新たなる力 四人のイレギュラー (トラセンド)
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プロローグ : 『始まりは突然』

初見の人は初めまして、知ってる人はこんにちは。
トラセンドです


今回、この作品を出したのは他の作者さん達の作品を読んでいたのと 最近、ネプテューヌのゲームをプレイし始めたので『よし、書こう!』と勢いよく書き始めました


更新はガチで遅くなると思いますが、気長に見守ってくれると嬉しいです


とある病院

 

 

 

「はぁ……。」

ここに入院している少年、風城 蓮(ふうじょう れん)は窓から外の景色を眺めていた

 

 

「なーんでこうなっちまったんだろう…」

少し前に交通事故に遭った蓮は二度と歩く事ができなくなっていた………下半身付随である

 

 

 

コンッコンッ

 

誰かがドアをノックする、大方看護婦だろうと蓮は予想する

 

 

「蓮、居る?入るよ」

しかし予想は外れ、実妹が入室してきた

 

「鈴…。」

「何よ?唯一の家族がお見舞いに来たっていうのに不満?」

 

唯一という言葉に疑問に思うだろうが、蓮達に両親は居ない……いや、正確には居なくなったと言えば正しいだろう

 

母は浮気で離婚し、父は酒に酔って暫くしない内に帰ってこなくなったのだ

 

 

蓮はこの時から妹を養う為にあらゆる事をした。

 

通っていた高校に事情を話して中退し、アルバイトを複数持ち合わせた

ある日は朝から昼までのパートをし、そこから次のバイト先に行って夜まで働き

またある日は朝から晩までのフルタイムをこなしていく

 

休日は無く、毎日が仕事で明け暮れ、普通の人間なら倒れてもおかしくない事を蓮は必死に食らいついた

 

幸い、家はアパートだったので家賃は何とか払い切る事が出来た。その事だけでも蓮は少しばかり気が楽になり、残りのやるべき事に打ち込んだ

 

 

 

 

しかし、それもつかぬ間……蓮は自転車でバイト先に向かっている途中、信号無視をした自動車に跳ねられて現在に至っている

 

 

 

「不満じゃないさ…こうやって話し相手が居てくれて助かってる。」

 

「クスッ なにその老人が言いそうなセリフ」

 

 

 

ーーーそしてお互い僅かながら時間ながら会話を楽しんだ

 

 

 

 

 

妹が帰宅してもう夜中……就寝時間となって辺りが真っ暗になった時 少年はふとある出来事を思い出す

 

 

 

 

ーーーーなぁ風城、もし生まれ変わるとしたらどんな所で何をしたい?

 

 

そう、自分の通っていた学校で親友の一人がそんな事を聞いた。

彼は大のラノベ・アニメ好きで特にSF物がお気に入りであり、新作ゲーム等の発売には必ず初回限定版を購入して小遣いの大半がその分で占めている程の人物である

 

蓮も小さい時からアニメや漫画が好きで彼と出会ってからすぐに友達になり、他の同志も誘ってよく遊んだのを覚えている

 

 

 

そんなある日、彼はそんな事を聞いたのだ……

 

 

 

最初はいまいちピンとこなかった。しかし

今の蓮は僅かながらゆっくりとその問いに答えることができた

 

 

 

「もしも生まれ変われるなら……ゲームの世界で仲間と一緒に冒険したいものだな」

 

 

そして蓮は布団を被り、眠ることにした

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

次に目を覚ました時、それは日の光が差し込む朝ではなかった

辺りを見回しても一面真っ白の空間……

 

「どうなってんだよ…一体?……あれ?」

混乱する中、蓮はあることに気づく

 

 

自分が立っていること

 

 

 

「立っている…もう寝たきりだったはずの俺が……また歩ける…!」

蓮はもう一度自分の意思で身体を動かせる事に嬉しくなり、少し涙を流した

 

 

ーーー目が覚めたみたいですね…

 

 

「ッ!?」

 

 

不意に女性の声が聴こえ、蓮は反射的に辺りを見回す………しかし誰もいない

 

 

ーーー落ち着いてください…私は魂だけの存在、見えなくて当たり前です

 

そう告げられ、蓮はとりあえず現状を飲み込むことにした

 

 

 

「……俺はどうなったんだ?」

 

ーーー貴方は……死にました。

 

 

「………は?」

思わず声が出た

 

 

死んだ……?あの夜に?

