軌跡ヲナゾル猥手 (四十八手)
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軌跡世界に転生

気晴らしに頭を空っぽにして考えた設定で書いてみました。
人により胸糞な展開を含みますので閲覧される場合はご注意ください。


 そこかしこに植えられた木々に咲き乱れる白い花に彩られた街並みを見回し、長い列車旅で凝り固まった体をほぐすようにうんと背伸びをする。

 エレボニア帝国近郊都市トリスタ、街路を行き交う人々にはこの街に開設されこの日入学式を迎えるトールズ士官学院に入学する制服姿の新入生達の姿が多く見受けられる。

 

 いいね、いかにも入学式って日和だ。

 記憶に懐かしい桜の花ではないが俺の中では入学式というのはやっぱりこう春の鮮やかな花咲く季節というのが定番だ、他の生徒達もそうだろうが新しい学院生活というのは胸をわくわくさせる魅力がある。

 

 まだ学校教育というものが普及しきっていないこの世界でもやはりそこは同じらしい、比較するような学院生活観を持ち合わせているのなんて俺ぐらいのものだろうが。

 頭に思い浮かぶのはこの世界とはまるで常識も世界観も異なる、暦は西暦の地球、二十一世紀の日本という国の記憶だ。

 

 人に話せば頭の病気を疑われるだろうが俺にはこの世界と全く異なる世界で生まれ暮らした記憶がある、前世ということになるんだろうか、しかもこの世界はその前世で好きだった軌跡シリーズというゲームの設定と寸分たがわぬ世界だったのだ。

 前世の記憶で最後に残っているのは二十代会社員生活二年目、スーパーから一人暮らしのアパートに帰る途中、赤信号を無視して突っ込んできた軽トラック――を命からがら避けたところに立体駐車場の三階から壁を突き破って降ってきた大型トラックのフロントボディ。

 

 体がぐしゃっと潰れる感覚、なんてのも残らないぐらい一瞬で逝ったらしいがこの世界でその記憶を思い出したときは流石に身震いした。

 とはいえ悪いことばかりでもなかった、前世で死んでからこの世界に生まれ変わるまでの間――そういうことがあった、ということしか覚えていないのだが俺はある存在と取引をしていたのだ。

 

 いや取引なんて呼べるものじゃない、あれにとって俺に起こった転生劇はお遊びか気まぐれみたいなものだったんだろう、一歩間違えば埃を噴くように俺と言う存在は握り潰されていた、そんな確信だけがある。

 だが異世界、それもゲームの世界に転生するなんて千載一遇の機会にいわゆる軽いオタク系だった俺は叶うわけがないと理解しながら秘めていた願いをぶちまけずにはいられなかったのだ。

 賭けに勝ち、俺はある力をこの世界に生まれ持つことが出来た、それは――

 

「きゃっ」

 

「おっと」

 

 背中に誰かがぶつかりその誰かが倒れてしまう、より早く振り返った俺はぶつかってきた人物の背に手を回して抱き止めた。

 腕に軽めの体重がかかり、抱き止めた人物、赤い制服に身を包んだ少女の長い金髪がふわりと揺れた。

 アーモンド形に整った形の瞳がぶつかってしまったことと抱き止められたことの驚きにぱちぱちとまばたきしている。

 

「大丈夫?」

 

「え、ええ、ありがとう……ごめんなさい、つい街並みに見とれちゃってたみたい」

 

 体勢に気づいて恥ずかしくなったのか顔を赤くしながら少女はすぐに身を起こす。

 

「俺もそうだよ、立ち止まっててこちらこそすまなかった」

 

「ふふ、随分いいところみたい……ね?」

 

 俺の顔を見ると顔をきょとんとさせてしまった少女に意識してにこりと笑いかけながら声をかける。

 

「久しぶりだな、アリサ」

 

「あなた……リィン!?」

 

 笑いかけた瞬間、少女ことアリサは顔を赤くして俺のことを思い出したようだ。

 彼女、アリサ・ラインフォルトは幼い頃に俺の生まれ故郷、ユミルを訪れたことがあり、雪山に迷い込んでしまった彼女を連れ帰ったことがあった。

 

 そして彼女が呼んだリィンという名、俺と言う存在が塗りつぶしてしまった存在に少し苦いものを感じる。

 憑依とでも言うんだろうか、この世界に本来あるべきだったリィン・シュバルツァーという人物は転生した俺に成り代わられてしまっていた。

 

 立場容姿こそ受け継ぎ、いや奪い取ってしまったものの魅力あるこの世界の人物の一人をある意味消し去ってしまったことには後悔がある。

 ……けどまあやっちまったもんは仕方がない、リィンという存在が持つ力は俺のもう一つ望みを叶えるのにこの上ない好条件でもあったし。

 

「そうだよ、その制服、アリサもトールズに入学するんだな。それにしても」

 

「……?」

 

「昔から可愛かったけど、すごく綺麗になったなアリサ、驚いたよ」

 

「――――っ!」

 

 再開の感想を率直に告げるとアリサはただでさえ赤くなっていた顔を林檎のように真っ赤にして口をパクパクとさせていた。

 よし、掴みは上々のようだ。

 その反応から () () ()がしっかりと効いているようなのを確信して頭の中で俺はガッツポーズをしていた。

 

 俺というリィン・シュバルツァーには本来のリィンと異なる点がある。

 まず閃の軌跡というゲーム中での知識から完全ではないがリィンという人物に秘められた力――鬼の力と呼ばれるものを知覚しており、この世界の武における頂点に近い人物、ユン・カーファイに師事する機会に恵まれることも理解していたため幼年時代からその力を使いこなすための鍛錬に励むことができた。

 

 前の世界の常識からすれば馬鹿げているが漫画のような世界そのものの境地に達することができるこの世界での修練は辛い修行を乗り越えるだけの根気を俺に与えてくれた。

 加えてこの容姿には本来リィンには存在しなかった、瞳の下に泣き黒子がある。

 これ自体はあくまで参考にした能力の象徴でしかないが、俺の願いを元に備えられた能力の正体は。

 

「もう……バカ、でも、また会えて嬉しいわ、リィン」

 

 瞳を潤ませてこちらを見上げるアリサ、本来幼少の頃出会った記憶は忘れていてもおかしくないが、目の前の彼女はそれどころかすっかり再会に感動した様子でじっと俺を見つめ、更には恋する乙女のように頬を染めて眉尻を緩めている。

 それもこれも転生する際に得た能力のお陰である。

 

 女性に対しての強力無比な魅了効果、さらに因果律に干渉し色事限定で都合の良い展開を形成することができる能力。

 うん、下心と浅ましさしか無い能力です。

 

 だがそれがどうした、俺は憧れのゲームのキャラ達と触れ合いイチャコラくんずほぐれつとしたかったのだ、それが出来るチャンスには手を伸ばさずにいられなかったのだ。

 それだけに特化したがために身体スペックとかには手が加えられていないがリィンならばそこはどうにかなる見込みは十分にあるし。

 

 下手にあれこれ高望みして転生が無しになっても嫌だし、いやこの能力だけでもう十分原作ブレイクですけどね。

 ともあれその能力で目を付けていたヒロインの一人であるアリサはもうすっかり惚れてくれている様子だ。

 知ってはいたけど年頃に成長した彼女はとても可愛く魅力的に育ち、こうして見つめ合っているだけでぐっとくるものがある。

 

 そんな内心を表に出さないよう小さい頃から練習したポーカーフェイスで隠してポーっとした様子のアリサに声をかける。

 

「これから入学式に行くんだよな、良かったら一緒に行かないか?」

 

「うん! もちろん構わないわ」

 

 表情を弾ませるアリサの笑顔の愛らしさににやけそうになるのを我慢しながら彼女と揃って今しがた出てきた駅から正面、坂の上にあるトールズ士官学院まで向かうことにした。

 

 

  *

 

 

 入学式で起こる事の流れは細かなやり取りこそおぼろげながら覚えていることだ。

 正門でロリ生徒会長ことトワ・ハーシェル先輩と太っちょ黄色ツナギのジョルジュ先輩に迎えられ持ち込み指示された得物を渡す。

 

 名前の確認でラインフォルトというファミリーネームを呼ばれアリサが慌てていたが原作リィンはともかく俺はそんなこととっくに知っていたので事なきを得た。

 ヴァンダイク学院長の式辞は実にありがたいものだったが、それよりも俺は学院教官の列に並んでいる深い赤、ワインレッドの髪を後ろで束ねたサラ・バレスタイン教官の方に興味を奪われていた。

 

 うん、やっぱりサラ教官はイイ、出るとこ出て引っ込むところは引っ込んだ体つきしただらしない性格のお姉さんとか最高だ、それも抜群の美人ときている。

 俺が転生したことで変な影響が発生して 《Ⅶ組》入りがふいになりはしないかと正直不安だったが、修行の成果は表に出ないようにしていた甲斐あってか入学式前に届いた制服は赤の色をしていた。

 

 それにしてもやっぱりサラ教官の格好はエロいな、胸元の谷間とか短いスカートとタイツの間の太腿とか、ガン見したいぐらいで気づかれないようにするのに一苦労だ。

 そんな不謹慎なことを考えてる間に入学式の式典は終わり、事前に指定されたクラスに向かう白制服の貴族生徒、緑制服の平民生徒に取り残された赤い制服の俺を含めた九人の生徒はサラ教官の号令の下、特別オリエンテーリングへ向かわされることになる――

 

 転生しこの世界で二度目の生を得てから十七年余り、ついにこの日がやってきた。

 何しろ第二の人生なんて超体験だ、不安はある、だが出来る限りの準備はしてきた、俺の望みを満たすためにもやってやろうじゃないか!



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アリサとの一夜

エロ文章書くのは初めてですが難しいっすね。
エロい文章ってどんなんでしょうか、まあ初回ということで軽く。


 第三学生寮の自室で荷物整理を終わらせてやっと一息つけた、他の皆も同じようなもんだろう。

 今年度から発足の特化クラス《Ⅶ組》、そこに集められた生徒達は良くも悪くも一癖ある人間ばかりだ。

 

 他のクラスと違い身分に関係なく生徒が在籍するとのサラ教官による説明にいきなり不満をぶちまけた帝都知事の息子ことマキアス。

 貴族を嫌うマキアスの事情も本当の人柄も知っているから微笑ましいぐらいの気持ちで見守っていたが帝国貴族の中の貴族、ユーシスとの一悶着は流石に口を出すべきか迷った。

 

 もちろん俺はヒロインズ以外のⅦ組メンバーも大好きだ、二人だけじゃなくエリオット、ガイウスも本当にいい奴で直接会えた今日は感動の連続だった。

 マキアスやユーシスとも出来れば早く仲良くしたいもんだが……難しいかな。

 

 旧校舎地下ダンジョンでの特別オリエンテーリングはまあおおよそ原作通りの流れで終えることができた。

 ガーゴイルなんかはその気になれば一人でもやれたが念のためメンバーが揃って戦術リンクが発動するのを確認してから仕留めている。

 

 ラウラやフィー、特にサラ教官辺りには怪しまれたかもしれないが皆にも場数を踏んでもらわないと今後困るだろうし。

 今後の課題は山ほどあるがさしあたって今は――

 

 

  *

 

 

「ん……」

 

 ベッドの端、隣に腰かけ瞳を閉じたアリサの後ろ腰へ手を回し抱き寄せて唇を合わせる。

 その柔らかな感触に、唇からアリサの緊張が熱となって伝わってくるかのような錯覚を覚えるほど興奮してしまう。

 

 魅了済みのアリサは夜更けの部屋への誘いも、キスも拒まず受け入れていた。

 初日から急ぎすぎかとも考えたが十年以上もこの時を待ち続けていたのでもう我慢できない、元々俺の第一目標は好みのヒロインハーレムだしな。

 

 当然キスだけで終わらせるつもりなんか毛頭無い、舌を伸ばしてアリサの唇へ触れさせると、魅了を受けているとはいえ性知識は浅い彼女は腕の中でビクりと震えた。

 せっつくように舌先でノックした唇がやがておそるおそるといった様子で緩むのを確認して口内へと舌を挿し入れていく。

 

「んんっ!? ――ん、ちゅく、んーーっ!」

 

 俺の舌が口の中へ滑り込んできたことに驚いているようだったが抵抗が無いのを幸いに、そのまま伸ばした舌でアリサの舌を捏ねるように絡ませていく。

 

「んん――ふぅ――ぢゅ、ちゅ――はぁ、んっ! ちゅ!」

 

 ぬめりを帯びほんの少しざらりとした表面と裏のツルりとした舌触りを味わいながらアリサの口内を堪能していく。

 舌で口腔を撫でられ時折腕の中でピクピクと小動物のように震えて反応を示す姿が愛おしかった。

 

 美少女と舌を交えるこの行為に興奮がどんどん高まっていくのを感じていたが、慣れないディープキスでアリサが上手く呼吸できずにいるのを察した頃合いに名残惜しくも唇を離す。

 そうして息を乱しながらアリサはきつく閉じていた瞼を開けるが、瞳は熱に浮かされたように焦点がずれ、定まっていない。

 

「はぁ……はぁ……キス、初めてだったのに、こんなに激しくするなんて……バカ」

 

「はは、ごめん、抑えきれなくて」

 

 消え入りそうな声でそう口にしたアリサの顔が真っ赤になっているのは口を長時間塞がれたことによる酸欠なんかじゃないだろう。

 乱暴なファーストキスにしてしまったことを詫びつつ、アリサを抱き寄せて耳元に口を寄せ囁く。

 

「アリサを抱きたい」

 

「――――」

 

 その言葉の意味が分からないほどアリサも初心(うぶ)ではない。

 耳打ちした位置から表情は見えないが、長い長い沈黙の後、彼女はコクンと小さな頷きを返してくれた。

 

 

 

 

 

 アリサの頼みで照明を落とした部屋は薄暗い。

 だが締め切っていないカーテンの隙間から差し込む月明かりが服を脱ぎ、ブラとショーツまでも脱いでベッドの上に仰向けになったアリサの白く眩しい裸身をうっすらと照らしていた。

 

 整った顔立ちは緊張と不安に強張っているが上気した頬は赤く染まり、キスの余韻で息も未だ息も微かに荒い。

 その吐息に合わせて上下する、程よく膨らんだ胸の膨らみに、その頂点でつんと上向いた桃色の小さな蕾。

 

 くびれた腰の下の臀部は形よく、無駄なく肉がつき雄の衝動をくすぐって止まない。

 理性を吹き飛ばしてしまいそうなその艶姿に否応なく俺は興奮させられていた。

 

「リ……リィン、そんなに見ないでよ」

 

「ごめん、アリサ、ちょっと無理そうだ」

 

「そんなこと言って……っ!」

 

 覆いかぶさるようにして眼下の肢体に見入っていた俺のある一点に目が向いた瞬間アリサは急に声を途切れさせる。

 アリサに合わせてこちらも既に服は下着にいたるまで脱ぎ捨て全裸になっている、当然こんな状況で男の象徴が反応せずにいられるわけもなく、股間では隆々と男寝が猛り勃っていた。

 

 パンパンに膨れ張り詰めた俺のモノを好奇と畏怖の入り交ざったような目で見ていたアリサは少ししてハッと我に返る。

 

「あっ――」

 

 アリサの両足をそれぞれ掴みぐっと開かせる、開帳させられた股座には薄紅色のワレメ、女性の最も秘めたる部位が覗いていた。

 大事なトコロを異性()に直視されアリサは顔を手で覆い隠し恥じ入ってしまう。

 

 そんな初々しい反応にこそばゆい気持ちにさせられつつ俺はそっと手を伸ばして秘肉の表面に触れていた。

 縦に膣口をなぞるように触れた指を滑らせるとアリサの体がピクンと跳ねるように震える。

 

 指先に感じる熱く湿った感触、魅了状態でのディープキスが発情に繋がったのか、アリサのソコは既に潤いを帯びていた。

 これなら――そう次の行動に移ろうとしたところで不意に上げた視線がいつの間にかこちらを見ていたアリサの瞳に合う。

 

 能力に影響されたとはいえ垣間見える不安を押し殺してされるがままにしているその健気な姿が俺を突き動かしていた劣情の波に変化をもたらす。

 すぐにでも彼女を自分のモノにしたい、そんな欲望はそのままに新たに湧いた別の衝動が俺の背を押した。

 開いた脚の間からアリサへと覆い被さり、彼女の唇を再び奪う。

 

「んっ!?むっ――ん……ちゅ、む……ふー……んっ、んん――」

 

 舌は入れず、ただ唇のみをひとしきりの間求め続けた。

 唇を離し、息を乱したアリサを間近で見下ろし再び目と行動で訴えかける。

 

「リィン……あ」

 

 股間で限界まで反り勃った肉竿の膨らんだ亀頭でワレメをねだるように、許しを請うように擦る。

 

「うん……リィン、いいよ――あっ!んっ!」

 

 その言葉が耳に届いた瞬間に俺の腰は吸い寄せられるように突き込まれていた。

 押し当てられていた亀頭が淫唇を割りズプリとアリサの膣内へ侵入を果たす。

 

「くっ……あ……」

 

 挿入したペニスを包み込む暖かな蜜肉の感触に思わず呻いてしまう。

 ただ肉竿が締め付けさすられる快感だけじゃない、自分の分身がアリサに包まれていく充足感が二重の快感を生んでいた。

 

「~~っ!ああ……リィンが入ってきて……んっ!」

 

 挿入間に喘ぐアリサの声もどこか熱を孕んでいるようだったが、ゆっくりと押し進めていた肉竿がある程度埋まったところで抵抗を感じ取る。

 竿を締め付ける膣壁が急に狭まったような閉塞感。

 

 最奥に達したにしては早すぎる、その抵抗の正体が何であるかの予想はすぐについた。

 見下ろすアリサは緊張に目を閉じ歯を食いしばって覚悟を決めているようだった。

 

「アリサ……いくよ」

 

 ベッドの上に投げ出されていたアリサの手を掌を合わせる形で握った手が強く握り返されるのを確認し、ぐっと腰を押し込む。

 薄い何かを裂いたような感触の後に抵抗が消失し、一気に根本まで突き挿れてしまった肉竿の先がコツリと柔らかい壁にぶつかり止まる。

 

「あ――!ふ、ぅ……ん……くぅ」

 

 処女膜を破られたアリサはその痛みに顔を歪めて耐えていた、繋いだ手はきつく握り締められている。

 だがやばいな……これは、男には理解できない痛みを耐えている彼女を気遣うべきなんだろうが、アリサの膣内に収まったモノを包む感触がそれを難しくさせる。

 

 柔らかい膣肉にきつく竿全体を締め付けられながら絡みつく肉襞に敏感な部分がくすぐられるだけでも抗いがたい疼きがせり上がってくる。

 早く動いて間違いなく至上の快感が得られるだろうこの蜜壺を思うままに貪りたい。

 そんな身勝手な欲求を押し殺していた俺の目が、いつしかこちらを見上げていたアリサの目と合う。

 

「いいよリィン、動いても、その……男の人ってそうしないと苦しいんでしょ?」

 

「まあそうなんだけど……アリサはまだきついだろ」

 

 アリサの汗ばんだ顔はまだ辛いのを堪えているように見えた。

 だがそんな顔をしながらもアリサは小さくかぶりを振って囁くような声音で言う。

 

「大丈夫よ、痛いのは一瞬だけだったから。それに……」

 

 クスリと小さくからかうように笑うアリサの表情に初めて見る艶を感じてドクリと心臓が跳ねた。

 

「さっきからあなた、すごく物欲しそうな顔してるんだもの――子供みたい。私なら大丈夫だから……いいよ」

 

 僅かに残っていた自制心が完全に吹き飛んでしまうのを自覚した。

 腰を軽く引き、淫唇から僅かに抜け出した肉幹を再び埋める。

 

