同情するならチャクラくれ 設定&外伝 (あしたま)
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設定
世界地図


忍者は、基本的に各国にある隠れ里に属している。隠れ里は依頼を受け、忍者を派遣する。隠れ里以外で国が持つ軍隊などの戦力はほとんど描かれていない。

 

隠れ里は一つの国に一つあり、それぞれ国全体を勢力圏としている。その為、国の力というのはその国の隠れ里の力に大きく依存している。特に火の国、水の国、雷の国、風の国、土の国の5つの国は特に大きな力を持ち五大国と呼ばれる。

 

隠れ里同士はかつては大戦に見舞われたが、第一部開始時点では表面的には友好関係を保っている。戦争時には国は里に頼るしかないが、平和な時代が訪れたため里の力は小さな里から順に弱まり始めている。隠れ里では、忍者だけではなく、多少なりとも一般人も住んでおり、商売をするなどして暮らしている。

 

下記は作品上での世界地図ですが、ある程度は公式設定に準拠しています。また大まかな地図と考えています。アニメオリジナルの小さな国などは国境付近にあり、あくまで国境線は漫画で記載されているのを基にしています。

 

 

【挿絵表示】

 

 

01 石隠れの里

02 匠の国

03 雨隠れの里

04 草隠れの里

05 谷隠れの里(川の国)

06 滝隠れの里

07 空区

08 音隠れの里(田の国)

09 湯隠れの里(湯の国)

10 霜隠れの里(霜の国)

11 林の国(般若衆)

12 波の国

13 渦の国(渦潮隠れの里)

14 茶の国

 

石隠れの里

土の国と風の国に挟まれた国にある里。詳細は不明。

 

匠の国

アニメオリジナルの国。忍具等の製作に秀でており、各国の忍者に忍具を供給している。

 

雨隠れの里

木ノ葉隠れの里と共同で中忍試験を行っていた里。土・風・火の3大国に囲まれている為、昔から大国の戦場となることが多かったた。ペインが国を統一するまで内政が安定せず治安も維持されていなかった。地形的には湖沼が多く、街には高い塔が林立している。

 

草隠れの里

木ノ葉隠れの里と共同で中忍試験を行っていた里。火の国の北西に位置する。第二部で大蛇丸とカブトと戦った舞台である天地橋、各国で問題を起こした忍達が多数収監されている絶海の孤島に位置する監獄「鬼灯城」がある。

 

川の国

火の国と風の国に挟まれた国。詳細は不明。

 

滝隠れの里

木ノ葉隠れの里と共同で中忍試験を行っていた里。火の国の北に位置する。木の葉や砂隠れよりも規模は小さかったが、優秀な上忍を次々と輩出する忍里として他国から恐れられており、忍五大国の隠れ里以外で唯一尾獣を割り当てられている。

 

空区

どの国・里にも属さない巨大な廃墟群。廃墟内には忍に武器を供給する武器商人が営む店がある。また忍術を使いこなす猫、「忍猫」の縄張りがある。

 

音隠れの里

火の国の北に位置する小国にある里。第一部開始の約一年前に、大蛇丸を長としてできた。元々小国であった田の国の大名が無理に軍備の拡張を目指し、そこに漬け込んだ大蛇丸に利用された形で誕生した。

 

湯の国

「戦を忘れた里」と呼ばれており、観光資源を有している小国。火の国の北東に位置する。

 

霜の国

火の国の北西、湯隠れと雷の国に挟まれた地峡に位置する小国。詳細は不明。

 

林の国

「般若衆」という忍を抱える国。原作では般若衆の暗部をダンゾウに暗殺された恨みから、その残党が五影会談に向かうダンゾウを奇襲したが返り討ちにされた。

原作やアニメでは9と11の間に国境線があったりなかったりするが、作中では国境はあると仮定し、11は林の国とした。

 

波の国

波の国に関しては何処にあるのか正確には不明だが、火の国の隣にある島国となっている。隠れ里を持たない小国で、大名ですら金を持っていないという貧しい島国であった。しかし島と大陸を結ぶ橋が開通したため豊かな国となった。その反面、急激に成長した弊害からか第四次忍界大戦後は拝金主義となってしまった模様。

 

渦の国

渦の国に関しては『元・渦の国』という表記があったうえ、公式ブックで12の位置という事が後に判明。本作では13の列島という扱いにします。

 

茶の国

アニメオリジナルの国。隠れ里は持っていない。

 

鉄の国

何処にあるのか不明。三狼と呼ばれる三つの山からなる国。気候は寒冷。独自の文化、権限、強力な戦力を持つ忍世界の中立国である。忍ではなく「侍」と呼ばれる者たちが国を守る。空区の北にあると想定。

 

海の国

アニメオリジナルの国。水の国に隣接する諸島からなる。隠れ里を持っておらず水の国の軍備に頼っている。



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登場人物

うたたねヨフネ(オリ主)

現代からNARUTOのカカシ世代に転生させられる。

忍術のセンスは大いにあるが、チャクラ量が少ないため使える術や回数に制限がある。

狐憑きの家系で管狐のコン平と契約したおかげで、わずかながら神通力が使える。

現代知識を利用して奮闘中。

 

コン平(管狐)

ヨフネが契約している管狐。契約出来る妖狐の中では最底辺。普段からヨフネの腰に下げた竹筒の中に入っている。好物は金平糖。体長20㎝(胴体部のみ。尾まで合わせると約40㎝)。狭いところが好き。

