FAIRY TAIL 氷の滅竜魔導士 (syeid)
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鉄の森編
鎧の魔導士


はい、シェイドです。
オリジナルの方もあるのですが二作同時投稿していきたいと思います。(完全に死亡フラグ)
下手かもしれませんが、読んでくれると嬉しいです。
それでは、どうぞ!!


フィオーレ王国・・・・人口1700万の永世中立国。

そこは・・・魔法の世界。

魔法は普通に売り買いされ、人々の生活に根付いていた。

そして、その魔法を駆使して生業(なりわい)とする者達が居る。

人々は彼らを『魔導士』と呼んだ。

魔導士たちは様々なギルドに属し、依頼に応じて仕事をする。

そのギルド、国内に多数。

そんなギルドの中、問題ばかり起こしているギルドが存在いていた。

『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』

そんなギルドに関わっていく、一人の青年の物語。

 

闇ギルド

解散命令を出されたにも拘らず、それを守らずに裏で活動し続けているギルド。

 

ここは一つの闇ギルド。

屍人の魂(グールスピリット)

そのギルドの中で一人の青年と、一人の少女が立っていた。

その周りには大勢の人が倒れていた。

 

「嘘だろ・・・・、俺達、屍人の魂(グールスピリット )が二人だけで全滅だと!?」

 

「いや、女の方は何もしてねー。やっていたのはあの男一人だけだ」

 

「これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の魔導士・・・・『氷魔』のナノ」

 

青年、ナノは少女に近づいて声を掛けた。

 

「フェイ、終わったぞ」

 

「また一人でやって・・・・、私も少しは戦わしてよ!」

 

少女、フェイはナノに向かって怒りながら文句を言っていた。

 

「悪い悪い、ギルドに帰ったらケーキ奢るからそれで勘弁してくれ」

 

「それじゃあ、チーズケーキ二つね」

 

「はいはい」

 

二人は話しながらその場から離れていった。

 

 

場所は変わり、此処は妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルド

 

「この、クソ炎!! もういっぺん言ってみろ!!」

 

「あぁ!! 何度でも言ってやるよ!! この変態野郎!!」

 

桜色の髪で、鱗の模様のしたマフラーをしている青年『ナツ・ドラグニル』と下着以外何も着ていない青年『グレイ・フルバスター』はいつものように口喧嘩をしていた。

 

「はぁ・・・・またやってるよ」

 

その近くて溜め息をついている金髪の髪の女性は『ルーシィ』

ここ最近妖精の尻尾に入ったばかりの新入り魔導士だ。

 

「あい、それがナツとグレイです」

 

ルーシィの近くで羽を出して飛んでいる青い猫は『ハッピー』

ちなみに羽は『翼(エーラ)』という魔法である。

そしてナツとグレイはいつの間にか殴り合いの喧嘩をしていた。

その間に、『彼氏にしたい魔導士上位ランカー』のロキが、ルーシィを口説いていた。

 

「君って本当にキレイだよね、サングラスを通してもこの美しさだ・・・・肉眼で見たらきっと眼が潰れちゃうな・・・・ははっ」

 

「潰せば」

 

口説いてくるロキに冷たくそう言い放つルーシィ。すると、そんなロキの目にルーシィの腰に提げられていた鍵が映る。その瞬間、ロキはルーシィと距離を取る。

 

「うおおっ!! き・・君、星霊魔導士!?」

 

「?」

 

「な、なんたる運命のいたずらだ・・・・!」

 

先ほどまでとは明らかに様子が違うロキにルーシィは首を傾げる。

 

「ごめん! 僕たち、ここまでにしよう!!」

 

「何か始まってたのかしら・・・・」

 

ロキは慌てて出口に向かって駆け出して行き、ルーシィは一人ぼやいた。

 

「何あれぇ」

 

「ロキは星霊魔導士が苦手なの」

 

ロキの事を語っているのが『ミラジェーン』

妖精の尻尾の看板娘で皆からは『ミラ』と呼ばれている。

 

「はぁ?」

 

「どうせ昔女の子がらみで何かあったのよ」

 

「なんか戻ってきた」

 

ミラがロキに向かってキツイ言葉を吐くと、同時にロキが慌てて戻って来た。そしてそのまま喧嘩しているナツとグレイに向かって叫ぶ。

 

「ナツ!!!グレイ!!!マズイぞっ!!!」

 

「「あ?」」

 

「エルザとナノたちが帰ってきた!!!!」

 

「あ"!!!?」

 

その言葉を聞いた瞬間、ナツとグレイは身体から尋常じゃない汗が吹き出す。

その時・・・・

 

ズシィィン・・・・

 

ギルドの外からそんな地響きが聞こえてきた。

段々と近くなる地響きながら、固唾を呑んでいるギルドメンバーたち。

そして・・・・巨大な角を担いだ鎧を纏った緋色の髪の女性『エルザ・スカーレット』とナノ、フェイが現れた。

 

「ただいまー!!」

 

「今戻った。マスターはおられるか?」

 

担いでいた角をその場において尋ねるエルザ。

 

「おかえり。マスターは定例会よ」

 

定例会

地方ギルドマスターたちが集って定期報告をする会のこと。

 

「そうか・・・・」

 

「そういえばエルザ、そのバカでかいの何だ?」

 

ナノが不思議そうにエルザ質問した。

 

「ん? これか?討伐した魔物の角に地元の者が飾りを施してくれてな・・・・綺麗だったので、ここへの土産にしようと思ってな・・・・迷惑か?」

 

「いや、別に」

 

「それよりお前たち。また問題ばかり起こしているようだな。マスターが許しても、私は許さんぞ」

 

そう言ってメンバーを睨むエルザ。

 

「な、なにこの人・・・」

 

「エルザ!! とっても強いんだ」

 

ルーシィの質問にハッピーが答える。

 

「カナ、なんという格好で飲んでいる」

 

「う・・」

 

「ビジター、踊りなら外でやれ。ワカバ、吸殻が落ちているぞ。ナブ・・・・相変わらずリクエトボードの前をウロウロしているのか? 仕事をしろ」

 

メンバーに一通りダメだしをした後、エルザは溜め息をつく。

 

「まったく・・・世話がやけるな。今日のところは何も言わずにおいてやろう」

 

「いや、ずいぶんいろいろ言っていたからな」

 

「ところでナツとグレイはいるか?」

 

「無視かよ・・・・」

 

エルザはナノのツッコミを無視してナツとグレイを呼んでいた。

呼ばれた本人達は・・・・

 

「や、やぁエルザ…オ、オレたち今日も仲よし・・よく・・や・・・やってるぜぃ」

「あい」

 

「ナツがハッピーみたいになった!!!!」

 

先ほどとは打って変わって肩を組みながら仲の良さをアピールしていた。

 

「そうか・・親友なら時には喧嘩もするだろう・・・・しかし私はそうやって仲良くしているところを見るのが好きだぞ」

 

「あ・・・いや、いつも言ってっけど…親友ってわけじゃ・・・・」

 

「あい」

 

「こんなナツ見たことないわっ!!!」

 

普段見ないナツの姿にルーシィは愕然とする。

 

「まあ、二人がこんなになるのはエルザの前だけだからね」

 

そう言いながら笑っているフェイ。

そしてルーシィに近づいて両手でルーシィの手を掴んだ。

 

「貴女、新人さんでしょ?私はフェイ、よろしくね!」

 

「あっ、うん、私はルーシィ、よろしく!」

 

「そして、あそこにいるさっきからエルザに無視されている男はナノ」

 

「一言余計だ!えっと、ナノだ。よろしくな、ルーシィ」

 

「よ、よろしくお願いします、ナノさん」

「ナノでいいよ」

 

堅苦しいルーシィにナノは苦笑する。

ルーシィに自己紹介しているとエルザに声を掛けられる。

 

「ナノ、フェイ、お前たちも聞いてくれ。実は四人に頼みたいことがある」

 

「仕事先で少々やっかいな話を耳にしてしまった。本来ならマスターの判断をあおぐトコなんだが、早期解決がのぞましいと私は判断した。四人の力を貸してほしい、ついてきてくれるな」

 

「え!?」

 

「うそっ・・!?」

 

「はい!?」

 

エルザの思いがけない言葉にギルドはざわつく。

 

「出発は明日だ。準備をしておけ」

 

「あ・・いや・・ちょっ・・・・」

 

「行くなんて言ったかよ!!!」

 

エルザの言葉に対してナノが恐る恐る質問する。

 

「あのーエルザさん。俺達、仕事から帰って来たばかりだからゆっくり休みたいんだど・・・・」

 

それを聞いたエルザはナノの方に振り向き睨みながらゆっくりと口を開いた。

 

「やってくれるな?」

 

「・・・・はい」

 

エルザのお願い(脅迫)に断る事が出来ず、ナノは諦めた。

その一連の会話を聞いたミラは

 

「エルザ・・ナツ・・グレイ・・ それに、ナノとフェイ・・・・ 今まで想像したこともなかったけど・・」

 

「?」

 

それに首を傾げるルーシィ。

 

「これって、妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強チームかも・・・!」

 

「!!!!」

 

その言葉に驚き、ルーシィは口を大きく開けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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呪歌(ララバイ)

遅くなりましたが投稿しました。
頑張ってるんですけどなかなか書けません。
また投稿が遅くなると思いますが読んでくれると嬉しいです。
それではどうぞ!


エルザに頼み事をされた翌日。

ナツ、グレイ、ルーシィ、ハッピー、ナノ、フェイはマグノリアの駅まで来ていた。

 

「何でエルザみてーなバケモンがオレたちの力を借りてぇんだよ」

 

「知らねぇよ、つーか〝助け〟ならオレ一人で十分なんだよ」

 

「じゃあオマエ一人で行けよ!!! オレは行きたくねぇ!!!」

 

「じゃあ来んなよ!!後でエルザに殺されちまえ!!!」

 

「迷惑だからやめなさいっ!!!」

 

ナツとグレイは殴り合いを始めて、それを止めようとするルーシィ。

 

「あはははっ!!二人は本当に仲がいいよね」

 

「「どこがだっ!!!」」

 

フェイの言葉に二人のツッコミが綺麗にハモった。

 

「もおっ! アンタたち何でそんなに仲が悪いのよぉ」

 

溜め息混じりに言うルーシィ。そんなルーシィにナノが質問する。

 

「てか、なんでルーシィがいるんだ?」

 

「頼まれたんですよ!!ミラさんに!!」

 

ルーシィによると『確かにあの五人が組めば素敵だけど仲がギクシャクしてるトコが不安なのよねえー、ルーシィついてって仲をとりもってくれる?』っと言われたらしい。

 

「ミラさんの頼みだから仕方なくついていってあげるのよ」

 

「本当は一緒に行きたいんでしょ?」

 

「まさか!てか、五人の仲を取り持つならアンタが居たじゃない!うわーかわいそっ!!ミラさんに存在忘れられてるしー」

 

「あい」

 

そんな事ハッピーに言っている間に、ナツとグレイが喧嘩を再開していた。

 

「テメェ何でいつも布団なんか持ち歩いてんだよ」

 

「寝る為に決ってんだろ、アホかおまえ」

 

「あ〜あ・・めんどくさいなぁ・・・・」

 

睨みあう二人を見て、ルーシィはそうぼやく。すると何か思いついたように手を叩き・・・・

 

「あ! エルザさん!!」

 

と言った。すると・・・

 

「今日も仲良くいってみよー」

 

「あいさー」

 

「あはははっ!これ面白いかも」

 

二人は仲良く肩を肩を組んでいた。もちろんエルザが来たというのは、ルーシィの嘘だ。

 

「「騙したなテメェ!!」」

 

「アンタら本当は仲良いんじゃないの?」

 

怒鳴る二人を見ながらルーシィが鼻で笑う。

するとようやくエルザが到着した。

 