 その小さな動きだけでモノから発した甘い痺れが背筋を這い上がる。

 徐々に抜き挿しする幅を広く、勢いを速めていくのに比例して増す快感の波が俺の思考を染め上げていく。

 

「んっ!あっ!――リィ……ン、は……あん」

 

 突き挿れた肉竿の先で最奥をノックする度、アリサが漏らす喘ぎ声に交じり始めた甘い響きとキュウとモノを締め上げる媚肉の反応がますます俺の理性を蕩かせ、一匹の獣に近づけていく。

 情欲のまま肉杭を打ち込む度に結合部から溢れる愛液がグチュグチュと淫らな水音を立てるのがますます興奮を煽る。

 

「~~っ、ぁ!……リィ、ン……ダメ、私、何か、来ちゃう……あっ!」

 

「アリサ……くっ!おっ……くぅ」

 

 最後まで達するほどの自慰の経験が無いのか、近づいてくるその未知の感覚に怯えるようなことを口にするアリサに今にも果ててしまいそうだった俺は鳩尾に力を込めて必死に限界を押しとどめた。

 この無垢だった少女にその感覚を俺の手で刻み込みたい、そんな独占欲からくる欲望に後押しされ俺は込み上げる射精感を押しとどめながらも一層深く、抉るようにアリサの蜜壺を穿ち始めた。

 

「んあっ!?は――ぁぁっ!くぁ……あっ!リィン、そこ……やっ!あっ!」

 

 行為の最中、突き挿れた亀頭が触れると目に見えて反応を見せていたポイントへ重点的にピストンしていく。

 予想通り敏感な、感じやすい部分だったらしく突かれる度にアリサは切なげな声を上げて喘ぐ。

 

「リィン――私……ああっ、んっ――私、もう……んっ、あっ!」

 

「アリサ……!おっ……く……っ」

 

 アリサも限界近いようだが俺ももう我慢の限界に来ていた。

 ここまで来ると調整など考える余裕も無い、ただ腰を振りアリサを犯すことしか考えられなくなる。

 ギシギシとベッドの軋み、喘ぎ声と肌のぶつかり合う音に張り詰めた俺のモノがアリサの膣内へ抽挿を繰り返す度に奏でる水音だけがしばしの間響き、やがて終わりを迎える。

 

「は……ああ――リィン――あああぁっ!」

 

 一際高い喘ぎ声を上げ、背を仰け反らせたアリサの肢体がビクビクと小刻みに震える。

 同時に根本まで挿入していた肉竿を包む膣壁が収縮し、その刺激が止めとなって堪えていた絶頂に達し、未だかつて感じたことのない快感に頭の中が真っ白になってしまった。

 

 鈴口から堰切って溢れ出した自分でも驚くほどの精液の奔流がドクドクと脈打つようにアリサの膣内へと注がれていく。

 

「あ……熱いの……これが……んっ」

 

 膣内に射精される感覚に、絶頂後の余韻でぼうっとした表情で感じ入るアリサ。

 その弛緩した、だが惹きつけられる色っぽい表情に、挿入したまま俺はしばらく見惚れてしまっていた。

 

 

  *

 

 

 交わりの後、オリエンテーリングで疲労が溜まっていたこともありアリサはベッドの上、シーツをかぶり生まれたままの姿で小さな寝息を立てている。

 隣で寝そべりその寝顔を眺めながら俺はアリサとの行為の感慨に浸っていた。

 

 良かった、アリサとの交わりは予想以上に、良過ぎると言えるぐらいに。

 ハーレムの一人目、という軽い気持ちで片づけられないぐらい彼女は魅力的で、病みつきになりそうなぐらいだ。

 

 こんな調子で目標としていたヒロイン達に手を出していけるのか、いや、むしろこんなにも魅力的な女の子たちをモノにできる、そう考えればむしろ胸が躍るというものじゃないか。

 悲観することはない、むしろ楽しみが増したと言えるだろう士官学院一日目の夜、これから落としていく予定の美少女達との日々の期待に胸躍らせ、明日からアリサとどんなプレイをしようかとふしだらな思考と共に眠りに落ちた。

 



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前夜の奉仕

駆け足投稿、後で微修正するかも


 

 入学式から二週間余りが過ぎて学院生活にも多少の慣れが出てくる。

 とはいえ武術教練は事前に鍛えていたから問題なかったが座学の方には苦労した。

 

 鬼の力を制御するため肉体の鍛錬なら文字通り血の滲むほど積んでいたけどその分勉学が疎かになってしまって入学試験の前にも焦ったもんだ。

 余談だが俺が扱う刀は刀でも原作リィンが扱っていた太刀とは異なり刀身が逆に反ったいわゆる打刀というやつになっている。

 

 時代劇なんかじゃ一般的なやつだな、前世の漫画やアニメで見た技をこの世界なら流用できないかと考えて八葉一刀流の指南を受けた時ユン老師に提案したのだ。

 身の程知らずと一喝されるかと思いきや実際はノリノリで太刀式の剣術を自ら打刀式にアレンジしてくれたりと予想外の成果が得られた。

 

 ユン老師まじパネェ。

 

 閑話休題、文武両道のトールズ士官学院の授業は当然レベルが高くついていくにも四苦八苦させられた。

 だが最近は見かねた俺と違い成績優秀なアリサが予習復習を手伝ってくれて改善の兆しを見せつつある。

 

 美少女の同級生が教えてくれるなんてモチベーションが段違いだしな!

 ちょくちょく脱線して保健体育の実技授業に移行してしまうのがご愛嬌だが。

 

 そんなわけで初の自由行動日前の授業をつつがなく終えた俺はその日サラ教官から押し付けられた≪Ⅶ組≫用学生手帳の受け取りと配布を終えた一日の終わりに今日の出来事を反芻していたのだった。

 学生手帳を用意してくれたロリ生徒会長のトワ、あざといぐらい萌え苦しい人だが基本YESロリ、NOタッチ主義の俺としては庇護の対象にとどまる。

 

 いやまああの人は合法ロリなわけだが、まあ目の前にしてみるとうっかり魅了能力をオンにしたくなる打算じゃねえんだろうなマジでと疑いたくなるような行動を連発するコだったのでいつまで持つかは自分でも保障できそうにない。

 会長なら駅弁スタイルとかでも……とか妄想にふけってしまうあたりこの時既に手遅れ感はあったかもしれないが。

 

 問題はやはり二学年のクロウ、あいつにだけはどう対処すればいいか悩む。

 とりあえずミスディレクション詐欺に50ミラを騙し取られてやったが放っておくと間違いなく死人が出る。

 

 ぶっちゃけてしまうとクロウはそんなに憎めないし他人がどうなろうと俺としては構わないんだけど気分はよくないわなぁ。

 

「――っ!と」

 

 どうしようかとの思考が下腹部に走るヒヤッとした感覚に打ち切られる。

 下に顔を向けたそこでは――ベッドに腰掛け開いた俺の脚の間に座り込み、股間のモノを咥えているアリサがじっとこちらを見上げていた。

 

 竿にあたる硬質な感触からするとどうやら甘噛みされたらしい。

 

「――はぁ、リィン、考え事してたでしょ」

 

「ごめんごめん、ちょっと今日は色々あってさ」

 

 唾液と先走りにまみれたペニスから口を外して拗ねたような表情を見せるアリサ。

 入学式の日から彼女とは実に二日に一回以上のペースで行為に勤しんでいる。

 

 何しろ俺の体は一つしかない、色んな子に手を出す前に女性の体というものをじっくり学んでおきたかったしな。

 この日もまた夜になって部屋に招いたアリサに行為を重ねる内に教え込んだフェラチオで奉仕してもらっていた。

 

 制服のスカートは残してシャツとブラは脱ぎ、形の良い胸を露わに上半身を隠さず晒した姿で。

 全て脱がしてしまい魅惑的な肢体を隅々まで見れるのもいいがやはりこうした半脱ぎも独特のエロさが醸し出されて良い。

 

「……気持ち良く無かった?私の……その……フェラ、チオ」

 

「いや、今のは俺が悪かったよ、アリサが口でしてくれるのは本当に気持ち良い」

 

「そ、そう?なら……続けるわね――あ、む」

 

 不安そうな顔色を消すとアリサは小さな口を開けそそり勃つ肉竿をパクりと咥え、しゃぶり始める。

 

「ん――ちゅ、ぢゅ、ちゅぱ、ちゅる――れろ、くちゅ」

 

「――っつ、は……ぁ」

 

 顔を前後に揺すり竿をしごく唇と敏感な裏筋やカリ首の辺りを舐め撫でる舌の感触に腰の骨が溶かされそうな快感を送り込まれる。

 気の強い面のあるアリサにペニスを舐めしゃぶらせるのは背徳感もあいまってなかなか興奮するもので、つい毎度のように口でしてもらっていた。

 

 魅了によりどんないやらしい要求も拒まないアリサはテクニックの上達も早く、今ではすぐに射精してしまわないよう堪えるのが苦しくなってきた。

 

「ちゅ、はぁ――あ、む、れろ、れる、ちゅる」

 

 時折亀頭だけを口に含むようにして鈴口を舌先で撫で鋭い刺激をしてきたかと思えば深々とモノを咥え込み竿全体をまんべんなく溶きほぐすような口戯でじわじわと性感を高められる感覚がたまらない。

 昼は淑女、夜は娼婦とはよく言ったもので、普段端麗な容姿に加え楚々とした振る舞いから学院でも少なくない男子から目を引いているだろう彼女がこうして淫らな姿を俺だけに晒してくれているということが興奮を底上げしている。

 

「……く、あ」

 

 そろそろ限界が近い、その前にと立ち上がろうとした俺の意図を察してアリサも一物を咥えたまま合わせて動き、膝立ちになる。

 上目遣いでこちらを見上げるアリサの姿に黒い衝動が湧き上がり、その衝動のままに腰の位置にあるアリサの頭へ抱えるように手を添え、その口を犯すように腰を振り肉竿を抽挿し始める。

 

「んん――!ぢゅ、はぁ――んむっ……ちゅぱ、ぢゅ、ぢゅる!」

 

 頭を抑えられ乱暴に口を犯されながらもアリサは抵抗せず、どころか離すまいとするように脚に手を回してくる。

 それがますます俺の獣欲を掻き立て、腰のストロークは亀頭が喉奥に届くほど深く突き込んでしまう。

 

 流石に苦しそうな顔をしながらもアリサは口内に挿し込まれる肉杭を口全体で締め付けるだけでなく抽挿に合わせ舌まで這わせ性感を刺激し続けた。

 

「くっ……アリサ、いくぞ」

 

 背徳感に増幅された俺の高まりはすぐにピークへと達し、溜め込まれた滾りが勢いよくアリサの口内に溢れ出していく。

 フェラチオとイラマチオの興奮で蓄えられたその量は竿がビクビクと脈動するのが感じられるほどのものだったが、アリサはそれを震える陰茎を咥えたまま受け入れる。

 

「んん――ク、ふー……ん、む――コク」

 

 小さく喉を鳴らしアリサは口内に注がれた白濁液を嚥下していた。

 その様にまたゾクゾクと背徳的な疼きが脊髄を駆け抜ける。

 

「っ!アリ、サ……くっ」

 

「んん――ぢゅ、ちゅる、ぺろ、ちゅ――れろ」

 

 射精を遂げ萎えつつあった陰茎に舌が絡みついてくる。

 竿にこびりついた白濁の残滓が丁寧に舐めとられ、アリサの口から引き出したモノは唾液だけに塗れていた。

 

「なんだかすっかりエッチになったなアリサは」

 

「あなたのせいでしょ……それにこんなことリィンぐらいにしかしないんだから、いいじゃない」

 

 後始末まで行き届いた口奉仕についからかうようなことを言ってしまったが、思わぬ返しに面食らう。

 さっきまでとびきり淫らな行為に及んでいたのに、頬を染めて恥じらいながらそんなことを言ってのけるアリサのギャップにドクンと体の芯から熱が広がり、果てたばかりのペニスがたちまち硬度を取り戻してしまった。

 

「あ――その、リィン……」

 

「ああ」

 

「明日は自由行動日だし、クラブの練習もあるから、その――――早めに、終わらせてね?」

 

「うん、善処する」

 

 抱き上げベッドに押し倒したアリサと結局、このあと滅茶苦茶セックスした。

 

 

 *

 

 

 自由行動日の朝、ラクロス部の活動があるアリサを送り出した後、学生寮玄関にある俺用の郵便ポストを開く。

 昨日トワ会長から学生手帳を受け取った際に、予定通り生徒会の手伝いを依頼されていた。

 

 サラ教官の手回しらしいが、貴重な休日――正確には異なるが――を潰すようなことをするなんてひどい話だ。

 今日の依頼内容としては技術部の手伝いに例の旧校舎の調査、その他もろもろだ。

 

 中には無理に片づけないでいいのもあるらしいが出来る限り片づけていくことにしよう。

 

 

 

「というわけでマキアス、午後から付き合ってくれないか」

 

「……何がというわけなんだ一体」

 

 駅前の喫茶店、キルシェのオープンカフェで読書中だったマキアスは胡乱そうな目をこっちに向けていた。

 ひとまず依頼主である学院長から話だけ聞いて実際の調査は午後に回すことにして今はダンジョン化している旧校舎の調査を手伝ってくれるメンバーを見繕うことにした。

 

 実際旧校舎にどんな異変が起こっているのかなんてのはとっくに理解してるわけだが、その試練を進めるためにも調査と言う名目で旧校舎には行かなきゃならん。

 心優しいエリオットとガイウスはすんなり引き受けてくれたが、問題は残りのメンツだ。

 

「ふぅ、悪いが僕は遠慮させてもらおう、僕よりもあのアルバレアにでも声をかけたほうがいいんじゃないのか?同じ貴族のよしみで手伝ってくれるかもしれないぞ」

 

 このつんけんとした態度からも分かるように俺はマキアスからよく思われていない。

 それというのも入学式のオリエンテーリングの時に、貴族だということは明かしてしまったからだ。

 

 原作ならこの時点ではまだ隠してたんだが、隠していたことがバレた後の反応を思い出すとつい本当の事を言ってしまった。

 当然貴族嫌いのマキアスは俺の事を避けるようになってしまったが……根は良い奴なんだから地道にアプローチを続けていけばきっと分かってもらえると信じよう。

 

「もちろんユーシスにもこの後声かけるつもりさ、マキアスもそんなこと言わずにさ、ARCUSのいい特訓にもなると思うぞ」

 

「正気か君は!僕とアイツの仲のことぐらい分かってるだろうに……とにかく、僕に行く気はない、諦めてくれ」

 

 結局旧校舎の調査についてはすげなく断られてしまった。

 ま、まあ原作でもこの時点ではマキアスは手伝ってくれてないし、巻き返すチャンスはあるだろ!

 

 

  *

 

 

「それで、ユーシスにはなんて言われたの?」

 

「馬鹿かお前は、だってさ」

 

 旧校舎の前に来てくれた二人に他のメンバー集めが失敗したことを離すと、エリオットがまずそのことを尋ねてきた。

 ユーシスも首を縦には振ってくれず、マキアスにも誘いはかけたことを話すと蔑みだか哀れみだかのような目で今の台詞を飛ばされた。

 

「あの二人ならそうもなるよ、うーん……リィンって気とかは感じれるのに空気は読めないよね」

 

 さらっと毒を吐く……いや、直球で言い過ぎるだけなんだろうがエリオットの発言が痛い。

 違うんですよエリオットさん、俺は空気を読めないんじゃなく読む気がないだけなんです、それぐらい強引に行かないとあの二人はどうしようもない気がする。

 

「でも確かにあの二人はなんとかしたいよね、クラスの空気が重くなって大変だし」

 

 貴族オーラが常に全開のユーシスに貴族に対しては煽り耐性がゼロになるマキアスの相性は最悪で入学式からこっち二人が揃うとその場の空気の悪さが半端じゃない。

 二人がそうなる理由はもちろん記憶してるんだが下手に原作知識を利用して立ち回ろうとするとかえって不審を買いそうな気もするから厄介だ。

 

 やっぱ時期が来るのを待つのがいいのかねぇ、あのギスギスした空気とリアルタイムで立ち会うのは正直気が重いんだが。

 

「ま、今日のところはしょうがない、それより今は旧校舎の調査だ」

 

「オリエンテーリングの時に使ったダンジョンだったな、学院側でも把握しきれていないところがあると聞いたが」

 

「そうそう、なんでもいつの間にか扉が現れたり消えたり空間が広がったりしてるらしいぞ」

 

 今回入るときにはそれどころじゃない変化が起こってるだろうが。

 

「怖い話だね……あのガーゴイルみたいなのがまた出ないといいけど」

 

 悪いなエリオット、似たような羽目になるのは間違いない。

 ちょっと不安そうな顔に心中で詫びるが黙っておく、エリオットなんかは特に実戦経験が無いしこの機会に経験を積んでおいてもらいたい。

 

 なんでも俺一人で済ませて≪Ⅶ組≫メンバーに弱体化されても先の展開上都合が悪くなるからな。

 そうして我ながら自己中心的な行動にほんの少しだけ胸を痛めながら二人を連れて旧校舎へ入って行くのだった。



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サラとの一夜

「とまあ、そういうことがありました」

 

 夜になって第三学生寮、依頼主は学院長だったが今日の旧校舎調査で判明した出来事をついでにサラ教官に報告しにきた。

 え?旧校舎の調査がどうなったのかだって?

