渚カヲルに憑依?転生? 【凍結】 (*時雨*)
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第1話 プロローグ

初投稿なので、文才とかそういうのを求めないでNE☆




「鈴木さ~ん、この書類って…」

 

「はーい、すぐそっちに向かいます!」

 

「鈴木さん、ここってどうやったら…」

 

「そこはね、こうするの」

 

「おーい鈴木さん、お前も早く独身卒業しろよ~」

 

「余計なお世話です!」

 

_______________________________________________

 

ふぅ~、ようやくひと段落ついた。

あ、この小説を読まれている皆様始めまして!

私は鈴木と言います。みんなから【鈴木さん】と呼ばれて

います。別にたいしたあだ名ではないですけどね!

 

さっきの会話は私の職場先での会話です。いつもあんな感

じで疲れることもあるけど、とっても楽しいくて、明るい

場所です!(まぁ最後のところは気にしないでください)

 

え、今なにしてるかって?それはですね…

 

「……はぁ、しんど」

 

時計の針はもう深夜2時を指していた。

 

そう、ただいま残業DESU☆

今社内にいるのは私と数人くらいしかいません。

 

「ああ゛~あのクソ部長、なんでこんな書類押し付ける

んだよ!てめぇの仕事はてめぇでしやがれってんだ…」

 

「鈴木さん口調~、あと誰かに聞かれてるかもよ~」

 

「別にいいじゃない、愚痴ひとつ言ったって」

 

このだるそうな声を出しているのは、同期の森山だ。

いつもこんな感じで、なんだかこの口調からだと、某バスケ

漫画のお菓子大好きな紫のトトロを思い浮かべそうだ。

(声も若干似てるし)

 

あ、私の口調は気にしないで。こっちが素だから。

 

「というか、あんたも残業だったのね」

 

「そうに決まってんじゃん、じゃなきゃここにいないしぃ~

馬鹿なの?アホなの?死ぬの?」

 

ぐさっ、グサッ

 

「今私のライフポイントは0です~…」

 

「ほんと、相変わらず変なところでメンタル弱いよね~」

 

「別にいいもん、私にはMyエンジェルがいるもの」

 

そう言って、ポケットからスマホを取り出し…

 

「はぁ~///カヲシン、マジlove」

 

カヲシンの画像をだらしない顔で見ていた。

 

「ウゲ~、よくそんなん見れるねぇ~」

 

「これは私にとっての癒しなんだから、あとさっき言った

こと全国の腐女子に謝りなさい!!」

 

「はいはい~、どうもスンませんした~」

 

「ちっ、心に篭ってないはねぇ…まぁ言いわ、十分癒され

たし、残りもパッパと片付けるか!」

 

そう言って、私は目の前にあるパソコンを睨みつけながら

作業へと取り掛かった。

 

_________________________________________________

 

「やっと、終わった~」

 

もう時間は4時になっていた。

 

「お疲れ~」

 

声がする方向へ体を向けると、そこには森山がいた。

 

「あれ、あんた帰ったんじゃないの?」

 

「あんたがちゃんとやってるか見にきただけだよ~それに

まだ外が暗いから~、女性一人帰らせるのもあれでしょぉ~?」

 

え、なんか今日こいつ妙に優しくね?

 

「キモチ悪!!やだ、なにかの前触れ…?」

 

「ひどっ、人がせっかく親切にしてあげたのにぃ~」

 

「別にそんなことしなくていいのに…」

 

本当にこいつは…いつもは容赦ないことを言ってきて、

こういうところで優しくなるんだから…

そういうのは私なんかじゃなくて、他のもっとかわいい子に

してあげればいいのに。

 

「まぁでも、ありがとうと言ってやらんこともない」

 

「えぇ~、何それ」

 

「う、うるさい!ほら先いってるぞ」

 

「あ、待ってよ~」

 

私はこのときまだ知らなっかた。この後私が■■さ■るなんて…

この日常が壊されるなんて。

 

_________________________________________________

 

結局二人で帰ることになってしまった。

それにあいつに家がバレルといろいろと面倒だから、少し遠回り

した。

 

「もうここまででいいから」

 

「へぇ、鈴木ってここらへんに住んでるんだぁ~」

 

「まぁね(嘘だけど)」

 

「ふ~ん、じゃ、今度遊びに行こうかなぁ~」

 

やめてーこないでー、ほら、だからこんな展開になると思ったよ。

やっぱしこいつに家教えなくてよかったぁ。

 

「来たら絶対殺す……」

 

「こわっ!」

 

オーバーなリアクションをとる森山。ちっ、めっさウゼェ。

こいつ絶対わざとだ。

 

「とりあえずもう帰るから、あんたも早く帰りなさい」

 

「はいはい、んじゃまたね~」

 

そう言って、森山は駅のほうまで歩いていった。

 

 

ふう~、あいつといると精神的に疲れるわ。でもまた明日

あいつと会うんだよな…

まぁいいか、とりあえず早く家に帰って、カヲシンやら

その他諸々に癒されよう!

そう考えると、なんだか足取りが軽くなってきた。

ルンルンと少しスキップしながら家への帰路を歩いていった。

 

「明日もがんばろー」

 

そうつぶやいた瞬間だった。

 

ドスッ

 

「え?」

 

誰かが私にぶつかってきた。そしてやけに背中が熱いなと

思った。熱いところを触ってみたら…

 

赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い

紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい

あか、いあ、かいあかいあか、い赤い…

 

 

とっても紅い血がついていた。

 

 

それを自分の血だと気づいた瞬間、とてつもない痛みに

襲われた。

 

「っっ!!!」

 

声が出せないほどの痛みだった。そして、私を刺している

人物が何かブツブツ言っていた。

 

「なんであんたみたいなブスが森山さんと一緒にいるの?

そういうのすごくむかつく…あんたさえいなければ森山さん

は私のもよっ!!あはははははははハハハハハハハアハハ

ハハハハハハハハハハハっ!!!」

 

狂ったように笑い出し、私の体をぐさぐさと刺していく。

声からして女性なのだろう、しかも森山に惚れていたようだ。

はっ、あいつに惚れるとか男見る目がないなこの女。

そう言ってやりたいのに、痛さのあまりに声がでない。

 

やばい、意識が朦朧してきた。私、もう死ぬのかな。

嫌だ、まだ死にたくない、死にたくないよぉ

 

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

どうして私がこんな目にあわなきゃいけないの

どうしてどうしてどうして、どうし、てどうしてどう

、して、どう、し、て

 

お願い、誰か、助け、て…

 

「し、にたく、な……い」

 

《その願い、叶えてやろうか?》

 

あれ、おかしいなぁ…幻聴?アニメの見すぎでとう

とう死ぬあぎはに聞こえるようになっちゃった。

でももうこの際幻聴にでもなんでも頼もう。

 

「おね、が……た、すけ」

 

《お前の願い、聞き届けた》

 

それを聞いた瞬間私の意識は完全に閉ざされた。

 

 

 

 

 




どうでした?、なんか最後はありきたりな感じで終わってしまった。
さすが文才のない私……とりあえず感想待ってます!




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第2話 転生

黒鍵ってかっこいいよね。麻婆神父とカレーシスターとかの
使ってるシーンを見るとトキメク☆

けどあれって使いにくそう…


揺れる、霞む、どこか自分という存在が朧気に感じる。

 

―ここはいったいどこなのだろう―

 

そう思い、眼を開けるとそこはどこまでも続く”闇”であった。

だが恐怖は感じなかった。それは自分でも分からない、だが

不思議と何故か懐かしさを覚える。

 

そこで、私は一度考えることが止まった。

 

―私は何故懐かしいと思ったんだ?―

 

こんな場所は私の覚えてるかぎり、行ったこともないしまし

てや見たこともない。でもとても懐かしく感じる自分がいる。

何故私がここを懐かしく感じるかを原因を考えてるときだった。

 

《お、ようやくお目覚めか?》

 

どこか聞き覚えのある声がした。私はその声の主をキョロキョロ

と闇が続く世界を見渡してみたが、誰もいない。

 

《あ、そういえば君は”今”は見えないのか》

 

その声がそう言ったあと、突然私の目の前に眩しい光がこの闇を

照らすかのように現れた。

私はその光があまりの眩しさに眼を瞑った。

 

そして、光が収まり眼を開けるとそこには、どこか浮世離れした

美しさを持つ男性がそこに居た。

 

そして男性は口を開き、こう言った。

 

 

◇◇◇◇

 

 

「ハロー☆みんなのアイドル、神様だよー!」

 

―………………………………………………―

 

「何さ、そんな黙っちゃって。あ、もしかして僕のこの美しい

顔にでも見惚れたのかい?」

 

―…………………………………………………………………―

 

「おーい、聞こえてるのかい」

 

―…………………………………………………………………―

 

「おっかしいなぁ、確かに聞こえてる筈なのに…おーい、聞こ

えてるなら返事して」

 

―…………………………………………………………………―

 

「あれ、これって無視されてるパターン?いやいやいや、神

である僕を無視する筈ないって、よしもう一回!ねぇ、君

聞こえてるんでしょ、返事くらいしてよね!」

 

―…………………………………………………………………―

 

「ねぇってば…」

 

―…………………………………………………………………―

 

「反応くらいしてよ…」

 

―…………………………………………………………………―

 

「(´・ω・`)ショボーン……」

 

―…………………………………………………………………―

 

「………………………………………………」

 

―……シリアス返せ―

 

 

◇◇◇◇

 

 

傍から見たら、とても異様な光景であろう。何故なら(自称)

神と名乗る者が正座させられているのだから。

 

―さっきまでシリアスだったのに何ギャグ展開に持っててるんだ、

ああ゛?―

 

「シリアスすぎるのもどうかなと思って…」

 

―それであんなことを?―

 

「ほら、よく二次創作とかであるじゃない、シリアスからギャグ

展開するの。一回やってみたかったんだ…」

 

―死ね―

 

「ヒドっ!別にそこまで言わなくったっていいじゃんか、うわーん!!」

 

そう言うと、(自称)神が泣き、いや、泣きまねをしだした。

 

「あれれー、バレてる感じ?」

     

―コイツ、本気で殺しちゃっていいかな(^言^)―

 

「て、テヘぺろ☆」

 

―…………………………………………………………………―

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、だからその拳を

下ろしてくださいぃ!!」

 

―YADA☆―

 

「ぎゃああぁぁあああ、せめて、顔、顔だけは、ってうぎゃ

あぁあぁぁあああああああ!!」

 

ドカっ、ボキッ、ボコっ、バキッ!

