魅魔と魔理沙 (オルナイン)
しおりを挟む

魔理沙 幼少期編
第一話


この小説は東方projectの二次創作です。原作および上海アリス幻樂団様とは一切関係ありません。


私があの悪霊(ひと)と出会ったのは、6つか7つぐらいの歳だった。

 

 

数年前

 

 

「おとうさん!今からどこに行くの?早く教えてよー!!」

「ふふふ、なんと今から霖之助のところに行くんだよだよ」

「ホントかー!こーりんのところかー!やったーー!」

「リサはいつでも元気ね・・・」

 

その頃の私は、「リサ」という名前だった。

お父さんとお母さんが付けてくれた大切な名前だ。

こーりんとは、その前から知り合いだった。近所の親戚ぐらいで私は考えていた。

 

 

 

古道具屋・香霖堂

 

 

 

「こーーりーーーん!!!」

「おぉ!リサ!来たのかい!」

「やぁ、霖之助。久しぶり」

「お久しぶりです。霧雨さん」

「元気そうね。霖之助さん」

「相変わらずで・・・」

 

こーりんとお父さんは師弟関係で会うといつもこんな会話をしていた気がする。

そんな私も、お父さんから魔法を教えてもらっていて、同年代の子供どころか

二回り位上の年齢の魔法使いと同じ位、魔法を使いこなしていた。

 

 

「こーりん!私ね、また新しい魔法を覚えたよ!」

「そうかい。リサはすごいなぁ」

「えへへ、、、」

 

 

 

 

 

 

「霖之助!」

「はい!霧雨さん」

「私たちは出かけるからリサを頼んだぞ」

「えっ?」

「リサ!霖之助さんの言うことをしっかり聞くのよ」

「うん。どこに行くの?」

「出かけるだけさ」

「じゃあね。リサ」

「いってらしゃーい!!!」

 

バタンッ

 

大きな音を立てて扉が閉まった。

それが

 

私が両親の顔を見た最後の瞬間だった。

 

 

「こーりん!遊ぼうぜ!」

「いいよ、リサ」

 

 

その日の夜

 

「リサ!見てごらん。今日は満月だよ」

「ホントか!!こーりん!!」

 

もしこの日が、満月でなければ、今の私は居なかったかもしれない。

あの悪霊(ひと)はこの日を出会いの満月(運命の月)と言っていた。

 

「お父さんもお母さんも遅いね。こーりん」

「・・・そうだね」

「・・・?こーりん?どうしたんだ?」

「リサ」

「ん?」

「ごめんね・・・リサ」

「何だ?こーりん」

「君は・・・お父さんとお母さんに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勘当されたんだ」

 

「えっ・・・?」

 

「こーりん。どうゆうことだぜ」

「つまり君は「私は捨てられたのか」

 

「っ、、そうじゃなくて・・・」

「嘘だ!!!」

「嘘じゃないんだ!リサ」

 

「だったら

 

 

 

 

 

 

嫌いだ!

 

お父さんも

お母さんも

こーりんも

 

嫌いだ!

みんな、みんな、みんなみんなみんなみんな

 

大っ嫌いだ!!!!!!!!!」

 

ドンっ

 

私はドアに覚えたての星形魔法をありったけの力でぶつけた。

ドアは一瞬で木端微塵に砕け散った。

これが、私が勘当された理由だ。

持ち過ぎた力。それは己の頼れるものを奪い去ってしまったのだ。

 

香霖堂から逃げた。

どれぐらい走っただろうか。

いつの間にか魔法の森の中心まで来ていた。

来たことない場所。見たことのない景色。

五感に感じるすべてが私を混乱させた。

森は私を惑わせた。風は私の道を塞いだ。土は私を迷わせた。

私を導いてくれるものなど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおや。こんなところに人の子とは、珍しいねぇ」

 

 

居た。

「あっ・・あんた誰?」

「私かい?私は魅魔。この森の支配者さ」

 

これが私と魅魔様の出会いだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話

前回のあらすじ

リサは親に勘当されたショックで
逃げ出した結果、「魔法の森の支配者」を名乗る悪霊と出会った。

以上


「この森の支配者・・・?」

「そうだよ。この森はあたしの物さ」

「でも、お父さんがこの森は皆の物だって・・・」

「誰だい?勝手にそんなことを言うやつは?間違いなくこの森はあたしの物だよ」

「本当?」

「当たり前だ!この森をあたし以上に知る奴なんてあたしとその友人ぐらいだよ」

「へぇーーー」

 

 

「あんた、名前はなんて言うんだい?」

「私の名前か?私の名前はリサ!人間の魔法使いだ」

「人間の魔法使い・・・?」

「どうした?」

「いや何でもない!あたしも昔は魔法使いだったからな」

「そうなのか!」

「ちょっとリサ、お前の魔法を見せておくれよ」

「いいよ!」

 

確かこのとき、香霖堂のドアを吹き飛ばした新しい魔法を使った気がする。正直あまり覚えてないが、それを見た魅魔様の第一声が、

 

「おぉ!やるじゃないか!」

 

だったのを今でも覚えている。初めて、魅魔様に褒められた瞬間だった。

 

「その年で、木を一本消し飛ばすほどの威力を持つ魔法が使えるとは驚いた。よし!次はあたしの魔法だ」

「あんたの魔法?」

「見てろー」

 

魅魔様は私が破壊した木の前に私を立たせ、私の顎の前に杖を横にして、ふっと上にあげた。

 

「え!ええええええ!」

「どうだ?すごいだろ!」

 

驚くのは、無理もないことだ。

先ほど、私が破壊した木がまるで何もなかったかのようにそこに()()()()()()()

 

「すげぇー!!どうやったんだ?」

「そんなに興奮すると、次見せる魔法は失神しちゃうぞ」

「なんだなんだ?もっとすごいのを見せてくれるのか?」

「しっかりと、目ぇ凝らしなさいよ!」

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

私が初めて見た魅魔様のスペルカードだ(この頃はまだスペルカードは存在してなかったので、この名前は魅魔様のオリジナルということになる)。

私のマスタースパークの原点である。

因みに威力はというと

 

 

「・・・!!まっ魔法の森に・・・穴が開いちゃった・・・」

 

 

森の中心部から無縁塚まできれいに見渡せるほど、木々が丸々消えていた。

 

 

「ざっとこんなもんかな」

 

 

何よりもすごいのは、それを一瞬で元に戻す魅魔様だが。

 

「すげぇ・・・」

「久々にこんな魔法を使ったから、ちょっと威力不足だったかな」

「なぁ、あんた?」

「何だい?」

「私もそんな魔法が使えるようになるか?」

「そりゃ修行を積めばね。あとこの魔法は、あたしが人から盗んだ魔法だから教えないよ」

「弟子にしてください!」

「・・・やだね」

「なっなんで・・・?」

「あんたは、強すぎる。その強さは、いつか自分の身を滅ぼすよ?」

「・・・・・・・もう・・・・・滅ぼしたよ!」

「!?」

「私は、この力でお父さんとお母さんに勘当されたんだ!」

「・・・・・覚悟はできてるかい?」

「え?」

「弟子入りを認めるんだよ!」

「ホントか!!!!」

「ただしあたしは厳しいよ!」

「どんと来い!!!」

 

 

 

 

「弟子入りするなら、あたしの名前を受け継いでもらおう」

「名前を受け継ぐ?」

「魅魔という漢字は、魅惑の魅に魔法の魔と書く。どっちがいい?」

「うーん・・・「魔」!」

「あんたの名前はリサだよね?だったら、初めに付けてマリサだな!」

「まりさ・・・かっけぇ!!」

「漢字は・・・そうだな?理想の魔法と書いて「魔理」。あんたはさっき星形魔法を使ったから、水を流れる星の砂で「沙」。合わせて「魔理沙」だ。どうだ?かっこいいだろ?」

「すげぇーーーー。あんたすげぇな!!」

「おおっと。師匠に向かってあんたは良くないな!あたしのことは「魅魔様」と呼びなさい!」

「はい!魅魔様!」

「いい心構えだ!」

「あとあんたは親に勘当されたんだったな。だったらすこし変装しよう」

「変装?」

「簡単だ。髪を赤くして、耳を尖らせよう」

「おぉぉぉ!!!すげぇぇ!!魅魔様!!!!」

 

 

 

 

こうして私は魅魔様に弟子入りした。

魅魔様が私を拾ってくれなければ、私はこーりんに捕まっていたか、魔法の森の中心で迷ってのたれ死んでいたと思う。

それぐらいあの日の月は出会いの満月(運命の月)だったわけだ。

魅魔様はこの日を最後まで、偶然の産物と言っていたが、

私は嫌でもこの日は、偶然ではなく必然だと信じたい。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話

それから約半年が経った。

 

 

「魅魔様見ててね!!」

 

 

パパパッ ドゴッ

 

「おぉ!やるようになったじゃないか。魔理沙は呑み込みが早いねぇ」

「やったぁ」

 

 

私は魅魔様のおかげで、お父さんに魔法を教えてもらっていた時よりも確実に強くなっていた。

しかし

 

 

「魔理沙?」

「ん?何?魅魔様」

「もしかして今の魔法で腕を怪我したんじゃないかい?」

「え?」

「ちょっと見せてごらん」

「うん」

「・・・あー。あんたは気づいてないけど、ここをひねっているね」

「そうなの」

「こうやって腕をひねると痛いだろ?」

「いてててててててて」

「ほらね」

 

そういうと魅魔様は杖で私の腕をそっとさする。

 

「もう痛くないだろ?」

「・・・ホントだ!!すげぇーーーー」

「あたしの得意魔法だからね」

 

魅魔様は人体改造魔法という魔法を得意としていた。

人の代謝を急激にあげたりして、傷を自分の力で治したりするのをよく私に使っていた。

 

「まったく・・・こんな魔法に頼っていたらホントは駄目なんだからな」

「えー」

「そのうちに教えてやるよ」

「ホントか!!魅魔様」

「あぁ」

 

「ふふ、、楽しそうね」

「?」

 

私は振り返ると、長い金髪で紫色の服を着た背の高い女の人がいた。

 

「あんた誰だ?」

「ふふふ、、、貴女が魔理沙ちゃんね?」

「そうだよ。何で知ってんの?」

「こいつは、私の旧友だからだよ。魔理沙」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「名前は八雲紫。

なかなかやるスキマ妖怪だ」

 

「スキマ?紫?」

 

 

「魔理沙はまだ分からないか?」

「でしょうね」

「で今日は何の用だ?」

「ちょっとお話をしようと思ってね」

「話?あの事か?」

「あら察しがよくて」

「何年の付き合いだと思ってんだよ」

「そうね。貴女が幻想郷に来てそろそろ百年?いやそれよりも前だったかしら?」

「そんなもんだな。さてと魔理沙はここで練習を続けていてくれ」

「うん・・・・」

「紫。場所を変えようか」

「そうね」

 

 

 

 

 

「・・・疲れたな」

 

人体改造魔法の代償として凄まじい疲労感が私を襲った。

 

 

 

 

無人の小屋

魔法の森を隅々まで探し歩いても見つからないようなところにそれはあった。

小屋の周りには、湿気によってコケやキノコが群がるように生えていた。

 

 

「ふわー」

「おはよう魔理沙」

「おはよう魅魔様・・・あれ?」

「まったく驚いたよ。戻ったらあんたが寝てるんだもん」

「へへへごめん、魅魔様」

「もう少し体力を付けなきゃね」

「分かった。ところで何作ってんの?」

「これかい?」

 

そう言うと魅魔様は手にした木の棒をこちらに見せた。

 

「これは魔法の箒だよ」

「まさかそれで飛ぶのか!!」

「ご名答」

「すげーーーーーーーー。魅魔様、箒を作れるんだ!!!」

「当たり前だろ。そのうちに魔理沙にも作り方を教えてやるよ」

 

 

数日後

 

 

「箒に魔力を集めるようにイメージするんだ」

「・・・・」

「自分は飛べると感じるんだ」

「・・・・・・・・」

「イメージが固まったら、思いっきり地面を「蹴り上げる!!!!」」

 

 

ブワッ

 

 

「おおおおおおおおおおおお」

「飛べたじゃないか。そのまま旋回してごらん」

「こっこうか・・・」

「出来てる出来てる。よしそのまま妖怪の山まで行こうか」

「えー無理だよ」

「そんなこと言ってたら、ちゃんと飛べないぞ」

「分かった」

 

 

 

この後聞いた話によると、このとき私はまだ自分の魔力で飛べなかったらしい。

そのため、魅魔様が私を支えていたそうだ。

なのでこのときに、自分の力で飛べたと勘違いしてめっちゃ喜んでいたこのときの記憶を思い出すと

かなり恥ずかしかったりする。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四話

話すことがなくなってきたぜ。

正直、この頃の記憶なんてかなり衝撃がないと覚えていないからな。

よく考えると、今の私の半分の年齢ですらない時だからな・・・。

 

そういえば、私が初めて霊夢と会ったのは、この頃だった気がする。

 

 

 

 

 

初夏

 

「縁日に行きたい?」

「うん!!博麗神社ってところでやるんだって!!」

「うーん・・・縁日ねぇ」

「私行ったことがないんだよ!ねぇ連れてってよぉ!!!」

「まぁいいか。よし、縁日に行くよ!!」

「やったーー!」

 

 

 

博麗神社

 

「ヤツメウナギーー。焼きヤツメウナギーーー。おいしいよーーーーー」

「カキ氷ーーーー!!」

「元祖!!虫すくいはどうですかーーー」

「カラーウサギあるよ。ウサッ」

 

 

「すげぇーーーーーーーー」

「思ったより妖怪が居るな・・・。本当に妖怪退治の巫女の神社かよ」

「魅魔様なんか言った?」

「いや何でもないよ!魔理沙、食べたいものは無いかい?」

「うーんとねぇ・・・ウナギ!!」

「分かったちょっと待ってろ」

 

 

「ヤツメウナギ!!おいしいよーーーーー」

「ウナギよこしな!」

「まいd・・・あっあんたは・・・・」

「ん?あたしの顔になんかついてるかい?」

「いやそんなことはありませんよ!!!!」

「そうかい?なら、いいんだけどなぁ?」

「ええ!ホントに!!!」

「ウナギ」

「はい?」

「ウナギをよこせって言ってんだ。二つ!!」

「はい!!分かりました!!どうぞどうぞ」

「ありがとねぇ・・・」

 

 

「魔理沙!!お待たせ」

「魅魔様・・・・なんかさっきから周りの人がよけてる気がするよ?」

「そんなことないさ!!魔理沙、食べたいものは何でもいいな」

「分かった・・・」

 

 

 

博麗神社 賽銭箱前

 

 

「もうお腹いっぱい・・・」

「そうか・・・良かったね」

「魅魔様は食べないのか?」

「あたしはいいよ。あんたの笑顔を見るだけで十分」

「へぇーーーーー」

 

ザッザッ

 

 

「!!・・・誰か来る!!」

「ホントだねぇ・・・」

 

 

「気配を感じると思えば、魅魔だったのね」

「紫か・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

 

 

「紫」

「何?」

「そっちのちっちゃいのは誰だ?」

「この子は次期の巫女よ」

「ほう・・・」

 

 

 

 

 

 

「プププ」

「何がおかしいのよ!」

「ちっちゃいのだって・・・ププ」

「あたしちっちゃくないもん!!!あんただって変な髪の色!!」

「これは魅魔様が染めてくれたんだ!!かっこいいだろ」

「んーん!変!!」

「何だと!!言っとくけど私は強いんだぞ!!」

「そんなこと言ったら、私だって強いわよ!!」

「やるか?」

「もちろん!」

 

 

 

「駄目だ」

「そうね」

 

 

「何で?魅魔様?」

「そうだよ紫!!」

「あんたたちまだちゃんと、戦えないから」

「空回りされて、怪我でもされたらこっちが困るわ」

「「そんなーーー」」

「・・・そうだ!だったら代わりに私たちが戦えばいい!!」

「「えっ?」」

「あんたたちの師匠は私たちなんだ。私たちが戦って勝ったほうの弟子が強いということだ。

 

 

なぁ紫?」

 

「面白いわねぇ・・・。

 

早く始めましょう」

 

 

博麗神社 鳥居の向こう側は外の世界と隣接している。

しかし強い妖力によって見事なバランスをとっている不思議な空間。

その神社の前に、「最強の妖怪」と「最恐の悪霊」がにらみを利かせていた。

 

私たちは、賽銭箱の前に座らされ、周りにはこれでもかというほどの結界が張られていた。

ついでに紫の式神がついていた。

 

 

 

「何年振りだろうな・・・お前とこうやってやりあうのは・・・」

「かれこれ100年ぐらいじゃないかしら?」

「互いに長生きすると記憶が薄れていくな」

「本当ね・・・。歳をとるのは嫌ねぇ・・・」

 

ガァン!!!

