バカと剣士と召喚獣 (sun陽)
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プロローグ…という名の第1話

はじめまして。山より出太陽と申します。初心者ですが、宜しくお願いします。また、クロガネの原作では名前しか出てこない技がありますが、勝手に技を考えさせていただきました。稚拙かも知れませんが、宜しくお願いします。


 「くっそめんどくせぇ、やってられっか!」

 そう言ってある男子生徒-刀条 要ーは15分くらい問題を解くと寝る態勢になった。

 

 この日、行われているテストは振り分け試験であり、テストが行われているこの私立文月学園では来年どの教室で受けるかを振り分けられる大変重要なものである。文月学園にはA~Fまでの6クラスあり、成績がいい順にAクラスから分けられていく。最高クラスのAクラスは1席につきリクライニングシート、ノートパソコン、冷暖房、冷蔵庫があり、教室の前には大型ディスプレイが設置され、お菓子は食べ放題、冷蔵庫の中身は補充される、どこぞのVIPが使うような教室である。これが最低クラスのFクラスになると、かび臭い畳に割れた窓、ちゃぶ台に座布団、さらに夏は日当たり良好でものすごく暑くなるおんぼろ教室となる。それをめんどくさい、の一言で投げ出す彼は勇者と言えるだろう。

 

 「ん?なんか変な文章が入ったな。まあいいや、寝よ。」

違う教室で女子生徒が倒れる音と男子生徒が先生に怒鳴る声が聞こえたが、要の意識は闇に沈んでいった‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

side要

 

 はじめまして、刀条 要だ。今は日課のランニング&素振りに行くところだ。

 いっていなかったが、家は桜一刀流という剣の流派の道場をしている。この流派は江戸時代後期に天下無双の剣であった。俺は流派の技を全て会得しており、家の誰もができなかった終の太刀も扱える技はため、師範代をしている。

 なので、体力をつけ、技を忘れないようにするため、毎朝5時半に起きて町外れの空き地に向かい、そこで真剣を振っている。家の流派の構えは独特な形で、半身になり、刀を顔の高さまで上げる。この構えから様々な技を出すのだ。

 

「桜花七式一の太刀 五月雨!」

これは相手の喉元に刀をおいて放つ突きだ。置くだけなので、余力があり、ある程度までなら、手首を捻ったりして相手を追いかけることができる。まだ他にも発展技があるが、それはまたの機会に。

 

「桜花七式二の太刀 陽炎!」

これは五月雨を見慣れた相手に有効であり、途中まで五月雨と一緒である。只、突きの状態から面や胴に変化させるため、相手はそれについていけず、切られる、といった技だ。これにも派生技がいろいろある。

 

「桜花七式三の太刀 飛鳥!」

五月雨、陽炎と同じ挙動から最短距離で面を打つ技だ。真っ直ぐ、ほとんど振り上げずに打つため、あまり力を使わず、手首の捻りが重要になってくる。

 

「桜花七式四の太刀 凍鶴!」

この技は相手を威圧し、たまらず打ってきたところを返す技だ。ぶっちゃけると、面返し胴みたいなやつだな。

 

「桜花七式五の太刀 春雷!」

この技は相手の打ってきたところを出鼻を押さえる技だ。桜花七式の中では簡単な部類だろう。

 

「桜花七式六の太刀 神無!」

この技は花足、いわゆる縮地を使い、一瞬で相手との間合いを詰めて放つ技だ。桜花七式では難しい技だ。

 

「桜花七式終いの太刀 現身!」

これは桜花七式の奥義にして桜一刀流を江戸時代最強にした技だ。一般に「面すり上げ面」という技は相手が打ってきた面をすり上げて面を打つ。だが、この技は桜一刀流独特の構えではなく、中段の構えから剣線を左目につける、いわゆる平正眼の構えから相手が打つ前に刀身をすり上げてずらしてから打つため、あまり力を使わずに打つことができる。只、タイミングがあまりにも難しいため、俺一人しか打つことが出来ない。

 

 ここまで長々と説明してきたが、いつの間にか形を全て終えていた。さてと、家に帰って飯食って学校にでもいきますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、今は学校に向かっている途中だ。なに?時間が飛んだって?ハハハ、気にしたら負けってもんさ。気にすんな。あぁ、それにしてもだるい。実は今日、振り分け試験の結果が発表される。俺は試験中に寝たから、結果がもうわかっている。だから、本当は行きたくないのだ。

 

 そうこうしているうちに、俺が通っている私立文月学園に着いた。おっと、校門のところに生徒指導の先生がいるな。挨拶しなきゃ。

 

「おはようございます。西…西…西…西鉄先生!!」

 

「お前は人の名前さえ覚えられんのか?俺の名前は西村 宗一だ。」

 

「わかりました。鉄人先生。」

 

「お前はわざとやっとるのか?まあいい、ほら、振り分け試験の結果だ。受けとれ。」

 

「貰わなくても結果はわかっているんですけどね。一人一人渡しているんですか?」

 

「ああ、学園長の趣向でね。しかしお前はバカか?皆が必死で試験を受けているのに面倒だから寝るなど聞いたことがない。」

 

「まあ、それが俺ですからね。(ビリリッ)やっぱりか。」

 

そこには大きくFという文字が真ん中に書かれていた。

 




文才が切にほしいと思う今日この頃。
あぁ、ダレカタスケテー


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設定集

名前:刀条 要

 

性別:男    

 

容姿:黒髪、黒目。顔つきはシャープでキリッとした雰囲気のイケメン。前髪は左目にかかっており、後ろ髪も長く、ゴムで纏めている。体つきはスラッとしている。

 

身長:182cm

 

体重:67kg

 

所属クラス:Fクラス

 

学力:Aクラストップレベル(4200~4700点台)

 

得意科目:現代文(400点前後)

    古文(380点前後)

    数学(650点前後)

    化学(700点台)

    物理(500点台)

    日本史(400点前後)

    世界史(400点前後)

 

苦手科目:英語(100点いったらいい方)

 

その他:300~350点台

 

この作品の主人公。桜一刀流の師範代。頭は良いが基本マイペースのめんどくさがりなので滅多なことでない限り、本気を出さない(試召戦争や剣道の試合などでは本気を出す)。動体視力、反射神経、視力がとてもいい。木下姉弟と工藤愛子とは幼なじみ。細マッチョ。剣道部に所属し、レギュラー入りもしている。

 

名前:吉井 明久

 

性別:男

 

身長:173cm

 

体重:63kg

 

容姿:原作と変わらず。若干バカっぽさが抜けている。

 

学力:Aクラス下位レベル(2800~3200点前後)

 

得意科目:家庭科(700点台)

    日本史(400点台)

    世界史(350点前後)

 

苦手科目:古文(150点前後)

    数学(200点前後)

 

その他:250~320点前後

 

我らが愛すべきバカ、だったはずが要に勉強を教えてもらい、頭がよくなった。只、後先見ずに感情で動いたりなど、バカっぽさが抜けていないことが多い。天然。騙されやすい。かなりのゲーム好きで、生活費までも注ぎ込んでしまうことがしばしば。帰宅部。

 

名前:坂本 雄二

 

性別:男

 

容姿:原作と変わらず

 

身長:186cm

 

体重:78kg

 

所属クラス:Fクラス(代表)

 

学力:Aクラス上位レベル(3800~4200点)

 

得意科目:数学(740点前後)

    英語(450点前後)

 

苦手科目:特に無し

 

その他:280~320点

 

中学時代、悪鬼羅刹として名をはぜた元神童。高校に入り心機一転し勉強を始め、元の頭のよさもあり、テストの成績はかなり良い。また、かなりの策士でもある。振り分け試験では点数を調整し、わざとFクラスへ行った。帰宅部。

 

名前:木下 秀吉

 

性別:男(男の娘)

 

容姿:原作と変わらず

 

身長:168cm

 

体重:63kg

 

所属クラス:Fクラス

 

学力:Aクラス中程(3000~3500点程)

 

得意科目:古文(400~450点前後)

    日本史(430点前後)

 

苦手科目:英語(150点前後)

 

その他:300~320点前後

 

要と幼なじみの男の娘。双子の姉の木下優子と瓜二つ。演劇にかける情熱が半端ない。演劇部のホープ。

 

名前:土屋 康太

 

性別:男

 

容姿:原作と変わらず

 

身長:165cm

 

体重:58kg

 

所属クラス:Fクラス

 

学力:Aクラス下位レベル(2800~3200点前後)

 

得意科目:保健体育(700点以上)

 

苦手科目:特に無し

 

その他:250~300点前後

 

ムッツリスケベの小柄な男子生徒。通称ムッツリーニ。一部の生徒からは尊敬されている。裏ではムッツリ商会として写真を売り、稼いでいる。只、写真を撮るときはちゃんと許可をとってからにしている。

 

名前:島田 美波

 

性別:女

 

容姿:原作と変わらず

 

所属クラス:Fクラス

 

