転生者もトリニティになりました (篠崎)
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目が覚めると…何処だ?

初めまして 篠崎です

今まで見る専でしたが、書いてみることにしました。

設定の矛盾や口調の不一致など、
ミスが多く、
話も面白くないかもしれませんが、
温かく見守ってくれると幸いです。


目を開くとモノトーンカラーの部屋だった

 

 

 

目の前にはよくアニメで金持ちが

紅茶を飲んでいるような丸いテーブルに

椅子が2つ、それ以外は何も無い

だだっ広い空間が広がっていた…

 

「ここは何処だ?」

 

こんな言葉がでてしまうくらい見覚えのない場所。そこに元中二病現オタボッチな高校生 天草 暁斗は一人立っていた。

 

よくある転生ものだと大抵が真っ白空間で土下座がデフォのはずなのに…

 

 

「転生ものだったとしたら俺死んだな(笑)」

 

そんなアホな考えをしながら

もう一度辺り見回すと自分の視野が

妙に狭いことに気がついた。

 

距離感も安定せず、不思議に思い、自分の左目を手で隠しても、視野が狭くならない。

 

 

「何がどうなってんだ?」

 

 

そんな単純な疑問を口にしてしまうくらい動揺していた。

 

 

 

目を閉じてこの状況になる前までのことを思い出そうとすると、背後から声をかけられた。

 

 

 

「そんなところで考え込んで無いで、

椅子に座ってはいかがですか?」

 

 

唐突だったため、体がビクッとなってしまい、恥ずかしくなってくる。

 

 

後ろを振り返ると、真っ白なワンピースに身を包んだ160cmくらいの黒髪ロングの美少女と美女の間くらいの女性が立っていた。

 

 

「あなたは?」

 

 

そう聞き返すと、彼女は微笑みながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神です」

 

 

 

そう答えた

 

 

 

 

 

==============================

 

「さて、何からお話しすればよろしいですかね?」

 

そんな風に彼女は切り出した。

 

 

いまの俺は分からないことだらけなので、正直知っていること全部を教えてもらいたかった。転生ものの場合、この人が俺を殺したことになるので

 

土下座の一つでもしろよこら!

 

とか考えながら当たり障りのない質問をしてみる。

 

 

「それじゃあ……ここはどこですか?」

 

 

おどおどしながら質問した

 

 

元中二病患者でボッチでオタクだった俺は、他人に質問するだけでも声が小さくなり、相手の顔が見れなくなる。こんな美人な人と二人きりとか今までなかったから対処の仕方が分からなかった。たとえ自分の事を神とか言っちゃうようなイタイ奴でもこの癖、と言うか習性は起きてしまうのだ。

 

 

「ここはよくある転生もので言うところの真っ白な空間ですよ。」

 

すごくイイ笑顔を向けられて冷や汗が止まらない。

 

 

何もしていないはずなのにどうしてこんなに怖がらなければならないのかと焦っていると、彼女は続けて…

 

 

「土下座もした方がいいですか?」

 

 

 

土下座した。

だれがとか言うまでもなく俺がである。

 

 

言った覚えはまるっきりないのだが、こんなにズバズバ言い当てられたら反論の使用も無い。

 

 

「あっ、いえ、声に出ていたわけでは無いですよ。だだ顔に出ていただけで。」

 

 

ふむ、そんなに分かりやすい顔してたのか俺は。

 

 

「ちょっと鏡か何か貸してくれませんか?」

 

 

いま実際自分がどんな顔をしているのか見たくなったのでそんな事を言うと、彼女の手には綺麗な装飾の施された手鏡がいつの間にかあった

 

 

内心驚いていると

 

「この空間は私の自由にできますので」

 

そう言って手鏡を差し出してくる。

あれ? なんか笑ってる?

 

疑問に思いながらも、また顔に出ていたのかと反省しながら受け取り、鏡を覗いてみると、そこには顔立ちは上の下くらいだが、どこか暗そうな雰囲気の顔があった。

 

 

しかし、ある一点が欠けていた。

 

 

「なんだこれ」

 

 

左目があった場所には、何もなかった。ていうか、背景が映っていた。

 

 

なんか脳みたいなのが見える…

うわっ、ちょっと動いた…

 

「おえぇぇぇ…」

 

 

吐いてしまった… 自分の顔なのに。

 

嘔吐物は吐いたそばから消えていく。

 

「大丈夫ですか?」

 

そう言われて顔を上げると、心配そうな顔ではあるが、どこか侮蔑のような、それでいて楽しそうな感情が混ざっているのが見て取れた。

 

多分、「私の空間を汚すな屑が!」

とか、「計画通り(月っぽく)」

とか思っているのだろう。

優しそうな顔してとんだドSだった。

 

男の俺でも吐いたのに彼女はこんなものを見て平気だったのだろうか?

 

痛みが無いだけマシか…

もう見ないようにしよう。

見たらまた吐く。

 

思い出したら気分が…

 

 

 

考えても始まらないので、手鏡をテーブルの上におき、今のことはなかったかのように別の質問をしてみた。 ほぼ確信していたが…

 

 

「俺は…死んだんですね……」

 

 

そう聞くと、

 

 

 

 

「ええ!死にましたよ。それはもう派手に(笑) 目の前でパイプ積んだトラックが事故にあい、その一本が貴方の左目を貫き、そのまま乗っていた自転車ごとトラックと壁に挟まれぐっちゃぐちゃでした。それはもう見ている人の気分が悪くなること間違いなしでした。さらに面白いのがパイプの中から貴方の眼球が転がって出て来た時は腹筋が壊れるかと思いました。しかもその事故による犠牲者は貴方一人!貴方の前に現れるまでずっと笑ってましたよ。 それにですね、見所はまだまだあって……」

 

「いえ、もう大丈夫です!」

 

言いたいことは山ほどあるがまずは、

 

「思ってたキャラと全然違った‼︎」

 

叫んだ。

最初はおしとやか系かと思っていたがなんなんだよ!怖えよ!笑いのツボがわかんねえよ!それにまだまだ見所があるとかどんだけだよ!てか、お前が殺したのなら土下座の一つでもしろってんだよこんちくしょう!言ってる時満面の笑みだし!

 

 

「いえ、私が殺したわけではありませんよ。貴方は老害のミスで死んでしまい若手の私のところに送られてきただけですから。それにしてもあの老害共は私にこんな面倒を押し付けるとかどんだけなんですか。ホントさっさと死ねばいいのにですね。まぁもうそろそろ処分されるからいいんですけど……ざまぁみやがれってんだ爺婆どもがwwww」

 

 

ヤベェよ もう愚痴だよ大丈夫かこの神。キャラがわかんねえよ…

まぁ死因はともかく、

 

 

「で、そいつ等は何をしたんだ?」

 

 

その爺婆が何したのか気になる。すっごい気になる。

 

 

「えっとですね、

貴方の人生全てを消してしまいました。」

 

「…え?」

 

どう言うことだ?人生が消えた?

命の蝋燭の火を消したとかではなく⁈

 

「最近の命の管理はパソコンのようなもので管理しているんですよ。蝋燭とかは簡単に消えてしまうので廃止されました。」

 

何と言う衝撃の事実‼︎

想像と全然違った…

 

「それならどうして俺の人生が消されたんですか?」

 

「老害共は、パソコンをゲーム機のようにピコピコと呼び、最近の命の管理方法に適応できず、無駄飯食いになってしまい、陰口も激しくなり、『ワシ達もまだまだ現役じゃ』と喚いた挙句、操作をミスって貴方のデータが、もとい人生が完全削除されたのです。」

 

 

 

なんてことしてくれたんだ糞ども!と言うか人生の削除と死ってどう違うんだ?

 

 

「人生の削除ってどういうものなんだ?」

 

 

怖い。すごく怖い。てか、聞きたくない。でも聞かなきゃ始まらない。さぁ、どんな答えが返ってくるか。ここまででかなり驚いたからもう大じょ…

 

「貴方は産まれなかったことにされました。」

 

 

絶句した。嘘だろ…

 

 

「事実です。貴方が生きていたということが全てなかったことにされました。貴方の所持品はおろか、戸籍や記憶など、貴方にまつわるモノ全てが、です。貴方が死んだのは、効率良く世界が貴方を世界から弾き出そうとした時の副産物のようなもので、死んでしまえば、世界との関係が緩くなり、消しやすくなるんですよ。そのためだけに、貴方は死にました。そして、何事もなかったかのように世界は再構築されました。」

 

 

嘘だと言ってくれよ…

ボッチだったけど家族とは仲は良かった。特に弟妹とはかなり仲良かったのに…記憶も何もかも無いだなんて…

 

 

落ち込んでいると、別の天使の羽が生えた人?が、どこからともなく現れると、

 

 

「報告します。老害共の処理は完了、

例の件の許可も得ました。」

 

 

それだけ言うと、またどうやってかは知らないが、すぅっと消えていった。

 

「彼女は?」

 

「私の使い魔のようなものとお考え下さい。」

 

使い魔とかいるのか。

可哀想に…こんなのの使い魔とか奴隷じゃないか……はっ!危ない危ない、顔に出したら殺される…ってもう死んでるか(てへぺろ)…テンションが全然上がらない。

 

 

「例の件ってなんだ?」

 

 

話題を逸らすためにそう聞くと、

 

 

「はい、転生の件ですね。」

 

 

そんな簡単に言われても…

 

 

 

「貴方には転生する権利が与えられます。」

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

原作までは、ハイペースで行こうと思います。


誤字脱字その他諸々への意見や感想を
お待ちしています。


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転生完了…これっていつだ?

はい!一週間とか言いながら
翌日掲載してしまう 篠崎です。


テンションとやめられなさの勢いで
もう2話目です。


その話からはオリジナル設定とか
ガンガン入るので、
かなり無茶な設定とかありますが、
見守ってください。お願いします。



それでは2話目をどうぞ


転生

 

生きていた時なら素直に喜べたかもしれないが、色々ありすぎて喜べない…

 

 

「どんな世界に転生したいですか?」

 

 

そんなことを聞いてくるが、反応を返せそうに無い。ただ死んだだけなら、喜んで返事をしただろう。

 

それでもショックが大きすぎた。確かに学校ではいてもいなくても同じだったかもしれないが、家族とは、すごく仲が良かったのだ。

 

 

 

家族としか話していなかったが、弟妹は俺を慕ってくれてたし、両親にも迷惑はかけないように、バイトをして自分に必要な物は極力お年玉や自分の給料でやりくりして来た。

 

 

 

共働きだから家事も率先してやり、弟妹の勉強を見て、自分の成績も落とさず、余った時間を自分の趣味にあててただけだ。

 

そのせいでオタクボッチになってしまって、学校ではろくな思い出がないが、家族との思い出はたくさんあった。

 

 

 

その思い出が、無くなったように感じた。俺に記憶があっても、家族には残っていない。

 

そんなの自分の妄想と変わらないものなんて、残っていた方が辛かった。

 

 

 

ん? 俺の人生が消去されたのなら、どうして俺はここに居て、記憶がのこってるんだ?

 

 

 

「どうして俺の記憶は消えてなくて、こうして俺の意思が残ってるんだ?」

 

 

彼女からの質問からどれくらい経ったか分からないが、どうしても気になった。失礼だとは思ったが、口に出ていた。

 

「それはですね、削除された人生を復元したからです。」

 

 

 

ん?それだとおかしくないか?復元できたとしたら、なんで家族の方にも記憶が残ってないんだ?

 

 

「復元と言っても貴方単体を復元しただけで、相互関係までの復元は無理なんですよ。」

 

うん、よく分からん。

 

 

そうすると彼女は細く説明してくれた。余程顔に出ていたらしい。

 

 

「そうですね、簡単に言うとトランプタワーのようなものを考えてください。貴方というカードの消失でタワーは一度崩れ、世界の修正力により、貴方がいないタワーが作られました。そのあとに、貴方のカードだけを復元してもタワーはすでに完成しているので、貴方のはいる余地はもう無いのです。それにタワーをもう一度崩してから貴方を入れて作り直すにしても、同じ人が貴方の家族になれるかは運次第です。」

 

 

 

なるほどな…そりゃ無理だな。人一人がカード一枚だとすると、60〜70億枚ものカードタワーを崩して同じ配置で組み直すなんて、神じゃなきゃ無理だもんな。

 

あっ、こいつも神だったか。

つまり神でも無理だと…

 

「そっか…」

 

 

それを聞いて落胆する俺に、彼女は急かすように聞いてくる。

 

「それで、どんな世界に行きたいですか?原作ありですか?それとも原作なしの異世界とか?関係は戻りませんが、元の世界というのもありです。決められない場合は、候補を選んでこちらで勝手に決めるというのもあります。」

 

 

ふむ、もう元の世界について考えても戻れないのなら、生きていた時の夢を果たそうじゃないか。

 

 

今もとの世界に戻っても、全く違う家に産まれてしまうかもしれないんだから…

 

家族のことは心配だが、俺が死んでからの俺の家族は、別人かもしれないんだ。

 

もう心配するのはやめよう。

 

 

 

 

 

 

…よし。

転生ってぶっちゃけ

色々行きたいところがあるから…

「それじゃあ今から言う中から

ランダムで選んでくれ。

・SAO

・トリニティセブン

・ゴッドイーター

・やはり俺の青春ラブコメはまちがっている

・ネギまorUQホルダー

・東京喰種

・魔法科高校の劣等生

っとまぁ、このくらいかな?」

 

 

「随分と多いですけれど了解しました。選択方法はこちら側で決めて構いませんか?」

 

 

俺は首肯した。

 

「それでは」

 

 

いつの間にか彼女の手には割り箸が7本握られていた。ちょうど王様ゲームのような…

 

 

 

「って決め方雑過ぎるだろ!」

 

 

こっちがなんでもいいとは言ったが、テキトー過ぎだ。

 

 

さっきの質問も急かしてきたが、面倒くささがにじみ出ている。確かにあの老害共の尻拭いは面倒なのかもしれないが…

 

 

そんなことを考えているうちに彼女はもう割り箸を選び終わっていた。

 

そこには『2』と書かれていて、なんのことか分からなかった。

 

 

「2って何のことだ?」

 

そういうと、

 

「2は、トリニティセブンですね。貴方の言った順番に番号を振り分けましたので。」

 

 

なる程ね。納得納得。

トリニティセブンか…

 

一応話のあらすじから魔法名称、ヒロイン達の過去から何から何まで憶えてはいるが、まだ10巻を買っていなかった俺はかなり厳しいな……こんな時に金欠が響くとは…

あれ?なんか神笑ってね?

 

いや気のせいだと思う。信じよう。

 

 

 

「さて、次に特典についてですが、これは個数が決まっております。今回の場合の個数は…」

 

キーーーターーーーーーーーーーー

♪───O(≧∇≦)O────♪

 

ついに来ました。特典ですよ特典!転生の醍醐味と言っても過言ではないト・ク・テ・ン!

 

もうさっきの意味深な笑顔なんてどうでもいいっすよ。これがなければやってらんねえぜ!ってくらい重要!超重要!

 

さあ来い!何個までだ?

ドキドキしている俺をよそに、

彼女は淡々と言った。

 

 

「5つです。」

 

 

 

 

……ふむ、微妙な個数だな…俺の死に方は酷かったし、その原因も酷い。もうちょい期待してた。

 

「理由としましては、まず、貴方の死に方が酷過ぎたので1つ、次に、その死がこちら側のミスなので1つ、最後に、これが理由で、老害を一掃できたので感謝の意を込めて3つとなっております。」

 

 

 

まさかの老害が60%を占めていたとは…なんか嬉しくない…てか、判断基準が厳しすぎないか?その場合、普通のやつは1〜2個がほとんどじゃないか?老害なんて早々でないだろ。

 

「普通の人は大抵1〜2個なので、かなり好条件ですね。」

 

5個で好条件とは転生ってとても厳しい!それでも多い方だってのがまた嬉しい。

 

 

さぁ、元中二病現オタクの妄想力を見るがいい!

 

 

「それじゃあ…

1.容姿端麗で高身長な男性

2.無くなった左目のかわりにに魔道書としての魔眼

3.ON.OFF可能な完全記憶能力

4.魔王候補であること

5.格闘技が達人並み

で頼む。」

 

俺に死角は無い(キリッ)

なるべく誰々っぽくとか言うと、違和感あるかもしれないからこんな言い方だが、殆どカバー出来ているので大丈夫だ!

