チート過ぎる主人公が幻想入り (九流トキオ)
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第一部 第1章・幻想入り
始まり


 

 

「う、うん?ここは何処だ。」

 

俺は深い竹林の中で目が覚めた。

 

「確か俺は、自分の部屋でパソコンを、して?」

 

おかしい、この竹林に目が覚る前の記憶がない。

 

「どういう事だ。」

 

俺はゆっくり思い出してみた。俺の名前は、桐上裕也(きりじょうゆうや)普通の高校生だ。たしか、学校に帰って、パソコンで東方ゲームをして・・・あ、れ、どういう事だ?ここから先が思い出せない。たしか、女の人?が何かを言って、・・・駄目だやっぱり思い出せない。どうしてだ?

 

「えーい、考えても仕方が無い、あれ、このパターンは、幻想入りをしたパターンに似ている。まさか、本当に幻想入り?このおれが?・・・ま、まさか、そんなこと。」

 

そんな事を考えていると突然声が聞こえてきて、何かがでて来た。それは、よく、幻想入りで見かけたりする妖怪に似ていた。

 

「~~~~~~」

 

なんて言ってるかわからない。ただ、なにかを言っている事がわかった。何故なら、叫んでいるから。

 

「うわ~凄い本物か、なんて言っている場合じゃない!もしここが幻想郷ならば、襲って来る前に逃げないとく、喰われる。」

 

ここで叫んだのがいけなかった。冷静に考えて見れば相手はまだ気がついないんだ、このまま静かに去ってしまえばよかったんだ。その証拠に妖怪は物凄い勢いで追って来る。

 

「うわー、やっぱりこっちに来た」

 

俺は、そう言って逃げようとしたら。

 

「待ってくれ、話しを聞いてくれ。」

 

俺は、その声に驚いて止まった。

 

「だ、誰だ」

 

「待ってくれ話しを聞いてくれ頼む。」

 

俺は驚いた。何故なら背後を走っていた妖怪が言ったのだから。俺はそんな馬鹿な、と思った。だってさっきは妖怪の叫び声しか聴こえなかったのに、突然声が聞こえてきて、それが今追われている妖怪から聞こえたのだから。

 

「お前がはなしたのか?」

 

「そうです。話を聞いて下さい」

 

「妖怪はしゃべるのか?」

 

俺はいつでも逃げられる方法を考えながら話した。

 

 

「ふふ、面白い人間が入ってきたものね。」

 

「如何なさいますか?」

 

「まあ、今の所は様子見って所かしらね。」

 

「しかし、最近は増えてきましたね。」

 

「そうね。何かの異変の前触れかしらね。」

 

「幻想郷、忘れ去られたものたちの楽園。」

 

「でも、最近は忘れ去られていない物も入ってきてる。」

 

「だから、前触れ、ですか?」

 

「そうよ、あの人間がどんな事をするかも気になるしね。」

 

「珍しいですね、あなた様が気になるなんて。」

 

「そうかしら?ふふ、そうかもね。さあ、楽しませて頂戴?人間よ。」



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妖怪と少女と

「俺になんのようだ。」

 

「話を聞いてくれるんですか!」

 

「聞くだけだからな。」

 

「はい!ありがとうございます。」

 

「あのですね。子供が怪我をして居るんですよ。」

 

「怪我?」

 

「ええ、こっちです。」

 

「あ、ちょっと待てよ!」

 

そう言って俺はついて行った。

 

「そうだお前の名前は何だ?俺は桐上裕也ってんだ、よろしくな!」

 

「私の名前は紅楼夢と言います。」

 

「ああ、よろしくな!」

 

~数分後~

 

「うえ~ん痛いよー!」

 

「もう大丈夫だよ。薬師を連れて来たから。」

 

「?!如何して!」

 

「薬の匂いがしたからです。」

 

「そ、そうか。」

 

「そんな事より速く見て下さい。」

 

「あ、ああ、わかった。」

 

「お兄ちゃんだれ?」

 

「俺は桐上裕也。この・・・妖怪の友達だ。もう大丈夫だから傷口見せてくれないかな?」

 

「うん、わかった。はい。」

 

「これは!おい!紅楼夢!」

 

「は、はい!な、なんですか!」

 

「今から言う薬草を取って来てくれ!」

 

「え?」

 

「いいから早く取ってこい!」

 

「は、はいー!」

 

「これは酷い、右腕が骨折してる、その傷からばい菌が入って炎症を起こして居る。ねえ、この傷は如何したの?」

 

「妖怪から逃げている時に木にぶつけて。」

 

「妖怪って、今居たやつ?」

 

「ううん、違う、別の妖怪。」

 

「そっか~、でも怖くないのか。」

 

「え?」

 

「だって、お前をこんなにした妖怪だぞ?」

 

「だって、あの妖怪さん、私を襲って来た妖怪とは何か違うもの。」

 

「ふーん、そっか。それは良かった。」

 

「なんで?」

 

「ん、俺の友達を怖がらなくて、ありがとう。」

 

「お兄ちゃんは怖くないの?」

 

「そうだなー?だってあいつ初対面の俺に頭を下げたんだぞ、女の子を助けてくれ~って可笑しいだろ、ようかいなのに、頼んだんだぜ?」

 

「うん!確かに可笑しい!」

 

「だろ?」

 

でもなんであいつは人間の言葉を喋ったんだ?

 

所変わって、何処かの竹林。

 

「~~~」

 

「なんて言って居るかわかりませんよ?」

 

少女が札のような物を取り出すと。その妖怪に向かって投げた。すると、ぐしゃり、っと頭が潰れた。

 

「さて、帰りますかね。」

 

少女は、帰ろうとしたら。

 

「うえ~ん痛いよー!」

 

「ん、何でしょうかね?気になります言って見ましょう。」

 

戻って。

 

「遅いな?何してるんだ?」

 

「す、すいませ、げほ、げぼ、お、遅く成りました」

 

「!?如何した!その傷!」

 

紅楼夢は傷だらけだった。腕は折れて居て、足も骨折してる。何より心配なのは、腹部の傷、ざっと見ただけだが、肋骨が2~3本折れてる。

 

「げほ、げほ、こ、これでい、いいですか?」

 

「ああ、間違いない。」

 

「そ、それは良かった。」

 

「待ってろ!こいつを手当したらそっちに行く」

 

「は、はい、げほげほ。」

 

ヤバイ早く手当しないと。

 

「これでよし!どうだ!」

 

「う、うん、もう痛くないよ。」

 

「よし!次だ!今ある薬草で足りるか?」

 

「い、いや、逃げて下さい。」

 

「なにいっている!紅楼夢を俺の友達をおいて行けるわけないだろ!」

 

「ゆ、裕也さん。」

 

「お嬢ちゃん一人で帰れるか?」

 

「う、うん。」

 

「ここは危ないようだから早く行きな。」

 

「で、でも。」

 

「五月蝿い!早くいけ!死んでも知らないぞ!」

 

「わ、わかった。人里にきてね!絶対だよ!」

 

「ああ、わかった。」

 

少女はここから帰って行った。

 

「・・・よし!一先ずこれでいい!しゃべれるか?」

 

「は、はい、何とか。」

 

「よし!如何してこうなったのか話してくれ!」

 



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覚悟と友達

「如何してこうなった。」

 

俺は紅楼夢に聞いた。

 

「それは。」

 

話は数分ぐらい前に戻る

 

「よし!これで全部ね!急いで帰らなきゃ。」

 

そう言い紅楼夢は小走りでもどって行った。

 

しばらく行くと人の声が聞こえてきた。

 

「確かこっちから。」

 

その少女を見た紅楼夢は木々に隠れ、小声で言った。

 

(・・・・どうして。如何して、あいつが、東風谷早苗。あいつがいるのは、妖怪の山にある守矢神社にいるはず!なんでこんな所に。)

 

妖怪退治を主にしている巫女である。元々この幻想郷は博麗の巫女がいたがあとから来た守矢の巫女が一時、博麗の巫女に敵対し、沢山の妖怪を狩って言ったから妖怪から恐れられている。ちなみに、博麗の巫女より余程達が悪い。博麗の巫女も妖怪を退治するが、それは、人間に迷惑をかけた妖怪だけだからだ。それに比べ、守矢は、信仰を集める為に片っ端から狩っている、らしい。噂だから詳しくは知ら無いがそうらしい。

 

(だから見つかっちゃマズイ。早く渡さなきゃ行けない!早く行って)

 

早苗が、紅楼夢の近くで止まった。

 

「うーん。何かいる気がするんですが?気のせいでしょうか?」

 

(!!)

 

紅楼夢は驚いて叫びそうになったが、何とか持ちこらえられた。

 

(あ、危なかった。もう少しで叫ぶ所だった。はあ、はあ、早く行って、お願い!)

 

「・・・・きっと、気のせいですね。さあ、声があった所に行きましょうか」

 

(・・・・・・・・行った?)

 

一人の気配が離れて言った。

 

「ふう、行ったか。さて、早くいか無いと。」

 

「ああ、やっぱりここに居ましたか。」

 

「え、な、何で!」

 

そこに居たのは、東風谷早苗であった。

 

「な!何で!如何して!お前は言ったはず!なのに!何で!」

 

それに早苗は。

 

「はあ、騒がないで下さいよ。何言っているかわかりませんよ?」

 

そう、普通の人は妖怪の声なんて聞こえない。何故、裕也には分かったか。皆さんならわかりますよね。能力です。

 

さて、それでは、説明も終わったから、戻ります。

 

 

 

~早苗視点~

 

「~*€#=×|-☆!」

 

「だからなんて言っているかわかりません。おや?逃げるんですか?いいですよ。私は少しむしゃくしゃして居た所ですから、少し、遊んで下さいよ。」

 

~紅楼夢視点~

 

「や、ヤバイ!早く逃げないと!」

 

「だからなんていって、以下略」

 

 

回想終わり。

 

「と、言う、ことがありまして。」

 

「逃げている時に早苗にやられたんだな。」

 

「はい、そうです。」

 

紅楼夢の話を聞いていると、いきなり声が聞こえてきた。

 

「そこの人!避けて下さいね!」

 

「え、な、なんだ!」

 

「危ない!」

 

「うわ!」

 

裕也は紅楼夢に突き飛ばされて数メートル飛んでから顔からおった。

 

「いたた、いきなりなにするんだ!」

 

その時、裕也が居た所がいきなり光の玉が飛んで来て、爆発した。

 

「こ、紅楼夢ー!」

 

裕也は紅楼夢に近づくと。

 

「こ、来ないで下さい!貴方も巻き込まれる!」

 

「だ、だが!」

 

その時、女の声が聞こえた。

 

「やっぱり貴方は人間に害を及ぼす妖怪でしたか。私の読みどうり!」

 

「そ、そうゆう訳ですから、貴方も巻き込まれる!だから早く逃げて下さい!」

 

「お前を、ここで出来た友達を置いて行けるか!お前も逃げるぞ!」

 

「有難うございます・・・・でも、私は行けません。」

 

「何で!」

 

「あの人が、貴方も妖怪の仲間だと思われます。」

 

「それでもいい‼もう誰かを失うなんてやなんだ!だから!お前も、一緒に!」

 

「そこの人ー!はーなーれーてーくーだーさーいーねー!」

 

そう言って、早苗は弾幕を打って来た。

 

「あ、あいつ!正気か!普通の人間がいるのに、普通打つか!?」

 

「危ない!私の後ろに来て!」

 

紅楼夢がそう言って来た。

 

「わ、分かった!」

 

そう言って裕也は、紅楼夢の後ろに行った。

 

俺は馬鹿な真似をしたと、痛感した。だって、後ろに避けたら。

 

「っあ!ぐが!ぐう!ごほ!」

 

そう、こうなる。

 

「俺は馬鹿か!何で!後ろにいっちまったんだ!くそ!おい!紅楼夢!大丈夫か!」

 

「げほ、ごほ、だ、だい、じょうぶ、です、げほ。」

 

「そんな訳あるか!腕がなくなっているじゃないか!」

 

「がは、はあ、はあ、はあ、き、きいて、くれますか?」

 

「そんなのはあとで聞く!今は早く!」

 

「い、いえ、き、きいて、くだ、さい。」

 

「くそ!分かった!だが聞いたら一緒に逃げるぞ!」

 

「は、は、い。」

 

そして紅楼夢は話し始めた。

 

俺は隠れられる場所にいき、話を聞いた。

 

「私は一人でいました。私は、人間と妖怪のハーフなんです。だから、家族は殺されて、一人妖怪の中で生きていきました。」

 

「それって!」

 

「そうです。妖怪の中で生きていくには、この言葉が必要だったんです。」

 

「だ、だが、俺はお前の声が聞こえるぞ。」

 

「ふふ、きっと貴方は能力もちなんですよ。」

 

「そ、そんな事は。」

 

「いいえ、きっと貴方の能力は"色々な声を聞ける程度の能力"じゃないのかしら。」

 

「そ、そんなはず」

 

「無いって?だったら、裕也は如何して私の声が聞こえるの?」

 

「そ、それは!」

 

「こらー!何処にいるんですか!早く出て来なさーい!」

 

早苗の声が聞こえてきた。

 

「!、もう時間がありません!これを。」

 

「これは?」

 

紅楼夢から渡されたのは、一枚の白い紙の様な物だった。

 

「スペルカードです。私が母上から貰った物です。」

 

「そんな大事な物受け取れない。」

 

「いいえ、貴方だから受け取ってもらいたいのです。仲間と言ってくれた貴方に。」

 

「でも。」

 

「大丈夫です。私が戦ってくるのでそのうちに逃げて下さい。それでは。」

 

「おい!紅楼夢、紅楼夢ー!」

 

紅楼夢は外に出て、早苗と戦った。

 

そして。

 

「やっと現れましたか、妖怪。さて、それでは、死んで下さい。」

 

「私はそう簡単にやられません。」

 

「だから!なにいっているのかわからないって言ってるでしょうが!」

 

裕也視点。

 

「くそ!くそ!くそー!なんだよ!逃げるしかないのか!紅楼夢が、俺の友達が戦っているのに!逃げてるしかないのかよー!」

 

その時、何処からか声が聞こえて来た。

 

「貴方は、彼女をたすけたいの?」

 

「だ、誰だ!はあ、はあ、はあ、姿を表せ!」

 

「私はここにいる。」

 

「え、も、もしかして、そこの竹か!」

 

「そうです。それで貴方はあの子を救いたいのですか?」

 

「す、救いたいに決まっているだろ!俺の友達だぞ!」

 

「・・・・それに嘘、偽りは、ない?」

 

そう言ってくる竹に。

 

「当たり前だ!」

 

「わかった。私の下の土をほってみて。」

 

「?、あ、ああ、わかった。」

 

俺は、言われたとうりの場所を掘ったら、箱が出て来た。

 

「これは?」

 

「その中には、スペルカードが三枚、それから、弾幕を打てるようになるブレスレットがはいっているわ。役立てて。ちなみに、見た所貴方能力もちね。しかも、結構強力なやつ。」

 

「如何してそれを。」

 

「長生きしてるとなんと無くわかるの。さあ、それを受け取って早く行って?早くいか無いと、手遅れになるよ?」

 

「わ、わかった、有難う。」

 

「ああ、それから、ブレスレットの使い方だけど、貴方の思いた弾幕が打てるはずだよ、それじゃあ、頑張ってね?お兄さん。」

 

「有難う!」

 

そうして俺は、来た道をもどって行った。

 

「・・・・貴方の他にもわたしの声が聞こえた人が、いましたよ。銀姫さん。」

 

そう言って、一本の竹はしおれて行った。




どうも、トキオです。遂に、主人公の能力の一つが明かされました。ちなみに、主人公の能力は、二つです。皆さんで後もう一つを当ててみて下さい。主人公の能力、一つ目は、色々な声を聞ける程度の能力です。役に立たないとか言っちゃだめですからね。役に立つんですよ?あ、ちなみに、色々なと言われても、何処まで有効かですよね。範囲は、妖怪、長く生きた物です。人間の言葉は、普通です。

さて、二つ目のヒントは、人の力を使うです。暇な人は、コメントにでも書いてください。

長くなりましたが、これで終わりたいと思います。それでは!次の小説でお会いしましょう!


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覚悟の力

~紅楼夢視点~

 

「に、逃げてくれましたか、げほ。こ、これで大丈夫なはず。」

 

「いや~逃げてくれましたか~、さて、人に危害を加えた妖怪は・・・退治しませんとね!」

 

「く!」

 

そう言って、早苗が打って来た、弾幕を紅楼夢は避けた。

 

「あ、危なかった。でも、如何しましょうか。・・・あまり使いたくありませんが。」

 

そう言って紅楼夢は自分の血を指に付けて、早苗に向かって打つように、指に付いた血を投げたすると。

 

「うわ!な、何ですか!血が弾幕のようになって!あ!し、しまった!ぐう!」

 

早苗はいきなりでよける事を忘れてしまっていて、放たれた血の弾幕をもろに食らってしまった。

 

「ぐ!がは!こ、これしき」

 

「まだまだ!てりゃ!」

 

紅楼夢は近くにあった竹を取って早苗に投げた。

 

「な!く!げは!」

 

またも突然の事で避けるのを忘れた早苗は、もろにくらった。

 

「ぐう!やっ、やっぱり、妖怪は化け物ですね、げほ。あんなひどい怪我をしていて、あれだけできるんですから。」

 

「あ、あれで、ま、まだ倒れない!巫女は皆化け物なんですか!」

 

すると。

 

「紅楼夢ー!」

 

「ゆ、裕也さん!?何でここに!」

 

「今です!」

 

「あ!し、しまった!」

 

奇跡「グレイソーマージ夢幻!」

 

スペルカードを出して、早苗がそう言うと大量の半透明の弾幕が紅楼夢向かって発射された。

 

「危ない!」

 

「え?うわ!」

 

裕也が、何が?と言う前に抱きつかれて後ろに転んだ。

 

「な!お、お前!な、何を!」

 

裕也は少し恥ずかしがりながら、そう言った瞬間に。

 

「がっは!ぐは!げは!ごほ!ぐ!だ、だい、じょう、ぶ、で、です、か、?」

 

「お、おい!紅楼夢!」

 

「ぶ、ぶじ、でし、た、か、?」

 

「すまない!俺がもどったが為に!」

 

「い、いい、ん、で、す、。わ、わたし、を、たすけ、よう、と、してく、れた、んで、すよね?あ、有難う、ご、ざ、い、ま、す、。」

 

「おい!紅楼夢!気を失っただけか。後は俺が何とかしてやる。」

 

その時、紅楼夢に止めを刺す為に早苗が降りて来た。

 

「そこをどいて下さい。」

 

「嫌だ。」

 

「何ですって?」

 

「嫌だと言ったんだ!」

 

「貴方は馬鹿ですか?見た所貴方は人間だ、人間の貴方が何で妖怪を庇う。」

 

「それは!」

 

「それは?」

 

「友達だからだ!」

 

「はあ~、友達~。貴方は本当に馬鹿でか?妖怪と友達になれる訳ありません。」

 

「お前らがそう思い込んでいるだけじゃないのか?」

 

「ほー、貴方は人間に危害を及ぼす妖怪に、何を期待しているんですか?」

 

「・・・・天狗はどうだ、何だったら鬼でもいい。」

 

「え?」

 

「人間と仲良くしている妖怪もいるはず。」

 

「ええ、そうですよ?だから、彼らには手を出してはいません。」

 

「だったら、何で野良妖怪を殺すんだ。」

 

「はあ~、やっぱり馬鹿ですね。人を襲うじゃないですか。」

 

「お前こそ馬鹿か?」

 

「はあ~?なにいって」

 

「はあ~、東風谷早苗、お前こそ馬鹿だ。」

 

「な!わたしの何処が馬鹿だって言うのですか!」

 

「本当にわかってないのか?」

 

「だから!何がですか!」

 

「・・・妖怪は人を襲う物だ。」

 

「は?貴方は何言って。」

 

「そして、人間は喰われまいと知恵をだし、妖怪を追い払う。追い払われた妖怪は考える、如何したらいいか。そして、知恵を絞る、妖怪も人間も。」

 

「そんなの!堂々巡りじゃありませんか!」

 

「誰が決めた?」

 

「え?」

 

「だからそんな事になるって、誰が決めた?博麗の巫女か?妖怪の賢者か?人間に溶け込んでいる半妖か?誰も堂々巡りになると行っていない!もし!そんな事を言っているやつがいたら、今行った言葉をそのまま言ってやる。」

 

「そんなの屁理屈です!もういい!貴方との話しはこれで終わりです!」

 

「ああ、わかった。お前に命の重さを教えてやる!覚悟しろ!東風谷早苗!」

 





どうも、トキオです。中々進まないorz

このままだと行けないので、次に出す時は、VS早苗はある程度進みます。このままだと7〜8話まで続きそうなので。

追加で連絡します。主人公の能力は、3個にします。まあ、チートついてるし大丈夫だよな?主人公の能力もう発表します、かかりそうなので。

色々な声を聞ける程度の能力

仲間の力を借りる程度の能力

自分の妄想を現実にする程度の能力

です。

チートでしょ?ですが、仲間の力を借りている時は、妄想を使うないんですよ。しかも、妄想の力を使うと、自身に自分はこうだ!と思い込ませているので、肉体的にも、精神的にも、疲労が半端ないのです。しかも、強ければ強いほど負担が大きい、下手をすると、死んでしまうかもしれないのです。例えチート過ぎるがついていても
自分の力以上を出すと、壊れる、と言う訳ですね。

だったら、仲間の力を借りる程度の能力は何だ?って言う事になりますね。これは、仲間も自分も信じていると使えます。しかも、近くにいると、仲間の力が上がります。しかも、主人公が仲間から借りた力はそのまま自分の力となります。しかしデメリットもあります。まず、力を借りるには嘘、偽りのない仲間の信頼が必要。

簡単じゃないかとか思った人は、甘いですね。以外に難しいんですよ。嘘、偽りのない信頼って。

まあ、あとがきが長くなりましたのでここで終わりたいです。

それでは!次の小説でお会いしましょう!


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覚悟の力と初戦闘

「行くぞ!」

 

そう言って、裕也は駆け出した。

 

「ふ!」

 

早苗は弾幕を出して裕也に向かって打った。

 

「くそ!」

 

そう言って裕也は弾幕をよける為に、横に飛んだ。

 

「今だ!出ろ!弾幕ー!」

 

ブレスレットをした手を早苗に向けた。すると、手から弾幕が展開して、早苗に向かって放たれた。

 

「な!普通の人間が弾幕を打った!いや、幻想入りした人ですね。幻想入りした人は、弾幕を使える者もいたそうですから、きっとそうです。」

 

一瞬驚いた早苗だったが直ぐに冷静を取り戻した。

 

「今度はこっちから行くわよ!」

 

奇跡「神の風!」

 

早苗はスペルカードを出して、言ったすると、強い風が現れ裕也と周りを巻き上げ、下に叩きつけた。

 

「かは!ぐう!」

 

裕也は一瞬息が止まったが、すぐもちなをした。

 

「げほ、げほ、はあ、はあ、」

 

「おや?これで終わりですか?私に説教をしたのに、対した事ありませんね。」

 

「ぐぞ!まだだ!」

 

「はあ~、まだわからないのですか?貴方じゃあ弱すぎて相手にならない。」

 

「勝手に決めるな、まだやれる。」

 

そう言って裕也は弾幕を打った。

 

「ふ!や!とう!」

 

早苗は弾幕を全部よけたその時。

 

「今だ!」

 

裕也は自分の真下に弾幕を打った。すると、衝撃波を利用して、裕也は空を飛んだ。

 

「何ですって!」

 

早苗もこれには驚いてよけるのを忘れた。その隙を裕也は見逃さなかった。

早苗の頭を押さえて、落下する速度を利用して、地面に叩きつけた。勿論驚いてよけるのを忘れた早苗は顔から地面に叩きつけられた。

 

「ぐは!」

 

「まだまだ!」

 

裕也は、体制を崩した早苗に追い討ちをした。

 

「ぐ!」

 

大量の弾幕を食らった早苗は大ダメージを受けた。

 

「どうだ!」

 

「げほ、やりましたね!本気でいきます。」

 

「え?」

 

開海「海が割れる日!」

 

何も無い所から海が出て来てその海に裕也は、飲み込まれた。

 

「ごぼ、がぶげごが。」

(このままだとヤバイ何とかしないと)

 

「がぼぐが?」

(でもどうする?)

 

「降参するなら許してもいいですよ?」

 

「ばべが、でぼでぶじだが」

(誰が、でもどうするか。)

 

「さあ、如何しますか。このままだと死にますよ?」

 

「ごぶだ!」

(そうだ!)

 

裕也は、ブレスレットをしている手を自分に向け弾幕を打った。

 

「ぐぼ!」

 

裕也は、強い衝撃と共に海から出た。

 

「な!貴方は馬鹿ですか!死ぬつもりなんですか!?」

 

「げほ、げほ、俺は死なない、お前に命の大切さを教えて、生きる為に死なない!」

 

「如何して、貴方は妖怪の為にそこまで出来るのですか!」

 

「如何して、それは友達だからだ!友達を助けるのに、説明なんてない!そうだろ!?」

 

「それは人間です!人間だけの話です!」

 

「そんな事は無い!それだったら俺が証明してやる!妖怪とも人間とも、ありとあらゆる物と友達になってやるよ!お前ともだ!だがまず、お前を倒す!」

 

「なら!私に見せて下さいよ!私を倒して、証明して下さい!」

 

「ああ、お前に見せてやる!」

 

その時。裕也のポケットが急に光った。

 

「な、何だポッケが光っている?」

 

裕也はポケットの中を見たら、紅楼夢から貰ったスペルカードが光っていた。

 

「スペルカード!何で貴方がもっているの!」

 

「紅楼夢、手伝ってくれるんだな、よし!行くぞ!」

 

「や、ヤバイ防御を。」

 

血符「針棘の山!」

 

裕也がそう言うと、大量の針や、棘が山のようになって、早苗を襲った。

 

「ぐが!ぎい!ぐう!」

 

「どうだ!」

 

「く、そ。」

 

早苗は倒れた。

 

「やったか?ってヤバイ!」

 

裕也はそう言うと、早苗を治療した。

 

「ヤバイ、二人とも早く医者に見せないと!ん、ここは竹林と言う訳は永遠亭がある!そこに急ごう!」

 

 



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第一部 第2章・永遠亭編
永遠亭1


~永遠亭~

 

「んー、師匠からの仕事はこれで終わりね。」

 

居間の一角、テーブルで作業をして居た少女は不思議な格好をして居た。兎の耳を付けて現代風の学生服を来て居た。そんな彼女の名前は、鈴仙・優曇華・イナバ、ここ永遠亭で助手のような事をしている。

 

「さてと!これから如何しようかしら?」

 

そんな事を考えている優曇華に、玄関から大きな声が聞こえて来た。

 

「おい!誰かいないのか!急患だ!開けてくれ!頼む!」

 

「はいはい、分かりましたからそんなに声を荒げなくていいです、よ。」

 

優曇華は一瞬固まった何故なら、ボロボロに成った女三人を抱えて来たからだ。しかも、抱えられている一人は見覚えがあった。何故なら。

 

「てゐ!如何したの!」

 

「はあ、はあ、それで、治療はしてくれるのか?」

 

「待って。」

 

「何だ。」

 

「如何して、てゐが傷だらけなのか説明しなさい。」

 

「手短に話すぞ。この兎がここに来たければ私を捕まえろと、言ったからこいつに手伝ってもらって、病人がいるのにくだらない事をするなと、教えただけだ。」

 

「って事は、てゐに勝ったの!弾幕で!てゆうか!こいつって木の棒じゃないですか!」

 

「そうだ!、さあ!説明したぞ!げほ、ごほ、早く治療をしてくれ。」

 

「分かりましたが、そこの妖怪はだめです。」

 

「何故!」

 

「私達は人間しか見ません。」

 

「な!差別だ!医者なら人間だろうが、ようかいだろうが、異質なものでも、怪我を見るのが医者だろ!」

 

「貴方は分かってますか。」

 

「何がだ!」

 

「はあ~。いいですか、確かに医者は助けるものです。しかし、二と覆うものは一頭も得ずと言う言葉があります。必ず患者全てが救える訳ではありません。そうした場合異質な物よりも人間がゆうせんされます。」

 

「違う!」

 

「何が違うんですか?」

 

「確かにお前の言った事は正しい。」

 

「なら。」

 

「だが!その程度の認識で医者を名乗るな!」

 

「な!」

 

「確かに人間は優先だ、しかし!本当に見る物は人間じゃない!誰が重症かだ!確かに妖怪はほっといても治る。けど!痛みはある!その痛みをとってやるのも医者の勤めだ!それすらも分からない奴が医者を語るな!」

 

「で、ですが。」

 

「これだけ言ってもまだ見ないか。なら!お前を倒して見て貰うまでだ!」

 

「私に弾幕勝負を挑むのですか。」

 

「ああ、ルールはスペルカードルールだ。お互いに使えるスペルは一回。その一回で相手に膝をつかせたら勝ちだ。」

 

「・・・いいでしょう、受けて立ちます!」

 

「ここで休んで居てくれ、紅楼夢。」

 

「それじゃあ行きます!」

 

「ああ、こい!」

 

「すいませんがいきなり勝たせて貰います。」

 

優曇華がそう言うといきなり裕也の視界がぼやけ、頭痛がした。

 

「ぐう!な、何だ、頭が、ぐえ。」

 

「さあ、これで私の勝ちです。」

 

 

幻爆「近眼花火(マインドスターマイン)」

 

優曇華がそう言うと、赤く光る座薬が裕也に飛んで来て爆発した。

 

「ぐがー!が、あが!ぐう!まだ、だ!」

 

裕也は耐え切った。

 

「な!貴方は人間ですか!脳を強く揺さぶられている中で、爆発と光それから匂い、一番なのは、あれで貴方は意識を失っていなければおかしい!だって貴方はボロボロだった。だから!」

 

「それが・・・どうした。」

 

「え?」

 

「所詮貴様の覚悟なんてその程度だ。そんなんじゃ俺は倒せない。その程度のこうげきで 倒れる訳には行かねえんだよ!小娘が!」

 

「ひっ!」

 

優曇華は怯えた。何故ならそいつは、私を殺すと、目が言って居たからだ。

 

「がは!こ、今度は、俺の、番だ!」

 

血符「針棘の山!」

 

「くらえ!」

 

スペルから大量の針と棘が山になって優曇華を襲った。

 

「ひっ!辞めて!こないでー!」

 

幻爆「近眼花火(マインドスターマイン)!!」

 

さっきより、大量の座薬が展開され針と棘の山を爆破して行った。

 

「ブチ。」

 

「辞めてー!こないでー!殺さないでー!」

 

「この!馬鹿たれが!」

 

裕也は爆発と針と棘の山に突進して行った。

 

「ぐ!がは!少し、頭を冷やせ!この馬鹿がー!弾幕!展、開!」

 

そして、優曇華の腹向かって打った。

 

「がは!」

 

優曇華は吹っ飛ばされた。と、同時に弾幕が消えた。

 

「そ、それじゃあ、通させて貰うからな。・・・くそ!」

 

裕也は女四人を抱えて中に入っていった。

 

「あれだけ騒いだのに何も出てこない?・・・おーい!誰かいないのかー!」

 

・・・・

 

「くそ!」

 

裕也は永遠亭を調べた。調べている時、女の人の声が聞こえて来た。

 

「人がいない時に色々してくれたわね、人間。」

 

 

「誰だ!げぼ!があ!はあ、はあ、く、そ、まだ居たか。こいつらに、げほ、危害を加えるなら容赦しないぞ。」

 

「貴方酷い傷ねそのままなら死ぬわよ?」

 

「お前は医者か?」

 

「ええ、貴方が抱えている兎たちの師匠よ。」

 

「なら!こいつらを見てくれ。妖怪もいるんだがいいか?」

 

「・・・良いわよ。」

 

「・・・本当だな。」

 

「嘘はつかないわ。約束する。」

 

「・・・わかった。それから、この兎、優曇華と言ったか。」

 

「そうよ。」

 

「あいつはもう少しどうにかした方が良い、ぞ。」

 

そこで裕也の意識が途切れた。

 

「・・・さっきから見て居たけど、凄いわね彼、早苗、優曇華、てゐ、この三人に勝って尚且つあんな傷を追って居ながら、他人の心配をする。これは、良い試験体を見つけたわ。」



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永遠亭2

「ん、ここは?」

 

裕也は見知らね部屋で目が覚めた。

 

「俺は、如何して。・・・・・そ、そうだ!紅楼夢は!早苗は!ぐう!」

 

「まだ起きては駄目よ傷が開くわ。」

 

「お前は?」

 

「あら?お前何て酷いわね。折角助けてあげたのに。」

 

「そうか、有難う。所で、紅・・・あの妖怪は如何なった?他の三人もだ。」

 

「まず、早苗はさっき気がついたわ。」

 

「そうか。」

 

「まあ、一日様子見と言う訳で永遠亭に泊まってるけどね。」

 

「あの兎達は?」

 

「数時間したら目が覚めたわ。まあ、余り酷くなかったしね。」

 

「それじゃあ、妖怪は?」

 

「・・・傷も治って目もさましたわ。今薬を取り行ってもらってる。」

 

「薬?」

 

訳を聞こうとした時、襖があいた。

 

「あ、目が覚めたんですね。裕也さん。」

 

「紅楼夢!」

 

「ご苦労様。」

 

「いえいえ、このぐらい。」

 

「あら?妖怪にしてはやさしいのね。」

 

「お前!わかるのか!?」

 

「私を誰だと思ってるの?月の煩悩、八意永琳に、できない事なんて無いのよ。」

 

「ふーん。」

 

「リアクション薄いわね。」

 

「所で紅楼夢何でお前が働いている?」

 

「あ!それはですね。ここで働く事になったんですよ。」

 

「良いのか、言っちゃあ悪いがこいつは妖怪だぞ。」

 

「良いのよ、優曇華やてゐも妖怪みたいな物だから。」

 

「そうか、よかったな紅楼夢。これでお前は一人じゃ無いぞ。」

 

「ええ、そうですね。」

 

「は?何言ってるの?」

 

「え?」

 

「裕也と言ったかしら?貴方も此処に住むのよ。」

 

「は?おい!そんな事聞いていないぞ!」

 

「当たり前よ、今行った事なんだから。」

(こんな美味しい実験体、もとい、試験体を見逃してたまる物ですか!)

 

「その顔!絶対何かよからぬ事を考えているな!」

 

「あら?そんな事無いわよ。」

(ち、鋭い。さて、如何しましょうか。ふむ。)

 

「・・・貴方の身体はボロボロなのよ。」

 

「え?」

 

「はあ~、いい?貴方は普通の人間の癖に優曇華、てゐ、そして、あの傷を見ると、早苗とも戦っている。それで、身体に何の異常も起きないと思って居た訳?実際、貴方の神経細胞はボロボロなのよ。しかも、両腕両足その他の所もボロボロ、実際貴方の腕とれたんなからね。」

 

「そ、そんな事!だって腕はあるし!」

 

「当たり前よ。だって私が新しく腕を付けたんだもの。」

 

「・・・それで?」

 

「え?」

 

「だから、それが如何した。」

 

「だ、だから貴方の腕。」

 

「だったら定期的にくれば良い。違うか。」

 

「・・・貴方、止まる場所あるの?無いでしょ、人の好意は素直に受け取るべきよ。」

 

「・・・それは、本当に好意か?」

 

「え?」

 

「お前八意とか言ったな。」

 

「そうよ。それが何か?」

 

「八意お前は、自分の事を、月の煩悩と言ったな。」

 

「だから、それが何。」

 

「自分でそう言う奴は少なからず、こいつで調べて見たい。普通の人間なのに如何して持ったのか調べたい。見たいな事を少なからず考えている。違うか?お前は・・・俺のカンだが、罪を犯しているな。」

 

「・・・如何して。」

 

「そう思うか、か?簡単だ。お前の目が言っている。」

 

「目?」

 

「そう、俺は外の世界で医者をやって居たからな、何百人と見て来たよ。」

 

「でも、貴方、見た所16~7歳に見えるわよ?」

 

「小さい頃から見て来たからな。小さい頃は、天狗になってた。何故?当たり前だ、自分に治せない病気は無かった。必ず治せた。」

 

「まあ、それは、天狗にもなるわよ。」

 

「そう、そして、その思い上がりが罪を犯してしまった。その時、俺は悔やんだ、自分の思い上がりで大勢の人を殺してしまったんだ。」

 

「それは、如何して?」

 

「言ったろ天狗になってたって、俺は偶然にも、不老不死の薬を作ってしまったんです。」

 

「不老不死の薬如何やって!」

 

「・・・兎に角、俺は実験がしたかった。そして・・・死刑囚にその薬を使った。」

 

「そして、如何なったの?」

 

「死ななくなった。どんなに死ぬような事をされても、その死刑囚は死ななかった。そして、戦争が起こった。」

 

「戦争。」

 

「そう。そして、関係ない人が・・・死んだ。自分を呪ったよ。如何して普通にしなかったのか。普通の薬を作っていれば、あんな事にはならなかったのに。」

 

「それで?貴方は如何したの」

 

「勿論、逃げたさ。でも、逃げても、逃げても、駄目だった。だから、強く天に祈ったんだ。この忌々しい薬と一緒に自分もどっか遠くに、誰も知らない世界にって、祈った。・・・そして気がついたらここ、幻想卿にいた。」

 

「そうだったの。」

 

「ああ、だから、済まない。」

 

「ううん、良いの。所でその薬持っているの?」

 

「・・・ああ、だが如何するつもりだ。」

 

「確かめたくて、お願い。」

 

「・ ・・わかった。」

 

そう言うと、何処から出したか、大きいバックが出できた。

 

「貴方何処から出したのよ。」

 

「これだ。」

 

それは、光り輝く美しい羽であった。

 

「これなの?」

 

「ああ。そうだ。」

 

「これを食べれば良いの。」

 

「いいや、潰してある物を使わないといけない。そのままだと食べたらすぐ死ぬ」

 

「ある物って?」

 

「・・・言えない。」

 

「何故?」

 

「また、起こるかもしれないから。」

 

「そう。話が脱線したわね。それで如何する?」

 

「・・・紅楼夢お前はここにいたいか?」

 

「え!私ですか!?」

 

「ああ、答えてくれ。」

 

「私は、ここにいたい、そして薬をもっと学んで人を助けたい!だからここに残る。」

 

「そうか。なあ、八意。」

 

「なに。」

 

「どれくらいで治る?」

 

「ざっと見て二週間は必要よ。」

 

「じゃあ、その後も宜しく頼む。」

 

「それは如何言う意味かしら?」

 

「此処に住まわせてくれって意味だよ。」

 

「・・・いいのかしら?」

 

「ああ、だってお前はもう間違いなんて侵さないそうだろ?話してて分かったからな。それと、きっと八意は、俺を実験体にしようと思っていたな。」

 

「如何して。」

 

「顔がそう言ってる。」

 

「あらやだ。」

 

「でも、此処に住まわせてくれるのなら、実験体になってやってもいい。どうだ。」

 

「・・・貴方はそれでいいのね。」

 

「ただし、紅楼夢を立派な薬師にしてくれ。」

 

「わかった。これから宜しくね裕也。」

 

「ああ、宜しく八意。」

 

「永琳。」

 

「え?」

 

「私の事、そう呼んで。」

 

「・・・わかった、永琳。」

 

「じゃあ、早速だけどこれを飲んでくれないかしら?」

 

「なあ、永琳。」

 

「何かしら?」

 

「何かが蠢いているんだが。」

 

「ふふふ、安心して。多分死なないから。」

 

「ちょ!多分!多分って!や、やめ。」

 

「観念しなさい。大丈夫だから。」

 

「や、や、ぎゃゃゃゃー!」

 

「え、あの、シリアスは?」

 

こうして、永遠亭に住む事になった裕也て紅楼夢。さて、はて、これから如何なる事やら。

 

 

 



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永遠亭3

「ぐ!重い。何だ?」

 

裕也は目を開いた、いや、開いてしまった。其所に居たのは、上半身裸の男が乗っかっていた。

 

「ぎ、ぎゃゃゃー!!」

 

裕也の悲鳴が永遠亭に響いた。

 

「な、何だ!お前は!」

 

「うん?やあ、おはよう。いい朝だね。」

 

「いい朝じゃねえ!お前あれか!?残念なイケメンか!?てかまず!服を着ろー!!」

 

「はっはっは、いいじゃないか!さあ!語り合おう!体の奥底まで!ビンビンにぃー!」

 

「ぎゃゃー残念なイケメンじゃねえー!イケメンな変態だー!誰か!誰か助けてー!喰われる、喰われるー!」

 

「はっはっは、あっはっはっは!さあ!さあ!さあ!ヤろうじゃないか!」

 

「だ、誰かー!や、やめ、く、来るなー!」

 

「ふふふ、もう逃げれないよ。俺は男に飢えているんだ!やっと見つけた男!逃がす訳無いじゃないか!」

 

「ぎゃゃゃー!畜生ー!この!いい加減にしろー!」

 

「ぐふ!いいパンチだd」

 

そういい男は倒れた。

 

「はあ、はあ、何だったんだ?一体。」

 

「大丈夫ですか!?」

 

其所に優曇華が現れた。

 

「て!また貴方ですか!」

 

「優曇華こいつ知ってるのか?」

 

「ええ、この伸びている男は、女になる程度の能力を持っている、新城一馬よ。」

 

「何だその能力は。」

 

「言葉道理の意味です。」

 

「ほら、起きて下さい、一馬。」

 

「ぐ!いたた。ん?おお!優曇華じゃないか!如何した?」

 

「如何したじゃありませんよ。」

 

「・・・」

 

「さっきは済まなかった、久々の男でつい。だからそんな怖い顔しないでよ。」

 

「はあ、もういい。優曇華?もう朝食だろ?行くか。」

 

「あ、はい。」

 

優曇華と共に居間に行こうとした時。

 

「なあ、お前!」

 

「はあ~。何だ・・・っ!」

 

裕也は驚いた何故なら其所に居たのは、さっきの変態イケメンじゃなくて

腰まである綺麗に整えられた髪、そして誰でも振り向くであろう、美人な女の人が其所に居た。

 

「な!お、お前!」

 

「おやおや?鼻の下が伸びているぞ~」

 

「く!お前な!」

 

「にゃはは!冗談冗談。これで許してくれたかい?裕也君。」

 

「く!」

 

「はあ~、馬鹿な事をやってないで行きますよ。裕也さん。一馬。」

 

「おう!今行く!あ!それから裕也って言ったか。」

 

「何だ」

 

一馬は手を出しこう言った。

 

「これから宜しくな!」

 

「! ああ、こちらこそよろしく一馬。」

 

握手を交わした。

 

「ふう、いい所悪いけど、服を着なさいよ。」

 

「大丈夫男にもどればいい(キリ」

 

そんな話をしながら居間についた。そこには、先に来て居た永琳とてゐそれから綺麗な女性が居た。

 

「優曇華遅いわよ~。」

 

「すいません、姫様。」

 

「まあまあ、いいじゃないですか。輝夜さん。」

 

「一馬知っているのか?」

 

「ん、ああ、この人はこの永遠亭の主蓬莱山輝夜って人だ。」

 

「あら、貴方が永琳が言ってた子なの」

 

「はい。姫様。」

 

「ん、ちょっと待ってくれ。永琳、こいつはなんでいるんだ?」

 

「それはね。」

 

「いや、永琳さん。自分で説明しますよ。」

 

「そう。」

 

「ちょっと待ったー!」

 

「ど、どうしたんですか姫様!」

 

「そんな事より!朝飯よ!朝飯。」

 

「いやいや!輝夜さん!自分の紹介をさせて下さいよ!」

 

「うるさい!残念な変態!私はお腹が空いたのよ!」

 

「ざ、残念な、変態?いやいや!それはひどいじゃないですか!?この!ヒキニート!」

 

「違う!私はちょっと動くのがキツイからただ、部屋に籠っているだけだ!けしてヒキニートでは無い!」

 

「それをニートって言うんですよ!この!ニートの中のニート、THEニートofキング。」

 

「何よ!変態行為しかしない変態が!」

 

「違う!俺はただ曲者が来ない様に下着とか、風呂場を覗いているだけだ。断じて変態では無い!仮にも変態だとしてもそれは、こよなく女子を愛する紳士だ!」

 

「鏡を見て言いなさいよ!紳士?違うわね!一馬!貴方は紳士装っているただの変態よ!それに比べて私はただ出る用事がないから出ていないだけ、だから!けして!ニートでは無い!」

 

「は!お前こそ、パソコンするので忙しいと言ってなんにもしないだろうが!これをニートと言わずとして何がニートだ!」

 

「うっさい!この痴漢!」

 

「何だと!このニート!」

 

「何ですって!このちかn」

 

ブチ

 

「え?」

 

「やば。」

 

「ふ、ふふ、ふふふふ。姫様、一馬こっちに来て下さい。」

 

「い、いや~、輝夜さん先に行って下さいよ。」

 

「ま、またまた。一馬貴方が先よ。」

 

「早く、来なさい?フタリトモ。」

 

「輝夜さん。」

 

「ええ!一馬!」

 

「逃がしませんよ。」

 

「な、なに!回り込まれた!」

 

「くっ!・・・今だ!」

 

「甘い。」

 

隙を見て逃げようとした一馬だったが。読んでいたのか永琳は一馬の首を掴んだ。

 

「まずヒトリ」

 

「首!、首が締まってます!永琳さん首がー!」

 

「一馬、貴方の犠牲は忘れないわ。それじゃあ!」

 

「あ、くそ!まて俺を置いていなないでくれ~!」

 

「逃げようとしても無駄ですよ姫。」

 

「え?」

 

何時の間にか輝夜の襟首を掴んでいた永琳。それに輝夜は。

 

「あ!ちょっと話し合いましょう!ね!永琳。」

 

「ええ、隣でじっっくりと。」

 

「誰か!助けてー!」

 

そんな二人を抱えて永琳は隣の部屋に入って行った。

 

「ちょ!ま!ぎゃゃゃゃー!ぐぼあ!

ま!アーーーー!!!」

 

「ちょと、まって、永琳冗談よね?そ、そんな物使ったら!」

 

「グッバイ」

 

「き、きゃゃゃゃゃー!」

 

二人の悲鳴が部屋から数分聞こえたあと、所々血まみれな永琳が其所にいた。

 

「し、師匠、死んでないですよね?」

 

それに永琳は、ニッコリ笑いながら。

 

「大丈夫。死んでいたとしても、私が蘇らせるから。」

 

「で、でも。」

 

「優曇華?私の言う事がきけないの?」

 

「い!いいえ!滅相も御座いません。」

 

「そう。ほら、裕也も座って。」

 

「ああ、わかった。」

 

「それでは。頂きます。」

 

こうして、永遠亭の朝が過ぎて行った。

 



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永遠亭4

「あ、裕也君。」

 

「? 何だ永琳。」

 

縁側で休んでいた裕也に永琳が話しかけてきた。

 

「ちょっときてくれない?」

 

「? ああ、わかった。」

 

少し歩いた所

 

「・・・ここよ。」

 

「あのー此処は?」

 

「ん?私の部屋だけど?」

 

「いやいや!こんな部屋があるか!」

 

永琳の部屋にあったのは・・・悪魔の部屋に拷問道具を足しそれに薬品が並んでいて、かなり混沌な空間になっていた。

 

「あら?普通でしょ?」

 

「全然普通じゃねえだろ!悪魔の科学者だよ!?」

 

「そう?」

 

「・・・・もういい。」

 

「それじゃあこの薬を飲んで?」

 

「何だこの物体Xは?」

 

「・・・飲み物?」

 

「違うよ!ただの蠢いてる物だよ!今度こそ死ぬから!」

 

「大丈夫だから安心して?」

 

「・・・本音は?」

 

「いや~、ちょっと凄い飲み物無かったからだったら自分で作ってやろうとなって何やかんやして出来たけど何か嫌な予感がしたから優曇華に飲ませたら、変な踊りをしながら楽しくハッスルしてから倒れてびくんびくんと、して痙攣していたから大丈夫!」

 

「それ!全然大丈夫じゃないから!?」

 

「兎に角飲んで?」

 

裕也は永琳から怪しい薬を貰った!

 

「えーい!男は度胸!」

 

裕也は飲んだすると。

 

「あれ?案外普通?」

 

「よかったわね。それじゃあ!これと、これと、これもよろしく!」

 

「ま、待て!それは!がべぼがぐぇぐが!」

 

「これでよし!さて!如何?」

 

裕也はびくんびくんしていた。

 

「裕也く~ん、大丈夫?」

 

「・・・・・」

 

「あのー」

 

「ぐ!げほ!何するんだ永琳!」

 

「あら?何にも無い?」

 

「ああ、奇跡的にな。」

 

「・・・貴方、本当になんとも無い。」

 

「何言って。」

 

「良いから答えて。」

 

「? 特には何とも。」

 

「・・・貴方気ずいて無いの?」

 

「??」

 

「仕方がないちょっと外にきて。」

 

「??」

 

裕也は外に出た。

 

「一体何なんだ?」

 

「私と勝負して貰うわ」

 

「は?ちょおま!何言ってんだ!」

 

「・・・神脳「オモイカネブレイン」」

 

裕也に大量な鐘が落ちてきた。

 

「ちょ!鐘!?うわ!」

 

裕也はあり得ないスピードでよけた。

 

「あ、あれ?」

 

「やっぱり。」

 

「は?それは如何言う意味だ?」

 

「貴方色々飲んだじゃない。」

 

「お前に無理矢理な。」

 

「まあ・・・そのせいなのかしら。」

 

「だから何だよ。」

 

「色々な能力が上がっているのよ。」

 

「は?」

 

「しかも霊力は紫と同じかそれ以上。」

 

「は?おいおい、ふざけるのもいい加減にしてくれ。」

 

「なら、ためしてみる?」

 

「え?な!ぐあ!いきなり何を・・・!」

 

大量の弾幕が放たれた。

 

「く!」

 

血符「針棘の山!」

 

「ぐう!・・効かないわね。」

 

回復「泉の水」

 

永琳がそう唱えると傷が癒えていった。

 

「な!」

 

「休んでいる暇は無いわよ?本気で行くからよけてね。」

 

禁固「夢路の封印」

 

永琳の周りに鳥居が現れそこから大量の綺麗な玉が一斉に裕也に向かって襲ってきた。

 

「わ!は!や!と!」

 

裕也は必死に避けている。

 

「早くし無いとしぬよ?」

 

「や!は!く!ぐは!ち!」

(くそ!如何する!・・・!そうだ!幻想卿に常識は通用しないなら。新しく作ったこのスペルと、あれで!)

