遊戯王 DM to ARC-V (エクシ)
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JDMC編
第一話「王との再会」


「く…もう私にはこの手段しかあるまい…。再びこのカードを使うのは気が引けるが仕方ない…。」

光り輝く彼は再びその力を使った。彼の目の前に七つの千年アイテムが現れると一瞬にしてそれらは消えた。七つのアイテムが世界を救うことを彼は祈るだけであった。


武藤遊戯は空港から飛び立つ一機の飛行機を見上げていた。先日長年の夢であったアメリカ留学が決まった真崎杏子は今日、日本を旅立つ。見送りを済ませた遊戯は童実野町方面に向かう電車に乗った。電車のドアの上に取り付けられた画面には童実野町で行われたデュエルモンスターズの大会予選結果が掲示されていた。第一位には遊戯のライバル 海馬瀬人の名が、第二位には遊戯の親友 城之内克也の名が出ていた。

 

「わぁ、二人とも予選通過できたんだね!よかった!」

 

遊戯は一人にもかかわらず周りにもわかるほど喜んだ。遊戯が喜んでいる間に掲示板の画面は動画へと切り替わり、そこにはペガサス・J・クロフォードがいつもの赤いスーツ姿で現れた。

 

「日本の皆サーン、こんにちは。ジャパンデュエルモンスターズカーニバル予選は楽しんでいただけましたか?ミーはとても楽しみました。特にベスト3に入った決闘者たち、コングラジュエーショーン!川井ガール、ミス武田、骨塚ボーイ、海馬ボーイ、城之内ボーイ、ミスターサウザント、山本ボーイ、羽蛾ボーイ、竜崎ボーイ。あなた方は全国三か所にまで絞られた予選を見事勝ち上がりましター。そして一週間後、童実野町にあるインダストリアル・イリュージョン社アルカディア・ムーブメント支部のスタジアムで本選を行いマース!皆さん、楽しみにしていてくだサーイ!」

 

アルカディア・ムーブメント支部とはインダストリアル・イリュージョン社が千年アイテムの研究の成果をデュエルモンスターズに応用するため作られた支部であったが、あまり注目はされていない。このジャパンデュエルモンスターズカーニバルを看板にアルカディア・ムーブメント支部の宣伝をすることがペガサスの目的であると遊戯は直接彼から聞いていた。そして本線の途中から遊戯自身も参加することになる。決闘者王国やバトルシティで決闘王となった彼にとってはどんな決闘も決闘王の称号をかけた戦いとなる。「帰ってからもう一度デッキを組みなおそっと。」遊戯は電車を降り、駅を出ると自分の家に向かった。

 

 

 

 

 

早く帰ってデッキを見直したかった彼は近道である暗い路地に入った。するとそこにはバトルシティでグールズと呼ばれる組織が被っていたフードとよく似た物を見に纏った者が立っていた。

 

「武藤遊戯…だな?」

「君は誰?」

「私はサウザント。武藤遊戯、貴様に決闘(デュエル)を申し込む!」

 

サウザントはそう言うとデュエルディスクを構えた。

 

「サウザントって確かベスト3に入った…。いいよ、申し込まれたからには正々堂々と戦うよ!」

 

遊戯もデュエルディスクを構える。

 

「「決闘!」」

 

「ルールは近年改訂された新ルールで行わせてもらおう。私が先攻だ。私は熟練の黒魔術師を召喚。」

 

 

 

熟練の黒魔術師

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1900/守1700

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。

また、魔力カウンターが3つ乗っているこのカードをリリースして発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「カードを二枚伏せターンエンドだ。」

 

 

 □□□□□

□     □ 遊戯LP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ サウザントLP4000 手札2

 □■■□□ 

 

 

「新ルールでは後攻の最初のターンからドローが出来る。僕のターン、ドロー!僕はモンスターをセット。カードを一枚セットしてターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□     □ 遊戯LP4000 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ サウザントLP4000 手札2

 □■■□□ 

 

 

「私のターン、ドロー!私は魔法カード 打ち出の小槌を発動!」

 

 

 

打ち出での小槌

通常魔法

(1):自分の手札を任意の数だけデッキに戻してシャッフルする。

その後、自分はデッキに戻した数だけドローする。

 

 

 

「手札を2枚とも入れ替える。」

「二枚両方とも…!」

「そして魔法カードを使用したことで熟練の黒魔導士に魔力カウンターが一つ乗る…。さらに手札から光の護封剣を発動。」

 

 

 

光の護封剣

通常魔法

相手フィールド上のモンスターを全て表側表示にする。

このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。

このカードがフィールド上に存在する限り、

相手フィールド上のモンスターは攻撃宣言できない。

 

 

 

 

「これでお前は3ターン攻撃できん。そして魔力カウンター追加!」

 

遊戯はサウザントに違和感を感じ始めていた。「熟練の黒魔導士に魔力カウンターを…まさか!」

 

「まだだ!魔法カード 精神操作を発動!」

 

 

 

精神操作

通常魔法(制限カード)

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターのコントロールを得る。

この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃宣言できず、リリースする事もできない。

 

 

 

「遊戯、お前のモンスターを戴くぞ。」

 

遊戯のフィールドにセットされたモンスターがサウザントのフィールドへ移った。

 

「さぁお前から奪ったモンスターを反転召喚するとしよう。」

 

サウザントがそう言うとマシュマロンが姿を現す。

 

 

 

マシュマロン

効果モンスター

星3/光属性/天使族/攻 300/守 500

フィールド上に裏側表示で存在するこのカードを攻撃したモンスターのコントローラーは、

ダメージ計算後に1000ポイントダメージを受ける。

このカードは戦闘では破壊されない。

 

 

 

「ははは、やはりマシュマロンか。表側守備表示の召喚が禁止されたとはいえ遊戯、お前の戦闘スタイルからして裏側守備というのはおかしいと思ってな。やはり罠だったか。」

「く…。」

「さぁ、3つの魔力カウンターを宿した熟練の黒魔導士よ!伝説の魔法使いを呼ぶのだ!」

 

サウザントの肉体から凄まじいオーラが噴き出す。熟練の黒魔導士が消えるとそこには何度も一緒に戦った闇遊戯の最強の僕、ブラック・マジシャンが立っていた。

 

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

「ブラック…マジシャン…!」

「私のデッキはお前の中にいた王が使っていたデッキを元に作ったものだ。これならお前を倒せる!」

「何でそのことを!?」

「こいつが…教えてくれるんだ…。」

「?」

「決闘を続けるぞ、バトルだ!マシュマロンでダイレクトアタック!」

 

遊戯LP4000→3700

 

「ブラック・マジシャンでダイレクトアタック!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

 

遊戯LP3700→1200

 

「ターンエンドだ、ほらマシュマロンを返してやろう。」

「まって、エンドフェイズ時に速攻魔法発動!サイクロン!」

 

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

「光の護封剣を破壊するよ!」

 

 

 □□□□□

□     □ 遊戯LP1200 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□     □ サウザントLP4000 手札0

 □■■□□ 

 

 

「ふふん、ブラック・マジシャンさえいればお前になど勝てる!王が消えてからお前は大会には出なくなり、最近になってようやくまた復活そうじゃないか。そんな腑抜けなら余裕だぜ!ハハハ!」

「…うよ…。」

「ん?」

「違うよ!僕はもう一人の僕がいなくなったから大会に出なくなったんじゃない。もう一人の僕と一緒に戦い続けていたことで僕はいつの間にか決闘を苦しいものだって思えるようになっていたんだ。そんな自分が嫌で…でももう一人の僕と戦った時の楽しさとか嬉しさとか…そういういい気持ちをもう一度感じたいなって、他の人にも感じてほしいなって思ったんだ。だから僕はもう一度決闘者として戦うことにしたんだ。」

「ふん、ほざけ…。」

「僕のターン!…!うん、行こう、僕は君を信じてるよ。僕はクリボーを召喚!」

 

 

 

クリボー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200

相手ターンの戦闘ダメージ計算時、このカードを手札から捨てて発動できる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

 

遊戯のフィールドにクリボーが現れる。そしてさらに手札から魔法カードを発動した。

 

「装備魔法 クリボーの鎧!これでクリボーはクリボー LV0扱いになる!そして魔法カード レベルアップ!発動!デッキからクリボー LV5を特殊召喚!」

「そんな雑魚モンスターをレベルアップさせて何になる!」

「クリボーの鎧の効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、このカードを相手モンスターに装備するよ!」

 

クリボーの鎧がブラック・マジシャンに取り付けられた。

 

「なんだとぉ!?」

「バトル!クリボー LV5でブラック・マジシャンに攻撃!」

「バカか!クリボー LV5の攻撃力は1500、ブラック・マジシャンには及ばん!」

「クリボー LV5の効果はクリボーと名の付くモンスターを攻撃指定した時、そのモンスターのコントロールをバトルフェイズ終了時まで得る!そして相手のフィールドに守備表示でクリボートークンを召喚するんだ。」

「なにぃ!?」

 

ブラック・マジシャンは遊戯にフィールドへ移り、サウザントのフィールドにはクリボートークンが現れた。

 

「マシュマロンでクリボートークンに攻撃!」

「んならこいつだ!罠発動!聖なるバリア ミラーフォース!」

 

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「ブラック・マジシャンとともに死ね!」

「まだだよ!手札から速攻魔法発動!マシュマフュージョン!マシュマロンを素材とする融合モンスターを融合召喚する!僕はマシュマロンとクリボー LV5、クリボー LV0扱いのブラック・マジシャン、クリボートークンで融合!」

「私の場のモンスターもだと!?」

「合成悪魔マシュクリボー!攻撃表示!このモンスターはいかなる戦闘・効果でも破壊されないよ。そして融合素材にした分だけ相手フィールドにマシュクリボートークンを特殊召喚する!」

 

サウザントのフィールドに4体のマシュクリボートークンが攻撃表示で現れた。

 

「マシュクリボートークンは戦闘では破壊されずリリースできない。そしてマシュクリボーはマシュクリボートークンにそれぞれ1回ずつ攻撃できる!マシュクリボーの攻撃力は1000、マシュクリボートークンの攻撃力は0!」

「ぐうう!!!」

「バトルだ!マシュクリボー、行け!」

「くっそおお!せめて…罠発動!万能地雷グレイモヤ!」

 

 

 

万能地雷グレイモヤ

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの表側攻撃表示モンスターの内、

攻撃力が一番高いモンスター1体を破壊する。

 

 

 

「効果破壊は効かないよ!」

「いや…これでいいのだ…。」

 

爆発が起こるとサウザントの首辺りから金色の破片が飛び散った。爆風の中からマシュクリボーは出るとマシュクリボートークンに軽くパンチし、怒ったマシュクリボートークンたちはサウザントに攻撃する。

 

サウザントLP4000→0

 

サウザントが倒れるとともに金の破片も下に転がった。サウザントは目を覚まさない。遊戯はサウザントの近くによってみるとその破片が何か気が付いた。

 

「まさか…!」

 

遊戯はその破片をその場で組み直す。驚くほどに早く組みあがっていく。まるでその物体が早く元の形に戻してくれと言わんばかりに。目の形が掘られた最後のピースをそれに嵌めるとそれは光始めた。

 

「久しぶりだな…相棒…。」




合成悪魔マシュクリボー
融合・効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻1500/守1000
「マシュマロン」+「クリボー」モンスター1体以上
このカードを融合召喚する際は相手フィールド上のモンスターも融合素材にすることが出来る。
(1):このカードは戦闘・効果では破壊されない。
(2):このカードが融合召喚に成功した時、融合素材にした数だけ相手フィールドにマシュクリボートークンを特殊召喚する。マシュクリボートークンは戦闘では破壊されずリリースできない。
(3):このカードは相手フィールド上に存在するマシュクリボートークンに一度ずつ攻撃できる。


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第二話「JDMC本戦開幕」

城之内は遊戯の家に向かって一直線に走っていた。そこに本田ヒロトが合流する。二人は同時に遊戯の祖父の店の扉を開けた。

 

「「遊戯ッ!?」」

 

また同時に遊戯の名を呼ぶ。するとそこに立っていた遊戯は彼らの方を向いた。

 

「久しぶりだな、城之内くん、本田くん。」

 

いつもの遊戯とは違う落着きと威厳を放っている彼はまさしく闘いの儀で冥界に帰ったアテム 闇遊戯であった。三人は喜び合いながらも本田はなぜ帰ってこられたのかを闇遊戯に尋ねるも彼自身もわからず、目を覚ますと遊戯の中にいたとだけ答えた。

 

「杏子に連絡しようと思ったんだけどよ、あいつアメリカでケータイ買ったら御伽ん家から電話番号教えるって言っててさ。でも御伽に連絡してもだーれも出ないんだよ。ったく何してんだ、あいつら。」

「何かあったのか?」

「単に留守だっただけだろ。それより遊戯!数年ぶりに飯行こうぜ!城之内の奢りでよ!」

「はぁ!?本田、てめぇ!」

 

別々の道を歩んだ城之内と本田ではあったが再び会えばまたかつてのような仲に戻る。それは闇遊戯も同じであった。

 

 

 

 

 

「ってわけでよ、城之内のやつ、静香ちゃんに大会成績、ついに抜かされちまってよ!」

「うっせーよ、本田!くっそ、ちょっと教えただけでなんであいつあんなに上手く…。」

「そうか、静香ちゃんとも決闘してみたいな。」

「おお!してやってくれよ!静香のやつ、喜ぶぜ!」

 

それを聞いた本田は思い出したように遊戯に話しはじめる。

 

「そうそう、城之内や静香ちゃん、それにあの海馬が出場するジャパンデュエルモンスターズカーニバルって大会に遊戯も出ることになってたんだよ!」

「相棒が?」

「ま、サウザントとかいうやつが棄権したから遊戯がいつ入ることになるかわかんなくなっちまったけどな。遊戯、お前が出ればいいんじゃねえか!?」

「しかし…」

『大丈夫だよ、もう一人の僕。君が出てよ。みんなもきっと喜ぶよ。』

 

遊戯が闇遊戯に語り掛ける。

 

『感謝するぜ、相棒。』

「わかった。俺が出よう。その本選はいつなんだ?」

「明日の10時っからだ。場所は遊戯に聞いてくれよ。」

「わかった。」

「あ、あとお前がいなくなってからデュエルモンスターズは大きく変わったんだぜ。俺もまた強くなったしよ。今なら遊戯にだって勝てるかもな!キシシシ。」

 

城之内はニヤニヤしながら闇遊戯に告げた。

 

 

 

 

 

次の日、遊戯はアルカディア・ムーブメント支部スタジアム行きのバスの中にいた。

 

『まずいよ、寝坊しちゃった!スタジアム入れるかな?』

『俺も久しぶりに出てきたからか起きられなかったぜ。』

 

バスから降りると本田が待っており、二人でスタジアムに駆け込んだ。スタジアムの観客席に入った頃にはペガサスの開幕の挨拶が始まっていた。

 

「皆サーン!ジャパンデュエルモンスターズカーニバル JDMC本選へようこそ!日本全国から選ばれた決闘者が自らのプライドをかけて決闘(デュエル)しマース!では出場者の紹介デース!エントリーナンバー1!相手の魂を奪うような恐ろしき決闘者 ゴースト骨塚!」

 

スタジアムの下の円形の穴から骨塚が現れる。拍手と喝采はいまいちだ。

 

「エントリーナンバー2!ギャンブルデッキ使い 運だけの男から進化した凡骨 城之内克也!」

 

城之内はペガサスに何か怒鳴っているがスタジアムが広すぎて何を言っているのか全く聞こえない。

 

「エントリーナンバー3!凡骨の妹とは思えぬ決闘を見せるデュエルエンジェル 川井静香!」

 

手を振りながら静香が現れる。男性の観客からの喝采が大きくなった。

 

「エントリーナンバー4!数々の大会で優勝し、あらゆるレアカードを操る魅惑の強者 武田コウ!」

 

お辞儀をしながら武田は現れた。

 

「エントリーナンバー5!童実野町に住んでいるにもかかわらず何とか勝てそうな大会会場を見つけてわざわざそこから本選に勝ち進んだ元全日本チャンプ インセクター羽蛾!」

 

会場はブーイングの嵐となり、羽蛾も何か文句を言っているようであったが城之内の時と同様、何も聞こえない。

 

「エントリーナンバー6!羽蛾ボーイと言いたいことはほぼ同じ、ダイナソー竜崎!」

 

竜崎の

 

「なんでやねん!」

 

は何故かはっきりと聞こえた。

 

「エントリーナンバー7!大きな大会の出場は初ながらここまで上がってきた猛者、本選通過者中最年少 山本コウセイ!」

 

緊張しながらも山本が姿を現す。竜崎の時まで起こっていたブーイングもここでなくなる。

 

「さぁ…そして最後はもちろん彼デース!エントリーナンバー8!海馬コーポレーション社長 強靭にして無敵な最強決闘者 海馬瀬人!」

 

拳を挙げながら海馬が現れる。観客はみな喝采を挙げ、遊戯はその声に少し驚いた。海馬が出てきた辺りに身長が伸びた海馬モクバが見える。遊戯は少し微笑むと再び視線を海馬に戻した。

 

「残念ながらミスターサウザントは棄権してしまいましター。よって大会は当初より予定を少し変更しマース。シカーシ、皆さんが楽しめることは間違いないデース!お楽しみくだサーイ!」

 

ペガサスは壇上から降りた。ここで解説員から大会のルールや仕組みが説明される。大会一戦目はスタジアム全体で同時に行われる。一戦目に勝った者たちで二戦目がスタジアムにおいて一戦ずつ行われるトーナメント方式だ。説明が終わると一戦目の組み合わせが発表された。

 

 

川井静香VS山本コウセイ

城之内克也VSダイナソー竜崎

海馬瀬人VSインセクター羽蛾

武田コウVSゴースト骨塚

 

 

八人はそれぞれの配置につく。城之内はドーマの一件ぶりに竜崎と対面した。

 

「久しぶりやな、城之内。」

「おう、今回はオレイカルコスの結界なんてカードなしで正々堂々とやろうぜ。」

「ええで…だがやっぱスリルを味わんとおもろないやろ?」

「何?」

「お互いのカードをかけようや。お前は真紅眼をかけーや。」

「お前は何をかけるんだ?」

「秘密や。でもお前の真紅眼と同価値なもんってことは言っといてやるわ!」

「おんもしれえ!俺の真紅眼デッキの力、見せてやるぜ!」

 

城之内はデュエルディスクを構えた。

 

 

 

 

 

羽蛾と海馬も自分の立ち位置に準備していた。

 

「海馬ァ、俺はお前なんか興味がないんだ!遊戯を倒す!だからすーぐやられてもらうぜ?ひゃひゃひゃひゃ。」

「ゴミ虫の飛ぶ音が五月蠅いな。さっさと殺虫剤を撒くとしよう。」

「なぁんだとぉ!?俺をなめるなよ!」

 

羽蛾が言い返そうとしたとき、ペガサスは壇上に再び立っていた。

 

「決闘者の皆サーン!準備はいいですか?では決闘スタートデース!」

 

「「「「「「「「決闘!」」」」」」」」

 

 

竜崎の先攻、竜崎は屍を貪る竜を召喚し、カードを二枚伏せてエンドを宣言した。

 

 

 

屍を貪る竜

通常モンスター

星4/地属性/恐竜族/攻1600/守1200

何でも噛み砕く口を持つ恐竜。その攻撃は強い。

 

 

 

 □□□□□

□     □ 城之内LP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□     □ 竜崎LP4000 手札2

 □■■□□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!俺はアックス・レイダーを召喚!」

 

 

 

アックス・レイダー

通常モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1700/守1150

オノを持つ戦士。片手でオノを振り回す攻撃はかなり強い。

 

 

 

バトルだ!アックス・レイダーで屍を貪る竜を攻撃!疾風斬り!」

「甘いで、城之内!罠発動!魔法の筒(マジック・シリンダー)!跳ね返しや!」

 

 

 

魔法の筒

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、

そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える

 

 

 

アックス・レイダーの攻撃の衝撃が城之内を襲う。

 

 

城之内LP4000→2300

 

 

城之内は立ち上がるとカードを一枚伏せてエンド宣言した。

 

 

 □□■□□

□     □ 城之内LP2300 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□     □ 竜崎LP4000 手札2

 □□■□□ 

 

 

「ワイのターン、ドロー!おっしゃ、来たで…ワイの最強モンスターを呼び出す条件がな!」

「!?」

「ワイは俊足のギラザウルスを特殊召喚や!」

 

 

 

俊足のギラザウルス

効果モンスター

星3/地属性/恐竜族/攻1400/守 400

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚に成功した時、

相手は相手の墓地に存在するモンスター1体を

選択して特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「そして屍を貪る竜と俊足のギラザウルスをリリースし、タイラント・ドラゴンをアドバンス召喚や!」

 

 

 

タイラント・ドラゴン

効果モンスター

星8/炎属性/ドラゴン族/攻2900/守2500

相手フィールド上にモンスターが存在する場合、

このカードはバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。

このカードを他のカードの効果によって墓地から特殊召喚する場合、

そのプレイヤーは自分フィールド上に存在する

ドラゴン族モンスター1体をリリースしなければならない。

 

 

 

二体のモンスターが消えるとともにタイラント・ドラゴンの雄たけびがフィールド中に響き渡る。

 

「最強モンスター…こいつのことか!」

「いいや、まだやで、城之内…。」

「なに!?」

「ワイは伏せていた魔法カード 二重召喚を発動!」

 

 

 

二重召喚

通常魔法

このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

 

 

 

「その効果によって伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)を召喚や!」

 

 

 

伝説の黒石

効果モンスター

星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

「伝説の黒石」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

デッキからレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

 

 

「伝説の黒石…?」

「こいつの効果は自身をリリースすることでデッキに眠る真紅眼(レッドアイズ)を呼び覚ますんやで!さぁ、現れろ!ワイの真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)!」

 

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

 

城之内の前にタイラント・ドラゴンと真紅眼の黒竜が現れた。



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第三話「真紅眼VS真紅眼」

「聖女ジャンヌでダイレクトアタック!」

 

 

 

聖女ジャンヌ

融合モンスター

星7/光属性/天使族/攻2800/守2000

「慈悲深き修道女」+「堕天使マリー」

 

 

 

山本が吹っ飛ぶと共にデュエル終了のブザーが鳴り響く。

 

「川井ガール、コングラチュレーショーン!まず二戦目行きを決めたのは川井ガールデース!」

 

ペガサスは観客たちに静香の勝利を宣言した。本田は城之内のデュエルなどそっちのけで飛び上がって喜んでいた。遊戯も喜びはしたが、タイラント・ドラゴン、真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)に勝利への道を立ちふさがれてしまった城之内を案じていた。

 

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

 

「ま…まじかよ!」

「ワイはいろんな大会ですこーしずつ金を貯めてってこいつを手に入れたんや!今までは真紅眼がお前の手にあったから負けたけど、今回はワイも持っとる。条件が同じならワイが勝つにきまっとるで!バトルや!真紅眼でアックス・レイダーに攻撃!黒炎弾!」

 

城之内LP2300→1600

 

「くっそお!」

「まだや!タイラント・ドラゴンで攻撃!」

 

 

 

タイラント・ドラゴン

効果モンスター

星8/炎属性/ドラゴン族/攻2900/守2500

相手フィールド上にモンスターが存在する場合、

このカードはバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。

このカードを他のカードの効果によって墓地から特殊召喚する場合、

そのプレイヤーは自分フィールド上に存在する

ドラゴン族モンスター1体をリリースしなければならない。

 

 

 

「速攻魔法発動!!休戦の法螺貝(ほらがい)!デッキからカードを1枚墓地に送りモンスターの直接攻撃を無効にする!これでタイラント・ドラゴンのダイレクトアタックは防げるぜ。先にタイラント・ドラゴンで攻撃してりゃよかったのにな。テンパってんのか?」

「うっさいわ、アホ!ったくあいかわらずしぶといな。ターンエンドや。」

 

 

 □□■□□

□      □ 城之内LP1600 手札4

 ○○○○○

 

 ○●●○○

□      □ 竜崎LP4000 手札0

 □□□□□ 

 

 

「オレのターン!ドロー!真紅眼があればお前が勝つ?ふざけんな!俺だって強くなってるんだっつーの!俺は手札から真紅眼融合を発動!」

 

 

 

真紅眼融合

通常魔法

「真紅眼融合」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、

自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。

(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、

「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。

 

 

 

「俺はデッキの真紅眼の黒竜と真紅眼の凶風皇(レッドアイズ・ウィング・ロード)-ダーク・デーモンを融合!出てこい、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン!」

 

 

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター

自分は「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。

墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

その後、そのモンスターをデッキに戻す。

 

 

 

「なんや、この真紅眼は!?」

「お前もお前なりに頑張ったんだろうが、俺も俺なりに頑張ってんだよ。行くぜ、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンで真紅眼の黒竜を攻撃!デーモンズ・メテオ・フレア!」

 

竜崎→LP4000→3700

 

「さらに、バトルフェイズ終了時、墓地の真紅眼の黒竜をデッキに戻してその攻撃力分のダメージを与えるぜ!黒炎弾!」

 

 

竜崎→LP3700→1300

 

 

「くっそぅ…。」

「カードを二枚伏せてターンエンドだぜ。」

 

 

 □■■■□

□      □ 城之内LP1600 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 竜崎LP1300 手札0

 □□□□□ 

 

 

「ワイのターン、ドロー!…よっしゃ、ええカード引いたで。お前みたいに少しはギャンブルしてみようやないか!」

「ギャンブルだぁ?」

「魔法カード ドラゴン・ルーレット発動!フィールド上にドラゴン族がいるときライフを半分支払って発動。まずはルーレットを回す。1~6までの偶数を宣言しその数が出たら宣言した枚数の半分のカードをドロー出来る!その後今いるフィールド上のすべてのドラゴン族はレベルが一つ下がるんや。」

 

 

竜崎LP1300→650

 

「なんちゅー発動条件だ…。」

「いくで…ワイの宣言する数は6や!ルーレットスタート!」

 

沈黙の時が流れる。やがてルーレットの目はゆっくりと6を指した。

 

「んな!」

「おっしゃああ!城之内!運の女神はどうやらワイについたようやな!カードを三枚ドロー!ワイは手札からハーピィの羽根箒を発動!」

 

 

 

ハーピィの羽根帚

通常魔法(制限カード)

(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

 

「くそぉ、でも伏せていた罠カード 真紅眼の鎧旋(リターン・オブ・レッドアイズ)の効果発動!自分の墓地の真紅眼を特殊召喚!現れろ、法螺貝の効果で墓地に送られた真紅眼の凶雷皇(レッドアイズ・ライトニング・ロード)-エビル・デーモン!」

 

 

 

真紅眼の鎧旋

永続罠

「真紅眼の鎧旋」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「レッドアイズ」モンスターが存在する場合、

自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合、

自分の墓地の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン

デュアル・効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200

(1):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。

(2):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。

その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。

●1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

このカードの攻撃力より低い守備力を持つ、

相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「ぬー、強力モンスターが二体か…一体消しとくか。バトルや、タイラント・ドラゴンで真紅眼の凶雷王-エビル・デーモンを攻撃!」

 

城之内LP1600→1500

 

「さーて、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンは厄介やな…ここは耐え忍ぶしかないな。ワイは手札から魔法カード 死者蘇生を発動!戻ってきいや、真紅眼!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「真紅眼を壁に使う気か?」

「アホ、んやなわけないやろ、よーフィールドを見いや。」

「フィールド…?フィールドに…レベル7のモンスターが…二体…ってまさか!!」

「くくく、ワイはレベル7となっているタイラント・ドラゴンと真紅眼でオーバーレイ!すべてを守りすべてを焼き付くす竜の姿をその目に焼き付けろ!エクシーズ召喚!出てきいや!ランク7 真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)!」

 

 

 

真紅眼の鋼炎竜

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

レベル7モンスター×2

(1):X素材を持ったこのカードは効果では破壊されない。

(2):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に相手に500ダメージを与える。

(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

真紅眼の鋼炎竜が守備表示で竜崎の場に現れる。威嚇の怒号が守備表示にもかかわらず今にも襲ってきそうな凶暴さを表していた。

 

「さらに手札から装備魔法 ミスト・ボディを真紅眼の鋼炎竜に装備!エンドや。」

 

 

 

ミスト・ボディ

装備魔法

装備モンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

 □□□□□

□      □ 城之内LP1500 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 竜崎LP650 手札0

 □□■□□ 

 

 

「くそ…戦闘でも効果でも破壊できなくなっちまった。まさかエクシーズでくるとはよ…。下手に動けば真紅眼の鋼炎竜の効果でダメージを受けちまう。」

「悩め悩め!城之内!お前が悩んでる間にワイが戦況を整えたるわ!アッハッハ!」

「くっそ…そうしたら…。…ってあれ?」

 

城之内は気が付いた。そして観客の中の遊戯を見つけた。遊戯は頷く。

 

「…へへ、俺ってば単純に考えすぎてたな…。おっしゃあ、行くぜ!俺のターン!ドロー!」

「今更何をしても無駄や、諦めーや。」

「いいや、もうお前の敗北は決まってんだよ。」

「なんやと!?真紅眼の鋼炎竜を突破出来るゆうんか!?」

「突破出来ないなら裏ルートを使ってやるまでだぜ。バトルだ!悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンで真紅眼の鋼炎竜を攻撃!デーモンズ・メテオ・フレア!」

「アーホ、ミスト・ボディで破壊されんし、守備表示やからダメージ0や。はい、これでお前のバトルフェイズは終了。」

「そう、これで俺のバトルフェイズは終了だ。この時悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンの効果!墓地の真紅眼の凶風王-ダーク・デーモンを戻してその攻撃力分のダメージを与えるぜ!」

「んなに!?効果ダメージやと!?」

「真紅眼の凶風王-ダーク・デーモンのダメージをくらいな!くらえ、紅き魔霧雨!」

「ぐあああああ!!」

 

LP竜崎650→0

 

「おおっと、長くなりました城之内ボーイと竜崎ボーイの試合も終わりましター!真紅眼対決を制したのは城之内ボーイ!コングラチュレーショーン!」

 

ペガサスの決闘終了の宣言がなされた。竜崎は地面に倒れたままだ。その近くに城之内は立った。

 

「びっくりしたぜ、最近流行りのエクシーズを使ってくるとはよ。」

「うっさいわ…。くっそ、また負けた…。」

「また戦おうぜ、竜崎。俺はもっと決闘してぇ!」

「城之内…」

 

城之内は手を差し伸べる。その手を取るかに思えた竜崎はその手を叩き、自分で立ち上がった。

 

「黙れこの凡骨がぁ!次覚えとれ!お前コテンパンにしたるからなぁ!」

「はぁ!?この野郎!って…あれ?」

 

城之内の手には真紅眼の黒竜が握られていた。

 

 

 

 

 

「二戦目行きの決定者は川井ガール、骨塚ボーイ、城之内ボーイデース。残すは海馬ボーイと羽蛾ボーイの決闘デース!」

 

海馬と羽蛾の試合はかなり長引いていた。海馬の怒涛の攻撃を羽蛾はかわし、究極完全態・グレート・モスを召喚していた。海馬のフィールドには青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が一体である。

 

 

 

究極完全態・グレート・モス

効果モンスター

星8/地属性/昆虫族/攻3500/守3000

このカードは通常召喚できない。

「進化の繭」が装備され、自分のターンで数えて6ターン以上が経過した

「プチモス」1体をリリースした場合に特殊召喚する事ができる。

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

 □□□□□

□      □ 海馬LP3700 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 羽蛾LP2200 手札3

 □□□□□ 

 

「ひゃひゃひゃ!グレート・モスで青眼を攻撃!モス・パーフェクト・ストーム!」

 

海馬LP3700→3500

 

「く…青眼…!」

「だーれがゴミ虫だって?龍のさらに上を飛んでいるのは虫たちだったみたいだな。ひゃひゃひゃ。」

「黙れ、貴様如きに消される青眼ではないわ。すぐ呼び戻してやる…!」

「ひゃひゃ。カードを二枚伏せてターンエンド。」

 

 

 □□□□□

□      □ 海馬LP3500 手札4

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 羽蛾LP2200 手札1

 □■■□□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!来たか、キサラ…、俺は青き眼の乙女を召喚!カードを三枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

 □■■■□

□      □ 海馬LP3500 手札1

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 羽蛾LP2200 手札1

 □■■□□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!なんだぁ、そんな雑魚モンスター、グレート・モスの敵じゃないなあ!グレート・モス!やっちまえ!」

「キサラを侮辱するとは…どうやら俺を本気で怒らせたようだな。青き眼の乙女の効果!攻撃を無効にしデッキより青眼を呼ぶ!来い、青眼の白龍!!」

 

青き眼の乙女のオーラが青眼をかたどり始め、咆哮と共に白き龍は現れた。

 

「うーん、その女のモンスター、厄介だなあ。ここで消しておくか。罠発動!リビングデッドの呼び声!」

 

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「墓地よりチューナーモンスター ナチュル・スティンクバグを特殊召喚。」

 

 

 

ナチュル・スティンクバグ

チューナー(効果モンスター)

星3/地属性/昆虫族/攻 200/守 500

自分フィールド上の「ナチュル」と名のついたモンスターが攻撃対象になった時、

フィールド上のこのカードを墓地へ送って発動できる。

その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。

 

 

 

「さらに罠発動 緊急同調!」

 

 

 

通常罠

バトルフェイズ中のみ発動できる。

シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する。

 

 

 

「俺はレベル8 究極完全態・グレート・モスにレベル3 ナチュル・スティンクバグをチューニング!あらゆる虫たちの頂点!女王すら上回るその力ですべての生命を奪い去れ!シンクロ召喚!レベル11 インセクト(キング)!インセクト王がシンクロ召喚に成功したとき、フィールド上に存在するモンスターを一枚除外できる。俺は青き眼の乙女を選択!」

 

青き眼の乙女は海馬を見つめながら撃破された。海馬の怒りはさらに増していく。

 

「まぁこの効果を使ったターンはバトル出来ないんだけどね。それでもこのモンスターの攻撃力はシンクロ素材にしたモンスターの合計分となる!よって攻撃力は3700!残念だったなぁ、青眼じゃ越せない。さらにさらにインセクト王の効果!墓地の昆虫族モンスターを除外することで相手フィールド上のモンスターの攻撃力を0にし、表示形式を変えられなくする。ターンエンドだ。さぁ社長、どうする?ひゃひゃひゃ!」

 

 

 □■■■□

 

□      □ 海馬LP3500 手札1

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 羽蛾LP2200 手札2

 □□□□□ 

 

 

「…俺のターン、ドロー。無駄な時間を使った。すぐに終わらせる。」

「ひょ?」

「俺は再び青き眼の乙女を召喚!そして罠発動!スキル・プリズナー!」

 

 

 

スキル・プリズナー

通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

また、墓地のこのカードをゲームから除外し、

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

対象は青き眼の乙女!そして青き眼の乙女によりもう一体の青眼を呼ぶ!そして伏せていた速攻魔法 銀龍の轟咆を発動!青眼、復活しろ!」

 

 

 

銀龍の轟咆

速攻魔法

自分の墓地のドラゴン族の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。

「銀龍の轟咆」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

 

海馬のフィールドに青き眼の乙女と三体の青眼が並んだ。

 

「手札より魔法カード 融合を発動!三体の青眼を融合!現れよ、わが最強の僕、青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

「んなあああ!!」

「まだだ!キサラと青眼の怒りは収まらんぞ!死者蘇生発動!青眼よ、戻れ。そしてレベル8の青眼にレベル1の青き眼の乙女をチューニング!龍を呼び龍を守護するその蒼き眼で我が僕たちを覚醒せよ!シンクロ召喚!レベル9 蒼眼の銀龍!」

 

 

 

蒼眼の銀龍ぎんりゅう

シンクロ・効果モンスター

星9/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000

チューナー+チューナー以外の通常モンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時に発動する。

自分フィールド上のドラゴン族モンスターは次のターンの終了時まで、

カードの効果の対象にならず、カードの効果では破壊されない。

また、1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動できる。

自分の墓地の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

 

 

新しく現れた龍の迫力にもはや羽蛾は立つことすらできない。

 

「行くぞ、虫けら。青眼の究極竜でインセクト王を攻撃!アルティメット・バースト!」

 

羽蛾LP2200→1400

 

「蒼眼の銀龍でダイレクトアタック!バースト・シルバー・ストリーム!」

 

羽蛾LP1400→0

 

海馬は遊戯の座る方を見る。そして指をさして叫んだ。

 

「その目つき、その風格。間違いない、貴様はもう一人の遊戯!なぜ戻ってきたのかは知らんが今回こそ貴様から決闘王の称号を戴くぞ!デュエルモンスターズが進化したのと同様に俺も進化した!ずっと立ち止まっていた貴様に負ける俺ではないわ!」

 

手を下げるとスタジアムの奥へと戻って行った。




インセクト王
シンクロ・効果モンスター
星11/風属性/昆虫族/攻??/守??
昆虫族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1)の効果を使ったターン、このカードの攻撃力 守備力は元々の数値となる。
(1):このカードがシンクロ召喚に成功した時、チューナー以外のシンクロ素材に使ったモンスターの数だけフィールド上に存在するモンスターを除外できる。
(2):1ターンに1度、墓地の昆虫族モンスターを1体除外し発動できる。相手フィールド上のモンスターを指定し、そのモンスターの攻撃力を0にする。このカードが場に存在する限り、そのモンスターは表示形式を変更できない。
(3):このカードの攻撃力・守備力はシンクロ素材にしたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値となる。


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第四話「闇人格の暗躍」

JDMC本選一戦目の夜、城之内と静香の一戦目突破を祝う祝宴が遊戯の家で行われた。ペガサスによると二戦目は明日午前10時から始まり、対戦相手は直前までわからないということであった。また一戦目とは異なり、二戦目はスタジアム全体を使って一つの決闘をする。そして対戦相手に勝った二人にはある権利が与えられるという。城之内はその権利というものが気になって仕方ない様子であった。

 

 

 

 

 

一方、ゴースト骨塚はカード屋からの帰路についていた。明日の戦いはJDMCを勝ち抜いてきた強者との戦いとなる。特に海馬瀬人と当たれば間違いなく今のままでは倒されてしまう。骨塚は少しでも強化になればとパックを購入していた。

 

「よぉ、久しぶりだな。」

 

下を見ながら歩いていた骨塚は自分に声がかけられたことに対し驚き、あたりを見まわした。前にも後ろにも横にも人はいない。

 

「おいおい、ここだっつーの。」

 

声は上からした。何者かが建物の上に立っている。骨塚が上を確認するよりも先にその者は地面に飛び降りた。骨塚は驚き恐怖を隠せなかった。バトルシティが始まってからいきなり当たってしまったあの銀髪の青年が立っていたからだ。

 

「俺のこと、覚えてるか?」

「お…お前…確かバクラ…!」

「おぉ、よかったぜ、覚えてたのか。俺はお前のこと覚えてねえんだが、宿主がお前の記憶があるらしくてよ。一番近づきやすいのはお前だと思ってきてみたんだ。」

「な…何の話だよぉ!」

「そうびびんなって。俺と決闘しろよ。」

「ハァ!?ふざけるんじゃないゾ!あんな目にあって…。もう嫌だ!」

「安心しろよ、闇のゲームじゃねえ。誓ってやるぜ。」

 

ハァ…とため息をつきながら闇バクラは骨塚を説得する。

 

「なんで俺と決闘したがるんだよ。」

「JDMC本選まで行く実力になったんだろ?すげえじゃねえか。ぜひその力を見たいと思ってよ。なぁ、いいだろ?」

「うぅ…。」

「なんだぁ、それとも一戦目通過者様が決闘にびびってんのかぁ?」

「わ…わかったよ!」

 

「「決闘!」」

 

「先攻は俺様だ。俺のターン、ゴブリンゾンビを攻撃表示!カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

ゴブリンゾンビ

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050

(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。

相手のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。

(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。

デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 骨塚LP4000 手札5

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はカードを三枚セット!ターンエンドだゾ。」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 骨塚LP4000 手札3

 □■■■□ 

 

 

「なんだぁ、やけに慎重じゃねえか。俺のターン、ドローカード!バトルだ、ゴブリンゾンビでダイレクトアタック!」

 

骨塚LP4000→2900

 

「ゴブリンゾンビの効果!デッキトップを墓地へ送りな。」

 

骨塚はデッキの一番上を墓地へ送った。

 

「墓地へ送られたワイトプリンスの効果発動!デッキからワイト、ワイト夫人を墓地へ送るゾ。」

 

 

 

ワイトプリンス

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 0/守 0

(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

「ワイト」「ワイト夫人」1体ずつを手札・デッキから墓地へ送る。

(3):自分の墓地から、「ワイト」2体とこのカードを除外して発動できる。

デッキから「ワイトキング」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「自らモンスターを墓地へ送るか。まさにゴーストだな。ターンエンド。」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札4

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 骨塚LP2900 手札3

 □■■■□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!罠発動!針虫の巣窟!デッキから5枚墓地へ送る。」

 

 

 

針虫の巣窟

通常罠

自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。

 

 

 

「こいつ…まさか!」

 

一枚目 ワイト、二枚目 リビングデッドの呼び声、三枚目 エフェクト・ヴェーラー、四枚目 ワイトキング、五枚目 ワイトメア

 

 

 

ワイト

通常モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200

どこにでも出てくるガイコツのおばけ。攻撃は弱いが集まると大変。

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー・効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

 

ワイトキング

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0

このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する

「ワイトキング」「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を

ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。

 

 

ワイトメア

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200

このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。

また、このカードを手札から捨てて以下の効果から1つを選択して発動する事ができる。

●ゲームから除外されている

自分の「ワイト」または「ワイトメア」1体を選択して自分の墓地に戻す。

●ゲームから除外されている

自分の「ワイト夫人」または「ワイトキング」1体を選択してフィールド上に特殊召喚する。

 

 

 

「そして手札からワイトキングを召喚!」

「ワイトキングだとぉ!?」

「攻撃力は墓地のワイト×1000、つまり6000だゾ。一撃で消してやる!ワイトキングでバクラにダイレクトアタック!」

「うぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

その頃海馬は海馬コーポレーション本社で残した仕事をこなしていた。そこに一本の内線が入る。

 

「俺だ。」

「よぉ、久しぶりだなぁ、海馬ァ。」

「…!その声はマリク!なぜ内線を…。」

「屋上に来いよ、決闘しようぜ。」

 

海馬はデュエルディスクを腕に取り付けエレベーターで最上階まで行った。そこには千年ロッドを手にした闇マリクが立っていた。

 

「どういうことだ、マリク。貴様の闇人格は遊戯との戦いで消え去ったと聞いていたが。」

「はぁ?なんの話だ。」

「?」

「まぁいい。宿主が強者と認めているものを俺はただ潰したくてね。遊戯や城之内はどこにいるか知らんが海馬、お前は必ずここにいると思ってな。勝手に入らせてもらったよ。フハハ。」

「貴様…。いいだろう、バトルシティでは貴様と戦う機会がなかったからな。ここで身の程を知らせてやる!」

 

「「決闘!」

 

「俺の先攻だ。ギル・ガースを召喚。カードを二枚伏せターンエンド。」

 

 

 

ギル・ガース

通常モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守1200

鋼鉄の鎧を身にまとった殺戮マシーン。巨大なカタナで容赦なく攻撃をする。

 

 

 

 □■■□□

□      □ 闇マリクLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP4000 手札5

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!初めから容赦はせんぞ、魔法カード 古のルール発動!現れよ、青眼の白龍!」

 

 

 

古のルール

通常魔法

手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

青眼が現れ、闇マリクはにやりとする。

 

「来たか、青眼。」

「まるで望んでいたようだな。ならば望み通り消してやる。青眼の攻撃、滅びのバースト・ストリーム!」

「罠 発動!次元幽閉!消えな、青眼!」

 

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を選択して発動できる。

選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

 

 

 

「貴様が何かしてくることは読めていた。速攻魔法 禁じられた聖槍!青眼を対象にし、次元幽閉を回避!」

 

 

 

禁じられた聖槍

速攻魔法

(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が800ダウンし、

このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

 

 

闇マリクLP4000→3600

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド。」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇マリクLP3600 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 海馬LP4000 手札2

 □□■□□ 

 

 

「ふふふ、青眼を出すだけでだいぶ手札を消費したなぁ…海馬ァ!」

「早くしろ、貴様のターンだ…!」

「あいよ…俺のターン、ドロー!俺はクレボンスを召喚。」

 

 

 

クレボンス

チューナー(効果モンスター)

星2/闇属性/サイキック族/攻1200/守 400

このカードが攻撃対象に選択された時、

800ライフポイントを払って発動できる。

その攻撃を無効にする。

 

 

 

「レベル4のギル・ガースにレベル2のクレボンスをチューニング!失われし神々の魂の欠片、今新たな力によって蘇る。シンクロ召喚!レベル6 フェニックスオブイエロー!」

「こ…こいつは!」

 

フェニックスオブイエロー、海馬も聞いたことがないモンスターではあったがその姿は数々の決闘者を苦しめたあのラーの翼神竜に酷似していた。

 

「似ているだろう。だが安心しな、神とは呼べぬほどの平凡なモンスターさ。…おぉっと、忘れていた。せっかくの決闘だ。これがいいだろう?」

 

闇マリクは千年ロッドを取り出し、そこから闇のオーラを出し始めた。

 

「闇のゲームの始まりだ!」

 

辺りは闇に包まれていく。しかし海馬は驚く様子を見せず、終始フェニックスオブイエローを警戒する姿勢を保っていた。

 

「フェニックスオブイエローの効果発動!ライフを1000払うことで相手フィールド上のカードをすべて破壊する!」

「なんだと!」

「消えろ!青眼!」

 

海馬の場はがら空きとなった。

 

「この効果を使ったターン自分はバトルフェイズを行うことは出来ない。ターン終了だ。」

 

 

 

 

 

「罠発動!ダメージ・ダイエット!」

 

 

 

ダメージ・ダイエット

通常罠

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。

 

 

 

闇バクラLP4000→1550

 

「くそ、倒し損ねたゾ。」

「あぶねえあぶねえ。ゴブリンゾンビの効果で新しいゴブリンゾンビを手札に加えるぜ。」

「ターンエンド。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇バクラLP1550 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 骨塚LP2900 手札3

 □■■■□ 

 

 

「さーて、俺のターン、ドローカード!手札から生者の書-禁断の呪術-発動!」

 

 

 

生者の書-禁断の呪術

通常魔法

自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、

相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。

 

 

 

「墓地のゴブリンゾンビを特殊召喚しお前の墓地のワイトプリンスを除外!さらに手札からゴブリンゾンビを召喚!」

「何をする気だ…。」

「気が付かねえのか、鈍いな。レベル4のゴブリンゾンビ二体でオーバーレイ!現れろ、No(ナンバーズ).80! 猛りし魂にとりつく、呪縛の鎧! 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク!」

 

 

 

No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/悪魔族/攻 0/守1200

レベル4モンスター×2

自分のメインフェイズ時、自分フィールド上のこのモンスターを、

攻撃力1200ポイントアップの装備カード扱いとして

自分フィールド上のエクシーズモンスターに装備できる。

また、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手の墓地のカード1枚を選択してゲームから除外する。

「No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク」のこの効果は

1ターンに2度まで使用できる。

 

 

 

「なんだぁ!ナンバーズ!?」

「ラプソディ・イン・バーサークの効果を二回使用!ワイト夫人、ワイトメアを除外!」

「あわわ、ワイトキングの攻撃力が3000に…。」

「まだだ!魔法カード バイラス・ネットワーク発動!フィールド上に存在するエクシーズモンスターと同じランクのモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!」

「エクシーズをもう一体!?」

「この世の全てを握り潰せ!No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド!」

 

 

 

No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/岩石族/攻2000/守2000

レベル4モンスター×2

(1):相手フィールドのモンスターの効果が発動した時、

このカードのX素材を2つ取り除き、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

このモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、

対象の効果モンスターの効果は無効化され、表示形式の変更もできない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

オーバーハンドレッドナンバーズのうちの一体、ジャイアント・ハンドが姿を現した。




バイラス・ネットワーク
通常魔法
フィールド上のエクシーズ素材を持っていないエクシーズモンスターを一体指定し発動できる。そのモンスターと同じランクを持つモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。その後、指定したモンスターを破壊する。


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第五話「ラーの欠片たち」

 □□■□□

□      □ 闇マリクLP2600 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP4000 手札2

 □□□□□ 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「くくく…海馬、楽しませてくれよ。」

 

海馬は考えていた。「俺の手にある青き眼の乙女を召喚してもあのラー擬きの効果で粉砕されてしまう…。まずは…。」

 

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「手札よりトレード・イン発動!手札の青眼を墓地へ送り二枚ドロー!カードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

 

トレード・イン

通常魔法

手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

 □□■□□

□      □ 闇マリクLP2600 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP4000 手札1

 □■■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!バトル、フェニックスオブイエローで海馬にダイレクトアタック!」

「ふん、コスト消費を恐れて効果を使わなかったか、馬鹿め!罠発動!次元幽閉!消えろ、ラー擬きめ!」

 

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を選択して発動できる。

選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

 

 

 

「ふふふ、ラー擬きか、否定はしないよ、海馬。ならば新しいラー擬きを見せてやる!罠発動 金色の祝福!場の『イエロー』と名の付くレベル5以上のモンスターが効果の対象になった時に発動できる。そのモンスターを手札に戻し、エクストラデッキからレベル5の『イエロー』シンクロモンスターを特殊召喚する!現れろ、バトルオブイエロー!」

「く…新たなラー擬き…!」

「こいつはバトルをする際、ダメージステップ時に俺のライフから1を引いた数の攻撃力となる!」

 

海馬LP4000→1401

 

「この…!」

「ハハハ!ざまあねえな、海馬!俺はモンスターをセットし、ターンエンドだ。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇マリクLP2600 手札3

 ○●●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP1401 手札1

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「どうだ、バトルオブイエローを倒せるモンスターは引けたか?ケハハ!」

「…俺は青き眼の乙女を召喚!そして伏せていたスキル・プリズナーを青き眼の乙女に発動!キサラ、青眼を呼ぶのだ!」

 

 

 

スキル・プリズナー

通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

また、墓地のこのカードをゲームから除外し、

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

海馬の声に呼応するように青眼の白龍が現れた。

 

「青眼…、だが残念だがバトルオブイエローは戦闘では破壊されない。残念だったな。」

「破壊などするまでもないわ。開発中のカードが我が手札に来るとはさすがはこの俺、決闘王にふさわしい男…。」

「なんだと?」

「俺はスケール4のカイバー・フロッグをペンデュラムスケールにセッティング!」

「ペンデュラム!?」

「インダストリアル・イリュージョン社が極秘に開発を進めている新たな力…。貴様で試してやる。カイバー・フロッグの効果!相手モンスター二体の表示形式を変更する。」

 

闇マリクのセットされたモンスターが表側攻撃表示に変わると共にバトルオブイエローは裏側守備表示となる。

 

「人喰い虫の効果!青眼、消えろ!」

 

 

 

人喰い虫

効果モンスター

星2/地属性/昆虫族/攻 450/守 600

リバース:フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。

 

 

 

しかし人喰い虫は効果を発動する様子はない。

 

「なぜだ…!」

「カイバー・フロッグの効果ではリバースモンスターの効果は発動しない。バトル!青眼で人喰い虫を攻撃!滅びのバースト・ストリーム!」

 

闇バクラLP2600→50

 

「ぐぅぅ…。」

「これで次のターン、バトルオブイエローが出ても攻撃力は49。貴様のライフがなければ恐れる効果ではないわ。ターンエンド。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇マリクLP50 手札3

 ○○●○○

 

 ○●●○○

■      □ 海馬LP1401 手札0

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!…くははは!まだだぁ!バトルオブイエローを反転召喚!海馬!魔法カード LUM(レベルアップマジック)イエローズ・フォース!フィールド上の『イエロー』モンスターを選択し、そのモンスターよりレベルが1つ高い『イエロー』モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。その後選択したモンスターを破壊する!再び現れよ、フェニックスオブイエロー!」

「今更そのラー擬きは無意味だ、残念だったな。」

「さらにもう一枚イエローズ・フォース発動!現れろ、サンオブイエロー!このモンスターは特殊召喚に成功した時、このモンスターの攻撃力分自分のライフを回復できる!」

 

闇マリクLP50→3050

 

「その後サンオブイエローは自滅。」

「ライフが…。」

「さらに死者蘇生発動!甦れ、フェニックスオブイエロー!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「く…!」

「効果発動!消えろぉ!!」

 

闇マリクLP3050→2050

 

「ターンエンドだ…、くくく。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇マリクLP2050 手札1

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP1401 手札0

 □□□□□ 

 

 

「これが俺の最後のドロー…俺のターン…ドロー!!」

 

海馬はカードを見ずに発動する。

 

「魔法カード 龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)!」

 

 

 

龍の鏡

通常魔法

自分のフィールド上または墓地から、

融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、

ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

 

 

 

「カードを見ずに!?あれはまるで遊戯…!」

「俺はすでに遊戯を越している!墓地の青眼を三体融合!現れろ!青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

「ぐうううう!」

「バトル!フェニックスオブイエローに攻撃!アルティメット・バースト!」

 

闇マリクLP2050→0

 

「うぉおおおおお!!!!!」

 

闇マリクの体から邪気が消え、やがてマリクは倒れた。

 

「マリク、またこのようなオカルトグッズ…いや千年アイテムを持つとはな。なぜ再び別人格が現れたかは知らんがこいつは俺が預かっておくとしよう。」

 

海馬は千年ロッドを拾い上げ、海馬コーポレーションの医療班を屋上へ呼んだ。

 

 

 

 

 

「な…なんだよ、ナンバーズって!」

「ナンバーズはナンバーズでなければ倒せない。お前はジャイアント・ハンドを突破しない限り俺にダメージは与えられない。」

 

 

 

No(ナンバーズ).106 巨岩掌ジャイアント・ハンド

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/岩石族/攻2000/守2000

レベル4モンスター×2

(1):相手フィールドのモンスターの効果が発動した時、

このカードのX素材を2つ取り除き、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

このモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、

対象の効果モンスターの効果は無効化され、表示形式の変更もできない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「そんな…!」

「ターンエンド。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇バクラLP1550 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 骨塚LP2900 手札3

 □■■■□ 

 

 

「お…俺のターン、ドロー!守備表示のナンバーズに攻撃しても無駄か…。ターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇バクラLP1550 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 骨塚LP2900 手札4

 □■■■□ 

 

 

「びびりまくってんな。俺のターン、ドローカード!俺はハーピィの羽根箒を発動!」

「な!」

 

 

 

ハーピィの羽根帚

通常魔法(制限カード)

(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する

 

 

 

骨塚のフィールドにはワイトキングのみとなる。

 

 

 

ワイトキング

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0

このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する

「ワイトキング」「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を

ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。

 

 

 

「なんだ、全部ブラフじゃねーか。相変わらずビビりまくりだな。」

「う…うるさいゾ!俺は実力で勝てるようになったんだゾ!!」

「ふん、どうやらそのワイトキングがお前のエースみてえだな。いいだろう、この決闘、お前に勝たせてやるぜ。」

「は?」

「俺はジャイアント・ハンドを攻撃表示に変更!そして魔法カード 強制転移!」

 

 

 

強制転移

通常魔法

お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、

そのモンスターのコントロールを入れ替える。

そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない。

 

 

 

「なにぃ!?」

 

ジャイアント・ハンドが骨塚の場に現れたとき、骨塚の様子が変化した。

 

「俺様のパラサイト・マインド付きだぜ。さぁ、早く終わらせろ。」

「ジャイアント・ハンドでワイトキングに攻撃…。」

 

闇バクラLP1550→0

 

ソリットヴィジョンは消え、骨塚も正常に戻る。

 

「お前の勝ちだ、骨塚。」

「へ?え?」

「おら、ジャイアント・ハンド返せ、ほらよ、ワイトキングだ。」

 

闇バクラはジャイアント・ハンドを取り上げ、ワイトキングを骨塚に返した。「パラサイト・マインド!」骨塚はそれを受け取ると逃げるように帰って行った。

 

「くっくっく、準備完了だ。」

 

 

 

 

 

翌日のアルカディア・ムーブメント支部スタジアム。城之内、静香、海馬、骨塚が集まった。観客の中には遊戯、本田、モクバもいる。大会主催者であるペガサスが壇上に上がり、話しはじめた。

 

「皆サーン、JDMC本選二日目デース!本日より決闘はスタジアム全体で一試合行われマース!日本のトップを進む四人の決闘、お楽しみくだサーイ!では待ちに待った対戦表の発表デース!」

 

ペガサスはスタジアムの液晶画面に手を向け皆の視線を画面に向けさせた。

 

一組目 城之内克也VS川井静香

二組目 ゴースト骨塚VS海馬瀬人

 

「んなにぃ!?俺が静香と!?」

 

城之内は驚きを隠せない。それをみた本田は面白がるように遊戯に話しかける。

 

「こりゃあ面白い対決になったな、へへへ!俺は静香ちゃんを応援するぜ!遊戯は?」

「僕はどっちも選べないよ。もう一人の僕は?」

『どちらにも頑張ってもらいたいな。』

 

骨塚と海馬はスタジアムの選手席へと戻り、城之内と静香はスタジアムの端と端に着いた。

 

「お兄ちゃん、いよいよきちんと決闘(デュエル)できるね!」

「おう!相手が静香だからって容赦はしないぜ、いいな?」

「もちろん!私が勝つんだから!」

「へ!言うじゃねえか!」

「「決闘!」」

 

城之内と静香の決闘が始まった。




LUM-イエローズ・フォース
速攻魔法
(1):自分フィールドの「イエロー」Sモンスターを選択し発動できる。
そのモンスターよりレベルが1つ高い「RR」Sモンスター1体を、
S召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。その後選択したモンスターを破壊する。エンドフェイズ時、この効果で特殊召喚されたモンスターを破壊する。


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第六話「サイコデッキと兄の意地」

「俺の先攻!俺はおろかな埋葬を発動!墓地に人造人間-サイコ・ショッカーを墓地に送る。モンスターをセット、カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

人造人間-サイコ・ショッカー

効果モンスター

星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、

フィールドの罠カードの効果は無効化される。

 

 

 

 □□□□□

□      □ 静香LP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP4000 手札2

 □□■□□ 

 

 

「私のターン、ドロー!私は手札から融合を発動!手札の慈悲深き修道女と堕天使マリーで手札融合!出てきて、聖女ジャンヌ!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

慈悲深き修道女

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻 850/守2000

このカードをリリースして発動する。

このターン戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られたモンスター1体を手札に戻す。

 

 

堕天使マリー

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1700/守1200

このカードが墓地に存在する場合、

自分のスタンバイフェイズ時に1度だけ、自分は200ライフポイント回復する。

 

 

 

「いきなり融合…!」

「行くわよ、お兄ちゃん!バトル!ジャンヌでモンスターを攻撃!」

 

城之内の場のセットされたモンスターが現れ、聖女ジャンヌが粉砕した。

 

「だが破壊された人造人間-サイコ・リターナーの効果!出てこい、人造人間-サイコ・ショッカー!」

 

 

 

人造人間-サイコ・リターナー

効果モンスター

星3/闇属性/機械族/攻 600/守1400

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

このカードが墓地へ送られた時、自分の墓地の

「人造人間-サイコ・ショッカー」1体を選択して特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚した「人造人間-サイコ・ショッカー」は、

自分のエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

 

城之内の墓地からサイコ・ショッカーが現れる。

 

「へっへっへ、兄ちゃんがタダでやられるわけねえだろ!」

「やっぱりお兄ちゃんってすごいんだね!でも私も全力でやるんだから!私はカードを1枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 静香LP4000 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP4000 手札2

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード サイコ・アイテムを発動!墓地の『サイコ』と名の付くモンスターを除外し、デッキから『電脳増幅』と名の付いた装備魔法を2枚まで手札に加える!俺はサイコ・リターナーを除外し、デッキから電脳増幅プログラムを2枚加えるぜ!その二枚をサイコ・ショッカーに装備する。さぁバトルだ!サイコ・ショッカーで聖女ジャンヌへ攻撃!」

「ジャンヌの方が攻撃力は上よ!」

「場に伏せていた速攻魔法 収縮!ジャンヌの攻撃力は半減だ!」

 

 

 

収縮

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。

 

 

 

それを見た本田は頭を手に当てショックを受けているようだった。

 

「あー、やっぱバトルシティでいいとこまで行っただけはあるぜ、城之内のやつ。」

「いや、本田くん、静香ちゃんも何かあることは考えてはいるぜ。」

 

遊戯は静香の伏せカードが気になっているようだった。

 

「速攻魔法発動!聖女の泉!『聖女』と名の付いたモンスターを指定した魔法カードの発動を無効にして破壊するわ!」

「んな!」

「そのまま倒して!ジャンヌ!」

 

城之内LP4000→3600

 

「くそお!でも墓地へ送られた電脳増幅プログラムの効果!デッキからレベル5以下の『サイコ』モンスターを特殊召喚!いでよ、二体の人造人間-サイコ・ジャッカー!」

 

 

 

人造人間-サイコ・ジャッカー

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻 800/守2000

「人造人間-サイコ・ジャッカー」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り

「人造人間-サイコ・ショッカー」として扱う。

(2):このカードをリリースして発動できる。

デッキから「人造人間-サイコ・ジャッカー」以外の「人造人間」モンスター1体を手札に加える。

その後、相手の魔法&罠ゾーンにセットされたカードを全て確認する。

その中に罠カードがあった場合、

その数まで手札から「人造人間」モンスターを特殊召喚できる。

 

 

 

「またサイコ…。お兄ちゃんのデッキは真紅眼じゃなかったの…!?」

「俺くらいの決闘者になれば1カテゴリーじゃ満足できねえぜ!サイコ・ジャッカーの効果!こいつをリリースして手札にサイコ・ロードを加える!」

 

 

 

人造人間-サイコ・ロード

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻2600/守1600

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に表側表示で存在する「人造人間-サイコ・ショッカー」

1体を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

お互いに罠カードの効果は発動できず、

フィールド上の全ての罠カードの効果は無効化される。

1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する罠カードを全て破壊できる。

この効果で破壊したカード1枚につき300ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「いくぜ、サイコ・ショッカー扱いのサイコ・ジャッカーをリリースし人造人間-サイコ・ロードを特殊召喚!カードを一枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 静香LP4000 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP3600 手札1

 □□■□□ 

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ時、墓地の堕天使マリーの効果発動!ライフ回復!」

 

静香LP4000→4200

 

「バトル!聖女ジャンヌでサイコ・ロードを攻撃!」

「簡単にはやらせねえぜ!速攻魔法 天使のサイコロ!」

 

 

 

天使のサイコロ

速攻魔法

(1):サイコロを1回振る。

自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、ターン終了時まで出た目の数×100アップする。

 

 

 

サイコロは4を示した。

 

「よっしゃあ!」

 

静香LP4200→4000

 

「メインフェイズに移行。私は手札から心眼の聖女のモンスター効果を発動!デッキから心眼の女神を除外し、墓地の『聖女』融合モンスターを指定してからエクストラデッキに戻す!その後指定したモンスターとその同名モンスター以外の『聖女』モンスターをエクストラデッキから特殊召喚するわ!出てきて、聖女ゲール!」

「新しい融合モンスターか!」

「ゲールが特殊召喚に成功したとき、レベル5以下の墓地の天使族モンスターと悪魔族モンスターを1体ずつ特殊召喚する!」

 

静香の場に堕天使マリーと慈悲深き修道女が特殊召喚された。

 

「さらに私は融合を発動!再び出てきて、聖女ジャンヌ!」

「ぬおおお…。」

「ターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 静香LP4000 手札1

 ○●●○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP3600 手札1

 □□□□□ 

 

 

「俺は負けられねえ…遊戯とまた戦いてえんだ。行くぜ、俺のターン、ドロー!俺は電脳増幅コマンダーをサイコ・ロードに装備!」

「電脳増幅コマンダー?」

「こいつが装備されてる『サイコ』モンスターがバトルしたダメージステップ時にサイコロを振って出た目の数×100攻撃力がアップする!行くぜ、サイコ・ロードで聖女ゲールに攻撃!」

「聖女ゲールの攻撃力は2600、このままでは相打ち。」

「電脳増幅コマンダーの効果!いけえ!」

 

サイコロは2を示す。

 

静香LP4000→3800

 

だがゲールは姿を消すことなく場に留まっている。

 

「なんで破壊されねえんだ?」

「ゲールの効果!フィールド上の『聖女』モンスターが破壊される時、ライフを1000払うことで『聖女』モンスターの破壊を無効にするわ!」

 

静香LP3800→2800

 

「なるほどな…。ターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 静香LP2800 手札1

 ○●●○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP3600 手札1

 □□■□□ 

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ時、堕天使マリーの効果発動!」

 

静香LP2800→3000

 

「お兄ちゃんは運も実力のうちだって言ってたよね?」

「おうよ、俺の運の良さは実力だぜ!」

「ならサイコロは振らせない!私はレベル7の聖女ジャンヌとゲールでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7 聖女騎士ダーム!」

「エクシーズ!?」

「ダームの効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除き、ライフを半分支払うことで相手フィールド上のモンスターの攻撃力を0にする!」

 

静香LP3000→1500

 

「まじかよ!」

「バトルよ!ダームでサイコ・ロードに攻撃!」

 

城之内LP3600→600

 

「だが電脳増幅コマンダーを墓地に送ることで破壊を無効にする!さらに電脳増幅コマンダーが墓地に送られたことで効果発動!墓地の『サイコ』モンスターを永続罠扱いで場に置く!」

「え!サイコ・ロードがいるとき、罠は発動できないんじゃ…!」

「発動じゃなくて置くんだ。そういう効果もあんのさ、」

 

サイコ・ロードの後ろにサイコ・ショッカー、サイコ・リターナー、二体のサイコ・ジャッカーが現れた。

 

「ダームの効果を使ったターンの次の相手のターン中、相手は特殊召喚が出来ない。ターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 静香LP1500 手札2

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 城之内LP600 手札1

 ■■■■■ 

 

 

「俺のターン、ドロー!悪いけどお兄ちゃんが勝たせてもらうぜ!永続 罠発動!サイコ ショック!このカードの発動はサイコモンスターには邪魔されないぜ。エンドフェイズ時、サイコモンスターを全て破壊しその数だけカードをドローする、」

「なんでそんな罠を…あ!」

「気が付いたか!サイコ・ロードの効果発動!ハイパー・トラップ・ディストラクション!」

 

サイコ・ロードの効果で城之内の場にいたサイコたちとモンスターBOXが破壊され、その数×300が静香のライフから引かれる。

 

 

 

モンスターBOX

永続罠

相手モンスターの攻撃宣言時、コイントスを1回行い裏表を当てる。

当たった場合、その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで0になる。

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。

または、500ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。

 

 

 

静香LP1500→0

 

「オーウ!勝ったのは城之内ボーイデース!コングラチュレーショーン!」

 

ペガサスが城之内の名を呼んだ。ソリットヴィジョンが消え、二人はスタジアムの真ん中で握手した。

 

「やっぱお兄ちゃんには敵わないな。」

「お前もよくやった。また決闘しようぜ!」

 

静香は笑顔で頷くのだった。

 

 

 

 

 

「皆サーン、次は骨塚ボーイと海馬ボーイの対決デース!カモン!二人の決闘者(デュエリスト)よ!」

 

海馬と骨塚が反対の方向にある入口からスタジアムへと入る。その頃観客席に闇バクラが入り、上の方の席に座った。

 

「さーて、海馬、楽しませてくれよ。ククク…。」

 

その後すぐに同じ入口から金の髪をなびかせた青年も入り、スタジアムをキョロキョロと見まわした。

 

「どこにいったんだ…。タキオン!」




聖女騎士ダーム
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/光属性/天使族/攻3000/守2500
光属性レベル7モンスター×2
(1):1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除きライフを半分支払うことで発動できる。
相手フィールド上のすべてのモンスターの攻撃力を0にする。
(2):(1)の効果を使用した次の相手のターンの間、相手プレイヤーは特殊召喚が出来ない。


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第七話「海馬VS…!」

骨塚と海馬が位置に着いた。

 

「ふん、骨塚とやら。貴様などだれかは知らんがお前如きに本気を出す俺ではない。すぐに決めてやる。」

「な…舐めるなよ、海馬!俺は強くなったんだゾ。今の俺ならお前なんて…!」

 

骨塚はオドオドしながらデュエルディスクを構えた。それを見た海馬もニヤリとし、デュエルディスクを構える。

 

「「決闘!」」

 

海馬がまず青き眼の乙女を召喚する。

 

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

カードを一枚セットし、エンドを宣言した。

 

 

 □□■□□

□      □ 海馬LP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 骨塚LP4000 手札5

 □□□□□ 

 

 

「俺のターンだゾ、ドロー!俺は手札からワン・フォー・ワンを発動だゾ!」

 

 

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法(制限カード)

(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「手札を捨てて…現れろ、ワイトキング!」

 

 

 

ワイトキング

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0

このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する

「ワイトキング」「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を

ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。

 

 

 

「攻撃力0…?なめているのか!?」

「墓地に送ったワイトプリンスの効果を発動!デッキからワイトとワイト夫人を墓地へ送るんだゾ!」

 

 

 

ワイトプリンス

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 0/守 0

(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

「ワイト」「ワイト夫人」1体ずつを手札・デッキから墓地へ送る。

(3):自分の墓地から、「ワイト」2体とこのカードを除外して発動できる。

デッキから「ワイトキング」1体を特殊召喚する。

 

 

ワイト

通常モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200

どこにでも出てくるガイコツのおばけ。

攻撃は弱いが集まると大変。

 

 

ワイト夫人

効果モンスター

星3/闇属性/アンデット族/攻 0/守2200

このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。

また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

「ワイト夫人」以外のフィールド上のレベル3以下の

アンデット族モンスターは戦闘では破壊されず、魔法・罠カードの効果も受けない。

 

 

 

ワイトキングの攻撃力は3000となる。

 

「攻撃力3000…。」

「ふふふ、みたかぁ!行けワイトキング、青き眼の乙女に攻撃!」

「甘いわ!青き眼の乙女の効果を発動!デッキより現れろ…青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

海馬の場に青眼が咆哮と共に現れた。

 

「なにぃ!」

「ふん、凡骨以下の骨だな、貴様は。」

「ぬうう!」

 

闇バクラは千年リングを光らせる。

 

「ちぃ、俺のパラサイトマインドの入ったワイトキングじゃなかったようだな。」

 

骨塚はターンを終了させる。

 

 

 □□■□□

□      □ 海馬LP4000 手札3

 ○○●●○

 

 ○○●○○

□      □ 骨塚LP4000 手札4

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!我が青眼が貴様のモンスターなど粉砕してやるわ。手札から異次元竜 トワイライトゾーンドラゴン・ツヴァイを召喚!このモンスターはデッキから異次元竜と名のついたモンスターを墓地へ送ることでそのモンスターと同じスペックを手に入れる!さらに罠発動!タイラント・ウィング!青眼に装備!」

 

 

 

タイラント・ウィング

通常罠

(1):フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

このカードを攻撃力・守備力400アップの装備カード扱いとして、そのモンスターに装備する。

(2):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターは、

1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。

(3):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが

相手モンスターを攻撃したターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「げげ!」

「バトル!青眼でワイトキングに攻撃!」

 

 

骨塚LP4000→3600

 

 

「ワイトキングの効果!ワイトを除外し再び特殊召喚!守備表示!」

「甘いわ!トワイライトゾーンドラゴン・ツヴァイでワイトキングに攻撃!」

「く…!」

「タイラント・ウィングの効果でもう一度青眼は攻撃できる!行け、骨塚にダイレクトアタック!滅びのバーストストリーム!」

 

 

骨塚LP3600→600

 

 

「うわああああ!」

「ワイトキングの効果を使えばよいものを…カードを一枚伏せターンエンド!エンドフェイズ時に青眼はタイラント・ウィングの効果で消える。」

 

 

 □□■□□

□      □ 海馬LP4000 手札3

 ○○●●○

 

 ○○○○○

□      □ 骨塚LP600 手札4

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン…ドロー!…よし、当たりだゾ!」

「何?」

「手札からおろかな埋葬を発動!墓地に送るのはワイトプリンス!」

 

 

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

 

「く!」

「ワイトプリンスはワイトとワイト夫人を墓地へ導くんだゾ!そして墓地のワイトプリンスの効果発動!ワイトプリンスとワイト、ワイト夫人を除外しデッキからワイトキングを特殊召喚!」

「攻撃力2000のワイトキング!」

「フフフ、2000ならトワイライトゾーンドラゴンを破壊できる!行け!ワイトキング!」

 

闇バクラは再び千年リングを光らせる。

 

「よっしゃあ!俺の出番だぜ、骨塚、その決闘、俺様が代わらせてもらうぜ!」

 

骨塚と海馬の周りに黒いオーラが現れ、それは半球態となり二人のフィールドを包んだ。

 

「な…なんだぁ!?」

「どけ、骨塚!俺様がお前の体を使う!」

 

骨塚の体が闇に覆われ、やがて闇バクラへと変化した。

 

「貴様は…バクラ!」

「久しぶりだな、社長さんよぉ。俺はお前や遊戯をボコしたくて仕方なかったんだぜ…ククク。このフィールドは闇に包まれ、この決闘は闇のゲームとなった!」

「お前もマリク同様闇の人格に…ということは!」

 

海馬は闇バクラの胸にある千年リングを見る。

 

「兄様!兄様!」

「その声…モクバか!」

「兄様!良かった、声は聞こえるんだね!この黒い物のせいで中へ入れないんだ!」

「モクバ、俺のことはあんずるな。それよりも海馬コーポレーション045金庫に保存されているものを持ってきてくれ!」

「え…あ…わかったよ!」

 

モクバは海馬コーポレーションに向かった。その光景を見ていた闇遊戯と本田はスタジアムの下まで向かう。

 

「おい、遊戯、あれって!」

「間違いない、闇のゲームだ!だが千年アイテムを骨塚も海馬も持っている様子はなかった。誰が一体…!」

 

 

 

 

 

 

「フフフ、お前とは戦ったことがなかったからな…楽しみだぜ。」

「…?貴様とはエジプトへ行く前に戦ったはず、忘れたのか?」

「何言ってやがる。さぁ決闘を再開しようぜ。ワイトキングでトワイライトゾーンドラゴン・ツヴァイを攻撃!」

 

 

海馬LP4000→3200

 

 

「カードを一枚伏せターンエンドだ。」

 

 

 □□■□□

□      □ 海馬LP3900 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇バクラLP600 手札3

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!俺は手札から永続魔法 ポジションチェンジを発動!」

 

 

 

ポジションチェンジ

永続魔法

自分フィールド上モンスター1体の位置を、

使用していない隣のモンスターカードゾーンに移動する事ができる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「青き眼の乙女の位置を変更!そしてキサラよ…青眼を再び呼ぶのだ!」

「性懲りもなくまーた青眼か、ケハハ!」

「笑っていられるのも今のうちだ、この攻撃で貴様の敗北!骨塚がライフを減らし過ぎたな。バトル!ワイトキングを攻撃!滅びのバーストストリーム!」

「罠発動!グラヴィティ・バインド-超重力の網!青眼は攻撃できないぜ!」

 

 

 

グラヴィティ・バインド-超重力の網-

永続罠

フィールド上のレベル4以上のモンスターは攻撃できない。

 

 

 

「姑息な真似を!俺はターンエンド!」

 

 

 □□■■□

□      □ 海馬LP3900 手札3

 ○○●●○

 

 ○○●○○

□      □ 闇バクラLP600 手札3

 □□■□□ 

 

 

「俺様のターン、ドローカード!俺は狡猾なネクロドールを特殊召喚!こいつはフィールド上にアンデッド族がいるときに特殊召喚できるぜ。そして速攻魔法 地獄の暴走召喚発動!現れろ、狡猾なネクロドール!」

 

 

 

地獄の暴走召喚

速攻魔法

相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に

攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。

その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から

全て攻撃表示で特殊召喚する。

相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。

 

 

 

「その効果は俺の場の青眼にも適用される。現れろ、もう二体の青眼!」

「クハハ。お前のデッキは青眼とその融合、シンクロを扱う。いずれも高レベルのモンスター。グラビティ・バインドがあれば恐るるに足らないぜ。」

「だがそれは貴様のモンスターにも効く。狡猾なネクロドールはレベル4だが攻撃力はわずか500。ワイトキングも2000。俺のライフを削る前に青眼たちが俺を守る。」

「クハハ。俺がそんなことに気が付いていないとでも思ったか?」

「なに?」

「俺はレベル4の狡猾なネクロドール二体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!この世の全てを握り潰せ!No(ナンバーズ).106 巨岩掌ジャイアント・ハンド!」

 

 

 

No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/岩石族/攻2000/守2000

レベル4モンスター×2

(1):相手フィールドのモンスターの効果が発動した時、

このカードのX素材を2つ取り除き、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

このモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、

対象の効果モンスターの効果は無効化され、表示形式の変更もできない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「エクシーズモンスターだと!?」

「ククク。ナンバーズの力を思い知らせてやるぜ。バトル!ジャイアント・ハンドで青き眼の乙女を攻撃!」

「青き眼の乙女の効果!攻撃を無効だ!」

「ジャイアント・ハンドの効果!オーバーレイユニットを二つ取り除き、青き眼の乙女の効果を無効にする!」

「なんだと!?」

「バトルは続行だ、やれジャイアント・ハンド!」

 

 

海馬LP3900→1900

 

 

「ターンエンドだ。さぁライフがゼロになれば闇がお前の魂を喰う。楽しみだなぁ…クハハハ!」

 

 

 □□■■□

□      □ 海馬LP1900 手札3

 ○●●●○

 

 ○●●●○

□      □ 闇バクラLP600 手札2

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

海馬がドローしたカードは融合だった。「く…今なら究極竜を呼ぶことが出来る。だがグラビティ・バインドがある限りそれは無意味…。ならばライフを回復し、状況を立て直すまでよ。」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「俺は手札から魔法カード 治療の神-ディアン・ケトを発動!」

 

 

 

治療の神 ディアン・ケト

通常魔法

自分は1000ライフポイント回復する。

 

 

 

「かかったな!狡猾なネクロドールの効果!こいつが攻撃表示でいるときにデッキからカードを二枚送ることで魔法 罠カードの発動を無効にし破壊するぜ!」

「おのれ…!」

「そして500ダメージを相手に与える!」

 

海馬LP1900→1400

 

「なるほど、本来は攻撃力500の雑魚モンスターだが、グラビティ・バインド下では早々に破壊はされない。そうなれば強力なモンスターと化す。俺のデッキを研究している。」海馬はわずかながらも闇バクラのタクティクスを心の中で褒める。しかしそのような余裕も徐々になくなってくる。

 

「…なんだ、息苦しくなってきたぞ。」

「ふふふ、ライフが減ればその分貴様の生命力も落ちる。俺様のこの体は骨塚のもんだからな。外にいる俺様の本体に影響はないぜ。」

「く…貴様ァ…。」

「さあ決闘を続けろよ!」

「俺は…ターンエンド!」

 

 

 □□■■□

□      □ 海馬LP1400 手札3

 ○●●●○

 

 ○●●●○

□      □ 闇バクラLP600 手札2

 □□■□□ 

 

 

「俺様のターン、ドローカード!俺様は手札から魔法カード 戦意喪失を発動!自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を0にし、その攻撃力分、相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を下げる!ワイトキングの攻撃力を0にし青眼の攻撃力を下げるぜ!」

「青眼の攻撃力が1000だと!」

「ジャイアント・ハンドで攻撃力の下がった青眼に攻撃!」

 

 

海馬LP1400→400

 

 

「俺様はターン終了。さぁ海馬、もう魔法 罠は使えない。どうする?ハハハ!」

 

海馬のデッキに魔法 罠を破壊するカードは確かに存在する。しかしそれらはいずれも魔法カードであった。残りライフ400ではそのカードを発動するだけで狡猾なネクロドールの効果で敗北してしまう。海馬は焦らずにはいられなかった。呼吸もかなり苦しくなり、膝をついてしまった。

 

「おっと、ゲームで負ける前に倒れちまうのはなしにしてくれよ、フハハハ!」

「きさ…まぁ!」

「兄様!」

 

外からモクバの声が聞こえた。

 

「モク…バ!」

「兄様!布で包んだまま持ってきたよ!これをどうすればいいの?」

「それを…投げろ!」

「でも物を通さないんだぜ!?」

「それなら…大丈夫だ!はや…く!」

「わかった!」

 

モクバは持ってきたものを投げた。闇の半球は布は通さなかったが中のものはすり抜け、海馬の手に吸い込まれるように握られた。

 

「それは千年ロッド!」

 

千年ロッドが光り、闇の半球は崩れる。海馬は立ち上がり闇バクラを鋭い眼差しで睨む。

 

「これで本気を出して戦える。この俺をおちょくったのだ、覚悟しろよバクラ!」

 

海馬は千年ロッドを前へ構え、バクラに言い放った。




狡猾なネクロドール
効果モンスター/特殊召喚
星4/闇属性/アンデッド族/攻500/守500
このモンスターは通常召喚することが出来ない。
(1):このモンスターは自分フィールド上にアンデッド族がいる場合に特殊召喚することが出来る。
(2):このモンスターが攻撃表示で自分フィールドに存在し、相手が魔法 罠を発動した時に発動できる。デッキからカードを1枚墓地へ送りその発動を無効にし破壊する。その後相手に500ポイントのダメージを与える。


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第八話「銀河眼の時空竜の行方」

「へ!闇を振り払ったくらいで粋がんな!お前の敗北は決まってんだよ、海馬!俺はターンエンド!」

 

 

 □□■■□

□      □ 海馬LP400 手札3

 ○●●●○

 

 ○●●●○

□      □ 闇バクラLP600 手札2

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン…ドロー!」

 

海馬が手にしている千年ロッドが輝く。それに応えるように海馬は頷いた。

 

「俺はレベル8の青眼の白龍2体でオーバーレイ!」

「なんだと!?」

 

千年ロッドはより輝きを増し、やがてその輝きはカードとなり海馬が手にする。

 

「宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!エクシーズ召喚!ランク8!No(ナンバーズ).107 銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!」

 

銀河眼の時空竜が海馬のフィールドに顕現した。

 

「ナンバーズ…だとぉ!?」

 

闇バクラは驚きを隠せなかった。それと同様、観客席にいた金髪の青年も目を見開き銀河眼の時空竜を見ていた。

 

「タキオン…いた!なぜ再びオーバーハンドレットナンバーズに…!」

 

海馬は高笑いをあげ、闇バクラに言い放つ。

 

「エクシーズモンスターはレベルを持たぬ。グラビティ・バインドなど無意味!バトル!銀河眼の時空竜で狡猾なネクロドールを攻撃!殲滅のタキオン・スパイラル!」

 

 

 

グラヴィティ・バインド-超重力の網-

永続罠

フィールド上のレベル4以上のモンスターは攻撃できない。

 

 

 

「ぐああああああああ!!!」

 

闇バクラLP600→0

 

ソリットヴィジョンが消え、海馬は闇バクラに近づく。海馬の予想に反し闇バクラは笑っていた。

 

「なぜナンバーズがお前を闇に駆り立てなかったのか…まぁいい。俺が消えてもまだ”本体の”俺がいる。あー、楽しみだぜ、お前や遊戯を再び苦しめることが出来るのは!」

「貴様などにやられる俺や遊戯ではないわ。消えろ。」

 

闇バクラは黒くなり、やがて霞のように消えた。残ったのは眠る骨塚であった。ペガサスは観客たちに勝者を宣言する。

 

「オーウ!ソリットヴィジョンの影響でいろいろ問題が起きてしまったようですが勝者は海馬ボーイデース!コングラチュレーショーン!これでJDMCは閉幕デース!」

「何?俺と凡骨は戦わないのか?」

「フフ、海馬ボーイ。これからその旨を説明しマース!JDMCで勝ち残った二人。そして決闘王遊戯ボーイには三人でワールドデュエルモンスターズカーニバル WDMCに参加してもらいマース!世界の強豪たちが揃う大会、ミーはとても楽しみデース!」

「勝手なことを…だが面白い。いいだろう。この海馬瀬人が頂点に立ってやる!」

 

海馬は観客の前で高らかに宣言し、観客たちもスタンディングオベーションで応えた。闇遊戯は辺りを見回していた。「あれは闇のゲーム。おそらく闇のバクラが…。」闇遊戯の目線の先にはチィと舌打ちを打つ闇バクラがスタジアムから逃げようとしていた。

 

「待て!バクラ!」

「おい!遊戯!待てよ!」

 

本田の制止も聞かず闇遊戯は闇バクラを追っていったのだった。

 

 

 

 

 

海馬とモクバは海馬コーポレーションに帰ろうとしていた。そこに観客席にいた金髪の青年が現れる。

 

「海馬瀬人…。」

「なんだ、貴様は。」

「わが名はミザエル。バリアン七皇にして銀河眼の使い手。」

「銀河眼だと?」

「貴様が手にしている銀河眼の時空竜、返してもらおう。」

「俺は俺が手にしたカードだ。」

「何?」

「そんなに欲しいなら決闘で取ってみろ。すぐに片づけてやる!」

「兄様!」

「案ずるなモクバ。闇のゲームというわけではない。」

 

「「決闘!」」

 

「私のターン!防覇龍ヘリオスフィアを召喚!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

防覇龍ヘリオスフィア

効果モンスター

星4/光属性/ドラゴン族/攻 0/守1900

相手の手札が4枚以下で自分フィールド上のモンスターがこのカードのみの場合、

相手は攻撃宣言をする事ができない。

また、1ターンに1度、自分フィールド上に

ドラゴン族・レベル8モンスターが存在する場合に発動できる。

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで8にする。

 

 

 

 □□■□□

□      □ ミザエルLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP4000 手札5

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は正義の味方 カイバーマンを召喚!」

 

 

 

正義の味方 カイバーマン

効果モンスター

星3/光属性/戦士族/攻 200/守 700

このカードをリリースして発動できる。

手札から「青眼の白龍」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「そしてカイバーマンをリリースし…現れよ青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

「いきなりレベル8モンスターだと!?」

「フハハ、行け、青眼!ヘリオスフィアに攻撃!」

「無駄だ、貴様の手札は4枚。攻撃宣言はヘリオスフィアの効果で出来ない!」

「小賢しいやつめ。カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ ミザエルLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 海馬LP4000 手札4

 □□■□□ 

 

 

「私のターン、ドロー!私は手札から儀式魔法 時空竜降臨を発動!」

「儀式だと?」

「手札の半月竜ラディウスを墓地へ送り降臨せよ、時空竜の聖騎士(ナイトオブタキオンドラゴン)!」

 

 

 

半月竜ラディウス

効果モンスター

星4/光属性/ドラゴン族/攻1400/守1200

相手フィールド上にエクシーズモンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚したこのカードのレベルは8になる。

 

 

 

「時空竜の聖騎士の効果発動!このモンスターをリリースすることでデッキからドラゴン族レベル8モンスターを2体特殊召喚する!現れろ2体の限界竜シュヴァルツシルト!」

 

 

 

限界竜シュヴァルツシルト

効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守 0

相手フィールド上に攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「レベル8のモンスターが2体…!」

「俺はレベル8の限界竜シュヴァルツシルト2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、ランク8!超銀河影竜(ネオ・ギャラクシー・ステルス・ドラゴン)!バトルだ!超銀河影竜で青眼の白龍を攻撃!」

「同じ攻撃力…相打ちを狙ってきたか!」

 

青眼は粉砕された。だが超銀河影竜は破壊されない。

 

「超銀河影竜はオーバーレイユニットを一つ使うことで破壊されない!ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ ミザエルLP4000 手札1

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 海馬LP4000 手札4

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はトレード・インを発動!」

 

 

 

トレード・イン

通常魔法

手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「手札の青眼を捨て二枚ドロー!そして魔法カード 龍の演舞を発動!手札を捨てた分、墓地のドラゴン族を攻撃力を0にして特殊召喚する。俺は二枚を墓地へ送り、2体の青眼をよみがえらせる!こい、青眼!」

 

海馬の場に2体の青眼が現れた。

 

「さらに墓地に送られた伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)の効果によりデッキから青眼を手札に加える…。」

 

 

 

伝説の白石

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/ドラゴン族/攻 300/守 250

このカードが墓地へ送られた時、デッキから「青眼の白龍」1体を手札に加える。

 

 

 

「レベル8のモンスターが2体…!」

「俺はレベル8の青眼の白龍2体でオーバーレイ!宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!エクシーズ召喚!ランク8!No.107 銀河眼の時空竜!」

「タキオン…く!」

 

ミザエルは苦しそうな顔をする。銀河眼の時空竜もそれに呼応するように鳴き声をあげた。普段ならば高らかに笑う海馬はその様子を見て笑うことはなかった。

 

「銀河眼の時空竜の効果発動!タキオン・トランスミグレーション!これで超銀河影竜は破壊できる。バトルだ!超銀河影竜へ攻撃!殲滅のタキオン・スパイラル!」

 

超銀河影竜は破壊されるが銀河眼の時空竜はナンバーズ、破壊されることはない。ミザエルは怒りをあらわにせざるを得なかった。

 

「おのれ、海馬瀬人ォ!俺のタキオンを…よくも…!」

「ふん…。カードを1枚伏せターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ ミザエルLP4000 手札1

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 海馬LP4000 手札3

 □□■■□ 

 

 

「私のターン…ドロー!まさかカイトを倒すための力が役に立つとはな。」

「?」

「私は手札の銀河暗殺者の効果によりフィールド上の『銀河』と名の付いたカードをリリースすることで召喚できる。俺はお前のフィールドの銀河眼の時空竜をリリースし銀河暗殺者を召喚!」

「リリースという形で俺の場からタキオンを消したか…。」

「さらに手札からRUM(ランクアップマジック)千死蛮巧(アドマイヤー・デス・サウザンド)を発動!」

 

 

 

RUM-千死蛮巧

通常魔法

「RUM-千死蛮巧」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、

自分はこのカードの効果以外ではモンスターを特殊召喚できない。

(1):自分及び相手の墓地の同じランクのXモンスターを

それぞれ1体以上対象として発動できる。

そのモンスターよりランクが1つ高い、

「CNo.」モンスターまたは「CX」モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚し、

対象のモンスターを下に重ねてX素材とする。

 

 

 

「お前の墓地のタキオンと私の墓地の超銀河影竜でオーバーレイ!逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ。永遠を超える竜の星!顕現せよ、超銀河眼の時空龍!」

 

超銀河眼の時空竜がミザエルの場に現れる。

 

「私の超銀河眼の時空龍はナンバーズの呪縛から解放された。タキオンも今解放してやる。お前に勝つことでな!超銀河眼の時空竜の効果発動!タイム・タイラント!これで伏せカードは発動できん。終わりだ!超銀河眼の時空龍で海馬にダイレクトアタック!アルティメット・タキオン・スパイラル!」

「手札のバトルフェーダーの効果発動!ダイレクトアタックの時、こいつを特殊召喚しバトルフェイズを終了させる。」

 

 

 

バトルフェーダー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「手札からの効果か…いいだろう。ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ ミザエルLP4000 手札0

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 海馬LP4000 手札2

 □□■■□ 

 

 

「俺のターン!ドロー!俺はジェスター・コンフィを特殊召喚!」

 

 

 

ジェスター・コンフィ

効果モンスター

星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードは手札から表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚した場合、次の相手のエンドフェイズ時に

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

そのモンスターと表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻す。

「ジェスター・コンフィ」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

 

 

「ジェスター・コンフィとバトルフェーダーをリリースし青眼の白龍を召喚!」

「また青眼か…。」

「さらに伏せていた魔法カード 眼の進化を発動!フィールド上に存在する青眼の白龍を青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)として扱う!そして青眼の究極竜扱いの青眼の白龍をリリースし現れろ、青眼の光龍(ブルーアイズ・シャイニングドラゴン)!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

青眼の光龍

効果モンスター

星10/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に存在する「青眼の究極竜」1体を

生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。

このカードの攻撃力は、自分の墓地の

ドラゴン族モンスター1体につき300ポイントアップする。

また、このカードを対象にする魔法・罠・モンスターの効果を

無効にする事ができる。

 

 

 

青眼の光龍が周りを掻き消すかのように咆哮をあげた。

 

「なんだ…こいつは!」

「こいつの攻撃力は俺の墓地のドラゴン族×300ポイント攻撃力が上がる。よって1200ポイントアップ!」

「だがそれでもネオタキオンには及ばない!」

「罠発動!タイラント・ウィング!青眼の光龍に装備!」

 

 

 

タイラント・ウィング

通常罠

(1):フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

このカードを攻撃力・守備力400アップの装備カード扱いとして、そのモンスターに装備する。

(2):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターは、

1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。

(3):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが

相手モンスターを攻撃したターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「攻撃力…4600!?」

「バトル!青眼の光龍で超銀河眼の時空龍に攻撃!シャイニング・バースト!」

「罠発動!次元幽閉!」

 

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を選択して発動できる。

選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

 

 

 

「無駄だ、青眼の光龍の効果で無効!」

「なんだと…!」

 

 

ミザエルLP4000→3900

 

 

「終わりだ。青眼の光龍でダイレクトアタック!」

「タキオオオオオン!!!!!!」

 

 

ミザエルLP3900→0

 

 

ミザエルは膝をつき俯く。海馬はミザエルに近づいた。

 

「どうやらこの龍は俺より貴様を気に入っているようだな。そもそも俺はこんなカードがなくとも最強。くれてやるわ。」

 

海馬は銀河眼の時空竜をミザエルに渡した。ミザエルが受け取るとカードからNo.107が消え「銀河眼の時空竜」となった。

 

「すまない…海馬瀬人。」

「さすが兄様だぜ!」

「ふん、帰るぞモクバ。」

「待て。」

 

ミザエルが海馬を呼び止める。

 

「まだ何か用か?」

「借りをつくってしまった。一つお前に忠告しておいてやる。」

「ほう?」

「いずれお前たちが住むこの時空にも敵がやって来る。遊馬やアストラルが戦っても勝てなかった敵だ。」

「遊馬?アストラル?何の話だ。」

「この時空を守りたければ強くなるしかない。私もタキオンと共に精進するつもりだ。また会おう、海馬瀬人。」

 

そういうとミザエルは消えた。




眼の進化
通常魔法
(1)~(3)のいずれかの効果を一つ使うことが出来る。
(1):フィールド上に存在する「青眼の白龍」1体を選択し、そのモンスターを「青眼の究極竜」としてエンドフェイズ時まで扱う。次のターン選択したモンスターがフィールドに存在するときデッキから同名モンスターを可能な限り特殊召喚することが出来る。
(2):フィールド上に存在する「銀河眼の光子竜」1体を選択し、そのモンスターを「超銀河眼の光子龍」としてエンドフェイズ時まで扱う。次のターン選択したモンスターがフィールドに存在するときデッキから同名モンスターを可能な限り特殊召喚することが出来る。
(3):フィールド上に存在する「銀河眼の時空竜」1体を選択し、そのモンスターを「超銀河眼の時空龍」としてエンドフェイズ時まで扱う。次のターン選択したモンスターがフィールドに存在するときエクストラデッキから「銀河眼」モンスターを1体特殊召喚することが出来る。


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第九話「闇遊戯VS闇バクラ」

闇遊戯は人ごみをすり抜けるように走り去る闇バクラを追った。闇バクラも追跡に気が付いているようであった。やがて闇バクラは人があまり寄り付かない建物に入り込んだ。闇遊戯もその中に入ると、先ほどまで逃げていた闇バクラが立っている。

 

「よう、遊戯。こんなとこまで何の用だ?」

「バクラ、いや大邪神ゾーク!再び復活したのか!」

「あ?何の話だ。」

「?」

 

話が噛みあわず闇遊戯は困惑する。闇バクラはニヤリとするとデュエルディスクを構えた。

 

「俺はお前を倒したくてうずうずしてんだ。さっきの決闘は俺様自身の力を100%引き出すことできなかったが、今の俺様は本体。すぐにお前なんて闇に喰わせて消してやるよ!」

「俺は貴様を倒し、必ず獏良を助けるぜ!行くぞ!」

 

「「決闘!」」

 

「先攻は俺様だ!俺は死霊騎士デスカリバー・ナイトを召喚!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

死霊騎士デスカリバー・ナイト

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守1800

このカードは特殊召喚できない。

効果モンスターの効果が発動した時、

フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げなければならない。

その効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札5

 □□□□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

闇遊戯が引いたカードは熟練の黒魔術師であった。「こいつで相打ちにすることもできるがそうなれば俺の場はがら空きになってしまう。それならば…。」

 

 

 

熟練の黒魔術師

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1900/守1700

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。

また、魔力カウンターが3つ乗っているこのカードをリリースして発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「俺は熟練の黒魔術師を召喚!カードを二枚伏せターンエンドだ!」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札3

 □■■□□ 

 

 

「俺様のターン、ドローカード!ゲルニアを召喚!」

 

 

 

ゲルニア

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1300/守1200

(1):フィールドの表側表示のこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合、

次の自分スタンバイフェイズに発動する。

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「この瞬間、罠 発動!黒魔族復活の棺!ゲルニアと熟練の黒魔術師をリリースし、デッキより我が最強の僕 ブラック・マジシャンを特殊召喚!」

 

 

 

黒魔族復活の棺

通常罠

(1):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、

そのモンスター1体と自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスター2体を墓地へ送る。

その後、自分のデッキ・墓地から

魔法使い族・闇属性モンスター1体を選んで特殊召喚できる。

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

「いきなりブラック・マジシャンだとぉ!?」

「お前がランク4のエクシーズモンスターを狙っていることはわかっている。出される前に素材を揃えはさせない。」

 

闇遊戯の場にブラック・マジシャンが現れた。

 

「頼んだぞ、マハード。」

『お任せを、マスター。』

「俺様はデスカリバー・ナイトを守備表示にしターンエンド!」

 

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札3

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!行くぞ。ブラック・マジシャンでデスカリバー・ナイトに攻撃!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

「く…!」

「デスカリバー・ナイト、撃破!」

「だが罠 発動!道連れ!お前のブラック・マジシャンも道連れだぁ!」

 

 

 

道連

通常罠

フィールド上に存在するモンスターが自分の墓地へ送られた時に発動する事ができる。

フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

 

 

 

「罠 発動!永遠の魂!これでブラック・マジシャンは道連れにされることはない!」

 

 

 

永遠の魂

永続罠

「永遠の魂」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):以下から1つを選択してこの効果を発動できる。

●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。

●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。

(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。

自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

 

 

「なんだ…お前は数年間眠っていたはず…なぜここまでこの時代の決闘に順応できる!?」

「…俺は永遠の魂の効果により魔法カード 黒・魔・導を手札に加える。ターンエンドだ。」

 

 

 

黒・魔・導

通常魔法

自分フィールド上に「ブラック・マジシャン」が存在する場合に発動できる。

相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

 

 □□□□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札5

 □□■□□ 

 

 

「俺様のターン…ドロー!俺様はモンスターをセット、カードを三枚セットしターンエンド!」

 

 

 □■■■□

□      □ 闇バクラLP4000 手札0

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札5

 □□■□□ 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札より魔法カード 黒・魔・導を発動!」

「カウンター罠 発動!魔宮の賄賂!無効だぜ、さぁドローしな。」

 

 

 

魔宮の賄賂

カウンター罠

相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

『気をつけて!もう一人の僕。』

「あぁ。何かありそうだが…ここは攻めるまでだぜ!」

 

「ブラック・マジシャンで裏守備モンスターに攻撃!黒・魔・導!」

 

裏守備モンスターはメタモルポットであった。

 

 

 

メタモルポット

リバース・効果モンスター(制限カード)

星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

お互いの手札を全て捨てる。

その後、お互いはデッキから5枚ドローする。

 

 

 

「これが狙いか…!」

「さぁさっきドローしたカードごとすべて捨てな!」

「俺はカードを二枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 □■□■□

□      □ 闇バクラLP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP4000 手札3

 □■■■□ 

 

 

「俺様のターン、ドローカード!さぁて手札からサイクロンを発動!永遠の魂を破壊!」

 

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

「く…永遠の魂の効果によってブラック・マジシャンは破壊される…。」

「さらに罠 発動!リビングデッドの呼び声!甦れデスカリバー・ナイト!さらに罠 発動!死霊ゾーマ!」

 

 

 

死霊ゾーマ

永続罠

このカードは発動後モンスターカード

(アンデット族・闇・星4・攻1800/守500)となり、

自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。

このカードが戦闘によって破壊された時、

このカードを破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

(このカードは罠カードとしても扱う)

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…!」

「レベル4の死霊騎士デスカリバー・ナイトと死霊ゾーマでオーバーレイ!エクシーズ召喚!この世の全てを握り潰せ!No(ナンバーズ).106 巨岩掌ジャイアント・ハンド!」

 

 

 

No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/岩石族/攻2000/守2000

レベル4モンスター×2

(1):相手フィールドのモンスターの効果が発動した時、

このカードのX素材を2つ取り除き、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

このモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、

対象の効果モンスターの効果は無効化され、表示形式の変更もできない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「出たな…ナンバーズ!」

「こいつを突破できるかぁ?遊戯ィ!さらに永続魔法 ナンバーズ・バックアップ発動!フィールド上のナンバーズが効果の対象になった時、このカードを墓地に送ることでその発動を無効にし破壊する!さぁ妙なことはさせねえぜ。バトルだ!ジャイアント・ハンドで遊戯にダイレクトアタック!」

 

闇遊戯LP4000→2000

 

「く…このダメージは!」

「今頃気が付いたのか?この建物は俺が昨晩から闇のエネルギーを貯めこんでおいた。ここに入った瞬間から闇のゲームは始まってんだよ!俺はカードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

 □■■■□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札3

 □■■■□ 

 

 

「俺のターン…ドロー!俺は永続魔法 魔力倹約術を発動!」

 

 

 

魔力倹約術

永続魔法

魔法カードを発動するために払うライフポイントが必要なくなる。

 

 

 

「これで魔法カード発動の為のコストは払わずに済む。手札から魔法カード 黒魔術のカーテンを発動!魔力倹約術の効果によってコストを払わずデッキからブラック・マジシャンを呼ぶ!」

 

 

 

黒魔術のカーテン

通常魔法

ライフポイントを半分払って発動できる。

デッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。

このカードを発動するターン、自分は召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

 

 

 

「現れろ、ブラック・マジシャン!」

 

闇遊戯のフィールドに黒い装束をまとった銀髪のブラック・マジシャンが姿を現した。

 

「別のデザインか…粋なことしやがって。」

「バトル!ジャイアント・ハンドに攻撃!黒・魔・導!」

 

闇バクラLP4000→3500

 

「だがナンバーズはナンバーズでしか倒せねえ!残念だったな!」

「いやまだだ!罠発動!強制脱出装置!対象はジャイアント・ハンド!」

 

 

 

強制脱出装置

通常罠

(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「忘れたのか!永続魔法 ナンバーズ・バックアップの効果で身代わりだ!」

「だがこれでナンバーズ・バックアップの効果は終わった。」

「なんだとぉ?」

 

『よし、今だよもう一人の僕!』

 

「あぁ!罠発動!黒き衝撃波を発動!相手モンスターの破壊に失敗したバトルフェイズ中に発動可能。相手モンスターを選択し手札に戻す!これでジャイアント・ハンドはエクストラデッキに戻るぜ!」

「…」

「さぁ、早く戻しな!」

「…ククク…アッハッハッハ!」

「なんだ!?」

「甘いぜ、遊戯!速攻魔法発動! RUM(ランクアップマジック)-クイック・カオス発動!」

 

 

 

RUM-クイック・カオス

速攻魔法

(1):「CNo.」モンスター以外の自分フィールドの「No.」Xモンスター1体を対象として発動できる。

その自分のモンスターよりランクが1つ高く、同じ「No.」の数字を持つ「CNo.」モンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてエクストラデッキからX召喚する。

 

 

 

「カオスエクシーズチェンジ!現れよ、CNo(カオスナンバーズ).106!混沌なる世界を掴む力よ、その拳は大地を砕き、その指先は天空を貫く。ランク5!溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド!」

 

 

 

CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/地属性/岩石族/攻2600/守2000

レベル5モンスター×3

このカードが「No.」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、

以下の効果を得る。

●1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果がフィールド上で発動した時に発動する。

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する

全てのカードの効果をターン終了時まで無効にする。

 

 

 

闇遊戯の前にカオスナンバーズが現れる。二重に張り巡らせた罠を回避されてしまった闇遊戯はもはやこのターンで行えることはなかった。

 

「俺は…ターンエンド…。」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札2

 □□■□□ 

 

 

「俺様のターン!ドローカード!ジャイアント・ハンド・レッドでブラック・マジシャンを攻撃!万死紅掌!」

「速攻魔法発動!光と闇の洗礼!」

 

 

 

光と闇の洗礼

速攻魔法

自分フィールド上の「ブラック・マジシャン」1体をリリースして発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「混沌の黒魔術師」1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

『待って!だめだ!もう一人の僕!』

 

「なに!?」

「馬鹿が!ジャイアント・ハンド・レッドの効果!紅漠無惚!」

 

光と闇の洗礼は破壊される。

 

「カオスナンバーズとなったジャイアント・ハンド・レッドは魔法 罠すら無効にする。甘いぜ遊戯!」

「く…!すまない、ブラック・マジシャン!」

「ははは!終わりだ!ジャイアント・ハンド・レッドでダイレクトアタック!」

 

『もう一人の僕!』

 

「わかってる!墓地の超電磁タートルの効果発動!こいつを除外しバトルフェイズを終了させる!」

 

 

 

超電磁タートル

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻 0/守1800

「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。

そのバトルフェイズを終了する。

 

 

 

「なんだと?いつの間に…。…!」

「そう、メタモルポットで捨てたときだ。」

「まぁいい。ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札4

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札2

 □□□□□

 

 

「プレイングミスまで犯すとはな。この決闘。俺の勝ちだ!ハハハ!」

「いや、確かに俺一人だったらお前に負けていたかもしれない。だが俺には相棒と仲間のモンスターたちがいる!この勝負、絶対に勝ってみせる!」

「ほざけ!ここからどう挽回するってんだ!あぁ?」

「俺のターン、ドロー!」

「無理に決まってんだろ!このカオスオーバーハンドレッドナンバーズを倒すのは不可能だ!」

「それはどうかな!」

「なんだと?」

「そのカオスオーバーハンドレッドナンバーズを倒す方法は存在する!俺がお前に見せてやるぜ!」

 

自信みなぎる闇遊戯の顔に闇バクラは少し後ろへ退いた。二人のあたりを漂う闇はより一層深くなっていたのであった。




黒き衝撃波
通常罠
(1):自分のモンスターが相手モンスターを破壊できなかったバトルフェイズ中に発動できる。相手モンスターを2体まで選択し手札に戻す。


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第十話「闇遊戯のエクシーズ召喚」

「手札から魔法カード 思い出のブランコを発動!墓地に眠るブラック・マジシャンを特殊召喚!」

 

 

 

思い出のブランコ

通常魔法

(1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

「またブラック・マジシャンか…!」

「魔法カード 聖者の原石を発動!フィールド上にブラック・マジシャンがいる時、デッキからブラック・マジシャン・ガールを特殊召喚!」

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガール

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。

 

 

 

『お師匠様!』

『行くぞ、マナ!』

 

闇遊戯のフィールドにブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールが揃った。そこで闇遊戯は残りの手札一枚を使用する。

 

「魔法カード 二大魔導士の禁じ手を発動!フィールド上にレベル5以上魔法使い族モンスターが二体以上存在する時発動できる!カードを5枚までの任意の枚数ドローし、その中にモンスターカードがあった場合、自分はその攻撃力分のダメージを受ける!」

「け!自滅か!」

「カード5枚ドロー!」

 

一枚目は罠カード アルビノ・チェンジ。二枚目は速攻魔法 マジカル・オーバーレイ。三枚目は魔法カード 黒・魔・導・爆・裂・破。四枚目はカウンター罠 天罰。五枚目は装備魔法 ワンダー・ワンドであった。

 

 

 

黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)

通常魔法

(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン・ガール」

モンスターが存在する場合に発動できる。

相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

 

 

天罰

カウンター罠

手札を1枚捨てて発動する。

効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。

 

 

ワンダー・ワンド

装備魔法

魔法使い族モンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

また、自分フィールド上のこのカードを装備したモンスターと

このカードを墓地へ送る事で、デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「馬鹿な!モンスターがゼロだと?」

「まずは魔法カード 黒・魔・導・爆・裂・破を発動!ジャイアント・ハンド・レッドを破壊!」

「ジャイアント・ハンド・レッドの効果発動!すべての効果を無効だ!」

「速攻魔法 マジカル・オーバーレイ発動!」

「チェーンし破壊されることを回避したのか!」

「『ブラック・マジシャン』と名の付くモンスター2体でランク7魔法使い族モンスターをエクシーズ召喚する!俺はレベル7のブラック・マジシャンとレベル7扱いのブラック・マジシャン・ガールでオーバーレイ!古の魂を継ぐ黒衣の魔導師よ、今こそ王の名において降臨せしむ。エクシーズ召喚!ランク7!幻想の黒魔導師!」

 

 

 

幻想の黒魔導師

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールド上の魔法使い族・ランク6の

エクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。

また、魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、

相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードをゲームから除外する。

「幻想の黒魔導師」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「貴様もエクシーズ召喚だとぉ!?」

 

二人の魔術師は光の中に消えると幻想の黒魔導師が姿を現した。だがその姿を見た闇バクラは焦りながらも再びいつものようにニヤリとする。

 

「だが幻想の黒魔導師の攻撃力は2500。ジャイアント・ハンド・レッドの2600には及ばない!」

「…カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札2

 □□■□□

 

 

「俺様のターン、ドローカード!さぁその目障りなエクシーズモンスターを消してやるぜ、ジャイアント・ハンド・レッドで幻想の黒魔導師に攻撃!万死紅掌!」

「罠発動 アルビノ・チェンジ!フィールド上に存在する幻想の黒魔導師のランクと同じレベルのシンクロモンスターを特殊召喚する!現れろ 幻想の白魔導師!」

「守備表示でも構わん、やっちまえ、ジャイアント・ハンド・レッド!」

 

幻想の白魔導師は破壊される。あたりは砂埃に包まれ、闇バクラの視界は何も見えなくなった。砂埃が止めば闇遊戯のフィールドはがら空き…と思っていたが闇遊戯のフィールドには幻想の白魔導師が守備表示の姿勢のまま座っていた。

 

「なぜだ!?確かに破壊したはずだ!」

「幻想の白魔導師は破壊されたとき、墓地の魔法使い族の通常モンスター1体を除外することで特殊召喚できる。」

「ちぃ…なら永続罠 発動!ナンバーズ・クライシス!自分フィールド上のナンバーズは二回バトルを行うことが出来る!もう一度やれ!ジャイアント・ハンド・レッド!」

 

幻想の白魔導師は破壊されるも再び闇遊戯の場に舞い戻った。

 

「この…!ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP4000 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札2

 □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は装備魔法 ワンダー・ワンドを幻想の白魔導師に装備!」

「ジャイアント・ハンド・レッドの効果!紅漠無惚!」

「カウンター罠!天罰!」

「なんだとぉ…。だ…だがナンバーズ・クライシスを墓地へ送ることで破壊をまぬがれる!」

 

だがジャイアント・ハンド・レッドはすでにカオスオーバーレイユニットを使い切っていた。闇バクラの焦る顔が顕著になる。

 

「ワンダー・ワンドの効果で攻撃力は3000となる!バトルだ!幻想の白魔導師でジャイアント・ハンド・レッドへ攻撃!ホワイト・シリンダー!」

 

闇バクラLP4000→3600

 

「だが…ナンバーズは破壊されない!」

「カードを一枚伏せターンエンド。」

 

 

 □□□□□

□      □ 闇バクラLP3600 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札1

 □□■□□

 

 

「俺様の…ターン!ドロー!よ…よし!これで貴様の最後だ、遊戯!魔法カード ナンバーズ・ボム発動!フィールドに存在するナンバーズを爆発させその攻撃力分のダメージをお互いに与えるぜ!2600のジャイアント・ハンド・レッドをリリース!終わりだぁ!」

「罠 発動!イリュージョン・マジック!戦闘・効果ダメージを無効にして相手フィールドにイリュージョントークンを特殊召喚する!このトークンの攻撃力はそのダメージと同じになる!受け取りな、バクラ!」

「遊戯ぃ…守備表示で特殊召喚しやがって…!カードを一枚伏せターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 闇バクラLP3600 手札3

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 闇遊戯LP2000 手札1

 □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は墓地の超電磁クレインの効果発動!超電磁クレインの攻撃力である1000ポイントのライフを払うことで自分フィールド上に特殊召喚する!出てこい、超電磁クレイン!」

「超電磁クレイン!?…天罰のコストか!」

「手札から速攻魔法 ディメンション・マジック発動!超電磁クレインを墓地へ送り手札からブラック・マジシャンを特殊召喚!」

 

 

 

ディメンション・マジック

速攻魔法

自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した自分のモンスターをリリースし、

手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。

その後、フィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる。

 

 

 

闇遊戯の場の超電磁クレインが消えると金髪に紺の装束をまとったブラック・マジシャンが現れる。

 

「ディメンション・マジックの効果によりイリュージョントークンを破壊!」

「フフ…攻撃してみろよ、遊戯!どうなるか…」

「さらに幻想の白魔導士の効果発動!魔法使い族通常モンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールドに存在する魔法 罠カードを除外する。バクラ、お前のフィールドに伏せてあるミラーフォースには消えてもらうぜ!」

 

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「なぜ…伏せカードを…!」

「バトルだ!幻想の白魔導師で攻撃!ホワイト・シリンダー!」

 

闇バクラLP3600→600

 

闇バクラは走馬灯が駆け巡るように”表人格の記憶に残っていた”遊戯・闇遊戯との今までの戦いを思い出していた。「馬鹿な…この遊戯は今まで眠ってたはず…それなのにたった少しの間でこの時代の戦い方をマスターしてやがる…なんなんだ…こいつは!」

 

「ブラック・マジシャンでバクラにダイレクトアタック!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

「く…遊戯ィィィィィィィ!!!」

 

闇バクラLP600→0

 

闇バクラは倒れ、ソリットヴィジョンが消えた。辺りの闇は闇バクラの精神を喰らおうと獏良の肉体を包んだ。やがて獏良の顔が穏やかになり、闇遊戯は獏良の手を自分の肩に回し、建物を出た。

 

「おーい!遊戯!」

 

城之内と本田が向かい側から駆けてきた。闇遊戯はニコリと手をあげ、無事を彼らに伝えた。

 

 

 

 

 

獏良は病院に搬送されるも怪我はなく、元気に入院食を食べているようだった。マリクも特に外傷はないが、二人とも闇の人格に操られていた時の記憶はないと言った。ただ覚えていることは千年アイテムがなぜかあり、それを手に取るとナンバーズのカードが現れたということだった。

 

「んじゃあよ、あいつらは二重人格ってよりはナンバーズってカードに操られてたってことか?」

「うん、それならバトルシティやもう一人の僕の記憶の世界での出来事を覚えていないことに納得がいくってもう一人の僕が言ってたよ。」

「城之内、この説明もう六回目だぞ。」

「うっせー!カードに操られるなんて信じられっかよ!」

「デュエルモンスターズは不思議なことが多いね。」

「ってか遊戯、城之内、お前らペガサスに呼ばれてるんだろ?早くスタジアムへ行けよ!」

「おっと忘れてた!行こうぜ、遊戯!」

 

