御影悠の日常彩る化学式 (月宮如月)
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第1話

オリジナルもいいかもと思い、日常ものを書いてみました。
なんで科学部というと高校のとき所属していたからです。


「暇だな~」

 

ここは科学部の部室、科学実験室。俺は特にやることもなく本を読んでいる。

 

「ねぇミカッチ。 暇つぶしに王水作ったんだけどいる?」

「いや、暇だからってそんな危険物つくらないで下さいよ。 結衣先輩」

「え~、せっかく作ったのに」

「そんなもの処分してください。ところで修部長はいないんですか?」

「あぁ兄さんなら生徒会によって来るって言ってたね新入部員の報告かな」

 

科学部といえばいつも実験をしているわけではない。イベントや発表会などが近くなければ基本なにもやらない。

 

「暇なら私とひと狩りいかないか? 悠君」

「すみません桜花先輩。今日はゲーム持ってきてないんで」

「そうか。残念だ」

 

この部は3年に男子1人。2年に女子2人。そして1年が現在俺を含めて2人所属している。ここでは部員それぞれがやりたいことをやりたいようにしている。

 

「ねぇ、ユウ君。なにかこれおかしくないかな?」

「なに? どうしたの?」

 

俺は読書をしていると少し離れたところでなにやら実験をしている同い年で幼馴染の少女、カナが話しかけてきた。なにかの液体を入れた試験管を熱しているようだが、沸騰している。

 

「まてまて! なんで沸騰してるんだよ!? 沸騰石はいれたのか!?」

「え? 沸騰石って沸騰させるために入れるんじゃないの?」

「違うよ! 沸騰を抑えるために入れるんだよ!! いいから早く火を消すか試験管を取り出せ!!」

 

俺の指摘でカナは焦って試験管を取り出そうとするが次の瞬間、

 

「きゃああぁぁー!!」

「うわあぁぁ!!」

 

中の液体が吹き零れそれに驚いたカナが試験管を落としてしまい正体不明な液体が飛び散った。

 

今日も科学部は騒がしく活動中。

 

 

 

 

―1週間前―

 

「おーい、 カナ~、早く起きろ~」

俺、御影 悠(ミカゲ ユウ)は今日から高校生。 未だに寝ている幼馴染、結城 彼方(ユウキ カナタ)を起こしに来てるが……。

 

「…zzz」

 

「返事がないが、寝息が聞こえる。 こいつ、ただの屍ではないなっ!」

 

「zzz」

 

この通り、なかなか起きない。ボケにも反応しない。

俺が起きた時に一回、朝食の準備が終わった時に一回、そして学校に向かおうと思った今にもう一回声をかけてみた。しかし未だに起きる気配はなく、幸せそうな顔をして寝ている。

 

「昨日、あんだけ寝坊するなよって言ったのに……」

 

なんで俺がわざわざ起こしに来ているというと、俺とカナは数日前から同棲している。俺の父は中学のころに海外に転勤してしまい、母もそれについていった。だが、日本が好きな俺は無理行って日本に残った。もともと俺はやろうと思えば大抵のことは平均並みにできる。家事はカナやカナの母親にならってそれなりに様になった。

 

そして高校に上がる数日前、カナの親が転勤することになった。転勤先はそう遠くはないがカナが高校に通うとなると通学に時間がかかる。というわけで、なぜか俺の家に居候することになった。

 

いやいや、いくら幼馴染といっても年頃の異性だよ? 信頼してくれるのは嬉しいけどこれってどうなの!? 俺の両親も面白そうだからOK!なんて言ってるいけど俺は反対!!

 

なんとか阻止しようと思ったものの、 カナがユウ君と一緒だ~なんて笑顔で嬉しそうにするものだから反対する気も失せた。

 

「しかし、中々起きないな……。そろそろ出ないと間に合わねぇぞ」

 

家から高校までは歩いて20分程、自転車を使えば半分の時間ですむが駐輪場の登録等は済ませていない。今でないと入学式に間に合わない。

 

「いいか、置いていこう」

 

寝坊助な幼馴染は放置。初日から遅刻して目立ちたくないのでカナを犠牲に俺は高校に向かって歩き出した。

 

 




どうでしょうか。まぁ少しだけだから何とも言えないか。
部活に入るまで何話か入りますがそれ以降は部活動メインに書こうと思います。


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第2話

1週間ほど研修で遠出していたんだがネット環境がなくてつらかった…
スマホで投稿しようにも書きづらいし。 なんとかしないと。

第2話始まるよ~


高校につくと名前を確認され、クラスを教えられた。ちなみにカナも同じクラスだ。

教室は賑わっていた。とりあえず決められた席を確認。窓際の最後尾という最高の席を手に入れた。今日の日程を確認しようと先ほどもらった紙に目を通していると、

 

「よっ、暇か?」

「なに? その奇妙な話しかけ方は?」

「いや~、俺が来たころには既にグループが固まり始めていてな。 どこも入りずらかったんだよ」

「なるほど、ぼっちですね。 わかります」

「なんでそうなるんだよ!」

「そんなことより移動しないか? 入学式始まるぞ」

「あっ! まてよ、一緒に行こうぜ」

 

俺はクラスメイトAを適当にあしらいつつ講堂に向かった。

 

 

 

講堂で式が始まるのを待っていると先ほどの少年、クラスメイトAが話しかけてきた。

 

「そういや、自己紹介していなかったな。 俺は榊 竜也だ。よろしく」

「……」

「おい、聞いてんのか?」

 

俺は手を動かして「もうすぐで始まるから静かにしていろ」と手話で伝える。

 

「おい、なんだそれ。もしかして手話か!? なんでそんなもん使うんだよ!? っていうか普通に話せばいいだろ! なんて言ってるかわかんねえよ!!」

「…はぁ」

「いやいや、何溜息ついてるんだよ! 普通わかんねえって!」

「そこのあなた! 静かにしなさい!!」

「っ!! すいません!!」

 

やっぱりこいつ面白い。叩けば響くのが素晴らしいな。

クラスメイトA改め榊が先生に注意を受け静かになり、式が始まった。

長く怠い式典も終わり、教室に戻ると再び榊がやってきた。

 

「あれ、ボッチ君もとい榊か。 自分の居場所が見つけられず再び俺の所に来たのか」

「ボッチじゃねーし! それよりも話の続きしようぜ。 お前の名前教えてくれよ」

「……」

 

再び手話を使ってみると、

 

「だからなんで手話使うんだよ!? もういいだろ、普通にしゃべろよ!」

「冗談だ。 俺は御影 悠だ」

「御影か。よろしくな」

 

榊はそういい右手を差し出す。

 

「…なんだ?握手か?」

「この状況でそれしかないだろ!? よろしくやろうぜ!御影!」

「高校生にもなって野郎と握手なんかしたくない。 もしかしてお前そっちの趣味が…」

「なんで握手程度でそうなるんだよ!」

「やっぱお前面白いな。 もう少しお前で遊びたいけどそろそろHR始まるな」

「ちょっ! 俺で遊ぶって言ったか!? どういう――」

「HR始めるぞ~。早く席に着け~」

 

丁度いいタイミングで先生が入ってきた。

って、あの先生って……。

 

「あ~私が担任の御影 葉月だ。 担当教科は科学だな。 まぁ適当によろしく。 え~っと…。 うわ一人たりねぇな。って彼方かよ。 おい悠。 彼方はどうした」

 

入ってきたのはまさかの俺の従姉の葉月姉さん。長い黒髪を高めの位置で結んでポニーテールにしている女性。この学校で講師をしていることは知ってたがまさか担任とは…。

 

「先生。 学校なんですから公私の区別くらいしてください。 カナは寝坊ですよ。いくら起こしても起きなかったんでおいてきました」

 

「いいじゃねーかそのくらい。 しかし寝坊か、あいつも相変わらずだな。 まぁいいや、そのうちくるだろ。 とりあえず順番に自己紹介していけ~」

 

葉月姉さんも相変わらず適当だな。まぁその適当さがいいのだけど。

そして俺の番が回ってくると

 

「名前は御影悠。 そこの担任は従姉になるな。面白いことが大好きな平凡な人間だ。趣味は特にない…いや、最近ラノベにはまってるな。 以上だ、よろしく」

 

「なんとも、面白みに欠ける紹介だな~悠」

「自己紹介なんてこんなもんでしょ。それより早く次に進めましょうよ」

 

そんなこんなで自己紹介が全員終わろうとした時。

 

「すみません! 遅れました!!」

 

一人の少女が入ってきた。茶色い髪を肩まで伸ばした一見、高校生には見えない幼い少女。外見はホント幼く見えるな。身長は150にも届かず顔もかなり幼さが残っている。この子がカナだ。

 

「あぁ、やっときたか彼方。 いい加減一人で起きられるようになれよ」

「あれ? 葉月お姉ちゃん? もしかして私のクラスの担任なの!?」

「あぁそうだ。 悠もいるぞ」

「あっ! そうだ! ユウ君!! どうして先にいっちゃったの!?」

「それは後にしてくれ。それよりも彼方は自己紹介してくれ。後お前だけなんだ」

「あ、はい。 結城彼方です。今日は寝坊で遅刻してしまってごめんなさい。ユウ君とは幼馴染で一緒に暮らしています!」

 

「「「はああぁぁ!?」」」

 

カナの発言にクラスのみんなが騒いだ。

あいつ、言いやがった。めんどくさいことにならなければいいが……。

 




男性キャラの容姿はあまり考えない
考えるのは女性のみ


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第3話

挿絵でも書こうかなと思ったが自分の絵心のなさにやめた。
まぁ詳しい容姿やキャラ紹介はしばらくしてキャラが纏まってきた後に書こうかな。



 

「で、おまえらどうゆう関係なんだ? 付き合ってるのか?」

「さっそく来やがったか。 めんどくせぇ、さっきあいつが言った通りの関係だが?」

 

カナの発言のせいで俺は注目の的になってしまった。HRが終わったと同時に面白がってクラスの数人が俺の所に寄ってきて榊が代表して質問してきた。

カナは…あぁ、いつも通りだ。あの小ささと可愛さでクラスの女子たちに愛でられている。中学のときもあんな感じだったな。

 

「幼馴染!? それだけか!? だからってなんで同居なんてしてるんだよ!!」

 

「あ~ホントなんで同居なんてしてるんだろうね~」

 

本当になんでだろ。金はかかるがカナがアパートでも借りて一人暮らしすればいいものの。カナはあれで家事は万能…あっ一つ欠点があった。致命的なのが。まぁ女子高校生を一人暮らしさせるなんて普通は心配でさせないか。

 

「なに言ってるんだよ! 羨ましいぞテメェー!! できることなら変わってくれ!!」

「そうは言うが家事とか大変なんだぞ! 毎日朝早く起きて食事の準備や洗濯に掃除、これを学業と両立するのは結構大変なんだよ!!」

「おっおう…。 でも二人で分担すれば何とかなるんじゃ…」

 

俺の気迫に榊が少し引くが、二人で分担? はぁ……。

 

「朝のあれでわかってるだろ。 カナは朝に弱いんだ。 だから俺が朝のうちに食事の支度をして洗濯物を干したり、特売品のチェックに……」

「わかった、わかった。お前が大変なのはわかったから、もういいよ」

 

話しているうちに休み時間は終わった。 後の時間は連絡事項のプリントやらいろいろ配られてそれの説明をされて午前中で終了。さっさと帰ろうとした時、葉月姉さんに呼び止められた。

 

「あぁそうだ、悠。少しいいか?」

「なんですか、御影先生?」

「お前、別にいつも通り呼べばいいものの……。 まぁいいか、お前と彼方は科学部に仮入部させといたから」

「は?」

 

科学部? 何言っているんだこいつは。

 

「で、なんで科学部に勝手にいれてるんだよ、葉月姉さん」

 

とりあえずこの自分勝手な従姉にアイアンクローを。やっぱりこの従姉がいくら教師といえど敬意を払うのはやめにしよう。

 

「ちょっ! 痛い痛い!! ていうかお前、敬語はどうした公私の区別をはっきりしろって自分でいってたじゃないか!!」

「いや~、姉さんごときに敬語つかうのがバカらしくなってきたからもういいや」

「わかった、わかった! 説明するからこの手を放せ!!」

 

まったく、この駄姉は…。 

 

「まぁ、順を追って説明すると、私は科学部の顧問でな。 部員が今3人しかいないいだ」

「まずあんたが部活の顧問をやってることに驚きだよ。 めんどくさいって言って放り投げそうなのに…」

 

葉月姉さんはめんどくさがりで結構いい加減なところがあるからな~。 本当に顧問なんてやっているのか?

