!!!それは違「碧くんが見たいのなら…私、着るよ?」

 

「え……?マジで?」

つい本心が口に出てしまった。これではまるで自分が変人みたいではないか。

だが、見たいのは事実。きっと美しいんだろうと想像するだけで夜も眠れないくらい。

 

「……いや、ご飯食べようぜ」

「話逸らさないの。で、どうなの?見たい…の?」

「見t…見たk……」

 

「まだ碧くんにはこれは早かったのね…。じゃあ私、ご飯作ってくるね」

「あ……ほんとすいません」

結局なにもできず神崎のお世話になった神栄は、床の上で大の字になっていた。

 

「…やっぱり、尽くされすぎな気がするんだよな。本来俺が色々するはずなのに、なにもできずにされるがまま…。一度だけでも何かをせねば…。でもなにを?俺がキス…無理無理無理!俺が死ぬ!」

様々な候補を挙げるがどれも自分にはハードルの高いことで、オール却下。

悩んだ挙句じたばたし始めた神栄は、そのあと疲れて寝てしまった。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「うわぁああああ!?!?」

 

 

「碧くん!?大丈夫?」

目覚めた時には、神崎が膝枕をしていた。一体なにが起こったのか両者共にわかっていない。

「…今、なんか変なこと言ったか?」

「え…?そんなこと言ってないよ……」

「なんだこれ…夢、か?今まで見た夢よりも…怖い」

「碧くん、私が料理持ってきた時からずっと、つらそうな顔してたよ。なんというか、うなされてるような感じだった…」

「俺、そんなにヤバかったのか?」

「うん…」

 

今、普通に神崎と話しているが、神栄は違和感を覚える。

神崎の膝が見えている。一見、『普通じゃないか』と思うが、違うのだ。

 

今日の神崎の服装はロングスカート。どう頑張っても膝枕をした際に膝が見えることはほぼ無い。

さらに上を見ると、なんか被ってる。真ん中には白い+が描かれている。

つまり何が言いたいのか。

 

 

神崎さん、ナースコスしてる!!!!

 

「ななななななんで……!?着ないんじゃなかったのか!?」

「見たいって、言ってたよ?」

「………あーーー。あ?」

 

神崎は『見t』を見たいに聞こえたらしく、実際に着た。ということなのだろうか。

「あっ…あっ、あわわわ。どどどどうすれば…おっおっ俺はななななにを…!?」

 

現実を受け入れることができず、神栄の頭はオーバーヒートしてしまう。

「そ、そこまで驚くと、私まで照れちゃう…」

「だったら着替えてくださいよ…」

「……ここで?」

 

「嘘ですそのままでいてください」

「むー。碧くんは注文が多すぎるよ!」

 

このままでは神崎さんが(お美しい)怒りでなにをしてくるかわからないので、夕食を食べることにした。

 

「…俺ん家はピッキングして開くほどザルドアじゃないと思うんだけど」

「愛情の勝利だよ」

「何言ってんのかよくわかんないけど、今度からちゃんと連絡してくれないか?鍵もあげるから」

「むー、また私の言葉をうやむやにした!前原くんとの戦いみたいにもっとガツガツ行ってもいいんじゃないのー?」

 

「……まだ無理です。ちょっとずつ治して行くつもりだから…ゆっくり気長に待ってくれ」

「う、うん」

 

おそらくものすごい時間がかかると思うが、いつか必ずヘタレなどと呼ばれないような立派な人間になることを誓った神栄は、すぐに夕食を食べ終えた。

「相変わらず美味しいな。流石です」

「ねぇ碧くん。明日は何の日か知ってる?」

「バレンタイン、だっけ」

「そうだよ。で、そのチョコなんだけど…明日渡すのもいいんだけど、その、恥ずかしいから…今…貰ってくれる、かな?」

 

珍しく神崎が顔を赤くして照れている。本当に明日渡すのが恥ずかしいのだろう。

「いいよ。今日もらうよ。俺も何言われるかわかんねーし」

「ありがと!じゃあこれ…なるべく碧くんの好みに合わせたつもりだけど…全部食べてくれると嬉しいな」

 

「もちろん、全部食べるつもりだぞ」

「うん!そろそろ私帰るね!ちゃんと安静にしてないと…ダメだからね?」

 

 

「わかってるよ」

 

 

男として、女子の家まで送らなければならない場面だったが、風邪+ヘタレのせいで送ることは無かった。

 

 

 

神栄は貰ったチョコレートを早速食べる。

(……美味しい。けど俺、有希子に好みとか言ったっけ……?)

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

次の日、神崎が家に来てくれたか、チョコレートを食べたか何かはわからないが、すっかり元気になった神栄は教室内の異様な光景に唖然としていた。

 

「……何で前原が岡野にチョコ渡してんだよ。わけわかめ」

「あ、神栄くん。復活したんだね」

「よう茅野、渚。で、どうなってんだよあれ」

「…かくかくしかじか」

 

どうやら前原は岡野とカラオケへ行った際、殺せんせーを見かけ、カラオケ店で殺ろうとしたらしく、それを岡野に何も言わずに行ったせいで、岡野が怒った…と言ったことらしい。

岡野はカラオケ店でチョコを渡すつもりで、それを邪魔された(?)とか何とかでこうなっている。

 

「まぁ……前原が悪いな。仕方ないな」

「なぁ岡野、速攻で行こうぜ。空きスペースにこのチョコパスするから、ワントラップしてすぐまた俺にくれればいい。それだけでいいから」

「どのツラ下げて司令塔みたいに指示してんだ!!岡島から内申書の話聞いたんだからね!尚更やるもんか!!!」

 

 

暗殺に失敗した挙句、岡野に蹴りを入れられた前原は、カラオケ店で覗き魔殺せんせーに説教された後、宿題を課せられた。

その内容は『明日中に岡野の機嫌を直し、改めて彼女から直接チョコを貰う』だ。

もし貰えなかった場合、前原の内申書の人物評価の欄に、チャラ男。が追加されるらしい。

 

 

「そんなことまで…。可哀想だな。お互いに」

「うん…」

 

「なぁ岡野。ちょっとは前原の話を聞いてあげるってのはど「うるさい!!!!」

直後、高速で椅子が飛んできて神栄の顔面を射抜くと、神栄は目をぐるぐると回しながら倒れた。

「あ、神栄がやられた」

 

 

「こ、これだから女の子って怖いんだよ…」

 

 




ピッキングのところは、ドアが神崎さんに惚れたってことでお許しを。(実際にやっちゃダメだよ)

テストは難しいし、レポート長いし(3,000字)でもう諦めモードです。経済学は難しいですね。

次回はバレンタインの続きor番外編の入れ替わりの時間です。


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第161話 バレンタインの時間 2時間目


勉強……?そんなことより投稿だ!


 

 

「いたたたた…死ぬかと思った」

「おい、血だらけだぞ」

 

おでこ辺りから血を流している神栄を見て杉野がツッコむと、神栄は岡野を追いかけている前原を見る。

「神栄ですらダメなら、当分岡野の怒りは誰も沈められないな…」

「事を起こした本人がいるじゃないか。あいつがなんとかするだろ」

 

「けど、ひなたは怒らせたら頑固だから、多分渡せないと思うよ」

「そんなもんかね」

2人の会話を聞いていた片岡が話に参加すると、殺せんせーもやってきた。

神栄の方に近づき何をするかと思えば、怪我の治療をしてくれた。

殺せんせーは治療しながら、

「いいえ、前原くんには渡してもらいます。女の子の心一つ掴めないようでは、この暗殺教室の卒業資格はやれませんねぇ。異性の扱いとて、『優れた殺し屋は万に通ず』というところでは例外ではないのですから。

………ねぇ。か、み、さ、か、くん?」

 

「やめろ。こっち見んな。前原を見ろ」

 

 

それから2時間目、3時間目と休み時間のたびに前原は岡野に近づきチョコを渡してもらおうとするが、岡野は全て無視する。

そして、昼休みも前原は岡野を追いかける。

 

「なぁ…頼むから機嫌なおしてチョコくれよ」

「ふざけんな!内申書が欲しいだけだろ!」

「この際内申書はチャラ男でいいけどよ、昨日みたいなもらい方は嫌なんだよ。その、ゴメンな?気づいてなくて」

「謝ってもムダだよ。私がここで折れない性格なの知らないの?」

「知ってるよ!お前のことならこの1年で全部知ってる!」

 

ぴくん、と岡野の体が少し反応する。

 

「……例えば?」

「そうだな。ハイキックの時見えてんのに見えてないと思ってるところとか…」

 

ピキッ、と岡野の血管が1つ浮き出る。

「全体にガサツなんだよ、脳筋だから。借りた漫画はご飯粒付きで戻ってくるし、口にもご飯粒ついてるし、どんだけご飯粒推しなんだよ」

 

ピキピキ…と血管がたくさん浮き出る。もう幾つ浮き出ているかわからないほどに。

前原はそれを知らずに岡野のことをどんどんと話していく。

「あと、なんといっても暴力がひでぇ!ちょっと怒ると引っ掻くし、もっと怒るとミドルキックしてくるし、さらに怒るとドロップキックしてくるし…」

 

怒りの最高潮に達した岡野は、上履きに仕込んだ対先生用ナイフを出し、前原の顔面に向かって刺す。

「最高に怒ると、対先生用ナイフで喉元を突いてくる。野生すぎんだよ」

 

前原の方を見ると、口にはチョコレートがある。さらに自分の上履きを見ると対先生用ナイフがチョコになってることに気づく。

 

「今朝方すり替えておいたのさ。確かに直接お前から貰ったぜ」

「かっこキモい!!!!」

 

「よく知ってんだろ?お前のこと。第一、興味のない女のカラオケのハモリなんか全曲覚えねーだろ?」

「……ん」

 

岡野は顔を赤くしながら一歩引くと、前原は余計な一言を足す。

「お前照れると急に黙るよな。ほんと単細胞は嘘つけないな」

「やかましい!!!!」

 

直後、飛び膝蹴りを食らう前原を、窓越しに皆が見ていた。

 

「なんとかなった、のか?」

「ヌルフフフ、卒業までに進展して欲しいところですねぇ」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

教室では1人の生徒が座っていた。彼女は机の中に入れていた箱を取り出すと、顔を赤くしていた。

 

「………」

 

「おや……おやおやおや」

「それを誰に渡そうとしてるのかね…?」

 

2匹の悪魔が後ろからやってきた。本当に悪魔だからタチが悪い。

「おい…やめてやれよ」

 

2匹の悪魔を捕まえ、教室から追い出そうとする神栄に、カルマは抵抗していた。

「そういう神栄は、神崎さんからチョコ貰って無いのかよ」

「昨日貰ったよ」

「昨日貰ったからって今日貰わないとは限らないだろ。邪魔しないでよ」

「そーそー。あの2人がくっつけばいい玩具が完成するんだから…」

 