本田と別れ、二人はアルカディア・ムーブメント支部のスタジアムへ向かった。スタジアムに着くとそこにはペガサスの姿はなく彼の執事のクロケッツと海馬が待っていた。

 

「あれ、ペガサスはどこだよ。俺と遊戯、海馬を呼んだのはペガサスだろ?」

「申し訳ありません。ペガサスは今朝アメリカに帰りました。」

「なんだと、この俺を呼んでおいて本人がこないというのか?」

「まぁまぁ、海馬君、落ち着いて…。」

「本当ならばあなた方三人をWDMCに招待するつもりでした。しかしインダストリアル・イリュージョン社の本社が何者かに乗っ取られたとの情報が今朝入ったのです。」

「WDMC?」

「ワールドデュエルモンスターズカーニバルという世界一の決闘者を決める大会です。インダストリアル・イリュージョン社が秘密で企画していたのですが…」

「そんなことより乗っ取られたとはどういうことだ?」

「今朝まで本社と連絡が付かなかったのですがやっと本社のプログラムに入ることが出来たのです。しかし何者かに占拠されており、奪還するためにアメリカの決闘者たちが戦ってくれています。ペガサス会長は彼らの元へ急ぐために今朝旅立ったのです。」

「そういうことなら僕たちも行って手伝うよ!」

「おう!ドーマん時も俺たちの力で敵を倒せたしな!ま、海馬は乗らないだろうけどよ…。」

「いいだろう、早くアメリカへ行く飛行機を用意しろ。詳しい話は機内で聞く。」

「は!?お前行くのかよ!?」

「黙ってろ、凡骨。俺は確かめねばならないことがある。」

 

海馬は考えていた。「あのミザエルとかいうやつが言っていた敵とはこのことか…?一先ず調べねばなるまい。」

 

「では皆さま、今からペガサス会長の自家用ジェットでアメリカへ向かいます。準備が出来次第、飛行場へお越しください。」

 

こうして遊戯、城之内、海馬の三人はアメリカへ向かうこととなった。

 

 

 

 

 

話は数日前にさかのぼる。杏子は空港から出ると伸びをした。

 

「はー!やっと着いた!アメリカ!」

「久しぶり!杏子ちゃん!」

 

そこに立っていたのは御伽であった。

 

「あ!御伽君!久しぶり!」

「うん!元気そうで何よりだよ。」

「御伽君もね!」

「さぁ、車に乗りなよ。僕の家に向かおう。」

 

杏子は助手席に乗り込むとシートベルトをしめる前に車は急発進した。アメリカの広大な土地を車はハイスピードで走る。一本道で御伽の車を遮るものはなかった。しかし後ろからバイクの集団が彼の車を煽る。

 

「ちぇ、めんどうだなぁ。」

「おうい、止まりな!そこのカップル!」

「カップルじゃないわよ!」

 

仕方なく御伽は車を止める。バイクの集団も止まり、御伽の車を囲んだ。

 

「姉ちゃん、俺たちと遊ぼうぜ。そんなひょろい奴よりもこっちの方が楽しいぜ?」

「うるさいわよ!」

「誰がひょろいって!?」

「黙ってろ、ガキ!どうやら力の関係ってのを教えてやらないとダメみてえだな!」

 

そういうとバイクの集団はデュエルディスクを構える。

 

「デュエルモンスターズ!?」

「今僕ディスク持ってないんだよな…どうしよう!」

「おおっと、不戦勝ってことでいいのかな?じゃあ姉ちゃんはもらってくぜ!」

「きゃあ!」

 

バイクに集団の一人が杏子に手を出そうとした瞬間、車の後ろ側からエネルギー弾が飛び出し、その男の近くに落下する。

 

「うお!なんだぁ!あぶねえ!」

「おい、ユベル、人に当たったら危ないだろうが!」

『ふん、ロクな奴じゃないんだ。当たってもいいだろう。』

『そういうのは良くないんだニャ!』

「誰だぁ!」

「俺か?俺は遊城十代!よろしくな!」




幻想の白魔導師
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使い族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1)の効果は1ターンに1度しか使うことが出来ない。
(1):魔法使い族の通常モンスターが召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドに存在する魔法 罠カード1枚を除外する。
(2):このカードが破壊された時、墓地の魔法使い族の通常モンスターを除外することでこのカードを特殊召喚することが出来る。


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ピースキラーズ編
第十一話「遊城十代登場!」


「行け、E・HERO(エレメンタルヒーロー)ネオス!ラス・オブ・ネオス!」

 

ボブLP2500→0

 

「うぉお!なんだ、こいつ!つええ!逃げろ!」

 

バイクの集団は去っていった。杏子は十代に話しかける。

 

「ありがとう、十代…だったっけ?私は真崎杏子。」

「いやぁ、助かったよ。僕は御伽龍児。」

「杏子に御伽か!よろしくな!」

「なんで僕は名字なんだろ…。」

 

『十代、こんなところで油を売ってる場合じゃないだろ。』

「あぁ…そうだった、わり!じゃあ俺行くわ!」

 

そういうと十代は自分のバイクを探した。しかし辺りに自分の乗ってきたバイクはない。

 

「あれ…なんでないんだ?」

 

よく思い出すとバイクの集団の中にサイドカーに乗っている人物がいた。最初は2人乗っていたが帰っていくときには運転席にしかいなかったような気がする。

 

「あいつらに盗まれたぁ!!」

『えぇ!それはまずいんだニャ…。』

「って言われても…。」

 

「もしかしてあなたのバイク盗られちゃったの?私のせいで…ごめんなさい。」

「いや杏子が悪いんじゃないさ。気にしないでくれよ…アハハ…。」

 

そういいつつ十代はしょんぼりしていた。それを見かねた御伽は十代に自分の車に乗ることを提案する。

 

「いいのか!なんか悪いな!」

「気にしないでよ。お礼みたいなもんだからさ。それでどこに行くんだい?」

「インダストリアル・イリュージョン社の本社だ!」

「インダストリアル・イリュージョン社ですって?」

「あぁ。WDMCの予選がそこでやるんだ。出てみようかなってさ。」

「へぇ、確かに君強かったもんな。よし待ってて、今から向かうから。」

 

御伽の車はインダストリアル・イリュージョン社に向けて走り始めた。

 

 

 

 

 

時は変わりアメリカの某所。7人の男女が闇の中で会話をしていた。

 

「間違いない、インダストリアル・イリュージョン社に千年アイテムの一つがある。」

「ほう、なら取りに行かねばならないな。」

「サウザントが勝手に千年錐をもちだしたせいでまた面倒な仕事が増えたってのによ…。」

「それならロッドとリングに眠るナンバーズの力で千年錐を回収するまでよ。」

「ハハハ!壊しちまってもいいんだろ?簡単だ!」

「だが千年錠は壊さず持っておきたいな。いろいろ使えそうだ。」

「じゃあ誰が行くんだ?」

「キッド。任せていいか?奴らをお前が動かし、千年アイテムを奪え。」

「…あぁ。」

 

一人の男が闇から姿を消した。

 

 

 

 

 

十代たちはインダストリアル・イリュージョン社の本社に着いた。

 

「わぁ、懐かしい。ドーマの一件以来ね。」

「あの時は大変だったけどね…。」

「いやぁ、わざわざありがとうな!」

「気にしなくていいわ!」

「あ、そうだ!よかったら俺の決闘、見てくれよ!」

「えぇ!僕たちは今から家に帰って…」

「俺、絶対この大会で勝って遊戯さんと戦うんだ!」

「!」

「遊戯と…。…わかった!見に行きましょ、御伽君!」

「えぇ!城之内くんたちに電話はしなくていいの?」

「いいわよ、別に!さぁ行くわよ!」

 

こうして三人は本社の中に入る。いつもであれば受付嬢たちが入ってくる人に一人一人対応するが、この日は受付の代わりに小さなステージが設置されていて受付嬢の姿は見られなかった。本社のホールはアナウンスが響き渡る。

 

「ようこそワールドデュエルモンスターズカーニバル予選会場へ!ここに集まった決闘者はある一定以上の優秀な対戦成績をもった者たちです!本日はその決闘者たちがこのビル内で決闘を繰り広げます。是非全力を尽くしてください!」

 

やがて時間が来ると電気がすべて消え、天井からプラネタリウムの映写機のようなものが出てくる。

 

『なんなのニャ!?』

「大徳寺先生静かにしてくれよ!」

 

映写機が起動するとホール全体が決闘場のように変化した。決闘者たちのどよめきが後を絶たない。

 

「ようこそ皆サーン!インダストリアル・イリュージョン社へ!」

 

ペガサスが姿を現す。

 

「あれ、城之内君がJDMCのためにペガサスは今日本にいるってこの前言ってなかったっけ?」

 

御伽が杏子に尋ねるとペガサスはそれに答えるかのように話しはじめた。

 

「この私の姿はソリットヴィジョンデース!しかしこれはただのソリットヴィジョンではありまセーン!ほら、ご覧下サーイ!」

 

ペガサスのソリット・ヴィジョンが決闘場の砂を掬った。

 

「一部の質量を実体化できるソリットヴィジョンデース!海馬コーポレーションと共同で開発しましター。しかし実用化にはまだほど遠いため、私はプロトリアルソリットヴィジョンと呼んでいマース!」

 

しっかり宣伝をしたのち、WDMC予選について話を始めた。

 

「WDMC予選はサバイバルデース。プロトリアルソリットヴィジョンで迷路を作り、そのフィールドを歩いてもらいマース。そこで出会った決闘者と強制決闘、勝った方が新しい道が開かれマース。私のソリットヴィジョンがいるゴールに三人通過した時点で終了。本選出場者が決定デース。」

「よっしゃ、いろんなやつと決闘できそうだぜ!」

 

参加者たちは指定された場所にそれぞれ移動するよう言われた。十代は645会議室に向かう。杏子と御伽も十代の付き添いとして彼についていった。到着しまもなくするとアナウンスが流れる。

 

「それではスタートデース!プロトリアルソリットヴィジョン、起動!」

 

辺りは石でできた迷路が構築されていく。数秒もすると辺りは完全な迷路となり空からソリットヴィジョンの太陽が三人を照らした。

 

「これ…出来が良すぎないかい?」

「ほんと…暑いわ!」

「よっしゃあ!行くぜ、杏子、御伽!」

 

十代は駆けはじめた。二人も彼を追った。

 

「さぁ、どんな奴がくるんだ?早く会いてえな!」

『おい、止まれ十代。』

「なんだよ、ユベル。」

『足音がするぞ、おそらく決闘者だ。』

「お!来たか!」

 

確かにだんだん足音が大きくなっていく。

 

『その曲がり角の先に相手がいるぞ。』

「よっしゃあ!」

 

曲がり角を勢いよく十代が曲がると向こうからも勢いよく人が飛び出てきたためぶつかってしまった。二人が転がっている間に杏子と御伽は十代に追い付いた。

 

「ハァ…ハァ…十代、早いわよ!」

「わ…わりわり。」

「え?十代?」

「え?って…あーー!!」

「アニキ…アニキじゃないか!」

 

ぶつかった相手はデュエルアカデミア時代の学友 丸藤翔であった。翔は兄である丸藤亮と新しいリーグを作るため最近ではプロデュエリストとしての仕事はしていなかった。メディアの露出があまりなかったことと、十代がなんの連絡手段も有していなかったためお互いに姿を見たのは卒業以来であった。翔はメガネがなくなっており、亮の学生時代の制服の色でヘルカイザー亮の服のデザインを彷彿とさせる服を着ていた。デュエルアカデミアの制服を未だに着ている十代と並ぶとまるで十代だけ時が止まっているようであった。

 

「久しぶりに会えて嬉しいよ!アニキ!」

「俺もだぜ、翔!でも今は敵同士、そうだろ?」

「うぅ…。」

「なんだ、プロデュエリストとしてカイザーと一緒に頑張ってるだろ?俺にその成果見せてくれよ。」

「う…うん!僕のデッキでアニキを倒してみせるよ!」

「そうこなくっちゃ!」

 

二人はデュエルディスクを構えた。

 

「「決闘!」」



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第十二話「真・サイバー流使い 丸藤翔」

「俺の先攻だ!俺は手札から魔法カード E-エマージェンシーコールを発動、クレイマンを手札に加えるぜ。」

 

 

 

E-エマージェンシーコール

通常魔法

(1):デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) クレイマン

通常モンスター

星4/地属性/戦士族/攻 800/守2000

粘土でできた頑丈な体を持つE・HERO。

体をはって、仲間のE・HEROを守り抜く。

 

 

 

「モンスターをセット、カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 翔LP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 十代LP4000 手札3

 □□■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!」

「さぁ、どう来る?翔。」

「僕は手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン

効果モンスター

星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「さらにサイバー・ドラゴン・コアを通常召喚!サイバー・ドラゴン・コアの効果によりサイバー・リペア・プラントを手札に加える!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・コア

効果モンスター

星2/光属性/機械族/攻 400/守1500

このカードが召喚に成功した時、

デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた

魔法・罠カード1枚を手札に加える。

また、相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「サイバー・ドラゴン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

「サイバー・ドラゴン・コア」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

 

サイバー・リペア・プラント

通常魔法

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が3体以上存在する場合、両方を選択できる。

「サイバー・リペア・プラント」は1ターンに1枚しか発動できない。

●デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。

●自分の墓地の機械族・光属性モンスター1体を選択してデッキに戻す。

 

 

 

「…。」

「バトルだ!サイバー・ドラゴンで裏守備モンスターに攻撃!エヴォリューション・バースト!」

 

E・HERO クレイマンを攻撃しようとサイバー・ドラゴンがエネルギーを貯める。すかさず十代は罠を発動した。

 

「罠 発動!クレイ・チャージ!クレイマンとサイバー・ドラゴンを破壊し800ポイントのダメージを与える!」

 

 

 

クレイ・チャージ

通常罠

自分フィールド上の「E・HERO クレイマン」が

攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。

(選択されたカードがセットされている場合、

そのカードをめくって確認する)。

攻撃モンスターと選択された「E・HERO クレイマン」を破壊し、

相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

 

 

翔LP4000→3200

 

二体のモンスターは破壊される。

 

「まだ僕の場にはコアがいる!サイバー・ドラゴン・コアでアニキにダイレクトアタック!エヴォリューション・ミクロ・バースト!」

 

十代LP4000→3600

 

「残念だったな!翔!」

「いいや、僕の狙い通りさ!これで魔法カード サイバー・リペア・プラントを発動できるのさ!サイバー・リペア・プラント発動!手札にサイバー・ドラゴンを加えるよ。カードを一枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 翔LP3200 手札5

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 十代LP3600 手札3

 □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!行くぜ翔!俺は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のE・HERO ネオスとシャドー・ミストを融合し現れろ!E・HERO エスクリダオ!」

 

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

E・HERO エスクリダオ

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO」と名のついたモンスター+闇属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する

「E・HERO」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

 

 

 

「エスクリダオ…!」

「墓地へ行ったシャドー・ミストの効果により手札にバブルマンを加える。」

 

 

 

E・HERO バブルマン

効果モンスター(準制限カード)

星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200

(1):手札がこのカード1枚のみの場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする。

この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「さらにエスクリダオの効果により攻撃力が300ポイントアップ!ダーク コンセントレイション!」

「く…!」

「エスクリダオでサイバー・ドラゴン・コアを攻撃!!Dark(ダーク) diffusion(ディフュージョン)

 

翔LP3200→800

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 翔LP800 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 十代LP3600 手札1

 □□■□□

 

 

二人の決闘を見ていた御伽と杏子は小声で話していた。

 

「ねぇ、あの翔って人…。」

「うん、たぶんあのデッキに慣れていないんじゃないかな。あまりいい動きをしているとは思えないよ。」

「僕のターン、ドロー!僕はサイバー・ドラゴンを特殊召喚!さらにサイバー・ドラゴン・ドライを召喚!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・ドライ

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守 800

このカードが召喚に成功した時、

自分フィールド上の全ての「サイバー・ドラゴン」のレベルを5にできる。

この効果を発動するターン、自分は機械族以外のモンスターを特殊召喚できない。

また、このカードが除外された場合、

自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して発動できる。

選択したモンスターはこのターン、戦闘及びカードの効果では破壊されない。

このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

 

 

「翔、サイバー・ドラゴンじゃエスクリダオは倒せないぜ?」

「わかってるってば!今から僕のエースモンスターを出してやる!見ててよ、アニキ!サイバー・ドラゴン・ドライの効果によりフィールド上のサイバー・ドラゴンはみんなレベル5になる!」

『レベル5が二体…来るぞ、十代。』

 

ユベルが十代に警告する。

 

「僕はレベル5のサイバー・ドラゴンとサイバー・ドラゴン・ドライでオーバーレイ!白銀の竜よ!その身に新たな光を宿し今ここに現れよ!エクシーズ召喚!ランク5 サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

また、1ターンに1度、自分の手札・フィールド上の

「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、2100ポイントアップする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、

機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる。

 

 

 

「サイバー・ドラゴンのエクシーズモンスター!?」

 

翔は腕組をしながら自慢げな顔をする。

 

「へへへ、見たか、アニキ!表でも裏でもない新たなサイバー流!僕が見つけた真のサイバー流さ!」

「でもエスクリダオの攻撃力は2800。ノヴァじゃ届かないぜ?」

「へへ~ん、『それはどうかな?』あ、言っちゃった!言いたかったんだ、このセリフ~!」

「あ…あのなぁ…」

「サイバー・ドラゴン・ノヴァの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使って墓地からサイバー・ドラゴンを特殊召喚する!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァが放ったエネルギーの中からサイバー・ドラゴンが現れる。

 

「さらにノヴァの効果発動!サイバー・ドラゴンを除外してこのモンスターの攻撃力を4200にする!」

「なんだって!」

「バトルだ!サイバー・ドラゴン・ノヴァでエスクリダオを攻撃!エヴォリューション・バースト・ノヴァ!」

「速攻魔法発動!融合解除!」

 

 

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。

さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した

融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

その一組を特殊召喚できる。

 

 

 

「墓地からネオスとシャドー・ミストを守備表示で特殊召喚!」

「そのままシャドー・ミストを倒すんだ!ノヴァ!」

 

シャドー・ミストは粉砕される。

 

「シャドー・ミストの効果によりE・HERO オーバーを手札に加える。」

「僕はターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 翔LP800 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 十代LP3600 手札3

 □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!よっしゃ、俺は融合を発動!ネオスとバブルマンで融合し、現れろ!E・HERO アブソルートZero(ゼロ)!」

 

 

 

E・HERO アブソルートZero

融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する

「E・HERO アブソルートZero」以外の

水属性モンスターの数×500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から離れた時、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

 

「アニキも新しいE・HEROをいっぱい…。」

「俺だってそりゃあ成長してるぜ!でも変わらないところだってあるんだ。」

「変わらないところ…?」

「お前も変わったけどさ、どっかでは変わらない方がいいところ、あるんじゃないのか?」

「僕はダメダメだったけど変わることが出来たんだ…。昔の僕に変わらない方がよかったところなんてないよ!」

 

翔は突然大きな声を出した。十代は少し寂しそうな目で彼を見た。しばらくして十代は攻撃を宣言する。

 

「俺はアブソリュートZeroでサイバー・ドラゴン・ノヴァを攻撃!瞬間氷結(Freezing at moment)!」

「僕は…変わったんだ!速攻魔法発動!RUM(ランクアップマジック)-サイバネティック・フォース! 自分フィールド上の『サイバー』と名の付くエクシーズモンスターを素材にランクが一つ上のエクシーズモンスターをエクシーズ召喚する!新星の龍を糧とし新たな無限の龍を産み出さん!エクシーズ召喚!ランク6 サイバー・ドラゴン・インフィニティ!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族・光属性レベル6モンスター×3

「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、

自分フィールドの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。

(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。

(2):1ターンに1度、フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。

(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

禍々しいオーラを放つサイバー・ドラゴン・インフィニティが翔の場に姿を現した。十代は思わず後ずさりをしてしまう。

 

「すっげえな。でもアブソリュートZeroの方が攻撃力は上だぜ!どんな強い効果を持っていても戦闘破壊しちゃえばいいんだ!瞬間氷結!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティはアブソリュートZeroの放った冷気で凍り付き、破壊された。

 

翔LP800→600

 

「この時、墓地のRUM-サイバネティック・フォースを除外することで効果発動!このカードの効果によってエクシーズ召喚されたモンスターが破壊された時、墓地からそのモンスターを特殊召喚し、ランクが一つ上の『サイバー』と名の付くモンスターをその特殊召喚したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!」

「つまりインフィニティより強いモンスターが出てくるってことかぁ!?」

「その通り!無限を超えたサイバー流最後の龍。これが僕の真のエース。エクシーズ召喚 ランク7 サイバー・ドラゴン・アルティメイタム!」

 

ただでさえ禍々しいオーラを放っていたサイバー・ドラゴン・インフィニティであったがサイバー・ドラゴン・アルティメイタムは黒いオーラと赤いオーラの二色を放ち、龍の眼でとらえたものを永遠に続く悪夢に引きずりおろすかのようだった。

 

「サイバー・ドラゴン・アルティメイタム…!」

「さぁアニキ、決闘を続けようよ。」

「お…おう。俺はターンエンド!」

 

 

 □□□□□

□      □ 翔LP600 手札4

 ○○●○○

 

 ○○●○○

□      □ 十代LP3600 手札1

 □□□□□

 

 

「ちょっと訂正しなくちゃいけないかもな…慣れてないどころじゃないかも…。」

「御伽君…。」

「僕のターン、ドロー!アニキ。アルティメイタムの攻撃力は2100だけど効果によってオーバーレイユニットの数×500ポイント攻撃力が上がってる。アブソリュートZeroは今なら倒せる!でもそんなことはしないよ」

「ん?」

「僕はサイバー・ドラゴン・アルティメイタムの効果発動!このモンスターが『サイバー』と名の付くエクシーズモンスターをオーバーレイユニットにしている時、1ターンに1度、相手の表側モンスターを一枚オーバーレイユニットに出来る!サイバネティック・アブゾーブ!」

 

アブソリュートZeroがオーバーレイユニットとしてサイバー・ドラゴン・アルティメイタムに吸収された。

 

「バトルだ!サイバー・ドラゴン・アルティメイタムで十代のアニキにダイレクトアタック!エヴォリューション・アルティメイタム・バースト!」

「うわああああ!」

 

十代LP3600→500

 

「カードを二枚セットし僕はターンエンド!」

 

 

 □□■□□

□      □ 翔LP600 手札4

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 十代LP500 手札1

 □□□□□

 




サイバー・ドラゴン・アルティメイタム
ランク7/光属性/機械族/攻2100/守1600
機械族・光属性レベル7モンスター×4
(2)と(3)の効果はこのモンスターが「サイバー」と名の付くエクシーズモンスターをX素材としている場合に発動できる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×500アップする。
(2):1ターンに1度、フィールドの表側表示のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、その発動を無効にし破壊できる。


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第十三話「雷と炎」

十代のフィールドには一枚もカードはなく、手札は一枚。しかし彼は笑顔のままだった。

 

「俺のターン、ドロー!俺はカードをセットし、手札よりE・HERO オーバーを召喚!E・HERO(エレメンタルヒーロー) オーバーの効果発動!このモンスターの召喚に成功した時に手札がない場合、カードを2枚ドローする。モンスターがあった場合、それらのカードとこのモンスターを除外する!さぁどうする??」

 

翔は考えていた。「あの伏せカード、何か逆転の一手だった場合、アルティメイタムの効果で無効にはしておきたい…。ここはドローさせてモンスターが来ればラッキーってことで!」

 

「いいよ、アニキ、その効果を使ってよ!」

「よっしゃ、行くぜぇ…ドロー!」

『ふん、相変わらずいい引きだ。』

「俺は手札から速攻魔法 超融合を発動!」

 

 

 

超融合

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「んな!超融合!?ここで!?」

「手札の罠カード ネオス・ヴィジョンを捨ててE・HERO オーバーとサイバー・ドラゴン・アルティメイタムを超融合!出てこい、E・HERO Theザ シャイニング!」

 

 

 

E・HERO The シャイニング

融合・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100

「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている

自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついた

モンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。

 

 

 

翔の場からサイバー・ドラゴン・アルティメイタムが、十代の場からE・HERO オーバーが消えるとE・HERO Theザ シャイニングが神々しく姿を現した。

 

「そ…そんな!アルティメイタムが…!」

「行くぜ、E・HERO Theザ シャイニングで翔にダイレクトアタック!オプティカル・ストーム!」

「く…カウンター罠 発動!攻撃の無力化!」

 

 

 

攻撃の無力化

カウンター罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃を無効にする。その後、バトルフェイズを終了する。

 

 

 

「俺はターンエンド。さぁ来いよ翔!」

 

 

 □□□□□

□      □ 翔LP600 手札4

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 十代LP500 手札0

 □□■□□

 

 

「無理だよ…僕のエースはもうやられちゃったんだ。」

「翔、お前の仲間はサイバー・ドラゴンたちしかいないのか?」

「え?」

「確かにサイバー・ドラゴンたちはお前の心強い仲間だと思うぜ?俺もすっごくワクワクしたしな!でもお前にはもっと昔からすげえ良い仲間がいたじゃんか!」

「…。」

「いるんだろ?その仲間たちが。なら答えてやれよ、お前が。」

 

翔は手札を見た。十代が言うように彼の手札には昔からの仲間がいた。真・サイバー流のデッキにおいては邪魔でしかないカード。しかし結局翔はデッキから彼らを抜くことは出来なかったのだ。

 

「…僕のターン…ドロー!!」

「来たか?翔。」

「…うん!アニキ!行くぞ!僕は手札から魔法カード パワー・ボンドを発動!」

 

 

 

パワー・ボンド

通常魔法

自分の手札・フィールド上から、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

機械族のその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。

このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、

自分はこのカードの効果でアップした数値分のダメージを受ける。

 

 

 

「手札のトラックロイド、エクスプレスロイド、ドリルロイド、ステルスロイドを融合!」

 

 

 

トラックロイド

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1000/守2000

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

このカードの攻撃力は、装備したモンスターカードの攻撃力分だけアップする。

 

 

エクスプレスロイド

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻 400/守1600

このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

自分の墓地に存在する「エクスプレスロイド」以外の

「ロイド」と名のついたモンスター2体を手札に加える事ができる。

 

ドリルロイド

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1600/守1600

このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。

 

 

ステルスロイド

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻1200/守 0

自分フィールド上にこのカード以外の

「ロイド」と名のついたモンスターが存在する場合、

このカードが戦闘を行った自分ターンのバトルフェイズ終了時に、

フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。

 

 

 

「来てくれスーパービークロイド-ステルス・ユニオン!」

 

 

 

スーパービークロイド-ステルス・ユニオン

融合・効果モンスター

星9/地属性/機械族/攻3600/守3000 

「トラックロイド」+「エクスプレスロイド」+「ドリルロイド」+「ステルスロイド」

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

フィールド上に存在する機械族以外のモンスター1体を選択し、

装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。

この効果によってモンスターを装備している場合、

相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。

このカードが攻撃をする場合、このカードの元々の攻撃力は半分になる。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「おぉ!きたぁ!」

 

御伽や杏子も驚きを隠せない。

 

「あそこからパワー・ボンドを引くなんて!」

「冴えない子だとか思っちゃったけどすごいわね!」

 

「スーパービークロイド-ステルス・ユニオンの効果発動!E・HERO Theザ シャイニングを装備!行くよ!アニキ!」

「こい、翔!」

「スーパービークロイド-ステルス・ユニオンでアニキにダイレクトアタック!」

「墓地のネオス・ヴィジョンの効果発動!このカードを除外して手札・墓地のいずれかからE・HERO ネオスを特殊召喚する!こい、ネオス!」

 

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

 

ネオスが十代を守るように現れる。

 

「でもネオスじゃ攻撃力5400になっているスーパービークロイド-ステルス・ユニオンには到底勝てない!行け、ネオスに攻撃だ!」

「罠 発動!ヒーローバリア!戦闘を無効にする!」

 

 

 

ヒーローバリア

通常罠

自分フィールド上に「E・HERO」と名のついたモンスターが

表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 

 

 

「そ…そんなぁ…!」

 

そして翔のエンドフェイズになった。

 

翔LP600→0

 

ソリットヴィジョンが消えていく。翔は膝をついてしまった。十代は翔のそばに駆け寄り励ましの言葉をかけた。

 

「惜しかったな、翔。」

「アニキ…。」

「でもお前の最後のモンスター、すごくかっこよかったぜ!あ、もちろんサイバー・ドラゴンたちもな!アハハ!」

「…エヘ、でしょ?僕の自慢のカードたちなんだ!」

 

十代の笑顔を見て翔も笑顔になった。

 

「ガッチャ!楽しい決闘だったぜ、翔!」

 

 

 

 

 

その頃、別のフロアではフードをかぶった男がデュエルディスクを壁に向けて構えてモンスターを召喚していた。

 

「やれ!生命力の魔術師!壁を破壊しろ!」

 

だが壁はびくともしない。攻撃は当然ソリットヴィジョンであるため当たり前である。

 

「ちぃ、まだセキュリティーのハッキングは終わってないのか。ムラサメのやつ…。」

 

フードの男は再び攻撃を続ける。

 

「おい、何をしている?」

「!」

「確かに壁や床はプロトリアルソリットヴィジョンだがモンスターや衝撃はただのソリットヴィジョンだぞ。話を聞いてなかったのか?」

「…黙れ。」

 

そういうとフードの男は話しかけてきた男とは逆の方向へ向かおうとする。

 

「おっと待て、迷路であったら決闘だ。逃げてもらっては困るな。」

「チッ…。」

「それにお前のフードについているそのマーク、確かセブンスターズと戦った時、奴らが持っていたアイテムにそのマークがあった。」

「…!千年アイテムを知っているのか?貴様…何者だ?」

「俺の名は…一!十!百!千!万丈目サンダー!」

「…。」

「…。」

『アニキィ~!かっこいいんわぁ~!』

『いいぞ~アニキぃ~!』

『かっこいいぞ~サンダー!』

「ふん、だろう!」

 

フードの男はフードを取ると溜息をついた。

 

「フゥ…ただのバカか。まぁいい、このエクス様が相手してやる。俺が勝てば貴様には千年アイテムについて話してもらうぞ。」

 

「「決闘!」」

 

「先攻は俺が貰う。俺はモンスターを裏側守備表示でセット。カードを一枚セットしターンエンドだ。」

 

 

 □□□□□

□      □ エクスLP4000 手札5

 ○○○○○

 

 ○○●○○

□      □ 万丈目LP4000 手札3

 □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー。俺はライフを1000払うことで生命力の魔術師を特殊召喚!」

 

エクスLP4000→3000

 

「なんだ…聞いたこともないカードだぞ。」

「バトル!生命力の魔術師で裏守備モンスターを攻撃!」

「攻撃してくれてありがとよ。出てこいクズ!」

 

反転して現れたのはおジャマ・ブルーだった。

 

 

 

おジャマ・ブルー

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ」と名のついた

カード2枚を手札に加える事ができる。

 

 

 

『おジャマ・ブルーとうじょぉ~う!』

『あ~ん、従兄弟のブルーにいさぁ~ん!』

 

おジャマ・イエローの方向を振り返って答えようとしたとき、生命力の魔術師の攻撃によりおジャマ・ブルーは姿を消した。

 

「おジャマ・ブルーの効果により手札におジャマ・カントリー、おジャマジックを手札に加える。」

 

 

 

おジャマ・カントリー

フィールド魔法

1ターンに1度、手札から「おジャマ」と名のついたカード1枚を墓地へ送る事で、

自分の墓地に存在する「おジャマ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

自分フィールド上に「おジャマ」と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの元々の攻撃力・守備力を入れ替える。

 

 

おジャマジック

通常魔法

このカードが手札またはフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」を1体ずつ手札に加える。

 

 

 

「気色わりいモンスターどもだな。」

「な…く…否定できん…!」

『いやぁ~ん、そんなこと言わないで、万丈目のアニキィ~!』

「俺は生命力の魔術師の効果発動!ライフを1100回復することでこのモンスターを手札に戻す。モンスターを一枚セットしカードを一枚セット。エンドだ。」

 

エクスLP3000→4100

 

 

 □□■□□

□      □ エクスLP4100 手札4

 ○○●○○

 

 ○○○○○

□      □ 万丈目LP4000 手札5

 □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はフィールド魔法 おジャマ・カントリーを発動!」

 

辺りはおジャマの国へと変化する。フィールド魔法に関してはプロトリアルソリットヴィジョンが適用されるため、リアルな気色悪さを体験してしまう。

 

「うう…俺はおジャマ・カントリーの効果発動!手札のおジャマジックを墓地に送り墓地のおジャマ・ブルーを守備表示で特殊召喚!」

『ジャジャ~ン!ふっかぁつ!』

「そしておジャマジックの効果によりクズどもを手札に加える。

『『『アニキィ~!』』』

「さらに手札からアームド・ドラゴン LV3を召喚!」

 

 

 

アームド・ドラゴン LV3

効果モンスター

星3/風属性/ドラゴン族/攻1200/守900

自分のスタンバイフェイズ時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、

手札またはデッキから「アームド・ドラゴン LV5」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「バトルだ。アームド・ドラゴン LV3で裏守備モンスターを攻撃!アームド・スマッシュ」

 

裏守備モンスターは姿を現すがすぐにアームド・スマッシュによって撃破された。

 

「見たか、この万丈目サンダーの攻撃を!」

「ふん、破壊された生命力の獣のリバース効果 発動!ライフを1000払うことで同名モンスターを表側守備表示で特殊召喚!出てこい。生命力の獣!」

 

エクスLP4100→3100

 

「なに…!」

「もう終わりか?早くエンドを宣言しろ。」

「ターンエンド…!」

 

 

 □□■□□

□      □ エクスLP3100 手札4

 ○○●○○

 

 ○●●○○

□      □ 万丈目LP4000 手札6

 □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は生命力の獣の効果によりライフを1100回復し手札に戻す。」

 

エクスLP3100→4200

 

「ライフがどんどん回復していきやがる…。」

「ライフを1000払うことでチューナーモンスター 生命力の調律師を特殊召喚!」

 

エクスLP4200→3200

 

「さらにライフを1000払うことで生命力の魔術師を特殊召喚!」

 

エクスLP3200→2200

 

「チューナーモンスターだと…!?」

「俺はレベル4の生命力の魔術師にレベル3の生命力の調律師をチューニング!平和などはまやかし。戦の中でこそモンスターは唸り生きる。今こそ轟け、シンクロ召喚!レベル7 Pk(ピースキラー)-獄炎のN!」

 

エクスのフィールドから炎が噴き出し、おジャマ・カントリーを火で埋め尽くした。やがて火の中から人型のモンスターが現れる。万丈目はそれを悪魔だと直感した。

 

「Pk…だと?」

「我々ピースキラーズが所持するエースモンスターだ。Pkはあらゆる秩序を崩壊させる…。Pk-獄炎のNの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、相手のフィールド上のカードすべてを手札に戻し、その後、その枚数分相手はカードをセットし直す。さぁするがいい!」

「く…。」

 

おジャマ・カントリーとアームド・ドラゴン LV3、おジャマ・ブルー、伏せカードを手札に戻し、万丈目は再びおジャマ・ブルー、おジャマ・カントリー、アームド・ドラゴン LV3、カード1枚を伏せた。

 

「そして相手フィールド上のカードの数×500ポイントのダメージを貴様に与える!」

「ぐあああ!」

 

万丈目LP4000→2000

 

「ふん、ライフを1000払い、生命力の騎士を特殊召喚!」

 

エクスLP2200→1200

 

「まだだ。1000払い、生命力の魔術師を特殊召喚!」

 

エクスLP1200→200

 

「な…なんだと!」

「バトル!生命力の騎士で裏守備モンスターを攻撃!ランスオブライフ!」

 

生命力の騎士の槍が貫いたのはアームド・ドラゴン LV3であった。

 

万丈目LP2000→1500

 

「なに!?」

「生命力の騎士には貫通効果がある。続いて生命力の魔術師で裏守備モンスターを攻撃!ワンドオブライフ!」

「ぬおおお!」

「生命力の魔術師がバトルした時、相手は効果を発動できん。まぁ意味はないか…。」

「く…!」

「消えろ、Pk-獄炎のNで万丈目にダイレクトアタック!コスモ・デストラクション・エヌ!」

「罠はつ…!!そうだ、俺はこのターンに罠を伏せてしまったのだ、発動ができん!」

「ふん。」

「うわあああ!!」

 

万丈目LP1500→0

 

万丈目は吹っ飛び、迷路の壁に当たると気絶してしまった。

 

「ふん、こんな雑魚が千年アイテムのありかなどするはずがない。先を急ぐか。」

 

エクスは新しく現れた道を通っていった。




Pk-獄炎のN
シンクロ・効果モンスター
星7/炎属性/悪魔族/攻2000/守 500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、 相手フィールド上のカードすべてを手札に戻す。その後、その枚数分相手はカードをセットする。
(2):1ターンに一度、相手フィールド上のカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える。
(3):1ターンに一度、手札の「Pk」と名の付いたモンスターを墓地に送り発動できる。デッキから「Pk」と名の付いた通常魔法カードまたは通常罠カードを一枚手札に加える。


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第十四話「レベッカのエースモンスター」

十代たちは翔と別れ、出現した新たな道を通って再び迷路の中をさまよっていた。

 

「いやぁ、やっぱ決闘って楽しいぜ!早く他の決闘者出てこねえかな!」

「十代くんって本当に楽しそうに決闘するね。」

「ほんと。君みたいにもう一人の遊戯も戦えていたら…。」

「杏子、遊戯さんを知っているのか?」

「えぇ。彼はいつも闇の決闘者たちと戦っていたの。」

「遊戯さんもやっぱ闇のゲームと戦っていたのか。」

「”も”ってあなたも?」

「ねぇ!二人ともあれ見て!」

 

杏子と十代の会話を御伽が遮った。御伽の差した指の先には人が倒れていた。三人は駆け寄って声をかけた。

 

「ねぇ!君、大丈夫かい?」

「う…。」

「え!あなた!」

「ん?知り合いか?」

「私たちの仲間のレベッカ。全米チャンピオンなの。」

「すっげえ!でもなんで倒れてんだ?」

 

御伽がレベッカの肩を揺らし彼女を起こす。

 

「ベッキー!ベッキー!」

「う…ここは…ってか御伽!なんであんたがいるのよ!杏子も!」

「それはこっちのセリフよ。あなたここで何してるの?」

「当然ダーリンと戦うためにWDMCに参加したのよ。でもムラサメとかいう決闘者と戦って負けちゃったの…。」

「ベッキーが!?」

「私が見たこともないようなカードを使っていたわ。特にあのPkとかいう融合モンスター!」

「Pk…戦ってみてえな!」

「あんた誰よ?」

「俺か?俺は遊城十代!よろしくな。」

 

十代は笑顔で自己紹介をし、握手を求める。しかしプイっとレベッカはそっぽを向き握手を断った。

 

「デュエルディスクをつけているってことは決闘者でしょ?なら敵よ!ここで決闘よ!」

「でもお前、倒れてたじゃん。休んでおけよ。」

 

それを聞いたレベッカは怒り始める。

 

「あのね、出会ったら決闘!それがルールなの!さぁ始めるわよ。」

「しょうがないな…。」

 

「「決闘!」」

 

「私の先攻よ、ドロー!アレキサンドライドラゴンを通常召喚!」

 

 

 

アレキサンドライドラゴン

通常モンスター

星4/光属性/ドラゴン族/攻2000/守 100

アレキサンドライトのウロコを持った、非常に珍しいドラゴン。

その美しいウロコは古の王の名を冠し、神秘の象徴とされる。

――それを手にした者は大いなる幸運を既につかんでいる事に気づいていない。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンドよ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP4000 手札3

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のフェザーマンとバーストレディを融合!」

 

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) フェザーマン

通常モンスター

星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000

風を操り空を舞う翼をもったE・HERO。

天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。

 

 

E・HERO バーストレディ

通常モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800

炎を操るE・HEROの紅一点。

紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。

 

 

 

「現れろ!E・HERO フレイム・ウィングマン!」

 

 

 

E・HERO フレイム・ウィングマン

融合・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

十代のフェイバリット・カード フレイム・ウィングマンが姿を現す。

 

「フレイム・ウィングマンでアレキサンドライドラゴンを攻撃!フレイム・シュート!」

「罠 発動!ブレイクスルースキル!」

 

 

 

ブレイクスルー・スキル

通常罠

(1):相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

(2):自分ターンに墓地のこのカードを除外し、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「フレイム・ウィングマンの効果を無効!」

「構うな、フレイム・ウィングマン!」

 

レベッカLP4000→3900

 

「フレイム・ウィングマンの効果は発動しないわ。」

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP3900 手札3

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-を召喚!」

 

 

 

ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守1100

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

お互いのプレイヤーはフィールドのドラゴン族モンスターを効果の対象にできない。

 

 

 

「そして魔法カード ドラゴンを呼ぶ笛を発動!」

 

 

 

ドラゴンを呼ぶ笛

通常魔法

(1):手札からドラゴン族モンスターを2体まで特殊召喚する。

この効果はフィールドに「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」が存在する場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「手札のサファイアドラゴンとルビードラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

サファイアドラゴン

通常モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600

全身がサファイアに覆われた、非常に美しい姿をしたドラゴン。

争いは好まないが、とても高い攻撃力を備えている。

 

 

 

『レベル4のモンスターが3体…来るぞ十代!』

「ユベル、お前それ言うの好きだな…。」

「私はレベル4のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-、サファイアドラゴン、ルビードラゴンでオーバーレイ!輝く無数の光よ 私に力を!エクシーズ召喚!ランク4 S・I・D(シャイニング・インフィニティ・ドラゴン)!」

 

三色の輝きを放つ龍がレベッカのフィールドに現れた。

 

「S・I・Dでフレイム・ウィングマンを攻撃!シャイニングインダーク!」

 

十代LP4000→3400

 

「私はターンエンドよ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3600 手札2

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は融合回収(フュージョン・リカバリー)を発動!」

 

 

 

融合回収

通常魔法

自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚と、

融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「墓地のフェザーマンと融合を手札に加える。」

「また融合…。」

「俺は融合を発動!手札のフェザーマンとアナザー・ネオスを融合するぜ!」

 

 

 

E・HERO アナザー・ネオス

デュアル・効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻1900/守1300

(1):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、

通常モンスターとして扱う。

(2):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを

通常召喚としてもう1度召喚できる。

その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。

●このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。

 

 

 

「現れろ E・HERO Great TORNADO!」

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「次々と出てくるのね。」

「おう、HEROは途切れることを知らないぜ、Great TORNADOの効果発動!タウン・バースト!」

 

S・I・Dの攻撃力と守備力が半減し攻撃力は1350となる。

 

「バトルだ!Great TORNADOでS・I・Dを攻撃!スーパーセル!」

「S・I・Dの効果発動!オーバーレイユニットを2つ取り除くことでモンスター1体の攻撃を無効にしてカードを一枚ドローする。シド・ディフェンサー!ふふ、残念だったわね。」

「俺はターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3600 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札1

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はS・I・Dの第二の効果発動!手札のモンスターを1ターンに一度オーバーレイユニットに出来る。そしてそのレベル×300ポイントのダメージを受けるわ。手札のエメラルド・ドラゴンをオーバーレイユニットにする!シド・チャージ!」

 

レベッカLP3900→2100

 

「バトルよ!S・I・DでGreat TORNADOを攻撃!シャイニングインダーク!」

「Great TORNADOの方が攻撃力は上だぜ!」

「承知!シド・ディフェンサー!カードドロー!」

 

自身の効果によりS・I・Dはバトルを終了する。そしてレベッカはカードをドローした。

 

「でもこれでオーバーレイユニットはなくなった。倒すことが出来るぜ!」

「それはどうかしら。S・I・Dの第三の効果発動!シド・ヒドュン!」

 

S・I・Dは輝きを放ち、光が収まると姿を消していた。

 

「S・I・Dはどこに行ったんだ!?」

「うふふ。いずれ分かるわ。モンスターをセットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3600 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP2100 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!Great TORNADOで裏守備モンスターを攻撃!スーパーセル!」

 

裏守備モンスターはスケルエンジェルであった。

 

 

 

スケルエンジェル

リバース・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 900/守 400

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「スケルエンジェルの効果で一枚ドロー!」

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3600 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP2100 手札3

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!このターンのスタンバイフェイズ時、S・I・Dが復活する!シド・アライブ!」

「なんだって!しかも戻ってきたS・I・Dにはタウン・バーストの効果は受けていない…!」

「S・I・Dの第二の効果!手札のエレクトリック・スネークをオーバーレイユニットにし900のダメージを受けるわ!シド・チャージ!」

 

レベッカLP2100→1200

 

「S・I・DでGreat TORNADOに攻撃!シャイニングインダーク!そして手札から速攻魔法発動!収縮!」

 

 

 

収縮

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。

 

 

 

「く…!」

 

十代LP3600→2300

 

「このままターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP2300 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP1200 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!…俺はモンスターを一枚セット。カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP1200 手札2

  □□■□□

 

 

「あー…十代は防戦に切り替えたみたいだね…。」

「さすがに今回はレベッカの勝ちかしら?」

 

二人の会話はレベッカに聞こえていたが、彼女はそのようなことは考えていなかった。むしろ危機感を感じている。なぜなのか全く自分自身でもわからなかった。

 

「私はS・I・Dの第二の効果を発動!バトルフェーダーをオーバーレイユニットにする!シド・チャージ!」

 

 

 

バトルフェーダー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

レベッカLP1200→900

 

「バトルよ、伏せモンスターを攻撃!シャイニングインダーク!」

 

十代の場にフレンドッグが現れ、シャイニングインダークに破壊された。

 

「フレンドッグの効果!墓地のアナザー・ネオスと融合を加えるぜ!」

 

 

 

フレンドッグ

効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 800/守1200

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地から「E・HERO」と名のついたカード1枚と

「融合」魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

 

「また融合…!ターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP2300 手札2

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP900 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

『やっと引いたな、十代。』

『融合こそ君の力ニャ、やるんだニャ!』

「おう、ユベル、大徳寺先生!俺は速攻魔法発動!クリボーを呼ぶ笛!」

 

 

 

クリボーを呼ぶ笛

速攻魔法

自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、

手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「デッキからハネクリボーを特殊召喚!」

 

 

 

ハネクリボー

効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻 300/守 200

(1):フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

ターン終了時まで、自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる。

 

 

 

『クリクリッ!』

「来てくれたな、相棒!さらに手札からアナザー・ネオスを召喚!そしてフィールドから速攻魔法 フォース・リリースを発動し、アナザー・ネオスをネオスに進化させる!」

 

 

 

フォース・リリース

速攻魔法

このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する

全てのデュアルモンスターは再度召喚した状態になる。

この効果を適用したモンスターはエンドフェイズ時に裏側守備表示になる。

 

 

 

「アナザー・ネオスがネオスに…!」

「そして融合を発動!俺はフィールド上のハネクリボーとネオス、手札のユベルで融合!」

 

 

 

ユベル

効果モンスター

星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカードは戦闘では破壊されず、

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

フィールド上に表側攻撃表示で存在する

このカードが相手モンスターに攻撃された場合、

そのダメージ計算前に攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

また、自分のエンドフェイズ時、

このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体をリリースするか、このカードを破壊する。

この効果以外でこのカードが破壊された時、自分の手札・デッキ・墓地から

「ユベル-Das Abscheulich Ritter」1体を特殊召喚できる。

 

 

 

「現れろ 俺の最強カード!ウィング・ネオス・ワイズマン!」

 

ハネクリボーのような美しき翼を生やしたネオス・ワイズマンが十代の場に現れる。

 

「バトルだ!ウィング・ネオス・ワイズマンでS・I・Dを攻撃!」

「罠 発動!ドレインシールド!あんだけライフを消耗してるんだから回復する手段があると警戒しないなんて…やはり私の思い違いだったのかしら?」

 

レベッカLP900→3900

 

「ウィング・ネオス・ワイズマンの効果発動!相手が発動したライフ変動、または攻撃力、守備力変動系の効果を発動させた場合、その変動した数値分攻撃力がアップする!ナンバー・ダイレクション!」

 

ウィング・ネオス・ワイズマンの攻撃力が3000ポイント上がり攻撃力6000となった。

 

「俺はターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札2

  □□□□□

 

 

「私のターン…ドロー!私はS・I・Dでウィング・ネオス・ワイズマンを攻撃!シャイニングインダーク!そしてシド・ディフェンサー発動!カードドロー!」

「またドローを…!」

「やったぁ!来たわ…さぁ私の真のエースモンスターを見せてあげる!シド・ヒドュン発動!」

「なんだって!?」

「そして手札から三枚の永続魔法 発動!S-スピード・サモン、I-イグニッション・サモン、D-ダイレクト・サモンを発動!そしてその三枚と除外されているS・I・Dでオーバーレイ!」

「なんじゃそりゃあ!」

「輝けし無限龍よ、今新たに転生し聖なる宣告者として敵を裁け! エクシーズ召喚 ランク10 SID/S・I・D(シド・セイント・イマジン・デクレアラー)降誕!」

 




S・I・D
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/ドラゴン族/攻2700/守1700
レベル4モンスター×3
(1):1ターンに一度、モンスターの攻撃宣言時にエクシーズ素材を2つ取り除くことで発動できる。モンスター1体の攻撃を無効にしてカードを一枚ドローする。
(2):1ターンに一度自分のメインフェイズに手札のモンスターを指定しそのモンスターをエクシーズ素材に出来る。そしてそのモンスターのレベル×300ポイント、自分はダメージを受ける。
(3):このモンスターのエクシーズ素材のない場合バトルフェイズ終了時に発動できる。このモンスターを除外し、次の自分のターンのスタンバイフェイズ時に特殊召喚する。


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第十五話「ピースキラーズ始動」

SID/S・I・D(シド・セイント・イマジン・デクレアラー)がレベッカのフィールドに現れる。先ほどのドラゴンの姿とは違って次は神をモチーフにしたような姿であった。

 

 

「私はターンエンドよ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札0

  □□□□□

 

 

「すげえモンスターが出てきたな。でも攻撃力は3000、攻撃力6000のウィング・ネオス・ワイズマンの敵じゃないぜ!俺のターン、ドロー!」

「さぁ来なさいよ!」

「お望み通り!バトルだ、ウィング・ネオス・ワイズマンでSID/S・I・Dを攻撃!アルティメット・ツヴァイ・ノヴァ!」

「SID/S・I・Dの効果発動!シド・センテンス!」

 

ウィング・ネオス・ワイズマンは戦闘をやめ、攻撃力が元の3000に戻った。

 

「何が起きたんだ?」

「シド・センテンスは神の御声。SID/S・I・Dはオーバーレイユニットを二つ使うことで一つのフェイズを終了させる。そして相手フィールド上のモンスターすべての攻撃力を元の数値に戻すのよ。」

「じゃあ俺のバトルフェイズを終了させてウィング・ネオス・ワイズマンの攻撃力を元に戻したってことか!」

「そうよ、しかもこの効果を使ったエンドフェイズ時に私はカードを一枚ドローする。」

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

「エンドフェイズ時、私はカードを一枚ドロー!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札1

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!SID/S・I・Dは戦闘では破壊されないわ。一方的に倒してあげる。バトル!SID/S・I・Dでウィング・ネオス・ワイズマンを攻撃!サクリファイスイントゥデス!」

「速攻魔法発動!決闘融合-バトル・フュージョン!」

 

 

 

決闘融合-バトル・フュージョン

速攻魔法

「決闘融合-バトル・フュージョン」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分フィールドの融合モンスターが

相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。

その自分のモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで、

戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「これでウィング・ネオス・ワイズマンの攻撃力は再び6000だ!」

「くぅ…!」

 

レベッカLP3900→900

 

「私はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP900 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札よりE・HERO オーバーを召喚!E・HERO オーバーの効果発動!このモンスターの召喚に成功した時に手札がない場合、カードを2枚ドローする。モンスターがあった場合、それらのカードとこのモンスターを除外する。」

「運任せってわけね。どうぞ?」

「カードドロー!よし、俺は永続魔法 右手に斧を左手に剣をを発動!これで戦闘による破壊を効果による破壊に、効果による破壊を戦闘による破壊とする!」

「!!まずい!」

「バトルだ!ウィング・ネオス・ワイズマンで攻撃!」

「SID/S・I・Dの効果!シド・センテンス!」

 

十代のバトルフェイズが強制終了した。

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP900 手札0

  □□■□□

 

 

レベッカはその天才的な頭脳で十代の作戦を推測していた。「十代はウィング・ネオス・ワイズマンとSID/S・I・Dを右手に斧を左手に剣をで相打ちにした後、オーバーでダイレクトアタックを決めるつもりだったのね。でもSID/S・I・Dの効果でバトルフェイズは飛ばさせてもらったわ。あとはオーバーよりも攻撃力が高いモンスターを呼び出すことが出来れば私の勝ちよ。」

 

「私のターン、ドロー!オーバーの攻撃力は800。それを越すモンスターなんて簡単に呼び出せるわ!手札から魔法カード 思い出のブランコを発動!」

 

 

 

思い出でのブランコ

通常魔法

(1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。

 

 

 

「墓地のエメラルド・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

エメラルド・ドラゴン

通常モンスター

星6/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1400

エメラルドを喰らうドラゴン。

その美しい姿にひかれて命を落とす者は後を絶たない。

 

 

 

「…!」

「バトルよ!SID/S・I・Dでウィング・ネオス・ワイズマンを攻撃!サクリファイスイントゥデス!」

「く…!」

 

SID/S・I・Dの波動がウィング・ネオス・ワイズマンの拳がぶつかり合い、やがて二体のモンスターが破壊された。

 

「さぁ、行くわよ、エメラルド・ドラゴンでE・HERO オーバーを攻撃!これで終わりよ、十代。やっぱり私の思い違いね…。」

「何が思い違いなんだ?」

「いいえ、なんでもないわ。この決闘は終わりよ。」

「あぁ、終わりだ。…俺の勝ちでな!」

「え?」

 

十代はニヤリとして罠を発動した。

 

「罠発動!異次元トンネル-ミラーゲート-!」

 

 

 

異次元トンネル-ミラーゲート-

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO」と名のついたモンスターを

攻撃対象にした相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手の攻撃モンスターと攻撃対象となった自分モンスターの

コントロールを入れ替えてダメージ計算を行う。

このターンのエンドフェイズ時まで

コントロールを入れ替えたモンスターのコントロールを得る。

 

 

 

「なんですって!?」

「エメラルド・ドラゴンとE・HERO オーバーを入れ替えてダメージ計算を行う!」

 

十代の場にエメラルド・ドラゴン、レベッカのフィールドにオーバーが現れる。そして二体のモンスターが攻撃を仕掛ける。エメラルド・ドラゴンの咆哮でオーバーが撃破された。

 

レベッカLP900→0

 

光り輝く攻撃の中でレベッカは十代に遊戯の影を感じた。「やっぱり…見た目は全然違うけど…なんだか似てる…。」

ソリットヴィジョンが消えるとレベッカはため息をついた。

 

「まさか連敗するなんて…。」

「でもお前すげえ強かったぜ?ガッチャ!またいい決闘しようぜ!」

「…ふふ。」

「なんだ、なんだ?」

「何でもないわ。さぁ先に行きなさいよ。」

 

そういうとレベッカは十代に道を譲った。しかしその先に道が現れる様子はない。杏子と御伽も現れるはずの壁に駆け寄り調べるも全く道が出来る気配はない。

 

「あれ…どうしたんだろ?」

「普通決闘に勝ったら道が出来るはずだろ?何で出てこないんだ?」

「ちょっと待ってて。」

 

レベッカがパソコンを取り出し、操作し始める。

 

「何してるんだ、レベッカ?」

「インダストリアル・イリュージョン社のソリットヴィジョンシステムの運用プログラムを確認しているのよ。何かミスがあればこっちからハッキングして直してやるわ。」

「な…なんだかわからないけどよろしく頼むぜ…。」

「……ダメだ。全くアクセスできない。こんなことは滅多に起こらないはず。考えられる理由は他の誰かが私よりも先にハッキングして他からのアクセスを切っているんだわ。」

「ってことはどういうことなんだ?」

「何者かがインダストリアル・イリュージョン社のソリットヴィジョンシステムに侵入しているってこと!しかもたぶんよくないことをする気よ。」

「なんだって!」

「とりあえずここから出ない分には何もできないわね。」

 

それを聞くと十代の目がオッドアイになった。そして立ち上がって壁に向けて指をさす。

 

「ユベル、頼んだぜ。」

『いいだろう、ハッ!』

 

ユベルの放った波動がビルの壁ごとソリットヴィジョンを壊した。

 

「俺の前でソリットヴィジョンも本物の壁も意味はなさない。さぁ皆行こうぜ!」

 

四人はその穴から進むのだった。

 

 

 

 

 

インダストリアル・イリュージョン社 セキュリティルーム。すでにそこはピースキラーズの一人 ムラサメによって占拠されていた。インダストリアル・イリュージョン社のセキュリティを逆に利用し、仲間の位置を把握する。

 

「エクス、聞こえるかい?」

「あぁ、この部屋のスピーカーからお前の声が聞こえるぜ、ムラサメ。」

「よし、社長室に誰も近づけないでくれよ。君の仕事はそれだ。」

「わかっている。命令すんな。」

 

「ティソナ、君はどうだい?」

「聞こえる…。」

「よし、君も社長室を守ってくれ。」

「…。」

 

「キッド様、ピースキラーズ三名全員配置につきました。」

「あぁ、ご苦労。今俺は社長室の前にいる。すべての操作は任せたぞ。」

「はい。」

 

 

 

 

 

 

エクスは生命力の魔術師を召喚し、壁に攻撃を当てた。するとそこのソリットヴィジョンが消え、ドアが現れた。

 

「ふん、ムラサメのやつ、ちゃんと俺たちが攻撃したところのソリットヴィジョンを解除するプログラムを組み込んだようだな。これで社長室の警護が出来るぜ。」

 

そういいながら階段を上った。

 

「待ちやがれ!」

 

その声のする方をエクスはみるとそこには万丈目が立っていた。

 

「今度こそ勝ってみせるぞ!」

「もう千年アイテムの場所はムラサメが特定している。お前は邪魔だ、闇のゲームで消されたいのか?」

「闇のゲームだと?貴様が言っていたピースキラーズとは闇のゲームを行う集団なのか!?」

「答える必要はないな。」

「俺の身の回りの人間が闇のゲームで散々苦しんだんだ、この俺もな。お前が闇のゲームを行う決闘者だってなら俺はお前を許すわけにはいかない。」

「…ふん、さっさとケリをつけてやる!闇のゲームだ!」

 

 

「「決闘!」」




生命力の魔術師
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1400/守1100
このカードは通常召喚できない。ライフを1000払った場合、特殊召喚できる。自身の効果による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。
(1):自分のメインフェイズ時、ライフを1100回復しこのモンスターを手札に戻すことが出来る。
(2):このモンスターがバトルをする時、相手はモンスター・魔法・罠効果を発動することは出来ない。
(3):???


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第十六話「万丈目サンダーVSエクス」

「先攻は俺だ!俺はモンスターをセット、ターンエンドだ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ エクスLP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 万丈目LP4000 手札4

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー。俺はライフを1000払い生命力の騎士を特殊召喚!」

 

エクスLP4000→3000

 

「バトルだ!生命力の騎士で裏守備モンスターを攻撃!ランスオブライフ!」

 

生命力の騎士は槍をまっすぐ裏守備モンスターであったおジャマ・ブルーを破壊した。

 

 

 

おジャマ・ブルー

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ」と名のついた

カード2枚を手札に加える事ができる。

 

 

 

「生命力の騎士は貫通効果を持つ。生命力の騎士の攻撃力は1600。おジャマ・ブルーの守備力は1000。よって600ダメージをお前に与える。」

「ぐおお!」

 

万丈目LP4000→3400

 

万丈目はダメージを受けた後、少し息苦しくなったことに気が付いた。そして足元は黒い霧に包まれている。「やはり闇のゲームか…!」万丈目は怯むことなく立ち上がる。

 

「俺は破壊されたおジャマ・ブルーの効果を発動!手札に魔法カード おジャマジックと同じく魔法カード おジャマリッジ・ブルーを手札に加える!」

 

 

 

おジャマジック

通常魔法

このカードが手札またはフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」を1体ずつ手札に加える。

 

 

 

「生命力の騎士の効果発動!ライフを1100回復し手札に戻す。」

 

エクスLP3000→4100

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ エクスLP4100 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 万丈目LP3400 手札6

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からフィールド魔法 おジャマ・カントリーを発動!」

 

 

 

おジャマ・カントリー

フィールド魔法

1ターンに1度、手札から「おジャマ」と名のついたカード1枚を墓地へ送る事で、

自分の墓地に存在する「おジャマ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

自分フィールド上に「おジャマ」と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの元々の攻撃力・守備力を入れ替える。

 

 

 

「そしておジャマ・カントリーの効果!手札からおジャマジックを墓地へ送りおジャマ・ブルーを蘇生!」

『ふっかぁ~つ!』

「そしておジャマジックの効果発動!おジャマ三兄弟を手札に加える。」

『『『アニキぃ~!』』』

「さらに手札から魔法カード おジャマリッジ・ブルーを発動!フィールド、または墓地に存在するおジャマモンスターを除外することで手札に二枚のおジャマカードを加える。消えろ、おジャマ・ブルー!」

『そんな~!』

 

おジャマ・ブルーは教会の鐘の音ともに次元の裂け目の中に入っていった。万丈目はおジャマ・レッドと罠カード おジャマインド・コントロールを手札に加えた。

 

 

 

おジャマ・レッド

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが召喚に成功した時、

手札から「おジャマ」と名のついたモンスターを4体まで

自分フィールド上に攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「手札からおジャマ・レッドを召喚!効果によりおジャマ三兄弟を特殊召喚!出てこい、クズども!」

 

『おジャマ・レッド!』

『イエロ~!』

『グリ~ン!』

『ブラック!』

『『『『オレたち おジャマ兄弟!』』』』

 

 

 

おジャマ・イエロー

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・グリーン

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・ブラック

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

 

『って待ってよ~ん、レッド兄さんは従兄弟じゃないのぉ~ん!』

『き…気にするなよぉ~!』

「黙ってろ、クズ!」

『イヤァ~ン、アニキ怖いぃ~ん!』

「一度負けた相手にこの万丈目サンダーが負けるわけにはいかないのだ。」

 

それを聞いたエクスは鼻で笑う。

 

「ふん、雑魚デッキにこの生命力デッキが負けるかよ。怒涛の数、攻撃で攻める俺の生命力デッキはお前の集まることでしか能がない雑魚デッキとは相性が悪いんだよ。」

「お前のデッキの弱点はすでに把握済みだ。」

「!?なんだと!?」

「お前の生命力モンスターたちはライフコストがなければ場に出すことすら出来ない。つまり場に何もいない時に総攻撃してライフを削ってしまえばなんも出来ないってことだ。」

「なんだ…そっちのことか。ならやってみろよ。」

 

万丈目はその言葉に引っ掛かりを覚えたがそのまま攻撃に移る。

 

「おジャマ4体で奴にダイレクトアタック!」

「罠 発動!生命維持装置!ダイレクトアタック宣言時、手札から『生命力』と名の付いたモンスター1体を守備表示で特殊召喚!出てこい 生命力の騎士!」

「なに!?」

「生命力の騎士の守備力は700。しかし貴様のおジャマ・カントリーの効果で今は守備力が1600だ。」

「ならば手札から速攻魔法発動!おジャマ・フュージョン!『おジャマ』と名の付く融合モンスターを融合召喚する!おジャマ三兄弟を融合!」

『おジャマ究極合体!』

『おジャマ・キング~!』

 

 

 

おジャマ・キング

融合・効果モンスター

星6/光属性/獣族/攻 0/守3000

「おジャマ・グリーン」+「おジャマ・イエロー」+「おジャマ・ブラック」

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手のモンスターカードゾーンを3ヵ所まで使用不可能にする。

 

 

 

「なに!?攻撃力3000!?」

「さぁ行け、おジャマ・キング!フライング・ボディアタック!」

 

おジャマ・キングの巨体が生命力の騎士を踏みつぶした。

 

「おのれ…雑魚ごときが…!」

「まだだ!おジャマ・レッドでダイレクトアタック!」

 

エクスLP4100→3100

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ エクスLP3100 手札4

  ○○○○○ □

 

■ ○●●○○

 □      □ 万丈目LP3400 手札4

  □□■□□

 

 

 

「俺のターン…ドロー!!俺はライフを1000払い生命力の射手を守備表示で特殊召喚!こいつは1ターンに一度フィールド上の魔法 罠を破壊することが出来る!俺はおジャマ・カントリーを破壊!」

 

エクスLP3100→2100

 

辺りに広がっていたおジャマの国は瞬く間に崩れていった。

 

「そしてこいつの攻撃力・守備力は0となる。さらに1000払い手札から生命力の魔術師を特殊召喚!」

 

エクスLP2100→1100

 

「さぁバトルだ。生命力の魔術師で攻撃力0へ戻ったおジャマ・キングを攻撃!ワンドオブライフ!」

 

エクスの攻撃宣言を聞いた万丈目はすかさず罠を発動する。

 

「罠 発動!おジャマインド・コントロール!フィールド上のおジャマ1体をリリースし、お前のフィールドのレベル4以下のモンスターのコントロールを得る!俺はおジャマ・レッドをリリースし生命力の魔術師のコントロールを得るぜ。」

「小癪な…!」

「貴様のデッキ対策はすでに済んであるのだ、ふっふっふ。」

『さっすがアニキだわぁ~ん!』

 

おジャマ・イエローの精霊が墓地から現れたが万丈目は無視をする。

 

「俺は生命力の射手の効果によりライフを1100回復し手札に戻す。」

 

エクスLP1100→2200

 

「そしてライフを1000払うことで生命力の盾兵士(じゅんへいし)を守備表示で特殊召喚!」

 

エクスLP2200→1200

 

「カードを二枚セットしターンエンド。」

 

エクスがエンドを宣言した瞬間、万丈目のフィールド上にいる生命力の魔術師が突如苦しみ始める。

 

「なんだ!?」

 

やがて生命力の魔術師は爆発した。

 

万丈目LP3400→2000

 

「な…るほど…な…!」

 

万丈目はフラフラしながらもニヤリとするのだった。

 

 

  □■■□□

 □      □ エクスLP1200 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 万丈目LP2000 手札4

  □□□□□

 

 




生命力の射手
特殊召喚・効果モンスター
星3/光属性/戦士族/攻1000/守200
このカードは通常召喚できない。ライフを1000払った場合、特殊召喚できる。自身の効果による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。
(1):自分のメインフェイズ時、ライフを1100回復しこのモンスターを手札に戻すことが出来る。
(2):1ターンに一度、フィールド上の魔法 罠カードを1枚破壊することが出来る。その後、このモンスターの攻撃力・守備力は0となる。
(3):???


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第十七話「リベンジ!光と闇の竜」

「俺の…ターン…ドロー…。」

 

ライフが減ったことで万丈目の意識はだんだんと薄れてはいたが、気力でなんとか立ち上がっていた。

 

「フフ、生命力デッキ、破れたり…!」

「く…。」

「貴様の生命力モンスターたちは生命力以外のモンスターが場にいる時、エンドフェイズ時に自爆してしまうんだな。しかも手札に戻す効果が使えなくなってしまう。痛いデメリットだな。」

「黙れ!貴様と俺のライフはそこまで変わらない。まだ決闘は途中だ。」

「確かにな…。俺はおジャマ・キングを守備表示に変更。カードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

 

おジャマ・キング

融合・効果モンスター

星6/光属性/獣族/攻 0/守3000

「おジャマ・グリーン」+「おジャマ・イエロー」+「おジャマ・ブラック」

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手のモンスターカードゾーンを3ヵ所まで使用不可能にする。

 

 

 

  □■■□□

 □      □ エクスLP1200 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 万丈目LP2000 手札3

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はライフを1000払い生命力の魔術師を特殊召喚!」

 

エクスLP1200→200

 

「罠 発動!おジャマトリオ!お前のフィールドに三体おジャマトークンを特殊召喚だ!」

 

 

 

おジャマトリオ

通常罠

相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を

3体守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。

「おジャマトークン」が破壊された時、

このトークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。

 

 

 

「なに!?」

「フフフ、そこから生命力の調律師を特殊召喚しPk(ピースキラー)を呼ぶつもりだったか?でもこれでモンスターゾーンはすべて埋まった。生命力の魔術師はレベル4、生命力の盾兵士はレベル3。エクシーズ召喚を万が一使えたとしてもこの状況では出来ん。そしておジャマトークンはリリース出来ないことからアドバンス召喚も不可。おジャマトークンの存在によって手札に戻す効果も使えん。ここまでだな、ピースキラーズ!」

「…体がしんどい割には良くしゃべるな。」

「なに?」

「罠 発動!生命調整装置!フィールド上の生命力モンスター1体をチューナーにする!生命力の盾兵士をチューナー化!」

「馬鹿な!」

「俺はレベル4の生命力の魔術師にレベル3の生命力の盾兵士をチューニング!平和などはまやかし。戦の中でこそモンスターは唸り生きる。今こそ轟け、シンクロ召喚!レベル7 Pk-獄炎のN!」

 

おジャマトークンたちはこの世の物とは思えぬ物であると言いたげに隣に呼び出された獄炎のNを見上げた。

 

「さぁ、再び苦しめ!シンクロ召喚に成功した時、貴様のフィールド上のカードすべてを手札に戻す!」

「罠 発動!おジャマント!このカードはフィールド上の『おジャマ』モンスターの装備カードとなる!このカードと装備されたモンスターはあらゆる効果の影響を受けない!」

「この効果が効かないだと!?ならば第二効果を喰らえ!貴様のフィールド上のカードは二枚、よって1000ダメージだ!」

 

万丈目LP2000→1000

 

万丈目はフラフラになっていた。しかし諦めた顔どころかむしろ勝つための策を必死に講じているようであった。

 

「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ エクスLP1200 手札0

  ●○●●● □

 

□ ○○●○○

 □      □ 万丈目LP1000 手札3

  □□■□□

 

 

「俺のターン…ドロー!俺は手札からギャラクシー・サイクロンを発動!伏せカードを一枚破壊!」

 

 

 

ギャラクシー・サイクロン

通常魔法

「ギャラクシー・サイクロン」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、

フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「く…!」

「そして手札より魔法カード トライワイトゾーンを発動!再び出てこい、クズども!」

 

 

 

トライワイトゾーン

通常魔法

自分の墓地に存在するレベル2以下の通常モンスター3体を選択して発動する。

選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。

 

 

おジャマ・イエロー

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・グリーン

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・ブラック

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

 

『万丈目のアニキ!やっぱアタシたちが必要なんだね!』

『ひょっとしておジャマ・デルタハリケーンかい!?アニキ!』

「黙ってろ、うぬぼれるな…!クズどもめ。」

『イヤァ~ン!』

「俺はおジャマ・グリーン、ブラックをリリースし光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)を召喚!」

 

 

 

光と闇の竜

効果モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

このカードは特殊召喚できない。

このカードの属性は「闇」としても扱う。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。

この効果でカードの発動を無効にする度に、

このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。

このカードが破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。

自分フィールド上のカードを全て破壊する。

選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

 

二人の悲鳴が光と闇にのまれ、やがて竜が姿を現した。

 

「け!奈落に落ちやがれ!罠 発動!奈落の落とし穴!」

「光と闇の竜の効果発動!奈落の落とし穴を無効にする!」

 

 

 

奈落の落とし穴

通常罠(準制限カード)

(1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを

召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。

その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。

 

 

 

「んな!?」

「代わりに攻撃力は500下がるが貴様のPkを倒すには十分だ。バトル!光と闇の竜でPk-獄炎のNを攻撃!シャイニングブレス!」

 

エクスLP1200→900

 

光と闇の竜の息吹でエクスのフィールドは砂埃が立つ。やがて砂埃が立ち止み、視界がはっきりしてくるとPk-獄炎のNが現れた。

 

「馬鹿な…なぜ破壊されない!」

「へへ…このモンスターは『ハイクラス』の”あの方”の力が与えられているモンスター。ただのモンスターで破壊なんて出来ねえんだよ!」

「手札から魔法カード おジャマ・デストロイを発動。」

「何!?」

「本当ならその忌々しいモンスターを破壊して勝ちたかったが…残念だ。貴様のフィールドのおジャマトークンをすべて破壊!そしておジャマトークンが破壊されたことで貴様に1500ポイントのダメージを与える!」

「ぐおおおおお!!」

 

エクスLP900→0

 

「ぐぅ…。」

「ハァ…ハァ…俺の…勝ちだ!」

 

万丈目が高らかに自らの勝利を宣言するとその場に気絶した。

 

「ヘヘ…決闘で勝っても立ち上がれなきゃ意味はねえ…。さて…社長室に向かうか…。」

『おいおい、エクス。負けたのにノコノコ帰る気かい?』

 

エクスが立っているフロアのスピーカーから声がした。

 

「お前、ムラサメか!」

『負けておいてピースキラーズを名乗るのかい?』

「別に負けても闇のゲームじゃねえんだ。アイツがぶっ倒れたのだってお前のプログラムでライフが減る度、アイツの周りの酸素濃度を下げてるだけだろ?」

『そーんなことはどうでもいいんだ。キッド様の命令だ、さいなら。』

 

コントロール室にいるムラサメはボタンを一つ押すとエクスの周りも酸欠状態になった。

 

「ウゴォっ!あ…あ…。」

 

エクスはその場に倒れる。彼が握りしめていたPk-獄炎のNのカードは消えていった。

 

 

 

 

 

十代たちは社長室があると思われるフロアにたどり着いた。扉を見つけ、開けるとそこには万丈目とエクスが倒れていた。

 

「おい!万丈目!大丈夫か!?」

 

十代は万丈目に声をかけるも意識は戻らない。

 

『ひょっとしてその声は十代の旦那かぁ~い?』

「お前、おジャマ・イエロー!」

『よかったワァ~ン、万丈目のアニキが助かるゥ!』

 

おジャマ・イエローは今まであったことを十代に伝えた。

 

『んでエクスってやつも倒れちゃったってわけなのヨ~!』

「んでエクスってやつも倒れちゃったんだそうだ。」

「本当に貴方ってカードの精霊と話すことが出来るのね…。ほんとダーリンみたい!まぁいいわ。十代が言ったことが本当ならムラサメってやつはコントロール室にいるわ。私そこに行ってシステムを正常な状態にしてくるわ。」

「じゃあ御伽君、私たちも…」

「いいえ杏子。あなたと御伽はそこに寝っ転がってる二人をこのビルの医務室へ連れて行って。医者がいるはずだから。」

「ベッキー。一人で大丈夫かい?」

「俺も行った方がよくないか?」

「十代、あなたは社長室へ行くの。社長室にきっと千年アイテムがあるんだわ。キッドとかいうやつはそれを今社長室で探しているところなのよ!」

「よっしゃ、任せろ!ファラオと大徳寺先生は杏子と御伽を医務室まで連れて行ってやってくれ!」

『任せるニャ!ほ~らファラオ、こっちだニャ~!』

 

大徳寺の魂は医務室の方向へ飛んでいく。ファラオはそれを追いかけ、万丈目とエクスを肩にかけた杏子と御伽はそのファラオを追いかける。

 

「じゃあ十代、後で会いましょ!」

「おう、気をつけてな!」

 

レベッカはパソコンを片手にマップを見ながら手探りでコントロール室へ向かった。十代はユベルの力を使って強引に社長室を目指す。

 

『おい、十代。一人で探すには広すぎるフロアだ。さっきのやつに連絡して探させたらどうだ?』

「え…あ、翔のことか!危ない決闘するやつを一緒に探してくれなんて言えないぜ。でも確かに連絡はしておいたほうがいいな。」

 

十代は携帯を取り出し翔に電話した。

 

『アニキ?どうしたの?』

「あ、翔。今な、危ない決闘をするピースキラーズってやつがこのビルを乗っ取ってるらしいんだ。」

『どゆこと?』

 

十代は翔に経緯を話し、社長室に近づかないよう指示した。

 

『わかったよ、ありがとう、アニキ。』

 

翔は電話を切る。彼の目の前には社長室の扉があった。社長室は扉が固く閉ざされており、中の音も聞こえない。翔は無理やり扉を開けようと引っ張る。

 

「なにをしている…。」

 

突然翔の後ろから声がした。振り向くとそこにはラフな服装をした青年が立っていた。

 

「社長室には入れぬ…。」

「君がピースキラーズとかいうやつか!」

「…。」

「君を倒してこのビルを解放してもらうぞ!」

「…。」

「聞いてる?」

「…早く始めるぞ。」

「もう…」

 

「「決闘!」」




生命力の盾兵士
特殊召喚・効果モンスター
星3/光属性/戦士族/攻400/守2000
このカードは通常召喚できない。ライフを1000払った場合、特殊召喚できる。自身の効果による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。
(1):自分のメインフェイズ時、ライフを1100回復しこのモンスターを手札に戻すことが出来る。
(2):このモンスターは1ターンに一度、戦闘・効果では破壊されない。
(3):自分フィールド上に「生命力」と名の付くモンスター以外が存在する限り(1)の効果は使えず、エンドフェイズ時にこのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。その後、このモンスターを破壊する。


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第十八話「新たなHEROと決闘竜」

翔は兄の丸藤亮の通院に付き添っていた。

 

「今のところは以上ありませんね。」

 

医者からはそれしか言われない。亮はいつ倒れてもおかしくないような状態であったのにもかかわらず今は安定しているようだ。翔はほっと胸をなでおろしていた。

 

「翔。」

「何?お兄さん。」

「これを…。」

 

亮は自分のデッキを翔に渡し、シャッフルするよう言った。

 

「出来たよ?」

「カードを5枚引け。」

 

翔は言われたように引く。手札はサイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン、パワー・ボンド、融合。

 

 

 

サイバー・ドラゴン

効果モンスター

星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

パワー・ボンド

通常魔法

自分の手札・フィールド上から、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

機械族のその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。

このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、

自分はこのカードの効果でアップした数値分のダメージを受ける。

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「…!」

「やっとサイバー流の決闘者らしくなってきたな。」

「もちろんさ、お兄さんの弟だもん!」

「…翔、このカードを。」

 

亮は二枚のカードを翔に手渡した。

 

「この二枚のカードがリスペクト・デュエルに繋がる方法は俺にはまだわからない。もしかしたら相手をリスペクトするために作られたカードではないのかもしれない。」

「お兄さん…?」

「だからもし命を懸けてでも勝たねばならない決闘の時、これをつかえ!」

 

 

 

 

 

翔は十代との電話の途中でその二枚のカードをデッキ、エクストラデッキにそれぞれ1枚ずつ入れていた。「闇の決闘…僕もプロの決闘者として闇の決闘者を倒してみせる!」こうして翔はティソナとの決闘を始めた。

「僕の先攻!僕は手札から魔法カード 融合を発動!手札のサイバー・ドラゴン・三体を融合!出てこい サイバー流のエースモンスター サイバー・エンド・ドラゴン!」

 

 

 

サイバー・エンド・ドラゴン

融合・効果モンスター

星10/光属性/機械族/攻4000/守2800

「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

翔のフィールドにサイバー・エンド・ドラゴンが神々しく現れた。

 

「僕はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 翔LP4000 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ ティソナLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー。私は手札からF・HERO(フィクションヒーロー) ファーストレイを召喚。」

「HEROだって!?」

 

ティソナのフィールドにN・グロー・モスを思わせるような光の生命体が姿を現した。

 

「F・HERO ファーストレイの効果発動、召喚時、相手フィールド上に存在する光属性モンスターの中で最も高い攻撃力を持つモンスターと同じ攻撃力・守備力になる。」

「そんな!」

 

ファーストレイの攻撃力は4000へとアップした。

 

「ファーストレイは決闘中に一回戦闘では破壊されない…。バトルだ、F・HERO ファーストレイでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃…スピアショック!」

「速攻魔法発動!融合解除!サイバー・エンド・ドラゴンを分裂!」

 

 

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。

さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した

融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

その一組を特殊召喚できる。

 

 

 

翔のフィールドのサイバー・エンド・ドラゴンは三体のサイバー・ドラゴンに分裂した。ファーストレイの攻撃力は4000のまま守備表示のサイバー・ドラゴンを1体破壊した。

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP4000 手札0

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP4000 手札4

  □□■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕は手札からパワー・ボンドを発動!フィールド上の二体のサイバー・ドラゴンで融合し、現れよ!サイバー・ツイン・ドラゴン!」

 

 

 

サイバー・ツイン・ドラゴン

融合・効果モンスター

星8/光属性/機械族/攻2800/守2100

「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

 

 

 

サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力はパワー・ボンドの効果により二倍の5600となった。

 

「バトルだ!サイバー・ツイン・ドラゴンでファーストレイに攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!」

 

ティソナLP4000→3400

 

「まだあと一回サイバー・ツインは攻撃できる!終わりだ!」

「…罠発動 フィクション・シグナル。自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され

墓地へ送られた時、手札・デッキからレベル4以下の『F・HERO』モンスター1体を特殊召喚する。デッキより二体目のファーストレイを特殊召喚。効果により攻撃力は5600となる。」

「く…バトルは中止だ!サイバー・ツイン!ターンエンド…。」

「パワー・ボンドのリスク…受けてもらう。」

 

翔LP4000→1200

 

「ぐわああ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP3400 手札4

  □□□□□

 

 

「私のターン…ドロー。私は手札から融合を発動。フィールドの光属性F・HERO ファーストレイと地属性F・HERO フェレットレイ、闇属性F・HERO フェードレイで融合!三属性を総べる究極のHERO ここに見参。融合召喚 F・HERO ハウリングレイ!」

 

三色のボディをしたHEROが姿を現した。

 

「このモンスターは三つの属性を持つモンスター。先ほどのファーストレイの効果が三属性に対応される。よってハウリングレイの攻撃力は5600。」

「また同じ攻撃力に…!」

「そしてハウリングレイは戦闘では破壊されない。バトルだ。F・HERO ハウリングレイでサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!ハウリング・ケース!」

 

サイバー・ツイン・ドラゴンはハウリングレイの一方的な攻撃により撃破された。

 

「ターンエンドだ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP3400 手札2

  □□□□□

 

 

翔は指をドローする位置へ置く。「ここであのカードを引けなければ僕はサイバー流の決闘者としても、プロデュエリストとしても失格だ…。大丈夫、僕なら…引けるッ!」

 

「僕のターン、ドロー!」

 

引いたカードは魔法カード テクニカル・ボンド。

 

「僕は魔法カード テクニカル・ボンドを発動!墓地のサイバー・ドラゴンを三体デッキに戻し融合!サイバー・エンド・ドラゴン!」

 

しかしサイバー・エンド・ドラゴンは守備表示で出される。

 

「テクニカル・ボンドで融合召喚されたモンスターは一つだけ効果を付け加えることが出来る!僕は戦闘で破壊されないという効果をサイバー・エンド・ドラゴンに付与!しかしその代り攻撃力は0となる…。」

「…しのぐ気か…。」

「僕はターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP3400 手札2

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー。私はカードを二枚セットし、ターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP3400 手札1

  □■■□□

 

 

翔はティソナの冷静な決闘に押されつつあった。いくら戦闘で破壊されないとはいえいずれ突破されてしまう。そういった勘が働き、翔は再びドローにすべてをかける気持ちを持つ。「ここで…あのカードを…!」翔は亮のセリフを思い出していた。

 

「もし命を懸けてでも勝たねばならない決闘の時、これをつかえ!」

 

「今がその時だ。お兄さん!僕のターン、ドロー!…よし!僕は手札から速攻魔法 決闘竜(デュエルドラゴン)の目覚めを発動!サイバー・エンド・ドラゴンをエクストラデッキに戻して新たなサイバー・エンドを呼び起こす!」

「新たなサイバー・エンドだと…?」

「現れよ!機雷龍(きらいりゅう) サイバー・エンド!」

 

サイバー・エンド・ドラゴンに酷似するも肉体の数か所に光のラインが入ったサイバー・エンドが現れた。

 

「サイバー・エンド・ドラゴンがパワー系なら機雷龍 サイバー・エンドはテクニカル系!サイバー・エンドの効果発動!相手フィールド上のモンスター1体の効果をこのモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にすることで無効にする!サイバネティック・フレイム!」

 

サイバー・エンドの攻撃力は2000となり、ハウリングレイは攻撃力0となる。

 

「バトル!サイバー・エンドでハウリングレイに攻撃!エターナル・ストリデント・バースト!」

 

サイバー・エンドの咆哮がハウリングレイを掻き消し、ティソナのライフを大きく削った。

 

ティソナLP3400→1400

 

「…ハハ…。」

「ん?」

「…ウヘヘ…アハハハハ!!これはいいぜェ!お前意外とやるじゃねえかァ!」

 

ティソナはいきなり瞳孔が開いたまま翔に言い放った。

 

「なんだ、こいつ…!」

「いやァ、俺のライフをここまで削るとは…アハハハ!」

「気持ち悪い奴だなぁ…。」

「プヘヘェ!罠 発動!融合再使用(フュージョン・リユース)!破壊された融合モンスターの素材を全て自分フィールドに特殊召喚するぜ!」

「またF・HEROたちが…!」

「でもまぁまーた効果無効にされるのがオチだからな…悪いが茶番はここまでだァ、ケヘヘ!」

「なんだと!?」

「俺はレベル4のF・HERO フェレットレイ、F・HERO フェードレイでオーバーレイ!」

「オーバーレイ!?エクシーズも使えるのか!?」

「平和などはまやかし。破壊こそ我らの望みにして正義。何をも掻き消せ、エクシーズ召喚!ランク4 Pk(ピースキラー)-濃霧のN」

 

霧が現れると大きな影がティソナのフィールドを包む。それがモンスターだと翔が気が付くころにはすでにサイバー・エンドは鎖で縛られているのであった。




決闘竜の目覚め
速攻魔法
このカードの効果を使ったターン、自分は通常召喚を行うことは出来ない。
(1):自分フィールド上に存在するドラゴン族モンスター1体を選択し発動できる。選択したモンスターをエクストラデッキに戻し、同じ攻撃力・守備力の「竜」または「龍」と名の付いたモンスターを1体、召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、フィールド上の「竜」または「龍」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。そのモンスターとこのカードをゲームから除外し、選択したモンスターと同じ攻撃力・守備力の「竜」または「龍」と名の付かないモンスターを1体、召喚条件を無視してデッキまたはエクストラデッキから特殊召喚する。


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第十九話「デッキ破壊ビート使い ムラサメ」

翔が決闘を始めてしばらく経った辺りでレベッカはコントロール室へ着いていた。扉の開錠を行い、中へ入ると黒髪にメガネをかけた風貌の少年が座っていた。

 

「ん?また会ったね、全米チャンプのレベッカさん。」

「ムラサメ…!」

「なんの用かな?見ての通り僕は忙しいんだ。ティソナの決闘を見なくちゃいけなくてさ。」

「”キッド”とかいうやつの命令なの?闇のゲームのフリをした決闘をするのは。」

「いいや、他の”ハイクラス”の方々の命令さ。キッド様はあくまで今回ハイクラスの代表として我々ピースキラーズを率いているに過ぎない。」

「まぁいいわ。あなたを止めるのがわたしのやるべきこと。今度こそ倒させてもらうわ。」

「懲りないね…。」

 

「「決闘!」」

 

「僕の先攻だ。僕はモンスターをセット、カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「前の決闘と同じくモンスターをセットし決闘を始めている…ならば…。」

 

「私のターン、ドロー!私は手札から魔法カード 抹殺の使徒を発動!」

 

 

 

抹殺の使徒

通常魔法

フィールド上に裏側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊し、ゲームから除外する。

それがリバース効果モンスターだった場合、お互いのデッキを確認し、

同名カードを全てゲームから除外する。

 

 

 

「その伏せたモンスターを破壊するわ!」

「はは、さすがに対策してきたみたいだね…でも…カウンター罠発動!呪術抹消!」

 

 

 

呪術抹消

カウンター罠

手札からカードを2枚捨てる。

魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。

さらに相手の手札とデッキを確認し、

破壊した魔法カードと同名のカードがあった場合全て墓地へ送る。

 

 

 

「手札からカードを2枚捨て、魔法カードの発動を無効にし、それを破壊するよ、そして君の手札とデッキを確認し、破壊した魔法カードと同名のカードがあった場合全て墓地へ送る。さぁ抹殺の使徒をすべて墓地へ送ってくれ。」

 

レベッカはデッキから2枚の抹殺の使徒を送った。

 

「私はサファイアドラゴンを召喚!」

 

 

 

サファイアドラゴン

通常モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600

全身がサファイアに覆われた、非常に美しい姿をしたドラゴン。

争いは好まないが、とても高い攻撃力を備えている。

 

 

 

「バトル!サファイアドラゴンでセットされたモンスターを攻撃!」

「セットされたモンスターはウォーロイド・ターフ!ウォーロイド・ターフの効果発動!このモンスターがリバースした時、相手はデッキからカードを3枚墓地へ送る!そして俺はウォーロイド・ターフを二体攻撃表示でデッキから特殊召喚しなければならない。」

 

ウォーロイド・ターフは液体の体に機械の装甲をつけた風貌をしていた。サファイアドラゴンの攻撃で破壊されるとその飛び散った液体と装甲が二体のウォーロイド・ターフを作り出した。

 

「やはりデッキ破壊モンスター…。」

「フィールドを空けるために攻撃したみたいだけど残念だったね。」

「私はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札1

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP4000 手札3

  □□■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドに存在する二体のウォーロイド・ターフを融合!錆びつかぬ心を抱く機械よ 敵のすべてを破壊しろ!融合召喚!現れいでよ ウォーロイド・ガリィ!」

 

ウォーロイド・ターフより一回り大きい液体機械生命体が現れる。その姿は二刀流の戦士のようであった。

 

「ウォーロイド・ガリィの効果発動!1ターンに一度、相手はカードを3枚墓地へ送る!レフト・ブレード!」

 

左手の剣で斬撃をレベッカに飛ばした。その斬撃を受けるとレベッカはデッキからカードを三枚墓地へ送った。

 

「デッキ破壊デッキの弱点としてデッキ破壊に特化しすぎて攻撃がほとんどできないという弱点がある。しかしこのデッキは戦闘でも戦えるのさ。さぁバトルだ、ウォーロイド・ガリィでサファイアドラゴンを攻撃!ライト・ブレード!」

 

レベッカLP4000→3900

 

「ウォーロイド・ガリィのモンスター効果!相手を戦闘で破壊した時、デッキから『ウォーロイド』モンスターを裏側守備表示で特殊召喚!ウォーロイド・バレーをセット。ターンエンドだ。」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札1

  ○●●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP3900 手札3

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセットしターンエンド…。」

 

 

  □□□□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札1

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札3

  □□■□□

 

 

「おいおい、最初の抹殺の使徒で終わりかい?僕のターン、ドロー!ウォーロイド・バレーを反転召喚!バレーのリバース効果!相手はデッキから5枚カードを墓地へ送る。その効果を発動したらこのカードは表示変形できなくなる。さぁ送りたまえ。」

 

すでにレベッカのデッキは半分墓地へ送られている。天才的なムラサメは遠目から見たデッキの厚さでそれに気が付いていた。「僕がデッキ破壊使いと分かっていながらカード枚数を増やしていかないとは…舐められたもんだね。」

 

「ガリィの効果!レフト・ブレード!」

 

レベッカはおとなしくカードを三枚墓地へ送る。

 

「バトル!ガリィでセットモンスターを攻撃!ライト・ブレード!」

 

反転したモンスターはメタモルポットであった。

 

 

 

メタモルポット

リバース・効果モンスター(制限カード)

星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

お互いの手札を全て捨てる。

その後、お互いはデッキから5枚ドローする。

 

 

 

それを見たムラサメは吹き出してしまう。

 

「デッキ破壊使い相手にメタモルポット…!あっはっは!いいよいいよ、手札を増強しようか、ハハハ!ガリィの効果でバレーをデッキからセットし、カードを一枚セットしてターンエンドだよ。」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札4

  ○●●●○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP3900 手札5

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はカードを3枚セットし手札抹殺を発動!」

 

 

 

手札抹殺

通常魔法(制限カード)

お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから

捨てた枚数分のカードをドローする。

 

 

 

「はぁ!?」

「私はカードを3枚交換。あなたは4枚ね。」

 

ムラサメは笑うのをやめ、呆れた顔を始める。「なんだこの女、おかしくなったのか?まぁいい、これでアイツのデッキは残り9枚。ガリィとバレーで8枚削ればもうあいつのデッキは1枚しか残らなくなる。さっさと片付けるとするか。」

 

「私はモンスターを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札4

  ○●●●○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ レベッカLP3900 手札2 山札9

  ■■■■□

 

 

「僕のターン、ドロー。バレーを反転召喚!効果発動!墓地へ5枚送れ!」

 

レベッカのデッキはあと4枚。

 

「ガリィの効果!レフト・ブレード!」

 

残り1枚。

 

「バトルだ!ガリィで伏せモンスターに攻撃!ライト・ブレード!」

 

ルビードラゴンが破壊された。ガリィの効果で再びバレーがフィールドにセットされた。

 

 

「ターンエンドだ、さぁ最後のドローをするんだな。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ムラサメLP4000 手札4

  ○●●●○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ レベッカLP3900 手札2 山札1

  ■■■■□

 

 

「私のターン…ドロー!さぁ私の勝利は決まったみたいね。今回はPk(ピースキラー)が出なくてよかったわ。」

「はぁ?お前何言ってんだ?」

「まず手札から魔法カード ナイト・ショット!伏せカードを破壊!」

 

 

 

ナイト・ショット

通常魔法

(1):相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

セットされたそのカードを破壊する。

このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動できない。

 

 

 

「な…次元幽閉が!」

 

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を選択して発動できる。

選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。

 

 

 

「そして伏せていた魔法カード 龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)発動!」

 

 

 

龍の鏡

通常魔法

自分のフィールド上または墓地から、

融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、

ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

 

 

 

「龍の鏡!?」

「墓地のサファイアドラゴン、エメラルド・ドラゴン、ルビードラゴン、ダイヤモンド・ドラゴン、仮面竜(マスクド・ドラゴン)を除外し…現れよ!F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)!」

 

 

 

エメラルド・ドラゴン

通常モンスター

星6/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1400

エメラルドを喰らうドラゴン。

その美しい姿にひかれて命を落とす者は後を絶たない。

 

 

ダイヤモンド・ドラゴン

通常モンスター

星7/光属性/ドラゴン族/攻2100/守2800

全身がダイヤモンドでできたドラゴン。

まばゆい光で敵の目をくらませる。

 

 

仮面竜

効果モンスター

星3/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守1100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

F・G・D

融合・効果モンスター

星12/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守5000

ドラゴン族モンスター×5

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードは闇・地・水・炎・風属性モンスターとの戦闘では破壊されない。

 

 

 

レベッカのフィールドに荒々しくF・G・Dが召喚された。

 

「ウォーロイド・バレーの攻撃力はたった200。この意味わかるわよね?」

「ひ…ひぇ!」

「こんな奴なんかに負けたなんて…Pkモンスターは回収した方がいいわね…。」

 

するとムラサメはPkの融合カードを差し出した。

 

「ほら…これでこの決闘なかったことにしてくれよ!”ハイクラス”にバレたら…!」

「F・G・Dでウォーロイド・バレーを攻撃!」

 

五つの首から放たれたエネルギーでウォーロイド・バレーは粉砕された。

 

ムラサメLP4000→0

 

ソリットヴィジョンにも関わらずあまりのショックでムラサメは倒れてしまう。レベッカはムラサメが手にしているPkのカードを取ろうとするもレベッカの目の前でそのカードは消えていった。




ウォーロイド・ガリィ
融合・効果モンスター
星6/水属性/機械族/攻2000/守1600
「ウォーロイド」モンスター×2
(1):1ターンに一度自分のメインフェイズ時に発動できる。相手はカードを3枚墓地へ送る。
(2):このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、デッキから「ウォーロイド」と名の付くモンスターを裏側守備表示で特殊召喚できる。


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第二十話「翔の信じるサイバー流」

翔のフィールドに存在する機雷龍(きらいりゅう)サイバー・エンドはPk(ピースキラー)-濃霧のNから放出された鎖に縛られている。

 

「この鎖は何だ!?それに僕のターン中にエクシーズ召喚!?」

「Pk-濃霧のNはエクシーズ召喚に成功した時、お前のフィールド上のカードはすべて発動不可となるんだよぉ!そしてF・HERO(フィクションヒーロー) フェレットレイが場にいる時、相手ターン中にエクシーズ召喚できるのだ…ヘヘヘ。」

「僕はターンエンド…!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP1400 手札1

  □■□□□

 

 

「俺のターンドロォー!俺はオーバーレイユニットを1つ取り除くことで効果発動!相手モンスターを選択し表示を変更する。その後そのモンスターの攻撃力をこのモンスターに加える!」

 

その発動にすかさず墓地の決闘竜(デュエルドラゴン)の目覚めを発動する。

 

「墓地の決闘竜の目覚めの効果を発動!フィールド上の機雷龍 サイバー・エンドとこのカードを除外し、エクストラデッキからサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚!」

「まだそんな効果があったか…クフフ。」

 

機雷龍 サイバー・エンドが消えると再びサイバー・エンド・ドラゴンが現れた。

 

 

 

サイバー・エンド・ドラゴン

融合・効果モンスター

星10/光属性/機械族/攻4000/守2800

「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「対象を失ったPk-濃霧のNの効果は発動しなくなる!Pk-濃霧のNの攻撃力は2000。僕のサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力は4000。次のターンで勝負が決まる!」

「おいおい、調子に乗るなよ?Pk-濃霧のNの効果を再び発動!」

「1ターンに一度じゃない!?」

 

サイバー・エンド・ドラゴンは守備表示となり、Pk-濃霧のNの攻撃力は6000となる。

 

「Pk-濃霧のNでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃!コスモ・ディサピアー・エヌ!」

 

Pk-濃霧のNが消えたかと思うとサイバー・エンド・ドラゴンの目の前に現れ、手にした鎖でサイバー・エンド・ドラゴンの三つの首を縛り付ける。やがてサイバー・エンド・ドラゴンは破壊された。

 

「ターンエンドだぁ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP1400 手札2

  □■□□□

 

 

「僕のターン…ドロー!僕は魔法カード 一時休戦を発動!」

 

 

 

一時休戦

通常魔法(制限カード)

お互いに自分のデッキからカードを1枚ドローする。

次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になる。

 

 

 

「お互いにカードドロー!僕はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

翔は考えていた。決死の決闘竜の目覚めすら効かなかったPkモンスターに今自分が勝てるカードが存在するのか。だが翔は決闘を続ける。もし十代であれば自分のライフが0になるまで諦めないはずだからだ。

 

 

  □□■□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ティソナLP1400 手札2

  □■□□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!モンスターをセット。ターンエンドォ!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 翔LP1200 手札0

  ○○○○○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ ティソナLP1400 手札2

  □■□□□

 

 

「僕のターン…ドロー!」

 

引いたカードは死者蘇生。

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

翔は自分の勝利の可能性がまだあることを自覚する。

 

「魔法カード発動!死者蘇生!墓地のサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚!」

「今更サイバー・エンド・ドラゴン?ケハハ!攻撃力6000のPk-濃霧のNの敵じゃねえな!」

「伏せていた速攻魔法発動!融合解除!」

 

 

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。

さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した

融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

その一組を特殊召喚できる。

 

 

 

「サイバー・エンド・ドラゴンの合体を解除!」

「サイバー・ドラゴンが3体?」

「行くぞ、レベル5のサイバー・ドラゴン二体でオーバーレイ!白銀の竜よ!その身に新たな光を宿し今ここに現れよ!エクシーズ召喚!ランク5 サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

また、1ターンに1度、自分の手札・フィールド上の

「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、2100ポイントアップする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、

機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる。

 

 

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァが赤きオーラを纏って現れる。

 

「サイバー・ドラゴン・ノヴァの効果!オーバーレイユニットを一つ使ってサイバー・ドラゴンを特殊召喚!そしてサイバー・ドラゴン・ノヴァをランクアップエクシーズチェンジ!ランク6 サイバー・ドラゴン・インフィニティ!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族・光属性レベル6モンスター×3

「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、

自分フィールドの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。

(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。

(2):1ターンに1度、フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。

(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

「へへ、来ると思ったぜ、真・サイバー流のエースモンスター!罠 発動!神の宣告!」

 

 

 

神の宣告

カウンター罠(制限カード)

(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。

●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。

それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

「そのインフィニティのランクアップは失敗だ!」

 

ティソナLP1400→700

 

「でも忘れてないよね、二体のサイバー・ドラゴンのことを。」

「…!まさか!」

「レベル5のサイバー・ドラゴン二体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク5 サイバー・ドラゴン・ノヴァ!サイバー・ドラゴン・ノヴァの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使いサイバー・ドラゴン復活!」

「よ…よせ!」

「さらにランクアップエクシーズチェンジ!新星の龍を糧とし新たな無限の龍を産み出さん!エクシーズ召喚!ランク6 サイバー・ドラゴン・インフィニティ!」

 

二体目のサイバー・ドラゴン・インフィニティにティソナはたじろいだ。

 

「馬鹿な…エースモンスターを二度も…!?」

「僕の信じるサイバー流は変幻自在なのさ!サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果!お前のPk-濃霧のNをオーバーレイユニットにする!」

「ば…バカな…!俺のフィールドにはあと伏せモンスターのみ…!」

「バトルだ!サイバー・ドラゴン・インフィニティで伏せモンスターを攻撃!エヴォリューション・インフィニティ・バースト!」

 

伏せていたモンスターはF・HERO フェードレイ。しかし今やただの壁モンスターでしかない。

 

「とどめだ!サイバー・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!エヴォリューション・バースト!」

「うそだああああああああ!!!」

 

ティソナLP1400→0

 

ソリットヴィジョンは消え、ティソナは気絶した。翔もPk-濃霧のNが消えるのを確認すると疲労でその場に伏せてしまう。だが後ろから彼の名を呼ぶ声がし、振り返る。翔が今最も自分を認めてほしい人物 十代が駆けてきた。

 

「おい、翔!大丈夫か!?」

「アニキ…僕勝ったよ!へへ。」

「馬鹿野郎!近づくなっつったのに…でもありがとよ!」

 

十代の笑顔を見ると翔も笑顔になった。十代の肩を借りて翔は立ち上がる。「アニキとちゃんと肩を並べられるくらいの決闘者になれたのかな?」翔は自分に自信を抱きながら立ち上がった。

 

「さて、部屋に入るぜ。」

「アニキ、この部屋は鍵がかかってるんだよ。」

「だいじょーぶ!レベッカがロックを解除してくれるぜ。」

 

その時、扉の鍵が外れる音がした。

 

「な?」

「うん!入ろう!」

『気をつけろ、十代。この奥で決闘が行われている。』

「なんだって!?」

 

十代は扉を開ける。するとそこにはデュエルディスクを構えるペガサスと赤髪の青年が立っていた。赤髪の青年の服は黒く、彼の赤髪が良く映えていた。髪の長さは十代とさほど変わらないが、左目は前髪がかかって見えなくなっていた。

 

「! 十代ボーイ!?」

「ペガサス会長!これは…!」

 

社長室の窓は割られていた。そして外にはインダストリアル・イリュージョン社のヘリが旋回していた。ペガサスはヘリで社長室に直接突入し、赤髪の侵入者と決闘しているのだと十代は理解した。ペガサスのフィールドにはフィールド魔法 トゥーン・キングダムが発動し、フィールドにはトゥーン・マーメイド、トゥーン・ブラック・マジシャン・ガールが存在する。一方の赤髪の青年のフィールドにはPk-濃霧のNと二体の謎のモンスターがいた。

 

「俺はレベル4のPk-()ガリアにレベル3のチューナーモンスター Pk-()ルゼーブをチューニング!平和などはまやかし。戦の中でこそモンスターは唸り生きる。今こそ轟け、シンクロ召喚!レベル7 Pk-獄炎のN!」

 

Pk-獄炎のNが現れ、ペガサスのフィールドは全て吹き飛ばされてしまった。通常召喚できないモンスターばかりで結局トゥーン・キングダムのみセットすることになってしまう。

 

「oh…no…。このようなカードを作った覚えはありまセーン…!」

「誇り高き”プロン”の決闘者 ペガサス・J・クロフォード。その魂に答えわがエースモンスターでとどめを刺そう…。」

 

Pk-獄炎のNとPk-濃霧のNがフィールドから姿を消すと辺りは雷雲が立ち込める。雷が鳴り始めるとインダストリアル・イリュージョン社のヘリは引き返すことを余儀なくされた。

 

「現れよ ピースキラー・ドラゴン!」

 

シルエットのみ浮かぶ龍が赤髪の青年のフィールドに舞う。

 

「やれ サタン・ストリーム!」

 

ピースキラー・ドラゴンの咆哮でペガサスのライフは0となった。

 

「悪いが眠っていてもらうぞ。」

 

十代たちを背に赤髪の男は前髪をあげるしぐさをする。赤髪の男の顔を見るペガサスは悲鳴を上げるとその場に倒れた。

 

「おい!何してる!?」

 

髪を再び下げると十代たちの方に振り向く。

 

「眠ってもらうだけだ。時期に目を覚ます。」

「お前がピースキラーズの親玉か?」

「親玉…。まぁ確かに今回の作戦では俺がピースキラーズを率いている。」

「ってことはキッドとか言うやつっすよ!アニキ!」

「ほう、そこまで知っているのか、”プロン時空”の決闘者。」

「”プロン”?」

「俺の名はキッド・プライスター。”レクシブ時空”の”ハイクラス”の一人だ。」

「俺の名前は遊城十代!お前、なんでここをめちゃくちゃにしたんだ?」

「なるべく穏便にインダストリアル・イリュージョン社が所持する千年錠を回収したかったのだが、ここにいるペガサスが渡そうとしなくてな。それでWDMCを利用させてもらった。」

「みんなが楽しむための大会を利用するなんて…許さないぜ。それにその手にしている千年アイテムは危険なものだ!お前みたいなやつに奪われてたまるか!」

 

十代は珍しく怒りをあらわにする。だがキッドは冷静に十代を睨み付ける。

 

「ネオンを救うためだ…!俺だってこのようなこと…!」

「ネオン?誰だ?」

「…おしゃべりが過ぎたようだ。いいだろう、俺を止めたければ決闘で勝負だ。」

「いいぜ!決闘ならお前の考えている事も少しはわかるかもしれねえからな!」

 

「「決闘!」」




Pk-濃霧のN
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/風属性/悪魔族/攻2000/守 500
レベル4モンスター×2
(1):このモンスターがエクシーズ召喚に成功した時、その時点で相手フィールド上に存在するカードの効果は全て発動できなくなる。
(2):エクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上のモンスター1体を選択しそのモンスターの表示を変更する。その後、そのモンスターの攻撃力の数値をこのモンスターの攻撃力に加える。
(3):1ターンに一度、手札の「Pk」と名の付いた通常魔法カードまたは通常罠カードを墓地に送り発動できる。デッキから「Pk」と名の付いた永続魔法カードまたは永続罠カードを一枚手札に加える。


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第二十一話「ペンデュラムの使い手 キッド」

「先攻は俺が貰うぜ!俺はE・HERO(エレメンタルヒーロー) スパークマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO スパークマン

通常モンスター

星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400

様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO。

聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ キッドLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のPk(ピースキラー)-()ガリアとスケール6のPk-()ルゼーブでペンデュラムスケールをセッティング!」

「ペンデュラムスケール!?なんだぁ!?」

「これでレベル3から5のモンスターが同時に召喚可能!我が空に現れしは暗黒の星々 今秩序揺るがし降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち。Pk-()ルソン Pk-()モゴル!」

 

光の柱が立ったかと思うとあっという間にキッドのフィールドには二体のモンスターが出現した。

 

「これはペンデュラム召喚。スケールと呼ばれる数値の間のレベルのモンスターが同時に特殊召喚できる。」

「す…すげえ…。」

「行くぞ。俺はレベル4のPk-CルソンとPk-Dモゴルでオーバーレイ!平和などはまやかし。破壊こそ我らの望みにして正義。何をも掻き消せ、エクシーズ召喚!ランク4 Pk-濃霧のN!」

 

霧が現れ辺りはペンデュラムスケールが放つ光の柱しか見えなくなってしまった。やがて霧が晴れるとE・HERO スパークマンは鎖に繋がれ、キッドのフィールドにPk-濃霧のNが現れていた。

 

「い…いきなりPkエクシーズモンスター…!」

「アニキ!気をつけて!そいつがいるとフィールドのカードは発動できないんだ!」

「なんだって!?」

「ティソナを倒したのはお前か…。まぁいい、行くぞ!Pk-濃霧のNの効果発動!手札の魔法カード Pk リーチを墓地へ送ることでデッキから永続魔法 Pk ライブラリーを手札に加える。永続魔法 Pk ライブラリー発動!」

「どんな効果なんだ…!」

「いずれ分かる、バトルだ!Pk-濃霧のNでスパークマンを攻撃!コスモ・ディサピアー・エヌ!」

 

十代のフィールドに瞬時に現れた濃霧のNはフェザーマンを粉砕した。しかし十代のライフは減らない。

 

「なんだ?どうして減らないんだ?」

「Pk ライブラリーの効果発動。相手に与える戦闘ダメージを0にし、与えられるはずだった数値以下の攻撃力を持つ『Pk』モンスターを手札に加える。濃霧のNの攻撃力は2000、スパークマンは1600。よって400以下のPkを加える。俺は攻撃力400のPk-()リーゴスを手札に加える。ターンエンドだ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札3

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP4000 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のフェザーマンとバーストレディを融合!」

 

 

 

E・HERO フェザーマン

通常モンスター

星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000

風を操り空を舞う翼をもったE・HERO。

天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。

 

 

E・HERO バーストレディ

通常モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800

炎を操るE・HEROの紅一点。

紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。

 

 

 

「E・HERO フレイム・ウィングマンを融合召喚!」

 

 

 

E・HERO フレイム・ウィングマン

融合・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「フレイム・ウィングマン…!」

「フレイム・ウィングマンでPk-濃霧のNを攻撃!フレイム・シュート!」

 

Pk-濃霧のNはフレイム・ウィングマンの放った攻撃を食らった。

 

キッドLP4000→3900

 

「見事だ。」

「お褒めの言葉どうも!でもまだ早いぜ?フレイム・ウィングマンは戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与えるんだぜ?」

「強力な効果だ。でも本当に破壊できているのか?」

「なに?」

 

砂埃が晴れるとキッドのフィールドにはPk-濃霧のNが佇んでいた。

 

「そんな!なんで!?」

「Nモンスターはただのモンスターでは破壊できない。」

「N?(ネオスペーシアン)か??」

「さあな。」

 

十代が冗談っぽく言ったことにキッドは全くリアクションを返さない。翔も少しあきれ顔をしてしまう。

 

「すまない。冗談はあまりわからなくてな。ただ一つ言えることはPkのNは読み方が分からないのだ。他のアルファベットにはフリガナが付いているがNにのみついていない。俺やピースキラーズの面々は『エヌ』とそのまま読んでいる。」

「ま…真面目に答えられちまった…アハハ…。」

 

十代は頭をポリポリ掻いて見せる。

 

『真面目にやれ、十代。』

「わ…わかってるって!」

「ほう、それがお前の精霊か。」

『!?』

「ユベルが見えるのか!?」

 

しかしキッドは答えを返そうとはしない。

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンドだ!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP4000 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP3900 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は濃霧のNの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使いフレイム・ウィングマンを守備表示にし、その分の攻撃力である2100を吸収!」

 

フレイム・ウィングマンは守備表示の姿勢を取った。

 

「バトル!濃霧のNでフレイム・ウィングマンを攻撃!コスモ・ディサピアー・エヌ!」

 

フレイム・ウィングマンの破壊に十代はすぐカードを発動した。

 

「罠 発動!ヒーロー・シグナル!」

 

 

 

ヒーロー・シグナル

通常罠

(1):自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され

墓地へ送られた時に発動できる。

手札・デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する

 

 

 

「デッキからE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「シャドー・ミストの効果発動!手札に速攻魔法 マスク・チェンジを手札に加えるぜ。」

 

 

 

マスク・チェンジ

速攻魔法

(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、

そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「ターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札1

  ○●○○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP3900 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はモンスターをセット、カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP4000 手札0

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP3900 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は濃霧のNの効果発動!シャドー・ミストを攻撃表示に変更!」

「速攻魔法発動!マスク・チェンジ!シャドー・ミストをM・HERO(マスクドヒーロー) ダーク・ロウに変身召喚!守備表示!」

 

 

 

M・HERO ダーク・ロウ

融合・効果モンスター

星6/闇属性/戦士族/攻2400/守1800

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手の墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。

(2):1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外で

デッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。

相手の手札をランダムに1枚選んで除外する。

 

 

 

「…対象を失ったことにより攻撃力は上がらない。だがすでに濃霧のNの攻撃力は4100。お前のモンスターのいずれも倒せるはずだ。」

「おっと待ってくれよ、シャドー・ミストの効果発動!デッキからE・HERO ブレイズマンを手札に加えるぜ。」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない

 

 

 

「さぁ来いよ!」

「濃霧のNでダーク・ロウを攻撃!コスモ・ディサピアー・エヌ!」

 

ダーク・ロウは粉砕されるも守備表示の為、十代にダメージはない。

 

「俺はターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札1

  ○○○●○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP3900 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!…よっしゃあ!来た!さぁ逆転と行こうぜ!」

「なに?」

「俺は手札から魔法カード ミラクル・フュージョンを発動!」

 

 

 

ミラクル・フュージョン

通常魔法

(1):自分のフィールド・墓地から、

「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドにセットされていたE・HERO クレイマンと墓地のスパークマンで融合!」

 

 

 

E・HERO クレイマン

通常モンスター

星4/地属性/戦士族/攻 800/守2000

粘土でできた頑丈な体を持つE・HERO。

体をはって、仲間のE・HEROを守り抜く。

 

 

 

「現れろ!E・HERO サンダー・ジャイアント!」

 

 

 

E・HERO サンダー・ジャイアント

融合・効果モンスター

星6/光属性/戦士族/攻2400/守1500

「E・HERO スパークマン」+「E・HERO クレイマン」

このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。

自分の手札を1枚捨てる事で、フィールド上に表側表示で存在する

元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低いモンスター1体を選択して破壊する。

この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。

 

 

 

「また新たなHEROか…。」

「さらに手札からE・HERO ブレイズマンを召喚!効果により融合のカードを手札に加えるぜ!そしてサンダー・ジャイアントの効果発動!手札の融合を墓地へ送ることで元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低いモンスター1体を選択して破壊するぜ!ヴェイパー・スパーク!」

「濃霧のNは4100、しかし元々の攻撃力は2000…。」

「サンダー・ジャイアントの攻撃力は2400だ!さぁ効果破壊は出来るのか~?」

 

十代が尋ねた瞬間、濃霧のNは爆散した。

 

「アハ、出来たみたいだな?」

「すごいやアニキ!あの濃霧のNを破壊しちゃった!」

「バトルだ!ブレイズマンでプレイヤーにダイレクトアタック!」

 

キッドLP3900→2700

 

「続いてサンダー・ジャイアントでダイレクトアタック!ボルティック・サンダー!」

「Pk-Aガリアのペンデュラム効果を発動!」

「ペンデュラム効果!?」

「相手モンスターのダイレクトアタック時、このモンスターを特殊召喚する。Pk-Aガリアをペンデュラムゾーンから守備表示で特殊召喚。」

「そのまま倒せ!サンダー・ジャイアント!」

 

Pk-Aガリアはサンダー・ジャイアントの拳を受け、破壊される。

 

「ペンデュラムモンスターは破壊されると墓地へは行かずエクストラデッキへ行く。」

「へぇ…面白いモンスターだな!俺はターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札0

  ○○●●○ □

 

□ ○○○○○

 □      ■ キッドLP2700 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はセッティング済みのPk-Bルゼーブとスケール7のPk-Eリーゴスでペンデュラムスケールをセッティング!」

「ん?スケール6と7って間はなくないか?」

「手札から魔法カード ピースキラー・フュージョンを発動!ペンデュラムゾーンにあるペンデュラムモンスターで融合召喚を行う!新しいPkを見せてやろう。」

「な…なんだと!?」

「平和などはまやかし。秩序を壊してこその現世なり。すべてを薙ぎ払え、融合召喚!Pk-暗雲のN!」

 

黒い雲のソリットヴィジョンが現れ、あたりの光を奪っていく。暗雲のNが姿を現すとその頭上により濃い暗雲が立ち込めるようになった。

 

「このモンスターが融合召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードの枚数分、お前のフィールド上のカードを除外する。俺のフィールドにはPk ライブラリーが存在する。よって1枚を除外!サンダー・ジャイアントを選択!」

 

サンダー・ジャイアントは暗雲に引き込まれ、姿を消した。

 

「なんて効果だ…!」

「さらに俺はスケール2のPk-()ルーレでペンデュラムスケールをセッティング!Pk-Fルーレのペンデュラム効果!片方にペンデュラムスケールがない場合、デッキからスケール5のPk-()レモリーをセッティングできる。これでレベル3と4のモンスターが同時に召喚可能!我が空に現れしは暗黒の星々 今秩序揺るがし降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち。Pk-Aガリア、Bルゼーブ、Pk-Eリーゴス!」

「んなぁ…!」

「俺はレベル4のPk-Aガリアにレベル3のチューナーモンスター Pk-Bルゼーブをチューニング!平和などはまやかし。戦の中でこそモンスターは唸り生きる。今こそ轟け、シンクロ召喚!レベル7 Pk-獄炎のN!」

 

フィールドに融合とシンクロのPkモンスターが並ぶのであった。




Pk-暗雲のN
融合・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2000/守 500
闇属性モンスター×2
(1):このモンスターが融合召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードの枚数だけ相手フィールド上のカードを選んで除外する。
(2):1ターンに一度、自分フィールド上のモンスターを1体リリースすることで発動できる。このモンスターの攻撃力を4000にする。
(3):1ターンに一度、手札の「Pk」と名の付いた永続魔法カードまたは永続罠カードを墓地に送り発動できる。デッキから「Pk」と名の付いた速攻魔法カードまたはカウンター罠カードを一枚手札に加える。


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第二十二話「決着のピースキラー・ドラゴン」

6人の男女が話をしていた。

 

「キッド、遅いわね。」

「アイツにしては確かに仕事が遅い。ピースキラーズ、よほど使えない連中だったか?」

「馬鹿な。”レクシブ時空”の決闘者で我ら”ハイクラス”を除けば1・2を争う組織だぞ。」

「うーん、そうね。ナックス。彼のお迎えをお願いしてもいい?」

「了解しました~!へへ。」

 

ナックスと呼ばれた男はその場を去った。

 

 

 

 

 

「獄炎のNの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、 相手フィールド上のカードすべてを手札に戻す!」

「罠発動!最後の悪あがき!モンスターがフィールドを離れる時、カードを一枚ドローする。カードドロー!」

「ブレイズマンを手札に戻し、お前は手札に戻したカードの枚数、つまり一枚をセットしなくてはならない。さぁセットしろ。」

「俺はモンスターを一枚セット。」

「獄炎のNの効果発動!1ターンに一度、相手フィールド上のカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える!」

 

十代LP4000→3500

 

「バトルだ!暗雲のNで攻撃!コスモ・ディメンション・エヌ!」

 

十代の場に新たなHEROがリバースした。

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) ミカゼは戦闘では破壊されない!」

「…ターンエンドだ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP3500 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○●●●○

 ■      ■ キッドLP2700 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!よっしゃ、行くぜ!手札からブレイズマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「効果により融合を加えるぜ!そして手札から魔法カード 融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドのブレイズマンと風属性のミカゼで融合!現れろ E・HERO Great(グレイト)TORNADO(トルネード)!」

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる

 

 

 

「次々と融合を…!」

「Great TORNADOの効果!このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする!タウン・バースト!行くぜ、Great TORNADOで獄炎のNを攻撃!スーパー・セル!」

「現在の獄炎のNの攻撃力は1000…!」

 

獄炎のNはGreat TORNADOが巻き起こした砂嵐に巻き込まれ破壊された。

 

キッドLP2700→900

 

「よし!アニキが大ダメージを与えたぞ!」

「カードを一枚セットしミカゼの効果発動!融合素材にされたターンのエンドフェイズ時にミカゼは手札に戻るぜ。ターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3500 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●●○

 ■      ■ キッドLP2700 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!暗雲のNの効果発動。永続罠 Pk(ピースキラー) ストリームを墓地へ送り速攻魔法 Pk アウェイキニングを手札に加える。フィールドのPk-Eリーゴスをリリースしさらなる暗雲のNの効果発動!このモンスターの攻撃力を4000にする。」

「はぁ!?せっかく減らした攻撃力が戻るどころか強化されちまったぁ~!」

「アニキが頑張って減らしたのに…。なんて効果を持ってるんだ…Pk!ずるいぞ!」

「いいや、翔、違うぜ。」

「え?」

「普通のPkモンスターにはデメリットがある。」

「よく気が付いたな。そう、例えば今リリースしたPk-Eリーゴス。ペンデュラムゾーンに置かれれば優秀な効果を持つが、エクストラデッキに置かれると俺は融合召喚を行うことが出来なくなる。」

「だから妙なのはPkじゃなくてNがつくPkさ。Nっていったい何なんだ?」

「わからないと言ったはずだ。決闘を続行する。4000となった暗雲のNでGreat TORNADOを攻撃!」

 

十代は悲しそうな顔でキッドを見つめた。

 

「お前、苦しそうに決闘するよな。なんでだ?」

「…黙れ!コスモ・ディメンション・エヌ!」

『十代。』

「あぁ、ユベル、俺も負けるわけにはいかない。悲しそうに決闘する理由は勝ってから聞くことにするぜ。速攻魔法発動!超融合!」

 

 

 

超融合

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「超融合!?」

「手札を一枚捨てE・HERO Great TORNADOとPk-暗雲のNで融合!現れろ E・HERO エスクリダオ!」

 

 

 

E・HERO エスクリダオ

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO」と名のついたモンスター+闇属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する

「E・HERO」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

 

 

 

暗雲のNとGreat TORNADOが消え、十代のフィールドの頭上にあった暗雲の中からエスクリダオが姿を現す。エスクリダオの登場で暗雲は晴れ、辺りは普通の部屋へと戻った。

 

「まさか相手モンスターと融合とは…。」

「これが俺がたどり着いた他人と決闘で理解し合える究極の形だ。キッド、俺はお前の心を知りたいんだ。」

「…ありがとう十代。しかし俺は全く理解してほしいなどと思っていない!”遊那(ゆうな)”が”ネオン”を救うためにまずは”プロン”の決闘者、貴様らを倒さねばならない!手札から速攻魔法発動!Pk アウェイキニング!フィールド上のPk ライブラリーを墓地に送ることで発動!フィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターを除外しデッキからピースキラー・ドラゴンを特殊召喚する!」

 

暗雲、いや次は雷雲が部屋を覆う。雷鳴と共に巨大な龍が姿を現す。巨大な社長室をも壊しかねないその雄々しさに十代は思わず怯んだ。

 

「ピースキラー・ドラゴン…!ペガサス会長を倒したモンスター!」

「どうだ、このモンスターともお前は理解し合えるか?このモンスターこそ俺だ!」

「…エスクリダオの攻撃力は墓地のE・HEROの数×100アップする。俺の墓地にいるのはフェザーマン、バーストレディ、フレイム・ウィングマン、シャドーミスト、ミカゼ、ブレイズマン、Great TORNADO。よって700アップし3200だ!」

 

 

 

E・HERO フェザーマン

通常モンスター

星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000

風を操り空を舞う翼をもったE・HERO。

天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。

 

 

E・HERO バーストレディ

通常モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800

炎を操るE・HEROの紅一点。

紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。

 

 

E・HERO フレイム・ウィングマン

融合・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「す…すごい!アニキのモンスターに早々攻撃力を勝ることは出来ないはず!」

「ピースキラー・ドラゴンはエクストラデッキに表側で置かれているPkカードの分で攻撃力・守備力が決定する。エクストラデッキに置かれているのはPk-Aガリア、Bルゼーブ、Eリーゴス。Pkの数×1000となるためピースキラー・ドラゴンの攻撃力は3000。」

「ほら見ろ!アニキのモンスターの方が上だ!」

「墓地のPk ストリームの効果発動、墓地にあるこのカードを除外し自分と相手のペンデュラムゾーンにあるカードをすべて破壊する。」

「なんだと!?」

「FルーレとGレモリーがエクストラデッキに加わったことで攻撃力は5000!バトルだ。ピースキラー・ドラゴンでエスクリダオを攻撃!サタン・ストリーム!」

「うああああ!!」

 

十代LP3200→1700

 

「よかった、いくら5000でもアニキのライフはまだ残ってる!」

「いいや、終わりだ。」

「え?」

「ピースキラー・ドラゴンの効果発動!エクストラデッキの表側となっているPkカードを三枚コストゾーンに置くことでもう一度攻撃できる。」

「コストゾーン!?」

「墓地でも除外でもない。本当に誰も手を伸ばすことが出来ないエリアだ…。一人を除いてな。」

「?」

「攻撃力は2000に下がる。だが十分だ。二度目のピースキラー・ドラゴンの攻撃!」

「アニキィ!!」

『十代!まずいぞ!』

「く…!」

「サタン・ス…」

「キッド!」

 

窓の外からキッドを呼ぶ声がした。その声の方をキッドは向き、戦闘が止まる。

 

「何をしている?千年アイテムは手に入れたのだろう?」

「あぁ、ナックス。ここに。」

 

手にした千年錠をナックスに見せる。

 

「なら決闘なんてせずともいいだろ。」

「…決闘でケリをつけず逃亡しろと?」

「あのなぁ…誇りとかそういうのの前にさっさと任務をこなせ。ほらほら、相手さんもわるーござんしたな!わりぃけど俺らこれで消えるから!」

「お…おい!」

「ん!てかキッド、お前の相手って。」

「あぁ、E・HERO使いだ。」

「へ~、おもしれえ。いずれ戦うことがあったらその時は一瞬で潰してやんよ。」

「なんだと!?ってかおいまて!」

 

キッドはナックスが乗ってきたヘリに乗り込み、ナックスも乗るとビルを去っていった。

 

「行っちゃったっすね…。」

「俺はあの時負けていた…。」

「…アニキ…。」

「それにアイツの気持ちとかなんもわかんなかった。ただ…なんか悲しそうに決闘してたぜ。」

 

十代は俯く。しかしすぐに顔をあげ、翔に笑顔を見せた。

 

「次こそは勝つぜ!」




ピースキラー・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻??/守??
このカードは通常召喚できない。フィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターをそれぞれ1体ずつ除外することで特殊召喚することが出来る。
(1):このモンスターの攻撃力・守備力はエクストラデッキで表側となっているPkカード×1000となる。
(2):エクストラデッキに存在するPkカード三枚をコストゾーンに置くことで発動できる。このモンスターはこのターン、二回まで戦闘を行うことが出来る。この効果は自分のメインフェイズかバトルフェイズにのみ発動できる。
(3):??