 

「さあ、如何する。」

 

「後悔するなよ!ミックススペル!」

 

裕也は避けながらスペルを二つ出した。

 

「それで何をするつもり?」

 

冰心「針棘の暴風雷雲」

 

雨、針、棘が風で竜巻を起こし、その中で雷が落ちてきた。

 

「な!なに!ぐ!避けきれない!き、きゃーー!」

 

数十分の後嵐が止んだ。

 

「あ!永琳!大丈夫か!」

 

嵐が止んだ場所にいた永琳は身体中傷だらけで服はボロボロだった。

 

「だ、大丈夫よ。」

 

「だ、だが。」

 

蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」

 

永琳は傷が癒え何故か服も元に戻った。

 

「ふう、如何だった。裕也?」

 

「凄かった、スペルカードを使っても全然疲れない。」

 

「そう、よかったわね。それよりさっきのなに?」

 

「ああ、ミックススペルですね。」

 

「そう、それ。ミックススペル何て聞いた事が無いわよ。」

 

「勿論だ。だって、俺が考えたからな。」

 

「な!貴方自分で考えたの!嘘でしょ!」

 

「ああ、ある物を思い出してな。」

 

「所で、貴方今スペルカードいくつあるの?」

 

「えーと紅楼夢に貰ったのと、拾ったので・・・4枚だな。」

 

「で今使えるのは?」

 

「3枚。」

 

「どんなのか説明をしてくれない?」

 

「良いですよ。まずはじめは、血符「針棘の山」、次に暴風「雷雲」、最後に、治癒「自然の力」ですね。」

 

「そうなの、だったらはい。」

 

そう言って渡したのはスペルカード3枚だった。

 

「良いんですか?」

 

「ええ、いつも実験に付き合ってくれてる御礼、と、でも受けとっておいて。」

 

「は、はあ、わかりました。」

 

「それでは昼にしましょうか。」

 

「あ!もうそんな時間か。」

 

居間に行こうとした裕也に永琳は。

 

「ねえ。」

 

「うん?」

 

「またよろしく。」

 

「・・・ああ!」

 

こうして裕也の午前が終わった。

 



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第一部 第3章・人里異変
人里の行く道で


【裕也】

「ふわあ~よく寝た。しかし・・・・」

 

裕也は昨日の事を思い出していた。

 

【裕也】

「紫と同じかそれ以上・・・・か。実感が湧か無いな。」

 

考え込んでいる裕也に這い寄る一人の男がいた。

 

【一馬】

「僕の事を考えていたのかい?OK!なら!俺と!や ら な い か?」

 

【裕也】

「遠慮しておきます。」

 

【一馬】

「それは残念。」

 

そんな他愛も無い話をしていたら、襖が空いて紅楼夢が顔を出した。

 

【紅楼夢】

「ご飯が出来ましたよ。」

 

【一馬】

「OK!性を付けにイってこようじゃないか!」

 

【裕也】

「辞めろ!お前が言うと卑猥に聞こえるわ!」

 

【一馬】

「え!何だって!?ご飯が終わったら二人で大人の階段を登って戦隊ものみたいに合体したいって!これは、体がビンビンになるな!」

 

一馬は笑顔で言った。それに裕也は。

 

【裕也】

「勝手に言ってろ。」

 

無視をした。

 

 

移動なう

 

 

 

裕也達が居間の襖を開けると。優曇華、てゐ、輝夜、永琳、全員いた。

 

【優曇華】

「何かありましたか?」

 

【紅楼夢】

「いえ、何も。」

 

紅楼夢は苦笑いをしながら話した。

 

~食後~

 

 

 

【裕也】

「ふう、食べた、食べた。」

 

居間でゆっくりしていた裕也に永琳が話しかけて来た。

 

【永琳】

「今良いかしら?」

 

【裕也】

「? 何だ?」

 

【永琳】

「人里に行って来てくれ無いかしら?」

 

【裕也】

「人里に?何で?」

 

【永琳】

「ここにじっとしていても体が鈍るわ、大丈夫。優曇華の付き添いだから。」

 

【裕也】

「優曇華の?」

 

【永琳】

「あら?言っていなかったかしら、私と優曇華で人里に薬を売りに行くのよ。」

 

【裕也】

「薬を?」

 

【永琳】

「ええ、私達医者は命を助けるのが仕事よ、だから、ね☆」

 

【裕也】

「分かった行ってくる。」

 

【永琳】

「優曇華!行くわよ~!」

 

【優曇華】

「は~い!師匠分かりました。」

 

 

人里に行く途中の場所。

 

【優曇華】

「はあ~師匠の命令だからって何であんたと行かなきゃならないのよ!私を医者じゃ無いって言った貴方に。」

 

【裕也】

「あれはお前が悪い。」

 

【優曇華】

「何ですって!」

 

【裕也】

「だって・・・・・・!」

 

【優曇華】

「急に如何したのよ?」

 

【裕也】

「声が聞こえた。」

 

【優曇華】

「声?」

 

優曇華は耳を済ませてみたが何も聞こえなかった。

 

【優曇華】

「何も聞こえませんよ?きっと気のせいでしょ。」

 

【裕也】

「いや!気のせいじゃない!・・・・こっちだ!」

 

【優曇華】

「あ!ちょっと!」

 

優曇華の止める言葉を無視して下に降りた。

 

【優曇華】

「あーもー!」

 

優曇華も下に降りた。

 

【裕也】

「確か・・・こっちに。」

 

裕也は声がしたと言う場所を探していたら怪我をしている女がそこにいた。

 

【裕也】

「いた!おーい!優曇華ー!こっちだ!」

 

【優曇華】

「本当にいた。」

 

【裕也】

「おい!誰にやられた!いや、今はそんな事より治療だ」

 

裕也は永琳からもらった薬箱を取り出し女を治療し始めた。

 

【優曇華】

「凄い手際。師匠を見ているみたい。」

 

【裕也】

「これで大丈夫。さて、何が合ったんだ話してくれ。」

 

【女】

「ひ!や、辞めて、食べないで!ごめんなさい、あ、謝る、謝るから、」

 

女はかなり震えていたようで裕也達の姿が目に入っていなかった。

 

【裕也】

「優曇華、お前の出番だ。」

 

【優曇華】

「は?何で私が。」

 

【裕也】

「はあ~良いか?お前の能力。狂気を操る程度の能力が必要何だよ。この女の恐怖を中和する為に、だから、お前の出番だって言ったんだよ。」

 

【優曇華】

「はあ~分かったわよ。やれば良いんでしょやれば。」

 

その時近くの草むらがガサガサ揺れそこから現れたのは。

 

【EXルーミア】

「おい、その女をわたせ。」

 

女がいきなり尋常じゃない怯え方をした。

 

【裕也】

「嫌だ、と言ったら?」

 

【EXルーミア】

「貴様を殺しその女を連れて行くだけだ。」

 

【優曇華】

「ひ!こ、この感じあの時と同じ。」

 

優曇華はいきなり怯え始めた。

 

【裕也】

「おい!優曇華!お前何怯えてんだ!」

 

【優曇華】

「何で?彼処から逃げたはずなのに、もう、あの恐怖はもう無いはずなのに。」

 

【裕也】

「優曇華!?おい!優曇華!」

 

【EXルーミア】

「・・・・なるほど、兎の耳を付けた女、お前戦場から逃げたな?」

 

EXルーミアがそう言うと優曇華が体をびくっと動いた。

 

【裕也】

「戦場?」

 

【EXルーミア】

「そうだ。多分その女脱走兵だ。」

 

【裕也】

「脱走兵?」

 

【EXルーミア】

「ああ、そいつは何処かの国から逃げたんだ。だから私の殺気に怖じ気ついたんだ。そういえばお前は大丈夫なのか?」

 

【裕也】

「俺か?ああ、だって、その程度の殺気ならあっち側でお前以上の殺気に会っているからな、今更その程度じゃあ引く気は無い。」

 

【EXルーミア】

「なるほどな。だが如何する?そこの兎は戦意喪失してるし、女は怪我をしている。さあ、如何する?」

 

【裕也】

「こうする。」

 

そう言うと裕也は優曇華の襟首を持っておもっきり殴り付けた。

 

【優曇華】

「ぐう!な、何を。」

 

裕也は怒鳴りながらこう言った。

 

【裕也】

「お前は医者だろ!?医者は人を助けるのが仕事だ!お前は何の為に医者になった!恐怖をまぎわらすためか!?罪の意識か!違うだろ!もうあんな事はやだって思ったから医者になったんだろ!?違うか!違うならそこでじっとしてろ!でも、そうじゃ無かったらそいつを守れ!」

 

【優曇華】

「わた、私は。」

 

【EXルーミア】

「お前は本当に人間か?」

 

【裕也】

「何言ってやがる。今は人間や妖怪何て関係ない、俺は、皆を守りたいただの医者だ!覚えておけ!」

 

【EXルーミア】

「なるほど、なら私もそれに答えなければいけ無いな。・・・・私の名前は、ルーミア、この姿だとこう言われているよ。EXルーミアってな。」



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VSルーミア

【EXルーミア】

「行くぞ。」

 

【裕也】

「! ま!待て!」

 

【EXルーミア】

「待つと思うか?」

 

夜付「Blackストーム」

 

ルーミアの周りに闇が広がりそれが収縮してルーミアの手のひらに乗った。

 

【裕也】

「な、何だ、何かしたのか?」

 

【EXルーミア】

「周りに見えてる物が本物だとは限らない。」

 

【裕也】

「な!上か!ぐ・・・・・が・・・・!」

 

裕也は前にいたルーミアに気を取られていて、上から来たルーミアに黒い弾幕を当てられた。

 

【EXルーミア】

「それだけじゃ無いぞ。」

 

【裕也】

「なに!ぶ・・・・・ぎ・・・ ・が・・・・!?!?!?」

 

裕也の腹がいきなり凹み回転しながら近くの岩や竹を壊して数メートル飛んで止まった。

 

【EXルーミア】

「ふむ、やり過ぎたか。だがこれでこいつを殺せる。」

 

【女】

「ひ!こ、来ないで!謝るから!謝るからぁぁぁぁ!!!」

 

【EXルーミア】

「もう・・・・遅い。」

 

ルーミアの腕が黒くなり指先が尖った。その腕を女に突き刺そうとしたが。

 

【裕也】

「ま、待て、ごぼ・・・・はあ・・・はあ・・・お前の相手は・・・・げほ・・・・俺だろ。俺は・・・まだ・・・・生きてるぞ!」

 

【EXルーミア】

「何故生きてる。あれは貴様を殺したはずだ。」

 

【裕也】

「あれ・・・だと・・・。」

 

【EXルーミア】

「ああ、さっきのスペルカードは生きているんだよ。ただし使った時に一回きりだがな。」

 

【裕也】

「なる・・・・ほど。げほ・・・ごほ。」

 

裕也はふらつき血を口から出しながら喋ってた。

 

【EXルーミア】

「お前は、彼奴の仲間か何かか?」

 

【裕也】

「いや・・・・違う。だが・・・そいつを助けたのは・・・俺・・・・だ。」

 

【EXルーミア】

「だから、か?・・・・だから助けるのか?誰かも知らない奴を助ける為に命を張るのか?」

 

【裕也】

「きめ・・・・たんだ・・・・俺が見た人・・・は・・・どんな奴からでも・・・・守り・・・そして・・・敵味方関係無く・・・友達になるってな!だから・・・・俺は!」

 

【EXルーミア】

「くだらん。だったら聞くが、そいつを殺したい程に憎んでいる奴は?そいつに殺された人は?10年に及び憎んでいた奴と友達になったら?他にも色々あるが言うか?」

 

【裕也】

「そんな・・・・事は・・・・分かってる・・・・だが・・・・それでも!がは・・・・可能性があるなら一人でも・・・・一パーセントでも可能性があるなら・・・・俺は!諦めない!行くぞ!ルーミア!」

 

人間「人々の悪意」

 

裕也の手から怨霊が現れルーミアに張り付いた。

 

【EXルーミア】

「何だ?これは?・・・!」

 

ルーミアの手、目、足、が動かなくなった。

 

【EXルーミア】

「何をした!」

 

【裕也】

「辛いだろ、痛いだろ、このスペルカードは俺が受けた痛みに少しの怨念が付きまとう技なんだ。怨念は俺が殺してしまった人のだ。」

 

【EXルーミア】

「なるほど、つまり、自分が受けた痛みを相手と同じにして痛みを共感するスペルカードか。」

 

【裕也】

「そうだ。如何だ気持ちは」

 

【EXルーミア】

「そうだな。これが痛いって事なんだろうな。・・・・なあ、お前は本当に友達に慣れると思っているのか?」

 

ルーミアの言葉に裕也は笑顔で言った。

 

【裕也】

「当たり前だ!」

 

【EXルーミア】

「そうか。だったら私とも友達になってくれないか?」

 

ルーミアがそう言った瞬間いきなり痛みと金縛りが治った。

 

【裕也】

「? 何言ってんだ?戦いが終わったら、もう・・・・友達だろ!」

 

笑顔で言った。それにルーミアは。

 

【EXルーミア】

「そうか。有難う。」

 

【裕也】

「そ・・・・れより・・・・どうして・・・・その女を狙ったんだ。」

 

【EXルーミア】

「それより、良いのか?そこにいる兎は。・・・・ちょっと良いか」

 

【裕也】

「ん?何だ?」

 

【EXルーミア】

「ああ、実は。」

 

 

 

【優曇華】

「遅いな~。何してるのよ。」

 

ガサガサと草むらが揺れ・・・・ルーミアが姿を現した。

 



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鈴仙・優曇華院・イナバの覚悟

【優曇華】

「裕也、裕也は如何した!」

 

【ルーミア.大人】

「・・・・・」

 

【優曇華】

「答えろルーミア!」

 

【ルーミア・大人】

「・・・・殺した。」

 

【優曇華】

「な・・・・に・・・・?」

 

【ルーミア・大人】

「だから・・・・殺した・・・・私が・・・・この手で。」

 

【優曇華】

「き・・・・さま・・・・!」

 

優曇華は怒りをあらわにして、殺気を出しながらルーミアを睨み付けた。

 

【ルーミア・大人】

「ほう、中々だが・・・・その程度か?」

 

【優曇華】

「ひっ!」

 

優曇華はルーミアが出す殺気に怯え、後ずさった。

 

【ルーミア・大人】

「なんだ?口先だけか?野兎。なら・・・・その女をよこせ・・・・それとも・・・・

死んでからにする?」

 

【女】

「ひっ!た、助けてよ!私を見捨てないでよ!彼奴見たいに死んでも守りなさいよ!か、金ならいくらでも出すわ!だ、だから!あんたと同じ化け物何だから!?」

 

【優曇華】

「は?」

 

優曇華は疑問に思った。

 

【優曇華】

「・・・・(如何してこの女は、ルーミアに狙われている?確かにルーミアは人喰いだ、だが、ある日から人を食べ無くなったらしい。そのルーミアが、人を意味無く食べる何てあり得るのか?・・・聞いて見るか)」

 

【女】

「何とか言いなさいよ!化け物!」

 

【優曇華】

「・・・なあ、ルーミア、何でこの女を狙っているんだ?教えてくれないか?」

 

【女】

「私を無視しないでよ!この!化け物!」

 

【ルーミア大人】

「・・・・良いだろう。教えてやる。如何してこの女を狙うか。」

 

ルーミアはゆっくり話し始めた。

 

【ルーミア・大人】

「あれは、少し前起きた事だ。私が暇を潰せるのを探している時だ。」

 

 

数時間前

 

【ルーミア】

「ひ~ま~な~の~だ~。」

 

ルーミアはいつも通りにフラフラしていた。その時、一人の女がルーミアの目に入った。

 

【ルーミア】

「そーだ!少し驚かすのだー♪」

 

ルーミアは嬉しそうに女の所に行った。

 

【女】

「確か、この辺りに。」

 

【ルーミア】

「がお~♪た~べ~ちゃ~う~ぞ~☆」

 

【女】

「ふふ、見つけた。この子の・・・・を手に入れたら、私も。」

 

女はボソボソと話していた。ルーミアは聞こえなかったと思い言い直した。

 

【ルーミア】

「がお~♪た~べ~ちゃ~う~ぞ~☆」

 

【女】

「ねえ?ルーミアちゃん?こっちに来てくれない?」

 

【ルーミア】

「? 如何したのだ~?」

 

ルーミアは何の疑いも無く、女に近付いた。

 

【ルーミア】

「きたぞ~?如何したのだ~?」

 

【女】

「ええ、ちょっとね!」

 

【ルーミア】

「かっ・・・・は・・・・何を?」

 

女はルーミアが油断していた所に・・・・漆黒の剣を胸に刺した。ルーミアは血を出しながら・・・・地面に倒れた。そして女はルーミアの髪飾り・・・・封印の札を取った。

 

【女】

「安い仕事ね。たかが小娘の札を取れば良いって、しかも、それだけじゃなく、この剣までくれるなんて、本当に良い仕事を見つけたわ。それじゃあ、バイバイ、化け物。」

 

【ルーミア?】

「まて。」

 

【女】

「なあに?また、刺されたいわけ?それじゃあ・・・・何回でも・・・・刺してあげるわよ!」

 

女はルーミアに刀を振り下ろしたが、今度ルーミアは片手で受け止めた。

 

【女】

「え!?何で!さっきは!」

 

【ルーミア?】

「私は・・・・ただ・・・・寝ていたいがけなんだがな?貴様か?人間、私を目覚めさしたのは。」

 

【女】

「ひっ!だ、誰よ!?さっきのチビは!?それに貴様は何者なの!?」

 

【ルーミア?】

「私か?私は私だ。それ以上でも無い。・・・・私の眠りを醒ました代償は高いぞ?覚悟をしろよ・・・・人間。」

 

女はルーミアがだす殺気に怯えながら逃げた。

 

【ルーミア・大人】

「・・・・・静かに・・・・ただ・・・・ただ・・・・それだけなのに。」

 

ルーミアは呟きながら女を追いかけて行った。

 

 

 

【ルーミア・大人】

「と、言う事があってな。分かっただろう?その女は自分の為なら他は如何でも良いって思ってる馬鹿な女だ。・・・・生きる価値は無い。」

 

【女】

「た、助けてよ!ねえ!?」

 

【優曇華】

「・・・・なるほど。・・・・それじゃあ・・・・如何して・・・・裕也を殺したの?」

 

優曇華は声を震えながら言った。

 

【ルーミア・大人】

「悔しいか?悲しいか? 目の前で殺した私が憎いか?だが、それはお門違いだ。貴様が怯え後ずさったから、彼奴がお前の代わりに行ったんだ。憎むなら、お前自身を憎め。」

 

優曇華はギリリと歯を噛んだ。

 

【ルーミア・大人】

「分かったらそこをどけ。脱走兵。」

 

【優曇華】

「・・・やだ。」

 

【ルーミア・大人】

「何?」

 

【優曇華】

「嫌だって言ってんのよ!ルーミア!」

 

幻波「赤眼催眠(マインドブローイング)」

 

優曇華はスペルカードを出した。

 

【ルーミア・大人】

「ぐ・・・・が。」

 

【優曇華】

「どうだ、上手く歩く事も出来無いでしょ?」

 

優曇華は笑いながら言った。だがルーミアはさっきまで苦しそうにしていたが、数分でおさまった。

 

【ルーミア・大人】

「ふむ、なるほど、これは精神の破壊だな。中々危険な能力だな。・・・私も本気で行こう。」

 

闇付「眩む視界」

 

【優曇華】

「うぐ!目が。」

 

【ルーミア・大人】

「どうだ?闇の感覚は?何も見え無いだろ?さあ・・・・如何する?」

 

【優曇華】

「く・・・・目が、見えない。」

 

【ルーミア・大人】

「行くぞ。」

 

ルーミアは素早く優曇華の懐に入り3回パンチを入れ、弾幕を丸め固めた黒い玉を中に打ち込んだ。

 

【優曇華】

「が・・・・は・・・・うぐ・・・あ・・・」

 

優曇華は数メートル吹っ飛んだが、上手く体制を立て直した。だが、直接食らったから腹を抱えていた。

 

【ルーミア・大人】

「どうだ?闇の力を受けた感覚は?」

 

【優曇華】

「げほ!がは・・・・はあ・・・・はあ・・・・滅茶苦茶よ!くそ!」

 

優曇華は傷だらけだったが、ルーミアを睨みつけた。

 

【ルーミア・大人】

「ほう、私との実力差を感じたはず。なのに立ち向かうのか?何故?逃げれば良い、その女を私に渡して、如何した?脱走兎。」

 

【優曇華】

「もう、やなのよ。逃げるのは、許してくれた師匠の為にも、私を見捨てないでくれた姫様を、悪戯をして励ましてくれた仲間の為にも、そして、会って間もない私の心配してくれた・・・・居候の為にも!逃げる訳には行か無い!」

 

赤眼「望見円月(ルナティックブラスト)」

 

優曇華から、大量の銃弾が現れそれが、不規則に散弾銃見たいにルーミアに向かってうち放たれた。

 

【ルーミア・大人】

「ち!舐めるな!小娘!」

 

闇符「ダークサイドオブザムーン」

 

【優曇華】

「な!?私の弾幕が闇の中に取り込まれて行く!?いや!まだまだ!」

 

【ルーミア・大人】

「な!ぐうっ!」

 

優曇華が手に溜めておいた弾幕がルーミアが出した闇の中を抜け、ルーミアの肩に当たった。

 

【優曇華】

「どうだ!ルーミア!」

 

【ルーミア・大人】

「ぐ・・・・さ、最後に聞かせてくれ。如何してお前はそんなに頑張る。」

 

【優曇華】

「認めてくれた姫様達の為にも、今はもういない、会って間もない私を守ってくれた!だから!私は頑張るんだ!」

 

【ルーミア・大人】

「そうか・・・・おーい、もう出てきて良いぞー。」

 

【優曇華】

「は?」

 

【裕也】

「よ!優曇華。」

 

【ルーミア・大人】

「成功だな。」

 

【裕也】

「ああ、そうだなルーミア。」

 

【優曇華】

「な、な、な、なんじゃそりゃー!」

 

【女】

「ひっ!お前もあの化け物の仲間か!た、助けてー!」

 

そう言うと女は走って逃げて行った。

 

【ルーミア・大人】

「貴様!まて!」

 

【裕也】

「追うなルーミア!」

 

【ルーミア・大人】

「っ・・・・!」

 

裕也の言葉で立ち止まったルーミアは、走って行く女を見逃した。

 

【ルーミア・大人】

「何故だ裕也。何故見逃したんだ?彼奴はお前の仲間を馬鹿にした女だぞ。」

 

【裕也】

「なあ、優曇華?聞きたい事があるんだが。」

 

【優曇華】

「なによ。」

 

【裕也】

「はは、怒るなって、謝るから。」

 

【優曇華】

「たく。で?なんなのよ。」

 

【裕也】

「ああ、人里の方角はどっちだ。」

 

【優曇華】

「方角?それならここから北北西にって!もしや!?」

 

【ルーミア・大人】

「・・・・ふむ。」

 

【裕也】

「そう。あそこに里が見えるし、方角も一緒だ。だからあの女は人里に向かったって言う事になる。それを妖怪のルーミアが行ったら、攻撃されるかもしれない。だから、待って貰ったんだ。ルーミア。」

 

【ルーミア・大人】

「なるほど。だが、如何する?あの女はきっとお前達の事を人里に言うぞ?悪くな。」

 

【裕也】

「大丈夫。優曇華、いつから人里で薬を売ってる?」

 

【優曇華】

「え?ん~、一年位かな~。」

 

優曇華がそう言うと裕也は少し笑いながら言った。

 

【裕也】

「なら大丈夫だ。安心して良いだろう。」

 

【ルーミア・大人】

「何故だ?」

 

【裕也】

「一年も優曇華達の薬に世話になっているんだろ?だったら、違うって直ぐに分かるはず。だから大丈夫だって言ったんだ。な!優曇華。」

 

今度は優曇華を見てニカッと笑った。それに優曇華は。

 

【優曇華】

「(どきっ!)べ、別に。そうよね!うん!」

 

【裕也】

「? まあ、良いか。とにかく、そう言う訳だから待っててくれないか?代わりに俺らが言ってくるから。」

 

【ルーミア・大人】

「分かった。だが、私もついて行く。」

 

【裕也】

「何故?きっと、襲われるぞ?」

 

【ルーミア・大人】

「いや、気になってな。」

 

【裕也】

「そうか。よし!行こう!人里へ!!」

 



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妖怪の賢者と人里の守り人

【優曇華】

「もうじき人里に着きます。」

 

【???】

「ちょっと待って下さる?」

 

【裕也】

「お前は?」

 

【紫】

「紫。八雲紫と言います。お見知りおきを。」

 

【裕也】

「・・・それで?その紫さんが何のようだ?」

 

【紫】

「いえいえ、ちょっと危険かもしれない相手の下見ですわ。」

 

【裕也】

「なるほど、それは、ご苦労様で。俺達は急ぎますので。」

 

裕也が紫の脇を通り抜けようとしたら、スキマが現れ裕也を飲み込んだ。

 

【裕也】

「な、に!」

 

裕也は穴の中に落ちた。

 

【ルーミア】

「おい、紫、これは如何言う意味だ?私の友をスキマに落として。訳を説明してもらうぞ。」

 

【紫】

「さっき言いましたわ。危険かもしれない相手の下見って。」

 

【ルーミア】

「如何言う意味だ?ただの人間だろ?何を怖がる必要がある?大妖怪・八雲紫。いや、本当の意味を知らない妖怪。」

 

【紫】

「ふふ、中々ねルーミア。その姿を封印したのは博麗だけど、私もやっておけばよかったかしら?」

 

【ルーミア】

「ふう、私はただのんびりとしていたいだけなんだがな。この意味、お前ならわかるよな?紫。」

 

【紫】

「安心しなさい。直ぐに済むから。」

 

【ルーミア】

「分かった。ここで待ってるから早く戻せよ?紫」

 

【紫】

「勿論。」

 

紫はそう言うとスキマの中に入って行った。

 

 

スキマ内部

 

裕也は沢山の目がある空間にいた。

 

【裕也】

「ここが、スキマ。いや、光と闇と時空の中間か。」

 

【紫】

「勝手に決めないで下さる?人間の身で、神に匹敵する力と能力を持つ裕也君。」

 

【裕也】

「文句なら永琳に行ってくれないか?俺はただ薬を飲んだだけだ。」

 

【紫】

「貴方は勘違いをしているわ。」

 

【裕也】

「勘違い?」

 

【紫】

「そ、貴方は元から持っていたのよ力を。それを薬で表側に出しただけ。」

 

【裕也】

「な、に?如何言う事だ。」

 

【紫】

「貴方、年齢は?」

 

【裕也】

「は?19歳だが、それが如何した。」

 

 

【紫】

「そう。」

 

裕也は何を言ってるんだ?と思った。しかし、紫が話したのは目を疑う話だった。

 

【紫】

「貴方は、ここの、住人よ。」

 

【裕也】

「は?何を言ってるんだ?」

 

【紫】

「20年前にかなり大きな異変があったのよ。稗田阿求が書いてる幻想郷縁起にも載ってない程の異変なのよ。」

 

【裕也】

「その異変他に知ってる人は?」

 

【紫】

「私と先代巫女の博麗琴光喜(はくれい・ことみ)と源雷光(みなもと・らいこう)だけよ。」

 

【裕也】

「それを如何して俺に言う?」

 

【紫】

「言ったでしょ?貴方はここの住人で危険だって。」

 

【裕也】

「俺の何処が危険かを聞く前にその異変の名前は?聞いても良いか?」

 

【紫】

「別に良いわよ?その異変は時空異変って名ずけられたわ。」

 

【裕也】

「時空異変?」

 

【紫】

「ええ、一回だけ博麗大結界が破られ幻と実体の境界もあやふやになり、色々な災害が起こったのよ。時空異変はその時に起こったの。幻と実体の境界が歪み時空の狭間が現れそこに色々な物が現世に落ちて言ったその時に一人の人間が落ちたのよ。・・・・その落ちた人間が琴光喜なのよ。」

 

【裕也】

「その人と俺が危険だって言う意味は?」

 

【紫】

「貴方は先代巫女の子供よ。」

 

【裕也】

「はあ?何言ってるんだ!俺の名前は桐上裕也、確かにお母さんの顔は知らないが、苗字が違うじゃ無いか!」

 

【紫】

「・・・・確信して言ってるのよ。」

 

【裕也】

「証拠はあるのか?俺が琴光喜さんの子供だって言う証拠。」

 

【紫】

「貴方の霊力よ。」

 

【裕也】

「霊力?」

 

【紫】

「そうよ、貴方の霊力が似ているのよ。」

 

【裕也】

「似ている霊力何て幾らでもいるじゃ無いか。」

 

【紫】

「それだけじゃ無いわ。貴方の能力もよ。」

 

【裕也】

「能力?」

 

【紫】

「そう。琴光喜は不思議な能力を持っていたのよ。」

 

【裕也】

「不思議な能力?」

 

【紫】

「そうよ。能力名は、能力を相手に受け継がせる程度の能力よ。」

 

【裕也】

「それが如何した。」

 

【紫】

「貴方の能力に自分の妄想を現実にする程度の能力があるわよね。」

 

【裕也】

「それが如何した。」

 

【紫】

「持っていたのよ。琴光喜も、その能力を。」

 

【裕也】

「な、に。だったら、危険だって言う証拠は?そもそも、如何して俺が危険何だ?」

 

【紫】

「貴方の能力よ。」

 

【裕也】

「能力って自分の妄想を現実にする程度の能力か?」

 

【紫】

「そうよ。その能力は自分の霊力が続く限り物や者を出せるのよ。本当は反動があるから心配無いんだけど。今の貴方は反動が無しで使えるのよ。」

 

【裕也】

「如何言う事だ?それに、何故言ったんだ?言わなきゃ良かったのに。」

 

【紫】

「使った時に困らないようにね。反動が無いって言ったでしょう?貴方は永遠亭の薬師の薬を飲んだでしょ?」

 

【裕也】

「正確には飲まされた、だけどな。」

 

【紫】

「経緯は如何でも良いの。兎に角貴方は向こう側にいて薄れてた力と霊力が戻ったのよ。しかも、貴方の霊力は先代巫女、つまり、単純霊力なら私より格段上よ。」

 

【裕也】

「実感が無いがな。」

 

【紫】

「ここまで言えば分かるわよね?」

 

【裕也】

「・・・・大体は。」

 

【紫】

「ここで質問です、今元いた場所に帰れるとしたら貴方は如何しますか?」

 

【裕也】

「なん、だと?」

 

【紫】

「あら?戻りたく無いのかしら?貴方がいた場所に、貴方が住んでた場所に。」

 

【裕也】

「知っているのか!?俺が如何やって幻想郷に来たかを!」

 

【紫】

「勿論よ。貴方は時空から来たのよ。」

 

【裕也】

「時空?」

 

【紫】

「貴方は死んでいた筈なのよ。車に引かれてね。」

 

【裕也】

「は?え?な、なに?死んでいた?何言ってるんだ。俺の記憶では、学校から帰ってきて、家にいて、それから!そ、れ、か、ら、?くそ、思い出せない。」

 

【紫】

「如何してだか分かる?それはね、貴方が辿った道と違う記憶があるからよ。」

 

【裕也】

「違う記憶?」

 

【紫】

「そうよ。本当の記憶は、貴方は学校が終わって帰る途中に忘れ物をした事を思い出し、学校に戻った。しかしそこで、信号無視の車が来て貴方を引く・・・・筈だった。」

 

【裕也】

「・・・・それで?」

 

【紫】

「だが、そうはならなかった。最初に行ったけど、貴方は先代巫女、琴光喜の子供よ。巫女は何かをする前に死んではならない。そう言う呪いがあるのよ。だから貴方は死ななかった。しかし、元は死んでいた筈なのだから世界は貴方を否定した。そこに時空の狭間が現れ、貴方をこの全てを受け入れる幻想郷に連れて来られたのよ。これが貴方が幻想郷に来た理由よ。」

 

【裕也】

「・・・・いや、ちょっと待て、紫、それはおかしい。」

 

【紫】

「何がかしら?」

 

【裕也】

「お前はこう言った筈、「貴方を元いた場所に帰れる」と言った筈だ、だが、お前の話を聞いていると少し変だ。」

 

【紫】

「あら?何処がかしら?」

 

【裕也】

「まず始めに、元いた場所に帰れるって言う事だ。お前の話だと俺は世界に拒まれている筈なのに、どんなに強いと言っても一妖怪のお前にできる訳が無い。それともお前は世界、つまりは、因果から外れている人間を因果に戻す能力でも持っているのか?次に二つ目、俺が琴光喜さんの子供だって言う事だ。聞いた話だと博麗の巫女は代々妖怪退治を家業としている筈だ、琴光喜さんがあっち側に行ったら、幻想郷の元あった因果が崩れる。だから、あり得ない。今の巫女、博麗霊夢だっけ?が今の巫女らしいがだとしたら、合わない事がある。それは、年齢だ。」

 

【紫】

「年齢?」

 

【裕也】

「そうだ、お前の話した時空異変は今から20年前。だったら、それまでは?」

 

【紫】

「え?」

 

【裕也】

「霊夢が巫女家業に付くとしても4~5年かかる筈だったらその間は?しかも、自覚をしたとしても戦い方が分からないと意味はない。それともお前は、霊夢は小さい頃からカンを頼りに戦って来たとでも?確かに出来なくは無い。だが、自分より強い敵と合ったら?不慮の事故で死んだら?そんな不特定要素がある中でお前が確実性が無い中でやらせる訳が無い。よって、俺が琴光喜さんの子供だって言う事はあり得ない。」

 

【紫】

「それじゃあ、貴方の記憶があやふやなのは?」

 

【裕也】

「99%の嘘と1%の本当。」

 

【紫】

「なんですって?」

 

【裕也】

「思考を持つ生き物は不思議な者でね、殆どの嘘に少しの本当を混ぜるとそれが本当に見えて来るんだよ?また、逆も叱り。本当の事に嘘を混ぜると胡散臭くなるんだ。だから、多分前者が正解だろ?つまりは、本当に合ったのは時空異変だけだ!どうだ、間違っているか?」

 

【紫】

「ふーん。だったら、貴方の記憶が無い事は?」

 

【裕也】

「言ったろ?本当の嘘つまり、俺が幻想郷に来た経緯はお前の言ったとうり。正しい、"偶然"だけどな。」

 

【紫】

「ふう、おめでとう、と言っておこうかしら。案外頭が切れるのね。」

 

【裕也】

「どうも。それで?俺をここに連れて来た本当の目的は?」

 

【紫】

「いや、人間が神クラスの霊力を手にいれたから、どんな人間か気になったから呼んだだけよ。」

 

【裕也】

「だったら、もう良いだろ?」

 

【紫】

「いや、まだよ。言った筈よ?貴方は危険だって。見極めなきゃいけないのよ、幻想郷を守る者としてね。」

 

【裕也】

「だったら如何する。」

 

【紫】

「ある武人が言ったわ。拳を交えれば相手がどんなのかわかると。」

 

【裕也】

「と、言う訳は?」

 

【紫】

「私と戦いなさいって意味よ。ま、私を殺さない限り出れないから良いんじゃ無いかしら?」

 

【裕也】

「如何言う意味だ?」

 

【紫】

「言葉どうりの意味よ。それじゃあ、行くわよ。」

 

【裕也】

「ま、待て!」

 

【紫】

「待てと言われて待つ奴は馬鹿よ。」

 

幻巣「飛光虫ネスト」

 

紫は手から弾幕を出した。

 

【裕也】

「く、だから、待てって言っているだろうが!」

 

避けていた裕也だったが、裕也の後ろからスキマが現れそこから緑色の弾幕が現れ裕也に当たった。

 

【裕也】

「が、な、に?後ろ、から、だと?」

 

【紫】

「まだまだ行くわよ!」

 

符の弐「八雲卍傘」

 

紫は持っていた傘を横に投げた。その傘が卍状になって裕也に飛んで行った。

 

【裕也】

「く!」

 

暴風「雷雲」

 

風と雷が吹き卍傘を紫に吹き戻した。

 

【紫】

「やっぱり威力はあっち側が上か。」

 

紫は素早く避け次のスペルカードを使った。

 

 

境符「色と空の境界」

 

スキマの中がいきなり空の色見たいに青くなった。

 

【裕也】

「な、何だ?いきなり周りが。」

 

【紫】

「行け。」

 

紫がそう言うと青と白の世界に一筋の光が裕也に向かって行った。

 

【裕也】

「! ぐう!」

 

一筋の光が裕也の右腕を貫いた。

 

【裕也】

「っう!いってーって!またか。」

 

裕也は7~8本の光の筋が裕也を襲ったが裕也は感一発の所で避けた。

 

【裕也】

「あっぶな!」

 

【紫】

「油断大敵よ。」

 

【裕也】

「! ぐあ、あぐ!づう。」

 

左右からきた光、レーザーが左腕と左足を撃ち抜いた。裕也は立つ事が出来なくなり倒れた。

 

【紫】

「別に良いわよね、死んでも。だって死んでいた筈だったのだから。」

 

【裕也】

「よく、ねえよ。」

 

裕也は足をガクガクさせながら立った。

 

【紫】

「何がかしら?貴方はここに来てまだ間もない筈。」

 

【裕也】

「それが、どう、した。」

 

【紫】

「なんですって?」

 

【裕也】

「永琳は、俺、の傷を、な、治して、くれた。紅楼夢、は、俺をしん、じて、くれた。そして、優曇華は!俺を友達だって言ってくれた!優曇華と、約束した!」

 

【紫】

「約束って何かしら?」

 

【裕也】

「世界中の誰とでも友達になってやるって!無理かもしれないが絶対に諦めないって言ったんだ!だから、諦めない絶対に!」

 

【紫】

「なら私を倒さなきゃね。まあ、倒せたら、だけどね。でも、その体で如何するの?」

 

【裕也】

「手はまだある!俺の新たな力を見せてやる!」

 

銃砲「赤銃花火(レッドジュウカスターマイン)」

 

赤く光る弾丸が不規則な動きをし、爆発しながら紫を襲った。

 

【紫】

「な!これは!あの兎の技!?いや、違う。でも、如何して!?」

 

【裕也】

「俺の、能力に、あったろ?仲間の力を借りる程度の能力がな。俺はただそれを使っただけだ。」

 

【紫】

「でもあれは!」

 

【裕也】

「そう、嘘偽りの無い信頼が必要だ。」

 

【紫】

「・・・・見た所余り信頼はしてない感じだったけど?」

 

【裕也】

「何を見ていたんだ?」

 

【紫】

「なんですって?」

 

【裕也】

「絆は時を通り越し時間を超え結ばれる。時間や、時は関係ない。絆は築いたらそこにある物だよ。」

 

【紫】

「理由になってないわよ?」

 

【裕也】

「だったら簡単に。この能力が使えるから信じて貰ってる。これで良いか?」

 

【紫】

「綺麗事ね。! っあ!あぐ!」

 

今まで避けていた紫だったが油断をし当たってしまった。

 

【裕也】

「まだ行くぞ!」

 

豪気「鬼神大発山」

 

裕也の腕が赤く染まった。

 

【紫】

「何をするつもりかしら?」

 

【裕也】

「こうするんだ、よ!」

 

裕也は赤く染まった手でいきなりスキマを叩きつけた。そうしたらヒビが入った。

 

【紫】

「な!?何をしたの!」

 

【裕也】

「見たら、分かるだろ?スキマを、ぶち破ったんだよ。」

 

【紫】

「な!?そんな事が!?」

 

【裕也】

「どんな物にも必ず"目"があるよな?」

 

【紫】

「そうね。」

 

【裕也】

「だったら、その"目"を壊せば良い。」

 

【紫】

「だとしても、如何やって見つけたのかしら?」

 

【裕也】

「いや、見つけてはいない。」

 

【紫】

「だったら如何して。」

 

【裕也】

「向こうからやって来させただけだ。」

 

【紫】

「なんですって!」

 

【裕也】

「さっきのスペルは"目"を見つけ自分の元に持って来てそれを壊すスペルだ。」

 

【紫】

「そんな事が!?」

 

【裕也】

「出来無いとでも?しかも誰が決めた?誰も決めてい無いし、決められてい無い。なら、出来なくは無い、だろ?」

 

【紫】

「だからって、無茶苦茶ねえ。でも良いのかしら?」

 

【裕也】

「え?」

 

【紫】

「だって、スキマと行ったってあっちとこっちの狭間よ?スキマは向こう側と幻想郷の間にあるんだから。」

 

【裕也】

「つまり?」

 

【紫】

「つまり、このままだと何処に行くか分から無いわよ?」

 

【裕也】

「あ、や、ヤバイ!紫!早く元の場所に!」

 

【紫】

「・・・・」

 

【裕也】

「紫!!」

 

【紫】

「やーよ。」

 

【裕也】

「なん、だと?ふざけるな!お前の暇に付き合っている暇は無い!」

 

【紫】

「なら、如何する?裕也君。私を殺す?」

 

【裕也】

「いや、お前がそのつもりなら一緒に行ってやるよ。」

 

【紫】

「あら?かっこ良いわね。でも、良いのかしら?あの二人を頬っておいて?」

 

【裕也】

「お前を見つけて連れて行って貰うからな。」

 

【紫】

「あらあら、凄いかっこ良いわね。でも、時間は戻せ無いわよ?」

 

【裕也】

「お前に弁償して貰うから。」

 

裕也は二カッ!と笑った。

 

【紫】

「あ・・・・ふ。はあ、私の負けよ。」

 

【裕也】

「は、え?」

 

【紫】

「ここも後数分と行った所ね。」

 

紫はそう言うと、スキマを開けた。

 

【裕也】

「これは?」

 

【紫】

「これに入れば戻れるわよ?」

 

【裕也】

「お前は如何するんだよ?」

 

【紫】

「私は境界の妖怪よ?しかも、ここは私が作った場所。安心しなさい。貴方を信じてあげる。さ、行きなさい。」

 

【裕也】

「でも。」

 

【紫】

「はあ、仕方が無いわね。これをあげるわよ。」

 

【裕也】

「これは?」

 

【紫】

「スペルカードよ。」

 

紫はそう言うとスペルカード3枚を裕也に渡した。

 

【裕也】

「そんな物はいらない。それより早くお前も!」

 

裕也は紫に手を差し出した。

 

【紫】

「何のつもりかしら?」

 

【裕也】

「言った筈だろ!俺はどんな奴でも友達になってやるって!戦いが終わったら、どんな奴でも友達だ!友達だったら俺は絶対に諦めない!」

 

【紫】

「自分で作ったから大丈夫だって言っているでしょう?」

 

【裕也】

「だとしてもだ。友達になったからには、一緒に行こうぜ。」

 

【紫】

「はあ~分かったわ、行きましょう。」

 

【裕也】

「おう。」

 

裕也達は中に入った。

 

 

 

 

【優曇華】

「大丈夫でしょうか?」

 

【ルーミア】

「大丈夫じゃ無かったら、あいつに痛い目見せてやるから安心しろ。」

 

【紫】

「あらあら、怖いわね。」

 

【裕也】

「心配してくれてありがとな。」

 

スキマが現れ、紫と裕也が現れた。裕也は二カッ!と笑ながら言った。

 

【優曇華】

「はあ、それで?紫、裕也に何の話だったの?」

 

【ルーミア】

「大方、力が危険だから私が確かめるー。とか、そんな感じだろ?紫。」

 

【紫】

「あら?エスパールーミア、かしら?」

 

【ルーミア】

「ふざけんな、用が済んだならさっさと帰れ。」

 

【紫】

「おーこわ。それじゃあね、裕也君。闇の妖怪に噛まれる前に帰るとしますか。それじゃーねー。」

 

紫はそう言うとスキマに消えて行った。

 

【優曇華】

「本当に大丈夫なの?」

 

【裕也】

「ああ、大丈夫だったよ。さ!行こうか。長くなったが人里へ。」

 

【ルーミア】

「そうだな。」

 

【裕也】

「でも、本当に行くのか?ルーミア?」

 

【ルーミア】

「ああ、その点なら大丈夫だ。人間がいるからな。」

 

【裕也】

「・・・・そうだな。」

 

裕也達は優曇華の案内で歩いていてしばらくたったら、大きな門が見えて来てそこに人がたっていた。

 

【裕也】

「あそこ?」

 

【優曇華】

「そうです。でも、いつもより厳重になっていますね。」

 

【ルーミア】

「きっと、さっきの女が何かを言ったんだろ。気にせずに行くぞ。」

 

【裕也】

「待って、ルーミア。」

 

【ルーミア】

「何だ、裕也。」

 

【裕也】

「ルーミアは闇の妖怪だよな?」

 

【ルーミア】

「? ああそうだが、それが如何した?」

 

【裕也】

「だったらしばらく俺の闇として影になってくれ無いか?」

 

【ルーミア】

「如何してだ?」

 

【裕也】

「念のためだよ。お願いできるか?」

 

【ルーミア】

「わかった。友の願いだからな。」

 

【裕也】

「ありがとう。」

 

【ルーミア】

「それじゃあ。」

 

ルーミアはそう言うと裕也の後ろに立ち、裕也の影に溶ける様に消えて行った。

 

【優曇華】

「ルーミア!?」

 

【ルーミア】

「ここにいる、静かにしろ。」

 

ルーミアの声は裕也の影から聞こえて来た。

 

【裕也】

「すごいな。」

 

【ルーミア】

「良いから行くぞ。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也達は門前にやって来た。そうしたら門の前にいた人が話しかけて来た。

 

【???】

「ちょっと待て。」

 

【裕也】

「はい?何でしょうか?」

 

【???】

「お前は?」

 

【裕也】

「あ、始めまして。俺の名前は裕也って言います。永遠亭にお世話になっている者です。貴方の名前は?」

 

【妹紅】

「あん?私か?私の名前は、藤原妹紅だ。」

 

【優曇華】

「久しぶりですね。妹紅さん。」

 

【妹紅】

「おー!永遠亭んとこの、兎じゃないか。今日は薬か?」

 

【優曇華】

「ええ。でも、私の名前は優曇華です。きちんと名前で言ってください。」

 

【妹紅】

「ああ、すまない。所でここいらでルーミアを見なかったかい?」

 

【優曇華】

「ルーミアをですか?いいえ、見ていませんが、如何かしたんですか?」

 

【妹紅】

「実は、ルーミアが女を襲ったらしいんだ。しかもいきなり。」

 

【優曇華】

「そうなんですか?それでその女の人は?」

 

【妹紅】

「ああ、こっちに。」

 

妹紅が女の方向に指をやると女はこちらに気づき、悲鳴を上げながら叫んだ。

 

【女】

「な!何でここにいるの!?いやー!!わ、私を殺しに来たのね!!は、早くそいつらを殺してよー!!」

 

【妹紅】

「お、おい、落ち付けよ。な?」

 

【女】

「落ち付いて言われ無いわよ!!私を殺しに来たのよ!?貴方は何で落ち付いていられるのよ!?あんたは人里の守り人でしょ!?人間の敵を殺しなさいよ!」

 

【妹紅】

「だーもー!私は臨時だから、ちがうわ!はあ、だから落ち付けよ、な?」

 

【女】

「いやー!いやー!殺して!あいつらを殺しなさいよー!」

 

【妹紅】

「だーかーらー!落ち付けって言っているだろうが!少し黙ってろ!」

 

【女】

「何でそんな事を言うの!?あんたは仮にも人里を守る為にいるんでしょ!?なら私を守りなさいよ!」

 

【妹紅】

「はあ、あのな~、私は人里を"守る"のであって、お前個人は如何だって良いんだ。しかも、そんなに心配だったら、人里の中に入っていれば良い。人里で妖怪が人を殺したら八雲紫が何とかするんだろ?だったら人里の中にいれば安心じゃ無いのか?それならお前も殺せ殺せーって言わなくて済むだろ?なのに何でだ?」

 

【女】

「うっ!そ、それは・・・・! そ、そうだ!こいつらは私を傷つけたのよ!?」

 

【妹紅】

「なら、逆に聞くが如何して外に出たんだ?中にいれば良い物を?」

 

【女】

「そ、それは!」

 

【裕也】

「何か、いけない事をしていたからじゃないか?例えば、そこの女は借金をしていて、外で何かを取って来たら許してやるって、脅しか何かが合ったから外に出たんじゃ無いのか?」

 

【優曇華】

「裕也さん?無茶はし無いでくださいよ。まだ傷は治っていないんですから。」

 

【裕也】

「分かってるって。」

 

【妹紅】

「傷って何だ?」

 

【裕也】

「ああ、こっちの話だ!気にしなくて良い。それよりおい、お前。」

 

【女】

「何よ。」

 

【裕也】

「何で喚き散らしてる?」

 

【女】

「は?な、何言って。」

 

【裕也】

「おまえ、人間じゃないな。」

 

【女】

「な!何言ってるのよ!私は人間よ!」

 

【裕也】

「だったら何で人里に入らない?何で俺らを殺したがる?そして、何で優曇華を知らない?他にもあるぞ?何で外に出た?まだまだあるぞ?さあ、これを如何説明する?偽物さん。」

 

【女】

「く、は、はは、よく、分かったな人間よ。我の名は コトリア魔界を占める女だ。」

 

コトリアと言った女は人の皮がはげ、青白い皮膚に覆われた堕天使見たいなカッコをしていた。

 

【裕也】

「ま、魔界?幻想郷にはそんなのもあるのか。」

 

【コトリア】

「だが、安心しろまだ時じゃない。時がくれば私は、ふふ、はは、はっはは!だがその前にやる事があるからな。そっちを先にしないと行け無いから。厄介になりそうだったお前を片付けて置きたかったが仕方がない。ここは引こう。だが!次に会う時は最後と思え!はっはっはっはー!」

 

コトリアはそう言いながら消えて行った。

 

【妹紅】

「な、何て霊力だよ。私が一歩も動けなかった。・・・・は!と、兎に角この事を慧音に言わ無いと!」

 

【裕也】

「俺たちも連れて行ってくれ!」

 

【妹紅】

「だ、だが。」

 

【裕也】

「俺たちも無関係じゃないんだぞ!」

 

【妹紅】

「わ、わかった。付いて来てくれ。」

 

【裕也】

「ああ!ありがとう!よし!行くぞ、優曇華。」

 

【優曇華】

「え?は、はい。」

 

こうして裕也達は人里に入って行った。

 

【裕也】

「コトリアは何の為におれ達を殺そうとしたか。何を片付けようとしたか、分からない事だらけだが、仲間の為ならやってや

る!」

 

裕也はそう心に刻み走り出した。

 



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人里での聞き込み

人里、そこは能力を持たない人間や戦いを嫌う妖怪の住む言わば楽園だ。昔は妖怪の言葉が分からず、誤解を生み出し争っていたが、妖怪の山に住むカッパ達が結集し妖怪の言葉が分かる機械を作った。人間は妖怪の言葉が分かるようになり、妖怪にも争いを好まない者もいるんだと分かり、一部の妖怪、一部の人間で分かり合い人里は二つに別れた。妖怪を嫌う人里と妖怪と仲良く暮らす人里と。この異変は、稗田阿求の幻想郷縁記にも乗らない一部の人間と妖怪しか知らない、能力を持たない人間が人里で起こした異変を人々は人里異変と言った。

 

 

 

 

 

人里の門を抜けると二つの分かれ道が現れた。

 

【妹紅】

「こっちだ。」

 

妹紅はそう言うと、右の道を進んで行った。

 

【裕也】

「ちょっと待って。何で二つの分かれ道があるの?」

 

 

【妹紅】

「ああ、それはな?カッパが作った妖怪の言葉が分かる機械を開発してな。妖怪と仲良く暮らす事を決めた人達と妖怪が嫌いな人がいてな?それで、人里が二つに別れたんだ。」

 

【裕也】

「じゃあ何で左には行かないんだ?」

 

【妹紅】

「左には妖怪が嫌いな人の里何だ。妖怪、半妖、半霊異質な者は断固拒否をするんだ。右は妖怪と共に暮らす事を決めた人妖の里なんだ。だから私達は左は人里、右は人妖の里と言われているんだ。」

 

【裕也】

「だったら、人里の警備は?怪我や病気になった人がいたら?」

 

【妹紅】

「ああ、それなら大丈夫だ。人里にも医者はいるからな。それに、外に行く道はあそこしか無いからな。」

 

【裕也】

「なるほど。つまり、警備は協力をしている、と言う事だな。」

 

【妹紅】

「そうでも無いんだ。」

 

【裕也】

「? 如何言う意味だ?」

 

【妹紅】

「警備をしているのは、人妖の里の人達しかやって無いの。」

 

【裕也】

「何故。」

 

【妹紅】

「・・・・向こう曰く、妖怪がいるんだから、そっちでやれってさ。」

 

【裕也】

「・・・・向こう側は能力持ちはいないのか?」

 

【妹紅】

「いや、居るんだが、動こうとしないんだ。」

 

【裕也】

「何でまた?」

 

【妹紅】

「それは、分からない。」

 

【裕也】

「そうか。しかし、道が長いな。まだつかないのか?」

 

【妹紅】

「もう少しだ。ほら、見えただろ?」

 

裕也の目に入ったのは、本当に妖怪と人間が仲良く話をしたり、商売をしたり、賑やかな人妖の里だった。

 

【裕也】

「これは凄いな。」

 

【優曇華】

「裕也、悪いけど私は薬を配ら無いといけ無いから、ここで。」

 

【裕也】

「あ、そうか、ならここで一度解散をして、夕方頃にまたここに集合はどうだ?」

 

【優曇華】

「分かったわ。それじゃあまた後で。」

 

優曇華は薬を配りに行った。

 

【裕也】

「それじゃあ案内をしてくれるか?慧音の所に。」

 

【妹紅】

「分かったわ。」

 

妹紅の案内で裕也は慧音がいる寺子屋に行った。そしてしばらく歩き一つの建物に着いた。

 

【妹紅】

「ここが寺子屋だ。」

 

【裕也】

「中々でかいな。しかも、古き木材で作られた建物か。」

 

【妹紅】

「そうだな。それでは入るぞ。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也達は中に入った。入って一番最初に目に入ったのは、学校と言うよりも、自宅と言った方が良いんじゃないか?と思う間取りだった。

 

【裕也】

「なんだか学校よりも、家見たいだな。」

 

【妹紅】

「ああ、ここは元々慧音の家だったんだが、慧音が寺子屋を作りたいと言ってな?それで自分の家を改造したって訳だ。」

 

【裕也】

「なるほど。」

 

【妹紅】

「慧音ー!上がるぞー!」

 

妹紅がいきなり大きな声を出したら、人の声が聞こえてきた。

 

【???】

「ああー!上がってくれー!」

 

【裕也】

「そんなに大きな声を出して大丈夫なのか?子供がいるんだろ?」

 

【妹紅】

「ああ、大丈夫だ。今日は休みだからな。」

 

【裕也】

「そうか。」

 

妹紅は玄関から入ってすぐの扉を開けた。そこにいたのは、水色の服を着ており、髪が腰まである綺麗な女性だった。

 

【???】

「珍しいな、お前がここまでくるとは、おや?そちらの方は?」

 