 

 

◇◇◇◇

 

 

―で、あんたが私の魂を回収したと―

 

あの後、いろいろあったが何とか話せる状態になり、どういう

経路で私という“存在”がこの真っ暗闇な世界にいるのかとかetc…

 

どうやら私は死ぬ間際に死にたくないという願望が強すぎて、この

神に死にたくないというメッセージが届いてしまったそうな。

けど私は“現実世界”で死んでしまい、肉体と魂が分裂してしまった。

そして本来なら輪廻の輪の中へと入り、魂の記憶を消されて私の肉体

は消滅して転生するらしい。

そこでコイツはそうさせられる前に私の魂と肉体を回収して今にいたる。

 

「そうそう、ホント大変だったんだから」

 

―ふーん…―

 

「何その反応…あのねぇこの行為は本来やってはいけないんだよ」

 

―は?じゃあアンタ規則をやぶったってこと?―

 

「僕は上級の神だから許されたことであって、下級の神がやってしまえ

ばそれなりの処罰されるからね」

 

―へぇ、あんたが上級の神ねぇ―

 

「ふふ、驚いた?」

 

―いや全然―

 

ズコッ

 

「ま、まぁとにかく君には“また”転生してもらうから」

 

―“また”?それって一体どういうこと…―

 

「はいはい、それじゃあ君の転生先を教えるね」

 

彼は私が聞く前に次への話しに進めた。コイツ、何か隠したがっている

ように見える。まるで私に知られことを恐れているかのように。

ってそれよりも…

 

―ていうか、結局は転生するのかよ!!―

 

私を助けた意味なくね?

 

「ん?まぁぶっちゃけ言うとそうなんだけど、君には転生特典がつく

んだよ」

 

―それってよく二次創作とかでありがちな記憶を消されないとか、容姿

とか能力を決めて貰えるとか?―

 

「簡単にいえばそうだけど、条件があるんだよね」

 

―条件?―

 

「まずはこちらが容姿とか能力を決めるんだ」

 

―はぁ!?何それ、全然特典だとは思えないけど―

 

「こればかりは仕方ないよ、前に君と似た境遇の子がいてさ、そう

いう転生特典で要望を聞いて叶えさせて転生させたんだけどその子、

【世界】の秩序を変えてしまってね、幾千、幾万の【世界】を滅ぼ

してしまったからね…」

 

どんな特典貰ったんだよ!世界の秩序を変えるとか

あまりにも壮大な話に私は無意識に唾をゴクリと飲んでいた。

 

―それで、その人はどうなったんだ―

 

「僕達神によって消去されたよ、ま、当然のことだね。だから僕達

は二度々こういうことが起きないようにさっきの条件を作ったんだ」

 

―はぁ…―

 

「さてと、こんな話はどうでもいいから容姿と能力を決めなきゃね」

 

―どうでもいいって…―

 

けれどこの神は容姿と能力決めに集中しているのか聞こえてないようだ。

 

「そうだねぇ、彼女の肉体から媒介するから…容姿はこれであと転生先も

あれだからこれをこうして、あれもこうして、うん!これでいいかな」

 

決まったのだろうか?

 

「ああ、あとは僕からのサービスでっと…こんなもんでいいかな!」

 

何故かとてつもない不安を感じる。まさか人外になってないよね、なって

たらものすっごく嫌なんだけど。

 

―大丈夫だよね?本当に大丈夫?―

 

「大丈夫だってば!」

 

ホントかなぁ

ま、まぁとりあえず大丈夫って言ってるんだから大丈夫なハズ…多分。

 

―それで、私の転生先はどこなの?―

 

「ああ、それはね型月作品さ!」

 

え、コイツ今なんて言った?

 

―プ、プリーズ、ワンモア―

 

「型月作品、正確に言えばFate/だけど、それが何か?」

 

やべぇ、私転生する前から死ぬことが決定されてるうぅぅぅうう!!!

人生詰んでるどころじゃない、オワタ☆

 

―死ぬ死ぬ、絶対死ぬ―

 

「大丈夫だよ、君にはそこで生き残れるようしといたんだから」

 

そういう問題じゃない気がするんだが…

 

―あの、もっと平和な世界がいいんですけど―

 

「却下」

 

―何故に!?―

 

「これは既に決まったことだし、僕にはどうしようもできない」

 

―はあ!?あんた神様なんだからなんとか出来ないの?―

 

「これだから人は……あのね、神が何でもできるって思ってるの?神にも

出来ないこともあるんだ、お分かり?」

 

―…………はぁ、分かったよ―

 

この神でも変えられないというのなら仕方ない。

 

―ねぇ、もし私が死んだら骨一本くらいは拾っておいて―

 

「さっきまでの元気さはどうしたの」

 

―だって型月だよ?しかもFate/とか、神は私に死ねと―

 

「いや別にそういう訳じゃ…」

 

ホント、先のことを考えるといろいろとね、あれだよ、うん。

 

―ホントあれだからさ、もうどうにでもなれってんだ!!―

 

「うおっ、急にテンション上がったなぁ」

 

―ここでグズグズしていても仕方ないし、もう早く転生させろ―

 

「どうやらやっと決心が出来たみたいだし…それじゃあ転生先に送るね」

 

コイツはそう言うと、何もない空間に手をかざした。すると、大きな扉

が突然現れた。

 

「この扉をくぐればFate/の【世界】だ」

 

はぁ、いよいよ転生するのかぁ。こんなことが実際に起きるなんてまだ

自分が夢を見てるんじゃないのかと思ってしまう。

でもこれは夢なんかじゃない。だって私が死ぬときの痛みを鮮明に覚え

てるし、ここに来たときは密かに自分の頬をつねったが、ちゃんと痛み

を感じた。だから夢じゃない…ハズ。まぁこれが夢だったらどんだけ壮大

な夢をみてるんだよって話だけどさ。

 

そんなくだらないことを考えながらも、扉を開こうとした。

だがふと、まだコイツに聞いてないことがあったことを思い出した。

 

―まだアンタに聞いてないことがあった―

 

「なんだい」

 

―アンタの名前は?―

 

そう言うと、コイツは驚いたふうに眼を見開いてた。

そして、何故かほんの少し悲しそうな顔をしてこう言った。

 

「僕の名前はロキだよ、“鈴木さん”」

 

ロキか…コイツにしてはかっこいい名前だと思う。

 

―じゃあね、ロキ……と言ってもアンタとはまた会いそうだけどね―

 

「…………………………」

 

私はそう言って、扉を開いた。

そのとき私は気づいてなかった。ロキが私を悲しそうに見つめていたことを……

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「ふぅ、やっといったか…」

 

彼は彼女がいなくなったこの真っ暗闇な世界で、つぶやいた。

 

「やっぱり君は覚えてないんだね……」

 

彼はそう言うと、悲しそうに顔を歪めていた。

 

「今度こそ君を―」

 

何度繰り返すことになっても、必ず彼女…否、“彼”を救ってみせる。

 

「待っていてね……カヲル」

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

火の海の中、私は…“僕”はそこにいた。

いつからここにいたのか、そして僕はどうしてここにいるのか自分でも

分からなかった。

 

「あ、あつ…い!!」

 

「だれ、かあっ」

 

「た、すけ…」

 

「いやぁぁあああ!!!」

 

人々の悶え苦しむ声が聞こえる。ああ、そうかここは―

そんなことを考えているときだった。

 

僕が思考に耽っている間に、《泥》が近づいていた。その《泥》は呪い

の塊であり、幾多の人々を殺し、人から忌み嫌われているもの。

【世界】から正義を存在させる為に押し付けられた反英霊であるもの―

 

この世の全ての悪(アンリ・マユ)

 

その《泥》に触れる…いや、飲み込まれてしまえば生きとし生きるものは

たちまち死んでしまう。

 

僕はその迫ってくる《泥》を見つめていた。逃げもせず、ただじっと見つめた。

傍から見たら、まるで《泥》に飲み込まれるのを待っているかのように見える

のだろうか。

 

『君は、悲しい歌を歌うんだね』

 

彼はそう言うと、その《泥》に背を向けて歩いていった。《泥》は彼を追いか

けるように近づこうとするが、まるで壁にでも遮られているかのように彼に

近づくことが出来ない。

 

『待っていてね、士郎くん』

 

『今度こそ君を絶対に―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せにしてみるよ』

 

 

彼は、“渚カヲル”は歩みを止めない、止められない。

■■士郎を絶対に幸せにするまでには歩みを止めてなんかいられない。

 

何故ならそれが彼にとって■■であるからだ。

 

果たして、彼の運命はどうなるのか。渚カヲルの進む道は茨の道か、それとも―

 

 

 

 

これはそんな彼の物語、どうか彼の結末を見とどけてほしい。

 

 

 




文才がないのに無駄にがんばった。
すっごい疲れたわー



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第3話 火の海

投稿おくれてスンません!!
リアルのほうが忙しくて…

そうそう、この間のFateでランサーがかっこよすぎ
ておもわず「かっけえ!!」と叫んで兄にうるさいと
怒られました☆


 

みんなあの変な“泥”に飲み込まれてしまった。家族や友達、見知った人や建物もですら

全部、ぜんぶ飲み込んだ。

その光景(シーン)を見ていたおれは恐くて、怖くて堪らなかった。

 

あの“泥”はまるでおれの大切なものを壊そうとするように見えた。

 

だからおれは逃げた。助けてという声すらも無視して、この熱くて苦しい世界から抜け出そう

とした。耳を塞ぎ苦しい、助けてという声を聞かないようにして走って、はしって、ハシッテ

あの光景(シーン)を思い出さないようにして、逃げた。

 

でもこの火の海のなか、うまく呼吸できなくて体力の限界もありとうとうおれはその場に倒れ

てしまった。倒れたおれはこう思ってしまった。“泥”に飲み込まれるのか、それもいいかもし

れない、と。この火の海のなか長くいたせいかおれの思考は狂ったのだろうか、そんなことを

ずっと考えていた。だが一瞬思ってしまった。

 

―助けて―

 

そう思った瞬間、先ほどまであんなことを考えていたくせにまるでスイッチが入ったかのよ

うにまだ生きていたい、嫌だ、死にたくない、あれに飲み込まれたくないと死を拒絶した。

そして真っ黒な空に手を伸ばし枯れた声でこう言った。

 