 

ーーーはい、詳しく言えば殺されました。トチ狂った医者に毒物を投与されて

 

 

 

うそ…だろ? じゃあ妹の鈴は…!? アイツはこれから一人で生きる事になるのか!?アイツはまだ15だぞ!!

 

 

ーーー気持ちは分からなくもありません、ですがそれは大丈夫です。貴方の友人や関係者が彼女を支えてくれますから

 

 

そう魂さんが言うと俺の目の前にある映像を見せてくれた

 

 

それは妹を元気付ける友人、そしてバイトの先輩方…どれも信頼できる人の姿だった

 

 

 

「そうか…安心した」

 

ーーー妹思いなのですね

 

 

「わ、悪いかよ!?」

蓮は思わず取り乱した

 

 

ーーーいえ、それはとても良い事です。貴方の経歴を少し見ていましたが、どんな事情であれ、あそこまでする兄なんてそうは居ないはずです

 

 

「だろうな」

 

うん、一応自覚はあった。本来なら大人がする筈の事をまだ十代後半の俺がやっていたことに

 

 

「でもそれは遅かれ早かれの事だったからあまり気にしなかったな」

 

 

ーーーそうですか…

 

 

「何その呆れたような口調?」

 

まぁ、何がともあれ……

 

 

「俺はこれからどうなるんだ?このまま天国に行ってバイク乗り回してヒャッハーすればいいのか?」

 

 

ーーー何処の世紀末ですか?それ…

 

 

「冗談だ」

 

 

ーーーまぁいいです…ここから本題ですが、貴方にはこれから転生して頂きます。理由はお分かりですね?

 

 

「いや、わかんねぇよ」

 

 

ーーーでしょうね…ですが心当たりはある筈です

 

 

心当たりは……もしかしてアレかな?

 

ーーーはい、あの発言です。なんだったら今 朗読みたいに言いましょうか?

 

 

「やめて、何その罰ゲーム?」

 

 

ーーー冗談です

 

 

「このやろ……それで、転生してくれるのはありがたいが何処の世界に飛ばしてくれるんだ?」

 

 

ーーー『超次元ゲイムネプテューヌ』という言葉に聞き覚えはありますか?

 

 

あぁ、友人から何度か聴いたことはある。内容こそ分からないがな

 

 

ーーー実はその世界で異変が起こっているのです。それは徐々にこちら側にも影響が出ておりまして

 

 

「影響?」

 

 

ーーーえぇ、強いて言えば他作品の世界のモノが流れ込んで来るといった現象です。まだ小さいですが事が大きくなる前に

 

 

「その元凶を叩けと?」

 

 

ーーーはい

 

 

「…………。」

蓮は少し考えて

 

 

「わかった、その依頼 引き受けるよ」

 

結論を出した

 

 

ーーーありがとうございます、さっそくですが貴方にこの力を授けたいと思います

 

 

すると上から燃え盛る様に紅く輝く光の球が降りてきた

 

 

「これは…?」

 

ーーーこれは新たに創り出した四つの力の内の一つ、これを使いこなして元凶を倒して貰いたいのです

 

 

そう言うと同時に光の球は俺の中に入っていった

 

 

「四つの力?ということは俺以外にも?」

 

 

ーーーはい、これから行く世界には貴方と同じ転生者がいます。ですがそれは誰もが協力的とは言えません

 

 

だろうな……人は誰しも力を持つと変わってしまうものだ。それは俺とて言えたことではないだろう

 

 

「…って事は他の三人の力も合わせて倒せって事だな」

 

 

ーーーはい、お願いいたします

 

 

「乗り掛かった船だ、やってやるよ」

 

瞬間、俺は光に包まれ、転生した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー頼みましたよ、新たな力を持った転生者達。そして……

 

 

 

 

ーーー火炎の女神、『フレイムハート』



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1話『出オチ』

やぁ、風城 蓮だ。俺は今 絶☆賛 赤い岩になってるよ

 

 

……え?何を言ってるかさっぱりわからないって?

 

 

お れ も わ か ん ね ぇ よ

 

 

仕方ねぇだろ!?転生して意識がはっきりした時にはこの姿だったんだから

 

 

 

はぁ、これは神のいたずらか……メタい話だけど、初っ端から主役が岩って何事だよ!?せめて生物にしろよ!生物に!

