HSDD〜ディオドラ外伝〜 (モリブデ)
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切っ掛け
ディオドラ外伝始まります?
私の名前はディオドラ・アスタロト
次期アスタロト家の当主と言われている
が、私には秘密がある
それは、私は前世の記憶と力を持って生まれ変わった転生者だ。
簡単に説明すると前世の私は、この世界この時代から遠く離れた異世界の時代で光の神から加護をうけた光の使徒として闇の神ブルザムと仲間と共に闘った。
前世で最後の記憶として覚えているのはブルザムからの全力攻撃から皆を守るため全魔力を使い盾になり消滅した事だった
そこで私の人生は終わったと思っていたが、次に気付いた時は見ず知らずの女性に赤ん坊として抱かれていた時だった
訳がわからない私は何かを言おうとしても赤ん坊の為か鳴き声しかあげる事が出来ない
その時私を抱いてる女性は私以外の名前で私をあやしていたので余計に混乱してしまっていた
今思うと恥ずかしいかぎりだが……
それから落ち着きを取り戻した私は色々考えた まず、私はある事を思い出した。私が消滅する瞬間、”貴方に新しき人生を“と光の神から声が聞こえていたのを
「(では、これが私の新しい人生なのか……)」
そう思ったら自然と納得していた私がいたのだった
それと、私を抱いていたのは母親だった。当然と言えば当然か。
転生以外に色々驚く事の連続だったが、一つ目は私が悪魔に生まれ変わった事だな。
しかも上級貴族の元72柱の中にあるアスタロト家である事
二つ目に前世で私が使っていた武器、炎の聖霊獣フェニックスが封印されていたエレメントソード、風の聖霊獣セフィロスが封印されていたセレメントアンク、土の聖霊獣ゴーレムが封印されていたセイントガントレットがこの世界にある神器と呼ばれるものに形を変え私の体に宿っている事
エレメントソードは炎の形を象った紅い籠手・鳳炎霊の籠手(フラム・オルニス)となり右腕に装着する。能力は近距離の攻撃重視
セイントガントレットは龍の鱗みたいに幾重にも重なった茶色の籠手・巨岩霊の籠手(ティエラ・ギガス)になり左腕に装着する。能力は遠距離の防御重視
セレメントアンクは十字架に左右斜め上から2本の剣が刺さった形をした銀色のペンダント・女風霊の銀輪(アニマ・ディオネ)になり首にかかる。能力は中距離のスピード重視
普段は隠れているが、私の意思で発現が可能である
三つ目が本来悪魔は光の属性が弱点だが、元・光の使徒である私は関係ない事、前世で使っていた雷魔法“スパーク“と聖炎魔法“インフェルノ“が使える事などだな
因みにどうして色々分かったかと言うと私に宿っているフェニックス達から教えて貰った
何故彼等が知っているかは秘密だったが、まぁいい
後、神器は本来人間の身に宿るものらしい。私の場合色々と特別と言うか優遇されているのかな?
そして私が転生して早10年が経った。その間起きた出来事は貴族悪魔としての知識、立ち振舞いを習ったり魔力・体力などの向上や神器の使い方を修得する為の修行をしていた。
そんなある日いつもの森の中で修行をしていると
「人の気配が近付いて来てる? 気のせいか?」
『……気のせいではありません。悪魔や獣とも違う不思議な気配です』
私の質問に答えるフェニックス
「何故こんな森の奥深くから……しかも初めて感じる気配か」
そうここは森の中でもかなり奥にある所で獣や魔獣も滅多にこない所である
因みに何でこんな奥深くでするかと言うと神器の訓練も兼ねている為、未だ両親にすら神器の事を話していないのでばれずに修行するにはもってこいの場所であった。
そうこうしている内にその人物が姿を表した
「女の子?」
目の前に立っているのは自分より少し年下の感じがする白髪で猫耳と尻尾が生えた女の子である
女の子はまさか人がいるとは思って居なかったのか非常に驚いた表情をしていた
「君は……あっ!? 待ってくれ!」
ディオドラから声をかけられ両肩をビクッと震わすと来た道を逃げ出したのだった
咄嗟に追いかけるディオドラ。この辺りは滅多にでないがかなり強力な魔獣が出没して危険であり闇雲に走るのは更に危険であると判断した為である
直ぐに追い掛けたので見付ける事が出来た。後ろから右腕を掴む
「ッ!? 離して」
と、暴れだした。ディオドラは落ち着く様に声をかける
「落ち着て。危害は加えないし何もしないよ」
だが、女の子は怯えた表情になりながら
「嘘……さっき悪魔の人に酷いことされそうになった」
そう言ってキッと睨みつけるがディオドラが何も言わずにいる為また怯えた表情になる
「(こんな小さな女の子に何をしているんだ)……ごめん。怖い思いをさせて。私は、絶対に酷い事をしないから。信じてほしいな」
なるべく怖がらせない様に優しく微笑みかけるが
「……なら、どうして、手を離してくれないの?」
自分の腕を掴んでいる手とディオドラの顔を交互に見ながら聞いてくる
「此処等はかなり危険な魔獣が出てくるときがあるからね。毎日修行に来ているから知っているんだ。無闇に走り回らないと約束してくれるなら離すよ」
説明すると、暫しの間をおいて頷く女の子。それを見て手を離した
約束通り大人しくしている女の子に
「さて、先ずは森の外に出るよ」
そう言ったディオドラの左腕を掴みいやいや首を振る女の子
「大丈夫。外に出るだけだから、信じてよ」
「…ねえさま…」
「……ねえさま?」
ボソッと言った言葉に不思議そうに聞き返すと
「わたしを……逃がすため……悪魔の人達に……だから……えっ?」
途切れ途切れに言う女の子の伝えたい事を理解したディオドラは女の子の頭の上に手を置き優しく撫でるとビックリした表情で顔を見た
「先ずはお姉さんを助けに行こう」
「うん! ……でも私、場所を覚えていない」
助けに行くと言われ一瞬明るい顔になりかかるが場所を覚えていないので暗い表情になる
「大丈夫、任せろ(森全体となると……〈セフィロス探せるか?〉)」
「〈主よ、お任せくださいな〉」
念話で自身の神器・セフィロスとやり取りするとディオドラの後ろに魔方陣が出現する。そこから黒色で髪の長い美女の顔立ちをして体は上半身女性で肝心な所は鳥の羽で隠しており腕の替わりに鳥の羽が生えている。そして下半身は鷲の脚をしてる風の聖霊獣セフィロスが姿を現した
驚きの余りポカーンとする女の子に
「お姉さんの顔の特徴教えてくれる?」
「えっと……目が2つあって鼻と口があって……」
女の子の説明に思わず苦笑いになるディオドラ
「それと、髪の色は何色かな? 後、頭の上に耳がついてる?」
「髪は黒色と赤色で耳は上についてる」
「黒と赤? 2人いるのか?」
ディオドラの問いに頷く女の子。それを見てセフィロスと意識を同調させると風を使い森の中を隈無く捜して
「……見つけた」
「本当!? 何処ですか!?」
ディオドラの言葉に目を開き彼の腕にしがみついた
そして覗き込む様に見る女の子に、頷くディオドラ 彼が見たものは黒色と赤色の髪で猫耳が生えた女の子が10名以上の悪魔に囲まれている光景だった。
「だが、状況は余り良くないな。このままだと……」
「そんな……黒歌ねえさま……赤譜ねえさま」
泣きそうになる女の子
「場所は分かった。今から行けば間に合う。だから助けに行こう」
「はい……でも、どうして助けてくれるのですか?」
「君の悲しそうな顔は見たくないからね。お姉さん達は必ず救いだす」
力強く言うディオドラに頷く女の子。そこである事を思いだし聞くディオドラ
「そうだ、私はディオドラ・アスタロト……君は?」
「え?……あっ、わたしは…白音といいます」
「白音か、可愛い名だな……っと、こうしている場合ではないな。白音ちゃん、ちょっと失礼」
「えっ? きゃ!? あ、あの……」
一声かけて白音をお姫様抱っこするディオドラ。白音は顔を赤くして小さくなった
「私が抱えて走った方が速い。嫌かもしれないが少し我慢してほしい (転移の魔法が使えれば一瞬でいけるのだが……今の私はまだ使えない)」
「そんな、嫌では……その、お願いします」
頷いたディオドラは全速力で駆け出したのだった
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次回も頑張ります
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想いの先に
ディオドラと白音が出会った頃、同じ森の中で、2人の少女が片膝をつき肩で息をしながら10名以上の悪魔に囲まれていた
「手こずらせやがって。大人しく俺のもんになってりゃ1匹逃がす事もなかったのによ」
そう言った悪魔達の中でリーダーらしき人物、見た目16歳位の髪が右半分銀色左半分金色で眼のいろが赤色と青色の男悪魔が下卑た笑みで見下していた
それに対して赤髪の女の子…赤譜は下からキッと睨み付けた
「それで、睨んだつもりか。しかしお前ら姉妹は黒歌と白音しか居なかったはず。お前は何者だ? イレギュラーか」
その言葉に驚愕の表情を浮かべる赤譜に対して
「何を言ってるにゃ?」
と、不思議そうな顔をする黒歌
「まぁ、オリ主である俺様はそんな事気にしねぇーがな。お前ら可愛がってやるからよ」
「(この男、あたしと同じ転生者ね。だとしたらどんな力を持っているか分からないわ。もしくはあたしと同じ妖力だけや魔力だけかしら?)」
益々訳が分からない顔をする黒歌だが、赤譜は目の前に立つ男……悪魔が自分と同じ転生者だと分かった
横に並ぶ黒歌に
「あたしが引き付けるから黒歌姉さんは白音と逃げて」
「えっ? 赤……きゃ!?」
小声で黒歌に言うと一瞬の隙を突いて周りを囲う悪魔達の間からかなり外に吹き飛ばした
呆気に取られてる悪魔の1人に掴みかかる赤譜だが
「このアマ調子のんじゃねーぞ!」
「うう! げほっ!? がは!? あぁ…」
掴みかかる赤譜の後ろから悪魔の1人が腰まである赤髪を掴み後ろに引っ張った
その動きで離れた赤譜 のお腹に掴まれていた悪魔が何度も魔力を込めた膝蹴りを食らわした。続いて周りの悪魔達を暴力を加えた
「お前ら顔は手をだすなよ」
男悪魔の命令を聞いて顔以外を蹴り続けた
数日間殆ど休まずろくに食べずに逃げていた為体力や妖力が無くなすがままに暴力を振るわれる赤譜
「止めて! 赤譜が死んじゃう! 何でもするから!」
吹き飛ばされた黒歌が庇うように赤譜の上に被さる。リーダー格の悪魔が
「へっ、初めからそうしてりゃいいのによ。黒歌は後でたっぷり可愛がってやるよ。先にてめぇからだ」
何か言おうとした黒歌を押さえ付ける数名の悪魔。残りの悪魔は赤譜を仰向けにして両手を頭上に両足を開いて押さえ付けた
リーダー格の悪魔は厭らしい笑みを浮かべながらゆっくり赤譜に近付いていた
そんな様子を虚ろな目で見る赤譜
「(何でこんな事に……私何かしたの? )」
今まであった事を思い出していた
この世界に転生する前は親子3人で日本で暮らしていた彼女。ある日悲劇は起こった海外旅行へ行った先でテロに巻き込まれ両親を亡くした
帰国後は雑種の飼い猫と共に親戚夫婦に引き取られた
それから数日後、叔父と2人きりになった時いきなり襲われた。あわや陵辱されそうになった時叔父の顔に飛び掛かる飼い猫に助けられた。
飼い猫を抱き抱え家を飛び出したが運が悪かった。交差点を飛び出したときスピード無視したトラックに跳ねられたと同時に意識がとんだ
次に気付いたときは黒歌・白音姉妹の次女として生まれた時だった
最初は此処は何処? 状態だったが直にハイスクールD×Dの世界で自分は転生したと分かった
時はたち白音が生まれ暫くして両親が死んだ
それから黒歌が悪魔へ転生するのを唆されたと分かったときは必死で止めた。転生させようとした悪魔の狙いもそれに伴う証拠も探した
赤譜の説得と証拠で寸前で止めた黒歌達は悪魔の元から逃げた
これで3人で暮らせると思ったとき今度はあの転生した悪魔に見つかった
そして今に至るのだった
走馬灯の如く頭に流れる思い出から現実に戻ると泣いていることに気づいた。後ろから黒歌の叫び声が聞こえたが何を言っているか分からなかった
何故なら
「もう……いいや……」
どう足掻いてもこの男に陵辱されこの男のものになるんだと諦めているからだ。そして静かに目を閉じた
次の瞬間
雷が何かに当たる音と数名の男の絶叫が頭の上から聞こえた
驚いて上を見ると自分の腕と肩を押さえていた悪魔2人と黒歌を押さえていた悪魔3人が真っ黒になり倒れた所だった
慌てる悪魔達に突然、突風が吹き荒れた。思わず赤譜を押さえている手を放し顔を隠す悪魔達と黒歌と赤譜
吹き荒れる風と同時に1人の人影が赤譜の上を一瞬にして通り過ぎると
「ヘルブラスト!」
少年の声が聞こえると同時に風の渦が発生して赤譜を取り囲む悪魔達を吹き飛ばした。
風が止み上を見上げる赤譜。目の前には自分を庇う様にして立つ少年の姿があった
唖然としていると
「黒歌ねえさま! 赤譜ねえさま!」
「「白音!?」」
2人の側に駆け寄る白音の姿を見て同時に驚く黒歌と赤譜
「赤譜ねえさま……こんなに……ヒック……ボロボロに……」
赤譜のボロボロの姿を見て泣き出す白音。そこへ
「どこのモブだか知らねぇがオリ主である俺様に楯突く気か!? なにもんだてめぇ!?」
俺様発言をして声を荒げる悪魔に対して静かに名乗りだす少年
「私はディオドラ……ディオドラ・アスタロトだ!」
最初は静かに段々とはっきりと力強く名乗るディオドラであった
―次―
ここまで見て頂きありがとうございます
次回オリ主VSオリ主(仮)です
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鳳炎霊VS聖剣
タイトル名いいのが思い付きませんでした。
今回も短いです良かったらどうぞ
赤譜を取り囲む悪魔達を吹き飛ばしたディオドラ。目の前に立つ悪魔に名乗ると
「ディオドラだと!? ふざけんな! なんでてめぇがこんな所にいんだよ!? てめぇはシスター堕として犯りまくってんだろーが!」
「私はシスターを堕としめていないしその様な事はしていない」
目の前に立つ男の問いにきっぱりと言い放つディオドラ
「(ディオドラ…あの男の言う通り原作ならそうだけど……なぜかしら? そうは思えない。寧ろ彼の背中を見てると安心するわ)」
考える赤譜。ねこまたとしての本能か又は勘か分からないがディオドラの背中を見ていると安心する自分がいた
「まぁいい……こいつで塵も残さず消してやるぜ勝利を約束された剣[エクスカリバー]!!」
右手を上に上げ高らかに叫ぶ男。すると、右手に収束されて黄金に輝く剣エクスカリバーが握られていた