学力:原作と変わらず

 

得意科目:数学(280点前後)

 

苦手科目:現代文(15~20点)

    古文(5~10点)

 

その他:50~75点

 

ドイツからの帰国子女。日本に来てまもなく、文月学園に入学した。当時は日本語が下手であり(今でも苦手だが)、またツンツンした性格だったため、いじめられていた。その時に、明久に一生懸命勉強したフランス語で友達になろうと言われ、最初は罵倒されたと思い、殴ってしまった。が、後に明久の言ったことの意味がわかり、その後、明久に惚れた。原作どうり、照れ隠しに暴力を振るうことが多かったが、要に諭され(具体的にはこのまま照れ隠しに殴るなら嫌われると言われ)、暴力を振るうことが減った。

 

名前:姫路 瑞希

 

性別:女

 

容姿:原作と変わらず

 

所属クラス:Fクラス

 

学力:原作と変わらず

 

得意科目:特に無し

 

苦手科目:家庭科(50点前後)

 

その他:380~410点前後

 

振り分け試験の時に熱で倒れてしまったかわいそうな娘。そのために全科目0点となり、Fクラスに落ちてしまった(その時に明久が介抱したため、明久もFクラス)。明久に小学生の頃から惚れている。只、明久はきずいていない。料理を作らせると必ず化学物質を調理に使うため、キッチンにたたせないようにしている。

 

名前:木下 優子

 

性別:女 

 

容姿:原作と変わらず

 

所属クラス:Aクラス

 

学力:原作と変わらず

 

得意科目・苦手科目:特に無し(平均280~350点)

 

要の幼なじみ。木下 秀吉の双子の姉。学園では優等生として猫をかぶっている。家ではずぼらだったり…。要にいつの間にか惚れているが、本人は気づいていない。く工藤 愛子とも幼なじみであり、文月学園に愛子が転入してきたときは再開を喜びあった。

 

名前:工藤 愛子

 

性別:女

 

容姿:原作と変わらず

 

所属クラス:Aクラス

 

学力:原作と変わらず

 

得意科目:保健体育(540~580点前後)

 

苦手科目:特に無し

 

その他:280~315点前後

 

要と木下姉弟と幼なじみ。ボーイッシュな僕ッ娘女の子。要にいつの間にか惚れており、親の転勤の際に愛子も移動することになり、その時に要にかけられた言葉(俺たちはいつも繋がっているぞ、的な言葉)によって自分が惚れていることに気がついた。文月学園に転入した際に優子と再会し、喜びを分かち合った。

 

名前:霧島 翔子

 

性別:女

 

容姿:原作と変わらず

 

所属クラス:Aクラス(代表)

 

学力:原作と変わらず

 

得意科目・苦手科目:特に無し(平均410~470点前後)

 

雄二大好きな大和撫子少女。只、雄二が大好きすぎて他の男子生徒からの告白をすべてはねのけ、そのせいで百合疑惑が浮上したことも。若干ヤンデレが入っている。




なお、要の召喚獣はモンハン4のユクモ天装備をより胴着と袴っぽくしたもので、武器は刀、腕輪の能力は抜刀で、消費点数によって距離が変化します。

明久の召喚獣の腕輪の能力は換装で、50点消費し、木刀を刀、又はナックルに換装します。

雄二の腕輪の能力はラッシュで、使用時間に比例して消費する点数が多くなります(1秒で1点消費)

秀吉の腕輪の能力はコピーで、100点消費し、他の召喚獣の腕輪の能力を使えます。


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剣道 ルール&用語集

この小説での剣道のルールを明記しておきます。


~ルール編~

 

・一試合につき、5分3本勝負(先に2本取った選手の勝ち)

 

・審判は主審一人に副審二人の3人で行う。

 

・試合での1本は審判が二人以上同じ色の旗を上げた時に、その上げられた旗の色と同じ色の襷を着けた選手の1本とする。(襷、旗の色は赤と白の2色)

 

・竹刀は3尺8寸(俗に言う38 高校生のため 男子:480g以上 女子:420g以上)

 

・打っていい部位は面、小手、胴、逆胴、突き垂れの5ヶ所

 

・反則は暴力行為、場外、相手の竹刀をもつ、竹刀を落とす、必要以上に鍔迫り合いをする(10秒間双方が技を仕掛けなかったら、故意に時間を潰しているとみなされ、どちらか一方、又は両方に言い渡される。)等があり、同じ人が反則を2回すると、相手の1本になる

 

・個人戦は時間内に決着がつかなかった場合、時間無制限の1本勝負の延長戦を行う

 

・団体戦の場合、時間内に決着がつかなかった場合、引き分けとする。但し、チーム全員の試合が終わった時点で同勝者数同本数だった場合、各チーム代表者一人を選び、時間無制限の1本勝負を行う

 

・団体戦は基本5人でくむ。稀に3人でくむ団体戦の試合や七人でくむ場合もある。

 

・試合で使う竹刀は、試合前に検量にだし、チェックをつけてもらった物でなければならない。チェックをつけられていない竹刀を使うと失格となる。

 

 

 

~用語集~

 

・面………頭につける防具。突き垂れも付いており、突きは突き垂れを突く

 

・小手………手を被っている。手のひらの方は革で、手の甲の方は綿が入っている。又は、指の関節のところには綿は入っておらず、竹刀を握りやすくしている

 

・胴………お腹を覆う防具。元は竹でできていたが、今はプラスチック製のものが多い。裏がぼこぼこしている方が衝撃をよく吸収する。プラスチック(又は竹)の部分の色は黒が一般的だが、他にも赤や青、金や赤と黒のマーブルだったりと色々な色があり、それらは変わり胴と呼ばれ、主に試合用に使われたりする。つけるだけでかっこよく、強く見えるが、実力が伴わなければ、とてもダサい。

 

・垂れ………腰まわりに着ける防具。ここを打っても相手を痛め付けるだけで1本にならない。

 

・胴着………剣道をするときに防具の下にきるもの。黒や紺、白などがあり、基本その下にはなにも着ない。練習用にジャージ胴着なるものがあり、とても動きやすく、汗をよく吸い、すぐに乾く。試合では綿のもので、腕に刺繍をしたもの、又はワッペンを着けたものを着ることが多い。個人的に刺繍だと動きやすく、テンションも上がる。

 

・袴………胴着と同じく、防具の下にきるもの。下半身にはく。これまた黒や紺、白などがあり、テトロン製や綿のものがある。これまたジャージ袴なるものがあり、とても動きやすく、乾き易い。高校生以上になると試合では綿のものをはいた方がかっこ良い。

 

・試合場………10m四方の正方形で、この外に出ると反則となる。開始線が中央にある。

 

・竹刀………竹でできた刀。持ち手を柄と呼び、革でおおわれ、小判形など色々な種類がある。小学生以下は3尺6寸以下の竹刀を使い、中学生は3尺7寸(男子:440g以上、女子:400g以上)のものを使い、高校生は上でかいた通り、38を使う。大人は3尺9寸以上のものを使う。また、柄の長さは自由である。

 

・暴力行為………殴る、蹴るなどの行為

 

・有効打突………気(気合い)、剣(打ち)、体(体が前に出ていること)が一致し、さらに姿勢がよく、残心(打って相手の横を抜け、振り返ったあとも気を抜かないこと)を示している状態を言う

 

・返し技………相手の打ちを竹刀で受けて、それにたいしてカウンターを打つ技

 

・抜き技………相手の打ちを透かしてその後の隙を打つ技

 

・引き技………鍔ぜりの状態から体を引きつつ面か、小手、胴を打つ技。打ったあとは思いっきり下がって残心を示す。




言葉不足だったらすみません………。

感想どしどし送ってください。待っています


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第2話

  side 要

 

 「ほう、これがAクラスの教室か。どこのホテルのVIP室だよ。まぁ俺には関係ないがな。」

 

 今、俺はAクラスの教室の前に立っている。いやぁ、しっかしほんと豪華な教室ですわ。いったいいくらくらいかかっとるんかね。気になるわー。おっと、教室から誰かが出てきたな。

 

「………要?」

 

「ん?優子?」

 

教室から出てきたのは、幼なじみの優子だった。

 

 

 

  side 優子

 

 アタシの視点は初めてか(←メタい)。はじめまして、木下 優子です。今までクラスでずっと勉強してたから、気分転換に外に出ようとしたときだった。そこにはアタシの幼なじみ、刀条 要がAクラスの前に突っ立っていた。アタシは思わず、声をあげてしまった。

 

「………要?」

 

 

  side 要

 

「優子ってAクラスだったのか?ってお前はこの学園では優等生でとおってたもんな。」

 

「ええ、そうよ。まあ、最後の一言は余計だけどね。」

 

 ええっと、今は優子と話しているところです。

 

「で、要。いつまでそこに突っ立っているつもりよ。あんた頭よかったから、Aクラスでしょ。早く入りなさいよ。」

 

どうやら彼女は俺がAクラスだと勘違いしたらしい。まあ幼なじみだし、俺の成績を知っているからか。

 

「そうはいってもな……。俺FクラスだからAクラスではないんだか。」

 

「………え?アタシの聞き間違いかしら。今Fクラスって言う風に聞こえたんだけど。」

 

「いやいや、聞き間違いじゃないぞ。だって俺途中でめんどくさくなって寝たから。」

 

「はぁ!?あんたばっかじゃないの?あんな大切な振り分け試験をめんどくさいからって寝るなんて、あり得ない!」

 

「いやだって、本当にめんどくさかったんだもん。」

 

「もんって何よ、もんって。はぁぁ……。「ため息ついたら幸せ逃げんぞ。」うっさいわよ!!はぁ。まぁいいわ。気分転換はあんたと話しててすんだし。」

 

……ん?