神栄は呆れて何も言えない。

「はぁ……もうひどいとかじゃ言い表せねーよそれ」

「まぁいいや。神栄も一緒に来いよ。さぁ茅野ちゃん。人気のないところに行こうか」

「…え?」

 

 

 

 

「で、誰に渡すの?それ」

「え!?こ、これは義理だし、まだ誰に渡すかなんて……」

「へぇ〜。俺ゃてっきりこの男に渡すかと」

 

カルマが見せたのは、渚が茅野にキスをしている瞬間を捉えた写真だった。

茅野は顔を真っ赤にし、こちらを見ないように背中を向けた。

 

「渚は自己評価低いからね。キスしたことも『茅野に悪いことした』とか言ってたし、ちゃんと言わなきゃ多分永遠に伝わらないね。アレは」

 

「……演技ではたくさん恋愛したけど、現実で同級生を好きになるなんて、経験がないから…」

そう言っている茅野の顔は、まさしく恋する乙女だった。

「なるほどねぇ。、じゃあ偵察しようぜ。隠密訓練の活かしどころだよ」

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「あ、有希子だ」

「神栄はこれを見てなんとも思わないの?」

「むしろ狂喜してる杉野を見てしまうんだが。怖いよアレ」

 

チョコを渡して平然としている神崎と、チョコを貰って文字通り狂喜乱舞している杉野と言うこの構図は、あまり見たくなかった。

 

「次は……千葉と速水か」

 

「…すごい。粒チョコ撃っても命中率変わらないんだ。約束だから全弾あげる。これからもよろしくね」

「サンキュー」

 

お菓子の粒チョコを渡す速水と、普通に受け取る千葉、2人の独特な雰囲気は流石に真似できないだろう。

 

「今度は狭間と…寺坂組か」

 

今まで見たことないほど狭間がモジモジとしていたが、どうやらその理由がチョコと一緒に入れた手紙らしい。愛の手紙などではなく、呪いに関するチェックシートだった。

 

「ヤンデレ属性を付ければ真似できるな。そーゆーのは渚には効かなそうだけど」

「ヤンデレ属性……?」

 

 

「お次は磯貝と片岡か。片岡は何をしてるんだ?」

草むらから何かを取り出すと、磯貝はとても喜んでいる。

「アレは……業務用チョコセット的なやつか」

 

「え…!?いいのかこんなに!」

「うん。めちゃくちゃ安い業務用スーパーで買ったんだけど、往復4時間チャリで遠出したんだよ」

「受験中なのに…いいのか?」

「へーきだよ。私の本命も受験日までは時間あるし…。磯貝くんと同じ高校だよ」

「そっか!一緒に浮かれたら嬉しいな!」

 

 

 

「一緒の高校……ねぇ」

「どうしたの神栄」

「なんでもない。次行くぞ」

「もう次はないよ。強いて言うなら茅野ちゃんのを覗く」

 

「……せめて本人のいない前で言ってよ」

「まぁまぁ。茅野ちゃんなりに一番言いたいことを言えばそれで十分じゃん?ほら、早く行ってきなよ」

 

「うん、ありがとね。3人とも」

「ただ、問題なのは…」

 

中村は磯貝たちが一緒に帰っている道にある大きな木を見ながら言う。

そこにはいつもより触手を絡ませている殺せんせーがいた。手にはメモ帳、口からはよだれとただのゲス超生物と化していた。触手を絡ませているのは、何か意味があるのかよ。

 

「確かに、アレに見られるのは嫌だなぁ。なんか策はあるか?カルマ」

「それなら大丈夫。茅野ちゃん、アレ持ってきた?暗殺に使えるかもって言ったやつ。それを使えばしばらく動きは封じられるから、茅野ちゃんは思う存分チョコを渡せるよ」

 

「う、うん」

 

「あ、俺もう帰るから茅野についていくわ。安心しろ、俺はドアの前で覗いてやるから」

「まだ窓から見られてた方がいいよ!!」

「まぁまぁそう言うなって」

 

校舎に着くと、岡島が血の涙を流して教室から出てきた。

「俺のチョコがどこにもねえ!絶対あるはずなのに!俺はこのまま0で終わらせはしないぞ!見とけよ渚!神栄!」

 

「ははは……」

「………はは」

普通なら矢田と倉橋が全員分の義理チョコを渡しているはずなのだが、岡島には一個も無かった。非常にかわいそうだが、これも彼が犯した罪が悪い。どんまい、岡島。と神栄は心の中でエールを送った。

「おっと電話。ちょっと外に出るわ」

「え?あ、うん」

 

神栄は曲がり角で止まり、渚の後ろにいた茅野を覗いていた。カルマと中村は窓からゲッスい目で覗いている。

「渚……ちょっと、いいかな」

「茅野……?」

 

2人が教室に入ったのを確認すると、神栄は急いでドアの前まで走り、2人の様子を見る。

 

「どうしたの?黙っちゃって」

「……」

 

茅野の心臓の鼓動はますます速くなっていき、息も荒くなっていく。さらに思考回路も乱れてきて、何を言えばいいか、どんな顔で渡せばいいかがわからなくなっている。

 

「な、渚は…進路とか決めたの?」

「……うーん。なりたいものはなんとなく見えてきたけど今のところなれる自信がなくて…」

 

「……そ、そうなんだ」

(きっと渚がなりたいものは先生だ。超生物とか、殺し屋とかではなく、先生としての殺せんせーに憧れていたのを見てきたから、私にはわかる。そろそろ答えを出すんじゃないかな…?)

 

「…………ん?」

 

渚は何かを見つけると、窓の方に向かう。

「木の上に殺せんせーがいる。なんか見てるなぁ…」

ふわぁっ……と獲物を捕まえる蛇の如くエアガンを手に取るが残念ながら射程外だった。

その姿を見た茅野はようやく気づいた。

 

渚を好きになったのは、この顔だ。

まっすぐ標的の方を向いているあの顔を見て、私は渚を好きになったのだ。

大切なもの、考えていたことを失った私が空っぽにならずに済んだのは、渚が私を殺してくれたから。

私に向けられたまっすぐな殺意が、私の心を満たしてくれたから。

そんな彼に、どんな顔で、どんな形で渡せばいいか。答えは決まってる。

 

 

「渚、1年間いつも隣にいてくれて、ありがとう」

最大限の笑顔で、感謝の気持ちを伝えるように、茅野はチョコを渡した。

 

「え、僕に?」

「うん…」

「しかも今ありがとうって…お礼を言うのは僕の方じゃ…」

「また明日!合格通知くるといいね!」

「え…っと……?」

 

渚は何がなんだかわからないまま教室でボーってしていた。

「……はいはーい。大丈夫ですか渚」

そこに、一部始終を見ていた神栄がカバンを取りにやってきた。

「神栄くん…。僕、お礼されるようなことした、かな?本来なら僕の方がお礼をするんじゃ…」

「はぁ……こりゃ相当難しそうだな。渚の攻略」

「え?ちょ、神栄くん!何わけのわからないこと言ってるの!?」

「こっちの話だよ。気にしないでくれ難攻不落の渚クン!」

「…嬉しくないよ。それ……」

 

 

 

 




今月から来年の1月くらいまで(?)僕にとって勝負の月のため、おそらく今年は投稿できる数が極端に少なくなります。受験生だからね。仕方ないね。

早めに決まれば10月から再開、決まらなければ来年って感じですね。
次回から新章と言いますか、督界編に入れればいいなぁと思います。僕が考えるオリジナルストーリーなので、たかが知れてると思いますが、温かい目で見ていただけると嬉しいです。


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第162話 対面の時間


そこまで長くならないであろう、督界編スタートです。



 

 

夜、神栄が1人でスーパーへ買い物に行った帰りに警官に声をかけられた。決して何か犯罪を犯したというわけではなく、ただの注意喚起だった。

どうやら、最近全身黒い服を着た人が市内をウロウロしているらしい。実際に事件を起こしたわけではないが、その人から出てくるオーラはあまり良いものではなく、いつか誰かを殺すような、そんな殺気があるとのことだった。

身長は神栄と同じくらいで、若干痩せ型、顔などはフードを被っているため全くわからず、何か情報が手に入ったらすぐに教えて欲しいと言われた後、警官は神栄を帰してくれた。

 

「物騒だな……最近」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

次の日、いつも通り学校が終わり、帰る準備をしていると、殺せんせーはこれまたいつも通り何処かへと行ってしまった。

 

「暗殺しろという割には、その本人がいないってどうなんだろうな」

「今に越したことじゃないでしょ。俺たち帰るけど、神栄も一緒に帰る?」

カルマの周りにはいつものメンバー+寺坂がおり、なんだか賑やかそうなメンバーになっていた。

「すまんな。ちょっと用事があるから1人で帰るわ」

「珍しいね。神栄が用事なんて。神崎さんと帰らないほどの用なら仕方ないね〜。浮気とかはやめたほうがいいよ〜」

「絶対にしないし、出来ねーよ」

 

 

E組を後にして、市街地に向かうとこの時間にしては珍しく人がいない。

いつもなら近所のおばちゃんが世間話をしているはずの時間帯なのだが、それが全くない。きっと昨日警官から聞いたニュースが市全体に広まったのだろう。

「だからって…こんなに極端にいなくならなくてもいいじゃないか。1人はさみしいよ」

 

『問題ないですよ神栄さん!私がいます!』

「律さぁん……ありがとうございます」

人外なのはもう問題ではない。誰かいるだけで嬉しい。これは結構よくあることだ。

 

 

 

「……あ?」

前方約100メートルに人を発見。明らかここの街の人ではない。なぜなら、その人はただこちらを見続けているからだ。キョロキョロ辺りを見渡す事なく、ただこちらを見ている。

 

「…………」

何事もなかったかのように歩き続ける。スピードを落とすことなく、いつも通り歩く。

『……神栄、さん?』

 

距離が近くなっていくにつれ神栄は、前方から来ている人が、例の黒ずくめなのではないかと思い始めてきた。

相手の顔は見えないし、何か危ない気配を感じる。

これは、ビンゴかもしれない。

 

 

「…………」

2人がすれ違った瞬間、神栄は振り返り黒ずくめの手を掴む。

「……何か、用かな?」

 

黒ずくめの手にはナイフがあり、神栄はそれを間一髪避ける。

「…………」

 

黒ずくめは一旦距離を置き、体勢を立て直す………と思いきや、両腕をだらんと下にさげている。

 

「挑発のつもりか…?」

『神栄さん…!腕から血が……!!』

 

 

「………あ?」

「……」

黒ずくめは少しにやけているのか、顔を覆うフードが擦れる音が聞こえた。

 

 