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第二十三話「いざ WDMC本戦へ」

インダストリアル・イリュージョン社の社長室の窓ガラスにはビニールシートが被されていた。警察が捜査に来るも結局ソリットヴィジョンシステムのエラーという扱いで処理されてしまった。

 

 

「待ってくだサーイ!容疑者は今医務室にいマース!」

 

ペガサスは警官を連れて医務室へ行くも、そこにはピンピンした万丈目しかいなかった。

 

「oh no!万丈目ボーイ、エクスたちはどこへ行ったのですカー?」

「俺が目が覚めた時は誰もいなかったぞ。」

 

警官たちは飽きてた顔をしてビルを出ていった。

 

「まさか逃げ出すとは…。きちんと見張りをつけておくべきでしター…。」

「まぁみんなが無事でよかったぜ。」

 

十代は相変わらずニコニコとしていた。そんな十代を横目に万丈目はペガサスに話しかける。

 

「ペガサス会長。結局WDMCはどうなるんだ?」

「oh、お伝えするのを忘れていましター!WDMC予選のゴールは社長室に設定されていましター。よって社長室に最も近かった三名が本戦出場となりマース。」

「ということは?」

「社長室にたどり着いた十代ボーイ、翔ボーイ、それと万丈目ボーイデース。」

 

それを聞いた翔はペガサスの言葉を遮る。

 

「ちょ…ちょっと待ってくださいっす。万丈目君は社長室から一番近いところにいたとはいえ伸びてたんすよ!?それよりその地点にいたレベッカが本戦に出場するべきじゃないんすか!?」

「なんだと、貴様!」

「なんだよ!間違ったことは言ってないだろ!」

 

万丈目と翔は学生の頃のように喧嘩を始めた。それに対しペガサスは落ち着きながら返答する。

 

「レベッカガールは…」

「ミス レベッカ!!」

 

ペガサスの言葉を今度はレベッカが遮る。

 

「s…sorry、ミス レベッカ。ミス レベッカは二つの理由で予選敗退なのデース。一つは先ほども述べたように社長室から遠いコントロール室にミス レベッカはいたこと。もう一つはバイクの免許を持っていないということデース。」

「バイク?」

「万丈目君知らないの?今回のWDMC、あと日本で行われているJDMCに出場するには大型バイクの免許がいるんだよ。」

「し…知っていたさ!俺だって持っているしな!」

「そう、しかしミス レベッカはまだ取得できる年齢には至っていまセーン。」

「私、ただダーリンに会いたくてこの大会に参加したの。でもダーリンは結局現れなかったから…もういいの!」

 

そういうとレベッカはニコリとしたが、心の奥では残念がっているようであった。杏子もレベッカに同情し、彼女の名前を呟いていた。その時ペガサスのスマートフォンが鳴り、彼は電話に出る。

 

「yes,…ok、今から向かいマース。…みなさん、屋上に来ていただけますカー?」

 

全員を連れてペガサスはビルの屋上に向かった。まもなくして一機のヘリがヘリポートに降り立った。

 

「な…なんだぁ?」

「ミス レベッカ、あなたが待っている人の到着デース!」

 

ヘリの扉があくとそこから遊戯、城之内、海馬が出てきた。

 

「ダーリン!!来てくれたのね!!」

「あ…レベッカ、アハ…ひさしぶり!」

 

抱き付かれた遊戯は動揺を見せるもレベッカを優しく体から離した。城之内は体中の骨を鳴らしながら杏子のほうへ向かう。

 

「あーすげえ疲れたぜ…。ってかおい、杏子!お前電話どうしたんだよ!」

「あ…忘れてた…!」

「ったく、せっかくいいことがあったんだから教えてやろうと思ったのによ!」

「いいこと?」

 

遊戯の先年パズルが光り始める。そこに現れたもう一人の遊戯を目にした杏子は涙が止まらなかった。

 

 

 

 

 

多くのビル群の中にひときわ目立つ建物 その中に”ハイクラス”の一人 トレードはいた。トレードの周りには三人の男が立っている。

 

「ピースキラーズはやられ、意識が戻った瞬間”レクシブ時空”に帰ってたそうだ。お前たちもそうならないことを願っているよ。」

「ふん、この俺がやられると思っているのか。」

「期待しているよ。」

「ところでトレード、あんた俺たちに渡したいものがあるんじゃないのか?」

「おおっと、そうだった、君たちから預かっていたあのカードたちに”遊那”が力を注いでくれた。これらだ、存分に使い”プロン時空”の決闘者たちから千年アイテムを奪え。」

「わかった。」

 

三人の男たちはそれぞれドラゴンのカードを一枚ずつ受け取り、部屋を出た。扉が閉まるとその裏にはキッドが立っていた。

 

「あいつらだけに任せていいのか?」

「びっくりした、キッドか。もちろんだ、あいつらは強い。」

「しかしせっかく入手した千年秤を持っていくんだろ?もし奪われでもしたら…。」

「それなら千年錠を持ち帰った功労者 キッド様も行けばいいだろ、あいつらと一緒に。」

「…。」

「へへ、そんなにも早く”ネオン”を助けたいんだな。」

「!!」

「悪い悪い、遊那から聞いちまった、ハハ。弟のために健気だねえ…!」

「黙れ!」

「とりあえずあいつら5D'sに任せておけば大丈夫だ…。」

 

トレードはそう言うと部屋にあるベッドに横になるのであった。

 

 

 

 

 

一週間後、WDMCの本線が開幕した。遊戯、海馬、城之内、十代、万丈目、翔の六人はアメリカのとあるサーキットの控室にいた。

 

「なぜサーキットでデュエルモンスターズの大会が行われる?」

「あれ、海馬さんも知らなかったの?デュエルアカデミアのオーナーってくらいだから知ってると思ってたぜ~!」

 

十代は悪気もなく海馬を煽る。

 

「貴様…!そもそもなぜおまえは卒業した後も制服を着ている!?」

「え、この制服かっこいいじゃん!俺気に入ってるんすよ!」

「ぬうう…。」

 

海馬は言い返すことができなくなってしまった。すると係員が六人をサーキットに呼んだ。サーキットに近づくにつれ、ペガサスの声が聞こえてくる。

 

「皆サーン!たいへん長らくお待たせしました!ワールドデュエルモンスターズカーニバル本選を開催致しマース!まずは選手に入場してもらいましショーウ!まずはあのヘルカイザー亮の弟にして真・サイバー流の後継者 丸藤翔!」

 

係員が翔の背中を押し、それによろける形で翔は公の場に出た。

 

「続いては万丈目グループの御曹司にしてプロデュエリスト!万丈目準!」

 

紹介とともに万丈目は駆けながらサーキットに出る。そして右手を空に挙げ、指をさしながら叫んだ。

 

「俺の名は!」

「イチ!」

「ジュウ!」

「ヒャク!」

「セン!」

「万丈目…」

「「「「「サンダーー!!」」」」」

 

会場が一体になったことを感じると満足そうな顔をして翔の横についた。

 

「続いてはデュエルアカデミアにて様々なライバルを倒してきた決闘を愛する男 遊城十代!」

 

十代は「おーい!」と言いながら周りに手を振りサーキットに登場した。

 

「この三人はまだ決闘者としては若き世代、とはいえ優秀な成績を収めている者たちばかりデース!よってチーム名をジェネレーションネクスト 略してGXとしマース!」

「「「チームゥゥ!?」」」

 

三人は声を揃えて驚きを言葉で表す。

 

「そんなぁ!僕万丈目君なんかと…!」

「『なんか』とはなんだ!俺だって…」

「まぁまぁ二人とも、仲良くやろうぜ!」

 

そんな三人を置いてペガサスは再び選手の紹介に移る。

 

「続いてはギャンブルデッキ使い 運だけの男から…」

「かああ!もうそれはいい!!」

 

城之内は紹介を遮ってサーキットに降り立った。

 

「海馬コーポレーション社長 強靭にして無敵な最強決闘者 海馬瀬人!」

 

海馬の名が呼ばれると観客たちは歓声を上げる。海馬もまんざらではない様子であった。

 

「そして今回彼が数年ぶりに公式大会に参戦してくれマース…決闘王 武藤遊戯!!」

 

名を呼ばれると遊戯は闇遊戯に語り掛けた。

 

「いくよ、もう一人の僕。」

『おう。』

 

千年パズルが光り、闇遊戯がサーキットの芝生をしっかりと足で踏みしめながら海馬の横に並んだ。

 

「彼らはチーム ドミノ!彼らの出身地からつけましター!」

「な…なんか俺たちのチーム名、いい加減じゃないか?なぁ遊戯。」

「チーム名は重要じゃないぜ、城之内君。一生懸命頑張ろう。」

「フン、せいぜい足を引っ張らないことだな、凡骨。」

「海馬ァ!このぉ!」

 

「続いての紹介に移りましょう!ヨーロッパ アフリカ地区から出場し、見事ここまで勝ち上がったチーム アージェントデース!彼らは本名を使って登録していないので個人の紹介は省略しマース…。」

 

チーム アージェントの三人は深くフードをかぶり、静かにサーキットに現れた。

 

「最後のチームはオセアニア圏からの出場チームデース。まずは一人目 黒き旋風を巻き起こす鉄砲玉 クロウ・ホーガン!そして二人目 自らを(キング)と名乗る最強決闘者 ジャック・アトラス!最後は冷静かつ最強のタクティクスで負け知らずの天才決闘者 不動遊星!!」

「なに!?」

「遊星だって!?」

 

遊戯と十代は遊星の名を聞き、チーム5D'sのほうを見た。そこには確かに遊星が立っている。遊戯と十代は駆け寄ると遊星に話しかけた。

 

「遊星!久しぶりだな!」

「まさかまた時間をさかのぼってきたのか!?いやぁ会えてうれしいぜ!」

 

十代が彼の肩にポンと手を置くが、遊星はそれを振り払った。

 

「黙れ、お前などに用はない。武藤遊戯、お前から千年パズルはいただくぜ。」

 

そういうと遊星らチーム5D'sは再び自分たちの控室に戻っていくのであった。その姿を遊戯と十代は突っ立ったまま見ているしかできなかった。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)

Pk-A(ア)ガリア
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1200/守400
【Pスケール:青2/赤2】
(1):相手モンスターの直接攻撃時に発動できる。このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分はシンクロ召喚を行うことは出来ない。


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5D's救出編
第二十四話「ライディングデュエル アクセラレーション!」


4チームはそれぞれの控室に戻った。控室の画面に今回の大会ルールを説明したのちに、リーグ戦の組み合わせが映し出されることになっていた。4チームのメンバーがそれぞれ部屋に戻ると画面がつき、サーキットの真ん中に立つペガサスが映った。

 

「今回の決闘ではインダストリアル・イリュージョン社が考案中の新たな決闘 ライディングデュエルを行ってもらいマース!ライディングデュエルとはデュエルディスクをさらに進化させたマシン Dホイールに乗って決闘するのデース。」

 

チーム ドミノ、GXともにすべてのメンバーがライディングデュエルをしたことはない。この場に来るまでその名も聞いたことがなかった。六人は黙ってペガサスのルール解説を聞くのだった。説明が終わるとチーム ドミノの控室では城之内が混乱していた。

 

「あー!もう!今回の大会はバイクの免許が必要って言ってたからなんか変な感じしてたけど…もうわっけわかんないぜ!」

「フン、凡骨には理解できぬようだな。足手まといにはさっさと消えてほしいものだ。」

「んだとぉ!?」

「城之内君、一緒に確認しよう。」

 

遊戯はそういうとテーブルの上に置いてあったメモ帳に箇条書きで今回の大会ルールについて書いていく。

 

・3対3のチーム戦。まず最初チームが一人ずつ戦い、最後の一人が敗北するとそのチームの全員が敗退となる。

・自分が敗北し、自分のチームに次のメンバーが控えている場合、強制的にエンドフェイズとなり、フィールドはそのままの状態で次のメンバーに引き継ぐ形となる。その際、負けたプレイヤーはスタート位置まで戻らなくてはならない。

・今回のライディングデュエルでは破壊、無効にできないフィールド魔法 プロト・スピードワールドを最初に発動される。

・走り始めて最初のカーブを過ぎるまでは手動運転であり、その後は自動運転となる。

・二戦目以降は先行1ターン目の特徴(ドローなし、バトルフェイズなし)は適用されない。

 

「ざっとこんな感じだ。あとは普通に決闘すればいい。」

「なーるほどな、とりあえず勝ちゃいいんだもんな!」

「あぁ…。」

『どうしたの?もう一人の僕。』

 

遊戯が闇遊戯に心の中で語りかけた。

 

『相棒…。遊星のことだ。』

『やっぱりそうだよね。前の彼とは全然違う人みたいだったよ。』

『なんとしても遊星を元に戻さなくては…。』

 

控室の画面に対戦表が表示された。それぞれのチームのメンバーは食い入るように見る。

 

一戦目 チーム GX VS チーム アージェント

二戦目 チーム ドミノ VS チーム 5D's

 

「よっしゃ、初戦は僕たちですよ!アニキ!万丈目君!」

「なんだ、翔。すごいやる気だな。」

「もちろんっすよ、世界に認められる大会で決闘…いやライディングデュエル出来るんだ!決闘者なら燃えないわけないっすよ!」

「あぁ…そうだな…。」

『十代、遊星のことを考えていても仕方がないぞ。あいつらと戦うのは遊戯たちだろう。』

 

ユベルは十代に喝を入れた。

 

「…そうだな、この決闘、楽しまなきゃな!」

 

 

 

 

 

サーキットにチーム GXとアージェントが再び現れた。ペガサスが両チームに決闘する順番を決めたか尋ねると皆うなずく。それを確認したペガサスはスタッフに目で合図すると、D ホイールが二台ピットから出てきた。

 

「今回のD ホイールは試運転のために作られたものデース。莫大なコストがかかり、わが社の資金を使っても二台までしか作れませんでしター…。1チーム一台でお願いしマース!」

 

十代は赤、アージェントの高身長のフードをかぶった男は青のD ホイールを選んだ。それぞれのピットにそれを運ぶとスタッフたちは最終整備に取り掛かる。

 

「うぉぉ!すっげえ!俺バイクいじってるの見てみたかったんだよなぁぁ!」

「十代!いいから席に着くぞ。…ジャンケンで負けたんだからな…!」

「ちぇ!俺が始めがよかったぜ。」

 

そういいつつ二人はピットの席に着いた。翔はレーシングスーツを身にまとうとD ホイールに跨った。しかし身長が低いせいか足が地面につかない。仕方なく周りのスタッフがD ホイールを支えながらスタートすることになった。

 

「翔…ださいぜ…。」

「まったく…チームGXのリーダーとして恥ずかしいぞ。」

「万丈目、お前リーダーだったのかよ。」

「当然だ…しかしあんなスタートを切るチームのリーダーは…っておい、見ろ十代!」

 

万丈目が指でさした先にはチーム アージェントの最初の決闘者がバイクに跨っていたが、彼もまた身長が低いため、スタッフに支えられながらスタートラインについていた。翔はアージェントの決闘者に話しかける。

 

「身長が低いってのは困ったもんだよね…。でもお互いにいい決闘をしよう!」

「こちらこそよろしく、丸藤亮の弟の丸藤翔君。」

「お兄さんを知っているの?」

「いいや、でもきちんと調べたよ。君のお兄さんの決闘も…君の決闘もね。」

「君は一体…?」

「僕の名前は(スリー)、よろしくね!」

 

まもなくしてペガサスはスタート合図の姿勢につく。

 

「それではWDMC本選 第一回戦 チームGXVSチーム アージェント…スタートのカウントが始まりマース!プロト・スピードワールド セット!」

 

D ホイールから機械の音声が鳴る。

 

「プロト・スピードワールド発動。デュエルモード スタンバーイ」

 

「「「ライディングデュエル アクセラレーション!」」」

 

二人は勢いよく飛び出す。はじめはわずかにⅢがリードしている。解説員席の男がD ホイールの解説を始める。

 

「D ホイールは我が社の最新システムを詰め込んだ未来型マシンです!電気自動車のシステムを応用し現在は電気で動いているためとてもエコでもあります!っとそんな解説をしている間に二人はもうすぐ最初のコーナーだ!先にコーナーを曲がったほうが先攻です!」

 

翔は負けじとスピードを上げていくがⅢには追い付かない。「まずい、先攻を取られる…!」しかしコーナーに差し掛かる直前にⅢはスピードを落とした。翔はここぞとばかりにスピードを上げ、Ⅲを抜かし、カーブを先に曲がった。

 

「僕の先攻!僕は手札からパワー・ボンドを発動!」

 

 

 

パワー・ボンド

通常魔法

自分の手札・フィールド上から、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

機械族のその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。

このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、

自分はこのカードの効果でアップした数値分のダメージを受ける。

 

 

 

「手札のサイバー・ドラゴン二体で融合!」

 

 

 

サイバー・ドラゴン

効果モンスター

星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「現れ出でよ!キメラテック・ランページ・ドラゴン!」

 

 

 

キメラテック・ランページ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻2100/守1600

「サイバー・ドラゴン」モンスター×2体以上

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

(1):このカードが融合召喚に成功した時、

このカードの融合素材としたモンスターの数まで

フィールドの魔法・罠カードを対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送る。

このターン、このカードは通常攻撃に加えて、

この効果で墓地へ送ったモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる

 

 

 

二つの首を持った龍が翔のフィールドに現れた。

 

「僕はカードを一枚セットしターンエンド!そしてエンドフェイズ時、僕はパワー・ボンドの効果で上がった分のダメージを受ける!」

 

翔LP4000→1900

 

翔のD ホイールが大きく揺れ、翔はバランスをとるためハンドルをぎゅっと強く握った。

 

 

  □□■□□

 □      □ 翔LP1900 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅢLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

翔が伏せたカードは神の宣告。

 

 

 

神の宣告

カウンター罠(制限カード)

(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。

●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。

それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

キメラテック・ランページ・ドラゴンが除去されてしまう恐れがあった場合は神の宣告で対処し、次のターンで攻撃力4200となっているキメラテック・ランページ・ドラゴンで相手を倒す。万が一壁モンスターがいてもキメラテック・ランページ・ドラゴンの効果を使い、連続攻撃で相手を確実に倒す。彼はニヤリとした。

 

「僕はこの次元に来ていろんなことを調べたんだ。公式発表されていなかったライディングデュエルのこともね。」

 

Ⅲは翔のライフが減ったことで数メートル先を走っていたが、後ろを見つつ話かけてきた。

 

「ライディングデュエルはスピードの中で進化するものとして作られつつある決闘だ。だから僕もスピードでまずは君を倒すよ。手札から速攻魔法 サイクロン発動!」

 

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

「あ!僕の神の宣告が…!」

「さらに魔法カード おろかな埋葬!」

 

 

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

 

「デッキから先史遺産(オーパーツ)ネブラ・ディスクを墓地へ送る。」

 

 

 

先史遺産ネブラ・ディスク

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守1500

このカードが召喚に成功した時、デッキから「先史遺産ネブラ・ディスク」以外の

「オーパーツ」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。

また、このカードが墓地に存在し、自分フィールド上に存在するモンスターが

「先史遺産」と名のついたモンスターのみの場合に発動できる。

このカードを墓地から表側守備表示で特殊召喚する。

この効果を発動するターン、自分は「オーパーツ」と名のついたカードの効果しか発動できない。

「先史遺産ネブラ・ディスク」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「手札から先史遺産ゴールデン・シャトルを召喚!」

 

 

 

先史遺産ゴールデン・シャトル

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1300/守1400

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

自分フィールド上の全ての

「先史遺産」と名のついたモンスターのレベルを1つ上げる

 

 

 

「そして墓地のネブラ・ディスクの効果!フィールド上に先史遺産しかいないとき特殊召喚!」

「あ…わ…!」

「ゴールデン・シャトルの効果発動!フィールド上のすべての先史遺産のレベルを一つ上げる!」

「レベル5のモンスターが二体…!」

「僕はレベル5となった先史遺産ゴールデン・シャトルとネブラ・ディスクでオーバーレイ!現れろ!ランク5 No.(ナンバーズ)33 先史遺産-超兵器マシュ=マック!」

 

 

 

No.33 先史遺産-超兵器マシュ=マック

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/機械族/攻2400/守1500

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、

与えたダメージの数値分だけこのカードの攻撃力をアップする

 

 

 

マシュ=マックが姿を現し、Ⅲとともにサーキットを移動する。Ⅲはさらに自分のターンを続行し始めた。

 

「マシュ=マックの効果!オーバーレイユニットを一つ取り除き発動!相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、与えたダメージの数値分だけこのカードの攻撃力をアップする!」

「キメラテック・ランページ・ドラゴンの元々の攻撃力は2100、今は4200…つまり僕に与えられるダメージは…2100!?」

「君や君のお兄さんが目指すリスペクトデュエルとは程遠いことをしてしまった。ごめんよ。でも僕たちは早くアストラルを助けて遊馬の手助けをしたいんだ!」

「なんのこと…?」

「ひどいことを言うようだけど僕ごときに1ショットキルされるようじゃ戦力にはならない…終わりにさせてもらうよ。インフィニティ・キャノン!」

 

マシュ=マックの壁からたくさんの大砲が現れ、キメラテック・ランページ・ドラゴンは集中砲火される。その衝撃は翔のD ホイールをも襲い、彼はあっという間に敗北した。

 

翔LP1900→0




プロト・スピードワールド
フィールド魔法
(1):このカードは破壊されない。


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第二十五話「万丈目サンダーのエクシーズ おジャマ・カイザー!」

翔の乗ったD ホイールはチームGXのピッチの前で止まった。レーシングスーツを纏った万丈目が腕を組んで立っていた。

 

「あ…あの…万丈目君…。」

「手札を見せてみろ。」

 

翔の手札には禁じられた聖槍が握られていた。

 

「こんな汎用性の高いカードをなぜ伏せておかなかった!伏せていれば俺の番でつかえたものを…。負けるならば価値のある負け方をしろ!」

「ご…ごめん…。」

 

その様子を見た十代は万丈目の肩に手をまわして翔に助け舟を出した。

 

「ほら、万丈目。一周追いつかれちまったら俺”たち”の負けだぜ?」

「万丈目サンダー!ったく、見ていろ。俺が全員倒してやる!十代、お前の出番なんぞないぞ!」

 

そういうと翔の乗っていたD ホイールに跨り、すぐに発進した。しばらく走行すると前に(スリー)の乗っているD ホイールが見え、万丈目が後ろから来たことにⅢも気が付いた。

 

「万丈目準、君はどれほどの力を持っているのか確かめさせてもらうよ!」

「万丈目サンダー!俺のターン、ドロー!俺は手札からアームドドラゴン LV3を召喚!」

 

 

 

アームド・ドラゴン LV3

効果モンスター

星3/風属性/ドラゴン族/攻1200/守 900

自分のスタンバイフェイズ時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、

手札またはデッキから「アームド・ドラゴン LV5」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「さらに手札から魔法カード レベルアップ!発動!」

 

 

 

レベルアップ!

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つ

モンスター1体を墓地へ送り発動する。

そのカードに記されているモンスターを、

召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「アームドドラゴン LV3をリリースし、アームドドラゴン LV5をデッキより特殊召喚!」

 

 

 

アームド・ドラゴン LV5

効果モンスター

星5/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1700

手札からモンスター1体を墓地へ送る事で、

そのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。

また、このカードが戦闘によってモンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、

フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、

手札またはデッキから「アームド・ドラゴン LV7」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「カードを一枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 万丈目LP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅢLP4000 手札3

  □□□□□

 

 

「僕のターン、ドロー!…バトルだ、マシュ=マックでアームドドラゴン LV5を攻撃!ヴリルの火!」

 

攻撃宣言に反応し万丈目はすかさずカウンター罠を発動する。

 

「攻撃の無力化!バトルフェイズを終了させる!」

 

 

 

攻撃の無力化

カウンター罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃を無効にする。その後、バトルフェイズを終了する。

 

 

 

「さすがプロ決闘者。カードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 万丈目LP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅢLP4000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はモンスターを一枚セット、カードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 万丈目LP4000 手札2

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅢLP4000 手札2

  □■■□□

 

 

「万丈目のやつ、慎重だな。」

 

十代はピットから万丈目の決闘を観察していた。その横で翔はうつむいている。十代はそんな翔を見るもかける言葉が見つからなかった。

 

「僕のターン、ドロー!そんなに攻めるのが怖いかい?なら僕から行かせてもらう。僕は手札の先史遺産(オーパーツ)クリスタル・スカルの効果発動!」

 

 

 

先史遺産クリスタル・スカル

効果モンスター

星3/光属性/岩石族/攻 900/守 600

自分フィールド上に「先史遺産」と名のついたモンスターが存在する場合、

自分のメインフェイズ時にこのカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。

自分のデッキ・墓地から「先史遺産クリスタル・スカル」以外の

「先史遺産」と名のついたモンスター1体を選んで手札に加える。

「先史遺産クリスタル・スカル」の効果は1ターンに1度しか使用できない

 

 

 

「デッキからゴールデン・シャトルを手札に加えそのまま召喚!」

 

 

 

先史遺産ゴールデン・シャトル

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1300/守1400

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

自分フィールド上の全ての

「先史遺産」と名のついたモンスターのレベルを1つ上げる

 

 

 

「墓地のネブラ・ディスクの効果でフィールドに特殊召喚!」

 

 

 

先史遺産ネブラ・ディスク

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守1500

このカードが召喚に成功した時、デッキから「先史遺産ネブラ・ディスク」以外の

「オーパーツ」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。

また、このカードが墓地に存在し、自分フィールド上に存在するモンスターが

「先史遺産」と名のついたモンスターのみの場合に発動できる。

このカードを墓地から表側守備表示で特殊召喚する。

この効果を発動するターン、自分は「オーパーツ」と名のついたカードの効果しか発動できない。

「先史遺産ネブラ・ディスク」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…!」

「僕はレベル4の先史遺産ゴールデン・シャトルとネブラ・ディスクでオーバーレイ!現れよ ランク4 No.(ナンバーズ)36 先史遺産-超機関フォーク=ヒューク!」

 

 

 

No.36 先史遺産-超機関フォーク=ヒューク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/機械族/攻2000/守2500

「先史遺産」と名のついたレベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

また、自分フィールド上の「先史遺産」と名のついたモンスター1体をリリースして発動できる。

相手フィールド上の、元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスター1体を選択して破壊する。

 

 

 

球体のエネルギーに包まれた都市のようなモンスターが姿を現した。Ⅲは続けてフォーク=ヒュークの効果を発動する。

 

「オーバーレイユニットを一つ使ってアームドドラゴン LV5を選択!そのモンスターの攻撃力を0にする!」

「なんだと!?」

「さらにマシュ=マックの効果発動!インフィニティ・キャノン!」

「罠 発動!レインボー・ライフ!」

 

 

 

レインボー・ライフ

通常罠

手札を1枚捨てて発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、

自分は戦闘及びカードの効果によって

ダメージを受ける代わりに、

その数値分だけライフポイントを回復する。

 

 

 

「手札からおジャマジックを墓地へ送り、このターンのダメージをすべてライフ回復にする!」

 

 

 

おジャマジック

通常魔法

このカードが手札またはフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」を1体ずつ手札に加える。

 

 

 

「よってアームドドラゴン LV5の元々の攻撃力である2400分回復!」

 

万丈目LP4000→6400

 

「しかしマシュ=マックの効果によりアームドドラゴン LV5は破壊され、その攻撃力分、マシュ=マックは攻撃力が上がる!」

「そして手札から墓地へ送ったおジャマジックの効果により手札におジャマ三兄弟を加える。」

 

 

 

おジャマ・イエロー

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・グリーン

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

おジャマ・ブラック

通常モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

あらゆる手段を使ってジャマをすると言われているおジャマトリオの一員。

三人揃うと何かが起こると言われている。

 

 

 

「なるほど、それが君の得意なおジャマデッキの要だね。でも僕のマシュ=マックにかなうかな?」

「さっきのキメラテック・ランページ・ドラゴンとアームドドラゴン LV5の攻撃力を足してマシュ=マックの攻撃力は4500か…。」

「このターンのダメージは発生しないが戦闘によってモンスターは破壊できるね。バトル!マシュ=マックで裏守備モンスターを攻撃!ヴリルの火!」

 

裏守備モンスターはおジャマ・ブルー。

 

 

 

おジャマ・ブルー

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ」と名のついた

カード2枚を手札に加える事ができる。

 

 

 

万丈目は効果を発動する。

 

「おジャマ・ブルーが戦闘で破壊されたとき、デッキから二枚のおジャマカードを加える!俺が加えるのはおジャマ・デルタハリケーン!!とおジャマジック!」

 

 

 

おジャマ・デルタハリケーン!!

通常魔法

自分フィールド上に「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」が表側表示で存在する場合に発動する事ができる。

相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する。

 

 

 

「カードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 万丈目LP6400 手札6

  ○○○○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ ⅢLP4000 手札0

  □■■■■

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「罠 発動!マインドクラッシュ!」

 

 

 

マインドクラッシュ

通常罠

カード名を1つ宣言して発動する。

宣言したカードが相手の手札にある場合、相手はそのカードを全て墓地へ捨てる。

宣言したカードが相手の手札に無い場合、自分は手札をランダムに1枚捨てる

 

 

 

「僕が宣言したカードを手札から墓地へ送ってもらう。僕が宣言するのはおジャマ・デルタハリケーン!!」

「く…。」

 

万丈目は手札からおジャマ・デルタハリケーン!!を墓地へ送った。

 

「君の戦術はわかってる。おジャマ三兄弟をフィールドにそろえデルタハリケーンで僕のフィールドを一掃する。でもそうはさせないよ。」

「なるほど、確かに俺をよく研究している。だがそんなデータ通りにこの万丈目サンダーが動くかな?」

「…。」

「手札から魔法カード 愚鈍な壺を発動!手札三枚を除外しカード一枚ドロー!俺が除外するのはおジャマ三兄弟!」

「なに!?」

『いやぁ~ん!除外しないでェェ。』

 

三兄弟は次元の裂け目へと姿を消す。そして万丈目はカードを一枚ドローした。そのカードはトライワイトゾーン。

 

 

 

トライワイトゾーン

通常魔法

自分の墓地に存在するレベル2以下の通常モンスター3体を選択して発動する。

選択したモンスターを墓地から特殊召喚する

 

 

 

「手札から速攻魔法発動!異次元からの埋葬!」

 

 

 

異次元からの埋葬

速攻魔法(制限カード)

(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から

合計3体まで対象として発動できる。

そのモンスターを墓地に戻す。

 

 

 

「除外されたおジャマ三兄弟を墓地へ!さらに手札から魔法カード トライワイトゾーン発動!出てこいクズ共!」

『いえい!』

『俺たち!』

『おジャマ三兄弟!』

「おジャマ三兄弟がそろってしまった…。でもおジャマ・デルタハリケーン!!は君の手札にはない!」

「フフン、おジャマ三兄弟のレベルは知っているか?」

「レベルは…すべて2!まさか!」

「俺はレベル2のおジャマイエロー、ブラック、グリーンでオーバーレイ!クズな獣が一つになりしとき、無敵のクズが誕生する!」

「無敵のクズって…。」

 

十代は半笑いだ。

 

「現れろ!ランク2!おジャマ・カイザー!」

 

おジャマ・キングとはまた違った風格を持った新たなおジャマが姿を現した。

 

「オーバーレイユニットを一つ使うことでおジャマ・カイザーの効果発動!フィールド上のモンスター1体を選択しそのモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時までおジャマ・カイザーに加える!マシュ=マックを選択!アタックアドアタック!」

 

おジャマ・カイザーの元々の攻撃力は0、マシュ=マックの攻撃力である4500がおジャマ・カイザーの攻撃力となった。

 

「バトルだ!おジャマ・カイザーでフォーク=ヒュークを攻撃!」

「フォーク=ヒュークの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使うことでおジャマ・カイザーの攻撃力を0にする!」

「まずい!これじゃあ返り討ちだ!」

 

翔は椅子から立ち上がって叫んだ。翔と十代の前をちょうど万丈目たちがD ホイールで通過する。万丈目がニヤリとしながらカウンター罠を発動する瞬間を二人は肉眼で見ることが出来た。

 

「カウンター罠!天罰!」

 

 

 

天罰

カウンター罠

手札を1枚捨てて発動する。

効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。

 

 

 

「手札のおジャマジックを捨てフォーク=ヒュークン効果を無効にし破壊する!」

「なんだって!?」

「おジャマジックの効果でデッキから再びおジャマ三兄弟を加える!」

 

フォーク=ヒュークは破壊され、戦闘対象を失ったおジャマ・カイザーは次にマシュ=マックにターゲットを移す。

 

「バトル続行!おジャマ・カイザーでマシュ=マックを攻撃!ボディカイザーブロー!」

 

お互いの攻撃力は互角。両方のモンスターは撃破された。

 

 

「モンスターをセットしターンエンドだ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 万丈目LP6400 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅢLP4000 手札0

  □■■■□

 

 

「僕のターン…ドロー!…カードを一枚セットしターンエンド。」

 

  □□□□□

 □      □ 万丈目LP6400 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅢLP4000 手札0

  □■■■□

 

「俺のターン、ドロー!手札から魔法カード おジャマリッジ・ブルーを発動!フィールド、または墓地に存在するおジャマモンスターを除外することで手札に二枚のおジャマカードを加える!墓地のおジャマ・ブラックとグリーンを除外しおジャマ・レッドとおジャマ・ゾーンを手札に加える!」

 

 

 

おジャマ・レッド

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが召喚に成功した時、

手札から「おジャマ」と名のついたモンスターを4体まで

自分フィールド上に攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「そしておジャマ・レッドを召喚!効果により手札のブラック、グリーンを特殊召喚!」

『いよし!あとはイエローだけだぁ!』

「おジャマ・イエローを反転召喚!」

『『『やったー!おジャマ三兄弟がそろったぁ!』』』

『おいらも忘れんなよ!』

 

おジャマ・レッドが最後にしめたところで万丈目は永続魔法 おジャマ・ゾーンを発動した。おジャマ・カントリーの永続魔法版である。

 

「これでクズ共の攻撃力はそれぞれ1000!バトルだ!一斉攻撃!」

『『『『いけえええ!』』』』

 

四体のモンスターがⅢに体当たりした。

 

ⅢLP4000→0

 

「なるほど、確かにやるね。」

「当然だ、俺は万丈目サンダーだからな。」

「でも僕は兄様たちに繋ぐことはできた。」

 

そういうとⅢのD ホイールは万丈目から離れていった。




おジャマ・カイザー
エクシーズ・効果モンスター
ランク2/光属性/獣族/攻0/守3000
「おジャマ」と名のついたレベル2通常モンスター×3
(1):エクシーズ素材を一つ取り除くことで発動できる。フィールド上に表側で存在するモンスターを1体選択し、その選択したモンスターの攻撃力の数値分、このターンのエンドフェイズ時までこのモンスターの攻撃力に加える。この効果は相手ターンにも使用できる。


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第二十六話「仕掛け人形のファンサービス」

万丈目は風を感じながらD ホイールを走らせる。やがて後ろからさっきまで(スリー)が乗っていたD ホイールが近づいてきた。

 

「よう、俺の弟を倒すなんてやるじゃねえか。」

「お前は?」

「俺は(フォー)。あいつの兄だ。さぁ始めようぜ!」

 

「「決闘!」」

 

 

  □□■□□

 □      □ 万丈目LP6400 手札0

  ○●●●● ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅣLP4000 手札5

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード トレード・インを発動!」

 

 

 

トレード・イン

通常魔法

手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「手札のギミック・パペット-ネクロ・ドールを墓地へ送り二枚ドロー。」

 

 

 

ギミック・パペット-ネクロ・ドール

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻 0/守 0

このカードが墓地に存在する場合、

このカード以外の自分の墓地の「ギミック・パペット」と名のついた

モンスター1体をゲームから除外して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

「ギミック・パペット-ネクロ・ドール」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、このカードをエクシーズ召喚の素材とする場合、

「ギミック・パペット」と名のついたモンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。

 

 

 

「さらに手札から魔法カード ジャンク・パペットを発動!」

 

 

 

ジャンク・パペット

通常魔法

自分の墓地の「ギミック・パペット」と名のついた

モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを特殊召喚する。

「ジャンク・パペット」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

 

「墓地のギミック・パペットを特殊召喚!出でよ、ギミックパペット-ネクロ・ドール!」

「レベル8モンスターがこうもあっさりと…。」

「さらに手札からギミック・パペット-マグネ・ドールを特殊召喚。」

 

 

 

ギミック・パペット-マグネ・ドール

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上に存在するモンスターが

「ギミック・パペット」と名のついたモンスターのみの場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「こいつは相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上に存在するモンスターがギミック・パペットのみの場合特殊召喚できる。」

「レベル8のモンスターが二体…!」

「レベル8のギミック・パペット-ネクロ・ドールとマグネ・ドールでオーバーレイ!現れろ!ランク8 No.(ナンバーズ)40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス!」

 

 

 

No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス

エクシーズ・効果モンスター

ランク8/闇属性/機械族/攻3000/守2000

レベル8モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する

全てのモンスターにストリングカウンターを1つ置く。

次の相手のエンドフェイズ時、

ストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、

破壊したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

紐でつるされた翼をもった機械仕掛けの堕天使が現れた。

 

「ヘブンズ・ストリングスの効果!オーバーレイユニットを一つ使い、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを1つ置く。次の相手のエンドフェイズ時、ストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。」

「何!次のターン、俺のおジャマが全滅だと!?」

「次のターン?俺がそこまで待つわけがないだろう。最高のファンサービスをこの次元でも見せてやる!Ⅲ、お前が残したカード使わせてもらう!伏せていた魔法カード RUM(ランクアップマジック)-アージェント・カオス・フォース 発動!」

 

 

 

RUM-アージェント・カオス・フォース

通常魔法

自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、

選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、このカードが墓地に存在し、

自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、

墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない

 

 

 

「ヘブンズ・ストリングスをカオス・エクシーズ・チェンジ!現れろ、CNo.(カオスナンバーズ)40!人類の叡智の結晶で、悪魔よよみがえれ!ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス!」

 

 

 

CNo.40 ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス

エクシーズ・効果モンスター

ランク9/闇属性/機械族/攻3300/守2000

レベル9モンスター×3

このカードが特殊召喚に成功した時、

フィールド上のストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

その後、この効果で破壊され墓地へ送られたモンスターの内、

元々の攻撃力が一番高いモンスターのその数値分のダメージを相手ライフに与える。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを1つ置く。

 

 

 

堕天使は混沌の中から悪魔として転生した。デビルズ・ストリングスは効果を発動する。

 

「デビルズ・ストリングスは特殊召喚に成功した時、フィールド上のストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、自分はデッキからカードを1枚ドローする。お前のフィールドのモンスターはすべて破壊される!メロディ・オブ・マサカ!」

 

四体のおジャマはデビルズ・ストリングスの奏でる音によって破壊された。Ⅳはカードを一枚ドローする。

 

「バトルだ!デビルズ・ストリングスで万丈目にダイレクトアタック!」

 

デビルズ・ストリングスの音による攻撃は万丈目をも襲う。衝撃でD ホイールはよろけるがすぐに立て直した。

 

万丈目LP6400→3100

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 万丈目LP3100 手札0

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP4000 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード マジカル・プランターを発動!フィールドに存在する永続魔法を墓地へ送りカードを一枚ドローする。そのカードは相手に見せなくてはならない。」

「ほう…。」

「おジャマ・ゾーンを墓地へ送りカードドロー!」

 

万丈目が引いたカードは魔法カード 融合。

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

彼の敗北が決まった。しかし彼は動揺することなくカードをセットしエンドを宣言した。

 

 

  □□■□□

 □      □ 万丈目LP3100 手札0

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP4000 手札4

  □■■■□

 

 

Ⅳはニヤリとし、万丈目のD ホイールを追い抜いた。

 

「気に入ったぜ、お前。」

「なんだ?」

「いや…デビルズ・ストリングスで万丈目をダイレクトアタック!」

「グアアア!」

 

万丈目LP3100→0

 

万丈目はD ホイールを自分のピッチに着けた。

 

「すまん、偉そうなことを言って結局なんも出来なかった。」

 

万丈目は珍しくへこんでいる。しかし十代は笑顔で

 

「なーに言ってんだ!いいカード残してくれたじゃんか!ありがとよ!勝ってくるぜ!」

 

といい、D ホイールで走り去っていった。

 

「ふん、あの落ちこぼれが…!」

 

 

 

 

十代のD ホイールがⅣのD ホイールの後ろについた。

 

「「決闘!」」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札5

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP4000 手札4

  □■■■□

 

 

「お前は万丈目よりやるのか?」

「当然だ!楽しもうぜ!」

「ふん、お前にも俺のファンサービスを受け取ってもらおうか!」

「よーくわかんねえけど行くぜ!ドロー!俺は手札からE・HERO(エレメンタルヒーロー) エアーマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「効果によりデッキから手札にE・HERO ネオスを加えるぜ!」

 

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

 

「そして万丈目が託してくれたカード 融合を発動!フィールドのエアーマンとネオスを融合!現れ出てこい!E・HERO Great(グレイト) TORNADO(トルネード)!」

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「Great TORNADOが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる!タウン・バースト!」

 

デビルズ・ストリングスの攻撃力は1650となった。

 

「バトルだ!Great TORNADOでデビルズ・ストリングスを攻撃!スーパーセル!」

 

Great TORNADOの風による攻撃によりデビルズ・ストリングスは撃破された。

 

ⅣLP4000→1150

 

「へへ、俺をここまでいきなり最初のターンで追い込んでくるとは…おもしれえ!」

「まだまだだろ?こいよ!カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP3100 手札4

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅣLP1150 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!次のファンサービスだ!墓地のネクロ・ドールの効果!墓地のヘブンズ・ストリングスを除外し、こいつを特殊召喚!こい、ギミック・パペット-ネクロ・ドール!さらにギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティを召喚!」

 

 

 

ギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティ

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻 0/守 100

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

手札から「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。

「ギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「効果発動!こいつが召喚に成功した時、手札からギミック・パペットを1体を特殊召喚できる!こい、ギミック・パペット-シャドーフィーラー!」

 

 

 

ギミック・パペット-シャドーフィーラー

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000

このカードは戦闘では破壊されない。

また、このカードが墓地に存在し、

相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

このカードを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚し、

自分は1000ポイントダメージを受ける。

「ギミック・パペット-シャドーフィーラー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

エクシーズ素材となったこのカードが墓地へ送られる場合、

墓地へは行かずゲームから除外される。

 

 

 

Ⅳのフィールドにはレベル8のネクロ・ドール、シャドーフィーラー。レベル4のハンプティ・ダンプティが存在する。ⅣはさらにⅢが伏せていた罠を発動する。

 

「永続罠 発動!マーシャリング・フィールド!」

 

 

 

マーシャリング・フィールド

永続罠

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分は機械族以外のモンスターを特殊召喚できない。

(2):1ターンに1度、5~9までの任意のレベルを宣言して発動できる。

自分フィールドのレベル5以上の機械族モンスターのレベルは宣言したレベルになる。

(3):自分フィールドの機械族Xモンスターが破壊される場合、

代わりにこのカードを墓地へ送る事ができる。

(4):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。

自分のデッキ・墓地から「RUM-アージェント・カオス・フォース」1枚を選んで手札に加える。

 

 

 

「1ターンに1度、5~9までの任意のレベルを宣言し、自分フィールドのレベル5以上の機械族モンスターのレベルは宣言したレベルになる。俺はレベル8を選択!」

「これでレベル8が3体…!」

「レベル8のギミック・パペット-ネクロ・ドール、シャドーフィーラー、ハンプティ・ダンプティでオーバーレイ!出てこい!ランク8 No.88 ギミック・パペット-デステニー・レオ!」

 

 

 

No.88 ギミック・パペット-デステニー・レオ

エクシーズ・効果モンスター

ランク8/闇属性/機械族/攻3200/守2300

レベル8モンスター×3

1ターンに1度、自分の魔法&罠カードゾーンに

カードが存在しない場合に発動できる。

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

このカードにデステニーカウンターを1つ置く。

この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

このカードにデステニーカウンターが3つ乗った時、

このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。

 

 

 

「また新しいエクシーズモンスター!」

「まだだ!墓地のアージェント・カオス・フォースの効果により自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、墓地のこのカードを手札に加える事ができる!そして発動!カオス・エクシーズ・チェンジ!現れろ、CNo.88!吠えろ、荒ぶる魂。すべてを滅ぼす、怒りを、呼び覚ませ!ギミック・パペット-ディザスター・レオ!」

 

 

 

CNo.88 ギミック・パペット-ディザスター・レオ

エクシーズ・効果モンスター

ランク9/闇属性/機械族/攻3500/守2500

レベル9モンスター×4

このカードは「No.88 ギミック・パペット-デステニー・レオ」を対象として発動する、

「RUM」と名のついた魔法カードの効果でのみ特殊召喚できる。

フィールド上のこのカードはカードの効果の対象にならない。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

また、自分のエンドフェイズ時に相手ライフが2000ポイント以下で

このカードにエクシーズ素材が無い場合、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。

 

 

 

球の上に神々しき獅子が荒々しい目つきで十代をにらむ。十代は思わず冷や汗をかいた。

 

「ディザスター・レオの効果!カオスオーバーレイユニットを一つ使い相手ライフに1000ポイントダメージを与える!マキシマム・カラミティー!」

 

十代LP4000→3000

 

「バトルだ!ディザスター・レオでGreat TORNADOを攻撃!」

「うわああ!」

 

十代LP3000→2300

 

「へへ、俺はターンエンド!楽しもうぜ、十代…!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP2300 手札4

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP1150 手札3

  □■■■□

 




マジカル・プランター
通常魔法
(1):自分フィールド上に表側表示で存在する
永続魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキからカードを1枚ドローする。その後そのドローしたカードを相手に見せる。


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第二十七話「トロン一家の目的」

十代のD ホイールの後ろを(フォー)のD ホイールが追う。

 

「俺のターン、ドロー!俺は融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のフェザーマンとクレイマンを融合!」

 

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) フェザーマン

通常モンスター

星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000

風を操り空を舞う翼をもったE・HERO。

天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。

 

 

E・HERO クレイマン

通常モンスター

星4/地属性/戦士族/攻 800/守2000

粘土でできた頑丈な体を持つE・HERO。

体をはって、仲間のE・HEROを守り抜く。

 

 

 

「現れ出てこい!E・HERO ガイア!」

 

 

 

E・HERO ガイア

融合・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600

「E・HERO」モンスター+地属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。

ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、

このカードの攻撃力はその数値分アップする

 

 

 

E・HERO ガイアが攻撃表示で十代のフィールドに現れた。すかさずガイアの効果を発動する。

 

「ガイアの効果発動!相手フィールドの表側表示モンスター1体をターン終了時まで攻撃力を半分にし、ガイアの攻撃力をその数値分アップする。俺はディザスター・レオを選択!」

 

 

 

CNo.(カオスナンバーズ)88 ギミック・パペット-ディザスター・レオ

エクシーズ・効果モンスター

ランク9/闇属性/機械族/攻3500/守2500

レベル9モンスター×4

このカードは「No.88 ギミック・パペット-デステニー・レオ」を対象として発動する、

「RUM」と名のついた魔法カードの効果でのみ特殊召喚できる。

フィールド上のこのカードはカードの効果の対象にならない。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

また、自分のエンドフェイズ時に相手ライフが2000ポイント以下で

このカードにエクシーズ素材が無い場合、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。

 

 

 

「ディザスター・レオの攻撃力が1750に…!」

「そしてガイアの攻撃力は3950となる!バトルだ!ガイアでディザスター・レオを攻撃!コンチネンタルハンマー!」

「罠 発動!神風のバリア -エア・フォース!」

 

 

 

神風のバリア -エア・フォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す

 

 

 

「相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す!戻れガイア!」

「まだだ!伏せていた速攻魔法発動!融合解除!」

 

 

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。

さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した

融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

その一組を特殊召喚できる。

 

 

 

「ガイアの融合を解除!来い!フェザーマン、クレイマン!守備表示!」

「かわしたか、しかしこれでディザスター・レオは守られるな。」

「まだまだ!手札から速攻魔法 マスク・チェンジを発動!」

 

 

 

マスク・チェンジ

速攻魔法

(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、

そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「フェザーマンを変身召喚!現れろ M・HERO(マスクドヒーロー) カミカゼ!」

 

 

 

M・HERO カミカゼ

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2700/守1900

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

(1):このカードは戦闘では破壊されない。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手はバトルフェイズにモンスター1体でしか攻撃できない。

(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

フェザーマンは光とともにカミカゼへと変身した。

 

「カミカゼでディザスター・レオを攻撃!」

 

ⅣLP1150→950

 

「カミカゼの効果!相手モンスターを戦闘破壊した時、カードを一枚ドロー!」

「へ、やるじゃあねえか。」

「カードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○●●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ⅣLP950 手札3

  □□■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は墓地のネクロ・ドールの効果発動!」

 

 

 

ギミック・パペット-ネクロ・ドール

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻 0/守 0

このカードが墓地に存在する場合、

このカード以外の自分の墓地の「ギミック・パペット」と名のついた

モンスター1体をゲームから除外して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

「ギミック・パペット-ネクロ・ドール」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、このカードをエクシーズ召喚の素材とする場合、

「ギミック・パペット」と名のついたモンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。

 

 

 

「墓地のハンプティ・ダンプティを除外し特殊召喚!」

 

 

 

ギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティ

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻 0/守 100

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

手札から「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。

「ギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「そしてギミック・パペット-ギア・チェンジャーを召喚!」

 

 

 

ギミック・パペット-ギア・チェンジャー

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 100/守 100

このカードはデッキから特殊召喚できない。

1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上の

「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。

このカードのレベルは選択したモンスターのレベルと同じになる。

 

 

 

「ギア・チェンジャーの効果!ギミック・パペットと名のついたモンスター1体と同じレベルにできる!俺はネクロ・ドールを選択!」

「レベル8のモンスターが二体…!」

「レベル8のギミック・パペット-ネクロ・ドールとギア・チェンジャーでオーバーレイ!現れろ、No.(ナンバーズ)15!運命の糸を操る地獄からの使者、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けろ!ランク8 ギミック・パペット-ジャイアントキラー!」

 

 

 

No.15 ギミック・パペット-ジャイアントキラー

エクシーズ・効果モンスター

ランク8/闇属性/機械族/攻1500/守2500

レベル8モンスター×2

自分のメインフェイズ1でこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊する。

破壊したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、

さらにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

この効果は1ターンに2度まで使用できる。

 

 

 

不気味な表情をした巨大な操り人形が姿を現す。守備表示の姿勢を保つもその禍々しさは観客のだれもが感じた。

 

「まだだ!手札から魔法カード RUM(ランクアップマジック)-アージェント・カオス・フォースを発動!」

 

 

 

RUM-アージェント・カオス・フォース

通常魔法

自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、

選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、このカードが墓地に存在し、

自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、

墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

「カオス・エクシーズ・チェンジ!現れろ、CNo.15!人類の英知の結晶が、運命の糸を断ち切る使者を呼ぶ!ギミック・パペット-シリアルキラー!」

「またランクアップか!」

「ギミック・パペット-シリアルキラーの効果!カオスオーバーレイユニットを一つ使い相手フィールド上のカード1枚を選択し破壊する。破壊したカードがモンスターだった場合、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!エクスターミネーション・スラッシャー!」

 

シリアルキラーはカミカゼをターゲットに選んだ。それに反応し十代は速攻魔法を発動した。

 

「速攻魔法 神秘の中華なべ!」

 

 

 

神秘の中華なべ

速攻魔法

自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。

生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、

その数値だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 

 

「俺はカミカゼを選択し、リリース!カミカゼの攻撃力か守備力を選択し、その数値だけ自分のライフポイントを回復する。俺は攻撃力である2700を回復!」

 

十代LP2300→5000

 

「シリアルキラーでクレイマンを攻撃!ジェノサイド・ガトリング・バースト!」

 

守備表示のクレイマンを容赦なく破壊した。

 

「ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP5000 手札0

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP950 手札2

  □□■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!よし、俺は手札からミラクル・フュージョンを発動!」

 

 

 

ミラクル・フュージョン

通常魔法

(1):自分のフィールド・墓地から、

「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する

 

 

 

「墓地のフェザーマン、クレイマン、エアーマンを除外!」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「あらわれろ!E・HERO Core(コア)!」

 

 

 

E・HERO Core

融合・効果モンスター

星9/地属性/戦士族/攻2700/守2200

「E・HERO」モンスター×3

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):1ターンに1度、このカードが攻撃対象になった時に発動できる。

このカードの攻撃力はそのダメージステップ終了時まで倍になる。

(2):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。

(3):このカードが戦闘・効果で破壊された時、自分の墓地の

レベル8以下の「E・HERO」融合モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

 

 

「また新たな融合モンスターだと!?」

「E・HERO Coreでギミック・パペット-シリアルキラーを攻撃!エレクトロマグネティックインダクション!」

 

Coreの攻撃がシリアルキラーを襲う。しかしⅣはすでに発動されていたマーシャリング・フィールドの効果を発動する。

 

「マーシャリング・フィールドの効果!自分フィールドの機械族エクシーズモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを墓地へ送る事ができる!」

「だがダメージは受けてもらうぜ!」

「く…!」

 

ⅣLP950→750

 

「マーシャリング・フィールドのさらなる効果!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に自分のデッキ・墓地からRUM-アージェント・カオス・フォース1枚を選んで手札に加える。」

「俺はターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP5000 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP750 手札3

  □□□■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はシリアルキラーの効果発動!エクスターミネーション・スラッシャー!」

 

十代LP5000→2300

 

Coreがシリアルキラーによって破壊され、その攻撃力分のダメージが十代を襲った。

 

「だがこれでおしまいだぜ!Coreの効果発動!このカードが戦闘・効果で破壊された時、自分の墓地のレベル8以下のE・HERO融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。出てこい!Great(グレート) TORNADO(トルネード)!」

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「く…!Great TORNADOの攻撃力は2800。シリアルキラーは2500。わずかに勝てないか…。俺はシリアルキラーを守備表示に変更。カードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅣLP750 手札2

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!よ~し、行くぜ!E・HERO シャドー・ミストを召喚!」

 

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「バトルだ!Great TORNADOでシリアルキラーを攻撃!スーパーセル!」

 

シリアルキラーはようやく撃破された。

 

「とどめだ!シャドー・ミストで攻撃!」

「罠発動!応急処置!自分のライフが0になるダメージを負う時、手札を1枚捨て、ライフを2000にする!」

 

ⅣLP750→2000

 

「く…シャドー・ミストの攻撃力は1000、まだライフが残るか。」

「いいや、俺ではもうお前を倒せん。次に回すとするぜ。」

「え?」

 

ⅣLP2000→1000

 

「墓地のギミック・パペット-シャドーフィーラーの効果発動!」

 

 

 

ギミック・パペット-シャドーフィーラー

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000

このカードは戦闘では破壊されない。

また、このカードが墓地に存在し、

相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

このカードを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚し、

自分は1000ポイントダメージを受ける。

「ギミック・パペット-シャドーフィーラー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

エクシーズ素材となったこのカードが墓地へ送られる場合、

墓地へは行かずゲームから除外される。

 

 

 

「相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。このカードを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚し、自分は1000ポイントダメージを受ける。」

「なんだって!?」

「おまえを倒すのは俺じゃなく俺の兄貴だ。じゃあな。」

 

ⅣLP1000→0

 

Ⅳの乗ったD ホイールは十代のD ホイールから遠ざかっていった。翔や万丈目が手をたたいて喜んでいるのが見える。しばらくすると白い髪の青年がD ホイールで十代の後ろについてきた。

 

「私の名は(ブイ)。遊城十代、君の力はかなりのものだ。最終確認というやつをさせてもらおう。」

「最終確認?」

「勝手ながら私たちトロン一家は仲間を探していてね、強者の決闘者をこの次元で見つけるために他次元からやってきたのだ。」

「他次元から!?」

『十代、そいつの言っていることは本当だ。こいつらはこの次元のものではない。』

「なんで仲間を?」

「それは”レクシブ時空”の決闘者と戦い、アストラルを救うため…。」

「レクシブってキッドたちが言ってた…それにアストラル?」

「難しい話はあとにしよう。とりあえず私の出すモンスターを倒し、私に勝てばすべてを話そう。」

「よっしゃ、いいぜ。盛り上がってきた!」

 

「「決闘!」」




応急処置
通常罠
(1):自分のライフが0になる戦闘ダメージが発生する時、手札を一枚捨てることで自分のライフを2000にする。


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第二十八話「Ⅴの最終試練」

  □□■□□

 □      □ 十代LP2300 手札0

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅤLP4000 手札5

  □□■■□

 

 

「私のターン、ドロー!私はアージェントルマシンを召喚!さらに手札から魔法カード タンホイザーゲートを発動!」

 

 

 

タンホイザーゲート

通常魔法

自分フィールド上の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター2体を選択して発動できる。

選択した2体のモンスターは、その2体のレベルを合計したレベルになる。

 

 

 

「自分フィールド上の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター2体を選択して発動できる。選択した2体のモンスターは、その2体のレベルを合計したレベルになる。私は機械族であるレベル8ギミック・パペット-シャドーフィーラーとレベル1アージェントルマシンのレベルを合計した数にする。」

 

 

 

ギミック・パペット-シャドーフィーラー

効果モンスター

星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000

このカードは戦闘では破壊されない。

また、このカードが墓地に存在し、

相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

このカードを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚し、

自分は1000ポイントダメージを受ける。

「ギミック・パペット-シャドーフィーラー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

エクシーズ素材となったこのカードが墓地へ送られる場合、

墓地へは行かずゲームから除外される。

 

 

 

「つまりレベル9がフィールド上に二体…!」

「私はレベル9となったギミック・パペット-シャドーフィーラーとアージェントルマシンでオーバーレイ!現れろ、No.(ナンバーズ)9。我が背負いし運命よ、今こそ銀河を飲み込む巨大な大地となりて降臨せよ。ランク9 天蓋星ダイソン・スフィア!」

 

 

 

No.9 天蓋星ダイソン・スフィア

エクシーズ・効果モンスター

ランク9/光属性/機械族/攻2800/守3000

レベル9モンスター×2

エクシーズ素材を持っているこのカードが攻撃されたバトルステップ時に1度だけ発動できる。

その攻撃を無効にする。

このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、

自分の墓地のモンスター2体を選択し、このカードの下に重ねてエクシーズ素材とする事ができる。

また、このカードの攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターが相手フィールド上に存在する場合、

自分のメインフェイズ1にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、

このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

 

 

 

オーバーレイした二体は闇の中へと入っていったが、エクシーズモンスターは現れない。

 

「ん?モンスターはどこだ?」

「上だ。」

 

気づいたころには太陽の光はサーキットに差し込んでいない。上を見ると巨大なモンスターがサーキットを覆っていた。

 

「で…でけえ!」

「まだだ、十代。ダイソン・スフィアではGreat(グレート) TORNADO(トルネード)を倒すことはできない。」

 

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

(フォー)、お前の残したカード、使わせてもらうぞ。伏せていた魔法カード RUM(ランクアップマジック)-アージェント・カオス・フォースを発動!」

 

 

 

RUM-アージェント・カオス・フォース

通常魔法

自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、

選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、このカードが墓地に存在し、

自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、

墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

 

 

「No.9 天蓋星ダイソン・スフィアをカオス・エクシーズ・チェンジ!現れろ、CNo.(カオスナンバーズ)9!天空を覆う星よ、森羅万象をその内に宿し、今、ここに降臨せよ!ランク10 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア!」

 

 

 

CNo.9 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア

エクシーズ・効果モンスター

ランク10/光属性/機械族/攻3600/守3200

レベル10モンスター×3

このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、

ダメージ計算を行わずにそのモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする事ができる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材の数×300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。

また、このカードが「No.9 天蓋星ダイソン・スフィア」をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を任意の数だけ取り除いて発動できる。

その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える

 

 

 

「で…でけえ!」

「カオス・ダイソン・スフィアでGreat TORNADOを攻撃!」

「く…!」

「天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィアのモンスター効果!このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずにそのモンスターをこのカードの下に重ねてカオスオーバーレイユニットとする事ができる!私はGreat TORNADOを吸収!」

 

カオス・ダイソン・スフィアのビームがGreat TORNADOをつつみ、カオスオーバーレイユニットへと変化した。

 

「でもこれでお前のバトルフェイズは終了だ!」

「確かにバトルフェイズではダメージは与えられなかったな。カオス・ダイソン・スフィアのさらなる効果!1ターンに1度、このカードのカオスオーバーレイユニットの数×300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。カオス・ダイソン・スフィアのカオスオーバーレイユニットの数は4つ。よって1200ポイントのダメージ!」

 

十代LP2300→1100

 

「く…効果ダメージだと!?」

「まだだ!カオス・ダイソン・スフィアの第三の効果!ターンに1度、このカードのカオスオーバーレイユニットを任意の数だけ取り除いて発動できる。その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。私は二つのカオスオーバーレイユニットを取り除き、十代に1800ポイントのダメージを与える!」

「まずい!これが決まったらアニキの負けだ!」

 

翔は拳を強く握り、十代を応援する。

 

「がんばれー!アニキ!」

「罠発動!エレメンタル・リサイクル!自分フィールド上にE・HEROがいる時、自分が受ける効果ダメージを無効にする。そしてその数値と同じ攻撃力を持つHEROモンスターを墓地、または除外ゾーンから特殊召喚出来る!次元より復活しろ!E・HERO エアーマン!」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「そしてエアーマンの効果発動!特殊召喚に成功した時、デッキからHEROを加える。俺が加えるのはE・HERO ブレイズマン。」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「私はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP1100 手札1

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅤLP4000 手札3

  □□■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!よーし、俺はE・HERO ブレイズマンを召喚!召喚時、手札に魔法カード 融合を加えるぜ。」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「我々の力の根源がRUMとするなら君は融合が力の根源と言えるようだな。」

「おう!俺は魔法カード 融合を発動!フィールドにいるシャドー・ミストと手札のE・HERO オーシャンを融合!」

 

 

 

E・HERO オーシャン

効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻1500/守1200

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに

自分のフィールド・墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

その自分の「HERO」モンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「現れろ!E・HERO アブソルートZero(ゼロ)!」

 

 

 

E・HERO アブソルートZero

融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する

「E・HERO アブソルートZero」以外の

水属性モンスターの数×500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から離れた時、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

 

「また新しいHEROか。」

「シャドー・ミストの効果!墓地へ送られたことで俺はE・HERO バブルマンを手札に加えるぜ。」

 

 

 

E・HERO バブルマン

効果モンスター(準制限カード)

星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200

(1):手札がこのカード1枚のみの場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする。

この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「いくら新しいHEROを呼ぼうがカオス・ダイソン・スフィアのカオスオーバーレイユニットになるだけだぞ。」

「わかってるって!さらに手札から速攻魔法 マスク・チェンジを発動!」

 

 

 

マスク・チェンジ

速攻魔法

(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、

そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「アブソルートZeroを変身させるぜ!出てこい!M・HERO(マスクドヒーロー) アシッド!」

 

 

 

M・HERO アシッド

融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2600/守2100

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

 

 

 

「どういうつもりだ?」

「アブソルートZeroはフィールドから離れた時、相手フィールド上のモンスターをすべて破壊する、そしてアシッドは特殊召喚に成功した時、相手の魔法・罠をすべて破壊する。つまりお前のフィールドは全部がら空きになるってことだ!」

「…この決闘、結果がどうなろうとも君はぜひとも私たちの仲間になってほしいものだ。しかし私たちの父にも意見を聞いてみようとするか。」

「父ちゃん?どこにいるんだ?」

(スリー)、次はお前がとっておいてくれたカードを使わせてもらう。速攻魔法発動!RUM-クイック・アージェント・カオス!自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターよりランクが1つ高いCNo.またはCX(カオスエクシーズ)と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。現れよ、ランク11 CX アージェント・ザ・トロン!」

 

カオス・ダイソン・スフィアは闇の中に入っていき、そこから出てきた新たなエクシーズモンスターは人間の子供のサイズをした機械仕掛けの人形であった。白髪で顔に鉄仮面をしたその人形の姿は道化のようで奇妙であった。

 

「これが…父ちゃん?」

「私たちの父は変わり者でね、ついに自分を模したエクシーズモンスターを作ったのだ。アージェント・ザ・トロンの効果はカオスオーバーレイユニットの数によって変化する。」

「今のカオスオーバーレイユニットは…3つか。」

「アージェント・ザ・トロンの効果!カオスオーバーレイユニットが3つの時、このモンスターの攻撃力は相手フィールド上のモンスターの攻撃力を合計した数を加えた数値となる。またこのモンスターは戦闘では破壊されず、相手の効果を受けない。」

「ってことはブレイズマンとアシッドとエアーマンの攻撃力を合計した数である5600にアージェント・ザ・トロンの元々の攻撃力である100を足した数 5700かよ!やべぇ!」

「さぁ、エンドを宣言したまえ。」

「ターンエンド…。」

「お互いのエンドフェイズ時、アージェント・ザ・トロンはカオスオーバーレイユニットを一つ取り除かなくてはならない。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP1100 手札1

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅤLP4000 手札3

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!アージェント・ザ・トロンのカオスオーバーレイユニットは2つ。2つの時の効果はこのモンスターは戦闘で破壊されず、効果の対象とならない。このモンスターがバトルする時、ダメージ計算終了後、そのモンスターを除外する。行くぞ!アージェント・ザ・トロンでM・HERO アシッドを攻撃!」

 

ⅤLP4000→1500

 

「自分でダメージを…。」

「しかしこれでアシッドは除外される。」

 

アージェント・ザ・トロンが仮面を外すとそこにはブラック・ホールが出来ていた。アシッドはそこに吸収されていった。

 

「ターンエンド。エンドフェイズ時、アージェント・ザ・トロンはカオスオーバーレイユニットを一つ失う。」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP1100 手札1

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅤLP1500 手札3

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード ヒーローアライブを発動!」

 

 

 

ヒーローアライブ

通常魔法

(1):自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、

LPを半分払って発動できる。

デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「ライフを半分支払、デッキから二体目のE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

十代LP1100→550

 

「シャドー・ミストの効果!特殊召喚に成功した時、手札にマスク・チェンジを加える!」

「最後のマスク・チェンジか。」

「バトル!エアーマンでアージェント・ザ・トロンを攻撃!」

「アージェント・ザ・トロンの効果!カオスオーバーレイユニットが1つの時、戦闘では破壊されず、攻撃指定されたとき、守備表示となる。」

「く、倒せないか。でもこのターンの終わりと共にカオスオーバーレイユニットがなくなる。だんだん効果弱くなってきてる気がするし…これは次で倒せるかもな!俺はブレイズマンを守備表示に変更し、カードを一枚セット。ターンエンド!」

「フ、それはどうかな。」

「!?」

 

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP550 手札1

  ○●●●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ⅤLP1500 手札3

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!アージェント・ザ・トロンは単体でも優秀なモンスター。しかし彼の真意は私たちを輝かせることにある。彼はもはや表舞台で活躍する気はない。私たち息子にすべて委ねてくれている。」

「どういうことだ?」

「今私の手札に私のアージェント・カオス・フォースがある。このカードと墓地の二枚のアージェント・カオス・フォースを除外し、アージェント・ザ・トロンのカオスオーバーレイユニットが0枚時の効果発動!手札、墓地から除外した『RUM-アージェント・カオス・フォース』の数の機械族エクシーズモンスターを召喚条件を無視して墓地から特殊召喚する!甦れ、No.33 先史遺産(オーパーツ)-超兵器マシュ=マック、CNo.88 ギミック・パペット-ディザスター・レオ、CNo.9 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア!」

 

三体の大型モンスターがⅤの墓地から甦り、三体のモンスターはトロンを囲んで十代の前に立ちふさがった。

 

「これこそ我がトロン一家の結束の力。十代、この試練をクリアできるか?」




CX アージェント・ザ・トロン
エクシーズ・効果モンスター
ランク11/闇属性/機械族/攻100/守100
機械族レベル11モンスター×3
(1):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。
このカードのX素材を1つ取り除く。
(2):このカードは戦闘では破壊されない。
(3):このカードが持っているX素材の数によって、このカードは以下の効果を得る。
●1つ:フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのモンスターが攻撃指定された時、このモンスターの表示形式を守備表示へと変更する。
●2つ:このモンスターが戦闘を行う時、ダメージ計算終了後に戦闘を行った相手モンスターを除外する。またこのモンスターは効果の対象とならない。
●3つ:このモンスターの攻撃力は相手フィールド上のすべてのモンスターの攻撃力を合計した数値をこのモンスターの元々の攻撃力に足した数となる。またこのカードは相手の発動したカードの効果を受けない。
(4):自分フィールド上のすべてのXモンスターにX素材のない場合に発動することが出来る。手札、墓地から「RUM-アージェント・カオス・フォース」を任意の枚数除外し、その枚数と同じ数の機械族Xモンスターを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、攻撃力はもともとの数値の半分となる。


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第二十九話「城之内の真紅眼 ジャックのレッド・デーモン」

「この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、攻撃力はもともとの数値の半分となる。バトル!攻撃力1800のカオス・ダイソン・スフィアでエアーマンを攻撃!」

 

 

 

CNo.(カオスナンバーズ)9 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア

エクシーズ・効果モンスター

ランク10/光属性/機械族/攻3600/守3200

レベル10モンスター×3

このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、

ダメージ計算を行わずにそのモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする事ができる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材の数×300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。

また、このカードが「No.9 天蓋星ダイソン・スフィア」をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を任意の数だけ取り除いて発動できる。

その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える

 

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

攻撃表示となっているエアーマンと攻撃力は互角である。両モンスターが粉砕した。

 

「続いて攻撃力1750のディザスター・レオで守備表示のシャドー・ミストを攻撃!」

 

 

 

CNo.88 ギミック・パペット-ディザスター・レオ

エクシーズ・効果モンスター

ランク9/闇属性/機械族/攻3500/守2500

レベル9モンスター×4

このカードは「No.88 ギミック・パペット-デステニー・レオ」を対象として発動する、

「RUM」と名のついた魔法カードの効果でのみ特殊召喚できる。

フィールド上のこのカードはカードの効果の対象にならない。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

また、自分のエンドフェイズ時に相手ライフが2000ポイント以下で

このカードにエクシーズ素材が無い場合、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

ディザスター・レオの攻撃でシャドー・ミストは破壊された。十代はシャドー・ミストの効果を発動する。

 

「俺は手札にE・HERO フォレストマンを加える。」

 

 

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。

自分のデッキ・墓地の「融合」1枚を選んで手札に加える

 

 

 

「残るはブレイズマンだが守備力は1800。」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「マシュ=マックの1200ではかなわない。」

 

 

 

No.33 先史遺産-超兵器マシュ=マック

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/機械族/攻2400/守1500

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、

与えたダメージの数値分だけこのカードの攻撃力をアップする

 

 

 

「しかし墓地のアージェントルマシンの効果発動!このモンスターを除外することでフィールド上の機械族モンスターに地震の攻撃力を加える。アージェントルマシンの攻撃力である800を加え、2000となる!バトル!2000のマシュ=マックで守備表示のブレイズマンを攻撃!」

「速攻魔法発動!マスク・チェンジ!」

 

 

 

マスク・チェンジ

速攻魔法

(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、

そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「ブレイズマンを変身させる!来い!M・HERO(マスクドヒーロー) 剛火!」

 

 

 

M・HERO 剛火

融合・効果モンスター

星6/炎属性/戦士族/攻2200/守1800

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカードの攻撃力は、自分の墓地の

「HERO」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

 

 

 

「このHEROの攻撃力は自分の墓地のHEROモンスターの数×100ポイントアップする。墓地のHEROの数は9体、よって2200の攻撃力に900が加算され、3100となる!」

「すごい!あんなたくさんのエクシーズモンスターを相手に…!」

 

翔は喜び、万丈目は不満そうにするもどこか嬉しそうであった。またⅤも同じく嬉しそうであり、その表情をみた(スリー)(フォー)も顔を見合わせ、笑っていた。

 

「さすが我らトロン一家を相手にしているだけはある。」

「お褒めの言葉ありがとよ!あんたらもすごく強かったぜ!」

「最後の悪あがきというやつをさせてもらおう。手札から永続魔法 機械たちの独立同盟を発動。フィールド上に3体以上の機械族モンスターが存在する限り、相手モンスターは効果は無効化され、攻撃宣言を行うことが出来ない。カードを一枚セットしターンエンドだ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP550 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●●○

 □      □ ⅤLP1500 手札1

  □■■□□

 

 

「Ⅴのフィールドにはアージェント・ザ・トロン、マシュ=マック、ディザスター・レオが存在する。よって機械たちの独立同盟の効果で十代のM・HERO 剛火は元の2200へと攻撃力が戻っている。それどころか攻撃宣言も行えない。あの決闘者は相当頭が切れる。このターンで決めないとまずいぞ。」

 

万丈目が珍しく十代の心配をした。しかし十代の顔は曇ることはなく、いつものように楽しい決闘をしている。

 

「俺のターン、ドロー!」

『来たか、十代。』

「あぁ、行くぜ、ユベル!手札から速攻魔法発動!超融合!」

 

 

 

超融合

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「超融合!?」

「手札を一枚捨てることで相手モンスターとも融合が出来る!」

「く…カウンター罠発ど…」

「超融合に対してカード効果は無意味だぜ!俺はM・HERO 剛火とⅤのフィールドのマシュ=マック、ディザスター・レオで超融合!現れろ C・HERO(コントラストヒーロー) エクリプス!」

「フィールドに機械族が1体となったため、機械たちの独立同盟の効果は意味をなさない…!」

「エクリプスの効果!1ターンに一度、エクストラデッキの光属性か闇属性の『HERO』を見せることでその効果をエンドフェイズ時まで得ることが出来る!俺が選ぶのは闇属性のE・HERO ダーク・ブライトマン。こいつの効果はこのカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていればその数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える貫通効果。行くぜ、C・HERO エクリプスでCX(カオスエクシーズ) アージェント・ザ・トロンを攻撃!ニュームーン・ストライク!」

 

C・HERO エクリプスの攻撃力は3000。アージェント・ザ・トロンの守備力は100。2900のダメージがⅤを襲った。

 

「ぐぅぅ…!」

 

ⅤLP1500→0

 

二台のD ホイールはピッチについた。到着と共にペガサスのMCの声がサーキットに鳴り響く。

 

「オーゥ!素晴らしい決闘でしター!勝利したチームはGX!素晴らしいデース!チーム アージェントも素晴らしかったデース!」

 

チームGXのピッチにトロン一家が近づいてきた。Ⅴが手を出すと十代のその手を握り、固い握手を交わしたのだった。

 

 

 

 

 

控室で闇遊戯は十代の決闘を観戦していた。

 

『十代君、すごく強くなっていたね。』

「あぁ、彼と決勝で戦えるように俺たちも頑張らなくちゃな。」

『でも僕たちが闘うのは…。』

「あぁ、遊星たちだぜ。」

『なんか全然雰囲気違ったよね…どうしたのかな?』

「おい、遊戯、俺たちの出番だぜ?」

 

遊戯と闇遊戯が会話している時、城之内がふいに声をかける。城之内の方を振り返る闇遊戯だったが城之内のレーシングスーツに思わず吹き出してしまう。

 

「じょ…城之内くん、それは…!」

「し…静香が送ってきてくれてたみたいなんだけどよ、これたぶんアイツ、自分のと間違えて送ってきてるよな…。」

 

赤いレーシングスーツはパツパツで城之内の体を強く締め付けていた。胸の部分は変にダボダボになっており、いくら強靭なメンタルを持つ闇遊戯でも笑わずにはいられなかった。

 

「俺、スタッフから借りてくるわ…。」

 

 

 

 

 

サーキットにチーム ドミノが降り立った。先ほどまでトロン一家が使っていたピッチはチーム 5D'sが利用している。遊星はそこに置かれていたD ホイールをスタッフに持っていくよう指示していた。

 

「どけろ、俺たちは自分のD ホイールがある。」

「そ…そんな馬鹿な。このD ホイールは我々インダストリアル・イリュージョン社が作った試作品です。ほかにあるわけが…。」

「いいからどけろ!俺のホイールオブフォーチュンの滑走の邪魔だ。」

 

遊星よりも背の高い金髪の青年 ジャック・アトラスがレーシングスーツを着て現れた。オドオドとしたスタッフたちは致し方なくD ホイールを片付けた。城之内とジャックはD ホイールをそれぞれスタート位置にセットする。

 

「おい、アンタ。どこの国の人かしらねえけどいい決闘をしようぜ。」

 

城之内は気さくにジャックに話しかける。しかしジャックは

 

「フン、雑魚ごときがこのジャック・アトラスに話しかけるな。」

 

と言い城之内はすぐに機嫌が悪くなった。

 

『城之内君、大丈夫かなぁ。』

「あ…あぁ…。」

『あれ、どうしたの?もう一人の僕。』

「いや…なんでもないぜ。始まるぞ。」

「さーて、次は第二戦デース!チーム ドミノVSチーム 5D's!スタートのカウントが始まりマース!プロト・スピードワールド セット!」

 

「プロト・スピードワールド発動。デュエルモード スタンバーイ」

 

「「「ライディングデュエル アクセラレーション!」」」

 

ジャックのホイールオブフォーチュンが一歩リードし前を進む。出遅れた城之内も追いつこうとするが最初のカーブを先に曲がったのはジャックであった。

 

「チィ、凡骨め、先行を取られたか。」

 

海馬はピッチで舌打ちをした。

 

「俺はモンスターを一枚セット、カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ ジャックLP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 城之内LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「なんだぁ、でかい口たたいてた割にはビビってんじゃねえか!俺のターン、ドロー!俺は伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)を召喚!」

 

 

 

伝説の黒石

効果モンスター

星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

「伝説の黒石」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

デッキからレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

 

 

「伝説の黒石の効果発動!このカードをリリースし、デッキからレベル7以下のレッドアイズモンスター1体を特殊召喚する!来い!真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)!」

 

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

 

真紅眼が城之内の乗るD ホイールのすぐ横から出現した。いきなりの真紅眼にさすがのジャックも少し驚いた表情を見せる。

 

「行くぜ、裏側守備表示モンスターを攻撃!黒炎弾!」

 

反転したモンスターはドレッド・ドラゴン。

 

 

 

ドレッド・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/ドラゴン族/攻1100/守 400

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキからレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を

手札に加える事ができる。

 

 

 

ジャックはドレッド・ドラゴンの効果でインフルーエンス・ドラゴンを手札に加えた。

 

 

 

インフルーエンス・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星3/風属性/ドラゴン族/攻 300/守 900

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターはエンドフェイズ時までドラゴン族になる

 

 

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ ジャックLP4000 手札4

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 城之内LP4000 手札4

  □□■□□

 

 

「なるほど、あの伝説の真紅眼を1ターンで出すとは。世界大会なだけはある。しかしこの絶対王者(キング) ジャック・アトラスには到底かなわぬ!」

「なにぃ!?」

「今俺の絶対的な力を見せてやろう!ドロー!俺は手札よりバイス・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

バイス・ドラゴン

効果モンスター

星5/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守2400

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「さらにチューナーモンスター ダーク・リゾネーターを召喚!」

 

 

 

ダーク・リゾネーター

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300

(1):このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

 

 

 

「チューナーモンスター!?まさか!」

「俺はレベル5 バイス・ドラゴンにレベル3 ダーク・リゾネーターをチューニング!漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!!万物を睥睨しその猛威を振るえ!!シンクロ召喚!!レベル8 琰魔竜(えんまりゅう) レッド・デーモン!!」

 

 

 

琰魔竜 レッド・デーモン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみ発動できる。

このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。

この効果を発動するターン、このカード以外のモンスターは攻撃できない。

 

 

 

勇ましきレッド・デーモンがジャックのフィールドに現れ、観客までもを震え上がらせるほどの咆哮を放った。




C・HERO エクリプス
融合・効果モンスター
星9/闇属性/戦士族/攻3000/守2600
「HERO」モンスター1体+闇属性モンスター1体+光属性モンスター1体
このカードはルール上「E・HERO」モンスターとしても扱う。
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「光」としても扱う。
(2):1ターンに1度、エクストラデッキの光または闇属性の「HERO」融合モンスター1体を相手に見せることで発動できる。このカードはエンドフェイズ時までそのモンスターと同じ効果を得る。


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第三十話「千年アイテムの影」

琰魔竜(えんまりゅう) レッド・デーモンの効果発動!」

 

 

 

琰魔竜 レッド・デーモン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみ発動できる。

このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。

この効果を発動するターン、このカード以外のモンスターは攻撃できない。

 

 

 

「1ターンに1度、このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する!真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)!」

 

レッド・デーモンの放つ炎が城之内のフィールドにいる真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を襲う。

 

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

 

一度はかわすもレッド・デーモンは真紅眼の黒竜をしつこく追いかける。やがて追いつくと真紅眼の黒竜にかじりつき、撃破した。

 

「バトルだ!琰魔竜 レッド・デーモンで相手プレイヤーにダイレクトアタック!極獄の裁き(アブソリュート・ヘル・ジャッジ)!」

 

城之内LP4000→1000

 

レッド・デーモンのブレスで城之内のD ホイールは大きな衝撃を受ける。バランスを崩しそうになるも城之内のバイクセンスでどうにか走行を続ける。

 

 

 

 

 

「おい!今のなんだ。自動運転じゃなかったのか?」

 

最前列の観客席に座っているトロン一家の中でも(フォー)は声をあげて指摘した。横に座っていたペガサスも怪訝な顔をしていた。

 

「おかしいデース。あんな動きはするはずがありまセーン…。」

「ペガサス氏。一応私にD ホイールのプログラムを拝見させてもらってもいいでしょうか?」

 

(ブイ)がペガサスにそう言うとペガサスはⅤを裏へ案内した。

 

 

 

 

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

 

  □■■□□

 □      □ ジャックLP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 城之内LP1000 手札4

  □□■□□

 

 

「やべえ、このままじゃ俺はなんもしないまま負けちまう…。俺のターン、ドロー!墓地の伝説の黒石の効果発動!」

 

 

 

伝説の黒石

効果モンスター

星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

「伝説の黒石」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

デッキからレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

 

 

「このカードが墓地に存在する場合、真紅眼の黒竜をデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。そして手札から魔法カード 真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)を発動!」

 

 

 

真紅眼融合

通常魔法

「真紅眼融合」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、

自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。

(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、

「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。

 

 

 

「デッキの真紅眼の黒竜とデーモンの召喚を融合!」

 

 

 

デーモンの召喚

通常モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200

闇の力を使い、人の心を惑わすデーモン。

悪魔族ではかなり強力な力を誇る。

 

 

 

「遊戯、お前から借りたカード、使わせてもらうぜ!」

 

城之内のサムズアップに闇遊戯もサムズアップで答える。

 

「遊戯、貴様凡骨に自分のカードを渡していたのか。」

「城之内君の方があのカードをうまく扱える。俺はそう思っただけだ。」

 

海馬は納得していないようであったが、城之内が融合召喚した悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを見て黙った。

 

 

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター

自分は「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。

墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

その後、そのモンスターをデッキに戻す。

 

 

 

攻撃力3200ものモンスターを一瞬で召喚したことから形成は逆転すると誰もが思ったが、ジャックはそれらの期待を壊すかのように罠を発動する。

 

「罠 発動!デモンズ・チェーン!」

 

 

 

デモンズ・チェーン

永続罠

フィールドの効果モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

その表側表示モンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンは攻撃できず、効果は無効化される。」

「くっそ!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

 

 

  □■■□□

 □      □ ジャックLP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 城之内LP1000 手札4

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!なるほど、悪魔竜、確かに大したパワーだが我が琰魔竜には及ばん!手札から装備魔法 デモンズ・ブレスレットを発動!装備したモンスターの攻撃力は500ポイントアップする!レッド・デーモンに装備!」

「攻撃力3500!?」

「バトルだ!琰魔竜 レッド・デーモンで悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!極獄の裁き!」

「く、!!」

 

城之内LP1000→700

 

今度は城之内のD ホイールがスピンする。しかしなんとか立て直し、まっすぐ走行した。Ⅴはプログラムを確認するも異常は見られないため、原因は別のところにあると推測していた。

 

「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンが破壊されたことでデモンズ・チェーンは破壊される。ターンエンド!」

 

 

  □□■■□

 □      □ ジャックLP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 城之内LP1000 手札4

  □■■□□

 

 

「くっそ、なんなんだよ、自動運転じゃねえのかよ!集中できねえ!俺のターン、ドロー!俺は手札から伝説の黒石を召喚し効果発動!出てこい、二体目の真紅眼!」

 

真紅眼の黒竜が城之内のD ホイールの上を飛翔する。

 

「竜崎、ありがとよ。さらに罠発動!真紅眼の鎧旋(リターン・オブ・レッドアイズ)!」

 

 

 

真紅眼の鎧旋

永続罠

「真紅眼の鎧旋」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「レッドアイズ」モンスターが存在する場合、

自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合、

自分の墓地の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「自分の墓地モンスターのもう一体の真紅眼の黒竜を特殊召喚する。出てこい!真紅眼!」

「ほう、二体の伝説の竜を呼ぶか。」

「さらにフィールドの1体の真紅眼を除外し、手札のレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

効果モンスター(制限カード)

星10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

(1):このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、

手札から特殊召喚できる。

(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

自分の手札・墓地から「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」以外の

ドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、手札から特殊召喚できる。」

 

 

「フン、凡骨にしてはなかなかやる。」

「城之内君は強いぜ。」

 

 

「手札から儀式魔法カード レッドアイズ・トランスマイグレーション!」

 

 

 

レッドアイズ・トランスマイグレーション

儀式魔法

「ロード・オブ・ザ・レッド」の降臨に必要。

(1):自分の手札・フィールドから

レベルの合計が8以上になるようにモンスターをリリース、

またはリリースの代わりに自分の墓地の「レッドアイズ」モンスターを除外し、

手札から「ロード・オブ・ザ・レッド」を儀式召喚する。

 

 

 

「フィールドに存在する真紅眼と手札の真紅眼の黒炎竜をリリースし、儀式召喚!ロード・オブ・ザ・レッド!」

 

 

 

ロード・オブ・ザ・レッド

儀式・効果モンスター

星8/炎属性/ドラゴン族/攻2400/守2100

「レッドアイズ・トランスマイグレーション」により降臨。

(1):1ターンに1度、自分または相手が

「ロード・オブ・ザ・レッド」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、

フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。

(2):1ターンに1度、自分または相手が

「ロード・オブ・ザ・レッド」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、

フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

「ほーう、儀式召喚、面白い。」

「フィールドのレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果発動!墓地より真紅眼の黒竜を特殊召喚!そしてロード・オブ・ザ・レッドの効果!魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。俺は琰魔竜 レッド・デーモンを選択!いけええ!」

 

ロード・オブ・ザ・レッドのパンチが琰魔竜 レッド・デーモンに叩き込まれた。しかし破壊されたのはデモンズ・ブレスレットのみであった。

 

「レッド・デーモンが破壊される代わりにデモンズ・ブレスレットを破壊する。デモンズ・ブレスレットがフィールドから墓地へ送られた時、カードを一枚ドロー。」

「く…破壊損ねたか。でもまだだ!手札から魔法カード 黒炎弾 発動!」

 

 

 

黒炎弾

通常魔法

このカードを発動するターン、「真紅眼の黒竜」は攻撃できない。

(1):自分のモンスターゾーンの「真紅眼の黒竜」1体を対象として発動できる。

その「真紅眼の黒竜」の元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

 

「真紅眼の黒竜の元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!いけえ!」

「ぬうう…!」

 

ジャックLP4000→1600

 

「ターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ジャックLP1600 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●●○

 □      □ 城之内LP1000 手札0

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!城之内とかいったか、このジャック・アトラスをここまで追い込むとはなかなかだ。だが決闘竜(デュエル・ドラゴン)と闇の力を手にした俺にはかなわぬ!手札からフォース・リゾネーターを墓地へ送ることでパワー・ジャイアントを特殊召喚!」

 

 

 

フォース・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星2/水属性/悪魔族/攻 500/守 500

自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送り、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターン、選択したモンスターが攻撃する場合、

相手はダメージステップ終了時まで

モンスターを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事ができない

 

 

パワー・ジャイアント

効果モンスター/星6/地属性/岩石族/攻2200/守 0

このカードは手札のレベル4以下のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚した場合、手札から墓地へ送った

モンスターのレベルの数だけこのカードのレベルを下げる。

また、このカードが戦闘を行う場合、そのダメージステップ終了時まで

自分が受ける効果ダメージを0にする。

 

 

 

「この効果で特殊召喚されたパワー・ジャイアントはフォース・リゾネーターのレベル分、レベルダウンする。パワー・ジャイアントのレベルは二つ落ち4となる。さらにチューナーモンスター インフルーエンス・ドラゴンを召喚!」

 

 

 

インフルーエンス・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星3/風属性/ドラゴン族/攻 300/守 900

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターはエンドフェイズ時までドラゴン族になる

 

 

 

「効果発動!パワー・ジャイアントをドラゴン族に変える!」

「く…チューナー…!またシンクロか!?」

「レベル4となったパワー・ジャイアントにレベル3のインフルーエンス・ドラゴンをチューニング!王者の叫びがこだまする!勝利の鉄槌よ、大地を砕け!シンクロ召喚!羽ばたけ、エクスプロード・ウィング・ドラゴン!」

 

 

 

エクスプロード・ウィング・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1600

チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上

このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、

フィールド上に表側表示で存在するモンスターとこのカードが戦闘を行う場合、

ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊し、

その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える事ができる。

 

 

 

「新しいドラゴンか!でもまだやられはしないぜ。」

 

それを聞いたジャックはホイールオブフォーチュンを後ろに走っている城之内の方へ向けた。ジャックの額には千年アイテムすべてに刻まれている目のマークが現れていた。

 

「! お前、そのマーク…!

