閃光の優等生 (魚周)
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追憶編
1


名前を変更させていただきました。


俺は劣等生の世界に転生させて貰った。

 

誰にか?勿論、神様だ。

 

その際につけて貰った特典は三つ。

 

一つは、波風ミナトの瞬身の術と飛雷神の術を使うことが出来るようにすること。

一つは、深雪並の魔法の才能と達也並の魔法の知識と想子量を持つこと。

一つは、高い瞬発力、優れた反射神経、想子と霊子が見える優れた目。

 

この三つだ。実際には三つではないが……。

 

名前は神様が決めた。

山口右斗(やまぐちゆうと)。

 

思ったより普通の名前だ。

戸籍も一応作ってくれた。

 

親は五歳の時に事故で死んで、今は十三歳で東京に一人暮らし。という設定らしいが、

 

 

「なぜ今沖縄にいる」

 

転生した直後には既に沖縄にいた。

 

なぜ、沖縄かわかるかというと目の前に綺麗な海と砂浜があるからである。

 

 

持っている物を確認すると、

 

財布(一万円札が数枚と千円札が数枚入っていた)、CAD(携帯端末形態)、飛雷神の術のマーキングが書かれた紙が数十枚

 

があった。

 

金があるのはありがたいけど、帰りの飛行機でほとんど消える。

 

悲しいな~。

 

 

「これからどうしようかね~……」

 

「何をどうするんだ?」

 

「えっと……君は?」

 

「俺は司波達也だ。何か困ってるようだったからな」

 

……お、お兄様!?

 

落ち着け俺。

現状確認だ。

 

今沖縄。目の前に達也=もうすぐ大亜連合が攻めてくる

 

……原作を今は忘れよう。

これから起きるであろう出来事を忘れよう。

 

「いや、泊まるところがないだけ。金はあるけど余裕がないし。……とこでその打撲?どうしたの?」

 

「……気付かれるとは思わなかったな。気にしなくていい、ちょっと喧嘩に巻き込まれただけだ」

 

「後ろの女の子たちの為 か?」

 

「何故そう思った」

 

「俺と話してても向こうを気にしてたみたいだし」

 

達也の後ろに二人の少女が仲良く並んで寝ている。

 

深雪は原作にいるけど、もう一人は誰だ?

原作にいなかった人?

早くも原作とは違うんだな~。

 

「そうか。……俺の妹とその友達だ」

 

「もしかして起こさないために?」

 

「そうだ」

 

「無茶するな~、まぁいいけど……。治癒魔法かけようか?」

 

「お前、魔法師なのか?」

 

「そうだけど?」

 

「俺が非魔法師だったらどうするつもりだったんだ?」

 

「いや、魔法師か非魔法師かは見れば分かるよ」

 

そう言いながら治癒魔法を発動した。

 

「うん。一応、治ったぞ」

 

「ありがとう。そういえば名前は?」

 

「俺は山口右斗だ。右斗って呼んでくれ」

 

「……山口?確か……」

 

どうしたんだろ?苗字を聞いて考え込んでるけど……。

そんな珍しい苗字かな?

 

「どうしたの?達也」

 

「右斗。泊まるところがないって言ってたよな?」

 

「ああ、言ったな」

 

「それなら家に泊まったらどうだ?」

 

聞き間違いだよな。

 

「え?ゴメンだけどもう一度言ってくれる?」

 

「それなら家に泊まったらどうだ?」

 

違うようだ。

 

「……確かに助かるけど、そっちに悪いよ」

 

「これから連絡してみる。少し待っててくれ」

 

そう言って端末を取りだし電話をかけてた。

 

 

……俺何かしたか?

いや、苗字で反応したから俺個人じゃなくて一族か。

……転生者の自分にはどんな一族か全くわかりません。

 

 

「いいそうだ。部屋も余っているし」

 

「…………」

 

「右斗?どうした?」

 

「……達也、俺何かしたか?普通、見も知らない人を助けるわけないだろ?」

 

「……説得力がないぞ、右斗。今さっき見も知らない俺を助けてくれたのは、誰だ?」

 

「……俺は手助けをしただけだ」

 

「それも助けの内だ」

 

だよね~。知ってた。

 

「そんなことより、二人が起きるまで待っていたいんだがいいか?」

 

「拒否権がないことを言うなよ……」

 

 

それから待つこと約十分。

二人がほぼ同時に目を覚ました。

 

「……どのくらい眠ってました?」

 

「およそ二時間です」

 

「そうですか。そちらの方は?」

 

「山口右斗。よろしく」

 

「司波深雪です」

 

「四葉光奈です」

 

……四葉!?

