僕と許嫁と学園生活 (風澄龍)
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設定

今回は本編無しで明久と優子の原作との変更点と召喚獣設定を上げようと思います。
そしてなんとこの作品のお気に入り数が50件を超えたたという事実!
お気に入りに登録してくださった皆様、およびUAしてくださった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうっ‼︎
これからもこの駄文をどうぞよろしくお願いします。

追加があれば編集いたします。


名前:吉井 明久(16)

読み:よしい あきひさ

一人称:僕(キレた時は俺)

原作との変更点

①原作の髪型を黒髪にした感じ。

②ガタイが良く締まった体。

③無駄のない筋肉が付いている。

④馬鹿じゃない

⑤姫路に好意を抱いていない。

趣味:料理

プロ級の腕前で父親にお前は料理人でもやっていけると保証された。現に世界料理人対決の試合で優勝している。

その腕前は女子のプライドを打ち砕くため“PB”(プライドブレイカー)と通称されている。

クレー射撃

百発百中の腕前を誇り祖父からスナイパーにもなれると言われた。

昔から目で視認するのがやっとの標的を寸分の狂いもなく正確に撃ち抜くことに特に長けている。

召喚獣:青を基調とし、所々に茶色がある服と鎧を纏い、両肩に当世袖、腕には籠手と手甲、脚には立挙と脛当を着けている。武装は腰に差してある日本刀3本と背中側の腰にホルスターに入れている二丁拳銃。弾丸のマガジンが切れたら太腿にあるポーチに近づけることでリロードされる。刀の名前はそれぞれ

第1の刀:備前長船派大兼光

第2の刀:備前長船派大般若長光

第3の刀:備前長船派高麗鶴光忠

(イメージは戦国無双4の藤堂高虎が剣と二丁拳銃を装備した感じ。)

腕輪 魔力解放

消費点数:60点

効果:拳銃から発射されるのが通常弾から魔弾になり剣の斬撃に属性がつく。属性は任意で決定できる。ただし黒のみ一度の戦争で一度しか使えない。

赤:炎の属性が付き相手の点数を30秒毎に5点削る。

青:氷の属性が付き相手の動きを数秒間止める。

黄:雷が発生し相手の動きを鈍らせる。付近に敵がいる場合はその敵も巻き込まれる。

紫:闇属性が付き相手の点数を奪い自分の点数を戦争中切った分だけ水増しする。味方を切っても味方の点数は減らないがこちらの点数が増える。

黒:修羅属性と呼ばれ非常に強力で点数差が200点以上ある場合は相手の召喚獣の点数に関係なく0点にする。

白:閃光と呼ばれ抜刀速度が神速クラスになる。

緑:斬撃とともに相手単体に追加のダメージを与える。カード不可

茶:岩石が発生し相手の召喚獣の動きが一瞬止まり、追加ダメージを与える。

 

この物語の主人公

1年の頃は馬鹿であったが母親の命令(脅迫)で西村や高橋に勉強を教わり死に物狂いで勉強する内にハーバード大学の授業問題すらスラスラ解ける程に急成長を遂げる。それによりAクラスの学年首席になりクラス代表になった。

親の紹介で一目惚れ相手の木下優子と許婚となる。

優子の両親の前で優子に告白し、両想いと知り一気にバカップルになるった。

実は文月学園のメインスポンサーの一つ吉井コーポレーションを経営しているのが両親で彼はそこの御曹司

2015年6月5日更新

母方の祖母に文月学園の学園長をしている藤堂カオルがいる。

2016年3月22日更新

NGO団体であり、国連直属の軍隊『天璋院暗部』の創始者であり、総隊長の文月学園メインスポンサー吉井明彩の息子でもある。日本支部局長で、普段は居ないが絶対忠誠の誓いを立てた側近がいる。

 

名前:木下 優子(16)

読み:きのした ゆうこ

一人称:アタシ

原作との変更点

①腐れ女子じゃない

②明久のことが大好き

③秀吉とは仲が良い

④明久とは従兄妹

⑤スタイルがそれなりに良い

⑥髪が肩より少し下ぐらいまであるストレートヘア

趣味①:明久とのデート

明久に褒めてもらうのが大好きで、いろんな格好をして明久との仲を深めている。

②:オシャレ

明久と出会ってから特に気にしている。それを見て秀吉は「恋する乙女じゃな」とからかったりした。

得意科目:数学、現代社会

基本300〜400点台、調子が良いと600点台

苦手科目:化学

300点台が基本、悪い時は250点を切る時もある。

召喚獣:水色を基調にした服にスカートを履いて、籠手や手甲、脛当てを身につけている。武器は細剣とそれを入れる鞘と背中にアサルトライフルを装備している。弾薬は腰回りにあり近づけるとリロードが完了する。

(イメージはSAOのアスナが細剣とアサルトライフルを装備した感じ。)

腕輪:精密射撃

消費点数:精密さによって点数が変わる。100%なら100点消費、70%ならその2割50%で5割

狙われた敵は確実に急所を撃ち抜かれて戦死する。

 

この物語のヒロインで明久の許婚。明久のことは最初は見下していたが、接して行くうちにその考えを改める。そして告白されて嬉しくなり、いつも明久と2人きりの時は甘えん坊になる。その甘え様は秀吉が引く程に凄い。

明久の従兄妹と知って一番驚いた人物でもある。

両親の目の前でプロポーズとも取れる様な告白をされたので明久至上主義者になってしまい、明久に危害を加える相手には鬼の如き形相で睨む。

実は学園長である藤堂カオルの孫娘




書いててアレ?明久最強じゃね?と思うので明久最強のタグを追加しました。
ネタがわからない人はググって調べてね。


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オリキャラ設定

前の後書きで言ったようにオリキャラの設定を上げます。


名前:田村 速和(旧姓:丸目)

読み:たむら はやかず

性別:男

性格:昔は真面目一辺倒だったが、明久と出会ってからはおちゃらけたりするところもできた。

容姿:濃い緑色の髪をきっちりと分けていて、頬のところに黒子がある。

(イメージはActorsの一乗谷怜)

趣味:読書

召喚獣:騎士服に2本の槍と2本の刀(イメージはFate ZEROのランサーことディルムッド・オディナの服装をテイルズの騎士服にした感じ)

腕輪:破壊と必滅の槍(ゲイ・ジャルグ、ゲイ・ボウ) 240点消費

相手の召喚獣の腕輪の能力破壊する(ゲイ・ジャルグ)

相手の召喚獣を必ず戦死させる(ゲイ・ボウ)

備考:明久の中学時代の友人の1人双子の妹の沙織と2人でアパートに住んでいる。

中学の頃は勉強こそ全てという考えを持っていて勉強を真面目にしない人を見下していたため、イジメを受けていた。

そんな自分を救ってくれた上に些細な勘違いから仲違いをしていた妹の沙織と仲を取り持ってくれた明久に恩義を感じていて、彼と接していくうちに勉強が全てでないと知り、彼と共にたくさんの友達に囲まれた学生生活を送る。

高校は最初私立の難関校に在籍していたが、明久とのやり取りを忘れられず独自に彼の行方を捜し文月学園に妹と一緒に転入した。

本人は気付いていないが高虎のような何かに一生懸命に取り組もうとすることろが長政の魂を呼び寄せて彼の助けになっている。

 

名前:田村 沙織(旧姓:丸目)

読み:たむら さおり

性別:女

性格:荒れていた頃は男勝りで負けず嫌いだが本心は素直で優しい

容姿:バッサリと切りそろえたショートヘア。髪の色は兄と違いオレンジ色。これは自分を評価してくれなかった父親への対抗心によるもの。(イメージはD.CⅢR桜風のアルティメットバトルの白河ななかの髪がオレンジ色になった感じ)

趣味:スポーツ、カラオケ、歌、クラシックギターを弾くこと

召喚獣:赤い服に鎧装を身につけ兜を三日月の装飾のある兜を被り、ホルスターに仕舞っているウィングシューター二丁と腰に差した燭台切光忠で戦う。(イメージは戦国無双4の伊達政宗)

腕輪:白装束

消費点数:180点

相手の動きを確実に止める援護射撃が発生する。斉射のタイミングなどは任意で決められる。

備考:明久の中学時代の友人の一人で速和の妹。今でこそ気さくさで友達も多いが、昔は荒れていた。髪の色もその時の名残。明久と出会うまでは兄との確執、父親からの罵倒の毎日だった。唯一の救いは体の弱い母親で彼女の心の拠り所でもあった。だが彼女が中学一年の時に持病で亡くなり彼女の生活は一変し地獄のような生活であったので家を飛び出した。

そして路頭で倒れている所を明久に助けられまともな生活を送り、その後、明久との出会いで変わった兄・速和が父と決別し和解する。

その後は2人で明久の両親の後見の元に英才教育を受けた。

中学を卒業後は兄と二人で私立に入学するが明久のことを聞いて明久に会うために文月に兄と共に転校する。

音楽を始めたのは明久の勧めで彼が褒めてくれたので今も尚、続けている。歌も好きで、将来は演劇などの音楽に関する職に就きたいと考えている。

その数奇な運命がお市の方の魂と共鳴し彼女の魂を身に宿している。




速和さんの腕輪がチートになったので消費点数を高くすることにしました。
もし、またオリキャラが出たら更新します。


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試召戦争編
3話


初めまして、作者の政行です。
駄文かもしれませんが、よろしくお願いします。


桜が道の両脇に満開の状態で咲き誇っておりとても幻想的であった。

そんな幻想的な景色に目もくれずにひたすら走る制服の男子が一人いた。

彼の名前は吉井明久、文月学園で初の“観察処分者”という馬鹿の代名詞を与えられた生徒だ。彼が急いでいる理由、それは………

「遅刻したー!」

…………… 寝坊である。

彼は叫びながらも速度を緩めず走って学校の正門を目指した。

「コラ吉井!遅刻だぞ!」

「あっ鉄zじゃなくて西村先生おはようございます」

数十分ほど明久が爆走していたら黒い肌にガタイの良い人がスーツを着て立っていた。

彼はは西村宗一と言い多くの生徒には“鉄人”と呼ばれている。その由来は彼の趣味にある。

それは趣味がレスリングとボクシングにトライアスロンだからである。

「吉井、今鉄人と言わなかったか?」

「あはは、気のせいですよ」

明久は背中に冷や汗をかきながら笑って誤魔化す。

「む、そうか?それよりもほら、お前で最後だ」

そう言って西村は手に持っていた封筒を差し出した。

「先生、なんでこんな面倒くさいやり方なんですか?もっと簡単に掲示板とかに張り出しとけば良いのに」

そう言いながら明久は受け取った封筒の封を破って開ける。

「まあ、そうしたいんだがな。ウチは世間でも注目されている進学校だからな。そんなことより吉井」

「はい?」

「俺はコイツは馬鹿なんじゃ無いのかと思ったんだがな」

「それは間違いのようだ」

そう言いながら中に折りたたまれた紙を取り出し開くと、そこにはAクラス代表の文字が書き込まれていた。

「お前は、やれば出来る馬鹿だ」

「よっしゃああ〜‼︎」

彼はその結果にとても嬉しそうに喜ぶと教室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

事の始まりは春休みにまで遡る。その日も明久は遊び呆けていた。

そんなある日明久は夢を見た。

そこではゲームなどによくありそうな城が建っており、そこの門には綺麗な着物を着た髪の長い美しい女性が立っていて僕はその女性に手を挙げると、馬に跨って鎧や兜なんかを着て刀を腰に差した人を引き連れて城を後にするというものだった。

「昨日は変な夢見たな」

そう思いながらいざゲームをやろうとしたら電話がなった。

プルルルル、プルルルル

「誰だろ?はい、もしもし?」

『明久、私よ』

「母さん?どうしたの」

彼女の名前は吉井 明彩(よしい あい)と言い明久の母親である。

『あんたちゃんと勉強してるんでしょうね?」

「も、もちろんだよ」

明久は目を逸らしながら言う。

『ならAクラスに入りなさい。良いわね?もし入れなかったらアンタへの仕送りなしにして玲送るから』

「えっ⁉︎」

『それと今度帰るんだけど、その時あんたには許嫁にあってもらうからね。それじゃ』

「ちょ、ちょっと待っ……」

それを伝えると電話一方的に切られた。

「………ヤバいー⁉︎」

こうして彼は猛勉強を始めたのだった。




どうでしょうか?感想やアドバイスありましたら、どしどし送ってください。返信できればします。なんせ大学一回生なので忙しくて


忘れていたのであとがきに載せます。すいません、これが明彩さんの設定です。
名前 吉井 明彩
よみ よしい あい
見た目は働いている娘と高校生の息子が居るとは思えないほど若く見える。
基本的教育方針は放任主義で責任も自分で取らせるが、明久の身に害が及ぶ存在は全力で排除するために部隊を編成したりもするため決して可愛くないわけではない。
明久の成長を誰よりも応援している。


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4話

第2話です、駄文ですが良ければ読んでください。作者は感想をもらうとヤル気が出ます。


 明久side

 僕は鉄人と別れた後、新校舎に入りAクラスへと向かう。

 この春休みの数ヶ月で僕は礼儀や作法等のあらゆることを学んだ。

 あれはとても苦痛だった。なんせAクラスに入れなければ仕送りがなくる上に姉さんと2人で一緒に暮らすことになる。→僕死ぬ………うん嫌だー‼︎まだ未練いっぱいあるよ!死んでたまるかということだ。

 それだけは避けたかった僕は死に物狂いで勉強した、いや誤字じゃなくて割と本気で頑張った。学校が休みの日に鉄人に会いに行って土下座して勉強を教わり、家でもゲームを全部売って参考書や問題集を買い込んだ。そしたらいつの間にか鉄人ですら驚愕するくらいの秀才になっていた。

そんなある日、

 今日も、勉強しようと机に向かった瞬間、それはやってきた。

 《ピンポーン》

「誰だろう?どちら様でしょうか?」

  『明久、私よ。開けて』

 母さんの声が聞こえてきた。てか早くない?

「いいよ、入ってきて」

 僕はインターホンから離れると机に向かい難関大の問題に取り掛かった。

「久しぶりね明久、元k……何この部屋?」

 リビングに入ってきた母さんが部屋の状況に呆然とする。

 確かに最近本が増えてそこら中本だらけになったけどそこまでではないと思うんだけどな………

 僕が周りを見渡すと近場には県の最難関大学の赤本が転がっている。その近くには他県の難関大の問題集が転がっている。

 これらは全部近所の本屋で買うために質屋にゲームソフトやゲーム機一式全てを売っぱらって買ったものだ。

 そういえば最近本を買いに行く以外に外に出たことないような気がするな〜まっいいいか。

「あ、明久?それ何の問題集?」

 母さんが恐る恐る聞いてくる。

  「えっ?XX大学の赤本だけど、どうしたの?」

 僕は平然と言ってのけると母さんが震えだした。

どうしたんだろ?

「明久よく聞きなさい。あんたは今、玲よりも賢いの、この意味わかる?」

「つまりは僕はハーバード大学の博士課程を修了した姉さんより上だということでしょ?それが」

僕にはそんなことはどうでもいい、僕はあの時母さんが言った言葉で一つの決心をしたんだ。Aクラスに入って気になる“あの人”に告白して自分の気持ちを伝えるんだ。振られたっていい、僕はあの人に近づきたい。

その人は同時に僕には友達の姉だけど、一目惚れしたんだ。絶対に伝えたい。その人は僕の学校では優等生として有名な木下優子さんだ。彼女と対等になるために、そして僕が一番を取ってもし付き合ったとしても足を引っ張らないようにするためにできるだけ勉強していたい。

「あんたがヤル気になってくれたのは嬉しいわ。今日は前に話した許嫁に会ってもらうから、ついて来なさい」

そう言って母さんはリビングを出る。僕も渋々、ちゃんとした格好をして後に続く。

家を出ると目の前にリムジンが止まっていた。(・・・・・・・・・・・・・)

「母さん……またすごいのできたね」

僕は驚きながらも、慣れた手つきでドアのIDに指紋を認証した。(・・・・・・・・・・・・・・)

するとドアは独りでに開いた。僕が乗り込むのを確認すると母さんも乗り込むとドアが閉まり、リムジンは音もなく走り出した。

目的地に着くまでの間にも参考書を読んで暇をつぶすことにした。

 

 

 

「明久着いたわよ、降りなさい」

数分ほど走ると母さんから声を掛けられリムジンを降りて目の前にそびえる高層ビルに入ってエレベーターに乗る。

母さんが行き先の階を押すとエレベーターが動き出した。

「ねえ母さん、許嫁の人ってどんな人?」

「可愛い子よ、その人のお父さんが私の弟でね。実際はあんたの従姉妹になるんだけどね」

そう説明はしてくれたけど誰かは教えてくれなかった。

そもそも母さんは兄妹が多くて誰のことか分からない。

エレベーターの動きが止まると母さんが降りたので後について行く。

そして一つの部屋の前で止まる。

「ここよ、準備は良いわね?それじゃ」

母さんは部屋の扉をノックする。

『はい、誰ですか?』

返事をしたのは女性だった。

優碧(あゆる)?私、明彩」

母さんは女性の名前を言うと自分の名前を言う。

『明彩さん、今開けますね』

優碧さんはそう言うとドアを開ける。中から出てきたのは髪をショートカットにし肩のあたりで揃えている。その表情は見たことがある。

確か………

「優子、許嫁の相手がきたわよ。こっちに来なさい」

優碧さんは部屋に向かって声を出す。

「……分かったわよ」

帰ってきた声は聞き覚えがあるなんてものじゃなかった。それは僕が大好きな人の声だった。

「き、木下さん⁉︎」

「よ、吉井君⁉︎許嫁ってあなたなの?」

「あら、貴方達知り合いなのね。丁度良いわ。こちらは私の義理の妹の木下優碧さんとその娘さんであんたの許嫁の木下優子ちゃんよ」

 

「「えっ…………?」」

この日から僕たちの関係は一気に飛躍したのだった。




どうでしょうか?というわけで許嫁は優子です。明久と優子はお互いが一目惚れしており、両想いですが、今の関係が壊れるのが怖くて告白できませんでした。
次回で本編が進みます。進行遅くてすみません

後、明久の成績ですが、以下の表が点数です。
2-A 吉井明久

現代国語:980点
古典:1000点
数学Ⅱ:780点
数学B:654点
リーディング:995点
英語:1045点
英語X:1090点
現代社会:920点
日本史:1627点
世界史:1498点
化学:876点
物理:915点
生物:1121点
家庭科:1500点
保健体育:796点
この明久の設定
・バカじゃない
・鉄人に信頼されている
・実は超セレブ
・FFF団非所属
・島田・姫路が嫌い


……………童貞じゃない


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5話

今回でようやく本編開始です。進行遅くてすいません。
ちなみに明久は姫路と別のクラスで試験を受けていました。
彼女は小学校の時に彼への好意を自覚しましたが、それは卒業が終わってからなので言えませんでした。
そのせいで彼女は明久に暴力を振るいます。
明久と優子が許婚と知らされた後の話です。


明久side

「なんだろう、この馬鹿でかい教室?」

僕は新校舎に入って教室?を見つけた。

けどそれは想像を遥かに上回るほど豪華だった。

シャンデリアのついた教室は全員分のシステムデスクにノートパソコン、リクライニングシートや個人冷蔵庫なんてのもある。

………お金のかけ過ぎじゃない?

「吉井君、そんなところに立ってないで入ってください。貴方で最後なんですから」

そんなことを考えていたら学年主任の高橋先生が教室のドアを開けて僕を呼ぶ。

「あっすいません」

そう言って僕が教室に入ると所々からヒソヒソ声が聞こえて来た。

その内容の殆どがなんで観察処分者が居るんだといったものだけど気にする様なものでもないね。

「ではクラス代表の「先生よろしいですか?」何ですか紺野(こんの)君?」

先生が指示を出そうとしたら1人の生徒が質問の挙手をした。

「どうして観察処分者の彼がここにいるんですか?」

彼の言葉に周りが騒めきだす。

確かに最もだね、本来なら此処じゃなくて最底辺であるFクラスに居ると思うのが普通だ。

でも僕はー学年主席なのだ。

「吉井君は今回の振り分け試験で最優秀成績を出しています。その点数は霧島翔子さんよりも4000点以上高得点でした、そのため彼は此処のクラスにいます。では最後に代表の吉井明久君、自己紹介をお願いします」

「はい、皆さん初めまして。観察処分者で今回Aクラスの代表を務めます吉井明久です。趣味は料理に凝っていて特にパエリアが得意です。よろしくお願いします」

高橋先生は僕がここにいる理由を言うと自己紹介する様に言うので無難に済ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は2-Fクラス

振り分け試験において全く点数を取れなかった最底辺の生徒が集まるクラス。

そのクラスの教卓に頬づえをしながらクラスメイトを観察している男子が居た。

眺めているのではない、観察していた(・・・・・・)

彼は坂本雄二といい、このクラスの代表だ。

そうこうしていると教室のドア…っといっても障子だがを開ける音がすると彼は確認せずに言ったために

「遅えぞこの蛆m、先生でしたか」

こうなってしまった。

入ってきたのは明久ではなくヨレヨレのスーツに垂れ目の中年男性だった。

「坂本君、HRを始めるので席についてください」

男性はそう言うと雄二と入れ替わる様に教卓の前に立った。

「皆さんおはようございます。担任の…………福原慎です」

彼はそう言って黒板に名前を書こうとしたがやめて口頭で名乗った。

どうやら此処にはチョークというものがないらしい。

………勉強させる気があるのだろうか?

「皆さんには卓袱台と座布団が支給されていますが、何か不備はありますか?」

大有りである。

「先生、俺の座布団に綿が殆ど入ってません」

「我慢してください」

「先生、隙間風で寒いです」

「後でビニール袋とガムテープを支給しますので自分で対処してください」

「先生、卓袱台の足が折れているんですけど?」

「そうですか、我慢してください」「出来るか!」冗談です、これで直してください」

そう言って取り出したのは木工用ボンド。しかもそれを置いた瞬間卓袱台が崩れて瓦礫の山になった。

「えー、替を持ってきますので先に自己紹介を、そうですね廊下側からお願いします」

そう言って福原は出て行った。

 

(中略)

 

そこからは名前を言っていく作業が続いて行った。

3名ほど色々あったが………

 

 

 




すいません、中途半端ですが一旦切ります。では次話で会いましょう
活動報告にアンケートがあるので良ければ解答して下さい。


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6話

遅くなってすいません。リアルが忙しくて編集する時間がありませんでした。


福原が新しい(と言ってもボロいのは変わりないが)を持って来たり島田の趣味で雄二と康太、それに秀吉に睨まれる等あったものの自己紹介は滞りなく進んでいたが雄二の心境は穏やかではなかった。

(おかしい、明久のヤツが来ない。何してやがんだアイツ?正直に言って現戦力じゃ勝負にすらならねえ。何か、何か決定打になる奴が欲しいところだな。)

「すいませんっ保健室に行っていて遅れました」

そう言って入ってきた生徒に全員が唖然となった。

「丁度良かったです、今自己紹介中ですので姫路さんもお願いします」

福原は入ってきた生徒ー姫路に自己紹介を促す。

「あっはい、ひ、姫路瑞希です、よろしくお願いします」

そう言って頭を下げるあたっては相当良い環境で育ったのだろう。

「はい、質問してもいいですか!」

「どうぞ」

すると1人の男子が手を挙げたので姫路は彼を当てる。

「どうして此処に居るんですか?」

なんとまあお馬鹿な質問である。質問された本人も一瞬不服な顔をしたが気を取り直して理由を述べた。

「あのっ試験の日に風邪を引いてしまい熱があったので」

成る程、と雄二は納得した。

此処の学校では2年に上がる際振り分け試験が実施される。その試験では体調管理も自己負担のため試験の途中退席や欠席が無得点になるのを思い出した。

だが、これは雄二にとっては嬉しい誤算だっただろう。

現に彼の顔はほくそ笑んでいた。

(姫路には悪いが俺にとっては渡りに船だ。これで勝算が上がった)

「そういや俺も熱(の問題)のせいでFクラスに」

「化学だろ?アレ難しかったよな」

「実は弟が交通事故にあって……」

「黙れ一人っ子」

「昨日の晩、彼女が寝かせてくれなくて「「「異端者には死を‼︎」」」すいません!嘘つきました!」

1人の男子の言い訳に際して他の(雄二達を除く)Fクラス生徒が黒い頭巾とローブを纏い何処からともなく鎌を取り出したのを見るとすぐさま土下座する。

「と、とりあえず一年間よろしくお願いします」

そう言うと姫路は雄二の隣が空いていたためにそこに座った。

「坂本雄二だ、よろしく頼む。ところで姫路体調はもういいのか?」

「初めまして姫路です。はい、先生に大丈夫と言われましたので」

「では最後に代表の坂本君お願いします」

雄二が話していたらいつの間にか自己紹介は進み雄二の番が回ってきた。

すぐさま雄二は返事をし教卓の前に立つと皆を見渡す。

それによって全員の注意が雄二の方に向けられる。

「Fクラス代表の坂本雄二だ。坂本でも雄二でも好きに呼んでくれて構わない。さてFクラス諸君に問いたい、俺たちの設備はどうだ?」

彼は嘗て神童と呼ばれたほどの天才児だった。だが、ある事件を境に悪鬼羅刹と呼ばれるほどに喧嘩に明け暮れた毎日を送っていた。そんな彼が初歩的な質問をする。

「最悪に決まってんだろう!」

「こんなので満足する奴は相当の馬鹿だ」

等の文句が溢れてきた。彼はそれを聞くと頷いた。

「そうだろう。だが、Aクラスの設備はとても豪華なんだが見たものは居るか?」

その問いに何人かの者が手を挙げる。

「見ていない奴もいるみたいだからな、教えてやろう。Aクラスの生徒にはリクライニングシート、システムデスク、ノートパソコンに個人冷蔵庫と個人エアコンが付いている」

「なんだよそれ?明らかに差がありすぎだろ」

「同じ学費なのになんでここまでされなきゃいけないんだよ!」

「そうだ!いくら方針だからってこの待遇はあんまりだ‼︎」

「「「そうだ!そうだ!」」」

その言葉を聞いて息を飲む者や羨ましがる者がたくさんいた。

「皆の意見も尤もだ。俺自身もこの教室の待遇には少なからず疑問がある。そこで、だ。俺達FクラスはAクラスに試召戦争を挑もうと思う!」

雄二がそう言った瞬間、今まで騒がしかったFクラスがしんと静まり返った。

「無理だ」

「勝てるわけない」

「何を根拠に」

「姫路さんさえいれば後は何もいらない!」

そして彼らは口々に無理だと言い出した。1人だけ可笑しな事を口走っていたが………

「いや、勝てる。俺が勝たせてみせる。そのために必要な戦力がここには揃っている。そいつを今から紹介してやる」

そう言うと雄二は教室を見回し、ある一点で視線を止める。

「おい康太、いつまでも姫路のスカートの中を覗いてないで前に来い」

その言葉に全員の視線がそちらに向くと康太と呼ばれた少年が、カメラを持って姫路のスカートの中を見えるか見えないかぐらいのラインから覗いていた。

「はっはわ⁉︎/////」

姫路が慌ててスカートを下に引っ張るが手遅れである。

「コイツがあの有名な寡黙なる性意識者(ムッツリーニ)だ」

その言葉に本人は首を振って否定する。

「なっ⁉︎奴がそうなのか!」

「見ろ、あから様に畳の跡を隠してるぞ」

「ああ、ムッツリーニの名に恥じない姿だ」

雄二の言葉に全員が驚愕しながらいろんな事を言うが本来これは恥ずべきなのだが………

土屋康太という名はあまり有名ではないがムッツリーニともなれば話は別だ。

その名は男子からは畏怖の意味を、女子からは軽蔑の意味が含まれている。

それを知らない姫路は頭に疑問符を浮かべている。

「姫路の事は言わないでも分かるだろう」

「えっ⁉︎わ、私ですか⁉︎」

姫路は自分が呼ばれると思っていなかったのか驚きの声を上げる。

「ああ、ウチの主戦力だ。期待している」

「が、頑張ります‼︎」

雄二の言葉に手を胸の前で握る。

「木下秀吉だっている」

「やれるだけやってみるかの」

秀吉も乗り気らしい。

「おおっ演劇部のホープ」

「確かAクラスの木下優子の……妹!「ワシは男じゃ‼︎」ノー‼︎」

秀吉が呼ばれると更に士気が高まる。おかしいことをいう奴は無視することにする。

「もちろん俺も全力を尽くす」

雄二はそう宣言した。

「坂本って昔神童って呼ばれてたんだろ」

「まじかよ、つまりこのクラスにはAクラス並みの実力者が3人もいるってことか?」

「勝てる、勝てるぞ!この戦争」

そう誰かが言ったことでFクラスの士気は更に上がった。

「何よりこのクラスには………吉井明久が居る!」

その言葉によって最高潮だったクラスは一気にしんと静まり返った。

「誰だ、吉井明久って?」

「そんな奴このクラスにいたか?」

「知らないのなら教えてやる。アイツは観察処分者だ」

「観察処分者って馬鹿の代名詞だろ」

「そいつがどうしたんだ」

「アイツの利点は召喚獣の操作が学年、いや、学園一だ」

その言葉でどよめきが起きるが、雄二はそれらを制す。

「これだけの戦力になる奴がいるんだ、俺達は勝てる!そして俺達がAクラスに勝てば………」

「システムデスクだ‼︎」

全員の心がこの時一つに纏まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

僕がクラスで自己紹介を終えて、高橋先生がガイダンスをしようとしたらFクラスがDクラスに試召戦争を仕掛けたために今は自習中で僕は机に向かって熱心に問題を解いていた。もちろん持ち込んできた問題集だ。課題はさっきのうちに先生が用意してくれていたので、そちっをサクッと片付けて今に至る。

「おはよ明久」

不意に声をかけられたので顔を上げると笑顔の優子と去年の学年主席の霧島さんと見たことのない緑色の髪のボーイッシュな生徒が居た。

「ああ、優子、それに霧島さんもおはよ。ところで君は?」

僕は笑顔で挨拶を返すのと同時に初対面女の彼女に質問を投げかける。

「初めましてダネ吉井君、ボクは去年の11月に転校してきた工藤愛子だよ。特技はパンチラで好きな物はシュークリーム、スリーサイズは上から、78・56・79なんだ、ヨロシクね」

そう言ってウィンクする工藤さん。正直言ってその趣味はどうかと思うな?

「あれ?反応なし?つまんないなー」

「ああ、ごめんごめん。どうリアクションすればいいか分からなくてね」

「にしても、吉井君と優子仲良いね。もしかして付き合ってたりして「許嫁だよ」ええっ⁉︎本当に⁈」

確かに驚くよね。僕も驚いたけどね。

「本当だよ。親同士が決めた許嫁さ。でもあんまり言いふらさないでね、後々大変だから」

ピンポンパンポン♪

「あれ?放送だね」

『船越先生、船越先生』

誰だろう、僕には関係な………

『2年Fクラスの吉井明久君が体育館裏で待っています』

い……へっ?

『何でも生徒と教師の枠を超えた話があるそうです。繰り返s………ギャー‼︎』

あれ?止まった。どうしたんだろ?

『………船越先生、今のこの生徒の照れ隠しです。婚姻届を持って大至急向かってください』

この声はムッツリーニだ。ありがとうムッツリーニ、後で隠してる聖典(エロ本)全部譲るよ。

そう言って声は途絶えた。

『うふふ♪ここかしら〜♪』

マイクの電源が切れていないのか船越先生が入ってきたのが聞こえた。

『ヒィイ⁉︎船越先生‼︎』

『須川君、そんなに私と結婚したいならこの婚姻届にサインして〜」

『イヤー‼︎』

その叫びを最後にマイクの電源が落とされた。

「私の明久を貶めようとするからああなるのよ」

そう言って優子は僕の隣にやってきた。

「ねえ明久、今度はどこの大学の問題集解いてるの?」

ああ可愛い‼︎今すぐ抱きしめたい‼︎

「………どういうこと?」

「どれどれってこれウエストバージニア大学って、アメリカの大学だよね?」

確かにアメリカにある大学の一つだ。なんで持っているかというと、この間母さんが送ってくれた物の一つでもある。

「これはあの点数差も納得だね。こんなの解いてたらそのぐらい余裕だね」

そういう工藤さんのかおはひきつっていた




コメント、間違い指摘なんでも待ってます。


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7話

今回から他作品のキャラを2名ほど出します。
設定は後書きにて詳細を載せておきます。
それでは本編どうぞ
まあ………キャラの口調はおかしいですが


昨日の試召戦争ではFクラスがDクラスを破るという結果となった。

そしてその翌日、僕はいつも通り登校して席に座って予習をしていた。

今はAクラスには僕以外誰もいない。それは僕が早起きしたから、学校で予習してようと思って学校に行ったら鉄人に驚かれた。僕が真面目なのそんなに変かな?

 

そんな事を考えながら予習していたらホームルームの時間になったので本を鞄にしまう。

それと同時に高橋先生が教室に入ってきた。

礼をして着席する、いつも通りの景色だ。

「今日は転入生を紹介します。それでは入って来てください」

『失礼します』

高橋先生に呼ばれ返事をして入って来た顔を見て僕の目は見開いた。

入って来たのは僕の幼馴染の織斑一夏と僕の従姉妹のシャルロット・デュノアだったのだから。

明久sideout

 

一夏side

俺の名前は織斑一夏だ。今日からこの文月学園で2年間過ごすことになる。傍には俺の恋人のシャルもいる。

「初めまして、今日からこのクラス一緒に勉強する織斑一夏って言います。趣味は家事と料理です、よろしく」

俺は無難な自己紹介を済ませる。

「初めまして、シャルロット・デュノアです。僕はフランス人と日本人の日系三世で小さい頃から日本で暮らしたこともあるので日本語は問題ありません。よろしくね」

そう言ってシャルは笑顔を見せる。

あ〜可愛いなあ

「後、僕は一夏の彼女だから告白しないでね」

そう付け足した。

そうなのだ。俺はシャルと去年から付き合っている。

最初は俺がシャルへの恋心を自覚するまでに3年間も費やしたのだ。

その後告白して付き合っている。

「ではお二人の席は、吉井君の近くにしましょう」

その言葉に俺とシャルは驚きながら、明久(幼馴染)の近くに行く。

アイツ昔は馬鹿だったのに、頑張ったんだな。

けれど、その後すぐに授業が始まってしまい問いただすことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

昼休みになり、俺は明久の席に集まった。もちろん問い質すためだ。

「久しぶりだね、一夏、シャル」

俺たちに気づいた明久は笑いかけてくれる。

やっぱ、こいつはいつでも優しい。

「ああ、久しぶりだな明久」

俺も挨拶を返す。

「明久?転入生と知り合いなの?」

茶髪の子が聞いてくる。

「そうだよ、優子。紹介するね、僕の幼馴染の織斑一夏と再従姉妹のシャルロット・デュノア通称シャルだよ」

そう言って明久が紹介してくれる。

「デュノアも明久と従姉妹なのね。私もそうなの、私は木下優子。明久の許嫁であり、従姉妹よ。それでこっちの黒髪の子が翔子で緑色の髪が愛子よ」

「………霧島翔子、学年次席」

「工藤愛子だよ、よろしくネ」

2人が紹介されると挨拶する。

「天気もいいし今日は屋上で食べようよ」

明久の何気ないこの一言が俺のポリシーに触る奴らを見つけるとはこの時は想像もしなかった。

一夏side out

 

明久side

「到着っと、ってあれ?雄二じゃん」

屋上に到着すると旧校舎側の扉が開き雄二たちが出てきた。

「明久⁉︎お前、Aクラスなのか?」

雄二があって早々に問いただしてくる。

「うん、まあ色々あってね」

そう言って僕は優子の隣に座る。

「見つけたわよ、吉井!」

ゲッ⁉︎この声は……

そう思って見てみると、そこにはポニーテールの女の子がこっちを物凄い形相で睨みながら近づいて来た。

「ちょっと明久に何する気だよ」

そう言って一夏が割って入ってくれる。

「誰よアンタ?ウチは吉井に用があるの、どきなさいよ」

島田さんは鬱陶しそうにする。

「悪いが俺のダチでねそんな形相で来る奴を近づかせるわけには行かねえよ」

一夏はそう言って立ち塞がる。

「それより、吉井!アンタ何でAクラスの生徒と一緒にいるのよ!」

何でってそりゃ………

「僕がAクラスだからだよ」

「嘘おっしゃい!どうせカンニングしたんんで「おいてめえ」何よ、ヒッ⁉︎」

そこには般若のような形相で睨んでいた。もちろんこれは優子だ、彼女は僕の悪口に人一倍敏感で一言でも言ったら本気でキレる。

「てめえみたいのにアタシの明久侮辱するなんていい身分じゃない」

相当切れてるみたいだ。

「な、なら試召戦争で勝負よ!ウチらが勝ったら吉井を渡しなさい」

それだけ言うと島田さんは怯えながら逃げて行った。




ちょっと無理やりでしたね。すいません、言い分が思い浮かばなくて……
それでは一夏とシャルの設定です。
・織斑一夏
明久の幼馴染で幼稚園の頃からの付き合いだが、小学校を卒業と共に引っ越してしまった。
性格:原作通りだが、友達を馬鹿にされるとキレる。シャルと付き合っていてよく独り身の生徒に砂糖を吐かせている。
容姿:原作通り
召喚獣:白色の服を基調とした鎧に白い剣(クラウソラス)を携えている。
腕輪:白夜神速 70点
目にも留まらぬ速さで相手を一太刀の下に分断する。切られた相手は即戦死
何度も発動でき、複数の相手を纏めて倒すこともできる。
・シャルロット・デュノア
明久の祖父、吉井高久の弟、吉井範久の孫娘で明久の再従姉妹
明久と一夏からシャルと呼ばれており、一夏と付き合っている。
この作品のシャルルはちゃんとした家庭で育った日系三世の女の子
昔は明久に恋心を抱いていたが、鈍感すぎて諦めた過去を持つ。
性格:原作通り
容姿:原作通り
召喚獣:オレンジ色の服に多数の銃火器を装備している。
腕輪:マルチロックオン 100点
正面にいる敵全てをロックし銃火器で殲滅する。
シャルでしか扱えない特殊な腕輪


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8話

作者と
「登場キャラの」
『座談会コーナー‼︎』
イエーイ‼︎ドンドン‼︎、パフパフ♪
さあ、始まりました。始まってしまいました。作者と登場キャラの座談会、メインパーソナリティーの作者こと政行です。このコーナーでは作者の作者によるしょうもない座談会コーナーです。
えーそれでは無駄話はこの辺にして今日のゲストを紹介しましょう、
この作品の主人公とヒロインの吉井明久君と木下優子さんです。どうですか調子は?
「何が」
酷っ、すいません、どうやら彼らは話す気がないのでまた次回ー!