 

目にもとまらぬ速さ・・・いやこの場合は、いつの間にかと言っていいだろう。

 

魅魔様は紫の顔めがけて、杖を突きだした。

 

しかし紫もその杖を扇で軽く受け止めていた。

 

ザッ

 

二人は大きく後ろに下がる。

 

 

 

 

「魔理沙!!魔法陣の書き方を教えてやる!!」

「霊夢。結界の張り方を見せるわよ!!」

 

「まず、自分の出したい魔法のイメージを固める!!」

「相手の出す攻撃の強さを予想するのよ」

 

「イメージが固まったら・・・一気に書く!!」

魅魔様は杖で地面を叩くとそこに魔法陣を書く。

 

「予想がついたら、力をためる」

紫は周りの気流が変わるほどの力をためる。

 

 

 

「そして思いっきり・・・

 

 

 

ぶっ放す!!!」

 

 

流星「スターダストラッシュ」

 

 

 

「そして全力で

 

 

 

張り上げる!!!!」

 

結界「客観結界」

 

 

地面から発射された星屑は、90度曲がると一斉に紫の結界に突っ込み消える。

しかし星屑の数があり得ないほど多い。

横から見ている私たちの10メートルもないぐらいの距離にある鳥居が見えないのだ。

 

 

バリン

 

突然、結界が割れる音がした。

紫を見ると煙に包まれている。

 

「うそ・・・」

 

隣の巫女が呟く。

 

と思うな否や煙は風圧で消し飛ぶ。

 

ガァン

 

今度は紫が魅魔様との距離を縮めていた。

さらに畳んだ扇の先端から刃のようなもので突き立てていた。

 

魅魔様はそれを杖の柄の中心で受け止める。

 

 

 

すろと扇の刃と杖の間にスキマが開かれた。

刃はスキマの中に入ると

 

 

 

 

 

 

魅魔様の顔の目の前から出てきた。

 

 

 

 

 

 

魅魔様はそれを分かっていたように

右に体を傾けてかわすと

そのまま回転させて

弧を描くように杖を振りあげる。

 

 

紫は体を反転させて傘で受け止める。

 

 

 

 

 

 

しかし傘は衝撃に耐えきれず杖が大きくめり込む。

紫は傘を捨て、いったん逃げようと試みる。

だが

 

 

「っ!!」

 

 

足には、どこから生えてきたか植物の根が紫を縛っていた。

 

それどころか、さらに成長して紫の体に巻き付く。

 

 

 

 

魅魔様は下がると、杖の先から黒い刃を出す。

先ほどの紫と同じように。

 

 

 

 

 

 

躊躇なく紫に突き刺す。

刃は紫を貫く。

その刃は振り下ろされる。

 

 

本来なら紫は真っ二つだ。 そう()()なら

 

 

刃は植物だけを切り、紫は傷一つなくそこに立っていた。

 

 

 

「何やった?」

「植物と私の境界をいじって切れないようにしただけよ」

「なるほど・・・」

 

 

 

 

「やっぱりあんたとは、普通に戦えないね」

「本当ね。お互いに手加減しちゃう」

「あれ、やるか?」

「構わないけど?」

 

 

 

 

 

 

二人は会話を終わらせると大きく後ろに下がる。

魅魔様は5メートルほど上昇し、紫は扇を投げ捨てた。

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

ブワッ

 

 

魅魔様の背後に先ほどと比べ物にならないほどの大きさの魔法陣が現れる。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

ザァァァ

 

 

紫の周りにも不思議な気流が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隕石「白亜紀末の巨大隕石」

超結「完全防御の五重結界」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法陣から放たれたのは、巨大な光の集合体だった。

紫から作られた結界は、最初に出したものと比べ物にならない強さだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光と結界はゆっくりとぶつかり合う。

 

 

その瞬間、衝撃波が私たちを守っていた結界を一瞬で破る。

 

 

無防備になった私たちに衝撃波がぶつかる。

 

 

目もあけられないほどの衝撃波にもかかわらず私はじっとそれを見ていた。

 

 

光は少しづつ小さくなっていた。

 

 

バリンッ

 

 

紫の結界が一つ割れた。

 

 

バリンッバリンッ

 

 

一気に二つ割れる。

 

 

それと同時に、光も小さくなっていく。

 

 

バリンッ

 

 

四つ目が割れた。

 

 

そして

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォォォォンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!

 

 

 

最後の結界が割れると同時に光も消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・魅魔様!!!!」

「紫!!!!」

 

 

 

 

 

二人ともぼろぼろの状態で倒れていた。

 

「近づいちゃ駄目だ!!」

「「えっ?」」

 

紫の式神が叫ぶ。

同時に

 

 

ムクッ

 

 

二人は起き上がる。

 

 

「・・・魅・・・・魔様?」

「・・・・・・・紫?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫?」

「何よ?」

「やっぱ手加減してたんじゃないの?」

「気に要らなかったかしら?」

「いつも思うんだ。あたしたち受け攻めが決まってる」

「そうね。変えてみるのもいいわねぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

第二ラウンドの始まりだった。 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五話

「・・・・」

 

二人の目からは殺気が感じられた。

もうすでに、ことの発単が私たちにあることを忘れているようにも思えた。

 

 

 

「こっちに来なさい」

 

 

式神が私たちを呼ぶ。

 

しかし動くことが出来なかった。

二人の出す重たい空気に押しつぶされている気がした。

足が一寸たりと動かない。

 

 

「あ・・・・・う・・・・・・・・・」

 

 

不意に巫女が声を上げた。

息を漏らしたわけでも、動こうとして私に呼びかけたわけでもない。

静かに泣いていた。声もまともに出ないほど恐怖に押されていた。

 

 

 

 

 

魅魔様は落ちていた杖をゆっくりと持ち上げる。

紫も扇を拾いに行こうとする。だがその前に植物が紫の扇を拾いあげて紫の目の前まで持ってくる。

 

 

「貴女の植物育成魔法。こんなこともできたのね?」

「流石に上達するよ。何年やってると思ってるの?」

「さぁ?忘れたわ。もう年なんで」

「むしろこれから・・・なんじゃないの?」

「なるほどね・・・だからこうやって戦いを重ねるたびに、結界に影響が出ちゃうのね」

「知らないぞ。そんなこと言っても」

「別に責任取ってほしいわけじゃないもの」

 

 

 

 

その時、私たちはいつの間にか神社の屋根の上にいることに気付いた。

おそらく紫がスキマで送ってくれたのだろう。

そんな思考を広げる暇などその時は無かったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫はクナイ型の弾丸を扇形にそして大量に発射した。

その数約300ほど。

 

かわしきるなど到底無理であろうその弾丸をこともあろうか魅魔様は

 

 

 

 

受け止めた。

 

 

 

 

すべてではない。しかし当たった分は100はあるだろう。

しかし魅魔様は涼しい顔で受け止めた。

 

 

 

「以外ね。貴女の事だから、てっきり「攻撃は最大の防御だ!」なんて言うと思っていたのに」

 

 

「別に。かわす気がなかっただけ。にしても弱すぎない?」

 

 

「だったら・・・・・・」

 

 

 

紫はレーザーを三本放つ。

 

魅魔様は右に避ける。

 

 

 

レーザーも右に曲がる。

 

 

魅魔様はギリギリで上昇してかわす。

 

レーザーも上に伸びる。

 

「なっ・・・!?」

 

グサッ

 

レーザーが魅魔様の肩を貫く。

 

 

 

 

「痛ったぁ・・・」

「あら?弱気ねぇ」

「そんなことあるとでも思ってんの?」

「まさか?」

 

 

すかさず紫は、クナイ型の弾丸を発射する。

しかし魅魔様はかわさずにまた

 

 

受け止めた。

 

 

 

 

「っ、、、」

「何をしているの?あっさりと自滅でもするわけ?」

「何度も言うわよ。まさか?」

 

 

 

その瞬間紫は宙に浮いた。

否、引きずりあげられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高速で移動した魅魔様本人によって

 

 

 

 

 

 

 

「なっ・・・!?」

「どうした?抵抗しないならどんどん行っちゃうよ!!」

 

 

魅魔様の言葉に躊躇はない。

紫を地面に叩き付けると、追い打ちと言わんばかりに星形魔法打ち込む。

紫はとっさに結界を張り抵抗するが

その攻撃はダミーだった。

 

 

 

 

ズバァァ

 

 

 

 

紫の四方から巨大な植物のツタが伸びる。

そしてすべてのツタが紫を串刺しにするがごとく突き刺さる。

 

紫はそれをギリギリ紙一枚ほどでかわす。

だがすべてかわせた訳ではない。

生々しいかすり傷が見えていた。

 

 

 

 

 

ザクッザクッ

 

 

 

 

ツタが紫の刃によって切り落とされる。

 

 

 

 

 

「やるじゃない」

「一応褒め言葉として受け取っとくよ」

「素直に受け止めなさいよ」

「まさか?」

「・・・いやな性格ねぇ」

「お互い様だろ?」

「残念ながら今の攻防であと大技一発しか放てないわ」

「奇遇だな。私もそれを受け止められるぐらいしか力が残ってない」

 

 

「「もっかいやるわよ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃線「ぶらり廃線下車の旅」

植壁「植物家屋(グリーンハウス)の防御壁」

 

 

 

 

 

 

 

 

紫はスキマから電車を呼び出し魅魔様にぶつける。

 

魅魔様は地面から植物を生やして複雑に絡ませ正方形の壁を作る。

 

 

 

 

 

ズガッ

 

 

電車が壁にぶつかる。

 

 

 

壁に大きく電車がめり込むと一瞬止まる。

 

 

と思いきや、壁の四隅から巨大なつたが伸びて電車を絡める。

 

 

電車と植物が互いに押し合い

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

メゴッ!!!!

 

 

 

 

 

ツタに絡まれていた電車の一部がへこむ。

 

 

 

 

 

 

 

と同時に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボコッ!!!

 

 

電車が壁を貫く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魅魔様はそのまま轢かれた。

 

 

 

 

「ふっ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

魅魔様は吹き飛びながらつぶやく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳だ。お前らの師匠は同じぐらいの強さだから」

「あなたたちも同じぐらい強さということよ」

「「はっ・・・はい・・・・・・」」

 

 

 

 

もうすっかり暗くなっていた。

しかし先ほどまで戦っていた二人はもう息を整えていた。

 

 

「そろそろあの時間だな!」

「ふふ・・そうね・・・・」

「あの時間?」

「なにそれ?」

 

 

 

ヒューーーーーーーーーー・・・・・・

 

 

 

 

ドーーーーーーーーーーーン

 

 

 

 

 

「なんだなんだ!?」

「わーーーキレイ!」

 

 

 

私たちの目に映ったのは、大きな花火だった。

 

 

 

「すげーーーーーーーー」

「わーーーーーーーーー」

 

 

 

「二人で見に行っておいで」

「いいのか?魅魔様!!」

「あなたも行ってきな」

「分かった紫!!」

 

 

 

 

 

私たちは、空中から花火を見た。

地上から見るのとは違う美しさだった。

 

 

 

 

 

その後霊夢とは、十年ほど会えなくなるのだが

再会の時の話はまた別の時に話そうと思う。




太刀のシーンはもう書きたくない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魔理沙 思春期編
第六話


時間を一気に飛ばそう。

私が15歳ごろ

ちょうど思春期の頃だ。

 

ガッツリと飛んでしまった前回から今回までの時間に私は色々な魔法を覚えていた。

特に人体改造魔法は、難しい魔法なので魅魔様でさえ覚えられるか心配だったようだが

私は結構あっさりと覚え自分の体の一部の筋力を大きく上げられるようになっていた。

 

もちろん成長したのは、魔法だけではない。

第二次成長期。体だって成長した。

この頃の私の身長は今と同じ150㎝ぐらいだ。

因みに魅魔様は、190㎝ほどあった。こーりんを軽く見下ろせるほどの高さだ。

さらにこの身長は足がない時の物なので、足を出すとさらに5㎝ほど大きくなった。

デカ過ぎだ。

 

また魅魔様は悪霊のためか質量を感じない。

触覚は働いているので物には触れるがその重さが分からないということだ。

なので魅魔様と腕相撲をすると私の腕の質量を感じないので瞬殺された。

チート過ぎだ。

 

しかしそれと対照的に魅魔様の杖はとても重たい。

膝ぐらいの高さから真っ直ぐに落とすと半分ほど地面に埋まるほど重たい。

新しく覚えた人体改造魔法を使っても持ち上がらないほど重たい。

だが魅魔様は質量を感じることはないので、片手で軽々と・・・

いやホントに軽々と持ち上げてしまう。

ついでに武器としても使うので狭い森の中で模擬の戦いをすると

何本か木がなぎ倒されていた。

怖すぎだ。

 

 

 

 

 

 

 

そんな風に楽しく毎日を過ごしていたある日の事だった。

 

 

 

 

「寝れん」

 

 

 

私はベッドから身を起して呟いた。

 

なんというか軽い胸騒ぎをしていた。

 

季節は秋の初め

 

空には大きな満月が浮かんでいた。

 

まだ残暑が残るような季節だったので少し寝苦しいと感じていたのかもしれない。

 

 

 

「散歩にでも行くか」

 

 

散歩と言っているが、箒にまたがってブラブラ空を飛ぶだけだ。

 

私は寝巻の上に上着を羽織り箒をつかんで自室を出る。

 

 

 

「あれ?魅魔様がいない・・・」

 

 

このころ住んでいたのは私が今も住んでいる霧雨魔法店である。

自室を出た先にあるのは現在の店舗にあたる部分だ。

 

「・・・まぁいいか。どっかで会えんだろ」

 

と気楽な気持ちで私は出かけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法の森の中心。そこに少し開けた空間がある。

 

私が魅魔様と出会った場所でもある。

 

私はいつもそこから、空に飛び出していた。

 

そこに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーーん・・・まだ少し暑いなぁ。少し汗ばんでしまった。

 

 

 

 

ん?誰かいる」

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・・・」

 

 

 

 

「・・・魅魔様?」

 

 

 

 

 

 

 

魅魔様がいた。

しかしいつもは見ないような、疲れた顔をしていた。

 

 

 

「どうしたんだろ・・・うっ!!!」

 

 

 

 

私は思わず大きな声を出してしまった。

魅魔様が超高速で空に飛びたってしまったからだ。

 

「マジかっ!!追いかけなきゃ!!!」

 

なぜそんな考えに至ったか分からないけど私は魅魔様を追いかけることにした。

 

「覚えたての新しい魔法を使う時が来たぜ!」

 

 

 

彗星「ブレイジングスター」

 

 

 

私は一気に空を上る。

 

 

 

 

 

どんどん地面と自分が離れていくのが肌で感じる。

 

 

 

 

 

空気はどんどん薄くなり、意識が朦朧となってくる。

 

 

 

 

 

 

ついに雲を貫いた。

 

 

 

「あっ!」

 

 

魅魔様がいた。

 

 

 

月に体を向けていた。

 

 

 

月から力を受けていた。

 

 

 

全身を広げ、月からも一直線に光が魅魔様に届いていた。

 

 

「な・・・なんだ・・・これ・・・は・・・・・」

 

 

 

私はそこで意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁっ!?」

 

 

目が覚めた。

いつものベッドの上で。

寝汗とは言い難いような汗をかいていた。

 

おねしょと言われても仕方ないぐらいだ。

 

 

「やっべぇ、気持ち悪い汗のかき方だ。着替えよ」

 

 

 

クローゼットから替えの寝巻を取り出し着替える。

 

ついでにパンツも変える。

 

 

 

次にシーツをはぎ取る。

 

軽く絞ってみたら、ポタポタ垂れてきた。

 

気持ち悪っ!!

 

軽く絶句した。

 

流石にこのままでは脱水症状で倒れてしまう。

私は水を飲むために一度自室を出た。

 

そこには魅魔様がいた。

 

 

「眠れないかい?」

「むしろ寝すぎて変な汗が出た」

「髪がびちゃびちゃじゃない。ちゃんと拭かないと駄目よ」

「はーい」

 

 

 

 

「変な夢?」

「うん。寝れないから散歩に行ったら魅魔様がいて空に飛んでっちゃうんだ」

「それで?」

「追いかけて、雲の上まで行くと意識が無くなっていくんだ。でも魅魔様が月から力を受けているところを見た」

「・・・・・・・」

「そこで意識が無くなって、気づいたらベッドの上にいた」

「あんた下手したら死んでんじゃん」

「下手して無いから死んでない」

「あとそれは夢じゃない」

「・・・・・え?」

「それは夢じゃない。事実だ」

「・・・どういうことだ・・・ぜ?」

 

 

 

 

 

「魔理沙にはまだ悪霊のことをちゃんと話してなかったね

「悪霊とは人間が死んでからなるものだ

「あたしは昔人間だったわけだ

「最初から悪霊はいないんだよ

「そして悪霊になれば力の源も変わる

「あたしたちは月から力を得る

「さらに月の満ち欠けで力が増減する

「あんたと初めて会った時も満月だっただろ

「つまりあたしの力が一番強い時だったわけだ

「あの時、あんたを拾えたのはそのおかげでもあったんだよ

「あたしの力が強かったからこそあんたを見つけられたんだ

「まさに「出会いの満月(運命の月)」だろ?

「あの日も月からエネルギーを受け取るためにあそこに行ったんだ

「雲の上まで行くのは、受け取りやすいからだ

「地上からだと力が乱れるんだよ

「だから

「もう二度と私が力を受けるときについてきちゃだめだよ」

 

 

「あぁ・・分かった」

 

「そうかい。今日はもう寝なさい」

 

「うん」

 

「お休み、魔理沙」

 

「お休み、魅魔様」

 

 

 

 

 

 

 

私は魅魔様が言った一言が耳から離れなかった。

 

 

 

 

「悪霊は死んでからなるものだ」

 

 

 

 

 

つまり魅魔様は悪霊のまま成仏もせずにこの世にしがみついているということになる。

 

結局その日は眠りにつくことはなかった。




伏線回収に前の話を見たら
前回のあらすじやってたwww
完全に忘れてたわwwwww


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七話

魅魔様と話をして一か月程たったある日

 

私は結局、魅魔様に例の事を聞けずにいた。

 

その日は、年末に差し掛かっていたので大掃除をしていた。

 

 

「チクショー。何でこんなに埃がたまるんだぜ」

「あらら、ネズミが巣を作ってる。えい!」

 

 

ヂュヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!!!???????