「これで終わりだ、エクスプロード・ウィング・ドラゴンでロード・オブ・ザ・レッドを攻撃!」

「相打ち狙いか!?」

「エクスプロード・ウィング・ドラゴンの効果!このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、フィールド上に表側表示で存在するモンスターとこのカードが戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える事ができる。ロード・オブ・ザ・レッドを破壊!そしてダメージを食らうがいい!」

「ぐあああああ!」

 

城之内LP1000→0

 

城之内のD ホイールはスピンし、壁に衝突した。城之内はすぐにインダストリアル・イリュージョン社の医療班によって運ばれていた。担架で運ばれる城之内の近くに遊戯は寄り添う。

 

「遊戯…あいつ、千年アイテムを使ってる…気を付けろ!」

「城之内くん…!」

 

観客たちは自動運転だと言ったにもかかわらず転倒したD ホイールに疑いのまなざしをむけていたが、ペガサスの説明で何とか試合を続行することとなった。チーム5D'sが放棄したD ホイールをチーム ドミノが使うという形で試合は続行となる。

 

 

「仇というわけではないがあの不快な男を俺が倒してやる。遊戯、貴様の出番はない。俺の偉大なる戦いを見ているがいい!アッハッハッハ!」

 

海馬はD ホイールをジャックの後ろまですぐに追いつかせた。

 

「次の獲物は貴様か。」

「フフン。獲物?すぐにそのへらず口を黙らせてやる。決闘王となる男 海馬瀬人の決闘 しかと見るがいい!」

「王は一人で十分。すぐに蹴落としてやろう。」

 

「「決闘!」」




デモンズ・ブレスレット
装備魔法
悪魔族モンスターまたは「デーモン」と名の付いたモンスターにのみ装備可能。
(1):装備されたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
(2):フィールドに存在するこのカードが墓地へ送られた場合、自分はカードを一枚ドローする。


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第三十一話「赤と白の決闘竜」

  □□■□□

 □      □ ジャックLP1600 手札3

  ○●●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 海馬LP4000 手札5

  □■■□□

 

 

『海馬君、大丈夫かな。』

「城之内君はフィールドに真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン、真紅眼の鎧旋(リターン・オブ・レッドアイズ)、そして伏せカード一枚を残していった。」

 

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

効果モンスター(制限カード)

星10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

(1):このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、

手札から特殊召喚できる。

(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

自分の手札・墓地から「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」以外の

ドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

真紅眼の鎧旋

永続罠

「真紅眼の鎧旋」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「レッドアイズ」モンスターが存在する場合、

自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合、

自分の墓地の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「あれだけの数のカードをあの海馬が活かせないわけがないぜ、相棒。海馬を信じよう。」

『そうだね、もう一人の僕。』

 

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!フフ、凡骨のわりにはいいカードを残していった。ここは褒めておいてやろう。手札から魔法カード マジック・プラントを発動!」

 

 

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「フィールドの永続罠 真紅眼の鎧旋を墓地へ送り二枚カードをドロー!さぁ、お前に我が最強の龍を見せてやろう!」

「俺のレッド・デーモンを上回る龍などいないわ!」

「ハハハ!せいぜいほざいていればいいわ!フィールドのレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果発動!1ターンに1度、自分の手札・墓地からレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン以外のドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する!」

 

 

 

 

 

「海馬瀬人が呼び出すドラゴンといえば…!」

「おう!あれしかいねえ!うぉぉ!万丈目、俺すげえテンション上がるよ!」

「もう!アニキ!落ち着いてくださいッス!」

 

 

チームGXのメンバーも控室の画面からライディングデュエルを見ていた。

 

 

 

 

 

「現れよ!我が最強のしもべ!青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

海馬は手札から勢いよくデュエルディスクにカードを召喚した。海馬は横から青眼が呼び出されると高笑いをあげた。

 

「ハッハッハ!このターンで貴様は終わりだ!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでエクスプロード・ウィング・ドラゴンを攻撃!」

 

 

 

エクスプロード・ウィング・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1600

チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上

このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、

フィールド上に表側表示で存在するモンスターとこのカードが戦闘を行う場合、

ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊し、

その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える事ができる。

 

 

 

「ダークネスメタルフレア!」

 

ジャックLP1600→1200

 

「許せ青眼、勝利のためだ!青眼の白龍で琰魔竜(えんまりゅう) レッド・デーモンに攻撃!滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!」

「相打ちか…!迎え撃て!レッド・デーモン!」

 

 

双方のモンスターのブレスでお互いに破壊された。

 

 

「真紅眼の黒竜で相手プレイヤーにダイレクトアタック!ダーク・メガ・フレア!」

「甘いわ!手札のバトルフェーダーの効果発動!相手モンスターのダイレクトアタック時にこのカードを手札から特殊召喚しバトルフェイズを終了する。」

「凡骨のモンスターでとどめをさすのは癪だったからか。まぁいいだろう。カードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ジャックLP1200 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 海馬LP4000 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札からパワー・インベーダーを召喚!」

 

 

 

パワー・インベーダー

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻2200/守 0

相手フィールド上のモンスターが2体以上の場合、

このカードはリリースなしで召喚できる。

 

 

 

「このモンスターは相手フィールド上のモンスターが2体以上の場合、リリースなしで召喚できる。さらに罠発動!強化蘇生!」

 

 

 

強化蘇生

永続罠

(1):自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

そのモンスターは、レベルが1つ上がり、攻撃力・守備力が100アップする。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「墓地に存在するフォース・リゾネーターのレベルを一つ上げ特殊召喚!」

 

 

 

フォース・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星2/水属性/悪魔族/攻 500/守 500

自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送り、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターン、選択したモンスターが攻撃する場合、

相手はダメージステップ終了時まで

モンスターを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事ができない

 

 

 

「またチューナー…シンクロか!」

「俺はレベル5のパワー・インベーダーにレベル3となったフォース・リゾネーターをチューニング!王者の決断、今赤く滾る炎を宿す、真紅の刃となる!熱き波濤を超え、現れよ!シンクロ召喚!レベル8 炎の鬼神 クリムゾン・ブレーダー!」

 

 

 

クリムゾン・ブレーダー

シンクロ・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻2800/守2600

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

次の相手ターン、相手はレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない。

 

 

 

ジャックの修行の成果で得たシンクロモンスター クリムゾン・ブレーダーが姿を現した。

 

「バトルだ!クリムゾン・ブレーダーで真紅眼の黒竜を攻撃!レッドマーダー!」

 

海馬LP4000→3600

 

 

「うおおお!く…これが闇の力…!」

 

 

ジャックの額には千年アイテムのマークが浮かび上がっている。

 

 

「クリムゾン・ブレーダーの効果!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合の次の相手ターン、相手はレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない。つまりお前は新たな青眼を呼び出すことは不可能だ!」

「小賢しい真似を…!」

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ ジャックLP1200 手札1

  ○○●●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 海馬LP3600 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 

海馬は手札に二枚目の青眼を握っていた。しかしクリムゾン・ブレーダーの効果で召喚はできない。

 

 

「バトル!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでクリムゾン・ブレーダーを攻撃!ダークネスメタルフレア!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンはブレスでクリムゾン・ブレーダーを破壊しようとするが、クリムゾン・ブレーダーも剣で対抗する。やがて二体のモンスターは相打ちとなった。

 

「攻撃力は同じ2800。貴重な戦力のレダメを破壊するとはな。」

「凡骨のモンスターなどもはや不要。」

「フン、気に入らんがなかなか骨のあるやつのようだ。」

「そっくりそのままそのセリフを返してやろう。モンスターをセットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ ジャックLP1200 手札1

  ○○○●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 海馬LP3600 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札から魔法カード 死者蘇生を発動!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「甦れ 琰魔竜(えんまりゅう) レッド・デーモン!」

 

 

 

琰魔竜 レッド・デーモン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ1でのみ発動できる。

このカード以外のフィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。

この効果を発動するターン、このカード以外のモンスターは攻撃できない。

 

 

 

「また忌々しい決闘竜(デュエル・ドラゴン)か。」

「バトル!レッド・デーモンで裏守備モンスターを攻撃!」

「お前が攻撃したモンスターはジャイアントウィルス!」

 

 

 

ジャイアントウィルス

効果モンスター

星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守 100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手ライフに500ポイントダメージを与える。

さらに自分のデッキから「ジャイアントウィルス」を任意の数だけ

表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える!」

「うおおお!」

 

ジャックLP1200→700

 

「さらに自分のデッキからジャイアントウィルスを二体、表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。こい、二体のジャイアントウィルス!」

「く、レッド・デーモンの効果はメインフェイズ1にしか発動できん。俺はターンエンド。」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ ジャックLP700 手札1

  ○○●●○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 海馬LP3600 手札4

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からサンダー・ドラゴンを墓地へ送り効果発動。」

 

 

 

サンダー・ドラゴン

効果モンスター

星5/光属性/雷族/攻1600/守1500

自分のメインフェイズ時に、このカードを手札から捨てて発動する。

自分のデッキから「サンダー・ドラゴン」を2体まで手札に加える。

 

 

 

「デッキから二枚のサンダー・ドラゴンを手札に加える。そして魔法カード トレード・インを発動!」

 

 

 

トレード・イン

通常魔法

手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「手札の青眼を墓地へ送り二枚ドローする。」

「青眼を捨てるだと!?」

「さらに手札から魔法カード おろかな埋葬を発動!」

 

 

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

 

「デッキから最後の青眼を墓地へ送る。」

「墓地に青眼が三体…まさか!」

「そのまさかだ!括目するがいい!手札から魔法カード 龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を発動!」

 

 

 

龍の鏡

通常魔法

自分のフィールド上または墓地から、

融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、

ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

 

 

 

「墓地の青眼三体を除外し、青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)を召喚!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

地鳴りと共に海馬のフィールドに青眼の究極龍が姿を現した。だがそれを待っていたかのようにジャックは罠を発動する。

 

「罠 発動!強制脱出装置!」

 

 

 

強制脱出装置

通常罠

(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「青眼の究極龍を選択しエクストラデッキへ戻す!フフ、残念だったな。この俺 ジャック・アトラスの前ではただの竜は赤子同然…!」

「…仮に青眼が赤子であったとしてもその赤子は成長する。その様を見るがいい!場の速攻魔法発動!決闘竜の目覚め!自分フィールド上に存在するドラゴン族モンスターをエクストラデッキに戻し、同じ攻撃力・守備力のドラゴンを1体、召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚する。現れろ 青眼龍(せいがんりゅう) アルティメット!」

 

 

青眼の究極龍のボディに光のラインが入り、決闘竜の青眼龍となった。対象を失った強制脱出装置は不発に終わる。

 

 

「馬鹿な!決闘竜だと!?」

「俺は強さに溺れはしない。むしろ強さを従える!ジャック・アトラス、貴様は強さに溺れているのだ。そんな程度の男では俺を倒すことなどできんわ!青眼龍 アルティメットの効果!手札のドラゴンモンスターを任意の枚数墓地へ送り、相手フィールド上のモンスターを墓地へ送った枚数分破壊する!バースト・リ・デストロイ!」

 

手札の二枚のサンダー・ドラゴンを墓地へ送り、バトルフェーダーとレッド・デーモンが破壊された。

 

 

 

バトルフェーダー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される

 

 

 

「バトル!青眼龍 アルティメットでジャック・アトラスに攻撃!アルティメット・ライン・バースト!」

 

三つの首からビームのように放たれた攻撃がジャックを直撃した。

 

ジャックLP700→0

 

ジャックのホイールオブフォーチュンはスピンし、転倒した。海馬はD ホイールを止めることなく、過ぎ去って行った。ジャックは気を失っていたが、額に浮かんでいた印は敗北と共に消えた。医療班が駆けつけるとジャックは意識を取り戻す。駆け寄ってきた遊戯はジャックの服を調べた。

 

「お…おい!何をする!…それにここはどこだ!」

「お前、千年アイテムを持っていないのか?」

「千年アイテム…なんのことだ…痛ッ!なぜ俺は怪我をしているのだ…。」

「覚えていないのか?ということはお前も操られて…。」

「…!思い出したぞ!遊星が持っていた妙な秤を見てから記憶が飛んでいるのだ!」

『もう一人の僕!もしかして…!』

「あぁ、間違いない、千年秤にこいつは操られていたんだ。そしてそれは今遊星が持っている!」




青眼龍 アルティメット
融合・効果モンスター
星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800
「青眼」と名の付いた融合モンスター1体+「青眼の白龍」2体
(1):手札から任意の枚数、ドラゴン族モンスターを墓地へ送ることで自分のターンのメインフェイズ時に発動できる。墓地へ送ったカードの枚数と同じ数の相手フィールド上のモンスターを選んで破壊する。この効果を使ったターン、自分は「青眼龍 アルティメット」以外のモンスターで戦闘を行うことはできない。この効果は1ターンに一度しか使用できない。


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第三十二話「怒涛のブラックフェザー」

ジャックのホイールオブフォーチュンが運ばれていくとブラック・バードに乗ったクロウがピッチから現れた。数秒後には海馬のD ホイールを抜かし、前に出て海馬を挑発する。

 

 

「へっ、ついてこれるか?」

 

 

ブラック・バードは加速していく。海馬もそのあとを追いかけるためスピードを上げた。加速していく中でカーブに差し掛かる。そこで決闘は始まった。

 

 

「「決闘!」」

 

 

 

  □■□□□

 □      □ クロウLP4000 手札5

  ○○○○○ ■

 

■ ○●●●○

 □      □ 海馬LP3600 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!へ、チームのライディングデュエルにまだ慣れてねえみたいだな。敵を倒せば強制的にエンドフェイズになる。ジャイアントウィルスが攻撃表示のままだぜ。」

 

 

 

ジャイアントウィルス

効果モンスター

星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守 100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手ライフに500ポイントダメージを与える。

さらに自分のデッキから「ジャイアントウィルス」を任意の数だけ

表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「俺は手札から永続魔法 黒い旋風を発動!」

 

 

 

黒い旋風

永続魔法

(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時にこの効果を発動できる。

そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。

 

 

 

「自分フィールドにBF(ブラックフェザー)モンスターが召喚された時にそのモンスターより低い攻撃力を持つBFモンスター1体をデッキから手札に加えることが出来る!そしてBF-月影のカルートを召喚!」

 

 

 

BF-月影のカルート

効果モンスター

星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000

(1):自分の「BF」モンスターが戦闘を行う

ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、

このカードを手札から墓地へ送って発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1400アップする。

 

 

 

「黒い旋風の効果発動!俺はBF-極北のブリザードを手札に加えるぜ。」

 

 

 

BF-極北のブリザード

チューナー・効果モンスター

星2/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 0

このカードは特殊召喚できない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル4以下の「BF」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

「さらにBF-疾風のゲイルを特殊召喚!」

 

 

 

BF-疾風のゲイル

チューナー・効果モンスター(準制限カード)

星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400

(1):自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の

「BF」モンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):1ターンに1度、相手フィールドの

表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。

 

 

 

「こいつは自分フィールドにBFモンスターがいる時特殊召喚できる!さらにゲイルはモンスター1体の攻撃力を半分に出来る!俺が半分にするのは青眼龍 アルティメット!」

「小賢しい真似を…!それにチューナー…くるか!」

「俺はレベル3のBF-月影のカルートにレベル3の疾風のゲイルをチューニング!シンクロ召喚!現れろ レベル6 BF-星影のノートゥング!」

 

 

 

BF-星影のノートゥング

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/鳥獣族/攻2400/守1600

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「BF-星影のノートゥング」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。

相手に800ダメージを与える。

その後、相手の表側表示モンスター1体を選び、

その攻撃力・守備力を800ダウンする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分は通常召喚に加えて1度だけ、

自分メインフェイズに「BF」モンスター1体を召喚できる。

 

 

 

大剣を持った鳥人がクロウの場に現れる。星影のノートゥングは特殊召喚された時、相手に800ポイントダメージを与える。さっそく手にした大剣で海馬を攻撃した。

 

舞い戻る剣(ホーミング・ソード)!」

 

海馬LP3600→2800

 

「く…おのれ…!」

「まだだ!ノートゥングの効果は終わらない!相手の表側表示モンスター1体を選び、

その攻撃力・守備力を800ダウンする。俺が選択するのは青眼龍 アルティメット!」

「アルティメットの攻撃力が1450に…!」

「ノートゥングのさらなる効果!このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにBFモンスター1体を召喚できる。来い、BF-極北のブリザード!」

 

ノートゥングの横に白と黒の翼をもった鳥が出現する。

 

「極北のブリザードの効果!このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル4以下のBFモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。こい、月影のカルート!」

「またチューナー…いつまで続ける気だ!?」

「レベル6のBF-星影のノートゥングにレベル2の極北のブリザードをチューニング!漆黒の風を纏い末世から飛翔せよ!!シンクロ召喚!レベル8 玄翼竜(げんよくりゅう) ブラック・フェザー!!」

 

 

 

玄翼竜 ブラック・フェザー

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1600

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、戦闘またはカードの効果によって

自分がダメージを受けた時に発動できる。

自分のデッキの上からカードを5枚まで墓地へ送る。

この効果で墓地へ送ったカードの中にモンスターカードがあった場合、

このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

 

 

 

新たな決闘竜(デュエル・ドラゴン)がクロウの場に現れた。

 

「新たな決闘竜か!」

「手札から魔法カード アゲインスト・ウィンドを発動!」

 

 

 

アゲインスト・ウィンド

通常魔法

自分の墓地に存在する「BF」と名のついた

モンスター1体を選択して発動する。

自分はそのモンスターの攻撃力分のダメージを受け、

そのモンスターを手札に加える。

 

 

 

「自分の墓地に存在するBFと名のついたモンスター1体を選択して発動する。自分はそのモンスターの攻撃力分のダメージを受け、そのモンスターを手札に加える。俺が手札に加えるのは疾風のゲイル!よって1300のダメージを受けて手札に加える!」

 

クロウLP4000→2700

 

「どういうつもりだ、自らダメージを受けるなど…。」

「玄翼竜 ブラック・フェザーの効果!1ターンに1度、戦闘またはカードの効果によって自分がダメージを受けた時に発動でき、自分のデッキの上からカードを5枚まで墓地へ送ってそのカードの中にモンスターカードがあった場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする!」

 

 

クロウが墓地へ送ったカードはゴッドバードアタック、BF-精鋭のゼピュロス、BF-黒槍のブラスト、リビングデッドの呼び声、サイクロンであった。

 

 

 

ゴッドバードアタック

通常罠

(1):自分フィールドの鳥獣族モンスター1体をリリースし、

フィールドのカード2枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

BF-精鋭のゼピュロス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1600/守1000

「BF-精鋭のゼピュロス」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドの表側表示のカード1枚を持ち主の手札に戻して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける。

 

 

BF-黒槍のブラスト

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800

(1):自分フィールドに「BF-黒槍のブラスト」以外の

「BF」モンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

二枚のモンスターカードが墓地に送られているため、ブラック・フェザーの攻撃力は400ポイントアップした3200となる。

 

 

「まだまだ行かせてもらうぜ!フィールドに月影のカルートがいることで手札から疾風のゲイルを再び特殊召喚!効果発動!アルティメットの攻撃力をさらに半分に!」

「攻撃力725!?」

「BFと俺の闇の力があれば攻撃力4500の敵も725にまで出来るんだよ!レベル3の月影のカルートにレベル3の疾風のゲイルをチューニング!漆黒の力!大いなる翼に宿りて、神風を巻きおこせ!シンクロ召喚!レベル6 吹きすさべ、BF-アームズ・ウィング!」

 

 

 

BF-アームズ・ウィング

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/鳥獣族/攻2300/守1000

「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃するダメージステップの間、

このカードの攻撃力は500アップする。

(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「また新たなシンクロ…しつこいやつだ。」

「2300のアームズ・ウィングでジャイアントウィルスを攻撃すれば1300のダメージ。3200のブラック・フェザーで725のアルティメットを攻撃で2475、つまり合計で3775のダメージをお前に与えるぜ、海馬。さぁ闇に落ち、もがき苦しみな!バトルだ!アームズ・ウィングでジャイアントウィルスを攻撃!ブラック・チャージ!」

 

海馬LP2800→1500

 

「ジャイアントウィルスの効果!このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える!」

 

クロウLP2700→2200

 

「無駄無駄ァ!玄翼竜 ブラック・フェザーで青眼龍 アルティメットに攻撃!黒怒尖闘撃(ブラック・レイジ・エントリー)!!」

 

 

 

 

 

『まずい!海馬君!』

「相棒、落ち着けよ、海馬はこの程度でやられる決闘者じゃないぜ。」

『もう一人の僕…。』

「何せあいつは俺たちのライバルだぜ。」

『…そうだったね!』

 

 

 

 

 

「墓地の決闘竜の目覚めの効果発動!フィールド上の青眼龍 アルティメットとこのカードをゲームから除外し、アルティメットと同じ攻撃力・守備力のドラゴンを1体、召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚する!再び現れろ 我が史上最強にして華麗なる殺戮兵器 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

体のラインが消えたアルティメットは別モンスターとして転生したため、攻撃力は4500となる。

 

 

「く!ブラック・フェザー!攻撃をやめろ!」

「ハハハ!俺を1ターンで倒そうなど甘いわ!」

「くそ…もう一体のジャイアントウィルスに攻撃しておけば今頃…!」

 

 

悔しがるクロウを見ながら海馬は笑いが止まらなかった。

 

 

 

 

 

「海馬瀬人、運がいいな。もしジャイアントウィルスを攻撃されていれば終わっていたぞ。大型モンスターを破壊したいという闇の願望に救われたか。」

「いや違うぜ、万丈目。きっとあの伏せカードの中にジャイアントウィルスを処理できるカードがあったに違いない。海馬瀬人はそういう決闘者だってペガサス会長が前言ってたぜ。」

 

 

十代と翔、万丈目も真剣にライディングデュエルを見ていた。彼らと戦うために三人は勝ち上がってきたからだ。

 

 

 

 

 

「俺はカードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■■■

 □      □ クロウLP2200 手札0

  ○○●●○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 海馬LP1500 手札2

  □■■□□

 

 

「ずいぶん長いターンだった。次は俺のターンだ、ドロー!俺は青眼の究極竜でBF-アームズ・ウィングを攻撃!アルティメット・バースト!」

 

 

 

 

『これが決まれば2200のダメージ!海馬君の勝ちだ!』

「いや甘いぜ、相棒。」

 

 

 

 

 

「罠発動!聖なるバリア -ミラーフォース!」

 

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「へ!ミラフォなんていう時代遅れなカードの対策はしてなかったか?海馬さんよぉ!」

「ふん、若造が。永続罠発動!暴君の威圧!」

 

 

 

暴君の威圧

永続罠

自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるモンスターは、

このカード以外の罠カードの効果を受けない。

 

 

 

「ジャイアントウィルスをリリースし発動。このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるモンスターは、このカード以外の罠カードの効果を受けない。よってミラフォは無意味!」

 

 

 

 

 

「なるほど、さっきの攻撃がジャイアントウィルスに向かっていたら海馬瀬人はこれを発動するつもりだったんすね。アニキさすがっす!」

「翔だってちょっとくらいわかってただろ?海馬瀬人のファンだった時期、あったじゃんか。」

「げぇ!なんでそれ知ってるの!?」

「それはさておき、これで海馬瀬人の勝利だな。」

 

 

 

 

 

「速攻魔法発動!サイクロン!暴君の威圧を破壊!」

「なんだと!?」

「あぶねえ、あぶねえ。さすが伝説の決闘者。でも俺の方が一手上手だったな。」

 

 

暴君の威圧は破壊され、ミラフォは適用される。青眼の究極竜は破壊された。

 

 

「…俺はモンスターをセット、カードを一枚セットしターンエンドだ。」

 

 

  □■□■□

 □      □ クロウLP2200 手札0

  ○○●●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 海馬LP1500 手札0

  □■■□□

 

 

サーキットには二台のD ホイールの走行音が鳴り響くほど静まり返っていた。もはや先ほどまでの歓声は起きない。それほどまでに手に汗握る戦いとなっていたのだ。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)



Pk-B(ベ)ルゼーブ
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1100/守200
【Pスケール:青6/赤6】
(1):自分がダメージを受けたターンのエンドフェイズ時に発動できる。このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分フィールド上のシンクロモンスターは直接攻撃できない。


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第三十三話「闇遊戯のシンクロ召喚」

「俺のターン!ドロー!アームズ・ウィングは守備表示モンスターを攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は500アップし、さらに守備表示モンスターを攻撃し場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える貫通効果を持つ。」

 

 

 

BF(ブラックフェザー)-アームズ・ウィング

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/鳥獣族/攻2300/守1000

「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃するダメージステップの間、

このカードの攻撃力は500アップする。

(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「裏守備モンスターで守ろうとしても無駄だ!バトル!アームズ・ウィングで裏守備モンスターを攻撃!」

「罠発動!和睦の使者!」

 

 

 

和睦の使者

通常罠

このターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になり、

自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

「このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、自分のモンスターは戦闘では破壊されない。裏守備モンスターはメタモルポット!」

 

 

 

メタモルポット

リバース・効果モンスター(制限カード)

星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600

(1):このカードがリバースした場合に発動する。

お互いの手札を全て捨てる。

その後、お互いはデッキから5枚ドローする。

 

 

 

「リバース効果発動!お互いの手札を全て捨て、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。さぁドローするがいい!」

「ち…。俺は魔法カード マジック・プランターを発動!」

 

 

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「ジャックが残した永続罠 強化蘇生を墓地へ送りカードを二枚ドロー。」

 

 

 

強化蘇生

永続罠

(1):自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

そのモンスターは、レベルが1つ上がり、攻撃力・守備力が100アップする。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「カードを三枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  ■■■■□

 □      □ クロウLP2200 手札3

  ○○●●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 海馬LP1500 手札5

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から速攻魔法 異次元からの埋葬を発動!」

 

 

 

異次元からの埋葬

速攻魔法(制限カード)

(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から

合計3体まで対象として発動できる。

そのモンスターを墓地に戻す。

 

 

 

「除外されている青眼三体を墓地へ戻す。」

 

 

 

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

「そして手札から青き眼の乙女を召喚。」

 

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「攻守ともに0だと?ふざけてんのか!」

「フン、ほざけ!遊戯、貴様が使っていたカードを貴様以上に有効活用してやる。伏せていた速攻魔法発動!ディメンション・マジック!」

 

 

 

ディメンション・マジック

速攻魔法

自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した自分のモンスターをリリースし、

手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。

その後、フィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる。

 

 

 

「青き眼の乙女を対象にし選択した自分のモンスターをリリースし、手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる。」

「なんだと!」

「それだけではない。青き眼の乙女はカードの効果の対象になった時に自分の手札・デッキ・墓地から青眼を特殊召喚する。現れろ!青眼の白龍!!」

 

墓地から再び青眼の白龍が現れた。ディメンション・マジックの効果で青き眼の乙女は破壊されるが海馬は新たな青き眼の乙女を特殊召喚した。

 

「そして俺は玄翼竜 ブラック・フェザーを破壊!」

「く…俺の決闘竜(デュエル・ドラゴン)が…!」

「バトルだ!青眼の白龍でBF-アームズ・ウィングを攻撃!滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!」

 

クロウLP2200→1600

 

「おのれ…!」

「ふん、バトルは終了、だが俺のターンは終わっていない。レベル8の青眼にレベル1の蒼眼の銀龍をチューニング!龍を呼び龍を守護するその蒼き眼で我が僕たちを覚醒せよ!シンクロ召喚!レベル9 蒼眼の銀龍!」

 

 

 

蒼眼の銀龍

シンクロ・効果モンスター

星9/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000

チューナー+チューナー以外の通常モンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時に発動する。

自分フィールド上のドラゴン族モンスターは次のターンの終了時まで、

カードの効果の対象にならず、カードの効果では破壊されない。

また、1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動できる。

自分の墓地の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

 

 

白き体はシンクロ召喚の輪を通るごとに銀の体へと変化していき、蒼眼の銀龍が守備表示で特殊召喚された。

 

 

「カードを二枚セットしターンエンド!」

「速攻魔法発動!サイクロン!右のカードを破壊だ!」

 

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

 

「なんだと!?」

 

 

クロウは罠カード 魔法の筒(マジック・シリンダー)を破壊した。

 

 

 

魔法の筒

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、

そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

 

  □■■■□

 □      □ クロウLP1600 手札3

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 海馬LP1500 手札1

  □□■□□

 

 

「あぶねえあぶねえ。さぁ行かせてもらうぜ!ドロー!俺は手札からBF-上弦のピナーカを召喚!」

 

 

 

BF-上弦のピナーカ

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/鳥獣族/攻1200/守1000

「BF-上弦のピナーカ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードをS素材とする場合、

「BF」モンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードがフィールドから墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。

デッキから「BF-上弦のピナーカ」以外の「BF」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「永続魔法 黒い旋風の効果でBF-空風のジンを手札に加える。」

 

 

 

黒い旋風

永続魔法

(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時にこの効果を発動できる。

そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。

 

 

BF-空風のジン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/鳥獣族/攻 600/守 500

このカードの攻撃力以下の守備力を持つ、

フィールド上に表側表示で存在するモンスターと戦闘を行う場合、

ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。

 

 

 

「さらに手札からBF-残夜のクリスを特殊召喚!」

 

 

 

BF-残夜のクリス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1900/守 300

「BF-残夜のクリス」の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):自分フィールドに「BF-残夜のクリス」以外の「BF」モンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードは1ターンに1度だけ、

魔法・罠カードの効果では破壊されない。

 

 

 

「こいつは残夜のクリス以外のBFがいる時、特殊召喚できる!俺はレベル4の残夜のクリスでレベル3の上弦のピナーカをチューニング!シンクロ召喚!来い、レベル7 BF(ブラックフェザー) (テイマー)-漆黒のホーク・ジョー!」

 

 

 

BF T-漆黒のホーク・ジョー

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/戦士族/攻2600/守2000

「BF」チューナー+チューナー以外の「BF」モンスター1体以上

「BF T-漆黒のホーク・ジョー」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の墓地のレベル5以上の鳥獣族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):このカードが相手の効果の対象になった時、

または相手モンスターの攻撃対象になった時、

このカード以外の自分フィールドの「BF」モンスター1体を対象として発動できる。

その対象を正しい対象となるそのモンスターに移し替える。

 

 

 

「また新たなシンクロ…!だが蒼眼の銀龍、メタモルポット 共に守備表示。ダメージを負うことはない。」

「漆黒のホーク・ジョーの効果発動!自分の墓地のレベル5以上の鳥獣族モンスター1体をを特殊召喚する!復活しろ! BF-アームズ・ウィング!」

「なんだと!?」

「いやぁ…冷や汗かいたぜ。魔法の筒を食らってたらやられてた。へへ、闇に堕ちな!海馬瀬人ォ!アームズ・ウィングでメタモルポットを攻撃!ブラック・チャージ!」

「うぉおおおおお!!」

 

海馬LP1500→0

 

海馬のD ホイールはスピンする。再び壁に衝突しそうになるが海馬は左手に握られたスイッチを押す。すると海馬の背中からグライダーが開き、D ホイールから飛行することで離れた。コントロールを失ったD ホイールはそのまま壁に衝突し、炎上する。すぐさまインダストリアル・イリュージョン社のスタッフが消火発動に取り組んだ。

 

「兄様!大丈夫!?」

「あぁ、案ずるなモクバ。それよりも俺が一通り見てもD ホイールに問題はなかった。しかしこの有様だ…。」

「oh、no…!わが社の最後のD ホイールがぁ!」

 

ペガサスがオロオロとしながらサーキットまで降りてきた。モクバはそれどころではないと怒ろうとするが海馬は「放っておけ。」とでも言いたげな顔で彼を止めた。

 

 

「どうしまショー!遊戯ボーイの試合がまだあるというのに…。」

「おい、主催者!おれのD ホイールを使え!」

 

 

後ろから声がした。三人が振り返るとそこには応急処置が施されているジャックが立っていた。

 

「なぜ起き上がることが出来るのですカー!?」

「あいにくこういうことには慣れていてな。それよりもD ホイールがないのだろう。この絶対王者(キング) ジャック・アトラスのホイールオブフォーチュンを使うがいい。」

「キングだと?俺に負けておいて王を名乗るとは滑稽だな。」

「貴様もクロウに負けただろうが。チーム戦のライディングデュエルは個々の力だけでは測りえないことに気が付かないとはそれこそ滑稽だな。」

 

 

ジャックと海馬は睨み合っているがその間にペガサスが入る。

 

 

「と…とにかく今はクロウボーイが走っていマース。すぐに遊戯ボーイには走り始めてもらわないと…。遊戯ボーイ!遊戯ボーイ!?」

 

 

ペガサスがチーム ドミノのピッチに声をかけるとうつむいた闇遊戯が出てきた。

 

 

「遊戯ボーイ!ジャックボーイがあなたにD ホイールを貸してくれるそうデース!」

「ボーイはやめろ! 武藤遊戯、お前が名もなき王の魂を宿し決闘王と呼ばれた伝説の決闘者だな。」

「呼ばれているかは知らないが確かに俺は王の魂だ。」

「それならばクロウと遊星を救ってやってくれ。俺がやってやりたいが今戦えるのはお前しかいないのだ。」

「わかってる。遊星にはパラドックスの件で世話になったしな。D ホイールを借りるぜ。」

 

 

そういうと遊戯はホイールオブフォーチュンに乗り込んだ。徐々にクロウがブラック・バードで迫ってきている。海馬は闇遊戯に向かって叫んだ。

 

 

「遊戯!はやく走れ!失格になりたいのか!?」

 

 

だが闇遊戯は走り始めようとしない。

 

 

『どうしたの、もう一人の僕!追いつかれちゃったら負けだよ!?』

「あ…あぁ、でも…。」

『でも?』

「俺はバイクを運転したことがない…。」

『そんなことでビクビクしてたの!?もう!僕に代わってよ!』

 

 

闇遊戯から遊戯に人格がシフトした。

 

 

「ライディングデュエル アクセラレーション!」

 

 

遊戯は最初からアクセル全開でサーキットを飛ばしていく。

 

 

『すごいな、相棒。』

「君がいない間に免許取ったからね。クロウくんに接近したらオートパイロットに切り替わるからそうすれば君はハンドルを握ってるだけで大丈夫だよ。」

『感謝するぜ。』

 

 

やがてクロウに遊戯は追いついた。追いつくと同時にオートパイロットに切り替わる。遊戯はクロウの前に位置づけされると決闘が始まった。

 

 

「「決闘!」」

 

 

その声と共に再び闇遊戯が表の人格となった。

 

 

「相棒が頑張ってくれたからな、俺んも全力でやるぜ。」

「お前がキングオブデュエリスト、武藤遊戯か。さっきの野郎は堕とし損ねたが、貴様はにがしゃしねえぞ。それで千年パズルも頂きだ。」

 

 

クロウの額に千年アイテムのマークが浮かび上がる。

 

 

「それは俺のセリフだ。時間をかけるつもりはない。すぐに片づけてやるぜ。俺の…」

「おっと、待ちな。エンドフェイズ時に上弦のピナーカの効果発動!デッキからBF-上弦のピナーカ以外のBFモンスター1体を手札に加える!俺は手札に極北のブリザードを加えるぜ。」

 

 

 

BF-極北のブリザード

チューナー・効果モンスター

星2/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 0

このカードは特殊召喚できない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル4以下の「BF」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

「次のターン、新しいシンクロでもお見舞いしてやるか!」

「次のターン…か。」

「?」

 

 

 

  □■■■□

 □      □ クロウLP1600 手札4

  ○●●○○ ■

 

■ ○○○●○

 □      □ 遊戯LP4000 手札5

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!スタンバイフェイズ時に蒼眼の銀龍の効果発動!墓地から通常モンスターを特殊召喚!来い!青眼の白龍!」

 

海馬が残した青眼が墓地から再びよみがえる。

 

「手札から魔法カード 魔法石の採掘を発動!」

 

 

 

魔法石の採掘

通常魔法(準制限カード)

(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

 

 

「手札のブラック・マジシャン・ガールとブラック・マジシャンを墓地へ送り墓地にある速攻魔法 ディメンション・マジックを手札に加えるぜ。」

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガール

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

ディメンション・マジック

速攻魔法

自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した自分のモンスターをリリースし、

手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。

その後、フィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる。

 

 

 

「ほう…あの伝説の魔法使いたちをいきなり墓地へか。」

「手札から魔法カード ミラクル・チューニングを発動!墓地の同じ種族のモンスターでシンクロ召喚する!俺はレベル6のブラック・マジシャン・ガールにレベル1の青き眼の乙女をチューニング!未来を紡ぐ白衣の魔導師よ、今こそ王の名において降臨せしむ。シンクロ召喚!レベル7!幻想の白魔導師!」

 

幻想の白魔導師が優雅にシンクロ召喚された。

 

「ミラクル・チューニングはシンクロ素材にした種族のモンスターしかシンクロ出来ず、素材は除外される。」

「武藤遊戯がシンクロなんて聞いたことねえぞ…。」

「魔法カード 死者蘇生!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「墓地からブラック・マジシャンを特殊召喚!」

「出やがったな。」

「幻想の白魔導師の効果発動!魔法使い族の通常モンスターが召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドに存在する魔法 罠カード1枚を除外する。俺はクロウの場に伏せられた1枚を除外!」

「く…ならばその指定されたカードを発動!強制脱出装置!」

 

 

 

強制脱出装置

通常罠

(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「幻想の白魔導師をエクストラデッキに戻すぜ!」

「海馬が残した罠発動!シフトチェンジ!」

 

 

 

シフトチェンジ

通常罠

自分フィールド上のモンスター1体が

相手の魔法・罠カードの効果の対象になった時、

または相手モンスターの攻撃対象になった時に発動できる。

その対象を、自分フィールド上の正しい対象となる他のモンスター1体に移し替える

 

 

 

「相手の魔法・罠カードの効果の対象になった時、その対象を、自分フィールド上の正しい対象となる他のモンスター1体に移し替える。俺はブラック・マジシャンに対象を変更!」

 

ブラック・マジシャンは強制脱出装置の効果で手札に戻る。

 

「手札から速攻魔法発動!ディメンション・マジック!フィールドの青眼の白龍をリリースし、手札からブラック・マジシャンを特殊召喚!その後俺はBF T-漆黒のホーク・ジョーを破壊する!」

 

BF T-漆黒のホーク・ジョーには対象にとられた場合、別のモンスターに移し替える効果があるが、ディメンション・マジックの破壊は対象を取らない効果のため、そのまま破壊された。

 

 

「さらに再びブラック・マジシャンが特殊召喚に成功したことで幻想の白魔導師の効果!最後の伏せカードを除去!」

「ンなバカな…!」

「残る魔法 罠ゾーンのカードは黒い旋風。強力なカードだがカウンター能力はない。安心して戦闘を行えるぜ。カードを一枚セットしバトル!幻想の白魔導師でBF-アームズ・ウィングを攻撃!ホワイト・シリンダー!」

 

クロウLP1600→1400

 

「ブラック・マジシャンでクロウにダイレクトアタック!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

 

クロウLP1400→0

 

クロウの額からマークが消え、一瞬気絶した。ブラック・バードはよろけるもクロウがすぐに意識を取り戻し、体勢を立て直す。しかし崩れたバランスは直らない。ブラック・バードの翼を広げ、空中に舞うことで壁を逃れ、やがてブラック・バードは停止した。その近くで闇遊戯もホイールオブフォーチュンを止める。

 

 

「俺はいったい…!」

「どうやら目が覚めたみたいだな。」

「そうか、俺あの千年アイテムとかに操られて…。俺のブラックフェザー・ドラゴンも決闘竜とかいうのに変えられちまってたしよ。」

 

 

そういいながら墓地のブラック・フェザーを見るが、すでにブラックフェザー・ドラゴンに戻っており、ジャックのカードもレッド・デーモンズ・ドラゴンへと変わっていた。

 

 

「おそらく決闘竜の邪悪な力と千年秤の中にあるオーバーハンドレッドナンバーズの邪悪な意思が千年秤の共鳴する力でシンクロしてしまい、闇の意識に洗脳されていたに違いない。だがもう大丈夫だ。」

「あぁ、俺とジャックは…だろ?」

 

 

クロウはそういうとチーム5D'sのピッチで遊星号に跨る遊星を見ながら言った。

 

 

「安心しろ、俺が遊星を救う。」

「頼んだぜ、遊戯さん。」

 

 

そういうと闇遊戯はホイールオブフォーチュンを再び走らせた。

 

 

『操作できるようになってるじゃないか!』

「相棒が動かしているのを見ていたからな。さぁいよいよ本番だ。」

 

 

遊星が後ろから近付いてきた。

 

 

「「決闘!」」

 

 

  □□□■□

 □      □ 遊星LP4000 手札5

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 遊戯LP4000 手札0

  □□■□□




ミラクル・チューニング
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地からチューナーモンスターとそのチューナーモンスターと同じ種族のモンスターをフィールド・墓地から除外することで発動する。除外したモンスターをS素材としてエクストラデッキからSモンスターをS召喚する。


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第三十四話「闇遊戯VS闇遊星」

海馬、クロウ、ジャックは(スリー)(フォー)の座っている観客席の一番前に腰を下ろした。ジャックはクロウに話しかける。

 

 

「しかしクロウ、フィールドに残したカードが黒い旋風のみとはおまえらしくないな。」

「遊星のデッキには全く噛み合わないもんな…。我ながら闇クロウのタクティクスは大したことねえってことだ。」

「ん?自分のタクティクスを大したことないというのか?」

「いや俺のことじゃなくて闇クロウっていうことだよ。」

「まるで意味が分からんぞ!」

 

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!ライディングデュエルの闇を見せてやろう!手札からジャンク・シンクロンを召喚!」

 

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

「ジャンク・シンクロンの効果発動!墓地からフォース・リゾネーターを特殊召喚。墓地からの特殊召喚に成功した時、手札からドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

 

 

フォース・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星2/水属性/悪魔族/攻 500/守 500

自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送り、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターン、選択したモンスターが攻撃する場合、

相手はダメージステップ終了時まで

モンスターを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事ができない。

 

 

ドッペル・ウォリアー

効果モンスター

星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

(1):自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

 

「レベル2のドッペル・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!集いし星が新たな力を呼び起こす。闇へと誘う道となれ!シンクロ召喚!レベル5 いでよ、ジャンク・ウォリアー!」

 

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動する。

このカードの攻撃力は、自分フィールドのレベル2以下の

モンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

 

「ドッペル・ウォリアーの効果でドッペル・トークンが二体現れる。さらにジャンク・ウォリアーの効果発動!フォース・リゾネーター、ドッペル・トークン二体分の攻撃力を得る!パワー・オブ・フェローズ!」

 

 

ジャンク・ウォリアーの攻撃力は1300上がり3600となる。

 

 

「まだだ!レベル1のドッペル・トークン二体にレベル2のフォース・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!レベル4 アームズ・エイド!」

 

 

 

アームズ・エイド

シンクロ・効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、

または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、

装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「アームズ・エイドをジャンク・ウォリアーに装備!」

 

 

 

 

 

「やべえ!ジャンク・ウォリアーの攻撃力はアームズ・エイドの効果で4600!ブラック・マジシャン、幻想の白魔導士、いずれを攻撃しても遊戯さんに戦闘ダメージは2100。さらにアームズ・エイドの効果で2500の効果ダメージ。遊星のやつ、今度は遊戯さんをワンキルする気だ!」

 

 

クロウは握りしめた拳でサーキットの柵を叩いた。

 

 

「貴様らの言う遊星とやらがどれほどの腕かは知らんが遊戯は俺の唯一のライバル。そんな男がワンターンキルなどされるはずがないだろう、黙ってみていろ鉛玉。」

 

 

海馬は椅子に座り腕を組んだまま落ち着いていた。

 

 

「俺は鉄砲玉だ!」

 

 

 

 

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーで幻想の白魔導士を攻撃!パワーギア・フィスト!」

「罠発動!イタクァの暴風!」

 

 

 

イタクァの暴風

通常罠

(1):相手フィールドの全ての表側表示モンスターの表示形式を変更する。

 

 

 

ジャンク・ウォリアーは守備表示へと変更された。

 

 

「…俺はカードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  □■■■□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 遊戯LP4000 手札0

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!ジャンク・ウォリアー、アームズ・エイド、ともに強力なカードだぜ。しかしともに弱点がある!」

 

 

 

 

 

「弱点?なんですか?Ⅳ兄様。」

「気が付かないのか?Ⅲ。ジャンク・ウォリアー、アームズ・エイドの効果で上がったのは攻撃力だけだ。」

「そうか!守備力は変わらず1300!簡単に倒せてしまう!」

 

 

ⅣとⅢの会話を聞きながら海馬は満足げな表情を浮かべていた。「これぐらいのことを気が付かない遊戯ではないわ。早くこんな戦いを終わらせて遊戯と決着をつけたいものだ…。」

 

 

 

 

 

「バトル!ブラック・マジシャンでジャンク・ウォリアーを攻撃!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

「遊戯、確かにお前の言う通りジャンク・ウォリアーは守備表示になってしまえばただの屑。こんなものはすぐにどけてしまおう。」

 

 

闇遊戯は闇遊星の言ったセリフに八ッとした。

 

 

「永続罠発動!竜魂の幻泉!復活しろ!ジャンク・シンクロン!」

 

 

 

竜魂の幻泉

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

特殊召喚したそのモンスターの種族は幻竜族になる。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「ジャンク・シンクロンを特殊召喚してどうする?バトル続行!やれ!ブラック・マジシャン!」

 

 

遊星は千年秤を取り出しすぐ近くを走行する遊戯に見せつける。

「遊戯、お前は知っているはずだぜ。この千年秤の力を。」

「…千年秤は人の心に巣食う邪念を見通すことができる。 また二体以上のカー、つまりモンスターをひとつに束ねる力 融合を使うことが出来る。」

「惜しいな。モンスターを束ねる力は融合だけじゃねえ。」

「まさか!!」

「その通り!千年秤よ!我に力を!」

 

 

千年アイテムのマークが闇遊星の額に浮かび上がり、髪の毛も逆立つ。

 

 

「レベル5のジャンク・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!大いなる風に導かれた翼よ!闇へと誘う道となれ!シンクロ召喚!レベル8 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「ん?なぜ俺たちのシグナーのカードは決闘竜(デュエル・ドラゴン)に変えられたのに遊星はスターダストのままなのだ?」

「俺たちはさっきお前が言ってた原理で洗脳されていたが遊星は今直接オーバーハンドレッドナンバーズに意識を乗っ取られてんだ。”ハイクラス”のやつらは遊星のカードを操作する必要がなかったってことだ。」

 

 

ジャックはクロウの説明にいまいち納得がいっていなかった様子だったが誰も彼に説明を続けようとはしなかった。一方千年秤の力で相手ターンにシンクロ召喚を行った遊星に対し驚きを隠せない遊戯だが攻撃力は互角のため、再びブラック・マジシャンに攻撃をさせた。

 

 

「罠発動!バスター・モード!スターダスト・ドラゴンをバスターモードへ変更する!」

 

 

 

バスター・モード

通常罠

自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる

「/バスター」と名のついたモンスター1体を

デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

 

「なんだって!?」

「現れよ!スターダスト・ドラゴン/バスター!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン/バスター

効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

「バスター・モード」の効果及び

このカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。

魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、

この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

また、フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、

自分の墓地に存在する「スターダスト・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

 

「攻撃力3000!?」

「どうする?遊戯?フフフ。」

「バトルはやめだ!俺はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □□□■□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 遊戯LP4000 手札0

  □□■□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスターダスト・ドラゴン/バスターで幻想の白魔導士を攻撃!アサルト・ソニック・バーン!」

 

遊戯LP4000→3500

 

幻想の白魔導士は破壊され、遊戯は何もすることが出来ずにダメージを食らった。

 

 

「そりゃそうだ、スターダスト・ドラゴン/バスターの前ではカードの発動など悠々出来るものではない!賢いぞ、遊戯!ハハハ!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■■□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○●○

 □      □ 遊戯LP3500 手札0

  □□■□□

 

 

「く…遊戯!何をしているのだ!そんな奴ごときに苦戦する貴様ではないだろう!」

 

 

先ほどまで冷静だった海馬は一転し怒りに満ち溢れていた。ジャック、クロウ、Ⅳ、Ⅲは雰囲気を察したのか彼の前で何も話さなかった。

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 

遊戯はドローしたカードを見つめながらしばらく考えていた。「ここは賭けるしかない。」逆転の一手がない今、彼は闇遊星の出方にすべてを賭けることを決める。

 

 

「ブラック・マジシャンでスターダスト・ドラゴン/バスターを攻撃!黒・魔・導!」

「なんだと!攻撃力2500のブラック・マジシャンで3000のスターダスト・ドラゴン/バスターを攻撃!?」

 

 

闇遊星はその攻撃の裏に何かあると考えるがスターダスト・ドラゴン/バスターの効果で何かあれば無効にできるため何もしない。だが遊戯は攻撃に対し罠を発動する。

 

 

「罠発動!ブレイクスルー・スキル!」

 

 

 

ブレイクスルー・スキル

通常罠

(1):相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

(2):自分ターンに墓地のこのカードを除外し、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

遊戯は対象をスターダスト・ドラゴン/バスターに指定する。もしもスターダスト・ドラゴン/バスターの効果が無効になったところで何かをされてしまえばスターダスト・ドラゴン/バスターは破壊される。闇遊星はスターダスト・ドラゴン/バスターの効果を発動させることにした。

 

 

「スターダスト・ドラゴン/バスターの効果発動!ブレイクスルー・スキルを無効にする!」

「…。」

「どうだ!遊戯!ハハハ!何かをしようったって無駄だ!」

「かかったな。」

「なに!?」

「手札から幽鬼(ゆき)うさぎの効果発動!」

 

 

 

幽鬼うさぎ

チューナー・効果モンスター

星3/光属性/サイキック族/攻 0/守1800

「幽鬼うさぎ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、

またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、

自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。

フィールドのそのカードを破壊する。

 

 

 

「スターダスト・ドラゴン/バスターを破壊!」

「馬鹿な!無敵の/バスターがこんなにも早く…!だがスターダスト・ドラゴン/バスターにはまだ効果がある!フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、自分の墓地に存在するスターダスト・ドラゴンを特殊召喚する事ができる。来い!スターダスト!」

 

 

再び闇遊星のフィールドにスターダスト・ドラゴンが舞い戻った。遊戯の場にはブラック・マジシャン。二人のエースモンスターが互いをにらみ合っていた。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-D(デ)モゴル
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守200
【Pスケール:青4/赤4】
自分のターンのメインフェイズに発動できる。自分フィールドに存在するX素材を持たないXモンスター1体を選択し、このカードともう片方の自分のPゾーンに存在するカードを選択したモンスターのX素材とする。
【モンスター効果】
このカードが墓地に存在する限り、自分はエクシーズモンスターの効果を発動できない。


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第三十五話「シンクロを超えたシンクロ」

「俺はターンエンド。」

 

 

闇遊戯はバトルフェイズを中断しエンドを宣言した。

 

 

  □□■■□

 □      □ 闇遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○●○

 □      □ 闇遊戯LP3500 手札0

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスピード・ウォリアーを召喚!」

 

 

 

スピード・ウォリアー

効果モンスター

星2/風属性/戦士族/攻 900/守 400

(1):このカードの召喚に成功したターンのバトルステップに発動できる。

このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで元々の攻撃力の倍になる。

 

 

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンでブラック・マジシャンを攻撃!シューティング・ソニック!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

「迎え撃て!ブラック・マジシャン!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

 

 

二体のモンスターの攻撃は重なり合い、お互いを破壊した。

 

 

「スピード・ウォリアーで遊戯にダイレクトアタック!効果により攻撃力は1800となる!ソニック・エッジ!」

 

闇遊戯LP3500→1700

 

 

「俺はターンエンド!」

 

 

  □□■■□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 遊戯LP3500 手札0

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「フィールド上に何も起死回生のカードはない!手札は0枚だったお前にいいカードは来たか?ハハハ!」

「あぁ、来たぜ。墓地の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)、ブラック・マジシャンを除外し手札からカオス・ソルジャー -開闢の使者を特殊召喚!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

カオス・ソルジャー -開闢の使者

効果モンスター(制限カード)

星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ

ゲームから除外した場合に特殊召喚できる。

1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●フィールド上のモンスター1体を選択してゲームから除外する。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

●このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

もう1度だけ続けて攻撃できる。

 

 

 

「ここで開闢だと!?」

「カオス・ソルジャー -開闢の使者でスターダスト・ドラゴンを攻撃!開闢双破斬(かいびゃくそうはざん)!」

 

闇遊星LP4000→3500

 

 

「カオス・ソルジャー -開闢の使者の効果発動!再びスピード・ウォリアーに攻撃!時空突刃(じくうとっぱ)・開闢双破斬!」

 

闇遊星LP3500→1400

 

「やった!遊戯さんが遊星に大ダメージを与えた!これはさすがの遊星でも勝ち目はねえだろ!」

「いいや、クロウ。忘れてはいかん、あいつには”アレ”がある。」

「”アレ”って…あ!」

 

 

 

 

 

「罠発動!ロスト・スター・ディセント!俺はスターダスト・ドラゴンを蘇生!」

 

 

 

ロスト・スター・ディセント

通常罠

自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択し、

自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、

レベルは1つ下がり守備力は0になる。

また、表示形式を変更する事はできない。

 

 

 

「やべえ、あいつやっぱりやる気だ!」

 

 

クロウは焦りはじめ、それを見た(スリー)は思わず聞いた。

 

 

「”アレ”ってなんですか?」

「遊星には特別なシンクロがあるんだよ…。」

 

 

 

 

 

「俺はターンエンド。」

 

 

 

  □□□■□

 □      □ 闇遊星LP1400 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 闇遊戯LP3500 手札0

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からシンクロン・エクスプローラーを召喚!」

 

 

 

シンクロン・エクスプローラー

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 0/守 700

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の「シンクロン」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

「効果により墓地のジャンク・シンクロンを特殊召喚!」

 

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

「レベル2のシンクロン・エクスプローラーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!集いし闇が新たな境地の暗黒へ導く。闇へと誘え!シンクロ召喚!黒き力、シンクロチューナー アクセル・シンクロン!」

 

 

 

アクセル・シンクロン

シンクロ・チューナー・効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻 500/守2100

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分は「アクセル・シンクロン」を1ターンに1度しかS召喚できない。

(1):1ターンに1度、デッキから「シンクロン」モンスター1体を墓地へ送り、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを下げる。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 

 

「アクセル・シンクロンの効果発動!デッキからニトロ・シンクロンを墓地へ送りこのモンスターのレベルを3に変更する!」

 

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

「やっぱり…遊星はアクセルシンクロをする気だ!」

「アクセルシンクロ?」

 

 

Ⅲが不思議そうな顔をする中、ジャックが話し始める。

 

 

「シンクロを超えたシンクロ。俺たち5D'sの中でも遊星しか習得できなかった奇跡の力だ。」

「そんなすごいシンクロをあの不動遊星という決闘者は使うのですね…。(フォー)兄様。」

「あぁ、ハートランドに連れていくやつの一人に入るかもな。」

「何の話か知らんが今回はアクセルシンクロは拝めないかもしれんな。」

「なぜだ?」

 

 

Ⅳはジャックに食い気味に尋ねるも彼は反応せず黙って闇遊星の走る姿を見ていた。

 

 

 

 

 

「遊戯ィ!シンクロを超えたシンクロ アクセルシンクロを今見せてやる!クリアマインド!レベル7となっているのスターダスト・ドラゴンにレベル3となったシンクロチューナー アクセル・シンクロンをチューニング!集いし闇の怨念が、新たな進化の扉を開く 闇へと誘う道となれ! アクセルシンクロォォ!!」

 

 

遊星号はとてつもないスピードでサーキットを走り始め、朱いオーラが放たれた。やがて闇遊星は遊星号ごと速さの中に姿を消す。

 

 

 

 

 

「やべえ!シューティング・スター・ドラゴンが来やがる!」

「いいやクロウ。先ほどは焦って考えが至らなかったが今の遊星は遊星ではない。心配には及ばんかったか。」

「どういうことだ?」

 

 

ジャックたちの視線の先に闇遊星が現れるがシューティング・スター・ドラゴンの姿は見えない。アクセル・シンクロンとスターダスト・ドラゴンが守備表示のままで待機しているだけであった。

 

 

「なぜだ!なぜアクセルシンクロが出来ない!?」

 

 

闇遊星は何度も試そうとするがすべて失敗に終わる。

 

 

 

 

 

「クリアマインドは加速する世界において遊星だけがたどり着くことが出来た境地。悪しき心を持つものなどにアクセルシンクロは出来ん。」

 

 

悔しがる闇遊星をジャックは悲しそうに見ていた。

 

 

 

 

 

「ぐ…!」

「エンドか?」

「ターン…エンド!」

 

 

 

  □□□■□

 □      □ 闇遊星LP1400 手札2

  ○○●●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 闇遊戯LP3500 手札0

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!カオス・ソルジャー -開闢の使者でスターダスト・ドラゴンを攻撃!開闢双破斬」

 

 

開闢双破斬の斬撃はまっすぐスターダスト・ドラゴンに向かい撃破される。モンスターが破壊されたことで再びカオス・ソルジャー -開闢の使者は攻撃を行う。

 

 

「アクセル・シンクロンを攻撃!時空突刃・開闢双破斬!」

 

闇遊戯LP3500→2900

 

「なに!?」

「俺はこのダメージステップに手札から牙城のガーディアンの効果を発動させてもらっていた!」

 

 

 

 

牙城のガーディアン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻  0/守1500

自分フィールド上に守備表示で存在するモンスターが攻撃された場合、

そのダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、

その戦闘を行う自分のモンスターの守備力は

エンドフェイズ時まで1500ポイントアップする。

 

 

 

このモンスターの効果でアクセル・シンクロンの守備力は3600へと変化していたのだ。よって闇遊戯にダメージが与えられた。

 

 

「なるほど、やるな。カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□■□

 □      □ 闇遊星LP1400 手札1

  ○○○●○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 闇遊戯LP2900 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!アクセルシンクロが使えねえんじゃ仕方ねえ…。俺の闇そのものでお前を倒してやる!」

「闇そのもの…?」

「アクセル・シンクロンの効果発動!アンノウン・シンクロンを墓地へ送りアクセル・シンクロンのレベルを4に変更!」

 

 

 

アンノウン・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

「アンノウン・シンクロン」の(1)の方法による特殊召喚はデュエル中に1度しかできない。

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「さらに墓地に存在するBF(ブラックフェザー)-精鋭のゼピュロスの効果発動!クロウが残した黒い旋風を手札に戻し特殊召喚!」

 

 

 

BF-精鋭のゼピュロス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1600/守1000

「BF-精鋭のゼピュロス」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドの表側表示のカード1枚を持ち主の手札に戻して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける。

 

 

黒い旋風

永続魔法

(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時にこの効果を発動できる。

そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。

 

 

 

闇遊星LP1400→1000

 

「まだだ!手札からスター・ブライト・ドラゴンを召喚!」

 

 

 

スター・ブライト・ドラゴン

効果モンスター

星4/光属性/ドラゴン族/攻1900/守1000

このカードが召喚に成功した時、

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

エンドフェイズ時までレベルを2つ上げる事ができる。

 

 

 

「レベル4のモンスターが3体…まさか!」

 

 

闇遊星は再び千年秤を取り出す。

 

 

「言ったはずだぜ、融合だけじゃねえってな…!俺はレベル4となったアクセル・シンクロンとBF-精鋭のゼピュロス、スター・ブライト・ドラゴンでオーバーレイ!現れろ No.105!ランク4 BK(バーニングナックラー) 流星のセスタス!!」

 

 

 

No.105 BK 流星のセスタス

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/炎属性/戦士族/攻2500/守1600

レベル4モンスター×3

自分フィールド上の「BK」と名のついたモンスターが

相手モンスターと戦闘を行うバトルステップ時に

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

その相手モンスターの効果はターン終了時まで無効化され、

その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

千年秤に宿っていたオーバーハンドレッドナンバーズがついに闇遊戯の前に姿を現した。そのまま闇遊星はバトルに移行する。

 

 

「バトル!流星のセスタスでカオス・ソルジャー -開闢の使者を攻撃!」

「攻撃力はカオス・ソルジャー -開闢の使者の方が上だ!」

「流星のセスタスはバトルダメージを貴様に与える!そしてナンバーズはナンバーズでしか破壊できない!食らえ!」

 

闇遊戯LP2900→2400

 

「ハハハ!お前は確かかつて遊星と共闘したことがあるそうだな!だがどうだ?俺は遊星よりも強い!クリアマインドなど使わずともお前を倒してやる!ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 闇遊星LP1000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 闇遊戯LP2400 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!遊星、いやNo.105!お前は所詮遊星の足元にも及ばないぜ。彼がたどり着くことのできたクリアマインドに届かず、お前は結局闇にすがった。そんな弱い男に俺は負けないぜ。墓地のブレイクスルー・スキルの効果発動!No.105、お前の効果を無効にするぜ。」

「なに!?ナンバーズが破壊可能だと!?」

「バトル!カオス・ソルジャー -開闢の使者でNo.105を攻撃!開闢双破斬!」

 

闇遊星LP1000→500

 

「そしてモンスターを破壊したことでもう一度攻撃!時空突刃・開闢双破斬!」

「おのれええええ!!遊戯ィィ!」

 

闇遊星LP500→0

 

遊星号はよろけはじめ、千年秤が地面に落ちる。すると逆立っていた遊星の髪は元に戻り、彼は正気を取り戻した。持ち前のドライビングテクニックで遊星は無事に停止する。闇遊戯も何とかブレーキをかけ、D ホイールから降りると遊星の元に向かった。

 

 

「久しぶりだな、遊星。」

「遊戯さん…すいません、俺、ご迷惑を…。」

「気にするな、お前が悪いわけじゃない。」

「でも…」

「それよりもお前の仲間たちが待ってるぜ、行ってやれよ。」

 

 

そういうとジャックとクロウが遊星の元に駆けてきた。遊星は意識が戻ってからの久しぶりの再会を喜ぶのであった。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-C(コ)ルソン
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1500/守800
【Pスケール:青5/赤5】
もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に墓地に存在するXモンスターを選択することで発動できる。選択したカードをもう片方の自分のPゾーンにスケール2のPカードとして置く。
【モンスター効果】
このカードが墓地に存在する限り、自分はエクシーズ召喚を行うことは出来ない。


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第三十六話「レクシブ時空とプロン時空」

WDMCの準決勝の日の夜、(ブイ)は参加した城之内以外のチームのメンバー全員をインダストリアル・イリュージョン社が用意した部屋に呼んだ。全員が持っている情報を交換することで全貌がはっきりしない敵に立ち向かうためである。

 

 

「よく集まってくれた。感謝する。」

 

 

丁寧なⅤの挨拶を鼻で笑う海馬はトロン一家に啖呵を切る。

 

 

「フン、ご丁寧な挨拶などどうでもいいわ。お前たちは何をたくらんでいる?秘密主義者ほど信用できんものはないな。」

「やはりミザエルの言う通りの男だな、海馬瀬人。」

「何!?ミザエル…あの銀河眼(ギャラクシー)使いの男か!」

「だが海馬瀬人、あなたがそういうのも無理はない。余計な混乱を防ぎたく、なるべく力のないものには我々の持ち込む話にはかかわっては欲しくなかった。だがさすがは世界大会本選出場者たち、あなた方の力を信じ私たち兄弟が知っていることをお伝えしよう。」

 

 

海馬も静かに話を聞くスタンスをとることにした。それを見るとⅤは静かに話し始めた。

 

 

「まず我々に関することについて整理しよう。この今いる時間は武藤遊戯、遊城十代が活躍している時間だ。その数十年後にモーメントが完成しチーム5D'sが活躍する時間が存在する。」

「あぁ、遊星たちは未来から来たって言ってたな。」

「そう。だが私たちも今いる時間の未来から来た。」

「遊星たちのように?」

「だが遊星たちとは違う分岐した未来から来たのだ。」

「どういう意味だ?」

「そうだな、おおざっぱに言おう。モーメントが出来、ライディングデュエルが流行した未来とARヴィジョンが進化し、決闘に応用された未来というパラレルワールド、両方が存在するというわけだ。これらは通常であれば行き来はできないが人間の技術を応用、または人外な力を人間の力で制御することで干渉は可能となる。」

「まるで意味が分からんぞ!」

 

 

ほかの者たちはⅤの説明に相槌を打ちながら何となく理解している様子だったが、ジャックは立ち上がりⅤへ自信満々に言い放った。Ⅴは小さな溜息をつくが、すぐに再び説明を始める。

 

 

「詳しいことはわからなくていい。つまり私たちの来た世界はみな何らかの形で繋がっているということだ。」

「ふむ。」

「デュエルモンスターズの精霊の世界やアストラル世界などは遠い過去において分岐した世界であるため、それらも私たちの生きている世界に繋がっていたといえる。」

「なるほどな。」

「一応それら一つ一つの単位として”次元”という言葉を使っている。まぁ時間や空間はめちゃくちゃであるが一つ一つバラバラに考える分には便利な単位だ。」

「なるほどな!」

 

 

遊星はジャックに真面目に話を聞くよう言い、ジャックは着席した。

 

 

「だが一つの手段を除きどんなことをしても干渉できないいくつかの次元が存在する。」

「干渉できない?」

「そうだ、今までの一連の事件はその干渉できないいくつかの次元の連合が関わっている。」

 

 

今まで黙っていた十代はハッとするように口を開いた。

 

 

「それって”レクシブ”だとか”プロン”だとかいうやつか?」

「ほう、そこまで知っているのか、それならば話は早い。我々の干渉し合える次元らを”プロン”。先ほど述べた干渉できない次元たちを”レクシブ”と呼んでいる。」

「だから俺たちのことをキッドは『プロンの決闘者』って呼んでたのか。」

「レクシブはレクシブの次元同士で干渉し合える。またそのひと塊を”時空”という単位で我々は呼んでいる。」

 

 

ジャックは我慢していたようだが再び立ち上がって叫んだ。

 

 

「えぇい!わからん!わからんぞ!どういう意味だ!?」

「わかった、座ってくれ。そうだな、宇宙でたとえてみよう。銀河には様々な惑星が存在する。その一つ一つの惑星を次元と考えてくれ。そして銀河は時空。今他の銀河から我々の銀河が攻撃されているということだ。」

「待て、貴様はさっき『どんなことをしても干渉できない』と言ったはずだ!干渉しているではないか!」

「…きちんと聞いていたのだな。」

 

 

遊星はジャックを再び席につかせながら会話に混ざった。

 

 

「その『一つの手段を除き』の一つの手段で干渉してきた…ということだな?」

「その通りだ、不動遊星。ヌメロンコードと呼ばれる世界を作り上げた過去現在未来のすべてが記されたカード。それによってレクシブ時空の決闘者たちが我々プロン時空に侵攻してきた。」

「まるで意味が…」

「ジャック、この時代にもブルーアイズマウンテンが置いてあるらしい。ペガサス会長に聞いてみたらどうだ?」

「本当か!遊星!よし、今から行ってくる。」

 

 

そういうとジャックは部屋から出ていった。

 

 

「ジャックにはあとで俺から説明しておく。続けてくれ。」

「感謝する、不動遊星。ヌメロンコードには他時空と干渉する方法も記されており、一つの時空につき一枚存在する。つまりレクシブ時空のヌメロンコードを使ってプロン時空に干渉してきたということだ。」

「キッドやキッドを迎えに来たナックスってやつとかはレクシブ時空の決闘者ってことか。そういえば”遊那(ゆうな)”とか”ネオン”とかいうやつもいるってキッドは言ってたような…。」

「遊那だと…!」

「知っているのか?あ、キッドのことの方が聞きたいんだけど…。」

 

 

十代はキッドのことについて聞こうとするもⅤはあまり聞いていない様子だった。

 

 

「Ⅴ?」

「あ、あぁ…すまない。遊那という女に私たちの仲間は倒されてしまったんだ。」

「仲間?」

「アストラルという仲間だ。プロン時空のヌメロンコードの所有者でありまた別の私の仲間 遊馬の相棒だった。」

「死んじまったのか?」

「わからないが私の予想では死んではいない。プロンのヌメロンコードは遊那に奪われてしまったがプロン時空の妙な改変は起こっていない。もしかしたらまだアストラルが生きていて使用を遮っているのだとしたら…とな。」

 

 

全員静かになってしまうが闇遊戯は話を切り出す。

 

 

「話を変えてすまないが”ハイクラス”ってのはなんだ?」

「あぁ、ハイクラスはレクシブ時空のあらゆる次元から選ばれた決闘者たちのことだ。遊城十代たちが戦ったピースキラーズはそのハイクラスの下部組織の一つだな。」

「フン、大体わかったがそれで貴様らは何がしたくてこの次元に来たというのだ?」

 

 

海馬がトロン一家たちに尋ねた。

 

 

「プロン時空の次元の一つ、アストラル世界にハイクラスの拠点の一つがあり、遊那がいる。もし生きているアストラルを助け出すことが出来ればハイクラスを退けることが出来るかもしれないからな。」

「それの協力者を集めるためにこの次元に来たということか。」

 

 

Ⅴはうなずいた。海馬はしばらく黙っていたが、何かを決めたように立ち上がると自分のアタッシュケースを持ち、部屋の出口に向かって歩いて行った。闇遊戯は海馬を引き留める。

 

 

「おい、どこへいくんだ、海馬。」

「当然アストラル世界とやらだ。そこにミザエルもいるのだろう。やつのような決闘者がいるのなら行ってやる。」

「ずいぶんミザエルを買っているんだな。」

「やつの言っていたカイトとやらも興味がある。さぁ行くぞ。」

「待ってくれ、ほかのみんなも頼む。俺たちに力を貸してくれ。これはプロン時空全体の問題なんだ。」

 

 

誰しもがⅤについていこうとした中で遊星は断った。

 

 

「すまない、俺は行くことはできない。」

「なぜだ、不動遊星。私たちは君に期待をかけていた。こちらの一方的な願いではあるが…」

「いやそういうことじゃないんだ。俺たちの次元で今チーム5D'sの仲間が囚われている。」

「なんだと!?」

 

 

クロウはその事実を知らなかったことから驚き、彼もⅤにはついていかず元の次元に戻ることに決める。

 

 

「だが我々の船の燃料の都合で君たちを元の次元に送ってあげることはできない。構わないか?」

「あぁ、すまない。仲間を見捨てるわけにはいかないんだ。」

「兄様、ひょっとしたら…!」

 

(スリー)は最近レクシブ時空の拠点が増えたという情報を得ていた。もしかしたらその一つが遊星たちの次元に出来たのではないかと予想したのだ。

 

 

「そうなると遊星たちの方も無視できんな…。」

「二手に分かれていくのがベストかもしれんな。」

 

 

万丈目が提案する。

 

 

「いや二手だけでなくこの次元を守るものも必要だ。そうだな…万丈目準、君はこの次元において有力な権力を持っている万丈目グループのものだったな。君と丸藤翔でこの次元の警護に当たってくれないか?」

「いいだろう、この万丈目サンダーに任せろ!!」

「海馬瀬人、君は私たちと共に来るのだろう?」

「当然だ!」

「それと遊城十代、君にもお願いしたい。」

「わかったぜ。でも遊星たちはどうすれば…」

『クリクリ!』

 

 

十代のハネクリボーの精霊が現れ、十代に何かを告げた。

 

 

「本当か?ハネクリボー。じゃあ精霊界に行くんだな!頼んだぜ。」

「ん?十代さん、誰と話しているんだ?」

 

 

十代は遊星の質問に答えようとはせずニヤリとして彼の手に自分のハネクリボーのカードを握らせた。

 

 

「ハネクリボーが精霊の世界から頼りがいのある仲間を連れてきてくれるってさ!遊星、これ遊戯さんからもらった大事なカードだからなくさないで持っててくれよ?」

「おい、俺はあげた覚えはないぜ。」

『僕だよ、もう一人の僕。』

「よ…よくわからないがわかりました、十代さん。預からせてもらいます。」

 

 

こうしてZEXALの次元には

Ⅴ、(フォー)、Ⅲ、海馬、十代

が。

5D'sの次元には

遊星、ジャック、クロウ、遊戯。

そしてDM、GX次元には

万丈目、翔

が残ることとなった。翌日トロン一家の飛行船で五人はZEXAL次元へと向かった。残された遊星たちは一先ず次元を移動できる技術がないか調べることにし、遊星は遊星号を走らせ童実野町の高速道路を走っていた。すると後ろから大型バイクが迫ってくる。よく見るとそれはD ホイールであった。

 

 

「この次元にD ホイール!?インダストリアル・イリュージョン社の二台だけではないのか!?」

 

 

会話ができるほどまでに近づいてくるとそのD ホイールに乗った赤髪のD ホイーラーが話しかけてきた。

 

 

「不動遊星…やはり千年秤の洗脳は解けていたか。トレード、読みの甘い奴だ。」

「何者だ?」

「俺はキッド・プライスター。不動遊星!千年アイテムをかけて決闘してもらう!」




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-E(エ)リーゴス
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻400/守600
【Pスケール:青7/赤7】
自分のターンのメインフェイズに発動できる。デッキから「融合」または「フュージョン」と名の付く魔法カードを一枚手札に加える。この効果を使用したターンの次の自分のターンのエンドフェイズ時までこのカードのPスケールはもう片方のPカードのPスケールと同じ数値となる。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分は融合召喚を行うことは出来ない。


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第三十七話「遊星VSキッド」

二大のD ホイールが高速道路を並んで走行していた。平日の夕方にしては空いた道路状況である。

 

 

「お前がキッドか!」

「一度手にした千年秤をずっと持っておけばいいものをトレードのやつがお前に渡してしまったと思いきや次はその洗脳が解けてプロンのやつらに取られてしまうとはな。オーバーハンドレッドナンバーズをこちら側に引き込んだまではよかったが敗れることを想定していなかったなんてな。」

「なんのことだ!」

「…千年秤はどこにある?」

「答える必要はないな。」

「やはり決闘で吐かせるしかないか…。プロト・スピードワールド セット!」

 

「プロト・スピードワールド発動。デュエルモード オートパイロット スタンバーイ」

 

「「ライディングデュエル アクセラレーション!」」

 

「先行は俺がもらう!俺は手札からボルト・ヘッジホッグを墓地に送ることでクイック・シンクロンを特殊召喚!」

 

 

 

ボルト・ヘッジホッグ

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 800/守 800

(1):自分メインフェイズに発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果は自分フィールドにチューナーが存在する場合に発動と処理ができる。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

クイック・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、

「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「さらに墓地のボルト・ヘッジホッグの効果発動!特殊召喚!」

「さっそくシンクロか…。」

「レベル2のボルト・ヘッジホッグにレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ レベル7 ニトロ・ウォリアー!」

 

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、

このカードの攻撃力はそのターンのダメージ計算時のみ1度だけ

1000ポイントアップする。

また、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した

ダメージ計算後に発動できる。

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にし、

そのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ キッドLP4000 手札5

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札3

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からPk(ピースキラー)-C()ルソンを召喚!」

「Pk…!話に聞いたペンデュラムモンスターか!」

「手札から永続魔法 Pk ライブラリーを発動!1ターンに一度、相手のバトルダメージを0にし、その数値以下のPkを手札に加えなければならない永続魔法だ。さらに手札から装備魔法 Pk アームズをCルソンに装備!これでCルソンはダイレクトアタックが可能となる!バトル!Cルソンでダイレクトアタック!」

「く…!」

 

 

かぎ爪のようなPk アームズを使ってCルソンが遊星に攻撃をした。しかしPk ライブラリーの効果でダメージは発生しない。

 

 

「Pk ライブラリーの効果発動!Cルソンの攻撃力は1500。よって攻撃力1200のPk-A()ガリアを手札に加える。カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■■□

 □      □ キッドLP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札3

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!バトル!ニトロ・ウォリアーでPk-Cルソンを攻撃!ダイナマイト・ナックル!」

 

キッドLP4000→2700

 

「やるな。だがPk アームズのもう一つの効果!フィールド上に存在するこのカードが墓地へ送られた場合、デッキから攻撃力1000以下のPkモンスターを加える。俺が加えるのは攻撃力400のPk-E()リーゴス。」

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■■□

 □      □ キッドLP2700 手札4

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札3

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のPk-Aガリアとスケール7のPk-Eリーゴスでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能!我が空に現れしは暗黒の星々 今秩序揺るがし降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち。手札よりレベル3 Pk-B()ルゼーブ、エクストラデッキよりレベル4 Pk-Cルソン!」

「これがペンデュラム召喚…。」

「Pk-Eリーゴスのペンデュラム効果発動!自分のターンのメインフェイズに発動でき、デッキから『融合』または『フュージョン』と名の付く魔法カードを一枚手札に加える。俺は手札から融合を加える。さらにこの効果を使用したターンの次の自分のターンのエンドフェイズ時までこのカードのPスケールはもう片方のPカードのPスケールと同じ数値となる。よってEリーゴスのPスケールはAガリアと同じスケール2となる。」

「スケール2同士のペンデュラムスケールではペンデュラムは使えない。次のターンのペンデュラムを放棄したということか。」

「手札から魔法カード 融合を発動!フィールドのBルゼーブとCルソンで融合!平和などはまやかし。秩序を壊してこその現世なり。すべてを薙ぎ払え、融合召喚!Pk-暗雲のN!」

 

 

黒い雲が高速道路を覆う。やがてその中から暗雲のNが現れた。

 

 

「暗雲のNの効果発動!このモンスターが融合召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードの枚数分、お前のフィールド上のカードを除外する。俺のフィールドにはPゾーンに二枚、魔法 罠ゾーンにPk ライブラリーとセットカードが一枚。さらにプロト・スピードワールド。よって四枚の除外!」

「手札からエフェクト・ヴェーラーの効果発動!暗雲のNの効果を無効にする!」

 

 

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー・効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

 

 

「なに!?」

「お前は強力な特殊召喚モンスターを使うと聞いていた。効果無効化のカードは当然用意してある!」

「なるほど、プロン時空の誰かから俺のことを聞いたわけか。」

「…ニトロ・ウォリアーの攻撃力は2800。効果が無効化されている暗雲のNでは俺のモンスターは倒せないぜ。」

「確かに。ならば永続罠発動!Pk SFX(スペシャルエフェクト)チェンジ!自分フィールドに存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターをすべて墓地へ送り、墓地へ送った種類以外のPkと名の付いた融合、シンクロ、エクシーズモンスターの中のいずれかを1体、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。暗雲のNを墓地へ送りエクストラデッキよりPk-獄炎のNを守備表示で特殊召喚!」

「シンクロせずにシンクロモンスターを!?」

「もっともSFXチェンジの効果は1ターンに一度しか使えんがな。Pk-獄炎のNの効果!1ターンに一度、相手フィールド上のカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える。お前のフィールドにはニトロ・ウォリアー、セットカード二枚、プロト・スピードワールド。よって2000のダメージだ!」

 

遊星LP4000→2000

 

「ぐああ!」

 

 

遊星号はユラユラとよろけるもすぐに立て直した。

 

 

「さらにPk-獄炎のNの効果!1ターンに一度、手札のPkと名の付いたモンスターを墓地に送りデッキからPkと名の付いた通常魔法カードまたは通常罠カードを一枚手札に加える。俺は手札のPk-H()ルーファスを墓地へ送り、通常魔法 Pk リーチを手札に加える。」

「デッキ圧縮か。」

「エンドを宣言したいところだが墓地のHルーファスの効果発動!このカードが墓地に存在する限り、自分のエンドフェイズ時に自分フィールドに存在する魔法 罠を一枚破壊しなくてはならない。俺はペンデュラムゾーンのAガリアを破壊。カードを一枚セットしターンエンドだ。」

 

 

  □■■■□

 ■      □ キッドLP2700 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はジャスティス・ブリンガーを召喚!」

 

 

 

ジャスティス・ブリンガー

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1700/守1000

相手フィールド上に存在する特殊召喚したモンスターの効果が

発動した時に発動する事ができる。その発動を無効にする。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「バトル!ジャスティス・ブリンガーで守備表示のPk-獄炎のNを攻撃!ジャスティススラッシュ!」

「永続罠 SFXチェンジの効果発動!獄炎のNを墓地へ送りエクストラデッキからPk-濃霧のNを攻撃表示で特殊召喚!」

「俺は戦闘を中止しニトロ・ウォリアーで濃霧のNを攻撃!」

「これで条件がそろっていることに気が付かないのか、不動遊星。」

「条件…?…!まさか!」

「速攻魔法発動!Pk アウェイキニング!フィールドに存在するPk ライブラリーを墓地へ送り、フィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターを除外してデッキからピースキラー・ドラゴンを特殊召喚する!三体のNを除外し現れよ!ピースキラー・ドラゴン!」

 

 

咆哮を放ちながらキッドのエース ピースキラー・ドラゴンが童実野町の高速道路上空に出現した。




Pk SFX(スペシャルエフェクト)チェンジ
永続罠
自分フィールド上に存在する融合、S、Xモンスターをすべて墓地へ送ることで発動できる。この効果で墓地へ送った種類以外の「Pk」と名の付いた融合、S、Xモンスターの中のいずれかを1体、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。このカードの効果は1ターンに一度しか発動できない。


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第三十八話「三枚のNの秘密」

キッドの頭上にはピースキラー・ドラゴン、遊星の頭上にはニトロ・ウォリアーとジャスティス・ブリンガーが存在し、対峙していた。

 

 

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、

このカードの攻撃力はそのターンのダメージ計算時のみ1度だけ

1000ポイントアップする。

また、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した

ダメージ計算後に発動できる。

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にし、

そのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる。

 

 

ジャスティス・ブリンガー

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1700/守1000

相手フィールド上に存在する特殊召喚したモンスターの効果が

発動した時に発動する事ができる。その発動を無効にする。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「ピースキラー・ドラゴンの攻撃力と守備力はエクストラデッキで表側となっている『Pk(ピースキラー)』と名の付いたカード×1000となる。現在表側でエクストラデッキに存在するのはA()ガリア、B()ルゼーブ、C()ルソン。よって3000となる。」

 

 

「く…ニトロ・ウォリアーでもジャスティス・ブリンガーでも倒せない…。俺はターンエンド。」

 

 

  □□□■□

 ■      □ キッドLP2700 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!バトル!攻撃力3000のピースキラー・ドラゴンでジャスティス・ブリンガーを攻撃!」

「罠発動!くず鉄のかかし!」

 

 

くず鉄のかかし

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃を無効にする。

発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。

 

 

「…ターンエンド。この時墓地のH()ルーファスの効果によりペンデュラムゾーンのE()リーゴスを破壊!このことでEリーゴスはエクストラデッキに送られ、ピースキラー・ドラゴンの攻撃力は4000となる。」

 

 

  □□□■□

 □      □ キッドLP2700 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札からジェット・シンクロンを召喚!」

 

 

 

ジェット・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/炎属性/機械族/攻 500/守 0

「ジェット・シンクロン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。

(2):このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「レベル7のニトロ・ウォリアーにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ レベル8 スターダスト・ドラゴン!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「墓地のジェット・シンクロンの効果発動!手札のネクロ・ディフェンダーを墓地へ送り特殊召喚!」

 

 

 

ネクロ・ディフェンダー

効果モンスター

星2/闇属性/悪魔族/攻 0/守 800

自分のメインフェイズ時に、

墓地に存在するこのカードをゲームから除外し、

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。

次の相手のエンドフェイズ時まで、

選択したモンスターは戦闘で破壊されず、

選択したモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

 

「レベル4のジャスティス・ブリンガーにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!レベル5 シンクロチューナー アクセル・シンクロン!」

 

 

 

アクセル・シンクロン

シンクロ・チューナー・効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻 500/守2100

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分は「アクセル・シンクロン」を1ターンに1度しかS召喚できない。

(1):1ターンに1度、デッキから「シンクロン」モンスター1体を墓地へ送り、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを下げる。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 

 

「シンクロチューナー!?」

「そう、これが俺たちの絆の力で生み出された希望だ!アクセル・シンクロンの効果発動!スチーム・シンクロンをデッキから墓地へ送ることでレベルを2に変更!」

 

 

 

スチーム・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星3/水属性/機械族/攻 600/守 800

相手のメインフェイズ時、

自分フィールド上のこのカードをシンクロ素材としてシンクロ召喚できる。

 

 

 

 

「俺はチーム5D'sの仲間を救わなくてはならない。こんなところで足止めを食らっている場合ではないんだ!行くぞ、キッド!」

「…こい!」

「クリアマインド!レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2となったシンクロチューナー アクセル・シンクロンをチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロぉぉ!」

 

 

遊星号は加速を始める。すると空が赤く光り始めた。遊星はクリアマインドの境地に達していたため始めは気が付かなかったが、自分の腕にドラゴン・ヘッドの痣が現れていることを把握してから空を見上げた。

 

 

「まさか…!」

『クリクリ!』

 

 

ハネクリボーが赤き竜と共に地上へ降りてくる。

 

 

「そうか!ハネクリボーが連れてきてくれたのは赤き竜だったんだな。ありがとう、ハネクリボー。そして君の姿がようやく見ることが出来たよ。」

『クリクリィ!』

「そして赤き竜、また俺と…いや俺たちと戦ってくれるか?」

 

 

遊星の質問に赤き竜は咆哮で応えた。遊星号はスピードを落とすことなく加速していく。やがて遊星号は姿を消した。

 

 

「消えた!?」

 

 

驚くキッドの背後に出現すると彼の傍らにシューティング・スター・ドラゴンが飛翔していた。

 

 

「生来せよ レベル10 シューティング・スター・ドラゴン!!」

「アクセルシンクロモンスター。なるほど、大したものだ。だがピースキラー・ドラゴンの攻撃力は4000。シューティング・スター・ドラゴンは3300だ。」

「しかし俺の場にはくず鉄のかかしがいる。簡単にはやられないぜ。ターンエンド!」

 

 

 

  □□□■□

 □      □ キッドLP2700 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のPk-F()ルーレでペンデュラムスケールをセッティング!そしてFルーレのペンデュラム効果発動。もう片方のペンデュラムゾーンにペンデュラムカードが置かれていない場合、デッキからPk-G()レモリーをもう片方のペンデュラムゾーンに置くことが出来る。スケール5のGレモリーをセッティング!さらに手札から速攻魔法 揺れる眼差しを発動!」

 

 

 

揺れる眼差し

速攻魔法

(1):お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。

その後、この効果で破壊したカードの数によって以下の効果を適用する。

●1枚以上:相手に500ダメージを与える。

●2枚以上:デッキからPモンスター1体を手札に加える事ができる。

●3枚以上:フィールドのカード1枚を選んで除外できる。

●4枚:デッキから「揺れる眼差し」1枚を手札に加える事ができる。

 

 

 

「この効果によりFルーレとGレモリーは破壊!そして遊星、君に500ダメージだ!」

 

遊星LP2000→1500

 

「まだだ!揺れる眼差しの効果によりデッキからPk-I()ポースを手札に加える。」

「く…。」

「ピースキラー・ドラゴンの攻撃力はFルーレとGレモリーがエクストラデッキに送られたことで6000!そして手札から魔法カード Pk リーチを発動!墓地のPk-Hルーファスを手札に加える。」

「再びペンデュラムモンスターを…。」

「俺はスケール2のPk-Hルーファスとスケール8のPk-I()ポースでペンデュラムスケールをセッティング。そしてIポースの効果発動。このカードともう片方の自分のPゾーンに置かれているカードを破壊することでカードを一枚ドローする。」

 

 

HルーファスとIポースはエクストラデッキへ送られたことでピースキラー・ドラゴンの攻撃力は8000となった。

 

 

「バトル!ピースキラー・ドラゴンでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!」

「罠発動!くず鉄のかかし!」

「甘いぜ、ピースキラー・ドラゴンの効果!エクストラデッキに存在するPkカード三枚をコストゾーンに置くことでこのモンスターはこのターン、二回まで戦闘を行うことが出来る。」

「コストゾーン!?なんだそれは。」

「プロンの者にはわかるまい…いやレクシブでもその空間を扱えるものは遊那(ゆうな)しかいない。」

「遊那…!」

「俺はエクストラデッキのPk-Fルーレ、Gレモリー、Iポースをコストゾーンに送る。このことで攻撃力は5000となるがお前を倒すには十分な攻撃力!再びバトル!ピースキラー・ドラゴンでシューティング・スター・ドラゴンに攻撃!サタン・ストリーム!」

 

 

ピースキラー・ドラゴンの咆哮がシューティング・スター・ドラゴンを襲おうとするが遊星はすかさず効果を発動する。

 

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!このカードをゲームから除外しピースキラー・ドラゴンの攻撃を無効にする!」

「そのような効果が…。俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

「この時、シューティング・スター・ドラゴンは俺の場に戻ってくる。」

 

 

  □□■■□

 □      □ キッドLP2700 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はモンスターをセットし、シューティング・スター・ドラゴンを守備表示に変更。ターンエンド!」

 

 

  □□■■□

 □      □ キッドLP2700 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 遊星LP2000 手札2

  □■■□□

 

 

「守りに徹するか。急がねばならない中で時間をかけていいのか?」

「あんたがハイクラスである以上負けるわけにはいかない!」

「…ドロー!手札から速攻魔法 サイクロンを発動!くず鉄のかかしであるセットカードを破壊!」

 

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

「バトル!ピースキラー・ドラゴンでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!」

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!戦闘を無効にする!」

「ピースキラー・ドラゴンの効果発動!エクストラデッキのAガリア、Bルゼーブ、Cルソンをコストゾーンに送り攻撃力を2000にもう一度攻撃可能にする!バトル!裏守備モンスターを攻撃!」

 

 

ピースキラー・ドラゴンが破壊したモンスターはレベル・スティーラーであった。

 

 

 

レベル・スティーラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

「血迷ったか。キッド。このターンのエンドフェイズにシューティング・スター・ドラゴンは帰ってくる。そうすれば攻撃力2000となったピースキラー・ドラゴンを倒すことは簡単だ。」

「…遊星、悪いがこれで終わりだ!」

「何?」

「ピースキラー・ドラゴンの第三の効果発動!エクストラデッキで表側となっているPkカードが2枚以下の場合の自分または相手のバトルフェイズ時にこのカードをコストゾーンに送ることでデッキから『ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴン』を特殊召喚できる!」

「ヌメロニアイズ…ヌメロンコードの力か!?」

「俺もまだ見ぬ力…。求めればヌメロニアイズは現れると遊那は言った。…!これは!」

 

 

キッドの除外ゾーンに置かれていた三枚のPkのNの部分が光りはじめ、やがてその読み方が明らかになった。

 

Pk-獄炎の(ヌメロン)

 

Pk-濃霧の(ヌメロン)

 

Pk-暗雲の(ヌメロン)

 

 

「そうか、この三枚のカードは遊那の力が入っている。この強さはヌメロンコードの力だったのか…。」

「く…何が起きているんだ!キッド!?」

 

 

いつの間にキッドの体は青白く光り輝いていた。その輝きは徐々に増していき、やがてキッドの姿は見えなくなった。




ピースキラー・ドラゴン(正式テキスト)
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻??/守??
このカードは通常召喚できない。フィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターをそれぞれ1体ずつ除外することで特殊召喚することが出来る。(2)と(3)の効果は自分のメインフェイズまたはバトルフェイズにのみ発動できる。
(1):このモンスターの攻撃力・守備力はエクストラデッキで表側となっているPkカード×1000となる。
(2):エクストラデッキに存在するPkカード三枚をコストゾーンに置くことで発動できる。このモンスターはこのターン、二回まで戦闘を行うことが出来る。
(3):エクストラデッキで表側となっているPkカードが2枚以下の場合発動できる。このカードをコストゾーンに送ることでデッキまたは手札から「ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴン」を特殊召喚できる


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第三十九話「占拠されたネオ童実野シティ」

気が付くとキッドはアストラル世界改めアストラル次元にあるハイクラスのプロン第一アジトにいた。キッドは自分の体のあちこちを探し、懐に発信器のようなものをがあるのを見つけた。

 

「次元転送装置…。いったい誰が。」

「私だよ、キッド。」

 

そこには黒に銀のアッシュが入った髪をした青年が立っていた。

 

「アクト…どういうつもりだ?俺は不動遊星を倒し、千年アイテムのありかを聞けるところだったんだぞ。」

「遊那の意思だよ、キッド。」

「何?」

 

「そう、私がこの次元にキッドを転送するようアクトに命令したのよ。」

 

二人が立っている奥の方から声がし、しばらくすると奥から金髪の女性が二人の目の前に姿を現した。

 

「遊那、どういうことだ?」

「あなたに四枚のヌメロンコードの力を宿したカードを託した。獄炎の(ヌメロン)、濃霧の(ヌメロン)、暗雲の(ヌメロン)、そしてヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴン。あなたは常人では一枚ですら扱えないこれらのカードを3枚まで扱うことが出来たわ。」

「あぁ、だからヌメロニアイズを呼ぼうと…」

「あのままヌメロニアイズを出していればあなたの意識は崩壊。ヌメロンコードの一部となって人とは呼べない”物”になるところだった。」

「…!」

「だって普通に考えてみてよ、ヌメロンコードの力を使い放題だったらもっとうまくいってるわ、レクシブ時空は。ヌメロンコードを使うには体力と精神力をかなり消費するのよ。まぁ私の場合、精神力に関しては問題はないけれどね。」

「遊那様、お口が過ぎますよ。」

 

アクトが遊那を注意すると遊那は何の表情も見せることなく奥にある玉座に再び掛けた。

 

「…まぁいい、それよりも不動遊星は赤き竜の力を再び手に入れた。次元を移動できるようになったぞ。」

「計算の範疇よ。プロン第二アジトにはツクナとトレードがいるわ。」

「そうか、それならいい。トレードは遊星をプロンの決闘者(デュエリスト)たちに送り込んだ張本人。遊星のデッキは知り尽くしているはずだな。」

「しかし私の計算では撃退率はギリギリ。アクト、第二アジトへ向かいなさい。」

「は、仰せのままに。」

 

そういうとアクトは部屋を出ていった。キッドはヌメロンコードの力を宿したカードを使ったせいか疲れがたまっている。第二アジトの一室で休むことにした。

 

 

 

 

 

「何!?赤き竜の痣が再び!?なぜ遊星に現れて俺には現れないのだ!」

 

ジャックは遊星のドラゴン・ヘッドの痣を見てからずっとそれを繰り返し言っている。遊星とクロウもいい加減聞き飽きていた。

 

「うるせえなぁ。ほら、じゃあ腕出してみろ。」

「ん?なんだ?」

 

ジャックは腕をまくりクロウに差し出す。するとクロウはマジックペンでドラゴン・ウィングの痣を書いた。

 

「うぉおお!何をする!…くぅ!落ちぬ!クロウ!油性を使ったな!?」

「へへ、静かにしてるんだな。」

 

「ごめん!お待たせ!」

 

二人の喧嘩の最中に遊戯が三人に合流した。

 

「D ホイールの修理が遅れちゃってて…ごめんね。」

「いや気にしないでください、遊戯さん。じゃあ揃ったな。行こうか。」

 

遊星たちはみなD ホイールに跨った。

 

「ちょーっと待ったぁ!」

 

後ろから声し、四人が振り返るとそこには大破したはずのD ホイールに乗った城之内がいた。

 

「城之内君!?どうして!それに怪我は!?」

「へへ、こっちのD ホイールもインダストリアル・イリュージョン社に直してもらうの時間かかっちまったぜ。あ、俺の怪我なら心配すんな、もうへちゃらだぜ。」

「そんなぁ!」

「おい、凡骨とやら。」

 

ジャックが城之内を呼んだ。

 

「んぁ!?お前今俺を何て呼んだ!?」

「凡骨と呼んだのだ、凡骨。闇の俺にすら敵わなかった貴様は足手まといになる。帰れ!」

「ふざけんな!話は(ブイ)ってやつから大体聞いたぜ。遊戯がいくなら俺も行く!」

「フン、死にに行きたいのか。なら勝手に死ぬがいい!」

「んだとぉ!?」

「城之内君。ジャック君は少し言い過ぎだけど本当に危険な戦いになるんだよ。休んでいた方が…」

「前の戦いじゃ全然役に立てなかったんだ。頼む遊戯、俺も一緒に行かせてくれ。」

 

『相棒、城之内君の気持ち、わかってるんだろ?』

「うん…。」

 

「わかった、一緒に行こう!」

「おっしゃ、そうと決まれば…どうやって遊星たちの次元に行くんだ?」

「任せてください、城之内さん。俺が赤き竜を呼んで次元の扉を開きます。そこへD ホイールで一気に突っ込むんです。」

「よっしゃ、単純でいいぜ!」

「よし、頼むぞ赤き竜!」

 

遊星のドラゴン・ヘッドの痣が赤く光る。それに合わせて赤き竜の出現し、咆哮をあげると遠くにワープゾーンが出現した。

 

「みんな!行くぞ!」

 

五台のD ホイールが同時に加速をはじめ、ワープゾーンに突っ込み、五台が中へ入り終わるとそれはゆっくり閉じていった。

 

 

 

 

 

出口はネオ童実野シティが展望できる丘に出現した。五人はD ホイールを止め、街を見下ろす。

 

「はー、童実野町もずいぶん変わるんだな…双六の爺さんの店はまだやってんのかな?後で見に行こうぜ、遊戯!」

「もう、城之内君!遊びに来たわけじゃないんだよ!」

「わ…わりぃわりぃ。」

「おかしいな…。」

「ジャック?悪いって言ってるじゃんか…そう怒るなって、冗談だよ、冗談。」

「そうではない。人の気配がまるでしない…。」

「確かに、旧サテライト地区はともかくシティまで人のいる感じがしないぜ。ってか遊星、どうした?」

 

遊星は上空を見ながら静止している。

 

「みんな…見えないのか?あれが…。」

 

上空を指さすも四人はまるで何があるのかわからない。

 

「何が見えているの?遊星君。」

『俺には見えるぜ、相棒…あれは…』

 

「お前たち!帰っていたのか!?」

 

後ろを振り返るとそこには牛尾哲が立っていた。

 

「う…牛尾くん!?」

「ゆ…遊戯!?」

「なんだ、二人とも知り合いだったのか?」

「そ…そうなんだ、遊星。俺と遊戯は旧友でな…ハハハ…ってか若くないか?」

「う…うん、まぁ。」

「それよりも牛尾、なぜネオ童実野シティに全然人がいないんだ?」

 

おちゃらけた雰囲気を出していた牛尾の顔が真面目な顔つきに戻る。

 

「お前らがいない間にレクシブ時空とかいう連中が来てな、この街を占拠しやがった。」

「なんだと!?」

「牛尾!貴様らセキュリティは戦わなかったのか!?」

「戦ったにきまってるだろ!イェーガー市長を中心にレクシブ時空のやつらと戦ったのさ。そいつらはまだ何とかなったものの、ハイクラスってやつらは桁違いでな…情けない話だがそいつらが出てきたら一気にこのざまだ…。そうだ、みんなついてきてくれ、会わせたい奴らがいる。」

 

 

 

 

 

六人は病院へ着いた。電気は全くついていなかったがドアのセキュリティは頑丈になっているようで指紋認証、声帯認識を済ませるとドアが開いた。中には数十人の患者がおりそのほとんどがセキュリティの人間だ。牛尾は奥の方へ行き、ある一室の扉を開け皆をその中へ入れた。

 

「お…お前たちはチームラグナロク!」

 

その中には怪我をしベッドに寝ているハラルド、ドラガン、ブレイブがいた。

 

「恥ずかしいところを見せてしまったな。チーム5D's。」

 

ハラルドは失笑しながら言った。

 

「何があった!?ハラルド!」

「それよりも遊星、君はあれが見えているんだろう。君からは赤き竜の力を感じる。」

「あぁ…。」

「何のことだ!遊星!いいかげん教えろ!」

 

ジャックが遊星に言うとドラガンがジャックに近くへ来るよう言った。ドラガンのルーンの瞳が光り、ジャックに触れるとジャックの目にも”それ”は見えるようになった。

 

「おい!おれにも!

「僕も!」

「俺もだ!」

 

クロウ、遊戯、城之内はブレイブに触れる。すると彼らの目にも空中に浮かぶ反転した城が見えた。

 

「あれは…アーククレイドル!?」




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-F(フ)ルーレ
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2100/守1700
【Pスケール:青2/赤2】
もう片方のペンデュラムゾーンにペンデュラムカードが置かれていない場合、デッキからPk-Gレモリーをもう片方のペンデュラムゾーンに置くことが出来る。Pk-Fルーレのペンデュラム効果は1ターンに一度しか発動できない。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分は通常召喚を行うことは出来ない。


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第四十話「突入!ハイクラスのアジト」

城之内は窓から乗り出してアーククレイドルに似た建物を見ていた。

 

「うぉぉ!なんだありゃ!?城が空に浮いてやがる!あんなのさっきまであったか!?」

「僕も見えなかったよ、城之内君。」

「武藤遊戯、城之内克也…。まさか実際に会える時が来るとは、光栄だ。」

 

遊戯と城之内にハラルドが丁寧に挨拶する。その隣のベッドにいるドラガンが話を始めた。

 

「あれはどうやらアーククレイドルに似たものであってイリアステルのアーククレイドルとは違うようだ。内部の構造も違った。」

「内部!?あそこに行ったのか!?」

「遊星、ダイダロスブリッジからあの飛行建造物に伸びている橋が見えるか?」

「あれは虹の橋ビフレスト!」

「ネオ童実野シティにチーム5D'sがいないということを聞き、俺たちチームラグナロクは再びここを訪れた。そしてビフレストを架け、あの飛行建造物へ行ったのだ。だが…。」

 

俯くドラガンに代わりブレイブが話す。

 

「俺たちはあの中にいたハイクラスという組織の者に返り討ちにされてしまった。何もできなかったよ…。」

「あの三極神が何も…!敵は何人いたんだ!?」

「それが…。」

 

ハラルドは落ち着いた口調で遊星たち言う。

 

「雑魚は蹴散らすことは出来た。そして私たちは三つの分かれ道のところまで行ったんだ。しかし情けない話だが俺たちはトレードと名乗る者、一人に全滅させられてしまった。」

「何!?」

「そしてそいつはスターダスト・ドラゴンに非常に似たモンスターを使っていた。」

「スターダストを…!」

 

しばらく沈黙が続くがジャックが病室のドアを開ける。

 

「ジャック?」

「つまりあのアーククレイドルに似た建造物はハイクラスのアジトなのだろう。それさえ分かれば十分!十六夜たちがあそこにいるはずだ。行くぞ。」

「…そうだな、俺たちは行くしかない!ハラルド、ビフレストはまだ使えるのか?」

「あぁ、私たちはずっとここで体力を回復してきたからな。前回のように脆弱な作りにはなってないはずだ。」

「よっしゃ!遊星!ジャック!遊戯さん!行くぜ!」

「おい、クロウ!俺のこと無視すんじゃねえ!つか待て!」

 

城之内は遅れて病室を出ていった。牛尾は溜息をつく。しかしその目はチーム5D'sを信じ帰りを待つ男の目であった。

 

 

 

 

 

五台のD ホイールはダイダロスブリッジの上に着いた。遊戯は度々痛みをこらえている城之内を案ずる。

 

「ねぇ城之内君、大丈夫?本当はつらいんじゃ…」

「遊戯、言わないでくれ。WDMCじゃ役立たずだったんだ。せめてここで役に立たせてくれよ。」

「でも…。」

「頼む、遊戯。」

「…わかったよ。」

「遊戯さん、城之内さん。行きますよ。」

 

遊星の声で五人は同時に出発した。ビフレストをどんどん上がっていき、あっという間にアジトの中に入った。しかし入口には多くのレクシブ時空の決闘者(デュエリスト)たちが警備をしている。

 

「く、いきなりか!」

「みんな!デュエルモードに切り替えるんだ!」

 

全員はD ホイールをデュエルモードに切り替え、レクシブ時空の決闘者たちを相手にし始めた。

 

「く…こんなことでグズグズしてる場合じゃないのによ!」

「クロウ!とりあえず今はこいつらを倒さなくては!」

 

 

 

 

 

その頃、アジトの中ではツクナという女のハイクラスが同じくハイクラスの一人であるトレードに報告をしていた。

 

「トレード、またプロンの決闘者が来たわ。しかも今度は遊星とジャック、クロウよ。」

「あいつら本当に千年秤の洗脳が解けて…。クソ!遊那にどのようにするか聞かなくては…!」

「…。」

「なんだよ、その目は!遊那の指示は絶対。わかってるだろう?」

「えぇそれは分かってるわ。」

 

トレードは横にある青い大きな結晶のようなものに触れ操作をすると遊那と通信がつながった。

 

「こちら第二アジト、プロン侵攻軍第二班班長 トレード。遊那、聞こえますか?」

『えぇ聞こえるわ。どうしたの?』

「第二アジトに再びプロンの決闘者が侵入。どうすればいいですか?」

『構成員を教えて。』

「チーム5D'sの不動遊星、ジャック・アトラス、クロウ・ホーガン。それと決闘王(デュエルキング) 武藤遊戯。その仲間の城之内克也です。」

『現在はどういう対応をしているの?』

「私の第二班とツクナの第五班の班員で入口を足止めしています。」

『武藤遊戯は何としても入口で止めなさい。何人がかりでもいいわ。ほかの者は中で倒せばいい。でも前に来たやつらよりはやりそうね。あの三人を使って力を分散させて倒しなさい。』

「わかりました。あいつらのシグナーのカードはすでにあなたの力で決闘竜(デュエル・ドラゴン)に変えてある。ツクナの持つ千年タークで洗脳しておきます。」

『頼んだわ。それとアクトがそちらにまもなく到着する。彼にもその旨を伝えておいて。』

 

そこで通信は切れた。

 

「さぁツクナ、第五班への指示は任せたよ。」

「えぇ…。」

 

 

 

 

 

五人は混戦していたが徐々に遊戯に敵の攻撃が集中していった。

 

「く…僕に攻撃が集中している!?」

『相棒!俺が行こう。』

「…うん!任せたよ!もう一人の僕!」

 

D ホイールを走行させたまま遊戯は闇遊戯へ人格を入れ替えた。

 

「みんな!先へ行ってくれ!こいつらは俺が引き受けたぜ!」

「遊戯!一人でいいのか!?」

「城之内君、あとで追いつく!はやく行くんだ!」

「すいません、遊戯さん!ありがとうございます!」

 

遊星号を先頭に四台のD ホイールは中へ入っていった。

 

「さぁ俺が相手になるぜ。行け!ブラック・マジシャン!」

『はい!マスター!』

 

ブラック・マジシャンが敵の群集に攻撃を仕掛ける。敵は一網打尽にされるも次々と新しい班員が現れるのだった。

 

 

 

 

 

遊星たちが入口からD ホイールを走らせて5分ほどたった地点に三つの分かれ道が現れた。そこで四人はD ホイールを止めてどの道へ進むか検討することにした。

 

「ここでチームラグナロクがやられちまったのか。でもこの鉄砲玉のクロウ様はそう簡単にやられはしないぜ!」

「ふん、この絶対王者(キング)であるこの俺が負けるはずがなかろう!」

「…城之内さん、大丈夫ですか?」

「ぅ…あぁ。大丈夫!全然問題ないぜ、遊星。さぁ早くいこうぜ!さーどれにしようかなぁ~!」

 

城之内はわざとらしくキョロキョロした素振りを見せる。あたりをペタペタ触っているとスイッチらしきものに触れてしまった。

 

「お?」

 

すると防火扉のようなシャッターが閉まり始める。勢いよく閉まるシャッターをよけることは出来たが四人は三つに分断されてしまった。遊星とクロウが一人ずつ。そしてジャックと城之内が同じ道だ。

 

「く…なんてことをしたのだ!」

「俺は知らねえよ!遊星!クロウ!」

「返事がない。音が通らないようになっているな。仕方がない。この道を進むしかないか。」

「お前とかよ、ジャック。」

「俺も貧弱なお前と一緒に行きたくはない。」

「んだとぉ!ほんと海馬並みに癪に障るやつだぜ!」

 

二人はD ホイールを走らせ進む。やがて先ほどの分かれ道のところと同じくらい広いところに出た。そこに小さな影が二つ見える。

 

「!あれは!」

「ん?知っているのか?」

 

二人はD ホイールを止めると降り、その二人の前に立った。

 

「龍亞、龍可!無事だったのか!」

「…ジャック。武藤遊戯たちに負けたんだって?はー、情けないね。な?龍可?」

「えぇ、ほんと。弱い男には興味ないわ。」

「なんだと!?貴様らを助けるために俺たちは来たのだぞ!その言い方はないだろう!」

「待て、ジャック、あいつらの額見てみろ!」

 

龍亞と龍可の額には千年アイテムに刻まれたマークが浮かび上がっていた。

 

「あれは俺たちにあったマーク…。ということは二人は操られているということか!」

「あぁ、決闘(デュエル)で勝って洗脳を解くしかねえ!」

「ならばまずは俺から行くぞ!さぁどちらが相手になる!?龍亞!龍可!」

「あーそういうのいいよ、一度にまとめてやっちゃおう。」

「なんだと?」

「タッグデュエルだよ。ライフは8000。基本的にはただのタッグデュエルさ。」

「タッグデュエルだぁ!?この俺がジャックと!?」

「馬鹿な!こんなやつとは組まん!」

 

ジャックと城之内はお互いに睨み合っている。すると龍可が新しい提案をした。

 

「ならはやくパートナーを蹴落とせばいいわ。」

「どういうことだ?」

「ライフが4000以下になるダメージを負ったプレイヤーは脱落になるっていうのはどうかしら。そうすれば後半は自分の好きな決闘が出来るわ。」

「あー、それいいね。そうしようダイレクトアタックの時はリアルダメージをどちらに与えるか宣言できるようにすれば問題ない。」

「リアルダメージ?」

「当然!これは闇のゲームだもん!!」

 

龍亞が叫んだ瞬間、四人の周りは闇に支配された。

 

「さぁもう逃げられないよ…。始めよう!」

「仕方あるまい…城之内!足手まといになるなよ。」

「それはてめえの方だ!ジャック!」

「ふふ、醜いわね…。」

 

「「「「決闘!」」」」




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-G(グ)レモリー
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2100/守1700
【Pスケール:青5/赤5】
もう片方のペンデュラムゾーンにペンデュラムカードが置かれていない場合、デッキからPk-Fルーレをもう片方のペンデュラムゾーンに置くことが出来る。Pk-Gレモリーのペンデュラム効果は1ターンに一度しか発動できない。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分は反転召喚を行うことは出来ない。


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第四十一話「最悪のタッグ ジャックと城之内」

「私の先攻!私は手札から森の盗賊 チップを召喚!このモンスターは1ターンに1度、手札のレベル4以下の獣族モンスター1体を特殊召喚できる。私はレベル3のチューナーモンスター 森の剣士 ベリーを特殊召喚!ベリーの特殊召喚に成功した時、相手プレイヤーに300ポイントのダメージを与えるわ!ベリー!ジャックをやりなさい!」

 

ジャック&城之内LP8000→7700

 

龍可のモンスターの効果は二人のライフを削った。ジャックはベリーの剣先で攻撃をされる。

 

「ぐぉお!これは実際の痛み!?」

「当然よ、闇のゲームなんだから。しかもそれだけじゃないわ。」

 

ジャックの足が石化する。一方城之内は全くの無傷だ。

 

「どういうことだ?ダメージは俺たち二人のライフから削られたはずなのにジャックにだけ本当のダメージが与えられてやがる!」

「城之内、オマエは後回しってことだ!まずは今まで散々俺たちに偉そうにしてきたジャック、お前から始末してやる。」

 

龍亞はニヤリとしながら動きにくそうに立ち上がるジャックを見ていた。龍可は自分のターンを進める。

 

「私はレベル4の森の盗賊 チップにレベル3の森の剣士 ベリーをチューニング!太古の森よりフィールドを制圧する精霊よ、かりそめの姿にその身をやつし降臨せよ。シンクロ召喚!レベル7 妖精竜 エンシェント!」

 

 

 

妖精竜 エンシェント

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2100/守3000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンにフィールド魔法カードが発動した場合、

デッキからカードを1枚ドローする。

「妖精竜 エンシェント」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、1ターンに1度、フィールド魔法カードが表側表示で存在する場合、

フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して破壊できる。

 

 

 

エンシェントが神々しく守備表示の形式で龍亞と龍可のフィールドに現れた。

 

「さすが俺の妹だぜ…へへ。」

「私はカードを三枚セットしターンエンド。」

 

 

  □■■■□

 □      □ 龍亞 手札5・龍可 手札0・LP8000

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ ジャック 手札5・城之内 手札5・LP7700

  □□□□□

 

 

「よっしゃ、俺のターン、ドロー!手札から魔法カード 真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)を発動!デッキの真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)とデーモンの召喚を融合!」

 

 

 

真紅眼融合

通常魔法

「真紅眼融合」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、

自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。

(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、

「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。

 

 

真紅眼の黒竜

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

 

デーモンの召喚

通常モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200

闇の力を使い、人の心を惑わすデーモン。

悪魔族ではかなり強力な力を誇る。

 

 

 

「現れろ!悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン!」

 

 

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター

自分は「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。

墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

その後、そのモンスターをデッキに戻す。

 

 

 

「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンで妖精竜 エンシェントを攻撃!デーモンズ・メテオ・フレア!」

 

城之内の攻撃に反応し龍亞が伏せカードを発動する。

 

「永続罠発動!デプス・アミュレット!」

 

 

 

デプス・アミュレット

永続罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

手札を1枚墓地へ捨て、相手モンスター1体の攻撃を無効にする。

このカードは発動後3回目の相手のエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

 

「俺は手札の(ディフォーマー)・ステープランを墓地へ送り攻撃を無効にする!」

 

 

 

D・ステープラン

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守1000

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

このカードが戦闘によって破壊された場合、

このカードを破壊したモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

●守備表示:このカードは戦闘では破壊されない。

このカードが攻撃された場合、そのダメージ計算後に

相手フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して守備表示にし、

このカードの表示形式を攻撃表示にする。

 

 

 

「く…なら悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンの効果発動!真紅眼の黒竜をデッキに戻しお前たちに2400ダメージだ!」

「甘すぎるわね、永続罠発動!ドッペル・ゲイナー!」

 

 

 

ドッペル・ゲイナー

永続罠

相手フィールド上に存在するモンスターの効果によってダメージを受けた時、

受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

龍亞&龍可LP8000→5600

ジャック&城之内LP7700→5300

 

「ジャックにダメージよ。」

「うぉおお!…く…貴様!何をやっているのだ!」

「ハァ!・俺はただ相手に少しでもダメージを与えてやろうとしただけだろ!」

「それがこちらにまで返っているではないか!」

「そ…それは…。」

 

ジャックと城之内が喧嘩を始める。それを見た龍亞は溜息をつきながら手を叩く。

 

「あのさぁ、喧嘩なら闇の世界で二人仲良くなってよ。次、俺のターンだからさ。」

「カードを一枚セットしターンエンド…!」

 

 

  □■■■□

 □      □ 龍亞 手札4・龍可 手札0・LP5600

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャック 手札5・城之内 手札4・LP5300

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード ジャンクBOXを発動!」

 

 

 

ジャンクBOX

通常魔法

自分の墓地からレベル4以下の「D(ディフォーマー)」

と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

 

「俺は墓地のD・ステープランを特殊召喚!さらに手札からD・スコープンを召喚!」

 

 

 

D・スコープン

チューナー(効果モンスター)

星3/光属性/機械族/攻 800/守1400

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:1ターンに1度、手札から「D(ディフォーマー)」と名のついた

レベル4モンスター1体を特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

●守備表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

このカードのレベルは4になる。

 

 

 

「D・スコープンの効果により手札からD・ラジカッセンを攻撃表示で特殊召喚!」

 

 

 

D・ラジカッセン

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守 400

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

●守備表示:1ターンに1度、自分フィールド上の「D(ディフォーマー)」と

名のついたモンスターが攻撃対象に選択された時、

その攻撃を無効にできる。

 

 

 

「レベル4のD・ステープランにレベル3のD・スコープンをチューニング!鋼の逆鱗に触れたいヤツはご自由に!シンクロ召喚 レベル7 機械竜 パワー・ツール!!」

 

 

 

機械竜 パワー・ツール

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/機械族/攻2300/守2500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンにこのカードが装備魔法カードを装備した時、

デッキからカードを1枚ドローできる。

「機械竜 パワー・ツール」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する装備カード1枚を選択し、

正しい対象となるこのカードに移し変える事ができる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

龍亞の口上に合わせてパワー・ツールも天空を舞う。

 

「く…エンシェント・フェアリー・ドラゴンに限らずパワー・ツール・ドラゴンまで決闘竜(デュエル・ドラゴン)に…。…く…。」

「辛いかいジャック?そりゃそうだろうね、足から徐々に石になっていくだけじゃなくそこは激痛が走るようになる。痛くても動けない苦しみを味わいな!」

「う…。」

 

高笑いする龍亞の隣で龍可は足を抑えた。

 

「…?龍可、俺の妹なんだ、耐えられるだろ?」

「…うん。」

「よし…手札からフィールド魔法 D・フィールドを発動!」

 

 

 

D・フィールド

フィールド魔法

フィールド上のモンスターの表示形式が変更される度に、

このカードにディフォーマーカウンターを1つ置く。

フィールド上の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスターの攻撃力は、

このカードに乗っているディフォーマーカウンターの数×300ポイントアップする。

フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。

 

 

 

「そしてフィールド魔法が発動したことによりエンシェントの効果発動!俺はカードを一枚ドロー!さらにエンシェントの効果発動!フィールド魔法がある時、フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して破壊できる!俺は悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを破壊!森葬の霊場(スピリット・ベリアル)!」

 

エンシェントの攻撃で悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンは粉砕された。

 

「まだだ!手札から装備魔法 団結の力を発動!機械竜 パワー・ツールに装備!」

 

 

 

団結の力

装備魔法

装備モンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体につき

800ポイントアップする。

 

 

 

「パワー・ツールの効果発動!自分のターンにこのカードが装備魔法カードを装備した時、デッキからカードを1枚ドローできる!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

「ドロー加速…あの龍亞とは思えぬ怒涛のプレイングだな…。」

「見たかジャック!俺たちのフィールドには三体のモンスター。よってパワー・ツールの攻撃力は4700!そしてD・ラジカッセンの攻撃力は1200。一方お前たちのフィールドにはモンスターはゼロ!5900のダメージを受けて闇に消えろ!」

「や…やべえ!」

「バトル!機械竜 パワー・ツールで攻撃!重装解体(フルメタル・デモリション)!」

 

慌てふためく城之内をよそにジャックは足の痛みに耐えながら手札のモンスターの効果を発動する。

 

「手札からバトル・フェーダーの効果発動!特殊召喚しバトルフェイズを終了する!」

 

 

 

バトルフェーダー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「やるね…さすが元キングだな!ハハ!」

「…龍亞、お前の意思ではないとはいえ俺を怒らせたようだな…!」

「ふふ、ターンエンド!」

 

 

  ■■■■□

 □      □ 龍亞 手札2・龍可 手札0・LP5600

  ○●●●○ ■

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャック 手札4・城之内 手札4・LP5300

  □□■□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からフレア・リゾネーターを墓地へ送りパワー・ジャイアントを特殊召喚!」

 

 

 

フレア・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星3/炎属性/悪魔族/攻 300/守1300

このカードをシンクロ素材とした

シンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

 

パワー・ジャイアント

効果モンスター

星6/地属性/岩石族/攻2200/守 0

このカードは手札のレベル4以下のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚した場合、手札から墓地へ送った

モンスターのレベルの数だけこのカードのレベルを下げる。

また、このカードが戦闘を行う場合、そのダメージステップ終了時まで

自分が受ける効果ダメージを0にする。

 

 

 

「効果によりパワー・ジャイアントのレベルは3となる。さらにハート・リゾネーターを召喚!レベル3となったパワー・ジャイアントとレベル1のバトル・フェーダーにレベル4のハート・リゾネーターをチューニング!王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!レベル8 我が魂、レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。

相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。

(2):自分エンドフェイズに発動する。

このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、

このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

 

 

絶対王者(キング)に呼ばれたレッド・デーモンズ・ドラゴンは久しぶりの戦いに滾っているようであった。




ハート・リゾネーター
チューナー(効果モンスター)
星4/炎属性/悪魔族/攻1100/守 300
自分フィールド上に炎属性チューナーモンスターが存在する時に発動できる。墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。


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第四十二話「ハート・バーニングソウル」

ジャックと城之内のフィールドにはレッド・デーモンズ・ドラゴン、龍亞と龍可のフィールドには攻撃表示の機械竜 パワー・ツールと(ディフォーマー)・ラジカッセン、そして守備表示の妖精竜 エンシェントが存在している。

 

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。

相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。

(2):自分エンドフェイズに発動する。

このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、

このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

 

機械竜 パワー・ツール

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/機械族/攻2300/守2500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンにこのカードが装備魔法カードを装備した時、

デッキからカードを1枚ドローできる。

「機械竜 パワー・ツール」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する装備カード1枚を選択し、

正しい対象となるこのカードに移し変える事ができる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

D・ラジカッセン

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守 400

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

●守備表示:1ターンに1度、自分フィールド上の「D(ディフォーマー)」と

名のついたモンスターが攻撃対象に選択された時、

その攻撃を無効にできる。

 

 

妖精竜 エンシェント

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2100/守3000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンにフィールド魔法カードが発動した場合、

デッキからカードを1枚ドローする。

「妖精竜 エンシェント」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

また、1ターンに1度、フィールド魔法カードが表側表示で存在する場合、

フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して破壊できる。

 

 

 

「レッド・デーモンズ・ドラゴンでD・ラジカッセンを攻げ…」

「いいのー?ジャック。俺のモンスターを攻撃したら俺にダメージが与えられる。レッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃を食らったら残りのライフは3800!”うわ~!ジャックぅ!助けてぇ!”表の人格の俺はそう言ってるかもだぜ?ハハハ!」

 

龍亞はジャックの攻撃を止めるためにあえてジャックを煽る。だがジャックは動じない。

 

「お前たちのフィールドには永続罠 デプス・アミュレットが存在する。この攻撃を通すわけがない。」

 

 

 

デプス・アミュレット

永続罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

手札を1枚墓地へ捨て、相手モンスター1体の攻撃を無効にする。

このカードは発動後3回目の相手のエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

 

「だから容赦なく行くぞ!レッド・デーモンズ・ドラゴンでD・ラジカッセンを攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンの掌底がD・ラジカッセンを襲おうとする。

 

「ハァ…甘いな…。龍可!!」

 

龍可は龍亞の声に反応し罠を発動する。

 

「罠発動!A・Pチェンジ!相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、自分フィールド上のモンスターの表示を変更し攻撃対象をそのモンスターに移す。私が選択するのは妖精竜 エンシェント。」

「なんだと!?」

 

エンシェントは攻撃表示へ変更され、レッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃を受けた。

 

龍亞&龍可LP5600→4700

 

龍可の上半身までが石化する。

 

「く…。」

「あーあ、ジャック。俺のかわいい妹をこんな姿にしちゃったね…ハハ!」

「貴様ァ…!」

「でも諦めないで。あと700ポイントのダメージを俺に与えれば俺が完全な石化をすることになる。あ、でもそうしたら表人格の俺が死んじゃうのか!アハハ!」

「なんてやつだ…狂ってやがる!」

 

城之内も怒りをあらわにする。

 

「俺たちが洗脳されている時はあのような感じだったか?」

「いやあそこまでじゃなかったぜ。」

「おそらく不安定な心を持つ龍亞と龍可では俺たちよりも簡単に闇にのまれてしまったのだろう…。俺はカードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  ■□■■□

 □      □ 龍亞 手札2・龍可 手札0・LP4700

  ○●●○○ ■

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャック 手札0・城之内 手札4・LP5300

  ■■■□□

 

 

「私のターン、ドロー!私は妖精竜 エンシェントの効果発動。フィールド魔法カードが表側表示で存在する場合、フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して破壊できる。レッド・デーモンズ・ドラゴンを破壊!森葬の霊場(スピリット・ベリアル)!」

「罠発動!クリムゾン・ヘル・ディメンション!レッド・デーモンズ・ドラゴンを除外することでこのカードを発動したフェイズを終了する!よって龍可、お前のバトルフェイズは終了だ!」

「ならばバトル!団結の力によって強化された3900のパワー・ツールで攻撃!」

「ジャック!俺の伏せカードを使え!!」

「なんだと!?お前のカードを!?」

「変にこだわってる場合じゃねえだろ!お前なら今使えんだよ!」

「ちぃ…伏せカードオープン!」

 

伏せられていたカードは「ゼロ・バック」。手札が0枚の時に発動できる罠であり、自分・または相手の墓地に存在するレベル7以上のモンスターを特殊召喚出来る効果を持つ。ちなみにそのターン「ゼロ・バック」による効果以外の特殊召喚は出来ない。

 

「ゼロ・バック発動!俺たちの墓地に存在する悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500

レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター

自分は「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。

墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

その後、そのモンスターをデッキに戻す。

 

「よし、次は貴様が俺のセットしたカードを使え!今度は貴様にしか発動できない。」

「へ!言ってくれるじゃねえか。リバースカードオープン!」

 

ジャックが伏せていたカードは永続罠カードの「アサルト・バーニング」である。発動後装備カードとなる罠だ。自分フィールド上に存在するモンスター1体に装備し、その装備モンスターは発動したものの手札の数×1000ポイント攻撃力が上昇する。ただし「アサルト・バーニング」が墓地へ送られた場合、装備されていたモンスターのコントローラーは手札をすべて捨てるリスクを負う。とはいえ二人はそのようなリスクを負わなくては石化してしまう。城之内は悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンに装備した。

 

 

「これで悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンの攻撃力は7200!3300のダメージ!」

「龍亞!お前のことは俺が助けてやる!案ずるな!」

「…ふざけてんじゃねえぞ!機械竜 パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する装備カード1枚を選択し、正しい対象となるこのカードに移し変える事ができる!アサルト・バーニングを僕のパワー・ツールに装備!装備強奪(イクイップ・グラブリング)!」

「馬鹿な…!」

「これでパワー・ツールの攻撃力は5900!消えろ!城之内!」

 

悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンの所有者は城之内。よって城之内の肉体に5900-3200の2700ダメージが与えられる。そして決闘(デュエル)上では5300-2700で残りライフは2600となる。城之内が完全に石化してジャックの下半身も丸ごと石化してしまう。

 

「く…ここまでかよ…。最後の最後にようやくこのヤローと協力っぽいこと出来たってのによ…。」

「…城之内、すまん、俺のカードのせいで…。」

「ちげえよ、ジャック。」

「?」

「『後で助けるから待ってろ』だろ?」

「!!」

 

パワー・ツールの攻撃が悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを襲い、その爆風が城之内を襲う。

 

「あぁ、後で待っていろ、必ず助けてやる。」

「まってるぜ…。」

 

ジャック&城之内LP5300→2600

 

光が収まると城之内の肉体は完全に石化していた。

 

「く…おのれ…よくも城之内を…。」

「よく人を気遣う余裕があるねジャック。君も相当痛いんだろ?」

「こんなもの俺の中では痛みになど入らぬ…!さぁ…早く決闘を続けろ!」

「私はターンエンド。」

 

 

  ■□■■□

 □      □ 龍亞 手札2・龍可 手札1・LP4700

  ○●●○○ ■

 

□ ○○○○○

 □      □ ジャックLP2600 手札0

  ■□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!このスタンバイフェイズ時、クリムゾン・ヘル・ディメンションの効果で除外されたレッド・デーモンズ・ドラゴンは甦る。そして手札からマジック・プランターを発動!アサルト・バーニングを墓地へ送り二枚ドロー!」

 

 

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

「アサルト・バーニングの効果で龍亞、お前は手札をすべて捨ててもらうぞ!」

「く…。」

「手札から魔法カード クリムゾン・ヘル・セキュアを発動!」

 

 

 

クリムゾン・ヘル・セキュア

通常魔法

自分フィールド上に「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が

表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。

相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

 

「すべて破壊だ!」

「く…だがフィールド魔法 D・フィールドの効果発動!フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地のDモンスター1体を選択して特殊召喚できる。D・ステープランを守備表示で特殊召喚!…龍可、わかってるよな?」

「えぇ…私の手札には森の魔女 ステインがいる。」

「よし…。」

「バトルだ!レッド・デーモンズ・ドラゴンで機械竜 パワー・ツールを攻撃!アブソリュート・パワーフォース!」

 

自分が石化してしまう攻撃にもかかわらず龍亞は余裕の表情を浮かべる。それもそのはず。龍可が手札からモンスターの効果を使用する。

 

「手札から森の魔女 ステインの効果発動!相手の攻撃宣言時このモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、攻撃対象をこのモンスターに変更する。このモンスターの攻撃力は0.でもこの効果で特殊召喚されたターンのみ攻撃力を2000にすることが出来るのよ。」