その剣から放たれる聖の波動に息を飲み畏縮してしまう3姉妹
ディオドラは光耐性が有るため何ともなかった
「(これが、この男の特典……でも悪魔に聖剣っておかしいよね!? じゃなくてどうしよ!?)」
左を黒歌、右を白音に支えられながら内心慌てる赤譜
「ハッハーどうした? ディオドラ! さっきから黙ったまんまじゃねぇか! こいつを前にビビったか! どうせてめぇは殺されるんだ! 今ここで殺してやらぁ!」
狂気を孕んだ笑みを浮かべる男に対して
「言いたい事はそれだけか」
「あん?」
怯えた様子も見せず静かに言うディオドラに不満そうな声をあげる男
「弱い犬ほど良く吠えると言うが……本当のようだね」
「ッ!? クソがきゃぁー!! ぶっ殺してやる!!」
両手で持ちディオドラの頭に向けて降り下ろした
ディオドラの後ろにいた3姉妹は咄嗟に目を瞑むった
だが、一向に何も起きなかった
変わりに
「ば……ばかな……」
男の震えた声が聞こえた。恐る恐る目を開ける3人、そして
「うにゃ!? えっ、えっ……にゃ!?」
「あっ……パクパク……パクパク」
「えっ? ……(えぇぇぇぇぇぇぇぇ!? )」
上から驚きのあまり変な声を出す黒歌
驚きすぎて声が出ず口をパクパクさせる白音
心の中で絶叫する赤譜
その理由はディオドラに有った
右手に発現させた神器鳳炎霊の籠手フラム・オルニスでエクスカリバーを受け止めていた
「てめぇ転生者か!? くそがぁぁぁ!!」
エクスカリバーの出力をあげる男
「くっ! フェニックス火力を上げろ!!」
『了解!』
答えると同時に籠手に炎が迸り一瞬で右掌に集束した力を籠めるディオドラ
すると掴んでいる刀身の所に罅が入った
「なっ!? 罅が! あ、有り得えねぇ!!」
その時初めて焦りと恐怖の顔をした、そして
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
一気に握り潰すかの如く力を入れエクスカリバーを2つに折った
「はぁ……はぁ……はぁ……」
肩で息をするディオドラ。男はエクスカリバーの折られた部分を茫然と見ていた
3姉妹も驚きの表情のまま固まっていた
「ッ!! くそがぁー!?」
男がエクスカリバーを放り捨て突然殴りかかった
呼吸を整えたディオドラは男の動きに合わせる様に籠手に炎を纏わせ顔面を殴った
3、4mは軽く吹き飛ばされた男
「痛てぇよー俺様はこの物語のオリ主だぞ、主人公なんだぞ! あの3匹は俺様の物なんだ!!」
殴られた顔面を押さえのたうち回りながら叫ぶ男。痛みを抑え何とか立ち上がるが
「ひぃ!?」
一瞬にして間合いを詰め目の前に迫るディオドラに悲鳴をあげ咄嗟に両手で顔を隠すも左脇腹に籠手がのめり込め
「ぐわぁは!? か……はぁ……ひぃ……ぶばぁ!?」
呼吸が 出来ずに金魚みたいに口をパクパクさせる
直ぐに籠手を引き一歩下がるディオドラ
“助かった”と男は思っただろうが次の瞬間ディオドラの左足を軸にした目にも止まらぬ速さの後ろ回し蹴りが男の顔面にクリーンヒットした
先程以上に吹き飛んだ男にゆっくり近付くディオドラ
男の顔は先程までの余裕の笑みは一切なく恐怖で染まっていた
男に対してディオドラは
「彼女達は誰のものでもない。彼女達の人生を勝手に縛りつけていい訳ではない。」
「うるせぇぇぇぇ!!」
恐怖に駆られディオドラに突撃する男。右手で殴り掛かるがあっさり左手で止めると右手を男に向け
「走れ! 雷!」
右手から幾つもの稲妻を男に向け放った
「はぎゃぎゃぎゃきゃうにゃふひゃげぶ!?」
奇声をあげ吹き飛ばされる。一度地面にワンバウンドしてうつ伏せに倒れた。全身黒焦げで所々煙を上げピクリとも動かなかった
倒れた側に行き一応生きているのを確認すると未だ茫然とする3姉妹の元に向かった
彼女達に微笑みかけながら
「もう、終わったから安心していいよ」
と言うと、まだぼうっとしている黒歌に代わり赤譜が
「あの……ありが……とう……ご……」
お礼を言おうとしたが突然倒れた赤譜だった
―次ー
ここまで見て頂きありがとうございます
オリ主VSオリ主(仮)
でなく
オリ主VS踏み台になりました
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この世界は
皆様ありがとうございます
拙い文章表現ですが宜しくお願いします
では、どうぞ
踏み台悪魔を倒したディオドラにお礼を言おうとして倒れた赤譜
「赤譜!?」
「赤譜ねえさま!?」
悲痛の声をあげる黒歌と白音慌てて体を揺すろうとする2人に
「落ち着いて。一旦私の屋敷に運ぶ。其でいいかな?」
落ち着かせ2人に聞くディオドラ。2人が頷くのを確認すると赤譜をお姫様抱っこした
そして帰還用魔法陣の札を使い黒歌、白音を連れて屋敷に戻った
因みに踏み台悪魔達は後から回収した
〜ディオドラの屋敷にて〜
「……んっ……」
ベッドの上で1人の女の子が寝ている。もぞもぞと横で何かが動きうっすらと目を開ける女の子
「……あれ? (ここは……そうだあたし達悪魔に追われてて……って!? ) 黒歌姉さん! 白音!」
寝起きでぼーっとしていたが直ぐに思い出し勢い良く上半身を起こす赤譜
すると
「ふにゃあ!?」
右横から声が聞こえ横を見ると驚いた表情で固まってる白音と目があった
「赤譜ねえさま!」
目があった瞬間赤譜に抱き着く白音。抱き着きながら
「良かった……良かったです……もう3日も目を覚まさないから……心配して……」
段々涙声になり最後は肩を震わせ泣き出した
白音を抱きしめ優しく頭を撫でながら
「ごめんね。心配かけて……」
優しく抱きしめた赤譜
抱きしめられながら泣いていた白音であった
「落ち着いた?」
「はい……」
暫く泣いて落ち着きを取り戻した白音は赤譜から恥ずかしそうに離れた
「ねぇ、白音さっき3日眠ってたと言ったけど……あたしはそんなに寝ていたの? 黒歌姉さんはどうなったの? それにここは何処?」
「はい。疲労と睡眠不足等ですごい衰弱していましてずっと寝ていました。黒歌ねえさまも寝ていましたが昨日、目を覚ましています。ここは、ディオドラさんのお屋敷です」
赤譜の立て続きの質問に一瞬驚いた表情をしたが直ぐに答える白音
教えて貰うと座ったまま自分の体をぐるっと見る赤譜。体に意識を集中するも悪魔になった気配はない
そんな姉の動きを不思議そうに見る白音に
「白音。貴女ディオドラに何もされてない? 悪魔に転生させられたとか……その色々とされたとかない?」
「大丈夫ですよ。ねえさま、ディオドラさんは悪魔ですけど優しいです。私達は悪魔になってないです。それ処か私達は色々とお世話になってます」
嬉しそうに言う白音
「そう……(ディオドラはシスター以外興味がないのかしら? それとも転生者なのかしら? )」
一言だけ言い考え込む赤譜を不安そうに見る白音
そこへ、ノックが聞こえた後ドアを開けて少年と黒髪少女が入ってきた
「失礼するよ。目を覚ましたんだね。良かった」
赤譜を見て優しげに微笑むディオドラ。
「赤譜!」
ディオドラの後ろに付いて入ってきた黒髪美少女、黒歌は赤譜に駆け寄り抱きしめた
「良かったにゃ……あんなにひどい目に合わせてごめんなさい。大丈夫にゃ?」
「姉さん、あたしは全然気にしてないから大丈夫。心配かけてごめんね」
少し抱きしめた後離れる黒歌と赤譜
赤譜はディオドラに向き直り
「あたし達を助けて頂きありがとうございます。それで、あの後どうなったのですか?」
「どういたしまして。と言っても私は大した事はしてないけどね。説明しようか」
赤譜が倒れた後の事を説明するディオドラ
あの後赤譜をお姫様抱っこして自分の屋敷に帰還
赤譜と黒歌の傷の手当てをする。赤譜はベッドでお休みし黒歌と白音は御飯を食べてお休みした
お休みした次の日に比較的軽傷で疲労もなかった白音が起きた。その次の日に黒歌が起きたが赤譜は眠ったまま
そして今日、赤譜が目覚めて今に至る
なお3姉妹を我が物にしようとした、あの悪魔の家柄は上級悪魔の家柄だったが、アスタロト家に比べると爵位は断然下である
。家の現当主である踏み台悪魔の父親に“ディオドラ・アスタロトの大事な身内を自分の眷属にしようとした事覚悟出来ていますか?”の手紙を転送した。その数分後、当主が顔を真っ青にしてボコボコに顔がはれた踏み台悪魔を連れて来て、踏み台悪魔と一緒にいきなり土下座をして何度も謝ったのだった。黒歌と白音は、最初は驚き目をぱちくりさせていたが、もう気にしていないと言った。それを聞いた当主は私に確認して来たので2人が言うならそれでいいと答えると凄い安堵の表情を浮かべた
そして2度とこの様なバカな真似はさせないと誓い帰って行った
説明を聞き終えた赤譜は
「ディオドラさん改めてありがとうございます……その……1つ聞きたい事があるんですけど」
深々と頭を下げる赤譜
「聞きたい事は何かな?」
「えっと……2人きりで話したいので、黒歌姉さんと白音は悪いんだけど席外してほしいの」
言われて何か言いかけた黒歌と白音だが赤譜の真剣な表情ともの言わせぬ雰囲気に部屋を出る2人
「さて、聞きたい事とは?」
「はい、単刀直入に言います。ディオドラさんは転生者ですか?」
「ッ!?」
驚くディオドラ。優しげな表情を浮かべていた顔が鋭くなり真正面から見られた赤譜は肩をビクッと震わせた。少し鋭い表情のまま沈黙が続いたが
「君の言う通り私は転生した者だよ」
何時もの優しげな表情に戻り答えた
「やっぱりそうなんですね。あたしも転生者です。それでは、右手にある力は神様から貰った特典ですか?」
「君も転生したのか……力は貰ったと言うより前世で持っていた力をこの世界にあった形に替えたものだね」
「前世で持ってた? 替えた力? えっ……えっ?」
訳がわからずポカーンとした表情で固まる赤譜
そんな彼女の姿を見て苦笑いしながら
「そうだな。まずは私の前世の話を簡単にしようか」
そして自分の前世を静かに語り出すディオドラ
光と闇の戦争。その戦いの中に身を置き最後は仲間を護り死んでいった事を……
聞き終わった赤譜は想像していた事と違い絶句して固まっていた
「(転生……てっきりあたしと同じ現代の日本からだとばかり思ってたわ……でも、そうよね……そんなのあたしの勝手な決め付けでしかない)……ふぅ……ディオドラさんの過去は分かりました。今度はあたしの前世を話します」
「いいのかい?」
一呼吸置き話す赤譜に聞くディオドラ
「はい。ディオドラさんのだけ聞いてあたしの話をしないのはおかしいですから」
そして、話す赤譜
自分の過去とハイスクールD×Dの大まかな流れと本来のディオドラ・アスタロトについて話した
話を聞いたディオドラは自分の顔を右手で抑えうつ向いていた
「何て事だ。だとしたら私のせいで本来のディオドラが消えてしまった事になる」
やってしまったと言う表情になるディオドラに
「そこはディオドラさんのせいではないですよ。寧ろ原作のディオドラより今のディオドラさんの方が間違いなくいいです。だから頑張って生きていきましょう!」
はっきりと断言する赤譜
「そうだね。今の私は間違いなくディオドラ・アスタロト……私なりの生き方をするよ……それより」
「はい! で、それより何ですか?」
「先程話の中に出てきたアーシア・アルジェントだが、私が転移魔法の失敗で人間界に跳ばされた時に会った事がある」
「へっ? えぇぇぇ!? 本当ですか!」
ディオドラのカミングアウトにすときょんな声を出す赤譜
「ああ……だが、彼女は……しかし……よし」
赤譜の問いに何かを考えながら曖昧に答えるディオドラだかやがて自分の中で答えをだし部屋の外で待っている黒歌と白音を中に入れた
「話は終わったかにゃ?」
「ああ一応はね。で、急で悪いけど此れから人間界に向かう。君達に会わせたい人がいるんだ」
いきなりの事に驚く3人。赤譜がディオドラの顔に近付き小声で
「会わせたい人ってアーシア?」
それに対してディオドラも小声で
「それもあるけど会ってからのお楽しみだよ」
「何を話しているんですか?」
ディオドラと赤譜の小声のやり取りを不思議そうに聞く白音
「ごめんね。何でもないよ。では向かおうか」
と言い転移用魔方陣が書かれた紙を使い人間界に向かった。
着いた場所はヨーロッパのある森の中だった
其処から森の中を少し歩いて目的の場所に向かった
向かう途中に今から行く目的を伝えると最初は驚く3人だが最後は納得していた
そしてある建物に着いた。中から子供達の声が聞こえて来る
「ここが、そうかにゃ?」
「その通り」
黒歌の質問に答えながら扉をノックすると
「はーい、少々お待ち下さいね」
女性の声が聞こえた。少しして
「お待たせしました……あらディオドラ君お久しぶりです」
「はい、お久しぶりです」
「(うわぁぁぁ! 似てるょぉぉ!)」
挨拶をかわすディオドラ。ディオドラの後ろで立っている赤譜は出てきた女性を見て驚く
出てきた女性はリ〇カルな〇はのプ〇シアの若い頃にそっくりだからである
更には、体全体から慈愛と母性が滲み出ていた
「それで、今日はどういったご用件かしら?」
「彼女達をアーシアに会わせてあげたいんです」
「えっ!? 大丈夫なの」
ディオドラの用件を聞いて驚く女性。顔が若干鋭くなった
「彼女達なら大丈夫です。アーシアとも友達になれると確信して連れてきました。私を信じて下さい」
少し思案する女性。
「そうですね。貴方がそこまで言うなら分かりました。アーシアを呼んで来ますので中でお待ち下さい」
ディオドラ達を中に入れる女性。別の女性にアーシアを呼んで来て貰い自分はディオドラ達を一室に案内した。4人が席についたのを見て
「ではディオドラ君、彼女達の自己紹介して頂いてもいいかしら?」
頷くディオドラ。黒歌から順に自己紹介をしていった。因みに3人は今は猫耳と尻尾を隠しているので、3人共猫又であり姉妹だと言った
「えっと、黒歌さんと赤譜さんに白音さんね。自己紹介ありがとうございます。さて私の番ですね。私の名はコカビエル、堕天使をしていてここの孤児院の院長を任されています」
と自己紹介した瞬間
「えっ!? コ、コ、コ、コカ、コカ、コ、コ、コッ!?」
思わず立ち上がり何か言おうとするも言葉に詰まる赤譜
「あ、赤譜!? どうしたの!?」
「あ、赤譜ねえさま!? 鶏みたいになってどうしたんですか!?」
そんな赤譜の様子に驚く黒歌と白音。暫くあうあうとなってた赤譜だったが
「すみませんでした。いきなり堕天使の方と聞いてびっくりしました(本当はコカビエルは男だと思ってました、なんて言えない……しかも性格全然違うし)」
落ち着きを取り戻した赤譜は頭を下げた
「いいえ、此方こそ驚かしてごめんなさいね」