 

 

そんなことを自信満々に思っていたが、

 

 

「本当にそれでよろしいのですね?後から変えろと言われても無理ですからね?」

 

 

どうしてこんなに確認するのだろうか?何やら確認をとっているような…

 

 

だが知らん!

 

ついに憧れの異世界へと…

 

 

 

「それでは行ってらっしゃいませしかし、さっきの5つ以外は、どうなるかわかりませんので、あしからず。」

 

 

 

「え⁈」

 

 

そう言った瞬間、上から立方体のかなりでかくて重たそうな物体が落ちて来た。

 

 

「ちょ、ま…」

 

プチッ

 

 

 

そんなコメディチックな音が

頭の中に響いた。

 

 

 

 

落とし穴とかじゃないの⁈

 

 

 

 

 

==============================

 

眩しい。

 

転生できたのか?

あの野郎、転生直前になんて恐ろしい事を言い放ったんだよ。

 

 

 

それは後回しにしたとしても、まずは現状把握だ。

 

そう思い、ゆっくりと目を開けると…

 

 

 

普通の部屋だが、違和感がある。何かがおかしい。辺りのものがやたらと大きく感じる。それになんとなく古臭い印象が……あっ!まさかのテレビがブラウン管だ。

 

携帯も折りたたみ式だし、パソコンも厚い。あれぇ?アニメでアラタさん確かスマホ使ってたはずなんだがなぁ…

 

 

部屋から出ると下へ続く階段があった。降りてすぐ隣の扉はリビングに繋がっていて、そこにはかなり派手なカレンダー。

 

 

カレンダーには赤マルが一つとメモが貼ってあった。

 

 

そこにはなんと…

『赤マルが今日の日付、そしてここが君の家。一人暮らしだけど何とかなりますよね。お金は定期的に振り込みますが、そちらからの連絡は不可能なので、何かあった時は頑張ってくださいね。』

 

 

そう書かれていた。

 

 

 

…いや、まだ大丈夫だ。そんなことはどうだっていい。このカレンダーのおかしなところはただ一点。赤マルが付いている日付は3月20日

 

 

そこはおかしくない、むしろ普通。

 

 

 

では何がおかしいのか…

 

 

 

1987年3月20日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これって原作の何年前?

 

 

 




どうでしたか?

今回は結構ハイペースなのですが、
そろそろ落ちるかな?と言った具合です。
なんとか、原作突入まで、このペースで
行きたいです。


それでも一週間前後には出しますので
よろしくお願い。

感想や意見などありましたら
是非お願いします。


それでは三話でお会いしましょう。
see you next story.(カイト風)


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原作介入を目指す…後何年?

ハイペースでもう3話目の 篠崎です。

いやぁ勢いって怖いですね。
自分でもびっくりペースですよ。

そして何とまだ掲載して2日目で、
UA500突破しました。

見てくださった方々ありがとうございます。
まだ原作前なんですけどね…


まだまだ原作までは長いですが、
割とあっという間に原作キャラ出ます。

そういうことなので、
3話をどうぞご覧ください。


1987年

 

スマホの普及は2008年位?だとして、原作まであと約20年!

 

 

教師とてで原作に突っ込むか?いや、あの変態兼学園長に止められそう…どうする、俺‼︎

 

 

 

 

いや待て、今の俺は何歳くらいなんだ?

 

 

辺りに鏡が無い。いや、あるにはあるんだけど…

 

高い!高すぎるよ‼︎

 

今の俺が175cmだとすると、3mはある気がする。見える気がしない…

 

 

くそっ!何が『どうなっても知りませんよ。』だよ!すごく不自由だよこんちくしょう!

 

 

 

 

 

はぁ…

なんか俺驚いたり切れたりばっかしてる気がするは…

 

 

 

「もういいからなんか台とってこよ。」

 

 

ため息と一緒に諦めの言葉が出てきた。もちろん台なんて無かった。

 

 

仕方なしに椅子を持って行こうとしたが、かなり重く感じる…

しかも手がかなり小さい…

 

これってやっぱり…

 

 

 

そしてカレンダーのすぐ隣の鏡を覗くと、まだ5歳児くらいの男の子がいた。

 

 

 

 

 

ええ〜、それはねえよバカなんじゃねえの?5歳児が一人暮らしとかどうなってんだよ…

 

 

しかも眼帯してるし……俺の要求だけど! そうなんだけど!

 

 

なんか違う… カッコつけちゃった感半端じゃない。

アニメの影響でつけちゃって近所の人が微笑ましく見てるレベル…

 

確かに顔はかっこいいようん、これは要求通り。

 

 

それでも俺の理想は16歳くらいでアラタ転校の1年前くらいを想像してたから、もう色々間違ってる。これもう原作までに25歳になってるよ。もうすぐオジサンだよ。

 

 

俺これからどうすればいいの?

この世界での俺の本名とか本当の年齢とか、学校(幼稚園)とか何にも知らない…

 

まず、ここの地名や住所すら分からない。

 

 

これで放置とか、やっぱりあの神もバカじゃん!老害とそうな変わんないじゃん!てか、老害よりタチが悪い…

 

 

 

にしても、この体すっげえ疲れる…

精神的なものか、叫びまくったせいか、すっごく眠い。

 

時計を見てみると、深夜の1時の五分前…この体だと眠いわけだな。

 

 

 

今日はもういっか…

 

そう思ってしまうと、途端に気が抜けて、睡魔が襲ってきた。

 

 

2階に行くのも面倒なので、リビングにあるソファに

倒れ込むと、すぐに意識が遠くなっていった。

 

 

==============================

 

 

『………ぉ……』

 

 

眠ってからかなりの時間が経ったと思われる頃、左耳元で誰かの声が聞こえた。

 

 

 

どうせ近所の人が朝早くから世間話でもしてるんだろうと思い無視して、もう一度意識を手放そうとした。

 

 

その時、左目に違和感を感じた。

なんだろうか?

そう、左目だけが勝手に動いていて、凄く不思議な感じ…そう思った瞬間左目に激痛が生じた。

 

 

「ってぇぇぇぇぇ!」

 

 

思わず叫んでしまった。

なんだよ!くっそ痛え!

 

いきなりのことで対応できずに

ソファから転がり落ちてしまった。

 

 

 

左目だけがさっきより激しく

動いているのを感じる。

 

これは後になってわかったことだが、動き過ぎて眼球の可動範囲を超えかけて、視神経が伸びかけたのだという。

 

 

なんかヤバイ…

さっきまで激痛だけだったが、今はなんか虫がまぶたの内側を動いているみたいな感じもする。

 

 

涙が出たと思って両目を擦ると、左目の眼帯がずれているのに気がつき、さらに左手には血がついていた。

 

 

 

ヤバイ。なんかとかではなくマジでヤバイ。痛みには多少慣れていると思ってたけど、こんな激痛初めてだ。涙だけでなく、鼻水まででてきて汗も尋常じゃない位でてきた。

 

 

これはショック死の可能性もでてくる。そう思うと確認しないわけにはいかなかった。椅子は昨日と同じ位置にあったため、すぐに鏡を見ることができた。

 

 

まさか、魔眼はなくて、穴が空きっぱなしで、蛆虫でも

沸いてるんじゃないかと心配した。動いているのは目ではなくて、虫の塊が蠢いているのではないか?そんな風に思えた。

 

 

 

それでもそんなことは無かった…

 

 

ただ、左目は真っ黒で、

以前として動き続けていた。

 

==============================

 

それから5分間、

ずっと眼球は動き続けていた。

見ていて気持ち悪かったし、視界が動き続けるので、何度か酔って吐きそうになった。瞼を閉じてしまえばいいと思いついたのは、眼球が止まる数十秒前だったのは仕方がないだろう。あり得ない状況に思考回路が停止していたのだから。

 

 

 

幸いにして、あの激痛はもう起きなかったが…

 

 

 

 

眼球の動きが止まってすぐに、左目は、鏡に映る俺の顔をマジマジと見てから、

 

 

『やっと起きたのか、貴様は。』

 

 

そう、俺の声で話しかけてきた。

 

 

 

俺の声でと言うが、

喋ったのは俺である。

 

勝手に口が動いて、『俺』に向かって『左目』は話しかけてきたのである。

 

 

もうわけが分からん。

 

 

『何を呆然としておるのだ貴様は。まずは名前を述べろ。』

 

 

『左目』は傲慢に、そして当然かのように俺に命令してくる。

 

 

こんなのって俺病気にかかってる時でもしたことないのに…

 

イタイ。周りから見る俺凄くイタイ。こんな一人芝居誰かに見られたらもうお嫁に行けない!

 

 

『さっさと応えぬと、視神経を引きちぎるぞ?』

 

 

そう言われるとさっきの激痛が蘇る。背筋に寒気がはしり、冷や汗が出てくる。

 

 

「お、俺は、天草 暁斗だ。」

 

 

そう応えるのがやっとだった。声が震えていた。ついでに足も震えていた。

 

 

『ふむ、天草か… 』

 

それだけ言うと『左目』は黙ってしまう。

 

 

それから数十秒の沈黙…

 

 

むこうは何も言ってこない。

そうなれば話は進まない。

 

 

沈黙に耐えかねて、俺は決死の思いで言った。

 

 

「こ、応えたんだから、お前の名前も教えてくれよ。」

 

 

情けない声が出た。声だけでもわかるような逃げ腰である。

 

 

そんな俺に呆れながら、

 

 

『儂の名前か?なんだ、貴様知らんのか。それほどの魔力を持っていながら…まぁよい、それで儂の名じゃったな。儂の名前は“バロールの魔眼”じゃ。』

 

 

誇るでもなく、そう言った。

 

 




今回は少し短めで、ここからは少し
特典説明に入ります。

もう1〜2話で、原作キャラが出てきますが、
誰が出るかはお楽しみです。

最近休みで、ものすっごいハイペースです。

3月後半からすっごいペースダウン
するとはおもいますが、ご了承ください。

あと、原作までが少し長いかもしれません。
本当に申し訳ございませんが、
見捨てずに読んでくれると幸いです。
本当すいません。


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現状把握…不都合すぎじゃね?

どうも、篠崎です。

まだ原作前なので、
サクサク行きたいですね。


そして、まだ二日しか経ってないのに
UA1000超えてました!
嬉しいです!ありがとうございます。

前回は、特典説明と書いてましたが、
ぶっちゃけ、特典による
副作用の説明です。


そこのところをご理解いただけると
恐縮です。

それでは、本編をどうぞ。


バロール

 

って言うと、見たものに死を与えるあの無差別大量殺人兵器の?しかも、ルーグさんの持つブリューナクと、相性最悪じゃないですかもうやだぁ。

 

これで、会って左目が拒絶反応とかないよね?槍が左目に飛んでくるとかないよね?

 

不味いぞ!悪い方に考えると何処までも悪くなる。

 

どんだけだよ神!特典の5個以外俺に不都合すぎるよ!

 

 

あっ(察し)

だからあの時笑ってたのかよ!

 

 

てか、あの部屋あいつの思い通りなら、自分の行かせたい世界を選べるってことだよな!

 

 

そうだよ、

この原作以外は、特典で時期を

固定できたんだよ。

 

(SAOだとユニークスキルを欲したと思うからSAOが始まる時期は確定とか)

 

 

唯一この世界での妄想で時期が固定化する特典を俺は全く考えていない…

 

多分あいつそれ知っててこの世界に落としたんだろうなぁ(遠い目)

 

 

もう不都合しかない…

 

まぁまだ許容範囲内かな?

これで原作後とかだったらもう無理。原作の人たち偉人として名前だけが載るくらいしかなかったから。いや、アラタが世界滅ぼしてるから転生した瞬間死亡とかありそう…

 

 

よし、まだ大丈夫だ

セーフ、まだ間に合う。

 

 

 

 

 

この感じ、夏休み後半にもあったな…

 

 

折角だから、やっぱり生徒として原作介入したい!せめて、外見が高校生くらいだったらどうとでもなるな。

 

 

若作りするしかない!

 

 

 

 

 

そんなアホなことを考えていると…

 

 

『それで貴様は何者なのだ?その年にしては落ち着いていて、大人びているようではあるが、何故儂をそんな中途半端な時期に手に入れることができたのか……正直に応えなければ、視神経が…』

 

 

「分かったよ!言うよ!言えばいいんだろ!だからあれだけはガチでやめてくれ!」

 

 

さっきのは、「おい、起きろ」って一回言って起きなかったから、あんな暴挙に出たらしい。せめて三回は言おうぜ…

 

しかも、まだ朝の7時と言う一般的な時間にである。

 

 

もう少し寝ていたかったが、激痛のせいで、眠気が消えてしまった。毎日されたらどうしよう。

 

左目に起こされる高校生男子!

左目のルビは幼馴染で決まりだな!

そして料理を作る幼馴染み(俺の身体)

 

 

何これ斬新…

 

 

 

 

それに正直に言うと、同じ身体を共有している時点でバレてると思ったが…どうやら違うらしい。

 

それでも、話相手になったり、これから生活を共に?するからには、いつバレてもおかしくないわけで…

 

 

そんなこんなで、こいつには全てを話すことにした。

 

 

==============================

 

説明中 説明中 説明中 説明中 説明中 説明中

 

==============================

 

 

『なるほどのぅ』

 

 

説明し終える頃には、既に昼過ぎにまで食い込んでいた。

 

 

神のワードが出た時、いきなり暴れ出して、視神経が切れるかと思った…

 

 

もし、仲の悪かった神だったら俺はまた左目を失うところだった…

 

 

それでもそれは別のお話、

 

 

 

 

すいません嘘です。言いたくないくらい痛かっただけです。

 

 

 

『それで?貴様は魔王にでもなるのか?そのために、こんな力を得たのか?』

 

 

なにかを諦めているかのような、そんな風に聞こえた。

 

だがしかし、そんなことではないのだよ!

 

「そんなことしたら、転生した意味が無い!俺はなんとしてでも原作介入して、色々変えて、なるべくハッピーエンドになるようにしたいだけだ!ま、まぁ?俺もその御相伴に預かろうかなぁとかは考えてるけど…魔王はアラタに譲るし、全員ハーレムとか言う無茶もしない!…精々ヒロインの3分の1くらい?そして何より…あんな風に、学園生活を楽しみたいだけだ!前世もあれはあれで楽しかったが、今回は何の柵にも囚われずに、青春を謳歌してみたいんだよ!」

 

 

 

熱弁した。欲望もチョイチョイ入ったが、それが俺の偽らざる気持ちだった。ぶっちゃけ欲望タラタラである。それに魔王ってあんな中二病みたいな格好しないといけないんでしょ?

 

 

 

俺が言い終えると、『バロールの魔眼』は言いずらそうにしながら、

 

 

 

『しかし、貴様の言う原作とやらは、あと20年近く先なのじゃろ?』

 

_| ̄|○

今それを言わないで欲しかった…

 

さっきの熱弁が、なんか虚しくなる。そうだよ、アラタ達が学生の頃、俺もう社会人じゃん…

 

 

「おい、バロールの魔眼。時間遡行や物体の時を停める魔法は無いのか?あったら教えてくれ。いや、教えてください!せめて、アラタ達と同年代の身体じゃないとあんな楽しそうな学園生活おくれない!頼みます!バロールさん!いや、 バロール様‼︎どうかこの私めを導いて下さい!」

 

 

 

土下座しながら言うが、この場合はどうなんだろう?

 

だって頼む相手が左目にいるのに土下座ってどうなの?

 

これは正しいの?誰か方法教えてください!ねえ!神様‼︎

 

 

 

 

 

俺の左目も神様じゃん…

聞けねえよ絶対…

 

 

土下座する相手に土下座のやり方教わるようなもんだよ?失礼すぎるし、第一ふざけてるようにしか聞こえない。

 

 

 

 

『卑屈になりすぎじゃ…しかし、良い答えが聞けた。汝を我が主として認めよう。儂のことはバロールとでも呼べばよい。』

 

 

そんな風に上から目線で、それでいて何処か安堵しているかのような声だった。何に安堵したのか分からない。

 

 

「因みに、認められなかった場合はどうなってたんだ?」

 

 

流石に、「なんで安堵したんだ?」なんて聞ける雰囲気ではないし、度胸もない。

 

 

遠まわしに関係のありそうな質問をしてみると、

 

 

『どうということはない。大抵の奴らは魔王になろうとして力を過信して、勝手に死んだ。酷い奴になると、儂の力に宿主の身体が耐えられず、儂以外の全ての箇所が破裂したり、身体が魔物化したり、酷い時には、意識があるのに、手足の先からドンドン壊死していって、不安に耐えられずに発狂後、自殺……とかそんな程度じゃ。』

 

 

「『そんな程度』じゃねーよ!怖えよ!」

 

 

 

俺の死に方とどっこいどっこいだろそれ。この特典使わない方が良いのかなぁ?