「すまない、待たせたな」

 

「「荷物、多っ!!」」

 

エルザの大量の荷物を見て、ツッコミを入れるルーシィとナノ。

 

「ん?君は昨日妖精の尻尾(フェアリーテイル)にいたな・・・・」

 

「!新人のルーシィといいます。ミラさんに頼まれて同行する事になりました。よろしくお願いします」

 

「私はエルザだ、よろしくな」

 

ルーシィがエルザに自己紹介を終えるとナツがエルザに向かって口を開いた。

 

「フン、何の用事か知らねェが今回はついてってやる、条件つきでな」

 

「条件?」

 

「バ・・バカ!! オ・・オレはエルザの為なら無償で働くぜ!!!」

 

「言ってみろ」

 

ナツは一呼吸置いて・・・

 

「帰ってきたらオレと勝負しろ。あの時とは違うんだ」

 

「!!!」

 

「ナツ君!!」

 

「オ・・オイ!!!はやまるなっ!!!死にてえのか!!?」

 

「マジかよ・・・・」

 

ナツの決闘の申し出に、ルーシィとグレイとフェイ、ナノまで驚いていた。それを聞いたエルザは微笑みながらゆっくりと口を開けた。

 

「確かにお前は成長した、私はいささか自信がないが・・・・いいだろう受けて立つ」

 

エルザは髪をかき上げながら承諾した。

 

「自信がねえって何だよっ!!本気で来いよな!!!」

 

「フフ・・わかっている・・だがおまえは強い・・・・そう言いたかっただけだ」

 

そう言うとエルザはグレイに視線を向ける。

 

「グレイ・・・おまえも勝負したいのか?私と」

 

エルザの言葉にグレイは全力で首を横に降る。

 

「おしっ!!燃えてきたぁ!!!やってやろうじゃねーか!!!」

 

その後、目的地まで列車で向かうため乗り込んだ一同。

 

さっきまで燃えていたナツはというと・・・

 

「はあ・・はあ・・・・うぷっ」

 

乗り物酔いで弱りきっていた。

 

「なっさけねえなぁ、ナツはよぉ・・うっとおしいから別の席行けよ。つーか列車乗るな! 走れ!」

 

「しょうがないよ、こればっかりはどうしようもできないよ」

 

ナツに対してグレイは容赦なく罵倒して、ナノが優しくフォローした。

 

「まったく・・・しょうがないな。私の隣に来い」

 

「あい」

 

エルザはそんなナツを見て自分の隣の席をポンポンと叩きながら言う。既に隣に座っていたルーシィと入れ替わり、エルザの隣に座った。

すると・・・・

 

ボスッ!!

 

「ぶほっ!!!」

 

弱りきっていたナツの腹部を思いっきり殴り、気絶させた。

 

「少しは楽になるだろう」

 

そう言ってエルザはナツを自分の膝の上で寝かした。

 

「そういやあたし、妖精の尻尾(フェアリーテイル)でナツ以外の魔法見たことないかも。エルザさんはどんな魔法使うんですか?」

 

「エルザでいい」

 

「エルザの魔法は綺麗だよ。血がいっぱいでたりするんだ・・・・相手が」

 

「綺麗なの? それ?」

 

「そうかな? 私はグレイの魔法の方が綺麗だと思うよ」

 

「そうか?」

 

そう言うとグレイは左手のひらに氷で出来たギルドマークを作った。

 

「わあっ!!」

 

「氷の魔法さ」

 

「氷ってアンタ似合わないわね」

 

「ほっとけっての」

 

「それよりエルザさん、そろそろ仕事の事を話してくださいよ。一体何事ですか?エルザさんほどの魔導士がわたし達に力を借りたいなんて・・・・ただ事じゃないですよね」

 

フェイの質問にエルザは頷くと、説明を始める。

 

「先の仕事の帰りだ。オニバスで魔導士が集まる酒場へ寄った時、少々気になる連中がいてな・・・・エリゴールにララバイを持って帰ると言っていた」

 

「ララバイ?」

 

「うーん・・・どっかで聞いたことがあるような・・・・」

 

「子守歌・・・眠りの魔法かしら?」

 

ララバイという言葉に全員首を傾げる。

 

「わからない・・・・しかし封印されているという話を聞くと、かなり強力な魔法だと思われる」

 

「話が見えてこねえなァ・・・得体の知れねぇ魔法の封印を解こうとしている奴等がいる・・だがそれだけだ、仕事かもしれねぇし何て事ァねぇ」

 

「そうだ・・私も初めはそう気にかけてはいなかった・・・・エリゴールと言う名を思い出すまではな」

 

「確か・・・鉄の森(アイゼンヴァルト)のエース、死神エリゴールだよな?」

 

「し・・死神!!?」

 

「暗殺系の依頼ばかりを遂行し続けついた字だよ。本来、暗殺依頼は禁止されているけど、鉄の森(アイゼンヴァルト)は金を選んだ」

 

「その結果・・・6年前に魔導士ギルド連盟を追放されて、闇ギルドとして活動している」

 

「闇ギルドぉ!!?」

 

「ルーシィ、汁いっぱい出てるよ」

 

「汗よ!!」

 

エルザとナノの説明で冷や汗を流すルーシィ。その間に目的の駅に着いたので、一同は列車を降りる。

 

「ちょっと待って!!追放・・・って、処罰はされなかったの!?」

 

「されたさ。当時、鉄の森(アイゼンヴァルト)のマスターは逮捕され、ギルドは解散命令を出された」

 

「だけど解散命令を無視して活動している・・・・それが闇ギルドだよ」

 

エルザとナノの説明を聞いたルーシィはブルッと身体を震わせる。

 

「不覚だった・・あの時エリゴールの名に気づいていれば・・・・全員血祭りにしてやったものを・・・・」

 

「ひいいっ!」

 

エルザの言葉に小さく悲鳴を上げるルーシィ。

 

「けど、これで納得しました。その場にいた人達だけならエルザさを一人で何とかなったかもすれません・・・・けどギルド一つ相手になると・・・・」

 

フェイの言葉に頷き、エルザは説明を続ける。

 

「奴等はララバイなる魔法を入手し何かを企んでいる。私はこの事実を看過する事はできないと判断した」

 

エルザはグレイ達の方に振り向いて・・・・

 

「鉄の森(アイゼンヴァルト)に乗り込むぞ」

 

そう言いきる。その言葉にルーシィ以外のメンバーは顔に笑みを浮かべた。

 

「面白そうだな」

 

「了解です!!」

 

「上等!やってやるよ」

 

「来るんじゃなかった」

 

「汁出すぎだって」

 

「汁っていうな」

 

ルーシィはまだ冷や汗流している。

 

「で・・・・鉄の森(アイゼンヴァルト)の場所はしってるのか?」

 

「それをこの町で調べるんだ」

 

そしてフェイはある事に気づいた。

 

「あれ?もしかして・・・・」

 

「どうかしたのか?」

 

ナノの質問に少し慌てるように答える。

 

「ナツ君・・・・置いて来ちゃったかも・・・」

 

その言葉に全員が目を見開く。

 

そう、気絶させたナツをそのまま列車に置いてしまったのだ。

 

「何と言う事だっ!!話に夢中になるあまりナツを列車に置いて来たっ!!アイツは乗り物に弱いと言うのにっ!!私の過失だっ!!とりあえず私を殴ってくれないかっ!!!」

 

「まあまあまあ」

 

「そういう訳だっ!!列車を止める!!」

 

「ど・・どういう訳?」

 

いきなり話を振られて戸惑う駅員。

 

「妖精の尻尾(フェアリーテイル)の人はやっぱみんなこーゆー感じなんだぁ・・・」

 

「オイ!オレはまともだぞ!」

 

「露出魔のどこが!?」

 

ルーシィとグレイがそんな会話している間にも、エルザは駅員に説得している。

 

「仲間の為だ、わかってほしい」

 

「無茶言わんでくださいよっ!!降りそこなった客一人の為に列車を止めるなんて!!」

 

駅員の言い分はもっともだ。それでもエルザは列車を止めたい為、ハッピーにある指示を出す。

 

「ハッピー」

 

「あいさー」

 

「ちょ・・・・ちょっとォ!!」

 

エルザの指示で『緊急停止信号』のレバーを下げるハッピー。それにより、駅全体に警報が鳴り響く。そのせいで駅にいる人達に動揺が走る。

 

「ナツを追うぞ!!すまない、荷物を『ホテル チリ』まで頼む」

 

そんな事も気にしないで、通行人に荷物を押し付ける。その行動にルーシィは呆れており、ナノは額に手を当て、ため息をつく。

 

「はぁ・・・フェイ、魔動四輪車の用意しといてくれ」

 

「はーい」

 

「もう・・めちゃくちゃ・・」

 

「だな・・」

 

「服!!!なんで!!?」

 

 

 

 

 

 

その後、フェイが用意しておいた魔動四輪車に乗り、列車を追った。列車に追いつくと、何故か、列車からナツが飛んできた。

 

「何で列車から飛んでくるんだよォ!!」

 

「どーなってんのよ!!」

 

「うぉあっ!」

 

魔動四輪車の上に乗っていたグレイとナツが・・・・

 

ゴチーン!!

 

お互い頭を思いっきりぶつけてしまう。二人は揃って地面に落ちる。それに気付いて、運転していたエルザが魔動四輪車を慌てて止める。

 

「ナツ!!無事だったか!!?」

 

「痛てーーー!!何しやがるっ!!ナツてめぇ!!」

 

「今のショックで記憶喪失になっちまった。誰だオメェ、くせぇ」

 

「何ぃ!!?」

 

そんな会話をしている二人に駆けつける一同。

 

「ハッピー!!エルザ!!ルーシィ!!ナノ!!フェイ!!ひでぇぞ!!!オレをおいてくなよっ!!」

 

「すまない」

 

「ごめん」

 

「ナツ君ごめんなさい」

 

「悪かったよ」

 

「おい・・・随分、都合のいい記憶喪失だな・・・・」

 

怒るナツに四人は謝り、グレイはツッコミを入れる。

 

「けど本当に無事で良かったよ」

 

「無事なモンかっ!!列車で変な奴にからまれたんだ!!何つったかな?アイ・・ゼン・・・バルト?」

 

ナツの言葉に全員が驚いていて、目を見開く。

 

「バカモノぉっ!!!」

 

「ん!?」

 

その言葉にエルザは、ナツに強烈なビンタを食らわせた。

 

「鉄の森(アイゼンヴァルト)は私たちの追っている者だ」

 

「そんな話初めて聞いたぞ・・・・」

 

「なぜ私の話をちゃんと聞いていないっ!!」

 

「お前が気絶させたからだよ・・・」

 

エルザの言葉にナノは呆れる。だが、直ぐに真剣な顔つきになる。

 

「取り敢えずさっきの列車を追った方が良いな。ナツ、相手はどんな特徴をしていた?」

 

「あんまり特徴なかったなぁ。なんかドクロっぽい笛を持ってた。三つ目があるドクロだ」

 

「何だそりゃ? 趣味悪ィ奴だな」

 

すると、それを聞いたルーシィが震え出す。

 

「ううん・・まさかね・・・・。あんなの作り話よ・・でも・・もしもその笛が呪歌だとしたら・・・子守歌(ララバイ)・・眠り・・・死・・!!」

 

そして何か気がついたように顔を上げる。

 

「その笛がララバイだ! 呪歌(ララバイ)・・・・〝死〟の魔法!」

 

「何!?」

 

「呪歌?」

 

「あぁーーっ!!思い出した!」

 

そしてフェイも思い出したように声を上げる。

 

「あたしも本で読んだ事しかないんだけど・・・・禁止されてる魔法の一つに呪殺(じゅさつ)ってあるでしょ?」

 

「ああ・・・その名の通り対象者を呪い 〝死〟 を与える黒魔法だ」

 

「けどララバイはもっと恐ろしいものなんです」

 

ルーシィに続くようにフェイが説明する。

 

「その笛は元々〝呪殺〟の為の道具だったんです。けど伝説の黒魔導士ゼレフがさらなる魔笛へと進化させたんです」

 

「進化?」

 

「はい。笛の音を聴いた者全てを呪殺する〝集団呪殺魔法〟・・・それが呪歌(ララバイ)です!!」

 

それを聞いた全員が急いで魔動四輪車に乗り、列車を追いかけた。




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妖精女王(ティターニア)と氷魔

テストあるのに何やってんだろ俺・・・・
どうも!syeidです。
今回で初めて主人公戦います。
それではどうぞ!