 

「お前今気分転換って行ったよな。」

 

「ええ、そうよ。」

 

「はぁ。あんま根詰めすぎんなよ。いつかぶっ倒れちまう。」

 

(ボンッ(////) )「わ、わかってるわよ。」

 

「本当か?ってやべぇ!?遅刻しちまう。急がなきゃ。ッてなわけで、またな。」

 

急げ、急げ、急がなきゃ、新学期そうそう遅刻が付くなんて嫌だぞ!?

 

side 優子

 

「あぁ待ってよ……。はぁ、もういっちゃった……。」

 

 まだ話していないことがあるのに……。あと、不意打ちは卑怯よ。(////)

 

「あれ、優子、どうしたの?」

 

今アタシに話しかけてきた女の子は工藤 愛子。緑色のショートヘアーのボーイッシュな僕っ娘だ。

 

「ううん、何でもない。只、教室の入り口に要がいただけよ。」

 

「そうなの!?何でボクに教えてくれなかったの?ボクだって久々に話したかったのに……。」

 

「アタシだって愛子のこと教えようとしたわよ。だけどアイツ、遅刻するっていって行っちゃったんだもの。」

 

「はあぁ、そうか。それなら仕方ないか。また次の機会にしよ。」

 

今の会話から分かる通り、愛子は要に惚れている。何でも親の転勤で自分も引っ越すときに、ずっと繋がっているぞ的な事を言われ、不覚にも惚れてしまったんだとか。まあ、アイツは顔がいいし、そういうくさい台詞も似合っているが。

 

「ふふっ。要くん覚えてくれているかな?」

 

 ……。要、できるだけ早く来なさいよ。

 

 

 

  side 要

 

 何か優子に言われた気が……。さて、今、俺は廊下を大爆走しております。ん?廊下は走るなって?フフフ、世の中にはこういう便利な言葉があるんですよ。犯罪はばれなきゃ問題ないってね。というわけで、俺は桜一刀流の技である花足、いわゆる縮地を使って、人間が出せる速度を大きく上回って走っております。っと危ない危ない。あまりにもボロすぎて目を背けて、走り去ってしまうところだった。いやぁ、それにしてもひどい。パッと見ただけでも、冷暖房の設備は無し、ちゃぶ台に座布団なのだが、足の折れているちゃぶ台があったり、窓が割れっぱなしだったり。Aクラスと比べると雲泥の差である。Aクラスの設備はこの教室の修繕費とかから出てるんじゃないのか?と疑いたくなってしまう。あぁ、今だったら普通の教室がいかに天国か分かる気がする。

 

 さて、現実逃避はこれくらいにして、姿勢よし、着装よし。教室に入りますかね。

 

「ちょっと遅れました。スミマセン。」

 

「さっさと座れ!このウジ虫野郎!!」

 

「「「殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺」」」

 

教室に入ると、俺は何故か教壇に立っていた赤いゴリラに罵倒され、クラスメイトから殺意と憎悪のこもった目を向けられた。




あぁ、愛子と優子の口調が難しい。個人的に好きなキャラなんですけどね。感じが出てたらいいなぁ。


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第3話

  side 要

 

 全メソポタミアを支配したバビロン第1王朝の王である、「正義の王」ハンムラビ王はハンムラビ法典にこう記した。

 

「目には目を、歯には歯を。」

 

俺はこの法典に乗っ取って、殺意に対し、竹刀袋に入れてある居合用の日本刀を抜きながら、殺意をぶつけてこう言った。

 

「ああん?何だと我ェ、首撥ね飛ばしたろか、ああん?」

 

完全に言っていることがヤのつく自由業の人のそれである。また、俺は普段から鍛練用の日本刀を稽古で使う竹刀と一緒に入れて持ち歩いているので、これを見せながら、殺気をぶつけると、相手は土下座をして、

 

「「「す、すみませんでしたー!」」」(ブルブル)

 

こうなるわけである。さてと、静かになって落ち着いたところで、訳を聞きますか。

 

「んで、何でお前は俺に開口一番に罵倒したんだ?雄二。」

 

 先ほど教壇に立ち、俺に罵倒を浴びせてきやがった赤ゴリラの名前は坂本 雄二。高一の頃に知り合い、その後、友人として関係が続いている。

 

「ああ、明久のバカと間違えてな。てか、何でお前がここにいる?お前の成績はAクラストップレベルだろうが。」

 

「振り分け試験が途中でめんどくさくなって寝たんだよ。そういうお前こそ、何でここにいる?お前だって成績はAクラス上位レベルだろうが。」

 

「俺は点数を調整してFクラスに入ったんだよ。試召戦争で最下位クラスの下克上、何てのも面白いだろう?」

 

「ほう、確かに面白そうだ。では試召戦争の時は本気をだそう。んで、何でお前らは俺に殺意を向けていたんだ?」

 

 俺は顔に笑みを浮かべて(目は笑っていない)、殺意を向けてきたFクラスのクラスメイトに問いかける。

 

「う、羨ましいんだよ、畜生がっ!女子と、しかも美少女の木下さんと話ができるお前がなぁっ!」

 

彼らはそう言って、恨みのこもった目を向けてくる。そういうことをしなければ、もてるかもしれないのにな。」

 

「「「お前に言われても、嫌みにしか聞こえないんだよ、このイケメン野郎が!!」」」

 

「あり?口に出てた?」

 

「「「思いっきり。」」」

 

気を付けなければ、気を付けなければ。そんなことを考えていると、

 

「遅れちゃいました☆スミマセン☆」

 

「さっさと座れ!このウジ虫野郎が!!」

 

明久(バカ)がやって来た。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 吉井 明久。学園一のバカの称号である、観察処分者の持ち主。まあ、観察処分者の称号を得たのはある事情があるのだが、それはまた今度である。こいつとも高一からの友達である。

 そう長々と明久について説明していると、

 

「って何で雄二が教壇に立っているの?」

 

「ああ、先生がまだいないから、代わりに立ってみた。」

 

などと、先生がいないことがわかればすぐに分かる、バカなことを尋ねていた。

 

「教壇に立っているってことは、雄二が代表?」

 

「ああ、だから、お前ら全員俺の兵隊(駒)な。」

 

しゃくだが、俺より雄二の方が悪知恵が働く。大人しく雄二の駒となって、作戦を成功させよう。

 

 そうこうしていると、

 

「ええー、そこを退いてくれますかね?」

 

「はい。(ああ。)」

 

先生が入ってきた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「ええー、このクラスの担任の……。福原 信です。」

 

チョークさえ無いんかい。

 

「では、窓側の人から自己紹介してもらいましょうかね。」

 

ええー、めんどくせー。

 

「木下 秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。よろしく頼むぞい。」

 

「「「よろしくーヽ(・∀・)ノ」」」

 

「あ、あといい忘れておったが、わしは男じゃからな。」

 

「「「何だとー!Σ(゜Д゜)」」」

 

「でも女ではない、とはいっていない!」

 

「「「はっ、(゜ロ゜;、そうか。秀吉は第3の性別秀吉なんだ!」」」

 

「「「それだ!」」」

 

バカなことで騒がれているのは木下 秀吉、俺の幼なじみの優子の双子の弟だ。爺言葉が特徴の男の娘だ。

 

「ふい~。緊張したぞい。」

 

「お疲れ様。」

 

「おお、要か。ありがとうなのじゃ。それとおはようなのじゃ。」

 

「ああ、おはよう。」

 

「………土屋 康太。」

 

おっと秀吉と話していたら、間の人の自己紹介を聞き逃しちまった。今自己紹介したのは土屋 康太。こいつとも高一からの友達だな。普段からあまりしゃべらず、また、ムッツリーニと呼ばれる程のムッツリスケベだな。あと、カメラの腕がとてもいい。

 

「島田 美波です。趣味はアキを殴………縫いぐるみを集めることです。」

 

Fクラス唯一の女子の声の元は島田 美波。ドイツからの帰国子女で、日本語に不馴れだったときに明久に助けてもらい、その後、明久に惚れた。最初は照れ隠しの為に暴力を振るうことが多かったが、暴力を振れば嫌われるぞ、と教えてやると、すぐにやめた。今ではツンデレの普通の少女だ。

 

 さてさて、これまで俺の友人達を紹介してきたが、俺の番になってしまった。めんどくさいので、ぱっぱと終わらせてしまうとしよう。

 

「刀条 要だ。「「「出たな、諸悪の権現のイケメンめ!」」」……うるさい。殺られたいか?(チャキッ)「「いえ、何でもありません!」」」……何でもないならなにも言うな。まあよろしく頼む。」

 

はあ~。だりぃ。

 

「吉井 明久です。気軽にダーリンと呼んでください☆」

 

……失礼。まだ吉井(バカ)の自己紹介が残っていた。ここは奴の要望に答えてやるとしよう。

 

 そう心を決めると、俺は自信のできる限りの思いっきり下げずんだ目をバカに向け、

 

「ダ~リン♥」

 

と叫んでやった。

 

 周りもどうやら奴の要望に答えてやったらしく、声を揃えて

 

「「「ダーリン!!」」」

 

と叫んでいた。明久(バカ)は顔を青くして座った。

 

ガラッ「し、失礼ハァ…ハァ…します…。」

 

ん?誰が入ってきたんだ?って姫路!?アイエエエエナンデ?