 

「あぁ、最初は引き受ける気はなかったが、よく考えてみろ。 部活の顧問になれば、科学実験室と準備室は私の城同然だ。 だから引き受けたんだよ」

「うわぁ~、最低な理由だな。 あれ? 部員が3人ってもう廃部寸前じゃねえか?」

 

この高校の部活動は確か6人以上いなければならなかったはずだが。 ということはコイツまさか……。

 

「そうだ。 このままでは廃部になってしまうのでとりあえずお前ら2人を仮とはいえ入れておいた。 1年生なら2人入れば存続してもいいと言われているからな。 ほら入部届だ。これにサインしてくれ」

「……帰る」

「まってくれ! 私の城のために入ってくれ!!」

 

葉月姉さんが帰ろうとする俺の制服をつかみ必死になって引き留めようとしているが部活なんて興味はない。それにコイツのために入るのはなんかいやだ。

 

「ふざけるな! なにが私の城だ! そんな部活なくなってしまえ!!」

「いいじゃないか! どうせ入りたい部活なんてないだろ! それに基本部活らしいことは何もやっていない!!」

「いやいや! 駄目じゃんその部活! 威張って言うな!!」

「頼む、一度見学に行ってくれ!それに先輩との繋がりもできるんだ、そうゆうのもあったほうがいいぞ」

 

こいつは……。 まぁ、いいか。 一度くらい見に行っても。 

自由な感じの部活なら籍くらい入れてもいいかな~と思いとりあえず承諾することにした。

 

「悠君、葉月お姉ちゃん、なにはなしてるの~?」

「カナ…。 この駄姉の計らいで科学部に入ることになりそうだ。 部活見学が始まったら見学しにいくぞ」

「科学部? 面白そう! 行ってみようよ!」

 

あれ? カナは結構乗り気なのかな。 

そんなこんなでそろそろ帰ろうとしたら

 

「御影~話は終わったか? 一緒に帰ろうぜ!」

「悠君、この人は?」

「……?」

「おい、なんだよそのこいつ誰だ? 的な顔は!」

「こいつ誰だ?」

「本当に言いやがった! おいおい冗談だろ!?」

「この感じ…そうだ!榊か!」

「えっ? もしかして素で忘れてたの?」

「何言ってるんだ?  冗談に決まっているだろ? 榊、お前は高校初の俺のおもty…、友達だからな!」

「いや、今おもちゃって言いそうになっただろ!!」

「カナ、帰ろうか」

「あっ、うん。 そうだね!」

「おい、待てよ! 俺も一緒に帰るぜー!!」

 

榊は電車通学だそうだから校門前で別れた。だって俺達の家、駅とは逆方向だもん。

なんかその背中がさびしそうだった。

 

笑える…。

 




葉月姉さんは駄姉
榊はおもちゃ

なんかテンション上がってきた。次話は早く投稿できるかも。
部活の話には5話からかな。


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第4話

ほのぼのとしたものを書くつもりがなんか違くないか?と最近思ってきた。
タグを変えるか追加するべきか……。


 

 

さてさて、特に何事もなく入学してから三日目、今日から授業と部活見学が始まる。

授業といっても最初だから先生の自己紹介や雑談で終わったから授業のようなことはしていないが。そして今日も榊で遊ぶ。

 

「なぁ、榊」

「ん、なんだよ」

 

昼休み中、榊と昼食を取りつつ話しかけた。ちなみに俺は自作弁当、榊は購買部で買ったパンだ。

ここの購買はパンの種類が豊富だそうで季節ものや珍しいパンがよく入荷されるそうだ。ただし競争率が高く、昼休みに出遅れるとハズレを引くことになる。榊は今回出遅れたそうでハズレ商品を仕方なく買ってしまったようだ。

そのパンが……

 

「何それ? 食パ○マンにハバネロを練りこんだただ一つのパンって」

「そんなの俺がききたいよ……」

 

そう榊が買ったのは食パン○ンという名のただの食パン。顔の絵柄を焼き目で表現している。

そしてもう一つがハバネロをパン生地に練りこんでさらにパンの中には生のハバネロが入っているというハバネロパン。超激辛パウダーをふんだんに使用しました!って書いてあり真っ赤な粉がこれでもかというくらいかかっている。凄まじいチョイスだ。

 

「食べ物までネタにはしる必要はないぞ」

「ネタじゃねえよ!」

「えっ? じゃあ好きでかったのか。 お前そこまで刺激に飢えてるの? そんな明らかに危険物みたいな激辛パンなんて買って。 あれですか、マゾなんですね? なんなら毒吐いて精神的な快楽をプレゼントしようか?」

「そこまで言うか!? この学校の購買部は競争率が異常でこれしか余ってなかったんだよ! それに俺はマゾじゃねえ!」

「あぁ知ってる知ってる。 ここの購買は早く出ないとうまい商品は直ぐになくなるからな。 当たり商品とハズレ商品の差が激しいからまさに天国か地獄だな」

「知ってるならなんで教えてくれなかったんだよ!」

 

なんで? そりゃ決まってるじゃないか。

 

「榊がハズレ商品を苦痛の顔を浮かべながら食べる姿を見たいから」

「ふざけるなー!!!」

 

ちなみに榊が購買に行く前にわざと引き留めて出遅れるようにした。

そんなこんなで、いただきます。

 

「なぁ御影。お前の弁当もしかして結城さんの手作りか?」

「いや、俺の手作りだが。 といっても昨日の残り物と冷凍食品半々だが」

 

俺が弁当を開けると榊がもの珍しそうに見てきた。

 

「マジか、でも自分で用意するなんてすげぇな」

「こんなもの慣れだ」

「なぁこのハバネロパンとお前のおかずを半分交換してくれねぇか?」

「いやだ」

「ですよね~」

 

だれが好き好んでそんなもの食うか。確実に味覚が破壊されるぞ。

 

「で、おまえその食パンはともかくハバネロパンは食うのか?」

 

俺は自分の弁当を食べ始める。 うん、今日もうまくできているな。

 

「いや、買ったんだから食べないと……。 それに食わないと午後もたないし」

「だがそのパン、取扱い注意なんて物騒な文字が書いてるぞ」

「あぁわかってる。 だが、それでも食べ物を粗末にすることは俺にはできない!」

 

そう言い、パンのふくろを開けて大きく齧り付いた。

 

「…… っ!!!」

「どうだ? 榊」

「辛ぁっ! ていうか痛い!! なんだよこれ、食べ物じゃねえよ!! もはや兵器だよ!! ヤバい舌が、喉や口の中が凄い痛い!」

 

榊は顔を真っ赤にして凄い汗が噴き出ている。一口食べただけでこれとはまさに兵器だな。

ペットボトルのお茶を半分以上飲み干して少しは落ち着いたようだ。

 

「はぁはぁ……。 なんだよこのパン食い物じゃねえよ。 捨ててこようかな……」

「何言ってるんだ? さっき、食べ物を粗末にすることは俺にはできない!って言ったよな」

「ぐっ……。 だがこれは最早食い物じゃねえよ」

「いいわけか? みっともない。 男に二言はない、そうだろ? さぁ見せてみろ! お前が真の男ならその程度の苦難乗り越えることは容易いだろ!!」

「チクショー!! やってやらぁー!!!」

 

榊は自棄になりパンを一気に口に入れてみごとに完食。そして気絶した。俺はその姿に大爆笑し、一部始終を見ていたクラスの連中に白い目で見られた。

 

 

 

 

いやぁ~楽しかったな。

榊が気絶して笑いが収まった後、とりあえず榊は保健室に放り込んでおいた。保健室に運んだあとは再び授業。

 

そして放課後

 

「よし、帰るか」

「駄目だよ悠君。部活見学に行くんでしょ」

「いや、やっぱりめんどい……」

 

帰ろうとしたところをカナに止められた。

そういえば今日からだったな部活見学。カナが忘れていてくれたらそのまま帰ったのに。

 

「それよりカナって科学とか好きだったっけ?」

「ん~とね、勉強の方は好きじゃないけど実験とかは結構好きだよ。それに葉月お姉ちゃんの部活って面白そうだし」

「悠~ちゃんと部活に見学しに行けよ。私もあとで顔だすから」

「ほら、葉月お姉ちゃんも言ってるしいこうよ」

 

仕方なく荷物をまとめてカナと共に科学部に向かった。

榊? そういえばあいつ戻ってこなかったけど、どうなったんだ?

 

 




なぜだろか悠のキャラがおかしい方向に……。
これもすべて榊のせいだな。


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第5話

ようやく科学部員を出せた。
まぁそれでも科学要素なんてほとんど出ないが


 

「ここか、科学部って」

「結構教室から離れてるね~」

 

放課後、俺とカナは部活見学のために科学部の部室に向かった。部室は学校の敷地の端にあるので結構遠い。ノックをして扉を開けようとすると

 

「おい! そっちに行ったぞ! 確実に仕留めろ!!」

「くたばれ!害虫!」

「やったか!?」

「逃がした!!」

「クソっ! 月宮、お前もゲームをやってないで手伝え!!」

「黙れ!今いいとこなんだ、邪魔するな!!それにそんな気持ち悪い生物の相手を私にしろというのか?クソメガネ、お前がやれ!」

「お前、ほんと口が悪いな!一応先輩だぞ!?」

 

 

 

 

なにやら部室の中が騒がしいな。

「どうしようか、カナ」

「う~ん、少し待ってみようか。なんか害虫とか気持ち悪い生物とか聞こえてきたしアレが出たんじゃないかな……」

あぁ、あれか人類の天敵。黒光りするG。

 

 

 

 

「あぁー!!もう、めんどくさい!!これでもくらえー!新薬、甘い香りの除虫剤!!」

「ちょっ!? 結衣、お前今度は何作った! なんだこの煙!!」

「なにって除虫剤だよ。この煙を吸えばたとえGでも即死だよ! あとこの煙あまり吸わない方がいいよ。肺に付くから」

「はぁ!?それを先に言えよ!っていうか、なに二人ともマスク着けてるんだよ! 桜花、俺のは!?」

「あるわけないじゃん」

「そんなことより早く出るぞ。煙が充満してきた」

 

 

 

 

室内の騒ぎが収まるまで廊下で待っていると扉が開き女子二人と男子1人が出てきた。

「ん?君たちはもしかして部活見学をしにきたのか?」

 

綺麗な黒髪を背中まで伸ばしている女生徒が話しかけえてきた。

 

「えぇ、そうです。この部活の顧問の…」

「確保ー!!」

 

科学部顧問の葉月姉さんのことを話そうとしたら、もう一人の女子がいきなり飛びかかってきた。

 

「うおぉっ!」

 

ガンっ! 

 

咄嗟に避けて、迎撃をしてしまい、飛びかかってきた女子を床にたたき落としてしまった。

 

「ちょっ!? 悠君、何やってるの!!」

「いや……。つい反射的に。 あの大丈夫ですか?」

「あーそこのバカは放っておけ。君たちは科学部の見学にきたのだろ」

「ちょっと兄さん! バカって酷くない!? 可愛い妹に向かってバカって!」

「自分で可愛いとかいうな! それにいきなり飛びかかるとかどんな思考してるんだ!!」

 

なにか二人が言い争いを始めてしまった。女子の方が兄さんと呼んでいるからこの二人は兄妹なのだろうか。とりあえずもう一人の髪の長い女子に話しかけてみる。

 

「あの~いいんですか?止めなくて」

「あぁ、いつものことだ。そのうち止まるだろう。それより見学なんだろ?今、実験室は使い物にならないから準備室を開けよう」

 

そういい準備室を開けて入っていった。僕たちも入室した。

とりあえず座ってくれ。と言われ、先輩の向かい側の席にすわる。そこで廊下で争っていた兄妹も入ってきた。

 

「いや~ごめんね。さっきはいきなり飛びかかって。この部活、廃部寸前だから嬉しくて。あ!飲み物どうする?コーヒー?それともお茶?あと、お菓子もあるよ!」

 

妹さんがテンション高めに話しかけてきて、御茶やお菓子を準備している。

カナは目の前に出されたお茶とお菓子をみて、ここは天国ですか!と言っている。いや、科学部だよ。

 

「お前、少しは落ち着け。まぁ、とりあえず自己紹介だな。俺は部長の三日月 修だ。んで、こいつが妹の」

「結衣だよ。よろしくね~」

「私は副部長の月宮 桜花だ。まぁ、よろしく」

「御影 悠です」

「結城 彼方です。よろしくお願いします」

 

自己紹介をすると先輩方は俺達から少し離れてなにか小声で会話をしていた。

 

「兄さん、御影ってことは先生が言っていた子じゃない?」

「あぁ、そういえば言っていたな。二人ほど連れてくるから逃がすなと」

「まぁ部の存続がかかっているから逃がす気はないが」

 

なにやら不敵な笑みを浮かべている。話し合いは終わったのか先輩方が戻ってきた。

 

「ようこそ科学部へ! この入部届にサインするまで君たちは返さないよ!!」

「お前は何言ってるんだ!?いいから部活動の説明をするぞ!」

 

にぎやかな部活だな~と思っているともう一人の部員、月宮先輩が説明をしてくれた。

 

「まぁこの部活は基本自由だ。器具や薬品を自由に使って実験してたり、のんびりと適当に過ごすもよしだ」

「真面目に実験やることなんて滅多にないしね。いつもは駄弁ったりゲームしたり面白おかしく調薬したり」

「調薬しているのはお前だけだろ。といっても最低でも年に2回は何かしら実験をしてレポートをまとめなければいけないがな。まぁ適当にやるけど」

 

順に月宮先輩、三日月先輩…紛らわしいから結衣先輩、そして修部長が部の説明をするが、本当に葉月姉さんが言ってた通りの部活だった。

 

「というわけでこの高校で最も自由で楽しい科学部の入部届はこちらになります」

 

そしてさり気なく二人分の入部届を出してくる結衣先輩。うん、この流れでサインすると思っているのかな。さすが葉月姉さんが顧問の部活というか、自由すぎる。部室入る前のあの騒動からして少し不安があるが……。

 

「そそられますね」

「カナ…はやまるな」

 

奇妙な部活に来てしまったようだ。

 

 




なんとなく3人分の設定 確定ではないが

三日月 修
3年 結衣の兄 科学部部長  
目にかからない程度にそろえられた暗めな茶髪で眼鏡をかけていてなんか見た目が凄く真面目そう。科学部で比較的まともな人。
・オタク設定を追加するかも

三日月 結衣
2年 修の妹 
紅葉のように赤い髪を肩に届かない程度に伸ばしていて、外側に少しはねている。
理科系の知識が豊富で、暇があれば薬品をつかい奇妙なものを調合したりしている。
無駄に元気があり活発的。桜花とは1年のころからの親友。

月宮 桜花
2年 科学部副部長 
背中まである黒髪をストレートにしている。
重度のゲーマーで夜遅くまでゲームをしているから朝は眠気でテンションがかなり低く、朝と昼のテンションの差が大きい。
・一部の人間には毒舌にしようかなと思っている。
・実際書き始めると性格をどうしようか迷い始めた。


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第6話

小説とゲームがどんどん溜まっていく……。 時間が欲しい。時は金なりっていうけど1時間何円なら買えるかな?って思うくらい時間が欲しい。


 

 

「よし、折角だからなにか実験をしよう! これで科学部の魅力も伝わるはずだよ!!」

 

結衣先輩がいきなり実験をしようと言い、立ち上った。他2名はめんどくさそうにしている。

魅力を伝えるってそもそも実験は滅多にやらないんじゃ……。

 

「面白そうですね! ならアレやってください! レールガン!!」

「いやいやカナ、そんなものが高校にあるわけないだろ!」

「えっ?あるよ」

「あるんですか!?」

 

カナが冗談?で言ってみただけだと思うが実際にあるのかよ。

 

「そういえば1年前に結衣と月宮が暴走して文化祭の出し物として作っていたな。だが、設定を間違えたらしくて……」

「…あの事件はすごかった」

「えぇ、前日に試運転をしてみると弾がすごい勢いで発射されて壁を壊しちゃったんだよね。その威力に耐えられず砲台は壊れたけど」

「そのせいで文化祭はなにも出せず、科学部は1カ月の活動停止になったんだ」

「うわぁ…」

 