ララバイが〝集団呪殺魔法〟と知ったエルザは魔動四輪車を運転して列車を追っていた。

 

「エルザ!!とばしすぎだぞっ!!」

 

「SEプラグが膨張してますよ!!」

 

魔動四輪車は運転手の魔力で動いている。スピードを出せば魔力の消費も多くなる。それでも構わずスピードを出し続けるエルザ。

 

「あの笛が吹かれれば大勢の人が死ぬ・・・音色を聴いただけで人の命が消えてしまうんだぞ」

 

「わかってっけど奴等の目的もはっきりしてねえし・・・・一戦交える可能性もある」

 

「そんなにスピード出していたらエルザさんの魔力が枯渇してしまいますよ」

 

「構わん。いよいよとなれば棒切れでも持って戦うさ・・・・それに、おまえたちがいるしな」

 

「む・・」

 

「エルザさん・・・」

 

エルザの言葉に何も言えなくなってしまう。

 

一方、車内では・・・

 

「何かルーシィに言うことあった気がする。忘れたけど」

 

「何?」

 

「だから忘れたんだって」

 

「気になるじゃない、思い出しなさいよ」

 

「スー・・・」

 

「キモチ・・悪・・・」

 

ハッピーとルーシィがそんな会話をしている隣では、乗り物酔いしているナツとこんな時に寝ているナノのメンバーがいた。

 

「ナツ!!落ちるわよ」

 

「うおお・・・・落として・・くれ・・・・」

 

「うーん何だろ?ルーシィ、変、魚、おいしー、ルーシィ、変」

 

「変って!!」

 

落ちそうになるナツをルーシィが抑えて、ハッピーは忘れている事を思い出そうとしている。

 

「あ!!」

 

「何だあれは・・」

 

全員の視線の先に、なにやら煙が立ち上がっていた。

 

その後、一同は煙が上がっている場所であるオシバナ駅に到着した。

 

『みなさん!!お下がりください。ここは危険です。ただいま列車の脱線事故により、駅へは入れません!!』

 

駅員が拡声器を持って野次馬に向かってそう説明していた。

 

「脱線?」

 

「いや、テロらしいよ」

 

だが、一部の人にはバレかけている。

 

「行くぞ!」

 

「でも封鎖って」

 

「いちいち聞いてられっかよ」

 

「それどころじゃないからな」

 

「うぷ」

 

「ナツ君!人酔いしてる場合じゃないよ!」

 

人ごみの中を掻き分けて移動する。

 

「駅内の様子は?」

 

エルザが駅員に駅内の様子を聞いた。

 

「な・・・何だね君!!」

 

ゴッ!!

 

「うほっ!」

 

だが、答えなかった駅員を頭突きで気絶させた。

 

「駅内の様子は?」

 

「は?」

 

ゴッ!!

 

別の駅員に聞くがまた気絶させた。

 

「即答できる人しかいらないってことなのね」

 

「だんだんわかってきたろ?」

 

「エルザさん結構むちゃくちゃするからなー」

 

「はぁ・・・・」

 

エルザの行動にフェイは苦笑しており、ナノは呆れて、ため息をついていた。その後、人ごみに酔っていたナツはルーシィが背負い、駅の中に入った。そこで見たものは・・

 

「ひいいっ!!」

 

「全滅!!!」

 

乗り込んだ軍隊が全滅している光景だった。

 

「相手は一つのギルドすなわち全員魔道士。軍の小隊では話にならんか・・・・」

 

「急ぐぞ! ホームは向こうだ!!」

 

ナノが先導して、ホームに向かった。そこに居たのは・・・

 

「やはりきたな、妖精の尻尾(フェアリーテイル)」

 

大勢の魔導師と大鎌を持った男、エリゴールだった。

 

「待ってたぜぇ」

 

「貴様がエリゴールだな」

 

「あれ・・あの鎧の姉ちゃん・・」

 

「なるほど・・・・計画バレたのオマエのせいじゃん」

 

「貴様らの目的はなんだ?」

 

「返答次第によっては、それなりの対応をさせてもらう」

 

エルザとナノは怒りを滲ませながら言い放つが、エリゴールは動じなかった。

 

「まだわからねぇのか、駅には何がある」

 

そう言いながら風の魔法で空に飛ぶ。

 

「ぶー」

 

すると、駅の放送機をコツンッと叩いた。

 

「呪歌(ララバイ)を放送するつもりか!!?」

 

「ええ!?」

 

「そんな!?」

 

「何だと!?」

 

「ふざけた事を・・・・!?」

 

「ふはははははっ!!!」

 

驚愕するエルザ達を見て、エリゴールは楽しそうに笑う。

 

「この駅の周辺には何百、何千もの野次馬どもが集まってる。いや・・・音量を上げれば町中に響くかな、死のメロディが」

 

「大量無差別殺人だと!?」

 

「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えに来た。死という名の罰をな!」

 

「そんな事をしても権利は戻ってこない!!それに、こうなったのもあなた達のせいじゃない!!」

 

エリゴールに向かって怒鳴るフェイ。しかしエリゴールはやはり動じない。

 

「ここまで来たらほしいのは権利じゃない、権力だ。権力があればすべての過去を流し、未来を支配することだってできる」

 

「あんた、バッカじゃないの!」

 

今度はルーシィは怒鳴るが、それでも通じない。

 

「残念だな、妖精(ハエ)ども。闇の時代を見る事なく死んじまうとは!!」

 

「!!?」

 

カゲヤマと呼ばれた男がルーシィに向かって影を伸ばす。だが・・・

 

「やっぱりオマエかぁ!!!」

 

乗り物酔いで気絶していたナツが影を防ぐ。

 

「今度は地上戦だな!」

 

睨み合う妖精の尻尾(フェアリーテイル)と鉄の森(アイゼンヴァルト)。その中で唯一、エリゴールだけが、不気味な笑みを浮かべていた。

 

「あとは任せたぞ。オレは笛を吹きに行く。身のほど知らずの妖精どもに・・・鉄の森(アイゼンヴァルト)の・・・闇の力を思い知らせてやれぃ」

 

そう言うと、エリゴールは窓を突き破って何処かへと行ってしまった。

 

「逃げるのか! エリゴール!!」

 

「くそっ! 向こうのブロックか!?」

 

声を上げるが、それが届くことはなかった。

 

「ナツ、グレイ! 二人で奴を追うんだ!」

 

「「む」」

 

「おまえたち二人の力を合わせればエリゴールにだって負けるはずがない」

 

「「むむ・・・」」

 

ナツとグレイは互いの顔を見合う。

 

「フェイお前も着いていってくれ」

 

「うん!任せて!!」

 

「ここは私とルーシィとナノでなんとかする」

 

「なんとか・・・・ってあの数をたった三人で?」

 

「エリゴールは呪歌(ララバイ)をこの駅で使うつもりだ。それだけはなんとしても阻止しなければならない」

 

だが、二人は睨み合っていた。

 

「聞いているのかっ!!」

 

「「も・・・・もちろん!!!」」

 

「行け!!」

 

「「あいさー」」

 

ナツとグレイはエリゴールを追い、その二人にフェイがついて行く。その三人を鉄の森(アイゼンヴァルト)の魔導師、レイユールとカゲヤマが追いかけた。

 

「こいつ等片づけたら私たちもすぐに追うぞ」

 

「うん」

 

「了解」

 

エルザの言葉に頷き、三人は戦闘体制を取る。

 

「女二人で何ができるやら・・・それにしても二人ともいい女だ」

 

「殺すにはおしいぜ」

 

「とっつかまえて売っちまおう」

 

「待て待て、妖精の脱衣ショーみてからだっ」

 

「あの男は邪魔だからさっさと殺してしまおうぜ」

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)の面々は下心丸出しの目で二人を見る。ナノは完全に邪魔者扱いだ。

 

「下劣な」

 

「まったく・・・俺の扱い雑だな」

 

そう言うと、エルザとナノは手を翳す。

 

「これ以上妖精の尻尾(フェアリーテイル)を侮辱してみろ。貴様らの明日は約束できんぞ」

 

「そして、俺達を敵に回したことを後悔しな」

 

すると、二人の手には一本の剣が現れる。

 

「剣が出てきた!!魔法剣!!」

 

「めずらしくもねえ!!」

 

「こっちにも魔法剣士はぞろぞろいるぜぇ」

 

「その鎧ひんむいてやるわぁ」

 

敵側は特に驚いた様子も無く、武器を手にして襲い掛かってくる。だがその大群に、エルザとナノは突入し、次々と敵を斬り裂いていく。

 

「チィッ、遠距離魔法(とびどうぐ)でもくらえ!」

 

一人がエルザに遠距離魔法を放とうとするが、エルザが剣から槍に変えて、薙ぎ払う。それだけではなく、エルザは武器を双剣、斧・・・と一瞬のうちに次々と変えて、敵をなぎ倒していく。

 

「この女・・・なんて速さで 〝換装〟するんだ!!?」

 

「換装?」

 

聞き慣れない単語にルーシィは首を傾げる。

 

「魔法剣はルーシィの星霊と似てて、別空間にストックされている武器を呼び出す原理なんだ。その武器を持ち帰ることを換装って言うんだ」

 

「へぇ〜・・・すごいなぁ」

 

その説明を聞いてそう声を漏らすルーシィ。すると、ハッピーが不敵に笑う。

 

「エルザとナノのすごいトコはここからだよ」

 

「え?」

 

「エルザとナノ?」

 

ハッピーの意味深な言葉にルーシィは首を傾げ、敵側の太った男『カラッカ』は疑問を覚える。

 

「まだこんなにいるのか。面倒だ、一掃する」

 

そう言うと、エルザが纏っていた鎧がはがれ始める。

 

「魔法剣士は通常〝武器〟を換装しながら戦う。だけどエルザは自分の能力を高める〝魔法の鎧〟にも換装出来るんだ。それがエルザの魔法・・・・〝騎士(ザ・ナイト)〟」

 

ハッピーが説明している間に、エルザは羽のついた鎧・・・・『天輪の鎧』を身に纏っていた。

 

「舞え、剣たちよ・・・循環の剣(サークル・ソード)!!!」

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁああああ!!!!』

 

エルザが放った無数の剣が大群を切り裂き相手を仕留めた。だが、全員は倒せず何人か残ってしまった。

 

「くそぉ!これでもくらいやがれ!」

 

するとナノに向かって氷の魔法を放った。だが、ナノは避けようとしなかった。そして魔法が当たった。

 

「ナノ!!」

 

それを見たルーシィは声を上げる。

だが、すぐに驚いた顔になった。何故なら・・・・

 

「・・・・不味いな」

 

なんと、相手の氷の魔法を食べていた。

 

「う・・・嘘!?」

 

「そしてナノはナツと同じ滅竜魔導士、氷の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)」

 

驚いているルーシィに、 ハッピーが不敵に笑いながら、説明した。

 

「お返しだ・・・氷竜の・・・」

 

ナノは大きく息を吸い込み・・・

 

「咆哮!!」

 

『うわぁぁぁぁぁぁ!!』

 

相手に氷の息吹(ブレス)を放った。

それによって、鉄の森(アイゼンヴァルト)のメンバーはほとんど倒れた。

 

「こんのヤロォ!!オレ様が相手じゃあ!!!」

 

そう言って、残った魔導士『ビアード』が片手に魔法を纏って突っ込んでいく。

 

「ま・・間違いねえっ!!コイツらぁ妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強候補の二人……妖精女王(ティターニア)のエルザと氷魔のナノだ!!」

 

カラッカが驚いている間に、ビアードは二人によって倒されてしまった。

 

「ビアードが一撃かよっ!! ウソだろ!!?」

 

「すごぉぉーーい!!」

 

それを見たカラッカは驚愕し、ルーシィは歓声の声を上げる。

 

「ひーー!」

 

すると、カラッカはその場から逃げ出して行った。それを見たエルザはルーシィに指示をだす。

 

「エリゴールのところに向かうかもしれん。ルーシィ追うんだ!」

 

「えーっ!?あたしがっ!?」

 

「頼む!」

 

「はいいっ!!」

 

エルザに睨めつけられ、断れずに追いかけるルーシィ。それを見終えると、エルザはいつもの鎧に戻る。

 

「ふぅ・・・」

 

「お疲れエルザ。やっぱり魔動四輪車がこたえてるだろ」

 

「あぁ、後はナツ達に任せよう。私達は住民達の避難を」

 

「あぁ!」

 

そう言うと、早速行動をした。

 




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妖精たちは風の中

遅くなってごめんなさい!!
書く時間が少なくて中々書けなくて・・・・
次は出来るだけ早く書くので見守って下さい。
それではどうぞ!!