 

 

 

『まぁ、主人は大丈夫じゃよ。既に儂と同程度の魔力を保有しておる。それに、危なくなったら、儂が忠告もするからの。今までの奴らは、主として認めてなかったから、何も言わなかったら、ああなってしまったのじゃ。』

 

 

それみてあのドS神様大爆笑してたんだろうなぁ…

 

多分俺も同じ結末になると踏んで送り込んだんだろうけど、

 

ふっ、相手が悪かったな。俺はやつの想像を超えた!

 

 

それよりも聞かなければならないことがある!

 

 

 

 

「それで、何か方法は無いのか?」

 

 

そう、これが重要だ。

高校生bodyは原作介入への必須アイテム!

 

なんとしてでも手に入れないと…

 

 

 

 

 

 

なんかこの言い方相手を乗っ取る悪役みたいだ…

 

 

 

 

 

 

 

『方法はあるが、儂にはその手段が無いのじゃ。主人が少し不利益を被れば、なんとかなるのじゃが…』

 

 

俺の不利益? 何だそれは?

 

 

 

『その不利益とは、主人のテーマが決定してしまうことじゃ。主人はトリニティに至る素質がある。そのうち2つをその方法で使ってしまうのじゃ。』

 

 

ここでまさかの縛り…

 

だが仕方ない!原作介入へは、多少の犠牲は厭わない!

ていうかたった二つを惜しんで原作に介入出来ませんでした。じゃ話にならない!

 

「それで、その2つってのは何なんだ?」

 

 

 

頼むから変なのはやめてくれよ。

 

 

 

 

 

『その二つとは、“憤怒(イラ)”の“書庫(アーカイブ)”に属する“分解(アナリシス)”と“創造(パルタム)”じゃ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Oh....

まさかの聖さんとだだ被り…




どうでしたか?

次は必ず原作キャラ出ます。
と言ってもかなり絞られますね。

見続けてくれていらっしゃる方々、
本当にありがとうございます。

ここから本番!というところに、
そろそろ入って行くので、
これからもよろしくお願いします。


誤字脱字や意見感想も
ドンドン言ってください。



それではまた。


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始めての邂逅…がお前なの⁈

どうもです 篠崎です。


少し遅れましたが、
やっと原作キャラが出てくるという
スローペースですいません。
本当はもう少し早くだしたかったのですが、
やることが多すぎて、ギリギリに…

その分少し長めになっていますので、
どうぞご覧ください。


“憤怒”の書庫 “分解”と“創造”

 

確かに俺にはピッタリだな。テーマは自分から最も遠いものだから、怒る相手がいなかったからあまり怒らないし、築き上げられた関係とかが無いから、空中分解とかもしない。それでいて、新しいものを創造しようともしない。

 

 

完璧じゃないか!

 

 

 

 

 

 

あれ?テーマが決まって嬉しいはずなのに、目から汗が止まらないや…

 

 

 

 

『主君よ、どうして泣いておるのじゃ?そんなに嫌じゃったのか?』

 

 

バロールは心配そうに聞いてくる。

 

嫌じゃない、嫌じゃないんだが、すごい惨めなだけだ…

 

 

しかも、周りから見ると、自分で自分を慰めてるようにしか見えないところがさらにキツイ。

 

 

もう嫌…

 

 

しかも、それを受け入れないと原作に出られないという…

なんて仕打ちなんだ!

 

 

 

くっそ!もうこうなりゃヤケだ!

 

「バロール、俺はその二つのテーマで、どうやったら20年後に高校生として生活できるんだ?」

 

 

 

自分で言っててなんだけど、俺ってヤバイ奴みたいになってないか?25のオッサンが、高校生活か、犯罪臭しかしないんだが…

 

 

 

 

 

するとバロールは得意げに、

 

『本来は一つ一つ習得するんじゃがの、まあそれはあとで言うとして、まず、肉体を若く保つ方法じゃが…

 

 

まずは、“分解”で肌の老化を停めるのじゃ。』

 

 

 

 

 

…なんかすっごい地味なことを言った。

 

 

通販番組とかで言ってそうなワードが出てきたんだが……ていうか、“分解”でどうやって?

 

 

『肌の老化は、8割が紫外線のせいと言われ紫外線で肌の内部の物質が結びついて、起こるものなのじゃ。そこで、“分解”でその結びつきを剥がすか阻止すれば、圧倒的に若い外見を維持できるのじゃ。」』

 

 

 

そうなのか?こいつ何か迷信を信じているだけとかそういうパターンもあり得るな。話半分で聞いとこ。

 

 

 

『そして創造じゃが、 これは今の主君の姿を偽るためじゃな。』

 

 

 

はぁ?なんでだ?何言ってんだこいつは…

 

呆れたような顔をしていたのだろう。バロールはやれやれとでも言いたそうなため息をついた。

 

 

バロールは俺の目で、今は鏡を見てもいないのになぜわかる?あの糞神にも看破されたが、見てもいないのに…

 

 

 

バロールが神だから?それなら、鬼畜神もだよな?ならなんで…

 

 

ああ!こいつが動かすのも俺の顔筋なんだから、そりゃあ分かるよな。納得です。

 

 

 

 

『考えてもみよ。今の主人の姿や年齢を知っている者がいた場合、学園入学後年齢詐称がバレる可能性が出てくるのじゃ。そこで、20年間は別の顔や身体で生活して、それから元の姿に戻れば、怪しまれることはない。それに外見が幼稚園児の者が、一人暮らしなどおかしいじゃろ?』

 

 

 

…全く考えてなかった。そうだよ、入学してもバレたら変態のレッテルは確実。最悪は原作ヒロインからの侮蔑の目。俺にはご褒美とは思えないものだ。それなのに『えっ…あんたおっさんだったの…マジ引くわー』とか言われた日には引きこもり一直線だしな…

 

 

こいつがいてくれてよかった。危ない危ない。

 

 

「なあ、確か、“色欲”には、“永遠”、“怠惰”には、“停滞”があったと思うんだけど、それじゃあダメなのか?」

 

そんなまどろっこしいことしないで、単純にやった方がいいと思うんだが…

 

『“停滞”にも“永遠”にも、肉体を若いままに保つ魔術はあるのじゃが、それだと身体の成長が、完全に止まってしまうのじゃ。それに、停めたり進めたりを繰り返すと、肉体が変異してしまう可能性が出てくるのじゃ。』

 

 

何それ怖い…

 

もう反論するのはやめよう。こいつも俺の事を考えるんだし、信じて、実行しよう。

 

 

 

 

「それなら、俺はどうすれば良いんだ?」

 

魔術なんて知らない。術式なんでもんは論外。

 

確か魔術は、術式を魔道書に登録して使うものなんだよな。

 

 

今から学ぶ?この姿での生活はキツイが、それしか方法は…

 

 

『それなら安心せい。儂の歴代保有者の中に、“分解”と“創造”のテーマがおったからの。どれ、 少し術式を復元してみよう。』

 

 

なんて便利なんだ!

 

あれか?俺は歴代のテーマ全て使えるのか?それだったらこの特典は正解だな!

 

 

最強の主人公に俺はなる!

 

 

「そんな便利なんだったら、今までの術式全部復元してくれよ。」

 

 

そうすれば、勉強なんでしなくていいし。

 

 

 

そんな淡い希望は、すぐに砕かれた。

 

 

 

『全ては無理じゃ。儂は、宿主が変わる毎に術式を消去するのじゃ。さっきの二つなどの便利な術式は、歴代の同じテーマの者共は、ほとんどのものが使えたのでな……儂も術式を暗記してしまったのじゃ。』

 

 

 

暗記と登録ってどう違うんだ?

お前が覚えるんだから同じだろうに。

 

 

 

やっぱり顔に出やすいのか、バロールは分かりやすくそれこそ、小学生でも分かるかの様な説明をした。

 

 

 

俺はそこまでバカじゃない…

ただ、頭の回転が遅いだけだ…

 

 

『言うなれば、覚えるか、ノートに書くだけか、と言った差じゃな。』

 

 

なるほどね。すごく分かり易かったが、なんだか、子供に説明する様な口調で言われた…

 

 

うぅ…

俺ってそこまでバカだったのだろうか?

 

まあまあな高校の上位20位には入っていたはずなんだが…

 

 

確かに、暗記は得意だったが、数学の問題を解くのは遅いって先生に言われたなぁ…

 

 

 

 

でもいい!完全記憶能力で過去にあった全ての問題とか、文献を丸覚えれば何も心配は…

 

 

 

 

 

 

 

…ON OFFの切り替え方知らねえや

 

 

まぁこれは、後で試して見たらONって念じれば、できてOFFで解除できたんだが……これで、特別な方法が必要とか言ったら使い物にならなかった…

 

 

本当鬼畜だわあの神…

 

 

これだと、他の特典も怪しいな。

左目はいいとして、格闘技も、使えば骨折とか、高身長も2mとかで高すぎるとか、挙げ句の果てに、『顔は私の好みです。』とか言って、特徴すぎる顔立ちになったりとか…

 

 

挙げればきりがねぇ…

 

 

そんな風に、ウンウン唸っていると、

 

 

『術式の復元を完了したのじゃ。最初はさっきの二つだけじゃが、同じテーマで覚えているものは、後で復元するとしようかの。』

 

 

そう言って、さっきまで黙っていたバロールが、復元の完了を告げた。

 

 

 

キワモノはどうでもいいが、便利なものだけでも使えたら、それはそれで嬉しい。

 

 

アリンさんも空間を崩壊させてのワープができたりしたし。小学生の頃はどこでもドアあったら、学校まで一瞬だなとか考えてたなぁ〜。懐かしい。

 

 

『それで、詠唱(スペル)はどうするのじゃ?こればっかりは、元の宿主共もマチマチで、決定できん。』

 

 

ふむ、どうしようか…

 

ぶっちゃけ言うの恥ずかしい…

 

 

 

 

 

リリス先生やアキオさんは”リアライズ“に“コンセプション”で、どれもシンプルだったな。

 

 

じゃあ俺も、ここはシンプルに。

 

「“アナライズ”(原子分解)と

“クリエイション”(万物創造)

で、頼む。」

 

 

言った後に気づいたが、なんだか、片方聞き覚えがあるな…

 

 

思い出せ、思い出せ。

 

 

何処かでこの単語は出でき…

 

 

『シンプルにしたのじゃな。まぁ、戦闘中に複雑な詠唱は、唱えられんからいいんじゃがの。決定したからには変えられん。忘れることが無い様にするのじゃぞ。』

 

 

そう言われた瞬間思い出した。確かリーゼさんの“解析”と同じだ。

 

 

 

また被ってしまった……しかも変えられないのか。どうしようもないなこれ…

 

 

『詠唱も決まったことじゃし、早速、試してみるかの。

“アナライズ”は、分子の結合や物質の分解、

“クリエイション”は創造物の物質化、再現、復元、

汎用性を高くしておるから、想像次第でかなりのことができる様になっておる。やろうと思えば、二つを組み合わせて、一度分解した物を復元する事も可能じゃ。特に“創造”は、想像が明確でないと失敗してしまうことがあるから気をつけるのじゃぞ。』

 

 

失敗することがあるのか…

それだとあんまり複雑そうなのは時間のある時でいいかな。今は、試しに他の漫画とかのキャラにでもなってみるか。見たことあるし、大丈夫だろう。

 

 

「“憤怒”の書庫に接続、テーマを実行する。」

 

どんな姿がいいのだろうか?格好いい服格好いい服…

 

 

 

そう考えながら目を開けると、

東京グール√Aの金木君のアオギリの樹での格好みたいになった。

 

うん、カッコいい。外でするには恥ずかしいが、このくらいでいいだろう。必要とあらば、格闘技も使うから、動きやすい方がいいもんな。

 

 

よっしゃ次だ。

 

 

「“クリエイション”」

 

 

そう言いながら思い浮かべたのは、ユージオ(SAO)の姿。

 

俺すっごいあのキャラ好きだった。ここが日本じゃなきゃこの姿での過ごしたいまである。

 

 

 

 

…よく考えたら、

現実じゃないから大丈夫か。外人設定で、この姿で行こう。服もいい感じに変わった。青を基調としたよくある感じのやつ。今の時代はどうか知らんが、元いた時代では普通だ。

 

 

 

そのあと、幾つかの姿に変わったが、最終的には、ユージオの姿に落ち着いた。

 

朝起きて鏡見たら驚くだろうなぁ。

 

 

魔術が使えて上機嫌な俺は次の魔術、老化の遅延を試して見た。

 

 

「“アナライズ”」

 

 

イメージは自分の周りに何も付着せずに、体内で結びついている不純物を剥がし、体外に排出する感じ。

 

 

 

 

 

何も変化を実感出来ない。

成功したのか?

 

 

 

「なあ、これって成功したのか?」

 

 

 

分からないので分かりそうなやつに聞いてみると、

 

 

 

『成功しておるぞ。身長は伸びるが、若さを維持できる。この調子なら150歳は楽勝じゃ。』

 

 

成功していたらしい。

これで外を歩いても大丈夫だな。まぁ、人の脳もそれ位が限界だから、それ以上いってアルツハイマーとか嫌だなぁ…

 

 

 

 

そう安心していると、左目に鋭い痛みか走った。一瞬だったから涙はでなかったが…

 

「っだから痛えよ‼︎俺なんもして…」

 

 

文句を言おうとしたその時、外から叫び声や悲鳴が聞こえてきた。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁ!」

「逃げろ‼︎早く逃げろ!」

「おいそこ邪魔だよ!さっさとどけよ!」

「何がどうなってんだよ!」

 

 

テロか?それとも映画の撮影か?にしてもかなりヤバそうだ。そんなことを考えながらカーテンを開け、外を見て見てみると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには誰もいなかった。建物は崩れ、さっきまでいたであろう人々の姿もない。

 

 

これには見覚えがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

崩壊現象だ。

 

 

==============================

 

「マジで⁈」

 

 

まさか転生して2日で遭遇するとは思ってもみなかった。ヤバイヤバイヤバイ…

 

 

そう焦っていると、いつも通りの、少しも慌てていない声が話しかけてくる。

 

『何を慌てておるのじゃ。崩壊現象くらいで…主君くらいの魔力じゃと、逃げるくらいの猶予はまだまだ残されておるぞ?』

 

 

そうなのか?

 

いや、そうじゃない!

 

このままだとこの家も無くなるし、第一さっき消えた人たちはどうなるんだよ!

 

 

そんな考えが分かったのか、

また、冷静な声で言ってきた。

 

 

『確かに、今止めることができれば戻ってくるじゃろうが、今その場に行くことはお勧めせんぞ。』

 

 

元に戻るのか?

確かに学園の生徒達はは戻っていた。だったらやるしかない。お勧めしようがされまいが、人がいなくなるのを黙って見ていられるほど俺は心が強くはない。

 

さっきまでいた人がいなくなるのは相手が誰であろうと辛い。あっ、ごめんなさい、嘘です。俺のこと虐めてた奴が警察に捕まった時家に帰って小躍りしました…

それでも、妹の家出で2日も寝込んだんだ。戻ってきた妹に逆に心配された。その位精神が弱いんだ。

 

だから俺は、なんとしてでも止めて見せる!