 

 

「なっ・・・何をやったんだ・・・・・・・ぜ?」

「あとで埋めとかないと」

「怖----」

 

 

地味にこの悲鳴がトラウマになっているので、あまり思い出したくない。

 

 

 

「さてこんなもんだろう。お掃除終わり!!お茶にしようか、魔理沙?」

「賛成だぜ!」

「じゃあ、お湯を沸かしておくれ」

「えっ!?冗談じゃないぜ!」

「ネズミと運命を共にするかい?」

「今すぐ沸かすぜ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろあんたにも魔法道具が必要だねぇ・・・」

「魔法道具?」

 

私はお湯を沸かしながら聞き返す。

 

「ああ魔法道具。私の杖のように魔法を使うのをサポートしてくれる道具だ」

「箒じゃダメなのか?」

「箒でも構わないけどちょっと力が足りないかな。

あんたの使う魔法は消費が激しいから、多分すぐに駄目になるかもしれないし」

「そうか」

「気にすることはないよ。すぐにでも持たしてあげるから」

「本当か?」

「当たり前だ。楽しみにしてなさい」

「はーい」

 

 

 

 

コンコン

 

 

 

その時、扉からノックの音がした。

 

 

 

 

「お客さんか?」

「まさか?こんなところに来れるわけない」

 

 

 

と魅魔様は言うと、扉を開ける。

 

 

そこに、二人の鎌を持った女の人がいた。

 

 

 

「あんたが魅魔だな?」

「閻魔さまのところに連れていく」

「ちっ・・・死神か」

 

 

 

 

 

 

 

「時間をよこせ?」

「どうせ戦うんだから、少し時間をくれないか?ちょっとだけ弟子と話したい」

「わかった」

 

 

 

 

 

「魅魔様!死神って・・・」

「安心しろすぐに終わる!ただもしかしたら私が負けてしまうこともあるかもしれない」

「負けたら?」

「閻魔に裁かれて、地獄行きだな・・・」

「そんな・・・・・」

「大丈夫!相手は二人ががりだが何とかなる。いや何とかする!絶対だ!」

「本当?」

「任せなさい!でも・・・」

「でも?」

「あんたのことは大好きだったよ。魔理沙」

 

 

 

と言って魅魔様は私を抱きしめた。

 

 

 

「もういいかい?」

「構わんよ!始めようか?」

「じゃあ・・・」

 

 

 

「「地獄行きだ!!!」」

 

 

 

 

死神は、能力で一気に差を詰める。

それに対して魅魔様は杖を地面に突き刺す。

 

 

 

 

 

死神はそのまま魅魔様に切りかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

と思いきや、魅魔様は下に潜り込んで腹部に両手同時に突きを出す。

 

 

死神は後ろにぶっ飛んだ。

そして大木にぶち当たる。

 

 

 

「ガハッ!?」

「グフッ!?」

 

 

 

 

「まぁこんなもんか?実際処理するのはこれだけだしな」

 

 

魅魔様はぶっ飛んだ衝撃で死神が手放してしまった鎌を拾い上げる。

 

 

 

「よいしょ」

バァキィ!!

 

 

 

鎌は一瞬で砕け散ってしまった。

 

 

 

 

 

「じゃ、帰りな!あとついでに閻魔には私が直に会いに行ってやるからそう伝えとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その必要はありませんわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

噂をすれば影

 

 

そいつはとって計ったように現れた。

 

 

 

「初めまして。でよろしかったですよね?魅魔」

「そうだな。あんたが幻想郷の閻魔か?」

「そうです。私の名前は四季映姫・ヤマザナドゥ。お見知りおきを」

「・・・よろしく。まさか閻魔直々に地獄連れにしようとするとわな」

「残念ながら貴女の判断は誤っています。私は自分から動きません」

「・・・・・・ひどい上司だ」

「今回は貴女の様子を見に来たのと・・・」

「見に来たのと?」

「貴女が善行を積むためのお説教です」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳でこれからはしっかりと善行を務めなさい!」

「・・・・・はい。分かりました」

「それでは、貴女を裁く日を楽しみにしてますよ。いつでもおいでください」

「分かりました」

 

 

 

 

 

私は人生で魅魔様を口だけで倒した人(人じゃないけど)を

見た最初で最後の瞬間だった。

 

瞬間と言っているが実際は2時間ほどだ。

 

 

 

 

「魅魔様・・・お疲れ様」

「ホントにお疲れだよーーーー。死にたい」

「いやもう死んでんじゃん!」

「いつでも裁きますよ」ヒョコッ(閻魔

「「わぁ!?帰ってくんな!!!!」」

 

 

飛んだ・・・いや、ぶっ飛んだ年末だった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第八話

それは、軽い駄目元で聞いてみた。

 

 

「誕生日?」

「そうだよ!魅魔様の誕生日!一体いつなんだ?」

「長いこと、祝ってなかったからねぇ・・・いつだったか?」

「忘れたのか?」

「・・・・・あぁ!思い出した」

「いつだ!いつだ!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・一昨日だ」

 

 

 

 

 

 

「まぁそんなに落ち込むこともないじゃないか」

「でも~」

「そんなに祝いたかったのかい?」

「・・・うん」

「じゃあ祝ってもらおうかな?」

「えっ!いいのか!?」

「よし!早く支度しな!今から出かけるよ!!」

 

 

 

 

 

 

「何で今から人里に行くんだ?」

「ケーキの材料を買いに行くんだよ」

「ケーキ?」

「あたしが毎年あんたの誕生日に作ってるだろ?忘れたとは言わせないよ」

「あぁ、あれか・・・作ってる?」

「あたしの誕生日なんだからあんたに作ってもらうよ!!あたしを唸らせるとびっきりのケーキを作らないと承知しないんだから」

「・・・は・・・・・はい」

 

 

という訳で私たちは人里まで空を走るのだった。

 

 

人里

 

 

 

「なぁ魅魔様?」

「なんだい?魔理沙」

「なんで私たちはわざわざ和服を着て、髪を黒く染めて下駄をはいているんだ?」

「軽い変装だよ。あんまり派手だといろいろ言われるからね」

「そうか?」

「あんたは元々綺麗な金髪だったし、私に出会って変装の意味も込めて赤毛にしてるけど

本当は黒が一番目立たないんだよ。あたしはあまり好まないけど」

「でもそう考えたら、私も黒髪じゃないとなんかつじつまが合わなくないか?」

「魔法の森に棲んでいる人間の魔法使いは、だいたい金髪なんだ」

「へぇそうなんだ・・・」

「だからあんたも金髪なんだよ。まずは何を買おうかねぇ」

「買うって言ってもお金はどうするんだ?」

「簡単だ。人体改造魔法の応用だよ」

「?」

「まぁ見てなさい」

 

 

 

と言うと魅魔様は男の人に近づいて行った。

 

 

 

「そこのお兄さん!」

「・・・・・」

「無視しないでよ~。ちょっとだけ話を聞いてくれない?」

「なっ何ですか?」

「あたしは薬屋なんだけどね、お兄さんあんまり元気そうじゃなかったからオススメしたい薬があるからさ~。ね?買ってかない?」

「おっ、お断りしますっ、、、」

「そんなこと言わないでさ~。ねぇ、お兄さん?」

「う、、、」

「買って・・・くれるよね?」

「買います、、、」

 

 

 

 

「ほい。売れたよ」

「押し売りじゃないのか?」

「まさか?あの薬はちゃんと効果があるし、しばらくビンビンだよ。あの人」

「それは元気のことだよな?」

「ん~?」

「「ん~?」って、おいおい・・・」

「さぁ!じゃんじゃん売るわよ!魔理沙手伝いなさい!」

 

 

 

数時間後

 

 

 

「すげぇ・・・・全部売れた」

「あたしの色仕掛けもまだまだね!」

「えっ?色仕掛け?」

「あー、こっちの話。さっさとケーキの材料買うわよ!」

「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女・・・魅魔じゃないですか?」

 

 

 

不意に後ろから声がする。

 

 

 

見ると八歳ぐらいの女の子がいた。

 

 

「魅魔だって?」「あの伝説の?」「幻想郷を滅ぼしかけた」

 

 

周りからそんな言葉が聞こえる。

 

 

「み、魅魔様?」

「稗田か?転生してそんなに時間が経ってないようだな?」

「文献にある特徴とピッタリです。今更、人里に何の用ですか?」

「ケーキの材料を買いに来た」

「ケーキ?ふざけないで下さい!!」

「ふざけてないさ。質問にありのままに答えただけさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!俺さっきそいつから薬を買ったんだけどよぉ・・・」

 

 

「薬!?貴女まさか」

「別に怪しい薬じゃないさ。体に害はないしむしろ力がみなぎるよ」

「嘘は言ってないんですね」

「当たり前だ、これ以上の事は何も言う気はないよ?」

 

 

 

「魅魔様・・・」

 

 

 

その時私の後頭部に石が飛んできた。

ゴッ

鈍い音が聞こえる。

 

 

 

 

「痛ってぇ・・・何すんだよ!!」

 

 

 

私が叫んだ先には、稗田という娘より一回り小さいぐらいの男の子がいた。

 

 

「出てけ!!僕たちの里から出tズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 

すべていう前に男の子は吹き飛ばされた。

 

 

 

 

「魅魔!貴女なんて事を「黙れ!!」

 

 

 

 

「とやかく言うのは私だけにしろ!魔理沙は関係ないだろ!!!」

 

 

「しかし魅魔よ!今のh「五月蠅い!!!」

 

 

 

「魔理沙はあたしの娘だ!!これ以上何かやってみろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次こそ幻想郷を消すぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「魅魔様・・・」

「魔理沙、ごめんよ。もう帰ろうか」

「うん・・・」

 

 

 

 

 

 

帰り道、まだ日は高く、しかし私たちの気持ちはとても低いところにあるようだった。

 

 

 

「ちょっと寄り道するよ」

「えっ?」

「話があるんだ」

「うん」

 

 

と言って魅魔様は森の中心の方向に向かって旋回した。

 

 

 

 

 

 

私たちは森の中心にある開けた場所に着地する。

 

言わずも知れた魅魔様との出会いの場所だ。

 

 

 

 

「この木を見てごらん」

 

 

 

魅魔様は指さす。

 

そこには森には似合わないほど小さく真っ直ぐな木があった。

 

 

「魔理沙。前に悪霊の話はしたよね」

「うん」

「じゃあ、今度は何で私が悪霊になったかを話さないといけないね・・・」

「・・・・」

「準備はいいかい?」

「・・・・・・うん」

 

 

 

私が一番気になっていた話を聞く日が来た。




そろそろ伏線回収に専念しないと

ついでに次回の語り部は「魅魔様」です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九話

まずは、あたしの生まれた時の話をしようか。

 

あたしが生まれたのは、幻想郷を出て海を越えて大陸を抜けた西の端にある小さい国だ。

国といっても小さい国の更に西の端にある村だ。

その村の二人しかいない魔法使いの夫婦の間からあたしは生まれた。

もちろんあたしは魔法使いとして育てられた。人間の魔法使いしてね。

あたしの親は、薬を作っていた。魔法でね。

風邪薬から栄養剤まで、幅広く。

そんな魔法の一つに「人体改造魔法」があった。

代謝を上げたりが主だったかな。あんたみたいに自分の強化にはあんまり使わなかったな。

まぁ、その魔法が私たち一家を変えてしまった。

 

 

 

ある年、酷い伝染病が流行ったんだ。

感染したら、体がどんどん弱っていって、最後に死んでしまう病だった。

あたしの周りの村は次々に消えていった。

でもあたしの村は違った。

人体改造魔法の力を使って代謝を上げることで伝染病の原因の細菌が死ぬことが分かったからだ。

だから、村で死人は二人しか出なかった。

あたしの親だけさ。

治療にあたっていたら、伝染病になっちまった。二人同時にさ。

魔法も使えないほど、弱った二人は同時に死んじまった。

情けないよね。あたしの親なのに。

伝染病に唯一効く魔法が使える人がその伝染病で死んじゃうなんてさ。

あたしは、そのまま近所の家に引き取られることになった。

親が死んだ日にあたしは誓ったさ。

「二人を超える魔法使いになってやる」

強くね。

 

 

 

それからあたしは魔法の研究にいそしんだ。

寝る間も惜しんで研究に没頭した。

友達と遊んだりもせず、一日の大半を研究につぎ込んだ。

二人を超えるために。

そしてあたしは、いつの間にか15歳になっていた。

で、お嫁に行った。

別段当時は不思議な話じゃないさ。

むしろ早く旦那を見つけないと大変な時代だったんだよ。

あたしの旦那はねとても優しい人であたしより10も上だったんだけどいつも可愛がってもらったもんだよ。

周りからは、夫婦というより親子に見えたんじゃないかな。

そんな旦那はいつもあたしを応援してくれて魔法の研究のサポートをしてくれた。

毎日、幸せだったよ。

誰もあたしを否定しない。そんな毎日だった。

 

 

 

戦争があった。

あたしの国が隣国のもっと小さい国を侵略し始めた。

最初は軍隊が出動してたんだけど、戦力不足で国民からも出兵することになった。

あたしの旦那もその対象になった。

一年もせずに戦争は終わった。

近所の人々が再会で涙を流す中、あたしのもとに来たのは一枚の死亡通達の紙だった。

10も違う嫁とその嫁の腹に子供を残して死んじまった。

その日は一晩中泣いたね。

声も涙も枯れるほど。

戦争さえなければ、旦那は死ななかったにさ。

あたしは、本当に一人になった気がしたよ。

父も母も旦那も死んだ。

居るのは腹の子供だけ。

どうしたらいいかまったく分からなかったよ。

でもね、近所の人は皆あたしを支えてくれた。

誰もあたしの不幸を笑わなかった。

皆、声をかけてくれた。心配してくれた。

おかげであたしは無事に娘を産むことが出来た。

あんたみたいに可愛い子でさ、皆が見てくれた。支えてくれた。

娘はすくすくと育っていった。

 

 

 

魔女狩り

 

魔法使いを殺せと国から命令が出た。

国中の魔法使いが殺された。

もちろんあたしも例外じゃなかった。

すぐに兵隊があたしの村に来てあたしを捜した。

でも見つからなかったよ。

あたしは娘と近所の人の家にあった地下室に隠れてた。

魔女狩りが発令されたとき、皆口をそろえて私たちを匿うと言ってくれた。

毎日、食事を持ってきてくれて生活の世話をしてくれた。

ある日その食事が来なくなった。

あたしは全身に寒気を感じた。

人一倍に気配を感じやすかった私は地上から生物の気配がしないのを感じ取っていた。

地上に誰もいない。

考えるだけで恐ろしいことだった。

食事が来なくなって3日目。

あたしは外に出た。

 

 

 

あたり一面。血の海だった。

血は酸化が進んで黒くなっていた。

そして凄まじい腐敗臭で意識が朦朧とした。

見るに堪えないその景色に唖然としていた。

 

 

「まだ、生き残りがいたぞ!!」

 

 

不意にそんな声が聞こえたかと思うとあたしは髪を捕まれ引きずられた。

 

 

「やっと見つけた!この村の魔女だ!」

「手間かけさせやがって!!」

 

 

兵士だと思われる若い男があたしを蹴った。

 

 

「っつ、、」

「さっさと首切って帰ろうぜ。こんな地獄みたいなところもう嫌だぜ」

「確かにな!」

「剣はどこだ?早く切るぞ!」

「村の人を・・・」

「ん?何だ?」

「村の人を殺したのはお前らか?みんな殺したのか?」

「何言ってんだお前?」

「はっ?」

「そんな当たり前のこと聞いてどうすんだよ?」

「ギャハハハハハハ「ハハハハハ「ガハハハハハハハ

「・・・お前ら・・・・・許さん」

「その体でどうすんだよ?」

「おい!家から子供の声が聞こえるぞ」

「何?まだ生き残りがいたか。殺せ」

「やめろ!その子に手を出すな!!」

「さては、お前の子供だな?早く行け!!」

「分かりました」

「やめろ!やめろ!!やめてくれぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付くと周りに真新しい赤い血と死体があった。

男が数人。女が一人。子供が一人。

男は全員口から血を吐いて倒れていて、女と子供は首を落とされていた。

そしてあたしはこんな姿になっていた。

足は消え失せ、特徴的な三角帽、そして背中から黒い翼が生えていた。

悪霊になった。

妬み、憎しみ、恨み。

負の感情が積み重なっていたあたしはすべての感情が翼と死後の体を形成した。

 

 

 

 

 

あたしの国の王家は立派な城を持っていた。

その門の前で見張りがあたしを見つけた。

同時にあたしは研究していた人体改造魔法で心臓を活発にして爆発させて殺した。

城に入ると兵士がどんどん攻めてきた。

あたしは目についた兵士を片っ端から殺した。

心臓を爆発させるなんて悪霊になったあたしには簡単なことだった。

兵士は虫のようにバタバタ死んでいった。

あたしは更に奥へ進むと、今度はメイドが攻撃してきた。

同じように殺した。

対魔法使い用の兵士も来たなぁ。

あたしのとこに来る前に殺したけど。

王のいる部屋まで来た。

そこには王と王妃とその娘がいた。

王はあたしに

「殺さないでくれ」

と言った。

「じゃあなんであたしとあたしの娘とあたしの村の人とあたしの旦那を殺した」

あたしは低い声で聞いた。

「仕方なかったんだ!!」

「仕方ない?何がだ?」

「そ・・・それは・・・」

「答えられないんだな。じゃああたしがお前らを殺しても仕方ないなぁ」

「やめて!娘だけは見逃して!!」

「王妃よ。お前の娘を思う気持ちはまさに親心そのものだ・・・」

「えっ?」

「だから娘は殺さない」

「本当ですか!!」

「あぁ・・・。あたしの魔法で脳細胞を強くして死なないようにしてやるよ」

「よかった・・・」

「まずは、娘の肺を爆発させようか?」

「なっ!話が違います!」

あたしは王妃を見て笑った。

「殺さないように、苦しめるのさ。生き地獄だ」

娘はその場で崩れた。

「肺が無くなれば、心臓は要らないね?爆発させよう」

「やめて!!そんなことしないで!!」

「苦しいかい?辛いかい?あたしはもっと辛かったよ。次は胃を動かして膵臓に無理やり穴を開けてみようか?」

「なっ・・何でそんなことを?」

「知らないのかい?膵臓で作られる膵液は消化液の中で最も強い消化酵素なんだよ。だからもし体に漏れ出たら、そこから体は腐っていくのさ。ついでにあたしも魔法で普通より強い消化酵素にしてあるから物の十分もしないうちに腐り始めるよ」