【妹紅】

「そいつは今説明をする。実はな ーーーーー」

 

妹紅は慧音に説明をし始めた。裕也の事、それからコトリアの事も話した。

 

【???】

「なるほど、そんな事が。おっと、忘れる所だった。裕也君と言ったな?」

 

【裕也】

「それが、どうかしたか?」

 

【???】

「いや、なに。自己紹介だよ。」

 

【裕也】

「自己紹介?」

 

【慧音】

「ああ!妹紅から話は聞いてるだろうがケジメとしてな。」

 

【裕也】

「分かった。俺の名前は桐上裕也だ。今は永遠亭に世話になってる。」

 

【慧音】

「私の名は、上白沢慧音だ、よろしく。」

 

【裕也】

「ああ、よろしく。」

 

【妹紅】

「それで如何する慧音?」

 

【慧音】

「そうだな。うーむ。」

 

【裕也】

「? 如何してそんなに悩むんだ?」

 

【慧音】

「この人里の事は聞いたな?」

 

【裕也】

「ああ、二つに別れているって。」

 

【慧音】

「そうなんだよ。しかもこっちの事はコマ程度にしか思っていないみたいでな?中々連携を取れないんだ。」

 

【妹紅】

「な!?そんな話始めて聞いたぞ!」

 

【慧音】

「当たり前だ。私も昨日知ったばかりなんだから。」

 

【裕也】

「誰がそんな事を?」

 

【慧音】

「寺子屋に来てくれる子供達がな話していたんだって。私に聞いて来たよ。コマってなんだってね。」

 

【妹紅】

「ふむ、誰がそんな事を子供達に行ったんだ慧音?何か聞いてるんだろ?」

 

【慧音】

「私も聞いたさ。だが、分かったのは、私位の背をしている女性だけなんだ。服装や髪型はフードに隠れて見えなかったらしい。」

 

【妹紅】

「怪しいなそいつ。その話も嘘かもしれ無いぞ?」

 

【慧音】

「しかし、嘘じゃないかもしれない。行って見無いと分からないんだ。」

 

【妹紅】

「そうだな。さて、如何するか。」

 

【裕也】

「だったら、俺が行ってこようか?」

 

【慧音】

「裕也君がか?」

 

【裕也】

「ああ、気になるしな。」

 

【妹紅】

「如何する?慧音。」

 

【慧音】

「うーむ。・・・・分かった。よろしく頼む。」

 

【妹紅】

「良いのか?」

 

【慧音】

「良いさ、裕也君は妹紅を助けてくれたんだろ?だったら、私はそれだけで信用できる。」

 

【裕也】

「どうしてそれだけで。」

 

【慧音】

「言ったでしょ?妹紅は私の友人だって。信頼している人を助けたんだもの、私は信用する。」

 

【裕也】

「・・・・分かった。俺も本気で慧音を信頼する。だから、安心して任せてくれ。」

 

【慧音】

「妹紅もそれでいい?」

 

【妹紅】

「私を信頼されてる慧音が信頼したなら私は断わる理由はないぜ。」

 

 

【裕也】

「それじゃあ、妹紅。案内をお願い出来るか?」

 

【妹紅】

「ああ、分かった。それじゃあ、慧音、彼奴の件は頼んだ。」

 

【慧音】

「ああ、コトリアの事か。分かった私の方からも何かないか聞いてくる。」

 

【妹紅】

「お願い。」

 

【慧音】

「分かった。あ、そうだ、裕也君。」

 

【裕也】

「裕也でいい。それから何だ慧音?」

 

【慧音】

「まだ幻想郷の事はよく知ら無いだろう?だから、人里に行くなら付いでに稗田阿求に会いに行くと良い。あそこには幻想郷縁起と言う幻想郷の歴史が載っている本があるから、色々分かるだろう。」

 

【裕也】

「分かった。訪ねてみるよ。ありがとう。」

 

【慧音】

「ああ、気をつけて行って来なさい。妹紅も気をつけて。」

 

【妹紅】

「ああ、分かってるさ。」

 

【裕也】

「よし、行くか。」

 

裕也達は寺子屋を出た。そして、入り口に戻った。

 

【裕也】

「此処までで良い。」

 

【妹紅】

「何故だ。道が分からないだろう。」

 

【裕也】

「道なら大丈夫だ。来た道を戻り分かれ道があった場所の通った反対側に行けば良い。それよりも優曇華に伝えておいてくれ無いか?人里に用事で言ってるって。心配するかもしれ無いから、お願い出来るか。それから、遅くなったら、この近くに止まるから帰って永琳に伝えておいてくれって事を伝えて欲しい。」

 

【妹紅】

「・・・・分かった。気をつけろよ?あそこは妖怪と仲良くした人間も嫌うからな。」

 

【裕也】

「ああ、分かった。」

 

裕也はそう言うと、妹紅と別れ、道を進んで行った。分かれ道を通って人里の前に着いた。

 

【裕也】

「ここが人里か。」

 

裕也は人里に着いた。そして、中に入ろうとした瞬間。いきなり刃物が裕也の首筋を通り抜けて行った。

 

【裕也】

「何だ?たっく、危ないじゃないか。なあ、ナイフを投げたお嬢さん。」

 

裕也はそう言いながら、人里の中にいる女性に言った。現代風の服装をし、髪が短い女性だった。

 

【???】

「妖!如何やって此処までで着いた!」

 

【裕也】

「はあ~?お前は何を言っているんだ?俺は人間だ。紛れもなくな。」

 

【???】

「なら証拠を見せろ!」

 

【裕也】

「分かりましたよ。お嬢さん。」

 

【鼓動】

「お嬢さん言うな!私には鼓動鳴海(こどう なるみ)と言う名前があるんだ!」

 

【裕也】

「そうか、そいつは悪かったな。」

 

【鼓動】

「私の名前は如何だって良いの!それより、お前が妖じゃ無い証拠を見せろって言っているんだ!」

 

【裕也】

「やれやれ、幻想郷の女性は皆男勝りなのか?おっと、証拠だったな。」

 

【鼓動】

「ああ、そうだ。」

 

【裕也】

「妖怪は傷を負っても直ぐに治るよな?」

 

【鼓動】

「それが如何した。」

 

【裕也】

「だから、こうするんだよ!」

 

裕也は壁に刺さっていたナイフを抜き、自身の腕に傷を付けた。傷口から、血が溢れ出していた。

 

【鼓動】

「な!?お前は馬鹿か!自分で腕を切るなんて!」

 

【裕也】

「はあ、腕に傷が付いて血が流れているだけだろ?こんなの、此処を出たらしょっちゅうだ。それより、これで信じてくれたか?」

 

【鼓動】

「分かったよ、信じるよ。それで、人里に何のようだ。」

 

裕也は腕の治療をしながら話した。

 

【裕也】

「ああ、風の噂でここに、幻想郷中の事を書き記している、稗田阿求がいるって聞いたんだが。」

 

【鼓動】

「如何して阿求さんに?」

 

【裕也】

「俺は、外来人なんだ。紫に連れてこられたな。」

 

【鼓動】

「貴方も紫様に連れて来て貰ったの。」

 

【裕也】

「(何だ?いきなり態度と口調が変わった?しかも、此処の人達は妖怪を憎んでいる筈。なのに紫様。如何言う事だ?・・・聞いてみるか。)此処の人達は妖怪を憎んでいるって聞いたんだが、如何して紫の事は様って付けるんだ?」

 

【鼓動】

「此処にいる人達は外来人が多いのよ。私達が如何して紫様って付けるか、だって、こんな素敵な場所に連れて来てくれたんですもの。」

 

【裕也】

「素敵な場所?」

 

【鼓動】

「貴方も外来人なら分かるでしょう?今の日本は堕落している。地球温暖化、株価の暴落、イジメ問題、色々な、事が合ったわ。しかも、それに仕事、勉強、重圧もかなり来ていた。そんな所に紫様がここ、幻想郷に連れて来てくれたんですよ!重圧も勉強も、何にも考えなくていい!まさに理想郷!」

 

【裕也】

「だから、紫の事は様付なんだな。」

 

【鼓動】

「ええ、そうよ。」

 

【裕也】

「なら、何で妖怪を嫌うんだ?お前らを連れて来た紫も妖怪何だぞ?それなのに何故?」

 

【鼓動】

「何故って妖怪は私達人間を襲うわ。私達人間が減るじゃない。」

 

【裕也】

「・・・・お前は、人里の外に出た事があるか?人妖の里に行った事があるか?」

 

【鼓動】

「は?行った事はないわよ。だって、行っては行けない場所として、規則があるんだもの。」

 

【裕也】

「規則、だと?」

 

【鼓動】

「ええ、そうよ。規則一・人里に出ては行け無い。規則二・人妖の里には行かない。規則三・人妖の里の住人には関わってはならない。規則四・争い事を行ってはならない。規則五・むやみに感情を表に出しては行け無い。その他にも沢山。」

 

【裕也】

「それを提案したのは?」

 

【鼓動】

「ここのリーダーよ。」

 

【裕也】

「リーダー?」

 

【鼓動】

「ええ、二つの里になった時に纏めるリーダーを決めたのよ。今の規則はそのリーダーが決めたのよ。」

 

【裕也】

「そうか。だったら、そのリーダーの所に案内してくれ。」

 

【鼓動】

「え、何で?」

 

【裕也】

「ちょっと、用事が出来てな。」

 

【鼓動】

「会えたとしても貴方じゃ無理よ。」

 

【裕也】

「如何してだ?」

 

【鼓動】

「だって、貴方弱そうじゃない。しかも、リーダーは能力持ちよ、貴方が勝てる訳が無い。」

 

【裕也】

「どんな能力だ?」

 

【鼓動】

「私は知ら無いわ。ただ、何故か逆らえないらしいわ。」

 

【裕也】

「逆らえない?」

 

【鼓動】

「ええ、何人かの人がリーダーに挑んだけど、誰一人として攻撃が出来なかったの。その訳を聞いたら、リーダーに立ち向かったら体が動かなくなり、何故か逆らえなくなり、土下座までしたんですって。」

 

【裕也】

「一体どんな能力なんだ。・・・・所で、リーダーの名前は?」

 

【鼓動】

「そういえばまだだったわね。リーダーの名前は、剣味麟(けんみ・りん)よ。」

 

【裕也】

「剣味か、変な名前だな。」

 

【鼓動】

「そう?それより会って如何するの。」

 

【裕也】

「二つの里を一つにする。」

 

【鼓動】

「はあ?あんたなに言ってるの。そんな事出来る訳無いじゃない。」

 

【裕也】

「だから諦めるのか?」

 

【鼓動】

「え?」

 

【裕也】

「出来ないからと言って諦めるのか?お前は、自由に外に出て見たいと思わなかったのか?もう一つの人里は、どんな所かって思わなかったのか?行って見たいとは思わなかったのか?」

 

【鼓動】

「で、でも。」

 

【裕也】

「自分を誤魔化すな!俺が聞いてるのはお前の本心だ!」

 

【鼓動】

「!」

 

【裕也】

「気になら無いならそれでも良い。だが、そんなんじゃ駄目だろ?自分に正直に。俺はただ、お前は如何思っているかを聞いているんだ。ただ、それだけ。だから、誤魔化さ無いで正直に答えて。鼓動は気にならないのか?もう一つの人里の事。」

 

【鼓動】

「・・・・き、気に。」

 

【裕也】

「ん?」

 

【鼓動】

「気になってるに決まってるじゃない!私はまだ一度も人里を出た事がない。そりゃあ、気になるわよ!当然じゃ無い!でも!だけど!彼奴がいるから、剣味がいるから無理なのよ!何で、出会って数分の男に説教をされなきゃいけないのよ!わっけわかんない!」

 

【裕也】

「言えるじゃないか。」

 

【鼓動】

「え?」

 

【裕也】

「どうだ?スッキリしただろ?」

 

【鼓動】

「え、は、あ?」

 

【裕也】

「ははは、言葉に出来ないみたいだね。鼓動、君は死んだ魚の様な目をしていた。つまらなさそうに喋っていた。そして、どうでもいい様な顔をしていた。全てがつまらない様な顔をしていたんだぞ?」

 

【鼓動】

「・・・・」

 

【裕也】

「だけど、今は違う。怒っているけど、さっきまでの顔じゃない。何だか活き活きしている。多分此処にいる人達は皆同じ顔をしているだろう。だから、俺は剣味に会って話をしたいんだ。たとえバトルになっても、たとえ勝てなくても。」

 

【鼓動】

「何でそこまで。」

 

【裕也】

「さあな、ただ、俺がしたいと思ったからやるんだ。自分で決めて自分でやりたいと思った方をする。まあ、約束もあるけどそれが俺がお節介を焼く理由だ。」

 

【鼓動】

「あ・・・・はは、面白いわね。良いわ、案内してあげる。」

 

【裕也】

「ああ、よろしく頼む。」



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リーダーと裕也

【裕也】

「まだか?」

 

【鼓動】

「もうじきよ。」

 

鼓動は、スタスタと歩いて行った。

 

【鼓動】

「ここよ。」

 

【裕也】

「これは、凄いな。」

 

裕也の目に入ったのは和風の大きい屋敷だった。

 

【裕也】

「ふむ、ここが剣味の家か。でかいな。」

 

【鼓動】

「いや、ここは元々阿求さんの屋敷だったんだ。」

 

【裕也】

「阿求さん?」

 

【鼓動】

「ああ、ここは稗田阿求さんと言う人の家だったんだが、剣味さんが譲ってくれって言ったそうだ。」

 

【裕也】

「そうなのか?」

 

【鼓動】

「ええ。」

 

【裕也】

「その阿求って人はこの屋敷を明け渡したのか?それとも、無理矢理に言い寄ったのか?」

 

【鼓動】

「そこまでは。」

 

【裕也】

「そう。だったら、剣味の家に行く前に阿求の家に連れて行ってくれないか?」

 

鼓動は少し不思議そうな顔をしながらこう答えた。

 

【鼓動】

「どうして。」

 

それに裕也は少し考えてから答えた。

 

【裕也】

「ちょっと確認を。それから、阿求の家に案内してくれたら、もう、案内は要ら無いぞ。道を覚えているから大丈夫。」

 

【鼓動】

「そう。」

 

阿求の家は元の屋敷から少し進んだ道を右に進み次に左に進んだ所に合った。家は普通の家より一回り小さい家で人がせいぜい2~3人位しか入れない様な家をしていた。

 

【裕也】

「凄い違いだな。」

 

【鼓動】

「そうね。」

 

【裕也】

「それじゃあ、鼓動。今まで有難う。ここで、お別れだな。」

 

【鼓動】

「いいえ?まだ終わりじゃないわよ?」

 

裕也は少し眉を潜めながら答えた。

 

【裕也】

「 如何言う、意味だ?」

 

【鼓動】

「それは、私も付いて行くって意味です。」

 

【裕也】

「如何してだ?」

 

素直に驚いた裕也が訳を聞くと鼓動は何かを決意した様な顔をして答えた。

 

【鼓動】

「貴方が剣味に如何言うかを気になってね。」

 

裕也は少し驚いた表情をしたが直ぐに笑ながらこう答えた。

 

【裕也】

「物好きだな。」

 

【鼓動】

「褒め言葉として受け取っておくわ。」

 

【裕也】

「それじゃあ、行くか。」

 

【鼓動】

「ええ。」

 

裕也達は備え付けられていた、インターホンを押した。

 

【裕也】

「すいません!誰かいませんか?」

 

【???】

「はい?どなたでしょうか?」

 

ガラガラと音をさせながら一人の少女がそこにいた。

 

【裕也】

「俺は、桐上裕也って言うんだけど。悪いんだけど稗田阿求さんって人はいるかな?いたら、呼んで欲しいんだけど。いいかな?」

 

裕也は笑顔で答えた。

 

【阿求】

「あ、は、はい。私が阿求です。」///

 

阿求は頬を赤らめて答えた。それに鼓動は心の中でこう思った。

 

【鼓動】

「(もしや、ロリコン!・・・・言わ無いでおこう。)」

 

と思った鼓動であった。裕也は少し驚いた表情をして答えた。

 

【裕也】

「? 君が?」

 

【阿求】

「ええ。そうです。」

 

【裕也】

「君に用があるんだけど、いいかな?」

 

裕也がそう言うと照れていた顔がキリッとなり、裕也を睨む様に聞いた。

 

【阿求】

「何の用ですか?」

 

【裕也】

「・・・・」

 

阿求の問いかけに裕也は答えなかった。

 

【阿求】

「何の用かを聞いているんですよ。もしや、剣味の仲間ですか?」

 

【鼓動】

「違う!私達は!ゆ、裕也!?」

 

裕也は剣味の一味じゃ無いと、言おうとしたが、裕也が止めた。鼓動は驚いた様子で裕也を見ていた。

 

【裕也】

「少し、静かに。・・・・君は、如何思う?」

 

【阿求】

「え?」

 

【裕也】

「君が決めればいい。自分で、こいつはどっちなのかを、決めればいい。」

 

それに鼓動は激怒して声を荒げながら答えた。

 

【鼓動】

「あんたは自分が疑われて悔しく無いの!?こんな子供に言われて悔しく無いの!」

 

裕也は涼しい顔をしながら答えた。

 

【裕也】

「さあな。」

 

【鼓動】

「なん、ですって?」

 

【裕也】

「人間は見た目で判断する。それは変わり様の無い事実だ。そして、認めて貰うのはこれからの行動で決まる。 それなのに騒いでも意味無いだろ?だから、俺は聞いているんだ。阿求、もし、俺が仲間だと思うなら玄関を閉めろ。でもそうじゃ無いなら、俺達を入れてくれ。」

 

阿求は少し驚き、そして、考えた。阿求は、こう答えた。

 

【阿求】

「・・・・ふう。酷い人ですね。」

 

阿求はそう言うと玄関を開けた。それに裕也は、笑ながらこう言った。

 

【裕也】

「よく言われるよ。」

 

【阿求】

「それではどうぞ、中に入って下さい。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

中に入ろうとした裕也を鼓動は引き止めこう答えた。

 

【鼓動】

「裕也、ちょっと待て。」

 

裕也は喜んでいる顔をしながら答えた。

 

【裕也】

「名前で呼んでくれたな。しかも、庇ってくれて有難う。」

 

鼓動は不意打ちを受け頬を赤らめ恥ずかしながら答えた。

 

【鼓動】

「お、お前が疑われると私も疑われるからな!か、勘違いするなよ!て!そんな事より。」

 

鼓動は気持ちを落ちつかせ裕也にこう答えた。

 

【鼓動】

「信じて貰えなかった時は如何するつもりだったんだ。」

 

その言葉に裕也は和やかな笑顔でこう答えた。

 

【裕也】

「どうも。ただ、そのまま剣味の所に行ってただろうな。」

 

鼓動は呆れた顔をしながらこう答えた。

 

【鼓動】

「まあ、いいわ。行きましょう。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

そうして、裕也と鼓動は阿求に連れられて中に入った。中は本だらけで、足の踏み場が程んどなかった。

 

【裕也】

「これは、凄いな。」

 

【鼓動】

「きたない。」

 

【阿求】

「う!そ、そんなはっきり言わなくたっていいじゃない。それより、私に何か用ですか?」

 

阿求は誤魔化す為に早口で言った。それに裕也はこう答えた。

 

【裕也】

「単刀直入に聞く。お前は剣味の事を、どう思っている?家を奪われた身として。如何だ?」

 

【阿求】

「ちょ、直入ですね。あって間もないのに。」

 

そんな阿求の事をスルーした。

 

【裕也】

「それで、如何だ?」

 

【阿求】

「ふう。まあ、他人の貴方なら大丈夫でしょう。正直に言うと、嫌だな。とは思っています。私の家を奪われましたし。無駄な決まり事をし過ぎる。正直私はあまり好きじゃ無いです。」

 

【裕也】

「それは、住んでいる人達が思っている事か?」

 

【阿求】

「多分そうです。」

 

【裕也】

「そうか。・・・・そうだ、なあ、阿求。」

 

【阿求】

「なんですか?裕也さん。」

 

【裕也】

「よければ、幻想郷縁起を見せて貰えませんか?」

 

阿求は少し驚いきながら答えた。

 

【阿求】

「どこでその事を?」

 

【裕也】

「寺子屋をしている慧音と言う人に聞いたんだ。」

 

【阿求】

「慧音さんにですか?それなら貴方に貸しましょう。」

 

裕也は驚いた。慧音の話を聞いた限りではとても大事な物だと聞いていただけあって驚いた。裕也は貸してくれる訳を阿求に聞いた。

 

【裕也】

「だが大事な物なんだろ?いいのか。」

 

【阿求】

「ええ、私は九代目阿礼乙女で稗田家当主。ですので、今私が書いている物以外の8本あるんですよ。それらを貸して上げます。」

 

【裕也】

「本当に良いのか?」

 

【阿求】

「ええ。裕也さんは何かをするつもりでしょうから。それに、本は人に読まれる為に書く物。だから、良いんです。」

 

【裕也】

「・・・・分かった。ありがたく貸してもらう。」

 

裕也は本を阿求から貸してもらった。ついでに本を入れる袋も貰った。

 

【阿求】

「直ぐに行くのですか?」

 

【裕也】

「いや、阿求。剣味の持ち物や、剣味に凄く長く一緒にいた物か人はいるか?いたなら貸して欲しいんだが。」

 

阿求は不思議に思いながらこう答えた。

 

【阿求】

「一応ありますけど。」

 

阿求は一つの札を取り出した。

 

【裕也】

「これは?」

 

【阿求】

「剣味が持っていた物です。剣味に挑んだ人が持ち帰りました。」

 

【裕也】

「そうか。なら、それを貸してくれないか?」

 

【阿求】

「どうぞ。しかし、如何するんですか?」

 

【裕也】

「俺の能力は、色々な声を聞ける程度の能力だ。無機物から、妖怪までな。この能力を使って剣味を調べる。」

 

【阿求】

「便利な能力ですね。」

 

【裕也】

「ああ、それから、静かにしてくれ。集中したいから。」

 

【阿求】

「はい。」

 

【鼓動】

「分かった。」

 

裕也は札に手を乗せて目を瞑った。すると、ピリピリと張った感じの空気になった。

 

【裕也】

「(俺の名前は裕也って言うんだ。お前は?)」

 

(私は、札と言います。私の言葉が聞こえるのですか?)

 

【裕也】

「(ああ。俺の能力でな。それで、剣味の能力とかは知っているのか?)」

 

(知っています。ですが。)

 

札は続きを言おうとしたが、裕也は急いでいたのか、答えを待たずに先に進めた。

 

【裕也】

「(よければ教えてくれないか?俺はあいつを止めなくてはならないからな。)」

 

(如何して?貴方は他人。関係ないはずなのに。何で?)

 

【裕也】

「(さあな。だが、皆があいつ。剣味のせいで困っている。俺の友達もな。だから、剣味を止める。それで、剣味の能力はなんだ。)」

 

(ふふ。貴方は素直ね。でも、ごめんなさい。)

 

【裕也】

「(如何言う事だ。)」

 

(剣味さんは能力は持っていないの。)

 

【裕也】

「(は?如何言う意味だ。剣味と戦った人達はいきなり土下座をしたって聞いたぞ?何かの能力を持っているからじゃ無いのか?)」

 

(剣味さんはある機械を使っているの。)

 

【裕也】

「(機械?)」

 

(そうです。)

 

【裕也】

「(その機械は何なんだ?)」

 

(機械の名前は、誘導催眠と言います。)

 

【裕也】

「(誘導催眠?)」

 

(催眠術は知っていますか?)

 

【裕也】

「(ああ、知っている。)」

 

(その機械は催眠術を発して相手を目が覚めている状態で操るんです。だから、能力を使っている様に見えたんでしょう。)

 

【裕也】

「(そうか。なるほどな。)」

 

(他には聞きたい事はありませんか?)

 

【裕也】

「いや、特には。」

 

(そうですか。それでは、お元気で。)

 

【裕也】

「(ああ。)」

 

裕也はゆっくり目を開いた。すると、ピリピリと張り詰めていた空気が普通の空気に戻った。

 

【裕也】

「鼓動。どれ位の時間が経ったんだ?」

 

【鼓動】

「約10分~15分って所よ。」

 

【裕也】

「そうか。」

 

阿求は結果を聞いてきた。

 

【阿求】

「如何でしたか、何か分かりましたか?」

 

【裕也】

「ああ。」

 

【阿求】

「そうですか。」

 

阿求がどんな話をしたかを裕也から聞こうとした時、ドンッ!と激しい音と共に一人の男が転がりながらやってきた。

 

【村人A】

「阿求様!大変です!」

 

【阿求】

「何事ですか!」

 

【村人A】

「は、反乱です。博麗の巫女を味方に付けたこの里の殆どの人が剣味に向かって行っています。」

 

【裕也】

「何だと!?阿求!鼓動!行くぞ!」

 

【阿求】

「うえ!私もですか!」

 

【裕也】

「当たり前だ!これは、人里の問題!仮にも、当主とついている奴が行かなくてどうする!戦えなくても何か出来る筈!それをただ能力がない。力が無いってだけでそれを理由に言い訳をするな!」

 

【阿求】

「! 私は。・・・・分かりました!行きましょう!」

 

【裕也】

「よし!案内してくれ!」

 

【村人A】

「わ、分かりました。」

 

裕也達は、村人の案内で人里の広場についた。そこにいたのは、大量の村人とそれに囲まれている、何故か脇が空いた巫女服をきた少女と、これまた何故か髪に何かの機械を取り付けている男がそこにいた。

 

【剣味】

「これはこれは、博麗の巫女様じゃ無いですか。何か御用で?」

 

【霊夢】

「単刀直入に言うわ。あんたリーダーを辞めなさい。」

 

睨みながら霊夢は言っているが剣味は余裕の様子でいた。

 

【剣味】

「嫌ですね。私はこの村人にやってくれと頼まれたからやっているんです。それを今更。しかも、私が辞めたら誰が人里を仕切ると言うのです?」

 

【霊夢】

「そんなの知った事じゃあ無いわ。私はただ、あんたを懲らしめてリーダーを辞めさせてくれって頼まれたからやっているだけであって、後の事は知ら無いわよ。」

 

【剣味】

「おやおや、何とも自分勝手な。大方お金に目が眩んだんでしょう?」

 

【霊夢】

「ぐ!痛い所を付くわね。」

 

【剣味】

「ふふ、やはりそうでしたか。ならばこちらはその5倍出しましょう。それで、私の味方になりませんか?」

 

【霊夢】

「あら?中々話がわかるじゃ無いの。でも、遠慮しておくわ。私はそんなに安い女じゃないの。」

 

【剣味】

「おやおや、それは残念ですね。それなら、私の操り人形にして上げます!」

 

剣味が懐から取り出したボタンを押そうとした時、大きな声が聞こえてきた。

 

【裕也】

「ちょっと待った!!」

 

裕也は村人を掻き分けて霊夢達の場所に向かった。勿論、鼓動と阿求も一緒だ。

 

【剣味】

「おや、貴方方は、阿求さんと鼓動さんじゃありませんか。それと、そこの男。貴方の名前は?見かけない顔ですが?」

 

【裕也】

「俺の名前は如何だっていい。それより、お前はさっき言ったよな?私が辞めたら誰がリーダーをするんだって。」

 

【剣味】

「ええ、言いましたよ?貴方は何か当てがあるのですか?」

 

【裕也】

「いや、ない。」

 

【剣味】

「だったら私がリーダーでも良いではありませんか?」

 

【裕也】

「それも違う!そもそも何故リーダー何て決める必要がある!この人里は誰かに決めてもらわなければ、外にも出られないと言うのか!違うだろ!?人間は自分で考えて、自分で行動する。そして、自分で決める。何でその当たり前な行動を他人に任す必要があるんだ!お前たちはリーダーが今日は一口も食べるなと言ったらそれに従うのか?違うだろ!今日子供を産めと言われたら直ぐに出来るのか?違うだろ!リーダーになって貰うって事は自分で考えて行動する可能性を捨てているとおんなじだ!だから、自分達が決めたにも関わらず、自分達が住みづらくなったら、リーダーのせいにして、そして、潰す。そんなのはお前等のエゴだ!違うって言うなら異論をだせ!無かったら、心に止めろ。そして、心に刻め!お前等のせいで剣味はこんな風になってしまったと!そして、これからは変わると誓え!だって、人里も人妖の里も一つなんだから。」

 

村人は裕也の言葉に言い返す事が出来なかった。一人を除いて。

 

【剣味】

「ふざけんなよ。ふっざけんなよ!!何だよ今更!もう遅いよ!ああ!ムカつくムカつくムカつく!もう良い、こんな里はもう崩れろ。」

 

剣味はそう言うと、催眠装置のボタンを押した。すると、霊夢がいきなり里を壊し始めた。

 

【霊夢】

「なん、なの。から、だが、勝手に。」

 

【裕也】

「皆逃げろ!!霊夢は今操られている!何をするか分からない!俺が引き付けるだから、お前等は逃げろ!」

 

裕也の言葉に村人は一斉に逃げ出した。

 

【裕也】

「阿求!お前は皆をもう一つの人里に誘導してくれ!鼓動!お前は、もう一つの人里に付いたらこの事を慧音と妹紅に伝えろ!それまでは何とか持ちこたえる!」

 

【阿求】

「・・・・分かりました!信じていますからね?」

 

【裕也】

「ああ、そっちを頼む。」

 

【鼓動】

「気をつけろよ?」

 

裕也は笑ながら答えた。

 

【裕也】

「ああ!勿論だ!だが、早めに頼む。」

 

鼓動と阿求はそれぞれの役目をなす為に走って行った。一人残された裕也は笑ながら答えた。

 

【裕也】

「あーくそ!巫女様が相手か。こりゃあ、少し本気を出さなきゃな。」

 

 

 

もう一つの人里。寺子屋内部

 

慧音はコトリアの事を必死に調べていた。そんな時物凄い勢いで妹紅が寺子屋に入って行った。

 

【妹紅】

「慧音!大変だ!」

 

【慧音】

「如何した妹紅?」

 

【妹紅】

「人里の連中が大勢でやってきたんだ!」

 

【慧音】

「何だと!?」

 

妹紅は慧音を連れて入り口に行った。そこには大量の人が群がっていて、凄い状況だった。

 

【慧音】

「一体これは。」

 

戸惑う慧音に一つの声が聞こえてきた。

 

【阿求】

「慧音さん。こっちです。」

 

少し空いている場所をみると阿求がそこにいた。慧音と妹紅は訳を聞く為に阿求の元へ行った。

 

【慧音】

「阿求殿!如何してここに?」

 

【鼓動】

「私が説明するわ!」

 

【慧音】

「彼女は?」

 

【阿求】

「鼓動さんと言います。」

 

【鼓動】

「今はそんな事を言っている場合じゃないの!私の話を聞いて!」

 

 

 

鼓動説明中・・・・

 

 

【慧音】

「なるほど、話は大体分かった。妹紅!裕也君の所に言ってくれ。私は皆の誘導をする。」

 

【妹紅】

「分かった!それじゃあまた後でね。慧音。」

 

【慧音】

「ああ!妹紅もな。」

 

妹紅は空を飛び全力で飛んだ。一刻も早く裕也の所に行く為に。

[newpage]

【妹紅】

「何だ、これは。」

 

妹紅は驚愕した。家は焼け地面が剥き出しになっていたのだから。呆然としている妹紅の耳にズドン!と大きな爆発の音が聞こえた。妹紅は、はっ!と自分の役目を思い出し、爆発のあった場所に飛んで行った。そこで見たのは、裕也がボロボロの姿で霊夢の前にたっていた光景だった。

 

【裕也】

「はあ、はあ、はあ、ん?ああ、妹紅。きてくれたか。」

 

【妹紅】

「霊夢!お前一体何を!」

 

【霊夢】

「にげ、て。」

 

霊符「夢想封印 散」

 

札と陰陽玉が散会し、裕也と妹紅に向かって襲ってきた。

 

【裕也】

「く!こっちだ!」

 

暴風「雷雲」

 

嵐の様な風が吹き荒れ霊夢のスペルカードを全て巻き上げ雷で技を潰した。

 

【妹紅】

「すげー。」

 

妹紅は裕也のスペルカードに暫し心を奪われた。何故なら透明な風に雷が反射して幻想的な物だったからだ。

 

【裕也】

「妹紅!油断をするな!」

 

裕也の怒涛に妹紅の意識は戻された。だが、直ぐ目の前に針が妹紅の足に当たった。

 

【妹紅】

「づう!く!私とした事が。」

 

【裕也】

「妹紅!大丈夫か!」

 

【妹紅】

「大丈夫だ。」

 

妹紅はそう言うと、足に刺さっていた針が抜け傷口が塞がっていった。

【裕也】

「よし!妹紅!こっちに!」

 

【妹紅】

「! 分かった。」

 

【裕也】

「よし!もう一回だ!」

 

暴風「雷雲」

 

裕也がスペルカードを使うと裕也達に風が包み込んだ。

 

【妹紅】

「な!こんな事をしたら!?」

 

雷が襲うと妹紅が言おうとしたら、雷が裕也達を避けていた。

 

【妹紅】

「これは、一体?」

 

【裕也】

「このスペルカードは本来この為に使う為に作ったんだ。」

 

【妹紅】

「だって、さっきは。」

 

【裕也】

「このスペルカードは攻防両方で使えるんだ。」

 

【妹紅】

「良く考えたな。」

 

【裕也】

「それより、霊夢の足止めは出来るか?倒さなくて良いから、それと、なるべく傷つけない様にしてくれ。霊夢は操られているだけなんだ。」

 

裕也の言葉に妹紅は少し悩んだがこう答えた。

 

【妹紅】

「・・・・わかった。任せておけ。」

 

【裕也】

「ありがとう。さあ!行くぞ!」

 

 

 

【剣味】

「霊夢!何をしているんですか!早く破りなさい!」

 

【霊夢】

「く、そ。」

 

霊符「夢想封印 集」

 

周りの陰陽玉が一ヶ所に集まり、大きな陰陽玉が裕也のスペルカードに向かって襲ってきた。すると、霊夢のスペルカードが裕也のスペルカードを相殺した。

 

不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」

 

裕也のスペルカードが相殺された瞬間に火に包まれた妹紅が空を飛び、太陽を背に霊夢に向かって蹴りを食らわせた。しかし、霊夢はその蹴りを受け流した。

 

【妹紅】

「ち!筈したか。」

 

【剣味】

「なにしている!さっさとし止めなさい!」

 

妹紅は裕也から離れて行った。霊夢は妹紅を追う為に霊夢も離れて行った。

 

【裕也】

「今だ!終わるのはお前だ!妹紅!お前の力、借りるぞ!」

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

裕也の拳が青い炎に包まれ、せいけんづきを剣味に繰り出した。すると、青い鳥が剣味を包み込み剣味の体は吹っ飛んだ。

 

【剣味】

「ぐがあぁぁぁ!」

 

剣味は瓦礫に当たり止まった。バリンと音と共に機械が止まった。

 

 

裕也達から少し離れていた妹紅達の戦いも終わりに近づいていた。

 

【妹紅】

「はあ、はあ、中々やるな霊夢!本気で行くぞ!」

 

【霊夢】

「!(体が動く!さて、妹紅には仕返しをしなくちゃね。)」

 

妹紅が放った弾幕を避けながら霊夢は妹紅の後ろに張り付いた。

 

【妹紅】

「く!しまった!は、話せ!」

 

妹紅がそう言うと霊夢はもっと強く妹紅を締め付けていた。その霊夢の顔はニヤニヤしていた。

 

【霊夢】

「や、だ♥落ちろや!妹紅!」

 

【妹紅】

「ちょ!ま!霊夢!?ま、まて、早まるな!あ、あぁぁぁぁ!!」

 

霊夢は回転しながら地面に近づきつく瞬間に手を離した。妹紅は回転しながら地面に激突した。

 

【妹紅】

「ぐ!いたた。おい!霊夢!お前弾幕で戦えよ!何だよさっきのは!」

 

【霊夢】

「いや~ゴメンゴメン。何か悔しくて、つい。」

 

【妹紅】

「ついってお前な。はあ、話せるって事は向こう側は終わったって意味か。」

 

【霊夢】

「そうね。行きましょうか。」

 

【妹紅】

「ああ。」

 

妹紅達は、裕也のいた場所に戻って行った。

 

【妹紅】

「おーい。裕也ー!」

 

【裕也】

「ん?妹紅か。それに、霊夢だっけ?無事だったんだな。」

 

【霊夢】

「礼は言わないわよ。」

 

【裕也】

「いいさ、別に。お礼を言ってもらう為にやったわけじゃ無いからな。」

 

【霊夢】

「あっそ。」

 

【妹紅】

「それで?剣味は?」

 

【裕也】

「あそこだ。」

 

瓦礫にボロボロになっている剣味の姿があった。

 

【霊夢】

「死んでるの?」

 

【裕也】

「いや、死んでいない。そろそろ起きたらどうだ。剣味。」

 

【剣味】

「げほ、げほ。はあ、はあ。くそ!おい!誰か、誰かいないのか!おい!」

 

【霊夢】

「さーてと。私をこき使った仕返しをしないとね。」

 

霊夢は嬉しそうな顔をしながら手を鳴らし剣味に近づいた。

 

【剣味】

「ひ!だ、誰か!た、助け、助けて!ま、まだ、死に、死にたくない!」

 

裕也はニヤッと笑ながら霊夢に向かってこう言った。

 

【裕也】

「うわー神社の巫女ってそんな事をするんだー。これは、博麗神社に行かない方がいいなー。」

 

裕也はかなりの棒読みで答えた。

 

【霊夢】

「あんですって?」

 

霊夢の怒りに目もくれず棒読みをしながら、続けた。

 

【裕也】

「あーでも剣味の事を見逃したなら、格が上がって神社に人がくるかもなー。あー残念だ残念だ。まあー博麗の巫女様は"心が狭い"らしいから、無理だよなー。あー本当に残念だ。」

 

霊夢は歯を噛み締めながら答えた。

【霊夢】

「わかったわよ?私は優しいからこいつの事を見逃すわよ?でも、少し、弾幕勝負をしたい気分なんだけど?相手をしてくれないかしら?そこの貴方。」

 

【裕也】

「ああ。この話が終わったら、いくらでも相手をしてやるから少し黙っててくれ。」

 

霊夢は拳を降るわけながら黙った。

 

【妹紅】

「まあまあ。所で裕也?お前はどの顔が本物だ?お前は感情が変わりすぎる。」

 

【裕也】

「どれも、等しく俺だ。だが、敷いて言うなら、今しゃべっているこの顔が本物だな。」

 

【妹紅】

「そうか。」

 

【裕也】

「さて、剣味。」

 

剣味は肩をビクッとしながら、顔を上げた。

 

【裕也】

「お前を殺す事は直ぐに出来る。」

 

【剣味】

「ひ!」

 

【裕也】

「だが、しかし、これからは心を入れ替えて二つの人里の為に頑張るなら、殺さないでやる。さあ、如何する?」

 

剣味は驚いた表情をしながら、裕也に向かってこう答えた。

 

【剣味】

「あれだけの事をした俺の事を許すというのですか!?」

 

【裕也】

「ああ。俺は閻魔でも聖人でもないただの人間だ。人間に人間は裁け無いし、そんなつもりも無い。俺はお前が心を入れ替えて働いてくれればいい。」

 

【剣味】

「あ、有難うございます。有難うございます。」

 

剣味は泣きながら裕也にお礼を行った。

 

【裕也】

「さてと。霊夢、妹紅。手伝ってくれ。」

 

【霊夢】

「あによ。」

 

【妹紅】

「何だ?」

 

裕也はニヤッと笑ながらとんでもない事を言った。

 

【裕也】

「人里と人妖の里を一つにする。」

 

【二人】

「「はあ?」」

 

 

 

裕也達は、人里の中心にあるもう一つの人里を閉ざしている壁の前にいた。

 

【霊夢】

「しかし、あんたも凄い事を考えるわね。」

 

【妹紅】

「そうだな。約5年続いた壁を壊すって言うんだからな。」

 

そう。裕也が言った人里を一つにすると言う事は、人里にある壁を壊す事だった。

 

【裕也】

「いいか?行くぞ!」

 

【霊夢】

「はあーこうなったら最後までやってやろうじゃ無いの!」

 

【妹紅】

「よし!やるか!」

 

冰心「針棘の暴風雷雲」

 

宝具「陰陽鬼神玉」

 

蓬莱「凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-」

 

三人のスペルカードが合わさり大きな音を立てて壁が崩れ去った。

 

【裕也】

「よし!成功だ!」

 

【霊夢】

「はあ~。」

 

【妹紅】

「これからが大変だ。」

 

裕也達が下に降りると村人から罵声やら、悲しみを当てられた。

 

「なんてことをしてくれたんだ!」

 

「これから如何したら良いの!」

 

「うわー!もう終わりだー!」

 

「私の家が!」

 

「如何してくれるんだ!」

 

「弁償しろ!」

 

妹紅は訳を言おうとした時に裕也が止めた。霊夢は少し驚いたが見守る事にした。裕也は声を張り上げながらこう答えた。

 

【裕也】

「如何もすいませんでしたーーー!!!」

 

いきなりの謝罪に村人は戸惑っていた。

 

【裕也】

「だが!この現状は俺だけが悪いのか!いや違う!」

 

その言葉にまだ戸惑いながらも村人は答えた。

 

「自分の責任を俺たちに押し付けるな!」

 

「そうだそうだ!」

 

「お前も剣味と同じだ!」

 

「そうだ!剣味と同じだ!」

 

裕也はその言葉にニヤッと笑ながら見えない様に顔を隠した。

 

【裕也】

「・・・・」

 

「如何した!言い返せないんだろ!」

 

「家を返せ!」

 

「これも、全て剣味のせいだ!」

 

その言葉を言った瞬間また、いきなり声を張り上げながらこう答えた。

 

【裕也】

「剣味のせいだと?ふざけるな!剣味を選んだのはお前達だ!剣味をここまで追い詰めたのは俺か?いや違うお前達だ!それを何だ!自分達が悪いのに関わらず、それを認めもしないで、ただ、誰かを悪者にしてそれを攻める貴様等の方がよっぽど最低だ!どうだ!違うか!違うやつは出てこい!俺が貴様等の言葉なんて俺が言葉で切ってやる!」

 

裕也がそう言うと周りはざわざわとし始めた。そんなのはお構いなしと言う様に続けた。

 

【裕也】

「だが、良く考えてみろ!これはチャンス何だ!お前達は妖怪をよく知らない!だが!これを気に知る事が出来る!しかも、優秀な医師や道具屋がやってきてもっと賑やかになる!それに、警備ももう一つになったんだから、そこも協力をすれば良い!確かに家は壊れた。だが!皆で協力をすれば元通りになる!悪い事ばかりじゃ無いだろ!?それとも、やだか、新しい事に挑戦したく無いのか

!もし、それらがやだったら。全ては俺と剣味の責任だ。」

 

裕也は優しい顔をして答えた。

 

【裕也】

「俺と剣味を気の済むまで殴ればいい。お前もそれでいいな?」

 

剣味は覚悟を決めた顔で答えた。

 

【剣味】

「はい!私の責任でもあるので覚悟は出来ています。」

 

【裕也】

「だが、これだけは覚えていてくれ。お前達が剣味を選んだって事を。でも、許してくれるなら、拍手をしてくれ。」

 

村人に沈黙が流れた。しばらく沈黙だったが。慧音が初めに拍手をして、阿求、村人とだんだんと拍手が大きくなり数分後には労いの言葉が飛び交った。

 

「頑張ったな!」

 

「気持ちが晴れたわ。有難う!」

 

「はっきりと言って悪かった!」

 

「剣味も済まなかった!」

 

「よっ!結婚してくれ!」

 

そう言った瞬間少しの沈黙が流れた。何故なら男だったからだ。

 

「じ、冗談だ!頑張った!」

 

【裕也】

「良かったな。剣味。」

 

【剣味】

「はい!有難うございます!」

 

皆で笑っていた所に霊夢が裕也に向かってこう言った。

 

【霊夢】

「良い所悪いんだけど、忘れていないわよね?」

 

【裕也】

「ああ、勿論だ。」

 

裕也はキリッとしながら答えた。

 

【裕也】

「だけど、戦うのは外だ。」

 

【霊夢】

「勿論。」

 

裕也と霊夢は里の外に移動をした。村人達は、見物をしに裕也達の後を追った。

 

【霊夢】

「なにこれ。」

 

裕也達が外に出ると、そこには先回りをしていた村人が沢山いた。

 

【裕也】

「はは、良いじゃ無いか。」

 

【霊夢】

「はあ~。これは不思議な異変になったわね。」

 

【裕也】

「異変?そうだな。革命と言う異変だな。」

 

【霊夢】

「革命ね~。はあ~本当に変な異変になったわ。遊び、自分の力を見せる為、月から隠れる為、聖人を助け出す為。色々な異変に関わっているけど、これ程にやりずらい異変は始めてよ。」

 

【裕也】

「まあ、な。応援されているしな。ん?そう言えば、これは何の異変になるんだ?」

 

【霊夢】

「さあね。でも、この異変に名前を付けるなら、人里で起きた異変。人里異変と言った所かしらね。」

 

【裕也】

「と言う訳は、俺がラスボスか?」

 

【霊夢】

「そうなるんじゃ無い?」

 

【裕也】

「そうか。ルーミア!」

 

裕也がそう言うと裕也の影が変わりそこからEXルーミアが現れた。

 

【ルーミア】

「む?やっとか。ふう。言いたい事は分かっている。離れてろと言いたいんだろ?」

 

【裕也】

「良くわかったな。」

 

【ルーミア】

「当たり前だ。お前と一緒にいたんだぞ?それは分かるさ。」

 

【裕也】

「そうか。ありがとう。さて、待たせたな霊夢。」

 

【霊夢】

「色々と言いたい事はあるけど、本気で殺って良いのね?」

 

霊夢は笑顔で答えた。

 

【裕也】

「・・・・何か字が違う気が。」

 

裕也は反論を使用とした、霊夢に邪魔された。

 

【霊夢】

「気のせいよ。」

 

【裕也】

「・・・・そうだな。それじゃあ、やるか。皆待ってるからな。」

 

村人は思い思いの応援をした。

 

「巫女さん頑張れ!」

 

「にいちゃん!がんばんな!」

 

「二人とも頑張れ!」

 

【霊夢】

「何だかね〜。こんなに応援何てされた事無いわよ。」

 

【裕也】

「まあ、たまにはこう言う異変があったって良いんじゃ無いのか?」

 

霊夢は笑ながら答えた。

 

【霊夢】

「そうね。そう言う異変があっても良いわね。それじゃあ、行くわよ。」

 

【裕也】

「ああ、こっちも行くぞ!」

 

こうして、人里異変最後の勝負。霊夢VS裕也、主人公と主人公の対決が始まった。

 



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人里異変最後の戦い

 

【霊夢】

「行くわよ裕也!」

 

【裕也】

「こい、霊夢。」

 

霊夢はそう言うと札を取り出し自分の霊力を纏わせ裕也に向けて投げた。

 

【裕也】

「・・・・」

 

裕也は無言で空を飛びながら霊力が纏っている札を取った。それも全て。これには霊夢も驚いた。

 

【霊夢】

「な!何ですって!?」

 

【裕也】

「返すよ!」

 

裕也はそう言うと霊夢の札に自分の霊力を霊夢がした見たいにして、投げ返した。

 

【霊夢】

「!?」

 

霊夢は驚いた。自分では避けていた筈なのに、札が霊夢を追っかけて来た。

 

【霊夢】

「すーーーは!」

 

霊夢はそれを気合で吹き飛ばした。

 

【裕也】

「次行くぞ!」

 

銃砲「赤銃花火(レッドジュウカスターマイン)」

 

裕也の周りに赤色の弾丸が現れ不規則な動きをしながら霊夢を襲った。

 

【霊夢】

「これはあの兎の!いや、違う。アレンジね。だったら。」

 

霊夢はスペルカードを取り出し唱えた。

 

霊符「夢想妙珠」

 

七色の丸い玉が裕也の放った方向の上に放たれた。

 

【裕也】

「何を。」

 

【霊夢】

「見ていなさい。」

 

【裕也】

「な、に?」

 

裕也は信じられない顔をした。何故なら裕也の弾丸が霊夢の放った玉に吸い寄せられたからだ。

 

【霊夢】

「やっぱりね。」

 

霊夢は納得した顔をした。裕也は霊夢に質問した。

 

【裕也】

「如何言う事だ。」

 

【霊夢】

「貴方のスペルカードでしょ?貴方が良く知っている筈よ?」

 

【裕也】

「何故分かった?」

 

【霊夢】

「あれが強い霊力に引き寄せ攻撃をするって事?それとも、霊力を持っていない者には絶対に攻撃が当たらないって事?」

 

裕也は溜息を付きながら答えた。

 

【裕也】

「はあ。まさか一発で気づくなんて。何が原因だ?」

 

霊夢は笑ながら答えた。

 

【霊夢】

「勘よ。」

 

裕也は素直に驚いた。

 

【裕也】

「勘でって。なら、これならどうだ。」

 

暗雲「暗黒遊戯(ブラックゲーム)」

 

霊夢ね周りに暗闇が立ち込め霊夢は闇に覆われた。霊夢は少し驚いたが直ぐに観察をした。

 

【霊夢】

「落ち着くのよ私。よく、観察をして、見極める。勘を持っと鋭く。そして、全身に纏わせるのよ。」

 

霊夢は気を貼り付け精神を集中させた。そんな霊夢に、裕也は。

 

【裕也】

「よし。次だ。」

 

スペルカードを取り出し唱えた。

 

歴史「自己像幻視(ドッペルゲンガー)」

 

裕也がそう言うと、裕也が二人に分かれた。霊夢は自身の霊力を外に放出して闇を払った。

 

【霊夢】

「だー!もー!神経を集中?そんな面倒くさい事なんてしてられるかー!さあ!裕也!ってあれ?」

 

霊夢は驚いた。何故なら気がついたら裕也が二人いたんだ。それは驚きもする。だが、霊夢は直ぐに持ち直した。

 

【霊夢】

「は~。フラン見たいな事をしないでよね。たく、面倒くさい。」

 

二人の裕也が声を揃えて答えた。

 

【裕也】

「「まだだ。」」

 

【霊夢】

「なん、ですって?」

 

霊夢はまさかと言った顔をした。

 

【裕也】

「「もう一度だ!」」

 

 

歴史「「自己像幻視(ドッペルゲンガー)」」

 

二人の裕也がもう一度スペルカードを使うと裕也の体が四人になった。それに霊夢は溜息を付いた。

 

【霊夢】

「はあ~。これじゃあ、本当にフランのフォーオブアカインド見たいじゃないのよ。」

 

四人の裕也は霊夢を囲んだ。

 

【裕也】

「「「「行くよ霊夢!」」」」

 

裕也達はそう言うとスペルカードを取り出し四方向から放った。

 

血付「針棘の山」

 

暴風「雷雲」

 

銃砲「赤銃花火(レッドジュウカスターマイン)」

 

冰心「針棘の暴風雷雲」

 

凄く誰もが見惚れる程に美しい弾幕の嵐が霊夢に向かい発射された。霊夢は必死に避けていた。それに村人達は、近くでやっていた魚を焼いているミスティアの屋台と妹紅がやってる焼き鳥屋の物を食べながら見物をしていた。

 

 

【ミスティア】

「さーあ!安いよ安いよ!向こうの焼き鳥屋何か食べてないでこっちの魚料理の方が美味しいよー!」

 

【妹紅】

「なーに!行ってんだい!私が作った焼き鳥の方が美味しいよー!向こうの魚より美味しいよー!」

ここはここで、別の対決が行われていた。それに混ざり天狗の射命丸 文がいた。

 

【射命丸】

「いや~暇つぶしに見たら、二つの里の住人が一緒になっていて、しかも、こんなに美味しい物を食べれるなんて最高ですね。しかし、フランさんと同じスペルカード?を使いあまつさえ霊夢さんをここまで追い詰めるなんて今回の異変は凄いですね~。これは記事のしがいがありますよー!それにしても、この異変の首謀者は本当に強いですね~。ま、私は見て行きますか。」

 

射命丸は幸せな気分で見ていた。

 

 

その頃霊夢は裕也のスペルカードを避けながら自分もスペルカードを出して相殺して行った。

 

 

霊符「夢想封印」

 

夢符「封魔陣」

 

霊符「夢想封印 散」

 

霊符「夢想封印 集」

 

夢符「封魔陣」

 

これらのスペルカードを使いようやく全ての弾幕を相殺した。

霊夢は少し疲れた様子をしていた。

 

【霊夢】

「はあ、はあ、たく。あんたの霊力は無限なの裕也?」

 

それに裕也はこう答えた。

 

【裕也】

「紫位の霊力があるからな。」

 

それに霊夢は。

 

【霊夢】

「あんた本当に人間?」

 