 

 

「崩壊現象の起点は何処か分かるか?」

 

 

まずはそこに行かないと何も出来ない。そこで分かりそうなやつに聞いてみると、

 

 

『ここから東に432m行ったところじゃ。』

 

 

えらく正確でいて、呆れる様な、それでいて、そうなることが分かっていたかの様な言い方だった。

 

行かないことを勧めた奴が行き先を教えてくれたんだから、死にはしないと願いたい。

 

 

場所も分かったし、すぐに靴を履いて走り出した。

 

 

『主君よ、そっちは逆じゃぞ?』

 

 

 

 

 

カッコつけたはいいがキマらなかった。方位が分かるわけないじゃないか…

 

==============================

 

 

走り始めて一分ちょっと、そこの曲がり角を曲がればすぐ、と言ったところで、話し声が聞こえた。

 

 

「いやぁ、間に合ってよかったよ。まさか休日に崩壊現象に会うなんて。ここに僕がいて本当によかった。そうでなければ何もかも、消えてしまっていたからねぇ。」

 

 

 

何か少し聞き覚えのある声と口調。

 

 

こっそり覗いてみると、そこには、

 

灰色?っぽい色の髪を後ろで束ね、制服姿の、高校生くらいの青年が黒い物体に話しかけていた。

 

中心には勾玉が浮いていて、なんとも禍々しい感じ。ダジャレではない。ガチである。

 

これも見たことがあった。

 

魔物だ。

勾玉を核としている様だ。

 

 

どうしようかと悩んでいると、いきなりその魔物は弾け飛んだ。

 

 

「ふう、まさかこんな僻地にこれほどの代物が眠っているなんて、僕の悪運はそんなに強いのかなぁ?」

 

 

 

何もしていない様に見えて、詠唱は言ってたんだな。全く気づかなかった…

 

 

あれは若かりし時の学園長か?髪型とかは似てるが…

 

「それで、そこにいる君は誰なんだい?何やら途轍もない魔力を感じるんだが。」

 

 

 

そう言いながら振り向いてきた。

 

その顔はホストの様で、つり目で、でもメガネをかけていない、

 

 

 

 

原作ではボケキャラでミステリアスキャラな…

 

 

若かりし頃の王立ビブリア学園学園長だった。

 




はい、原作キャラ一番乗りは
まさかの学園長でした。


と言っても、
年齢的に彼しかいないんですけどね。
これからも、
原作まで、1日1話くらいで
行こうかなあ…
まぁ、ノッてたら、
かけるだけ書くんですが、
ゆっくりになると思いますが
よろしくお願いします。



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対話から…どうしてこうなった⁈

ギリギリですいません。
やること多すぎて…(言い訳)

なんとか間に合ってよかったです。


あと、学園長の名前がわからなかったので、
学園長と表記することにしました。
苗字もわからないので、名前を出さずに頑張ります。


それでは本編をどうぞ。


王立ビブリア学園学園長

 

年齢不詳で、本名も不詳。ミステリアスな変態…でも、こいつと仲良くしきゃ入学出来なくなってしまう…

 

 

それが今は…

 

 

「あの…粗茶ですがどうぞ。」

 

 

「いやぁ、ありがとう。ちょうど喉が渇いていてね。」

 

俺の目の前で、椅子に座ってお茶飲んでるよ!

 

なんで俺の家にいるんだよ!しかも結構くつろいでるし!どうしてこうなった⁉︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あれは今から30分ほど前に遡る…

 

 

==============================

 

 

 

頑張って気に入られよう。こいつの前では俺も変態キャラになろう。うん、そうしよう。

 

 

 

そんなバカなことを考えながら彼の前に出て行こうとすると、異変を感じた。

 

 

身体が動かないのだ。

 

正確に言うと、動いてはいるのだが、自分の意思で動いてくれない。ちょうど、操られているかの様な……まさか俺にも魔術かけられてるの⁈

 

 

『貴様がその気なら、こちらとしても、タダでは済まさんぞ』

 

 

俺の不安をよそに、バロールが底冷えするような声でそう言うと、俺の足は勝手に学連長の前へと歩を進める。

 

 

バロールの口調がいつもと違うがそんなのは些細な問題だな。そんなこと言える雰囲気でもないし、俺声が出せないし…

 

 

恐ろしくゆっくり歩いている間、見ているだけしか出来ないが、とてつもなく重苦しい空気が辺りを包んでいるかのようだった。

 

 

 

 

 

 

こんな空気今まで2回ほどしか味わったことがない!

 

 

 

 

一度目はめちゃくちゃ怖い先生の授業中で、俺の隣の奴の携帯が鳴ったとき…

 

 

なんであの時、俺が疑われたんだよ!流石に授業中までゲームも携帯もやんねーよ!俺の隣の犯人も、俺のほう見ながらさりげなる音消してるし!

 

 

まぁ、それがバレて反省文倍の量になったけど…

 

ザマァwwwwwwww

 

 

 

 

 

2度目はもっと酷かった……まさかの先輩の卒業式でいきなりパズドラの音が聞こえて来た時は、周りの空気がヤバかった…

 

席の真ん中の方のやつが、ゲリラでも回ろうとしたんだろうが…

 

そいつは卒業まで携帯没収という俺には耐え難い刑に処された。周りのやつや卒業生、その親御さんからも軽蔑の目で見られてたなぁwwww

 

マナーモードでしろよと言いたくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

それらと似ているがどこか違う、圧迫感のある感じ……そう、ちょうど一触即発という言葉がピッタリな空気が広まっていた。

 

 

 

 

 

お互いに無言…

 

 

 

 

 

 

それがどれくらい続いた頃だろうか、先に沈黙を破ったのは学園長の方だった。

 

 

「そんなに警戒しないで欲しいね。僕はこの崩壊現象について、何か知っていることを教えてほしいだけなんだから。」

 

 

 

声はアニメで聞いたように飄々としてるけど冷や汗が見える。携帯バレる前の挙動不審な顔とカブって見えた。

 

 

 

そんなにバロールって怖いの?

 

 

 

『下手なことはしない方が貴様の身のためだ。我の視界に入っている以上、いつでも殺せるものと思っておけ、小僧。』

 

 

怖いよお前…視界ってまさか神話そのまんまなの?

 

迂闊に眼帯外せねえよ…

 

あとやっぱり口調違いすぎて違和感バリバリだし、それよりもこの声本当に俺から出てんのか?いや、俺の時も最初はこんな感じだったな……警戒してる時はこんな口調になるんだなこいつは…

 

この声ならヤンキーなんて目じゃないな(笑)

 

 

 

 

俺がこんなことを考えてる間もその場を沈黙が支配している。

 

 

現実逃避してないとやってけないレベル…

 

 

もうそろそろやめてやれよ…学園長の背中多分冷や汗でびっちょびちょだぞ…

 

もうやめて!学園長のライフはもうゼロよ!

 

 

 

ここは俺が場を取り持って…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ声が出せませんでしたorz

 

 

 

 

するとまた学園長はその場をしのごうと、俺に、正確にはバロールに話しかける。

 

 

 

「イ、イヤだなぁ…僕は別に君に害をなそうとしているわけじゃないんだけどなぁ…」

 

 

言葉尻になるに連れ、声がどんどん小さくなっていった。

 

 

 

す、すごい!

こいつがこんなに焦っている姿を漫画やアニメじゃ見たことない!なんか新鮮!

 

 

 

 

 

暁斗は無理矢理テンションを上げて見た!

 

 

 

 

 

結果、何も起きなかった。(ドラクエ風)

 

 

 

 

 

 

どうしようもないねこれ…

 

 

 

 

そうしている間にも、バロールからの圧迫感は強まっていく。

 

 

 

 

そしていつからだろうか、学園長の後ろにデカイ門が見えてきた。何やらまたもや見覚えのあるものが…

 

 

 

 

 

ああ、あれが“ソロモンズゲート”か…見ているものを発狂させるカナリ高位の魔道書の…

 

 

この圧迫感は魔力なのか。魔力って便利だな。今なら絶対魔拳が使えそう…

 

 

 

しかしあれキッモいなぁ…

アニメで何度見てもキモいと思った。あの扉のとこの人の形マジキモい。というか、発狂したくないから目逸らしたいんだけど…

 

 

 

させてくれませんよね、分かってましたよ!そんなことぐらい!

 

 

 

 

 

あの〜、そろそろ瞬きしてくれませんかねぇ…

 

“ソロモンズゲート”見えた辺りから全くしてないんすけど…今の俺の唯一の視覚である右目も瞬きしてくれない…

 

 

あぁ…ヤバイな、

目が乾燥してきたわ…

 

 

 

 

 

 

 

ぐわぁぁぁぁあ!

もう無理右目死ぬ!

 

 

「マジで瞬きくらいしろよ!」

 

 

 

声が出た…

学園長もメッチャ驚いてる…

 

そりゃ驚くわな…

沈黙の破り方がひどい…(泣)

 

 

『なんじゃ主君よ、これからが本番という時に…』

 

 

 

お前鬼畜かよ…

神ってみんな鬼畜なの?

 

もう学園長顔真っ青で漏らす寸前くらいになってんぞ。

 

 

 

 

俺が声を出すのと同時に魔力による圧迫感も霧散していた。

 

だからだろう…

 

とても安堵したような声で、学園長は俺に話しかけてきた。

 

 

 

「えっと…見たところさっきとは別人格のようだけど…」

 

 

そうか、周りからはそんな風に見えるんだな……バレてもめんどいしその設定でいくか。

 

 

 

「まぁ、そんな感じですね。すいませんね、こいつがちょっと粗相をしたみたいで……大丈夫でしたか?」

 

 

とにかく相手の安全確認!

後遺症で学園長になれませんでした、じゃ、話にならん!

 

それに学園長が粗相をしそうだよ!(犬的な意味で)

 

 

「大丈夫だけど…足が震えて動かないんだ…どうにか休ませてもらえないかな?」

 

 

 

 

 

 

あのいっつも飄々とした学園長の足が子鹿のようになっていた。ナッサケネー。

 

 

 

こんなところで魔道についての会話もなんだからとバロールが言うので、家に招いて、冒頭に至るわけで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一印象悪すぎで泣けてくる…

俺何もしてないのに…

 

 




どうでしたか?

このままいくと、
リベルちゃんと口調がかぶるので、
バロールの方を「」から、
『』に変えようと思います。

そして今週中には原作行くとか
言ってたけど、キツそうです…
本当すいません。
書けば書くほど
書きたいことが出てきて、
なかなか進まないんです…


他にも何か案がございましたら、
いつでも受け付けております!

よろしくお願いします。


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探り合い…俺の知らないことが多すぎる!

やっと落ち着きました。
篠崎です…

いきなり一週間ギリギリに
なってしまいました。
本当にすいません。

なんとか盛り返して行きます。
よろしくお願いします。


家に戻り、お茶を啜り、

息をついてそれから数分…

 

微妙な空気だ。

 

 

 

バロールは警戒していて、

学園長も、何処かぎこちない…

 

俺に隙を見せないようにしている。

特典その5のおかげで

そのくらいのことは見て取れた。

 

 

 

 

「それで、君はあの崩壊現象について、

何か知っていることはあるのかな?」

 

 

そう聞いてきたのは、

意を決する様に

ゴクリと唾を飲み込んでからだ。

 

 

どんだけ警戒してんだよ

あんた”大魔公“だろ?

 

二人いれば、

世界崩壊なんでしょ?

もっと堂々としてろよ。

 

 

「気づいた時には始まってたので

何故起きたのかは、

全く知りません。」

 

 

そう返すしかない。

俺は知らない。

バロールなら何か知ってそうだが、

こいつの存在は言えない。

 

学園に入るまでは…

 

 

 

「そう言う貴方は何者なんですか?」

 

 

名前を聞けば、

聞き返されてしまう。

よって、こんな言い回しを

せざるを得ない。

偽名もいいが、

咄嗟にいい名前が思いつかない。

 

外人っぽい名前とか尚更だ。

ハーフでもクォーターでも、

ミドルネーム?が思いつかない。

 

 

「僕は魔道士だよ。」

 

 

 

そんなこと分かっとるわ!

そこじゃないんだよ!

もうちょっとあんたに関する

情報が欲しいんだよ!

 

 

「それは知ってます。

僕もそうですからね。

僕が聞きたいのはその先なんですよ。」

 

 

口調はいつも通りに、

それでいて少し高圧的に言った。

たぶん誤魔化して、

煙に巻こうとしてるんだろう。

 

もっと情報落とせこら。

 

 

「王立ビブリア学園の生徒だよ。

よく、崩壊現象の調査や

解決のために色々やってるんだ。」

 

「へぇ、なるほど。」

 

 

 

 

この人ビブリア学園だったのか…

やったよ新事実だよ!やったね!

よく見ると、細部は違うがアラタが着ていた制服に似てる。

 

 

 

「その口調からすると、魔道三大学園を知っているんだね?

世間に秘匿されているのに…」

 

「魔道を嗜んでる人なら、誰でも知ってると思いますよ?」

 

 

 

世間には秘匿されていても、魔道士は、知ってるはずだろ?

何を今更…

 

「確かにそうかもしれないけど…」

 

少しの間の後、俺は、彼の一言に衝撃を受けた。

 

 

 

 

 

 

「この街のこの場所は2日前まで更地だったんだよ。そして、ここに住んでいる住民は子供一人と言うこと。住民票はともかく、戸籍も2日前に出来たそうだ。さらに、これだけの魔力を持っているにもかかわらず、学園には、なんの情報も入ってきていないんだ。これだけ異常なら、そりゃあ気になるだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

…は⁉︎

そりゃあ気になるわ!

あの神テキトーだな!

ていうか、住民票はともかく、戸籍を確認したとか、お前どんだけだよ!なんでピンポイントにそんなこと調べてんだよ!

個人情報保護法って知ってますか!

もうここまでくれば犯罪者として通報するぞ!

 

思わず舌打ちしそうになったのを何とか抑えて、

 

 

 

 

「…さすが『異端児』と呼ばれるだけはあるなぁ。」

 

 

つい毒づいてしまったフリをする。

相手にギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいで。

もちろんワザとだ。

これをこんな短時間で考えれた自分を褒めてやりたい。

 

 

学園長の顔が引きつっている。

 

 

恐らく、

自分だけが情報を持っていると思っていたんだろうが、相手が自分のことを知っていて動揺を隠せていないのだろう。

相手の得体が知れないほど、不気味に映ること間違いなし。

 

こっちが持っている情報はこれだけしかないが…

それでももっと持っていると錯覚させることはできる。

俺は不敵に笑う。

お前のことは知っているぞ、そう取られる様に仕向ける。

王立ビブリア学園の事をよく知っていないと今の言葉は出てこない。

 

自分で言うのもなんだが、こんな不気味な存在が自分のことを知っていたらビビることは間違いない。

 

 

「これ以上は、どちらにとっても得をしないと思いますよ?」

 

 

「そうだね…

今回はこのくらいにしておくよ。」

 

 

もうちょっと情報が欲しかったが仕方が無い。こっち側には情報が圧倒的に足りない。これ以上踏み込むと、こっちがボロを出しそうだ。それに、学園長になったらまた会えるからな。

 

 

「それじゃあ、聞きたいことは聞けたから僕はもう帰ろうかな。」

 

「また会った時は、気軽に声かけて下さい。」

 

恐らく次会うのは学園で、立場もかなり違ってくる。なんとかそこまで行き着いてみせる。

 

ここで脅すのも手だが、その場合、関係が修繕不可のところまでいってしまいそうだ。

 

 

俺は玄関から彼の背中を見送った。一度も振り返らずに去って行く姿は様になっていた。さすがエセホストと呼ばれるだけはある。

 

 

「ふぅ、疲れた〜。」

 

やっと一息つける。

 

『面倒くさいことをするのぅ、主君よ。』

 

ため息を吐きながらそんなことを言ってくる。確かに面倒だとは思うが、今の俺が目立つのはマズイ。変装が解けてなくてよかったと思う。

 

 

「良いんだよ。正面衝突だけは避けないと俺の目的は達成されないんだから。」

 

もっと神の気が利いてたら、こんな面倒にはならなかったはずだ。

 

恐らく、これからもあの神のテキトーさによってこっちが迷惑を被ることは確実。

 

 

何としても生き残るためにできることはなんでもやろう。

 

 

 

そう思い、翌日からの時間のほとんどを魔術と体術、知識を蓄えるために使うことを決意するのだった。

 

 




久し振りなので、
少し文体が違うかもしれませんが
ご了承下さい。



次回は少し時期が飛びますが、
今回の様に送れないと思います。
次回もよろしくお願いします。


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波乱万丈…ホントキツかった!

どうも篠崎です。

今回は回想ですね。

これ以上書くと話が進まないので
一気に行きました。

そんなわけでどうぞ。


学園長との邂逅からの15年間の話をしよう…

 

 

なんでいきなりそんなに飛ぶのかって?