 

 

 

 

 

とりあえずここまで起こった事をありのままに話すぜ

 

転生した俺は隕石という形でプラネテューヌって大陸の付近にある森林に落ちたんだ

 

 

其処は森林と言うだけあって自然に囲まれて落ち着きのある場所なんだが…モンスターが生息している事には正直驚きを隠せなかったよ、俺のいた世界にはこういうヤツらは居なかったからね

 

その後、不思議に思ったモンスターは俺に近づくも何かにビビって全速力で逃げていくんだ

 

 

 

……ボッチって辛いね

 

 

 

 

※同時刻に囚われた黒い女神がくしゃみをしたのは誰も知らない

 

 

 

 

そんなこんなで何日かたった今日、この日…

 

岩になったままで未だに意識だけの俺は初めて人の声を捉えた

 

聴くからにそれは若い女の子の声だ。それも三人でこちらに近づいてくるのがわかる

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、まいったわね…『変身』できないなんて。」

携帯電話を触りながら茶髪の少女は辺りを見回す

 

「すみません…」

その少女の後ろを歩く薄紫の髪をした少女は申し訳なさそうに落ち込んでおり

 

「大丈夫ですよギアちゃん、もしもの時は私とアイちゃんで何とかするです!」

最後尾に琥珀色の髪をした少女は元気付けている

 

 

「……ッ!?」

 

「うわ!?どうしたんですか、アイエフさん?」

 

アイエフと呼ばれた茶髪の少女が急に立ち止まった為、薄紫の髪をした少女はぶつかった

 

 

「ネプギア、コンパ、静かにして」

 

「ッ!」

「はいです。」

アイエフの言葉に二人は察し、息を潜めた

 

 

 

「……あれは?」

アイエフが思わず口に出した

 

そう、三人の目の前にあったのは一つの紅い岩……

 

 

 

「この痕跡…まさか」

 

「どうしたんですか?アイエフさん。その紅い岩に何かあるんですか?」

 

 

「…あぁ、そういえばネプギアは気絶していたしわからないわね。」

ネプギアと呼ばれる少女の質問にアイエフは難しい顔で答えた

 

 

「私も無我夢中になっていたからはっきりとは覚えていないけど…あの巨人に追い詰められた時、突然上空が歪んで何かの隙間が現れてね…その隙間から四つの光が各大陸に散らばったのよ」

 

 

「それが、この紅い岩だと言うんですか?」

 

「おそらく…いえ、間違いないわ。プラネテューヌの方向に落ちた光はこの岩と同じ赤色だし…それにこれ」

するとアイエフは岩の麓に指を指す

 

そこには如何にも落ちましたよと言わんばかりにクレーターができていた

 

 

「すごい…大発見ですよあいちゃん!」

コンパと呼ばれた少女は喜びのあまり声をあげ

 

「まるで探偵ですね」

ネプギアは明るい顔になる

 

 

「まぁ諜報部の人間だからね…と、証拠写真を撮っておかないと」

そう言ってアイエフは携帯電話を取り出し、パシャッとカメラに収めた

 

 

「…………。」

 

「ネプギア?どうしたの?」

 

気がつくとネプギアは引き寄せられるかのように紅い岩に近づいていく

 

 

 

「わからない…けど、この感じ…お姉ちゃん達に似ている」

そしてそのままネプギアは紅い岩に触れた

 

 

 

 

 

キィィィィィィン…………

 

 

 

「…ッ!?」

瞬間、ネプギアは全身に走り抜けた身に覚えのない力の感覚に思わず座り込んだ

 

 

 

「ネプギア!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

それに二人も急いで駆け寄った直後……

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ……

 

 

 

「「「ッ!?」」」

何かがひび割れる音がし、三人は思わず目の前の紅い岩を見つめた

 

 

ピシッ…パキンッ…

 

徐々にヒビが紅い岩の全体に広がっていき

 

 

 

 

ガラガラガラガラガラ……ッ!!

 

 

大きな音と共に土煙を上げて崩れていく

そしてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅ〜〜…っ!ようやく体が動かせるな」

 

 

 

ーーー崩れた岩の中から一人の少年が出てきた

 

 

 

 

 

「……え?」

 

「ん?」

唖然とするネプギアの視線に気づいた少年はそちらに顔を向ける

 

 

 

 

 

ーーーーー物語は動き出した。

 

 

女神の奪還を試みる女神候補生(シスターズ)と

 

 

新たな力を得て生まれた例外女神(イレギュラー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………が

 

 

 

「い…」

 

「い?」

 

 

 

「いやああああああああ!!!!」

 

「ちょ、待っーーぶべらっ!!?」

 

 