裕也はこう答えた。

 

【裕也】

「いや、霊夢も人間のカテゴリーにいれてもいいか迷うよ。」

 

霊夢はニヤリと笑ながら答えた。

 

【霊夢】

「褒め言葉として受け取っておくわ。」

 

【裕也】

「それはどうも。」

 

裕也もニヤリと笑ながら答えた。霊夢は自身の霊力を最大までにあげていた。

 

【霊夢】

「これで、決める。」

 

裕也は少しだけ恐怖を感じた。だがそれと同時に裕也は笑った。

 

【裕也】

「なら、俺も出し惜しみはしねえ。本気の本気で行くぜ。」

 

裕也はいきなり口調が変わり霊力が跳ね上がった。霊夢は今までに感じた事のない感覚に襲われた。それは一般的に言うと怖いと言う感覚だった。何故なら、霊夢はこんな気持ちになったのは紫との勝負以来だったからだ。

 

【霊夢】

「でも、やるしかない!」

 

裕也は声を張り上げた。

 

【裕也】

「行くぜ!!」

 

霊夢も声を張り上げた。

 

【霊夢】

「私も行くわよ!」

 

二人の緊迫とした空気に近くにいた村人達は誰しもが息を飲んだ。二人は叫びながら自分が出せる最大の技、弾幕を放った。

 

【裕也】

「はあぁぁぁ!」

 

境界「全可能性の弾幕」

 

【霊夢】

「いっけえぇぇぇぇ!」

 

ラストワード「夢想天生」

 

裕也の周りにスキマが開き。パラレルワールド世界の色々な弾幕が霊夢に向かって放たれた。

霊夢は体が金色になり霊夢の周りに陰陽玉7つが現れ裕也に向かって突っ込んで行った。霊夢に襲いかかる弾幕を避けたり自身に当たりながら距離を詰めて行った。それに、裕也は凄く驚いた。

 

【裕也】

「んな!?」

 

陰陽玉が残り一つ無敵状態も解けたが裕也の目の前にたどり着いた。

 

【霊夢】

「これで・・・・最後だあぁぁぁぁ!!!」

 

陰陽玉を纏わせている霊夢の拳が入る瞬間裕也はスペルカードを取り出し唱えた。

 

【裕也】

「舐めるなぁぁぁぁ!!!」

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

霊夢の最後の拳がに当たる直前にスペルカードを唱え青い炎を纏わせた拳で返した。

 

【裕也】

「はあぁぁぁぁぁ!!!」

 

【霊夢】

「やぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

二人の最後の技がぶつかり大爆発を起こした。霊夢と裕也はそれぞれ反対方向に吹き飛ばされた。

 

【裕也】

「ぐあぁぁぁぁ!!!」

 

【霊夢】

「きゃあぁぁぁ!!!」

 

そして二人同時に地面に叩きつけられた。その時に凄い砂埃が起こり二人の姿が見えなかった。

 

【村人】

「ど、どっちだ。」

「わかんねえよ。」

 

【妹紅】

「二人とも! !? け、慧音!?」

 

妹紅は二人のそばに寄ろうとしたが慧音に止められた。

 

【慧音】

「妹紅、これは二人の真剣勝負。邪魔をしては駄目だ。」

 

【妹紅】

「・・・・分かった。」

 

【慧音】

「ほら見てみなさい。砂埃が晴れて来た。」

 

慧音の言う通りに砂埃が晴れてきた。晴れた先にいたのは・・・・裕也だった。

 

【裕也】

「かっは。ぜえ、ぜえ。」

 

裕也は叫んだ。

 

【裕也】

「も、妹紅!霊夢を永遠亭に!それから、そこにいる、優曇華!て、手を貸してくれ!自分じゃ歩けないんだ。」

 

優曇華は心配した様子で裕也に近寄った。

 

【優曇華】

「む、無茶し過ぎです!霊夢さんに勝負を挑むなんて!」

 

裕也は耳を抑えた。

 

【裕也】

「わ、わる、かった、さ。だが、なま、はん、か、な、覚悟じゃ、だめ、だっ、たんだ。」

 

裕也は途切れ途切れに喋っていた。霊夢は意識はあるが体が一ミリも動かなかった。

 

【霊夢】

「っあ!はあ、はあ、はあ~。完敗だわ。あーこんな気持ちになったのはいつ振りかしら」

 

霊夢は満足そうな顔をしながらそう答えた。

 

こうして、人里全土に多大な革命を起こした異変は解決した。射命丸はこの事を記事に使用としたが、紫に止められた少し改変した新聞を出す事になった。それに文は泣きながら帰っていった。優曇華と妹紅は二人を永遠亭に連れて行く事にした。だが、裕也と霊夢は永遠亭に着く前に二人とも気絶をしてしまった。裕也目を覚ましたのはあれから3日後だ。

 

3日後永遠亭・・・

 

裕也は夢を見ていた。その夢は自分が作った薬でいろんな人達が死んで行くと言う物だ。裕也は一人の人間を治療していた。

 

【裕也】

「頼む!もどってきてくれ!頼む!」

 

しかし、その人が目を開ける事は無かった。

 

【裕也】

「くっそおぉぉぉ!!」

 

裕也は叫んだ。自分の未熟さに自分の犯してしまった罪に。その後も裕也は探した。そして、瀕死の男の人を裕也は見つけた。今度こそと思い裕也は男に近寄った。

 

【裕也】

「おい!しっかりしろ!大丈夫だ!絶対に助けてやるからな!」

 

裕也は治療を始めた。しかし、始めて数分で異変が起こった。それは、死んで行った人達の怨念が耳元で囁いたのだ。

 

【何でそいつだけ】

 

【私も長く生きたかった】

 

【殺せ、殺してしまえ】

 

【そうだ。俺達を見捨てた様に】

 

裕也はその言葉を無視して男の治療に専念した。

 

【裕也】

「頼む!死なないでくれ!お願いだから、死ぬな!」

 

裕也の祈りも届かず男はある言葉をの越して死んで行ったその言葉は。

 

【人、殺し。娘を、返、せ。】

 

 

【裕也】

「うわあぁぁぁぁ!」

 

裕也は布団で眠っていた。

 

【裕也】

「はあー、はあー、はあー、かっは!はあ~ゆ、夢か。」

 

裕也は首を横に向けた。そこにいたのは優曇華だった。裕也の叫び声に驚いたのか部屋の隅にいた。

 

【優曇華】

「な、何ですか!いきなり!」

 

優曇華は警戒をしていた。裕也は謝り、今日はいつなのかを聞いた。

 

【裕也】

「すまない。驚かすつもりは無かったんだ。それで今日は何日だ?」

 

優曇華は裕也の布団の横に座り裕也の質問に答えた。

 

【優曇華】

「十四日よ。」

 

【裕也】

「そうか。あれから3日も。霊夢は?」

 

その裕也の質問に優曇華は答えた。

 

【優曇華】

「霊夢は貴方が覚める二日前に目を覚まして神社に戻って行ったわ。」

 

【裕也】

「霊夢は何か言っていたか。」

 

【優曇華】

「今度は私が勝つ。ですって。」

 

裕也は霊夢は負けず嫌いなんじゃないのかと思った。優曇華は思い出した様に声を上げた。

 

【優曇華】

「あー!思い出した!」

 

裕也はビクッと驚いた。

 

【裕也】

「な、何だいきなり。」

 

【優曇華】

「師匠に裕也が目を覚ましたら報告するよう言われていたんだった!」

 

優曇華はドタドタと急ぎ足で裕也の部屋を抜けていった。

 

【裕也】

「騒がしい奴だ。ふう。さて、そこにいるんだろ?」

 

裕也はつぶやいた。誰もいない筈の空間に。

 

【裕也】

「わかってるから出てこいよ。ルーミア、紫。」

 

裕也がそう言うと、スキマが開き、そこからルーミアと紫が現れた。

 

【紫】

「あら?良くわかったわね。気配は完全に消していた筈なのに。」

 

それにルーミアはこう答えた。

 

【ルーミア】

「多分お前のせいだ紫。」

 

【紫】

「何言ってんの。ルーミア、この私がヘマをするとでも?」

 

紫は裕也に聞いた。すると裕也は紫にこう答えた。

 

【裕也】

「いや、お前のせいだから。」

 

【紫】

「え?・・・・ゆかりちゃんわっかんな~い☆」

 

紫は急にぶりっ子見たいな口調をして誤魔化した。裕也はそれを無視して聞いた。

 

【裕也】

「どうでもいい。そんな事より何の用だ?」

 

その言葉に紫はがっくしと肩を落としたが直ぐに真剣な顔に戻った。

 

【紫】

「ルーミアが裕也君に付いて行きたいと言うのよ。」

 

【裕也】

「ルーミアが?そうなのか?」

 

裕也はルーミアに聞いた。返ってきた答えは。

 

【ルーミア】

「お前といれば楽しめそうだからな。」

 

【紫】

「との事だけどどう?」

 

裕也は少し考えたてこう答えた。

 

【裕也】

「分かった。一人より二人の方がいいからな。これから宜しくな。」

 

【ルーミア】

「ああ、宜しく。」

 

ルーミアはそう言うと裕也の影の中に入って行った。紫は何かを思い出したようにこう答えた。

 

【紫】

「あ、そうだ。裕也君これを渡しておくわ。」

 

紫が渡したのは、スペルカード3枚と一つの新聞だった。

 

【裕也】

「新聞?幻想郷にも新聞があるんだな。それから、これはスペルカード?新聞はまだ分かるが、如何してスペルカードも?」

 

裕也は疑問に思い紫に聞いた。それに紫は。

 

【紫】

「新聞は必要でしょ?スペルカードは労いよ。」

 

【裕也】

「労い?」

 

【紫】

「そうよ。これから貴方には幻想郷を変える程の異変や幻想郷に貢献した時に労いとして何かあげる。」

 

裕也はクスクス笑った。

 

【裕也】

「はは、つまりは幻想郷の為にそして、紫の為にこの力を使え、そうしたら褒美として何かやる。こう言う意味だろ、紫。違うか?そうでなきゃ大妖怪のお前が一人間にここまでする筈が無いからな。」

 

紫はこう答えた。

 

【紫】

「貴方はそう思っているの?私の事を。」

 

それに裕也は笑ながら答えた。

 

【裕也】

「あっはははは!」

 

【紫】

「え?」

 

涙目になっていた紫に裕也は笑った。

 

【裕也】

「最初に言ったろ?仲間は絶対に疑わない、そして絶対に何があっても助ける。そして落ち込んでいるなら慰める。しかし、紫にも泣くって言う事があるんだな。」

 

紫は顔を赤くしながらスキマを開き裕也をスキマの中に落とし絶叫コースを盥回しにして、そして裕也を布団に戻した。裕也は、髪がボサボサで服はボロボロになっていた。

 

【裕也】

「くっか、あっは、き、きっつー。な、なにするんだよ!紫。」

 

【紫】

「ふ、ふん。知らない!」

 

紫はそう言うとスキマの中に消えていった。

 

【裕也】

「はあー。そういえば永琳まだなのか?流石に長過ぎるだろ。」

 

【永琳】

「ごめんなさいね。」

 

永琳はそう言うと襖の向こうから現れた。

 

【裕也】

「遅かったな。如何したんだ?」

 

【永琳】

「ちょっとね。それより酷い姿ね。服もボロボロだし、何かあったの?」

 

裕也は苦笑いをしながら答えた。

 

【裕也】

「いや~少し妖怪の賢者さんを弄ったら、少し。それより如何なんだ?」

 

裕也は自身の体に付いて聞いた。

 

【永琳】

「ええ、霊力はまだ完全じゃ無いけど、体力は元通りだから生活する面では大丈夫よ。」

 

【裕也】

「そうか。じゃあ新聞でも見ますか。」

 

【永琳】

「見る前に少し良いかしら?」

 

裕也は何だろうと思い永琳に聞いた。

 

【裕也】

「? 如何した?」

 

永琳はこう答えた。

 

【永琳】

「今夜宴会があるから必ず参加しなさいと霊夢から言われているんだけど。行く?」

 

【裕也】

「いや、俺はやす。」

 

裕也が休むと言おうとした時に襖が吹き飛び、白黒の服をきた魔女見たいな人が現れた。永琳は溜息をつきながら答えた。

 

【永琳】

「はあ~弁償してくれるんでしょうね。魔理沙。」

 

【魔理沙】

「いや~ツケで。」

 

永琳は何かを思いついたかのように目を輝かせた。

 

【永琳】

「ツケはいいわその代わりに実験体になって貰うわよ。」

 

魔理沙は涼しい顔をして答えた。

 

【魔理沙】

「それは遠慮しておくぜ!それよりお前が裕也か?」

 

 

魔理沙は裕也を指差しそう答えた。裕也は疑問そうな顔をしながらこう答えた。

 

【裕也】

「そうだが、お前は?」

 

【魔理沙】

「私の名前は霧雨魔理沙ってんだ!つーわけで付いてきて貰うぜ!」

 

裕也の手をとり魔理沙は片手で箒を持ち、丸四角い物を箒に付けてスペルカードを取り出し唱えた。

 

恋符「マスタースパーク」

 

魔理沙がそう言うと箒から、大量の星が部屋に降り注ぎ魔理沙と裕也は凄い速さで永遠亭を出ていった。永琳は。

 

【永琳】

「・・・・如何しましょうかしら。」

 

裕也の部屋は跡形も無くなっていた。

 

【永琳】

「優曇華~。」

 

永琳はだるそうに優曇華を呼んだ。

 

【優曇華】

「は~い。って何ですかこれ!?」

 

優曇華は驚いた。何故なら一部屋無くなっていたからだ。

 

【永琳】

「優曇華、私は博麗神社での宴会に行ってくるわ。優曇華は片付けを。」

 

【優曇華】

「あ、はい。」

 

永琳はそう言うと博麗神社に向かった。

 

【永琳】

「大丈夫かしら裕也君。」

 

 

 

その頃の裕也は。

 

 

【裕也】

「うおわぁぁぁぁぁ!は、HA!NA!SE!」

 

【魔理沙】

「だが断る!」

 

魔理沙は聞く気が無いらしく、止まる事無く裕也は超スピードで揺らされていた。

 

【魔理沙】

「いや~気持ちがいい!これが最高にハイって奴か!ヒィヤッハ!」

 

【裕也】

「ダメだこいつ何とかしないと。ってそれどころじゃない!えーい!」

 

裕也は自身に弾幕を当てその爆風を利用して魔理沙から離れた。

 

【裕也】

「かっは!」

 

【魔理沙】

「な!?お前は馬鹿か!っ!」

 

魔理沙は裕也に近寄ろうとしたが、裕也が魔理沙に向かい弾幕を放った魔理沙はとっさに避け回避をした。

 

【裕也】

「お前、ふざけるなよ。」

 

裕也は霊夢の時以上の殺気と霊力を出し魔理沙にその殺気と霊力を放った。

 

【魔理沙】

「う!かっは!い、息が。」

 

魔理沙は当たりに纏わり付いて息が出来ない様子だった。裕也はしまった!と言う顔をして直ぐに閉まった。

 

【裕也】

「悪い。紫の時と同じ話し方をしてしまったな。だが、お前がいきなり連れて行くからだ。如何言うつもりだ。」

 

【魔理沙】

「はあ、はあ、はあ、たく。お前は本当に外来人なのか?今まで見てきたが、お前のような霊力を持つ奴なんて見た事無いぜ。幽香と同じぐらいじゃないのか?」

 

【裕也】

「幽香?」

 

【魔理沙】

「ああ、太陽の畑って言われている場所にいる奴さ。」

 

裕也はつまらなそうに答えた。

 

【裕也】

「そうか。だが俺はいかないぞ宴会には。」

 

【魔理沙】

「そんな訳にはいかないんだ。異変を解決をしたなら宴会をして水に流す。これが異変解決時の幻想郷でのルールだ。」

 

裕也は少し驚いた。

 

【裕也】

「・・・・一つだけ質問する。その異変で大切な人が殺されて全てをめちゃくちゃにした奴を巫女が倒すとする。その過程で、魔理沙、お前の大切な物や人を殺されても、そいつと一緒に宴会をするのか?そいつが楽しそうにしていて、憎しみが湧かないのか?お前はそんな奴がいても仕方がない、しょうがない。これもルール何だと決める事が出来るのか?どうだ?しかも魔理沙、お前は俺が放った殺気で怖気付いて動けなかったよな?それで、大丈夫なのか?宴会をしていて。大丈夫なのか?」

 

裕也は魔理沙にきつい言葉を投げかけた。それに魔理沙は。

 

【魔理沙】

「わた、しは・・・・・・。」

 

裕也は魔理沙を小馬鹿にした感じの言葉でこう答えた。

 

【裕也】

「お前は馬鹿か?」

 

【魔理沙】

「は?え?」

 

魔理沙は思考が付いていかなかった。裕也は言葉を続けた。

 

【裕也】

「確かにそんな事になったら宴会なんてする気にも起きないだろう。しかし、そうならない為の努力をしていて、それを異変で試し、身につけ、経験を積んで、そんな事にならないようにして、解決をする。そして、その労いとして、宴会があるんだろ?スペルカードルールは誰もが死なないようにする為に作ったルールだ。だから、気を付けなきゃ行けない。遊び見たいな事になっているけど、本当の異変は遊びじゃなく、本当に死ぬ。だからと言って遊びでも油断はしてはならない。何故なら、遊びで死ぬ事もあるのだから。」

 

魔理沙は心に刻み込んでいた。言葉の一つ一つをその意味を。

 

【裕也】

「悪かったな初対面で変な事を言ってしまって。そのお詫びに宴会に参加する。」

 

裕也はそう言うと魔理沙と共に博麗神社に行った。裕也はその時にこう言った。

 

【裕也】

「本当に済まなかった。」

 

魔理沙はその言葉を聞いた瞬間に何故か会ったばかりの裕也を信頼の出来る奴と直感した。

 

 

裕也達は博麗神社に着く頃にはもう宴会が始まっていた。博麗神社は妖怪や人間で溢れかえっていた。

 

【萃香】

「れ~い~む~お酒~。」

 

【霊夢】

「だーもー!向こう側に沢山あるでしょ!だーかーらーむーこーうーにーいーけー!」

 

萃香は霊夢に抱きつき離さなかった。霊夢は裕也達を見つけた。

 

【霊夢】

「魔理沙、ご苦労様。」

 

【魔理沙】

「・・・・」

 

【霊夢】

「魔理沙?」

 

魔理沙は何かを考えている様子で霊夢の言葉が届いていないようだった。霊夢は抱きついている萃香の角を持ち、魔理沙に向かって投げた。

 

【萃香】

「霊夢?ど、如何した?いたいぞ?」

 

【霊夢】

「ふっとべや!」

 

【萃香】

「ぎゃあ!」

 

【魔理沙】

「ふご!だあぁぁぁ!」

 

魔理沙は変な声を出しながら萃香と共に吹っ飛んだ。魔理沙と萃香は直ぐに立ち上がり霊夢に詰め寄った。

 

【萃香】

「れ~い~む~いたいぞ。」

 

【魔理沙】

「そうだぜ!霊夢!いきなり何するんだよ!」

 

【霊夢】

「はあ~。萃香、はいお酒よ。これ持ってどっかに行きなさい。」

 

萃香は酒を貰うと何処かに去って行った。霊夢は魔理沙に聞いてみた。

 

【霊夢】

「何があったの魔理沙。」

 

魔理沙は言おうか迷っているみたいだった。

 

【裕也】

「俺が言うか?元はと言えば俺が責任なんだからな。」

 

【魔理沙】

「いや、私が言う。霊夢。実は裕也の話で。」

 

 

魔理沙説明中・・・・

 

 

【魔理沙】

「て、事があったんだ。」

 

【霊夢】

「そう。その時如何するか、か。それで?そんなくだらない事で悩んでいるの?」

 

【魔理沙】

「え?」

 

霊夢はそう答えた。それに魔理沙は反論をした。

 

【魔理沙】

「なにいってんだよ!くだらないだって!?大切な事だろ!」

 

【霊夢】

「魔理沙、あんた一体如何したのよ。あんたらしくもない。」

 

【魔理沙】

「私らしく無いだと?」

 

【霊夢】

「ええ、そうよ。あんたは何も考えずにただ単に突っ走って周りをはっちゃかめっちゃかにして迷惑をして、そして何も言わずに去って行く。それが魔理沙、貴方よ。」

 

【魔理沙】

「ひ、ひでー。」

 

霊夢は懐かしむ見たいに答えた。

 

【霊夢】

「でも、どんな事にも真剣に取り込んで、そして何事にも全力で当たる。そして些細な事は気にしない。それが本当の魔理沙でしょ?そんな事を考えるなんて魔理沙らしく無いわよ。」

 

【魔理沙】

「霊夢。」

 

魔理沙は霊夢の言葉に感動していた。

 

【裕也】

「霊夢、何か声が大きくなるような物無いか?」

 

【霊夢】

「ん?これがあるわよ。」

 

霊夢はメガホンを裕也に渡した。

 

【裕也】

「メガホンか。まあ、いいか。」

 

裕也はメガホンを口にし喋った。

 

【裕也】

「あーあー。どうも!外来人の裕也です。質問を受け付けるので、どしどしきて下さい!」

 

裕也はそう言うとメガホンを霊夢に返した。その時直ぐにきたのは、翼を生やした幼き少女、レミリアだった。

 

【レミリア】

「質問、良いかしら?」

 

裕也は首だけを向けた。

 

【裕也】

「何かな?」

 

裕也はニコリと笑ながらレミリアに答えた。

 

【レミリア】

「あんた本当に霊夢を倒したの?そんなに強そうだと思わないんだけど。」

 

裕也は首を横に降った。

 

【裕也】

「いや、俺は何もしてないんだが。俺はただ、拾った装置で操っていただけだから。まあ、その事で霊夢さんに夢想封印を打ち込まれましたが。」

 

裕也は恥ずかしそうにそう答えた。

 

【レミリア】

「そうなの霊夢?」

 

レミリアは霊夢に聞いた。霊夢は本当の事を言おうとしたが、裕也が目で言うなと伝えたから口裏を合わせる事にした。

 

【霊夢】

「・・・・そうよ。」

 

【レミリア】

「ふーん。ま、そういう事にして上げるわ。ま、暇があれば来なさい。裕也。」

 

レミリアはそう言うと去っていった。次に来たのは旧地獄、今の地霊殿にいるさとりだった。

 

【さとり】

「少しいいですか?」

 

【裕也】

「はい、何でしょうか?」

 

裕也は笑顔で答えた。

 

【さとり】

「質問です。貴方は何者ですか?」

 

【裕也】

「・・・・一応人間だ。」

(ふむ。そう言う事は何か疑っているな。まあ、いいか。)

 

【さとり】

「・・・・そうですか。なら、次です。霊夢さんを追い詰めた事は本当ですか?」

 

【裕也】

「いや、さっきも言いましたが自分は何も。」

(さっきレミリアとの話を聞いていた筈。なのにそう言うと言う訳は、心でも読めるのか?そうだとしたら、隠しても無駄か?もし聞こえていたなら片目をとじてくれ。)

 

さとりは右目を閉じた。

 

【裕也】

「そうか。」

(なら、俺が追い詰めた。だが、あまり広げないでくれ。博麗の巫女は負けてはならない。だからな。頼めるか?いいなら握手をしてくれ。それが出来ないなら、去ってくれ)

 

【裕也】

「しばらくここにいるから行く事があるかもしれないから、その時は宜しく。」

 

裕也はそう言うと手を前に出した。さとりはその手を取りこう答えた。

 

【さとり】

「ええ、こちらこそ。」

 

さとりはそう言うと去っていった。次に来たのは妖夢と幽々子だった。

 

【妖夢】

「勝負しなさい!」

 

【幽々子】

「こ~ら。いきなりなに言ってんの妖夢。唐突すぎるでしょ~。」

 

幽々子は妖夢を軽く叩いた。

 

【妖夢】

「あて。幽々子様~何するんですか。」

 

妖夢は頭を抑えた。

 

【裕也】

「何かようですか?」

 

【幽々子】

「ごめんなさいね~。いきなり。いやね?妖夢が霊夢を追い詰めた何て信じないって言ってね。確かめるってね。」

 

【裕也】

「はあ、そうですか。それでどうかな?俺は。」

 

妖夢はしばらく裕也を見てこう答えた。

 

【妖夢】

「弱そう。本当に霊夢さんを、瀕死まで追い詰めたんですか?」

 

裕也はニヤリと笑ながら答えた。

 

【裕也】

「だったら戦ってみるか?」

 

【霊夢】

「ちょ、ちょっと。」

 

【妖夢】

「わかりました。そっちの方が手っ取り早いですね。」

 

【裕也】

「いくぞ!」

 

裕也は妖夢に走っていったが、妖夢は木刀で裕也の頭を叩いた。裕也はすっ転び頭を地面にぶつけた。

 

【裕也】

「つっう。ま、参った。」

 

【妖夢】

「は?いや、え?」

 

妖夢は戸惑っていた。何故なら簡単に決着がついてしまったからだ。

 

【妖夢】

「貴方は本当に霊夢さんを追い詰めたんですか?」

 

裕也は頭を抱えながら答えた。

 

【裕也】

「だから、俺は違うって。どうして何だ?」

 

【妖夢】

「新聞です。」

 

【裕也】

「新聞?」

 

【妖夢】

「これです。」

 

新聞にはこう書かれてあった。

 

人里で起きた異変!主犯格は外来人か!?

 

人里に異変が起こった。その異変は人を操り悪さをすると言う物だ。何とその主犯格は外来人との事だ。その異変を解決しに来た博麗の巫女により解決したが、博麗の巫女は外来人との勝負で永遠亭に入院する程の傷を負わしたようだ。その過程で別れていた二つの人里が一つになった。その外来人の意図がわからないが、この事を追求して行きたいと思う。

 

皐月(さつき)の月13日 文々。新聞記者 射命丸 文

 

【裕也】

「なんじゃこりゃ。」

 

【妖夢】

「だから新聞です。この外来人は貴方でしょ?」

 

妖夢はそう言った。それに裕也は反論した。

 

【裕也】

「いや、それは俺だって断言出来ないでしょう?」

 

【妖夢】

「そ、そうですね。失礼します。」

 

妖夢はそう言って去って行った。

 

【幽々子】

「妖夢は騙せても私は騙されないわよ。貴方は紫以上の霊力を持っているわね。」

 

裕也は溜息を付きながら答えた。

 

【裕也】

「何で分かった。」

 

【幽々子】

「霊力が変わったからね。そりゃあ分かるわよ。」

 

【裕也】

「それで?如何するつもりなんだ?」

 

幽々子は笑ながら答えた。

 

【幽々子】

「ふふ、別に。何もしないわよ。でも、いずれは戦って見たいわね。良いかしら?」

 

裕也はも笑ながらこう答えた。

 

【裕也】

「ああ、いずれはな。」

 

【幽々子】

「それじゃあね。裕也君。」

 

【裕也】

「ああ、幽々子さんもな。」

 

幽々子はそう言って去って行った。次に現れたのはマスゴミの文と白狼天狗の椛が来た。

 

【椛】

「どうも、こんにちは。始めまして、白狼天狗の椛と言います。」

 

椛はそう言うと頭を下げた。裕也も丁寧に挨拶をした。

 

【裕也】

「丁寧な挨拶をどうも。俺の名前は桐上裕也と言います。以後お見知りおきを。」

 

【椛】

「あ!こちらこそ。私達は妖怪の山と言う山にいるので是非来て見て下さい。」

 

【裕也】

「ええ、いずれ。」

 

【椛】

「それでは、私はこれで。文さんも早めに上がって下さいね。」

 

【文】

「分かってますよ。椛。」

 

椛は去って行ったがマスゴミは残っていた。

 

【文】

「どうも!清く正しい射命丸文と言います!早速インタビューをしたいんですが?宜しいでしょうか?」

 

【裕也】

「ええ、いいですよ。」

 

裕也は二つ返事でOKを出した。それに今まで黙っていた霊夢が反対した。

 

【霊夢】

「私は反対。文貴方は嘘の記事をいつも書いているじゃない。」

 

【文】

「あやややや!そんな事はありませんよ霊夢さん。」

 

【裕也】

「大丈夫だ。」

 

【霊夢】

「裕也がいいなら私は別に。」

 

【文】

「それでは早速。まず始めに、貴方が異変を起こしたのは本当ですか?」

 

【裕也】

「何でそれを聞く?お前もその場にいた筈だろ?」

 

【文】

「あや?気づいていたんですか?」

 

【裕也】

「ああ、まあな。で?何で聞くんだ?」

 

【文】

「最初から見てないんですよ。だから、そこら編を教えて貰いたいんですよ。」

 

【裕也】

「そうか、なら答える。俺じゃない。異変を起こしたのは人里の何の能力持ってない一般市民だ。」

 

マスゴミはニヤリと笑った。

 

【文】

「へーそうですか。それは如何やって起こした異変何ですか?」

 

【裕也】

「これ以上は言えない。何故ならその人にも秘密があるんでな。それをマスコミにめちゃくちゃにして欲しくないからな。だから、言わない。」

 

【文】

「ふむ。そうですか。わかりました。それでは話を変えて、貴方の名前は何ですか?」

 

【裕也】

「俺の名前は桐上裕也。一応住処は永遠亭を使わせて貰っている。」

 

【文】

「ほう。永遠亭を。それでは。」

 

文が続きを言おうとしたら、永琳が、来た。

 

【永琳】

「文、外して貰って良いかしら?」

 

文は一瞬考えて。

 

【文】

「ふむ。わかりました。私はもう少し向こうで飲んでいますから。それでは!また後で。」

 

文は去っていった。

 

【裕也】

「それで、何の用だ永琳。」

 

【永琳】

「いやね?魔理沙のスペルカードで貴方の部屋無くなったのよ。」

 

裕也は信じられない用な表現をした。

 

【裕也】

「は?だったら俺の住む家は?」

 

【永琳】

「・・・・強く生きて。」

 

永琳はそれだけ言って去っていった。

 

【裕也】

「あ!おい!永琳!」

 

永琳は何かを思い出したように戻ってきた。

 

【永琳】

「あ!そうだ。裕也君。家が決まったら宜しく。紅楼夢に言っておくから。」

 

永琳はそれだけ言って去って行った。

 

【裕也】

「俺はこれから如何したら。」

 

【天子】

「ま!元気出しなさいよ!」

 

いきなり裕也に話しかけて来たのは、天界不良天人、比那名居 天子だった。

 

【裕也】

「ウガー!かせ!」

 

裕也は天子が持っていた瓶を取り一気飲みをした。

 

【天子】

「あ!それは。」

 

【裕也】

「ぷは~。へ?これ、酒か?ヒック。」

 

【霊夢】

「裕也?」

 

【裕也】

「だっはははは!萃香!鬼酒を持ってこいや!!」

 

裕也は萃香の場所に行き乱入して萃香の酒を奪い飲み干した、

 

【萃香】

「お!裕也~いけるじゃないか!勇儀!酒だ!」

 

【勇儀】

「おう!にいちゃんいけるじゃないか!しかも、中々強いと見た。にいちゃん名前は?」

 

【裕也】

「裕也だ!勇儀!俺も勝負して見たいな!」

 

【勇儀】

「でも、私達が怖くないのかい?」

 

それに裕也は笑ながら答えた。

 

【裕也】

「あっはははは!怖いさ!だがな、怖がっていてはいつまでもそいつの良いとこがわからないじゃないか!鬼は人を襲うと言われているが、殺しはしない。なら、そいつはただ単に、楽しく、強さを求めていたんじゃないかと俺は思うぜ。だから、殺しはしない。人間は失敗して成長する。だから殺さない。だから、怖いが、怖くない。だろ?」

 

【勇儀】

「ああ、そうだな。よーし!持っともってこい!」

 

その宴会は明け方まで続く事になった。裕也はとりあえず霊夢の家に止めて貰う事にした。

 

 

 

その頃永遠亭では。

 

【永琳】

「あら?ここに置いてあった薬は?おかしいわね?優曇華!私の部屋に入った?」

 

【優曇華】

「いいえ?入っていませんけど。」

 

【永琳】

「そう。」

 

所変わって、永遠亭の外一人の兎と人間がいた。

 

【人間】

「例の物は。」

 

【う詐欺】

「これうさ。」

 

兎は瓶を出して男に渡した。

 

【人間】

「これさえあれば。ああ、はいお金。」

 

【う詐欺】

「毎度あり。」

 

二人はそれだけ言うと自分達の場所に帰って行った。

 

後にこれが、幻想郷の崩壊の危機になる程の異変になるとはその時は誰も知る余地は無かった。

 



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第一部 第最終章・龍脈異変
龍神復活


 

 

宴会の日・・・・・・・・

 

 

妖怪の泉に一人の男がいた。男は粉末状の薬見たいな物を持ってつぶやいていた。

 

【男】

「コレさえあれば彼奴らを。」

 

男が薬を飲もうとした瞬間、白狼天狗の犬走椛が男に向かって怒鳴り上げた。

 

【椛】

「貴様!何をしている!」

 

【男】

「うわ!?」

 

男は驚きその薬ごと泉落ちた。

 

【椛】

「な!?お前大丈夫か!」

 

椛は直ぐに男を引き上げた、そして怒った。

 

【男】

「げほ、ごほ。はあ、はあ。」

 

【椛】

「たく。貴方ここが何処だかわかっているんですか!」

 

【男】

「ち!」

 

男は舌打ちをして去って行った。椛は他の場所に行か無いように男を追っかけて行った。勿論薬は泉に溶けてなくなっていた。泉には誰もいなくなった。その瞬間泉が光り輝いた。そこから一人の少年が現れた。

 

【少年】

「ここが今の幻想郷か。結界も制度が落ちて来ているな。今の巫女は何をしているんだ?・・・・情報が少な過ぎるな。しばらく人間の振りでもして情報を頭に入れるか。」

 

少年はそういいながら消えて行った。

 

 

博麗神社・宴会から12日目

 

【裕也】

「なあ、霊夢。」

 

【霊夢】

「なに?」

 

霊夢はけだるそうに答えた。

 

【裕也】

「幻想郷の雨ってこんなに長いのか?」

 

【霊夢】

「さーねー。きっとどっかの馬鹿天子が天気でも弄っているんでしょ、気にしない方がいいわよ。」

 

やっぱりけだるそうに霊夢は答えた。

 

【裕也】

「天子?ああ、天人の。そいつも能力持ちなのか?」

 

【霊夢】

「ええ、確か何だったっけな?」

 

霊夢が思い出そうとした時にいきなり声が聞こえた。その声は比那名居 天子だった。

 

【天子】

「大地を操る程度の能力よ。でも、非想の剣を手に入れて気質を見極める程度の能力が追加したのよ。忘れ無いでよね。」

 

【霊夢】

「あら、天子じゃないの。どうしたの?」

 

【天子】

「と、そうだ!異変よ霊夢!天界にも雨やら嵐が来てるのよ!五月蝿くて眠れ無いのよ。」

 

霊夢はどうでもいい様な飽きれた顔をした。

 

【霊夢】

「はあ~?何言ってんのよ。あんたが操っているんでしょ?」

 

それに天子は怒りながら答えた。

 

【天子】

「今回は私じゃないわよ!そんなに疑ってんなら後でいくらでも相手になるわよ!だから早く異変を解決しなさいよ!」

 

【霊夢】

「あんたは異変異変って騒いでいるけど被害にあってないんでしょ?なら気にすること無いんじゃないの?」

 

と、霊夢がいい終わった瞬間に神社に雷と嵐が同時に起こり霊夢、裕也、天子の三人は外に吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。そして、霊夢が起き上がってみた光景は。

 

【霊夢】

「な、ななな、なんじゃこりゃゃゃゃ!!」

 

外装や内装そして骨組みまで無くなった神社だった。裕也は霊夢を慰めた。

 

【裕也】

「まあ、元気だせ。」

 

すると霊夢はいきなり怒鳴り上げた。

 

【霊夢】

「裕也!この異変の奴を見つけてぶっ飛ばすわよ!」

 

【裕也】

「ちょっと待て霊夢。」

 

霊夢は腕を引っ張ったが裕也はその腕をほどいた。

 

【霊夢】

「あに!何か文句があんの!」

 

【裕也】

「お前は暴力団かなんかか?少し落ち付け。」

 

裕也は霊夢をなだめた。しかし霊夢は頭に血が上っているらしく、裕也の言葉を無視して何処かに行ってしまった。

 

【裕也】

「あ、はあ。天子、少しいいか?」

 

ボーッとしていた天子だったが裕也が言葉をかけると反応した。

 

【天子】

「あ、な、何かしら!」

 

天子は立ち上がり恥ずかしそうに答えた。裕也は疑問言おうとしたら、一人の女性が降りて来た。

 

【衣玖】

「総督妹様!大変です!博麗の巫女はいますか!」

 

怒鳴りながら天子のもとに近づいた。

 

【天子】

「あら、衣玖じゃない。どうしたのよ?霊夢なら出て行ったけど。」

 

【衣玖】

「なんて事だ。私がもう少し早く来ていれば!」

 

衣玖はかなり慌てているようだった。

 

【天子】

「一体如何したのよ?貴女がそんなに焦るなんて珍しい。私にも分かるように説明しなさい。」

 

【衣玖】

「は、はい。実は、天界が無くなりました。」

 

天子は信じられ無い顔をした。

 

【天子】

「な、んで、すって?衣玖!詳しく説明しなさい!今すぐ!」

 

天子は衣玖の胸ぐらを掴み上げた。

 

【衣玖】

「ぐ、が。そ、総督、妹、さ、ま。」

 

衣玖は苦しそうに呟いた。しかし天子は手を離さなかった。天子は泣いていた。

 

【天子】

「あんたを信じてたのに!私より凄くて!私を大切に思っていたあんたを信じてたのに!あんたなら天界を守れると信じてたのに!なんで!如何してだ!答えろ!衣玖!」

 

衣玖はうなだれて・・・・苦しそうに、涙を流して、小さな声で・・・・謝っていた。

 

【衣玖】

「すみ、ませ、ん。天、子、さ、ま。」

 

衣玖が謝っていたが天子は頭に血が上っているらしく、聞こえて無い様子だった。静かに聞いていた裕也であったが、衣玖のその言葉を聞いても何も感じようとしない天子の肩を掴み、おもっきり殴った。その衝撃により、天子が掴んでいた衣玖の胸ぐらにある手が解き衣玖はその場に苦しそうに倒れ、天子は数m吹き飛ばされた。

 

【天子】

「ったいわね!何すんのよ!」

 

天子は怒鳴り上げながら答えた。それに裕也は静かに、そして、確かし聞こえる声で喋ってた。

 

【裕也】

「衣玖を見てみろ。」

 

【天子】

「あによ!一体!! あ。」

 

【衣玖】

「げぼ、ごほ、はあ、はあ。」

 

天子は自分を慕ってくれていた大事な友達を怒りで我を忘れ傷付けてしまった事に後悔をした。だが、素直に謝れなかった。自分の中にあるちっぽけなプライドが邪魔をしたのだ。

 

【天子】

「ふ、ふん。守れなかった奴がいけないのよ!」

 

天子はそっぽを向きながらそう答えた。これには裕也も切れたらしく裕也は怒鳴り上げた。

 

【裕也】

「ふざけるのも大概にしろよ!!クソ天子!!!守れなかった奴が悪いだ!?何だその言い方は!こいつは一生懸命に戦ったんだぞ!!見てなくても分かる!あいつを見ていれだな!貴様はずっと一緒にいるのにそんだ事も分からないのか!あいつをよく見てみろ!」

 

天子は裕也の霊力に少し恐怖を覚え震えたが、裕也が言った様に衣玖を見てみた。そしたら傷だらけで服もボロボロだった。・・・・見てて痛々しい程に。それを見て心が痛み出したが、それでも、やっぱりプライドが邪魔をした。

 

【天子】

「そ、それがどうしたのよ。守れなかった負け犬にはお似合いの格好よ。」

 

裕也はギリリと歯ぎしりをした。その時に声が聞こえた。

 

(崩して。)

 

【裕也】

「あ、な、何だ?どっから。」

 

裕也は神経を集中させた。そうしたら天子の方から声が聞こえた。

 

(誰か打ち砕いて。私のプライドを。そして謝れる勇気を。誰か!)

 

【裕也】

「そう、か。これは天子の思いか。なら、叶えてやる。」

 

天子は馬鹿にした言葉を並べた。

 

【天子】

「如何したのかしら?私の霊力に怖さでも感じた?人間の分際で私に楯突くなんて早いのよ。」

 

裕也は覚悟を決めた。天人と戦う覚悟を。そして謝らせる方法を。

 

【裕也】

「天子、俺と勝負しろ!」

 

【天子】

「はあ~?何であんたと勝負しなくちゃいけないのよ!」

 

【裕也】

「本当はありがとうって言いたいんだろ?謝りたいんだろ?でも、プライドが邪魔をして出来ないんだろ?だったら勝負でお前のプライドを打ち砕いてやるよ!」

 

天子は心でありがとうと言いながらこう答えた。

 

【天子】

「ふん!できる物ならやって見なさいよ。人間!」

 

【裕也】

「だが少しだけ待ってくれ。」

 

天子は飽きれた顔をした。

 

【天子】

「はあ~?」

 

【裕也】

「衣玖を安全な場所に連れて行かないと駄目だろ。」

 

そう言うと衣玖を抱きかかえ天子に後ろを向け近くにある木々に衣玖をおいた。衣玖は弱々しくこう言った。

 

【衣玖】

「天子、様を、よろ、しく、お願い、します。」

 

衣玖はそれだけを言うと気絶した。

 

 

【天子】

「もういいかしら?」

 

衣玖を木々に休ました裕也は天子の元に行った。

 

【裕也】

「行くぞ。」

 

【天子】

「ふ、きな。え?きゃ!」

 

裕也がそう言った瞬間天子は地面に倒れていた。

 

【天子】

「な、何しなの!?」

 

天子は驚きながら裕也に聞いた。

 

【裕也】

「簡単な話だ。霊力を足と手に纏わせ高速で移動をしただけだ。次、行くぞ?」

 

【天子】

「く!舐めないで!」

 

要石「天地開闢プレス」

 

天子は非想の剣を付きながらスペルを唱えた。すると、地面が浮かび上がり要石の形になり裕也を襲った。因みにここまでの時間5秒。

 

【裕也】

「甘い!」

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

裕也の拳に青い炎が纏いそれが火の鳥となって天子の技もろとも天子を吹き飛ばした。

 

【天子】

「が!ぐ!」

 

天子は直ぐに立ち上がろうとするが裕也の追い討ちが襲った。

 

【裕也】

「まだだ!」

 

血付「針棘の山」

 

針と棘で出来た山が動けない天子に襲いかかった。勿論天子はよける事が出来ずに全て食らった。

 

【天子】

「かっは!」

 

天子は一瞬意識が飛びそうになったが気合で意識をとどめた。天子は苦しみながら立ち上がった。

 

【天子】

「天人を、舐め、ないでよね!」

 

乾坤「荒々しくも母なる大地よ」

 

天子がそのスペルを使うと裕也の周りの地面が形を変え、四角い箱のような物になり裕也はその中に閉じ込められた。そしてそのすぐ後に天子は非想の剣を四角い箱の真ん中に突き立てた。

 

【裕也】

「がぁぁぁ!」

 

裕也は大きい悲鳴を上げた。

 

【天子】

「は、はは、あっははははは!人間が私に敵う訳がないのよ!」

 

天子は少し涙を流しながら答えた。しかし裕也を閉じ込めている剣が刺さった四角い箱がいきなり揺れ始めた。

 

【天子】

「? なに?」

 

【裕也】

「少しは、素直になったんじゃないか?」

 

裕也の声が聞こえたと思ったら四角い箱の上に立っていた。

 

【天子】

「な!どうして!」

 

【裕也】

「スペルカードのおかげだよ。」

 

裕也がそう言うと四角い箱のような物は崩れ去った。天子は疑問をそのまま裕也に聞いた。

 

【天子】

「スペルカード?」

 

裕也は説明がしずらそうに頭を掻きながら答えた。

 

【裕也】

「見せた方が早いな。」

 

裕也はそう言うとスペルカードを取り出し唱えた。

 

歴史「自己像幻視(ドッペルゲンガー)」

 

そう言うと裕也が二人になったその一人が答えた。

 

【裕也】

「こう言う事さ、分かったか?」

 

天子は笑っていた。今度は嬉しそうに。

 

【天子】

「あははは!あんたは面白いね。」

 

【裕也】

「約束は忘れるなよ?」

 

【天子】

「約束?何だっけ?」

 

裕也はニヤリと笑いながら答えた。

 

【裕也】

「おいおい忘れたのか?衣玖に謝るって言ってたじゃないか。」

 

【天子】

「ああ!言ってたわね。すっかり忘れてたわ。」

 

天子は笑いながら答えた。

 

【裕也】

「それじゃあ本気で行くぜ?」

 

【天子】

「来なさい!」

 

二人の裕也はスペルカードを使った。

 

歴史「自己像幻視(ドッペルゲンガー)」

 

すると二人だった裕也が四人になった。それに天子は凄く驚いた。

 

【天子】

「な、何よそれ。反則じゃない。」

 

裕也は笑った。

 

【裕也】

「行ったじゃないか。本気で行くって。」

 

その言葉に天子も笑った。

 

【天子】

「ははははは!そうだな!私も本気で行くよ!」

 

【裕也×4】

「行くぜ!」

 

血付「針棘の山」

 

暴風「雷雲」

 

銃砲「赤銃花火(レッドジュウカスターマイン)」

 

冰心「針棘の暴風雷雲」

 

【天子】

「天人を!舐めるなよ!」

 

全人類の非想天

 

裕也と天子は最大の霊力でぶつけあい七色の大爆発がおこった。裕也は踏ん張ったが天子は耐え切れず吹き飛ばされ木にぶつかり止まった。

 

【裕也】

「づうっ。があ。」

 

【天子】

「っ・・・・ぁ・・・・」

 

裕也は少しふらつきながら天子の元に言ってスペルカードを唱えた。

 

治癒「結界治癒力」

 

そう言うとオレンジ色の三角結界が現れその中にいる天子は傷が治っていった。しばらく結界が張ってあったが、天子の傷が治ると同時にパリンッ!と、消えて無くなった。そしてそのすぐ後に天子は目が覚めた。

 

【天子】

「う、あ。くう。あー負けた負けた。」

 

天子は笑いながら答えた。

 

【裕也】

「どうだ今の気持ちは。」

 

【天子】

「清々しいわね。」

 

【裕也】

「それじゃあ俺が勝ったからしっかりやれよ?いつでも相手をしてやるかな。」

 

天子は恥ずかしそうにしていた。天子は衣玖のところに歩いて行った。そこには傷がまだあったが、さっきより元気になっていた。

 

【衣玖】

「総督妹様、あの、す」

 

衣玖が謝ろうとした瞬間先に天子が謝った。

 

【天子】

「衣玖!ごめん!」

 

【衣玖】

「そ、総督妹様!?」

 

衣玖は驚いた。いつもは謝らなくワガママで自己中の天子が自分で謝ったのだ。だから衣玖は驚いた。

 

【天子】

「こ、こんな私だけど付いて来てくれるかしら。衣玖。」

 

衣玖は感動しながら涙を流しながら答えていた。

 

【衣玖】

「ええ、私、は、一生付いて行きますよ。総督妹様。」

 

【天子】

「ありがとうね衣玖。これからもよろしく。」

 

天子はそう言いながら手を差し出した。衣玖はその手を握り返した。言葉をくわれながら。

 

【衣玖】

「こちらこそよろしくお願いします。」

 

衣玖の見せたその顔は笑顔だった。

 



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調査と運命

 

上空・元天界

 

霊夢は天界に来ていたのだが目の前の風景に言葉を飲んだ。

【霊夢】

「なに、これ。」

 

霊夢の前には"天界"だった物があった、と言うのも判断材料が空を飛んだまま立ち尽くしている天人達がいるだけだったからだ。霊夢はその中の一人に話を聞いた。

 

【霊夢】

「何があったの!」

 

天人の一人が力無く静かに語り始めた。

 

 

その話によるといきなり一人の少年がいきなり現れ、破壊して行ったのだと言う事だ。霊夢は少し信じられなかったが今の現状で嘘を付く必要が無いのは明白、なので信じる事にした。

 

【霊夢】

「成る程ね。」

 

霊夢はここにいるだけ無駄と思ったので、直ぐに行動に移した。

 

【霊夢】

「さて、どこに行こうかしら。・・・・とりあえず紅魔館かしら。」

 

霊夢は怖い顔をしながら紅魔館に向かった。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

レミリアは何かを悟った様な顔をしながらつぶやいた。

 

【レミリア】

「時期に来るわね・・・咲夜。」

 

指を鳴らしながら名前を呼ぶレミリア、すると10秒もしない内に一人の少女が現れた。

 

【咲夜】

「何で御座いましょうか。」

 

【レミリア】

「時期に霊夢がここにやって来るわ。霊夢が来たらここに案内をしてね?それから、攻撃して来たら迎撃しなさい。付いでに美鈴も起こしておきなさい。」

 

【咲夜】

「分かりました、レミリアお嬢様。」

 

咲夜はそう言うとさっき見たいに消えた。後に残ったのはレミリアだけであった。そのレミリアは紅茶を飲みながらつぶやいた。

 

【レミリア】

「ふう。今日は荒れそうね。」

 

そう言うレミリアの顔は少し微笑んでいた。

 

 

紅魔館・正門前

 

大きな葉を傘にして門の前には紅美鈴がいた。

 

【美鈴】

「・・・・・・」

 

警備?をしている美鈴の所に咲夜がやって来た。

 

【咲夜】

「美鈴、おきなさい。」

 

【美鈴】

「・・・・・」

 

【咲夜】

「美鈴?」

 

咲夜は返事が無かった美鈴の傘を取った。そして美鈴の顔を見た咲夜は何かに気づいた。

 

【美鈴】

「・・・・ZZZ」

 

【咲夜】

「こいつ、寝てやがる。・・・・」

 

幻符「殺人ドール」

 

大量のナイフが生産され美鈴に向かって向かって行った。

 

【美鈴】

「! 」

 

美鈴は避けようとしたが咲夜はまたスペルカードを使った。

 

幻世「ザ・ワールド」

 

時が止まった。世界に静寂が流れ、咲夜しか動く者は無い。

 

【咲夜】

「さて。」

 

咲夜は逃げようとしていた美鈴をナイフのある位置に置いた。

 

【咲夜】

「そして時は動き出す。」

 

【美鈴】

「え?・・・

ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

美鈴は串刺しになった。しかし美鈴は妖怪なので、直ぐに傷が治った。

 

【美鈴】

「あいたたた。いきなり何するんですか咲夜さん!」

 

美鈴はそう良いながら立った。

 

【咲夜】

「! 貴女がもたもたしているから来たじゃない。」

 

【美鈴】

「え?」

 

美鈴は咲夜の言葉に目を丸くした。何故なら機嫌が悪い霊夢がいたからだ。

 

【咲夜】

「この紅魔館に用かしら霊夢?」

 

霊夢は静かに答えた。

 

【霊夢】

「レミリアを出しなさい。」

 

【咲夜】

「理由を言いなさい。理由も無しにお嬢様の所には近づけさせる訳にはいか無いのよ。」

 

霊夢はめんどくさそうに答えた。

 

【霊夢】

「はあ~分かったわよ。レミリアに会いたい理由はこの降り続いている雨に関してよ。さあ、答えたわよ?通させて貰うわ。」

 

霊夢は殺気を立てながらそう答えた。二人は金縛りにあった見たいに動けたかった。そして、一言だけ咲夜がつぶやいた。

 

【咲夜】

「どうぞ。」

 

霊夢は何も言わずに紅魔館の中に入って行った。

 

【美鈴】

「凄い殺気でしたね、動けませんでしたよ。」

 

【咲夜】

「美鈴、あの霊夢に戦って勝てていたと思う。」

 

【美鈴】

「・・・・殺してもいいなら、ですね。私はそんな事したくありませんし、やる気もないですよ、咲夜さん。」

 

この時の美鈴を見て咲夜はもしかしたら私が一番弱いんじゃないかと感じた。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

【レミリア】

「時期に来るわね。」

 

レミリアがそう言った瞬間扉が吹き飛び博麗霊夢が現れた。

 

【霊夢】

「少しいいかしら?」

 

【レミリア】

「あら、何か用かしら?」

 

【霊夢】

「あんた、この雨や天界が無くなった理由、分かる?分からなかったらあんたの能力を使いたいんだけど。」

 

レミリアは溜息を付いた。

 

【レミリア】

「私は完璧超人じゃ無いのよ?そんな事出来る訳無いじゃない。それから、雨や天界の事は知らないわよ。」

 

霊夢は溜息をつきながらレミリアに質問した。

 

【霊夢】

「それじゃあ、未来は分かる?」

 

レミリアは霊夢を睨み付けながら霊夢に質問した。

 