能力は分裂。最大75匹まで分裂出来るため広範囲での索敵が可能である。ただし分裂した分だけサイズが小さくなるため最大まで分裂すると人差し指程度のサイズになってしまう。

 

うたたねコハル(主人公の祖母/木の葉の相談役)

三代目火影・猿飛ヒルゼンの幼馴染。

綱手の身体強化(怪力)の師匠でもある。

妖狐の中でも格の高い白狐と契約をしている。

念力に加え透視眼も持ち合わす。

 

飛竹トンボ

顔の大半を包帯で多い、目の位置に額当てをしている。そのコワモテの容姿からすると意外だが、探知能力に秀でている。原作では中忍試験の際に悪態をつくなどしていたが、今作では口調も穏やかになっている。土遁使いの設定。

 

日向ホヘト

高い位置でポニーテールをしている。日向分家の出身ながら心優しくも頼りになる忍。ヨフネの一歳下。原作では第四次忍界大戦の時にカンクロウ率いる奇襲部隊に所属。油女ムタの蟲袋にデイダラの起爆粘土が仕込まれていることに気付く。

 

日向トクマ

(原)アンコ率いる先発偵察部隊にいた忍。追跡用に鍛えられた白眼は日向一。

 

日向コウ

(原)日向宗家の忍で本家のヒナタを守る為に死力を尽くした。

 

不知火ゲンマ

常に冷静で飄々とした性格でくわえ千本と反対向きに巻いたバンダナが特徴。実力は高く、四代目火影・ミナトの護衛小隊に所属していた。原作での登場回数は比較的多く、中忍選抜第三試験本戦の審判を務めた。また第一部終盤では音の四人衆と戦闘になり重傷を負う。第四次忍界大戦では、五代目水影・メイをマダラの元へと転送する。少年時代はガイ、エビスとスリーマンセルを組んでいた。

 

山中サンタ

面長の顔に切れ長の目をした山中一族。ヨフネの四歳下でアンコと同期。オレンジの髪をポニーテールにしている。原作では第四次忍界大戦の時にカカシ率いる部隊に所属し穢土転生した忍刀七人衆と戦った。当初は漢字表記としていたが公式のカタカナ表記に変更。

 

奈良ダエン

普段は温和で大人しい性格のデカっ鼻。ヨフネの一歳下。原作では産まれたばかりの子供を思って十尾を前に一歩も引かず戦っていた。

 

秋道シトウ

秋道一族の中でも秀でた剛力の持ち主。秘伝忍術だけでなく、棒術の扱いにも慣れている。頬のマークは×印。歳はヨフネの一歳上。原作では木の葉を襲ったペインと戦闘した。

 

秋道マルテン

(原)シトウを兄のように慕っていた。髪型を真似、頬の模様も真似をしようとして止められる。頬と顎に◯の模様。

 

油女ムタ

油女一族の中では喋る方。ヨフネの六歳下。原作ではカブトのアジトを探索していたアンコの先発偵察隊の一員。蟲袋の中に起爆粘土を入れられ、サソリにチャクラ糸で操られていた。

 

タシ

原作では猿飛ビワコの弟子で医療忍術に長けた暗部として、クシナの出産に立ち会いナルトの誕生を見届け殺された。今作ではヨフネの警告により警備が増員されており、背後からの一撃で犯人は見ていないものの生き残った。また名前に関してはタジと表記されている場合もあるが、女性的な名前という事でタシを採用している。

 

スクイ

アニメで医療部隊の副部隊長らしき人物として登場。下フレームのみの眼鏡をかけた、ショートパーマの女性。ホヘトの同期。

 

柳陰コカゲ new

ヨフネの六歳下でウルシの同期。

(原)暗記の使用について日々研究している一族の忍。口から放たれるクナイは投擲するよりも強力。左頬に“陰”の文字がある。

 

ウルシ

ヨフネの六歳下でコカゲの同期。

(原)カブトが拾われた孤児院にいたガキ大将。院の生活を支える為に忍となる。

 

棘糸テッセン

ヨフネの五歳下でクマドリの同期。

(原)特殊な忍具の扱いを得意とする忍。一度に複数の手裏剣を投擲出来る特注忍具でペインに挑んだ。

 

クマドリ

ヨフネの五歳下でテッセンの同期。

(原)シズネの後輩。解析班では主に検死を担当し、自来也が持ち帰ったペインの死体を調査した。

 

森乃イダテ

森乃イビキの弟、アニメ版にて登場。中忍試験でイビキの一次試験に落とされた後、担当上忍だったアオイに騙され秘伝忍術の巻物を盗まされた。アニメでは、その後抜け忍となり茶の国に所属していた。

 

地陸

元・守護忍十二士の一人で、火ノ寺の僧。暁の飛段と角都と戦うも飛段の術により絶命、その遺体は換金所に持ち込まれた。凛々しい眉毛の持ち主。

 

カズマ

錫杖のような武器を使う。ソラの父親であり元・守護忍十二士。アニメではアスマがクーデターの際に殺したと思っていたが、実は生きており、木の葉の里への復讐を再度企てたが、アスマとの一騎打ちの末倒れた。

 

ソラ

アニメオリジナルキャラクター。火ノ寺の忍僧で、元・守護忍十二士のカズマの息子。五歳の頃、カズマの手により九尾のチャクラをその身に封じられており、木の葉を壊滅させる為に封印を解かそうと利用された。アニメの中では好きなキャラクターだが納得できる設定ではない為、本作での登場は無し。