「だれ、か……たすけ、て……!」

 

そして最後の力を振りしぼり、手を精一杯伸ばした。

 

そのときだった

 

『見つけた、士郎くん』

 

誰かがそう言っておれの手を掴んだ。そちらに視線を向けるとまるで昔に読んだ絵本に出てきた

 

「て、んし…さま……?」

 

とてもきれいな男の子がおれの手を握っていた。そしてその人はおれが言った呟きが聞こえ

たのだろうか、これおまたきれいに微笑んでいた。

 

『ふふ、君はおもしろいことを言うんだね…』

 

そう言いながらおれを立ち上がらせこう言った。

 

『さあ士郎くん、ここから逃げようか』

 

そう言っておれの手を握ったまま歩きだした。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

僕はあの子を探していた。とておも愛おしく、大切なあの子を。もうすぐ僕はこの“覚えている”

記憶のことをまた忘れて、“私”に戻ってしまうであろうから早く見つけなくては。

あの衛宮切嗣(正義の味方)よりも前に…

からっぽの状態のあの子、士郎くんが今あの人に会ってしまえばまたあの結末になってしまう。

それはなんとしてでも阻止しないと。あの結末になってしまえば士郎くんは自分が幸せになる

ことが許せなくて他人のために生きていくことで、自分は幸せだと勘違いしてしまう。

それでは駄目だ、だから早く士郎くんを見つけないと。

 

そうこう考えているうちに手を伸ばしている士郎くんを見つけた。

 

ああ、士郎くん無事で良かった。

 

無事でいてくれたことに安堵し、また出会えたことに少しだけ泣きそうになってしまった。

士郎くんの手を握りこれで何度目になるだろう、セリフを言った。

 

 

『見つけた、士郎くん』

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

その人はおれの手を握って、どこかに向かっていった。

 

さっきまであんなに苦しくて、息も出来なかったのに何故かこの人と一緒にいると、不思議と

苦しくなくて、息もうまくできるようになった。

でもあの声はずっと聞こえる、助けてという声、苦しいという声、どうしてこんなめにあわな

くてはならないとこの悲劇を怨む声。それを聞いていて心が壊れそうなくらい痛い。

痛くて涙が次々と零れ落ちる。その様子を見ていたのであろう、その人はおれに近づきそっと

涙をぬぐった。

 

『泣かないで、辛ければ耳を塞いでもいいから』

 

そう言ってその人は優しく、まるで壊れ物を扱うように頭を撫でた。

 

それからというものの、その人が言ったように耳を塞ぎ声を聞かないようにしていた。

そうしてしばらく歩いたらあの火や声、そして“泥”がいないところにいつのまにかいた。

雨も降り始め、この地を浄化するかのように静かに降っている。

おれ達は雨が降るなかもずっと歩いていた。するとその人は何を思ったのか、突然こちらに

振り向きおれの目に手をかざした。そして何かを呟くと急に恐ろしい程の眠気が襲う。

 

『ごめんね、士郎くん』

 

意識を失うながらも、最後にその人は何故か泣きそうな顔をしてこう言った。

どうしてそんな顔をするのかを聞きたかったが、抗えず、おれは意識を手放した。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

僕は倒れた士郎くんを支えた。

 

『ごめん、ごめんね…士郎くん』

 

何度も意味のない謝罪を繰り返す。

もう僕には時間がなかった、記憶が徐々に失い始めてしまっている。本当はあともう少しで

ここに衛宮切嗣(正義の味方)が来るはずだからそれまで君の安全確保をしようと思ったんだけど思ったよ

りも早く記憶が失い始めた。記憶が失えばまたあの頃の馬鹿な“私”になり、この状況を受け

止めれないだろう。だからこの方法しかなかった。

 

士郎くん本当にごめんね、君をこのまま置いてく形になってしまうのが心苦しくてしかたがない。

こんな方法しかとれない自分が殺したいほど憎くて堪らなくなる。

 

ああ、士郎くん、どうか君は…君だけは…

 

『幸せになっておくれ…』

 

そう言って、彼の額にキスをしてその場を去った。

 

そんな彼をひとつの影が見ていたことを知らずに……

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「よもやあのような者がいるとはな……クククッ」

 

すべての原点を持つ王は彼を見ていたのであった。その顔は新しい玩具を手に入れたかのように

口元がひどく歪んでいる。

 

「あの道化がどのようになるのか楽しみだな」

 

渚カヲルという人物が彼の王“ギルガメッシュ”に目をつけられた瞬間であった。

 

とりあえず渚カヲルにむける言葉と言ったらご愁傷様としかいえないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんかシリアスすぎてあれなんで最後は
ちょっちギャグをと…

あと今後はこれくらいの文の長さになると思います。





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第4話 始まり

いよいよアニメのfateがクライマックスにはいりましたね

士郎の固有結界がめちゃかっこよかったしギル様もかっこよかったすね!
そして最後にアチャ男の微笑みは心臓を打ち抜かれましたわ。




生は、死の始まり。

 

死は、現実の続き

そして再生は、夢の終わり。

 

私/僕のこと、好き?

 

微笑は、偽り。

 

真実は、痛み。

 

解け合う心が、私/僕を壊す。

 

 

―これが、君が望んだ『世界』なんだね

 

破滅の。誰も救われない『世界』―

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「ん…ここは…?」

 

眼を覚ますと、自分の部屋ではなくまったく見覚えのない真っ白な天井。

 

「僕はいったい…(私はいったい)」

 

とりあえず状況を確認する為に周りを見渡す。

辺りを見渡すと、点滴、ベッド、包帯でグルグル巻きにされてる人達。あきらかにおかしな風景。

 

ここは病院?

 

私はいったい何故こんな所にいるのだろう。まさか、あの出来事は夢?

 

夢だとしたら私は助かったのだろうか。

 

そんな思考にふけていたときだった。

 

 

「夢なんかじゃないよ」

 

「え?」

 

声のしたほうを向くとそこには見知らぬ子供がいた。

 

「誰…(こんなショタ知り合いにいたっけ)」

 

「あれ、もう忘れちゃったの、僕だよ僕、ロキだよ」

 

「へ…?」

 

思考が完全停止した。

 

「あ、これには訳があって今は子供の姿なんだぁ」

 

いやいやまてまて、あの残念系なイケメンはこんな可愛いショタになる筈がない。うん、きっとこれは夢だ。絶対夢だ。こんなこと現実的に考えてある訳がない。いやーほんとないわー、マジで。

これを夢と判断した私は、また寝ようとする。

 

「ちょ、ちょっとなに寝ようとしてるの!!」

 

夢だ夢だ、誰か夢と言っておくれ!

 

「なに現実逃避してるのさ…僕がいる時点でこれは夢じゃないに決まってるだろ」

 

「いや、もしかしたら(ロキ)は僕が見ている幻覚かもしれないじゃないか…(私の妄想の副産物かもしれないかもと)それにここが病院ならなおさらじゃないか」

 

「むー…確かに言われてみればそうだけど……じゃあどうしたら夢じゃないって教えたらいいんだ」

 

むー、とか、うーんとか唸ってる少年を見るのは微笑ましい。そんな温かい眼で見ていると(自称)ロキは突然頭をバッと上げてまるで何かを閃いたかのように輝かしい表情をした。

 

「そうだっ何でこんなことを忘れていたんだろう、この手があったじゃないか!」

 

そう言うと、(自称)ロキは懐からゴソゴソと取り出した手鏡を出し私に差し向けた。

 

なにをしたいのか分からないけど、とりあえず鏡を見ろってことなのか。

 

私はおそるおそる覗き込むと、いつもの見慣れた…否、見慣れているが私の顔ではない、本来この『世界』にはいない筈のあの人の顔であった。

 

病室の窓から差し込む太陽の光によって綺麗な銀色に見えるスカイグレーの髪に、病なのではと疑ってしまうほど白い肌、夕暮れ時を詰め込んだような綺麗な真紅の目、そして絶対女性からモテルであろう甘いマスク。けど何故か私の知っているのより幼い顔立ちをしている。

 

ちょ、ここ、っこれ、あの人じゃね?絶対そうだよね?なんか幼いけどこのショタ、エヴァのスピンオフで見たことあるよ。やっぱこの人は…

 

「渚…カヲル…?」

 

なんでこの人がここに、ていうか私、渚カヲルになってんのかいいぃぃぃいいいぃぃぃいい!!!

 

「どういうこと…?(なんで私を渚カヲルにしたのよ!!)」

 

私はこの状況に混乱しつつも、この原因であろう(自ryめんどい、もうロキでいいか。ロキに問いかけた。

 

「最初に言っただろう、僕が転生特典を決めるって」

 

確かに言ってたけれども、何故よりによってカヲル君なんだ。

 

こんなイケメンになれたことは良かったちゃあ良かったけど、性別転換じゃねぇかよ!今までなかったアソコに玉がついてるし、どおりでアソコが違和感を感じるなぁと思ったよ。

ホントにマジでカヲルにしたのかが意味が分からない。レイとかアスカとかマヤちゃんもあったでしょうが!!

 

「とりあえず君がロキだと言うことがよく分かったよ(こんなもの見せられたら認めるしかないし)」

 

「ふぅ…やっと信じてくれたね、それじゃあさっそくだけど退院手続をしようか」

 

「あ、ああ(いきなりだな…そっか、私は入院してるん、だよ…ね……?)」

 

ふと私は一つの疑問を思ってしまった。なんで私は入院してるんだろう。これが夢ではないのだから…多分、だから普通こういう転生系って赤ちゃんから始まると思うのだけれど。ま、赤ちゃんプレイは嫌だから良かったけどね。てっ話が逸れた、この話はおいといてロキはなにかを絶対隠していると思う。これは女の勘だけど(今は男だけど)詳しいことを言わないし、例え言ったとしても嘘の可能性が高い。

転生する前のときも何か隠してたし一体何がしたいのかまったく分からない神様だな。

 

それほど隠したいのならむやみに聞くもんじゃないし、こういうのは相手から話すの待つのがbestだと思う。あの奇妙な物語の神父や僕と契約して魔法少女になってよの白い猫なのか犬なのかも分からない未確認生命体みたいのだったら◎◇※△●して、◎◇※△●してやるけどね!