 

 予想通りガラッと構造が変わっていたダンジョンでサッとモブ魔獣を片づけてチャチャッと奥に湧いたボスを仕留めて帰ってきました。

 特筆するようなことなんて無かったしな、今の俺には試練の進み具合まで干渉することは出来ないんだし当然だろう。

 

「ふーん、オリエンテーリングの時とは別物にねぇ、何かある遺跡だとは思ってたけどそこまで大した仕掛けがあるとは思わなかったわね」

 

 三階の自室で俺の報告を聞いたサラ教官は少し目を真剣そうに細めるとそんなことを言った、片手のビール缶とテーブルの上の大量の空き缶で雰囲気ぶち壊しだが。

 しかしコートを脱いだいつものワンピース姿だがこの服やたら体にフィットするデザインみたいでスタイルがくっきりしてなんだかこう……エロい。

 

 しかも普段は胸の下でコートのベルトを締めてるもんだから胸が更に強調されて破壊力マシマシ、絶対に男子生徒にとって目の毒だ。

縦縞セーターに似た属性のある服な気がして大好物ですデザイナーさんには感謝の言葉しかない。

 

「それにしても、引き続き調査を買って出るなんて、どういう風の吹き回しかしら?」

 

「乗りかかった舟ですから、体を鈍らせないのにもいい環境ですしね。大体生徒会の手伝いをこっちに振ったのはサラ教官じゃないですか、今更そんなこと言わないで下さいよ」

 

「鈍らせない、ね。ふーん……」

 

 む、口を滑らせたか。

 普段おどけてるし今日は大分酒も入っているようだがサラ教官は執行者クラスはあるだろう実力者だ、迂闊だったかな。

 

「なーんかアンタは隠してそうなのよね、オリエンテーリングの時も随分余裕そうだったし、≪Ⅶ組≫に関してもあっさり受け入れてたみたいだし」

 

 結構直球でのつっこみにギクリとする、確かに原作知識のある俺は周りから注意深く見れば不審なところの一つや二つ見つかるのかもしれない。

 その辺りの誤魔化し方ももう少し工夫した方がいいか、だけどこれは……いい機会かもしれないな。

 

「サラ教官、一つ俺と勝負をしませんか?」

 

「勝負?」

 

「ええ、俺が負けたら俺が考えてることは全部お話ししますよ、ただし、勝ったなら――」

 

 興味深そうにこちらを見ていたサラ教官と目が合った瞬間に魅了の能力をオンにし全集中を注ぎ込む。

 

「え?――あ」

 

 たちまちサラ教官はトロンと瞳を蕩かせ、熱に浮かされたような顔になる。

 この能力の素晴らしいところは相手に自分の感情の変化に対する違和感すら感じさせないところだ。

 

 おかげで彼女のような実力者でさえ一瞬で虜に出来る。

 

「教官を俺のモノにします、いいですね?」

 

 その無茶苦茶な要求にも籠絡されたサラはただ頷かされてしまう。

 

「わ……分かったわ」

 

 望み通りの展開に内心で満面の笑みを浮かべながら俺はその勝負について説明し始めた。

 

 

  *

 

 

「――――っ」

 

 いつもの余裕のある顔を真っ赤に染めてサラはベッドに仰向けになった俺の上に頭の向きを逆にした形で四つん這いになっている。

 彼女の顔の下は丁度こちらの腰の辺り、そして開いたジッパーから引き出された俺の陰茎が高まる興奮を芯に膨らみ勃ち上がっていた。

 

「教官の前でこんなにするなんて……とんだむっつりスケベだったわねアンタったら」

 

「俺としては結構オープンなつもりなんですけどね、それに今はサラ教官だってこんな格好なんですからおあいこですよ」

 

 勃起したベニスを直視できず、だがチラチラと覗き見てしまっているサラ、そんな彼女はこちらの頭の横に膝を立てた姿勢で俺同様股座を相手の顔の前に晒している体だ。

 ワンピースの短いスカートから伸びる瑞々しい太腿の谷間を覆っていた黒いレースのショーツは下ろされ今は片膝にかかっている。

 

 晒け出された恥丘には使われた気配のない桃色の花弁がヒクヒクと揺れていた。

 

「緊張してます?」

 

「だ……誰がよ!このぐらい何てことないんだから……」

 

 言葉が尻すぼみ気味だったのは強がりの証拠だろう。

 普段理想の男性像など語っているが明らかにサラは男性経験が無い。

 

 この魅力的な女性を男として女にすることが出来る悦びに胸が高まる。

 

「良かった、流石サラ教官です、じゃあ始めましょうか」

 

「――いいわ、見てなさい。アンタみたいな子供、すぐに終わらせてあげるわ」

 

 自分を奮い立たせるような強い声音でそう言い放つとサラは眼下の俺のモノを睨み、躊躇うような間を挟んだ後、腹を括ったように目をつむって口に咥え込んだ。

 

「んん――む、ぐ、ふー……んん――」

 

 先にイカされた方の負け――そんなふざけたルールの勝負を受けてしまったサラは未熟者の年下と侮る俺へのメンツを賭けてフェラチオによる愛撫を開始した。

 

「歯は立てないで下さいね」

 

「――っ。分かってるわよ!……ん、ちゅ、れろ」

 

 膨らんだペニスが暖かく湿る柔らかな感触に包まれゾクゾクと官能が背筋を這い上がる。

 

「はぁ……あむ、んん――ちゅ、ぺろ、れる、ちゅ……」

 

 サラは懸命に顔を揺すり、口輪で肉竿をしごきながら舐め回してくるがその動きは責め所を弁えてはいないようで、上達したアリサのフェラチオを経験した俺にとっては耐えられない程じゃない。

 あのサラ教官が自分のモノにしゃぶりついている、その光景だけでもしばらく堪能したかったがあまり油断しすぎてもいけない、こちらも始めるとしよう。

 

 頭上にあるサラ教官の臀部を覆っているタイトなスカートを腰までめくり上げる。

 こちらも手を出すことは承知の上なので制止されることもない、くびれたウエストから形のいいヒップ、整った女性らしいラインの造形美に感心しながら滑らかな手触りの太物、その付け根へ顔を寄せていく。

 

 俺を跨ぎ立つため広げられたそこで露わになっている淫唇へと口づけた。

 シャワーを済ませた後らしくボディソープの香りと女性特有の体から滲み出る甘い芳香が鼻腔をくすぐる。

 

 華やいだその香りに浸るのもそこそこにサラの大事な部分に密着させた唇から舌を伸ばし、蜜肉をかき分けて膣内へえと挿し入れた。

 

「はぁ……まだ――っ!?」

 

 一呼吸していたサラはビクリと身を震わせその刺激に明らかな反応を見せていた。

 腰が浮きそうになっていたが、がっしりと押さえ込んでから吸い付いたので逃げられない。

 

「ちょ……何これ……リィン待ちなさ――んっ!あっ!」

 

 予想以上に反応が大きい、あまり自分で弄ったりはしないんだろうか、それならそれで好都合だ。

 サラの制止は聞き流し、じわりと内から愛液を漏らし始めた蜜肉を舌で撫で蹂躙しながらぷっくりとした膨らみ、クリトリスを断続的に尖らせた舌先で弄ぶ。

 

「あ――っ!……ぅん……は……あ……ああっ!」

 

 サラは必死に声を押し殺そうとしていたが、抑えきれていない喘ぎ声が切れ切れに口から漏れている。

 

「こ……の……んっ!」

 

 このままではイクのは時間の問題と理解したのか目の前の肉竿を咥え直してサラは再びフェラチオにかかる。

 だがクンニにより感じてしまっているせいかさっきまでより責めが勢い任せで精彩を欠いている、竿に絡みつく舌の感触を楽しむ余裕さえこちらにはあった。

 

「ふ――んっ!ちゅ、ちゅる――んん――ちゅる、れろ……んっ、む――んんっ!」

 

 そんな状態ではどうなるか結果など明らかでほどなく、散々に秘肉をこねくり回し、膨らんだクリトリスを甘噛みした瞬間サラはビクビクと体を震わせ達してしまったその感覚に悶えていた。

 唇が触れている蜜口もキュウと収縮している、イったと判断して間違いないだろう。

 

「サラ教官?今イキましたよね」

 

「――っ、ま……まだよ、別にイッてなんか……」

 

 男と違い体の反応が分かりづらいとはいえ、震えながらそんな強がりを言うサラの姿につい嗜虐心が湧いてしまうのを自覚してしまった。

 

「分かりました、じゃあもっと激しく行きますね」

 

「え……激しくって、リィン、ちょっと待――――っ!!」

 

 すべすべとしているのに手に吸い付いてくるような柔らかな手触りが心地良い美脚に両手を添え、固定しながらサラの蜜口へ再度舌を突き挿れ先程よりも荒々しく、かつ掴みつつある感じやすいポイントを重点的に責め立てていく。

 

「あっ――あっ――あ~~っ!や……ああっ!ダメ……止め……く、んっ!」

 

 イッた後で敏感になっているのかそれまで以上の反応でサラは喘ぎ悶えていた。

 段々と腰から力が抜け、逃がさないようにしていた手がいつの間にか支えるような形になってしまっている。

 

「~~~~っ!」

 

 再びの絶頂、だが今度は確認を取るような真似はせずにヒクヒクと痙攣したように震える膣口を黙々と舌で弄り、溢れてくる愛液ごと吸い立てていく。

 

「リ……ぃ……ン、もういいから、認めてあげるからもう……やっ!ああっ!」

 

 何事か言おうとするのも構わず口戯を続ける、サラからの責めはいつの間にかなりを潜めていた。

 とめどなく溢れてくる蜜液の味に酔いしれながら……一時間後。

 

「ぁ……はぁ……はぁ」

 

 だらしなく脚を開き、唾液と愛液にまみれた秘部を晒したサラがベッドの上に裸の肢体を投げ出していた。

 瞳はうつろに蕩け、両手の指でも数え切れないほどの絶頂を経てすっかり弛緩した表情、姿は何とも言えない色気を放っていた。

 

「止めろって……言ったでしょ……この、バカ」

 

「サラ教官がすぐに認めてくれなかったからですよ」

 

 息も絶え絶えに毒づくサラに意地悪く笑ってみせる。

 

「勝負は俺の勝ち、でいいですね?」

 

「――ええ、ええ、いいわよアタシの負けで。……もうアンタだってその気なんでしょ」

 

 侮っていた年下の相手に散々イカされたせいかやけくそみたいな口調になっているサラは準備万端なこちらを見る。

 力の抜けたサラのワンピースと下着を脱がせた際に俺もさっさと服を脱いで裸になっていた。

 

 股間ではこの先に向けて臨戦態勢に入っている肉の槍が穂先を膨らませていた。

 

「それじゃあちょっと失礼します」

 

「?……えっ、ちょっ……」

 

 抵抗する気力も無いサラの膝下に手を掛けるとそのままぐいっと頭の方まで押し上げてやる。

 流石に体は柔らかく力が抜けていたこともあってあっさり腰が折り曲がる。

 

「ちょっと……何よこれ」

 

「知りません?まんぐり返しって体勢らしいですよ」

 

「そんなこと聞いてるんじゃ無いわよ!」

 

 顔を真っ赤にしてサラがわめく、やっぱりというか何というか恥ずかしい体勢らしい。

 イカされまくったせいで体に上手く力が入らないのか抵抗が無いのが幸いだ。

 

「何だってこんな格好させるのよ……もう」

 

「ははは、すみません。やってみたかったっていうのもありますけど、もう一つ――」

 

 押し上げた脚の付け根、尻を浮かせるような形になっているサラの女陰に股間の屹立をあてがう。

 

「あ――」

 

 体勢のせいでサラからも自分の性器とそこに突き付けられた男根が、そしてこれから先のこともよく見える。

 

「こっちの方がサラにも実感してもらえるんじゃないかと思ってさ」

 

 ぐっと腰を落とし込むと濡れた淫唇はすんなりと肉笠を内に迎え、膣内へと俺のモノが侵入を果たす。

 グチュリという卑猥な音と共に、自分が男に犯される様に見入るサラの表情には緊張が滲んでいた。

 

 年上として、教官として普段保っている余裕を失くしている初心な女性の姿に劣情を煽られ、つい一息に根元まで腰を突き込んでしまった。

 

「あっ!~~っ……ん、くぅ……」

 

 一瞬目を見開き甲高い声を上げるサラ、初めて男に貫かれたことによる痛みを堪えているかのようだったが、破瓜の苦悶に変化が訪れるのは意外なほど早かった。

 

「はぁ……ん……あ……え?――」

 

 その変化にはサラの方が戸惑っているようだった。

 これはひょっとして……そんな思いから腰を揺すりうずめたままの肉杭の先で膣奥をノックするようにつつくと。

 

「んっ!ぅ――」

 

 独特の熱の籠った喘ぎがサラの口から漏れた。

 その声に確信した俺は腰をゆっくり上げモノを引き抜いていく、膣壁のキツい締めつけに絡みついてくる柔襞で竿の敏感な部位が擦れひりつくような官能が脊髄を侵食してくるのを感じながらカリ首の辺りまで抜いた肉竿をまた奥深くまで沈み込ませていく。

 

「~~っ、んっうぅ……く……」

 

 見下ろすサラは唇を固く閉じ声を漏らすまいとしているようだった。

 どうやら丹念に解きほぐしたせいか、既にサラは膣内への抽挿で感じ始めているらしい。

 

 その事実が俺の情欲に火をつけた。

 

「あっんっ!――んんっ!?待って……リィン……んああっ!」

 

 真上からサラの蜜壺へ肉杭を打ち込み、引き戻してはまた奥まで穿つ、不安定な姿勢で身動きもままならないサラを昂ぶりのままに犯していく。

 腰を叩き込む度にサラの声はどんどん艶を増していった。

 

「んっ!はぁ……あっ……何これ……あっ!んぅ……頭が……ヘンになる――んんっ!」

 

 少し腰を捻ってモノを突き挿れ膣奥の辺りを亀頭で擦った瞬間、ビクリとサラが強い反応を見せた。

 狙い目を見つけた俺はぐっとサラに覆い被さるように体を密着させていく。

 

 上げさせた脚を体全体で押さえ込むようにして、目の前には押し寄せる快楽に表情を蕩かされつつあるサラの顔。

 

「はぁ……あ――んっ、む――んん――ちゅ」

 

 口を合わせ、無抵抗なサラの唇と舌をねっとりと吸い舐めていく。

 そうして美女の唇を貪る悦楽に浸るのもそこそこに、ベッドについた手を支えに密着した腰をピストンし始めた。

 

 ストロークを短く、その分抽挿の回転数を上げサラの奥をグリグリと激しく突き責めていく。

 

「んんんっ!んっ!むーっ!ぢゅ、ちゅ――ふ、んん――む、ふー……」

 

 塞いだ唇の奥からそれまで以上の喘ぎが溢れてくる。

 弱点を亀頭で擦る度に膣壁がキュウキュウと収縮し竿を締めつけてきていた。

 

 そろそろラストスパートをかけるとしようか、時が経つほどサラの具合は良くなっている、射精感を抑えるのにも限界が近づいてきていた。

 更に腰の動きを加速させながらサラの胸に手を伸ばし、ピンと張った桜色の頭頂を摘まむ。

 

 指の腹で転がすように弄ると組み敷いたサラの肢体がビクビクと振るえ、同時に腰を突き込んだ瞬間。

 

「~~~~~~っ!」

 

 ギュッと瞳を閉じたサラの声にならない喘ぎが押し付けた唇の奥からせり上がる。

 その絶頂により肉竿を包み込んだ膣壁も、俺のモノを逃がすまいとするように収縮し締めつけてきた。

 

 それが止めとなり、既に官能の波を堰き止めるのを止めていた俺もまた押し寄せる快感に身を任せ、溜めこんだ情欲の結晶をサラの膣内へ解き放った。

 理性の弁を外されたペニスから性の奔流が行き場を求め鈴口から飛び出し、ビュクビュクと肉竿を脈動させながらサラの奥深くへ、とめどなく大量の精液が注がれていく。

 

「あ……あ……熱……中に……んっ」

 

 唇を離し、見下ろしたサラの顔はいつしか快感を受け入れた女の顔になっていた。

 急速に思考から熱が失われていく中俺は、焦がれた女の膣内を自分の精で満たしていく感覚に男としての情欲も満たされていくようないいようのない満足感を得ていた。

 

 

  *

 

 

 ベッドに寝転がる俺の前には背中を向けたサラの裸身があった。

 まだ眠ってはおらず、ただいいように抱かれたことに拗ねているらしく先程からずっとこの有り様だった。

 

 魅了は効いているので嫌悪されているわけではない、彼女の腰に回した手が払われないことからもそれは分かる、本当にただ拗ねているだけだ。

 

「体調、落ち着きました?」

 

「……あんなことしといてなんでアンタは平気な顔してるのよ、もう」

 

 顔を合わせずに不満を口にするサラ、イキまくった余韻は抜けたようでいつもの調子が少しは戻ったようだ。

 

「アタシだって女なんだから、理想のシチュエーションぐらいあったのよ。それがこんな……初体験になるなんて、思ってもみなかったわ」

 

「……それはすみません」

 

 流石に勢い任せに襲ってしまったのは軽はずみ過ぎただろうか。

 しかし魅了にかかっている以上、それほど問題にはならないはずだ。

 

「気持ち良くなかったですか?」

 

「……それは、良かったわよ、すごく、おかしくなりそうなぐらい」

 

 見なくても顔を赤くしているのが分かる、恥じらいが乗った声でサラは素直に感想を言ってくれた。

 男冥利に尽きる、その言葉にまた下半身が滾り始めるのを感じながらもサラにとって初めての今日のところは控えておく。

 

「まさか、こんな年下にあそこまで――その、好きにされるなんて思わなかったわ。……これも経験の差ってやつかしら?」

 

「ははは、大したことないですよ、経験なんて俺だってついこの間まで――」

 

 ――しまった、今日二度目の失言である。

 口に掛ける滑り止めがあるなら迷わず俺は用意しておくべきだろう。

 

「ふぅん、この間まで、ね」

 

「……」

 

 くるりと体をこちらに向けじっとりとした目で俺を見てくるサラの視線が冷たい。

 

「そういえばアンタ朝からアリサとよく一緒に居るわね」

 

 流石元A級遊撃士、鋭い。

 ……だ、大丈夫だろうか、なにしろ二人に手を出すのは初めてだがこういう時には例のご都合働いてくれるんだろうか。

 

 夜中に散々ギシアンしても周りの部屋に気づかれないほどの効能があるんだから、このぐらい何とかしてくださいよお願いします。

 

「あのですねー、サラ教官、それは――っ!?」

 

 言い訳の口上は次の瞬間、迫ってきたサラの唇に阻害され途切れた。

 予想外の事態に頭が真っ白になる中、寄りかかってきたサラに押し倒される形で仰向けにされてしまう。

 

 俺の体の上に乗ったサラはそのまま瞳を閉じて混乱する俺の口の中へ舌を挿し入れてきた。

 サラの舌は口内をくすぐるとこちらの舌まで伸び舌先を絡めるようにうねる。

 

 体は正直なもので、その感触に弱い俺はほぼ無意識に自分からも求めて舌同士を絡めていく。

 

「ん――ちゅ、ぢゅ、は――む、ん、ちゅ」

 

 のしかかるサラの体、胸で押しつぶされている豊かな乳房とその先にある突起の感触がくすぐったくも心地良い。

 

「――はぁ」

 

 数分の間続いた口での交わりの後、唇を離したサラは真剣な面持ちでこちらを見下ろしてきた。

 

「遊びじゃ、ないのよね?」

 

「――はい」

 

「アリサも?」

 

「はい――あ」

 

 しまった、今のはまずかったか。

 堂々と二股宣言した俺にサラは大きなため息を吐いていた。

 

 終わったか?でもなら今のキスは――そう焦る俺の目の前で、サラは手をすっと俺の下腹部にやると、半勃ちのモノを優しく撫でた。

 ビクりとそのすべすべとした感触に硬度を増しながら分身が跳ねる。

 

「サラ、教官?」

 

「普段はいいけど、こういう時は呼び捨て、許してあげる。だから……」

 

 サラはまだ恥じらいの残る顔色でウインクをすると、その肢体を見せつけるように俺の上に跨った。

 

「アリサとした分に追いつくぐらい、アタシとシなさい、いいわね?」

 

 精一杯のお姉さんぶりがそれなのだろうか、間違いなく俺の望んだ能力が期待通りの結果を生み出しているらしいことに胸を弾ませながら、サラとの夜に臨むのだった。



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伝説の技

小説書くのを舐めてたつもりはないけど想像以上に難しいね、という言い訳。
あんまり更新早くはできそうにないけどマイペースでやることにします。


 水曜日、前もって予告してあったが俺達≪Ⅶ組≫は実技テストのために学院グラウンドに集められた。

 ようするに模擬戦なわけだがサラの言葉によれば力押しで勝っても評価しないから状況に応じた適切な行動を取れとのことだ。

 

 先手必勝、速攻かつ一撃で決めてしまうほど適切なことは無いだろうがそれをやってしまうと流石に怒られるだろうなあ。

 でもまあやることは分かってるしサクッと終わらせますか、予定通りまずは――

 

「エリオット、ガイウス、マキアス、ユーシス、前に出なさい」

 

 ――あれ?

 

「いきなりかぁ」

 

「くっ……貴族と組まされるとは」

 

「ふん、せいぜい足手まといにならないことだな」

 

 言われた通り前に踏み出す不安そうなエリオットとガイウスに早速険悪な雰囲気を漂わせ始めるユーマキ二人組。

 おかしいな、記憶が確かならまずは俺とエリオットにガイウスが呼ばれるはずなんだが、覚え違いをしてたのか?

