†能力の無い 平和な日常 (ゆっくりねこ)
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それぞれの生活
今回も楽しんでいただければ幸いです。
~紅乃旅館~
レ「ねぇ、フラン。プリン食べる?」
フ「食べる食べる~♪」
レ「じゃあ待っててね、取ってくるわ]
そういうとレミリアは冷蔵庫に向かって歩を進めた。
{ここは紅乃旅館のリビングルーム。しかも従業員専用の。
隣には和室と食事を食べるときに使用するリビングが併設されている。
彼女らは休憩用のリビングを「松の間」食事用を「欅の間」と呼んでいる、
今回使用するのは「欅の間」。}
冷蔵庫の前にレミリアは立つと扉を開けプリンをとるはずだった。
レ「う~ん、う~ん」
取れない。プリンが。だって冷蔵庫の上の棚に入ってるのだから。
(どうしたものか…。困ったものだ。紅乃旅館の主である私がプリンを取れないだなんて…わかってしまったら大変だ!色々と。子供っぽいとか言われても気にしないけどね☆ はっ、こんなの紅乃旅館の主である私、レミリア・スカーレットであるはずがない。うん、あれは私の身を操った何かだわ)
咲「あの…どうかなされましたか?レミィ」
レ「ひゃぁっ!」
レミリアはびっくりした。咲夜が後ろで私の耳にやさしく囁いてきたから。旅館を開いてる間は形式上の呼び名で呼んでいるけど、休みの日とかは私の名は親しみを込めて「レミィ」と呼ばれている。
というか従業員といっても主要な人は私と、フラン。咲夜に美鈴、パチェにコア。
あ、パチェとコアは知らないよね。
パチェは二階の図書館を経営してる館長であり、コアはパチェの補佐というかお助け役、みたいなところ。正直私はコアの職業をしっかりと把握していない。色々と旅館の仕事をしてる際に図書館になんていかないものだから知る由もないのだ。 そんな感じの主要な従業員を挙げたわ。覚えておいてね。
レ「プ…プリンが…」
咲「あぁ、はい、わかりましたよ」
咲夜は優しく私に微笑むとその細くしなやかな体を舞うように翻し冷蔵庫の一番上の棚にスラリと白く細く伸びた右手を入れる。手に持つのはもちろんプリンである。
レ「あ…プリンは…二つ…」
咲「えっ!?はい、よいしょ…っと。はい、どうぞ、レミィ」
咲夜は右手を冷蔵庫から出すときれいに乗ったプリンを二つ私に差し出し微笑むのだった。
レ「あ、ありがと…咲夜」
なぜだろう…いつもの私ならこんな臆病ではないのに。
なぜだろう…咲夜がとても輝いて見える。
なぜだろう…こんなにも優しくされた感じが久しぶりのように感じる。
自分が自分ではないような気がして、寂しく思ってしまう。
咲「あの…レミィ?体調が悪いのですか?」
レ「ううん、大丈夫よ。何でもないわ咲夜…」
咲「何かありましたらいつでも呼んでくださいね」
そういうと咲夜はキビキビとした動きでクルッとまわるとまるでモデルのようにこの場を後にした。
私にはとても輝いて見える。咲夜が離れてしまう。なんで、こんなにも咲夜と離れるのが寂しく思えてしまうのだろう。迷いに迷った私の口からは咲夜の歩行を静止させる言葉だった。
レ「ま、待って咲夜ッ!」
咲「どうかなされましたか?レミィ。」
レ「あ、あの…よかったらプリン食べよ…?」
咲「お気持ちは嬉しいのですが私にはまだ残りの仕事があるので、これで失礼させていただきますね」
再び優しい笑みを浮かべて咲夜は去っていく。レミリアには内に秘めた想いと去って行った悲しみが混ざり表しようのない気持ちに襲われた。
(そうよね…雇ってるのは私なんだし、気持ちは受け取っておかないとね。ありがとう…咲夜)
いつの間にか頬を流れ落ちていた涙で現実に戻されたレミリアは、そっと頬を甲で拭うと
募る気持ちを抑えてフランのいるところへ戻った。
「お姉さま、咲夜と何話してたの?」
「ううん、何でもないわ。ちょっと仕事のことについてね。はい、プリン」
「ふーん、そうなんだ。お疲れ様、お姉さま。あ、ありがとっ!」
「さ、食べましょうかっ」
レミリアはそう言って微笑むとプリンを食べ始める。
(お姉ちゃん…泣いた跡がある)
フランからはどうしても泣いた跡が見えるのだが、それを口にはしなかった。いやでも空気を読まなければなかったから。
その後、二人は仲好くプリンを食した。
そのころ、咲夜はレミリアの手助けをした後残りの仕事を片付けていた。
(はぁ…さっきのお嬢様がかわいすぎて仕事ができないわ…いえ、ここはしっかりするのよ咲夜)
「よいしょ…よっと…ふぅ」
一階の厨房奥にある貯蔵庫の整理を終えた咲夜は、んっと伸びをすると貯蔵庫の扉を閉めて二階の欅の間へ向かった。己の意思に沿って。でも自嘲するところはしっかりと決めて。
(お嬢様…咲夜は…今だけはお気持ちにこたえることはできません…ですが、いつまでも貴女のお傍に…)
咲夜は欅の間につくと、レミリアの姿を探した。
だが、どこにもいない。咲夜の脳裏に嫌な予感が過る。
咲夜は欅の間を飛び出すと隣の松の間に駆け込んだ。そして咲夜は安堵する。
咲夜の目の前には姉妹仲良くベッドの上で寝ているレミリアとフランの姿があった。
咲夜はその場を見て安心し、安堵の微笑みを浮かべると近くにあった毛布を広げ横たわる二人の肢体にそっと掛けてその場を後にした。
図書館にて~
パチュリーは一生懸命に本の整理をしていた。カウンターとは別のパチュリー専用の小部屋がある。そこで本の修繕を行っていた。
パ「むきゅ~大変だわ。この本で46冊目…本好きだから良いけど大変よね…」
コ「パチュリー様、大丈夫ですか?こちらは終わりましたので所定位置においてきますね~」
パ「う~ん、大丈夫よ?たぶん。気を付けてね~」
コ「分かりました~気を付けて下さいね~」
小悪魔はパチュリーにそういうと両手に抱えた本をもって所定位置へ歩を進める。
館内は静けさが立ち込め、聞こえるのは遠ざかるパチュリーの作業音、そして自分の歩く音のみ。
「んっ…しょっと」
小悪魔は両足のつま先に軽く力を込めて本を棚にしまいこむ。1冊。2冊。…460冊目
「ふぅ…終わった♪」
小悪魔は仕事を終えた達成感と疲労感で溜息をもらす。
そして小悪魔はパチュリーのいる小部屋に向かった。
どうだったでしょうか?
最近別のほうでも書いてるとおり現状が危ないのでまったく書けてません。
すいません。時間を見つけては、ちょこちょこ次話を書いているので投稿できるときにしますね!
それではお読みいただいた方ありがとうございました.
拙い文章力でごめんなさい・・・
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