 

雷遁四人衆

アニメオリジナルキャラクター。キタネ、ナウマ、セイト、トウウの雷遁系の術を得意とする四人で元・守護忍十二士。アニメではクーデターの際に死亡しており、遺体は火ノ寺付近の隠し墓に埋葬された。

 

ダンゴウ

火の国の財政を担当する大臣で大名の側近。

 

緑青アオイ

アニメ版にて登場。イダテの担当上忍だったが、騙して巻物を盗ませ、それを手土産に雨隠れの忍となった。アニメでは二代目火影が使ったとされる雷神の剣も盗ませているが、あくまでアニメオリジナル設定であり、整合性がとれない様な代物であり、本作では不採用とした。

 

ぬまのナマズ

カカシがリンを殺してしまった後に購入した本『忍とはいかに死すべきか』の作者。本作では忍の死を多く見てきた中堅の医療忍者と設定。歳はヨフネの一回り上。

 

黒鋤雷牙(くろすきらいが/忍刀七人衆)

忍刀七人衆の一人。雷刀“牙”を扱う。

アニメオリジナルキャラクターだが、マイト・ダイが忍刀七人衆と相対した際には描かれていた。アニメに登場した時は、抜忍となりカタバミ金山のボディーガードの「黒鋤ファミリー」の棟梁として登場。

相棒である感知タイプの蘭丸を背中に背負っており、非常に広範囲な洞察力を持つ。そのおかげで、追い忍の一人でしかなかった雷牙が、七人衆に入れるようになった。

 

蘭丸(らんまる/雷牙の相棒)

アニメオリジナルキャラクター。雷牙の相棒として、千里眼のような不思議の力を持つ病弱な子供。時系列の都合上、作中ではアニメよりも早く生まれています。



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猟犬解説

給与は通常の忍と一緒の任務料体制だが、装備品などの費用については国からの直接支給されている。里内に施設も持っている。

元々は九尾事件の後に三代目から中隊規模の連携強化を目的とした中隊であった。クーデターを防いだ事により国から認められ、通称であった“猟犬”が正式な部隊となった事で服装を揃える事も認められた。その後うちは事件により連隊規模となった。

 

猟犬部隊 

中隊長 うたたねヨフネ 

第一小隊 近接戦闘部隊

隊長 日向ホヘト

隊員 秋道シトウ他

第二小隊 中距離&奇襲部隊

隊長 うちはシスイ

隊員 奈良ダエン、棘糸テッセン、柳陰コカゲ

第三小隊 遠距離部隊

隊長 不知火ゲンマ

隊員 油女ムタ、ウルシ他

第四小隊 支援部隊

隊長 うたたねヨフネ

隊員 山中サンタ、タシ、スクイ

 

猟犬連隊

連隊長:うたたねヨフネ

第一大隊

大隊長:日向ホヘト

中隊長:柳陰コカゲ、ウルシ、みたらしアンコ

第二大隊

大隊長:うちはシスイ

中隊長:日向トクマ、油女ムタ、クマドリ

第三大隊

大隊長:不知火ゲンマ

中隊長:日向コウ、棘糸テッセン、スクイ

第四大隊

大隊長:うたたねヨフネ(連隊長兼任)

大隊長補佐/代行:タシ

中隊長:秋道マルテン、奈良ダエン、山中サンタ

 

近距離戦闘教官:日向ホヘト

中距離戦闘教官:うちはシスイ

遠距離戦闘教官:不知火ゲンマ

後方支援指導員:タシ

 

部隊編成

小隊:3〜4名

(編成:4名の場合、中忍以上を最低1名含む)

中隊:16名  四個小隊

(編成:上忍1名、中忍以上を最低3名含む)

大隊:64名  四個中隊

連隊:256名  四個大隊

師団:1,024名  四個連隊

軍:12,288名  十二個師団

*師団以上の編成は考えられていなかった

*旅団、軍団は設定していません

 

装備

音響閃光弾

筒状の手榴弾の様な形をしている。ピンを抜いてから約二秒後に閃光と爆音が発生。相手は少しの間だが身動きが取れなくなる。また非殺傷が目的の為、爆発して破片が飛び散らないようになっている。

 

特別製のゴーグル&耳栓

音響閃光弾を使用する際に必要な装備。

 

服装

木の葉従来のインナーのまま、ベストを濃いグレーとする事にした。このベストの肩の所には白いラインが入っている。近距離を目的とした第一小隊はラインが一本、中距離・奇襲を目的とした第二小隊はラインが二本。遠距離攻撃が目的の第三小隊はラインが三本。支援が目的の第四小隊はラインが無しとなっている。

中隊長は左腕に無地のグレーの腕章を巻き、大隊長はラインが一本入ったグレーの腕章、連隊長は二本のラインが入った腕章をしている。

あとは目立つ渦巻きマークの着用をやめている。



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独自解釈

木の葉 25,000人(16,000人)

岩隠れ 23,000人(15,000人)

雲隠れ 21,000人(14,000人)

砂隠れ 19,000人(13,000人)

霧隠れ 18,000人(12,000人)

鉄の国 15,000人(10,000人)

--------------

各里計 121,000人 (80,000人)

 

木の葉の里の忍内訳

*第四次忍界大戦動員数を基に算出

上       忍:約250名(1.5%)