こいつらほんと何やってんだよ。文化祭にレールガンって。

 

「その後改良を加えて完成したんだけど先生が試運転許してくれなくてさー」

「仕方なく奥にしまったのだが…。この際だから内緒で撃ってしまおうか」

「そうだね。よし、いこうか桜花さん。いまこそ私たちの研究を試す時だよ!」

「そうだな。的はそこのメガネでいいか」

「お前ら二人とも何言ってるんだ!そんなことしたら次こそ先生の首が飛ぶぞ!!それに部長である俺も怒られるからやめろ!! 後、月宮! 今、俺を的にするって言ったか!?」

「何を言ってるんだ?私はメガネを的にするといったのだぞ。その付属品である貴様には要はない」

「お前はメガネが俺の本体だというのか!?」

 

先輩方が騒いでるのを見つつ、俺はふと疑問に思いカナに話しかけた。

 

「それにしてもカナ。レールガンなんて言葉よく知ってたな」

 

カナは理系が壊滅的だからなんでいきなりそんな言葉が出たのか気になった。

 

「それはね~この前、悠君のお部屋を掃除したときに落ちていた漫画が気になって呼んでみたら面白くてタイトルを覚えておいたの」

「それって、とある?」

「うん、そうだよ。超電磁法ってかいてレールガンって読むんだよね! 漫画みたいになるのかな~」

 

 

 

「いいからそこをどけ。機器を運べないだろ!」

「そうだよ兄さん。後輩のために見せてあげようよ」

「いやいや、だからそんなことしたら先生のくびになるって言ったよね!!」

「…兄さん。何事にも犠牲は付き物なんだよ」

「そうだぞ、それにこういった名言もある」

 

「「ばればきゃ、どうってことない!!」」

 

「んなわけあるかー!!!」

 

なんというか先輩方いいキャラしてるよね。こんな部活なら入っていいかもと思ってきた。

 

「部長さん、部長さん」

「ん、なんだ御影。お前も反対だよな、さすがに先生に迷惑がかかるし…」

「あの駄姉のことなんて気にしないいで撃っちゃいましょうよ!」

「お前も敵かー!!」

「おーミカッチもこっち側か」

「ミカッチ?なんですかそれ」

「あだ名だよ!御影だと御影先生とかぶるし。あ、私のことは結衣でいいよ~兄さんもいるから紛らわしいし」

 

そんな感じに騒いでいると葉月姉さんが入ってきた

 

「おーい、お前らやってるか~」

「あっ!葉月お姉ちゃんだ!」

「よし、二人ともちゃんと来てたな。ところで三日月兄。なんで準備室にいるんだ?」

「奴が出たんですよ。黒いやつが」

「あっ、そういえば最近見かけてたな。一度バルサン使おうと思って忘れてた。んで、盛り上がっていたみたいだけど何の話していたんだ」

「葉月姉さんを犠牲にレールガンを撃とうと」

「レールガン? …ってまさかアレか!? おい、三日月妹!あれは処分してなかったのか!?」

「いや~そんな勿体ないことするわけないじゃないですか」

「ちゃんと改良して完成させておきました」

「三日月妹も月宮も何やってるんだよ! えっ?ていうか撃ったの?私もしかしてクビ?」

「いえ、なんとか止めましたよ」

「三日月兄、よくやった」

 

あー残念だもう少し姉さんが来るのが遅ければ……。

 

「「「ちっ」」」

 

「おい、お前らなに舌打ちしてるんだ。ていうか悠、お前すでに馴染んでないか?」

 

同じことを思ったのか月宮先輩と結衣先輩と同時に舌打ちしていた。

 

「まぁいいか。それより悠と彼方、この部活アンケート書いてくれ。見学に来たものに書かせないといけないらしくてな」

「部活アンケートって部活らしいことなにもやってないんだけど」

「そんなこと知ってるさ。まぁ適当でいいよ」

 

俺は適当に書いて渡すと満足そうに受け取った。

 

「じゃあ、私は職員室に戻るよ」

 

二人分のアンケートを受け取ると姉さんは直ぐに出て行ってしまった。一瞬ニヤリと笑った気がするが気のせいだったのかな。

 

「やったー!これで部員が二人入ったよ!」

「えっ?」

 

今結衣先輩がおかしなことを言ってなかったか?

 

「あの、結衣先輩?俺達まだ入部してませんよね」

「いや~あのアンケート実は偽物なんだよね。二人を確実に入部させるためにちょっと細工を」

 

偽物?細工?どういうこと?

 

「月宮先輩、つまりどういうことですか?」

「あれは名前の所が転写する仕組みになっていてね。下には入部届があるんだよ」

「先生が身内だからいいんじゃね?って言ってたからやってみました!」

「つまり……」

 

「「「ようこそ科学部へ!!!」

 

まさかの転写!? なんか紙が厚いなと思ったがそういうことだったのか。

まぁ、面白そうな部活だから入ってもいいかな。でもとりあえず。

 

葉月姉さんを殴ろうか。

 

 




最近書こうと思っても気分が乗らなかったが、書き始めるといい感じに一気に書けた。


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第7話

研修がメンドクサイな~。それに再び忙しくなりそうだ。
早くちゃんとした仕事したいよ~。


 

「カナ~起きてるか?」

 

科学部に半強制的に入れられて次の日。俺はいつも通りカナを起こそうと部屋の前にいった。だがノックをしてみると

 

「おはよ~悠君」

「・・・・・・!?」

 

幻聴か!?と思いドアを開けるとなんと

 

「あれ?悠君どうしたの?」

「カナが起きてる!?」

 

どういうことだ!?いつもは俺が起こさないといつまでも寝ているカナが今日は起きてるだと!? ヤバい、これは。

 

「今日は休もう。きっとよくないことが起きる」

「ちょっと悠君!どうゆうこと!?」

「だってカナが自分で起きるなんて・・・・・・。世界が終わるんじゃね?」

「私だってたまには自分で起きるときだってあるよ! それに世界が終わるって、そこまで意外なことなの!?」

「じゃあれだ。榊の人生が終わるのか」

「榊君の!?」

 

うん。これで頭の方も完全に目が覚めただろ。起きていても二度寝するかもしれないからな。

 

「まぁいいや。さっさと顔洗って朝飯食べろ」

 

 

 

 

「悠君、そういえば榊君昨日はどうしたの?」

「昨日?」

 

登校中にカナが朝に俺が榊の人生が終わる発言で気になったのか聞いてきた。

そういえばあいつ昼に劇物食べて気絶したんだっけか。

 

「あぁ昼に榊が気絶したあれか」

「うん、悠君は笑ってるし、榊君は気絶してるし、なにがあったの?」

「榊が劇物、購買のハズレ商品を食って気絶した。まぁ俺が煽って食べさせたんだけど」

「あはは・・・。相変わらずだね悠君は。でも、あんまりやり過ぎちゃだめだよ」

「大丈夫だよ。あいつには漫画でよくあるギャグ補正的なのがある。だから俺はとことんあいつを弄ることにした。あっそうだ」

「どうしたの?」

「今日は榊の人生を終わらせよう!」

「なに言ってるの悠君!?」

 

本当に何言ってるんだろうね。自分でも分けわからなくなってきた。

そんな感じに話していると校門に着いた。そこで

 

「みぃ~か~げー!!」

「あっ榊君だ」

「うわ、なんか来たよ! キモっ!!」

「御影、お前どうして昨日は俺を置いていった!あんなふうに煽っておいて放置かよ!!ていうかキモいっていうな!」

「何を言ってるんだ。ちゃんと保健室に連れて行ったじゃないか」

「いや、そうだけど……。放課後様子を見に来るとかしろよ!心配じゃなかったのか!!」

「いや、まったく」

 

だってねぇ。榊だよ?心配するとか馬鹿らしいじゃんか。

 

「あー、もういいや……。あっ結城さんおはよ」

「うん、おはよー」

 

そして、教室へ。

カナは直ぐに友達の方にいって、俺は椅子に座りあることを考え始めた

だが、直ぐに榊が話しかけてきて思考の邪魔をしやがった。

 

「なぁ御影」

「チッ。なんだよ」

「おい、今なんで舌打ちしたんだ」

「重要なことを考えていたのに邪魔するからだ」

「重要なこと?何考えていたんだ?」

「今日の目標をどうやって達成させるかだ。悪いが後にしてくれ」

「へー目標ってなんだ?」

「榊の人生を終わらせる」

「はぁ!! 俺の人生って、なんでそんなこと考えてるんだよ!?」

 

まぁ榊の反応は当然だよね。とりあえず今日の朝のことを話した。

カナが珍しく自分で起きた→よくないことが起きる→榊の人生が終わる

 

「というわけだ。理解……しなくてもいいか。まぁ協力しろ」

「できるか!! ていうか俺の人生を終わらせるって何する気だよ!?」

「それを今考えてるんじゃないか。まぁ安心しろ。社会的に終わらせるだけだ。あっ今日中にできそうになかったら物理的に終わらせるから」

「怖っ!! えっ?物理的にってどうやって?」

「さぁ?どうやるんだろうね」

 

クククッと黒い笑みを浮かべながら答えた。

 

「というわけでなんか恥ずかしい過去話を聞かせろ。あることないこと付け加えて広めてやるから」

「話さねえよ!! その目標やらなくていいよ。ていうか諦めてくださいお願いします!!」

「お前の恥ずかしい過去を話してくれれば考えなくもない」

「ひでぇ……」

 

残念なことに恥ずかしい過去は聞けなかった。つまらねぇ……。しかし、どうやって追い詰めようか。まだコイツのこと全然知らないからな。

まぁ、そのうち思いつくか。

 

 

 




榊の人生終わらせます!社会的に
とはいったもののどうしようか……。思いつかなかったら物理的にでいいか


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第8話

ども!久しぶりの投稿ですね~。
話の内容は決まっていたのですが、他のことに時間をかけていたら全然書いてなかった…。
それとこの前ボーナスもらいましたよ!入社1年目だからどうなのかな~と思っていましたが、ほんの少しですが貰えました!貰えるだけども嬉しいですよね。

それと夏アニメ始まりましたね。「それが声優」をみて凄く面白かったのでこの前、原作、まぁ同人誌ですが買ってきました!最後の一冊らしくてギリギリでしたよ。
 


 

―放課後―

 

「おい、御影! 朝俺の人生を終わらせるって言っておきながら何もやってないじゃないか!」

「あぁそれな。めんどくなった」

 

今日俺は榊の人生を終わらせるという目標をたてていた。

だが、考えるのがめんどくさくなった。社会的に終わらせる方法をいくつか考えてみたけど、なんか面白みに欠ける。それにコイツ朝から俺を警戒しているみたいで態度が不自然になってるし、それを見るだけども面白かった。

 

「はぁ!? お前が何をやらかすのかずっと気を張っていて損したよ!」

「そうだったな。お前ずっと落ち着きがなかったからな。あっ、もしかして期待してた?

ごめんな、お前ドMだからな。お詫びに物理的にでも……」

 

そういって俺は距離をとって拳を握りしめ……。

 

「いやいや!俺はMじゃねえーし、っていうか何殴りかかろうとしてるんだよ!?」

「俺の座右の銘は有言実行!たとえそれがなんであろうと犠牲を払ってでもやり遂げる!!」

「カッコよく言ってるけど今回ばかりはやめろー!!!」

 

榊の叫びが教室に響き、残っている人が注目しているみたいなので仕方なくやめることにした。

榊はツッコミに疲れたのか肩で息をしている。

 

「榊」

「はぁはぁっ……なんだよ」

「はぁはぁ言って、発情期か?キモいwww」

「キモい言うなー!!」

 

 

 

こんなくだらないやり取りをしつつ俺はそろそろ部活に向かおうと荷物をまとめ始めた。

「さて、榊で遊ぶのはこの辺で終わりにして、部活に行くか」

「ん?お前部活入ったのか?」

「入った、というかいれさせられたというか……」

 

科学部と顧問の巧みな連係で強制的に入れられたもんだからな。

 

「なんだそりゃ」

「まぁとにかく俺は部活に行く。お前はどっか見学しないのか?」

「あ~とりあえず適当に見て回るつもりだ」

「そうか。じゃ、また明日……会えるといいな」

「なに不吉なこと言ってるんだよ!?闇討ちでもする気かよ!?」

 

さて、カナを回収して部室に行くか。でも闇討ちか~。それもいいかも。

 

 

 

 

「こんにちは~」

「失礼しまーす」

 

部室に入ってみると中には結衣先輩が箒を手に部室内を掃除していた。

 

「結衣先輩こんにちは。掃除ですか?」

「先輩こんにちは~」

「あっミカッチにカナちゃんだ! 来て早々悪いんだけど、二人とも手伝ってくれないかな?昨日ばらまいた除虫剤の掃除が大変で」

 

辺りを見渡してみると確かに白い粉がところどころに落ちている。

 

「机の上や機材の上は掃除したから後は床だけなんだよね。そこに箒があるから掃いて~」

 

先輩に言われた通り、俺達は掃除を始めた。粉だけではなく埃なども結構たまっていたのでいたので3人でも時間がかかりそうだった。

掃除しているうちに月宮先輩に修部長も来たので直ぐに終わらせることができたが。

掃除も終わり結衣先輩が頑張ったからお茶にしよう!と言い、お茶を入れてくれた。

 

「いや~それにしても疲れたよ。最初部室に来たときはすごかったよ!一面真っ白で!」

「一面真っ白だと!?おい、結衣!まさか機器にも粉が被っていたのか!?

どこか壊れてないよな!?」

「えっ?どうだろう。動かしてないからわからないな」

「おいおい、これで故障とかやめてくれよ……。先生は中には数百万するのもあるっていってたよな」

「別にいいのではないか?もともと古い機械なのだから何時壊れてもおかしくないだろ。

たとえ昨日の件で壊れたのがばれても結衣を止められなかったそこの無能な部長。無能なメガネの責任だろ」

「月宮……。お前そんなに無能いうなよ。さすがに落ち込むぞ?