 

 首をひねる俺をよそにエリオット達はサラの指パッチンと共に現れた動くカカシこと戦術殻との戦闘に入る。

 丁字型の中身の無い胴鎧みたいなそいつと四人は危なっかしいところを見せながらもなんとか勝利を収めていた。

 

 マキアスの射線にユーシスが突っ込んだり逆にユーシスが仕掛けようとするタイミングでマキアスが散弾をぶっぱしたりとヒヤヒヤする場面も多かったがエリオット達が戦術リンクでなんとか手綱を取ったみたいだ。

 あの二人はお互いでリンクを繋げる気が全くないみたいだったからガイウスとエリオットはすごい気疲れしたろうな……。

 

「次、エマ、ラウラ、アリサ、出なさい」

 

 これで呼ばれていないのは俺とフィーだけになった。

 あくびをしてやる気のなさそうなフィーは気にしてないようだったが流石に他の皆も気にするように俺達を見ている。

 

 四人、三人ときて二人なのか?

 この短期間で実力を見切られたとは思わないんだけどな、どういうつもりなんだあの人は。

 

 そうこうしてるうちにアリサ達の戦闘も終わった、ダメージを受けて機能停止したらしい戦術殻が地面に転がっている。

 あれでバランスの良い構成だった三人は難なく攻略できたようで戦術殻のアーツ駆動も速攻でアリサの弓が刺し止めていた、評価は問題ないだろう。

 

「うんうん、男子と違って良い感じね、ちゃんとARCUSが使えてたようでなによりだわ」

 

 誰かとは言われなかったがユーシスとマキアスは疲れの残る顔をぐぬって感じに歪めていた。

 エリオット達の足を引っ張った自覚はあるみたいだから言い返せないだろうな。

 

「それじゃ最後にリィン、フィー、出なさい」

 

「おっ」

 

 やっと出番か、なんだかんだで呼ばれて安心した。

 まあ何もかも記憶通りってわけにはいかないだろうし、このぐらいの食い違いはあるよな。

 

 模擬戦用に持ってきた刃を潰してある刀を片手に前に出ると、唐突にサラが指を鳴らす。

 すると現れたとき同様に戦術殻が空間に溶け込むようにして消えてしまった。

 

「はい?」

 

「フィー、アンタはこっちに来なさい」

 

「ん? ……分かった」

 

 模擬戦の相手を消してしまってどうするのかと聞く前にサラはフィーを自分の方まで呼び寄せる。

 フィーも事態を掴めているわけじゃなさそうだが言われるままにトコトコ俺より前に歩いて行った。

 

「えっとサラ教官? どういうことなんですか?」

 

「それはねえ――こういうことよ」

 

 説明を求めた俺に対してサラは不敵に笑うと腰に提げていた導力器付き強化ブレードと導力銃を抜き放った。

 教官のサラが武器を構えたことに俺だけでなく≪Ⅶ組≫の皆も驚いている。

 

「フィー、一応アタシもARCUSは持ってるのよ、手伝いなさい」

 

「サラ、本気なの?」

 

「ええ、多分このぐらいいけるはずよ、ご褒美にアタシの授業で一回居眠り許したげるから全力でやりなさい」

 

「――! わかった」

 

 俺とやり合う気満々なサラにご褒美を約束されてフィーまでやる気になりやがった、双銃剣を両手に構えてこっちに向き直って眠そうだった目がしっかり開かれている。

 

「サラきょうかーん? なんで俺だけこんな扱い受けてるんですか、傷つきますよ」

 

「ふん、自分の胸に聞きなさい」

 

 ほんの少しむくれたような顔でそんなことを言われてしまうが心当たりなんて……いや、もしかしてあれだろうか。

 サラとの初夜翌日、ヤリ過ぎて朝寝坊したサラは学院朝のミーティングに遅刻しそうになってチョビ髭ハインリッヒ教官にお叱りを受けたらしい。

 その後のクラスの朝礼で軽く睨まれたものの特に何も言われはしなかったがまさかこれはその仕返しのつもりなのか。

 

「えっとあの朝のことについてなら俺のせいってわけじゃないと思うんですけど?」

 

 常人と比べ体力の有り余っているサラとは一夜で何度もそれは激しく求め合ったが取っ掛かりにインチキを使用したものの合意の上での行為であったしこっちが責められる筋合いは無い。

 俺はもちろんサラだって十分に気持ち良い思いをしたはずだしな!

 

「おだまり、そんな理屈じゃあたしの気持ちが収まらないのよ、黙ってこの勝負を受けなさい」

 

 だがじと目でこっちを睨んでくるサラが矛を収めるつもりはないようだ。

 予期せぬ事態に後ろでエリオット達が困惑を見せる中、一人俺とサラとの間柄の変化を知っているアリサからの冷たい視線が背中に刺さって痛い。

 

 サラと関係を持った翌日にはそのことに女の勘というやつか鋭くも気づいたアリサがちょっとばかり不満そうにしていた。

 ご都合展開力の影響かサラ同様に俺が複数の女性と関係を持つことを認めてはくれたもののその日の夜は役得ではあったがなかなか眠らせてもらえないほど激しく求められたもんだ。 

 

「えっと教官? 流石に生徒相手にフィーまで駆り出してぼころうってのはどうなんでしょう?」

 

「あら、あくまでシラをきろうっていうなら構わないわよ、テスト成績不良で補習出しといてあげるから」

 

 ひでえ、職権乱用以外のなにものでもないだろそれ。

 

「はあ……しょうがないか」

 

 サラなりに俺が隠している実力を探りたい狙いもあるんだろう、補習はめんどくさいし、まあこのぐらいならいいか。

 腰の刀に手をかけ臨戦態勢に入る、やる気を見せた俺にラウラ達が息を呑んだ気配が伝わってきたが止めようとする奴はいない。

 

 一介の生徒への試練としては無茶ぶりが過ぎる筈だがこの時点ではサラの実力も測りきれていない皆としては止めるべきかの判断も出来ないだろうしな。

 

「覚悟はできたみたいね、それじゃ――行くわよ!」

 

 左手の導力銃を向けるなり引き金を引くサラ。

 

「おっと」

 

 飛来する連射された導力弾を抜刀した刀を振り生じた風圧で弾き飛ばしていく。

 弾が軽いおかげでこういった威力を受けやすい導力式の重火器はまだ対処が楽だ。

 

 刀を振り続け続く銃撃を凌ぎながら戦闘開始と同時に視界の端へ消えたフィーが後ろから接近してくるのを感じ取り、地面を通して伝わる足踏みの気配が強くなった瞬間に小さく弧を描くような動きで回り込む。

 面食らったフィーが目を剥いていたが、流石に猟兵として実戦を経験している彼女だけあってすぐに身を翻し振り下ろした刀を交差させた双銃剣で受け止めた。

 

 ガードのかぶせられた刃に硬い音を打ち鳴らして刀が止まる。

 

「やるなフィー」

 

「……っ!」

 

 動きの読みにくい摺り足での高速移動に対応されたことを称賛する声を掛けたがそれを舐められていると取ったのかフィーは目端を吊り上げて、鋏のように交差していた双銃剣の一方で拮抗していた刀の横腹を押すように払い流し踏み込んでくると、もう一方の刃を滑らせ斬り込んできた。

 半身を引いてそれを躱した俺から猫のように俊敏な動きで飛び退るフィー、瞬間。

 

「うわっと!」

 

 それまでフィーが居た空間の向こう側からサラの出力を上げた強化導力弾が放たれていた。

 寸でのところでスライド移動し躱した俺を襲ってきたフィーの射撃を再び刀の風圧で払い飛ばす。

 

 危ない危ない、フィーと密着してるなら撃ちにくいだろうと思ったけどそういやARCUSがあるんだった。

 あれがあればユー×マキみたいに険悪な仲じゃない限りツーカーでタイミング合わせなんかそりゃあ朝飯前だよな。

 

 だがまあ反応さえできれば対処はできる、この年までひたすら鍛錬に明け暮れただけあってこの『リィン・シュヴァルツァー』の身体能力は尋常じゃない、このぐらいの弾幕なら一日中でも余裕で凌げる。

 イメージするのは最強の自分だ――なんていう某厨二台詞も案外馬鹿にできない、明確に目標があるとトレーニングにも実が入るってもんだ。

 

 この世界の人間の伸びしろを知る俺は辛さに何度もくじけそうになりながらも鍛錬を欠かすことはなかった、なにしろハーレムという至高の目標があったからな。

 下心の原動力というものは人間の持つ感情の中でも最高クラスなんじゃないかと思う、マジで。

 

「ああもう、埒が明かないわね……」

 

 銃撃が意味を成さないことを悟ったサラは顔つきを険しくして拳銃を下ろす。

 今のまま続けても銃の導力が尽きるだけだ、当然そうなれば接近戦を挑んでくるだろうが……げ。

 

 一呼吸したサラが瞳をカッと見開いた瞬間、その身に纏う空気が一変した。

 全身から見えないゆらぎみたいなものが迸り、なんかバチバチで走る電気のようなものが見える。

 

 いわゆる気功による身体強化というやつだ、サラのは雷神功とかいったっけ?

 その変化に流石の《Ⅶ組》メンバーも目を丸くしている、いや俺が銃弾を払い始めたあたりからそんな顔をしていたような気もするが。

 

「さあ、あんたの実力を見せてもらうわよ、リィン!」

 

 グラウンドに土煙を上げ突っ込んでくるサラ。

 瞬き一つの間に俺まで到達するだろうその迅さ、これが執行者クラスの実力者というやつか、しかし。

 

 振るわれた強化ブレードを刀の柄本で受け止める、見切れないほどじゃないこれならこのままの俺でも十分にイける。

 受けられるのを予想していたのかサラは間隙を挟まず飛び退きながら銃を構え立て続けに引き金を絞る、至近距離からの銃撃にはさしもの俺も対処がきつく横っ飛びに回避させられる羽目になったが、そこへ隙を窺っていたフィーの銃撃が追い打ちをかけてきた。

 

「……っと」

 

 ぎりぎり刀を振るのが間に合ったがそろそろしんどくなってきた。

 サラもすかさず刀を握る手とは逆の左手に回り込んで最接近してきているし、そろそろやっておくか。

 

 刀へと流し込んだ俺の気が赤い炎へと変じて刀身に纏われる。

 技の兆候にサラは足を止めたが、構わず炎を纏った刀を地面へと叩き付けた。

 

「業炎撃!」

 

 炸裂した炎が弾け周囲へ熱波が広がる。

 顔を腕でかばいサラに隙ができた瞬間を見計らって呼吸を入れ替える。

 

「――コォ」

 

 全身を巡る気が高められ、力が漲る感覚が広がっていく。

 気を操る戦闘技法はもちろん俺も習得している、稲妻は走らないもののサラと同系統の身体強化技法、麒麟功により身体能力を向上させた俺は一気に距離を取っていたフィーへ接近する。

 

 目の前のフィーが驚愕に目を見開いていた。

 あまりの高速にまるで俺が瞬間移動したようにでも見えたんだろう、この状態の俺の速さはそれぐらいの域には達している。

 

 咄嗟に双銃剣を掲げるフィーだったが次の瞬間には後ろへと回り込んだ俺の刀が首へ添えられていた。

 

「はい、一抜けだな。悪いけどちょっと休んでてくれフィー」

 

 一拍遅れて首元の刀に気づいたフィーは呆然とした目でこちらを見ていたが、すぐにコクンと頷いて大人しく引き下がってくれた。

 

「ごめんサラ、頑張って」

 

「はあ……まさかここまでとはね、いいわ、ありがとフィー」

 

 頭をかきながら《Ⅶ組》メンバーの方へ戻るフィーを見送ったサラは一対一となってもやる気らしく強化ブレードの切っ先をこっちへ向け直した。

 さてどうしたもんかな、こんな勝負で怪我なんてさせるのもするのも御免だけどガチのサラ相手に穏便に事を収める方法はあるだろうか、と。

 

 その時一つの妙案が脳裏に閃いた。

 

「っ!」

 

 刀を鞘へ納め姿勢を低くした俺を見てサラは警戒を強めたようだ。

 彼女ぐらいの実力者なら居合の技ぐらい知っているだろう、だからこそ引っかかってくれる可能性がある。

 

「今度はこちらから行きますよ、サラ教官」

 

 ぐっと呼吸を潜め身構えたサラへ踏み込み俺は――抜刀する勢いを乗せて握った刀を投げつけた。

 

「なっ!?」

 

 刀がすっ飛んで来るのは予想外だったらしくサラは柄を向けて飛んでくる刀をブレードで弾くがその瞬間には突っ込んだ俺が距離を詰めている。

 今だ――腰元で引き絞った手に神経を集中し目の前のサラへ必殺の一撃を放つ。

 

 

 

    「ライトニングチャージ!」

 

 

 

 

 

 

 

「な……何が起こったんだ?」

 

 戸惑うマキアスの声、他のメンバーも大体似たような反応でこちらを見ていた。

 駆け抜けた俺の背後ではサラがうずくまりブルブルと、いやビクンビクンって感じだろうか、体を抱えるようにして震えている。

 

 覗き込めばその顔が真っ赤に染まっていることが分かるだろう、それも俺が今彼女に見舞った技による結果だった。

 

 説明しよう!

 ライトニングチャージとは巧みな指先の動きで対象の性感帯を刺激し稲妻にもたとえられる程の快感を与える技なのだ。

 

 とある伝説の痴漢が編み出したものだがそれを俺なりに今日までの経験(性的)を生かし再現している。

 まだ浅い経験は麒麟功による高速の手さばきでカバーし一瞬の内に敏感なポイントを刺激し尽されたサラはあえなく絶頂、これにて御免である。

 

「リ……リィン……あんたねぇ……」

 

 涙目でサラがこっちを見ている。

 皆何が起こったのか気づいてはいないだろうがよく考えれば生徒達の前でイかされるなんてとんだ羞恥プレイである。

 

 今更ながらやり過ぎただろうかと思いもするが後の祭り、《Ⅶ組》メンバーの中でサラの反応から唯一俺が何をしたのか分かったらしく頬を膨らませているアリサも含め後でアフターケアの方法を考えておかないといけないだろう。

 何はともあれサラは戦闘不能、これにて実技テストは終了の運びとなるのだった。




エロは次回に持ち越し


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ラウラとの一夜

忘れた頃にやってくる(´・ω・`)
3P回やろうかと思ってたけど予想以上の難しさに後回し。
相変わらずこまけえことはいいんだよスタイルで進めます。


 

 待ちに待った週末特別実習、車窓から眺める田園風景の実に美しいケルディックの地にアリサ、ラウラ、エリオット、そして俺のA班はやってきていた。

 実技テスト後、サラによって頬を張られるアクシデントに見舞われたものの班分けの方は変更無かったようで幸いだ。

 

 回避したアリサからのビンタをこんな形でサラから受けることになるとは、これぞ歴史の修正力――などではなく完全な自業自得である。

 列車を使った一泊二日の旅とはいえ士官学院カリキュラムの一環、お遊び気分というわけにはいかないが子供時代の遠足のような高揚感を感じずにはいられない。

 

 他のⅦ組メンバーと違ってどんなことをやらされるか知っているから精神的に余裕があるお陰でもあるんだろうけどな。

 本日のお宿、風見亭で女将マゴットから特別実習のお題を受け取りその街のお手伝いさんな内容に面食らう皆を適当に説得して実習を開始する。

 

 宿に到着するなりサラが美味そうに呷り始めたライ麦の地ビールには興味をそそられたが今は学生身分であるためご相伴に預かることはできなかった。

 すごく……残念です。

 

 そんなこんなでザ・軌跡シリーズ伝統の導力灯交換ミッションやら薬の材料調達という名のお使いをこなし手配魔獣、スケイリーダイナの討伐にやってきた。

 トカゲ型というが人の倍近いビッグサイズで二足歩行なダイナさんはプチ恐竜とでも表現したらいいだろうか。

 

「うう……手強そうだね」

 

「エリオット、大丈夫かしら?」

 

「大丈夫大丈夫、エリオットもアリサもその内慣れるって」

 

 まだまだ場慣れしておらずびくついているエリオットやアリサをなだめながら魔獣の元へと向かう。

 俺も小さい頃はちょっとでかい魔獣に出くわしただけで漏らしそうになったもんだ。

 

 ユン老師による武者修行の荒療治の成果とはいえそれが今では全く平気になれたんだから人間やっぱ慣れる生き物なんだろう。

 精神的に図太い彼らならきっとすぐそうなれるよきっと。

 

「いざって時は助けに入るから、背中は任せるよ」

 

「――うむ」

 

 同じ前衛であるラウラの何か言いたげな視線だけは気になったが。

 

 

  *

 

 

「リィン……何故そなたは本気を出さないのだ?」

 

 夕食後の風見亭、やってきましたラウラさん。

 実技テストで大分やらかしてたからこのタイミングじゃ来てくれないんじゃないかと思ってたが。

 

 大市で商人さん方が場所を取り合ったりそれを仲裁して元締めさんにお茶をご馳走になったりと色々あった気もするがこのイベントに比べたら些細なことだ。

 違うのは全力でやったらすぐに片付いてしまいそうな今日の手配魔獣戦なんかで実際に俺が手を抜いていることだろうか。

 

 その辺り武士道娘なラウラさんからしたら許容できないところなのかもしれない、さてどう返したらいいやら。

 

「本気か……そうだな」

 

 熟考の末――俺は考えるのを止めた。

 

「ラウラ、この後少し付き合ってくれないか? 剣も用意しておいて欲しい」

 

「む――承知した」

 

 唐突な誘いにも神妙な顔つきでラウラは頷いてくれた。

 ――そして人気の無い場所を探しやってきた夜の街道外れ、風車の脇で刀を手にしてラウラと向き合う。

 

「リィン、そなたの剣だが……」

 

「ああ、ラウラは察してるだろうけど八葉一刀流だよ」

 

 俺が太刀じゃなく打刀を使ってるせいで迷わせたかもしれないラウラの疑問に答えておく。

 確か帝国界最強の剣士ことヴィクター・アルゼイドな親父さんから八葉の使い手にいつか会うだろうとか仄めかされてたんだったっけか。

 

「色々聞きたいことはあるんだろうけどさ、とりあえず――」

 

 生憎と無自覚フラグメイカーな原作リィンのように器用に立ち回ることはできない俺は手っ取り早くこの方法を取らせてもらう。

 この体の内に眠る暴力性を秘めた力へ意識を集中させ掌握し――解放する。

 

「っ!」

 

 一変した俺の雰囲気にラウラが目を見開きながら息を呑む。

 彼女の視界に移る俺は髪の色を銀に変じさせ、瞳孔を赤く染めていることだろう。

 

 驚愕しているラウラと向き合い刀を抜く。

 反応を遅れさせながらもこちらの意思を汲み取ってくれたらしいラウラはその両手剣を構えた。

 

「これが本気の俺だ。来い、ラウラ」

 

「――感謝するぞ、リィン。参るっ!」

 

 武者震いか身を震わせ、威勢よく叫び気迫を滾らせながら向かってくるラウラを全力を以て迎えるのだった。

 

 

  *

 

 

 予想出来たことではあるが勝負は一瞬で決まった。

 この状態ならば俺はラウラの反応速度を遥かに凌駕する速度を発揮できる。

 

 そんな状況であえて正面から彼女を迎え撃ち、振り下ろされた一刀を捌いて落とし、目にも止まらない速さの返す刀で首元へ刃を突き付けて見せるとあまりの疾さにしばらくの間ラウラは言葉を失っていた。

 

「ここまで、とはな」

 

 敗北を認めたらしい言葉に刀を引き鞘へと納める。

 ラウラの方はと言えば手に剣を提げたままではあるが完全に肩から力を抜いているようだった。

 

「八葉では皆伝に至ったものは”理”に通ずる達人として剣聖、と呼ばれるそうだが、もしやリィンは既に……?」

 

「まあ皆伝は授かってるよ、正直”理”だとかいうものにはあまり実感が無いんだけど」

 

 一般的にはラウラの言った通りだが残念なことに俺はそんな悟りが開けたような心境に至った覚えがない。

 ……もしや邪念が多すぎるせいだろうか、主に下な方向性で。

 