てか、絡んでこいや‼︎


明久side

なんだっただろう?島田さん、何したいんだろ?

僕、何かしたかな?いっつも暴力振るってくるし、苦手だし嫌いだな。

「すまんな明久、俺のクラスメイトが迷惑掛けた」

そう言って頭を下げる雄二。う〜ん別に雄二が謝ることじゃないんだけどな

「いいよ別に、雄二が悪いわけじゃないし、それよりも試召戦争のことだけど」

「ああ、それなんだが一騎打ちで勝負っていうのはどうだ?」

「う〜ん、手間の掛かる試召戦争を手短に終わらせれるのは良いけどわざわざリスクを負う試合はしたくないわね」

雄二の言葉に優子がそう返す。確かにこれは戦争だ、油断が大きな失敗に繋がるからなあ。

そうだ、公平を期して6対6の一騎打ちのほうが良いや。

「姫路が出るのを危惧してるようだが安心してくれ、出るのは俺だ」

「残念だけどそれを鵜呑みには出来ないわ。だってこれは戦争なんだもの」

「だったら公平にそれぞれ6人代表者を選出して先に4勝した方が勝ちってのはどうかな?これなら誰が誰に当たるかは分からないけど戦争拒否にならないし妥当だと思うよ」

僕個人としては雄二と戦ってみたいしね。

「それは俺達からしたら願っても無い提案だが良いのか?」

「もちろん、選択科目数は互いに3つ。これでいいでしょ霧島さん」

僕が代表ということを悟らせないためにあえて演技してアイコンタクトで伝える。

「………吉井の案でいい」

霧島さんも理解したのか乗ってくれる。

「助かる、それじゃあ日時だが明後日の10時からでいいか?今日と明日は補充試験に当てたい」

そのくらいはお安い御用だ。

「OK.でも雄二」

「ん、何だ?」

僕はにっこり笑ってこう宣言した。

「こっちの陣営なめないでね」

「はっ!お前こそ、後で泣きべそかくなよ」

かくわけないじゃん、主席の(・・・)僕が本気でテスト受けるんだから……ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後……

AクラスにはAクラスの代表者6名とFクラス代表者6名が向かい合って椅子に座っていた。他の皆は邪魔にならないように端によっている。

「それでは両陣営共に準備はいいでしょうか?」

立会人であり担任の高橋先生が確認を取る。

「ああ、問題ない」

「………大丈夫です」

そう言って互いの代表者の中から雄二と霧島さんが話す。

「では一人目の代表者前に出てください」

その言葉でFクラスから島田さんが出て来る。

対してこっちからは優子が出る。

明久side end

 

優子side

「何で吉井が出てこないのよ、吉井が出てきなさいよ」

屑がそう言ってるけど明久は織斑君と話してて聞いていない。代わりに私が答えてあげる。

「あなたみたいなのに明久が出たら明久が不憫だわ」

私の挑発にまんまと乗ってくれる、御し易いわね。

「何ですってえ⁉︎、まあ、良いわ。アンタを倒して華々しい勝利を飾ってやるわ」

言うことだけは大きいわね。別に気にするような相手でもないけど。

「ならやってみなさいよ、選択権はあなたに譲ってあげるわ」

「高橋先生っ‼︎数学でお願いします」

私の挑発で完全に頭にきたのか、向こうの坂本君の命令も無視して選択権を使う。

ちょろいわ〜

「では召喚を認めます」

試験召喚(サモン)‼︎』

そう唱えると幾何学模様の中から私達をデフォルメしたような姿の召喚獣が現れる。

屑の召喚獣は軍服にサーベルというFクラスにしては良い装備だ。私のは水色のラインの入った白い服に籠手や手甲に脛当てを着けた格好に腰に差している細剣背中に背負ってるアサルトライフル腰回りにある弾薬キットを着けた召喚獣だ。

Aクラス 木下優子: 点

VS

Fクラス 島田美波:124点

点数が高いからなのかなかなか表示されない。

「ウチは数学ならBクラス並みは取れるのよ!」

そう高らかに言うけど皆此処にいるのはAクラス、それの中で上位に入るの。だから………

Aクラス 木下優子:567点

このぐらい行くのよ。

「残念ね、そんなチンケな点数じゃアタシに勝てないわ!」

そう言い終わると同時に私は召喚獣を疾駆させる。そして反応しきれない屑の召喚獣を明久に教えてもらった通りに喉笛を斬り裂く。

それによって一瞬で決着はついた。

Fクラス 島田美波:0点

屑の召喚獣は点数が0になり、戦死した。

「勝者Aクラス‼︎」

これで幸先良い滑り出しになったわ。後で明久にご褒美もらおっと♪




如何だったでしょうか?島田瞬殺させることにしました。
次回は2回戦から5回戦までやって区切って最終戦を一話にしようと思いますそしてお気に入り数100件突破‼︎これからも頑張っていきます。
感想なんでも受け付けます。それでは次回の話で会いましょう。


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9話

作者と登場キャラの座談会のコーナーです。
今回は織斑一夏さんです‼︎
「よろしくな、作者」
はい、よろしく一夏さん。どうですか?シャルロットさんと恋人という関係は?
「悪くないな、この間なんかシャルが俺のべッドで一緒に寝てさあー」
あれっ?ここで惚気ですか?勘弁してください、マジで‼︎
「では本編どうぞ」
あ、明久さん⁉︎人のセリフ取らないで〜‼︎

あっ雄二と翔子は付き合ってませんが、付き合う一歩手前です。
本当に勘b、ザア〜〜‼︎(砂糖を吐く音)


雄二side

1回戦は島田のせいで負けに終わり、更に教科選択権を勝手に使ったので俺達は残り2回しか使えない。

「2回戦を始めます。代表者は所定位置に付いてください」

高橋女史の言葉に俺はすぐさま作戦を変更し2回戦を捨てる事にした。

「須川、次はお前だ(捨て駒として)逝ってこい。科目は指定するなよ」

そう釘を刺して須川を送り出すと、向こうから翔子が出てきた。

「なっ⁉︎なんでお前が出て来るんだ翔子‼︎お前が代表なんだろ?」

翔子は首をかしげると、あっと言った感じの顔になる。

その反応にうちのクラスの奴らのテンションが上がるのがムカつく。

「………雄二、私は代表じゃない」

その言葉で俺はますますAクラスの代表が判らなくなった。

「科目はどうしますか?」

「霧島さんと戦えるなんて幸せもんだ〜、俺は!」

須川はハアハア言いながらそう呟く。

後で覚悟しとけよ。

「………現代社会で」

これで、相手が2勝か、引き離されたのは仕方ない。だが、俺と康太と姫路で必ず取り返す‼︎

雄二side end

 

明久side

悩んでるね雄二、まさか代表が僕だなんていう発想には至らないだろう。

「それでは召喚してください」

試験召喚(サモン)‼︎』

高橋先生の承認の下召喚獣が召喚される。

須川君のの召喚獣は道着(白帯)に棍という装備、対する霧島さんの装備は武者鎧に日本刀という装備。遅れて召喚獣の頭に点数が表示される。

Fクラス 須川亮:15点

V.S

Aクラス 霧島翔子:432点

結果は一瞬だった。

霧島さんの召喚獣が近づいて一閃で終了、須川君の召喚獣は消滅した。

「それまでっ‼︎勝者Aクラス。それでは次の代表者前へ!」

先生はさらりと終了を宣言し次の試合に移行した。

「秀吉頼む」

向こうは秀吉が前に出てきた。こっちは一夏に活躍させようかな

「一夏、行ってくれる?」

「いいぞ、行ってくる」

2人が対峙する。

「お主は一昨日おったの」

「ああ、明久の幼馴染の織斑一夏だ。よろしくな」

秀吉が一夏のことを思い出すと互いに自己紹介する。

「うむ、ワシは木下秀吉じゃ、言っとくがワシは「男なんだろ?明久から聞いてるよ」そうか、感謝するぞ明久」

別にいいけどね。あれは可哀想だから。

「気にしなくていいよ秀吉」

そう言ってどうってことないとジェスチャーする。

「それでは科目はどうしますか?」

「選んでいいぞ。俺は召喚獣の腕輪試したいしな」

「ならお言葉に甘えさてもらおうかの。高橋先生、現代文でお願いするのじゃ」

一夏の言葉に秀吉は現代文を選択した。うん予測どおりだね。

「それでは召喚してください」

試験召喚(サモン)‼︎』

お馴染みのキーワードと共に2人の召喚獣が現れる。

秀吉の召喚獣は袴に薙刀を装備している。一夏の召喚獣は真っ白な鎧に剣が腰に差されていた。

あれってクラウソラスだよね?一夏の召喚獣の剣すごいな。

点数は、頑張ったな2人とも。

Aクラス 織斑一夏:650点

V.S

Fクラス 木下秀吉:110点

「明久に聞いて正解だったぜ。お陰でこんな高得点取れたし」

そう言い終わると同時に一夏の召喚獣の腕に巻かれている腕輪が光る。

「腕輪発動‼︎」

そう言うと一夏の召喚獣が一瞬にして消えると、秀吉の召喚獣が真っ二つに叩き斬られた。そして再び一夏の召喚獣が現れる。

神速かな?一夏らしい腕輪だった。

「勝者Aクラス」

これで3勝だね、でも勝負はどう転ぶか解らないからね。気は引き締めないと

「4回戦を始めます。代表者の方は前に出てください」

スクッとムッツリーニが立ち上がる。

こっちは工藤さんにでも任せようかな?

「工藤さんお願い」

「いいよ。ムッツリーニ君とは戦って見たかったんだ」

そう言って前に出る。

「………誰だ?」

康太は見たことがないからか聞く。珍しい、いつも大抵の女子は調べてるのに

「初めましてムッツリーニ君、ボクは去年の11月頃に転入してきた工藤愛子だよ」

彼女は何を考えてるのかよく分からないけどあまりいいことじゃない気がする。

「保健体育が得意なんだよね?ボクも保健体育が得意なんだ。君と違って実技で、ね♪」

その言葉に康太が反応する。相変わらずだな、でも耐えれるぐらいには成長したんだ。

「科目はどうしますか?」

「………保険体育」

そう呟いた。

「分かりました、それでは召喚してください」

そう言うと召喚フィールドが展開される。

試験召喚(サモン)

そして召喚された召喚獣は康太は忍者の衣装に小太刀を2本持っている。

対する工藤さんのは、セーラー服を着ていて、

「なっ何だよあのデカイ斧⁉︎」

「あんなの喰らったら一溜まりもないぞ!」

身の丈以上ある巨大な斧だった。

「実践派が理論派より強いって事を証明してあげるよ!腕輪発動」

そう言うと斧が電気を帯び、それを振り被る。

「加速」

康太がそう呟いた瞬間召喚獣が消えるのと同時に斧が振り下ろされ土煙が上がる。

煙が上がるとそこには

Fクラス 土屋康太:0点

V.S

Aクラス 工藤愛子:0点

と表示されていた。

つまりは引き分け。

「この勝負、引き分け!」

なかなかやるね2人とも。この2人はいいライバルになるよ。

 

「5回戦を始めます。代表者の方は前に出てきて下さい」

「姫路頼む、勝ってくれ」

そんな雄二の言葉を受けて、姫路さんが前に来る。

どうしようかな、誰に頼もう?

「ねえ、明久」

不意にシャルが話し掛けてくる。

「何シャル?」

シャルの目を見ると僕が行きたいと言っていた。

「じゃあシャル任せるよ」

そんな風に喋ってたら姫路さんが睨んできた。

「吉井君!どうして私の知らない女の子と話してるんですか⁉︎」

いや別に誰と話したっていいじゃん。

「吉井君は他の女の子と話す必要もありません!それにAクラスじゃなくてFクラスに居るべきなんです!」

姫路さんが意味のわからない御託を並べ出した。あれでもかつては学年次席を久保君と争ったって言うのが謎だね。

「ねえ、幾ら何でもそれは明久に失礼「外野は黙って下さい!」僕が君の対戦相手なんだけどな……」

シャルが沈んじゃった、一夏がすごい形相で睨んでる。

「吉井君、後でお仕置きです!」

意味がわからないよ。

「……いい加減にしてよ!君は明久の何なのさ!明久はものじゃないよ!」

シャル、ありがとう。

「先生!教科は総合科目でお願いします!」

そう捲し立てた。

「……分かりました、召喚してください」

試験召喚(サモン)‼︎』

その言葉と共に召喚されたのは姫路さんが西洋鎧に身の丈の2倍はある大剣、シャルの方は全体が一夏の鎧をオレンジ色にした感じなのは変わらないが、注目すべきはその武装だ。

装備しているのが右手にベレッタM92、もう片方の手にH&K USPを握り、背中にはSIG SG550とイサカM37をさらに腰にグレネードを3つ装備し、今は出していないがマンゴーシュも接近用として装備している。

Fクラス 姫路瑞希:4560点

V.S

Aクラス シャルロット・デュノア: 点

「なっ4000点越え⁉︎」

「姫路瑞希、恐るべきだな」

「悪いけど、今の僕はお怒りだよ!腕輪発動《マルチロックオン》!」そう言うとシャルはまるで舞うように銃を撃ち、弾が切れれば別の銃に変えて撃つ。それらは全て一寸の狂いもなく姫路の召喚獣の四肢に直撃し四肢を吹き飛ばす。そして最後にマンゴーシュで姫路さんの召喚獣に突き立てた。

Aクラス シャルロット・デュノア:5680点

遅れてシャルの点数が表示される。

「勝者Aクラス!よってこの試召戦争Aクラスの「待って下さい高橋先生」何ですか?吉井君」

これでこの試召戦争は勝った。けど、僕はこのまま終わらせない。

「最後に代表同士で試合をさせて下さい」

僕はそうたのみこんだ




次回で試召戦争は一旦終了して、日常に行きます。


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10話

今回は座談会は無しです。
雄二の猛勉強の時期が原作と違いますが、こうしないとまともに明久と戦えません。
ですのでバカテス原作から読んでいられる方からしたらへんな気もしますが、そこはご了承ください。
この小説は政行の提供でお送りしま〜す。


明久side

「残念ですが吉井君それは「良いじゃないかい」が、学園長⁉︎」

高橋先生が僕の提案を棄却しようとしたらいつのまにか学園長がやって来ていてた。

他の生徒も突然の学園長の登場に浮き足立つ。

僕はそれを手を叩く事で鎮静させる。

「本人がやりたいって言ってるんだ。やらせてやりな」

「………分かりました。ではクラスの代表は前に出てください」

学園長がそう言うと高橋先生も渋々といった風にそう言う。

ありがとうございます学園長、助かります。

高橋先生がそう言うと両陣営から僕と雄二が前に出る。

雄二は僕を見て驚いた顔をする。

「明久⁉︎お前が代表なのか⁉︎」

やったね、驚いてる。雄二にしてやったよ。

「そうだよ雄二、僕が代表さ。まあこんな旧交を温めてないでさっさと始めようか」

僕の言葉にまだ何か言いたかったのか雄二が口を開けたままだったが、すぐに口を閉じて試合に集中する。

「俺に選択権はないからな。明久、お前が選んで良いぞ」

そういえばそうだっけ。島田さんと秀吉と康太の3人が使ったし、なら

「高橋先生!科目は日本史でお願いします」

……俺としての本領を発揮して見せるほかあるまい。

明久side end

 

優子side

明久の纏ってる雰囲気が変わった!これが本気の明久なのね。

いつもは見せない明久の素顔、それは纏う雰囲気によって2つに分類されるわ。

一つは今まで通り、優しくて私の事を可愛いと言ってくれる明久、これが皆の知ってる明久なの。

でも、それとは別にもう一つの素顔ーそれが今の明久、冷徹な氷刃のような雰囲気を持ち、その口調は普段とは打って変わったシビアで現実主義な言葉を言う一見真逆に見えるけど、その本質はは友への友情や熱い心を持っていて、なんら変わらないの。

「悪いが俺は本気で行かせてもらう。それこそが、友である雄二のためになるだろ」

急な口調の変化に坂本君も驚いているようね」

「あ、明久?」

「始めるぞ」

そう言うと同時に召喚フィールドが展開される。

「ねえ、優子?吉井君どうしたの、急に口調が変化したけど」

アタシが試合に集中していたら同じクラスの美穂が話しかけてきた。

彼女は佐藤美穂、アタシのクラスメイトで友達なの。

ボブカットに眼鏡っ娘、今でこそ活躍してないけど、成績は上位だった。

「あれは、明久のもう一つの素顔で戦国の三築城名人の1人藤堂高虎の魂と融合した状態なの。あの状態の明久は見た目はそのままだけどその実力は折り紙つきなぐらい強いわ」

アタシは困惑している美穂に伝える。

「そうなんだ、でもどうして彼に藤堂高虎の魂が宿るの?」

「さあ、私も知らないわ。でも気づいた時には明久の中に居たのよ」

私達が話している間にあちらでも対峙したまま動かない。

頑張って明久、応援してる。

優子side end

 

明久(高虎の魂と融合)side

試験召喚(サモン)‼︎』

互いの召喚獣が召喚する。

俺の召喚獣には青を基調にして腕、肩、脚そして胴回りに着けられた鎧そして腰に差してある2本の刀、名は大兼光と長船長光の2振り、そして連射性に富んだ2丁拳銃。大して奴の召喚獣は改造制服に素手だった。

「野性味溢れているな、素手で勝負しようとは」

俺は奴を鼻で笑う。

「よく見ろ、メリケンサックが付いてるだろ」

あまり変わらないがな。

Fクラス 坂本雄二:246点

V.S

Aクラス 吉井明久:1560点

点数が表示される。まあ、まずまずか………

「なっ⁉︎1000点越えだと!」

「どういうことだよ、吉井って観察処分者だろ?」

「カンニングか⁉︎」

『それだっ‼︎』

Fクラスからはありもしないこと抜かしているな。さすがは馬鹿の集まりだ。

「吉井‼︎カンニングなんてしてお仕置きよ!」

「吉井君!カンニングしてまでAクラスに居たいんですかっ‼︎」

奴らも馬鹿の仲間だったか。哀れだな元学年次席クラス

お、優子が睨んで止んだ。

流石は優子だな。

「驚いたぜ明久、お前がそこまで高得点保持者になっていたとはな」

「俺はただ、愛する者の為に努力するだけだ」

優子が明久…と呟くのが聞こえた。

その言葉を境に2人共黙り込む。

相手の隙を伺っているのだ。

(仕方ない、雄二相手に出し惜しみをする必要もない)

俺は召喚獣に大兼光を握らせると回り込むように走らせながら雄二に近づく。雄二とてただやられるのを待つほど愚かでもなく、俺とは反対側に回り込みながら近づいてくる。

そして刀の届く距離に近づいて直ぐに斬り込む。

それらは防がれ雄二がアッパーを放ってくるが紙一重に交わし、もう片方の長船長光の柄に手を掛け一気に引き抜き様に抜刀の一撃を繰り出して帯刀する。

それは予想していなかったのか雄二はそれをなんとかメリケンサックで防ぐが少し掠った。

Fクラス 坂本雄二:176点

「掠っただけで70点も奪われたのか」

そう呟くと雄二が真っ向から突っ込んでくるので迎え撃つ。

上段回し蹴りを肩の鎧で逸らし斬り付けるがそれをメリケンサックのフックで応戦してくる。

その後も致命的な一撃を与えれずに剣撃が繰り返される。

ストレートを避け、袈裟斬りをするとそれをメリケンサック一個で止めようと踏ん張る。そのまま鍔迫り合いとなり、その後離れる。

点数もさっきの戦闘で雄二の方も大分減っていた。

Fクラス 坂本雄二:72点

後少しか、一気に決めさせてもらう。

そして剣を一振りした後鞘に直し、居合の構えを取ったまま

「腕輪発動!魔力解放・黒‼︎」

そう叫ぶと鞘に収められた刀が黒いオーラを宿す、と同時に

俺の召喚獣はも同じオーラを纏い、点数が修正される。

Aクラス 吉井明久:1500点

「この一撃で、くたばれ‼︎」

そして雄二が突っ込んでくると同時にそう叫び、巨大な斬撃を放つ。

それは雄二の召喚獣の残りの点数を全て奪い取った。

Fクラス 坂本雄二:0点

「そこまで、勝者Aクラス。よってこの戦争Aクラスの勝利です」

 

 

 

「まさかお前がAクラスの代表だなんてな」

雄二がこちらに来てそう言う。

「まあ、色々あってね。でも雄二もやるじゃん、僕相手によくあそこまで善戦出来たね」

「ああ、自分でも驚いてるが結構しんどかったぞ。お前の攻撃予測できねえからな」

そりゃそうだ、あれは自己流にアレンジした新陰流の応用なんだからね。

「さてと、戦後対談だな」

「ああ、それね。負けた方が勝った方の言うことを一つ聞くってのでどうかな?」

あの時島田さんはこっちが勝った時の条件を聞かなかったし、こっちで決めるさ。

「なら工藤とムッツリーニ以外だな。他の奴らは帰ってもいいぞ」

その言葉を聞いてFクラスの生徒は帰ろうとした。

「待ちな、アタシからも話があるんだ。少しお待ちクソジャリども」

なんていうか、口の悪い学園長だよな。

高虎もそう思うでしょ?

ーそうだな、アレは流石に不味いな。

高虎も同意してくれる。

「まず吉井、アンタの観察処分者から外す。次に島田、アンタを観察処分者に任命する、最後に姫路は準観察処分者とする」

わお、まさかの僕が観察処分者の任から外されて島田さんと姫路さんが代わりに任命されたよ。

「ちょっと待ってください。なんでウチ達が任命されるんですか⁉︎」

「そうです!納得できません!」

うわあ、思いっきり反論してるよ。

「こいつはスポンサーの1人が映像データを送ってくれてね。それで決めたのさ」

なるほど母さんがやってくれたのか。やっぱり愛情はあるんだね。

「さてアタシからの話は以上だよ。でも西村先生の話があるかのでそのまま待機するように」

そう言って鉄人と入れ替わるように出て行く。

えっ?鉄人からも話があるんだ。

「我がFクラスの諸君ご苦労だった」

あっ担任になったんだ。

「我が?」

「Fクラス?」

彼らがオウムのように繰り返す。

「お前達が負けたことで、Fクラスの担任が福原先生から俺に変わったんだ。これから死に物狂いで勉強できるぞ」

『なっなにー⁉︎』

まあ、初日から試召戦争、その2日後に最高峰(ここ)に試召戦争を挑んだから、皆の授業は少し遅れ気味だ。仕方の無いことだろう。

「煩いぞ!お前達の試召戦争で授業が予定より遅れているのだ。そのためにお前達には授業とは別に補習の時間を2時間つけてやる」

程々にしてあげてください。

「なら吉井は⁉︎アイツは元観察処分者ですよ」

僕は要らないよ。

ーお前はこれ以上賢くなっても大学の教授になる可能性が出るだけだな。

高虎自身もこう言ってるし、何より

「その必要はない。吉井は今や成績優秀、知勇兼備だ。何より奴はハーバード大学の試験問題を振り分け試験前に解いていたぐらいだからな」

その言葉にこの場にいる全員の視線が集まる。

他にも有名どころは粗方解いたけどね。

「マジかよ………」

「代表の賢さ底知れないわね」

あれ?なんか引かれてる?

ー同年代がそこまで行くとすごいを通り越して畏れの部類に入るな。明久はそのうち菅原道真と肩を並べて祀られるかもな。

いやいや、それは無いでしょ?

それだけ言うと、出て行ってしまった。

「そ、それじゃあ続けようか」

僕はなんとかこの空気を変えるため話題を出す。

雄二もハッとなり参加した人を集める。

「まずはアタシね。そうね、明久に二度と近づかないで頂戴」

優子がバッサリと要求を告げる。

「なんでよ!」

「変える気は無いわ。観察処分者さん」

そう言って挑発する。

「僕も同じだよ、姫路さんだっけ?君も明久には近づかないでね」

シャルも親戚としてそういうこと言ってくれるんだ、嬉しいな。

「どうしてですか⁉︎」

優子とシャルの言葉に反論する2人、アホだ。

「あら?アタシ達はただ代表の言葉に従っただけよ?何も不公平なことは言っていないわ」

流石は優子、口論では負けないね。

「俺はこれからも友達として仲良くしてくれ」

一夏らしいな、うん。

「そんなのお安い御用じゃ」

「雄二に酷いことしたら………するから」

今のは聞かない方がいいかも。

最後は僕か、どうしようかな?何も無いしな

「僕は保留で、何も思いつか無いし」

こうしてFクラスによる試召戦争は一度幕を下ろしたのだった。




終わった〜‼︎ようやく、試召戦争編終了、次回は日常編です。それでは、次回の作でお会いしましょう。


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閑話その1
11話


日常編は明久のデートです。
オリキャラを出そうと思います。
ちなみにその子もいずれは文月学園に通うことになります。


明久side

Fクラスとの試召戦争が終わり、今日は日曜日だ。

僕は家ですることもないので掃除と洗濯をした後、家の自分の部屋でエロ本がなくなり綺麗になった本棚に参考書や問題集を仕舞いこむ。

「ふう、これで掃除おしまいっと。何しようかな?」

洗濯物を先に畳んでタンスやクローゼットに仕舞い、その後家の掃除をしてゴミを一纏めにして玄関の近くに置く。

そうして全てが終わると手持ち無沙汰になり、何をするか困ってしまう。

「どうしようかな〜?優子にでも電話してデートでも行こっと」

ビンポーン♪

そう言って携帯を取り出し優子に電話をかけようとしたら、不意にチャイムが鳴り来客を知らせる。

「誰だろ?はーい、今出まーす」

そう言ってゴミをゴミ箱の隣に置き玄関のドアを開ける。

「明久♪」

来客は笑顔の眩しい優子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達は今、文月市の一番大きい繁華街に来ている。

どうしてかって?優子とのデートに決まってるじゃん。

今日の優子の格好は上は白の半袖シャツに黒色の短めのスカートに黒のパンプスに茶色の手提げバックを持っている。

う〜なんて可愛いんだ。この可愛さは反則すぎるよ。

「へ、変かな?」

優子が上目遣いでこちらを見てくる。

やめて⁉︎僕のライフはもうゼロだよ‼︎

可愛すぎるよ(可愛いよ)

あれ?優子の顔が真っ赤だ、熱でもあるのかな?

そう思っておでことおでこをくっつける。

するとますます、優子の顔が赤くなる。

「明久、恥ずかしよ……///」

優子が赤いまま恥ずかしいという旨を伝えて来てようやく分かる。

「ああ、ごめん!」

そう言って僕は優子と離れるけど手を離さない。

 

なんのためここに来ているのかはさっき言った通りデートだ。でも行く経緯は少し離さないといけないね。

 

 

遡ること20分程前

僕の家にオシャレした優子がやってきた。

「いらっしゃい優子、デートのために来たの?」

優子は笑顔のまま頷く。

可愛いなコンチクショウ!これが僕の許婚でいつかは僕の奥さんになると思うと頬が緩みそうだ。

「待ってて、すぐに着替えてくるから」

そう言って優子を家に上げてリビングで待ってもらう。

僕は自分の部屋に戻り、外に出かける用の服装に着替える。

着替え終わり、リビングに戻って優子を抱きしめてキスする。

これがデートに行く前の僕らがする日課だ。

そして、家の電気とガスの元栓が閉まってるのを確認すると家の戸締りをして優子と腕を組んでデートへと洒落込んだ。

そしてさっきの文に戻るわけ。

やっぱり優子とのデートは嬉しいな。

今日はどこに行くのかな?

そんなふうに思う僕だった。

明久side end

 

 

 

 

???side

あれ?あそこにいるのアキかしら?

私は兄さんを連れて、アキの方に近づく。

「アキ、久しぶり」

私はアキのそばに行って女の子と話しているアキの肩を叩きながら話しかけた。

「ん?えっと、誰だっけ?」

嘘でしょ忘れたの?私の事、ショックね。

「おいおい明久、俺たちの事忘れたのか?中学の時の田村 速和だって」

「カズなの?随分雰囲気変わったね」

アキ本気で気付かなかったんだ………

「それでそっちはお前の彼女か?」

確かに腕抱き合ってるし、私の事ジロジロ見てくるし、どうなのかしら?。

「あっ紹介するね、僕の許婚の優子、優子こっちは僕の中学の時の同級生の田村速和と双子の妹の田村沙織だよ」

アキがそれぞれ紹介する。

「明久の許婚で従兄妹の木下優子よ、よろしく」

そう言って木下さんは手を差し出す。

「妹の田村沙織。アタシは明久を狙ってないから安心していいわ」

そう言って私は握手に応じる。少し彼女の表情が柔らかくなる。

「弟がいるから優子でいいわ。よろしくね沙織」

「そう、よろしく優子」

私達はお互い笑顔になる。

「これからどうするんだ明久?」

兄さんが明久に問いかける。

「う〜ん、これから映画に行こうと思うだ」

以外に明久がデートに積極的ね、驚いたわ。

沙織side end

 

明久side

僕たちは速和と沙織と別れると今流行のラブロマンスを見るために映画館に行った。

映画は物凄く楽しかった。

主人公は好きな人の為に一生懸命頑張ろうとする男の子が女の子と話して何時しか2人の仲は更に深まり、そして付き合って幸せに過ごすという定番そうな感じだけど、逆に親近感が湧いて良かった。

「楽しかったわね明久♪」

優子はすっかり機嫌が良くなり、映画終わってからずっと笑顔だ。

「うん、そうだね。僕にしたら親近感が湧いたよ」

「もうっそんな事言ったらもっと好きになっちゃう」

そう言って優子は僕に抱きついてくるので抱きとめる。

「お昼どうしよっか?」

僕は優子に聞いてみる。

「う〜ん、そうね。明久と一緒なら何処でもいい」

そう言ってきた。何処でもいいと言われると困るな。

「安上がりだけど、お昼だしあそこにあるレストランにしよっか?」

「私は構わないよ」

そう言って2人でうでをくんだままレストランに入って行く。

そこは少し洒落ていて、なんだかホッとする場所だった。

僕達は店員に案内されて、窓際の日当たりの良い場所に案内される。

席に向かい合って座り、お互いにメニューを見る。

「ねえ明久、これ2人で頼まない?」

「どれどれ?」

そう言って優子が指さしている場所を見るとそこにはカップル様限定の文字があって、他のよりは値はするけど、美味しそうな鶏もも肉の照り焼きチキンセットにカップルジュースが付いていた。

オマケに店員がそのジュースを飲んでいる時をカメラに収めて後日記した住所に届けてくれるらしい。

「いいよ、すいませ〜ん」

「はい、ただいま」

そう言って小柄な男性店員がメニューを記録する道具を持ってやってくる。

「えっとカップル限定の鶏もも肉の照り焼きチキンセットを2つお願いします」

「はい、カップル限定鶏もも肉の照り焼きチキンセットがお二つですね。サイドメニューはどう致しますか?」

う〜ん何にしよっかな。

「僕はこのオリジナルスープと小エビのサラダでお願いします」

「はい、小エビのサラダがお一つ、もう片方のお客様は何になさいますか?」

店員さんが優子にも尋ねる。

「そうね、ならこのフオッカチオをお願いするわ」

「畏まりました、フォッカチオがお一つですね。他にご注文はございませんか?」

店員が聞くけど別にないので無いと伝える。

「では、ご注文を繰り返します。カップル限定鶏もも肉の照り焼きチキンとオリジナルスープと小エビのサラダのセットがお一つ、同じくカップル限定鶏もも肉の照り焼きチキンとフォッカチオのセットがお一つ、以上でよろしかったでしょうか?では、少々お待ちください」

そう言うと店員は厨房の方へと向かう。

僕達は注文した料理が届くまでの間、映画の内容について話の花が咲く。

「それにしても良い映画だったね」

「そうよね、特に最後の方なんてアタシ泣いちゃったわ」

優子がしみじみとした感じで最後の方を振り返る。

確かに最後は泣いたよ、その人の為に命の危険も顧みずに助けようとする姿は僕達だけでなく、映画を見ていた人達皆が涙を浮かべたんだからあの監督はすごいと思う。

「お待たせしました、カップル限定鶏もも肉の照り焼きチキンセットでございます。お皿が熱くなっておりますので、お気をつけお食べ下さい」

そう言って店員さんが運んで来た料理を僕達の前に置く。

照り焼きソースの良い匂いがする。

「こちらでの写真は、先にお撮りなるか、それとも食後に撮るかを選ぶことができますが如何致しますか?」

先に撮ってもらったらどうなるんだろう?