その頃、ナツ、グレイ、フェイの三人はエリゴールを探して通路を走っていた。

 

「二人で力を合わせればだぁ?冗談じゃねえ」

 

「火と氷じゃ力は一つになんねーしな。無理」

 

「「エリゴールなんかオレ一人で十分だっての!!!」」

 

「二人共!! 喧嘩してる場合じゃないでしょ!!?」

 

口喧嘩をしている二人の間にフェイが入って止めようとする。

すると、通路が二手に分かれているのが見えた。

 

「どっちだ?」

 

「二手に分かれりゃいいだろーが。オレは一人でいい。フェイはナツと行け」

 

「わかった」

 

そう言うと、三人は分かれ道の前で止まる。

 

「いいかナツ、フェイ。相手は危ねえ魔法をぶっ放そうとしてるバカヤロウだ。見つけたら叩き潰せ」

 

「それだけじゃねえだろ? 妖精の尻尾(フェアリーテイル)に喧嘩売ってきた大バカヤロウだ。黒コゲにしてやるよ」

 

そう言うと、ナツとグレイはニッと笑い合う。

 

「二人共、本当は仲いいでしょ?」

 

「「!ふん!!」」

 

フェイに言われて気がついた二人はすぐに顔を背けた。

 

「・・・死ぬんじゃねーぞ」

 

グレイはボソッと呟く。

 

「ん?」

 

「なんでもねえよ!!さっさと行きやがれっ!!」

 

そう言ってグレイは走って行き、それを見たナツとフェイも別の道を走って行った。

 

 

 

その頃、駅の前はたくさんの住民が集まっていた。すると、そこにエルザとナノが姿を現す。

 

「き、君!! さっき強引に中に入った人だね!! 中のようすをどうなんだね!?」

 

駅員の質問を無視して、エルザが拡声器を奪い取り、住民に向かって言った。

 

「命が惜しい者は今すぐこの場から離れよ! 駅は邪悪なる魔導士どもに占拠されている! そしてその魔導士はここにいる人間すべてを殺すだけの魔法を放とうとしている! できるだけ遠くへ避難するんだ!」

 

その言葉に駅周辺にいる住民たちの声は一斉に静まり返った。

だがその恐怖から逃げ出そうと、すぐさま慌てて駆け出していった。

 

「き・・・君! なぜそんなパニックになるようなことを!」

 

「人が大勢死ぬよりはマシだろう」

 

「それに、今言ったことは本当です。貴方達も早く避難した方がいいですよ」

 

ナノの言葉を聞いて、駅員たちも慌てて逃げていく。

 

「とりあえず、一安心ってとこだな」

 

「ああ、そうだな」

 

二人は笑みを零して駅の方を振り返ると、信じられない光景が広がっていた。

 

「こ・・これは!!」

 

「駅が風に包まれている!!!」

 

振り返れば、駅は風に包まれていた。その勢いはとても強く、まるで駅が台風の中に閉じ込められているようだった。

 

「ん?なぜ妖精(ハエ)が外に二匹・・・そうか、野次馬どもを逃がしたのはテメェらか、女王様と氷魔様よォ」

 

「「エリゴール!!」」

 

声を掛けられ、振り返るとそこにはエリゴールが飛んでいた。

 

「貴様がこれを!?」

 

「てめえらとは一度戦ってみたかったんだがな・・・・。残念だ、今は相手をしてる暇がねぇ」

 

そう言うとエリゴールはエルザとナノ向かって手をかざし、風で吹き飛ばした。

 

「くっ!」

 

「がぁっ!」

 

二人はそのまま駅が纏う風の中に入れられてしまった。

 

「ちぃ、エリゴール!」

 

「!待て、エルザ!!」

 

エリゴールを追いかけようとしたエルザを、ナノが何かに気付き、腕を掴んで止める。

 

「ナノ!なぜ止める!?」

 

「よく見ろ、こんな暴風の中に突っ込んで行ったら出る前にボロボロになるぞ」

 

「そいつの言う通りだ。この魔風壁は外からの一方通行だ。中から出ようとすれば風が体を切り刻む」

 

「これは一体どうゆうつもりだ!」

 

「鳥籠ならむハエ籠ってところかにしてはちとデケェがな。ははっ」

 

ナノの問い掛けにバカにしたような笑い声で答えるエリゴールに、ナノは怒りを滲ませる。

 

「てめえらのせいでだいぶ時間を無駄にしちまった。俺はこれで失礼させてもらうよ」

 

「待て!どこに行くつもりだ!?」

 

ナノは声を張り上げるも、返事は返ってこなかった。

 

「一体・・どうなっているんだ・・・この駅が標的じゃないというのか!?」

 

「エリゴールの目的って・・・・一体・・・?」

 

エリゴールの行動に疑問を持つ二人。するとナノは、先ほど倒した敵の一人、ビアードに歩み寄る。

 

「おい、お前らの本当の目的は何だ?」

 

「へへ・・誰が言うか・・・・!!」

 

目的を話そうとしないビアードに、剣を取り出し突きつける。「話さないと斬る」・・・・そういう意味を持っているだろう。観念したビアードは目的を話す。

 

「俺達の目的は・・・呪歌(ララバイ)の放送じゃね・・・・本当の目的はクローバーの町にある・・・・」

 

それを聞いた二人は目を見開いた。

 

「クローバーの町・・・・バカな・・・あそこは・・・・!?」

 

「ギルドマスター達が定例会をしている町だ!!本当の目的はギルドマスター達なのか!?」

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)の本当の目的に二人は驚愕する。

 

「ははっ・・・もう止められない・・・きっとエリゴールさんが呪歌(ララバイ)で・・・・!!」

 

ガキンッ!!

 

ビアードは先の言葉を話せなかった。何故なら、ナノがビアードの顔スレスレのところで剣を突き刺した。そのナノの表情は怒りが滲んでいた。

 

「今なら間に合う。今すぐ魔風壁を止めろ。じゃないと・・・・お前を殺す」

 

ナノの偽りない言葉に、ビアードは顔を真っ青にする。

 

「知らねえんだよ・・・む・・無理だって・・魔風壁の解除なんて・・・・オレたちができる訳ねえだろ・・・・」

 

だがビアードは知らないと話した。すると・・・・

 

「エルザ!!ナノ!!」

 

「グレイか!?」

 

戦いを終えたであろうグレイが、傷だらけになりながらも二階に現れた。

 

「ナツたちはどうしたんだ?」

 

「はぐれた、つーかそれどころじゃねぇっ!!鉄の森(アイゼンヴァルト)の本当の標的はこの先の町だ!!じーさんどもの定例会の会場・・奴はそこで呪歌(ララバイ)を使う気なんだ!!」

 

「だいたいの話は彼から聞いた」

 

「けど、駅には魔風壁がある」

 

「ああ! さっき見てきた! 無理矢理出ようとすればミンチになるぜありゃ!」

 

二階から飛び降りて着地をしながらそう言うグレイ。

 

「こうしている間にもエリゴールはマスターたちのところへ近付いているというのに・・・」

 

「こいつらは魔風壁の消し方知らねぇのかよ!」

 

「無理だ・・・本当に知らないらしい」

 

どうにかして脱出する方法を考える三人。すると、エルザが思い出したようにハッとする。

 

「そういえば鉄の森(アイゼンヴァルト)の中にカゲと呼ばれてた奴がいたはずだ!!奴は確かたった一人で呪歌(ララバイ)の封印を解除した!」

 

「解除魔導士(ディスペラー)か!!?」

 

「それなら魔風壁も止められる!!」

 

「探すぞ!! カゲを捕らえるんだ!!」

 

脱出の糸口が見えてきた三人は急いでカゲヤマを探し始めた。

 

その後ろでビアードが邪悪な笑みを浮かべているのにも気付かずに・・・・

 

 

 

一方、ナツとフェイは・・・

 

「エリゴォォォォル!!」

 

炎を纏った蹴りで壁をブチ破って突入するナツ。

 

「どこに隠れてんだぁぁあっ!! コラァァアーーー!!」

 

そう叫びながらエリゴールを探すナツ。

そしてその部屋に居ないことを確認すると・・・・

 

「次ぃっ!!」

 

その隣の部屋の壁も破壊した。扉があるのにも関わらず。

 

「ナツ君ストーーーップ!!」

 

そのナツをフェイが服を掴んで止める。

 

「何しやがるフェイ!!」

 

「急ぐのは解るけど、壁は壊したらダメェ!!マスターに怒られるよ!!」

 

「そんなの関係ねぇ!!」

 

「関係あるから!!いいから・・・・やめなさい!!」

 

「ぐほっ!」

 

いつまで経っても暴れるのを止めないナツを、フェイが近くにあった木の板で叩いて止めた。

 

「全く・・・止まらないナツ君が・・・・!!」

 

何かに気づいたフェイは言葉を止める。何故なら、突然天井からカゲヤマが現れ、ナツを狙っていた。

 

「ナツ君危ないっ!」

 

「うおっ!!」

 

フェイはナツを突き飛ばした。そうなると必然的に・・・・

 

ドコッ!