「よもや同じ年頃でここまでの達人が居ようとはな……それと、その変化だが……」

 

「どうしてこんな力があるのかについては実は俺もよく分からないんだ。小さい頃あるきっかけで気づいたんだけど、あまりに得体が知れない力だからさ、普段は頼らないようにしてるんだ」

 

 神気合一、この力については実際不明な所が多いのでそんな風に誤魔化しておく。

 変に知ったかぶりすると後で怖いからな。

 

「ふふっ、いい稽古相手が見つかったかと思ったが、ここまで相手にならないのではそなたにとって迷惑だろうな」

 

 自嘲気味にラウラはそんなことを言ってしまう。

 やはり向上意欲旺盛な彼女だけに俺に期待していたのはそれだったんだろう。

 

「そんなことはないさ」

 

「しかし――?」

 

 だが俺は首を振ってラウラの言葉を否定して見せる。

 

「ラウラが望むなら俺はいつだって相手になるよ、今回みたいなやり方じゃなく、傲慢な言い方だけど勝負になるよう力を抑えて」

 

「よいのか?そなたにとってはあまりに益がないように思えるのだが」

 

「いや、理だとかに実感が無いって言ったよな?どうやら俺も精神的には相当未熟らしいから、ラウラみたいに学院で皆と切磋琢磨したいって気持ちはあるんだよ。それに――」

 

 ラウラの間近まで歩み寄りその顔を真っ直ぐに見つめる。

 目を合わされたラウラが微かに目を瞠ると急に落ち着きを失くし、動揺したように瞳を揺らしていた。

 

「益が無いってわけじゃないからさ」

 

 魅了能力を発動させたことによるその反応に内心ほくそ笑みながら俺は更にラウラとの距離を詰めるのだった。

 

 

  *

 

 

「リ……リィン」

 

 剣を落とし、頬に朱の色を浮かべながら後退ろうとしたラウラの腰に手を回し引きとめる。

 彼女には寮生活で顔を合わせる度に浅く魅了効果を擦り込んでいたので実にかかり(・・・)やすかったようだ。

 

「稽古相手としてだけじゃなく、俺はラウラとは個人的に仲良くしたいって思ってたよ」

 

「仲良く、とは……その」

 

「もちろん、こういうことだよ」

 

 ここまで接近されて意識せずにはいられないだろう俺の意図に視線を伏せがちにしてしまっていたラウラ。

 そのおとがいに手をかけ、上向かせた唇に瞳を閉じるとこちらの唇を触れ合わせた。

 

「ん――!」

 

 閉じた瞼越しにラウラの凛々しい瞳が見開かれている気配を感じる。

 唇を奪われた形だが、魅了を受けてしまった彼女は抵抗するような動きを見せることも出来なかった。

 

 腰に回していた手を引き寄せ、身の丈程もある大剣を振り回せているとは信じられないようなラウラの細い体を抱き寄せる。

 そうして体同士を密着させるといつしか目を閉じていたラウラの唇を唇で何度もついばむように貪った。

 

「ん……ふ……んん……」

 

 その間にも魅了の深度は深まり、ゆっくりと挿し入れた舌は拒まれることなく少女の口内へ侵入を果たし、求められるままにラウラはこちらと舌を絡め交えてくれた。

 

「ちゅ、む……ん……ぢゅ、はぁ……んっ!」

 

 触れ合わせた唇の隙間から唾液の奏でる卑猥な濡れ音を響かせながら俺達はそのまま暫くの間唇と舌とを貪り合う。

 ようやくキスを終えた時には互いの唇の間で一瞬唾液の糸が引かれてしまうほどで、その様にラウラはただでさえ赤くなっていた顔を耳まで赤く染めていた。

 

「あ――」

 

 そこで体を密着させられていたことでラウラが気づく。

 下腹部に押し付けられた俺の股間の辺り、ズボンを内から膨らませているモノの存在に。

 

「リ、リィン! これは、まさか……」

 

「ああ、キスもあるけど、久しぶりに全力を出したせいか思ったより興奮してるみたいだ」

 

 彼女の性知識がどの程度かは知らないが、こちらが欲情していることは十分に伝わっているらしく戸惑いを露わにしている。

 当然ながらそんな姿を見せられても構えた矛を収める気はさらさら無い。

 

「相手をして欲しい、ラウラ」

 

「~~~~っ!ま、待ってくれリィン。こんなことには順序というものが……あってだな……」

 

 崩れつつある自制心をふるってこちらをとどめようとするラウラだったが、その言葉は尻すぼみになってしまっていた。

 普段毅然としている彼女らしからぬ慌てふためいた姿に嗜虐心がくすぐられるのを感じながら、顔を吐息の届きそうなぐらいまで近づけて囁く。

 

「俺はラウラの事が好きだ」

 

「――っ!?」

 

「ラウラは俺の事が嫌いか?」

 

 魅了による力づくで手籠めにしようとしておいて我儘な物言いだが、彼女の口から最低限の承諾は取っておきたい。

 

「嫌いでは、無い……むしろ……」

 

 やはり剣の道という色恋沙汰には縁が無い人生を送って来たせいか、視線を泳がせながら言い淀む不器用なその様に無理強いし過ぎる気が失せてしまった。

 今日のところはそれで十分としよう。

 

「なら問題は無いな。ラウラ、こっちへ」

 

「えっ?そちらは……リィン?」

 

 ラウラの手を引き、白い建材で建てられた風車の下まで誘導する。

 まだ事態を理解していないらしいラウラには申し訳ないが、混乱してただ言われたままに従ってくれている内に体勢を整えてもらおう。

 

「そこに両手をついてくれ、ちょっと前屈みになってくれると助かる」

 

「こ、こうか?一体何が――っ!」

 

 風車の外壁に手をついたラウラの後ろに回った俺は手早く彼女のスカートに手をかけ、たくしあげてしまう。

 形の良いヒップを覆う、スカートの下に履かれていたのは彼女らしいスポーティーな綿の青いショーツだった。

 

 躊躇いなく下着を晒された衝撃にラウラは口をパクパクとさせていたが、早速準備にかからせてもらおう。

 女性の最も秘めたる部位を覆い隠しているショーツのクロッチ部へと手を伸ばし、すっとなぞるように指を滑らせる。

 

「あっ……リ、ィン――そこは……っ!」

 

 お次は指先に少し力を込め上から下へ、下から上へとショーツの布地越しに、ラウラの秘所を撫で摩っていく。

 指が往復する度にラウラはその体をビクリ、ビクリと小刻みに震わせ、くぐもった声を漏らす。

 

「あ、あぁ……んっ、は、あ……何だ……この感覚は……リィン、そなた、何を……っ!」

 

 自慰行為の経験は無いのだろうか、まるで未知の感覚に怯えているかのような素振りだ。

 しかし不意を突いて指先に感じる蜜肉の谷間へと押し込んでやった瞬間ラウラの口から漏れた声音には明らかに艶が乗っていた。

 

 じわりと奥から染み出した蜜液がショーツの布地を濡らし始めたことが何よりの証左だろう。

 

「ああっ!――っ、あ、あ、あ……リィン、こんな……私は……」

 

「大丈夫だ、ラウラ」

 

 快楽を受け入れてしまうことを拒むようにポニーテールを振り乱しながら首を振っていたラウラに、努めて平坦に落ち着けた声で呼びかけながら俺は一旦指を止め――ショーツのクロッチをめくりずらし、彼女の恥丘を露わにさせた。

 よけられた布地の下から濡れ始めた薄紅色のワレメを覗かせる。

 

「~~っ!?」

 

「ちゃんと気持ち良くさせるから」

 

 ラウラが目を剥く中、俺はゆっくりとワレメの内へと中指を埋没させていく。

 蜜口の奥へと俺の指が侵入していくとラウラは声なき声を漏らしながらこれまで以上に体を震わせているようだった。

 

「ふ、あ、あ……リィンの指が……入って……あ、あっ……んっ!」

 

 暖かな蜜肉の感触に包まれた指を蠢かせ、膣内を掻き回していくとラウラの吐息が次第に乱れ、熱を孕んだものに変わっていく。

 必死に声を押し殺そうとしているようだったが、時折陰核をつまんでやるとビクリと背を跳ねさせ口から喘ぎを零してしまっていた。

 

 魅了の作用によるものか、未開発にも関わらずしっかりと感じた様子を見せてくれているラウラに一安心した俺は、蜜口が潤いに満たされたのを見取ったところで指を引き抜いた。

 息も絶え絶えなラウラだったが、頬は上気し、口から漏れだす吐息には確かに淫らな熱が混ざり始めていた。

 

 こちらとしてもそろそろ我慢の限界だ、ベルトを外し下着ごとズボンを脱ぎ下ろすと解放された男の象徴が股間から垂直に勃ち起きる。

 前戯の間も劣情は高まり続けていた分見下したモノはパンパンに肉幹を膨らませ張り詰めていた。

 

 そんなこちらの様子に気づく余裕すら無くしているラウラの腰を掴むと、腰の位置を調整して十分に濡らした淫唇へ膨れた肉笠をあてがい呼吸を整える。

 

「それじゃあ、行くぞラウラ」

 

「はぁ、はぁ……リィ、ン……また……?――っ!」

 

 淫唇を割って埋没した肉笠がもたらしたそれまで以上の挿入感にラウラがビクリと背筋を震わせ首だけでこちらを振り返った。

 俺の股間から生えた一物がゆっくりと自らの膣内へと突き込まれていくのを目の当たりにしたラウラは声を震わせながら悶えていく。

 

「あ、あぁ……これは……これが……リィンの……あ、ああ、私の中に……はぁ、んっ……く……あぁ」

 

 モノを包み込みながらきつく締め付けてくる膣壁と肉襞の感触に竿から甘い痺れが這い上がってくるのを感じながら俺はラウラの膣内へ更に肉幹を沈めていく。

 鍛え込んでいるせいかなかなかに締め付けのきついラウラの蜜壺の具合は悪くなかった。

 

 しかし当然初めて男を受け入れる女性器特有の障害により半ばで侵入が阻まれる。

 だが俺の経験則が正しければおそらく――

 

 息を詰めてぐっと腰を押し込んだ瞬間、貫いた抵抗が消失し俺の分身が完全にラウラの内へと収まった。

 

「あ――っ!っ……は、ぁ……っ」

 

 処女を失った痛みをラウラが目を固くつむって堪えている。

 痛みには個人差があるらしいが、流石にこの時だけは微かな罪悪感を感じずにはいられない。

 

 ラウラの膣内へ根元まで肉竿をうずめたまま、もう少しの間は動かずにいようかと思いもしたが、前々から気になっていたことを確かめる為、躊躇いを振り切って俺はゆっくりと腰を引いていく。

 

「んっ……あ……?」

 

 膣壁を擦りながらモノが引き抜かれていく感触にラウラの口から漏れた小さな吐息。

 破瓜の余韻を微かに感じさせながらもそこには彼女自身自覚していないだろう昂ぶりが滲み始めていた。

 

 その変化に予想が確信に近づいたことで、俺はカリ首近くまで引き抜いた股間の屹立を一気に、とまではいかないまでも、少し勢いを強めて蜜口へ再び突き挿れた。

 

「あ――ああっ!待てリィ……ン、は……んっ!」

 

 蜜襞を掻き分けながら再度ラウラを貫いた肉杭の先端が最奥へ達するとラウラはびくりと背を仰け反らせ、その感覚に打ち震える。

 

「これ、は……何、なのだ……あ、ああ……」

 

 ラウラはその未知の感覚――女としての快感に呑まれてしまうことを恐れているようだったが、その様は俺の中に背徳的な衝動が湧き起こしてしまった。

 この初心な少女を淫らに喘がせてみたいと。

 

「っ!ああっ!」

 

 俺の腰がラウラの尻たぶを叩き、肌のぶつかり合う乾いた音を打ち鳴らす。

 腰を大きくグラインドさせ、打ち込むように肉杭を突き挿れるとラウラの口からは一際高い声が漏れだした。

 

 これもご都合展開力の成せる技か、初めてのセックスでしっかりと感じ始めている快感をその肢体へ刻み込むように荒々しく腰を振りラウラを犯し貫いていく。

 逃れられないよう掴んだ腰はがっしり押さえ込んで何度も何度も、時に角度を変えながら俺はラウラの蜜壺へ肉杭を打ち込んだ。

 

「あっ、んっ!――っ、ああっ!止めて、くれ、リィン……こんな、ことを……っ!そんなに、激しくされたら、私は――ああっ!」

 

 ラウラは必死に自制しようとしているようだったが彼女の体の方は既に出来上がりつつあった。

 絶え間なく漏れる喘ぎ声には艶が乗り、肉竿を咥え込んだ彼女の蜜口は内から愛液を溢れさせ、淫唇と肉幹の隙間から漏れだした透明の雫が足を伝い落ちている。

 

 普通の初体験にしては顕著に過ぎるぐらいの反応だ、ひょっとすると無理矢理気味に犯されているシチュエーションに興奮でもしているのだろうか。

 

「もう少し声は落とした方がいいぞラウラ、こんな夜中でも誰も通りかからないなんて限らないからな」

 

「なっ!?――あっ……」

 

 悪戯心のままにそんなことを囁くと、街道沿いからは少し外れているとはいえここが屋外だということを今の今まで忘れていたのかラウラが目を見開いていた。

 

「――っ、んっ!?あ、ああっ!リ、リィン……待……んぅ!」

 

 腰のペースを切り替え短いストロークで抽挿の回転率を上げてやると互いの肌がぶつかり合う音が余計に際立ち、ラウラの羞恥を加速させる。

 

「あ――あぁ!ダメだ、こんな姿を……誰かに見られたら……私は……」

 

 かぶりを振って悶えるラウラの姿は微笑ましかったが、同時に締め付けが強まった膣内はモノを抜き挿しする度にゾクゾクと快感の波が押し寄せる具合の良さで、こちらの余裕まで一気に削り取っていく。

 

「くっ……そうだな……それじゃあそろそろ終わりにしようか」

 

「はぁ、はぁ……本当、だな……やっと――あ、んぅ!あっ、あっ、や、ああっ!」

 

 ラストスパートとばかりに探り当てていたラウラの敏感なポイントをえぐるように深く肉杭を打ち込んでいく。

 たちまちラウラは余計な言葉を発する余裕を無くしてしまい、瞳を蕩かせながら喘ぐ一方になってしまう。

 

「んっ!あっ!こん、な……あっ、はぁ……や……体が……おかしく……ああっ!」

 

 ラウラはあられもない声を上げてしまいながら急速に高まる官能の波に翻弄されていき、やがて――

 

「――――っ!は――あ、あああっ!」

 

 ビクリ、ビクリと大きく肩を震わせ達してしまったラウラの蜜壺がぐっと収縮し、同時に突き込んでいた肉竿から這い上がる快感の波が俺の許容量に達する。

 堰切った精液が鈴口から解き放たれ膣内へとめどなく溢れ出し、俺の頭の中は絶頂により弾けた快感によって真っ白に染め上げられた。

 

 

  *

 

 

 ――やり過ぎた。

 賢者タイムに突入し冷めた頭で振り返ると今回は強引に行き過ぎたかもしれないと今更になって後悔してしまう。

 

 日頃キリッとして格好良いラウラのよがる姿は大変興奮を掻き立てるものでついつい相手が初体験だということも忘れて腰を振らされてしまった。

 風車の壁に背中を預けて座り込んだ俺の足の間で身を縮こめているラウラはこちらの胸に頭を預けながら未だ行為の余韻に小さく肩を震わせていた。

 

「――リィン」

 

 こちらを見上げて来た顔の頬には夜の暗がりでも見て取れる程度には赤みが残り、まだ完全に落ち着いたようには見えなかったが、少し拗ねたような目つきがこちらを見上げていた。

 

「よくも、こんな……責任は取ってくれるのだろうな」

 

「ああ勿論、男としてそこは約束する」

 

 既に二人の女性にも手を出してしまっているわけだが、一応リィン・シュヴァルツァーは貴族だし、エレボニア帝国はお妾さんありのルールだし、何とかなるだろう――ならなくても何とかしてみせる。

 今の俺はハーレムの為なら何だってやってやりますよ、という不純な熱意が伝わってしまったのかラウラはじと目になって俺を見つめていたが。

 

「ふぅ――ならば良い、としておく。まったく……英雄色を好むというが、そなたがこんなにも節操の無い男だとは思わなかったぞ」

 

 呆れた声の苦言にはまったく否定できず愛想笑いで誤魔化すことしかできなかった。

 アリサとサラのことが知れたらどうなるだろうかと思うと背筋を冷たい感覚が走るのを感じてしまう。

 

「稽古相手になってくれる約束、忘れるでないぞ。それと……」

 

 それまでこちらへ向けていた視線を急に外し、少しの間口元をまごつかせるとラウラはそれまでのものから随分とボリュームを落とした声で呟く。

 

「今度から……こういう事は……ちゃんとした場所で頼む」

 

「こういう事?」

 

「だから……ええい!そなたが私に散々にしてくれた事だ!みなまで言わせるな!」

 

 一瞬素で分からなかった俺はそうわめかれたことでやっと彼女の言葉を理解することができた。

 つまり、まあ、時と場合さえ弁えればお誘いOKということですかラウラさん。

 

「ラウラ」

 

「……なんだ?」

 

「気持ち良かったか?」

 

 一瞬きょとんとしていたが鳩が豆鉄砲喰らった顔とでも言うんだろうか、そんな顔をしてパッと顔を赤面させたラウラはそれを隠すようにまたこちらの胸に頭をつっこませてきた。

 まんざら外れてもいなかったらしいその反応につい笑ってしまいながら、また彼女が落ち着くまでの間肩を抱いて、夜の静かな時を過ごしたのだった。



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教官への労り()

今からでも遅くない、サラクレアシャロンに水着を追加しろくださいファルコーーム!