「先に撮ってもらうとどうなるんですか?」

優子も気になったのか尋ねる。

「その場合でしたらお客様にお時間を頂きますとスタッフが現存して直に手渡しできます」

「ならそれでお願いします」

「畏まりました、それではお二人様はジュースのストローに口を付けてこちらを向いてください」

僕達は言われた通りにする。

店員はもう一人の店員が持ってきたカメラで僕達を撮る。

「それではごゆっくりどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、食べさせあったりしながらゆっくりと料理を食べてお会計を済ました。

その後も繁華街を歩いてウィンドウショッピングを楽しんだ。

気が付けば太陽が傾いていて夕方になっていた。

「今日も楽しかったね」

「本当ね」

僕の言葉に優子はそう返した。

「……私は幸せね」

不意に優子がそんな言葉を呟いた。

「急にどうしたの?」

「幸せすぎて、こころがホッとするなって思っただけ」

そう言うと僕に抱きついて来た。

「今日は泊まっても良い?」

「良いよ、僕も優子とまだまだ居たいし」

明日の授業の用意は明日の朝に優子の家によって持っていけば良い。

そうして僕らは夕陽が沈む街をバックに家路へ並んで歩いた。




どうでしょうか?作者なりに考えて書きました。
ラブラブになるように書けていたら幸いです。
それでは次回の話で会いましょう。



感想等ありましたら、お気軽に下さい。
オリキャラについてはいずれ載せます。それでは今度こそ、さようなら


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12話

速和さんから見た中学時代の明久と速数の過去話。
速和さんと沙織さんは田村家の養子です。


速数side

これは俺がまだ中学1年の時の話だ。当時の俺は勉強こそ全てだった。

そして勉強ができない人間を見下していた。そして俺は何時しかイジメの対象になっていた。

それを助けてくれたのは、妹との確執を取り除いてくれたのは学校でも馬鹿で有名な明久だった。

 

俺は小さい頃から他より特出して学力が優秀だった俺は父から将来を期待されていた。俺はその期待に応えるために努力を惜しまなかった。

でも俺が父親に認められれば認められる程に妹である沙織との距離は開いていった。父は余り沙織を好いておらず、何時もお前はどうしてそうなんだと怒鳴っていた。それを見て育ったからなのか、俺は次第に家族や親戚以外の人間を見下すようになった。

それは学年が上がれば上がるほど恥ずかしいがエスカレートしていった。

先生は皆俺の味方だった、それが更に俺の増長に拍車をかける。

それは止まらない歯車のように悪循環を生み出し続けて俺は気が付けば学校で一人でいることが多くなった。いや、多くなったんじゃなくて皆が俺を避けるようになった。

小学校を卒業して中学に入学しても俺の態度は変わらなかった。学年で一番の秀才だった。でも、誰も俺とは話そうとはしなかった。俺は何時も一人だった、何時も何時も一人だった。

そして次第に俺はクラスでイジメを受けるようになった。

最初は下らないと放っていたが一向に止まない。先生に相談しても一時凌ぎにしかならなかった。ある一定の期間が過ぎるとまたイジメが始まる。それは俺の態度のようにどんどんとエスカレートしていった。

そしてそんなある日、母が亡くなった。そのまた数日後、今度は妹である沙織が家を出ていった。沙織の部屋を整理していると手紙が出てきて、そこにはこう書かれていた。

「私を人として見てくれない親と一緒にいるのは我慢できません。家を出ます、探さないでください」

その下にはP.Sと書いてあってこう記されていた。私は兄さんが羨ましい。父さんに可愛がられ、母さんからも愛情を注いで貰っていた兄さんが憧れであり、羨ましくもあった。そして母さんが亡くなった今、私にこの家での居場所はない。さよなら兄さん、いやまるめ速和さん」

それを父に見せたが父は一瞥するとその紙を破り捨てた。

父にとって沙織は邪魔だったのだろう。

沙織は俺にとって勉強以外で唯一の人としての大切なものだった。

沙織が出ていって俺はイジメに対する反応が出来なくなっていき辛くて悲しくて屋上で泣いていた時アイツは現れた。

「なんで泣いてるの?」

ソイツのことは知っていた。

学校でも問題児として有名な吉井明久だ。

俺は最初はコイツの事を信用しなかった。

でも明久は他の奴とは違った、純粋な心で俺に近づいた。

俺は何時しかコイツとー明久といる時だけは優等生でなく、1人の中学生として一緒に楽しんだ。そうして俺は皆に謝った、今までのことがあって最初は信用されなかったけど皆は最後は俺を認めてくれて友達になって学校が楽しくなった。

だが、父はそれを許さなかった。あろうことか明久を疎み明久を転校させようとした。それを知った俺はどうにもできないことに後悔した、だけど現実はその斜め上を行った。

妹の沙織が居たのだ。俺は最初謝った、沙織は俺を恨まず明久のお陰で俺と和解したいと思ったのだ。俺も仲の良い兄妹として過ごしたかった。その後、俺は明久の両親吉井明彩さん計らいで母親の従兄弟、田村清麿さんかの養子になった。親父とは親子の関係をたった。こうして俺達は新たな両親の元で明彩さんの後見で楽しい学生時代を送った。

これが俺の明久との出会いだな、明久が居なけりゃ今の俺は居なかった。




やべえ駄文だよ、でもこれは載せないとならないから仕方ないか。
今回のは明久さんと速和さんの過去話です。まあ、明久さん全然出てないけどね。
それでは皆さんさよなら、また次回、沙織の回想で会いましょう


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13話

明久さんと出会い運命を救われた少女の過去の回想


沙織side

アタシは父さんが嫌いだった。父さんは何時だってアタシを評価してくれなかった、まるでこのぐらいできて当然だと言わんばかりにアタシを兄さんと比較し、兄さんには良い評価を、アタシには全うな評価をされなかった。

何時だってアタシは兄さんのおまけ………そんな毎日だった。

アタシがそれでも耐えれたのは母さんがいたからだ。

兄にも愛情を注いでいたけど、母さんはアタシに父さんから与えられなかった愛情を全て与えてくれた。

アタシは母さんのために一生懸命に努力した、それはもう兄さんにも負けないように、でも父さんの評価は変わらない。

そして次第にアタシと兄さんの兄妹の仲には亀裂と言う名の溝が出来始めた。それは年を重ね、学年が上がるたびに深く広がった。

最初の頃はそこまで酷くなかった。時々口論したりするぐらいだった。

それが段々エスカレートして今ではあの頃の仲の良かった兄妹の面影は何処にも無かった。同じ家に住んでいるのにまるで他人の様に振る舞っている。血を分けた兄妹なのに………仲良しの二卵性双生児だったのに。

私はそれなりに可愛いので女の子から色々なアドバイスをあげたり、サポートするけど私自身は荒れていた。

チンピラに売られた喧嘩はとことん買ってフルボッコにして、師弟にした。

アタシは母さんと違い髪の色は父さんと同じ緑だった。

それは兄さんも同じで、それだけはアタシと兄さんの唯一の繋がりだった。

でも父さんはそんなアタシに愛情を注いではくれなかった。

言ってくるのは何時も説教や落胆のセリフばかりだった。

そんなのばかりだから私はチンピラを憂さ晴らしの道具に使っていた。

喧嘩をして、師弟にしてグループを作る。

成績は悪くは無かったけど、学校では清楚で可憐な女の子として過ごし、放課後は師弟に色んな他のチンピラを焚きつけさせソイツ等をボコすのを楽しんだ。

それだけが楽しかった。何時しかアタシはそのやり取りと母さんとの話だけが生き甲斐になった。

そんなある日のことだアキと会ったのは

アタシはアキがものすごく面白いのを他の女の子から聞いていたので面白半分で彼をからかうことにした。

嫌がってるけどアキとのそれは次第に楽しくなった。

そして親しくなるにつれてアタシは裏の生活が堪らなく嫌になりだした。

そして最後の決闘を境にアタシは裏の生活から足を洗い、グループを後任に任してカタギの人として過ごすようになった。

悲劇があったのは、その数日後だった。母さんが病気で倒れまたのだ。治る見込みもないぐらい危険な状態だと医者から告げられた。

その翌日母さんが亡くなった。

亡くなってしまった今母さんのお陰で家の居場所が在ったアタシは存在自体が危ぶまれた。

父さんからの嫌がらせの毎日、アタシは学校では元気に振舞っても家では何も出来なかった。

そして決意した家出しようと、アタシは兄に手紙を残すと持ってたお金と衣類をバックに詰めて親の目を盗んで家出した。

 

それから何日も経った。友達の家に泊まらせてもらって暫く過ごしたけど、そのあとは宛てもなかった、そして出会ったのがアキだった。

アキはアタシの身の上を話すと憤った。

そしてアタシをアキのお母さんの元に身を寄せてもらった。

そこからは天国のようだったのを覚えてるわ。再び学校に通い、数年ぶりに兄さんと和解して残りの学生時間を楽しく過ごした。

やっぱりアキには敵わないよ、アタシを救ってくれたひーろーさん

 




次回は清涼祭編をアップしようと思います。
それでは皆さんさよなら
コメント、感想、活動報告のアンケート良ければ回答下さい。
お待ちしてます。
それでは次回の小説で、お会いしましょう


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清涼祭編
14話


教師にある人物を呼んでみました。
それでは本編どうぞ


明久side

優子との休日デートから2日後、今日僕は高橋先生に呼ばれていた。

どうしたのかと思いながら、優子にメールを送る。

その後、返信が来て、お昼一緒に食べれるなら許してあげると来たので、分かったと返してお弁当を作る。優子の分は本人が作るので、僕が作る必要はない。

お弁当は定番の出し巻き卵に僕の好きな唐揚げ、優子の好きな厚切り豚バラの照り焼きと海老とカリフラワーのタルタルサラダを入れておく。

他にも、プチトマト、ブロッコリーなんかを入れる。

それをカバンに詰め筆記具と必要なノートをカバンに収納すると戸締りとガスの確認をして家を出る。

時刻は午前6:30

登校している生徒は殆ど居ない。そんな中僕は1人桜を眺めながら歩いていた。

まだ一週間ほどしか経っていないのに随分と感慨深い。

歩いて行くと西村先生が校門の前で待っていた。

「おはようございます西村先生」

「ああ、おはよう吉井」

目が合ったので挨拶すると挨拶を返してくれた。

西村先生は僕が来たのを確認すると背を向けると付いて来いと言うので、大人しく付いて行く。

付いて行くと先生は学園長室とプレートに書かれた扉の前まで行くと止まる。

「先生、用があるのは学園長なのですか?」

「そうだ、正確にはこの学校のメインスポンサーがやって来て吉井と今日からくる転入生と新任の副担任の教師の紹介だそうだ」

し、新任教師って………あの人本気で教師なんて務まるのかな?

「学園長、西村です。吉井を連れてきました」

そんなことを考えていたら先生がドアをノックしていた。

『入りな』

「失礼します」

そう言って西村先生が入るのでそれに続いて入ると学園長のデスクを挟んで学園長と僕の母さんが対峙していた。

「来たわね、久しぶり明久」

やっぱり母さんだった。本当に母さんって何してるんだろ?ていうかうちの家族って何者なんだろ?

「それじゃあ、当人も来たことだし紹介するわね。新任教師の坂田銀八先生よ」

そこには忘れもしない、腐った魚の目にけだる気な表情をして爆発したみたいな銀髪パーマの先生がいた。

「久しぶりだな明久、元気にしてっか?」

この口調忘れもしない。ダメ先生なのによく雇ったな。

「ええ、久しぶりですね銀髪パーマ先生」

「誰が銀髪パーマだ⁉︎ストレートパーマ先生だ!」

ボケたらうまい具合に突っ込んでくれた。

というかどっちもパーマじゃん、変わんないじゃん。

「アホなことやってるんじゃないよ、坂田先生も一々拾ってるんじゃないよ。話が長くなるじゃないか」

学園長がまともな事を言うけど、本音は研究があるから時間とるんじゃないよって事だろう。

「明久もからかうじゃないの、この銀髪パーマのダメで無一文で、基本ジャンプ読むしか能のない先生でもアンタの副担任よ」

母さん思いっ切り抉ってるから、銀さん凹んでるから

「酷えよ、銀さんのガラスのハートは粉々に打ち砕かれたよ」

うわあ、前より打たれ弱くなってる。

「そういえば学園長、転入生というのは?」

「おいコラ、無視すんじゃねえー⁉︎」

「煩いぞ坂田先生!」

そう言って西村先生にゲンコツ食らう銀さん、痛そうだ。

「それは私が答えるわ」

母さんが発言する。

「母さん、僕の知ってる人なの?」

僕が標的を母さんに変えて質問する。

『失礼します』

母さんが答える前に学園長室の扉が開けられカズと沙織が入って来た。

「カズ、それに沙織⁉︎じゃあ転入生って2人なの?」

「ああ、そうだよ明久」

「ふふ、またよろしくねアキ」

2人は笑顔そう言った。

「ほかにも新任は居るが、今日はまだ来ていない。明日の全校集会で紹介する」

そう言われたので僕は学園長室を後にした。

明久side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

no side

これはどこかの教室、そこには2人の人物がある人物と接触していた。

「???、本当にそれをすれば◾︎◾︎◾︎は私たちの者になるですね?」

相談を持ちかけられた方は最終確認をする。

「ああ、あのクズは目障りで仕方ないからな。なんとか出来たら彼の事は君達が好きにすると良い」

持ちかけた方もその旨を了承する。

「頑張りましょう◾︎◾︎◾︎」

「ええ、そうね◾︎◾︎も期待してるわ」

3人の人物は不気味な笑いをあげると教室を後にした。

たまたま、それがムッツリーニのマイクとカメラに拾われているとも知らずに




というわけで新しい先生は3年Z組の担任の坂田銀八です。
彼が加わる事でどのように変化するのか?乞うご期待!


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15話

教師の数を増やしてみることにしました。

バカテスト 英語
問題 This is the bookshelf that my grandmother used regulary.

吉井 明久、田村 速和、田村 沙織、姫路 瑞希、木下 優子の答え
「これは、私の祖母が愛用していた本棚です。」

教師のコメント
正解です、勉強を疎かにしていない人には簡単すぎましたね。

土屋 康太、木下 秀吉の答え
「これは…………」

教師のコメント
Thisの部分しか分からなかったのですか?きちんと勉強をし、予習復習をしましょう。

横溝 浩二の答え
「分かりません!」

教師のコメント
潔いのは良いことですがこれではダメです。


明久side

学園長の話が終わった後、僕は教室に向かいながら今後来るであろう先生の事を考えていた。

(銀さんが来るのはまあ5万歩譲って有りとしよう。でも、ほかに誰が来そうだろう?芳乃先生だったらマスコット扱いだろうな。暦先生は勘弁だな、そういえばここって千冬さんもいるんだよね。なんだろう、知り合いが多い気がする。)

こんな事を考えていたからか、廊下の角の場所で誰かとぶつかってしまった。

「うわっ⁉︎」

「きゃっ」

僕らは互いにその場に尻餅をついてしまう。僕はすぐさまに立ち上がって、そちらを見る。

「アイタタっ………」

ぶつかった相手は女の子で僕の後輩のようだ。

「ごめん、大丈夫?」

手を差し伸べるとありがとうございますとお礼を言いながら立ち上がる。

「平気?怪我してない?」

僕は後輩の子に聞いてみる。

「大丈夫です。すいませんっそれじゃっ」

それだけ言うと慌てて階段を上って上の階へと駆けて行った。

どうしたんだろう?と疑問に思いながら僕は教室に向かう。

 

 

 

 

 

「それでは今回、間近に迫っている清涼祭の出店に関して何か意見のある人は、挙手をお願いします」

あの後、何事も起こらずH.Rでカズと沙織の自己紹介が行われ、清涼祭のためにL.H.Rが組まれた。

要は議題だけでも決めておけと言う高橋先生から言われてるのだ。

「何か無いですか?この議題が決まらなければ、我々は学園祭で虚しい事になります」

僕がそう言うと数人が手を挙げる。

「それじゃあ、霧島さん」

「………メイド喫茶」

霧島さんは当てられるとスッっと立ち上がり意見を言い終えるとさっと座る。意見なのでディスプレイに写すためにノートパソコンに打ち込む。

「他はって………皆喫茶店だったんだね」

打ち終えると殆どが手を下ろしていて、挙げているのは沙織だけだった。

「それじゃあ、沙織意見をどうぞ」

僕は沙織を当てる。

「えっとね、ディナーショーっていうのはどうかな?私ってこう見えても有名人だし、出る人は限れるしね」

そういえば沙織って今人気の高校生歌手だっけ?確かにこれならイケるかもしれない。

「良いの?そうなると動物園のパンダみたいになるけど」

「明久、それは比喩が濃いぞ」

僕がそう言うとカズがツッコミを入れる。濃いかな?なら

「ウーパールーパー?」

「まだ濃いって………」

そんなやりとりか10分ほど続いた。その間にも僕はエリマキトカゲ、アザラシ等の比喩を言ったが全て濃いって言われてしまった。

「意見はこの2つです。それでは多数決を取ります、自分がやりたい方に手を挙げて下さい。先ずは………」

 

 

結果、大多数が田村沙織のディナーショーに手を挙げたので決定した。

「それでは今年の僕達の出し物は田村沙織のディナーショーでよろしいですね?それではこれにてこの議題を終えます」

僕の言葉を最後に議題は終了した。後は時間がある時に用意するものを用意して席を用意すれば終わるな。これが終わったら学園長に申請をしに行こう。

ピンポンパンポーン

『2年Fクラスの坂本雄二君、補習が終わり次第直ちに学園長室に来てください』

雄二、また何かやったのかな?

余談だが、このことを友人にも聞かれて必死に説得していた雄二だった。

 

 

 

L.H.Rが終わると僕は教室を出ようとすると優子に呼び止められた。

「どこ行くの?」

「学園長に申請しに行ってくるから待って「私も行く。明久と一緒に居たいもん」て、はぁ〜分かったよ」

僕は諦めると優子を伴って学園長室に行く。

階段を降りて、すぐのところで雄二とばったり遭遇した。

「明久に木下姉、お前らも学園長室に用か?」

「そうだよ。出し物の申請でね」

そんなやりとりをしながら3人で歩く。

学園長室の前に来ると中から口論のような声が聞こえてきた。

『賞品としての………』

『…………』

「居るみたいだな、失礼するぞ」

雄二は何の断りもなくズカズカと学園長室に入って行った。

「ちょっ雄二⁉︎」

「本当に失礼なガキだね。普通はノックをして返事を待つもんだよ」

もっともだ。

「し、失礼します学園長」

「失礼します」

僕達も一礼しながら入る。

部屋にいたのは学園長と僕の母さんでメインスポンサー吉井明彩、そして

「やれやれ、飛んだ来客ですね。これでは話が出来ません、学園長あなたの差し金ですか?」

この学校の教頭の竹原先生だ。顔がイケメンなので一部の生徒には人気があるが、僕はこの先生が嫌いだ。この人は僕や雄二なんかをまるで人でない物を見るような目で見る。

「バカ言わないでおくれ。アタシに何のメリットないじゃないか」

「どうだか?学園長は色々と隠し事があるよですが?」

「あなたにもあると私は思いますが?」

学園長に問いかけた竹原を母さんが見つめる。その目を見ると大人しく引き下がる。

「いいでしょう、今日の所は退散しましょう」

そう言ってチラッと植木鉢を見たのを僕は見逃さなかった。

「それで、吉井と木下は何の用だい?アタシは坂本しか呼んでない筈なんだかね」

学園長が机に肘をついて手を組みそこに顎を乗せる。

「学園長に近々行われる清涼祭の出店の意見を書いたので提出に来ました」

僕が学園長の意識を向け差せているうちに母さんがこっそりと植木鉢に仕込まれていた盗聴器を破壊する。音もなく破壊する辺り流石だね。

「うん、確かに受け取ったよ。で、さっきから木偶の坊みたいに固まってるアンタは誰だい?」

学園長が優子に質問する。確かに何もすることないし立ってたけどそれはないよ。

「私は代表の付き添いで来ましたAクラスの木下優子です」

優子が優等生らしく名乗る。

「そうかい、それなら構わないよ」

学園長はそう言うと今度は雄二に目を向ける。

「で、そこの礼儀を知らないクソジャリは誰だい?」

挑発しないでください。

「申し遅れました。私が2年Fクラスの坂本雄二です」

ゆ、雄二が敬語、だと⁉︎

ー明日は槍か?

(高虎失礼だって)

ーアイツの行いの悪さが原因だ。

高虎は全く悪びれる気がないらしい。

「そうかい、アンタが無謀にAクラスに喧嘩を振った代表かね。気が変わったよ、アンタが頼みたい事があるんならそれとの交換条件でやってやろうじゃないか」

本当に教育者と思えない口の悪さだ。

「私がババア長に頼みたいのは教室の改修です。それが受けれんなら交換条件とやら聞いてやろうじゃないかババア」

すぐにメッキが剥がれてきて最後には罵倒になっていた。

「腹が立つ奴だが仕方ないね。アタシが頼みたいのは………明彩頼んだよ」

「分かったけど今の私はこの学校にスポンサーなのよ母さん(・・・)………仕方ないわね」

えっ?僕の母方の祖母が学園長なの?

優子の父方の祖母も学園長………びっくりだ。

「清涼祭の開催中に行われる召喚大会の事は知ってるわね?」

その言葉に僕達は頷く。

この学校を売り出すためのPRとして清涼祭で召喚獣を使った大会が行われる。

「ならその大会での優勝賞品については知ってるわね?」

それも知っている。優勝者には新しい腕輪は《白金の腕輪》と《黒金の腕輪》と呼ばれていて、《白金の腕輪》が教師が立ち会わなくても召喚が出来る代理召喚の権利を得れるという物。

《黒金の腕輪》には召喚者が召喚獣と一体化して召喚獣として戦うという能力があるって言われてるそうだ。

この間母さんが送ってくれた資料に載ってた。

そして準優勝者には《如月グランドパーク》のプレミアムチケットが贈呈されるらしい。その賞品に何か不備あったのだろうか?

「それがどうしたの?」

優子がもっともな疑問をぶつける。

「実は嫌な噂を聞いてね」

あっ結婚させようっていうジンクスか、それ解決してるのに母さんめ報告してないな。僕がチラッとそちらを見ると目を逸らす。コラ眼を逸らすな。

「要は可愛い生徒に害が及ぶ前に何とかしてほしいっていう事ですね」

僕は敢えてその流れに従う事にした。

「まっそう言う事さ。それが出来るなら改修してやるよ。但し、姫路は使うのは禁止だよ良いね?」

僕の言葉に学園長が頷く。その後釘を刺す。

「………ならこちらからも条件を付けさせてもらう。確か召喚大会での科目選択はランダムだったな?」

しばらく雄二が思案した後、確認をする。

ーアイツは科目を俺に決めさせてほしいって事だろう。

そうだよね、それしか無い。

「科目の選択は俺に決めさせてくれ」

それに対し学園長は少し思案すると、

「良いよ。点数の水増しならばまだしもそのぐらいお安い御用さ」

そう言った。

「交渉成立だな。俺は教室に戻る」

そう言って雄二が出て行くので僕らも出ようとしたら母さんに止められた。

「大丈夫よ。次自習にしてるもの」

用意周到な事で、

「さて初めて孫に会うんだね」

学園長がとても優しい表情をする。

「本当に僕らのお祖母ちゃんなの?」

「ああそうさ。アタシは明久の母親の吉井明彩と優子の父親の母親の藤堂カオルだよ」

初耳だ。僕の母方の祖母がここで学園長してるなんてな。

「新任の教師も明久と優子の知ってる人ばっかりだよ」

ちゃんと僕達の事考えてくれてるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、僕達は体育館に集合させられていた。

新しい教師の紹介の為だ。

『静かにしな、新しい教師の紹介をするよ。まず生物を担当してくれる芳乃さくら先生だよ』

その言葉に背の低い金髪で黒の長袖城のブラウスを着て黒いミニスカートの僕の知り合いのさくらさんが出て来た。

『Good morning.My name is Sakura Yoshino,nice to meet you』

流石は天才帰国子女で飛び級で大学を卒業しただけあるよ。

「うおおおおお‼︎幼女キター‼︎」

アホがいた。あっ西村先生に殴られて撃沈した。

『次に古典担当の平塚静先生』

次に紹介されたのはあんまり知らないけど、確か母さんが教師やった時の教え子だった気がする。

『平塚静だ。よろしく頼むよ』

この先生の時は美人先生キター‼︎」と叫んだ男子が居たが女子に冷たい視線を向けられると自重した。

『最後は坂田先生さね』

銀さんが出て来た。

彼を見て皆がガヤガヤし出す。

まあ銀髪パーマの先生なんてそう見ないからね。

『ギャーギャー、喧しいんだよ。壊れかけのレディオですか?このヤロー』

銀さんの言葉に皆、ポカンとなる。

『俺は坂田銀八だ。俺に手間かけさせんじゃねーぞオメーら』

教師としてどうかと思う発言をしてマイクを学園長に返す。

『以上で集会は終わりだよ』

大丈夫かなこんなので………

少し不安になる僕だった。

 




という訳で色々とカミングアウトしてみました。間違い等あればご指摘下さい。感想を読んで返信次第作業にかかります。


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16話

バカテスト 保健体育
問題:火傷した際の正しい処置法を答えなさい。

吉井 明久の答え
「急いで冷水で冷やし、患部が痛む場合は清潔なタオルを当てて冷水をかける。万が一範囲が広い場合はタオル(こちらも清潔であること)で抑えて病院に行き医者に診てもらう」

教師のコメント
正解です。さすがは学年主席ですね、文句無しです。

木下 優子、田村 速和、田村 沙織の答え
「冷水又は氷嚢で冷やす」

教師のコメント
正解です。他にも清潔なタオルを巻いて冷水をかけるなども有効です。

土屋 康太、坂田 銀八の答え
「手切れ金を払う」

教師のコメント
それは大人の火遊びです。それと坂田先生も一緒になって解かないでください。


明久side

月日は流れ清涼祭が間近に迫ってきた。

そんな中僕らAクラスは………

「おい!これ何処におけばいいんだ?」

「ちょっと、記載より在庫数少ないけど買い物組何してるの⁉︎」

「ライトの数これで揃ってんのか?ちょっとチェック頼む」

物凄くごたついていた。何せ今人気の高校生歌手田村沙織のインタビューディナーショーだ、少しでも良いものにしようと皆必死だ。

ピンポンパンポーン♪

そんな中に放送を知らせるアラームが鳴る。

『Aクラスの吉井明久君、木下優子さん。学園長が用事だそうです。至急学園長室に来てください繰り返します…………』

しかも、僕と優子かよ!このクソ忙しいのに!仕方ない、カズと沙織に任そう。

「カズ、沙織それに一夏、シャルに今の間だけ全権任せるからよろしく!」

そう言うと僕と優子は急いで学園長室に向かった。

 

 

 

 

コンコン

『来たね、入りな』

「「失礼します」」

学園長室の前に着きいつも通りドアをノックして向こうの許可が下りると入る。

「どうしたんですか?厄介ごとですか」

「まあそんなところさ。本当はアイツに任せたかったんだが不安でね、それで明久達に頼もうと思ってね」

盗聴器についてこの間母さん帰りに全部機能不全になるように部屋に細工した。

聞こうにもこの部屋のドアは防音製で、開けようとすると必ず音がなる仕掛けになっている、譬へどんなに小さな隙間でもだ。

「で、要件はおそらく腕輪、ですね」

「察しが良いね。流石は高久の孫だよ」

祖母ちゃんが僕の父方の祖父ちゃんの話をする。

「それで腕輪には一体どんな欠点があるんですか?」

「実は黒金の腕輪は未完成でね。Cクラス以上の点数保持者が使用するとね、暴走しちまうんだよ」

優子の質問に祖母ちゃんがバツの悪そうな顔をしながら説明する。

何でも商品になっている白金の腕輪は問題なくどんな点数の生徒でも召喚できるが黒金の腕輪はまだ調整中で点数を抑えていたそうだ。そしていつの間にか白金の腕輪と一緒に大会の商品になっていたのだという。

「恐らく犯人は教頭ですね、この間も盗聴器をそこの植木鉢に隠してましたし、母さんの話では時々他校の学校に出入りしているのを確認してます。他にも不良の集団を金で雇っているという話も耳にしてます」

僕は母さんから聞かされた竹原の身辺検査の結果を報告する。

「なんだい、アイツの方が隠し事のオンパレードじゃないか」

そう言う問題じゃないよ。

「要は上手い具合に雄二達が回収できるようにサポートすれば良いわけですね」

「やってくれるかい?手伝ってくれるなら可愛い孫達のご褒美はコレだよ」

そう言って取り出したのは如月グランドパークの招待券を3枚差し出してくる。

う〜ん、一夏達にあげるから良いか。

「分かったよ祖母ちゃん」

そう言って僕達は学園祭の裏で蠢く闇と相見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

『只今より、清涼祭を開始いたします』

この放送が僕達の戦いの始まりだった。

「それじゃ、開店っ‼︎」

僕の声と共にクラスの扉が開けられお客様が沢山やってきた。




後書きに書くことがない。


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17話

バカテスト 現国
問題 【物事は繰り返すもの】と諺でなんというでしょう

吉井 明久の答え
「二度ある事は三度ある、ある事三度、一災起これば二災」
教師のコメント
正解です。よく知ってますね先生は感心してます。

木下 優子、田村 速和、田村 沙織の答え
「二度ある事は三度ある」
教師のコメント
正解です、これは良くない事が続く時に用いられます。
同じ過ちを繰り返さないように1度目の失敗を教訓にしたいですね。

木下 秀吉
「輪廻転生」

教師のコメント
来世もFクラスですか?

本編でISの他ヒロイン勢が登場


シャルside

開始からまだ20分程しか経っていないけどAクラスでは引っ切り無しにやって来るお客様にクラスの皆はてんやもんやの忙しさになってた。

お客が出ても、また別のお客様が入ってきて僕や明久、一夏を中心にしたキッチン班は料理を作る人間として大変だよ。優子が中心のホール班も忙しいから一緒か。

「こんなに大盛況だなるなんて思わなかったよ、沙織の人気は凄いね」

「自分の妹ながら、これは凄すぎる」

僕の言葉に速和くんが同意する。こんな人気の妹がいるとお兄さんも大変だろうな。

「優子時間だし行かなきゃいけないから呼んでもらえるかな?」

不意に厨房に居る明久が優子を呼ぶように1人の生徒に言う。

「分かりました。木下さん、代表が呼んでます」

その子は了解すると優子に呼びかけて明久が呼んでる事を伝えると2人してホールと厨房の制服のままで出て行った。

「そういや明久の奴召喚大会に出るって言ってたな」

速和くんが思い出したのか手を動かしながらそんな事を呟く。

「それなら仕方ないな」

そう言いながら一夏は手際よく料理を進めるので僕も急いで次の料理に掛かった。

シャルside end

 

優子?side

明久に呼ばれてお店の制服のまま教室を出て廊下を並んで歩く。

明久を見ると既に高虎の意識が表に出ているのが一目で分かる。

目付きが何時もの時と違う。あれは間違いなく明久じゃなくて歴戦の勇士の藤堂高虎の目だった。

「どうしかしたか?」

「いえなんでもないですよ高虎様(・・・)

そう言ってる私も違うのですがね。

「優子?」

「いえ私は優子ではなく、お松、でございますよ高虎様」

今の私はは藤堂高虎様の妻のお松でなのです。

「お松………何故?」

「あなた様と同じでございますよ高虎様」

私達は歩きながらもいろいろな事を話す。

「では参りましょうか?」

「ああそうだな」

高虎様はそう短く呟くと私のお手を握り会場へと歩いて行かれました。

優子?side end

 

高虎side

まさか優子の中にお松の魂が宿っていたとはな。俺にはそんな流れは読めなかった。

だが、お松とならば負ける気がしない。

そう思い手を握って会場に入る。

会場に着くと相手の選手が既に待ち構えていた。先輩でカップルなのは有名な2人だ。

立会人は何故か銀八だった。

「何をしている銀髪パーマ」

皮肉を込めてあだ名を呼んでやる。

「言葉に気をつけろクソガキ!俺は立ち会いの先生だ」

銀八は注意すると一つ咳払いをする。

「んじゃまあ、両者揃ったこったし始めっぞ。ここで注意事項だ、3回戦までは観客は居ねえから好きに暴れろ。だが、俺の仕事は増やすな。特に明久」

最後のは嫌味だろうが俺は無視する事にする。

「選択科目は………家庭科だ、さっさと召喚しろ」

どうやらさっさと終わらせてサボるつもりらしい。これは後で報告だな。

「げっ、よりによって家庭科かよ……」

「選択科目だからそんなにしてないわよ」

2人は得意ではないらしい。この勝負俺達の勝ちだ。

試験召喚(サモン)‼︎』

召喚された召喚獣は男子は鎧に剣とバックル、女子は軽装な鎧に弓矢という出で立ち。

対する俺らは試召戦争の時と同じ装備。

点数も

家庭科

3年Bクラス 高橋健:145点

3年Cクラス 島本美奈:136点

平均的な点数だ。それに対する俺達は

2年Aクラス 吉井明久:1600点

2年Aクラス 木下優子:1050点

「なっ⁉︎両方1000点越えだと!」

「勝てる気しないわよこんなの!」

彼等の叫び声を無視して銀八は試合を開始、俺らは一瞬で近づき一閃する。

それによって相手の召喚獣は消滅する。

「試合終了〜勝者吉井・木下ペア」

俺達は学園祭を楽しんで思い出を作ればいいと先輩達に言って教室に戻った。

高虎side end

 

明久side

僕が教室に戻るとなんだか中が騒がしかった。

「だから言ってんだろ、責任者出せって!」

「こんなもん客に食わせるとかどうかしてるぜ!」

中を覗くとハゲ頭の男子とモヒカン頭の男子が騒いでいた。見ると他のお客が迷惑がっていたので止めようとしたら、視界にある人物達が目に止まった。彼女ら来てたんだ。

「おい貴様ら」

その人物は黒い髪をポニテールにし少しキツめの印象を受け?子だった。

「あっなんだよ?ゴファッ⁉︎」

ハゲ頭の男子はその少女に木刀で思いっ切りに殴られた。

「な、何すん、クボッ⁉︎」

もう一人もツインテールにした女の子に蹴り飛ばされた。

「人がせっかく気分良く食事してるのに場を壊すようなこと言うじゃないわよ」

「その通りですわ。一言で言って不愉快でしてよ」

ツインテールの子がそう言うと金髪のロングヘアーの子が同意する。

「なんだと!不味いもん不味いって言って何が悪い」

「ここの食事は美味しい。貴様ら味覚がおかしいのではないか?」

攻めるねえ、相変わらず。

「んだとコラッ‼︎イテテテテテテッ⁉︎」

今まで黙っていた銀髪の女の子が男子の腕を取って捻る。

「くっ行くぞ夏川!」

「イテテッおい待てよ常川!」

そう言って2人は出て行った。

「ここの料理不味いか?」

「いやめっちゃ美味いぞ。しかも人気歌手のインタビューされるなんて言う先着者まであるなんてスゲエよな」

「不味いなんていうあいつらの舌がおかしい」

どうやらひょうばんはさがっていないらしい




というわけでね。色々出ましたね。次回もお楽しみにちなみに来てるのは箒、鈴、セシリア、ラウラのの4名です。更識姉妹は都合が付かなかったので来ておりません。


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18話

バカテスト 家庭科
次の問いに答えなさい
【問題 味噌と豆腐だけの味噌汁で摂取できない栄養分を取るための具材の工夫の例とその栄養素を答えなさい。】

吉井 明久の答え
「ミネラルとビタミンが不足がちなのでネギ、シジミ、ワカメを入れれば良い。色合いをつけるなら人参を入れるのもおすすめ」

教師のコメント
吉井君は料理が得意なのですね。良いと思います。

姫路 瑞希の答え
「ビタミンC、オレンジ、塩酸」

教師(銀八)のコメント
怖えよ。んなもん食ったらあの世が見えちゃうよ⁉︎何考えてんだお前は!





一夏side

ホールが騒がしいので明久が戻ってきたのでその場を頼みシャルと一緒にホールに出ると見知った顔がテーブルの一角に陣取っていた。

「箒、鈴、セシリア、ラウラ来てくれたんだ!」

シャルの声に箒達が反応しこっちを見て微笑む。

「久しぶりだな一夏、シャルロット」

「久しぶりですわね。元気にしてましたか?」

「一夏アンタシャルの事泣かせてないでしょうね?」

「久しぶりだな2人とも」

それぞれ上から箒、セシリア、鈴、ラウラの順に話し掛けてくる。

「ああ元気だよ。それと鈴、俺はシャルの事泣かせたりなんかしないって」

久しぶりに会ったので旧交を温めて話が弾む。

「箒、久しぶりだね。束さんなら今頃どっかで召喚システムの研究でもしてるんじゃないかな?」

俺たちが話していると明久が近づいて来た。

見ると今は他のクラスメイトのシフトの時間だった。

「ああ、明久も久しぶりだな。お前も元気そうで何よりだ」

「あら、一夏さんの御学友でして?私はセシリア・オルコットと言いますの」

そう言ってセシリアが明久に挨拶する。

「あっこれは御丁寧にどうも。僕は吉井明久一夏と箒の小学校の時からの友達で、シャルとは再従兄弟なんだ」

「まあ、そうなんですの?それに吉井…もしかしなくても吉井コーポレーションの関係者でして?」

はっ?吉井コーポレーションって確かここのメインスポンサーで世界的有名な企業だぞ。

「確かにそこの社長の吉井輝久の息子ですが、今はこの文月学園のAクラス代表の吉井明久です」

まじかよ。明久って実は超セレブのお坊っちゃまなんだな。ってことはシャルも優子も秀吉もそうなのかよ?

