ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場 (Mr.エメト)
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資料
オリジナルキャラクタープロフィール


※シェリルの武器名を追加しました


名前:涼刀鋼弥(すずがた こうや)

種族:半人半魔

特徴:銀色の髪が特徴のハンター。幼いころ、シンディ・ハラオンのもとで修行。

冷静で頭が切れる一方は、恋愛に関しては奥手だが伝えるべき事は直級である。

拳戟と気を作るのが得意。最大の切り札は契約した悪魔に変身する業魔化身とオーバー・ドライブ。

オーバー・ドライブは未完成であり怒りのまま使うと暴走する危険性がある。

CV:下野紘

 

 

名前:ドルキー・サーティン

種族:魔界人

特徴:真っ赤な帽子に「13」がトレードマーク。

ぶっきらぼうな性格だが、友情にはあつい所があり鋼弥のよき相棒(?)

仕事終わりのマグマコーヒーを飲むのが日課である。

高速で撹乱したり、風を自在に生み出す能力を持ち、駆使して戦うのは忍者と呼ばれる事がある

武器は六枚の刃が二つ重なった大手裏剣"トゥインクルスライサー"

CV:草尾毅

 

 

名前:タオ・ライシェン

種族:魔界人

特徴:中華服を着た童顔の少年。

礼儀正しく、曲がった事は大嫌いだが、大食いなのがたまに傷(痩せているのは激しい運動しているとか)

同じ拳法で戦う鋼弥とはライバルでもあり、互いに実力を認めている。

拳法の他にも長器械や中国刀剣も使いこなす

CV:桑島法子

 

 

名前:如月珠樹(きさらぎ たまき)

種族:人間

特徴:赤桃色の髪、ポニーテールにまとめており、白いリボンを付けている。

幻鏡騎士団に所属しており、バルベリトの所で働きながら修行中

刀が武器で刀技を多く使う事が出来る。

姉御肌で度胸があり、大雑把で細かい所は考えない性格。

CV:雪野五月

 

 

名前:花咲彗花(はなさき すいか)

種族:人間

特徴:黒髪の姫カットの巫女。結界・治癒・探索能力が得意。

薙刀、小刀の二刀流、弓矢が武器、攻撃魔法は多少使える程度。

周囲に気配りもできる優しい心の持ち主、珠樹と一緒に行動していることが多い。

CV:西村ちなみ

 

 

名前:リオ・サウロン

種族:人間

特徴:白い長髪、赤い眼で眼鏡をかけている。

物静かで、喋る事はあまりに無く、引っ込み思案で繊細な所もあるが芯は強い

修行時代、鋼弥と互角に渡り合えるほどの実力の持ち主である。

幻鏡騎士団に所属しており、べルフェゴールの下で働いている。

鋼弥が武の天才に対し、リオは魔術の天才と言われている。

CV:植田佳奈

 

 

名前:フィーナ・クレセント

種族:月人

特徴:風と森林の国を治めてる姫。プラチナの様な美しい長髪を持つ。

魔力の才能の持ち主であり努力家、責任感が強く真っ直ぐな性格。

姫としての気品に凛然としているが、時折見せるお茶目さもある。

剣と扇が武器、戦闘時に鎧を身に纏って戦う

CV:生天目仁美

 

 

名前:リザベル・フォン・シュタイン

種族:魔界人

特徴:名家貴族シュタインの当主、真紅のゴスロリ服を着ている。

女王気質でプライドが高く、マナーに厳しいが、仲間への思いやりもある。

薔薇の鞭を使ったり、攻撃系統の魔法が多い。

愛称はリーザ。

CV:堀江由衣

 

 

名前:橘樹紫(たちばな ゆかり)

種族:人間

特徴:紫色のドレス、赤いスカーフ、群青色の髪を束ねた女性。

大勢で賑わう所が苦手で静かな場所や夜を好む。

冷静な性格で口数も少なく、笑顔を見せることはない。

大鎌を武器にしており、刃を飛ばしたり死者を無に帰す能力に長けている。

CV:斎藤千和

(スキル)

ダークスライサー(鎌から三日月状の刃を飛ばす)

ダークカッター(鎌に闇のオーラが纏った状態で敵を切り裂く)

ギロチンブレイド(鎌を勢いよく両断する)

シャドーダンス(舞い踊るように敵を切り裂く)

朧舞(朧げのように擦れ違いざまに斬る)

ナイトメア・カウンター(物理・魔法を跳ね返すカウンター技)

 

 

 

名前:東雲望紅

種族:魔界人

特徴:白髪のロングヘアーに深紅の瞳、髪に白地に赤ラインが入った大きなリボンの女性。

男勝りな性格で思ったことははっきり言う。ドルキーとケンカしていることが多かったらしいがなんだかんだで仲が良い。

体術と火炎能力を合わせた戦法が得意、背中から炎の翼を出して飛行することもできる。

CV:野中藍

 

 

名前:シェリル・ヴァイオレット

種族:魔界人

特徴:漆黒の鎧を身に包んだ騎士。中身は薄紫色の長髪の女性。

顔を隠すほどの重装の鎧を身に包んでおり呼吸音だけしか聞こえない。

素顔や体を見られるのがダメで、風呂に入るときも鎧を脱ぐことはない。

武器は出刃包丁を大刀に仕立てた《刃羅鬼丸(ばらきまる)》、とんでもなく重く彼女だけしか扱えない。

CV:田村ゆかり

 

 

名前:カナン・ケシェット

種族:ドラゴン

特徴:銀の短髪、雪のように白い肌をしている女性。

龍女帝ノアの娘で、"龍女王"の称号を持つ。

見た目は人間の女性だがドラゴンの力を持っており戦いの時に解放する。

幼いとき、鋼弥と遊んだ仲でもあり彼の事を好意に持っているが素直になれない所がある。

CV:上坂すみれ

 

 

名前:アルス・ヴァレンタイン

種族:魔界人

特徴:黒を基調とした赤のラインが入っている軍服を着こなした金色の瞳と短髪の青年。

魔王マーラに所属している軍人。階級は少佐。

性格は真面目で任務には忠実(ドルキー曰く"堅物軍人")だが、柔軟な考えも持ち合わせており部下からの信頼も厚い、リーザのことを心配しているときもある。

武器は腰にさげているサーベル、怪物の骨をデザインにしたバイクを自在に呼び出すことができる。

CV:置鮎龍太郎

 

 

名前:シンディ・ハラオン

種族:魔界人

特徴:鋼弥の師匠であり、育ての親の様な存在。

厳しく時には優しく鋼弥を鍛えていた。

闘気を自在に操る"真覇流"の師範でもあり、鋼弥に伝授している。

怒ったところは見たことなく穏やかそうな性格だが、茶目っ気もたまにある

CV:水樹奈々

 

 

名前:レイハ・ヴォルフス

種族:魔界人

特徴:凛とした顔、青い肌に尖った耳、濃蒼のロングヘアーが特徴の女性剣士。

鋼弥の父やシンディとは戦友の関係でドルキー、珠樹、望紅の師匠。

自分の身の丈以上の巨大剣を軽々と扱うことができ、炎を自在に操る。

クールな性格で、笑顔を見せることないが鋼弥を溺愛している

CV:緒方恵美

 

 

名前:ミランダ・ハトゥルム

種族:魔界人

特徴:紫色のウェーブヘアー、黒いゴスロリ服を身に着けている。

リオやリザベルの師匠で魔法に関してはエキスパート。

鋼弥が大好きでシンディとレイハがいない時に独り占めしていることが多い。

妹がいるのだが、その話題を避けている時がある

CV:中島沙樹

 

 

名前:ノア・ケシェット

種族:ドラゴン

特徴:赤い長髪をツインテールに纏め、竜の角、民族衣装を身に纏った女性ドラゴン。

ドラゴンの楽園である"アークドラゴン"の統括者であり火山と温泉の国の影の支配者である。

シンディ、レイハ、ミランダ、鋼弥の両親とは共に旅をした仲間であり、鋼弥に気の使い方を教えたことがある。

尚、ケシェットとは"虹"を意味する。

CV:坂本真綾

 

 

名前:涼刀嶺爾(すずがた れいじ)

種族:半人半魔

特徴:鋼弥の兄で顔と髪の色は同じだが、短髪。

冷酷・冷淡な性格、力への渇望が凄まじく強いものと戦うのが何よりも喜び。

鋼弥と同じように悪魔と契約して力を振るうが、契約悪魔との性格の相性が良く本来以上の力を発揮できるため鋼弥よりも強力である。

オーバードライブも使えるようだが、鋼弥ですら見たことがない。

CV:緑川光



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本編の用語解説

本作品の用語解説


本編の用語解説

 

 

・業魔化身

 

"デモニアックチューナー"。

涼刀兄弟が持つ特異能力。契約を結んだ悪魔の力を使い、その能力を使う。

それこそ魔神、破壊神、女神、地母神、邪神、魔王、威霊クラスでも可能。

最初のころは12体までが限界だったが、力を高めていくことによって契約できる数が増えた(現在、14体まで)

 

【鋼弥】

アンヴァル

スィームルグ

コウ

アンクー

アリス

ヒジリ

ルーグ

イシュタル

アマテラス

ドラゴネル

フツヌシ

ハリハラ

コウリュウ

アルトリア・ペンドラゴン

 

 

【嶺爾】

グランガチ

ダッキ

ネラプシ

ヴァスキ

タナトス

セト

トコヤミノスメラギ

アガートラーム

アマツミカボシ

アリラト

メタトロン

クレオパトラ

アジ・ダハーカ

???

 

 

・魔界

 

時の流れから外れた場所、俗に言う異界。6つの国、その国を治める有力者がいる。

中央の国は魔王ルシファーを初め、蠅王ベルゼブブ、地獄の首相ルキフグスと多くの魔王たちが統括している。

 

 

 

・ハンター

 

人間に危害を加える悪魔の捕獲や討伐、品物の納品などをする何でも屋。

魔界人、悪魔使いなどなっているため人選の差別はないが死亡した場合は責任はとれないのでご注意。

 

 

 

・幻影騎士団

 

バルベリトとベルフェゴールが創設した魔界の精鋭騎士団。

リオ、珠樹が所属している。

魔法を得意としている砲撃団、格闘戦を得意とする白兵戦隊と大きく二つの隊がいる。

 

 

 

・赤い竜と白い竜

 

ハイスクールD×Dに登場している二天龍――赤龍帝ことドライグ、白龍皇ことアルビオンを指す。

魔界でもこのドラゴンは有名であり、本や彫像が幾つか残されている。

 

"赤い竜と白い竜、幾度も戦い、転生を繰り返す"

 

この文章、恐らく神器となった赤龍帝と白龍皇の歴代の所有者を指しているのではと、議論されている。

 

 

 

・ゾロアスター

 

本作、オリジナル神話勢力。

悪神アンリ・マンユを筆頭、配下にはアエーシェマや六大悪魔がいる。

かつては涼刀両親、シンディ、レイハ、ミランダ、ノアと共にアンリ・マンユを封印しアマラ深界の底へ追放。

しかし、配下の悪魔たちはアンリ・マンユを復活させるために暗躍していた。

現在は"禍の団(カオス・ブリゲート)"と利害一致として協力しているが……。

 

 

 

・必殺の霊的国防兵器

 

第二次世界大戦で語られなかった裏側の戦争で使役されていた強大な悪魔たちの事。

日本古来に由来する大和の神、英雄、武人を召喚する。

その役割は国防を司る存在として、日本を守護することに強い意識を持っている。

これらを使役するには霊具(依り代)が必要である、例え主が如何な存在であろうとも。

悪用されないため、善神アフラ・マズダたちが封印を施し京都に9体置く。

 

《確認されている国防兵器》

 

●コウガサブロウ

●ツクヨミ

●スサノオ

●オモイカネ

●ヤソマガツヒ

●オオマガツヒ

●テンカイ

●ミチザネ

●ヤマトタケル

●????(この部分だけ切り取られている……)

 

 

 

・唯一神

 

殺戮の四大天使を生み出し、魔界のルシファーや彼を賛同していた者たちを魔界へと堕とし、世界統一のために数多の神を打ち倒し唯一の神として君臨していた。

その名は神聖四文字(テトラグラマトン)。正確な発音が無い、軽くその名前を言ってはいけないというほどである。

本作とクロスしているハイスクールD×Dにおける"聖書に記されている神"に位置付けているため滅んでいる。

 

しかし……神の一部であり、神の代行者と呼ばれる存在がいるらしい……



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業魔化身・鋼弥編

△=契約したが、今は解除されている状態。

16/12/17 アルトリア・ペンドラゴンを追加


名前:アンヴァル

 

種族:聖獣

 

耐性:電撃・破魔無効/呪殺弱点

 

特徴:ケルト神話に登場する白馬。

契約してから馬の下半身を持つ茶色の長髪の美少年となる。

水の上でも走る事が出来る。高速戦闘を得意としており雷の魔法や蹴技が武器。

穏やかな性格で争い事は好まないが、仲間を傷つけようとする者には容赦しない

 

≪スキル≫

ジオダイン

メディアラ

スクカジャ

シャイニング・ダンス

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:スィームルグ

 

種族:霊鳥

 

耐性:衝撃無効/電撃弱点

 

特徴:ペルシャ神話に登場する聖鳥。サエーナやセーンムルヴとも呼ばれている。

契約してから赤と橙の翼を持つ美女の姿になる。

かまいたちや羽手裏剣といった風魔法の他に武術も得意としている。

勝気で冷たい印象はあるものの、本当は優しい性格をしている

 

≪スキル≫

ザンダイン

マハザンダイン

真空刃

テンペストバード

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:ヘルハウンド

 

種族:魔獣

 

耐性:火炎吸収、呪殺無効/氷結、破魔弱点

 

特徴:イギリスの伝承に登場する≪地獄の猟犬≫と呼ばれし亡霊犬。

群青色で両手足に千切れた鎖が巻かれている。音もなく忍び寄り口からは炎を吐き黒焦げにする。

いい加減で力で押し通る性格だが、面倒見が良い一面もある。

 

≪スキル≫

アギダイン

マハラギダイン

ファイヤーブレス

イグニスクロー

まるかじり

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:コウ

 

種族:神獣

 

耐性:火炎吸収、電撃、呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:中国において神仏の乗り物とされた霊狗。

狗に似た姿をしているが神通力を持ち、口から火炎、雷、煙を吐くことが出来る。

また龍に負けないほどの力を持っているが、人を喰うという邪悪な面もある。

上記のヘルハウンドがランクアップした姿で、性格面が落ちついている。

 

≪スキル≫

アギダイン

ジオダイン

虚空爪撃

紅煉狼破爪

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:アシェラト

 

種族:地母神

 

耐性:物理に強く、火炎吸収、地変無効/衝撃弱点

 

特徴:メソポタミア・西セム系の多くの古代民族に太母神として崇められていた女神。

天神アンの息子である牧畜神にして嵐神マルトゥの妻として高位の神格であった。

両手には青銅の斧剣に弓矢を持っていおり、剣や弓矢を操る。

 

金色の長髪、豊満な体に黒のラインが入ったタトゥーが入ったアマゾネス風衣装を着ている。

物腰が柔らかそうな雰囲気だが戦闘が好きで大胆な行動をとる。

 

≪スキル≫

マグダイン

マハマグダイン

デスバウンド

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:イシュタル

 

種族:地母神

 

耐性:バッドステータスに強く、電撃・地変無効、破魔反射

 

特徴:バビロニアの愛と豊饒と戦の大女神であり、主神である。

名は「星」を意味し、アッシリアでは戦争の女神として崇められた。

イナンナ、アシェラト、アフロディーテ、イシスなどにも変容するほどの信仰が深い女神。

 

流れるような金色の長髪、雄牛の角、白いドレスを身に纏った絶世の美女。

落ちついた雰囲気で、慈愛に溢れた性格だが、敵対する者には容赦しない面もある。

 

≪スキル≫

ブフダイン

マハマグダイン

マハジオダイン

メシアライザー

魅惑の吐息

テトラカーン

バルク・カウス

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:コノハナサクヤ

 

種族:女神

 

耐性:火炎・破魔・呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:日本神話に登場する桜花、火、幽玄を司る女神。「木花咲耶」と書く。

オオヤマツミの娘。その名の通り、桜の花が咲き誇るような絶世の女神。

火中出産の説話から火の神とされ、山を統括する神である父のオオヤマツミから、火山である日本一の秀峰「富士山」を譲られたという。

 

遠距離戦や魔法や魔力弾巻等を駆使するが、滅多に使わないが相手を死へ誘う能力を持つ

桜色の髪に紺色の和服を着ており紺色の帽子を被っている女性。

おっとりとした感じで母性溢れる様な雰囲気が漂わせるが、冷酷な面を見せる時が有る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:アマテラス

 

種族:女神

 

耐性:火炎反射、衝撃・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:天照。

日本神話において高天原を治める最高神であり太陽神。

黄泉比良坂より帰還したイザナギが「禊」をした際に左目から生まれた神で、ツクヨミ、スサノオと並ぶ三貴子(ミハシラノウズノミコ)の一柱。

生命を司る神でもあり、伊勢神宮を初め、多くの神社に祀られる。

 

容姿は一切の汚れもない真白な神衣を身に纏った黒髪の女性で太陽を模した冠を被っており、後光が差し込んでいる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:ヒジリ

 

種族:魔人

 

耐性:物理に強く、破魔・呪殺・バットステータス無効

 

特徴「聖」と書く。

元来「日を知る=日知り」という意味で、太陽の司祭者や呪術者を指したとされ、学徳の高い僧侶として呼ばれるようになった。

聖の称号を貰う前は「尼公(あまぎみ)」と呼ばれている

僧侶と魔法使いと二つの職を持ち多種多様な魔法を使う他、自身の身体能力を強化し武術を繰り出す。

 

紫のグラデーションが入った銀のロングウェーブ、白黒のゴスロリ風ドレス、表地が黒裏地が赤のマントを纏っている

業魔人経巻(ごうまじんきょうかん)という巻物を持っており、ヒジリが覚えた呪文が刻まれている。

性格はお茶目で温厚だが、怒らせると周辺が凍り付きそうなほどである。

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名前:アンクー

 

種族:死神

 

耐性:魔法に強く、呪殺無効

 

特徴:フランス・ブルターニュ地方に伝わる死神、黒のつば広の帽子とローブを身に着けている。

夕暮れ時にやせこけた馬の引く馬車に乗って現れて、魂を狩り取ると言う。

あらゆる災い、死をもたらし、その姿を見たものも病で死んでしまうと言われている。

 

帽子の下は、半分は髑髏の仮面をつけた金髪の青年、寡黙で必要以上な事はあまり喋らないクールな性格

武器は二挺のマグナムと大鎌を使い銃撃による遠距離戦闘の他に、大鎌と銃を鈍器の様に振りかざす「銃の型」もできる

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名前:ルーグ

 

種族:魔神

 

耐性:物理に強く、電撃・破魔無効

 

特徴:ケルト神話のあらゆる技能に秀でているとされる光明神。

その名には「光」や「輝ける者」と言った意味があり、魔槍ブリューナクを持って闘うことから「長腕のルーグ」とも呼ばれる。

邪眼の魔王バロールを祖父に持ち、バロールの娘のジャフティニャとの間にクランの猛犬ことクー・フーリンをもうけた。

ブリューナクの他に腰に下げている二刀で戦う事もある。

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名前:ホワイトライダー

 

種族:魔人

 

耐性:電撃・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:黙示録における世界の終末に現れる四騎士の一つ。

白い馬に乗り、手には弓を持っている。

彼には冠が与えられ、勝利の上に勝利を得ることが約束されている。

 

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名前:レッドライダー

 

種族:魔人

 

耐性:火炎・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:黙示録における世界の終末に現れる四騎士の一つ。

赤い馬に乗り、大きな剣を構えている。

地上の平和を奪い、人々に殺し合いをさせる力を持っている。

 

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名前:ブラックライダー

 

種族:魔人

 

耐性:氷結・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:黙示録における世界の終末に現れる四騎士の一つ。

黒い馬に乗り、天秤を手にしている。

飢餓を起こし、人々を苦しみのうちに殺すことが許されている。

 

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名前:ペイルライダー

 

種族:魔人

 

耐性:衝撃・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:黙示録における世界の終末に現れる四騎士の一つ。

青白い馬に乗り、大鎌を持ち、黄泉ハデスを従えている。

死病でもって人々の命を奪い、滅ぼす力を持つという。

 

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名前:フツヌシ

 

種族:鬼神

 

耐性:物理に強く、氷結・破魔無効

 

特徴:経津主神(ふつぬしのかみ)。

ヒノカグツチの体から滴り落ちた血から生まれた剣の神。

「フツ」は刀剣で物が断ち切られる様を表し、刀剣の威力を神格化した。

タケミカヅチとともに葦原中国を平定した。

 

黒髪の男性で、顔は至る所に傷が有り、武士の姿をしている。

己の信念を曲げる事は無く、弱き者を助けるために剣を振るう。

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名前:ドラゴネル

 

種族:魔王

 

耐性:火炎吸収、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:『神曲』に登場する悪魔軍団マレブランケの一つ。

その名は「残忍な竜」の意。

竜の様な鱗に覆われた手足に鋭い爪、背には鳥の様な黒い翼、蜥蜴の様な尾。

頭に二本の歪な角、猫の様な瞳、口から覗く鋭い牙が並んでいる女性の姿。

プライドが高く、弱い者は大嫌い。強い男ならば一生守り抜くという。

 

≪スキル≫

マハラギダイン

ファイヤーブレス

地獄の業火

テトラプリズン

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名前:アリス

 

種族:魔人

 

耐性:物理に強く、銃反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:金髪の少女の姿をした正体不明の霊。

あどけない容貌に反して底知れぬ呪力を持つ魔人である。

不幸な死を遂げたイギリス人少女の霊、ルイス・キャロル氏が手掛けた御伽噺の少女、何者かの偏愛思念から生まれた亡霊ともいわれる。

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名前:ハリハラ

 

種族:威霊

 

耐性:破魔反射、呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:維持神ヴィシュヌと破壊神シヴァが融合した神。

右半身がシヴァで、左半身がヴィシュヌ。ハリがヴィシュヌを意味し、ハラがシヴァを意味する。

つまり、創造と破壊を象徴しているのである。

これに伴い、陰と陽、表と裏といった二極を司る神でもある。

白と黒の半々の短髪の女性、シヴァとヴィシュヌの武器を使いこなす

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名前:コウリュウ

 

種族:龍神

 

耐性:魔法に強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:中国の伝承や五行思想に現れる黄色の龍。

四神の中心的存在。四神が東西南北の守護獣なのに対し、中央を守るとされる。

大地・土を司り、十二天将の勾陣(こうちん)と同一視されることもある。

 

人間の姿は中華風の服、黄土色の髪、腰あたりに龍の尾、三本の角を持つ青年顔の龍人。

本来の姿は万里の長城に匹敵するほどの巨体を持つ

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名前:アルトリア・ペンドラゴン

 

種族:英傑(神霊、女神)

 

耐性:銃に強く、呪殺・破魔・バッドステータス無効

 

特徴:ブリテンで語られる円卓の騎士を束ねる伝説の騎士王。

ユーサー王とイグレインの間に生まれ、魔術師マーリンに育てられる。

アルトリアは幼名であり、エクスカリバーを得てからアーサー王と呼ばれる事になった。

カムランの丘でモルドレッドと死闘し、倒したが致命傷を負う。

理想郷アヴァロンにて傷を癒すため眠りについている。

 

神霊や女神として当て嵌められるのは、もう一つの武器――聖槍ロンゴミニアドを持っているからである。

ロンゴミニアドは槍として顕現されているがその役割は"現実と幻想"を繋ぎ止める《光の柱》でもあるからだ。

 

≪スキル≫

ザンダイン

ジオダイン

マハンマオン

セイントバニッシュ

エナジーソードレイン

エクスカリバー

ロンゴミニアド



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業魔化身・嶺爾編

△=契約したが、今は解除されている状態。


17/9/13 エレボス、アルテラを追加


名前:グランガチ

 

種族:魔獣

 

耐性:物理に強く、氷結反射/衝撃弱点

 

特徴:オーストラリアの先住民アボリジニの伝説に登場する川や海の精霊の一種。

ワニのような姿で、体には魚の鱗を持っている

夜は静かに水の底に横たわっており、昼は岸に這い上がって日光浴をしたという。

自分を捕まえにきたフクロネコの精霊と争ったことがあり、そのときに、背中に大きな傷跡が残っている。

 

鈍重そうなイメージとは裏腹に陸上では素早く動くが彼の真価は水中で発揮される

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名前:ダッキ

 

種族:妖魔

 

耐性:魔法に強く、破魔無効

 

特徴:妲己(だっき)と書く。中国神話で登場した妖女。

殷(いん)の紂(ちゅう)王の妃で、夏(か)の妹喜(ばっき)、周(しゅう)の褒滑(ほうじ)と並ぶ亡国(ぼうこく)の美人。

紂王は彼女を寵愛し、彼女の言葉に従って国を滅ぼしたといわれる。

その正体は大妖の白面金毛九尾の狐(はくめんこんごうきゅうびのきつね)が化けたとも言われている

 

黒の長髪、九つの狐尾、太極図が描かれた導師服を着ている

仙術、妖術を得意とするが、格闘もこなせる。

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名前:ネラプシ

 

種族:夜魔

 

耐性:呪殺反射、バットステータス無効

 

特徴:東スロヴァキア、ゼムプリン地方の吸血鬼。名前は「生者に甚大な被害をもたらす屍鬼」の意。

人間の生き血を飲み、村ごと動物まで含めて皆殺しにするという。

また、教会の塔に登り、そこから見える人々を一度に睨み殺すほどの力を持っている。

死体状態では心臓が2つ持っており、魂が2つあると考えられていた

 

水色の混じった青髪に真紅の瞳、白のナイトキャップとフリル服を身に纏っている少女。

傲慢な性格だが、自分と対等に渡り合える者には礼儀正しい。

≪夜の女王-ミッドナイト・クイーン-≫と呼ばれている

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:ヴァスキ

 

種族:邪龍

 

耐性:氷結反射、電撃・呪殺無効/火炎弱点

 

特徴:インド神話創世以前の太古の蛇神。ナーガ族の王ナーガラジャ、「婆素鶏(ばすけい)」とも漢語に音訳された。

地下世界パーターラの支配者で、ボーガヴァティーを都とする。長大な胴体を持ち、また恐るべき猛毒を有する。

蛇王シェーシャと同一視され、仏教に取り入れられて、八大竜王の1つとなり、漢語化されて和修吉(わしゅきつ)となった。

 

前の姿はナーガだったが戦いを重ねて昇格(ランクアップ)を果たした

コブラの頭、インド風の衣装、四本の腕を持つ蛇王。ヘルハウンドの事を犬コロと呼んでいる

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:セト

 

種族:邪神

 

耐性:衝撃・地変・呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:エジプト神話の悪神で、砂漠、嵐、戦争、暴力の化身。

母の子宮から自分自身を引きちぎり、母の脇腹を破って出てきたと言われている荒々しい神。

エジプトの覇権をめぐって兄であるオシリスに挑み、さまざまな権謀術数の果てに彼を殺害する。

しかし、オシリスの霊の加護で処女懐胎したイシスが産んだホルスによって、砂漠の彼方に追放された。

 

黒い翼竜の姿をしており、黄色の瞳を持ち戦争と破壊を好む

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名前:アメノサギリ

 

種族:女神

 

耐性:氷結・呪殺・破魔無効/火炎弱点

 

特徴:「天之狭霧神」と書く。 日本神話において、霧と異界との境界線を司る神として解釈されている。

山岳信仰の総元締めであるオオヤマツミ(大山祇神)と野のカヤノヒメノカミ(女神鹿屋野比売神)の子。

同じ霧を司る神であるクニノサギリ(国之狭霧神)とは双璧を成す存在。

山の頂上など上空にかかる霧を神格化した存在で、神域たる山中を俗世から覆い隠す存在として認知されていた。

 

金の長髪、紫色のドレス、白い傘を持った貴婦人。

掴みどころのない性格だが契約した主や自分が気に入っている物に汚される事をすると冷酷になる。

コノハナサクヤとは旧知の仲という関係らしい

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名前:トコヤミノスメラギ

 

種族:魔王

 

耐性:氷結反射・地変・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:災厄を象徴とし、全ての妖魔を束ねる存在。

百鬼夜行絵巻の太陽をモチーフとして、闇、黒雲、炎をまとった巨大な球体として描かれることが多く妖怪達を支配する非常に強大な存在であるとされる。

空亡(くうぼう)とも呼ばれているが、これは干支において天が味方しない時。

空亡の年月がまわってくると、凶作や災いが及ぶといわれている。

算命学では天中殺(てんちゅうさつ)、六星占術では大殺界(だいさっかい)とも言う。

 

アメノサギリがランクアップした姿。

容姿は黒い半球が左右にあり、闇でできた巨大な鉤爪状の手が生えており、黒髪、薄黒い着物を身に纏い、顔には青い隈取がついている女性。

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名前:タナトス

 

種族:死神

 

耐性:魔法に強く、呪殺・破魔無効

 

特徴:ギリシア神話における「死」を意味する神。ニュクスの息子で、ヒュノプスの兄弟。

定められた寿命の尽きた人間の元に現れ、まずはその髪を一房切り取って冥界の王ハデスに捧げる。

それが終わると今度はその人間を連れて行くのである。

黒いローブに身を包み、"死を招く剣"を携えて、人々の間を歩くと言われる。

 

銀色の王冠を被り、黒いコートを身に纏い、大刀とショットガンを武器に戦う。

 

《スキル》

マハザンダイン

マハムドオン

メギド

空間殺法

デスバウンド

ギロチンブレイド

グライドアタッカー(剣を突きだして縦横無尽に突撃する)

ゼロショット(ショットガンをゼロ距離で放つ)

バニッシュメント(無数のシェイプシフター形状で相手の動きを封じ、大刀で真っ二つにする一撃)

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名前:アガートラーム

 

種族:魔神

 

耐性:物理に強く、衝撃・破魔無効

 

特徴:ケルト神話に登場する神の一柱で、トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の王。光剣(クレイヴ・ソリッシュ)のクラウ・ソラスを所有する。

ヌアザの別名だが、合わせて称される事もある。

フィル・ヴォルグとの合戦で腕と王権を失う(理由は古代において、肉体の欠陥は王権の喪失を意味したため)が、医神ディアン・ケヒト作の銀による義手を得て力を回復する。

ここから、"銀の腕"と呼ばれる。

 

甲冑を身に纏った騎士の姿をした魔神、衝撃系の魔法とクラウ・ソラスを振るう

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名前:アマツミカボシ

 

種族:邪神

 

耐性:銃・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:「天津甕星」と書く。日本神話に登場する星神で、悪神と明記される。

日本神話において、星神は屈服させるべき「まつろわぬ神」として考えられており、このことからアマツミカボシは天津神の一員に列名する一方、悪神の一柱とも見なされた。

しかし、フツヌシ、タケミカヅチの両軍神を以ってしてもアマツミカボシは平定されず 抗った神。

金星を支配しており、魔王ルシファーと同格の存在。

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名前:アリラト

 

種族:威霊

 

耐性:物理に強く、地変・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:アラビア地方の古い母神。4面の石柱を御神体として崇拝されたとされる。

原始の月の神、ぶどう酒を守護する神で四面の石を神体として崇拝されたと伝えられている。

 

アラビア衣装を身に着けた褐色の肌の女性、黒の四つの四角錐柱を呼び出すことができる

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名前:メタトロン

 

種族:大天使

 

耐性:氷結以外の耐性が強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:天界の書記であり、神の玉座に最も近い場所に立つものだとされている。

ユダヤにおいて、ミカエルを凌ぎ、天使の中で最も偉大と言われる。

「神の顔」、「契約の天使」、「天使の王」「万物の創造主」など、さまざまな呼称を持つ。

他の天使たちが「御使い」の意味の「エル」の名がつくのに対し、メタトロンと弟のサンダルフォンだけが例外であるのは、特別な存在である。神学上の解釈がなされており、実に謎の多い天使である。

しかし、悪魔や自分に背く人間を喜々として何百人も串刺しにして、苦悶のうちに死なせてしまうという血に飢えた残忍な一面があるという。

 

白銀色に輝く翼を持つ金髪の大天使。嶺爾と契約して彼の行く末を見守る。

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名前:クレオパトラ

 

種族:女神

 

耐性:魔法に強く、破魔・バッドステータス無効

 

特徴:古代エジプト最後のファラオ、正式名はクレオパトラ7世。

「クレオパトラ」はギリシア語で「父の栄光」を意味する。

絶世の美女として広く知られており、巧みな話術と美しい声で多くの男を魅了した。

その多くの男を翻弄した美貌と色香は「その鼻があと少し低かったら歴史は変わっていただろう」と評されるほどである。

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名前:アジ・ダハーカ

 

種族:邪龍

 

耐性:魔法吸収、バッドステータス無効

 

特徴:アンリ・マンユの配下、三つの首を持つ闇黒竜。

頭はそれぞれが苦痛、苦悩、死を表している。

千の魔法を操ったり、傷つけても爬虫類などの邪悪な生き物が這い出すため、これを殺すことができず、ダマーヴァンド山の地下深くに幽閉したといわれている。

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名前:エレボス

 

種族:神霊

 

耐性:魔法に強く、呪殺吸収、破魔・バッドステータス無効

 

特徴:ギリシア神話に登場する原初の神。

 

幽冥を神格化したもので、名前は"地下世界"を意味する。

地下の暗黒神でもあり、しばしばタルタロスと混同される。

夜の女神ニュクスの兄にして夫、彼女との間にヘーメラー、アイテール、カローンをもうける。

ニュクスとヘーメラーが昼と夜の表裏一体であるように、エレボスと息子のアイテールも、地下の暗黒と上天の光明という表裏一体をなす。

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名前:アルテラ

 

種族:英傑(破壊神)

 

耐性:物理に強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:"アッティラ・ザ・フン"とも呼ばれる(彼女はその呼び名を嫌う)

古代ローマ帝国に攻撃し、ロシアからドイツまで結ぶ大帝国を築き上げ、西方世界の"大王"を自称した。

その容赦のない暴虐ぶりから、ローマ帝政末期に広がっていたキリスト教の信者からは"神の災い"、"神の鞭"と呼ばれ恐れられたという。

アッティラの治世下で帝国は最盛期を迎えるが、453年自らの婚礼を祝う酒宴の席で急死する。死後、アッティラの息子たちの間で内紛が起き、フン帝国は瓦解した。

 

悪魔のように恐れられた一方、英雄視する見方もあり、中世ドイツの"ニーベルンゲンの歌"などの叙事詩では【エツェル】の名で登場し、ここでは偉大な王として扱われている。

ダンテの神曲では、地獄の第七円で登場。

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悪魔事典.No1

悪魔事典.No1

 

名前:グール

 

種族:幽鬼

 

耐性:物理に強い/火炎、破魔弱点

 

特徴:アラビアに現れる喰人鬼。

名には「災厄」「恐慌」といった意味がある。『アラビアンナイト』に何度か登場する。

それからは墓場を暴いて屍肉を喰らうアンデッドモンスターになった。

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名前:グーラー

 

種族:幽鬼

 

耐性:氷結に強い/火炎、破魔弱点

 

特徴:上記のグールの女性版。

美人ぞろいであるため男たちは容易に騙され、喰われてしまうことが多い。

彼女たちは人間と結婚し、子供を生むこともある。

しかし、母親は食人の習慣は捨てないので、幼子は人肉として育てられる

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名前:ラクシャーサ

 

種族:邪鬼

 

耐性:物理に強い、火炎無効/氷結弱点

 

特徴:スリランカで登場する悪の力を表現した鬼。漢音写されて羅刹となり日本でも馴染み深い鬼。

羅刹王ラーヴァナに仕えており、様々な妖術を使うことができ、

自分の姿を小人や鳥などに変え、幻を見せて敵を欺くことができる。

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名前:ガルム

 

種族:妖獣

 

耐性:火炎無効/氷結、電撃弱点

 

特徴:北欧で登場する魔犬。

死者の国ニヴルヘイムの入り口を監視している犬で、冥府の女王ヘルの猟犬たち。

死人たちが逃げ出さないように見張っており、脱走者には容赦なく襲いかかる。

切れることのない鎖につながれているが最終戦争ラグナロクの時に解き放たれるという。

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名前:バジリスク

 

種族:邪龍

 

耐性:呪殺に強く、氷結無効/電撃弱点

 

特徴:名前は≪小さな王≫という意味を持つリビアで登場するバケモノ。

蛇あるいは蜥蜴と鶏の合体した姿。口から毒気を発散しており、

少しでも触れたならば動物は即座に息絶える。

この毒気が周囲の植物、水を枯らせてしまうので、バジリスクが住むところは必ず不毛な大地になる

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名前:ジャックフロスト

 

種族:妖精

 

耐性:氷結吸収/火炎弱点

 

特徴:イギリスの伝承に登場する冬だけに現れる霜の精。

雪と氷でできていて、春には溶けて消えてしまう。

無邪気な性格だが笑いながら人間を凍らせるという恐ろしい一面を持つ。

噂だと亜種が多くいるらしい・・・?