「なんだと?確実に避けたはずなのに……!?」

自分の腕を確認しようと腕に視線を向けた途端、黒ずくめは第二撃をするべくこちらに向かう。

「チッ……!鬱陶しい!!」

神栄は血まみれの腕にかぶりつき、血を吸う。

口いっぱいに血を含むと、それを黒ずくめの顔面めがけて噴射する。

「2つの意味で汚いが、逃げるが勝ちだ。クソが!」

 

ケータイをしまい、血まみれの腕を抑えながら神栄は走って逃げる。

黒ずくめは目に血が入ってしまい周りが見えなくなり、その場でしばらくうずくまっていた。

「……へへへ、これが兄さんの戦い方か。面白いなぁ….。けど、僕の勝ちだね」

 

黒ずくめはぬっ…と立ち上がると壁に寄りかかりながら神栄とは逆方向へ歩いていった。

 

 

 

 

「はぁ……はぁ…。なんで刺せた…?確実に手を掴んだはずなのに…」

『私でもよくわかりませんでした……。ですが、あの方、かなりの手練れです。それと、なんとなく違和感もありました…』

「違和感?どんな違和感だ?」

『いえ…特に気にすることでもない気がするんですが、第二撃の仕方がまるで神栄さんの動きそのもののように思えてしまって…。随分と似ていたんです。一歩目の足の出し方、その時のナイフの扱い方。どれを取っても神栄さんでしたので……』

 

本来感じることのない違和感。律にはそれを感じ取っていたと言うのだろうか。

しかし、普通に考えてそんなことはありえない。

偶然、相手の動きが自分のようになってしまった。と考えるしか今のところない。

 

「わからんな。まだどの問題にも絶対的な証拠がないし、誰がいつ、何のために俺を襲撃してきたなんか、中学生の俺がわかるわけないだろうし、とりあえず経過観察しかない。俺は今完全に後手に回っているが、見つけ次第奴を倒す」

 

 

『とりあえず怪我の治療をしないと…。神崎さんを呼びます!』

「やめろ!絶対有希子を呼ぶな。絶対……呼ぶな」

『何でですか!?早く治療しないと……!』

「今までにない厄介事に、有希子を巻き込みたくない。今回は1人で済ませたい。前みたいに、みんなを巻き込むのはもう嫌なんだ。みんなが真剣に暗殺に取り組んでる中、邪魔をしたくない。俺が起こした事件なんだ。俺がカタをつけなきゃいけない、だろ?」

『ですが……!』

「こんなもんすぐ治る。心配すんな。明日には何事もなかったかのようにしてやるから。それと、この事は誰にも言うなよ。殺せんせーにも、有希子にも」

 

『………はい』

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

その日の夜、とある研究所では柳沢がコーヒーを飲みながら実験室に設置されているカメラを見ていた。カメラにはフードを取った黒ずくめが座っている様子が映されていた。

 

「……決行は明日だ。今回の接触で全ての条件が整った。あの超生物も、あの無能女の弟も、全て死ぬ日……!そして、新たな弟が完成する!いや……弟でも何でもないな。真の督界が生まれる日…か。実に楽しみだ」

 

「…明日は、世界が変わる日。僕が、督界 蒼としてここにいられる日。神栄 碧ではなく、この僕が……!!!

────兄さんを殺して、本当の自分を手に入れる日……!!!!!」

 

 

 

 

 

 

一方、神栄は自宅で腕の治療をしていた。

「嘘だろ……?腕が……全く使えない、だと!?」

改めて、自分が完全に後手に回ってしまっているということに気づかされる。

 

そして、彼の死のタイムリミットまで、残り1日をきった。

 

 








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第163話 狂気の時間 -続-


お久しぶりです。今月来月は受験とかで色々忙しく、今回もその中で書いてたのであんま見せていいレベルのものでは無いですが…ご了承くださいな。
生存報告だと思って見てください(笑)


 

 

 

刺された方の腕が完全に動かないまま、次の日を迎えた。

血は収まったものの、拳を握ることができない状態になっている。このままではペンを握ることすらままならなくなってしまう。

 

「あのナイフに、何か麻酔のような物が含まれてたのか…?だとしても、何のために…」

黒づくめの目的を模索していると、外から聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「あーおーくん!学校いこ!」

「……げぇ。が良いのか悪いのか、とんでもないタイミングで来たな」

急いで制服に着替え、スクールバッグを背負い家を出ると、家の前には神崎がいた。

 

「…?」

神崎は神栄の異変にすぐに気づく。普段行う神栄の行動とは明らかに違うことをしている。

神栄はスクールバッグを右肩にかけてから、右指を鳴らす。某人を喰べる系漫画に出てきた、白髪になった主人公がボコボコにしたあの巨漢の如く指を鳴らす。

いつもの癖だかなんだか知らないが、今日の神栄にそれがない。しかもバッグを左肩にかけている。

これは右手に何かあったに違いない。と思った神崎は神栄の右手に触れようとする。

 

「……ッッ!?」

今まで見たことのないような表情で、神崎の手を振り払う。何かに怯えているような、何かを恐れているような、そんな表情で振り払う。

 

「……頼むからやめてくれ。俺は大丈夫だから。…大丈夫だから」

「……うん。碧くんがそう言うなら。ごめんね…」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

E組に入るには、まず山を登る必要がある。今更この程度の距離はなんでもなくなってしまったのも、暗殺の仕事のおかげだろうか。

神栄の準備が遅れたため、公道とは違う近道を選んで2人で走る。

 

「すまんね…遅刻になっちまうかも」

「今更大丈夫だよ…。殺せんせーも許してくれるよ」

 

 

 

 

 

 

「いやぁ……遅刻はダメでしょ。もっとも兄さんは学校にすらたどり着けないと思うけど」

 

神栄はその声に反応し立ち止まる。

辺りを見渡すが、人の姿はない。

 

「……あれ?」

神栄は、先ほどまで隣にいた神崎がいなくなっていることに気づく。

いなくなるにしても、一瞬でいなくなるのはいくら何でもおかしい。

「おい!有希子!どこにいる!?」

 

 

「……ここだよオリジナル君」

「……なんの真似だシロ!!」

 

 

 

イトナを初めて連れて来たあの日のように、シロは普通に現れた。

シロの隣には口を封じられた神崎がいた。

一体いつ拘束したのかわからないが、今は神崎救出が何より先だ。

 

「…有希子を返してもらおうか」

「生憎それはできないね。君のトリガーとなるものを見つけるために、彼女は必要なんだよ」

「あと1つ。声がしたがそれは誰だ」

 

「……ああ、それか。それは説明より実際に見てもらった方が早いだろう。…来なさい、督界君」

 

「………は?」

 

 

「へへへ、兄さん。会いたかったよ」

督界、と言う男は、昨日神栄の腕を怪我させた黒づくめだった。

黒づくめは自分の手で被っていたフードを脱ぐと、にっこりと微笑む。

 

 

『第二撃の仕方がまるで神栄さんの動きそのもののように思えてしまって…。随分と似ていたんです。一歩目の足の出し方、その時のナイフの扱い方。どれを取っても神栄さんでしたので……』

律の言っていたことを思い出し、身体中が小刻みに震える。

 

「……おい…」

 

 

「フフ……ッハハハハハ!どうだ!驚いただろう神栄君!その顔!畏怖という言葉がぴったりな顔じゃあないか!」

 

「……なんだよ、これ」

 

「……兵器を使用してくる相手を予想した強化人間複製計画。強化クローン育成計画、武器を仕込んだ人間の作成。つまり、人間を超えた人間を作り出し、最強の人間を生み出す計画さ!その元となる人間に選ばれたのは君さ。君は狂気状態になることでその辺の人間をはるかに超えるパワーを持っている。さらにその知性、成長具合、全てにおいてパーフェクトな個体なのだよ。神栄君」

 

「嘘だろ…なんだよこれ」

「嘘じゃない。だが実際は奴の殺害に使うただの駒のようなものさ。表向きでは研究だが、本来の用途はただの駒。お前は駒の成長具合を検査するための駒であり、オリジナルが死ぬことで奴がオリジナルになるという、証拠隠滅のためにいる。

もういいだろう。結論はこうだ。

 

 

神栄 碧よ、俺の計画のために死んでくれ」

 

 

この男はどこまでも腐っている。自分のためなら、どんな犠牲を払っても構わない。しかも自分が犠牲になるわけではなく、他人の犠牲によって自分が利益を得ている。

神栄はそんなシロが許せなかった。

一度恐怖に襲われたが、もうそんなことを考える場合じゃあない。

 

 

「……有希子を返せよ…話はそれからだ」

「…そこまで彼女を優先するか。わかったよ。返してやろう」

 

 

シロは神崎を足で強引に前に出した後、口に付けていたテープを剥がし、神栄の方に送りつける。

「碧く………ん?」

 

 

 

 

 

 

サクリ、と音がした。

神崎の腹にはナイフが刺さっていた。

神崎は一度自分の腹を見たあと、ゆっくりと倒れ、神栄に寄りかかる。

「あ…れ?わ、たし……あお……くん、のとこ、ろに…」

 

「有希…子?」

 

ニタァ…と不敵な笑みを浮かべながら、シロは神崎を刺したナイフを服の中へ戻す。

 

 

「〜〜〜〜ッッッ!!!」

神栄からは声にならない怒りが込み上げてくる。

 

 

「生きた状態で返すだなんて、俺は一言も言っていない。それよりも今は君の状態に興味がある。さぁ、薬を使って督界君と戦いたまえ。最高の結果を見せてやろう!!!!」

 

「……お前だけは絶対に許さんぞ、シロ!」

「なんとでも言え。さて督界君。薬の時間だ」

 

シロはいつも見る注射器とは一回り大きいサイズの注射器を取り出すと、躊躇なく督界とやらの首に刺す。

中に入っていた液体を全て体内に送り込んだのを確認すると、シロは督界と一定の距離を置いた。

その後、督界の動きが変わる。

 

「ニイ……サン!」

「…俺はお前の兄さんじゃない。寝言は寝てから言え」

 

「ツカ……エヨ。アンタモ……ツカ、エヨ!」

 

目の色が変わっている状態にも関わらず、言葉を話せる督界は、神栄が所持している狂気薬の使用を促していた。

シロも言っていたように、督界にとってこれは自分の力を試す実験である。最高の結果、とやらを出すためには、相手も同じ状態にならなければならないらしい。

だがそんなのは知ったことではない。

 

今神栄が取るべき行動は、神崎の治療だ。戦闘ではない。

 

「……俺は、戦わない」

「…ハァ?」

 

督界は腑抜けた声をした後、神栄の方へ急接近する。

「ウルセェヨ。タタカエ」

「ぐっ…!」

 

頭を掴まれ、木に押し当てられると、神崎をつかんでいた手を離してしまう。

 

 

「有希子…!起きれるか!起きれるなら……俺を置いて…逃げ…!?」

「ウルセェッテ、イッテンダロ」

「……!!!」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

神栄がシロと対峙した時にまで時間を戻し、場所は山の入り口に場所を移す。

神栄と同様に遅刻ギリギリに山に来た前原は、これまた神栄同様近道をしようとしていた。

 

 

「やっべー。受験終わったからか、寝坊しちまったよ。早く行かねーと殺せんせーになんて言われるやら……」

普段通らない道ゆえ、いつものような華麗な走りができていない。とはいえ、フリーランニングで不慣れな道でも走れるような訓練はしているので、普通の人よりかははるかに速く走れている。

 

無数の木々に囲まれている中を駆け抜けていると、そんなところからは聞こえるはずのない音と、誰かの声が聞こえる。

「……お前…………対…さんぞ!……!」

 

「なんだ?山奥で不良学生が喧嘩してるのか?でもここは椚ヶ丘中学3年E組の校舎の一部だぜ?そんなことが……」

そこで前原が見たものは、神崎を抱きかかえている神栄と、神栄によく似た顔をしている少年と、その隣にシロがいる、といった光景だ。

 

(なんだ!?なんで神栄と神崎さんとシロがいる!?しかも、神崎さんからは……血?)