その時の少年はZE☆N☆RAだったのは言うまでもない



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2話『昔話』

「知らない天井だ…」

 

次に目を覚ました俺はそんなよあるセリフを口にした

 

 

「あ、気がつきましたか?」

 

声が聞こえてそちらに顔を向けると琥珀色の髪をした少女がいた

 

 

「君は…いや、ここは一体…?」

 

「ここはプラネテューヌの教会で私はコンパって言います。あなたのお名前はなんて言うんです?」

 

 

「蓮…風城蓮だよ」

 

「では蓮さん、みんなを紹介したいのでついてきてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、意外と早い目覚めね。全裸男さん?」

 

「はぁ?」

出会って早々酷い言われように蓮は思わず眉をひそめる

 

 

「ちょっとアイエフさん!初対面の人にそれはないですよ!?」

 

「ゴメンゴメン、初見がアレだったからついね」

茶髪の少女、アイエフと呼ばれた人物は頭を掻きながらはにかんだ

 

 

「それはそうと皆さん、自己紹介がまだですよ」

すると奥から人形サイズの人物が本に座りながら出てきた

 

 

「初めましてですね、私はここプラネテューヌの教祖をしているイストワールという者です。よろしくお願いしますね」

 

「私はアイエフ、プラネテューヌの諜報員よ」

 

「コンパです、今はお医者さんをやっているです」

 

「私はネプギアって言います。その…女神候補生です、よろしくお願いします」

 

 

「よろしく。俺は風城蓮、ひょんなことで別世界から来た人間だ」

 

 

「「「「別世界?」」」」

 

「…………。」

 

 

俺の紹介にこの場にいる全員が疑問を抱いた…イストワールを除いて

 

 

「簡単に言えば、俺は異世界から来たお尋ね者だよ…イストワールさんは何か知っているみたいですね」

 

「えぇ」

 

俺の問いにイストワールは肯定し…

 

 

「これもいい機会ですし、少し昔話をしましょう。」

 

昔話をし始めた

 

 

 

「これは今となっては大昔の事、先代の女神達の話です

 

ーーかつてその時のゲイムギョウ界は、シェアの奪い合いに激しさを増して争いばかりを行っていました。そんな中、一人の人間が異世界から迷い込んだのです」

 

 

「やっぱり先例が居たんだな」

 

「はい」

 

俺の呟きにイストワールは肯定し、話を続ける

 

 

「右も左もわからないその人は此処プラネテューヌに住む事になり、様々な事に触れ合っていく事で成長していきました。

しかし、それとは裏腹に女神達は更に争いを続けたせいで犯罪神を蘇らせてしまったのです」

 

 

「「「「犯罪神?」」」」

イストワールの話に出てきたそれに俺達はそんな事を口に出した

 

 

「犯罪神は言えば破壊の神、破壊を全てとする神です。その力により、ゲイムギョウ界は破滅の危機に追いやられました……そんな時です、異世界から来たその人は女神へと覚醒しました。その名はーー

ーー『ゴッドハート』」

 

 

「ゴッドハート…」

 

その言葉に俺は無意識に復唱した。どこかで会った気がしたからだ

 

「女神となったその人は火や水、風や雷、大地といったありとあらゆる自然の力を操る能力を持っていました。」

 

 

「ちょっと待ってください、イストワール様!それってただのチートですよね!?」

イストワールの話を聞いて慌てるアイエフ

 

「そう、チートです。しかしその人だけでは破壊神を倒す事が出来ません」

 

「そこで女神達の出番ってわけか…」

 

「そうです。一期団結した女神達によって送られるシェアで破壊神を圧倒、とどめにシェアの力で形成した一本の槍を用いてこれを封印しました。

これをきっかけにゲイムギョウ界は現在に至りましたが、救世主であるその人は封印した直後に限界が来て粒子となってこの世界を去りましたーーーーーーーーと、長くなりましたが、ここまでが私の記録にあるお話です」

 

「とりあえず、話をまとめると…俺と同じように異世界から来た人間が居て、この世界を救って英雄になったっていう先例があるって事?」

 

「はい。そこでというのは何ですが、蓮さんには現状を知ってもらいたいので、今のゲイムギョウ界の話もするとしましょう」

 



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3話『女神化』


誰の事かはもうお分かりだと思います(笑)


その後、イストワールからこの世界の事と今のゲイムギョウ界の現状を教えてもらった…

 

 