「龍可!それではお前が石化してしまうのだぞ!?」

「どうでもいいわ…。」

「そう、龍可。お前は俺のこと以外はどうでもいいんだ!アハハ!いいぞ!龍可!」

 

アブソリュート・パワーフォースはステインを直撃する。視界が晴れるとそこには石化した龍可がいた。

 

LP4700→3700

 

「く…。」

「ジャック。これで”邪魔者”がお互いに消えたね。」

「お互い…だと?」

「表の俺もきっと本当はそう思ってるさ。表の俺が憧れたシグナーに選ばれたにもかかわらず大したことをしない龍可。『おれだったら…おれだったら…。』って何度思っただろうな。」

「黙れ!龍亞はそんな男ではない。アーククレイドルでの戦いで守るべきものを確かめシグナーに選ばれた俺たちの仲間だ!貴様のような下賤な魂に理解されてたまるか!俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ 龍亞LP3700 手札0

  ○●●●○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP2600 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は装備魔法 ミスト・ボディを機械竜 パワー・ツールに装備!」

 

 

 

ミスト・ボディ

装備魔法

装備モンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

「パワー・ツールの効果発動!自分のターンにこのカードが装備魔法カードを装備した時、デッキからカードを1枚ドローできる!装備特典(イクイップ・ボーナス)!そしてD・ラジカッセンを守備表示表示に変更しカードを一枚セットしてターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 龍亞LP3700 手札0

  ○●●●○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP2600 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!罠発動!スカーレッド・カーペット!」

 

 

 

スカーレッド・カーペット

通常罠

フィールド上にドラゴン族のシンクロモンスターが表側表示で存在する場合、

自分の墓地に存在する「リゾネーター」と名のついたモンスターを2体まで選択して発動する。

選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「来い!フレア・リゾネーター!ハート・リゾネーター!そして手札からリターン・リゾネーターを召喚!」

「チューナーが複数体…まさか!」

「荒ぶる…荒ぶるぞ!俺の魂が!バーニングソウル!」

 

ジャックの瞳が赤く光る。

 

「俺はレベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル3のフレア・リゾネーターとレベル1のリターン・リゾネーターをダブルチューニング!王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ。シンクロ召喚!出でよ レベル12!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが炎の輪をつつみながら出現した。

 

「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン…!でもジャックの墓地のチューナーは二体!つまり攻撃力は4500!パワー・ツールに攻撃されても2200のライフは残る…!」

「俺の魂がこの程度だと思っているのか、龍亞…いや闇の意思よ!」

「!?」

「リターン・リゾネーターの効果によりシンクロ素材として墓地へ送られた場合、墓地のリゾネーターモンスターを1体特殊召喚出来る!俺はフレア・リゾネーターを特殊召喚!」

「いったい何をする気だ…!?」

「俺の魂はより荒ぶる。魂は俺の心臓をも燃やし尽くす!俺の心の臓が熱く、そして強く荒ぶる!ハート・バーニングソウル!」

「ハート・バーニングソウル…?」

「俺はレベル12のスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンにレベル4のハートリゾネーターとレベル3のフレア・リゾネーターをダブルチューニング!」

「馬鹿な!モンスターのレベルは12が限界!その上のレベルなんてない!」

「俺のパワーは最早レベルなどでは測りえない…。紅蓮の王者、今ここに進化する。全ての限界を越え万物の王となれ!シンクロ召喚!我が究極のドラゴン レベル0!スカーレッド・ハート・ドラゴン!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンをも越した新たなジャックのエースモンスターが姿を現すのであった。




リターン・リゾネーター
チューナー(効果モンスター)
星1/光属性/悪魔族/攻 400/守 100
このモンスターがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地に存在する「リゾネーター」と名の付いたモンスターを1体選んで特殊召喚する。


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第四十三話「スターダスト・ドラゴン封じ」

炎のソリットヴィジョンとともにスカーレッド・ハート・ドラゴンが姿を現した。敵のモンスターをすべて瞬殺するかのような瞳は闇に支配されている龍亞を震え上がらせた。

 

「な…なんだこの気持ちは…!」

「圧倒的なパワーに向かい合ったとき人は震え上がる。それを今お前は体験しているのだ。」

「お…俺がびびるわけはねえ!…!」

 

スカーレッド・ハート・ドラゴンに気を取られていた龍亞がジャックを見るとジャックの下半身の石化が解かれていた。そればかりか左の胸には赤き竜の紋章が浮かび上がっている。その紋章は炎となって消えると次は右腕にドラゴン・ウィングの痣を浮かび上がらせた。

 

「赤き竜、久しぶりだな。またこのジャック・アトラスに力を貸してもらうぞ!」

『グォオオ!』

 

赤き竜は「待っていたぞ。」とばかりに吼える。

 

「なんで…なんでお前や遊星ばかり…!!」

「龍亞、お前を救ってやる!スカーレッド・ハート・ドラゴンで機械竜 パワー・ツールを攻撃!このモンスターが戦闘を行う時、相手はあらゆる効果を発動できない。そしてこのモンスターの攻撃対象となったモンスターの攻撃力と守備力はゼロとなる!」

「そんなバカな!?」

「龍亞!もしも闇のお前ではなく元々のお前自身の意識が少しでもあるならば俺の魂に応えろ!お前にも熱き心があるはずだ!ハート・バーニングフォース!」

 

スカーレッド・ハート・ドラゴンの掌底がパワー・ツールを襲った。攻撃力5000の攻撃に部屋の壁や屋根は耐え切れず一部が剥がれる。

 

龍亞LP3700→0

 

衝撃が落ち着くとソリットヴィジョンも消えた。

 

「な…なんだぁこの部屋は!」

 

ジャックが後ろを振り向くと先ほどまで石化していた城之内が正常になっている。だが龍亞と龍可は石化したままであった。

 

「龍亞…龍可…。」

「ジャック…。…おい!あれ!」

 

石化している二人の腕にドラゴン・クローとドラゴンズ・ハートの痣が赤く浮かび上がっている。

 

「まさか!」

 

その光が徐々に石化を解いていく。元の肉体に戻ると二人は闇の意識から解放されていた。

 

「ジャック…俺またシグナーになれた…。」

「よくやった…よくやったぞ、龍亞!」

 

四人は体を休めたのちに次の部屋に進むことにした。

 

 

 

 

 

遊星は遊星号を走らせて次の部屋に向かっていた。

 

「ハネクリボー、こっちにアキの力を感じるんだな?」

『クリクリ!クリクリ!』

 

ハネクリボーの言っていた通り、広い部屋に出るとそこには十六夜アキが立っていた。

 

「来たわね、遊星。」

「アキ…お前も闇に囚われてしまっているみたいだな。」

「あら、あなたと出会ったころの私に戻っただけよ。壊すことが楽しいのよ!」

「ならまたお前の痛みを受け止めるまでだ。俺と決闘(デュエル)しろ!」

「いいわ、あなたを倒して千年アイテムのありかを吐かせてやる!」

 

「「ライディングデュエルアクセラレーション!」」

 

アキとは思えぬスピードで遊星を追い抜く。

 

「私のターン、私は手札から夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)を召喚。」

 

 

 

夜薔薇の騎士

チューナー(効果モンスター)

星3/闇属性/戦士族/攻1000/守1000

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は植物族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

このカードが召喚に成功した時、

手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「効果により返り咲く薔薇の大輪(リバイバル・ローズ)を特殊召喚!」

 

 

 

 

返り咲く薔薇の大輪

効果モンスター

星4/闇属性/植物族/攻1300/守1300

自分フィールド上に存在するレベル5以上の

植物族モンスターが破壊された場合、

墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「レベル4の返り咲く薔薇の大輪にレベル3の夜薔薇の騎士をチューニング!清廉なる花園に芽吹き孤高の薔薇よ 蒼き月の雫を得てここに開花せよ!シンクロ召喚!レベル7 月華竜 ブラック・ローズ!」

 

 

 

月華竜 ブラック・ローズ

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/ドラゴン族/攻2400/守1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時、

または相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に発動する。

相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。

「月華竜 ブラック・ローズ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

薔薇の花が開くかの如く妖艶にブラック・ローズがアキのフィールドに現れた。

 

「カードを一枚セット。これでターンエンドよ。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊星LP4000 手札5

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ アキLP4000 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊星の手札にはジャンク・シンクロンとクイック・シンクロン、レベル・スティーラーが握られている。

 

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

クイック・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、

「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚できる。

 

 

レベル・スティーラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「よし、クイック・シンクロンとレベル・スティーラーでジャンク・ウォリアーを呼び、そこからジャンク・シンクロンでスターダスト・ドラゴンを呼べる。攻撃力2500ならばアキのブラック・ローズを倒すことが出来る。」遊星の心の中の方程式はスターダスト・ドラゴンまで行き着いた。遊星はクイック・シンクロンの効果でレベル・スティーラーを墓地へ送り、その墓地へ送ったレベル・スティーラーの効果でフィールドのクイック・シンクロンのレベルを一つ下げて特殊召喚した。

 

「俺はレベル1のレベル・スティーラーにレベル4となったクイック・シンクロンヲチューニング!集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、レベル5 ジャンク・ウォリアー!」

「ふふ…レベル5…ね。遊星のことだしまだありそうね。」

 

ジャンク・ウォリアーが姿を現す。

 

「続いて俺はジャンク・シンクロンを召喚!ジャンク・シンクロンの効果によりレベル・スティーラーを特殊召喚。」

「やはり狙いはスターダスト・ドラゴンね!」

「そうだ!スターダストならお前の痛みを受けてやれる!レベル5のジャンク・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!集いし願いが新たな輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、レベル8 スターダスト・ドラゴン!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

スターダストが星屑と共に遊星のフィールドに召喚された。それに合わせアキはブラック・ローズの効果を発動する。

 

「月華竜 ブラック・ローズの効果発動!退華の叙事歌(ローズ・バラード)!」

 

ブラック・ローズの起こした風がスターダスト・ドラゴンを襲う。そしてスターダスト・ドラゴンは消滅した。

 

「なんだ!?」

「ブラック・ローズは相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を持ち主の手札に戻すことが出来るのよ。」

「なんだと!?それではスターダスト・ドラゴンは…」

「そう、例え出たとしてもすぐに下がってもらうわ。私の痛みを受け止める?そんなことすらさせない!」

「アキの闇の力が強くなっている…!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ アキLP4000 手札2

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!バトルよ、ブラック・ローズでレベル・スティーラーを攻撃!散華の鎮魂歌(ローズ・レクイエム)!」

 

守備表示のレベル・スティーラーは破壊されるも遊星にダメージはない。

 

「ターンエンド!遊星、あなたがスターダスト・ドラゴンをどうにか出そうとしても無駄。遊那の作った私の決闘竜(デュエル・ドラゴン)は対遊星のためのもの。私があなたを倒すのよ!」

「アキ!正気を取り戻してくれ!お前は医者を目指して奮闘してるとお前の父さんや母さんから聞いていた!そんなお前が少し会わないだけで元に戻ってしまうわけがない!頼む!」

「はは…めでたい男になったわね、遊星。スターダスト・ドラゴンのないあなたなど恐れるに足らないわ。さぁカードをドローしなさい。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ アキLP4000 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン…ドロー!俺はあきらめない、必ずお前を助けて見せる!」

「やれるものならやってみなさい。スターダストは出させないわ。」

「俺にはスターダスト・ドラゴン以外にもブラック・ローズを倒すことのできるカードはある。それを見せてやる。相手フィールドにのみモンスターがいる時、レベル・ウォリアーをレベル4として特殊召喚できる!」

 

 

 

レベル・ウォリアー

効果モンスター

星3/光属性/戦士族/攻 300/守 600

お互いのフィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚できる。

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「そして手札から魔法カード ワン・フォー・ワンを発動!」

 

 

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法(制限カード)

(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「手札のチューニング・サポーターを墓地へ送りデッキからターボ・シンクロンを特殊召喚!」

 

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

(1):フィールドのこのカードをS素材とする場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

ターボ・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/風属性/機械族/攻 100/守 500

(1):このカードが攻撃表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。

攻撃対象モンスターを守備表示にする。

(2):このカードの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力のモンスター1体を手札から特殊召喚する。

 

 

 

「永続罠発動!エンジェル・リフト!墓地に送ったチューニング・サポーターを特殊召喚!」

 

 

 

エンジェル・リフト

永続罠

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

 

「俺はレベル4となったレベル・ウォリアーとレベル1のチューニング・サポーターにレベル1のターボ・シンクロンをチューニング!集いし絆が更なる力を紡ぎだす。光さす道となれ!シンクロ召喚!レベル6!轟け、ターボ・ウォリアー!」

 

 

 

ターボ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2500/守1500

「ターボ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

レベル6以上のシンクロモンスターを攻撃対象としたこのカードの攻撃宣言時、

攻撃対象モンスターの攻撃力をダメージステップ終了時まで半分にする。

フィールド上のこのカードはレベル6以下の効果モンスターの効果の対象にならない。

 

 

 

「ターボ・ウォリアー…レベル6以下のモンスター効果の対象にならないモンスター。でも月華竜 ブラック・ローズはレベル7!退華の叙事歌(ローズ・バラード)!」

 

アキの命令でブラック・ローズはターボ・ウォリアーを手札に戻す。

 

「…俺はチューニング・サポーターの効果を発動する。シンクロ素材として墓地へ送られたためカードを1枚ドローする。」

「手札が0枚のあなたには助かる効果ね。でもたった一枚じゃ私のブラック・ローズは倒せないでしょうけど。」

 

アキはニヤリとする。そんなアキをじっと見つめながら遊星は落ち着きながらカードをドローする。

 

「ドロー…!俺は手札から魔法カード ミラクル・チューニングを発動!自分のフィールド・墓地からチューナーモンスターとそのチューナーモンスターと同じ種族のモンスターをフィールド・墓地から除外しそれらのモンスターでシンクロ召喚をする!俺は戦士族であるジャンク・シンクロンとジャンク・ウォリアーを除外!」

「まさかそんなカードをここで!」

「再び飛翔せよ!レベル8 スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴンがフィールドを飛び回る。

 

「月華竜 ブラック・ローズの効果は1ターンに一度。スターダストを再びエクストラには送れない!」

「くそ…こんな1回のドローで…!」

「ドローは可能性だ。お前もよく知っているはずだぞ。スターダスト・ドラゴンで月華竜 ブラック・ローズを攻撃!シューティング・ソニック!」

 

アキLP4000→3900

 

スターダスト・ドラゴンの攻撃によってブラック・ローズは撃破された。

 

「俺はスターダストでお前の痛みを受け止めてやる。さぁこい!」




スカーレッド・ハート・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星0/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守4100
炎属性チューナー2体+「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」
ルール上、このカードのレベルは12として扱う。
このカードはS素材のレベルの合計を12以上になるよう墓地へ送ることでS召喚できる。
(1):このモンスターが戦闘を行う時、相手はモンスター・魔法・罠の効果を発動することが出来ない。
(2):このモンスターが戦闘を行う時に発動できる。攻撃指定したモンスターの攻撃力・守備力を0にする。
(3):このモンスターがフィールドを離れた場合、エクストラデッキまたは墓地からスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンを召喚条件を無視して特殊召喚できる。


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第四十四話「虹彩のアクト」

  □□□□□

 □      □ 遊星LP4000 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ アキLP3900 手札2

  □□■□□

 

 

「私のライフを少し削ったくらいで調子に乗らないことね!私のターン、ドロー!手札からフェニキシアン・シードを召喚!」

 

 

 

フェニキシアン・シード

効果モンスター

星2/炎属性/植物族/攻 800/守 0

自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送って発動できる。

手札から「フェニキシアン・クラスター・アマリリス」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「フェニキシアン・シードの効果を発動!手札よりフェニキシアン・クラスター・アマリリスを特殊召喚!」

 

 

 

フェニキシアン・クラスター・アマリリス

効果モンスター

星8/炎属性/植物族/攻2200/守 0

このカードは「フェニキシアン・シード」またはこのカードの効果でしか特殊召喚できない。

このカードは攻撃した場合、そのダメージ計算後に破壊される。

自分フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、

相手ライフに800ポイントダメージを与える。

また、自分のエンドフェイズ時、

このカード以外の自分の墓地の植物族モンスター1体をゲームから除外する事で、

このカードを墓地から表側守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

「さらに手札から装備魔法 憎悪の棘をフェニキシアン・クラスター・アマリリスに装備!」

 

 

 

憎悪の棘

装備魔法

「ブラック・ローズ・ドラゴン」または植物族モンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする。

装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、

その守備力を攻撃力が超えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

装備モンスターがモンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算後に攻撃対象モンスターの攻撃力・守備力は600ポイントダウンする。

装備モンスターと戦闘を行った相手モンスターは、その戦闘では破壊されない。

 

 

 

「憎悪の棘によりフェイキシアン・クラスター・アマリリスの攻撃力は2800!バトルよ、スターダスト・ドラゴンに攻撃!フレイム・ペタル!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

フェニキシアン・クラスター・アマリリスの攻撃によりスターダスト・ドラゴンは苦しむが憎悪の棘の効果によって破壊はされない。

 

遊星LP4000→3700

 

「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果発動!このカードは攻撃した場合、そのダメージ計算後に破壊され、相手ライフに800ポイントダメージを与えるわ、スキャッター・フレイム!」

「ぐぁぁあ!」

 

遊星LP3700→2900

 

「さらに憎悪の棘の効果によりスターダスト・ドラゴンの攻撃力、守備力は600ダウンするわ。」

 

スターダスト・ドラゴンの攻撃力は1900となった。

 

「まだまだこんなもんじゃないわ。墓地の返り咲く薔薇の大輪(リバイバル・ローズ)の効果発動!」

 

 

 

返り咲く薔薇の大輪

効果モンスター

星4/闇属性/植物族/攻1300/守1300

自分フィールド上に存在するレベル5以上の

植物族モンスターが破壊された場合、

墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「返り咲く薔薇の大輪を守備表示で特殊召喚。そして私のバトルフェイズは終了よ。どう遊星、私の力は?」

「く…この実際のダメージはお前の力なんかじゃない…。」

「私のサイコパワーよ。戻ってきたのよ。私の力が!憎しみが!」

「フッ…。」

 

遊星は下を見たまま微笑を浮かべた。

 

「何がおかしい!?」

「アキ、いくら闇のお前がそんなことを言っても俺は全くお前が変わったなんて思えない。信じてるんだ、アキのことを。」

「世迷言を…!エンドフェイズ時、フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果発動!フェニキシアン・シードを除外し守備表示で特殊召喚。ターンエンド!遊星、あなたのフィールドにたとえスターダスト・ドラゴンがいたとしても攻撃力はたかが1900。すぐに次のターンで破壊してあげるわ。」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊星LP2900 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ アキLP3900 手札0

  □□■□□

 

 

「アキ、今本当のお前は苦しんでいるんだな…。待ってろ、今助ける!」

「お前…!」

「俺のターン、ドロー!俺は金華猫を召喚!」

 

 

 

 

金華猫

スピリットモンスター

星1/闇属性/獣族/攻 400/守 200

このカードは特殊召喚できない。

召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。

このカードが召喚・リバースした時、

自分の墓地からレベル1モンスター1体を選択して特殊召喚できる。

このカードがフィールド上から離れた時、

この効果で特殊召喚したモンスターをゲームから除外する。

 

 

 

「金華猫の効果発動!墓地のターボ・シンクロンを特殊召喚!」

 

 

 

ターボ・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/風属性/機械族/攻 100/守 500

(1):このカードが攻撃表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。

攻撃対象モンスターを守備表示にする。

(2):このカードの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力のモンスター1体を手札から特殊召喚する。

 

 

 

「レベル1の金華猫にレベル1のターボ・シンクロンをチューニング!集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ!シンクロ召喚!希望の力、レベル2 シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロン!」

 

 

 

フォーミュラ・シンクロン

シンクロ・チューナー・効果モンスター(準制限カード)

星2/光属性/機械族/攻 200/守1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体

(1):このカードがS召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから1枚ドローする。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する

 

 

 

「そしてフォーミュラ・シンクロンの効果発動!カードを1枚ドロー!」

「シンクロチューナー!?まさか!」

 

遊星の腕にあるドラゴン・ヘッドの痣が赤く光り始めた。それを見たアキは忌々しそうに遊星をにらみつけている。

 

「クリアマインド!レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2のシンクロチューナー フォーミュラ・シンクロンをチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロォォ!」

 

遊星号は加速していき、やがて姿を消した。

 

「消えた!?」

 

驚くアキの後ろから瞬時に現れ、遊星はアキを抜かしていく。

 

「生来せよ、レベル10 シューティング・スター・ドラゴン!」

 

次元の穴から遊星と共に出てきたのはかつての戦いで勝ち得た境地”クリアマインド”によって出現したシューティング・スター・ドラゴンであった。

 

 

 

シューティング・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500

シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」

以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。

●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。

このターンこのカードはその中のチューナーの数まで

1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。

●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、

その効果を無効にし破壊する事ができる。

●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、

相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。

エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

「まさかあの局面からシューティング・スターを!?」

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!自分のデッキの上からカードを5枚めくり、その中のチューナーモンスターの数までバトルフェイズ中に攻撃する事ができる!1枚目!」

 

くず鉄のかかし

 

「そのカード…。」

「2枚目!」

 

ドリル・シンクロン

 

「3枚目!」

 

デブリ・ドラゴン

 

「4枚目!」

 

エフェクト・ヴェーラー

 

「5枚目ェ!」

 

ニトロ・シンクロン

 

 

 

くず鉄のかかし

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃を無効にする。

発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。

 

 

ドリル・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 800/守 300

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分の戦士族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

(2):1ターンに1度、このカードの(1)の効果を適用して

相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

デブリ・ドラゴン

チューナー・効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードをS素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、

他のS素材モンスターは全てレベル4以外のモンスターでなければならない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー・効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

5枚中4枚がチューナーモンスターである。

 

「よってシューティング・スター・ドラゴンは4回攻撃できる!行け、シューティング・スター・ドラゴン!スターダスト・ミラージュ!」

 

4体に分裂したシューティング・スター・ドラゴンのうち、2体はフェニキシアン・クラスター・アマリリスと返り咲く薔薇の大輪を破壊した。

 

「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果!スキャッター・フレイム!」

 

遊星LP2900→2100

 

3体目のシューティング・スター・ドラゴンはアキへダイレクトアタックを決める。

 

アキLP3900→600

 

「これで終わりだ、最後の攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

「遊星、確かに私は闇の意思に乗っ取られている。でも否応ながらあなたとの運命は感じずにはいられないわ。罠発動!くず鉄のかかし!まさかあなたが引いたカードを私がこの瞬間フィールドに存在し、闇の私を救ってくれるとはね!」

 

シューティング・スター・ドラゴンの最後の攻撃は不発に終わり、アキのライフは残った。だが遊星は笑顔をこぼす。

 

「言っただろ、俺はお前を助ける。手札から速攻魔法発動!ご隠居の猛毒薬!」

 

 

 

ご隠居の猛毒薬

速攻魔法

(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分は1200LP回復する。

●相手に800ダメージを与える。

 

 

 

「800ポイントのダメージだ!」

 

アキLP600→0

 

アキはDホイールごと部屋の床に倒れこむ。そこにすぐ遊星は駆け寄った。

 

「アキ!アキ!しっかりしろ!」

 

ぐったりするアキを抱える遊星。

 

「…うぅ…。遊星…?」

「アキ…よかった…!」

 

優しく微笑む遊星を見たアキはなぜか涙が止まらなかった。

 

 

 

 

 

ブラック・バードを走らせていたクロウが進んでいる道はトレードやツクナがいる部屋へ最も早く到着できる道であった。その分監視カメラも多く、トレードたちはクロウが接近していることを把握していた。

 

「クロウ・ホーガンがここにやってくるか…仕方ない、俺が相手しよう。」

「その必要はないわ、トレード。すでにアクトが来ている。」

「プロン侵攻軍第一班班長、『虹彩のアクト』と恐れられたあのアクト・クオリファイが…!…気に入らんが遊那の指示なら仕方ない。クロウの撃退は任せよう。」

 

 

 

 

 

「おっしゃ、さすが最新のD ホイール部品に替えただけはあったぜ、ブラック・バード。このまま俺が一番乗りだな!」

 

クロウは大部屋を走っていた。すると突然上から人が落ちてきた。すぐにクロウはハンドルをきって衝突を防ぐ。

 

「危ねえじゃねえか!急に現れんじゃねえ!」

 

白い服、黒髪に銀のアッシュでブラウンとブルーの目をそれぞれ持った青年がクロウの方を向いた。

 

「なんだ、君でしたか、クロウ・ホーガン。不動遊星が来ると思っていましたが…。まぁいい。すぐに片づけます。」

「なんだおめえ!」

「私はアクト・クオリファイ。遊那様に長年お仕えしてきたクオリファイ家の末裔。さぁデュエル(殲滅)を始めよう。」

「てめえ…俺をあんまりなめてると痛い目あうぜ!」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

「俺のターン!俺はBF(ブラックフェザー)-上弦のピナーカを召喚!」

 

 

 

BF-上弦のピナーカ

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/鳥獣族/攻1200/守1000

「BF-上弦のピナーカ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードをS素材とする場合、

「BF」モンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードがフィールドから墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。

デッキから「BF-上弦のピナーカ」以外の「BF」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「さらにBF-黒槍のブラストを特殊召喚!」

 

 

 

BF-黒槍のブラスト

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800

(1):自分フィールドに「BF-黒槍のブラスト」以外の

「BF」モンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「レベル4のBF-黒槍のブラストにレベル3のBF-上弦のピナーカをチューニング!黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!レベル7 BF-アーマード・ウィング!」

 

クロウの得意な速攻シンクロによって強力モンスター アーマード・ウィングが現れた。

 

 

 

BF-アーマード・ウィング

シンクロ・効果モンスター

星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500

「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードは戦闘では破壊されず、

このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。

そのモンスターに楔カウンターを1つ置く(最大1つまで)。

(3):相手フィールドの楔カウンターを全て取り除いて発動できる。

楔カウンターが置かれていた全てのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで0にする。

 

 

 

「カードを二枚セット。そしてエンドフェイズ時にBF-上弦のピナーカの効果によってBF-月影のカルートを手札に加える。ターンエンドだ!」

 

 

 

BF-月影のカルート

効果モンスター

星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000

(1):自分の「BF」モンスターが戦闘を行う

ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、

このカードを手札から墓地へ送って発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1400アップする。

 

 

  □■■□□

 □      □ クロウLP4000 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ アクトLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

アーマード・ウィングは戦闘で破壊されないモンスター。そしてクロウの手札にはアーマード・ウィングの攻撃力を3900にする月影のカルートが加えられている。そしてセットカードは禁じられた聖衣と聖なるバリア -ミラーフォース-。

 

 

 

禁じられた聖衣

速攻魔法

(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

ターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が600ダウンし、

効果の対象にならず、効果では破壊されない。

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「へへ、俺の布陣は完璧だぜ。さぁどっからでもかかってきな!」クロウはにやりとしながらアクトを見ていた。

 

「私のターン、ドロー!私は魔法カード eYe テイクを発動!手札のオッドアイズ・ドラゴンを墓地へ送り『eYe』と名の付いた違う名称の装備魔法を二枚まで手札に加えることが出来る。私が加えるのはレッド eYeとグリーン eYe。そして装備魔法 レッドeYeを発動。自分の墓地に存在するオッドアイズ・ドラゴン1体を選択して発動し、選択したモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。」

 

右目の赤い瞳がより輝きを増したオッドアイズ・ドラゴンが姿を現す。

 

 

 

オッドアイズ・ドラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

 

「さらにグリーン eYeをオッドアイズ・ドラゴンに装備。フィールド上に存在するこのカードともう一枚の装備魔法を墓地へ送ることでデッキから『eYe』と名の付いた装備魔法を一枚手札に加える」

「ぶん回しやがって…装備魔法を使うやつなのか!」

「私が加えるのはオレンジ eYe。そしてオレンジ eYeをオッドアイズ・ドラゴンに装備!」

 

次は赤い瞳だった右目がオレンジに色を変える。

 

「オレンジ eYeを装備したモンスターがバトルを行う時、相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない。さらに装備魔法 ブルー eYeをオッドアイズ・ドラゴンに装備。このカードが装備されたモンスターとバトルを行う相手モンスターの攻撃力と守備力は1000ダウンし、効果は無効化される。」

「なんだと!?」

「バトルだ、オッドアイズ・ドラゴンでBF-アーマード・ウィングを攻撃!スパイラルフレイム!」

 

オレンジ eYeの効果でクロウはミラーフォース、カルートの効果を発動できない。さらにブルー eYeの効果でBF-アーマード・ウィングの攻撃力は1500となった上に効果を無効化されてしまい戦闘破壊されてしまう。

 

クロウLP4000→3000

 

「オッドアイズ・ドラゴンの効果発動。アーマード・ウィングの元々の攻撃力は2500。よって1250ダメージをクロウ、君に与える。」

「ぐああ!」

 

クロウLP3000→1750

 

「でもまだライフは残ってる、ここから挽回を…」

「手札から速攻魔法発動 eYe チェンジ。フィールドに存在する『eYe』装備魔法を墓地へ送り、デッキから新たな『eYe』装備魔法をフィールド上に存在するオッドアイズ・ドラゴンに装備する。私はブルー eYeを墓地へ送りインディゴ eYeをオッドアイズ・ドラゴンに装備!」

「なに!?」

 

青く光っていた左目は藍色へと変化する。

 

「インディゴ eYeの効果!装備されたモンスターはバトルフェイズ中に二度まで攻撃することが出来る。再びダイレクトアタック!スパイラルフレイム!」

「んなバカなことが…!」

 

クロウLP1750→0

 

「あぁ…弱い弱い、退屈だった。」

 

アクトは千年錠を取り出しクロウに見せつけた。それを見たクロウは気絶してしまう。そんなクロウを無視してアクトはトレードに通信をつなげた。

 

「トレードですか?」

「あぁ、アクト。邪魔者を処理してくれたんだろ?」

「クロウ・ホーガンだ。ほかのやつらもやりましょうか?」

「いや待ってくれ。それでは遊那に俺たちが使い物にならないと言っているようなもの。我々にやらせてくれ。」

「…。」

「完璧にこなして見せる。遊那の指示通り!」

「…いいでしょう。私も忙しい、第一アジトに戻ります。」

 

そういい通信をきると自分のデュエルディスクを操作する。するとアクトの姿は青白く輝き姿を消した。




レッド eYe
装備魔法
このカードが装備されたモンスターは装備カードを二枚までしか装備できない。
(1):自分の墓地に存在する「オッドアイズ・ドラゴン」1体を選択して発動する。
選択したモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。
(2):このカードが破壊された時、装備モンスターを破壊する。


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第四十五話「魔女戦士の罠」

アキの意識がはっきりしたことを確認した遊星はアキの遊星号の後ろに乗せ奥の部屋へ向かっていた。

 

「アキ、振り落とされるなよ。」

「もうここに乗るのは慣れているわ。あ、遊星。もうすぐ最後の部屋よ!」

 

アキが指をさした方向は明るく照らされている。その部屋に出ると金髪の女性が一人立っている。その風格からハイクラスの一人であると容易に察せる。

 

「お前がハイクラスか?」

「えぇ、プロン侵攻軍第五班班長 ツクナ。以後お見知りおきを、不動遊星、十六夜アキ。」

「お前がこの要塞をネオ童実野シティに送り込んだのか?」

「それは私を力ずくで倒してから聞くのがスジってやつじゃないかしら?」

「ならば…」

「待って遊星、私が行くわ。」

 

アキが遊星よりも一歩前へ出る。

 

「アキ、お前。」

「私が洗脳された時、確かこの女以外にもう一人男がいた気がするわ。そいつが私たちを見張っているんだとしたら遊星はその決闘(デュエル)まで休んでいて。」

「しかし闇のゲームかもしれないんだぞ!」

「私も役に立ちたいのよ!」

 

覚悟を決めたアキの目を見た遊星は黙って後ろへ下がった。

 

「十六夜アキ、初めに言っておくけれど不動遊星が言ったようにこれは闇のゲームになるわ。これを見なさい。」

 

ツクナは自分の首に着けられた千年タークを見せながら言う。

 

「覚悟はできた?」

「望むところよ!」

 

「「決闘!」」

 

「私の先攻、私はM&K(マジシャナイト) シェプストを召喚。」

 

杖を持ちローブを纏った女性型モンスターが現れた。

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ アキLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はローンファイア・ブロッサムを召喚!」

 

 

 

ローンファイア・ブロッサム

効果モンスター

星3/炎属性/植物族/攻 500/守1400

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する

植物族モンスター1体をリリースして発動できる。

デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「効果発動!自身をリリースしギガプラントを特殊召喚!」

 

 

 

ギガプラント

デュアルモンスター

星6/地属性/植物族/攻2400/守1200

このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、

通常モンスターとして扱う。

フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、

このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。

●1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

自分の手札・墓地から昆虫族または植物族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「攻撃力900のモンスターを攻撃表示…攻撃を誘っているのね、いいわバトルよ!攻撃力2400のギガプラントで攻撃力900のM&K シェプストを攻撃!」

「シェプストの効果!”魔法使い族”のこのモンスターとのバトルでお互いにダメージは与えられない。」

「でもモンスターは破壊されるわ。シェプストを破壊!」

 

シェプストはギガプラントの触手によって破壊された。

 

「シェプストのさらなる効果発動!表側になっているこのモンスターが破壊された時、デッキからシェプスト以外のM&Kを”戦士族”として特殊召喚する!現れなさい、パトラセブン!」

 

次に現れたモンスターはシェプストに似て杖とローブを身に着けている。しかし登場してからすぐに杖を捨て、ローブを脱ぎ捨てた。すると褐色の肌とローブの下に着ていた露出度の高い鎧が露わになる。そして腰につけていたレイピアを引き抜いた。

 

「私はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ アキLP4000 手札4

  □□■□□

 

 

 

「私のターン、ドロー!”戦士族”のパトラセブンの効果発動!ライフを500ポイント支払うことでバトルフェイズ終了時まで攻撃力を倍にする。」

「パトラセブンの元々の攻撃力は800。倍にしても1600よ。」

 

ツクナLP4000→3500

 

「私は再び発動!」

 

ツクナLP3500→3000

 

「あのモンスターは何度も効果を使えるのか!?」

 

遊星もライフさえ支払えば攻撃力の倍になるパトラセブンに驚愕する。

 

「これでパトラセブンは3200。三回目を発動。」

 

ツクナLP3000→2500

 

パトラセブンの攻撃力は6400になる。

 

「バトルよ、パトラセブンでギガプラントを攻撃。」

「罠発動!ハーフ・カウンター!」

 

 

 

ハーフ・カウンター

通常罠

自分フィールド上に存在するモンスターが攻撃された場合、

そのダメージ計算時に発動する事ができる。

攻撃対象となった自分のモンスター1体の攻撃力は、

エンドフェイズ時まで攻撃モンスターの元々の攻撃力の半分の数値分アップする。

 

 

 

「ギガプラントの攻撃力はパトラセブンの元々の攻撃力の半分を足した2800となる!」

 

アキLP4000→400

 

「キャアアア!」

 

アキは全身に激痛を感じ、倒れる。体から血が流れ、ハンカチで傷口を抑えた。

 

「なんて衝撃…!」

「反応が大げさね。」

「あなた本当にこのダメージを受けているの?」

 

アキに尋ねられ、ツクナは無言でマントをめくる。傷だらけになった痛々しい腹部を出すとすぐにしまった。

 

「バトルフェイズ終了。この時攻撃力は元に戻るわ。さらに装備魔法 魔導士への回帰を発動。戦士族のM&Kに装備可能、装備したモンスターを魔法使いに戻すわ。そして”魔法使い族”のパトラセブンの効果発動。自分のライフを500回復することでフィールド上に存在する自分フィールドのカードを破壊する。パトラセブン自身を破壊!」

 

ツクナLP2500→3000

 

「パトラセブンの効果、表側になっているこのモンスターが破壊された時、デッキからパトラセブン以外のM&Kを”戦士族”として特殊召喚する。シェプストを守備表示で特殊召喚。ターンエンド。」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP3000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ アキLP400 手札4

  □□□□□

 

 

 

「私のターン、ドロー!手札からヴェルズ・マンドラゴを特殊召喚!」

 

 

 

ヴェルズ・マンドラゴ

効果モンスター

星4/闇属性/植物族/攻1550/守1450

相手フィールド上のモンスターの数が

自分フィールド上のモンスターの数より多い場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「さらに夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)を召喚!」

 

 

 

夜薔薇の騎士

チューナー(効果モンスター)

星3/闇属性/戦士族/攻1000/守1000

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は植物族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

このカードが召喚に成功した時、

手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「夜薔薇の騎士の効果によりボタニカル・ライオを手札から特殊召喚!」

 

 

 

ボタニカル・ライオ

効果モンスター

星4/地属性/植物族/攻1600/守2000

自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体につき、

このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、

コントロールを変更する事はできない。

 

 

 

「レベル4のヴェルズ・マンドラゴにレベル3の夜薔薇の騎士をチューニング!冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ レベル7 ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

決闘竜(デュエル・ドラゴン)の呪縛から解放されたブラック・ローズ・ドラゴンが煌びやかに姿を見せた。ブラック・ローズ・ドラゴンの登場と共にアキの腕に赤き竜のドラゴン・レッグの痣が現れた。

 

「赤き竜…私に力を貸してくれるのね!ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!ヴェルズ・マンドラゴを除外しM&K シェプストを攻撃表示にし攻撃力を0にする!ローズ・リストリクション!」

 

鎧を身に纏ったシェプストは剣を抜く。

 

「バトル!ブラック・ローズ・ドラゴンでM&K シェプストを攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」

 

ツクナLP3000→600

 

「シェプストの効果発動、シェプストが戦士族の時、戦闘では破壊されず、戦闘で受けたダメージ分攻撃力をバトルフェイズ時までアップする。」

「つまりシェプストの攻撃力は2400…!ボタニカル・ライオでは倒せない…バトルフェイズを終了…」

「罠発動!狂戦士への祝福を発動!バトルフェイズ終了時に発動でき、攻撃力が上がっているM&Kと相手フィールドに存在するモンスターを1体ずつ選択しシェプストの攻撃力を1000上げてもう一度バトルを行う!シェプストでブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃!」

「そんな…!」

 

シェプストの剣でブラック・ローズ・ドラゴンは破壊された。

 

アキLP400→0

 

ダメージによってアキは気絶してしまう。

 

「アキ!アキ!」

「なるべく肉体へのダメージが少なくなるモンスターを選択したわ。それに赤き竜が彼女を守った。命に別条はないはずよ。」

「く…今度は俺と…」

 

遊星がツクナに決闘を仕掛けようとしたとき、二台のD ホイールのエンジン音が部屋中に鳴り響く。

 

「遅くなった!遊星!」

 

ホイールオブフォーチュンからジャック、龍亞、龍可が降り、もう一台のD ホイールからは城之内が降りた。

 

「傷ついた体を休めていたら遅くなってしまった。」

「ジャック!来てくれたんだな。」

「…!十六夜!」

 

ジャックたちはアキの元に駆けよる。

 

「ひどい怪我…!」

「龍可!俺たちはアキ姉ちゃんの手当てを!」

「うん!」

 

二人は手当てを始める。

 

「よっしゃ、この城之内克也様が敵を倒して…ってイテェ!何すんだ!ジャック!」

 

ジャックは城之内の耳を引っ張っていた。

 

「貴様も一度は全身を石化されたのだ。まだ痛むのだろう、休んでいろ。俺が行く!」

「ちぇ…。」

 

城之内もアキの隣で横になる。ツクナはデッキを再びシャッフルしながらジャックを見た。

 

「次の相手はあなたかしら?ジャック・アトラス。」

「その通りだ。この俺と戦えることを光栄に思うがいい!」

 

「「決闘!」」




M&K シェプスト
効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻900/守1000
(1):表側で存在するこのモンスターが破壊された時、デッキからM&K シェプスト以外の「M&K」と名の付いたモンスター1体を戦士族として特殊召喚できる。
(2):このカードはこのカードの種族によって以下の効果を得る。
●魔法使い族:このモンスターとの戦闘のダメージはお互いのプレイヤーは受けない。
●戦士族:①このモンスターは戦闘では破壊されない。②このモンスターの戦闘によって自分が受けたダメージの数値分、このモンスターの攻撃力をバトルフェイズ時までアップする。この効果は相手ターンにも使用できる。②の効果は1ターンに一度しか使用できない。


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第四十六話「もう一体のスターダスト」

「先行は俺がもらう!俺はインターセプト・デーモンを召喚!」

 

 

 

インターセプト・デーモン

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1400/守1600

このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、

相手モンスターの攻撃宣言時、

相手ライフに500ポイントダメージを与える。

 

 

 

「ターンエンドだ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ ツクナLP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP4000 手札4

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はM&K(マジシャナイト) シェプストを召喚、カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札4

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP4000 手札4

  □□□□□

 

 

ジャックの決闘(デュエル)を見ていた遊星は我慢できずに声をかけた。

 

「気をつけろ、ジャック!相手のあのモンスターたちは二つの種族を…」

「言うな!遊星!」

「しかしアキを倒したほどの決闘者(デュエリスト)…お前まで倒れたら…!」

「俺は負けん。もし貴様が俺を仲間だと思っているならそこで絶対王者(キング)の決闘を見ているがいい!俺のターン、ドロー!俺は手札から融合を発動!手札のビッグ・ピース・ゴーレムとミッド・ピース・ゴーレムで融合!現れ出でよ!マルチ・ピース・ゴーレム!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

ビッグ・ピース・ゴーレム

効果モンスター

星5/地属性/岩石族/攻2100/守 0

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはリリースなしで召喚する事ができる。

 

 

ミッド・ピース・ゴーレム

効果モンスター

星4/地属性/岩石族/攻1600/守 0

自分フィールド上に「ビッグ・ピース・ゴーレム」が表側表示で存在する場合に

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

自分のデッキから「スモール・ピース・ゴーレム」1体を特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

マルチ・ピース・ゴーレム

融合・効果モンスター

星7/地属性/岩石族/攻2600/守1300

「ビッグ・ピース・ゴーレム」+「ミッド・ピース・ゴーレム」

このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に

このカードをエクストラデッキに戻す事ができる。

さらに、エクストラデッキに戻したこのカードの融合召喚に

使用した融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

この一組を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「融合モンスター…。」

「俺の武器はシンクロだけではない。バトルだ!インターセプト・デーモンでM&K シェプストを攻撃!」

 

インターセプト・デーモンの張り手がシェプストを襲う。シェプストが魔法使い族である時の効果は戦闘ダメージがお互いに発生しないというものである。よってシェプストは戦闘破壊されるもツクナにダメージは与えられない。

 

「シェプストの効果!表側で存在するこのモンスターが破壊された時、デッキからM&K シェプスト以外のM&Kモンスター1体を戦士族として特殊召喚できる。デッキからM&K パトラセブンを守備表示で特殊召喚。」

「マルチ・ピース・ゴーレム、パトラセブンを倒せ!」

 

マルチ・ピース・ゴーレムの鉄槌がパトラセブンを破壊する。パトラセブンも破壊された時、新たなM&Kを呼び出す効果があるため、デッキから新たなシェプストを戦士族として攻撃表示で特殊召喚した。

 

「マルチ・ピース・ゴーレムの効果発動!このカードをエクストラデッキに戻し墓地からビッグ・ピース・ゴーレム、ミッド・ピース・ゴーレムを特殊召喚!そして手札からチューナーモンスター、ダーク・リゾネーターを召喚!」

 

 

 

ダーク・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300

このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

 

 

「レベル5ビッグ・ピース・ゴーレムにレベル3ダーク・リゾネーターをチューニング!王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!レベル8!我が魂 レッド・デーモンズ・ドラゴン!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンが堂々と姿を現す。

 

「それだけではない、俺が城之内たちの次元で手に入れた新たな力…今見せてやる!」

「レベル4のモンスターが二体…まさか!」

 

遊星は同レベルモンスターがジャックの場に揃っていることに気が付いた。

 

「フン、ブルーアイズマウンテンを飲みに行っただけではない、すべての行動に意味がある、それこそ絶対王者!レベル4のミッド・ピース・ゴーレムとインターセプト・デーモンでオーバーレイ!現れよ!ランク4 ラヴァルバル・チェイン!」

 

 

 

ラヴァルバル・チェイン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/炎属性/海竜族/攻1800/守1000

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。

●デッキからモンスター1体を選んでデッキの一番上に置く。

 

 

 

「ラヴァルバル・チェインの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き、デッキの一番上にチェーン・リゾネーターを置く。」

 

 

 

チェーン・リゾネーター

チューナー・効果モンスター

星1/光属性/悪魔族/攻 100/守 100

(1):フィールドにSモンスターが存在し、

このカードが召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「チェーン・リゾネーター」以外の

「リゾネーター」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド!この瞬間、レッド・デーモンズ・ドラゴンの効果で攻撃宣言していないラヴァルバル・チェインは破壊される。」

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札4

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP4000 手札0

  □□■□□

 

 

「私のターン、ドロー!バトル!シェプストでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!」

「まずい!戦士族のシェプストは戦闘では破壊されず、戦闘によって自分が受けたダメージの数値分、シェプストの攻撃力をバトルフェイズ時までアップするという効果。そして伏せカードはおそらくアキを倒した狂戦士への祝福…!レッド・デーモンズ・ドラゴンがここで倒されてしまっては次のドローはチェーン・リゾネーター…、反撃には向かないモンスターだ…!」

 

遊星はジャックの身を案じるがジャックは一切遊星の方を見ず「俺の背中だけ見ていろ!」とでもいうように堂々としていた。

 

「永続罠発動!スクリーン・オブ・レッド!」

 

 

 

スクリーン・オブ・レッド

永続罠

このカードのコントローラーは自分エンドフェイズ毎に1000LPを払う。

1000LP払えない場合このカードを破壊する。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手モンスターは攻撃宣言できない。

(2):自分の墓地のレベル1チューナー1体を対象として発動できる。

このカードを破壊し、そのモンスターを特殊召喚する。

この効果はフィールドに「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が存在する場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「さすがだな、ジャック。俺の心配のし過ぎか。」

「当然だ。」

「…カードを二枚セットしターンエンド。」

 

 

  □■■■□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP4000 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はチェーン・リゾネーターを召喚!効果によりデッキからフレア・リゾネーターを特殊召喚!」

 

 

 

フレア・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星3/炎属性/悪魔族/攻 300/守1300

このカードをシンクロ素材とした

シンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

 

 

「俺はレベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル3のフレア・リゾネーターとレベル1のチェーン・リゾネーターをダブルチューニング!王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ。シンクロ召喚!出でよ レベル12!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!」

 

 

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星12/闇属性/ドラゴン族/攻3500/守3000

チューナー2体+「レッド・デーモンズ・ドラゴン」

(1):このカードの攻撃力は自分の墓地のチューナーの数×500アップする。

(2):このカードは相手の効果では破壊されない。

(3):相手モンスターの攻撃宣言時にその攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。

(4):このカードの(3)の効果でこのカードが除外されたターンのエンドフェイズに発動する。

その効果で除外されているこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

炎の輪を纏いレッド・デーモンズ・ドラゴンはスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンに進化した。

 

「墓地のチューナーモンスターは3体!よって1500ポイント攻撃力が上がる!」

「攻撃力5000…!」

「いくらシェプストが攻撃力をあげる力があったとしても1ターンで倒してしまえば終わりだ!バトル!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンでシェプストを攻撃!バーニング・ソウル!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃がシェプストを襲う。だが攻撃に際しツクナは罠を発動していた。

 

「罠発動!召喚士への変換!フィールド上のM&Kモンスターをすべて魔法使い族に変える。」

「なんだと!?」

「シェプストが魔法使い族の時、ダメージは発生しない。」

「だがモンスターは破壊されるぞ。」

「シェプストの効果によりパトラセブンを戦士族として特殊召喚。」

「ターンエンド、この時スクリーン・オブ・レッドの効果でライフを1000ポイント払う。」

 

ジャックLP4000→3000

 

  □□■■□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP3000 手札0

  □□■□□

 

 

「ジャック・アトラス。確かにプロン時空の決闘者の中で強者と呼ぶに値する男…。」

「俺をおだてたところで容赦はせんぞ。」

「違うわ。少しだけ本気出してあげるってこと。」

「何?」

「私のターン、ドロー!墓地の召喚士への変換の効果発動!パトラセブンとこのカードをゲームから除外し、デッキからレベル5以上のM&Kと名の付いたモンスターを特殊召喚する!いでよ…」

「待ちなよ、ツクナ。」

 

ツクナがデッキからモンスターを出そうとした時、部屋の奥の方から声がした。

 

「何の用?トレード。」

「トレードだと!?」

 

遊星はハラルドたちを倒した決闘者であることに気が付いた。そして奥の方から靴音を鳴らしてトレードが現れた。

 

「これ、遊那からだ。言いたいことがあるって。」

 

トランシーバーのような装置をツクナに投げる。

 

「何かしら?」

『ツクナ、あなた高レベルモンスターを出そうとしてるわね。』

「敵はそれほどの奴よ。」

『あなたがそれを使うのは最後の晩餐(コムニオ)の時。まだその時じゃないのは重々承知だと思うけど?』

「…どうしろと?」

『トレードに決闘を代わりなさい。』

「…。」

『命令。』

「…ハァ…分かった。」

 

そういうと通信をきった。

 

「なんだって?」

「あなたに決闘を代われだそうよ。」

「ふふ…遊那の命令は絶対だ。」

 

そのやり取りを見ていたジャックは激怒する。

 

「ふざけるな!途中で放棄だと!?そんなことは認めんぞ!」

「だったら条件を付けてあげるよ。」

「条件だと?」

「まずこの俺のフィールド、墓地のカードはみーんなリセット。それでツクナが持っていた手札4枚からスタートしようじゃないか。」

「それでは貴様の圧倒的不利だ。話にならん。」

「もし俺が負けたらおとなしくこの次元から出ていくよ。」

「なんだと?」

「遊那が許可してくれたからな。」

「…。」

「ジャック…。」

 

遊星は心配そうにジャックを見る。本当ならばフェアな決闘をしたいはずのジャックだがこの勝負は確実に勝たなくてはネオ童実野シティが危ない。

 

「いいだろう、早く準備しろ…。」

「もうできてるよ…。」

 

「「決闘!」」

 

「俺は手札からプラチナム・アクエリアスを召喚!そして効果発動!このモンスターが召喚に成功した時、デッキからプラチナム・アクエリアス以外のプラチナム水属性モンスターを特殊召喚!来い、チューナーモンスター プラチナム・ピスケス!」

「チューナーだと!?」

「まだだ!永続魔法 プラチナム・ボーダーを発動!手札からプラチナムモンスターを1枚墓地へ送ることで発動し、そのモンスターと同名モンスターを特殊召喚する。俺は手札からプラチナム・ジェミニを墓地へ送りデッキから同じくプラチナム・ジェミニを特殊召喚!」

「また特殊召喚…次々と…!」

「当然!プラチナムは星々をつなぐ星座のようにモンスターを次々と呼ぶのだ!プラチナム・ジェミニの効果発動!同名モンスターをデッキから1体特殊召喚できる!来い!もう一体のプラチナム・ジェミニ!」

「フィールドに4体ものモンスターが…。」

「レベル4のプラチナム・アクエリアスとレベル1のプラチナム・ジェミニ2体にレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!!魂を震わし世界に轟け!!シンクロ召喚!レベル8 閃珖竜(せんこうりゅう) スターダスト!」

 

ハラルドたちが言っていたスターダスト・ドラゴンに酷似したモンスター、それこそ閃珖竜 スターダストであった。守備表示の姿勢をとっているもののその翼は雄々しく、美しく、妖しく光っていたのであった。




召喚士への変換
通常罠
(1):このターンのエンドフェイズ時までフィールド上に存在する「M&K」と名の付いたモンスターは魔法使い族として扱う。
(2):このカードが墓地に存在する時、フィールド上に存在する「M&K」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。選択したモンスターとこのカードをゲームから除外し、デッキからレベル5以上の「M&K」と名の付いたモンスターを特殊召喚する。


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第四十七話「自由を拒むもの」

「俺はターンエンドだ。」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ トレードLP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP3000 手札0

  □□■□□

 

 

「スターダスト…!」

「スターダストだと…!?」

 

遊星もジャックも驚きを隠せない。スターダストに酷似したモンスターが出てくるとわかっていたとはいえまさかここまでとは考えていなかったからだ。

 

「しかもあれは決闘竜(デュエル・ドラゴン)…!闇の俺が使っていた琰魔竜(えんまりゅう)のような存在のようだな。だがスカーレッド・ノヴァの敵ではない!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンで閃珖竜(せんこうりゅう) スターダストを攻撃!バーニング・ソウル!」

 

 

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星12/闇属性/ドラゴン族/攻3500/守3000

チューナー2体+「レッド・デーモンズ・ドラゴン」

(1):このカードの攻撃力は自分の墓地のチューナーの数×500アップする。

(2):このカードは相手の効果では破壊されない。

(3):相手モンスターの攻撃宣言時にその攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。

(4):このカードの(3)の効果でこのカードが除外されたターンのエンドフェイズに発動する。

その効果で除外されているこのカードを特殊召喚する。

 

 

閃珖竜 スターダスト

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードは、このターンに1度だけ戦闘及びカードの効果では破壊されない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「スカーレッド・ノヴァの攻撃力は5000!守備力2000ごとき、踏み潰してやるわ!」

「スターダストの効果発動!スターダストの破壊を無効にする!波動音壁(ソニック・バリア)!」

「く…小癪な…。ターンエンド。この時、スクリーン・オブ・レッドの効果でライフを1000ポイント払う。」

 

 

 

スクリーン・オブ・レッド

永続罠

このカードのコントローラーは自分エンドフェイズ毎に1000LPを払う。

1000LP払えない場合このカードを破壊する。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手モンスターは攻撃宣言できない。

(2):自分の墓地のレベル1チューナー1体を対象として発動できる。

このカードを破壊し、そのモンスターを特殊召喚する。

この効果はフィールドに「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が存在する場合に発動と処理ができる。

 

 

 

ジャックLP3000→2000

 

「ジャックがコスト消費でライフが減っていく…。」

「案ずるな、遊星。次のターンで決めてやればいい話だ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ トレードLP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ジャックLP2000 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のプラチナム・スコルピオとスケール8のプラチナム・サジタリウスでペンデュラムスケールをセッティング!」

「ペンデュラム…!?」

「あれはキッドが使っていたペンデュラムカード!気を付けろ!ジャック!」

「これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!現れよ、俺のモンスターたち!エクストラデッキよりプラチナム・アクエリアス!」

「フン、何かと思えば先ほどのモンスターを特殊召喚したにすぎないではないか。」

「確かに今まで出したカードの中でプラチナム・アクエリアス、スコルピオ、サジタリウスがペンデュラムモンスター。ジェミニとピスケスはペンデュラムモンスターではない。だが墓地のプラチナム・ピスケスの効果発動!このカードが墓地に存在し、自分がP召喚に成功した時に墓地のピスケスを特殊召喚する!こい、ピスケス!」

 

トレードのフィールドにスターダスト、アクエリアス、ピスケスがペンデュラムゾーンの柱の間に並ぶ。

 

「ペンデュラムゾーンのプラチナム・スコルピオのペンデュラム効果発動!自分、または相手のフィールドに存在するチューナー以外のモンスターを1体選択し、そのレベルの1にする!俺はアクエリアスを1に変更!」

 

ペンデュラムゾーンにいるサソリ型モンスターのプラチナム・スコルピオは自身の毒針をアクエリアスに向けて飛ばした。アクエリアスは毒に侵されレベルは1となる。

 

「ペンデュラム効果…永続魔法のように使われるようだな…。」

「レベル8の閃珖竜 スターダストとレベル1となったプラチナム・アクエリアスにレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!星々の導きにより現れし加速する精霊よ 今こそその力示し我の世界に現れよ!シンクロ召喚!レベル11!閃珖竜 スターダスト・プラチナム!」

 

プラチナムモンスター特有の白金の鎧と同じ色をしたスターダストが現れる。その姿は鎧を身に纏ったスターダストと言っても過言ではない。中世の騎士を思わせる仮面の下からはスターダスト・プラチナムの眼が妖しく光る。

 

「本当はスターダスト・プラチナムを出す必要はなかったんだがな…どうせなら…と思ってね。」

「貴様…ふざけているのか!?」

「我々ハイクラスは皆ペンデュラム召喚を使える。ペンデュラム召喚はあらゆるほかの召喚法のサポートに向いているからな。俺はシンクロ、シリョウはエクシーズ、ナックスは融合、ツクナは…」

「トレード、おしゃべりは遊那が嫌がるんじゃないかしら?」

 

ずっと静かだったツクナが一言いうとトレードは黙った。そして決闘(デュエル)を続ける。

 

「プラチナム・サジタリウスのペンデュラム効果発動!もう片方のPゾーンに置かれたカードを破壊することでこのターンのエンドフェイズ時まで自分フィールド上のモンスターの攻撃力・守備力を500ポイント上げる。プラチナム・スコルピオを攻撃!」

 

弓をひいたプラチナム・サジタリウスの矢はプラチナム・スコルピオの赤く光る心臓部を貫いた。スコルピオは破壊されたとともにジャックのフィールドに攻撃表示で現れた。

 

「どういうことだ!?」

「ペンデュラムゾーンに置かれたプラチナム・スコルピオが破壊された時このカードを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚できるんだよ。さらにこの効果で特殊召喚されたスコルピオは表示を変更することが出来ず、S素材とすることが出来ない。そして戦闘では破壊されない。」

「攻撃力100のモンスターが攻撃表示だと!?馬鹿な!」

「バトル!サジタリウスの効果で500ポイントアップした3500のスターダスト・プラチナムでプラチナム・スコルピオを攻撃!」

 

スターダスト・プラチナムの輝く攻撃はジャックにダメージを与えた。

 

ジャックLP2000→0

 

「馬鹿な…この俺が負けるだと…。」

「さぁ消えろ、王様擬き。」

「く…。」

「待て!次は俺が相手をする!」

「ほう…不動遊星か。」

 

トレードはニヤリとする。そして思いついたように

 

「ならばお前の得意なライディングデュエルで勝負をつけようじゃないか。」

「なんだと!?どういうつもりだ…。」

「ただし、バイクが停止、または走行不能の状態になれば容赦なく負けとする。どうだ?」

「…いいだろう!」

「ついて来い。」

 

ジャックや城之内、龍亞、龍可、そして気を失っているアキはその部屋に残り遊星のみトレードとツクナの後を追って室内サーキットにたどり着いた。

 

「さぁ始めようか。プロト・スピードワールド セット!」

 

D ホイールから機械の音声が鳴る。

 

「プロト・スピードワールド発動。デュエルモード スタンバーイ」

 

「「ライディングデュエル アクセラレーション!」」

 

二台のD ホイールはほぼ同時にスタートを切る。遊星がわずかにリードするもそれを見たトレードは自身のD ホイールについているボタンを押す。するとトレードのD ホイールは急加速し、最初のカーブを先に曲がった。

 

「Dブーストさえあれば先行は確実!」

「…それも遊那とかいうやつに言われたのか?」

「…何か問題でもあるのか?」

「人に言われるがままの決闘がそんなに楽しいのか?」

「楽しい!?決闘が!?ハハハハ!笑わせやがる。決闘は武器だ!力だ!楽しむ余裕なんてあるものか!俺のターン!俺はスケール2のプラチナム・スコリピオとスケール8のプラチナム・サジタリウスでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!現れれよ、俺のモンスターたち!手札からプラチナム・タウラス、プラチナム・ピスケス!」

「いきなりペンデュラム召喚か…。」

「まだだ!ペンデュラムシンクロを見せてやる!レベル6のプラチナム・タウラスにレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!!魂を震わし世界に轟け!!シンクロ召喚!レベル8 閃珖竜 スターダスト!」

 

遊星よりも早くスターダストがトレードのD ホイール上空に姿を現す。

 

「俺はターンエンド。」

 

 

 

  □□□□□

 ■      ■ トレードLP4000 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 遊星LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード おろかな埋葬を発動!」

 

 

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

 

「俺はチューニング・サポーターを墓地へ送る!」

 

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

(1):フィールドのこのカードをS素材とする場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「そしてデブリ・ドラゴンを召喚!」

 

 

 

デブリ・ドラゴン

チューナー・効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードをS素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、

他のS素材モンスターは全てレベル4以外のモンスターでなければならない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!墓地からチューニング・サポーターを特殊召喚!そして墓地からの特殊召喚に成功した時、手札からドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

 

 

ドッペル・ウォリアー

効果モンスター

星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

(1):自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

 

「レベル2のドッペル・ウォリアーとレベル2扱いのチューニング・サポーターにレベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!レベル8 飛翔せよ スターダスト・ドラゴン!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

二体のスターダストが対峙する。お互いをにらみ合い、咆哮によって威嚇し合うもお互いの力は互角である。

 

「チューニング・サポーターの効果によりカードを一枚ドロー。そしてドッペル・ウォリアーの効果によりドッペル・トークンを二体特殊召喚!」

「攻撃力は互角。しかしお前のスターダスト・ドラゴンは戦闘による破壊には耐性がない。攻撃するか?フフン。」

「俺は手札からレベル・スティーラーを墓地に送りクイック・シンクロンを特殊召喚!」

 

 

 

クイック・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、

「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚できる。

 

 

レベル・スティーラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「レベル・スティーラーの効果によりクイック・シンクロンのレベルを一つ下げ特殊召喚!レベル1のドッペル・トークンにレベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!レベル5 いでよ、ジャンク・ウォリアー!」

 

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動する。

このカードの攻撃力は、自分フィールドのレベル2以下の

モンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

 

「ジャンク・ウォリアー…!二体目のシンクロだと!?」

「ジャンク・ウォリアーの効果によりドッペル・トークンとレベル・スティーラーの攻撃力の合計である1000分攻撃力をアップ!パワー・オブ・フェローズ!」

「攻撃力3300!?」

「バトル!ジャンク・ウォリアーで閃珖竜 スターダストを攻撃!スクラップ・フィスト!」

「スターダストの効果発動!波動音壁!」

「だがダメージは受けてもらう!」

 

トレードLP4000→3200

 

「俺がいきなりダメージだと…!?」

「自分のしたい決闘をしないやつに俺は負けられない。」

「自分のしたい決闘をしないやつに負けられないだと…?生ぬるいやつめ…!遊那の言う通りにしておけば間違いはない!」

「なぜそんなにお前は自由を拒む?」

「生まれてきた環境…とでもいうしかないだろう。お前のような”恵まれた”生活はしてこなくてな。」

「恵まれているだと…?」

「したい決闘が今までできる環境にいたからそんなことを言えるんだよ!」

「俺が恵まれている…か…。フッ。」

「何がおかしい!」

 

トレードは激怒する。

 

「いや、それは決闘で語り合うしかない。カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □□□□□

 ■      ■ トレードLP3200 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ●●●●○

 □      □ 遊星LP4000 手札0

  □□■□□




プラチナム・アクエリアス
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻1700/守 800
【Pスケール:青2/赤2】
(1):自分フィールド上のSモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。
【モンスター効果】
(1):このモンスターが召喚に成功した時、デッキからプラチナム・アクエリアス以外の「プラチナム」と名の付いた水属性モンスターを1体特殊召喚できる。


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第四十八話「自由を望むもの」

「決闘で語るだと?お前に言うことなど何もない!プロンは我々レクシブ時空の傘下になればいい話だ!俺のターン、ドロー!俺はプラチナム・アクエリアスを召喚!プラチナム・アクエリアスの効果発動!召喚に成功した時、デッキからこのモンスター以外のプラチナム水属性モンスターを1体特殊召喚できる。現れろ、プラチナム・ピスケス!」

「再び出たか…。」

「プラチナム・スコルピオのペンデュラム効果!1ターンに一度、自分または相手のフィールドに存在するチューナー以外のモンスターを選択しそのモンスターのレベルをこのターンのエンドフェイズ時まで1にする。プラチナム・アクエリアスを選択!」

「これはさっきと同じ状況!」

「レベル8の閃珖竜(せんこうりゅう) スターダストとレベル1となったプラチナム・アクエリアスにレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!星々の導きにより現れし加速する精霊よ 今こそその力示し我の世界に現れよ!シンクロ召喚!レベル11 閃珖竜 スターダスト・プラチナム!」

 

白金の鎧を纏ったスターダストが姿を現す。

 

「閃珖竜 スターダスト・プラチナムの効果を発動!墓地に存在する『プラチナム』モンスターを除外し相手フィールド上の攻撃力2000以下のモンスターを1体選択し発動!俺はピスケスを除外しレベル・スティーラーを選択!」

 

 

 

レベル・スティーラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「なんだ!?」

 

スターダスト・プラチナムは光のロープなようなものを出し、レベル・スティーラーを拘束した。

 

「選択したモンスターを墓地へ送り、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力分、スターダスト・プラチナムの攻撃力をあげる!」

「スターダスト・プラチナムの攻撃力は3000…レベル・スティーラーが墓地に送られその攻撃力が加わるということは3600になったということか!」

「バトル!ドッペル・トークンを攻撃!」

 

攻撃力が400のドッペル・トークンは攻撃表示のままである。遊星に大ダメージが与えられた。

 

遊星LP4000→800

 

遊星号は大きく揺れスピンする。だが遊星のテクニックによってなんとか立て直す。

 

「く…これは!」

決闘竜(デュエル・ドラゴン)の力ならば実際にダメージを与えることも可能。残り800を削る方が早いか、D ホイールを転倒させる方が早いか…楽しみだなぁ、遊星!」

「これも遊那の指示か…?」

「あぁ、ライフを削るよりもそっちの方が手っ取り早いってな。」

「…。」

「カードを二枚セットしターンエンド。これでスターダスト・プラチナムの攻撃力は元の3000に戻る。」

 

 

 

  □■■□□

 ■      ■ トレードLP3200 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●●○

 □      □ 遊星LP 800 手札0

  □□■□□

 

「俺のターン、ドロー!俺は永続罠 エンジェル・リフトを発動!」

 

 

 

エンジェル・リフト

永続罠

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

 

 

「チューニング・サポーターを特殊召喚!」

 

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

(1):フィールドのこのカードをS素材とする場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「さらに手札からジェット・シンクロンを召喚!」

 

 

 

ジェット・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/炎属性/機械族/攻 500/守 0

「ジェット・シンクロン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。

(2):このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「レベル1のチューニング・サポーターにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!集いし願いが新たな速度の地平へ誘いざなう。光さす道となれ!シンクロ召喚!希望の力 レベル2、シンクロチューナー フォーミュラ・シンクロン!」

 

 

 

フォーミュラ・シンクロン

シンクロ・チューナー・効果モンスター(準制限カード)

星2/光属性/機械族/攻 200/守1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体

(1):このカードがS召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから1枚ドローする。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 

 

「シンクロチューナーだと!?」

「ジェット・シンクロンの効果発動!デッキからジャンク・ジャイアントを手札に加える!」

 

 

 

ジャンク・ジャイアント

効果モンスター

星6/地属性/機械族/攻2000/守2400

(1):相手フィールドにレベル5以上のモンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードを素材としたS召喚は無効化されず、

そのS召喚成功時に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

 

 

 

「そしてフォーミュラ・シンクロンの効果によりカードを一枚ドロー!さぁ行くぞ、トレード。自由を望んだ俺の決闘(デュエル)、見せてやる!」

「自由を望んだ…?」

「クリアマインド!レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2シンクロチューナー フォーミュラ・シンクロンをチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロォォ!」

 

遊星は赤い光の中に消える。

 

「消えた!?」

 

その瞬間、トレードが走るD ホイールの背後から遊星は姿を現した。

 

「生来せよ レベル10 シューティング・スター・ドラゴン!」

 

 

 

シューティング・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500

シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」

以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。

●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。

このターンこのカードはその中のチューナーの数まで

1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。

●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、

その効果を無効にし破壊する事ができる。

●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、

相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。

エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

「さらにジャンク・ジャイアントを特殊召喚!そして手札からネクロ・ディフェンダーを墓地に送りジェット・シンクロンを特殊召喚!」

「まだシンクロをするつもりか!」

「レベル1のレベル・スティーラーとレベル6のジャンク・ジャイアントにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!集いし自由の象徴が新たな世界の鍵を掴む!光さす道となれ!シンクロ召喚!レベル8 スターダスト・エイド!」

 

光り輝くガントレットが遊星のフィールドに現れた。

 

「さぁかかってこい!」

「スターダスト・エイドの効果発動!このカードをシューティング・スター・ドラゴンに装備する!」

「なんだと…?」

「そしてシューティング・スター・ドラゴンの効果!カードを五枚引きチューナーの数だけ攻撃できる!」

 

遊星は五枚カードをひいた。その中にあったチューナーはターボ・シンクロンとジャンク・シンクロンの二枚だけである。

 

 

 

ターボ・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/風属性/機械族/攻 100/守 500

(1):このカードが攻撃表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。

攻撃対象モンスターを守備表示にする。

(2):このカードの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力のモンスター1体を手札から特殊召喚する。

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

「…行くぞ!シューティング・スター・ドラゴンで閃珖竜 スターダスト・プラチナムを攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

 

シューティング・スター・ドラゴンは左手で閃珖竜 スターダスト・プラチナムを攻撃する。

 

トレードLP3200→2900

 

「閃珖竜 スターダスト・プラチナムの効果発動!自分フィールドに存在するカードを墓地に送ることで破壊を無効にする!セットカードを一枚墓地へ送り破壊を無効!残念だったな!」

「シューティング・スター・ドラゴンに装備されたスターダスト・エイドの効果発動!相手フィールド上にモンスターが存在する限り、このカードを装備したモンスターはもう一度攻撃することが出来る!行け!スターダスト・ミラージュ!」

「セットカードを墓地へ!」

 

トレードLP2900→2600

 

「まだだ!スターダスト・エイドの効果!」

「ま…まさかモンスターが俺の場に存在する限り永遠にバトルを!?」

「その通りだ。ペンデュラムゾーン置かれたカードは墓地へは行かずエクストラデッキに行く…だったな。それならばスターダスト・プラチナムの効果は使えない。」

「く…!ならば罠発動!プラチナム・ノヴァ!スターダスト・プラチナムをリリースし、シューティング・スター・ドラゴンを破壊する。その後シューティング・スター・ドラゴンの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!終わりだ!!」

 

だが遊星は一切動揺せずシューティング・スター・ドラゴンの効果を発動する。

 

「フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、その効果を無効にし破壊する!よってプラチナム・ノヴァの効果は無効となる!」

「だ…だがこれで俺のフィールドにはモンスターはいなくなった。スターダスト・エイドの効果は発動しない!」

「忘れたのか?俺はシューティング・スター・ドラゴンの効果も発動していたぜ。」

「シューティング・スター・ドラゴンの効果だと…?…!!」

 

遊星は二体のチューナーをひいている。よってシューティング・スター・ドラゴンはもう一度攻撃できる。

 

「行け!最後のスターダスト・ミラージュ!!」

 

シューティング・スター・ドラゴンの突進がトレードを襲う。トレードのD ホイールはスピンしなんとか停止した。

 

トレードLP3200→0

 

遊星号も止まり、トレードの近くまで遊星はいった。

 

「まさかこの俺が…」

「…お前は弱い、この街の誰よりもな。」

「…!ふざけるな!俺はコモンズのキングとなる男だったほどだぞ!」

「いいや、自分のしたい決闘をしないやつに俺たちは屈しない。お前は弱いよ。」

「…。」

 

しばらくしてトレードの体が光始める。

 

「なんだこれは!?」

「強制帰還装置だ。俺たちのデュエルディスクにはプロンの決闘者(デュエリスト)に敗北した時、ある一定の時間後レクシブ時空にある俺たちのアジトに強制的に帰還するシステムが仕組まれている。」

「だからピースキラーズは消えたと十代さんが言っていたのか…。」

「次こそは必ずお前を倒す!!」

 

そういうとトレードとトレードのD ホイールは消えた。それと同時にアーククレイドル型のハイクラスのアジトがゴゴゴという音と共に上昇を始める。

 

「おい、この音は何だ!?」

 

ツクナがいた方向を見るがそこにはもうツクナはいない。

 

『クリ!クリクリ!』

「あぁ、ハネクリボー。みんなのところに戻ろう!」

 

遊星は先ほどの部屋まで走る。アキはまだ意識が戻らなかったが、他の者たちは動くことが出来たため、D ホイールを走らせた。

 

「クロウがまだ来ていない。クロウが来るはずの道から帰ろう!」

 

D ホイールを走らせてしばらくするとクロウが倒れているところに着いた。ブラック・バードを牽引し、クロウは遊星号の後ろに乗せ再び走り始めた。出口を出るとそこには闇遊戯が立っており、その周りには敵は一人もいなかった。

 

「敵はすべて倒したぜ。それでこの振動はどういうことなんだ?」

「わかりませんがこの基地は上に向かっています。遊戯さん、すぐに脱出しましょう!」

「あぁ!」

『バイクの運転なら僕に任せてよ!もう一人の僕!』

「任せるぜ。」

 

闇遊戯から遊戯に代わると全員で下に見える虹の橋 ビフレストに飛んだ。ブラック・バードは一部故障したもののメンバーは全員無傷であり、遊星たちはネオ童実野シティに帰っていくのであった。

 

 

 

 

 

「あーあ、トレードは負けてしまったね。ツクナ。」

『レクシブ時空に帰ったわ、遊那。』

 

遊那の元にツクナから通信が入った。

 

「どうするつもり?」

「このアジトごとまた戻るにはエネルギーが足りないわ。」

「ならこっちの…アストラル世界のアジト、第一アジトに準備が出来次第来なさい。トレードは…最後にもう一度チャンスをあげると言っておいて。」

『わかったわ。』

 

そう言うと通信は切れた。

 

「九十九遊馬…彼を倒すことで私の中のプロンヌメロンコードは使えるようになるはず…そうすれば…フフ。最後の晩餐(コムニオ)で倒すとするか…。」

 

遊那はそういうと奥の部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

時は遡りトロン一家の飛行船。海馬はかなりイライラしていた。

 

「まだつかんのか!遊星たちは次元を超える際、そこまでの時間はかからなかったと言っていたぞ!」

「彼らの力は人知を超えるものだ。この船は人の技術で作られたもの。まだ時間はかかるぞ。」

 

(ブイ)は冷静に海馬の質問に答える。

 

「早くしろ!」

「まぁまぁ海馬社長、落ち着こうぜ!」

 

十代は海馬をなだめるもむしろ逆効果であった。

 

「黙れ!」

『十代、こいつふっ飛ばして気絶させとくか?』

「なーに言ってんだ、ユベル。にしても確かに退屈だなぁ…。Ⅴ、なんか面白い話してくれよ~!」

 

Ⅴはしばらく腕を組み考えると

 

「そうだな、面白い話ではないが知っていてほしいことはある。」

 

と言った。

 

「?」

「俺たちの次元とアストラル世界にて何が起きたのか…それを知っていてもらいたい。」

「ほう、今まで散々秘密にしていたことをついに貴様が話すというのか。いいだろう、聞いてやる。話せ。」

 

海馬は落ち着き、コーヒーを飲みながら椅子に着いた。

 

「わかった、あれはアストラルはヌメロンコードを使ってからしばらくした時期だった…。」

 

Ⅴはついに自分たちに起きた出来事を話し始めたのであった。




スターダスト・エイド
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻1500/守 500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてレベル8以上のモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。
(2):相手フィールド上にモンスターが存在する限り、このカードを装備したモンスターはもう一度攻撃することが出来る。
(3):相手のターンのエンドフェイズ時、このカードを装備したモンスターを破壊する。その後そのモンスターの攻撃力分のダメージを受ける。


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アストラル世界編
第四十九話「一番大事なものを取り戻しに」


観月小鳥は九十九遊馬の手を握りながら言った。

 

「さぁ取り戻しに行くんでしょ?一番大事なものを。」

 

遊馬は小鳥が直前に言った告白のようなものは一先ず置いておき、いつも通りのように宣言する。

 

「おう!かっとビングだ 俺!」

 

遊馬たちは今アストラル世界に向けて飛んでいる。彼の周りには小鳥、神代凌牙、天城カイト、そしてかつては敵であったトロン一家、バリアン七皇が仲間としてともに戦おうとしている。「誰でもいい心と悪い心が戦っている。だがそこから逃げ出さなければ誰とでもわかりあえる。」遊馬もアストラルと同じ考えであった。遊馬は今までの戦いでそれを証明し続けた。今回の戦いもそうなると遊馬たちは考えていた。この時までは。

 

 

 

 

 

遊馬たちは空に浮かんでいたトロンが作った異次元トンネルを潜り、アストラル世界にたどり着いた。前来た時と同じように美しい青に囲まれたところもあれば赤く黒ずんだカオスに満ち溢れた元バリアン世界の土地もある。しかし不思議とその二種類の共存した世界は嫌な感じはしない。全員はかつて遊馬とアストラル世界の代表 エリファスが戦った建物にたどり着いた。

 

「ここに俺の知り合いがいるはずなんだ!きっとアストラルも!」

 

遊馬は建物の中に駆けていった。するとそこには遊馬が助けたエナが立っていた。

 

「久しぶりね、遊馬。」

「エナ!アストラルはどこにいるんだ?俺はやく会いてえよ!」

「それはエリファスが話してくれるはず。上に行けばエリファスがいるわ。」

 

遊馬たちはエリファスの元に足を運んだ。

 

「エリファス!」

「九十九遊馬…!よく来てくれた。」

「トロンたちが俺をここに連れてきてくれたんだ!」

「人間の技術力も大したものだ…。それよりもアストラルはもうすでに敵の本拠地に向かている。あれが見えるか?」

 

エリファスが指した指の先には大きな手の形をした暗雲が浮遊していた。エリファス曰くその中心に敵の移動要塞がある。

 

「敵?敵って誰のことだ?俺たちバリアン七皇がいなくなった今、元バリアン世界の住民がお前たちアストラル世界の住民を傷つけることなんてあるわけがないぜ。」

 

凌牙がエリファスに敵の正体を聞く。

 

「君は元バリアン世界のナッシュか。協力感謝する。敵の正体か…。正直私もまだきちんとは分かっていない。」

「なんだって?」

「だがアストラル世界とバリアン世界の融合に次元の集合体ともいえる時空に歪みが生じた。その歪みのスキをついて他の時空から敵が来た…というのが私の仮説だ。」

「ど…どういう意味だぁ??」

 

混乱する遊馬を押しのけてトロンと(ブイ)が前に出る。

 

「ならば敵の正体、並びにデータ収集は我々が行おう。」

「アストラル世界の技術を私たちに教えてもらえるだろうか。今こそ私たちが動くとき…!」

「私もお手伝いさせていただきます!」

 

エナとトロン、Ⅴ、オービタル7は奥の部屋に向かった。

 

「ならば俺たちはその敵とやらを撃退しなくてならないな。」

「カイト、今回は俺の銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)が活躍させてもらうぞ。」

「お前は俺に負けているだろう。俺の銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)の方が優秀だ。」

 

カイトとミザエルが言い合いを始める。その間にドルベが入った。

 

「まぁまぁ、ミザエル。私たちのオーバーハンドレッドナンバーズであったカードたちはナンバーズがら解放され、通常通り使えるようになったのだ。それを喜び共に手を取り合って戦おう。」

「さすがドルベね。『共に手を取り戦う』のよ?ベクター?」

 

ベクターの方を見ながら璃緒が言う。

 

「へ、しつこい女だぜ。久しぶりに暴れられるんだ。とことん良からぬことをさせてもらうぜ!」

「さて、では詳しい作戦を言わせてもらおう。」

 

エリファスがアストラル世界の地図を空中に出現させる。その地図には所々に×印がつけられていた。

 

「あの暗雲の中から部隊が少しずつ出ている。そしてこの印のところに着地しているのだ。まずこの×印のところに数名が行き、撃退してもらう。」

「よっしゃあ!なら俺はここから一番近いところに行かせてもらうぜ!じゃあな!!」

 

アリトはそう言うとバルコニーから飛び降りて出ていった。

 

「あ、おい!アリト!待てって!」

 

ギラグもアリトに着いていく。

 

「…大丈夫か?」

「一応決闘(デュエル)の腕は立つ。気にしないでくれ。」

 

凌牙は呆れながらエリファスに言った。

 

「ではほかのポイントに行ってもらうのは…」

 

割り振りとしていくつかの×印を(フォー)(スリー)、璃緒、ベクター、ドルベ、ミザエルが周ることになった。

 

「じゃあ俺たちは?」

「遊馬、君と凌牙、カイトにはあの暗雲の中の移動要塞に向かったアストラルの援護を頼みたい。アストラルのことだ、もうすでに内部に入っているだろう。」

「よっしゃ!シャーク!カイト!行こうぜ!」

「おう。」

「あぁ。」

「えっと…私は…。」

 

小鳥はオドオドとしている。

 

「小鳥、ここでエリファスと待っててくれ。」

「やだ!私も行く!」

「ここなら安全なんだ、そうだろエリファス?」

「勿論だ。我が友人の遊馬の友だ。命に賭けて守ろう。」

「頼む、ここで待っててくれ。必ずアストラルと一緒に帰ってくるからよ!」

「…わかった。」

 

こうして遊馬たちはそれぞれの持ち場に向かうこととなった。

 

 

 

 

 

「雲の下には来たけどよ…これどうやって上まで上がるんだ??」

 

遊馬は上を見上げながらポカンとしている。

 

「オービタルもデータ解析でいないから空も飛べないしな…。」

「俺のバリアルフォーゼで身体能力をあげてもあそこまではいけないな。」

『聞こえるか、遊馬。』

 

突然遊馬のD ゲイザーから声がした。

 

「うぉ!なんだ、Ⅴか。どうしたんだ?」

『雲の中に入れなくて困っているんだろう?今先ほどの浮遊する力をD パットを通して転送する。短い時間ではあるが雲の中に入るには十分なはずだ。』

「サンキュー!Ⅴ!さすがだぜ!」

 

三人は浮遊を始める。すると雲の中からデュエルディスクを装備した集団が現れる。

 

「あいつらが敵か!」

「く…ここで邪魔されれば雲の中に入れねえ!」

「遊馬、凌牙。お前たちは先に行け!」

「カイト!?」

「俺があいつらを引き付ける!」

「行くぞ!遊馬!」

「く…すまねえ、カイト!助かるぜ!」

 

カイトはその集団に向かって飛んでいった。

 

「デュエルモード フォトン・チェンジ!」

 

カイトの腕にデュエルディスクが取り付く。

 

「さぁ狩らせてもらおう!お前たちの心の闇を!」

 

カイトはまっすぐその集団に突っ込み、決闘を始めるのであった。

 

 

 

 

 

遊馬と凌牙は雲の内部に入った。雲の中は鉄で出来た階段が取り付けられており、浮遊する力を失った二人はその階段を上がっていく。数分もしないうちに巨大な移動要塞が二人の目の前に現れた。

 

「なんだ…この技術力は…!」

「すっげえでけえな…。」

「当然!我々レクシブ時空はお前らプロン時空の上を行っているからな!」

 

遊馬たちが歩いてきた方向とは別の方向から声がする。そこから青くぼさぼさの髪をした男が姿を現す。

 

「なんだ、てめえは?」

「俺はレクシブ時空ハイクラスの一人 シリョウ。お前らがここに侵入してきたって遊那が言ってたからわざわざ来てやったんだ。」

「遊那?誰だそれ?」

「遊馬、そんなことは今はどうでもいい…。とりあえずお前は先に行け、アストラルを助けるんだ。」

「いいのか?」

「早く行け!」

 

凌牙に押され、遊馬は移動要塞の中に入る。一方のシリョウは全くそれを邪魔しようとはしない。

 

「あーあ、入っちゃった。ヘッヘ。」

「俺たちが要塞に入るのを止めに来たんじゃねえのか?」

「一応そう言われたけどよ…決闘する方が…ヘヘヘ、興奮するじゃねえかぁぁ!」

「…頭おかしいのか?」

「さぁ始めようぜぇぇ!」

「デュエルディスクセット!D ゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!」

 

「ARヴィジョン リンク完了。」

 

「「決闘!!」」

 

「鮫は獲物を速攻で食らう!俺が先行だ!俺はセイバー・シャークを召喚!」

 

 

 

セイバー・シャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1600/守1200

このカードはシンクロ素材にできない。

自分のメインフェイズ時に、フィールド上の魚族モンスター1体を選択し、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

この効果は1ターンに2度まで使用できる。

この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。

●選択したモンスターのレベルを1つ上げる。

●選択したモンスターのレベルを1つ下げる。

 

 

 

「さらに手札からシャーク・サッカーを特殊召喚!」

 

 

 

シャーク・サッカー

効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻 200/守1000

自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードはシンクロ素材とする事はできない。

 

 

 

「さらにもう一体のシャーク・サッカーを特殊召喚!そしてセイバー・シャークの効果発動!二体のシャーク・サッカーのレベルを1ずつ上げる!」

「レベル4のモンスターが3体?」

「あわてんなって。俺はレベル4となったシャーク・サッカー二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!吠えろ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わせ!!エクシーズ召喚!ランク4 バハムート・シャーク!」

 

 

 

バハムート・シャーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100

水属性レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

このターンこのカードは攻撃できない。

 

 

 

バハムート・シャークが凌牙のフィールドに現れた。そらにバハムート・シャークの効果を使用する。

 

「オーバーレイユニットを一つ取り除き水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する!来い、潜航母艦エアロ・シャーク!」

「オーバーレイユニットのないエクシーズモンスターに何の意味が…」

「エアロ・シャークはフルアーマード召喚の材料にすぎん。」

「フルアーマード召喚?」

「ランク3のエアロ・シャークでオーバーレイ・ネットワークを再構築!フルアーマード・エクシーズチェンジ!現れろ!ランク4 FA(フルアーマード)-ブラック・レイ・ランサー!」

 

 

 

FA-ブラック・レイ・ランサー

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/獣戦士族/攻2100/守 600

水属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材の無い

水属性・ランク3のエクシーズモンスターの上に

このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×200ポイントアップする。

フィールド上のこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカードのエクシーズ素材を全て取り除く事ができる。

また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。

 

 

 

「ほーう…おもしれえ!」

「まだだ!バハムート・シャークとFA-ブラック・レイ・ランサーのオーバーレイユニットを一つずつ取り除き、エクシーズ・リモーラを特殊召喚!」

 

 

 

エクシーズ・リモーラ

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻 800/守 800

このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、

手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚に成功した時、

自分の墓地の魚族・レベル4モンスター2体を選択して

表側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、

効果は無効化され、表示形式の変更もできない。

また、この効果で特殊召喚したモンスターをエクシーズ素材とする場合、

水属性モンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。

 

 

 

「レベル4のセイバー・シャークとエクシーズ・リモーラでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!現れろ!二体目のバハムート・シャーク!」

 

そして再び効果を使うことでエアロ・シャークを特殊召喚。その後フルアーマード・エクシーズチェンジで二体目のFA-ブラック・レイ・ランサーが現れる。こうしてオーバーレイユニットのないバハムート・シャーク、FA-ブラック・レイ・ランサーと一つずつオーバーレイユニットがあるバハムート・シャーク、FA-ブラック・レイ・ランサーとそれぞれ二体ずつモンスターが並んだ。

 

「どうだ、これが鮫の怒涛の動き!次のターンで変えてみろ!カードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 凌牙LP4000 手札0

  ○●●●● □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー。俺はスケール6のマダラス・ナイフとスケール10のマダラス・チェーンソウでペンデュラムスケールをセッティング。」

「ペンデュラム?なんだそれは。」

「フフ…カードを四枚セットしターンエンド。」

「なに!?」

 

 

  □□■□□

 □      □ 凌牙LP4000 手札0

  ○●●●● □

 

□ ○○○○○

 ■      ■ シリョウLP4000 手札0

  ■■■■□

 

 

「何考えてやがる?しかもペンデュラムとはなんだ?」

「いいから早く決闘を続けろ、ヘヘヘ。」

「俺のターン…ドロー!そしてそのままバトルだ!素材のないFA-ブラック・レイ・ランサーで攻撃!」

「永続罠 発動!マダラス・ジャック!このカードは発動後モンスターカードとなり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する!」

 

毒ガスのようなものが発動した罠カードから溢れ、やがてそれは人間の姿を象った。

「だがモンスター化したマダラス・ジャックの攻撃力は1800、FA-ブラック・レイ・ランサーには勝てない!そのままやれ、FA-ブラック・レイ・ランサー!」

「マダラス・ナイフのペンデュラム効果発動!このカードをマダラス・ジャックに装備し、攻撃力を800あげる!」

「なに!?じゃあマダラス・ジャックの攻撃力は2600!FA-ブラック・レイ・ランサーを上回る…!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサーの攻撃は止まらず、ナイフを手にしたマラダス・ジャックによって切り裂かれる。

 

凌牙LP4000→3500

 

「ちぃ…なら素材のないバハムート・シャークで攻撃!これなら相打ちには持っていける!」

 

凌牙の読み通り、マダラス・ジャックは相打ちになりバハムート・シャークと共に破壊された。

 

「行け!攻撃力2300となっているFA-ブラック・レイ・ランサーでダイレクトアタック!ブラック・ブライト・スピアー!」

 

シリョウLP4000→1700

 

「これで終わりだ!バハムート・シャークでダイレクトアタック!ゴッド・ボイス!」

「永続罠発動!マダラス・ジェイソン!このカードも発動後モンスターカードとなり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する!」

「また罠モンスターだと!?」

「俺のデッキは罠モンスターとペンデュラムカードでほとんどを構成されていてね…いやぁ相手が驚く顔を見ると興奮し…すべて叩きのめしたくなるぅ!マダラス・ジェイソンの攻撃力は自分のライフと同じになる。ただし自分のライフが2000以上の時ははつどうできないがな。」

 

凌牙は考えていた。「く…また何かしてくるのか…しかしこのままなにもしないでは対策が打てない…。ここは攻撃するまでだぜ!」

 

「バトル!マダラス・ジェイソンに攻撃だ!」

「マダラス・チェーンソウのペンデュラム効果!このカードを装備し攻撃力を1000ポイントアップ!」

「攻撃力は2700!?」

 

凌牙LP3500→3400

 

「く…FA-ブラック・レイ・ランサーを残して残りは全滅だと…!?だがただではやられねえのが鮫の流儀だ。手札からダブルフィン・シャークを召喚!」

 

 

 

ダブルフィン・シャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1000/守1200

このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地からレベル3またはレベル4の

魚族・水属性モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。

 

 

 

「効果により墓地のセイバー・シャークを特殊召喚!」

「レベル4のモンスターが二体…。」

「行くぞ、俺の本気を見せてやる!バリアルフォーゼ!」

 

凌牙の肉体がバリアン化し、ナッシュとなった。

 

「バリアン七皇のリーダー ナッシュとしてお前を倒す!レベル4のダブルフィン・シャークとセイバー・シャークでオーバーレイ・ネットワークを構築!現れろ!満たされぬ魂を乗せた方舟よ。光届かぬ深淵より浮上せよ!S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)!」

 

ナッシュのエースモンスターでありオーバーハンドレッドナンバーズから解放された悲しみの箱舟 S・H・Ark Knightが姿を現した。




マダラス・ジャック
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻1800/守400)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(2):戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時発動できる。デッキから「マダラス」と名の付いた永続罠またはPモンスター1枚を手札に加える。


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第五十話「遊馬VSキッド」

S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)の効果発動!カオスオーバーレイユニットを2つ取り除き、相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する特殊召喚されたモンスター1体をこのモンスターのカオスオーバーレイユニットにする!エターナル・ソウル・アサイラム!」

 

シリョウのフィールドに存在する罠モンスター マダラス・ジェイソンを吸収した。

 

「これでお前のフィールドはガラ空きだぜ!バトル!攻撃力2300のFA(フルアーマード)-ブラック・レイ・ランサーで攻撃!」

 

 

 

FA-ブラック・レイ・ランサー

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/獣戦士族/攻2100/守 600

水属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材の無い

水属性・ランク3のエクシーズモンスターの上に

このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×200ポイントアップする。

フィールド上のこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカードのエクシーズ素材を全て取り除く事ができる。

また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。

 

 

 

「永続罠発動!マダラス・フレディ!こいつも罠モンスターでね、守備表示で特殊召喚!」

「やれ!ブラック・ブライト・スピアー!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサーの攻撃によって赤と黒のツートンのマダラス・フレディは破壊された。

 

「FA-ブラック・レイ・ランサーの効果発動!セットカードを破壊!」

「ではこちらも発動させてもらう!表側になっているマダラス・フレディが破壊され墓地に送られた時、カードを一枚ドローする。」

「そんな余裕はねえぜ!まだS・H・Ark Knightの攻撃が残っている!お前のフィールドには何もカードはねえ、終わりだ!ダイレクトアタック!ミリオン・ファントム・フラッド!」

 

S・H・Ark Knightの攻撃が奇妙な笑みを浮かべるシリョウに向けて撃たれた。衝撃によって辺りは一瞬見えなくなるが、ナッシュはシリョウが攻撃を受けてもなお立っていることに気が付く。

 

「なぜ立っていられる!?」

「お前がさっきFA-ブラック・レイ・ランサーの効果で破壊してくれた永続罠 マダラス・ブギーマンの効果がすでに発動されていた。このカードを墓地から除外することでダメージを無効にするのだぁ…フフフ。」

「く…ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ ナッシュLP3400 手札0

  ○●●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP1700 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール6のマダラス・クローとスケール10のマダラス・ロープでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル7から9のモンスターが同時に召喚可能!」

「何!?」

「現れろ!俺のモンスター共!エクストラデッキよりマダラス・ナイフ、マダラス・チェーンソウ!」

 

先ほどまでペンデュラムゾーンと魔法 罠ゾーンに置かれていた二体のモンスターがシリョウのフィールドに現れた。

 

「レベル7のモンスターが二体同時に召喚だと!?」

「俺はレベル7のマダラス・ナイフとマダラス・チェーンソウでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク7 クルーエル・マダラス・ウェポン!」

 

様々な狂気が合わさったような大きなモンスターが現れる。モンスターのあらゆる所には赤い斑点が付いているがそれはまるで凶器にこべりついた血のようであった。

 

「クルーエル・マダラス・ウェポンの効果発動!オーバーレイユニットを二つ取り除くことで相手フィールド上のモンスターを選択しそのモンスターのコントロールを奪う!俺はFA-ブラック・レイ・ランサーを選択!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサーはクルーエル・マダラス・ウェポンから放たれたロープによって捕獲され、シリョウのフィールドに引きずられた。そしてそのロープはFA-ブラック・レイ・ランサーに絡まり、寄生した。

 

「そしてクルーエル・マダラス・ウェポンを選択したモンスターに装備する。」

「く…俺のモンスターを…。」

「そしてクルーエル・マダラス・ウェポンが装備されたモンスターは攻撃力が1500ポイントアップし、二度攻撃できる。」

「何!?」

「FA-ブラック・レイ・ランサーのオーバーレイユニットは一つ。よって2300の攻撃力。そしてクルーエル・マダラス・ウェポンの効果により3800となる!」

「3800で攻撃力2100のS・H・Ark Knightが二度攻撃されればちょうど3400のダメージで俺は負ける…!」

「バトル!FA-ブラック・レイ・ランサーでS・H・Ark Knightを攻撃!」

「速攻魔法発動!RUM(ランクアップマジック)-クイック・カオス!」

 

 

 

RUM-クイック・カオス

速攻魔法

(1):「CNo.」モンスター以外の自分フィールドの「No.」Xモンスター1体を対象として発動できる。

その自分のモンスターよりランクが1つ高く、同じ「No.」の数字を持つ「CNo.」モンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてエクストラデッキからX召喚する。

 

 

 

「貴様は先ほどS・H・Ark Knightはオーバーハンドレッドナンバーズの呪縛から解放されたと言っていなかったか?」

「…確かに呪縛からは解放されたがナンバーズ扱いとなる効果がある。一度染みついたシミが取れないようにナンバーズの呪縛も簡単には完全には解放されないということであろう。モンスター1体でオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!」

 

S・H・Ark Knightはブラックホールのような空間に一度入り、その後新たな姿で出現する。

 

「現れろ、満たされぬ魂の守護者よ、暗黒の騎士となって光を砕け! S・H・Dark Knight(サイレント・オナーズ・ダーク・ナイト)!」

 

攻撃力2800のS・H・Dark Knightが現れた。

 

「たとえDark Knightが破壊されたとしてもライフが回復し、俺のライフは残る。ライフの少ないお前を倒す可能性はまだ残っている!」

「いや~、いうの忘れてたけどよ、二度攻撃以外の効果がまだあってだなぁ…!」

「何!?」

「二度の攻撃を放棄し、ダイレクトアタックが出来る!行け、FA-ブラック・レイ・ランサー!ブラック・ブライト・スピアー!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサーの槍がナッシュを攻撃した。

 

ナッシュLP3400→0

 

ナッシュの姿は凌牙の姿に戻り、暗雲から落下する。D パットのデータから(ブイ)は近くにいたベクターに通信を飛ばす。

 

『ベクター!君の近くに凌牙が落下する!彼を助けてやってくれ!』

 

ベクターは溜息をつき、動こうとしない。

 

『ベクター!!』

「…分かってるよ!」

 

ベクターはバリアルフォーゼし、バリアン化した。そしてかなりの跳躍力で飛び、気絶する凌牙を抱えた。

 

「まさか俺様がこいつを助けることになるとはよ…。」

 

 

 

 

 

遊馬は足を進める。すると彼の前に赤髪で左目が隠れた青年が現れた。

 

「誰だ!?」

「俺はハイクラスの一人 キッド・プライスター。すまないがここを通すわけにはいかない。」

「アストラル…アストラルはどこだ!?」

「今遊那と戦っている。」

「遊那…!俺はここを通らなきゃいけないんだ!」

「なら俺と決闘(デュエル)しろ。」

「決闘…仕方ねえ、行くぜ!デュエルディスク、セット!D ゲイザー セット!デュエルターゲット ロックオン!」

 

「ARヴィジョン リンク 完了。」

 

「「決闘!」」

 

「先行は俺だ。俺はスケール2のPk(ピースキラー)-F()ルーレでペンデュラムスケールをセッティング!」

「ペンデュラム!?」

「Fルーレのペンデュラム効果!もう片方のペンデュラムゾーンにペンデュラムカードが置かれていない場合、デッキからPk-G()レモリーをもう片方のペンデュラムゾーンに置くことが出来る。スケール7のGレモリーをセッティング!これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能!」

「そんな!」

「我が空に現れしは暗黒の星々 今秩序揺るがし降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち。手札よりPk-C()ルソン、Pk-D()モゴル!」

「レベル4のモンスターが同時に二体…!」

「レベル4のPk-CルソンとPk-Dモゴルでオーバーレイ!平和などはまやかし。破壊こそ我らの望みにして正義。何をも掻き消せ、エクシーズ召喚!ランク4 Pk-濃霧のN!」

 

多くの決闘者(デュエリスト)を苦しめてきた濃霧のNが姿を現す。

 

「濃霧のNの効果発動!1ターンに一度、手札のPk通常魔法カードまたは通常罠カードを墓地に送り、デッキからPk永続魔法カードまたは永続罠カードを一枚手札に加える。俺は通常魔法のPk リーチを墓地に送り永続罠 Pk SFX(スペシャルエフェクト)チェンジを手札に加える。カードを1枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ キッドLP4000 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 遊馬LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!ゴブリンドバーグを召喚!」

 

 

 

ゴブリンドバーグ

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1400/守 0

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果を発動した場合、このカードは守備表示になる。

 

 

 

「ゴブリンドバーグの効果によりガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

 

 

ガガガマジシャン

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。

エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。

「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

「そしてゴブリンドバーグの効果により守備表示に変更。」

「レベル4のモンスターが二体…。」

「俺はレベル4のゴブリンドバーグとガガガマジシャンでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4 ガガガガンマン!」

 

 

 

ガガガガンマン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/戦士族/攻1500/守2400

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの表示形式によって以下の効果を適用する。

●攻撃表示:このターン、このカードが

相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、

このカードの攻撃力は1000アップし、

その相手モンスターの攻撃力は500ダウンする。

●守備表示:相手に800ダメージを与える。

 

 

 

ガガガガンマンは攻撃表示で現れる。

 

「ガガガガンマンの効果発動!このモンスターの攻撃力を2500にし、濃霧のNの攻撃力を1500にする!バトル!ガガガガンマンで濃霧のNに攻撃!」

 

ガガガガンマンの銃撃が濃霧のNを打ち取る。

 

キッドLP4000→3000

 

「いきなりこの俺が1000も削り取られるとはな…。」

 

「俺はカードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 ■      ■ キッドLP3000 手札0

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  □□■□□

 

「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード ピースキラー・フュージョンを発動!自分のペンデュラムゾーンで融合召喚する。FルーレとGレモリーで融合!平和などはまやかし。秩序を壊してこその現世なり。すべてを薙ぎ払え、融合召喚!Pk-暗雲のN!」

 

次は暗雲のNが姿を現す。先ほどとは違い今度は出現時の効果が発動する。

 

「このモンスターが融合召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードの枚数だけ相手フィールド上のカードを選んで除外する。俺のフィールドにはセットカードのみ、よって俺はガガガガンマンを除外!」

「そんな!」

「バトル、暗雲のNでプレイヤーにダイレクトアタック!コスモ・ディメンション・エヌ!」

 

遊馬LP4000→2000

 

「そして永続罠発動!Pk SFXチェンジ!自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター、つまり暗雲のNを墓地へ送り融合以外のPkシンクロ、エクシーズモンスターのいずれかを1体、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。平和などはまやかし。戦の中でこそモンスターは唸り生きる。今こそ轟け!レベル7 Pk-獄炎のN!」

 

攻撃力2000の獄炎のNが姿を現す。

 

「攻撃力2000!?」

「これで終わりだ!獄炎のNでダイレクトアタック!コスモ・デストラクション・エヌ!」

 

獄炎のNの最後の攻撃が遊馬を襲おうとしていた。




クルーエル・マダラス・ウェポン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/機械族/攻1500/守2000
レベル7闇属性モンスター×2
(3)の効果は1ターンに1度、発動できる。
(1):エクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールドに存在するモンスター1体を選択することで発動できる。選択したモンスターのコントロールを得る。その後選択したモンスターにこのカードを装備する。
(2):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は1500ポイント上がる。
(3):このカードが装備されているモンスターは以下から1つを選択して発動できる。
●このターン二度攻撃できる。
●このターン直接攻撃できる。


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第五十一話「ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴン」

「手札から虹クリボーの効果発動!」

 

 

 

虹クリボー

効果モンスター

星1/光属性/悪魔族/攻 100/守 100

「虹クリボー」の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度ずつ発動できる。

●相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

このカードを手札から装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。

この効果でこのカードを装備しているモンスターは攻撃できない。

●相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

 

 

「獄炎のNに装備し攻撃を中止させる!ありがとな、虹クリボー!」

『クリクリ!』

「手札からモンスター効果か…。やるな。だが獄炎のNの効果発動!1ターンに一度、相手フィールド上のカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える。お前のフィールドには二枚のカード。よって1000ポイントのダメージだ!」

「うわああ!」

 

遊馬LP2000→1000

 

「ターンエンドだ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ キッドLP3000 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 遊馬LP1000 手札2

  □■■□□

 

 

「…。」

「どうした?」

「頼むよ、キッド…とかいったよな。俺はここを通ってアストラルのところに行かなきゃいけないんだ。」

「…お前名前は?」

「九十九遊馬だけど…。」

「遊馬、悪いが俺もここを通すわけにはいかないと言ったはずだが?」

「く…俺は仲間の命を今背負ってるんだ!お前たちに倒されるわけにはいかねえ!」

「…それはお前だけではないっ!」

 

キッドは珍しく声を荒げた。遊馬もあまり怒る雰囲気のなかったキッドの怒号に驚く。

 

「背負っているものがあるのはお前だけではない…遊馬。苦しくても戦わなければならないことがある、たとえお前たちとの戦いを望まなくてもな。」

「そんなのおかしいじゃねえか!決闘(デュエル)ってのはみんなで楽しくやるものだ!苦しんでやるなんて間違ってる!」

「お前とは分かり合うことが出来なさそうだ。」

「俺はそんなことを言ってたやつらと今共に仲間としてここへ戦いに来ているんだ、お前とも分かり合って見せるぜ!キッド!俺のターン、ドロー!手札から装備魔法 ガガガリベンジを発動!」

 

 

 

ガガガリベンジ

装備魔法

自分の墓地の「ガガガ」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。

このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターを破壊する。

また、装備モンスターがエクシーズ素材になる事によって

このカードが墓地へ送られた時、

自分フィールド上の全てのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。

 

 

 

「ガガガマジシャンを特殊召喚!さらにガガガガールを召喚!」

 

 

 

ガガガマジシャン

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。

エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。

「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

ガガガガール

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守 800

自分フィールド上の「ガガガマジシャン」1体を選択して発動できる。

このカードは選択したモンスターと同じレベルになる。

また、このカードを含む「ガガガ」と名のついたモンスターのみを

素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。

●このエクシーズ召喚に成功した時、

相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力を0にする。

 

 

 

「レベル4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!出でよ ランク4 ガガガザムライ!」

 

 

 

ガガガザムライ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/戦士族/攻1900/守1600

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

自分フィールドの「ガガガ」モンスター1体を対象として発動できる。

このターン、そのモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

(2):このカード以外の自分フィールドのモンスターが

攻撃対象に選択された時に発動できる。

このカードを表側守備表示にし、攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。

 

 

 

「ガガガガールの効果により獄炎のNの攻撃力を0にする!さらにガガガザムライの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き、ガガガザムライは二回攻撃できるようになる!」

「攻撃力1900の二回攻撃…!」

「これで終わりだ!ガガガザムライで攻撃力0の獄炎のNに攻撃!」

 

ガガガザムライが獄炎のNを切りつけようとする。

 

「永続罠 Pk(ピースキラー) SFX(スペシャルエフェクトチェンジ)チェンジの効果発動!自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚された獄炎のNを墓地へ送りシンクロ以外のPk融合、エクシーズモンスターのいずれかを1体、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。」

「まだエクストラデッキにPkモンスターがいるってのか。」

「このカードたちは俺の弟が残したカードたちだ…。」

「弟?」

「現れろ!Pk-O()リアス!」

 

融合モンスター Oリアスが守備表示で姿を現す。現れた瞬間に効果が発動する。

 

「このモンスターが特殊召喚に成功した時、カードをドローしモンスターだった場合、そのカードを除外する。そうじゃない場合はそのカードをセットする。ドロー!」

「…。」

「モンスターではない。カードセット。」

「守備力2000じゃ倒せねえ…なら罠発動!エクシーズ・リボーン!