 

前原は彼らから見て見えない位置に隠れ、こっそりと覗いていると、神栄が木に押し当てられていた。

(おい…なんつー速さだ!?あいつ、何なんだよ…!)

 

「有希子!起きれるか!?起きれるなら俺を置いて逃げ…!」

「ウルセェッテ、イッテンダロ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「神崎さん!」

気づけば、体が勝手に神栄たちの方へ走っていた。

なぜかはわからない。きっと、無意識のうちに神栄たちを助けたいと思ったのだろう。

前原は神崎を背負うと、校舎の方へ走っていく。

 

「…マテ!!」

神栄を掴んでいた手を離し、驚異的な速さで前原の方へ向かう。

 

 

 

 

 

「……うっせえ」

神栄はポケットに入っていた錠剤を飲み、奥歯でガリっと噛み砕く。

瞬間、目の色が督界のように変わり、督界のような驚異的な速さで督界の顔面を捉え、一発殴る。

 

「……頼ムぞ…前原ァ!!」

 

 

 

「あ……あお、くん……。ま、さか…くすり…を…」

「とりあえずそんなことは後だ神崎さん!今は殺せんせーのところに…!」

 

 

 

「そんなことをさせるとでも?」

前原の前に、シロが立つ。

「……マジかよ」

「随分と運が悪いな。いま君は死の道を歩いているが、すぐ殺すのもかわいそうだ。君には選択肢をやろう。ここで背負っている彼女を置いていけば、何もしないで家に帰らせてやろう。彼女を置いていかないのなら、君にはこの場から消えてもらう。

どうする。悪い話ではないだろ」

 

「生憎俺には仲間を見捨てるなんてそんな選択肢、無いっスね。だって────」

 

 

 

 

「前原君、それは実に正しい。どんな危機的状況になっても冷静であることは、どんなことよりも大事なことです」

「貴様……!」

 

前原の前にはシロが見えたが一瞬で目の前が真っ暗になった。それは強いトレーナーに負けたからではなく、殺せんせーの服で目の前が真っ暗になっただけである。

「律さんに言われるまで気づきませんでしたがもう大丈夫です。私が来ましたから…」

 

 

 

「…それは、あの光景を見ても言えるのかね」

 

殺せんせーたちが見た光景とは……。

 

 

 

 

 

 





1つ言われそうなので先に言っときます。
神栄くんは督界によって右手が麻痺し、使えない状況になっているはずですが、一発殴りました。
これは督界が打った麻酔の効果が、狂気薬によって緩和、後に消されたからです。
裏設定として、狂気薬には飲んだ人が暴走する効果ともう1つ効果があり、その効果はある程度の治癒能力持っているということです。
どっかのアヴァロンのようにぶん殴られて折れた骨がすぐ治るみたいなそんなチートじみた効果では無いですが、応急処置程度くらいの治癒効果はあります。
ですが、督界が打たれた狂気薬の原液には治癒効果は全くなく、暴走に全振りしてます。10暴走0治癒です。
(神栄くんの狂気薬は6暴走4治癒くらいです)

これ、作中で説明したかったのですが、語る機会がもう無いと思うので言っちゃいます。一応次話に書けたら書きます。(いい感じの文字数稼ぎみたいになだちゃうけど)

それを踏まえた上でもう一度見てもらえると、話の意味が何となくではありますがわかると思います。説明不足で申し訳ありませんでした。

次回、『神栄よ、永遠なれ』
こっからは前々(約3.4ヶ月前)からやりたかった展開に持っていきますよ〜〜。


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第164話 死の時間


僕の方の戦いは────終わりました。
これから入学に向けて、その分野の勉強をしていこうと思います。

自分で読んでても「…なんか変だなぁ」と思ってるので後で消しちゃうかもしれない。


 

 

 

 

「非常に興味深い光景だ…。原液をそのまま使っている督界君に対し、こうしてまだ息をしているのだから」

 

息をしている。とは言っているものの、神栄の状態は非常に危険だ。

無数の傷、顔を重点的に殴られたのか、目が開いておらず、腹を抑えているこの状況は、神栄が圧倒的不利である。

 

「……で、次ハ?」

「…ねぇよ。今もこうして…ハァ…ハァ…何かできるかを模索してるよ」

「そうカ……なら死ネ」

 

神栄のような錠剤タイプの薬なら、とっくに効果切れなのだが、督界の動きは一向に遅くならない。

原液の持続時間がいつまでか、それさえわかれば勝機がある。

 

「神栄く…!」

「黙れ、実験に手出しするな」

 

居ても立っても居られなくなった殺せんせーは神栄の方へ行こうとするが、シロがそれを邪魔する。

持っていた本物の拳銃の銃口を意識のない神崎に向ける。

 

「…私がマッハで移動すれば、それは無力化できますが?」

「わかってるさ。だがあんたはそれをできない。1つはそこの女がいること、もう1つはその気になれば今この瞬間神栄君を殺せること、もう1つは貴様のマッハに対応できる優秀なスナイパーがいることだ」

 

「だからと言って、生徒を見過ごすことはできない!」

「ならやってみろ、視界不良で督界ですら見るのが困難な男が、私の行動を見れるわけがない。────撃つぞ」

「…ッ!」

 

「…賢明な判断だな。次はないと思え」

 

 

 

◆◆◆◇◇

 

 

神栄の体力の限界はとっくに来ている。

だが、やられてしまった神崎の敵討ち、理解不能な男の計画を潰す。そのためならこの程度の怪我はなんてことない。

そう思っていたが、これは非常にマズい。

 

 

"督界の体力が尽きない"

 

 

(いくら改造されてるからとはいえ…さすがにデメリット無しは…)

「考エ事なんテらシくねェなぁ!!兄サん!!!」

 

ただでさえ何も見えないこの状況で、チョロチョロと移動する督界は、本当に戦闘慣れしているのだなと感心させられる。

 

「シロ…!」

「なんだね。自ら命を絶ちたいと思ったか?」

 

「…そうじゃあない。あんたがいう通り、あいつは俺の上位互換だよ。そこははっきり認めてやる」

「当然だな」

「だけど、俺とヤツには決定的な違いがあることをその目で確かめな」

 

 

「…………ほう」

 

 

シロは構えていた銃を懐に戻し、神栄たちの戦いを見る。

(フッ、何が決定的な違いだ。所詮中学生のゴミのような発想に過ぎん。いくら天才と呼ばれようが、この状況でも天才でいられるのはほんの一握り。絶望を知り尽くした人間でしかそれは可能ではない。

 

 

想定外だ。奴がここまで弱いとはな)

 

 

 

「おいニセモノ」

「……そノ呼び方で……呼ブナ!!」

 

 

強烈な一撃を腹に喰らい、神栄の体はくの字に曲がる。

「グッ……!だが…んなこたぁどうでもいい!俺に原液をよこせ!さすれば、本気の殺し合いをしてやるよ」

 

 

 

 

「待ちなさい神栄くん!それ以上は…!」

全てを理解した殺せんせーは、神栄の奇行を止める。

しかし、シロはそれを許さない。

「……2度目だぞ。次はないと思えと言ったハズだが?」

「だとしても私はそれだけは許さない!やめなさい神栄くん!!!」

 

 

 

 

「ありがとう殺せんせー。俺は負けないからさ…」

 

………嘘だ。私はその目を何度も見てきた。

彼は死ぬ気でいる。特攻をかける気だ。

「やめ……!!」

 

「俺はあいつを倒すよ。うん……倒すよ」

 

 

殺せんせーの隣にいた前原は、神栄の言ったある一言を思い出す。

『俺は死ぬときは道連れにするって決めてんだ。1人は寂しいからな。だから…お前も死ぬんだよ!!!』

 

「嘘だろ神栄……お前まさか……」

 

 

 

「大丈夫だ。必ず倒すから」

 

 

 

 

その大丈夫は、俺にとって大丈夫じゃあないんだよ神栄。

バカな俺でもわかるよ神栄。アイツを倒した後、お前はもうそこに居ないんだろ?

そんなのは嫌だ。それは俺だけじゃない。クラスのみんな、殺せんせーだってそうだ。何より…神崎さんがそんなことを許すわけないだろう!

 

 

 

 

そんな俺が言える一言は……、

「……やめてくれよ神栄…!お前のそんな姿、見たくねーよ…!!」

 

 

 

 

 

 

「安心しろよ。最善は尽くすからよ」

そう言った後、神栄は自分の足元にあった原液入りの注射器を自分の首元に刺す。

 

「これが最後だ……。ニセモノォォ!!!!」

 

 

 

 

◆◆◆◆◇

 

 

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

最後の狂気を始めた神栄は、督界と同じようなスピードの世界に入っていた。

「最ッッ高だなァ兄サん!!こレコそ本当の兄サんだよ!!」

 

 

大量に原液を投与されてきた督界と違い、神栄は会話する余裕がない。

それでも督界は一方的な会話を続ける。

 

「兄サんが死んダら…僕じャなくて俺ニしないとダメダナァ…!あはハ!!」

 

督界と同じ舞台に立った神栄だが、依然として督界優勢なのは変わらない。

 

 

 

 

(本当の狂気が始まったが…奴が持つ時間はせいぜい10分といったところか。どの道彼の負けは変わらないな。死までの時間が多少長くなっただけのこと。無様だな)

 

 

 

 

 

「兄サん!!僕も本気出スよ…?」

「……!?」

 

督界はポケットから薬を取り出し、躊躇いなく首に突き刺した。

効果時間が切れていない中での2度目の狂気状態。

1度目の狂気状態のまま2度目に移行した際、1度目の狂気状態がリセットされるか否かはわからない。が、狂気状態に新しい狂気状態が上乗せされ、超狂気状態になるのであれば、非常にまずいことになってしまう。

 

 

「……まさか、上乗せされるとかないよな…?などと思っていそうな顔をしているね。そのまさかさ。絶望するがいい」

 

 

「……」

「…無防備かヨ」

 

「ンなわけあるカ」

 

 

一瞬、督界が動きを止めたその隙に、神栄は即座に懐に潜り込み、重い一発を入れる。

 

「ガッ……ハァ!」

 

お返しと言わんばかりに神栄は督界の体をくの字に曲げさせると、すぐに督界は距離をとる。

 

「来いよ…!お前より上ってことを身体で証明してやらぁ!!!!」

 

 

「アァァアアアァァ!!!!」

 

なんの意味もなく突進してくる督界を見て、神栄は思う。

"なんで浅はかな奴なのだろう"と。

いくら冷静さが欠如しているとはいえ、自分の戦況を理解してるはずなのに、この無意味な特攻。

 

神栄の服には護身用の本物のナイフが仕込んである。これを死なない程度に刺し、戦意を喪失させれば全てが丸く収まる。

無意味な特攻を避け、すぐにナイフを取り出した後、軽く刺せばこちらの勝利は確実なものとなる。

そこが神栄と督界が違うところだ。

如何なる状況でも常に頭を冷静で保っていられる人であるか否か。ここが今回の勝負のキーとなる部分だった。

暴走に身を任せ、全てを壊しまくる脳筋のニセモノと違い、神栄は狂気状態でありながらも勝利への道を模索していた。

 

 

 

 

だが、それが神栄の弱点であり、勝負の分かれ目でもあった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

全身全霊をかけたと言っても過言ではない特攻をする督界の左手の攻撃を避けた神栄は、素早くナイフを取り出し、督界の左肩めがけてナイフを振り下ろす。

 

(当たっ………………た?)