 

「きゃあっ!」

 

「フェイ!?」

 

ナツの代わりにフェイが攻撃を受けることになり、カゲヤマの蹴りを喰らったフェイは近くの壁に叩きつけられた。

 

「あらら・・・女の方をやっちまった」

 

そこへ、天井から姿を現したカゲが地面に着地する。

 

「またお前かーー!!」

 

「君の魔法は大体わかった。体に炎を付加することで破壊力を上げる。珍しい魔法だね」

 

「本当はテメェなんざに用はねえが、よくもフェイをやりやがったな!!」

 

そう言ってナツは炎を纏ってカゲヤマと戦おうとする。

 

「待ってナツ君!」

 

「!!?」

 

すると、突然声が聞こえて振り向くと、傷つきながらも立ち上がっているフェイの姿があった。

 

「その人とは、私と戦わして。私が攻撃を受けたんだから、私がケリをつける」

 

フェイの言葉にナツは少し考えて、ため息混じりに言う。

 

「わーったよ。そのかわり・・・負けるなよ」

 

「うん!ありがとう」

 

ナツはフェイ達から離れて、床に座る。

 

「生意気な!!小娘が僕に勝てると思うのか!?」

 

カゲヤマは床に手を置くと影が伸び、影が蛇の形になっていく。

 

「八つ影(オロチシャドウ)でもくらえ!!逃げてもどこまでも追いかけてゆくぞ!!!」

 

八体の蛇の影がフェイに向かっていく。だが、フェイは動じず、ゆっくりと掌を合わせ魔力を溜める。

 

「 アクアメイク・・・〝鞭(ウィップ) 〟!!」

 

すると、水で出来た鞭が現れ、影の蛇に攻撃し破壊した。

 

「バ・・バカな!!!全部破壊しやがった!!」

 

カゲヤマはハつ影(オロチシャドウ)を塞がれで驚愕する。だが、フェイはこれで攻撃を止めずカゲヤマの足に水の鞭を絡ませる。

 

「てやぁ!!」

 

「うおっ!?」

 

水の鞭を振り、カゲヤマを天井に投げる。そして、さっきと同じよう掌を合わせる様に構えて・・・

 

「アクアメイク〝槍騎兵(ランス)〟!!」

 

空中にいるカゲヤマに水の槍が襲いかかる。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁああああっ!!」

 

当然、空中に居るので避ける事も出来ず、真正面から攻撃をくらい、地面に倒れる。そしてフェイはゆっくりとカゲヤマに近づく。

 

「これで私の勝ち・・・・さあ、エリゴールは何処にいるの?」

 

「くくく・・バカめ・・エリゴールさんはこの駅にはいない・・・・」

 

「え?」

 

「フェイー!!それ以上はいい!!彼が必要なんだ!!」

 

すると、慌てた様子で近づいてくるエルザ達が合流した。

 

「でかした!!フェイ!!」

 

「お手柄だ!!」

 

「ふぇ?」

 

なぜ褒められているのか分からず、フェイは首を傾げる。

 

「説明してるヒマはねえが、そいつを探してたんだ」

 

「私に任せろ」

 

そう言うと、エルザは倒れているカゲヤマの胸倉を掴んで無理矢理立たせ、顔に剣を突きつける。

 

「四の五の言わず魔風壁を解いてもらおう。一回NOと言うたびに切創がひとつ増えるぞ」

 

「う・・・」

 

フェイにやられた後のカゲヤマに抵抗する力は残されていなかった。

 

「エルザさん!?」

 

「いくら何でもそりゃヒデェぞ・・・・やっぱりエルザは危ねぇ!!」

 

「黙ってろ!!」

 

事情を知らないナツとフェイは問い掛けるが、グレイに一蹴された。

 

「いいな?」

 

「わ・・わか・・・・ばっ!!」

 

「わかった」と言いかけたその口から出てきたのは、大量の血。そしてゆっくりと倒れるカゲヤマの背中には、短剣が突き刺さっていた。そしてその後ろには壁から体を出したカラッカが居た。どうやら魔風壁解除を阻止するため、カゲヤマを殺そうとしようとしたらしい。

 

「カゲ!!」

 

「くそっ!!やられた!!」

 

「一体どうゆうことなの!?」

 

「くそっ!! 唯一の突破口が・・・・ちくしょぉおお!!!」

 

慌ててグレイとナノ、そしてフェイもカゲヤマに駆け寄る。

そしてその様子を、ナツはただ見ていることしか出来なかった。




誤字・感想等あればお願いします。


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ぜレフの悪魔

どうもsyeidです。
テスト期間で書いている・・・・
まあ、大丈夫でしょう!!!(フラグ)
今回は少し長めに書きました。
戦闘描写が長かったので楽しかったです!!
それではどうぞ!



エリゴールが作った魔風壁を突破する唯一の希望、カゲヤマが刺されたことで全員に動揺が走る。

 

「カゲ!!しっかりしろ!!」

 

「頼む!!お前の力が必要なんだよ!!!」

 

エルザとナノが必死に呼びかけるが、カゲヤマは気を失っていて、反応がない。

 

「ちょっと!!死んだらダメだよ!!」

 

「マジかよ!!!くそっ!!」

 

「あ・・うあ・・ああ・・」

 

グレイは毒づき、フェイも必死に呼びかける。そしてカゲヤマを刺した張本人であるカラッカは、声を震わせていた。そんな中、ナツはただ一人呆然としている。

 

「仲間じゃ・・・・ねえのかよ・・」

 

「ひっひいいっ!!!」

 

カラッカは悲鳴を上げ、再び壁の中に逃げていく。

 

「同じギルドの仲間じゃねえのかよ!!!」

 

ナツは怒鳴ると、拳に炎を纏わせる。

 

「このヤロォオッ!!!」

 

「あぎゃあ!!」

 

壁を破壊して中にいたカラッカを床に叩きつける。

 

「カゲ!!しっかりしないか!!!」

 

「エルザ・・・ダメだ・・・・意識がねえ」

 

「死なすわけにはいかん!!やってもらう!!」

 

「やってもらうって、こんな状態じゃ魔法は使えないだろっ!!」

 

「やってもらわねばならないんだ!!!」

 

「それがお前たちのギルドなのかっ!!!」

 

「目的の為に仲間に手を出すなんで・・・・絶対に許さない!!!」

 

一同が動揺する中、カラッカを追っていたはずのルーシィとハッピーが合流するが・・・・

 

「お・・お邪魔だったかしら・・・・?」

 

「あい」

 

あまりにも殺伐とした雰囲気に、そう声を漏らしたのだった。

 

 

 

「エリゴールの狙いは定例会なの!!?」

 

事情を知らないルーシィ達にエリゴールの目的を告げながら、全員は再び魔風壁の前へと戻って来た。

 

「あぁ・・・・だけどこの魔風壁をどうにかしねえと駅の外には出られねえ」

 

バチィッ!!

 

「ぎゃああああ!」

 

「な?」

 

「あわわ・・・・」

 

グレイの説明を聞いてもなお、魔風壁から出ようとしたナツだが、簡単に弾かれる。

 

「カゲ・・頼む、力を貸してくれ・・・・」

 

カゲヤマは応急処置で一命を取り留めたが、まだ意識が戻らない。

 

「くそぉおおっ!!!こんなモン突き破ってやるぁっ!!!」

 

そう言って、再び魔風壁に突っ込むナツだが、やはり跳ね返される。

 

「バカヤロウ・・・・力じゃどうにもなんねえんだよ」

 

「急がなきゃマズイよっ!!!アンタの魔法で凍らせたりできないの!?」

 

「出来たらとっくにやってるよ」

 

どうやら魔風壁にはグレイは魔法も通じないようだ。

 

「ぬぁあああっ!!」

 

すると、ナツが再び魔風壁に突っ込む。

 

「ナツ君!!やめて!!バラバラになっちゃうよ!?」

 

「かっ・・!!」

 

フェイが静止の言葉を掛けるが、ナツは構わず魔風壁を突き破ろうとする。だが、突き破れるわけもなく、ナツの体だけが傷ついていく。

 

「お願いだからやめてよっ!!ナツ君!!」

 

フェイは見ていられず、ナツを魔風壁から引き離す。

 

「くそっ!!どうすればいいんだ!!!」

 

万策尽きたかと思われたその時、ナツが突然声を張り上げ、ルーシィの肩を掴んだ。

 

「そうだっ!!星霊!!」

 

「え?」

 

「エバルーの屋敷で星霊界を通って場所移動できただろ!!?」

 

「いや・・普通は人間が入ると死んじゃうんだけどね・・息が出来なくて。それに門(ゲート)は星霊魔導士がいる場所でしか開けないのよ。つまり星霊界を通ってここを出たいとした、最低でも駅の外に星霊魔導士が一人いなきゃ不可能なのよ」

 

「ややこしいな!!いいから早くやれよ!!!」

 

「出来ないって言ってるでしょ!!!」

 

あまりに横暴なナツの言葉にルーシィが怒鳴る。

 

「もう一つ言えば、人間が星霊界に入ること自体が重大な契約違反!!あの時はエバルーの鍵だからよかったけどね」

 

「エバルーの・・・・鍵・・・・あーーーーっ!!」

 

その話を聞いていたハッピーが突然大声を上げた。

 

「ルーシィ!!思い出したよっ!!!」

 

「な・・何が?」

 

「来る時言ってたことだよぉ!!」

 

そう言うと、ハッピーは背負っていたバッグの中からゴソゴソと何かを取り出した。

 

「これ」

 

「それは・・バルゴの鍵!!?」

 

ハッピーが見せたのは、黄道十二門の鍵だった。

 

「ダメじゃないっ!!勝手に持ってきちゃーー!!!」

 

「違うよ。バルゴ本人がルーシィへって」

 

「ええ!!?」

 

ルーシィは驚愕の声を上げる。それを聞いていたナツ以外の他のメンバーは話の内容がよくわからず、首を傾げている。

 

「なんの話だ?」

 

「こんな時にくだらねえ話してんじゃねえよ」

 

「ルーシィって星霊魔導師だったんだな」

 

「うん、私も今知った 。それより、その鍵がどうしたの?」

 

「バルゴ・・・・ああっ!!メイドゴリラか!!」

 

「エバルーが逮捕されたから契約が解除になったんだって。それで今度はルーシィと契約したいってオイラん家訪ねてきたんだ」

 

「あれが・・・来たのね・・・・」

 

何かを思い出したルーシィは体を震わせる。

 

「ありがたい申し出だけど、今はそれどころじゃないでしょ!? 脱出方法を考えないと!!」

 

「でも・・・・」

 

「うるさいっ!!ネコは黙ってにゃーにゃー言ってなさい!!」

 

「ルーシィ、ちょっと落ち着こうよ」

 

ハッピーの言葉も聞かずにつねるルーシィをフェイは止める。

 

「バルゴは地面に潜れるし・・・魔風壁の下を通って出られるかなって思ったんだ」

 

「何!?」

 

「本当か!!?」

 

ハッピーの言葉に一同は驚愕する。

 

「そっかぁ!!やるじゃないハッピー!!もう、何でそれを早く言わないのよぉ!!」

 

「ルーシィがつねったから」

 

先ほどとは打って変わって浮かれるルーシィにハッピーは皮肉を言うが、無視される。

 

「貸して!!我・・星霊界との道を繋ぐ者。汝・・・その呼びかけに応え門(ゲート)をくぐれ」

 

ハッピーから鍵をを受け取ったルーシィはそれを構えながら詠唱を始める。

 

「開け! 処女宮の扉!!『バルゴ』!!!」

 

すると、現れたのは・・・・

 

「お呼びでしょうか? 御主人様」

 

可愛らしいメイド姿の少女だった。

 

「え!?」

 

目を見開くルーシィ。

 

「やせたな」

 

「あの時はご迷惑をおかけしました」

 

どうやら以前見た姿と変わっているらしい。

 

「やせたって言うか別人!、あ、あんたその格好」

 

「私は御主人様の忠実なる星霊。御主人様の望む姿にて、仕事をさせていただきます」

 

「前の方が迫力があって強そうだったぞ」

 

「では・・・・」

 

「余計なこと言わないの!!」

 

姿を変えようとするバルゴを必死で止めるルーシィ。

 

「時間がないのっ!!契約は後回しでいい!?」

 

「かしこまりました、御主人様」

 

「てか、御主人様はやめてよ」

 

そう言われたバルゴの目に、ルーシィの武器である鞭が映る。

 

「では『女王様』と」

 

「却下!!」

 

「では『姫』と」

 

「そんなトコかしらね」

 

「そんなトコなんだ!?」

 

「てゆーか急げよっ!!」

 

的外れな会話をする二人に、フェイのツッコミとナノの催促が入る。

 

「では!!行きます!!!」

 

そう言うと、バルゴは潜るようにして穴を掘って行く。

 

「おし!!あの穴を通っていくぞ!!」

 

「よっと」

 

「ありがとうナツ君」

 