やっぱりばれたら俺の責任かな……」

「まぁ安心しなよ兄さん!首は拾ってあげるから!」

「首!?骨じゃないのか!?」

「あっ間違えた。でも意味的に首でもよくないかな?」

「それもそうか?」

 

先輩方の会話に耳を傾けつつ、のんびりとお茶を飲んでいると、本棚を覘いていたカナが本を片手に戻ってきた。

 

「悠君、悠君!こんなのあったよ!」

 

「えっとなになに……。萌えて覚える化学の基本?」

 

それをみた俺は無言で近くにあった着火マン(ガスバーナーに点火させるためだろう)を手に持ち火をともした。

 




次回は実験をするよ~

萌えて覚える~は持ってないけど「もえたん」なら前に買ってた。使うことはないけど。


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第9話

早く夏休みならないかな~
4日間だけだけど……


 

 

俺がふざけたタイトルの本に火をつけようとした時、カナに止められた。

 

「ちょっ!? 悠君何しようとしてるの!?」

「えっ?何って焚書」

「焚書!?いくらふざけた本でも、そんなことしちゃだめでしょ!」

「あっそうだよな。ちゃんと外で焼かないと」

「それもちがーう! まずその火を消しなさい!!」

 

それにしても随分と変わった本があるな。

部室の本棚には実験の本や文化祭などに出したであろう冊子が置かれている。一部関係なさそうなものもいくつか見られるが、それにしても……

 

「メガネ部長~このふざけたタイトルの本いったいどうしたんですか?」

「まて、御影!お前まで俺をメガネというのか!?おい、月宮!お前がメガネ言うから御影まで真似したじゃないか!」

「ふっ、私の所為ではないだろう。そのメガネの方が貴様自身よりも存在感を上回っているだけだろう?」

「ところで部長の名前ってなんでしたっけ?」

「忘れていたのか!?だからって月宮のまねはするな!修だ!三日月修、ちゃんと覚えておけ!!」

 

まぁ冗談だけど。月宮先輩がメガネ言うからついね。

 

「なになに、あっそれ見つけたんだ。懐かしいな~。たしか兄さんが買ってきたんだよね?」

 

結衣先輩が近づいてきて本を取ってパラパラとめくりだした。

っていうか修部長が買ってきたんだ。

 

「あぁ確か1年前に俺が買ってきてここに置いておいたんだったな」

「兄さんは二次元にしか興味ない変態だからね。だからってこんなのを買って勉強するなんてひくよ」

「そうだ、こいつは萌え豚というやつだ。キモいだろ」

「お前ら好き勝手言いやがって……」

「なるほど部長はオタクと」

「まぁ別に隠しことでもないが、さすがに2次元にしか興味ないってことはないぞ。2次元とには2次元の、3次元には3次元の魅力があってだな……」

「なぁ結衣お前のバカ兄がなんか語りだしたぞ。こいつ追い出さないか?」

「桜花さん放っておこうよ。ミカッチ、カナちゃんこんな人間になっちゃ駄目だよ」

「「あっ、はい」」

 

さすがにこれは引きますよ。桜花先輩に言われなくてもこうはなりたくないよ。

修部長が語っているのを無視し、桜花先輩と月宮先輩は本棚の中を眺めていた。

 

「それにしてもいつの間にかに随分と増えているよね。ほら小学生の理科の教科書まであるよ」

 

確かに小学生から高校生までの理科関係の教科書が置いてある。小学生のは明らかに必要ないだろ。と思いつつ、俺達はついつい小学生の教科書を取って読み始めた。

 

「うわぁ~なつかし、そういえばこんなことやったよね」

「たしかにな。いまこうやって読んでみるとなかなか興味深いな」

「そうですね。小学生のころを思い出してしまいますね。あっカナ、これ覚えてる?」

「うっそれってたしか……」

「えっ、なになにミカッチ何か見つけたの?」

「ん?これはたしか塩の結晶をつくる実験だったな。飽和水溶液を用いた」

 

そう、塩をお湯に溶かしてモールなどを浸して塩の結晶を作る実験だ。

小学校でこの実験をやった時のことを思い出した。懐かしいな。

 

「この実験、カナだけ結晶がなかなかできなかったんですよ」

「それでこっそり家に持ち帰って接着剤で塩をつけて戻そうとしたんですけど、悠君が先生にバラしちゃんたんですよ」

「ミカッチ、そこは黙っておいてあげようよ……」

 

 

 

 

「というわけで今日はカナちゃんのリベンジをしょう!塩の結晶をつくろー!!」

「おー!!」

「おー?」

 

なんか実験をすることになった。だが修部長と月宮先輩はやらないそうだ。修部長はやることがあるそうなのでどこかに行った。月宮先輩は「イベントが17時まで、今から追い込みをかける!」とか言って携帯をずっと操作している。

 

「結晶を作るのはいいですけど塩って置いてあるんですか?」

「そのくらい食堂でもらえると思うよ。よしカナちゃん!今から食堂に行って塩をもらってくるのだ!私たちはその間お湯の準備をしている!」

「わかりました!結城彼方行ってきます!!」

 

カナは結衣先輩に敬礼をして食堂に向かっていった。カナを見送った後、結衣先輩と準備に取り掛かった。といってもビーカーを用意してお湯を沸かして、モールで形を作るだけだが。

 

「あれ?そういえばモールなんてなかったかも」

「えっ、ないんですか?まぁないなら仕方ないですよ。代用できるもので……」

「形はどうしようか?無難に星とか丸にする?」

「いえ、俺にいい案があります。ちょっと待ってください」

「うわっミカッチ器用だね!」

 

準備を進める数十分。カナが塩を手に戻ってきた。

 

「お塩貰ってきたよー!準備できてる?」

「おぉカナちゃん戻ったか~。準備はばっちりできてるよ!」

「戻ってきたか。それじゃコイツを頼んだぞ」

 

そういい針金とタコ糸で代用して作ったカナをかたちどったものを渡した。

 

「悠君何作ってるの!?」

 

 

 

 

 

「それにしてもよくできてるね。悠君ほんと無駄に器用だね」

「よくできてるだろ。モールがなかったんで針金とタコ糸で代用してみた」

「まぁそれよりも早く塩を溶かしちゃおうよ。お湯が冷めちゃうよ」

 

お湯に溶かせるだけ塩を投入して、その塩水にカナを入れた。

 

「よし、これで大丈夫だよね。これって明日にはできるのかな?」

「あれ?どうだったっけ。結衣先輩わかります?」

「う~ん、ちょっと調べてみるね。え~とっ、うん。2、3週間でできるみたい」

「「長っ!!」

「そんなに時間かかるんですか!?」

「そういえば教室の後ろでずっと放置していたような」

 

思ったよりも結晶ができるのが遅いことに驚きつつ結衣先輩が補足をしてくれる。

 

「ミョウバンならすぐに結晶ができるみたいなんだけどね~。うちにはないから」

「ミョウバン?あ~なんか教科書にありましたね。たいした説明はされてませんが、なんかキレイな結晶が」

「でも2週間ほど様子見か~。とりあえず勝手にかたずけられないように閉まっておかないと」

 

そういいカナはビーカーを持って置き場所を探し始めた。

 

「よし、ここに置こう。もしかしたらここから新しい生物が生まれるかも」

 

カナは塩水に浸っている自分をかたちどったものを見ながらそう呟いた。

カナは何言ってるんだろう。いや、カナの形をしたのを入れたわけだからもしかしたら……。なんて少し思ってしまった。

 

 

 




塩の結晶?
僕の学校ではやらなかったけどなにか?


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第10話

久しぶりの投稿!
気づけば1か月ほど空いてしまいましたね。
最近は涼しくなってきたのでこのまま早く夏終わらないかなと思う今日この頃。




 

 

 悠が科学部に来るようになって数日、今日も特にやることもないが部室に来てみた。

今日はカナが友達との会話が長引いているようなのでここにはいない。先輩たちもまだきていないようなのでお茶の準備をしてその合間に携帯のアプリゲームを弄っていた。

悠は鞄からイヤホンを取り出して有名アニメの音ゲーを始める。

 

 

「あークソッ!あともう少しでフルコンできたのに!」

 

そう言い画面から目を話すと、ふと後ろに気配を感じたので振り向いてみると

 

「うわぁっ! 月宮先輩、いつのまにいたんですか!」

 

振り向くと奴がそこにいた!

まぁ月宮先輩が後ろで俺の携帯アプリを見ていたそうだ。

 

「なに、ほんの数分前だ。君がゲームに熱中していたから話しかけなかったんだ。私もゲームはよくやるが途中で邪魔が入るのが一番嫌だからね」

「あーですよね。しかし先輩もゲームとかやるんですね」

「あぁ私はこう見えてかなりのゲーマーでね。常に新作のチェックは怠らないようにしているんだ。今日も朝一でこれを買ってきたからな」

 

そういい月宮先輩はゲーム雑誌を取り出してきた。

 

「朝一のコンビニでゲーム雑誌を買いに来る女子高生って……」

「なに私は気にしない。ところで君もそのアプリをやっているのか」

「ってことは先輩もですか?」

「あぁゲーム性からやってみたのだが曲もキャラもよくてな。今ではかなりやりこんでるよ」

「あっ俺もですよ!人気アプリで上の方にあったから何となくやってみたんですが、はまってしまって」

「ミカッチおーすっ! ってあれ?カナちゃんは一緒じゃないの?めずらしいね」

「結衣先輩こんにちは~。カナはまだ教室ですよ。そのうちくると思いますけど。

あっそういえばお茶の準備してたんでした。今入れますね」

 

お茶を入れて戻ってくると雑誌を開封して、真剣に読み込んでいた。結衣先輩は何かやろうとしているのか実験室をうろうろしていた。

 

「ふむ。ここの新作は期待できそうだな。それに…なんだ?このクソゲー臭のするものは。一応チェックしておこう」

「なにか良さそうな作品はありましたか?」

結衣先輩に話しかけると妙な実験につき合わされそうなので放置。

俺は先輩にお茶を出して聞いてみると

 

「まぁな。私の好きな作品の続編も出るようなので今から楽しみだよ」

 

そう言い月宮先輩は俺にも見えるように雑誌を置き、ページをめくりながら答えてくれた。

一緒に眺めながらこのゲーム良さそうですね等と話しながら見ていたら気になる作品を見つけた。

 

「あっ月宮先輩。この作品なんですが、この前作買おうか迷ってるんですがどう思います?」

「ん、あーこれか。クソゲーだ」

「マジですか。はっきり言いますね」

「だが、君にとっては神ゲーになるかもな。なぜならクソゲーと神ゲーは紙一重だからな!」

「参考になりませんよ!」

 

なんだろ名言のように言われたが確かにそうかも。結局、月宮先輩は参考にならなかった。

 

「こんにちはー」

「し、失礼します」

「あれ、カナようやく来たか……って誰?」

 

カナが見知らぬ女子生徒と一緒にやってきた。もしかしてこの子を連れてくるのに遅くなっていたのかな。

 

「ユウ君ユウ君!誰?って酷いよ!同じクラスの結月夏帆ちゃんだよ。なんか見学してみたいんだって」

「あの、結月夏帆です。よろしくお願いします」

 

見学にやっていたのは、白い長髪をリボンで結わえ両肩に垂らしているクラスメイトらしい少女、結月夏帆だそうだ。

 

「ごめん、クラスメイトなんてまだ全然覚えてない。俺は」

「あっ知ってます。御影悠さんですよね。いつもカナタちゃんから話をよく聞いています。それにクラスでも目立っていますし」

 

カナが話しているって何を話してるんだろう。あとで余計なことまで話してないか問い詰めないとな。

それにしても俺のこと知ってたんだな。クラスで目立ってるって、まぁ悪目立ちだよね。いつも榊や担任の葉月姉さんを弄って、遊んでるし。

 

「それにしても、この部活に見学とは……葉月姉さんに何か言われた?なんならオハナシしてくるけど?」

「いえいえっ!カナタちゃんと話していて楽しそうな部活だな~と思ったてきたので。だから御影先生に何か言われたからではありません!」

 

葉月姉さんがまた無理やり誘ったのかと思いきや違ったそうだ。夏帆は全力で首をふり否定していた。

それにしても見学者が来たのに結衣先輩が静かだな~と思ったら。

 

「よし!今季のテーマは『ハイポーションを作ってみよう!』にしよう!そうと決まればみんな!今日は買い出しに行くよ!!」

 

突然おかしなことを叫びやがった。

 




新キャラ結月夏帆 出現!
キャラの名前のほとんどに月が入ってる気が…


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第11話

いや~久しぶりの更新だよ。もう2か月ぶりかな。
なのはの方をやってたからな~
今日、残念なことに好きな声優の一人の松来未祐さんが亡くなったと聞いて悲しくて悲しくて、めったに飲まないお酒を片手にカタカタと執筆しました。

さて、久しぶりのミカッチの日常を楽しんでいってください!