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名前:ピクシー

 

種族:妖精

 

耐性:火炎・電撃に強い

 

特徴:イギリス南西部に住む赤毛で緑の目を持つ小妖精。花や木の精霊と考えられている。

ずる賢く悪戯好きだが、根は善良で人助けをする妖精として知られている。

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名前:ゴズキ

 

種族:妖鬼

 

耐性:物理に強い、火炎反射/氷結弱点

 

特徴:牛頭鬼と書く。中国の牛頭人身の鬼で、馬頭鬼と共に地獄の番人を務めている。

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名前:メズキ

 

種族:妖鬼

 

耐性:物理に強い、電撃無効/氷結弱点

 

特徴:馬頭鬼と書く。中国の馬頭人身の鬼で、牛頭鬼と共に地獄の番人を務めている。

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名前:トゥルダク

 

種族:妖鬼

 

耐性:物理に強い、破魔無効/火炎・衝撃弱点

 

特徴:インドにて登場。閻魔大王ことヤマに仕えている骸骨剣士、罪人に対する懲罰の執行者でもある。

チベットの祭りでは、トゥルダクは形代(よりしろ)に封じられて、

病魔祓いの犠牲にもなることから、死や病魔そのものであると同時に、これらを払うという。

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名前:エンク

 

種族:幽鬼

 

耐性:火炎無効/氷結・衝撃・破魔弱点

 

特徴:焔口と書く。口から火を吐く餓鬼の一種。

仏教六道の餓鬼道に住んでいる。飛んでくる虫をその火で焼いては食べているが、

自らの果てしない飢えは満たされることがない

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名前:オンモラキ

 

種族:凶鳥

 

耐性:火炎無効/氷結・電撃弱点

 

特徴:鳥の姿をした日本の妖怪。

気味悪い鳴き声をあげ、口から火を吐くこともあるという。

その正体は供養を受けていない屍で、勤行を怠る僧侶の前に現れるという。

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名前:アガシオン

 

種族:妖魔

 

耐性:電撃無効/地変弱点

 

特徴:ユダヤ系の魔術師に使役される、実体のない使い魔の総称。

主にツボや瓶の中に封じられている事が多い。

魔術師の命じられるままに対象の人物を苛むという

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名前:ウコバク

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎無効/氷結弱点

 

特徴:蝿王ベルゼブブ配下の下級悪魔の1体。

ベルゼブブの命により、地獄の釜に油を注ぎ込んで火をたきつけている。

また地獄に落ちた人間を苦しめる為、燃え盛る石炭をくべるという。

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名前:ガギソン

 

種族:堕天使

 

耐性:魔力無効/衝撃弱点

 

特徴:「ばらまく者」という意味の名を持つ悪魔。元来はヘブライの疫病神だったと思われる。

『アベラメリンの魔道書』によれば、ソロモン72柱の悪魔が一人、オリアスの支配下にある低級悪魔である。

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名前:メルコム

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎無効/電撃弱点

 

特徴:『地獄の辞典』の著者コラン・ド・プランシーが、

地獄で公務員の給与支払い係を務めるデーモンにつけた名。

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名前:オバヨリン

 

種族:邪鬼

 

耐性:物理・火炎に強い/電撃弱点

 

特徴:夜、ヤブの生い茂った道を通ると人の肩におぶさってくる妖怪。

「おんぶお化け」とも呼ばれる。

一度取り憑かれると簡単には離れないが、家まで連れて帰る事ができれば小判に変わるとされる。

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名前:ジュボッコ

 

種族:魔樹

 

耐性:氷結に強く、呪殺無効/火炎弱点

 

特徴:日本で登場する妖怪。

多くの死者を出した戦場や処刑場に生えるという悪しき妖樹。

通りかかる人間を枝で捕まえると血を吸い取り、殺してしまう。

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名前:サンショウ

 

種族:魔樹

 

耐性:氷結に強い/火炎弱点

 

特徴:山椒と書く。

中国の山中に棲むと言われる樹木の精。夜になると人里まで下ってきては人間を襲う。

その姿は梁に届くほど背が高く、熱したウリのような顔色をしており、

眼光は輝いて口は盆のように大きく、三寸ほどのまばらな歯が生えているとされる。

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名前:ツチグモ

 

種族:地霊

 

耐性:物理に強く、電撃無効/火炎・衝撃弱点

 

特徴:葛城山に住んでいたという、巨大なクモの姿の荒ぶる神。

本来は朝廷に打ち滅ぼされた穴居していた土着の民であったといわれる。

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名前:ガシャドクロ

 

種族:幽鬼

 

耐性:魔力・呪殺無効/火炎弱点

 

特徴:巨大なドクロの姿をした妖怪。

戦死したり、のたれ死んだりした人間の霊が集まって成ったとされる。

昼間は身を隠し、夜になるとガシャガシャと音をさせながらさまよい歩き、

人間を見ると襲いかかってくるとされる。

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名前:ジャアクフロスト

 

種族:夜魔

 

耐性:物理に強く、火炎反射、氷結吸収、呪殺無効

 

特徴:邪なる大道を極め凶悪に成長したジャックフロスト。

悪魔としての鍛錬を怠らずに変化した姿である。

かつて、いたずら好きな雪の妖精であった存在が、魔王のような強大な力を得ている。

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名前:リャナンシー

 

種族:鬼女

 

耐性:氷結に強く、電撃無効

 

特徴:イギリスで登場する吸血鬼に似た性格の美しい女性の妖精。

誘惑に負けたものを破滅させるとも、命と引き換えに芸術の能力を与えてくれるともいわれる。

ケルトの詩人たちはリャナンシーの恋人だと言われた。

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名前:ユキジョロウ

種族:鬼女

耐性:氷結吸収/火炎弱点

特徴:漢字で「雪女郎」。俗に言う雪女のこと。

雪の多い地方の伝説、伝承で、大雪の夜に現れるという雪の精。

氷のように冷たい手で雪の様に白い肌した美しい女。当然ながら、氷のように冷たい性格をしている

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名前:ラミア

 

種族:鬼女

 

耐性:物理に強く、魔力無効/氷結弱点

 

特徴:上半身に美しい女性の顔と胸を持ち、下半身が蛇の姿をした怪物。

ギリシア神話において、かつては美しいニンフでありゼウス神の愛人であったが、嫉妬の女神で妻のヘラの魔力で醜い怪物にされてしまう。

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名前:リリム

 

種族:夜魔

 

耐性:魔力無効/氷結・破魔弱点

 

特徴:男に淫らな夢を見させて精気を吸い取る女夢魔。

ヘブライ神族の血筋も正しいアダムとリリスの間に生まれた存在。

更に新生児を襲うとも言われている。

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名前:モー・ショボー

 

種族:凶鳥

 

耐性:呪殺に強く、衝撃吸収/銃・電撃弱点

 

特徴:「悪しき鳥」の意。

愛を知らずに死亡した少女の霊が、その死を納得できないために姿を変えて化けたもの。

長い髪と赤い唇をもつ美しい娘に化けて、旅人を誘惑して脳みそを食すると言う

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名前:カマソッソ

 

種族:凶鳥

 

耐性:物理に強く、銃反射/電撃弱点

 

特徴:マヤ神話にて登場する地下世界シバルバに棲むという悪しきコウモリ。

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名前:アンズー

 

種族:凶鳥

 

耐性:襲撃無効/銃・電撃弱点

 

特徴:獅子の頭を持った、嵐を呼ぶ、メソポタミア、シュメールの怪鳥。高い山や木に好んで巣を作る。

元々神殿などを守護していた霊鳥であったが、神々の王になりたいという欲望から大地と大気を司る主神エンリルの書板を奪い、そのまま王権を確立させようとした。

最終的にはニンギルスによって捕獲され、彼の神殿の守護獣にさせられた。

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名前:ドゥン

 

種族:魔獣

 

耐性:火炎吸収/氷結弱点

 

特徴:チベット神話で語られる、地母神ドゥルガーの乗り物である虎で戦場を駆け巡ったと言われている

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名前:ギルタブリル

 

種族:魔獣

 

耐性:魔力無効/氷結弱点

 

特徴:古代バビロニア神話に登場する、半人半蠍の怪物。かつては聖獣として扱われている。

「ギルガメッシュ叙事詩」では、天界と冥界に通じるとされているマーシュ山の番人として登場している。

尚、ミトラ教においてはミトラの守護者として崇められていた。

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名前:マンティコア

 

種族:妖獣

 

耐性:衝撃・火炎に強い/魔力弱点

 

特徴:エチオピアの砂漠や、インドの密林に生息する獣。

獅子の姿に、コウモリの翼、サソリの尾をもつという。

人肉を最も好み、密林を歩く者の背後へ音をたてずに忍び寄り、尾から一気に毒針の雨を撒き散らし、得物を狩る

着ている物や身につけている物を問わず、全てをかみ砕き喰い尽くす。

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名前:スダマ

 

種族:地霊

 

耐性:物理、衝撃に強い/火炎弱点

 

特徴:魑魅。山林で木石の精気より生じたとされる物怪。よく人を迷わせるとされる。

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名前:カワンチャ

 

種族:地霊

 

耐性:地変、呪殺無効/破魔弱点

 

特徴:ネパールのネワール族に伝わる病魔。十字路に現れては人々に腹痛をもたらすといわれる。

しかし、マントラを唱え供物を捧げれば、逆に病魔を追い払ってくれるとも言われている

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名前:ティターン

 

種族:地霊

 

耐性:物理に強い/バッドステータス弱点

 

特徴:ウラヌスとガイアの間に生まれた原初の巨人族。

人類以前の世界を支配していたが、オリンポスの神々との戦いに敗れてタルタロスに幽閉された。

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名前:クエビコ

 

種族:地霊

 

耐性:物理に強く、地変吸収/氷結弱点

 

特徴:かかしを神格化したものであり、田、農業、土地の神。

「崩え彦」、体が崩れた男の意で、雨風にさらされて朽ち果てたかかしを表現したもの。

更には学業や知恵の神としても信仰されている



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悪魔事典.No2

第9章以降から登場した悪魔


名前:ラクチャランゴ

 

種族:魔獣

 

耐性:物理、火炎に強い/氷結・魔力弱点

 

特徴:チベットに生息する牛の魔物。血に染まったかのように赤い体をしており、額には悪魔の紋章が刻まれている。

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名前:バイブ・カハ

 

種族:妖鳥

 

耐性:物理に強い、衝撃無効/電撃弱点

 

特徴:ケルト神話において、戦、殺戮、愛を司る三位一体の女神。その名は「戦場の鳥」意味である。

戦場に現れては士気を煽り、残虐な戦いを行わせる。

軍神ではあるが、戦死した者を食べたり、死ぬ運命の名を告げたりとするので死神に近いとされる

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名前:フンババ

 

種族:神獣

 

耐性:火炎・電撃無効/氷結弱点

 

特徴:バビロニア神話の『ギルガメシュ叙事詩』に登場する怪物。

叫び声で洪水を呼び、口から火と毒の息を吐き、巨大な体は倒れると森の木々が21kmにもわたってざわつくとされる。

ワシの爪、頭に牛の角、単眼の獣である

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名前:ベナンガル

 

種族:妖魔

 

耐性:魔力無効/火炎弱点

 

特徴:マレーシアのジャングルの木の頂に住む蜂の守護精。蜂の巣を見守っており、蜂蜜を奪おうとする輩を襲う。ペナンガルに捕まると殺されるか、運良く逃げられても全身に針で刺されたような痛みを感じ、動く事もままならない。また悪臭を放つ事も出来、それを吸い込むと吐き気や目まいに襲われるという。

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名前:ウェンディゴ

 

種族:邪鬼

 

耐性:氷結反射、魔力無効/火炎弱点

 

特徴:カナダのイヌイットや北方ネイティブ・アメリカンの伝承に伝えられる雪男のような精霊・怪物。身長は5メートルもあり、吹雪の晩にすさまじい速さで襲って来ては道行く者を冷気で凍え死なせたり、さらっていき喰らうのだという。

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名前:オーガ

 

種族:邪鬼

 

耐性:物理に強い/魔力弱点

 

特徴:中世ヨーロッパ各地の伝承に名を残す人喰いの鬼。圧倒的な腕力を持ち魔力も操るとされる

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名前:タロス

 

種族:地霊

 

耐性:地変無効/衝撃弱点

 

特徴:鍛冶の神ヘーパイストスあるいはダイダロスによって作り出された青銅製の自動人形である。

島に近づく船に岩を投げつけて破壊し、近づく者があれば身体から高熱を発し、全身を赤く熱してから抱き付いて焼いたという。

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名前:マカーブル

 

種族:幽鬼

 

耐性:魔力・呪殺無効/破魔弱点

 

特徴:ヨーロッパの宗教劇などで、典型的な死神として登場する悪霊。手に大鎌を持ち、「死の舞踏」を先導している。

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名前:マナナンガル

 

種族:鬼女

 

耐性:魔力・呪殺無効/火炎、衝撃弱点

 

特徴:フィリピンのシキホル島に伝わる魔女。

昼間は人間の姿をしており、マナナンガルである事を見抜くのは非常に困難である。自分がマナナンガルである事を自覚していない場合もある。夜になると下半身を切り離し、背中に蝙蝠の翼を生やして空を飛ぶ。そして人間を襲い血を吸うとされる。

退治するには分離している間に下半身を隠すと良いとされ、太陽が昇るまでに元通りに合体出来なければ、陽の光を浴びて死ぬと言われる。

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悪魔事典.No3

名前:キメリエス

 

種族:堕天使

 

耐性:氷結・電撃無効、呪殺反射

 

特徴:ソロモン72柱に仕える魔神の1柱で、地獄の20の軍団を率いる強力な大侯爵。

黒い馬に跨り、全身は黒い鎧を身に纏った勇猛な騎士の姿。

暗黒大陸の支配者でアフリカの全ての悪霊を統括しているとされる。

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名前:ムールムール

 

種族:堕天使

 

耐性:電撃・衝撃反射、魔力無効

 

特徴:ソロモン72柱に仕える30の悪霊軍団を率いる伯爵で座天使の公爵とも呼ばれている。

グリフォンに跨った緑色の鎧を身に纏い、頭部に王冠を被っている騎士。

ネクロマンサーでもあり、死者の魂を呼び出す事も出来る。

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名前:フルフル

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎・電撃無効/氷結弱点

 

特徴:ソロモン72柱に仕える魔神の1柱で26の軍団を指揮する雷と稲妻の公爵。

その姿は背中には翼と炎の尾を持つ雄鹿だが、この姿で呼び出されると平気で召喚者を騙す。

能力は他人の秘密を暴く事が出来る。

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名前:マルコキアス

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎吸収、呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:ソロモン72柱の魔神の1柱で、30の軍団を指揮する地獄の大いなる侯爵。

グリフォンの翼と蛇の尾を持ち、口からは炎を吹く狼の姿をしている。

ただし、嘘をつくと怒り、召喚者を殺すと言う。

元々は、ゴモリーの騎乗獣という説もある。

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名前:グラシャラボラス

 

種族:堕天使

 

耐性:物理に強く、衝撃無効/魔力弱点

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つで36の悪魔軍を従える大総裁。

グリフォンの翼を持った凶暴な犬の姿をしている。

とても好戦的な性格で血に飢えた殺戮者であり殺人を嗜むという。

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名前:フラウロス

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎、魔力、呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つ、36の悪霊軍団を従える偉大な公爵。

その姿は大きく恐ろしい豹や豹の頭を持つ戦士の姿をしているがいずれも赤い色をしている。

召喚者が望む対象、人物を瞬時に業火の中へと葬り去ることができる

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名前:オセ

 

種族:堕天使

 

耐性:物理に強く、呪殺無効/魔力弱点

 

特徴:ソロモン72柱の魔神の1柱で、30の軍団を率いる地獄の大総裁。

その姿はニ刀を持った権威溢れる豹の戦士か鉄を切り裂く爪を持つ豹の頭を持つ獣人。

武力だけではなく、神学、教養学を持っているが正しい呪文を唱えなければ召喚者を殺してしまう。

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名前:ビフロンス

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎吸収、地変・呪殺無効/破魔弱点

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つ、26の軍団を率いる死者の伯爵。

決まった形を持たないが魔術師さえ目を背けるような、いかにも恐ろしげな醜い魔物の姿で出現する。

黒いローブを見に纏った魔導師姿や怪物の頭蓋骨に貴族の服装、手には燭台を持っている。

主に占星術や不思議な魔力を持った薬草、宝石、植物の詳しい知識に詳しい

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名前:パイモン

 

種族:堕天使

 

耐性:衝撃吸収、魔力無効/物理弱点

 

特徴:ソロモン72柱の魔神の人柱で、200もの軍団を率いる王でルシファーの最も忠実なる悪魔の一人。

召喚者の前にヒトコブラクダに乗り、宝石の王冠を被った女性。

人を驚かすほどの大声で話すため、召喚者も威嚇するほどの大声で話さないと会話が出来ない。

"術士アブラメリンの聖なる魔術の書"では8人の下位君主と総称される有力な悪魔の一人であり南を支配する。

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名前:ゴモリー

 

種族:堕天使

 

耐性:魔法に強く、呪殺無効

 

特徴:ソロモン72柱の魔神の人柱で、26の悪霊軍団を支配下に置く公爵。

その姿は黄金の冠、真紅の流れるような髪、錦糸細工の黒ビロードと純白のレースを見に纏いラクダに乗って召喚者の前に現れる。

年齢を問わずすべての女性の愛情を伝える事が出来る。

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名前:ヴェルパ

 

種族:堕天使

 

耐性:衝撃に強く、氷結吸収/電撃弱点

 

特徴:29の悪霊軍団を指揮する海洋公。その姿は魚の下半身を伴った人魚であると伝えられている。

海の統括者で海を愛する者には深い慈愛を以って加護を与えるが、海を汚す輩には恐怖を以って惨たらしい死を与える。

美しき水面を湛える大海原でもあり、荒れ狂う嵐を持ち合わせた、海の具現化したような悪魔である。

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名前:クロセル

 

種族:堕天使

 

耐性:氷結吸収、魔力無効/火炎弱点

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つ。48の悪霊軍団を指揮する侯爵である。

彼だけは天使の姿を保っており、両手には決して解ける事のない氷の剣を持っている。

水の扱いに長けているほか、召喚者の埋もれた才能を発掘する能力を持っている。

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名前:ボティス

 

種族:堕天使

 

耐性:電撃・魔力無効/氷結弱点

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つ。26の軍団を率いる地獄の総裁または大公。

半人半蛇に両手には毒の剣を持った戦士として現れる。

過去と未来についての知識を持ち、その事で問われるとぶっきらぼうに答えるとされる。

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名前:ブネ

 

種族:堕天使

 

耐性:物理に強く、火炎・電撃・呪殺無効

 

特徴:ソロモン王に仕える魔神の1つ。

30の悪魔軍団を指揮する公爵であり龍公という爵位を持つ。

三つの首を持ったドラゴンで、銀の爪と翡翠の鱗を持っている。

悪魔を墓場に集めたり、死霊術に長けており、死の呪文を支配している

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名前:コウガサブロウ

 

種族:龍神

 

耐性:電撃・衝撃・破魔無効/氷結弱点

 

特徴:「神道集」の「諏訪縁起」に登場する伝説上の人物。

地底の国を彷徨った挙句、身体は蛇と化し、後に諏訪大社の諏訪大明神として祀られたとされる。

土着の蛇神ミシャグジさまや武神タケミナカタと同一視される場合もある

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名前:オモイカネ

 

種族:魔神

 

耐性:氷結・電撃・衝撃・破魔無効/火炎弱点

 

特徴:八意思兼神。

思念という概念を神格化した存在で、「思慮を兼ねる」というその名の意味の通り、多くの人々の知恵を備えるほどに知略に長けるとされる。

引きこもった天照を外に引き出すための作戦を発案した

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名前:ツクヨミ

 

種族:魔神

 

耐性:魔法反射/物理弱点

 

特徴:月読命。

黄泉より帰還したイザナギが穢れを払うために禊ぎをし、右目を洗った際に生まれた三貴子の一柱。

夜の世界、月を管理する神だが文献によって神格も色々違いがある謎の多い神でもある。

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名前:スサノオ

 

種族:破壊神

 

耐性:物理に強く、電撃・衝撃・呪殺無効

 

特徴:須佐之男。

三貴子の一柱で太陽神アマテラスとツクヨミの弟。

大変な暴れ者でアマテラスの天の岩戸事件を引き起こす等の悪事を働き、最後は高天原を追放される。

その後、出雲の国にて大王蛇ヤマタノオロチを討ち、クシナダヒメを娶り根の国の王として君臨する。

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名前:ヤソマガツヒ

 

種族:邪神

 

耐性:火炎・呪殺・バッドステータス無効/氷結弱点

 

特徴:イザナギが死の穢れを洗い落とすために禊を行った際、落ちた穢れから2つの神が生まれ、その片方が「八十禍津日神」であった。

災厄の源である不浄、凶、不幸、悪などを象徴とする神。

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名前:オオマガツヒ

 

種族:邪神

 

耐性:氷結・呪殺・バッドステータス無効/火炎弱点

 

特徴:イザナギが死の穢れを洗い落とすために禊を行った際、落ちた穢れから2つの神が生まれ、その片方が「大禍津日神」であった。

災厄の源である不浄、凶、不幸、悪などを象徴とする神。

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名前:テンカイ

 

種族:英傑

 

耐性:物理に強く、破魔・呪殺無効

 

特徴:天海。

安土桃山時代から江戸時代初期まで実在したとされる天台宗の僧。

史料によると100歳以上生きたとされ、江戸幕府初期の朝廷政策・宗教政策に深く関わったほか、江戸の都市計画の構想にも携わったとされる。

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名前:ミチザネ

 

種族:英傑

 

耐性:電撃吸収、衝撃・破魔・呪殺無効/氷結・地変弱点

 

特徴:菅原道真。

平安時代の貴族、学者、歌人、政治家。学者の家系に生まれ、学者や政治家としての才能を発揮したが、陰謀により失脚、無念の内にその生涯を閉じる。

死後、道真の怨霊が雷神となり都を襲っていた。

彼を鎮めるため社殿を設け「北野天満宮大神」と称号されると、祟りも徐々におさまったといわれている。

以後、生前の学者・歌人としての功績が注目されると学問の神へ変化していったと言われている。

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名前:ヤマトタケル

 

種族:英傑

 

耐性:火炎・電撃反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:日本武尊。

日本神話で最も武力に秀でた英雄の一人。

日本神話初期の英雄であり、天皇家の血族。

草薙剣のエピソードをはじめとした、数々の逸話を今なお残す。

また、半神半人であったという。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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悪魔事典.No4

魔王、大天使を記載

(ウリエル、ラファエル、ガブリエル、ミカエルの項目に殺戮の天使の情報が追加されました)


 

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名前:ルシファー

 

種族:魔王

 

耐性:物理以外の耐性が強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ユダヤ・キリスト教における最初の堕天使であり、地獄の帝王。

その名は「明けの明星」の意味を持ち、すべての堕天使、悪魔、魔神たちの上に君臨する闇の貴公子となった。

もとは天使階級上級第1位の熾天使、神に次ぐ地位にあった。

それゆえ驕り高ぶり、神の座まで求めるようになり、ルシファーは天使の3分の1を率いて反乱を起こし、神を倒して新たなる神になろうとしたが、大天使ミカエルとの戦いに敗れ、部下達と共に天から堕とされた。

永遠の地獄の業火に焼かれ続けているか、溶けることのない氷の中に閉ざされているのだともいう。この世の終わりには目覚め、悪魔たちを率いて大天使ミカエル率いる天使の軍勢と戦うという。

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名前:ベルゼブブ

 

種族:魔王

 

耐性:火炎以外の耐性が強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:デーモン全てを支配する地獄の君主。堕天した熾天使の王にしてルシファーに次ぐ者とされる。

青い色の肌をした人間だが、真の姿は羽に髑髏と交差した骨の模様のある巨大な蝿の姿をとる。

元はヘブライ語で「バアル・ゼブル(高い館の王)」で、キリストでは名は「バアル・ゼブブ(蝿の王)」となる。前述の「蝿の王」の他に、「死と魂を支配する者」、「追放された偉大なる王」など異名を持つ。

蝿は再生を願う仮初の姿とも考えられていおり、ベルゼブブは死の王であり、禿鷲と同様、死者の魂の運び手とも考えられた。蝿は腐敗の象徴でもあり、彼らは死骸を母なる大地に帰す、よって必然的にベルゼブブは死霊の主ということになる。

ベルゼブブは、元来カナアンの主神であり豊穣の神でもあるバールがユダヤ教徒たちに堕としめられた姿だという。

キリスト教では、悪霊の王ということからこの名がサタンの別名とも考えられるようになった。

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名前:ルキフグス

 

種族:魔王

 

耐性:衝撃反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:。「光を避ける者」の意。

バエル、アガレス等を部下に持ち、首相として地獄を統率している悪魔。

3本のねじれた角を生やし、ギョロリとした大きな目で、山羊の下半身と長い尾を持っている。

契約に関する権限があり、魂を20年後から50年後までに差し出すのを条件に願いをかなえてくれる。短い方がかなう願いも大きい。

また蔵相も兼任し、この世である物質界を始めとする全世界の財宝と富の管理をルシファーから任されている。

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名前:マーラ

 

種族:魔王

 

耐性:衝撃・地変無効、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:インドの悪魔で魔そのもを体現する存在。意味は「死の恐怖」。

愛欲と死の恐怖というふたつの側面から人々を支配し、肉体を破滅させようとしている。

修行中の仏僧のもとに現れ、言葉や幻影を使って誘惑する悪魔である。

人々を欲望や生死の「苦」から救い出そうとするブッダは、彼にとって最大の敵。

マーラは菩提樹の下で瞑想をしているブッダを襲い、悟りを妨げようとした。しかし、誘惑や幻視に屈せず、悟りを得たブッダの強い意志によって打ち負かされる。

尚、日本では陽物の隠語として「マラ」という言葉があるが、これはこの悪魔を起源とするのだという。

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名前:バルベリト

 

種族:魔王

 

耐性:火炎反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:智天使の君主。地獄の祭祀長兼式武官である。

人間と悪魔が契約を交わす時、常に証人となるべく現出する。

コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」によれば、諸同盟の指導者であるという。

人間を殺人に誘うモノであるとされ、地獄における書記官であり、悪魔と人間の間で執り行われた契約の記録を保管している。

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名前:べルフェゴール

 

種族:魔王

 

耐性:氷結反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:

元は発明や発見の神で、天使階級下級第1位の権天使をたばねる存在であり、さらに溯るとフェニキア、カナアンの豊饒神バールだった。

これは「ペオール山の主」または「割れ目の主」といった意味である。

悪魔学による7つの大罪では、人間の「怠惰」の罪を司っている。

フランスに在って、パリの守護悪魔となっているという。

便座の玉座に座る姿は『地獄の辞典』の著者コラン・ド・プランシーのアイデアである。

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名前:アスタロト

 

種族:魔王

 

耐性:電撃吸収、破魔・呪殺無効

 

特徴:地獄の公爵であり「恐怖公」などと呼ばれる。

もとは天使階上級級第3位・座天使であり、ソロモン王に封印された72柱の魔神のひとりであるが、例外的に美しい天使の姿で現れる。

地獄の蛇かドラゴンにまたがり、鎖蛇を右手に持ち、全身黒ずくめで唇は血に濡れている。

過去と未来を見通す力を持ち、安逸を貪るのを好み、人を怠惰に誘う。

出現に伴って強烈な悪臭を放つとされる。

なお、ギリシア語ではディアボロスと呼ばれる。

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名前:アリオク

 

種族:魔王

 

耐性:物理吸収、氷結・呪殺無効/火炎弱点

 

特徴:復讐を司るデーモン。名は「獰猛なライオン」を意味する。

『エノク書』が書かれた時にはまだ天使であったので、天使の反逆以降に堕天した、比較的新しい大物悪魔である。

マイクル・ムアコックの小説に登場し、「剣の騎士」と呼ばれ、その姿を千変万化させる魔神として描かれている。

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名前:スルト

 

種族:魔王

 

耐性:物理に強く、火炎吸収、呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:ゲルマン神話の神々が生まれる前から存在していた炎の巨人王。

炎の剣レーヴァテインを持ち、世界の果てにあるムスペルヘイムという灼熱世界の境界を守っている。

ラグナロク到来時に、全てを焼き尽くすためムスペルヘイムから炎の軍団を引き連れて進軍してくるとされている。

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名前:ヘカーテ

 

種族:魔王

 

耐性:魔法に強く、呪殺無効/銃弱点

 

特徴:ギリシアの冥府と魔術の女神、キリスト教では魔女の女王とされる。

元来はオリンポス以前のギリシア最古の大地母神のひとりで、天界、地上、冥界を司る三相一体の女神であった。

特にボイオチア地方で信仰され、裁判、集会、戦争、競技、馬術等を加護し、成功を与える。月を象徴した農業神でもあり、月齢の影響は人の心だけでなく、農作物の成長や動物の行動、特に魚介類の給餌活動にまで影響を与えた。

ただし、"地獄の牝犬"は彼女を侮辱する言葉になるので注意。

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名前:イザベル

 

種族:魔王

 

耐性:火炎吸収、破魔・呪殺無効/地変弱点

 

特徴:旧約聖書に登場する人物でイゼベルとも呼ばれている。

紀元前9世紀前半の古代イスラエルの王妃でバアル神を崇めていた。

イスラエル人にとって異教であるバアル信仰をイスラエルの宮廷に導入し、ユダヤ教信者を迫害した。

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名前:リリス

 

種族:魔王

 

耐性:魔法に強く、呪殺・魔力無効

 

特徴:アダムの最初の妻であったのだが、後に堕落により楽園を追放されては恐るべき悪魔になった。

後にアダムはイヴと結ばれ、人類の祖先を生み出すが、その前にリリスとの間にも子をもうけている。

総じて、不定の象徴だが、元来はバビロニアの地母神であったとされている。

リリスはイヴに復讐するため、蛇を使ってイヴを誘惑し、禁断の林檎を食べさせるのである。

後世の図案でも、蛇にともなった姿で描かれている。

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名前:ウリエル

 

種族:大天使

 

耐性:地変・電撃・破魔・呪殺無効

 

特徴:天使階級下級第2位・大天使。

名の語源は「神の火」に由来し、タルタロス(地獄)を支配する。

地獄の業火は、火山の火口に擬えられ、神の火はその噴火である。

炎の属性を持ちながら地の属性を与えられたのは、火山に結び付けられたからだろう。

地獄でのウリエルは閻魔大王さながらに、汚れた魂をさんざん拷問で苦しめるのは、法に関してひどく厳しい天使であったと言われる。

最後の審判の時には、地獄の門の閂を折り、地上に投げ付けて破壊し、地獄から死者の魂を地上に導き出すという役割を持っている。現在は4大天使のうちに数えられる。

 

【殺戮の天使の姿】

全身がくすんだ青色、両手は銃口、胴体部分には大剣あるいは突撃槍を咥えている厳つい顔、こめかみから白い翼を生やしている天使

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名前:ラファエル

 

種族:大天使

 

耐性:衝撃・破魔・呪殺無効

 

特徴:天使階級中級第3位・能天使。4大天使のうちに数えられる。

北方を支配し、風の属性を持つ。熾天使としての6枚の翼を備え、その階級を持っているが、天使学によれば力天使という説が一般的である。同時に智天使、主天使、力天使にも属し、古くは大天使であった。

名の意味は「癒しの天使」または「神の薬」であり、医療と結びつくことから、蛇にも結びつけられる。

さらにギリシアのヘルメスのイメージに重ねられ、ヘブライの冥界シェオルに人の魂を導く役も与えられている。

4大天使の中で、最も慈愛に満ち、穏やかで、明朗快活な性格である。

 

【殺戮の天使の姿】

全身が赤色、人型で胸部に白い翼を生やした顔、手には鎌槍を持っており、ギロチンの様な両足を持つ天使

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名前:ガブリエル

 

種族:大天使

 

耐性:氷結吸収、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:天使階級下級第3位・天使。4大天使のうちに数えられる。

東方、または財宝や富を支配する。名は「神の力」「神の人」を意味する。

水の属性を表し、タロットカードでは最後の審判のラッパを吹き鳴らし、死者を復活させる天使として描かれる。

背徳の街ソドムとゴモラを焼き尽くしたのはこのガブリエルである。

『新約聖書』において洗礼者ヨハネの出現をザカリアに告げ、聖母マリアに受胎告知をしたことで、キリスト教徒には親しみ深い女性天使である。

 

【殺戮の天使の姿】

人型、黄土色で右腕が剣、左手が盾。

頭部には一対の白翼、腹部に女性の顔と異形なる天使

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名前:ミカエル

 

種族:大天使

 

耐性:火炎反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:天使階級下級第2位・大天使。大天使たちの長で、太陽の化身。

名には「神のごとき者」「神に似る者は誰か」などの意味がある。

キリスト教では最も偉大な天使とされる。「古き蛇=魔王サタン」を屠る者としての存在である。

異教に対するキリスト教の勝利を意味するのがミカエルであり、彼の持つ武器は槍なのである。

主の実戦力として最も信任篤く、また死者の魂の善し悪しを計るという役目を持つ。

ルシファーの反乱軍を退けた功績により、現在は四大天使のうちに数えられ、天使長として事実上天使たちの最上位階級に就いている。

 

