新たな歩み〜英雄の力を手に入れし者〜 (オウトモ)
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0章 運命の始まり
プロローグ


 

二回目の人生ってどう思う?

 

最高、勝ち組、チート、素晴らしいもの。

みんな答えは違うと思う。でも、

みんな良いものだって思うんじゃないかな?

 

まぁ、それは至極当然だと思う。生まれた瞬間これからゆっくり習っていくものがすでに身についている。人生に選択肢が増える。前世は平凡だった人も生まれ変われば天才だ。それはいいものだね。

 

じゃぁ、なんで俺がこんな話をしているか。

もうわかっているよね?

 

俺転生しました。

神の部屋に行ったとかはない。が、

俺は確かに死んだはずなんだ。

平凡な大学生で、どこにもいそうな超一般的な人。なにか人外的なものに覚醒するわけでもなく、実は・・・的なことも無く、ごくごく普通で平凡な暮らしをしていたよ。

 

特別じゃない。それは僕が一番わかってるはずなのに、次目覚めて子供になっていた時、なんで俺なの?って思ったよ。

 

死んだら生き返らない。

0×1が0のように。

 

失ったものは戻らない。

1-1が0のように。

 

俺たちは、現実(リアル)なんだ。幻想(非リア)じゃないよね?

 

だったらなんでここに俺がいるの?

0の状態で1なのか?ありえない。

0から勝手に1になったの?

それもまたありえない。

ならなんで?

死というものを抱えて生きるということは、自然数に0が入ってしまっているんじゃないかな?そんなことはあってはならないよね?すぐに、跳ねられるべきだ。

そう。

俺は、存在しちゃいけない存在なのだ。

『こんな存在は周りに害をなす』

これは生きているときに言われた言葉。

なんで言われたのかは今でもわからない。別にいじめられてたわけじゃないし。

でも、今の俺にはこの言葉がぴったりだ。

 

『じゃぁ、死ね』

そういうだろう。

それへの返答は、

『NO』だ。

死にたくない。あんな暗闇。ただ落ちていくようなところへ行きたくない。音もない。恐怖もない。そんな死というイメージを具現化させたような世界。

そして、

死にたい奴なんていないのだから。

 

だから、俺は高望みをしない。つまらない、普通、平凡。そんな毎日で構わない。

俺はただ生きているだけで幸せだから・・・

 

これが俺の願い。望み。願望。転生した兵藤悟空という少年の渇望だった。

 

 

「イッセーくーん。あーそーぼー」

「ゴーくーん起きてー」

騒がしい2つの声に、俺の意識が目覚める。

時計を確認すると、幼馴染の少女たちがいつも来るような時間だった。

『いそげー。ころされるー』

隣の部屋から聞こえる恐怖に満ちた声。恐らく、いや確実に双子の一誠だ。

昨日のうちに準備しておかないから・・・

と思いつつ、俺は階段を下りながら、一誠の方の客人に声をかける。

「紫藤。ごめん!イッセーまだ時間かかりそうやから、リビングにでも入って待っとってくれん?」

「りょーかーい」

 

元気な声を響かせて、玄関のドアが開かれる。部屋にいる一斉に声をかけ、俺は家を後にする。

「いっせー。俺は行くから、リビングに入れといたぞー」

「わ、悪い兄貴。俺ももう行く」

「そうかい、じゃ、行ってきまーす」

そういって、ドアを開けるとそこには、黒髪を後ろで一つにまとめた少女がいた。

「おはよう。姫島さん」

「もう、朱乃でいいって言ってるのに・・・」

頬を膨らませて行ってくる。俺は、それを無視して歩き出す。

「まってよー」

それに、泣きながらついてくる姫島なのであった。

 




どうでしょうか?
感想等お願いします。


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これが罰

キャラ崩壊するかも?