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

病院を退院して、ただいまロキとロキの召使さんと何故か犬と一緒にこれから住むことになる家へと向かっています。ていうかロキって金持ちだったのか…一体この神様は現実でなにしたんだよ。

 

「ロキ様、今日はカヲル様の退院祝いのですので皆様もお呼びいたしましたがよろしかったでしょうか」

 

「まぁどうせ呼ばなくてもみんな勝手に来るからいいんじゃない」

 

「ダディ、今日は楽しみだね!」

 

「うん、そうだねフェンリル」

 

うん、これは濃いぞ、しかも犬が喋ったよね。ポケットのモンスターの猫もびっくりだにゃ……

クソが!!もう驚かないぞ。神様だからなんでもありなんだろ、そうなんでしょ!

 

「ロキ様、カヲル様が困惑しておりますが…」

 

「時期になれるでしょ」

 

「はい、ご心配なさらずに…もう慣れましたので(私のライフはもう0に近いよ)」

 

「そうですか…先ほどまで入院していたので疲れていたのでしょう、あまり無理をなさらないでくださいね」

 

「そうだぜ弟!こんなんで驚く玉じゃないだろ…」

 

召使さん、めちゃいい人。そして犬、お前はロキの前との態度が違いすぎるだろ。

あ、そういえば彼らの名前を聞いてなかったよな

 

「ところで召使さんとそこの犬のお名前はなんですか?」

 

「「っ!」」

 

二人…否、一人と一匹が驚いたようにこちらを見た。

 

「……?(へんなこと言ったかな)」

 

「あ、いえすみません。ロキ様から聞いていると思ったので」

 

「そうですか…(にしては驚きすぎだと思うんだけど)」

 

「私は闇野竜介と申します。闇野とおよびください」

 

「俺はフェンリルだ」

 

「よろしく、フェンリルと闇野さん」

 

闇野さんとフェンリルか…まだ濃いキャラがいっぱいいそうな気がする。だってさっきの会話でもなんか大勢いるみたいなこと言ってたし絶対この人達の知り合いってまともな人がいなさそうだな。うん、なんか嫌な予感がする。私の第二の人生、一体どうなるのか不安だ。

 

「はぁ…………」

 

トボトボと暗いオーラを放ちながら歩いてロキ達についていく。

 

その時、赤毛の男の子とすれ違ったがそのまま気づかずに歩いていった。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「あの人……」

 

「士郎、どうしたんだい?」

 

「……なんでもない、行こうじいさん」

 

 

 

 

 




今後の展開をどうしようかと悩む。
あと魔探偵ロキのキャラをぶっこんでみました。





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第5話 拠点

fateのアニメがもうすぐ終わってしまいますね。

でも今度は映画があるんで楽しみです。

今アンケートしています!詳しくは活動報告へ




先ほどから歩いているが、どんどん街から離れて行き森の方へと行く。途中武家屋敷がいっぱい並んでいる所も通ったがそれよりも先に進み、もう冬木市の郊外なのではないのだろうか。

 

病院から歩いてからかれこれ1時間以上はかかっているであろう。

 

「………(まったく疲れない、これも転生特典?)」

 

かつてインドア派でまったく運動していなかった私だったら絶対にくたばってた筈なのだが今はまったく疲れを感じない、なにこれこわい。

 

そう思いながら歩いていくと建物のようなものが見えてきた。

 

多分あれかな、今は身長が低いせいで森の木々によってよく見えないがそうだと思った。そして、いつのまにか洋館の門の前までたどり着いた。そのことに何にも疑問を持たずに進んでいると、闇野さんとフェンリルは驚いた顔をしていた。何かまた私は変なことをしたのだろうか、一人と一匹の驚くツボがよく分からない。

 

まぁ後で聞けばいいか…いやでも“会ったばかり”の人に聞くのもなんだしなぁ、でもこれから一緒に住むから…ああ、もうわけが分からないよ。こんなことを考えるのやめて今のことに集中しよ!うん、そうしよ!!

そんなことを心の中で思っていながら、これから住むであろう自分の家を見あげると―

 

そこには立派な洋館があった。

 

綺麗にされている庭園、洋館は美しいフォルムでアンティークな作りになっている。そして洋館の隣には植物がかざっているであろうドーム型の温室があったり、畑のようなものまであった。

 

「……………(え、マジで?)」

 

こういうの雑誌とかテレビでしか見たことがない、まさしく大豪邸であった。ホントにこの神様、なにやってるんだよ。

 

「それではロキ様はカヲル様を書斎へ、私は御夕食の準備と皆様をお呼びいたしますので。ほら兄さんもいきますよ!」

 

「ぐぇ、首が絞まる!!そんなに首根っこを引っ張るな!」

 

まるで嵐の如く去っていった。最後にフェンリルが少し可哀想だったが…って今闇野さん、フェンリルのこと兄さんって呼ばなかった!?あの二人(一人と一匹)一体どういう関係なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

カヲル様はやはり覚えていらっしゃらなかった…しかし今まで違うのは先ほどのロキ様が行った空間転移に何も疑問を持たれていなかったこと。むしろまるで“当たり前のような態度をしていた”

 

これは何かの前兆なのでしょうか、今回の時間軸ではどうなるかとてつもなく嫌な予感がします。こういう場合、オーディン様やノルンさん達はわかるんでしょうが基本的にあの人達はあまり詳しく語らないので…

 

「はぁ…一体どうしたら良いのでしょうか…」

 

そんな溜息をしながら呟いていたのを、どうやら兄に聞こえていたらしい。

 

「そんな事言ったって仕方ねえだろ、それにお前が悩んでいったって解決する話でもない。今辛いのはオヤジなんだぞ」

 

兄の言い分はごもっともだ、確かに今辛いのはロキ様だ。なんせカヲル様という“親友”が何度も御自分のことや大切な記憶を忘れてゆくのだから…

あの人は私達にとっても、大切な人なのだ。その大切な人に忘れられるのはどれだけ辛いだろう。

 

そんなネガティブな思考になりかけていたの私を見ていた兄は呆れたのだろう。私対してこう言った。

 

「またアイツも時期に記憶を思い出すだろうし、辛抱しろ」

 

「確かにそうですが…」

 

それでも辛いものは辛いと言おうとしたがその前に兄が塞ぐかのように。

 

「はぁ、ったく何時までもクヨクヨしてるんじゃねぇ!そんなんだとオヤジやカヲルを支えてやることもできねぇぞ。それでもいいのかお前は」

 

「……っ!」

 

そうですね…私がこんなに悩んでもロキ様やカヲル様のためにならない。それに気づかせてくれた兄さんに感謝しなくては。

 

「ありがとうございます、兄さん!」

 

「へっ、弟を叱る(躾ける)のが兄の役目ってもんだ」

 

照れながら言う兄、そして何故か叱るが躾けると聞こえたのは間違いなのでしょうか。

 

「ところでよ…」

 

唐突に兄が話しかける。

 

「なんでしょうか、兄さん」

 

「そろそろ、準備した方がよくねぇか?」

 

あ、完全に忘れてた…………………………

 

「ぎゃあああ!忘れてました、どうしましょ時間がありません!!」

 

「落ち着けよ、ヨーコや春華、母さんに手伝ってもらったらいいだろう」

 

「はっ、その手がありました、兄さん至急呼んできてくださいっ」

 

「パシリかよ!」

 

「呼んできてくれたらたい焼きを奢ります」

 

「よし分かった!」

 

即答して兄は走っていった。ちょろい兄さんだ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

ロキの書斎を見ると、以外に落ち着いた感じで上品さを感じる。

先ほど見た玄関は最悪だった。悪趣味なへんなものとか、西洋の鎧がかざられていたり、不気味すぎてこんなんじゃ友達とかお客さまを呼べないよ……いや、そもそもこっちの『世界』で友達ができるかどうかだよね、もう精神年齢はアラサーだからね。今さらこの年齢(多分6、7歳くらいだと思う)にあわせるなんて無理に決まってます。だって想像してみ?中身BBAのショタが「お兄ちゃん」とか「お姉ちゃん」と可愛らしい声だして媚を売るの、想像しただけでゲロ吐いちゃいそうだよ…

 

「カヲル、どうしたの難しそうな顔して」

 

ロキが心配そうに話かけた。

 

「なんでもないよ…」

 

「本当にそう?」

 

しかしショタに心配されるのはなんだか気分がいいな、中身を知ってるけど。まぁでもショタにこんな顔させちゃいけないな。よしここは会社で学んだ愛想笑いで行くか!

 

「いや、本当になんでもないんだ…少し考えてただけだよ(主に中身と年齢があってないことについてだけど)」

 

The微笑スマイル!

 

「そう、何かあったら言ってね、これから一緒に住むんだし…」

 

ロキが顔を赤らめた。効果抜群だ。

 

って何故ロキは顔を赤めてるんだよ、そんなに微笑みは駄目だったのか。おかしくて耐えてるのかな、プルプル震えているしなんかこっちの方が恥ずかしくなってきたわ。あ、そういえばロキってさっき私のことカヲルって呼んでたけどやっぱりこの肉体にあわせたほうがいいよね。

 

じゃあ今日から私は“渚カヲル”ってことになるのか…不思議だ。ていうか私の性格だと渚カヲルっていうキャラを壊しかねない……よし、これって演じたほうがいい、絶対いい!いつか絶対ボロでちゃいそうだけど

やらないよりマシだよ。あ、一つ思ったんだけど今ロキ重大なことをいってたよね!?

 

「ロキ、僕は君と一緒に住むのかい?(え、全然聞いてないよ!どういうことだ、おい!!)」

 

「あれ?言ってなかったっけ、僕達は戸籍上従兄弟でこの大災害で君は親を亡くし、親戚もいないから天涯孤独のところを僕が引き取って現在に至るんだ。つまり簡単に言うと君は僕の養子になったってこと」

 

「………そう」

 

どんな昼ドラだ!しかもお前養子とれる年齢じゃないだろ。

 

「ホントは親戚をいる設定にしてたらいまわしにされているところを僕が引き取るっていう風にしようと思ってたんだ」

 

結局お前が引き取るんかい!!

 

 

 

 

 

 

 




だめだうまく書けない!文を書くのってむずい
あとまたしばらく出せなません。すみません!