 

サクリ。と刺さる音が聞こえた。

 

 

督界の左肩には、ナイフが刺さっている。

そして、別箇所からもサクリ。という音が聞こえる。

 

「第2ノ刃ハ、アンタダケジャナイヨ」

神栄の心臓近くに、見事にナイフが刺さっている。

督界の右手からは強く握りしめられたナイフが見える。

 

 

「……終わりだな」

 

 

 

「あ……ああっ…」

目の色が戻り正気に戻った神栄は、督界に抱きつくようにずるずると倒れる。

 

 

 

「〜〜〜〜ッッッッ!!!」

殺せんせーの身体の色が徐々に黒くなっていく中、シロは高笑いをしていた。

「ッッハハハハハ!!!何が決定的な違いだ!違ったのはあいつじゃないか!まぁいい。これで見事なデータが取れた。次は奴を殺してみようか」

 

督界が殺せんせーのところへ歩み寄ろうとしたその時だった。

 

「………?」

 

左足が動かない。少しだけ動かしてみると、何か重みを感じる。

 

「…………」

神栄が握っていた。絶命したはずの兄さんが自分の足を握っていた。

 

「…ねよ」

「………」

「死ね死ね死ね死ね!!!死ねよ早く!僕の勝ちだ!死ね死ね死ね死ね死ね死ねよ!!!!」

 

狂気状態じゃない今、督界は初めて感情的になっている。

まるで、神栄の今の姿に恐怖しているかのように。

 

督界は神栄の頭を何十発も蹴るが、神栄の手は離れない。

 

 

「いくら手を離さなかろうが、奴は死んだ。神栄 碧は今を持って死んだ。そして代わりに督界 蒼が誕生した。これで全て終わった!!!」

 

 

 

「…………」

神栄その後、督界にどんな攻撃をされても手を離さなかった。

 

 





一応報告しておきます。大学、合格しました。
これからは(暇じゃないけど)そこそこ暇なのでペースも速くなれれば……いいなぁ。

次回で督界編終わりです。
次回から『督界 蒼と暗殺教室』ってタイトルに変えないとなぁ……ww
そうなるかならないかは次回までのお楽しみということで!!


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第165話 違いの時間


コロコロ話が変わりますが、これで督界編が終わります。
長い時間待たせて申し訳ありませんでした。


 

 

過去に死にかけた時、真っ暗な闇の中に1つの光り輝く道を見た。

そこには人が群がっていて、光の道から落ちる人も少なくはなかった。

自分は結局道を進んでいき、落ちることなく光の先へたどり着き、見事生き残ることができた。

 

 

それとは違い、今は真っ白な空間にいる。

目の前にはドアしかなく、今やることはそのドアを開けることぐらいしかない。

 

 

「………なんだこのドア」

そのドアは堅苦しい形のドアではなく、どこか懐かしさが感じさせるようなドアで、何かを思い出しそうだがそれができない。

まるで、メロディーはわかっているのだが、曲名が思い出せない状態のような状態に陥っている。

 

「…開けてみるか」

 

ドアを開けた瞬間、死亡。なんてことはないだろうと踏んだ神栄はドアを開け、先に進む。

 

 

 

「え?」

 

そこには、10年ほど前に亡くなっているはずの父親と母親、そして今の姿の茜音が座っていた。

テーブルには皿があり、自分スペースと思われるところには、パンとスクランブルエッグが置いてあった。

 

「なんで、父さんと母さんが…!?」

「なんでって言われてもなぁ。父さんと母さんはここにいるわけだし、その事実は変わらないんだし…よくわからないな!あはは!」

「碧、ご飯できてるから、座って食べなさいな」

 

 

本来あるべき光景、ありふれた日常、それが幼い頃に無くなった神栄の目からは、涙が止まらなかった。

「あ…れ?なんで俺、泣いてんだ?」

「何か特別な感情が高まったんだろうな。とりあえず座って話を聞こうじゃないか」

 

神栄は話すネタが大量にあった。

早くに亡くなってしまった父親と母親に、2人の死後にあった出来事を余すことなく話した。

そして、最近起こった出来事も話した。

 

「そうか…暗殺をしているのか」

「うん…けどそれは決して悪い意味での暗殺じゃないんだ。血生臭いことをしてるわけじゃないし、実際人を殺すような暗殺でもないんだ」

 

「つまり、標的が人外ということか。凄いな」

「うん。で、本題はここからなんだ」

「それだけでも本題並みの話題性あるけど、まだあるのか」

 

 

 

「俺…自分に似た人に殺されたんだ」

 

 

正確には自分のクローンだが、そこまで詳しくは話さなかった。

「だからここにいるのか」

「だからここ、って?」

「多分死後の世界だろうな。なんらかの未練がある僕や母さんは、この部屋に残ったんだろう。それは、碧、お前に会うためさ」

「俺に?」

「そうだね。茜音にも会いたいが、残念ながら今はここにいないね」

「ってことは、今いるこの場所は、俺が死ぬ寸前に想像したってことなの?」

 

「それと、僕たちの想いがこの世界を創り上げたっていうのがプラスされれば正しいね」

 

 

まるで御都合主義のような世界ではあるが、実際死んだ後、このような夢の世界が広がっているのではないだろうか。

自分が死んだ後は素敵な世界へ向かうのではないだろうか。

そんなこと考えていると、父さんはまた喋り始める。

 

 

「話は変わるが、碧。お前には生きる権利が与えられている。体が自由に動いているということは、まだこの世界に順応してないということさ。僕や母さんは口しか動かせないよ。残念なことに」

 

「生きる……権利?」

「ああ、生きる権利さ。けどな、その権利は捨ててもいいものだ。捨てれば僕たちと永遠に居続けられる。絶対的な安息が約束されるよ」

 

 

愛する家族と永遠に一緒に居られる。

幼い頃に親を亡くした神栄にとっては、どんなものよりも素晴らしいものだった。

神栄は父に、「生きる権利を捨てる」と言おうとしていた。

それは至極当然のことで、何も悪いことなどない。

 

 

しかし、神栄の頭の中には過去の思い出が突然蘇る。しかも、異常なほど鮮明に。

 

 

「あ……れ?」

「どうした?」

「俺、あいつらのこと放っておいたのかよ」

「……なんのことだい?」

「こんなところで死ぬのか。俺」

「だからなんのことだい、碧」

「何が有希子のためだ。結局俺は…何を?」

「……?」

 

神栄は座っている父の方へ向かい、膝を床につけ、父とほぼ同じ目線になるようにした。

「父さん、母さん。俺、まだやることがあるんだ」

 

その発言は、父にとって「生きる権利は捨てない」ということになる。それは、今まで待っていたことが無駄になるということだ。

それでも父は問い詰めることはない。なぜなら、それが息子の選択なのだから。

息子が選んだ道を、親はとやかくいう権利はない。

 

父は、「子どもというのは、親の考えていることを超えたり、親が考えてもいなかった行動を起こしたりしたその時、大人になるものである」と昔神栄に言ったのを思い出す。

 

「……大人になったなぁ……」

父の目からは、大粒の涙が溢れる。

 

「俺、待ってくれる人たちのために行かなきゃいけない」

「そうか。それは仕方ないことだ。

 

 

守ってやれよ。その人たちを」

 

「うん…。絶対ね」

 

 

「碧…元気でね」

「母さんこそ…病気にならないようにね」

「ここではもう病気になんかならないわ…うふふ」

「ははっ、そうだね…。そうだよね」

 

神栄は父と母を自分の力一杯抱きしめた後、ドアの前に立つ。

 

「なぁ父さん」

「どうした?」

「また会えるよね?もう、二度と会えないなんてこと、ないよね?」

 

「例えどんなところにお前が行こうとも、僕と母さんは碧の元へ行くし、お前を迎えるつもりだよ」

 

 

 

「……そうだね。じゃあ俺、行ってくる。必ず戻ってくるからさ。気長に待っててよ」

 

「そうだな…いつでも待ってるよ」

 

 

 

そう言って、神栄は部屋から出た。

部屋を出たらすぐに、非常に明るい光が自分の方へ迫ってくるのを見た。

 

 

 

◆◆◆◆◇

 

 

 

 

 

 

……痛い。全身が痛い。

 

「…………」

少しだけ目を開くと、先ほどまで戦っていた場所に戻っていた。

左手は足を掴んでいて、督界はそれを離そうと必死に神栄を蹴っていた。

 

 

……痛いのはこれが原因か。

 

「何故離れない!!兄さんは殺したはずだ!!」

……は?殺した?