ちょいワンパターンな気がしなくもなかったけどⅢサラ教官グラがエロくてつい優遇?気味、後悔はしていない。


 オイルを熱したフライパンにどこぞの市議会議長も推薦するにがトマトスライスを投入しじっくりソテーしていく。

 火を通してやると甘味が増すのは普通のトマトと変わりないようで、前世(いにしえ)の記憶が通用する素材で助かる。

 

 程よく焼けたらさっと上げフライパンをぬぐったらオイルを追加、臭み抜き、味付けを済ませておいた白身魚を焼き上げていく。

 あまり凝った真似もしない男料理でも酒の肴程度ならそんなに手間もかからないしなんとかなるものだ。

 

 電子レンジなんてものはまだ無いこの世界では家での一人呑みで培ってしまったスキルもそこそこ役に立つな。

 まあ日進月歩どころじゃない勢いで進化し続ける導力テクノロジーですからレンジでチン!が出来るようになるのも時間の問題かもしれんが。

 

 ARCUSの通話機能しかり導力ネットしかりちょっと技術躍進激しすぎやしませんかねホント。

 そういえば電気じゃなく導力で動いてるわけだから電子じゃなくて導力レンジになるんだろうか、なんでも導力ってつければ許されると思うなよファルコ(ry

 

 ざくっと調理器具を片づけてから盛り付けを済ませたトマトと白身魚のソテーを持ってキッチンから食堂をスルーし第三学生寮一階、改装前のアパートの名残りか談話室的な雰囲気でテーブルにソファーまで置いてあるリビングスペースに出る。

  

「お待ちどうさまですサラ教官」

 

 テーブルに用意してきた追加のおつまみを置いてやるとそこで晩酌中だった麗しの教官、サラの顔も上機嫌そうに緩む。

 なんだかんだ予想通り殴り合い寸前までハッテンしたユーシス&マキアスの仲裁に苦労したそうだからお疲れさまだ。

 

「悪いわね、助かるわ」

 

「日頃教官にはお世話になってますから、これぐらいはしますよ」

 

 A班実習地のケルディックからB班実習地のパルムを行ったり来たりと忙しかった彼女への労いも兼ねてつくってみたが好評そうで何よりである。

 特別実習の顛末? いやぁグルノージャは強敵でしたね。

 

 怪我人も無くケルディック大市で起きた盗難事件も無事解決しましたとも、ええ。

 そんなことよりようやくお目にかかれた氷の乙女ことクレア大尉に僕は夢中でした。

 

 惜しむらくは手を出してる時間的余裕が無かったことか、悔しい思いをしながらも浅く魅了は刷り込んでおいたので次に会う時が楽しみだ。

 そんな不届きな回想にふけっていることを見抜かれたのか隣に座っていたサラからつままれてしまった頬が軽く痛い。

 

「いつつ……サラ教官?」

 

「何か良からぬことを考えてる顔してたわよ今、さてはあの女のことでも思い出してたんでしょ」

 

 流石の勘の鋭さよ、苦笑い程度では誤魔化せもせずズバリ言い当てられてしまった。

 魅了に当てられたクレアが別れ際に名残惜しそうにしていたせいかちょっかいを出し始めていることには気づかれているらしい。

 

「A班の方は実習内容も順調だったみたいね、アンタもラウラと随分仲が深まったみたいだし」

 

 グサリグサリとサラによる言葉の槍が俺の胸へと突き刺さる。

 進展したラウラとの仲についてまでこれはもうほとんどバレているらしい。

 

 「手が早いったらありゃしないわね」とビール片手にツイっと背けられてしまった目線。

 しかしそんな態度を取る彼女が実際何を求めているのか、俺にも近頃は分かってきた。

 

「それじゃあお詫びと労いの気持ちを込めて」

 

 すっとサラとの距離を詰め、彼女の細い腰へと手を回しながら耳元へ囁きかける。

 

「マッサージでもさせてもらおうかと思いますけど、いいかなサラ?」

 

「……好きにしたらいいわ」

 

 目を背けたままのサラはビール缶を置くと気の無いふうを装っていたが、俺の腕はピクリと震える体の反応を感じ取っていた。

 承諾と受け取り俺はサラのウエストに添えた右の掌をゆっくりと上へと滑らせていく。

 

 ワンピース生地越しに感じる女性の肌特有の柔らかさがもたらす幸福感が掌から染み込んでくるようだ、

 とんでもない戦闘力を発揮する彼女がこんな女性らしい体つきを維持しているのだからファンタジー筋肉最高である。

 

 登っていく俺の手が辿り着く二つの大きな膨らみの麓。

 魅惑的な双丘を鷲掴みにしてしまいたい欲求を抑えながら手の軌道を脇の方へ迂回させ、服の上からそのたわわな感触をなぞる。

 

「ん……」

 

 同時にサラの口から漏れる押し殺した声。

 そこに秘められた昂ぶりの予兆を感じ取りつつ、繰り返し胸のサイドを掌で撫でさすっていく。

 

 服の生地を隔て感じる柔らかな手応え、どうやらノーブラらしいサラの乳房の感触が俺の劣情を煽り立てられてしまう。

 しかし我欲に身を任せるのにはまだ早い、徐々に手に乗せる力を増していき乳房への刺激を増していくと、やがてサラの口からは熱の籠った吐息が漏れ始めていた。

 

「あ……ん、もう……いやらしい触り方して……アタシの胸はそんなに気に入ったのかしら?」

 

「もちろん、ずっと触っていられたら最高なんだけど」

 

「そ、そう――んっ!」

 

 アリサやラウラと比べアドバンテージがあるせいか、少し自慢げになっていたサラの表情に媚熱が浮いていく。

 まだ行為を重ねた日数はそんなにないが、一回一回の密度が濃ゆいせいか、それとも俺の能力による補正が働いているのか、早くもサラは胸への愛撫だけで快感を感じ始めていた。

 

 未開発な頃はどうしても揉む程度で大した刺激は与えらないが、これだけ魅惑的なバストを堪能しないなど勿体無いし、どうせならば彼女にも気持ち良くなってもらいたい。

 そういうわけで丹念にいわゆるスペンス乳腺の開発を意識していたことが功を奏してサラの胸の感度は上々な具合になってきているようだ。

 

「は……あぁ……何よこれ……もう、あ……っ!」

 

 空いていた左手を滑り込ませ、両方の胸を同時に撫で揉み込んでいくと快感の波にサラの瞳の焦点が揺らいでいく。

 すっかりと上気した頬の赤らみがアルコールによるものでないことは明らかで、牝の本能に彼女の思考は染まり始めていた。

 

「サラ、お願いがあるんだけど」

 

「んぅ……なに、よ……今更?」

 

 耳元でそのお願い内容を口にすると、サラは顔をボッと火のついたように紅く染めこちらを向く。

 

「ちょ、ちょっと……っ、他の子達が下りてきたらどうする気よ」

 

「大丈夫でしょ、もう皆疲れて寝てるよ」

 

 嘘では無いし、安心させるためにそう伝えはしてみたが常識で考えるなら不意に起きた誰かが水でも飲みに下りてくる可能性は否定できない。

 だからサラがお願いを聞いてくれる保証はなかったのだが、しばらくの間黙り込んでいた彼女は固い動きでワンピースの裾に手をかけ。

 

「――――っ!」

 

 躊躇を振り払うように一息に脱ぎ放ち、めくり上がる布地の下から眩しい肢体が露わになり解放された豊かな胸の膨らみがゆさりと揺れた。、

 身に着けていた下着は黒いショーツのみで、そんなあられもない姿を普段生徒達が往来するこの空間で晒す羞恥にこれで満足かと言わんばかりの表情は真っ赤に染まり余裕がすっかり消え失せている。

 

「な、何とか言いなさいよ!アタシにここまでさせたんだから……」 

 

 じっとその肢体を眺めていた俺に痺れをきらしたサラが喚くも、他の生徒達を起こしてしまわないか不安になったのかすぐに尻すぼみになってしまう。

 そんな反応をされてしまうと嗜虐心をくすぐられてしまうのだが、お疲れのところに意地悪をする気は流石に起きないな。

 

「ごめんごめん、でも我儘聞いてくれて嬉しいよサラ。それじゃ」

 

 サラの体をソファーへ押し倒し寝かせると俺自身のズボンのベルトを外し、このところすっかり慣れて手早くなってしまった下半身の脱衣を済ませてしまう。

 ここまでの行為で俺もまた興奮せずにいられるわけもなく、股間では滾りに滾った男根が垂直に勃ち上がり欲情の丈をありありと示していた。

 

 そんな男の性欲の象徴を目の前の女性には既に何度も見せていたがいきり勃ち膨れ上がった肉竿を目にしたサラは息を呑み、少しして見入ってしまっていたことに気づくと気まずそうに視線を外しながらもチラチラとこちらの様子を窺っていた。

 

「あ、相変わらず節操ないんだから……こんなところでそんなにして、恥ずかしくないの?」

 

「それだけサラが魅力的ってことだよ、それに」

 

「あっ――」

 

 能力のお陰で邪魔者が入らないことは半ば確信しているがそれが無いとしてもサラのこんな姿を前にして我慢などできるわけがない。

 程よく肉のついたサラの片脚を担ぐように持ち上げ、股座を開帳させると残された秘部を覆う黒ショーツのクロッチに手をかけ、横へとずらしてやる。

 

 晒け出されたピンクの淫裂を前戯により内から分泌された愛液がしっとりと潤していた。

 

「あっ!ん――ぅ……」

 

 グチュリと淫裂に指を沈み込ませるとサラがビクリと体を震わせ悶える。

 ゆっくりと膣内へ侵入させた指で到達した目的のポイントを丹念に撫で、時に掻き回すようにしてまさぐっていく。

 

 サラの方は口をつぐみ声を抑えようとしているようだったが、その口から奥を弄る度に堪え切れない喘ぎが漏れ聞こえていた。

 

「あ……あぁ……ダメ、こん、なの……んっ!」

 

 感じてくれているのは確かなようだったがソファーの背もたれを握りしめながら小さくかぶりを振るサラの反応にどうしたのかつい聞いてしまう。

 

「サラはあんまり一方的にされるのは嫌かな?」

 

「……違うわよ」

 

 年上を意識してイニシアチブを取りたがるサラのことだからされるがままなプレイはお好みでないのかとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。

 手を止め待っていると、見下ろす俺の視線を恥じるように顔を背けたままサラは囁くような声で言葉を続けた。

 

「……良過ぎるのよ、アンタにされるのが。年上の立場とか……どうでも良くて、身を任せたくなっちゃうぐらい、に」

 

 珍しくもしおらしい素振りで、ただでさえ赤かった顔を更に赤くしながらサラが絞り出した言葉。

 今日までの行為の度何かにつけてリードしようと試みるも上手く行かなかったことにプライドが揺らいでしまっているのだろうか。

 

「そんなこと悩まなくてもいいさ」

 

「……リィン?」

 

 本来の彼女の理想は年上のおじさまらしいが、せめて気分くらいは理想に浸ってもらいたい。

 

「俺は男として、サラの事を全部受け入れるつもりだ。だからサラも教官とか生徒とか、肩肘張らずにありのままの姿を見せて欲しい」

 

 だらしないところも大人ぶってしまうことも彼女の魅力の一つであるがこんな時ぐらい甘える姿を見せてくれたっていいだろう。

 馴れ初めこそ卑劣な手段を使ってはいるがこれもまた俺の本心だ、見た目の包容力には欠けるかもしれないが少しは男らしく振る舞わせてほしい。

 

 しばらくの間真顔でこちらをじっと見つめいたサラだったが、こちらの言葉が届くのに時間がかかったかのように顔をボッと紅潮させてしまっていた。

 

「――――」

 

 思いが言葉にならないように、もどかしそうに口をまごつかせていたサラだったが、ゆっくり待っていると多少落ち着きが戻ったのか、深呼吸を挟みこちらを見上げてきた彼女は実にらしい、挑戦的な表情を浮かべていた。

 

「言ってくれるじゃない、ならリィン――男らしくリードしてみせてくれるかしら?」

 

「もちろん」

 

 ニッと調子を取り戻したサラに笑みを返すとソファーの上で体勢を整え、脚を迎えさせる形へ開かせる。

 片足を担ぎ開かされ、蜜口へと俺の一物の穂先を向けられたサラはいつもとは違った緊張を滲ませているようだったが、戸惑うこともなくこちらの行為を受け入れてくれていた。

 

「それじゃ――いくよサラ」

 

 媚肉のワレメにあてがったペニスをぐっと押し込み、蜜壺の中へと埋没させていく。

 

「あっ……あぁ……ん……やっぱり、すごい、これ……んっ!」

 

 ゆっくりと膣肉を掻き分ける感触を堪能するように俺の肉杭がサラを貫いていく。

 侵入者を拒むどころか離すまいとするように絡みつく肉襞と膣壁の締めつけてくる蜜壺の具合の良さは挿入するだけでたまらない、求めることを止められない麻薬めいた快感を引き起こし俺の理性を崩しにかかってくる。

 

 思った以上に気が昂ぶってしまっていたのか、いつにない官能の高まりはようやく根元まで膣内へ収めた時つい息を漏らしてしまうほどだったが、サラの方もまたいつも以上の様子を見せていた。

 

「――っ……は……ぁ……」

 

 熱の込もった吐息を漏らしながら睫毛を震わせているその姿はひょっとすると。

 

「もしかしてサラ――む」

 

 挿れただけでイってしまったのかと確認しようとした唇がサラの指に塞がれる。

 こちらの言葉を遮ったサラは変わらずこちらを真っ直ぐ見上げ、初めて彼女のことを年上と意識してしまうような艶の乗った声で囁いてきた。

 

「ほら……リードしてみせてくれるんでしょ?」

 

 どういうわけか、割り切った後の方がずっと大人らしいサラの素振りにはつい笑ってしまいそうになるが、彼女の期待に応えるためにも戸惑っている暇はないだろう。

 半ばまで引き抜いた肉竿を再び奥深くへと埋めていく、突き挿れる角度を調整しながら腰をグラインドさせ蜜壺への抽挿を繰り返していく。

 

 一度達してしまった後で敏感になってしまっているサラの口から漏れる熱を孕んだ吐息は肉杭に貫かれる度に強くなっているようだった。

 

「んっ、あ、あぁ……ん――ソコ……イイの……もっと……ああっ!」

 

 奥を突かれる度に乱れよがるサラの痴態と極上の蜜壺に肉竿が扱き上げられる快感に俺もまた昂ぶらされ、込み上げる欲求のままに腰のピストンを速めてしまいそうなのを抑えるのが苦しいほどだ。

 肉竿を咥え込んだ淫唇の隙間からは内から溢れ出した愛液が卑猥な濡れ音を立て、ソファーへと滴り始める。

 

 根元まで肉杭を突き挿れる度にギシリギシリとソファーの軋む音に交じって抑えることを忘れたサラの喘ぎ声がフロアへ響き出していた。

 

「あっ、んっ!リ、ィン……いいわよ……もっと、強くしていいから……」

 

「っく、はぁ……サラ?」

 

 見合わせたサラの潤んだ瞳に思わず胸を打たれ、続いた言葉は更に俺の理性へと追い打ちをかけるものだった。

 

「……アンタのモノだって証、アタシの中に、刻み込んで――あ、んぅっ!あっ!ああっ!」

 

 理性の箍を外されてしまった俺はもう自制することを忘れ支配欲のままに腰を振りサラを滅茶苦茶に犯し、貫き、乱していく。

 まるでレイプのような乱暴さで肉杭を打ち込まれながらもサラの表情は淫らに蕩け、まるで突かれる度にイッてしまっているかのようにビクリビクリと体を震わせている。

 

「サラ――出すぞ全部、膣内に」

 

「んぅ!あんっ!……ええ、良い、わよ。んっ!――全部、受け止めてあげるから……あっ、あっ、あああ!」

 

 今の俺には込み上げる射精感を止めることなんて出来そうにない。

 獣のようにグラインドする俺の腰が柔らかな肌を叩く音とサラの喘ぎ声が高まり、やがて――

 

「くっ――あぁ……」

 

 弾けた快感が俺の思考を真っ白に染め上げ、ペニスの先端から溢れ出した精液の奔流がサラの膣内へと注ぎ込まれていった。

 

 

  *

 

 

「ん――ちゅ、む――んん……」

 

 ソファーの上、心地良い脱力感に包まれながら俺はサラと繋がったままぴったりと抱き合い唇を交わらせていた。

 サラの舌と俺の舌とがお互いの口へ出たり入ったりを繰り返しながら絡み合い貪り合う。

 

 射精からどれほどの間そうしていただろうか、ようやく唇を離すと唾液の雫が一滴サラの口へと垂れ落ちてしまっていたが。

 

「ん――く」

 

 サラの方はそれを愛おし気に呑み下し、開かれた瞳に漂う妖艶な気配に俺は思わず息を呑まされてしまう。

 そんな俺の反応にサラはクスリと微笑みながら悪戯めかしたウインクを飛ばしてきた。

 

「アタシをリードするにはまだまだみたいねリィン?」

 

 だらしなくて、綺麗で、しかも可愛い、これは反則だろう。

 こんなんじゃあどっちが魅了されているのか分かったもんじゃない。

 

「こんな急にお姉さんらしくなるなんて、ずるいなサラ」

 

「こっちの気も知らないで何言ってるのよまったく、あんなに人をイかせておいて……」

 

 そんな抗議は拗ねたように軽く睨みつけてきたサラには不服だったらしくも受け入れてもらえなかった。

 暫くの間そんなサラと見つめ合い、どちらからともなく再び唇を合わせていく。

 

「ん――」

 

 今度は舌を交えず、手を握り合いながらまた一時の間キスを続けていたが。

 

「んん……もう、こんなに出しておいて元気なんだから……」

 

 その変化に気づいたサラが唇を離し、呆れたような声を漏らす。

 挿れたままだった俺のペニスが再び昂ぶりはじめ、サラの膣内で膨らみ始めていたのだった。

 

「ははは――それじゃあサラ。リベンジも兼ねて第二ラウンド、始めさせてもらうよ」

 

「しょうがないわね――んっ、あ、はぁ……あ……んっ」

 

 いつになく高まった体の熱が収まりきらないのはサラも同じであるのだろう。

 この日、夜が明けそうになるまでの間俺とサラは激しく互いを求め合うのだった。



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エマとの秘密授業

超久しぶりで感覚掴めない。
ゲームやる時間がろくに取れなくてつらい毎日です、未だ閃Ⅳ終わっとらんて。

シリアス要素どうしようかと思ったけど元からそんなのぶん投げてた、このまま埋葬しておくことにする。


「どうして……僕が何をしたっていうんだ……」

 

「関わり過ぎたんだよ君は、気の毒だが――ここで退場してもらう」

 

「そんな……だ、誰か助けて……そうだ、リックス、リックスーーーー!」

 

 ……………

 

 

 *

 

 

 諸般の事情によりA氏にご退場願ったバリアハートでの第二回特別実習もつつがなく終了した。

 逞しい彼なら故郷リベールでもきっと良い出会いを見つけてくれることだろう。

 

 いやぁしかしユーシス兄ことルーファス卿は喋り出しにフフって言わないと気が済まないのかねぇ。

 何回言ったかこっそりカウントしとこうかと思うほどのフフっぷりだった。

 

 肝心のユーシスとマキアスの仲も気づいたらそれなりに良好な感じになってたよ!