すると、グレイの視界にカゲヤマを背負っているナツとそれを手伝っているフェイの姿が映った。

 

「何してんだお前ら!!」

 

「「フェイ(私)と戦った後に死なれちゃ後味悪いんだよ(から)」」

 

二人は声を揃えてそう言いながら、バルゴが掘った穴から脱出したのだった。

 

「出れたぞーーー!!!」

 

「急げ!!」

 

「早くエリゴールに追いつくぞ!!」

 

「うわっ! すごい風!!」

 

駅から脱出できた一同。すると、さっきまで気絶していたカゲヤマが口を開く。

 

「無理だ・・・・い・・今からじゃ追いつけるハズがねえ・・オ・・・・オレたちの勝ちだ・・な」

 

途切れ途切れの言葉を言うカゲヤマ。だが・・・・

 

「まだ勝ってねーよ」

 

そんな自信を持った言葉を言うナノ。

 

「な・・・なんだと・・!?」

 

「もう既にエリゴールを追って此処にいない奴が二人もいるぞ」

 

「あれ!?ナツ君がいない!!」

 

「ハッピーもいねえぞ」

 

ナノの言葉にフェイとグレイがナツ達がいない事に気づく。

 

「ハッピーのMAXスピードはギルドの中でもトップクラスだ。今頃エリゴールにおいついてるよ」

 

「ぐっ・・・・」

 

カゲヤマが悔しそうに歯を食いしばる。

 

「それじゃあ、俺達もナツを追いかけるぞ」

 

『おう!!』

 

ナノの言葉に、全員が頷き、ナツ達を追っていった。

 

 

 

あの後、エルザ達は魔道四輪でナツ達を追っている。

 

「これ・・・・あたしたちがレンタルした魔道四輪車じゃないじゃん!!」

 

「鉄の森(アイゼンヴァルト)の周到さには頭が下がる。ご丁寧に破壊されてやがった」

 

「また弁償だね」

 

弁償の言葉にルーシィは落ち込む。

 

「ケッ・・・それで他の車盗んでちゃせわないよね」

 

「借りただけです!!エルザさんいわく・・・・」

 

毒づくカゲヤマに怒鳴るフェイ。

 

「な・・・・なぜ僕を連れて行く?」

 

カゲヤマの問い掛けにナノが答える。

 

「町に誰も居なかったんだ・・・・クローバーの病院につくまで我慢しろ」

 

「違う!!何で助ける!!?敵だぞ!!!」

 

理解できない行動に、カゲヤマは怒鳴る。

 

「そうか・・わかったぞ・・僕を人質にエリゴールさんと交渉しようと・・無駄だよ・・・あの人は冷血そのものさ。僕なんかの・・・・」

 

「なんでそんなに暗くなるんだよ・・・・」

 

ブツブツと呟くカゲヤマにナノはため息をつく。

 

「そんなに死にてえなら殺してやろうか?」

 

「ちょっとグレイ!!」

 

ルーシィが制止の言葉をかけるが、グレイは構わず続ける。

 

「生き死にだけが決着の全てじゃねえだろ? もう少し前を向いて生きろよ、お前ら全員さ・・・・」

 

「・・・・」

 

グレイの言葉に、カゲヤマは押し黙る。するとその時、魔導四輪がガタンッと大きく揺れた。

 

「きゃあっ!!」

 

「・・・・!!」

 

その際に、ルーシィのお尻がカゲヤマの顔に押し付けられる。

 

「エルザ!!」

 

「無理をするな。運転を変わろう」

 

「すまない。大丈夫だ」

 

既に大量の魔力を消費している彼女は傍目から見ても辛そうだったが、グレイとナノは何も言わなかった。

 

「でけぇケツしてんじゃねえよ・・・・」

 

「ひーっ!!セクハラよ!!グレイ、こいつ殺して!!!」

 

「オイ・・オレの名言チャラにするんじゃねえ」

 

「ハァ・・・・もうちょっと静かにしろよ」

 

「あははは・・・・」

 

そんな緊張感のない空気のまま、魔導四輪はナツを追って走り続けた。

 

 

 

その後、しばらく走って渓谷に差し掛かった辺りで、線路上に居るナツの姿を確認した。

 

「ナツーーー!!」

 

「お! 遅かったじゃねぇか。もう終わったぞ」

 

「あい」

 

そう言うナツとハッピーの足元には、気絶したエリゴールが倒れていた。どうやらエリゴールに勝ったらしい。

 

「さっすがナツ君!」

 

「ケッ」

 

「そ・・そんな!エリゴールさんが負けたのか!!?」

 

喜ぶフェイと面白くなさそうに声を出すグレイ。そしてエリゴールの敗北に目を見開くカゲヤマ。

 

「エルザ、大丈夫?」

 

「あ・・・あぁ。気にするな」

 

「魔力を使いすぎだバカ。少し休んどけ」

 

「すまない・・・・」

 

そう言って休ませるナノに礼を言うエルザ。

 

「こんな相手に苦戦しやがって。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の格が下がるぜ」

 

「苦戦?どこが!?圧勝だよ!な? ハッピー」

 

「微妙なトコです」

 

「お前・・・裸にマフラーって変態みてーだぞ」

 

「お前に言われたらおしまいだ」

 

そう言って睨み合うナツとグレイ。

 

「何はともあれ見事だ、ナツ。これでマスターたちは守られた」

 

エルザのその言葉に、全員が笑みをこぼす。

 

「ついでだ・・・・定例会の会場へ行き、事件の報告と笛の処分についてマスターに指示を仰ごう」

 

「クローバーはすぐそこだもんね」

 

一同は定例会場に向かおうとしたその時、突如・・・・魔道四輪が動き出した。

 

「カゲ!!」

 

「危ねーなァ!動かすならそう言えよ!!」

 

「油断したな妖精(ハエ)ども!」

 

カゲヤマは影を伸ばし、地面に落ちていた笛をしっかりと掴む。

 

「笛は・・・・呪歌(ララバイ)はここだーー!!ざまあみろーー!」

 

カゲヤマは呪歌(ララバイ)を手に、定例会の会場に向かった。

 

「あんのヤロォォォ!」

 

「なんなのよ!助けてあげたのにー!」

 

「油断したーー!!」

 

「追うぞ!!!」

 

「あーもー!!面倒くさいな!!」

 

それを見た一同は急いでカゲヤマの後を追ったのだった。

 

 

 

ようやくクローバーの町にたどり着いた一行は、定例会の会場に向かい、カゲヤマを探した。

 

「いた!!!」

 

「じっちゃん!!!」

 

「「「マスター!!」」」

 

見ると、カゲヤマの目にはマカロフが立っており、今にも笛を吹こうとしていた。それを見た一同は飛び出そうとするが・・・・

 

「しっ。今イイトコなんだから見てなさい」

 

一人の女性らしき人に止められる。

 

「てかあんたたち可愛いわね。ウフ♪」

 

ナツとグレイは熱烈な視線を向けられ、背中に寒気を感じた。

 

「青い天馬(ブルーペガサス)のマスター!!」

 

「ボブさん!!」

 

「あらエルザちゃんに。大きくなったわね。ナノちゃんはいい男になったじゃない」

 

エルザとナノは突然現れたボブに驚く。

 

「どうした? 早くせんか」

 

そしてマカロフの方を見ると、カゲヤマは今にも笛を吹こうとしていた。

 

「いけない!!」

 

「黙ってなって。面白ぇトコなんだからよ」

 

「!おっちゃん!!」

 

そう言って飛び出そうとするエルザを止めた初老の男性は、魔導士ギルド・・・・四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)のマスターであるゴールドマインだった。

 

「さあ」

 

「・・・・!」

 

射抜くようなマカロフの視線に、カゲヤマは怖気づく。

 

(吹けば・・・・吹けばいいだけだ…それで全てが変わる!!!)

 

「何も変わらんよ」

 

「!!!」

 

心を見透かされたような言葉に、カゲヤマは目を見開く。

 

「弱い人間はいつまでたっても弱いまま。しかし弱さのすべてが悪ではない。もともと人間なんて弱い生き物じゃ。一人じゃ不安だからギルドがある、仲間がいる。強く生きるために寄り添いあって歩いていく。不器用な者は人より多くの壁にぶつかるし、遠回りをするかもしれん。しかし明日を信じて踏み出せば、おのずと力は沸いてくる。強く生きようと笑っていける」

 

そこでマカロフは一呼吸置いて・・・・

 

「そんあ笛に頼らなくても・・・・な」

 

「・・・・!!」

 

それを聞いたカゲヤマは呪歌(ララバイ)を手放し・・・・

 

 

「参りました」

 

そう言って、膝をついたのだった。

 

「「「マスター!」」」

 

「じっちゃん!」

 

「じーさん!」

 

それを見た一同は一斉にマスターに向かって飛び出した。それを見たマカロフは驚愕する。

 

「ぬぉおぉっ!!?なぜこやつらがここに!!?」

 

「さすがです!!今の言葉、目頭が熱くなりました!」

 

「痛っ!」

 

エルザはマカロフは抱き寄せるが、鎧を着ているので硬い感触しか伝わらない。

 

「じっちゃんスゲェなぁ!」

 

「そう思うならペシペシせんでくれい」

 

「ナツそれぐらいにしておけよ」

 

「一件落着だな」

 

「良かったーー!!」

 

「ホラ・・・・アンタ医者に行くわよ」

 

「よくわからないけど、アンタも可愛いわ~」

 

和気藹々とするメンバー達。すると・・・・

 

『カカカ・・・・どいつもこいつも根性のねェ魔導士どもだ』

 

なんと、突然笛が黒い煙を出しながらしゃべり始めた。

 

『もう我慢できん。ワシが自ら喰ってやろう』

 

そして段々と煙が形を成していき・・・・

 

『貴様らの魂をな・・・・』

 

まるで巨大な大木のような怪物に姿を変えたのだった。

 

「な!!!」

 

「怪物ーー!!」

 

「な・・・・何だ!?こんなのは知らないぞ!?」

 

「あらら・・・・大変」

 

「こいつぁゼレフ書の悪魔だ!!」

 

突然現れた怪物にナツ達はもちろん、ギルドマスター達も驚きを隠せなかった。

 

『腹が減ってたまらん。貴様らの魂を喰わせてもらうぞ』

 

「なにーー!?魂って食えるのかーー!?うめぇのか!?」

 

「知るか!」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないだろバカ!!」

 

ナツの疑問にグレイとナノがツッコム。

 

「一体・・・・どうなってるの?なんで笛から怪物が・・・・」

 

震えるルーシィは目の前のバケモノを見上げる。

 

「あの怪物が呪歌(ララバイ)そのものなのさ。つまり生きた魔法。それがゼレフの魔法だ」

 

「生きた魔法・・・・」

 

「ゼレフ!?ゼレフってあの大昔の!?」

 

「黒魔導士ゼレフ。魔法界の歴史上、最も凶悪だった魔導士・・・・何百年も前の負の遺産がこんな時代に姿を現すなんてね・・・・」

 

ボブは実際に目の前にいる怪物を見てそう言う。

 

『さあて・・・・どいつの魂から頂こうかな』

 

そう言うと、ララバイは不気味な笑みを浮かべる。

 

『決めたぞ。全員まとめてだ』

 

「いかん!!呪歌(ララバイ)じゃ!!!」

 

「ひーーーっ!!!」

 

ララバイが口を開いたその時…ナツ、グレイ、エルザ、ナノ、フェイが動き出す。

 

エルザは天輪の鎧に換装する。

 

「鎧の換装!?」

 

ゴールドマインが驚いている間に、エルザはララバイの足を斬り、呪歌(ララバイ)を阻止する。

 

「ぬ!?」

 

「おりゃぁぁあああっ!!!」

 

