ドラゴンボール・最強の女サイヤ人 (桂ヒナギク)
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其の一

 一台のポッドが地球を目指して飛んでいた。

 そのポッドには端正な顔立ちをした黒長髪の女サイヤ人が乗っている。

 名はメロ。

 メロのポッドは地球へと進入し、荒野へと着陸した。

 ハッチが開き、メロが降りる。

 そこへやって来るナメック星人のピッコロ。

「何者だ?」

「ナメック星人か。私はメロ。サイヤ人よ」

「悟空やベジータの他にもいたのか?」

「ベジータ? 貴方、彼を知ってるの?」

「あ、ああ……」

「ちょうどよかった。ベジータに会いに来たのよ」

「メロとか言ったな。貴様はベジータとはどういう関係だ?」

従姉(いとこ)

「何だと?」

「ベジータのところへ案内してくれる?」

「それは構わんが。こっちだ」

 ピッコロがメロをブルマの家に案内した。

「やつならここにいる」

 メロは建物に入った。

 中でベジータと顔を会わせた。

「メロ……?」

「久しぶりね、ベジータ」

「何をしに来た?」

「貴方、超サイヤ人に目覚めたらしいじゃない」

「それがどうした」

「手合わせしてもらおうと思ってね」

「死んでも知らんからな」

 すると、そこへ孫 悟空(そん ごくう)が現れた。

「カカロット!」

 メロは悟空を見た。

「ターレス……ではないようね」

「おめえ何者だ?」

「メロ。サイヤ人よ」

「そっか。オラ、孫 悟空だ」

ベジータ──と、悟空はベジータに顔を向けた。「なんか話してたみたいだけどよ、知り合いなんか?」

「俺の従姉(いとこ)だ」

「マジか! 強いんか?」

「戦ってみる?」

「よし、来い」

 悟空が構えた。

「はああああ!」

 メロが気を解放して超サイヤ人に変身した。

「本気で行くわ!」

 メロが一瞬で悟空の懐へ入る。

「は!」

 メロが悟空の鳩尾(みぞおち)に拳をめり込ませた。

「がはっ!」

 悟空は気を失って倒れた。

「カ、カカロットのやろうがあっさり!?」

「ベジータ、次は貴方ね」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

「何? 負けるのが怖いの?」

「い、いや……」

 ベジータは腹を押さえた。

「痛! 痛た! 腹の調子が悪い! 勝負はお預けだ」

 ベジータは適当に言い訳して逃げ出した。

 メロは家を出た。

「つまらない人たちね」

 超化を解く。

「おい、ベジータが慌ててどっかへ行ったが、何かあったのか?」

 ピッコロの問いに答える。

「私が悟空さんを一発で撃沈させたから怯えてるのよ」

「み、味方でいてくれよな?」

「それは貴方の態度次第。それより強い人はいないの?」

「この星に悟空やベジータを超えるものはいない」

「つまらないわね」

ところで──と続けるメロ。

「この惑星(ほし)にドラゴンボールとか言うものがあるって噂を聞いたんだけど?」

「ああ。ドラゴンボールは七つ揃うと神龍(シェンロン)が現れ願いを叶えてくれる」

「へえ。面白そうじゃない」

「貴様は何か願いを叶えてほしいことはあるか?」

「そうねえ……」

 メロは考えた。ドラゴンボールがあれば強いやつと戦える、と。

「強いやつと戦いたい」

「悟空みたいなやつだな、お前は」

 



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其の二

(いで)よ、神龍!」

 神の神殿でメロはドラゴンボールに言い放った。

 球が光り、神龍が現れた。

「さあ、願いを言え。どんな願いも一つだけ叶えてやる」

「私より強いやつと戦いたい」

「そやつならもうじきこの惑星にやってくる。他の願いを言え」

「じゃあいいわ。球に戻って」

「私を呼び出して願いを叶えないのか。よかろう。願い事が決まったらまた呼ぶがいい」

 神龍は球に戻った。

(もうじきやって来る、か。何者なのかしら?)

 メロはそんなことを考えながら神殿を後に、ブルマの家へ戻った。

「へえ。貴方、ベジータの従姉なの」

 と、ブルマは言った。

「メロよ。よろしくね」

「よろしく。メロでいいかしら?」

「ええ、構わないわ」

「分かった。で、メロは何しに地球へ?」

「ベジータと一戦交えたかったんだけど……あの様子じゃ無理そうね」

「ベジータ、怯えてたけど、何かあったの?」

「私が強いからだよ、きっと」

「そう。ところで、孫くんが倒れてたんだけど?」

「一撃でねじ伏せたからね」

「貴方どんだけ強いのよ?」

ピピピ──メロのスカウターが反応した。

「何か来る?」

 その時、屋根が吹っ飛んだ。

「ちょっと誰よ!?」

「見付けたぞ、サイヤ人」

「貴方は!?」

 メロの問いに宙に浮かぶ男は言った。

「俺はフィッシュ星人……貴様らサイヤ人に滅ぼされた星の住人だ」

「フィッシュ星なんて私は知らないけどね!」

「そんなのどうでもいいんだよ! 俺はサイヤ人を根絶やしにする!」

 フィッシュ星人を名乗る男はメロに向かって急降下する。

 メロは攻撃をかわし、外へ飛び出した。

「はああああ……!」

 メロは超サイヤ人に変身。

「超サイヤ人か」

 星人がメロに迫る。

 メロは攻撃をかわし、背後に回って肘パンチを星人の首に当てた。

「うお!」

 星人は地面に叩き付けられた。

「くっ……」

 立ち上がり、メロに迫る。

「おら!」

 星人の攻撃で吹っ飛ぶメロ。

 建物にぶつかって壊れる。

「これでも食らえ──っ!」

 星人の巨大な光弾がメロに迫る。

 メロは光弾を受け止めた。

「くっ……!」

 後方に滑るメロ。

「くっ……くっ……こんなもの……!」

 メロは光弾を上へ退(しりぞ)けた。

「ほう……。今の攻撃を退けるとはなかなかのものだな。だが……」

 星人は光線を放った。

 メロは迫る光線を気功波で相殺した。

「ずいぶん手こずってるみてえだな」

オラが加勢してやろうか?──と、悟空が現れる。

「仲間がいたか」

 星人はフルパワー連続エネルギー弾を放った。

 光弾の嵐が二人に襲いかかる。

 爆発で吹っ飛ばされる二人。

 



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