 手配魔獣を素で倒しちまったときはやらかしたと思ったが、俺を見てたら争うのがあほらしくなったとかなんとか、まあ終わりよければすべて良しとしよう。

 

 そんなこんなで季節は六月半ばの梅雨時、目の前には恐怖のイベント中間試験が迫っている。

 トールズに入ってからはそれなりに勉強も頑張っているつもりだが、正直そんなに自信があるとは言えない。

 

 実は成績優秀者が多い≪Ⅶ組≫の足を引っ張るのも気が引けるのでせめて試験前の勉強ぐらいは頑張っておこうと思い立ち。

 

「そういうわけでよろしくお願いします、委員長」

 

「ふふふ、そんなにかしこまらなくていいですよリィンさん、私で良ければお力添えさせて頂きますから」

 

 頭を下げた俺に優しく微笑んでくれる我らが委員長、学年主席のエマさんに俺の部屋までお越しいただいている。

 欠伸をかきながら同じ卓を囲んでいるのはフィー、今日は彼女らと一緒にお勉強会だ。

 

 流石と言うべきか、猟兵暮らしが長く初歩的な勉強が遅れていたフィーに普段から教えているせいもあるのか、分かりやすいエマの指導の甲斐あって一区切りつくころには過去問の正答率も随分良くなっていた。

 

「すごいな委員長は、一人でやってるときよりも随分捗ってる気がするよ」

 

「いえそんな、リィンさんの基礎がしっかり出来ているからですよ」

 

 謙遜にしか聞こえないことを言うエマの笑顔が眩しい。

 ――企みも兼ねてこの勉強会を提案した身からすると尚更に。

 

 そうこうしている内に彼女が用意しておいた仕込みに気づいてくれたらしい。

 ベッドの下に隠しているように見せかけて、実は気付かれるようにして置いていた雑誌を不審に思ってくれたフィーが手に取った。

 

 勉強から気を逸らし、パラパラと雑誌のページをめくるフィーに気づいたエマがそちらを向くのだったが。

 

「――っ!フィ、フィーちゃん!?」

 

 その雑誌があられもない姿の女性ばかりを写した写真集、エロ雑誌だったことで慌てて止めに入った。

 取り上げた雑誌を後ろに隠したエマは抗議するような視線を俺へと向けてくる。

 

「リ、リィンさん!どうしてこんなものを……いえ、悪いとまでは言いませんが、せめてこんな時はフィーちゃんの目に届かないところに片付けておいて下さい……」

 

 彼女自身あまりそういった情報媒介に耐性がないのだろう、没収した雑誌から目を逸らしながら俺に突き出してくる顔は赤くなっていた。

 予想通りのそんな反応に内心でガッツポーズを決めながらも俺は真面目な顔を取り繕ってそんなエマに応じる。

 

「待ってくれ委員長、本当にそんなことでいいのか?」

 

「は、はい?」

 

 俺が悪びれるどころか反論めいたことを口走り出したことでエマはきょとんと目をしばたかせていた。

 反応はごもっとも、こんな流れで言い出すようなことじゃないのは百も承知だがここは押し通らせてもらう。

 

 真っ直ぐ見つめながら魅了能力の出力を上げて行くと、途端にエマは顔を赤らめて今の今まで相手を責めていた状況にも関わらず落ち着かなさそうに視線を泳がせ始める。

 

「そんなことって……リィンさん、一体何を言ってるんですか?」

 

「純粋であることと無知なことは違うって意味さ、こんな知識から遠ざけてよく知らないままにしておいたらいつか将来悪い大人に騙されて、それこそイケナイことをされてしまうかもしれないだろう?」

 

 ふしだらな行為を忌避するあまり、性知識の教育を怠っていてはろくなことにならない。

 騙されないためにはその事情に精通していなければならないのは自明の理だ。

 

 そんな発想に気づかされ目を瞠っているエマは現在進行形で俺に騙されようとしているわけだが、ご都合展開は今日も好調のようだ。

 

「まあフィーもまったくそういう知識が無いわけじゃないだろう、猟兵なんて経験があるわけだし」

 

 戦場に乱暴狼藉、凌辱はつきものだ。

 プロ意識の高そうな一部の猟兵はともかく程度の低いごろつき同然の傭兵ならそれは顕著だろうし、そんな輩を相手にすることもあっただろう西風の旅団で自衛の為にそういった知識を教え込まれていたとしてもおかしくはない。

 

 そんなことを思いながら顔を向けたフィーは肯定するように首を頷かせていた。

 

「ん……まぁろくでもないことする連中がいることぐらいは知ってる」

 

「だろうな、けどフィー、肝心の行為についてはどういうものか、知ってるか?」

 

 そう聞いてみると流石にそこまで教え込まれてはいないらしくフィーは首を傾げてしまった。

 対象にその行為というものがどういうものか、ある程度は知識があるらしいエマがまた赤くした顔を俺に向けてくる。

 

「リィンさん……フィーちゃんにはまだそういうのは早いですよ」

 

「何を言ってるんだ委員長、フィーは俺達の同級生、そして同じ釜の飯を食って暮らす……もはや家族のようなものだ。こういったことは教会や学院で教えてくれないことは俺達家族が教えてやらなくちゃならないんだ」

 

 拳を握り力説すると何か感じるところがあったのかフィーが珍しい事に眠たげな目を丸くしていた。

 そんな興味深そうな様子にエマも驚かされ、ショックを受けている内に俺は魅了を全開にしながら彼女の方に手を乗せ計画の実行を宣言する。

 

「ということでこれより――臨時性教育を始めよう!」

 

 

 *

 

 

 俺と向かい合う形で寝台に座ったエマの顔は真っ赤に染まっている。

 制服を脱ぎ、下着姿で下着姿の男の目の前に座らされているのだから無理もないが。

 

 自分を抱くように腕を組んで胸を隠してしまっているが、そうしているとただでさえ豊満な胸を持つエマのこと。

 紫レースのなかなかに大人なデザインのブラに包まれているバストが寄せられ深い谷間をつくってしまっている、その光景だけで健全な男子には目に毒だ、が。

 

「隠しちゃ駄目だよ委員長、フィーにも見えるようにしないと」

 

「ほ、本当に……するんですか? それも……フィーちゃんの目の前で」

 

「当然さ、性教育だからね」

 

 ベッド脇に置いた椅子から流石にフィーが異様なシチュエーションに頬を赤らめながらも俺達を観察してきている。

 人前でセックスの実演をしてみせようという、親しい人間でなくとも――むしろ親しい人間だから余計に恥ずかしい真似事にエマの羞恥ぶりは顔から火を噴きそうなほどだ。

 

 とても正気の沙汰ではなく、俺自身駄目元で言ってみただけに再三確認をしてきてはいるが流されつつあるエマとフィーに驚いていた。

 二人に利かせている魅了効果があればこそだが、ここまで無茶ぶりが可能なことにご都合力の素晴らしさを実感させられる。

 

 とはいえまだ処女であるエマに対してあんまりな状況であるのには違いない、すぐ脱いでくれというのも酷というもの。

 緊張を解きほぐせるか分からないが、目の前の緊張しきった少女の手を引き抱き寄せる。

 

「リィン、さ――んっ!?」

 

 顎に手を当て上向かせ、その唇を唇で塞いだ。

 プルリとした柔らかな感触を感じると共に心地良い香りが鼻腔をくすぐる。

 

 フェロモンの成せる業か、香水とも違った女性のたまらなくそそる匂いに雄の衝動をもくすぐられてしまう。

 エマの唇門を舌で押し開き、前触れなしのキスに瞠目していたエマの瞳が更に開かれるのを感じながらも行為は休めない。

 

「ん、んぅ……ひィン、さん……む、ぢゅ……んっ……」

 

 強い理性で耐えていたようだが、魅了能力に晒され続けたエマの体は既に発情が始まっているのだろう。

 侵入してくる俺の舌を拒めず彼女は口内を蹂躙されるままになっているどころかおずおずと自分からも舌を絡めはじめた。

 

 空いていた左手をエマの腰に回し、待ち受ける未知の領域にかすかに震えていた少女の体を抱きしめる。

 腕の中に収まったエマの体はしばらく震えたままだったが、やがて行為に呑まれたのか彼女の方からも俺の背に手を回してきた。

 

「ん……むぅ……はぁ……ちゅ……ん、んん……」

 

 部屋には唇の間から漏れる唾液の跳ね音だけが響き、いつしか俺もまたエマとのディープキスに没頭していた。

 舌に絡む柔らかく官能的な感触にこちらの理性も溶かされてしまうようだった。

 

 だがこんなモノはまだ序の口に過ぎない、しばらくの後に名残惜しくも舌を引っ込め唇を引き離すと、目の前にはぼうっと理性と共に蕩けてしまった少女の瞳がある。

 魔女の眷属(ヘクセンブリード)としての使命感も最早気にならないだろう、エマの背に回していた手を持ち上げ、後ろでブラを繋ぎとめていたホックを解放した。

 

「あっ……」

 

 咄嗟にまた腕で隠そうとしたエマの手を掴み阻止する。

 内からの圧力に耐えられなかったのか、ブラが弾けるようにずり下がり包まれていた二つの豊かな膨らみが僅か左右に広がりながらまろびでてくる。

 

 その大きさ故に重力によって少し垂れてしまっているようだったが、そんなことは気にならない程ハリを保った乳房はその薄紅色の先端をツンと上向かせた。

 

「だめです……リィンさん、こんな……恥ずかしい」

 

「そんなことないさ、綺麗だよ――エマ」

 

 こんなときには無粋だと思い委員長呼びは封印すると、エマが虚を突かれたように動きを止めた。

 その隙に彼女の腕からブラの紐を抜いてしまうと、その肩を押しベッドの上へと押して倒してやる。

 

 そのままむしゃぶりつきたい欲求に駆られるがここは抑えなければならない。

 今回は()()への性教育なのだから。

 

 手を残された下着、ブラと揃いのレースの蠱惑的なショーツのサイドへと添えると、エマはぐっと息を詰め無抵抗になってくれた。

 おそらくもうすぐ横で無自覚にか、顔を赤くしてこちらを見守っているフィーのことは頭に無いに違いない。

 

 その方が都合がいいこともあるのでそのことを口にすることはせず、ショーツの両脇をつまみ引き下ろしていく。

 ゆっくりと秘められていた部分が露わになっていき、ショーツを引き抜くといよいよ、閉じられていた膝に俺の手がかかる。

 

 求めるように目を合わせると、覚悟を決めるようにエマが瞼を下ろし、閉じられていた脚から力が抜ける。

 それを承諾と取った俺はゆっくりと掴んだ両膝を左右に開かせ――求めていた少女の淵を開帳させた。

 

 股を開く、はしたない格好を取らされてしまったエマはきつく目をつむって羞恥に耐えている。

 そんな彼女の白く瑞々しい脚の谷間にひっそりとピンクのワレメが覗いていた。

 

 全てを晒させた達成感はすぐに目の前の極上と言える少女をモノにしたいという征服欲に押し流された。

 だがいくら魅了が効いているとはいえそれは彼女にとって負担となる、拒まれないとしてもその欲求は今しばらく押しとどめなければならない。

 

 まずは目をつぶったままでいるエマ、そんな彼女の大きな魅力の一つである豊満な双丘へ手を伸ばし、二つの先端の突起へと上から指を押し当ててやる。

 

「あ――っ!リィンさん、そこは……んっ!」

 

 予想外だったのか、目を開いたエマがそこから生じただろう刺激にビクりと体を震わせる。

 目の前の柔らかそうな乳房を思う存分揉みしだきたい欲求が溢れるが、未開発の彼女にそれはまだ早い。

 

 俺を受け入れる準備をしてもらうためにもまずは彼女に昂めるべく幸いにして敏感な、程よい硬さの蕾をグリグリと上から捏ねほぐしていく。

 

「ん……は、あぁ……こんな……感覚に、なるなんて……あぁ……リィンさんの指が……あ――ンっ!」

 

 ハリを帯びてきた突起を軽く摘まんでやると快感に慣れないながらもエマは背を反らし悶えて行く。

 その声に秘められた困惑が徐々に女としての艶に染まっていき、丹念に弄り続けていくともう感じてしまっていることが隠せないほどにまでなっている。

 

 いつしか荒くなった吐息には媚熱が浮き、指先に触れる乳首はピンと張り詰めていた。

 頃合いを見て、そっと外した一方の指を下へ――放置していた淫唇へと回し、ぐっと押し当てた上下になぞると確かな熱い湿り気を感じ取る。

 

 そのアクションで何かを感じ取ったのか、エマがただ感じるのとは違った震え方を見せた。

 予感してしまったのか、あまりもったいぶっても怖がらてしまうかもしれない。

 

 ――いやそれは嘘、俺の方がもう我慢できなくなりつつあるのだ。

 ボクサータイプのパンツは内から痛いぐらいに股間を盛り上がらせ、脳のコントロールを外れてしまったかのように欲求を訴えてやまない。 

 

 すまないエマ、もう我慢できそうにない。

 

 息を吐くと俺は下着をずり下ろし、はちきれんばかりの欲を溜め込んだ逸物を露わにする。

 股間から文字通りに跳ね起きた肉の柱に息を呑む気配が二つ。

 

 目の前でそれを見せつけられたエマと脇で眺めていた筈のフィーのもの。

 経験者の余裕など美少女の艶姿を前にしては儚いもので、彼女に教える行為の筈がもうそんな余裕がなくなりつつある。

 

「――エマ」

 

 切羽詰まった顔をしてしまっているだろう俺の呼び掛けに、一瞬ビクりとしながらもエマは行為が始まって初めて、薄い微笑みを浮かべて応じてくれた。

 

「はい――どうぞ、リィンさん、私の初めてを……もらって、下さい」

 

 彼女もまた雰囲気に呑まれているのか、いじらしい言葉まで口にして俺の手を借りるまでもなく迎えるように脚を開いて見せた。

 そんなことをされてはもう我慢などできるはずもない、衝動的に俺の腰は前へと進み、エマの蜜口へと肉の穂先がズプリと吸い込まれる。

 

「んっ――あ……あぁ……」

 

 初めて自身の内へ男の侵入を許したエマの半開きになった口から漏れる声には切ない感情の中にわずかな苦悶が混じっていた。

 罪悪感を覚えながらも腰が止まらず――止めようという気が起きない、俺と言う存在をこの少女に刻みつけようという、仄暗い感情が本能を後押ししている。

 

「ごめん、エマ……止まれない」

 

「ぅ……はぁ……いい、ですよ……私なら大丈夫ですから……リィンさんの好きに――――ああぁっ!」

 

 膣洞の半ばで生じた抵抗を押し切った瞬間、いつの間にか俺の背中に回されていたエマの手がきつく食い込む。

 爪によるものか走る痛みも今は気にならない、根元までエマに包まれた肉竿から伝わる幸福感が麻痺させてしまっている。

 

 破瓜の痛みで視線の先を虚ろにしているエマと繋がったまま、二人してしばらくの間呼吸を整えていた。

 だがそんな膠着にも限界はすぐに訪れる、まだいけないと分かっていてもこらえ性の無い俺の腰は揺れ動き始めてしまう。

 

「あ……っ」

 

 エマの膣内は初めて迎え入れる男の悦ばせ方を弁えているように絡みつき、吸い付いてくる。

 つい夢中になって腰を振ってしまいそうなのを抑制しようとしたとき、見下ろすエマの顔に浮く感情の色合いが痛みを堪えるものよりも、恥じらいの方が強いように見えて注視してしまう。

 

 見られていることに気づいてしまったエマはこれ以上は無いというまでに赤くすると、まだこちらが何も言ってないというのに何か勘違いしたのか弁明するようにか細い声で囁き出す。

 

「ごめん、なさい……私、はしたない、です……初めてなのに……こんな……ンッ!」

 

 一瞬何を言っているのか分からなかった、しかし俺の腰が浮き膣壁をカリ首が掻いた瞬間、エマが見せた反応にはくっきりと艶を感じさせるものだった。

 まさかと思いつつも、これまでの経験を思い起こせばその普通あり得ないのではないかという出来事はむしろ逆だった。

 

 予測を確かめるために、生唾を呑みながらゆっくりと引いた腰をぐっと押し込み、半ばまで抜いた逸物を再びエマの膣内へ埋没させていく。

 

「あっ……んんっ」

 

 ビク、ビク、と肩を震わせ官能的な反応を示すエマ。

 処女を失ってすぐに感じることができるなんて都合が良過ぎる、だがよく考えればその程度のことを今更不思議に思うのが間違っていた。

 

 都合が良くて何が悪い、緩慢な動きで腰を前後にスライドさせエマの蜜壺へとゆっくり肉竿の抽挿を開始した。

 

「あ……ああっ、だめ、リィンさん……今、動かれたら、私――ん、ああっ!」

 

 振り幅を広げ、角度を変え、蜜壺の構造を確かめるように分身を沈み込ませていく。

 そんな風にいろんな責め方で貫かれる度にエマは声を高鳴らせ、隠しきれない痴態を露わにしていく。

 

 腰を打ち付けるように肉杭を打ち込むと揺らされたエマの体に合わせ豊かな胸が上下にふるりと揺れ煽情的な光景がゾクリとした興奮を味合わせてくれた。

 抑えが効かなくなりつつあるのは俺も同じことで、媚肉が締めつけ絡みついてくる淫孔へ抜き挿しする度にビリビリと竿から脳髄へ駆け抜ける快感に背骨を揺らし脊髄までも侵されてしまいそうだ。

 

 気を弛めればすぐに達してしまいそうな快感の波濤に、精巣から這い上がってきた滾りが今か今かと放出の瞬間を待ちわびている。

 

「リィン、さん……私、何か、来そうで……このままじゃ……おかし、く――あぁっ!」

 

 クラス委員長としていつも真面目な少女が今目の前で乱れ喘ぎ、未知の感覚に怯えている。

 その姿に嗜虐心を刺激されてしまった俺は劣情の高まるままに快感を求めエマの腰を掴み押さえると腰を打ち付けるように、肉の楔を蜜口へ打ち込み始めてしまった。

 

 相手は初めてだというのに身勝手に過ぎる蛮行、しかしマゾ気質の素養でもあるというのか、乱暴な行為に晒されてもエマの口から漏れる喘ぎには苦悶どころかより一層の熱が籠っていた。

 

「エマ、俺も、もう……」

 

「は、あぁ……リィンさんが、奥まで……こんな、私~~~~っ!」

 

 最後の間際には俺もエマも言葉を失くしていた。

 深く、掴んだ細い腰を引き寄せながら肉杭を打ち込んだ瞬間、ピークに達した快感の波が頭の中で弾け、俺は勢いのままにエマの膣内へと堰切った滾りを注ぎ込んでいた。

 

 それとほぼ同時に、絶頂を迎えてしまったエマも弓なりに反らした背を小刻みに震わせ忘我の淵に至っていた。

 暫しの静寂、やがて乱れ切った息遣いだけが部屋には響き、絹のような肌に汗を浮かべながらエマと目が合うとどちらからともなく夢中になってしまった気恥ずかしさから目を逸らし――

 

「……あ」

 

 すっかりと目的を忘れていた俺達の行為を最後まで見ていたフィーが顔を真っ赤にして身を縮こまらせている姿に頭を冷やされることになった。

 




次回、「シャロンとの一夜」
今度はそう遠くない内にしたい( ゚Д゚)


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シャロンとの一夜

卑語とかハートマークは一長一短だと思ってるけどたまに使ってみたい気もする。
余裕があれば卑語ありverとなしverで投稿するかもです。
んほったりまではしません。


 試験期間を終えた俺は解放感に包まれながらⅦ組の皆と共に下校中だった。

 緊張した四日間だったが授業が試験しかないっていうのは楽でもあるのでそんなに嫌いじゃない。

 

 試験内容に自信がなかったらそんな余裕もなかったんだろうけど、これも復習を手伝ってくれた皆のお陰だ。

 軍事学や政治経済など前世慣れしていない厄介な科目も多数あったが、優秀なクラスメイト達から教わる機会に恵まれ手応えはなかなかだった。

 

「それでリィンは試験どうだった?」

 

「空欄は埋めれたし、悪くはないと思うな」

 

「うわぁ、リィンまで自信ありそうだなんて、僕も委員長に勉強見てもらえば良かったかな」

 

 内容は別として、試験前に勉強を教えてもらったことを知ったエリオットは首席をエマと競っているマキアスをはじめⅦ組の余裕ありそうな面々に気後れして一人嘆いている。

 その発言であの時のことを思い出してしまったのか、密かにエマが顔を赤らめながら縮こまり、アリサの方からは何か訴えるような視線が飛んでくる。

 

 あの性教育授業後は後になって自分の乱れぶりを思い出して恥ずかしさの余りシーツに引きこもってしまった彼女を宥めたりとしていたのでフィーにまで手は出せなかったが。

 

『ちょっと怖かったけど――エマ、すごく気持ち良さそうだった』

 

 もじもじとしながらフィーが口にし、エマを更に赤面させた感想からすると行為自体に悪い印象は持たれていないだろう。

 たっぷり魅了を刷り込んでいたこともあるが、今後の仕込みとしては十分だ。

 

 それはそれとして俺は試験前、梅雨時のある日のことを思い出す。

 より詳しく言えば校舎入口で特徴的なメイド服に身を包んだ女性と遭遇し挨拶を交わした記憶。

 

 学院関係者に挨拶か手続きかに来ていたのだろう彼女の姿は予定通りにこの日、第三学生寮の前で俺達を待っており。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

 第三学生寮の管理人としてやってきたその女性、シャロン・クルーガーは淑やかな笑みと共に仕えるラインフォルトの人間であるアリサをそんな言葉で迎えた。

 

 

 *

 

 

 恒例の「シャ、シャ(中略)シャロン!?」と驚いて見せたアリサは母イリーナの指示でやってきたという彼女の就任をすぐに認められず一旦引きこもってしまった。

 アリサがラインフォルトの令嬢であることを知った、察していた面々もそんな彼女と関わりを持つ新管理人にどう接したら良いか迷いながらも試験疲れもあって早めに自室へと戻っている。