【殺戮の天使の姿】

両腕の付け根に爬虫類の目が開かれて、両手は頭についている。

両耳には短剣のピアスを付けており、両目は閉じており微かながら炎が漏れている。

周囲には鱗を持つ蛇が周囲を漂わせている。

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悪魔事典.No5

名前:タルウィ

 

種族:魔王

 

耐性:火炎・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

名はアヴェスター語で「熱」を意味している。

地上に蔓延する植物を全て滅ぼす悪神ではあるのだが、毒草の創造者とも言われている部分がある。

アムルタートとハルワタートとは相容れぬ悪魔。

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名前:ザリチェ

 

種族:魔王

 

耐性:衝撃・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

その名はアヴェスター語で「渇き」を意味している。

善神アムルタートとハルワタートの敵対者であり、対をなしている。

有用植物を滅ぼし、毒草のみを育て地上に毒草を蔓延させる事が使命。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:サルワ

 

種族:魔王

 

耐性:地変・破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

アヴェスター語で「無秩序」とされているゾロアスター教の悪神の一人。

秩序を破壊し、無秩序を地上にもたらす事を使命としている。

クシャスラと対となる悪魔である。

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名前:タローマティ

 

種族:魔王

 

耐性:氷結反射、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

アヴェスター語で「背教」を意味している。

献身の女神アールマティの敵対者だがタローマティもまた背教の女神。

そして、人々の心の中に住んでいるともいわれている。

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名前:ドゥルジ

 

種族:魔王

 

耐性:魔力・呪殺吸収、破魔・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

アヴェスター語で「虚偽」を意味しており、アシャと遂になる悪魔とされている。

ドゥルジは不義と偽りの神格化であり、「不浄」の概念と結びつけられており特に死の穢れを司る者とされる。

腐敗した死体を温床として世界に不浄と伝染病をまき散らし、死を広めるのも彼女の使命である。

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名前:アカ・マナフ

 

種族:魔王

 

耐性:火炎吸収、電撃、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスター六大悪魔が一つ。

ウォフ・マナフと対になる悪魔、アヴェスター語で「悪しき思考」を意味しており、支配された人間は正邪善悪の区別を失うといわれている。

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名前:アエーシュマ

 

種族:魔王

 

耐性:物理・銃に強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ゾロアスターの悪神、憤怒と激怒の悪魔で残忍さの化身。

その名は「凶暴」、「怒り」を意味し、人々の憤怒をあおり、世界を分裂させようと企む。

大天使スラオシャと敵対している悪魔であり、聖書に登場する魔王アスモデウスのルーツとされる悪魔でもある。



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悪魔辞典No.6

京都修学旅行編や短編集で登場した悪魔


名前:ウェンディゴ

 

種族:邪鬼

 

耐性:氷結反射/火炎弱点

 

特徴:カナダのイヌイットや北方ネイティブ・アメリカンの伝承に伝えられる雪男のような精霊・怪物。

吹雪の晩にすさまじい速さで襲って来ては道行く者を冷気で凍え死なせたり、さらって喰らうのだという。骸骨のようなその顔を見る事は死を意味する。

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名前:オーガ

 

種族:邪鬼

 

耐性:物理に強い/火炎・電撃・魔力弱点

 

特徴:中世ヨーロッパ各地の伝承に名を残す人喰いの鬼・巨人。圧倒的な腕力を持つ。

オーガには女性もいるようで、女性形のオーグレスで呼ばれる。オーガ達は伝承物語中では山や丘に棲み怪力と高い知能を誇り、魔法を駆使したりする。

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名前:ラクチャランゴ

 

種族:魔獣

 

耐性:物理に強く、火炎無効/魔力弱点

 

特徴:名はネパール語で「聖なる牡水牛」の意味であり、水牛に関連する姿を持つという大威徳明王、ヤマーンタカのネパール名である。チベット仏教圏で行なわれる仮面舞踏劇「ツァム」においては、水牛の頭を持つ魔神として伝えられる。

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名前:バイブ・カハ

 

種族:妖鳥

 

耐性:衝撃無効/銃弱点

 

特徴:ケルト神話において、戦、殺戮、愛を司る三位一体の女神。その名は「戦場の鳥」意味である。

戦場に現れては士気を煽り、残虐な戦いを行わせる。

軍神ではあるが、戦死した者を食べたり、死ぬ運命の名を告げたりとするので死神に近いとされる

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名前:フンババ

 

種族:神獣

 

耐性:魔力に強く、火炎・地変無効

 

特徴:古代バビロニアの『ギルガメッシュ叙事詩』に登場した怪物。

姿は前足が獅子、禿鷹の爪、角のような硬い鱗で全身を覆い、頭には野牛の角を生やし、単眼の獣。

見た者を石にしてしまう能力を持っており、更にその叫び声で洪水を起こし、口からは炎と毒、ペスト(病気)を吐き散らす。

最終的にはギルガメッシュに退治される。

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名前:ベナンガル

 

種族:妖魔

 

耐性:物理に強く、衝撃無効/氷結弱点

 

特徴:マレーシアのジャングルの木の頂に住む蜂の守護精。

蜂の巣を見守っており、蜂蜜を奪おうとする輩を襲う。

悪臭を放つ事も出来き、吸い込むと吐き気や目まいに襲われるという。

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名前:タロス

 

種族:地霊

 

耐性:物理に強く、地変無効/衝撃・魔力弱点

 

特徴:鍛冶の神ヘーパイストスによって作り出された青銅製の自動人形である。

クレーテー島を毎日三回走り回って守り、島に近づく船に岩を投げつけて破壊し、近づく者があれば身体から高熱を発し、全身を赤く熱してから抱き付いて焼いたという。

胴体にある1本の血管に神の血(イーコール)が流れており、それを止めている踵に刺さった釘ないし皮膚膜を外されると失血死してしまう。

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名前:ベイコク

 

種族:幽鬼

 

耐性:呪殺無効/火炎・破魔弱点

 

特徴:アメリカインディアンのオジブワ族における夜の精霊。透明のヴェールのような皮をまとった骸骨で、その目は赤く光っている。戦士によって召喚されたベイコクはその狙いを確実に仕留めると言われる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:レギオン

 

種族:幽鬼

 

耐性:物理に強く、呪殺無効/火炎・電撃・破魔弱点

 

特徴:新約聖書「マルコによる福音書」第五章に現れる、人にとり憑いた悪霊の群れ。

イエスが「名は何か」と尋ねると「レギオン。我らは大勢なるがゆえに」と答えたという。憎悪や苦痛に囚われた悪霊はしばしば自我の崩壊を起こし、悪霊同士で寄り集まって危険な霊団を組む事がある集合霊の一種。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:マカーブル

 

種族:幽鬼

 

耐性:呪殺・魔力無効/破魔弱点

 

特徴:踊る骸骨姿に擬人化された死。

14~15世紀の中世ヨーロッパで流行した死の寓話や絵画・彫刻群で表され、当時の戦乱やペスト等の伝染病の恐怖を端的に象徴している。

死への恐怖と生への執着に取り憑かれた人々が集団ヒステリーに陥り踊り狂った姿を表現しているともされる。

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名前:グレンデル

 

種族:邪鬼

 

耐性:物理・衝撃無効/氷結・魔力弱点

 

特徴:イギリス文学最古の作品の一つ、叙事詩「ベオウルフ」に登場する巨人。

 

余談だが原作のハイスクールD×Dでドラゴンとして登場したのはグレンデルはドラゴンの姿をしている説もある。

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名前:ユルング

 

種族:龍王

 

耐性:氷結反射/魔力・バッドステータス弱点

 

特徴:虹蛇。オーストラリアにおける豊饒の神。

水を治める力を持つが、疫病を流行らせる力も有している。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:チェルノボーグ

 

種族:破壊神

 

耐性:氷結反射、呪殺無効/火炎弱点

 

特徴:スラブ神話で登場する夜、闇、悪の神。

名は「黒い神」を意味し、昼、光、善を象徴する「白い神」ベロボーグと善悪二元的対立関係にある。

近隣のペルシャを起源とするゾロアスター教の光明神アフラ・マズダと暗黒神アンラ・マンユの関係とも比較される。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:ウァラク

 

種族:堕天使

 

耐性:火炎・電撃無効、呪殺反射

 

特徴:ソロモン72柱の魔神の一人、地獄の大総裁で30の軍団を従える。

双頭ドラゴンにまたがった、天使の翼をもつ少年の姿で描かれる。

全ての爬虫類を支配しており、隠された財宝のありかを教える。

 

短編集で登場したオッドアイのウァラクは特異個体。

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名前:ファフニール

 

種族:邪龍

 

耐性:物理に強く、火炎・呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:北欧のワーグナーの戯曲『ニーベルングの指輪』に登場するドラゴン。

もとは魔法使いだったが、神々から奪った財宝の魅力に取りつかれて財宝をかき集めるドラゴンへと変貌する。

鋼のような鱗を持ち炎や毒の息を吐く強敵だったが、ジークフリートが退治する。

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名前:クレエプレ

 

種族:邪龍

 

耐性:氷結反射/火炎弱点

 

特徴:スペインの翼竜の一種。

若い内は陸地の泉に棲んでおり、人間や家畜を襲って血を吸う事があるという。歳を経て鱗が硬くなると地底に通じる泉や海底に移り住み、財宝を守る。クエレブレに襲われないようにするには、大麦とトウモロコシで作ったパンを供えるとよいとされる。

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名前:リンドブルム

 

種族:龍王

 

耐性:銃に強く、電撃無効/衝撃弱点

 

特徴:ドイツ語で飛竜、翼のあるドラゴンという意味。

起源はフランスの竜、ヴィーブルから派生したといわれている。

凄まじい速さで夜空を飛び回り、そのときに全身が輝き、稲妻や流星のように空で起こる自然現象に結びつき、暗い空に一瞬輝く閃光の正体が、このリンドブルムと考えていたという。

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悪魔辞典No.7

コラボストーリーなどに登場した悪魔の紹介


名前:パズズ

 

種族:邪神

 

耐性:衝撃・呪殺無効/氷結弱点

 

特徴:アッシリアとバビロニアで崇拝された魔神。

獅子の頭と腕、背中には四枚の翼、尾は蠍、さらに蛇の男根を隠し持つとされる悪霊の王。

風と熱風を操り、その力で旱魃(かんばつ)をもたらし飢えで人々を苦しめるという。

また彼が操る熱風には熱病の原因となる毒(=病原菌)が含まれており、人はおろか畜獣さえ病死させてしまうほどだとされる。

悪霊を統御する護符として用いられることもあり、蝗害を具神化した存在とも考えられている。

 

名前だけ登場しており、情報結晶体デビルソースとして登場

 

 

登場したコラボ:闇皇の蝙蝠

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

名前:ラマシュトゥ

 

種族:邪神

 

耐性:氷結・呪殺無効/衝撃弱点

 

特徴:アッカド神話パズズの配偶者、魔の女神。

獅子の頭とロバの長い牙、毛深いロバの体躯、猛禽の爪を持つとされる。

母乳で育てている間や出産の間に母をおどして、子供を誘拐したとされる魔の女神である。

邪悪だが、ブタと犬を看病する面もある。

パズズと共に魔神信仰が盛んにおこなわれていたようである

 

 

名前だけ登場しており、情報結晶体デビルソースとして登場

 

 

登場したコラボ:闇皇の蝙蝠

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

名前:メルカバー

 

種族:大天使

 

耐性:火炎・氷結・衝撃・電撃に強く、破魔・呪殺・バッドステータス無効

 

特徴:ヘブライ語でチャリオット(古代の戦車)を意味する言葉である。

ユダヤ教神秘主義での、「神の戦車」「神の玉座」として有名だが、聖書には直接登場しない。

恐らく、周囲に車輪を従えたケルブの姿を、チャリオットに見立てたのだろう。

ユダヤ教神秘主義におけるメルカバーは、天上に存在する神の館や神の玉座への霊的上昇と関連づけられている。

メルカバーにまつわる行は、実践者に、霊魂の純粋さと清浄さを要求するもので、神への接近を伴う行らしく危険を伴うものである

 

 

本来ならば、穢れが一切ない白い天使の姿をしているが、殺戮の四大天使が融合したのだが、"神を信じる人間(救世主)"という最後のピースが無いためか黒い阿修羅の如き姿へと変貌した。

 

 

登場したコラボ:異世界帰りの赤龍帝



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スキル、必殺技

この項目では、本編及び短編で登場したスキルの紹介、随時更新します。

尚、作者による技改変がありますので、悪しからず


◇魔法スキル(頭に"マハ"がつく時は全体、最後に"ダイン"がつく時が大ダメージ)◇

 

●火炎属性

 

アギ

アギラオ

アギダイン

マハラギ

マハラギオン

マハラギダイン

 

●氷結属性

 

ブフ

マハブフ

ブフーラ

マハブフーラ

ブフダイン

マハブフダイン

 

●電撃属性

 

ジオ

マハジオ

ジオンガ

マハジオンガ

ジオダイン

マハジオダイン

 

●衝撃属性

 

ザン

マハザン

ザンマ

マハザンマ

ザンダイン

マハザンダイン

 

●地変属性

 

マグナ

マハマグナ

マグナス

マハマグナス

マグダイン

マハマグダイン

 

●破魔属性(光属性とも。耐性の無い物は一撃で倒せる)

 

ハマ

ハマオン

マハンマ

マハンマオン

 

●呪殺属性(闇属性とも。耐性の無い物は一撃で倒せる)

 

ムド

ムドオン

マハムド

マハムドオン

 

●万能属性(属性に関係なく等しくダメージを与える)

 

メギド(属性を無視して、敵全体の中ダメージを与える)

メギドラ(属性を無視して、敵全体に大ダメージを与える)

メギドラオン(属性を無視して、敵全体に特大ダメージを与える)

 

 

●強威魔法と極大魔法(かなりの修練を積んだものしか覚えることができないスキル)

 

≪強威魔法≫

・火炎・

プロミネンス(敵全体。2~3回、火炎属性の特大ダメージ)

トリスアギオン(単体。火炎属性の特大ダメージ)

 

・氷結・

大冷界(敵全体。氷結属性の特大ダメージ)

絶対零度(敵全体。2~3回、氷結属性の特大ダメージ)

 

・電撃・

真理の雷(敵全体。電撃属性の特大ダメージ)

八色雷公(単体。雷撃属性の特大ダメージ)

 

・衝撃・

妖花烈風(敵全体。2~3回の衝撃属性の特大ダメージ)

真空刃(単体。衝撃属性の超特大ダメージ)

殺風激(単体。衝撃属性の特大ダメージ)

 

・地変・

ティタノマキア(敵全体。地変属性の特大ダメージ)

 

 

≪極大魔法≫

 

ラグナロク(火炎属性の最高峰威力。業炎を呼び起こし全てを焼き尽くす)

極寒凍結(氷結属性の最高峰威力。大氷波を呼び寄せて呑み込む)

 

 

●回復魔法("烙印"状態にだとメシアライザー以外、回復不能になる)

 

ディア(単体に小回復)

ディアラマ(単体に中回復)

ディアラハン(単体に全回復)

メディア(全体に小回復)

メディラマ(全体に中回復)

メディアラハン(全体に全回復)

メシアライザー(全体に全回復+状態異常完治)

 

 

●補助魔法(能力上昇・降下、反射など)

 

カジャ系(攻撃を上げるタルカジャ、防御を上げるラクカジャ、命中&回避を上げるスクカジャ、魔法威力を上げるマカカジャ)

ンダ系(攻撃を下げるタルンダ、崩御を下げるラクンダ、命中&回避を下げるスクンダ、魔法威力を下げるマカンダ)

ランダマイザ(攻撃、防御、命中&回避、魔法威力を一段階下げる)

ラスタキャンディ(攻撃、防御、命中&回避、魔法威力を一段階上げる)

デカジャ(カジャ系を打ち消す魔法)

デクンダ(ンダ系を打ち消す魔法)

 

雄叫び(攻撃・魔法威力を二段階下げる)

フォッグブレス(命中&回避を二段階下げる)

挑発(敵を怒らせて攻撃・魔法威力が二段階上がる、防御が二段階下がる)

 

テトラカーン(物理スキルを跳ね返す)

マカラカーン(攻撃魔法スキルを跳ね返す)

テトラジャ(破魔と呪殺を無効化する)

サバトマ(仲魔を瞬時に呼び寄せることができる)

ネクロマ(アンデッド状態にして召喚する。如何なる攻撃を受け付けないが、回復スキルを浴びせると簡単に倒せる)

 

 

●リンゲージ(合体スキル、連携、詠唱などのスキル)

 

クリスタルダンス(無数の氷剣を生み出し、突き刺す。対巨大用)

ヴァーヤヴィヤ (広範囲の荒れ狂う風を巻き起こす)

ナルカミ(広範囲の眩い雷撃を放つ。3Hit)

マイクロノヴァ(氷結、衝撃、地変を合体させて、黒いエネルギー球を放つ。万能属性)

メギド・クロスフレア(メギドラオン×3。メギドの炎を十字架に生み出して放つ。万能属性)



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短編劇場
レベルアップ!!ライザーチーム


時系列:第10章後


=涼刀事務所=

 

季節は秋、事務所に珍しいお客様が来た。

 

「ご、ごきげんよう」

 

両端にドリルの縦ロールをした美少女が事務所を訪れた。

 

「レイヴェル?突然、事務所にやってきてどうしたんだ?」

 

「鋼弥様にお願いがありまして…」

 

「ふむ、部屋で話を聞こう」

 

紅茶とチーズケーキを出して、レイヴェルに差し出す。

リオ、朱乃、小猫、ゼノヴィア、ロスヴァイセも同席している

レイヴェルの頼みというのは―――。

ライザーを復活させてほしいという事だ。

一誠と鋼弥にやられたうえ、嶺爾に完膚無きに叩きのめされて部屋に引きこもり中なのだ。

 

「なるほど、ライザーはそこまで塞ぎ込んでしまったのか……。済まない事をしたな」

 

「いいえ、鋼弥様は気に止む事ではありませんわ。

 むしろ……兄が情けなくなってきましたわ!!

 一度、負けたからって、半年も塞ぎ込んで、ゴシップ記事に好き放題書かれて!!

 恨むならまだしも、ドラゴンとかにも怖がっているのですよ!?

 負けたらそれを糧にして、努力すればいいのに!!」

 

レイヴェルはライザーの状態に激昂しつつ文句を言う。

 

「……でも、いちおうは私の兄ですから……」

 

「解った。ライザーを復活させるのを手伝おう」

 

リアスたちにも連絡して、冥界へ―――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=冥界・フェニックス家=

 

グレモリー眷属+イリナ、鋼弥、リオは冥界のフェニックス家の城へ訪れた。

以前、"フェニックスの涙"で資金稼ぎをしていたと聞いてた。

レイヴェルと眷属たちも待っていた。

 

「リアス様お久しゅうございます。それと久しいな涼刀」

 

「久しぶりだなイザベラ。それでライザーは?」

 

「こちらだ」

 

ライザーの部屋に案内されると、火の鳥のレリーフが刻まれている扉へとついた。

レイヴェルガノックする。

 

「お兄様、お客様ですわよ」

 

『……レイヴェルか。今日は誰とも会いたくない……』

 

拒否している。

レイヴェルはムッとしているが、鋼弥は手の指を鳴らして―――。

 

「レイヴェル、下がっていろ」

 

レイヴェルをさがらせて、鋼弥は扉の前に立つ

 

「破ッ!!」

 

正拳突きで扉をぶっ壊す、リオ以外、皆驚く

 

「鋼弥、無茶苦茶な事をするわね……」

 

「長引くよりも強行突破するのがいいのでね」

 

リアスは目元を引きつかせて言うが、鋼弥はシレッと答える

 

「な、な、なんだ!?」

 

其処には髪がボサボサのライザーがいた。

次に一誠と鋼弥の姿を見た途端――――――。

 

「……ひ、ひいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」

 

猛スピードでベッドの中へと隠れた。

 

「か、帰ってくれーーーー!!」

 

「レイヴェルに依頼を頼まれている。お前を復活せるという依頼をね」

 

「い、い、嫌だああああああああッ!」

 

これから起こる地獄に絶叫したライザーは炎の翼を広げて逃げようとしたが、鋼弥は瞬時に近づきアイアンクローでライザーの頭を掴んで連行する。

その光景に若干引いてしまう一同だが、一誠は恐る恐る聞く

 

「そ、それで、どうするんだ?」

 

「恐怖症を克服するには、地道に鍛錬するしかない。

 リアス、一誠。ここは俺に任せてくれ良い修行場所がある」

 

「魔界に行くのね」

 

「それから、レイヴェルとライザーの眷属たちも同伴させよう。

 いずれはゾロアスターと戦う時が来て、少しでも戦力にならないとな」

 

鋼弥とリオはライザーと眷属たちをつれて、いざ魔界へ――――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=魔界・火山と温泉の国 ドラゴンバレー=

 

 

シンディの案内でドラゴンバレーとやってきた鋼弥、リオ。

他にもタオも同行している。

 

「それで我々が修行する場所というのは?」

 

「この火山の国の奥地にあるドラゴンテルプルム。そこを統括している人に会うわ」

 

「ノア殿とカナンに協力してもらえれば、強くなれるよ」

 

イザベラの疑問にリオとタオが答える。

ドラゴンが多く生息している光景が広がる。

 

「あわわわ・・・ドラゴンがこんなに・・・」

 

ライザーはガクガクと震えている。

 

「あの神殿にノア殿とカナンがいる。いくぞ」

 

ドラゴンテルプルムまで歩く鋼弥たち。

神殿に入り、竜王の間へたどり着く。

ノアとカナンがおり、七門番将も待機している

 

「おお、鋼弥か。元気に育ったな」

 

ムギュっと鋼弥を抱きしめるノア。

大きな胸に挟まれ、女性特有の匂いに顔を赤くする鋼弥。

リオはムーッと頬を膨らませている。

 

「母上!!客人の前ですよ!!」

 

これにカナンは激怒し注意するが、ノアはニヤリッとして―――。

 

「カナン、お前とて鋼弥と再会できてうれしいのではないのか?

 ここに来ると聞いて、慌てて身支度しておったではないか」

 

「そ、そ、そんなことあるわけが!!」

 

顔を赤くして言葉を詰まらせるカナン。

大概、ノアは娘であるカナンをこうしてイジルのが楽しいようだ。

抱擁を無理やり解いて、新鮮な空気を吸う鋼弥

 

「ノ、ノア殿……ここに来た目的ですが……」

 

「うむ、話は聞いておる。後ろにいる鵯っ子供を鍛えればいいのだな」

 

ジッとライザーと眷属を見るノア。

 

「今のままでは、ゾロアスターどころか、魔界の悪魔たちを倒すのは難しい。

 私が考えた基礎トレーニング、七門番将とカナンが行うとしよう」

 

こうしてドラゴンバレーにてライザーチームの修行が始まる。

 

 

~修行経過1 兵士組~

 

 

チェーンソー姉妹のイルとネル、ミラの兵士組。

槌を持った少年、氷の門番将アルカラ・ウォーラー。

まずは体力作りのためのランニング、腹筋を行っている

 

「声が小さい!!もっと腹から声を出すように!!」

 

「「「は、はい!!」」」

 

イルとネル、ミラと同じ身長だが厳しく指導している。

もう一方では――――。

 

「「にゃにゃー!!?」」

 

ニィとリィが吹き飛ばされた。

シュリヤー、マリオン、ビュレントも向かうが、

鉛色の鎧を身に纏った巨漢は拳を大地へ叩き彼女たちの動きを封じる。

 

「動きが読まれやすい!!そんなものでは合格点はやれん!!」

 

巨漢の男はラショウ・ロックス。

地の門番将、攻守ともに優れている

 

「そういっても、おじさん手加減してほしいにゃー」

 

「そうにゃーそうにゃー」

 

ブーブーと文句を言う猫姉妹。

ラショウはギロリッと二人を睨む。

 

「手加減しても強さは手に入らぬ。戦いに男も女も関係ない!!」

 

フンッと鼻息を荒くするラショウ。

この熱血漢ぶりに若干嫌気がさしているニィとリィ。

 

「私たちはまだまだ、やれます」

 

「ライザーさまだって辛い修行をしているんだ。私たちは弱音を吐いてはいけない」

 

「ラショウさん、お願いします!!」

 

シュリヤー、マリオン、ビュレントは尚もラショウに立ち向かう目をしている

 

「ほう……飼い猫姉妹よりも向上心はあるな。越されるぞ?」

 

ニィとリィは主の為にもうひと踏ん張りと立ち上がり、ラショウに立ち向かう

 

 

~修行経過2 騎士&戦車~

 

 

イザベラと雪蘭(シュエラン)の戦車コンビ。

二人を相手にしているのは紫色の忍び甲冑を包んだ女性のラティーナ・ダームラ。

闇の門番将で両手には小刀を持っており、言葉を発することなく二人に容赦なく襲い掛かる。

耐えつつ、反撃を見つけるのか戦車組に与えられた課題だ。

 

「相手の動きが見えないとは……」

 

「どうにか、当てなければね」

 

ラティーナは5体も分身を作り出し、一斉にイザベラと雪蘭(シュエラン)を囲い周囲に飛び交い二人を襲う。

腕や足など浅く切り込んでいき、二人は防御するのが精いっぱいだ。

二人は動きを注意しつつ、ラティーナが仕掛けるところを読み―――。

 

「「そこっ!!」」

 

同時のパンチを放ち、ラティーナの胸にあたり、殴り飛ばした。

クルリッと一回転して着地するラティーナ、二人を見て親指をグッと立てる。

 

「気配を感じ取り、カウンターを取る。イイ感じになってきたわね」

 

ラティーナは戦車組を褒める

 

カーラマインとシーリスの騎士コンビの様子

シーリスは光の門番将のハールレム・シャイニスを、カーラマインは風の門番将ホルステン・ウィンダーと稽古している

ハールレムは好青年で黄色の両手剣を持っており、ホルステンは緑色のラインが入っているランスを持っている。

両者とも騎士甲冑を身に着けているにもかかわらず、剣戟やスピードも群を抜いている。

 

「カーラマインさんは、技術・スピード重視と連続で切り込む。

 けど、頑丈な敵に対してだとパワー不足で返り討ちされてしまうわね」

 

ホルステンはカーラマインの良い点と悪い点を述べる。

 

「シーリスさんは、パワーの一点。悪くはないが攻撃が読まれやすい

 敵を倒すのならば小技を出した方がいい」

 

ハールレムはシーリスの剣技を指導している。

二人は剣の技術を伸ばして猛特訓だ

 

~修行経過3 僧侶&女王~

 

ユーベルーナと"美南風(みはえ)"の二人は炎の門番将サクラダ・フレイミーと雷の門番将エトワール・ボルトスだ

サクラダは緋色の髪でツインテールに纏めており、杖を持っている。

エトワールは黄色のトゲトゲの髪でパンク風な衣装を着ており、鞭を手にしている。

 

「この国は炎のエネルギーが満ち溢れている。課題は1分のうちに200個の火炎球を作ることよ」

 

「200個も作らないと、いけないの?」

 

「集中してやりなさい。主を護りたいなら」

 

サクラダの修行内容にユーベルーナは驚くが使命の為に頷き、やり始める。

"美南風(みはえ)"の担当をしているエトワールは、鞭で彼女が作った魔力の矢を叩き落していた。

 

「全然、ダメね~。

 貴女が作る魔力にはスカスカしているから、簡単に壊されちゃうのよ?

 もっと魔力を練って相手に破壊されないようにしなさい」

 

「解りました!!」

 

彼女たちは各々、得意分野を伸ばしている。

 

 

~修行経過4 ライザー~

 

「うぎゃああああああああああああああああああああ!!!!」

 

ライザーは必死に逃げてる。

その後ろに巨大ドラゴン―――ペンドラゴンが彼を追いかけているのだ

 

【ガアオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!】

 

無理もない、5mもあるドラゴンと命がけの鬼ごっこしていれば逃げたくもなる。

ライザーは火炎を放つが、残念なことにペンドラゴンは火炎吸収持ちだ。

 

「炎がきかねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ぐはっー!!」

 

ペンドラゴンに蹴り飛ばされて、岩山にぶつかるライザー。

 

「お兄様ー!!これぐらいで音を上げてどうしますの!!」

 

ペンドラゴンの上にレイヴェルが乗って兄を激励していた。

まだまだ、ライザーの克服修行は始まったばかりだ。

 

◆一時間経過◆

 

ライザーは追いかけまわされて、ぐったりとしていた。

 

「……し、死ぬぅ……」

 

「たったの一時間ぐらいで情けないぞ、フェニックス家の者よ」

 

ノアがそういうとライザーは不機嫌そうに声をあげる

 

「こ、こんな荒れ地で修行するなんて野蛮人のすることだ!!」

 

「何を言う。鋼弥は今のような強さを得たのは修行をしたからこそだ。

 彼が契約した悪魔はそれを認めて、強くなったのだぞ」

 

「俺は生粋の上級悪魔だぞ?

 受け継いだ血と才能を重んじて貴族らしく生きてこその上級悪魔だ!

 こんな泥臭い真似をしないといけないなんて……」

 

まだまだ坊ちゃん気質が抜けないライザー。

だが、ノアは今のライザーの言葉に憤りをしている。

 

「……貴様が言う上級悪魔が以下に戦闘で役に立たないか、私が教えてやろう」

 

ノアの怒り口調に鋼弥、リオ、タオ、カナンは冷や汗をかいている

 

「ライザー……ノア殿を怒らせたか……」

 

「こうなると、ノアさまは止められないね……」

 

「……確か昔、ドルキーと望紅とケンカしてた時も、あの怒りだったよね……」

 

「……私も母上の怒りで恐怖した……」

 

思い思いにノアの怒りを思い出す修行メンバー。

ライザーは目の前の怒りの龍女帝にガクガクと震えている。

 

「さぁ、歯を食いしばれ!!」

 

「うわぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

チュド――――――――――――――ンッ!!

 

大爆発とライザーの悲鳴が響き渡った――――。

 

 

◆◆一週間後◆◆

 

 

ライザーはボロボロになりながらも、修行を続けていた。

同時にドラゴンに対する免疫がついて見事に克服できた。

また、眷属たちもレベルアップし、魔界の悪魔たちでも立ち向かえるほど強くなった。

 

「うむうむ。皆、厳しい修行に耐えて、よく乗り越えた。褒美として、温泉に入るぞ」

 

温泉という言葉を聞いて女性陣たちは喜んでいた。

 

「鋼弥もタオもライザーも温泉に入って戦いの垢を流すがよい」

 

秘湯へたどり着いた一行。

温泉に入り修行と戦いの疲れと垢を流している鋼弥とタオはリラックスしている

 

「……ライザーは?」

 

鋼弥とタオは辺りを探すと、敷居の近くでウロウロしているライザーの姿が。

 

「なにをしている……」

 

「決まっている。あの女帝の裸体を拝もうかと……」

 

その言葉に鋼弥とタオは焦る。

あれだけズタズタにやられたというのに覗きをしたら、大変な事に

 

「ライザー、悪い事は言わん。それはやめておけ」

 

「バレタら、殺されますよ!!」

 

鋼弥とタオはライザーを止めに入るが、ライザーは……。

 

「この先に、秘密の花園があるなら俺はそこに行く!!」

 

「地獄が待ってて貴方が逝ってしまいますよ!!」

 

ギャーギャーと喚く男性陣の声が聞こえ、女性陣たちはクスクスと笑っていた。

 

「まったく、お兄様ったら」

 

「はっはっはっ。すっかり元気になったなー。 カナン、お前は鋼弥の身体とか興味ないのか?」

 

「こちらに話をふらないでください、母上!!」

 

ノアのからかいにカナンは顔を赤くして反論する

 

(……コーくんの身体か……)

 

髪を束ねたリオは頬を赤くしてブクブクとしている。

星空がキラキラと輝き、流れ星がきらりっと光る。



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ソーナの探究、新たな目標

少々、短めですが今回はソーナ・シトリーをスポットを当てました。

アトラスファンならではの懐かしい紹介があるかも?