【レミリア】

「・・・・それを、知って如何するの?」

 

【霊夢】

「それに背く。」

 

レミリアは笑いながら答えた。

 

【レミリア】

「ふふ。いいわ、教えてあげる。貴女はもうじき動けないほどの攻撃を受けるわ。そして、この異変を解決するのは、ボロボロになった貴女と貴女よりボロボロな男よ。私から言えるのはここまでよ。」

 

霊夢はレミリアの話を聞き少し考えながらこう答えた。

 

【霊夢】

「ふーん。そう。でも、何とかなるでしょう。それじゃあ、失礼するわ。」

 

霊夢は帰ろうとしたがレミリアが止めた。

 

【レミリア】

「ちょっと待って。」

 

【霊夢】

「ん?何?」

 

【レミリア】

「あの人間。裕也と言ったかしら、あの子をなるべく早く連れて来てくれない?」

 

霊夢はこう答えた。

 

【霊夢】

「・・・分かったわ。お礼に連れて来てあげる。直ぐにとは言わないけど。」

 

【レミリア】

「分かったわ、それで良い。でも、早くお願いね。」

 

霊夢は手を上げひらひらさせて、去って行った。レミリアは冷えた紅茶を口に付けながらつぶやいた。

 

【レミリア】

「裕也に会わないと・・・。」

 

 

霧の湖

 

【裕也】

「とりあえず来て見たが霧が濃いな。」

 

裕也は霧の湖に来ていた。と言うのも、衣玖に聞いたからだ。

 

あの後直ぐに衣玖に話を聞いた。それによると。

 

初めに天界を壊したのは少年。

 

そこからトントン拍子に崩れた。

 

その少年の特徴は金と銀色の髪と白色の服を着ている。

 

レミリアなら何かを知っているかも知れない。

 

との事を聞いた。それで裕也は霧の湖にあると言う紅魔館に向かっている所だ。

 

【裕也】

「前が見え無いか。ヤバイな。」

 

裕也はとりあえず歩いて見たその時一人の妖精が現れた。

 

【チルノ】

「この湖に何の様だ。」

 

そこに現れたのは威圧感とカリスマ性を持った最も青く、そして、冷たい目を持った妖精であった。裕也は気を引き締めながら話した。

 

【裕也】

「お前の名前は?」

 

その妖精は静かに答えた。

 

【チルノ】

「氷妖精のチルノだ。それで?この湖に何の様だ。」

 

【裕也】

「俺は紅魔館に行きたいだけだ。ここに何かをする為にきた訳じゃない。」

 

裕也とチルノが話をしていた時に一人の妖精がまた現れた。

 

 

【大妖精】

「チルノちゃん!いつものチルノちゃんに戻って!」

 

その妖精はチルノの青に対して緑色だった。裕也は心の中で急展開過ぎると思った。

 

【裕也】

「お前は?」

 

【大妖精】

「私の名前は大妖精と言います。お願いします!チルノちゃんを元に戻して下さい!」

 

大妖精は大分混乱している様で裕也が悪者見たいな言い方をしていた。チルノはそれに対してこう答えた。

 

【チルノ】

「大妖精。私は普通だ。そんなひどい事は言わ無いでくれ。」

 

【裕也】

「そう言っているが。」

 

【大妖精】

「いつものチルノちゃんじゃないもん!この雨が降って来てからだもん!絶対に変だよ!」

 

【裕也】

「なるほどな。チルノ、俺と戦って見ないか?」

 

チルノは驚いた顔をした。

 

【チルノ】

「私と勝負か。・・・・いいだろう。暇潰しにしてやる。」

 

【裕也】

「大妖精、下がっていてくれ。」

 

【大妖精】

「わ、分かりました。きっと、チルノちゃんはこの雨にやられただけなんです。だから。」

 

裕也は大妖精の頭の上に手を乗せなでた。

 

【裕也】

「安心しろ、少し手荒くなるかも知れないがな。」

 

裕也は笑顔で答えた。大妖精は裕也の本気の表情を見て、この人なら大丈夫と信頼の表情を見せながらこう答えた。

 

【大妖精】

「はい!」

 

大妖精は下がった。

 

【チルノ】

「言ったからには私を楽しませろよ?」

 

【裕也】

「こい!」

 

裕也は身構えた。チルノはスペルカードを使った。

 

水鏡「水鏡氷河」

 

裕也の周りに鏡が現れ裕也を囲み鏡の中から大きい氷が裕也に向かって全方位に降り注ぎ周りの空気が急激に下がり始めた。裕也は直ぐ反応しスペルカードを使った。

 

豪気「鬼神大発山」

 

裕也は迫ってくる大きい氷を避けながら目を瞑り赤くなった拳と周りに意識を集中させた。すると目を瞑っていた筈なのに、光が見えて来た。裕也は手をその光に当て自身の前まで近付け、その目に向かって赤くなった拳を振り下ろした。すると、パリン!と音がしてチルノの水鏡氷河が崩れ去った。

 

【チルノ】

「・・・・中々やるな。」

 

チルノは少し眉を歪ませたが直ぐに表情を引き締めた。

 

【裕也】

「この程度か。」

 

裕也はチルノを睨みながら答えた。それにチルノは、笑いながら答えた。

 

【チルノ】

「はは!いや、すまない。少し舐めていた様だ。今度は本気で行くぞ!」

 

【裕也】

「! させるか!」

 

チルノはスペルカードを出そうとしたが、裕也がいち早く気付き先制した。

 

【裕也】

「こっちも行くぞ!ミックススペル!」

 

そう言いながら裕也は二つスペルカードを出しそれを合わし使った。すると、そこから新たなスペルが現れた。裕也は二つのスペルをキャンセルし新たに出て来たスペルカードを使った。

 

風拳「鳳凰襲雷雲」

 

拳に風が纏わり付きチルノに向かい発射した。チルノはスペルカードを使うのを辞め、裕也の拳から放たれた吹き荒れる風をチルノは必死になって避けた。

 

【裕也】

「まだだ!」

 

裕也がそう言うと風が戻り裕也の身体に風が纏わり付き風の鎧を纏っている感じになった。

 

【チルノ】

「なんだ?止んだのか?なら。」

 

チルノはニヤッと笑いスペルカードを使った。

 

霧「惑わす幻想の霧」

 

裕也の周りに見えない程の霧が立ち込めた。

 

【チルノ】

「どうだ!これで周りが見え無いだろう!」

 

【裕也】

「甘い!」

 

裕也は纏っていた風の鎧を一気に解き放ち霧を吹き飛ばした。

これにはチルノも驚いた。

 

【裕也】

「驚いている暇は無いぞ!せやあ!」

 

裕也はチルノとの距離を一気に縮めチルノの腹に手を当て、おもっきり押し付けた。すると、裕也の手から青い炎の龍が現れチルノを包み込み湖の中に落ちて行った。

 

【裕也】

「やばい。やり過ぎたか?」

 

【大妖精】

「チ、チルノちゃーん!」

 

大妖精はチルノの落ちた所に近付いた。湖がブクブクと泡を出していたが大妖精がその場所に

付いた瞬間ザバッ!と大きな水飛沫を上げチルノが現れた。

 

【チルノ】

「ったいわね!何すんだこの馬鹿!」

 

【大妖精】

「チルノちゃん!元に戻ったんだね!」

 

チルノは目を丸くした。

 

【チルノ】

「あ、あれ?大ちゃん?如何してここに?それより、あれ?確かあたいは森の中にいた筈。」

 

大妖精はチルノを抱き締めた。

 

【大妖精】

「そんなのはどうでもいいよ!私はチルノちゃんが元に戻ったんだから。」

 

裕也は微笑みながらこう答えた。

 

【裕也】

「大妖精、よかったな。」

 

【大妖精】

「はい!」

 

チルノは裕也が近づくと声を上げた。

 

【チルノ】

「あー!お前はあたいを吹き飛ばした奴だな!さいきょーのあたいに挑む何て命しらすな!」

 

【裕也】

「しらす?・・・もしかして、命知らずじゃないか?」

 

チルノは顔を赤くしながら誤魔化した。

 

【チルノ】

「よ、妖精はこうゆうのよ!」

 

【裕也】

「ゆうじゃなくて、この場合は、こう言うのよ!だ。」

 

【チルノ】

「う、うるさい!うるさい!す、少し間違えただけだもん!」

 

チルノは叫びながら裕也に向かって弾幕を放った。

 

【裕也】

「・・・ぐ!」

 

裕也はその弾幕を避けようとはしなかった。裕也の身体は弾幕を浴び、湖に落ちた。

 

【チルノ】

「へ?」

 

【大妖精】

「え?」

 

チルノと大妖精は驚いた、何故ならさっきまでチルノ以上の霊力を出していたからだ。霊力は相手の強さに関わる。霊力が強ければ強い程その相手は強く、弱ければ弱い、さっきまでの裕也は完全にチルノより霊力が上だったから二人は驚いた。湖に落ちた裕也は、湖から上がりチルノ達を呼んだ。チルノ達は裕也の元に向かった。そしてチルノは裕也に質問をした。

 

【裕也】

「ふう。」

 

【チルノ】

「あんた、手を抜いたわね。」

 

【裕也】

「何故、そう思う。」

 

【チルノ】

「あたいが打った弾幕をあんたが自ら当たりに行った様に思ったから。」

 

【裕也】

「そうだ。」

 

【チルノ】

「なんでわざと負けたの?」

 

裕也はチルノの言葉に真剣な顔をして答えた。

 

【裕也】

「これは噂だが妖精は頭が弱いらしい。」

 

【チルノ】

「?」

 

チルノは裕也の言っている事が分からず首を傾げた。裕也はチルノにも分かる様に説明した。

 

【裕也】

「つまり、妖精は皆馬鹿って事だ。」

 

【チルノ】

「馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぞ!」

 

チルノはムキー!と手を上に上げ裕也を威嚇した。裕也はチルノに向かい微笑みながらこう答えた。

 

【裕也】

「でも、馬鹿って凄い事なんだぞ?」

 

【チルノ】

「? どういう意味?」

 

【裕也】

「馬鹿は確かに厄介だ。理解しないし、馬鹿みたいに自分より強い敵に向かっているし、相手の事を理解しない。でも、その汚れの無い瞳と疑わない心。だから皆信用するし、付いてもくる。だから、自信を持って良い。」

 

チルノはその言葉に心が暖かくなって行く感覚がした。チルノは顔を赤くしながらこう答えた。

 

【チルノ】

「あ、ありがとう・・・・//////」

 

【裕也】

「いや、いいさ。それじゃあ、俺は紅魔館に行くから。」

 

【チルノ】

「またねー!」

 

【大妖精】

「また来て下さい!」

 

裕也は二人の妖精に別れを告げ、紅魔館に向かって行った。

 

 

紅魔館・門前

 

裕也は門の前に付いた。そこにいたのは一人で何かをつぶやいている中国だった。

 

【美鈴】

「うう~、居眠りが出来無い。寝たら一年食事を抜かれる~。頑張れ私!今日だけだ!」

 

裕也は声をかけて見る事にした。

 

【裕也】

「済まないが、ここにレミリアって奴がいると思うんだが?」

 

【美鈴】

「! どなたですか?」

 

美鈴は直ぐに裕也に向かって殺気を放った。

 

【裕也】

「俺はレミリアに会いに来た。」

 

【美鈴】

「ほう、そうですか・・・・どの様な用件でいらしたのですか?」

 

【裕也】

「この降り続けている雨に付いての事を聞きに来た。」

 

【美鈴】

「・・・・貴方、強いですね。」

 

【裕也】

「いや弱い。妖精に負ける位の力しかない。」

 

【美鈴】

「そうですか。」

 

【裕也】

「!」

 

美鈴はいきなり裕也の目の前に立ち、拳を振るって来た。裕也はとっさに受け流し、カウンターを美鈴に決めた。美鈴はそれを防ぎ裕也との距離を離した。

 

【美鈴】

「強いじゃあ、ありませんか。」

 

【裕也】

「何のつもりだ。」

 

裕也は殺気を出しながら答えた。

 

【美鈴】

「いや、この雨で暇をしていましてね。少し、相手をしてもらえませんか?」

 

【裕也】

「・・・・相手をしたら、レミリアに取り付いで貰えるのか?」

 

【美鈴】

「いいですよ。私に勝てたら、ですけどね。」

 

美鈴は静かに中国拳法の構えをした。

 

【裕也】

「仕方ないか。格闘はありなのか?」

 

【美鈴】

「どちらでも。」

 

裕也は少し考え、美鈴に挑戦しに来た。

 

【裕也】

「なら、格闘も有りで。」

 

美鈴は笑った。

 

【美鈴】

「はは。いいですよ。受けて立ちます!」

 

【裕也】

「こっちから行くぞ!」

 

裕也は美鈴との距離を縮め弾幕を周りに展開した。すると、美鈴に数発、美鈴の周りの地面に数発当たり土埃が立ち込めた。美鈴は自分にやって来た弾幕を気を纏わせた拳で弾いた。

 

【美鈴】

「やりますね。」

 

【裕也】

「まだだ!」

 

裕也は土埃を利用し美鈴の懐に飛び込みスペルカードを使った。

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

美鈴はよける事が出来ずに直撃した。裕也から出た青い炎を纏った龍が美鈴を包み込み次に凄い風圧が美鈴を襲い美鈴は後方に吹き飛ばされた。

 

【美鈴】

「はっ!」

 

美鈴は霊撃でダメージを最小限にとどめた。

 

【裕也】

「な!?」

 

【美鈴】

「今度はこっちから行きます!」

 

彩符「極彩颱風」

 

赤、黄色、緑、白と色々な種類の弾幕が風を受け不規則な動きをしながら裕也に向かって行った。

 

【裕也】

「く!」

 

裕也は風に煽れながら何とか弾幕を避けていた。

 

【美鈴】

「まだまだ行きますよ!」

 

美鈴は弾幕の台風が終わる直前にスペルカードを使った。

 

幻符「華想夢葛」

 

美鈴は弾幕でカーテン見たいな物を4つ作り裕也の周りに展開した。すると、いきなりカーテンで出来た弾幕がパリン!と割れ、砕け散った欠片が裕也を襲った。

 

【裕也】

「な!?く!」

 

暴風「雷雲」

 

裕也は台風を自分の周りに出し、攻撃を防いだ。

 

【美鈴】

「中々。」

 

【裕也】

「く!」

 

【美鈴】

「それでは行きます・・・よ!」

 

美鈴は足に力を込めるとその反動を使い裕也との距離を縮めた。そう、美鈴は肉弾戦を挑んで来たのだ。

 

【裕也】

「待ってたぜ!この時を。」

 

【美鈴】

「なに!?」

 

裕也はスペルカードを取り出し美鈴の胸当たりに押し当てながら唱えた。

 

幻想「夢想雹炎撃」

 

炎に包まれた雹が炎の夢想封印見たいな感じになり零距離の美鈴に当たり吹っ飛ばし門を壊し庭に入った辺りでようやく止まった。

 

【美鈴】

「!?!!?」

 

美鈴は言葉に鳴らない悲鳴を上げながら気を失った。

 

【裕也】

「やば、やり過ぎたか?」

 

裕也は美鈴の元に駆け寄った。美鈴は気絶をしていた。

 

【裕也】

「ふう。」

 

治癒「結界治癒力」

 

三角の結界が美鈴の周りに展開し、美鈴の傷を癒し始めた。しばらくすると美鈴の傷は治り、目を覚ました。

 

【裕也】

「大丈夫か?」

 

【美鈴】

「ええ。しかし、強いですね~。何か形でも習っていたんですか?」

 

【裕也】

「いや、特には。でも、ここに来てから戦う事が多くなったからその時に覚えたから、形は無いな。」

 

【美鈴】

「そうですか。」

 

【裕也】

「案内はしてくれるな?」

 

【美鈴】

「わかりました。しばらくお待ち下さい。」

 

美鈴が咲夜を探しに行こうとした瞬間。

 

【咲夜】

「その必要は無いわ。」

 

その言葉と共に咲夜が姿を表した。

 

【裕也】

「あんたは?」

 

【咲夜】

「始めまして、私の名前は十六夜咲夜と申します。レミリアお嬢様の命令で貴方をお迎えに参りました。」

 

裕也は咲夜の言葉に答えず美鈴に声をかけた。

【裕也】

「美鈴、もう大丈夫か?」

 

【美鈴】

「え、あ、は、はい。大丈夫です。」

 

【裕也】

「そうか、それじゃあ。」

 

歴史「自己像幻視(ドッペルゲンガー」

 

裕也が二人に分裂した。美鈴はそれに驚いた。

 

【美鈴】

「な!これは一体。」

 

【裕也】

「もう一人の自分を出した。」

 

【美鈴】

「と、言いますと?」

 

【裕也】

「分かりやすく言うと、数分前の自分を出した。因みに、力から霊力まで数分前の俺と同じだ。」

 

【美鈴】

「す、すごいですね。」

 

【裕也】

「どんな事でも頼めよ?門の整備とかな。」

 

【美鈴】

「え?あ!」

 

美鈴の目の前にはボロボロになった庭と門があった。

 

【美鈴】

「あははは。はあ~。それではお借りしますね。」

 

裕也が返事をしようとしたら、咲夜が少し怒り口調で話して来た。

 

【咲夜】

「あなた!失礼でしょう!人が案内をすると言っているのに無視をするなんて。」

 

裕也は咲夜の言葉にこう答えた。

 

【裕也】

「ナイフを隠し持っている人には言われたく無いな。」

 

【咲夜】

「な!」

 

咲夜は驚いた。何故なら少し見ただけでナイフを持っていた事が分かったからだ。

 

【裕也】

「まあ、用心に持っているって言うなら別にいいが、数百本持っているのは用心じゃなくて、いつでも殺る事が出来るから従えとの意味とも取れる。俺は臆病者でね。怖くて一緒に行け無い。だから、ナイフを減らしてくれ無いか?」

 

【咲夜】

「はあ~、わかりました。しばらくお待ちを。」

 

咲夜はそう言うと直ぐに消え、裕也が瞬きをした瞬間にまた現れた。

 

【咲夜】

「これで良いですか?」

 

【裕也】

「ありがとう。」

 

裕也達は中に入って行った。

 

 

紅魔館・地下部屋

 

【フラン】

「か~ごーめ、か~ごーめ、か~ごのな~かのと~りいわ~、い~つーい~つーで~あーう、よ~あ~け~の~ばんに、つ~るとか~めが、す~べった、後ろのしょ~めんだ~れ?」

 

フランは歌を歌っていた。

 

一人で静かに。

 

誰かを待つみたいに。

 

【フラン】

「面白そうな人間が来たわね。ふふ、あいつはどうするのかな?いや、私が奪おう。そっちの方が面白そうだからね♪」

 

フランは扉の前にあった結界を破り外に出た。

 

【フラン】

「パチュが来るかしら?まあ関係無いわね。もし、邪魔をするなら、ふふ。楽しみ♪」

 

フランは胸を踊らせながら外に出た。

 

 

紅魔館・ヴワル魔法図書館

 

【パチュリー】

「むきゅ?これは。」

 

パチュリーはいつもの通りに本を読んでいた。そんなパチュリーは結界が破られた事を地下部屋にある魔方陣で、知った。

 

【パチュリー】

「はあ~。またなの?」

 

パチュリーは溜息を付いたと思ったら直ぐにキリッとし、小悪魔に命令をした。

 

【パチュリー】

「私がある程度防ぐからこあは、レミィに伝えて。」

 

【こあ】

「わ、わかりました!」

 

小悪魔はパタパタと羽をバタつかせ、ヴワル魔法図書館を後にした。その時丁度フランがパチュリーの前にやって来た。

 

【フラン】

「あは♪パチュリー、そこを通させて貰うよ☆」

 

【パチュリー】

「少し付き合って貰うわよ?」

 

パチュリーはそう言うと戦闘体制に付いた。

 

【フラン】

「ふーん。やるんだ♪別に良いけど・・・・・・タノシマセテヨ?」

 

【パチュリー】

「こあ、早く来てね。」

 

ズドン!と、大きい音がヴワル魔法図書館に鳴り響いた。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

こんこん、とドアを叩く音がレミリアの耳に伝わった。次に聞こえて来たのは、咲夜の声だった。

 

【咲夜】

「お嬢様、裕也様をお連れしました。」

 

レミリアはようやく来たかと安堵の表情を浮かべたが直ぐにカリスマ満点の顔に戻り、こう答えた。

 

【咲夜】

「失礼します。」

 

【裕也】

「お前がレミリアか?」

 

【咲夜】

「こら!失礼でしょう!」

 

【レミリア】

「ふふ。別に良いわよ。咲夜、しばらく二人にしてくれ無い?」

 

咲夜は少し不服な顔をしたが自分の主の命令だから渋々従った。

 

【裕也】

「さて、俺に何の用だ?」

 

【レミリア】

「実は。」

 

レミリアが説明をしようととしたら壁が崩れそこからフランが姿を現した。

 

【フラン】

「みーつけた♪」

 

【レミリア】

「な!?どうして貴女がここに!」

 

【裕也】

「? お前は。 !?」

 

裕也はいきなり蹲った。フランの感情、心の声が急に聞こえて来たのだ。

 

(みつけたみつけたみつけたみつけた強い人間面白そうな人間みつけた、ミツケタ。)

 

【裕也】

「ぐ、いきなりかよっ!」

 

【レミリア】

「ど、どうしたの!?大丈夫!」

 

レミリアは心配そうに裕也の元に向かった。

 

【裕也】

「だ、大丈夫だ。」

 

裕也は汗だくで全然大丈夫そうに見えなかった。レミリアはどうしてここにいるかをフランに聞く事にした。

 

【レミリア】

「フラン。貴女、何でここにいるのかしら?早く自分の元に戻りなさい。」

 

その言葉にフランは邪魔そうな顔をしながらこう答えた。

 

【フラン】

「五月蝿いな、邪魔するなら・・・・・コロスヨ?オ姉様」

 

レミリアは辛そうな顔を一瞬だけ見せたが、直ぐに凜とした表情に戻しフランにこう言った。

 

【レミリア】

「戻ら無いなら・・・・痛い目にあってから戻るかしら?」

 

レミリアがフランに立ち向かおうとした時、裕也によって止められた。

 

【レミリア】

「な、何を。」

 

【裕也】

「お前が俺を読んだ理由、分かったぜ。」

 

【レミリア】

「え?」

 

【裕也】

「フランの狂気をどうにかして欲しい、だろ?」

 

【レミリア】

「!!? どうしてその事を!」

 

【裕也】

「俺の能力に色々な声が聞ける程度の能力があってな。フランの心の声とお前の悲しそうな顔を見れば分かる。これでもに戦場を生き抜いた身な者だからな、そんぐらい分かる。ここは、俺に任せてくれ無いか?」

 

レミリアは一瞬考えたが裕也の真剣な表情に折れた。

 

【レミリア】

「分かった。宜しく頼むわ。」

 

裕也は二カッと笑いながら答えた。

 

【裕也】

「おう。勿論だ!・・・・さて。」

 

裕也は気合いを引き締めフランの元に行った。

 

【フラン】

「始めまして♪私はフランドール!貴方は?」

 

【裕也】

「裕也だ。」

 

【フラン】

「じゃあ裕也お兄ちゃんだね♪」

 

【裕也】

「(ふむ。)フラン。御託は良いからかかって来い。」

 

【フラン】

「あははは♪良いの?本気を出して。」

 

【裕也】

「ああ、こい。(優曇華、妹紅、力、貸して貰うぞ!」

 

裕也は目を瞑り一つのスペルカードを取り出し唱えた。

 

友情「信頼の力」

 

裕也がそう唱え目を開けると裕也の髪が白色になり目が赤く光輝いた。まるで女性の様な気品とカリスマが溢れていた。

 

【裕也】

「さあ、始めようか。お前の狂気を封印してやる。」

 

裕也はフランの狂気を治す戦いが始まった。

 



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運命と裕也

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

【裕也】

「行くぞ。」

 

裕也が手を翳すと炎が現れ、それを丸めフランに投げた。

 

【フラン】

「無駄だよ♪」

 

フランは片手を炎の前に出し、こう言った。

 

【フラン】

「きゅっとしてドカーン♪」

 

フランがそう言いながら片手を握った。すると炎が消滅した。裕也はその隙を見て近くに近寄りフランの頭を持ち、床に強く叩き付けた。すると床が抜け、裕也達は下に落ちていった。

 

【レミリア】

「裕也、フラン、無事で。」

 

 

紅魔館・フランの地下部屋

 

レミリアの部屋からフランの地下部屋までフランの頭を床に叩き付けながら付いた。裕也はフランの地下部屋の天上に穴を開け、床に着く前にフランを蹴り飛ばした。フランはそれだけの攻撃を受けながら無傷だった。

 

【フラン】

「へ~、中々やるね。これは楽しめそう♪」

 

【裕也】

「やっぱり無傷だったか。だが、これで良い。まずは、レミリアからフランを離すのが先決だっ

たからな。」

 

裕也は気を引き締めた。

 

【フラン】

「今度は私から行くよ♪」

 

禁忌「クランベリートラップ」

 

大量の赤みがかった青色の弾幕が裕也を襲う。

 

【裕也】

「よし。」

 

裕也は赤い目で全ての弾幕を見た。すると弾幕は近くの弾幕に当たって行き消滅した。

 

【フラン】

「凄い凄い。如何やったかは知らないけど凄いね、裕也お兄ちゃんは。じゃあ、これはどうかな?」

 

禁弾「スターボウブレイク」

 

上が赤、下が紫、周りが青色の濃い弾幕が裕也に向かって放たれた。

 

【裕也】

「ふう。行くぞ!」

 

裕也はそう言うと全身に炎を纏わせ、フランのスペルを正面から向かっていった。

 

【裕也】

「やぁ!」

 

裕也は弾幕が当たるか当たらないかの所で、纏っていた炎を片腕に集中し、一気に解き放った。フランの弾幕は裕也の炎の塊が飲み込んで行き、消えた。

 

【フラン】

「へー凄い。これで二つ目だよ。じゃあ、次に行くよ♪」

 

禁弾「カタディオプトリック」

 

黄色の弾幕が大量に放たれ、床や壁に当たりその弾幕が反射し不規則な動きをしながら裕也を取り囲むようにして、反射した。

 

【裕也】

「く!」

 

裕也はもう一回自分の体を炎に包ませて、弾幕を防いでいた。

 

【フラン】

「あはは♪頑張る頑張るね♪いつまでタエレルカシラ」

 

【裕也】

「ぐ!」

 

裕也は耐えていた。

 

【フラン】

「へー。まだ耐えるんだ。なら、これはドオ?」

 

禁忌「恋の迷路」

 

濃い密度の弾幕が囲いのようになり裕也を囲んで行った。しかし裕也はさっきの弾幕。禁弾「カタディオプトリック」を避けていてそれどころでは、無かった。

 

【裕也】

「これは、ヤバイか!くそ!仕方ないか。」

 

裕也は自ら弾幕に当たりに行った。

 

【裕也】

「がぁぁぁぁぁ!!!!」

 

裕也はその弾幕に当たり吹き飛ばされ、壁に体を叩き付けられた。

 

【裕也】

「かはっ!」

 

裕也はその場に倒れこんだ。

 

【フラン】

「アハハハ♪ここまで良くやったね。褒めてあげるよ♪でも、もうお終い見たいだね。それじゃあ、死んじゃえ♪」

 

フランは止めの弾幕を裕也に向かって放った。

 

【裕也】

「!? ごほ!かっ、は」

 

裕也はその弾幕を受け、崩れた瓦礫の下敷きになった。フランは少し悲しい表情をした。

 

【フラン】

「貴方も、駄目だった。私の狂気を治した人はいたけど、皆、帰っちゃった。その度にまた、蝕まれる。無理なのかな?外に出て見たい。力を操りたい。皆と、遊びたいよ。」

 

フランは泣いていた。フラン自身、狂いたくて狂った訳じゃない。皆がそう望んだから、皆がそう決め付けたから、フランは狂気に蝕まれていた。フランはそれを認めるしか無かった。嫌われたく無いから、邪魔者になりたく無かったから。しかし、皆が決め付け、望んだ事になってもやっぱり邪魔者扱いを受けている。

 

【フラン】

「やっぱり、私は生きていちゃ駄目なのかな?でも、何でだろ?今まではそんなに考え無かったのに、裕也お兄ちゃんと戦って見てもしかしたら、ひょっとしたらって、期待しちゃった。でも、それは、私の勘違い。」

 

「違う。」

 

【フラン】

「え?今、誰が。」

 

「狂気は治せる。絶対に!」

 

【フラン】

「!? まさか!」

 

フランは瓦礫に埋まっている場所を見た。

 

【裕也】

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「フェニックス再誕」

 

その声が聞こえた時、瓦礫からフェニックスのような形をした炎の真ん中に裕也がいた。その姿は本当に不死鳥なんじゃ無いかって思える程、綺麗だった。

 

【フラン】

「うわー綺麗。」

 

フランは余りにも美し過ぎて見惚れていた。

 

【裕也】

「フラン!今度は、こっちから行くぞ!」

 

再誕「浄化と再生」

 

裕也はスペルカードを使った。するとフェニックスの形をした炎が太陽のように暖かく、そして神々しく光輝いた。

 

【フラン】

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。」

 

フランは狂ったかのように笑った。

 

【フラン】

「凄い!凄いや!ワタシモ本気でイカナキャシツレイダ!こっちも!全力でイクヨ!」

 

QED「495年の波紋」

 

全ての終わりと495年の思いを波紋と言う広がって行く輪っかに込めそれらを一ヶ所に纏めそして、解き放った。フランの全ての力と想いを最後の弾幕に乗せて。

 

【裕也】

「だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

【フラン】

「アハハハハ!!シネェ!」

 

二人の弾幕、いや、想いがぶつかり合った。その瞬間紅魔館に地震見たいな振動が鳴り響いた。

 

 

紅魔館・門

 

【美鈴】

「うわ、うわ、な、何だこの霊力と地震。」

 

【裕也】

「大丈夫ですか!美鈴さん。」

 

【美鈴】

「あ、はい!(妹様。)」

 

 

紅魔館・廊下

 

【咲夜】

「な!これは!?早くお嬢様の所に行かないと!」

 

咲夜は掃除を辞めレミリアの元に向かった。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

【レミリア】

「!? この霊力は!フラン。」

 

レミリアはフランと裕也の無事を祈っていた。

 

 

紅魔館・フランの地下部屋

 

【裕也】

「どうした!フラン!お前の狂気はそんな物か!」

 

【フラン】

「アハハハハ!アッハハハハは、げぼ、げえぇ!」

 

フランは血を吐き出した。

 

【フラン】

「な”に”ごれ、げほ、ごぼ!」

 

【裕也】

「な、何だ!一体!」

 

裕也は混乱していた。フランがいきなり吐いたからだ。弾幕はまだ続いている。だから霊力の問題じゃ無い。裕也は考えた。

 

【裕也】

「!? まさか!」

 

裕也は一つの可能性を考えた。それは、フラン自身が皆が、つまり幻想郷が決めたフランは"気に触れている"をはね返そうとしている可能性!

 

【裕也】

「それなら、納得だ!」

 

幻想郷は全てを受け入れる人の想いも、どんな殺人鬼でも、そして、人が決めた事も。いつかは知ら無いがフランは狂気が当たり前。それが皆の、幻想郷当然になってしまった。だから幻想郷はその決まりを受け入れた。当たり前だ、皆がそう"決めた"からだ。だからフランは狂気、気に触れていなければならない。でも、フランは自らその決まりを跳ね除けようとしている。だからそれが体に負担をかけている。裕也はそう確信していた。

 

【裕也】

「やばい!早くフランを何とかしないと!フランが死ぬ!くそ!どうする。・・・・! そうだ!一か八かだ!」

 

【フラン】

「がぁぁぁ!頭がぁぁぁぁ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か助けて助けて助けて助けてもうやだ普通が良い褒められたい狂気を治したい外に遊びたい頭を撫でて貰いたいあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

フランは苦しみの余り、うずくまった。

 

【裕也】

「フラン!!こっちを見ろ!!」

 

フランは顔が上げる事が出来なかったから、首を裕也の方に向けた。

 

【裕也】

「痛いが我慢しろよ!づあぁぁぁ!」

 

裕也は495年の波紋を破り、フェニックスの姿のままフランの腹をおもっきり殴りそのまま上に上がった。

 

【フラン】

「ごげえ!」

 

フランはさっきよりも酷い嗚咽を吐きながら裕也の目を見た。

 

【フラン】

「裕也、お兄ちゃん。有難う。」

 

【裕也】

「いいさ。」

 

裕也はぐんぐん上に上がって行き紅魔館を過ぎてもまだ上に上がっていった。

 

その様子は幻想郷に住む全ての人間、妖怪、地下にいる妖怪全てがその姿、霊力を感じ取っていた。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

【レミリア】

「あれは!裕也なの!フラン。」

 

レミリアは嬉しそうな顔をしていた。

 

【レミリア】

「狂気なんてどうでもいいわよね。」

 

 

紅魔館・門

 

【美鈴】

「これは、凄い。それに、何だろう。妹様の狂気何て屁でも無い感じがして来ますね。そう。誰だってあるんですから。」

 

 

紅魔館・レミリアの部屋前

 

咲夜は窓を見ていた。

 

【咲夜】

「これ、は?あれを見ていると心が静まって行く。狂気何てどうでも良くなって行く。」

 

 

魔法の森・魔理沙の家

 

【魔理沙】

「なんだぜこの霊力は!」

 

魔理沙はそう感じ外に出で見た。すると大きい綺麗な炎の鳥が上に上がって行く様子が見えた。

 

【魔理沙】

「何だぜあれは。何か気持ちが安らぐ。狂気何てどうだって良い。」

 

 

魔法の森・アリスの家

 

アリスは少し荒れていた。良いアイデアと人形が思いつかなかったからだ。そんなアリスは、尋常じゃ無い霊力を感じ外に出た。

 

【アリス】

「綺麗。・・・・少し休みますか。」

 

アリスは思い付かなくたってゆっくりして行けば良いと、その姿を見ているとそう感じた。

 

 

地霊殿・繁華街

 

【勇儀】

「・・・・へー。あたしより強いかな?いや、本気を出して互角か、押し負ける位かな?兎に角、地上には面白そうな人間がいるじゃ無いか。ここに来てくれないかな~。」

 

勇儀は杯をクイっと口に運びながらつぶやいた。

 

 

マヨヒガ・庭

 

【橙】

「藍しゃま!藍しゃま!見て下さい!」

 

【藍】

「ああ、凄いな橙。紫様。」

 

【紫】

「ええ、確かに凄いわね。幻想郷の常識を変えるなんて。そんな事私だって出来ないのにね。」

 

【藍】

「そうですね。」

 

【紫】

「これで、あの子から狂気は無くなったし、思いもしないでしょうね。」

 

紫は素直に驚いていた。何故なら常識を覆したからだ。

 

【紫】

「一回合わなくてはならなくなったわ。裕也君。」

 

 

???・???

 

【少年】

「ほう。私と同等の力かな?ふふ。面白い。情報も揃って来た。会いに行くかな。でも、その前に、ようこそ、博麗の巫女よ。」

 

【霊夢】

「あんたが、この異変の主犯格ね。探したわよ?」

 

【少年】

「よく、ここが分かったな。」

 

【霊夢】

「感よ。」

 

【少年】

「感、ね。青いな。され、博麗の巫女よ。お前はまだ私と戦うのは早い。私に勝ちたいならせめて神に近し人間を連れて来い。それなら、いい勝負が出来るだろう。」

 

【霊夢】

「なに?その言い方だと私じゃ貴方に勝てないって言ってる見たいじゃない。」

 

【少年】

「そう言っている。博麗の巫女よ。」

 

【霊夢】

「博麗の巫女博麗の巫女って!私の名前は博麗霊夢よ!」

 

【少年】

「ふん。やると言うのか?よかろう。相手をしてやる。」

 

【霊夢】

「舐めるな!」

 

【少年】

「ふっ!」

 

【霊夢】

「!?」

 

ズドン!と大きな音が鳴り響いた。

 

 

上空・大空

 

【裕也】

「フラン。フラン。」

 

【フラン】

「んむ?ここわ~。」

 

【裕也】

「下を見て見ろ。」

 

【フラン】

「ん~?わは~!綺麗。」

 

フランが見た風景は幻想郷を上空から見た姿だった。その風景は幻想郷の姿をそのまま表して行き、とても綺麗だった。

 

【裕也】

「下におりるぞ。」

 

【フラン】

「え~まだ見ていたいよ~。」

 

【裕也】

「また今度見せてやるから、それで良いだろ?」

 

【フラン】

「分かった。」

 

【裕也】

「うし!それじゃあ一気に行くから捕まってろ。」

 

【フラン】

「うん♪」

 

フランは裕也を抱きしめるように捕まった。裕也はそれを見ると一気に下に降りた。その途中で、周りの炎が途切れた。裕也はフランが雨に当たらないように庇い、紅魔館に戻った。

 

 

紅魔館・レミリアの部屋

 

【レミリア】

「フラン。」

 

【フラン】

「・・・・」

 

フランは裕也の後ろに隠れた。

 

【裕也】

「フラン。レミリアはフランと向き合おうとしている。お前も自分自身とレミリアに向き合え。」

 

フランは裕也の言葉を聞き、前に出て来た。

 

【フラン】

「あの、お姉様。その。」

 

レミリアはフランを抱き締めた。フランは戸惑っていた。

 

【フラン】

「え!あっと!え?お姉様?」

 

レミリアは優しくフランに話しかけた。

 

【レミリア】

「ごめんね。貴女の事を考えないで自分が怖いから、守りたいからって閉じ込めて。それを貴女に説明しなくて、ごめんね。これからは、自由で良いから分からなかったら私が教えるから、外には無理だけどそれ意外なら何とかするから、私を、許してくれる?フラン。」

 

そう言うレミリアの言葉は震えていた。

 

【フラン】

「これ、からは、自由で良いんだね?」

 

【レミリア】

「うん。」

 

【フラン】

「じゃあさ、一つ約束して?」

 

【レミリア】

「なに?」

 

【フラン】

「何十年、何百年、かかっても能力を自由に操れるようにするから、そうしたら、外に出て良い。」

 

【レミリア】

「フラン。」

 

【フラン】

「私、頑張るから。それで、迷惑をかけるかもしれないけど、でも!頑張るから!」

 

フランはレミリアの目を真っ直ぐ見つめた。それは、何があっても頑張ると言う覚悟と勇気が宿っていた。

 

【レミリア】

「分かったわ。」

 

【フラン】

「ほ、本当!」

 

【レミリア】

「ただし!私からも条件を出すわ。」

 

【フラン】

「う、うん!」

 

フランは少し緊張をした様子だった。

 

【レミリア】

「能力を自由に操れる練習をする時は私を必ず呼ぶこと。これが条件よ。」

 

【フラン】

「え?どう言う意味?」

 

レミリアは恥ずかしそうに話した。

 

【レミリア】

「だから、私も手伝うわよ。」

 

フランはその言葉を聞いた瞬間レミリアを強く抱き締めた。

 

【フラン】

「ありがとう!お姉様!」

 

【レミリア】

「ちょ!フラン!首!首しまってるから!」

 

【フラン】

「あ!ごめんごめん!えへへ。」

 

【裕也】

「フラン、レミリア、よかったな。」

 

【フラン】

「うん!」

 

【レミリア】

「ありがとう。裕也。」

 

【裕也】

「いいさ。それで、話していいか?」

 

【レミリア】

「そうだったわね。それでなにかしら。」

 

【裕也】

「この異変に付いて何かレミリアなら分かるかもしれないと聞いてな?それで、話に来たんだ。」

 

【レミリア】

「悪いけど分からないわ。」

 

【裕也】

「そうか。」

 

【レミリア】

「永遠亭。」

 

【裕也】

「え?」

 

【レミリア】

「永遠亭に行って見て。そこから動き出すから。」

 

裕也は悩んだが直ぐに決めた。

 

【裕也】

「分かった。ありがとうな。」

 

裕也は紅魔館を出ようとした。

 

【フラン】

「またね。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也は門に向かって歩いた。裕也が見えなくなってからレミリアはフランに話しかけた。

 

【レミリア】

「行かなくてよかったの、フラン。」

 

【フラン】

「うん。約束したもん。」

 

【レミリア】

「そう。」

 

レミリアは裕也に感謝した。狂気をなくしてくれてありがとうと。

 

 

紅魔館・門

 

【美鈴】

「ふう。ようやく終わった。ありがとうございます。」

 

【裕也】

「いや、別にいい。それじゃあな。」

 

裕也(分身)は消えた。その時紅魔館の中から本物が現れた。

 

【美鈴】

「あれ?帰るんですか?」

 

【裕也】

「ああ。またな。」

 

【美鈴】

「はい。気を付けて。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也は紅魔館を後にし永遠亭に向かった。

 



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暴走霊夢と裕也

 

迷いの竹林

 

【裕也】

「この先か。ん?あそこにいるのは、妹紅か?」

 

竹林に歩いていたのは妹紅だった。

 

【裕也】

「おーい。妹紅ー。」

 

【妹紅】

「ん?なんだ裕也じゃないか、どうしたこんな所で?」

 

【裕也】

「永遠亭に向かう途中なんだ。そう言うお前はどうしてここにいるんだ?」

 

【妹紅】

「私か?私はこの迷いの竹林の案内係をやっているんだ。」

 

【裕也】

「それは丁度いいな。妹紅、連れて行ってくれ。」

 

【妹紅】

「それはいいが、どうしてだ?みた所怪我をしている訳でも、怪我人を背負っている訳でも無いのになんでだ?」

 

裕也は妹紅にこれまでの経緯を教えた。

 

【妹紅】

「なる程な、あの時に感じたのはお前の仕業か。」

 

【裕也】

「気持ちが安らいだあれだな?だったら多分それは俺だ。俺のスペルカードの、再誕「浄化と再生」は、相手の心を癒し怒りや悲しみ、そして狂気を封印する為に作ったスペルカードだからな。多分、俺の漏れ出した霊力がスペルカードで増幅され、幻想郷中に広がって行き、心を癒したんだろ。」

 

【妹紅】

「あ、相変わらず凄いな。」

 

【裕也】

「そうか?まあ、そう言う訳だから頼む。」

 

【妹紅】

「ああ、分かった。」

 

妹紅は裕也を迷いの竹林に案内した。

 

 

迷いの竹林・永遠亭門前

 

【裕也】

「案内ありがとう。」

 

【妹紅】

「いいさ、この位。それじゃあね。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

妹紅はそう言うと迷いの竹林にもどって行った。

 

【裕也】

「さて、行くか。」

 

裕也が進もうとしたその瞬間、ズドン!と、大きい音が永遠亭の中から聞こえて来た。

 

【裕也】

「なんだ!向こう側か!」

 

裕也は永遠亭の中に入って行った。

 

 

永遠亭・廊下

 

【裕也】

「これは、酷いな。」

 

裕也の目の前に映ったのは、ボロボロになった永遠亭と大量の怪我した兎達だ。その中に紅楼夢がいた。

 

【裕也】

「!? 紅楼夢!どうした!大丈夫か!」

 

裕也は近くにいた兎達を紅楼夢の場所に集めスペルカードを唱えた。

 

治癒「結界治癒力」

 

傷を治す結界が紅楼夢の周りに展開した。暫くすると紅楼夢は目が覚めた。

 

【紅楼夢】

「う、く。あ?」

 

【裕也】

「気が付いたか?」

 

【紅楼夢】

「裕也、さん?」

 

紅楼夢は辛そうに答えた。

 

【裕也】

「久しぶりだな。紅楼夢。」

 

裕也は笑ながら答えた。それに紅楼夢は嬉しそうにこう答えた。

 

【紅楼夢】

「お久しぶりです。裕也さん。」

 

【裕也】

「ああ。早速で悪いが何が合ったんだ?」

 

【紅楼夢】

「実は。」

 

時間は霊夢が運ばれた時に戻る。

 

 

永遠亭・診療所

 

【永琳】

「これは酷いわね。優曇華!直ぐに薬を持って来て!」

 

【優曇華】

「は、はい!分かりました!」

 

優曇華は慌てて薬を取りに行った。

 

【永琳】

「く、すごい熱だ!怪我も酷いし、一体何が合ったんだ!霊夢。」

 

【霊夢】

「はあ、はあ、はあ、く!は、あ!はあ、はあ、うっ!はあ、はあ、はあ。」

 

霊夢は苦しそうにしていたが、何かを呟やいたかと思ったら、いきなり立ち上がり永琳に攻撃をして来た。

 

【永琳】

「な!?霊夢!貴女何を!」

 

【霊夢】

「っあ!はあ、はあ、うっく!」

 

霊夢は苦しそうに息を吐いているだけで、答えようとしない。

 

【紅楼夢】

「一体どうしたんですかこれは!?」

 

【永琳】

「!? 紅楼夢!?来ちゃダメ!」

 

【紅楼夢】

「え?」

 

霊符「夢想封印」

 

【紅楼夢】

「かはっ!あぁぁぁぁ!」

 

紅楼夢は霊夢の技を受け吹き飛ばされた。

 

【紅楼夢】

「ぅ、ぁ、霊夢、さん。」

 

紅楼夢は気絶した。

 

 

永遠亭・廊下

 

【紅楼夢】

「これで全部です。」

 

【裕也】

「そうか。ありがとう。」

 

裕也は歩き出した。

 

【紅楼夢】

「ど、どこに行くんですか!」

 

【裕也】

「決まってるだろ。霊夢のとこだよ。」

 

紅楼夢は反対した。

 

【紅楼夢】

「だ、駄目です!危険です!それにこの怪我人をほって置くんですか!」

 

裕也は怒り口調で話した。

 

【裕也】

「俺だってな!みてやりてぇよ!でもな!霊夢をほっといたらもっと大変な事になる!だから行かなきゃ行けないんだよ!」

 

その言葉に紅楼夢は怒った。

 

【紅楼夢】

「だったら私が行きます!貴方はここで怪我人を見ていて下さい!」

 

裕也は溜息を吐きながら答えた。

 

【裕也】

「は~。あのな?いいか?俺はお前なら大丈夫と思ってここを任すって言っているんだ。」

 

裕也のその言葉に紅楼夢はポカンとした顔をした。

 

【紅楼夢】

「え?」

 

裕也は笑顔で紅楼夢に話した。

 

【裕也】

「お前はずっと永琳の元で勉強をしていた筈だ、そうだろ?」

 

【紅楼夢】

「はい。」

 

【裕也】

「なら、俺より大量の知識が入っている筈だ。所詮俺は付け焼刃の治療しか出来ない。でも、信用出来ない奴に任せるつもりはない。だが、お前なら信頼出来る。だって、大切な仲間だから。な!紅楼夢。」

 

裕也は今まで無いような笑顔で紅楼夢に向かい笑いかけた。

 

【紅楼夢】

「あ、はい!分かりました!ここは任せて下さい!」

 

【裕也】

「ああ!」

 

裕也は中に進んで行った。爆発がする場所に向かう為に。裕也が言った後、紅楼夢は嬉しそうにしていた。

 

【紅楼夢】

「えへへ。大切な仲間か~。よし!頑張ろう!」

 

紅楼夢は嬉しそうに笑っていた。

 

 

永遠亭・中庭

 

【永琳】

「く!一体どうしたの!霊夢!」

 

霊夢は苦しそうに呻いているだけで何も答えない。

 

【輝夜】

「永琳!霊夢を止める事だけに集中して!」

 

【永琳】

「わ、分かりました!」

 

練丹「水銀の海」

 

青緑色の無数の弾が縦横無尽に霊夢に襲いかかる。

 

【霊夢】

「・・・・」

 

宝具「陰陽鬼神玉」

 

陰陽玉の形をした巨大な気弾を発射し永琳の技を相殺して行った。

 

【永琳】

「な!がっは!」

 

永琳は一瞬驚いた。しかし、その為に隙が出来てしまった。霊夢はその隙を見逃さなかった。霊夢は直ぐに永琳の懐に潜り込み重い拳を振るった、永琳はガード出来ずに吹き飛ばされた。

 

【輝夜】

「永琳!く!霊夢!覚悟は出来ているんでしょうね!」

 

霊夢は何も答えない。そんな所に裕也がやって来た。

 

【裕也】

「一体、どうしたんだこれは?」

 

【輝夜】

「裕也君!どうしてここに!?」

 

【裕也】

「説明は後で。下がっていてくれ。霊夢の相手は俺がする。」

 

【輝夜】

「私は永琳の仇を取らないと行けないの。貴方こそ下がりなさい、裕也君。」

 

【裕也】

「その怪我でどう立ち向かうつもりだ?しかも霊力も下がっている。そんな状態じゃあ邪魔になるだけだ。」

 

【輝夜】

「っ!どうして!」

 

【裕也】

「まあ、これでも結構幻想郷にいるからな。それ位は分かるようになる。」

 

輝夜は驚いていたが、自分は確かに邪魔になる。そう感じ、裕也に霊夢の事を任せた。それを見て裕也はありがとう、と言った。輝夜は裕也に全てを任せる事にした。

 

【裕也】

「さて、始めるか。そこにいるんだろ?霊夢を操っている奴は。」

 

裕也がそう言うといきなり霊夢が笑だした。

 

【霊夢】

「はっはっはっは!よく分かったな?人間!」

 

【裕也】

「・・・・」

 

霊夢が笑ったかと思ったら霊夢の中から鬼と妖精を合わした感じの奴が現れた。そいつが霊夢の体からでると、霊夢は力なく倒れた。裕也は倒れた霊夢を安全な場所に連れて行って、相手の前に出た。

 

【裕也】

「お前は誰だ。」

 

裕也は相手を睨みながら答えた。

 

【星矢】

「俺の名前は鬼神星矢。鬼と妖精のハーフさ。」

 

【裕也】

「その鬼神がどうして霊夢に取り次いていたんだ。」

 

【星矢】

「貴様に会う為だよ。桐上裕也。」

 

裕也は眉を上げた。

 

【裕也】

「なに?どう言う意見だ。」

 

星矢は裕也を睨みながら答えた。

 

【星矢】

「龍神様がお前に興味を持ってな、だから貴様を連れて行く。」

 

【裕也】

「勝手に決めるな。俺はお前に付いて行く理由が無い。行くとしても自分で出向く。場所を教えてくれ。」

 

裕也がそう言うと星矢はあらか様に怒った。

 

【星矢】

「ふざけるな!この俺様が来てやったんだぞ!しかも、龍神様の命令で!貴様はそれを何だと思っている!」

 

【裕也】

「ただの馬鹿。」

 

裕也は星矢を挑発した。星矢は怒りで顔が真っ赤になっていた。

 

【星矢】

「貴様!俺だけではなく龍神様まで馬鹿にしていると言う事が分からないのか!」

 

怒りながら言っている星矢に対して平然としていた。

 

【裕也】

「ああ、分からないな。」

 

【星矢】

「もー怒ったぞ!」

 

星矢はそう言うと裕也に向かって飛び付いたが、裕也はそれを軽く避けた。すると星矢は笑っていた。

 

【星矢】

「ははは!避けたな!そこのお前!体を借りるぞ!」

 

星矢が言った先にいたのは優曇華だった。星矢は体が液体見たいな形になり優曇華に向かって飛び付いた。

 

【優曇華】

「え?や!ちょ!」

 

【裕也】

「な!?優曇華!どうしてここに!?」

 

裕也は全力で優曇華の元に急いだが、間に合わなかった。星矢は液体のまま優曇華の口から優曇華の中に入った。優曇華は抵抗をしたが暫くすると動かなくなった。

 

【裕也】

「星矢!優曇華をどうした!」

 

優曇華(星矢)は笑ながら説明した。

 

【優曇華(星矢)】

「はっははは!俺の能力はな?相手の体を乗っ取り自分の力として使う程度の能力なんだよ!つまりもうこいつは俺なんだよ!」

 

優曇華(星矢)はまだ笑っていた。裕也は笑っていた優曇華(星矢)に弾幕を当てた。

 

【優曇華(星矢)】

「あが!き、貴様!こいつはお前の仲間だろ!攻撃なんかしていいのか!」

 

【裕也】

「黙れ下衆め。」

 

裕也は今まで無い程の殺気を放ち低い声で喋った。優曇華(星矢)は背筋に寒気を感じ数歩下がった。

 

【裕也】

「優曇華の体で下衆な笑いを辞めろ。」

 

【優曇華(星矢)】

「ひ、ひひ。だがどうする?俺は優曇華の体の中に入っているんだぞ?どう取り出す。」

 

【裕也】

「確かに俺一人の力じゃ無理だが、仲間の力を使えば貴様を優曇華から出す事が出来る。」

 

【優曇華(星矢)】

「なに?」

 

【裕也】

「優曇華!フラン!力を貸してもらうよ!」

 

友情「信頼の力」

 