とりあえず今やるべき事はシェア…いわゆる信仰を回復させる事。そして女神の代理とも言える存在、『ゲイムキャラ』に力を貸してもらう事の二つ

そして俺たちは今、その『ゲイムキャラ』の元へと向かっている…

 

 

 

 

 

「たしか、この辺りなのよね…」

 

「あれがそうじゃないか?」

 

それらしき物に指を指してアイエフに問う

 

 

「たぶんそうね…って、あら?あれは…」

 

アイエフの言葉に全員がそちらに目を向ける。そしてその先には…

 

 

 

 

 

「あぁくそ、硬ぇな…!さっさと壊れろゲイムキャラ!!」

 

灰色のコートを着た人物が鉄パイプで何度もディスクを叩いていた

 

 

 

「そこのおm「やめてください!それをどうするつもりですか!?」ネプギア…!?」

 

すると鉄パイプを持った人物は叩くのをやめてこちらを向く

 

 

「見てわかんねぇのか、壊そうとしてるに決まってんだろ?バカか?」

ネズミ型のフードの付いたコートを着ている人物はそう答える

よく見ればその人物は灰色の肌をしており、見るからに人間じゃないということがわかる。口調は男っぽいが、仕草を見ておそらく女だろう

 

 

まぁ、そんな事は今はどうでもいい

 

 

「壊すって事はあんたまさか…!」

 

「てめぇの考えてる事は当ってるぜ。アタイは犯罪組織マジェコンヌのマジパネェ構成員、リンダ様だ。此処には上からの命令で来てんだよ、ゲイムキャラを破壊してこいって命令でなぁ。話を聞く限り我々マジェコンヌにとっては邪魔な存在だからな」

 

 

「かっこよく説明してるとこ悪いんだけど

あなた構成員って言ったわね?ってことは下っ端じゃない」

 

「な、誰が下っ端だ!?アタイにはリンダって名前があるんだよ!!」

アイエフの発言にリンダは訂正するよう反論するが…

 

「名前があるのはわかりますけど、アイエフさんの言う通り下っ端ですね」

 

「あいちゃんの言う通りです。下っ端さんです」

 

「…ノーコメントで」

 

 

「あぁもう、下っ端下っ端言いやがって!あとお前、せめてなんか言えよ!なに視聴者の期待を背くような事してんだ!?」

 

 

解せぬ…可哀想だから言わなかったのに

 

 

 

「下っ端が相手なら私でも勝てるかもしれない…!」

するとネプギアはビームソードを呼び出して構える

 

 

「バカにしやがって、クソガキが…これでも喰らえ!」

リンダは一気にネプギアの懐に入り込み、鉄パイプを横に振るう

 

「くっ!…キャアッ!?」

ネプギアは反射的にその攻撃をかろうじて受け止めるが、力負けをしてビームソードを弾き飛ばされ…

 

「ぐっ…!?」

続いてきたリンダの左手に首を掴まれ、持ち上げられる

 

 

「無謀だったな、他の雑魚と同じだと思ったか?テメェらもわかってんだろう?今やゲイムギョウ界のシェアの八割以上は我々マジェコンヌが占めるって事をよ…組織に所属しているアタイの能力はそのおかげで格段と上がってんだ、オメェのようなクソガキ相手に負けるわけがねぇ!!」

 

そして一瞬、リンダは掴んでいた左手を放した直後ヤクザのようにネプギアの腹を蹴った

 

「かっ…!」

当然 対処しきれないネプギアはまともに受け、勢いよく後ろへと転がり蹲った

 

 

「さんざん人をバカにしてくれたな?それでこのザマか、えぇ?」

リンダはゆっくりとネプギアの元へ歩み寄り、鉄パイプをネプギアの頭に目掛けて

 

 

「終わりd「させるかぁ!!」ーーッ!?」

振り下ろす瞬間、リンダの目の前に何者かが割り込んだ

 

蓮だ…

 

 

「ぐっ…」

蓮は弾き飛ばされたネプギアのビームソードを拾い、全速力でリンダの攻撃を割り込んで受け止めるも、それが精一杯だった

 

「…!やるじゃねぇか」

 

「これでも体力には自信があるで…ね!」

それだけ会話を交わし、お互い距離を取る

 

 

「アイエフ、ネプギアを」

 

「えぇ、わかってるわ」

俺の言葉に駆けつけたアイエフはネプギアに肩を貸して一旦後退する

 

 

 

さて、どうするか…

 

「次はテメェが相手ってか?若い兄ちゃん」

 