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第6話 新たな真実

全然、聖杯戦争のところに話がいけない!!
こういう場合はキング○リ○ゾンしてもいいのか…



赤い海

 

赤い空

 

そして白い砂浜に立っている私/僕

 

気が狂いそうな『世界』に私/僕、そして君だけがいた。

 

君は泣きながら私/僕に向かって何かを叫んでいる。

 

でもその内容はノイズがかかっているようで、聞こえない。

 

ねぇ、君は何って言ってるの?

 

分からないよ、どうして君は私/僕にその剣を向けるのか。

 

ああ、これは罰なのか。

 

この『世界』を“殺した”ことか、君を悲しませてしまったことか。

 

ごめんなさい、ごめんなさい■■くん、ごめんなさい。

 

こんな僕をどうか許さないでください。

 

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

煩い音と、眩しい陽射しに眼を覚ました。

 

「………………………」

 

煩い音の原因の目覚まし時計を止めて…とういうか破壊に近いかも。普通に止めるつもりが原型をまったく留めていなかった。

 

「またやってしまった……力の制御の練習をしないと」

 

ホント、すっかり忘れていた。今の、この“渚カヲル”の体は普通じゃないってことを。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

闇野さんが作ってくれた料理を黙々と食べている。

うめっ、マジこれうめぇ、闇野さんマジリスペクトっす!!

 

そんなことを考えていると、一緒に食べていたロキが話しかけた。

 

「君に伝えないといけないことがあるんだ」

 

んん?何ですか、食事中に。

一端食べるのをやめてロキに視線を向ける。

 

「君の、渚カヲルという肉体は普通じゃない。簡単に言えば“人”の体をしていないんだ」

 

は?え、どいうことですか

 

「人じゃない?じゃあ僕の体は………」

 

「ああ、ごめん言い方が悪かったかな。君は普通の人の肉体ではなく『使徒』なんだよ」

 

え、マジですか。

 

「こっちの『世界』の死徒とかじゃなくて?」

 

「いいや、君の知っているエヴァンゲリオンの使徒だよ」

 

それじゃあ今の私って完璧に化け物…………でも待てよ、使徒ならあのかの有名な心の壁、A・Tフィールドできるんじゃないのか!あれって絶対的防御みたいなものだから便利じゃね?もしも聖杯戦争に巻き込まれたとしても何か手段が無いよりもあったほうが確実に生き残る可能性があがるし。

 

「あれ、あんまり驚かないね?」

 

「これでも多少なりとも驚いてるつもりなんだけどね」

 

「ふーん………」

 

何故かつまらなそうな顔をし始める。

 

なんだチミは、そんなに私が驚く顔がみたいのか。そうかそうか、君はそういうやつだったのか。よーし、歯食いしばれってんだ!!

 

「ロキ…か「ロキここにいたのかい!ずいぶんと探してたんだよ」しろ…」

 

覚悟しろ、そうい言おうとしたら誰かの声に遮られた。ちくっしょう、一体誰なんだよ!苛立ちながら声がした方を向くと…

 

「………ドッペルゲンガー」

 

ロキと顔がそっくり、瓜二つの人物がいた。

 

「僕はそのドッペルゲンガーじゃないよ、顔は似ているけど」

 

どうやら私の呟きが聞こえていたらしい。

 

「とういか君、ドッペルゲンガーとういうものを分かっているの?いいかい、そもそもドッペルゲンガーというものはね………」

 

なにやら熱く語りだした。すっげぇ語るんだけど、私が引くくらいに。でもとりあえず語ってくれてるし真剣に聞いたフリをしとけばいいよね。いやぁ、会社でみにつけたスキルが役に立つとは…上司の人がすごいネチネチ女子みたいに言うから聞き流していたんだよね、真剣な顔すればちゃんと聞いてくれてるっていうのが相手に伝わるしね。

 

ほら、この人も何か上機嫌になったっぽいし、満足気な表情してる。しっかしこの人“初対面”なのによくこんな行為ができるなぁ…

 

「で、君は何しに来たの?」

 

ロキはやや不機嫌そうにして、この謎な人物に問う。

 

「あ、忘れてた…カヲルが来てるのにどうして僕らを呼んでくれなったの!」

 

「後で呼ぼうと思ってたんだよ…」

 

ん?何で今の私の名前を知っているんだ、この人。

 

「ロキ、この人誰」

 

「ああ、まだ紹介していなかったね。彼の名前は一宮勘太郎、一応神様なんだけどね」

 

「え、神様…(今回で二回目だ、神様に会うの。これはラッキーなことなのか?)」

 

「神、なんてそんな大層なものじゃないよ僕は。どちらかというと妖に近い存在だよ」

 

はぁ、そうですか…いや、もう神とか妖怪とかどうでもいい。人外ってのが分かればそれでいいや。ま、相手が名乗り出たことだし(ロキが紹介してたけど)礼儀として言うか。

 

「“はじめまして”渚カヲルといいます、以後お見知りおきを」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日、やっと彼が帰ってくる。

 

この日をどれだけ待ちわびたことか、もう自分の(神社)の中でソワソワしたり、グルグル歩いたり、仕舞には(神社)の周りを全力疾走しながらカヲルの名を叫んで待っていたくらいにだ。後にヨーコちゃんと春華に煩いと言われ、ぶん殴られたけど。

 

けどそれくらいに彼が愛おしいんだ。かつて僕に愛という感情を教えてくれた彼。

 

ああ、もうホントに君を神隠しをしたいほどに君が狂おしい程愛おしい。けどそれは無理だろう、あの“神様達”が許さないだろうから。

 

だからあの神様達は僕をこの空間(神社の周辺)から出られないように縛っている、自分でもそれは賛成だけどね、もし僕が彼の傍にずっと、ずーっといたら何しでかすか分からない。自分でも自覚しているこの異常な思考、いや自覚していたら異常とは呼べないか…それではこの思考は狂っていると表現したほうがいいだろう。

 

人の頃の自分が今の、神の僕を見たら気持ち悪いと思う程僕は彼、カヲルに変えられたんだ。ああ、早く君に会えるのが待ち遠しいよ!!

 

「カヲル、待っててね……フフフッ」

 

 

 

そんな勘太郎(主人)を見ていた春華とヨーコは…

 

「なんか勘ちゃん、変態になっちゃったね…」

 

「あのクソガキ(源 頼光)より執着心が半端ないだろ。現世でいうヤンデレっていうやつじゃないか?」

 

「ん~、ヤンデレというより依存しているんじゃないかしら」

 

「どっちとも変わんなくねぇか…?」

 

とりあえず、勘太郎(主人)が変態ということが分かった。

 

 

 

 

 

 

 




勘太郎は生前、愛というものを理解していなかったので、理解したら依存しちゃうんじゃないかなぁと思い変態チックにしてみました。

そしたら見事にキャラ崩壊でしたwww




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第7話 挨拶

リアルが忙しいのでなかなか投稿ができませんでした。
長らくおまたせしました!




(リリン)という生き物は愚かだ。

 

(リリン)という生き物は複雑だ。

 

(リリン)という生き物は単純だ。

 

(リリン)という生き物は愛おしい存在だ。

 

(リリン)という生き物は憎い存在だ。

 

神は、何故彼らを創りあげたのだろう……(リリン)さえいなければ“彼”は死なず、死後を『世界』に売り渡すことも無かった。

 

だが(リリン)がいたからこそ“彼”はどこまでも優しかった。例え理想に裏切られても、守ろうとした人々に裏切られても………

 

僕はそんな(リリン)達が許せなかった、何故“彼”を裏切った。何故“彼”を殺した。確かに“彼”がした行為は人を守るのではなく、理想を守るものだったかもしれない。だがそれがなんだ、“彼”はずっと正義の味方として生きてきた。例えその行為が矛盾してでも人を守ろうとしたのは紛れも無い事実。

 

憎くてたまらない(リリン)、“彼”を殺したこの『世界』なんていらない。“彼”を理解してくれる人がいないのなら、こんな『世界』■■て■もいいよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

この体もそこそこ使いこなすことができるようになった。

転生してから現在にいたるまで、数ヶ月。この体を使いこなす訓練と、魔術の訓練をしている。

 

私の今の体は使徒だから、人ではない。自分では普通に力を使っているつもりが、すぐに壊してしまうのだ。最初はびっくりして何も触れなかったが今はある程度コントロールすることが出来る。

 

そして、魔術の訓練は完璧にロキの趣味というかなんというか……まぁ強制的にやらされているのだ。

 

正直やりたくない。いきなり実戦とかやらされてマジ痛いし、疲れるし、苦痛でしかないし、死ぬかと思った。ロキは何かと鬼畜で気分はブラック企業に勤めてるみたいだ。勘太郎さんには陰陽術を習ってる。こっちは魔術よりは易しいし、そんなに痛いことはないから正直に言うと陰陽術だけやりたいわぁ。こう、結○師みたいなことも出来るからかっこいいよね。

 

とまぁそんなことを考えながら今の現状から現実逃避している。

 

「…………(ああ、いっそのこと腕骨折しろ!何なのこの体のスペック、無駄に高くないか?)」

 

不満を心の中でブツクサ言いながらも机にある課題を片付けるために手を休めない、てか休められない。休んだら終わりそうにない。

今、私はロキと勘太郎から出された宿題をやってるのだ。魔術の方は魔術の基本と応用を問題集にして出されたのだ。まるで学校の宿題、数学ドリルとかそういう感じ。陰陽術のほうは御札や御守りを作らないといけないしやることいっぱいだ。

 

なんだか転生してから忙しい日々ばかりでまともに休めたというか、羽根を伸ばせる日はそんなにないような気がする。1週間に2日くらいは休みにしてもらおうかな?いや、鬼畜なロキのことだからフルぼっこにされそうな予感がする。でも、こんなに忙しすぎると肉体は大丈夫だろうけど精神はもたなくなりそう。ああ、一体どうしたらいいなだろうか。

 

「……はぁ、鳥になれたら」

 

そうすればコ○ケにいけたりゲームやれんのに。

 

「君を鳥になんかさせないよ」

 

え?