 

「で?なんですか、突然叫びだして。っていうかポーションってあのポーションですか?」

「そうだよ!よくゲームで使われているあれだよ!今年もポーションが発売されたからリベンジするんだよ!」

 

結衣先輩が提案したのはポーション造り。どうやらポーションに何かしら手を加えてハイポーションを造るとのことだが、

 

「リベンジって前もやったんですか?」

「「「……」」」

 

悠がそう聞くと3人とも目をそらした。

 

「あれはいやな事件だったな……」

「あぁ実験に犠牲は付き物だがあんなことになるなんて……」

「俺はその犠牲になったんだぞ。あれ呑んで数日間寝込んだぞ……」

 

えっ?なにみんな揃ってその反応は。一体何があったんだろ。

 

「ちなみに何をやったのか聞いても?」

「簡単に言うと某動画サイトの馬みたいな犬が造ったようなやつだよ。あんな感じに――

 

 

1年前

 

「さて、各々持ってきたものを出してみ給え。私はとりあえず俗にいう七草とハーブという名の雑草をいくつか」

「それはまさに雑草だろ!全く何を持ってきてるんだ。おれは蜂蜜だな。モン○ンで回復○グレート作るノリで」

「私は栄養ドリンクを何本か。こいつを濃縮させて少し入れてやればいいだろう」

「それじゃ桜花さん。栄養ドリンクは濃縮器にかけておいて。兄さんは草を切るの手伝って」

「あぁってほんと七草以外は雑草だな。処分していいか?」

「何をいってるんだ貴様は、よく見ろ!タンポポとドクダミがあるじゃないか!」

「いや、使えないだろ」

「知らないのか?タンポポの葉は漢方薬につかわれていてC型肺炎ウイルスの抑制に、根っ子は健胃の効果もあるのだぞ。ドクダミにもいろいろな効果があってだな――」

 

そんなこんなで草をきざみそれをお湯に浸して数日待ってみる。その後、草を取り除き水分だけにする。そしてそれを濃縮器で濃度を上げてみる。

そしてポーションに栄養ドリンク5本分を濃縮したものと、雑草汁?濃縮液を少しづつ加えてみた。

 

すると

 

「ねぇ。なにこれ?」

「なにってポーション……だったよな」

「ダメージポーションを調合してしまったようだな。見るからに毒々しい黒色……混沌色だ」

「どうするんだよ、どうみても毒だろこれ。明らかに失敗だろ」

「でも兄さん。Wikにはポーションとは液状で服用する薬(または毒)である。ってあるから、ある意味成功なんじゃない?」

「とりあえずお前が飲んでみろ。なに、死にはしないさ。それに意外と健康になるかもしれないぞ?」

「そうだよ飲んでみてよ兄さん!」

「いやだよ!絶対ろくなことにならねぇだろ!これは処分するぞ!」

「デスクトップの左3列の上から2つ目のフォルダ。順番に左、左、真中、左、右にあるフォルダ」

「……結衣。お前まさか」

「共有のPCなんだから見つかるに決まってるじゃん。いや~兄さんがあんな趣味だったなんて」

「わかりました結衣さん。何でもするんで内密にお願いします」

「じゃあ、はい」

「……」

「一気にどうぞ」

「チクショー!!」

 

 

 

「と、まぁこんな感じかな。兄さんは飲んでから直ぐにトイレに駆け込んでその後数日寝込んだね」

「「「うわぁ……」」」

 

あまりの過去話に若干、いやかなり引いている俺達。

 

「そんなことより結衣先輩。カナが部活見学者を連れてきましたよ」

「そんなことってなにさー!!って見学!?カナちゃんよくやった!」

「えへへ。夏帆ちゃん、この人が結衣先輩だよ。そっちが桜花先輩で、後はメガn……三日月部長!」

「はじめまして結月夏帆です」

「よろしくねー。まぁゆっくりしていって」

「よろしく」

「結城にまでメガネって……」

 

カナが部員の紹介をしたが部長のことをメガネってwww。

カナにまで定着してきたな。まぁ俺たちにとってはメガネ=修部長であって、メガネがなければもはや誰かわからなくなるだろう。

 

「よし、それじゃみんなで買い物に行こうか」

「えっ?あれ本気だったんですか?」

「もちろん!今度こそ完璧なポーションを造ってみせる!」

「月宮先輩、どう思います?」

「安心しろ。今度はあのような悲劇を生み出さないさ。何、たとえ失敗したとしても生贄兼処理係はいるんだ。なにも問題あるまい」

 

凄まじく不安な空気だが、面白そうではある。生贄といったところでチラッと修部長を見ていたがあの人なら大丈夫だろう。うん……大丈夫だよね?

 

「えっとカナちゃん?ここって科学部なんだよね?」

「そうだよ~。面白そうな部活でしょ!」

「えっと……」

 

うん。結月がかなり戸惑っている。

そりゃそうだろ。一般的な科学部がどうかはわからないが、先輩方から感じられる問題児オーラ。あきらかに常識を覆すような異常なことをするに違いない。

 

だが、そこが面白いんじゃないか!!

 

 




もとむ!感想&評価!
なんて、無理しなくていいです。できれば欲しいだけで


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第12話

ども、久しぶりです。
最近、どたばたしていましてなかなか書く暇がありませんでしたよ。師走とはよくいったものですね。まぁ11月からすでに忙しかったですけど。
最近は引っ越しをしてようやく落ち着いてきました。
今年終わるまでは後何本か書きたいです。

それでは12話目をどうぞ!


 

 

「というわけでやってきました!買い物と言ったらやっぱりココ!ジャスコ!」

「結衣、あんまり騒ぐな!周りの人に迷惑だぞ!」

「……私にとっておまえの存在のほうが迷惑だがな」

「あの……月宮さん?今何か言いました?っていうか事あるごとに俺に毒吐くのやめてもらえませんかね!」

「やっぱり修部長と月宮先輩仲いいよな~」

「ねぇー」

「えっ?あれで仲がいいのかな……」

 

科学部一同は学校を出て徒歩15分程にあるジャスコに来ていた。大型ショッピングモールなだけあって何でもそろう。といっても用があるのは食品売場と薬局だろう。

 

「ところでメガnっ…修部長。お金はどうするんですか?」

「御影……」

「すいません。噛みました」

「嘘だっ!」

「なんでそこでひぐ○しを出すんですか!?ちゃんと、わざとだ!って繋げてくださいよ!」

「いや、すまん……。ってなんで俺が怒られてるんだ!」

「ノリです」

「ならヨシ」

 

まさかこの下りで他の作品をだすとは、何を考えているんだこのメガネは。

だからいつまでたってもメガネなんだ。

そんなことを思っても口には出さない。今はね。

 

「で、お金ですよ、お金。どうするんですか?部長が出してくれるんですか?そうなんですよね、わかりました。財布を出してください、さぁ早く!」

「出すわけねぇだろ!全員で出し合うに決まってるだろ!ってあれ?……財布が……」

 

修部長が何やらポケットに手を入れて何やら探している。バックを開けてみても見つからないようだ。

そして、少し離れたところで結衣先輩と月宮先輩が黒い財布を持ってる。

 

「えっと……1、2、3っと千円札が3枚に五千円札が一枚か。兄さんにしては入れてある方かな。これだけあれば足りるよね?」

「足りるのではないか?とりあえず奴が気づく前に金を抜き取ろうか」

「お前ら何やってるんだー!!」

 

あっ、ばれたか。

 

 

 

 

「全く。何やってるんだお前らは」

「「えっ?兄さん(メガネ)のおごりじゃないの?」」

「ふざけるな!今月も買うものがたくさんあるんだ!一円たりとも無駄に使わせるか!」

「それじゃぁ部費を……」

「駄目に決まってるだろ。こんなお遊びにただでさえ少ない部費を使うなんて」

 

修部長が二人のもとに駆けつけ財布を取り上げる。

しかし、あの二人はいつの間に部長の財布を取っていたのだろうか。俺が金の話題を出さなかったらあのまま気づかなかったのかな。失敗したな。

結衣先輩は財布を取り上げられ、部費を使うなんて言っているが廃部寸前だった部活だ。あまり部費なんてないだろう。

なのでお金はみんなで出し合うことにした。

 

 

 

「さて、買い物の前にミーティングだ。前回の失敗を生かして何を買うかを決めようじゃないか」

 

ジャスコに入ろうとしたら修部長に止められてミーティングがはじめられた。科学部一同は邪魔にならないように端により、修部長を中心に意見を出し合った。

 

「この前はいれたのは七草と栄養ドリンクだっけ?だったら……漢方薬でもいれてみる?」

「漢方薬?夏帆ちゃん、漢方薬って養命酒とかかな」

「カナちゃん。それお酒だから私たち買えないよ」

「精力ドリn―」

「兄さん、死にたいの?」

「ごめんなさい」

 

修部長が結衣先輩に土下座するのを横目にふと気になったことを月宮先輩に聞いてみた。

 

「そもそもポーションってどんなのですか?」

「どんなの、か。そうだな。主原料はローヤルゼリーに加えてカモミールやセージ、フェンネル等10種類のハーブを配合したものだな。ちなみに着色料に青一号という発がん性物質が使われている」

「ファン○ル?」

「ちがうフェンネルだ。オールレンジ兵器ではない」

「しかし、発がん性物質ってなんでそんなものが使われてるんですかね」

「知らん。だが、コストを下げるためにもそういった体にあまりよくない材料が使われていることはよくあることだ。たとえば大型のスーパーで30円ほどの缶コーヒーがあるだろ?」

「ありますね。コーヒーはよく飲むので俺もよく買います」

 

変わった銘柄だけど安いし味も悪くないからまとめて何本も買って毎日のように飲んでるからね。安いから箱で買って置いておこうかなと考えたこともある。持って帰るのがめんどくさそうだったからやめたが。

 

「そうか、では今後はあまり買わない方がいい。安いコーヒーには大抵アセスルファムKといった甘味料が使われているのだが、これは化学合成物質で体内に入っても分解されず肝臓や腎臓にダメージを与えたり免疫を低下させる可能性があるんだ」

「えっ?マジですか?」

「あぁ、だから安いからとって無暗に買わない方がいい」

「帰ったら調べてみます」

「うむ、そうするといい」

 

今度からは無暗に安物は買わないようにしよう。と、心に決めると話がまとまったようで買う材料が発表された。

 

スパイス 売ってるやつで体によさそうなもの3種類ほど

レモン 1つで足りるよね?

オロナミンC なんか元気でそう!

ブルーベリー 体にいいってよく聞くよね!

コーラ のど乾いたー!

 

うん、大丈夫だよね?きっと……

 

 




クリスマスと年末に特別会と称して悠の中学時代のクリスマスと年越し書いてみたいな……。
できるかな?できるといいな。


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特別話 クリスマス

ども、予告した通りの特別話です。
悠の中学3年のクリスマスのお話を書いてみました。


 

12月25日クリスマス

それは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う日である。クリスマスは、キリストのミサに由来し、日本語では、「降誕祭」、「聖誕祭」、「聖夜」などの呼び方がある。

 

「クリスマスは家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である。だが、クリスマスは家族と家でのんびり過ごすべきだと俺は思う!」

 

12月25日。日が落ちて辺りが暗くなった頃、悠は我が家のソファーで寛いでいるカナに語りかける。

 

「しかし、残念なことに我らの父母は仕事のため今日も帰ってこれない!悲しいことに俺たち二人と葉月姉さんのみだ!」

 

そう、残念なことに悠とカナの両親は仕事のため帰ってこない。葉月姉さんはなぜかくることになった。いい加減彼氏つくれよ、と言いたい気分だ。

 

「そして近年、クリスマスが聖夜と呼ばれていることから恋人と過ごす日というふざけたことを言うやつがいる!クリスマスの恋人と過ごす愚かな人間を何と呼ぶか答えてみろ!カナ!」

「はい!リア充です!」

「その通りだ!何が聖夜だ!ふざけやがって!リア充爆発しろー!!」

 

悠はクリスマスということで若干おかしなテンションとなっており近所に迷惑のかからない程度に大声で叫んだ。他人から見ると「お前もリア充じゃないか」と思われがちだが悠にとってはカナは家族であり異性としては意識していないし、そのような関係にはならないだろうと思っている。

 

「ユウ君ユウ君それなら私が恋人になってあげようか?」

 

少し顔を赤らめながら上目づかいで言ってきたカナに対して悠は

 

「んにゃ、いいや。べつに今は恋人がほしいとか思ってないし」

「そうなの!?じゃあなんで叫んだの!?」

「クリスマスの定番かなと思って。非リア充が誰しも願っていることだ。リア充に裁きを!ってねそう思わないか?」

「思わないよ……。そんな物騒なこと考えてるのなんて」

「そんなことないよ。我が学校のリア充撲滅委員会の方たちが今日リア充を狩るため街を徘徊するって」

「なんなの!その委員会!?」

「名前の通りリア充を監視し、イラッときたら制裁を加える会だよ?」

「ユウ君、ほんとにそんな委員会あるの?」

「あるよ。俺がつくって放置している間になんか大きな組織になってて手が付けられなくなった」

「ユウ君……。なんてものをつくったの」

「うん。これはほんと反省してる」

 

あれは1年前の5月ぐらいだったかな。とある漫画の影響でふざけて作ってみたんだが、気づいたころには怪しい組織に……。リア充を見つけては監視し、リア度によって数々の制裁を加えてきた。内容は……言えないな。ヤバいのもあるから。

 

「それにしても葉月おねえちゃん遅いね」

「また妙なこと考えてるんだろ。今回はクリスマスの女神~って言ってサンタのコスプレでもして入ってきたり」

「あはは、お姉ちゃんならあり得るかも」

 

葉月姉さんが我が家の何らかのイベントに来るときは何々の女神~って言ってそれっぽい衣装を着てやってくるからな。

そう考えてるとチャイムを鳴らさずにドアを開けて家に上がってくる人が一人。

 

「クリスマスの女神参上―!二人ともプレゼント持ってきたぞ~!」

「わぁ~サンタだ!葉月お姉ちゃんにあってるよ!」

「そうだろ、そうだろ。いい子にはプレゼントをやろう」

「ありがとう!葉月お姉ちゃん!」

 

ほんとにサンタのコスプレでやってきた葉月姉さんは持っていた袋からカナにキレイにラッピングされた箱を渡す。

 

「どうだ悠。私もまだいけるだろ?」

「アウトだよ。年考えろ」

「うるせぇーっ!!」

 

悠の返答に怒りプレゼントの箱を袋ごと投げつけられ悠の顔面にヒットした。

 

 

 

 

 

「にしても良くここまで作ったな。悠、お前また料理の腕挙げたか?」

 

葉月姉さんもやってきたところで作っておいた料理を温めて並べていく。自分でも大分凝ったものを作ったと思っている。少し気合を入れすぎたかな。

適当に飲み物を配ったところで確認し

 

「それじゃあカナ。今日は何日だ!」

「12月25日です!」

「つまりは?」

「クリスマス!」

「クリスマスとは?」

「家族でのんびり過ごす日!」

「恋人と過ごす奴は?」

「ギルティ!」

「リア充どもは?」

「爆発しろー!」

「メリークリスmっ」

「お前らなんにやってるんだー!!」

 

いいところで葉月姉さんに止められた。カナもなんだかんだで俺に合わせてくれたのに。

 

「何?せっかくいい感じの挨拶で始めようと思ってたのに」

「どこがだ!?なんだあの物騒なのは!もっと普通にやれ!」

「仕方ないな。なら」

 

悠は軽く咳払いし

 

「それではわれらがイエス・キリストの生誕を祝って……」

「今度は宗教っぽいことを言うつもりか!もっと気軽にやれ!」

「え~じゃあ。メリ~」

「メリ~」

「軽いなおい!」

 

そんな軽いノリでカナとコップを掲げた。

 




こんな感じ
さて今年終わるまでどこまでいけるかな


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第13話

久しぶりの投稿!
貴方の後ろに這いよってみたい如月です

これを書いていると高校でのことを思い出し、できることなら学生時代をやり直したいと思います。
さてそんな如月ですが寝ている間に乾燥で喉をやられて風邪をひきました。喉がつらくてのど飴が手放せません。皆さんも風邪には注意してください。


 

ポーションの材料を買いに行った次の日。

 

え?なんで次の日かって?