特別上忍:約1,350名(8.5%)

中       忍:約6,400名(40%)

下       忍:約8,000名(50%)

 

チャクラ量

生まれて来た時からおおよそ決まっており、これを仮に潜在チャクラ量と呼ぶ。そもそもチャクラとは人体を構成する膨大な数の細胞の一つ一つから取り出す“身体エネルギー”と、修業や経験によって蓄積された“精神エネルギー”の二つをバランス良く練る事で出来るエネルギーである。つまり身体の成長や修業をすることで増やすことはできる。

しかし、それは主に修業や経験によって増える“精神エネルギー”だけじゃ。“身体エネルギー”は身体の成長の範囲内でしか増えない。

そこで出てくるのが潜在チャクラ量である。細胞の一つ一つが持つチャクラの量自体はだいたい生まれつき決まっており、そのチャクラ量が潜在チャクラ量である。

つまりは大きく成長した所で潜在チャクラ量が少なければ、やはりチャクラは少ないということになる。またチャクラのコントロールや練り方が上手くなれば消費は抑えられる。

ex)

サスケも一部と二部の間で当然成長している。さらには呪印の影響や大蛇丸の薬品を使用し身体エネルギーが向上したと考えられる。

カカシについて、写輪眼を使用するために必要なチャクラの練り方を修業したと考えられる。今までは膨大なチャクラで無理やり使用していいたためすぐに疲れており、そのため極力使わないようにしていたので練り方が甘かった。さらに潜在チャクラ量が多いため修業を重ねることで、さらに多くのチャクラを得た。

 

猿飛ヒルゼンの結婚した歳

およびアスマの兄の歳

原作開始時の年齢

三代目69歳

アスマ28歳

木の葉丸が9歳

アスマの兄が何歳かは定かではありませんが、現代平均の30歳で結婚して1年後に木の葉丸が生まれたと仮定すると原作開始時の歳は40歳となります。つまりアスマとは一回り離れていることに。もちろん大家族な可能性も有りますが、少し無理があるかな?と思ったので三代目の婚期は遅くなってもらいました。

よって、この作品ではアスマの五つ上の33歳です。つまり三代目は35歳くらいで結婚してます。



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術の解説

高域術式

発動に八名ほど忍者を必要とする忍術。あらかじめ数年かけチャクラを封印した巨大な巻物が必要。状況に合わせて忍術の選択が可能。しかし射程距離が短く、発動にも時間がかかる上、発動術者は難しいチャクラコントロールが必要など制限がある。原作ではカカシの千鳥が雷切と呼ばれるきっかけとなった雷がこれにより発生させられた。

 

土遁・土石筍

地面から筍のような岩を出現させ、相手を貫く。アニメ版オリジナルの術。

 

秘術・狐憑き

うたたね家の秘伝忍術。通常の口寄せによる契約とは異なり、常時呼び出されている。契約は単純で死後の遺体を狐に喰わせるというものである。ただし忍の世界では死体の処分が確実に行われ、情報漏洩を防ぐことも出来るため実質ノーリスク。見返りとして神通力が得られる。

 

念力(使用者:うたたねヨフネ/うたたねコハル)

妖狐と狐憑きの契約をすることで得られる神通力の一つ。契約した妖狐の格により使用出来る念力の力の強さが異なる。

ヨフネの場合は、念力の範囲は身体の周り1m、念力の力は手首の力程度。

コハルの場合は、庭石(岩)を持ち上げることが可能。

 

狐火(使用者:うたたねヨフネ)

妖狐と狐憑きの契約をすることで得られる神通力の一つ。契約した妖狐の種族により使用出来るか変わる。

ヨフネの場合は、指を指した方向に火が出せる。距離に関係なく目に見える範囲なら、自由にマッチ程度の火を出すことが可能。数箇所同時に火を出すことは不可能。

 

狐式・五芒星封印(解印)

コン平を五角形の頂点に配置し印を結ぶことで発動。発動すると地面に五芒星が描かれる。基にしたのは五行封印。陰陽師をイメージして五芒星の頂点に術者のチャクラを纏わせた妖狐を配置することで、ただのチャクラでも発動が可能となるように改良した物。

封印に関しては五行封印程の拘束力はないが、その反面、五芒星解印では弱まった呪印程度なら解除できる等、汎用性が高くなっている。

 

雷遁・電磁砲(使用者:うたたねヨフネ)

いわゆるレールガン。レール状に形態変化させたチャクラで鉄球を挟み、そのチャクラに電流を流すイメージで一気に性質変化を行うことで発動する。

レールガンとはフレミングの左手の法則を利用し、弾丸を高速で撃ち出すもの。NARUTOの世界では使用されていないが火薬式の銃では火薬の爆発によって発生する爆風を利用しているという性質上、その爆風以上の速度では弾丸を飛ばすことははできない。それに対しレールガンは音速を遥かに超えることが出来る。上限は光速。

この術も多くの術と同じ様にチャクラの形態変化と性質変化、二つの変化を同時に起こして発動する技だが、ヨフネにも使えるようにチャクラの消費量は少なくて済むようになっている。

理由は大きく分けて二つある。一つ目はチャクラを垂れ流しにしていないという事である。千鳥などは離れた位置で発動させてから相手に当たるまでの間、放電させ続ける必要がある。それに比べレールガンであれば発射の際だけ済む。