俺たちは、ふざけながら、朱乃の家である神社に向かっていった。

「ゴー君今日もごはん食べてってね~」

階段を上っているときに言われた。

姫島とは、迷子になっているところを案内してあげたら、懐かれた。

ただそれだけなんだが、朱璃さん(母親)が、優しくしてくれてたまに夕飯までお世話になっているんだが・・・

「さすがに、一週間に三回も食べに行くのは悪いよ」

そう。ここ最近やけに多いのだ。朱璃さんに何かあったのか聞いても、『あらあら、うふふ。朱乃のことをよろしくね?』

としか言われないのだ。

「そ、そんなこと・・・」

姫島が口ごもっていると、上から声がした。

「ダメじゃない朱乃。ゴー君にも迷惑ですよ?」

姫島が、大人になったらこんなにスタイルが良くなるのか・・・

そう思わざるを得ない最高のスタイルなのだ。しかも顔も整っていると来た。はじめて会ったときは、思わず目を奪われてしまった。

そんな朱璃さんに、挨拶を軽くする。

「おはようございます朱璃さん。今日もお邪魔します」

すると、姫島がいきなり朱璃さんのところに走って言って、こしょこしょと話をしていた。

とてつもなく気になった俺は、冗談っぽく朱璃さんに聞く。

「何話してたんですか?」

「それはね・・・」

「お母さん!言っちゃダメ」

悪そうに笑って言おうとした朱璃さんを怒る姫島。

「「ははははは」」

俺と朱璃さんは大きな声で笑うのであった。

 

 

「うーん・・・これだ!!あっ!ジョー・・・ゴホンゴホン。何もない」

今三人でババ抜きをしている。朱璃さんからババを取ったらしい。

「ぷぷ!姫島分かりやすすぎ」

俺が、からかうと姫島は頬をプクーっと膨らませて次はゴー君の番!とばかりにカードを突き出してくる。

スッ

俺は姫島から取ったカードと、持っていたカードを照らし合わせて確認する。

「よし。あーがり」

手札がなくなった。

その後、顔に出てしまう姫島と大人げない朱璃さんのババ抜きを眺めている俺なのであった。

 

 

「じゃぁ、俺はこれで」

ドアを開け家を出ようとしたとき、

「お邪魔しまし「いたぞ」・・・した?」

大人の男の声が聞こえた。

「忌まわしき堕天使の血を継し姫島の汚点よ」

先頭に立つ男が鈴を鳴らして俺の目の前に立つ。

「貴様は何者だ・・・まぁいい。朱璃よ。貴様とこうして合うのは貴様が姫島家を捨てたあの日以来か?」

「おいおい、無視してくれんなよ。御託はいいから、さっさと要件言えやこら」

『忌まわしき堕天使の血を継し姫島の汚点よ』そう言われたのがなんとなく姫島のものだと思いきれる俺。

「おい小僧調子に乗るなよ。まぁいい。我々の目的はそこの娘を殺すことだ」

笑いながら、余裕だ。当たり前だ。と言わんばかりに言い張る。

が、それは間違いだった。

「誰を殺すって?誰が?ダレヲ?ダレニキョカヲエタ?シヌッテコトヲワカッテイッテンノカ?フザケルナヨ?フザッケルナァァァァァ」

「「ゴー君?」」

この時俺の意識は加速し、心の中で誰かに話しかけられていた。

 

『守りてぇか?』

「お前は誰だ」

『そんなこと今はけんけぇねーだろぉー』

「そうか、あぁ、守りたい」

『そーか。じゃぁ、おらが力を貸してやる。がんばれ!』

「あぁ」

 

「最後に確認だ。お前等の目的は?」

正気を取り戻した俺は目の前の男に聞く。

「姫島朱乃の、抹殺だ」

「そうか、俺は、俺は怒ったぞぉぉぉぉ!!」

バヒュン

と、大きな音が鳴り、俺の体を白い炎のようなものが包む。

「『おめぇらは、もうゆるさねぇ!』」

俺の声が何かとかぶる。そして、その威圧で俺の目の前の男以外の者が、気絶した。

その瞬間俺の頭に何かが流れこんでくる。

腰に手持っていき、感覚のままに形を作り叫ぶ。

「『かぁ~めぇ~はぁ~めぇ~はぁ!!』」

その瞬間青い気の塊のようなものが、出て目の前の奴らを吹き飛ばした。

その時、目の前の奴の返り血が、俺の肩と手、後ろの朱璃さんの胸にかかる。

そして、

ヒュン

何かが飛翔してきて俺のお腹に突き刺さる。

「ごはぁ」

血が噴き出す。俺は足も手も使いその場から離れた。

 