「そんな・・・」

「もちろん死なないよ。脳細胞は生き続けるから今や不死身みたいなもんさ」

「なんて酷いことを・・・」

「腐り始めたら、感覚は無くなっちゃうのよね・・・。首から下を落としましょう」

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ほら!あんたの娘は首だけだよーー。でもまだ生きてるよーーーー。良かったわねぇ」

「・・・・・・・」

「しゃべる気力も無くなったか・・・」

「悪霊・・・貴様!!」

「王よ!娘を救いたいか?あたしがもっと強力な魔法を使えば殺せるよ」

「ふざけるな!!ここまで何でこんなことをしたんだ!!」

「逆に聞きたい!何故、魔女狩りなんてやったんだ?」

「・・・・・・・」

 

王は静かに口を開いた。

 

 

 

 

「他国との競争だよ。私たちの宗教を汚す存在として魔女をどれだけ殺せるかの競争だったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしは背中に生えた負の感情でできた翼から負のエネルギーの杖を作り床に突き刺した。

そこを中心に黒い半球体がが生まれた。

それは一気に大きくなると、国のすべて飲み込んだ。

 

 

 

 

 

そして何もなくなった。

 

 

 

 

 

木も建物も動物も人も

あたしが住んでいた村だったところも

何も残らなかった。

すべてあたしが作った黒い半球体に飲み込まれて消えてしまった。

 

 

 

 

ひたすらに広がる平地。

あたしはただ眺めてたよ。

 

 

生き物も生きることができないほど負のエネルギーの溜り場になった場所に

 

あたしは森を作ろうと思った。

 

なぜかは分からないけど森を作りたくなったんだ。

魔法の森はこうやって作られた。

 

 

 

 

 

「じゃあこの木は・・・」

「あたしが突き刺した杖のなれの果てだよ」

「今使ってるのは?」

「三本目」

「ということは、そのあと二回杖を作る機会があったんだな?」

「そうだよ」

「幻想郷に来たのは?」

「百三十年ぐらい前」

「魅魔様にとって人間とは?」

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「復讐の対象」

 

 

 

 

 

 

 

「あたしは全人類への復讐を目論んでいる」

 

 

その時、魅魔様の背中から真っ黒の翼が生えていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

封魔録編
第十話


封魔録編

実は、原作だと魔理沙はこのとき謎の植物に乗っている。




私は迷っていた。

 

理由は先ほど魅魔様に言われたことだ。

 

 

 

「魔理沙」

「何だい魅魔様?」

「あたしは今、全人類への復讐を掲げた。しかしあんたにまでそんなことをしたくない気持ちもある」

「・・・それで?」

「あんたにこれを渡す」

そういうと魅魔様は小さい石の様な物を渡してきた。

「これは?」

「あたしが作った魔力の塊だ」

「これをどうしろと?」

「もしあたしに協力してくれるならそれを使って、「魔法使い」になれ」

「人間をやめろということか?」

「嫌なら、それを使ってあたしを止めてみな。それを使えばあたしなんて余裕だよ」

「・・・・・・わかった」

 

 

 

 

 

「と言われてもなぁ・・・」

先日聞いた魅魔様の過去

壮絶でかなり聞いていてきついと感じるところがあったが、

それでも私にとって、絶対に聞かないといけないような気がした。

 

しかしそのような理由で全人類・・・私と同じ種族を攻撃していいのか

迷いも強くあった。

 

その時

 

 

 

 

 

「あんた!人間でしょ!!」

「・・・ん?」

 

 

 

 

亀に乗った少女がいた。

 

 

 

「誰だ?」

「誰だとはご挨拶ね。私は「博麗靈夢」博麗神社の巫女よ!」

「何で巫女が亀に乗ってんだよ!」

「別になんだっていいでしょ!そこを退いて頂戴!」

「!?魅魔様のところに行くのかっ?」

「・・・?当たり前でしょ!あの悪霊のせいで迷惑してんだから!」

 

(どうしよう・・・。ここで戦ったら人間をやめることになる。でもほんとにそれでいいのか・・・

畜生、私はどうしたらいいんだ・・・・・)

 

「思ったより早かったねぇ。巫女よ」

「!?」

「来たわねぇ!!」

 

 

「魅魔殿!!何でこんなことするんじゃ!!」

「おっ?これはこれは、玄爺じゃないか。そんな娘に踏まれて幸せかい?」

「うむ。ご主人様の踏みっぷりは最高じゃ!!」

「帰ったら亀鍋にするか・・・」

「今度は料理か!ご主人様!楽しみじゃのう・・・」

「・・・玄爺」

 

 

 

 

 

 

 

「きめぇ・・・・」

 

 

 

 

 

 

「ごじゅじんざまーーー!!魅魔殿がいじめだーーー!!」

「私も早く飛べるようになろっ」

「!?!?」

 

 

 

「うん。ついてけない!」

 

 

 

 

「茶番は置いといて、やっぱりあたしを倒す気かい?」

「当たり前でしょ!今更何言ってんのよ?」

「だとよ!魔理沙!!」

「!?」

 

 

 

 

 

「あんただったら、この状況。どうする?」

「・・・」

 

 

 

「さっきから気になってたんだけど、その子。あんたの何なの?」

「弟子」

「あっそ。でも人間なんでしょ?」

「そうだよ」

「魔梨沙・・・?だっけ。あんたはどうしたいのよ?」

「えっ?」

「悪霊に手を貸すの?私たち人間に手を貸すの?」

「それは・・・」

「答えなくていいよ魔理沙。こいつはあたしを倒しに来たんだ」

「嫌だ!」

「?」

「私は、私の事を娘とまで言ってくれた人を悪霊(ひと)ここにきて裏切りたくない!!」

 

 

「あっそ。じゃあ魔梨沙。あんたから相手してあげる」

「一つ言いたいことがある」

「何よ?」

「私は「魔梨沙」じゃなくて、理想の魔法を使う星の沙・・・

 

 

 

魔理沙だ!!」

 

 

言うと同時に、靈夢に突っ込んだ。

 

「ちっ・・・!」

 

靈夢は、左に旋回してかわそうとする。

 

しかし

 

「遅すぎるぜ!!」

「もう追いつかれた!?速すぎる!!」

「喰らえ!!」

 

私は小さい星形魔法を放った。

 

 

 

「く・・・!」

 

靈夢は、結界でそれを防ぐ。

 

 

「だったら・・・・・・これだぁぁぁ!!!」

 

私は箒から空中に降りると

 

箒で靈夢を殴った。

 

 

「ぐふっ・・・」

「ご主人様!?」

 

衝撃で亀から吹っ飛んだ。

がすぐに亀が助ける。

 

「チッ・・・やってくれるじゃない!!」

「もうボロボロじゃねーか?これで終いにするぜ!」

「!?」

 

 

私は高速で靈夢を中心に回りだす。

 

 

「追い付けない・・・・。何でこんなスピードが出るの?」

 

 

 

「私は此処だぜ!!」

 

私は落ちつつ下から叫ぶ。

 

 

「えっ!?ということは、回っているのは・・・箒だけ!?」

 

「そうゆうことだぜ!!止めだ!!」

 

 

私は箒を自分の元まで持ってくる。

それを片手で握りしめた。

 

 

彗星「ブレイジングスター」

 

 

 

下から真っ直ぐに霊夢に突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガァァン!!!

 

鈍い音がする。

 

 

亀が

 

 

私の技を口で受け止めていた。

 

 

「「なっ、何!?」」

 

 

ごひゅじはま(ご主人様)いまげふご(今ですぞ)!」

 

 

「離せーーー」

 

「悪いわね。魔理沙」

 

「畜生・・・」

 

 

 

 

霊符「夢想妙珠」

 

 

 

私は負けた。




魔理沙「何でこんなに投稿が遅れたか作者に問いただすと同時に作者を締め上げるコーナー!いえーい」
作者「急に何始めてるの。物騒なコーナー始めないでよ!」
魔「前回の更新からかなり時間が空いてますがこれはどうゆうことですか、被告人」
作「被告人じゃねぇよ!あと、それは色々あって忙しかったんだよ・・・」
魔「色々とは?」
作「えーと、ですねぇ・・・」
魔「私の調査によりますとこの一か月の間にアニメ「ラブ〇イブ」の鑑賞や「がっ〇うぐらし」、「干〇妹、うまるちゃん」を見ていたという目撃証言やア〇メイトに三回も言っていたという目撃証言。中古店で中古の同人CDを買っていたり、ほぼ毎日「モンスターハ〇ター」をやっていたり、レンタルショップでの目撃もありますよ」
作「・・・」
魔「どういうことですかねぇ?私には、かなり執筆時間があるように見えるんですが?」
作「えー、誠に申し訳御座いませんでした」
魔「だいたい、この小説は完結するんですか?」
作「それは、絶対にさせます。一応、小説の骨組みは出来てます!」
魔「次回の投稿は?」
作「えと・・・一か月以内に・・・」
魔「一週間でお願いします」
作「・・・・・はい」
魔「ではでは、次回も「魅魔と魔理沙」お楽しみに!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話

「畜生!!」

 

私は、仰向けに倒れたまま地面を殴った。

 

今まで、本気の戦いをしたことなかった分、とても悔しかった。

体が動かない。

上空では、靈夢と魅魔様が戦いを始めたようだったが・・・

 

 

ドサァァ、、、

 

靈夢は、すぐに上空から地面に落ちていった。

 

「ふっ、私が出なくてもよかったじゃないのか・・・?」

 

仰向けのまま私は呟く。

 

「魅魔様の力を舐めすぎだったんだよ・・・全く・・・・・ん!?」

 

何かが・・・ではなく靈夢が上空へ昇っていくのが見えた。

 

「馬鹿かアイツ!!」

 

私は起き上がり箒に跨った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう行き絶え絶えじゃないか?魔理沙との戦いがかなり響いているんじゃないのかい?」

「うっ・・五月蠅い!!」

「まっ、すぐにまた向かってくる無謀さは評価してやるよ」

「何よその言い方!!」

「この状況で刃向う気かい?若いのは元気で良いねぇ・・・」

「・・・・・」

「この間、気まぐれで地獄に来た時は、かなり手加減してあげたけど・・・

今回は、そうはいかせないわよ!!」

「オラァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

 

この声は、靈夢ではない。

私だ。

 

 

何でこんな大声を出したのかというと、魅魔様の背後から箒でブッ飛ばしたからである。

 

 

「グキュウ」

 

魅魔様がそんなどうやって活字にしたらいいのか分からないような悲鳴を上げる。

背中側がくの時に曲がった。

 

 

 

 

「ちょっ!あんた、自分の師匠に何やってんのよ!!」

「箒で殴った」

「そりゃ見ればわかるけど!!」

「人間の魔法使いとして、人間に復讐をする悪霊を殴った」

「あっ・・・」

「お前と戦ったのは、この悪霊(ひと)の弟子としてだ。魅魔様を殴ったのは・・・」

 

 

 

「人間としての誇りのためだ!!!」

 

 

 

「成長したねぇ。魔理沙。まったく・・・泣かしてくれるよ」

「・・・・・・」

「でも、これとそれとは別だ」

「分かってる。だから!!」

「!?」

「私は、こいつと・・・靈夢とあんたを倒す!!!」

 

 

 

 

「行くぜ靈夢!!!」

「分かってるわよ魔理沙!!!」

 

 

 

私は、一気に魅魔様に近づく。

 

 

「馬鹿っ!?そんなに近づいたら・・・えっ?」

 

靈夢が驚いたのは、私を魅魔様が追わなかったからだ。

 

 

「魅魔様の最高スピードより私のほうが速いんだ!!」

「だから、態々追いかけたりしない。あたしが追いかけるべきは・・・」

 

 

言い終わる前に魅魔様は靈夢に攻撃を仕掛けた。

 

 

 

 

「危ないわねぇ・・・」

「反射神経はあるようだねぇ」

 

靈夢はそれを結界で受け止めた。

 

「靈夢!!そのまま耐えろ!!」

「はぁ?」

 

 

私はまた一気に魅魔様に近づく。

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!」

 

私はもう一度魅魔様を箒で殴ろうとする。

 

「喰らうわけないだろ?」

 

魅魔様はギリギリで上に逃げてかわした。

 

「勿論、予想済みだ」

「・・・ほう」

 

私はその体制から靈夢の結界を蹴った。

 

「うわっ!」

 

靈夢は後ろに倒れ掛かるが関係ない。

 

 

 

 

 

 

 

彗星「ブレイジングスター」

 

 

 

 

 

「なっ!?」

魅魔様と私の距離は約10㎝。

かわせる訳がなかった。

 

魅魔様は魔法陣で防御をとるが間に合わない。

 

「行けぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!」

「くっ!!!」

 

 

 

 

 

 

神技「八方鬼縛陣」

 

 

 

 

 

下から声がした。

 

 

「しまった!」

 

 

魅魔様が叫ぶがすでに遅かった。

靈夢の放った技は魅魔様を地面から貫いた。

 

 

 

私の技の魔力が混ざって爆発が起こる。

 

 

「あぶねっ!」

 

私は間一髪でかわした。

 

 

 

 

 

と思いきや

 

 

「逃がすか!!」

「魅魔様!?」

 

煙の中から魅魔様が飛び出してきた。

そのまま私の首を掴む。

 

 

「ぐっ、、、」

「魔理沙!!!」

 

 

靈夢が叫んだ時にはもう意識が飛びかかっていた。

 

 

「はっ・・・離しやがれ・・・・」

「いいだろう」

 

魅魔様は私を乱暴に投げる。

 

「魔理沙、大丈夫!?」

靈夢がすぐに近づく。

しかしそれは罠だった。

 

 

 

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

 

 

 

 

 

「しまっ!・・靈夢逃げろ!!」

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは逃げられなかった。

 

が当たりもしなかった。

 

 

 

 

 

 

「こんにちはーーーーー。あたいは里香なのでーーーーす!!なんだか楽しそうなことしてるねぇ、君たち」

 

森から黒い巨大目玉が出てきた。




ぶっちゃけ里香さんの性格が分からない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話(修正)

十一話修正版です。詳しいことは主に十四話にの前書きに書いてありますがざっと言うと
「魅魔様より魔理沙のほうが速いんだ!」
と自分が勘違いしてたことが始まりです。
修正前も一応残しておくので、暇があったら見比べてみてください。


「畜生!!」

 

私は、仰向けに倒れたまま地面を殴った。

 

今まで、本気の戦いをしたことなかった分、とても悔しかった。

体が動かない。

上空では、靈夢と魅魔様が戦いを始めたようだったが・・・

 

 

ドサァァ、、、

 

靈夢は、すぐに上空から地面に落ちていった。

 

「ふっ、私が出なくてもよかったじゃないのか・・・?」

 

仰向けのまま私は呟く。

 

「魅魔様の力を舐めすぎだったんだよ・・・全く・・・・・ん!?」

 

何かが・・・ではなく靈夢が上空へ昇っていくのが見えた。

 

「馬鹿かアイツ!!」

 

私は起き上がり箒に跨った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう行き絶え絶えじゃないか?魔理沙との戦いがかなり響いているんじゃないのかい?」

「うっ・・五月蠅い!!」

「まっ、すぐにまた向かってくる無謀さは評価してやるよ」

「何よその言い方!!」

「この状況で刃向う気かい?若いのは元気で良いねぇ・・・」

「・・・・・」

「この間、気まぐれで地獄に来た時は、かなり手加減してあげたけど・・・

今回は、そうはいかせないわよ!!」

「オラァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

 

この声は、靈夢ではない。

私だ。

 

 

何でこんな大声を出したのかというと、魅魔様の背後から箒でブッ飛ばしたからである。

 

 

「グキュウ」

 

魅魔様がそんなどうやって活字にしたらいいのか分からないような悲鳴を上げる。

背中側がくの時に曲がった。

 

 

 

 

「ちょっ!あんた、自分の師匠に何やってんのよ!!」

「箒で殴った」

「そりゃ見ればわかるけど!!」

「人間の魔法使いとして、人間に復讐をする悪霊を殴った」

「あっ・・・」

「お前と戦ったのは、この悪霊ひとの弟子としてだ。魅魔様を殴ったのは・・・」

 

 

 

「人間としての誇りのためだ!!!」

 

 

 

「成長したねぇ。魔理沙。まったく・・・泣かしてくれるよ」

「・・・・・・」

「でも、これとそれとは別だ」

「分かってる。だから!!」

「!?」

「私は、こいつと・・・靈夢とあんたを倒す!!!」

 

 

 

 

「行くぜ靈夢!!!」

「分かってるわよ魔理沙!!!」

 

 

 

私は、一気に魅魔様を挟んで靈夢と向かい合う位置に来る。

 

 

「馬鹿っ!?そんなに近づいたら・・・えっ?」

 

靈夢が驚いたのは、私を魅魔様が追わなかったからだ。

 

 

「あんな動きをするのは何か策があるからだろう。だから、態々追いかけたりしない。あたしが追いかけるべきは・・・」

 

 

言い終わる前に魅魔様は靈夢に攻撃を仕掛けた。

 

 

ガン!!