 

そんなの色々ありすぎて、辛かったからだ。

映画なら3部作、アニメなら2クール、単行本なら14巻位は間違いない。

 

 

簡単に挙げるだけでも…

 

 

まず、戸籍に関してだが、箪笥の引き出しに入っていた。生年月日に指名、電話番号に家具の配置は現世の家とほとんど変わっていなかったが、現世とは逆に両親が死去したことになっていたので、近所の人が凄く優しかった。

 

それだけなら良かったが、自称親族や変な訪問販売、宗教の勧誘は鬱陶しかった。子供を勧誘するってどうよ?これが5年も続いたんだ。ウンザリしてしまった。

 

なんでも両親は実家とは絶縁状態という設定で、遺産もかなりの額だった。通帳の残高を見て目を疑ったほどだ。桁が二つは間違っていると、前世の時の俺なら思った事だろう。

 

 

それで、固定資産税やらなんやらを向こう10年分先払いしていて、そのおかげでこの家に住めているとか。

 

 

あと、両親の写真も見つかったが、現世の両親まんまだった。ちょっと複雑な気分だ。神の嫌がらせは細部まで本当に凝っていると思った。

 

 

 

 

 

 

次は学校だが、転生の翌年の小学校への入学申込書も出てきた。

 

自分で書いたんだぜ俺。中身18の奴が、自分の小学校への入学届け書くとか、切なくて泣いたわ!

 

 

入学したはいいが周りが無邪気すぎて、居心地が悪かったのを覚えている。眼帯も不自然だから、ずっと魔術で誤魔化していた。

 

 

必死に話題を合わせようとアニメやゲームを調べたが、何分時代が古いため、やったことのあるものが多かった。そのおかげで、話が合わないことは無かったが、話し方や態度を意識して幼く見せていたため、神経がすり減っていった。

 

別にボッチでも構わないが、せっかく転生したので、生きていた頃に出来なかったことをする機会をあまり無駄にしたくなかったからだ。

そこから9年間は小中学校での生活なので割愛しよう。ただ、ボッチだった頃の生活、態度、言動を改めた結果、現世の俺がリア充と呼んでいた輩の様になってしまった。

 

そのおかげで、その9年間は体術に慣れる時間があまり取れなかった。

(小学生にリア充も何もないと思うが…)

それでも人と、特に女子と喋る時に緊張しなくなった。これはデカイ。

 

 

 

それと、肉体の老化遅延だが、これは凄まじい効力を発揮した。

 

15年経った今でも、10歳くらいにしか見えないのだ。この調子だと後5年経っても、中学生くらいにしか見えないので、魔術は解除してしまった。その都度外見を微調整しないと若すぎるのは困る。若いと言うか幼いと言うかは別で。

 

 

解除した時、今までの疲労が一気に襲ってきて、気絶したのは記憶に新しい。2日も寝ていた…らしい。

 

 

 

歳をとらない理由を病気と偽っても良かったが、精密検査とか受ける訳にはいかない。まして、モルモットなんて真っ平だ。

 

 

まあ、パスポートとか戸籍は、魔術でどうにでもなった。

今なら詐欺師にでもなんでもなれる自信がある。俺の経歴真っ黒すぎでしょ!ってくらい黒い。どす黒い。

 

 

歳をとらないことがバレないために、転生した時の家を引き払い、色んなところを転々とした。

 

まぁその先々で、面倒に巻き込まれ…

 

言い直そう。

 

特典の欠陥により引き起こされた面倒ごとは多々あったのはまた別のお話。

 

 

 

それでも、この15年間は無駄ではなかった。魔術的には大きな進歩を遂げた。

 

 

様々な(原作)知識によって、発想力は困らなかった。

 

 

”分解“と言うことで、達也さんの魔法を真似て見たり、

分解した物質の原子配列、大きさ、強度、色合いなんかを記憶し、”創造“で復元するという、擬似四次元ポケット、

”創造“で作った世界を現実とを繋げることによってできるどこでもドア擬き等…

 

名称は簡単でも、色々な原作の発想を組み合わせてようやく完成した魔術である。

 

特にこのどこでもドア擬きの完成は、俺の生活を大きく変えた。

 

と言うのも、わざわざパスポートを偽造することなく入国出来る様になったからだ。それに金を掛けずに旅行出来るのもいい。

 

流石に金を創り出すのは、倫理的にヤバイ。魔術知ってる奴にあってバレたらよりヤバイ。今は親の遺産を株とかで増やしながら生活しているが、節約出来るところはする。その分俺の趣味に金が行く。

 

完璧(・ω・)ノ

 

 

ん?誰名義の投資かだって?そんなもん何処かの誰かさんの名義に決まっているじゃないか。

 

ハッハッハー(棒読み)

 

 

 

パスポートは複雑で、何度も創り出すの面倒だったから、とても便利である。

 

まぁ、密入国により、俺の経歴がますますヤバくなったが…

 

 

気にしない気にしない!

 

 

その時、あの言葉が頭をよぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「”バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。“」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲス顔まで思い浮かんだ。この言葉は、俺の頭の中でエコーの様に響き渡っていた。

 

 

 

…うん、そうだよな。バレなきゃ犯罪じゃないよな…

(虚ろな目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…はっ!

俺は何を考えていたんだ。危ない危ない…あの言葉に何度騙させそうになったことか。二桁はあったかな?そんなことも。それに名義の偽造もバレてないし…

 

 

 

今そんなことはどうだっていい!大事な発見があったんだよ!

 

 

それは、アラタが住んでいる地区を探し当てることに成功したことだ!そして漫画の屋上の風景からどの高校かも確認済み。漫画は穴が空くほど読んだ。背景も完璧に覚えている。…実際に穴が空いたが。

 

それだけのために15年使った。と言うのもどこでもドア擬き開発がかなり後だったため遠出ができなかったのだ。

 

実質3年で見つけ出した。3年前まで電車とかでしらみつぶしに探していたが流石に無理だ。

 

 

 

それでもこうやって見つけれたから大丈夫。アラタの外見は今の俺より若干幼い位なので修正可能。

 

逆算すると、原作開始は2010年位かな?

 

 

崩壊現象止めないのは悪いと思ってる。でも、原作から離れすぎると

わけがわからなくなってしまう。STEINS;GATEっぽくできたらいいんだけど、犠牲の出ない崩壊現象とか、不可能だからな。途中で止めても原作と外れるし…

 

 

それに聖さんはアラタのヒロイン。それも覆したらいけない。似合いすぎてて変えたくない。しかも聖さん魔道士でしょ?バレる絶対バレる(汗)

 

定期的にアラタ達が高校生になってるか確認すれば大丈夫だろう。年一の確認だからストーカーじゃない。セーフ、全然セーフ。

 

 

 

後得た物と言ったら、完全記憶能力でほとんどの言語や知識は習得済み。大学どころか大学院、それもハーバードや、マサチューセッツでも通用する学力を手に入れた。

 

 

筋力もついてきて、ワンパンでコンクリ位は素手で砕ける様になった。拳は痛い……やっぱ強化は必要だわな。

 

 

 

それと一回全力で世界構築したら面積が九州位の大きさになった。

バロールも手伝ったらしいが、流石にそれは驚いた。どうも、異次元ならこの大きさが最大らしい。現実世界に創るなら、県一つ位だそうだ。維持するのは最大規模で1時間。

 

なんでも、今ある物に重ねる様に創ると、余計に魔力を消費するとかなんとか。

 

 

 

 

行った国や街でちょいちょい崩壊現象に遭遇したが、”分解“で吹き飛ばしたりしてなんとかなった。一回試しに”マテリアルバースト“ぶっ放したら崩壊現象の起点ごと辺り一面更地に…

 

 

復興が大変そうだったので、実験として”復元“も使ってみたらあっという間に街一つが元通りに。

 

ハリポタのダンブルドアみたいに時間が戻る感じかと思ったが、全然違った。なんと言うか、段々と浮かび上がる感じ。そうとしか言えない。

 

 

 

そんなこんなで15年が経った。今は元の姿で色んな国を転々としている。

 

 

幼い頃のヒロインを見てみたい、その一心でひたすら続けている。

 

 

後5〜6年のうちに少しでも交友を…

取れるかな?取りたいな。と言うか撮りたい!

 

 

まあ冗談はさておき、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、俺はヨーロッパっぽい

国で、一人佇んでいる。

 

 

 




どうでしたか?

次回の話ですが、
背景をよくみている人は
誰が出るか予想できると思います。

それでは次回をお楽しみに〜


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原作の過去
やっと原作二人目…可愛いは正義!


祝お気に入り100名突破!

ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


ヨーロッパ風の街並み

 

 

 

 

そんな表現なのには理由がある。

 

 

ここに転移する前に崩壊現象を3〜4個吹き飛ばしたりして、魔力が枯渇していたこと。

 

そんな時に限って、三大学園の生徒がタイミングよく(俺にとっては悪く)現場に到着してきたこと。確か今回はリベル学園だったな…最初からつけていた眼帯には魔力を外に垂れ流しにしない封印が施されてあったけど、ダルくて外したままだったから…

 

 

 

そして、そいつらから逃げるため仕方なくどこでもドアを使うと…

 

 

 

あら不思議、

何処かの路地裏だったのです。そう認識した瞬間、案の定気絶。

近場で良かったのに何でこんなに遠くに転移したのか後になって後悔した。急いでたから座標指定が雑だった。そして追い打ちをかける様に目が覚めると土砂降りの雨。

 

 

服は重いわ身体は冷たいわでその場で2日も寝込んだ。風邪で幻覚が見えるなんて、初めて知った。最近の風邪って進んでるな〜

 

 

 

その間、通りからは活気ある声や、食べ物のいい匂い…

 

そしてそれらの生殺しにあい、精神はガリガリ削られた。転移前が徹夜だったこともあり、抵抗力が落ちていたんだろう。

 

 

 

ガリガリで思い出したけど、ガリガリ君って全然ガリガリじゃないよね。

 

 

ホントどうでもいいですね…

 

 

 

 

 

 

そこに食べ物を分け与えてくれる

天使のような女の子が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れるはずもなく、逆にスラムのゴミを見る様な侮蔑の目で周りからは見られ続けた。

 

 

ぜ、全然嬉しくないんだからね!

(ガチ)

 

 

 

二日後、

熱は下がったが、何も栄養を摂っていないのでフラフラする。

 

金はある。財布の中には現金30万位。しかしそれは日本円…(ふやふや)

 

ここでは使えない。最悪の状態の体調をおして、魔術で外見を誤魔化し、金をユーロに替えて、思う存分現地の料理を堪能…

 

 

しようとしたのだが、これまた力尽きて、人通りの少ない場所で倒れた。魔術で外見を〜からできなかった…ゼーゼーゴホゴホ言いながら意識を繋ぎとめるので精一杯。

 

 

やっぱり体調が最悪で、ろくなものを食べてなかったことが原因なんだろうけど…

目眩がひどいので、道の端で休憩していた。何だか左眼の眼帯が湿って気持ち悪くなってきたので外して、目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分後、此方に誰かが近づいてくる気配がした。その速度は段々速くなってきて目を開き、誰かがいる方向に顔を向けてみると、何か黒い物体が此方に物凄い勢いで突っ込んできた。

 

 

それは俺の顔に一直線…

当然よけられるはずもなくなんとか手を間に入れることに成功、しかし、勢いを殺すことができず、吹き飛び、壁に激突した。衝撃が凄まじく壁は崩壊寸前、

ドゴオォォォォォォン!

と言うバトル漫画に出てきそうな効果音をたててから、俺はその場に崩れ落ちた。

 

「グフッ…」

 

受け身をとったが完璧では無かった様で、肺から空気が漏れる。

 

こんな衝撃を受けても、目が覚めるどころか眠気が尚強くなる。

 

 

なんとか顔を向けると、そこには真っ黒なシスターの格好をした小柄な女の子が、膝蹴りをし終えた体制でこっちを睨んでいた。

 

 

 

「膝蹴りじゃなくて、食料が欲しかった…」

 

何度も言うが、本当にご褒美じゃないんだよ…

 

そんな切実な願いを口にして、俺は意識を失った…

 

 

 

 

 

 

 

 

==============================

 

 

 

 

「知らない天井だ。」

 

 

 

 

目を覚まして最初に発した一言である。いつか言ってみたかったセリフベスト20にはいるセリフだ。

 

 

病院の天井は見たことあるから、このセリフは一生言えないと思っていたのだが言えて良かった。

 

 

 

 

 

一回死んだから一生のうちには言えなかったな…

ハハ…

 

 

 

 

 

 

「しっかし、ここは何処なんだ?」

 

 

辺りを見回すとなんの変哲もない部屋、ベットに机、イスが2つ、姿見にクローゼットなどごく普通の部屋。窓からの景色からここが二階であることがわかる。

 

そして食べ物の良い匂い…

とても食欲をそそる匂い…

 

 

大事な事なので2回言いました!

 

 

おそらく蹴られた後に心優しい女性(ここ重要)がここまで運んでくれたに違いない。

 

出会い頭の膝蹴りとかお淑やかから程遠い。だがそのおかげでこんな機会ができたのなら、少しは感謝をしよう。

 

 

さぁ、こい!

原作関係ないけど、彼女無し歴=年齢-5年+17年。

自分で魔法使いになってしまった…

そう思い、憂鬱になり始めて早2年…

 

身体は子供、中身はおっさん!

 

その名も、魔法使い アキト!

 

 

 

 

何これカッコ悪い…

言ってて吐きそうになった…

 

 

犯罪じゃない!

犯罪じゃないんだ!

アウト セーフで言うとトリプルプレー…

 

人生チェンジですね分かります…

 

 

 

 

 

にしても、バロールから何も言ってこないとは珍しい…

眼帯つけてても時々話しかけてくるあいつが。こんな時真っ先に状況説明して、妙案を出してくれるのに…

 

 

 

そう思い、左眼に手を当ててみると包帯が何重にも巻かれていた。

 

眼帯じゃなかったのか…

 

 

ポッケを漁ろうとすると、今の格好が寝間着に変わっていることに気がついた。俺は脱がされたのか…

 

 

ホント女性でお願いします。男に脱がされたとか死ねる…

 

 

 

それにしても、ここの住人はどんな人なんだろうか。(特に性別)

下に降りようにも、また気絶するかもしれないため迂闊には動けない。き、気になる(やっぱり性別)

 

 

 

そうして待つこと十数分、部屋の扉の前に二つの気配が近づいてきた。一つはごく自然で、もう一つはオドオドしていて挙動不審な気配だ。

 

 

 

 

まさか姉妹か!姉妹なのか!

 

気の強い系と人見知り系のダブルヒロイン登場!ここから始まる三角関係!そしてドロドロから血みどろに!最後に全員死亡のバッドエンド!

 

 

嬉しくないです…

 

 

 

 

 

 

原作とは全く関係ないが、平和に過ごせるのならそれはそれで嬉しい。俺にも32年ぶりに春到来!今までの後悔はここで晴らす!

 

 

 

と、そこで扉が開かれた。

 

 

 

「あら、もうお目覚めでしたか。ご気分は如何ですか?」

 

「はい、大丈夫です。」

 

 

 

ちょっと予想と違った…

人見知り系ヒロインの年齢と気の強い系との年齢差がだいぶあるのである。

 

 

親子にしか見えない…

一人は20代後半から30代前半、もう一人は俺と同じ位だ。年の離れた姉妹と言えなくもないが、何処か厳しいものがある。

 

 

 

なんと言うか、母性的なのだ。気の強い系にヒロインとついていないのは、ヒロインではないからだ。

 

 

それに対して人見知り系ヒロインは此方を見ては背に隠れ、を繰り返している。此方はよく顔が見えない。

 

何よりも二人ともが修道服、と言うことは俺を蹴り飛ばしたのは恥ずかしそうにしている娘なのか…

 

 

と言うかやっぱり見覚えがある。

 

修道服で、蹴り技主体、黒髪ロング。見覚えしかないな。

 

 

アキオさんだわあれ…

 

 

 

 

==============================

 

 

にしても雰囲気が違いすぎる。

 

 

出されたスープを飲み終えて、最初に思ったのがこれである。もっとガツガツきて、サバサバした性格だと思ってたけどこの頃は乙女って感じにみえる。

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

そんな彼女が突然目の前にきて勢い良く頭を下げ、謝ってきた。

 

 

こんな小学生位の女の子が必死に謝ってきたら、なんだかいたたまれなくなる。たとえこっちも見た目小学生でも、心は30ちょいのおっさんだから心が痛い。

 

 

「大丈夫だよ、もう痛くもないし、謝ってもらったから、気にしてないよ。」

 

 

なるべく優しい声でそう言う。

 

その言葉を言い終えると、彼女はゆっくりと顔を上げた。

 

 

そこから俺はあの膝蹴り以上のダイレクトアタックを受けることを予想していなかった…

 

 

「…本当に怒ってないですか?」

 

 

 

 

 

 

…よくラノベなんかで上目遣いでの涙目懇願は凶器と呼ばれていたがその意味を正しく認識した。鼻から温かい液体が垂れてきて顔が熱くなる。

 

 

 

 

意識はあるが動けずそこから数分間、像の様に固まっているのであった。

 

 




さあ、ここからが本番。

次回も期待して待っていてください。


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進展…って言うか超展開!