そしてその間にナツがララバイの体をよじ登り、炎を纏った強力な蹴りを喰らわせる。それを喰らったララバイは体勢を崩す。

 

「おおっ!!」

 

「何と!!蹴りであの巨体を!!!」

 

「てか本当に魔導士かアイツ!!?」

 

その光景に他のギルドマスターも驚愕する。

 

「小癪な!!」

 

そう言ってララバイはナツに向かって、口から弾丸のようなものを発射する。

 

「おっと」

 

ナツはそれを難なく避けるが、その流れ弾がギルドマスターたちへと向かう。

 

「アイスメイク・・・・〝盾(シールド)〟」

 

「氷の造形魔導士か!?」

 

「しかし間に合わん!!くらうぞっ!!」

 

だが、その予想に反して、グレイは一瞬で巨大な氷の盾を造り、全員を守った。

 

「造形魔法?」

 

「魔力に〝形〟を与える魔法だよ。そして形を奪う魔法でもある」

 

ハッピーの説明にルーシィはゾッと背筋を凍らせた。

 

「グレイ、ちょっと貰うぞ」

 

ナノは剣を取り出し氷の盾を少し切り取り、その氷を食べ始める。

 

「氷よ・・・・剣に憑依しろ」

 

食べ終えると剣に魔力を溜めていく。すると、剣に氷が纏っていく。そして、ララバイの体を使って登っていく。

 

「氷竜刀(ひょうりゅうとう)!!!」

 

ナノは氷を纏った剣で、ララバイの右腕を切り落とす。

 

「腕を切り落とした!?」

 

「何という切れ味だ!!」

 

ララバイの右腕を切り落とした事に、ギルドマスター達も驚く。

 

『ぬ・・・・ぬぅ!!』

 

「フェイ!!やれ!!!」

 

怯んでいるララバイを見て、ナノがフェイ合図を出す。フェイは既に魔力を両手に溜めていた。

 

「いくよ!!アクアメイク〝鎖(チェーン)〟!!」

 

『ぐおっ!?』

 

水の鎖でララバイの体を縛り、動きを止める。

ララバイは引き剥がそうとするが、取れなかった。

 

「あの子も造形魔導士なのか!?」

 

「水なのに何という頑丈さだ!!」

 

既にギルドマスター達は唖然としていた。

 

「今だ!!」

 

グレイの号令と共に、エルザは黒い羽の生えた鎧『黒羽(くれは)の鎧』に換装してララバイに斬りかかる。

 

「アイスメイク〝槍騎兵(ランス)〟!!」

 

グレイは氷で造ったいくつもの槍を発射する。

 

「右手の炎と左手の炎を合わせて・・・・火竜の煌炎(こうえん)!!!」

 

ナツは両手に強大な炎を纏って、ララバイに振り下ろす。

 

「氷竜刀〝時雨(しぐれ)〟!!!」

 

ナノは剣に纏っている氷を斬撃にして放つ。

 

ドゴォォォォォォオン!!!

 

『バ・・バカな・・・・』

 

そして全員の攻撃が一斉に命中し、激しい轟音と共にララバイは倒れたのであった。

 

「ゼレフの悪魔がこうもあっさり・・・・」

 

「こりゃたまげたわい」

 

「かーっかっかっかっかっ・・・・」

 

「す・・すごい・・・・」

 

それを見たギルドマスター達は愕然とし、マカロフは高笑い、カゲヤマは感激したように言葉を漏らした。

 

「いやぁ、いきさつはよくわからんが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)には借りが出来ちまったぁ」

 

「なんのなんのー!!ふひゃひゃひゃひゃ!!!ひゃ・・ゃ・・・・は・・・・!!!」

 

すると、高笑いをしていたマカロフが何かを見た途端、突然笑いを止め、目を見開いた。

 

「ん?・・・・!!!」

 

その視線の先を追って、見てみると、そこには・・・・

 

「ぬあああっ!!!定例会の会場が・・粉々じゃ!!!」

 

ララバイが倒れた衝撃で、無残に崩壊して見る影も無い定例会場があった。

 

「ははっ!!!見事にぶっこわれちまったぁ!!」

 

「はあ、またやっちまった・・・・」

 

まるで他人事のように言うナツとため息をつくナノ。

 

「捕まえろーーーっ!!!」

 

「おし、任せとけ!!」

 

「お前は捕まる側だーー!!」

 

「くそ!!これなら来ない方が良かった!!」

 

「あはは・・・・やり過ぎちゃいましたね」

 

「マスター・・申し訳ありません・・顔を潰してしまって・・・・」

 

「いーのいーの。どうせもう呼ばれないでしょ?」

 

口々にそう言いながら、妖精の尻尾(フェアリーテイル)はその場から逃げて行ったのであった。




これで鉄の森編は終了です。
やっと終わったーー!
次は悪魔の島編になります。
このまま読み続けてくれると嬉しいです。
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悪魔の島編
エルザVSナツ


遅くなってすみませんでしたー!!
忙しくて中々書けなくて・・・・
これから頑張るのでどうぞ、よろしくお願いします。
それではどうぞ!


ギルドの前では、二人の人物を中心に大きな人だかりが出来ていた。その二人の人物とは、ナツとエルザであり、二人は出発前の約束通りこれから勝負をするのである。

 

「ちょ・・・・ちょっと!!本気なの!?二人とも!!」

 

「あらルーシィ」

 

すると、人ごみを掻き分けてルーシィが出てきた。

 

「本気も本気。本気でやらねば漢(おとこ)ではない!」

 

「エルフマン、エルザさんは女の子ですよ?」

 

エルフマンの言葉にフェイがツッコム。

 

「だって・・最強チームの二人が激突したら・・・・」

 

「最強チーム? 何だそりゃ」

 

「あんたとナツとエルザ、それにナノさんとフェイじゃない! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)のトップ5でしょ!」

 

「はあ? くだんねぇ! 誰がそんなこと言ったんだよ」

 

力説するルーシィを笑いのけるグレイ。その後ろには、張本人であるミラが泣いている姿がある。

 

「あ・・・・ミラちゃんだったんだ・・・・」

 

「泣かしたっ」

 

「・・・・・・・・グレイ」

 

ミラを泣かしたグレイにルーシィの非難の目が向けられる。その後ろでは、恐ろしいオーラを放っているナノがいた。

 

「ナ・・・・ナノ!?」

 

「後でいろいろ話したい事がある。ちょっと付き合え」

 

ナノの行動を見てルーシィは意外そうな顔をしていた。そのルーシィにフェイが話しかけてきた。

 

「実はナノってミラさんの事好きなんだ。しかもミラさんもナノの事好きなんだよ」

 

「うそぉっ!?」

 

「だけど・・・・」

 

「?」

 

「ナノ本人は全く自覚がないの・・・・しかも、鈍感だし」

 

「あらら」

 

フェイの言葉に苦笑いするルーシィ。

 

「・・・た 、確かにナツやグレイの漢気は認めるが・・・『最強』と言われると黙っておけねぇ な。妖精の尻尾( フェアリーテイル)にはまだまだ強者が大勢いるんだ、俺とか 」

 

空気を変える様にエルフマンが言う。

ナノの恐ろしいオーラで声が震えているが。

 

「最強の女はエルザに・・・・〝あの二人〟のうち誰かだろうね」

 

「最強の男となるとミストガンやラクサス・・・・それにナノもいる。それにあのオヤジも外す訳にはいかねえな」

 

「チーム最強だったら 〝 あの人達〟で間違いないと思うよ」

 

上からレビィ、ジェット、フェイ、が最強を意見する。

 

「何にせよ、面白い戦いになりそうだな」

 

「そうか? オレの予想じゃエルザの圧勝だがな」

 

「その前に、あそこに居る人をどうにかして欲しいんだけど・・・・」

 

「え?」

 

フェイの視線をルーシィが追うと・・・・

 

「・・・・(シクシク)」

 

青髪でポニーテールにしている人が三角座りをして、泣いていた。

 

「ルーシィは初めてだよね?あの人はクロ。私とナノと同じチームなの」

 

「あれ?フェイもチーム組んでたの?」

 

「うん。『ブルー・スカイ』って名前なんだ」

 

「けど、何で泣いてるの?」

 

すると、フェイは呆れたながら、ため息をついた。

 

「実はこの前の仕事ではクロは用事があって一緒に仕事が行けなかったの。帰ってきたらまた別の仕事を一緒に行こうと約束したんだけど・・・・」

 

「あぁ・・・・なるほど」

 

フェイの説明で、ルーシィが察した。その会話を聞いていたのか、クロがフェイに駆け寄った。

 

「うわーん!!ずるいよフェイだけナノさんやエルザさんと一緒に仕事してー!!僕も行きたかったーー!!」

 

「あーもー!!今度ナノにケーキ作って貰うから、それで期限直して」

 

「本当!?約束だからね!?絶対だよ!!」

 

ナノ本人に伝えてないフェイの言葉にクロが目を輝かせる。

 

「あはは・・・・大変ね・・・・」

 

ルーシィの存在に気がついたクロはルーシィの方を向き、挨拶をする。

 

「はじめまして、僕はクロです」

 

そう言ってルーシィに手を伸ばす。

 

「私はルーシィ。よろしくね!」

 

ルーシィはクロの手を握り握手をする。

 

「言っとくけど、クロは男だからね?」

 

「えぇっ!?」

 

フェイからの言われた事実にルーシィは驚きを隠せないでいた。

無理もないだろう。クロはどう見ても女にしか見えない。しかも、下は・・・・スカートである。

そんな会話をしている間にナツとエルザの戦いは始まろうとしていた。

 

「こうしておまえと魔法をぶつけ合うのは何年ぶりかな・・・・」

 

「あの時はガキだった!今は違うぞ!!今日こそおまえに勝つ!!」

 

「私も本気でいかせてもらうぞ。久しぶりに自分の力を試したい。すべてをぶつけて来い!」

 

そう言うと、エルザは赤と黒を強調した鎧へと換装し、髪型もツインテールへと変化した。

 

「あれは『炎帝の鎧』!!耐火能力を持った鎧だよ!」

 

「あれじゃナツの炎の威力が半減させられるよ!」

 

「エルザの奴・・・・本気だな」

 

その鎧を見てフェイとクロ、そしてナノが驚愕の言葉を口にする。

 

「炎帝の鎧かぁ・・・・そうこなくちゃ。これで心おきなく全力が出せるぞ!!」

 

そう言ってナツは両手に炎を纏う。そしてナツとエルザは互いに睨み合い・・・・

 

「始めいっ!!!」

 

マカロフの号令で動き出した。

 

最初は誰もがエルザの圧勝かと思ったが、予想外にも激戦を繰り広げていた。

 

「すごい!!」

 

「な?いい勝負してるだろ」

 

「どこが」

 

勝負が盛り上がってきたその時・・・・

 

パァン!!