 

「危ないわねぇ・・・」

「反射神経はあるようだねぇ」

 

靈夢はそれを結界で受け止めた。

 

「靈夢!!そのまま耐えろ!!」

「はぁ?」

 

 

私は一気に魅魔様に近づく。

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!」

 

私はもう一度魅魔様を箒で殴ろうとする。

 

「喰らうわけないだろ?」

 

魅魔様はギリギリで上に逃げてかわした。

 

「勿論、予想済みだ」

「・・・ほう」

 

私は体制を反転させて靈夢の結界を蹴った。

 

「うわっ!」

 

靈夢は後ろに倒れ掛かるが関係ない。

 

 

 

 

 

 

 

彗星「ブレイジングスター」

 

 

 

 

 

「なっ!?」

魅魔様と私の距離は約10㎝。

かわせる訳がなかった。

 

魅魔様は魔法陣で防御をとるが間に合わない。

 

「行けぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!」

「くっ!!!」

 

 

 

 

 

 

神技「八方鬼縛陣」

 

 

 

 

 

下から声がした。

 

 

「しまった!」

 

 

魅魔様が叫ぶがすでに遅かった。

靈夢の放った技は魅魔様を地面から貫いた。

 

 

 

私の技の魔力が混ざって爆発が起こる。

 

 

「あぶねっ!」

 

私は間一髪でかわした。

 

 

 

 

 

と思いきや

 

 

「逃がすか!!」

「魅魔様!?」

 

煙の中から魅魔様が飛び出してきた。

そのまま私の首を掴む。

 

 

「ぐっ、、、」

「魔理沙!!!」

 

 

靈夢が叫んだ時にはもう意識が飛びかかっていた。

 

 

「はっ・・・離しやがれ・・・・」

「いいだろう」

 

魅魔様は私を乱暴に投げる。

 

「魔理沙、大丈夫!?」

靈夢がすぐに近づく。

しかしそれは罠だった。

 

 

 

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

 

 

 

 

 

「しまっ!・・靈夢逃げろ!!」

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは逃げられなかった。

 

が当たりもしなかった。

 

否、発射されもしなかった。

 

 

 

 

 

「こんにちはーーーーー。あたいは里香なのでーーーーす!!なんだか楽しそうなことしてるねぇ、君たち」

 

森から黒い巨大目玉が出てきた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十二話

「えっ・・・誰?」

「里香なのです!!」

「あー!!思い出した!!あんた神社を出たときに会った一面の雑魚だ!!」

「ちょっ!!そんな言い方ないだろ!」

「でもそうなんだもん!!弱かったんだもん!!」

「しかし、あのフォルムは軽い恐怖を覚えるぞ・・・」

「あなたたち!!勘違いしてるけど、これは「飛行型戦車 イビルアイΣ」あたいは、ここだぁ!!」

 

イビルアイΣの上部が開いて中から、人?が出てきた。

 

「本体はこっちなのです!!」

「でた一面の雑魚!!」

「お前それやめろよ・・・」

「という訳で・・・」

 

里香というやつは、自分が一面の雑魚と言われてるのが気にならないのだろうか

そんなことを思っているとイビルアイΣに乗り込んだ里香は中から

 

「発射あ!!」

 

声を出すと同時にイビルアイΣの目玉から大量の砲弾が発射された。

 

「うわぁっ!!」

 

予告はあったが私たちはかわせなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?来ない・・・」

 

「大丈夫かい?魔理沙」

「みっ・・・魅魔様」

 

魅魔様はすぐに来て、守ってくれた。

 

「何で・・・」

「娘を見殺しにする親なんて聞いたことあるか?」

「でも・・・」

「先に手を出したのはこいつだ。久々に力を解放したからちょっとぐらい暴れたって問題ないさ」

 

 

 

 

 

「あんたの相手はあたしだ!!」

「ほう。悪霊なのですか。まぁ相手が誰であろうと気にはしないのです!!」

「その言葉、忘れんなよ。後悔させてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

魅魔様は一気に突っ込んだ。杖の先からいつか見た黒い刃を出してイビルアイΣに切りかかった。

 

カカカカカカッカカカカ

 

しかし刃は、その表面を削るので精一杯だった。

 

 

「ちっ!なんてかてーんだ!!!」

「このイビルアイΣにその程度の攻撃で傷を付けることなど不可能なのです!!」

「だったら・・・・・・」

 

 

魅魔様は空中に杖を突きつけた。そこを中心に魔法陣が広がる。

 

 

流星「スターダストラッシュ」

 

 

「うわーー・・・なのです!!」

 

 

魅魔様の技はほぼ全弾当たった。

 

 

「どうだ?傷ぐらいは付いたんじゃないか?」

「なかなかやるのです。しかし!!」

 

 

 

 

イビルアイΣは、その場でしっかりと立っていた。

 

 

「このイビルアイΣは、その程度では倒せないのです!!」

「嫌な奴だな」

「今度は反撃です!!」

 

 

イビルアイΣは目玉にエネルギーをためると今度はレーザーを放ってきた。

更に周りに小さいエネルギー弾をばら撒き魅魔様の動きを封じた。

 

 

「極太レーザーで焼かれるといいのです!!」

「・・・・・」

 

魅魔様は、レーザーを見つめたまま動かなかった。

そのままレーザーは魅魔様を飲み込んだ。

 

「えっ!?」

 

私は言葉を失った。

 

 

「言われたほどでもなかったです!!」

 

「それは、こっちの台詞だな」

 

「何ですと!!」

 

 

「こんなもんで私が倒せるとでも?防御力はまあまだが・・・」

 

「ぐっ、、、!」

 

「あたしも舐められたもんだねぇ!!」

 

 

 

魅魔様は、もう一度イビルアイΣに接近した。

 

 

「魔理沙!!さっきの技!貰うよ!!」

 

魅魔様は振りかぶると、私が箒でやったように杖で思いっきり殴った。

 

ドゴン!!

 

鈍い音が響く。

 

 

「なっ!?」

「これが・・・あの悪霊の力・・・!」

 

 

真正面から殴られたイビルアイΣの目玉部分は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きく陥没して、再起不能なほど凹んでいた。

 

 

 

 

そしてイビルアイΣは爆発と同時に

 

 

 

巨大レーザーを放った。

 

 

「まだあきらめないのです!!!」

 

「だったら今度こそ撃ってやる!」

 

 

魅魔様は大きく下がると

 

 

 

 

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

 

 

 

 

 

イビルアイΣのレーザーの倍はあろうかという魅魔様の超巨大レーザーは周りの地形ごと抉り取っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたいた。おい!大丈夫か?」

「うーん・・・頭が痛いのです・・・」

「あれだけの攻撃を受けて生きてるなんて・・・」

「死なない程度に加減しておいたからねぇ・・・それでもギリギリだけど」

 

魅魔様の技は、結局森の真ん中から端まできれいな一本道を作りあげた。

すぐに魅魔様の魔法で元に戻されたがそこにある妖怪が来た。

 

「久々に暴れたからってやりすぎよ・・・」

「悪かったわねぇ、紫」

 

スキマ妖怪 八雲紫だった。

 

「全く・・・何もかもが予定外よ・・・」

「予定外?どうゆうことよ紫?」

 

靈夢が聞いた。

 

「元々は、靈夢あんたに「修行に行って来い」って言ったのにあなた思いっきりサボったじゃない?だからそのお仕置きの意味も込めて、神社に妖怪とか人間じゃないなにかとかキチ〇〇等が来るように仕向けたのよ・・・。そしたら、魅魔は暴れだすし、この人間は変なものを作るし、おまけに魅魔のレーザーが博麗大結界にあたって軽く罅が入ったのよ!!まったく・・・」

「「あはははははは・・・・」」

 

靈夢も魅魔様もかなり気まずそうにしていた。(里香は気絶していた。)

 

「だいたいどうして魅魔は、急に暴れだしたの?」

「それは・・・」

「気まぐれさ!」

「えっ!魅魔様!だって・・・」

「あたしだって、たまにはやんちゃしたいんだよ」

「・・・・はぁ。呆れた。まぁいいわ。一つ聞くけど」

「何だ?」

「まさか、百年前のことを蒸し返したんじゃないでしょうね?」

「その時は、約束だろ?」

「ならよし!」

 

それから、私たちは帰路についた。

私にとっては、とても忙しい二日間だったがでも少し楽しかった。

 

そして私は自室に戻ると

貰った魔力の塊を木箱にしまった。  




封魔録編完結
里香好きさん、本当にごめんなさい!!
里香!可愛いよ!!里香!!

次回からは「夢時空編」です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編

次回が夢時空編というのは我々が広めた嘘だ!!

というかやりたかっただけです。番外編。
かなりメタい会話になっています。
あと若干ネタバレです。

それが嫌いな方は、ブラウザバック!
気にしねぇ!!というおおらかな方は、このままお楽しみください!!



地獄

 

「・・・まさか、本当に来てくれるとは」

「来て悪かったか?」

「いいえ。寧ろ驚きが強いです。魅魔」

「来いって言ったくせによ・・・閻魔」

「何時かの説教の時に地獄に来てみては?とは言いましたが軽い冗談のつもりでしたから」

「冗談で地獄に誘うなよ・・・」

「ふふふ。ごめんなさい」

「ホントだ」

「では、私は業務があるので帰るときは近くの死神にでも話しかけてください」

「はいはい・・・」

「それでは」

「まったく・・・」

「映姫様と仲がいいようですね」

「ん?誰だ?」

「私は、konngaraです」

「メンドイ!コンガラでいい?」

「あっ!?えっ、、構いませんが・・・」

「よしコンガラ!!」

「ちょっと待ってください!!何ですかこの展開は!?」

「番外編のテンションだけど・・・」

「でも番外編だからって・・・」

「まさかお前、この番外編の趣旨を理解して無いな!!」

「しゅっ趣旨って?」

「この回は、ストーリーの進行上どうしても出せない「靈異伝」キャラを出すと同時にこの小説の裏話を淡々と語っていくコーナーだぞ!!」

「えぇぇ!!??そうだったんですか!?」

「うん」

「凄い衝撃的なんですけど・・・」

「この小説では、旧作にでる名前付きのキャラは番外編を含めて全員出す予定だぞ」

「なるほd・・・。あれっ?封魔録編で明羅さんって出ましたっけ?」

「今、お前の口から名前が出たからそれでカウントだよ」

「あぁ、そうなんだ・・・えぇ!!少なすぎるでしょ!!一行しかないですよ!!」

「気にするな。そうゆう運命だったんだ・・・」

「何言ってんだ!あんた!!酷過ぎんだろ!!」

「まぁ、番外編だし、いつもピリピリした展開だし、たまにはやんちゃしようよ!」

「てめぇ!前回も同じこと言ってたじゃねぇか!ちったあ捻れよ!!」

「貴様、その口の利き方はなんだ?少なくとも私たち初対面だぞ!」

「さっき「今回は番外編だから、やんちゃしようよ!」って言ってた人の言葉じゃねぇよ!」

「うるせぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「本題に入ろうか」

「ですねぇ・・・」

「今回は、封魔録編とその前も含めた裏話だな」

「裏話ってたとえば何ですか?」

「作者がなぜ旧作に触れるようになったかとか?」

「ぶっちゃけどうでもいい・・・」

「だな!」

「えぇと私が気になることなんですけど、第九話で「あたしが生まれたのは、幻想郷を出て海を越えて大陸を抜けた西の端にある小さい国だ。」という一文があるじゃないですか?ここって幻想郷じゃないですよね?」

「うんそうだよ。詳しく話すとヨーロッパにある架空の国だ。時代は十二世紀。魔女狩りが始まったあたりだな」

「千年前ですか?」

「だいたいそれぐらいか?まぁあたしもあんまり覚えてないから気にしないでくれ」

「でもそのままじゃ矛盾ですよね?」

「えっ?」

「その国があったところに森を作ったなら、魔法の森はその国があったところですよね?」

「つまり、魔法の森が幻想郷にあるのはおかしいと?」

「えぇ」

「それは、ネタバレになるからあまり言わないけど伏線だよ」

「ふっ伏線!?」

「これ以上は言えないかな~」

「気になりますねぇ・・・」

「まぁ、今、章的に「怪綺談編」で終わりそうだけど、そのあとも続く予定だしね」

「まだ続くんですか?」

「じゃないとこのタイミングで番外編なんか出せないだろ?」

「確かに、そうですけど」

「他に聞きたいことはあるかい?」

「魔理沙が勘当された理由は?」

「それは、魔理沙の実親に聞いてくれ。私はしらんよ」

「そうですか・・・」

「さて今回は、ここまでとしようか?」

「そうですね」

「もし読んでいて分からないことがあったら、気軽にコメントしてくれ!場合によってはこのコーナーで説明するぞ!」

「こら!!露骨なコメ稼ぎをしない!!」

「悪かったよ・・・」

「えーっと次回の番外編の登場キャラは?」

「kikuriだ!」

「次回は何時頃?」

「「夢時空編」が多分五話ぐらいで終わるから一か月ぐらい先かな?」

「本当ですかー?」

「知らん。作者に聞いてくれ」

「・・・」

「という訳で、番外編をここまで読んでくれてありがとう!これからも「魅魔と魔理沙」をよろしくな!!」

「ありがとうございました!!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

夢時空編
第十三話


みんなー久しぶり(震え声)


ある日の朝だった。

 

「魅魔様!!」

「何だい魔理沙?」

「家の前にこんな紙があったんだけど・・・」

「紙?見せてごらん」

「ほい!」

「・・・・面白いじゃないか。行くよ!博麗神社に」

 

 

博麗神社

 

「という訳で、この素敵な土地をお借りしたい」

「どうゆう訳でも、貸すつもりはないんだけど?」

「おかしいなぁ・・・。使ってる言語は同じはずなのに会話にならない・・・」

「なってるわよ!あんたが私の言うことを分かってないだけでしょ!!」

「うーーーん・・・どうしたものか・・・・・」

 

 

「難しそうな話をしてるねぇ」

「!?魅魔!」

「あら?幽霊さん?素敵ね!」

「残念ながら幽霊じゃないんだなぁ・・・悪霊だ」

「悪霊さんだったの?素敵ね!」

「なぁ靈夢!そいつは誰なんだ?」

「私もよくわかんないわよ・・・。急に家の隣に変なもん建ててきてさ!変なチラシをばら撒くし!おかげで神社は、妖怪祭りよ!!」

「それよりも私は、金髪の貴女が気になるわ!」

「金髪?誰のことだ?」

「魔理沙・・・あんたのことよ」

「へっ?ホントだ!!魅魔様!!」

「いやーもういいかなっ。って思ってさー」

「でも戻すなら一言言ってくれよ!!」

「悪い悪い・・・」

「っていうか・・・私は無視?」

「そうだよ!赤い髪のあんた!一体誰だ!!」

「そんなに叫ばなくても言うわよ。私は岡崎夢美。大学教授よ!!」

「「「大学・・・教授・・・?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね・・・。大体分かったわ」

「どういうことよ、魅魔?」

「こいつは、異世界から来た人間でこいつの住む世界には、魔法という概念がない。だからそれを証明するために神社の隣にある遺跡・・・「夢幻遺跡」に乗って来たんだと」

「まぁ、ザックリ言うとそんなところね!」

「しかしまぁ、外の世界の技術の進歩は早いもんだ」

「貴女は、外の世界から来たの?」

「ずいぶん前だけど・・・」

「あら!素敵じゃない!!」

「確か、汽車とかいう鉄の塊が走っていたなぁ」

「・・・・・汽車?」

「うん、汽車。外ではもう走ってないのか?」

「それを見たことがある人のほうが少ないわ」

「だろうな。物凄く遅かったし・・・」

「それ以前に、今や石炭はおろか、石油すら使ってないわよ」

「・・・・・・・進歩って、怖いなぁ」

 

 

 

「ともかく!私は、データが必要なの!!だから、神社に集まったメンバーの魔法が見たいのよ!!!」

「私、巫女だから魔法なんて使えないけど・・・」

「いや、関係ないから!巫女の使う仙人術も悪霊の使う怪しい術も、すべて同じ力なのよ!!」

「私は、怪しい術なんて使ってないぞ!」

「まぁまぁ・・・」

「この中で、勝ち残った人には、特別に願いを一つ叶えてあげるわ!」

「・・・・何?」

「だったら・・・・・・」

「ふふふ、理解が早いようで・・・」

 

 

 

 

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙

・靈夢

・?????

・?????

・?????

・?????