 

振り返るとそこにはロキが立っていた。いつからいた、この合法ショタが。

 

「出かける準備して、冬木の管理者(セカンド・オーナー)のところに行くから」

 

「……?分かった」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は僕の教えた魔術や勘太郎の陰陽術(呪術に近いものだが)をスポンジのように吸い込む。それでついつい調子に乗ってまだやらせるつもりはなかった実戦をやらせてしまった。あるときは悪霊や妖怪の巣窟に送り込んだり、勘太郎と契約している妖怪の春華と模擬戦やらしたりしたけど彼は常に無傷だった。

 

それは普通では異常なのだろうが彼は異常の塊だ、今も昔も……

 

今日は冬木の管理者(セカンド・オーナー)に挨拶しなくてはならない。渚カヲルという魔術師を。

現在僕が出している課題をしているであろうカヲルに出かけることを伝えるため部屋に行くと、彼は空を見ていた。そしてそのどこまでも果てしない蒼き空を見てこう言った。

 

「……鳥になれたら」

 

その言葉にぞっとした。彼はこの場所から逃げ出したいのだろうか。まさか“あの子”の所に……

 

否、まだ行かせるには早い。何よりも彼をこんな風にした元凶、あの愚かな壊れてしまった人間(リリン)のところに行かせてたまるか。彼は“何度も”あの人間(リリン)為に命を落としてまでも助けたのにあの人間(リリン)は…………

 

やめよう。こんな嫉妬じみたことを思ってたって何も変わらない。彼が救われるわけでもなく、逆に困らせてしまうだろう。それに、こんなことを考えていたら日本で言う荒御魂になりかねない。

 

その時はカヲルに殺されるのもいいのかもしれないが。

 

僕も勘太郎に影響したのか、それとも元々なのかだいぶ性格が歪んでるというか、傍からみたら狂っているのだろう。僕自身も自覚しているが、彼にこの歪んだ気持ちを持つ事がやめられない。

 

彼がここから逃げたいというのならば逃げられないように鎖を繋げばいい。

 

 

「君を鳥になんかさせないよ」

 

鳥にしてしまったら君はこの場所には戻ってこないだろ?

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

うおー、すっげ!生の遠坂家だ!まだ優雅さん生きてるのかな?ロリ凛もいたりして!

 

会うのが楽しみだな~!

 

「…………(早く生の凛ちゃんに会いたい、会いたい会いたいあいたい)」

 

ちょっと、というかかなり危ない方向の考えていたが誰も気づかない。

 

「僕は先に挨拶しに行ってるから君はここにいてね」

 

「分かった、いってらっしゃい」

 

ロキは屋敷の中に入っていった。多分優雅さんか、凛ちゃんのところにいっていいるのだろう。でも待てよ、ロキはさっきここで待てと言ってたけどこんな広い庭(しかも荒れてる)で一人で待てってことか……い、いやだぁあああ、ボッチは嫌だぞ!心細い思いはしたくない。いつまで待てばいいんだ?

 

―1時間経過―

 

ふふふ、あまりにも遅いから勝手ながらにもこの荒れた庭を綺麗にさせてもらった。

 

「ふぅ、こんなもんか…」

 

われながら結構綺麗になったと思う。さっきまであんなにも荒れていた庭をここは不思議な国のアリスですか?ってくらいにしてしもうた。

 

いやぁ、前世でやってたガーデニングがここで役に立つとは。満足、まんぞく!

 

「きれい……」

 

満足に浸っていたらそう呟いた誰かに気づけなった。背後にいるであろう人物にパッと、振り返ると女の子がっ立っていた。

 

「君は……遠坂、凛?(まさかのロリ凛ですかぁああああ!いやぁあ、恥ずかしい!!さっき私ドヤ顔してたし……まてまて、ここで恥ずかしがったら変な人に思われる。ここはあえて堂々としていたほうがかっちょいいのではないのか?)」

 

「あなた、誰?」

 

「僕は渚カヲル、どう、満足してもらえた?(こ、ここうすれば変な人に思われないよね、すでに手遅れだとしても)」

 

そう言うと、彼女はワナワナと震えだした。

 

「あんた、家の庭になんてことしてくれるのよぉおおおおおおっ!」

 

「ぐはっ!」

 

いきなりの攻撃、しかも八極拳でめちゃくちゃ痛い。あれ、これ内臓やられてない?ねぇ、これって大丈夫だよね。誰か大丈夫と言ってくれ!

 

そう考えながら、意識は遠のいていった。

 

 

 

 

 




すんません、また投稿がしばらく出来なくなるかもしれませんが、どうぞこの『渚カヲルに転生?憑依?』をよろしくお願いします!






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第8話 優雅たれ

血界戦線おもろい、ぱっつぁんとマヨラー、ケリィもいたし何かといろいろ好きな声優さんがいっぱいいた。

そういえば神々の義眼ってデメリットが直死の魔眼保有者と似たような感じなんでね。それはそれでネタとして使えそう…

けど眼が割れるとかめちゃくちゃ痛いよね。血流してるとき思わず自分の目を押さえてたwww




私には摩擦した記憶の中で覚えていることがる。

 

一つは気高き理想を持つ王を召喚した、私の原点となるあの運命の夜だ。

 

そしてもう一つはこんな大馬鹿者の俺を最後までついてきてくれた愛おしいあの人。

 

同時に俺が“壊してしまった”人物。

 

 

「何故君がこんなことをするっ!」

 

守護者は『世界』と契約した以上、『世界』に脅威となるものを排除しなければならない。

 

「答えてくれ!」

 

例えそれが俺の大切な人であっても。

 

 

何もかも赤く染まってしまった『世界』に彼と私しかいない。

 

今の『世界』…いや、この星はすでに死に掛けている。生き物もなにもかもが滅んでしまった。

 

その元凶が目の前にいるなど、信じたくなかった。

 

この剣を愛おしい彼に向ける状況を怨む。何故『世界』は私を呼んだのだ。こんなことはしたくない!彼を、カヲルを殺すなど俺にはっ……

 

「君のためを思ってやったのに逆に君を傷つけることになってしまって。僕も結局は(リリン)と同じ、愚か者だね」

 

違う、カヲルはそんな人ではない!

 

そう言ってやりたいのに言えなかった。

 

何故なら、彼は泣きそうな顔をしていたのだから。

 

「ああ、“士郎くん”。どうかこんな僕を許さないでくれ。こんな“結末”にしてしまった僕を怨んでくれ、憎んでくれ」

 

―僕を殺して―

 

やめてくれ、私には、俺にはそんなことは出来ない。出来るはずないんだ。

 

なのにこの体は彼を殺そうと勝手に動く。

 

死に掛けている『世界』、この星の抑止力は一刻もこんな状況にしてしまった彼を殺そうとする。

 

やめろ、やめろやめろやめろやめろっ!!これ以上俺から奪わないでくれ、彼を失いたくない!

 

「士郎くん………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は冬木の管理者(セカンド・オーナー)たる私にある魔術師が挨拶しにくる日だ。

といっても私はまだ冬木の管理者(セカンド・オーナー)になってからはまもなく、年齢的にも考えてまだ勤まらないが。

 

今は私の兄弟子でもあるあのエセ神父の綺礼が代理をしてくれているのだが。

 

「凛、私は魔術師と話をするから庭で稽古、ついでに庭を綺麗にしてくれ」

 

「はぁ?なんでよ、あんな広大な庭一人で綺麗にしろってこと?はっ!お断りよ。そんなの綺礼がすればいいじゃない」

 

「紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を10杯食わせるが…」

 

「はいやります!ぜひやらせていただきます!!」

 

あんなもの喰うより庭を綺麗にしたほうがマシよ!とういうかあんなものを10杯食わせるとかどんだけ外道よこのエセ神父めが!

 

「では頼むぞ、凛」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

庭に来たはいいものの、ここは別世界かってくらいに変わっていた。

 

「な、なによこれ。今朝まで普通だったのに!」

 

ファンシーなものになっていたのだ。それに何故か魔力(マナ)が以前より豊富になっている。

 

「落ち着くのよ凛。遠坂家たるもの常に優雅たれよ…」

 

とりあえず、こんな庭にしてくれた犯人にお礼兼ねてOHANASIしなくちゃ。

 

―1時間経過―

 

なんで見つからないのよ~!こんだけ探してもいないとか普通はありえないわ。なんてったってここは御三家でもある遠坂家の敷地よ?魔術を使おうならばすぐに分かるのにまったく見つからない。こんな庭にしてくれた犯人は隠蔽に長けた人物なのかしら。

 

諦めるわけにはいかないわ、私のプライドも許さないし絶対見つけてやるんだから!

 

そう思った私は行きようようとしていたら、目の前に知らない人が鼻歌を歌いながら庭をいじくってたのだ。

 

「(っていたぁああ!あんだけ探してもいなかったのにこんなにも簡単に見つかるなんて…)」

 

相手はこっちに気が付いてないようだ。これはチャンスよ、このまま背後から奇襲をかけて……

 

とその時だった。相手は庭をいじくるのをやめて突然空を見上げたのだ。

 

先ほどまで顔は見えなかったが、その横顔はこの庭ととても絵になるほどの美しさだった。

 

綺麗な銀色の髪は、太陽の光によって煌き天使の輪があるみたいだ。特徴的なその宝石のルビーのような美しい瞳。肌は私より白く、離れて見ても透明感がある。翼があればまさしくその姿は御伽噺で出てくる天使に見えただろう。

 

私は思わず声に出してしまった。

 

「きれい……」

 

その声を聞こえたのだろう、その人物はこちらを見た。

 

「君は…遠坂、凛?」

 

「あなた、誰?」

 

どうして私の名前を知っているのだろう。もしかしてこの人は今日挨拶にしに来た魔術師なのだろうか。

 

「僕は渚カヲル、どう、気に入ってもらえた?」

 

そこでふと思った。そういえばこんな庭にした元凶はこの人だよな…と。そう思うと怒りが徐々に私を支配する。

 

「あんた家の庭になにしてくれるのよぉおおおお!」

 

ここで思わず今の私の全力の八極拳をおみまいしてしまったのだ。

 

遠坂家の呪い、うっかりが発動してしまった瞬間であった。

 

「ぐはっ!」

 

相手はそのまま倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

あの後、事の重大さに気づいた私は急いで綺礼のもとへと向かい、彼を治癒してもらった。

 

「ふむ、ただ気絶しているだけだな。とくに外傷はないようだが」

 

「そう……」

 

安堵したと同時に驚いていた。私の、今の全力の八極拳を受けたのに無傷でただ気絶をするなんて、この渚カヲルは一体何者だろう。

 

ってそんなことを考えている暇があるのならば早くこの空間から抜け出したい。

 

彼の保護者?とういうよりも友人みたいな人からとてつもない殺気を感じるのだ。

 

「へぇ、遠坂家は見境もなく襲うのが仕来りなの?」

 

うっ、反論ができない。

 

「ほう、では勝手に庭をいじくっていた者を放っておけと?」

 

「だからと言って攻撃するのはどうかと思うけど」

 

「それはこんな行為をした者への当たり前の対処だと思うが」

 

「話し合いという考えをもたないのかい?」

 

お互い一歩も譲らず、火花を散らす。ここの空気はかなりいやーな空気だ。

 

元はといえば私とこの渚カヲルという人物が悪いのだが本人達そっちのけで、討論を始めている。

 

「んっ、ここは…」

 

「気が付いたみたいね」

 

彼はこちらをジト眼で見ながらも、先ほど寝ていたソファーから起き上がった。

 

彼が何を言いたいのかはわかっている。こちらにも悪い事をしてしまった。ここは素直に謝ろう。

 

「ごめん、なさい…急に攻撃しちゃって……」

 

「いいよ、謝らなくて。こっちにも非があるし、当然の対処だと思う」

 

そう言って、彼は少し苦笑いしながらもこちらの頭を撫でてきた。どこか大人びた行為で、突然のことでもあったので私は顔が火照ってくのが分かった。

 

「ちょ、ちょちょちょっと。頭をな、ななな撫でないでよ!」

 

「ははっ、ごめんね」

 

そう言いながらも撫でる行為をやめない。

 

このぉ、調子に乗って!絶対に私を舐めてるわね、こうなったら見返してやる!