 

と音が響いた。それを聞いた全員が動きを止めた。

 

「全員がその場を動くな。私は評議員を使者である」

 

「評議員!!?」

 

「何でこんな所に!!?」

 

そこにいたのは、評議員の使者と名乗るカエルがいた。

 

「先日の鉄の森(アイゼンヴァルト)テロ事件において、器物損壊剤他11件の罪の容疑で・・・・エルザ・スカーレットとナノ・ローウェルを逮捕する」

 

「え?」

 

「はっ?」

 

「何だとぉおぉっ!!?」

 

評議員の使者から伝えられたエルザとナノの逮捕宣言にナツの怒声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

エルザとナノの逮捕宣言が数時間後、場所が変わって、『評議員フィオーレ支部』。

エルザとナノは別々に分かれて、ナノは部屋の椅子に座らされている。

 

「はぁ・・・・面倒だ」

 

ナノは今の状況にため息をついた。

すると扉が開き、中年男性が出てきた。

 

「よう、ナノ。久しぶりだな」

 

「久しぶりです、ゴーレアさん」

 

彼の名はゴーレア・ビル。

評議員では第二強行検束部隊隊長に任命されているほどの実力者である。

 

「すまんな、来てもらって」

 

「別に構いません。それに、逮捕なんて回りくどいことしなくても、呼ばれたら来ますよ」

 

今回の逮捕は評議員の秩序を守るための形だけの逮捕なのだ。よって、ナノとエルザは罪は受けない。

 

「今度からは普通に呼ぶわ」

 

「それで、何の用ですか?」

 

「あぁ、実はな・・・・」

 

ゴーレアが真面目な顔付きで、

 

「フェイは様子はどうだ?」

 

フェイの事を聞いてきた。

 

「・・・・はぁぁぁぁっ」

 

「おい、なんでため息をつく」

 

「いつもその話ばかりじゃないですか。いい加減本人に会って話したらいいじゃないですか」

 

「バカかお前は!?もし、フェイに反抗期がきていたらどうする!?それでもし・・・・『来んなよクソ親父』・・・・なんて言われたら俺死ぬぞ!?」

 

「メンタル弱すぎだろ!?フェイはそんな事言わないから安心しろよ。後、いつも通り元気だよ」

 

ゴーレアはフェイの親である。仕事でなかなか会えないのでナノによくフェイの事を聞いている。

見ての通り、親バカである。

 

「そうか、それなら安心した」

 

「それだけですか?それなら俺は帰りますよ」

 

「あぁ、実はもう一つやる事があるんだ」

 

ゴーレアは机に青い鞘の刀を置いた。

 

「取り敢えず、返しとくわ」

 

「ありがとうございます」

 

ナノは刀を手に取り、換装空間にしまう。

 

「少しでも違和感を感じたらすぐに持ってこい」

 

「はい、分かってます」

 

すると、遠くから爆発音に似た音が響いてきた。

その音を聞いたナノはため息をついた。

 

「ったく、面倒な事しやがって」

 

「なんだ、お前のギルドの仕業か」

 

「多分ナツでしょう」

 

「お前達は見ているだけで楽しいよ」

 

そう言いながら、笑うゴーレア。

 

「本当に、バカな家族(かぞく)ですよ」

 

そう言っていたナノの顔は笑っていた。

 

 

 

 




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S級クエスト

遅くてすみません!!
就職試験や色々あって・・・・すみませんでした!!
それでは、どうぞ!!


エルザとナノが評議員に逮捕されてから翌日。

 

「やっぱりシャバの空気はうめえ! 最高にうめえっ!!!自由ってすばらしいっ! フリーーダァーーーッム!!!」

 

「ナツ君、うるさいよー」

 

あの後、ナツは評議員に乗り込み捕まった。

エルザとナツは牢に閉じこめられて、一日過ごした。牢から出たナツはギルドで大騒ぎをして、フェイが呆れながら叱っていた。

 

「結局〝形式だけ〟の逮捕だったなんてね・・・・心配して損しちゃった」

 

「あはは・・・・まぁ無事に帰ってきたんだからいいじゃん」

 

うなだれるルーシィにクロがそう声をかける。

 

「・・・・で、エルザと漢の勝負はどうなったんだよ、ナツ」

 

「漢?」

 

「そうだ、忘れてたっ!!エルザー!!この前の続きだーっ!!!」

 

「よせ・・疲れているんだ」

 

エルフマンの一言で勝負のことを思い出したナツはエルザに再戦を挑むが、エルザは静かに食事をしている。

 

「行くぞーーーっ!!!」

 

だがそんなのはお構いなしにエルザに殴りかかるナツ。

 

「やれやれ」

 

そんなナツにエルザは溜め息をつきながら・・・・

 

ゴンッ!!!

 

ハンマーの一振りをお見舞いした。それを喰らったナツは壁まで吹き飛ばされ、気絶した。

 

「しかたない、始めようか」

 

「終ーー了ーー!!」

 

勝負が始まる前に、ナツの敗北が決定した。

 

「ぎゃはははっ!!だせーぞナツ!!!」

 

「やっぱりエルザは強ェ!!!」

 

「もう、ナツ君ったら」

 

「あ~あ・・・・またお店壊しちゃってぇ」

 

「まったく、うるせーな」

 

その光景に大盛り上がりをするメンバー達。

 

「ふぬ・・・・」

 

「どうしました?マスター」

 

「いや・・眠い・・・・奴じゃ」

 

マカロフがそう呟いた瞬間、ミラがカクンッと倒れて眠ってしまう。

 

「うっ・・・・」

 

「これは!!」

 

「くっ」

 

「眠っ」

 

「ん?」

 

ミラだけではなく、ギルド内に居たナノ以外が一斉に眠り始めてしまう。すると、ギルドに全身を覆い隠すような服装をした男性が現れる。

 

「ミストガン」

 

男性・・・・ミストガンはゆっくりとリクエストボードに向かい、一通り眺めた後で一枚の依頼書を手に取る。

 

「行って来る」

 

「これっ!!眠りの魔法を解かんかっ!!」

 

「よお、ミストガン」

 

ミストガンがギルドから出ようとすると、ナノに呼び止められる。

 

「相変わらず私の魔法は効かないのだな・・・・ナノ」

 

「まぁな、気をつけて行けよ」

 

「あぁ・・・・伍、四、参、弐、壱」

 

そう呟きながら、ミストガンがギルドから出て姿を消す。それと同時に眠っていた人たちが今度は一斉に目覚め始める。ナツは眠ったままだが・・・・

 

「こ・・この感じはミストガンか!?」

 

「あんにゃろうぉ!」

 

「相変わらず、スゲェ強力な眠りの魔法だ!」

 

目覚めた早々に騒然とするメンバーたち。

 

「ミストガン?」

 

「うぅん・・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の男候補の一人だよ」

 

ルーシィの疑問にクロが欠伸をしながら答えた。それに続いてフェイが口を開く。

 

「ミストガンさん、どういうわけか誰にも姿を見られたくないらしいの。だから仕事を取る時はいつもこうやって全員を眠らせちゃうんだ・・・・何故かナノには効かないけど」

 

「なにそれっ!あやしすぎ!!」

 

「だからマスターとナノ以外誰もミストガンの顔を知らないの」

 

「いんや・・・・オレは知ってっぞ」

 

すると突然、ギルドの2階から声が響き、全員の視線がそちらを向く。

 

「ラクサス!」

 

「いたのか!」

 

「めずらしいなっ!」

 

そこには、金髪で耳にはイヤホンを当てているガラの悪そうな男、ラクサスが居た。

 

「もう一人の最強候補だ」

 

「強いけど怖いんだ・・・・」

 

ラクサスの姿を見たクロは怯えてナノの後ろに隠れる。

 

「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな」

 

「ラクサスー!!オレと勝負しろーーっ!!」

 

すると、ようやく目が覚めたナツがラクサスに勝負を挑む。

 

「お前さっきエルザに負けたばっかだろ」

 

「そうそう。エルザごときに勝てねぇようじゃ、オレには勝てねぇよ」

 

「それはどういう意味だ?」

 

「え、エルザさん・・・・落ち着いて・・・・」

 

ラクサスの言葉に反応したエルザをフェイが落ち着かせようとする。

 

「オレが最強ってことさ」

 

「降りてこい!!コノヤロウ!!!」

 

「お前が上がって来い」

 

「上等だ!!」

 

「ナツ君ダメ!!二階には・・・・」

 

フェイが止めようとするが既に遅かった。二階に上がろうとしたその時、

 

パキンっ!!

 

「ぎゃっ!!」

 

ナツの体が凍りついてしまった。近くではナノがナツに向かって掌を向けて魔力を放っていた。

 

「まだお前は二階に行ったらダメだろ」

 

「くそっ!放せよナノ!!」

 

「ははっ!!怒られてやんの」

 

「ラクサスもそれ位にしとけ。ナツをからかうのも大概にしとけ」

 

「はっ、オレに命令すんじゃねえよ! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の座は誰にも渡さねぇよ。エルザにもミストガンにもナノにも、あのオヤジにもな。オレが・・・・最強だ!!!」

 

そう言い残して、ラクサスはギルドを出て行った。ナノは、その様子を見て溜め息をついていた。

 

そんなひと騒動が終わったあと、ルーシィはカウンター席に座ってミラとフェイと会話をしていた。

 

「さっきナノさんが言ってたでしょ? 2階には上がっちゃいけないってどういう意味ですか?」

 

「まだルーシィには早い話なんだけどね。二階のリクエストボードには一階とは比べものにならないくらい難しい仕事が貼ってあるの」

 

「S級の冒険(クエスト)だよ」

 

「S級!!?」

 

そんなクエストがあることを知らなかったルーシィは驚愕する。

 

「一瞬の判断ミスが死を招くような危険な仕事よ。その分報酬もいいけどね」

 

「うわ・・・・」

 

「S級の仕事はマスターに認められた魔導士しか受けられないたんだ」

 

「今のところ資格があるのは・・・・エルザさん、ラクサス、ミストガン、ナノを含めてまだ六人しかいないの」

 

「S級なんて目指すものじゃないわよ。本当に命がいくつあっても足りない仕事ばかりなんだから」

 

「みたいですね」

 

ミラの言葉に引きつった笑いで答えるルーシィ。

 

「けど、私は目指したい・・・・師匠の為にも 」

 

「え?」

 

「私帰るね。お疲れ様、ルーシィ、ミラさん」

 

ルーシィがフェイの言葉を聞き返す前に、フェイは急いで出口に向かっていった。

 

「今の・・・・どういうことなんですか?」

 

ルーシィの質問に、ミラは少し迷った素振りを見せた後、ゆっくりと口を開いた。

 

「フェイとクロ、そしてナノには師匠がいたの。S級でも通用する凄腕の魔導師だったんだけど・・・・亡くなっちゃって」

 

「亡くなった?」

 

「うん。仕事先から瀕死の状態で帰ってきて、そのまま・・・・それ以来フェイは師匠の跡を継ぐ為にS級を目指してるの。ナノも同じ理由でS級になったのよ」

 

「そうだったんだ・・・・」

 

 

 

場所が変わり、 カルディア大聖堂。

 

そこの墓地で、一人の墓の前にナノの姿があった。

 

「やあ、ネネさん」

 

手に持っていた花束と酒瓶を墓の前に置く。

ナノは昔の事を思い出していた。

 

 

 

『ナノ、フェイ!!仕事に行くよ!!』

 

『はーい!!ほら、ナノ行くよ』

 

『眠い、ダルい、面倒くさい』

 

『僕も忘れないでよー!!』

 

『それじゃあ、皆、行くよー!!』

 

『『おぉーー!!』』

 

『やれやれ・・・・』

 

 

 

「・・・・もう一度、会いたいな」

 

そう呟きながら、空を見上げていた。

 

 

翌日

 

「今ここにいる中で、お前以外誰がナツを力ずくで連れ戻せる!!?」

 

ナノが妖精の尻尾(フェアリーテイル)に着いた時、マカロフがラクサスに叫んでいた。ギルドの全員はざわついていた。

 

「何の騒ぎだ?」

 

ナノの言葉に全員が振り返る。

 

「ナノか!?よいところに来た!」

 

「ナツ君がS級クエストに行っちゃったの!!」

 

「はぁっ!?」

 

フェイの言葉に驚くナノ。話を聞くには、ナツとルーシィ、それにハッピーがS級クエストの依頼書を盗み、勝手に向かったらしい。

 

「馬鹿な事しやがって・・・・グレイ、クロ!!ナツ達を連れ戻しに行くぞ!!ガルナに行くにはハルジオンの港で船を借りるはずだ!!」

 

「おうっ!!」

 

「了解!!」

 

ナノ達は急いで、ハルジオンに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




短いですよ・・・・
もう少し長く書けるようにしたいです。
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