「それで君達は何て名前なのかな?」

明久が鈴やラウラに質問する。

「アタシは一夏の中学時代からの友達で中国から来た鳳鈴音、でこっちがドイツから来た………」

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

鈴が自己紹介した後、ラウラが同じように名乗る。

「オルコット、ボーデヴィッヒ?イギリスの有名貴族とドイツの車生産業の会社の社長令嬢さん?」

なんだよ明久めっちゃ知ってるな。

「そうだ」

結構馴染んでるな、良かったよ。

ドクンッ

なんだ今の?体から変な力が湧いた気がしたな。

「明久、そろそろ2回戦だから行きましょ」

話し合ってたら優子が近づいて来た。

「もうそんな時間なんだ。それじゃ行こっか?」

そう言って2人は教室を出て会場に向かった。

「明久はどこに行ったんだ一夏?それに時間とはなんだ?」

箒が疑問を持った顔をしてこっちに聞いてきた。

事情知らない箒達からしたら疑問なんだろうな。

「箒は束さんが試験召喚獣の召喚システム開発に関わってるのは知ってるよな?」

俺の言葉に箒は頷く。セシリア達は未だ話が見えてきていないみたいだ。

「明久はその召喚システムを使った召喚大会に出場してるんだよ。許婚とな」

俺の言葉に箒達は驚く。恐らくあの2人の関係だろ。

「成る程なそれでアイツはあんなに幸せそうな顔して出て行ったのか」

箒は納得したようにしきりに頷いている。

勝てよ明久、応援してるぜ

一夏side end

 

 

 

 

 

明久side

今回は高虎には大人しくしてもらって僕自身が戦う。

優子も前回はお松さんが戦ったので今回は本人が戦う。

会場に着くとそこにいたのは、

「お前はお姉さまに付き纏う豚野郎!」

「アキちゃんダメだよ、あなたは坂本君といるべきだよ」

僕を目の敵にする島田さんLOVEなDクラスの清水さんと同じくDクラスで僕の女装姿が大好きな玉野さんだ。

苦手だよ。しかも清水さんから得体の知れないオーラ出てるんだけど?何、新種の召喚獣か何かなの?

「清水言動には注意しろ。玉野も変な事を言うな」

唯一嬉しかったのはこの試合の立会人が西村先生だという事だ。

「えーゴホンッ、これより第2回戦を始める。対戦科目は………英語Xだ。召喚を認める召喚しろ」

試験召喚(サモン)‼︎』

同時に召喚された召喚獣の装備は清水さんはローマ兵の格好にグラディウスとロリカ・セグメンタタ、玉野さんは弓道着に弓矢を装備している。

その後頭上に点数が表示される。

2年Dクラス 清水美春:109点

2年Dクラス 玉野美紀:112点

vs

2年Aクラス 吉井明久:1090点

2年Aクラス 木下優子:423点

点数には圧倒的な差があった。

「死になさい豚野郎!」

そう言って清水さんの召喚獣がグラディウスを構えて突っ込んでくる。

「僕は背中のホルスターに装備している2丁拳銃を構えて急所を素早く撃ち抜く。

弾丸は召喚獣の眉間と肩に直撃し、彼女の点数を奪う。

2年Dクラス 清水美春:0点

点数が修正され清水さんの戦死を告げる。

優子の召喚獣を見るとアサルトライフルで弓矢を撃ち落として弾丸の雨を食らわすとマガジンをリロードする。

2年Dクラス 玉野美紀:0点

「勝者吉井・木下ペア!」

西村先生が勝ち鬨を上げる事で2回戦は終了し僕達は3回戦へと駒を進めた。




次回、銀さんらしい事をしてるのが見れます。


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19話

バカテストの前に今回は明久と優子の両親の登場します。

バカテスト 現国

「相殺」という熟語の読みを答えなさい。またそれをを使って、例文を作りなさい。
吉井 明久の答え
読み そうさい
例文 「取引の利益で債務を相殺する」
そもそも相殺とは相手に対して同種の債権をもっている場合に、双方の債権を対当額だけ消滅させることをいう。日本法では、民法第505条以下に規定がある。債権同士が消滅するとも債務同士が消滅するともいえるが、債権と債務は表裏の関係にあり、どちらで考えても結果的には差はない。

教師のコメント
正解です。民法まで持ち出して説明していただいてありがとうございます。このところ吉井くんの解答に先生は吉井くんは飛び級して大学で授業を受けても良いのではないかと思いました。

木下優子、田村 速和、田村 沙織の答え
読み そうさい
例文 「取引の利益で借金を相殺する」

教師のコメント
正解です。Aクラスの方々は予習復習をきちんとしていて立派です。

姫路 瑞希、島田 美波の答え
読み あいさつ
例文 「のどかな朝、吉井くんに相殺した」

教師のコメント
君達は余程私の拳を喰らいたいらしいな


明久さんの答えはWikipediaを参照しました。


明久side

2回戦が終了した僕らは帰る途中、雄二達の試合を見ていた。

雄二が誰と組んでいるのかを知らないし、この後また地獄のようなクラスの出し物で働くのかと思うとつい、こうしたくなる。

雄二はムッツリーニと組んでいた。確かにムッツリーニなら保健体育が出れば僕より高得点だしね。頑張っても僕は800点の壁を越えれないしな………

あっ相手は根本くんと小山さんなんだ。

2人にはきつい相手だね。どうするのかな?

2人を知ってるのは根本くんは噂で、小山さんはただ単に本屋で会ったことがあるからなんだよね。

「坂本と土屋か。こりゃこの試合は楽勝だな」

根本くんが悪い笑みを浮かべてる。

「そりゃどうかなBクラス代表さん?俺達が何の対策もなしにお前らに挑むと思うか?」

あっ秘策があるんだ、それは楽しみだ。

『科目は………保健体育です』

成る程、ムッツリーニに無双させるのか。

「なっ⁉︎2回戦の科目は確か現代社会だったはず」

根本くんは狼狽するが小山さんは冷静だ。

「何よ恭二、たかがFクラス相手なのに選択科目が変わってもそんなに狼狽える必要ないじゃない」

あっ小山さんはムッツリーニが誰なのか知らないのか、可哀想に。

試験召喚(サモン)‼︎』

キーワードの詠唱と共にそれぞれの召喚獣が姿を現わす。根本くんの召喚獣は数珠で繋がれた二対の大鎌に陣羽織を羽織った武将風の出で立ちで小山さんのは和服とプリーツスカートを合わせた服装に三叉戟という出で立ちだ。

点数は

2年Fクラス 坂本雄二:104点

2年Fクラス 土屋康太:849点

V.S.

2年Bクラス 根本恭二:189点

2年Cクラス 小山友香:162点

あっまたムッツリーニの点数が上がってる。これは警戒しないとな

「おい、ムッツリーニ…なんだその点数は?」

雄二も意外だったのか聞いている。

「………機密事項、加速」

それだけ言うとさっさと2人纏めて胸の部分で斬り倒して居た。

「優子、対康太の対策を練ろう」

そう言って僕らは教室に戻った。

そしたら予想通りというか、何というか阿鼻地獄のような状況だった。

溜息を吐いた後、互いの持ち場に移動してシフトをこなす事にした。

 

作者の権限(キングクリムゾン)‼︎

「明久、3回戦の時間だから行きましょ」

優子が出し物の制服のまま来るので一夏達に後を頼んで僕らは会場に向かった。

 

 

 

 

 

 

「………えっ?不戦勝、ですか?」

会場に待っていたのはさくらさんで告げられたのは対戦相手の子が食中毒で倒れたから試合は無いよなんていう言葉だった。

「うん、何でもガタガタ震えながら胡麻団子怖いとか言ってたよ」

何があった対戦相手?

「取り敢えず形式に習って、勝者 吉井・木下ペア」

さくらさんが笑顔でそう宣言した。

僕達はその後少しだけ清涼祭を回ってたこ焼きを買って食べさせあった後教室に戻るとこれまた見慣れた人物が座っていた。

「と、父さんに母さん⁉︎なんでここに?」

僕は素っ頓狂な声を上げてしまった。

「おう、明久久しぶりだな。今日は明彩の母さんが俺達を招待してくれたんだ」

成る程お祖母ちゃんが招待したのか。

「明久、ハイこれ」

そう言って母さんが僕に何かを渡す。

「母さんコレは?」

「何ってスポンサーの優待券、アンタ達の分渡すの忘れてたわ」

そう言って母さんが僕達に渡したのを説明すると父さんと優子の両親と話し合ってしまった。

「優子、デートしよっか?」

僕のその言葉に優子は満面の笑みで頷いた。




前回の後書きで言っておきながら銀さんらしさを出すのを忘れていました。すいません


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20話

バカテス 世界史
問題 世界四大悲劇と呼ばれるシェイクスピア作品のタイトルを答えなさい。またそれはいつ頃作られたかも答えなさい。

木下 秀吉、田村 沙織、田村 速和の答え
「ハムレット、リア王、オセロー、マクベス 作られたのは17世紀初頭」

教師のコメント
正解です。演劇部の木下君には簡単でしたね、転入生である田村さん達もちゃんと知っていて偉いです。

吉井 明久の答え
「ハムレット、オセロー、マクベス、リア王 17世紀初頭にヨーロッパの出身であるウィリアム・シェイクスピアの作品でいずれも人生の深い洞察を描いている。

僕にはこれとは別に優子に嫌われる、優子の死、優子の誘拐、優子との関係が無くなるが僕にとっての四大悲劇です」

教師のコメント
前半は良いとして後半は要らないと思います。それにどれだけ木下さん大事なんですか⁉︎

木下 優子の答え
「ハムレット、オセロー、マクベス、リア王 17世紀初頭
明久の死、明久に嫌われる、明久との別れ、明久との関係が無くなる」

教師のコメント
木下さんどうしたんですか?あなたらしくもないですね。それとあなたも吉井君も異常です。


明久 side

母さんに渡されたスポンサー優待券を優子とデートするためにありがたく使わせてもらう事にした。

僕達は学校指定の制服に着替えると腕を組んで、一般客と生徒が犇めく(ひしめく)校舎の中や外のテントに設置されたお店を見に行った。

 

清涼祭は大繁盛で、沢山の人が生徒の作った出し物を楽しんでいる。

中には中学生と見受けられる人達も居てとても賑やかだ。さらに沢山のカップルの姿も見受けられる。

一組目はたこ焼きのパックを持って笑いあってて、二組目は彼女が彼氏に抱きついてるのを彼氏が注意してるし、三組目は一緒に一つの綿菓子を食べている。う〜ん、僕もあんな風に優子としたいな。

それを見た後、僕達も彼らの中に溶け込むように人混みへと足を向けながら、どうするかを話し合う。

「優子は何処に行きたい?っていうか何が見たい?」

僕たちは学園側から配布された学園祭のパンフレットを眺めて行き先を検討し合う。

「アタシはこの1年Aクラスのカップル喫茶店に行ってみたいわ。でも………こっちの3年Cクラスの召喚獣二人三脚徒競走の景品が気になるわね」

優子は沢山の選択肢の中から2つに絞ったけどなかなか決まらないらしい。

悩んでる優子も風情があって可愛いな」

「あ、明久⁉︎恥ずかしいよ…」

優子が急に顔を赤くしてこっちを見るけどどうしたんだろう?

もしかして、

「僕、声に出してた?」

僕の疑問に優子は赤い顔のまま頷く。

やばっやっちゃった。実は優子は僕が無意識に褒めたりすると赤面して僕に抱きついてくるのだ。それも、胸を押し付けるようにして僕の理性をガリガリと削ってくる。それによって一回僕は優子の事を犯すかのようにヤりまくってしまったのだ。それ以来出来る限り気を付けてるんだけど、無意識だからついこういう時は気が緩んで言ってしまうのだ。

しかもグイグイと押し付けてくるから僕の男の部分が反応するがなんとか残りの理性で抑えた。

ー相変わらず、お前はそう言うところでは長政様らしいな。

脳内で高虎がそう言ってくる。

(煩いよ高虎!僕だって好きでこんな無意識で、あっ胸柔らか…じゃなくて!今は優子がお松さんと一体化してるから止めるの手伝ってよ!)

ー何⁉︎お松が出てきてるのか、仕方ない。貸し一つだぞ、今度料理のレシピを教えろ。それでチャラだ。

それだけ言うと高虎の感覚が追加されて理性が強化される。

ー落ち着けお松!お前まで錯乱してどうする!

ーで、ですが明久さんが可愛いということは高虎様が言うのと同じなのです!

ヤバイよ⁉︎なんかのスイッチ入ってるし!

ー今夜相手してやるから我慢しろ!

ちょっ⁉︎勝手に決めてるよ!

(高虎⁉︎何勝手に今夜優子泊めることになるフラグ立ててんの⁉︎)

ー1日ぐらいいだろうが!今はこの2人の暴走を止めるのが先だ!

そういう問題じゃ、あ〜も〜!

(優子こうなったら今夜は寝かせないからね!)

(本当⁉︎明久大好き!ならこの行動止めるわ。恥ずかしいもの)

そう言うと優子は体を離して僕の腕に抱きつく。

さっき相当抱きつかれたからついつい、二の腕辺りに来る柔らかい感触に意識を向けてしまう。落ち着け吉井明久!素数だ!素数を数えろ!

2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、47、51、53、59、61、67、71、73……………

ー大丈夫か明久?

高虎がなんか言ってるけど構わずに素数を数え、イテテテテテテッ⁉︎

「もうっ明久!アタシの事無視して何考えてるの?も、もしかして夜の事?キャッ明久のえっち」

見ると優子が僕の耳を引っ張っていた。そして頬を膨らまして怒ると今度は顔を赤くし両手を頬に当てていやんいやんと振る。

うん、やっぱり可愛い。僕はそんな優子に微笑みながらもう一度腕を組んで優子が行きたいと言っていたお店へと向かった。

 

 

 

 

 

 

1年Aクラスのカップル喫茶に向かう途中銀さんにあった。

しかもダラシなくヨダレ垂らしながら爆睡していた。

「あっはは、流石銀さん。期待を裏切らないダラけっぷりだよ」

僕はそれを見て笑ってしまった。

その後、喫茶店でカップル用の飲み物や、食事をした後に3年Cクラスの召喚獣二人三脚徒競走に出場するために校舎の下の階に向かう。

この学校は学年が若い程、クラスの教室がある場所が下駄箱に近くなる。3年生は受験もあるため、1階に教室が割り振られている。

2年生は2階でこの階と3階には渡り廊下が2つ設置されていてそれぞれが旧校舎に行く為のものと特別校舎に繋がる校舎がある。

特別校舎は主に、実験室や準備室などと言ったものが充てがわれている。

補習室もこの特別校舎にある。

 

 

召喚獣二人三脚徒競走のある新校舎1階のCクラスの教室に向かう途中に廊下でデートしてる一夏とシャルに会った。

「一夏、シャルじゃん。君達もデート中?」

「うん、そうだよ。明久もデート中なの?」

僕の問いにシャルが答えて聞いてくる。

「そうだよ母さんが優待券を渡してくれたからそれを利用したりして楽しんでるんだ」

僕はそう言ってその券を取り出す。

「流石だな明彩さん…」

一夏さんは呆れを含んだ感じの声音で言う。現に一夏の顔は苦笑いを浮かべてる。

「もしかして2人も召喚獣二人三脚徒競走に出るの?」

優子は腕に抱きついて胸を押し当てたまま聞く。

「いや俺らはこれからカップル喫茶店ていう店に行くんだ」

なるほどそれならここを通れば近い。

「そっか、僕達はさっき行ってたんだ。これから優子が言ってた召喚獣二人三脚徒競走に出場するんだ」

僕の言葉に今度はシャルも苦笑いを浮かべる。

何さ、その苦笑いは?

「可哀想だな先輩たち、召喚獣の操作でとんでもない才能持つ2人が来て景品根こそぎ持ってかれるんだな…」

そう言うと一夏はクックックと必死に笑いを堪えていた。

「笑いたいだけ笑いなよ。僕達は行くよ、行こっ優子」

そう言って優子を引っ張る。

「明久待って引っ張らないで、コケちゃうよ」

そんな会話をしながら開催場所に向かう。

 

 

 

 

 

会場に着くとすぐにエントリーして、自分の召喚獣が移動するコースに移動する。

ここでこの競技のルールを説明すると

ルール

コースには様々な景品が散りばめられているので、それを召喚獣に回収させる。行く手には障害物があるのでそれを躱さなければならない。

1.召喚獣は二人一組で動かなければならない

2.他の出場者の妨害は禁止(破れば即退場)

3.集めた数が最も多いチームの勝利

4.パートナーが途中で諦めたりしたら失格

5.障害物をすり抜けたら失格

これらの事を守った上で速さを競うものだ。

さて、と頑張りますか!

 

 

 

 

 

 

結果から言うと僕らの圧勝に終わった。彼らはなかなか歩調が合わない、召喚獣の操作に慣れていない人が多い為に僕らは何の躊躇いも無く、華麗かつ優雅に全ての景品を回収した上で早々にゴールした。

それを見て店番をしていた学生が涙目になっていた。

本当に一夏の言った通りになったな。

僕らは腕時計を見て時間を確認すると4回戦の時間が近づいているので召喚大会の会場に向かった。

明久 side end

 

 

 

高虎 side

「吉井君覚悟して下さい」

「吉井…ボッコボッコにしてあげるわ」

会場に着き先生に案内されて会場に入るとそこに立っていたのは姫路と島田だった。それに奴らから発せられるオーラはドス黒く濁っている気がした。

担当の竹中先生はそのオーラに冷や汗をかいて震えている。観客の中にも彼らのオーラに恐怖してる人がいる。PRの為の大会で怖がらせてどうする、本末転倒ではないか。

「そ、それでは対戦科目はこ、古典です。召喚して下さい」

先生は怯えながらも召喚を許可した。

試験召喚(サモン)‼︎』

俺たちは同時に召喚をするとどちらも試召戦争の時と同じ召喚獣が召喚される。

2年Fクラス 姫路瑞希:426点

2年Fクラス 島田美波:9点

V.S.

2年Aクラス 吉井明久:986点

2年Aクラス 木下優子:462点

そういえば明久から聞いていたな、島田は帰国子女で漢字の読み書きができない、と…これは好都合だ相手は姫路のみだな。さっさと終えてお松と楽しい時間を過ごさせてもらいたいものだ。

「吉井!またカンニングして、オシオキよ‼︎」

「吉井君私が教えてあげます。あなたには誰が相応しいのか」

何を馬鹿馬鹿しいことを言っている?

「その必要はない。俺に必要なのはここにいる優子(お松)だからな」

俺の言葉にお松の意識の優子は嬉しそうに顔を赤くする。

その言葉にさらにアイツ等のオーラが濃くなる。

「し、試合開始っ!」

先生は怯えが最高潮になりながら試合を開始させる。

「瑞希は吉井の召喚獣をボコボコにして!ウチは吉井自身をボコボコにするわ!」

「はい!分かりました」

それと同時に島田がルール違反をしようとする。アホだな、そんな点数で突っ込んで来るとはやられに来るようなものだ。

俺はすぐさま召喚獣の腕輪を発動する今回使用したのは青だ。青には氷の属性が付与される。これを食らえば数秒程度だが相手の動きが止まる。

「失せな‼︎くたばりぞこないが………消えてなくなれ‼︎」

俺は召喚獣にオーラを纏わせるとお松の操作する優子の召喚獣と共にジャンプする。そしてそのまま手にした大兼光突き出す度に出来る巨大な氷柱をフィールド全体に発生させた。その直撃を受けた島田と姫路の召喚獣は点数が一瞬にして0になる。

その攻撃が終わると氷柱は砕け散り、元の召喚フィールドが姿を現わしたので、そこに俺たちは着地する。

2年Fクラス 姫路瑞希:0点

2年Fクラス 島田美波:0点

ーオオオオオオオオ‼︎ー

決着が着くと観客達の歓声が上がる。その声は凄いという感情が込められている気がした。

俺達はその声援に手を挙げると会場を後にした。

だが、これを見ていた竹原がこのまま引き下がる訳もなかった。この時にちゃんと警戒していればよかった、まさかこの油断があんな事件を引き起こすとは思はなかった。

高虎 side end

 

 

 

 

竹原 side

全く、あんなクズ一人なんとも出来ないとはな、期待はしていなかったがやはり失敗したか。所詮はFクラスの生徒とFクラスに堕ちた元学年次席クラスだということだな。

「こうなってしまっては仕方ない私自らあのクズを処分してやる。どうせあのババアが頼み事をした奴などFクラスの生徒だからな」

その時に私が推薦状を書くと言って餌に吊られた愚かなあの2人が優勝して腕輪が暴走すれば私はここの教頭から別の高校の校長になれば良いだけだ。あいつ等のことなど知ったことではない。

彼は知らなかったこの計画がまさか自分の存在と一族が永遠に闇に葬られる大義名分になってしまうとはこの時の彼は想像すらできなかった。

 




遅れてすいません。リアルが忙しいのと文が思い付かなかったので更新出来ていませんでした。これからもこんなことがあるかもしれません。試験が近いので更新はしばらくできないと思います。夏休みになったらちゃんと更新するのでお待ち下さい。
では、評価、コメント大募集してます。


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21話

バカテス 現代社会

日本国憲法第28条でも認められている労働者による争議行動の一種を何と言うか答えなさい。

吉井 明久の答え
「ストライキと呼ばれる労働者による争議行為の一種で労働法に基づいて労働者が雇用者に抗議活動することを一般的に言う。これらは労働組合法、労働関係調整法に保障されている。また、ストライキを無視して働くことをスト破りと言い、労働組合の団結を乱したとして除名・罰金・始末書提出処分を受ける。逆の場合はロックアウトと言う」

教師のコメント
正解です。流石は吉井君ですねここまできっちりと説明されると先生の出る幕がありません。

木下 優子・田村 速和・田村 沙織の答え
「ストライキ」

教師のコメント
正解です。逆のことをロックアウトと言います。

土屋 康太の答え
「テロ」

教師のコメント
テロを容認するような憲法はありませんし、そんなものは永久に制定されません。


一夏side

明久と優子が明彩さんに何か受け取ると2人して学校の制服に着替えてどこかに行っちまった。何かは分からねえけど明久と優子が嬉々として出て行ったんだきっと良い物なんだろ。

そう思いながら俺はシャルと並んでいろんな料理を作る。

俺は基本、洋食を作り、シャルがフランス料理を作っている。和食は俺達を中心に速和と久保が得意だったのでフォローに回ってもらっている。

「それにしても一向にお客さん減らないね」

料理を作りながらシャルがそう呟く。

確かにそうだよなかれこれ4時間は経ってるというのに一向に客の足が途絶えない。沙織(そう呼んで良いと本人に言われた。きっと速和と被るからそう呼んで欲しいんだろう)の人気はとんでもない物だ。

「あっ一夏とシャルロットは休憩してこい。ずっと働きぱっなしだと体に良くないからな。心配するな、ここは俺と久保でなんとかするしな。何より…高刑(・・)真澄(・・)も高虎と一緒に居るために来たのだろう?」

不意に速和の口調が打って変わって真っ直ぐな人のようになった。

それに何だ、この体に来る胸の高鳴りは………?

「高刑?なんの話だよ。なあシャル……シャル?」

シャルは胸を押さえていた。俺は慌てて駆け寄り声をかける。

「シャル⁉︎どうしたんだよ!」

俺の声にシャルは反応せずに胸を押さえて蹲っている。

「なんでもないよ。高刑」

胸を押さえていた手を下ろすとシャルが立ち上がってこちらに笑顔を向けながら俺の事を高刑と呼んだ。

シャルまでもが俺の事を高刑って一体何がどうなってるんだよ⁉︎

ーお前には分からないか?俺の存在が

誰かが囁いてきた。けどこんな声は聞いた事も無いし、喋った事すら無い。それに周りは未だに喧騒に包まれているのにその声だけははっきりと聞き取る事ができた。俺は誰も居ないのに恐怖を覚え始めた。本当に誰なんだ!

ーそう殺気立つな。俺はお前の中に居るもう一人の人格とでもいうべき存在だ。

その声は語り出した。自分が明久の中に居る藤堂高虎の異母弟の藤堂高刑という存在であること、俺が一番その中では近しい存在であるということ、そして俺の生き様が高刑と重なった事が憑依した理由だという事も分かった。

(それはいいとして、シャルは一体どうなってるんだ?)

ー気になるのは当然だな。あの者は高虎の養女ーつまり養子の娘だ、その娘は私の妻なのでな。あの少女に憑依したのだろう。

高刑が答えてくれる。つまり俺の中にいるお前はシャルの中にいる奴と夫婦ってわけか。

『いらっしゃいませ』

ホールの方でまたお客が来たらしい。

「ここの事は某に任せよ、きっちりと役目を果たそう」

そう言って速和(?)は皆に指示を与えつつ手を緩めずに動く。

「ねえ一夏、デートしに行こっ」

シャルが笑顔で俺のキッチン班用の制服を引っ張る。俺達がこんな格好をしているのかと言うと、明久が言い出した事でホール班とキッチン班はそれぞれ制服を用意されているのでそれに着替えて接客や調理をしている。

(作者「格好のイメージはworkingワグナリアの制服がモデルです」)

そのため俺達も明久が用意した更衣室で学校の制服に着替えるめに一旦別れて、Bクラスの教室の付近で待ち合わせする事にした。

(デート、かどこに行きたいんだシャルは一体?)

そんな事を考えながら服を着替えていると明久のキッチンでの制服のポケットから何かが出かかっているのを見つけた。

「何だこれ?………」

俺は誰も見てないのを確認するとそれをポケットから取り出した。

ーそれは家系図のようだな。

高刑が教えてくれたので明久には悪いが中を見させてもらった。

そこには自分と優子それに秀吉とシャルの名前が書かれていて、明久たちの両親の名前があってさらにその上に行くと………

「が、学園長の名前⁉︎どうしてここに、つまり明久は学園長の孫ってことか?」

アイツの事知る度に驚かされるな。

俺はそう思いながら紙を元の場所に戻すと急いで着替えて待ち合わせ場所に向かった。

 

 

「えっと、シャルはっと………あっいたおいシャ…」

着替え終わり待ち合わせ場所に着いてシャルを探すと目立ちやすい金髪の髪を発見して声を掛けようとして俺はその声を途中で飲み込んだ。

理由はシャルが1人じゃなくて数名の男子生徒に話しかけられているからだ。よく見ると少し困った顔をしている。

「なあ、良いだろ〜?俺らとどっか行こうぜ?」

「僕、待ち合わせしてて…」

「良いじゃん、そんなの。俺らと居た方が楽しいって」

どうやらナンパされてるらしいな。凄え腹立つ。

「おい、俺のシャルに何気安く触ってんだよ」

俺はドスを効かせた声でナンパ男共に話し掛ける。

「チッなんだよ彼氏持ちかよ。行こうぜ」

そう言ってナンパ男は仲間を引き連れてさっさと去って行っちまった。

「ありがと一夏♪」

そう言ってシャルは俺の腕に抱きついてくる。

「シャルは俺の彼女だからな。当然の事をしただけだって」

俺はそう言ってシャルを抱きしめるとシャルの顔は恥ずかしさで赤くなってしまった。抱き締めてなんだが俺も顔が赤くなってる気がする。

「シャル顔赤いぞ///」

「い、一夏だって///」

俺たちは互いに顔を赤くしたままその場を離れた。

 

 

「シャルはどこ行きたいんだ?」

腕を組んで歩きながら校舎の廊下を歩いてる最中にシャルに質問する。

「えっとね………僕はこのカップル喫茶ってところに行きたいんだけど、ダメかな?」

シャルが腕を組みながら俺の方を見上げて目に涙を浮かべながら上目遣いをしてくる。

こんな表情されちゃうとNOと言える男子は日本には居ないんじゃないだろうか?そんな事を考えながらも目を逸らしつつ頬が赤くなる。

「一夏ってばまた赤くなってる。可愛いなあ」

今度は満面の笑みでこちらを見てくる。

コロコロと表情が変わって俺はその表情の変化にときめいてしまい、固まってしまいそうになる。

「なら、そこに行くか」

「うん!」

俺たちはその場所に行くため二人で歩き出した。

一夏side end

 

 

 

 

 

 

秀吉side

ワシの名前は木下秀吉じゃ。よく皆に女だと思われておるが男じゃぞ、そこは間違えんようにな。さて今の間は少し雄二から清涼祭を回ってきて良いと言われたので学校の制服に着替えて明久がいるAクラスに向かっておる。ワシらのFクラスは旧校舎にあるので少し遠いのがネックじゃ。

そんな事を考えているとAクラスに到着しておった。

「さて入るかの」

そう思い、Aクラスの扉を開けると中はこっちと違ってものすごく盛況しておるし、学校の制服とは違い専用の制服なのだろう。男子は長袖に黒い蝶ネクタイに学校の指定ズボンを穿いていて、女子は半袖のシャツに学校指定の男子制服と同じ色のスカートにクリーム色のエプロンを前に掛けた格好をしておる。

「いらっしゃいませ!『田村沙織のディナーショー』にようこそ、1名様ですか?」

Aクラスの生徒がこちらに気付き聞いてくる。

「うむ、ワシ1人じゃ」

「ではお席にご案内します。こちらにどうぞ」

そう言って案内してくれたのは二人掛けの席だった。どうやら人数によって座る席を決めるようじゃな。

「こちらがメニューです。ご注文が決まりましたらスタッフにお声掛けください」

そう言って店員は他のお客の席の方に呼ばれたので急いで行った。

メニューを眺めると日本食とフランス料理があり、飲み物にはそれぞれの料理にあったものが書かれていた。

「どうですかお客さん?一つインタビューに答えてくれませんか?」

不意に話しかけられてメニューを見ていた目を上げるとそこにはオレンジ色のショートカットの女の子がマイクを持って立っていた。

見渡すと周りにいるお客が全員こちらを見ている。

なるほどの、これがディナーショーの醍醐味というわけじゃな。

「構わんが何をインタビューされるのじゃ?」

ワシにとってはこれは未知の領域じゃからの、しっかりと情報は掴んでおかんとならん。

「えっとね〜私、田村沙織があなたにするのはこのお店の感想だよ。それじゃあ演劇部のホープの木下くんにインタビュー!あなたはこの催し物どう思うか答えてくれるかな?」

とても元気にアイドルのように聞いてくるし、どこかで見たことがあると思えば今話題沸騰中の高校生歌手の田村沙織ではないか⁉︎何故こんな学校におるんじゃ?

「う、うむそうじゃな………お店も綺麗じゃしスタッフも様になっておって悪くないと思うぞ」

「そっか、そっかありがとうね!皆が頑張って作ったこのディナーショー喫茶店のこと気に入ってくれてありがとう!」

そう言ってワシに向かって微笑んでくる。その顔につい、ときめいてしもうたワシじゃった。




沙織のキャラは芸能界モードと学生モードあります。そのためこのように普段と言葉遣いやテンションが180度ガラリと変わります。
終わり方はなんかすいません。では次回の更新でお会いしましょう。


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22話

バカテス 現代文

問題 『焼け石に水』という諺の類義語を答えなさい。
吉井 明久の答え
「月夜に背中焙る/天井から目薬/灯明で尻を焙る/遠火で手を焙る/二階から尻焙る/二階から目薬/杯水車薪/焼け石に雀の涙」

教師のコメント
正解だ。いつも真面目に答えてくれて先生は嬉しいぞ

木下 優子、田村 速和、田村 沙織、織斑 一夏、シャルロット・デュノアの答え
「二階から目薬」

教師のコメント
正解だ。この諺は思うようにならずもどかしいという意味もあったりするから覚えておくと良い。

土屋 康太の答え
「焼け石に冷水」

教師のコメント
不正解だ。これは類義語を聞いている問題なのでちゃんと答えるように


明久side

4回戦を終えた後、僕と優子は教室に戻りすぐさまホールとキッチンの制服に着替えて仕事に掛かる。お客の方も一向に減っていない。やっぱり僕と優子が勝ってるのと女子の制服がかわいいからだろう。

ホール担当の制服のデザインは男子が白の長袖ワイシャツに黒の蝶ネクタイをして、紺色のスボンを穿いている。女子は長袖ではなく半袖のワイシャツにクリーム色の前掛けを後ろの腰辺りに紐で止め、紺色のスカートを穿いたものにした。この格好は僕が母さんに要請して、母さんが祖母ちゃんに頼んで許可してもらった格好だ。キッチンのスタッフの制服は全部が白色のコートに白色のズボンという出で立ちをしていてる。こちらは男女どちらもデザインは変わらない。

1番人気は………

伝票を打つ機械を持ったそれなりにスタイルが良く、注目を浴びやすい優子だ。

「うひょー、スッゲー可愛いじゃん」

「俺ちょー好みだわー。なあ店員さん後で学祭一緒に回ろうぜ」

「いえ、私、相手がいますので…」

「いいじゃんそんな奴ほっといて俺らと一緒に回った方が楽しいって」

好き勝手言ってくれる。

優子は可愛いからよく若い男性客にナンパされている。それを見てものすごくイライラするし、ストレスが溜まる。

「代表!5卓のハンバーグ定食持って行ってくれませんか?」

「うん、了解」

そんなことを考えていたらAクラスの横田奈々さんが僕に頼み事をしてきたのでナンパ男共に釘を刺す為にその料理を運ぶ事にした。

今はとても忙しくてキッチン担当も時々こうやって料理を運んだりするのに駆り出される。僕はスタスタと歩いて5卓ー優子にナンパしてるお客のせきに近づく。

「ハンバーグ定食お待ち」

そう言いながら料理を置くのと一緒にお客の事を睨む。

「あき、きゃっ」

優子が何か言いかけたけど気にせずに優子を抱き寄せる。

「お客様、店のスタッフにちょっかいをかけるおやめ下さい。後、この子は俺の彼女だ気安く触るな」

そう棘のある言葉を言った後、優子を伴って裏に早足で移動した。

明久side end

 

 

 

 

明彩side

まさか明久があそこまで優子に執着してるとはね。これなら孫の顔を見るのも夢じゃ無いわね。

『今の店員ムカついたな。やっちまうか?』

『ああ、あんな事言われて黙ってられっかよ』

あらさっきの人たちまだ懲りて無いのね。呆れるわ。まあ私の可愛い息子の出し物台無しにするっていうなら容赦はし無いわ。

ガタッ

さっきの連中は急に立ち上がるとダッとお客と店員で大変な店内を走り出して入り口へと向かい出した。

やっぱり下らない事をしたわ。私がお茶楽しんでるのに邪魔しないで欲しいわね。

そう思った私は紅茶の入ったマグカップを置くと、一瞬にして気配を消した(・・・・・・・・・・・)

店員も気付いて止めようとしたがお客が居て対応できないのでなすがままだ。

まあ、私がいるからそんな事許すわけ無いのにね。彼らの背後に近づいた私は一人ずつ峰打して席に戻った。

殴られた食い逃げしようとした子もレジ打ちしていて捕まえようとした子も何が起きたのかわからず目を丸くしているわ。そんなに速かったかしら?

そんな事思いながらまた紅茶を飲む。

明彩side end

 

沙織side

今、私は明彩さんの戦闘を目で追えてしまった。

明彩さんはまず1人に近づいて腹に肘打ちを叩き込み、2人目にフックをかまして、最後の1人にストレートを食らわした。

相も変わらず馬鹿げた戦闘力だなあ〜。

私は感心してしまい、皆が目をパチクリしてる間に明彩さんは席に戻って優雅にまた紅茶飲んでるし、本当に謎の多い人だな、アキの両親。

あっアキが戻って来たと思ったら3人共担いでどっか行っちゃった。

 

余談だけど、あの後校舎裏の焼却炉の近くの木に3人共宙釣りにされてたみたい。

沙織side end

 

 

 

明久side

優子にナンパしていた男共3人を拷問(誤字に非ず)にした後、僕と優子は準決勝に出場する為、試合会場に向かっていた。

「頑張ろ明久♪」

優子はとても機嫌が良い。きっとさっき僕がした行動が嬉しかったのだろう。当然な事をしたまでなんだけどね。

「そうなんだけど、皆に暫く顔合わせれない。死にたい、いや寧ろ殺して」

僕はあんな行動をとった過去の僕を恨みながら沈んでいた。

「だ、大丈夫よ明彩さんだってきっと褒めてくれるって」

優子が必死に僕をフォローしようとする。

あ〜なんて健気、可愛い。

僕は涙が出てしまった。

「な、何で泣くのよ⁉︎」

「だって嬉しくて、僕こんな素敵な許婚が居るんだと思ったらつい、涙が」

僕の言葉に優子の顔がボンッとリンゴのように真っ赤になった。

「ほ、ほら、さっさと行きましょっ」

そう言って僕の腕を引っ張る優子の耳が赤かったのは言わないほうが良いだろう。

そう思った僕は優子に引っ張られるまま会場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

会場につくと4回戦の時よりも観客が増えていた。

「多いね観客さん。流石は準決勝だよ」

「そうね」

僕たちはそんな事を話しながら対戦相手を見ると何処かで見たような顔立ちの2人だった。何処だっけ?