 

 

こうして、遠坂凛と渚カヲルの出会いであった。

 

 

 




遠坂家は絶対うっかりという呪縛から逃げられない。

凛はここぞという時にうっかり発動しちゃうからなぁ~、それさいなければなぁ~と思ってたり思ってなかったり。




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第9話 赤き人形

映画はよ!映画はよ!桜の黒化みたいでござる(・ω・)/


渚カヲルという人物のことについて話そう。

 

彼は魔術師の才能は化け物級であろう。彼は鬼才であった。

 

その才能は封印指定を越えかけていた。つまり魔法使いに近い存在だったのだ。

 

しかし彼は魔法使いになれなかった、否、なろうとしなかったのである。

 

何故ならば彼は根源、『』から通ってしまったらまっさきに抑止力が彼を抹消しにくるであろう。

 

それはありえるようでありえない話だ。大抵お堅い頭を持つ魔術師が目指す根源は、その過程に抑止力が働くのだが、根源に通ってしまえば問題ない。

 

現に魔法使いという存在がいるのだから。

 

あれらは最初から定められていた運命というやつだったかもしれんがな。

 

彼の場合は根源に通る前から抑止力が彼を抹消しようとアラヤから守護者を大勢よこしてくる。

 

根源などに通ってしまえばガイアも来るほどらしい。

 

それほどにこの『世界()』は彼を抹消するに値する人物、あるいわこの先未来に私達人類や文明、この『世界()』などのありとあらゆるものの敵になる“可能性”があるというわけだが。

 

こんな話を聞けば渚カヲルは悪人なのかと聞けばそうではないと、彼を知る人物達はそう言うであろう。

 

彼はどこにでもいるような平凡な性格だ。

 

いわゆる凡人、普通という訳だ。魔術に関係すること以外はな。

 

彼はこの『世界()』を滅ぼそうなど思っていないし例え滅ぼす術を持っていたとしてもまず実行しないだろう。

 

だが『世界()』はガイアとアラヤ総勢で消そうとする。

 

それほどまでに彼を消そうとするなど、まるで彼はこの『世界()』に生まれるべきではなかったと言ってるようではないか。

 

そんな彼を守ろうとするする者はごく僅かだがいる。彼と関わりをもつ魔術師達、人ならざる者達、彼も聖杯に選ばれた者として参加した第5次聖杯戦争に召喚された英霊達、人類最古の王までもだ。そしてラグナロクで滅んだはずの“神々”は彼の味方だった。

 

彼らは渚カヲルを抑止力から守ろうとあることをした。

 

それは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ちゃんに食らった八極拳めちゃくちゃ痛かった。あれが麻婆神父だったら即死、よくて骨が大量に折れるくらい。どのみち死んでいるがな、普通であったら。

 

しかし初回であんな衝撃的な出会いなどしてしまったら目をつけられるのではないだろうか…

 

※安心してください、既に一番厄介な者から目をつけられています。

 

ただでさえ容姿で目立つのにどうしてこうなるんだろう。あんまり目立ちたくないなぁ…

 

※安心してください、既に一番厄介な者から目をつけられています。

 

はぁこれからこの先平凡にくらせていけるのだろうか…

 

※安心してください、既に一番厄介な者から目をつけられています。

 

さっきからこの某裸に見える人のネタがチラチラ見えるが気にしない方向でいこう。気にしてたら余計に疲れる予感がする。

 

とりあえずこの話は置いといて、今日は冬木市から二駅離れたところに来たのだ。なんというか、ロキが急にとても厚い封筒渡して来て“蒼崎橙子”に渡して来て欲しいと言ってきたのだ。

 

最初は耳を疑ったね、なんてったってあの蒼崎橙子だよ?封印指定までいった人形師だよ?型月作品では語り部として重要なキャラだよ?あの破壊することに特化した魔法使いの妹さんを持つ人だよ?私の一番好みのキャラだよ?そんな大物に会って来いなんてロキ、グッジョブ!

 

というわけで伽藍の堂を探しているのだが、確かオンボロビルになんたらこうたらみたいな、異常を感じさせない結界を張っているから中々見つからない。こういう時は物探しに便利な術があるのだが相手は上級の魔術師が張ったものだし、まだ未熟者な私に見つけれるかどうか……

 

うーん、どうするべきか……

 

「君、そこで何しているの?」

 

「え?」

 

悩んでいるところに突然話しかけられたので、びっくりこいた。

 

「ああ、驚かせちゃったね。ごめんね?君はここらへんでは見かけない子だから」

 

その人はそう言って私の目線に合わせるようにしゃがんだ。よく見たらその人は蒼い眼をしていて、眼鏡をかけていて、顔は中の上、上の下と少し顔がイケメンで、声が鈴○さんで……ってこの人黒桐幹也じゃないのか?そうだよね!?

 

私ってもしかして原作キャラと会うのって多くないか?この間は凛ちゃんに麻婆神父に、今いるお人良し黒桐さんに、これから会える出あろう蒼崎橙子に…原作ファンにとっては嬉しいけど死亡フラグ立ってると思う。だって大抵はこのキャラ達は何かと問題を運んでくる人ばかりだし、正直かかわりたくない。そもそも………etc

 

そんなことを延々と考えていたせいか、目の前にいる黒桐幹也に心配するような眼で見ていたことに気が付かなかった。

 

「もしかして君、迷子、だったりするのかな?」

 

「(やべ、考えすぎていたから忘れてた。ここで迷子設定にするといろいろ面倒だからここは大人の対応で)いえ、伽藍の堂という事務所を探しているのですが、知りませんか?」

 

「ああ、それならこの先を曲がればすぐそこにあるよ」

 

え、メッチャ近い。私の勘すげぇ、セイバーとはいかないけどすごくないか!?適当に歩いてただけなのに。

 

「ありがとうございます」

 

「僕、あそこで働いてるからついでに案内してあげるよ」

 

「いいんですか?(ホントこの人良い人だな)ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

僕と一緒に伽藍の堂まで来ている少年はどうやら橙子さんに用があるようだ。

 

だいたい橙子さんに用があるのって魔術関係だと思って聞いてみたのだがこの少年自身魔術師だそうだ(本人は未熟者の魔術師だと言っていたが)

 

まだこんなにも幼いのに魔術師になれるのかと少し驚いてしまった。

 

今日はその少年のお師匠さんからのお使いで来たらしいのだが、正直彼を一人にしていたら危なかっただろう。

 

なんせこの街はいろいろと物騒な事件が起きている。なによりも彼の容姿も関係している。

 

それはあまりにも美しいということだ。どこか達観したような顔でまるで初めてあったときの式にそっくりだったのだ。だからなのかもしれないが声をかけてしまった。

 

「着いたよ、多分橙子さんはいるとおもうから」

 

「はい…」

 

見た目はとてもオンボロビルなのだが中は普通だ。といっても事務所に使っている階より上は酷い有様だが。何故橙子さんはこの建物を買い取ったのだろうか。

 

「橙子さん、いますかぁ?」

 

「なんだ黒桐、一体どうし、た、ん…だ……」

 

あ、今日の橙子さんは眼鏡かけてないほうだ。少年にとっては残念だったであろう。何せこの人眼鏡を取るとすごく毒舌というか、いろいろと客観的に見ているからどこか冷たくみえるし……ってちがう、ちがう。

 

橙子さんは何故かこちらを凝視して吸っていただろう煙草を口から落としていた。

 

「黒桐、お前どこから拾ってきた」

 

「拾う?何の事ですか」

 

「そこにいる美少年のことだ!」

 

橙子さん、貴方って人は…

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

きゃぁあああああ!生の橙子さんだ!!滅茶苦茶美人なんだけど!

 

「蒼崎橙子さんですね、師匠からの贈り物です(ついでにサインください)」

 

「ああ、確かに受け取った。しかしそんな他人行儀ではなく橙子さんとでも呼んでくれてもかまわんのだぞ?」

 

「いえ、それは…(そんな、橙子さんと呼ぶのは心の中だけだ!口に出して言うなんてそんな恐れ多い)」

 

「橙子さん、あんまりいじめてあげないでください」

 

「ふむ、しかしだな……」

 

思ったのだが、橙子さんはこんなにも積極的な人だっけ?初対面でこんなにもグイグイよってく人ではなかったと思うけど。あ、(察した)そういうことか。けどこんなにも迫られると逆に困るし、私が男性だったらこんなシュチュエーションはよかったのかもしれないね(今は肉体的に男性だがな)

 

「しかし、まさかあれに弟子がいたとは…」

 

「?(どういうことだ?)」

 

「おや、どうやら聞いていないようだな。君の師匠は私のお得意様でもあるんだが、普段は使い魔でよこしてくるからこうやってじきじき弟子を使わせて来ることは滅多にないんだ。まぁ大方弟子の自慢か、あるいわ……」

 

う?何だこっちをじっと見て。その瞳を見ると、まるで獲物を狙うかのようにな眼で背筋がぞぞぞっとした。え、何この人。私のこと食おうとしてるの?やめてください、私恥ずかしくて死んでしまいます。私は恥ずかしくなると相手の目をじっと見る癖があるのだ。だから傍から見たら見詰め合っているようだろう。

 

「ふふっ、そういうことか…君は合格だ」

 

はへ?何が?何か私試されてたのか……?