ソーナの探究

 

 

生徒会室で呼ばれた鋼弥。

ドアをノックして入室すると、ソーナが座って待ってた。

 

「お待ちしてました、涼刀くん」

 

「話というのはなんだ?」

 

「以前から魔界の悪魔について、興味がある事を覚えてますか?」

 

初めて会った時の会話か……。

 

「ああ、覚えている」

 

「冥界の学校を作るときに、魔界に関する教材も得ようかと考えてます」

 

「それで、俺の協力が必要というわけか」

 

「生徒会のメンバーにも伝えておきました。後は涼刀くんと同行すればいいのですが」

 

鋼弥はしばらく考えているが、コクリッと縦に頷く。

 

「前に約束してたからね。行こうか、魔界へ」

 

リアスたちにも連絡を取って、二人は魔界中央の国へ――――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=魔界中央の国 博物館ニカイア=

 

 

鋼弥とソーナがついたのは大きな博物館だ。

学者系の魔界人や悪魔が多く入っている。

 

「魔界の歴史や悪魔を知るのならこの博物館がお勧めだ。リオやリーザも知識を得るために通うよ」

 

「こんな大きな博物館があるなんて……」

 

「名前は"勝利の街"という意味だ。どうも地上世界である出来事からとった名前らしい」

 

鋼弥がそう説明して、二人は博物館の中へ。

様々な魔界の歴史や伝説の武器などが展示されていた。

色々と見るソーナは大きな絵を見つける。

海に浮かぶ巨大な建造物の絵が飾られており、題名は"カテドラル"と書かれている。

 

「これは別世界の悪魔が蔓延る荒廃した東京で起きた最後の戦いの舞台となった絵だ」

 

「別世界のですか……?」

 

「世界というのは幾つか別れて、想像がつかない出来事が起きているんだ。

 禍の団やゾロアスターの活動が酷くなれば、この世界も悪魔が蔓延る世界になるかもしれない」

 

争いが激化、人間世界は荒廃、弱者である人間は悪魔たちに蹂躪されてしまう世界。

そんな起こりうる未来は避けなければならない。

だからこそ、鋼弥みたいな悪魔を討伐するハンター、騎士団、悪魔召喚師が存在している。

 

「次の場所へ行こうか」

 

次の展示物は"悪魔召喚機器の歴史"と書かれていた。

ハンドベルトコンピューター、これが最初に使われていたものと書かれている。

銃型COMPデビライザー、大正時代に使われていた封魔管。

更には携帯電話、スマートフォンを使った召喚アプリというものがある。

ガントレットと呼ばれる銀色の籠手型召喚機も展示されていた。

 

「悪魔を召喚する際に色々な機器を使っていたのですね」

 

「これも、時代の流れというものだな」

 

二人が次の展示物へ向かったのは悪魔辞典と呼ばれるエリアである。

悪魔や魔獣などの像が多く展示されており、特徴も書かれていた。

 

「これが魔界の悪魔ですか……冥界の悪魔とは違って、人の姿を保っている者はいないのですね」

 

「魔界の悪魔は神々しい姿や荒々しい姿をすることによって人間たちから畏れ敬い信仰を集めている。

 唯一神によって、追放された者は魔界に堕ち姿形を変えた。

 ここからルシファー陛下を初め多くの魔王、邪神、魔神などが誕生したとも言われている」

 

魔界の悪魔たちの説明を聞いているソーナ。

分け隔てもないレーティングゲームの学校を創立する為に真剣な表情だ。

二人は十分に見回って、アイスを食べている。

 

「ここのアイスは美味しいから、たまに食べたくなるんだよ」

 

「本当においしいですね」

 

鋼弥はバニラ味、ソーナのソーダ味のアイスを食べている。

 

「その、役に立てたかな?」

 

「貴重な資料をみれて大変、勉強になりました。ありがとうございます」

 

「そうか、それはよかった。それに……こうやって羽を伸ばす機会はなかったからね」

 

不意に笑みをこぼす鋼弥、ソーナは鋼弥の顔を見てドキッとする。

冷徹で笑う事もない印象が強かったが、笑顔を見て鼓動がはやくなる感じだ

 

「どうかしたか?」

 

「い、いえ……なんでもありません」

 

頬を少し赤めるソーナ。

鋼弥の顔がまともに見れなくなりそうだとソーナは思い始める。

けど、解っている。この恋は叶わないものだと。

彼にはリアスの"女王"の姫島朱乃と付き合っている。

それだけではなく、多くの女性たちに慕われていることも……。

 

 

◆◆◆◆

 

 

次の日――。

地上世界に帰還し、魔界で得た資料を読むソーナ。

魔界式のレーティングゲームの"ファンタジスタ・バトル"のルールや試合形式、フィールドに関する本も購入している。

 

「冥界におけるチェスではなく6対6の人数を決めてが多いですね」

 

過去の試合なども紹介されており、名勝負も多くある。

堕天使で構成された"ダークナイツ"、妖鬼や鬼女で構成された"鬼凶組"、獣、龍、鳥で構成された"ザ・ファング"、上位の天使や大天使で構成された"聖天"、幻魔や英傑で構成された"ヒーローズ"、

更には破壊神、魔神、女神などが構成されている"神羅"、魔王で構成された"グランデビルズ"といったチームが多くある。

 

「異なる種族でも、チームを組んで共に戦う……魔界だからこそか」

 

ソーナに新たな目標が生まれた。

冥界で分け隔てないレーティングゲームの学校を創立、魔界の悪魔チームと交流試合し試すこと。

自分たちの眷属たちを強くし、いつかは挑んでみたい気持ちは強くなる。



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三匹の悪魔を追え!!【前編】

時期:第11章前。

今回はpixivのご友人さんのキャラとクロスの第二弾!!
前編、後編と分けます~。


=魔界中央・パンデモニウム 異界ゲート=

 

 

今回はとある依頼を受けたメンバーが集まっていた。

 

「今回の任務は異界に逃げた悪魔を追えってわけか」

 

行くメンバーは望紅、ドルキー、アルス、リーザ、シェリルの五人だ

鋼弥とリオは学園祭や冥界で始まるサイラオーグ戦に、珠樹、彗華、タオ、紫、カナンは別件依頼があるので来られないようだ。

 

「三匹の悪魔を捜すとなると別行動しなければならないこともある」

 

「そういうことになるわね、まとまって行動していくわけにも行かないわ」

 

アルスとリーザがその世界に辿り着いたらの行動方針を固める

いざ、異界ゲートを潜り抜ける―――。

 

 

―――――――――

 

辿り着いた場所に望紅はどこか見覚えがある

 

「あっ、ここって駒王町じゃねぇか。またここに飛ばされたのか?」

 

「俺も駒王町、来たことあるが……どうも、雰囲気が違うな」

 

ドルキーもそう言う。

リーザはCOMPを使い、逃げた悪魔を調べる。

点滅している点はそれぞれ違う方へと逃げ込んでいた。

 

「こりゃあ、バラバラに捜索しないとダメか」

 

「そうだな。すこし辛くなるが武運を祈る」

 

それぞれ悪魔を追いかけて、バラバラに散らばる。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=望紅&ドルキー組=

 

 

「逃げた悪魔の気配……ここなんだが、何処に隠れているんだ?」

 

「早いところ、見つけないと被害が出てしまうな」

 

日は高く昇っているが、魔界の悪魔はそんな事をお構いなしに現れる。

望紅とドルキーはこのあたりに潜んでいる悪魔を捜している。

すると見知った男女が目に入り、駆け出す。

 

「誰かと思えば崇仁とレイナーレじゃん」

 

望紅が言う男女のカップル――――崇仁とレイナーレは声がする方を見て振り向くと驚いた

 

「えっ!?望紅さん!?」

 

アリス事件の時、協力してくれた佐藤崇仁とレイナーレと再会した。

 

「お久しぶりです!!でも、どうして?」

 

「悪魔がこの世界に迷い込んでな。捜していたところ、お前らの姿を見たわけだ」

 

「それって、アリスみたいなのが……?」

 

「アリスの様な魔人じゃないが、強力な悪魔が迷い込んだだけだ」

 

困ったかのように後頭部をかく望紅

崇仁は望紅の後ろにいた赤い帽子を被った男性に視界が入る

 

「あの、そちらの人は?」

 

「こいつはドルキー・サーティン。まぁ、同業者だわ」

 

望紅はドルキーを紹介する

 

「よろしくな。望紅から話は聞いたぜ。アリスの時、助けてくれありがとな」

 

「いえ、そんな……」

 

崇仁は照れているようだ。

ドルキーは耳元で崇仁と話す。

 

「あいつ、口は悪いけどさ根は良い子なんだよ。気悪くしないでくれよ」

 

以前の辛辣な言葉を思い出すが、あれは彼女なりの心配でもあり優しさでもある。

 

「なに、話をしてんだ?」

 

「男同士の会話ってやつだ。これがな」

 

他愛もない会話をするが、ドルキーと望紅は何かを感じ取る。

其処に現れたのは、鎖の髪を持つ赤黒い巨人だ。

鎖の髪束から、黄色い目が覗いている。

 

「おいでなすったか」

 

 

―――――――――

 

 

=アルス&リーザ組=

 

アルスはバイクを呼び出して、悪魔の出現ポイントへと向かうアルスとリーザ。

リーザがCOMPを操作して、ナビゲーションしている。

辿り着いた場所は、石段がある神社のようだ。

 

「ここに潜んでいるのかしら?」

 

「行ってみれば解るはずだ」

 

バイクから降りる二人は、石段をゆっくりと登り、神社へたどり着く。

辺りを見渡すが、何の変哲もない神社だ。そうただの人間だったらの話だが。

 

「毒と瘴気の臭いがするわね……」

 

「ああ、この瘴気濃度を考えればただの悪魔ではないようだな」

 

二人は警戒しつつ、神社の境内を散策している。

人がいないのは幸いなのだが、急いで倒さなければ騒ぎが大きくなる。

すると、白髪の男と黒髪の女が姿を現す。

 

「いらっしゃい、外国のカップルでしょうか?」

 

カップルという言葉にリーザとアルスは少しだけ顔を赤くする。

 

「ち、違います。その……共通の趣味を持つ友人です!!」

 

リーザがそう弁明し、アルスは帽子を深く被っている。

それを見たリーザはアルスを蹴り、激昂する

 

「貴方も何か喋りなさいよ!?」

 

「すまん…………」

 

そんなやり取りを見た二人は茫然としていた。

アルスは二人を見て、ある言葉を呟く。

 

「……二人とも、普通の人間ではないようだな」

 

その言葉を聞き、二人の男女は警戒するが、アルスは続けて話す

 

「警戒しなくてもよい、俺たち二人は魔界から来た者だ」

 

「魔界から?貴方達は何者なの?」

 

黒髪の女性がそう問いかけてきて、リーザとアルスは名を名乗る

 

「私はリザベル・フォン・シュタイン。今後ともよろしく」

 

「俺はアルス・ヴァレンタイン。魔界軍人の少佐だ」

 

名乗ったら名乗りかえすのが礼儀、相手側も名乗った。

 

「僕はアベルといいます。中級天使です」

 

「三上咲耶(みかみさくや)といいます。あの二人はどうしてここに?」

 

アルスは単刀直入にアベルと咲耶に問う。

 

「逃亡した悪魔を追跡していたのだが、見かけなかったか?」

 

「悪魔?二人は"はぐれ悪魔"を追っているのかい?」

 

「"はぐれ悪魔"というよりも……凶暴性のある悪魔を退治だ」

 

アルスはサーベルを抜き、リーザは鞭を手に持つ。

二人が突然武器を取り出すことに驚く、アベルと咲耶。

 

「貴方達は離れていなさい。ここから先は私とアルスで片づけるわ」

 

二人の視線の先を見ると、黒い霧の様なものが出現。

それが晴れると剣を両手に持ち真っ黒な服を身に纏い、黒い笠を被ったドクロが姿を現す。

 

 

―――――――――

 

=シェリル=

 

 

シェリルは人に見つからない様に現れた悪魔の出現ポイントへ到着。

大きな湖がある場所で、傍にはホテルが建っている。

人が多くいた時に出現したら取り返しのつかないことになる、急いで探そうとするが……。

 

ドスッ!!

 

彼女の足元に光の槍が刺さっていた。

投擲した方向を見ると、金髪の女性天使が光の槍を構えていた

 

「貴方は一体誰!!ここから出ていきなさい!!」

 

女性天使は光の槍を構える。

シェリルは違うと首を横に振る。

 

「で、でも……ユーラテさん、なんだか敵意もないようですけど……」

 

「カスティー、あんな恐ろしい鎧を身に着けているのよ。中身だって恐ろしい怪物かもしれないわ!!」

 

ユーラテの言葉を聞いて"ガーン"とショックを受けるシェリル。

確かに鎧の色は黒だし、恐ろしい雰囲気があるという自覚はある。

説明しようにも呼吸音しか聞こえないし、見た目にも問題あるので口で説明するのも難しい。

どうしようかと思ったシェリルだが何かの気配を感じる。

湖がボコボコと泡立ち、水の柱が立ち上がる。

 

「なに!?」

 

水が弾かれると巨大な紫色の大蛇が出現する

 

【ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!】

 

大蛇は雄たけびをあげて、青色の瞳で獲物を睨む。

シェリルは大刀を取り出し、振り回して構える。

 

「カスティー、貴方は離れて!!」

 

ユーラテは光の槍を構えて、大蛇と対峙する。

 

――――別世界の駒王町に、それぞれの場所で出会い戦いが始まる



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三匹の悪魔を追え!!【後編】

お待たせしました。後編スタートです!!


=ドルキー&望紅組=

 

 

【グウウウウウウッ!!】

 

巨人は鋭い歯をむき出しにして、ドルキーと望紅を睨む。

二人は目の前の巨人を分析する。

 

「邪鬼グレンデル。邪鬼の中では高いレベルの相手だな」

 

ドルキーが目の前の悪魔をグレンデルと呼んだ事に崇仁は驚いた。

 

「えっ!?グレンデルって、凶暴な黒いドラゴンじゃあ……!?」

 

「あ?何言ってんだ?グレンデルがドラゴンなわけないだろ?」

 

崇仁の言葉にドルキーは反論する。

今の発言で崇仁は"しまった"という顔をするが―――。

 

「そんなことはどうだっていいから、さっさと倒すぞ!!」

 

「それもそうだな」

 

望紅の言葉にドルキーはグレンデルと対峙する

 

(魔界のグレンデルって、あんな巨人タイプなのかな…?)

 

崇仁が知っている邪龍グレンデルと目の前にいるグレンデル。

その大きな違いを見せつけられて、ただ驚き戸惑う。

 

「おらっ!!」

 

「どりゃっ!!」

 

望紅はローキック、ドルキーは風手裏剣を放つが、グレンデルには全くダメージが入ってない。

 

「あれっ!?効かない!?」

 

「こいつ、物理と衝撃が無効なのか!?」

 

グレンデルは剛腕を振りかざして、ドルキーと望紅を吹き飛ばす。

 

「「うおおおおおおおおっ!!」」

 

一回転着地して、体勢を立て直す二人。

グレンデルはニタリッと笑っている。

 

「ヤロー……、俺たちの攻撃が効かないから、調子に乗っていやがるな」

 

「あんたの風が効かないとなると、アタシの火炎でどうにかしないといけないか」

 

「けど、お前の魔力だってそんなにあるわけじゃないだろ。あったとしてもシェリルぐらいしか……」

 

「そこまで、低くねぇーよ!!スピードバカ!!」

 

ギャーギャーと言い争う二人だが、シェリルをバカにしているのだがそんな事は知らず。

グレンデルは痺れを切らし、マハマグナスを唱えて、岩石の雨を降らす。

 

「させるか!!」

 

ドルキーは風の手裏剣で全ての岩を撃ち落とす。

だが、相手は体力もあるうえ、物理と衝撃が通じない。

この敵をどうやって攻略すればいいのか……。

 

 

―――――――――――

 

 

=アルス&リーザ組=

 

 

グレンデルと戦闘中、こちらでも戦いが始まろうとしていた。

 

「……アベル」

 

「ああ、目の前のあれは、強い妖気を感じる」

 

リーザはCOMPを操作してサーチモードを実行し、悪魔を調べる。

 

「厄介ね。あれは破壊神チェルノボグよ」

 

「スラブ神話における夜、悪、闇を司る黒い神か」

 

【フォフォフォフォ……。ワシを追ってきたのは若い男女か。それに純正と混ざりの天使か】

 

純正の天使はアベルを指し、混ざりの天使は咲耶を指す。

 

【せめて、苦しんで死んでくれればジジイはより強くなれる。

 恐怖で塗りつぶされた魂は極上の逸品だからのぉ】

 

カタカタと笑うチェルノボグ。

リーザは腕を組んで、ジト目で黒い神の趣味を嫌悪する

 

「悪趣味な破壊神ね」

 

「……破壊神チェルノボグ、お前をここで討伐させてもらう」

 

【フォフォフォフォ。できるかの?ブフダイン!!】

 

剣を地に突き刺すと、巨大な氷塊がアルスとリーザに襲い掛かるが二人は避ける。

 

「「アギダイン!!」」

 

二人は同時にアギダインをチェルノボグ目掛けて撃ち、直撃させる。

チェルノボグの弱点は火炎属性、このまま押し切れば倒せるはずだ。

二人はもう一度、アギダインを唱えて撃つが―――。

 

【火炎ドレイン】

 

チェルノボグの前に赤いシールドが出現し、アギダインが吸収され回復したのだ。

 

「ウェイトスキル!?それぞれの属性に応じたシールドを張るスキルを持ってたなんて!?」

 

「……敵のスキルを把握できなかったのは、こちらの判断ミスだ」

 

これでは火炎系統の魔法や技が封じられた。

 

【では、これはどうかの?】

 

ドスッと剣を地に突き刺すと、影が伸びていきアルスの影とリーザの影が動き出し、二人の前に立ちはだかる

 

「……こんな芸当ができるとは、夜を司る神と呼ばれるだけあるな」

 

【では、ワシはしばしの眠りにつくかの……】

 

チェルノボグは"黒神の睡目"を使い、姿が消え剣だけが宙に浮いている状態になった。

リーザはチェルノボグが持っている剣に狙いを定めるが……。

 

「やめておけ、剣だけ狙ってもチェルノボグ自身に何もダメージは与えられん」

 

アルスが止めに入る、

影法師のアルスと影法師のリーザを先に倒さなければならない。

 

 

 

―――――――――――

 

 

=シェリル=

 

 

【ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!】

 

紫色の大蛇―龍王ユルングは口から凍てつき息を撒き散らし周辺を凍らせる。

シェリルは刃羅鬼丸を風車の様に回して、冷気を弾く。

 

「ハッ!!」

 

ユーラテが光の剣を投擲するが、強固な龍の皮膚に阻まれて弾かれる。

ユルングはユーラテに狙いを定めて、大きな口を開けて飲みこまんとかかる。

だが、一歩の所でユルングが止まりかけている。

みると、シェリルがユルングの体を掴み、脚を踏ん張って止めていたのだ。

 

「あの人、私を助けるために……」

 

外見で判断してしまった自分は彼(シェリルの中身が知らないので男だと思っている)に酷い事をしたんだろうと悔いていたユーラテ

ユーラテは距離を取り、光の剣を生み出す。

 

「皮膚がダメなら……ここはどう!!」

 

ユルングの左眼へ投擲し、貫いた

 

【ギュガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!?】

 

左眼に激痛が走り、暴れだすユルング、シェリルは転がりながら、退避する。

だが、ユルングが無茶苦茶に尾を振りかざしているせいで大地が抉れていく。

その尾が、カスティー目掛けて振り下ろされようとした。

 

「うわああああああああ!!」

 

「カスティー!!」

 

ユーラテは急いで彼の元へと向かうが……間に合わない。

 

―――ドスンッ!!

 

 

―――――――――――

 

 

=ドルキー&望紅組=

 

 

「しかたねぇ、とっておきの用意するか」

 

ドルキーは懐から巻物を取り出し、広げる

 

「それってなんだ?」

 

「報酬に貰ったスキル伝授の巻物だ。まぁ、何が出るのかお楽しみだ」

 

ドルキーはフムフムと巻物を読む、ニヤリッと笑う

 

「ラッキー、"貫通"スキルをゲットしたぜ。これであのデカブツを倒せる」

 

「なら、早速……!?」

 

望紅はグレンデルの狙いが崇仁とレイナーレに定め、襲い掛かろうとした!!

グレンデルの手が二人に伸びて、掴みに掛かろうとしたが望紅が二人を突き飛ばし、捕まってしまった

 

「「望紅さん!!」」

 

グレンデルは握力を強め望紅を痛めつけている

 

「あ……ぐぅぅ……!!」

 

ギリリリッ!!

 

「うああああああああああああっ!!」

 

更に握力を強め望紅は悲鳴を上げる。

 

―――ザシュ!!

 

望紅を掴んでいたグレンデルの手が斬り飛ばされ、ドルキーは望紅を抱きかかえる。

 

【ヴオオオオオオオオッ!!?】

 

失った手の痛みに激しくもだえるグレンデル。

 

「……望紅を頼む」

 

崇仁とレイナーレに託し、帽子を深く被り彼の足元に風が大きく渦巻く。

 

「よくも、やってくれたなデカブツ!!」

 

巨大手裏剣トゥインクルスライサーを持ち構えて、グレンデルへ向かう

残った手で、ドルキーを殴りにかかるが跳躍し、構える。

 

「紅葉奔(もみじばしり)!!」

 

トゥインクルスライサーを投げ、グレンデルの身体を奔り切り裂く。

ドルキーがトゥインクルスライサーをキャッチし、地面に降りると同時に―――グレンデルの体はサイコロの様にバラバラに切り裂かれ灰となった。

 

「女を泣かせるようなことすんなよ」

 

 

―――――――――――

 

=アルス&リーザ組=

 

影法師アルスは黒いサーベルを抜きアルスに斬りにかかり、影法師リーザは黒い鞭を取り出し、リーザに襲い掛かってくる。

二人は影法師の攻撃をかわしつつ、反撃を加えている

何故、こんなにも冷静なのか?二人は修行時代、シンディの言葉を思い出す。

 

――相手が自分と同じ攻撃しても、焦らなくてもいい。

  真似を攻撃してくるという事は、自分が最も解りやすい癖や弱点を出す。

 

(俺の弱点は――――) (私の弱点は――――)

 

二人の影法師は強力な攻撃を仕掛けようとした時、アルスとリーザは動き出す

 

((溜め攻撃が長い事―――!!))

 

アルスは影法師アルスの首を斬り、リーザは影法師リーザの両腕を吹き飛ばし、腹部を貫く。

影法師たちは砂の様にれ落ち、消滅した。

 

「すごい……」

 

「冷静で的確に倒すなんて…」

 

アベルと沙耶は二人の実力にただ、驚愕する。

今度はチェルノボグが姿を現した。

 

【フォフォフォフォ……まさか、影たちを仕留めるとのぉ?

 だが、貴様たちの威勢もそこまで、後ろの者たちと共に死ねい!!

 ―――マハブフダイン!!】

 

剣を横に薙ぎ払うように振りかざすと、巨大な氷塊の波状が襲い掛かってくる。

 

「マハラギダイン!!」

 

リーザは猛炎を放ち、マハブフダインを相殺する。

 

【無駄なあがきを……】

 

次なる攻撃を加えようとするが―――――――ドスドスッ!!

 

【ぬぐぉ!!?】

 

腹部に光の槍が刺さっていた、アベルと咲耶が天使化して投擲したのだ。

 

「僕たちがいる事を」

 

「忘れないでね」

 

アルスはその隙を逃さず――――。

 

「散れ、ロッソ・アンダルシア!!」

 

サーベルの刀身が赤くなり連続で突き刺し、とどめの一撃を突く。

 

【ゴハァァァァァァッ!!まさか……ワシが敗れるとは……!!】

 

チェルノボグは黒い塵となり消滅し、手に持ってた大剣は地に落ちるとバラバラと砕け散った。

サーベルを軽く横に振るい鞘に収める。

 

「感謝するアベル、咲耶」

 

「いえ、お役に立てて光栄です」

 

アルスとアベルは握手する、リーザはCOMPを操作して、マップを表示させる。

 

「どうやら、ドルキーと望紅たちも無事に悪魔を片付けた様ね」

 

「後は、シェリルだけだが……彼女は何処に?」

 

「ここの湖がある場所で戦闘しているようね」

 

アベルと咲耶はその場所に覚えがあった。

ユーラテとカスティーがいる場所だ。

 

「その場所は僕たちも知っている場所で、仲間がいます」

 

「そうか、すまないが案内を頼む」

 

―――――――――――

 

=シェリル=

 

カスティーは恐る恐る目を開けると、目の前に鎧を身に纏った人物―――シェリルがいた。

ユルングの尾を掴んで、守っていたのだ。

シェリルはユーラテの方を向き、次にカスティーの方を見る

 

―――今のうちに退避させてというサインのようだ

 

「カスティー、今のうちに」

 

「う、うん」

 

ユーラテはカスティーの手を掴んで急いで退避する。

二人が安全な場所へ行ったことを確認したシェリルは力を込めてユルングの尾を押す。

ようやく痛みが治まったユルングは片方の目でシェリルを憎々しげに睨み唸り声をあげる。

 

(本気を出すしかないわね)

 

恥ずかしいけど、あの二人を助けるため。

シェリルは意を決して、鎧の胸部、腰部分、兜を脱ぎ捨てる。

 

「えええ!?あの人って女性だったの!?」

 

これには驚くユーラテとカスティー、シェリルは長髪をポニーテールに纏める。

籠手と脚部分だけは装備しており、黒のサポーターとスパッツ状態となる。

 

「覚悟をしてね」

 

刃羅鬼丸を振り回して、構える。

ユルングは口から凍える息を勢いよく吐くが、シェリルは避けて斬撃を次々と与える。

 

――脱げば脱ぐほど強くなるという訳ではないのでその辺は誤解しない様に。

 

「決める!!」

 

助走をつけて、ダンッと思いっきり踏んで跳躍し、大刀を頭上に掲げて丸ノコの如く回転する

 

「グランドスラッシュ!!」

 

そのままユルングを縦一直線に切り裂き地に着く。

アジの開きの様に真っ二つになり、黒い塵となり消滅した。

戦闘が終わり、脱いだ鎧を装着する。

 

「あの、ありがとうございます。僕を助けてくださって」

 

「最初の時、貴女の事を悪く言って、ごめんなさい」

 

カスティーは礼を言い、ユーラテは悪く言ったことを謝りシェリルはニコッと笑う

 

「大丈夫。二人とも無事でよかった」

 

それからドルキー、望紅、アルス、リーザ、崇仁、レイナーレ、アベル、咲耶たちとも合流して事件は無事に終わった。

 

 

~交流~

 

事件が終わった、翌日。

 

「この人たちが望紅さんの仲間なんですね」

 

「まぁな、修行時代に張り合った仲だったり支え合った仲でもあるな」

 

ハンターだったり、軍に所属していたりと経歴の持ち主ばかりだ。

 

「それにしても、彼女の事なんだけど……」

 

ユーラテの視線の先にはシェリルの姿だ。

兜も被っており、あの時の顔が見えない。

 

「彼女って、どうしても鎧を外さないの?」

 

「シェリルは顔や体とか見られるのが恥ずかしいのよ。

 あの時は貴方達を助けたいために外して本気になったからね」

 

リーザがそのことを説明する。

 

「鋼弥さんは今回は来ていないのですか……?」

 

「学園祭の準備とサイラオーグ戦のため、今回の依頼に参加できなくてな」

 

崇仁の疑問にドルキーがそう説明する。

アルスは懐中時計を取り出し、時間を見る。

 

「そろそろ、我々の世界に帰還しなければならん」

 

「せっかく、異世界に来たんだからもう少しゆっくりしたぜ」

 

「駄目だ。長く滞在していればどんな影響が出るのか解らないぞ」

 

「悪いな、ドタバタしててゆっくり滞在できなくてさ」

 

「今度はお休みの時に遊びに来てください」

 

「ああ、鋼弥にも伝えておくよ」

 

ドルキーと崇仁は握手を交わし、ゲートを開いて自分たちの世界へと帰還した。

二度にも渡る異世界騒動はこうして幕を閉じた。

鋼弥たちの世界ではサイラオーグとの戦いが迫ろうとしている。




今回はそれぞれの場面展開に挑戦しましたが、目まぐるしくて解りづらかったかも。

本編も更新しますので、しばしお待ちください。


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シェリルとリーザ

今回はシェリルが鎧を付けた話と隠していること


=魔界中央の国・リーザの屋敷=

 

皆さん、こんにちは。

私の名前はシェリル・ヴァイオレット。

漆黒の鎧を身に纏っていますが、乙女です。

武器は出刃包丁を大刀に仕立てた刃羅鬼丸、強固な皮膚を持つ龍だろうが魔獣だろうが切り裂くことができます。

怪力自慢で、料理もできます。

 

「誰に話しているのシェリル?」

 

ビクッとシェリルは声の主を見る。

赤いゴスロリ服を着た少女―――リーザが紅茶を飲みながら、ジト目で見ていた。

シェリルはワタワタと説明する

 

「なにか、画面の向こうの皆に紹介しなければいけない?意味解らないわね……」

 

この人はリザベル・フォン・シュタイン、愛称はリーザ。

私の親友で姉みたいな存在です。

今日は二人だけで紅茶会とお菓子パーティーです。

……兜をつけているのにどうやってお菓子を食べているというツッコミは無しで。

 

「ねぇ、シェリル……話というのは、鎧を外せないかしら?」

 

リーザの言葉にシェリルの動きが止まる。

 

「別世界、ユーラテさんたちに言われたじゃない。貴女の事を綺麗だって……」

 

リーザはそう言うがシェリルは視線を逸らしていた。

 

「……ごめんなさい。貴女にはまだ整理がつかないものね……」

 

◇◆◆◇

 

それは二人の過去に遡る―――。

 

シェリルが鎧を付ける前までは、女性では珍しく大柄な体格で周りにからかわれていた。

自分ではよくわからないが綺麗な顔だと周りから言われている。

嬉しい気持ちはあるけど、怖い気持ちがある。

身体だってドンドン女らしくなって、なにより男の視線が怖かった。

そんな時、レイハさんと出会い私を強くしてくれたし、リーザを初め多くの仲間ができた。

 

リーザとコンビを組んで、凍える冷気の国で任務―――邪龍アンフィスバエナの討伐。

 

アンフィスバエナとは蝙蝠の翼、紫色のウロコを持つ双頭の竜。

このドラゴンは珍しく寒さに耐性を持ち口からは猛毒を噴き出すという悪質な竜だ。

前衛はシェリルで後衛はリーザという陣形で、追い詰めようとしたが、アンフィスバエナはリーザに狙いを定めて爪を振り下ろした。

シェリルは彼女を抱きしめて護るが傷を負った、アンフィスバエナはその隙に逃走して、姿を見せなくなった。

リーザは助かったが代償としてシェリルの心に大きな傷を負ったのだ。

それ以来、固い鎧に身を包みシェリルは素顔や身体を見せなくなった。

 

―――弱さを見せないためなのか、リーザを危険に晒した自分への罰なのか。

 

◇◆◆◇

 

リーザは紅茶を飲み終わり、申し訳なさそうにシェリルを見る。

 

「あの時、私が対応してたら……」

 

シェリルは違うと首を横に振るい兜を外して、リーザと向き合う。

 

「あの時、リーザを護れたから、それでいいの。だから、気にしないで。弱かった私が悪かったから」

 

「シェリル、貴女は決して弱くないわ。

 アーシアさんを助けた時も、マシンナリードライバーを倒すときも、異世界の時も……。

 顔を見られても頑張っていたじゃない」

 

その言葉を聞いて、シェリルの目の色が変わる。

 

「……ありがとう、リーザ。私、頑張って鎧を脱いでみようかと思う」

 

「無理しなくても、少しずつでいいわ」

 

その後、夕刻になるまで談話をした。

 

 

=魔界中央の国 シェリルの家=

 

 

リーザとお茶会を終えて、鍵をかけるシェリル。

兜と鎧を飾って、タンクトップと下着一枚という姿になる。

月の光が彼女の体を照らす。

 

「……リーザ、私は貴女に一つだけ隠しているわ」

 

ソッと髪を撫でる。

精神を集中させると、彼女の髪がザワザワと蠢きだす。

 

「……制御はできるようになった。けど、皆がこれを知ってて受け入れてくれるかしら……」

 

彼女の問いに、答えは返ってこない。

ただ、月は静かに彼女を優しく照らしている――――。



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黒と白の羽根【前編】

今回もドミトリ様とのコラボ小説!!

時期的には本編のサイラオーグ戦後ですが、本編のネタバレはありません。
逆にシェリルの能力が明かされる話です。

まずは前編からどうぞ~。


サイラオーグ戦と学園祭が終わった数週間後――――。

 

=魔界中央・ハンター本部=

 

今回は鋼弥、タオ、リオ、カナン、珠樹、彗華、フィーナが集まっている。

フィーナまでも呼び出されるほどの任務のようだ。

 

「今回の任務だが……堕天使ウァラクを捜してほしいという依頼だ」

 

その言葉に他の皆は真剣な表情になる。

正確に言えばウァラクという悪魔を聞いていだ。

 

「ウァラクと言えば、ドラゴンを操る堕天使。堕天されても天使の姿を保っているのも特徴ね」

 

珠樹がウァラクの特徴を説明する。

 

「ウァラクの実力はSクラス……手強い悪魔だ」

 

魔界悪魔の強さは、高い順からS、A、B、C、D、Eとランクがある。

一部の悪魔や魔王、大天使、魔神、破壊神、邪神、龍神、鬼神、女神、魔人、英傑などはSSクラスとされる。

ウァラクの実力は―――Sクラスレベル。

 

「それで、ウァラクが迷い込んだという世界というのは?」

 

タオの問いに鋼弥は答える

 

「―――平行世界の駒王町だ」

 

 

◆◆◆◆

 

 

=平行世界の駒王町=

 

時刻は夜、半月。

はぐれ悪魔などの異常が無いか調べているルクーナス。

 

「異常は無し、と……」

 

任務を終えて、帰ろうとするが先に誰かいる。

月の光で徐々にその姿が見えた

 

「崇仁くん……?」

 

目の前の人物はレイナーレの夫であり、転生天使の佐藤崇仁だ。

だが、崇仁(?)はスッと右手を突きだし、手を広げると雷が奔る。

 

「むっ!?」

 

ルクーナスは左に避けると同時に、雷撃がルクーナスがいた場所へと直撃する。

焼け焦げた匂いと煙が上がる。

 

「なにをするんだ!?」

 

ルクーナスは問いかけるが、崇仁(?)は答えず両手から火炎を連続で放つ。

問答無用で襲い掛かる攻撃にルクーナスは避けるのが精一杯だ。

 

(おかしい……!優しい彼がこんなことを……!)

 

戦いや争い事が大嫌いな崇仁とは思えない行動だ。

止むおえないが、光の槍を作り出し投擲する―――が、天使の証である白い翼を広げて上空へと飛び立つ。

そして、彼は嗤っていた。獲物を痛めつけるという顔。

それに気を取られたルクーナスは反応に遅れ、眼前に迫っていた。

 

「しまっ……ぐわああああああああああああああっ!!」

 

ゼロ距離の雷撃を受けてルクーナスは倒れた。

意識を失いかけるが、彼の両瞳にある違いがあった……。

 

 

◆◆◆◆

 

 

~次の日~

 

=崇仁とレイナーレの家=

 

 

レイナーレと咲耶は二人で談話をしていた。

少し前まで、崇仁とアベルがいたのだが、二人はアザゼルに呼び出されて二人だけとなった。

 

「それにしても、アベルも崇仁くんも一体何の用で呼ばれたのかしら?」

 

そう疑問に感じる二人。

風が吹き、人影が見える。

 

「崇仁……?」

 

レイナーレと咲耶は先程、出て行った崇仁を見るが……雰囲気が違う。

 

【うん……いいね。君でいいかな?】

 

身体を広げると、バサッと天使の翼を広げる。

 

【けど……黒髪の天使はイラナイや】

 

そう言った瞬間、猛スピードで咲耶に迫り至近距離の電撃を放つ

 

「きゃああああああああ!!」

 

悲鳴を上げて、吹き飛ばされ倒れる咲耶。

 

「さ、咲耶さん!!」

 

レイナーレは駆け寄ろうとしたが、崇仁(?)が左手をかざし……

 

【シバブー】

 

緊縛魔法を唱えて、レイナーレの自由を封じる。

 

「か、身体が……動かない」

 

【フフフフフ……しばらく待ってて……ドルミナー】

 

催眠魔法をかけてレイナーレを眠らせる。

連れて行こうとするが―――――。

 

「烈風刃!!」

 

刃が飛んでくるが、それを回避する。

珠樹は刀を構えて、烈風刃を連続で放つがウァラクはスイスイと避ける。

 

「当たらない……!!」

 

鋼弥はウァラクの後ろに倒れている女性の堕天使レイナーレの姿を確認した。

どうやら、魔法で眠らせれているようだ。

急いで、彼女を安全な場所へと運ぼうと向かうが――――。

 

【近づいたら、この人を殺しちゃうよ】

 

ウァラクは卑怯にも咲耶を人質に取る。

これでは、手が出せなく鋼弥たちは仕方なく下がる。

ウァラクは咲耶をゆっくりと地面に置き、レイナーレを抱えて逃走した。

 

「くそ……!!」

 

シェリルは咲耶の呼吸や脈を調べる。

無事のようだ、軽い電撃でやられて気を失っていたようだ。

しかし、崇仁は何処に?