そんな赤譜にコカビエルは逆に謝ってきた。そこへ
「お待たせしました」
1人の金髪美少女が部屋に入ってきた
「アーシア、こちらへ自己紹介をお願いします」
コカビエルに促されディオドラ達の側に来るアーシア
「はい、院長先生。初めましてアーシア・アルジェントと申します」
自己紹介をするアーシア。補足する様にコカビエルが
「アーシアは天使と堕天使のハーフなんです」
「はい、そうです」
と1対2枚の右に白い羽、左に黒い羽をだすアーシア
「「「えっ!? ……えぇぇぇぇぇぇ!?」」」
これには黒歌と白音も驚いたが1番赤譜が驚いていた。ディオドラは知っていたので穏やかな笑みのまま座っている
「アーシアは天使の父親と堕天使の母親の元に産まれたの。そのせいで天使側と堕天使側の両方から迫害を受ける事になってしまったの」
コカビエルが言うと一瞬暗い表情になるアーシア。だけど
「でも、院長先生に助けて頂きましてここまで育てて下さったのですから感謝しています」
「当然ですよ。貴女もここの子達もレイナーレも私の可愛い子供なんですから」
と言いアーシアの頭を撫でるコカビエルに途中気になる名前が出てきて質問する赤譜
「あの……今レイナーレって名前が聞こえたんですが誰ですか? 後アーシアさんは神器は持たれてないんですか?」
言葉を選びながら聞く赤譜に
「レイナーレは堕天使総督アザゼルと私の娘です。アーシアには神器はないんですよ」
「ッ!? ……そ、そうですか……ありがとうございます」
必死に驚きを抑えてお礼を言う赤譜
そこに
「失礼します。お茶をお持ちしました」
「お菓子も持って来たぞ」
と紅茶をお盆にのせた金色の髪を肩にかかる位の長さに揃えている優しそうな感じの女性と全身青色の大型の狼が首からぶら下げた篭にお菓子を入れて部屋に入って来たのを見て
「ひぇぇぇぇぇぇ!?」
絶叫した赤譜であった
「えっ!? ちょっと赤譜さっきからどうしたにゃ?」
「えっと、私なにかおかしな事したかしら?」
入って来た女性はおずおず聞いて来た
「いえ……その……あたしの良く知った人に良く似ていたので思わず大きな声を上げてしまいました。ごめんなさい」
「そうだったんですね。大丈夫です。気にしてませんから」
と言いながら皆の前に紅茶を置いて廻ると青色の狼から篭を取り机の真ん中に置いた
「2人にも自己紹介して貰った方がいいわね。お願いできるかしら?」
アーシアに目配せして頷いたのを見て女性と狼に聞くコカビエル
「分かりました。私は夜天の書の主であるアーシアちゃんの守護騎士の1人“湖の騎士シャマル”と言います。魔法は回復・補助が得意です。宜しくお願いします」
「我は守護騎士の1人“盾の守護獣ザフィーラ”だ。攻撃・防御がメインだ。今は狼だが人の姿にもなれる。以後宜しく頼む」
「夜天の書?」
「守護騎士?」
「(やっぱりね)」
呆けた顔になり首を傾げる黒歌と白音はアーシアを見た
心の中で納得する赤譜
「あのですね……えっと」
説明しようとしてしどろもどろになるアーシアに
「私から説明しましょうか?」
「はぅ〜お願いします」
コカビエルに申し訳なさそうに言うアーシア
説明を纏めると
アーシアの母親堕天使が次元の隙間から落ちて来た本を拾う(ボロボロになっていた旧闇の書)
調べた結果殆どの機能が使えない状態だったが本に掛かっていた呪いやバグを取り除く事に成功
夜天の書に戻り唯一残っていた機能が守護騎士システムだった。逸れでも本来4人居る騎士だったが2人しか残っていなかった
それが、シャマルとザフィーラであった。まだ幼いアーシアの守護としてアーシアを主として認定したのだった
其から少ししてアーシアの両親は行方不明になった
そしてコカビエルに引き取られる
余談だがシャマルはアーシアの母親がした設定により料理が出来る様になっていた
「大変だったんだにゃ」
話を聞いた黒歌がポツリと呟いた
「そんな事はないですよ。シャマルさんやザフィーラさん院長先生に孤児院の皆が居て下さいますから……もし良かったら黒歌さん赤譜さん白音さんの事お聞きしてもいいですか?」
「私も聞きたいです」
シャマルがアーシアの意見に賛同した
「大した事ではないですがいいですよ」
赤譜が答え今までの事を話す赤譜達3姉妹
全て話し終わった時コカビエルによって3姉妹は抱きしめられていた
「「「へっ?」」」
3人同時に声をあげた
「辛かったわね。もう大丈夫だから……私が貴女達のお母さんの替わりでは駄目かしら? こうして抱きしめてあげる事しか出来ないけど」
言いながら背中に生えている5対10枚の黒い羽も使い包む様に抱きしめていた
欲に堕ち黒くなったはずの羽から感じたのは何年もの間忘れていた筈の母親の優しさと温もりだった
母親の愛に触れた3人は人目も構わず涙を流しながらコカビエルに抱き付いていた
コカビエルも3人の頭を優しく撫で続けていた
「恥ずかしいにゃ……」
「本当にね……」
「あう……にゃあ〜……」
落ち着きを取り戻した3人は嬉しさ以上に込み上げてきた恥ずかしさに顔を赤くしていた。
そこに
「ただいまー! あれ? お母さん、アーシア、お客さんなの? 」
1人の女性が帰って来た。ディオドラ達が居る部屋に顔だけ出して覗く女性はレイナーレ。コカビエルの娘である
「あっ!? ディオドラ君だ! お久しぶりーで、何かあったの?」
ディオドラに気付き嬉しそうにするが直ぐに不思議そうにした
そんな娘の問いに
「私がこの子達のお母さんになったの。貴女の新しい義妹達よ」
いきなり驚き発言をするコカビエル
「「「えぇっ!? あの……その……」」」
「ちょ、ちょっと待って!? 話が全く見えないんだけど!? 誰か説明お願いします!」
コカビエルの発言に更に顔を赤くする3姉妹と自身の母親以外の誰かに説明を求めるレイナーレ
「私達がお話します」
「私からも話そう」
レイナーレに説明するアーシアとシャマルとディオドラであった
「成る程ね……じゃ、今日は皆で色々お話しようか! 黒歌ちゃん達も泊まって行ってよ」
この親にてこの娘ありな話しをするレイナーレ。流石にそれは迷惑がかかると首をふる黒歌達だが
「遠慮しないで、貴女達はもう私の娘なんだから」
「私も皆さんともっとお話したいです」
コカビエルとアーシアにお願い(?)されて頷く3姉妹だった
「では、私は一旦屋敷に戻ります。無断で来ているので」
今まで殆ど喋らずずっと聞いていたディオドラが声をかけた
「えっ!? ディオドラ君も泊まっていったらいいのに」
「お気持ちは有難いのですが、しなくてはいけない事もありますので。それに彼女達の事も家の者に話さないといけないので、今日はこれで失礼します。明日また迎えにきます」
レイナーレの提案を丁寧に断るディオドラ
「また明日にゃ」
「ディオドラさん我が儘言ってごめんなさい」
「あの……ありがとうございました」
「ああ、今日は楽しむといいよ。コカビエルさんお願いします」
3姉妹に笑顔で答えてコカビエルに頭を下げるディオドラ
「はい、分かりました」
コカビエルの返事を聞き帰還用魔法陣の札を発動させて自分の屋敷に戻ったディオドラ
今までの事を両親に報告して部屋に戻るディオドラ
「ふぅ……かなり強引に連れて行ったけど間違ってなかったかな? (彼女達が平和に暮らせるなら1番なんだけどな)」
どうしたら3姉妹が幸せになるか考えるディオドラだった
―次―
コカビエルが完全にお母さんになってしまいました
ここまで読んで頂きありがとうございました
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家族の想い
前回載せた時より短いです
良かったらどうぞ
先に屋敷に戻ったディオドラは1人で3姉妹の事を考えていた
「(本来なら黒歌と白音は眷属になっていた。それに別れて暮らす事にもなる……彼女達を悪魔に関わらすと眷属になってしまう可能性があるな……本人の意思ならばいいがそうでなかったら……何にせよ彼女達が戻って来てからだな。このままコカビエル院長先生の元に居たいならその方がいいかもな)」
赤譜から聞いた話も踏まえて考えていた
その頃コカビエルの所に泊まる事になった3姉妹は、孤児院の子供達と自己紹介を交わした
年齢も近い事もあり1時間もかからず打ち解けた。そして皆で遊ぼうと話をしていると
「ただいまっす」
「ただいま」
「只今戻りました。コカビエル様、レイナーレ様」
帰って来たのは女の子2人と男性1人
上から金髪ツインテールで白色のTシャツに青色のミニスカートをはいたミッテルト
ついでダークブルーのセミロングの髪に薄い青色の長袖シャツに紺色のジーンズをはいたカラワーナ
最後に、黒髪で黒色のソフトハットに黒カッター黒ズボンをはいた黒一色のドーナシーク
「お帰りなさい。それとドーナシークここでは私の事を院長先生と呼びなさいと言ったはずですよ」
「お帰り〜〜それと私の事もここでは様付けしないでレイナーレと言ってと頼んだはずたよね?」
2人に詰められ狼狽えるドーナシーク
「コカビエル様を院長先生とお呼びする事は出来ます。ですが、レイナーレ様を呼び捨てには流石に出来ません
何卒ご了承下さい」
恭しく頭を下げるドーナシーク
「ならレイナーレさんならどうかな?」
「それでしたら……分かりました」
レイナーレの提案に少し考えて頷くドーナシークに
「なんなら、お・ま・えでもいいよ。わたしもあ・な・たって呼んであげようか?」
朗らかに笑いながら言うレイナーレ。
「えっ!? それは……申し訳ありません! おそれ多くてお呼び出来ません! レイナーレさんで何卒お願いいたします!!」
レイナーレにあなたと呼ばれる姿を想像し少し顔が赤くなるが、レイナーレの父親アザゼル総督が頭に浮かんだ途端に真っ青になりながら何度も頭を下げるドーナシーク
「あ……うん。レイナーレさんで……いいよ」
ドーナシークの切羽詰まった態度に驚き唖然となりながら答えるレイナーレの横で
「所でこちらの3人の女の子は誰っすか? 新しく入った子達ですか?」
「いいえ。ディオドラ君のお友達ですよ。ふふっ私の新たな娘達でもありますけどね。貴女達も自己紹介してあげて下さい」
ミッテルトの質問に答えるコカビエルがミッテルト達に自己紹介を促すとそれぞれ自己紹介をした
続いて黒歌達も自己紹介をした
「(ミッテルト達のゴスロリやコート以外の服を着てるの初めて見た。それに原作に比べて柔らかい雰囲気ね。ドーナシークにいたっては紳士だし)」
自己紹介しながらふと思う赤譜である
自己紹介からお互いの過去の話しをする面々
「ミッテルトとカラワーナは捨て子だったんだにゃ」
「そうだ。そこをコカ……院長先生に拾ってもらったんだ」
「うちらからしてもお母さん何だよね。それに、ここに居る皆は家族すっからね」
黒歌にカラワーナ、ミッテルトと答えると
「ドーナシークさんは?」
レイナーレとのやり取り以降一言も話していないドーナシークにふる赤譜
「ん? 俺か……俺は荒くれ者だったな。くる日もくる日も小競り合い等をしていた」
「以外です。想像出来ないです」
ポツリと呟く白音
「そうかな。まぁ、喧嘩紛いな事をして勝ち続けてな。ある日無謀にも堕天使総督アザゼル様に喧嘩を売った」
「無茶苦茶しますね」
驚きの声をだす赤譜
黒歌と白音も驚いた表情になった
「今思うと、目先の勝ちに溺れて調子にのってたな。当然返り討ちに合いボコボコにされたよ。そして処刑去れてもおかしくない筈なのに、アザゼル様は“気に入った”と言い赦して下さり、院長先生やレイナーレさんを紹介してくれたんだ」
「うちらより先っすもんね〜ドーナ兄さんと院長先生の出会いはね〜それにドーナ兄さんはレイ姉さんの事を……」
「コホン! とにかく俺と院長先生方の出会いは分かっただろ。俺の話は終わりだ」
ニヤニヤして話すミッテルトの言葉を遮る様に咳払いするドーナシーク
若干頬が赤くなっているのを隠す様にソフトハットを深く被り直した
意味に気付いた黒歌はミッテルトに耳打ちして2人で意味深な笑みをうかべ、カラワーナはそんな2人を見てやれやれと首をふるう
赤譜と白音は苦笑いしていた
レイナーレはドーナシークと出会った頃を思い出しコカビエルは皆を見守る様に微笑んでいた
その後、色々な話で盛り上がり晩ご飯を作る時まで話を続けていた。晩御飯は皆で作ったのだった。尚、ドーナシークが以外と料理上手でその事に驚く3姉妹だったりする
晩御飯を食べ終えた3姉妹はコカビエル、レイナーレ、アーシア、シャマルとミッテルト、カラワーナとお風呂に入っていた。他の女の子達は先にお風呂を済ませていた
「お風呂大きいにゃ〜」
お風呂を見渡し感心した様に言う黒歌
「皆でゆっくり入れる様に大きめに作ったのよ」
「気持ちいいしのんびり入れるよね」
「気持ちいいですねぇ〜」
黒歌の感想に答えるコカビエルに続いて言うレイナーレとアーシア
「本当……大きいよね」
「はい、大きいです」
赤譜の言葉に同意する白音。言いながらコカビエルの胸元を見る2人は続いてレイナーレを見る
「大きいからね。院長先生とレイ姉さんは凄いっす」
横からいきなりミッテルトに声をかけられビクッと肩を震わす2人
「大丈夫だろう。貴女達はまだまだ此れからだ。ミッテルトと違ってな」
「ちょっ!? 酷いっすよ。カラワーナ……あうぅ〜」
カラワーナに文句言おうとして目線が豊かな胸元に行き言葉に詰まるミッテルト
「こうなったら赤っち、白っち一緒に同盟作るっすよ!」
「嫌(よ)(です)」
同時に即答する2人
泣きそうになるミッテルトに
「大丈夫よ。ミッテルトちゃんもまだまだ此れからあるからね」
「う……うわぁーーん」
フォローを入れるシャマルに泣き付くミッテルト
暫く泣き続けているのでした
その頃男湯では、ドーナシークとザフィーラ(人)が入っていた
此方も他の孤児院の男の子は先に入っており2人だけの入浴である
「なぁ、ドーナシーク」
「なんだ?」
「先程から顔が赤いのは女湯から聞こえたレイナーレに関する会話のせいか?」
「なっ!? そんな事はない湯に浸かり過ぎたせいだ」
「そうか……さっきからずっと体を洗っているがな」
「ぐっ!?」
「ふっ……まぁ気にするな」
そして、体を流し湯に浸かるザフィーラ。ドーナシークは若干ばつ悪そうにしていた
風呂からでた後はドーナシークの様子が少しおかしい事や少し落ち込んでいるミッテルト以外は和気あいあいとしていた
その晩皆同じ部屋で仲良く寝ている中、1人黒歌はある事を考えていた
「(赤譜に白音は私のせいで苦労をかけたにゃ………だから……)」
そして、決意する黒歌だった
此処まで読んで頂きありがとうございます
黒歌が選ぶ選択は何でしょうか?