 

「さてと、君の師匠からの依頼には1週間かかるから1週間たったらまた来てくれ」

 

「はい、では1週間後にまた」

 

ロキは一体何を依頼したんだ?人形が欲しいから?いやで、そもそもあの合法ショタが欲しがるのか。あいつが持ってたら絵になるけど性格をしってしまったら反吐がでる程似合わないように感じるのは私だけだろうか。

 

そんなことを考えていながら扉を開けて、出ようとしたときに着物を着た女性とすれ違うのに気づかないまま階段を下りていった。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「あ、式。今日は遅かったね」

 

「……コクトー、さっきの子供は何だ」

 

「ああ、さっきの子は橙子さんに用があって来たんだ、すごく礼儀正しい子だったよ」

 

「ふーん、そうか……」

 

ということは魔術の関係者か。

 

「何だ式、あの少年のことが気になるのか?」

 

「いや、別にどうだっていい」

 

ただ少々気がかりな点がある。一瞬だがあいつに死の線が“見えなかったのだ”。それは見間違いだったのかもしれないか、はたまた俺の気のせいか…別にどうでもいい。どうせ会うことなんてないだろうし…

 

しかし彼女は知らなかった。1週間後にまた会うことを。

 

 

 




橙子さんは確か美少年好きだったはず…

渚カヲルは橙子さんにとってドストライクだ!多分!


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第10話 退魔師の仕事

今回は初の戦闘描写に挑戦してみました!
われながら酷すぎるできばえで泣けてくるぜ……

どうやったら上手く書けるか、誰か教えてくれえぇええええ!!




それは、橙子さんの用事をすませた翌日の事。

 

今日もいつも通りロキの鬼畜な訓練をし終えて、勘太郎さんの神社()で休憩していた頃だった。

 

「カヲルもそろそろお務めにつかせてもいいころかな…」

 

勘太郎が茶を飲みながらそう呟いた。

 

「お務め?(なんぞやそれは、あれか、神様にお祈りする的なやつ?それとももしかしてあの某眼鏡かけた人なのかよく分からん美少女がグロテスク系な化け物を殺す的なあれ?)」

 

「ああ、そういえばまだ言ってなかったね。僕は一応この冬木市の土地の氏神なんだ」

 

え、この人そんなにすごいお役職だったの?普段からは……

 

―ヨーコちゃん、肩揉んでぇ―

 

―春華、せんべえ買ってきて。あとついでにお茶も―

 

―ねぇ、ご飯まだぁ~?―

 

とてもじゃないが想像できない。

 

「何か失礼なこと考えてない?」

 

「い、いえ!別に、何でも…ないです(あっぶね、ここの神様達は妙に勘がするどいからな)」

 

「まぁ、別にいいけど。さて、本題にもどろうか。ここ最近妖やら悪霊がうようよし始めてね、いつもは春華が退治してくれるけど今はちょっと遠くまで出かけてるからしばらく戻ってこれないんだよね」

 

ちなみに春華が戻ってこれない理由はこの勘太郎(クソ主人)からの命令で東京バ○ナを30箱や、他の神達に頼まれたお土産もついでに買って来いという最強の妖怪の無駄遣いな命令で戻って来れない。

 

「そこで君に頼みたいことがある」

 

何かイヤーな予感。

 

「君にはあと実戦経験が必要だから、訓練と思って退治してきて欲しい」

 

うわぁ~、まじか。正直に言うと絶対やりたくない。まず何故私なんだよ!あんた妖怪みんな友達、みたいな妖怪ウォ○チのケー○君みたいな思考持ってるのに退治するのかよ。しかしここで逆らうともっと酷くなりそう。何故なら彼の顔はニコニコ笑顔だが有無言わせない顔でもあった。眼が笑ってない、顔は笑っているのに。何故そんな器用なことができるのか教えて欲しい。

 

はぁ、春華さんやヨーコさんの気持ちが分かった気がする。今度胃薬もって行ってあげよう。

 

「大丈夫、今の君には祓う力を持ってるし、それに君にはその“神槍”があるだろ?」

 

まぁ確かにそうだけど、痛いことは嫌なの!

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで夜の公園に来ました。

 

うん、これはいるな。それも大勢に……ははは、勘太郎さんは私に死ねと言うのかい?

 

一見、ただの公園に見えるだろうがこの公園に入った瞬間、別の世界みたいになるのだ。それは妖怪や怨念、悪霊がたくさんいることだ。

 

この空間に入ってしまえば一般人は出られなくなるだろうし、陰陽師など祓うこと専門の人も気を抜いたらあちら側…彼岸につれられてしまうだろう。

 

これをたった一人で祓うってのか。生きてるのかなぁ、私は。

 

でも頼まれたことだし出来る限り死なない程度にがんばろう!せっかくはりきってこの“ロンギヌスの槍”を持ってきたしね。

 

「………(どうか痛いことがありませんように)」

 

本当はこんな願掛け聞いてくれる神様なんていないだろうけど、一応しておいとく。もしかしたら、もしかしたらだけどあの神々(バカ)達が叶えてくれるかもしれない。可能性としたら1割もないだろうけど。

 

ほんじゃ早速いきますか!

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

彼が心配で、一応式神を放って彼を見てるのだが。それはどうやら杞憂だったようだ。

 

彼は紅い槍を使って次から来る妖達を薙ぎ払い、隙が出来ている相手にはその身体突き刺す。

 

その動作には無駄がなく、洗練とした動き。とてもじゃないがついこの間まで“始めたばかり”だとは思えない。

 

ロキが教えたルーン魔術であろう炎で敵との距離をとり、隙をうかがいながら背後から襲ってくるものに対しては呪術でその存在を縛る。

 

それでも戦う際にはどうしても自身にも隙ができるもの。

 

彼の場合は彼の最強の盾。ある一種の結界から作り出された山吹色の美しき結晶、宝具に届きえるほどのものを展開しながら戦う。

 

 

―一方、当の本人は―

 

「……(ごめんなさい、マジ調子のってすみませんでしたぁぁあああああ!)」

 

私にはロンちゃん(ロンギヌスの槍)とかATフィールドがあったり、魔術や呪術が使えるからちょっと余裕をぶっこいていた。まさかこんな状況になるとは…

 

次から次へと私に襲い掛かってくる魑魅魍魎の者達。

 

私はそれに対してただ刺して刺して、時々薙ぎ払ったり、突いたりしてと単純な動きをしているに違いない。

 

勘太郎さんはよく私を送り込もうとしたよね。ついこの間槍を使うのを始めたばかりのド素人にこんなことを頼むなんて、バカなの?アホなの?今の状況でこんなことを考える私もバカだろうけど。っていうことは私、あの人と同類?いやいやいやあんなプー太郎の塊の人と同類じゃない、はず………この話はやめておこう。今は目の前にいる敵のことに集中しよう。

 

さっきから私に襲い掛かってくる奴達の攻撃にはどうしても防ぎきれないものがある。私はそういう攻撃はATフィールドで防いでる(心の壁さまさまだ)正直私の体が使徒でなければ今頃死んでいただろう。ホントマジで恐いこの状況何なの!君たちは私をそんなに殺したいの!?もう命がいくつあってもたありないよ…

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、何やら騒がしい音がすると来てみたらなかなか面白いものがやっているではないか」

 

外灯の上に“立っている”一人の男性が彼の戦いを見ていた。

 

本来、常識を持った人ならばまずそんなことはしないだろし例え登ったところで相当なバランス力がなければ立つこともままならないだろう。

 

こんな話おいておこう。この男性は渚カヲルが戦っているのをじっと見ている。そして妖しい笑みを浮かべる。

 

「あの者の“魂と肉体”もなかなか面白みのあるものだ、それに随分と神に愛されているようだな」

 

それは半神(デミゴット)であり、裁定者である彼にしか見えないもの。彼にとっては懐かしい気分にさせるものを漂わせている。

 

「あの雑種はどれくらいのつわものか、この我が直々に見定めてやろう。その前に邪魔な存在を消すか…」

 

彼が言うと、背後から黄金の波紋が複数現われそこから多種多様の剣達が顔を覗かせている。

 

そして剣達は一斉に魑魅魍魎の者達に向かっていく、渚カヲルを含めて。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

次から次へと妖怪や霊が私に襲い掛かる。どれだけ殺しても、殺してもキリがない。その理由はここは『この世全ての悪(アンリ・マユ)』によって汚染された場所であり、もはや呪いの塊に近い所だ。当然魑魅魍魎の者達にとって絶好の住処であろう。

 

ああ、もう早く家に帰りたい。生きてる心地がしない……誰かヘルプ、ヘルプミー!!

 

その時だった。どこからものすごいスピードで飛んできた剣達が一斉に魑魅魍魎の者達を貫通する。

 

「っ!」

 

飛んできた剣の中には明らかに私へと向かうものもあった。私はATフィールドを咄嗟に展開し、このままはじき返そうとした。

 

だがその剣はATフィールドを突き破らんとするかのように、必死に食らいつく。そのせいで受け止めている場所から火花が散り、ATフィールドの形が歪み始める。

 

やばいやばいやばい!なにこの武器、全然防げないよぉお!ATフィールドで今は防いでるけど、突き破ろうとしてもう受け止めてるところがみょ―んっていう感じに伸びてるよ!というかATフィールドってこんなにも柔軟性のあるものだったんだ……何この状況で考えてんだ!頭おかしくなったか!?

 

お、落ち着け私。あれだ、こう言う場合は跳ね返せばいいんだよ(震え声

 

こんだけ伸びるんだったらスパーッっといってビュんっ!みたいなことができるに違いない!

 

おっしゃぁ、いっちょやってみますか(白目

 

 




勘太郎が妖怪=友達にしなくなったのはまぎれもなく主人公の影響でそうなってます。

まぁ神様になったのも原因でもありますが。

まずそもそも漫画を読んでみるとそんなに妖怪=友達って訳じゃなさそう。祓うときはしっかり祓うからなぁ……でも基本的に無闇に祓ったりしなくてそのまま友達になろうとしてるからなぁ。

分からん。




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