すんません、ちょっと遅れました!

新作ゲームやめられなくて…

ちょっと長めなので勘弁してください。



不動アキオ

 

 

使う魔術は真言術(マントラ・エンチャント)、高身長でもっとサバサバした感じの女性だったはずなんだが……今目の前にいる女の子は本当に同一人物なのだろうか…

 

 

 

 

 

 

動けない俺は脳をフル回転させる。

 

 

カメラは!カメラはないのか!今こそ若かりし時の写真を永遠に額縁に飾るんだ!だってミニスカですよミニスカ!浪漫ですよ浪漫!

 

 

 

 

くそっ、ねえのかよ!カメラとか構造覚えてねぇよ!仕方ねぇ!

 

 

 

そんな俺は完全記憶能力で脳内に永久保存する。今日ほどカメラの構造を覚えてなかったことを後悔した日はない…(この間僅か1.0s)

 

そこからの数分はムービーとして記憶に収めたのであった。

 

 

 

やってやる!この記憶を現像する魔術を会得してやるぜ!

 

 

 

 

 

鼻血は魔術で瞬時に隠して分解したから、なんとか隠し通せたはず……ヤバいよヤバいよ!アキオさんの母親メッチャこっち見てるよ隠せてないよ!(汗)

 

 

 

でも仕方ないんだ!こればかりは男の性なんだから!だから俺は悪くない!こんなに可愛いアキオが悪い!

 

 

 

こうやって一人でアキオ母に言い訳しても仕方が無い。ここは自己紹介から良好な関係を築かなければ!そう考えた俺は自己紹介からはいることにした。

 

 

 

 

「助けてくれてありがとうございました。僕は天草暁斗って言います。本当死にそうだったところをありがとうございます。」

 

 

 

昔の癖で感謝の言葉を2回言ってしまう。どうも歳上の人と話すのは慣れないから、畏まってちょっと早口で言ってしまった……この15年でボッチ抜け出したと思ったんだけどなぁ…

 

 

 

 

「初めまして、私は不動マドカよ。この子は不動アキオ。ごめんなさいね、この子がいきなり街中に不浄な魔力を感じたって言って走って行って貴方に膝蹴りしちゃうんだもの。私も感じたんだけど、害意がなかったから止めようとしたけれど、もう見えなくなってて…」

 

 

 

「いえ、気にしないでください。僕が眼帯を外したのがいけなかったんです。それに傷も見当たりませんでしたし、そこまで本気で蹴っていなかったんでしょう…」

 

 

 

本当は20kg後半の俺を吹き飛ばす位強かったんだが、言わないことにしよう。アキオが怒られるところとか見てみたい……じゃなくて見たくないからな。

あと、アキオの母親の名前はマドカさんって言うのか。新発見だな。

 

 

 

「いえ、ちがうの。本当は右掌の骨の殆どが折れていて、右の肩甲骨にヒビがはいっていたんだけど、貴方が気絶している時に治療してしまったの。それから半日眠ってたから心配してたの。この子の全力の蹴りをまともに受けて怪我がその程度で本当に良かったわ。頭を打っていたら目も当てられないことに…」

 

 

よかった!手入れて受け身とっとてて本当に良かった!咄嗟に対応してなかったら原作前に人生終了しちゃう!潰れたトマトになんてなりたくない!

 

 

 

「はは…まぁ彼女にも悪気があったわけではないんですし、許してあげてください…」

 

「本当ごめんなさいね。私達の仕事柄、貴方の様な魔力は警戒する様に言い聞かせてたんだけど、まさか見もせずに撃退しようとするなんて……」

 

 

 

あー…確か秘宝巫女(スプリガン)だっけか?アキオの職業。天空図書館護ってるんだよね、魔王専用の武器とか保管してるから。俺特典で魔王候補だから仕方ないか…と言うか元を辿れば俺のせいじゃん。

 

 

 

「えっと…どの様なことをされてるんですか?」

 

 

とりあえず知ってるけど質問。学園長の時みたいな失敗は犯さない。俺は成長したんだ。

 

 

「とあるものを魔王候補、貴方の様な不浄な魔力を持つ悪い奴から護る仕事よ。」

 

 

 

…これは、俺を遠回しに疑っているのか?

 

 

「それじゃあ蹴られても仕方ないですよ。知らなかったとはいえ、そんな場所に怪しい俺が入り込んできたんですから。」

 

 

「そんなことはないわ。貴方からは不浄な魔力は感じても、そこに害意はなかったから。」

 

 

流石に天空図書館の事は言わないか…

そりゃ、俺が潔白だって証拠は何処にもないからな。疑われるのも仕方が無い。でもちょっと警戒心を緩めてくれたのは何気に嬉しいが。

 

 

「ほら、貴方も自己紹介しなさい。」

 

 

そう言われ、アキオはマドカさんに押され、俺の前までやられる。何この生き物、すごく可愛い。と言うか可愛らしい。

 

 

「えと、さっきはごめんなさい。アキオって言います。11歳です。」

 

 

うん、可愛い!スカートの裾抑えて、モジモジしながらの自己紹介とか破壊力がスゲぇ。そっち方面の人だったら即刻お持ち帰りレベル!鉈持った人も絶賛間違いなし!

 

 

こっちが素なんだろうなぁ、さっきのは準備してすっごく頑張って謝ってたけど、今は突然でテンパってるんだろう。年齢も答えてくれたのはこっちとしても嬉しいんだが…

 

 

 

にしても、この身体肉体年齢が低いのか反応しないんだよなぁ……今されても困るんだが。

 

 

 

「初めまして、僕は天草暁斗です。今年で10歳です。よろしくね、アキオちゃん。」

 

 

 

よっしゃ、ファーストコンタクトは噛まなかったな!年齢とか超サバ読んでるけどこの調子で行ってみよう!

 

 

 

 

「そういえば、天草君のご両親はどうされてるの?近くにいたらあんなことには………あっ、いや気にしないで。」

 

 

マドカさんは言ってる途中で何かに気づいたのか、申し訳なさそうにして、それから親が子供を見る様な優しい目で見つめられた。もしかして捨て子とか思われてる?

 

 

 

 

 

「いえ、気にしないでください。別に捨て子とかではないですから。両親はじゅ…ご…2年前に亡くなってます。魔術でなんとか外見を誤魔化して生活してたんですけど、2日前に魔力が切れちゃって倒れてたんです。左目がこんなだから誰にも頼れないし、親戚も遺産目当てとかで信用できないしでストレスが溜まってたんだと思います。リラックスできなくて魔力が全然回復しませんでした。」

 

 

 

本当は15年前、外見年齢的に5年前、それでも5歳で一人暮らしは無理があるから、本当のことを言って自滅するところだった…

 

なるべく重くならない様に軽い感じで話したが、愚痴ってしまった。これは仕方ない、転生して一年間で20組もの親戚が訪ねてきたから驚いた。学校に直接電話した奴らもいて、面倒臭くなったので魔術で親戚を創ったのもいい思い出だ。

 

 

 

 

マドカさんはしばらく黙ったまま此方をじっと見つめた。俺からも何を言っていいのかわからなかったので、必然的に沈黙が続く。なんだか居心地が悪くなった俺は苦笑した。

 

 

 

 

 

それを見たマドカさんは目尻に涙をため、いきなり俺の事を抱きしめて…

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫よ、貴方のことは私が育てるから!」

 

 

 

 

そう宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

 

この宣言から1時間後の今、俺、アキオ、マドカさんの3人は街中を歩いている。ちなみに俺はアキオとマドカさんと手を繋いでいる…

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった…

 

 

 

 

 

==============================

 

 

宣言してからのマドカさんの行動は速かった。此方の意見を差し挟む間もない速さで部屋の案内やこれからのことを提案され、何か言おうにも「大丈夫よ、心配しないで!」と言われる始末。提案じゃなくて説明だな…

 

 

 

 

それから元着ていた服に着替えさせられ、街を案内するからと外に連れ出されてしまった。その間、アキオはオロオロしていて、俺の意見はと言うと、一つも聞いてもらえなかったのであった…

 

 

 

 

「おや、マドカちゃん。その子どうしたんだい?」

 

「あらあら、可愛らしい子ね。」

 

「アキオちゃんその子だれー?」

 

 

街を歩いていると、街の人々は老若男女問わずマドカさんやアキオに話しかけてくる。人気者なんだろう。野菜売ってるおっさんから、近くを通りかかる老婆、小さい子供達は特にアキオに声をかけている。そのうちの何人かの男子は、アキオ、俺、繋がれた手、の順番に見て俺の事を睨んでくる。アキオ可愛いからモテるんだなぁ。

 

 

 

そんな今の俺は、包帯から眼帯に付け替え、眼帯を魔術で隠して普通の顔に見せかけている。あの包帯完全に左目を封印してたから、魔術使えないんだよ……それに比べてこの眼帯はハイスペックだった。外に魔力を漏らすことなく魔術行使ができるからな。そのおかげでごく小規模の魔術なら誰にも気づかれないし、天空図書館からの迎撃もないし。風邪引いて眼帯外してるときは魔力の枯渇と街の郊外過ぎるという理由で攻撃されなかったんだと。まぁ、アキオには攻撃されたんだが…

 

 

 

そうして街を一回りする間、俺は原作ブレイクするために必要なので、建築物や人、地形等を正確に把握していった。これは何年も前(前世)から考えていたから、やりたかったんだ。方法は最近思いついて、どこでもドアと同時期に完成させた。結果有名なアニメの道具っぽくなったけど、あれメチャクチャ燃費悪いんだよなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街を回りながら、マドカさんは買い物をして、そろそろ帰ろうかと言う時に、前方からなんかチャラそうな雰囲気の男達が此方に向かってやってきた。魔術師っぽいが、はっきり言って格下も格下、雑魚だ。何人集まろうとも消し飛ばせる自信がある。だって五人もいるのに俺の総魔力の4分の1も無いんだよ?今は半分しか魔力の無い俺でも負ける気がしないとか…

 

 

そいつ等は此方に向かってやって来る。そいつ等に気づいたマドカさんは素早く俺とアキオを自分の背に隠す。そいつ等は俺たちの前まで来ると、此方に話しかけてきた。

 

 

 

 

「不動さん、そろそろ教える気になりました?あんたの魔術とあんた等が隠しているお宝の在り処を。」

 

 

「何度聞かれても答える気はありません。お引き取りください。そして二度とこの地に近寄らないでください。」

 

 

「分かってないなあ、俺たちのバックに誰がついているか知らないわけじゃないだろう。大人しく言うことを聞けば、悪い様にはしないから安心しろよ。」

 

 

「そうだぜ、そんなんだからあんたの夫も死んじまったんだよ。ホント不運な事故だったよなぁ。」

 

 

 

ギャハハと下品に笑っているのを尻目に、俺は驚いていた。

 

 

世界にはこんな当て馬みたいな存在が本当にいるということに。

 

 

 

もうただの地上げ屋じゃん…

何なの?バカなの?何が面白いの?周り見ろよ、皆不快そうな顔して睨んでんじゃん。年がら年中ウェイウェイ言ってるから周りが見えなくなるんだよ。

 

 

マドカさんも拳を握り締めて我慢している。アキオが前に出ようとしたが、俺はアキオを止めて首を横に振る。自分の親に迷惑がかかると理解したのか、この場は我慢してくれた。

 

そんな五人組は俺やアキオに気づいたのか、こっちにも話しかけてきた。

 

 

「あんたに聞いても埒が明かないな。嬢ちゃんに…誰だこの小僧?まあいいか、この人が大事に守ってるものが何処にあるのか知らないかい?」

 

 

 

もう小学校高学年になろうとしてる女の子と魔法使いの俺に聞いて教えてくれると本当に思ってるんだろうか?

 

 

 

 

どう見ても俺より年下なそいつらに向かって、俺はマドカさんの前に出て、見下した目で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼ですが、頭大丈夫ですか?寝言は寝ている時に言うものですよ?…あっ、すいませんね。そんなこと考える頭ありませんよね。毎日がクリスマスですもんね。すいません、此方の配慮が足りませんでした。もう少し一般教養を身につけ……いえ、進化してから出直してください。類人猿の皆さん。」

 

 

 

そう言い放った。

 

 

 

 




ホントすいません。
この時期忙しいので、また遅れるかもしれませんが何卒ご容赦ください。


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反逆…からの実験

すんません。題名を思いつかず、区切りどころもなかったので2話分くらい一気に投稿します。

待っていた方本当にすいませんでした。


後、UA10000突破しました。ありがとうございます!


俺が暴言を吐いた後…

 

 

 

しばらく辺りが沈黙した。マドカさんとアキオは驚いた顔でこっちを見ていて、ヤンキー五人組は体をワナワナと震わせ、頭には青筋が浮かんでいる。子供が言ったことに露骨に反応するなんて…流石猿人、底が知れてる。

 

 

 

「…おいクソガキ、今何て言った。」

 

 

五人組のリーダーっぽい奴が、なんとか冷静さを維持して俺に話しかけてくる。怒ってる怒ってる。

 

 

だから俺は……

 

 

 

 

煽らない訳が無い。

 

 

 

「おや?頭だけでなく耳まで悪いとは……もうどうしようもありませんね。いい病院でも紹介しましょうか?勿論動物病院ですけど。病院側も猿人という貴重なサンプルを手に入れられて、さぞ嬉しいことでしょう。これぞwin-win?の関係ではないでしょうかね。貴方達みたいな社会の…時代の不適合者が世界の役に立つのですから。」

 

 

 

言い切る途中でブチッと何かが切れる音がした。言わずもがな、五人組の血管からである。面白い位に反応してくれるから少しからかい過ぎたか?俺は大爆笑したいのを必死に我慢しているので、身体が小刻みに震えている。俺の顔が見えていない人からは、悪漢に勇気を振り絞って立ち向かう小さな男の子だが、俺の顔を見ると笑いを堪えていることに一発で気づくだろう。事実、アキオはまだビックリしているが、俺のほぼ真横にいて俺の顔を見ているマドカさんに関してはちょっと引いている。と言うか、周りの大人達は殆どが引いている。

 

 

 

それでも大衆の面前で事を起こすのは、リスクが高過ぎると理解しているのか、実力行使はしてこなかった。何だ面白くない。

 

 

もうちょい煽ろうかと考えていると、五人組のリーダー(略してゴリ)が俺を睨みながらドスの効いた声で喋ってくる。

 

 

「俺たちに喧嘩売ってタダで済むと思ってんのか?俺たちのバックには枢機(カルディナリス)クラスの魔力を持つ魔道士が控えてんだぞ。お前みたいなガキがあんまり調子に乗ってるとどうなるかわかってんだろうなあ…」

 

 

 

枢機クラス?魔王>大魔公>枢機だから学園長よりも下じゃねえか。そんなんで威張るとは……俺はまだ子供だからって流石に見下しすぎだろ。

 

これならちょっと脅しても問題ないな。さっさと帰ってご相伴に預かりたいものだ。よく考えたら三日間でスープ一杯だけとか、ホームレスでももう少しマシなの食ってるよ。それに取り繕うのも面倒になってきた。素で行こう。

 

 

 