では
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それぞれの想い
今回もタイトルいいのが思い付きませんでした
後書きにちょっとした余談も書きましたのでそちらも良かったらどうぞ
相変わらずの駄文ですみません
コカビエルの孤児院でお泊まりした3姉妹
朝食を皆で作ったがミッテルトが意外にも和食が得意だった。何処で習ったのか聞いた赤譜に
「通販で習ったっす」
「(通販で買ってるんだ)そうなんだ。和食作るの上手だね」
「赤っちも料理上手っすよね」
「あたしがしないと2人共料理出来ないから」
仲良く話すミッテルトと赤譜の横で
「そうなの?」
と聞くレイナーレに
「料理は駄目にゃ」
「食べるの専門です」
食器をだしたり机を拭いたりして答える黒歌と白音であった
因みにカラワーナは洋食でレイナーレはデザート(和洋問わず)が得意である。コカビエルとシャマルとドーナシークは何でもごされである
ザフィーラは運びと食べる専門である
そして楽しい一時は過ぎていった
「もう帰るんだね。まだゆっくりしていったらいいのに」
「お気持ちありがとうございます。また遊びに来ます」
レイナーレに対してお礼を言う赤譜
「何時でも帰って来るのですよ。貴女達は家族ですから」
「わかったにゃ」
「はい……お義母さん」
笑いながら返事をする黒歌と少し顔を赤らめながら返事をする白音
そして、ディオドラの元に戻った3姉妹だった
ディオドラの部屋にて
ディオドラの屋敷に戻った3姉妹はディオドラに会う為にディオドラの部屋の前に来ていた
何故か黒歌は少し緊張しながら扉をノックした
「はい、どうぞ」
返事が聞こえ中に入る3人
「おかえり。孤児院はどうだったかな?」
「帰りました。皆さん優しくて凄い良かったです」
「楽しかったです」
「それは良かったね。それならまだゆっくりして来てもよかったんだけどね……黒歌さん?」
中に入りながら言う赤譜と白音だが黙っている黒歌に気付き聞くディオドラに
「あの―お願いがあるにゃ」
「何かな?」
「私を眷属にしてほしいにゃ」
「えっ!?」
「どうしてですか!?」
「理由を聞いてもいいかな?」
意を決した様に言う黒歌に驚く赤譜と白音
今まで優しく微笑んでいたディオドラは急に真剣な目付きになり聞いた
「えっと……悪魔になったら強くなれるって聞いたから……それに……その……眷属になるから赤譜と白音を此処に置いて欲しいにゃ」
「ちょっと姉さん!?」
黒歌の発言に声をあげる赤譜に驚いて固まる白音
黒歌に対してディオドラは
「理由はわかったよ。けど、断る」
「そんな!? どうしてにゃ!? 私じゃ駄目なの!」
断られ思わずディオドラの両腕を掴む黒歌
ディオドラはゆっくりと腕を上げると手を滑るように離す黒歌の肩に手をおき
「眷属にならなくても君達が望むならここに居たらいい。そんな事より自分をもっと大事にする事だよ、本当に自分自身がなりたいと思ったとき相談にのるから
仮に眷属になってここに住める様になってもきっと彼女達は喜んだりしない。焦らなくていい。好きなだけ居ていいからゆっくり自分の進むべき道やしたい事を見つけたらいいよ」
「で、でも、私のせいで赤譜と白音に迷惑かけちゃったにゃ……だから」
「2人はそんな事で迷惑だと思わないのではないかな?」
諭す様に言うディオドラは赤譜と白音に黒歌に気付かれないように目配せした。意味に気付いた赤譜は白音の手を取り
「そうよ姉さん私達はそんな事されても嬉しくないわ。それに全然迷惑だなんて思ってない、皆で頑張っていこう」
「私も修行してもっと強くなります」
言いながら黒歌を抱き締める赤譜と寄り添う白音。黒歌は2人に抱き付きながら静かに涙を流していた
暫く泣いて落ち着きを取り戻した黒歌は
「最近ずっと泣いてばっかりな気がするにゃ」
恥ずかしさを隠すように言う黒歌にディオドラが
「さっきも言ったが好きなだけ居たらいいよ。それにあの孤児院とは魔法陣で繋がっているから好きな時に遊びに行ったらいい」
「色々とありがとうございます」
お礼を言う赤譜。その時扉をノックする音が聞こえた。ディオドラの返事を聞いて1人のメイドが入って来た
「ディオドラ様にお客様が来られています」
「お客? 今日は特には無かったはず……名前は?」
「その……それが……」
口ごもるメイドの後ろから
「遊びに来てやったぜ。ディオドラ」
背格好からディオドラと同年代か少し年上の少年が入ってきた。
その姿を見た瞬間固まる3姉妹先程までのほのぼのした雰囲気は一瞬で消しとんだ
理由は少年の見た目にあった。髪は緑色で短めに切り揃えてあり全身タトゥーが入ったヤンキーの格好をしていた
ディオドラ以外が困惑するなかメイドを下がらせて
「いきなりどうしたんだい。ゼファードル」
「お前に聞きてぇ事があってな……ん? へぇ」
部屋に入って来るゼファードルは3姉妹に気付き視線を向けると嫌な笑みを浮かべた
すると白音は黒歌の背中に隠れ黒歌と赤譜は睨み付けた
「(ディオドラさんやコカビエル院長先生みたいに原作と違って良い人ばかりと思ってたけど……こいつは違うみたいね)」
心の中で悪態つく赤譜
「3人共悪いが暫く2人にして欲しいから席を外して貰えないかな」
黙って頷く3人は白音は黒歌の背中に隠れ黒歌と赤譜はゼファードルを睨んだまま部屋を出た
出た後、結界をはるディオドラ
「さて、結界も張ったから外には一切漏れない。どういった用件だろうかな?」
「どうしたらいいんだょぉぉぉぉ!?!?」
今までの雰囲気をガラッと変え半泣き状態でディオドラの肩を掴みガクガク揺すりながら叫ぶゼファードル
「落ち着いてくれ……何があったか教えてもらわないと答えようがないな」
揺さぶられながら落ち着くように促すが
「生まれたヴァイラの為が分からないし駄目なんだょぉぉぉぇぇえ!!」
何を言っているのかさっぱり分からないゼファードルの発言だが
「幼なじみのシーグヴァイラの誕生日にお祝いしたいが何をあげたらいいかわからない
それに近付いても逃げられるから嫌われてるからどうしよう、と言う事だね」
「何で今の僕の喋りでわかったのぉぉぉお!?」
言った本人が驚きの声をあげた。
言った本人が驚くなよと言いたい所だが
「生まれた頃からの付き合いでもあるしね。後、シーグヴァイラに嫌われたくないなら、今すぐ素の自分に戻ったら大丈夫だと思うけど」
「僕は大丈夫じゃないよぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁ!? 戻ったら怖いよぉぉぇぇぃぃぃぃ!」
ディオドラのもっともな意見に絶叫するゼファードル
そうこうしている内に落ち着きを取り戻したゼファードル
「落ち着いたね?」
「うん……落ち着いたごめん」
出された紅茶を一口飲み謝るヤンキー姿のゼファードル。ヤンキーが上品に紅茶を飲むのはなかなかシュールである
「誕生日プレゼントは彼女の“趣味”を一番理解しているゼファーが分かると思うけど……そうだな、冥界では手に入らないものを人間界で探してみるとか」
「そう言えば全く手に入らないものがあると言ってたよ」
「其を探してプレゼントしてあげたらいいんじゃないか? 探すのは手伝うからさ」
「そうするよ。ありがとう……それと」
ディオドラの意見に頷くゼファードルだが
「その姿を止めない限り彼女は近付かないと思うけどね……人一倍気が弱いのは解るけど、この前アドバイスした鍛練はしているよね?」
「この姿止めたら他の悪魔に舐められそうだから怖いよ……鍛練はやってるよ。少しずつ強くなっているのは解るけど……それに」
ゼファードルは自分の左腕の肘から手の甲にあるタトゥーをなぞった
すると一瞬、淡い銀色に光り輝く
「未だに解らないか……左腕の紋様は」
ゼファードルの左腕を右手で掴み自身の右手の神器を発動すると
『相変わらずこの紋様には銀色の虎が眠っています。すみませんが何の為に居るのかはわかりません』
と右手の神器鳳炎霊の籠手に宿りしフェニックスが話した
ゼファードルの左腕のタトゥーだけが他と違うのは、今から1年程前の事である
もともと気が弱く幼なじみであるシーグヴァイラかディオドラ以外家族としか話す事がなく引っ込み思案だったゼファードルは悪魔でありながら学者を目指して勉強していた
そんなある日ディオドラの修行に付き合って例の森に来ていたときたまたま何かの遺跡らしきものを見つけた。原型を留めていなかったが、1つだけ封印を施された岩が残っていた。岩の中心に銀色の虎の絵が描かれていた
何かと思い左手で触った瞬間辺り1面銀色の光に覆われたが一瞬で治まった
そして、自分の左腕を見て固まった。見たことない紋様が浮き出ていたからである
慌てて一緒にいたディオドラに相談。直ぐ様フェニックスの力を使い調べたら紋様の中に銀色の虎が眠って居るのがわかった
だが、それ以外の事は分からずまた両親に相談するのも怖かったゼファードルは全身にタトゥーをいれ今の姿になった
言動や態度もヤンキー紛いなものになってしまった なお、ゼファードルの両親は息子のいきなりの変貌ぶりに驚いており1年たった今もどうしたらいいものかと考えていた
「僕も調べているんだけど解らないんだ」
「私の方でも調べているよ。シーグヴァイラの件だけど幸い彼女の誕生日までは日にちがある
其までに探して姿も元に戻しても大丈夫になれるよう自分に自信をつけようよ」
「うん。頑張るよ……じゃ今日はこれで失礼するよ、またね」
「ああ、玄関まで送るよ」
部屋を出て玄関に行く途中3姉妹に出くわした途端に、ヤンキーの表情になり
「3人共随分可愛らしいじゃねぇか。黒髪の後ろに隠れてる白髪。そんなに怖がらすに出てこいよ。俺が色々可愛がってやるぜ」
言われてビクッと肩を震わせより黒歌の後ろに隠れた。すると
「ふざけないで! 白音に手を出したら許さないわよ!」
怒鳴る赤譜を一瞬睨み何も言わずに出て行くゼファードルだった
「友達はもっと選んだ方がいいと思うにゃ」
出て行くゼファードルを見ていたディオドラに言う黒歌
ディオドラは苦笑いを浮かべていた
「(今までのゼファーならあの様な態度や発言は出来なかった。やはりあの紋様が関係しているのだろうか)」
考えるディオドラだった
此処まで読んで頂きありがとうございます
余談その1
とある魔王達の会話
会話がメインです
「どうしたんだい?」
「実は、ディオドラの所に眷属になりたいと妖怪の猫ショウの女の子が来たんだ」
「へぇ、じゃ眷属にしたのかい?」
「嫌、断ったらしい」
「それは、どうして?」
「実は……(説明中)」
「彼らしいね」
「あいつ、このまま眷属作らないつもりなのか心配でな」
「それは……ないと思うよ……多分」
「ハァ……」
とある魔王達の会話(のみ)でした
アジュカさんの言葉使いがいまいちわからなかったです
では
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不思議な繋がり
お気に入り100件以上登録有難うございます
良かったらどうぞ
3姉妹がディオドラの屋敷で暮らしだして数日がたった
数日間はディオドラの屋敷の内部を覚えたり黒歌が仙術の使い方を覚える為にディオドラが扱える人を探したり、白音に妖気の扱い方を赤譜が教えていた
そんなある日
ある知り合いの貴族から明日お茶会の誘いを受けるディオドラ
そのお茶会に3姉妹も連れて行こうと考え話をしていた
「えっと、タキシード着たりドレスを着て優雅な部屋で何人もの貴族悪魔が集まってするんですか?」
「そんな形式ばったものではなく友達同士の軽いお茶会だよ」
「それに私達も出るんですか?」
「大丈夫なの?」
赤譜の質問に答えるディオドラ。不安気味に聞いてくる白音と黒歌
「大丈夫だよ。お茶会はグレモリー家のリアスさんとその友人方だ。君達を無理やり眷属にしたりする人ではないからね
どうだろうか?(彼女達には色々な経験をさせてあげたいが……)」
「ディオドラさんがそこまで言うならあたしは行きます(リアス・グレモリー……白音見た瞬間眷属にするとは言わないよね? 原作とは状況が違うからそれはないかな。友人はソーナ・シトリーかしら?)」
赤譜が行くと言うと続いて黒歌と白音も頷いたのだった
「服はどうするの? 私達あんまり服は持ってないわよ」
「それは此方で用意するよ。それと普段着もあったほうがいいよね。ついでに用意しようか」
「えっ? お茶会用はまだしも普段着まで用意してもらうのは悪いですよ」
「色々して貰ってるし……」
「我が儘は言えません」
黒歌の問いに答えるディオドラに首を横に振る赤譜。黒歌と白音も赤譜の意見に賛成だった
「大丈夫。服位で遠慮しないで
じゃ買いに行こうか」
半ば強引に押切って買い物に行くディオドラであった
その頃ある屋敷にて
1人の少女が貴族の振る舞いについて勉強をしていた
「お嬢様、時間が来ましたので今日はここまでにいたしましょう」
「ありがとうございました」
お礼の言葉を述べ優雅にお辞儀をする少女
教師が部屋を出ると椅子に座ると、先程までの優雅さは何処に行ったと言わんばかりに机の上に腕を組みその中に顔を突っ伏した
その時腰まである深紅の髪が机の上に広がったが特に気にする様子もなく暫く突っ伏したまま居たがゆっくりと顔を上げ
「貴族の生活も楽じゃないわ」
と呟きながら完全に顔を上げた。軽く背筋をのばし机の引き出しからロケットペンダントを取り出し左右に開いた
そこには髪が黒色の青年の腕に腕組みをする茶色の髪をした女性が写っている
それを見ながら
「クロノ君……本当に私達って凄いよね」
と愛しそうに言った
彼女……リアス・グレモリーもまた転生者である
今回を入れて2回転生している彼女
転生前は高町なのはとしてクロノ・ハーヴェイ(ハラオウン)と出会い《イデアシート》を巡る内に恋に落ちた
そして共に《ヒドゥン》を食い止めるも其から約10年後クロノと一緒に乗った飛行機事故に会い命を落としたのたが
そこで1度目の転生を果たす。同じ高町なのはとクロノ・ハラオウンとして平行世界に転生したのだった
其処は高町士郎が生存しており、ミッドチルダも違うミッドチルダだった
だが、そんな事は2人には関係なかった。今度こそ共に幸せになろうと誓うが運命は悲しき歯車を動かす
後にJS事件と呼ばれる戦いで《ゆりかご》と呼ばれる巨大戦艦で本来なら仲間達や自身の活躍により低下する筈の機能は下がらず更に機能が向上していた。
仲間を先に《ゆりかご》から脱出させたなのはは、転生前から培った機械技術と無限図書で得た知識を頼りに自爆を試みたが、自爆を誘うにはなのはの魔力が足りなかった
そこに、現れたのは艦隊を率いていたクロノだった。なのはを説得するクロノだが、頑なに聞かないなのはに、ならば自分も共にすると言いだした。驚くなのはだがクロノの思いを受け2人は《ゆりかご》と運命を共にした……来世こそは幸せになれる様にと
そして2度目の転生を果たしたなのは。
彼女はリアス・グレモリーとして
「明日のお茶会楽しみだなぁ……ライザー君」
クロノはライザー・フェニックスに生まれ変わっていた
リアスはロケットペンダントを仕舞うと明日のお茶会について考えていた
「お茶会のお茶菓子どうしよう? ケーキでも作ろうかな、ソーナちゃんやディオドラ君のお友達も遊びに来るんだよね。それに彼女達も……よし、頑張ろう! にゃはは……っと、いけない、いけない」
にゃははは、と言いかけて右手で口を抑えるリアス。母親であるヴェネラナに1度にゃはははと言って怒られた事があった
余談だが某親バカとシスコン魔王がその時のリアスが乙女座りで恥ずかしそうに顔を紅く染めはにかみながら 「にゃはは」 と言ったのを見て同時に 「「リーアたん萌えぇ!」」 と言ったのだった
リアスが明日のお茶会の用意を始めた頃
ディオドラ達は冥界でも比較的新しい高級ブティック店に来ていた
品揃えは豊富で着物からドレスまで何でも揃っている
高級と謳っているが庶民でも買える手頃な服も多数ありなかなか賑わっていた
最初は遠慮がちな3姉妹だったがディオドラの薦めと店員さんの気さくな対応に思い思いの服を見ていった
そんな中で黒歌が着物をじっと見つめていると
「黒歌姉さんそれにするの? (やっぱり着物がいいのかな?)」
声をかける赤譜
「ん―止めとくわ……何故か分からにゃいけど選んだらいけない気がするのよ」