二つめはチャクラという科学では説明出来ない謎物質のおかげである。前世の義務教育で習ったように簡単にいえば電力とは電圧×電流で表すことができる。レールガンには大量の電力が必要とされているが、チャクラは電気そのものに変換してしまうほど電気伝導率、すなわち電流の値が高い。また電圧に関しては何故かチャクラコントロールである程度の操作が可能であった。そのためチャクラ量をさほど必要とせずに大量の電力が確保できるため、チャクラの消費量は驚くほど少なくなった。

弾丸をチャクラで挟むことが重要だが、念力もしくはチャクラコントロールにより弾を空中に浮かす必要がある。また科学を理解出来ないと発動させれないため現状使えるのはヨフネのみ。教えても使える人は中々出てこない。

 

八門遁甲

体内の経絡系上の中でも特にチャクラ穴の密集した所にある門を開くことで発動可能。門は頭部から順に開門、休門、生門、傷門、杜門、景門、驚門、死門の八つ。これらは普段チャクラの流量を制御し、身体を保護しているが、門を意図的に解き放つことで強制的に身体能力を高めることを可能とする。しかし本来身体を守るための制限を外すため、その効果に比例して身体に負担がかかる。また開門段階が上がるにつれてその反動も大きくなる。そして、死門まで開いた術者は必ず死ぬ。

開門: 脳の抑制を外し筋力を限界点まで引き出す。

休門: 強制的に体力を上昇させる回復力を生み出す。

潜在能力の解放という技の性格上、その質は術者の力量に大きく左右される。熟達すれば更なる力がもたらされ、肉体に掛かる負担も幾らか軽減することができるが、それでも完全にリスクを消す事は困難で、何かしらの反動は受ける事になる。

ちなみに八門遁甲を使用してもチャクラ量が増加するわけではない。あくまでチャクラの流量が増加することにより、一度に使用できるチャクラ量が増えるだけである。

今作ではカカシも将来的には開門は使えるという設定(原作やアニメで崖登りの業を行う際に使用。その時は開!という台詞しかないが、中忍試験の予選で八門遁甲が出たすぐ後の描写のため無関係とは思えない)

 

影分身

禁術ではない。残像ではなく実体を作り出し、物理的攻撃の可能な上忍級の高等忍術。発動時にはチャクラが本体から各分身体へ均等に分けられるため、分身体の数だけ本体のチャクラも分割される。

分身体は活動するのに必要なチャクラ量以下には出来ないため、チャクラの少ない者には不向き。

 

多重影分身の術

禁術に指定されているのはこちらのみ。通常の影分身より遥かに多くの分身体を作り出す。チャクラの消費量があまりにも多いために禁術とされている。基本的には影分身の術と同術。

 



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IFストーリー
ヨフネと紅 vol.1



紅ルートのIFストーリーです
本編とは全く関係ありません。作者の欲望に従って書いただけです。
シズネ推し、メイ推しの方はご覧にならない方が良いかもしれないです。



  

ここ最近、紅の元気が無い。二十歳になってからは団子屋に誘われる事は無くなったが、代わりに暇な同期を見つけては居酒屋に入り浸っているようだ。ただ、紅が酒豪という事もあってか、一緒に飲むと泥酔してしまう為、そんな誘いも徐々に断られているようだ。

 

こうなってしまった原因はハッキリしている。アスマが守護忍十二士になると言って、里から離れてしまったからだ。とはいえ、もう一年が経とうとしている、そろそろ落ち着いて欲しいんだが……

 

今日の相手に選ばれたのは俺だ。アスマが里を離れた頃には、既に猟犬部隊を任されていたから、どうにも機会が無くて俺は誘われずに済んでいた。しかし流石に一回も相手しないのは可哀想なので渋々付き合うことにした結果、クダを巻く紅が出来上がっていた。

 

「ヨフネわあ凄いよねえ。なんて言うか……自分を持ってるっていうか、信念?を持って行動してるように見えるう。そーれーにー比べアスマは……」

「はいはい、ありがとう。本当にアスマの事が好きだな」

「だ、誰があんな私を捨てて行った奴なんかあ!あいつなんか、優柔不断で照れ屋だし、そのくせプライド高いわ、ファザコンだわ良い所なんてえ……まあ気遣いとかは凄いしてくれるんだけどね。それになあんて言うかほっとけないっていうか……」

 

前世で鍛えた接待術のおかげで、どうにか俺は泥酔だけは逃れている。焼酎の水割りセットを持って来てもらい、二人の酒を作るフリをしつつ紅には濃い目の物を飲ませ、俺はほぼ水の様な物を飲んでいるのだ。もちろん紅のグラスを空にするような事はしていない。

 

しかし、おかげで先に酔いが回った紅の話が長いことこの上ない。まあおっさんの愚痴を聞かされるよりはよっぽどマシだけど。

 

「ていうか二人は付き合ってたの?さっき捨てられたって言ったけど」

「えっと付き合っては無かったんだけど……あいつが出て行く時に一緒にいてよって言ったんだよね。でもあいつはそれを無視して……」

「あーそうだったのか、辛かったな」

 

アスマが出て行ったのは父親の三代目との確執が原因だが、その確執にはどうにも俺も無関係ではないらしい。俺がいなくてもアスマは守護忍十二士になっていた筈だから、責任を感じてはいないが。

 