 

「あ、姫路さん。ちょうどよかった。自己紹介をしてください。」

 

「はい。姫路 瑞希です。よろしくお願いします。」

 

っと、クラスの誰かが手をあげたな。質問でもするのだろうか?

 

「はい。なんでこの教室にいるんですか?」

 

聞きようによっては失礼になるこの質問だが、このときばかりは、クラス全員の気持ちを代弁していた。即ち、何故学年トップレベルの彼女がこのクラスにいるのか?だ。

 

「えっと、熱を出して倒れてしまったんです。」

 

成る程。

 

「あー、俺も熱(の問題)が出て。」

 

「俺は妹が病気で。」

 

「何!?お前妹いるのか!?俺に紹介してくれ。」

 

「いや、それ以前にお前一人っ子だろう。」

 

「俺は彼女が寝かしてくれなくて。」

 

「「「者共、異端審問会じゃあ~!」」」

 

「う、うわぁー!ダレカタスケテー(泣)!さっきの嘘なのにぃー。」

 

「「「あ、なんだ、嘘なのか。」」」

 

成る程、バカばっかりだ。

 

「えー、皆さんお静かに。」

 

パンパン←教壇を先生が叩く音

 

ガラガラ←教壇が崩れる音

 

「「「………。」」」

 

「えー、取り替えてきますので、少しお待ちください。」

 

ん?姫路が咳き込んだな。ただでさえからだが弱いのに、この教室の環境は最悪だろう。

 

そんなことを考えていると、明久からお呼びがかかった。さて、行くとしますか。

 

side out

 

  side 明久

 

 教壇が崩れて砂ぼこりがまってしまった。振り分け試験の時でさえ、倒れてしまったのに、この設備は最悪だろう。そんなことを思い、先生が出ていった頃を見計らって、僕は雄二と要をつれて外に出た。

 

 「んで、何のようだ、バカ久。」

 

 「しょうもないことなら帰らせてもらうぞ。だるいんだから。」

 

 二人がそんなことをいっているけど、真面目なことなんだ。姫路さんのためにも。そう思って、僕は声を出した。

 

「ねぇ、試召戦争をしない?」

 

「ほう。」 「ふうん。試召戦争、ねぇ。」

 

よかった。二人は食いついてくれたみたいだ。

 

side out

 

 side 要

 

 ふうん。明久が試召戦争を、ねぇ。まぁ十中八九姫路のためだろうけどねぇ。

 

「姫路のためか?」

 

「い、いや、違うよ。いい教室で勉強したいからだよ。」

 

「お前は教室とか関係ないだろうが………。まぁ俺も試召戦争を考えていたし、ちょうどいいな。」

 

「えっ。それってどうい「あっ先生が戻ってきた。教室にはいるぞ。」………。」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「さて、最後は坂本君、お願いします。」

 

そう言われると、雄二は堂々と教壇の方に立ち、教室の隅々を見渡して、

 

「お前ら、Aクラスは大型ディスプレイにリクライニングシート、個人用冷暖房にノートパソコンらしいが、不満はないか?」

 

「「「大有りじゃぁ!!(#`皿´)」」」

 

「なら、試召戦争をしないか?」

 

試召戦争の引き金を引いた。




いやぁ、長くなってしまいました。
直すべきと頃があれば、どしどし教えてください。


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第4話

相変わらずの駄文です。人によっては霧が悪く感じるかも。


side 要

 

「勝てるわけがない。」

 

「何を根拠に言っているんだよ。」

 

「姫路さん、俺と結婚してくれ。」

 

「秀吉、俺と付き合ってくれ。お願いします。」

 

 予想通り、教室が喧騒に飲み込まれる(い一部どうでもいいことをいっているバカがいるが)。さて、このカオスな状態のクラスを雄二はどうやってまとめあげるのだろうか?

 

「勝てる要素ならあるぞ。」

 

何?

 

「「「な、なんだってー!Σ(゜Д゜)」」」

 

乗りいいな、お前ら。

 

「まず、第1の要素だ。おい、康太。姫路のスカートのなかを覗こうとするな。さっさと前に来い。」

 

お前はこんな時に何をやっているんだ。

 

「こいつは土屋 康太だ。皆には寡黙なる性識者(ムッツリーニ)と言えば分かるかな?」

 

康太は一生懸命首を振って否定するが、それは逆効果だぞ?

 

「何!?奴が寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だと言うのか!?(゜ロ゜;ノ)ノ」

 

「見ろ!まだ否定しようとしているぞ!」

 

「ああ、ムッツリの名前に恥じない行動だぞ。」

 

ほらな。っておい。そんな絶望にくれたような顔をすんなって。

 

「木下 秀吉だっている。」

 

「ワシかの?」

 

「演劇部のホープ!!期待してるぜ!」

 

「それに秀吉の双子の姉は………。」

 

「Aクラスの木下 優子!」 

 

「姫路だっている。」

 

「私ですか?」

 

「ああ、このクラスの主力だ。よろしく頼む。」

 

確かに姫路がいるのはでかいな。

 

「当然、俺も死力をふりしぼる。」

 

「坂本って昔神童って呼ばれてなかったか?」

 

「マジか!(゜ロ゜;ノ)ノこの最低クラスのFクラスにAクラスレベルが二人もかよ。」

 

あながちこのクラスにはAクラス級が他にも何人かいるから、うまく噛み合わさると勝てるかもな。

 

「それに吉井 明久に刀条 要だっている。」

 

「誰だよそいつら。」

 

「そんなやつらいいたっけか?」

 

「刀条ってあれだろ。あのいけすかないイケメン野郎。」

 

へえ、俺と同じ名前の奴がいるんだな(現実逃避)。あと最後のやつはぶち殺す。

 

「おい、現実逃避しているところ悪いが、お前を呼んでいるんだ、要。」

 

「ったく、何だよ。そこの明久(バカ)ならまだしも、俺は何もないだろうが。」

 

「「「そうだそうだー。」」」

 

「ならば教えてやろう。そこにいる明久(バカ)は学園初の観察処分者で、刀条 要は江戸時代の最強の剣の流派である桜一刀流の師範代だ。」

 

な、なんでこいつは俺が隠していたことを話すんだ。

 

「どうだ、勝てそうな気がしてきただろう?」

 

「何て言うかさ、刀条が凄いことは分かったけどさ、吉井って観察処分者なんだろ。つまりは学園一のバカだろ。」

 

「ああそうだ、バカだ。」

 

「………雄二、そこは僕をかばうところだよね。」

 

「むしろ、バカすぎてこっちがついていけない。」

 

「要まで!?なんで皆僕をこんなにディスるのさ………。」

 

「まあ、フィードバックは有るが召喚獣とのシンクロ率が他に比べて高く、操作回数も圧倒的に多いから、十分戦力として役に立つ。」

 

「「「成る程………。」」」

 

「まあ、そういうわけで、勝てる気がしてきたところで、だ。早速明久にDクラスに宣戦布告に行ってもらおう。」

 

「ええっ。嫌だよ。大抵弱い相手からの宣戦布告の使者ってひどい目に遭うじゃん。」

 

「大丈夫だ。俺を信じろ。」

 

「ああ、Dクラスにはお前をかばってくれるやつだって多いはずだ。」

 

俺と雄二で明久を説得にかかる。

 

「………うん。わかったよ。いってくる。」

 

「「ああ、任せた。」」

 

そういって明久は教室から出ていった。

 

「「ふう。チョロッ!」」

 

まさかあれだけの言葉でいくなんて………。やっぱり明久はバカだな。

 

「お主ら鬼畜じゃの。」

 

「………外道。」

 

後ろの方で何か言われているけど、気にしなーい気にしなーい。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「騙されたー!(泣)」

 