昨日は買い物に時間がかかりすぎて調合する時間が無くなったんだよ。

食糧売場に行くとついつい安売りしている食材に目が行ってしまい、俺は食材を求めて走り出した。

 

俺が離れている間に買い物は終了していた。修部長がなんか疲れた顔をしていたが、二人が余計なものを買おうとしたりしたのでそれを抑えるのに苦労したそうだ。それにしては荷物が予定より多そうに見えるが暴走する二人を抑えられなかったんだろう。

 

ちなみにカナは店に着くなり走り出した俺を追ったが見失い、カナについていった結月と共に店内のカフェでのんびりお茶をしていた。

 

店を出たのは17時で学校に戻って買ってきたものを薬品庫という名の冷蔵庫にぶち込んでその日は解散となった。

 

ちなみに昨日新しく入った結月夏帆だが、趣味が料理らく、帰りに料理について話し合って大分盛り上がった。今度お菓子でも作って持って行ってみるか。

 

部室にカナと結月と一緒に向かってみるとすでに結衣先輩と月宮先輩が材料や機材を並べて準備していた。しかし一人足りないような……。

 

「結衣先輩、アレはいないんですか?」

「あぁ、アレ?逃げた」

「逃げた?」

「本当かはわからないけど就活だって。兄さん卒業したら就職するみたいだし、朝早くに自転車で出て行った」

 

冗談で修部長のことをアレ呼ばわりしたがまさか通じるなんて……。しかし、なにやらおかしなことが聞こえたような。

 

「は?就活ですか?しかも自転車って……。何考えてるんですか、アレは」

「アレが言うには、俺達の兄貴、棗○輔は就活を徒歩で行った。ならば俺は自転車で乗り切ってやる!って言ってた。アホだよね」

「アホですね」

「アホだね」

「救いようのないアホだな」

「皆さん部長さんに容赦なさすぎではないですか!?」

 

俺、カナ、月宮先輩の順にアレをアホ呼ばわりした。

 

「おぉ!結月の初ツッコミ入りました!!」

「やったね夏帆ちゃん!」

「おめでと!ユーちゃん!」

「これで君も私たちの仲間だ!」

「えっ!?なんですか!?」

 

結月がツッコミを入れたことで大騒ぎ。結月はなんというか俺達とは違って普通すぎるから少し心配だったが問題なさそうだ。

ちなみに結月のことをユーちゃんと言ってたのは結衣先輩だ。あの人があだ名で呼ぶのは後輩限定かな?でもカナにはあだ名つけてないしな。今度聞いてみるか。

しかしアレがいないとなると困るな。

俺と同じ考えなのか月宮先輩が

 

「まぁ、アレがいないのは喜ばしいことなのでが被験者がいないのは困るな。全く肝心な時に使えないな、あの屑は!」

「仕方ないよ桜花。とりあえず作ってしまおうよ。そこらへんは後で考えよう」

「そうですよ。とりあえず調合しちゃいましょうよ」

 

そんなわけで調合開始!

 

「では、ポーションの材料はこちらになります!」

 

そう言い結衣先輩が机に並べてある食材を見せる。

 

カルダモン フェンネル ローズマリー

レモン ブルーベリー 乾燥させたみかんの皮 ショウガ オロナミンC 謎の粉末

 

「なんですか?この粉状のものは」

「それ?去年調合したポーションの残りをフリーズドライにして保存しておいたものだよ」

「普通のポーションはないんですか?」

「うん。あるにはあるけど勿体ないじゃんこれ。せっかくだからポーションの代わりに水でもどしてコレをベースに使おうと思うんだけど」

「下手したら死人が出ますよ?」

「でも、やるよね」

「もちろんです」

 

恐れていたら実験なんてやれるか!

 

「それでは桜花!材料の説明をよろしく!」

「任せろ結衣。まずはスパイスだがカルダモン、フェンネル、ローズマリーの3種を用意してみた」

「聞いたことのあるようなものばかりですがどのような効果があるんですか?スパイスはあまり使わないもので」

「逆に知ってたら驚きだよ。まずカルダモンだがこれは最も古いスパイスの一つだな。樹脂系のさわやかで上品な香りがあり、スパイスの女王、高貴な香りと形容されている。そしてフィンネルは……」

「搭乗者の意思で遠隔操作が可能な小型の遠隔操作型機動砲台のことで複数の砲台を操作し全方位から攻撃を行う事が出来るオールレンジ攻撃が可能な強力な兵器」

「これはキュベレイに初めて搭載され、その後もキュベレイMk-II、クィン・マンサ、ゲーマルク等の機体に搭載された」

 

月宮先輩の説明に結衣先輩と俺が介入すると月宮先輩がとびっきりの笑顔を浮かべ、

 

「貴様ら、それはファンネルだ。私が説明してやっているのにいい度胸だな。ふざけているとこの粉を口の中に突っ込むぞ♪」

 

「「ごめんなさい月宮(桜花)様!」」

 

俺達はその笑顔に命の危機すら感じた。月宮先輩のあの笑顔怖い……。

 

「フィンネルは甘い香りと苦みが特徴で消化促進・消臭に効果がある。最後にローズマリーだが水蒸気蒸留法で抽出した精油を香料として使おうと思う」

「そして作業手順は以下のとおりになります」

結衣先輩が教壇の前にある2段の黒板を動かして手順を書いた黒板を上に上げる。

いつの間に書いてたんだろう。

 

① ミキサーにポーションの粉とブルーベリー、ショウガ、カルダモン、フィンネル、みかんの皮、レモン汁をいれて水を適量入れる

② ①でできた液体を吸引ろ過装置でろ過する

③ ろ過した液体を濃縮器にかける

④ ③の液体とオロナミンCを1:3の割合でわる。

⑤ ローズマリーで作った精油で香りづけ

 

「みんな理解したかい!!」

 

結衣先輩の問いかけに俺とカナ、結月は

 

「危険性は理解しました」

「ok把握」

「不安しかありません」

 

さて、生贄の準備もしておくか。

 

 




明日から本気出す。やっぱ無理だ。
明後日が祝日だし明後日から本気出す。 多分……。


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第14話

前書き。別に書かなくてもいいとは思うが、なんか書いておきたいな。
しかし、何も思いつかない。一昨日本気出すといいながら今日をダラダラとすごしてました。
思えば今月ってあれじゃん。バレンタイン。チョコを求めてチョコでチョコを洗う戦イベント。
まぁどうでもいいけど。
チョコを貰うやつも渡すやつも爆ぜればいいんだ。 リア爆リア爆


 

――科学部実験中――

 

「それじゃあ調合開始!材料を投入してミキサーで粉砕!」

 

ミキサーに材料を入れてスイッチを入れると一瞬にして中身が混ざり合い、

 

「グロっ」

「うわぁ、これはヒドイネ……」

「前回よりも飲む気が失せる色だな」

 

なんともまぁ混沌とした色合いになった。なんかもう、どろっとしていてこの時点で毒物って感じがする。

先輩二人も前回のポーションを混ぜたのは失敗したな、といった顔をしている。

 

「うん、まぁいっか!とりあえずこの汚物をろ過して……」

「この人、汚物って言ったよ……」

 

桜花先輩が吸引ろ過装置をセットして結衣先輩が汚物を取り出してそれを中に入れる。

ろ過装置を水道の蛇口にセットしたような感じで水を流すことで減圧し、早く分離することができるようだ。

そして数分後ろ過が終了して下には茶色い液体。上には素手で触りたくないような物体ができた。

 

「ろ過してできた液体を濃縮器にかけ、水分を飛ばす!」

「濃縮には時間がかかるからコレを片付けるぞ」

「というわけで後輩君たちよろしく!」

 

先輩二名が次々と作業をして俺たちは基本見ているだけだったので片づけを頼まれたがどうしよ。

 

「片付けか……。カナ、結月。俺はミキサーを担当する。汚物とろ過装置は頼む」

「いやだよ!私だってコレの片づけは嫌だよ!こういったのは男であるユウ君がやってよ!」

「そ、そうですよ御影君!これは私たちには荷が重すぎます!」

「そんなこと言うなよ、俺だってやりたくねぇよ!」

「じゃあここは公平にじゃんけんで決めよう負けた人がアレで」

「仕方ない。じゃ、それで。結月もいい?」

「あっ、はい」

 

カナがじゃんけんを提案したので仕方なく承諾。

何やらカナが結月に耳打ちしているがまぁいいか。

 

「じゃあ、最初はグー、じゃんけんポン!」

 

俺、パー カナ、チョキ 結月、チョキ

 

「なん、だと……」

 

見事に負けた。

 

「ふっふっふっ。悠君がこうゆう時何を出すかは私にはわかるんだよ」

「バカな!この俺がカナごときに考えを読まれるなんて」

「ユウ君。私を甘く見すぎたね。君はいつもじゃんけんで最初は高確率でグーを出すけど、負けたくないときになるとグーを出す確率が限りなく低くなるんだよ!」

「なにっ!」

「だから私はユウ君がパーかチョキを出すと踏んでいたんだよ」

 

何てことだ。俺にそんな癖があったとは。しかしカナが一瞬の内にそんな考えをしたとは。

そこまでやりたくないのか。

 

「みんなー、そんなことしてないで早く片付けしちゃいなよ」

 

先輩二人はいつの間にかお菓子と飲み物を取り出してのんびりとお茶をしていた。

なにやら高そうな箱に入っているクッキーを二人でつまんでいる。

 

「結衣、あまり食べすぎるな。少しは悠君達に残しておけよ」

「ん、でもこのクッキーが美味しくてさー。手が止まらないんだよ。何処で売ってるの?」

「それはもらい物だから知らん。それよりも悠君。君も早く片付けたまえ。早くしないと君の分がなくなるぞ」

 

お菓子で反応した女子二人が素早く道具を洗っていた。

このままでは本当に俺の分までなくなる!

 

「結衣先輩!俺の分ちゃんと残しておいてくださいよ!いいですね!」

「それはふりかい?わかった。食べつくしてあげる」

「違いますよ!」

 

俺は大急ぎで片づけを始めた。

それよりこの汚物、どうしようか……。

 

 

 

「片付け終わりましたーって、もうクッキーほとんど残ってないじゃないですか。まぁ食い尽くされるよりはましか」

「ユウ君、このクッキーすごく美味しいよ。はい、あーん」

 

カナがクッキーをつまんで俺の口に持ってくる。うん、たしかにうまいな。

結月が席をたって少しすると紅茶を入れてきてくれた。

 

「ありがと、結月。ん、うまいな」

 

結月が入れてくれた紅茶を飲んでみると凄く美味しかった。

ここに置いてある紅茶を前に飲んだことがあるが味が数段上だ。結月は紅茶入れるの上手いな。入れ方だけでここまで違うとは。

俺が入れたのが紅茶なら結月が入れたのは紅茶++ってとこか?うん、自分で言っていて意味が分からん。

 

 

「ところで濃縮にはどのくらい時間がかかります?」

 

クッキーをつまみながら結衣先輩に尋ねる。

結衣先輩はフラスコの中の様子を見て少し考える。

 

「う~ん。あと10分くらいかな」

「よし。そろそろ生贄を召喚するか」

「ユウ君。生贄ってもしかして……」

「もちろん榊だよ」

 

「ミカッチ、榊君って?」

「俺のおもちゃです」

「えっ!?」

 

そんなわけで生贄こと榊にメールをする。

 

美少女4人が作ったスペシャルドリンクがあるんだが飲むか?

欲しいなら科学部まで。

 

「送信っと」

 

そんなわけで榊には犠牲となってもらおう。

全てはあいつが悪いんだ。恨むならあのメガネを恨むことだな。

 

 

 




誰かこのポーション作ってみて


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第15話

なんということだ。気づけば一か月も空けてしまったか……。
最近は資格勉強でまともに書けなかったがそれも今日で終わった!
とりあえずアニメを今期分消費してからまた書くかな。


 

生贄もとい榊を呼び出し、しばらくの間のんびりしていると濃縮が終わった。

ポーションの濃縮が完了してそれをビーカーに移し替えると何とも言えない異臭が……。

 

「結衣先輩」

「なんだい?ミカッチ」

「臭いが酷いです」

「だね……。とりあえず精油をぶちまけて香りづけしてみたんだけど」

「あまり変わりませんね……」

 

香りづけにと思って用意した精油がまさか異臭を抑えるのに使われるとは誰も思っても……いや、先輩方はそれも見越していたのかもしれないがその程度では変化わなかった。

桜花先輩がビーカーを取って臭いを嗅いでみると

 

「ふむ、確かにひどいがポーション、仮にも薬なのだからこのくらいはいいのでは?それにこの液をオロナミンで割るのだろ」

「それならいいのかな?」

「いいに決まっている。とりあえずこの栄養ドリンクの瓶にオロナミンで割ったそいつをぶち込んでおけ。そろそろ生贄がきてもいい頃なのだろ?悠君」

「そうですね。そろそろだと思います」

「じゃまするぜ!御影!」

 

ドアが勢いよく開かれて榊が入ってきた!