アスマは出て行く少し前に大名の護衛任務を隊長として受けていたのだが、そこで激しい戦闘が行われ三分の一が死亡、更に三分の一は重症という多大な犠牲を払う事となったのだ。

 

アスマとしては、そんな厳しい任務をやり遂げたと思って、意気揚々と三代目に報告したようだ。しかし任務を達成しても、そんな犠牲を払う事となったアスマを三代目は認めはしなかった。里長の立場からすれば当然だ。

 

しかし、どうもアスマは部隊を任されている俺や暗部にいるカカシの方が、三代目からの信頼が厚く感じて、嫉妬していたようだ。中々自分が父親から認められない現状に不満が溜まっていた時、大名からは先の護衛任務の功績を認められ守護忍として指名されたのだ。

 

ようやく認められたアスマは当然それに飛びついた。出て行く前には、大名中心の国づくりがどうとかと理想を語ってはいたが、結局はただの反抗期だと俺は思っている。

 

「色々聞いてくれてありがとう、ヨフネ」

 

紅の話を聞けば聞くほど腹立たしく思っていたが、その分真摯になって話を聞けていると紅は満足してくれたようだ。

 

「別に構わないさ、ただみんなに酒で絡むのは辞めろよ。お前の為にもなんないぞ」

「ふふふ、優しいのね」

「美人には優しくすると決めてるんでね」

「もう!いつもそんな事ばっかり言って……からかわないでよ……」

 

紅はアルコールのせいで赤くなった頬をさらに染めて顔をそらした。アスマもこんな良い女を置いて行くなんて馬鹿だよな。

 

「さて店も閉まるし、そろそろ出るか」

「そうね……っと!」

 

会計を済ませ立ち上がろうとした紅だったが、足元がおぼつかない様子で転けそうになったので、腰に手を回し支えてやる。

 

「あ、ありがとう」

「どういたしまして。家まで送るよ」

「うん!」

 

 

 

翌朝、目を覚ますと見覚えのない天井が見える。ふと隣を見ると俺の腕を枕にして、あどけない表情で紅が寝ている。なんとなしに紅の頭を撫でながら、自分の心を落ち着かせる。

 

「う、うぅん……」

 

つい撫で過ぎてしまって起こしてしまったようだ。その可愛さに思わず軽く抱き寄せた。

 

「……お、おはよう」

 

抱きしめられた紅が挨拶だけして、俺の胸元で顔を真っ赤にして何やらごにょごにょ言っている。

 

「あの……誰にでもこういう事しているわけじゃないんだからね!」

「ああ、それは分かってるさ」

 

そう言って布団を少し捲り、シーツについた血の跡を見る。この証拠があるのにそんな事を思うはずもない。そして一瞬見えた艶めかしい姿に思わず興奮してしまう。

 

「もう、恥ずかしいでしょ。それで……あの、こんな事になっちゃったんだけど、それでも私……あ、ヨフネの事が嫌いってわけじゃないのよ!むしろ好きなんだけど……だけど、私アスマの事を完全に忘れられたわけじゃなくて……」

 

一大決心したように打ち明けた紅だが、最初からそれは感じていた。俺はそれでも受け入れる覚悟でここにいる。

 

「言わなくても分かってたよ。俺はお前の事を好きだけど、何も意思を曲げさせてまでとは思ってはいないさ。いっぱい悩んで答えを出して欲しい」

「……ありがとう」

 

紅にはああ言ったが、俺は紅を手放す気などない。今アスマが里にいない状態を最大限活かさせてもらおう。

 

「台所貸してもらえるなら何か作ろうか?」

「大丈夫!!その、普段あまり作らないから、材料が……」

 

どうやらあまり家事はあまりしないらしい。実はくノ一では珍しい話ではないのだ。不定期に長期任務に出るとなると材料を置いておけないのだ。その結果つい外食しがちになってしまう。

 

「なら二人で何か食べにでも行くか?俺はこのまま二人で布団に入ってても良いんだけどね」

 

せっかくのこの状況を楽しみたいという思いもある。良い所を見せるのか自分の欲望に素直になるのかせめぎ合う。

 

「んっ……」

 

結果、欲望に負けて抱き寄せキスをしてしまう。紅も一瞬驚いたが受け入れてくれた。どうやら起きるのはまだ先になりそうだ。

 

装備を受け取る予定はキャンセルだな。

 

 

 

 

 

あれから紅と堂々とデートをするようになった。猟犬の面々にも既にバレてしまったが別に構わない。冷やかしてくるような奴はゲンマ位しかいないしな。

 

そんな中、守護忍十二士にクーデターの動きありとの報せが入って来た。俺が三代目から予算をもぎ取ろうとしていた時だった。

 

「ヨフネ、聞いておった通りじゃ。大名には護衛が必要じゃろう。それもまとまった数の忍がじゃ」

「つまり俺達に行けと?」

「大名から認められれば、予算の増額も可能かもしれんぞ?それに書状には猟犬部隊を指名してある」

「はあ、それじゃ断れないじゃないですか。分かりました、すぐに準備します」

 

そう言って出て行こうとした俺の背中に三代目からの言葉が投げかけられる。

 

「それと……すまんが、アスマを頼む」

 

助けてやりたいが今は帰って欲しくない……その想いを抱えて俺は任務にあたる事になった。

 

 

 

 

 