 

「……今度こそ、本当に殺してやる…!心臓をこれで貫けば…」

…おい、自分に刺さってるナイフを抜いて何をする気だよ。

 

「………死ね!!!!」

……やめろ。やめろよ。

 

 

 

 

「終わりだ……終わりだ!!!!」

 

 

「…やめろって、言ってんだろ」

 

神栄はその一言を発した後、ゆっくりと立ち上がる。

「え………?」

 

若干フラついてはいるものの、目だけは督界の方をジッと見ていた。

 

 

「なんで…!?殺したはずなのに!」

「よぉニセモノ。死の世界から帰ってきたぞ!!」

 

「嘘だろ……?」

今までに見たことないほど震えている。明らかな動揺が目に見えてわかる。

 

「どうした。攻撃しないのか」

「……」

 

手はプルプルと小刻みに震え、足もカクカクとしている。督界はその場から動けない。

「なら俺から行こう。とっとと終わらせようじゃあないか」

 

神栄は自分の腹部に刺されていたナイフを抜き、督界に向かって走ると督界の胸を刺すことなく、両目めがけて斬りかかる。

とっさに避けようとする督界だが、足が言うことを聞かないため、思うような動きができなかった。

結果的に督界の目は斬られ、両目とも何も見えない状態になった。

 

 

「目がっ…!僕の……目がァァアア!!」

「……怖いか?目が見えず、真っ暗な世界にいる今の気持ちは…どうだ?」

 

 

「ヒッ!」

耳元で囁かれると、督界はナイフを無闇やたらに振る。

しかし、そんな攻撃が当たるわけもなく、神栄は落ち着いてそのナイフを取る。

 

 

 

「やっぱりな。お前はイレギュラーなことに極端に弱い。それと、覚悟が違う。

お前は死ぬ気で戦ったことあるか?優秀なクローン様には、そんなことねぇだろーなぁ。なんてったって優秀だもんな。ピンチなんてほぼ無いだろうかな。優秀だから。

優秀だから絶対勝てる。戦いがそんな甘いわけ無いだろ。少なくとも俺は死ぬ気で戦ってるぜ。薬で狂気を取り繕っても本質は変わらない。お前はただのビビリってことだ。

ちょうどいいからこの際お前も味わうといいよ。迫り来る死の恐怖を」

 

「嫌だ……俺は……死ヌわけには行カナインだぁぁあああ!!!」

督界は最後の注射器を首に刺し、強制的に足の震えを止める。

督界の所持している薬には治癒効果はないため、視力がないままの狂気状態だ。

 

「覚悟トカ…取り繕ッてルトかウルセェよ!僕は殺ス!兄サんを殺シテ僕が神栄になルンだ!!」

「そうか。お前が倒れる前に1つだけ言っておこうか」

 

 

「ァァアアアァァ!!!」

ホーミング機能があるのか、と突っ込みたくなるようなレベルの精密さで督界はこちらへ向かってくる。

神栄はすぅ…と息を吸い、重心をグッと下げる。

 

督界は隠してあった最後のナイフを神栄の心臓めがけて刺しこもうとするが、ナイフが当たったのは頭頂部の髪の毛だった。

「…!?」

「終わりだ」

 

神栄は督界の懐に潜り込み、腹にナイフを刺す。

貫通を確認すると神栄は手を離し、もたれかかる督界に一言告げる。

 

「神栄 碧は俺だけで十分だ。二度と俺を名乗るな。ニセモノ」

 

 

「……カハァッ…!」

最後の一言とは言い難い言葉、というより吐血をしたあと、督界は地面に倒れ、そのまま二度と動かなかった。

 

 

「……所詮ニセモノはニセモノだったと言うことか」

「元となった人間が悪かったな。あいにく俺は少しずつではあるが成長するもので、イレギュラーなことを見過ぎだせいかもう慣れたんだわ。残念だったな」

「……なら、力ずくでお前を殺して捕まえてやろうか」

「…やれるもんならやってみろよ」

 

神栄は真剣な眼差しでシロを見ながら言うが、それは虚勢だ。

死に至るような攻撃を受けた挙句、胸を刺されたり頭を蹴られたりなど普通の人が立ってられるような状態じゃない神栄は、立っているのがやっとだ。

殺せんせーは動けず、誰からの助けも来ない。そう思っていた時だった。

 

 

「……!?」

シロの足元に本物のナイフが数本刺される。

その後、神栄の前に3人ほどがやって来る。

 

 

「大丈夫か神栄!」

「なんで…お前たちが?」

磯貝、カルマ、渚が神栄を守る形で立つと、磯貝が神栄を背負う。

 

「…話せば長くなる!とりあえずここは俺たちに任せとけ」

 

 

 

「……貴様、何をした!!」

怒りを露わにしたシロは、磯貝たちに怒りの矛先を向けるのではなく殺せんせーに向けた。

 

「さぁ…?気になるなら生徒たちを倒してから聞いてみてはどうでしょうか。倒せるものなら」

 

「……つくづく人をイラつかせるのが上手いやつだな。まぁいい。第1の刃を研ぐことにしようかな」

 

そう言った後、シロは森の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての戦いが終わった後、神栄は殺せんせーに治療されていた。

殺せんせーの治療は完璧と言っていいほど精密で、刺された傷や少なかった血もいつも通りの量になっていた。

 

ただ、頭を強く蹴られたため、一応病院で精密検査を受けることになった。

 

 

「……なんともなくてよかったよ。俺も有希子も」

病室にはベッドで寝ている神栄と、その近くで座っている神崎がいた。

 

「碧くん」

「どうした?」

「私、碧くんが嫌い」

 

「………え?」

「そうやっていつも…自分だけが犠牲になって、死に至るような怪我してもいつも通り笑ってる碧くんが……嫌い」

 

 

「まぁ……そうなるよな。傷だらけで死にかけてたら、誰だって心配するか。けどさ、もうこんなことないようにするから、有希子も俺を守ってくれよ。俺も有希子を守るからさ」

 

にしし、と神栄が笑うと、神崎は神栄の手を握り、そのまましばらくその状態で涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◇◇◇

 

 

数日後に退院した神栄は、登校中に偶然会った磯貝に、なぜ居場所がわかったかを聞いてみた。

 

「律がお前らのケータイに入って、そこから居場所を特定した後に、イトナのドローンで見てみたらあら不思議、神栄たちが戦ってるじゃん!ってことで殺せんせーがマッハで先に行っちゃったんだよ。俺たちはイトナのドローンで状況を見ながら、殺せんせーが出してくる合図を待ってたんだよ」

「はぁ…。結構大変だったんだな」

「それはこっちのセリフだよ」

 

 

磯貝と神栄が学校に着いてすぐ、殺せんせーが今いる生徒全員を校庭に呼び出した。

 

「なんだなんだ?」

「神栄君たちが戦いをしてから出来なかったことがあったので、それを消化しようと」

「どんなのだよ」

「もちろん卒業アルバムに入れる写真です!ありとあらゆる衣装を着て1万ページのアルバムを作るのです!!」

 

 

全員が集まると、殺せんせーはマッハで全員の服を変えさせ、様々な衣装を着せ、一人楽しく写真を撮っていた。

 

「…やりたい放題だな殺せんせー」

「……だね」

「うん…」

 

悪魔のコスプレをしていた渚、茅野、神栄は隅の方で話していた。すると、烏間先生が話に入る。

 

「多分、君たちに甘えているのだろう。一月までの授業で十分すぎるほど育った。だからそんな君たちに今度は甘えたい、などと思っているのかもしれないな」

 

「……そんなもんですかね」

「烏間先生にとっても、僕たちはそういう人になれましたか?」

「…もちろんだ。もし俺が困れば迷わず君たちを信頼し、君たちに任せるだろうな」

「……こりゃ嬉しいね。前は歯が立たなかった人に認められるって、最っ高に嬉しいな」

 

 

 

この後、烏間先生がビッチ先生をお姫様抱っこした姿を激写されたり、たくさんの恥ずかしい写真を撮られたりしてから撮影会は終わり、最後の個人面談が始まった。

それが終わると殺せんせーは教室に残り、卒業アルバム制作を続けていた。

 

教室に最後までいた烏間先生が帰ると、烏間先生のケータイから一本の電話がかかる。

 

 

それとほぼ同時刻、自宅でのんびりしていた神栄のケータイにも一本の電話がかかってくる。

 

 

「もしもし?」

『あ、碧君?茜音だよ!』

「……切っていい?」

 

『ごめん。手短に話すよ。心して聞いてね?』

「なんだよいきなり」

『なんか変な予感がするの。誰かが……死ぬ。そんな予感が…』

 

 

「ったく、そんな冗談はどうでもいいだろうが。それだけか?なら切るぞ」

『えっ、ちょっと待』

 

 

その電話の数分後、神栄だけでなく、他の人たちにも何か不吉な音が聞こえるのである……。

 




あとがきは読まなくてもいいです。次回予告とか無いので。(この話を作るにあたっての経緯をただ話すだけです)


この話を本気で出そうと思ったのは、グリザイアシリーズのアニメを見たからでした。
この話のすべてのベースは雄二VSテュポーンのところです。ですが、薬のところはマジで被りました。これだけは偶然でした。
その他、神栄が一旦殺されるところはグリザイアの果実のゲームでの周防天音 バットエンドをベースにしました。
あそこでは完全に死にますが、死んだら僕が嫌なので何か過去の話を繋げてやりたいなと思い過去の話に繋げて復活しました。
他にも様々な作品の一部分を切り取って この話ができました。
(クローン、というところはグリザイアで被りましたが、その部分は超人高校生のあのクトゥルフTRPGをベースにしてます)

裏話とかだと、茜音の体の一部を使用したとシロがいい、それに神栄が怒って薬を…なんて展開を考えたりもしてました。
大した出来ではなかったですが、とりあえず終わってよかったです。これでようやく本編に入れますしね。
長文失礼しました。次回も楽しみにしてくださいね!




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第166話 崩壊の時間

お久しぶりです。そろそろちゃんとやらないと色々な意味で死ぬ気がしたのでやります。


「ヌルフフフフ、この写真もいいですねぇ…。おや?これも素晴らしい。全部入れてしまいましょうか」

殺せんせーは数万枚にも及ぶ写真の塔を建てては崩し、卒業アルバムに使用する写真を選別していた。

 

 

そんな平和な時間は、一瞬で崩壊した。

 

 

「………!?!?」

殺せんせーは何かを察知したのか、教室の窓を壊し、外へ逃げる。

その際、触手の一部が溶かされていた。服を貫通し、触手だけが溶かされていた。

 

「……これは…!?」

安全な場所へ逃げようとE組の校舎から離れようと少し動くと、目の前に謎の壁が作られていた。

それはバリアのようなもので、殺せんせーがそっと触れると触手が溶けた。

「まさか…」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「……なんだよ、あれ」

E組の校舎がある山を巨大な光が囲んでいる。

あそこで何が起こったのかは神栄にはすぐ察しがついた。

体が勝手に学校へ行こうとしたその時、烏間先生からメールが来た。

『自宅待機命令』そして、神栄たちが行ってきた『暗殺』の他言をしないこと。ということを改めて言われた。

 

「…流石にこれは守れねえな。事態が事態だ」

 

神栄は制服に着替えて急いで外に出ると、玄関には杉野と神崎が待っていた。

「どういうことだこれ!」

「それは後だ!みんなと合流するぞ」

 

 

 

やや広めの空き地にE組全員が集合していた。

神栄たちは一番最後に到着するが、移動中に皆の話し合いは律を通して聞いていた。

「教室の電波はオールカットか。それに周りには自衛隊がたくさん…か」

 