「まぁな…とはいえ、せいぜい時間稼ぎが限度だろうが」

 

「へぇ、弱いって事には自覚があるんだな。さっきのクソガキとは違って」

 

「言ってろ」

余裕があるリンダに対し、俺は流すしかない

 

 

認めたくはないが、今の俺じゃあいつを倒すことはできない。先も言った通りせいぜい時間稼ぎが限度だ

この世界に来る前にある力を貰ったが、その使い方を知らない今はどうすることもできない

 

 

そんな時だ…

 

 

 

『教えましょう、力の解放を』

 

「ッ!?なんだ!?」

 

不意に俺の頭に聴き覚えのある声が聞こえてきたーーーーあの魂だ

 

『落ち着いてください、この声はあなたしか聞こえていません。それと念じるだけで良いですよ』

 

 

「……ふぅー。」

俺は一つ深呼吸をして意識を集中する

 

 

ーーーで、力の解放だったか?

 

『はい、本来はあの時に力の使い方を教えるべきだったんですけど…貴方の時だけ忘れてしまっていて』

 

 

ーーしっかりしてくれよ…

俺は思わず頭を抱える

 

ーーまぁ良いや、本題に戻ろう

 

『そうですね、とはいえやり方は難しくはありません。まずは自分の中にある私が与えた力を表に出すようにしてください』

 

 

「………ッ!」

俺は言われるがままに意識を集中する

 

 

 

直後、俺は足元から立ち上がった火柱に包み込まれた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

ネプギアside…

 

 

「うそ…」

私は無意識に口を開いた

 

異世界から来たって言う蓮さんが…私とは違って人間であるはずの蓮さんが…!

 

 

 

そう思っているのも束の間で、やがて蓮を包んでいた火柱は消えてなくなる…そして

 

ーーーーそこに居たのは蓮ではなく女の子だった

 

 

その少女はーー紅蓮ように紅く輝く長い髪をし、

 

ーー不死鳥をイメージさせる赤とオレンジのプロセッサユニットを装着している

 

ーー左手には鮮血で染まったかのような赤い刀身を持つ刀が握られており そして…

 

 

「…………。」

 

ゆっくりと瞼が開かれ、姿を現した金色に輝くその瞳にはーーーゲームの電源ボタンのようなマークが刻まれていた

 

 

この時ネプギアは信じられなかったが認めざる得なかった

 

 

風城 蓮は『女神化』した

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「なっ!?うそだろ…ッ!?」

流石にリンダも目の前で起こった事に童謡を隠せなかった

 

「どうなってんだ、おい…!さっきの野郎は何処へ行きやがった!?」

 

 

「何寝ぼけた事言ってるの?私はーーー」

 

 

一瞬、少女は消え…

 

 

 

「ーーーここにいるじゃない」

 

その一瞬後、少女はリンダの目の前まで接近していた

 

 

「なn(バキッ)ぐあっ!?」

対応できなかったリンダはそのまま少女の右ストレートを受け、勢いよく吹っ飛んで壁に激突した

 

 

 

 

「…ネプギア」

 

「っ!? はい!」

 

「いつまでも引きずってばかりいたらダメって事くらいわかるよね?…それじゃあお姉さんと顔を合わす事なんて出来ないよ」

 

「…………。」

少女に正論を言われ、ネプギアは視線を落とす

 

 

確かにその通りだ、いつまでも過去を引きずってばかりじゃ何も始まらない…でも、恐い…

 

 

 

「ネプギア!」

 

そう考えているとアイエフさんが私の目の前まで来ていた

 

 

「しっかりしなさい、あんたはネプ子たちを助けるんでしょ?それとも、あんたの覚悟はその程度のモノなの?」

 

「……わけない、そんなわけありません!私はお姉ちゃんたちを助けたい!その思いは誰にも負けたくない!!」

 

「…いい目になったじゃない」

 

私の答えにアイエフさんは笑った

 

 

「それでも不安なら、私が…いえ、私達が力になるわ。だから安心して前を向きなさい」

 

すると私の中のシェアが輝きを取り戻した…これならいける…!

 

 

 

「アイエフさん、ありがとうございます…迷いはもうありません!」

 

 

直後、ネプギアの足元から光が立ち上がる…

 

そして光が消え、ネプギアは女神としての姿を取り戻した

 

 

「行きます!!」





女神化した蓮の容姿ですが、『灼眼のシャナ』でよろしくのシャナをイメージしていただければと思います


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