ならあの四葉真夜の娘!?

 

ってことは真夜が誰かの手によって救出されている。誰だよ!ソイツ!余計なことしやがって!

 

でも一応確認を……

 

「四葉って十師族の?」

 

「はい。その四葉です」

 

「ふーん。そうなんだ」

 

この世界に来て一時間もたってないのに何で原作通りに進んでない!

 

はあ~。諦め。

 

「それで、右斗を泊めることになったのですがよろしいですか?」

 

ダメって言われたらどうなるんだろ?

 

「……お母様は何と?」

 

「構わない、と。むしろ連れて来なさい、そうおっしゃいました」

 

……なんで?俺何かした?

 

「そうですか。では帰りましょう」

 

知らない人がいきなり泊まることになると、それは嫌がるわな。

なのに何故光奈は嫌がってない。

疑問だ。

 

 

考えても仕方がないし、達也と話ながら向かった。

 

 




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2


名前を変更させて貰いました。


別荘に着きリビングに通された。

 

……怖いな~。

 

リビングには二人の女性がいた。一人は椅子に座っており、もう一人はその女性の斜め後ろに立っていた。

 

「初めまして、山口右斗です」

 

「……司波深夜です。早速なんだけど、あなたの苗字は『山口』でいいのよね?」

 

「そうですね。それがどうかしましたか?」

 

「いえ、昔の知り合いに同じ苗字の人がいてね……。あなたは、自分の部屋に行ってなさい。達也、案内してあげなさい」

 

そんなに珍しい苗字なのだろうか?

 

「わかりました」

「わかりました」

 

そう言って達也とリビングを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

今夜泊まる部屋に着いて達也と話をした。

 

「達也、何か知ってる?」

 

「何をだ?」

 

「深夜さんが何で苗字の確認をしたか、について」

 

「……昔、母さんと叔母上はある人に婚約を申し込んだそうだ」

 

「才能、欲しさに?」

 

「多分」

 

「……それで」

 

「見事に振られたらしい」

 

「……四葉家の権力を使ってもか?」

 

「ああ、そうだ。……何で四葉家だとわかった?」

 

答えたくないな~。

 

「光奈と深雪の二人の想子がとても似てる。それに四葉のご令嬢が赤の他人の家に泊まるとは思えない」

 

「……そうか」

 

「それで続きは?」

 

「振られた相手は、右斗と同じ『山口』らしい。それで今現在山口家は存在しないはずだ」

 

……神様どういうことだ?

 

「だから、『山口』の子であるだろう右斗を手に入れようとしてるのだろう」

 

……山口家って結構スゴいんだ……。

 

「……やっぱり帰っていい?」

 

「ダメだ。帰ったら四葉の精鋭部隊が右斗を捕まえに来るぞ」

 

「どちらにしろ捕まるってことか……」

 

はぁ~、飛雷神の術が使えれば何てことないだろうけどめんどくさいな。

 

「教えてくれたお礼にこの紙あげる」

 

飛雷神の術のマーキングが書いてある紙を達也に差し出す。

 

「これは?」

 

「俺の特殊能力を使うために必要な物」

 

「……どんな能力があるんだ?」

 

「……それは言えないけど、その紙に想子を流してる間俺と話すことが出来るよ」

 

「スゴい紙だな……」

 

「解析しようとしても無駄だと思うよ。特別製だから」

 

「誰から貰ったんだ?」

 

神様。まぁ、でも作り方は教えて貰えた。

 

「お手製だよ。……俺自身で手渡した人しか基本的に使えないから」

 

「どういうことだ?」

 

「俺が認めた人しか使えない、ってこと」

 

「ご飯です。降りてきて下さい」

 

下から声が聞こえた。

 

もうそんな時間か……。

 