 

「なにが、あったの……!?」

 

第三者の声に振り向く鋼弥たち、シェリルはその二人を知っていた。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=堕天使本部 医療施設=

 

 

「僕がルクーナスさんを!?」

 

「いや……正確に言えば君に似た人物だ。争い事を嫌う君のことは良く知っている」

 

崇仁とアベルは医療しているルクーナスに会っていた。

どうやら他の堕天使たちが彼を運んで、崇仁とアベルと話がしたく呼び寄せたのだ。

 

「けど、夜はレイナーレと一緒に寝ていました……」

 

「そうか……。だとしたら、あれは一体何なんだ?」

 

すると、扉が開かれ男性が入ってきた。

崇仁はその人物を見て驚く。

 

「鋼弥さん!!」

 

「ああ、久しぶりだな」

 

魔人アリス事件の時、出会った涼刀鋼弥と再会したのだ。

彼は道を開けると、シェリルは傷ついた咲耶をベットまで運ぶ

 

「咲耶!!一体何が……!?」

 

「私たちがレイナーレさんの家に行ったら、彼女がすでに……」

 

ユーラティとカスティーの二人も同行していた。

 

「崇仁くん……レイナーレさんが……」

 

「レイナーレが、どうかしたのか!?」

 

「……レイナーレは攫われてしまった。俺たちが追っていた悪魔に」

 

「……!!そ、そんな……!!」

 

崇仁は大きなショックに倒れかけようとしていたがアベルが支える

鋼弥は初めて会う人たちにこれまでの経緯を伝える。

そして、今回起きた事件を……。

 

「じゃあ、この間と同じように悪魔が現れたという訳か……」

 

「ルクーナスさんが襲った悪魔が単独なのか、それとも別のだったら厄介ね。

 私たちが追っている悪魔が一体だけではないという考えも……」

 

「俺が襲われた悪魔は……崇仁くんと似たようなものだが、右目が赤で左目が青のオッドアイだ」

 

"オッドアイ"という特徴に鋼弥たちは反応する。

 

「"それ"に遭遇したんですか……?間違いなく?」

 

タオがルクーナスに問う、ルクーナスは「ああっ…」と言って頷く。

鋼弥、リオ、カナン、シェリル、珠樹、彗華、フィーナはお互い顔を見合わせて、確証を得たという表情になる。

アベルが問いかける。

 

「咲耶とルクーナスさんを襲った人物について知っているのかい?」

 

「同時に言えば、私たちが追っている悪魔よ。

 それが堕天使ウァラク。誤解があるけど冥界の悪魔の方では断絶しているけど、

 彼は魔界の悪魔。それも堕天使族では高レベルの悪魔よ」

 

フィーナの堕天使と聞いてルクーナスが驚く。

 

「バカな!?堕天使の特徴である黒い翼ではなかったぞ!?」

 

堕天使の最大の特徴―――堕天した証である黒い翼。

だが、あの時のウァラクは白い翼だった。

 

「魔界の堕天使の一部の者は天使の姿を保っている者たちもいるわ」

 

「話を戻すけど、ウァラクを捕まえておかないと被害が増える。最悪――――殺すしかない」

 

"殺す"という言葉を言う鋼弥。

幾つもの修羅場や死線を潜り抜けた猛者だからこそ今の状況がどれだけ危険なのか解っている。

彗華は方陣を取り出し、ウァラクの居場所を探る。

 

「……ここから、北の廃墟となったビル街にいるわ」

 

 

◆◆◆◆

 

 

=廃墟のビル街=

 

昼間は不良や暴走族の溜まり場となっている場所だが、夜になると不気味さが増す。

レイナーレが目を覚ますと……自分の家ではなく廃墟の建物にいる。

 

【目が覚めたようだね】

 

月明りに照らされた姿は崇仁だが右目が赤で左目が青のオッドアイ。

そして、なにより魔力が明らかに上で鋭い

 

「あ、貴方は……誰なの?」

 

【僕かい?僕は堕天使ウァラク】

 

「それって……」

 

魔人アリスや三体の悪魔と言った魔界から来た悪魔ということに理解するレイナーレ。

幸いなのが、無暗に殺すような存在ではないので刺激させない様に話をする

 

「私を攫って……どうする気なの?」

 

【攫った目的?僕は君に惚れたから魔界に連れて帰ろうかと思ってね】

 

「駄目よ。私はタカヒトがいて、貴方といっしょに行けないわ。

 それに、こんな無理やりな事をしても……よくないわ」

 

【そうか……そうなのか……】

 

レイナーレは諦めると思っていたが―――ウァラクは最悪な答えを導き出した。

 

【じゃあ、そのタカヒトを殺せばいいんだね?】

 

「なっ!?」

 

【レイナーレはそのタカヒトが好きだから、僕を見てくれない。

 だから、タカヒトを消してしまえば僕の事を見てくれる

 簡単な事だよ、殺して奪えばいいじゃないか】

 

「違う、そうじゃないわ!!そんな事をしても貴方を好きにならないわ!!」

 

【じゃあ、君の人格と記憶を破壊して、僕の事を好きにさせればいい】

 

支離滅裂な答えを出すウァラク。

目の前の存在は愛する人と似ているが全く違う、残虐で恐ろしい悪魔だ。

今まで出会った悪魔の中で、最もだ。

 

【……さてと、外にいる連中を殺しに行こうかな】

 

ウァラクは外の方へと向く。

レイナーレは助けが来たのだと知るが――――。

 

(タカヒト……!!)

 

 

◆◆◆◆

 

 

廃墟へとたどり着いた鋼弥たち。

周辺を警戒しつつ、捜す――――。

 

「やぁ、君がタカヒトかい?」

 

月の光に照らされて、姿を現す堕天使ウァラク。

笑みを浮かべているが、眼は獲物を弄り殺す眼だ。

 

【おや……?僕の事を追いかけて来た人もいるのか?】

 

「堕天使ウァラク、お前を捕獲……さもなくば討伐する」

 

鋼弥は冷たい眼でウァラクを睨むがウァラクは余裕の態度だ。

相手のレベルを知らないのか、知っていたとしても楽しむかのどちらかだ。

 

【僕はレイナーレが欲しい。だから、君を八つ裂きに殺して彼女を貰う。けど…………君たちは邪魔だなぁ】

 

ウァラクは指をパチンっと鳴らすと……空に召喚の陣が描かれる。

ワイバーンの大軍が出現し鋼弥たちの方へ向かいタカヒトと分断させようとしたが―――。

 

「なんの!!」

 

タオは棍を地面に刺し、棒高跳びにしてタカヒトと合流する。

 

「タオ、タカヒトを守れ!!俺たちはコイツらを片付けて合流する!!」

 

「任せてよ!!」

 

タオは棍を振り回して、タカヒトを護るように前に立つ

 

【一人増えても、同じだよ。二人纏めて、殺してあげる】

 

ウァラクは不敵な笑みを浮かべ、両手から炎が燃え盛り、対峙する。



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黒と白の羽根【後編】

――――――――――――

 

=悪魔たちの証言=

 

 

――ウァラクって、昔は人間の召喚士に仕えていた話だぜ。

  その人間に恋をしていたという話まで、聞いてたが……。

 

――確か、若くして病死したんだろ?俺も仕えていたからな。

 

――いい人間だったわね。けど……ウァラクが、おかしくなったのがそこからね

 

――殺しの愉悦感というのか痛め付けるのが好むようになったのは。

  けど、本当は…………。

 

 

――――――――――――

 

 

ウァラクが呼び出したワイバーンの群は鋼弥たちに襲い掛かってくる

紫色の皮膚に蝙蝠の翼を持つワイバーンは鋭い牙が並んでいる口を大きく上げて食い千切ろうとかかる。

珠樹は刀を抜刀し、斬り捨てる。

 

「烈風刃!!」

 

剣先から刃を飛ばして、ワイバーンを次々と切り裂く。

 

「マハブフーラ!!」

 

「マハザンマ!!」

 

リオと彗華は魔法を唱えて、ワイバーンたちを撃退していく。

 

「中級魔法を出しておいた方がいいわ。ウァラクの戦力はあれだけではありませんわ」

 

フィーナは剣を振りかざし、カナンは回し蹴り、手刀、気功波でワイバーンたちを蹴散らす

シェリルは大刀を振りかざして、ワイバーンたちの首や羽根などを斬り捨てる。

崇仁と魔界ハンターたちに同行してきた、ユーラテとアベルも群がり襲いかかってくるワイバーンたちと戦っていた。ユーラテは光槍で、アベルは槍を振るって次々とワイバーンたちを叩き落とした。ただ、ユーラテは一緒について来たカスティーを守りつつ戦っている。

だが、次から次へとワイバーンが際限なく溢れ出でくる

 

「もう!!一体何処へ繋げたらこんなに出でくるのよ!?」

 

「ワイバーンの群が渡りをしているのを狙って繋げているわね」

 

ワイバーンが限がなく溢れ出すことにイライラしている珠樹、カナンは冷静に分析する。

 

「竜に関しては詳しい堕天使だから、そういうのも造作もないか」

 

鋼弥も拳、回し蹴りでワイバーンを叩きのめす。

だが、それだけではなかった……ワイバーンたちとは違う悪魔が出現する。

 

巨体で紫色の鱗を持ち金色の瞳を持つファーブニル。

 

大きな翼に足が無く黄色い体を持つ飛竜リンドブルム。

 

緑色の鱗を持ち大きな翼と尾の先端がトゲトゲとなっている翼龍クエレプレ。

 

それらが出現したと同時に召喚の陣に罅が入り粉々に散った。

新たに出現した竜たちはワイバーンたちを捕食し始めている。

 

「弱肉強食……恐ろしい事ですね」

 

「龍神はしないが、龍王と邪龍は喰らって強くなろうとするからね」

 

目の前の光景にただ、息を呑む。

三匹の竜は鋼弥たちを睨み、吼える。

鋼弥たちは、街に出さないために対峙する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

【アハハハハハハハハハハハハッ!!焼け死んじゃうよ!!】

 

"地獄の業火"を連続で放ち、タオと崇仁を撃つ。

タオは棍を振りかざして火炎弾を弾き落す。

 

【そーらっ!!】

 

ウァラクは"ショックウェーブ"をタオとタカヒトへ放つ。

タオは棍を地面に指して、離れる。

電撃は棍へと落ちた。

 

「電撃でも、避雷針にすればどうという事は無いよ」

 

【けど、君の武器は使えないね】

 

避雷針代わりにした武器は黒焦げとなっており、使えなくなっている

 

「僕の武器は他にもあるよ」

 

タオが取り出したのは棒を三本、金具が付いた鎖でつないだ武器――三節棍を取り出す。

ウァラクはジオンガを連続で放つが―――――。

 

「はぁー!!せいっ!!やぁっ!!やぁっ!!とりゃ!!」

 

タオは三節棍で全て薙ぎ払い打ち消す。

ヒュンヒュンと振り回し、ふぅーと息を吐く。

 

【ふーん……やるじゃないか。じゃあ、これはどうかな!?】

 

両手から、気を生み出し球体が出現する

 

【刹那五月雨撃!!】

 

閃光の矢が雨の如く降り注がれる。

タオは崇仁を抱えて、回避する。

 

「魔法だけではなく、こんな技まで覚えていたのか……!!」

 

【捕まえた♪】

 

ウァラクが迫り、ゼロ距離のジオダインを放つ。

二人は吹き飛ばされてしまう――――。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

ウァラクとタオと崇仁がいる方向に電撃が奔ったのを見て鋼弥は"まさか"と思った。

 

「まずい……!!二人がやられてしまう!!」

 

「三体のうち、私たちは二体を引き付けてます。残りの一体を倒して助けに行ってください!!」

 

フィーナ、リオ、カナンはリンドブルムを、珠樹と彗華はクエレプレを攻撃し引き付ける。

鋼弥とシェリルはファフニールを相手にし、短時間で倒してタオと崇仁を救わなければならない。

ファフニールは雄たけびを上げて、鋼弥とシェリルを踏みつぶしにかかる。

口から猛火を撒き散らすが、避けて拳や剣で切り付けるが大したダメージは受けてない。

流石は邪龍の中ではタフネスを誇る。

不意にシェリルはあの過去の事を思い出す―――。

 

"リーザが危険な目にあわせてしまった事を"

 

もし、崇仁とタオが殺されてしまったら残された者たちは悲しむ。

シェリルは兜と鎧を取り外し捨てる。

 

「シェリル……!!」

 

「もう……逃げない!!」

 

彼女の髪がザワザワと蠢き、手に絡みつくと髪が刃となった

 

「これが、私が封印していた力……ネイチャーウェポン。髪を武器に扱う能力!!」

 

シェリルは駆け出し、ファフニールに立ち向かう。

ファフニールは大きな口を開けてシェリルを噛み砕かんとするが―――。

シェリルは身体を捻り避けて、ファフニールの首を狙い両断する。

ズズッとファフニールの首が落ち、切断面から血が噴き出す。

首が無い体はゆっくりと横に倒れて轟音が響き渡り、黒い塵となって消滅した。

 

「あれがシェリルさんの本来の力……やるわね!私もこんな連中にいつまでも手こずってはいられないわ!」

 

ユーラテは美貌に強気な表情を浮かべ、

 

「アベル君、お願い!しばらくカスティーと一緒に離れて!」

 

アベルはそれにうなずいてユーラテの背後にいたカスティーを抱き抱えて離れる。

 

「ユーラテさん!!」

 

カスティーが心配そうに叫ぶ、その彼にユーラテはニッコリと微笑む。

 

「心配しないで。今から私のとっておきの技を見せてあげるから♪」

 

そう言ってユーラテが右手をかざすと彼女の手に光が集まる……その光りに照らされたワイバーンの大群はややひるんだ様子を見せたが、次の瞬間、一斉にユーラテめがけて襲いかかる

 

「ユーラテさんっ!!」

 

カスティーは思わず絶叫する。その瞬間、美しい金髪をなびかせたユーラテの手から巨大な光の波が放たれて、ワイバーンの大群を包み込み、ワイバーンたちは一瞬のうちにすべて消滅した。

 

「す、凄い……!!あんなにたくさんいたワイバーンを一瞬で……!」

 

「さすがはユーラテさん……」

 

一方、シェリルとユーラテの力を目にした珠樹と彗華

 

「髪を武器にする能力ネイチャーウェポン。あれが、シェリルさんの本当の力……」

 

「ユーラテさんもやるわね。負けていられないじゃない、あんな凄い能力見せられたさ!!」

 

珠樹の気合が入った言葉に彗華は強く頷く。

クエレプレはキシャーッ!!と吠えて、カメレオンの様に目をグリグリと見る。

 

「あたしが、足止めするからお願いね!!」

 

「はい!!」

 

珠樹は刀を構えて、クエレプレを牽制する。

彗華は薙刀を地に差し、弓と矢を用意して、構える。

弓の弦を引き搾り、集中―――炎が宿る。

 

「穿て―――焔!!」

 

炎の矢は鳥の形となり、クエレプレに向かう。

珠樹は退いて、距離を取る。

クエレプレは氷のブレスを放つがそれでは溶けずに眉間に突き刺さり、炎に包まれた。

黒髪をなびかせる彗華は瞑目する。

 

リンドブルムと戦うリオ、カナン、フィーナ。

飛竜の口から雷を落とすが、三人は避けて反撃に出るも素早い動きで当たらない。

 

「流石は飛行特化した竜族。簡単に当てることはできないか……」

 

「けど、私たちはここで立ち止まるわけにはいかないわ」

 

リオはタリスマンを手に持ち、掲げる。

 

「召喚―――魔神ツクヨミ!!」

 

月を模した冠、闇色ローブを身に纏った導師が現れる。

 

【国を憂いて幾星霜。必殺ノ霊的国防兵器が一柱。月神ツクヨミここに】

 

ツクヨミは夜空が描かれている扇を取り出し、リンドブルムに向ける。

 

【ランダマイザ】

 

能力低下魔法を唱え、リンドブルムの動きを鈍らせる

 

「ザンダイン×6!!」

 

リオはザンダインを六連発放ち、リンドブルムがふら付きはじめた。

 

「削る!!」

 

カナンの両足に闘気が宿り、蹴りの連打が炸裂。

体を捻り、右足を上げて―――。

 

「ドラゴンスパイク!!」

 

踵落としを決める。

フィーナは眼を閉じ、剣の刀身から黄金のオーラが宿る

水平に構え、フルスイングの構えをし――――。

 

「ムーンストライク!!」

 

円形の刃を飛ばし、リンドブルムの首を切り飛ばす。

首が無い体は地響きを立てて地面に堕ち、後からリンドブルムの首が堕ちる。

リンドブルムの遺体は黒い塵となって消滅した。

 

 

◆◆◆◆

 

 

【もう、おしまい?】

 

ウァラクはタオを何度も踏みつけて痛め付ける。

 

「や、やめて……タオさんに酷い事をしないで……」

 

崇仁は大きなダメージを受けて倒れ伏しながらも涙を流してウァラクに懇願する……その彼にウァラクは呆れたという表情を浮かべつつ言う。

 

「やれやれ、君は本当にお人好しだね。こんな状態で他人の事を気遣うなんて……おまけにてんで弱い。そんな事じゃとてもレイナーレを守れないよね?大丈夫、レイナーレは僕が守ってあげて幸せにしてあげるから、君は安心して死んでね。せめて苦しませずに楽に死なせてあげるよ……」

 

次に崇仁を止めに刺そうとするが―――タオはウァラクの足を掴む。

 

「い、いかせない……!!」

 

【邪魔だよ!!】

 

電撃を放ちタオを吹き飛ばす。

 

「うわああああっ!!!」

 

「タオさんっ!!!」

 

鋼弥は走りながら、業魔化身を発動させ――トランプカードが纏わりつき弾けると魔人アリスとなる。

崇仁の前に立ち、ウァラクと対峙する。

 

【崇仁お兄ちゃんをイジメたら、めっ!!】

 

メギドを唱えて、ウァラクに向けて放つが避ける。

 

【なんで僕の邪魔するんだよ……どいつもこいつも!!】

 

崇仁を殺せないイライラが募ってきたのか、口調が荒くなっているウァラク。

 

【皆、死ね。死んでしまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!】

 

バリバリと電撃が奔り、最大技を放つ

 

【雷雲呼び!!】

 

黒雲を呼び寄せ、イナヅマが止むことなく降り注がれる。

アリスは崇仁の前に立ちマカラカーンで防ぎ、シェリルはタオを抱きかかえて避ける。

フィーナたちも駆けつけに来たが、降り注がれる雷に阻まれて入れない。

 

【ふふふ……これで止めだよ】

 

ウァラクは笑みを浮かばせて狙いを定める。

シェリルは髪を伸ばしてウァラクを巻き付けて身動きを封じる。

 

【なに!?】

 

「今よ……!!」

 

アリスはニッと笑い、魔力を高める。

 

【マジカルメテオ!!】

 

アリスは魔力で緑色に輝く隕石を生み出しウァラク目掛けて落とす。

閃光、爆音が巻き起こり、煙が晴れると……ウァラクは力尽きて倒れていた。

 

【威力は抑えているから、死んでないよ♪】

 

アリスはそう言って、姿を解き鋼弥へと戻る。

珠樹と彗華はレイナーレが囚われているだろう廃墟へと行く。

 

【は、はははは……僕が破れるなんてね……】

 

「さて、こいつを連れていけばいいだけだけど……」

 

「連れ帰ったとしても罪は大きいと思います……」

 

この世界で傷つけて更には崇仁まで殺そうとした悪魔。しかし、崇仁は―――。

 

「あの……彼と話をしたいです……」

 

誰もがその言葉に耳を疑ったが、鋼弥は前に出て―――。

 

「解った。しかし、ウァラクが仕掛けようとしたら……解るな?」

 

崇仁は頷きそして、ウァラクに近づく

 

【なんだ……?】

 

「どうして、こんな事をしてレイナーレを攫ったの……?」

 

【僕は人間のサマナーに恋をしていた。

 けど、サマナーは病気で死んで冷たくなっていた

 人間は病気や怪我すれば死に、寿命が来れば死ぬ……

 そんな悲しさを忘れるために色々な悪魔を殺しまわっていたさ】

 

「……魔界で多くの悪魔を殺していた理由がそれだったのね」

 

シェリルはウァラクの凶行を知り、悲しむ。

寂しさと孤独を忘れさせようとしたが、心を埋めることは決してなかった。

 

【なにより、レイナーレは僕の召喚士マナに似ていたからさ。

 どんな種族でも彼女が好きだった、彼女の事が……彼女の事が……】

 

ウァラクは次第に涙声となり、声を押し殺して泣いた。

崇仁も救出されたレイナーレはウァラク事情を知る。

夜空に浮かぶ満月は悲しく照らしていたような感じだった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

翌日、ウァラクは魔界へと送還された。

 

「ありがとうございます。鋼弥さん」

 

「いや、突破口を開いたのはシェリルだ。彼女の力が無ければ、崇仁とタオは間に合わなかった」

 

「シェリルさん。ありがとう」

 

レイナーレはシェリルに感謝の言葉を述べる。

シェリルは照れていながらも笑って頷く。

ようやく、彼女が覆っていた兜を外す日が来たのだ。

 

「やっぱり、兜を外していた方が可愛いわ」

 

ユーラテがそう言うとシェリルは顔を赤くし指を絡ませる。

 

「魔界に帰ったら、リーザが喜ぶわね」

 

「そうですわね」

 

カナンと彗華が言う。

 

「それで……ウァラクはどうなるんですか?」

 

「魔界中央にある監獄城へと送られるが、真っ当に生きるだろう。

 時間が経てば、彼の心の傷も癒えて強く生きるはずだ」

 

彼は討伐されるわけではないが、いつの日か心の傷が癒えることを祈るしかない。

 

「そうそう、忘れるところだった。あの時はゆっくり自己紹介してなかったわね。

 アタシの名前は如月珠樹。よろしくね」

 

「私は花咲彗華と申します」

 

「リオ・サウロンと申します。よろしくお願いします」

 

「カナン・ケシェット。今後ともよろしく」

 

「タオ・ライシェン。ボロボロになってカッコ悪いところをみせちゃったけどね」

 

「フィーナ・クレセントと申します。鋼弥さんたちとは長い付き合いですわ」

 

崇仁たちも自己紹介を済ませて、しばしの交流をする。

時間は過ぎ、鋼弥たちは元の世界へ帰還する時間となった。

崇仁たちは彼らを見送り、また会える日を楽しみに待つ。




シェリルの本当の力、"ネイチャーウェポン"。
シェリルのモデルとなったキャラはロード・トゥ・ドラゴンに登場する討髪王シャルロッテです。
豊満な体が黒い鎧を身に包んだ女性がいいなと思いました。

引き続き本編もよろしくお願いします!!


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アルギュロス・ディアボロスVS闇皇の蝙蝠~世界を越えた出会い・接触編~

遅れましたが、明けましておめでとうございます~。
正月は仕事でした(白い眼

今回はサドマヨさんとのオリキャラとコラボ小説!!
その前編に当たる【接触編】。

時期は本編小説ではサイラオーグ戦&学際終了後、短編ではドミトリさんとコラボ小説「白と黒の羽・前編&後編」の後。

2016年、初投稿。
是非とも、楽しんで読んでください~。



=ディープホール バビロン遺跡=

 

 

魔界の闇黒世界ディープホール。

大昔に造られた建物が立ち並ぶ遺跡。

その中に一人の男が何かを捜し、石棺を抉じ開けた。

 

「あったぞ……ついに見つけたぞ!!」

 

正八面体を二つ手に持ち、狂喜する。

 

「これで、これで……俺の夢が果たされる!!更なる力を得ることができる!!」

 

男は別世界へ侵略する為に、アカラナ回廊を使い別世界へと行く。

 

 

―――銀色の魔人と闇の蝙蝠、奇跡の共闘が起きる。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロスVS闇皇の蝙蝠~

 

~世界を越えた出会い・接触編~

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

=魔界中央 ハンター教会本部=

 

鋼弥、アルス、リオ、カナン、シェリル、ドルキー、望紅と集まる。

大魔王ルシファーから依頼書が渡されたのだ。

 

―――ドクロ付きの依頼書である。

 

「これが渡されて、呼び出されたメンバーを考えれば相当な依頼ってことか?」

 

ドルキーはそう言う。

鋼弥がドラゴネルの討伐(契約という形で完了した)依頼もドクロ付きだ。

内容を読んでみないとわからないので、封を開ける。

 

「とある危険人物がアカラナ回廊を渡り、異界へと潜り込んだとのことだ」

 

危険人物がアカラナ回廊を渡る。

アカラナ回廊は人間や魔界人が入れば、時空のうねりに飲まれ消滅するか別の世界へと飛ばされる。

かつて葛葉ライドウはアカラナ回廊を探索していたのだ。

 

「しかし、アリスといい、ウァラクといい……こんだけ魔界の悪魔が異界に彷徨うとなると不味くないか?」

 

「それでも我々は、異界へと向かい悪魔討伐するまでだ」

 

望紅の言葉にアルスはそう答える。

場所を特定し、いざ異界の扉へ向かう―――――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=廃工場=

 

たどり着いた場所は、廃工場だ。

COMPを使い、どの世界や現在地を調べる鋼弥。

 

「ここは駒王町のようだな俺たちや崇仁たちが住む世界が違うが……」

 

例えば鋼弥たちが知っている駒王町がX世界とする。

佐藤崇仁がいるのがY世界とする。

そして、新たに着いたこの世界はZ世界と名付ける。

 

「……この世界の記録とポインターはこれでOKだ」

 

COMPを操作して、登録完了する。

鋼弥たちは周囲を警戒している、何やら邪悪な気配がするからだ。

姿を現したのは、動物や海洋生物を模した怪人たちである。

 

「悪魔とは違う存在ね……」

 

「テレビで見た特撮の怪人ってやつかい?」

 

「人間とも違う感じですね」

 

それぞれ、武器を構え、能力を解放する。

憶することは無く、魔の者たちを刈る眼だ。

 

「何者かは知らないが、退いて貰うよ」

 

リオは魔方陣を描き、マハラギダインを放ち、焼き払う。

焼ききれない者たちがいるが、そこは前衛が得意な者たちの出番だ。

アルスはサーベルを構えて、怪物たちの両腕を斬り飛ばし、頭を斬り捨てる。

ヒュンっと払い、襲ってくる者たちをまた斬る

 

「オラオラっ!!退きやがれ!!」

 

ドルキーはトゥインクルスライサーを構えて、横水平にブン投げて、斬る。

風で操作して、角度調整をした手裏剣は敵を巻き込み斬る。

 

「ハァッ!!」

 

カナンは回し蹴り、チョップ、エルボーとその華奢な身体とは思えない強烈な一撃で敵を叩きこむ。

怪人たちは一斉に飛び掛かる、カナンは深呼吸し―――。

 

「ドラゴンハウル!!」

 

咆哮による衝撃波で飛び掛かってきた者たちを一斉に吹き飛ばす。

シェリルは兜の隙間から目を光らせて、大刀を振りかざして薙ぎ払う。

剣術ではなく力技で繰り出される一撃なので、敵は粉々になる。

 

「オリャア!!」

 

望紅は気合が入った炎のローキック、火炎弾を放ち植物系の怪人を焼き払う。

噛みついてかかろうとするが、跳躍し炎の踵落としを決める。

 

「死にたい奴から、かかって来い……」

 

鋼弥は凍るような視線で怪人たちを睨む。

一瞬だけたじろぐ怪人たちだが、飛び掛かる。

両手を軸にして、両足を開き――――。

 

「真覇豪旋脚!!」

 

駒の様に回転して、敵を蹴り飛ばす。

ものの数分で、片付き怪人たちは全滅した。

 

「こいつらは一体、何なんだ?アタシたちが知っている悪魔じゃあ、どれも見た事ない」

 

望紅が倒した怪人の鉄パイプで突く。

 

「もしかして、ディープホールから逃げ出したと言う可能性もあるわね。

 あの世界は未開の地が多くあるから」

 

あらゆる憶測が浮かび上がるが、どれも根拠はない。

その時――――先ほどよりも大型の怪人が出現し、リオに襲い掛かろうとする。

 

「リオ!!」

 

鋼弥がいち早く、駆けつけてリオの前に立ち構えるが―――。

大型の怪人の首がゴロリッと斬れて地に落ちた。

其処に立っていたのは、

 

――開いた翼を彷彿させる肩。

――背中を守護する漆黒のマント。

――エメラルド色に光る目と全てを噛み砕きそうな口。

――あの怪人を斬り捨てだろう黒い剣を手にしていた。

 

禍々しい異形の蝙蝠を模した鎧の人物が立っていた。

全員が、警戒し、いつでも攻撃態勢にはいる。

すると、鎧の人物は鎧を解き、中を見せる。

少し逆立てた金髪とロックミュージシャンの様な私服の男性だ。

 

(師匠が悪ガキと言いそうだな……)

 

そんな事を思いつつも、目の前の人物に話しかける。

 

「仲間を助けてくれて、ありがとう」

 

礼を言う鋼弥、相手は―――

 

「ああ、気にすんなって」

 

ニシシッと笑う男。

ここではゆっくりできないので男の家へ向かう

 

 

◆◆◆◆

 

 

=新の家 客室=

 

 

「俺の名前は竜崎新。賞金稼ぎバウンティーハンターだ」

 

「バウンティーハンターねぇ、俺らの様な何でも屋のハンターと似たような職業か?」

 

ドルキーがそう聞き返すと、新は「そんなものだ」と言う。

 

「もう一つあるが、俺はリアスの眷属。"兵士"の役割だ」

 

「リアス・グレモリーの眷属になっている者か。時に、あの怪人たちが何者か知っているか?」

 

アルスが尋ねると新は答えた。

 

「あれは闇人という怪物、いや……元は人間だ」

 

新の"人間"という事に言葉に鋼弥たちは驚愕した。

まさか、襲ってきた怪物たちが元々は人間だというのが誰が予想できたのか。

 

「簡単に説明すると闇人は万物が秘める邪よこしまな感情、あらゆる欲望が集結、それらが覚醒する事で誕生する魔族の一種だ」

 

「じゃあ、俺たちはバケモノになった人間を倒していたという訳か……」

 

知らなかったとはいえ、元人間を殺してしまったことに罪悪感を感じる鋼弥たち。

新はそれに察したのか―――。

 

「気にするな、と言っても……気休めにしかならないけどな。

 闇人にされちまったら元に戻す方法はない。

 倒すことでしかあいつらを楽にさせられる方法なんだよ」

 

新は鋼弥たちにそう言う。

 

「で……お前らは一体何者なんだ?」

 

「ああ、そのことも話をしよう」

 

鋼弥たちは自分たちが何者なのか、何処の出身者なのか、自分たちの目的を話した。

新もまた情報を交換した。

 

「魔界の出身、こことは別の駒王町や勢力の事情、この世界に逃げ込んだ危険人物を追ってか」

 

「この世界には闇人と呼ばれる三勢力共通の敵勢力が存在するのか……」

 

互いの情報を知り、納得する双方。

こちらの世界にいるリアスたちはとある事情のため力は貸せないようだ。

仮に会ったとして、余計な混乱をさせるわけにもいかないので、良かったとも言えるが……。

明日から本格的に捜査だ

 

 

◆◆◆◆

 

 

夕ご飯を食べ終えて、くつろぐ男性陣。

女性陣はお風呂に入って、ゆっくりと体と心を休めるようだ。

新はスッと立ち上がり部屋を出ようとする

 

「何処かへ行くのか?」

 

「ふふふ、あんたら女性陣の裸を見るためよ」

 

その言葉に呆れる鋼弥、アルス。

 

「……莫迦か貴様は」

 

「……そういうのはよくないぞ」

 

帽子を深く被るアルスと両手を組んでため息をつく鋼弥。

 

「新。悪い事は言わねぇからそれだけはやめておいた方がいいぜ。

 特にカナンと望紅にバレたら八つ裂き刑だ」

 

ドルキーは止めるように注意するが……

 

「何を言う。女が風呂に入っているのならばそれを見るのが男ってもんだろ」

 

新は力説するが、シラーっとしていた。

 

「まぁ、鋼弥は朱乃と付き合ってあの豊満な胸を顔で埋めているだろよ?」

 

ニヤニヤッとしながらドルキーの言葉に鋼弥は顔を赤くして反論する

 

「な、何を言う!?」

 

「否定すんなって、実際にどうなのよ?あの豊満な胸で味わってんだろ~?」

 

「さっきの戦闘でクールに決めているけど、案外ムッツリスケベか」

 

ドルキーの言葉に便乗してからかう新。

 

「あ、新まで、何を言うんだ!!」

 

「とにかく……俺は行くぞ。桃源郷へ!!」

 

新は風呂場へ猛ダッシュ。

 

「骨は拾ってやるぞ……」

 

ドルキーはアーメンと十字に切る

鋼弥とアルスはため息をついて、トランプの大富豪の続きをする。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=新の家 浴場=

 

 

湯気がたちこもる浴場。

リオ、カナン、望紅、シェリルは戦いの垢を落とすために湯船に浸かっている。

 

「いいお湯です」

 

「疲れが取れるわね」

 

リオとカナンの胸がプカプカと浮いている。

望紅は自分の胸をさするが……悲しいか、全然ない事に落胆する。

 

「いいさ、いいさ……まだ成長できるから……」

 

泣きながらも今後の成長に期待するしかない。

すると、ドアが開かれる。

一同は振り向くと……其処に立っていたのは新であった(下に水着を履いてます)

 

「「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」

 

「なにしてんだ、おめぇー!!?」

 

リオとカナンは悲鳴を上げてタオルで体を隠す。

新は女性陣の裸体を見ている。

 

(まずはリオ。中々のプロポーションで胸が大きいな)

 

「み、見ないでください……」

 

(カナンはやや大きな胸、脚や腕は細め、白い肌がなんとも眩しい)

 

「あ、あなた……なにをしているのよ!?」

 

(望紅は……控えめな胸だが肉体は結構、引き締まっているな)

 

「なんか、失礼なこと考えているだろ!?」

 

ふむふむと女性陣の体を評価する。

新は一人だけ風呂場にあってはならないものを目撃する。

――――シェリルだ、風呂に入っているのに、鎧を脱いでいない。

 

「ちょっ!?鎧を付けたまま風呂に入っているんかい!?」

 

逆に言えば、あの鎧の下にどんな身体が……と興味が湧く新だが、シェリルは大刀を持ち構える。

ドンッと新に近づき大刀を振り下ろすが、新は避ける。

 

「あぶねー。いきなり攻撃するか?」

 

「正当防衛だろうが!?なに堂々と風呂場に入ってんだよ!?」

 

「このド変態!!」

 

望紅は火炎弾、カナンは風呂桶や石鹸を投げまくるが新は華麗に避ける避ける。

その隙にシェリルが近づき、横水平に斬りかかるが新は跳躍してシェリルの頭上を跳び越す。

シェリルは新が反対側に着地するとみて、剣を振るうが既に距離を離されていた。

 

「どれ……その鎧の中身を見せて貰おうか!!」

 

闇皇の剣を顕現させて、新は加速する。

シェリルは迎え撃つ準備をして、構えて振り下ろす――――

 

ガギィィンッ!!