「そうね。他にもあるから色々見てみましょう(黒歌姉さんは何かを感じとったのかしら? 着物着たら原作の性格になるとか? ……まさかね)」
着物を選ばず違う服を見ていく黒歌。赤譜も何か感じ取り服選びに戻った。そんな2人に
「黒歌ねえさま、赤譜ねえさま」
「何かしら!? ……えっと」
「白音……その格好」
白音に呼ばれ振り返る2人は白音の格好に驚いた。
其所には、白色の猫の着ぐるみを着た白音が立っていた
「にゃん…………あぅ」
猫のポーズをとる白音
だが2人は呆気に取られていて反応がない。段々恥ずかしくなり顔を赤くしてその場で踞る白音である
「あっ……良く似合っているよ、白音」
「可愛いにゃ」
我に返った2人は慌ててへこむ白音を励ましていた。その後、気を取り直した白音と見て廻り時おりディオドラに意見を聞く3人である
その後、買い終わったディオドラ達は屋敷に戻った
尚、服はディオドラの屋敷へ先に転送したが白音は猫の着ぐるみを気に入りそのまま着て帰るのである
屋敷に戻ったディオドラに
「お帰りなさいませ。アジュカ様からお荷物が届いています」
メイドが小さな包み紙を差し出してきた
「ありがとう」
受け取ったディオドラはそのまま自分の部屋に戻った
3姉妹も部屋に戻り服の仕分けをやっている
部屋に戻ったディオドラは小包の包装紙を破ると小箱が包まれていた。蓋を開くと1枚の何かの魔法陣が描かれたカードと手紙が添えられていた
手紙を開くとアジュカ・ベルゼブブの立体映像が表れ
「久しぶりだな。元気にしているか? いきなりだが送ったカードにはこの世界とは違う異世界にいるある英雄の複製が封印されている」
「異世界の英雄……このカードどうやって手に入れたんだ?」
「どうやって手に入れたかは秘密だ。かなりの手練れが封印されているから眷属には持ってこいの筈だ。そろそろ眷属を持ってもいいだろう。では」
「……眷属か。その前に封印解いた瞬間襲って来ないのか?」
少し考え鳳炎霊の籠手を発現させると扉をノックする音が聞こえて
「入っていいかにゃ?」
黒歌の声が聞こえて中に入る様に促すディオドラ
中に入った黒歌達3姉妹は
「「「服ありがとうございました」」」
同時にお礼を言った。どういたしましてと答えるディオドラに
「あれ? ディオドラさんが持ってるカードはただのカードではないよね? 何か強力な力を感じるにゃ」
ディオドラが持っているカードの力に気付いた黒歌に
「ああ……これはね」
説明するディオドラ
「誰が封印されてるか分からないんですか?」
「危なくないですか?」
赤譜と白音が聞いてくるが
「まぁ、私に対処出来ないものは送って来ないだろう。まずは、封印を解くよ」
カードを机の上に置き左手をかざす。
「血は肉に、大地は海に、古(いにしえ)の時に埋もれし者よ。我が声に応えよ」
呪文を唱えるディオドラ。するとカードが眩い光を放った
少しして光が収まると女性が立っていた
「貴方が私の封印を解いたのか?」
ディオドラの真正面に立ち問う
「そうだよ」
「では、貴方が私のマスターでいいのか?」
「マスター……になるかな」
ディオドラの言葉を聞き片膝を付く女性
「私の名はセイバー、あるサーヴァントのコピー体です」
「サーヴァント? ……もう少し貴女の事を教えて貰えるかな?」
「分かりました」
ディオドラの問いに頷くセイバー
「(セイバー……あの姿はあの話しのキャラよね詳しくは分からないけど……)」
ディオドラ達に説明するセイバーの話を聞きながら考える赤譜である
「成る程」
一通り説明を終えたセイバーに頷くディオドラ
簡単に纏めると
こことは違う世界にある聖杯を巡る戦い
サーヴァント(英霊)と呼ばれる者を召喚して戦いを繰り広げていた
その戦いに1人の魔術師が参戦していた。その者はサーヴァントの1人である騎士王を従えたいと考えていた
だが、騎士王は既に別の人物に召喚されていた
どうして諦めきれないその魔術師は騎士王のコピーを造る事にした
どうにかしてコピーを造る事が出来た。そのコピーが目の前に居るセイバーである
最初は喜んだ魔術師だがある問題に気付く
騎士王自身はコピー出来ても武器までは出来なかった為酷く落胆した魔術師は騎士王をカードに封じ込めた
その後、どういう訳か次元の隙間に流れアジュカの手に渡った
そして今に至る
「だいたいは分かった。今度はこちらの事も説明しようか」
ディオドラの話を聞き頷くセイバー
この世界について説明をするのだった
聞き終わったセイバーは少し思案していた、すると
「貴方は、私を眷属とやらにしたいのか?」
「まあ……そうなるかな」
セイバーに聞かれ少し間を置きながら答えるディオドラ
「ならば、1つ条件がある」
「条件? サーヴァントはマスターに従うんじゃないの? (ディオドラさんに令呪は出てないけどね)」
セイバーの言葉に反応した赤譜が聞くが
「それは、私のいた世界での話だ。この世界では違うのでしょう」
「それで、条件とは?」
「私と勝負してもらいたい。貴方の実力を知りたい」
「……わかった。いいだろう」
少し考えてセイバーの条件を呑むディオドラ
そしてセイバーと3姉妹を連れて敷地内にある訓練場に行くディオドラ
その途中で
「ディオドラさん……そのやっぱり止めた方がいいと思います (セイバーってかなり強かったよね)」
心配な赤譜が小声でディオドラに言って来たが
「大丈夫だよ。そう簡単に負けたりはしないから」
微笑んで言うディオドラ
「ディオドラさんの強さは分かります。けど、あのセイバーの強さは……!?」
心配からか尚も言おうとした赤譜の左肩に右手を置くディオドラ。驚く赤譜に
「信用しろ」
と何時もと違い力強い笑みを浮かべ其だけ言うと歩き出すディオドラ
一瞬、呆けていたが直ぐに我に戻りディオドラ達の後について行く赤譜だった
―次―
次回、異世界からの転生者VS異世界の英雄(コピー)の決闘(笑)始まります
少しでも良く書けるように頑張ります
では
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転生者VS騎士王(偽)
読んで頂き感謝します
良かったらどうぞ
アスタロト家にある訓練場に対峙して立つディオドラとセイバー
それぞれの手には訓練用の模造刃で出来た片手剣が握られていた
「始めていいかな?」
「私は何時でもいいぞ」
「では、開始の合図を頼む」
セイバーに確認して黒歌に合図をお願いするディオドラ
黒歌は頷くと
「始め!」
かけ声と共に上げた右手を振り下ろした
と同時にセイバーが駆け出した。瞬時に間合いを詰め左下から右斜め上に斬り上げるが、上半身を後ろに下げ避けるとセイバーは完全に振り上げずに途中で止めディオドラの頭に向け振り下ろした
それを左足だけ半歩下げかわすと同時に右手から左手に持ち替えた片手剣で下から掬い上げる様にセイバーの右手首に打ち付けた。一瞬顔を歪めるセイバーだが直ぐに間合いを取り正眼に構え直した
「やりますね」
「そんな事はないさ。まだまだだよ」
右手に持ち直した片手剣の刃を肩にポンポンと当てながら言うディオドラ。其れを見たセイバーは
「なら……」
と眼を瞑り魔力を刃に集中させた。
「はっ!」
気合いの入れた声と共に眼を開けるとセイバーの周りに片手剣と同じ形をした魔力刃が3本浮かんでいた
「刃を増やしたか。でも、操りながらで戦えるのかな?」
「心配ご無用。これらは、私の意思を汲み取り最善の動きをしてくれるます。では……参る!」
今度は上段に構え突撃して来るセイバー
対してディオドラは肩幅に足を開き水平に剣を構えた。左手で刃の柄から刃先まで包み様にして動かすと刃が淡い光に包まれた
「ミラージュ・ウェーブ!」
目にも止まらぬ速さで剣を振るうと無数の斬撃波となり繰り出された。少し目を大きく開いたセイバーだが飛んで来る斬撃波を次々斬り落とす
だが全ては落としきれず避けたセイバー
落とし斬れなかった斬撃波は後方の壁に掛かっていた数本の模造刀に当たりその内1本が此方に向かって回転しながら飛んで来た
ディオドラはセイバーが斬り落としている内に一気に間合い詰めるが先にセイバーが胴体に向け横凪ぎを払った
それをディオドラは左手で刃の側面を押さえた
更にそれを支点にしてそのまま左手だけで逆立ちをした。不意に刃を下に押されたセイバーは前のめりにバランスを崩すが踏み止どまる
そして空中でバク転をしたディオドラはそのままセイバーの右肩を踏み台にして此方に飛んで来る模造刀を空中で取りセイバーの後方に着地をした
右足を軸に180度回転してセイバーに向け2本の剣を構え直した
「二刀流……それが貴方の構えか」
「そうだ。今度は此方から行くぞ!」
そう言って地を蹴り駆けるディオドラ
先程よりも速く踏み込んだがセイバーの生み出した魔力刃がディオドラを左右から斬りかかった
まず右から振りおろされた魔力刃を右手の剣で受け止めた
そして振り下ろした魔力刃の速度を殺さず受け流しながらセイバーに弾き飛ばした
その瞬間、動きを止めたセイバーに斬り掛かかるディオドラだが今度は左から2本同時に魔力刃が襲い掛かってきた
数合2本の魔力刃と斬り合いながら左手に持つ剣と1本の魔力刃とつばぜり合いになると器用に左手首と左腕を使いもう1本の魔力刃を左手の剣に絡めとり2本の魔力刃の動きを封じた
残った右手の剣で光速並みの速さで繰り出すセイバーの剣撃と魔力刃の攻撃をいなしていた
更に数十と斬り合いセイバーの持つ剣とつばぜり合いになりそうになった瞬間に僅かに剣筋と体の動きをずらしたディオドラ
僅かな動きだが勢いがついていたセイバーは一瞬対応が出来なくなり前のめりに倒れそうになったが何とか踏み止どまる。それはコンマ何秒もない僅かな時間
だかその僅かな隙に右足へ溜めていた風の魔力をセイバーの腹に蹴り込んだ
無防備に近い状態で喰らったセイバーは数m吹き飛び地面を転がる
3本の魔力刃は飛ばされたセイバーの元に飛んで行った
直ぐに体を起こすが片膝を付き蹴りが入った所を抑え咳き込むセイバー
「げほっ……けほっ……はぁはぁ……」
2人の闘いを見ている3姉妹は
「「「……………………」」」
想像以上の出来事に驚き固まっていた
息を整えたセイバーはゆっくり立ちながら考えていた
「(強い……侮って……いたな……まさかここまでとは)」
驕りを払う様に左右へ頭を振り剣を構える
ディオドラは剣をハの字に構えた
「インフェルノ……スパーク」
唱えると左手の剣に聖なる炎を纏い右手の剣に雷を纏った
今までと違うディオドラの動きに警戒を強めるセイバー
ディオドラは剣先をクロスさせると
「レギミナンス!」
炎と雷が混ざり合い2本の剣が光を纏うと右手の剣を左腰の辺りで構え左手の剣は左肩辺りに構える。
姿勢は前傾姿勢になりより攻撃的の構えになった
ディオドラの構えをみたセイバーは得も言われぬ感覚に襲われたがそれを振り払う様に剣を上段に構え突撃した
先に3本の魔力刃が左右と真正面から同時に斬り掛かってきた
それを右手に持つ剣で横一文字に斬ると3本の魔力刃が砕けた
「なっ!?」
驚きの表情になったセイバーの懐に瞬時に入り込み左手の剣を逆手に持ち変えて下から上に斬り上げた
数m上に吹き飛び後ろの地面にうつ伏せで叩きつけられたセイバー
その光景を呆然と見ていた黒歌だがディオドラの視線に気付き我に帰ると右手をディオドラに向け
「勝者……「ま、まだ……だ」……にゃ!?」
黒歌のディオドラ勝利を告げる声を顔だけ上げ遮るセイバー
驚く黒歌を他所にゆっくりと立ち上がる
「そんな……今のは決まったんじゃないの!?」
あり得ないと言った表情で声を出す赤譜に
「いや、当たる瞬間、僅かに体を後ろに下げていた。それで直撃を避けたんだよ」
「その通りです。流石ですね。反らすだけで精一杯でした」
ディオドラの言葉に若干肩で息をつきながら答えるセイバー
「では、ディオドラさんの勝利でいいのかしら?」
「そうなのですが、まだ闘いたい……造られて直ぐに封じ込められた私が何の為にいるのか。この闘いだけでは何も解らないかも知れません。それでも引き続き貴方と闘いたいのです」
「わかった。いいよ」
セイバーの願いを聞き構えるディオドラ。セイバーも表情は変えていないが何処か嬉しそうにしていた
次の瞬間、同時に駆け出す2人である
その後もずっと剣を交える2人
そして
「どうせ私は駄目な模造品なんですー
なんちゃって騎士王ですよー……クスン」
「そんな事にゃいからね」
訓練場の隅で体育座りをして地面に右手でのの字を書いていじけるセイバー
そんなセイバーを慰める黒歌
あの後10回勝負をした結果
「全てディオドラさんの勝ちならいじけもしますよね」
「やり過ぎたかな……」
赤譜の言葉を聞いて苦笑い浮かべながら言うディオドラ
彼の横顔を見つめる赤譜は
「(セイバーの動きは猫又の能力で何とか見える程速かった。ディオドラさんは所々本当に見えない所があった……凄いよね)……って、白音?」
考えていると今まで何も言わずじっと見ていた白音がセイバーの右横に来た。若干涙目になってる顔を上げるセイバー
「役立たずのヘタレ騎士王」
とドヤ顔で言った白音
「っ!? ……ウルウル」
言われて目が大きくなったセイバー。次の瞬間膝に顔を埋め泣いてしまう。左手で壁をペチペチ叩いていた
それを見てイタズラが成功したようなドヤ顔でいる白音の頭に小気味いい音と共にハリセンが炸裂した。
「にゃう!? ……痛い……グスッ」
叩かれた所を摩りながら涙目で後ろを向く白音
「いきなり何を言ってるの!? そんな事言ったら駄目でしょ! 謝るにゃ!」
「っ…………ごめんなさい」
黒歌に怒られシュンとなる白音。セイバーの右横に正座をして謝った
それを見ている赤譜は
「(黒歌姉さんがしっかり姉さんをしている……ここ最近特にしてるのよね……白音は甘えん坊で少しイタズラ好き(?) な性格になったのかな?原作とは違い皆で居るからかしら?)」
そんな事を考えていた
暫く泣いていると落ち着きを取り戻すセイバー。ディオドラの元に行き
「お見苦しい所をお見せしました。申し訳ありません」
深々と頭を下げるセイバーに
「気にしなくていいよ。それに、あの姿ちょっと可愛かったかな」
言われて顔を赤くして俯いてしまうセイバー
「おかしな事言ってごめんね……で答えは出たかな?」
「はい。私はもっと強くなりたい……オリジナルよりも強くなります……そして強くなれた時貴方の眷属になります。なので、今は……その……」
今より強くなる事をディオドラに誓うセイバー
眷属の話を切り出すと口ごもったが
何かを察したディオドラが
「今は眷属にはならない、かな?」
「っ……!? はい、都合がいい事言っているのはわかります。ですが……」
「それで、構わないよ。自分を鍛えて納得した時また考えたら良い」
「ありがとうございます!」
深々と頭を下げるセイバー
「ですが、何もせず居る訳にはいきません。私に出来る事は無いでしょうか?」
「別に気にする事はないよ。彼女達と同じく居たらいい」
何時もの微笑みを浮かべて言うディオドラだが
「そうはいきません。彼女達は彼女達。私は私です。お願いします!」
と言って頭を下げるセイバー。その後も頑なに言うセイバーに折れたディオドラは屋敷に戻り彼女に出来る事を話しあった
何をするか決まったので、準備をするため別れたセイバー
3姉妹も部屋に戻り1人自室で待っているディオドラ
暫く待っていると遠慮がちにノックする音がした
中に入る様に促すディオドラ
「し、失礼します。その、お待たせしました……ごごごごちゅ……ご主人…様……」
若干上擦った声になりながら頭を下げ部屋に入るメイド服を着たセイバー
恥ずかしさからか頬が赤くなりディオドラを呼ぶとき噛みまくった
「無理してご主人様と呼ばなくていいよ」
「お気遣いありがとうございます。ですが、そうはいきません。ご、ご主人様」
まだ少し恥ずかしそうにしながらも先程よりは落ち着いて言うセイバー
「分かった、改めて宜しくセイバー。今日はもう遅いから明日から頑張って下さい」
「畏まりました。失礼します、ご主人様」
頭を下げ部屋を出るセイバー。見送ったディオドラはセイバーの事、明日のお茶会の事等を考えながら眠りに就いたのだった
―次―
〜おまけ〜
とある魔王達の会話
殆ど会話のみで短いです
どうぞ
「ディオドラ……結局眷属にしなかったな」
「でも、何時かは眷属にするんだろう」
「その何時かもいつになるか解らないからな。このまま誰も眷属しなかったらどうしようか」
「大丈夫だよ。ディオドラ君はまだ10才だからね。此れからさ」