「まぁ、一応持っといてくれ。さぁ、降りようぜ」

 

そう言って部屋を出ていった。

 

 

 

桜井さんが作ってくれた料理は、美味しかった。

その後、瞬身の術の練習をしたり飛雷神の術の練習をしたりして時間を過ごし寝た。

 

 




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3

達也は取り込みたいのではないか?と言っていたが、そのようなことが起きることもなく俺が、この別荘に来て数日たった。

 

今日は俺のせいで延期になったセーリングらしい。

原作では、クルーザーでセーリング中に魚雷が突っ込んできたことが日付ずれてるから大丈夫だろう。

 

 

実際にはそんなに上手くことが運ぶことはないようだ。

通信が妨害されていた。

それによく見えないが潜水艦が見える。

 

その後、魚雷が突っ込んできたが、原作通り達也が魚雷を処理した。

 

その後防衛軍が来るであろう時間帯の前に別荘を出た。

本当なら一人で散歩するつもりだったが、光奈も一緒に来た為予定の変更を余儀なくされた。

 

はぁ~、めんどうだ。

 

とりあえずショッピングモールに行き、光奈が行きたいところについていった。

途中にナンパに会ったが適当に切り抜けた。

 

その際、光奈の顔が赤くなってたのは何故だろう?

ナンパの中に好みの人でもいたのかな?

 

 

その後別荘に帰った。

ちょうど防衛軍の人と入れ違いになったらしく帰ったときに達也と深雪がいた。

 

「よっ。帰ったぞ」

 

「ただいま戻りました」

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

「お帰りなさい、光奈。ちょっとお話しましょ」

 

「ええ。いいわよ」

 

そのまま俺を放置してどこかに行ってしまう、深雪と光奈。

 

ちょっとばかし寂しい。

 

「お帰り、右斗。まぁ、色々。そっちは何かあったのか?」

 

達也が原作で起こったことと同じことを説明した。

 

「へー、大変だったんだな」

 

「そうでもないさ。……中に入るか」

 

そう言って中に入り残りの時間をだらだら過ごした。

 

 

 

 

 

 

数日後、今軍のシェルターにいる。

理由、大亜連合が攻めてきた。

 

正直、忘れてた。

逃げようと思えば逃げれたけど流れに逆らえずここまで来てしまった。

 

はぁ~、めんどうだ。さっさと大亜連合潰しに行こっかな~。

 

「達也君、これは……」

 

「桜井さんにも聞こえましたか」

 

「銃声だろ?」

 

「右斗も聞こえたのか」

 

「フルオートのアサルトライフルじゃないかな?この銃声は」

 

「……よくわかるな」

 

原作知識ですから。

 

「それはさておき、俺が見てこようか?」

 

「建物全体に魔法的な探査を阻害する術式に覆われているから、外の状況がつかめない。……頼めるか?」

 

「勿論」

 

「待ちなさい。達也、あなたも行きなさい」

 

……めんどくなるな。

その間に床にマーキングでもつけとくか。

 

そう思い床に手を付けマーキングを付けた。

 

「何をしてるんですか?」

 

うわっ!ビックリした~。

 

「光奈、脅かすなよ。……単なる暇潰しだよ」

 

「その床の模様がですか?」

 

「……そうだな」

 

「その模様見たことがあります。達也くんの持っていた紙に書いてありました」

 

「へ、へー。そうなんだ」

 

「その紙、私にはくれないのですか?」

 

「……なら、あげるよ」

 

そう言って紙を取り出した。

その紙は達也のと同じ紙だ。

 

他に試作品を作ったのだが、精度が高くないのでやめておいた。

 

「あ、ありがとうございます。大事にします」

 

「いや、別に大事にしなくてもいいよ。それとその紙は想子を流してる間俺と話すことが出来るから危険だと思ったら連絡しろな」

 

光奈の顔がまた赤くなった。

何かおかしなこと言ったかな?

 

「後、深雪たちにも渡しといてくれ」

 

光奈が不機嫌面になった。

……どうして?

 

「……わかりました。ですが、ちゃんと帰ってきてください」

 

「勿論」

 

俺はこんなところで死ぬつもりは全くない。

 

「右斗、行くか」

 

「ああ」

 

そして、シェルターを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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