「なんだ準決勝の相手は観察処分者と木下か。これならこの試合は俺達の「『高慢な人には先がない』という言葉を知ってるか?」なんだよ急に?」

「質問しているのは()だ。『高慢な人には先がない』この言葉を知っているかと聞いている」

その疑問に彼らは首を捻っている、どうやら知らないようだな。

「それが何だってんだ!」

「いや、お前たちのような者もいずれは亡ぶなと思っただけだ」

優子を見ると鬼の形相で馬鹿にした坊主頭の方を見ていた。

(高虎の挑発は相変わらず容赦無いね。)

心の中で明久が語りかけてくる。

ー俺は当然のまでのことを言っているだけだ。

ーですが、そんなに挑発してもよろしいのですか?

(そうよ、あんなに額に青筋立ててる。)

お松と優子も心配なのか聞いてくる。

ー心配は無い。お前たち2人は俺達をサポートすれば良い。

それだけ言うと心の中での共鳴会話を終える。立ち会いの教師は芳乃さくらなのだそうだ。

「科目は生物だよ。それじゃ召喚して」

試験召喚(サモン)‼︎』

その言葉に召喚獣が召喚される。

生物

3年Aクラス 常村勇作:368点

3年Aクラス 夏川俊平:372点

V.S

2年Aクラス 吉井明久:???点

2年Aクラス 木下優子:514点

「お聞きしますが先輩方は竹原に頼まれてこの大会に出場しましたか?」

「なんだ、知ってんのか観察処分者なのに。ああそうさ、そうすれば教頭が推薦状書いてくれるからな」

「そちらもですか?」

「ああ」

「成る程……アホですね」

「ンだと⁉︎」

「いえ、貴方方が哀れだなと思いましてね。教頭がしてることを本当に理解して無いしその後にくる苦労も考え無いで利益に目が眩んだ人間は後悔するだけなのにな、と同情しただけですよ」

「どういう意味だつってんだよ‼︎」

僕の問いかけに2人ともそうだと答えたのを聞いて、うっかり本心が出てしまった。それに反応した常、常、モヒカンがキレるのを無視してヒントを出すが彼らはそこまで言ってもわから無いらしい。

どうやら相当頭に血が上ってるみたいだ。

「つまり、彼はこの学校を廃校にしようとしてるのにあなた達にわざわざ推薦状なんて書くと思いますか?」

僕のその言葉に彼らは唖然となる。

「知りたいのならこの試合に負けた後に(・・・・・・・・・・)確認すればいいですよ」

2年Aクラス 吉井明久:1121点

遅れて僕の点数が表示される。

ーオオオオオ‼︎ー

僕の点数の高さに会場がどよめきに包まれる。

「試合開始♪」

さくらさんは嬉しそうに試合開始の合図をする。しかし、常夏先輩でいいやの2人の召喚獣は彼らが呆気に取られてるためピクリとも動かない。そんなチャンスを見逃す僕らでもなく、軽いフットワークを用いて素早い動きで近づき僕は喉笛を一閃し、優子は心臓に当たる部分を一刺しにした。

3年Aクラス 常村勇作:0点

3年Aクラス 夏川俊平:0点

試合は決し僕らはさっさと会場を後にした。立ち去る時彼らの握った拳は震えていた。

 

 

 

 

「さてと、これからが大変だ……」

あれ?急に意識が薄れていく。

「明久?」

優子のそんな声を最後に僕の意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

ん、んん……ここはどこだ?

僕は何してるんだろう。

そう思って立ち上がろうとしたけど体がうまいこと動かない。

「目が覚めたわね吉井」

僕が目が覚めたのに気付いたのか歩いてきた人は島田さんだった。

「なんのつもりかな島田さん?」

「何つもりですって?アンタへのお仕置きに決まってるじゃ無い」

お仕置き?これが?訳が分からない。僕は君たちにお仕置きされる筋合いなんてない。

「それは見当違いだよ島田さん。今すぐこの縄を解いて、後優子の居場所も教えるんだ」

「その必要はありませんよ吉井君。あなたは私たちを見ていれば良いんです」

そう言って次に近づいてきたのは姫路さんだった。

君もか姫路さん、落ちるところまで落ちたね。君はもうただの僕の敵だよ。

「前にも言ったよね。僕に必要なのは優子だって、君たちには僕に近づくなってあの約束を反故するつもりか?」

途中から高虎の意識が前に出始めた。

「ふんっあんなもの納得できる訳ないでしょ」

「まさか貴様らまで竹原に加担していたとはな。だが、お陰で下知が取れた。貴様ら全員をしょっぴくための大義名分がな!」

そう言った瞬間僕の身体に眠っていた高虎の力が発現し辺り一帯が氷漬けになる。もちろん姫路と島田もだ。

僕を縛っていた縄は凍って壊れた。

僕は立ち上がると体が発光していた。

こんな風に力を使ったのは初めてだからこの発光が何を意味するのか僕はよくわかっていない。まさかこの光が僕の力の強大さを物語るものとはこの時は露も知らなかった。

カチャッ‼︎

不意に銃の安全装置を外す音が響いたことからここがどこかの倉庫であることがわかった。

僕の体の発光によって部屋一帯が明るくなり全貌が明らかになる。

場所は特定できないが、すぐ近くに優子が椅子に座らされていた。こめかみに竹原が握っている拳銃を突き付けられた状態で、涙目でこちらを見ていた。

「クックック、まさかあの2人まで倒すとはな驚いたよ」

竹原が鋭い眼光を向けたまま含みのある笑いをする。

「偽善者面は良い加減やめたらどうですか?犯罪グループ竹原組のボスさん」

俺のその言葉に驚いたのか一瞬眼を見張る。

「ふんっ観察処分者にしては賢いな。だがお前の快進撃もここまでだ、一歩でも動けばコイツの命はない」

まるで刑事ドラマの人質を取った犯人のような言動だ。

でも優子が死ぬのは嫌だ。そのため僕は大人しくジッとする。

「それで良い、まったく憎たらしい奴だ。お前も、学園長もメインスポンサーも!全員殺した後に俺は他の学校で校長として働く」

「それはどうだろうな。アンタの読みは駄目駄目な上に、詰めが甘いな」

「何だと?」

ー明久ァァァァ‼︎ー

ズガーン‼︎

どこからともなく聴こえた声と共にドアが吹っ飛んできて竹原に当たる。そちらを見ると物凄いオーラを放った母さんが立っていた。

「明久、優子ちゃん!大丈夫⁉︎怪我してないわよね!すぐに医療ヘリを手配するわ。だから死んじゃ駄目よ!」

ものすごくトリップしてた。

「それよりも母さん。竹原と竹原組に連なる者や一族郎等女子供に至るまで全て処刑の手配をして。竹原組は今日を持って歴史の闇に埋もれて幕を閉じて貰わなきゃいけないよ。今すぐ‼︎」

僕は手早く母さんに命令する。

「分かったわ、明久今日はもう帰りなさい。その体じゃ仕事なんて出来ないわ」

そう言って母さんは遅れてきた背中に『暗』と書かれた陣羽織を羽織った人達に命令を下すのを横目に見ながら僕は優子に駆け寄る。

「優子大じょ「怖かったよ〜明久〜‼︎」大丈夫じゃないねこれは」

僕の胸に顔を埋めた優子はわんわん泣いた。

僕は収まらない光る体のまま優子をお姫様抱っこしたら、優子が僕の首っ玉に抱き付いて離れなかった。

よっぽど怖かったのだろう。僕は優子が泣き止むまでその髪を優しく撫でてあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹原が射殺されその事実は情報統制によって揉み消され行方不明という状態のままその日の清涼祭は終わりを迎えた。僕の体も光るのが収まった。因みに島田と姫路は警察連れて行かれ犯罪幇助の罪で2週間の謹慎に加えて観察処分者のフィードバックを7割設定とすることが通達された。

射殺されたという事実を知っているのは当事者である僕と優子、それに母さんと祖母ちゃんと祖母ちゃんの信頼が置ける西村先生、高橋先生、福原先生のみだ。他の生徒も先生も何も知らない。

そして今は夕方、僕と優子、それに速和に沙織、一夏とシャルというお馴染みのメンバーに加え、雄二、秀吉、康太、工藤さん、霧島さん、久保くんがこの場に残っている。付き添いとして母さん、父さん、優碧さん、の保護者勢に西村先生、高橋先生達教師陣が居る。

理由は祖母ちゃんが謝罪のために集まるように指示された。

待つこと数分祖母ちゃんがやって来た。

「大丈夫だったかい明久、優子?」

その言葉に疑問の顔を浮かべる。僕と優子の祖母ちゃんとの関係を知らない人達は皆一様に首を捻る。

「おいババア、明久と馴れ馴れしく呼んでるが何か関係があるのか?」

最も早くその疑問を口にしたのは雄二だ。

「ああ、明久と優子それに秀吉はアタシの孫と孫娘だよ」

『えええええ⁉︎』

知らなかった人は全員が驚く。

「ほ、本当ですか学園長?」

西村先生が信じられないという口調で聞く。

「ああ間違いないよ。明久はアタシの娘ーそこにいる吉井明彩の息子なんだからね」

祖母ちゃんの言葉に皆の視線が母さんに集まる。

その視線を受けながら母さんは笑顔を絶やさない。見た目はこんなに若いのに大学で博士課程を修了した娘も居るとは到底思えない美貌だ。

「この子は特別な力を持っていてね。戸の一枚や二枚軽く蹴破れる力があるのさ。明久は氷を操ることが出来る上に流れを読むのが天才なんだよ」

その説明に顔が赤くなる。そこまで凄いものでもないけどね。

「さて無駄話はここまでにして本題に行こうか。まずは済まなかったね坂本、アンタを騙すことになって」

「今更、騙されたこと恨んでも仕方ねえからな。それでどうするんだ?」

プルルルル

「ちょっと待ちな、ハイこちら藤堂……なんだって本当かいそれは⁉︎」

何かあったのかな?

「分かったよ。こっちで対処する」

そう言うと電話を切ってこっちを向く。

「明久、坂本達をフォローしてほしいと頼んだけど、作戦変更だよ。優勝してほしい」

イキナリ何だ………あ〜あの人完成させたのか。

「完成したんですか?」

「ああ、束が完成させたんだよ今黒金の腕輪をね」

成る程そう言うことか。それなら……

「祖母ちゃん明日の試験科目は総合科目でお願いするよ。それと僕たちが勝ったら雄二と秀吉、康太の3人にもう1回振り分け試験受けさせてあげて」

本気で勝ちに行くよ。僕の望みと一緒にね。

「………良いよ、可愛い孫の頼みだ」

こうして僕達の清涼祭は1日目を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、僕は自分の家で優子と枕を一緒にして裸で抱き合って寝ていた。

さっきまでずっとしっぱなしで、腰が疲れたのでそろそろ寝ようということになった。

「明久、明日は頑張りましょ」

そう言ってる優子に向かって頷きながら船を漕ぎ始めた。

「ふふ、可愛い♪……ンッ、お休み明久」

 




竹原の設定は犯罪グルーブの例から考えつきました。まあほとんどパクリですが………
それでは次回の更新でお会いしましょう。感想、評価待っております。


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23話

バカテス 世界史

ロベスピエールが逮捕され処刑された事件は何というか答えよ。また、それは何時起きたかも記載せよ。

吉井 明久の答え
「1794年7月24日(フランス革命暦2年テルミドール9日)に起こったフランス革命終焉を告げたテルミドールのクーデター
これはフランス革命時に山岳独裁派に反抗する反対派によって起こされたクーデターの事。テルミドール9日のクーデター、テルミドールの反動とも呼ばれている。

教師のコメント
正解です。ロベスピエールはその翌日にギロチンで処刑されています。


須川 亮の答え
「異端審問会で20XX年」

教師のコメント
ロベスピエールは17世紀の人間です。


明久side

翌日、裏で教師とその一族が誅殺、射殺等の闇の中に葬られたとは露も知らずに清涼祭は最終日を迎え、始まった。

雄二の方も姫路と島田が来ないのを不審がっていたけど時間の為、開店。僕らも通常通り開店した。

けど悲劇とは往々にして起こるものだ。

昨日約束通り優子を目一杯可愛がり、優子に搾り取られた。そのせいで僕と優子は激しい腰痛に襲われていた。そこで仕方なく母さんがくれた栄養剤と鎮痛剤で何とか持ち堪えている。

僕は問題ないけど、優子は接客だ。歩き方が少しギクシャクしたりするなど不安な部分がある。

しかし客はそれを許してくれない。

今日も昨日と同じ、いや昨日以上のお客がお店に殺到し物凄い賑わいを見せていた。

これはただの出し物じゃなくて本当の商売、商売戦争と呼ぶべきだろうか?それほどに凄まじくシフトが交代した時には僕らはヘトヘトになってしまっていた。

「今日は昨日より忙しいね。猫の手も借りたいぐらいだよ」

隣の教室が休憩室として利用していて、そこには簡易ベットと折り畳み式の長机にパイプ椅子が幾つかが置いてある。隣の教室なので間違われないように扉にStaff Onlyと書かれた張り紙をしている。

お互い机を挟んでパイプ椅子に座るが、沈黙が続く。

何か話題を探さないと

「「あ、あのさ(ね)」」

「「…………」」

声が重なりまた沈黙。

「優子から先に言いなよ」

「明久の方こそ、先に言ってよ。私は後でいいから」

僕がそう言うと優子がそう返してくる。

「パスするわ」

「じゃあ、僕もパス」

「さらにパスよ」

「それじゃあ僕もまたパスで」

「なら私は更に」

「パスは2回までだよ、文句は受け付けない」

優子がパスしてきたので僕もパスすると優子が2回目のパスをしてきたので僕も便乗すると優子は3回目のパスをしようとするのを見越して先手を打つ。その言葉に優子は驚愕する。

「なっ⁉︎ずるいわよ明久!」

「苦情は一切受け付けないよ。ほら、さっさと吐いちゃいなよ。楽になるよ」

僕がそう言うと押し黙って下を向いてしまった。

うわ何これこんな可愛い生き物この世に存在してたなんてこの吉井明久一生の不覚だ!

ーお前はとりあえず落ち着け、暴走しかかってるぞ。

何かの扉が開きそうになったら高虎が止めてくれた。

(ありがと、高虎)

ー気にするな、俺に肉体を利用したりする権利を与えてくれたお前を諌めるのは俺の仕事だからな。

高虎がにお礼を言うと気にするなと言われた。やはり高虎は忠節を尽くす将としては最高のパートナーだ。

「あのね明久……」

僕がそんな事を考えていたら意を決したのか優子が語り出した。

「私ね、嫌だったわけじゃないの。明久に一杯可愛いって言ってもらったり、明久の愛情を注いでもらったわけだからね嬉しいの」

モジモジしながら言葉を紡ぐ優子

、あー可愛い。

「う、うん」

「でも、やっぱり恥ずかしい部分もあるからその、今明久にキスされたら私、タコ殴りにしそうなの…………………秀吉の事」

モジモジしながらとんでもない事口走ったぞ⁉︎

「そ、そうなんだ。でも無理だよ僕に優子とキスしないで過ごすなんて」

僕は1日に1回は必ず優子とキスしないとここ最近イライラすることが判明した。それもかなりのもので勉強も手につかない、優子の写真を小一時間ほど見つめているなんてのがざらにあってよく高虎に怒られたものだ。

「明久もなの?私もよ。1日1回は明久に抱きつかないとそわそわしたり、不安になったりするの。明久が誰かに取られちゃうじゃないのかってマイナスな方にばかり思考が働いちゃうの」

優子が僕の言葉を聞いて自分もそうだということを説明する。

嬉しいな♪優子にそんな風に思われるなんて僕はやっぱり幸せだ。

僕はそれを聞くと立ちあがって優子の側に立って優子を立たせて抱き締める。優子もそれに応じるように僕の背に腕を回す。

そして見つめ合った後目を閉じてそのまま顔を近づけキスをす…………

「ふぅ〜、疲れちゃっ………」

そこにタイミング悪くシャルがやってくる。神様僕のこと嫌いなんですか?

時が止まる。僕達は後1センチ顔を動かせば唇が重なるほど接近した状態で首を動きの悪いロボットのように動かしてシャルと目が合う。シャルは顔を赤くして頬に手を当てて立ち尽くしている。

「し、失礼しました!ごゆっくりどうぞ‼︎」

そう言って休憩室から走り去ってしまった。

「待てえええ⁉︎」

僕の声が休憩室中に虚しく響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

時間は過ぎて僕達は決勝戦を行うために移動している最中だ。

うう〜ま、まさかシャルに見られちゃうなんてな。まああの後口止めしたし誰にも言わないって言ってくれたからとりあえずは一安心か。

そんなことを考えながら優子と腕を組んで会場に向かう。

明久side end

 

 

 

 

 

高虎side

試合会場に着くと俺と優子は選手控え室に案内された。ここに着くまでに俺とお松は明久達から肉体の制御を任されている。

思考は明久の操作技術ががあり俺の築城や内政に関する知識、戦での戦闘方法と采配の仕方を一通りチェックしてお松と作戦を練る。

まず、俺が2人の召喚獣の相手をしている間にお松が腕輪の力で康太の召喚獣を戦死に追い込む。

それが出来ない場合は、距離を空けずに接近して細剣の間合いから素早い連続切りを叩き込む2段階作戦。その間に俺は雄二の召喚獣を出来るだけ引き付けて避けれない距離から腕輪の魔力解放・黒で一斉射撃しつつ近付かれたらそこを大兼光で一刀両断する。

それを確認し頷きあったら丁度ドアが開いて案内の先生が来た。

「吉井くん、木下さんこちらです」

そう言って扉を開け召喚フィールドの中へと誘導すると去っていった。

目の前には少しやつれた雄二と目の下にクマのある康太がすでに待ち構えていた。

それを見守るように鉄人が立っていた。

「来たな明久、あの時のリベンジマッチだ」

「望むところだ返り討ちにしてくれる」

僕と雄二の間には火花が散っていた。

お互い譲れない。友達だからこそ、こうやって本気で殴りあうように召喚獣でバトルするのだ。

『出場選手のご紹介です。2年Fクラスの坂本雄二くんと土屋康太くんです。これはFクラスが学年最下位という認識を改めなければいけません!次に同じく2年Aクラスの吉井明久くんと木下優子さんです!」

僕達が紹介される度に歓声と拍手が上がる。

『え〜皆様大変長らくお待たせしました。只今より清涼祭開催試験召喚大会の決勝を始めたいと思います』

アナウンスのその言葉に会場は巨大な歓声に包まれる。

『それではご存知ない方のためにご説明します、試験召喚戦争とは………」

僕らはその説明を聞かなくてもわかるので精神を集中させる。

「ほう、明久達は精神集中か?何のためだ」

雄二は俺たちの行動に疑問を投げかける。これは精神集中ではない、自分の言葉を振り返りどのような時にどのような言葉合うかを考えるものだ。

「寝屋を出るより、その日を死番と心得るべし。かように覚悟極まるゆえに、ものに動ずることなし」

俺はそう静かに口にした。

その言葉はすぐに雑音に掻き消されたが俺の心を研ぎ澄まさせるには十分だった。

『では、科目は総合科目です。召喚して下さい』

試験召喚(サモン)‼︎』

総合科目

2年Fクラス 坂本雄二:2897点

2年Fクラス 土屋康太:1982点

V.S.

2年Aクラス 木下優子:4012点

2年Aクラス 吉井明久:???点

僕の点数はあの後本気で試験を受け、全力で問題を解いた。何点になっているかは僕も分からない。

『お〜っと吉井選手の点数がなかなか表示されない。解説の高橋先生これは一体?』

司会者が今回のために用意した特別解説者である学年主任の高橋先生に質問する。

「これは吉井くんの点数を読み込む際よく起こります。彼の点数は恐ろしいほど高いので機械もなかなか表示しにくいのでしょう」

そうなんだ。これからは少し気を付けようと心に誓った瞬間だった。

『おっと説明してもらってる間に点数が表示されたぞ!なんだこの点数は⁉︎』

2年Aクラス 吉井明久:21756点

シーン

この点数には僕のみならず会場全体が静まり返った。

そりゃ本気でやったけど幾ら何でも万まで行くもんかな?

「し、試合開始だ!」

西村先生も引きながらも審判の仕事を務める。

開始の合図とともに僕と正気に戻った優子は作戦通りに動く。

「「腕輪発動!」」

優子の場合は点数は総合の場合、1000点支払うことでアサルトライフルの精密射撃はクリア性MAXだ。

その優子が正確に狙って放った一発のアサルトライフルの弾丸は見事に康太の頭を吹き飛ばし一撃のもとに戦死する。

2年Fクラス 土屋康太:0点

康太が戦死した事で正気に戻った雄二は優子を警戒しながら僕と対峙する。優子はさっきの体勢のままで留まってもらている。これによって雄二の行動パターンを大幅に制限する事になり、こちらの思惑通りに事が進む。

すぐさま接近して敢えて緑色のオーラを纏った日本刀を一振りする。すると衝撃波が発生し雄二の方へと向かう。

「終焉だ」

そう告げると同時に刀を雄二が立っている方向の地面に突き刺した。

それによって巨大な竜巻が幾つも発生して雄二に近づき雄二はその竜巻状の風の刃に切り刻まれて戦死した。

「それまでっ!勝者吉井・木下ペア、よって今回の召喚大会の優勝者は吉井・木下ペア!」

鉄人のその宣言を聞いて静まり返っていた会場が歓声の嵐に見舞われた。

高虎side end

 

 

 

 




明久さんの本気の点数を計算していったら5桁になった怖え。
それじゃあさよなら、さよなら(ネタ古っ⁉︎)


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24話

バカテスト 現代社会(倫理分野)

問題 ① 生物学において人類はなんと呼ばれているか
② ①の意味を答えよ。

吉井 明久、木下 優子、霧島 翔子、久保 利光、工藤 愛子、織斑 一夏、シャルロット・デュノア、田村 速和、田村 沙織の答え
「①ホモ=サピエンス
②賢い人」

教師のコメント
正解です。1970年に人類学者チームのティム・ホワイトと諏訪元達によって発見されたのが最初ですね。

須川 亮の答え
「①リア充
②撲殺対象」



教師のコメント
不正解です。あなたにとっては先生も撲殺対象ですか?


明久side

決勝戦が終了した。

僕たちは優勝者として学園長である祖母ちゃんから景品である白金の腕輪と黒金の腕輪を授与される。雄二と康太は準優勝者として如月グランドパークのプレミアムチケットが贈呈された。

僕たちはデモンストレーションを行うために腕輪を着ける。祖母ちゃんは皆の前では普段通りに接し、親族や知り合いしかいない時は名前で呼んでくれる。

「それじゃあ今からデモンストレーションを始めるよ。まずは木下から頼むよ、科目は好きにしな」

祖母ちゃんがいつもの口調で話しながら指示を出す。

「学園長、起動のキーワードはなんですか?」

優子もそれに合わせて質問する。

「ああ、すまないね。起動のキーワードは起動(アウェイクン)だよ」

その言葉に自分が言っていないことに気付いた祖母ちゃんはキーワードを教える。

「では、起動(アウェイクン)‼︎」

優子のその言葉を詠唱するとデモンストレーションが行われている召喚大会の会場に試召戦争などでよく見る召喚フィールドが展開される。

ーオオ〜⁉︎ー

召喚フィールドが展開されるのを見て一般客の人々から驚きの声が上がる。間近で見ようとする人やカメラに撮って置く人がいるようだし、これは成功かな?

そう思っていたら壇上に母さんが立った。

「この腕輪は代理召喚という機能が備わっております。この機能を使うことによって教師の立会いが無くとも召喚バトルがすることが出来ます。ですが、これを悪用しようなどと考える場合は即刻この腕輪は廃棄処分といたします。これはあくまで学力向上のための一つの道具であって、遊び道具ではありません。要注意するように」

最後は優子の方に向かってそう言うと優子は無言で頷いた。

「次に吉井の持っている黒金の腕輪のデモンストレーションを開始する。吉井キーワードは重複(ユニゾン)だよ」

「分かりました。試験召喚(サモン)‼︎そして重複(ユニゾン)‼︎」

僕はその言葉を聞いた後、優子が展開したままにしている召喚フイールドの中に入ると召喚獣を召喚する。いつも通りの青を基調とした陣羽織、具足が取り付けられ、剣と銃を携えた召喚される。

その召喚獣を起点に僕の立っている場所を含んだ範囲が幾何学模様に変わる。

そして会場全体が光に包まれる。光による眩しさによって会場にいた人々は全員目を閉じた。

やがて、光が収まると僕は自らの姿を見た。

青いマフラーのようなものに青を基調とした服に銀色の鎧、腰に備前兼光と長船長光を腰に差し、二丁の拳銃を腰の後ろにあるホルスターに入れた上に太腿にある弾薬ポーチが取り付けられた、紛れも無い自分の召喚獣の姿だった。

でもそれともう一本刀が腰に差してあった。こんなものは見たことが無いので僕はそれを引き抜いて掲げてみる。

「あれ、明久って刀3本も持ってたっけ?」

優子も疑問に思っているようだ。

「ッ⁉︎」

急に体の胸の辺りに激痛が走り膝を付いてしまうのを見て慌てて優子が駆け寄ると優子も胸を押さえてうずくまった。

この感じ、高虎の意識が僕の体に入ってきた時と同じだ。じゃあまた誰か?

ーどうやら無事に同調する事が出来たようですね。初めまして吉井明久さん、私は小早川隆景と言います。

(こ、小早川……?智の小早川隆景?)

ーこれは驚いた。私の存在を知っているとは、ええ私があなたの言う通り慈悲深き叡智と官兵衛殿から呼ばれている小早川隆景です。

ーこれは驚きました、五大老の方がこの者の体に入るとは思いもよりませんでした。

高虎が平伏していた。

ーそう堅苦しくする必要はありません、今の私は貴方と同じ彼を支える1矢なのです。

ーははっ

そんなやりとりが終わった後服装を改めてみると所々に茶色が追加されていた。

『吉井君大丈夫ですか、気分が悪ければこのデモンストレーションは中断いたしますよ?』

母さんが丁寧な口調で話しかけてくるけど僕はその言葉に耳を貸すつもりは無い。

「……平気です。続けて下さい」

「…吉井君が使っているのは黒金の腕輪と呼ばれるものです。これは召喚者と召喚獣が一体化し、指示を出さずに召喚者の思考を召喚者と一体化した召喚獣が読み取りその通りに動きます。ただし、この腕輪にはデメリットがあります。召喚者が召喚獣と一体化するとフィードバックというものが召喚者に課せられます。これは召喚獣が受けた傷が本人に影響を与えるというものです」

そんな事があった後無事にデモンストレーションと清涼祭は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

『只今の時間を持ちまして清涼祭は終了と致します。一般客の方は係員の指示に従って退場して下さい。繰り返します………』

放送アナウンスと共に漸く地獄のようなシフトも終了しクラス全員がぐったりとしていた。

何せ客客客また客とエンドレスでお客さんが来たために大盛況だが、その分の忙しさは計り知れなかった。

隆景と高虎もこれだけ疲れている僕の心境を知ってか声を掛けてこない。

集計をしてくれている霧島さん以外の全員でクラスの出し物に使った調理器具なんかを洗う。

(机や内装などは業者がまたしてくれた。)

優子の方もなんでも隆景の正室である問田の大方と呼ばれる人の魂が入っているそうだ。

話は変わるが、姫路の両親は娘がそんな事をしていたとは知らなかったので設備は良く無いが彼女をそこに置く事にした。

要は見捨てられたという事だ。

島田の方は勘当を受けたそうだ。

 




清涼祭編はここで終了です。次回はまた過去編をした後、如月グランドパーク編です。

てか、試験前に何やってんだろう、私?


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閑話2
25話


今回は明久君に厄介事が降りかかります。それではバカテストをどうぞ
バカテスト 化学
問題 次の化学記号の読みと発生場所を答えなさい。
⑴S
⑵U
吉井 明久の答え
⑴読み:硫黄/発生場所:火山などの鉱物(硫化鉱物)、温泉(硫黄泉)
⑵読み:ウラン/発生場所:地殻、海水中に微量に含まれる。余談だが、最も多く埋蔵しているのはオーストラリア

教師のコメント
正解です。吉井君はよく勉強していますね。

土屋 康太の答え
⑴読み:サディスト/発生場所:マゾヒストが居る場所に居る。

教師のコメント
後で職員室に来るように


明久?side

土日を使い開催された清涼祭が終わった翌日、僕はのそのそと起き上がる。

「ん、ん〜!もう朝………?」

僕は身体を起こすと伸びをして固まった筋肉をほぐす。けれどまだ眠たくて変に力を抜けば意識がまた根落ちてしまいそうだった。

そんな完全覚醒でない僕でも下半身の警報には気付く。

「………トイレ」

そう言ってベットから這い出てパジャマのまま動こうとしたらズボンが少し大きい気がしたのと髪が伸びたのかやけに顔にかかるのを後ろに分けながらトイレのドアを開けて中に入る。

便器に腰を下ろし、用をたす。

立ち上がり、水を流した後トイレから出て洗面台の前に立つ。

朝に冷たい水で顔を洗うとようやく頭が活性化し出した。

顔を洗った後、鏡で顔を見る。

うちの鏡は大型で洗面台が僕の腰のあたりにあり、腹までの全体像を見ることが出来る。その鏡には長い黒髪のショートヘアーに目の色がブルーサファイア色になり、大人な感じがありながら少しあどけなさが残る可愛い顔ある。さらに透き通るようなシミ1つ無い白い肌、細すぎず、太すぎない四肢にお椀のようにふっくらとした大きな胸が今着ている夏用の半袖パジャマの上を押し上げて胸の一部が見えていて、谷間によって影が出来ていた。

とてもナイスバディーな美少女が鏡越しに覗いてい………って

「これ、僕じゃん!なんで女になってんの〜⁉︎」

僕の声が家中に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

「お、落ち着け吉井明久。これは夢だ。そうだ夢に違いないんだ‼︎」

ー何を騒い、で、る、ん、だ、………は?

僕の声に起きた高虎が文句を言おうとして固まる。

ー明久か、お前?

「残念ながら」

高虎の問い掛けに泣きたくなるけど肯定する。

しかも声は高くなっていて完璧に女の子だった。

ーこれは、また、一大事ですね。

今度は隆景が起きて僕の状態に苦笑する。

一体なんでこんなことに?

ブー、ブー、ブー!

不意に僕の携帯が鳴る。

「元兄?はい、もしもし?」

『明久か⁉︎お前今女になってないか?』

電話に出た瞬間切羽詰まった感じの元兄の声が聞こえて来た。

彼の名前は天野元長、通称ー元兄ーだ。

僕の従兄弟のお兄さんで現在大学で生物工学を専攻している才人だ。

「確かになってるけど、やっぱり元兄の発明品?」

『ああそうなんだよな。どうやらお前の贈り物の飲み物と試作品を研究グループの後輩が間違えたらしくてな、お前の所に試作品が郵送されちまってな。今急ピッチで解毒剤作ってるが1週間は掛かりそうだ。だからその間は明彩さんに頼んで学校休ませてもらえ』

それだけ言うと電話は切られてしまった。

僕はその場に呆然と立ち尽くしていた。

ーおい、明久大丈夫か?

ー明久殿?

僕の静けさを不審に思った高虎と隆景が話し掛けてくるけど反応できない。

いっ1週間もこの姿で過ごすの?どうしよう。優子になんて言えば良いのさ。今度電話するって言ったのに………

(えっと自殺用のロープはっと)

ーお、落ち着け⁉︎

そういう高虎の意識によって身体の動きが止められる。

(屈辱の1週間を過ごせと?)

僕にとってこんな姿で1週間乗り切れとか母さん直伝の戦闘訓練のフルコースさせられるより試練なんだけど?

ーそこまで凄いのですか?

隆景が聞いてくる。

そういや隆景は知らないんだった。母さんの特訓の恐ろしさを、あれは地獄だ。何も知らないあの時急に呼ばれて特訓するからって言って天璋院暗部の訓練を一緒に受けさせられた。そのため中学の頃から経絡の扱いに長け、身体能力が異常なため鉄針があれば相手を戦闘不能にできる。それらの戦闘能力を叩き込まれる。

天璋院暗部とは母さんが設立した対テロ及び紛争鎮圧を目的とした(表向きは)部隊の名前だ。

だが、実際はそうではない。

服装は御徒士組に陣羽織という出で立ちに仕込み刀に散弾銃付きの錫杖にイギリス軍制式採用拳銃FNハイパワーにアメリカ軍特殊部隊制式採用小銃コルトM4カービンを狙撃銃にアメリカ陸軍制式採用狙撃銃バレットM82を、短機関銃にイスラエル軍制式採用のIMIウージー、軽機関銃はアメリカ特殊部隊の採用銃サコーのM60のモデルを使用する暗殺などを専門とした吉井家直属の私設軍隊だ。

そんな部隊を指揮するのは文月学園メインスポンサーの母さん(吉井明彩)だ。

とはいえ、仕方ない母さんに電話しよう。

僕はそう決心すると部屋に戻って携帯を取って母さんに連絡する。

『もしもし?』

「あっ母さん実はさ………」

『ああアンタが女体化したのは知ってるわ。それで休ませろってんでしょ。任せときなさい』

なんで知ってんだ。

「う、うん。知ってるんならお願い」

こうして僕は1週間の間、女として過ごすことになった。




テスト期間中で中々書く時間がなく、こんなに空いてしまいました。
あと、私は余り、更新速度が速くないので一つに専念したあともう一つの作品に執筆します。なので2つの作品は勝手ながら削除の上失踪させてもらいます。


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26話

バカテスト 保健体育

問題 人が心拍停止状態に陥った人がいます。その際の正しい処置方法を答えなさい。

吉井 明久の答え
「まず周囲を見て安全かを確認した後、周囲の人に119番通報してもらったり、AEDを取りに行ってもらう。次に出来るだけ周囲を巻き込みつつ、肘を伸ばして手の付け根を胸の真ん中に置いて両手を重ねる。(胸骨圧迫)そして5秒間に8回ほどの頻度で強く押す。疲れてきたら周囲の人に代わってもらい強く押してもらう。そうすれば100回/分は到達する。また、訓練を受けていて、自信のある人の場合は片方の手で額を押さえ、もう一方の手の中指と人差し指で顎を持ち上げる。これにより口からの空気の軌道が確保される。この状態で人工呼吸をする場合は鼻を押さえ胸が膨らむように1秒ほど強く息を送り込む。胸骨圧迫30回に2回のペースで行うのがベスト」

教師のコメント
正解です。人工呼吸はそれなりに練習が必要なため訓練してない人が行っては却って悪化させる可能性があります。

島田 美波の答え
「倒れているのが吉井ならまず顔面を殴る。それでも起きない場合は、胸の部分を気が済むまで殴り続ける。」

教師のコメント
島田、貴様には道徳の補習をしてやろう


優子side

火曜日、学校の行事の都合で月曜が振り替え休日になった(Fクラスは補習があったみたい)←秀吉から聞いた。

その次の日アタシは何時ものように学校で明久を待っていた。

でも何時まで経っても明久は来ない。

誰かが入ってくる度笑顔でそっちを向いて、別の人なら落胆して頬杖を付くの繰り返しをしている間に始業のチャイムがなって高橋先生が入ってくる。

キーンコーンカーコン………

「皆さんおはようございます。今日から1週間代表である吉井君が親の都合で学校に登校できません。その間はAクラスは木下さんに頼んでもらうように吉井君から頼まれています。それでは木下さん、号令を」

「は、はいっ!起立!……礼!……着席!」

「それでは今日の連絡事項ですが…………」

アタシの声と共にクラスメイトがお願いします、と声を揃えた後、座席に座るけどヒソヒソと声が聞こえてくる。

皆明久が休むのに少なからず動揺してるみたい。その証拠に何人かの生徒が上の空になっている。

「………では今日も1日勉学に励むように」

それだけ言って高橋先生は教室から出て行った。

アタシは授業の用意を早々に済ますと近くに座ってる一夏とシャルロットに話しかける。

「ねえ、一夏にシャルロット」

「なんだ優子?」

「どうかした?」

アタシの声に反応して話し合ってた2人も会話を止めてこっち向く。

「2人は親の都合って何かわかる?」

そんな疑問に2人は首を傾げてしばらく沈黙する。

「悪いな優子。俺には想像がつかない」

「いいのよ、気にしないで。心配してくれてありがと」

一夏がバツの悪そうな顔をして謝ってくるけど彼のせいではないわ。

彼だって明久と一緒にいたのは小学校の頃だもの、仕方ないわ。

「それでシャルロットはどうなの?」

「う〜ん、分からないこともないけど、そうなると大変だよ?」

知ってるんなら聞いてみないと、許嫁として明久の事情は把握しておかないとね。

「聞かせてちょうだい」

「明久のお母さん、つまり明彩さんはある私設軍隊を率いてるんだ。その名前は天璋院暗部って言って世界各国の軍勢と模擬戦闘をして壊滅的な被害を与えて圧勝した最強の軍隊なんだけど、その軍隊も特殊訓練を施さないといけないからたまにこうやって集められるらしいけど、明久もそれに付き添いになったんじゃないかな?」

つまりシャルロットの話を要約すると明久のお母さんが軍隊を持っていてその軍隊の訓練に明久も付いて行ってるの⁉︎

「なら放課後明久の家に行かないとね。掃除ぐらいしてないと部屋が汚くなるもの」

「俺も行くぜ」

「僕も行くよ。明久の家に行くの久しぶりだしね」

私の言葉に賛同してくれる。

「あら優子、アタシは誘ってくれないの?」

そんな風に話していたら沙織が速和と一緒に話の輪に入ってきた。

「2人も手伝ってくれるの?」

「ええ、もちろん」

「ダチとして当然のことをするまでだな」

2人とも乗り気ね、なら話決まりね。

その前に今日の授業しっかりと受けないとね。

優子side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

そんなことが起きているとは露知らず明久は黙々と掃除をしていた。

「………っふぅ。女の子の体だから慣れないな」

何時もと違って背は変わらないけどその分肩幅が女の子にしては広い方になった上に胸がそれに合わせて大きくなったので重たい。

「あっもうお昼か?何にしよっかな、昨日のお昼はアジのフライとご飯それに卵焼きだった。

 

冷蔵庫にあったのは卵が4つと、鳥肉が1パックにほうれん草の缶詰があるぐらいだ。

「しまったな〜、これならこの前に買い出しに出ればよかった。どうしようかな、ん?」

不意に来客を告げるチャイムが鳴る。何も注文してないけどなんだろ?