「1才上の君の妹君は既に女王がいるのに?」
「まぁ、人には人のペースがあるさ。気長に待てばいいんじゃないかな」
「今はそれしかないか……ハァ」
アジュカさんとサーゼクスさんの話し方おかしかったらごめんなさい
では
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お茶会前編
駄文と亀更新ですが頑張ります
後書きにも書いてますので良かったら見てやって下さい
一部オリキャラの登場人物設定を変えています
では、どうぞ
セイバーがメイドとなりディオドラの屋敷で働く事となった翌日
―お茶会当日―
グレモリー邸(城)では数名のメイドと共にせっせとお茶会の用意をしているリアスの姿があった
「それは、ここに用意して……これはここね」
「はい。お嬢様」
的確な指示であっという間に準備する手際のよさに
「さすがお嬢様です。いつ見ても惚れ惚れいたします」
心の底から感嘆の声を出すメイド
「ふふ、ありがとう」
メイドに答えながら用意を済ませるリアスであった
その頃フェニックス家では
「冥界には以外と無いのもあるな……」
自室にてあるものをリアスのお土産に用意するライザーことクロノ
そこへ、扉を叩くノックと共に
「ライザー様宜しいでしょうか?」
声が聞こえ中に入る様に促すライザー
表れた人物は肩から下は赤と白の縦縞が入った服装で両肩に肩当てをつけ顔は紅く燃える様なフルフェイスの仮面を被っているライザーのクィーン《女王》……アポロである。中に入ると恭しくお辞儀をして
「そろそろお時間です」
「わかった。準備は出来ている。行こうか」
ライザーの返答に“はい”と答えたアポロの転移用の魔法陣で向かうのであった
その頃ディオドラ達は
3姉妹が服を着替えて行く用意をしていると、扉の外から
「用意出来た?」
ディオドラが声をかけてきた
「はい、出来ました。どうぞ」
と赤譜の声が聞こえ中に入るディオドラ
「3人は色違いのワンピースなんだね」
3人の服を見て言うディオドラ
黒歌は黒色のワンピースに白色のショートボレロを着て
赤譜は赤色のワンピースに白色のショートボレロを着て
白音は白色のワンピースに黒色のショートボレロを着ている
「おかしいかな?」
ディオドラに言われ不安そうに服を見る黒歌に
「そんな事ないよ。3人共良く似合ってるね」
と言うと嬉しそうに顔を紅くする3姉妹
因みにディオドラはアニメの時に着ていた黒色の服装で白マントの変わりに白色のコートを羽織っていた
「じゃそろそろ行こうか」
3人が頷くとディオドラは転移用魔法陣の札を発動させた
因みにセイバーはメイド修行の為お留守番である
グレモリー邸では
城の門前にて待つリアスの元にまず現れたのは
「リアス」
「ご無沙汰しております。リアス様」
「いらっしゃい、ライザー君、アポロ君」
優しい笑みを浮かべて言うライザーと仮面で表情が分からないが恭しく頭を下げるアポロを笑顔で迎えるリアス。続いて魔法陣から表れた人物は
「1か月ぶりかしら、リアス」
「そうだね、ソーマちゃん」
僅かに微笑みながら言うソーマに笑みを浮かべて答えるリアス
その直ぐ後に魔法陣が出現して
「お久しぶりです、リアスさん」
「初めましてにゃ。黒歌と言います」
「赤譜です。お招きありがとうございます」
「白音です」
表れたディオドラ、黒歌、赤譜、白音が順に挨拶した。初めてリアスに会う3姉妹は挨拶と同時に頭を下げていた
「お久しぶりだね、ディオドラ君。それと黒歌さんと赤譜さんと白音ちゃんは初めまして、リアス・グレモリーです」
ディオドラには朗らかに笑い3姉妹には頭を下げるリアス
そこに最後に来る訪問者の魔法陣が表れた
「(表れた魔法陣はもしかして堕天使の模様?)」
魔法陣の模様を見て考える赤譜の前で表れる2つの人影
「元気そうね、リアス」
「お招き頂きありがとうございます、リアスさん」
「朱乃ちゃんも元気そうだね、花怜(かれん)ちゃんはそんなに畏まらなくていいですよ」
お互い懐かしそうに笑うリアスと朱乃
朱乃の横には目をくりっとした若干背の低い女の子が立っていた。因みに黒髪で肩にかかる位の長さのポニーテールで朱乃は腰の長さでポニーテールにしている
花怜が頭を下げながら挨拶をしたのでリアスも頭を下げながら言った
「(あの人、姫島朱乃よね。横の女の子はもしかして妹かな? それにこの感じ悪魔になってないよね。ライザーの横の人も誰だろう?)」
と考える赤譜
挨拶を終えたリアスは皆の顔を見て
「では、皆さん中へどうぞ」
と言い案内するリアス 皆ついて行く中でアスタロト邸より豪華な通路と通路左右に立つ執事とメイドの多さに目を白黒させる3姉妹である 3姉妹以外は談笑をしながら歩いていた 少し歩いているとある部屋の前に着いた。そして扉の左右に控えているメイドが扉を開くと
部屋の中央に丸い大きいテーブルが置いてあり回りに椅子が人数分置かれていた。机の上にはリアスが作った数種類のケーキとクッキーが並べられティーセットが用意されていた
そしてテーブルの前に1人の女の子が立っており優雅に会釈をしながら
「リアス・グレモリーのお茶会にようこそ。そちらの方々は初めてよね?」
全員に挨拶した後3姉妹に向きながら質問する女の子
「そうだよ」
問いに答えるディオドラ。一瞬女の子はリアスに目配りすると意図に気付いたリアスは頷く
「では、自己紹介するわね。リアス・グレモリーのクィーン《女王》をしているアリサ・ローウェルといいます。宜しくね」
自己紹介した後に優雅な動作で会釈をするアリサ
「黒歌です。此方こそ宜しくにゃ」
「白音です。お願いします」
アリサに対して自己紹介する黒歌と白音だが
「(アリサ・ローウェル? バニングスでなくて? でも髪の色は金色だったはず、今の彼女は栗色だし……でも、髪の色を除いたら顔はそっくりだし……)」
1人混乱している赤譜に
「赤譜……赤譜! どうしたの!?」
「っ……!? 何、黒歌姉さん?」
黒歌に肩を揺すられ我に帰る赤譜。周りも心配そうに見ていた
「何は、私のセリフにゃ。ぼーっとしてどうしたの?」
「あっ……さっきから凄い豪華な事ばっかりでちょっと緊張してて……もう大丈夫たがら、ごめんね……改めてアリサさんごめんなさい、赤譜と言います。宜しくお願いします」
黒歌に大丈夫と言いアリサに向き直り謝り自己紹介する赤譜
「あたしは気にしてないから大丈夫よ。それより貴女達の事好きに呼んでもいいかしら? あたしの事も好きに呼んでいいからね」
「わかったわアリサ」
「あたしもいいよアリサ」
「好きにどうぞ、アリサさん」
黒歌、赤譜、白音と答えると
「ありがとう宜しくね。黒歌、赤譜、白音」
嬉しそうに言うアリサ和んできた所でリアスが
「このまま立ち話もあれなんで、皆席に着きましょうか。続きはその後でね」
皆を席に案内するリアスその時
「リアス、これを」
お土産に持って来た紙袋を渡すライザー受け取りながら
「ライザー君これは何?」
「お土産だよ。冥界じゃ手に入らなかったから人間界から取り寄せた紅茶の茶葉だ」
「これ、私が欲しかった……ありがとうライザー君! でも、良くわかったね」
ライザーのお土産を見て驚き凄く喜ぶリアス
「当然だろ。リアスが何が欲しいか分かるさ」
「ライザー君///」
皆を席に案内するのをそっちのけで2人の世界に入るリアスとライザー 3姉妹はいきなりの展開に唖然とするが他の面々は何時もの事だなといった感じで思い思いに席に着くが
「ふにゃ〜〜」
「(何かしら。一見もの凄く甘い世界を醸し出してる筈なのに甘くない? と言うか洗練された甘さと言うのかしら。ディオドラさんから聞いた年はリアスさんは黒歌姉さんと同い年の筈なのにもう何年も連れ添った夫婦みたいにも感じるのよね。引き込まれるというか……でも、やっぱり甘いわ)」
「あぅ//……はぅ//……あぅ//」
3姉妹はいきなりの展開にびっくりする黒歌に何故か冷静に分析する赤譜と顔を赤くしてあうあう言う白音であった
そしてアリサが何処から途もなく取り出したクラッカーの音を聞いて戻る2人と3姉妹
慌てて席に着いてお茶会が始まった
ー後編に続きますー
プチおまけ
会話メインですが良かったらどうぞ
お茶会中のセイバーは
「ふぅーメイド修行もなかなか大変だな」
アスタロト家のメイドから一通り習い一息つくセイバー
そこに
「頑張ってるみたいだな」
「ん? 貴方は私をこの世界に召喚した」
「アジュカ・ベルゼブブだ、宜しくな。」
「知ってると思うがセイバーです。宜しくお願いします」
「聞いたがメイドの修行をしてるとか。だが、まだ足らないものがあるぞ」
「足らないものだと? それは何でしょうか」
「それはな……」
聞くセイバーに一瞬いたずらっ子の表情を浮かべたアジュカはセイバーに説明した
「なっ?! 夜伽の相手をしろと!」
「驚く事か、あいつは妙に達観してる所があるからな。っと今は関係ないな。それにボヤボヤしてると他の奴に眷属の場所を取られるぞ」
「うっ! それは……」
「いきなり無理なら朝のご奉仕か」
「それは、何ですか?」
説明するアジュカ
「く、く、く、口で?!」
顔をさらに赤くさせて口をパクパクするセイバー
「嫌なのか?」
「それは……どうやったらいいのですか?」
意を決した様に聞くセイバー
「なら、まず、俺で実践を……」
「お断りする」
言いかけたアジュカの顔の前にモップを突き付けるセイバー
「冗談だ。口頭で説明しよう」
「お願いします」
そしてアジュカから教えてもらうセイバーであった
その頃お茶会で
「っ!? なんだ?」
「どうしました? ディオドラさん」
いきなり辺りをキョロキョロ見るディオドラに不思議そうに聞く赤譜
「解らないが、今嫌な予感がしたんだ……」
「はぁ……」
首をひねるディオドラ
その予感はお茶会から帰った次の日の朝起きる事を知るよしもないディオドラでした
アジュカさんは魔王なのに只のいたずらっ子見たくなってしまった
魔王と騎士王(偽)の会話じゃないな
色々とごめんなさい
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お茶会中編
それぞれが席に着いた所で
「黒歌ちゃん、赤譜ちゃん、白音ちゃん驚かせてごめんね」
全員にリアスが紅茶を入れてまわる中、3姉妹の所で謝る
「驚くと言うか……」
「唖然としたと言うか……」
「ビックリしたと言うか……」
「うん。言ってる事は全部同じ意味ね。まあ、気にしなくていいわよ。何時ものことだもの」
座ってもまだ少し固くなっている黒歌、赤譜、白音にケーキを切り分けながら声をかけるアリサ
一通り紅茶を入れたリアスとケーキを切り分けたアリサが席に座る
「さて、本日はお茶会にお集まり頂きありがとうございます。と、まぁ堅苦しい挨拶は抜きにして皆さん楽しんでいってね」
リアスが挨拶をして皆思い思いに紅茶を飲んだりケーキを食べたりした
「このリンゴのタルトとシフォンケーキ美味しい!」
「この紅茶どうやって淹れたらここまで美味しくなるの?(レイナーレやシャマルが淹れたのより美味しい……)」
「コクコク……パクパク……コクコク……サクサク……クッキーも美味しいです」
「そう? なら良かったどんどん召し上がってね」
想像以上に美味しいケーキに顔が綻ぶ黒歌に思わず比べてしまう赤譜にほぼ無言で食べる白音に微笑むリアス
そしてリアスが初めてのお友達も居るので自己紹介をしましょうと話しになりまず黒歌姉妹からの自己紹介となった。それぞれ自己紹介をする黒歌姉妹
3人の話しが終わると
「貴女達も悪魔に襲われそうになったのね」
と言うアリサ
「貴女達もと言う事はアリサも!?」
びっくりしている赤譜に聞かれ頷くアリサ
「アリサちゃん」
驚きと心配が入り交じった表情でアリサに言うリアスに大丈夫よと言いながら
「あたしとリアスの出会いはライザーとアポロ以外は知らないから話すにはちょうどいいかもね」
お茶会で話す内容では無いけれど、と前置きして話しだした
グレモリー領のある町に一般家庭の1人娘としてアリサ・ローウェルが生まれたのだった
あの悲しい出来事、なのはと友達になった事などの記憶を持ったまま悪魔として生まれ変わったアリサ
生まれ変わり前世よりはIQは下がったが(それでも知能は高い)家族3人慎ましく暮らしていた
そして今から約2年程前
その日は1人町へ買い物に来ていたアリサ。一通り町を見て周ったが欲しい物がなく帰路に着いた
その途中
「えっ?」
いきなり建物の影から表れた数名の男悪魔達
それは前世の忌まわしき記憶と類似していて驚きの声を上げるアリサ
悪魔の内1人がアリサの前に歩み出ると
「久しぶりだな。アリサ・ローウェル」
「な、何であたしの名を?」
警戒しながら聞くアリサ。すると厭らしい笑みを浮かべながら男悪魔が
「おいおい鳴海市のあの廃屋で楽しんだ事を忘れたのかぁ?」
その瞬間真っ青になり全身震えだすアリサ
「あっ……なっ……あぁ」
あの忌まわしき過去を鮮明に思い出し声も出ず息もままならないアリサそして同時に思った。目の前にいる男はかつて自分が祟り殺した男だと震える足で何とか逃げようとしたが
「おいおい何処に行くんだ?」
何時のまにか後ろに回っていた別の悪魔に後ろ手で魔力封じの手錠をかけられ地面にうつ伏せで抑え込まれるアリサ
「くっくっくっ、逃がすと思うかぁ。せっかくあの時と同じ廃屋をわざわざ見つけてやったんだぜ。あの時以上に楽しませてやるよ」
アリサの髪を掴み持ち上げながら言う悪魔
「い……いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
恐怖と絶望に染まった顔で絶叫したのだった
そして男悪魔の言う廃屋に連れ込まれるアリサ手錠で魔力と両手を抑えられているので抵抗らしい抵抗が出来なかった
更に前世の記憶が甦り恐怖の方が勝っていたので体が殆ど動かなかった
「嫌! 放して! お父さん お母さん! な……」
床に仰向けで押し倒されるアリサ。必死に声を上げ助けを求めた。無意識に前世で友達になった少女の名前を言おうとしてこの世界に居ない事(実際は転生して居るのだが)に気付き固まるアリサ
「(どうして……何であたしがこんな目に……生まれ変わってもあわないといけないの?)」
悪魔に生まれ変わり決して裕福とは言えないが家族3人楽しく暮らせていた……それなのに
色々な感情が混ざり涙を流し続けるアリサ
そんな彼女を仰向けで押さえつけ馬乗りになる男悪魔
「(まさかアリサ・ローウェルが居るとはな。中流貴族の悪魔に特典もなく転生して人間の女拐っちゃ楽しむ事しかなかったが……誘拐犯のふりして脅してやったら本当に本人が悪魔に生まれ変わってるとはな)」
この悪魔も転生者である。この前の転生悪魔に比べたら階級も魔力も全て下で特典無しであった
涙でぐしゃぐしゃになったアリサの顔を見ながら両手で彼女の襟元を掴んだ
「ひっ!?」
短い悲鳴を上げ目を瞑るアリサ
両手に力を入れ服を破ろうとした瞬間
男悪魔の後ろに魔法陣が浮かび上がったとほぼ同時にアリサを囲んでいた悪魔が吹き飛ばされた
そしてアリサに馬乗りしている男悪魔だけ残っていた
「何だ!? って馬? 動物ごときが邪魔しやがって」
男悪魔は立ち上がり真正面から魔法陣に表れた者……体は鹿みたいな体つきで顔はドラゴンに似た顔しており全身を鱗で覆っている生き物を睨みつけた
「私は魔王サーゼクス・ルシファー様のボーン《兵士》 炎駒なり」
「なぁ!? (何で魔王の眷属がここにいんだよ!?)」
いきなり表れた大物の眷属である炎駒に驚きの表情のまま固まる男悪魔と余りに色々起こる出来事に戸惑うアリサ
その彼女に炎駒の影に隠れて解らなかったが1人の少女が近付いた
「アリサちゃん大丈夫!?」
アリサは抱きかかえられながら少女……リアス・グレモリーの顔を何故か驚かず不思議そうに見ている
「(待てよ……こいつら人質にとれば、魔王の眷属って事は赤髪は多分リアス・グレモリーだな)」
炎駒を睨み付けながらアリサを抱き身動き取れないリアスに襲いかかる為振り返ると同時にいきなり顔面に炎を喰らいのたうち回ると更に炎駒の攻撃を受け気を失った
炎駒が現れてからいよいよ訳が解らずリアスの腕の中で呆然としているアリサ
「間に合って良かったな」
炎駒が立ってる反対側から声がして顔だけ振り向くと金髪の若干目付きが鋭い少年が立っていた
「そうだね。炎駒さんライザー君ありがとうございます」
頭を下げるリアス