 

 

 

エクシーズ・リボーン

通常罠

自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

 

 

「ガガガガンマンを守備表示で特殊召喚!」

 

 

 

ガガガガンマン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/戦士族/攻1500/守2400

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの表示形式によって以下の効果を適用する。

●攻撃表示:このターン、このカードが

相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、

このカードの攻撃力は1000アップし、

その相手モンスターの攻撃力は500ダウンする。

●守備表示:相手に800ダメージを与える。

 

 

 

「ガガガガンマンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き800ポイントのダメージを相手に与える!」

 

キッドLP3000→2200

 

「そのためだけに蘇生させたのか?」

「いいや…俺が今までどんな決闘をしてきたのかこのモンスターで見せてやるぜ!俺のフィールドにはランク4のモンスターが二体いる!」

「同じランク…まさか!」

「俺はランク4のガガガザムライとガガガガンマンでオーバーレイネットワークを構築!今こそ現れろ、FNo.(フューチャーナンバーズ)0! 天馬、今ここに解き放たれ、縦横無尽に未来へ走る。これが俺の、天地開闢! 俺の未来! かっとビングだ、俺! 未来皇ホープ!」

 

 

 

FNo.0 未来皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク0/光属性/戦士族/攻 0/守 0

「No.」モンスター以外の同じランクのXモンスター×2

ルール上、このカードのランクは1として扱う。

(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する

お互いの戦闘ダメージは0になる。

(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に発動できる。

その相手モンスターのコントロールをバトルフェイズ終了時まで得る。

(3):フィールドのこのカードが効果で破壊される場合、

代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。

 

 

 

希望皇ホープの未来の姿 未来皇ホープが姿を現した。攻撃力は0。しかし強力な力を秘めている。

 

「決闘すればみんな分かりあえんだ!ターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ キッドLP3000 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 遊馬LP1000 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー。…確かに一つでも俺にミスがあればお前の決闘を理解できたのかもしれないな。」

「わかってくれるのか?」

「”一つでもミスがあれば”だ!!俺は行方不明の弟を探すためにハイクラスに入った!そんな覚悟を持った俺の決闘にミスはない!伏せていた速攻魔法 Pk アウェイキニングを発動!フィールドに存在するSFXチェンジを墓地へ送ることでフィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターを除外しデッキ・墓地からピースキラー・ドラゴンを特殊召喚する!墓地の獄炎のN、濃霧のN、暗雲のNを除外しピースキラー・ドラゴンを特殊召喚ッ!」

 

雷雲が現れるとともにキッドのエース ピースキラー・ドラゴンが姿を現す。

 

「手札から魔法カード Pk-コストパフォーマンス発動!墓地のPkカードを任意の枚数コストゾーンに送る!Pk-C()ルソン、Pk-D()モゴル、Pk リーチ、Pk SFXチェンジ、Pk アウェイキニングをコストゾーンヘ!そしてその枚数×500のダメージを受けるぜ!」

 

キッドLP3000→500

 

「ピースキラー・ドラゴンはエクストラデッキで表側となっているPkカード分攻撃力が上がる!表側になっているカードは2枚。よって攻撃力は2000!」

「でも未来皇ホープはモンスターのバトルでダメージは発生しない!」

「ピースキラー・ドラゴンの第二効果はエクストラデッキに存在するPkカード三枚をコストゾーンに置くことでピースキラー・ドラゴンはこのターン、二回まで戦闘を行うことが出来るというものだ。」

「何度攻撃しても無駄だぜ!」

「バトルフェイズに移行!そしてピースキラー・ドラゴン第三の効果発動!」

「第三の効果!?」

「エクストラデッキで表側となっているPkカードが2枚以下の場合の自分または相手のバトルフェイズ時にこのカードをコストゾーンに送ることでデッキから『ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴン』を特殊召喚できる!」

 

効果を発動した瞬間、キッドの肉体は青白く光り始める。その途中でキッドは意識を失い、ヌメロンコードの力によって暴走を始める。

 

「ゴォォォォォォ!!!!」

「キッド!?」

「現レロ!ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンッッ!!」

 

青白い粒子のようなもので出来た鎧と翼を身につけたヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンが姿を現した。

 

「ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンノ効果ニヨリ、ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンノ攻撃力ハコストゾーンニ表側トナッテイルカードノ枚数×1000トナル!」

「攻撃力5000…でも未来皇にはそんなの意味ないぜ!」

「愚カナ…!ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンノサラナル効果!コストゾーンニ置カレタカードヲ一枚クローズスルコトデ三ツノウチノ一ツノ効果ガ使エル!我ハPk-Cルソンヲクローズ!」

 

キッドが宣言するとコストゾーンに置かれたPk-Cルソンが裏側となった。一枚が裏側になったことでヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンの攻撃力は4000となり、効果が発動する。

 

「相手フィールドニ存在スル表側カードヲ一枚選択シエンドフェイズ時マデ効果ヲ無効ニスル!」

「なんだと!?」

「未来皇ホープハコレデタダノ攻撃力0モンスター!ハハハ!」

「そんな…!」

「コノ体ノ宿主ハコウ思ッテイルゾ!『本当に相手を理解しないで何が楽しい決闘をしようだ』トナ!消エロ!ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンデ未来皇ホープヲ攻撃!混沌ノサタン・ストリーム!!」

 

何色ともいえぬ光線がヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンの口から放射された。未来皇ホープは何も出来ぬまま撃破され、遊馬は4000分のダメージを受けるのだった。

 

遊馬LP1000→0

 

遊馬は吹っ飛び、気絶してしまう。ARヴィジョンが消えるとキッドも正気に戻り、遊馬のところに駆け寄ろうとするが疲労からか倒れてしまった。それと同時にハイクラスの一人 アクト・クオリファイがキッドの近くに一瞬で現れた。

 

「遊那様がおっしゃったよりもダメージを受けているな。これはヌメロニアイズの使用を制限するほかないか…。彼が決闘者(デュエリスト)としてさらに成長したのちに解禁…ということにしておくか。」

 

そういうと自分のデュエルディスクにプログラミングされていた次元転送装置を起動させ、キッドとともにレクシブ時空にあるアジトへ帰還するのだった。遊馬の周りには仲間は誰もおらず、彼はそこで倒れているだけだった。




Pk-Oリアス
融合・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻1000/守2000
Pkと名の付いたモンスター×2
(1):このモンスターが特殊召喚に成功した時、カードを一枚ドローする。そのカードがモンスターカードだった場合そのカードを除外し、魔法 罠カードだった場合そのカードをセットする。
(2):(1)の効果を使ったターンのエンドフェイズ時に発動する。自分は1000ポイントダメージを受ける。


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第五十二話「ハートランド到着」

「…アストラル!」

 

遊馬は起き上がった。辺りを見回すと誰もいない。アストラルを追いかけていることを思い出しすぐに上に向かった。そして移動要塞の上にある決闘(デュエル)場にたどり着いた。そこにはアストラルと金髪の少女が決闘していた。アストラルのフィールドには希望皇ホープがおり、金髪の少女のフィールドには何もモンスターが存在しない。ガラ空きである。

 

 

 

No.(ナンバーズ)39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「アストラル!」

「!遊馬!なぜここに…!」

「助けに来たぜ!」

「お前は九十九遊馬だね。」

 

金髪の少女が遊馬に声をかける。

 

「お前は誰だ!」

「私は遊那。ハイクラスのトップ。」

「お前が遊那…!キッドはどこにいった!?」

「彼はレクシブ時空に帰還したよ。」

「レクシブ時空?」

「まぁいいでしょう、アストラル、あなたを倒してヌメロンコードをもらうわ。」

「やはり私のヌメロンコードが目当てか!遊馬すまない、私の力だけではやつを倒せない、手を貸してくれ!」

「おう!久しぶりに行くぜ!」

「私は!私自身と遊馬でオーバーレイ・ネットワークを構築!」

「俺たち2人でオーバーレイ・ネットワークを構築!」

「絆は進化する!より強く!より固く!」

「「眩き希望の光が未来を導く!アルティメット・エクシーズ・チェンジ!ZEXAL!」」

 

究極体ZEXALが現れ、決闘を続行する。

 

『遊馬、シャイニング・ドローだ!』

「おう!デュエリストはカードを導く!我が身が放つ一点なる光を目指し、来たれ勝利と希望のカード! シャイニング・ドロー!!」

「ほう…それがシャイニング・ドロー。」

「行くぞ、手札から魔法カード RUM(ランクアップマジック)-ヌメロン・フォース 発動!」

 

 

 

RUM-ヌメロン・フォース

通常魔法

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い

「CNo.」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねて

エクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

その後、この効果で特殊召喚したモンスター以外の

フィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。

 

 

 

「希望皇ホープ1体でオーバーレイネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!現れろ、CNo.(カオスナンバーズ)39!希望に輝く魂よ!森羅万象を網羅し、未来を導く力となれ!希望皇ホープレイ・ヴィクトリー!!」

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/戦士族/攻2800/守2500

レベル5モンスター×3

このカードが攻撃する場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

また、このカードが「希望皇ホープ」と名のついたモンスターを

エクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●このカードが相手の表側表示モンスターに攻撃宣言した時、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

ターン終了時まで、その相手モンスターの効果は無効化され、

このカードの攻撃力はその相手モンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「カオスナンバーズ…。私のレクシブ・ヌメロンコードにはない情報…。」

「相手のライフは残り2800!ちょうどこれで終わりだぜ!バトル!CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリーでダイレクトアタック!ホープ剣・ダブル・ヴィクトリー・スラッシュ!」

 

ホープレイ・ヴィクトリーの攻撃が遊那を襲う。その時遊那は手を挙げる。

 

「コムニオチェーン…!」

「!?」

「速攻ブルーラクリマ コムニオン・スピードをベースにレッドラクリマ2個でリクリエイト!」

「な…なんだ!?」

「コムニオ召喚!!」

 

 

 

 

 

ZEXALの残りライフは100となった。フィールドにも手札にもカードはない。墓地にも発動できるカードはない。ZEXALの敗北が決定した。

 

『く…もう私にはこの手段しかあるまい…。再びこのカードを使うのは気が引けるが仕方ない…。』

「アストラル…。」

『遊馬、すまない。私の力が至らないばかりに。』

「俺もだ…なんも出来なかった。」

『だがせめて君だけはここから引いてほしい。』

「何言ってんだ、お前!」

 

アストラルの意思によってZEXALは解除された。

 

「おい…おい!アストラル!」

「遊馬、君にホープの力を託しておく。仲間たちにもナンバーズの一部を託す。」

「何言ってんだ!アストラル!?」

「君とはお別れだ。せっかく再会できたばかりなのに…すまない。」

「お別れ?そんな!お前と最後まで…!」

 

アストラルはヌメロンコードの力を発現させる。

 

「プロン・ヌメロンコード…。最後に使う気か。だがこの決闘をヌメロンコードによって変えることは出来ないぞ。私のレクシブ・ヌメロンコードで元に戻すからね。」

 

遊那は表情を一切変えずにアストラルに告げた。アストラルもニヤリとして答える。

 

「わかっている。この決闘は私の負けだ。だが私の仲間たちが必ずお前たちを退ける!!」

「仲間たち…?」

「行くぞ!」

 

アストラルの体から溢れる光が七つの千年アイテムを象る。

 

「それは千年アイテム…!」

「千年アイテム、レクシブ・プロンに限らずすべての時空に干渉するナンバーズのような道具。闇のゲームを発現させる力と同時に決闘者(デュエリスト)に強き力を与える。これならお前たちレクシブの決闘者も…」

 

遊那は指を鳴らした。鳴らした指から七つの光が飛び出し、それぞれのアイテムに宿る。すると千年アイテムたちは一瞬にして消えた。

 

「な…!」

「レクシブ・プロンに限らずすべての時空に干渉するなら私も干渉できるということだね。千年アイテムにお前らプロンの決闘者が持っていた元オーバーハンドレッドナンバーズを埋め込んだ。今頃カードはやつらの手から消えているだろう。」

「シャークのS・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)やミザエルの銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)たちが…!」

「千年アイテムの闇の力を宿し我々レクシブの役に立つ道具になることだろう…ありがとうアストラル?」

「く…。」

 

七つのアイテムが世界を救うことをアストラルは祈るだけであった。いや祈ることしかできなかった。

 

「バトル!!コムニオモンスターでダイレクトアタック!」

「遊馬…頼んだぞ!」

「アストラルゥゥ!!!」

 

 

 

 

 

「これが我々の把握している出来事だ。詳しい話は遊馬から聞くといい。」

 

(ブイ)は飛行船の中での長い話を終わらせた。海馬や十代は珍しく静かに聞いていたが、その話が終わるとどこかへ行ってしまった。その話をしてから数十分もたたないうちに飛行船は着陸を開始した。窓の外にはハートランドシティが広がっている。

 

「つきましたね、兄様。」

「あぁ、(スリー)、ようやく我々の次元に着いた。」

 

 

 

 

 

トロン一家と海馬、十代が飛行船から降りるとカイト、オービタル7、Dr.フェイカーが迎えに出てきた。

 

「帰ってきたな、クリス。」

「カイト、新型ディスクの最終調整は?」

「あぁ、すでに終わっている。これでD ゲイザーやオーバーレイネットワークなしで決闘が出来る実戦向きだ。」

 

そういうとカイトはトロン一家に新型デュエルディスクを配った。

 

「バリアン七皇たちにはすでに配布し、アストラル世界に向かってもらった。」

「なんだと!?彼らだけでは危険だ!」

「そうも言ってられん。アストラル世界に行くにはかなりのエネルギーが必要で人数も絞らなければならないのは把握しているだろ。分けて向かわせなくては多く送ることは出来ない。」

「そう…だな、すまない。」

「それよりも俺の話を聞け。」

 

海馬がⅤとカイトの間に入る。

 

「なんだ?お前は?」

「フン…生意気な後輩だ。」

「彼は海馬瀬人。戦力として連れてきた。」

「あの最強の龍 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)を意のままに操ったという伝説の決闘者…海馬瀬人!」

「少しは分かっているようだな。銀河眼(ギャラクシー)使いの天城カイト。」

「俺のことを知っているのか?」

「ミザエルから聞いている。貴様に興味があってここまで来てやったのだ。俺と決闘しろ!」

「おい、海馬!それどころじゃないのは聞いてただろ!」

 

(フォー)の言っていることなど耳を貸さずカイトの方を見ている。

 

「次の転送まで時間もある…いいだろう、伝説の決闘者と戦ってみたいしな。ついて来い。」

 

カイトは海馬を決闘が出来るスペースに連れて行った。

 

「ったく…。」

「あの~…おれどうすればいいかな?ハハ。」

 

十代がⅢの後ろから出てきた。Ⅴは二つの新型デュエルディスクを十代に渡すと遊馬の家に行き、それを渡すように頼んだ。

 

 

 

 

 

「ここならば邪魔は入らないはずだ。」

「フン…ではいくぞ!」

 

「「決闘!」」

 

「俺の先攻!俺は青き眼の乙女を召喚!」

 

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「さらに永続魔法 ポジションチェンジを発動!」

 

 

 

ポジションチェンジ

永続魔法

自分フィールド上モンスター1体の位置を、

使用していない隣のモンスターカードゾーンに移動する事ができる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「青き眼の乙女の位置を変更!さぁキサラ、呼べ!強靭にして無敵 最強の龍を!現れろ!青眼の白龍!!」

 

青眼が海馬のフィールドに現れた。

 

「初ターンで呼ぶとは…さすがだ。」

「俺はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

 

  □■■□□

 □      □ 海馬LP4000 手札2

  ○●●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ カイトLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード フォトン・サンクチュアリを発動!」

 

 

 

フォトン・サンクチュアリ

通常魔法

このカードを発動するターン、

自分は光属性以外のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

自分フィールド上に「フォトントークン」(雷族・光・星4・攻2000/守0)

2体を守備表示で特殊召喚する。

このトークンは攻撃できず、シンクロ素材にもできない。

 

 

 

「フォトントークンは攻撃力2000以上!二体のフォトントークンをリリース!」

「なんだ…何が始まる?」

「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!現れろ、銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!」

 

銀河眼の光子竜が出現した。青眼と銀河眼、二体のエースドラゴンが両フィールドに初めのターンから現れ、戦いが始まった。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-H(ハ)ルーファス
ペンデュラム・効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2000/守300
【Pスケール:青2/赤2】
(1):フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターのレベルを1上げる。この効果は1ターンに二回使うことが出来る。
(1)の効果は相手ターンにも発動できる。
【モンスター効果】
(1):このカードが墓地に存在する限り、自分のエンドフェイズ時に自分フィールドに存在する魔法 罠を一枚破壊しなくてはならない。


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第五十三話「青眼VS銀河眼」

「手札から銀河騎士(ギャラクシー・ナイト)を召喚!」

 

 

 

銀河騎士

効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2800/守2600

自分フィールド上に「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスターが存在する場合、

このカードはリリースなしで召喚できる。

この方法で召喚に成功した時、

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントダウンし、

自分の墓地の「銀河眼の光子竜」1体を選択して表側守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

「銀河騎士はリリースなしで召喚出来、その時攻撃力は1800となる。バトル!銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)で青き眼の乙女を攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

 

 

銀河眼の光子竜

効果モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは自分フィールド上に存在する

攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、

手札から特殊召喚する事ができる。

このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、

その相手モンスター1体とこのカードをゲームから除外する事ができる。

この効果で除外したモンスターは、バトルフェイズ終了時にフィールド上に戻る。

この効果でゲームから除外したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、

このカードの攻撃力は、そのエクシーズモンスターを

ゲームから除外した時のエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

 

「馬鹿め!青き眼の乙女の効果により守備表示にすることで二体目の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)を特殊召喚!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

 

「続いて銀河騎士で青き眼の乙女を攻撃!青き眼の乙女の効果は二度は使えない。これで三体目の青眼は阻止できる。」

「く…忌々しいことを!」

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 海馬LP4000 手札2

  ○●●○○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ カイトLP4000 手札2

  □□■□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!青眼を二体で止めようとしたことは褒めてやろう。確かに青き眼の乙女が残っていれば次のターンで三体目が現れてしまうのは確実だからな。だが俺の引きの良さは計算外だったようだな。」

「何?」

「貴様はどうやら青眼を攻撃して相打ちにしておくべきだったようだ…手札から魔法カード 融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドに存在する二体の青眼と手札の青眼を三泰融合!!」

「ここで最後の青眼をひいたのか!?」

「我が史上最強にして華麗なる殺戮兵器!出でよ 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!!」

 

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

「ハーッハッハッハッハ!見たか若造!これこそ決闘王(デュエル・キング)となる男の決闘(デュエル)よ!青眼の究極竜で銀河騎士を攻撃!アルティメット・バースト!」

 

カイトLP4000→1300

 

「く…!」

「俺はターンエンドだ。さぁミザエルが認めた貴様の腕、まだまだ見させてもらおう!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 海馬LP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ カイトLP1300 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン…ドロー!…来た。俺は手札から銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)を召喚!」

 

 

 

銀河の魔導師

効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻 0/守1800

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで4つ上げる。

また、このカードをリリースして発動できる。

デッキから「銀河の魔導師」以外の

「ギャラクシー」と名のついたカード1枚を手札に加える。

 

 

 

「銀河の魔導師の効果によりレベルを8にする!さらに魔法カード 銀河遠征(ギャラクシー・エクスペディション)を発動!」

 

 

 

銀河遠征

通常魔法

自分フィールド上に「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついた

レベル5以上のモンスターが存在する場合に発動できる。

デッキから「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついた

レベル5以上のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。

「銀河遠征」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

 

「現れろ 銀河暴竜(ギャラクシー・ティラノ)!」

「レベル8のモンスターが三体…!」

「レベル8の銀河の魔導師、銀河暴竜、銀河眼の光子竜でオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

 

赤いオーラがカイトの身を包む。さすがの海馬もその力には少しだけたじろいだ。

 

「逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりてその姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂 超銀河眼(ネオ・ギャラクシーアイズ)の光子龍(・フォトン・ドラゴン)!」

 

 

 

超銀河眼の光子龍

エクシーズ・効果モンスター

ランク8/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3000

レベル8モンスター×3

「銀河眼の光子竜」を素材としてこのカードがエクシーズ召喚に成功した時、

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を無効にする。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手フィールド上のエクシーズ素材を全て取り除き、

このターンこのカードの攻撃力は取り除いた数×500ポイントアップする。

さらに、このターンこのカードは取り除いた数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。

 

 

 

「さらに手札から装備魔法 超銀河魂(ネオ・ギャラクシー・ソウル)を発動し超銀河眼の光子龍に装備!このカードが装備されたモンスターは戦闘・効果で破壊されず、カード対象とならない!またオーバーレイユニットを一つ除くことでもう一度攻撃することが出来る!これで伏せカードでは止められまい!終わりだ!」

「…。」

「バトル!超銀河眼の光子龍で青眼の究極竜を攻撃!アルティメット・フォトン・ストリーム!」

「罠発動!業炎のバリア -ファイヤー・フォース-!」

 

 

 

業炎のバリア -ファイヤー・フォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊し、

自分はこの効果で破壊したモンスターの

元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける。

その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。

 

 

 

「超銀河眼の光子龍の攻撃力は4500。その半分の2250ダメージを俺は受ける。」

 

海馬LP4000→1750

 

「そして貴様にも2250ダメージ!これで終わりだ!」

「罠発動!ピケルの魔法陣!」

「なんだと!?」

 

 

 

ピケルの魔法陣

通常罠

このターンのエンドフェイズまで、

このカードのコントローラーへのカードの効果によるダメージは0になる。

 

 

 

「ハァ…ハァ…ターンエンド…。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 海馬LP1750 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ カイトLP1300 手札0

  □□□□□

 

 

 

「…なるほどな、最後の最後まで粘るところ…嫌いではなかったぞ。ドロー。青眼の究極竜でダイレクトアタック!」

 

カイトLP1300→0

 

カイトはソリットヴィジョンが消えていく中倒れこんだ。息が上がっているようだ。

 

「ハァハァ…これほどの決闘は久しぶりだった…。」

「俺の中ではまだような決闘など日常茶飯事だ。」

「…。」

「フン…冗談だ。ここまで来た価値はあったようだ。」

 

海馬はそういうと背を向け皆がいる施設に向かった。

 

 

 

 

 

十代は遊馬の家に着いた。家族の人に事情を話し、遊馬の部屋へ続く登り棒の下まで行った。

 

「なぁいるのか?えーっと…九十九遊馬くん!」

「…誰だ?」

「俺、遊城十代!よろしくな!」

「…。」

「俺とちょっと話そうぜ!」

「…。」

「あ、そうだ、天城カイト?とかいうやつから預かり物してんだ。新型のデュエルディスク!ほら!」

 

登り棒の下からそれを見せるも返事は返ってこない。

 

「あ、ほら、アストラルの分もあるんだぜ。」

 

二つ目を取り出そうとした瞬間、遊馬は登り棒で下に降りてきて怒鳴った。

 

「アストラルはデュエルディスクはつかわねえ!!」

「あ…そうなの…ごめん…。」

「…。」

「あー…なんというか…外でないか?」

 

二人は外に出て川辺を歩く。

 

「君はアストラルとの別れを経験してもなお立ち直って仲間と一緒にアストラルを助けたことがあるって聞いたんだけどなんで今回もそうしようとしないんだ?」

「何度もやったさ。アストラルが消えてから何度も何度も…何度も何度も助けに行った!そしてハイクラスとかいうやつらに倒されちまった…。」

「そうか…。」

「俺だって思ってたさ。かっとビングし続ければアストラルは助けられるって。でも…なんでかな、何度も負けているうちにもう…無理なんじゃないかとか…こんな決闘したくないとか…そんなことを考え始めてるんだ…。」

「…。」

「だって…決闘って楽しいものだろ!?なんで決闘で戦争なんてしなくちゃいけないんだ!そんなの…間違ってる!そんな間違ったこと俺はしたくねえ!」

「…。」

「何か俺…間違ってるのかな?十代さん。」

「…決闘しよう。」

「え?」

「やっぱ俺、話すのとか向いてねえや。ハハ。俺にはこっちで語り合う方が性に合ってる!」

 

そういいながらデュエルディスクを起動させる。遊馬も渋々新型デュエルディスクを起動させた。

 

「「決闘!」」

 

「先行はもらうぜ?俺はE・HERO ブレイズマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「効果発動!手札に融合を加えるぜ!」

「融合…。」

「俺は融合して強いヒーローを出すデッキを使うんだ!ワクワクするだろ?」

「…あぁ…!」

 

遊馬はかすかに笑顔になる。

 

「手札から融合を発動!手札のE・HERO シャドー・ミストとフィールドのブレイズマンを融合!」

 

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「融合召喚!現れ出てこい!E・HERO ノヴァマスター!」

 

 

 

E・HERO ノヴァマスター

融合・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100

「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

ノヴァマスターはかっこよくポーズを決める。

 

「すげぇ…俺はこういう決闘がしたいんだ…いつも…!」

「俺もだぜ、遊馬。墓地に送ったシャドー・ミストの効果により手札にE・HERO エアーマンを加える。」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 十代LP4000 手札3

  □□■□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はゴブリンドバーグを召喚!」

 

 

 

ゴブリンドバーグ

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1400/守 0

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果を発動した場合、このカードは守備表示になる。

 

 

 

「効果によりカンバラナイトを手札から特殊召喚!」

 

 

 

ガンバラナイト

効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻 0/守1800

フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、

このカードの表示形式を守備表示にできる。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…!」

「レベル4のゴブリンドバーグとガンバラナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろNo.(ナンバーズ)39!!光の使者 希望皇ホープ!」

 

ホープが自らの名を叫び現れる。遊馬はホープを見ることでアストラルのことを思い出す。

 

「アストラル…。」

「…遊馬?」

「あ…あぁ…。俺は希望皇ホープで攻撃!」

「攻撃力2500で2600のノヴァマスターを攻撃?何かあるのか?」

「ホープの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

「どういうことだ?」

「さらに手札から速攻魔法 ダブル・アップ・チャンス発動!」

 

 

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

 

 

「攻撃力5000!?」

「行け!ホープ!ホープ剣・(ダブル)・スラッシュ!」

 

ホープはノヴァマスターに向けて斬りかかろうとするのだった。




超銀河魂
装備魔法
「超銀河」と名の付いたドラゴン族にのみ装備可能。
(1):このカードが装備されたモンスターは戦闘および効果では破壊されず、カード効果の対象にならない。
(2):このカードが装備されたモンスターのエクシーズ素材を一つ取り除くことで発動できる。このカードが装備されたモンスターは一度のバトルフェイズに二度攻撃することが出来る。


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第五十四話「最終決戦へ」

「速攻魔法発動!超融合!」

 

 

 

超融合

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のダンディライオンを墓地に送りE・HERO ノヴァマスターとNo.(ナンバーズ)39 希望皇ホープを超融合!」

 

 

 

ダンディライオン

効果モンスター(制限カード)

星3/地属性/植物族/攻 300/守 300

(1):このカードが墓地へ送られた場合に発動する。

自分フィールドに「綿毛トークン」

(植物族・風・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。

このトークンは特殊召喚されたターン、アドバンス召喚のためにはリリースできない。

 

 

E・HERO ノヴァマスター

融合・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100

「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

No.39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「現れ出てこい!E・HERO The シャイニング!」

 

 

 

E・HERO The シャイニング

融合・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100

「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている

自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついた

モンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。

 

 

 

「そ…そんな…。」

「さらにダンディライオンの効果で綿毛トークンを二体特殊召喚。」

「く…。」

「いつも楽しい決闘(デュエル)ってわけにはいかないもんだぜ?それは遊馬、君自身だってわかってるはずだ。」

「でも…おれは楽しくやりたい!楽しみたいんだ!」

「誰だってそうさ、決闘は楽しみたい。でもこんな厳しい戦いだってしなくちゃいけないときがあるんだ。俺はそれをデュエルアカデミアで学んだ。辛い戦いを乗り越えてこそ楽しい決闘が出来るんじゃないか?」

「辛い戦いを乗り越えてこそ…楽しい決闘が…。」

「さぁ、まだ君のターンだぜ?」

「俺はカードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札1

  ○○○○○ □

 

□ ○●●●○

 □      □ 十代LP4000 手札2

  □□□□□

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は綿毛トークンを二体リリースし、E・HERO ネオスを召喚!頼むぜ、俺のエース!」

『タァ!』

 

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

 

ネオスが十代の場に現れた。

 

『十代、彼からは破滅の光とは異なる希望の光の力を感じる。我々の仲間になってくれるに違いない。』

「あぁ、ネオス。だからこそこの決闘、本気でやろう!バトルだ!ネオスで遊馬にダイレクトアタック!ラス・オブ・ネオス!」

「罠発動!エクシーズ・リボーン!」

 

 

 

エクシーズ・リボーン

通常罠

自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

 

 

「ホープ復活!」

「バトルを終了!E・HERO The シャイニングで攻撃!オプティカル・ストーム!」

「ホープの効果発動!ムーンバリア!」

 

シャイニングの攻撃が終了する。

 

「この攻撃を凌ぐなんてやるじゃん。だがこれでオーバーレイユニットってやつはなくなったよな。もうムーンバリアは発動できない。カードを一枚セットしターンエンドだ!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●●○

 □      □ 十代LP4000 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!十代さん、やらなきゃならない戦い…俺出来るかわからないけど…かっとビングするしかねえ!俺は手札から永続魔法 エクシーズ・・チェンジ・タクティクスを発動!」

 

 

 

エクシーズ・チェンジ・タクティクス

永続魔法

自分フィールド上に「希望皇ホープ」と名のついた

モンスターがエクシーズ召喚された時、

500ライフポイントを払い、このカードの効果を発動できる。

デッキからカードを1枚ドローする。

「エクシーズ・チェンジ・タクティクス」は

自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

 

「まだだ!フィールド魔法 希望郷-オノマトピア-を発動!」

 

 

 

希望郷-オノマトピア-

フィールド魔法

(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

自分フィールドに「希望皇ホープ」モンスターが特殊召喚される度に、

このカードにかっとビングカウンターを1つ置く。

(2):自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、

このカードのかっとビングカウンターの数×200ポイントアップする。

(3):1ターンに1度、このカードのかっとビングカウンターを2つ取り除いて発動できる。

デッキから「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」

モンスターの内いずれか1体を特殊召喚する。

 

 

 

「そして希望皇ホープをカオスエクシーズチェンジ!現れよ、CNo.(カオスナンバーズ)39!混沌を光に変える使者!希望皇ホープレイ!」

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

光属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上に

このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

自分のライフポイントが1000以下の場合、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、

エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力を500ポイントアップして

相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。

 

 

 

エネルギーの中に一度入ったホープはホープレイにカオスエクシーズチェンジし、再び姿を現した。この時、オノマトピアにかっとビングカウンターが1つ乗り、エクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果が発動する。

 

「ライフを500支払い、カードをドロー!」

 

遊馬LP4000→3500

 

「まだまだ終わらないぜ!手札から魔法カード RUM(ランクアップマジック)-アストラル・フォースを発動!CNo.39 希望皇ホープレイをランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろ、No.39!人が希望を越え、夢を抱くとき、遥かなる彼方に、新た

な未来が現れる!限界を超え、その手につかめ!希望皇ビヨンド・ザ・ホープ!」

 

 

 

No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/戦士族/攻3000/守2500

レベル6モンスター×2

このカードはルール上、「希望皇ホープ」と名のついたカードとしても扱う。

このカードがエクシーズ召喚に成功した時、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は0になる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して除外し、

自分の墓地の「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

その後、自分は1250ライフポイント回復する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

ホープレイはさらに進化する。ビヨンド・ザ・ホープが現れたことにより自身の効果とエクシーズ・チェンジ・タクティクス、オノマトピアが発動する。

 

「ビヨンド・ザ・ホープの効果によりネオス、シャイニングの攻撃力は0になるぜ!さらにライフを500払う!ここであのカードをひけば一撃で終わる…!行くぞ!」

「なんだなんだぁ??まぁ楽しいからいいぜ!」

「楽しい…?」

「本気の決闘って辛いこともあるけど、楽しめる時もあるじゃん!それだよ、それ!」

「…ハハ、なんか忘れてたぜ。俺、アストラルと一緒に本気で決闘してるとき…辛かったけど…幸せだった。俺は…アイツが必要なんだ!」

「自分がどうするのかの答えを見つけたみたいだな。さぁこい!」

「最強デュエリストのデュエルはすべて必然!ドローカードさえもデュエリストが創造する!全ての光よ!力よ!我が右腕に宿り、希望の光を照らせ!シャイニングドロー!!」

 

遊馬LP3500→3000

 

「よし、このカードで最後のエクシーズチェンジだ!魔法カード RDM(ランクダウンマジック)-ヌメロン・フォールを発動!ビヨンド・ザ・ホープをランクダウン・エクシーズ・チェンジ!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!現れろ、SNo.(シャイニングナンバーズ)39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング!!」

 

 

 

SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000

光属性レベル5モンスター×3

このカードは自分フィールドのランク4の「希望皇ホープ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。

このカードはX召喚の素材にできない。

(1):このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない。

(2):このカードが「希望皇ホープ」モンスターをX素材としている場合、

このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ5000になる。

 

 

 

最強のホープ、ホープ・ザ・ライトニングが堂々と現れる。そしてオノマトピアに3つ目のかっとビングカウンターが乗った。そしてエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果でカードをドローする。

 

遊馬LP3000→2500

 

「十代さんのフィールドのモンスターは全部攻撃力0!ホープ・ザ・ライトニングの効果によって攻撃力は5000になる。そしてホープ・ザ・ライトニングはバトルが始まれば誰も止めることは出来ない!行くぜ!バトル…」

「バトルフェイズに入る前に罠発動!和睦の使者!」

 

 

 

和睦の使者

通常罠

このターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になり、

自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

「このターンじゃ倒せなかったか…ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP2500 手札1

  ○○●○○ ■

 

□ ○○●●○

 □      □ 十代LP4000 手札1

  □□□□□

 

 

「このターンで倒せると思ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果を使ってライフを減らしすぎちゃったってのはまだ甘いところがあるけど…まぁいい腕はしてるな。俺のターン、ドロー!エクシーズチェンジがお前の武器なら俺の武器はコンタクト融合さ!」

「コンタクト融合?」

「手札から(ネオスペーシアン)・グラン・モールを召喚!そしてネオスとグラン・モールでコンタクト融合!現れ出でよ!E・HERO グラン・ネオス!」

 

 

 

E・HERO グラン・ネオス

融合・効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO ネオス」+「N・グラン・モール」

自分フィールド上の上記のカードをデッキに戻した場合のみ、

エクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」魔法カードは必要としない)。

1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す事ができる。

また、エンドフェイズ時、このカードはエクストラデッキに戻る。

 

 

 

「グラン・ネオスの効果発動!ネビュラスホール!」

 

グラン・ネオスによりホープ・ザ・ライトニングはエクストラデッキに戻る。

 

「バトル!グラン・ネオスで遊馬にダイレクトアタック!」

「うわああ!」

 

遊馬LP2500→0

 

「負けちまった…。」

「そりゃ本気出したもん、俺強いからな!ハハ。」

「ハハ…ハハハ!」

 

二人は自然と笑顔がこぼれた。遊馬は再びアストラルを救うことを強く決心したのであった。

 

 

 

 

 

そして数日後、アストラル世界への次元転送装置にエネルギーが溜まった。装置の都合といつでもアストラル世界からの脱出が出来るようにトロン一家はハートランドに残ることとなった。アストラル世界ではすでにバリアン七皇が戦いを行っている。傷を負った凌牙も戦っていることから遊馬はアストラルと共に彼も心配していた。

 

「では遊馬、カイト、海馬、十代の四人にアストラル世界へ向かってもらう。やるべきことはバリアン七皇の救助、ハイクラスの撃退。そしてアストラルの救出だ。」

 

(ブイ)は四人に指示した。

 

「任せろ!俺がみんなを救ってみせる!かっとビングだ!」

 

この前とは違いいつもの遊馬である。

 

「このうるさいガキと共にいかねばならないのか…。」

 

海馬は相変わらず冷めている。だがその目の奥には熱い闘志がメラメラと漲っていた。

 

「ではいくぞ、次元転送装置、起動!」

 

四人の体が宙に浮く。上昇し続けると上に次元転送の入口が出現する。

 

「よっしゃ、今度こそ…今度こそみんなでアストラルを救うぜ!かっとビングだ、俺ッ!」

 

四人は次元の向こう側へ行った。




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)





Pk-I(イ)ポース
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻100/守200
【Pスケール:青8/赤8】
自分のメインフェイズ時、このカードともう片方の自分のPゾーンに置かれているカードを破壊することで発動できる。カードを一枚ドローする。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分はドローする度に800ポイントのダメージを受ける。


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第五十五話「立ち塞がる敵たちと向かい撃つ仲間たち」

四人はアストラル世界に到着した。青く美しい世界が広がっているが四人の視線の先には手の形をした暗雲が浮かんでいた。

 

「あれがハイクラスのアジト…。」

「あそこへ行き、潰せばいいのだろう?行くぞ。」

 

海馬が歩き始めた瞬間、レクシブ時空の決闘者(デュエリスト)たちが3人姿を現す。

 

「「「「決闘(デュエル)!」」」」

 

「なんだこいつらは!?」

 

「俺のターン、俺は魔法カード ファイヤー・ボールを発動!」

 

 

 

ファイヤー・ボール

通常魔法

相手ライフに500ポイントダメージを与える。

 

 

 

「く…小賢しい真似を!」

 

海馬LP4000→3500

 

「さらに二枚発動!」

 

海馬LP3500→2500

 

「ターンエンド!」

 

一人目のターンが終了した。そして二人目のターンが始まる。

 

「俺のターン、ドロー!俺もファイヤー・ボールを三枚発動!」

 

海馬LP2500→1000

 

「く…!」

「ターンエンド!」

 

三人目のターンである。

 

「俺のターン、ドロー!ファイヤー・ボール!」

 

海馬LP1000→500

 

「これで終わりだ!ファイヤー・ボール!」

「く…!」

「救援部隊なら俺たちを救援してほしいくらいなんだがな…。」

 

崖の上から声がした。全員が振り向くとそこにはミザエルが立っていた。

 

「私のフィールドに存在するマテリアルドラゴンの効果により回復に変更!」

 

海馬LP500→1000

 

「余計なことを…!」

「相変わらずだな、海馬瀬人。これで借りは返したぞ。」

 

海馬とミザエルの会話にレクシブ時空の決闘者が入り込む。

 

「く…だが1ターン耐えたからってどうこうなるわけじゃないぞ!」

「黙れ、雑魚。群れて戦うことしかできぬ凡骨以下は口を開くな。」

「な…!」

「俺のターン、ドロー!手札から魔法カード 融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を三体融合!現れろ 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」

 

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。

どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。

 

 

青眼の究極竜

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

 

「行け、一人目の雑魚にアルティメット・バースト!」

「ぐああ!」

 

レクシブ時空決闘者ALP4000→0

 

「速攻魔法!融合解除!」

 

 

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。

さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した

融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、

その一組を特殊召喚できる。

 

 

 

「青眼を三体特殊召喚!二体の青眼で二人目の雑魚を攻撃!滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!」

「ぐおおお!」

 

レクシブ時空決闘者BLP4000→0

 

「最後の雑魚に滅びの爆裂疾風弾!」

 

レクシブ時空決闘者CLP4000→1000

 

「あ…危なかった…。」

「危ないだと?ここで貴様も終わりだ。速攻魔法 瞬間融合発動!」

 

 

 

瞬間融合

速攻魔法

(1):自分フィールドから

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

この効果で融合召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

 

 

 

「再び現れろ!青眼の究極竜!アルティメット・バーストだ!」

「ひいいいいい!」

 

レクシブ時空決闘者CLP1000→0

 

三人の決闘者は負けたことによりレクシブ時空のデュエルディスクにプログラムされた強制次元転送装置が起動し、レクシブ時空に帰還した。

 

「フン…他愛もない…。」

「…!伏せろ、お前たち!」

 

ミザエルの指示で皆が伏せるとその位置を爆風が襲う。伏せていたおかげで被害は合わずに済んだ。

 

「く…誰だ!」

「我ら」

「ハイクラス直属部隊」

「ピースキラーズ!」

「ピースキラーズだって!」

「!貴様は遊城十代…!お前らのせいで我らが幹部 エクス、ムラサメ、ティソナは敗れ俺たちの評価はガタ落ちだったんだ…この借りは返させてもらうぜ!」

「そういわれてもな…ま、いいか、来い!」

「待て。」

「!?」

 

決闘をしようとする十代をミザエルは止めた。

 

「お前たちは(ブイ)が選んだ精鋭たち。ならこいつらに構ってる場合ではない。すぐにハイクラスを叩きに行け。消耗はしているがまだ我らバリアン七皇は戦える!そうだろ、お前たち!」

 

ミザエルが叫ぶと二人の影が姿を現す。

 

「当然だ!なぁアリト!」

「おう!遊馬、先行け!これ終わったらまた俺と決闘だ!」

「ギラグ!アリト!すまねえ!頼んだ。」

「逃げるな!」

「あ、そうだ、これ遊戯さんから預かってたんだけど…オーバーハンドレッドナンバーズって元はお前らのだったんだろ?こんなかにオーバーハンドレッドナンバーズがあるんじゃないか?」

 

そういうと十代は千年リングと千年秤を取り出し、ギラグとアリトに渡す。すると中からNo.(ナンバーズ)106 巨岩掌ジャイアント・ハンドとNo.105 BK(バーニングナックラー) 流星のセスタスが現れた。

 

「おぉ!俺のカード!」

「よっしゃ、これで百人力だぜ!」

 

ギラグとアリトが手にするとNo.の文字は消え、通常のエクシーズモンスターとなった。

 

「よし、オーバーハンドレッドナンバーズからの呪縛も解けたぞ!ここは任せろ!えーっと十代だったか?」

「おう!頼んだぜ!」

 

四人はミザエル、ギラグ、アリトにその場を任せアジトに向かって走った。

 

 

 

 

 

四人が走っていると前ではニ人の決闘者が三人の決闘者と戦っているのが見えた。

 

「行け!生命力の魔術師でベクターにダイレクトアタック!」

「ぐああああ!」

 

ベクターLP1400→0

 

「ベクタァァァ!」

 

ナッシュがベクターに駆け寄る。

 

「なぜ俺をかばうような決闘を…。」

「うるせえ、お前この前まで病院にぶち込まれてただろうが…俺様があんなやつら…」

 

ベクターは真月零の姿に戻り気絶した。

 

「シャーク!真月!」

「!遊馬!来たのか!」

「真月…真月は!?」

「気絶してるだけだ、だがこの三人…中々に強い!」

 

その三人とはかつて十代たちに敗れたピースキラーズの幹部 エクス、ティソナ、ムラサメであった。

 

「あ!お前らいたのか!」

「十代…貴様!」

「ミザエルが言っていたように俺たちは選ばれて来た。そして海馬、十代。お前たちはわざわざ別次元から選ばれたんだ。ハイクラスの相手は任せたぞ。」

「カイト?」

「俺はここで凌牙とこいつらを食い止める。」

「なら俺も…」

「アストラルを助けるのがお前の使命なはずだ。行け!」

「…すまねえ!」

 

遊馬、十代、海馬の三人は再び足をアジトに向けて進める。

 

「にしてもこいつら、そんなに強いのか。」

「まぁ二人でやるにはちと厳しいってとこだ。」

「あら、三人いますわよ?」

 

空中からメラグが飛び降りてきた。

 

「!璃緒!」

「今はメラグね。ナッシュ。」

「これで三人ってとこか。」

「さっさと片付けるぞ!」

 

 

 

 

 

光天使(ホーリー・ライトニング)ブックスッの効果発動!手札のソウル・チャージを捨てて光天使ソードを特殊召喚!」

 

 

 

光天使ブックス

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1600/守1400

1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。

手札から「光天使」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

 

ソウル・チャージ

通常魔法(制限カード)

「ソウル・チャージ」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、

自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000LPを失う。

 

 

光天使ソード

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守1000

1ターンに1度、手札の「光天使」と名のついた

モンスター1体を墓地へ送って発動できる。

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、

墓地へ送ったモンスターの元々の攻撃力分アップする。

 

 

 

「さらにソードの特殊召喚に成功したことでスローネを特殊召喚!」

 

 

 

光天使スローネ

効果モンスター(制限カード)

星4/光属性/天使族/攻 800/守2000

このカードをX召喚の素材とする場合、

モンスター3体以上を素材としたX召喚にしか使用できない。

(1):自分が「光天使」モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、自分はデッキから1枚ドローする。

そのドローしたカードが「光天使」モンスターだった場合、

そのモンスターを特殊召喚できる。

 

 

 

「カードドロー!…。」

「光天使ではないようだな。まぁそれでもレベル4が三体…大したもんだ。」

「レベル4の光天使ブックスッ、ソード、スローネでオーバーレイ!三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!No.91 ランク4 サンダー・スパーク・ドラゴン!」

 

 

 

No.91 サンダー・スパーク・ドラゴン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

レベル4モンスター×3

1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカードのエクシーズ素材を3つ取り除く事で、

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

●このカードのエクシーズ素材を5つ取り除く事で、

相手フィールド上のカードを全て破壊する。

 

 

 

「効果!オーバーレイユニットをすべて使いお前のフィールドのモンスターを全滅!」

「フフ…。」

「バトル!ダイレクトアタック!」

 

??LP4000→1600

 

「ターンエンド!」

 

 

 

  □□□□□

 ■      ■ ??LP1600 手札0

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ドルベLP3900 手札1

  □□□□□

 

 

「さぁどうくる?お前のフィールドにはペンデュラムカードとやらが二枚と手札は次のドローで1枚。終わりのようだな!」

「俺のターン、ドロー!俺が引いたカードは融合だ。」

 

そういうとその男はドルベに融合のカードを見せた。

 

「融合は融合素材のモンスターがいなければ意味はない。終わったな。」

「ならモンスターを出して見せよう。」

「何?」

「今まで俺のモンスターたちがお前のモンスターにただタコ殴りにされてただけだと思ってるならおめでたい奴だな。」

「どういう意味だ!」

「お前が今まで倒してきたモンスターはすべてペンデュラムモンスター。破壊されれば墓地へは行かずエクストラデッキへ行く。さぁ行くぜ!ペンデュラム召喚!」

 

男のフィールドに五体のモンスターが現れた。

 

「そ…そんな!」

「魔法カード 融合発動!」

 

 

 

 

 

遊馬、十代、海馬の三人は倒れているドルベを見つけた。ドルベはすでに人間の姿になっている。

 

「おい!ドルベ!ドルベ!しっかりしろ!」」

「く…遊馬…気を付けろ…あいつは…強い!」

 

ドルベの指の先にはその男が立っていた。

 

「!お前もいたのか!」

 

十代はその男を知っていた。

 

「十代、貴様やつを知っているのか?」

「WDMCの予選会場のインダストリアル・イリュージョン社で俺にとどめを刺そうとしたキッドを止めたハイクラスの一人…ナックスだ!」




(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)






Pk リーチ
通常魔法
(1):墓地、またはエクストラデッキに表側に置かれている「Pk」と名の付くモンスターカードを一枚選択し発動する。そのカードを手札に加える。


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第五十六話「EvsP 二人のHERO使い」

「お、確かキッドに負けてたHERO使い君じゃないか。久しぶりだな。」

「なぜあの時キッドを止めた?」

「雇い主である遊那が早く千年錠を持ってくるよう言ったからさ。」

「雇い主?」

「俺は金しか信用しない性質でね、ハイクラスに入ってるのも金で雇われているってわけ。」

「金のために俺たちの時空をめっちゃくちゃにしようってのか!」

「そうだよ?」

「!!」

 

十代の質問に淡々と答えるナックス。

 

「だーから言ってるでしょ。金しか信用しないし、金以外欲しいものなんてありませーん。」

「金で買えないものが…」

「それよく言われるからもういいっつーの。いい?俺たちは生きていられるだけで幸せなの?死んだらおしまい、それわかる?」

「…あ…あぁ。」

「金がなきゃ飯も食えない、服も着れない、生きていけなーい。おっけ?」

「それの代わりに金じゃない大切な…」

「あのさ、金がある家に生まれて裕福な暮らしをするのと、金がない家に生まれて捨てられて生きていくの、どっちが幸せ?」

「…。」

「まぁキッドやピースキラーズから聞いた話によるとお前ちゃんと人の話聞くタイプじゃないらしいしな。ま、決闘者(デュエリスト)なら決闘者らしくこれで勝負つけますか!」

 

そういいながらナックスはデュエルディスクを起動させた。それを見た十代もニヤリとし、彼の目がオッドアイに変化する。

 

「よし、二人とも先に行ってくれ!ここは俺がとめるぜ!」

『俺がじゃなくて俺たちがだろう、十代。』

「そうだったな、ユベル。」

「ありがとう!十代さん、任せたぜ!」

 

遊馬はそういうとナックスの横を走っていく。海馬も後に続いた。

 

「あーあ、ここで待って居りゃいいものを。」

「あいつらはアストラルを救いに行くんだ。グズグズなんてしちゃいられないんだよ。」

「はー、九十九遊馬が遊那のところに行ったらそれこそ遊那の思い通りだってのに…。」

「どういうことだ?」

「おーっとこれ以上口滑らせたら雇い主に対する反逆になっちまう。さぁいくぜ!」

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

「先行は俺だ!手札からE・HERO(エレメンタルヒーロー) フェザーマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO フェザーマン

通常モンスター

星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000

風を操り空を舞う翼をもったE・HERO。

天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。

 

 

 

「カードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ ナックスLP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 十代LP4000 手札2

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!あ~この前は『いずれ戦うことがあったらその時は一瞬で潰してやんよ』とか恰好つけちゃったけどこりゃ一瞬とはいかねえな。ハハ。」

「そんなの気にしてないで来いよ!」

「手札からP・HERO(ペンデュラムヒーロー) ファンタズマを召喚!」

「P・HERO!?」

「俺もHERO使いでね。ファンタズマの効果発動!自身の攻撃力・守備力を0にすることで同名モンスターをデッキから特殊召喚!出てこい!二人のファンタズマ!」

「モンスターを並べた…!」

「この効果で特殊召喚されたファンタズマは効果が無効となり召喚したファンタズマ同様攻守ともに0となる。だから特殊召喚したファンタズマは守備表示で出しておくぜ。ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ ナックスLP4000 手札5

  ○●●●○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 十代LP4000 手札2

  □■■□□

 

 

「モンスターを展開していく感じはすごいけどエクシーズも使わずにターンを終了させた…。どう思う?」十代はユベルと心の中で会話する。『用心に越したことはないな。全滅させろ。』

 

「俺のターン、ドロー!俺はE・HERO ブレイズマンを召喚!」

 

 

 

E・HERO ブレイズマン

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800

「E・HERO ブレイズマン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「融合」1枚を手札に加える。

(2):自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の

「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。

このカードはターン終了時まで、

この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「効果により手札に融合を加える。」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「さぁ来るのかぁ?」

「魔法カード 融合を発動!フィールドのフェザーマンと手札のバーストレディを融合!現れ出てこい!E・HERO フレイム・ウィングマン!」

 

 

 

E・HERO バーストレディ

通常モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800

炎を操るE・HEROの紅一点。

紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。

 

 

E・HERO フレイム・ウィングマン

融合・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「バトル!フレイム・ウィングマンで攻撃表示のファンタズマを攻撃!フレイム・シュート!」

 

ナックスLP4000→1900

 

「さらにフレイム・ウィングマンの効果!ファンタズマの攻撃力である1100分のダメージを受けてもらうぜ!」

 

ナックスLP1900→800

 

「くぅ~、やるねえ!」

「まだだ!ブレイズマンで守備表示のファンタズマを攻撃!」

 

こうしてナックスのフィールドには守備表示のP・HERO ファンタズマが1体残った。

 

「ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ ナックスLP800 手札5

  ○○○●○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ 十代LP4000 手札1

  □■■□□

 

 

「エンジンかかるのが遅かったなー、まぁいいか。俺のターン、ドロー!俺はスケール3のP・HERO パラレルマスターとスケール6のP・HERO ポイントマンでペンデュラムスケールをセッティング!」

「やっぱペンデュラムモンスターか!」

「そう、メインデッキのP・HEROはすべてペンデュラムモンスター!お前がさっき破壊したファンタスティックもだ!」

「く…!」

「これでレベル4と5のモンスターが同時に召喚可能!出てこい、俺のモンスターたち!エクストラデッキより二体のP・HERO ファンタズマ!そして手札からポイントマン!」

 

ペンデュラム召喚によって三体のモンスターが並んだ。メインデッキのP・HEROはペンデュラム召喚に成功した時に発動する誘発効果と1ターンに一度発動できる起動効果を持つ。ここで三体中二体の誘発効果が発動する。

 

「ファンタズマがペンデュラム召喚によって特殊召喚されたときにデッキからP・HEROを手札に呼ぶことが出来る。さらにポイントマンも同様の状況において融合を手札に加えることが出来る!」

「ファンタズマは二体だから二枚加えるってことか?」

「いやファンタズマの効果は残念ながら1ターンに一度しか発動できなくてね。とはいえ便利なことに変わりはない。俺はパラレルマスターを加えるぜ。」

「融合…。」

「そう、俺も融合を使うぜ。フィールドの三体のファンタズマとポイントマン、そして手札にあるパラレルマスターで融合!現れ出てこい!P・HERO パトリオット!」

「五体の融合だと…!」

「パトリオットの効果!エクストラデッキのP・HEROをデッキに戻し発動!俺はファンタズマを戻す。そして相手フィールドに存在するモンスターを1体選択し破壊する!フレイム・ウィングマンを破壊!」

「く…!」

 

フレイム・ウィングマンはパトリオットによって破壊される。

 

「パトリオットでブレイズマンを攻撃!」

 

十代LP4000→1900

 

「攻撃力3300はきついぜ…。でも罠発動!ヒーロー逆襲!」

 

 

 

ヒーロー逆襲

通常罠

自分フィールド上に存在する「E・HERO」と名のついたモンスターが

戦闘によって破壊された時に発動する事ができる。

自分の手札から相手はカード1枚をランダムに選択する。

それが「E・HERO」と名のついたモンスターカードだった場合、

相手フィールド上のモンスター1体を破壊し、選択したカードを

自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

 

「俺の手札はE・HERO エアーマン一体のみ!よってパトリオットを破壊し特殊召喚!」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

「手札にバブルマンを加えるぜ!」

 

 

 

E・HERO バブルマン

効果モンスター(準制限カード)

星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200

(1):手札がこのカード1枚のみの場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする。

この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「エンドフェイズ時にパトリオットの効果発動!エクストラデッキのファンタズマをデッキに戻し特殊召喚!エンドだ。」

「また復活するのかよ!」

 

 

  □□□□□

 ■      ■ ナックスLP800 手札4

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 十代LP4000 手札1

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!ミラクル・フュージョンを発動!」

 

 

 

ミラクル・フュージョン

通常魔法

(1):自分のフィールド・墓地から、

「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「墓地のフェザーマンとバーストレディを融合!現れ出てこい!E・HERO Great(グレイト) TORNADO(トルネード)

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「効果発動!タウン・バースト!」

 

パトリオットの攻撃力は半分の1650となる。

 

「バトル!エアーマンでパトリオットを攻撃!」

 

ナックスLP800→650

 

「終わりだ!Great TORNADOでダイレクトアタック!スーパーセル!」

 

Great TORNADOの攻撃によって砂埃が舞う。砂埃が晴れるとナックスのフィールドには新たなモンスターが現れていた。

 

「モンスターカード ペンデュラム・パラサイト!直接攻撃時にこれを相手モンスターに装備することで攻撃を止めることが出来るのさ。まだまだこれからだろ?遊城十代。」




P・HERO ファンタズマ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1100/守 500
【Pスケール:青3/赤3】

【モンスター効果】
(1)と(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使うことが出来ない。
(1):このモンスターがP召喚によって特殊召喚された時に発動できる。デッキから「P・HERO」との名の付いたモンスターを1枚手札に加える。
(2):自分のメインフェイズ時に発動できる。デッキから「P・HERO ファンタズマ」を2体特殊召喚する。この効果によって特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、攻撃力・守備力は0となる。
(3):(1)か(2)の効果を使用したこのモンスターの攻撃力と守備力は0となる。


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第五十七話「HERO対決の行方」

「やるな…ターンエンド!」

「エンドフェイズ時、墓地のP・HERO(ペンデュラムヒーロー) パトリオットの効果発動!墓地の三体目のファンタズマをデッキに戻し特殊召喚!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ ナックスLP650 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ 十代LP4000 手札1

  □□■□□

 

 

「そして俺のターン、ドロー!パトリオットの効果発動!エクストラデッキに存在するポイントマンをデッキに戻し、お前のフィールドのE・HERO(エレメンタルヒーロー) Great(グレイト) TORNADO(トルネード)を破壊!」

「く…!」

 

 

 

E・HERO Great TORNADO

融合・効果モンスター

星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200

「E・HERO」モンスター+風属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

「バトル!パトリオットでエアーマンに攻撃!」

 

十代LP4000→2500

 

「ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 ■      ■ ナックスLP650 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 十代LP2500 手札1

  □□■□□

 

 

『なかなかの強敵みたいだな、十代。』「あぁ、でもあいつの融合モンスターはペンデュラムには向いていない。」『どういうことだ?』「ペンデュラム召喚の強みはエクストラデッキから大量にモンスターが出てくること。でもあの融合モンスターはエクストラデッキのモンスターをデッキに戻しちまう。」『なるほど…。だがあの決闘者(デュエリスト)、金のためといいつつデュエルタクティクスはプロ並みだ。』「あぁ、油断するわけにはいかねえ。」

 

「俺のターン、ドロー!手札からE・HERO プリズマーを召喚!」

 

 

 

E・HERO プリズマー

効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻1700/守1100

(1):1ターンに1度、エクストラデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、

そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を

デッキから墓地へ送って発動できる。

エンドフェイズまで、このカードは墓地へ送ったモンスターと同名カードとして扱う。

 

 

 

「プリズマーの効果発動!E・HERO ネオス・ナイトを見せることでネオスを墓地へ送りプリズマーをネオスとして扱う!リフレクト・チェンジ!」

 

 

 

E・HERO ネオス・ナイト

融合・効果モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守1000

「E・HERO ネオス」+戦士族モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、このカードの融合素材とした

「E・HERO ネオス」以外のモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。

このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

このカードが戦闘を行う場合、相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

 

「さらに手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドのネオスとなっているプリズマーと手札のエッジマンで融合!現れ出てこい!E・HERO ネオス・ナイト!」

 

 

 

E・HERO エッジマン

効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2600/守1800

(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「ネオス・ナイトの効果により攻撃力はエッジマンの攻撃力の半分である1300アップ!よって3800!バトル!パトリオットを攻撃!」

「ぐおお!」

 

パトリオットはネオス・ナイトの剣によって砕かれた。

 

「バトルダメージは発生しないがもうお前のエクストラデッキにP・HEROは存在しない。パトリオットは復活しないぜ!ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 ■      ■ ナックスLP650 手札3

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 十代LP2500 手札0

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー…と行きたいがペンデュラムゾーンのパラレルマスターのペンデュラム効果!エクストラデッキに表側のカードが存在しないドローフェイズ時にドローする時、カードを二枚引くことが出来る。カード二枚ドロー!」

「それを狙っていたか…!」

「セッティング済みのスケール3のパラレルマスターとスケール6のポイントマンでペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち!手札より二枚のファンタズマ!」

「ファンタズマがペンデュラム召喚によって姿を現したとき、デッキからP・HEROを加える…だったな…。」

「その通り!手札に二体目のポイントマンを加えるぜ!さらにペンデュラムゾーンに置かれている方のポイントマンのペンデュラム効果を発動!エクストラデッキに表側のカードが存在せずペンデュラム召喚を行った自分のターンのメインフェイズ時に発動でき、もう一度ペンデュラム召喚を行うのだ!今一度ペンデュラム召喚!手札からポイントマン!」

「ポイントマンがペンデュラム召喚によって特殊召喚されると融合を加える…!」

「よくわかってるじゃん!じゃあ融合を発動!フィールドの二体のファンタズマにポイントマン、手札のパラレルマスターとペリドットを融合!現れろ 二体目のパトリオット!」

 

再びパトリオットが姿を現す。エクストラデッキには融合素材として送られれた三枚が表側となっている。

 

「パトリオットの効果!ポイントマンをデッキに戻しネオス・ナイトを破壊!」

「くぅ!」

「バトル!これで終わりだ!パトリオットで遊城十代にダイレクトアタック!!」

 

パトリオットの攻撃が十代を襲おうとする。

 

「罠発動!攻撃の無力化!」

 

 

 

攻撃の無力化

カウンター罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃を無効にする。その後、バトルフェイズを終了する。

 

 

 

「バトルフェイズを終了させる!」

「やるねえ、エンドフェイズ時、墓地のパトリオットの効果!エクストラデッキのファンタズマをデッキに戻し特殊召喚!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ ナックスLP650 手札0

  ○●●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 十代LP2500 手札0

  □□□□□

 

 

「相手フィールドには攻撃力3300のモンスターが二体…フィールドにはカードはない。手札もゼロ…これが最後のターン…!」

『十代…楽しそうだな。』

「戦わなくちゃいけない戦いがある、でもそれを楽しめるようになったら人は…決闘者は強くなれる。俺はそう信じてる!俺のターン、ドロー!」

「さぁ、逆転するか?遊城十代。」

「手札から魔法カード ホープ・オブ・フィフスを発動!」

 

 

 

ホープ・オブ・フィフス

通常魔法

自分の墓地の「E・HERO」と名のついたカードを5枚選択し、

デッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

このカードの発動時に自分の手札・フィールド上に他のカードが存在しない場合は

カードを3枚ドローする。

 

 

 

「墓地のネオス、プリズマー、Great TORNADO、ネオス・ナイト、バブルマンをデッキに戻しシャッフル!そして三枚ドロー!」

 

十代は勢いよく三をドローした。

 

「手札から速攻魔法 超融合を発動!手札のシャドー・ミストを墓地に送りお前のフィールドに存在するP・HERO パトリオットで超融合!現れろ EX・HERO(エクストリームヒーロー) ツインバースト!」

「EX・HERO!?」

「EX・HEROは融合HEROを融合素材にしなければならない重量モンスター。だがお前のおかげで簡単に出すことが出来たぜ!ツインバーストでダイレクトアタック!」

「俺のおかげで出せたか…ならば俺もお前のおかげで重いモンスターを出せるぜ!速攻魔法発動!ヘヴィー・フュージョン!自分の墓地からレベル8以上のP・HERO融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。二体のパトリオットを除外しレベル8のP・HERO プログラムマックスを融合召喚!」

「新たなP・HERO!?」

「こいつの指定融合素材は融合P・HERO。お前が墓地に送ってくれたおかげで出せたぜ。さらにヘヴィー・フュージョンによって特殊召喚されたモンスターの攻撃力と守備力は二倍となる!プログラムマックスの元々の攻撃力は3500。よって7000!さぁどうする??」

『十代…仕方ない、ツインバーストの効果だ!』

「あぁわかってる!ツインバーストの効果発動!1ターンに一度攻撃力を二倍にする!」

「ツインバーストの攻撃力は3000。よって攻撃力は6000。まだ7000には届かない。」

「ツインバーストでプログラムマックスを攻撃!」

「なんだと!?」

 

ツインバーストが右手に持っている爆弾をプログラムマックスに投げつけるがプログラムマックスはそれを跳ね返し、ツインバーストに返ってくる。そして爆弾は爆発し、ツインバーストは自爆した。

 

十代LP2500→1500

 

「どういうつもりだ?」

「フィールドをよく見てみな。」

 

二人のフィールドの真ん中にはツインバーストが左手に持っていた爆弾が置かれている。

 

「あれは…。」

「ツインバーストが自身の戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、ツインバーストの攻撃力である3000のダメージを相手に与え、自分はその半分である1500のダメージを受ける。」

「なんだと…俺のライフは650、お前のライフは1500。それでは…!」

「あぁ、今回は引き分けってことで!ヘヘ。」

 

十代の笑顔と共に爆弾は大爆発を起こした。

 

十代LP1500→0 ナックスLP650→0

 

ナックスのデュエルディスクにはライフがゼロになると一定の時間でレクシブ時空に強制帰還されるプログラムが仕込まれている。煙が辺りを立ち込める中、そのプログラムが起動し、ナックスはレクシブ時空に帰還した。煙が晴れるとそこには十代がただ一人ポツンと立っているのだった。

 

 

 

 

 

遡ること数十分前。

 

「行くぜ!ギラグ!アリト!」

「おう!」

「ミザエル、俺たちバリアン七皇の力を見せてやろうぜ!」

「「「バリアンズカオスドロー!!」」」

「「俺が」」「私が」

「「「引いたカードはRUM(ランクアップマジック)七皇の剣(ザ・セブンス・ワン)!」」」

 

 

 

RUM-七皇の剣

通常魔法

自分のドローフェイズ時に通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、

そのターンのメインフェイズ1の開始時に発動できる。

「CNo.」以外の「No.101」~「No.107」の

いずれかをカード名に含むモンスター1体を、

自分のエクストラデッキ・墓地から特殊召喚し、

そのモンスターと同じ「No.」の数字を持つ「CNo.」と名のついたモンスターを

その特殊召喚したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

「RUM-七皇の剣」の効果はデュエル中に1度しか適用できない。

 

 

 

三人は七皇の剣を発動する。それぞれのフィールドにBK(バーニングナックラー) 彗星のカエストス、溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッドそして超銀河眼(ネオ・ギャラクシーアイズ)の時空龍(・タキオン・ドラゴン)が出現し、ピースキラーズに攻撃をした。

 

「「「ぐあああ!」」」

 

ピースキラーズたちは全員ライフが0となり強制帰還する。

 

「ふぅ…これで全部か…?」

 

ギラグが腰を下ろそうとした時、何者かが攻撃を仕掛ける。

 

「オッドアイズ・ドラゴンで攻撃!」

 

 

 

オッドアイズ・ドラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

 

数分もしない間に三人はあっという間にオッドアイズ・ドラゴンを使う決闘者に倒されてしまった。その決闘者は移動要塞に近づいていく。

 

 

 

 

 

遊馬と海馬は移動要塞の中をぐんぐんと進んでいた。もう少しでかつてアストラルを失った決闘場にたどり着く。遊馬がラストスパートをかけようとした時、二人の目の前にある男が転送された。

 

「!お前は…!」

 

そこに現れたのはアストラルを失った際に凌牙が戦っていたハイクラスの一人 シリョウであった。

 

「お前…シャークをあんな目にあわせたやつだな…!」

「あ?シャーク??あーあのバリアンタコ野郎か。ハハ、あいつの落ちていく姿…愉快だったぜぇ…。」

「く…!」

「おい、遊馬どうするつもりだ?」

「海馬さん…先に行っててくれ…アストラルも大事だけど…シャークの…友達の敵を討つのも大事だ!」

「フン…無駄に熱い奴だ。」

 

そう言うと海馬は移動要塞のさらなる奥へと向かった。

 

「お前が俺の相手をしてくれんのか…へへ、楽しみだぁ、遊那の目的であるお前とやれるなんてよ!」

「遊那の目的…?」

「いいから始めようぜ!!」

「「決闘(デュエル)!!」」




EX・HERO ツインバースト
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻3000/守2600
「HERO」融合モンスター×2
(1):このモンスターの攻撃によってこのモンスターが破壊された時に発動できる。相手に3000ポイントのダメージを与え、自分に1500ポイントのダメージを与える。
(2):このモンスターが効果によって破壊された時に発動できる。墓地から二体の「HERO」と名の付くモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。


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第五十八話「新たなホープ」

「俺が先行だ!俺はゴゴゴゴーレムを召喚!」

 

 

 

ゴゴゴゴーレム

効果モンスター

星4/地属性/岩石族/攻1800/守1500

(1):守備表示のこのカードは、1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

 

 

 

「さらにカゲトカゲを特殊召喚!」

 

 

 

カゲトカゲ

効果モンスター

星4/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1500

このカードは通常召喚できない。

自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時、

このカードを手札から特殊召喚できる。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…ククク…。」

「レベル4のゴゴゴゴーレムとカゲトカゲでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろNo.(ナンバーズ)39!!光の使者 希望皇ホープ!」

 

 

 

No.39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「来たか、アストラルの置き土産!」

「アストラルは助ける!置き土産なんかじゃなくあいつの所への道標だ!俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール6のマダラス・ナイフとスケール10のマダラス・ロープでペンデュラムスケールをセッティング!」

「ペンデュラムカード…来るのか!ペンデュラム召喚!」

「俺はカードを三枚セットしターンエンド。」

「何!?」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 ■      ■ シリョウLP4000 手札1

  ■■■□□

 

 

「モンスターを出さないのか。どういうことだ?」

「さぁてめえのターンだ、早くしな。」

「俺のターン、ドロー!」

 

遊馬は考える。「あれはおそらく罠。うかつに攻撃すりゃ引っ掛かる。でも何もしなきゃ決闘(デュエル)も動かねえ。ここはとことん攻めるぜ!」

 

「俺はタスケナイトを召喚!」

 

 

 

タスケナイト

効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻1700/守 100

このカードが墓地に存在し、自分の手札が0枚の場合、

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚し、バトルフェイズを終了する。

「タスケナイト」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

 

 

「そして永続罠 コピー・ナイト発動!」

 

 

 

コピー・ナイト

永続罠

自分フィールド上にレベル4以下の戦士族モンスターが

召喚された時に発動できる。

このカードは発動後、その召喚されたモンスターと同じレベルの同名モンスターカード

(戦士族・光・攻/守0)となり、モンスターカードゾーンに特殊召喚する。

このカードは罠カードとしても扱う。

 

 

 

「罠をモンスターとして使う…か。」

「罠ならいくらでも発動できる!いくらでもモンスターを出せるようなもんだぜ!」

「へへ…だなぁ。」

「レベル4のタスケナイトとコピー・ナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4 (ヒロイック)(チャンピオン) エクスカリバー!」

 

 

 

H-C エクスカリバー

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2000/守2000

戦士族レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力は、次の相手のエンドフェイズ時まで元々の攻撃力の倍になる。

 

 

 

「H-C エクスカリバーの効果発動!オーバーレイユニットをすべて取り除き攻撃力を4000にする!バトルだ!H-C エクスカリバーで相手にダイレクトアタック!一刀両断! 必殺真剣!」

「永続罠発動!マダラス・ジェイソン!このカードは発動後モンスターカードとなり、俺のモンスターカードゾーンに特殊召喚される。」

「コピー・ナイトと同じ罠モンスター!?」

「そしてジェイソンは俺のライフと同じ攻撃力・守備力を得る。」

 

ジェイソンは守備表示のまま。エクスカリバーとバトルしても何も起きない。遊馬のバトルフェイズが終了した。

 

「このままターンエンドだ…。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札2

  ○●●○○ □

 

□ ○○◆○○

 ■      ■ シリョウLP4000 手札1

  ■■◆□□

 

 

「俺のターン、ドロー!永続罠発動!マダラス・レザーフェイス!」

「また罠モンスターか!」

「そしてマダラス・ジェイソンを攻撃表示!バトル、希望皇ホープに攻撃!」

「ホープの効果発動!ムーンバリア!」

 

ホープの効果によりオーバーレイユニットを一つ取り除き攻撃が無効となった。

 

「ターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札2

  ○●●○○ □

 

□ ○◆◆○○

 ■      ■ シリョウLP4000 手札2

  ■◆◆□□

 

 

「くそ、不気味なモンスターだぜ。俺のターン、ドロー!バトル!H-C エクスカリバーでマダラス・レザーフェイスに攻撃!!一刀両断! 必殺真剣!」

「ペンデュラムゾーンのマダラス・ロープのペンデュラム効果発動!このカードをマダラス・レザーフェイスに装備!」

「ペンデュラムゾーンから装備!?」

「マダラス・ロープが装備されたモンスターは攻撃力が500ポイントアップする!」

「ということは攻撃力1500のレザーフェイスは2000になりエクスカリバーと相打ち!」

 

エクスカリバーの剣はロープによって止められ、お互いが破壊された。破壊された後にはマダラス・レザーフェイスのマスクがポトリと落ちた。

 

「なんだ?」

「マダラス・レザーフェイスの効果発動。このカードが破壊された時、相手フィールド上のモンスターを1枚破壊する。希望皇ホープを破壊!」

 

ホープの顔にレザーフェイスのマスクがくっつく。ホープは剥がそうとするも瞬く間に爆発し、ホープは破壊された。

 

「く…ホープ!」

「さぁあとはこっちに攻撃力4000のジェイソン。お前の場には何もいない。」

「…俺はバトルフェイズを終了するぜ。カードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札1

  ○○○○○ □

 

□ ○○◆○○

 □      ■ シリョウLP4000 手札2

  ■□◆□□

 

 

「俺のターン、ドロー!マダラスモンスターはダイレクトアタックできない。が…永続罠発動!マダラス・ジョーカー!」

「なんだ!?」

「こいつもモンスターとして出てくる。そしてこいつを墓地に送ることでフィールドに表側で存在するマダラスモンスターはエンドフェイズ時まで効果が無効となり、攻撃力が3000アップする。つまり…」

「ジェイソンは攻撃力3000でダイレクトアタックが出来る!」

「That's right!!ハハハハ!ジェイソンでダイレクトアタック!」

「永続罠発動!リビングデッドの呼び声!」

 

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「希望皇ホープを蘇生!」

「オーバーレイユニット持たないホープなど意味はない!」

「速攻魔法発動!RUM(ランクアップマジック)-クイック・シャイニング!」

「速攻魔法のRUMだと!?」

「自分フィールドのホープをシャイニング・エクシーズ・チェンジする!エクシーズ召喚!SNo.(シャイニングナンバーズ)39 現れろ俺の新たなホープ!希望皇ホープ・レクリエム!」

「アストラルもなしに新たなホープを…。」

「アストラル、俺はお前がまだ生きてるって信じてる。お前が救ってくれたバリアン七皇、カイト、シャーク…大切なものたちのために俺はこいつを倒す!」

「所詮は攻撃力2800!マダラス・ジェイソンでSNo.39 希望皇ホープ・レクリエムを攻撃!」

「ホープ・レクリエムの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き墓地の希望皇ホープモンスターの効果を得る!俺はホープのムーンバリアをレクイエムの効果にする!」

 

ジェイソンの攻撃は止まる。

 

「け…ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○◆○○

 □      ■ シリョウLP4000 手札2

  □□◆□□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札からゴブリンドバーグを召喚!」

 

 

 

ゴブリンドバーグ

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1400/守 0

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果を発動した場合、このカードは守備表示になる。

 

 

 

「ゴブリンドバーグの効果によりゴゴゴゴーストを特殊召喚!」

 

 

 

ゴゴゴゴースト

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1900/守 0

このカードが特殊召喚に成功した場合、

自分の墓地の「ゴゴゴゴーレム」1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。

その後、このカードは守備表示になる。

「ゴゴゴゴースト」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「ゴゴゴゴーストの効果により墓地からゴゴゴゴーレムを特殊召喚!すべて守備表示だ!」

「何をする気だ!」

「ホープ・レクリエムの効果発動!ホープ・レクリエムをリリースし、墓地からレベル4モンスターを二体特殊召喚!来い、カゲトカゲ、タスケナイト!」

「レベル4のモンスターが…5体!?」

「レベル4のゴブリンドバーグ、ゴゴゴゴーレム、ゴゴゴゴースト、カゲトカゲ、タスケナイトでオーバーレイ!No.39 今出せるすべての力をこのモンスターに!みんな!俺に力を!エクシーズ召喚!!」

 

 

 

 

 

「行け!No.32 海咬龍シャーク・ドレイク!生命力の魔術師に攻撃!デプス・バイト!」

 

 

 

No.32 海咬龍シャーク・ドレイク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2800/守2100

レベル4モンスター×3

1ターンに1度、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

破壊したそのモンスターを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。

さらに、このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけ攻撃できる。

 

 

 

「ぐあああ!」

 

エクスLP1400→0

 

銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)(フィクション)・HERO ファーストレイを攻撃!」

 

 

 

銀河眼の光子竜

効果モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは自分フィールド上に存在する

攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、

手札から特殊召喚する事ができる。

このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、

その相手モンスター1体とこのカードをゲームから除外する事ができる。

この効果で除外したモンスターは、バトルフェイズ終了時にフィールド上に戻る。

この効果でゲームから除外したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、

このカードの攻撃力は、そのエクシーズモンスターを

ゲームから除外した時のエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。

 

 

 

「ファーストレイはお前のフィールドの光属性モンスターと同じ攻撃力 すなわち銀河眼の光子竜と同じ3000になるのだぞ!」

「速攻魔法発動!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

 

 

破滅のフォトン・ストリーム

速攻魔法

自分フィールド上に「ギャラクシーアイズ」と名のついたモンスターが存在する場合に発動できる。

フィールド上のカード1枚を選択してゲームから除外する。

自分フィールド上に「銀河眼の光子竜」が存在しない場合、

このカードは自分のターンにしか発動できない。

 

 

 

「ファーストレイを除外!ダイレクトアタック!」

「おわああああ!」

 

ティソナLP3000→0

 

「No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロでウォーロイド・ガリィに攻撃!」

 

 

 

No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/天使族/攻2400/守1200

レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する、

元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊し、デッキからカードを1枚ドローする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「そんなああ!!」

 

ムラサメLP400→0

 

「すべて片付きましたわね…。」

「なかなか強かったが…俺たちの敵じゃねえ。」

「確かに…。」

 

束の間の休憩をとる三人に近づくオッドアイズ・ドラゴンを手にした男。その数分後には凌牙、カイト、璃緒の三人はその男に倒され、戦闘不能にまで追い込まれていた。




SNo.39 希望皇ホープ・レクリエム
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/光属性/戦士族/攻2800/守2200
光属性レベル5モンスター×3
(1):このカードのX素材を1つ取り除き発動できる。墓地に存在する「希望皇ホープ」モンスターを選択し、選択したモンスターがX素材を取り除くことで発動できる効果を発動する。この効果は相手ターンでも使える。
(2)このモンスターをリリースすることで発動できる。墓地に存在するレベル4モンスターを2体選択し特殊召喚する。


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第五十九話「キッド再び」

「ランク4!最強無敵の希望皇!ウィッシュ・イン・ザ・ホープ!!」

 

レベル4のモンスター5体によって現れたNo.(ナンバーズ)39 希望皇ウィッシュ・イン・ザ・ホープが遊馬の前に堂々と立つ。

 

「ウィッシュ・イン・ザ・ホープの効果発動!オーバーレイユニットを任意の数使うことで発動!俺は二つ使うぜ!」

「く…。」

「その枚数分、フィールドのカードを選んで除外する!俺はお前のモンスターゾーンにあるマダラス・ジェイソンとペンデュラムゾーンのマダラス・ナイフを除外!」

「な…馬鹿な…!」

「さらなるウィッシュ・イン・ザ・ホープの効果発動!オーバーレイユニットを任意の数使うことでその数だけ攻撃できる!俺は二つ使用!」

「ウィッシュ・イン・ザ・ホープの攻撃力は3000…!!」

「これで終わりだ!希望皇 ウィッシュ・イン・ザ・ホープで相手にダイレクトアタック!!ホープ剣・ウィッシュ・スラッシュ!」

 

シリョウLP4000→1000

 

「これで終わりだ!ホープ剣・ファイナル・ウィッシュ・スラッシュ!!」

「くそおおおお!!!!!!」

 

シリョウLP1000→0

 

シリョウは吹っ飛ばされ、着地する。それと共にソリットヴィジョンは消えていった。まもなくしてシリョウの体が光り始める。

 

「く…強制帰還…この俺が…!」

「シャークの敵、確かにとったぜ。」

「てめぇ覚えてろよ!!!今度こそ俺g…」

 

シリョウの怒鳴り声は途中で途切れ、消えた。すぐに肉体もすべて転送される。遊馬は海馬が登って行った階段を登り始めるのだった。

 

 

 

 

 

遊馬がシリョウと決闘(デュエル)している中、海馬はアストラルが敗北した決闘場にいた。

 

「ここが最上階なのか…?」

「いいや、違うぜ。」

 

照明で照らされていないところから声がする。コツコツという足跡が海馬に近づいていき、やがて声を発した者の赤髪が見えた。

 

「貴様は…」

「キッド・プライスター。ハイクラスの一人としてお前を倒す。」

「フン…いいだろう、すぐに捻り潰してやる!」

 

「「決闘!」」

 

 

 

 

 

「ハァハァ…もうすぐ…もうすぐで着く!」

 

遊馬は階段を駆け上がり、海馬とキッドが決闘しているところまで来た。

 

「海馬さん!」

「離れていろ!こいつは危険だ!!」

「…!あれはキッド!それにあの光は…!」

 

フィールドにはピースキラー・ドラゴン、そしてキッドの体から青白い光が溢れている。それこそ遊馬を敗北に追いやったヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンの出現時と同じ状況だった。

 

「やべえ、あのドラゴンが出てくる!海馬さん、逃げるんだ!」

「…この海馬瀬人 決闘で逃げるわけにはいかない!」

「く…キッドも危ねえ、意識はまだあるのか!?」

 

キッドを見ると白目をむきつつニヤリとしている。

 

「く…キッド!気を確かにもて!!」

「ヴヴヴヴ…!ヌメロンノ力ヲ…!ウォォォォ!!!」

「く…お前、行方不明の弟を探すためにハイクラスに入ったって言ってたよな!そんなお前が俺には悪い奴には思えないんだ!」

「弟のため…だと?」

 

海馬は遊馬の言葉に驚く。

 

「弟はお前がそんな姿になってほしいなんて望んでいると思うのか!?言っとくけどな、俺はお前に負けたかもしれないけどお前もお前にあの決闘で負けていたぜ!」

「ヴヴヴ…!」

「俺たちは理解し合える!いや俺は理解し合いたい!お前の痛み、苦しみを教えてくれ!!」

「黙レ…九十九遊馬…!現レロ…!!ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンッ!!」

 

遊馬の声も届かず意識を失っているキッドの場にヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンが特殊召喚された。コストゾーンにはカードが7枚置かれている。ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンはコストゾーンのカードの枚数×1000の攻撃力となるため攻撃力は7000となる。海馬の場に青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)がいるとはいえ1ターンで決闘が終わるダメージを与えるほどの攻撃力である。

 

「バトル!!青眼の白龍ヲ攻撃!混沌ノサタン・ストリーム!!」

 

ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンの攻撃により青眼の白龍ごと海馬は倒された。決闘が終わっても海馬は目を覚まさず意識を失っている。キッドは洗脳が解け、何とか立ち上がった。その腕につけられたデュエルディスクからは黒い煙が少し出ている。ヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンの出現によって一部が故障したようであった。

 

「ハァハァ…俺は…また…。」

「キッド!」

「…九十九遊馬…!」

「俺ともう一度決闘してくれ、今度こそ…今度こそお前を理解してえ!」

「やめろ…俺は遊那の力でネオンを…弟を見つけなければならない。俺は負けられない。俺を理解したいなどというお前の自己満足のために時間を裂けるほど俺は暇じゃない。」

「ならハイクラスとしてでもいい。俺と戦ってくれ。」

「どういうことだ?」

「ハイクラスは…遊那は俺を狙っているんじゃないのか?」

「?」

 

『そう、よく知っているね、九十九遊馬。』

 

決闘場のスピーカーから女性の声がする。

 

「遊那!」

「!お前が…!」

『そう、私の目的は貴方。キッド、ハイクラスの一人として九十九遊馬を倒しなさい。』

「…。」

『わかる?』

「あぁ。いいだろう、遊馬。俺と決闘だ。」

「行くぜ!」

 

「「決闘!!」」

 

「先行は俺がもらうぜ!手札からガガガマジシャンを召喚!」

 

 

 

ガガガマジシャン

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。

エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。

「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

「さらにカゲトカゲを特殊召喚!」

 

 

 

カゲトカゲ

効果モンスター

星4/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1500

このカードは通常召喚できない。

自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時、

このカードを手札から特殊召喚できる。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…。」

「レベル4のガガガマジシャンとカゲトカゲでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろNo.39!!光の使者 希望皇ホープ!」

 

 

 

No.39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ キッドLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード Pk(ピースキラー) スピード・チューニングを発動!手札でシンクロ召喚を行う!手札のレベル4のPk-A()ガリアにレベル3のPk-B()ルゼーブをチューニング!シンクロ召喚!レベル7 Pk-P()ルケレー!」

「シンクロ召喚を手札で…!」

「この効果で特殊召喚されたモンスターは効果が無効となりエンドフェイズ時に破壊される。そして手札から融合を発動!フィールドのPルケレーと手札のPk-C()ルソンを融合!平和などはまやかし。秩序を壊してこその現世なり。すべてを薙ぎ払え、融合召喚!Pk-暗雲の(ヌメロン)!」

「ヌメロンコードの力が封じられているモンスターか!」

「暗雲のNの効果発動!手札の永続魔法 Pk ライブラリーを墓地に送りデッキから速攻魔法 Pk アウェイキニングを手札に加える。ターンエンドだ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ キッドLP4000 手札1

  □□□□□

 

 

「なんかお前…焦っていないか?」

「なんだと?」

「手札めっちゃ使った割には場に攻撃力2000のモンスターだけ…まるで何かの準備のためにはこの場は仕方ないって言ってるように見せるぜ。」

「…。」

「またあのドラゴンを出すつもりなのか?」

 

遊馬は悲しそうに言う。

 

「たとえ俺自身の力でなくとも確実にお前を倒せる。俺は遊那の望み通りお前たちプロン時空の者を倒し弟の情報が必要なんだ!」

「お前は本当にそれでいいと思ってるのかよ!」

「なんだと?」

「お前みたいに弟思いの奴が俺たちの時空にもいる、そんなことは考えたことはないのか?」

「…。」

「なぁ答えろよ!キッド!」

「…決闘を続けろ、遊馬!」

「く…俺のターン、ドロー!バトルだ!希望皇ホープで暗雲のNを攻撃!ホープ剣・スラッシュ!」

 

キッドLP4000→3500

 

「く…。」

「辛そうだな…何かそのカードに思いでもあるのか?」

「…このカードたちは…Pkたちは俺の弟が最後に持っていたカードだ。」

「!?」

「遊那が俺の元に届けてくれた。『君の弟が目の前で誘拐された。このカードたちを落としていった。』とな。」

「そんな…。」

「俺はそんなカードも相手のモンスターのサンドバックにしてしまうほど愚かな兄になっていたんだな…。」

「キッド…。」

「だが俺は負けるわけにはいかない。俺の懺悔はネオンを救ってからだ!」

「その時じゃもう遅いぞ。」

「…。」

「プロン時空の人たちを傷つけて…弟を…家族を…仲間を…大切な人を…プロン時空の人から奪った後に懺悔したってもう遅い!」

「…。」

「『本当に相手を理解しないで何が楽しい決闘をしよう。』確かにおかしかったぜ、俺。こんなつらい戦いを楽しむのはすごく難しいし…出来ないことかもしれねえ。でも…一筋の希望くらいはこんな決闘にもあるんじゃねえかって信じたい!」

「…俺は…。」

「もしお前の中にもそんな気持ちが少しでもあるなら…お前の強さでお前の弟を救えよ!」

「…。」

「ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札4

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ キッドLP3500 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン…ドロー!俺は手札から魔法カード Pk アルティメット・オーバーレイを発動!墓地の同レベルモンスター二体をコストゾーンに送りエクシーズ召喚する!墓地に存在するレベル4のPk-AガリアとCルソンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4 Pk-Q()エナー!」

「それも弟のカードか?」

「遊那が言うにはな…。Qエナーの効果発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手フィールドに存在するモンスターを1体選択し選択したモンスターを破壊する。希望皇ホープを破壊!」

「俺の希望は簡単には壊れない!速攻魔法発動!RUM(ランクアップマジック)-クイック・シャイニング!自分フィールドのホープをシャイニングエクシーズチェンジする!シャイニングエクシーズチェンジ!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!現れろ、SNo.(シャイニングナンバーズ)39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング!」

「…手札から速攻魔法発動!Pk アウェイキニング!フィールドに存在するPk-Qエナーを墓地に送り墓地のPk-Pルケレー、暗雲のN、Qエナーを除外!デッキより現れろ 我がエース ピースキラー・ドラゴン!」

 

ホープ・ザ・ライトニングを出した遊馬に負けじとキッドもピースキラー・ドラゴンを特殊召喚する。しかしエクストラデッキには表側となっているPkカードは一枚もない。よってピースキラー・ドラゴンの攻撃力は0である。

 

「攻撃力0のピースキラー・ドラゴン…てことはまさか!」

「その通り、ピースキラー・ドラゴンの効果でヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンを呼ぶ!」

「お前は本当にそれでいいのかよ!弟はそんなことを望んでいるのか!?」

「アイツが望んでいようがいまいが俺はあいつを助ける!!バトルフェイズに移行し、ピースキラー・ドラゴンの効果発動!!」

 

キッドはバトルフェイズ時にエクストラデッキで表側となっているPkカードが2枚以下の場合発動できるピースキラー・ドラゴンの効果を発動した。コストゾーンにピースキラー・ドラゴンを送ることでデッキまたは手札からヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンを特殊召喚できるのである。キッドの体が再び青白く光るのであった。

 




No.39 希望皇ウィッシュ・イン・ザ・ホープ
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻3000/守2600
レベル4モンスター×5
(2)と(3)の効果は1ターンに1度しか使うことが出来ない。
(1):このカードはルール上、「希望皇ホープ」と名のついたカードとしても扱う。
(2):X素材を任意の枚数取り除くことで発動出来る。取り除いた枚数分、フィールドのカードを選んで除外する。
(3):X素材を任意の枚数取り除くことで発動出来る。取り除いた枚数分、このターンこのモンスターはバトルを行うことが出来る。


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第六十話「コムニオ召喚」

レクシブ時空 とある次元。決闘(デュエル)の大会の会場にキッドとその弟 ネオンはいた。

 

「兄さん、いつになったらトーナメントに復帰するの?」

「お前がジュニアクラスじゃなくなってユースクラスに入ったらだな。」

「それまで僕の決闘は見ないってホント?」

「あぁ、お前のデッキを見ちゃったらフェアじゃないだろ?」

「でも僕、兄さんのデッキ知ってるし…。」

「その頃には俺のデッキも強くなっているさ。お前がユースクラスになって俺とネオンでトーナメントの決勝で戦う。そうだろ?」

「うん!じゃあ兄さん、ジュニアクラスの決勝、軽く勝ってくるぜ!」

「おいおい、舐めてかかるなって。」

「わかってるって。じゃあね!」

 

これがキッドがネオンを見た最後の時であった。その夜、キッドの前に遊那が現れたのだ。

 

「誰だ、あんた。」

「私は遊那。この時空のために動く者。」

「そんな人が俺に何の用さ?」

「ネオン・プライスター、貴方の弟。そう私のブレインには入っているわ。」

「ネオンがどうかしたのか?」

「私の目の前でフードをかぶった男たちにさらわれたわ。このデッキを落としていったので届けに来た。」

「なんだと!?そいつらはどこへ!?」

「見失った。」

「く…。」

 

携帯端末を取り出し、ネオンに連絡を取ろうとするも通じない。数週間経ってもそれの状況は変わることはなかった。手がかりはたった一つ、フードをかぶった男たちのつけていたデュエルディスクはこの次元のものではなかったということである。

 

「ならアンタの言う別の次元、あるいは別の時空のやつがネオンをさらったって言いたいのか?」

「そう。」

「なら他の次元の行き方を教えろ!」

「それには私に協力してもらいたい。私もタダで情報を教えたり機器を貸すなどしない。」

「く…お前それでも人間か!?」

 

遊那の首根っこを掴むも遊那は全く表情を変えない。

 

「人間…。」

「…クッ…わかった。お前に協力すれば他次元への移動手段は貸してもらえるんだよな?」

「命令は聞いてもらうわ。貴方の優秀な腕が必要なの。全てはレクシブのために…。」

 

 

 

 

 

「ヴォォォォォォ!!」

「キッド!」

 

キッドはヌメロンの力で暴走する。遊馬はキッドを正気に戻そうと声をかけるが効果はない。

 

「く…どうすれば…!」

「ウアアアアアア!!!」

 

キッドから放たれる青白き波動でキッドのデュエルディスクからピースキラー・ドラゴンが遊馬の所まで飛んできた。遊馬はそのカードを持つと異変を感じる。

 

「なんだ…このカード…なんか違和感を感じる!」

「…!返セ…!」

「よし、俺だってゼアルの一人だ…アストラル、少し力を借りるぜ!」

 

遊馬の右手が光り始める。

 

「ゼアルの力を…少し…!リ・コントラクト・ユニバース!!」

 

遊馬の中に秘められたゼアルの力によってピースキラー・ドラゴンは本来あるべき姿に戻る。カードは書き換わり「ピースキラー・ドラゴン」から「ピースキープ・ドラゴン」へとリ・コントラクト・ユニバースした。

 

「!これは!キッド、見ろ!」

「!?」

「お前の弟が本当に使っていたカード、それは平和を破壊するような悪のカードなんかじゃねえ!平和を守れる力を持ったモンスターたちを召喚するデッキだったんだ!大きなデメリット、リスクを背負ってでも戦うピースキーパーたち。それこそお前の弟が望んでいた存在!お前だ!」

「…ウウウ…ウォオオオオ!!!!」

 

キッドのオーラが徐々に青から黄色へと変化する。

 

「ネ…オン…お前は…!」

「キッド!」

「そうだ…人の幸せを踏みにじってまで…あいつは…このカードたちに恥じるような決闘者(デュエリスト)じゃ…アイツに合わす顔がないな…!」

 

キッドのオーラが完全に黄色に変化するとキッドのデッキからPk(ピースキラー)-獄炎の(ヌメロン)、Pk-濃霧のN、Pk-暗雲のNそしてヌメロニアイズ・ピースキラー・ドラゴンが飛び出し、消滅した。そしてデッキからすべてのカードが飛び出し、リ・コントラクト・ユニバースが始まる。今までPkだったカードたちはPK(ピースキーパー)に覚醒し、元々の名前を得ていく。カードの書き換えが終わり、カードたちがデッキに戻っていくとオーラの激しさによってか元々黒い煙を上げていたキッドのデュエルディスクが壊れ、ソリットヴィジョンは消えていった。

 

「遊馬、俺の負けだ。」

「違う、お前は勝ったんだよ、心の闇に!」

「遊馬…。」

『残念だよ、キッド。』

 

遊那の声が再びスピーカーから流れる。

 

「遊那…!これはどういうことだ、なぜネオンのカードたちが書き換わっていた!?」

『ヌメロンの力があった方が君も強くなると思っていたからさ。まぁいいわ、来なさい、九十九遊馬。』

 

決闘場の天井の一部がエレベーターのように降りてきた。遊那は二人に対してそれに乗るよう言う。二人はそれに乗ると上へと進み始めた。上に進んでいる間に遊馬はもう一つ持っていたデュエルディスクを取り出す。

 

「これ、十代さんがアストラルのために持ってきてくれたデュエルディスクなんだけどアイツデュエルディスク使わないからさ。これ、壊れちまった奴の代わりに使ってくれよ。」

「ありがとう、恩に着る。」

 

到着した先には玉座があり、それに金髪の女性が座っている。

 

「ようこそ、九十九遊馬。」

「遊那…!」

「プロン・ヌメロンコードを持っているアストラルを取り込めばプロン時空は思いのままと思っていたけれど甘かったわ。」

「どういうことだ?」

「アストラルのわずかな意思がプロン・ヌメロンコードにロックをかけている。だから私はプロン時空を思いのままに動かせない。だからあなたの持つ皇の鍵 そしてあなた自身をエネルギーにし無理やりそのロックをこじ開ける。」

「だから俺が必要だったってことか…!」

「あなたが勝てば私は消える、アストラルも助けられる。お互いに決闘する理由は出来た感じかしら?」

「望むところだぜ!」

「待て、遊馬。やめておけ、遊那は…」

「キッド、目の前に俺の救いたい奴がいるんだ。止めないでくれ。」

「…わかった。」

「では始めさせてもらう!」

 

遊那は自分の左腕を前に出す。すると腕の横側に縦長の穴が出現し、そこからエネルギー態のデュエルディスクが出現した。

 

「いったい…!」

「いいから始めるわ。」

 

「「決闘!!」」

 

「私のターン 私は手札から永続魔法 コムニオン・リリースを発動!お互いのプレイヤーはドローしたカードをコストゾーンに送ることが出来るわ。」

「直接コストゾーンに?」

「さらに永続魔法 コムニオン・セメタリーを発動!私の手札 フィールドから墓地に送られるカードはすべてコストゾーンに置かれる。」

「またコストゾーン!」

「ただしこの2枚の永続魔法は墓地にカードが送られた瞬間に破壊される。手札から魔法カード 手札抹殺を発動!」

 

 

 

手札抹殺

通常魔法(制限カード)

お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから

捨てた枚数分のカードをドローする。

 

 

 

「俺は5枚ドロー!」

「私は二枚。そして手札抹殺と二枚の手札であったモンスターカード コムニオン・バルトロとコムニオン・ヤコブはコストゾーンに送られる。私はカードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札5 コスト0

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 遊那LP4000 手札1 コスト3

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はコムニオン・リリースの効果は使わないぜ。そして手札からガガガマンサーを召喚!」

 

 

 

ガガガマンサー

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻 100/守 100

(1):1ターンに1度、「ガガガマンサー」以外の

自分の墓地の「ガガガ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ガガガ」モンスターしか特殊召喚できない。

(2):X素材のこのカードがXモンスターの効果を発動するために取り除かれ墓地へ送られた場合、

自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。

 

 

 

「ガガガマンサーの効果発動!墓地のガガガマジシャンを特殊召喚!」

「レベル4のモンスターが二体…。」

「レベル4のガガガマンサーとガガガマジシャンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4 ガガガザムライ!」

 

 

 

ガガガザムライ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/戦士族/攻1900/守1600

レベル4モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

自分フィールドの「ガガガ」モンスター1体を対象として発動できる。

このターン、そのモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

(2):このカード以外の自分フィールドのモンスターが

攻撃対象に選択された時に発動できる。

このカードを表側守備表示にし、攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。

 

 

 

「ガガガザムライの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い2回攻撃できるようにするぜ!そして取り除いたオーバーレイユニットであるガガガマンサーの効果によりガガガザムライは攻撃力が2400となる!」

「ガガガザムライの攻撃は2回、よって遊那に4800のダメージを与えることが出来る。これが決まれば…。」

「バトル!ガガガザムライで遊那にダイレクトアタック!」

 

ガガガザムライが遊那に切りかかろうとする。

 

「罠発動!コムニオン・バースト!自分フィールド上のすべてのカードをコストゾーンに送り、バトルフェイズを終了させる。」

「く…カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札4 コスト0

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 遊那LP4000 手札1 コスト6

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー。先ほどの罠カード コムニオン・バーストはベースカード。よってコムニオ召喚が可能となる!」

「コムニオ召喚…!アストラルを倒した召喚方法!」

「そう、遊那の恐ろしいところは誰も行き着くことのできなかったコストゾーンすら自らの手中に収め力に変えてしまうこと…。」

「コムニオン・バーストをベースにコムニオン・リリースとコムニオン・セメタリーのブルーラクリマ2個でリクリエイト!」

「なんだ…!何が起きている!?」

 

空中にコムニオン・バーストを中心にコムニオン・リリース・コムニオン・セメタリーが出現する。二枚の永続魔法からクリスタルのような青いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、その二枚は裏側になる。そして二つの青いエネルギー体はコムニオン・バーストに吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!!クラス3 αβ(アルファベーター) H コムニオ・ザ・ホープ!」

 

遊那の場に遊馬の知らないホープが現れた。39の数字が書かれているところにはその数字はなく代わりにHの文字があった。

 

「なんだ…このホープは!」

「コムニオ召喚で使われたラクリマは裏側となり使えなくなるがベースカードは手札に戻る。そして手札から墓地に送ったモンスター コムニオン・バルトロもベースカード!コムニオン・バルトロをベースにコムニオン・ヤコブのイエローラクリマと手札抹殺の通常ブルーラクリマでリクリエイト!コムニオ召喚!クラス3 αβ G ギャラクシーアイズ・コムニオン・ドラゴン!」

「ギャラクシーモンスターまでコムニオ召喚を…!」

「コムニオ召喚に成功したことでベースカードは手札に戻る。よって手札は四枚。そのすべてがベースカード!」

「それがなんだ…!」

「コムニオモンスターの特徴は手札からベースカードを捨てれば何度でも何度でも効果を使えることにある。」

「何!?」

「αβ G ギャラクシーアイズ・コムニオン・ドラゴンの効果発動!手札のベースカードを1枚捨てることでフィールドに存在する魔法 罠を1枚選択し破壊する。九十九遊馬の場にある伏せカードを破壊!」

「ミラフォが…!」

 

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「そしてαβ H コムニオ・ザ・ホープの効果発動!手札のベースカードを1枚捨てることでこのモンスターの攻撃力を500ポイントアップする!」

「コムニオ・ザ・ホープの攻撃力は2500…500上がることで3000!」

「バトル!攻撃力3000のギャラクシーアイズ・コムニオン・ドラゴンでガガガザムライを攻撃!破滅のコムニオン・ストリーム!」

 

遊馬LP4000→2900

 

「さらに攻撃力3000となったコムニオ・ザ・ホープでダイレクトアタック!ホープ剣・コムニオ・スラッシュ!」

「く…!」

 

遊馬LP2900→0

 

遊馬はあっという間に敗北した。遊那は遊馬に近づいていく。

 

「さぁ九十九遊馬、皇の鍵と貴方自身をいただく…すべてはレクシブのために…!」

 

倒れこむ遊馬に遊那は手を伸ばす。その時、階段の付近から

 

「待て!」

 

という声がした。そこには十代が立っている。

 

「うお!ギリギリセーフかぁ?何とかここまで来れたぜ…。」

「十代さん!」

 

その直後次元移動の出口が出現した。そこから赤き竜が現れ、唸りを上げることで遊那を邪魔する。

 

「く…!なんだ!」

 

 

「あれは赤き竜?ってことは…!」

「十代さん、そして九十九遊馬くん、待たせたな。」

『クリクリ!』

「おー!ハネクリボー!よくやってくれたな!」

 

十代とハネクリボーが久しぶりの再会をする横で遊馬は何が何だかわからないとでも言いたげな顔をする。それを見た十代はニヤリとして遊馬に手を差し伸べる。

 

「俺だけじゃない、みんなお前の仲間だぜ!」

「いいや、仲間だけ来たわけじゃないぜ。見てみな。」

 

何者かの声の指示通り遊那の後ろを見ると後ろにはレクシブ時空に帰還し再び戻ってきたトレード、シリョウ、ツクナが立っていた。

 

「だが十代の言う通り俺たちは仲間だ。プロンを守るために共に戦おう、遊馬。」

 

やっと遊馬は声の主を確認する。そこには額にウジャトの眼を光らせる闇遊戯が立っていたのであった。ここに武藤遊戯、遊城十代、不動遊星、九十九遊馬、キッド・プライスター、そしてアクトの一人を除くハイクラスたち、遊那が揃った。

 

「役者が少し少ないみたいだけどまぁいいわ…始めましょう、プロン時空の最後の晩餐(コムニオ)を。」




αβ H コムニオ・ザ・ホープ
コムニオ・効果モンスター
クラス3/光属性/戦士族/攻2500/守2000
ベース+ベース以外のカード×2
(1):手札のベースカードを捨てることで発動できる。このモンスターの攻撃力を500ポイントアップする。


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最後の晩餐編
第六十一話「遊星VSトレード」


「遊戯さん、他のみなさんはどこですか?」

 

十代は闇遊戯、遊星以外の居場所を尋ねる。

 

「遊星の仲間たちはそのまま向こうの次元に、城之内君は元の次元でレクシブ時空からの侵攻を食い止めてもらってるぜ。」

「なるほど、それなら安心ですね!」

「遊戯さん、十代さん、遊馬君。俺たちでハイクラスを倒せばプロンは助かります。戦いましょう!」

 

遊星がD ホイールに跨り言う。

 

「ならお前の相手は俺でいいんだよな?次こそお前を必ず倒すといっただろう!」

「あぁ、トレード。相手になるぜ。」

「ならそれぞれの決闘者をそれぞれの場所に転送しようか…。」

 

遊那が指を鳴らすと闇遊戯たちもハイクラスたちは別の場所に転送された。

 

 

 

 

 

「ここは…アーククレイドル型のハイクラスのアジト!」

 

遊星とトレードはかつて戦った第二アジトにいた。

 

「まぁここはネオ童実野シティの上空ではなくレクシブ時空だけどな。」

「トレード…!」

「お前は俺が誰よりも弱いと言ったな、ならもう一度勝負しろ!」

「望むところだ!」

 

「「ライディングデュエルアクセラレーション!!」」

 

二台のDホイールはほぼ同時に飛び出す。先にコーナーを曲がったのはトレードであた。

 

「先行は俺がもらうぜ。俺はプラチナム・アクエリアスを召喚!効果発動!召喚に成功した時、デッキからプラチナム・アクエリアス以外のプラチナム水属性モンスターを1体特殊召喚できる。出てこい、チューナーモンスター プラチナム・ピスケス!」

「さらにプラチナム・アリエスを特殊召喚!フィールドにプラチナムモンスターがいる時こいつは特殊召喚出来る!」

「…。」

「レベル4のプラチナム・アクエリアスとレベル2のプラチナム・アリエスにレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!!魂を震わし世界に轟け!!シンクロ召喚!レベル8 閃珖竜(せんこうりゅう) スターダスト!」

 

 

 

閃珖竜 スターダスト

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードは、このターンに1度だけ戦闘及びカードの効果では破壊されない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

閃珖竜 スターダストがトレードのフィールドに現れる。

 

「来たか、もう一体のスターダスト…!」

「俺はターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ トレードLP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 遊星LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札を一枚墓地に捨てることでTHE トリッキーを特殊召喚!」

 

 

 

THE トリッキー

効果モンスター

星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1200

このカードは手札を1枚捨てて、手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「さらに魔法カード 精神操作を発動!」

 

 

 

精神操作

通常魔法(制限カード)

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターのコントロールを得る。

この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃宣言できず、リリースする事もできない。

 

 

 

「何をする気だ?」

「お前のスターダストを俺のスターダストにつなげさせてもらう!トリッキーの効果で墓地へ行った速攻魔法 決闘竜(デュエル・ドラゴン)の目覚めの第二の効果発動!決闘竜の目覚めが墓地に存在する場合、フィールド上の「竜」または「龍」と名の付いたモンスターを選択し、そのモンスターとこのカードをゲームから除外。そして選択したモンスターと同じ攻撃力・守備力の「竜」または「龍」と名の付かないモンスターを1体、召喚条件を無視してデッキまたはエクストラデッキから特殊召喚する!」

「つまり閃珖竜 スターダストを除外しつつお前のスターダスト・ドラゴンを呼ぶ気か!」

「そうだ!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!レベル8 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンの

エンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースした

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「バトルだ!THE トリッキーでダイレクトアタック!」

「自分のフィールドにカードが存在しない場合に直接攻撃を受ける場合、このモンスターは手札から特殊召喚できる。出てこいチューナーモンスター プラチナム・キャンサー!」

「守備力2500!?」

「ただしプラチナム・キャンサーは攻撃宣言が出来ず、プラチナムシンクロモンスターのシンクロ召喚にしか使用できないがな…。」

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ トレードLP4000 手札2

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札からカードを一枚捨て装備魔法|D・D・R《ディファレント・ディメンション・リバイバル》を発動!」

 

 

 

D・D・R

装備魔法

手札を1枚捨て、ゲームから除外されている自分のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

「俺は除外された閃珖竜 スターダストを復活!」

「く…。」

「そしてD・D・Rの効果で墓地に送ったプラチナム・タウラスのモンスター効果発動!墓地に存在するこのカードをデッキに戻し次の俺のドローを放棄することでカードを一枚ドロー出来る。手札からプラチナム・ジェミニを召喚!」

「プラチナム・ジェミニ…1ターンに1度同名モンスターを特殊召喚するモンスター!」

「そう、ジェミニの効果によりもう一体のジェミニを守備表示で特殊召喚!」

「何をする気だ…?」

「手札からスケール2のプラチナム・スコルピオでペンデュラムスケールをセッティング!そしてプラチナム・スコルピオのペンデュラム効果発動!1ターンに一度、自分または相手のフィールドに存在するチューナー以外のモンスターのレベルをこのターンのエンドフェイズ時まで1にする。俺は閃珖竜 スターダストを選択!」

「…。」

 

遊星は前の決闘に比べてトレードに自らの意思をハッキリと感じていた。「操られるんじゃなく自分の決闘をする…敵ながらやるな。」

 

「レベル1のプラチナム・ジェミニ2体とレベル1となった閃珖竜 スターダストにレベル8のプラチナム・キャンサーをチューニング!星々の導きにより現れし加速する精霊よ 今こそその力示し我の世界に現れよ!シンクロ召喚!レベル11 閃珖竜 スターダスト・プラチナム!!」

 

白金の鎧を纏いしスターダストが姿を現した。

 

「スターダスト・プラチナムの第二効果!プラチナム・アクエリアスを除外し相手フィールド上の攻撃力2000以下のモンスターを1体選択することで発動できる。選択したモンスターを墓地へ送り、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力分、このモンスターの攻撃力をあげる。俺はTHE トリッキーを選択!」

「トリッキーの攻撃力は2000…よってスターダスト・プラチナムの攻撃力は3000+2000で5000!」

「バトル!閃珖竜 スターダスト・プラチナムでスターダスト・ドラゴンを攻撃!」

 

スターダスト・プラチナムの攻撃がスターダスト・ドラゴンを襲おうとする。

 

「罠発動!陰謀の盾!」

 

 

 

陰謀の盾

通常罠

発動後このカードは装備カードとなり、

自分フィールド上のモンスター1体に装備する。

装備モンスターは表側攻撃表示で存在する限り、

1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

また、装備モンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

 

「スターダスト・ドラゴンに装備!」

「破壊を無効にしつつダメージも0か…。メインフェイズ2に移行。スターダスト・プラチナムの第三の効果発動!除外されているプラチナムカードを1枚選択し、選択したカードを手札に加える!俺はプラチナム・アクエリアスを加えターンエンド!」

 

 

 

  □□□□□

 □      ■ トレードLP4000 手札1

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札2

  □□■□□

 

 

「前に比べて決闘が楽しそうだな。」

「…!なんだ?」

「いいや…強くなったんだと思ってな…。」

「上から目線もいい加減にしろ。」

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード 調律を発動!」

 

 

 

調律

通常魔法

(1):デッキから「シンクロン」チューナー1体を

手札に加えてデッキをシャッフルする。

その後、自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。

 

 

 

「クイック・シンクロンを手札に加える。そしてカードを1枚墓地へ。」

 

 

 

クイック・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、

「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「墓地に送られたカードはレベル・スティーラー!」

 

 

 

レベル・スティーラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「手札を一枚捨てクイック・シンクロンを特殊召喚!そして墓地のレベル・スティーラーの効果によりクイック・シンクロンのレベルを下げ特殊召喚!」

「通常召喚もせずに2体のモンスターを…!」

「レベル1のレベル・スティーラーにレベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー レベル5 アクセル・シンクロン!」

 

 

 

アクセル・シンクロン

シンクロ・チューナー・効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻 500/守2100

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分は「アクセル・シンクロン」を1ターンに1度しかS召喚できない。

(1):1ターンに1度、デッキから「シンクロン」モンスター1体を墓地へ送り、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げる。

●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを下げる。

(2):相手メインフェイズに発動できる。

このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 

 

「シンクロチューナー…!」

「アクセル・シンクロンの効果発動!デッキからジャンク・シンクロンを墓地に送りレベルを2に変更する!」

 

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

 

遊星の腕にあるドラゴン・ヘッドの痣が赤く光り始める。

 

「クリアマインド!レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2となったシンクロチューナー アクセル・シンクロンをチューニング!集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロォォ!」

 

遊星はトレードを追い越していき姿を消す。

 

「消えた!?」

 

その直後にトレードのすぐ後ろに流れ星のごときドラゴンと共に姿を現す。

 

「生来せよ、レベル10 シューティング・スター・ドラゴン!」

 

 

 

シューティング・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500

シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」

以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。

●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。

このターンこのカードはその中のチューナーの数まで

1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。

●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、

その効果を無効にし破壊する事ができる。

●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、

相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。

エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

 




プラチナム・キャンサー
チューナー(効果モンスター)・特殊召喚
星8/水属性/水族/攻1900/守2500
このカードは通常召喚出来ない。
(1):自分のフィールドにカードが存在しない場合に直接攻撃を受ける場合、このモンスターは特殊召喚できる。
(2):このモンスターは攻撃宣言できない。
(3):このカードをS素材とする場合、「プラチナム」SモンスターのS召喚にしか使用できない。
(4):このカードをX素材にすることは出来ない。


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第六十二話「自分の決闘」

遊星がトレードよりも一歩先にD ホイールを走らせている。

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!」

 

 

 

シューティング・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守2500

シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」

以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。

●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。

このターンこのカードはその中のチューナーの数まで

1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。

●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、

その効果を無効にし破壊する事ができる。

●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、

相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。

エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

「カードを5枚めくりチューナーの数だけ攻撃できる!ドロー!」

 

遊星の手札にはエフェクト・ヴェーラー、ニトロ・シンクロン、ロード・シンクロンの三枚のチューナーがあった。

 

 

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー・効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

ロード・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

(1):このカードを「ロード・ウォリアー」以外のSモンスターの素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

(2):このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に発動する。

このカードのレベルをターン終了時まで1つ上げる。

 

 

 

「バトルだ!シューティング・スター・ドラゴンで閃珖竜(せんこうりゅう) スターダスト・プラチナムを攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

「ぐ…!」

 

トレードLP4000→3700

 

「行け!二回のスターダスト・ミラージュだ!」

「手札からプラチナム・ライブラの効果発動!自分フィールドにモンスターが存在しない相手ターン中にライフを500払うことでにこのモンスターを特殊召喚し、モンスター1体の表示形式を変更する!シューティング・スター・ドラゴンを守備表示に変更!」

「守備表示ではバトルは出来ない。ターンエンドだ。」

 

 

 

  □□□□□

 □      ■ トレードLP4000 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン、俺は前のターンに使用したプラチナム・タウラスの効果によりドローフェイズがスキップされる。よってスタンバイ、そのままメインフェイズに入る。が俺は何もすることはない。ターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      ■ トレードLP4000 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札1

  □□□□□

 

 

「運に任せたのか。」

「お前の言う『自分のしたい決闘(デュエル)』。それが本当にもう一度出来るのだとしたら俺はこの次のターン、まだ負けはしない。」

「…俺のターン、ドロー!そしてシューティング・スター・ドラゴンの効果発動!五枚ドロー!」

 

遊星の手札にはデブリ・ドラゴンとターボ・シンクロンの二枚のチューナーが握られていた。

 

 

 

デブリ・ドラゴン

チューナー・効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードをS素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、

他のS素材モンスターは全てレベル4以外のモンスターでなければならない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

ターボ・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星1/風属性/機械族/攻 100/守 500

(1):このカードが攻撃表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。

攻撃対象モンスターを守備表示にする。

(2):このカードの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力のモンスター1体を手札から特殊召喚する。

 

 

 

「どうやら天はまだ俺を見離していないようだな、遊星。」

「あぁ。短い間にずいぶん変わったな、トレード。いや元の心を取り戻した…ということか?」

「わからん。だがかつて俺は権力に逆らって生きるような男だった。この前までの自分が情けなく感じる…そう思っただけだ。」

「行くぞ!シューティング・スター・ドラゴンで守備表示のプラチナム・ライブラを攻撃!そして二回目はダイレクトアタックだ!シューティング・ミラージュ!」

 

トレードLP4000→700

 

「カードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      ■ トレードLP700 手札0

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊星LP4000 手札0

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!…遊星、昔の俺らしいカードをひくことが出来たぜ。」

「来い!」

「魔法カード ホロスコープ・パレードを発動!エクストラデッキ・墓地からプラチナムモンスターを可能な限り特殊召喚する!」

「なんだと!?」

「ただし特殊召喚したターンのエンドフェイズ時に互いの場に存在するモンスターの攻撃力の合計分のダメージを俺は負う。」

「このターンで決める気か!」

「出てこい、アリエス、タウラス、キャンサー、ピスケス、アクエリアス!」

「五体一気に…!」

「レベル4のプラチナム・アクエリアスとレベル2のプラチナム・アリエスにレベル2のプラチナム・ピスケスをチューニング!シンクロ召喚!レベル8 プラチナム・ドラゴン!」

「プラチナム・ドラゴン!」

 

トレードは懐かしそうにプラチナム・ドラゴンを見て話す。

 

「俺はかつてこいつと共にキングを目指していた…。いつしか遊那の渡されたモンスターばかり使っていたが…久しぶりの楽しい決闘にこいつは必要不可欠だ!プラチナム・ドラゴンの効果発動!チューナーモンスターのレベルを好きな数に変更できる!俺はキャンサーのレベルを1に変更!さらにペンデュラムゾーンのプラチナム・スコルピオのペンデュラム効果!1ターンに一度、自分または相手のフィールドに存在するチューナー以外のモンスターのレベルをこのターンのエンドフェイズ時まで1にする。俺はタウラスのレベルを1に変更!」

「レベル1を二体…!」

「レベル1となったプラチナム・タウラスにレベル1となったプラチナム・キャンサーをチューニング!シンクロ召喚 レベル2!シンクロチューナー プラチナム・テレスコープ!」

「シンクロチューナーだと!?まさか…!」

「ハイクラスに入ってからはなぜかできなくなってしまったが今なら…今ならできるかもしれない。クリアマインド!レベル8のプラチナム・ドラゴンにレベル2のシンクロチューナー プラチナム・テレスコープをチューニング!アクセルシンクロ!!」

 

トレードは加速する。やがて姿をけし、すぐに遊星の後ろから姿を現した。

 

「レベル10!パラジウム・プラチ・ナイト!」

 

白金の鎧を身に着けた騎士がトレードの場に現れる。

 

「バトル!パラジウム・プラチ・ナイトでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!」

「シューティング・スター・ドラゴンの効果をはつ…」

「パラジウム・プラチ・ナイトがバトルをするとき、相手はモンスターの効果発動が出来ない!」

「何!?」

「やれ攻撃力3500のパラジウム・プラチ・ナイトよ!シューティング・スターを打ち砕け!」

 

遊星LP4000→3800

 

「さらにパラジウム・プラチ・ナイトの効果発動!相手モンスターをバトルによって破壊した場合、さらに自分フィールド上の魔法 罠の数だけ攻撃できる!」

「何!?」

「俺のフィールドにはペンデュラムゾーンに1枚とフィールド魔法ゾーンに1枚。よって2回の攻撃!行くぞ!1回目の攻撃!」

 

パラジウム・プラチ・ナイトの持つ大剣が遊星号を襲う。

 

「ぐわあああ!」

 

遊星LP3800→300

 

「終わりだ!最後の攻撃!」

「永続罠発動!スターライト・ファンクション!フィールドに存在するカードを1枚選択し破壊し発動!墓地の『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚する!」

「ここでスターダスト・ドラゴン!?」

「守備表示だ!」

「…ターンエンド。」

 

トレードLP700→0

 

トレードのD ホイールは静かに止まった。そしてトレードの体は光始める。

 

「また帰るのか。」

「あぁ、今度はそう簡単にプロンには来れない。」

「どういうことだ?」

「簡単な話だ。プロンに行くにはかなりのエネルギーを消費する。もう往復できるほどのエネルギーは資源不足のレクシブには残っていないだろう。」

「資源不足?」

「確かに今の俺は遊那から解放を望んではいるが遊那の考えを否定したわけではない。彼女は資源不足や紛争などが多発するレクシブ時空を救うために…純粋な思いでプロンからあらゆるものを奪おうとしている。」

「俺たちがそれを黙って見過ごすと思うのか?」

「…フッ。また会おう。」

 

トレードは消えていった。トレードが消えた足元に2枚のカードがあることに遊星は気が付く。

 

「これは…?」

 

その2枚は「閃珖竜 スターダスト」と「ホロスコープ・パレード」であった。

 

「感情表現がへたくそな奴だな。…俺も言えた義理ではないか。」

 

遊星はそのカードたちを見ながらつぶやくのだった。

 

 

 

 

 

十代はかつてキッドと戦ったインダストリアル・イリュージョン社の社長室にナックスと共に転送されていた。

 

「さぁってと。今回は引き分けなんてことにはさせないぜ?」

「へっ、こっちだってその気はないよ。行くぜ!」

 

「「決闘!」」

 

「先行は俺だ!スケール3のP・HERO(ペンデュラムヒーロー) パラレルマスターをセッティング!ターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 十代LP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 ■      □ ナックスLP4000 手札4

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のE・HERO(エレメンタルヒーロー) オーシャンとフォレストマンで融合!」

 

 

 

E・HERO オーシャン

効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻1500/守1200

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに

自分のフィールド・墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

その自分の「HERO」モンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。

自分のデッキ・墓地の「融合」1枚を選んで手札に加える。

 

 

 

「融合召喚!現れ出てこい!E・HERO ジ・アース!」

 

 

 

E・HER ジ・アース

融合・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「バトル!ジ・アースでダイレクトアタック!アース・インパクト!」

 

ナックスLP4000→1500

 

十代が先手を取った。




プラチナム・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
「プラチナム」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分フィールドに存在するチューナーモンスターを1体選択し発動できる。数を宣言し、選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで宣言した数になる。
(2):このモンスターは戦闘では破壊されない。


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第六十三話「十代VSナックス」

「俺はカードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP4000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 ■      □ ナックスLP1500 手札4

  □□□□□

 

 

「俺のターン!ペンデュラムゾーンのP・HERO(ペンデュラムヒーロー) パラレル・マスターの効果によりエクストラデッキに表側のカードが存在しない場合、自分はドローフェイズ時にドローする時二枚カードをドロー出来る。よって二枚ドロー!」

「これを狙ってモンスターを召喚しなかったのか。リスキーなことするな。」

「俺のP・HEROは融合素材が多く必要だからな。ドローする量は大事だ。」

「手札さえ増えればライフはどうなってもいいのか?」

「いやライフは大事さ。でもライフが4000でも1でも生きていることには変わりはない。それなら俺はライフが1の状態で手札を多く持っていた方がいいね。俺はそうやって生きてきた。アカデミアで育ち、決闘(デュエル)戦士として傭兵をやることで多くの金を得てきた。たとえ危険が付きまとってもな。」

「お前の考えもわからなくないな。」

「フッ…。俺はセッティング済みのP・HERO パラレル・マスターとスケール6のP・HERO ポイントマンでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル4と5のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち!手札よりP・HERO ファンタズマ!そして二枚目のポイントマン!」

「あいつは確かペンデュラム召喚された時に発動する効果を持ったモンスター!」

「その通り!よーくわかってんじゃねえか!ペンデュラム召喚された時、ファンタズマはデッキからHEROカードを1枚手札に加えられ、ポイントマンは融合を加えられるという効果がある!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「俺はP・HERO ペリドットと融合を加える。さらにファンタズマのさらなる効果発動」

「ファンタズマをデッキから二体呼ぶ…!」

「その通り!出てこい、二体のファンタズマ!そして融合を発動!フィールドの三体のファンタズマ、ポイントマン、そして手札のペリドットを融合!融合召喚!現れ出てこい!P・HERO パトリオット!」

「五体融合のP・HERO!」

「パトリオットの効果発動!エクストラデッキに表側で存在するP・HEROモンスターを1枚デッキに戻し相手フィールドに存在するモンスターを選択し破壊する!ポイントマンをデッキに戻しE・HERO(エレメンタルヒーロー) ジ・アースを破壊!」

 

 

 

E・HERO ジ・アース

融合・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「く…!」

「バトル!攻撃力3300のP・HERO パトリオットでダイレクトアタック!」

「罠発動!ヒーロー見参!」

 

 

 

ヒーロー見参

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

自分の手札1枚を相手がランダムに選ぶ。

それがモンスターだった場合、自分フィールドに特殊召喚し、

違った場合は墓地へ送る。

 

 

 

「俺の手札はE・HERO シャドー・ミストだけ!よってシャドー・ミストを守備表示で特殊召喚するぜ!」

 

 

 

E・HERO シャドー・ミスト

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は

1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の

「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「シャドー・ミストの効果により手札にエクストリーム・チェンジを加える!」

「かまうな!倒せ!」

 

パトリオットの攻撃によりシャドー・ミストは破壊される。

 

「ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP4000 手札1

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ ナックスLP1500 手札3

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は永続罠 リビングデッドの呼び声を発動!」

 

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「シャドー・ミストを特殊召喚!そして速攻魔法 エクストリーム・チェンジを発動!」

「エクストリーム・チェンジ!?」

「ライフを半分支払うことで自分フィールドのHEROモンスター1体を対象とし墓地へ送り、そのモンスターよりレベルが高く同じ属性のEX・HERO(エクストリームヒーロー)モンスター1体を、融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。シャドー・ミストを墓地に送りEX・HERO モノクロレクリエムを融合召喚!」

 

十代LP4000→2000

 

黒い装束を纏った闇のEX・HEROが十代の場に現れた。

 

「シャドー・ミストの効果によりE・HERO エアーマンを手札に加える。」

 

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「モノクロレクリエムがフィールドにいる限り墓地からカードを発動できない!よってパトリオットの蘇生能力は発揮されないぜ!バトル!EX・HERO モノクロレクリエムでP・HERO パトリオットを攻撃!」

 

ナックスLP1500→1400

 

「カードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ 十代LP2000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 ■      ■ ナックスLP1400 手札3

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はセッティング済みのパラレル・マスターとポイントマンでペンデュラム召喚!現れろ エクストラデッキより三体のP・HERO ファンタズマ!」

 

ペンデュラム召喚により三体のモンスターが同時に召喚された。さらにファンタズマがペンデュラム召喚に成功したことでデッキからP・HEROモンスターを1枚手札に加えられる。

 

「俺はP・HERO ペリドットを手札に加える。」

「ペリドット…前の決闘でも見たカードだったけど結局効果は分からなかった…。」

「ペリドットは手札と墓地に両方存在することで輝けるカード!ペリドットの効果によりペンデュラムゾーンに存在するカードをも融合素材に出来る!」

「何!?」

「フィールドのP・HERO ファンタズマ三体とペンデュラムゾーンのパラレル・マスターとポイントマンで融合!融合召喚!現れ出でよ P・HERO パトリオット!」

「またか!でもモノクロレクリエムの方が攻撃力は上だ!」

「手札から装備魔法 ヒーローの右腕を発動!HEROモンスターに装備することが出来、攻撃力が500ポイント上がる!」

「く…!攻撃力3800…!」

「バトルだ!パトリオットでモノクロレクリエムを攻撃!」

「速攻魔法発動!フォーム・チェンジ!」

 

 

 

フォーム・チェンジ

速攻魔法

(1):自分フィールドの「HERO」融合モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをエクストラデッキへ戻し、

そのモンスターの元々のレベルと同じレベルでカード名が異なる

「M・HERO」モンスター1体を、

「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「EX・HERO モノクロレクリエムをエクストラデッキに戻し同じレベル8のM・HERO(マスクドヒーロー) 光牙を特殊召喚!」

 

 

 

M・HERO 光牙

融合・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2500/守1800

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

(1):このカードの攻撃力は相手フィールドのモンスターの数×500アップする。

(2):1ターンに1度、自分の墓地の「HERO」モンスター1体を除外し、

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、

この効果を発動するために除外したモンスターの攻撃力分ダウンする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「光牙の効果で攻撃力は3000!」

「墓地のHEROを除外することで攻撃力を下げるのか…バトル!攻撃力3800のパトリオットで光牙を攻撃!」

「自爆覚悟か、おもしれえ!光牙の効果!墓地のE・HERO オーシャンを除外しその攻撃力分パトリオットの攻撃力を下げる!」

 

 

 

E・HERO オーシャン

効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻1500/守1200

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに

自分のフィールド・墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

その自分の「HERO」モンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「攻撃力は3800-1500で2300…!」

「攻撃力3000の光牙で迎え撃つぜ!」

 

ナックスLP1400→700

 

「さぁどうする?」

「手札から速攻魔法発動!ヘヴィー・フュージョン!」

「な…そゆことか!」

「自分の墓地からレベル8以上のP・HERO融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。墓地の二体のパトリオットを除外し融合召喚!P・HERO プログラムマックス!」

「で…出た!」

「まだバトルフェイズ中だ!攻撃力3500のプログラムマックスだがヘヴィー・フュージョンの効果で攻撃力は倍の7000!プログラムマックスで光牙を攻撃!」

 

光牙の攻撃力を下げる効果は1ターンに1度、プログラムマックスには使えない。

 

「罠発動!レスポンシィビリティ!自分の墓地にレベル5以上の「HERO」と名のついたモンスターが存在する時、相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

その攻撃モンスター1体を破壊する!プログラムマックスを破壊!」

 

プログラムマックスは破壊され、十代は何とか危機を乗り越える。

 

「ターンエンド…と言いたいところだが墓地のプログラムマックスの効果発動!エクストラデッキに表側となっているP・HEROをすべてデッキに戻し、このモンスターを特殊召喚する!」

「何!?」

「復活しろ プログラムマックス!そしてデッキに戻した枚数×500ポイント攻撃力が上がる。デッキに戻したカードは5枚、よって攻撃力は2500アップし6000だ!」

「く…。」

「フフフ、ライフを大幅に削ってでも大型モンスターを出す!そして勝つ!それが俺のやり方なんだな。ターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 十代LP2000 手札1

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ ナックスLP700 手札1

  □□□□□

 

 

「く…く…。」

「どうした?小便漏らしそうか?」

「ククク…ハハハ!おもしれえ!おもしれえよアンタ!」

「何?」

「こんなどんどん強いヒーローが出てくるなんて面白すぎるぜ!な、ハネクリボー、ネオス、ユベル!」

『クリクリ!』

『ハハハ、十代、君は本当に変わらないな。』

『また十代の悪い癖が出ただけだろう…。』

「でも俺はあきらめないぜ!俺のターン、ドロー!手札からE・HERO エアーマンを召喚!効果により手札にE・HERO バブルマンを加える!」

 

 

 

E・HERO バブルマン

効果モンスター(準制限カード)

星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200

(1):手札がこのカード1枚のみの場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする。

この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 

 

「手札を一枚セットしバブルマンの効果により特殊召喚!」

「何をする気だ?」

「レベル4のE・HERO エアーマンとバブルマンでオーバーレイ!」

「エクシーズ召喚だと!?」

「その通り!現れろ ランク4!コピー・フュージョナー!」

「なんだ!?」

「コピー・フュージョナーはオーバーレイユニットを2つ取り除き、モンスター1体を

デッキから墓地へ送って効果を発動できる。エンドフェイズまで、このカードは融合素材となる場合、墓地へ送ったモンスターと同名カードとして扱うことが出来る!俺はユベルを墓地へ!」

「ユベル…だと?」

『十代、こんな機械の中に閉じ込めるのかい?』

「待ってろって!コピー・フュージョナーの効果でこのターン1度だけ融合魔法カードを使用せずともこのカードを素材とすることで融合召喚できる。さらに伏せていた魔法カード ホープ・オブ・フィフスを発動!」

 

 

 

ホープ・オブ・フィフス

通常魔法

自分の墓地の「E・HERO」と名のついたカードを5枚選択し、

デッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

このカードの発動時に自分の手札・フィールド上に他のカードが存在しない場合は

カードを3枚ドローする。

 

 

 

「墓地のフォレストマン、ジ・アース、シャドー・ミスト、エアーマン、バブルマンをデッキに戻す!」

 

 

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。

自分のデッキ・墓地の「融合」1枚を選んで手札に加える。

 

 

 

「そしてカードを2枚ドロー!」

「…。」

「手札から速攻魔法発動!クリボーを呼ぶ笛!」

 

 

 

クリボーを呼ぶ笛

速攻魔法

自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、

手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

 

「来てくれ!ハネクリボー!」

『クリクリ!』

「そしてコピー・フュージョナーの効果で融合!フィールドのユベルとハネクリボー、そして手札のE・HERO ネオスで融合だ!」

「ネオスをひいていた…だと!?」

『十代、今こそ我々デュエルモンスターズの精霊が手を組んで戦う時だ!』

「おう!現れろ!ウィング・ネオス・ワイズマン!」

 

十代の最後の切り札 ウィング・ネオス・ワイズマンが現れた。




EX・HERO モノクロレクリエム
融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻3400/守2900
「HERO」融合モンスター×3
(1):このモンスターがフィールドに存在する限り相手は墓地からカードの効果を発動できない。
(2):相手がモンスターを特殊召喚した場合に手札を二枚墓地に送ることで発動できる。そのモンスターを裏側守備表示に変更する。(2)の効果は1ターンに1度しか使うことが出来ない。


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第六十四話「平和を守るもの」

凌牙やカイトたちを倒した男は遊戯や遊那たちが集まっていた場所にたどり着いた。

 

「…すでに転送されたか。さて、まずは誰を倒すか…。」

 

その男は転送装置へハッキングを行い始めた。

 

 

 

 

 

「ウィング・ネオス・ワイズマン…。ピースキラーズがインダストリアル・イリュージョン社に潜り込んだ時の監視カメラ映像に記録されていたな。確か相手が発動したライフ変動、または攻撃力、守備力変動系の効果を発動させた場合、その変動した数値分攻撃力がアップするナンバー・ダイレクションという効果をもっていたはず。」

「やっぱプロだな。でもウィング・ネオス・ワイズマンにはナンバー・ダイレクション以外にも技はあるぜ!」

「何!?」

「ユベルのように相手がどんなに強くなろうとも対応できるユベル系の効果がナンバー・ダイレクションなら新たなHEROを呼び勝利をもたらすネオス系の技もあるのさ!」

『クリクリクリ!!』

 

ハネクリボーは「自分の技もある!」とでも言いたいようであった。

 

「ハハ、それはまた今度かな?」

『クーリー…。』

「行くぜ!ウィング・ネオス・ワイズマンのさらなる効果発動!このカードと相手フィールド上のモンスターを1体ずつリリースすることで自分の手札・墓地からE・HERO(エレメンタルヒーロー) ネオスを特殊召喚する!現れろ E・HERO ネオス!」

 

 

 

E・HERO ネオス

通常モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000

ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。

ネオスペーシアンとコンタクト融合する事で、未知なる力を発揮する!