裕也がスペルカードを使った。すると裕也の体が変わっていった。目は赤くなり背は縮んで背中に羽が生えた。その羽は黄色、赤、黒、白の綺麗な宝石が付いている美しい羽だった。因みに何故か仲間の力を借りるとカリスマになる。

 

【裕也】

「さあ、行くぞ。」

 

【優曇華(星矢)】

「く!舐めるな!」

 

優曇華(星矢)は弾幕を放った。しかし弾幕は裕也とは反対方向に飛んでいった。

 

【裕也】

「どうした?そんな程度か?なら、こっちから行くぞ!」

 

裕也は弾幕を放ちながら優曇華(星矢)に近づいた。

 

【優曇華(星矢)】

「う、うわぁぁ!来るな!来るなぁぁ!」

 

優曇華(星矢)はデタラメに弾幕を放った。しかし当たる筈はなく全て外れた。

 

【裕也】

「かなり痛いだろうが我慢してくれよ!はぁぁぁぁ!」

 

裕也は弾幕を片手に溜めて優曇華(星矢)の目の前で放った。普通なら吹き飛ばされているだろうが、裕也は放ったすぐ後に手を持ち吹き飛ばされ無いようにした。

 

【優曇華(星矢)】

「がは!」

 

【裕也】

「俺の目を見ろ!」

 

優曇華(星矢)は油断をし目を見てしまった。その目は赤く、全てが赤い世界になり、目の前がぐるぐる回っていて立っているのがやっとの状況だった。だが、それだけではなく。吐き気と神経がちぎれたんじゃ無いかと思う位の痛みが優曇華(星矢)に走った。

 

【優曇華(星矢)】

「がぁぁぁぁぁ!ぐっがぁぁ!あああ。あがぁぁぁぁ!ががが、ぐがぁぁぁぁ!」

 

【裕也】

「どうする?出て行かないと苦しみがまして行くぞ?」

 

優曇華から液体が出て行き、その液体が形を作って行き星矢が現れた。

 

【星矢】

「な、なんて奴だ、仲間に向かってあんな事をするなんて。」

 

驚いている星矢に対して裕也はあっけらかんとしていた。

 

【裕也】

「なに行ってんだ?」

 

【星矢】

「なに?」

 

【裕也】

「大丈夫か?優曇華。」

 

優曇華は頭を軽く降りながら立ち上がった。

 

【優曇華】

「くーう。あー大丈夫です。」

 

【星矢】

「な!?何故だ!何故平気なんだ!俺は確かに激痛を感じたんだぞ!それなのに何故!」

 

【裕也】

「説明をしてやるよ。まず始めに優曇華の能力、狂気を操る程度の能力でお前を見つけて、そして次にフランの能力、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力でお前の能力の相手の体を乗っ取り自分の力として使う程度の能力を破壊しただけだ。だから中に入っていただけで激痛が感じたんだ。」

 

【星矢】

「だがそれだとおかしい!なんで狂気を操るなのに俺を見つけられたんだ!」

 

【裕也】

「俺は優曇華の能力。狂気を操る程度の能力は、狂気の波長を見つけそれを操るって意味だと感じている。つまり、狂気だけしか操れないはおかしいんだよ。だから、俺は優曇華の本当の能力は波長を操る程度の能力だと思っている。しかし、波長と言ってもなんの波長を操るのか分からない。だから、一番分かりやすい能力。狂気を操る程度の能力になったんだと思う。つまり、能力は考え方で応用が出来るって事だ。後は簡単。妖怪って言っても根本的な所は人間と似ているんだよ。だから、優曇華の波長に余計な波長を見つけたら星矢の能力をフランの能力で消せばお前にだけ苦しみが渡るって訳だ。」

 

【星矢】

「くそ!他!他にはいないのか!」

 

星矢は他に乗り移れる相手がいないが探したが裕也と優曇華以外に誰もいなかった。

 

【裕也】

「お前なぁ、借りにも鬼だろ?鬼は正々堂々を好み人を試す。それが鬼な筈だ。それなのに、貴様は卑怯な手ばっかし使いやがって。ふざけるな!」

 

裕也が怒鳴り上げた。すると裕也の姿が元に戻った。

 

【星矢】

「はは!貴様も霊力が切れた見たいだな!これなら俺でも勝てる!」

 

裕也は星矢に気づかれないように笑い。こう答えた。

 

【裕也】

「な!く!しまった!」

 

優曇華は裕也の元に近寄った。

 

【優曇華】

「大丈夫ですか!」

 

近寄って来た優曇華に裕也は小声で話した。

 

【裕也】

《優曇華。小声で話せ。》

 

【優曇華】

《え、あ、はい。》

 

【裕也】

《よし。あいつが油断をしているうちに優曇華、お前があいつを倒すんだ。》

 

【優曇華】

《何言っているんですか。なんで私が。》

 

【裕也】

《永琳も輝夜も今は動けない。霊夢は怪我と霊力の消費が半端ない。俺は殆ど使い果たした。後はお前しかいないんだよ。優曇華。ここはお前の家だろ?だったらやってやれ。》

 

【優曇華】

《・・・・はい!》

 

【裕也】

「よし、やるぞ!」

 

【優曇華】

「はい!」

 

裕也と優曇華は二人がけで星矢に弾幕を放った。

 

【星矢】

「舐めるな!」

 

星矢は避けながら裕也達に向かって弾幕を放った。裕也達はそれを避けた。

 

【裕也】

「優曇華!力を溜めておけよ!弾幕は全部俺が引き受ける!」

 

【優曇華】

「はい!」

 

【星矢】

「は!弱った人間とひ弱な兎が俺様に叶う訳無いんだっよ!」

 

【裕也】

「な!ぐう!」

 

星矢は裕也の弾幕を避けながら近付き、裕也の腹をおもっきり殴った。裕也は小さく呻いた。しかし裕也は笑っていた。

 

【星矢】

「何がおかしい!」

 

【裕也】

「全然聞かないな。お前は本当に鬼の血が流れているのか?」

 

【星矢】

「何だと!」

 

星矢は明らかに怒っていた。

 

【裕也】

「拳って言うのは、腹を締め腰を落とし、拳を前に出す事だ!」

 

裕也の拳が星矢の腹におもっきり直撃をし星矢は吹っ飛んだ。

 

【裕也】

「追い討ちだ!食らっとけ!」

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

裕也の拳が青い龍のようになり吹っ飛んだ星矢の背後に回り込み背中から放った。星矢は青い龍に包み込まれながら優曇華の元に飛んでいった。

 

【優曇華】

「あ、凄い。私が終わった所によし!私は、出来る!行きます!」

 

優曇華はそう言うと目の赤みがまし赤より紅くなった。その上で優曇華はスペルカードを唱えた。

 

「幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)」

 

優曇華は星矢の目を見た。星矢は優曇華の目を見てしまった。優曇華は星矢を避けた。

 

【優曇華】

「さあ、狂いなさい。幻の狂気(ルナティック)の中で。

 

 

【星矢】

「ぐ!こ、ここは、どこだ!」

 

星矢は気が付いたら赤い月が照らされているだけの何も無い場所にいた。

 

【星矢】

「裕也!裕也!何処にいやがる!出て来い!」

 

星矢は叫ぶも出てこなかった。

星矢は怖くなり叫びまくった。

【星矢】

「おい!誰かいないのか!おい!龍神様!龍神様!この際裕也でも構わない!誰か!誰か!いないのか!」

 

星矢の叫びは木霊したが誰も答えなかった。その代わり月が近付いて来た。

 

【星矢】

「な!?月が!く!消えろ消えろ消えろ消えろぉぉぉぉ!」

 

星矢は月に向かい弾幕を何回も放ったが、月は消えも壊れもせずに星矢に向かって行った。

 

【星矢】

「うわぁぁぁぁ!来るなぁぁぁ!がぁはっ!」

 

星矢は強い衝撃を受け吹っ飛んで行った。

 

 

星矢が優曇華のスペルカードを食らった辺り。

 

【星矢】

「ぐ!こ、ここは、どこだ!」

 

【星矢】

「裕也!裕也!何処にいやがる!出て来い!」

 

裕也は優曇華に星矢はどうしたか聞いた。優曇華はこう答えた。

 

【優曇華】

「星矢は幻覚を見ています。」

 

【裕也】

「幻覚?」

 

【優曇華】

「そうです。さっきのスペルカードは、相手に強い幻覚を見せ自身で見つけない限りは何をしても絶対に幻覚から目覚めません。」

 

【裕也】

「そうなのか。」

 

裕也は少し寂しそうに呟やいた。

 

 

【星矢】

「おい!誰かいないのか!おい!龍神様!龍神様!この際裕也でも構わない!誰か!誰か!いないのか!」

 

星矢はなおも叫んでいた。

 

【優曇華】

「ふん!いい気味だわ。今まで私や霊夢さんを利用した罰が当たったのよ。」

 

優曇華の言葉を聞いた裕也は何かを決心した感じに優曇華に向かって喋った。

 

【裕也】

「なあ、あいつを許さないか。」

 

裕也の言葉に優曇華はかなり驚いた。

 

【優曇華】

「何言ってるんですか!裕也!あいつは私や霊夢さん、そして師匠や姫様を傷つけたんですよ!?そんな人を許せる訳無いです!」

 

【裕也】

「それでもだ。じゃあ聞くが、人や妖怪を裁けるのは閻魔か聖人か妖怪の賢者辺りだろ?人には裁く事は出来ない。でも、怒りや悲しみ、苦しみはある。殺したくも、憎みたくもある。だけど、それだけじゃ駄目なんだ。生き物は罪を犯す。しかし、その罪を許す気持ちも大切なんだよ。またやったら戦い分からせればいい。俺はどんなに悪人でも、悪者でも、罪を犯した人間でも、許す事が大切なんだ。」

 

【優曇華】

「矛盾してます!」

 

【裕也】

「矛盾だと?」

 

【優曇華】

「そうです!魔理沙さんから聞きました。異変で大切な人が殺されて全てをめちゃくちゃにした奴を巫女が倒すとする。その過程で、大切な物や人を殺されても、そいつが楽しそうにしていて、憎しみが湧かないのか?そんな奴がいても仕方がない、しょうがない。これもルール何だと決める事が出来るのか?って言っていたそうじゃないですか!これは今言った事と矛盾していませんか!」

 

裕也は溜息を尽きながらこう答えた。

 

【裕也】

「確かに矛盾しているな。でも、俺は矛盾してても言いと思っているんだ。」

 

【優曇華】

「どう言う意味ですか。」

 

【裕也】

「矛盾があると言う事はそれだけの考え方があると言う訳だ。つまり、答えは一つじゃないと言う訳だ。だから、矛盾があるんだ。だからあいつを許せ。」

 

【優曇華】

「・・・・分かりました。納得はしませんが、許します。」

 

【裕也】

「サンキュー。じゃあ最後に殴り飛ばすぞ。」

 

優曇華はポカンとしていたが嬉しそうに笑った。

 

【優曇華】

「はい!」

 

優曇華と裕也は殴る為に星矢に近付いた。それが星矢には月が近付いて来たように感じた。

 

【星矢】

「な!?月が!く!消えろ消えろ消えろ消えろぉぉぉぉ!」

 

星矢は二人に向かって弾幕を何回も放ったが、二人はそれを避けながら星矢に向かって行った。

 

【二人】

「吹っ飛んでけ!」

 

【星矢】

「うわぁぁぁぁ!来るなぁぁぁ!がっは!」

 

星矢は二人の拳しを食らい吹っ飛んだ。

 

【優曇華】

「やりましたね。」

 

永遠亭は壊滅状態と言っても過言じゃない状態になっていた。裕也も優曇華もボロボロだった。

 

【裕也】

「・・・・ああ、そうだな。そして、そこでずっと見ていた紫。用があるんだろ?出て来いよ。」

 

【紫】

「よく、分かったわね。裕也君。」

 

【裕也】

「お前はかなり霊力が強いからな、直ぐに分かる。まあ、隠しても紫の胡散臭い気があるから直ぐに分かるがな。」

 

【紫】

「あら?いい女の気、と、言って欲しい物だわ。」

 

【裕也】

「・・・・優曇華、皆の治療を頼む。」

 

優曇華はきょとんとした表情をしたが裕也に従う事にした。

 

【優曇華】

「分かりました。」

 

優曇華はそう言うと霊夢達が横になっている場所に行った。

 

【裕也】

「で?俺に何の用だ。もしかして、異変の主犯格が誰だか分かったとか?」

 

【紫】

「ええ、そうよ。」

 

裕也は冗談で言ったつもりなのに本当に当たったので少し驚いた。

 

【紫】

「それだけじゃないけどね。裕也君。貴方、妖怪になるつもりない?」

 

【裕也】

「は?それはどう言う意味だ紫。」

 

【紫】

「貴方の能力、力、霊力、思考、どれを取っても人間を凌駕しているのよ。」

 

【裕也】

「だから人間を辞めて妖怪になれって意味か?」

 

【紫】

「ええ、そうよ。貴方は既に人間でありながら人間を辞めているのよ。つまり貴方は人間でありながら既に神の領域にいるのよ。」

 

【裕也】

「関係ないな。」

 

【紫】

「え?」

 

【裕也】

「俺は妖怪になるつもりも神になるつもりも無い。俺は最後まで人間として生きて、人間として死ぬ。だから妖怪になるつもりはない。」

 

紫は少し唖然としていたが頬を緩め笑っていた。

 

【紫】

「ふふ。貴方らしいわね。まあ、いいわ。それで場所だけど、妖怪の山にある滝に行って見なさい。そこにいる筈だから。」

 

【裕也】

「分かった。ありがとうな。」

 

【紫】

「ま!今回は手伝う事は出来ないけど、呼んでくれれば私が起きている時限定だけどね☆」

 

紫はそう言うとスキマの中に入って行った。

 

【裕也】

「さて、優曇華の元に行くか。」

 

裕也は治療をしている優曇華の元に向かった。

 

 

優曇華は少しでも綺麗な布や絹、水やお湯、台などをかき集め霊夢達をそこに乗せた。勿論星矢もだ。そんな治療をしている優曇華の元に別の場所で治療をしていた紅楼夢が現れた。

 

【紅楼夢】

「鈴仙さん!大丈夫でしたか!」

 

【優曇華】

「紅楼夢さん!?どうしてここにいるんですか?確か逃げた筈。」

 

【紅楼夢】

「目が覚めて逃げようと思いましたが、爆風に煽られ気絶してしまったんです。その所に裕也さんが来て私を助けてくれたんです。それで裕也さんに医者とは何かを再確認しましてね。今まで兎や色々な人を治療していたんです。」

 

【優曇華】

「そうだったの。」

 

優曇華と紅楼夢が話していると、裕也がやって来た。

 

【裕也】

「そっちは大丈夫か?」

 

【優曇華】

「あ、はい。大丈夫です。」

 

【紅楼夢】

「こっちも大丈夫です。」

 

【裕也】

「そうか。」

 

裕也は安堵をした。

 

【裕也】

「早速だが、異変の主犯格の場所を掴んだ。だからちょっと言ってくる。だから、紅楼夢、優曇華、皆を頼む。」

 

紅楼夢と優曇華は心配そうな顔をしたが、裕也を信じる事にした。

 

【紅楼夢】

「分かりました。」

 

【優曇華】

「こっちは任せて。」

 

【裕也】

「ああ、頼む。」

 

裕也は妖怪の山に行こうとしたその時。

 

【霊夢】

「待ちなさい。」

 

ボロボロの霊夢が裕也を止めた。

 

【裕也】

「霊夢。大丈夫なのか?」

 

【霊夢】

「こん位屁でも無いわ。」

 

そう言う霊夢で合ったが、辛そうに喋っていたから全然平気そうに見えなかった。

 

【裕也】

「・・・・そんな体でどうするつもりだ。」

 

【霊夢】

「決まってるじゃない。あいつを、異変の主犯格に私に怪我をさせた落とし前をつけなきゃいけないし、なにより・・・・異変解決は巫女の仕事よ。一般人が出しゃばら無いで。」

 

【裕也】

「一般人か。」

 

【霊夢】

「ええそうよ。ただの人間。巫女でも無いのに、何であんたが異変を解決するの?」

 

裕也は呆れ顔をしながら答えた。これには霊夢も怒りが増した。

 

【裕也】

「じゃあ聞くがその怪我でどうする。ただ犬死にするだけだぞ?」

 

【霊夢】

「なんですって!」

 

【裕也】

「異変解決は巫女の仕事。だからいいのか?」

 

霊夢はきょとんとした顔をした。

 

【霊夢】

「え?」

 

【裕也】

「あのな?お前は博麗の巫女である前に人間なんだ。ちっぽけな人間なんだ。その人間の強みはなんだと思う。」

 

【霊夢】

「決まっているじゃない!誰にも負けない強さよ。」

 

【裕也】

「違う。自分が弱いと認める心とその弱さを補える仲間が必要なんだ。いくら強くても必ず連戦や自分と同じ位の強さの奴と戦っていると霊力や体力が落ちる。その状況で増援が来たらどうする。」

 

 

【霊夢】

「そ、それは。」

 

【裕也】

「一人で行け無いだろ?だから、一緒に行かないか?霊夢。」

 

裕也は手を出して来た。霊夢は少し考えたが、裕也が言った事は全部事実なので霊夢は裕也に付いて行く事にした。自分の弱さを認めて。

 

【霊夢】

「はー。あんたといると自分がちっぽけな人間なんだって思っちゃうわ。よろしくね。」

 

霊夢は裕也の手を握り握手をした。

 

【裕也】

「ああ。さあ!行こうか!最終決戦だ!」



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決戦

 

妖怪の森・滝に行く為の山中

 

【裕也】

「後どれ位で着く。」

 

【霊夢】

「後、約数十分と言った所かしら。」

 

霊夢は裕也に気になった事を聞いた。

 

【霊夢】

「ねえ、聞きたい事があるんだけど。」

 

【裕也】

「? 何だ。」

 

【霊夢】

「なんであんたは他人の為にそこまでやるの?仲間の為って言ったって以上過ぎる。」

 

【裕也】

「・・・・俺は罪を犯した。許されない罪をな。」

 

霊夢は話すとは思ってはなくて驚いたが、そのまま話を聞く事にした。

 

【裕也】

「俺は、人間の道を外す物を作ってしまったんだ。」

 

【霊夢】

「それって、なに。」

 

霊夢は気になってそこを聞いた。裕也は言いづらそうにしていたが何かを決心したかの様に話した。

 

【裕也】

「不老不死になる薬を作ってしまったんだ。

 

【霊夢】

「な!?」

 

霊夢はかなり驚いた。でも、裕也の気持ちを汲み取り直ぐに落ち着いた。

 

【霊夢】

「それで、どうなったの。」

 

【裕也】

「それを巡って戦争、つまり、その薬を手に入れる為に沢山の人達が死んで行ったよ。」

 

【霊夢】

「そう。」

 

裕也と霊夢が話していると一人の者がやって来た。

 

【???】

「やあやあ霊夢!元気かい?」

 

【霊夢】

「あんたは、勇儀!どうしてここに。」

 

【勇儀】

「面白そうな気を見つけてね。そいつと戦いたくてね。つい、地獄を抜け出しちまったよ。」

 

【霊夢】

「旧、でしょ。」

 

【勇儀】

「まあ!どっちでもいいじゃないか!」

 

【霊夢】

「良く無いわよ。」

 

霊夢はため息を付いた。

 

【勇儀】

「ここを通りたければ私とケンカ、しようぜ。」

 

勇儀は殺気を立たせた。

 

【霊夢】

「勇儀!あんた本気で戦うつもり!」

 

【勇儀】

「は!安心しな。私が感じた奴以外は本気を出さないよ。」

 

【霊夢】

「あんたが感じた奴?それって。」

 

霊夢が話そうとしたら裕也が前に出て来た。

 

【裕也】

「それは、俺の事か?」

 

裕也は勇儀以上の殺気を立たせた。

 

【勇儀】

「ほう。お前はあの時の。確か、裕也だったか?」

 

【裕也】

「ああ、宴会の時だな。その節はどうも。」

 

勇儀は嬉しそうに笑った。

 

【勇儀】

「あっはははは!いやー!お前か!私の目に狂いは無かったね。さあ!始めようか!ケンカを。」

 

【裕也】

「そう慌てるな。今準備をするから。お前は最高のケンカをしたいんだろ?なら、我慢しろ。」

 

【勇儀】

「へー。いいよ。別に。」

 

【裕也】

「ありがとう。」

 

裕也は一言お礼を言いながら霊夢の所に行った。

 

【裕也】

「ルーミア、いるか?」

 

裕也がそう答えると。裕也の影の形が変わりルーミアが現れた。

 

【ルーミア】

「久しぶりだな、裕也。」

 

【裕也】

「ああ、そうだな。それで。」

 

裕也が続きを喋ろうとしたらルーミアが止めた。

 

【ルーミア】

「大丈夫だ。全て分かってる。霊夢と共に先に行け、だろ?」

 

【裕也】

「そう言う事だから頼むぞ霊夢。」

 

裕也とルーミアに霊夢は待ったをかけた。

 

【霊夢】

「それは、つまり裕也が囮になると?」

 

【裕也】

「そうだ。霊夢はその間にい異変の場所にいけ。」

 

【霊夢】

「いや、私が残るから裕也、貴方が行きなさい。」

 

【裕也】

「何?どう言う風の吹き回しだ?」

 

霊夢は照れ臭そうに答えた。

 

【霊夢】

「あんたが異変を解決しなさいって言ってんのよ!」

 

【裕也】

「だからどうして。」

 

【霊夢】

「私はあいつにはかなわない。でも、私は博麗霊夢。異変を解決する為に作られた存在なのよ。でも、ダメだった。私じゃあ全然かなわなかった。だから、私より強いあんたに任せるわ。」

 

霊夢は覚悟をした感じに話した。しかし裕也は霊夢の頭をおもっきり叩いた。

 

【裕也】

「ふん!」

 

霊夢は顔から地面に付いた。霊夢は直ぐに立ち上がり裕也を怒った。

 

【霊夢】

「ちょっと!何すんのよ!」

 

霊夢は怒っていた。裕也は霊夢をなだめる様に話した。

 

【裕也】

「それでこそ霊夢だ。」

 

【霊夢】

「え?」

 

【裕也】

「霊夢は自分で弱さに気付けた。だったら霊夢が行くべきだ。」

 

【霊夢】

「はあ?あんた、何言ってるの!私じゃ無理だからあんたに任すって言ってるのに。」

 

【裕也】

「いいか?霊夢。人間はな、自分の弱さを認めたら強くなれるんだ。力の強さじゃなくて心の強さ。そして、自分で気付けたなら、きっと何とかなる。お前は一人じゃ無い。ルーミアがいる。そして、自分自身がいる。自分と仲間を信じろ、霊夢

。博麗霊夢じゃなくて、霊夢を信じろ。そうすればきっと大丈夫だ。俺も勇儀を倒したら直ぐに行く。」

 

霊夢は悩んだが裕也に従った。裕也なら何かをやってくれるんじゃ無いかと言う期待をして。

 

【霊夢】

「分かったわ。早く来るのよ!行くわよ!ルーミア!」

 

【ルーミア】

「了解。」

 

霊夢とルーミアは勇儀を越し先に行った。

 

【裕也】

「いいのか?先にいかせて。お前はここを守る為にいるんだろ?」

 

勇儀は笑ながら裕也の質問に答えた。

 

【勇儀】

「あっはっはっは!私、いや、あたしはね?強い奴と戦いたくてここにいるんだ。そう、お前だ。裕也。」

 

裕也も少し嬉しそうに答えた。

 

【裕也】

「俺は戦闘馬鹿じゃないからそんなに嬉しくはないが、飲み仲間の実力を知るって事なら別にいいぞ。」

 

【勇儀】

「ぷっくくく。だっははは!面白い!実に面白い!飲み仲間か!いいぞ!私も飲み仲間に馬鹿にされないように本気で行こう。」

 

勇儀はさっきより強い殺気を放ったが裕也はそれ以上の殺気を放った。

 

【勇儀】

「ほー。私の本気を目の前でまだ上がるか。ますます面白い。これは久しぶりに楽しめそうだな。」

 

 

妖怪の山・龍神の湖

 

霊夢とルーミアは勇儀を超えて暫く歩いていた。そして暫く歩いていた二人は開けた場所に出た。

 

【龍神】

「ようこそ、幻想を守りしもう一人の巫女と幻想に集いし最も黒く、そして全ての闇を統べる王よ。」

 

【霊夢】

「ようやくあんたの姿が見れたわ。異変の主犯格さん。」

 

霊夢とルーミアは龍神を見た。龍神は10歳そこらの子供で服装は外にあるパーカーに短パン。髪の色は、水色に白と銀を混ぜたような髪だった。

 

【ルーミア】

「お前の名前は何て言う。」

 

【龍神】

「龍神。そう呼ばれているな。」

 

【霊夢】

「そう。なら、この異変を止めなさい。」

 

霊夢の言葉に龍神は笑った。

 

【龍神】

「くははは!この程度で異変だと?ふふ。通りで弱い訳だ。きっと貴様が解決して来た異変は生ぬるい物なんだろ?」

 

【霊夢】

「なんですって!」

 

霊夢は怒った。

 

【霊夢】

「確かに暇つぶしとかで異変をしていた奴もいたわ。でも!全てがそうじゃない!自分を守る為。仲間を助ける為。自分を保つ為。そして淋しさをまぎわらす為。その他の異変も確かにあんたには、くだらないかもしれないけど、想いは!気持は!どんな異変よりも重く、辛い物だわ!一人だった私は、異変で仲間が増えた!その私が今まで解決して来た異変をあんたなんかに馬鹿にされる筋合いはない!」

 

霊夢は怒鳴った。何故なら皆の想いを龍神は馬鹿にしたからだ。霊夢はこう考える事が出来るのは裕也のおかげなんだなと、心で感謝した。

 

【龍神】

「下らん。一体それがなんだと言うんだ。やっぱりぬるいな。もし貴様の解決して来た異変が凄いと言うなら私を倒して証明してみろ。まあ、貴様如き我が手を下すまでもないな。いけ、星矢。」

 

【星矢】

「はい。分かりました。龍神様。」

 

そう言って滝の中から星矢が現れた。

 

【霊夢】

「な!あんたは!」

 

【ルーミア】

「知っているのか?」

 

【霊夢】

「ええ、忘れないわ。」

 

霊夢はギリリと歯軋りしながら答えた。

 

【星矢】

「ん?はは!お前はマヌケな巫女様じゃないか!また操りに来たのか!」

 

ルーミアは霊夢の表情と星矢の口調で何があったかを察し、霊夢に提案した。

 

【ルーミア】

「成る程な。霊夢。こいつの相手は私がやる。お前は龍神をやれ。」

 

ルーミアの提案に霊夢は驚いた。

 

【霊夢】

「何言ってるの!こいつは私がやるわ!」

 

【ルーミア】

「今のお前は怒りにかられてる。そんな状態じゃ絶対に勝てない。だからお前は龍神を倒せ。こいつは私に任せろ。」

 

霊夢は少し考えたのち答えた。

 

【霊夢】

「分かったわ。ルーミア、貴女に頼むわ。」

 

霊夢は恥ずかしそうに喋った。それにルーミアはクスリと軽く笑いこう答えた。

 

【ルーミア】

「分かった。安心しろ。私は負けない。」

 

【霊夢】

「ええ。私も、負けない!」

 

 

対戦表

 

霊夢VS龍神

 

ルーミアVS星矢

 

裕也VS勇儀

 

順番

ルーミアVS星矢

 

裕也VS勇儀

 

霊夢&???VS龍神

 

因みにルーミアと霊夢は別れて戦っています。

 

 

妖怪の森・滝から離れた場所

 

【ルーミア】

「お前には本気で行く。」

 

【星矢】

「はーっははは!俺様は無敵だ!龍神様に力をいただいたからな!貴様がどんな本気を出した所で俺様に叶う訳がないんだ!」

 

【ルーミア】

「うるさい奴だ。少し黙れ。」

 

ルーミアがそう言って腕を星矢の方に向かって向けたら。高速の黒い何かが星矢の元に飛んで行き、口にくっついた。星矢は早く、そして油断をしていた事もあり避ける事が出来なかった。

 

【星矢】

「んぐ!?んー!んー!」

 

星矢は必死で取ろうとするが意思を持っているかの様に話さなかった。

 

【ルーミア】

「すー、はー。」

(裕也、お前の力を貸してもらう!)

 

ルーミアは心でそうつぶやいた。するとルーミアの髪が黒く染まり、霊力が跳ね上がった。

 

【星矢】

「ん!?んーーーぷは!き、貴様!それはなんだ!」

 

【ルーミア】

「この姿か?これはな、裕也の能力。仲間の力を借りる程度の能力の力だ。」

 

【星矢】

「な!?他人の力を使うなんて聞いた事ないぞ!」

 

【ルーミア】

「私が使っている訳じゃない。裕也の能力は仲間が近くにいたら仲間も強くなる、だ。そのおかげかな。ま、信頼が成せるわざだ。」

 

ルーミアは自慢げに話した。星矢はそれがムカついたのかいきなり弾幕を打ってきたた。しかし、ルーミアが片手を星矢が打ってきた弾幕に翳すと、弾幕が黒く丸い物の中に入って行った。その光景に星矢は驚いた。

 

【星矢】

「んな!?何をした!」

 

【ルーミア】

「そんなに驚く必要はないだろ。私はただ能力を使っただけなんだからな。」

 

【星矢】

「の、能力、だと。」

 

星矢はまだ信じられないような顔をしていた。

 

【ルーミア】

「ああ、そうだ。私の能力。闇を操る程度の能力。闇、つまり虚無、闇は全てを飲み込み何者も残さないそれが闇だ。そして、これが私の本来の力だ。だから貴様の弾幕を弾幕は闇に飲まれて消えた。」

 

【星矢】

「な、なんだよ、それ。そんなの卑怯だろ!」

 

ルーミアは冷たくそして重い空気を出しながら喋った。

 

【ルーミア】

「戦いに卑怯も卑劣もない。それじゃ行くぞ。」

 

絶界禁書「虚無の風」

 

ルーミアは黒い本を出しそう唱えた。すると本から黒い風が吹き荒れた。星矢は避けようとしたが間に合わず右肩が風に包まれた。すると合った筈の腕が元からそこには無かったかの様になくなっていた。そして、不思議な事に、血すら流れていたかった。

 

【星矢】

「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!アァァァァァァァァ!!!!腕がぁぁぁぁぁ!!!」

 

星矢は悲痛な叫びをしながら地面を転げ回った。

 

【ルーミア】

「痛いか?今、楽にしてやる。」

 

ルーミアがまた黒い本を出し唱えようとしたら。

 

怪輪「地獄の苦輪」

 

その掛け声と共に紫色のリングがルーミアと星矢の間を通って行った。ルーミアはそれにより少し星矢との距離を開けた。そして森の中から出てきたのは、勇儀と裕也が出てきた。

 

【ルーミア】

「裕也。それに、勇儀とか言ったな。どうして貴様が裕也と一緒にいるんだ。」

 

【裕也】

「話は後だ。」

 

裕也はそう言って星矢の元に向かって行った。星矢はまだ地面を転げ回っていた。

 

【星矢】

「痛い!痛い!誰か助けて!」

 

裕也は飽きれ顔で勇儀を呼んだ。

 

【裕也】

「勇儀!少しいいか!」

 

【勇儀】

「ん?なんだ裕也。」

 

【裕也】

「こいつは鬼と妖精のハーフらしいんだが、勇儀は如何したい。」

 

【勇儀】

「なぜ、私に聞く。」

 

勇儀は目をつむりながは答えた。

 

【裕也】

「仮にもこいつが鬼だからだ。鬼は少ないんだろ?だから勇儀、お前が決めろ。俺はお前の答えに従う。」

 

勇儀は少し考え、星矢に近づいた。星矢は痛いと喚くだけだった。

 

【勇儀】

「・・・・」

 

【星矢】

「ううう。痛い。助けて。」

 

星矢の姿を見て勇儀は溜息を付きながら頭を掻いた。

 

【勇儀】

「はー。なっさけないな。お前は鬼何だろ?なのに直ぐに負け、卑怯な事も平気でやる。本当だったら見捨てている所だが、私が一から鍛えてやる。」

 

星矢は驚いた顔をした。

 

【星矢】

「この、俺を許すと言うのか?こんな俺を。う、うう。ありがとう。」

 

星矢は泣きながら感謝をした。裕也は勇儀の元に向かった。

 

【裕也】

「勇儀、お前はそれでいいんだな?」

 

【勇儀】

「ああ、こいつは私が一から育てる。」

 

【裕也】

「分かった。」

 

裕也は星矢の無くなった腕の所に行き、スペルカードを出した。

 

人界「全てを打ち消す奇跡の光」

 

スペルカードが強い光を放った。光が消えたと思ったら星矢の腕が元に戻っていた。

 

【星矢】

「な!腕が、治った。」

 

【裕也】

「これに懲りたら悪い事はもうしない事だな。」

 

星矢は泣いて感謝をした。

 

【星矢】

「ありがとう。ありがとう。」

 

【裕也】

「お礼なら勇儀に言うんだな。勇儀、後は頼むわ。」

 

裕也はルーミアの所に行った。

 

【ルーミア】

「如何言うつもりだ。何故勇儀と一緒にいる。」

 

【裕也】

「今説明する。」

 

 

妖怪の森・滝に行く為の山中 VS勇儀

 

【裕也】

「さあ、こい。」

 

【勇儀】

「それじゃあ、遠慮無く。」

 

勇儀はそれだけ言うと肉眼では見えない程のパンチを裕也に食らわせた。

 

【裕也】

「! ちっ!てっ!やっ!はぁっ!」

 

裕也は勇儀のパンチを全て受け流した。

 

【勇儀】

「・・・やるじゃないか。楽しくなって来た。次、これはどうだ。」

 

怪輪「地獄の苦輪」

 

紫色のリングが裕也目掛け放たれた。

 

【裕也】

「く!」

 

暴風「雷雲」

 

雷が混じった嵐が吹き荒れ勇儀のスペルカードを巻き込んでそのまま威力を落とさずに勇儀に向かって行った。

 

【勇儀】

「はは!この緊張!この死と隣り合わせの感覚!神経が研ぎ澄まされる!忘れていた鬼の力が、役目が!思いが!蘇る!」

 

勇儀は気合いで打ち消した。

 

【裕也】

「やっぱりこの程度は効かないか。」

 

裕也は凄く落ち着いていた。

 

【勇儀】

「ふう。さあ、今度はあたしからだよ!」

 

勇儀は盃を全て飲み干しひょうたんを近場に置いた。(因みに紫の干渉はありません。何故なら妖怪の森一体が龍神の力で満ちているからだ。紫も龍神に干渉する事は出来ないんです。その為勇儀は本気でやる事が出来るのです。以上、トキオの説明でした。)

 

【勇儀】

「はあぁっ!」

 

【裕也】

「ぐう!?」

 

勇儀が放った拳圧で裕也は後ろに吹き飛んだ。裕也は直ぐに立とうとしたが何時の間にかいた勇儀が拳を振り下ろしていたので起きる動作を辞め、裕也に向かって来た勇儀の拳を掴むと足で勇儀の腹をおもっきり蹴り上げその反動で裕也は立った。

 

【勇儀】

「ごほ!」

 

【裕也】

「まだまだ!つあぁぁぁ!はっ!」

 

裕也はそのまま威力を落とさずに勇儀に向かい拳を振り上げた。しかし立て直していた勇儀は自分の拳で裕也の拳を防いだ。

 

【勇儀】

「はは!やあぁぁ!」

 

【裕也】

「はあぁぁぁ!」

 

何故かいきなり肉弾戦を始めた裕也と勇儀。その戦いぶりは某戦闘民族同士のヤムチャ視点の戦いになっていた。その打会いは暫く続いたが勇儀が裕也の攻撃を受けヤムチャ視点は止まった。

 

【勇儀】

「がはっ!ぐう!?」

 

【裕也】

「食らっとけ!」

 

拳技「青の鳥 -鳳凰襲来拳-」

 

裕也の拳から青い炎が現れ勇儀を包み込みこんだ。裕也はさらに力を加えた。すると竜が現れ勇儀を吹き飛ばした。その姿はまるで竜に戦いを挑んだ鬼が竜に噛まれて攻撃をしている様だった。

 

【勇儀】

「ぐおっ!がぁぁぁぁぁ!」

 

勇儀は木を何百本も薙ぎ倒しても止まる様子は無くなす術目無くただ耐えているだけだった。

 

【勇儀】

「ぐ。(このままじゃあ負ける。何か、何か無いのか。・・・・! これだ!)

 

飛ばされている勇儀の目の前に大きい崖があり勇儀はその崖に叩きつけられそうだったのだが、勇儀は無理矢理向きを変え崖に足を付けおもっきり力を加えた。すると竜が破られ光に近い速さで裕也に迫って来た。勇儀はその時に全身の骨が軋んだが気にしなかった。何故なら、こんな楽しい勝負をもっと続けたかったからだ。

 

【勇儀】

「(さあ、行くぞ!)裕也ぁぁぁ!」

 

【裕也】

「くっ!(避けるか!・・・いや、勇儀は純粋に戦っている。今まで自分の為、エゴの為、私欲の為には戦ったが、こんな真っ直ぐに気持ちが伝わる戦いは初めてだ。だから。)俺は受ける!こい!勇儀ぃぃぃぃぃ!」

 

裕也は勇儀の渾身の頭突きを勇儀に生えている両角を持って防いだ。しかし、速さと力が尋常じゃないから裕也はに土を掘る勢いで後ろ側に押された。

 

【裕也】

「ぐっ・・・、ぐっ・・・、ぐっ・・・。」

 

【勇儀】

「つあぁぁぁぁ!!!」

 

どっちも引かない力と力がぶつかり合い。どっちが買っても負けてもおかしくない勝負だった。しかし、どんなに力を持っていると言っても人間は人間。徐々に裕也が押されてきた。

 

【勇儀】

「さあ、さあ!どうした!裕也!押されているぞ!」

 

【裕也】

「ぐっ!このままじゃ。・・・!(この力、この速さ、この重心!出来る!一か八かだ!)っぅおぁぁぁぉぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

裕也は重心をそのままに回る様にして回転した。

 

【勇儀】

「な!」

 

【裕也】

「だぁぁぁぁ!」

 

裕也は止まる事無く回った。すると風が現れそれがどんどん早く、激しいなり、まるで竜巻の様になった。

 

【裕也】

「づおりゃあ!」

 

裕也はその手を上に離した。すると勇儀は竜巻に巻き込まれながら上に上って行った。裕也は地面に力を加え加速を付け勇儀の後を追いかけて行った。

 

【勇儀】

「づうっ!息が。」

 

勇儀はまだ上に上がっていた。逃げ出そうとしたが体力が足りず逃げ出せなかった。

 

【裕也】

「まだ行くぞ!!」

 

裕也は勇儀に追いつき腹に二つのスペルカードが握っている拳を勇儀におもっきりぶち込んである言葉を言ってスペルカードを放った。

 

【裕也】

「トリプルスペル!」

 

無限「幻想鬼神鳳凰」

 

裕也の腕が赤くなり周りに陰陽玉を纏っている真紅の竜となり勇儀を攻撃した。

 

【勇儀】

「げぼっ!」

 

真紅の竜は上に上がっていた勇儀をUターンさせ下に向けた。速度は落ちなく今よりも早くなった。勇儀は成す術が無く地面に叩きつけられた。勇儀が叩きつけられた地面はかなり凹んでいた。

 

【裕也】

「かぁっ、はー。はっ、ふう。これならどうだ。」

 

勝利を確信した裕也で合ったが、よろよろしながらも勇儀は立った。

 

【裕也】

「まだやるつもりか。」

 

【勇儀】

「当たり、前だ、ろ?げほっ!ごほっ!」

 

そう言うが勇儀はボロボロで立っているのがやっとの状況に裕也は見えた。

 

【裕也】

「立っているのがやっとの状況で、どう戦うつもりだ。」

 

【勇儀】

「はっ!確かにそうだ。だがな、あたいの霊力と体力が尽きた訳じゃない。さあ、これが最後だ。」

 

勇儀はそう言って霊力を高めた。裕也は勇儀からの殺気がいままで以上に強いものになっていた事に驚いた。

 

【裕也】

「な!?本当の最後か、俺も行くぞ!」

 

裕也も気を溜めた。

 

【勇儀】

「づうおりゃあ!」

 

四天王奥義「三歩必殺」

 

勇儀は一歩目に距離を詰め、二歩目に裕也の体制を崩した。

 

【裕也】

「! しま!?」

 

そして三歩目で霊力の籠った重い拳が裕也の腹を殴った。裕也に凄いGと圧がかかり吹っ飛んだ。

 

【裕也】

「ぶおっ!がっ!はっ!」

 

裕也は崖におもっきり体をぶつけ止まった。

 

【勇儀】

「はあ、はあ、はあ。どうだ。」

 

裕也は動かなかった。

 

【勇儀】

「しまった。やり過ぎたか。」

 

勇儀が裕也の元に行こうとしたが裕也は自分自身の力で立った。

 

【裕也】

「はあ、はあ、はあ。い、今のは死ぬかと思ったぞ。」

 

【勇儀】

「お、おい!大丈夫か!」

 

勇儀は直ぐに裕也の元に向かった。

 

【裕也】

「な、何とかな。」

 

【勇儀】

「はあー。よかった。まあ、あたいの負けだね。」

 

【裕也】

「へ?どうしてだ?」

 

【勇儀】

「あたいはもう少しで友を殺す所だった。弾幕ごっこの範疇を超えていたのさ。でも、裕也、お前は付いてきてくれた。本気のあたいに。あたいは嬉しかった。そして、あたいは本気にしてくれた人間を殺したかもしれない。だからこの勝負。お前の勝ちだ。」

 

勇儀のその言葉に裕也は笑った。

 

【裕也】

「あっはははは!何言ってるんだよ。俺もお前を殺しそうだったんだぞ?」

 

【勇儀】

「え?」

 

【裕也】

「無限「幻想鬼神鳳凰」は対象者の全身の筋肉細胞と痛覚神経、五感、そして、脳内神経を焼き切る技なんだ。それを威力を落として、痛覚神経を刺激してかなりの痛みがするだけにしたんだぞ?しかも、あと数秒で変えなければ確実に打っていた。だから、引き分けだ。勇儀」

 

裕也はそう言って笑ながら勇儀に向かって右手を出した。

 

【勇儀】

「?」

 

【裕也】

「握手だ。」

 

勇儀はポカンとしていたがニコリと笑ながら裕也の出してきた手を握り返した。

 

【勇儀】

「次は負けないからな。」

 

【裕也】

「ああ、こっちもだ。」

 

(たす、けて。もう、痛いのは、や、だ。)

 

【裕也】

「! 勇儀!急いで戻るぞ!」

 

【勇儀】

「? どうした?」

 

【裕也】

「嫌な予感がする!急げ!」

 

 

【裕也】

「と、言う訳だ。」

 

【ルーミア】

「成る程な。ならこの場は引く。」

 

【裕也】

「ありがとう、ルーミア。勇儀、星矢を頼む。」

 

【勇儀】

「ああ、分かった。」

 

【裕也】

「ルーミア!霊夢の元に急ぐぞ!」

 

【ルーミア】

「分かった。」

 

裕也とルーミアはその場を離れ霊夢の元に向かった。

 

 

妖怪の森・滝の湖 VS龍神

 

【霊夢】

「行くわよ!」

 

【龍神】

「こい。」

 

霊符「夢想封印」

 

スペルカードから出てきた陰陽玉が龍神を襲った。

 

【龍神】

「ふん!」

 

龍神は陰陽玉を全て素手で撃ち落とした。

 

【霊夢】

「な!?」

 

【龍神】

「この程度か。次はこっちから行くぞ。」

 

龍神は手を霊夢に向けたら霊夢がいきなり吹き飛んだ。

 

【霊夢】

「ぐうっ!な、なにが。」

 

霊夢は自分に起こった現象に戸惑っていた。

 

【龍神】

「ふん。そんな事も分からないのか。ただ弾幕を打っただけだ。」

 

【霊夢】

「な。見えなかった。」

 

【龍神】

「これで力の差が分かっただろう。大人しくしてろ。雑魚が!」

 

【霊夢】

「くっ!はっ!」

 

霊夢は大量の札を投げそれに隠れ龍神に近付いたのだが。

 

【龍神】

「甘い!」

 

水流「土砂水流」

 

龍神がそう言うと土砂と水がミックスした泥水が霊夢を襲った。

 

【霊夢】

「ごぼ!」

 

霊夢は泥水み飲み込まれ岩や木や瓦礫などが入った泥水で攻撃された。霊夢は泥水から開放されたら髪からつま先まで泥だらけの傷だらけだった。霊夢は口に入った泥水を出していた。

 

【霊夢】

「げほ!げぼ!ごぼ!」

 

【龍神】

「きたないな、洗ってやろう。」

 

水付「水竜の怒り」

 

龍神がそう言うと龍神の後ろに合った水が形を変え、竜の形になった。その水竜は霊夢を水の中に入れそのままに上昇させ急降下で地面に叩きつけられた。

 

【霊夢】

「がっ!」

 

霊夢は力の差を思い知った。だがフラフラと立ち上がった。

 

【霊夢】

「私は、諦めない!だって私は博麗霊夢なのだから!」

 

【龍神】

「ふん。博麗の巫女としての役目か。貴様は操り人形だな。幻想でしか生きれない人間が。」

 

【霊夢】

「違う!私は、博麗でもあり、そして霊夢でもある。確かに昔の私、博麗霊夢は面倒く下がりやだし、自分の力を過信して修行をしなかった。しかも、異変を解決して行くと私の周りに沢山の人が妖怪が寄ってきた皆を邪魔者扱いしていた。昔の私は何にも興味を示さなかった。ただ、神社を掃除して、異変が起きたら解決をし、そして、また日常に戻る。確かに昔の私は幻想に振り回されているけど!今は違う!だって、私は、博麗霊夢じゃなくて純粋な霊夢としてここにいる!霊夢としてこの異変を解決しようここに来たのよ!それは決して、幻想に振り回された訳じゃない!自分の為に、仲間の為にここにいるのよ!信じている仲間がいるから、私は絶対に負ける訳にはいかないのよ!」

 

霊夢の霊力がいきなり跳ね上がった。

 

【龍神】

「なに。」

 

【霊夢】

「まだ終わらない!」

 

【???】

「よく言ったぜ!霊夢!」

 

【霊夢】

「あ、あんたは。」

 

霊夢の前に現れたのは。

 

【魔理沙】

「この霧雨魔理沙が助太刀に来たぜ!」

 

【霊夢】

「ま、魔理沙!?あんたどうしてここに。」

 

【魔理沙】

「呼ばれたんでな。それに私だけじゃないぞ?」

 

【霊夢】

「え?な!?」

 

霊夢の目の前に写ったのは。異変の時に戦った幻想郷最強の軍勢だった。

 

【レミリア】

「霊夢!貴女変わったじゃない。今のは貴女なら力を貸してあげてもいいわよ。」

 

レミリアはカリスマたっぷりな感じで行った。でも。

 

【フラン】

「な~に言ってんのお姉さま。そんなにカリスマ出したら力を使い果たして戦えなくなるよ?」

 

フランがレミリアねカリスマを崩壊させた。

 

【レミリア】

「な!そ、そんな事無いもん!」

 

【フラン】

「頑張ろうね、カリスマ(笑)のレミリアお、ね、え、さ、ま。」

 

フランがそこまで言うとレミリアはいきなり泣き出した。

 

【レミリア】

「ぐす、うわ~ん!ちゃくや~フランがいじめる~。」

 

レミリアは近くにいた咲夜に抱き付いた。

 

【咲夜】

「おっおおおおおおっ嬢さ、さま!あー!よ~しよしよしよし。よ~しよしよしよし。」

 

咲夜は鼻からでる忠誠心(笑)を抑えずレミリアを強く抱きしめた。

 

【レミリア】

「さくや~、ありがと。」

 

レミリアは涙目、少しハニカミそして、上から目線の三段コンボを咲夜に食らわせた。

 

【咲夜】

「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!ぶは!」

 

咲夜は変な叫びをした後忠誠心(笑)が臨界点突破し鼻から血を吹き出しながら倒れた。

 

【レミリア】

「咲夜!?どうしたの。」

 

【咲夜】

「お、お嬢様。っ!ぶは!」

 

レミリアは倒れた咲夜に近寄った。その瞬間咲夜はまた吐き出し。

 

【咲夜】

「わ、我が生涯に一片の悔いな、し。」

 

咲夜は最後にそう言って召された。

 

【妹紅】

「なにやってんだか。」

 

【霊夢】

「妹紅!どうして。」

 

【妹紅】

「レミリアや魔理沙と同じ理由だよ。」

 

【霊夢】

「呼ばれて?一体誰に。」

 

【妹紅】

「ああ、それはな。」

 

妹紅が続きを言おうとしたら妹紅を呼ぶ声が聞こえた。

 

【慧音】

「も~こ~た~ん~♪」

 

【妹紅】

「ぶほ!」

 

妹紅は慧音の方に向いた。その瞬間慧音のジャンピング頭突きが妹紅の腹にクリティカルアタックをした。(想像ができない人は、とあるで御坂が上条に頭突きするシーンがありますよね?それを慧音先生が実演してくれました。トキオより。)

 

【慧音】

「あー!妹紅妹紅妹紅かわいいな~。」

 

【妹紅】

「ぎゃぁぁぁぁぁ!骨が軋む!角が刺さる!慧音!落ち着いてくれ!痛い痛い!いや、マジでヤバイ。慧音、や、辞めて。リバースしちゃうから!リバースしちゃうから!」

 

名状し難い光景がそこにあった。ついでに慧音は何故かきもっていた。

 

【霊夢】

「ちょ!慧音!?貴女月が出てないのに何で。」

 

霊夢がそう言うと妹紅を離した。

 

【慧音】

「ああ、すまない。取り乱したな。それで答えだが、何となく出来た。」

 

【妹紅】

「ちょwwwwwおまっwwwww」

 

妹紅は笑ながら慧音を後ろに下げた。

 

【永琳】

「何か皆変になっているわね。」

 

次に現れたのは永琳だった。

 

【霊夢】

「永琳。あんたもどうして。」

 

【永琳】

「呼ばれたからよ。」

 

【霊夢】

「だから一体誰に。」

 

【永琳】

「来たわよ。」

 

永琳がそう言うと皆が同じ方向に向いたから霊夢は気になり皆が向いている方を見た。そこにいたのは。

 

【裕也】

「ん?皆どうしてここに。」

 

【魔理沙】

「何言ってんだよ。お前が呼んだんだぜ裕也」

 

【裕也】

「いや、俺は何も。と言うか今日はまだ合っていないだろう?」

 

【魔理沙】

「いや、確かに聞こえたぜ。なあ、皆。」

 

魔理沙がそう言うとレミリア達は頷いた。そして魔理沙は話を続けた。

 

【魔理沙】

「心に直接だぜ!」

 

【裕也】

「心に直接?」

 

【魔理沙】

「ああ!霊夢が危ないかもしれないから手伝ってくれってな。」

 

裕也は謎が解けた様だった。

 

【裕也】

「成る程。俺と勇儀の戦いで漏れ出した俺の霊力が俺の気持ちを乗せ、俺を信じてくれて助けに来てくれる仲間に心をとうして伝わったんだ。勇儀との勝負の時誰か霊夢に力を貸してくれないかとずっと祈っていたからな。」

 

【勇儀】

「あたいと戦っている時に考え事をしていたんかい?あっははは!いや、あんたは本当に凄いね。」

 

勇儀は関心をしていた。こんなに面白く、そして優しい人間は本当に久しぶりだったからだ。

 

【裕也】

「さあ、待たせたな龍神。やろうぜ、これが最終決戦だ!」

 

裕也達の言葉を聞いて龍神は笑った。

 

【龍神】

「はは!威勢はいいな。だがどうする。その人数じゃ同士討ちをするだけだぞ。」

 

裕也はいきなり笑った。

 

【裕也】

「ふ。よく言うぜ。まだ力を隠し持っているくせに。」

 

【龍神】

「よく分かったな。安心しろ貴様らには見せないからな。」

 

【裕也】

「それじゃメンバーを決めるから待ってろ。」

 

【龍神】

「ほう。よし、待ってやるよく考えろよ。」

 

龍神は目を瞑った。

 

【裕也】

「さあ皆、どうする。俺の希望は二人もしくは三人のチームが望ましいんだがな。」

 

【レミリア】

「取り敢えずここにいる人を確認しましょう。」

 

【裕也】

「そうだな。ここにいるのは、レミリア、咲夜、妹紅、慧音、ルーミア、霊夢、永琳、魔理沙、フラン、そして俺を合わせて、丁度十人か。さて、どう分けるか。」



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ありがとう・前編

戦う順番

 

一回戦・妹紅 慧音 永琳 魔理沙

 

二回戦・レミリア 咲夜 ルーミア フラン

 