魔理沙「作者をボコるコーナー!」
作者「ちょっと待って!今回にはちゃんと訳があるんだ!」
魔「ほう?訳って何だ?」
作「油断して、風邪をひいてしまいまして・・・。熱が三十九度程・・・」
魔「寝てる間とか書けなかったか?」
作「熱だしてると、話がまとまんないんだよね。今回メッチャ少ないし」
魔「なるほどねぇ・・・。じゃあ何で、フラッシュゲームやってたんだ?」
作「え?えーーーーっと、えーーー、その・・・」
魔「マスタースパーク」
作「sjfかslmvhgヵjふぁsljjw」
魔「今回は、病み上がりだからこのぐらいで見逃してやる」
作「こ・・・このぐらいって・・・」
魔「足りないか?」
作「次はちゃんとやります!」
魔「よし!それじゃあ、読者様次回も「魅魔と魔理沙」をお楽しみに!!」
作「おねがいしまー・・・・・・ぐふっ」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十四話

これを書いてる途中に魅魔様より魔理沙のほうが速いってことが勘違いだと気づいた。
どうしよう・・・・。


私たちは、その後岡崎夢美という大学教授に願いを叶えてもらうため(一部そんなこと、どうでもいいと言う奴もいたが)神社に集まった。

 

「いち、にー、さん・・・七人ね」

「結構集まったな・・・」

「なかなかのメンツじゃないか。血はもう通ってないが血が騒ぐねぇ」

「待ちなさい、悪霊さん。私は自分の研究にそんな血生臭いことを望んでないわ」

「そうかい?」

「魔力の確認さえ出来ればいいのよ。だからかるーくルールを決めるわ」

「そんなんだったら、自己紹介でもしないか?初対面で初めて会う奴と潰しあうのも面白くねぇ」

「私も魔理沙に賛成。妖怪以外を倒したら色々叱られる」

「じゃあ自己紹介でもしてもらいましょうか。私も素敵な幻想郷の皆さんを知りたいし」

 

 

 

「私は、博麗靈夢。言わずと知れた博麗神社の巫女よ。仕事は妖怪退治。叶えてもらいたいことはねぇ・・・。神社のお手伝いさんが欲しいかな」

「参拝客は来ないのにね」

「うっさい!」

 

 

「私は、霧雨魔理沙。人間の魔法使いですわ。お見知りおきを。叶えたい願いは、外の世界の技術が欲しいですわ」

「何そのですわ口調。すごい変」

「そうですかしら?うふふふふふふふふふふふ」

 

「あたしは、魅魔。博麗神社の神やってる」

「勝手に人の神社の神を名乗らないでくれる?」

「五月蠅いなぁ靈夢は。あんたが知らないだけであたしはずっとこの神社の神様やってんだよ?」

「そうですわ。魅魔様は偉いのよ!うふふふふふふふふふふふ」

「魔理沙、その笑い方やめて。捻り潰すわよ?」

「飛べないくせに?鈍足のくせに?」

「く~~~~~~・・・・・・」

 

「わたしは、エレンです。魔女です。お願いはお店を建ててもらうことです」

「よろしくね。エレンさん」

「あなたは~~・・・どなたでしたっけ?」

「ズコッ!さっき自己紹介したでしょう!博麗靈夢よ!靈夢!!巫女よ!!!」

「そうでしたか。大変申し訳ございません。え~と、白亜紀専務さん」

「ぜんっぜん違うわよ!!誰よ?白亜紀専務って?普通は聞き間違えないわよ!!」

「ごめんなさい。白菜レースさん」

「だーかーらー・・・!!」

 

「私は、小兎姫。警察です」

「服装が変」

「神様は、背が高いくせに」

「目の付け所おかしくないか?普通は足がないとか、デカい杖を持ってるとか、三角帽子なんかを突っ込むと思うんだが?」

「髪がキレイ。痛んでない」

「ありがたいがそこか?あたしの感想は?」

「・・・・逮捕しちゃうぞ☆」

「めんどくせぇ」

 

「私は、カナ・アナベラル!騒霊よ!!」

「じゃあ倒さなきゃ」

「落ち着け靈夢!!」注、魔理沙

「さっき血みどろは、無しって話だっただろ!!」注、魅魔

「そんな事する子は・・・・・逮捕しちゃうぞ☆」

「「あんたは黙ってろ!!」」

 

「私は~朝倉理香子!!科学者よ」

「へ~、幻想郷にもいたのか科学者」

「ふふん!すごいでしょ!」

「科学者さんちょっといい?」

「何ですか?教授」

「背中に背負ってるのは何?」

「ロケットエンジン!」

「500年は遅れてんじゃない?素敵じゃない」

「流石!教授の世界は科学の進歩が早い!!」

「私としては、あんたなんかよりも魔法使いに来てもらいたかったわ」

「ガーン、、、そんなぁ」

 

 

 

 

「全七人。これだけ集まればいいデータが取れるわ!」

「それは良かった」

「じゃあルールを説明しようか」

「教授!待ってました~!!」

「科学信者は黙ってなさい。説明するわよ」

「ちょっと待ちな!!」

「魅魔様?」

「教授?あんたの乗って来た遺跡の中でやるのは駄目なのかい?」

「それは無理だね。私たちはいわゆる平行世界パラレルワールドから来たんだ。だからこちらを仮にA世界。私たちの世界をB世界としよう。いま私たちはA世界にいるが私たち自体はB世界の物だ」

「ほう、それで?」

「例の遺跡ももちろんB世界の産物。もしA世界の中にあるB世界の中にA世界の物が入ってきたら・・・

 

 

どうなるか分かるよね?」

「大体分かった。ありがとねぇ」

 

「それじゃあ今度こそ説明するわよ!」

 

 

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙

・靈夢

・エレン

・小兎姫

・カナ・アナベラル

・朝倉理香子

 




魔「おわんねぇぞ?このペースじゃ?」
作「分かってる。超ヤバイwww」
魔「笑ってんじゃねぇよ。ちゃっかりコミケに行きやがって」
作「ごめん。行きたかった」
魔「行きたかったじゃないよ?別日に秋葉原と池袋まで楽しんで?」
作「でも池袋のアニメイトでグリモワールマリサ買ってきたからゆるして」
魔「何でだよ!あと前書き何?」
作「勘違い」
魔「どうすんの?十一話?バリバリ勘違いしてんじゃん」
作「うん。氏にたい・・・」
魔「死ぬなぁ!!」
作「死にはしないけど、軽く失踪したい」
魔「落ち着けよ!この話、結構暖めてたんだろ?」
作「うん。ラストバトルまで考えてある」
魔「じゃあ何で、今投稿が止まってるんだ?」
作「ネタが無い」
魔「何で?」
作「あらすじはあるけど、話のネタが無い。太刀が思いつかない。あとパソコンが起動できないからいつもと違うパソコンで使いづらい」
魔「飽きれるぜ・・・」
作「どうしよう・・・」
魔「とりあえず十一話は書き直せ」
作「はい・・・」
魔「そして夢時空編は最悪、ドレミーにまる投げしろ」
作「はい・・・」
魔「かなりこの先どうなるか分かんないけど、読者の皆さんどうかこのヘタレ作者を応援しください。次回の「魅魔と魔理沙」出会いましょう。さよならだぜ!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十五話

「ふぅー・・・ですわ」

 

私は、軽くため息をついた。

そして手に持っている機械を見た。

 

 

 

 

「ダメージ数値化装置。これで、五回被弾したら負けね」

 

 

 

教授はこれを全員に持たせていった。もちろん私も例外じゃない。

 

「よろしくお願いしますね。きりきり舞い舞いさん」

「誰ですのよ?私は霧雨魔理沙ですわ」

「そうでしたか?すみません。じゃあ私も改めて、えれん・ふわふわあたま・おーれうすといいます」

「長すぎですわ」

「気にしないでください」

「何でそんなに、長いんですの?」

「おじいちゃんに付けて貰ったんです。素敵な名前でしょ」

「全然」

「酷いわ」

「まぁ、ぼちぼち始めますか」

「構いませんわ」

 

 

私は、箒を軽く持ち上げぐっと後ろに下がる。

 

 

「行きますわよ」

 

私は、レーザーをエレンに向けて放つ。

 

「レーザーですか。ほい!ほい!」

 

エレンは、右へ左へ巧みにかわす。

 

「やりますわね・・・」

「レーザーのかわし方は簡単。右か左に動くだけ。そして反撃も簡単」

 

「・・・・・・来なさい!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

チャージショートッ!!!」

「おそっ!?」

 

エレンのチャージショットは物凄くためが長かった。

だがそれは・・・

 

 

 

 

「ちょっちょっちょ!!威力高ぎですわ!!」

「長くためて、しっかり撃つ。私の戦い方なの!」

「くっ・・・」

「逃げても無駄ですよ」

 

 

もう一度、エレンから距離をとる。

しかし私の背後から、小爆発が起こった。

 

 

「!?」

「私の魔法はどう?」

「得体が知れませんわ・・・ね・・・・」

「だったら・・・本気を出したらどうなの?」

「?・・・どういう意味?」

「まさか私が気づいてないわけ無いじゃない?その口調、本気を出してないでしょう?」

「・・・・・・」

「そんなんで私を倒そうなんて

 

 

 

 

ふざけんじゃないわよ!!!!!」

 

 

私の周りで連続した小爆発が起こる。

 

「なっ!?」

 

「そんな風にちょこまかしてかわしていても、息が続かなくなるわよ!!!」

「あぁ!!もううるせぇ!!姑息な手を使いやがって!!!」

「ふふ・・・・やっと本気になった。かかって来なさい」

「言われずとも・・・・?」

 

私は、腰から音がなっていることに気づく。

四回被弾したことをダメージ数値化装置が告げていた。

 

「やべぇ!一気に決めさせてもらうぜ!!!」

「やれるもんなら、やってみなさいよ!!」

 

 

「行くぜ!!「ライズレーザー」!!」

 

「!?何やってるのよ?レーザーは私に当たらないわよ!!」

「そうかな?私には、あんたにひとつだけ弱点あるように見える」

「弱点?」

 

ジュッ!!

 

「リボンが!?レーザー?いつの間に?」

「そうそれだよ・・・あんたの弱点!」

「何よ?」

 

 

「移動が遅すぎる。そんなんじゃ私のレーザーはかわしきれないぜ?」

「ふっ・・・・・ははははっはははははっはは・・・」

 

 

 

「食らいなっ!!!「イリュージョンレーザー」!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなんで負けるとでも?」

「何っ!?」

 

 

 

「これで最後!!「サイケドール」!!!」

「うわっ!?」

 

 

 

 

「貴方の残り被弾回数からして私の勝ちね」

 

 

 

 

「ぁぁぁぁああああ!!!!」

「!?」

 

 

 

 

「流星「ブレイジングスター」ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

 

 

「箒で自分ごと突っ込んできた!?」

 

 

 

 

 

「という訳で今回は、私の負けです!」

「魅魔様!勝ちましたわ!」

「おめでとう!魔理沙」

「うんうん!資料もいい感じに集まってきたよ!」

「そうですか・・・良かったわ!」

「そうですねー」

「少しお時間よろしいですか?エレンさん」

「何でしょう?霧雨さん」

 

 

 

 

 

 

「お前こそ口調が変わってんだろ?」

「いいのよ。だってそのほうが面白いじゃない!」

「いやなやつだな・・・」

「今回は、わざと負けてあげたんだからがんばりなさいよ!」

「わざとって・・・まあいいや。次もがんばらせてもらうぜ!!」

「貴方は、そっちのほうが生き生きしてるわね。何で隠してるの?」

「なんとなくだぜ!」

「なんとなく・・・・・」

「それより気づかないのか?魅魔様は?」

「博霊神社の神様でしょ?」

「気づいてないんだな・・・」

「何のこと?」

「あぁ、気にしなくても良いぜ!悪かったな」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ次は、誰がその力を見せてくれるの?」

「教授!私の力を見てください!!」

「おっ?科学信者、見せてくれるかい?」

「ただし教授!相手を決めてよいですか?」

「へぇー、いいよ!誰と勝負するの?」

 

 

 

理香子はゆっくりと指を指す。

 

 

 

「博霊神社の神。魅魔!貴方と勝負したい!!」

「ふん!面白いじゃないか、いいよ!かかってきな!!」

 

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙 

・靈夢

・エレン

・小兎姫

・カナ・アナベラル

・朝倉理香子

 

魔理沙対エレン  魔理沙勝利!

 

次回 魅魔対理香子




作「やっとネタができたよ!作者のオロナインです!」
魔「お待たせだぜ!魔理沙だぜ!!」
作「ホントにお久しぶりです。長らくお待たせして申し訳ございませんでした」
魔「まぁ、そのまま失踪しなかったからいいか」
作「短編とかいっぱい書いてたから、失踪するものもできないよ」
魔「それはともかく・・・完成度低くね?」
作「久々だったから、見逃してください」
魔「何でだよ!」
作「実はぶっちゃけちゃうと此れ、九月中に出す予定だったんだよね」
魔「何でここまで伸びた?」
作「一時間掛けて、書き上げたデータを一秒で消した」
魔「何やってんの?バカだろ?死ねよ?」
作「生きる余地を与えてください。というか前回死に掛かってたんだから止めを刺さないでください」
魔「さて雑談はここまでにしようか」
作「はい」
魔「次回はいつまでに投稿するんだ?」
作「現在、少々忙しいので少し遅れますが今月中には出します」
魔「それじゃ、いつまでも夢時空編が終わらねぇよ!」
作「いいじゃないのー」
魔「ダメよーダメダメ!」
作「・・・」
魔「・・・古いよ」
作「とりあえず、今年中に幻想郷編に入っていく予定」
魔「本来なら既に入ってなきゃダメだろ」
作「次回もお楽しみにー」
魔「逃げんなよ!えぇと、みんなよろしくな!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十六話

二回目の魅魔様語り部だぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!
ついでに、前回手を抜いた分今回は全力投球だぞ!


「わざわざ、あたしを選ぶなんてなんか理由でもあんのかい?」

「えぇ、大ありよ!」

「ふーん、そうかい。じゃあ改めて自己紹介をしようか。私は・・・」

「魅魔。そうだよね?幻想郷最恐の悪霊さん?」

 

 

あたしは一瞬身構えた。こいつ、知っている。

 

 

「違ったかしら?百年前の惨劇は、もうみんな忘れちゃったのかしらね?」

「さぁね?あんたは覚えてたのかい?」

「勿論!忘れるわけ無いじゃない!あんたのせいで私の人生滅茶苦茶よ!!」

「ほう・・・何があった?」

「何があったじゃないわ!私の家族を殺したくせに!!」

 

あたしは唾をのんだ。

ついにこの日が来たか・・・・と。

 

「殺した・・・・か。そうか」

「今更詫びても許さないから、絶対!!」

「強い意思だな」

「当たり前よ!あんたがあんなことするから、私は魔法使いになったんだ!!!」

「・・・・・・・魔法使い・・・ね」

「なっ・・・何よ!?」

「いや、あたしにもそんな頃があったなぁって。ごめんね、変なこと言って」

「そんな頃?」

「気にしないでくれ」

「・・・きっ、気になるじゃない!!」

「だよねぇー」

「ムカつく言い方ね!!」

「話してもいいけど、まずあんたの話を聞かせてくれよ?」

「何でよ!あんたなんかに!!」

「あたしがあんたにやったことを確かめたい」

「・・・分かった」

 

 

 

 

 

あの日は、いつもどうりの平凡な日だった。

幻想洋が外の世界と結界で分断されてからまだ数十年ぐらいだったころ。

何の変哲もないある日、突然・・・・

 

 

あんたが来た。

 

 

あの日の記憶はほとんどない。

けど、里を木々で呑み込み、人々を無残に殺して、妖怪は跡形もなく消し去ったあんたの姿は今も鮮明だ。

夢中で逃げた。里の人は半分になっていた。消えた半分に私の両親がいた。

その日私は決めた。

 

 

あんたを絶対に殺してやる。

 

って・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。家族を殺されたか・・・・・」

「何よ?他人事みたいに!!」

「そりゃあ他人事さ。別に狙ってあんたの両親を殺したわけじゃないしね」

「そうだけど・・・・」

「それにあの時は、あたしも大切なやつを殺された」

「えっ?」

「大切なものを殺される気持ちは多少なりとも分かってるつもりだ」

「じゃ・・・じゃあ何であんなことを!!!!!」

「人は繰り返すんだよ。同じことを・・・・」

「はっ?どういう意味よ?」

「千年ぐらい前かな?幻想郷を出てずっと北西の方角に進む。すると海を越えて大陸に出る。その大陸の西の端にあった国があたしの故郷だ」

「千年前・・・・!」

「その国である日魔女狩りが行われた。当時、あたしたちみたいな魔法使いは老若男女、問答無用で殺された」

「うっ・・・・・嘘でしょ?」

「残念ながら事実だ。今話してるのは、本当にあった出来事だ」

「それで、どうしたのよ?あんたは」

「村に住んでいたんだが村の人があたしとあたしの娘を匿った。旦那はすでに戦争で死んでいた」

「匿わられて?」

「見つかった。地下室にずっといたんだけど久々の外は地獄絵図だったよ。村人の血で真っ赤に染まっていた」

「・・・・・・それで?」

「あたしも殺された。生きているとき、最後に聞いたのは娘の悲鳴だったよ。何を言っていたかは分からないけど多分・・・・・」

「多分・・・・」

「お母さーん、って叫んでたと思う」

「・・・・・・・」

「そのあとは、こうやって悪霊になって国を地図から消した。物理的にね」

「もういい。吐き気がする」

「それは、あんたが生きているからだ。あたしは死んでいるからそんなの感じない」

「・・・・・・・そんなの、あんたに言われてもうれしくない・・・」

「それでいいのさ」

「それに、あんたを殺す意思も変わらない!!」

「残念だがそれは無理だ」

「はぁ!!どういう意味よ!!」

「あたしを殺す方法は、二つ」

「・・・・・・」

「一つは、あたしの力の源である月を破壊すること」

「もう一つは・・・?」

「あたしの姿を保っている負のエネルギーを消し去ること」

「そっちだったら・・・・」

「少なくとも、千年間この世に居続けている魂にそんなこと言えるかい?」

「そうだけど・・・だけど!!!」

「無理なんだよ!!あたしは!!もう、地獄に行くことさえできないほど罪を重ねすぎたんだ!」

「そんなわけないでしょ・・・・」

「あたしが三途の川を渡ると罪の重さで船が沈む。それほどに罪を重ねてしまった」

「・・・・・・」

「信じてくれるかい?」

「信じるしかないでしょ・・・・そんな目で見られたら・・・・」

「ありがとう。あんたは優しいね」

「うれしくないわよ」

「話が過ぎた。そろそろ始めようか?」

「えぇ、あんたを殺すために身に着けた魔法を見せてあげる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラウンドギア」

「これは・・・金魔法か・・・」

「下の奴らは、科学信者なんて言ってたけど・・・・」

「これは、立派な魔法だな。しかも超凄腕」

「研究の賜物よ」

「確かに」

「貴方はこれをどうやって対処する?」

「貫通ワイドウェーブ」

「ふっ!そんなへなちょこ弾なんか効かないわよ!!」

「ほう・・・。こちらの攻撃が消されているな」

「そんなんで、倒せると思うな!!」

「少し舐めすぎたかな?」

「ふざけんじゃないわよっ!!」

 

 

ドカン!!ドカン!!

ラウンドギアが突如、爆発した。

 

 

「どう?ラウンドギアは、爆発を起こせるのよ!流石に今のは、五回被弾ね!」

「危ない危ない・・・。あと少しで、爆発に巻き込まれるとこだった」

「えっ!?」

「どうした?対戦相手が真後ろにいるのが珍しいか?」

「どういうことよ?」

「爆発の直前に移動しただけさ。あんたの真後ろにね」

「嘘でしょ・・・・」

「残念だな。さぁ、どうする?」

「・・・・・・・・・ホーミングギア」

「ほう、ホーミング弾か・・・・」

「それだけじゃないわよ!「挟み弾」」

「くっ!ホーミングに左右からの攻撃か・・・・・これはきついな」

「今度こそ、五回被弾しなさい!!」

「普通の奴ならここで即死だな」

「!?」

「イビルフィールド」

ズガガガガガガガガ!!!!!!!