そういって明久はボロボロになって帰ってきた。取り敢えずうるさいので、竹刀でみぞおちを突いて悶絶させておく。

 

「おし、ちゃんと宣戦布告に行ってきたようだな。要、明久、秀吉、康太、姫路、島田は俺について来い。」

 

そういって雄二は教室から出ていった。明久はまだ悶絶していたので、仕方なく(←やった奴が言うか)俺が担いで、雄二のあとをおった。



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第5話

今回は少し長いです。


side 要

「Fクラス森、いざ押して参る。」

 

「ふん、Fクラスの雑魚どもが。この私の敵ではない!」

 

「0点になった戦死者は補習!」

 

「嫌だ!!補習なんていきたくない!」

 

「助けてくれ~!お慈悲を~!」

 

「黙れ!補習した暁には趣味は勉強、尊敬する人物は二宮金次郎、といった模範的な生徒にしてやろう。」

 

「「「それは洗脳だ!!」」」

 

「問答無用!」

 

 え~と、はい。今はDクラスとの試召戦争中です。外から色々な怒号が聞こえてきます。今俺が何をしているか、というと、別の教室で、姫路さんと共に数学の補充テストを受けています。どうしてこういう状況なのかは先程の屋上での作戦会議によります。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

約4時間程前………

 

「明久、ちゃんと宣戦布告してきたのか?」

 

「うん。してきたよ。今日の午後4時に開戦だって。」

 

「よし、じゃあ作戦を教えるぞ。」

 

「ちょっと待ってよ!僕たちの狙いはAクラス何でしょ。何でDクラスを攻めるの?直接Aクラスを叩きにいけばいいじゃん。」

 

「アホかお前は。何も考え無しにDクラスを攻める訳じゃないぞ。Fクラス全体に自身を持たせるために攻めるんだ。俺たち最下位クラスでも上位クラスに勝てるってね。」

 

「成る程………。」

 

本当にわかっとるんかね、このバカは。

 

「じゃあ作戦を言うぞ。まず、秀吉率いる第1前線部隊が出る。その間に明久は少しだけ補充テストを受けて、その後、島田と共に第2部隊を率いて、第1部隊の援軍に行け。」

 

「ねぇ。何で僕はテストを受けるの?」

 

「少しは自分の頭で考えろ。お前は姫路を介抱するために途中退室したから、無得点だろうが。」

 

「あ、そうだった。」

 

「ハァ~。話を続けるぞ。明久たちは出来るだけ粘れ。その後、俺らが援軍を率いて戦線に出る。下校する生徒たちで混雑してきたところで、点数補充を終えた姫路にDクラス代表を討ち取って貰う。」

 

「了解した。その間、俺は何をしていればいいんだ?」

 

「要にはずっと点数補充をして貰う。次の試召戦争に備えてな。」

 

「「「了解(しました)。」」」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 というわけで、俺は補充テストを受けているわけだ。ああ、それにしてもやっぱり数学は楽しいな。

 

ピンポンパンポーン

 

ん?

 

『船越先生、船越先生。体育館の裏で二年Fクラスの吉井 明久君が"男女の垣根を超えた”話があるそうです。至急体育館裏まで向かってあげてください。』

 

船越先生

性別:♀

年齢:45

婚期を逃し、独身のため、単位を盾にして、生徒にまで交際を迫ってくる女教師。

 

………。御愁傷様、明久。

 

俺は心のなかで明久に黙祷をした。

 

後に聞いたことだが、このとき、学園中に明久(バカ)の怒りの叫びが響き渡ったそうな。

 

 

 

 

 

少し時間を遡ります

 

 

 

 

 

 

  side 明久

 

 僕たちは第2部隊を率いて秀吉達第1部隊の援軍に向かっていた。っと、前線が見えてきた。

 

「おお、明久。援軍かの?」

 

秀吉が少し汗をかきながら頭をかしげて訊ねてきた。うん。可愛い。じゃなくて。

 

「秀吉。戦況は?」

 

「残っとるのはワシと後、2、3人くらいじゃ。ワシも残っている点数は少ないの。」

 

「うん。わかったよ。これから僕たちが出るから、秀吉たちは補充テストを受けてきて。」

 

「すまんのう。恩に着る。」

 

秀吉はそういって去っていった。さて、どうしようか。

 

「これからどうするの?隊長さん?」

 

美波がそう僕に聞いてくる。取り敢えずここは戦況を確認しよう。

 

『0点になった戦死者は補習!』

 

『鬼の補習なんて嫌だ~!』

 

『お慈悲を~!』

 

『補習をした暁には趣味は勉強、尊敬する人物は二宮金次郎、といった模範的な生徒にしてやろう。』

 

うん。ここは………

 

「総員退避で!!」

 

「隊長のあんたが弱腰でどうするのよ!」

 

「わー!ちゃんと戦うから殴ろうとしないでー!」

 

ふう。危ない危ない。殴られるところだった。

 

「じゃあ、取り敢えず「総員退避ね」えっ。」 「え?」

 

え?何で?

 

「あんたがそう言ったんでしょうが!」

 

ええ~。さっきの冗談だったのに。そんなバカなことを言っていると、横溝くんがやって来た。どうしたんだろう?

 

「代表からの伝令です。『逃げたらコロス』」

 

「総員突撃ぃー!」

 

雄二の事だ、本当に殺しにかかるだろう。

 

「Fクラス吉井明久、Dクラスの松島くんに勝負を申込みます。」

 

「承認します!」

 

床に魔方陣が浮かび上がり、そこから三頭身の学ランを着て木刀を持った召喚獣が出てきた。

 

現代文

 

Fクラス 吉井明久  86点

 

vs

 

Dクラス 松島隼人 114点

 

「はっ。Fクラスとだけあって装備も貧弱だな(笑)」

 

向こうが何を言っていようが無視を決め込む。

 

「だんまりか。まあいい。さっさと死ねやぁ!」

 

そう言って松島くんは剣を振りかぶって切りかかってくる。でもね、

 

「甘いよ!」

 

僕は召喚獣を横に動かして剣を避け、振り切った状態のせいですぐには動けない松島くんの召喚獣の首に突きをいれた。

 

Fクラス 吉井明久 86点

 

vs

 

Dクラス 松島隼人  0点

 

人体と同じで急所に攻撃を与えると、大ダメージを与えることができる。あまり点数が離れていなければ先程のように一撃死させることができるのだ。

 

 僕の周りは僕がDクラスの生徒の召喚獣を一撃で倒したことで騒然としているけど、美波の方はどうかな?

 

『あっ、お姉さま~♥』

 

『げっ、美春』

 

『さあ、お姉さま。今なら保健室が空いています。ベットで美春と一緒になりましょう!』

 

『嫌よ!うちは普通に男が好きなの!』

 

『嘘です。お姉さまは美春と相思相愛のはずです!』

 

『違うわよ!ああもう、試験召喚獣召喚

サモン

!』

 

化学

 

Fクラス 島田美波 58点

 

vs

 

Dクラス 清水美春 85点

 

あれ?美波化学は60点以上あるって言ってたような………。さては、鯖を読んでいたな。

案の定、美波の召喚獣はやられてしまい、喉元にレイピアをつけられていた。

 

『補習はいやぁ!』

 

『補習ですか………。フフフフフフ。』

 

あれ?そっちは補習室じゃなくて保健室だったような………。

 

『さあお姉さま。保健室で美春と共に百合百合しましょう!』

 

ナッ、ナンダッテー!それは是非とも見てみたい!じゃなくて。

 

「今助太刀にいくよ。試験召喚獣召喚

サモン

 

「くっ。お姉さまと私の素晴らしい時間を邪魔するものは殺します!相手がお姉さまをたぶらかす最低最悪豚野郎ならばなおさらです!」

 

そういって清水さんは標的を僕に変えてきた。

 

………………。僕って清水さんにあんなに罵倒されるようなことしたっけな?(泣)

 

 

化学

 

Fクラス 吉井明久 62点

 

vs

 

Dクラス 清水美春 24点

 

さっきまで美波を相手していたからか、点数が減っていたので、すぐに倒せた。鉄人(西村先生のこと)に連れていかれるときに「美春は諦めません。お姉さま~」って言っていたが気にしない気にしない。大丈夫だよね?多分、おそらく、maybe ………。

 

 それにしても最初かなりいたFクラスの生徒もだいぶ戦死してしまった。どうしようか………。

 

「おいっ。Dクラスの奴ら数学の船越女史を呼びに行ったぞ!」

 

「くっ。奴らさっさと決めにかかるつもりか!」

 

何!?どうすればいいんだ?

 

「仕方がない。須川くん。放送室に行って船越先生が来ないようにするんだ!」

 

「了解!」

 

ふう。これでどうにかなるかな?

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

お?

 

『船越先生、船越先生。』

 

この声は須川くん!