 

鎧の接合部分だけをピンポイントに付き、鎧は音を立てて外れた。

それだけではなく、彼女が着ていた戦闘用レオタードまで切られた。

薄紫色の長髪、大きな胸に引き締まった腰、弾力がある臀部。

シェリルの裸体が新に見られて、眼がグルグルとなり―――。

 

「おお♪」

 

「い、い、イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

大絶叫が響き渡った――――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

女性陣たちはブス~ッと顔を膨らませてご機嫌ななめ状態だ。

空き部屋に入って、"男性陣とくに竜崎新、立ち入り厳禁!!"と札が貼られていた。

 

「……てか、マジで生還していたのかよ」

 

「それだけじゃなく、シェリルの裸体を見たぜ」

 

親指をグッと立てて戦果報告をして、三人は驚愕する。

 

「……だが、連携は最悪な状態だぞ」

 

アルスの言う通り風呂場に堂々と潜入し、挙句の果てにはシェリルの裸体を見るという事をしたのだ。

女性陣達からフレンドリーファイヤーされてもおかしくない状態である。

先が思いやられそうなだと、心配になる鋼弥。

明日に備えて、就寝する。



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アルギュロス・ディアボロスVS闇皇の蝙蝠~世界を越えた出会い・激闘編~

お待たせしました!!後半戦です!!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロスVS闇皇の蝙蝠~

 

~世界を越えた出会い・激闘編~

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

~翌日~

 

昨日の浴場突撃事件で女性陣たちに睨まれている新。

そんな事件を起こした本人は気にしていない様子である。

 

「……何で止めなかった?」

 

「止めたさ。新がズタボロ雑巾にされるかと思ったけどまさか生還するとは思わなくてさ」

 

望紅の剣幕した表情に怯みつつも返答するドルキー。

 

「裸体を隠さなきゃいけない状況に全力の攻撃なんかできるわけないでしょ!?」

 

カナンは頬を赤くして、涙目になって反論する。

 

「一番、ショックが大きいのはシェリルさんですよ……」

 

鎧を修復して装着しているが、裸を見られたショックが大きいのか膝を抱えて座り込んでいた。

流石に悪い気がしてきたのか新は後頭部をかく。

 

「あ~、流石に悪かったよ。許してくれとは思わないけど……」

 

謝罪の言葉を聞いて、四人はうーん、と考えて――――。

 

「これからの行動で許してあげるわ」

 

「次にセクハラしたら、マジで殴るな」

 

カナンと望紅はそう言う。

鋼弥とアルスはやれやれ、という顔をして捜査を開始する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

二人一組となって、異変が無いか捜査する。

ドルキー&望紅、リオ&アルス、カナン&シェリル、鋼弥&新だ。

それぞれ、散開し調べるが――――。

 

「中々、見つからねぇなぁ……」

 

「気配も感じない」

 

鋼弥と新の二人。

闇人がいたら、異変のボスにたどり着けるのだが……それもいない。

 

「ところでさ、鋼弥は朱乃と付き合っているのか?」

 

「……付き合っている。

 朱乃が堕天使のハーフという事を明かして、弱さを知った。

 だから、命をかけて守ると心に決めた」

 

鋼弥の決意を聞いて、新は感心していた。

付き合った時期を考えれば、三大勢力が和平準備した時のだ。

 

「そういう新は誰かと付き合っているのか?」

 

「付き合っているというか、俺の家には朱乃、小猫、ゼノヴィア、ロスヴァイセと一緒に暮らしているな」

 

「それは、一誠が言うハーレムというものか。多くの女性と関係を持つのは、いい気はしない……」

 

「お前みたいに一人を愛するといれば、俺は多くの女性を愛する。

 それに、俺は欲深い生き物なんだ。欲しいと思った女は必ず傍に置く。

 それが俺の愛情表現だ」

 

「愛情表現は賛同できないが、新なりの愛し方なのだな」

 

そんな会話をしているとCOMPのアラームが鳴り響き、起動する。

無数の点が向かっており、次々と消えていく。

鋼弥と新はその場所へと向かった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

たどり着くと、辺りは闇人の死体だらけだ。

他のメンバーも合流して、警戒しながら進む。

死体の山から、誰かが来る。

髪はオールバックにして、ギザギザの歯が特徴の男だ。

手には、白い槍を持っている。

 

「よぉ?お前たちも世紀の目撃者となりに来たのか?」

 

「世紀の目撃者?何言ってやがるんだ?」

 

「この死体の山は、お前がやったのか?」

 

「ああ、小賢しくも俺を狩に来たんだろうが、返り討ちにしてやったよ」

 

ニィッと笑う男。新は睨みながら、問う。

 

「で、誰なんだお前は?」

 

「そんなに知りたければ教えてやろう……。俺はオルガム!!オルガム・ザーディム!!」

 

その名前を聞いて、驚く魔界組。

 

「まさか!?風と森林の国に疫病を流行らせて多くの死者を出した魔界人!?」

 

「けど、シンディさんが捕まえてディープホールへ追放された筈!?」

 

驚くのも無理はなかった。

当時は白衣を着ていた研究者のような姿だ。

今の姿とまるで別人だったのだ。

 

「くくくく……。あの奈落世界に追放されても、復讐を忘れなかった。

 あの生意気な女を食い殺すまで、俺は強くなったのよ。

 そして……疫病を司る悪魔パズズと地獄の女神ラマシュトゥのデビルソースを食らい……」

 

オルガムの体が変貌する。

背中から鷲の翼と頭、嘴が開かれる鋭い牙が並び立つ。

獅子の鬣、毒々しい紫色の爪と鉤爪、バビロニア風の衣装を身に纏う。

4mもある怪物へと変わり果てた。

 

【力を得たのだ!!我が名は疫病王オルガム・ザーディム!!

 畏れ、敬い、頭(こうべ)を垂れよ!!血と贄を捧げよぉぉぉぉぉ!!】

 

「バビロニア神話において疫病を司る二大悪魔を喰らい、力を得たのか……!!」

 

ただの人がデビルソースを喰らっても失敗してスライムになる。

オルガムは力への渇望、復讐によってパズズとラマシュトゥを喰らい人を捨て悪魔へとなったのだ。

しかし……。

 

「お前は王ではない。人でもない悪魔でもない……ただの化物だ」

 

「ああ、闇人なんかよりも酷い化け物だな」

 

鋼弥は拳を握り構え、新も剣を振り回して、構える。

 

【貴様らの血肉を喰らってやるわ!!】

 

鋭い爪で引っ掻きに掛かるが、一同は散開。

まず鋼弥は素早い動きで掻い潜り拳、蹴りを放つ。

続けて新は剣による斬撃を連続で与える。

 

【そんなもの……効かぬわ!!】

 

オルガムは風を放ち、二人を弾く。

 

【くたばれっ!!マハザンダイン!!】

 

強烈な風を放ち、切り裂く風の刃は木々や廃墟の建物を切断する。

 

「近づけない……!!」

 

オルガムはリオへと強襲し、鷲掴みされて捕まる。

 

「リオ!!」

 

【くくくく、こいつから溢れる魔力を使えば俺の計画に大いに役立つ

 この鎗―――マルテを使ってなぁ!!】

 

オルガムは翼を広げて、旅立とうとするが、新たちは阻止しようと飛び掛かる。

 

【貴様たちはコイツらと相手にするがよい!!】

 

口から黒い玉を2つ生み出し、罅が入り割れる

サソリの尾持つトカゲ―――ムシュフシュ。

七つの頭を持つ毒蛇―――ムショマッヘ。

二体の邪龍は威嚇の声をあげて立ちふさがる。

 

「鋼弥、新!!俺の風で追いつかせる!!」

 

ドルキーの両手から竜巻を生み出し――――。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

二人目掛けて、撃ち二人はタイミングよく竜巻に乗り跳躍し、オルガムの後を追う。

 

「我々はこいつらを始末するぞ!!」

 

アルスはサーベルを抜き構えて、他の面子も武器を構える。

 

 

◆◆◆◆

 

 

リオは目を覚ますと、縛られて身動きが取れない。

オルガムがニタニタと嗤っている。

 

【くくく……空をみるがいい】

 

リオは薄暗くなった空を見る。

其処には複雑に描かれている方陣があった。

 

【あれはなぁ、生贄を捧げたその時、疫病を蔓延する方陣だ。

 この世界は疫病が流行り、何もかもが苦しむ世界となる。

 そして、そのマイナスエネルギーを喰らい。俺は神をも凌ぐ力を得る!!】

 

鎗を手にし、高々と宣言する。

 

【今こそ、この世界に疫病が蔓延する世界を!!】

 

鎗を天高く突き上げ、縛り付けているリオを刺そうとする。

 

「きゃあああああああああああああああああああ!!!!」

 

リオは来るであろう死と痛みに悲鳴を上げ目を閉じるが――――。

 

―――ガシッ!!

 

目を開けると、鎗の刃を止める鋼弥と闇皇の鎧を身に纏った新が立っていた。

 

「女をそんな風にするんじゃねぇ……よっ!!」

 

新は鎗を持っている手を剣で斬りおとし、蹴飛ばす。

オルガムは翼を巧みに使い、吹き飛ばし阻止をする。

 

【無駄な事を……この世界は俺の住みよい世界になるのだ】

 

切り落とされた手を拾い上げ、くっつけて再生する。

鋼弥はリオを解放させて、鎗を拾い、構える。

 

「貴様の住む世界は無いっ!!」

 

剣を横に振るい、構える新

 

「人様の世界で、んな事をやるんじゃねぇ!!」

 

 

(BGM:大魔導陣の激闘)

 

 

◆◆◆◆

 

 

ムシュフシュとムショマッヘと戦うアルスたち。

両者とも最大の特徴は強力な毒を持っている。

二匹は口から毒ガスブレスを放ち、毒地帯にしようとする。

ドルキーの風で毒の息を押し返し、望紅は、火炎弾を連続で放ち二匹の顔面を当てる。

カナンがムショマッヘに飛び掛かり、右手を鉤爪に構える。

 

「ドラゴンクロー!!」

 

勢いよく振りかざし、ムショマッヘの七本の首のうち三本を引き裂く。

追撃にアルスはサーベルを構えて―――

 

「デス・アンダルシア!!」

 

刀身が黒いオーラに包まれて、真横一閃に薙ぎ四本の首を斬り飛ばす。

シェリルは大刀を横に構えて、回転斬りしてムシュフシュの両目を斬り潰す。

兜だけを外して、髪は右手に絡まり、ランスとなる。

 

「はあああああああああああああああっ!!」

 

一撃必鎗。

鱗を突き抜けて、ムシュフシュを仕留めた。

 

 

◆◆◆◆

 

 

新の怒涛の斬撃でオルガムにダメージを与えるが、元に戻ってしまう。

 

「こいつ、どうなっているんだ!?」

 

「再生能力を持っているのだろうな」

 

鋼弥はマルテを構えて、オルガムの両手足を貫く。

鎗捌きに関しては、タオが教えてくれたから、素人とは思えない動きを見せる。

しかし、敵の再生能力ははやく直ぐに修復する。

 

【調子に乗るなよ!!小僧どもが!!】

 

オルガムはマハザンダインを放ち新と鋼弥を弾く。

 

【デスサイクロン!!】

 

悪しき禍々しい竜巻を放ち、鋼弥と新を飲みこみ激しく傷をつける。

 

「今、回復を……!!」

 

【テンタラフー!!】

 

激しい閃光がリオの前で弾き、吹き飛ばされる。

立ち上がろうとするが、眩暈がして行動が起こせない。

 

「混乱魔法……!!」

 

【貴様は後からだ。まずは、そこの二人から喰らってやる!!】

 

猛禽類の眼をして、狙いを定め急降下、鋭い爪で串刺しに掛かろうとする。

 

「新……この鎗に俺たちの魔力を送るぞ……」

 

「勝機はその鎗か……」

 

「このマルテは奴が遺跡から発掘したもので、使い方までは知らない……」

 

最後の望みに鋼弥と新はマルテを持ち上げて、魔力を送る。

するとマルテの形状が変わり、枝分かれとなった鎗剣となった。

 

 

(BGM:希望の騎士)

 

 

「オルガム、お前はこの鎗を知らないだろうな。

 この鎗は病魔を操る者たちを葬り、シンディ師匠が使っていた鎗だ!!」

 

鋼弥と新は柄を掴み、一緒に飛び、投擲の構えをする。

 

「「貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

 

七支ノ鎗剣を共に投げる鋼弥と新。

鎗剣マルテは白く輝き一筋の流星となり――――オルガムを貫いた。

 

【グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!?】

 

勢いは止まらず、オルガムが張り巡らせた陣を破壊した。

 

【バカな……下等生物どもに、この俺が!?シンディではなく、あんなガキどもに……この俺がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!】

 

オルガムの体に罅が入り、瞬間―――爆発した。

多くの者たちを疫病で苦しめ搾取したマグネタイトがキラキラと四散した。

遅れて来た、アルスたちは討伐成功したのを確認し、鋼弥と新を介抱する。

 

 

◇◇◇◇

 

 

別れの時。

ゲートを前にいる鋼弥たち、新は見送りに来たのだろう。

 

「約束だ、受け取ってくれ」

 

報酬金を新に手渡す鋼弥。

 

「サンキュー。まぁ、俺はそれ以上に得たからいいけどね」

 

リオ達の方を見ると、女性陣達は体を隠し下がる。

アルスとドルキーは苦笑いをする。

 

「新、いつかまた……会える時を待っている」

 

「おう。その時は魔界の美女とか紹介してくれよ?」

 

「機会があったらな」

 

鋼弥と新は拳をコツンっとぶつけ合う。

そして、鋼弥たちがゲートに入ると何もなかったかのように閉じる。

 

いつか、二人が再会する刻が来るまで――――。



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古代の絶世美女

時期は本編第11章が始まる前。

今回は真・女神転生Ⅳ FINALに関するネタがありますので閲覧する際はご注意を。

それでも良いという方はゆっくり読んでください。


=魔界・砂漠と荒野の世界 ピラミッド=

 

砂嵐が吹き荒れる中を歩く銀髪の男――――涼刀嶺爾。

更なる力をつけるために情報屋からピラミッドに強大なものが眠っているという情報を聞きここへたどり着いたのだ。

古の存在と戦うために。

 

「これか……」

 

ピラミッドの内部に入り踏み入れた場所は青いバラが咲いている。

だが、バラが生えているのはミイラになっている者たちからだ

 

「悪趣味だな」

 

更に進むと大きな扉があり、開ける。

広がっていたのは緑が生い茂る木々、湖だ。

外は過酷な砂漠が広がっていたが、ここは楽園と言ってもいいだろう。

嶺爾は歩み、コブラがあしらった扉の前に立ち。

 

―――ゴゴゴゴ……ガゴンッ

 

重音が響き、開けた部屋には金銀財宝の宝物庫だ。

冒険家や墓荒らし等から見れば持ち帰るほどできないほどある。

だが、嶺爾は財宝に興味が無く奥の棺を見つけ、中に入る。

 

【誰だ、私の聖域を踏み荒らそうとする賊は?】

 

目の前の棺の蓋が開かれ、出てくる。

現れたのは穢れが無い白い身軽な服を纏い、雪のように白い肌、プラチナの様な長髪、おっとりした表情。

絶世の美女。この一言でまとめるのが目の前の存在である。

人間はもちろん、悪魔も天使も魅了されるほどだ。

 

「見つけたぞ。貴様がこのピラミッドの主だな」

 

【そうよ。私は神々を束ねる最後のファラオ、女王クレオパトラ。

 永い眠りについて力を蓄えていたのにあなたが現れた。

 問おう――――何故、ここに来たのだ】

 

並外れた重圧は全身が総毛立つような感覚だ。

目の前にいる女性は数ある絶対なる存在。

だが、嶺爾は臆する様子もなく――――。

 

「ここに絶大なる王が眠っていると聞き、戦いに来た」

 

【なんと、神に近き私に戦いで挑もうとは……面白い。しばし、遊戯(あそ)んでやろうぞ】

 

クレオパトラの右腕が幾つものコブラに変化して、魔力が溢れ出す。

すると、地面から幾つものの石棺が出現し、蓋が開かれると剣を持った武装ミイラが出現する。

 

【まずは私のカワイイ神官兵と戦うがよい】

 

クレオパトラが手をかざして命令を下すと武装ミイラたちが剣を振りかざす。

嶺爾は無駄のない動きで避けて、肘鉄、裏拳、回し蹴りで次々と撃破する。

あっという間に撃破し、最後のミイラの頭を踏み砕く。

 

【素晴らしい。では、私が直接手を下そうぞ!!】

 

右腕のコブラを振りかざし、噛みつきに掛かろうとする。

嶺爾はバック転で避けて、壁を走りクレオパトラの死角に入る。

 

【甘いわ!】

 

衝撃魔法を唱えて嶺爾を吹き飛ばす。

嶺爾は両足を踏ん張り、右手を地面につけて止める。

相手は連続でマハザンダインとマハブフダインで攻め込む。

衝撃波と凍てつくツララが飛ぶが、嶺爾は避けてクレオパトラに一撃を与える。

 

【ほう……私に拳を入れたのはお前が初めてだぞ】

 

口が三日月の様に嗤い、八重歯を覗かせ両の瞳が爬虫類の目―――有鱗目となり、嶺爾を見る。

それはどう痛め付けて食い殺そうかという現れである。

 

【シャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!】

 

右腕が変異した無数のコブラを使い四方八方から攻める。

嶺爾は弧を描き、襲い来るコブラを全て弾く。

 

【我が王の光を受けるがよい――――ダズルレイ!!】

 

左腕から閃光が放たれ地面に直撃すると、眩い光の柱が部屋全体を覆う。

嶺爾の体から煙が上がり、焼け焦げた匂いが漂う。

だが、彼は―――――笑っていた。

 

「本気を出す」

 

足を強く踏み鳴らすと、幾多の魔法陣が描かれていき三つの首を持つ竜が描かれている

 

【アジ・ダハーカ!!】

 

紫位のオーロラに包まれ、姿を現すと全身紫色の甲冑を身に纏い、兜、両肩はドラゴンの頭を模している

 

【我が名は邪龍アジ・ダハーカ。この世の悪を貴様は受け止め切れるか?】

 

背中から翼が生え広げて滑空しながらクレオパトラへ向かう。

クレオパトラは殺風撃、絶対零度を交互に放つがアジ・ダハーカは避けて右爪を怪しく光らせて―――。

 

【アカシャアーツ!!】

 

鋭い手刀突きはクレオパトラに直撃し、大きく吹き飛ぶ。

壁に直撃して、ズルズルと床に着く

 

【ぐぬぅ……!!まだだ!!王は絶対に負けてはならぬ!!】

 

【来るがいい】

 

両者は魔力を貯めて、同時に放たれた

 

【【ジハード!!】】

 

万魔が放たれて均衡するが、アジ・ダハーカが放たれた魔力が押して―――。

 

【くあああああああああああああああああ!!!!】

 

直撃し、クレオパトラは倒れて起き上がろうとするが力が入らなかった。

勝負を制したのは嶺爾だ。

アジ・ダハーカの姿を解き、クレオパトラに近づく。

 

【私を止めに刺しに来たのか……貴様に殺されるぐらいならば……】

 

スッと右腕を天に掲げて――――。

 

【自決するまで!!】

 

自分の右腕を貫こうとするが、嶺爾は止めた。

 

「負けたからと言って自決の道をするのか?くだらんことだな」

 

【く、くだらないだと!?】

 

「負けたからと言って、それで自害するのか?あまりにも、愚かしい事だ。

 次は負けない様に鍛えればいい、こんな暗い石室に閉じ籠っていれば新しい発見は無い」

 

嶺爾はそう言って、この部屋を後にしようとしたが――――。

クレオパトラが制止した。

 

【お前ならば契約を結んでもいいだろう。私を使いたいのならば、悪魔が集い館で私を生み出せ】

 

クレオパトラがそう言うと徐々に体が崩れていく。

 

【お前の様な男に早く出会っていれば、ならばこの身を好きにしてもよかったのう】

 

クレオパトラが崩れ落ち灰となった。

その中から、一つの冠が出てきて拾い上げる。

金色のコブラの形をした冠だった

 

「"黄金の冠"か。いいだろう……お前を生み出し、更なる力を得よう」

 

嶺爾はピラミッドを後にして、立ち去った―――――。

 

 

◇◇◇◇

 

 

=邪教の館=

 

 

嶺爾はクレオパトラを作成する為に立ち寄った悪魔と悪魔を生み出す邪教の館へ入る。

 

「悪魔が集いし邪教の館へようこそ。ほう……お主が持っているのは古代の王が持つ冠か」

 

「ああ、これで女神を呼び出すことができるのだろう?」

 

「それがあれば特殊合体として呼び出せることができるぞ。

 直接、持っていなくても全書から引き出されば作成は可能だ」

 

「では、頼む」

 

召喚に必要なマッカを館の主に差し出す

 

「では、作成するぞ」

 

神獣アヌビス×聖獣スフィンクス×霊鳥フェニックス×女神サラスヴァティが合体装置に入れられる。

それぞれが原子分解されて古代の王冠が入っている中央のカプセルに送り込まれる。

眩い光が放たれて、その姿を現す。

 

【私の名は女神クレオパトラ。今後ともよろしくね】

 

妖艶に微笑むクレオパトラ、それに出て来たのはネラプシだった。

 

【ふん、新入りのアンタに教えておくけど嶺爾は私の物なんだからね。そこの所は解りなさい】

 

【あら?下剋上と言う言葉がありますわよ】

 

ネラプシとクレオパトラに火花が飛び散るが嶺爾はため息をつく。

なんだかんだで、賑やかになりつつあった……。




悪魔と悪魔を合体する女神転生シリーズといえばこれの邪教の館が登場。

この小説での悪魔全書は仲魔にした悪魔や出会って戦った悪魔など自由に登録できるシステムにしてます。

ちょっとしたネタバレですが、実は鋼弥がオーバードライブ化した事によって14体目の枠ができましたが、後ほどの楽しみです。
嶺爾もまた、14体目ができましたがこちらは決まっています。


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雨の出会い

ドミトリさんとのコラボ小説、第四弾!!

今回は後の伏線が幾つかあるストーリーです。


=魔界中央・パンデモニウム=

 

 

青い肌に濃蒼な長髪をなびかせる女騎士レイハ・ヴォルフス。

鋼弥たちの師匠が一人で大剣を軽々使いこなし炎を操る剣士である。

今回、彼女は"とある調査"である。

 

「鋼弥たちが度々、行っている別世界の駒王町か……」

 

レイハはふむっと頷き、いざ異界ゲートへ入る。

 

 

◆◆◆◆

 

 

公園のベンチで休んでいた咲耶はため息をついていた。

理由は不意打ちとはいえウァラクにやられてレイナーレが攫われた時だ。

 

「情けないわね……」

 

ポツポツと雨が降ってきた。

雨宿りに屋根付きの休憩所へ向かう。

 

「止みそうにないわね……」

 

雨が止むまで待とうとするとが、傘を差さずに雨の中を歩いている少年がいた

降り注ぐ雨の中、目を瞑って浴びている。

 

「ねぇ、貴方……傘はどうしたの?」

 

「……雨が好きなんだ」

 

「雨が、好き?」

 

「雨は全てを洗い流してくる。だから、こうして浴びていたんだ」

 

「……そ、そう」

 

変わった少年だと思う咲耶。

容姿はイケメンで青い瞳が特徴だが―――その瞳は濁っているような感じだった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「ふむ、雨のようだな」

 

レイハは無事に到着し、人間社会に適した服装で街中を歩く。

生憎、雨が降っていて傘を差しながら歩いていく。

雨を見て、彼女は昔の事を思い出す。

 

「……元気にしているのだろうか」

 

学院に通っていたレイハはスポーツ万能で様々な大会に出ては優勝していた。

そんな中、同学年の魔術が得意な娘と友達になった。

対極的だが、仲が良く喧嘩もするが、それでも仲良しだ。

 

「卒業して、彼女は何処へ行ったのだろう……」

 

行方不明になった"彼女"。

探せば必ず手がかりがあると信じているレイハ。

フッと見ると若い男女……いや、堕天使、転生天使、純正天使のようだ。

あの三人が鋼弥たちと幾度も接触している人物だ。

 

「そこの二人、いいかな?」

 

崇仁、レイナーレ、アベルはレイハの方に振り向く。

崇仁は少し警戒しつつレイハに尋ねる。

 

「あの……貴女は?」

 

「私はレイハ・ヴォルフス。鋼弥たちの師匠の一人だ。

 とは言っても、珠樹、アルス、ドルキーの担当をしていたよ」

 

「そんな人がどうしてここに?」

 

アベルが問う、悪魔がまた迷い込んだのかと不安になるが、

 

「悪魔を討伐しに来たわけではない。調べることがあってこちらに来たのだ」

 

「調べものですか……?」

 

レイハは頷き真っ直ぐな目で答える。

 

「私の友人を探しにな……」

 

 

◆◆◆◆

 

 

雨に濡れて風邪を引いてしまうのは悪いと思う咲耶は少年の手を引っ張って雨宿りすることに。

 

「とにかく、雨を浴び続けると風邪を引くからね」

 

「……大丈夫なんだけどね」

 

雨は降り続けて止みそうにない。

ザーザーと振り、カエルは鳴いている。

少年はただ、雨が降り注いでいる空を見続けている。

咲耶は少年の顔を見て、何か違和感を感じる。

……誰かに似ているという所でだ。

 

(何処かで……何処かで会ったような気がするけど……)

 

「あの、貴方は――――」

 

言いかけたその時、少年は左手で何かを掴む――――氷の矢だ。

 

「これは……!?」

 

「……そこにいるね」

 

現れたのは、皮膚が橙色、過半が蛇、上半身は女性だが蛇の頭髪を持つ怪物だ。

 

「鬼女ゴルゴンか。ギリシャ神話に登場する三姉妹の総称として現れる怪物」

 

ゴルゴンは蛇舌を出して、喰らう体勢をしている。

少年は臆することなく、両手には刀を持ち構えていた。

 

「無粋なものだね、せっかくの雨の日に―――斬るなんて」

 

走り出し、刀を振るうと水刃を飛ばしてゴルゴンを牽制する。

ゴルゴンは口から毒ガスブレスを放つが、少年は水のカーテンを創りだし毒ガスを防ぐ。

 

「退屈しのぎにもならないね……」

 

止めを刺そうかと思いきや―――背中に衝撃波が走る。

何かと思い振り向くと、蝙蝠の姿をした怪物カマソッソがいた。

先程の衝撃波はカマソッソがザンマを飛ばしたのだろう。

 

(二体か……先にどちらを倒すか)

 

飛行を先に倒すか、氷と毒を先に倒すか。

大技を使えば簡単に倒せるが――――あの女性を咲耶を巻き込むわけにはいかない。

カマソッソが牙を光らせて、噛みつきに掛かろうとするが―――炎刃が飛んできてカマソッソは緊急回避する。

 

「間一髪だな」

 

レイハは大剣を構えつつ、カマソッソの前に立つ。

遅れて崇仁、レイナーレ、アベルが現れた。

この隙に咲耶はアベルたちと合流する

 

「咲耶、無事でよかった」

 

「アベル、あの人は……?」

 

「鋼弥さんたちの師匠のレイハさんです。それに……あの少年は?」

 

「解らないけど……実力から見て私たちより上みたいね」

 

ゴルゴンと対峙している二刀の少年。

だが、崇仁はある違和感を覚える。

 

(あの人の戦い方、あの構え……どこかで)

 

少年は雨で塗れた地面に滑りを利用して、ゴルゴンに斬撃を幾つも入れる。

弱り果てたところで、止めを刺しに行く。

擦れ違いざまに斬り、ゴルゴンの反対側に立つ少年は口を開く―――。

 

「ワダツミ・死海」

 

刀を治めた瞬間―――ゴルゴンに頭部、上半身、下半身、蛇尾と四度の斬撃が入り斬り飛ばされた。

 

―●●●―

 

一方カマソッソと対峙するレイハ。

素早い動きで翻弄するカマソッソだが、レイハは微動だにせず構え続けている。

背後から強襲するが、振り向きざまにカマソッソの側頭部目掛けて蹴りを入れ、そして―――

 

「六炎撃!!」

 

六回の剣突でカマソッソを叩き、退治する。

大剣を振って、地に刺す。

 

 

◆◆◆◆

 

 

悪魔が二体乱入するというトラブルが起きたが無事に討伐した。

雨もすっかり止み、日差しが差し込み始める

少年は何も言わずに、立ち去った。

 

「怖い思いをさせてしまってすまなかった」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「そうか。咲耶と言ったな?ここに来る途中、アベルたちから話を聞いたわ。

 守れずに負けてしまうというのは辛い事だと思うが……、それは違う」

 

咲耶は顔を上げてレイハを見る

 

「本当に負けるというのは"心が折れる"ことだ。

 私だって最初から負け知らずではないし、苦手なものもある。

 だからこそ、弱い部分を鍛えて、鋼弥たちにも教えている。

 少しの間だが、お前の事を鍛えてやるとしよう。いいかな?」

 

「は、はい!!お願いします!!」

 

咲耶は感謝のお辞儀をし、レイハは微笑する。

結局、レイハの探している者は見つからず帰還するまで時間があるのでここに留まるようだ。

一方、崇仁はあの少年の戦い方を見て"誰なのか"を思い出す。

 

(そうだ……あの戦い方って……タオさん)

 

ウァラク事件の時に崇仁を守りながら戦ったタオ・ライシェン。

あの人はタオとどういう関係なのだろうか。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=???=

 

「お帰りなさい。どうだったかしら?」

 

「残念ながら見つけることはできませんでした」

 

報告を聞いた女性は目を瞑る。

 

「長旅お彼様です、西王。後の計画に北王と東王が動いています。貴方は次の任務を与えます」

 

「はい……教祖様」

 

面を上げたのは―――――濁った瞳を持つ男だった。

その視線の先には白い服を身に纏った金色の長髪、透き通るような水色の瞳を持つ神秘的な女性。

窓を見て、夜空に浮かぶ蒼い満月を見て、クスリッと微笑む。



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最強の騎士王

本編の???。

今回は鋼弥の14番目に契約する者との対決。
かつてない戦いが繰り広げられる――――。


とある日。

鋼弥、シンディ、ノアは魔界のとある遺跡についた。

かつて地上世界の南極という場所に巨大な異空間が生まれ、その第一層にあたる場所へとつく。

シンディが言うには――――。

 

「ゾロアスターに対抗する為、嶺爾と並ぶためにも契約する者を用意します」

 

奥に辿り着くと、其処に佇んでいるのは岩に埋もれている装置だ。

シンディは手をかざすと―――岩に埋もれている装置に緑色の線が入り、淡く点滅する。

 

「これが、サモンズ・プログラム。

 召喚者が望む悪魔を呼び出すことができる装置だ。

 しかし……負ける事はすなわち己の死を意味する。

 退くのもまた勇気だが……」

 

「いえ、是非ともお願いします」

 

鋼弥の決意にシンディは頷き、最終プログラムを解除する。

サモンズ・プログラムは起動し、アイカメラが光る。

 

【システム・オールグリーン。問題無し。……貴方が呼びたいものを叶えましょう】

 

サモンズ・プログラムは鋼弥に問いかける。

 

「14番目に相応しい……最強の英傑を召喚してほしい!!」

 

鋼弥は力強くそう言う。

サモンズ・プログラムのアイカメラが光り、応えた。

 

【OK。

 それでは、数ある英霊の座にいる。伝説の騎士王を呼び寄せましょう。

 3.2.1――――GO!!!!】

 

地面に複雑な方陣が描かれると、黄金の光の柱が中心に立ち、収束する。

現れたのは青いドレスに白銀の甲冑を纏った、雄々しき金髪碧眼の女性剣士。

 

【問おう――――貴方が私を呼び出したのか?】

 

凛々しく真っ直ぐな目で鋼弥を見る剣士。

鋼弥は肯定の頷きを見せる。

 

「俺の名は――――涼刀鋼弥」

 

名を名乗ると女性剣士は頷き、自分も名乗る。

 

【我が名はアルトリア・ペンドラゴン。解りやすく言えばアーサー王となじみ深いだろう】

 

その名を聞いて場の空気に緊張が走る。

世界中、いや―――誰もが知っている最大最強の英雄、ブリテンが誇る騎士王。

だが……彼女から感じる神性は?

 

【貴方が私のマスターに相応しいか、試させてもらう。いざ、尋常に勝負!!】

 

両手に彼女の愛剣―――エクスカリバーを握り、構えるアルトリア。鋼弥は両手を強く握り構える。

両者は互いに様子を見つつ、間合いを取る。

先に動いたのは鋼弥だ。正拳、回し蹴りと次々と繰り出すがアルトリアは避けて、反撃する。

相手の動きを見つつ避ける鋼弥、どれも当たれば致命傷になりかねない重く疾風の如し一撃。

 

【はっ!!】

 

アルトリアが剣を振るうと、三本の光剣が生み出し飛ばす。

また振るうと四本の光剣が生み出し飛ばす。

鋼弥は避けつつも、真正面から向かおうとする。

剣を真一文字に振りかざすが―――鋼弥は寸前の所で避けて彼女の腹部に10の拳撃を入れる。

吹き飛ばされるアルトリアだが……剣を地に刺しその勢いを止めた。

 

【驚きました。我が身には風を纏い第二の鎧として役割をしてましたが、それを貫くとは……】

 

彼女は感心して微笑むが、冷静な顔へと戻る。

 

【故に、この武器で貴方を倒しましょう】

 

天から一つの閃光が奔り、アルトリアの左手に持つと光輝く槍が握られていた。

風を切るように振るい、彼女の闘気が溢れ出す。

 

【我がもう一つの武器―――ロンゴミニアド。閃光を見切れるか?】

 

 

(BGM:ギャラクティックナイト≪ロボボプラネット.ver≫)

 

 

槍を天高く突き上げると大気が震え幾度の光の柱が上がる。

エクスカリバーをしまい、ロンゴミニアドを高速で振りかざし突いてくる。

更には槍先からビームを放射していく。

 

(これが……騎士王の本当の力!!)