 

ザ―――――――

雨が降っている。俺はお腹の怪我のせいでそろそろ意識が危うくなってきた。

その時、俺の視界になにかが目に入った。

俺はそれが濡れてはいけないものと思ったのか、それらを手に取り、雨に濡れないように身体で守り、その安心からか意識を失った。

 

あぁ、死ぬのか。

まぁ、もう死んでいたんだ。

これは罰だ。そうなんだ。

それでも、最後に何かを救えたかもしれない。

それだけで勝手に満足していた。

 



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新しい仲間?

こんかいのは、いつもに増してひどいです。温かい目で見守ってください。


『おきろー』

意識がなくなった後、俺はさっき助けてもらった誰かに、話しかけられていた。

「なんだ?」

『おめぇ、死んだと思ったのによぉ、あの猫たちが助けてくれたおかげでいきてっぞ』

驚きを隠せないように言ってくる。後半少しうれしそうだった。

もはや驚く気量すら残っていなかった俺は冷静に聞く。

「そうなのか。で、お前は誰なんだ?」

『オラ悟空。おめぇに宿ったサイヤ人だ。詳しいことはオラにもわかんねぇから、聞くんじゃねぇぞ?』

自分でもよくわかっていないようだった。

「わかった。じゃぁ、これからもよろしくな。俺は兵藤 悟空」

これから頑張ろうな!という言葉を聞いたのを最後に、俺の意識は覚醒した。

 

 

「ここは?」

目が覚めた。そこはただ雨を防ぐことしかできないような場所だった。でも、ここまで俺を運ぶことをただの猫ができるはずがない。そう思った瞬間、

「起きたにゃ」

黒い猫耳の少女から声がかかった。その少女は、おそらく俺のことを手当てしてくれたんだろうが、当の本人が傷だらけだった。そして、隣の白ネコもペタンと力なく倒れていた。

「助けてくれてありがとう・・・でも今はそれどころじゃないだろ?とりあえず俺の家に行くぞ」

心配で気づいたらそう言っていた。

「でも・・・」

心配そうに言ってきた。俺のことが信用できないのだろう。

「大丈夫。今の俺じゃ君に勝てない」

実際そうなんだがこういうことでしか安心させてあげられないと思った。

「そう・・・にゃ?」

パタ

その少女は猫の姿になり力なく倒れた。

俺はその二匹を抱え、家へと走った。痛むはずのお腹が痛まなかった。

どれだけ無理をしてくれたんだ・・・

と、不安になる俺なのであった。

 

 

「ただいまー」

いつもより小さな力ない声で帰宅の合図を唱える。

「ゴー君遅い!」

「兄貴遅いぞ」

お母さんと、一誠に注意されるが、今は無理と手を振り風呂へと向かう。

じゃーーーー

俺は、洗い終わった猫たちについた泡を落としている。

洗うと、その猫たちは普通の汚れではなかったことが分かる。

少し傷があった。こんなのは普通にしていてできる怪我じゃなかった。

大変だったんだな。

そう思いながら、流していた。

 

あの後、両親にこっぴどく叱られ、疲れた俺は、皿と牛乳をもって自分の部屋に向かった。

部屋に入るとそこには、地面で寝てしまっている猫たちがいた。俺はその猫たちを抱きかかえ、ベッドに連れて一緒に入りあったかくして寝た。

 

 

重い。

今意識が覚醒したのだが、左腕がやけに重いそっと目を開けるとそこには、俺にしがみつく白髪の少女と、俺の左手を枕にしている黒髪の少女がいた。

「にゃー」

「にゃー」

新しいペット(家族)が増えた瞬間だった。

 




ね、ねむい


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