「嘘!?全弾消された!?」

「まぁ、こんなもんか?今から降参でもするかい?」

「・・・・・・・」

「実力差は目に見えてるだろ?」

「だけど・・・・」

「?」

「だけど私はあきらめない!!最後のこの攻撃にすべてをかける!!」

「いい心構えだ!!かかってきな!全力で受け止めてやる!!!」

「行くよ!魅魔!!私のすべてを喰らえぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

「ラウンドギア2」

「!?」

「驚いた?もう貴方は私に近づくことも攻撃を当てることもできない」

「ほう・・・」

「ラウンドギアの金魔法を自分の周りに展開する、ラウンドギア2。ラウンドギアの攻撃力をそのまま防御力に回した完全防御」

「素晴らしい魔法だな。今度、あたしも使ってみようかな・・・」

「勝手にすればいいわ」

「その前にこれをどうやって攻略するかだが・・・。少々荒いが気をつけろよ」

「何よ?」

 

 

 

 

極砲「アルティメットスパーク」

 

 

 

 

「なっ!?」

「あんたの全力をあたしの全力で答える!!」

「私だって!!!」

 

 

 

 

ドゴォ!!

 

 

このときあたしは、嘘をついた。

全力なんてこれぽっちも出していなかった。

それは、彼女に対しての償いだったのかもしれない。

 

 

ガキィ!!

 

 

「何の音だ?」

 

 

不気味な音にあたしは攻撃の手を止める。

 

 

「しまった」

「どうした?」

「ラウンドギアが壊れた」

「どういうことだ?」

「さっきのあんたの攻撃に耐え切れなかったのさ。もともとラウンドギアは、攻撃用だからもうすぐしたらさっきみたいに爆発して私は、巻き込まれて死ぬ」

「何だって!?」

「あんたの言うとおりだ。降参しとけばよかった。実力差、なんてレベルじゃない」

「・・・・・・・」

「あんたを殺すための魔法だったのにまったく効かなかった」

「・・・・・・・」

「まさかあんたを殺すための魔法で自分が死ぬなんてね。まったく笑えないよ」

「死ぬ?誰が決めた?」

「は?何を言ってるの?ラウンドギアは外からも勿論、内側からも破れない完全防御なのよ?確かにあんたの攻撃で壊れたけどその効果は、まだ続いているわ。そのうえ爆発するんだからもう助からないのよ」

「本当に効果が続くのか?爆発するまで」

「・・・・・・0.08秒」

「何?」

「0.08秒間だけ。爆発の直前の0.08秒は効果が切れる」

「それだけあれば余裕だ」

「は?」

「理香子!爆発のタイミングを教えろ!そして絶対動くな!!」

「何をするの?」

「あんたを助ける!絶対に!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・分かった」

「準備しなさい!」

 

理香子の目付きが変わった。

 

 

 

 

「今よ!!」

 

 

あたしはラウンドギアの合間を一瞬で抜け、理香子を抱えて更に真っ直ぐ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、後ろで大爆発が起こった。




作「復活二回目!作者のオロナインです」
魅「初のあとがき参加。魅魔でーす」
作「最近思う。自分は作者じゃなくって二次創作者なんじゃないかと・・・」
魅「二次創「作者」じゃん。めんどくさい」
作「確かに!さすが魅魔様。かっこいい!」
魅「知らんよ・・・」
作「ですよね・・・」
魅「どうしたんだい?魔理沙のときは饒舌なのに?」
作「緊張っておいしいですよね」
魅「緊張してるのね。いきなり意味不明なこと言うからドン引きしたわ」
作「やっぱ立場上の人と話すのは、緊張するじゃないですか」
魅「そうかねぇ?」
作「まぁ、魅魔様は番外編で暴れてもらうのでここで次回予告」
魅「早いなぁ。次回はいつ投稿するんだい?」
作「なるべく早く!」
魅「雑だねぇ」
作「というわけで、次回もよろしくお願いします」
魅「ご愛読ありがとうございました」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十七話

「魅魔様!!!!!」

 

私は、大きく叫んだ。

魅魔様の、アルティメットスパーク見た後急に攻撃をやめたかと思えば

今度は、理香子の周りが急に爆発したからだ。

地上からは状況が分からない。とにかく事故が起こったようだ。

 

「ここは、警察の私が行くからみんなは、ここで待ってて!!」

「分かった。小兎姫」

「私も行くわよ!うちの上空でこんなことになったら、あとでアイツになんて言われるか・・・」

「分かったわ、靈夢ちゃん。行くわよ」

 

 

 

 

 

「大丈夫だよ。けがはないから」

 

背後から声がする。

 

 

「魅魔様!?どうしてここに・・・」

「気合いだよ、気合い。まぁ、少々危なかったがな・・・」

「そうか・・・良かった」

「ちょっと魅魔!何でこんなに手荒にやるのよ!!」

「あぁ、理香子。ごめんよ」

「ごめんじゃないわよ!!全く」

「まぁ、元気そうでよかった」

「元気そうって・・・あんた・・・」

 

 

「魅魔様!?その背中は、どうしたんだ?」

「おやおや。爆発に巻き込まれて服が破れたかな」

「何で余裕ぶってんだよ!!怪我とかないか?」

「あるわけないだろ。あくr・・・・神なんだから。それより魔理沙!」

「どうした魅魔様?」

「この背中。大胆に開いてセクシーじゃないか?」

「知らねぇよ!!早く着替えろよ!!」

 

ちぇっ。魅魔様は軽く舌打ちをすると魔法の森まで高速で飛んで行った。

 

「舌打ちしてんじゃねぇよ・・・全く・・・」

「口調が乱れてるわよ。魔理沙」

「あぁ、そうでしたわね。エレンさん、ありがとうございます」

「うふふ。そんなことないわ」

 

 

「さっきから、あんたたちずいぶん仲良いわね?」

「じゃあ、靈夢ちゃんも私と仲良くしよっ!!」

「うるさい。警察官。だいたい、幻想郷の事件を解決してるとこを見たことないんだけど?」

「そうかなー?結構、仕事してるよ」

「少なくとも私は、そんな風には見えないわね」

「もしかして私の実力を低く見てるでしょ?」

「もしかしなくてもそうよ」

「ふーん・・・」

 

 

 

「次の対戦相手は決まりかな!」

「というか、さっきの対戦の結果はどうしますの?」

「私の負けで良いよ」

「理香子・・・?」

「私は、被弾回数はそれこそ0回だけど命を助けてもらってるからね」

「じゃぁ決まりだね!」

 

 

 

 

上空の高いところ。

靈夢と小兎姫は対峙していた。

どうやら私たちと同じように話している様子だ。

 

 

 

 

「ただいまー」

「おかえりなさい魅魔様」

「どうだい。魔理沙。この服イケてるだろ?」

「イケてるって・・・・まぁ悪くはないんじゃない?」

「まだ若く見えるかな?」

「若く見えたいって・・・自分の親から聞くと衝撃的な言葉だな・・・・」

「そうかい?あたしはいつまでも若々しく見られたいねぇ」

「まぁ、実年齢よりは若く見えるんじゃん?」

「しかし妖怪の千年はあっという間だから、結構若く見えるやつも多いんだよね」

「でも人間からしたら、滅茶苦茶若いんじゃん?」

「そうかねぇ・・・・」

「若いよ!魅魔様は!だってこんなに美人な親がいたら普通の人は自慢すると思うな」

「言ってくれるねぇ!美人かぁ・・・・昔もよく言われたねぇ・・・・」

「スタイルもいいしね」

「魔理沙ももっと大きくなりなよ。身長とか、胸とか」

「身長はともかく胸には触れんな!!超デカいのを自慢しやがって!!!」

「うらやましいかい?うらやましいかい?」

「うぜぇ!その聞き方すんな!!」

「はは。ごめんごめん。まぁ、きっと魔理沙も大きくなるよ」

「適当なこと言いやがって・・・・」

「何言ってんだい?成長期だろ?これからに期待しな!」

「いや、最近伸びないんだよね・・・。十三までは順調だったのに全然伸びた気しないんだよ・・・」

「そうだったかなぁ・・・いつも見下ろしてるから分からなかったな」

「見下ろしてるって言い方すんなよ!傷つく!!」

「しょうがないだろ?身長高いんだから。しかも幽霊なのに触覚は働いてるから壁抜けとかできないし、デカいからよく頭をぶつけるし・・・・」

「そうだったんだ・・・なんかごめん」

「謝らなくていいよ。それも運命なんだから」

「おぉ、なんかカッケェ!!!」

「褒めても何にも出ないよ」

「ちっ。褒め損した」

「そんなこと言うなら、明日のおやつは森でとれたよくわかんないキノコのジュースにするよ」

「やめてくれ!魅魔様、そんなもん飲んだら、どうなるか分かんねぇ!!!!」

「大丈夫。死なない程度に殺してあげるから」

「その発言が怖いんだよ」

「死んだらその時だよ。人はいつか死ぬんだから」

「それっぽいこと言ってもダメ!!」

「しょうがないなぁ。じゃぁ無縁塚で拾ったやばそうなお菓子にしておくよ」

「それもっと駄目だから!それも下手したら死んじゃうから!!」

「じゃぁ、あたしをもっと褒めたたえな!」

「魅魔様かっこいい!!魅魔様超美人!!!魅魔様最高!!!!!」

「よろしい」

「良かった・・・」

「完全に毒キノコジュースで我慢してやる」

「良くねぇ!!!」

「嘘だよ。冗談」

「笑えねぇんだよ、魅魔様の冗談は・・・」

「そんなことないさぁ。いざってときは魔法があるし」

「魔法って万能だな」

「何でもできるからね。料理をいい感じに温めたり、水流で洗濯物を洗ったり、食べ物をずっと冷やせるし」

「何気にすげぇな。魔法」

「あんたも早く一人前になりなよ」

「分かってるよ魅魔様」

 

 

 

 

 

 

「貴方たち何の会話をしているのですか?」

「普通に雑談ですわよ。エレンさん」

「いや、会話してるよりあの二人の戦いを見たりしないのかよ?」

「どういうことだ?理香子。靈夢と小兎姫がどうした・・・・・!?」

 

 

 

見ると靈夢が完全に押されていた。手も足も出ない状況だった。

 

 

「嘘だろ!靈夢が!!」

「さっきからあんな感じだよ。全く、見てなかったんだな・・・」

「でもあんなに押されてるってことは、あの小兎姫ってやつ・・・」

「とても強いのでしょうね」

 

 

「靈夢ちゃん、五回被弾しました。小兎姫ちゃんは変だけど強いね」

 

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙 

・靈夢

・エレン

・小兎姫

・カナ・アナベラル

・朝倉理香子

 

魅魔対理香子  魅魔勝利!!

靈夢対小兎姫  小兎姫勝利!!

 

次回  カナ・アナベラル対????




作「どうもみなさんこんにちは。作者のオロナインです」
靈「こんにちは。博麗神社の巫女やってます。博麗靈夢です」
作「今回は太刀シーンを書かないという己の弱点を完全にカバーする書き方をしてみました」
靈「これで夢時空編の私の出番は終わりなの?」
作「実質そうですね」
靈「酷過ぎんでしょ。もうちょっと目立たせなさいよ!!」
作「小兎姫ちゃんはしっかり活躍するので大丈夫です!!」
靈「あの変人じゃなくて私を活躍させなさいよ!!」
作「しょうがないだろ~。小兎姫の強さを演出するにはこれしかなかったんだし、どうせ靈夢はこの後も出番がたくさんあるし」
靈「まだ活躍する機会はたくさんあるのね!!」
作「個人的には、そのゲームにしか出ないキャラを立たせたいしね・・・」
靈「分かった。納得よ」
作「さて次回は、未定です!!」
靈「話の流れを読みなさいよ!!」
作「多分、早めに投稿しますが話の内容が未定なのであまり期待しないでください」
靈「堂々と何言ってるのよ・・・」
作「あと誤字とかあったら報告してください」
靈「急にどうしたのよ」
作「伏線回収とかで前の話を読み返してたらあまりの多さに心が折れた」
靈「・・・・・次回も「魅魔と魔理沙」をお楽しみに~」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十八話

良いお年を


「私の事、もしかして忘れてない?」

 

 

「えっ!?お前誰だ!!」

「いつからそこにいたんですか?」

「ちょっと、私が弱ってるときに妖怪なんか出てこないでよ!」

「科学的にもあり得ない・・・・」

「不思議ですねー」

「逮捕しちゃうぞ☆」

「いきなり出てくる・・・・素敵ね」

 

 

「・・・・最初からいたわーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

 

「いきなり大声出すな!!!!」

「なんだよ!!みんなして私をハブってたくせに!!フンだ!!フン!!」

「騒霊のくせに静かだったからじゃない?」

「痛いところをつかないで!!」

「あっ、泣いた」

「うえーん!!!うえーん!!」

「なんだか犯罪してる気分になるな・・・・・」

「科学信者ちゃん!!そんなことしたら・・・・逮捕しちゃうぞ☆」

「アーハイハイ。ソウデスネー。っていうかこいつの対戦相手はどうすんのよ?」

「そうですわね。靈夢もそう思いますよね」

「チッチッチッ。実は問題ないんだなぁ」

「「教授?」」

 

教授は人差し指を左右に、二・三回動かすとそう言った。

 

「ちゆり!!出ておいで!!!」

「んーー?教授呼んだか?」

「皆さんに挨拶して」

「りょーかーいー。私は北白河ちゆり。教授の助手をやっている」

「へー。あんた助手なんていたんだ」

「ふふふ、驚いたか、博霊の巫女よ・・・」

「おい!教授!人のこと呼び出しといて、ちゃっかり放置すんじゃねぇよ!!」

「・・・・・・あんたの助手は口が悪いわね」

「・・・そうね。此れは此れで個性があって素敵じゃない」

「そんなわけ無いでしょ・・・」

「おー。しかし、可能性空間移動船から見てたけどずいぶんとキャラが濃いメンバーじゃねぇか」

「普段の魔理沙見たいな口調ね・・・」

「何の事かしら?うふふふふ・・・」

「私個人としては、神様名乗ってるあんたが一番気になるねぇ」

「ほう、あたしに目をつけるとは面白い娘じゃないか?」

「そんな事より、ちゆりさん!私の化学力は?どうですか?」

「私たちの世界にお前みたいなやつたくさんいたぜ。まぁよく見るやつだな」

「ありがとうございます!ありがとうございます!!!」

「そこはお礼を言うとこかしら?」

「まぁいいんじゃないかしら、うふふふふふふ・・・・・」

 

 

 

ガァン!!!

 

 

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

「てめぇら・・・・・いい加減にしろよ?」

 

 

 

カナ・アナベラルはマジ切れした。

どこかから取り出した、先端に丸い形の鉄板が付いた鉄の棒を片手に

騒霊とは思えないほどの殺気を放ちながら棒を地面にめり込ませていた。

 

 

 

「ぴゃーぴゃー、いきなり出てきた新キャラにテンション上げやがって?調子乗ってんだろ?」

「わっ、悪かったわよ。私たちも軽く放置してたのは認めるわ」

「だから気を静めろ。五月蝿いぞ」

「騒霊なんだよこっちはぁぁぁぁぁああああ!!!!五月蝿くするのが仕事なんじゃぁあぁぁぁあぁあああああ!!!!」

「ほう、こいつだったよな。さっきからぎゃーぎゃーしてるやつは?」

「そうだよ?文句あんのか?」

「私と勝負しようぜ?あんたが勝ったら一発優勝で教授が願いをかなえてくれるってさ」

「ちゆりちゃーん?何勝手に言ってるのかな?」

「ま、私に勝てるわけ無いけどな?」

「面白いわね?やってやろうじゃない!!!」

 

 

 

 

騒霊対助手

 

聞いた感じ、シュールだが片方が殺気を放ちもう片方がそれを舐めてかかっているため

少々、危険なにおいしかしない戦いに感じられた。

 

 

 

「先手はそっちにやるよ。派手にやりな!」

「言われとも!!!!」

 

 

「エナジーノイズ」

 

 

「巨大なエネルギー弾か。やるじゃなぇか」

 

 

そういいながらちゆりはひょいひょいかわしていく。

 

「軽い顔してかわしやがって!!だったら此れでどうだ!!」

 

 

「ソウルバード」

 

 

「騒霊ちゃんの鳥さんかな?かわいいじゃねぇか」

 

「まさかそれだけとでも?「並列弾」「ポルターガイスト」」

 

「交差して飛ぶ鳥ちゃんにまっすぐ飛ぶ弾。さらに自分からも攻撃を仕掛け続ける。

 

 

 

バランスの取れた攻撃だが・・・・・甘いな。甘すぎるぜ!!」

 

 

 

 

そう叫んだちゆりは私の視界から消えた。

 

おそらく他のみんなもそう見えたかもしれない。

 

しかし私は、身近な人物がまったく同じ動きをするのを見慣れているため

 

何が起きたか見破ることができた。

 

 

 

「「高速移動・・・!!!」」

 

 

魅魔様と同時につぶやいた。

 

ちゆりは満面の笑みを浮かべながら気を失ったカナを抱えて降りてきた。

 

 

 

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙 

・靈夢

・エレン

・小兎姫

・カナ・アナベラル

・朝倉理香子

・北白河ちゆり

 

 

カナ・アナベラル対北白河ちゆり  ちゆり勝利

 

残りメンバー

 

・魅魔

・魔理沙

・小兎姫

・北白河ちゆり

 