 

これまで戦った者たちとは比べ物にならないほど強すぎる。

ロンゴミニアドをしまい、今度はエクスカリバーへと切り替える。

同じように光剣を次々と生み出しては、飛ばす。

アルトリアは奥へと下がり、剣を高く突き上げると―――。

 

【はああああああああっ!!】

 

彼女の背に二十の光剣が生み出され一斉発射。

雨の如く降り注がれて、鋼弥の体を激しく切り刻む。

其処にアルトリアが瞬時に近づき、横薙ぎ払いで鋼弥を吹き飛ばす。

 

【せいっ!!】

 

更に斬撃波を飛ばして、近づけさせない様に牽制する。

それでも、鋼弥は斬撃波を避けたり殴り飛ばしたりと近づく。

連続のパンチを放ち、アルトリアに入れるがソードガードでダメージを軽減する。

 

【星の息吹……その身でしかと、受け止めるがいい】

 

彼女の刀身に光が集まり極大の光剣となり、大きく振りかぶり――――、

 

【エクス……カリバァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!】

 

放たれた極光の斬撃波は真っ直ぐに鋼弥に向かい、飲みこまれた。

だが、アルトリアは構えを解かない。

眼前を見据えれば――――オーバードライブ化した鋼弥がそこに立っていた。

 

「……流石は最強の聖剣エクスカリバー。耐えきってもこの威力……」

 

覇気による防御もしたが、無事ではない。

オーバードライブ化が間に合わず一撃を喰らえば、骨も残さず消滅するほどの威力だ。

 

【私の一撃を耐えましたか。……そうでなければ面白くない】

 

エクスカリバーを振るい、攻めるが鋼弥は右手に魔力の光剣を生み斬撃同士がぶつかり合う。

一定の距離をとる両者は目にも止まらぬ剣戟を繰り出していく。

見る者は圧倒されるが、同時に神々しくも美しい光景でもあった。

 

【終わらせてあげましょう】

 

ロンゴミニアドに持ち替え、聖槍は徐々に光に包まれ、極大の光槍となる。

彼女は宙に飛び、構える。

 

「ならば……!!」

 

鋼弥の両手に紫電の魔力球が集まり大気が震える。

 

【最果てに輝け!!ロンゴ……ミニアドォォォォォォォォォォォッ!!!!】

 

「はああああああああああああああっ!!!!」

 

極光の槍と極大の魔弾、同時に放ち互いにぶつかり合う。

壁、地面に亀裂が入り、崩壊していく。

 

【「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」】

 

同時に叫び、威力が上がる。

均衡が崩れ、大爆発と閃光が巻き起こる。

煙が晴れると、鋼弥とアルトリアが立っており息が上がっていた。

先に膝をついたのは――――――アルトリアだ。

 

【……二度も私の力を防がれるとなると、私の負けですね。騎士として約束を果たしましょう】

 

アルトリアはエクスカリバーを持ち、鋼弥の前に立つ。

 

【我が名はアルトリア・ペンドラゴン。今後ともよろしく頼む、マスター】

 

アルトリアの忠義を受け止めた鋼弥は彼女に握手を求め、アルトリアはそれに応じ握る。

勝負を制し、シンディとノアは鋼弥がさらに成長して喜んでいた。

14番目として契約を果たしたのは最強の英雄―――アルトリア・ペンドラゴンと契約を果たした。




本編では先となる物語を、明かしました。
このアルトリア・ペンドラゴンはFGOに登場するセイバークラスとランサークラスを混ぜた高性能な騎士王様。

所々、アルトリアには無い技は作者のオリジナルが詰っています。


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異形なる天使<前編>

今回はコラボストーリー!!

ヴァルナルさんの作品―――"異世界帰りの赤龍帝"とのコラボストーリー!!
上手く書けているのか、ドキドキです。

≪今回登場する天使は真Ⅳおよび真ⅣFをプレイ済みをお勧めします≫


=魔界中央国 会議室=

 

冥界の大騒動から数週間経ったある日の事……。

鋼弥たち魔界組は冥界で起きたことを纏めているところ、天界から指令が入った。

 

「天界で厳重に封印されていたあの者たちが!?」

 

【ええ、かの者たちは何者かの手によって封印が破壊されて、別の世界へと逃げ込まれたようです】

 

現れたのは大天使サリエル。

死神の様な風貌だが、霊魂の看守を任されている天使であり魔界のハンターとの交渉役を任されている。

今回の極秘任務のため、鋼弥たち魔界組だけ集まっている。

 

「けど、どうやって……厳重に封印されていたのに」

 

【色々と憶測がありますが、ゾロアスターの仕業という見方も】

 

「そんじゃ、アイツらが別世界に逃げたのは?」

 

ドルキーの言葉は最もだ、封印を解いたのに手駒をするという手段を取らなかったのは……

 

「恐らく、上手く利用したいのだろう。我々が別世界に行ったらこちらは手薄になると」

 

狙いは戦力の分断という事だろう。

しかし、鋼弥は腕を組み真っ直ぐ見据える。

 

「俺たちだけで、アイツらを追いかけよう。こっちには師匠たちや一誠たちがいるから大丈夫だ」

 

「そうですわね。それに私たちなら色々と動きやすいですわ」

 

【申し訳ありません。本当ならば我々がやらなければいけない事なのに……】

 

サリエルが申し訳なく頭を下げる。

 

「問題ない。……報酬はいただくがな」

 

貰えるものはキッチリと貰うようだ。

鋼弥たちは、"ある四体"を追うために、虹色に輝く異界ゲートを潜り抜けアカラナ回廊へ――――。

 

 

=アカラナ回廊=

 

時間が外れた回廊。

様々な世界へ繋がる球体、其処へと続く階段、暗い空間にポツポツと灯す光だけの世界。

時間の流れから外れた者たちもここに集まるようだが……。

 

「しっかし……ここを通るのは慣れないな。こう、落ち着かないというか」

 

「葛葉ライドウがある事件でこの回廊が発見されて、異世界へと渡れることはできるのだが、不安定も大きいからな」

 

ドルキーの不満げな言葉にアルスは淡々と答える。

目的の世界球に辿り着き、触れると眩い光に包まれる。

 

=駒王町(別世界)=

 

 

「さて、着いたのはいいんだが……また駒王町だな」

 

「いや、ここはあの二つとは違う新しい世界だ。座標コードαと名付ける。」

 

COMPを操作して着いた世界に入力する鋼弥。

すると、COMPにアラーム音が鳴り響き赤い点が二つ、駒王町に向かっていた。

 

――――次の瞬間。

 

眩い雷が奔り、荒れ狂う風が巻き起こる。

 

「現れたか……!!」

 

「市街地に攻撃するほど、とんでもない連中ね」

 

鋼弥たちは、駒王町へ駆け抜ける。

 

 

◆◆◆◆

 

 

テロ対策組織チーム【D×D】が結成されて、修行の日々だが……今日はお休み。

たまには羽を伸ばして、休息をしている一誠たち。

所が、突然と雷光と大風が巻き起こり、一誠たちは身構えた。

二つの黒い影がどんどん、姿を現していく。

 

全身がくすんだ青色、両手は銃口、胴体部分には大剣あるいは突撃槍を咥えている厳つい顔、こめかみから白い翼を生やしている。

 

【我が名は―――大天使ウリエル】

 

全身が赤色、人型で胸部に白い翼を生やした顔、手には鎌槍を持っており、ギロチンの様な両足である。

 

【我が名は―――大天使ラファエル】

 

「なっ!?」

 

一誠たちは驚いた。

それもそうだ、異形の存在はウリエルとラファエルと名乗ったのだ。

 

「ま、待ちなさいよ!!貴方が大天使ウリエル様と大天使ラファエル様、なんて……!!」

 

イリナが言いかけようとしたが、言葉が止まった。

二体の天使たちから鋭い眼光を放ちイリナを含めて、他の者たちを睨んでいた。

 

【純正の悪魔だけではなく、混ざりモノもいるのか。なによりも……天使の混ざりモノがいる】

 

【穢れているな。元は人の子が天使になることなぞ。傲慢である】

 

その言葉にイリナは泣きそうな顔になるが一誠が前に出る

 

「さっきから……何酷い事を言うんだ!!それに、あんたらみたいな異形の姿をしているのがどこが大天使なんだよ!!」

 

「天使どころか、悪魔よりも酷い怪物に見えるわ」

 

一誠とアリスが反論する。

だが、二人の言葉にウリエルとラファエルは怒りに触れたようだ。

 

【我らを悪魔よりも怪物だと?言葉を間違えたようだな悪魔どもよ】

 

ウリエルから電撃が奔り、ラファエルから風が巻き起こる。

 

【汝ら、我らが何と呼ばれているのか教えてやろうか?】

 

ラファエルは手に持つ鎌槍を振り回して、地に突き刺して答える。

 

【殺戮の天使、大地のデーモンなり……!!】

 

人払いの結界を張り巡らせて、人の気配が完全になくなる。

ウリエルが両腕の銃を構えて、電撃弾を連射する。

一誠たちは散開して、距離をとる。

 

「あれが四大天使の二人か解らないけど、止めるわよ!!」

 

リアスの言葉に一同は頷き、攻撃を開始する。

後方にてリアスは滅びの魔力を、朱乃は雷光を、ロスヴァイセは北欧の魔術をラファエルに向けて放つ。

ラファエルはマハザンダインを放ち、三人の魔力を弾き、風が襲う。

服や鎧が所々、千切れ飛んでおり、なんとか耐えた。

小猫は猫又モードになってラファエルの懐に入り、拳や蹴りを放つ。

 

【ほう、我に攻撃を加えたか。だが……効かん!!】

 

鷲掴みして、放り投げられる小猫だが、なんとか着地する。

 

ウリエルは口に咥えている大剣を両腕に装着し、祐斗、ゼノヴィア、一誠、アリスに襲い掛かる。

剣の型も無い、ただ力任せに振るうがその威力は桁違いだ。

 

【ヌゥゥゥン!!】

 

両腕を思いっきり地面に振り下ろすと地響きを起こし、道路が裂ける。

その衝撃によって吹き飛ばされる。

 

「くっ!!」

 

「バカげた破壊力だ!!」

 

【無駄に足掻くな。おとなしく罰を受けるがいい】

 

「偉そうに、言わないでよ。バケモノ天使!!」

 

ウリエルに向けて雷撃を放つがウリエルに当たった瞬間、弾かれたのだ。

 

「そんな!?」

 

「アリスの雷が、効かない!?」

 

【愚かな。我に電撃は通用せん。神から授かりし雷を見せよう】

 

ウリエルから電撃が迸り――――。

 

【神の雷光!!】

 

一気に解き放つと、雷が周囲に放たれて周囲を抉る。

相当なダメージを負い、アーシアたちは回復に向かおうとするが、ラファエルが立ちはだかる。

ラファエルは美羽に向けて、鎌槍を突き刺す構えをする。

 

【断罪されよ】

 

「美羽!!」

 

美羽に迫る刃、間に合わない。そう思った時だ。

 

―――ドンッ!!

 

【ゴォ……!?】

 

ラファエルが大きく横へ吹き飛ばされた。

三回バウンドされて、ビルに激突し瓦礫に埋もれるラファエル。

 

【ラファエル!?】

 

ウリエルは吹き飛ばされたラファエルの方へと向かう。

 

「……間一髪、と、言ったところだな」

 

掌打を繰り出した鋼弥は言う。美羽の頭を撫でる。

 

「怪我はないか?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

一誠たちと……見知らぬ女性がいる。

 

「リオ、回復を」

 

「ええ、メディアラハン!!」

 

回復魔法を唱えて、一誠たちが受けた傷が一気に治る。

一誠は立ち上がり、鋼弥とリオ方へと歩む。

 

「ありがとな。美羽、大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だよ。おにいちゃん」

 

「一誠の妹……?」

 

美羽に兄と呼ばれる一誠。

鋼弥は少し驚くが、ふむっと頷く。

 

(……この世界の一誠は妹がいるのか)

 

鋼弥がそう考察していると瓦礫を跳ねのけてラファエルが立ち上がる。

 

【ぬぅ……貴様は……】

 

「ウリエル、ラファエル。サリエルの命により……お前たちの羽を刈る」

 

「あんたら、一体何者なんだ?」

 

 

「俺たちか?俺たちは通りすがりの………」

 

一誠の問いに鋼弥はフッと笑う。

そして、鋼弥とリオの後ろに、仲間が勢揃いし、獲物を構える。

鋼弥が構えて、力強く答える

 

「ハンターだ!!」

 

【魔界の犬どもめ……】

 

【ウリエル、ここは退くぞ。ガブリエルとミカエルに報告せねばならない】

 

ラファエルとウリエルは、撤退した。

どうにかやり過ごしたが……、問題は多くある。

 

まずは、この世界の一誠たちに事情を説明するというところだ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

一誠たちに鋼弥たちが何者なのか、魔界の説明などをした。

対して、こちらの世界の事情を知り、驚く情報ばかり得た。

話を終えて、こちらの世界でもアザゼルが両腕を汲んでうーむと、唸る。

 

「悪魔が住む魔界、異形なる四大天使、それを討伐するハンター。

 どれもこれもこちらの世界には無い情報だな」

 

「こっちでも驚いているぜ。

 イッセーが異世界の勇者、そちらの嬢ちゃんたちがその異世界の出身者とかさ。

 違いが結構あり過ぎだろ」

 

ドルキーが後頭部を掻く。

異世界に渡った一誠はそちらで修行を積み重ねて、神器を顕現させたばかりか禁手にまで至らせた。

 

至った方法がアリスの乳房に触れてということだが……。

あちらの一誠も禁手に至った経緯を話すと、案の定の反応だった。

アザゼルは大爆笑し、リアスは顔を赤くしていたが……何故か小さくガッツポーズしてた。

 

「俺は涼刀鋼弥、半人半魔だ。今後ともヨロシク」

 

「リオ・サウロンです」

 

「ドルキー・サーティンだ、よろしく」

 

「アタシは如月珠樹(きさらぎ たまき)、よろしくね」

 

「花咲彗花(はなさき すいか)です」

 

「タオ・ライシェンと申します」

 

「リザベル・フォン・シュタイン。リーザと呼んでもいいわよ。

 こちらの鎧を着ているのはシェリル・ヴァイオレット」

 

「アルス・ヴァレンタインだ。よろしく」

 

「フィーナ・クレセントと申します」

 

「東雲望紅(しののめもこう)だ。ま、よろしくな」

 

「………橘樹紫(たちばな ゆかり)よ」

 

「カナン・ケシェット。よろしくね」

 

魔界組は自己紹介をするが、夜が訪れる。

四大天使については、明日に考えよう。

 

……こちらの一誠は女性陣を見て鼻の下を伸ばしていた。

それを見ていたアリスとリアスに両頬を抓られていた。

異世界の勇者と呼ばれて逞しなってもスケベな所は共通のようだ。

ちょっとだけ。いつもの一誠だと安心したような気がする。

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

【魔界の者たちが?】

 

【ええ、我らを追ってこの世界に来たようです】

 

【天界の者たちの差し向けたのでしょう。悪魔どもに頼るとは……】

 

【何人来ようが、我々にはやらねばならぬ――――この世界に千年王国を建設する為に。

 まずは、障害となる者たちを確実に葬る。

 信仰が無き人間どもを滅ぼすのは、その後だ】

 

リーダー格の大天使は炎を起こし、火の粉が舞う。

別世界にかつてない神話決戦が起きようとする。




今回登場した四大天使は真Ⅳにて登場した大天使です。

彼らが恐ろしい姿をしている理由、"千年王国"とはなんなのか?

後半もしばしお待ちを……。


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異形なる天使<後編>

お待たせしました!!後半スタートです!!

結構、戦闘場面が多いかも?


翌日―――。

 

四大天使について会議を初め一誠と鋼弥たち。

鋼弥が説明を開始する。

 

「ウリエル、ラファエル、ガブリエル、ミカエル。

 これらの前四大天使は俺たちの世界の天界―――唯一神の最も忠実な者たちだ。

 その役目は、異教徒や悪魔たちを完全に滅ぼすために創られた殺戮の天使だ」

 

「殺戮の天使か……そう呼ばれるのは、報告にあったあの化け物の姿と関係があるのか?」

 

「そ、そうよ。あんなの同じ天使とは思えないわよ」

 

転生天使のイリナの言葉は最もだ。

なにより、慈悲深き四大天使とは全くの別の存在だと信じたくないからだ。

 

「確かにそう思うだろう。だが……あの姿には天使という存在がどういうものか関連している。

 それは天使は悪魔や異教徒に対しては冷たく、時には粛正するときもあるからだ。

 大天使メタトロンは、異教徒に対して串刺しにするという残忍な行動をする。

 大天使ガブリエルは魔王ベリアルにより堕落させられたソドムとゴモラの町を焼き尽くした。

 この時は殺戮の天使であるガブリエルの仕業だそうだ。

 このまま滅ぼしかねないとみて、父さんと仲間たち、大天使たちは殺戮の四大天使を封印。

 ……後は君たちが知っている四大天使が就いた」

 

「その時は魔界と天界が戦争になりかけたが、止める事になったそうだ。

 後は解る通り、三大勢力の戦争になって、聖書の神と旧魔王は戦死という話だ」

 

鋼弥とアルスが殺戮の四大天使、その後起きた事を説明し終える。

 

「なら、おかしな点があるわ。封印されていた天使がどうして解けたの?」

 

「それに関しては、ゾロアスターが封印を解いたという話だが、

 天界の外れにある"聖域"はいかなる悪魔も侵入することはできない。

 つまり……ゾロアスターに協力者がいるという事になる」

 

何者なのかは解らないが……調査は続いているとのことだ。

 

「それで、あの天使たちの目的は……?」

 

アリスの問いにアルスは両目を瞑ったまま答える

 

「"千年王国"の建設。神を信じる者たちを迎え入れて、それ以外を始末するというものだ。

 だが……聖書の神が滅んでも自分たちが代わりに執行するという性質の悪い考となった」

 

「そっちの聖書の神は随分と傲慢というか上から目線な考えだな」

 

アザゼルはうむむっと腕を組んで考えている。

同じような世界でも、異なる点が幾つかあるのだ。

 

「ですが、我々だけでもあの天使を相手にして敵うのかどうか、解りません」

 

「鋼弥が不意を突いたけど、対して傷を付ける事はできなかったわね……」

 

フィーナ、紫がそう言う。

 

「できることなら、君たちとも協力したいけど……いいかな?」

 

タオの申し出に、一誠はニッと笑う。

 

「ああ、勿論、協力するぜ!!先生もリアスもいいかな?」

 

「断る理由は無いわ」

 

「ああ、それに……形や姿は違うが、四大天使をボコれるこんなチャンスは無いしな」

 

アザゼルはクククッと、悪戯な笑いをする。

鋼弥は頭を下げて礼を言う。

 

「感謝する」

 

「よしっ!!だったら、見つけて討伐するか!!」

 

意気込むドルキーだが、アルスが止めに入る。

 

「待って、そもそもあいつらがどこにいるのか解るのか?」

 

「あー……そういえば……」

 

「少しは落ち着いて、考えろよな。単細胞」

 

「あっ!?誰が単細胞だ!!ペチャパイ!!」

 

「ペチャ……!?んだと、この風バカ!!」

 

ドルキーと望紅はギャーギャーといい合いながら、ケンカを始めた。

 

「と、止めなくていいんですか?」

 

「気にするだけ無駄よ。あの二人とケンカするのはいつもの事よ」

 

リーザはそう言いながら(何処から出したのか)紅茶を飲む。

 

「思ったんだけど、貴方達ってどういう関係?」

 

「修行仲間だ。共に過ごして鍛錬した仲だからな」

 

アリスの問いに鋼弥は答える。

いざ、四大天使の所在を捜査する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

それぞれのメンバーで四大天使を探す鋼弥一行&一誠一行。

その一つ―――鋼弥、リオ、一誠、アリス、美羽と捜査していた。

 

「うーん……見つからないね」

 

「あんな目立つような奴らだから、直ぐに見つかると思ったけど……」

 

美羽とアリスは中々見つからず、退屈しているようだ。

 

「逆に上位種族は霊的遮断が備わっているからな。簡単に見つかりはしない」

 

鋼弥がそう説明する。

リオは精神を集中させて、四大天使がどこにいるか探っている。

 

「ところで、一誠と美羽とは兄妹なのか?」

 

鋼弥の問いに一誠は美羽とアリスを見る。

まるで、事情を話してもいいのかという感じだが、美羽が

 

「正確に言うと……僕とおにいちゃんとは血は繋がってないんだ」

 

「それに、私と美羽はこことは違う世界から来たの」

 

その言葉に鋼弥は驚く。

 

「こことは違う世界……つまり、異世界の者たちなのか」

 

「ああ、俺が中学三年の時に異世界に迷い込んで、二人と出会ったんだ。

 それで、色々とあって美羽とアリスをこっちの世界に連れて来たんだ」

 

鋼弥はようやく理解した。

初めて、一誠と出会った時、オーラが強く、赤龍帝としての力も大きくあり過ぎる。

異世界に迷い込んだ一誠はそこで鍛錬し強くなったというわけだ。

 

「………!!見つけたわ」

 

リオが指す方向は空―――――だが、何もない。

鋼弥も空を見て、ふむっと頷く

 

「なるほど、そうやって隠したか。紫と連絡して、能力を使ってくれ」

 

「どういうことなんだ?」

 

「……今に解る」

 

すると、人がいなくなったような感覚がする。

 

「紫の"現世と幽世"を使った。―――空を見ろ」

 

一誠たちは再度、空を見ると―――――先程まで無かった"白い繭"が浮かんでいた。

 

「な、なにあれ!?」

 

「あんなの、さっきまで無かったぞ!?」

 

「"幽世"を使って、欺いていたのか。

 まして、この世界の異形の連中達では感知はできない。

 まさに、うってつけの隠し場所だな」

 

他の仲間たちと連絡し、いざ―――空に浮かぶ繭へ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=天の繭 内部=

 

 

内部に入ると金色に輝く壁の至る所に八角形が敷かれている。

奥へと進み、大広間に辿り着くと……。

 

【現れたようですね】

 

凍てつく吹雪が吹き荒れる。姿を現す。

 

人型、黄土色で右腕が剣、左手が盾。

頭部には一対の白翼、腹部に女性の顔と異形なる天使だ。

 

【我が名は大天使ガブリエル。同朋であるウリエルとラファエルを相手にしたようですね】

 

ガブリエルがそういうと、昨日、遭遇したウリエルとラファエルが姿を現し、並び立つ。

アザゼルはガブリエルに問う。

 

「お前さんたち、この繭は一体何なんだ?」

 

【これは神を信じる者たちが乗り込む方舟。

 選ばれた民を乗せてこの世界にケガレに満ち溢れている者たちを滅ぼす。

 そして、千年王国が生まれるのです】

 

「ちっ、要は自分たちが信じる者だけが創るようなもんか。禍の団やクリフォトよりも性質が悪い」

 

「殺戮の天使よ。その翼を折らせてもらう」

 

鋼弥の言葉に、一誠たちも戦闘態勢を構える。

 

【我らに逆らう悪魔どもに裁きを下さん!!】

 

 

《BGM:Battle c5≪四大天使戦≫(真・女神転生Ⅳより)》

 

 

ウリエルと対峙するは美羽、ゼノヴィア、イリナ、珠樹、彗華、ドルキー、ギャスパー、アザゼル。

 

【来るがよい。このウリエル、負けはせん】

 

激しい放電を放ち、周囲が焼け焦げていく。

彗華が防御壁を張って電撃を防ぐ。

 

【神の雷光】

 

「なめんなよ!!!!」

 

乱鬼流の強化技―――大乱鬼流。

風の刃を八重にして、放つドルキーの新たな技、ウリエルが放った雷撃を相殺した。

アザゼル、イリナは光の槍を生み出し、同時に投擲をするが、ウリエルは力づくで叩き落とす。

ウリエルの頭上に鉄製の閂(かんぬき)が出現した。

 

「なんか、ヤバい予感!!」

 

「ラクカジャ×4!!……完全に防げれないですが、なにもしないよりは……!!」

 

彗華は防御力上昇の魔法と障壁を張り巡らせて、備える。

 

【フゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!】

 

ウリエルは閂(かんぬき)を豪快に投げ、地面に叩き付けられて地割れが巻き起こすほどの威力だ。

その余波により障壁が破壊され全員、吹き飛ばされる。

 

「洒落にならないわね……!!」

 

珠樹を初め、他の皆もこの破壊力に驚かされる。

ウリエルのこの攻撃は、地獄の門の閂(かんぬき)を折り、地上に投げつけて黄泉の国の門を開かせる。

その説があるからこその攻撃である。

 

「ちっ、世界の終わりの時に使う門の閂(かんぬき)をブン投げるなんざ……やべぇだろよ」

 

アザゼルはウリエルの攻撃方法に、悪態している。

ウリエルは神の雷光を放とうとするが、

 

「させない!!」

 

ギャスパーは闇の獣を生み出して、ウリエルの動きを封じる。

その隙にゼノヴィアと珠樹は剣を構え、彗華は二人に―――。

 

「ラスタキャンディ×4!!」

 

能力上昇魔法を4段階に重ねがけた。

 

「「はああああああああああああああ!!」」

 

ゼノヴィア、珠樹の必殺斬撃をまともに喰らいウリエルが大きく後ろに吹き飛ばされた。

彗華は弓矢を構えて―――。

 

「裂矢!!」

 

ヒュン!!――――――ドッ!!

 

ウリエルの額に矢が刺さり、爆破が起きる。

美羽は両手を構えて魔力を集める――――。

 

「スターダストブレイカー!!」

 

全属性収束魔法砲撃を放ち、ウリエルの全身を貫く、ウリエルの体に紅い亀裂が入り光が溢れる。

 

【ぐ、おお……。遠ざかる……我らの千年王国が……。

 ケガレし悪魔どものせいで……千年王国がケガレてゆく……】

 

ウリエルはそう言い、粉々に砕け散った。

 

「そんな、縛られた国なんて願い下げだよ」

 

美羽はベーっと言う。

 

 

◆◆◆◆

 

 

ラファエルと対峙するはアリス、リアス、朱乃、ロスヴァイセ、リーザ、フィーナ、シェリル、タオ。

 

【悪魔とそれに加担する者たちがこんなにいるとは……嘆かわしい事だ。このラファエル、患いを癒そう】

 

リアスは必殺を放つためチャージし、他の皆は牽制する。

前衛にタオとシェリルが武器を構えてラファエルと斬り合う。

 

【神の竜巻】

 

ラファエルを中心に荒れ狂う竜巻を起こして、一直線に向かってくる。

 

「ラウンド・シールド!!」

 

フィーナが前に出て、盾を構えると、光の障壁が生まれて竜巻を防いだ。

 

【では、これはどうだ】

 

ラファエルの鎌槍から緑色のオーラを発する蛇が出現する。

 

【シェオルの蛇】

 

蛇は速く動き、大きな口を開けて、呑み込まんとするが―――シェリルが前に出て大剣を豪快に振りかざし斬り捨てる。

しかし、シェリルは膝をついて、疲れが出ている。

 

「攻撃は防いだのに!?」

 

【我が蛇に触れし者は、体力と魔力を奪う。斬り捨てようとしてもだ】

 

素手や剣戟であの蛇を防いだとしても、接触したという時点で体力と魔力を奪われる。

ラファエルは鎌槍を大きく横薙ぎをしてシェリルを吹き飛ばす。

壁に叩きつけられたシェリルは血反吐を吐いて、ダウンする。

 

「シェリル!!」

 

「……女性に対する行い、消し飛ばしてあげるわ!!」

 

リアスは魔力を練り、"消滅の魔星"を放つ。

 

【そのような遅い攻撃、当たるとでも……】

 

ラファエルは回避しようとするが――――四肢に髪の毛がまとわりついている。

見ると、兜を外したシェリルが髪を伸ばして、ラファエルの身動きを封じていた。

アリス、リアス、朱乃、ロスヴァイセは驚いた。

 

「あれが、シェリルさんの能力!?」

 

「髪を自在に操る、あれがシェリルの力よ。私も紅のお姫さまに便乗するわ。―――プロミネンス!!」

 

青白い炎を放ち、リアスが放った"消滅の魔星"と融合し―――炎を纏った消滅球がラファエルに直撃し特大ダメージを負う。

ラファエルの右半分が消し飛び、火傷の跡が残った。

 

【ぐぅ……貴様……ラ!!】

 

ここぞというばかりに畳み掛ける、朱乃は雷光龍、ロスヴァイセは魔法のフルバーストを放ち追い討ちをかける

三つの影が走り、タオは昆で連続突きし、右拳を後ろに引き―――。

 

「破山掌撃!!」

 

タオが前に出て必殺拳を繰り出す。

その一撃にラファエルの体を"く"の字に曲げて、吹き飛ばす。

次にフィーナは剣を上段に構え、刀身が金色に光る。

 

「セイクリッド・セイバー!!」

 

光の属性が帯びた斬撃を左斜めに切り裂く。

そして、アリスが飛び出し、ラファエルの胸部の顔に触れる。

 

白の槍砲(アスプロス・ヴリマ)!!」

 

ゼロ距離から放たれた轟雷はラファエルの胸部顔を貫いた。

 

【な、何故……我らに仇をなす……。我らはケガレを駆逐し……癒すだけなのに……】

 

その言葉を最後に、ラファエルが粉々に砕け散った。

 

「神様をただ信仰する……そんなの国でもなんでもないわ」

 

アリスは千年王国の在り方を否定し、鎗を横に振るう。

 

 

◆◆◆◆

 

 

ガブリエルと対峙するは一誠、祐斗、アーシア、レイヴェル、鋼弥、リオ、アルス、カナン、望紅、紫。

 

【さぁ、悔い改めて死を受け入れなさい】

 

ガブリエルは剣先を鋼弥たちに向けて、告げる。

 

受難告知(じゅなんこくち)

 

剣先から黒い文字が描かれ、望紅とカナンに当たり二人は苦しそうに膝をついた。

 

「これ……あらゆるバッドステータスを引き起こしている!!」

 

リオはCOMPを使い二人のバイタル異常を調べて驚愕する。

 

「回復させます!!」

 

アーシアは神器を発動させて回復させるが――――効果が無い。

 

「ど、どうして!?」

 

「烙印も付加されているわね……これが消えない限り、回復はできないわ……」

 

「そんな恐ろしいものまで……!!」

 

"烙印"が消えるのは5分、それまで耐えなければ二人は危険に晒される。

 

「ガブリエルの受難告知が発動されたら、視界に入らない様に避けるしかない!!」

 

「つまり敵の視線を見て、回避しつつ攻撃しろって事かよ!!」

 

「紫、リオは護衛を頼む」

 

アルスの言葉に紫とリオの二人は頷く。

接近戦を得意とする二人が動けないの痛い。

それまでに一誠、祐斗、鋼弥、アルスがガブリエルの所へと向かい、仕掛ける。

 

「出し惜しみはしてられないね」

 

祐斗は禁手第二階層――――双覇の騎士王(パラディン・オブ・ビトレイヤー)を発動させて、高速でガブリエルを斬りつける。

鋼弥とアルスは驚いた、禁手の更なる上を発現させた祐斗に。

 

「この世界の一誠と祐斗は上の領域に達しているのか」

 

「成長が凄まじいな。だからこそ、凄い」

 

負けぬ意志と闘志が滾る二人。

アルスはサーベルを抜き、百、千を超える連続突き、鋼弥は肘打ち、裏拳、三連蹴り、正拳突きを放つ。

一誠の強烈な一撃を加えて、ガブリエルを吹き飛ばすが……、

 

【ディアラハン】

 

回復魔法を唱えて先程のダメージを白紙に戻した。

右腕の剣から光の斬撃波を幾つも放ち、鋼弥たちを吹き飛ばす。

 

【神の雹撃】

 

ガブリエルの右腕を掲げると、鋼弥たちの頭上から大氷塊が降り注がれていく。

アルスのサーベルから炎が奔り――――。

 

「フォルテ・フランメ!!」

 

幾重の火炎の斬撃刃を放ち大氷塊を消し飛ばす。

鋼弥が跳躍し、両手に気を溜めて―――真紅に染まる

 

真覇裂空波(しんはれっくうは)!!」

 

波動弾が放たれて、ガブリエルに直撃すると大きく後退した。

鎧を身に纏った一誠は左手から光が溢れて、狙いを定める。

 

「アグニ!!」

 

極大の気の奔流を放ちガブリエルを撃ち貫いた。

 

【なんという……おぞましき力、我らが敗北するなんて……、神よ……この者たちに罰を……】

 

ガブリエルは嘆きつつ、粉々に砕けた。

三人の天使たちを倒した。……どこから、威厳に満ちた声が響き渡る。

 

【三人の天使を倒すか……ならば、このミカエルが引き受けよう】

 

その言葉と共に激しい熱風が周囲を焦がし、姿を現す。

 

両腕の付け根に爬虫類の目が開かれて、両手は頭についている。

両耳には短剣のピアスを付けており、両目は閉じており微かながら炎が漏れている。

周囲には鱗を持つ蛇が周囲を漂わせている。

 

「大将のお出ましのようだな……」

 

「気を付けろ。ミカエルは先程まで戦った三人より、強い」

 

鋼弥の言葉に全員は気を引き締める。

一誠側は、これまで戦った敵とは格段に強いと本能的に察する。

ミカエルはゆっくりとこちらを向き、口を開く。

 

【汝らにも見せてやろう。かつて悪魔たちが天から地獄へと堕ちるその光景を】

 

ゴウッと熱風が広がり、辺りが炎で赤くなる。

 

【我らに刃を向けるというならば……幾らでもかかってくるがよい。

 幾憶の刃が迫ろうとも、我が尽く返り討ちにしてくれようぞ。

 ……貴様たちの相手はこの者たちだ】

 

ミカエルの言葉に天使の軍勢が出現し、一誠と鋼弥を分断させた。

リアスたちは天使の軍勢を相手にしなければならない。

 

「やれるか、一誠?」

 

「ああ、任せな!!」

 

二人は気合十分だ、ミカエルに飛び掛かり殴る蹴るの打撃をするが、相手は堪えていないようだ。

 

【天軍の剣】

 

一誠と鋼弥の頭上から光剣が雨の如く、降り注ぐ。

二人は防御して、やり過ごすが……ダメージは多かった。

ミカエルは休む暇も与えず、次なる攻撃を仕掛けた。

 

【神の業火】

 

ミカエルから炎が放たれると同時に、地から幾つものの炎柱が巻き起こして、辺りが熱と炎に包まれていく。

煙が晴れると、二人はボロボロになっているが、心は折れていない。

一誠は奥の手を出す、禁手化し、更に発動する。

 

「第二階層《ツヴァイセ・ファーゼ》――――天武(ゼノン)!!」

 

格闘主体の形態となり、構える。

鋼弥もまた、フッと笑い切り札を出す

 

「なら……とっておきを見せよう」

 

鋼弥の足元に召喚の陣が描かる。

聖なる光が溢れ出すが、傍にいる一誠は不思議と痛みを感じない。

 

「アルトリア・ペンドラゴン!!」

 

名を唱えると、光の柱に包まれると、現れたのは青いドレスに白銀の甲冑を纏った、雄々しき金髪碧眼の女性剣士だ。

遠くから見ていたアリスたちも鋼弥の能力に驚いた。

 

「えっ!?鋼弥さんが女性に!?」

 

「あれが、鋼弥の能力よ。契約を結んだ仲魔の姿になる"業魔化身"よ」

 

「しかし、また新しい仲魔と契約結んだのかよ!!すげーな!!」

 

魔界組は鋼弥の能力を説明し、新たな契約仲魔のオーラを見て頼りになるのが解る。

回復に専念していたカナン、望紅が復帰し、紫、リオと共に参戦する。

 

「待たせたな!!」

 

「休んでいた分は、きっちりと働くわ」

 

「私たちに任せてください」

 

「行きましょう」

 

残っている天使の軍勢を相手にする。

 

「お前さんたちに陽の熱を味わせてやるよ」

 

望紅の体から炎が生まれて、大きな火炎の球を生み出す。

 

炎珠天(えんじゅてん)!!」

 

両手で投げると火炎の球は天使の軍勢を巻き込み爆発を起こす。

 

「ブランク・サイン!!」

 

両手に着けている腕輪が開き、力を解放すると――――紫陽色のオーラドラゴンが生み出さし、大きな口を開けて軍勢を消滅させる。

 

「この動き見切れるかしら?」

 

紫の姿が朧になり、次々と天使たちが切り裂かれていく。

反対側に立ち、鎌をブォンと振るい静かに口を開く

 

「――――朧舞(おぼろまい)

 

天使たちは次々と魔法をはなち、紫に集中砲火をするが――――鎌が怪しく光る。

 

「ナイトメア・カウンター!!」

 

三日月を描くが如く振りかざし、鎌を振りがさすと魔法が跳ね返り天使たちは撃墜されていく。

リオはタリスマンを掲げて、必殺ノ霊的国防兵器の悪魔を召喚する。

 

「召喚――――英傑ミチザネ!!」

 

黄土色の鎧武者――英傑ミチザネを呼んだリオ。

ミチザネは刀を抜き雷撃を集め、リオも雷の魔法を唱えて複合させる。

 

「ナルカミ!!」

 

極雷撃が放たれて天使の軍勢を撃ち落としていく。

4人の怒涛の攻撃により、片付けた。

 

「うおりゃああああああああああああ!!」

 

一誠の連続の拳撃がミカエルに炸裂する、先ほどの間での威力は桁違いでミカエルにダメージを負わせる。

 

【せいっッ!!やあっ!!はああああっ!!】

 

エクスカリバーとロンゴミニアドと交合に斬撃と刺撃と巧みに攻撃する。

アルトリアはエクスカリバーを上に掲げると同時に、背後から20の光剣を生み出す。

 

【エナジーソードレイン!!】

 

光剣はミカエル目掛けて飛び、次々と切り裂く。

 

【おのれ……悪魔竜と騎士王如きがぁぁぁぁ!!】

 

ミカエルは空へと羽ばたき、最大の攻撃を放つ。

 

【ナラク落とし!!】

 

紅いエネルギーを身に纏い二人目掛けて急降下突進を繰り出す。

二人もまた、最大の必殺技を繰り出し、立ち向かう。

 

【ロンゴミニアドォォォォォォォォォォォォォォ!!】

 

「シャイニング・バンカァァァァァァァァァァァァ!!」

 

『Pile Period!!』

 

光の拳撃と光の槍撃がミカエルを貫いた。

ミカエルに紅い亀裂が入り、マグネタイトが零れだす。

 

【お、おお……おおおおお……。

 まさか、我ら四大天使が滅ぶというのか………。

 忌々しき……悪魔どもに……。】

 

「あんたらの救済なんか、この世界にも鋼弥たちの世界にも必要ない」

 

【貴方達の役目も唯一神に与えられた使命から解放されます。永久の眠りにつきなさい】

 

二人の言葉にミカエルはグラリッと傾き、天使の羽が散り散りと堕ち、崩壊した。

四大天使が倒されたのか繭の形が保てなくなり、一誠たちは脱出し、繭は音も無く消滅した。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「行くのか?」

 

「ああ、元の世界に帰りを待っている人がいるからな」

 

数日こちらの世界に過ごして、別れの日が来た。

鋼弥たちの見送りに来てくれた一誠たち。

 

「美羽ちゃん、これを貴女に」

 

彗華から渡されたのは、指輪だ。

宝石はムーンストーンが埋め込まれている。

 

「あの、これは……?」

 

「貴女の魔力を上手くコントロールできる指輪です。きっと役に立ちますわ」

 

「ありがとう!!」

 

「アリスさんにはこれを差し上げます」

 

フィーナから渡されたのは赤い布が巻かれている黒い槍だ。

 

「その槍はアリスさんが得意としている雷を流すと便利な機能が働きますわ」

 

「ありがとう、フィーナさん」

 

「一誠、俺からはこれを」

 

鋼弥から渡されたのは、竜の装飾が施されている腕輪だ。

 

「ドラゴンリング、一誠の神器に呼応して能力が上昇する。

 お前の想いが強いほど、リングは答えてくれる」

 

「ありがとな!!」

 

一誠と鋼弥は握手する。

他の世界からきて、短い間だが……絆と友情が生まれた。

鋼弥たちは異世界のゲートを開けて、名残惜しそうに手を振って入る。

ゲートが消えて、一誠たちはしばらく見る。

 

「また、いつかな」

 

再開する時を待ち、一誠たちは家へと帰るのであった――――。




上手く書けているのか、キャラを動かせて活躍できているか、ドキドキしました。

今回コラボしてくださったヴァルナルさん、本当にありがとうございました!!