「おい!みんな!テレビ機能オンにしろ!今総理大臣が緊急会見開いたぞ!!」

前原が大声で言うと、皆がケータイを見る。

 

総理大臣は椚ヶ丘市のあの巨大ドームは月を壊した元凶を殺すために使われるものであるということを説明し、さらにその元凶を殺さないと地球が滅びるということ。元凶は自分たち生徒を人質にとって教師として学校に潜伏し、仕事をしていたということ。その他暗殺の準備を各国が進めていたことを話した。

最後に総理大臣はその元凶を殺すためのレーザーの発射日を発表した。

発射日は3月12日。地球が滅びるかもしれない日の前日である。

 

「……なんだこれは」

 

生徒たちは無意識に走り始めた。どんなことよりも最優先で、殺せんせーがいる教室まで行こうとした。

 

 

椚ヶ丘中学の本校舎前に着くと、自衛隊の人たちがE組へ行く道を塞いでいた。

 

「なんだね君たちは!」

「生徒だよ!あそこの教室の!バリアの中入れてくれよ!」

「ダメだ!」

 

自衛隊が必死に生徒達を止めていると、烏間先生がそれを止めに入る。

「やめろ!生徒たちに手荒くするな!」

 

 

「烏間先生、アレは一体!?それに、あの総理の声明、明らかに殺せんせーが悪いみたいな表現じゃないですか」

「俺すら直前まで聞かされてなかった…。おそらく奴に気づかれないようにするために知らせなかったのだろう。脅されたと言えば変に詮索されずに済む」

 

「納得できないです。殺せんせーに会わせてください」

神栄は烏間先生の前に立ち、抵抗する。

 

「駄目だ。行って人質に取られたら事態が悪化する」

 

「………は?」

烏間先生から言われた一言は、ありえない一言だった。

今まで殺せんせーがそんなことをしただろうか?答えは否。そんなわけない。

その一言から数秒、数多くの足音が聞こえる。

さらに、無数のフラッシュが神栄たちを襲う。

「メディア…?なんで」

 

神栄の頭には様々な単語が浮かぶ。

総理の声明、人質、事態の悪化、これだけあれば何が起こっているかがなんとなくわかる。

 

メディアは自分たちが今までされていたことを取材しようとここに来たのである。

メディア側は自分たちが殺し屋にされていた、と捉えているが、そんなのは嘘っぱちで、殺し屋には自分たちが進んでなったものだ。

だがそれを言っても聞く耳を持たない。

 

あっという間にメディアに囲まれ、言いたい放題なことを次々と言われていると、磯貝がある提案をする。

全員がその提案に乗ると、一斉に走り出す。流石に若者の脚力には追いつけないメディアは、生徒たちの取材を断念せざるを得なかった。

 

 

追っ手が来なくなったのを確認すると、皆は空き地に集まり、今自分たちが何をすべきかを話し合った。

ひとまずは情報収集。特にはバリアの発生装置に関することを探しに行くことになった。

 

「とはいえだ。こんなに一瞬で世界が変わるのは嫌なもんだ。そのためにも早く見つけないとな」

「うん…」

神栄と有希子が移動中に話していると、後ろからカルマが走ってきた。

 

「どうしたカルマ」

「やっぱり、バリアの周囲はどこも見張りがいるよ」

「なるほどな。そうなりゃやることは少なくなるな」

「強行突破とか?」

「そうなるしかないだろ」

 

 

偵察に数時間かけ、夜になると再び空き地に集まり、結果の報告をする。

全員の報告をまとめると、先程カルマが言っていたように、バリアの周囲はどこもかしこも見張りがいて、翌日以降はほかの基地からの増援が来るらしく、やはり強行突破するしかない。

それに明日以降増援が来るとなれば強行突破は今日しかない。

 

「なら…まず一旦家にでも帰って装備をだな」

「そうだね!そのあといろいろ………」

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

一瞬の出来事だった。

皆で話し合っていたはずが、気づいたらよくわからない施設に手を縛られている状態で座っていた。

 

「なんだよこれ。なんも見えねえよ」

「あー、あー、そうだな。見せてやるよ」

 

聞いたことのない声の主が、神栄に付けられていた目隠しを外した。

それを皮切りにほかの人たちの目隠しも外されると、そこは白を基調とした清潔な部屋だった。

そこには若くは見えない男性が1人と、明らかに"殺る側"の人たちが数人いた。

 

「なんだこれ。俺らを捕まえて何する気だよ」

「なんだこのガキ。弱虫ボーヤと違って殺りそうな面ァしてんじゃねェか」

 

片目を眼帯で覆っているスキンヘッドの男は舌を出しながらこちらを挑発するかのように見ている。

できればあの間抜け面に2、3発拳を入れたいが、あいにく腕は拘束されていて動かすことすらできない。

 

「殺るか殺らねぇかは今後次第だな。ここはどこだよ。それだけでも教えてくれねーか」

「…ここは今回の作戦の指令本部だ。防衛省の一室をお借りしている。

君たちは標的の暗殺が完了するまで私たちの保護下2置かれることになる」

 

「………は?」

すなわち、殺せんせーの暗殺を指をくわえてここで見守ってろということである。

 

「あぁ、親御さんのことは心配しなくてもいい。渦中の娘息子さんたちの安全の確保の為…と言ったら素直に聞いてくれたよ。ごく一部の家庭を除けば」

「はは。それはうちの親が迷惑をかけたな。クソ野郎」

 

今作戦のリーダー格であろう男に神栄は笑う。

大方くだらない理由で自分の孫を信用もできない機関に保護されることに怒ったのだろうが、それも今となってはどうでもいいことだった。

じいちゃんが怒ろうが怒らなかろうが、結果的にこうして拘束されているのだから。

 

「強引な手段で君たちをここに運んだことは謝るが、それも今は関係ないな…」

 

「わーったよ。じゃあ俺らがこのままなのはいいよ。諦めるさ。けど、殺せんせーを殺すのだけは待ってくれよ」

「…何を今更」

「爆発の確率は1%以下だ。殺さなくても問題はないだろう」

 

「はははっ。何を言うかと思えばそんなことか。バカじゃないのか?世論は100%だろうが1%だろうが『殺せ』と言うだろう。国民は0%という確たる証拠がない限り、騒ぐだろうな。

一度火がついたら、そんなことは通用しないさ」

 

「…随分と痛いところついてくるな」

 

「しかも、だ。奴は前世ではひどく残忍な殺し屋だったそうじゃないか。ならば殺されるのも自業自得ということだ。

君たちは殺された人たちのことも考えず、大量殺人をした男をかばうというのかね???」

 

「この……!!」

 

神栄が立ち上がろうとしたその時、神栄の隣にいた寺坂が立ち上がり、リーダー格の男に思い切り顔面に蹴りを入れた。

「うるせぇ!!!あのタコをごもっともなド正論で語るんじゃねぇ!!!そもそも誰だテメェ!!」

 

「なんだと!?私の名は「…どうやら彼らはあの怪物に洗脳されているようだな。連れて行け」

 

「了解」

左目付近に大きな傷がついている男はリーダー格の男の前に入り、そう促すと不敵な笑みを浮かべる。

 

「私は君たちのような人が校舎に入らないように監視するのが役目なのでね。そろそろ失礼するよ」

そう言って男が去ると、その取り巻きは足早に神栄たちを部屋に連れて行く。

 

「…………」

この先一体何が起こるのか、まだ誰にも分からなかった。

 




最近ストーリー目的(ここ重要)でエロゲーをプレイし始めたら止まらなくなって10時間くらいぶっ通しでやったせいで生活リズム狂いました。

けど創作のモチベーションが上がったので近頃また上がるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

次回は…まだ何も決めてないですが、おそらく次の次くらいには僕が前々からやりたかったことをやれるでしょう。

最後に、200万PVありがとうございます。こんな作品が……?と思いましたが、これも読んでくれる読者の方々のおかげです。あと少しで終わると思うので、もう少しお待ちください。ステキな終わり方ができるよう私も全力を尽くしますので!!


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第167話 頼る時間


ADVは創作意欲を掻き立てる素晴らしいゲームです。
先日同じ暗殺教室の作品書いてる方とご飯食べに行って色々やる気になりました。ちゃんと完結させますよ!時間はかかるけど!



 

白まみれの無機質な空間には、最低限の家具や、飲み物が自由に飲める機会がある以外何もない。

拘束されてから、クラスメイト以外の人とはほとんど会っておらず、烏間先生やビッチ先生達に関しては見てもいないし、声も聞いていない。

テレビでは連日のように殺せんせーの話で持ちきりである。もちろん話は誇張され、爆発の可能性は皆無なのに、人の恐怖を煽るように爆発の危険性が〜だのと、虚言を撒き散らしている。

そんな見るに耐えないニュースの中でも、1つだけ気になることがあった。

殺せんせーの正体が明るみに出た今、椚ヶ丘中学はどうなっているのだろうかと。

 

クラスメイトも同じことを考えていたらしく、理事長の会見を皆で見ることになった。

会場には多くの記者とカメラマンが撮影をしている。

そんな非現実的な状況でも、理事長は表情を崩していない。

そして、ネクタイピンに触れた後机に手を置き、一言。

 

「生徒の教育にプラスになると判断したから雇ったまでです。あの怪物が優れた教師でなければ、とっくにクビを切っている。それだけのことです」

 

そう言い残し会場を後にする理事長に、当然記者は「はいそうですか」と去るわけでもなく、怒りの混じった質問は続く。

 

この後もさまざまなニュースを見ていたが、どれも同じようなものばかりだった。

何故事情も知らないような人たちに可哀想扱いされているのか。勝手な憶測で語るなど直談判したいレベルの戯言に飽き飽きしていた頃、部屋に誰かが入って来た。

 

「烏間先生?」

「ああ、俺だ」

 

「先生、学校に行かせてください。お願いします」

 

後ろにいる自衛官は首と手を振る。それを見た烏間先生は考える。

 

「こうなってしまった以上、俺は君たちに何もしてやれない。学校に行きたければ焦って動かずに待つべきだった。持ち場が固定されれば人の動きは少なくなるし、油断もできる。……そうだな、5日以降くらいか。そこまで待てば包囲は突破できただろう」

 

烏間先生は一息つき、話を続ける。

 

「だが、万が一包囲が突破できても、山の中を守る精鋭部隊に阻まれるだろうな。『群狼』の名で知られる傭兵集団だ。うちのクラスの人数より少ないが、腕は確かだ。そんな猛者だらけの集団のリーダーが、『神兵』と呼ばれるクレイヴ・ホウジョウだ。あれは強い。どう考えても俺の3倍は強い。だから…」

 

 

「諦めろと?」

そう言って紙の皿を烏間先生に投げつけた神栄は、少し冷静さを失くしている。

 