三回戦・霊夢 裕也

 

 

【龍神】

「どうだ?決まったか?」

 

龍神が目を開けて来て、そう聞いて来た。

 

【裕也】

「ああ、いいぜ。」

 

【龍神】

「さあ、最初はどいつだ?」

 

【永琳】

「私達よ。」

 

【龍神】

「ほう。最初は、歴史を操りし混血者に、人の道を外れて無限の命を宿し者と、罪を犯せし月の煩悩から、人の付き合い方をしらぬ人間か。何と纏まりのないチームだ。」

 

【魔理沙】

「うるさいぜ!確かに私達は、一緒に戦った事はないぜ?だがな、そんなのは関係ない!だって、問題は協力しようと言う気持ちだ!」

 

【妹紅】

「はっずい事を平気で言うな。だが、確かにそうだ。なあ、慧音」

 

【慧音】

「ふう。変わったな妹紅。」

 

【妹紅】

「そうか?」

 

【慧音】

「ああ。(だって、昔は相手の事など考える事が出来なかったからな。)さて、永琳さん?でしたっけ。行きましょうか。」

 

【永琳】

「ふふ。そうね。」

 

【龍神】

「なら、他の奴らは。」

 

龍神は腕を前に出した。すると水のバリアみたいな物が現れ裕也達を囲んだ。

 

【裕也】

「なんだこれは?」

 

【龍神】

「これは邪魔が入らない様にするバリアだ。どんな事をしても破る事は出来ない。ただし、俺を一回ごとに倒すと次の物が出来る様になる。そう言う物だ。」

 

龍神はそう言った。

 

【レミリア】

「フラン。あんたの能力で何とかならない?」

 

【フラン】

「無理だよ。これには目がないから。」

 

【レミリア】

「そう。」

 

【龍神】

「貴様らはそこで見ていろ。さて、来ないのか?なら、こっちから行く!」

 

龍神は水の弾幕を繰り出した。

 

【魔理沙】

「へっ!こんなの!」

 

魔理沙が弾幕を出そうとした瞬間。

 

【慧音】

「! 離れろ!魔理沙!」

 

【魔理沙】

「へ?んな!?」

 

魔理沙は驚いた。何故なら、弾幕が幅を広げたからだ。魔理沙はいきなりの事で止まる事が出来ず、水の弾幕を浴びるかと思ったその時。

 

【妹紅】

「危ない!」

 

【魔理沙】

「うわっ!」

 

妹紅は寸前の所で魔理沙を押しのけ、自分が身代わりになった。

 

【妹紅】

「んぐ!?(い、息が。)」

 

妹紅は水の塊に顔全体を包まれて、苦しそうだ。

 

【慧音】

「も、妹紅!!!き、貴様ぁぁぁぁ!!」

 

【永琳】

「ま、待って!今行ったら!」

 

【慧音】

「うるさい!邪魔だ!どけ!」

 

慧音は止めた永琳を押しのけ、妹紅の所に向かった。しかし。

 

【龍神】

「ふん。この程度で取り乱すとはな。」

 

【慧音】

「どけっつってんだよ!この野郎!」

 

慧音はそう言うと、姿が変わった。 髪が緑色になり、角が生えた。

 

【龍神】

「ほう。憎しみで半獣化しおったか。だが。」

 

【慧音】

「ぐうっ!?!?があぁぁぁぁ!!」

 

慧音は龍神を自慢の頭突きで破ろうとしたが、逆に慧音の頭に頭突きをした。めきっ!と、言う嫌な音が周りに鳴り響いた。龍神はそのまま慧音の角を掴みおもっきり顔を殴った。

 

【妹紅】

「ごぼが!(慧音!)」

 

妹紅は自らの体を炎の塊にし、水を蒸発させた。

 

【龍神】

「ふむ。中々、やる様だな。」

 

龍神は少しだけ安心をした感じであった。

 

【妹紅】

「慧音!おい!慧音!しっかりしろ!」

 

妹紅は慧音のそばに歩み寄った。慧音の姿は、頭から血が出ており、顔にはかなり大きい傷が付いていた。

 

【慧音】

「・・・・」

 

妹紅の呼び掛けに慧音は何も反応しない。

 

【龍神】

「ふん。行き込んで来たはいいが、その程度の力で私に勝つつもりか?一生勝てないな。」

 

【妹紅】

「く!」

 

妹紅は何も言い返せなかった。

 

【龍神】

「期待外れだ。」

 

皆は動けなかった。何故なら自分達がどんなに頑張ったって、こいつには勝てないと確信してしまったからだ。だが、そんな中でも、まだ諦めていないやつがいた。そう。魔理沙、裕也、霊夢の人間チームだ。水のバリアは全ての攻撃、声が吸収される使用だ。だからしゃべれたのは、魔理沙だけだった。

 

【魔理沙】

「ふざけるな!」

 

【妹紅】

「魔理沙?」

 

【永琳】

「魔理沙?」

 

【魔理沙】

「私達はまだ負けてない!」

 

【龍神】

「ふん。何を言っている。思い知っただろ。どんなに頑張ったとして、この私に勝てるわけがない。」

 

【魔理沙】

「へへ。それはどうかな。」

 

【龍神】

「なに?」

 

【魔理沙】

「永琳!お前は慧音の治療、妹紅は外れ玉が来ない様にしておくんだぜ!」

 

【永琳】

「! ええ!」

 

【妹紅】

「わ、分かった。」

 

【龍神】

「ふん。無駄な事を。」

 

【魔理沙】

「へへ。そいつは、どうかな?絆の力!お前に見せてやるぜ!」

 

魔理沙はそう言った。すると、魔理沙の髪が伸び、霊力が上がった。

 

【龍神】

「なに!どう言うわけだ!」

 

【魔理沙】

「へへ。教えてやる。裕也の能力に、仲間の力を借りる程度の能力があってな?その能力は、仲間が近くにいるなら、そいつも力が上がるんだ。」

 

【龍神】

「ほう。しかし、何故貴様だけなんだ?他の二人は?」

 

魔理沙は力強くこう答えた。

 

【魔理沙】

「力って物は、修行や鍛錬をしたら強くなる物だと私は思っていた。でも、違うんだよ。確かにそれも大事だ、でもな?裕也を見て分かったんだ。こいつは自分が一度信用をした奴なら、どんな状況にもそいつの味方をする。」

 

【龍神】

「だから一体なんだと言うのだ!」

 

【魔理沙】

「わっっっかんねえ奴だな、私達は裕也の仲間だからここに来た。仲間は人を、妖怪を強くするんだぜ?」

 

【龍神】

「戯言を!」

 

【魔理沙】

「戯言かどうか、確かめてみるか?」

 

【龍神】

「ほざけ!三下が!」

 

龍神は弾幕を打ちながら魔理沙に突進をして来た。だが、魔理沙は、その弾幕を全てよけた。

 

【龍神】

「なに!?」

 

【魔理沙】

「へ!甘いぜ!今度はこっちの番だ!」

 

魔理沙は龍神が自分の前あたりに来た時にタイミングを合わせて、スペルを発動させた。

 

【魔理沙】

「は!油断したな!今なら使える!私の奥義行くぜ!」

 

魔理沙はスペルを八卦炉に取り付け、自分が乗っていた箒に装着してこう唱えた。

 

魔心「真・ファイナルマスタースパーク」

 

すると、箒が大きい砲台見たいな形になりそこから巨大な赤色のマスタースパークが放たれた。

 

【龍神】

「なに!?ぐあぁ!」

 

龍神はモロに食らってしまった。

 

【魔理沙】

「へ、へへ。どうだ。」

 

魔理沙は龍神を見た。そこには、片腕がなくなっていた龍神がいた。

 

【龍神】

「ぐうぅ。中々やる。」

 

【妹紅】

「すげえ。これなら。」

 

妹紅達は少し離れた場所で慧音の治療をしていて、魔理沙の戦いを見ていた。

 

【慧音】

「ぐっ・・・・うぅ・・・・」

 

【妹紅】

「あ!慧音!気が付いたか!よ、よかった~。」

 

【慧音】

「も・・・・妹紅。魔理沙を手伝ってくれ。今の・・・・ままでは、勝てない。」

 

【妹紅】

「え?どういう意味?だって、魔理沙が押しているじゃないか。」

 

そう、誰がどう見ても魔理沙が押しているように見えていた。しかし。

 

【慧音】

「し・・・・かし。今の・・・・魔理沙は、体力を・・・・使い果たしている。」

 

【妹紅】

「え?」

 

妹紅はそんな素振りを見せていない魔理沙に驚いた。

 

【妹紅】

「だっ。だって、魔理沙はそんな素振りは。」

 

【慧音】

「ふ。気づ・・・・かないのも、仕方が・・・ない。何故なら、魔理沙は、私たちの・・・・誰かを、待っている。その・・・・為、悟られてはいけないからな。」

 

慧音は苦しそうにそうつぶやいた。そして、その後にこう続いた。

 

【慧音】

「私・・・・は、見ての・・・・とう、り。むり、だ。」

 

【妹紅】

「だったら!永琳!お前がいけよ!」

 

【永琳】

「別に言ってもいいけど、あんたは慧音の治療をきちんと出来るの?」

 

【妹紅】

「そ、それ、は。」

 

妹紅は青ざめていて、唇を噛んでいた。決められない自分に、何も出来ない自分に。そして、何も言い返せない自分に。

そんな様子を見ていた慧音は、寝ながら妹紅の襟首を掴み怒鳴り上げた。

 

【慧音】

「妹紅!!お前はお前にしか出来ない事があるだろう!!昔、教えた筈だ!!今の自分に出来る事を精一杯やれって!!!私はお前に言った筈だ!!お前はこんな所でなにしている!!魔理沙が!!私たちの仲間が必死に戦っているのに、妹紅!お前は、過ちを犯すつもりか!!ぐっ・・・・がは!」

 

慧音はいきなり苦しみだし、吐血した。

 

【妹紅】

「け、慧音!?お、おい!一体どうしたんだ!!おい!!!!」

 

妹紅は心配そうに慧音に呼び掛けた。

 

【永琳】

「! ダメよ、これ以上喋っちゃあ。」

 

【妹紅】

「お、おい、永琳。これは、どういう意味なんだよ!!」

 

【永琳】

「どうしたもないわよ。慧音は、多分。頭にヒビと肋骨が折れていて、本当は喋れる状態じゃないのよ。それを、貴女の為に無理して喋っていたのよ。」

 

【妹紅】

「そ、そんな。」

 

【永琳】

「貴女はどうしたいの?このまま自分で出来る事があるのに、何もしないでただ最悪の結果にするか、今の自分に出来る事を精一杯やって、最悪の結果を回避するか、貴女はどうしたいの。」

 

【妹紅】

「わ、私は。」

 

妹紅はふいに魔理沙を見た。

 

【龍神】

「ふん。疲れて来てるぞ。」

 

【魔理沙】

「へ!そう言うお前だって片腕がないだろ。お互い様だ。」

 

【龍神】

「ふん。ぜえあぁ!」

 

【魔理沙】

「ふっ!はっ! !がはっ!」

 

龍神は弾幕を打ち出した。魔理沙はそれをよけていたが、龍神は弾幕を囮に使い、魔理沙の腹にパンチを食らわせた。魔理沙は少し体制を崩したが、立て直した。しかし、さっきの攻撃が効いたのか魔理沙はふらついていた。

 

【魔理沙】

「はあ・・・・はあ・・・・うっ・・・・くっ。」

 

【龍神】

「ここまでの様だな。仲間は来ない、霊力も尽きかけている。さあ、ここで・・・・死ね。」

 

龍神はさっきより強く、そして、大量の弾幕を打ちながらその上に、また大量の弾幕を打ち出した。龍神はそれに紛れ込んだ。

 

【魔理沙】

「なに!くっ!よけきれない!くそ!」

 

魔空「スターダストブレイヴ」

 

魔理沙は八卦炉強く握って、そう唱えた。すると八卦炉から大量の雪の結晶が流星の様な降り注ぎ大量の弾幕を相殺した。しかし、八卦炉にヒビが入った。

 

【魔理沙】

「ぐう。やっぱり耐えれないか。これ以上は。」

 

【龍神】

「よく耐えたな。もう諦めたらどうだ?」

 

【魔理沙】

「・・・・確かに、諦めた方が楽かもしれないけど、人間って言うのは諦めが悪くってな!それに、仲間を信じるのが人間ってヤツなんだぜ?しかも、どんなに遅くても来るって信じるんだ。少なくとも私はそう思うぜ。」

 

妹紅はその光景を見ていた。

 

【妹紅】

「魔理沙。・・・・私は。」

 

【慧音】

「妹紅・・・・聞いてくれ。」

 

【妹紅】

「慧音!?気が付いたのか!」

 

【永琳】

「喋っちゃダメよ。傷に触るわ。」

 

慧音は苦しそうに喋った。

 

【慧音】

「昔の・・・・話だ。ある男がいた。その・・・・男は、熱くて、そして、芯がしっかりしているヤツだった。ぐぅぅ・・・・そ、その、男が言ったんだ。俺はある兄弟にこう言ったんだって。」

 

慧音は一旦間を開けそして話を続けた。

 

【慧音】

「俺を信じるお前じゃなく、お前を信じる俺でも無く、お前を信じるお前自信を信じろ。って、いっ、た、んだ。その・・・・・・意味が・・・・分かるか?妹紅。」

 

【妹紅】

「わかんないよ。慧音。」

 

【慧音】

「うぐぅぅ・・・・そ、そうか。その意味、はな?お前はお前自身だ。誰の何者でもない。私を信じてる自分でも無く、自分を信じてる私でも無く。自分自身を信じてそして、決めろ。そう言う意味があるんだ。だ、だか、ら。お前、が、きめ・・・・・・」

 

慧音はそこから喋らなくなった。

 

【妹紅】

「慧音!?慧音!おい!慧音!」

 

妹紅の呼び掛けに慧音は答えない。

 

【妹紅】

「永琳!慧音は!慧音は!」

 

【永琳】

「・・・・安心しなさい。気絶しただけだわ。でも、危ない状態には変わりしないわね。」

 

【妹紅】

「よかった。」

 

【永琳】

「妹紅。私は何も言わないわ。慧音の言葉を聞いて、貴女がどう思ったかは知らない。でも、これだけは言える。甘ったれてんじゃないわよ!普段のあんたはいつも強気だったでしょ!しかも、大切な人の言葉を聞いても悩んでいる!あんたは慧音を!裕也を!信じていないの!?ならどうしてここに来た!答えろ!藤原妹紅!」

 

永琳はそういいながら妹紅を引っ叩いた。

 

【妹紅】

「ぐっ!・・・・そうだ。何を悩んでいたんだ。自分自身を信じろ、か。そうだよな!私は、いや、俺は怖かったのかもしれない。昔の自分に戻るのが、だけど、もう迷わない!俺は!慧音の、仲間の為に!昔に戻る!」

 

妹紅はそう言うと、魔理沙の元に飛んで行った。

 

【永琳】

「ふふ。若いわね。いや、私だってまだ若いけど。」

 

【慧音】

「はは。強がり、ですかな?」

 

【永琳】

「あら?目が覚めたの?」

 

【慧音】

「まあ、な。」

 

【永琳】

「・・・・一つ、聞かせてもらっていいかしら?」

 

【慧音】

「なんだ?」

 

【永琳】

「さっきのあの言葉。あれは誰の言葉なんだ?」

 

【慧音】

「ふふ。さあね。顔も、名前も思い出せないわ。でも、その人が、好きだったって事は覚えているんだ。」

 

【永琳】

「そして、さっきの言葉ね。」

 

【慧音】

「そうだ。まあ、今の私たちは眺めているだけだがな。」

 

【永琳】

「・・・・そうね。がんばんなさい。魔理沙、妹紅。」

 

慧音、永琳はそういいながら上で戦っている二人を眺めていた。今の自分たちに出来る事を精一杯やって。

 

 

【魔理沙】

「く、そ。」

 

【龍神】

「くくく。ここまでだな。よく耐えたと褒めてやろう。だが、これで終わりだ。」

 

魔理沙はピンチな状態にいた。慣れない魔法の連発。よける事に使った精神。全てが限界に来ていた。龍神はそんな魔理沙に気付き、とどめを刺すところだった。

 

【龍神】

「さよならだ。」

 

【魔理沙】

「ちき、しょう。」

 

龍神の手から弾幕が放たれた。魔理沙は諦め目をつむった。しかし、いつまで立っても振動が来ないから何事かと思い、目を開けた。そこにいたのは。

 

【魔理沙】

「妹紅!」

 

妹紅は弾幕を握りつぶしていた。

 

【妹紅】

「またせたな。」

 

【魔理沙】

「遅いぜ。」

 

【妹紅】

「悪い。だが、もう大丈夫だ。」

 

【魔理沙】

「なあ、一ついいか?」

 

【妹紅】

「なんだ?」

 

【魔理沙】

「私達、性格と言うか、口調変わっていないか?」

 

【妹紅】

「そうだな。だが、何時の間にかもどっているものだ。そして、お前は何故元気そうに話している?」

 

【魔理沙】

「む!思い出したら痛みが。」

 

【妹紅】

「そうかい。まあ、いい。下がっていろ、魔理沙。」

 

【魔理沙】

「いや、まだ大丈夫だ。確かに、辛いけど、まだやれる!」

 

魔理沙は汗だくな顔で答えていた。

 

【妹紅】

「そうか、無理はするなよ?」

 

【魔理沙】

「ああ。」

 

【龍神】

「今更、一人増えたて無駄だ。貴様らは私に勝てない。」

 

【魔理沙】

「へ、そうつぁあどうかな。」

 

【妹紅】

「ま、やれるだけやるか。」

 

【魔理沙】

「くるぜ。」

 

【妹紅】

「ああ。」

 

【龍神】

「死ねぇぇ!!」

 

龍神は弾幕を展開した。妹紅と魔理沙は華麗に避けた。

 

【龍神】

「なに!」

 

【妹紅】

「なにを驚いてやがる。今度はこっちから行くぞ!魔理沙!」

 

【魔理沙】

「ああ!」

 

魔理沙と妹紅は初めて合わせたとは思えない連携技を使った。最初に魔理沙が弾幕をばら撒いた所に少しずらした場所に、今度は妹紅弾幕をばら撒いた。龍神は逃げる場所すらない弾幕を相殺して行きながら道を作り、避けていた。

 

【妹紅】

「魔理沙。」

 

【魔理沙】

「なんだ?」

 

【妹紅】

「俺も信じてみるよ。ここにいる皆を。」

 

【魔理沙】

「そうか。ならそれまで待っててやる。まだ向こうさんは掛かりそうだしな。」

 

そう、魔理沙の言う通り龍神はまだ弾幕の相殺に追われていた。

 

【妹紅】

「サンキュー。」

 

妹紅は目をつむった。

 

【妹紅】

「(ふう。まさか、人を嫌った俺が人を本気で信じる様になるとは。何が起こるか分かったもんじゃないね。なあ、慧音。)」

 

妹紅は暫くそうしていたが、だんだん姿が変わって来た。髪が黒色に戻り目の色は吸い込まれそうな黒色になっていた。妹紅は目を開けた。

 

【妹紅】

「これは、俺がまだ人間だった頃の姿?ふふ。成る程ね。しかも、能力も変わってるな。これが、今の俺に必要な力ってか?」

 

【魔理沙】

「妹紅、その姿は?」

 

【妹紅】

「俺の本来の姿、だな。そして、裕也の能力。その本質がわかったぜ。」

 

【魔理沙】

「本質だと?」

 

【妹紅】

「裕也の能力に、仲間の力を借りる程度の能力があるよな?そして、その延長として築いた絆の仲間の力を上げる。そう思っていた。」

 

【魔理沙】

「どう言う意味だ。」

 

【妹紅】

「早い話が、力が上がるわけじゃないんだ。」

 

【魔理沙】

「と、言うと?」

 

【妹紅】

「それじゃあ聞くが、何故姿が変わる?霊力が上がるだけでいいだろうに。」

 

【魔理沙】

「確かに。」

 

【妹紅】

「そして、俺は昔に戻った。それに、能力が変わっている。これらを組み合わせたら、出てくる答えは一つ。仲間の力を借りる程度の能力の延長は、信頼されている仲間を今の状態で最も力が強い時の姿に変える程度の能力。これしか考えられない。」

 

【魔理沙】

「つまり、私達が強くなればそれだけ裕也の能力で増幅した時の力も上がるって意味か?」

 

【妹紅】

「早い話がそうだな。それと、追加だ。お前も知っているだろう、嘘偽りのない信頼が必要だ。しかも、不純な意味で力を求めると、強くなる代わりに痛みと苦しみが来るらしいからな。」

 

【魔理沙】

「何故そんな事を知っている。」

 

【妹紅】

「さあな。おっと、話もここまでだ。」

 

龍神はようやく抜け出せたみたいだった。

 

【龍神】

「よくもやってくれたな!」

 

龍神は誰から見てもわかるくらいに起こっていた。

 

【魔理沙】

「へ!スカしているからだぜ!」

 

【龍神】

「く!うるさい!」

 

龍神は弾幕をデタラメに放った。

 

【魔理沙】

「ほっ!やっ!とっ!」

 

【妹紅】

「ふっ!やっ!とりゃあ!」

 

二人は弾幕を避けていた。

 

【魔理沙】

「行くぜ!妹紅!」

 

【妹紅】

「ああ!魔理沙!」

 

魔理沙はスペルを取り出し、妹紅は避けながら龍神に近寄った。

 

【魔理沙】

「避けれよ!」

 

彗星「ブレイジングスター」

 

大量の星屑とともに魔理沙は箒後と回転しながら龍神に突進をして来た。

 

【龍神】

「なんだと!?ぐあ!」

 

【妹紅】

「まだだぞ!くらえ!」

 

「インペリシャブルシューティング」

 

妹紅の手から一つの弾幕が放たれた。その弾幕は、形を持ってはおらず、伸びたり、曲がったり、大きくなったり、分裂をして増えたりと、いろいろな形で龍神を攻撃した。

 

【龍神】

「がはっ!ぐうぅぅ。な!しま!がぁぁぁ!」

 

龍神は全ての弾幕に当たり倒れた。

 

【魔理沙】

「やったか?」

 

【妹紅】

「わからん。」

 

砂埃が晴れ、龍神の姿が見えた。龍神は仰向けで倒れていた。

 

【魔理沙】

「やったぜ!妹紅」

 

【妹紅】

「ああ!魔理沙!」

 

二人は喜んでいたが、龍神はゆっくりと立ち上がった。

 

【魔理沙】

「な、なんだ。まだやるのか?」

 

魔理沙が警戒したが、龍神は立ったまま動かなくなった。暫くそうしていたが、いきなり龍神の体が軋みだし、姿を変えた。最初は、少年の姿をしていたが、体格は青年男性より少し高く、体が鱗に覆われていた。

 

【龍神】

「・・・・」

 

【魔理沙】

「よくわからないが、来ないならこっちから行くぜ!」

 

【妹紅】

「ああ!」

 

二人は龍神に突進をした。しかし、龍神はそれを軽く避け、魔理沙と妹紅の顔に手を当て、弾幕を放った。

 

【魔理沙】

「んぐばぁぁぁぁ!」

 

【妹紅】

「くぅおぉぉぉぉ!」

 

魔理沙と妹紅は言葉にならない痛みを受けた。そのまま倒れそうになるが、龍神の蹴りによって、二人は吹き飛ばされた。

 

【魔理沙】

「あぐ・・・・う・・・・」

 

【妹紅】

「ぐ・・・・ぐう・・・・」

 

龍神はそんな二人を興味がない様な感じに、無視をした。

 

【永琳】

「魔理沙!妹紅!」

 

永琳はゆっくりと慧音をおき、直ぐに二人の元に向かった。

 

【永琳】

「あいつ、私がいる場所に。・・・・今はそれより。二人の治療が優先ね。」

 

永琳は二人の治療を始めた。

 

 

【龍神】

「さあ、二回戦を始めようか。」

 

龍神がそう言うと二回戦に戦うレミリア達がバリアから放たれた。

 

【レミリア】

「あら?いいわね。さあ、行くわよ、フラン、咲夜、ルーミア。

 

【フラン】

「わかった。お姉さまもカリスマが切れない様にね!」

 

【レミリア】

「な!?あ、甘く見ないでよ!」

 

【フラン】

「はいはい。わかった、わかった、お 姉 さ ま。」

 

【レミリア】

「う~~~そんな事ないもん。」

 

【フラン】

「はいはい。わろす。わろす。」

 

いきなり始まった二人の言い合いに止めようとしたルーミアであったが、咲夜が止めた。

 

【ルーミア】

「なんだ、咲夜。」

 

【咲夜】

「止めるなんてそんなもったいない。」

 

【ルーミア】

「はあ?どう言う意味だ?戦いにならないだろ?」

 

【咲夜】

「いや!今一時この幸福の時間を!」

 

【ルーミア】

「ばかか!いいから戻る!レミリア!フラン!お前らもだ!きちんとしろ!」

 

【レミフラ】

「「う~~~わかったわよ。」」

 

レミフラは全く同じタイミングでそう言った。それを聞いた咲夜は鼻血を吹き出したが、直ぐに拭き取り戦闘体制に入った。

 

【ルーミア】

「はあ。さて、待たせたな。龍神。」

 

【龍神】

「最後の話は済んだか。」

 

龍神は無表情で答えた。それに対抗してか、レミリアは威厳たっぷりとこう答えた。

 

【レミリア】

「ふふ。そう言うあなたはどうなのかしらね。あなたの方が最後になるかも知れないわよ?」

 

【龍神】

「さっきのとは別人だな。仮にも、残されし最後の吸血王と言った所か。」

 

【レミリア】

「あら、私にぴったりの二つ名じゃないのよ。闇の王たる私にぴったりだわ。」

 

【ルーミア】

「あー、レミリア?非常に言い辛いが、龍神が付けた私の二つ名は、幻想に集いし最も黒く、そして全ての闇を統べる王、だ。」

 

【レミリア】

「なによそれ!そっちの方が強そうじゃないのよ!」

 

【フラン】

「まあまあ、落ち着いて、お姉さまもかっこいいから。」

 

【レミリア】

「フラン~ありがと~!」

 

レミリアはフランを抱きしめた。

 

【龍神】

「姉より姉らしいな。最も幼き破壊神よ。」

 

【フラン】

「破壊神か、まあ、仕方ないわね。」

 

フランはボソっと小声で答えた。

 

【咲夜】

「お嬢様方、そろそろいかないと。」

 

【レミフラ】

「「うん。そうだね。」」

 

レミリアとフランはくっ付いていたが、咲夜の一言で離れた。

 

【龍神】

「ふん。あの二人を静めたか。時を操りし罪深き人間よ。」

 

【咲夜】

「あら、それは私の二つ名かしら?私にぴったりね。まあ、そんな事は関係ないわね。」

 

【龍神】

「ほう、それはどう言う意味だ?」

 

【咲夜】

「こう言う意味よ!」

 

咲夜は時を止めて、ナイフを龍神の周りに設置した。

 

【龍神】

「はっ!」

 

龍神は衝撃波を生み出しナイフを叩き落とした。

 

【咲夜】

「ちっ。こんなもんじゃ効かないか。」

 

【レミリア】

「咲夜、一人で先行しない。皆で行くわよ。」

 

【咲夜】

「申し訳ありません。」

 

咲夜はそう言うと一歩下がった。

 

【龍神】

「どうした?何故こない。俺を殺しに来たんじゃないのか?」

 

龍神の煽りにもレミリアは動じなかった。

 

【レミリア】

「ええそうよ?でも、そんな見え見えの挑発には乗る気はないわ。」

 

【龍神】

「ほう。ならどうする?」

 

【レミリア】

「こうするのよ!」

 

レミリアはそう言った瞬間に弾幕を自分達が見えなくなる位に展開した。

 

【レミリア】

「今よ!」

 

【咲夜】

「はあぁぁ!」

 

咲夜はもう一回時を止めた。

 

【咲夜】

「ふうぅぅ。」

 

咲夜は弾幕に当たらず隠れた状態で龍神の所に行ける場所に両手を前に出し自分の霊力を使い霊力のナイフを作り上げた。それを二個から三個程設置した。時間が動き始めたら当たる様に。

 

【咲夜】

「そして時は動き出す。」

 

咲夜は安全な場所に行き時間停止を解いた。

 

【龍神】

「はっ!やっ!ほっ! ! そこ!」

 

龍神は展開されている全ての弾幕を避けながら、咲夜が作った霊力のナイフをはじき返した。

 

【龍神】

「その程度か!」

 

【咲夜】

「ふ。まさか。」

 

【龍神】

「なに?どう言う事だ。」

 

龍神は何かを企んでいる事は分かっているが、それが何かは分からない。そんな龍神の頭上から声が聞こえてきた。

 

【ルーミア】

「失敗するなよ!」

 

【フラン】

「わかってるよ!」

 

何時の間にか龍神の頭上にいたルーミアとフランは同時にスペルカードを使った。

 

闇符「ディマーケイション」

 

禁断「フォーオブアカインレーヴァテイン」

 

ルーミアから漆黒の霧が現れ龍神を包みこむ様に周りを囲みその霧が龍神に絡み付いた。と、同時に、フランが四人に分身した瞬間赤い尻尾の様な槍が現れ四人のフランは龍神を囲む様な感じの陣形をしてそれを左右八方から放った。

 

【ルーミア】

「追撃だ!フラン!」

 

【フラン】

「わかった!」

 

夜符「ナイトバード」

 

QED「495年の波紋」

 

ルーミアの背中に黒い羽が現れルーミアはその羽を振動させた

。すると、羽が抜け弓矢の様な感じになり龍神に向かって放たれた。龍神は穴が空きだらけの体を曲げよけ様としたが、波紋が無差別に飛び回り龍神の逃げ道を防いだ。龍神はよける事ができずルーミアの攻撃をくらった瞬間フランの攻撃を受け龍神は地面に落ちた。

 

【ルーミア】

「どうだ。」

 

【フラン】

「分からないよ。」

 

フランとルーミアは様子を見る事にした。深追いは禁物とルーミアが言ったからだ。その様子を見ている事しか出来なかったレミリアと咲夜は。

 

【レミリア】

「う~皆して私をのけ者にする~。」

 

【咲夜】

「まあまあ。まだ戦闘中なのですから気を引き締めて下さい。」

 

レミリアが駄々を捏ねていた。

 

【レミリア】

「! フラン!ルーミア!そこから避けて!」

 

レミリアがそう叫ぶのと同時に、二つの細いレーザーがフランとルーミアを貫いた。その打った龍神は体中がボロボロだった。

 

【フラン】

「かはっ!」

 

【ルーミア】

「ぐうっ。油断、した。」

 

フランとルーミアは倒れ動かなかった。

 

【レミリア】

「咲夜!」

 

レミリアがそう叫ぶと同時に咲夜が消え、気が付いたら永琳の元にいた。

 

【咲夜】

「八意さん。二人をお願いします。」

 

【永琳】

「わかったわ。任せなさい。」

 

咲夜はそれだけ言うと、また消え、次に現れたのはレミリアのとなりだった。

 

【咲夜】

「お嬢様。」

 

【レミリア】

「ええ。わかってるわ。咲夜。裕也、私達に力を貸して。」

 

レミリアは怒りを抑え、裕也を信じた。吸血鬼は普通は人間は信じない。だが、勝つために、仲間の為に裕也を信じた。すると、レミリアの姿が変わった。羽が大きくなり、吸血鬼の肝と言われる歯が伸びて、服装は全身が真紅の服に変わった。咲夜は服の色が黒くなり、髪が伸びた。

 

【レミリア】

「龍神。貴方は私の大切な者を傷付けた。その報い、体で補って貰う!咲夜!」

 

【咲夜】

「・・・・ふっ!」

 

咲夜はナイフを龍神に投げた。

 

【龍神】

「そんなナイフはよけるまでもないな。」

 

龍神はナイフを弾いた。その瞬間ナイフが爆発をしてナイフの破片が龍神に降り注いだ。

 

【龍神】

「くっ!鬱陶しい!」

 

龍神は気圧で破片を吹き飛ばした。咲夜はその隙に龍神の懐に入り腕を龍神の腹におもっきり刺した。

 

【咲夜】

「お嬢様!今です!」

 

【龍神】

「かは!ぐ!この小娘!離せ!」

 

龍神は咲夜をおもっきり殴り付けた。咲夜は辛そうに呻いた。

 

【レミリア】

「咲夜!く!」

 

禁忌「フォーオブアカインド」

 

レミリアは四人になり一人は咲夜を助けもう一人は龍神を抑えもう一人は咲夜がやっていた事と同じ事をしていて、残りの一人と咲夜を助けたレミリアはスペルカードを出した。

 

神槍「「スピア・ザ・グングニル」」

 

龍神の前と後ろを二人のレミリアが陣取り、スピア・ザ・グングニルを放った。もう一人のレミリアに抑えられ、もう一人のレミリアに腹に腕を貫通されられている龍神は避ける事が出来なかった。レミリアのスピア・ザ・グングニルは二人のレミリアと龍神を貫いた。

 

【龍神】

「ぐがぁっ!がっ。あ、ぐ。」

 

龍神は力無く倒れた。

 

【レミリア】

「はあ、はあ、はあ。ど、どうよ。私の残りの全魔力と霊力を注ぎ込んだ神具の味は。」

 

レミリアはかなり疲労をしている様で地面に膝を付け苦しそうに喋っていた。

 

【龍神】

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

龍神は動かなかった。龍神の腹に大きな穴が空いていた。

 

【レミリア】

「! 咲夜!咲夜!大丈夫なの!私の声が聞こえる。」

 

咲夜は気を失っているのかピクリとも動かない。

 

【レミリア】

「く!永琳!咲夜を!咲夜を!!」

 

レミリアは辛く動かない体にムチを打ち、咲夜を抱きかかえ永琳の所に向かった。

 

【永琳】

「・・・・! これは。レミリア、今咲夜は危ない状態よ。」

 

【レミリア】

「え?え?ど、どう言う事よ!咲夜は気絶しているだけなんじゃ無いの!?ねえ!永琳!」

 

レミリアは叫んでいた。子どもの様に、大事な姉を傷付けられた妹の様に。泣きながら、叫んでいた。

 

【レミリア】

「ねえ、何でもするから、フランも咲夜も皆、助けて。お願いだから。」

 

【永琳】

「フランなら大丈夫。ルーミアもね。問題は咲夜の方よ。」

 

【レミリア】

「え?咲夜?」

 

【永琳】

「そうよ。咲夜は急激な体力と霊力の低下により衰弱している。しかも、今も尚霊力が漏れ出ている。このまま行けば彼女は急激な体力と霊力の変化に耐えられず、良くて廃人悪くて死人になるわ。」

 

【レミリア】

「!? どうにかならないの!?」

 

【永琳】

「・・・・一つだけ、たった一つだけなら、方法は無くもないわ。」

 

【レミリア】

「! な、何をすればいいの!」

 

【永琳】

「・・・・とても簡単よ。でも、とてつもなく難しいわ。」

 

【レミリア】

「? どう意味?」

 

【永琳】

「先ずは咲夜の治療方法だけど、これは簡単。単に急激な体力と霊力の変化について行ってないのなら霊力と体力を戻せばいい。」

 

【レミリア】

「なら!」

 

【永琳】

「言ったでしょ?簡単だけど難しいって。治療方法が分かっても、治療が出来ないのよ。」

 

【レミリア】

「だったら私の霊力を!」

 

【永琳】

「それじゃ、駄目なのよ。」

 

【レミリア】

「どうして!」

 

【永琳】

「いい。どんなに強くとも人間なのよ。人間である限り私達が霊力をあげたとしても、拒絶反応を起こすわね。ましてや吸血鬼なんて論外よ。多分吸血鬼の霊力に耐えきれなくて吸収しきれずに逆に吸血鬼の霊力に殺されるわ。」

 

【レミリア】

「! ならどうしろって言うのよ!

 

【永琳】

「人間からなら何の問題はないわ。でも、かなり使わなければならないでしょうね。きっと戦闘どころじゃないわ。だから言ったでしょ、簡単だけど難しいって。」

 

成すすべが無く項垂れていたレミリアと永琳だったが、二人の後ろから声が聞こえてきた。

 

【裕也】

「永琳。俺がやる。」

 

【永琳】

「裕也!貴方どうして。」

 

【裕也】

「バリアが外れたから来たんだ。兎も角急がなきゃいけないんだろ?」

 

【永琳】

「でも。」

 

【裕也】

「大丈夫だ。どの位の時間があればいいんだ?」

 

【永琳】

「霊力を供給する使用者に比例するけど、約10〜20分位よ。」

 

【裕也】

「なら大丈夫だ。」

 

裕也はそう言うとスペルカードを取り出し唱えた。

 

歴史「自己像幻視(ドッペルゲンガー)」

 

スペルカードからもう一人の裕也が現れた。

 

【永琳】

「これは?」

 

【裕也】

「ドッペルゲンガーって言うのは知ってるか?」

 

【永琳】

「ええ。でも、同じ顔つまり自分自身に合うと死ぬって聞いてるわ。」

 

【裕也】

「ご明察。このスペルカードは自らドッペルゲンガーを作り出すスペルカードなんだ。」

 

【永琳】

「待ってドッペルゲンガーは自分に会ったら死ぬって事なのよ!そんな事をしたら貴方が!」

 

【裕也】

「大丈夫だ。ドッペルゲンガーに会うと死ぬのはドッペルゲンガーが負の塊だからだと思うんだ。その負の塊が一気に戻るから不幸、つまり死ぬって俺は思ってる。だったら話は簡単だ。半分にして常に霊力を漏れ出していればいい。」

 

【永琳】

「どう言う意味?」

 

【裕也】

「つまり100パーセントを50/50に分ければいい。そうすると負の塊は完全にはならない。だから死ぬ事はない。」

 

【永琳】

「わかったわ。貴方を信じる。」

 

【裕也】

「ああ、有難う。因みに、俺の分身は俺自身だ。スペルカードも霊力も力も全てがオリジナルと同じだ。ただし、可動時間は30分それ以上になると俺の体が壊れる。まあ、代償として霊力が下級妖怪まで落ちるがな。だが、仲間の助けになるから安いもんだ。だろ?」

 

裕也は差も当然な事の様に話した。

 

【永琳】

「分かったわ。貴方の気持ち、使わせてもらうわ。」

 

【裕也】

「ああ、頼む。」

 

裕也は戦場に戻って行った。

 

 

【霊夢】

「どうだった?」

 

【裕也】

「大丈夫だ。さて、龍神いつまで寝ているつもりだ?そろそろ終わりにしようぜ。」

 

裕也は倒れたままの龍神にそう言ったしかし、龍神は起きない。

 

【霊夢】

「倒したんじゃないの。」

 

霊夢はそう言い龍神に近づいた

。その時、龍神が少し動いた様な気がした裕也は霊夢に向かって注意を言った。

 

【裕也】

「霊夢!気を付けて!龍神が少し動いた!」

 

霊夢はその言葉を聞いて直ぐに後ろに下がった。

 

【霊夢】

「本当。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也はいっそう警戒をした。龍神はようやく動きを見せた。

 

【龍神】

「よく私をここまで本気にさせたな。とりあえず褒めてやる。だが、貴様らもここまでだ。」

 

龍神はそこまで言うと人間の姿からだんだん変わって行き最終的には巨大な青い龍になった。

 

【裕也】

「なに!?デカ過ぎる!」

 

【霊夢】

「うわ!?霊力も跳ね上がったわよ!?」

 

【龍神】

「我は龍神。幻想郷の作り主とし、水を操る神である。人間よ、お前らはなぜ戦う?」

 

【裕也】

「なにいっている!貴様が異変を起こしたから俺たちが来たんだろうが!」

 

【龍神】

「何を言っている。我はただ雨を降らせたに過ぎない。人間と水は切っても切れぬ縁だ。それとも貴様は雨を降らすなと、言うのか?」

 

【裕也】

「違う!貴様はやり過ぎてるって言っているんだ!雨を降らすのはたまにでいい!毎日雨なんか降らせたら、山に囲まれている幻想郷は山の地盤がゆるくなり土砂災害を起こす!そうしたら人里も妖怪の山もただではすまない!だから止めに来たんだ!」

 

【龍神】

「そうか。だが我は止めるつもりはない。」

 

【裕也】

「なぜ!」

 

【龍神】

「なぜ?我にそれを聞くか人間。まあ、よかろう。なぜ雨を止めないか、だったな。話は簡単だ。この幻想郷を元の姿に戻す。」

 

【裕也】

「戻す?」

 

【龍神】

「本来幻想郷は世界には存在しない。」

 

【裕也】

「どう言う事だ!」

 

【龍神】

「元々幻想郷は我とある者達の為に作った物だった。その為存在はしてはいけない。だから我は空間に作った。異空間にな。それを紫は能力を切り離し自分の都合のいい様に作り変えた。今の幻想郷は居場所を無くした物や忘れ去られた者の楽園になっている様だが、最初は違った。全てを飲み込む?全てを包み込む?当たり前だ。幻想郷の本来の役目は、忘れ去られた者や物を取り込み、我やある者を一生楽しませる為に作ったからな。しかし、紫でも幻想郷は変えられたが元は変えれないらしいな。だから時たま人や物が流れる。最近では紫に連れてこられた、幻想入りだったか?その奴も増えて来た。しかも博麗の巫女がいるから出入り自由と来た物だ。だから、我は、幻想郷を壊し一から作り変える。」

 

【紫】

「たとえあなた様と言えど好きにはさせないわ。」

 

龍神が幻想郷を壊すと言った瞬間に紫が現れた。

 

【龍神】

「・・・・なにしに来た、紫。」

 

【霊夢】

「紫!?あんたどうして!」

 

【裕也】

「やっぱり来てたか。紫。」

 

【霊夢】

「裕也!貴方気付いていたの!?」

 

【裕也】

「ああ、スキマ、まあ、ここでは空間にしておくか。空間に隠れて見ると言う事はその部分だけ普段とは違う雰囲気になる。しかも上手く隠そうとすれば逆にその部分だけ不自然になる。だから分かるんだ。」

 

【霊夢】

「あ、あんたどんだけ強いのよ。」

 

【裕也】

「いや、これは案外誰でもできる。ただし多くの死戦をくぐり抜けなきゃ無理だけどな。」

 

【霊夢】

「裕也。」

 

霊夢は心配そうに裕也を見た。

 

【裕也】

「話が脱線したな。紫、お前は、どっちの敵だ?」

 

【紫】

「あら?酷いじゃない。勿論貴方の味方よ。」

 

【裕也】

「今の所は、だろ?紫、お前は本気では俺を信じてないな。」

 

【紫】

「どうして、そう思うのかしら?」

 

【裕也】

「阿久から幻想郷縁起を借りているからな。とりあえず、間違いも含め書いてある事は頭の中に入っている。」

 

【紫】

「あそこに書いてあるのは歴代阿久が書き綴った本当にあった事よ。」

 

【裕也】

「本当か。だが、世界は嘘で出来ている。自分がどんなに正しいと思っていたとしても、見方、別の証言、別の原動。それかが違うと全てが崩れ去る。特に情報操作には長けている妖怪が沢山いるからな。」

 

【紫】

「あらあら。私達の事は分かっていますね。」

 

【裕也】

「ああ。逆にそれが本当の事を言っている事もな。」

 

【紫】

「え?」

 

【裕也】

「前に言ったろ?俺は一度仲間になった奴はどんな事があろうが信じるって、もし間違っていたならただしてやるってな。だからお前が信じてなくても、俺が信じる。だから、安心しろ。俺はお前を責めない。」

 

【紫】

「あ・・・・ふふ。馬鹿な人ね。龍神様?いや、龍神。私は裕也側に付きますわ。」

 

【龍神】

「成る程、似ているな。あいつに。まあ、いい。さあ、死の始まりだ。」

 

【裕也】

「紫!霊夢!いくぞ!」

 

【霊夢】

「ええ!」

 

【紫】

「さあ、行きましょうか。」

 

【龍神】

「ギュオォォォ!!!」

 

龍神は雄叫びとともに、水の塊を沢山作り出した。

 

【龍神】

「コォォォォ!!!ブゥゥゥゥ!!!」

 

その水の塊を一箇所に集め、解き放った。

 

【龍神】

「ウォーターブレス!!!」

 

それはまるで魔理沙のファイナルマスタースパークの水バージョンの感じであった。

 

【裕也】

「! 後ろには!くそ!」

 

暴風「雷雲」

 

裕也は台風を起こし、ウォーターブレスを防ごうとしたが、台風をブレスは突き抜けた。

 

【裕也】

「なに!?ぐあ!」

 

威力はそれなりに弱まったがそれでも強力なブレスが裕也に直撃した。裕也は何とか耐えたがかなりダメージを食らった様だ。

 

【霊夢】

「裕也!あんたなんでよけないの!」

 

霊夢は裕也の所に生き、説教をした。

 

【裕也】

「げほ、だって、避けたら、あいつらに当たっちまうだろうが。」

 

霊夢は裕也の後ろを見た。そこには、治療中の仲間達がいた。

 

【霊夢】

「! でも!」

 

【紫】

「貴方はそこまでして。私も本気にならないといけないじゃないの。」

 

紫はそう言うと小さいスキマを龍神の身体中に展開してスペルカードを唱えた

 

境界線「雨ト雷ノ輝ク光」

 

スキマから黒い雷と黒い雨が現れ龍神を攻撃して行った。

 

【龍神】

「ギュゴォォォォ!!!!」

 

裕也はそれを観察した。そして裕也は気付いた。龍神の鱗が溶けている事に。その事により分かった紫のスペルカードの技の正体が。

 

【裕也】

「強力な酸が混ざった雨と雷か。」

 

【紫】

「はあ、はあ。そ、うよ。」

 

紫は何故か苦しそうに喋った。

 

【裕也】

「! どうした紫!」

 

【紫】

「この、技は、ね?かな、り、の霊、力を、つ、使う、のよ。その、た、めに、わ、たしの、か、か、らだが、つい、て、いか、な、いのよ。」

 

紫は途切れ途切れだったが確かに聞こえる声で話した。

 

【裕也】

「な!スペルカードの領域を超えているだろ!それにどうして!」

 

【紫】

「い、いっ、たで、しょ?ほ、ほ、ん、き、で、や、やら、な、いと、あ、あな、た、に、しつ、れ、い、だ、って。わ、わた、し、を、こ、こま、で、さ、せた、の、は、はあ、はあ、あ、あな、た、がはじ、めて、よ。裕、也、わた、しの、幻、想を、あな、たに、たく、す、わ。がん、ばっ、て。そ、そし、て、わた、しを、しん、じて、く、れ、て

、あ・・・・。」

 

紫は最後の言葉を言う事無く気絶した。裕也は紫の体を抱きかかえ、永琳の元に行った。

 

【裕也】

「永琳。紫を頼む。」

 

【永琳】

「ええ、分かってるわ。それから、裕也。私達皆は貴方を信じてる。だから、貴方は心配しないで。貴方が帰ってきたら皆で労ってあげるから。ね!皆。」

 

【皆】

「ああ!(うん!)」

 

裕也は自分に何か暖かい物が流れ込んできているのが分かった。

 

【裕也】

「皆有難う。」

 

裕也はそれだけ言うと霊夢の元に戻って行った。

 

 

【フラン】

「お姉様。裕也お兄ちゃん大丈夫かな。」

 

フランは心配そうにレミリアに聞いてきた。レミリアはそんなフランの頭に手を置いてこう話した。

 

【レミリア】

「フラン、大丈夫よ。・・・・ねえ、フラン?貴方の狂気を直した時の裕也はどうだった。」

 

【フラン】

「どうしたの?急に。」

 

【レミリア】

「いいから。」

 

【フラン】

「えーとね。凄くかっこよかった!」

 

【レミリア】

「だったらそのかっこよかった裕也が負けると思う?」

 

フランは首をブンブンと横にやった。

 

【レミリア】

「だったら大丈夫よ。」

 

【フラン】

「なんで?」

 

【レミリア】

「私が言える筋合いはないけど、信じるって言うのはそう言う意味よ。」

 

【フラン】

「わかんないよ。」

 

レミリアはフランを抱きしめながら話した。

 

【レミリア】

「ふふ。私もわからないわよ。だから、二人で分かっていこ?一人だとわからないかもしれないけど、二人ならきっと分かる気がするの。だから、フラン。これからもよろしくね。」

 

フランもレミリアを抱きしめた。そしてこうつぶやいた。

 

【フラン】

「うん。これからもよろしく、お姉様。」

 

その風景を見ていた残りの仲間達はこの異変の大事さ、思いを心に刻み混んでいた。

 

 

龍神はようやく紫のスペルカードから逃げる事が出来たが、体の鱗はボロボロになっていて鱗に隠してあるはずの体が見えていた。

 

【霊夢】

「裕也。」

 

【裕也】

「ああ、霊夢。力を貸してくれるな。」

 

【霊夢】

「勿論よ。貴方も貸してね。」

 

【裕也】

「分かってる。」

 

【裕也&霊夢】

「「そう!あいつを倒せる力を!」」

 

そこまで言った、裕也と霊夢の姿が変わった。霊夢は先代巫女と同じ格好になり、裕也は霊力が跳ね上がった。

 

【龍神】

「ぐががが。よくもよくも!許せん。絶対に許せんぞ!人間ども!!!吹き荒れろ!水龍!全てを飲み込み!そして愚かな人間どもを!原初の姿に戻せ!」

 

「全テヲ飲ミ込ム大イナル源」!