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文明の破壊者

嶺爾は更なる力を得るために、ディープホールへと降り立っていた。

 

 

この広大な闇黒世界にも様々な地方がある。

 

燃え盛る火山、凍てつく氷河、屍の山の黒い砂漠、妖しい風が吹く草原、険しい渓谷、寂れた廃墟など。

 

人間はおろか悪魔もディープホールに落とされたら最後―――ただ死を待つだけ。

 

そんな過酷な世界、嶺爾がここに来たのは、"とある目的"である。

 

「……あれか」

 

アジア地方にある古代の遺跡都市を見つけて、大きな建物へ入る。

入った途端、不思議な結界が覆われていく。

 

「……なるほど、悪魔の出現を抑える類か。業魔化身も使えないか」

 

逆に考えれば、この遺跡にとてつもない何かが封印されているのが解った。

 

 

=大遺跡・内部=

 

 

荒れ果てた外とは違い、中は空気が澄んでおり、汚れが無い透明の水が流れていた。

奥へと進むと祭壇があり、女性の像が奉られていた。

嶺爾は其処へと歩き、像に触れると―――複雑な方陣が描かれ、像が崩れて砂となった。

 

「来るか……」

 

とてつもない魔力と気迫が部屋全体に広がる。

光が集まり、人の形へとつくる。

 

 

現界したのは――――褐色の肌、白い礼装を纏う銀髪の女性、胸と下半身部分だけ布を纏い、体には紋様が刻まれている。

 

 

女性は両目をゆっくりと開き、凛とした声で赤い瞳は嶺爾を見る。

 

【私を呼び出しのは、貴様か?】

 

「そうだ。俺が望はただ一つ……貴様と戦い契約を結ぶことだ」

 

力強く拳を突きだす。

女性は一度、瞑目しゆっくりと目を開く

 

【私は文明を破壊する者、神の鞭。私の名は――――アルテラ】

 

アルテラと呼ばれし女性は、右手に三色に光輝剣を握りしめ嶺爾に突きつける。

 

「軍神と呼ばれし英傑アルテラよ。いざ――――勝負!!」

 

同時に駆け出し、嶺爾は裏拳、肘打ちと撃ちこむが、アルテラはガードした。

 

【ハアアッ!!】

 

光り輝く刀身は伸縮自在のためか、鞭のように振りかざす。

剣の軌道を良く見つつ、回避する嶺爾。

反撃に拳や蹴りを放つが、アルテラは避けつつも突き刺し切り払う。

嶺爾は上手く掻い潜り、腹目掛けて上へと蹴り飛ばし、天上に叩き付けられる。

 

【グ……ッ!!】

 

地面に降り立つアルテラだが、ダメージは蓄積されていた。

だが、嶺爾もまた、無傷ではなかった。

アルテラの伸縮自在の光剣をギリギリに回避しており、所々、切り傷を負っていたのだ。

 

"流石は英霊と呼ばれる存在だけあって、無傷ではいられない"

 

(ましてや……相手は軍神であり破壊神であるアレスの加護を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

 容易に倒せた。――――――それはつまらない結果になる)

 

 

つくづく、戦闘狂である嶺爾。

だが、相手は今まで戦った相手は最強クラス。

何も策が無いまま、ただ、斬られるのか?それとも、相討ち覚悟で倒すのか?

 

否、この男に――――――敗北も相討ちという愚策はしない。

 

 

【繁栄はそこまでだ】

 

 

アルテラは剣を天に掲げると、彼女の魔力が上がる。

大気が震え、アルテラを中心に地面に罅が入り始める。

 

【命は壊さない。その文明を粉砕する……!】

 

三色の光で構成された刀身が高速回転、嶺爾に向けて構える。

あらゆるものを破壊する最大の切り札を彼女は切ったようだ。

 

「やれるものなら……やってみろ。俺の魂は壊されはしない」

 

嶺爾は闘気をフル開放、大気が震え、足元に罅が入り始める。

――――彼は告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――オーバードライブ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじき、轟音と共に硝煙が立ち上る。

煙が晴れると、髪が逆立っており、顔や体全体に悪魔の刻印が刻まれていた。

鋼弥と同じ点はあるが違いがあるとすれば……刻印から出ている光が血のように赤く発光していた。

 

【それがお前の切り札か】

 

「ああ、この力を使うのは初めてだが……上手くできたようだ」

 

 

――弟は努力で開花させたオーバードライブ。

 

――兄は才能で開花させたオーバードライブ。

 

――共通する点があるのならば、幾度の戦いを経験して、解放した力である。

 

 

両者は同時に地を蹴り、構える。

 

 

 

【フォトン・レイ!!】

 

 

 

「ギガント・マキア!!」

 

 

 

軍神の剣と魔人の拳が激突し、大遺跡の天井を吹き飛ばし、光の柱が空へと奔った――――。

 

 

◆◆◆◆

 

 

勝負の結果、膝をついたのは―――――――――――アルテラだった。

嶺爾も無傷ではなかった。

右の拳、腕は斬り傷だらけで血が流れていた。

アルテラの方へと歩み、彼女の背後に立つ。

 

【………。私は負けたか】

 

「軍神の剣、見事な一撃だ。死を覚悟したぐらいだ」

 

しかし、嶺爾は気が付いていたのだ。

先程の放った"軍神の剣"は射線状にいる者たちを吹き飛ばす技、その上があるのではないかと睨んでいた。

アルテラはフラフラと立ち上がり、嶺爾と向き合う。

 

【約束を果たさなければな。契約を結ぼう】

 

アルテラは剣を地に突き刺し、右手を差し出す。

 

【我が名は英傑アルテラ。軍神の力をそなたに、委ねよう】

 

嶺爾は彼女の右手を取り、契約をする。

彼女は光の粒子となり、嶺爾の体内へと入る。

 

 

―――――これで、兄弟ともに全ての契約可能とる枠が埋まった。

 

―――――後は、来るべき戦いに備えて研磨するだけだ。




鋼弥に続き、嶺爾もまた召喚できる悪魔との契約枠がすべて埋まった話。

嶺爾版オーバードライブ、鋼弥みたいに暴走せずにコントロールできるのは魔力としても気の扱いが上手いということだけです。

この話は冥界騒動が終わった後日談ストーリー。


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ザ・グレイトバトル~銀ノ牙~

今回もヴァルナルさんとコラボストーリー!!

異世界帰りの一誠たちの前に現れたのは……!?



新たな事件も終わり、調査報告が済んで、安息が訪れた。

鋼弥は異界ゲートを調べると、違和感があった。

 

「……やはり、誰かが、ここを通ったな」

 

事の始まりは、ルキフグスからのメッセージだ。

異界ゲートから、妙な魔力が感知されており、調べて欲しいとのことだ。

だが、調べると強力な魔力を感知した、普通ではない何かだ。

 

―――嫌な予感がする。

 

仲間たちには連絡をして、もしもの時に備えて、一人で異界ゲートへ入る鋼弥。

 

(待っていろ、一誠、皆!!)

 

アカラナ回廊を速く走る、鋼弥。

 

 

 

=???=

 

 

 

ゲートから現れたのは銀色を逆立てて首にマフラーを巻いた青年だ。

自分が知っている駒王町とは違うと感じとる男、―――自分が追い求めていた"ある存在"がここにいる。

 

「……まずは、奴をおびき寄せる方法か」

 

そう言いつつ、青年は町中にいる、"とある集団"を見つけて―――跳躍する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

激戦続きの一誠たち、今は休息の時間である。

新たにモーリスとリーシャがこちらに来て、二人を街へと案内していた。

一誠は短い間だが別の世界の仲間――鋼弥たちを思い出す。

 

(あいつら元気にやっているかな……?)

 

一誠たちはフッと前を見ると―――共に四大天使の討伐した仲間である鋼弥が立っていた。

アリスは驚きつつも喜んでいる

 

「鋼弥?また、来たの?」

 

「彼は何者かしら?」

 

「涼刀鋼弥、リーシャとオッサンがここに来る前に共にある事件を解決した仲間だ」

 

リーシャの問いに一誠は答える。

何の連絡も無しに来たのはサプライズな事を?

そう考えていたが、鋼弥(?)はゆっくりと歩み、一誠を見定めている。

 

「……この世界の赤龍帝は格段に強いようだな。楽しめそうだ」

 

そう口を開き、ニヤリッと笑う。

 

次の瞬間―――シュッ!!

 

消えたと思ったら、一誠の首を狙い回し蹴りを仕掛けて来た。

一誠は伏せて、回避しつつ距離をとる。

彼の蹴りはブワッと風を巻き起こすほどの威力だ。

その余波はお店の窓ガラスに罅が入り、葉っぱが一瞬で微塵になるほどだ。

 

「―――ッ!!いきなりかよ!!」

 

「な、なにをするんですか!?」

 

突然の攻撃に一誠と美羽は驚き戸惑った。

 

「反応もいいようだな」

 

一旦距離を置いて、右手をコキリッと鳴らし、構える。

美羽は結界を張り巡らせて、外界と切り離す。

これで、周りの被害を抑えることができるが、さきほどの蹴りの威力を考えると……破壊される可能性もある。

 

一誠は鎧を身に纏い、対峙する。

男が先に動きだし、正拳突き、連続蹴り、踵落とし、といくつも体術を繰り出す。

一撃一撃が重く鋭く、目を離したら瞬く間に刈られる。

 

「いきなり、何考えているのよ!!」

 

アリスは槍を構えて、振りかざすが、男は無駄のない動きで避ける。

槍を脇でガッチリと止めて、左足を踏みこむと同時に掌底打ちで吹き飛ばす。

一誠はアリスを抱きしめて、キャッチする。

 

「アリス、大丈夫か!?」

 

「な、なんとか……、それにしても、アイツの拳、強すぎる」

 

槍を放り棄てて、歩む男。

祐斗、ゼノヴィア、ネコショウの力を解放した小猫、闇の獣を纏ったギャスパーは男を取り囲む。

囲まれても焦る様子はない男。

 

「少し、力を解放しよう……」

 

足元に召喚の陣が描かれていく。

 

「こいつは……!?」

 

以前、鋼弥も同じように自身を悪魔へと変貌する―――業魔化身。

 

「―――タナトス」

 

その名を告げると、男の背後に棺桶が出現し、その中へと入る。

棺桶がはじけ飛び、現れたのは―――。

4対8つの棺桶が翼となっており、銀色の王冠を被り、黒いコートを身に纏った死神が現れた。

 

【我が名は死神タナトス……。魂、斬られる覚悟はあるか?】

 

ショットガンを抜き、小猫とギャスパーを狙い撃つ。

二人は避けるが、タナトスはマハザンダインを唱えて、二人を吹き飛ばす。

 

「今度は……!!」

 

「私たちが相手だ!!」

 

祐斗とゼノヴィアが攻めるが、腰に下げている大刀を抜いて剣戟を繰り広げる。

タナトスは祐斗の剣速を見切り、ゼノヴィアの豪快な太刀技を捌く。

いや、徐々にタナトスの斬撃が速度を上げて、祐斗とゼノヴィアを押しているのであった。

 

【デスバウンド!!】

 

大刀を振り下ろすと同時に斬撃波が巻き起こりゼノヴィアと祐斗を吹き飛ばした。

 

――――桁違いに強すぎる。

 

素の状態も、業魔化身によって悪魔へと姿になっても。

しかし、鋼弥と同じ姿、同じ能力を持つこの男の正体は?

 

タナトスは大刀を地面に擦りつけて火花を出しながら歩む。

その時、一誠たちの前に銀色の髪を持つ男が現れた―――涼刀鋼弥だ。

 

「やはり……この世界を渡っていたのか」

 

【貴様もこの世界に来たのか。いや、報告では四大天使がこの世界に現れて、討伐したからな】

 

鋼弥とタナトスは会話をしている。

一誠は鋼弥の横に並び立ち、目の前の敵について訊く。

 

「鋼弥、アイツのことを知っているのか?」

 

鋼弥は一度、目を瞑り―――驚くべき言葉を放つ。

 

 

 

「あいつは涼刀嶺爾。―――――俺の兄だ」

 

 

 

「あ、兄!?」

 

その言葉を聞いて驚く一誠。

彼だけではない、美羽とアリス、他のメンバーも驚きを隠せなかったようだ。

 

「一つだけ言えば、相手は並の実力者ではない。

 力を貪欲なまでに、求めて戦う悪鬼羅刹と言える。

 故に……」

 

鋼弥は一誠を下がらせて、前に出て、足元に召喚の陣が描かれる。

親指をガリッと噛み、一滴の血を落とす。

 

「ここからは俺が引き受ける。――――来い、アンクー」

 

黒く輝く柱が鋼弥を飲み込んだ。

黒い柱が晴れると大きな黒のつば広帽子、背中には大鎌を背負い、黒いローブを身に包んだガンマンが現れた。

 

タナトスは大刀を構え、アンクーは大鎌を静かに構える。

静寂が支配し、風が吹く。

 

 

(BGM:通常戦闘~アマラ経絡とアマラ神殿~≪真・女神転生Ⅲ≫)

 

 

【【Kill You!!】】

 

 

その言葉と共に両者は駆け出し、武器と武器が激しくぶつかり合う。

アンクーは鎌に回転を加えて投擲、タナトスはそれを弾くが、アンクーは二丁のマグナムを連射撃。

タナトスは大刀で弾きお返しとばかりにショットガンをぶっ放す。

避けつつも、ビルの壁を駆けて飛び、曲芸の如くマグナムを撃つ。

タナトスは棺桶の翼で防弾、アンクーは鎌を構えて強襲し、振りかざすが大刀で鍔迫り合いをする。

 

 

距離を離れて―――元の姿へと戻り召喚の陣が描かれていく。

 

「コウ!!」

 

「ヴァスキ!!」

 

鋼弥は白い霊狗の神獣コウ、嶺爾はナーガ族の王ヴァスキとなった。

 

「また、姿が変わった!?」

 

「前の事件で見たアルトリア、アンクー、それと……白狗のコウ。一体、どれだけの悪魔と契約したのよ」

 

「……お互い、14体も契約を交わしたのですよ」

 

アリスの疑問を応える第三者の声が響く。

一誠たちそちらに向くと白髪をポニーテールに纏めて女の武人が立っていた。

 

「あ、貴女は?」

 

「私はシンディ・ハラオン。鋼弥が喋ったかと思いますが―――彼の師匠を務めています」

 

リアスの問いに答える女性の名はシンディ

この人が、鋼弥を鍛えたお師匠であることに驚く一誠たち。

シンディは前に出て、鋼弥と嶺爾の激闘を見て呟く。

 

「業魔化身を使える鋼弥と嶺爾。

 互いにその悪魔へと変生し、力と技をぶつけ合う……。

 それこそが、魔の力を持つ二人の戦い」

 

「でも……兄弟なのに、どうして殺し合いをしているの!?」

 

一誠と美羽は血は繋がってないが、本当の兄妹として接して、その絆は固い。

だが、二人は血の繋がった兄弟関係なのにどうして、戦っているのかだ。

シンディは哀しそうな顔をして、二人の経緯を語る

 

「……まだ幼い二人でしたが嶺爾は鋼弥に何も言わずに立ち去り、

 己に宿っている力を研磨し、魔界の名のある者たちを殺害した。

 指名手配となった嶺爾を倒すために、鋼弥はその任務を与えられた。

 二人は、出会っては命を奪う覚悟で戦い続けていたのです」

 

「そんな事があったのか……複雑な事情を抱えているなぁ」

 

その話を聞いてモーリスは険しい表情となる。

 

後に、冥界騒動の事件の際、嶺爾の真意を知ったのだ。

弟を護るために、汚れ役を背負った嶺爾。

兄を知ることができなく、己を赦せなかった鋼弥。

 

 

―――それでも、二人は戦う。

 

―――お互いに力を研磨して、来るべき刻のために。

 

 

一誠たちはもう一度、業魔化身の力を持つ二人を見る

コウは唸り声を上げて、爪と牙を駆使し、ヴァスキは尾を振りかざしたり、タックルをしかける

コウの口から火炎の息を、ヴァスキは凍える息を放ち均衡しつつ、爆発してお互い爆風に巻き込まれる。

 

互いに体制を立て直したかと思いきや……再び、元の姿へと戻る。

二人は次なる悪魔へと変生しようとする。

 

 

「ヒジリ!!」

 

「クレオパトラ!!」

 

 

鋼弥が変生したのは、日を知る者という意味を持ち。

太陽の司祭者や呪術者を指したとされ、学徳の高い僧侶の魔人。

紫のグラデーションが入った銀のロングウェーブ、白黒のゴスロリ風ドレス、表地が黒裏地が赤のマントを纏っている大人の女性だ。

 

 

嶺爾が変生したのは、古代エジプト最後のファラオにして神々を束ねる者。

穢れが無い白い身軽な服を纏い、雪のように白い肌、プラチナの様な長髪。

絶世の美女という言葉はこのためにあるだろう。

 

 

【……新たな悪魔ですね】

 

【我がマスター、嶺爾と契約した女神クレオパトラと申します。お手柔らかにお願いします】

 

【私の名は魔人ヒジリ。マスター鋼弥と契約した者です。よろしくお願いします】

 

互いに挨拶を交える。

だが、ビリビリとし、大気が震える。

 

ヒジリは懐から経巻を取り出し、広げると七色に輝く文字が浮かび上がる。

クレオパトラは右腕を天にかざすとコブラになっており、瞳が爬虫類となる。

 

【アギダイン!!ブフダイン!!ジオダイン!!ザンダイン!!マグダイン!!】

 

先に動いたのはヒジリだ。

火炎、氷結、電撃、衝撃、地変を唱えクレオパトラに直撃するが……対してダメージが通っていないようだ

 

【フフフ、残念。私は魔法耐性が強いのよ。今度はこちらから行くわよ!!】

 

右腕のコブラを鞭の様に振りかざす。

ヒジリは避けて、立っていた場所が陥没する。

いつの間にか近づいており、首を斬り飛ばすが如くの蹴りを放つがヒジリはガードして、防ぎ掌打で吹き飛ばす。

右手で星を描き、彼女の背後に8つの光剣が出現する。

 

【スターソーディアン!!】

 

クレオパトラを閉じ込めるように突き刺さり、眩い光の万能属性でダメージを与える。

硝煙の中から、クレオパトラは左手を突きだす構えをして―――。

 

【ダズルレイ!!】

 

左手から閃光が奔り、ヒジリに直撃すると彼女を呑み込むかの如く光の柱が奔る。

特大のダメージを受けて、片膝をつくヒジリ。

しかし、耐性を考えれば破魔属性は無効になるはず、どうして通ったのか!?

 

【どうして、ダメージが通ったと思う?私のダズルレイは破魔属性を貫通するのよ。

 ―――幾ら、耐性があろうともダメージは受けるわ】

 

即死は免れているが、それでもダメージを受けてしまったのは間違いない。

直ぐに体勢を整えようとするが、身体が痺れて立ち上がれない。

それどころか、化身が解けてしまい鋼弥へと元に戻ってしまう。

クレオパトラはゆっくりと歩み、止めを刺そうとするが……。

 

 

一誠たちが護るように前に立ちはだかる。

 

 

「一誠、皆、なにを!?」

 

「……この世界の人たちも貴方を護るために動いたのですよ」

 

「師匠、来ていたのですか!?」

 

シンディが鋼弥の傍へと寄り、介抱する。

一誠は鋼弥の方へと向いて、口を開く。

 

「シンディさんから、聞いたよ。鋼弥と嶺爾の関係を……戦い合っていたことも」

 

「事情を知ったのなら……戦ってはダメだ!!死んでしまうぞ!!」

 

幾度も戦い嶺爾の恐るべき強さを知っているからこそだ。

戦ったら、確実に殺される。

 

「それでも!!それでも、ダチを見捨てはしない!!」

 

一誠の熱い言葉に鋼弥は目を見開き驚く。

例え、違う世界だとしても熱い心を持つ性格は変わらないと。

 

「……すまない。一誠、皆……」

 

一誠は鋼弥の方を向いて、"安心しろ"っと強く頷く。

眼前の敵―――涼刀嶺爾を見る、いつの間にか悪魔の姿を解いて元の人間の姿になっている。

 

「くだらぬ友情ごっこは済ませたか?

 いや……お前たちの最後の会話になるかもな。

 それに、先の戦いで手も足も出せなかったのに勝てると思っているのか?」

 

「勝たなきゃいけないさ。別世界のダチを助けるためにさ!!」

 

一誠の言葉と共に、仲間たちもそれぞれの得物を構えて、嶺爾に立ち向かう。

嶺爾は静かに構えて、冷たい視線で一誠たちを見る。

 

「……鋼弥よりも先に貴様たちから片付けてやる。覚悟するがいい」



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ザ・グレイトバトル~デッドヒート~

中編!!

異世界組VS嶺爾の契約仲魔!!

そして……


ザ・グレイトバトル~デッドヒート~

 

 

嶺爾の足元に召喚の陣が描かれ、黒い光が溢れ出す。

 

「―――トコヤミノスメラギ」

 

名を告げると、黒いドームに包まれて、ガラスの様に砕け散る。

 

黒い半球が左右にあり、闇でできた巨大な鉤爪状の手が生えている。

黒髪、薄黒い着物を身に纏い、顔には青い隈取がついている女性。

 

【我が名は魔王トコヤミノスメラギ。

 さぁ―――災厄に挑む者たちよ。我が夜と闇の恐怖を思い出させてやろうぞ】

 

トコヤミノスメラギから放たれる圧倒的な威圧と魔力。

並の者たちなら恐怖で凍り付き、動くことはできない。

 

「恐ろしい闇を感じるわね……」

 

リーシャは目の前の存在に冷や汗をかく。

しかし、本当に恐ろしいのはこれほどの大物悪魔と契約を交わした嶺爾の実力も高いのも解る。

 

【……凍てつけ……マハブフダイン】

 

氷の魔法を唱えると、頭上からツララの雨が降り注がれる。

リアスは消滅の魔力、朱乃とアリスは雷、ロスヴァイセは魔法攻撃で破壊する。

テレポートしたトコヤミノスメラギは祐斗の前に出現し、半球から生えている五本の鍵爪を振りかざす。

祐斗は聖魔剣で弾いて、二刀流で迎え撃つが、本体が闇の手で阻まれて当たらない!!

 

「木場、加勢するぞ!!」

 

「行くわよ!!」

 

ゼノヴィアはデュランダル、イリナはオートクレールと構えて斬りにかかるが―――。

 

【テトラカーン】

 

呪文を唱えると、赤い障壁が張り巡らせてゼノヴィアとイリナは障壁を斬ると同時にダメージが跳ね返った!!

 

「ぐあっ!!」

 

「きゃあ!!」

 

「ゼノヴィアさん!!イリナさん!!」

 

吹き飛ばされた上に、地面に叩き付けられた二人。

アーシアは神器を発動させて二人を回復させる。

 

「な、なんだ!?二人があの壁を切ったらダメージが!?」

 

「テトラカーンは物理を反射させる魔法だ。赤い障壁が張ったら、物理攻撃は反射される!!」

 

一誠が驚きつつも、動けない鋼弥がそう説明する。

 

「だったら!!」

 

「これなら、どうでしょうか!!」

 

朱乃とアリスは同時による雷撃の魔力をトコヤミノスメラギに放つ。

魔力や魔法を使った攻撃なら、物理反射の壁を張られたとしても、跳ね返せることは無い。

しかし――――。

 

【マカラカーン】

 

今度は青い障壁を張り巡らせて雷撃が接触すると、二人に跳ね返ってきた!!

 

「「きゃああああああああああ!!」」

 

まさか、雷までも跳ね返ってくるとは思わなかったのか朱乃とアリスはダメージを負った。

 

「両カーン持ち………!!詠唱も速く、どちらを先に使うか解らない!!」

 

これでは下手に攻撃をすることができない。

トコヤミノスメラギは浮遊している左右の半球をくっつけて完全球体にし、球体から怪しい緑の妖気が噴き出す。

 

【――――妖禍月球(ようかげっきゅう)】

 

モーリスに目掛けて隕石の如く勢いよく落とす。

それは、黒い月が落ちる光景―――モーリスは剣を構えて、迎え撃つようだ。

 

「フンッ!!」

 

剣と黒き月がぶつかり、モーリスの足元の地面がへこみ、亀裂が入る。

 

「おぉぉぉぉぉりゃあああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

 

黒き月を撃ち返した、その剛腕は見事というしかない。

半球となり、トコヤミノスメラギの方へと戻る。

だが、トコヤミノスメラギはあの光景を見ても焦る表情をしていない。

 

「――なら、貴女よりも速く動けば反射魔法は張れないわよね?」

 

リーシャがいつの間にか魔装銃を構えて、引き金を引く。

発砲音と同時にトコヤミノスメラギに鮮血が吹いた。

 

――――心臓を狙ったのが、身体を逸らして……左腕を吹き飛ばしたようだ

 

「あいつ、あの至近距離で避けたのか!?」

 

「……機敏な人ですね」

 

リーシャと契約を交わした妖精のサリィとフィーナも驚く。

左腕はドサリッと落ち粒子となって消えた、トコヤミノスメラギの表情はそれでも変わらなかった。

すると、姿を解いて嶺爾に戻る。

 

「―――妖魔を統率する魔王の片腕を吹き飛ばすか。もっと、俺を楽しませろ……」

 

召喚の陣が描かれて、新たな悪魔を告げる。

 

「―――ネラプシ」

 

蝙蝠に包まれ、飛び立つと水色の混じった青髪に真紅の瞳、白のナイトキャップとフリル服を身に纏っている少女が現れた。

捕食者の目となり、背中から蝙蝠の翼を生やして、ニヤリッと嗤う。

 

【さぁ、私の前に跪け。血を捧げなさい】

 

高圧的な態度、瞬間―――空が暗くなり、赤い満月が出現する。

先ほどまで、太陽が一番高い昼時だったばす、彼女が現れたのが原因なのだろうか?

彼女の右手に血のように赤い槍が生成し、それを振り回す。

 

【さぁ、串刺しにされたい奴は前に出なさい。いない人は私が自ら串刺しにしてやるわ!!】

 

ソニックブームが巻き起こるほどの速度で一誠に迫るネラプシは槍を横薙ぎしてくるが、一誠はクロスガードして防ぐ。

ガリリッと削れる音と火花が散る。

 

「オリャア!!」

 

反撃に拳撃、魔力弾を連射するが相手は踊るように回避する。

ネラプシはアギダインを連続で唱え、火炎弾を連射する。

更にはマハラギダインを唱えて、猛炎が辺りを焼き尽くしにかかる。

 

しかし、炎の耐性がある一誠にとっては大したダメージは入らない。

そう思って反撃に出ようとするが……どこから蝙蝠の大群が現れて、一誠の周りを囲み真っ暗闇となる

 

【ミッドナイト・カーニバル】

 

その言葉と共に真っ赤な目が光った瞬間――――、鋭利な刃が襲ってくる気配を感じ取る。

 

「させるかよ!!」

 

イグニスを呼び出して、襲ってくる刃を弾き、刀身から灼熱の斬撃を放つ。

蝙蝠たちが焼き払われて、ネラプシを吹き飛ばした。

ネラプシはゆっくりと立ち上がると、陶磁器の様に白い肌が焼かれており、服も所々、焦げていた。

 

【く、ククククク……まさか、私の技を見切って反撃するなんてね。――――気に入ったわ!!】

 

火傷した肌から煙が立ち上り、復元していく、再生能力を持ち合わせているようだ

 

【貴方の首を刈り取って、コレクションに加えてあげるわ!!】

 

(BGM:U.N.オーエンは彼女なのか?)

 

目の色が血の様に真っ赤に染まり、瞳が猫の様な猛獣の形になり、黄色くなる。

両の手甲から赤いオーラで形成した鍵爪が出現し、地面にまで届いている。

両手をゆっくりあげて、勢いよく下へと降ろすと、鍵爪が地面と衝突し、罅が入る。

 

【アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!】

 

一気に駆け出し、鍵爪が地面に擦れて火花が生み出されて、豪快に振るう。

間一髪避けるが、後ろの木々が次々とスライスされていた。

再び、ネラプシを見る―――。

 

吸血鬼は誇り高く貴族としてのイメージがあるが、こちらは獣如く刈り取る姿だ!!

目を離したら、確実に殺される勢いがある。

だが、その分……。

 

「その分、隙が大きい!!」

 

フック、アッパー、ストレートとコンボを決めて、ネラプシは瓦礫に埋もれる。

吸血鬼だが、女を殴るのは少し気が引けるが相手が相手だ、手加減なんかできない。

 

シュパシュパシュパシュパ―――!!

 

瓦礫が細かく切り刻まれて、ネラプシが姿を現し、鋭い牙と目をクワッと見開いて―――。

 

【ギィィィィィィルティィィィィィィィィィィィィィィ!!】

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

真紅の爪撃と赤龍帝の拳撃が激しく、ぶつかり合い衝撃波が巻き起こる。

美羽とロスヴァイセは強固な結界を張って巻き添えを喰らわない様にしている。

鋼弥は驚いていた、まさか自分以外にも嶺爾の仲魔相手にここまで渡り合えるとは……。

だが、この戦いが突如終わりが来ようとしていた。

 

 

―――とてつもなく、恐ろしい気配がする。

 

 

そんな、冷たい気配と共に暗転した。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

皆が目を覚ますと先程の場所とは大きく違っていた。

 

 

―――見渡す限り荒れ果てた荒野がどこまでもどこまでも続く。

 

「えっ!?一体どうして!?」

 

「これも嶺爾の仕業かしら……」

 

美羽とアリスは驚きつつも辺りを警戒する。

一行の視界にきらびやかな装身具を身につけ真紅のベールを纏った女が後姿でポツリッと立っていた。

 

【ホホホホホ……妾を追いかけてきた者だけではなく、強い力を持つ者たちも来たようだな】

 

透き通るような声が響き、右手には黄金の聖杯をゆっくりとまわしつつ、喋る。

ネラプシの姿を解いた、嶺爾は"見つけた"という表情をする。

 

【しかし、そこまで生きても……ここで潰えれば同じ……さあ、うんと可愛がろうぞ】

 

 

 

 

振り向いたその顔は――――死を象徴とも言える髑髏(どくろ)だ。

 

 

 

 

 

 

【死という名の最高の快楽で……な】

 

 

――――ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!

 

 

彼女の背後に真紅の体を持つ十角七頭の禍々しき獣が出現し、吼える。

彼女は魔力で自身、浮かせて、真紅の大魔獣の背に乗り、ケタケタとかき鳴らす。

 

「な、なんだ!?あいつは!?」

 

突然、出現した悪魔に驚く一誠たち。

なにより、鋼弥とシンディも驚愕していたのだ

 

「バカな……!?何故、あの悪魔がこの世界に!?」

 

「あの悪魔が何か知っているの!?」

 

リアスの問いに鋼弥は、緊迫した表情で答える。

 

「あれは悪魔や天使も恐れられている、死を司る者―――"魔人"

 そして、黙示録に登場する強大な魔人の一角。

 

 

 

 

 

 バビロンの大淫婦――――マザーハーロット!!」




というわけで、現れたのはメガテニストにとってはトラウマ悪魔―――魔人マザーハーロット。

どうして恐ろしいのかというと、彼女が初登場した真Ⅲマニアクスにて参照。

この強大な敵を相手にどう立ち向かうのか!?


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