 

 

 

「プログラムマックスが…!」

「行け!ネオス!ナックスにダイレクトアタックだ!」

「フ…”今回は”俺の負けかな。」

「また戦おうぜ!ラス・オブ・ネオス!」

 

ネオスの攻撃がナックスを打ち破った。

 

ナックスLP700→0

 

ナックスは再び光と共にレクシブ時空に帰還するのであった。

 

 

 

 

 

キッドは見覚えのある場所に転送されていた。

 

「ここは…俺の出身の次元?ということはここはレクシブ時空なのか?」

「違うわ、ここは飽くまで仮想空間。あの移動要塞の一室にすぎないわ。」

 

振り向くとそこにはハイクラスの一人 ツクナが立っていた。

 

「ツクナ。」

「この部屋は入った人間の思考を読み取りその場を再現するものなの。」

「つまりこれは俺の頭の中を再現した景色ってことか?」

「あなただけじゃないわ、私も。」

「!?」

「私もスタンダード次元出身よ。」

「なんだと!」

「まぁハイクラスに入ってからはほとんど帰ってないけれど。そんなことよりあなた、本当にハイクラスを裏切る気なの?」

「裏切るというつもりはない。だが他の者を傷つけてまでレクシブ時空の発展を目指す必要があるのか?」

「常に他者を蹴落として強者は成長している。歴史が物語っているわ。それに弟は救わなくていいの?」

「…弟は俺が人を傷つけてまで自分を助けてほしいなんて望んでいないはずだ!」

「…いずれにせよ私はハイクラスとしてあなたを倒さなくてはならない。」

「待て、ツクナ!お前も遊那の言いなりになることに疑問を抱いていたはずだ。聞いたぞ、ジャック・アトラスとの決闘(デュエル)を邪魔されたと。誇り高き魂を持つお前なら許せない行為なはず!」

「…今回は中断じゃないと言いわね。」

「く…。」

 

「「決闘!」」

 

「先行は私がもらう!M&K(マジシャナイト) シェプストを召喚!カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ キッドLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のPK(ピースキーパー)-(エース)・ガリアとスケール7のPK-(エクセレント)・リーゴスでペンデュラムスケールをセッティング!」

「PK…?」

「これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能!我が空に現れしは光の星々 今秩序の元に降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち!手札よりPK-(クリエイティブ)・ルソン、PK-(ハート)・ルーファス!」

 

キッドのペンデュラム召喚が決まった。キッドのデッキのモンスターたちはPKに戻ったとともに元の名を取り戻し、悪魔の姿から戦士の姿へと変化していた。

 

「さらにE・リーゴスのペンデュラム効果!次の自分のターンのエンドフェイズ時までE・リーゴスのPスケールをA・ガリアのPカードのPスケールと同じ数値とすることでデッキから融合を一枚手札に加える!」

「次の自分のターンでのペンデュラムを放棄し融合を加えるのか。」

「バトル!攻撃力1500のC・ルソンでシェプストを攻撃!」

「”魔法使い族の”シェプストの効果によりこのモンスターとの戦闘のダメージはお互いのプレイヤーは受けない。」

「だが破壊はされる!」

 

シェプストは破壊されるが同時に効果が発動する。

 

「表側で存在するこのモンスターが破壊された時、デッキからM&K シェプスト以外のM&Kモンスター1体を戦士族として特殊召喚できる。来なさい M&K パトラセブン!」

 

”戦士族の”パトラセブンが剣を構えて現れた。攻撃力は800。H・ルーファスの攻撃力は2000と上回っているがキッドは攻撃をしない。

 

「パトラセブンが戦士族の時、ライフを500ポイント支払うことでこのターンのバトルフェイズ終了時まで攻撃力を倍にする効果を持っていたな。しかも1ターンに何度も使える。発動されればH・ルーファスはやられてしまう。俺はメインフェイズ2に行かせてもらう。」

「いい判断。さすがね。」

「手札から魔法カード 融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「フィールドのC・ルソンとH・ルーファスで融合!行くぞ、融合召喚!現れ出てこい PK-(オーバー)・リアス!」

 

PK融合モンスターが守備表示で特殊召喚される。

 

「O・リアスの効果!このモンスターが特殊召喚に成功した時、カードを一枚ドローする。そのカードがモンスターカードだった場合そのカードを除外し、魔法 罠カードだった場合そのカードをセットする。ドロー!」

 

そのカードは罠カードであった。

 

「このカードをセットする。そしてエンドフェイズ時、PK-O・リアスの効果によりO・リアスの第一効果を使用したターンのエンドフェイズ時に発動する。自分は1000ポイントダメージを受ける。ターンエンド!」

 

キッドLP4000→3000

 

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP3000 手札2

  □□■□□

 

 

 

「私のターン、ドロー!あなたの腕は知っている。私も本気で戦わせてもらう。罠発動!召喚士への変換。このターンのエンドフェイズ時までフィールド上に存在するM&Kと名の付いたモンスターは魔法使い族として扱う。よってパトラセブンは魔法使いとなる。」

 

パトラセブンは剣をしまい、ローブを羽織った。

 

「さらに召喚士への変換の墓地での効果発動!このカードが墓地に存在する時、フィールド上に存在するM&Kモンスターを選択しそのモンスターとこのカードをゲームから除外し、デッキからレベル5以上のM&Kモンスターを特殊召喚する。」

「お前が高レベルモンスターを出すとはな。」

「出てきなさい!M&K リョーチ!」

 

M&K リョウチがデッキから特殊召喚された。中華柄のローブを羽織っており、妖艶さを醸し出している。

 

「魔法使い族のリョーチの効果!1ターンに1度、デッキからレベル4以下のM&Kを特殊召喚できる!来なさい シェプスト!」

 

魔法使い族のシェプストが現れた。

 

「バトルよ!M&K リョーチでPK-O・リアスを攻撃!」

 

攻撃力2100のリョーチを前に守備力2000のO・リアスは破壊された。

 

「続いてシェプストでダイレクトアタック!」

「く…!」

 

キッドLP3000→2100

 

「私はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ ツクナLP4000 手札3

  ○●●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ キッドLP2100 手札2

  □□■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「あなたはこのターン中、両方のペンデュラムスケールは同じ数値。よってエクストラデッキのC・ルソンとH・ルーファスはペンデュラム召喚出来ない。」

「確かに…今の状況ならな。E・リーゴスのペンデュラム効果発動!手札にピースキーパー・フュージョンを加える!」

「ピースキーパー・フュージョン…まさか!」

「手札からピースキーパー・フュージョンを発動!自分のペンデュラムゾーンのカードで融合させる!A・ガリアとE・リーゴスで融合!現れ出てこい!PK-(ランクアップ)・ノウェ!」

 

PKの新たな融合モンスターが現れた。

 

「効果発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、エクストラデッキのPKエクシーズモンスターを1体選んで特殊召喚できる。この効果で特殊召喚されたモンスターは効果が無効となりこのターンのエンドフェイズ時に破壊される。来い、PK-(クオリティー)・エナー。」

「…。」

「そして罠発動!PK SFX(スペシャルエフェクト)チェンジ!自分フィールド上に存在するエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターをすべて墓地へ送り、墓地へ送った種類以外のPK融合、シンクロ、エクシーズモンスターの中のいずれかを1体、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。PK-R・ノウェとQ・エナーを墓地に送りエクストラデッキよりシンクロモンスターPK-(シンクロ)・レオスを特殊召喚!S・レオスの効果発動!1ターンに1度、自分フィールド上のSモンスターをリリースすることでそのモンスターの守備力分自分のライフを回復する。S・レオスをリリースし、その守備力である2000回復!」

 

キッドLP2100→4100

 

「それだけ展開して回復が目的?」

「いいや、俺の手にはすでにエースモンスターが握られている。」

「まさか…!」

「墓地のPK-Q・エナー、R・ノウェ、S・レオス…エクシーズ、融合、シンクロモンスターを除外し手札よりピースキープ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

ピースキラー・ドラゴン時の禍々しさは失われ、キッドを守るようにピースキープ・ドラゴンが現れた。

 

「それがピースキラー・ドラゴンの正体。」

「その通り。平和を守る我が化身 ピースキープ・ドラゴンだ!」

「しかしあなたのカードたちからは遊那のヌメロンコードの力は感じられない。帰った弱体化したんじゃない?」

「確かにヌメロニアイズが消えたことでこれ以上の進化は今の俺にはない。だが自分の持っている力で…背伸びをせず今俺が出来ることでネオンを見つける。手札から魔法カード PK-エクストラ・ゲートを発動!墓地のPKカードを任意の枚数選択し、エクストラデッキに表側で置く。その後自分は選択した枚数×500ポイントのダメージを受ける。俺が選ぶのはO・リアスとSFXチェンジ。よって1000ポイントダメージを受ける。」

 

キッドLP4100→3100

 

「ピースキープ・ドラゴンはエクストラデッキに表側となっているPKカード×1000となる。現在C・ルソン、H・ルーファス、A・ガリア、E・リーゴス、O・リアス、SFXチェンジ!」

「攻撃力…6000!」

「バトルだ!ピースキープ・ドラゴンでM&K リョーチを攻撃!ヘヴンバースト!」

 

ピースキープ・ドラゴンは口でエネルギーを溜め、攻撃をするのだった。




ピースキープ・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻??/守??
このカードは通常召喚できない。フィールド・墓地に存在する融合、シンクロ、エクシーズモンスターをそれぞれ1体ずつ除外することで特殊召喚することが出来る。(2)の効果は自分のメインフェイズまたはバトルフェイズにのみ発動できる。
(1):このモンスターの攻撃力・守備力はエクストラデッキで表側となっているPKカード×1000となる。
(2):エクストラデッキに存在するPkカード三枚をコストゾーンに置くことで発動できる。このモンスターはこのターン、二回まで戦闘を行うことが出来る。


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第六十五話「遊馬VSシリョウ」

ピースキープ・ドラゴンの攻撃がM&K(マジシャナイト) リョーチを襲う。すかさずツクナは速攻魔法を発動する。

 

「速攻魔法発動!竜騎士への昇華!フィールドに表側で存在するM&Kモンスターと手札またはフィールドに存在するドラゴン族モンスターを墓地に送りデッキまたは手札からM&K&D(マジシャナイト・ドラゴン)モンスターを特殊召喚する!デッキよりM&K&D リュウニョを特殊召喚!」

 

リョーチが消え、デッキからドラゴン族モンスターが送られた。その後竜に乗った女騎士が特殊召喚された。

 

「M&K&D リュウニョの効果発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、墓地に存在するM&Kモンスターを任意の枚数選択しこのモンスターに装備する。墓地のシェプスト、パトラセブン、リョーチが装備!リュウニョの攻撃力はその三体の攻撃力の合計である3800アップ!よって攻撃力6800!攻撃力6000のピースキープ・ドラゴンを上回るわ!」

「甘いぜ、ツクナ!カウンター罠発動!自分のエクストラデッキに表側となっているPKカード二枚をコストゾーンに送ることで相手が発動した効果モンスターの効果を無効にして破壊する!」

「何!?」

「M&K&D リュウニョを破壊!ピースキープ・ドラゴンの攻撃力はダウンするがそれでも4000だ!」

「…私の負けね。」

「このままレクシブに帰る気か?」

「デュエルディスクに強制帰還装置がある限りそうよ。」

「俺と一緒に戦う気はないか?」

「え?」

 

キッドの言葉にいつも冷静だったツクナは戸惑いを見せる。

 

「お前はどこかいつも遊那の命令に従うことに疑問を抱いていた。」

「それは…。」

「違うのか?」

 

ツクナはふぅとため息をつくとデッキの上に手を置いた。ツクナのサレンダーによってソリットヴィジョンは消える。

 

「そう。強いものに従って自ら善悪も考えず敵を一方的に倒そうとするこの作戦には反対だった。あなたは強いわね。この決断を一人でしたんだから。」

「そんなことはない。十代、遊星、遊馬。あいつらと決闘して気が付かされたんだ。」

「ということは彼らは強い…ってことね。」

 

キッドは初めてツクナがニコリと笑った顔を見た。いつもは見せない顔に思わず顔を赤らめる。しかしすぐにツクナは真顔に戻る。

 

「キッド、あなたに話しておかなければならないことがあるわ。」

「? なんだ?」

 

ツクナが口を開いた瞬間、キッドとツクナのいた空間が歪みはじめる。

 

「なんだ!?」

 

やがて夜のどこかの館に景色は変わる。そして一人の男が姿を現した。

 

「あー、やっと入れた。ツクナ様のプログラムはさすがだ、セキュリティが固い。」

「! アクト…!」

「ツクナ、キッド。裏切り者の君たちにはここで消えてもらうよ!!」

「く…キッド、あなたはここで消えてはならない人。私がアクトの相手をするわ。何とか出口を見つけて!」

「出口って…。」

「早く!」

 

急かされキッドは出口を見つけようと歩き回る。

 

「私が相手するわ。『本家』さん。」

「ずいぶん皮肉がうまくなったじゃあないか。」

「あなたにはここでネオンについての情報をもらうわ。」

「勝ったら…の話だ。」

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

遊馬とシリョウは先ほど二人が戦った要塞の一か所に飛ばされていた。

 

「またお前か!」

「また…じゃねえ!あんな屈辱を味わったのは黒咲と戦った時以来だ!ここで消してやるぜ!」

「アストラル…待っててくれ!」

 

「「決闘!」」

 

「先行は俺様だ!俺はカードを3枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP4000 手札2

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はガガガマジシャンを召喚!

 

 

 

ガガガマジシャン

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。

エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。

「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

「さらにガガガキッドを特殊召喚!」

 

 

 

ガガガキッド

効果モンスター

星2/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1200

自分フィールド上に「ガガガキッド」以外の

「ガガガ」と名のついたモンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚に成功した時、

自分フィールド上の「ガガガ」と名のついたモンスター1体を選択し、

このカードのレベルを選択したモンスターと同じレベルにする事ができる。

この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

 

 

 

「ガガガキッドは効果によりガガガマジシャンと同じレベル4に変更!」

「レベル4のモンスターが二体…!」

「レベル4のガガガキッドとガガガマジシャンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろランク4 No.(ナンバーズ)39!!光の使者 希望皇ホープ!」

 

 

 

No.39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「来たな、ホープ。」

「ガガガキッドの効果によりバトルは出来ない。カードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP4000 手札2

  □■■■□

 

 

「俺様のターン!ドロー!永続罠発動!マダラス・ジェイソン!こいつは発動と同時にモンスターとなり特殊召喚される!」

「出たな、罠モンスター。」

「こいつはダイレクトアタック出来ない代わりに俺のライフと同じ攻撃力・守備力を得る!バトルだ、マダラス・ジェイソンでホープに攻撃!」

「ホープの効果発動!ムーンバリア!」

 

オーバーレイユニットを一つ使いバトルを無効にする。

 

「メイン2…スケール10のマダラス・チェーンソウでペンデュラムスケールをセッティング…ターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○◆○○

 ■      □ シリョウLP4000 手札2

  □■◆■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は希望皇ホープをカオス・エクシーズ・チェンジ!現れよ、ランク4 CNo.(カオスナンバーズ)39!混沌を光に変える使者!希望皇ホープレイ!」

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

光属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上に

このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

自分のライフポイントが1000以下の場合、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、

エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力を500ポイントアップして

相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。

 

 

 

「さらに手札からZW(ゼアル・ウェポン)一角獣皇槍(ユニコーン・キング・スピア)を召喚!」

 

 

 

ZW-一角獣皇槍

効果モンスター

星4/光属性/獣族/攻1900/守 0

自分のメインフェイズ時、手札のこのカードを

攻撃力1900ポイントアップの装備カード扱いとして

自分フィールド上の「CNo.39 希望皇ホープレイ」に装備できる。

装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、

バトルフェイズの間だけその相手モンスターの効果は無効化される。

「ZW-一角獣皇槍」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

 

「ゼアルでもないのにZWを引くとは…ククク…。」

「ホープレイに装備!攻撃力は4400!さらにホープレイがバトルをするとき、バトルフェイズの間、相手モンスターの効果は無効化される。つまりマダラス・ジェイソンの攻撃力は0になるってわけだ!バトル!希望皇ホープレイでマダラス・ジェイソンに攻撃!ユニコーン・スラッシュ!」

「永続罠 マダラス・ジョーカーを発動!こいつも特殊召喚されるぜ!」

「そいつは!」

「さらにマダラス・ジョーカーをリリースすることでフィールドに表側で存在するマダラスモンスターはエンドフェイズ時まで効果が無効となり、攻撃力が3000アップする。」

「まだ4400のホープレイが上回ってる!そのままジェイソンを倒せ!」

「ペンデュラムゾーンのマダラス・チェーンソウのペンデュラム効果!相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在するマダラスモンスターを選択しそのモンスターに装備する。マダラス・ジェイソンにマダラス・チェーンソウを装備!」

 

マダラス・ジェイソンはヨタヨタと歩きながらペンデュラムゾーンのマダラス・チェーンソウを手に取る。そしてマダラス・チェーンソウの効果によりジェイソンの攻撃力は4000となった。

 

シリョウLP4000→3600

 

「お前がライフを守る戦法に出るなんてな。」

「勘違いするな、俺様は勝ちたいだけだ…!」

「俺はターンエンド!」

 

 

  □■■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP3600 手札2

  □■□■□

 

 

「俺様のターン、ドロー!俺様はスケール6のマダラス・ナイフとスケール10のマダラス・ロープでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル7から9のモンスターが同時に召喚可能!」

「何!?」

「現れろ 俺様の僕ども!エクストラデッキよりマダラス・チェーンソウ、手札より

マダラス・クロー!」

「レベル7のモンスターが2体…!」

「レベル7のマダラス・チェーンソウとマダラス・クローでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7 クルーエル・マダラス・ウェポン!」

 

凌牙を倒したモンスターがシリョウの場に守備表示で現れる。

 

「こいつは…!」

「俺はもともとエクシーズ次元出身でね…エクシーズなんてお手のもんなんだよ。クルーエル・マダラス・ウェポンの効果発動!オーバーレイユニットを二つ取り除くことで相手フィールド上のモンスターを選択しそのモンスターのコントロールを奪う!俺は希望皇ホープレイを選択!」

「なら速攻魔法発動!RUM(ランクアップマジック)-クイック・シャイニング!自分フィールドのホープレイをシャイニング・エクシーズ・チェンジする!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!現れろランク5 SNo.(シャイニングナンバーズ)39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング!」

「新たにエクシーズチェンジし対象を逃がしたか…。俺はターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札3

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ シリョウLP3600 手札0

  □■□■□

 

 

「俺のターン、ドロー!バトルだ!希望皇ホープ・ザ・ライトニングでクルーエル・マダラス・ウェポンを攻撃!」

 

守備力2000のクルーエル・マダラス・ウェポンは何をするまでもなく破壊された。

 

「カードを二枚セットしターンエン…」

「エンドフェイズ時、永続罠 リビングデッドの呼び声を発動! クルーエル・マダラス・ウェポンを復活!」

 

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

 

  □■■□□

 □      □ 遊馬LP4000 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 ■      ■ シリョウLP3600 手札0

  □■□■□

 

 

「俺様のターン、ドロォー!!行くぜ、リバースカードオープン!速攻魔法 RUM-マダラス・フォース発動!」

「RUM!?」

「自分フィールドのマダラスエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。

ランクが1つ高いマダラスモンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!クルーエル・マダラス・ウェポンをランクアップ・エクシーズ・チェンジ!出てこい ランク8 クルーエル・マダラス・キラー!」

 

クルーエル・マダラス・ウェポンとは違い、次は人型のモンスターが現れた。

 

「今度は装備されるんじゃなく装備する番だぜ!俺様のモンスターの武器になりやがれ!クルーエル・マダラス・キラーの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き相手フィールド上のモンスターを1体装備する!ホープ・ザ・ライトニングはいただくぜ!」

「何!?」

 

クルーエル・マダラス・キラーの持つ血がこびり付いた布によってホープ・ザ・ライトニングは奪われる。

 

「クルーエル・マダラス・キラーはホープ・ザ・ライトニングの攻撃力を吸収する!元々の攻撃力が1800のクルーエル・マダラス・キラーは4300となる!」

「く…!」

「クルーエル・マダラス・キラーでダイレクトアタック!!」

 

遊馬が一発で敗北に追いやられる一撃が放たれた。




M&K&D リュウニョ
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
このモンスターは「竜騎士への昇華」の効果でのみ特殊召喚することが出来る。
(1):表側で存在するこのモンスターが破壊された時、デッキから「M&K」と名の付いたモンスター1体を魔法使い族または戦士族として特殊召喚できる。
(2):このモンスターが特殊召喚に成功した時発動できる。墓地に存在する「M&K」モンスターを任意の枚数選択しこのモンスターに装備する。
(3):このモンスターの攻撃力は装備されたモンスターカードの攻撃力の合計分アップする。


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第六十六話「エースドラゴン対決 オッドアイズとピースキープ」

「罠発動!逆さ眼鏡!」

 

 

 

逆さ眼鏡

通常罠

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの攻撃力を

エンドフェイズ時まで半分にする。

 

 

 

「これでクルーエル・マダラス・キラーの攻撃力は半分の2150となる!」

「ならその分のダメージを食らいやがれ!!!」

 

遊馬LP4000→1850

 

「さらに罠発動!痛恨の訴え!」

 

 

 

痛恨の訴え

通常罠

相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

相手フィールド上に表側表示で存在する守備力が一番高いモンスター1体の

コントロールを次の自分のエンドフェイズ時まで得る。

この効果でコントロールを得たモンスターの効果は無効化され、攻撃宣言できない。

 

 

 

「これでクルーエル・マダラス・キラーのコントロールはもらうぜ!」

「何!?」

 

シリョウのフィールドにはクルーエル・マダラス・キラーのみのため、クルーエル・マダラス・キラーのコントロールが遊馬に移る。

 

「く…カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 遊馬LP1850 手札2

  ○○●○○ □

 

□ ○○○○○

 ■      ■ シリョウLP3600 手札0

  □■■■□

 

 

「だがクルーエル・マダラス・キラーの効果は無効化され、攻撃宣言も出来ないんだろ?それをどうするつもりだ?クハハ!」

「このエクシーズモンスターも俺の仲間に変えてやるぜ!俺のターン、ドロー!俺は手札からRDM(ランクダウンマジック)-アストラル・フォールを発動!」

「RDMだと?」

「手札を一枚捨て、自分フィールドのランクが一番高いエクシーズモンスター1体をランクが2つ低いエクシーズモンスター1体にランクダウンさせる!」

「クルーエル・マダラス・キラーのランクは8…ということはランク6のモンスターを呼び出すつもりか!」

「ランクダウン・エクシーズ・チェンジ!現れろ、No.(ナンバーズ)39!人が希望を越え、夢を抱くとき、遥かなる彼方に、新たな未来が現れる!限界を超え、その手につかめ!希望皇ビヨンド・ザ・ホープ!!」

 

 

 

No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/戦士族/攻3000/守2500

レベル6モンスター×2

このカードはルール上、「希望皇ホープ」と名のついたカードとしても扱う。

このカードがエクシーズ召喚に成功した時、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は0になる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して除外し、

自分の墓地の「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

その後、自分は1250ライフポイント回復する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

悪魔のような絶望の化身が希望の化身へと姿を変える。どんな悪に染まった人間も遊馬と戦ったことで希望を得ていった。今や遊馬はシリョウを救いたいという気持ちで決闘(デュエル)していた。

 

「ビヨンド・ザ・ホープ…!」

「ビヨンド・ザ・ホープの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、自身を除外する!」

「何!?」

「そして墓地の希望皇ホープを特殊召喚!」

 

 

 

No.39 希望皇ホープ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で

攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「ここでホープだと!?」

「そして1250ライフを回復!」

 

遊馬LP1850→3100

 

「アストラル・フォールの効果で墓地に送ったエクシーズ・エージェントの効果発動!」

 

 

 

エクシーズ・エージェント

効果モンスター

星2/光属性/魔法使い族/攻 900/守 300

このカードが墓地に存在する場合、

自分のメインフェイズ時に自分フィールド上の

「希望皇ホープ」と名のついたエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

墓地のこのカードを選択したモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

「エクシーズ・エージェント」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

 

 

「エクシーズ・エージェントをオーバーレイユニットにする!」

「何を考えていやがる?ランク8を4にまでさげてどうするつもりだ?」

「バトル!希望皇ホープでシリョウにダイレクトアタック!」

「罠発ど…」

「RDM-アストラル・フォールが発動したターンは俺のモンスターが戦闘を行う場合、ダメージステップ終了時まで相手は魔法・罠を発動できないぜ!」

「く…だが攻撃力は2500…まだライフは残る!」

「希望皇ホープの効果発動!攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

「何!?」

「そして手札から速攻魔法発動!ダブル・アップ・チャンス!」

 

 

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

 

 

「これが俺のかっとビングだ!ホープの攻撃力は二倍の5000!行け ホープ!ホープ剣・(ダブル)スラッシュ!!」

「俺が…またこんなガキに…!」

「何度負けてもそのたびにまた立ち上がれる!また強くなれるんだぜ!シリョウ!」

「黙れ…黙れ黙れェェ!!!!」

 

ホープの剣撃がシリョウを斬る。

 

シリョウLP3600→0

 

シリョウは怒りをあらわにしながら何かを叫んでいたが強制帰還が始まっているためか遊馬には全く聞こえていなかった。やがて光と共にシリョウは姿を消した。

 

 

 

 

 

ツクナLP4000→0

 

あっという間にアクトに倒され、ツクナの肉体は光り始める。

 

「ツクナ!」

「キッド、あの男は…アクト・クオリファイはネオンのことを…」

「え?」

「ネオンのことをしっt…」

 

アクトは強制帰還している最中のツクナに向けカードを投げ黙らせる。すぐにツクナの姿は消えた。千年タークだけが残り、それをアクトが近くまで来てから拾った。その拾った手をキッドは掴む。

 

「どういうことだ?アクト。」

「キッド…私たちハイクラスを裏切ったらしいじゃないか。残念だよ。ネオンを共に探そうと思ったのに…。」

「質問に答えろ、今ツクナはお前がネオンのことを…」

「私に勝ったらそのことには答えようじゃないか。」

「く…。」

「デュエリストなら当然だろ?ん?」

「…いいだろう!」

「ただし負ければ君の持っている千年アイテムはもらう。ロッドはさっき海馬が倒れているところで拾ったからあとお前の千年眼と遊戯の千年パズルだけだからな。千年アイテムがあれば闇のゲームを仕掛けられることもなくなる。」

「そんなことはどうでもいい。」

 

そういいながら前髪を上げキッドは千年眼をあらわにする。

 

「こんなものの力はなるべく使いたくないしな。」

「負けた時の言い訳かな?フフフ。」

「…。」

 

「「決闘!!」」

 

「先行は私がもらう。フィールド魔法 天空の虹彩を発動!」

 

 

 

天空の虹彩

フィールド魔法

「天空の虹彩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

自分のPゾーンの「魔術師」カード、「EM」カード、

「オッドアイズ」カードは相手の効果の対象にならない。

(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊し、デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。

 

 

 

「さらに永続魔法 eYe コンタクトを発動。」

「なんだ?」

「天空の虹彩の効果発動!eYe コンタクトを破壊しデッキからオッドアイズ・ドラゴンを手札に加える。

 

 

 

オッドアイズ・ドラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

 

「魔法カード eYe テイクを発動。手札のオッドアイズ・ドラゴンを墓地へ送りデッキからeYe装備魔法を二枚まで手札に加える。俺はレッド eYeとブルー eYeを加える。そしてレッド eYeを発動!墓地のオッドアイズ・ドラゴンを特殊召喚し装備する。」

「レベル7モンスターをペンデュラムなしでこうも簡単に…。」

 

右の赤い目が特に輝いているオッドアイズ・ドラゴンが特殊召喚された。

 

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

 

  □■■□□

 □      □ アクトLP1850 手札2

  ○○●○○ ■

 

□ ○○○○○

 □      □ キッドLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスケール2のPK-(ハート)・ルーファスとスケール7のPK-(エクセレント)・リーゴスでペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能!我が空に現れしは光の星々 今秩序の元に降臨せよ ペンデュラム召喚!現れろ 俺のモンスターたち!手札よりPK-(ベスト)・ルゼーブ、PK-(クリエイティブ)・ルソン!」

「チューナー…!」

「レベル4のPK-(クリエイティブ)・ルソンにレベル3のPK-(ベスト)・ルゼーブをチューニング!シンクロ召喚!レベル7 PK-(シンクロ)・レオス!」

 

S・レオスが守備表示で現れ、効果が発動する。

 

「S・レオスの効果発動!1ターンに1度、自分フィールド上のSモンスターをリリースすることで、そのモンスターの守備力分自分のライフを回復する。S・レオス自身をリリースしその守備力である2000回復!」

 

キッドLP4000→6000

 

「さらにE・リーゴスの効果によりH・ルーファスのスケールを次の自分のエンドフェイズ時コピーすることでデッキからピースキーパー・フュージョンを加える。そして魔法カード ピースキーパー・フュージョンを発動!ペンデュラムゾーンで融合を行う!現れ出てこい PK-(ランクアップ)・ノウェ!」

 

R・ノウェはその名の通りエクシーズに関係した融合モンスターである。1ターンに1度、エクシーズモンスターを効果を無効にしエンドフェイズ時に破壊されるというデメリット付きでエクストラデッキから特殊召喚できるのだ。

 

「R・ノウェの効果により特殊召喚!こい、PK-(クオリティー)・エナー。」

「これでシンクロ、融合、エクシーズが揃ったというわけか。」

「あぁ、そして手札にいるのは俺のエース!」

「来るか…。」

「フィールド、墓地の融合、シンクロ、エクシーズモンスターを1体ずつ除外し、手札からピースキープ・ドラゴンを特殊召喚!!」

 

キッドの切り札 ピースキープ・ドラゴンが自身の効果により特殊召喚された。

 

「ピースキープ・ドラゴンの攻撃力はエクストラデッキに表側となっているPKカードの数×1000となる。よって4000!」

「ほう…。」

「バトル!ピースキープ・ドラゴンでオッドアイズ・ドラゴンを攻撃!ヘヴンバースト!」

 

ピースキープ・ドラゴンのエネルギー弾がオッドアイズ・ドラゴンに向けて放たれた。すかさずアクトは罠を発動する。

 

「罠カード eYe プレッシャー!デッキからeYe装備魔法を1枚選択しオッドアイズ・ドラゴンに装備する。私が装備するのはイエローeYe!」

 

イエローeYeが装備された瞬間にエネルギー弾がオッドアイズ・ドラゴンに直撃する。しかしオッドアイズ・ドラゴンは破壊されず、アクトのライフに変化はない。

 

「どういうことだ?」

「イエロー eYeが装備されたモンスターのバトルによってお互いのモンスターは破壊されず、お互いにダメージは発生しない。さぁ楽しもうか、キッド・プライスター。」




RDM-アストラル・フォール
通常魔法
(1):手札を一枚捨て自分フィールドのランクが一番高いXモンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターよりランクが2つ低いモンスター1体を、
対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
(2):この効果が発動したターン、自分フィールド上のモンスターが戦闘を行う場合、ダメージステップ終了時まで相手は魔法・罠を発動できない。


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第六十七話「遊戯VS遊那」

「カードを一枚セットしターンエンド…!」

 

 

  □■■□□

 □      □ アクトLP1850 手札2

  ○○●○○ ■

 

□ ○○●○○

 □      □ キッドLP6000 手札0

  □□■□□

 

 

「なんだ、もう終わりか。私のターン、ドロー!はぁ、相変わらず引きがいい。どうやらこのターンで終わりのようだ…。」

「なんだと?」

「私が引いたカードはこれだ。」

 

そういうと死者蘇生のカードを見せた。

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「私のデッキにはモンスターカードは4枚しか入っていない。オッドアイズ・ドラゴン3枚ともう1枚だ。」

 

 

 

オッドアイズ・ドラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

 

「もう1枚…!」

「それを見せてやろう。イエロー eYeの第二の効果!自分フィールド上の魔法 罠をすべて破壊しフィールドに存在するモンスターを破壊する!消えろ、ピースキープ・ドラゴン!」

「くっ!」

 

ピースキープ・ドラゴンは粉砕された。

 

「オッドアイズ・ドラゴンに装備されたレッドeYeが破壊されたことでオッドアイズ・ドラゴンも破壊される。」

「どういうつもりだ?」

「墓地の永続魔法 eYe コンタクトの効果!墓地に存在するこのカードを除外して発動できる。墓地に存在するeYe装備魔法を二枚まで選択し手札に加える。俺はレッド eYeとイエロー eYeを加える。」

 

キッドはアクトの考えを読もうとしていた。「何をしようとしている…。俺の伏せカード 神の宣告は発動するタイミングをミスすれば命取りとなる…。」

 

 

 

神の宣告

カウンター罠(制限カード)

(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。

●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。

それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

「慎重にいかなくては。」キッドはまだ発動すべきではないとアクトの出方をうかがった。

 

「手札からレッド eYeを発動。墓地のオッドアイズ・ドラゴンに装備し蘇生させる。」

 

オッドアイズ・ドラゴンは再び復活する。

 

「eYe装備魔法が装備されているモンスターは二枚までしかカードを装備できない。このようにすれば1枚空きは出来る。」

「それでわざわざイエロー eYeと天空の虹彩を破壊したということか。」

 

 

 

天空の虹彩

フィールド魔法

「天空の虹彩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

自分のPゾーンの「魔術師」カード、「EM」カード、

「オッドアイズ」カードは相手の効果の対象にならない。

(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊し、デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。

 

 

 

「まぁ君のピースキープ・ドラゴンを破壊するという目的もあったがな。手札から装備魔法 グリーン eYeを発動!そして効果発動!フィールド上に存在するこのカードともう一枚の装備魔法を墓地へ送ることでデッキからeYe装備魔法を一枚手札に加える。」

「墓地に送るということは破壊ではない。レッド eYeは破壊された時に装備モンスターも破壊される。よってオッドアイズ・ドラゴンは破壊されないということか…!」

「その通り。私はオレンジ eYeを手札に加える。オレンジ eYeとブルー eYeを手札から発動!オッドアイズ・ドラゴンに装備する!」

「く…!」

「オレンジ eYeの効果!自分フィールドに存在するカードを1枚墓地へ送ることで相手フィールドに表側で存在するカードを1枚選択し破壊する。ブルー eYeを送り君の伏せカードを破壊だ!」

「何!?」

 

伏せていた神の宣告は破壊された。

 

「だからライフを回復していたのか…フフ、だが詰めが甘い。」

「だが俺のライフは6000!削りきれるかな?」

「手札から速攻魔法 eYe チェンジを発動。フィールドのeYe装備魔法1枚を墓地へ送りデッキから選択したカードとは異なるeYe装備魔法をオッドアイズ・ドラゴンに装備する。オレンジ eYeを送りインディゴ eYeを装備!」

「ここまでデッキをまわすとは…!」

「そしてイエロー eYeの効果を再び発動!自分フィールド上の魔法 罠をすべて破壊しフィールドに存在するモンスターを破壊!オッドアイズ・ドラゴンを破壊だ!」

「!?」

「ここで詰むはずだったからこんなソリティアみたいなことはするつもりはなかった。が、私は死者蘇生を引いたのでね…これも遊那様のお導きかな?」

「お前が異常に遊那を敬っていたのは知っている。なぜハイクラスにスカウトされただけでそこまで尊敬の念を持つ?」

「スカウト…?ハハハ!私は遊那様にずっとお仕えしている一族の末裔!お前たちのような浅い関係ではないのだ、私と遊那様は!」

「…。」

「魔法カード 死者蘇生!甦れ、オッドアイズ・ドラゴン!」

 

オッドアイズ・ドラゴンが墓地から再び蘇生された。

 

「そして装備魔法 パープル eYeをオッドアイズ・ドラゴンに装備!このカードがフィールド上に存在する限り自分フィールド上のモンスターの効果は無効となり攻撃宣言を行えない。」

「大きいデメリットか…。」

「そしてこのカードとこのカードが装備された自分のモンスターを墓地に送ることでデッキからオッドアイズと名の付いたレベル7のモンスターを1枚加えることが出来る。」

「オッドアイズを加えるだと!?」

「私が加えるのは最強のオッドアイズモンスター。オッドアイズ・ディ・アルコバレーノ!このモンスターは特殊召喚モンスター。簡単にはフィールドには現れない。しかし今条件はそろっている!墓地にeYe 装備魔法が7枚の時、このモンスターは特殊召喚出来る!現れろ オッドアイズ・ディ・アルコバレーノ!!」

 

アクトのフィールドに光が差し込む。やがてその光は大きくなっていき二色の眼を持つ大きな巨人となった。古代ギリシャの鎧を思わせるその恰好は戦う敵を震え上がらせるようなものであった。キッドは何もできないまま立っていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

オッドアイズ・ディ・アルコバレーノ出現の数十分前、闇遊戯と遊那は全員が集まっていた移動要塞の一室にいた。

 

「みんなはどこにいった?」

「それぞれのイメージに転送されたわ。」

「何かするつもりか!」

「いいえ、決闘(デュエル)で勝ったものだけがその空間から出られるという制限をしているだけよ。まぁレクシブ時空の決闘者(デュエリスト)は強制帰還装置が作動し負けたとしても出られるけれど。」

「卑劣な!ここでお前を倒し、プロン時空を救ってみせるぜ。」

「私はプロン時空から資源、人材、技術を奪うことがレクシブ時空のために最もよい手段という計算を導いている。邪魔はさせない。」

 

そういうと遊那の腕からディスクが現れる。それだけではなく背中から機械で出来た翼が現れ、空中に浮かんだ。

 

「お前はいったい…!」

「私はトリー・クオリファイによってアンドロイドとなったレクシブ時空の守護神。レクシブ時空のために武藤遊戯、お前を排除する。」

 

「「決闘!!」」

 

「先行は私がもらう。私は永続魔法 コムニオン・リリースを発動。これによりお互いのプレイヤーはドローしたカードをコストゾーンに送ることが出来る。」

「コストゾーン…(ブイ)の話じゃ貴様とキッドしか到達していないという幻のゾーン。」

「到達していないんじゃない。みんな気が付いてないだけ。存在を認知すれば使用可能となる。」

「それはつまり俺でも使えるってわけだな。」

「やれるものなら。さらに永続魔法 コムニオン・セメタリーを発動。自分の手札・フィールドから墓地に送られるカードは墓地へは行かずすべてコストゾーンに置かれる。」

「コストゾーンにどんどんカードを送る気か。」

「しかしこの二枚の永続魔法は私の墓地にカードが置かれた瞬間破壊される。私はカードを1枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□□□□

 □      □ 闇遊戯LP4000 手札5 コスト0

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 遊那LP4000 手札2 コスト0

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から融合を発動!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「手札のバフォメットと幻獣王ガゼルを融合!」

 

 

 

バフォメット

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800

このカードが召喚・反転召喚に成功した時、

デッキから「幻獣王ガゼル」1体を手札に加える事ができる。

 

 

幻獣王ガゼル

通常モンスター

星4/地属性/獣族/攻1500/守1200

走るスピードが速すぎて、姿が幻のように見える獣。

 

 

 

「現れ出でよ!有翼幻獣キマイラ!」

 

 

 

有翼幻獣キマイラ

融合・効果モンスター

星6/風属性/獣族/攻2100/守1800

「幻獣王ガゼル」+「バフォメット」

このカードが破壊された時、

自分の墓地から「バフォメット」または「幻獣王ガゼル」1体を選択して特殊召喚できる。

 

 

 

「バトルだ、キマイラで遊那にダイレクトアタック!幻獣衝撃粉砕(キマイラ・インパクト・ダッシュ)!」

 

キマイラの攻撃に反応して遊那はカードを発動する。

 

「シリョウ、貴方の永続罠による奇襲防御を現在最適と判断し発動します。永続罠 コムニオン・ガードを発動。このカードは発動後モンスターカードとして自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚される。」

「攻守ともにゼロだと?」

「守備表示。そしてこのカードは戦闘、効果で破壊されない。」

「何!?」

 

コムニオン・ガードの翼型の盾によってキマイラの攻撃は止められた。

 

「俺はカードを一枚セットしターンエンドだ。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 闇遊戯LP4000 手札2 コスト0

  ○○●○○ □

 

□ ○○◆○○

 □      □ 遊那LP4000 手札2 コスト0

  □■◆■□

 

 

「私のターン、ドロー。私はコムニオン・リリースの効果でドローしたモンスター コムニオン・ヤコブをコストゾーンに送る。そしてスタンバイフェイズ時、コムニオン・ガードの効果により自身はコストゾーンに送られる。メインフェイズに移行。コムニオン・バルトロを召喚。召喚時の効果を発動。デッキからコムニオンモンスターを1体コストゾーンに送る。私はコムニオン・アンデレをコストゾーンに送るわ。」

「これでコストゾーンに三枚…!」

「先ほどの永続罠カード コムニオン・ガードはベースカード。よってコムニオ召喚が可能となる。コムニオン・ガードをベースにコムニオン・ヤコブとコムニオン・アンデレのイエローラクリマ2個でリクリエイト!」

 

空中にコムニオン・ガードを中心にコムニオン・ヤコブ、コムニオン・アンデレが出現する。二枚のモンスターからクリスタルのような黄色いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、その二枚は裏側になる。そして二つの黄色いエネルギー体はコムニオン・ガードに吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!!クラス3 αβ(アルファベーター) B ブラック・マジシャン・コムニオ!」

 

遊那のフィールドにはBの文字を肉体に宿した魔術師が現れる。その姿はブラック・マジシャンを思わせる。

 

「これは…!」

「コムニオ召喚に使用したベースカードは手札に戻る。そしてブラック・マジシャン・コムニオの効果発動!手札のコムニオン・ガードを捨てデッキからレベル6以下の天使または魔法使い族を特殊召喚!現れろチューナーモンスター コムニオン・ユダ!」

「チューナーだと!?」

「コムニオン・ユダの効果。このカードが召喚、特殊召喚された時、自分のライフを1にしてカードを6枚ドローし、その後二枚カードをコストゾーンに送る。」

「カードを6枚ドロー!?」

 

遊那LP4000→1

 

「しかもライフを1にしてまで…!」

「そして手札から罠カード コムニオン・バーストとモンスターカード コムニオン・ペテロをコストゾーンに送る。」

「…。」

「トレード、貴方のシンクロ召喚の力を借ります。レベル4のコムニオン・バルトロにレベル6のコムニオン・ユダをチューニング!巨大なる神の化身よ、我に守護の導きを!シンクロ召喚 レベル10 コムニオン・モニュメント!」

 

オベリスクを思わせる塔のようなモニュメントが守備表示でシンクロ召喚された。攻守はともにゼロである。

 

「コムニオン・モニュメントの戦闘によってバトルダメージは発生せずこのモンスターは戦闘、効果破壊されない。そして相手はこのモンスター以外のモンスターを攻撃対象に出来ない。」

「なんだと!?」

「そしてこのモンスターがフィールドに存在する限りお互いに効果ダメージを受けなくなる。またこのモンスターは効果の対象とならない。」

「どうやって崩せば…!」

「バトル!ブラック・マジシャン・コムニオで有翼幻獣キマイラを攻撃!ブラック・コムニオ・マジック!」

 

闇遊戯LP4000→3600

 

攻撃力2500のブラック・マジシャン・コムニオにキマイラは撃破される。だが闇遊戯も負けじとキマイラの効果を発動させた。

 

「キマイラが破壊されたことで墓地からバフォメットを特殊召喚する!」

「カードを一枚セットしターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 闇遊戯LP4000 手札2 コスト0

  ○○●○○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ 遊那LP1 手札4 コスト5

  □■■■□




コムニオン・モニュメント
シンクロ・効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻 0/守 0
コムニオン・ユダ+チューナー以外の「コムニオン」モンスター1体以上
(1):このモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
(2):このカードがフィールドに存在する限り、このカード以外のモンスターを攻撃対象に選択出来ない。
(3):このモンスターの戦闘によって起こるダメージは0となる。
(4):このカードがフィールドに存在する限り、効果によるダメージはお互いに受けない。


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第六十八話「アストラルとの邂逅」

「俺のターン、ドロー!俺はバフォメットをリリースしブラック・マジシャン・ガールを召喚!」

 

 

 

バフォメット

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800

このカードが召喚・反転召喚に成功した時、

デッキから「幻獣王ガゼル」1体を手札に加える事ができる。

 

 

ブラック・マジシャン・ガール

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。

 

 

 

「さらに装備魔法 オーバーレイ・トライブをブラック・マジシャン・ガールに装備!このカードを装備されたモンスターはそのモンスターと同じ種族・属性のエクシーズ召喚をする際、1体で2体分のエクシーズ素材となれる!」

 

遊那は闇遊戯がエクシーズを使った記録をすぐに検索するも情報が少なく困惑する。

 

「俺はレベル6のブラック・マジシャン・ガールでオーバーレイ!敵を操る魅惑の魔法で我に勝利を!エクシーズ召喚 ランク6 マジマジ☆マジシャンギャル!」

 

 

 

マジマジ☆マジシャンギャル

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/闇属性/魔法使い族/攻2400/守2000

魔法使い族レベル6モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

手札を1枚ゲームから除外して以下の効果から1つを選択して発動できる。

●相手フィールド上のモンスター1体を選択し、

このターンのエンドフェイズ時までコントロールを得る。

●相手の墓地のモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガールがメイクを施し、コスチュームがダークになったような美しい魔法使いが闇遊戯の場に姿を現す。闇遊戯はすぐさまマジマジ☆マジシャンギャルの効果を使う。

 

「マジマジ☆マジシャンギャルの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、お前の場のコムニオン・モニュメントのコントロールを得るぜ。」

 

闇遊戯は崩すのは困難と思われたコムニオン・モニュメントをコントロールを奪うという形で攻撃可能にした。しかしオーバーレイ・トライブを装備したモンスターをオーバーレイユニットにして召喚されたエクシーズモンスターは攻撃宣言が出来ない。闇遊戯はそのデメリットを解消するためにさらなるエクシーズ召喚を行う。

 

「さらにマジマジ☆マジシャンギャルでオーバーレイ!」

「レベルを持たないモンスターでエクシーズ!?」

「古の魂を継ぐ黒衣の魔導師よ、今こそ王の名において降臨せしむ。エクシーズ召喚!ランク7 幻想の黒魔導師!」

 

 

 

幻想の黒魔導師

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールド上の魔法使い族・ランク6の

エクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。

また、魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、

相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードをゲームから除外する。

「幻想の黒魔導師」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「幻想の黒魔導師の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除きデッキからブラック・マジシャンを特殊召喚!」

 

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

闇遊戯の最強の僕、ブラック・マジシャンが堂々と姿を現す。

 

『! マスター、あれは…!』

「あぁ、お前と似た姿をしたコムニオモンスターだ…気を付けろ!」

『ハイ。』

 

続いて闇遊戯はバトルに移行する。

 

「バトル!ブラック・マジシャンでブラック・マジシャン・コムニオを攻撃!そして幻想の黒魔導師の効果発動!ブラック・マジシャンの攻撃宣言時、相手フィールド上のカード1枚をゲームから除外する!ブラック・マジシャン・コムニオを除外!」

 

遊那の場には何のモンスターもいない。ライフが残り1の遊那のピンチだ。

 

「これで終わりだ!ブラック・マジシャンのダイレクトアタック!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

 

ブラック・マジシャンの杖にエネルギーが溜められる。その間に遊那はポツリと言葉をつぶやいた。

 

「コムニオチェーン…。」

「?」

「コストゾーンの罠カード コムニオン・バーストはベースカード、よってコムニオ召喚が可能!」

「馬鹿な、俺のターン中だぞ!?」

「私は相手ターンにコムニオ召喚出来る『コムニオチェーン』の素質を持っていた。それをヌメロンコードの力でコントロールしたまで…。」

 

闇遊戯は驚愕するしかなかった。

 

「コムニオン・バーストをベースにコムニオン・バルトロのイエローラクリマ1個でリクリエイト!」

 

空中にコムニオン・バーストを中心にコムニオン・バルトロが出現する。1枚のモンスターからクリスタルのような黄色いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、コムニオン・バルトロのカードは裏側になる。そして黄色いエネルギー体はコムニオン・バーストに吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!クラス2 αβ(アルファベーター) N コムニオ・ネオス!」

 

Nの紋章が付いたネオスが現れた。ブラック・マジシャンの黒・魔・導が放たれようとするが遊那はコムニオ・ネオスの効果を使用する。

 

「コムニオ・ネオスは手札のベースカードを切ることでモンスターの表示形式を変更する!手札に戻ってきたコムニオン・バーストを捨てブラック・マジシャンの表示形式を変更!」

「く、永続魔法 コムニオン・セメタリーの効果で手札から墓地に送られるカードはコストゾーンに置かれてしまう…。またコムニオ召喚されればベースカードは再び手札に…きりがない!だがやるしかないんだ!幻想の黒魔導師でコムニオ・ネオスを攻撃!」

「コムニオ・ネオスの効果!手札のベースモンスターカード コムニオン・ヨハネを切って守備表示に!」

 

ブラック・マジシャン、幻想の黒魔導師共々守備表示へと変えられた。残るは遊那から奪ったコムニオン・モニュメントだが攻撃には全く意味をなさないモンスターである。このまま闇遊戯はエンドを宣言した。エンドフェイズにコムニオン・モニュメントは遊那の場に戻る。

 

 

  □□■□□

 □      □ 闇遊戯LP4000 手札1 コスト0

  ○●●○○ □

 

□ ○●●○○

 □      □ 遊那LP1 手札5 コスト5

  □■■■□

 

 

「私のターン、ドロー。私はドローしたコムニオン・トマスをコストゾーンに送る。コストゾーンのコムニオン・ヨハネはベースカード、よってコムニオ召喚が可能。」

「また来るのか…!」

「コムニオン・ヨハネをベースにコムニオン・ペテロとコムニオン・ユダのイエローラクリマ2個でリクリエイト!」

 

再びコムニオ召喚が起こり、次は煌びやかな竜が姿を現す。

 

「コムニオ召喚!クラス3 αβ S コムニオン・スターダスト・ドラゴン!」

「今度は遊星のスターダストを模倣したモンスターか!」

「バトル!コムニオ・ネオスでブラック・マジシャンを攻撃!コムニ・オブ・ネオス!」

 

コムニオ・ネオスとコムニオン・スターダスト・ドラゴンの攻撃力、守備力は共に元々のネオスとスターダスト・ドラゴンと同じ攻撃力2500。よってコムニオ・ネオスのチョップによってブラック・マジシャンは破壊される。

 

「続いてコムニオン・スターダスト・ドラゴンで幻想の黒魔導師を攻撃!コムニティー・ソニック!」

 

何も出来ぬまま闇遊戯の場はがら空きとなった。

 

「メインフェイズ2、私は永続魔法 コムニオン・ストームを自分の場の魔法・罠をすべてコストゾーンに送り発動。」

「何!?」

 

コムニオン・リリースとコムニオン・セメタリー、そして伏せカードであった二枚目のコムニオン・バーストがコストゾーンに置かれる。

 

「コムニオン・ストームがある限り相手のモンスター効果が発動した時にコストゾーンに存在する表側のベースカードを1枚選んで手札に加えることが出来る。」

「つまり俺が何かをすればベースカードがお前の手札に加えられてしまう…ということか。」

「そう、そして手札から二枚目の永続魔法 コムニオン・セメタリーを発動する。」

「何!?」

 

コムニオン・セメタリーが存在する限り自分の手札・フィールドから墓地に送られるカードは墓地へは行かずすべてコストゾーンに置かれる。つまりコムニオモンスターの効果で手札からベースカードが捨てられてもそのカードはコストゾーンに置かれる。それだけでなく闇遊戯が何らかの効果を発動すればコストゾーンのベースカードを再び手札に戻せるのだ。

 

「ターンエンド。」

 

 

  □□■□□

 □      □ 闇遊戯LP4000 手札1 コスト0

  ○○○○○ □

 

□ ○●●●○

 □      □ 遊那LP1 手札4 コスト6

  □■■□□

 

 

『大丈夫?もう一人の僕!』遊戯が闇遊戯に語り掛ける。「これはかなりまずいぜ、下手すれば無尽蔵にコムニオモンスターの効果を使われてしまう。どうしようもない…。」

 

闇遊戯はうつむく。だがその時、千年パズルから語り掛ける声がした。その声をよく聞こうと耳を澄ますと闇遊戯は別の空間に移動していた。

 

 

 

 

 

「ここは…!?」

『君が名も無き王、アテムか。』

「お前は?」

『私はアストラル。遊馬と共に戦っていたものだ。』

「お前がアストラル!遊那の中に封じられていると聞いていたが…。」

『その通り。今も私は封印されているが意識は保っている。プロン・ヌメロンコードを使わせないためにだ。こうして君と会話できているのもその千年パズルは私の力で創造したものであるからだ。』

(ブイ)が言っていたな。だがすまない、俺はどうやら力になれなかったようだ…。」

『…。』

「俺の手にはもう勝利に導くカードはない。」

『驚いたな。』

「?」

 

アストラルの失望する顔を見て闇遊戯は少し驚く。

 

『キングオブデュエリスト 武藤遊戯。君のことを私は見くびっていたのかもしれない。少なくとも私の相棒の遊馬であればこんなことではめげたりはしない。ライフが尽きるまで、デッキが尽きるまで戦う。それが彼の…いや私たちのかっとビングだ!』

「かっとビング…。」

『もう話せる時間も少ない。遊戯、これが最後のドローだ。』

「…あぁ。そうだな、俺は諦めちゃいけなかった、相棒のためにも、仲間のためにも、この時空のためにも!」

 

闇遊戯の眼に闘志が漲る。

 

『そんな君に私が渡すことのできる最後の力を託す。頼む、この世界を救ってくれ。』

 

 

 

 

 

気が付くと闇遊戯は遊那との決闘(デュエル)に戻っていた。

 

「コムニオン・スターダスト・ドラゴンは手札のベースカードを捨てることで破壊を無効にするモンスター。そう簡単には突破させない。」

「だからと言って俺は諦めちゃいけない。みんなの願いが俺のこのドローにかかっているんだ!」

 

闇遊戯の右の腕が光り始める。

 

「これは…!」

『いけるよ、もう一人の僕!』

「あぁ!最強決闘者(デュエリスト)の決闘はすべて必然!ドローカードさえもデュエリストが創造する!シャイニング・ドロー!」

 

闇遊戯は最後のドローと決めアストラルが遺した力を使い、ドローをするのだった。




αβ N コムニオ・ネオス
コムニオ・効果モンスター
クラス2/闇属性/戦士族/攻2500/守2000
(1):手札のベースカードを1枚捨てることで発動できる。フィールドに存在するモンスターを1体選択し、選択したモンスターの表示形式を変更する。(1)の効果は相手ターンにも発動できる。


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第六十九話「決着」

「俺が引いたカードは死者蘇生だぜ!」

「死者蘇生?そんなカードが今役に立つとでも?」

 

闇遊戯は感情のこもっていない遊那の受け答えにニヤリとする。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法 異次元からの埋葬!」

 

 

 

異次元からの埋葬

速攻魔法(制限カード)

(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から

合計3体まで対象として発動できる。

そのモンスターを墓地に戻す。

 

 

 

「俺が戻すのはお前のαβ(アルファベーター) B ブラック・マジシャン・コムニオ!」

「なんだと?」

 

遊那のブラック・マジシャン・コムニオは闇遊戯の幻想の黒魔導師の効果によって除外されていた。

 

 

 

幻想の黒魔導師

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールド上の魔法使い族・ランク6の

エクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。

また、魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、

相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードをゲームから除外する。

「幻想の黒魔導師」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「そして魔法カード 死者蘇生を発動!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「俺は墓地に戻ったお前のブラック・マジシャン・コムニオをいただくぜ!」

 

遊那は何か仕掛けてくるかもしれない闇遊戯を警戒していた。コムニオモンスターの効果を発動させるためには手札に多くのベースカードを握っておく必要がある。闇遊戯が何か効果を発動する度に永続魔法 コムニオン・ストームによって手札にベースカードを回収するべきと遊那は判断した。

 

「コムニオン・ストームの効果により永続ベースカード コムニオン・ガードを手札に加える。」

「来い、ブラック・マジシャン・コムニオ!」

 

闇遊戯の場にコムニオモンスターであるブラック・マジシャン・コムニオが特殊召喚された。遊那は警戒を続けるが余裕の表情を浮かべる闇遊戯は自らのターンを進めていく。

 

「アストラルから受け取ったもう一つの力を使わせてもらうぜ。自分のコストゾーンに表側となっている枚数が相手よりも少ない場合、ブラック・マジシャン・コムニオを別のクラスに進化させることが出来る!」

「進化…だと?」

 

自分も知らないコムニオ召喚の秘密に遊那は機械でありながら動揺した。

 

「ネクスト・クラス・チェーン!ブラック・マジシャン・コムニオをコストゾーンに送り、エクストラデッキからαβN(アルファベーターネクスト) B ブラック・ウィザード・コムニオを召喚するぜ!」

 

ブラック・マジシャン・コムニオはエネルギー体へと変わり、コストゾーンへ送られる。その衝撃波からネクスト・クラスへ移行したαβN B ブラック・ウィザード・コムニオが姿を現した。

 

「なんなの…このコムニオ召喚は…!」

「アストラルにはお前のコムニオチェーンのようにクラスチェーンの素質があった。それを俺が使わせてもらったに過ぎない。」

「使わせてもらった…?」

 

ヌメロンコードを持たない人間がただ少しヌメロンコードを持つものと接触しただけで新たなコムニオ召喚をマスターできるとはとても遊那には”計算”できなかった。だが実際に起きていることである。遊那は闇遊戯の出方をうかがう。

 

「αβN B ブラック・ウィザード・コムニオがネクスト・クラス・チェーンによって特殊召喚に成功した場合、フィールドに存在する二体のモンスターを破壊できる!」

「ベースカードを使わずに効果を発動だと?」

「ネオスとスターダストを倒せ!αβN B ブラック・ウィザード・コムニオ!」

 

遊那はそれにチェーンしてコムニオン・ストリーム、そしてコムニオン・スターダスト・ドラゴン、コムニオ・ネオスの効果を発動する。

 

「コムニオン・ストリームコストゾーンに存在するコムニオン・バーストを手札に加え、コムニオン・スターダスト・ドラゴンの効果で加えたバーストを捨て、このカードの破壊を1度無効にする。さらにコムニオ・ネオスの効果で手札のモンスターベースカード コムニオン・ヨハネを捨ててブラック・ウィザード・コムニオを守備表示に変更する。」

「スターダストは守られてもネオスは破壊されるぜ!」

 

闇遊戯の言う通り、コムニオ・ネオスは破壊された。しかし攻撃力2800のブラック・ウィザード・コムニオでスターダストを攻撃することは守備表示になってしまったことで叶わなくなる。

 

「残念だけどブラック・ウィザード・コムニオでコムニオン・スターダスト・ドラゴンを攻撃は出来なくなった。貴方の策は尽きたわ。」

「それはどうかな?」

 

闇遊戯は依然として余裕の表情を浮かべる。

 

「何?」

「確かにアストラルがくれた力はここまでだったが、ここからは俺の王としての力を使うぜ、応えてくれ、俺のデッキ!」

 

闇遊戯は千年パズルの力を光らせ、力を発動させる。ウジャトの眼が闇遊戯の瞳に出現し、ネクスト・クラス・チェーンの更なる先へと進む。

 

「自分のコストゾーンに表側となっている枚数が相手よりも5枚以上少ない場合、俺は更なるクラス・チェーン…ハイ・クラス・チェーンへと進むことが出来る!」

「ハイ・クラス・チェーン?」

「俺のコストゾーンには表側となっているカードは1枚。そしてお前のコストゾーンには7枚!よってハイ・クラス・チェーンが可能!ブラック・ウィザード・コムニオをコストゾーンに送り現れろ 我が力により覚醒した最強の魔導師!αβH(アルファベーターハイ) B ブラック・ソーサラー・コムニオ!!」

 

ウィザードよりもさらに迫力のあるローブを羽織ったブラック・ソーサラー・コムニオが現れた。

 

「これで終わりだぜ、遊那。」

「私にない…知識…!」

「バトルだ!ブラック・ソーサラー・コムニオでコムニオン・スターダスト・ドラゴンを攻撃!ハイ・ブラック・マジック!」

 

ブラック・ソーサラー・コムニオの巨大な杖からエネルギーは射出される。コムニオン・スターダスト・ドラゴンに向けて放たれたその攻撃によって遊那は敗北した。

 

遊那LP1→0

 

ソリットヴィジョンは消滅し始める。それと同時に十代、遊星、遊馬が消滅に反して現れる。

 

「遊戯さん!遊那に勝ったんですね。」

「あぁ、みんなも勝ったんだな。」

「遊戯さんが勝ったってことは…。」

「アストラル!」

 

遊馬はアストラルを呼ぶも何の返事も返って来ず、俯く。その時遊馬のすぐ近くからアストラルの声がした。

 

『遊馬、心配をかけたな。』

「!! びっくりした!何すんだよ!いきなり後ろに!」

『驚くかと思ったのだ。』

「くっそ…。うっ…うう…。」

 

遊馬は怒ろうとするも出会えた喜びに涙する。

 

「とりあえず目的のアストラルを取り戻すことは出来たな。」

「えぇ…でも…。」

 

遊星は遠くを見る。そう、まだキッドが帰ってきていない。

 

「キッドはきっと敗北しているわ。」

 

全く動かなかった遊那が突如話し始めた。闇遊戯は遊那に訳を尋ねる。

 

「簡単なこと…彼がクオリファイ家の人間だから。彼に決闘(デュエル)では敵わない。」

「キッドは強いぞ。」

 

十代が反論するも遊那はそれを無視する。

 

「私はもうすぐ自爆する。」

「なんだと!?」

「決闘で敗北した時に自爆するようプログラムしていたのよ。」

「お前はなぜそこまでレクシブ時空のために動こうとする?」

 

闇遊戯の質問に遊那は俯きながら答える。

 

「私には家族がいた。彼らは私を愛し、そして私も彼らを愛した。そんな彼らが生きている世界を守りたい。そう考えるのは普通では?」

「それは…。」

「体が朽ちようとも私たちの世界を守る。それを行動原理にするとプログラムされている。」

「ではそのプログラム…行動原理に従ってレクシブ時空の発展のためにハイクラスまで作ったということか!?」

 

遊那は返事をしないが否定もしなかった。

 

「お前の考えは理解できないがコムニオン・モニュメント…あのモンスターのようにお前の意思は固く、同じ決闘者(デュエリスト)として尊敬に値するものだった。」

「…私の最後のプログラムを起動。貴方たちを一時的にキッドの元に転送します。」

 

そういうと遊那は四人に手を向けた。

 

 

 

 

 

キッドはオッドアイズ・ディ・アルコバレーノの攻撃によって敗北していた。

 

「ん?お前デュエルディスクをプロン製のものに変えていたのか。なるほど、だから強制帰還装置が起動しないわけだ。」

「く…なんて力だ…。」

「この空間からは勝者しか出られない。安心し…!!」

 

アクトは何かを悟る。しばらく考え込むとキッドに背を向けた。

 

「まさか負けるとは…すぐに”他の方々”に報告しなくては…いやまずはヌメロンコードの回収が先か…。」

「なんだ…俺にとどめを刺すんじゃないのか…!?」

 

キッドの言葉にアクトはニヤリとしながら振り向く。

 

「もう遊那はいない。ならばレクシブ時空は我々クオリファイ家の好きにさせてもらう。」

「なんだと!?」

「そのためにはお前が必要になるかもしれん…”覚醒”する前に殺してしまっては意味がない。」

「覚醒…?」

「それといいことを教えてやろう。お前の弟がさらわれた理由はお前の弟が優れた決闘者だったからだ。」

「!?」

「”覚醒”するかもしれないと睨んでいたからな。」

「待て!なぜおまえがそんなことを…まさか!!」

 

キッドは弟 ネオンをさらった犯人はアクトであることに気が付く。地を這いながらもアクトを捕まえようとするがアクトは徐々に姿を消していった。

 

「くそぉ!!!!」

 

キッドは自分の生まれ故郷の景色をみながら一人取り残される。「俺は死ぬまでずっとここに居続けるのか…。ネオン…すまない。」キッドは無念の思いで目を閉じた。

 

「キッド!起きろ!」

 

十代の声がする。「ついに俺は幻聴まで?」キッドは目を開こうとしない。

 

「おい、すぐに脱出するぞ!」

 

遊星が焦っている。「遊星までいるのか?一体…?」キッドはそっと目を開けた。そこには四人の男たちが立っている。

 

「行くぜ、キッド。俺たちの世界へ行こう!」

「遊馬…!」

「キッド、お前はここで諦める奴じゃないんだろう?三人から聞いたぜ。」

「武藤…遊戯…!」

 

闇遊戯がキッドに手を差し伸べる。その手を取ると五人はアストラル世界に再び転送された。

 

 

 

 

 

遊那の力によって再転送された場所は墜落を始めている移動要塞のデッキにいた。

 

「うわ、こんなとこに出ちまった…ユベル、みんなを浮かせられるか?」

『無茶言うな。』

「だよなぁ…。」

 

冗談を言う十代以外は皆焦っている。すると下方に十代や海馬をハートランドに運んだ飛行船が飛んでいた。そこから(ブイ)の声が聞こえる。

 

「海馬瀬人や他の仲間たちはすでにこちらにいる!君たちもすぐ来るんだ!」

「って言われてもよ、Ⅴ!これ超高いぜ!?」

「かっとビングだ!遊馬!」

「えぇ!?」

 

ビビる遊馬にアストラルも後を押す。

 

『かっとビングだぞ、遊馬。』

「…だな!行くぜ!みんな!かっとビングだ!俺たち!!」

 

遊馬が飛び降りると十代、遊星が落ちていく。キッドは唖然とし飛び降りようとしない。闇遊戯はキッドの肩にポンと手を置いた。

 

「行こう、みんなが待ってるぜ。」

 

闇遊戯も落ちていく。キッドはそれに続いて飛び降りた。落下中、闇遊戯はキッドに声をかける。

 

「大丈夫だ、お前なら。きっと弟を見つけられる。」

「…。」

「たとえお前ひとりじゃ無理でも仲間たちがいる。そうだろ?」

 

キッドにそういうと下の方で飛行船に乗り込んでいる十代、遊星、遊馬を見た。

 

「あぁ、時空は関係ない。決闘が俺と彼らを結び付けてくれた。…そうだな、きっとネオンを助けられる。」

 

二人は飛行船に向けて手を伸ばすのであった。




αβN B ブラック・ウィザード・コムニオ
コムニオ・効果モンスター
クラス3/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2300
このカードは(1)の効果でのみエクストラデッキから特殊召喚出来る。
(1):自分のコストゾーンに表側で存在するカードの枚数が相手のコストゾーンに表側で存在するカードの枚数より少ない場合、自分フィールド上に存在する「ブラック・マジシャン」Cモンスターをコストゾーンに送ることでこのカードをC召喚扱いで特殊召喚出来る。
(2):このカードがC召喚に成功した場合、相手フィールドに存在するモンスター2体を選択し発動できる。選択したカードを破壊する。
(3):手札のベースカードを1枚捨てることで発動できる。フィールドに存在するカードを1枚選択し破壊する。


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第七十話「それぞれの帰る場所」

トロン一家の出した飛行船はアストラルをエリファスのいる塔におろすと決闘者(デュエリスト)たちをそれぞれの世界に帰すために再び飛び立った。そんな飛行船を見ながらエリファスはアストラルに語り掛ける。

 

「よかったのか?遊馬と共にいなくて。」

「はい、たとえ離れていても私たちは相棒ですから。」

 

すぐに飛行船は遠くまで飛んでいく。小さくなっていく飛行船にアストラルは微笑みかけていた。

 

 

 

 

 

(ブイ)は遊戯、十代、海馬の三人を童実野町に下ろす。海馬は自分が敵を倒すことが出来なかったことを未だに不満がっていたがカイトの顔を見るとニヤリとした。

 

「またいつでも相手になってやる。」

「望むところだ。」

 

カイトもニヤリとした。

 

「本当にありがとう。Ⅴ、君たちが僕たちにプロンの危機を伝えてくれなかったらどうなっていたのかわからないよ。」

 

遊戯はⅤに感謝の意を伝えるもⅤは首を振る。

 

「礼を言うのはこちらだ。私たちの時空を救ってくれて感謝する。」

「またいつか会おう!」

 

トロン一家は飛行船に乗り込みすぐに帰っていく。飛行船を見送ると十代は遊戯と海馬の目の前に出る。

 

「さぁ十代さん、海馬社長!いよいよ決勝だぜ!」

「? なんのこと?」

「遊戯…貴様忘れたのか?」

『WDMCのことだ、相棒。』

「あ!そっか、ペガサスに頼んで決勝伸ばしてもらってたんだった!」

「凡骨の体が動くようになり次第すぐに始めさせるぞ。」

 

そういうと海馬は一人海馬コーポレーションの飛行機に向かっていった。

 

「じゃ、そゆことで!楽しみにしてるぜ、遊戯さん!」

 

十代も万丈目グループの車に駆けていく。

 

「じゃあ僕たちも帰ろうか。もう一人の僕。」

『あぁ、あと本田君に会いに行こう。アメリカに行ってしまえばもう会えない。』

「もう会えないって?」

 

闇遊戯は遊戯に自分の意を伝える。

 

 

 

 

 

遊星と5D'sのメンバーはダイダロスブリッジに立っていた。

 

「もう行くのか?」

「えぇ、大学に何日も休んじゃったし。」

「私と龍亞のケータイにパパとママからいっぱい電話来てたから心配してると思うの。」

「なんだー?遊星寂しいのかぁ~?もう!」

 

龍亞のふざけに遊星も苦笑いをする。

 

「俺も今の仲間たちが待ってる。すぐに行かなくちゃな。」

「俺も絶対王者(キング)としての道を歩んでいる最中。こんなところで止まっているわけにはいかない。」

「みんな、未来へ進んでいるんだな。」

 

Dホイール Dボードに全員が乗る。再び旅に出る仲間たちと最後のランを遊星は楽しむのだった。

 

 

 

 

 

遊馬とナンバーズ・クラブのメンバーは病院に走っていった。病室に入ると遊馬は大きな声で凌牙を呼ぶ。

 

「シャーク!!」

「ここは病院だぞ、静かにしろ!」

「おいおい、俺もいるぜ?遊馬君よぉ。」

 

皮肉にも凌牙とベクターの病室は同じであった。

 

「大丈夫なのか?二人とも。」

「あいにく入院は慣れていてな。」

「良からぬことにしばらくはここにぶち込まれるみてえだ。あー暇だぜ~。」

 

ナンバーズ・クラブの他のメンバーも入院している七皇たちの元へ行っていた。遊馬やアストラルが望んだ皆が共存する世界がレクシブ時空の侵攻を共に乗り越えることで実現したのだった。

 

 

 

 

 

「皆サーン、大変お待たせして申し訳ありませんでしターー。しかし、この戦いで皆さんが楽しめるのは間違いありまセーン!」

 

ペガサスがWDMC決勝戦の挨拶をしているのが聞こえる。遊戯はデッキの準備をしていた。

 

「僕がデッキを作っていいって言ったけど君が作った方が強いデッキ出来るんじゃないかな?君が出るんだし。」

『いや俺は出ないぜ。』

「え?」

『アメリカに来て御伽やレベッカ、杏子に会えたしな。もうやり残したことはない。』

「どういうこと?」

 

闇遊戯は千年パズルを光らせるとそれに呼応したように闇遊戯の人格が遊戯から抜けていく。

 

「ちょっと!どういうこと?」

『アストラルに俺が千年パズルを通して合図をしたら千年アイテムを消すように頼んでおいたんだ。』

「そんな…どうして…。」

『死者の魂は現世に留まってはならない。そうだろ?』

「…そう…だね。」

『安心しろ、お前は俺より強い。さぁ…行って来い。』

「うん…ありがとう…。」

 

消えていく闇遊戯の意識を感じつつ遊戯は胸を張って決勝の場へ足を進める。そこには十代が立っていた。

 

「遊戯さん、準備はいいですか?」

「うん、精いっぱい戦おう、十代君!」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

 

 

 

アストラル世界。ハイクラスの移動要塞墜落後。遊那は自爆後であり部品が飛び散っていた。そこにアクトが立っている。

 

「遊那…自爆プログラムか…。」

 

ニヤリとすると呪文のようなものを唱え始める。すると残骸の中からレクシブ・ヌメロンコードが出現した。

 

「出てきたか…。」

 

掴むもヌメロンの力が感じられない。

 

「やはり”鍵”がかかっているか。用心深いアンドロイドだな。やはり”覚醒”した決闘者を集めるしかないか…ククク…。」

 

アクトはその後デュエルディスクの帰還機能を使いレクシブに帰還する。新たなる戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

                                   第一部 完



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番外編
Episode 遊那(第七十一話)


遊那がいなくなったレクシブ時空に何の変化もない。百数年前までは遊那のことを知っている人物もいたが今となっては遊那は飽くまで影の存在。一般人にはほぼと言っていいほど知られていなかった。そんな中、一人だけ遊那のことを知りながら普通の生活を送っている老人がいる。実際にはその老人も遊那と会ったわけではないが、彼の父親が遊那と関わったことがあるらしい。老人は父親から遊那の話を聞いたことがあったのだ。その老人は今自分の家の庭のベンチに座っている。彼の孫がロボットと遊ぶ姿を見て微笑ましく思っていた。そして父が言っていた優秀なロボット、いやアンドロイドのことを思い出す。


授業が終わり家まで駆けていく少女がいた。名は武藤遊那。親を事故で亡くし今は幼い時から良く遊びに行っていたレクシブ・クオリファイ博士の家に居候している。

 

「ただいまー!」

 

ドアを開けランドセルを放り投げるとすぐに遊びに出かけようとした。

 

「こーら、待ちなさい。」

 

レクシブ博士の娘 カイリー・クオリファイが遊びに行く遊那を引き留め勉強するよう叱る。渋々勉強部屋に行くと同じくレクシブ博士の息子 カツトとカイリーの息子 トリーも無理やり勉強させられていた。

 

「あー、アンタ達も捕まったのね…。」

「大学受験近いのに何してるんだ!だそうだ…。」

「お母さん、乱暴なんだよなあ。僕まだ小学生だよ。」

「黙ってやる!」

 

親を失ったことは悲しかったがこの生活も悪くないと遊那は考えていた。他人にもかかわらずレクシブ一家は遊那に良くしていたのだ。

 

 

 

 

 

勉強が終わるともう夕方になっていた。今から出てももうそんなには遊べない。遊那は遊び以外の楽しみであるレクシブ博士の研究室で研究の手伝いをすることにした。レクシブ博士は名家 クオリファイ家の出身であったが家のためだけに研究することに嫌気をさし本家とは絶縁状態にあった。ノックをし研究室に入るとレクシブ博士が実験をしている真っ最中であった。

 

「おぉ、遊那。ちょっと離れてるんじゃ。今危ない実験をしている最中じゃからな。」

 

テーブルの上に置かれた石に向けてレクシブ博士は手に握っている機械からビームのようなものを照射する。すると石はカードへと変化してしまった。

 

「すごい!なにこれ!」

「物をカード化させる装置じゃよ。これを実用化できればあらゆる物をデュエルモンスターズのカードにして遊ぶことが出来るぞ。」

「わぁ!そしたらまたみんなが笑顔になれるね!」

 

レクシブ博士はデュエルモンスターズと並行世界の研究をしていた。それは人を驚かせたりびっくりさせて笑顔にしたいという望みからだ。そんな博士が遊那もカイリーもカツトもトリーも大好きだったのだ。

 

「私も将来レクシブ博士みたいに科学者になるわ!それでこの世界の人みんなを笑顔にするの!」

 

 

 

 

 

爆音と共にレクシブ博士の家は破壊された。中には博士がいる。恐らく無事ではないだろう。

 

「博士ェ!!」

 

遊那は目の前で家を世界の闇と名乗る者に破壊された。

 

「なんで…なんでこんなことをするのよ!」

 

世界の闇を名乗る者は決闘(デュエル)で世界の行方を決めることを提案し遊那はその決闘に乗ることにした。しかし世界の闇はかなりの強敵であると同時に遊那を闇のゲームで苦しめた。

 

「く…この苦しささえなければ…!」

「遊那、待ってて!」

 

カイリーが後ろで亡きレクシブ博士の最高傑作を取り出す。その装置を頭に取り付け、エネルギーを遊那に放射する。

 

「う…!何…これ…!」

『遊那、聞こえる?』

「カイリー?」

 

振り返るとカイリーは倒れている。息はしていないようだ。

 

「え、ちょっと…どういうこと!?」

『私がデュエルモンスターズの精霊になったの。お父さんはデュエルモンスターズの精霊の力なら闇のゲームに対抗できるって言っていたから…。』

「そんな…だからってカイリーが犠牲になることなんか…。」

『世界を救うため…でしょ!行くよ、遊那!』

 

こうして遊那と精霊になったカイリーによって世界は救われた。しかしカイリーはもう遊那以外には見えない。空となった肉体は死んだということにされ埋葬された。トリーは涙を流しカツトは覚悟を決めた目つきをしていた。

 

「遊那、俺たちで父さんと姉さんが目指した世界を作ろう。」

「…うん。」

 

 

 

 

 

十数年後、今度は未来の使者を名乗る者たちが歴史の粛清のために遊那たちの前に立ちふさがった。カツトは使者の一人と決闘していた。

 

「カツト…無理しちゃダメ!」

「俺も遊那も研究者になっていろいろな発見したよな。父さんが愛したこの次元よりももっと大きな時空があるってこと。俺は父さんを越してこの時空ごと愛してるし守りてえ。俺もやらなくちゃいけないんだ!」

「カツト…!」

「…トリーを頼むぜ。行け、真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)!黒炎弾!!」

 

その後カツトは敗北し命を落とした。だがそれによって敵への対策が出来、遊那は見事敵を打ち砕き再び世界を守った。世界は遊那を称え、彼女は英雄となったのだ。

 

 

 

 

 

遊那は未婚のまま老いていった。一方でカイリーの息子 トリーは妻のミカと子供のトラルもいる。精霊となったカイリーもそのことには思わず涙していた。遊那にとってミカは娘でありトラルは孫のような存在でありトリーも含めた三人への愛は深まるばかりだった。しかしそんな中再び敵は襲来する。最後の敵は別次元から進行してきた敵であった。その次元では何かを奪わなければ存続自体が不可能なほど貧困が進んでおり、遊那が住んでいる次元に存在すると言われるヌメロンコードを狙って攻めてきたのだ。ヌメロンコードについては遊那もトリーも研究しておりそれを手に入れるための犠牲が必要なことも把握していた。だが苦しむ他次元の者は恐れることなく遊那たちを攻撃する。遊那は憎しみよりもむしろそのような手段でしか生きていけない物に対し悲しみを抱いていた。

戦いは続きやがて老化した体に限界が来る。遊那はボロボロで体が動かなくなっていた。

 

『遊那、しっかり!』

「カイリー…ごめん。トリーを…トラルを守りたいの。だからもうお別れ。」

『何をする気?』

「私は死んで機械となる。そうすれば決闘が出来るようになるわ。」

『そんな…!』

「でもそうすれば私の体に宿るあなたの魂とはもう話せなくなる。でもこの次元を…この時空を救うためなのよ。」

『…。』

「分かってね…。トリー、お願い。」

 

研究者となっていたトリーはすぐに遊那の改造に取り掛かる。目は涙であふれていたがその手を休めることはなかった。機械となった姿はトリーの記憶に残る若き日の遊那であった。生前の遊那の願いによりプログラムのベースとなる行動原理は『この時空 レクシブ博士やカイリー、カツトが愛したレクシブ時空を救う』ことであった。遊那はそのプログラムに従い動く。他次元からの侵攻を防ぐと遊那はヌメロンコードを手に入れる作業に入る。普通の人間のスタミナでは不可能なことも機械である遊那は出来、何とか手に入れることに成功した。手に入れると同時にまず自分以外にヌメロンコードが使えなくするようにロックをかけた。その鍵となるものは26枚のカードに封印されレクシブ時空中の決闘者(デュエリスト)に、文字通り時と空間を超えて託された。

 

 

 

 

 

トリーとミカはその後病気で亡くなりトラルは本家のクオリファイ家に養子で入ることとなった。アンドロイドとなった遊那はレクシブ時空のためにあらゆることを機械的に行うようになる。レクシブ時空を救うという行動原理の元に…。そんな彼女を神格化する者もあらわれるほどであったが百年もたてば彼女の存在は忘れ去られていく。

百数年後、遊那はヌメロンコードの解読に成功しプロン時空の存在を探知する。プロン時空の資源を奪えば愛すべきレクシブ時空はこれからも笑顔で暮らせる。その答えに行きつくとクオリファイ家から派遣されたアクト・クオリファイに命令を出す。

 

「アクト、レクシブ時空の優れた決闘者を集めて。すぐに。」

 

こうしてハイクラスは結成されることとなった。




~「コムニオン」デッキ~
コストゾーンにカードを貯めていきコムニオ召喚で勝負をかけるデッキ。遊那はレクシブ・ヌメロンコードを手に入れたことでコムニオチェーンと呼ばれる相手のターンでのコムニオ召喚を実現したが普通の決闘者には不可能。

<モンスター>
コムニオン・バルトロ
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守 200
(1):このカードが召喚に成功した時に時に発動できる。デッキからレベル4以下の「コムニオン」モンスター1体をコストゾーンへ送る。


コムニオン・ヤコブ
??


コムニオン・アンデレ
??


コムニオン・ユダ
チューナー・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻 0/守 0
(1):このカードが召喚、特殊召喚された時、自分のライフを1にしてカードを6枚ドローする。その後二枚カードをコストゾーンに送る。


コムニオン・ペテロ
??


コムニオン・ヨハネ
ベース・効果モンスター
??


コムニオン・トマス
??



<魔法>
コムニオン・リリース
永続魔法
(1):お互いのプレイヤーはドローしたカードをコストゾーンに送ることが出来る。
(2):自分の墓地にカードが置かれた時、このカードを破壊する。


コムニオン・セメタリー
永続魔法
(1):自分の手札・フィールドから墓地に送られるカードは墓地へは行かずすべてコストゾーンに置かれる。
(2):自分の墓地にカードが置かれた時、このカードを破壊する。


コムニオン・ストーム
永続魔法
このカードは自分フィールド上の魔法・罠をすべてコストゾーンに置くことで発動できる。
(1):相手のモンスター効果が発動した時に発動できる。コストゾーンに存在する表側のベースカードを1枚選んで手札に加える。


<罠>
コムニオン・ガード
ベース・永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(天使族・光・星10・攻 0/守 0)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
(3):自分のターンのスタンバイフェイズ時にこのカードをコストゾーンに送る。


コムニオン・バースト
ベース・通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。自分フィールドに存在するすべてのカードをコストゾーンに送りバトルフェイズを終了させる。


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Episode シリョウ(第七十二話)

「何度負けてもそのたびにまた立ち上がれる!また強くなれるんだぜ!シリョウ!」

遊馬の言葉を思い出すたびに怒りと憎しみが湧いてくる。シリョウはクオリファイ家のアジトの一つにいた。プロン時空での戦いで敗北し、ハイクラスは解体された。もはや何者でもなくなったシリョウは崩壊した精神を元に戻すかのように自らの人生を振り返る。彼がレクシブ時空 エクシーズ次元にいた時のことを覚えているものはもう数少ないであろう。


エクシーズ次元 ハートランドシティ。シリョウはとあるプロ決闘者(デュエリスト)養成校に所属していた。数週間前から生徒同士のトーナメント形式の決闘(デュエル)が行われておりその日がセミファイナル二組目の決闘であった。勝者は一組目のユートVSドームの勝者であるユートとファイナルで戦うこととなる。決闘場にそれぞれの決闘者が位置に着いた。

 

「俺様が勝たせてもらうぜ、黒咲!」

「早く始めるぞ。」

 

「「決闘!!」」

 

決闘場の周りは応援する生徒たちでいっぱいであった。その声援のほとんどがシリョウを応援している。黒咲は実力、容姿ともに優れていたがその性格から友達が多い方ではなかった。その一方でシリョウは友人が多く、特に悪友と言える者がかなり多くいた。

 

 

 

 

 

RR(レイド・ラプターズ)-ライズ・ファルコンでクルーエル・マダラス・ウェポンを攻撃!ブレイブクロー レボリューション!」

 

シリョウのライフはゼロとなる。黒咲は「当然だ。」とでも言いたげな顔で決闘場を去っていく。その後ろを妹の瑠璃が付いていく。シリョウはまた瑠璃にいい格好を見せることは出来なかった。黒咲隼は確かに嫌な奴ではあるが瑠璃は違う。彼女は自分の理想の女性だと思っていた。だが今日の兄を祝福する顔を見てシリョウは確信した。俺の敗北を慰めることなく兄の勝利を祝福している。そんな奴が理想の女性であるはずがない…と。

 

 

 

 

 

瑠璃に対する思いが少しずつ歪んでいったある日、シリョウの前に自分を大道芸人であるというオレンジ髪の男が接触してきた。

 

「やぁ、君がシリョウ君かい?」

「お前誰だ?」

「いやぁ、君が瑠璃って女の子を知っているって君の友人から聞いてさ!どこにいるか知らないかなって。」

 

シリョウはその男の首を掴み壁に叩きつける。

 

「俺はもう瑠璃に興味はねえんだよ!!」

「ウ…お…落ち着いて落ち着いて…ハハ…!」

「このままぶっ殺してやってもいいんだぜ…!」

 

さらにその男の首を絞め上げる。するとポンという煙と共に男はEm(エンタメイジ)トラピーズ・マジシャンへと変わり不気味な笑い方をする。

 

「な…!」

「リアルソリットヴィジョンを使ったマジックさ!楽しめたかい?」

 

シリョウの後ろから本物が姿を現す。

 

「君、最近カリカリしてるみたいじゃないか。聞けば瑠璃のお兄さんに負けた…とか。力が欲しいんだろ?いいカードをあげるよ。その代わり瑠璃の居場所を教えてくれないかな?」

 

シリョウは瑠璃がいつも散歩で通る広場をその男に教えた。満足そうにその男は二枚のカードをシリョウに渡す。指を鳴らすと煙が立ち、男は姿を消した。

 

 

 

 

 

ハートランドシティは融合次元のアカデミアの戦士たちによって破壊された。レジスタンスへ入ったシリョウは黒咲やユートたちと共にアカデミアのオベリスクフォースたちとの戦闘を行っていた。仲間が辺りにいないときに決まってシリョウは大道芸人の男から受け取った融合のカードを使い驚くオベリスクフォースたちを手玉に取りつつ倒していた。圧倒的な力で多勢を倒す快楽に魅了されたシリョウは最早ただの街の不良とは言えない存在となっていたといえよう。だがその力も隠し通せるわけもなく黒咲に見つかってしまう。

 

「貴様…そのカードは…!」

「ククク…ばれちまったなら仕方ねえよなぁ…黒咲、今ここでてめえを倒してやるぜ!!」

 

二人は再び決闘をする。融合を使うものはすべて敵であるとレジスタンスの者たちは考えていた。融合側に寝返ったものに容赦をする必要はないと黒咲VSシリョウにレジスタンスの一人 ドームが黒咲側へと入ってシリョウを倒しにかかる。それを見た他のレジスタンスも黒咲を助太刀し、もはやリンチに等しい数でシリョウを敗北へと追いやった。アカデミアの技術をコピーしたことで質量をもった決闘が可能となったレジスタンスの決闘はシリョウに深手を負わせ、シリョウはボロボロになりながら逃げ続ける。「アカデミアのアジトに行けばあの男に会えるかもしれない。」シリョウはエクシーズ次元にあるアカデミアのアジトを目指した。幾日も歩きようやくアジトが見えた時、オベリスクフォースたちが崖の上から姿を見せた。

 

「お前ら…オベリスクフォース!聞いてくれ!俺は…」

「エクシーズ次元のレジスタンスだな。カード化させてもらう…!」

 

シリョウの話を聞くことなくオベリスクフォースたちは襲い掛かる。「俺様の居場所はここではない…か。」ニヤリとして悟ったシリョウは襲ってきたオベリスクフォースたち全員を返り討ちにし、その場で大道芸人の男から受け取った融合と融合モンスターのカードを破り捨てた。一人で生きていく覚悟を決めた男は何をするかわからない。シリョウはアカデミアにとってもレジスタンスにとっても危険な存在となっていた。

 

 

 

 

 

レジスタンスやアカデミアの戦士たちを倒し終わり、寝床に帰ろうとしたシリョウを引き留めるものがいた。黒の髪に青のアッシュが目立っている。

 

「なんだお前は?」

「君の力を借りたい…とおっしゃる方がいる。」

「なんだと?俺様が誰かわかってるんだろうな?ククク…そいつを連れてこい、ひざまずかせてやるよ。」

「ならまず私を倒してからだ。私を倒せばすぐに遊那様に会わせてやろう。」

 

シリョウはその男に挑むも全く歯が立たず負けた。怒りをあらわにするシリョウに男は告げる。

 

「悔しい気持ちをプロン時空の者にぶつけろ。その憎悪とお前のデュエルタクティクスを遊那様は買っている。」

「俺の決闘を…?」

「私はアクト・クオリファイ、お前にはハイクラスの一人になってもらう。力を貸せ。」

 

アクトはシリョウに手を伸ばす。人の手に触れるのは何年振りであろうか。その手をシリョウは握った。

 

 

 

 

 

思い出した。俺様はシリョウ。プロン時空での戦いで九十九遊馬に敗れたただの敗者。シリョウは自らのデッキを捨てようとアジトの窓を開けた。むしろデッキの落とすのではなく自分が窓から飛び降りるべきなのかもしれないとも思った。

 

「待て、シリョウ。」

 

振り向くとそこにはアクトが立っていた。

 

「何の用だ?ハイクラスはなくなった。てめえにはもう関係ないだろう。」

「確かにハイクラスはもうない。遊那が死んだからな。」

「なら…」

「個人的に私はお前を買っている。」

「!!」

「遊那ではなく次は私に力を貸せ。」

 

あの時のようにアクトは手を差し出す。何度も敗北した自分にアクトはまた手を差し出している。「いいだろう、捨てようとした命を次はお前に託してやる。」歪んだ心をアクトによって少しであるが治してもらった礼とでも言わんばかりにその手を握りしめた。




~「マダラス」デッキ~
序盤は罠モンスターによってペンデュラムモンスターでサポートしつつ攻めていき、エクストラデッキにペンデュラムモンスターが溜まったところでペンデュラムエクシーズを行い相手にとどめを刺すデッキ。RUMによってさらなる上級モンスターを出し圧倒的な力で相手を倒す。

<モンスター>
マダラス・ナイフ
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻 800/守1800
【Pスケール:青6/赤6】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在する「マダラス」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。このカードを選択したモンスターに装備する。
【モンスター効果】
(1):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は800ポイント上がる。

マダラス・チェーンソウ
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻1000/守2000
【Pスケール:青10/赤10】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在する「マダラス」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。このカードを選択したモンスターに装備する。
【モンスター効果】
(1):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は1000ポイント上がる。

マダラス・クロー
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻 900/守1100
【Pスケール:青6/赤6】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在する「マダラス」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。このカードを選択したモンスターに装備する。
【モンスター効果】
(1):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は900ポイント上がる。

マダラス・ロープ
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻 500/守1000
【Pスケール:青10/赤10】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在する「マダラス」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。このカードを選択したモンスターに装備する。
【モンスター効果】
(1):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は500ポイント上がる。

クルーエル・マダラス・ウェポン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/機械族/攻1500/守2000
レベル7闇属性モンスター×2
(3)の効果は1ターンに1度、発動できる。
(1):エクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールドに存在するモンスター1体を選択することで発動できる。選択したモンスターのコントロールを得る。その後選択したモンスターにこのカードを装備する。
(2):このカードが装備されているモンスターの攻撃力は1500ポイント上がる。
(3):このカードが装備されているモンスターは以下から1つを選択して発動できる。
●このターン二度攻撃できる。
●このターン直接攻撃できる。

クルーエル・マダラス・キラー
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/闇属性/機械族/攻1800/守2300
レベル8闇属性モンスター×3
(1):エクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールドに存在するモンスター1体を選択することで発動できる。選択したモンスターを装備する。
(2):??
(3):??

<魔法>
RUM-マダラス・フォース
速攻魔法
(1):自分フィールドの「マダラス」Xモンスター1体を対象として発動できる。ランクが1つ高い「マダラス」モンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

<罠>
マダラス・ジャック
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻1800/守400)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時発動できる。デッキから「マダラス」と名の付いた永続罠またはPモンスター1枚を手札に加える。

マダラス・ジェイソン
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻??/守??)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):このカードの攻撃力と守備力は自分のLPと同じ数値となる。

マダラス・フレディ
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻 200/守 200)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):表側のこのカードが破壊され墓地に送られた時、カードを一枚ドローする。

マダラス・ブギーマン
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻1100/守 800)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。このターンに自分が受けるダメージを一度だけ無効にする。

マダラス・レザーフェイス
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻1500/守1100)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):このカードが破壊された時、相手フィールド上のモンスターを選択し発動できる。選択したカードを破壊する。

マダラス・ジョーカー
永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(悪魔族・闇・星4・攻1500/守1100)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このカードはこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。
(3):このカードは1枚しかカードを装備出来ない。
(4):フィールドに表側となっているこのカードを墓地へ送ることで発動できる。フィールドに表側で存在する「マダラス」モンスターはエンドフェイズ時まで効果が無効となり、攻撃力が3000アップする。


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Episode トレード(第七十三話)

トレードは自らの決闘を極めるべく故郷であるレクシブ時空 シンクロ次元に戻っていた。相変わらずトップスたちは裕福な暮らしをしており、コモンズは毎日の飯ですら六にありつけない様であった。そんなコモンズのスラムの一角にトレードが数年前まで過ごしていた家はある。久しぶりの帰宅に子供たちとその家の持ち主であるシスターは涙して喜んだ。彼らとはトレードが前治安維持局長官が仕切っていた治安維持局に捕まった時以来顔を合わせておらず、シスターはもしかしたらもうこの世にトレードはいないのではないかと疑ってしまったほどであったと言っていた。そんなシスターの言葉に笑顔を見せる。そして改めて決意を固める。「もう権力や力に屈しず自分の決闘をする。不動遊星のように…あの頃の自分のように。」


トレードは改造したDホイールでトップスの居住地域を爆走していた。後ろからはのちにデュエルチェイサーと呼ばれる警官たちが追いかけてくる。

 

「へっ!これくらいでいいか!」

「そこのDホイーラー、止まれ!ここはトップスの方々以外は侵入を禁止されている!」

「黙れ!下らないルールなんてクソくらえだぜ!そんなに捕まえたいなら決闘(デュエル)で俺を捕まえてみやがれ!」

 

「「「決闘!」」」

 

トレードのプラチナムモンスターたちが警官たちを蹴散らし、あっという間に勝利するとトレードのDホイールは入り組んだコモンズたちが住むスラムへ入っていき、姿を消した。もうこの騒動をトレードは数回も起こしていた。近所に住んでいたクロウにその行為を注意されていたがお構いなしと言わんばかりに回を増すたびひどいものとなっていた。唯一シンジはその勇気ある行為を褒めていたが、何もトレードは褒められたくてそのようなことをしているわけではない。権力や力で弱者を倒す、そのような行為が嫌いでその権力者のテリトリーを汚してやりたいだけだった。だがそんなトレードも当時の治安維持局長官に睨まれたことであっけなく捕まってしまう。

 

 

 

 

 

手錠をされたトレードは治安維持局長官の前に出される。

 

「く…離せ!」

「君は散々私たちを馬鹿にしてくれたね。これがその報いだ。」

「黙れ!イレイ・クオリファイ!」

「ほう、コモンズの馬鹿でも治安維持局長官の名前は知っているか。」

「当たり前だ、トップスとコモンズの貧富の差をさらに顕著にしやがったお前の名前を知らないコモンズなんていねえ!」

「フフフ、トレード。君は収容所送りだ。自分の行いを償いたまえ。」

 

そういうとイレイは席を立ち去っていく。トレードは目隠しをされ護送車に乗せられて収容所へ送られた。監獄に入れられ、看守たちが去ると同じ牢に入っている男が声をかけてくる。

 

「なんだぁ、新入りか?」

「なんだよ、アンタ。」

「へ…今のガキが俺を知らないのも無理はねえな。」

「何言ってるんすか!いいか、新入り!この方はかつてエンジェイ長次郎と…」

「黙れィ!今は秋雨の長次郎。この収容所をもう少しで仕切れるとこにいる男だ。」

「あんた…ほんとにあのエンジェイ長次郎か!?」

「だから…」

 

幼いころ、エンジョイ長次郎の決闘を見て喜んでいたころの自分を思い出す。圧倒的な権力に敗北した自分であったがその頃を思い出せばまた希望が持てる。そのような気がした。

 

「なぁエンジョイ長次郎!俺と決闘してくれ!」

「なんだと?」

「あんたと決闘すればあの頃の…希望に満ちた俺に戻れる気がするんだ!」

「フン…がっかりするだけだぞ。」

「頼む!」

「…看守、看守はいねえか!デュエルディスクを持ってこい!」

 

 

 

 

 

エンジョイ長次郎ではなく秋雨の長次郎との決闘で敗北したトレードは絶望していた。希望の星であった長次郎ですら権力によって変わってしまった。がっかりさせたことを謝られたが、長次郎ですら逆らえない権力に自分が逆らえるわけがないと思ってしまっている。その後のトレードは看守に媚びを売り必死に強いカードを集め、何とか収容所の中でもいい位置にいようとしていた。そんな中、イレイ・クオリファイからある発表が収容所でなされる。

 

「囚人の諸君、君たちには今から収容所内でバトルロワイヤルを行ってもらう。勝ったものはその収容所から出してやろう。」

 

長次郎を除いて皆やる気に満ちていた。トレードも狭い収容所の中で窮屈な暮らしをするだけでは満足していなかった。最後のチャンス。最後にこれで勝てば再び自由になれる。そんな気持ちを胸にトレードは決闘を続けた。やがて最後の一人をトレードは倒す。看守たちがトレードをイレイの部屋へ来るよう言う。「やっと…自由になれる。」イレイの前に出され、トレードは自身に満ち溢れた表情でいた。

 

「なんだ、いい顔をしているな。」

「約束通り自由にさせてもらうぞ。」

「ん?自由だと?」

「そういう約束だっただろう。」

「”収容所から出してやろう”と言ったのだが…もう出ているだろう?」

 

トレードは血の気がさっと引いていくのを感じた。確かに自由にするとは言っていない。子供のような理屈であったが権力者がそうであると言えばそうなのである。トレードは絶望した。

 

「だがトップスのような権力者になりたいとは思わないか?」

「どういう意味だ…。」

「どうぞ?」

 

イレイの横にもう一人男が現れる。黒髪に青のアッシュの男である。

 

「はじめまして、私はアクト・クオリファイ。このイレイとは遠い親戚にあたるんだが…まぁいいだろう。君をさっきまでいた収容所から出す代わりに私とともにある人の部下になる気はないかい?」

「…断ったら?」

「わかっているんだろ?」

 

間違いない、収容所へ逆戻り…いや余計なことを知った分もっとひどいことになるだろう。権力とはそういうものなのだ。トレードはその話を受けることにした。誰に従うのかはわからない。しかし言うことを聞かねば自分はどうなるのかわからないのだ。

 

 

 

 

 

しばらくシンクロ次元を離れていた内に治安維持局は再整備されたらしい。長官はロジェという男に代わり、デュエルチェイサーたちが秩序を守っているらしい。家から見える高速道路にコモンズの若者が爆走している。かつての自分と被るも考えなしに権力に立ち向かうことはしない。時を待ち、仲間を募ってから反逆を起こす、その時までコモンズの家族と静かに暮らすことにした。今日はトレードが飯を調達する日となった。トレードは自分のDホイールにまたぐと勢いよく大通りへと飛び出していくのだった。

 

 

 

 

 

その頃、地下のごみ処理施設をうまく避けて作られた地下のある施設には大勢の人間が作業を行っていた。その装置のほとんどが治安維持局の情報をハッキングするものである。作業を行っている人の中で一人席に座っているだけの男がいる。イレイ・クオリファイであった。

 

「ロジェめ、私や行政評議会に何も言わず様々な余計なことを…。まぁいい。裏治安維持局たる我々がシティを秩序だった素晴らしい都市にして見せよう。」

 

イレイの笑い声が施設に響き渡るのであった。




~「プラチナム」デッキ~
星座をイメージしたカードで占められたシンクロ召喚を狙っていくデッキ。「スターダスト」カードとつながりが深い。エースカードであるプラチナム・ドラゴンはチューナーのレベルをコントロールできる強力効果を持っている。

<モンスター>
プラチナム・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
「プラチナム」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分フィールドに存在するチューナーモンスターを1体選択し発動できる。数を宣言し、選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで宣言した数になる。
(2):このモンスターは戦闘では破壊されない。


プラチナム・テレスコープ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 200/守1500
(1):??