「はい?」

インターホンのマイクに話しかける。

『吉井様ですか?配送でーす』

どうやら来たのはよ◯葉配送の業者のようだ。

「分かりました」

そう言って私服(母さんが送りつけてきた女物の服)のまま玄関を開けると、よ◯葉のトラックと配達のお兄さんが立っていた。

とりあえず玄関に入れて食べ物を置いてもらう。

「すいませんね。えっとこちらが冷凍品で、こちらが冷蔵品です。それとこれが常温で置けるものです」

そう言って大きな箱を3つ玄関に積み重ねて注文書を置いて帰って行った。

それらを素早く仕舞う場所に仕舞いその中から、冷凍食品を1つ取り出す。

それはレトルトカレーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレーのルーを温めてお皿にご飯を装い温めたルーをかけて食べた。

当然男の体の時より、食べれる量が減っているためご飯も少なくしている。

「それにしても優子になんて言おう?」

戻れる心配よりも許嫁の優子にどう説明するかの方が頭痛の種になりそうだ、というかなってる。現に何か行動を起こしてそっちに意識を向けないようにしている状態だしね。

そんなことを悩みながら食べていたら何時の間にか時間は過ぎて洗い物をしている時には、放課後の時刻になっていた。

「はあ〜本当にどうしようかな……」

ーあった時のために脳内シュミレートしてみたらどうだ?譬へば、皿洗いをしていたら優子達が鍵の空いている玄関から入ってきて遭遇してしまったら。

ドサッ

「へっ?………その後は………?」

ー………自分で考えろ。

溜息をつきながら作業をしていると高虎が提案をしてきたので耳を傾けていたら、荷物が落ちる音がしたので振り返ると優子と一夏、シャルにカズ、沙織が立っていた。僕はその続きを促したけど、突き放されてしまった。

「明久ヒドイ!こんな、こんな………」

優子が目に涙を浮かべながら言葉を紡ぐのを聞いて罪悪感に包まれる。

でもその後の言葉でズッコケそうになった。

「………こんな大人っぽい娘が好みなんて、裏切りよ!」

そこなの?そういう問題?まず見ず知らずの女性がいることに突っ込もうよ。

「優子、そこじゃないでしょ。ゴホン、アナタは誰かしら?」

沙織が優子を落ち着かせながら聞いてくる。

ど、どうする?このまま素直に答えるか?いや、それとも誤魔化すか?

ごめん皆!僕はこのトラウマはさっさと忘れたいんだ。

「は、初めまして、私、明彩さんに頼まれてこの家の留守を預かる雨宮青空って言うの。近所の大学に通う大学2回生なの」←裏声

適当に口から出まかせを言う。

「へえ〜明彩さんの知り合いなんだ」

シャルは素直に信じてくれた。

「なあ、雨宮さん「ただいま〜」

不意にカズが問いかけようとしたら母さんが帰って来た。

「あら、優子ちゃんに一夏くんにシャルちゃん、速和君と沙織ちゃんじゃない。いらっしゃい」

旅行カバンを肩に掛けた母さんが返り血を浴びた服のままリビングにやってきた。

「あ、明彩さん?ど、どうしたんですかその返り血」

代表してシャルが聞く。他の皆は血に驚いて固まっている。

「何って休暇よ。そこにいる明久(・・)のためにね」

その言葉に皆の視線が集まる。

「あ、あはははは〜」

僕は乾いた笑いを上げるしかできなかった。

『え〜⁉︎』

全員の叫び声が昼間の吉井家に響き渡った。

明久side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

俺達はリビングにあるソファーにそれぞれ腰掛けて明久と明彩さんから説明を受けた。

曰く、

・明久の従兄弟に当たる天野元長の実験薬が手違いで明久の家に届いた。

・それを飲んでしまった明久が女体化

 

・解毒剤が1週間は掛かる

 

・学校に行けないので自主休校

 

・心配した俺達が明久の家を訪ねる←今ココ

「つまり、明久は暫くの間女ってわけか」

「なら名前考えないとね」

「さっきのでいいでしょ?」

俺達がそのことについて話し合い、結果明久は1週間そのまま雨宮青空として生活する。それまで明久は学校を休む。

「それにしても」

優子が立ち上がり、明久、いや青空に近づく。

「ん?」

「何でアタシよりもスタイルいいのよ‼︎」

優子が口調を荒げながら青空の胸を握りしめた。

「イダダダダダダダタ⁉︎」

明久は胸を掴まれた痛みから暴れる。

「そうだよ明久!何でそんなにスタイルの良くてものすごい可愛い女の子になっちゃうのさ!」

そんな明久にシャルが追撃で優子掴んでいる胸のもう一方を掴む。

その手には青筋が付いている。

「嫌味だよね、嫌味なんでしょ‼︎」

シャルまで壊れた。

「落ち着けシャル!」

「優子も落ち着くんだ!」

その後、止めるのに10分を要した。

 




・雨宮青空
明久が元長の発明品で女体化して生まれた姿。
姫路並みのバストに168㎝はある身長にきめ細やかな肌に黒髪のショートカットにブルーサファイアの瞳をした美少女


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27話

バカテスト 生物

問題 次の「 」に単語を当てはめて説明文を完成させない。

「 ア 」が生体を作り上げる単位だとという説を「 イ 」と言い、(イ)は「 ウ 」と「 エ 」によって提唱されたのである。

吉井 明久の答え
(ア)細胞
(イ)細胞説
(ウ)シュライデン
(エ)シュワン

教師のコメント
正解だよ〜。簡単だよね〜でもこういうのがわからない子もいるんだよ?

土屋 康太の答え
(ア)肉
(イ)肉説
(ウ)シュワ
(エ)真っ赤で読めない

教師のコメント
にゃはは………居たよ。それに最後読めないよ。


雄二side

振り替え休日返済の補習授業から2日が経った。

清涼祭以来姫路も島田も登校してきていない。

あの時は忙しいから気にはしていなかったが幾ら何でも可笑しい。

俺はそんな事を考えながら今週末にある再振り分け試験に向けて勉強していた。

「うん、雄二ではないか?早いのう」

俺が日本史の問題に手をつけようとしたら後ろから声がかかり、振り返ると秀吉がカバンを持って立っていた。

「お前もな秀吉。試験対策なら付き合うぞ」

「すまんの、どうも化学といった理数系と古典が出来んくての」

俺は秀吉に相槌を打ちつつ提案すると秀吉は困った顔をしながら持ってきたカバンから問題を出す。

そういや秀吉は数学は得意ではないはずだが、大丈夫なのか?

そう思った俺は聞いてみる事にした。

「なあ秀吉」

「なんじゃ雄二?」

俺の呼びかけに顔を上げずに返事をする。

「お前確か数学はそんなに得意じゃなかったよな?大丈夫なのか?」

「それなら問題ないぞ。姉上という家庭教師がおるから間に合っとるんじゃ」

「そうか、なら他の教科は明久たちにでも聞いてみるってのはどうだ?明久の家意外に広いからなんとかなるだろ?」

俺の問いに秀吉は胸を張って答えたが残念ながら仕草で男らしさはゼロだ。

そんな事を心の中で思いながら口に出さずに問題に向かおうとして、ふと手を止める。そして、妙案として秀吉の姉や明久に勉強を教わる事を持ちかける。

「構わんが、明久は今出掛けとるぞ?」

何?このタイミングでか?妙だな。

「秀吉、ソレは誰から聞いた」

「うん?姉上からじゃが、それがどうかしたかの?」

「いや、なんだか妙でな。いつも真面目に来てるアイツが休むのには何か裏があるんじゃないかと思ってな」

「なら昼休みに聞いてみるのじゃ」

「それもそうだな。よしっもう一丁頑張るか。そして次こそは打倒Aクラスだ‼︎」

「そうじゃな」

雄二side end

 

 

 

 

 

 

沙織side

朝の授業が終わり、今は昼休みになった。アタシたちはそれぞれお弁当を持って屋上に集まって食べている。

ちなみにアタシのお弁当は幕の内弁当みたいな内容だ。兄さんのもそう。というか普通に駅弁とかの幕の内弁当だ。

2人で暮らすようになって最初に発生したのは、お互い家事が得意でないため掃除や洗濯に苦労した事。それは2人が上達したからなんとかなってるけど炊事だけは、ダメだった。アタシは出来なくもないんだけど、アキのお弁当を食べて以来自信を無くしてるし、兄さんはそもそも料理をしたら材料費が馬鹿にならないから論外………結果、アタシ等は悲しく、虚しくコンビニ弁当を食べている。

「今日もコンビニ弁当なのね速和も沙織も」

アタシ達のお弁当を見ながら優子が言ってくる。本人のお弁当はとても可愛らしいお弁当で美味しそうだ。

「仕方ないでしょ、アキの所為で自信無くしちゃったんだから」

アタシはそう言いながら凹む。

「今日は明久から差し入れがあるわ」

そう言って優子が持って来ていた重箱を取り出す。

えっ?アキからアタシ達に?

首を傾げながら優子から重箱を受け取り蓋をあける。そこには手紙が入っていた。

そこには

『沙織へ

何を落ち込んでるのかは知らないけど、君の料理は美味しい。優劣をつけて自分を追い込むのは止めなよ。僕は僕、君は君なんだから、頑張りなよ

 

明久』

手紙には激励の言葉が書かれていてアタシを慰めてくれた。やっぱりアキはアキだね。アタシが落ち込んだり、困った時は手を差し伸べてくれる本当のヒーローだ。

「………ふふやっぱりアキには敵わないわね」

「全くだな」

アタシと兄さんは優子から受け取った重箱の中にあった手紙を見ながらお互いに苦笑いを浮かべ合う。

そのまま2人でその重箱を皆と食べていたら旧校舎側の屋上の扉が開いて坂本君と秀吉君が出てきた。

「あら、坂本君が何の用かしら?」

皆を代表して優子が対応する。でもその姿は可愛らしいお弁当を持った女の子が男の子にお弁当をたかられてるみたいにも見える。

「お前らの代表に用があったんだが、居ないのか?」

坂本君は周囲を見回してアキが居ないことに疑問を持つ。その後ろで木下君が顔を薄っすらと赤くしている。

「アキは家の用事でアメリカよ。今頃は用事に追われてると思うけど」

仕方なしに嘘を言う。アキからそう頼まれてるからね。

「そうなのか?秀吉頼む」

そう言って坂本君が下がり、秀吉君が近づいてくる。そしてアタシのことをじっと見つめる。

「………嘘じゃな」

くっ、やっぱり演劇部の秀吉君には通用しないか。

私は密かに歯軋りした。これスケバン時代の名残だ。

「やっぱアンタは騙せないか秀吉」

優子が諦めたのかそう言ってため息を吐いた。

「伊達に演劇部のホープとは呼ばれとらんぞ」

そういう秀吉君は笑みを浮かべてるけど女の子に見える。

「で、実際はどうなんだ?嘘をついてもこっちには秀吉が居るからな」

そう言いながら坂本君が悪者のように言ってくる。

「アキは確かに家にいる」

「ちょっと沙織‼︎」

アタシの言葉に優子が声を荒げる。でもこと、ここまで知られていて今更何もないでは済まないし、坂本君も済まさないはずだ。ならこっちの陣営に取り込む方が利口だと思うしね。

「木下姉がそこまで秘密したがるとはなかなか面白そうだな」

「教えるのはいいけど、約束してくれる?」

「何をだ?」

優子の焦った姿にさらに坂本君が食いつく。食いついた魚はさっさと釣り上げるために巧みな技で引き寄せて釣り上げるのが醍醐味だ。

ファンも、人気も、信頼も勝ち取るように釣り上げないとね。

あとは掌に落ちた相手を丸め込む。

「これから言うことは信頼する人しか教えてもダメだし口を滑らせてもダメな話。約束できる?」

「「ああ(うむ)」」

アタシの真剣な目に何かを感じ取ったのか2人は重苦しく頷く。

「今アキは従兄弟のお兄さんの発明した薬によって女体化してる。それでその薬の解毒剤が1週間はかかるらしいんだ。だからアキは家を出れないのよ」

掻い摘んで事情を2人に話す。

「なら見に行って冷やかすか」

「………止めておけ。最悪死ぬぞ」

兄さんの言うからなのか妙に臨場感が溢れていた。

「まあ、アイツの困った時は助けるって決めてるからな。宿題とか今日の授業の内容とか教えないとな」

「それに人手が足りない時のためにたまには行かないといけないしね」

一夏とシャルは善意のようだし。

私達はお昼を食べながら今後の段取りを話し合った。

沙織side end

 

 

 

 

 

 

明久side

僕はげんなりしたままリビングにあるソファーに腰掛けていた。

理由は目の前にいる母さんのせいだ。

「ああん、明久やっぱり似合ってる〜。スタイルも身長も私の高校生の時そっくりだわ〜、これなら私の水着着れるんじゃないかしら?」

といった感じでかなり迷走というか暴走している。

「ねえ明久♪今度は私の高校生の頃の制服着て頂戴!いいえ、着なさい!絶対似合うわ‼︎」

「嫌だよ‼︎僕は男なんだよ⁉︎なんでセーラー服着ないといけないのさっ‼︎」

母さんの言葉はもはや滅茶苦茶で、僕は着せ替え人形になっている気がしたから反論する。

僕は母さんの隙を伺い、隙を見せた瞬間リビングから逃げ出して家の地下にある闘技場に逃げ込む。

この地下闘技場は僕と母さんが家で戦う際に破損を防ぐ目的で建てられた。

僕は素早く闘技場の壁に普段使う鉄針より細い鉄針にワイヤー付きのものを天井近くの壁に幾重にも穿ち、足場を作る。

こうすることで僕はまるで空中に浮いたように見せることによる撹乱とあらゆる方向からの鉄針の投擲を可能とする広い場所でしかできない技だ。

「ここに居たわね明久。良い加減諦めなさい、そして私の着せ替え人形として1週間過ごすしか道はないのよ」

母さんが暗部の棟梁の格好をして現れる。僕自身も暗部の制服に一瞬で着替える。

「やだね。そうしたいなら力づくでやってみなよ」

僕は母さんに言われた言葉を拒絶して挑発する。

「手加減しないわよ?」

「こっちこそ、殺す気で行くよ(・・・・・・・)…………」

まるで家族とも思えない言葉の応酬だ。それほどまでにお互いに譲れない。母さんは欲望を成し遂げるため、僕は自らの男としてのプライドのために対峙する。

僕達の間には沈黙が訪れる。互いに巨大なプレッシャーを出して相手を威圧する。

先に動いたのは僕だった。

目にも留まらぬ速さで普通の太さの鉄針を相手の経絡目掛けて放つ。

それを母さんは軽いステップのみで躱すと肉薄してくる。手には何も持っていないが、恐らく仕込んでいるのだろう。

僕はそれを迎え打つ振りをして直前で速度を上げ視界から消える。そして例のワイヤーの上に飛び乗る。

「一体どこに⁉︎」

母さんは気配を消した僕を探そうと辺りを何度も見回していた。

それを見ながら僕は手にしていた鉄針を三本投擲する。

殺気と音(恐らく殺気だろう)に気づいた母さんはそれらを持っていた太刀で薙ぎ払い僕を見る。

「あ、明久⁉︎あなたいつの間に飛んで…………ッ‼︎」

そんな疑問の余地すら抱かせる暇なく第二波、第三波と放ち、高速に移動する。

母さんは今や僕の巣となっているこの闘技場に捕らえられた蜘蛛の餌だ。

これによって空中で何度も移動する図が出来上がり、遂には母さんの体に鉄針が刺さり出した。

それは徐々に増えて行く。最後の一波を放った後はまた高速に移動し今度は母さんに肉薄する。

そして母さんが気づいた後には僕は母さんを斬りつけた後で、血を大量に噴出させながら倒れた。

無論峰打ちのため気絶する程度だ。

「これが蜘蛛の戦術だよ、母さん」

僕はそう言って母さんの身体の活性経絡を鉄針で刺して部屋を出た。

さすがにあのまま放置すれば母さんでも死ぬからね。

明久side end

 

 

 

 

 

 

雄二side

放課後、俺達は木下姉を先頭にして一路吉井邸を目指している。居るのは木下姉に織斑にデュノア、田村兄弟そして俺、ムッツリーニ、秀吉の計9人

明久の家は見た目は普通の家なんだが中はどんな作りなのか全くわからない。

どんなのかだと?ならお前の家には指を一度鳴らすだけで地下への道が開いたり、超大型ディスプレイが天井から下がってきて最新鋭のゲーム機が床から現れるリビングのある家に住んだことあるか?

少なくとも俺はそんな家に住んだことない。だが、それが明久の家だ。

「………やはりここは普通の住宅地」

ムッツリーニが辺りを見ながらそう呟く。

確かにこの辺りは普通の住宅街だ。件の明久の家はここから少し進んだ広場のような場所に建っている

「甘いよ、明久の家は地上だけじゃないの(・・・・・・・・・)

田村妹がその言葉を否定する。

「地上だけじゃないだと?……どういう意味だ」

「そのままの意味よ、明久の家は地下数百メートルにまで及ぶ特殊な構造の家になってるの」

俺達は歩きながら驚愕する。地下数百メートルってどんな造りになってるんだよ明久の家!

金持ちだからってそこまでするか⁉︎

「着いたわ」

木下姉の言葉に従いそちらを見ると二階建ての大きな一軒家が建っていた。

目の前には巨大な庭園が広がり、庭師だろうか?中年の男性が花壇にある花の手入れをしていた。こんな奴前来た時いたか?

「これは優子様にデュノア様、一夏様それに速和様に沙織様ではございませんか」

その男は俺達に気がつくと礼儀正しく挨拶をした。

「ええ久しぶりね笹田さん」

『お久しぶりです』

木下姉に笹田と呼ばれた男はとても愛想よく笑うと俺達に近づいて俺達の目をじっと見た。

な、なんだ?

「………合格です。お待ちしておりました明久様の御学友様。さあ中へどうぞ」

暫くすると俺達を見て合格と呟くととてもニッコリと笑った。その顔はどこか安心感を与える暖かさがあった。その笑顔で扉の方に手を動かし、扉を開ける。

「………あ、ありがとうございます」

「し、失礼するのじゃ」

「………お邪魔します」

俺達3人は緊張した面持ちのまま中に入る。そこはタイル張りで腰が悪い人など用のバリアフリーが考えられた造りになっていた。

手摺が付いていたり、玄関のすぐ上の天井にセンサーが設置され自動的に靴棚が開くと同時に玄関の灯りがつく。

すげえカラクリだな。俺は感心してそれを眺めてしまった。

この数ヶ月の間に明久の家はさらに改造されていた。

「屋根はソーラーパネル、さらに雨の水を床下暖房と床下冷房変換機能なんかもついてるわ。他にも地下一階の遊戯室に地下二階の大温泉もあるの。チンケなゴージャスホテルより設備いいわよここ?」

木下姉が説明しながら靴を脱いで靴棚に入れてスリッパを取り出す。

ありえねえほど豪華だ。よくここまで金注ぎ込んだな明久の両親………さすがに驚きを通り越して呆れが来た。

だいたい、家でホテル用のスリッパってなんだよ。にしてもなんで織斑達は驚かねえんだ?慣れてんのか?

「さあリビングに行きましょ?アキが待ってると思うから」

そんなことを考えていたら靴からスリッパに履き替えた田村妹がリビングの扉を開ける。

そこには大きなソファーが2つに1人用のソファーが6つ均等ありテーブルに沿って並べられてあった。その1つには明久のお袋さんによく似た女性が紅茶を飲みながらただ外を見ていた。

「おい明久、その格好凄いな」

不意に織斑が明久のお袋さん、確か明彩さんだったか?にそっくりな女性に明久と言って話しかける。

確かに彼女の格好は白のブラウスに膝まであるスカートという出で立ちなのだ。なんていうか大人の女性だな。これが明久なのか?

「あれ一夏じゃん、それにカズも沙織も、みんな来たんだ」

その女性から発せられた口調は紛れもなく明久のソレであった。

驚きだ。アイツ自身も美形でイケメンではあったがそれがこんな美女になるとは!

「‼︎」

ムッツリーニが無言でシヤッターを切りまくる。

それほどまでに美人なんだろう。

秀吉もあまりの変化に固まってしまっている。

「それより、お前に客だ」

そう言って田村兄が俺達を顎で示す。

「あっ雄二に、康太それに秀吉も、いらっしゃい」

「あらみんな集まったの?」

明久がそう言うと俺達の後ろからこれまた私服の明彩さんが立っていた。

よく見ると髪の色以外そっくりだ。

「母さんもしかしてお風呂はいってきた?」

「ええ、アンタもシャワーだけじゃダメよ?その柔肌がカサカサになっちゃうじゃない」

「え〜」

明久と明彩さんのやり取りについていけず俺達はポカンとしてしまった。

どうやらこれはやっかいそうだ、そう思う俺だった。

雄二side end




遅くなりすいません。バイトの面接というリアルが忙しいため中々更新できず、さらにヤル気がてなかったために大幅に遅れたことを謝罪します。
スイマセンシター‼︎(ジャンピング土下座)


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28話

バカテスト 日本史
問題 今川氏親が制定し、子の義元の時に補足された分国法の名前を答えなさい。

吉井 明久、霧島 翔子、木下 優子、織斑 一夏、シャルロット・デュノア、田村 速和、田村 沙織、坂本 雄二の答え
「今川仮名目録」

教師のコメント
正解です。坂本君もここ最近メキメキと成績を上げて先生は嬉しいです。

須川 亮、横溝 浩二の答え
「異端審問会会則」

教師のコメント
後で西村先生の補習を受けて下さい。


明久side

僕が女体化してようやく3日が過ぎた。

昨日は雄二達に状況を説明して手助けの約束をこじつけた。そして翌日朝起きたら母さんがいなくて、元兄のところに行って来るという置手紙がリビングに置いてあった。そういうわけで母さんは朝から出かけていて家には1人だ。それで朝食を済ませ、家事と洗濯を終わらせた今、暇になってしまい和室の縁側に座って庭師の笹田さんの作業をぼーっと眺めながら時間が過ぎるのを待つことにしているが、暇で仕方ない。

さて………どうやって暇を潰そう?

 

選択肢

①作業を手伝う

②親戚の家に行く

③買い物に出掛ける

…………?なんだろ、頭に選択肢が出てきた。

うーん、どうしようかな。こんな暇なら家の近くの本屋で恋愛小説でも買ってこようかな?なので③っと

「よしっそれじゃあ出掛けるか。笹田さーん」

「はい、何でしょう明久坊ちゃん」

笹田さんを呼ぶと庭仕事を丁度終えたのか縁側に近づいてくる。

それに僕がこんな姿になろうとずっと坊ちゃんと言った男として扱ってくれる笹田さんはとても優しい。仕事とはいえ、ここまでしてくれるのは素直に嬉しい。

「少し出かけてくるよ。だから家の留守をお願いしてもいいかな?」

「承知致しました。お気を付けて行ってらっしゃいませ」

そう言ってお辞儀してくる。この家にはハウスキーパーも雇ってるから家は彼女とかに任せる時もある。彼女は庭師の笹田さんの家内でもあるらしい。世界は広いと言えどもこうも偶然同じ場所で働いてるとは運命と言うものだろう。

そんなことを考えながら母さんが選んできた服(ネットで調べたらインナーとシンプルベーシックカーディガンを羽織にして、下はにパンツというものだった。)を着て茶色の革の財布を母さんの貸してくれたカバンに入れて部屋を出てそのまま家から近くのモールまで電車に乗って出かける。

見た目が大学生に見えるのでなんら問題ない。そもそも靴下や靴を女子大学生が履くようなものにしか渡してくれていないため必然的にそうなってしまった。

 

 

電車に乗って席に座ってから視線をずっと受ける。ただ座ってるだけなのにみんなこっちをチラチラ見てくるからそっちを向くと男も女も皆そっぽを向くし、なんなんだろ?。

そんなことを考えながら視線を合わせる機を待ち、1人の人がこちらを見た瞬間目をそちらに向ける。

目のあったその男性は顔を真っ赤にして固まった。他の人も同じようにしている。そんなことがあると目的の駅に着いたので下車してモールに向かう。

 

 

 

 

 

モールに着いた僕は本屋を目指していた。そこならいろんな本があるだろうという考えだ。

く〜

「………お腹減ったし、少し早いけどお昼にしようかな?」

でもそんなことを考えてたらお腹がくーっと鳴ったから近くの飲食店を探す。

「あっハンバーガー屋さんが有るわね」

女の子なのでなるべく女の子らしさを出してお店に入る。お店に入ると制服を着た男の子と女の子が注文のためにカウンターに立っていて男の子の手には荷物が抱えられている。

(注:マ◯ドです。)

「ハンバーガーセットピクルストマト抜きでケチャップ増量でお願い。直枝は?」

「僕もハンバーガーセットで」

なんというか注文の多い女子だ。男子の方も苦笑してるし。

っと僕も注文しないと。えっ〜とどんなのあるのかな?

メニューに目を通すと一番最初に目に留まったのはベーコンレタスバーガーなるものだった。

「すいませんベーコンレタスバーガーセット下さい」

「畏まりました。お飲み物如何なさいますか?」

店員さんに注文を言うと飲み物について尋ねられる。

「えっとアイスコーヒーで」

そう言った後レジの場所から少し横にずれて注文の品を待つ。

「ベーコンレタスバーガーとフライドポテト、アイスコーヒーのお客様ー?」

呼ばれたので受け取りに行く。

「あっはい」

「ではごゆっくり」

そう言って店員さんは厨房に戻って行ったのを見送ると席を確保してそこに座る。

ここは二人掛けの席でその隣には四人掛けの席があり、そこには先程の男の子と女の子がいた。

男の子は茶色い髪でどこか女の子のような感じを漂わせていた。女の子の方はピンク色に近い紫色の髪をロングにして髪の一部をピンクの髪飾りで留めている。

その制服から近くにある全寮制で有名で文月学園の姉妹校であるということが分かった。知っているのは母さんから聞いたことがあるからだ。

そんなことを考えながら彼らを観察したりして昼食を食べる。

ブビュルッ‼︎

女の子の食べたハンバーガーからケチャップが飛び散り頬がケチャップ塗れになる。なんか可愛らしい。

「………何よ直枝?」

「なんでもないよ。ただ佳奈多さんが可愛いなあと思ってさ」

女の子が睨むと男の子ー直枝君は苦笑した後、そう呟くと佳奈多と呼ばれた子は顔を赤くする。

そして必死にポケットからテイッシュを取り出し拭こうとするのを直枝君が止める。

そして顔を近づけー

ペロッ

彼女の頬に付いたケチャップを舐めとった。

「〜〜〜〜ッ⁉︎」

ボンッ‼︎という音が聞こえそうなほど顔を真っ赤にして俯いてしまう。

そっか皆が僕と優子が一緒にいてああいうことしてるの見てこんな感情を抱いてるのか。なんか腹立たしい。

僕は食べ終えたトレイやらを返却した後、彼らの近くを通り過ぎー

「見つけましたよお姉ちゃんっ!」

ーれなかった。急にやってきた男女の集団によって通路が塞がれ道が無かった。

どうしよ?話聞いてくれそうにないな。困っている僕を放って置いて集団は直枝君と佳奈多さんの周りに集い話し始める。

「やい二木!おめえ、なんで俺の理樹とこんな所でデートしてやがる!」

その中の1人の大きな図体をして赤いシャツに学ラン、赤いハチマキという出で立ちの男子が詰め寄る。

ていうか俺の理樹って何?彼ホモなの?

そしてその後ろに居る青い髪で赤いカチューシャした子がボソッと呟いた「直枝×井ノ原………美しくありません」という言葉を僕は聞き逃さなかった。

「あら井ノ原。これは単なる買い出しのついでよ?寮会に必要なものがあってそれを買ったついでにここで食事しようと直枝が誘ったのよ。ねえ直枝?」

成る程、彼女が脱税とかの容疑で捕まった二木家の証人である二木佳奈多さんか。

そんなことを納得しながら見ていると井ノ原と呼ばれた大きな体の生徒に詰め寄られても一切動じない佳奈多さん。中々出来るね。

そういえば1人だけなんで胴着にジャンパーっていう出で立ちなんだろ?しかもご丁寧にLittle Bustersと胸の所に猫の刺繍入りで縫われている。

「いや、僕は…………」

「本当なんですか理樹君⁉︎」

佳奈多さんによく似た女の子が物凄い形相で睨む。よく見ると他の女子の子も真剣に見ている。

「まあ、待てお前ら」

その中で年長者らしい男子が手を叩いて注目を集める。

「止めるな馬鹿兄貴」

「そうだぞ恭介氏。これは由々しき事態だ」

それに反論するのは年長者の男子の妹らしいポニーテールの子と黒い髪に中々スタイルのいい女子の2人

どうやら年長者は恭介という名前のようだ。妹さんは随分と男勝りな口調でいうのも納得だ。

「来ヶ谷も鈴も落ち着け。ここは店内だし、なにより通行の邪魔だ」

そう言って恭介と呼ばれた青年は僕を見ると、それに釣られて全員の視線が僕に集まる。

なんか照れ臭い。

「ご、ご、ごめんなさあい⁉︎」

星型の髪留めをしたショートボブにクリーム色のセーターを着た子が錯乱したように謝る。どう対応したらいいの?

「ええっと、あなた名前は?」

僕は落ち着かせる為に初歩的なことを聞く。

「ふえ?私は神北小毬です」

僕が問いかけるとその子はキョトンとした後、自分の名前を笑顔で名乗る。うん笑顔の方が似合う子だ。

「私は雨宮青空。今度、文月学園に転入するために来たの」

取り敢えず誤魔化しとく。

「そうかお前、俺らの学校の姉妹校に転入するのか。俺は棗恭介」

そこからは全員で自己紹介し合う。

まず、男性陣で話題の中心である男子がリトルバスターズ唯一の常識人らしい直枝理樹君。次に先程の棗恭介さん、彼はみんなの中で唯一年上の高校三年生で絶賛就職活動中らしい。お次は先程のホモ発言をした男子、井ノ原真人君。彼は憎めない筋肉馬鹿一直線という渾名があるらしい。何でもかんでも筋肉に結び付ける性格だそうだ。

最後が剣道着姿の上にジャンパーを羽織った宮沢謙吾君。剣道でそれなり頑張っていたがある人物を助ける為先生に手を挙げた為に1学期の間部活動禁止を言い渡されたそうだ。そこからはずっと馬鹿さ加減が上がっているのだという。

次に女性陣

リトルバスターズ初期メンバーの紅一点が恭介さんの妹の棗鈴さんだ。

頭に猫を乗せてるってことは相当の猫好きなのだろう。今度、モンペチを贈ろうと思った。

そしてさっきの神北小毬さん。よくボランティアや老人ホームを訪れているらしい。

彼女の信条は幸せスパイラル理論というらしい。相手が幸せなら自分も幸せというのは共感出来る気がした。

お次は佳奈多さんが髪の毛を二つのピンクの髪飾りで特徴的な形で留めて目が青色の子が三枝葉留佳さん。

学校一の問題児でよく悪さをして風紀委員から毎日のように追われているらしい。昔の僕みたいなものだ。

次にスタイルの良い黒髪のストレートヘアの来ヶ谷唯湖さん。

彼女は下の名前で呼ぼうとしたらとてつもない殺気を浴びせられたので速攻で謝っておいた。

だってブチ殺すぞ小娘なんて低い声で言われら、ねえ?まあ怖いかって言ったら全然怖くないけどさ。

お次は能美クドリャフカさん。彼女は可愛くてつい、抱き締めしまった。そしたら来ヶ谷さんが指をサムズアップしてきた。何さその指?えっ?グッジョブ?舐めてるの?

ついで言うならさっきのBL発言をした女子は西園美魚さん。

本が凄く好きらしく、僕自身もその本のタイトルを聞いて今度借りようかと思った。

残りの3人はそれぞれ、笹瀬川佐々美さん、朱鷺戸沙耶さんそして二木佳奈多さん。

笹瀬川さんの名前をフルネームで普通に読んでしまい彼女には好印象だったようだ。

朱鷺戸さんはズッコケたのを立たせて挙げて慰めるといきなりこんなことを言い出した。

「ええ、そうよ!滑ったのよ。フキンがあるとも知らずに思いっきり踏んづけてすっ転んだのよ。滑稽でしょ?笑えるでしょ?笑っちゃいなさいよ!あっははは‼︎」

何、この自虐パフォーマンス………?

「沙耶さん、彼女ポカンとしてるから」

理樹君がツッコミを入れる。

オッケーこのグループは彼がいないとボケが溢れ返るね。

「それにしても雨宮青空………もしやと思うが、君はかつて全国模試で全教科一位で総合一位を獲得してないかね?」

そういや口から急に出たから忘れてたけどこの名前で一回だけ模試受けたっけ?それで一位取ったんだった。

「え、ええ確かに取ってるわ。ほんの数ヶ月前にだけど」

「ふむ、成る程コイツがこんな昼間からここにいる理由も頷けるな」

謙吾君が頷きながら言う。

「どいうことですか?宮沢さん」

クドと呼ばしてもらっているこれは本人からの頼まれた。そんな彼女が質問する。

「全国模試一位ということは学業でも少しぐらいサボったところでなんら影響は出んということだ」

「わふー、すごいのですか?」

噛み砕いて説明すると目をキラキラさせてこちらを見る。

「ええっと、つまり?」

「サボったって平気なぐらい学力高いってことですか?」

真人君が話しに着いて行けてないようで頭を抱えていると、隣で理解したらしい葉留佳さんがそう伝える。

「まっそういうこった」

恭介さんが肯定する。

「つまりどいうことなんだ?」

鈴さんのその言葉に僕は危うくズッコケそうになった。

「要するに来ヶ谷さんよりも学力が優秀だから授業に参加しないで良いってことだよ」

理樹君が補足説明する。

「すっごく賢いんだねえ〜」

小毬さんがまったりとした雰囲気で喋ってくる。

「ところで直枝さん」

不意に西園さんが理樹君に問いかける。

「えっと何かな?」

「先程の問いの答えを教えて下さい」

それによって空気が凍りついた。

明久side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理樹side

「先程の問いの答えを教えて下さい」

西園さんが口にした一言によって場の空気が凍る。

あ〜あのまま忘れて欲しかったんだけどな。

「そうですよ!どうなんですか?理樹君⁉︎」

葉留佳さんが詰め寄る。全員の視線が一斉に集まる。

よく見たら青空さんがソロソロと逃げようとしていたのが見えた。

「おっと逃がさんよ」

来ヶ谷さんがそれに気付き捕縛する。

「Y se suelta la mano!」

急に青空さんが日本語でない言語を話した。何語なんだろ?