 

『体育館の裏で二年Fクラスの吉井 明久君が"男女の垣根を超えた”話があるそうです。至急体育館裏まで向かってあげてください。』

 

ブチィ

 

「吉井隊長、どうしましたか?」

 

「す………、す………、す………、」

 

「す、何ですか?」

 

「す………、須川ああああぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

船越先生を違う場所に誘導するように言ったけど、僕の名前を使うなんて………………コロス。

 

「Fクラス 横溝、戦死!」

 

「Fクラス戸沢、のこり10点!」

 

そうこうしているうちにどんどん仲間が死んでいく………。おっ?

 

「吉井ぃ!よく耐えた!もう少しで援軍がつくぞ!」

 

ならば時間を稼がなければ。まずは、上履きを脱いでっと。

 

「あぁ!須川くん!何をやっているんだ!」

 

さっきの放送の犯人

須川くん

に罪を擦り付けつつ窓に向かって投げて窓を割る。さらに消火器を使ってっと。

 

「今度は何をするんだ!須川くん!」

 

罪をさらに擦り付けつつ、相手に吹き掛ける。

 

「うわっ!何も見えねぇ!」

 

「くっそ!須川の奴め!」

 

ついでにっと。

 

「あっ!須川くん!何どさくさに紛れて女の子を助けて口説いているんだ!」

 

「うわっ!自分でやっといてそんなことをするなんてサイテー。」

 

「後で異端審問会を開かなければ。」

 

「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺」

 

うん、いい感じに皆思い込んでくれたみたいだ。さて、復習も終わったし、援軍も来たから、

 

「どぉりゃっ!」

 

消火器をスプリンクラーにぶつけて粉を落とす。

 

「Fクラス近藤!行きます!」

 

Fクラスの援軍たちが上手くやってくれそうなので、僕は教室に帰った。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

僕が教室に戻ると雄二がいた。

 

「おう。お疲れ様。」

 

「ありがとう。ところで、あの放送、聞いてたの?」

 

「ああ、バッチリな!」

 

そう言って爽やかな笑顔を浮かべる雄二。殴りたい。

 

「あー、それとだが、あの放送を指示したのは俺だ。」

 

ん?イマナンテイッタ?ホウソウヲシジシタノハオレダ?

 

「………………。」ブンッ

 

「うおっ!危な!」

 

「ダマレ、コロシテヤル!!」

 

「あっ、船越先生。」

 

ビュンッ

 

ガッ!

 

ガシャン

 

僕は人間に出せないような早さで掃除用具入れの中に隠れた。早くしなければ、貞操を奪われてしまう。

 

「あー、俺はDクラスと決着をつけてくるな。それと………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきのあれは嘘だ。」

 

僕はその言葉を聞いたとたん、雄二を追いかけた。ちぃっ、下校中の生徒が邪魔で追い付けない!

 

「ユウジ、ドコダ?」

 

ん?あそこにいるのはDクラス代表の平賀くん?油断している今が大チャンスじゃないか!

 

「Fクラス吉井明久、Dクラス代表の平賀くんに勝負を仕掛けます!」

 

「何!?何て言うとでも思ったか!頼んだ!」

 

そう言って平賀くんは下がってしまった。けどね。

 

チョイチョイ

 

「ん?何かな?姫路さん。Aクラスはあっちだよ。」

 

「えっと、その、すみません。Fクラス姫路瑞希、Dクラス代表の平賀くんに勝負を仕掛けます!」

 

「えっ、は?えっ?」

 

現代文

 

Fクラス 姫路瑞希 384点

 

vs

 

Dクラス代表 平賀源二 125点

 

Dクラス戦は相手の代表が訳のわからないうちに、Fクラスの勝利で終わった。

 

 




要と雄二の口調が被ってる気が………。

相変わらずの駄文ですみません。


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第6話

遅くなってすみません。運動会や風邪をひいたりしたため、執筆が遅れました。


ちょっと前に戻ります………

 

  side 要

 

 今は五時に近くなった頃か………。もうそろそろ試召戦争が終わるかな。まあ、俺は関係なく点数補充に勤しむが。そんな風に考えていると、不意に隣で同じく点数補充をしていた姫路さんが立ち上がった。

 

「どうしたんだ?トイレか?」

 

「刀条君、それは女性に対して失礼ですよ。それに、私が立ち上がったのは、ある程度点数を補充できたので作戦どおり、Dクラス代表を討ちに行くためです。」

 

そういやそうだったっけ。今回は俺はあまり関係がなかったので、作戦に興味を持っていなかったから、忘れていた。

 

「まあ頑張って。」

 

俺は手短にエールを送ると、

 

「はい。頑張って来ます。」

 

と帰ってきた。その言葉を聞いたあと、俺は再びテストに集中した。

 

 姫路さんが教室から出ていってしばらくして、外から明久

バカ

の恨みの叫び声が聞こえ、さらにそれからしばらくたってクラスのバカどもの勝利の叫びが聞こえてきたので、テストを切りやめるように監督の先生に伝え、戦後会談の行われる場所へ向かった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 さて、戦後会談の行われているDクラスの前に着くと、そこには悲しみにうちひしがれているDクラスの面々がいた。

 

「よお。何湿気た顔してんだよ。代表ならもっと堂々としてろ。」

 

俺がそう言うと、Dクラスの代表の平賀は、

 

「ああ、そうだな。さて、負けた僕らは協定に従って教室を明け渡そう。只、今日はもう遅いし、疲れたから、交換するのは明日でいいかい?」

 

と、堂々と代表らしい振る舞いをし、雄二にた訊ねた。

しかし、雄二は平賀に対して、

 

「いや、設備を交換する必要はない。その代わり、こちらが提示する条件を呑んでもらう。」

 

と言いはなった。当然、クラスのバカ共からは

 

「何でさっ」

 

「折角今の設備よりも良いものを手にいれたのに………。」

 

「「「そうだそうだ!」」」

 

と不満の声が上がる。っと、学園一のバカ

明久

が何処かへ行こうとしているな。気になったから、聞いてみよう。

 

「よお明久。何処に行くんだ?」(ひそひそ)

 

「ちょっと船越先生の所にね。」(ひそひそ)

 

「ふーん。愛の告白か?お前勇者だな。頑張れよ。」(ひそひそ)

 

「ち、違うよ。只、雄二に仕返しするためにね。」(黒笑)

 

「うわっ腹黒っ!俺の知っている明久はこんなに頭が回る筈じゃない。さては貴様!偽物だろう!」(ひそひそ)

 

「何を言っているんだ君は。僕は本物だぞ。まあ、行ってきます。」

 

「それはどうかな。まあ、いってらっしゃい。結果を待っているぞ。」

 

そう言って明久はかけていった。

 

 

 

 

 

  side 明久

 

 僕は要と言葉を交わすと、体育館裏へ向かった。おっ、いたいた。

 

「船越せんせーい!」

 

「フフフフ。どうしたの吉井くん。私に愛の告白かしら?貴方なら大歓迎よ」

 

うう、怖い。今から雄二に擦り付けるとはいえ、悪寒しか感じない。気を付けないと………。

 

「いえ、そうではなくて………「ムキー!何よ!皆して私を嫌って!こうなったら、既成事実を作ってやる!」先生、落ち着いてください。僕よりもっと先生にふさわしい人を紹介使用としているだけです。」

 

「それは誰!?」

 

「それは………

 

 

 

 

        坂本 雄二君です!」

 

「なるほど………。今度アタックしてみるわ。」

 

「ええ、頑張ってください。」

 

クククク、雄二、僕を売った恨み。存分に味わえ!

 

 

 

 

 

  side 要

 

「うおっ!何か急に寒気が………。」

 

 ああ、明久、君は上手く擦り付けたみたいだね。そして雄二、御愁傷様。そんなことを思っていると、戦後会談が終わったようだ。纏めると、

 

 DクラスはFクラスと設備を交換しない代わりに、次に行うBクラス戦で、Fクラス代表

雄二

の合図に従って、Bクラスのエアコンの室外機を壊す。

 

 いやぁ、流石雄二、考える作戦は黒いね。おおっと、時間を確認したら、もう少しで部活が終わっちまう時間になっていた早くいかねば。

 

「よし、野郎共、今日はもう解散!明日の回復試験に向けてしっかり勉強するんだぞ!」

 

ナイスタイミング!俺は心の中で雄二にグッドサインを出すと、剣道場に向かった。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「すみません、遅くなりました。」

 

 そう言いながら俺は剣道場に入った。そこでは、地稽古(先生の位の人にかかっていき、自分の技や攻め、試合運びなどを見てもらう稽古)が終わり、最後の切り返し(面を打って体当たりをし、前に出ながら4本、後ろに下がりながら5本打ち、最後に面を打って抜けること)をしている途中だった。そのため、俺はちょっと待つことにした。

 

 少したって、剣道部主将の神谷 剣先輩が

 

「せいれーつ!」

 

と言って、掛け声をかけた。神谷先輩の隣に高3の先輩方が、その隣に高2が並ぶ。俺は遅れて入ってきたので、その後ろにならんだ。

 