無事に守護忍十二士の改革派を食い止める事が出来たのだが、間も無くアスマが帰って来る事は俺にとっては朗報とは言い難い。そんな中、俺は気が重いまま紅の家に向かっていた。既に習慣となりつつあった。

 

すると守護忍十二士に代わる護衛の目処が経ち、里へ帰って来たアスマと鉢合わせしてしまった。帰って来ている事は知っていたが、避けていたのに会ってしまった。紅の家の前で。

 

「……ヨフネ」

 

仕方ないとはいえ、こいつの友人を殺して気不味いというのに、最悪な場所で会ってしまった。まだあの事は知らないだろうが……嫌だ。

 

「お前、こんな所で何やってんだ?」

 

ど直球にアスマからの質問がやって来た。もう見逃し三振でも良いから逃げ出したい。

 

「紅に用があってな」

 

だが逃げ出すわけにもいかず過去最高の冷や汗をかきながら正直に答えた。何となくアスマは気づいているのかもしれないが、相当に気不味い空気が流れる。

 

そこへこの空気をぶち壊せる人物がやって来た。俺達とも顔馴染みの能天気な後輩、アンコである。さあこの空気をぶち壊してくれ!

 

「あれ?ヨフネさんにアスマさんじゃん!二人とも里に帰って来て早々、紅さんを巡って修羅場ですか?」

 

待てェェェ!そんなぶち壊し方は望んじゃいないんだよ!むしろ悪化したわ!

 

「ど、どどういう事だ?アンコ」

「えっ?だってヨフネさんと紅さんって付き合ってるんじゃないの?一カ月くらい前からよく一緒にいるじゃないですかー」

 

おいいいいい、なんちゅう話の切り出し方してんだよ!!俺が焦る中、アスマはというと俯いて拳を握り締めプルプルと震えている。

 

「ひょっとしてやらかしちゃいました?……う、うちは用事があるんで、これで!」

 

シュタッと敬礼をかまして、アンコは逃げ去って行った。残されたのは二人と重たい空気だけである。

 

「ヨフネ」

「ハイ!」

「今から俺と決闘しろ!」

「ハイ?」

 

 

 

それから二時間後、俺は第三演習場にいた。何故かこういう時に限って、揃いも揃って暇をしていた同期達も演習場に集まっている。ってホヘトやシスイまでいるじゃないか。

 

「なんでお前達までいる?」

「アンコから話を聞いたガイさんがゲンマさんに。ゲンマさんから僕達だけ教えてもらいました」

 

人の口に戸は立てられぬとはよく言ったものだ。って広げ過ぎだろ、アンコォ!あいつあの後も覗いてたな。

 

「ヨフネ、準備は良いか?」

 

既に殺気を漲らせたアスマはチャクラ刀を構えている。お前殺し合いでもするつもりなのか?

 

「良いけどさ、これって何の為の決闘なんだよ」

「まだしらばっくれるつもりか!」

「しらばっくれてんのはテメェだろうが」

「黙れ!!」

 

そう言ってアスマが突っ込んで来た。190㎝の巨体だが、かなり早い。しかし俺の方が身長が低いとはいえ、パワーで負けることはない。雷刀を構えて鍔迫り合いに持ち込んだ後、思い切り弾きかえす。

 

「お前、決闘なんかで紅の事を解決しようとでも思ってんのか?」

「それ以外に何がある!」

 

アスマは再度構えて、今にも飛び掛かって来そうな勢いで叫んだ。

 

「そうか……気が変わった。本気で相手してやるよ、反抗期の糞餓鬼!」

 

八門遁甲・開門……開!

 

俺は自分の中のリミッターを外す。さらに脚にチャクラを集中させ、その場に土埃を残し、瞬時にアスマの後方に移動する。

 

「早い!」

 

観客の誰かが声をあげたが、それを無視して腰の辺りに蹴りを入れる。アスマは咄嗟に反応して前方に転がったが威力は殺しきれなかったようだ。

 

「お前は紅の事を物だとでも思ってるのか?こんな決闘であいつの心をどうにかしようなんざ、甘すぎんだよォっ!」

 

転がったままの状態のアスマに更に追撃をしようとすると、いきなり起き上がり手裏剣を投げつけて来る。

 

(四つ!こんなもんで俺がやられるとでも……いや、これは!)

 

「手裏剣影分身の術!」

 

手に持った雷刀で捌こうとしていた手裏剣が目の前で分裂するように増えていく。その数は既に二十を超えている。最初から飛んで来たのなら、その程度は問題無いのだが、飛びながら増える手裏剣の全てや叩き落すのは難しい。

 

「ヨフネ!」

 

紅がこの場面で俺の名前を呼んでくれ、さらにやる気を出した俺は開門を開いたまま捌くのを諦め、横に大きく飛んで避ける事にした。

 

「火遁・豪火球の術!」

 

すぐにそれを追撃するように、これまた派手な術が飛んで来るが、それは地面に向けて拳を放ち、岩を捲れ上がらせ防いだ。

 

電磁砲を使えばあっと言う間に決着が付くのだが、あれは手加減出来るような術ではないから、いくらアスマといえども使うわけにはいかない。だが俺はガイほど八門遁甲を使える訳ではない為、開門が開いている時間は約一分だけだ。その間に決着をつけなければならない。

 

もう一度、脚にチャクラを集中させ、今度はアスマに正面から突っ込む。同時に腰に下げた水筒に右手を伸ばし、チャクラで水を掌に吸着させ、その手でアスマの口と鼻を覆うように顔を掴んで地面に叩きつけた。