ノックもせずに嬉々として入ってきた榊の態度と表情を見て少しイラッときた悠は榊に素早く近ずいて、

 

「粉砕っ!」

「がはっ!」

 

鳩尾に正拳を一撃ぶち込んだ。

 

「玉砕っ!」

「ぐおっ」

 

腹部を抑えて前のめりになったところにさらに膝蹴りを放ち

 

「大喝采っ!!!」

 

止めに足を高く上げて首に落とす。

3コンボ!榊は倒れた。

 

「ふはははは!貴様など瓦礫の中にでも埋まっていろ!」

「海○社長―!?」

「もうやめて!榊のライフはもうゼロよ!」

 

結衣先輩とカナがのってくれた。そして結月は突然の出来事に困惑している。

 

「御影君!?いきなり何やってるの!?」

「こいつの存在にイラッときたからやった。反省も後悔もしないから」

「それでも駄目でしょ。榊君は大切な実験体なのだから」

「えっ?」

 

あれ?なんか注意するところ違わなくなかったかな?早くも科学部に毒されたのだろうか、それとも結月のダークサイド的な何かが出たのだろうか。

結月は榊の状態もみて肩を揺さぶっている。そうすると榊が目を覚まして

 

「あれ……?俺は」

「榊君、大丈夫?榊君ここに入る時に段差で転んで頭を打ったんだよ」

「結月さん?俺、頭打ったの?なんか体中痛いんだけど」

 

それを見ていた桜花先輩がニヤっと笑みを浮かべて先ほど作ったポーションを手に榊に近づいた。

 

「後輩君そんなことよりこれは我が部で作った痛み止めなんだけど飲んでみてくれ」

「えっ?いや、このくらい大丈夫ですよ。ってか凄い臭いがするんですけど……」

 

桜花先輩は素早く榊の口にポーションをツッコミ無理やり飲ませた。

結衣先輩は「さすが桜花だ」とつぶやいている。

ポーションを飲まされた榊は再び気を失った。

なんか痙攣して泡吐いてるんだけど……。

 

「すげぇ!人が泡吹いてるの初めて見た!写真撮っておこう」

「ユウ君!しかも白目にもなってるよ!凄い不気味だね!」

 

榊の状態を面白がってはしゃぐ俺とカナ。

 

「今回もダメージポーションになったか~。まぁ予想はしていたけどね」

「前回のも混ぜたのだからそうだろう。だが、それを抜けばよくなるのではないか?」

「そうだね。桜花、今度はそれでやってみようか」

「だな」

「みんなどうしてそんなに落ち着いてるの!?榊君心配じゃないの!?」

 

いや、榊なら大丈夫だろ。こいつ結構頑丈だし。

 

「えっと、とりあえずどうしたら……。先生に連絡?救急車呼んだ方がいいかな」

「いやいや。榊は丈夫だからそこまでしなくていいよ。とりあえず」

「瓦礫の中にでも埋めておこうよ!」

「それだ!カナ!」

「御影君もカナちゃんもふざけないでよー!」

 

そんなこんなで榊は保健室に連れて行きました。なんだかんだで問題なさそうだったので放置してきました。さすが榊だ。

 

本日の実験成果

実験 ポーションの調合2

結果 失敗 ダメージポーション完成 

被害者 榊

 

そんな感じで初の実験は終了した。

その日の夜、家のリビングでのんびりしてるとカナが話しかけてきた。

 

「そういえば、ユウ君。残りのポーションってどうしたの?あの後なんかしてたみたいだけど」

「あー、あれね。あのポーション栄養ドリンクの瓶に入れたよな。だから部員からの差し入れですって書置きをして葉月姉さんの机の上に」

「うわぁ……」

 

次の日、榊と葉月姉さんは学校には来なかった。

 

 

 




さて、次はどんなことをやろうかな


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第16話

如月「久しぶり」
 悠「久しぶりじゃねぇよ。なんでこんなに間が開いたんだよ」
如月「なんか気分が乗らなかった。まぁそんなことより悠、聞いてくれよ」
 悠「お前、そんなことって……。で、なんだよ」
如月「最近、人の顔がモザイクかかって見えるんだが」
 悠「何言ってるの!?ただ視力が低下しただけだよな!?」



 

ポーション調合実験から数日。とくに実験をすることもなくだらだらと過ごしていた。

最近は暇なのか榊がちょくちょく遊びに来るようになったが教室同様にあいつで遊んでいる。

部長が最近学校に来ないので弄る相手に飢えている桜花先輩と結衣先輩も一緒にだが。

この前なんて最後は泣きながら逃げるように帰っていたよ。

なにやったかって?それを口に出すのはちょっとな……。

それでも何度も部活に顔を出す榊は頭がどうにかしていると思う。ただのMなだけかもしれないが。

 

 

「オーブンよし。クッキー生地よし。生地をくり抜いて投入!」

 

悠は学校から帰宅後、家事を済ませた後クッキーを焼いていた。

もちろん普通に焼くのではつまらない。ちゃんと榊用、もしくは部長用に爆弾を仕掛けるつもりだ。

 

「うわぁ~ユウ君いい匂いだね!クッキー焼いてるの?」

「ん、カナか。明日のお茶菓子にしようと思ってな」

 

クッキーの匂いを嗅ぎつけカナがキッチンまでやってきた。

オーブンの焼けるまでの時間を見た後、じっと悠を見ている。

 

「はぁ、焼けたら一枚やるよ。一枚だけだぞ」

「やったぁ!ありがとう、ユウ君!」

 

数分後クッキーが焼き上がりある程度冷めてから一枚とりカナに渡す。

 

「ほら、まだ少し熱いから気をつけろよ」

「わ~い!あむっ、熱っ!けど美味しい!さすがユウ君!」

 

悠も一つつまんで口に入れる。少し甘すぎるかな?まぁお茶の方を調整すればいいか。

 

「さて、ここからが本番だ」

 

悠はどこからか取り出したのかガスマスクを装着した。

 

「ユウ君何作る気なの!?そんな物騒なものつけて一体なんの食材を使おうとしてるの!?」

「何作るって、お仮死だよ?」

「お菓子?」

「うん、お仮死」

「なんか漢字が違うような気もするけど気にしないでおくね」

「いい子だ、カナ。よし、特別にもう一枚上げよう」

「わ~い」

 

カナにもう一枚わたしてキッチンから追い出す。

そして悠はお仮死を作るためにある物体を鞄から取り出した。

 

「……ガスマスク、思った以上に息苦しい」

 

 

 

 

翌日―教室

 

「さて、榊君。おはよう。今日はいい天気だね」

「どうしたんだ御影。俺を君付けなんて……。それに今日は曇りだぞ?」

「何言ってるの?春の日差しなんて鬱陶しいだろ。曇り、しかも洪水確率も予報では低い。曇り、まさにいい天気」

「まぁ、それも一理あるが……」

「一理アル○ン?」

「ナイミン!って何言ってるんだ俺は」

「おぉ……ラジオ内のネタも通じるとはお前もなかなかやるな。そんな榊にプレゼントです」

 

榊と朝の挨拶を交わして昨夜作ったお仮死を鞄から取り出す。

 

「クッキーか?どうしたんだ突然」

「暇つぶしに焼いてみた。食べ物で遊ぶことはあまり好きじゃないけどお前のために作ったお仮死だ。食べてくれ」

 

そう言い榊にクッキーを入れた袋を渡し、榊は何の疑問も抱かずにそれを置けとった。

 

「おう、もらっておくよ」

「くれぐれも他の人にあげるなよ。耐性がないやつは一口でもっていかれるから」

「お前一体何作ったんだ!?これ普通のクッキーじゃないのか!?」

「俺が普通のものをお前に渡すわけがないだろ?安心しろ、毒はない。むしろ健康食品?味は保証できないが」

「なんだそれ。お前らが作ったポーションみたいなものか?」

「むしろそれを固形化したやつ」

 

そう、このクッキーにはポーションを作る最初の工程でミキサーで混ぜたものをろ過する作業があったがその時の固形物を混ぜて作ってみたものなのだ。

そのことを榊に伝えると

 

「いらねぇよ!お前っそんなの食わせようとしたのか!?」

「いやいや。そう言いつつ食べてくれるのが榊だろ?わかってるよ」

「わかってねぇだろ!とにかくこれは返すよ!」

 

結局、食べてくれなかった。

榊ならあるいは、と思っていたのだが解せぬ。

 

「まぁ、榊はポーション飲んでくれたからいいか。これは部長にあげよう」

「部長さん。まだ会ったかとはないがご愁傷様。ってかあの人なんで部活来ないんだ?受験生ってこの時期から忙しいもんなのか?」

「いや、そもそもあの人受験しないし。なんか就活してるらしいよ。それも自転車で」

「は?就活?しかも自転車でか」

「俺も詳しいことは知らん。部長の妹の結衣先輩が言うにはマジでやってるらしい」

「部長さん何者なんだ……」

「ただのバカだよ」

「バカなのか」

「あとメガネ」

 

 




次話は頑張って早く投稿できるようにしよう
ほんと文才が欲しい。ある程度のネタはあるのに形にしようとするとどうしてこんなに……


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第17話

如月「今日、雨凄かったな」
カナ「だね~。これが夏の風物詩。局地的豪雨、通称―」
如月「ゴリラ豪雨」
カナ「なんでゴリラ!?」
如月「いや、今日の雨はゲリラ的な突発性もありながらゴリラのような力強さもあったから」
カナ「でも豪雨ってところで強い雨って言ってるよね。つまりゴリラ豪雨って」
如月「雨粒でクレーターができるほどの雨が降ってくる?」
カナ「なにそれ、こわい」


 

「で、榊は今日も科学部によるのか?」

 

今日の授業が消化され放課後に荷物を鞄に入れながら悠は聞いてみた。

 

「ん~そうだな。暇だし今日も行くかな」

「もう入部しちゃえよ。何度も来てるんだし」

「いや、遊ぶために行ってるだけで部活動には参加する気はない」

「そうか。カナー、結月ー部活行くぞ」

 

 

そして部室へ

 

 

部室に入るとすでに結衣先輩と桜花先輩がいた。

二人で雑誌を見ているようだが、またゲーム雑誌だろうか。

 

「こんにちは~。二人して何見てるんですか?ゲーム雑誌ですか?」

「あぁ、悠君か。これはゲーム雑誌ではないよ。これは」

 

桜花先輩が雑誌を閉じて表紙を見せてくる。

 

「私の愛読書の一つ、まんがタイムきららM○Xだ!」

「おぉ!月宮先輩もその雑誌読んでるんですか!でも、俺はキャ○ット派ですね。M○Xも面白いですけど立ち読みで我慢してるんですよね」

「なるほど、悠君もなかなかいい趣味をしてるな」

「しかし月宮先輩でも漫画、読むんですね。てっきりゲームばかりかと」

「さすがの私でもゲームばかりやってるわけではない。アニメも見るし漫画も読む。最もほのぼのとした作品しか見ないがな」

「そうなんですか。あっ、読み終わったら後で俺にも読ませてください」

「いいぞ」

 

桜花先輩と話しているとカナが俺の制服の袖をひっぱて

 

「ユウ君、ユウ君。クッキー出さそうよ。夏帆ちゃんがお紅茶入れてくれたよ」

「ん、そうだったな。みなさん集合!」

 

俺は科学部に集合をかける。

紅茶が準備された机にバックを上げる。

 

「今日は俺がクッキーを焼いてきました」

「おぉ!ミカッチのクッキーか!」

「悠君はお菓子作りができるのか?さすがにネタに走ったものは食わないぞ」

「ご心配なく。両方取り揃えています」

「「「「いらないよ!」」」」

 

俺がまともなクッキーとふざけて作ったクッキー両方作ったというのにいらないとは。

桜花先輩、榊、結月は不満のようだ。

 

「でもどんなのも作ったのかは気になるね。ミカッチ、どんなの作ったの?」

「こちら先日のポーションを作った際にできた廃棄物を混ぜ合わせて作った特別なクッキーになります。ぜひ、お召し上がりください」

「ごめん。いらない」

 

さすがの結衣先輩もチャレンジする気はないそうだ。

まぁこれは部長用に作ったものだからいいか。

 

「まぁいいです。こちら、普通に作ったありふれたクッキーです。なんの面白みもありませんがこの素朴な味をお楽しみください」

「いや、素朴な味って……。うん、結構おいしいよ。ミカッチ料理上手だね」

「あぁ、ちょうどいい甘さだな。これはココアパウダーを混ぜ込んだのか」

「ゆうふんおふくるほのあはんへもほいひいよ(ユウ君の作るものは何でもおいしいよ)」

「カナちゃん。口に入れながらしゃべるのは行儀が悪いよ。あっ、おいしい」

 

よかった。皆にも好評なようだ。

 

「……御影」

「なんだ?榊」

「ネタクッキーを持って期待しているかのような目で俺を見てるのはなぜだ」

「いや、榊ならあるいは、と思って」

「食わねぇぞ」

「お前はつまらない人間になったな。お前のそのギャグ耐性はなんのためにあると思ってるんだ!いついかなる時も身体を張り、ネタに走り、ネタに生きるためだろ!」

「うるせぇよ!お前何言ってるの!?」

 

そんな感じにのんびりとお茶の時間を楽しんでると部室の扉が開いて誰かが入ってきた。

 

「おーす。久しぶりだな」

 

科学部の部長が現れた。

俺はおもむろに立ち上がり修部長の方を指さし

 

「見てください。空気です。見事な空気です」

「たしかに空気だな」

「空気だね」

「おいコラ御影。お前、空気ってどうゆうことだ!?俺が最近全く部室に来ないからって空気扱いか!?それに結衣に月宮!お前らまで同意してるんじゃねぇよ!」

「何を騒いでいるんだ貴様は。悠君は貴様を指さしたはけではない。そこにある空気をさしただけだろ?」

「そうだよ兄さん。そんな勘違いするということは自分がこの部活にとってすでに空気のような存在だと自覚しているということかい?」

 

さすが結衣先輩と桜花先輩というべきか。俺の考えていたことを瞬時に読み取ってくれた。

 

「そんな修部長にこちらの用紙を」

「ん?これは……」

「退部届です」

「お前ら俺に対して容赦ねぇな!!」

「そうですか?これはただの挨拶ですよ」

「そんな挨拶止めてくれ。ってか御影、お前月宮に毒されてないか?お前ってそんなキャラだったか?」

「もとからですよ」

「……この部活ってなんでこうもおかしなやつばかり集まるんだ」

「ほら、類は友を呼ぶっていうじゃないですか。部長のような変態が中心にいるなら当たり前じゃないですか」

「俺のせいなのか!?」

 

 

 




ゴリラ豪雨って検索したらゴリラ豪雨ってアプリが出てきた
まぁやらないけど


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第18話

如月「よし、できた。18話始まるよ~」
 榊「なぁ、どうして突然前書きに俺たちを呼ぶことにしたんだ」
如月「なんだ今回は榊かよ」
 榊「え?なにそれ俺もしかして来ちゃダメだったの?」
如月「うん、帰れ」
 榊「ひでぇな!お前が呼んだんじゃ、ってか塩なげてんじゃねぇよ!」
如月「そうだけど。なんか気分がのらねぇ。榊、退散!この小説から出ていけ!」
 榊「何言ってるんだ作者ぁー!!」


如月「ちなみにこんな前書きにし始めたのには理由なんて特にないよ」


 

「それにしても久しぶりですね修部長」

「そうだな。もう2週間くらいか?」

「あぁ貴様が夜逃げしてもう2週間か。もう帰ってきたのか」

「えっ?部長さん夜逃げしてたんですか?」

「あれだよ結月。学校生活に嫌気がさして学校から、そして家からも逃げたんだよ。まぁ遅めの厨二病だな。みんなが寝静まった深夜に人知れず―」

「盗んだバイクで走りだす」

「部長さん……」

「夜逃げじゃねぇよ!?ってか御影に結月!なにそれっぽくねつ造してるんだよ!結月もそんなかわいそうな目で見るのをやめろ!!」

 

修部長が来たということで部長の分も結月がお茶を入れてきたところで、

 

「修部長。こちら先ほどから一切しゃべっておらず修部長同様に空気となりつつある榊君です」

「もっと普通の紹介しろよ御影!」

「だったら自分でさっさと挨拶しろよ。さっきから黙ってないでさ」

「わかってるよ。初めまして、榊です。御影のとm「おもちゃです」ってちがうだろ!御影!」

「そうだった。こちらの榊君は俺の忠実なる下僕にしてわれらが科学部のみんなのおもちゃとなりつつある人です。……人?」

「なんで人ってところで疑問を浮かべるんだよ!それになんて紹介してるんだよ!」

 

榊が俺の友達なんて言おうとしたから照れ隠しでついやってしまったぜ!