パラジウム・プラチ・ナイト
シンクロ・効果モンスター
星10/光属性/ドラゴン族/攻3500/守2800
「プラチナム」Sチューナー+チューナー以外のドラゴン族Sモンスター
このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。(2)の効果は1ターンに1度しか使えない。
(1):このモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時までモンスター効果を発動することが出来ない。
(2):このモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した時に発動できる。自分フィールドに存在する魔法 罠の数だけさらに攻撃することが出来る。


閃珖竜 スターダスト・プラチナム
シンクロ・効果モンスター
星11/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2800
「プラチナム」と名の付くチューナー+チューナー以外のドラゴン族Sモンスター+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。(2)と(3)の効果は1ターンに1度しか使うことが出来ない。
(1):自分フィールド上に存在するカードを一枚墓地に送ることでこのカードの破壊を無効にすることが出来る。
(2):墓地に存在する「プラチナム」と名の付くカードを除外し相手フィールド上の攻撃力2000以下のモンスターを1体選択することで発動できる。選択したモンスターを墓地へ送り、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力分、このモンスターの攻撃力をあげる。
(3):除外されている「プラチナム」と名の付くカードを1枚選択して発動出来る。選択したカードを手札に加える。


プラチナム・アリエス
効果モンスター
星2/光属性/雷族/攻 500/守 100
(1):自分フィールドに「プラチナム」と名の付くモンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚することが出来る。


プラチナム・タウラス
ペンデュラム・効果モンスター
星6/地属性/獣族/攻2200/守1600
【Pスケール:青8/赤8】

【モンスター効果】
(1):このカードが墓地に送られた場合に発動できる。カードを1枚ドローする。
(2):(1)の効果を使用した場合、次のターンの自分のドローフェイズをスキップする。


プラチナム・ジェミニ
効果モンスター
星1/光属性/天使族/攻 200/守 200
(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):このカードが表側でフィールドに存在する時発動できる。プラチナム・ジェミニをデッキから1体特殊召喚する。


プラチナム・キャンサー
チューナー(効果モンスター)・特殊召喚
星8/水属性/水族/攻1900/守2500
このカードは通常召喚出来ない。
(1):自分のフィールドにカードが存在しない場合に直接攻撃を受ける場合、このモンスターは特殊召喚できる。
(2):このモンスターは攻撃宣言できない。
(3):このカードをS素材とする場合、「プラチナム」SモンスターのS召喚にしか使用できない。
(4):このカードをX素材にすることは出来ない。


プラチナム・ライブラ
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/機械族/攻1100/守1900
【Pスケール:青2/赤2】

【モンスター効果】
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合の相手ターンに発動できる。ライフを500支払い、手札のこのモンスターを自分フィールドに表側守備表示で特殊召喚する。
(2):(1)の効果で特殊召喚に成功した場合、表側でフィールド上に存在するモンスターを1体選択し発動する。そのモンスターの表示形式を変更する。
(3):このモンスターが自分フィールドに存在する限り自分は魔法・罠カードを発動できない。


プラチナム・スコルピオ
ペンデュラム・効果モンスター
星5/地属性/昆虫族/攻 100/守2000
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに一度、自分または相手のフィールドに存在するチューナー以外のモンスターを選択し発動できる。選択したモンスターのレベルをこのターンのエンドフェイズ時まで1にする。
【モンスター効果】
(1):Pゾーンに置かれたこのカードが破壊された時に発動できる。このカードを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚できる。
(2):(1)の効果で特殊召喚されたこのモンスターは表示を変更することが出来ず、S素材とすることが出来ない。
(3):このモンスターは戦闘では破壊されない。


スコルピオ・サジタリウス
ペンデュラム・効果モンスター
星7/風属性/戦士族/攻2200/守1200
【Pスケール:青8/赤8】
(1):もう片方のPゾーンに置かれたカードを破壊することで発動できる。このターンのエンドフェイズ時まで自分フィールド上のモンスターの攻撃力・守備力を500ポイント上げる。
【モンスター効果】
(1):このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、墓地に存在するレベル4以下の「プラチナム」モンスターを1体選択し特殊召喚できる。


プラチナム・アクエリアス
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻1700/守 800
【Pスケール:青2/赤2】
(1):自分フィールド上のSモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。
【モンスター効果】
(1):このモンスターが召喚に成功した時、デッキからプラチナム・アクエリアス以外の「プラチナム」と名の付いた水属性モンスターを1体特殊召喚できる。


プラチナム・ピスケス
チューナー(効果モンスター)
星2/水属性/魚族/攻 900/守1000
(1):このカードが墓地に存在し、自分がP召喚に成功した時に発動できる。墓地のこのカードを特殊召喚する。

<魔法>
ホロスコープ・パレード
通常魔法
ホロスコープ・パレードはデュエル中に1度しか発動できない。
(1):自分の墓地、またはエクストラデッキに表側で存在する「プラチナム」または「スターダスト」と名の付いたモンスターを可能な限り自分のフィールドに特殊召喚する。
(2):このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、お互いのフィールドに存在するモンスターの攻撃力の合計分のダメージを受ける。

<罠>
プラチナム・ノヴァ
通常罠
(1):自分フィールド上に存在する「プラチナム」と名の付くモンスターをリリースすることで発動できる。相手フィールド上のモンスターを1体選択し、その選択したモンスターを破壊する。その後選択したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。


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Episode ナックス(第七十四話)

ナックスはレクシブ時空のとある次元で仕事をこなしていた。遊那が消えハイクラスが消滅したのち、ナックスは以前のように傭兵の仕事を始めたのだ。というよりもハイクラスの仕事もあくまで傭兵の仕事の一環であった。ただ雇い主が遊那というとてつもなく強い決闘者になっていただけである。ハイクラスがなくなったことに全く引っ掛かりもなく、今日もナックスはターゲットとなっていた決闘者を倒した。


ナックスはレクシブ時空 融合次元で生を受けた。だが生まれた家庭は貧しく、家族からナックスはただ飯を多く食べる邪魔者に過ぎなかった。彼が5歳になった日、ナックスの両親は彼をある施設へと預けた。施設の名はアカデミア。決闘(デュエル)戦士を育てるべくして作られた施設であり、まさにそこでの訓練は地獄そのものだったという。預けられたというよりもむしろ捨てられたと言ってもいいナックスであったが元々親から愛情を与えられずに育った彼にとってはどうでもいいことであった。むしろ努力を重ね強くなればなるほどそれに見合った物が与えられる。その見合った物とは訓練生によって異なってはいたがナックスにとっては金であった。金さえれば腹も空かない、好きなものが手に入る。自由などよりも金が大事だったのだ。

 

 

 

 

 

数年後、彼はオベリスクフォースに入隊するほどの実力者になっていた。同じくオベリスクフォースに入った者たちの多くはプロフェッサーと呼ばれた男に忠誠を誓っている者であったがナックスは違った。あくまで金が欲しくて努力し力を得た結果オベリスクフォースに入ったのであった。オベリスクフォースに入ってしばらくして上官に大柄な男が就任した。

 

「私が君たちの隊の隊長となったタオ・クオリファイである。優秀なオベリスクフォースの一員としてプロフェッサーのために懸命に働くように。」

 

タオの言葉にオベリスクフォースたちは気合の入った返事で応える。だがナックスは心の中で否定していた。「俺は誰かのために戦うのではない。自分が欲しいもののために戦うのだ。」と。任務を組織でこなしていくなかでナックスは他の者は自分とは違うものを求めていることに気が付く。オベリスクフォースたちはプロフェッサーに認められることを第一に考えていたように思えた。隊員の一人であったバレットは勲章を貰い喜んでいたがナックスはそんな彼を理解できなかった。

 

 

 

 

 

やがて隊長に就任出来るほどの実力になったナックスはアカデミアを去った。いつまでも組織の中にいても自分の力を金のある者にアピールすることは出来ないと感じたのだ。機密情報を知っているナックスはアカデミアに狙われる身となったがその実力で次々と刺客たちを倒しつつフリーの傭兵として多くの富豪たちに雇われ決闘でターゲットを倒していった。その中でアカデミアのタオ・クオリファイを倒せという任務が迷い込んできた。かつての知り合いとはいえ容赦はない。数年ぶりにナックスはアカデミアへ帰った。帰ったとはいえ姿を見せるわけにはいかない。そっとタオ・クオリファイの部屋へ侵入し、隙を見て倒すという作戦に出る。アカデミアの厳重な警備をかいくぐりいよいよタオの部屋へ入った…がそこにはすでにオベリスクフォースたちとタオが立ちはだかっていたのだ。

 

「!?」

「やぁ、久しぶりだな。ナックス。」

「なぜ…。」

「フフ、ここまで誰にも気がつかず来るとはさすがだな。」

「なぜだ、なぜ俺がここに来る時が付いた?」

「決闘の実力だけでなく頭もそれなりに良かったお前なら気が付くと思ったが?」

 

ナックスがこの仕事を受けたことは誰にも言っていない。ならば彼がここに来ることを知っているものはただ一人、その仕事を依頼した依頼人だ。仕事の特性上依頼人の素性を知らないことは珍しいことではない。

 

「お前が俺に依頼したのか。俺をはめるために!」

「んー正確には俺ではないが…まぁいい。」

「なぜ今更こんな真似を?機密情報なら漏らした覚えはないぞ。」

「あんな機密情報、とうの昔に変更されてる。」

「ならなぜ…!」

「フ…まぁいいじゃねえか。あぁ…あとそれと…。」

 

タオはモンスターを召喚し、そのモンスターがナックスを攻撃した。ナックスは部屋の壁に叩きつけられる。

 

「グ…!」

「俺は元上官だ。敬語使えや。」

 

ナックスも自らのデュエルディスクを起動させ、決闘を始めた。しかしさすがはアカデミアでかなりの上位にいるだけはある。ナックスは敗北を期し、傷だらけでアカデミアから逃げようとする。

 

「ハァ…ハァ…確かここに舟があったはず…!」

 

水路を辿りアカデミアから脱出するための小舟を探すもすべてが沈められている。

 

「な…!」

「君は冗談もいける陽気な奴だと聞いていたがその様子だと冗談は今はよした方がよさそうだ。」

 

水路の上から声がする。声のする方向を見ると黒髪に青のアッシュをした男が座り込んでいた。

 

「私はアクト。今回の仕事の依頼人さ。」

「なんだと…。ということはタオ・クオリファイ側の人間か。」

「まぁそうだ。今回は君の実力を知るためにこんなことをさせてもらった。すまないね。」

「実力を測る?」

「侵入することすら難しいアカデミアに入り上位階級者の部屋に誰にも気が付かれることなく入った。まぁタオ・クオリファイに敵うことはなかったがその場から逃げることが出来たとはすばらしい。私が小舟を沈めてていなければ今頃君はアカデミアを抜け出せていただろう。」

「どういう意味か説明してもらえるか?金にならないことは嫌いでね。」

「私の使える方がお前を傭兵として雇いたがっている。その実力を測りたくて今回は依頼させてもらった。どうだ?」

「どうだ…って…。そんな奴を俺が信用すると…」

 

アクトはナックスが見たこともないような金額が書かれた小切手を見せる。

 

「あ…。」

「月にこれだけ渡そう。次元転送装置もデュエルディスクに装備してやる。活動に支障がきたされない程度であれば他次元でも傭兵としての仕事は許可する。どうだ?」

「…お引き受けしよう。」

「ならまず私たちの組織 ハイクラスのアジトへ来てもらおうか。」

 

アクトは自分に触れるようにナックスへ指示する。すぐに次元転送は始まり、教会のような場所へ移動した。教会の壇上には女性が座っており、その近くに4人の男女が立っている。アクトは彼らに近づいていった。

 

「ハイクラスの諸君、そして遊那様。彼がナックス。融合次元の決闘戦士として名を轟かせてきた男です。」

「よく連れてきてくれたわ、アクト。そしてはじめましてナックス。私があなたを雇う依頼人よ。」

 

遊那が自分の自己紹介をしようとするもシリョウが口を挟む。

 

「へっ、結局こんな感じで使えそうなやつにいろいろ声かけてたってわけかい、アクトさんよぉ。」

「なんだ、不満か?」

「いやぁ…面白い奴が集まってくれるのはうれしい。全員倒してやりてえ!!」

「そんなことはどうでもいい。ネオンの居場所を探すのは手伝ってもらうぞ、遊那。」

 

キッドはそういうと背を向けて扉から出ていった。気に入らなそうなシリョウを無視してツクナが口を開く。

 

「これで貴方が指示していたメンバーはすべて揃ったはずよ、虹彩のアクト。」

「懐かしい通り名だな。まぁいい。私たちは遊那様の意思の元集ったレクシブ時空を代表する組織 ハイクラス。我々は他時空の資源、人材を求めてこのレクシブ時空を救うため動く。我々の時空のために他を殲滅するのだ。」

 

そのことのために戦おうとしている者はその場には遊那しかいなかった。皆それぞれ己の目的、理由、願望のためにハイクラスへ入った。そのような者たちが歴戦の決闘者(デュエリスト)たちと決闘し敗北していったのは当然のことであったのかもしれない。




~「P・HERO」デッキ~
ペンデュラムモンスターで構成されたHEROデッキ。ペンデュラム召喚された時に発動する効果を持つモンスターが多数でありエクストラデッキにペンデュラムモンスターが存在しない場合にアドバンテージを稼ぎやすい。重い条件の融合モンスターが投入されており、強力なパワーをたたき出す。


<モンスター>
P・HERO ファンタズマ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1100/守 500
【Pスケール:青3/赤3】


【モンスター効果】
P・HERO ファンタズマの(1)・(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使うことが出来ない。
(1):このモンスターがP召喚によって特殊召喚された時に発動できる。デッキから「P・HERO」との名の付いたモンスターを1枚手札に加える。
(2):自分のメインフェイズ時に発動できる。デッキから「P・HERO ファンタズマ」を2体特殊召喚する。この効果によって特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、攻撃力・守備力は0となる。
(3):(1)か(2)の効果を使用したこのモンスターの攻撃力と守備力は0となる。


P・HERO パラレルマスター
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1000
【Pスケール:青3/赤3】
(1):エクストラデッキに表側のカードが存在しない場合、自分はドローフェイズ時にドローする時二枚カードをドロー出来る。
【モンスター効果】
P・HERO パラレルマスターの(1)と(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使うことが出来ない。
(1):このモンスターがP召喚によって特殊召喚された時に発動できる。デッキから「ヒーロー」または「HEROと名の付いたカードを1枚手札に加える。
(2):自分のメインフェイズ時に発動できる。このモンスターの攻撃力分ライフを回復する。
(3):(1)か(2)の効果を使用したこのモンスターの攻撃力と守備力は0となる。


P・HERO ポイントマン
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1400/守 600
【Pスケール:青6/赤6】
(1):エクストラデッキに表側のカードが存在せずP召喚を行った自分のターンのメインフェイズ時に発動できる。もう一度P召喚を行う。
【モンスター効果】
P・HERO ポイントマンの(1)と(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使うことが出来ない。
(1):このモンスターがP召喚によって特殊召喚された時に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードの表示を変更しエクストラデッキに表側となっている「P・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):(1)か(2)の効果を使用したこのモンスターの攻撃力と守備力は0となる。


P・HERO ペリドット
ペンデュラム・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2700/守1900
【Pスケール:青3/赤3】

【モンスター効果】
(1):このカードが自分の手札と墓地にそれぞれ存在する場合に手札の「P・HERO ペリドット」を相手に見せることで発動できる。このターン融合召喚を行う際にPゾーンに置かれたPカードを融合素材とすることが出来る。


P・HERO パトリオット
融合・効果モンスター
星7/炎属性/戦士族/攻3300/守 600
「P・HERO」と名の付いたモンスター×5
(1):1ターンに1度、エクストラデッキに表側で存在する「P・HERO」と名のついたモンスターを1枚デッキに戻すことで発動できる。相手フィールドに存在するモンスターを選択し、選択したモンスターを破壊する。
(2):このカードが墓地に存在する自分または相手のエンドフェイズ時に発動できる。エクストラデッキに表側で存在する「P・HERO」と名のついたモンスターを1枚デッキに戻し、このカードを自分フィールドに特殊召喚する。


P・HERO プログラムマックス
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻3500/守2900
「P・HERO」融合モンスター×2
(1):このカードが墓地に存在する場合発動できる。エクストラデッキに表側となっている「P・HERO」カードをすべてデッキに戻し、このモンスターを特殊召喚する。
(2):(1)の効果で特殊召喚された場合、(1)の効果でエクストラデッキからデッキに戻した枚数×500ポイントこのモンスターの攻撃力が上がる。


<魔法>
ヘヴィー・フュージョン
速攻魔法
(1):自分の墓地からレベル8以上の「P・HERO」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
(2):この効果で融合召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は二倍の数値となる。


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スタンダード次元編
第七十五話「レクシブ時空への旅立ち」


「じいちゃん!ただいま!」
「おぉ、遊戯!帰ってくるなら連絡をよこしてくれればいいのに!」

武藤遊戯は久しぶりに実家へ戻った。アストラル世界でのハイクラスとの戦いから数か月間、遊戯は再び旅に出ていた。一つの目的は自らの修行のため、そしてもう一つはキッド・プライスターの弟 ネオンの手掛かりを探すためであった。武藤遊戯が生きる時空 プロン時空とは異なるもう一つの時空 レクシブ時空でいなくなったとはいえもしかしたらプロン時空に来ているかもしれない。世界の各地を旅し遊戯はネオンの消息を追った。そんな中、遊戯のライバル 海馬瀬人から遊戯に連絡が入った。だから遊戯は一度童実野町に帰ってきたのだ。実家扉を開けるとそこにはエプロンをつけたキッドが立っていた。

「わぁ!どうしたの!?」
「遊戯!久しぶりだな。」
「久しぶり…で、その恰好どうしたのさ?」

その質問には双六が答える。

「遊戯が自分の部屋を使っていいとキッド君に言ったじゃろ?わしもタダで貸そうと思っていたのじゃが彼がいいとしなくての。このカード屋を手伝ってもらうことを家賃やら食費やらにするということにしたんじゃよ。」

あたかも自分が頼んだわけではないとアピールしたがる双六だが、孫である遊戯は彼が楽をしたがっていたからキッドに手伝わせていることはすぐわかった。だがキッドも嫌そうな顔をしていないためそこに触れるのはよした。

「そうだ、キッド!僕と一緒に海馬コーポレーションに来てくれない?海馬君が呼んでいるんだ。」
「海馬瀬人が?」
「うん、明日の朝に旅支度を済ませてこいって。」
「わかった。」





その日の夜、遊戯の部屋で遊戯とキッドは川の字で寝ることにした。

「なぁ遊戯。お前は俺のために旅に出てくれたんだろ?」
「勿論それもあるけどそのためだけじゃないよ。」
「どういうことだ?」
「遊那ともう一人の僕の戦いでもう一人の僕はコムニオ召喚をしたんだ。しかも彼の力で遊那も知らないコムニオ召喚 ハイ・クラス・チェーンを創り出した。」
「らしいな。どのようなものなのか俺はいまいち知らないが。」
「もう一人の僕は遊那を倒して得たαβ(アルファベーター)たちを僕に託して逝ったんだ。たぶん君の力になると思って置いていったんだと思う。」
「…。」
「でも僕にはハイ・クラス・チェーンが出来ないんだ。発動条件が満たされていてもブラック・ソーサラー・コムニオのカードの絵柄が現れることはない。」

そういうと遊戯はαβH(ハイ) B ブラック・ソーサラー・コムニオのカードを取り出す。そこに絵柄は映し出されていない。

「僕はこのカードをもう一人の僕…いやアテムみたいに使えるようになりたいんだ。そのためにはいろんな経験がしたくて…だから旅に出たっていうのもあるんだ。」
「そうか…アテムはすごいな。」
「うん…すごいよ。」





翌朝、二人は海馬コーポレーションの社長室に通された。そこには海馬と彼が作ったデュエルアカデミアの卒業生 遊城十代が立っていた。

「十代君!」
「遊戯さん、お久しぶりです!キッドも久しぶり!」
「あぁ、会えてうれしいぞ。だがなぜここに?」
「海馬社長に呼ばれたんだ。」

そこに海馬とその弟 モクバが入ってくる。

「揃ったようだな。では今回呼んだ理由について言おう。モクバ。」
「うん、兄様!まず数日前に兄様宛にあるデータが送られて来たんだ。それはレクシブ時空への転送装置のプログラムだった。」
「なんだって!送り主は誰なの?」
(ブイ)だよ。次元を超えてデータ転送なんてわっけわからないことするぜ!」

モクバに引き継いで海馬が話す。

「このプログラムをデュエルディスクにセットすれば時空の移動が可能となる。」
「よっしゃ、これでキッドはレクシブ時空に帰ることが出来るんだな!」
「だがそううまくはいかない。このプログラムはアストラルの記憶をもとにして作られた曖昧なものな上にエネルギー装填までかなりの時間を有する。そしてレクシブ時空のどこの次元に転送されるかもわからないとまで来た。」
「なるほどな…だが俺の弟はレクシブ時空で消えた。ならばレクシブ時空で探す方が賢明だ。みんな、今までありがとう。」

キッドは頭を下げる。だが遊戯はその頭を上げさせた。

「お礼を言ってもらうのはまだ早いよ。」
「そうだぜ、キッド。海馬社長、俺たちのデュエルディスクにもセットは出来るんだろ?」
「あぁ、どうせ貴様らがそういうと思って三人分準備してある。」
「まさかお前ら…!」
「当然だよ、僕たちもレクシブ時空に行く。一緒にネオン君を探そう!」
「一人よりみんなの方が早く見つかるにきまってるぜ!」
「だ…だがもし行けたとしても帰ってこれるのか?」
「プログラム上はな。だが先ほども言ったようにエネルギー装填にはかなりの時間がかかる。一度行けばしばらくは戻ってこれないと思え。」

海馬の脅しに引き下がろうともせず遊戯と十代はデュエルディスクをモクバに預けた。

「二人とも…ありがとう。」

キッドも外しモクバに渡すとすぐにデータ転送を行う。数分後、モクバは三人にデュエルディスクを返した。

「もうボタン一つでレクシブへ移動できるぜ。」
「ありがとうモクバ君!」
「気を付けていって来いよ!エネルギーが溜まればわかるようにしてあるからよ。」
「じゃあ行ってきます!」
「海馬、感謝する。」
「フン、あくまで貴様らはこのプログラムのモルモットに過ぎん。さっさと試して来い。」

三人は同時にボタンを押す。数秒と待たずに三人はレクシブ時空へと転送されるのであった。


レクシブ時空 スタンダード次元。この地では数日前まで舞網チャンピオンシップが行われていた。しかし大会開催中、融合次元の決闘(デュエル)戦士 オベリスクフォースの来襲により大会は中止となった。そして融合次元との戦いに備えるべくしてLance Defence Soldiers 通称ランサーズが結成された。そのメンバーの一人 榊遊矢は仲間の権現坂昇と共に朝からレオ・コーポレーションに呼び出されていた。

 

「シンクロ次元へ向かうのは明日のはずだったよな。なんで呼ばれたんだろう。」

「さぁな。だがこの男 権現坂、ランサーズの一員としてやるべきことは必ずやる。さぁ行くぞ遊矢!」

「お~!遊矢に権現坂じゃねえかぁ!お前らも呼ばれたのか?」

 

振り向かずとも声の主はLDS所属の沢渡シンゴであることはわかった。三人は同じエレベーターに乗る。

 

「赤馬零児もわかってるぜ。ランサーズの中でも俺は特に優秀だからな。こんな朝から呼び出してきたんだろ。」

「あぁ、そうだな。」

「んだよ!元気ねえな。あ、柊柚子のこと気にしてんのか?」

「当たり前だ!すぐにでもシンクロ次元に行きたいのに…。」

「遊矢、もしかしたらシンクロ次元行きが今日に早まったのかもしれんぞ!」

「なんだと!?そしたらパパに頼んでスイートミルクアップルベリーパイとろけるハニー添えをいっぱい食っておくんだったぜ!」

 

エレベーターが社長室のあるフロアに到着するとそこにはランサーズの面々である黒咲隼、セレナ、デニス・マックフィールド、風魔月影が立っていた。

 

「俺たちだけじゃなかったのかよ!!」

「遅いぞ沢渡。さぁ入るか。」

 

セレナが社長室の扉を開ける。そこには零児と零羅が立っていた。

 

「揃ったか。」

「赤馬零児、なぜ俺たちを今日呼んだ?お前はシンクロ次元へ向かうのは明日と言っていただろう。」

「落ち着け、黒咲。明日予定していたシンクロ次元行きだったが…延期とする。」

 

その場にいた全員が驚く。真っ先に反論したのは遊矢だった。

 

「待て、どういうことだ!?すぐにでもシンクロ次元へ行って柚子を助けて仲間を集めるんじゃなかったのか!?」

「中止とは言っていない。延期だと言ったはずだが?」

「じゃあいつ行くんだ!?」

「未定だ。」

「そんな…!」

 

今度は黒咲が社長室を出ていこうとするがその行く手を中島が遮る。

 

「どけ!やはり俺一人でも融合次元に行ってやる。貴様らを待っていてはいつまでたっても瑠璃を救うことなどできん!」

「待て、アカデミアに一人で乗り込むなど無謀だ。アカデミア出身の私が言うのだ。聞け!」

「ええい、黙れ!」

「おい、仲間同士で争うのはやめんか!この男 権現坂…」

「ちょっとちょっと~、みんな肩の力入りすぎだよ。もっと僕みたいに楽しんで…」

「馬鹿野郎!楽しんでいられる状況か!このネオニュー沢渡様の出番がなくなるんだぞ!」

 

あっという間にランサーズのメンバーはもみくちゃになる。零児は手を一度鳴らす。

 

「理由を今から述べる。聞いてもらおうか?」

 

全員静かになった。

 

「ここ数日でLDSの優秀な生徒が何人か行方不明になっている。」

「黒咲…お前また!」

「赤馬零王の取引に赤馬零児が使えないと分かってからLDS狩りはしていない!」

「聞け沢渡。LDSだけでなく梁山泊塾をはじめとする優秀な塾の塾生や講師も行方不明になっている。我々がシンクロ次元に行けるのは彼らの存在があったからだ。」

「どういうことだ?」

 

遊矢は冷静に尋ねた。

 

「簡単に言えば我々がシンクロ次元に行った後にこのスタンダード次元に融合次元からの侵略があった場合どうするのか…という話だ。先日来たばかりであるためすぐにまた来るとは考えにくいが念のためだ。」

「なるほど。ランサーズがいなくなったスタンダード次元を守る者たちが消えてしまってはスタンダード次元は丸裸同然。確かに意味がないな。」

「そんなことは俺には関係ない。行かせろ!」

 

権現坂は理解したようであったがエクシーズ次元出身の黒咲はそのようなことはお構いなしだとでも言わんばかりに出ていこうとする。

 

「先ほどセレナが行ったようにアカデミアへ単体で乗り込んだとしても無駄だ。ランサーズに入ったからには協力してもらおう。」

「く…!」

「とにかく行方不明の決闘者(デュエリスト)が見つかるまではスタンダード次元を離れることは出来ない。」

「じゃあ俺たちが出来ることは何かないのか!?その決闘者たちが見つかればすぐにでも柚子を助けに行けるんだろ!」

 

それを聞いた零児は中島に舞網市の地図を持って来させた。

 

「LDSの生徒の何人かのデュエルディスクに発信器を付けていた。その中で消息を絶ったものが消えた場所に行って手がかりを探してきてもらおう。」

 

地図に何か所か印をつけ、ランサーズを数人に分けた。各地点をそのグループごとで回ることにした。遊矢は沢渡、権現坂、セレナと共にその場所の一つへと向かった。

 

 

 

 

 

「んだよ、なんもないじゃねえか!」

 

沢渡が石を蹴りながら言う。工場跡地であり彼が言ったように何も置いていない。手がかりになるものと言われても全くわからないため遊矢は困っていた。

 

「なぁ遊矢。」

「なんだ?セレナ。」

「発信器がこの地点で消えたということはもしかしたら次元を移動したのではないか?」

「ん…まぁそうなるな。」

「ならここで次元を移動した奴!そいつがきっと犯人だ!」

「まぁ…そうだな。」

「誰かがここで次元を移動するのを待つぞ!そうすれば犯人が分かる!」

「毎回同じところで移動ってするのかな…。」

 

そう遊矢がつぶやいた瞬間、別の世界から人間が転送されてきた。

 

「ビンゴ!沢渡!そいつが犯人だ!」

 

転送されて来た人物をセレナは指さし、沢渡はそれに応じてデュエルディスクを起動させた。

 

「よっしゃ!」

「え、え…これ一体どういうこと?」

 

転送されていた男はあたふたしている。

 

「へっへ~!お前が誘拐犯か!ネオニュー沢渡様が相手してやるぜ!」

「何々いきなり!?相手って決闘!?」

「当然!行くぜ!」

「どういうことだよ…もうー!」

 

「「決闘!」」

 

「先行は俺がもらった!俺は手札から妖仙獣 鎌壱太刀を召喚!」

 

 

 

妖仙獣 鎌壱太刀

効果モンスター

星4/風属性/獣戦士族/攻1600/守 500

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。

手札から「妖仙獣 鎌壱太刀」以外の「妖仙獣」モンスター1体を召喚する。

(2):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、

自分フィールドにこのカード以外の

「妖仙獣」モンスターが存在する場合に

相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを持ち主の手札に戻す。

(3):このカードを召喚したターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「鎌壱太刀の効果発動!手札から妖仙獣 鎌弐太刀を召喚だ!」

 

 

 

妖仙獣 鎌弐太刀

効果モンスター

星4/風属性/獣戦士族/攻1800/守 200

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。

手札から「妖仙獣 鎌弐太刀」以外の「妖仙獣」モンスター1体を召喚する。

(2):このカードは直接攻撃できる。

その戦闘によって相手に与える戦闘ダメージは半分になる。

(3):このカードを召喚したターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「さらに鎌弐太刀の効果!!鎌壱太刀と鎌弐太刀をリリースし魔妖仙獣 大刃禍是を召喚!」

 

 

 

魔妖仙獣 大刃禍是

ペンデュラム・効果モンスター

星10/風属性/獣族/攻3000/守 300

【Pスケール:青7/赤7】

(1):自分フィールドの「妖仙獣」モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで300アップする。

【モンスター効果】

このカードはP召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードのP召喚は無効化されない。

(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、

フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。

そのカードを持ち主の手札に戻す。

(3):このカードを特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「いきなり上級モンスターを!」

「へへ、驚いたか!大刃禍是は特殊召喚すれば手札に戻っちまうがアドバンス召喚なら問題ねえ!この3000の壁を突破できるやつなんてそうそういないぜ!さすがネオニュー沢渡!ターンエンドだ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ ??LP4000 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 沢渡LP4000 手札2

  □□□□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕は手札からコストダウンを発動!」

 

 

 

コストダウン

通常魔法

手札を1枚捨てる。

自分の手札にある全てのモンスターカードのレベルを、

発動ターンのエンドフェイズまで2つ下げる。

 

 

 

「そしてレベル4となったブラック・マジシャン・ガールを召喚!」

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガール

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。

 

 

 

「ブラック・マジシャン・ガール、僕に力を貸して!」

 

ブラック・マジシャン・ガールは何の返事もしないがその男は満足そうな顔をする。

 

「おいおい、なーにソリットヴィジョンに話しかけてるんだ?」

「彼女は僕の相棒の友達だったんだ。僕の相棒の友達ってことは僕の友達でもあるでしょ。」

「なーに言ってんだこいつ…。早く進めろ!」

 

男は手札から魔法カードを発動させる。

 

「手札から魔法カード 賢者の宝石を発動!」

 

 

 

賢者の宝石

通常魔法

(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン・ガール」が存在する場合に発動できる。

手札・デッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「出てきて、ブラック・マジシャン!」

 

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

男のデッキからブラック・マジシャンが姿を現した。そのモンスターに遊矢は驚く。

 

「通常モンスターだって!?」

「なんだかこの男の決闘は俺たちとはだいぶ違うようだな。」

「あぁ、でも何かを感じる…。」

 

遊矢と権現坂は決闘の観戦を続ける。

 

「通常モンスターの魔法使いが出てきてどうなる。大刃禍是の攻撃力は3000。2500程度じゃ勝てないぜ!」

「勿論わかってるよ!でも攻撃力でモンスターの強さを決めるのは間違っている!手札から魔法カード 黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)を発動!」

 

 

 

黒・魔・導・爆・裂・破

通常魔法

(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン・ガール」モンスターが存在する場合に発動できる。

相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガールの杖から放たれた攻撃で大刃禍是は破壊される。

 

「んなあ!?」

「行くよ、ブラック・マジシャン・ガールとブラック・マジシャンで君にダイレクトアタック!黒・魔・導・連・弾(ブラック・ツイン・バースト)!」

 

二人の魔法使いが放ったエネルギー弾により沢渡のライフは尽きた。

 

沢渡LP4000→0

 

「ワンターン…キルだとぉ…。」

 

リアルソリットヴィジョンではなかったものの沢渡はショックのあまり気絶する。男はそんな沢渡に駆け寄った。

 

「ちょっと君!大丈夫!?」

「待て、動くな!今度は私が相手だ!」

 

セレナがデュエルディスクを構える。だがそれを遊矢は止めた。

 

「ちょっとまて、セレナ。この人は関係ない!」

「なぜそう言える!」

「セレナだって少しは分かってるんだろ?この人の決闘、1ターンだけだったけどすごくドキドキした。だからお前だって決闘中は口を挟むことをしなかった。」

「ク…。」

 

構えていた腕をセレナが下したのをみると遊矢は男の方を向いた。

 

「すいませんでした、あなたは?」

「僕の名前は武藤遊戯。よろしくね!」



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第七十六話「襲撃者との決闘」

LDSユースクラスの桜樹ユウは舞網市の裏路地を歩いていた。最近決闘者(デュエリスト)の行方不明事件が相次いでおり零児からはなるべく一人での行動を避けるよう言われていた。しかし今日だけはその零児からこの地点に来るよう命令があった。人通りが少なく襲撃犯が現れるとするなら絶好の場所。確かLDS狩りが行われた場所の一つであるとも聞いたことがある。

 

「赤馬社長…なんでこんなところに呼び出したんだ?」

「お前、LDSの桜樹ユウだな?」

 

突然目の前にフードを被りマスクをつけた男が現れる。

 

「お前まさかLDS狩りか!?」

「お前は覚醒者(ウェイカー)かもしれん。一緒に来てもらおうか。」

「う…うわあ!!」

 

桜樹ユウは背を向け逃げようとする。彼の腕にマスクの男は拘束具を投げつけようとした。だがその拘束具はもう一人の乱入者によって弾かれる。

 

「俺はこんな悪趣味なものを使った覚えはない。」

「あなたは…黒咲さん!?」

「まさかLDSの奴を助ける側に回ることになるとはな…だがまぁいい。力のある決闘者を狙うやつがいると赤馬零児から聞いていたが本当のようだ。貴様…アカデミアか?」

「ククク…これは驚いた。エクシーズ次元の黒咲隼がこんなところで飼いならされているとは!」

「俺を知っているとはやはりアカデミアか!ここで殲滅する!」

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

「先行は俺だ。俺はカードを4枚セットしターンエンド!」

 

 

  ■■■■□

 □      □ ??LP4000 手札1

  ○○○○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 黒咲LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「カードを伏せただけだと…。俺のターン、ドロー!俺は手札からRR(レイド・ラプターズ)-バニシング・レイニアスを召喚!」

 

 

 

RR-バニシング・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1300/守1600

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの

自分メインフェイズに1度だけ発動できる。

手札からレベル4以下の「RR」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「バニシング・レイニアスの効果発動!手札からもう一体のバニシング・レイニアスを特殊召喚!」

「相変わらずの野郎だ…。」

「? さらに手札から永続魔法 RR-ネストを発動!」

 

 

 

RR-ネスト

永続魔法

「RR-ネスト」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「RR」モンスターが2体以上存在する場合にこの効果を発動できる。

自分のデッキ・墓地の「RR」モンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「デッキからRR-トリビュート・レイニアスを手札に加え、二体目のバニシング・レイニアスの効果により特殊召喚!」

 

 

 

RR-トリビュート・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守 400

「RR-トリビュート・レイニアス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「RR」カード1枚を墓地へ送る。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンの自分メインフェイズ2に発動できる。

デッキから「RUM」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「RR」モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「トリビュート・レイニアスの効果により墓地に罠カード RR-レディネスを墓地へ送る!」

 

 

 

RR-レディネス

通常罠

(1):このターン、自分フィールドの「RR」モンスターは戦闘では破壊されない。

(2):自分の墓地に「RR」モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。

このターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。

 

 

 

「バトルだ!1体目のバニシング・レイニアスで攻撃!」

「永続罠発動!マダラス・ジェイソン!このカードは発動後罠モンスターとして場に特殊召喚される!」

「マダラスだと!?」

「そしてジェイソンの攻撃力と守備力は俺のライフと同じ数値となる!ハハハ!!気が付いたか!俺だよ、黒咲!」

 

マスクを外した男はシリョウ。エクシーズ次元出身のハイクラスだった男である。

 

「貴様…融合次元に仲間を売った下種がなぜこの次元に!?」

「俺には崇高な目的がある…あぁそうだ。お前も決闘者としてはまぁまぁな腕だったな。お前にも来てもらうか。」

「黙れ!手札から速攻魔法 RR-ラピッド・エクシーズを発動!バトルフェイズ中にエクシーズ召喚を可能とする!レベル4のバニシング・レイニアス2体とトリビュート・レイニアスでオーバーレイ!雌伏のハヤブサよ。逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!」

 

 

 

RR-ライズ・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

鳥獣族レベル4モンスター×3

(1):このカードは特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。

このカードの攻撃力は、対象のモンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「ラピッド・エクシーズの更なる効果!特殊召喚時、オーバーレイユニットを使用する効果を使うことが出来る!ライズ・ファルコンのオーバーレイユニットを一つ取り除き、マダラス・ジェイソンの攻撃力分このモンスターの攻撃力を上げる!」

「攻撃力4100…!」

「バトルだ!ライズ・ファルコンでマダラス・ジェイソンを攻撃!ブレイブクロー レボリューション!」

 

ライズ・ファルコンの猛攻がマダラス・ジェイソンを破壊した。

 

シリョウLP4000→3900

 

「俺はカードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

  □■■■□

 □      □ シリョウLP3900 手札1

  ○○○○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 黒咲LP4000 手札1

  □□■□□

 

 

「俺様のターン、ドロー!俺は永続罠を二枚発動!マダラス・ブギーマン!マダラス・ジョーカー!そしてマダラス・ジョーカーの効果発動!このカードを墓地に送ることでフィールドに存在するマダラスモンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にし攻撃力を3000アップさせる!ブギーマンは攻撃力1100、よって攻撃力4100となる!ライズ・ファルコンの効果はてめえのターンにしか使えねえ!これで終わりだ!バトル!マダラス・ブギーマンでライズ・ファルコンを攻撃!!」

 

巨大化したブギーマンの血塗られた手でライズ・ファルコンは攻撃を受けた。砂埃で辺り一面の視界が悪くなる。

 

「ヘヘヘ、黒咲…大したことねえじゃねえか!」

 

砂埃が黒咲の周辺だけに立ち込める。とその時真上にライズ・ファルコンが砂埃の中から飛び立っていく。

 

「何!?」

「俺は墓地からRR-レディネスの効果を発動させダメージをゼロにした。そしてリバースカードオープン!速攻魔法 RUM(ランクアップマジック)-ラプターズ・フォース発動!」

 

 

 

RUM-ラプターズ・フォース

速攻魔法

(1):自分フィールドの「RR」Xモンスターが破壊され墓地へ送られたターン、

自分の墓地の「RR」Xモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、

そのモンスターよりランクが1つ高い「RR」モンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「ライズ・ファルコンを素材にオーバーレイ!獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し 寄せ来る敵を打ち破れ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろ!ランク5!RR-ブレイズ・ファルコン!!」

 

 

 

RR-ブレイズ・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/鳥獣族/攻1000/守2000

鳥獣族レベル5モンスター×3

(1):X素材を持っているこのカードは直接攻撃できる。

(2):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。

(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、

破壊したモンスターの数×500ダメージを相手に与える。

 

 

 

「ク…ランクアップだと…!く…俺はスケール6のマダラス・ナイフとスケール10のマダラス・チェーンソウでペンデュラムスケールをセッティング!」

「!? なぜシリョウがペンデュラムカードを!?」

「俺はターンエンド。この時マダラス・ジョーカーの効果で上がっていたマダラス・ブギーマンの攻撃力は元に戻る。」

 

 

  □□◆■□

 ■      ■ シリョウLP3900 手札0

  ○○◆○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 黒咲LP4000 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!手札からRR-インペイル・レイニアスを召喚!」

 

 

 

RR-インペイル・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守1000

「RR-インペイル・レイニアス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ、

フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを表側守備表示にする。

(2):このカードが攻撃したターンの自分メインフェイズ2に、

自分の墓地の「RR」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「ブレイズ・ファルコンは相手にダイレクトアタックが可能!バトル!ブレイズ・ファルコンでシリョウにダイレクトアタック!」

「永続罠発動!マダラス・ジグソウ!このカードがフィールドに存在する限り直接攻撃は行えない!」

「ならばブレイズ・ファルコンでそのジグソウを攻撃!」

 

守備表示のマダラス・ジグソウが破壊され、黒咲の場にいるインペイル・レイニアスはマダラス・ブギーマンに狙いを定める。

 

「続いてインペイル・レイニアスでマダラス・ブギーマンを攻撃!」

「甘いな!ペンデュラムゾーンに置かれたマダラス・チェーンソウのペンデュラム効果を発動!相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上に表側で存在する「

マダラスモンスターにこのカードを装備する!そしてマダラス・チェーンソウが装備されたモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!」

「く…そのような効果が…!」

 

マダラス・ブギーマンの攻撃力は2100となりインペイル・レイニアスの攻撃力を上回った。

 

黒咲LP4000→3600

 

「俺はターンエンド!」

 

 

  □■◆□□

 □      ■ シリョウLP3900 手札0

  ○○◆○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 黒咲LP3600 手札1

  □□□□□

 

「俺様のターン、ドロー!…クク、血に塗られた惨劇を目の当たりにするがいい、黒咲!手札から魔法カード RUM-ブラッド・フォースを発動!自分フィールド上のカードをすべて破壊し、てめえのエクシーズモンスターを奪う!」

「なんだと!?」

 

破壊されたフィールドにブレイズ・ファルコンが触手のようなものに誘われた。もがき苦しむブレイズ・ファルコンの肉体には血がこべりついている。

 

「ブレイズ・ファルコン!!」

「ハハハ!そしてそのエクシーズモンスターより1つランクが高いマダラスモンスターにランクアップさせる!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!出てこい ランク6

クルーエル・マダラス・アームズ!」

 

様々な凶器が合成されたオブジェが姿を現す。シリョウはクルーエル・マダラス・アームズの効果を発動させる。

 

「クルーエル・マダラス・アームズのオーバーレイユニットをすべて取り除き墓地のマダラス永続罠カードをセットしそのまま発動させる!出てこいマダラス・ジェイソン!」

 

マダラス・ジェイソンの攻撃力はシリョウのライフと同じ数値となる。よって3900となた。

 

「さらにクルーエル・マダラス・アームズはマダラスモンスターに装備できる!そしてこのカードが装備されたモンスターは1200ポイント攻撃力が上がる!」

「攻撃力5100…!」

 

黒咲の前に攻撃力5100のモンスターが立ちはだかった。




RUM-ブラッド・フォース
通常魔法
自分フィールド上にXモンスターが存在せず、自分のフィールド上のカードが3枚以上ある場合に発動できる。
(1):自分フィールド上のカードをすべて破壊し、相手フィールド上に存在するXモンスターを一体選択しそのコントロールを得る。
その後選択したモンスターよりランクが1つ高い「マダラス」モンスター1体を、
対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。


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第七十七話「零児の提案」

「安心しな、マダラス罠モンスターは相手に直接攻撃をすることは出来ない。ターンエンドだ。」

 

 

  □■◆□□

 □      □ シリョウLP3900 手札0

  ○○◆○○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ 黒咲LP3600 手札1

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はRUM(ランクアップマジック)-ソウル・シェイブ・フォースを発動!」

 

 

 

RUM-ソウル・シェイブ・フォース

通常魔法

①:LPを半分払い、自分の墓地の「RR」Xモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターよりランクが2つ高いXモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

黒咲LP3600→1800

 

黒咲の墓地からRR(レイド・ラプターズ)-ブレイズ・ファルコンが復活し、ランクアップが始まる。

 

 

 

RR-ブレイズ・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/鳥獣族/攻1000/守2000

鳥獣族レベル5モンスター×3

(1):X素材を持っているこのカードは直接攻撃できる。

(2):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。

(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、

破壊したモンスターの数×500ダメージを相手に与える。

 

 

 

「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク7!RR-セブンス・ファルコン!」

 

黒咲の場にブレイズ・ファルコンよりも巨大な隼が姿を現した。攻撃力は2200であることを見たシリョウは黒咲を煽る。

 

「ライフを半分支払ってまで出したモンスターがそれか!俺のマダラス・ジェイソンの攻撃力は5100!到底及ばねえ!」

「セブンス・ファルコンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、カードを7枚ドローしカードを確認する!」

「7枚だと!?」

 

黒咲はデッキからカードを7枚ドローした。

 

「セブンス・ファルコンは今引いた7枚のうちのRUMの枚数分に応じ効果が変化する!俺が引いたRUMはレイド・フォース、デス・ダブル・フォース、レヴォリューション・フォース!よって3枚時の効果!相手フィールド上に存在するカードの効果を2枚まで選択し無効にする!」

「何!?」

「この効果で引いたカードはすべてデッキに戻す。マダラス・ジェイソンとクルーエル・マダラス・アームズの効果を無効!これで貴様の木偶の坊モンスターの攻撃力は0!バトルだ!セブンス・ファルコンでマダラス・ジェイソンを攻撃!シエテ・バリアラゼーション!」

 

セブンス・ファルコンの7つのエネルギー砲からビームが照射される。攻撃力0になったマダラス・ジェイソンはなすすべなく破壊される。

 

シリョウLP3900→1700

 

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ シリョウLP1700 手札0

  ○○□○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ 黒咲LP1800 手札0

  □□■□□

 

 

「ククク…フィールドにカードはない…このドローで逆転すれば俺は…」

「貴様に逆転などない。」

「何?」

「貴様のようなクズにカードが答えるはずもない。」

「…黙れ!俺は覚醒した!覚醒者(ウェイカー)になった!」

「覚醒者…?」

「それで得た力を見せてやる!俺のターン、ドロー!!」

 

シリョウはドローしたカードを確認する。

 

「フィールド魔法 コムニオン・コロシアムを発動!墓地から任意の枚数のカードを選択しコストゾーンに置く!」

「コストゾーン?なんだそれは!」

「クク…そして墓地へ送った枚数×500ポイントのダメージを受ける。俺はマダラス・ジグソウ、マダラス・ジョーカー、マダラス・ブギーマンの三枚をコストゾーンに置く!」

 

シリョウLP1700→200

 

「ジグゾウはベースカード、よってコムニオ召喚が可能!」

「コムニオ召喚!?」

「マダラス・ジグゾウをベースにマダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンのレッドラクリマ2個でリクリエイト!」

 

空中にマダラス・ジグゾウを中心にマダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンが出現する。2枚の罠カードからクリスタルのような赤いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、マダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンのカードは裏側になる。そして赤いエネルギー体はマダラス・ジグゾウに吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!クラス3 αβ(アルファベーター) M マダラス・コムニ…」

「カウンター罠発動!神の通告!」

 

 

 

神の通告

カウンター罠

(1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。

●モンスターの効果が発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。

その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

黒咲LP1800→300

 

「お…おのれ!」

「さぁ貴様には瑠璃の居場所を吐いてもらうぞ。」

「瑠璃?あんな女の居場所なんて俺が知るかよ。」

「吐け!お前は赤馬零王に命じられてここにいるのだろう!」

「お前は本当に妹のことになると頭が回らなくなるらしい。」

「なんだと!?」

「俺がいつアカデミアだと言った?俺はアカデミアではない。」

「貴様まだそんなことを…!」

 

呆れたようにシリョウは黒咲を鼻で笑った。そしてデュエルディスクのソリットヴィジョンを切ると話を続けた。

 

「俺はアカデミアなどには興味はない。もっと大きなもの…それこそクオリファイ家!」

「クオリファイ家だと?」

「ククク…せいぜい覚醒者にでもなって俺のために消えてくれや…。あばよ!」

 

シリョウは高いところに飛び移る。すかさず黒咲はデュエルディスクのボタンをシリョウに向けて押すがその後すぐに逃げ去っていった。

 

 

 

 

 

「行け、ブラック・マジシャン!遊矢君にダイレクトアタック!」

「うわー!!」

 

遊矢LP2500→0

 

遊勝塾に遊戯を連れてきた遊矢はリアルソリットヴィジョンやアクションデュエルを実際にアクションデュエルをすることで遊戯に教えようとした。しかしすぐに遊戯はコツを掴み遊矢を倒してしまった。

 

「ゆ…遊戯さん、ほんとにアクションデュエル初めてなんですか!?」

「う…うん!ほんとに質量があるんだね。大丈夫だった?」

「あ…はい…。」

 

初めてアクションデュエルをした人間に負けた遊矢はショックを受けるも楽しそうな遊戯の顔を見て思わずニコリとした。アクションデュエルを行う部屋を出ると遊勝塾の塾長 柊修造が大慌てで遊矢の元に駆けよる。

 

「ゆ…遊矢!大変だ!」

「どうしたんだ?塾長。」

「エ…LDSの社長が…赤馬零児が来たんだ!」

「なんだって!?」

「失礼する。」

 

そんな二人の前に零児が現れる。

 

「赤馬零児…!」

「榊遊矢、ランサーズの一人として聞いてほしいことがある。時間を貰えるか?」

「ん、誰?」

 

遊戯もその会話に入ろうとするが遊矢ははぐらかし、零児と二人で話すことにした。

 

 

 

 

 

「彼は?」

「あぁ、なんか別次元から来た人みたいなんだ。」

「別次元…まさかアカデミアではないだろうな?」

「今回の舞網チャンピオンシップで起きた出来事も知らないみたいだし違うと思う。」

「それならばいいが一応気を配っておくんだ。」

「あぁ、ところでなんでわざわざこんなところまで?」

 

零児は黒咲から聞いた出来事を遊矢にも伝える。

 

「コムニオ召喚なんて聞いたことないぞ。」

「君がペンデュラム召喚を見つけたようにその男が見つけた召喚方法かもしれない。いずれにせよその者やその者の仲間が優秀な決闘者(デュエリスト)を誘拐しているのは間違いない。すぐに対処する必要がある。」

「対処って言ってもどこに現れるかもわからないんだろ?」

「シリョウという男に関してはLDSの講師が見つけるだろう。ほかの仲間に関してはおびき出すのだ。」

「どうやって?」

「君たちランサーズはLDSが認めた優秀な決闘者たちだ。その追加メンバーを行うと銘打って採用試験を行う。」

「新しいメンバーをいれるのか!?」

「あくまで名目上だ。一度舞網チャンピオンシップで選抜したので無意味かもしれないが、優秀な決闘者を集めるのにはいいものになるだろう。」

 

その意見を遊矢は少し不満に思う。

 

「待ってくれ!決闘者たちを餌に使うってことか!?」

「シンクロ次元に行くためにはすぐに解決しなくてはならない問題だ。」

「でも…。」

「柊柚子をすぐに助けに行くんじゃないのか?」

「…わかったよ。いつやるんだ?」

「明後日、LDSのメインコートに集合だ。すでにランサーズ採用試験の募集はかけてある。」

「それって僕も参加できるのかな?」

 

突然遊戯が後ろから声をかけた。零児は驚く顔をするがすぐに答える。

 

「あぁ、この前のオベリスクフォースたちとの戦いを見たせいか試験に志願するものはそこまで多くない。今からでも募集はしている。」

「じゃあ僕も試験受けるよ!どうすればいいの?」

「一次試験が明日ある。それに参加してもらおう。」

「わかったよ。じゃあ遊矢君、明後日会おう!」

「え、でも危ないんですよ!危険です!」

「大丈夫だよ。僕、この次元の決闘者と決闘がしたいんだ!」

 

そういうと遊戯は零児に付いていってLDSに向かっていく。

 

「ねえ、さっき言っていた襲撃者って?」

「あぁ、この次元の者ではなくエクシーズ次元のシリョウという男らしい。」

「シリョウ!?シリョウってあのシリョウ!?」

「知っているのか?」

「その人、今どこにいるの!?」

「黒咲がその男に探知機をつけていた。今LDSの講師たちが探している。」

「僕にもその場所教えて!」

 

零児にその場所を聞くと遊戯はシリョウの居場所に向けて駆けて行った。

 

 

 

 

 

その頃、シリョウはLDSの講師たちとバトルロワイヤル決闘を行っていた。

 

「消えろ、クズども!!クルーエル・マダラス・ウェポンで攻撃!!」

「うわああ!!」

 

二人の講師のライフがゼロとなった。残るは一人、ライフは100だ。

 

「これで終わりだぁ…!」

「た…助けてくれえ!」

「待って!!僕もその決闘に入るよ」

 

そこに遊戯が現れ、乱入した。

 

「シリョウ、僕と決闘だ!」




RR-セブンス・ファルコン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/鳥獣族/攻2200/守1900
鳥獣族レベル7モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキからカードを7枚引き、確認した後デッキに戻す。この効果でドローしたカードの数に含まれている「RUM」魔法カードの枚数によって以下の効果を適用する。
●1・2枚:相手フィールド上に存在するカードを1枚選択し破壊する。
●3・4枚:相手フィールド上に存在するカードを2枚まで選択しその効果を無効にする。
●5・6枚:相手フィールド上に存在するカードを3枚まで選択し除外する。
●7枚:相手に4000ポイントのダメージを与える。
(2):このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで
魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない。


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第七十八話「遊戯のペンデュラム召喚」

遊戯は入るや否や乱入ペナルティを受ける。

 

遊戯LP4000→2000

 

「てめえは武藤遊戯!ククク、俺の場にランク7のエクシーズモンスター クルーエル・マダラス・ウェポンが存在し、俺のライフは4000。一方のお前はペナルティでライフは2000!いくら決闘王(デュエルキング)といえども俺には敵うまい!」

「やってみなきゃわからないよ!僕のターン、ドロー!僕は手札からレッド・ガジェットを召喚!」

 

 

 

レッド・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1300/守1500

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「イエロー・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

 

「効果により手札にイエロー・ガジェットを加える!」

 

 

 

イエロー・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守1200

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「グリーン・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

 

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊戯LP2000 手札5

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ シリョウLP4000 手札5

  □□■□□

 

 

遊戯の次は残りライフが100のLDS講師のターンだ。

 

「私のターン、ドロー!武藤遊戯君と言ったな…。君が誰なのかわからないがすでに私の手札にはあの男に勝つ手段はない…。せめて私のカードを使ってくれ!」

「どういうことです?」

「魔法カード エクスチェンジを二枚発動!」

 

 

 

エクスチェンジ

通常魔法

お互いのプレイヤーは手札を公開し、

それぞれ相手のカード1枚を選んで自分の手札に加える。

 

 

 

「さぁ遊戯君。私のカードと交換だ。」

 

遊戯はLDS講師の手札2枚と自分の手札二枚を交換した。

 

「私はターンエンド…!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊戯LP2000 手札5

  ○○●○○ □

 

□ ○○●○○

 □      □ シリョウLP4000 手札5

  □□■□□

 

「は!諦めがついたか!俺様のターン、ドロー!永続罠 マダラス・フレディ!こいつの攻撃力は200だがクルーエル・マダラス・ウェポンを装備することで1700となる!バトル!マダラス・フレディでダイレクトアタック!」

「ぐおおお!」

 

最後のLDS講師のライフがゼロになった。

 

「そしてクルーエル・マダラス・ウェポンを装備されたモンスターはバトルフェイズに二度攻撃が出来る!次は遊戯のレッド・ガジェットを攻撃!」

 

レッド・ガジェットがマダラス・フレディによって破壊される。

 

遊戯LP2000→1600

 

「カードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 □      □ 遊戯LP1600 手札5

  ○○○○○ □

 

□ ○○◆○○

 □      □ シリョウLP4000 手札4

  □■◆■□

 

 

「僕のターン、ドロー!確かこのカードたちは遊矢君が使っていた…。」

「何をぶつぶつ言ってやがる!LDSのクズからいいカードはもらえたか?ククク。」

「一生懸命決闘した人をクズ呼ばわりするなんて許せない!いくよ!僕はスケール1のPS(ペンデュラムスタチュー)イエロー・ジュエルとスケール10のPSイエロー・スカラベでペンデュラムスケールをセッティング!」

「なんだと!?」

「これでレベル2から9のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!出てきて、僕のモンスターたち!手札よりイエロー・ガジェット!ブラック・マジシャン・ガール、そして最強の僕 ブラック・マジシャン!」

 

 

 

ブラック・マジシャン・ガール

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

(1):このカードの攻撃力は、お互いの墓地の「ブラック・マジシャン」

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数×300アップする。

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

「な…!」

「イエロー・ガジェットの効果発動!グリーン・ガジェットを手札に加えるよ!」

 

 

 

グリーン・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守 600

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

 

「グリーン・ガジェットを召喚!効果によりレッド・ガジェットを加える!」

「おのれ…!」

「バトル!ブラック・マジシャン・ガールでマダラス・フレディを攻撃!黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)!」

 

シリョウLP4000→3700

 

「く…マダラス・フレディの効果!表側のこのカードが破壊され墓地に送られた時、カードを一枚ドローする!」

「続いてイエロー・ガジェット、グリーン・ガジェットでダイレクトアタック!」

 

シリョウLP3700→1100

 

「これで最後だ!ブラック・マジシャンでダイレクトアタック!黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

 

ブラック・マジシャンの杖から黒い波動が放出される。それに対しシリョウは罠を発動する。

 

「罠発動!次元幽閉!」

 

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

攻撃モンスター1体を選択して発動できる。

選択した攻撃モンスターをゲームから除外する

 

 

 

「これでブラック・マジシャンは二度と出てこれまい!」

「く…ターンエンド!」

 

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊戯LP1600 手札2

  ○●●●○ □

 

□ ○○○○○

 □      □ シリョウLP1100 手札4

  □□□□□

 

 

「ここまで俺のライフを削るとは確かにやる…だがここからお前は俺にひざまずくことしかできなくなるぜ!俺のターン、ドロー!俺はフィールド魔法 コムニオン・コロシアム発動!」

 

フィールド魔法の発動によって辺りはコロッセオを思わせる景色へと変化した。この時、零児が到着し、倒れているLDSの講師に状況を聞く。

 

「なるほど、武藤遊戯がシリョウに応戦してるというわけか。…!ペンデュラムカードを…。」

「すみません、社長。彼に託すしかなく…。」

「いや構わない。むしろ彼がいとも簡単にペンデュラム召喚を使えたことに驚きを隠せないな。にしてもこのフィールド魔法はなんだ?すぐに解析を始めろ。」

「はい!」

 

シリョウはコムニオン・コロシアムの第二効果を発動した。

 

「手札から三枚のカードをコストゾーンに置きその枚数×300のダメージを俺様は受けるぜ!」

 

シリョウLP1100→200

 

「残り200にまで自分のライフを…!」

「コストゾーンに置かれたマダラス・ジグゾウはベースカード!よってコムニオ召喚が可能!」

「君がコムニオ召喚を!?」

「マダラス・ジグゾウをベースにマダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンのレッドラクリマ2個でリクリエイト!」

 

空中にマダラス・ジグゾウを中心としてマダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンが出現する。2枚の罠カードからクリスタルのような赤いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、マダラス・ジョーカーとマダラス・ブギーマンのカードは裏側になる。そして赤いエネルギー体はマダラス・ジグゾウに吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!クラス3!αβ(アルファベーター) M マダラス・コムニオン!!」

 

シリョウはコムニオ召喚でマダラス・コムニオンを召喚させた。その姿は禍々しい殺人鬼を象っていた。肉体のあらゆる所には血がへばりついている。

 

「なんておぞましいモンスターなんだ…。」

「コムニオ召喚に使用したベースカードは手札へ戻ってくる。そして今戻ってきたコムニオ・ジグゾウを捨てマダラス・コムニオンの効果発動!自分の墓地の罠カードをてめえの場にセットし発動させる!マダラス・フレディをお前の場に出現させる!」

 

攻撃力200のマダタス・フレディが攻撃表示で特殊召喚された。

 

「そしてこの効果を使ったターン、お前は自分の罠カードを発動できない!」

「なんだって!?」

「さしずめその伏せカードで反撃するつもりだったんだろうが甘いぜ!!これで終わりだ!マダラス・コムニオンでマダラス・フレディを攻撃!」

 

攻撃力2400のマダラス・コムニオンで攻撃をすれば2200のダメージで遊戯の敗北である。LDSの講師もそれをみて決闘(デュエル)の解析をやめようとする。

 

「何をしている?勝負はこれからだ。」

「いや…しかし社長。武藤遊戯のセットカードはマダラス・コムニオンの効果により発動が出来ない状態です。反撃は無理かと…。」

 

マダラス・コムニオンの大きな首切り包丁がマダラス・フレディを襲う。振り下ろされた衝撃で辺りは煙が舞う。

 

「クハハハ!決闘王破れたり!!」

「まだだよ!」

「!?」

 

煙が晴れたところに遊戯は立っている。

 

「なぜ…!」

「手札からクリボーの効果を使わせてもらったのさ!」

 

 

 

クリボー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200

相手ターンの戦闘ダメージ計算時、このカードを手札から捨てて発動できる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

 

「これで僕のダメージはゼロさ!ありがとう、クリボー!」

『クリクリ!』

「ちぃ…だがマダラス・フレディが破壊されたことで俺はカードを1枚ドロー!カードを一枚セットターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊戯LP1600 手札1

  ○●●●○ □

 

■ ○○●○○

 □      □ シリョウLP200 手札0

  □□■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!確かに君が予想したように僕がセットしたカードは聖なるバリア -ミラーフォース-!」

 

 

 

聖なるバリア -ミラーフォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「さすがはハイクラスに選ばれる実力があるよ。その能力がもっと他のことに…」

「決闘王様はお説教が好きなのか?ケハハハ!!!早くバトルしろ!!」

「ただ君に足りないのは…冷静さだ。手札から速攻魔法発動!ダブル・サイクロン!」

 

 

 

ダブル・サイクロン

速攻魔法

自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚と、

相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。

選択したカードを破壊する。

 

 

 

「何!?」

「君が相手を煽るときは大体何かある。わかりやす過ぎるよ!僕のミラーフォースと君のセットカードを破壊する!」

 

シリョウが伏せていた罠カードは破壊される。

 

「こ…このぉ…だがお前の場には攻撃力2400を超えるモンスターなどいない!」

「君なら僕の逆転の手がすぐわかると思うんだけど。レッド・ガジェットを召喚!」

「レッド・ガジェット…?…レベル4のモンスターが3体…!?」

「僕はレベル4のレッド、イエロー、グリーン・ガジェットでオーバーレイ!現れろ ランク4!覚醒の勇士 ガガギゴ!」

 

 

 

覚醒の勇士 ガガギゴ

エクシーズモンスター

ランク4/水属性/爬虫類族/攻2950/守2800

レベル4モンスター×3

 

 

 

「エクシーズ召喚まで決めてくるだとぉ…!」

「バトル!ガガギゴでマダラス・コムニオンを攻撃!」

 

ガガギゴの聖なるパンチが禍々しいマダラス・コムニオンを破壊した。

 

シリョウLP200→0

 

シリョウの敗北によりソリットヴィジョンは消えていく。

 

「見事な決闘でした。遊戯さん。」

「あ、零児君!見てたの?というかなんで敬語?」

「あなたの決闘には敬意を示すべきと私が判断したからです。それはさておきシリョウと言ったな。一緒に来てもらうぞ。」

 

シリョウは地面を這って逃げようとする。

 

「黙れ…愚民が…!俺を捕まえるだと?ふざける…な!!」

「ふざけるのをやめるのはお前の方だ。」

 

シリョウの手の近くに足が見えた。顔を上げるとそこには元ハイクラスの一人 アクト・クオリファイが立っていた。

 

「アクト!」

「なんて様だ…がっかりだよ。」

「ちげえよ!見てろ、今から俺の力を…」

「貴様なら覚醒者としていい仕事をすると思っていたが…やはり見当違いか。」

「な…!」

 

アクトはシリョウの手足を押さえつけるとデッキからαβ M マダラス・コムニオンのカードを抜いた。

 

「何しやがる!」

「これでお前は用済みだ。」

「お…おい!」

 

アクトはデュエルディスクからビームを照射し、シリョウをカード化した。それを見た零児はアクトに話しかける。

 

「お前はアカデミアか?」

「ん?いや、私は彼の監視者…とでも言おうか。世話をかけたな。失礼するよ。」

「待て、ならばお前が決闘者たちを拉致している張本人ということか?」

「フフ、私はある方に仕えて身。自分の意志ではない。」

「ならばその者を教えてもらおうか。」

 

零児はデュエルディスクを構える。しかしアクトはそれを見ることなく別次元へと移動していった。




コムニオン・コロシアム
フィールド魔法
「コムニオン・コロシアム」の(1)(2)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):墓地から任意の枚数カードを選択し発動する。選択したカードをコストゾーンに置き、選択した枚数×500ポイントライフを支払う。
(2):手札から任意の枚数カードを選択し発動する。選択したカードをコストゾーンに置き、選択した枚数×300ポイントライフを支払う。
(3):フィールドから任意の枚数カードを選択し発動する。選択したカードをコストゾーンに置き、選択した枚数×100ポイントライフを支払う。


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第七十九話「ランサーズ採用試験開始!」

シリョウとの決闘(デュエル)の二日後の朝、ランサーズの面々はLDSの社長室に呼ばれていた。

 

「集まったな。では本日メインコートにてランサーズ採用試験を行う。と言っても諸君らにはすでに伝えたようにクオリファイという連中が襲撃してくる恐れや受験生の中に潜り込んでいるという可能性もある。十分注意をするように。」

「はは、赤馬零児!この沢渡シンゴ様がいればクオリティーだかマルファイだか知らねえがそんなやつらワンターンキルしてやるぜ!」

「頼もしいな。」

 

冷めた顔で零児は対応するも沢渡は満足そうな顔をしていた。

 

「また今回はあるアクションフィールドを使って試験を行う。それはまぁ決闘してからのお楽しみ…ということにさせてもらおう。」

「決闘する?どういうことだ?」

 

遊矢の質問に答える。

 

「一次試験通過者は全部で8人、私を除けばランサーズの人数と同じ数だ。よって君たちランサーズと試験としてそれぞれ一人ずつ決闘をしてもらう。」

「つまり俺たちが試験官のようなものか。この男権現坂、ランサーズの一人として職務を全うさせてもらう。」

 

こうして零児を含め9人はメインコートに移動した。すでに8人の受験生が待機している。その中に遊戯の姿もあった。

 

「遊戯さん!」

「あ、遊矢君!一生懸命頑張るよ!」

「はい、俺も頑張ります!」

 

ランサーズは一つの部屋に、受験生たちはそれぞれ控室が設けられ、受験者は外部との接触が禁止された。外にいるクオリファイと連絡などをして他の受験生の拉致などが起こらないようにするためである。それぞれの部屋には液晶が設置され、零児が指示を出していく。

 

「それではさっそく始めさせてもらう。一回戦はランサーズ 権現坂昇VS受験生 エクス。メインコートに来たまえ。」

 

 

 

 

 

権現坂とエクスがメインコートで対面する。

 

「試験官の一人として精いっぱいの決闘をしようと思う。よろしく頼むぞ。」

「へ、さっさと始めようぜ、赤馬零児さんよお!」

「それでは今回の試験はこのアクションフィールドで行ってもらう。アクションフィールドオン!コムニオン・ユニバース!」

 

辺りはリアルソリットヴィジョンによって変化していく。

 

「戦いの殿堂に集いし決闘者(デュエリスト)たちが!」

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞いフィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞ決闘の最強進化系!アクション…」

「「決闘!」」

 

アクションマジックが辺り一面に散りばめられ決闘が始める。

 

「先行は譲ってやる。」

「じゃあ行かせてもらうぜ!俺はモンスターをセットしカードを1枚セット、ターンエンドだ!」

 

 

  □□■□□

 □      □ エクスLP4000 手札5

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 権現坂LP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は超重武者ジシャ-Qを召喚!」

 

 

 

超重武者ジシャ-Q

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻 900/守1900

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下の「超重武者」モンスター1体を特殊召喚する。

その後、このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手は他のモンスターを攻撃できない。

 

 

 

「効果発動!手札からもう一体のジシャ-Qを守備表示で特殊召喚!」

「これは…!」

「その通り。二体のジシャ-Qが並んだことでお前は攻撃が出来ない。さぁこれをどう切り抜ける?ターンエンドだ!」

 

 

  □□■□□

 □      □ エクスLP4000 手札5

  ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 権現坂LP4000 手札4

  □□□□□

 

 

「俺のターン、ドロー!お前、本当にあのLDSが選んだランサーズなのか?」

「どういうことだ?」

「これはアクションデュエル。アクションカードを利用して決闘を有利に進めていく決闘だぜ?」

 

そう言いながらエクスはアクションマジックを拾う。

 

「それなのにお前全く動こうとしないじゃねえか。アクションデュエルってわかってるか?」

「俺の決闘は不動の決闘。心配してもらう必要はない。」

「ハハハ。なるほどな。だからチンケな特殊召喚だけでリバースカードも伏せずにバトルもすることなくエンドさせたってわけか。」

「…。」

「どうせアドバンス召喚でヒィヒィ言って中型モンスターを出すような弱小塾の出身者なんだろ。俺の生命力デッキの恐ろしさ、とくと味わえ!俺はモンスターを反転召喚!生命力の獣!生命力の獣のリバース効果 発動!ライフを1000払うことで同名モンスターを表側守備表示で特殊召喚!出てこい。生命力の獣!」

 

エクスLP4000→3000

 

「さらにライフを1000払うことでチューナーモンスター 生命力の調律師を特殊召喚!」

 

エクスLP3000→2000

 

「チューナー…!」

「見せてやるぜ!レベル2の生命力の獣2体にレベル3の生命力の調律師をチューニング!シンクロ召喚!レベル7 ライフ・フォース・デビル!」

 

エクスの場に大型の悪魔族シンクロモンスターが姿を現した。

 

「ライフ・フォース・デビルの効果!シンクロ召喚に成功した時、自分の墓地の生命力モンスター×1100ポイントライフを回復する!墓地には生命力モンスターは3体。よって3300回復!」

 

エクスLP2000→5300

 

「ライフを回復して大型モンスターを出しただと…!」

「これが時代に乗ってるやつの決闘だ!さらにライフを1000払い生命力の剛剣士を守備表示で特殊召喚!」

 

エクスLP5300→4300

 

「効果発動!1ターンに一度、相手フィールド上のモンスターを1体破壊する!」

 

剛剣士の大きな剣で1体のジシャ-Qは破壊される。

 

「この効果を使用した生命力の剛剣士の攻撃力・守備力は0となる。これで攻撃ロックは崩したぜ!バトル!ライフ・フォース・デビルで残ったジシャ-Qを攻撃!」

 

ライフ・フォース・デビルの口から放たれた熱線によってジシャ-Qは破壊され、権現坂の場には何も残らない。

 

「さらにアクションマジック 二度目の晩餐を発動!ライフ・フォース・デビルをもう一度攻撃できるようにする!行け、ライフ・フォース・デビル、時代遅れの決闘者に鉄槌を!」

「ぐおお…!」

 

権現坂LP4000→1400

 

権現坂は攻撃の衝撃に膝をつく。

 

「ターンエンド!」

 

 

 

 

  □□■□□

 □      □ エクスLP4300 手札5

  ○●●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 権現坂LP1400 手札4

  □□□□□

 

 

「さぁ大型モンスターを乗り切れるカードが出せるか?ククク。」

「俺がドローする前にお前に3つ言いたいことがある。」

「ん?」

 

権現坂は立ち上がり、エクスの顔をじっと見ながら言う。

 

「1つ、確かに権現坂道場はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚するような豪快な召喚方法は扱っていない。だがそのような物を取り入れずとも今まで続けてこられた。」

「フン…。」

「2つ、俺がアクションカードを取らないということだけで時代遅れの決闘者という烙印を押すには安易すぎる。それでは正しく決闘者を見極めることなど出来ん!」

「何がいいたい?」

「3つ、そんなお前はランサーズには迎えん!赤馬零児がどのような判断を下すかは知らんが俺はお前をランサーズの仲間だとは決して思わぬ!このターンで終わらせてやる!俺のターン、ドロー!」

 

権現坂のドローに辺りには突風が起こる。思わずエクスも手でその風を遮る。

 

「手札から超重武者カゲボウ-Cを召喚!」

 

 

 

超重武者カゲボウ-C

効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 500/守1000

「超重武者カゲボウ-C」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

手札から「超重武者」モンスター1体を特殊召喚する。

(2):自分フィールドの「超重武者」モンスターが効果の対象になった時、

墓地のこのカードを除外して発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「効果発動!リリースすることで手札から超重武者ビッグベン-Kを特殊召喚!」

 

 

 

超重武者ビッグベン-K

効果モンスター

星8/地属性/機械族/攻1000/守3500

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

このカードの表示形式を変更する。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分フィールドの「超重武者」モンスターは、

表側守備表示のままで攻撃できる。

その場合、そのモンスターは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。

 

 

 

「アドバンス召喚をせず大型モンスターを呼び出せたのだけは褒めてやるぜ!」

「まだだ!手札からチューナーモンスター 超重武者ホラガ-Eを特殊召喚!」

 

 

 

超重武者ホラガ-E

チューナー・効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 300/守 600

(1):自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚に成功したターン、

自分は「超重武者」モンスターしか特殊召喚できない。

(2):自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、

このカードをリリースして「超重武者」モンスターの

アドバンス召喚に成功した場合に発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

「チューナーだと!?」

「レベル8のビッグベン-Kにレベル2のホラガ-Eをチューニング!荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に砂塵渦巻く戦場に現れよ!シンクロ召喚!いざ出陣!レベル10!超重荒神スサノ-O!」

 

 

 

超重荒神スサノ-O

シンクロ・効果モンスター

星10/地属性/機械族/攻2400/守3800

機械族チューナー+チューナー以外の「超重武者」モンスター1体以上

このカードはルール上「超重武者」カードとしても扱う。

(1):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。

その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。

(2):1ターンに1度、自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、

相手の墓地の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを自分フィールドにセットする。

この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「スサノ-Oの効果!お前の墓地の二度目の晩餐をいただく!これで2回攻撃をすればお前のライフはゼロだ!」

「残念だったな、二度目の晩餐は使用後、墓地へは行かずコストゾーンとやらに置かれるらしい。」

「コストゾーン?なんだそれは!」

「俺が知るか!さぁ新しいアクションマジックだ!」

 

そう言いながらエクスは二枚目のアクションマジックを発動させる。

 

「アクションマジック 聖なる晩餐!手札を3枚までコストゾーンに置くことが出来る…ってなんだこれ。いらねえな。はずれか?」

 

効果を発動させることなく埋葬の晩餐はコストゾーンに置かれる。そして新たなアクションマジックを見つけたエクスは走ってそのカードを拾った。

 

「アクションマジック 埋葬の晩餐!コストゾーンのカードを1枚墓地に送ることで相手フィールド上のモンスター1体を破壊する!聖なる晩餐を墓地へ送り、消えろスサノ-O!」

「させるか!手札から超重武者装留ファイヤー・アーマーの効果発動!」

 

 

 

超重武者装留ファイヤー・アーマー

効果モンスター

星2/炎属性/機械族/攻 800/守 800

(1):自分メインフェイズに自分フィールドの

「超重武者」モンスター1体を対象として発動できる。

自分の手札・フィールドからこのモンスターを

装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。

装備モンスターのレベルは5になる。

(2):このカードを手札から捨て、

自分フィールドの守備表示の「超重武者」モンスター1体を対象として発動できる。

ターン終了時まで、そのモンスターの守備力は800ダウンし、

戦闘・効果では破壊されない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「手札から捨てることでスサノ-Oを守る!」

「だがこれで守備力は800ダウンし3000!ライフ・フォース・デビルが破壊されたとしても攻撃力2600だから400のダメージで済むぜ!シンクロには少し驚いたがこのターンで終わらすってのはほざきすぎたな!」

「く…。」

 

権現坂は考えていた。「この男権現坂、プライドと意地にかけてこの勝負、このターンで勝つ。ランサーズのみんな、俺をランサーズとして送り出してくれる親父殿、俺を後押ししてくれる遊勝塾の子供たち、塾長。そして遊矢!」心に固い決意を再確認した時、権現坂のエクストラデッキは光りだし、脳内に誰かの声が聞こえた。

 

「これは…!?」

「なんだ…何が起きている!?」

 

驚くのはエクスだけではない。画面越しで映像を見ている誰もが驚き、零児に関しては中島にデータを細かくとるように命令を出した。

 

「行くぞ、スサノ-Oの効果!お前の墓地にある聖なる晩餐を俺の場にセットし発動!」

「馬鹿な!そんな訳の分からんカードを使うだと!?」

「残り手札の超重武者テンB-Nとヌス-10をコストゾーンに置く!そして聖なる晩餐は俺のコストゾーンに置かれる!」

「何をする気だ!?」

「聖なる晩餐はベースカード、よってコムニオ召喚が可能!」

「な…!」

「聖なる晩餐をベースに超重武者テンB-Nとヌス-10のイエローラクリマ2個でリクリエイト!」

 

空中に聖なる晩餐を中心としてテンB-Nとヌス-10が出現する。2枚のモンスターカードからクリスタルのような黄色いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、テンB-Nとヌス-10のカードは裏側になる。そして黄色いエネルギー体は聖なる晩餐に吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!クラス3 αβ(アルファベーター) T 超重聖者ヨシュ-()!!」

 

権現坂のコムニオ召喚が決まった。




聖なる晩餐
ベース・通常魔法
(1):自分の手札を3枚までコストゾーンに置くことが出来る。
(2):このカードが墓地へ送られる場合、墓地へは行かずこのカードを発動したプレイヤーのコストゾーンに置かれる。


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第八十話「遊戯VS遊矢」

権現坂は超重聖者ヨシュ-()の効果を発動する。

 

「超重聖者ヨシュ-Aの効果発動!手札のベースカードを一枚捨てることで相手フィールドに存在するモンスターを守備表示に変更し守備力を0にする!ライフ・フォース・デビルを守備表示に変更し、守備力を0にする!」

「く…だがお前の場のモンスターは守備表示、それに俺のモンスターが守備表示になったことで俺にダメージはねえ!永続罠発動 延命措置!自分フィールド上に存在するモンスターが破壊された場合、デッキから攻撃力1000以下の生命力モンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。だが延命措置が場にいる限り自分フィールド上にモンスターは1体しか存在できない。これで俺はこのターンで終わることは…」

「残念だな。超重聖者ヨシュ-Aは守備表示のまま守備力を使って戦闘を行うことが出来、ルール上超重武者としても扱う。」

「何が言いたい?」

「手札から超重武者装留イワトオシの効果発動!」

 

 

 

超重武者装留イワトオシ

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守 0

(1):自分メインフェイズに自分フィールドの

「超重武者」モンスター1体を対象として発動できる。

自分の手札・フィールドからこのモンスターを

装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。

(2):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが

守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「超重武者装留イワトオシ」以外の「超重武者」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「ヨシュ-Aに装備!」

「か…貫通だと!?」

「バトル!ヨシュ-Aでライフ・フォース・デビルを攻撃!!」

「ぐわああ!!」

 

エクスLP4300→1900

 

「え…延命措置の効果により攻撃力1000の生命力の射手を特殊召喚…。」

「スサノ-Oで生命力の射手を攻撃!クサナギソード・斬!!」

 

エクスLP1900→0

 

エクスのライフが尽きると同時にメインコートの液晶にWINNERの文字と共に権現坂の顔が映った。

 

「見たか。お前はランサーズにふさわしくはない。去れ!」

「言いたいことだけ言いやがって…この!!」

 

エクスが殴りかかろうと立ち上がった瞬間、彼のデュエルディスクから注射の針のようなものが出てエクスの腕を刺した。すぐにエクスは倒れる。それを見た零児はすぐにエクスを運ぶようにLDS職員に命令をした。

 

「口止めか?ということはクオリファイに関係する情報を持っているかもしれない。蘇生に全力を注げ。」

 

エクスは担架で運ばれた。それに権現坂も付き合う。呼吸が荒いが意識はない様子である。

 

「おい、大丈夫なのか!?」

「離れていてください。ランサーズ控室へお戻りを。」

「そんなこと言っていられるか!俺との決闘(デュエル)で倒れたのだ。俺にも責任が…。」

 

 

 

 

 

零児は淡々と次の試験の組み合わせを発表する。

 

「二回戦目はランサーズ 沢渡シンゴVS受験生 ジェリード。メインコートに。」

 

名前が挙げられてすぐ沢渡はコートに姿を見せる。

 

「さぁ見てろ。俺のエンタメデュエルで湧かせてやるぜ!」

「よろしくお願いします。」

「ん、あぁよろしくな!俺の後輩になれるかテストしてやるぜ!」

「お手柔らかに。」

「それでは始めさせてもらおう。アクションフィールドオン!コムニオン・ユニバース!」

 

辺りはリアルソリットヴィジョンで包まれる。

 

「戦いの殿堂に集いし決闘者(デュエリスト)たちが!」

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞いフィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞ決闘の最強進化系!アクション…」

「「決闘!」」

 

「先行はこのネオニュー沢渡シンゴ様だ!俺は天帝従騎イデアを召喚!」

 

 

 

天帝従騎イデア

効果モンスター

星1/光属性/戦士族/攻 800/守1000

「天帝従騎イデア」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「天帝従騎イデア」以外の

攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。

(2):このカードが墓地へ送られた場合、

除外されている自分の「帝王」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

 

 

「イデアの効果発動!デッキから冥帝従騎エイドスを特殊召喚!」

 

 

 

冥帝従騎エイドス

効果モンスター

星2/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1000

「冥帝従騎エイドス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。

このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、

自分メインフェイズにアドバンス召喚できる。

(2):墓地のこのカードを除外し、「冥帝従騎エイドス」以外の

自分の墓地の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。

 

 

 

「エイドスの効果発動!イデアとエイドスをリリースし天帝アイテールを召喚!」

 

 

 

天帝アイテール

効果モンスター

星8/光属性/天使族/攻2800/守1000

このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。

(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。

手札・デッキから「帝王」魔法・罠カード2種類を墓地へ送り、

デッキから攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。

(2):このカードが手札にある場合、

相手メインフェイズに自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。

このカードをアドバンス召喚する。

 

 

 

「アイテールの効果!墓地に永続罠 真源の帝王と魔法カード 汎神の帝王を墓地に送り光帝クライスを特殊召喚!」

 

 

 

真源の帝王

永続罠

「真源の帝王」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード2枚を対象として発動できる。

そのカードをデッキに加えてシャッフルする。

その後、自分はデッキから1枚ドローする。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

このカード以外の自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。

このカードは通常モンスター(天使族・光・星5・攻1000/守2400)となり、

モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとして扱わない)。

 

 

汎神の帝王

通常魔法

「汎神の帝王」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):手札の「帝王」魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする。

(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「帝王」魔法・罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中から1枚選ぶ。

そのカード1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。

 

 

光帝クライス

効果モンスター

星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。

そのカードを破壊し、破壊されたカードのコントローラーは

破壊された枚数分だけデッキからドローできる。

(2):このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。

 

 

 

「汎神の帝王を墓地から除外し効果発動!さぁこの三枚から好きなカードを選びな!」

 

沢渡は三枚のカードを提示した。ジェリードは1枚を選ぶと沢渡はそのまま発動させた。

 

「お前が選んだのは永続魔法 進撃の帝王!」

 

 

 

進撃の帝王

永続魔法

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分フィールドのアドバンス召喚したモンスターは

効果の対象にならず、効果では破壊されない。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。

 

 

 

「これで効果破壊できなくなったぜ。あーあ、この大型モンスターたちを効果で破壊すればよかったのにな。恨むならお前のセンスを恨んでくれよ?」

 

ジェリードは失笑している。

 

「ターンエンドだ!」

 

沢渡のエンド宣言を聞くと零児は立ち上がった。

 

「やはりエクスという者の状況を確認してくるもしかしたら気絶したフリをし逃げ出す気かもしれん。沢渡のあの布陣であれば1ターンで終わるということはないだろう。」

 

零児が部屋から出ていくとそのあとを零羅もついていく。エクスが運ばれた集中治療室はそう遠いところにあるわけではなかった。LDSの医師に聞けばエクスの体には記憶を攪乱させる効果のある薬物が投与されたことは確実らしい。エクスが倒れたフリをしているという線はなくなった。

 

「ということは彼が目覚め落ち着いたとしてもクオリファイに関して聞き出すということは?」

「難しいでしょう…。」

「残念だ。とりあえず全力を尽くしてくれ。」

 

数分後、零児と零羅は部屋に戻り映像を確認する。そこにはWINNER ジェリードの文字が映っていた。

 

「!? 中島、どういうことだ?」

「それが…沢渡が1ターンで倒されました。」

「なんだと…。」

 

零児はコートを後にするジェリードの顔をじっと見る。

 

「彼については特に監視を強くしておくんだ。クオリファイの者かもしれない。」

「はい。」

 

 

 

 

 

遊矢たちランサーズも今の決闘について驚きを隠せずにいた。

 

「なんだ…今の。」

「何が起きたのかわからなかったが…融合、シンクロ、エクシーズ…もちろんペンデュラムも使うことなくあのフィールドの沢渡を倒すとは…。アカデミアの優秀な決闘者と並べるくらいの腕だぞ。」

「もしかしてあの人がクオリファイ…。」

 

遊矢はジェリードに疑念を持っていた。そのような中、次の組み合わせが発表される。

 

「三回戦 ランサーズ 榊遊矢。」

「おぉ、遊矢、お前だ!頑張れよ!」

 

権現坂が遊矢の背中を押す。

 

「VS受験者 武藤遊戯。」

「!!」

 

遊矢は驚くも覚悟を決めた目つきへと変わる。

 

「前は負けちゃったけど、今回は勝ってみせる!」

 

二人はメインコートで顔を合わせる。

 

「遊矢君、また戦えるなんて嬉しいよ。」

「俺もです。でも今回は本気で勝ちに行きます。」

「僕もそのつもりで行かせてもらうよ!」

 

自分の覚悟をぶつけあう二人。零児はマイクを通してアクションフィールドの起動を行う。

 

「アクションフィールドオン!コムニオン・ユニバース!」

「戦いの殿堂に集いし|決闘者たちが!」

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞いフィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞ決闘の最強進化系!アクション…」

「「決闘!」」

 

「先行は俺がもらいます!俺は手札からEM(エンタメイト)ドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

 

 

EMドクロバット・ジョーカー

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100

【Pスケール:青8/赤8】

(1):自分は「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、

「オッドアイズ」モンスターしかP召喚できない。

この効果は無効化されない。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、

「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。

 

 

 

「効果発動!手札にオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを加える!」

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

【Pスケール:青4/赤4】

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の(1)(2)のP効果は

それぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。

(2):自分エンドフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。

【モンスター効果】

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、

このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

 

 

 

「さらに手札のEMディスカバー・ヒッポを墓地へ送り魔法カード ペンデュラム・コールを発動!」

 

 

 

ペンデュラム・コール

通常魔法

「ペンデュラム・コール」は1ターンに1枚しか発動できず、

「魔術師」PモンスターのP効果を発動したターンには発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

カード名が異なる「魔術師」Pモンスター2体をデッキから手札に加える。

このカードの発動後、次の相手ターン終了時まで

自分のPゾーンの「魔術師」カードは効果では破壊されない。

 

 

 

「相克の魔術師と慧眼の魔術師を加える!」

 

 

 

相克の魔術師

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守 500

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。

このターンそのモンスターは、

そのランクと同じ数値のレベルのモンスターとしてX召喚の素材にできる。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

慧眼の魔術師

ペンデュラム・効果モンスター(制限カード)

星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500

【Pスケール:青5/赤5】

(1):もう片方の自分のPゾーンに

「魔術師」カードまたは「EM」カードが存在する場合に発動できる。

このカードを破壊し、デッキから「慧眼の魔術師」以外の

「魔術師」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

(1):このカードを手札から捨て、

自分のPゾーンの、Pスケールが元々の数値と異なるカード1枚を対象として発動できる。

そのカードのPスケールはターン終了時まで元々の数値になる。

 

 

 

「ペンデュラムモンスター…来るんだね!」

「俺はスケール3の相克の魔術師とスケール8の竜穴の魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 

 

竜穴の魔術師

ペンデュラム・通常モンスター

星7/水属性/魔法使い族/攻 900/守2700

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カードが存在する場合、

手札のPモンスター1体を捨て、

フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

【モンスター情報】

若くして竜の魂を呼び覚ます神通力を体得した天才魔術師。

その寡黙でストイックな魔術への姿勢から人付き合いは苦手だが、

弟子の「竜脈の魔術師」にいつも振り回され、調子を狂わされている。

 

 

 

「これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ俺のモンスターたち!手札からオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

 

遊矢のエースモンスター オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが姿を現した。




αβ T 超重聖者ヨシュ-A
コムニオ・効果モンスター
クラス3/地属性/戦士族/攻2100/守2400
ベース+ベース以外のモンスターカード×2
このカードはルール上「超重武者」カードとしても扱う。
(1):手札のベースカードを1枚捨てることで発動できる。
相手フィールドに存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターを守備表示に変更する。
その後選択したモンスターの守備力をこのターンのエンドフェイズ時まで0にする。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。


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第八十一話「遊矢の反逆劇」

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン…!遊矢君のエースモンスター!」

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

【Pスケール:青4/赤4】

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の(1)(2)のP効果は

それぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。

(2):自分エンドフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。

【モンスター効果】

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、

このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

 

 

 

「俺はカードを1枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊矢LP4000 手札1 コスト0

  ○●●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ 遊戯LP4000 手札5 コスト0

  □□□□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕は手札から魔法カード 古のルールを発動!」

 

 

 

古のルール

通常魔法

手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

辺りの空気が一気に変わる。遊矢だけでなく画面越しで見ている他の者たちも感じていた。

 

「出てきて 僕の最強のモンスター ブラック・マジシャン!」

 

 

 

ブラック・マジシャン

通常モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。

 

 

 

紫色の装束を纏った黒魔導士 ブラック・マジシャンが遊戯の横に姿を現す。その覇気に思わず遊矢は退く。

 

「やっぱりこのモンスターはすごい…。通常モンスターなのになんでこんな!」

「僕が…僕たちが最も信用していたモンスターだからね。さらに装備魔法 魔術の呪文書をブラック・マジシャンに装備!」

 

 

 

魔術の呪文書

装備魔法

「ブラック・マジシャン」「ブラック・マジシャン・ガール」にのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は700ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

自分は1000ライフポイント回復する。

 

 

 

「これでブラック・マジシャンの攻撃力は3200!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力を上回った!行くよ、バトル!ブラック・マジシャンでオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!黒・魔・導(ブラック・マジック)!!」

 

遊矢の攻撃宣言を聞いた遊矢は辺りを見渡す。アクションカードを見つけるとそこに向けて駆けていき、そのカードを拾うと発動させた。

 

「アクションマジック 回避する晩餐!相手モンスター1体の攻撃を無効にする!」

「アクションマジック、やっぱりすごい力を秘めているんだね!」

「ただではやられませんよ!回避する晩餐は使用後、コストゾーンに置かれる!」

 

零児はそれを聞き画面に向けて口を開く。

 

「アクションフィールド コムニオン・ユニバースに放たれたアクションカードは使用後すべて墓地ではなくコストゾーンに置かれる。さぁこの特殊なカードをどう使うか。」

 

遊戯はメインフェイズ2に移行しターンを終わらせる。

 

「僕はカードを2枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊矢LP4000 手札1 コスト1

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊戯LP4000 手札2 コスト0

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!手札より慧眼の魔術師!」

 

 

 

慧眼の魔術師

ペンデュラム・効果モンスター(制限カード)

星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500

【Pスケール:青5/赤5】

(1):もう片方の自分のPゾーンに

「魔術師」カードまたは「EM」カードが存在する場合に発動できる。

このカードを破壊し、デッキから「慧眼の魔術師」以外の

「魔術師」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

(1):このカードを手札から捨て、

自分のPゾーンの、Pスケールが元々の数値と異なるカード1枚を対象として発動できる。

そのカードのPスケールはターン終了時まで元々の数値になる。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…!」

「レベル4のEM(エンタメイト)ドクロバット・ジョーカーと慧眼の魔術師でオーバーレイ!」

 

 

 

EMドクロバット・ジョーカー

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100

【Pスケール:青8/赤8】

(1):自分は「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、

「オッドアイズ」モンスターしかP召喚できない。

この効果は無効化されない。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、

「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。

 

 

 

「漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

 

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

レベル4モンスター×2

(1):このカードのX素材を2つ取り除き、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力を半分にし、

その数値分このカードの攻撃力をアップする

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン、二体の竜が遊矢の場に揃う。

 

「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果発動!オーバーレイユニットをすべて取り除き、ブラック・マジックの攻撃力を半分得る!トリーズン・ディスチャージ!」

 

ブラック・マジシャンの攻撃力が3200から半分の1600となり、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力が4100となる。

 

「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでブラック・マジシャンを攻撃!螺旋のストライクバースト!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃がブラック・マジシャンを襲う。攻撃力1600となったブラック・マジシャンはなすすべなく破壊される。さらにオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果によりダメージは倍となる。

 

「リアクション・フォース!」

 

遊戯LP4000→2200

 

「魔術の呪文書の効果!ライフを1000回復する!」

 

遊戯LP2200→3200

 

「回復してもこれで終わりだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで遊戯さんにダイレクトアタック!反逆のライトニング・ディスオベイ!」

 

遊戯はアクションカードを探すために走り回る。やっと見つけたアクションカードは奇跡の晩餐。自分フィールド上のモンスター1体は破壊されず、戦闘ダメージを半分にするという効果である。だが遊戯の場にモンスターはいない。

 

「なら永続罠発動!永遠の魂!」

 

 

 

永遠の魂

永続罠

「永遠の魂」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):以下から1つを選択してこの効果を発動できる。

●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。

●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。

(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。

自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

 

 

「甦るんだ、ブラック・マジシャン!」

 

ブラック・マジシャンは守備表示で蘇生され、遊戯はアクションマジック 奇跡の晩餐を発動した。ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃はブラック・マジシャンが破壊されないという形でかわされた。

 

「やりますね、遊戯さん!」

「僕も負けていられないよ。」

「俺だって今度こそリベンジさせてもらいます!ターンエンド!」

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊矢LP4000 手札1 コスト1

  ○●●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊戯LP3200 手札2 コスト1

  □■■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕は永遠の魂の効果発動!魔法カード 千本(サウザンド)ナイフを加え発動!」

 

 

 

千本ナイフ

通常魔法

自分フィールド上に「ブラック・マジシャン」が存在する場合に発動できる。

相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。

 

 

 

「行け、ブラック・マジシャン!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを破壊するんだ!」

 

ブラック・マジシャンの放った千本ナイフがダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを破壊した。しかし遊矢の場にはまだ攻撃力が同じオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが存在する。相打ちを避けるために遊戯はエンドを宣言した。

 

 

  □□■□□

 ■      ■ 遊矢LP4000 手札1 コスト1

  ○○●○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ 遊戯LP3200 手札3 コスト1

  □■■□□

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊矢はフィールドを駆け回りアクションマジックを拾う。拾ったそのカードを見てこのターンの動きを決めた。

 

「俺はリバースカード 速攻魔法 ダブル・サイクロンを発動!」

 

 

 

ダブル・サイクロン

速攻魔法

自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚と、

相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。

選択したカードを破壊する。

 

 

 

「効果により俺の場のペンデュラムゾーンにある竜穴の魔術師と遊戯さんの場の永遠の魂を破壊する!」

「く…!永遠の魂が破壊されたことで僕の場のブラック・マジシャンは消滅する…。」

「そして魔法カード 死者蘇生を発動!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「墓地からダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを特殊召喚!」

「エクシーズモンスターを蘇生だって!?」

「さらにスケール8の相生の魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 

 

相生の魔術師

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻 500/守1500

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの、

Xモンスター1体とレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのXモンスターのランクはターン終了時まで、

そのレベル5以上のモンスターのレベルの数値と同じになる。

(2):自分フィールドのカードが

相手フィールドより多い場合、このカードのPスケールは4になる。

【モンスター効果】

(1):このカードの戦闘で発生する相手への戦闘ダメージは0になる。

(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時までそのモンスターと同じになる。

 

 

 

「相生と相克…!」

「相生の魔術師のペンデュラム効果!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのランクをオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同じランク7に変更する!和合を見定める相生の魔術師よ!その神秘の力で、天空高く星を掲げよ!」

「ランクが変化した!?」

「さらに相克の魔術師のペンデュラム効果発動!」

 

 

 

相克の魔術師

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守 500

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。

このターンそのモンスターは、

そのランクと同じ数値のレベルのモンスターとしてX召喚の素材にできる。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのランクをレベルにする!対立を見定める相克の魔術師よ!その鋭利なる力で異なる星を1つにせよ!」

「レベル7のモンスターが二体…!」

「レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでオーバーレイ!二色の眼の龍よ!その黒き逆鱗を震わせ、刃向かう敵を殲滅せよ!エクシーズ召喚!いでよ、ランク7!怒りの眼輝けし龍!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!!」

 

 

 

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン

エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター

ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

【Pスケール:青4/赤4】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。

デッキからPモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

ドラゴン族レベル7モンスター×2

レベル7がP召喚可能な場合にエクストラデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。

(1):このカードがXモンスターを素材としてX召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドのレベル7以下のモンスターを全て破壊し、

破壊した数×1000ダメージを相手に与える。

このターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に3回攻撃できる。

(2):モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、このカードを自分のPゾーンに置く。

 

 

 

遊矢のペンデュラムエクシーズモンスター オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンの激しい雄たけびがフィールド内に響く。

 

「さらに手札からアクションマジック 孤独の晩餐を発動!自分フィールド上のモンスターが1体の場合、そのモンスターは2度攻撃できる!」

「だからわざわざペンデュラムエクシーズを!」

「バトル!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンで遊戯さんにダイレクトアタック!」

「ならアクションカードを見つけて…」

「孤独の晩餐の効果によりオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンがバトルをするとき、バトルステップ終了時まであなたはカードの効果を発動できない!」

「なんだって!?」

「行け!反旗の逆鱗 ストライク・ディスオベイ!」

 

オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンが牙を遊戯に向けて一直線に攻撃を仕掛けていく。遊戯はなすすべなくその攻撃を受けるのだった。




孤独の晩餐
ベース・通常魔法
(1):自分フィールド上のモンスターが1体の場合にのみ発動できる。
自分フィールド上のモンスターは1度のバトルフェイズに2度攻撃が出来
そのモンスターがバトルする際、相手はバトルステップ終了時までカードの効果を発動できない。
(2):このカードが墓地へ送られる場合、墓地へは行かず
このカードを発動したプレイヤーのコストゾーンに置かれる。


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第八十二話「黒き高位魔術師VS二色の眼の逆鱗龍」

遊戯LP3200→200

 

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンの攻撃が遊戯のライフを大きく削った。

 

 

 

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン

エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター

ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

【Pスケール:青4/赤4】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。

デッキからPモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

ドラゴン族レベル7モンスター×2

レベル7がP召喚可能な場合にエクストラデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。

(1):このカードがXモンスターを素材としてX召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドのレベル7以下のモンスターを全て破壊し、

破壊した数×1000ダメージを相手に与える。

このターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に3回攻撃できる。

(2):モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、このカードを自分のPゾーンに置く。

 

 

 

「ク…手札から冥府の使者ゴーズの効果発動!」

 

 

 

冥府の使者ゴーズ

効果モンスター

星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500

自分フィールド上にカードが存在しない場合、

相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。

●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」

(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。

このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。

●カードの効果によるダメージの場合、

受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「ゴーズとカイエンを特殊召喚!」

「ダメージを受けてもただではやられない。さすがですね。俺はターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 ■      ■ 遊矢LP4000 手札1 コスト2

 ○○●○○ ■

 

■ ○●●○○

 □      □ 遊戯LP200 手札3 コスト1

  □□■□□

 

 

「僕のターン、ドロー!僕もアクションマジックを使わせてもらうよ!」

 

そういうと遊戯はすでに視界にとらえていたアクションカードめがけて走る。そしてそれを拾うと発動させた。

 

「アクションマジック 聖なる晩餐を発動!僕の手札を3枚までコストゾーンに置くことが出来る!僕は二枚の手札 バスター・ブレイダーと破壊竜ガンドラをコストゾーンに置く!」

 

 

 

バスター・ブレイダー

効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2600/守2300

(1):このカードの攻撃力は、相手のフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。

 

 

破壊竜ガンドラ

効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

このカードは特殊召喚できない。

自分のメインフェイズ時にライフポイントを半分払って発動できる。

このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊しゲームから除外する。

さらに、このカードの攻撃力は、この効果で破壊したカードの数×300ポイントアップする。

このカードが召喚・反転召喚したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地へ送る。

 

 

 

「コストゾーンを増やした!?」

「コストゾーンに置かれた奇跡の晩餐はベースカード、よってコムニオ召喚が可能!」

「遊戯さんもコムニオ召喚を使うのか!?」

「奇跡の晩餐をベースにバスター・ブレイダーと破壊竜ガンドラのイエローラクリマ2個でリクリエイト!」

 

 

 

空中に奇跡の晩餐を中心としてバスター・ブレイダーとガンドラが出現する。2枚のモンスターカードからクリスタルのような黄色いエネルギー体が現れ、カードの絵柄が消えたのち、バスター・ブレイダーとガンドラのカードは裏側になる。そして黄色いエネルギー体は奇跡の晩餐に吸収されとてつもないエネルギーを溢れ出す。

 

「コムニオ召喚!クラス3 αβ(アルファベーター) B ブラック・マジシャン・コムニオ!!」

 

闇遊戯が遺していったコムニオモンスター ブラック・マジシャン・コムニオが遊戯の場に姿を現した。

 

「これが遊戯さんのコムニオモンスター!」

「コムニオ召喚に使われたベースカードは手札に戻る。」

「またアクションマジックを使えるってことか!」

「アクションマジックだけじゃない!僕はさらにこの先を行く!君のコストゾーンの表側になっているカードの枚数が僕のコストゾーンの表側になっているカードの枚数よりも多い時、僕はネクスト・クラス・チェーン出来る!」

「ネクスト・クラス・チェーン!?」

「αβをαβN(アルファベーターネクスト)に強化するのさ!君のコストゾーンに表側になっているカードは2、僕は1、よってネクスト・クラス・チェーン!ブラック・マジシャン・コムニオをコストゾーンに送り、エクストラデッキからαβN B ブラック・ウィザード・コムニオを召喚!!」

 

ブラック・マジシャン・コムニオはブラック・ウィザード・コムニオへと進化し、効果を発動する。

 

「ブラック・ウィザード・コムニオの効果発動!手札のベースカードを1枚捨てることでフィールドに存在するカードを1枚選択し破壊する。僕はオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを選択!」

 

ブラック・ウィザード・コムニオの杖から放たれた光線はオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを粉砕しようとする。それに応じて遊矢はアクションカードめがけて走る。

 

「何とかこのターンを凌いで次の俺のターンにオッドアイズ・リベリオン・ドラゴンをペンデュラム召喚出来れば攻撃力2800のブラック・ウィザード・コムニオを破壊できる!絶対に掴んでみせる!!」

 

遊矢はアクションカードに手を伸ばし掴むとそのままデュエルディスクを通して発動させた。

 

「アクションマジック 鏡面の晩餐!フィールドのモンスター1体を対象として発動でき、そのモンスターはカードの効果では破壊されない!ブラック・ウィザード・コムニオの効果は無効だ!」

「それはどうかな?」

「何!?」

「カウンター罠発動!マジック・ドレイン!」

 

 

 

マジック・ドレイン

カウンター罠

相手が魔法カードを発動した時に発動する事ができる。

相手は手札から魔法カード1枚を捨ててこのカードの効果を無効にする事ができる。

捨てなかった場合、相手の魔法カードの発動を無効にし破壊する。

 

 

 

遊戯はマジック・ドレインの効果でアクションマジック 鏡面の晩餐の効果を無効にすることでブラック・ウィザード・コムニオのオッドアイズ・リベリオン・ドラゴン破壊を通そうとする。遊矢の手札のカードは魔法ではないが、新たなアクションマジックを拾うことが出来ればマジック・ドレインを無効にすることが出来る。遊矢は再び別のアクションカードを見つけた。それに向かって限界に近い体を無理に動かす。それに気が付いた遊戯も同じアクションカードをめがけ駆ける。ネクスト・クラス・チェーンはまでは完成したが、闇遊戯は更なるその先 ハイ・クラス・チェーンに達することが出来た。遊戯はまだその境地に達しておらず、このレクシブ時空で少しでも近づくことを目的としていた。「もう一人の僕、君みたいな誇り高き決闘者(デュエリスト)に僕もなるよ。だから見守ってて!」遊戯はそれを思いながらアクションカードに手を伸ばす。すぐ真横で遊矢も手を伸ばしていた。ほぼ同時と言っていいタイミングで砂埃を上げつつその地点に二人は到着した。

 

「なんだ!どっちが手にしたのだ!?」

「遊矢か!?」

 

ランサーズ控室で権現坂とセレナは手に拳を作りながら遊矢の勝利を願っていた。

 

「勝負あったな。」

 

一方の零児は勝利を確信する。

 

「武藤遊戯の勝利だ。」

 

アクションカードを手にしたのは遊戯。よって覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンは破壊された。その後、冥府の使者ゴーズとブラック・ウィザード・コムニオの攻撃で遊矢は敗北した。

 

遊矢LP4000→0

 

決闘(デュエル)が終わるとコートの中心で遊戯は倒れた遊矢に手を差し伸べる。

 

「大丈夫?」

「はい、すごい決闘でした。まだまだ俺のエンタメデュエルの幅が広がることが出来る そんな気がしました。」

「うん、遊矢君はもっと強くなると思うよ。でもそれには負けないよ。僕も目指している人がいる。僕だって強くなる!」

 

遊矢が掴んだ手を遊戯は引っ張り、遊矢は立ち上がる。その時の青空は今までの空よりもより透き通って見えた。

 

 

 

 

 

 

4回戦である月影VSレイブンの決闘中、零児は遊戯を控室に戻すことはせず、彼を連れて再び集中治療室に向かっていた。

 

「ねぇ僕も行っていいの?」

「えぇ。貴方の決闘を見た時からここまで勝ち上がってくることは予想していました。貴方はランサーズ入りするに相応しい。実は1次試験の決闘を見てからすぐにLDSの者に貴方専用のペンデュラムカードを作らせていたくらいです。」

「そんな…そこまで。」

「ランサーズの一人として何か知っていることがあれば情報を提供して頂きたい。ここです。」

 

エクスのいる部屋へ入った。本人はぐったりし、今は休んでいる。

 

「彼は大丈夫なの?」

「はい。何とか呼吸を整えた後、自白剤を投与しまだ記憶に残っている少しの事柄を吐かせました。」

「そんなひどいことを…!」

「他の決闘者たちが犠牲となりこの次元はアカデミア侵攻の危機にさらされている今、手段を選んでいる場合ではない!」

 

零児は少し声を荒げる。後ろについていた零羅は少しビクついた。

 

「失礼。そして得られた情報…というより単語ですが

『ピースキラーズ』

『ハイクラス』

の二つだけでした。」

「ピースキラーズだって!?」

「ご存じで?」

 

遊戯は大きくうなずきながらかつて十代が戦った敵であるということ、そしてその上部組織であったハイクラスの一人にクオリファイ家の者がいたことを伝えた。

 

「なるほど、つまりクオリファイの者が仕向けたものである可能性が高いと…。」

「うん、ピースキラーズは3人いたって聞いてるよ。もしかしたら他の組織の人も紛れているかもしれないけど…。」

「十分な情報です。ありがとうございます。では戻りましょうか。中島に決闘を見させてはいますが私の目で確認したい。」

 

零児の部屋に遊戯と零羅も一緒に入り液晶で戦況を確認する。月影のフィールドには黄昏の忍者-シンゲツが存在し、永続魔法 幻影忍法-朧手裏剣が発動している。

 

 

 

黄昏の忍者-シンゲツ

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1500/守 100

「黄昏の忍者-シンゲツ」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手は他の「忍者」モンスターを攻撃対象にできず、効果の対象にもできない。

(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され

墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「黄昏の忍者-シンゲツ」以外の

「忍者」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

月影はアクションフィールドを飛び交いあらゆる所に存在するアクションカードを見つけ出していた。幻影忍法-朧手裏剣の効果により手札に加わったカードを墓地に送ると相手に300ポイントのダメージが与えられる。レイブンはなすすべなく月影に14枚のアクションカードすべてを朧手裏剣にされ敗北した。

 

「月影…命令をしなければ手加減しないか。まぁいい、次の決闘だ。」

「はい、次の組み合わせの発表をお願いします、社長。」

 

中島に渡された紙を見ると零児は小さな溜息をつき、後ろにいたLDSの職員にコート修繕を担当する者に連絡をするよう伝え、その後マイクをとった。

 

「続いての5回戦はランサーズ 黒咲隼VS受験者 ティソナ!」




鏡面の晩餐
ベース・通常魔法
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはカードの効果では破壊されない。
(2):このカードが墓地へ送られる場合、墓地へは行かず
このカードを発動したプレイヤーのコストゾーンに置かれる。


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第八十三話「アカデミアか否か」

「戦いの殿堂に集いし決闘者(デュエリスト)たちが。」

「…。」

 

アクションフィールド コムニオン・ユニバースが展開されているフィールドでアクションデュエルの掛け声をティソナがはじめようとするも黒咲は応じようとしない。

 

「…まぁいい。」

「「決闘(デュエル)!」」

 

「先攻はもらった!俺は手札からRR(レイド・ラプターズ)-トリビュート・レイニアスを召喚!」

 

 

 

RR-トリビュート・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守 400

「RR-トリビュート・レイニアス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに発動できる。

デッキから「RR」カード1枚を墓地へ送る。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンの自分メインフェイズ2に発動できる。

デッキから「RUM」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「RR」モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

 

「効果発動!デッキからミミクリー・レイニアスを墓地へ送りその効果を発動!」

 

 

 

RR-ミミクリー・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1100/守1900

「RR-ミミクリー・レイニアス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。

自分フィールドの全ての「RR」モンスターのレベルを1つ上げる。

(2):このカードが墓地へ送られたターンの自分メインフェイズに、

墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「RR-ミミクリー・レイニアス」以外の「RR」カード1枚を手札に加える。

 

 

 

「ミミクリー・レイニアスを除外し、ファジー・レイニアスを手札に加え特殊召喚!」

 

 

 

RR-ファジー・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻 500/守1500

「RR-ファジー・レイニアス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、

このカードの効果を発動するターン、自分は「RR」モンスターしか特殊召喚できない。

(1):自分フィールドに「RR-ファジー・レイニアス」以外の

「RR」モンスターが存在する場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「RR-ファジー・レイニアス」1体を手札に加える。

 

 

 

「レベル4のモンスターが二体…。」

「レベル4のトリビュート・レイニアスとファジー・レイニアスでオーバーレイ!冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!RR-フォース・ストリクス!」

 

 

 

RR-フォース・ストリクス

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

レベル4モンスター×2

(1):このカードの攻撃力・守備力は、

このカード以外の自分フィールドの鳥獣族モンスターの数×500アップする。

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

フォース・ストリクスが守備表示でエクシーズ召喚された。黒咲はフォース・ストリクスの効果を発動する。

 

「オーバーレイユニットを一つ取り除きデッキからバニシング・レイニアスを手札に加える。」

 

 

 

RR-バニシング・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1300/守1600

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの

自分メインフェイズに1度だけ発動できる。

手札からレベル4以下の「RR」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「さらにオーバーレイユニットとして墓地へ送られたファジー・レイニアスの効果で二体目のファジー・レイニアスを手札に加える!ターンエンドだ!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 黒咲LP4000 手札6

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ティソナLP4000 手札5

  □□□□□

 

 

「私のターン、ドロー!私はF・HERO(フィクションヒーロー) フェードレイを召喚!フェードレイは相手フィールド上の闇属性モンスターと同じ攻撃力 守備力を得る。」

「フォース・ストリクスの攻撃力は100。フォース・ストリクスの守備力は2000。敵わないぞ。」

「わかっている。装備魔法 フェード・ガンをフェードレイに装備。この効果によってフェードレイの攻守は反転し、戦闘を行った後ダメージが互いに発生しない場合、相手フィールド上に存在するカードを1枚選択し破壊できる。」

「なに!?」

「バトル!フォース・ストリクスを攻撃!」

 

攻撃力2000となったフェードレイと守備力2000のフォース・ストリクスではどちらも破壊されず、ダメージは発生しない。しかしフェード・ガンの効果によりフォース・ストリクスは破壊された。

 

「カードを二枚セットしターンエンド!」

 

 

  □□□□□

 □      □ 黒咲LP4000 手札6

  ○○○○○ ■

 

■ ○○●○○

 □      □ ティソナLP4000 手札2

  □■■■□

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はバニシング・レイニアスを召喚!さらに効果発動!手札からRR-インペイル・レイニアスを召喚!」

 

 

 

RR-インペイル・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守1000

「RR-インペイル・レイニアス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ、

フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを表側守備表示にする。

(2):このカードが攻撃したターンの自分メインフェイズ2に、

自分の墓地の「RR」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「インペイル・レイニアスの効果発動!フェードレイを守備表示にする!バトルだ!バニシング・レイニアスで守備表示のフェードレイを攻撃!」

 

少しでも大きなダメージを与えるためにバニシング・レイニアスでフェードレイを破壊する。いとも簡単に破壊されるが、フェードレイが装備していたフェード・ガンが墓地に送られた際の効果が発動する。

 

「効果発動!デッキから魔法カード 融合を手札に加える!」

 

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

 

「融合だと!?」

「? ターンを続けろ。」

「貴様まさか…。」

「どうした?早くターンを続けてもらおう。」

「…インペイル・レイニアスの効果発動!墓地のトリビュート・レイニアスを特殊召喚!そして効果により墓地へ罠カード RR-レディネスを墓地へ送る。」

 

 

 

RR-レディネス

通常罠

(1):このターン、自分フィールドの「RR」モンスターは戦闘では破壊されない。

(2):自分の墓地に「RR」モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。

このターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。

 

 

 

「レベル4のバニシング・レイニアス、インペイル・レイニアス、トリビュート・レイニアスでオーバーレイ!雌伏のハヤブサよ。逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!」

 

 

 

RR-ライズ・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

鳥獣族レベル4モンスター×3

(1):このカードは特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。

このカードの攻撃力は、対象のモンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

黒咲のエースカード ライズ・ファルコンがフィールド上に現れた。ティソナは迫力ある登場に動じない。

 

「カードを二枚セットしターンエンド!貴様がアカデミアか見極めてやる。」

 

 

  □■■□□

 □      □ 黒咲LP4000 手札3

  ○○●○○ ■

 

■ ○○○○○

 □      □ ティソナLP4000 手札3

  □■■□□

 

 

「アカデミア?まぁいい、私のターン、ドロー!私は永続罠 リビングデッドの呼び声を発動!」

 

 

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

 

 

「フェードレイを特殊召喚!効果によりライズ・ファルコンと同じスペックを持つ。そして魔法カード 融合を発動!フィールドの闇属性フェードレイと手札の光属性ファーストレイ、地属性フェレットレイで融合!融合召喚!現れ出でよ F・HERO ハウリングレイ!」

 

ハウリングレイの効果によりまたもやライズ・ファルコンのスペックをコピーする。

 

「ハウリングレイは戦闘では破壊されない!バトルだ!ハウリングレイでライズ・ファルコンを攻撃!」

 

攻撃宣言に際し黒咲はライズ・ファルコンに乗るとアクションカードめがけて飛んでいき、あっという間にカードをとって発動する。

 

「アクションマジック 回避する晩餐を発動!相手モンスターの戦闘を無効に…」

「リバース速攻魔法発動!フィクション・エンド!相手がバトルフェイズ中に発動したカード効果を無効にし、フィールド上に存在するF・HEROの攻撃力を自身のレベル×500ポイントアップさせる!」

「なんだと!?」

「回避する晩餐は無効となり、ハウリングレイのレベルである8×500が加算、よって4100の攻撃力!」

「く…!」

 

攻撃表示のライズ・ファルコンが4100のモンスターに攻撃されればそこで決闘はティソナの勝利となる。

 

「終わりだ!!」

 

ライズ・ファルコンに乗っている黒咲にハウリングレイの攻撃が直撃したかに見えたがすぐさまそこから黒咲は飛び降りる。

 

「墓地のレディネスの効果によりダメージをゼロにする!」

「そんな効果が…!?」

「さらにリバースカード発動!速攻魔法 RUM(ランクアップマジック)-デス・ダブル・フォース!」

 

 

 

RUM-デス・ダブル・フォース

速攻魔法

(1):このターンに戦闘で破壊され自分の墓地へ送られた

「RR」Xモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターの倍のランクのXモンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

ライズ・ファルコンが黒咲の場に再び舞い戻る。

 

「ライズ・ファルコンでオーバーレイ!勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!飛翔しろ!ランク8、RR-サテライト・キャノン・ファルコン!」

 

 

 

RR-サテライト・キャノン・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク8/闇属性/鳥獣族/攻3000/守2000

鳥獣族レベル8モンスター×2

(1):このカードが「RR」モンスターを素材としてX召喚に成功した場合に発動できる。

相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

この効果の発動に対して相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):このカードのX素材を1つ取り除き、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力は自分の墓地の「RR」モンスターの数×800ダウンする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「ランク8のエクシーズモンスターだと…!」

「さぁ来い、貴様がアカデミアか見極めるにはまだ本気を出してもらわねばならない!」




F・HERO ハウリングレイ
融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻 ?/守 ?
「F・HERO」モンスター×3
このカードの融合素材となるモンスターはすべてが異なる属性でなくてはならない。
(1):このカードが融合召喚に成功した時、発動できる。相手フィールドに存在するモンスターの中で融合素材に使用したモンスターと同じ属性を持つモンスターを選択し、選択したモンスターと同じ攻撃力・守備力を得る。相手フィールド上に対象となることが出来るモンスターが存在しない場合、このカードの攻撃力と守備力は500となる。
(2):相手フィールド上にこのカードが融合素材にしたモンスターと同じ属性のモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。特殊召喚されたモンスターの攻撃力と守備力をこのモンスターの攻撃力と守備力にそれぞれ加える。
(3):このモンスターは戦闘では破壊されない。


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