 

 帰りのSHRで今日は外泊すると伝えてきたサラが不在のこの日、夜中の一階エントランスにある共用リビングで待っているとすぐに彼女は食堂から姿を見せた。

 

「あら、リィン様。夜食でもお求めでしょうか?」

 

 明日の朝食の仕込みをしていたシャロンはそんなことを聞いてくれる。

 メイドとして完璧すぎる彼女なら頼めば嫌な顔一つせずに用意してくれるだろうが用件はそんなことじゃない。

 

「いや、考えたらちゃんとした挨拶がまだでしたから。シャロンさん、これからよろしくお願いします」

 

 就任初日の支度ついでに済ませようかとも思ったがとにかくそつのない仕事ぶりの彼女には気安く手伝いに入ることも躊躇われる。

 部屋の支度なんてとっくに終わっているし、朝の仕込みもプロ級の人間の作業は素人が割り込むと下手をすればかえって邪魔になるほど効率がいい。

 

 後ろめたさでこっちが気を散らしてしまいそうだったし、彼女の邪魔はしたくなかったのでこうして仕事が一通り終るのを待っていたのだ。

 

「ふふ――まさかそのようにご挨拶頂けるなんて、ありがとうございます。

 そして申し訳ありません、お嬢様を驚かせたかったのもありますが、このような事前連絡なしの参上になってしまいまして」

 

 上品に微笑みながら押し掛け方に問題があったとは認識しているのか少し申し訳なさそうにしてみせるシャロン。

 まあ暮らしている寮生や教官に何の連絡もなしにある日ふらっと管理人がやってくるというのは確かにおかしな話ではある。

 

 学院理事の一人があのイリーナ会長だとしても運営のガバっぷりが窺い知れてしまう。

 まあメイドで美人な管理人が来てくれるなんて健全な男子としては嬉しさしかないのでそこは何の問題も無い。

 

「リィン様はお嬢様とも仲良くして下さっているようですし、ラインフォルトに仕える身としても誠心誠意ご奉仕させて頂きますので、どうかよろしくお願い致しますね」

 

「ええ俺もシャロンさんにはよろしくお願いしたいと思ってます。――個人的に特に」

 

 願っても無い申し出だが俺が彼女に求めるのはもちろん寮生と管理人としての交友ではなく男と女としての関係だ。

 魅了能力をフルに開放し彼女との距離を一歩一歩詰めていく。

 

「あ――リ、リィン様?」

 

 平静を装いながらも俺に対する好意を植え付けられ、その違和感に気づくこともできないシャロンはまっすぐ目を見るこちらの視線に耐えきれず薄く頬を染めながら後退る。

 そんな彼女を壁際まで追い詰めると、両手を頭の脇に壁ドン(偽)しそれ以上逃げられないようにする。

 

「……いけません、このようなこと、わたくしは――むっ!?」

 

 暗殺者だった過去のしがらみ、執行者の身分やらラインフォルトとの契約、彼女は実に様々な事情を抱えているがこの際まとめて強引に突破させてもらおう。

 こちらを言い留めようとした唇を唇で塞ぎ、そこまでされると流石にシャロンも目を剥いていたが魅了能力を垂れ流しにしているおかげで抵抗は無い。

 

 隙を見せるとSっ気を覗かせる彼女だが俺としては受けるより攻める方が好きなのでここはどんどん押して行くべきだろう。

 片手で細い腰を、もう一方の手で頭を後ろから引き寄せより唇を密着させるとシャロンの口内へ舌を潜り込ませていく。

 

「む……んん……はぁ……ぢゅ、む……んっ」 

 

 息が苦しくなりすぎないように時折唇をずらして息継ぎを挟ませながらも随分と器用になった俺の舌は一瞬離れようがすぐにシャロンの舌を絡め取り、舐めほぐしていく。

 魅了を織り交ぜた口内の絡み合いにはシャロンのような女性であっても耐えかねるらしく、腕の中で緊張し硬くなっていたシャロンの体から徐々に力が抜けて行った。

 

 夜のエントランスに息遣いと舌の絡む濡れ音が響くことしばらく。

 メイドを手籠めにしようとするようなシチュエーションも相まって熱中してしまうあまり長い時間唇を貪ってしまった。

 

 だがその甲斐あってキスから解放したシャロンのこちらを見上げる瞳は媚熱に揺れ、頬に紅色の浮いた表情は妖艶な雰囲気を醸し出し俺の情欲を掻き立てる。

 

「いけないお方ですねリィン様は……アリサ様にならともかく、わたくしなどにこのような事をされては――困ってしまいます」

 

「すみません、我慢できない性格(タチ)でして」

 

 本来なら鋼糸やダガーの洗礼が待ち受けていそうなものだが、しっかり魅了のかかったシャロンの様子は満更でもないものにまでなっている。

 そんな様を見せられては我慢などできるはずもなく――はじめからするつもりも無かったが、更なる奉仕の申し立てを囁いてしまう。

 

 その内容に恥じらい逡巡するような間を挟みながらも、やがて彼女は応じてくれた。

 抱擁から解放するとシャロンはその両手でメイド服のスカート端を掴み、ゆっくりと持ち上げたくしあげて行く。

 

 白く滑らかなふくらはぎ、瑞々しい太腿(ふともも)、そして精緻な模様のあしらわれた黒いレースのショーツ、覆われていた下半身が徐々に露わになっていく。

 

「これで……よろしいでしょうか?」

 

 胸の辺りまでスカートを持ち上げ見せつけてくれたシャロンに、そんな真似をさせた背徳感がゾクリと股間に響く。

 細いウエストから足先までのラインは鑑賞していたくなるほどの脚線美で、普段隠されているせいかそれが晒されると実に艶めかしい。

 

 床に膝をつくとシャロンの息を呑む気配を感じたがここで止まれるほどの理性はもう残っていない。

 目の前の太腿に触れ、撫でさすると掌から伝わるその柔らかくすべすべとした感触にたまらない幸福感が押し寄せる。

 

 女性の肌というものは見た目から感触まで、どうしてこうも魅力に満ちているのか。

 みっともなく鼻息が荒くなってしまわないように気を付けながら蠱惑的な手触りを堪能していき、やがてその触れる位置は上へ。

 

「んっ……」

 

 ショーツ越しに尻を撫でさすられたシャロンはピクリと体を震わせながらもスカートをたくし上げたままにしていてくれた。

 献身的な彼女に感謝しつつ、更に手を脚の谷間へと伸ばし、ショーツのブリッジ部分を指先でなぞり始めるともう一方の太腿に添えた手から緊張が震えとして伝わってくる。

 

 はじめは軽くなぞるだけにとどめていた指先に徐々に力を込めていき、黒い布地の奥に秘められたワレメを押し開くように擦っていくと、やがてじわりと内から濡れだした愛液が葉のカタチに染みをつくっていく。

 

「ん……は……ぁ……」

 

 現実には出会って間もないが、いつも落ち着いている女性が頬を紅潮させ息を震わせている姿は見ているだけで下半身を疼かせる。

 そんな俺の視線に気づいたのか、シャロンは恥ずかし気にこちらから視線を外してしまった。

 

「も、申し訳ありません……メイドとしてのお仕事でしたら自信があるのですが……こういったことはわたくしも、初めてで……」

 

 メイドどころか秘書業まで完璧以上にこなしてみせる彼女も流石にこちらまでは網羅していなかったらしい。

 それはむしろ歓迎するところなので気にすることはないと伝わるように、ただのにやけ面にならないよう注意しながら微笑んでみせる。

 

「大丈夫ですよシャロンさん」

 

 初めての交わりならできれば相手の肢体を全て見たいところだが、コルセットまで巻かれたメイド服の厚い守りをスムーズに剥がすにはまだ俺にも経験値が足りない。

 勢いに乗じて手をショーツの両サイドに下から潜り込ませ、親指の脇に布地を挟みゆっくりと、引き下ろしていく。

 

 下着という最後の砦を失ったシャロンが声にならない声を漏らしているようだったが、構わず最後まで下ろしきる。

 目の前にはしっとりと濡れたピンクの秘め口が覗いていた。

 

 もっと丹念に解きほぐそうかとも思ったが、シャロンにスカートをたくし上げさせたときから俺の劣情は昂ぶり続け、我慢するのも苦しくなりつつある。

 気付けば煩悩が初めての相手に対する気遣いを上回ってしまった。

 

 立ち上がり、おもむろにベルトを緩め股間を膨らませていたズボンを下着ごとまとめて脱ぎ下ろすと、押さえられていたモノが跳ねるように反り勃つ。

 この世界の平均がどの程度のものなのかは知らないが、勃起した俺の一物は女性からするとそれなりの迫力があるらしく、シャロンも思わずといった様子でこちらの下半身へ目を向け握っていたスカートを落としてしまっていた。

 

「あっ……申し訳ありま――」

 

 シャロンが謝ろうとしたときには既にスカートの下へ潜り込んでいた俺の手が細い足首をそっと掴んでいた。

 

「上げるよ」

 

 一言告げてから片足を持ち上げていくとシャロンは抵抗せず背後の壁に手を添えてバランスを取り、されるがままとなってくれた。

 そうして片足を上げさせたことで再びスカートがめくれ上がり、脚を閉じて隠すこともできない股座も露わとなる。

 

「リィン様……本当に……なさるの、ですね」

 

 恥じらうように目を伏せがちにしながらシャロンが聞いてくる。

 あられもない体勢の彼女を前にした俺の欲求は何よりも股間で隆々と膨らみ勃った肉竿が雄弁に語っている。

 

 何を、とはこの期に及んで聞くまでもないだろう。

 一足飛びに事を進めたことは申し訳なく思うが、止めてしまおうなんて微塵も考えられない。

 

 持ち上げた片足を担ぐように支えながら腰をぐっと押し出し、肉鉾の先端を目の前の淫裂へとあてがっていく。

 覚悟を決めたようにシャロンが静かに瞳を閉じるのを見取ると、更に腰を突き出し――

 

「あぁ……」

 

 淫唇へと突き込んだ亀頭が柔らかな感触に包まれ、自分の中へと異性の侵入を許してしまったシャロンが情感の込もった吐息をもらす。

 耳朶から脳髄へ官能が侵食していくような錯覚を覚えてしまいそうな甘い声にゾクリと背筋に疼きが走った。

 

 声だけでなく、目と鼻の先にあるシャロンの白い頬を紅潮させ瞳を潤ませた表情はえも言われない色香を放ち、否応なく雄の衝動をくすぐられてしまう。

 目の前の女を求める本能に突き動かされるようにして、俺は加減も忘れ腰を一気に押し進めてしまっていた。

 

「は、あ――んっ!」

 

 半ばで僅かに生じた抵抗を押し破り、根元まで突き挿れた肉竿の先が膣奥を叩き止まる。

 初めての行為でほとんど一息に貫かれてしまったシャロンは破瓜の痛みを堪えるようにして瞳をきつくつむっていた。

 

「――っ、ごめん。つい……」

 

「は、ぁ……ふふ、どうかお気になさらず、それだけ求めて下さったというのは、女として悪い気はしませんから」

 

 額に汗を浮かべながらもシャロンはこちらを上目遣いに見上げながらそんなことを言ってくれる。

 自分の魅力を理解しているのかいないのか、つい惹かれてしまうような仕草を見せる彼女にたまらず、顔を寄せ唇を求めた。

 

 二度目の口づけではシャロンも驚くことなく、早くも順応し始めたのかこちらが挿し入れた舌を迎えるように舌を絡めてきた。

 

「んん……ぢゅ、ちゅ……れろ……ちゅぱ」

 

 舌の平同士を押し付け合い、巻きつけ合い、ともすれば下品にすら見えそうなほどの激しい交わりにもシャロンは従順に応じてくれた。

 やがて唇を離した頃には二人して息を乱しながら見つめ合い――俺の腰が動き出す。

 

 きつく咥え込んでくる淫孔からずるりと肉杭を引きずり出し、再び奥へと埋没させていく。

 

「はぁ……これが、リィン様の……なんて……あぁ」

 

 往復する竿のカリ首が膣壁を擦る度に、シャロンの声はどんどんと艶を増していった。

 反応から次第に苦痛が抜けていき、蜜壺へ肉竿を抜き挿しする毎にビクリと肩を震わせ恍惚とした様子すら見せている。

 

 一方で俺の方も余裕があるわけではなく、むしろこちらの方が追い詰められてしまいそうなほどの快感の波が一突き一突き押し寄せてきていた。

 俺の分身が呑み込まれ、溶かされてしまいそうな感覚になるほどシャロンの内は魔性の心地良さに満ちていた。

 

 程よい締まり具合に加えて竿の敏感な部位に絡みついてくるような繊細な肉襞が抽挿の度に性感を激しく揺さぶり、我を忘れてしまいそうになる。

 丹田に力を込めて気を抜くとあっという間に理性を蕩かされてしまいそうな名器の具合を堪能しながら責め立てていく。

 

「んぅ……は、あぁ……リィン様……わたくしの……何か、おかしかったでしょうか……?」

 

「……おかしくなんてないさ、ただ――良過ぎてこのままじゃまずいから、ね」

 

 すぐに達してしまわないように堪えていたのが苦しそうに見えたのか、気遣われてしまった。

 ただこのままではこちらの方が先に持たなくなるかもしれない、なら下手に耐えようとするよりは――

 

「シャロンさん、首に手を回していいから、俺に掴まってくれるかな」

 

「掴まる……ですか? あっ――」

 

 地についていたもう一方のシャロンの足の膝裏に手を回し込み、抱き上げてしまう。

 咄嗟に言われた通りにしてくれたので落ちることはなかったが、脚を大きく開かされた体勢で抱き上げられてしまったのが恥ずかしいのか絶句してしまうシャロンだったが。

 

「あぅ――んっ!?」

 

 俺の肉竿に今までよりもより深く犯し貫かれ、控え目だったそれまでのものより大きな喘ぎが上がる。

 腰を突き込むのに合わせて抱いた体を引き寄せ、膣奥を穿つように深々と俺のモノはシャロンの中を抉り、挿れた瞬間にぐっと強まった締めつけが反応の強さを教えてくれる。

 

 蜜壺に包まれた肉幹の全体から伝わる快感も増し、俺にとっても諸刃の剣だったが構わず再度、腰同士を打ち合わせるようにピストンさせていく。

 

「あ――あぁ……いけません、リィン様……こんな……あっ、あぁ……んぅ!」

 

 性感が高まっているのはシャロンも同様であるらしく、彼女が保っていた貞淑な表情も次第に蕩け、淫らな牝のものに移ろいかけていた。

 その変化に湧き起こる目の前の女性を自分の手で堕としたい欲求が俺を滾らせ、暴発の瀬戸際だったが最後の一押しに剛直の抽挿を加速させる。

 

 抜き挿しの度に卑猥な濡れ音を漏らすまで濡れそぼっていた蜜口へ、肉の楔をひたすらに打ち込んでいく。

 いつしか自制の利かなくなっていたシャロンの喘ぎ声も階上まで届いてしまいそうなほどに大きくなってしまっていたが、構わず俺は彼女を貫き続けた。

 

 とめどなく押し寄せる快感に思考能力を削ぎ落とされ、腰を振ることしか考えられなくなってしまいそうな時間にもやがて限界が訪れる。

 

「あっ、ああっ……何か、が、来て――んっ!あ――」

 

 数え切れない何度目かの挿入の瞬間、首に回された手に力が込もり、陰嚢から溢れ出そうとする滾りをこれ以上は押さえ込んではおけないと確信すると同時にうずまった肉竿を逃すまいとするように膣壁の締めつけが強く増した。

 ビクリと背筋が震え、絶頂を押しとどめていた理性の堰が決壊する。

 

 頭の中が白く染め上げられ、何も考えられなくその間際。

 

「は、ぁ――んっ――あぁっ~~~~~!」

 

 同時に絶頂を迎えたシャロンが無意識にか、足と手ですがりつくようにして俺を抱きしめる。

 触れ合う汗の浮いたうなじから漂う女性の芳香が鼻腔をくすぐり、思わず抱えたシャロンごと崩れ落ちてしまいそうな脱力感を必死で堪えなければならなかった。

 

 そうしている間にも根元まで咥え込まれたままの肉竿は押さえ込まれていた分だけ勢い良く、鈴口から精を迸らせていた。

 何度経験してもこれ以上はないと思えてしまう幸福感に包まれ、そのまま俺はしばらくシャロンを抱きかかえたまま立ちつくしていた。

 

 

 *

 

 

 夜もすっかり更けきっていたが、第三学生寮のリビングで未だ俺はソファーに座ったままだった。

 それも何も身に着けていない全裸なのだから、皆の生活する空間でもある場所でこんな格好をしている姿は他のⅦ組メンバーにはとても見せられない。

 

 同じく裸姿の女性、シャロンと対面する形で抱き合いながら唇を合わせている今の状況は尚更に。

 

「んん……ちゅ、はぁ……」

 

 先程までの行為中に繰り広げたような舌を交え合わせるディープキスではなく、鳥のついばみのように唇を押し付け合っているのだったがそれでも十分人目には晒せない。

 脚を開いて跨ぐように俺の腰の上に座ったシャロンの股座、淫口には俺のモノが収まったままで、昂まり過ぎたことで未だ残っている余韻に繋がったまま浸っている。

 

 改めて体を見せてもらうついでに特徴的なメイド服の脱がせ方は教えてもらったがヘッドドレスはつけたままにしてもらっていた。

 執行者スタイルの黒いレザースーツもエロティックで悪くはないが、俺としてはやはり彼女はメイドとしての姿が一番輝いているように思う。

 

 やがてお互いに熱も収まってきたことでどちらからともなく唇が離れ、しばらく間近で見つめ合う。

 一瞬逡巡するように視線を落とすシャロンだったが、がっちりと掌を合わせ繋いだ手を握り直すと観念したように微笑んだ。

 

「まさか初日からお手付きにされてしまうとは思いませんでしたわ。……それもわたくしの事情を、ご存知の上でなんて」

 

 シャロンの過去について承知していることは服を脱がせがてらそれとなく伝えてあった。

 流石に会ったこともない俺に来歴を把握されていることは寝耳に水の様子だったが、継承した八葉一刀流のネームバリューあってそんなこともあるかと納得はされたようだった。

 

 もちろん俺は最初から彼女を手籠めにするつもりだったので、魅了能力をフル活用してでも逃がすつもりはなかったが。

 

「はじめにも言いましたけど、こういった欲求に関しては我慢弱いんですよ。シャロンさんみたいに魅力的な女性を見たらたまりませんでした」

 

「ふふ、そのご様子ですともうⅦ組の皆さんにも手をつけていらっしゃるのではありませんか?ひょっとするとアリサお嬢様も既に――」

 

 瞳を細めながら問い掛けられた内容は正にその通りで、何の申し開きもできないのだったが今更無かったことになんてできるわけがないし、するつもりもない。

 俺が開き直っていることを悟ったのか、シャロンはわざとらしく眉根を寄せて困ったようにして見せるが間近で見るとそんな仕草も蠱惑的で、萎えていた肉幹にゆっくりと芯が通っていく。

 

 挿れたままのモノが再び体積を増していくのは当然シャロンにも伝わってしまう。

 

「お元気なのですね、あんなに出されたのに――仕方ありません」

 

 彼女はすこし目を見開かせると頬を染め、こんな淫らな状況でも淑やかに微笑んで見せた。

 

「リィン様のお手付きメイドとして、こちらのご奉仕もこれから学ばせて下さいませ――あ、ンっ」

 

 どこまでも献身的なその姿に、居てもたってもいられず俺は再びシャロンを抱きかかえ立ち上がる。

 そのまま部屋へと連れ込んだ彼女とその夜、気の済むまで交わりを繰り返すのだった。

 



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