「そこで人に頼るとか、まさに虎の威を借る狐だな。あっ、知らないよな、こんなに難しい言葉。別にお前らが強いわけじゃねーんだから……バックにいるっつってもお前らみたいな猿に手を貸すとかあり得ないからな。トカゲの尻尾きりよろしく、見捨てられると思うぞ。それと、たかが枢機クラスで威張るとか大丈夫か?せめて大魔公クラスじゃないと、脅すには全然足りねーよ。それともう一つ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世にはな、『死人に口無し』って言葉があるんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うと、俺は魔力を5人に向かって一瞬だけ放射した。バロール直伝の威圧攻撃!効果は雑魚には抜群だ!天空図書館からの対魔王候補の魔術も、遥か上空で相殺したので気づかれていない。そのおかげで俺の魔力もごっそり持っていかれたが、効果は劇的だった。さっきまで凄んで、顔を真っ赤にしていた5人が、冷や汗ダラダラで顔色も青くなっているのである。劇的ビフォーアフターもビックリな変化である。

 

 

 

急激に男達の顔色が変化したので、マドカさんだけは何が起きたのかに気付き、周りの人達も何が起こったのかわからないと、殆どが首を捻っていたが、俺の変わらない態度からこの原因が俺にあるということには気付いた様だ。対して俺の魔力を浴びた5人は、後退りをしていた。

 

 

 

俺は話し始めてから今まで、ずっと顔には笑顔が張り付いていた。最初は普通の笑顔であったが、最後の言葉のときだけは相手を見下す意味合いが強い嘲笑になっていたからだろう。男達はやっと俺の実力を気付き始めた。普段の俺からは考えられないくらい饒舌になっているが、此方から今は殺しはしない。こいつらにはやってもらわなければならないことがあるからな。

 

 

「おいおい、さっきまでの威勢はどうしたんだよ。まさか怖気付いたとかはなしだぞ。この場でやるのがマズイってんなら、街の外ででもいいからさ。」

 

 

 

俺は他の奴よりも比較的後退りしていないゴリの元へ、さっきの散歩の続きと見紛うほど気楽に歩み寄り、彼の肩に手を置き、何も言わずに、哀れみの篭った顔を向けながら自分の魔力を付着させる。これは名探偵の犯人追跡メガネの様なものだ。範囲は半径約20km。これでこいつらの親玉が何処にいるのか教えてもらうのである。相手の体内にごく微量侵入させるので、天空図書館も気づかないし、魔力を入れられた本人ですら、かなりの実力がないとわからない。

 

 

俺の言った言葉に対して、その怖気付く原因になった奴が何言ってんだ、と周りからは思われているかもしれないが、この能力を使うには相手に触れなければならないのだ。もし、この挑発なしに近づいて行った場合、一目散に逃げられる可能性があったのだ。

 

彼らにはマドカさんやこの街の人達を救う礎として、とある魔術の実験動物(モルモット)になってもらおう。理論上は可能でも、実際に実験したわけじゃないし、人間以外でやっても成功しているかどうかわからないのが難点だったのだ。こんなクズ共にしか試せないし、失敗はけして許されない。

 

 

 

俺が肩に手を置いてから5秒程度が立ったとき、ゴリの取り巻きは我先にと来た道を全力で引き返した。ゴリも少し遅れて逃げ出した。勿論追わない。明日位にでも潰せばいいし、何より実験結果は多いに越したことはない。仲間がいれば、それだけ多く試せるというもの。

 

 

俺は上々な結果につい笑みを浮かべそうになるが、周りの人々が此方を見ていることに気がついてポーカーフェイスを貫いた。流石にやり過ぎたと思いどうしようかと悩んでいると、周りの人達は俺に近づいてくる。何を言われのかと内心ビクビクしていたが、そんな予想は良い方に裏切られた。

 

 

「すごいじゃないか!」

 

「見ているこっちがスカッとしたよ!」

 

「君、かっこよかったな。ところでウチの娘はどうだい?」

 

 

すっごい褒められてしまった。最後の一人が何を言いたいのかは理解したが、なぜ今言うのかわからなかった。後で聞いたことだが、なんでもこの人の娘さんは今年で27歳と言う、この街では若干行き遅れているのだそうだ。普通は20代前半には結婚しているのだとか……見た目10歳に27歳をぶつけられてもこっちが困る。

 

 

「最近、彼奴らは態度がドンドン大きくなってきていたから助かったよ。」

 

そう言ったのは八百屋?のお兄さん。言われた俺はというと、見たことはあるが話したことはない街の大人達に、背中を叩かれたり頭をワシャワシャされたり娘を勧められたりされた。この街は行き遅れが多いのか?

 

 

街は完全にお祭り騒ぎになっていた。野菜やら魚やら肉やらを沢山もらってしまった。マドカさんも困っていたが、結局は受け取っていた。人の好意は素直にもらっておいた方が、いいと思ったのだろう。そのうちの何人かはマドカさんを熱い眼差しで見ていたから、打算も含まれていたのだろうが…

 

 

結局は騒ぎが収まるまで30分程度かかってしまい、ゴリ達を含めて家に帰る時間がかなり遅れてしまった。早く食べたい。もう目の焦点が曖昧になってきているから…

 

 

それから昼食を食べ終えるまで、俺はぼーっとしていたらしい。食べ終えたら椅子の上でそのまま眠ってしまったのだとか…起きたらベットの上だったのでマドカさんが運んでくれたのだろう。後でお礼を言わなくては。

 

 

久しぶりにぐっすり寝た気がする。こんなにリラックスできたのは初めてかもしれない。魔力も7割型回復していた。バロールとはまだ話せていないが、恐らく魔力が枯渇しているのだろう、今の俺の半分程度しか魔力がない。バロールの回復がやけに遅いが、たぶん俺の回復を優先してくれているのだろう。いつも話している相手がいないというのは淋しいが…

 

 

マドカさんにお礼を言おうとベットを出て扉へ向かおうとすると、いきなり扉が開いてアキオが入ってきて、驚くべくことを言った。

 

 

「あっ!起きたんだね、お兄ちゃん!今から夕食だから起こそうと思ってたんだけど。下で待ってるから急いで降りてきてね、お兄ちゃん!」

 

 

 

…え?お兄ちゃん?俺の方が年下なんだけど…

 

 

 

 

==============================

 

 

 

アキオにお兄ちゃんと呼ばれ、数秒意識が飛んでいた気がする。下に降りたら、お兄ちゃん遅いと言われてしまった。なぜか知らんが満面の笑み。アキオは可愛いが何故お兄ちゃんと呼ばれているのかわからないので、俺はマドカさんに問いかける様な視線を向けた。しかし、マドカさんもわからないといった表情をして首を横に振る。

 

 

食事の間中アキオは俺にずっと話をしてくる。俺と出会う前の話が大半なんだが、そのはなしの合間合間に、「それでね、お兄ちゃん。」という単語がでるたびに、この疑問は大きくなっていた。

 

 

「アキオ?どうしたの?貴方の方が歳上なのにその呼び方は…」

 

 

焦れたマドカさんがきいてくれた。俺は相槌を打つことしか出来なかったが、アイコンタクトで助けを求め始めてから10分後の言葉である。もうちょっと早くきいて欲しかった。ついさっきまでアキトって呼ばれてたからむず痒かったんだよ…

 

 

「あ…えっと……あの人達を追い返してるの見てて、なんだかお兄ちゃんみたいだなあって………ダメ?」

 

 

ダメなわけない、いいに決まってるじゃないですか!また上目遣い!それでも威力は減るどころか益々上昇!鼻血はなんとか抑えた。勿論脳内保存は完璧!なんとしてでも現像せねば…

 

 

「いや、大丈夫だけど、いきなりだったからちょっと驚いてただけだよ。」

 

 

このまま成長して、将来もお兄ちゃんって読んで欲しい。兄貴!とか呼ばれたら、昔はお兄ちゃんって呼んでたのに…って感傷にひたっちゃう!

 

 

「それにアキオでもあのくらいはできるんじゃない?俺をあんなに蹴り飛ばしてたんだし…」

 

 

なんか口調が曖昧になってきた。もうどうでもいいかな?どうせゴリ達との会話で猫の皮はげてるし…

 

 

「ううん。あの時はたまたまほんのちょっとだけ成功しただけだよ。まだ魔術は殆ど使えないんだ。」

 

 

え⁈本日二度目の衝撃!上目遣いも含めると三回目!俺を吹き飛ばしたのは素の身体能力なのか⁈今度から怒らせないようにしよう…

 

 

 

 

 

こうして夕食を食べ終えてから風呂に入り、この日はそのまま就寝となった。マドカさんにお礼を言うのは忘れない。ちょっと忘れてたが…お風呂に一緒に入るとかいうイベントは勿論なかった……ちくせう…

 

 

 

==============================

 

 

アキオとマドカさんが就寝してから1時間ほど経った今、俺は街の外の森の中へときていた。何故かと言うと、勿論ゴリ達の始末である。

 

 

「こっちの方から反応があるな。」

 

『距離にすると後526mじゃな。』

 

 

バロールと会話しながら俺は獣道にすらなっていない場所を奴らの潜伏先に向かって一直線に進んでいた。学園長の時も思ったが、すげえ正確なんだよな、こいつは。前に計ってみたけどピッタリだったし。

 

 

何故歩いているのかと言うと、魔力の節約である。どの位の魔力が必要になるかわからないし、いつ街が滅びるかもわからない。魔力は余れば余るほどいい。

 

 

本当のことを言うと、バロールは俺が風呂に入っている時に目を覚ました。天空図書館を警戒して、眼帯をつけるまで黙っていたらしい。因みに、現在の俺の残魔力はほぼ10割、バロールが6割前後である。なんでも一度魔力を空にすると、5割回復するまで意識が表に出て来れないんだとか。俺の魔力を少しずつバロールに流して、回復速度を上げていたのだ。風呂は俺が最もリラックスできる場所の一つだからな。アキオがいつも入っているってことで最初はドキマギしたし、リトさんみたいなハプニングがあるかもと期待したのだが……はぁ…

 

 

何もなかったよ!なんだよ!ラッキースケベは新だけかよ!俺も特典に入れてもらえばよかった…

 

 

 

「それで、あの魔術の成功確率って今のとこどの位なんだ?」

 

 

悲しくなってきたので、気を紛らわすためにはなしかける。人相手にあまりにも低過ぎれば、この計画は実現出来なくなってしまうしな。

 

 

『人相手だと、今のところ五分五分といったところじゃの。まぁ、50回程度試して、修正していけば完璧に習得できるじゃろう。』

 

 

「そんなにいるのか…足りるかな?」

 

 

『それはまだわからん。マーキングの周囲に結構な数の反応はあるが、何人かまでは…』

 

 

50回とかできんのかよ。そんなにいるか不安になってしまう……あの程度の奴らを雇うんだから、そこまで規模が多いとは思えないんだよな…

 

 

落胆しながら、それでも僅かに期待して、アジトまでの道を歩き続ける。とは言っても所詮は500m。3分もかからずについてしまった。森に入って僅かに20分、隠れる気があるのだろうか?

 

 

その建物は古ぼけた屋敷だった。ルイージマンションみたいな感じだ。それかホーンテッドマンション。門の前に門番が4人。中はザワザワとしていて、結構な数の人間がいる気配がする。50に届け!その人数!

 

 

「まずはあの4人からだな。」

 

『うむ。まずは肩慣らしに4人同時にやってみるのじゃ。』

 

「了解したよ。“憤怒”の書庫に接続、テーマを実行する。」

 

 

魔力を限りなく絞り、周りに気づかれない様にする。そうして魔術を発動。……第一工程完了。ここまではいつも通り。ここからが重要だ。ここでミスれば対象は廃人になってしまう。

 

 

 

第二工程…半分ミスった。二人は何事もなく警備を続けていて、魔術をかけられたということを認識していないが、残りの2人は明らかに異なり、ぼーっとしていて、時々変なうめき声をあげている。その異変に気付き、残りの2人が警戒するが、俺はもう一度正常なやつに魔術をかける。次は二人とも成功。やはり気づかずにさっきと変わらず警戒し続けている。

 

 

この後、50回程度魔術をかけ終える頃には、二人とも消えてしまった。これで結構練習になっただろう。一人だけならもう失敗もない。そう考え、悠々と中に入って行く。勿論存在を消しているので気づかれないと思いたい。“創造”ってなんでもできるんだなあ、と何度思ったことか!

 

 

 

次に入った場所は食堂?的な、大人数が一度に食事できる場所。よく金持ちが一番奥で飯食ってる様な長テーブルがある。そこには20人程度のいかにもな奴らが飯を食べていた。

 

 

 

「さっきのでコツは掴んだし、なんとかいけるだろ。」

 

『慎重にやらんとな。モルモットは少ないことじゃしの。』

 

 

バロールは彼奴らをもう人とは思っていない様だ。とは言う俺も、時々聞こえてる話の内容から殺されても仕方ないなと思う様にはなったのだが。俺も思ってはいたが、口に出すほど嫌悪していたとはな、こいつも根はいいやつなのだろう。

 

 

 

次はさっきので5倍の数なので少し緊張しながら魔術を行使する。先の練習で魔術も効率化している。魔力は微々たる量しか消費していない。これなら街の住民全員にかけることが余裕でできる。

 

 

 

その結果は3人失敗、19人成功と言う微妙な結果に……さっきまで話していた奴が急に黙り込んだので、周りの奴らも動揺し始める。その間にも俺は魔術を行使し続けている。19人から17人まで減ったとことで、失敗はしなくなった。奴らが大声で他の仲間も呼んでいるが、俺を見つけることは出来ていない。そりゃ、天井にレビィみたいに保護色で張り付いているんだから早々見つかりはしない。

 

 

 

5分が経つ頃には40人近くが、部屋の中に集まっていた。雑魚とはいえ行動が速い。その間も魔術は行使し続けているが、もう失敗はしない。これなら本番もなんとかなるだろう。

 

 

そう考え、俺は長テーブルの上に飛び降りた。当然周りは騒ぎ始めるが、俺の姿を見て5人以外は見下した態度を取り始めた。

 

 

 

「なんだよ、ただのガキじゃねえか。こんなところにいるんだから、死んでも仕方ねえよなぁ?」

 

 

「おい!てめえが5人をこんなにしやがったのか!そうだったらタダじゃおかねえからな!」

 

 

「お、おい。待てそいつは…」

 

 

最後のはゴリの取り巻きその1か2だ。決めたわけじゃないからわからんが。当然さっきの俺を見て見下さなかった五人というのもゴリ達である。その五人だけは、今も怯えていた。

 

 

「おやおや?昼間の五人組ではないですか?こんなところで奇遇ですね。それはそうとすぐに先生と言う人を連れてきた方が身のためですよ?」

 

 

勿論偶然なんかではないのだが。言いながら2.3回試すが、もう失敗はしない。本番は人数が多いがこれより大人数を試せる様な機会もないし、仕方ないか…

 

 

ゴリ達五人の行動は迅速だった。すぐさま部屋を飛び出し、1分もせず一人の中年男性を連れてきたのだ。その中年は脂肪が多く、脂ぎっていたが魔力は他の奴らより段違いに多かった。たぶんこいつが先生だろう。この新魔法をかれこれ500回は行使したが、まだ俺の方が僅かだが魔力は上回っている。最初の100回は燃費悪かったが、今ではエコカー並みに燃費がいい。やつの魔力は俺の残魔力5割と同じ位だ。バロールもいるので負ける要素は皆無なんだが。

 

 

「なんだ貴様は。この僕をラド=ギッシュと知っての狼藉か。僕に楯突くことがどういうことなのか、思い知らせてあげようではないか。」

 

 

そこかしこから、ラドさん!待ってました!やっちまってください!などなど騒ぎ声が聞こえてくる。そんな俺はというと…

 

 

「え?ラード=ギッシュ?名は体を表してますね。さすがです。」

 

 

素で驚いていた。外見にピッタリ過ぎたのだ。こいつの親はネーミングセンスが光り輝いていると思う。相手側の何人かも必死で笑いを堪えているし。しかも口調が微妙に変だ。

 

 

「こ、この僕になんたる侮辱を、許さん‼︎貴様は手足を切り刻んで街中にぶら下げてやる!」

 

 

 

そう言われても正直こいつへの関心は名前だけである。はっきり言ってもう興味がない。相手が興奮するのに対し、俺は心の中でこいつの処刑を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

だってこいつにアキオを見られたらアキオが穢れるし。絶対こいつアキオを舐め回す様に見るに違いないし。街に入れるわけにはいかない!