「頭をおあげ下さい姫様。お役に立てたなら何よりでございます。むしろ私の様な者にまで敬意を払って頂き恐悦至極にございます。では、この者達を連れて行きますので暫し御免」
リアスに頭を下げ気絶している悪魔達を魔法陣で連れて行く炎駒である
炎駒と入れ替わる様に部屋の入り口から顔を覗かせるアポロ。ライザーに廃屋内部と周辺には誰も居ない事を告げ誰か来た時の為に廃屋周辺の警戒に行った
「俺の場合はただ炎をぶつけただけで特に何もしてないんだがな」
鋭い目付きから優しい目に変え微笑みながら答えるライザー
同じく微笑み返すリアスだがそこでじっと見てくるアリサに気付き安心させる様に笑いながら何かを言いかけた時
「なのは……?」
「えっ?」
ぽつりと呟いたアリサの言葉に一瞬驚くリアスだが直ぐに笑顔になり
「そうだよ。私だよ。アリサちゃん」
「えっ? うそ? なんで……?」
自分で言いながら益々混乱するアリサに苦笑いをするリアス
「取り込み中悪いが此所から出ないか? 落ち着いた所で説明をしたらどうだろうか?」
ライザーの提案に頷くリアス
廃屋の周りを警戒しているアポロを連れて近くにある森の入り口で腰を落ち着けるリアス達
込み入った話しになるだろうとアポロが離れて警戒に当たった
そしてアリサに今までの事を話すリアス
彼女と別れた後、クロノとの出会い其々の事件、2回転生した事等を全て話すリアス対してアリサはじっと聞いていた。
「話しは解ったわ」
「えっと……随分落ち着いてるね、アリサちゃん」
驚くと思っていたがかなり落ち着いているアリサに逆に驚くリアス
顔を伏せ軽く溜め息をはくアリサ
「かなり驚いているわよ。ただ、色々ありすぎて逆に冷静に話を聞けて理解出来ただけよ……それにしても、な……リアスがあたしを知ったのも違う形でこの世界に転生して使い魔になった久遠のおかげなのにも驚きね」
アリサに優しく微笑みながら聞いているリアスの右肩に何時の間にか現れた子狐……久遠が嬉しそうに鳴いていた
「でも、そのおかげであたしは助かったわ……そこでよ……リアス、改めてあたしと友達になってくれる?」
「ふふっ、勿論! それに私達はずっと友達だよ。これからもずうっとね……それで何だけど……その……」
お互い顔を見合せ同時に笑う2人だが続いて何か言おうとして言葉に詰まるリアスにきょとんとするアリサ
少し悩んだ後程に意を決して言うリアス
それは
「それで、アリサはリアスのクイーン《女王》になったのね」
2人の出会いを聞いて納得する黒歌
因みにアリサは転生者である事を伏せて話をしていた
「ねぇアリサ、さっきからリアスさんが複雑な顔してるわよ?」
同じく話を聞いていた赤譜がリアスの顔を見つつ言うとリアスに顔を向けるアリサ
「どうしたの? リアス」
「あ……うん、あの時はアリサちゃんをクイーンにする事が一番だと思ったんだけど、本当に良かったのかなって?」
少し不安気味に言うリアスに
「何を言うのかと思えば……良かったに決まってるでしょ。両親だって大喜びだったんだもの」
そうなの? と言う表情になるリアス
「はぁ……あたしが両親とここに来た時を思い出したらわかると思うけど元72柱の1つグレモリー家の次期当主にして魔王を兄にもつリアスのクイーンになったのよ。一般市民からしたらあり得ない位の出世よ」
若干うんざりした表情で話すアリサ。その事を思い出しリアスは思い出し笑いをしながら
「うん、思い出した。あの時アリサちゃんの格好……プッ」
「どんな格好だったんですか?」
思わず思い出し笑いしてしまったリアスに興味津々に聞く白音
「むっ……!」
「って、ひひゃい、ひたひよ……ありひゃひゃん」
言おうとしたリアスの両頬を思いっきり引っ張るアリサ
若干涙目になるリアス
「(まだ会って1時間も経って無いけど本当に2人は姉妹みたいに仲いいよね。リアスさんも原作より更に優しいし天然入ってる?)」
考える赤譜の横では
「それにしても男悪魔はろくな奴が居ないにゃ!」
アリサの話を聞いていた黒歌が自分達の身に起きた事を思いだし怒りを露にした
「そうね。下種な事しか頭にない奴ばっかりね」
黒歌の意見に頷くアリサ
「いや……そんな奴らばかりでは無いんだけどな」
「彼等みたいな者を悪魔代表に上げられてもな」
同じ動作で腕を組み首を捻るライザーとディオドラ
「貴方達が違うのはわかっているわよ。ごめんね」
「ディオドラさんにライザーさんは良い悪魔なのは分かってるにゃ。ごめんなさい」
2人同時に頭を下げるアリサと黒歌
気にしてないと手を振るライザーとディオドラであった
中途半端な切り方になりすみません。ここまで読んで頂きありがとうございます
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お茶会後編①
アリサの昔話が終わり黒歌3姉妹とアリサ達が談笑しているのをちびちびケーキを食べながら眺めている黒髪の女の子、花怜
姉の朱乃はリアスと楽しげに話しているのを横目でちらっと見ながら直ぐに視線を戻しアリサを見ていた
「(今の話って所々簿かしていたけどトラハ3の話しだよね……ってことはアリサ・ローウェルはトラハ3のアリサよね。見た目まんまだし……)」
考えながら黒歌3姉妹やディオドラ、ライザーをみる花怜
「(この世界の事は余り詳しくないけど黒歌姉妹は白音と2人姉妹の筈だしディオドラとライザーはもっと嫌な性格だったような……ん?)」
考えていたらふとディオドラが朱乃を見ているのに気付いた。そしてある事に気付く花怜
「(お姉ちゃんをじっと見てどしたんだろ?……あっ!?確かディオドラって人はシスターを手籠めにするのが好きな筈……巫女見習いもシスターみたいなものだしまさかお姉ちゃんを手籠めにする気!?)」
ディオドラはただコカビエルから話しに聞いていたバラキエルの娘達を初めて見たので"この娘達がそうか"位にしか思っておらず花怜の事も一緒に見ていたのだが花怜は気付いていない。そして見当違いな思い込みをした花怜はディオドラをこっそり睨んでいた
「(お姉ちゃん原作だったらどSの性格が強い筈だけどこのお姉ちゃんはお父さんのドMの性格を強く引き継いでるからお母さんのSは殆ど無いんだよね。ディオドラの毒牙がにかかったら一発で堕ちちゃうよ。今度も私が守らないと)」
勘違いに全く気付かず決意する勘違い娘、花怜
花怜も転生者でありトラハシリーズは前世で兄のおかげで知っているがハイスクールD×Dはさわりを知っている程度である
だが、姫島家が襲撃される事は何故か知っており襲撃時は何時でも襲われても対処出来る様(防御と隠れる用意)にしていたので母の朱璃と朱乃を庇いながら結界や道具をフルに使い襲撃者からバラキエルが到着するまで一切戦う事なく3人で隠れ続けた
そしてバラキエルが到着したことで命拾いした3人は冥界の堕天使領に移りすみ親子4人で暮らしている
「(バラキエルさんの妹君だが、会った時から私を警戒していたな。先程からは睨み付けられてる……赤譜さんの話しでは姫島朱乃に妹はいない筈、今までの妹君の動きから察するに彼女は転生者で私を原作のディオドラと同じと思っているのだろう。誤解なら解いた方がいいが今は動くべきではないな)」
お茶会に呼ばれて来ているので余りおかしな動きをすべきでないと考えるディオドラだが
「(そう言えば……ソーナさんは何処に行った?)」
何時の間にか姿が見えなくなっていたソーナに気付き辺りを見回していた
その頃ソーナは1人トイレに行っていた。戻る途中にあるテラスに身体を預け中庭を見ていた
「私は……何をしているんだろう」
何となく居ずらくなり誰にも言わずに席を立ちぼーっとしていると
「フェーイトちゃん」
「きゃ!? えっ? なの……リアス!?」
後ろからぎゅっと抱き着かれ驚くソーナ。更に前世の名前を呼ばれて抱き着いてきたので思わず相手の前世の名前を言いそうになり慌てて言い直していた
「リアス、あまり前世の名前を呼ばない方がいいよ」
辺りを気にしながら小声で言うソーナ。彼女も転生者である。リアスに転生したなのはと同じ世界に居たフェイト
転生前はなのはの協力もあり母親と仲直り出来たフェイト。だが時の庭園の爆発を止める為に母親は生命ポットに入ったもう1人の娘と共に命を落とした。其から月日は流れJS事件の時、本来なら助け出される筈だがここでは助けが間に合わず基地もろとも命を落とした。そしてソーナとして産まれ今にいたる
余談だが、たまにソーナは姉であるセラフォルーに頼まれ一緒に魔法少女のコスプレをしている
更にその写真がプロマイド化されシトリー領で密かに販売されているが本人は全く知らないのである
「大丈夫だよ。フェイトちゃん」
と朗らかに笑いながら言うリアスの後ろから
「フェイト? 誰だそれは?」
「えっ!? そ、それは……ってライザー君!?」
聞かれて慌てて振り返るリアスは相手がライザーだとわかり更に驚いた
「ソーナの言う通りだな。迂闊に話さない方がいい」
「そうだね……ごめんねソーナちゃん」
「ううん、私は大丈夫だから、それに気を使わせてごめん」
ライザーからの指摘で謝るリアスに気にしてないと言うソーナ
「それに、声をかけるのは私でなくてディオドラ君の方が良かったかな?」
「ふぇ? えぇ!? それは……その……あぅ」
ちょっといたずらっ子ぽい笑みで言うリアスに意味が分からず一瞬間の抜けた声を出したが直ぐに気付き頬を紅く染めながら慌て出すソーナ
「ソーナちゃん"あの時から"ディオドラ君に会ってないって聞いたからちょうど良いかなと思ってお茶会に誘ったんだけどね」
「リアス……ありがとう」
リアスの気遣いに嬉しく目を細めお礼を言うソーナ。そこに
「あの……すみません」
「どうしたの? 白音ちゃん」
数名のメイドに案内して貰いながら白音が表れリアスにおずおず声をかける
「その、お茶会にすぐ戻って来て貰えませんか? 赤譜ねえさまと花怜さんが……あの…」
言い淀む白音に"戻りましょう"と微笑み戻るリアス達である
お茶会の部屋に戻ったリアスは
「えっと……どうしてこうなったのかな?」
ぽつりと呟くリアスの目の前で今にも取っ組み合いの喧嘩を始めそうな雰囲気でにらみ会う赤譜と花怜その横では
「あああああ赤譜!? おおおおお落ち着くにゃ!?」
「その前に、まず貴女が落ち着いてくれ黒歌さん」
普段と様子が違う赤譜に慌てまくりオロオロする黒歌を落ち着かせ様とするディオドラに
「ね、ねぇ花怜も落ち着いて……え、えっと……そうだわ! でんでん太鼓を……」
「朱乃こそ落ち着きなさい。でんでん太鼓って赤ちゃんではないのだから」
朱乃もオロオロしながら妹を宥めようとテンパってしまいアリサに突っ込まれていた
「ねぇ白音ちゃん説明して貰えるかな?」
自分の横に立つ白音に説明を求めるリアスに頷きながら話しだした
リアス達が席を立ち黒歌3姉妹と朱乃姉妹のお話になった。最初の内は良かったのだが、どちらとも無く姉の黒歌と朱乃の話しになった途端何時しか罵倒した話しが飛び交いヒートアップする赤譜と花怜、しまいには"〇態ドSのイケイケ女"や"アバズレ〇乱痴〇猫"など際どい発言が飛び交っていた
当然止めようとアリサとディオドラが声をかけたが
「「うるっさい! 黙ってなさい!!」」
同時に言う赤譜と花怜
「変なとこは息ピッタリだな」
思わず感心しするディオドラ
更には赤譜と花怜を止めようとする黒歌と朱乃だが原作と違いドSの性格でない朱乃や真面目な性格の黒歌は妹達の発言に驚き慌て出す次第だった
白音から話を聞いたリアスは
「ねぇ、2人共ちょっといいかな?」
「「なに……よ……」」
微笑みながら2人に声をかけるリアス。かけられた2人は同時に振り返り怒鳴ろうとしたがリアスの顔を見た瞬間、固まった
「このお茶会は皆の親睦を深めて初めての人はお友達になれたらいいなと思って開いたの。だから私の顔に免じて喧嘩は止めてほしいんだけど、どうかな?」
「(ひっ!?) も、もちろん、あたし達もう友達にな、な、なりましたよ」
「そうそう、スキンシップ、スキンシップですよ(こ、怖いよ〜)」
満面の笑顔を浮かべて言うリアスに何か形容し難い恐怖を感じ慌てて肩を組ながら若干引きった笑みで応える2人。因みにリアスからは見えないがお互いの後ろ髪を引っ張りあっていた
「(赤譜ちゃんと花怜ちゃん見てたらあの2人思いだすね。最初は私も両手をぶんぶん振って止めに入ったけど……懐かしいな)」
赤譜と花怜を見て昔を思い出すリアスだった
ここまで読んで頂きありがとうございます
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お茶会後編②
永らくお待たせしました。すみません。入院等々、色々ありまして更新が5年近く掛かってしまいました(-ω-;)
まだ暫くは亀更新が続きますが(スマホの扱いにもまだ慣れていないのもあり)宜しくお願いします。
では、どうぞ
リアスの天使(?)の微笑みで赤譜と花怜が大人しくなりお茶会が再会された。朱乃と黒歌が、お互い妹達について謝りリアスとアリサにライザーや白音を交えて話しに盛り上がっていた。
時間が経ち落ち着きを取り戻した赤譜と花怜は
「(あ~~やっちゃった……折角誘ってもらったのにディオドラさんの顔に泥塗ることをするなんて……皆さんにも迷惑掛けたし、あたし何やってんだろ……あれ?そういえばあたし何であんなに怒ってたんだろう……あれ?あれれ??)」
冷静さを取り戻し自分のした事で落ち込む赤譜。すると、何に怒っていたのか分からなくなりどんどん悩み出す赤譜。
一方花怜は
「(こ、こ、恐かったぁ~~あれよね、あのリアスさん絶対とらハ3の高町なのはの生まれ変わりか転生よね。アリサさんも……んっ? と、言うことはもしかしてライザーさんはクロノ・ハーヴェイ?! いや、しかし、でも…その方がしっくりくるかも……。それよりも、姉さんや皆に迷惑かけちゃったな~~ん?そういえば私、何で怒ってたんだろ?あれぇ~~??)」
変な処で勘が鋭い花怜。こちらも、冷静になると何故怒っていたのか分からなくなり考えていた。うんうん頭を捻ってる横で
「久しぶりだね。ソーナさん」
「ふぇ?!あっ……ええ、お久しぶりね。元気そうで何よりです。ディオドラくん」
不意にディオドラに呼ばれ慌てて間の抜けた声を出すが、直ぐに落ち着きを取り戻し笑顔で応えるソーナ。
「ありがとう、貴女もね。実際に会うのは4年ぶりいや2年ぶり位かな。連絡自体も最近取れなくてごめんね」
「いいえそんなことは、私の方こそ連絡出来なくてごめんなさい。ディオドラくん本当に元気そうで良かった。あの時は本当にありがとう。」
「そういって貰えて嬉しいが私は出来ることしかしていない。あの時より明るくなったし可愛くなったね。」
「か、可愛?! えっ…えっ…ふぇ~///」
可愛くなったと言われ耳まで赤くなり俯いてもじもじしだすソーナ
「「「むっ?!」」」
皆と話しをしながらも何か敏感に感じ取った黒歌と白音に怒った原因を考えていた赤譜の3人猫娘はディオドラとソーナの側に来た。
「お2人は知り合いかにゃ?」
ディオドラの側まで来て聞く黒歌。若干気圧されつつも
「あ、ああ、4年位まえに知り合ったんだ」
と応えたディオドラに今度は白音が
「もし良かったらその時のことをお聞きしたいです。」
間髪入れず聞く白音。赤譜は先程の口喧嘩で迷惑を掛けているためか黒歌と白音の後ろでじっとしている。
「そうだね。私は言っても構わないが…」
と幾分落ち着いたがまだ若干顔が赤いソーナの方を見る。軽く深呼吸して整えたソーナが
「そうですね。私も構いまわないよ。宜しかったら私からお話ししましょうか?」
頷くディオドラを見て微笑んでから話し出した。
今から約4年前
約6歳になるソーナは1人屋敷を抜け出して見知らぬ土地をとぼとぼ歩いていた。
「(私は一体何者なのかしら)」
歩きながら今までのことを考えているソーナ。この世界に生まれるまでは、フェイト・テスタロッサとして生きてきていた。
本来ならリンディ・ハラオウンの養女になっていたが、高町なのはの協力等もあり為らなかった。その後、JS事件で死亡してこの世界のソーナ・シトリーとして生まれ変わった。
前世の記憶を持ったまま生まれた為かこの世界に馴染む事が出来ないで居た。今までと違う名前ソーナで呼ばれ、少しずつこの世界のこともわかり自分の父親に母親と家族のことも分かるのに何故か完全に受け入れられない。