 

「榊か。お前も大変だな」

「いえ、部長程じゃないと思いますけど」

 

修部長が来たということで就活はどうかと聞いてみたがどこも駄目だったらしい。

桜花先輩は大爆笑、体力的にも精神的にも疲れているのか怒らない部長。

大変ですねと言い例のネタクッキーを出してみると、ありがとうと言いそれを口にして動かなくなった。

数秒動かなかったので修部長の頭の少し上を眺めながら

 

「これがホントの幽体離脱」

「してねぇよ!」

 

なんだ、つまらねえ。

 

「御影……なんだこれは」

「クッキーですが、なにか?」

「それは分かる。一体何をしたらこんなひどい味になるんだ。おまえ錬金術でも使えるのか?味だけを絶望的なものに変えるような」

「何言ってるんですか?使えませんよ、カナじゃありませんし」

「ユウ君酷い!」

「えっ、だってカナの料理って」

「もう!その話はしなくていいでしょ!」

 

まぁとにかく修部長に食べさせることはできたので満足したので、紅茶とまともな方のクッキーを出してやる。

 

「で、自転車で就活をするという無謀な挑戦はどうなんですか?」

「無理。会場着くころに力つきてそれどころじゃない」

「でしょうね」

「だが、俺は諦めない!そこで自転車といっても原動付自転車を使うことにした!そんなわけで原付の免許取ってきた」

「あんた学校休んで何やってるんだ」

 

就活ってことで学校を休んでるんだよな。なのに免許を取っていたとかそんなことしてる暇があったら他にやることがあるだろうと、思った悠だが口には出さなかった。いって無駄だろうな。

 

「ところでお前ら、来週にはゴールデンウィークがあるが予定に空きあるか?」

 

修部長が突然そんなことを聞いてきた。

ゴールデンウィークか。今年は確か5連休だったな。特にこれといった予定もないのと思うが一応カナに聞いてみた。

 

「特に予定入れてなかったよな」

「だね。でも、せっかくだからどこか出かけたいよね。夏帆ちゃんは?」

「私は土日が空いてるよ。月曜と火曜は家族で出かけるんだ」

 

みんな空きがあるというと結衣先輩と桜花先輩が立ち上がり

 

「ならば!日曜日に新入部員歓迎会!」

「毎年恒例!千川渓谷でバーベキュウを開催するぞ!」

「そんなわけで日曜日は開けておけ。歓迎会だから食材の準備等は俺らがやっておくから何も持ってこなくていいぞ」

 

千川渓谷っていったら確かちょっとしたキャンプができる施設があるって聞いたことがあるな。鉄板等の貸し出しも行っていて結構人気の場所だ。

 

「おぉ!修部長がなんか部長してる!」

「カナがなにをいっているかというと、部長が珍しく部長らしいことを計画している。明日、もしくは当日は天気崩れて雨降るな、と言った感じです」

「ユウくん、解説ありがとう。だいだいそんな感じです部長」

「結城!さすがに失礼だぞ」

「そうだぞ、カナ。仮にもコレは部長だぞ。雨が降るなんて失礼だ」

「月宮、お前も相変わらずだな」

「降るのは雨ではない。メガネだ!」

「なにそれ怖い」

「月宮ぁー!!」

 

 

 

「まぁ、そんなわけで日曜に校門前に集合ね。御影先生が車出してくれるし、スーパーで買い出ししてから会場にいくから」

「あの、おれも参加していいですかね?」

 

榊がそう尋ねると結衣先輩は指を鳴らしてミカッチ、例のものを。と言ってきたので、それを瞬時に把握した俺は戸棚から一枚の紙を取り出して榊に渡すと、結衣先輩と俺が一言。

 

「参加資格を満たしておりません」

「参加するにはこの書類にサインをお願いします」

「予想してたよチクショウー!」

 

そんなわけで榊竜也、科学部加入。

 




あ~つ~い~ぞ~
ほんと暑さと湿気でつらいです。
これだから夏は嫌いだ。季節から夏が消えればいいと思う。

来週も更新できるかな……。


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第19話

如月「悪は滅びた」
夏帆「あの、このあたりに散らばってる白い粉ってなんですか?」
如月「塩だよ?穢れを払うのに使った。前回奴が来てこの空間が汚染された」
夏帆「えっと確か前回って榊君でしたっけ?」
如月「うん。ほんとはそのまま本編からもしばらく退場でもと思った」
夏帆「うわぁ……さすがにそれはないですよ」


とある日の昼休み。いつものメンバー、悠、カナ、結月、榊で昼食をとった後、悠は鞄からあるものを取り出した。

 

「昨日、部屋を整理してたんだが、こんなのを見つけてな。捨てるのもなんだから遊ばね?」

「ん?折り紙か、懐かしいな。小学校のころ俺のクラスで一時期はやって、男子みんなメンコをつくって遊んだな」

 

悠は100枚入りと書かれている折り紙の束を取り出した。中身は大分減っていて3、4十枚あるといったところだ。

 

「あーメンコか。俺のとこでも流行ったな」

「でもユウくんは紙で作ったメンコなんかまともに遊べねぇだろっていって見向きもしなかったよね」

「あぁ、あのころは紙飛行機づくりに夢中になっていたな。どうすればよく飛ぶものをつくれるか」

 

いろいろやったものだな。小学生ながらに羽部分や折り方、紙の質や重心とか。

教室や家で何度も飛ばしては作り直して飛ばしては作り直してで1カ月くらい熱中していたな。

 

「ユウくんの部屋、紙飛行機だらけだったもんね。私は細かい作業苦手だし、折り方もあまり知らないんだよね。夏帆ちゃんは?」

「私はよく鶴や猫みたいに動物を折ったりしていたよ」

「あ、俺は他にもこんなの作ったな」

 

そう言い悠は黒い紙を一枚取り出して、手元を隠しながら素早く折る。

 

「人類の天敵。黒光りするG。その名はゴキb」

「「いやぁぁぁー!!」」

「御影!お前何作ってるんだよ!手か無駄にリアルでキモいんですけど!?」

 

カナと結月が悲鳴を上げる中取り出すは名前を言ってはいけない例の黒いやつ。

二人が悲鳴を上げるからクラスの人が何事かとこちらを見てくるので、そいつらに向かって折り紙で作った黒いやつを投げつける。

 

「「「ぎゃぁー!!」」」

 

「で、なんの話してたっけ?」

「折り紙でなにを作ったことあるかった話だろ。御影が名前を言ってはいけない黒いやつを作るから教室が大変なことに……」

「名前を言ってはいけない黒いやつ。その名もクロノ・ハr」

「まて、御影。それ以上は言ってはいけない。それ以上は世界の意思が許さない。ってかそれ違うだろ。あの人そこまで嫌われてないよな?」

「世界の意思とかお前、頭大丈夫か?一回リセットするか?こう、首に向かって45度に手刀を」

「俺は正常だよ!だからそんな壊れた古いテレビを直すみたいなノリで俺を気絶させようとするな!!」

 

なんだ折角、人が心配してやってるのに残念だ。

 

「そんなことよりユウ君!あんなもの作っちゃ駄目でしょ!」

「そうですよ!冗談でもアレはないですよ!」

「ごめん。まさかここまで騒がれるとは思わなかった。よし、気を取り直してみんなで何か作ろうか」

「なに折ろうかな。縁起物で鶴とか?」

「できれば簡単なもので」

「艦たん?」

「榊、お前は何言ってるんだ。よしここは逆転の発想で縁起の悪いもの、不気味なものを作ろうか」

「お前こそ何言ってるんだ!?」

「…ありかも」

「カナちゃん!?」

「でも折り紙で作れるのと言ったら限られるか。とりあえず各々縁起の悪いものや不気味なものを上げよ。榊から」

「えっと黒猫?」

「バカが黒が何枚あると思ってるんだ。そこ考えてから発現しろ。次、結月」

「ト○ロ」

「うん。結月のトト○の認識がそっちよりってことなの?まぁ保留。最後、カナ」

「人型、藁人形ならぬ紙人形でも作る?」

「それだ!」

「それだ!じゃねぇよ!お前は誰かに呪いでもかけたいのかよ!?」

「そんなことは考えてないが。まぁとりあえず作ってみようか。ほら折り紙」

 

折り紙を配りみんな好きなようにおり始める。悠はオリジナルで、結月と榊はスマホで調べており始めている。カナは人型だがなぜか首がない。

そして10分もしないうちに30体の人形ができた。

 

「なんかこんだけ紙の人形があると不気味だな」

「確かにそうだが。俺は結城さんの人形がすげぇ気になる」

「私も。なんで首がないの……」

「だな。カナ、素晴らしいセンスだ」

「えへへ。流石でしょ」

 

 

 

「さてここで取り出すは一枚の写真」

「うん?」

「あっ榊君だ」

「ですね」

 

悠が取り出したのは生徒手帳に乗せるような写真だ。榊がなんで俺の写真を御影がもってるの!?といった表情をしているが無視。

 

「この写真の顔部分を拡大し切り取ったのがこちらです。これをこの人形の顔部分に張ります」

 

よいしょっと人形に張り付けてその人形に釘、はないので画鋲を突きつけて

 

「呪いあれ~呪いあれ~」

 

そんなことを言いながら突き刺す。

 

「なにしているんだ御影ぇー!!」

「呪いあれ♪呪いあれ♪」

「結月さんもノリノリでペンを突き刺すのやめてくれませんか!?」

 




なんとかできた。
週1で上げてきたがさすがに次はそうはいかないかも。


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第20話

えっと・・・6年ぶり?
ただいま


どうも皆さん、おはようございます。

天気は晴れ。気温も温かく過ごしやすい良き日に我々、科学部一同は千川渓谷にやってきた。

あれですね新部員の歓迎会。

俺とカナは葉月姉さんの車に食料と飲み物を積み込んで車で。

他のメンバーは電車で現地へと集合した。

 

「さて、お前ら全員集合したな。いないやつは手を上げろ」

 

葉月姉さん、点呼をとる気ないやんけ。

まぁ、確かにいないやつなどいないが。

 

「はーい!いません!」

「いや、いるじゃないかカナ」

「私じゃなくて・・・榊君がいなくない?」

「え・・・あれ?」

 

周囲を見回してもいない。

確か先輩方と一緒の電車で行くと聞いていたのだが。

 

「あの、結衣先輩。榊のアホ知りませんか?あと修部長の姿もないようですが」

「えっとね。まずアホ兄貴だけどただの寝坊だよ。2,3本後の電車に乗ってくるんじゃないかな。で、榊君は・・・」

「乗り過ごしだな」

「あ、桜花先輩」

「駅に降りて歩いていると発進した電車の中に榊の姿を見たな」

「榊君、茫然とした表情でこっちを見てたよね。あれは笑った」

 

思い出したように結衣先輩が笑いだす。

あのバカなにやってんだ。

 

「まぁ、大丈夫でしょ。さっき兄貴に連絡して榊君を回収するように頼んだし」

「寝坊などしてふざけるなクソメガネと罵倒して飲まず食わずで火の番をさせようと思ったが少しは役に立ちそうだな」

 

さすが先輩方だ。不測の事態にも臨機応変に対応する姿はさすがです。

葉月姉さんは「さっさと移動するぞー!」と言ってるがお前は一応先生だろ。全く心配してないじゃないか。

 

俺たちは会場に移動してバーベキューの準備をする。

俺と結月、桜花先輩が食材を洗い、切る。カナ、葉月姉さんと桜花先輩は荷物を運んで火をおこす作業をする。

なお、カナは早々に戦力外通告をされて川に遊びに行った。

 

「カナちゃん楽しそうだね」

「ほんとな。一人だけ遊んでることにイラっとこないこともないが、余計なことをして大惨事にならないだけましだな」

「えっと、御影君。まさか以前にカナちゃんがなにかやらかしたりしたのかな?」

「調理中・・・小麦粉ぶちまけて・・・ね」

「え、まさか・・・」

「大☆爆☆発!・・・とはならんかったよ。火は使ってなかったから」

「良かったぁ。でもそんなことあったら・・」

「あぁ、不安になってそういう場所には近づけたくない」

 

話しながらも食材を切っていくが8人分となると量が多いな。これは遅れてくる二人には存分に後で働いてもらわねば。

 

「桜花先輩、そっちはどうですかって、もう終わったんですか!?早いですね」

「まぁね。彼方君が遊んでるのを見て私も早く遊びたくなってね。どれ、そちらの分を手伝おうじゃないか」

「あ、ありがとうございます」

 

桜花先輩の手伝いもあり思ったより早く切り終わった。

結衣先輩方と合流すると、そこには榊と修部長の姿もあった。

 

「ようやく来たのか榊。あのまま山に入って帰らぬ人になればよかったのに」

「いや、ほんとわりぃな。降りる場所間違えてほんとに山に入るとこだったよ。部長も迎えに来てくれて感謝だな」

「部長はただの寝坊でついでにお前を拾っただけだがな。ほら、さっさと働け!遅れた分、働いてもらおうか!」

「まかせろ!」

 

そんなこんなで二人に火の番を任せて準備も完了!

さぁ、宴の始まりだ!

 




久しぶりに書いたけどキャラの動かし方や名前の呼び方に若干苦戦
過去話見ながら書いた


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