 

 

 

 

 

理由はなんとも個人的なことであったが…

 




ご意見などお待ちしております。
なお、魔術については次回、詳細を明らかにします。オタクとは、ときに理想のために屑ども位なら多少の犠牲は省みないも思ってます(偏見)

と言うのは嘘で殺しに対するハードルが下がった理由も書く予定です。



4話でブリューナク持っている人物が間違っていることに気が付き、訂正しました。アリン→ルーグ


随時訂正、加筆しているのでよろしくお願いします。



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決闘…一方的でした。

篠崎です

今回は説明会みたいなものです。


誰しもが一度は見て、聞いたことがあると思う。上半分が赤色で下半分が白く、その境には白のボタンがついている。そのボタンを押せば大きくなり、投げると中から本来入らないであろうサイズの生き物が出てくる現実的に考えれば非現実的な球体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、モンスターボール。これがこの魔術の名称(仮)である。この言葉を見る限りでは、単純な構造をしていると思われるかもしれないが、実は俺が今まで習得してきた魔術の中でダントツの難易度を誇る代物である。これを魔術なしで創り上げた人はマジで尊敬する。

 

 

 

手順はこうだ。まず対象の物体を分解する。その際に原始配列やらなんやらを全て記憶する。そしてそれらを寸分の狂いもなく復元するのである。完全記憶能力の特典持っててよかったとこの時一番喜んだ。

 

 

 

 

これだけだとたったの二工程で簡単だと思うかもしれないが、全然そんなことはない。この魔術を完璧にやる場合、魔力が0.5%も持っていかれるのである。単純に計算してもたったの200人しか救えない。第一工程だけだとしてもその三分の一程消費するのだ。しっかり丁寧に理解し、分解しないと肝心な時に構造がわからずに人体錬成したみたいになるから……それと脳内の構成がおかしいと幼児退行やら廃人化など様々な症状を引き起こす。手を抜きすぎた結果だ。

 

それに、今回は一瞬だけ消して、すぐに復元してるから気づかれていないが、恐らく、消したままにすると神隠しか何かだと思われていたに違いないだろう。

 

 

 

 

それに約0.2%は決して少ない数ではない。この街の人口は約5000人弱もいる。魔術の効率化は欠かせない。地上が暇つぶしとか言うアホみたいな理由で攻撃される瞬間に瞬時に魔術を展開して発動する必要もあるのだ。復元するのはアラタがアビィス・トリニティ殺してからでいいので、全ての人の構造を記憶できればなんとかなる。

 

 

 

 

一応それもさっきの実験でかなり効率化できたと思う。後は魔力と体調を万全な状態に持って行くだけだったのだが…

 

 

 

こいつ殺してからでも問題ないよね。構想段階の新魔術が一つあったから試したいし。うん、そうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

======= バロールside =======

 

 

 

 

今回の主君は始めてあった時から不思議じゃった。転生だとか特典だとか何を言っておるのかわからん、儂を宿したことで気でも狂ったのかと疑ったものじゃ。それでも外見に見合わない知識や冷静さ、そして確かな意思を宿した目を(鏡で)見た時、此奴は今までの宿主とは違うのではないかと期待していた。

 

 

 

 

 

そしてその願いは、ある一点以外叶えられることになった。力に溺れず、魔術を研鑽し、何よりも儂のことを道具としてではなく相棒であるかの様に接してくれた。今までの宿主とは何もかもが違っておると、そう思った。しかし、そうではなかった。歴代の宿主の3割が死んでしまった原因、それだけは変わっていなかった。

 

 

 

 

最初は皆、自制心があった。人を殺すことを忌避していた。それが、時間が経つに連れ無くなり、最後には殺すことに抵抗が無くなった。人を殺し過ぎて周りからは悪魔と呼ばれ、殺されていった。酷いものだと人格が変わったり、虫を殺す様に通り過ぎる人を殺す様にもなった。

 

 

 

今の主君はその状態に近くなっている。殺す相手を定めているだけまだ理性的じゃ。これでは、儂の秘密について話さなければよかった。話したせいで、主君の魔術のレパートリーが増えてしまった……今までにない程儂を大切に扱ってくれた主君がこのままである様に、狂わない様に全力を尽くそう、そして生涯支え続けよう。

 

 

儂がするのは何気無くサポートするだけ。それだけで気づいてくれると、今は信じよう。

 

 

 

======= sideout =======

 

 

 

 

======= 暁斗side =======

 

 

 

さてと、どうしようか。バロールにも手伝ってもらったら、あの新しい魔術が使えるはずだからやってみたい。すげえやってみたい。こいつはどんな風になるのだろうか。どんな事を考え、どんな風に絶望するだろうか……

 

 

 

なんだ?周りの奴らが全員、それこそ豚も含めてまるで化け物でも見る様な目で俺を見ているのは何故だ?俺の外見は子供で、豚が出て来たことによって相手側は勝利ムードだったはずなのに。

 

 

 

何気無く、俺は自分の口元を手で触ってみた。今の自分がどんな表情をしているのかが気になったからだ。そうして始めて気がついた……俺の口は歪にゆがんでいた。そう、笑っていたのだ。

 

 

 

俺は何故笑っているのだろう…何も楽しいことや面白いことは無かったはずなのに……さっきまでの俺は何を考えていた?…新魔術のことだ。相手の反応について考えていて……俺は相手の死に様を想像して笑っていたのか?

 

 

 

最近人を殺すということ抵抗がなくなっていってる気がする。このままだとなんかマズイ。この豚を殺すのはいいとして、何も知らずに死んでいった盗賊共に対しても、俺はさっきまで笑っていた様な気がする。この世界に来た俺が変わったのか?アキオの前ではこんな姿晒せないからな。自重しないと…

 

 

 

 

======= sideout =======

 

 

実を言うと、周りの連中は暁斗の笑みに怯えていたのではなく、バロールの威圧に怯えていたのだ。しかし、バロールは何も言わず、暁斗は自分の変化に気を取られて魔力に気づかなかったため、普通に笑っていただけなのにこの事実には気がついていない。見事にバロールのサポートが効果を発揮したのだ。

 

 

 

 

効果を発揮してもなお、変わらない未来もあるのだが…

 

 

 

 

「バロール、あれをやる。手伝ってくれ。」

 

 

『仕方ないのぅ、“傲慢(スペルビア)”の書庫に接続、テーマを実行する。』

 

 

 

これがバロールの秘密だ。こいつ自身もテーマを保持しているのだ。しかも二つも。そしてその二つがまたえげつないんだが……実質テーマ四つ!この時点でアラタに並んでしまった…

 

 

 

 

 

「ふ、ふん!貴様らには僕の恐ろしさをたっぷりと味合わせてやる!“嫉妬(インウィディア)”の書庫に接続、テーマを実行するんだな!」

 

 

バロールからの魔力の放出が止まり、冷や汗をかきながらも何とか自分を大きく見せようとしているようだ。部下の前だからなのだろう。デカイのは図体だけで十分だよ。

 

 

 

あと、何故そこだけ坊ちゃん口調?バカなの死ぬの?しかもこいつから一番遠いのが“嫉妬”ってアホなの?こいつの体型や性格から言って七つの大罪全部犯してるようなもんなのに……どうでもいい、超どうでもいい。

 

 

 

「あー……張り切ってるところ悪いんだけどさ…」

 

 

は〜い!ここで生涯で一度は言ってみたいセリフ第15位!超ビミョー…

 

 

「ここからは、ずっと俺のターンだから。」

 

 

あんなにハイテンションでは言えないわ。恥ずかしいし、今とのテンションの差が激しいし、なにより恥ずかしい……そろそろ終わらせよ。

 

 

 

「『“絶望郷(ディストピア)”』」

 

 

 

この言葉を口にする時、本来ならあり得ないが、俺とバロールの声が重なった気がした。

 

 

そして世界は魔力で満たされる…

 

 

 

 

==============================

 

 

 

ここら一帯が魔力で満たされた時、ラド=ギッシュは狼狽していた。

 

 

「(何も起きていないのか?しかし詠唱はしていたはず……一体どんな魔術なのだ…)」

 

 

 

魔力が辺りに満たされただけ……しかし詠唱は唱えられたことから何かしらの魔術だということは間違いない……しかし何も起きない……

 

 

 

そんな疑問が駆け巡ったが、今それを考えても仕方がないと思い、その魔術の元凶である目の前にいるガキを殺そうと動いた。が、思考はそこまでだった。突然の左腕への殺気により右に回避する。

 

 

 

「(危なかった…回避しなければ左腕がなくなるところだっ…)」

 

 

そう考えながら失いかけた左腕を見ると……そこにはあるはずの左腕が無かった。そう認識すると、思い出したかのように左腕の切断面から血が噴き出し、激痛が走り出す。

 

 

 

「(バッ、バカな!確かに回避したはず!それに奴は詠唱どころか一言も発していないのに何故!)」

 

 

急いで魔術で止血をしようとする。しかし、魔術の発動直前に暁斗は魔術を行使した。

 

 

 

「“術式解散(グラム・ディスパージョン)”」

 

 

 

劣等生の原作知識より抜粋した術式分解魔術である。これによりラド=ギッシュは魔術の発動に失敗いてしまう。しかし、魔術を使ったと理解できても、術式を直接破壊するような魔術があると知らないラドは余計に狼狽してしまった。

 

 

 

「(な、なんだというのだ。何故魔術が使えん!まさかこの空間では相手の魔術が無効化されるのか!)」

 

 

 

そう考えてしまった。想像してしまった。それがこの魔術、“絶望郷”を発動させているとも気づかずに…

 

 

 

 

 

 

そこからのラドは悲惨だった。魔術を使おうとしても魔力が減るだけで何も起こらず、左腕からはどんどん血が流れ出ていった。そして、暁斗が殺気を向けると、向けられた部位が消え、それを認識した直後、激痛が走り血が噴き出す、ということを繰り返していた。と言っても2〜3回だけだが。

 

 

そろそろ衰弱死をするだろうという頃、流石に何故死んだのかも分からないのは可哀想だろうと考えたのか、暁斗とバロールはこの魔術の原理をラドに話し始めた。

 

 

「『なんで死ぬのかも分からないんじゃ可哀想だからな、ネタバラシしてやるよ。この魔術はな、相手の想像と俺の想像がある程度一致した場合、それを僅かな魔力で現実にするんだよ。しかも相手にとってマイナスだと俺が思うものだけな。お前は俺の殺気を受けた時、その部位がなくなる想像をしただろう?その時俺もそのつもりで殺気を放ったから現実になったんだ。そして切断された腕を見て、激痛がして血液が噴き出すと思ったろ。だから噴き出したんだよ。魔術も一緒だ、一度は無効化されたから次からも無効化されると考えた結果だよ。』」

 

 

この魔術はバロールのテーマの一つ、“絶望(デースペーラーティオー)”と、俺のテーマの一つ、“創造(パルタム)”の合成魔術だ。原型はDグレ。無敵っぽく見えるけど、原理を知られたらメチャクチャ弱い。相手が強ければ強い程効果は薄くなる。雑魚にはめっぽう強いのだが…

 

 

 

 

説明し終えた頃にはもう虫の息で、30秒とせずに事切れた。今までは廃人化どまりだったからこうやって、血を撒き散らしながら相手を殺したのは初めてで、落ち込むかと思ったがそうでもなかった。ただ、ついに俺は人を殺したんだな…と思う程度だ。これが、相手が悪だったからなのか、バロールの影響なのかは、本人達にも分からない。

 

 

 

 

 




次回も楽しみにしていてください


テーマはラテン語表記を入れることにしました。
適宜修正やらなんやらをするので、意見や誤字脱字があればどんどん言ってください。


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その後…ちょっとした日常?

すっごくお久しぶりです


再開するので見てくれると嬉しいです


人殺し

 

 

 

元の世界だったら、やった場合酷く心が痛んだだろう。嬉々としてやった奴らはもう人として終わっているが……本来は人を殺そうとはあまり考えないだろう。人を殺したことのある人なんてほとんど檻の中にしかいないと思う。

 

 

 

それをやり終えた俺はと言うと……後悔など全くしておらず達成感に包まれていた。奴を外に出してしまったら酷いことをしただろうから(特に女性に……いや、アキオに‼︎)

 

 

 

その余韻に浸っていたのはどのくらいだっただろうか、周りが騒がしくなってきた。残党は皆一様に真っ青な顔で死体を見て、騒ぎ、逃げ出す者も少なくなかった。見逃すと後が面倒なので一気に消そうと思ったが、いつアヴィス・トリニティに攻撃されてもいい様に魔力は少しでも多く残して、回復に努めた方がいい。しょうがなく、もう少し効力が続くであろう“絶望郷”に頼ることにした。

 

 

「『逃がすと思っているのか?こいつの有り様を見て、逃がしてもらえると思っているのならそいつはおめでたい奴だ。貴様らのやってきたことを悔いて死ね。』」

 

 

周りにいる全員の太腿付近に殺気を放つ、直後に悲鳴。ラドの姿を見ていた者は、部位の消失から流血と激痛が一連の流れで頭に焼き付いていたため、消失を自覚しなくてもどんどん血が流れていく。ある者は悲鳴をあげ、またある者は命乞いをしてくる。それらを俺は冷めた目で見ていた。昔から思っていた。とあるアニメで、やる時はやられる覚悟をしていなければならないと言うセリフを聞いて、中学生の頃の俺は酷く共感した。それなのにイジメだろうとなんだろうと、自分が劣勢になれば、途端に掌を返す。

 

 

 

一度だけ、俺をイジメていた奴らに本気で仕返しをしたことがあった。オタクであることを理由にいじめられていた俺はそのオタクの知識を活かしてやり返した。military系の罠や格闘漫画などの人体の急所

やらを完全に暗記している俺からすると、人一人を罠にかけるなんて楽勝だった。クレイモアは流石に殺してしまうから自重したけど、落とし穴を仕掛けて、落ちたら土砂を肩くらいの位置まで流し込んで、虫とかを顔からかけてやったりしたし、他の奴には肩の関節を外して倒れたところを内臓を持ち上げるような感じでローキックを叩き込んだりした。泣きながら許しを乞い、その後は不干渉になったのはいい思い出だな。

 

 

 

まあ、何が言いたいのかというと、結局はやってる時は楽しいけどやられたくはないからすぐ下手に出るってだけなんだけどさ。

 

 

 

そんな奴らを許す気は毛頭ないから、手を緩める気なんて毛頭ないし、こういう奴らに限って後からまたやり返しに来るんだよな。さっさと片付けて帰らないと、マドカさんが起きてしまう。

 

 

「それじゃあ、これでサヨナラだ。“トライデント"」

 

 

 

この魔術も勿論原作ありのものだ。分解により、相手を消し去る魔術である。今回は面倒臭かったので、屋敷ごと消してしまった。後には何も残っていない。

 

 

 

「これでやっと終わりか…」

 

 

『主君よ、後2時間で夜明けじゃぞ。そろそろ帰らなくては、気付かれてしまうぞ。』

 

 

言われなくても、こんな更地にはもう興味もない。さっさと帰って寝たふりをしないと怪しまれてしまう。

 

 

 

 

そうして俺は、その場を後にした。

 

 

 

==========================================

 

 

それからすぐに不動家へと帰った俺は、急いで眠りについた。後は俺とバロールの魔力を回復させるだけだが、明日アビス・トリニティが街を滅ぼしてしまうかもしれない。何としてでも万全な体制で事にあたりたい。

 

 

 

 

 

その日は、俺はアキオの顔面パンチを受けるまで、起きる事はなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お兄ちゃんがいけないんだよ!何回起こしても起きないから!」

 

 

「それでも殴る事はなかったでしょうに。私に言ってくれれば、優しく起こしてあげたのに…」

 

 

「だ、ダメだよ!お兄ちゃんは私が起こすんだから!」

 

 

 

 

 

マドカさんの言葉に一瞬反応してしまった俺は悪くないと思うんだ……だからアキオ、お兄ちゃんの足を踏むのはやめなさい……

 

 

いや、ホントやめて!

足が砕けr(バキッ)…

 

 

バタッ…(俺が倒れた音)

 

 

 

砕けちゃいました…

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

やっと本編っぽくなります……なって見せます


なので期待して待っててください



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