「姿勢を正して、黙想!」

 

そう言うと、俺らは皆正座で座禅の時のような手を組、鼻で吸って口から細く長く息を吐き出した。これをすると、自然と精神が統一されるような気がした。誠に不思議である。

 

パンッ、という小気味良い音がして、俺らは元の正座になった。

 

「神前に、礼!」

 

そう言われると、神前の方に向かい、手と手の間に三角形を作る感じで手をつき、頭を3秒間下げて、礼をした。これが終わると、

 

「相互に、礼!」

 

と掛け声がかけられる。今度は前を向き、同じく礼をした。最後に

 

「解散!」

 

と声をかけられ、一礼をし、解散となった。

 

 俺は解散をかけられたあと、神谷先輩に遅れた理由を話に行った。すると、

 

「おお、おつかれさん。どっちが勝った?」

 

と聞かれた。当然、俺は

 

「俺らFクラスが勝ちました。」

 

と答えた。

 

「そうか。普通ならDクラスが勝つんだけどな。それにしても、何故お前がFクラスなんだ?お前の頭ならAクラストップも夢じゃないだろう。」

 

「まあそうなんですけど。振り分け試験がめんどくさくて、途中で寝たんです。」

 

「おいおい、寝るなって。まあ、そういうのは人それぞれだし、頑張れよ。」

 

そう言って、神谷先輩は去っていった。俺も道場からでて、扉のところで一礼をしたあと、家路についた。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 俺が帰るために校門に向かっていると、明久が前を歩いていた。どことなく、しょげているようにも見える。

 

「明久、どうしたんだ?」

 

「あ、要か。ちょっと、姫路さんが不幸の手紙を書いているのを見てしまっただけだよ。」

 

は?不幸の手紙?姫路さんが?何言ってんだ?このバカは。

 

「は?何言ってんだ?このバカは。」

 

おっと、口に出ちまった。

 

「んで、その手紙には何て書いてあったんだ?」

 

「『あなたのことが好きです』って。多分雄二宛だと思ったから、僕は不幸な気持ちになったんだ。」

 

「どうしてそう思ったんだ?」

 

「前に雄二と姫路さんが仲良く話しているのを見たから。」

 

多分姫路さんは雄二に明久の性格とかを聞いていたんだろうな。哀れ、姫路さん。君のラブレターは勘違いされているよ。

 

「ふーん………。」

 

その後、俺達は他愛ない話を続け、そうこうしているうちに、分かれ道についた。俺の家は明久とは道が違うので、ここでお別れだ。

 

「じゃあな。また明日。」

 

「うん。じゃあね。」

 

そう言って、俺達は別れた。




クロガネから神谷 剣先輩を出してみました。

名前:神谷 剣

性別:男

身長:192㎝

所属クラス:3-B

という設定です。


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第7話

  side 要

 

 次の日、俺は珍しく寝坊をしてしまった。というのも、今日Bクラス戦の為の補充テストがあり、そのための勉強をしていて、寝るのが遅くなったからだ。ついでに、今日は弁当を作る必要がなかったのも拍車をかけた。というのも………

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

昨日の作戦会議の時に戻ります。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「明久、ちゃんと宣戦布告してきたのか?」

 

「うん。してきたよ。今日の午後4時に開戦だって。」

 

「よし、じゃあ作戦を教えるぞ。」

 

ここから先、第4話と変わらないのでカット………

 

 

 

「さて、作戦会議も終わったし、飯にするか。」

 

「そうだな。明久。今日の昼ぐらいはまともな物を食べろよ。」

 

「そう言うんだったら、パンでもおごってくれると嬉しいんだけど。」

 

その言葉の意味に築いた姫路さんが一言。

 

「えっ?吉井くんってお昼食べないんですか?」

 

なんと優しいのでしょう。普通なら金使いや食生活が気になるところを純粋に心配しています。

 

「いや、一応食べているよ。」

 

そう明久が答えるが、

 

「………。あれは食べていると言えるのか?」

 

と雄二が横槍を入れる。

 

「だってお前の主食って塩と水だろ。」

 

そう俺が突っ込むと、

 

「失敬な!砂糖だってあるよ!」

 

という予想外の答えが返ってきた。

 

「あの、吉井くん。水と塩と砂糖って、食べるとは言いませんよ………。」

 

「舐める、が正しい表現としては正解じゃろう。」

 

皆思い思いのことを言い出す。

 

「ま、飯代まで遊びに使い込むお前が悪いよな。」

 

「し、仕送りが少ないんだよ!」

 

「いや、十分にもらっているだろ………。」

 

確か俺の数倍はもらっているだろう。余談だが、俺も一応独り暮らしをしている。そのため、明久ほどはいかないものの、仕送りを貰っている。仕送りの中には生活費も含まれているが、その分のお金がない、何て事は余程のバカでない限り、起きるはずがない。

 

「………あの、良かったら私がお弁当つくってきましょうか?」

 

「ゑ?」

 

なんと優しいのでしょうか。わざわざお弁当を作ってやる何てな。そういえば、姫路さんは明久の事が好きだったよな。なら納得だ。

 

「本当にいいの?僕、塩と砂糖以外の物を食べるのなんて久しぶりだよ!」

 

「はい。明日のお昼で良ければ。」

 

「良かったじゃないか明久。手作り弁当だぞ?」

 

「うん!」

 

明久は素直に喜んでいるようだ。と、そこで、

 

「………ふーん。瑞希って随分優しいんだね。吉井だけに作ってくるなんて。」

 

島田が少し棘のある言い方をする。姫路さんに対抗心を覚えているのだろうか。

 

「あ、いえ!その、皆さんにも………。」

 

「へぇ。じゃあ、俺らもご馳走になるか。」

 

「そうだな。じゃあ、弁当を持ってこなくていいか。」

 

 

………

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

という事があったんだ。まあ、このあと、明久が変態であることをカミングアウトしたり、何て事もあったが、そんなどうでもいいことは置いといて、今は遅刻をしないよう頑張らねば。

 

 そうやって状況説明をしているうちにも、俺は着替えをし、朝飯を食って急いで家を出、学校に向かって走っていた。今の時刻は8時20分。走っていけばギリギリ始業のベルまでに学校に着く。もうすでに周りに学園の生徒はいない。俺は花足を用いて、人が出せない早さで走っていった。

 

 

 

 

 

 暫くして、学校に着くとまもなく始業のベルが鳴った。あ、あっぶねぇ………!

 

「あ、お早う。要。今日は遅かったね。」

 

「おはようなのじゃ」

 

いつもの面子と挨拶を交わす。

 

「おう、お早う。あと、もうすぐテストが始まるから早く席についた方がいいぞ。」

 

「あ、そうだね。じゃあ、また後で。」

 

そう言って明久は自分の席に戻っていくが、秀吉は戻らない。何かあるのだろうか。

 

「席に戻らないのか?秀吉。」

 

「ちょっと姉上から伝言を授かっておっての。」

 

「ちょ、おま、声が大きい!そんな話ならば声を押さえてくれ。」

 

クラスのバカどもから殺気がバンバン向けられてるんだよ!って、声を小さくしてもらったら、それはそれで秀吉と内緒話をしているようで、不味いことになるじゃないか!

 

「おっと、すまんのぅ。ッと、これで良いかの?」

 

「ん?ああ、いいぞ。」

 

「なら伝えるぞい。今日のお昼にAクラスに来なさい、とのことじゃ。」

 

優子が俺を呼ぶなんて、何かあったのだろうか?

 

「なんかあったのか?」

 

「うーむ………。ただ朝から弁当を作っておったぞい。」

 

ふーん。まあ、

 

「もうすぐ先公が来るぞ。席にもどれ。」

 

「うむ。そうさせてもらうぞい。」

 

そう言って、秀吉は席に戻っていった。

 

 その後は一時間目の数学で雄二が船越先生に婚約を迫られ、明久を売り、今度は明久が婚約を迫られ、近所のお兄さん(独身 38歳)を紹介して事なきを得た事以外、特になにも起きず、昼になった。因みにこのあとは何もないので、自由である。と、その時。

 

「総員、突撃用意!!」

 

と、須川の声で黒いマントに鎌を持った死神のような出で立ちのFFF団がいた。ってかいつの間に着替えたんだよっ!