「わかる言葉で話してくれないか?」

来ヶ谷さんも分からないらしい。

「手を離してってスペイン語で言ったんですよ!」

そう言って手を解く。

「凄いな外国語もペラペラなのか?」

恭介が物珍しそうに近づく。

「親の仕事で仕方なくです。それにそろそろ帰ろうと思うんですが、帰らせてくれませんか?」

彼女はそう言うとカバンを手に持ってこの場を去ろうとする。

「まあそう言わずに座りたまえ。それとも何か不都合な事でもあるのか?」

来ヶ谷さんが後ろから抱き抱える。

「⁉︎」

驚いたのか青空さんは固まる。でも次の瞬間僕は目を疑った。

来ヶ谷さんが青空さんによって投げ飛ばされたのだ。

受身を取ったから怪我は無かったけど、その投げ方は素人じゃ無かった。

「ふむ、身体能力も問題なしだな。おい雨宮」

そう呟いて頷くと雨宮さんを恭介が呼ぶ。

「何ですか?」

彼女は相変わらず笑顔を貼り付けていてその表情はからは心情は読み取れないけど楽しんでいるのは確かだ。

「うちの学校の敷地内でバトルをしよう。無論勝てたらこのまま帰って貰って構わない。だが、負けたら俺達と遊んでもらう。これでどうだ?」

恭介のその提案に少し考え込む青空さん。

どうやら彼女もこのまま帰りたいというわけではないらしい。

「分かりました。その申し出受けて立ちましょう」

そして頷いた。

 

 

 

 

 

ここは学校のグラウンド、今は放課後のため誰にも迷惑がかからないかと言えばそうでもない。ソフトボール部が居るのだが笹瀬川さんの一喝で場所はすぐに確保された。

そして恭介が野次馬を呼ぶ。それによって放課後になったというのに生徒達がゾロゾロ集まってくる。その中にやはり私服姿の生徒もいる。

「おい誰だよあの子?」

「知らねえよ。なあ棗、あの子誰なんだ?」

やっぱり青空さんの事を疑問に持つ野次馬が後を絶たない。

「それについては俺から説明する。彼女は雨宮青空、来ヶ谷と互角に渡り合える女子だ。今日の昼に理樹が二木と買い出しに行っているのを見守っていたら現れた凄い奴だ。なんとあの来ヶ谷より頭脳は明晰なんだぜ?」

恭介の説明に野次馬が騒めき出す。それも当然だと思う。全国模試で一桁の順位を取った来ヶ谷さんより賢いのだ。驚かない筈がない。

「それで今回のバトルだが各々には自分の最も強い武器で戦う事」

そう言うとどこにしまっていたのか来ヶ谷さんが日本刀の模造刀とマシンガンを取り出す。

対する青空さんはこちらもどこから出したのか腰に日本刀(恐らく模造刀)を3本と二丁の大型拳銃という装備。

「バトルスタート!」

恭介の掛け声と共に2人は同時に動き出す。

先に攻撃したのは来ヶ谷さん。模造刀を素早く振るい目にも留まらぬ剣撃を繰り出す。それを青空さんは一太刀の元に受け止めた。その瞬間もう片方の手でもう一本模造刀を抜刀する。それをギリギリ躱す来ヶ谷さん。

そのまま青空さんは接近して片方の模造刀で鋭い突きを放つ。

来ヶ谷さんは体を捻って躱すとそこから高速に連続突きを繰り出す。その速度は片方の手が6本生えてるかのように見える程だった。このバトル光景に野次馬は皆沈黙したまま見続ける。普段なら何かしらのコメントを発するのにそれすらしないで見続けているのだから途轍も無い戦闘だという事を暗に示していた。

理樹side end

 

 

 

 

 

 

 

 

恭介side

俺はバトルを始めの合図をしてから動く2人の姿を追うのに苦労していた。来ヶ谷自身がよく野球なのでやる残像を使う程の手馴れである雨宮の動きは何一つ無駄が無かった。相手の意表を突き空きあらば鋭い斬撃を放つ。それに何より来ヶ谷のその速度に追いついている、いや追い越す速度だった。

相手を間接的とはいえ、誘導し華麗でいて何処か謙吾の姿を重ねる。

あれは道場剣術と実戦剣術を織り交ぜた独特なものだ。謙吾から色々と聞いているので知っているが、あれは柳生新陰流なのだそうだ。

だが、それだけじゃ無い。あれには相手の手首や目を狙うと言った戦国の世での剣術があるらしい。

そんなもん使うとは恐ろしい奴だぜ。

「なあ恭介?」

不意に真人が話し掛けてくる。

「どうした真人」

「アイツの動きおかしく無いか?消えたりするの来ヶ谷の姉御より速えぜ?」

真人もそのことに疑問を抱いているらしい。

「さあな、ただ言えることはこれはどっちが勝つか分からねえな」

俺はそう答えるしか無かった。

恭介side end

 

 

 

 

 

 

来ヶ谷side

驚いたな、この私がここまで押されるとはな。けれど彼女から感じる戦闘仕方は推し量っているような気がした。

私は相手に近づいて切り抜けるその一撃は防がれる距離を離し振り向きざまにマシンガンを連射した。だが、それは空を切っていた。そこには彼女は立っていなかった。私は辺りを見回したが先程までの戦闘でグラウンドは土煙が上がってしまい視界が悪い。だが、この程度彼女はなんとも無いのだろう。今までの動きから見るに彼女はこの煙幕の中でも視界は良好だ。条件はあちらが有利でこちらが不利だ。フフッだからこそ燃えるのだよ。

私は耳を澄ました。

背後から近づいて来る足音があるがこれはダミー、本命はー

ガキイン‼︎

「⁉︎」

ー側面だということだ。

私とて伊達にリトルバスターズの理樹君のバッティングと守備の練習をしているわけでは無い。

だが、彼女はニヤッと笑った。

私はその意図が分からなかった、けれどすぐにその意味を理解する羽目になった。

真の本命はその反対側だったのだから(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

その一撃に反応できなかった私は右からやって来た模造刀の一撃で吹き飛ばされた。

来ヶ谷side end

 

 

 

 

 

 

 

 

佳奈多side

私達は棗先輩主催の来ヶ谷さん対雨宮さんのバトルを観ていた。その様は正に嵐と呼んでもいいのではないかと思える程苛烈なものだった。鳴り響くのは剣戟、銃声そして地を蹴るダンッ‼︎という足音のみだ。視界は既に濃い土煙によって遮られている。そんな時来ヶ谷さんが土煙の中から吹き飛ばされて来た。

吹き飛ばされた来ヶ谷さんは直ぐさま模造刀を突き立てて勢いを殺して態勢を立て直す。けれどさっきの一撃が余程効いたのかその表情に余裕は見受けられ無い。

「まさか姉御をあそこまで追い詰めるなんて、凄いですね青空ちゃん」

葉留佳の言う通りだ。井ノ原や宮沢に劣るものの来ヶ谷さんの戦闘力は女子の中ではズバ抜けて高い。それがあそこまで追い詰めることが出来るのだから雨宮さんの戦闘力は井ノ原や宮沢並にあるということだ。

土煙が晴れ、中から雨宮さんの姿が現れる。彼女は汗一つ掻いてい無い。澄ました顔をして模造刀を一振りした後納刀する。彼女の手には開始時に握られていた大型拳銃が一つ握ってある。

「そろそろ終わりにしませんか?あなたの体力も限界の様ですし」

彼女の言葉も最もだ。来ヶ谷さんは息が荒い上に顔を顰めている。どうやら痛む様だ。よく見ると左肩に少しだが血が滲んでいる。それ程までに彼女の一撃は重いということだ。

「無論、望むところだ」

そう言うとマシンガンを握っていた手を開きマシンガンを捨て模造刀を両手で握る。その意図を察したのか雨宮さんは2本の模造刀と2丁の大型拳銃をその場に下ろして立て、抜刀の構えを取った。

場を沈黙が包む。

一陣の風が吹き、彼女が立てた2丁が倒れた瞬間2人は飛び出しすれ違いざまに抜刀した。その速度は異常なまでに速く私達全員には捉えられ無かった。2人は模造刀を振り抜いた状態で止まっていた。その瞬間は一瞬だったろう。けれど私にはそれは長い時間の様に感じられた。

だが、来ヶ谷さんが倒れこむのを見て終わったのだと理解した。

「見事だな、私の、負けだよ」

そう言っている来ヶ谷さんは負けはしたが、とても良い笑顔だった。

「良い戦いができました。エリザベス」

そう言って彼女は手を差し伸べる。その手を来ヶ谷さんが握るのを確認すると引き上げて肩を貸した。

パチパチパチパチパチパチ

野次馬たちから賞賛の拍手の嵐が起こる。

「お前の勝ちだな雨宮。望み通り帰っても良いぜ。来ヶ谷は俺たちに任せろきっちり治療する」

そう言って棗先輩が締める。

「ええ、ありがとう恭介さん。私はあなた達みたいな友達(・・)に会えて光栄よ」

そう言って空いている方の手を差し伸べる。それを見た棗先輩は一瞬キョトンとするも理解したのか微笑を浮かべるとその手を取って握手をした。

佳奈多side end




友情出演、keyのリトルバスターズ!です。途中から戦闘描写になってしまい、前後編に分けることになりました。

後は言えることは他の作品も亀更新ですが更新しようと思ったことです。やはりこういう作品は沢山書いた方が楽しいですからね。
そして長くなりそうなので2つに分けます。


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29話

バカテスト ライティング

問題 次の比較級の文の()を埋めなさい。
例:James is taller than Freed.

Freed is ( ) ( ) ( ) ( ) James.

吉井 明久、木下 優子の答え
Freed is ( not ) ( as ) ( tall ) ( as ) James.

教師のコメント
正解です。ここではnot as〜as構文を使います。

特別ゲスト
直枝 理樹、棗 鈴、棗 恭介、宮沢 謙吾、神北 小毬、来ヶ谷 唯湖、三枝 葉留佳、能美クドリャフカ、西園 美魚、二木佳奈多、笹瀬川 佐々美、朱鷺戸 沙耶の答え
Freed is ( not ) ( as ) ( tall ) ( as ) James.

教師のコメント
正解です。姉妹校の方々も賢い子は賢いですね。けれど棗くんはなぜ2年の問題に答えてるですか?

棗 恭介のコメント
俺だけ仲間はずれなんて寂しいだろ。だからだ。

井ノ原 真人の答え
Freed is ( longer ) ( than ) ( ! ) ( ! ) James.

教師のコメント
こんな生徒もいるんですね。格好良く言っても不正解です。



明久side

リトルバスターズなるメンバーの人達と友情(?)を深め合った後、モールに戻ると速和と沙織に会った。

「アキ、じゃなかった青空」

沙織は間違えかけるけど言い直す。でも仕方ないと思う。

今まで普通に男子のアキという呼び名だったのにいきなり青空と呼ぶとなるとなかなか馴染めない物だ。

「出かけてたのか?」

「うん、本来だったらここで用事をさっさと済まして家に戻ってたんだけどね。ある人達と会ってね」

僕はそう言って今までの経緯を話した。

暇なので本を買いにこのモールまで来たこと、そこでちょうどお腹が空いたのハンバーガーショップに寄った事、そしてそこで出会った彼らリトルバスターズの面々達との楽しい時間を出来る限り詳しく説明した。そんな風に説明する僕を2人は嬉しそうに聞いていた。

明久side end

 

 

 

 

 

速和side

俺と沙織は学校の帰りに日用品なんかの買い出しのために2人でモールにやって来ていた。そんな時に女子大生の格好をした女体化した明久ー改め青空が居たので話しかけると俺達と同じく買い物に来ているらしい。でも、こんな放課後の時間になったのはリトルバスターズという文月学園の姉妹校に在籍する生徒達で構成された集団と遊んでいたらこんな時間になったそうだ。

そこで俺達は一緒にモールを回る事にした。

2人は仲良く談笑しながら俺を挟んで歩いている。

端から見れば俺のこの状況は物凄い羨ましいものだろう。でも俺にとっては何も変わらない日常の1ページが大事な宝物になっていく。

明久が笑い、俺や沙織もつられて笑う。そうして俺たちは幸せを甘受していくのだ。

そんな事を考えながらモールを歩き、まず俺たちが必要としている日用品を購入する。トイレットペーパーや食用油、サランラップなんかだ。食用油は主に卵焼きのために、サランラップはというと時々明久がおすそ分けと言って料理を送ってくれる時がある。それらを保存するためなんかが殆どだ。

俺たちの用事が終わると今度は明久の用事を済ませるためにモール1番の本屋に寄る。

「あっ沙織その楽譜のノート買うよ。無くなりそうじゃ無いかな?」

「ありがと。あ、こっちの料理の雑誌も欲しいわね」

「クックパッド?それだったら最新版間違えて2冊あるから今度渡すよ」

2人は本当に女子の買い物みたいにキャッキャとはしゃぎながら買いたいものを選別していく。

恋愛小説も少々買うとレジでお金を払い、袋に閉じてもらって3人で明久の家に向かう。

速和side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

「………もう一回言ってもらえるかな母さん」

僕はもう一度母さんに説明するように促した。

「だから、この薬を飲めばアンタは吉井明久と雨宮青空に分かれるって言ってるのよ」

どうしてそんな薬ができてるのさ⁉︎

カズと沙織の2人と家に帰ると母さんが戻っていてこれを飲むように言ってきた。それもこれは性別を元に戻した上に変化した性別もこの世界に生まれてしまうらしい。

「良いんじゃないかしら?いっそのことアキが2人になってもう片方が護衛になれば」

沙織が簡単に言うが、そんなことになれば混乱は必至だ。

「諦めなさい。アンタはもう2人の人物が存在してしまうのよ」

そう言って母さんは僕の体を押さえると薬を口の中に流し込んだ。

物凄く苦く意識が負けて飛びそうになった。

「ゲホッゴホッ何するんだよ!ってあれ?」

なぜか目の前には母さんが2人、いや片方はもう1人の僕、雨宮青空だ。彼女は僕の方に倒れてくるので慌てて抱きとめる。

「成功ね。それじゃあ彼女の戸籍作っちゃいましょうか」

そう言って母さんが荷物を纏めて動き出すって

「もう行くの?それに戸籍作ってなかったの⁈」

なんで行き当たりばったりな母親だ。失敗したらどうするつもりだ。

「それじゃあね〜」

そう言って母さんは風のように去っていった。

残されたのは僕とさっき倒れて今は僕の腕の中にいる青空と唖然としているカズと沙織の4人だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

僕はいつも通り制服に着替えた。その隣では女子の制服を着た女の僕(・・・)鏡を見て髪を整えている。

目を覚ました彼女は僕との記憶を共有していた。基本的に昔の記憶まで捏造されていたというのだから、都合の良いことだ。

そして髪をセットし、2人で朝食を食べたあとは鞄を持って2人で並んで歩く。傍から見ればまさしく恋人だ。

イケメンと大人のようであどけなさの残る顔立ちの美少女なのだから見られないわけない。そして誤解されないわけがない。片や今人沸騰中の高校生アイドル歌手、片や10人すれ違えば10人は必ず振り返る美少女だ。嫌でも注目される。

「おはようあき、へっ?」

優子が僕たちを見て固まる。事情知っているカズと沙織とはさっき合流して歩いている。

「お、おはよう優子」

「おはようございます優子さん」

僕が挨拶すると青空も倣って挨拶する。

その光景に優子は目を丸くしてその場で更に動かなくなる。

ー少年事情説明中ー

「なるほどね、明彩さんによって明久と青空は2人の人間としてこの世界に存在するってことね」

「まあ、大まかに言えばそうなるね」

優子が納得する。ふう、後は一夏達だね。

でもいちいちこの反応見るのかと思うと僕は気分が落ちていった。

明久side end

 

 

 

 

一夏side

「おはようございます。皆さん今日から予定を切り上げて早く戻ってきた代表の吉井君ともう1人転入生がいます。では入ってきてください」

H.R.の時間高橋先生が教卓でそういう前に明久達から教えられていたので知っている人物が入ってくる。

その人物は首のあたりで切り揃えられた黒い髪に黒を目立たせる色白の肌、高校生にしては制服の上からでもそのボリュームが分かりそうなほど大きい胸。スラッとした細い脚にキュッと締まった腰で、制服がとても似合ったブルーサフアィアの瞳の少女だった。

「転入生の雨宮青空と言います。私はこちらの代表である吉井明久さんと木下優子さんの従姉妹にあたります。海外で育ちましたが純粋な日本人ですのでどうぞよろしくお願いしますね」

そう言って優雅にお辞儀する。立ち振る舞いも正しく明久と同じだ。

全員言葉が出ない。あまりの美人さにどう反応すれば良いか困っているらしい。

「それでは次に姉妹校である間宮学園から一ヶ月の間、交換留学生を紹介します」

確かに今日は何故か14人分の席が空いている。

「では、入ってきてください」

その声に合わせて13人の男女が入ってくる。

けれど1つ席が余っている。

ダンッ!

そんな音が窓の方からしたのでそちらを向くと茶髪の男子で留学生の男子1名(うち1名は学ラン、もう1人は胴着にジャンパー)と同じ制服の為彼が14人目なのだろう。

「棗くん、今度からはそういう行動は控えるようにして下さい」

高橋先生はそれに対してツッコミを入れて終える。そして下がると制服を着た生徒が前に立った

「初めまして間宮学園2-Eの直枝理樹です。一ヶ月の間宜しくお願いします」

一夏side end

 

 

明久side

理樹君の自己紹介は穏便に済むも他の人で一苦労した。真人君が筋肉、筋肉ー!とか言い出すし、それに乗って謙吾君やクドリャフカさんも筋肉と連呼すると真人君が鈴さんに蹴り飛ばされた。その際パンツが見えたのは優子には内緒だ。そして昨日、青空の名義で鈴さんにモンペチを贈った。

恐らく寮に届いてるだろう。

小毬さんは足を滑らせて教卓に頭ぶつけるし、葉留佳さんは自己紹介で騒いでお姉さんの佳奈多さんに叱られた。

西園さんは無難に終わらせ、来ヶ谷さんはセクハラ発言して生徒をドン引きさせた。謙吾君は何事も無かったかのように普通に自己紹介。そうして全員が自己紹介し、こうして新たな生活が始まった。




リトバスの学校の名前は単なるこちらの独自設定ですので鵜呑みにしないで下さい。


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如月グランドパーク編
30話


バカテスト 選択科目家庭科
問題 赤味噌と白味噌を混ぜた物を何と言うか?

吉井 明久、木下 優子、田村 沙織、織斑 一夏、シャルロット・デュノア、坂本 雄二の答え
「合わせ味噌」

教師のコメント
正解です。味噌汁などによく使われています。

土屋 康太の答え
「調合味噌」

教師のコメント
正解です。合わせ味噌は調合味噌とも呼びます。
こんな事を言うのも不謹慎かもしれませんが、土屋君まぐれですか?

土屋 康太のコメント
このくらい紳士なら当然の知識

姫路 瑞希の答え
「ピンク、ですか?」

教師のコメント
姫路さんは家庭科が苦手ですか?不正解です。それと料理に絵の具は使いません。

特別ゲスト
二木 佳奈多の答え
「調合味噌」

教師のコメント
二木さんは寮生なのに料理を作る機会があるんですか?正解です。

来ヶ谷 唯湖、西園 美魚の答え
「調合味噌、合わせ味噌などとも呼ばれていて昔から、味噌は遠く離れた場所で作られたものを合わせることでそれぞれの極端な特徴を打ち消し合い、それぞれに足りない部分を補い合い、より良い風味を作り出す。」

教師のコメント
わざわざ、説明していただいてありがとうございます。


明久side

僕たちは4時限の授業(1限目:現代国語、2限目:体育、3限目:日本史、4限目:化学)を終え、昼休みになって何時ものメンバー+リトルバスターズメンバーの総勢20名が何枚ものブルーシートを敷いた場所に座ってそれぞれお弁当(うち1名はお菓子を持ち込んでいる)を広げている。

「おっ吉井と雨宮の弁当作り凄いな」

「確かにこのような手間の掛かるお弁当を作ってくる人はあまり居ないな。ましてや男子なら尚更さ」

皆僕と青空のお弁当に注目していた。

「流石は世界料理人対決選手権大会優勝者とその愛弟子だな」

そういやそんな肩書きあったな。父さんが中学の夏休みの時に僕を連れ出して行った先はフランスはパリの料理大会。そこには各国の巨匠と呼ばれる料理の達人が集っていて僕はそこに特別ゲストとして参加する羽目になった。父さんを恨みつつも美味しいものを作ろうと一生懸命作ったら、審査員の方々は全員が出場者の料理を試食した後、僕の料理を食べて僕が優勝と決めた。それからずっとその肩書きが付き纏っている。

『⁉︎』

「何だそりゃ?」

真人君を除く全員が驚き固まる。真人君は何か分からず疑問顔だ。

「あ、あなたがあの幻の巨匠?」

佳奈多さんは未だ、信じられないと言った顔をして確認してくる。

ていうか幻の巨匠ってどんな通り名さ。

理樹君たちも何も言わないけど、驚いているらしい。

一夏達は驚きもしていない。何でだろうその反応に安心している僕は末期なのかな?

「明久こないだ財布にその時の優勝者に贈呈されるカード入ってたから出して見せてあげたら?」

優子がおかずを可愛く食べながらそう提案する。

仕方ないので、財布を取り出しそれを見せる。

「わふ〜」

「カッコイイっすねー」

「カッコイイよ〜」

「お前凄い奴なんだな」

「私あなたと逢えたこと光栄に思いますわ!」

「極めた人間というものに会えるというのは何だか清々しいものだな」

「はあ⁉︎何だよお前それ、はあ⁉︎」

「凄いんだね明久君って」

「ええ、ビビったのよ!あなたの経歴の凄さに驚いて声を失ったのよ!どうよ小心者でしょう⁉︎滑稽でしょ⁉︎笑えるわよね笑っちゃいなさいよ、アッハハハハハハ‼︎ゲホッゴホッ⁉︎」

「有名人に会えるのは嬉しいわね」

「うむ、ならばその弟子の青空君の料理も絶品だろう」

「はしたないですよ来ヶ谷さんご相伴なら私もさせてください」

皆がガヤガヤとコメントしていく。

「ねえ優子、明日、暇?」

「えっ?うん暇だけど………」

「明日デートに行こうよ」

「ならば私も便乗して理樹君!私たちもデートにい「かたじけのうござる」スパーン‼︎イッター⁉︎何するんですか美魚ちん!」

「抜け駆けは許しません」

そんな姿を見ながら優子をデートに誘うと葉留佳さんがそれに倣うように理樹君を誘おうとすると西園さんに何処からともなく取り出した新聞紙を丸めてゴム紐で括ったものですごい音を出して叩かれる。それによってデートに誘うのを中断させられた葉留佳さんは西園さんに食ってかかるが軽くいなされる。

「お姉さんを差し置いて少年とデートなど許さんよ」

「今日は私が理樹君と甘いものを食べに行くんだよ〜」

「小毬さん⁉︎そんなのいつの間に決められたのさ!」

来ヶ谷さんに小毬さんがそこに参戦する。

「いいえ直枝は今日も私と出かけるのよ」

佳奈多さんも参戦した。

「直枝さんは私の恋女房でしてよ⁉︎」

「うがー‼︎理樹君は私とゲーセンに行くのよ!」

「いえリキは私とストレルカ達の餌を買いに行くのです!」

「理樹はあたしのだ!じゃじゃ美にも、あやにも、クドにも渡さないぞ」

「さ・さ・み、ですわ!いい加減名前くらい覚えたらどうですの⁉︎」

「はーりゃほーりゃ、うまうー」

さらにカオスなっていく屋上、恭介さんに至っては変な仮面をつけて踊ってるし、真人君と謙吾君は理樹君に筋肉さんがこむらがえったしようぜなどと誘っている。

理樹君は大人気だ。

「一夏、はいっあ〜ん」

「あ〜ん。シャルの料理は美味いな♪」

そんな空気を気にせずに一夏とシャルは食べさせ合ってるし、

「「……………」」

カズと沙織は黙々と食べ進めている。

僕はというとー

「ふふっ明久とのデート楽しみね♪」

ご機嫌の優子を眺めながら料理を食べている。

こうして僕達は、騒がしく昼休みは過ぎて行った。

明久side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄二side

昼休み、俺、ムッツリーニそれに秀吉の3人はAクラスで昼食を取っていた。Aクラスとの試召戦争に敗れた後はミカン箱にこざという質素にも程がある設備で授業を受けていた。その後の清涼祭でまともな卓袱台と座布団を買い換え、教室の壁や腐った畳などを改装してある程度良くしたもののやはり埃臭いので俺たちは昼休みの間だけAクラスで昼食を取らせて貰っている。許可は明久と翔子から取っているため誰も文句は言ない。

「………雄二一緒に食べよ?」

「待て翔子。そう言っておきながら既に俺の膝の上に座っているのはどういうことだ?///」

俺がクラスに入り席を借りて座ると翔子は膝の上に座る。

「///」

翔子は頬を赤くして黙り込む。その姿がとても可愛らしい。俺自身も、頬が赤い。

 

「康太君また来たんだね///」

「………偶々だ」

俺の隣で、ムッツリーニと工藤がピンク空間を作る。

秀吉が居ないが何処行ったんだ?

「………雄二?」

「何でもねえよ」

翔子が俺の顔を覗き込んでくるので微笑を浮かべる。

雄二side end

 

 

 

 

 

 

 

 

秀吉side

「久保よ、沙織は何処におるかの?」

ワシは雄二達と共にAクラスに行くと沙織を探す。しかし何処にも沙織の姿が見えないので近くにいた久保に聞いてみた。

「田村さんなら吉井君達とお昼を食べに屋上にいるよ」

「助かるのじゃ、ではな」

そう言うとワシはAクラスを後にした。目指すのは屋上そしていざ着いてみると何だか騒がしい。

覗いてみると制服の違う生徒が明久達と弁当を食べておった。

「あれ?秀吉君」

沙織がこちらに気付き手を振ってくれる。平常心を保ちつつ、手を振り返す。

(し、幸せなのじゃ)

「独り者は辛いね」

「そ、そうじゃな」

「俺も独り身なんだか?」

「兄さんこの前、ラブレター貰ってたじゃない」

わしら3人は端っこで、喧騒やラブラブ空間に巻き込まれずにまったりと昼を食べた。

秀吉side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

デート当日の朝、僕は楽しみにし過ぎて4時頃に起きてしまった。

「ふう、ん?」

何だか下半身が涼しい。それにさっきからビチャビチャ言ってる。

そっと布団を捲るとー

「ゆ、優子⁉︎」

ーデート相手の優子が僕の布団の中に居たのだ。

しかもフェラをして

「おふぁひょうふぁきひぃしゃ」

僕はそんな優子が愛おしくて仕方なくなりそのまま行為へと運んだのだった。




前半の殆どがデートを誘うまでに費やすって…………良いんだろうかこんなので。


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31話

バカテスト 化学
次の元素記号を答えなさい。
Y/B/K

吉井 明久の答え
「左から順にY:イットリウム/B:ホウ素/K:カリウム」

教師のコメント
正解です。簡単でしたね。

島田 美波の答え
「Y:吉井/B:バ/K:カ

吉井明久のコメント
君は僕に何か恨みでもあるの?

姫路 瑞希の答え
Y:吉井君は/B:バ/K:カなんです!

吉井明久のコメント
君も大概だね。人の変化を認めれない人に未来なんて無いよ。


明久side

早朝から行為に及んでしまった僕達は一緒にお風呂に入り、その後服を着替えてから朝食を食べて準備する事にした。

「ねえ明久」

「ん、何だい優子?」

「今日は楽しみましょ」

「そうだね」

背を向けたまま言う。

僕らは服をお互いに選んで背を向けて部屋で着替えることにした。

下着は先に履いたりしていたからまだいいけど、服は今選んでだばかりで背向けてると言ってもお互い下着姿だ。服を着る時は必ず服と肌の擦れる音が嫌でも耳に入ってきていけない妄想がはびこったり、理性が削られていく。

(き、気まずい!何で?何でこんな状況になってるの?)

普通別の部屋でしょ!なのに何で同部屋で揃ってデート服を選んだり、get dressed⁉︎

もう、イミワカンナイ‼︎

しかも無言だから余計に音が聞こえて仕方ないんですけど⁉︎

てか、何であの時断らなかったん僕は‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

それは数分前に遡る。

行為を終え、シャワー浴びた僕らはお互いにバスタオルを巻いて隠すべき場所を隠して素早く下着を履く。優子はブラもつけた。

そんな僕らは服を取りに寝室へと向かう。

寝室のクーゼットの1つのタンスを開けるとそこには女の子のデート用みたいな服がある。だが、これは青空の私服ではない。青空の私服は基本大学生用のファッションだ。

ではこれは誰なのか?答え決まっている。それはー

「う〜んどんな感じにしようかしら?」

優子に他ならない。

「これは春休みの時に試したし、これはこのあいだ着て行ったしなあ、ねえ明久はどれが良いと思う?」

「どれを着ても優子には似合うよ」

「ふふ、嬉しい。でも、今はその解答はダメよ♪」

そう言って僕の鼻の頭をツンと突く。

「そうだねえ、これとこれなんかどうかな?」

「白のトップスと黒のスカート?ならムートンブーツが似合うし良いかな」

そう言って僕の選んだ服を見てイメージを固めた優子は服を傍らにおいて僕の服を選び始めた。

「僕はこれにするよ」

僕が取り出したのは白のTシャツにデニムパンツを取り出す。腕時計は父さんがくれたブランドのエンポリオ・アルマーニを付ける事にした。

「あ、あのさ、すぐに見て欲しいから、その、一緒の部屋で着替えて、くれる?」

不意に優子がそんな事を言ってきた。

はい?一緒の部屋で着替える?誰が?僕と優子だ。

「Poruqe?」

「明久スペイン語になってるわよ」

優子は簡単なスペイン語なら僕と話しているうちに覚えたらしい。

「いや動揺するし、何でそうなるのさ」

「えっ?だって私達、最後まで「アウトー‼︎」何?」

「いい、優子。これから昼間に下ネタとか僕らの関係での深いところを言うの禁止!」

僕は優子のセリフに疑問を投げかけると普通に昼間に口にしないほうがいい事を平気で口にしようとしたので止めて注意する。

あれ?優子ってこんな性格だっけ?だんだん、性格が砕けてきた気がする。

「1分1秒でも長く明久と居たいの!ダメ………かな?」

そう言って上目遣いで見てくる。

でも負けるわけにはいかない僕は理性の為に、理性の………ダメだ。断れない。

「分かった」

あ〜将来尻に敷かれないかな〜?

 

 

 

 

 

そんなこんなで着替えてる訳だけど、

(ああ、優子を押し倒して気の済むまで性行為してえええ‼︎はっ⁉︎いけないいけない。さっき自分で禁止って言っといてここで理性飛ばしてどうすんだ僕!)

そうやって僕は本能と戦いながら着替えるのだった。

明久side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄二side

「………雄二おはよ」

「ん?翔子?」

休日の早朝、俺は人の気配と声に目を覚まし身体を起こすと、俺の部屋にあるベッドの隣に俺の幼馴染で俺が悩みの張本人である翔子が私服で立っていた。

その私服は何処かに出かけるような服装だった。

「その服似合ってんな」

「今日の為にお父さんが買ってくれた」

成る程、だから見たこと無いのか。

「……今日はいい天気」

その通りなのかもしれない、俺の部屋はカーテンが閉められていたのを翔子が開けると、そこからはありがた迷惑なほどの眩しい陽の光が部屋に注がれる。

「………雄二、これ」

俺が太陽の光に慣れるのを見計らって翔子が至福の胸ポケットから何かを取り出して俺に差し出した。

「……約束」

「約束?なんか約束してたか俺たち?」

そして約束と言ってくるが、そんな約束したか?

俺の言葉に気を悪くしたのか翔子の顔が少し暗くなる。

「す、すまん、何だった?教えてくれないか?」

「……これが手に入ったら一緒に行ってくれるって言った」

ようやく、気が付いた。俺が翔子とした約束、それはー

「今からか?さすがに早すぎないか?」

ー翔子と如月グランドパークのプレミアムチケットが手に入ったら一緒に行くというものだ。だが、早いのだ時間が

そう、今はまだ午前5時だ。もう一度言う、午前5時だ。

重要だから2回言った。

「………優しい人が、早めに行ったほうが良いよって」

明久だな、ったくアイツは時々余計なことを吹き込みやがって。

「分かった、分かった。早めに着替えるから部屋から出てくれないか?」

俺がそう言うと翔子はコクッと頷き部屋を出る。

さてと、少しデートっぽい服装でも選ぶか。

雄二side end

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

着替え終えた僕たちは優子の作った朝食を食べて、家を出た。

「忘れ物無いわよね?」

「大丈夫さ。うちには何せ住み込みで働いてる人も居るし」

「そうね♪今日は楽しまなくっちゃっ」

そう言って僕らは腕を組んで駅に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「吉井が今、出掛けたわ。ウチは先に行くから後で合流ね瑞希」

『はい、美波ちゃんもバレないように気を付けてください』

そう言って1人の女子がその後をつけながら電話しているとも知らずに

明久side end




久しぶりの投稿です。
スンマセン、ずっと鈍感な会長と悩める乙女な役員達と召喚獣の方にばかり手を付けていて、疎かにしてました。


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32話

バカテスト

「団体が政策に影響を与えようと政治家に働きかけることを何と言うか答えよ」

吉井 明久の答え
「ロビー活動と呼ばれ団体と接触する政治家の控え室がロビーと言われているのでこの名がついた。また、ロビー活動をする個人や集団をロビイストと呼ばれている。」

教師のコメント
正解です。吉井君は何でもよく勉強して知っていますね。

木下 優子の答え
「ロビー活動」
正解です。流石は優等生の木下さんですね。

島田 美波の答え
「合コン?」

教師のコメント
王様だ〜れだ?



僕たちは、如月グランドパークに向かって母さんが寄越したリムジンに乗って移動していた。

「明彩さんって茶目っ気たっぷりね」

リムジンに乗って優子が言った最初の言葉がこれ。

 

いや、確かに茶目っ気あるけど、リムジンを送迎用に寄越さないで欲しい。帰って目立って仕方ないんだけど。

 

心の中で愚痴りながら優子の頭を撫でる。こうすると彼女はとても機嫌が良くなる。

 

「そういえば明久はこれに乗り慣れてるの?」

「まあ、優子と許嫁と知らされた時にそのホテルに向かう時とか、祖父ちゃんの家に行く時とかかな?」

優子が僕に聞いてくる質問に頭の中で乗っていた時を思い出す。毎度この車は何かしら仕掛けが施されている。というか父さんがそう言うのが好きという何とも子供らしい理由で家も所有車もこうなっている。

 

「ふうん?じゃあこの車にも仕掛けとかあるの?」

ワクワクした顔して聞いてくる。何で純粋な目なんだ。昔の僕を見るみたいだ。

「あるよ。ここを押すと」

僕はその問いを肯定しながら座席の近くの壁をスライドさせボタンを押すと、席の後ろからテレビと冷蔵庫etc………が出てくる。

冷蔵庫の中を開けると飲み物や、デザートなどが常備されている。

「」

優子は驚きのあまり、言葉を発せずにいた。

 

 

 

 

 

「優子着いたよ。行こう、デートへ」

僕は如月グランドパークに到着を告げられるとリムジンから降りる。けど優子が来ないので振り返ると、まだ呆然としたまま座席に座ったままだった。

「優子?」

「え?ええ、今行くわ」

僕が呼ぶとハッとした後にこちらを向く。

僕はそんな彼女に車の外から手を差し出す。優子はそれを笑顔で握るのを確認した僕はリムジンのドアの近くまで移動してきた優の手を握り、外に立たせる。そして家を出た時と同じ様に腕を組む。

 

「吉井?」

いざ、入ろうとしたら背後から声を掛けられたので振り返ると僕らと同じ様に腕を組んでいる雄二と霧島さんがこちらに歩いてきた。

「やあ、坂本夫妻」

「明久!テメエ余計な事を「雄二五月蝿い」ガハッ⁉︎」

茶化しで言ったことに雄二が反応し霧島さんの腕を解いて殴り掛かって来るのを軽くいなして腹にボディブローを叩き込む。

 

その一撃が効いたのか雄二は噎せて腹を抑える。

一言で言って弱い。僕は今までずっと雄二と喧嘩をしてきたけど僕の全戦全勝で終わっており、今回もまた雄二に黒星が付いた。

「……雄二平気?」

「ああ、ゴホッ、大丈夫だ。俺はそこまでやわじゃない」

「ここで喧嘩しても邪魔だから行くよ優子」

「うん!」

僕たちはむせる雄二を霧島さんに任せて中に入っていった。

 

 

 

「「いらっしゃいませ!如月グランドパークにようこそ‼︎」」

ゲートを潜り抜けてで待ち構えていたのはここ数日の間に親しくなった人物だった。

 

「あのさ恭介さん達何してるの?」

「恭介?誰の事だ。俺は芳乃祐介だ。それでこっちは」

「花咲茜です」

2人はにこやかな笑顔で普段通りの喋り方で話す。

でも2人共、その名前は流石にネタとはいえマズイ。

「棗さんに神北さんよね?何をしてるの?」

優子も疑問が一杯らしく聞く。

 

「ですから私は棗ではなくここのゲートの係りをしている芳乃祐介とサポーターの花咲茜です」

あくまで、別人だと言って聞かないらしい。仕方ない諦めよう。

 

「もう良いよ、であなた方が係りの人なんですよね、(21)さん」

「明久、(21)って?」

「何でお前が知ってんだ⁉︎ていうか、俺はロリじゃねえ‼︎」

 

僕発言の意味が分からない優子は首を傾げ、祐介さん(笑)はそれを否定する。

 

「え、えっと、きょ、今日はプレオープンです!チケット持ってますか⁉︎」

「ああ、これでしょ?」

 

茜さん(笑)が必死に仕事を全うしようとするので助けてあげる事にした。

「拝見させて貰います。……お客様、これは運が良い。擬似結婚式体験ツアー付きのプレミアムチケットではありませんか!」

 

一言で言おう………恭介さんのキャラがウザい。何なんだろう本当に?僕は遊園地で笑う優子を見たいんだ!一分一秒でも早くしてほしい!