 

「ゴハッ!」

 

アスマは息が出来ずもがくが、俺の怪力はそう簡単に振りほどく事は出来ない。人はコップ一杯の水で溺れてしまうのだ。チャクラが少ない俺なりに考えた、力技の水牢の術である。

 

最初はもがいていたアスマだったが、力を振り絞って右手の刀で俺を斬り付けようとして来た。仕方なく手を離して刀を躱し、アスマを木に向かって蹴って一旦距離をとる。

 

アスマは木にぶつかった衝撃か、溺れそうになったせいかはわからないが咳き込みながら、こちらの方を睨んでいる。

 

「……なんで、なんでお前はいつも俺の欲しい物を手に入れるんだよ」

 

息を整えたアスマが語りかけてきた。伸びた無精髭、ボロボロになった服のせいで、まるで浮浪者の様だというのに、その鋭い眼光は未だ心が折れそうにもない。

 

「そんな少ないチャクラしかないのに実力をつけて、親父や里からも信頼されて、ましてや紅まで!なんで俺が欲しい物を全て手に入れてるんだよォ!」

 

アスマはそう叫ぶと何かを引くような仕草を見せた……ワイヤーか!

 

しかし先ほど飛ばした手裏剣影分身で使われた手裏剣が飛んで来る訳もない為、無視して俺は突っ込んだ。

 

「ガハッ!」

 

アスマは予想外の俺の行動に反応できず、俺は顔面を殴り飛ばした。

 

「ふざけんじゃねえぞ、アスマァ!話を聞いてみればグチグチと女々しい事ばかり言いやがって!」

 

なんで俺がこんな面倒な事に巻き込まれなきゃいけないんだよ。こっち電磁砲無しで相手してやってんのに、バカスカ術使いやがって。

 

「隊長、それはいけません!アスマさんが死んでしまいます!」

 

頭にきた俺は無意識に鉄球を身の回りに浮かべていたようだ。シスイの声で我に帰り、鉄球をポーチに納める。スッと深呼吸して、再度話かけることにした。

 

「お前、自分が何やってきたか分かってんのか?」

「何のことだ」

 

アスマは本当に分からないのか、訝しんだ声をあげる。こんな奴の為に紅が苦しめられていたかと思うとまた腹が立ってきた。

 

「そもそもお前はなんで里を出て行ったんだ?」

「俺は認めてくれる人の所へ行っただけだ。お前には分からないだろうがな」

「ああ分からねえな。相手には認めて欲しいクセに、その相手を認められないようなお前の考えなんざ、分からねえよ!」

 

せっかく心を落ち着けようとしたというのに、またイライラしてきた。この際だから全てブチまけてやる。

 

「認めてくれる大名の所へ行ってどうなった?お前は木の葉を裏切る寸前だったじゃないか。三代目に認めて欲しくて結果だけを追い求めた結果がそれだ!お前も少しは三代目の立場になって考えてみろ!任務にしたって味方の過半数を戦闘不能にした隊長を褒めてやれるはずがないだろ!火影だぞ。里の未来を護らなきゃいけないんだ。いい加減、親離れしやがれ!」

 

演習場が静まり返った。聞かされた内容についてかもしれないが、俺がここまで熱く話している姿が珍しいのかもしれない。

 

「お前はただ逃げただけだ。いや、守護忍になれば認めてくれるとでも思ったのか?」

「黙れ!」

 

アスマが聞きたくないという風な様子を見せているが、容赦なく畳み掛ける。

 

「それに里から出て行く時、お前は紅に何て言われた?」

「それは……」

「思い出せないなら教えてやるよ。お前は紅の告白を振り切って出て行ったんだよォ!」

 

そう言ってまた俺がアスマの頬を殴ってやった。アスマは殴られた勢いで膝をついた。

 

「紅がどれだけ悲しんだかお前は知ってるのか?少なくともここにいる同期の方が、お前よりは知っている」

 

アスマはダメージのせいか、話を受け止めたせいか分からないが、膝をついて黙ったままだ。

 

「そんな紅を俺達が見捨てるわけないだろ!それなのに勝手に出て行った奴が、戻って来た途端に掻き乱しやがって!何でも思い通りにならないと気が済まないのか!」

「全てが思い通りのお前には言われたくねえよ!」

 

アスマが右足で俺にローキックをして来た。俺はそれをガードして、右足でアスマの側頭部を狙う。反応して腕を上げてガードするが、俺の力はそんな事では止まらない。ガードした腕ごと吹き飛ばす勢いで足を振り抜いた。

 

「……確かにお前から見れば上手くいっているように見えるかもしれない。だがな俺の思い通りに全てがなるなら、オビトやリン、四代目が死ぬ事は無かったよ!」

 

こっちがどれだけ悩んで、努力して今の状態になる事が出来たのか、みんなは知らない。だがそれらを勝手に否定する事は絶対許さん。

 

「……確かに俺はお前を妬んでるだけだ。変わる事も必要かもしれない……だけど、それでも俺は紅を諦める事だけはできない!俺は紅が好きなんだ!」

「ならなんで直接そう言わない!俺に絡んでくるな!紅の気持ちを無視するなよ!お前は全部自分勝手なんだよ!」

 

腹が立って仕方がない。そんな俺の後ろに気配を感じて振り返れば紅が立っていた。

 

 

 

「私は……」

   



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