 

「危ないな!何いきなり鎌を振るってきたんだよ!」

 

「黙れ!男の敵め!男とは愛を捨て哀に生きるものだ!それが木下優子という美少女に誘われるなんて………!」

 

「須川会長!刀条要の死刑を要求します!」

 

今の声は明久か?って一瞬で島田と姫路さんに関節技を欠けられたな。

 

「皆の者、死刑でいいか?」

 

「「「異議なし!!」」」

 

「ちぃっ!おいッ、雄二!手助けしてくれ!」

 

「なぁ、要。知っているか?俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

他人の不幸が大好きだ!!」

 

「こんの糞野郎が!!」

 

こいつも敵か!俺は仕方なく竹刀を抜くと、返り討ちにしにかかった。

 

 

 

 

 

10分後………

 

 

 

「あぎょぱ!」

 

「ふう、やっと全員倒し終えたか………。」

 

康太が思いの外すばしっこかったのと須川が強かった。嫉妬とは人をこんなにも強くさせるのか………。

 

まあ、全員倒したのでAクラスに向かうと、優子がいた。

 

「おーい、優子。どうしたんだ?」

 

「あ、要!一緒にお弁当食べましょう。」

 

「いいけど、俺弁当を持ってないぞ。」

 

「知ってるわよ。秀吉から聞いたわ。姫路さんがお弁当を持ってくる約束したって。」

 

「ふーん。なr「要くーーん!」だ、誰d、ぐっはぁっ」

 

だ、誰だ!俺の名前を呼びながらタックルをかましてきた奴は!

 

「こら、愛子!いきなり飛びついたらダメじゃないの。」

 

「だって、久しぶりに会ったから嬉しくて、つい。」

 

「ててて………。だからと言ってタックルをしなくてもいいじゃないか。それと久しぶりだな。愛子。」

 

「うん!久しぶり!」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 しばらく俺達はとりとめのないことを話していた。だが、すぐにおなかがすいたので、弁当を屋上で食べよう、という話になったので、明久たちもいるだろう、とのことで屋上に向かった。そこには………、

 

「ムッツリーニ!?大丈夫?」

 

「雄二!しっかりするのじゃ!」

 

そこには、地獄絵図が広がっていた。




今日から中間テストのため、更新が遅くなります。にしても、15科目ってなんだよ!
英語3科目ってなんだよ!


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第8話

  side 要

 

「お、おい!康太!雄二!大丈夫か?」

 

 俺は急いで康太と雄二の介抱に向かった。二人の体は痙攣していた。かなり不味くないか?

 

「明久、秀吉、何が起こったんだ?」

 

「え、えっと………。姫路さんのお弁当の中身をつまんだら、一瞬にして倒れた。」

 

なるほどなるほど。全ての元凶は姫路さんの弁当だったか………。

 

「なぁ、姫路さんよ。君さ、弁当になんか入れたか?」

 

「はい!酸味が欲しかったので、塩酸を少し。」

 

「え、でも塩酸って気体が水にとけたものだから、火を通せばとんでいくんじゃない?」

 

 

 

「んーと、あ、最後に中和しようと思って水酸化ナトリウムを振りかけました。」

 

「「「それだ!絶対それだ!」」」

 

水酸化ナトリウム。空気中の水蒸気にも反応し、高い熱を出す。皮膚につくだけで汗と反応し、皮膚を溶かす。もちろん、口にいれていいものではない。

 

「明久!愛子!とりあえず二人の介抱をして!優子と秀吉は効果ないと思うけど、殺菌作用のある緑茶を帰るだけ買ってきて!」

 

「「「「わかった(のじゃ)!」」」」

 

「あ、姫路さんは弁当、いや、料理を作るの禁止!」

 

「ええっ!?何でですかぁ?(泣)」

 

「料理に平然と毒物を入れる人に作らせられるか!」

 

 

 

因みにこのあと、無事に雄二と康太は復活しました。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

あのあと、明久は昼を買うお金がなかったため、いつも通り水だけですごし、他の5人は購買でパンをかって食うことになった。ん?姫路さんの弁当?俺たちが来る前に明久が雄二に無理矢理食わせたんだと。鬼畜だな。

 

「んで、次はどこを攻めに行くんだ?」

 

「まあ、待て。Aクラスの二人がいる今話すのは不味いだろう。あとで話す。」

 

「おっと、そうだったな。まわりに気を付けなければ。」

 

「そうだよ。もっと注意してよね。」

 

明久が俺にたいして言ってくるが、

 

「「「「明久、お前だけには言われたくない。」」」」

 

お、みんなもそう思ったようだな。注意してきた本人は「うぐっ」とか言いながら胸を押さえている。

 

「明久君、大丈夫でしょうか?」

 

「言葉が自分に帰ってきただけだ。気にすることはな「要君、はい!あーん」いって、愛子!お前は周りの目を気にしろ!」

 

「ん?周りの目?」

 

愛子が周りを見渡すと、そこには、

 

「………………殺したいほど妬ましい。」

 

「本当にそうだよね。異端審問に架けなきゃ。」

 

羨望と嫉妬、怨みのこもった声を上げるバカが二人いた。まあ、普通に過ごしている男子学生にとってはうらやましいだろうな。かく言う俺も結構嬉しい。だがな、

 

「康太はともかく、明久、お前は姫路さんに弁当を作って貰ったじゃないか。」

 

「ほえ?あれって姫路さんが皆に作ってきたものじゃないの?」

 

「おい、明久。昨日の会話を思い出せ。」

 

「うーん………」

 

「要君。はい、あーん。」

 

「だから愛子。止めろって。ったく、そういうのは好きな人にやるもんだぞ。」

 

「ボクは要君のことが好きだよ。」

 

「そ、そうですか………。」

 

その好きがloveかlike かは分からないが、女子に好きと言われるのは嬉しい。

 

「とにかく。はい、あーん。」

 

「仕方ないな………。あーん。」

 

のってみたが、かなり恥ずかしい………。

 

「むーっ」

 

ふと横を見ると、優子がふくれていた。

 

「どうしたんだ?そんなにふくれて。」

 

「な、何でもないわよ!」

 

「ボクが要君にあーんをしているのがうらやましかったんでしょ。」

 

「愛子、何をいっているんだ?そんなことはないと思うんだが………。でも、愛子があーんをしたタイミングでふくれていたし………。」ブツブツ

 

「違うわよ!」

 

「優子、もうちょっと自分の気持ちに素直になったら?」

 

「うっ」

 

そんな感じでお昼は過ぎていった………。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 お昼ご飯を食べたあと、Aクラスの二人を帰して次にどこに宣戦布告するかを話していた。

 

「んで、次はどこを攻めるんだ?」

 

「次はBクラスを攻める。」

 

「ねえ、僕たちの目標ってAクラスだよね。何で直接Aクラスを狙わないの?」

 

「はっきり言うが、俺たちの戦力ではAクラスには絶対勝てない。」

 

「じゃあ、Aクラスは狙わないんだね。」

 

「いいや、Aクラスを攻める。」

 

「おい、雄二、さっきといっていることが逆だぞ。」

 

「だからこその策略だ。とにかく、次はBクラスを攻める。というわけで、明久。宣戦布告に行ってこい。」

 

「ええー!嫌だよ。それに、前回僕がいったんだから、次は要か雄二が行ってきてよ。」

 

「ならじゃんけんで決めるか。」

 

「オーケー。なら僕はグーを出すよ。」

 

「なら俺はお前がグーを出さなきゃブチコロス。」

 

「俺は明久がグーを出さなきゃその首を撥ね飛ばす。」ジャキッ

 

俺たちは心理戦を仕掛ける。まあ、俺と雄二のは脅しだがな。

 

「「じゃんけん、ポン!!」」

 

「うわああぁぁぁぁ!」

 

パー←俺、雄二

 

グー←明久

 

案の定、明久は慌ててグーを出した。

 

「フッ、お前の敗けだな。逝ってこい。」

 

「漢字が違うんだけど。まあ、今回は大丈夫だよね。」

 

「あぁ、大丈夫だ。俺がいつお前を騙した?」

 

「前のししょムグッ!」

 

ゆ、雄二の奴、何しやがる!

 

「お前は黙っていろ」ヒソヒソ

 

「わぁったよ」ヒソヒソ

 

「それにだ、明久。Bクラスには美少年好きが多いらしいぞ。」

 

「うん!わかった!行ってくるよ!僕は360度どこから見ても美少年だしね。」

 

「な、なんだ、とぉ!?明久が間違えない何て、明日は槍が降るのか?」

 

「いや、隕石が降るんじゃないか?」

 

「………………明日は地球滅亡の日」

 

「まだやりたいことがあったのにのう………。」

 

「皆!とっても失礼だよ!とにかく行ってくるよ。」

 

そういって明久は出かけた………。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

数分後、明久はボロボロになって帰ってきた。

 

「言い訳を聞こうか。」

 

「予想通りだ。」

 

「くきぃー!殺す!殺しkill!!」

 

「落ち着け」ドゴッ

 

雄二は暴走した明久を鳩尾を殴って沈めた。それにしても、きれいに決まったな。

 

「さて、そこで寝ている明久はおいといて、Bクラス戦の用意をしなくてはな。」

 

「明久はほっとくのか。いいのか?結構きれいに決まってたぞ。」

 

「そのうち起き上がるだろう。ほっとけ。」

 

「そうだな。」

 

そう会話を切ると、俺たちは次のテストの用意をした。




因みに私の友達には理科学部に所属していて、塩酸を飲んだことのある人がいます。


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