「擬似結婚式体験ツアー?」

優子がオウムのように繰り返しながら質問する。

厄介そうだ。断るか。

「擬似結婚式体験ツアーとはですね…………」

「結構です。入場したら、もうこちらの好きにさせて下さい」

 

恭介さんが説明に入ろうとするとそれを制してこちらの要求を突き付けて終わらせる。

「そう言うなって、すんげえ豪華なんだぜ?」

「お断りです」

 

彼が説得に掛かるが、意思は曲げるつもりはない。

「そこは、ああ、受けるぜっていうべきだろ」

 

「殴りますよ」

 

「この通りだ頼む!」

 

「要求を棄却する」

 

「仕方ない。この手は使いたくなかったんだが…………」

 

しばらくそんなやり取りをしていたら、恭介さんがやれやれといった顔をした後、僕の肩に手を置いて僕に耳打ちしてきた。

「鈴のパンツ見たって言っちまうぜ?」

「卑怯者!」

僕はその言葉にすぐに反応した。自己紹介の時に鈴さんが真人君の事を蹴った時にパンツがチラッと見えてしまったのだ。僕はその瞬間をどうやら恭介さんに見られたらしい。

 

「よし優子、擬似結婚式体験ツアーに参加しよう!」

ここは戦略的に従うまでだ。そんな事が優子に知られたら、拗ねてしまう。最悪、許嫁の関係解消なんてことになったら僕は死を選ぶよ!

ーお前は本当に一途だな。けれどそれは素晴らしいことだ。

ーそうですね。あなたのその1人の人をただ愛そうとする心はとても感心いたします。

 

そんな僕に高虎も隆景も賞賛してくれる。

 

 

「け、結婚……///いつかしたいな」

優子が結婚という単語に反応して頬を赤くする。ああ、可愛い‼︎

 

「ありがとうございます。それでは初めに写真を撮らせて貰います」

「写真?」

「はい、私達はここで擬似結婚式を挙げる人達のために記念撮影をするのも仕事なのです」

 

恭介さんがそう説明していると作業服を着た女性がやってくるって、

「あ、愛子⁉︎」

優子が工藤さんの登場に驚く。

「ソイツは月島小恋だ」

イヤ、だからそれ危ないって………何でわざわざ危ない橋渡ろうとするのさ⁉︎

 

「カメラも来たことだし、そこの君。そう君だ、君にとって貰おう」

そう言うと近くの花壇を手入れしていた作業服の女性が立ち上がりこちらを向く。その人物もまた、知り合いの西園さんだった。

 

「西園「私は柴門たまきです。西園ではありません」あっ、そう………」

突っ込まん、突っ込まんぞ!

「では御二方腕を組んで寄って下さい」

西園さんの指示に黙って従い、腕を組む。

 

ふにょん

 

ゆ、優子の胸が当たってるーーーー‼︎柔らけー‼︎

「だ、ダメだ。ダメだぞ吉井明久!落ち着け、修行僧の気持ちになれ。仏の道に女は不要、仏の道に女は不要………って使えるか‼︎優子を捨てれるわけないだろ!修行僧使えねえ‼︎」

「だ、大丈夫明久?何か有ったの?」

優子が僕の顔を覗き込んでくる。

 

やめてーーーー‼︎明久のライフは0よ!後、そのふよんって当たってる胸をどうにかしてください。二の腕あたりで形を変えて意識をそっちに行くんですけど⁉︎

 

そんな感じでドキドキしながら撮るのだった。

 

 

 

 

園内に入り、どこに行くか決めあぐねていた。そもそもここは、ナイトパレードにホテル、病院まで完備している巨大な施設だ。行くところに迷わない方がおかしい。

 

「ようやく見つけたわよ、吉井‼︎」

不意に怒声が耳に聞こえそちらを向くと、妙なオーラを出した島田さんと姫路さんがこちらに近づいて来た。

「またあなた達なの?いい加減にしなさいよ!アタシと明久のデートの時に現れて邪魔して何様のつもり⁉︎」

僕とのデートを邪魔されて優子の怒りのボルテージは上がって行く。それによって優子の口調はとても強いものになる。

「なによ!ウチらはただ吉井が何かしないように教えるだけよ!」

「あなた達に関係ないでしょ!明久はアタシの物なの!それ以上でも、それ以下でもない!そしてアタシは明久の物でもあるの!つまり、アンタ達2人にとやかく言われる筋合いはないわ‼︎」

「そんなことありません!私達は吉井君が木下さんに変なことしないようにオシオキするだけです!」

「それがすでに間違ってるって言ってるのよ!大体姫路さん⁉︎あなたもと学年次席でしょ!そのぐらい少し考えればわかるじゃない!」

優子と姫路さんと島田さんの言い争いに周りのお客さんの視線が集まる。

「………優子もう良いよ、行こう」

「でもっ………」

「El tiempo es oro.」

僕の言ったスペイン語の意味が分かった優子は渋々といった感じで僕とその場を離れる。

ちなみにさっきのはスペイン語の意味は時は金なりだ。

「待ちなさい!まだ、オシオキしてないんだから止まりなさいよ!」

「そうです!待ってください!」

けど僕は巧みに人混みの中に入り込み、それを使って2人を撒くのだった。

その後その2人は巡回していた佳奈多さんと葉留佳さんにひっ捕らえられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ、ゲホッ、明久の野郎」

俺は数分間噎せながら、翔子に背中をさすってもらった。

「……雄二、もう大丈夫?」

「ああ、もう大丈夫だ。ありがとな」

そう言って俺は翔子の頭を撫でる。すると翔子は気恥ずかしそうに頬を赤らめて、俯向く。

俺はそんな翔子の手を握ってゲートをくぐった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記念撮影だと?」

ゲートを潜った俺達は樺色の髪にに樺色の目の男子と砥粉色の髪に柳色の目をした女子からチケットを拝見と言われたので見せると、俺達に擬似結婚式体験ツアーというものを進めてきたので、仕方なく、仕方なく受けてやる事にした。

おい、誰だ今、お袋の料理が怖いからの逃げだなとか言った奴、お前がお袋と一週間一緒に暮らしてみろ。ノイローゼで倒れるぞ。

「はい、先ほどの組も取られたのでそちらもどうですか?」

「………撮る」

翔子が即決してしまったし、仕方無え。

「ではカメラマン頼むぜ!」

「ハイハイーイ!」

「………任せろ」

そう言うと現れたのは工藤とムッツリーニ。

「では、お客さん!ボクたちの真似をして下さいね!」

そう言って工藤はムッツリーニに抱き着き頬にキスをする。ムッツリーニにも耐えながら、額にキスする。

「………雄二やろ?」

それを見た翔子がそう言って俺に正面から抱きついてくる。

「ま、待て⁉︎行動と言動が一致してねえぞ!///」

「カシャッ」

シャッター音を言うとフラッシュが焚かれ、写真が撮られる。

「………次は雄二の番」

翔子は俺の反論の中何食わぬ顔して、頬にキスする。仕方ないので翔子の額にキスする。またムッツリーニに撮られるのだった

 




軍人も真っ青なほど鍛えられてる明久は強いのです。
不良と喧嘩をして強いと言われた雄二が勝てるわけありません。
さて次回から本格的にデートです。彼女と云う者が居ない作者が原作を元にできるだけたくさんの人物がいちゃつける様にしたいです。


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33話

バカテスト

日本国憲法第九条
日本国民は( )と( )を基調とし、国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使による国際紛争を解決する手段としては永久に放棄する。

吉井 明久、木下 優子、織斑 一夏、シャルロット・デュノア、田村 速和、田村 沙織、霧島 翔子、坂本 雄二、木下 秀吉、土屋 康太の答え
「日本国民は(正義)と(秩序)を基調とし、国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使による国際紛争を解決する手段として永久に放棄する。」

教師のコメント
正解です。皆さん、よくご存知でしたね。木下君と土屋君も成績が伸びて喜ばしいですね。

須川 亮の答え
日本国民は(エロ)と(欲望)を基調とし、国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使による国際紛争を解決する手段として永久に放棄する。」

教師のコメント
不正解です。このような憲法はありません。


どうしてこうなったんだ……………。

織斑一夏は心の中で嘆息した。

 

彼がいるのは千冬と共に暮らすマンションの一室、ではなくてここ最近できて、今プレオープン中の如月グランドパークにある休憩所だ。

その証拠に彼の隣には恋人であるシャルロット・デュノアが飲み物を飲んでいる。

 

事の経緯は、彼の親戚(予定)の吉井明久の母親、吉井明彩からのお願いから始まった。

長くなるので詳細は省くが、明久の優子とのデートの際、明久の暴走の抑止力等の意味合いで監視を頼まれた。これはその対価だ。

 

(俺の格好、へ、変じゃないよな?)

急に不安になった一夏は自分の服装を確認する。そこには白のボーダーカットソーに麻混のシャツ、クロップドパンツにキャンパスシューズを着ている彼がいた。隣にいるシャルロットは白色のノースリーブワンピースにシューズという出で立ちだ。色白な彼女の魅力を充分に引き出している。

 

『織斑聞こえているか?』

そんなとき彼の片耳に付けているイヤホンマイクに声が聞こえてくる。

俺はすぐにイヤホンに指を当て応答する。相手の声から現場指揮官の恭介さんだと分かる。

『どうかしたのか?』

『ターゲットが園内に入場した。お化け屋敷に向かっている、護衛の方を頼んだぞ』

『了解』

一夏は短い通信を終えると回線を開けたまま動き出す。

「シャル行くぞ。明久達が来た」

「うん、行こっか一夏」

シャルロットは飲み終えた飲み物をゴミ箱に捨てて彼の腕に抱きつく。

(シャルまた胸大きくなったか?)

一夏はそんな事を思いながらその場を離れて明久のいる場所へ向かった。

 

 

 

 

 

夏祭りのような屋台などを回りながら、明久を探す一夏とシャルロット。移動するときはシャルロットは腕に抱きつき、楽しいことがあれば嬉しそうに笑い、それにつられ一夏も笑う。

「キャッ」

「シャル大丈夫か?」

不意にシャルロットが小さい悲鳴を上げる。どうやら誰かにぶつかられこけかけたようだ。そんなシャルロットを抱き留める一夏。

そして2人は、キスをする。目を閉じ、顔を近づけお互いが望むようにキスをする。

彼らは、明久を探し、護衛するという任務を忘れかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんで俺らどこに行けば良いんだ?係員」

俺はゲートの近くで係員に説明を受け終えていた。

「そうだな………お化け屋敷に行ってくれ。あそこならカップルの仲がさらに密接になると思うぞ」

「…分かった。雄二、行こ?」

 

係員の言葉に翔子は頷くと俺の腕を取って歩き出した。俺もそれに続く。

 

 

 

 

 

「これがお化け屋敷か、雰囲気あるな」

「「いらっしゃいませだ(なのです!)」」

 

お化け屋敷についた俺たちを待っていたのは2人の女性スタッフがいた。

印象深いスタッフだが、気にしないことにした。なぜかって?隣の翔子が怖いからだ。翔子はとても綺麗だが、自分に自信がないところがある。そのため俺の事になるとちと暴走気味になることがある。

「私はこのお化け屋敷担当の平沢博子だ。それでこちらが」

「どうも、秋月律子なのです!わふー!」

 

なんだ片方、子供か?

「なあ、つかぬ事を聞くがここは小学生も働けるのか?」

「わふっ⁉︎」

俺の言葉に銀髪の少女はショックだったらしくうずくまって「の」の字を書き始めた。

「なに、くど……律子君は背が低いからな。お姉さんはあまり気にしたことがないが」

 

なんなんだ一体。

「それはそうと。ここでは誓約書を書いてもらうことになっているが、構わないかね?」

 

そこまで怖いのか?まあ、俺も翔子も怖がりではないから平気だと思うが………

【私、坂本雄二は霧島翔子を健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います】

 

………はぁ?

俺は目を瞬かせずにいられず、数度瞬きする。そして目をこすってみるが、どうやら見間違いではないらしい。そこにはさっきと一字一句違わない誓約書があった。

 

「ほら、ここに君の家の実印と朱肉がある。押すと良い」

女性スタッフが手渡してきたのは本当にうちの家の実印と朱肉だった。犯人はおそらく、お袋だろう。脳裏にお袋のにやける顔が浮かぶが、右ストレートで思考の彼方へ殴り飛ばす。

「…雄二、押そ?」

翔子が何食わぬ顔して俺の家の実印を持つ。

「待て翔子、この誓約書に署名するのはやめておこう。な?」

「おい、ヘタレ小僧。さっさと押せ」

「スタッフの言葉じゃないだろ⁉︎」

 

俺は叫ばずに居られず大声でツッコミを入れる。なんだ新手の嫌がらせか?

「はっは、はっは。お姉さんはいつだって本気さ。これは冗談だがね」

 

心臓に悪い冗談だ。お袋よりしんどいぞ!

「お姉さんはしんどい相手ではないよ。うら若き乙女に対して酷いと思うがね」

 

なんで人の心読んでんだコイツは⁉︎怖えぞ!

「さあ律子君、お姉さんが慰めてあげるからこちらに来ると良い」

「わふっ⁉︎ムグッ‼︎」

スタッフ2人が百合百合な展開に俺と翔子は驚いで固まる。

「ん?なんだまだいたのか。君たちはもう入って良いぞ。新規2名様はいるぞ」

そう言って俺は女性スタッフに翔子共々押し込まれた。

 

 

 

 

 

「なかなか、雰囲気あるな」

俺たちの入ったお化け屋敷は昔ここらにあった病院を改造して出来たものだ。その証拠に開かないスライド式の扉やボロボロで破れたり黒ずんだりしたカーテン、割れた窓ガラス。所々ついている非常灯が唯一の頼りだった。それも一部点滅していたりして頼りないところもあったがな。その中を俺たちはゆっくり歩いていた。

 

何の音もない、無音でBGMもない。先に入ったであろう客たちの悲鳴だけが、耳に届く。

相当雰囲気満点だ。それを証明するかのように

 

キュッ

 

翔子が俺の服の袖を掴んで離さない。それもとても強い。

こんな翔子は見たことがない。

 

守ってやりたいそう思う俺がいるのと同時に、

(虐めたい…)

そう思う俺もいた。

 

ガンッ‼︎

俺は壁に向かってヘッドバットした。そうやって内罰的に自分を傷つける。

「………雄二?」

「気にすんな、自分への戒めだ」

 

ゴゴゴ‼︎

 

翔子の頭を撫でていたら、何かの地響きがしだした。

何だ⁉︎一体。

周囲を見渡していると、後ろから大きな壁が猛スピードでこちらに迫って来ていた。

「「筋肉トレインが通過しまーす!道を開けてくださーい!」」

「シャレになんねえぞ⁉︎」

俺は2人の男の声にツッコミを入れながら翔子の手を握って走る。そうでもしないと、驚いて固まってるコイツは逃げれないからな。

 

どうする?どうやってやり過ごす。こんな大きい壁を動かしているのだから押してる奴は相当タフな奴だ。パイタリティで負けちまうぞ!

「…雄二、そこ!」

翔子の声にハッとなった俺が見たのはすぐ近くの逃げ込める病室とその先にある降りの階段。

俺は翔子の手を引いてその開いていた病室に飛び込む。

筋肉トレインなる壁はそのまま廊下を突っ切っていく。

「真人!」

「どした謙吾!」

「楽しいな!」

「ああ!」

その後ろ側にいたのは襟詰めを着たハチマキ巻きを巻いた大柄の男と胴着にジャンパーというシュールな格好のこれまた大柄の男の2人。

 

そんな2人は壁を押しながら楽しそうに会話し、そしてー

 

「「うおおおおー⁉︎」」

大きなな声を上げて階段を転げ落ちて行った。

 

なんだったんだ一体?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだったかね。仲は深めれただろ?」

スタッフの笑顔がムカつく瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は田村沙織。今日はここ、如月グランドパークでライブがあるためやって来たのだ。そんな私は今、待機室にて出番を待っている。そんな私の衣装は白色のふわりとした裾のないドレスにクリーム色をしたしゃくやくという名前の髪留め、低めのヒールの靴だ。

 

『皆さんお待たせしました!只今より、如月グランドパークオープン記念セレモーニを開会いたします!』

 

始まったのね。私はここでのライブは3つの曲をカバーして欲しいというものだ。それはいいが曲がかわっているのだ。[青空にあいたい]は知っている。私と同じ名字の歌手の人が歌った曲だもの。[tomorrow]は百歩譲って、良いと思う。けど

 

「[雪の華]、ねえ……。いい曲だけど時期的におかしいわよね………?まあ久しぶりに聴こうかな」

「〜〜〜♪」

 

待機室に持ち込んだ自前のカバンから白のイヤホンと音楽プレイヤーを取り出し曲を選ぶ。選んだ雪の華が音楽プレイヤーに接続されたイヤホンを通じて私の耳の中に流れてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ出ようかしら?」

何度か聞いた後、時計を見てそろそろ時間だろうという事で荷物を片付け、鏡で状態を最終確認したのちに待機室をあとにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『皆さん盛大な拍手でお出迎えください!人気高校生歌手の田村沙織さんです!』

パチパチ‼︎わー‼︎さおりーん!

司会者の言葉に入場者の観客達が私の愛称を叫んだり、拍手を送ってくる。

私はビジネススマイルを作り、観客の前に出る。

「⁉︎、皆ー!ヤッホー!沙織だよ!今日は来てくれてありがとう!」

「どんどん盛り上げていくからよろしくね!」

私は一瞬驚くも、すぐさま気持ちを切り替えいつものようにすると皆が、歓声をあげる。やはり楽しい。私は昔から、喧嘩以外で好きになったのが音楽だった。

最初はアキに勧められ、渋々やっていたんだけど、いつしか楽しくなってしまった。

誰かに褒められる、その事が堪らなく嬉しかった。望んでも得られなかった。だから私は将来歌手であり、ギタリストとして生活して行こうと思う。

でも、それと一緒に進めたいことがある。秀吉君の事だ。

 

自慢じゃないが、アタシはモテる。でもそれは彼らが勝手に作り上げた妄想なの。私は普通の女の子なんだ。でも、誰も見てくれない。そんな私を1人の女の子ととして見てくれたのはアキと秀吉君の2人だけ。(兄さんは元々私を大事な妹と見てるから、別格)

 

そしていつの頃か秀吉君の事を気にするようになった。彼の笑顔を見るたびに心が温かくなる。

 

「じゃあ行くよ〜!“tomorrow”!」

私は届いているか分からないけど歌い始める。いつか、彼に告白できるように………

 




遅れてしまって申し訳有りません。構想が思い付かない。レポート課題の消化があるなどでなかなか触れれませんでした。
今回から沙織の秀吉へのフラグを立ててみました。
それでは次回もゆっくりして行って下さい。


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34話

こちらの都合によりしばらくバカテストはしません。
べ、別にアレだよ?ネタが尽きたとかじゃないよ。うん、マサユキウソツカナイ。


雲ひとつない快晴の空、夏の太陽による陽射しが照りつけ蒸し暑い中、僕ー吉井明久と婚約者の木下優子は、如月グランドパークの目玉の出し物であるジェットコースターに乗るための列に並んでいた。

「……暑い」

「アタシだって暑いわ。でも仕方ないわよ、夏なんですもの」

「そうだけどさ〜、暑いものは暑いよ」

「後で冷たいものでも買いましょ」

そうしてジェットコースターに乗るまで、何を買おう等論議しあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優子大丈夫?」

「……平気よ」

ふにょん

今僕は優子をおんぶしている。そのため控えめとはいえそれなりの膨らみをした胸の感触が背中に服越しで伝わっている。さらに女の子特有の甘い匂いが髪から漂って来た。

やわらかくて良い匂い、って惑わされるな吉井明久!

 

煩悩を振り払うために頭を振る。あっでも、優子の胸大きくなったなあ〜ってだから煩悩よ消え去れ!

 

「明久!」

僕が煩悩と戦っていると優子が僕を呼ぶ声が聞こえハッとなる。

「どうしたの?」

「どうしたの、じゃないわ!何回読んでも返事しないから、心配、グスッ、したんだから」

優子は安心すると、ぐずりだした。

そんな姿を見る度に僕は本当に愛されているんだと思う。けど、ここで泣かないで欲しいとも思う。

なぜならここはテーマパークのど真ん中だ。そんな場所で女の子が泣けば必然的に視線が集まるわけで、

『おい、誰かアイツ摘み出せよ』

こんなセリフが聞こえてくるのが目に見えてるんだよ!

「優子、僕は優子に愛されてるから、幸せを噛み締めてたんだよ」

「ほ、本当に?」

「本当さ」

少なくとも嘘は言ってない。事実だ。それと少し邪なことも考えてたりしてますです、はい。

「そっかあ〜、えへへ〜アタシに愛されて幸せ、かーーアタシも、そうだよ明久」

優子は僕の言葉に機嫌を良くしたのか上機嫌になり、ニコニコして顔をにヘラとなる。

美少女ってのは、どうしてこう何しても絵になるだろうなあ〜。羨ましいや。

「明久、明久も美男子だからね」

なんで読めるの⁉︎エスパー⁉︎

「明久、普段は顔に表情出やすいもん」

もんだって、すごく可愛い。

「そう?まあこんなふうにするのは優子だけだよ。優子だけが特別なのさ」

「アタシが、アタシだけが特別ーーー」

そう呟くと優子は僕にさらに抱きついてくる。だから胸の感触がすごく絶妙なんだってばー〜〜‼︎

 

僕にとっての優子は僕の大事な許嫁。そんな優子を笑顔にするためにもこれからも頑張らないとなあ〜。

決意を新たにする僕だった。

 

「明久、後、いろんな女の子にフラグ立てるのやめてね。アタシヤンデレるかもしれないから」

「は、はいーーー」

どうやら僕はとんでもない娘を好きになってしまったらしい。




糖分足りてるかな?分かんねえや。
まえがきでも書きましたがしばらくバカテストはしません。
それでは次回もゆっくりしていってね。
まったね〜〜


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35話

俺の名前は土屋康太。4人兄妹の3番目だ。1番上の兄、颯太はバスケが得意なスポーツマンタイプの家族らしくサークルはバスケ同好会所属の大学3回生。俺を可愛がってくれたりする爽やかなすらっとした好青年だ。次に2番目の兄・陽太は同じく大学生こっちは一回生。ザ・スポーツ青年を具現化したタイプ、サッカー部に所属している。最後に、陽向。俺の妹、無邪気で活発的で京成中学テニス部所属。俺自身もあいつのことは可愛がっている。そんなスポーツマンタイプの家族が多い中俺はそのどれとも違い、寡黙で物静かな存在で写真を撮ることが1番楽しみだった。昔は下手くそだったが、妹や兄を撮っているうちに上達し、コンクールで優勝するほどの腕前になった。けれど、心は満たされなかった。中学の頃から、よく盗撮紛いの事をしていた俺はいつしか女子を追うことに才能を使うようになっていき、それが謀報活動へと繋がっていった。女子を盗撮するときほど高揚感が湧き、心が満たされたのだ。だが、盗撮は女子からの軽蔑の視線だけを頂くだけのものとなったのも事実。そして高校になっても俺のすることは変わらなかった。アイツー明久と出会うまでは。

 

その日俺は収穫した盗撮写真を屋上で確認していた。

「あれ?何してるの?」

「⁉︎」

そんな時に現れたのが明久だった。

明久は座ってる俺の後ろから覗き込み戦慄した。それはそうだ、俺の撮っている写真の腕は超一流で撮られている写真は女子の着替え写真。(若干服がはだけている。)

「君、写真撮影得意だね。でも、被写体が可哀想だよ。僕が一緒に謝るからさ?彼女たちに謝ろ?そして彼女達の普通の状態で絵になる写真を撮ってあげようよ」

そういてくれた明久は軽蔑もせず、笑顔でそう言ってくれた。初めてだった、この写真を見ても引かずに気さくに話しかけてくれる奴は。自分の為にもならない、ましてや赤の他人のために親身になってくれる奴はいない。

 

 

その後被写体にした女子達に誠心誠意謝り、いつしか俺は写真家という肩書きが出来ていた。明久のおかげだった。そのことは感謝している。そんな俺がここ最近悩んでいることがある。それはー

「康太くん、次どこ行こっか?」

俺に話しかけてくる薄緑色の髪のボーイッシュな女子、名前は工藤愛子。明久が所属する2年Aクラスの生徒で俺が唯一好敵手と認めた人間だ。活発で、どこか妹に似た雰囲気を持つ彼女。あの試合で引き分けになってから、よく話すようになり勉強を教え合いもしている。そんな彼女と交友を深めて行くうちに俺はいつしかアイツをー工藤を1人の異性として意識するようになっていた。最初は優しい子としか思っていなかった。彼女の好きなものを頑張って作りプレゼントした時の工藤の笑顔は忘れれない。俺はその時に本当にこの笑顔を守りたいと思った。そう、俺はいつの間にか工藤の魅力にとりつかれていた。この恋を成熟したいそう思っている。

「・・・お前の行きたいところでいい」

「えへへ、そっかあ〜、ん〜とね、じゃああそこ行こうよ!」

俺は工藤に手を引かれ歩き出す。その頬は緩んでいて、口元には笑みが浮かんでいた。今まで、一度も楽しさを感情に表さなかった俺は工藤によって人に近づいてる気がした。

「ほら、康太くん!行くよ!」

「ああ」

俺はこいつを好きになってよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初はただの興味本位だった。転入してきた時、保健体育が強い子がいるという噂を聞いてこの文月学園でいつか戦ってみたいという願望だったかな?そして2年の初め、待ちに待ったその人物との対決、心が躍った。とても楽しめる。本人も面白い子だし、何よりすごく興味を引いたから。結果は引き分け、でもとっても楽しかった。今までにないやり取り、そして過ごす日常。その中でパンチラしたりしてからかう毎日ってあれ?ボクもしかして凄く恥ずかしいことしてるのカナ?ま、いいや楽しいし。そう思っていた。でも、ある日お昼のデザートに彼の手作りのシュークリームをもらった時は嬉しかった。頬が熱くなった。

気がつけば、彼のことを考えてた。授業で集中してないと彼の顔を思い浮かべてニヤけてた。本当に罪な男の子だな、康太くんは♪



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36話

明久達がデートしていた頃、とある場所である人物達が画面越しに明久達ーというより明久をずっと見つめていた。

その人物達は皆が皆、色の違う陣羽織に身を包んでいた。1人は黒色、1人は白橡(しろつるばみ)色、1人は赤色といったまるで違う羽織を着ていたが共通するのは、御徒士組の衣装に身を包んでいるということだ。

「康勝、直孝!我らはいつまで我慢せねばならんのだ!」

「落ち着け忠政。お主が殿をお守りしたいと思う気持ちは理解しておる。だが、それはお主だけでは無いわ」

「その通りでございます。忠政殿どうかお気を鎮め下さい。重宗殿も手伝ってくだされ」

そんな中、忠政と呼ばれた人物が怒りをあらわにし、腰にさしている刀に手をかけながら康勝、直孝と呼ばれた人物に怒声を浴びせる。そんな忠政に康勝と呼ばれた人物は懸命になだめようとする。直孝と呼ばれた人物もまた援護し、重宗なる人物に助力をこう。忠政、康勝、直孝はそれぞれ、徳川三傑の子の名を与えられた人物で、本多忠政は本多忠勝。榊原康勝は榊原康政、井伊直孝は井伊直政の子の名前である。そして重昌は初代京都所司代・板倉勝重の嫡男、板倉重宗である。

「やれやれ、本多殿。落ち着かれよ、今の我らは命を受けていないのだ。堪えられよ。我ら全員命じられればいついかなる時でも馳せ参じることが出来るようにしているのだ」

「分かっておる!くっ!せめてこの時だけでも我らに命を与えてくだされば良いものを!何故青空殿だけなのだ!」

重宗と呼ばれた人物の言葉が正論ゆえ忠政は歯痒く感じていた。その後も、しばらく愚痴を言い続けていた。

『重宗殿』

不意に、重宗が携帯していた通信機に連絡が入る。

「いかがした信綱殿」

通信を開けるとそこには武田菱の家紋の入った暗部の陣羽織を羽織った人物がいた。名を真田信綱といい、大坂の陣で活躍した真田幸村(信繁)の叔父にあたる人物の名を与えられた。由緒ある真田氏の子孫だ。

『明彩様より、命令です』

信綱の言葉に先ほどまで騒いでいた忠政も鎮まり返り続きを促した。

『忠政殿は100名を率いてすぐさま出動、殿に対する障害の鎮圧をお願いしまする。直孝殿は赤備えを率いて出動、忠政殿の援護に向かってください。康勝殿と重宗殿は軍備が整い次第、殿の警護についてくれとのことです』

言うことは伝えといった感じに通信は切られた。だが、誰もそれを咎めず、震えていた。

「遂に、遂に我らの出番よ!」

忠政はすぐさま立ち上がり、施設内のの自分の隊に向けて下知を飛ばす。そんな彼に負けじと他の者達も動き出す。

「精鋭100人はすぐさま支度せい!これより我らは殿の障害を蹴散らす!」

「すぐさま出陣の用意!これより我らは井伊の赤備えの実力を殿の敵に示す!」

「動ける者達全てに通達する!これより我らは主・明久様の警護に就く。動ける者達は迅速に軍備を整え出立だ!」

その言葉によって施設内はとてつもない慌しさに包まれる。ドタドタと走る音が聞こえると同時に大量の人が集まる。黒い陣羽織に黒い御徒士装束の者達が100人、赤い陣羽織に赤い御徒士装束の者達3,000人がすぐさまに集まる。

「よし!直孝、出陣するぞ!」

「はっ!目にもの見せてくれましょうぞ!」

そう言って2人は笠をかぶり、全員が軍用車両に乗り込むとドライバーが発車させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、明久(と雄二)のデートの邪魔をするために暗躍するFクラスの生徒達に秀吉を始めとした明久の知人達は悪戦苦闘していた。彼らは無駄に結束力が高く、何かと邪魔をするため彼らも疲れが出始めていた。

そこに忠政ら、暗部の日本支部の先鋒が駆け付けた。

「忠政さん、直孝さん。わざわざ来て頂いてありがとうございます」

「副長、礼には及びませぬ。我らに任せ、今まで奮戦した者達に休息を、本多忠政隊、散開!情報にあった男子生徒、残らず蹴散らすぞ!」

『おー‼︎』

「赤備えも本多隊に続け!一番隊、二番隊は右翼、三、四番隊は左翼を行け、残りの隊は10名が重宗殿達が到着するまで殿を警護せよ!後は私に続き一番厄介な女子2人に当たるぞ!」

『おー‼︎』

こうして戦国時代、東国無双と呼ばれた本多忠勝の戦術を受け継ぎし、忠政と井伊の赤牛と渾名された井伊直孝による殲滅戦が開始された。




なんとなく、天璋院暗部にスポットを当ててみました。


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37話

遅れてしまい申し訳有りません。これからもこうなる事が多々ありますが、その時は気長にお待ちください。


現場に急行した本多隊は、忠政の指示で2つに分かれた。

 

・1つは、10名で構成された本多隊屈指の腕利きスナイパーの部隊。彼らは高台に陣取り、スナイパーライフルとアーチェリーを携えている。

 

・もう1つは、5名で1組の小隊を形成し明久の付近に伏せておき、彼らに近づくFクラス生徒を鎮圧する。

携行武器は麻酔弾の装填したグロックとH&K P7と麻酔注射。

 

そんな中、明久に攻撃を仕掛けようとするアルバイトに扮するFクラス生徒を発見した隊員は清掃員に変装して背後からブラシに偽装した麻酔弾を装填したサイレンサー付きのアサルトライフルを一斉掃射した。

 

放たれた弾丸は寸分の狂いもなく彼らの後頭部を撃ち抜き、沈黙させる。

彼らが動かなくなったのを確認した隊員は忠政に連絡し、回収部隊を派遣して貰う。

 

 

その頃赤備えを率いた直孝は島田と姫路を発見すると刀を持って来ている者達を先行させた。

彼らに気付かれないように囲いつつ徐々に包囲網を形成して行く。

 

そんな彼らの前方数十メートル先に優子をおんぶしている明久がいた。

島田と姫路はそれを視認すると何処からともなく釘バットを取り出して走り出す。

Fクラスの男子もその行動に一瞬呆気に取られるも、島田と姫路が走った方向に明久を確認すると各々、武装してその後を追う。

 

直孝はそれを確認すると自ら先陣を切って槍隊と共に突撃し、麻酔銃隊を後に続かせた。

一番真後ろを走っていたFクラスの生徒に刃を潰した槍を叩き付ける。

叩きつけられた人物は後頭部にいきなり衝撃を受け、くぐもった呻き声を上げて撃沈し、その声に前を行く島田達は足を止めこちらを振り向く。

それと同時に伏していた残りの隊員が物陰から飛び出し彼らを完全包囲する。

「ちょっ、アンタ達誰よ⁉︎」

島田の怒声に全く怯まず直孝は突撃、1人1人を槍で叩きのめしたり、体術で男子生徒を次々と打ちのめす。

「答えなさいよ!」

直孝が何も言わないのに腹を立てた島田は標的を直孝に定めて釘バットで殴り掛かるも、鮮やかな直孝の体術と槍術によって敢え無く気絶させられる。

 

姫路はというと辛くも包囲を突破し、あと数メートルで明久に届く時背中から赤備えの隊員の1人に麻酔銃で眠らされる。

その後、姫路達は連行され警備員に引き渡され彼らはまた散開する。

 

だが、島田と姫路はいつの間にか忽然と消えていた。

 

 

 

 

 

 

その頃、明久と優子は明久が作ってきたお弁当を食べるため、近くにあった芝生にブルーシートを広げてお昼を食べる準備をする。

「ねえ明久?」

「ん、何だい優子」

優子は少し遠慮がちに問いかけに明久は笑顔で答える。その笑顔に近場を通ったカップルの女子が魅了されてしまったりしたのを2人は知らない。

「明久は今日は楽しんでるの?」

「えっ?何でまた」

「だってここ最近っていつもアタシが楽しんでるでしょ?明久楽しめてるかなって不安になっちゃって」

明久は優子の言葉に内心、しまったと思っていた。

何も彼が楽しんでいないわけがない。彼にとって優子の楽しんでいる姿は何よりも嬉しいことなのだ。

要するに明久の優子への考え方はただのバカップル思考と言っても過言ではないようなものだったりする。

「不安にさせちゃうなんて彼氏失格だね」

「そんなことないわ!むしろ明久みたいな彼氏じゃなきゃアタシも満足しないんだから!」

明久のそんな言葉をすぐさま否定し、自分は幸せなのだと告げる。

「そっか、良かった。僕はさ、優子の幸せそうにしてるのが一番嬉しいんだ。だからいつまでも笑っていてほしいな」

「ええ、これからもよろしくね明久♪」



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