 

龍神がそう言うといきなり空の天気が崩れ大嵐となりそこから七体の水龍と竜巻が生まれ裕也達を襲った。

 

【霊夢】

「こんな物!全てを守る光の盾よ、我と我らの安全を確保せよ!」

 

博麗奥義「博麗大結界」

 

七色の盾が現れ水龍と竜巻を裕也達から守り抜いた。その後盾が砕け散りその破片は龍神が作り出した水龍が生まれた場所に行き消滅させた。

 

【龍神】

「なに!」

 

【霊夢】

「はあ、はあ、つ、疲れが半端ない。」

 

【裕也】

「さっきのは?」

 

【霊夢】

「ああ、さっきのはね?博麗神社に伝わる七つの奥義の内の一つ。普段はスペルカードにして使っているんだけど、かなり威力が抑えられてるのよ。私もあんな強力な力は使えないし。でも、今の力なら使えるわ。でも、消費が激しくてね。後二回しか出来ないわ。」

 

【裕也】

「そうか。なら、あまり使わない様にな。」

 

【霊夢】

「ええ。分かっているわ。」

 

【龍神】

「くたばれ人間!生命の命は一つならず!生命の息吹は神の力!神の怒りは全てを飲み込み滅びの一歩をたどる!」

 

「吹キ荒レル竜ト龍ノ息吹」

 

龍神は禍々しく、そして黒く染まった塊を口に溜めて一気に解き放った。

 

【裕也】

「霊夢!下がれ!お前の奥義は隙が多い!俺がやる!」

 

裕也は霊夢を掴み自分の後ろにやった。

 

【裕也】

「こい!悲しみを超えろ!運命を打ち破る!友情の光!」

 

「柊色の明るい光」

 

裕也の体から光が現れ龍神の技を包み込んだ。すると光が消え龍神の技も消えた。

 

【龍神】

「く!貴様!」

 

【裕也】

「はあ。はあ。霊夢!今がチャンスだ!一気に畳み掛けるぞ!」

 

【霊夢】

「ええ!悪の者を浄化する怒りの鉄槌!」

 

「鉄槌の雷」

 

霊夢の手から雷が現れそれを龍神に当てた。しかし、龍神は当たる寸前に自分の痛んだ鱗を大量に使い盾を作り霊夢の攻撃を防いだ。

 

【霊夢】

「こ、これでも駄目なの。」

 

【裕也】

「いや!チャンスだ!」

 

血付「針棘の山」

 

針と棘で出来た山で龍神を攻撃した。流石にいきなりの事でよけれなかった龍神は体で受け止めた。

 

【龍神】

「ギュォォォォ!!!」

 

龍神は苦痛の叫びをあげながら翼を振るわせた。すると、翼が鋼色になり銀色の風をおこしながら水を巻き込み霊夢を攻撃した。

 

【霊夢】

「な!よけ!うぐ!がは!」

 

霊夢は何とか腕でガードをし攻撃を最小限に収めたが霊夢は腕が上がらない様であった。

 

【裕也】

「霊夢!!!おい!!大丈夫か!!」

 

裕也は霊夢の元に近寄った。近くで見ると霊夢の腕は爛れていた。

 

【裕也】

「霊夢!いまスペルカードを!」

 

再誕「浄化と再生」

 

霊夢の腕がだんだん治ってきた。が、まだまだ動かせる様な状態にはならなかった。

 

【裕也】

「霊夢。もう下がった方がいい。」

 

【霊夢】

「いや、まだ、やれるわ。」

 

霊夢は辛そうに言った。

 

【裕也】

「いや、やめた方がいい。後は俺に任せてくれ。」

 

【霊夢】

「・・・・分かったわ。だったら、私の霊力と究極奥義を教えるわね。」

 

 

【霊夢】

「これが、博麗に伝わる究極奥義よ。裕也、頑張りなさいよ。」

 

霊夢は下がった。全てを裕也に託して。

 

【裕也】

「龍神。貴様だけは許さない。」

 

【龍神】

「だったら何だ!我の体を傷つけおって!貴様こそ万死に値する!」

 

【裕也】

「少し聞きたい。今の幻想郷はお前にはどう思う。本当に昔の方がいいのか。」

 

【龍神】

「・・・・何故聞く。」

 

【裕也】

「お前は俺の大切な仲間を傷付けた。だが、お前は大切な奴の為に作ったと言った。そしてその為に幻想郷を作ったって。だが、お前の大切な者はもういない。それは幻想郷を作り変えても同じだ。それだったら今の時代を楽しんだらどうだ。」

 

【龍神】

「それが正しいんだろうな。だがな、一度決めた物は変える事は出来ない。それをするには俺を殺すしかないな。」

 

【裕也】

「だったら俺は今の幻想郷を守る為にお前を・・・・殺す。」

 

【龍神】

「だったらやって見ろ!!」

 

【裕也】

「ああ!やってやるさ!霊夢!お前の力をいきなり使わせてもらう!はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

裕也の霊力と力が今より更に跳ね上がった。

 

【龍神】

「ごぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

龍神は全ての水を巻き込み一点に集中させていた。

 

【裕也】

「光は無!無は光!全てを包み込み全てを照らす多いなる剣!その剣は神をも殺す多いなる力!」

 

「草薙ノ剣ト光ノ力」

 

裕也の手には光で出来た剣が現れた。

 

【裕也】

「行くぞォォォ!龍神!」

 

【龍神】

「そんなちっぽけの力なぞ!ブォォォォ!!!」

 

龍神は水のブレスを解き放った。裕也は霊夢から教えてもらった力と剣で水のブレスと草薙の剣がぶつかった。

 

【裕也】

「貴様ごとそんな技ぶった切ってやる!」

 

【龍神】

「死ねぇぇぇぇ!!」

 

草薙の剣と水のブレスはどちらも引く事は無く、どちらも引かなかった。

 

【裕也】

「ぐ、ぐ、ぐ。」

 

【龍神】

「ごぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

【裕也】

「ぎ、ぎ、ぎ。」

 

形勢はほぼ同じであったが、徐々に裕也が押されてきた。

 

【裕也】

「くそ!押される!」

 

【龍神】

「死ねぇ!」

 

龍神の技の威力が押し切り草薙の剣を裕也ごとブレスで攻撃した。

 

【裕也】

「ぐ!?ガァァァァァ!!」

 

ズドン!と大きい音が鳴り響いた。裕也は力無くうなだれていたが、死んではいなかった。

 

【龍神】

「ぜは、ぜは。ほう。我の全力の力でも殺せぬか。貴様はそこまでして守りたいのか。」

 

【裕也】

「あ・・・・・が。」

 

裕也はうなだれたまま動かない。龍神の質問にも答えられない様だ。

 

【龍神】

「ふん。さっさと倒れろ。楽になるぞ。」

 

龍神はそう言うと爪で裕也をおもっきりひっかいた。

 

【裕也】

「が・・・・あ・・・・あ。」

 

裕也から血が吹き出た。裕也は倒れそうになる体を何とか支えた。

 

【裕也】

「あ・・・・う。」

 

【霊夢】

「裕也!!」

 

【永琳】

「霊夢!!」

 

永琳は裕也の元に行こうとした霊夢を止めた。

 

【霊夢】

「なに!!永琳!!止めないでよ!!私は裕也を!!」

 

【永琳】

「落ち着きなさい!霊夢!貴方は腕も使えない、霊力も使えない。そんな貴方が言って何になるの!」

 

【霊夢】

「それでも行かなくてはならないのよ!!戦えなくてもあの馬鹿に喝をいれる事は出来るわ!」

 

【永琳】

「はあ。貴女はもっと無関係で暑くない性格さじゃ無かったかしら?裕也にでも毒された?」

 

【霊夢】

「う!うるさいわね!た、ただ考え方が変わっただけよ。」

 

【永琳】

「分かってるわ。」

 

【霊夢】

「分かってくれた?」

 

【永琳】

「ええ。貴方が裕也の事を好いているって事をね。」

 

【霊夢】

「うえ!?ちちちち、違うわよ!わわわわ、私はただ!」

 

【永琳】

「ふふ。冗談だったのに霊夢ったら。」

 

【霊夢】

「え?・・・・は!はかったわね!?永琳!!」

 

【永琳】

「ふふ。まあいいじゃない。さあ、行って来なさい。大切な者を守りに。」

 

【霊夢】

「永琳、貴女。ふ、ふん!お礼なんて言わないんだから。」

 

【永琳】

「待ちなさい。」

 

【霊夢】

「あによ。」

 

【永琳】

「これを裕也に渡しなさい。」

 

永琳は小さな小瓶を霊夢に投げた。

 

【霊夢】

「うわっと!ん?何よこれ?」

 

霊夢が永琳から受け止めた瓶に入っていたのは、水色の様になどこまでも澄んでいる色であった。

 

【永琳】

「ここにいる皆の霊力をつめこんだ気持ちの源よ。これを裕也に届けて頂戴。」

 

【霊夢】

「あんた、本当に人間やめてんわね。ああ、頭脳だから。」

 

【永琳】

「当たり前よ。私は月の天才、月の煩悩・八意永琳なのよ。」

 

【霊夢】

「自分で言う?まあいいけど。それから、言われる間でもないわ。」

 

霊夢は裕也の元に向かった。

 

 

【龍神】

「そらそら!!」

 

【裕也】

「が、ぐ、がぁぁぁ!!!」

 

【龍神】

「貴様の守りはそんな物か!」

 

【霊夢】

「裕也!」

 

霊符「夢想封印 円」

 

丸い形の陰陽玉が現れそれが伸び円状のブーメランになり龍神の羽を切り落とした。

 

【龍神】

「グォォォォォ!!!小娘!」

 

【裕也】

「ぐ、は。霊、夢。何で、ここ、に。」

 

【霊夢】

「あんたが情けないからでしょうが!!私の力を貸しといて無様に負けたら巫女が廃れるわ!!」

 

【裕也】

「だが、霊夢。げほ!ごぼ!ぐ、ウエェ!ゲエェ!」

 

裕也は血と血の塊を吐き出した。

 

【霊夢】

「裕也!?大丈夫なの!?」

 

【裕也】

「ちょっと、まずい、な。」

 

裕也は死人な顔をしていた。

 

【霊夢】

「ちょ!ちょっと!大丈夫!」

 

【裕也】

「ぐう。だ、大丈、夫、だ。」

 

裕也は今にも倒れそうだった。

 

【霊夢】

「たく。はいこれ。」

 

霊夢は永琳から貰った気持ちの源を裕也に渡した。

 

【裕也】

「こ、れは?」

 

【霊夢】

「皆の力を一つにした物よ。これを貴方に託すわ。」

 

【裕也】

「こ、こんな、た、たい。ぐ!うっ!く!」

 

裕也は既にボロボロで生きているのが不思議な位な感じだった。

 

【霊夢】

「ほら、意地を張らないの。」

 

【裕也】

「あ、あり、がと、う。」

 

裕也は霊夢から貰った気持ちの源を使った。

 

【裕也】

「く、オォォォォォォォ!!!」

 

裕也の体の傷が治って行った。

だが、それだけではない。髪の色が紫になり胸が生え、服装が先代巫女の服に変わった。

 

【霊夢】

「裕也!?」

 

【裕也】

「霊夢、皆、有難う。この勝負。絶対に勝つ!だから、下がってろ。」

 

【霊夢】

「分かったわ。頼むわよ。」

 

霊夢は下がった。

 

【裕也】

「龍神。さっき言ったよな?貴様はそこまでして守りたいのかって。」

 

【龍神】

「ああ。言った。」

 

【裕也】

「今答えてやる。ここは俺を受け入れてくれた。罪を犯した俺をな。」

 

【龍神】

「当たり前だ。この幻想郷は強い奴、面白い奴、精神が強い奴が集まる様に作ったからな。」

 

【裕也】

「ああ、そうだな。阿久のを見れば誰でも分かる。だが、俺が一番大切な物は霊夢達と仲間だ。俺はそいつらを守る為なら。・・・・・幻想郷を、壊す。」

 

【龍神】

「壊したら仲間を守っても意味はないぞ。」

 

【裕也】

「それだったら俺が神になってこの幻想郷を作り変える!」

 

【龍神】

「ふ、は、ははははは!貴様が神になると!舐めるのも大概にしろよ!小僧!!」

 

龍神は鱗を奮い立たせた。

 

【裕也】

「ふざけてはいない!俺は仲間の為なら神にでも何にでもなってやる!!」

 

【龍神】

「だったらどうやってなるつもりだ!」

 

【裕也】

「お前の力を借りたい!」

 

【龍神】

「貴様、本気か?」

 

【裕也】

「ああ。」

 

【龍神】

「我らはさっきまで殺し合いをしていた所だ。何故いきなり。」

 

【裕也】

「俺は仲間が傷付けられたから戦った。だが、お前と話して、お前にも大切な仲間がいて会えないがせめて形だけでも戻したいんだよな。なあ、だったら俺の友達にならないか?」

 

【龍神】

「何を。!」

 

〔だったら僕が友達になってあげるよ!〕

 

【龍神】

「葵。」

 

【裕也】

「え?今。何て言った。」

 

【龍神】

「・・・・よかろう。我を倒したら力を貴様にやろう。我の能力、新たな世界を創造する能力を。だが、我の力に人間が耐えれると思っているのか?」

 

【裕也】

「今なら大丈夫だ。皆の気持ちの形だからな。どんな事でも受け止められる。」

 

【龍神】

「だったら本気でこい。俺も殺す気で行く。」

 

【裕也】

「今ならやれる。はぁぁぁぁぁアァァァァァ!!!!」

 

裕也の霊力が体中にコーティングされた。

 

【龍神】

「! 貴様!その霊力は!琴光喜に似ているだと!?」

 

【裕也】

「行くぞ!」

 

「三転雪華」(さんてん せっか)

 

裕也はそう言うと手が雪を纏った感じになり、素早く動きながら龍神に近づき、龍神の体に三発当てた。裕也が当てた場所が凍っていた。

 

【龍神】

「ギュオォォォォォ!!!」

 

【裕也】

「まだ行くぜ!」

 

「公転前輪」(こうてん ぜんりん」

 

裕也は龍神の頭にかかと落としを食らわせそれからパンチとキックに繋げていた。

 

【裕也】

「まだまだぁぁ!!」

 

「真撃波」

 

裕也は連打を辞めずに拳に力を蓄えていた。龍神は逃げようとするが竜の体はデカ過ぎて避けられなかった。

 

【龍神】

「グオォォォォォ!!!!」

 

【裕也】

「どうだ!」

 

龍神は少しひるんだが余り聞いてはいない様だった。

 

【龍神】

「今度は我から行く!」

 

「大いなる天罰」

 

龍神は体を震わせた。すると裕也の周りに竜巻が出来始め、雷が降って来た。

 

【裕也】

「やっ!はっ!ふっ!く!うぉぉ

!!ぐぁぁ!」

 

裕也は何とか避けていたが、避け切れずくらってしまった。

 

【裕也】

「くう。」

 

【龍神】

「ふん。その程度か。」

 

【裕也】

「まだだ!」

 

「岩石壊し」

 

【裕也】

「どっせい!」

 

裕也は龍神にパンチをくらわせた。すると、龍神の鱗が吹き飛び龍神に直接攻撃をした。

 

【龍神】

「ギュオォォォォォ!!」

 

【裕也】

「勇儀!お前の技を使わせてもらう!!」

 

「真・三歩必殺」

 

【裕也】

「づぇあ!」

 

裕也は一歩目に龍神に蹴りをくらわせた。

 

【裕也】

「はぁぁ!」

 

二歩目で脳天。

 

【裕也】

「これで最後だぁぁぁぁぁ!」

 

そして三歩目で、龍神の体を貫いた。

 

【龍神】

「グオォォォォォ!!!!!!」

 

龍神は悲痛な叫び声を上げた。だが、龍神はまだ倒れなかった。

 

【龍神】

「グ、オ、オ。我の、負けか。」

 

【裕也】

「龍神。」

 

裕也は殺気をおさめた。すると、裕也の姿が元に戻った。

 

【龍神】

「我が負けるなんてな。」

 

【裕也】

「さあ、約束だ。」

 

【龍神】

「ああ。だがな。我の力がお前の体にかなりの負担をかけるだろう。下手すると死ぬかもしれない。それでもいいのか?」

 

【裕也】

「ああ。構わない。」

 

【龍神】

「よかろう。貴様に幻想郷を託そう。」

 

龍神の体が崩れ落ち、龍神の体から透明な玉が現れて、裕也の中に入って行った。すると、裕也の体に異変が起こった。

 

【裕也】

「ぐ!ガァァァァァァ!!!!」

 

裕也がいきなり苦しみだしたのだ。

 

【霊夢】

「裕也!?紫!裕也はどうしたの!」

 

【紫】

「なんで私に聞くのかしら?別にいいけど。多分あれは、神の力が人間の体に耐えきれてないのよ。反発し合ってるから体が拒絶反応をおこし、それで苦しんでいるんだと思うわ。」

 

【霊夢】

「何とかならないの!」

 

【紫】

「これは彼の問題よ。彼自身で何とかするしかないわ。」

 

【霊夢】

「裕也。」

 

【裕也】

「ぐう。ウガァァァァァァ!!!まけ、ない。ぐぅぅ!み、皆が、

見て、いるんだ。ま、負けて!たまるかぁぁぁぁぁ!!!!」

 

裕也は気合で神の霊力を押さえ込んだ。すると髪の色が銀と水色になった。

 

【裕也】

「ふう。何か余り変わった気はしないんだがな。まあ、いいか。霊夢!勝ったぞ。」

 

裕也は笑顔でそう言った。

 

【霊夢】

「ええ。おめでとう。」

 

【裕也】

「ありがとう。」

 

二人は握手をした。

 

【紫】

「ふふ。さて、皆さん?これから宴会と行きたいのだけど、皆ボロボロだから、宴会は一週間後にしたいのだけど、誰か意見のある人、妖怪はいるかしら?」

 

誰も意義をとなえなかった。

 

【紫】

「それじゃあ皆、解散よ。それから霊夢。裕也くんは私が連れて行くわ。貴女は怪我を治す事だけを考えなさい。」

 

紫は霊夢が言いたい事が分かっていたのかの様に話した。

 

【霊夢】

「む。分かったわよ。」

 

【紫】

「裕也君もそれでいい?」

 

【裕也】

「ああ、俺も紫に相談したい事があるからな。それじゃあ!皆!一週間後に!」

 

裕也はそう言うと紫とともに消えて行った。

 

こうして幻想郷を襲った最も最悪な龍脈異変は終わりを告げた。

 



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ありがとう・後編

 

一週間後 幻想郷・人里

 

今日はここで宴会が行われる。妖怪、人間、鬼、妖精、全員入り交じりての大宴会が行われる。今まで無かった試みだ。だが、人里は変わって来ている。人々はまだ妖怪を恐れているが、それじゃあ行けない。だから、霊夢に人々は頼み込み決定した。今は宴会に向けての準備中だ。

 

A「いやー。まさか俺たちが妖怪と一緒に宴会を開くなんてな。」

B「ああ、全くだ。だが、楽しみだよな。」

「ああ、楽しみだ。」

 

男達は話しながら準備をしていた。

 

 

その頃裕也は幻想郷を回っていた。裕也は暫くマヨヒガと言う場所で療養していた。一週間ずっと紫の家でゆっくりしていた裕也だったが、まだ行ってない所に行きたいと、裕也が言って行く事になった。因みに宴会には間に合う様にと、言われている。

 

【裕也】

「さて、如何しようか。んー。あ!そうだ!太陽の畑に行ってみよう。まだ行っていなかったからな。」

 

裕也はどんな所か想像しながら向かった。普通の人なら誰もが近寄らない場所に。

 

【裕也】

「うおぉ。綺麗な場所だな。」

 

裕也は太陽の畑についた。そこに見えたのは、一面見渡す限り沢山の向日葵(ひまわり)がそこに合った。裕也は少し歩いて見た。暫く歩いていると、一人の女性と出会った。その女性は、髪が緑、服は上は白、下は赤のワンピースを着ていて傘をしていた。

 

【裕也】

「ん?ここの管理者かな?すいません。」

 

【幽香】

「あら?貴方、外来人かしら?」

 

【裕也】

「よく分かったな。」

 

【幽香】

「ま、初めてじゃないもの。」

 

【裕也】

「そうなの?」

 

【幽香】

「ええ。」

 

【裕也】

「あ、そうだ!幽香さん。この畑少し見てもいいですか?あ、って言ってももう見ているけど。」

 

【幽香】

「・・・何でかしら?」

 

【裕也】

「いや、綺麗だなって。まあ、駄目なら去りますけど。」

 

裕也がそう言った瞬間大きい風が吹き荒れ向日葵が右に左に揺れた。まるで離れたくないと言っている見たいだった。

 

【幽香】

「! 珍しい。花達が喜んでいる。・・・・ねえ、貴方、ここに住んで見ない?」

 

【裕也】

「え?」

 

【幽香】

「ふふ。貴方がいると花達が喜んでいるのよ。だから、どう?」

 

【裕也】

「気持ちは嬉しいけど、遠慮しておくよ。まだまだ見たい場所があるからな。」

 

【幽香】

「あら?そう?だったら、無理矢理になるわよ?」

 

幽香は少し笑ながら話した。

 

【幽香】

「まあ、私の方はそっちの方が楽しいから別にいいけど。」

 

幽香は笑みを隠そうとせず本当に楽しそうに、嬉しそうに笑った。

 

【裕也】

「な、何でそうなるんだよ!」

 

【幽香】

「いいじゃない。貴方も花は好きなんでしょう?」

 

【裕也】

「確かにそうだけど。俺は自分の道は自分で決める。それが俺の決めた道だ。」

 

【幽香】

「あらかっこいいじゃない。でもね・・・ふっ!」

 

幽香は距離を一気に詰め、裕也に重い拳を食らわせた。

 

【裕也】

「! ぐっ!ぐぅぅ。い、いきなり何するんだ!」

 

裕也はギリギリの所で幽香の拳を右腕で耐えた。しかし、幽香の拳を抑えた事により右腕が動かせなくなった。

 

【幽香】

「あら、よく防いだわね。人間にしては中々ね。」

 

【裕也】

「ぐう。今は戦えないって言うのに。」

 

裕也は紫に言われた事を思い出していた。

 

 

一週間後・朝 食事時

 

【裕也】

「え?戦うな?どう言う意味なんだ?紫。」

 

【紫】

「ええ。貴方は龍神と一体となって神となったわ。でも、まだ馴染んでいないのよ。」

 

【裕也】

「馴染んでない?」

 

【紫】

「そうよ。本来の神は人々の信教とそこに神はいると言う思いで誕生するわ。でも貴方は本来の神とは別の方法で神になったわ。その為に貴方はまだ人間なのよ。」

 

【裕也】

「つまり、どういう意味だ?」

 

【紫】

「つまりは神になる途中って意味よ。しかもその為に貴方の力は殆ど封印されているのよ。」

 

【裕也】

「封印?どういう意味だ。」

 

【紫】

「多分神の力を抑える為に殆どの力がそっち側に行っているみたいなのよ。」

 

【裕也】

「成る程。だったら今はどれ位何だ?」

 

【紫】

「そうね。今の貴方の力は下級妖怪を何とか倒せる程度ね。」

 

【裕也】

「な!?そんなに減っているのか!?」

 

【紫】

「でも、貴方は人間離れしていたからちょうどいいじゃない。」

 

【裕也】

「まあ、そうだな。あ、紫。俺が今まで使って来たスペルカードはどうなんだ?」

 

【紫】

「駄目ね。全て使えないわ。圧倒的に霊力と力不足だもの。だから全て使えないわ。」

 

【裕也】

「そうか。」

 

裕也は流石にがっかりした。

 

【紫】

「いや、悪い事だけじゃないわよ?」

 

【裕也】

「? どういう意味だ?」

 

【紫】

「貴方の能力も変化しているわ。」

 

【裕也】

「変化?」

 

【紫】

「そうよ。前の能力は。

色々な声が聞ける程度の能力

 

仲間の力を借りる程度の能力

 

自分の妄想を現実にする程度の能力だったじゃない。それが変わっているって意味よ。」

 

【裕也】

「じゃあなにになっているの?」

 

【紫】

「ええ。自分の妄想を現実にする程度の能力が消えて、新しく入ったのは、新たな世界を創造する能力と水を操る能力に水の中で息が出来る能力よ。」

 

【裕也】

「3つもか!?それに程度がついていないぞ。」

 

【紫】

「多分龍神の力ね。セーフティがついてないけど、まあ、貴方なら大丈夫でしょう。」

 

 

【裕也】

「ふう。きっつ。」

 

【幽香】

「その程度かしら?」

 

裕也は何とかギリギリ幽香の攻撃を避けていた。

 

【裕也】

「はあ、はあ。」

 

【幽香】

「あら、もう終わり?所詮人間ね。弱い癖に仲間と群れをなして守って貰って、本当の強者は一人で全てをしなくちゃ行けないのにね?人間。」

 

【裕也】

「確かに、そうかもしれないな。」

 

【幽香】

「あら貴方は物分りがいいじゃない。」

 

【裕也】

「でも、それだけじゃ、本当の強者には慣れない!」

 

幽香は少し眉をしかめた。

 

【幽香】

「どういう意味かしら?」

 

【裕也】

「本当の強者は一人じゃ絶対なれない!何故なら仲間がいないからだ!仲間は相談に乗ってくれるし、一緒に考えたり戦ってくれたりする。そして絆は何処にいても仲間に力を与えてくれるんだ!」

 

【幽香】

「なら、貴方はあるって言うのかしら?」

 

【裕也】

「ある!」

 

【幽香】

「なら見せて見なさい!仲間の力とやらおね!」

 

幽香は一気に距離を詰め右フック左フックとテンポよく食らわせた。

 

【裕也】

「ぐっ!がはっ!」

 

裕也は吹き飛ばされた。

 

【幽香】

「口だけは達者ね!これで終わりよ!」

 

花符「幻想郷の開花」

 

幽香の近くに合った草花が沢山ツルの様になって裕也を攻撃した。

 

【裕也】

「な!くっ!早速使う羽目になるとは!」

 

裕也はそう言うと一枚のカードを取り出した。紫から貰ったものだ。

 

 

【紫】

「あ、そうだ!はいこれ。」

 

紫は30枚のカードを渡した。

 

【裕也】

「? これは?」

 

【紫】

「これはね。ドッペルカードって言ってね?絆を築いた仲間の力頭に思うだけで一度だけ使えるのよ。」

 

【裕也】

「それは凄い。紫、それは誰でも使えるの?」

 

【紫】

「一応誰でも使えるわ。ただし、誰かとの絆が必要になるけどね。それ以外の者が使うと自分の霊力を無理矢理消費して使う事になるわ。」

 

【裕也】

「それは怖いな。」

 

【紫】

「ついでに言うと、絆が強ければ強い程力が上がるわ。使用者の霊力を消費しないでね。それから、それはあくまでも試作品よ。その為30枚しかないわ。」

 

【裕也】

「試作品?」

 

【紫】

「そうよ。それは試作品。だから霊力なしで出来るんだけどね。完成版はそれだけじゃなくて使用者の霊力や体力をも回復させるのよ。」

 

【裕也】

「なんだよそりゃ、チート過ぎるだろ。」

 

【紫】

「その為、私が認めた者にしか話さないし、渡さないわ。因みに霊夢も知らない筈よ。」

 

【裕也】

「じゃあ何で俺だけに?」

 

【紫】

「貴方を見ていて思ったのよ。ああ、この人なら大丈夫ってね。」

 

【裕也】

「紫、ありがとう。大切に使わせて貰うよ。」

 

 

【裕也】

「紫から貰ったのがこんなに早く使う事になるとはな!行くぜ!」

 

恋符「マスタースパーク」

 

裕也が魔理沙を思い描きながらカードを使った。すると、カードが八卦炉に変わり巨大なレーダーを放った。それにより、草花が全て薙ぎ払われた。そのまま威力が落ちる事もなく幽香に向かって行った。

 

【幽香】

「あら、魔理沙が私から取った技じゃない。懐かしいわね。本場の力はこうよ!」

 

「マスタースパーク」

 

幽香は持っていた傘を裕也に突き出して、両腕で支えながら放った。幽香から放たれたのは魔理沙のマスタースパークとは比べ物にならない程の力だった。当然に防げるわけなく裕也が放ったマスタースパークを打ち消し幽香のマスタースパークは力が衰える事なく裕也に向かって行った。

 

【裕也】

「くっ!やべえ!くそ!どうする!ん?待てよ、もしかしたら!いや!かけるぜ!」

 

裕也はカードを1枚出した。

 

【幽香】

「あらあら!如何するつもりかしら!また手品でも見せてくれるの!」

 

幽香は楽しそうに話した。まるで全てがどうでもいいみたいに。

 

【裕也】

「上手く行ってくれよ!」

 

裕也はカードを二枚取り出した。

 

星符「ドラゴンメテオ」

×

魔砲「ファイナルマスタースパーク」

 

そう言うと二枚のカードが一つになった。裕也はそのカードを握り強くこう唱えた。

 

【裕也】

「合成符!」

 

星砲「ファイナルドラゴンマスタースパーク」

 

カードが巨大な八卦炉となりそこから隕石の流星が放たれた。

 

【幽香】

「何ですって!?私の技が押されている!くっ!舐めるな!!」

 

「ダブルスパーク」

 

幽香は右腕で打ちながら左腕でもう一つ打っていた。しかし、裕也の技が強く簡単に押し戻された。

 

【幽香】

「な、何ですって!?きゃあぁぁぁぁ!」

 

幽香は裕也の技をくらい吹っ飛んだ。

 

【裕也】

「ぐう。が、合体技は、自身、の霊力を、使う、んだな。」

 

裕也は前に倒れこんだ。

 

【幽香】

「ぐっ、うぅ。い、今のは、やばかった、わね。下手、したら死んでいたわよ。」

 

幽香はその場に大の字になっていた。どうやら起きれない見たいだ。

 

【幽香】

「でも。ふふ。本当に面白い人間ね。」

 

幽香はこの人と色々したら楽しそうだなって思った。

 

 

 

【裕也】

「う、ん?ここ、は?」

 

【幽香】

「気が付いた?人間。」

 

【裕也】

「あ、ああ。ありがとう。えっと?」

 

幽香は裕也に膝枕をしていた。

 

【幽香】

「幽香、風見幽香よ。貴方は?」

 

【裕也】

「桐上裕也だ。」

 

【幽香】

「よろしく。」

 

【裕也】

「ああ、よろしく。て!今何時だ!ぐっ!う、いてて。」

 

裕也は何かを思い出したかのように素早く立ったが、痛みが押してきて直ぐに倒れた。

 

【幽香】

「きゃ!一体どうしたのよ。まだ動いちゃ駄目よ。貴方はあと数時間は動けない筈なんだから。」

 

【裕也】

「そうなのか!?」

 

【幽香】

「多分最後に使ったスペルカードが原因ね。なぜだか知らないけど、自分の質量以上の力を出した事による反動ね。」

 

【裕也】

「ぐぅぅ。それでも!行かなくちゃ行けないんだ!」

 

裕也は支えている幽香の手を振りほどき、よたよた歩いた。

 

【幽香】

「そこまでして行きたい場所って何かしら?裕也はどうしてそこまでして行きたいのかしら?」

 

【裕也】

「決まってる。皆が、仲間が待っているからだ!」

 

【幽香】

「ふふ。純粋ね、純粋で素直。私、そう言う人間は好きよ。さあ、私の肩を貸してあげるわ。何処に行けばいいかしら?」

 

【裕也】

「いいのか?」

 

【幽香】

「私に勝ったご褒美よ。」

 

【裕也】

「勝った?何言ってるんだ?あれは俺の負けだろ?」

 

【幽香】

「いいえ。」

 

幽香は「ようしょ」と言って裕也の腕を自分の肩に回した。

 

【幽香】

「あら?案外軽いのね。それで話の続きだけど、貴方が最後のスペルを使った時私は貴方より先に地面についたのよ。ほんの少し先にね。貴方は覚えていないようだけど。」

 

【裕也】

「そうなのか?」

 

【幽香】

「そうなのよ。」

 

【裕也】

「そうか。なら、約束の方だな!」

 

【幽香】

「うっ!貴方変なとこで覚えているわね。まあ、仕方がない。それで?この風見幽香にどんな事を願うのかしら?」

 

【裕也】

「そんなの決まっているさ!願いは二つ!あ!なしは無しだからな。願いについては何も支持がなかったからな。」

 

【幽香】

「ちゃっかりしている事。いいわよ。それで何かしら?」

 

【裕也】

「先ず一つ目は人々、妖怪との交流。幽香は何でか知らないけど向日葵の世話で自分が殻に篭っているのを誤魔化している見たいだから、人里や妖怪達との交流を持つ事!まあ、これは無理しなくていい。自分のペースでやって行けばいい。無理だったら俺が手伝ってやる。」

 

【幽香】

「その言い方。まるで私の事が分かっているみたいな言い方ね。」

 

【裕也】

「まあ、俺の能力に色々な声を聞く程度の能力があるからな。」

 

【幽香】

「あら?人の心を覗いたの?酷いわね。もしかして今も?」

 

【裕也】

「いや、条件がある。一つ目は戦っている時。つまりは感情が高まっている時だな。二つ目は者や物に何処でもいいから手をおいて強く念じる事だな。だから普段は聞こえない。」

 

【幽香】

「ふーん。まあ、いいわ。それで?もう一つは?」

 

【裕也】

「こっちが本題だ。もう一つのお願いは、俺と友達になってくれ、だ。」

 

幽香は唖然とした顔をしていた。

 

【幽香】

「あ、ふふ。いいわよ、負けた身だからね。」

 

【裕也】

「それじゃあ。」

 

裕也は手を出してきた。

 

【裕也】

「よろしくな。」

 

【幽香】

「こちらこそ。」

 

幽香は手を握り返した。

 

【裕也】

「じゃあ、行こうか。幽香。あ!それから宴会には幽香も参加する事!」

 

【幽香】

「ふふ、分かってるわ。裕也。」

 

二人は人里に向かった。宴会と仲間達が待つ人里に。

 

 

人里・宴会会場

 

【魔理沙】

「うわ!沢山いるな。霊夢達は何処だ?」

 

魔理沙は霊夢を探していた。今回の人里での宴会の開催は裕也と霊夢と紫が一枚絡んでいる様だ。

 

【魔理沙】

「しっかし、妖怪も人間も入り混じっているな~。昔じゃ考えられない光景だぜ。しかし、皆楽しそうだな。」

 

妖怪も人間も種族が違う筈なのに皆が皆楽しそうにしていた。喧嘩やなどなくまるで元からがそうであったがの様に。

 

【魔理沙】

「お?霊夢!ようやく見つけたぜ。」

 

【霊夢】

「あら?魔理沙、遅かったわね。もう始めてるわよ?」

 

【魔理沙】

「おう!この人だろ?随分見つけるのにかかっちまったんだぜ。」

 

【霊夢】

「そうだ!ねえ魔理沙、裕也見なかった?」

 

【魔理沙】

「ん?裕也か?見てないぞ?」

 

【霊夢】

「おっかしいわね。紫、見てるんでしょ。裕也はきていないみたいだけど、どういう意味かしら?」

 

霊夢は魔理沙の斜め上を見た。するとそこがパカっと開き紫が現れた。

 

【紫】

「あら来てないの?」

 

【霊夢】

「なに行っているのよ、あんたが連れて行ったんじゃない。」

 

【紫】

「確かにそうだけど、途中で別れたのよ。だから知らないわ。ここに来てんじゃないの?」

 

【霊夢】

「そうかしら?」

 

【魔理沙】

「きっとそうだぜ!それより楽しもうぜ!この大宴会を。」

 

【霊夢】

「そうね!楽しまなくちゃ損よね!」

 

霊夢と魔理沙は二人で回る事にした。その様子を紫は、母親が娘を見守る様な目で見ていた。

 

【紫】

「ふう。何してるのかしらね、裕也君。」

 

 

人里・門前

 

【裕也】

「ようやく着いたな。」

 

【幽香】

「ええ、そうね。まあ、貴方のせいで沢山の妖怪と戦う羽目になってしまったけどね。」

 

【裕也】

「む!それは俺のせいじゃないぞ。」

 

裕也達はここに来る途中妖怪に襲われた。何故なら人間を担いでる=弱いと妖怪達に思われたらしく、沢山の妖怪に襲われた。

 

【幽香】

「全く。無駄な時間を取ったわ。さあ、中に入りましょうか。」

 

【裕也】

「ああ。」

 

裕也達は人里の中に入った。

 

【裕也】

「うお!すげえ!」

 

中で見た物はお祭りの様に踊り騒ぐ妖怪と人間だった。しかも、仲良くなっている者もいた。

 

【幽香】

「凄いわね。」

 

【裕也】

「ああ。それに、皆楽しそうだ。」

 

皆喧嘩をする事なく楽しんでいた。まるで元からそうであったかの様に。

 

【裕也】

「幽香、もう大丈夫だ。」

 

今まで肩を借りていたがようやく歩けるまでには回復した様だ。幽香はゆっくり外した。

 

【幽香】

「これからどうするの?」

 

【裕也】

「霊夢達を探そうと思う。幽香は?」

 

【幽香】

「私?私は周りを見ているわよ。色々楽しそうだしね。」

 

幽香はそう言うと人混みの中に入って行った。

 

【裕也】

「さて、俺も行くか。」

 

裕也はそう言い探しに行こうとするが、村人の一人が裕也を見つけて騒ぎ出した。

 

C「あー!裕也様だ!」

 

村人の一人がそう叫ぶと村人が集まって来た。

 

D「おお!本当だ!裕也様だ!」

E「裕也様ー握手して!」

F「おお、ありがたやありがたや。」

 

【裕也】

「ちょ!ちょっと待ってくれ!一体どういう意味何だ?」

 

裕也がそう聞くと村人の一人が答えた。

 

D「裕也様はこの里のしがらみを取ってくれた。妖怪も話して見るといい妖怪ばかりだ。それを気付かせてくれた裕也様は、俺らに取っては神様見たいな者だ!」

 

【裕也】

「そうか。でも悪いな!人探しがあるものでな!」

 

裕也はそう言って飛び立った。

 

 

【裕也】

「ふう。ようやく巻けたかな?それにしても全然見つからない。ん?あれは。」

 

裕也は一人の子供を見つけた。その子供は一人でいる見たいだった。

 

【裕也】

「ちょっと言って見るか。」

 

裕也は少し心配になって子供の所に行った。

 

【裕也】

「どうしたの?」

 

「誰だよ、あんた。あんたには関係ないよ。」

 

近くで見たら少年だった。

 

【裕也】

「ああ、先ずは自己紹介だよな。俺は裕也。お前は?」

 

「いいだろ。別に。」

 

【裕也】

「いや、きちんと名前を聞かないと、お前って呼ぶしか無いからな。だから、教えて。」

 

【幸】

「・・・・幸。棚橋幸(たなばし こう)。」

 

【裕也】

「そうか、幸か。なら幸、幸は何でこんな所にいるんだ?」

 

【幸】

「妖怪が嫌いだからだよ。」

 

【裕也】

「何で嫌いなんだ?」

 

【幸】

「何でお前にそこまで言わなきゃならないんだよ。」

 

【裕也】

「何か手伝える事があるかもしれないからな。」

 

【幸】

「そう。だったら。殺されたお母さんやお父さん。妹達の仇を取ってよ。」

 

【裕也】

「! お前。」

 

【幸】

「皆どうかしてるんだ!何で妖怪なんかと仲良く出来る!そりゃあ殺されてない奴はいいよな!妖怪を受け入れられて!でもな、妖怪に殺された俺はどうしたらいいんだよ!誰か教えろよ!なあ!」

 

幸は叫んだ思いをぶちまけた。しかしその声は宴会で騒ぐ者達に遮られた。ただ一人を除いては。

 

【裕也】

「だったら教えてやる。」

 

【幸】

「え?」

 

裕也出あった。裕也はさも当然の様に話して来た。

 

【裕也】

「認めろ。」

 

【幸】

「認める?」

 

【裕也】

「そうだ。お前は憎しみに囚われている。だが、それを隠している。怒る事によってな。だから先ずは、認めろ。自分が誤魔化して来た事実に。そして、憎しみに囚われるな。」

 

【幸】

「・・・・どうしろって言うんだよ。」

 

【裕也】

「先ず両親を殺した妖怪を許せ。次に仲間、友達を作れ。最初は難しいが諦めなければ必ず出来る。」

 

【幸】

「何でそんな事が言えるんだよ。」

 

【裕也】

「俺がそうだったからだ。俺は昔に友達も仲間も全てなくした。だけど諦めなかったから、この場所で友達が出来たんだ。だから、幸もきっと大丈夫だ。さあ、勇気を出して。ちょうどあそこにいるよ。」

 

幸は裕也が指差した場所を見た。そこには妖怪と人間の子供が遊んでいる所だった。

 

【幸】

「お、お前さっきと言っている事違うぞ!さっきはゆっくりでいいって言ったじゃ無いか!」

 

【裕也】

「ん?そうだったか?まあ、いいじゃないか。さあ。」

 

【幸】

「わわ!お、押すなよ!おい!裕也!」

 

裕也は幸の背中を押した。

 

【裕也】

「ねえ、君達少しいいかな?」

 

「ん?何だよおっさん。

「俺達に何か様だよ。」

 

【裕也】

「おじ。はあ。まだ二十歳前なんだけどな。まあ、俺の事はどうでもいい。なあ、こいつと友達になってくれないか?」

 

裕也は幸を押し出した。

 

【裕也】

「さあ、幸。」

 

幸は仏頂面だった。

 

「おい、どうする。」

「そーだな。大将どうする?」

 

子供二人をかき分けて出で来たのは大きな体をしていた。子供にしてはやけにでかい奴が出来た。

 

「どうした。」

「いや、あの兄ちゃんがこのガキを仲間にいれてやってくれって。」

「おい。」

「へ。」

 

大きな体をした人は子供の一人の頭を叩いた。

 

「いて!何すんだよ!大将!」

「何抜かしてやがる!てめえもガキだろうが!済まねえな。兄ちゃん。」

 

【裕也】

「いや。お前はまともだな。」

 

「ああ。一応こいつらの保護者見たいな者だからな。しっかりしなくちゃ行けないんだ。」

 

【裕也】

「お前、名前は?」

 

【沙汰】

「高天原沙汰(たかまの さた)だ。」

 

【裕也】

「俺の名前は。」

 

【沙汰】

「知ってるよ。桐上裕也だろ?この街を一つにした人間。人里の連中は、世界の革命者ってな。」

 

【裕也】

「なんじゃそりゃ?俺はただの人間だ。(今の所はな。)仲間の助けをえなきゃ何も出来ない弱虫だぞ?しかも、俺はただの足でまといなだけだ。だから、がんばって強くなろうとしているんだ。」

 

【沙汰】

「ふーん。成る程確かに本当にそう見たいだな。」

 

【裕也】

「え?」

 

「聞いて驚け!大将は能力使いなんだぞ。能力は、力を底上げする程度の能力だ!どうだ!驚いただろう。」

 

【沙汰】

「馬鹿野郎!むやみに言いふらすな!」

 

【裕也】

「珍しいな!能力持ちだ何て。でも力を底上げって具体的に言うとどう言う能力何だ?」

 

【沙汰】

「まあ、話していいか。底上げって言うのは今の自分の力以上の力をノーメリットで上げる事が出来る能力だ。」

 

【裕也】

「凄いな!なあ、幸の事を見てくれないか?」

 

裕也はずっと後ろにいた幸を沙汰の前に出した。

 

【沙汰】

「ふむ。分かった任せてくれ。」

 

沙汰はあっさりOKをした。

 

【裕也】

「お!よかったじゃないか!それじゃあ、お別れだ。幸。」

 

【幸】

「その、色々ありがとう。」

 

【裕也】

「ああ。またな。」

 

裕也は霊夢達を探す続きをする為に別れた。

 

【沙汰】

「さあ、行こうか。仲間が待ってる。」

 

沙汰達は去って行った。幸は一抹の不安を感じたが、着いて行く事にした。

 

 

【裕也】

「さて、見つからない。はあ。早く宴会を楽しみたい。仕方ない。霊夢達は宴会を楽しみながら見つけるか。」

 

裕也はそう言って降りた。

 

【裕也】

「さて、先ずはどうするかなって何だあれ?」

 

裕也が見たのはピエロのショーだった。

 

【裕也】

「おお!凄い!」

 

玉乗りやお手玉、色々な芸をやっていた。裕也は一通り見て次に行く事にした。

 

【裕也】

「お?あそこにいるのは鴉?か。」

 

裕也は黒い羽を折りたたんでいた少女が気になり近付いた。

 

【裕也】

「あの、貴女は?」

 

【文】

「あややや!貴方は裕也さんじゃありませんか!噂は聞いていますよ。」

 

【裕也】

「え?噂?」

 

【文】

「ええ。この人里に革命を起こした者として。」

 

【裕也】

「おいおい。冗談はよしてくれ。俺は確かにその場にいたが、霊夢達に助けられただけだったんだ。それに、俺は革命を起こせるだけの力はない。」

 

【文】

「む?確かに弱そうですしね。」

 

【裕也】

「あ、はは。まあ、そう言う事だ。そうだお前の名前は何だ?」

 

【文】

「あややや!これは申し遅れました。私の名前は射命丸文と言います。気軽に文と呼んで下さい。ああ、そっちは別にいいですよ?知っていますから。」

 

【裕也】

「そうか。あ、そうだ!霊夢達を知らないか?」

 

【文】

「あや?霊夢さんですか?そうですね~。まだいるか分かりませんが、あっちで見ましたよ?」

 

文は社の方を見た。

 

【裕也】

「あれは?」

 

【文】

「ああ、つい先日建てたばっか見たいですよ?詳しくは知りませんが、この里の守り神を祀っている見たいですけど。昔から祀っていたんですが、前の人里異変で壊れた見たいで、治したんですよ。それで、折角だから大きくしようとしたらしいですよ?」

 

【裕也】

「そうなのか。ありがとう、行ってみる。」

 

【文】

「いいえ。お礼はネタで。」

 

【裕也】

「はは。いいよ。あ、そうだ、これからイベントがあるからそれを記事にしたら?」

 

【文】

「あや?そうなんですか?」

 

【裕也】

「ああ。」

 

【文】

「ふむ。まあ、いいでしょう。それでは楽しみにしてますよ?裕也さん。」

 

【裕也】

「ああ。それじゃあな。」

 

裕也は文に別れを告げ文から教えてもらった場所に行った。

 

 

人里・社前

 

【霊夢】

「はあ。疲れた。こんな宴会は始めてよ。」

 

【魔理沙】

「確かにそうだぜ。でも、いいじゃないか!霊夢。皆楽しんでいるみたいだからな。」

 

【萃香】

「れ~い~む~。お酒切れた~。」

 

何処からかやって来た萃香が霊夢に抱きついた。

 

【霊夢】

「うわ!酒臭い!萃香!離れなさい!」

 

【萃香】

「お酒お酒お酒~。」

 

【霊夢】

「ぎゃぁぁぁ!入ってる!首に決まってるから!ぐ、ぐるじいって!言ってんでしょうが夢想封印!」

 

霊夢は萃香の頭を持ち地面に叩きつけた。

 

【霊夢】

「ふんぬ!」

 

どがっ!凄い音が聞こえた。萃香の方を見たら頭が地面に埋まっていた。

 

【萃香】

「んー!んんんー!ぷは!あー、苦しかった。何すんだ霊夢!」

 

【霊夢】

「ふん。自業自得よ。」

 

【幽香】

「あんた達はいつも騒がしいわね。」

 

萃香とは逆方向から幽香がやって来た。

 

【霊夢】

「幽香!?あんたどうして。」

 

【幽香】

「ん?少し友に誘われてね。」

 

【魔理沙】

「お?お前に友達なんていたのかぜ?」

 

【幽香】

「あら?魔理沙、貴女は喧嘩を売っているのかしら?いいわよ?買ってあげるわ。」

 

幽香は腕を鳴らしながら魔理沙に近付いた。

 

【魔理沙】

「ちょ!ちょ!待った待った!売ってない!売ってないのぜ!だから落ち着け!」

 

【幽香】

「そう。それは残念ネェ?」

 

【魔理沙】

「あ、あははは、はあ。」

 

【紫】

「あら?皆ここで何をしているのかしら?」

 

スキマから紫が現れた。

 

【霊夢】

「あら、紫じゃない。どうしたの?」

 

【紫】

「いや、皆が何故かここに集まっているからね?何してるのかな~って思っちゃって。」

 

【霊夢】

「そう。」

 

【レミリア】

「あー!霊夢!ようやく見つけたわよ!」

 

【霊夢】

「げ!レミリア!?あんた何でここが!」

 

【レミリア】

「ふん。吸血鬼の嗅覚を舐めないでよね。」

 

【霊夢】

「犬かお前は!」

 

【咲夜】

「お嬢様の犬。・・・・・ぶは!こ、これはご飯10杯行ける!」

 

【フラン】

「ダメだこの従者早く何とかしないと。」

 

【魔理沙】

「フラン!?何でここに!」

 

【フラン】

「あら?私だって異変解決に貢献したのよ?いてもおかしくないわ。」

 

【魔理沙】

「そ、そうか。」

 

【妹紅】

「うわぁぁ!どいてくれー!魔理沙!そこどいてくれー!」

 

【魔理沙】

「え?ぷぎゃ!」

 

魔理沙と妹紅は正面衝突した。

 

【魔理沙】

「いたた。いきなりなんだぜ。」

 

【慧音】

「もこた~ん~。いきなり逃げるなんて酷いじゃないかよ~。一緒に愛を語ろうよ~。」

 

【妹紅】

「近寄るな!酔っ払い!」

 

【慧音】

「そんなつれない事を言うなよ~。ヒック!」

 

【妹紅】

「ま、魔理沙!何とかしてくれ!」

 

【魔理沙】

「はぁ?何で私がそんな事を。」

 

【慧音】

「魔理沙、そうか。魔理沙も妹紅を狙っているんだな!」

 

【魔理沙】

「違う!何でそうなるんだぜ!」

 

【慧音】

「うるさい!覚悟しろ!」

 

慧音は魔理沙に攻撃をを繰り出した。

 

【魔理沙】

「うわっと!落ち着け!慧音!あぶね!」

 

魔理沙は慧音の攻撃を避けた。

 

【慧音】

「何故よける!」

 

【魔理沙】

「お前が攻撃をしてくるからだぜ!」

 

【永琳】

「プスっとな♪」

 

【慧音】

「はう!」

 

慧音は変な声を上げて倒れた。

 

【魔理沙】

「永琳か?助かったぜ。」

 

【永琳】

「ふう。騒がしくてお酒が飲めないじゃないの。たく。」

 

永琳は少し赤い顔をしていた。

 

【優曇華】

「師匠~。待って下さいよ。」

 

優曇華がとてとて歩いて来た。

 

【永琳】

「遅いわよ~。優曇華~。」

 

永琳はふらふらしていた。

 

【霊夢】

「ちょ!酒臭さがまして来た!」

 

霊夢は少し下がった。

 

【裕也】

「皆、何してんの?」

 

皆がわやわやしている所に裕也が現れた。

 

【霊夢】

「やっと来たわね裕也!待っていたわよ!」

 

霊夢は少し嬉しそうに答えた。

 

【裕也】

「はは。悪いな。紫、準備できているか?」

 

【紫】

「ええ、全て出来てるわよ。」

 

【霊夢】

「? 何の話?」

 

【紫】

「直ぐに分かるわ。さて行きましょうか。」

 

【裕也】

「そうだな。」

 

裕也と紫はスキマの中に入って行った。

 

【霊夢】

「何かしら?」

 

【魔理沙】

「さあ?」

 

 

人里・社

 

【裕也】

「紫、例の物を。」

 

【紫】

「はいはいこれね。」

 

紫から手渡された物、それはメガホンだった。

 

【裕也】

「よし。宴会にいらしている皆様!!聞こえていたら社の方をみて下さい!!!」

 

裕也のデカイ声は人里中に響いた。宴会に来ていた妖怪と人里の住民は何事かと思い社を見た。

 

【裕也】

「皆様こんにちは!!俺は桐上裕也と言います!!さて、今回はお知らせしたい事があって話をさせてもらっています!!!1週間後に幻想何でも屋と言う何でも屋を開きたいと思います!!!依頼内容は殺しや盗み以外は何でも大丈夫です!!!道順は1週間後に看板が出てるのでその通りに行ってもらえれば着きます!!!1週間日後を楽しみにしていて下さい!!!最後に萃香さん!!!いたら社の下に来て下さい!!!以上!!!」

 

裕也は早口だが確かに聞こえる声でそう言った。裕也は紫のスキマで下に降りた。

 

 

【文】

「あややや。裕也さんが言ってたのってこの事ですか。ふむ。確かに記事には丁度いいですね。しかも、私の感だと霊夢さんは何故か裕也さんに安心感を覚えていますね。暫くは裕也さんに張り付いてみますか!ふふ。ネタに困らなさそうですしね。おっと!そうと決まったら早く記事を書かなければ。」

 

文は笑ながら去って行った。

 

 

【萃香】

「んで?私に何の様だい?ヒック!」

 

【裕也】

「お前の力が必要なんだ。お前の密と疎を操る程度の能力がな。」

 

【萃香】

「ふーん。どうするつもりだい?密と疎を操る程度の能力

って言う大層な名前がついているが、様は集めたり散らしたりする能力何だよ?」

 

【裕也】

「お前の能力で道と道を集め繋げる。」

 

【萃香】

「へー。中々面白い使い方を考えるね。でも、それだと道じゃなくて、距離と時間になっちまうぞ?そんな事をしたらそこだけ時間が狂う事になる。それは如何するんだ?」

 

【裕也】

「そこは大丈夫だ。先ず萃香の能力で距離と時間を集めるそれを紫の境界を操る程度の能力で出来た空間を安定させる。安定させたら霊夢の空を飛べる程度の能力と巫女の力で空間を固定させる。そして、最後に俺の能力。新たな世界を創造する能力で、出来た空間を固定させる。」

 

【霊夢】

「ちょ!ちょっと待ちなさいよ!つまり世界ってそんなのあの閻魔が黙ってないわよ!?」

 

【紫】

「その時はその時よ。」

 

【裕也】

「分かってもらうさ。この能力はあいつが託してくれた物だからな。」

 

【霊夢】

「分かった。貴方を信じるわ。さて、私は大丈夫だけど萃香、あんたは如何なの?」

 

【萃香】

「私も別にいいよ。面白そうだし。だけど、裕也って言ったけ?あんたと戦って見たいな。ああ、別に今じゃなくていい。万全の裕也と戦ってみたいからね。ヒック!」

 

【裕也】

「分かるのか!?」

 

【萃香】

「まあな、ヒック。」

 

【裕也】

「それじゃあ明日から頑張るぞ!」

 

【ルーミア】

「裕也、私を忘れていないか?」

 

裕也の影からルーミアが現れた。

 

【裕也】

「いや!忘れてないぞ!うん!」

 

【ルーミア】

「まあ、いい。私はお前に着いて行くと決めたからな。」

 

ルーミアは笑みを浮かべた。

 

【霊夢】

「へー。ルーミア、あんた、もしかして、裕也の事好きなんじゃないの~?」

 

霊夢はにたにた笑いながらルーミアを見た。

 

【ルーミア】

「そうか。そう言う事か。」

 

ルーミアはフッと笑った。

 

【霊夢】

「?」

 

【ルーミア】

「裕也。」

 

【裕也】

「? どうした?ルーミア?」

 

【ルーミア】

「裕也、私は、お前が好きだ。」

 

【裕也】

「は?」

 

【霊夢】

「え?」

 

【レミリア】

「は?」

 

【フラン】

「うー!!」

 

【永琳】

「あらあら。」

 

【優曇華】

「うえ!?」

 

【妹紅】

「お?」

 

【慧音】

「なぬ!」

 

【咲夜】

「む。」

 

【紫】

「ふふ。皆の心に火が付いたかしら?モテモテね。裕也。」

 

紫は誰にも聞こえる事のない声で答えた。

 

裕也はルーミアに告白された。他の皆は何かの心に火が付いた見たいだった。

 

宴会は朝方まで続いたと言う。こうして裕也の幻想物語の序章は終了した。次に話す物語はまだ先のことだ。



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