そのせいか絶えず情緒不安定になって居た。そんなことが日々続きある日居たたまれなくなり屋敷を飛び出してしまった。
目的もなく歩いていると
「そこの君、大丈夫?」
いきなり後ろから声を掛けられ驚いて振り返ると、同い年位の少年と、顔の上半分を隠す仮面を付けた執事らしき人が立っていた。
「だ、誰?」
見知らぬ土地で見知らぬ人から声を掛けられ咄嗟に身構えるソーナ
「そんなに身構えなくて大丈夫だよ。私はここを治めているアスタロト家の者でディオドラ・アスタロトと言います。貴女は?」
微笑み掛けながら聞いてくるディオドラの顔を暫く見つめてから構えを解くソーナ
「私は……ソーナ……ソーナ・シトリー」
ソーナの名前を聞いて驚く執事
「まさか、シトリー家の御令嬢で御座いますか。こんな離れた地に護衛もつけずお一人で……。」
執事と目が合い咄嗟に下を向くソーナ
「取り敢えず御実家に連絡した方がいいね」
ディオドラの言葉を聞いて慌てたように首を左右に振るソーナ。ディオドラを見る執事に軽く頷くと
「では、私の屋敷に戻ろうか。何時までも、ここに居るわけにはいかないからね。それで、いいかな?」
少し考えて頷くソーナ。ディオドラが執事に目配せすると執事は頷きながら転移用魔方陣を発動させ屋敷に戻った。屋敷に戻り両親に説明するディオドラ。
説明を聞いたディオドラの母親はソーナの屋敷に連絡をしようとしたが、ソーナが拒んだ為取り敢えず無事を伝え暫くは滞在してもらうことを伝えた。
ソーナの両親は其れは迷惑が掛かり悪いので迎えに行くと言ったが、今のまま帰ってもまた同じことの繰り返しになるのではないか、私の所にも子供が居るので子供同士で遊んで話しをしたら落ち着くのではないかと説得。
結果ソーナの両親はディオドラの母親にお願いした。一通りの流れを母親から聞いたディオドラは
「私のこれからの動きが何気に責任重大に感じるのですが」
「そんなに身構えなくて大丈夫よ。仲良くしてあげてね。」
柔らかい笑顔を見せてディオドラの頭をなでる母親のカルティナ・アスタロトに分かりましたと言いながら自分の部屋で待つソーナの元に向かった。部屋に入るとジッと動かず椅子に座っていた。側に置かれた紅茶に手をつけずにずっと俯いたまま固まっている。
「えっと……ソーナさ……ちゃん」
さん付けで呼ぼうとしたがお互いの年齢を考えてちゃん付けで呼ぶディオドラ。呼ばれたソーナは肩を少し振るわせておずおずと顔を上げてディオドラを見る。
「そんなに緊張しないで……って言っても無理だよね。今、御家族の方に連絡したからね。落ち着くまではここに居ていいからね。」
すると驚いた表情で此方を見ながら
「えっ……いいの?でも、私……あの……その……」
しどろもどろになるソーナにディオドラはゆっくり近付き微笑みながらソーナの右手を両手で優しく包んだ。ソーナはびっくりした表情になるが、振り払う気配はみせずジッとしている。
びっくりした表情も一瞬で元の表情に戻り今度は不思議そうに手の所をじっとみている。
「(何かしら。さっき初めて会ったばかりの子なのに手を繋いでも嫌じゃない……それよりも……暖かい。)」
ディオドラの手からソーナの手を伝って暖かい何かが流れていた。それは、決して嫌なものではなく心と身体が温かくなり落ち着いてくるものだった。しばらく手を繋いでいるとソーナの表情で全体の気配が落ち着いてきたのがわかり手を離すディオドラ。
若干寂しそうな顔をするソーナ。それに、気付かないふりをしながら
「少しは落ち着いたかな。」
「うん、その……ありがとう…で、あの…その」
お礼を言った後なにか話そうとして言い淀むソーナの言わんとする事に気付いたディオドラ
「何故1人で屋敷を出たのかは無理に言わなくていいよ。」
「えっ?あ……うん」
ディオドラに無理に言わなくていいと言ってもらいホッとするソーナ。そして、改めて自己紹介から始めた
「では、改めてディオドラ・アスタロトと言います。いきなりこんな事になってごめんね。」
「ソーナ・シトリーです。そんな、私が色々迷惑掛けているのでごめんなさい。それとありがとうございます。」
お互い頭を下げて同時に頭を上げて目線が合うディオドラとソーナ。どちらとも無く楽しそうに笑い合う2人。笑いながら漸く笑顔になったと心の中で少しホッとするディオドラである。
それからお互いのことを話したり庭の探索をしたり仲良く遊んでいた。尚、夕飯は家族と一緒に食べたらソーナが緊張するのではないかと、カルティナの気遣いでディオドラの部屋に2人分の食事を運びディオドラとソーナの2人で食べた。
その心遣いに申し訳なくなりながら食事をしたソーナである。
「ディオドラ、貴方はソーナちゃんと一緒に寝て上げて。」
食事も終わり入浴を済ませて後は寝るだけになった時カルティナがほんわか笑顔でさらりと言って来た。
「それは、さすがに駄目だと思うけど……」
カルティナの発言を聞いて驚くディオドラ。尻込みするディオドラにではなく今度はソーナに
「ソーナちゃんはどうかしら?嫌なら別のお部屋を用意するけど?」
すると、ソーナは少し恥ずかしそうに若干顔を伏せながら
「えっと……私は嫌じゃ…ない…です。」
顔を赤らめてもじもじしながら言うソーナ。ふんわりした笑顔で頷くカルティナは
「ソーナちゃんが良いと言ってるので大丈夫よ。優しくしてあげてね。」
ほんわり雰囲気を纏ながら部屋を出て行くカルティナ。若干恥ずかしい部分が残っているがこのままでは駄目だと思いソーナを先にベットにエスコートするディオドラ。顔を赤く染めながら布団に入るソーナ。文面だけでは如何わしく感じるが、決してその様な事はない。決して。
続いてディオドラが布団に入りお互い背中を向け横になった。暫くして
「あの……まだ起きてる?」
おずおずと聞いてくるソーナ。ソーナの方に体の向きを変えて
「うん、起きてるよ。どうしたの?」
微笑みながら聞くと、少し恥ずかしそうにしながら
「良かったら少しお話ししたいなって……だめ…かな?」
「ううん。いいよ、何を話そうか」
一瞬、パァと顔が明るくなるがすぐ緊張した表情になるソーナ
「あの…これから話すことは誰にも言わないで秘密にしてほしいの。その、信じて貰えるか分からないけど……」
「分かった、誰にも言わない。それと、信じるよ」
「うん、ありがとう。私、実は前世の記憶……この世界に生まれる前の記憶をもって生まれたの」
言いながらディオドラの表情を見るソーナ。笑う事も疑う表情もしないで真剣に聞いているのを見て心の中で安堵して話し出すソーナ。前世の出来事、自身が作られた存在であったこと、友達や仲間と生きることで自分の生きる意味を見つけ共に戦っていたこと等々を話した。
そしてこの世界に前世の記憶を持って生まれたせいか、馴染む事が出来なくて不安になり遂に家を出たと話しをして目を瞑るソーナ。全てを話してから不安になったからである。その時優しく手を握るディオドラ。驚いて目を開けたソーナに優しく微笑みながら
「話してくれてありがとう。色々不安だったんだね。私も同じく前世の記憶を持って生まれたんだ。」
えっ?と言う声と共に目が大きく開いて今までで1番驚いた表情になるソーナ。
「えっと、貴方もなの?……その…同情や慰めは……」
「慰めなんかではないよ。今度は私の事について話そう。」
悲しそうな顔になるソーナに微笑みを崩さず話しだすディオドラ。途中、自身に備わっている神器の紹介も交えて話しをした。
神器が出て来た時は驚いてベットから上半身を起こした。因みに具現化したセフィロスの羽を触り、柔らかいと嬉しそうにしていた。ディオドラから全ての話しを聞き意を決して質問するソーナ
「あの、ディオドラ…くんはこの世界に生まれて不安になった事はないの?」
聞かれて少し考えるディオドラ
「そうだな。私は神器として彼等が側に居てくれたからね。それに、これから第2人生…いや悪魔だから悪魔生? 悪生?まぁどっちでもいいか。今言ったように第2の人生をディオドラとして生きていくと決めている。だから不安は無いかな。」
ディオドラの話しを聞いて羨ましくもあり凄いと思うソーナ。そして、益々自分が情け無く感じて顔を伏せるがいたが
「不安になる事は全くおかしなことでは無いと思うよ」
ディオドラに言われ、えっと驚いた表情になりながら顔を上げるソーナ
「不安なんて大丈夫とも、すぐ不安なんて無くなるよとも、よく分かるとも気安く言うつもりもないよ。似たような経験をしても私と貴女では感じる事も考えも違う。
でも話しを聞くことは出来るし、全て受け止めてあげるなんて偉そうな事は言えないけど出来る限り一緒に側に居ることは出来ると思う。だからもう泣かないで」
言われて自分が泣いてることに初めて気付いたソーナ。慌てて涙を拭おうとしたが、それよりも速くディオドラが優しくソーナを抱きしめた。その瞬間、堰が切れた如く両眼から止め処なく大粒の涙を流すソーナ。ディオドラはソーナの頭をそっと胸に当てるとそのまま胸に顔を埋め暫く泣き続けるソーナだった。
かなりの間、泣き続け落ち着いたソーナがディオドラの胸から上げた顔は両眼とも泣き腫らした目になっていたが表情は晴れやかだった。
「あの……ごめんなさい。それで、その……あぅ//」
落ち着きを取り戻し恥ずかしそうにチラチラとディオドラの顔を見ながらしどろもどろに謝るソーナ。
「気持ちが少しでも楽になったのならそれで良いよ。今なら眠れるかな?もし不安なら手を繋いで眠る?」
「うん、ありがとう。まだ、完全ではないけど落ち着けたよ。手は繋ぎたいけど、でもその前にパジャマ濡れてぐじゃぐじゃになってない?」
ディオドラの言葉に笑顔で答えるソーナ。すぐ、パジャマを濡らした事に申し訳なさそうな顔になるが
「パジャマは乾いてるから大丈夫だよ。それじゃ寝ようか」
手を伸ばしながら言うディオドラにうんと頷きながら手を繋いで一緒に横になると、泣き疲れていたのかすぐ可愛らしい寝息を立てるソーナ。そっと布団を掛け直して眠りにつくディオドラであった。
朝になるとあれだけ泣き腫らした目が綺麗に治っていて驚くディオドラと嬉しそうなソーナ。そこに
「2人ともおはよう……ソーナちゃん大丈夫そうね。」
ソーナの顔を見て変化に気付いたのか柔らかい笑顔で軽く頷くカルティナ。
「おはよう御座います。母上」
「おはようございます。はい、ありがとうございます。」
それぞれ挨拶を返すディオドラとソーナ。すると、カルティナはディオドラを手招きで部屋の隅に呼んで
「ありがとう、ディオドラ。ソーナちゃんの不安を取り除いてあげて」
ふんわり笑顔で頭を撫でながら言うカルティナに
「ありがとうございます。でも、全てを取り除けた訳ではありませんし…」
申し訳なくなるディオドラに優しく笑いながら
「さすがに全部は難しいわね。後はソーナちゃん…ね。貴方も出来ることをしてあげたらいいわ。それと……」
言いかけて間を空けるカルティナの顔を見るディオドラに
「ソーナちゃんは女の子なんだからちゃんと腫れた目は治してあげないと駄目よ。【フェニックスの涙】を用意してあげてたでしょう」
言われてあっとなるディオドラ。2人が寝た後そっと部屋に入りソーナの目を治した事に気付くと同時にその事を失念していた謝った。
「謝らなくていいわ。貴方は良く頑張ったもの。もう直ぐ朝食を運んで来るから其れまでソーナちゃんの側に居てあげてね。」
そう言ってもう1度ソーナに笑いかけ部屋を出るカルティナ。ソーナの元に戻りながら
「(目を治すことを完全に忘れていたな。何故【フェニックスの涙】があるのかと思ったがその為か…流石だな。それに幾ら寝ていたとはいえ部屋に入って側まで来ているのに全く気付かないなんて…流石は“あの方々”と最強の女性悪魔の座を争っただけはあるのか。よく父上は母上を射止めれ……いや、考えるの止めよう)」
考えがあらぬ方向に行き掛かったので軽く頭をふるディオドラ。断じて背後の扉越しから来る視線が恐かったからではない。断じて。
「ごめんなさい。迷惑ばかりかけてしまって…」
側まで戻ったディオドラに頭を下げて謝るソーナ
「迷惑だなんて思ってないよ。それに私達は友達なんだから気にしないで」
友達と言われ驚いて顔を上げるが、すぐに笑顔になるソーナ
「それと、多分だけど私とソーナちゃん以外にも記憶を持って生まれた悪魔。即ち転生した者もいるかも知れないよ。案外すぐ側にね。」
「うん、そうかも知れないね。ありがとうディオドラくん」
実はソーナの幼馴染みのリアスがそうなのだがこの時はまだソーナは知らなかった。当然ディオドラも知るよしは無かった。
その後、直ぐに朝食が運ばれて2人仲良く食べたのだった。
昨日に比べたら落ち着き明るい表情になったソーナは屋敷に帰る用意をしていた。そこへ、ソーナの両親が迎えに来たと言われ若干緊張するも落ち着いていた。両親の元に向かい心配を掛けた事と迷惑を掛けた事等を謝った。すると、母親がソーナを前から抱きしめ父親が後ろから抱きしめた。母親に抱きしめられたまま何度も謝り感謝を言いながら泣いていたソーナであった。
直ぐに落ち着きを取り戻しカルティナとディオドラに謝るソーナと両親である。その後は、また日を改めてお礼に伺うことを約束して帰ったソーナ家族であった。
因みに、その後は、なかなか会えない2人だったが色々な方法で連絡を取り合うディオドラとソーナ。この約2年後もう1度出会う2人だったが其れはまた別の話である。
そして、今に至ることを3人に話したソーナ。当然転生した話しはしないで上手に話したのであった
今の話しを聞いて黒歌は
「悪魔も色々大変なんだにゃ」
悲しそうな表情で言うと
「ふふっ、今は大丈夫よ。ありがとう」
穏やかな笑みを浮かべながら言うソーナ。そんな彼女を見て同じことを考える3人猫娘。それは
「「「(強力なライバル出現(にゃ)(ね)(です))」」」
ある種の危機感を感じる3人。その後は、黒歌、赤譜、白音、の3人も交えてディオドラとソーナは近況報告も含めて楽しく話しをしていた。
なお、花怜は朱乃に声を掛けられるまで、うんうん考えていた。
~お茶会後編③~に続く
メインヒロイン登場!!…となるか、ならないかまだ分かりません。
次でお茶会編は終わる予定です。
ソーナちゃんに関する短編を載せたので良かったらどうぞ
※シトリー姉妹①
ソーナ家出事件から数日経ったある日。ソーナは自室である物を見ていた。それは、フェイト・テスタロッサとして戦っていたときの相棒、バルディシュである。バトルジャケット(BJ)は纏えるがAI機能は失われていた。
暫く手の上で眺めていたが、力を込めて握るとソーナの全身が光で包まれた。光が収まると其所にはバトルジャケットを着て右手にはバルディシュを握るソーナの姿があった。
因みに、バトルジャケットは少女時代に着ていたレオタードタイプのバトルジャケットである。鏡に映るその姿をまじまじと見つめ
「前は何とも無かったけど、今改めて見るとかなり恥ずかしいね」
自分の姿をみて顔が赤くなるソーナ。赤くなりながらも後ろに左に右と向きを変えポーズをとって鏡に映る自分の姿を見ていた。
すると突然、部屋の床に魔方陣が浮かんだ。そこから
「ヤッホー♪ソーナちゃん、げーん……き……」
ソーナの姉にして現魔王セラフォル・レヴィアタンが飛び出して来た。ソーナに抱きつこうとしてソーナの姿を見て固まるセラフォルー。
ソーナも驚いて一瞬固まるが、すぐに恥ずかしさで耳まで真っ赤にしてわたわた慌てながら「むひゃ」と言って胸を隠したり「のわ」と言ってバルディシュを後ろに隠そうとしたりしていた。
そんなばたばた慌てているソーナにゆっくり近付き徐に両肩を摑むセラフォルー。びっくりして真っ赤の顔のまま固まるソーナの目を見て
「もしかして……フェイトちゃん?」
「え?……ふぇ……おぅ……ほ?」
恥ずかしさで固まっていたソーナはいきなり前世の名前を呼ばれて今度は若干パニックになる。
そして
「ほら、私だよ。すずか…月村すずかです♪」
「…………えっ………えっ?! っ~~~~~~~~~~~?!?!?!」
一瞬無表情になるソーナだが、すぐ目を見開き口を開け声にならないから声で驚いていた。
ディオドラの案外すぐ側に居ると言っていたが、言った本人も驚きの姉妹そろって転生してきた転生者。
ここから姉妹のドタバタはちゃめちゃ物語は…始まらないかも知れない
ここまで読んで頂きましてありがとうございます。続き頑張ります。
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