「神栄君。なんのつもりだ」

「まだやらなきゃいけないことがあります。出してくださいよ」

「だめだ。出せない」

 

 

「お願いだよ!!出させ…「お願いです!」

 

烏間先生の前に渚が立つ。渚は必死に説得するが、烏間先生の言うことは決まっている。

 

3回目だろうか。同じやりとりが続くと、烏間先生は渚の胸ぐらを掴みそのまま地面に叩きつける。

 

「よく聞け渚君。俺を困らせるな!」

「………」

 

烏間先生は掴んでいた手を離し、最後に言ってくれた。

「3日くらい頭を冷やして考えておくんだな」

 

「困らせるな…か」

 

 

 

 

 

烏間先生が部屋を後にすると、渚は皆を呼ぶ。

「なんだよ渚、烏間のヤローは俺たちを見捨てたんだろ!」

「いや違うよ寺坂。むしろ逆だ」

「あぁ?どういうことだよ神栄」

 

「言ってたろ。5日目以降は警備に隙があって、山の中には強い傭兵集団がいて、リーダーは烏間先生の3倍強いって。そして、3日間はそれに対する用意をしても間に合うってこと。だろ?渚」

 

「え、あ、うん。そうだね。烏間先生の『困らせるな』は、『僕たちを信頼する』ってことだと思うんだ。だから考えよう。僕たちがどうするべきか。殺せんせーがどうしてほしいかを」

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

目的が決まれば、あとは作戦を考える。どうやってここを抜け出すか、抜け出したあと、山の中でどうするか。これらを考えているうちに、3日はあっという間に経った。

しかし、ここから抜け出す方法は見つからず、レーザー発射当日になった。

できるだけの策を試してみたが、全て失敗に終わって皆が暗い表情になりつつあったそのときだった。

 

扉から誰かがやってきた。

 

 

「……烏間先…?」

 

「あ〜〜〜ん!生徒たち〜!心配したわ〜!!!」

……幻覚でも見えてきたのだろうか。そこに立っているのは烏間先生ではなく、ビッチ先生だった。

「何しに来たって……んんんんんっ!?」

顔を見るなりビッチ先生は神栄の唇を自分の唇で塞ぐ。すなわちキスだ。

神栄の後は竹林、矢田、有希子…と複数人の唇を塞いだ後、最後に渚にキスをする。

 

「元気?」

「ん…?んん」

「元気ならよし。またね、ガキ共」

 

 

ビッチ先生は自衛官に囲まれてながら部屋を後にした。

キスをされてない人からしたら何しに来たのだと怒る場面だが、キスをされた人たちはすぐにわかった。

 

「……おえっ」

口に入っていたものは、竹林が持っている爆薬と爆破装置だった。

 

「なるほど。さすがビッチ先生だな」

 

 

裏口を爆破し、全員が部屋か抜け出すと、すでにビッチ先生は待機していた。

「ほら、ぼけっとしてないで早く行きなさいよ。日付が変わる前にレーザーは発射されるんでしょ?」

 

「……ありがとうビッチ先生」

「最後の授業、受けてらっしゃい」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

一旦解散し、別の場所でまた集合するために家に帰ると、じいちゃんはこちらを見ることなく新聞を読んでいた。

 

「……帰ったのか」

「逃げ出したって感じ」

「…ワシより先に死んだら殺すぞ」

「生かしたいから殺すって何さ」

「碧や。戦うことが勇気なら、逃げることもまた勇気だ。お前ならわかるだろう。クソガキがこんな男になったんだ。お前を変えた先生に、ちゃんとお礼を言っとけよ」

 

「勇気、ねぇ。珍しくいいこと言うね」

 

 

ばあちゃんは神栄におにぎりを1つ渡す。

「それ、あんたの嫌いな梅が入ってるよ」

「なぜ梅入れた。まぁいいか…美味く感じるかもしれないもんな」

 

家を出て、走りながらおにぎりを食べているのだが、ものすごく酸っぱい。はっきり言えば美味しくはない。

けどなぜかそれが嫌だとは思わない。気持ちの影響かわからないが、何があったのだろうか。

 

 

おにぎりを食べ終わってから数分、ケータイから音楽が流れる。電話があった時の音楽だ。

 

「もしもし…」

『碧くん!助けて!』

 

その一言だけで電話は切れた。電話の近くでは男の怒鳴り声が聞こえたので、おそらく家族が有希子の外出を防ごうとしているのだろう。

 

神栄は進路を変え、有希子の家まで走る。

 

「待ってろ…有希子!!!」

 

 

 

3分後、有希子の家の前に着くと外からも怒鳴り声が聞こえる。

「どうしようかな。普通に入れる気がしない。非常識極まりないが……ごめんなさい!!」

 

神栄は助走をつけて走りだす。そして、タイミングを見て飛び、そのままドアへと突っ込む。

 

「なっ…なんだ!?」

「ダイナミックお邪魔します!」

「貴様!何の用だ!」

「俺たちは今から家を出る用がある!だから有希子さんを連れて行く!」

 

「貴様もあの怪物に教わったのか!なぜ行く必要がある!」

「うるせぇ!会いたいから行くんだ!とっとと有希子から手ェ離せ!」

 

このままではラチが明かないと思った神栄は、有希子の父を押し倒し、有希子の手を掴む。そのまま階段を登り、有希子の部屋へ走る。ドアの鍵を閉めてから、部屋の窓を開ける。

 

「死なないかな…」

「まさか、ここから飛び降りるの?」

「服が助けてくれると思う……多分、きっと、おそらく」

「…なにも考えてなかったの?」

「考えた結果がこれだよ。んじゃ行くか」

神栄は有希子を持ち上げ、助走をつける。

形としてはお姫様抱っこである。

 

「え?ちょ、碧くん…?」

 

「待て!有希子を連れて行くな!!」

「……さて、行くぞ!」

 

 

 

「その体勢はちょっと…!」

「おらぁああああああぁぁ!!!!」

 

勢いよく飛ぶと、道路の真ん中ほどで着地し、そのまま逃げるようにその場を去る。

 

 

「なんかスッキリするな!たまにはあんなことしてみるもんだ。ドアの修理費があるけど」

「ほんと、普通の人ならあんなこと考えないよ?もう二度とやらないでよ…」

「やらないって。次は死ぬかもしれないし」

 

そんな話をしながら走って行き、集合場所に着く。

…のだが、神栄は今自分がしていることの恥ずかしさにようやく気づくことになる。

ちなみに集合場所に着く前から神栄たちの姿が見えたクラスメイトは、どういじってやろうかと考えていた。

 

「やぁ、遅くなった。すまんね」

「……碧くん、降ろして」

「えっ?……………………………あ」

 

有希子を支えていた両手を下ろし、思い切りため息を吐いた後にキリッとしながら「さて、どうするか」と切り替える。

 

「おうおう神栄くんよ〜、出発前にイチャコラしてくれちゃって〜。どうしてくれんのこの空気」

「さぁな。色々あってこうなった。テンション上がってて仕方なく」

「へぇ〜興奮するよねぇ。クラス1の美女を彼女にして、そんな子をお姫様抱っこだもんねぇ〜。そりゃテンション上がりますわ」

「そういうことじゃねぇよ。アドレナリンがドバドバというか、思考がまともじゃなかったんだよ」

 

言っていることは間違っていないのだが、全てが神栄の思っているようには伝わらず、少なくとも良い意味としては捉えられていなかった。

 

「…まぁ、堅っ苦しい空気よりかはいいんじゃないか?」

磯貝が素晴らしいフォローをすると、本題に入るように空気が変わる。

 

「さて、いい具合に緩んだところで行こうか。やることはやった。あとは実行するだけだぞ!!先生に会いに!!」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

プロの傭兵は今の事態を考えてはいなかった。

なぜなら自分たちが圧倒的に強いからだ。この手の仕事は何度もこなしてきたし、相手がガキと分かった時には腹を抱えて笑いそうになった。

それが今はどうだろうか。

 

「なんだよこれは!!!!」

 

小隊は壊滅。残っているのは1人だけだった。

数十分前までは全員残っていた。間違いなくいた。なのになぜだ。なぜこんな奴らにやられているのだ。

 

「なんだこれは…ねぇ。強いて言うなら〜……げ、ん、じ、つ、かな?」

ゴスッ!と重い音がすると男は目を白くしてその場で崩れ落ちる。

 

(あ…悪魔だ。躊躇いもなく俺を殴り気絶させに来やがった!!そして音もなく去っていく!なんだこいつら、やべぇ……き…ぜ…)

 

男は気を失い、しばらく起きそうになかった。

 

「ふぅ、倒せた倒せた。なんとかなるもんだな。ってこいつ、なんかカルマが言ってた奴かな。とりあえず呼んどこう」

神栄は倒した敵の少し先でケータイを開き、カルマに居場所を送信してその場を去る。

「現実の恐ろしさは多分これからわかると思うぞ…気張ってくれや…おっさん」

 

 

この後、SAN値が一気に削られ、悲鳴と叫びの融合体のような声を上げることになるのは、男は知る由もないのである。

 

 

 

 

「あいつらの小隊から連絡がない。なにがあっ……」

「なにっ!?なんだ!?スナイパーがいるのか!?」

 

「うわぁ!ガスだ!」

「敵襲だあああ!!!」

「撃たれたぞ!うわあっ!!!」

 

 

「市販の殺虫スプレー缶をぶち込んだだけでガスと勘違いし、何も見えない状況下で銃を乱射って…。何もせずして相手が倒れていくのは見ていて気持ちがいいな」

『神栄さん、今とんでもない悪者顔してますよ』

ケータイから律の顔が映り、ものすごい引かれている。

「悪者でいいさ。なんせ俺たちは暗殺者だ。むしろ正義と呼ばれる方が変だろ」

 

 

その後も戦いの場を熟知しているE組は群狼を蹂躙し、敵を圧倒している。

このまま問題なく殺せんせーのいる教室まで辿り着ける…そう思っている時だった。

 

 

「……ここまでとは驚いた。君たちは私が直接手を下そう」

 

立ちふさがるように男はE組の前に現れる。

「神兵か…!正真正銘最強のラスボスだなこれは」

「甘く見ていたよ。けど残念だったな。君たちの大好きな先生に会うのは別の世界になりそうだ」

 

顔には何本か血管が浮き出ている。確実に怒っている。そして威圧的な目、それだけで人を倒せそうな目力は一瞬で空気を変えた。

 

 

 

 

「……こりゃ殺る目だわ。死にそう」

 

 

 

 

 




なんといいますか、俗に言うエロゲーってシナリオゲーであればものすごく見てて面白いんですよね。そういうの見た後に書いてみるとものすごく進むし妄想力が高まってくるんですよ。
けどそういうゲームをやりまくってたら大変なことになりました。
人間としての何かを失った気がしましたし、鬱とまでは行きませんが病んじまいました。何事もほどほどですね。皆さんもやりすぎにはお気をつけください。



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