魔「未定だからって待たせすぎだろ」
作「そうですね」
魔「そうですねじゃないだろ!」
作「あっ、はい。すみません」
魔「あとさぁ」
作「何でしょう?」
魔「何、名前変えてんの?」
作「えっ?」
魔「前回までオロナインだったじゃん?今は何よ?」
作「オルナインです・・・」
魔「変えた理由は?」
作「軟膏はどうかと・・・・」
魔「かわらねぇよ!!!一文字違いかよ!!帰るならもっと大胆に変えろよ!!」
作「そ、そうですね、はい」
魔「まぁいいか。毎回、失踪しそうでしないんだよな。いっそのこと失踪しろよ」
作「なんて恐ろしいことを・・・・。失踪は絶対しません!!」
魔「ならいいんだけど・・・」
作「あぁ、はい」
魔「で?今回は投稿をサボっていた期間に何をしてたんだぜ?」
作「自室のか〇ちんフィギィアが三体に増えました」
魔「黙れ!ラブラ〇バー!紅白も見やがって!」
作「ご注文〇うさぎですか??は面白かったなぁ・・・」
魔「属性にごち〇さ難民が追加されている!?」
作「東方厨でラブ〇イバーでごち〇さ難民・・・。最強だな」
魔「うわぁ。もう救いようがねぇ・・・」
作「さてと、結局今年中に幻想郷編に入れませんでした。申し訳ございません。
そしてこのままだと完結は再来年です。申し訳ございません」
魔「やる気あんのかって話しだぜ」
作「でもやります。私はやり遂げます。やり遂げて見せます!」
魔「こんなやつでも応援してやって欲しいぜ」
作「では最後にご挨拶を。今年はありがとうございました」
魔「良いお年を。来年もよろしくだぜ!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十九話

「わざわざ、そっちから挑戦をしてもらうなんて何だか悪いね」

 

ちゆりは後頭部をぼりぼりと掻きながら言った。

 

「いえそんなことないですわ。ちゆりさん」

 

私は、カナとの戦闘を終えたちゆりにこちらから勝負してほしいと頼んだ。

理由は勿論、ちゆりが高速移動を使っていたからだ。

日々、魅魔様との修行で必然的に自身のスピードもあがっていた私は

試したくなったのだ。己の速さがどこまで通じるのかを。

 

「早速はじめようか。魔理ちゃんはどんな戦い方をするのかな?」

「魔理ちゃん呼ばわりは・・・・・少々心外だぜ」

 

 

私はそうつぶやくとちゆりに背を向けた。

 

 

「!?どうする気だ」

「うふふ、ついて来て見なさい!!」

「待ちやがれ!!」

 

私は全速力で飛び出した。

別に逃げてるわけではない。

しっかりとした狙いがあるのだが・・・

 

「どこ行く気だ!!」

 

うまくいったようだ。

 

 

 

「ちょっと!!魅魔!魔理沙がどっかに行っちゃったわよ!」

「落ち着け靈夢。あたしの弟子は戦いを挑んで逃げるようなやつじゃないよ」

「どういうことよ?」

「地の利だよ」

「血糊?」

「なんでそんな物騒なもんになるんだよ・・・地の利だよ、地の利!!有利な場所で戦うことだよ」

「じゃあ魔理沙は逃げることで地の利を得たっていうの?」

「逃げる?違うな。正確にはおびき寄せるだ」

「おびき寄せる?」

「あぁ。魔理沙が一番戦いやすい戦場。魔法の森だよ」

 

 

 

 

「待ちやがれ!!」

「待てと言われて待つもんですか!倒したいのなら追いかけてみなさい!!」

「畜生!!・・・・・」

(止まった。ばれたか・・・?)

「しょうがねぇな・・・・。今、最高速度で追いかけてやるから、待たない方がいいぜ!!!」

「!?」

 

 

速い。それも並大抵の速さではない。それこそ魅魔様の移動速度に匹敵するかもしれなかった。

これでは、森に辿りつく前に追いつかれる。だったら・・・・。

 

 

「おいおい!!逃げなくていいのか?そんなんじゃ追いついちまうぜ!!」

「いいのよ。追いつかれても」

「?」

 

 

 

私とちゆりの距離が五メートルを切った。

 

 

「こっちも最高速度だぜ!!」

 

 

『ブレイジングスター』

 

 

「しまっ・・・・くっ!!!!」

 

 

ちゆりはブレイジングスターによって発生した空気の渦に巻き込まれた。

今のブレイジングスターは改良版で箒の後ろからマスタースパークを放つことで進んでいるが

このころのブレイジングスターは自分の魔力を最大限まで引き出して

推進力に変えていたので今考えるととても遅いのだが

周りに空気の渦を出すことが出来た。

 

結局、現在のブレイジングスターとこのときのブレイジングスターはほぼ別物だが

使い方は全く同じである。

 

 

「畜生!!どこ行った?」

「ここだぜ!!」

 

 

一気に距離を百メートルほど離した私はそのまま魔法の森の中へ入った。

 

 

「湿っぽい森だな。結構、木々がうっそうとしてるから、高速飛行もできねぇし・・・」

「この森は私の庭みたいなもんだからな。下手に動くとすぐに死ぬぜ」

「おぉ、怖いわ。庭を語るってことは、そっちは高速移動し放題かよ」

「おかげさまで」

 

 

作戦道理にいった。だが油断はできない。

ちゆりは高速移動もそうだが高い攻撃力も持っている。

あの騒霊カナを一撃で沈めたぐらいだ。そこは警戒しなければならない。

ならば一気に片づける。

 

『イリュージョンレーザー』

『タイムカッター』

 

((同時!?))

 

 

 

(いや、少しちゆりが速い。一旦引くか?)

 

 

だが私は予想外の光景を目にする。

 

私のレーザーにちゆりの攻撃がかき消されたのだ。

 

 

「なっ!!」

「マジか!」

 

 

ちゆりの攻撃力は高いと予想していたが私よりも低かった。

しかし私は、あの騒霊(カナ)を一撃で沈めることはできない。

ではなぜ、ちゆりはカナを一撃で倒したのだろうか?

 

 

「どういうことだぜ?」

「ばれちゃったか?魔理ちゃん頭いいからね」

「あんたの攻撃力は高いと読んでいたんだが?」

「違うよ。とっても低い。たぶん騒霊ちゃんと互角ぐらい」

「じゃあなんで?」

「魔理ちゃんと一緒だよ。ここがいいの」

 

そう言ってちゆりは自分の頭を人差し指で二、三回叩いた。

 

「一応、ほめ言葉として受け取っとくぜ」

「ありがたいね。そんな魔理ちゃんなら私が次にどんな行動を取るか予想が付くかな?」

「何?」

「遅い!!」

 

私は背中側に箒を持ち上げる。

予想通り、ちゆりはそこから攻撃を仕掛けてきた。

 

「・・・・・・急所を狙ってるな?」

「ご名答」

「スピードでそんな攻撃を狙うなんて姑息な奴だぜ」

「褒め言葉だね」

「くっ!変に自信があるからめんどくさいぜ」

「それはどうもありがとう。さ、此れからどうするつもりかな?」

 

その時だった。

「うるさいなぁ!!ちったー静かにしろよ!!」

 

 

 

「「・・・・・・・・なっ・・・・・何だと」」

 

 

私たちの目の前に現れたのは

 

 

「「わっ・・・・・・私!?」」

 

 

もう一人ちゆりだった。




何とか四月中に投稿できました。
皆さま、お久しぶりです。オルナインです。
四月ってこんなに忙しいんですね。新しいことの始まりの時期です。
さてと、言い訳タイムに入りますか(震え声)


投降履歴を見て頂いたら分かりますが生きています。結構元気です。
ピーエスヴィータってこんなにも楽しいんですね。ゲームって止められません。
ソフトは「ラブ〇イブ」と「まど〇ギ」を買いました。前者はクソゲーです。
あと、東方の二次創作ゲームがあるのは知っていましたが中々面白くて
結構、楽しんでます。
あくまで体験版を・・・・・・。


こんなにも待たせて皆様にめちゃくちゃ迷惑をかけて申し訳ございません。
しかし朗報です!

六月頃。携帯を買い替えます。
ついに手を出してしまうのですよ・・・・・・・。
そう、『スマートフォン』


遅すぎるって?
しょうがないだろ?ガラケー使いやすかったんだから。

スマホを使うことで出先で書くことができる。
これで大分、投降スピードが上がると思います(どの口が言うんだか・・・・)

次の投稿は早くて五月、遅くても七月までには出したいです。
また皆様をお待たせしてしまうと思いますが全力で頑張りたいので
これからも『魅魔と魔理沙』よろしくお願いします。


最後に魔理沙は今回、めんどくさかったから出さなかっただけで
気が向いたらまた出ると思います


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十話

祝二十話


 

「なっ・・・なんだと・・・」

 

私は目を疑った。

目の前にちゆりが2人いる。ただの似ている人ではない。

全くもって同一人物である。

 

「ふっ、これはドッペルゲンガーってやつかな?」

「うわっ、あんた私と声質も似てんだな」

 

ちゆりA(私と戦っていた方)とちゆりB(出てきた方)が

会話をする。双子以上に似ている2人だ。

唯一の違いは服の色。しかしそれで個人を見分けるのもどうだろうか?

 

「全く持って理解ができないぜ」

「おぉ、魔理ちゃん奇遇だねぇ。私も理解ができてない」

「私のそっくりさんと謎の金髪少女。一番理解できてないのは私だぜ?一から説明してくれよ?」

 

何というか、混乱する。

似た口調が三人そろうとここまで分かりにくくなるものなのか。

あらかじめ解説しておくと、上から、私、ちゆりA、ちゆりBである。

 

「しょうがない。私のドッペルゲンガーよ。ちっとばかし、話を聞きやがれ」

「口が悪いなぁ。私のそっくりさんなんだからもっときれいな言葉遣いにしやがれよ」

「別に私は私のしゃべり方があるんだ。そっちこそもっとちゃんとした言葉遣いにしろよ」

「なんで、そっくりさんに文句言われなきゃならないんだ。まずそっちから直せよ」

「どっちも十分、悪いぜ・・・・・・」

「「何だと?!」」

 

初対面とは思えないほどのシンクロを見せてくれた二人のちゆりは何やら相談し始めた。

なんかもう、私の心理的にはどうにでもなれという感じだったので

そこら辺のキノコを毟りつつ、話が終わるのを待っていた。

 

「なるほど!状況は理解できたぜ!!」

「サンキュー!赤ちゆり!!」

「魔理ちゃん、待たせたな!」

「早速、勝負の続きだ・・・・・・・ぜ?」

「ん?終わったか。待たせ過ぎだぜ」

「「いや、だからって・・・・・・」」

 

二人は私の後ろにできたキノコの山に向かって叫んだ。

 

「「採取しすぎだろ!!」」

 

こいつら、ホントに初対面か?

 

 

 

 

 

 

「では、幻想郷の悪の根源、魔理沙よ」

「我ら、ダブルちゆりが成敗してくれる!!」

「・・・・・・まてまてまて!!」

「ん?どうした魔理沙よ?」

「いまさらになって命乞いか?」

「何で、私が幻想郷の悪の根源になってるんだよ!!」

「ここに来て、言い訳なんて見苦しいぞ、魔理沙」

「そうだ。黙ってくたばれ!」

「いや、こんなことで黙ってくたばれるか!!おい!ちゆり!!ちゃんと説明したんじゃないのかよ!!!」

「いや、私は説明された側だが?」

「お前じゃないよ!赤ちゆり!」

「うるさいなぁ。文句言ってんじゃないよ!!」

「誤解を生んでいる張本人に言われたくないぜ!!」

「落ち着け、魔理ちゃん。私は誤解を生んでいない」

「・・・・・・は?どういうことだぜ?」

「元々、こうやって伝えるつもりだから狙い道理なんだぜ!!」キラッ☆

「「キラッ☆」じゃないぜ!!」

「おい、青ちゆり。魔理沙は何であんなに喚いてるんだ?」

「あ?あぁ、赤ちゆり。あれは私たちの恐ろしさにおののいてるんだ。気にしなくていい」

「そうか。じゃあ、さっさと片づけちまおうぜ!!」

「あぁ!勿論だ!!」

「いや!!何、始めようとしてんだよ!!」

「始めちゃダメなのか?」

「まずは誤解を解いてからにしてほしいぜ!!」

「ゴカイ?魚の餌のことか?」

「青ちゆり。ゴカイって何だ?」

「あれっ?幻想郷には海が無いの?」

「海って何だよ?」

「マジか。そっから説明するのか」

「海なんて今は、関係ないんだよ!!」

「そっちからゴカイの話を始めたんだから、こっちで収集をつけてからにしろよ!」

「えっ、いや、そんなこと言われても・・・・・」

「じゃあ、赤ちゆり。海を説明するぜ。海っていうはな・・・・・・」

「ほう、そんなのが幻想郷の外にあるのか!!」

「そうなんだぜ、すごいだろ?」

「すごいな!!幻想郷の外って!!」

「私も行ってみたいぜ!!」

「勝手に話を進めるんじゃないぜ!!!」

「うるさいなぁ!こっちは海の話で忙しいんだから後にしてよ」

「そうだぞ魔理ちゃん。人がお話してるときに割り込んじゃダメだぞ!!」

「話を全然違う方向にもっていってるやつに言われたくない!!」

「なぁ、青ちゆり。魔理沙は怒ってるみたいだから、この話はあとでしないか?」

「そうだな。魔理ちゃんがわちゃわちゃうるさいもんな」

「なんだか、私が悪いみたいな言い方で不本意だが・・・・・。まぁいいか」

 

 

 

「いくぜっ!!」

 

私は箒を翻して、森を飛んだ。

ちゆりは、森での飛行に慣れていない。そのため、この地形は私にとってかなり有利だが・・・・・

 

「待ちなっ!!」

「やっぱりか・・・・!!」

 

赤ちゆりは違った。

彼女は幻想郷、更に魔法の森で生活していたから飛行技術に関しては私と同じ。

そのうえ、パーソナリティは青ちゆりと同じなので

 

「速い!!」

「当たり前!!」

 

『タイムカッター』

 

「あぶねっ?!」

 

ギリギリで上昇してかわす。

ドゴォ!! 前方でかわした敵弾が木に命中する。

 

「狙い通り!!」

「何っ?・・・・マジか!!」

 

見ると攻撃が当たった木がこちら側に倒れてきている。

このままでは、直撃ルートだ。

このスピードでの戦いをしながら、短時間で戦略を立ててくる奴は戦いづらい。

 

だが、

 

「決断力ならこっちも負けてないぜ!!」

 

『ブレイジングスター』

 

私はスピードを上げて、木の下を潜り抜ける。

 

「ふふ、それもまた狙い通り」

「なっ?!」

 

潜り抜けた先に、今度は青ちゆりがいた。

 

「もう一度くらいな!!『タイムカッター』」

「ちっ!『イリュージョンレーザー』!!」

「後ろからもだよ!!」

「何っ?!」

 

青ちゆりのタイムカッターをレーザーでかき消そうとしたところに

背後から赤ちゆりのタイムカッターが迫って来た。

既に回避する余裕もかき消す時間もない。

 

「だったら・・・・『ギャラクシー』!!」

「「なっ?!」」

 

全方位にエネルギーを飛ばす。

前後から飛んできたタイムカッターもイリュージョンレーザーも吹き飛ばすほどの魔力を解き放った。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・」

 

 

「くっ。やるじゃねぇか魔理ちゃん」

「でもその調子じゃ、一回が限界みたいだな?」

 

「うる、さい・・・・・ぜ・・・・」

 

「強気になるな。魔理ちゃん」

「おとなしく、くたばりな!!」

 

 

 

 

『夢時計』

 

 

 

青ちゆりと赤ちゆりが同時に同じ攻撃をする。

方や化学とやら、方や魔力。根源は違うはずなのにほぼ同じ威力を持っているようだ。

 

「っていうか、何で途中から二対一になってんだよ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「二対一は卑怯じゃないか?」

 

 

「「「?!」」」

 

 

声と共に魔力の風が吹き荒れる。

簡単な魔法のはずなのに、一瞬で二人の攻撃を吹き飛ばす。

 

 

「「お前は・・・・・・!!」」

 

 

「魔理沙の師匠の魅魔だよ。ちゆりーず」

 

「みっ・・・・・魅魔様!」

「魔理沙。中々、強力な魔法が使えるようになったじゃないか?だが一発しか打てないのはまだまだ努力不足だな」

「うっ・・・・・・」

「でも、まぁ、今回は合格点を上げようかな。おめでとう」

「魅魔様・・・・・でも・・・・・」

「こいつらは、あたしに任せておきなさい。師匠の戦いを見るのも修行の内だ」

 

 

「ずいぶん、舐めた口きいてくれるじゃない?ねっ?赤ちゆり」

「あ・・・・・あ・・・」

「どうした?」

「あいつ・・・・魅魔だよ・・・・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷最恐の悪霊だよ・・・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちゆりちゃ~~~~ん。これはどういうことかな?????」

「いやっ!その~軽い遊び心というか・・・・・」

「言い訳無用。今から船の掃除をしてきなさい!!!」

「ひ~~~!!」

 

 

「は~~。ごめんね、魔理ちゃん。うちのバカ助手が調子乗っちゃって」

「別に気にしてませんわ。むしろ、とても楽しい時間が過ごせましたわ」

「そう言ってくれるとありがたいわ。でも・・・・」

「まぁ、もう戦うのは無理ですわね。今回は棄権しますわ」

「そうか、じゃあ、そのまま決勝戦だね」

 

 

「よろしくね。子兎姫」

「こちらこそ。魅魔」

 

対戦メンバー

・魅魔

・魔理沙 

・靈夢

・エレン

・小兎姫

・カナ・アナベラル

・朝倉理香子

・北白河ちゆり

 

 

魔理沙対北白河ちゆり ちゆりの反則負け 魔理沙棄権

 

残りメンバー

 

・魅魔

・小兎姫

 




魔理沙「魔理沙だぜ!!」
魅魔「魅魔よ!!」
魔「いや~。読者のみなさん久しぶりだぜ」
魅「約三か月ぶりか?」
魔「不定期だからって限度がある気がするぜ」
魅「それを言ったらおしまいよ・・・・・」
魔「何やかんやで二十話か~」
魅「ここ最近は停滞気味だけどね・・・・」
魔「ホントに待たせ過ぎだぜ・・・・・」
魅「一応、前回のあとがきの期限は守ってるけど本当だったらもっと早くても行けるわよね?」
魔「でも、これを書いてるやつの性格があれだからそれを含めて受け入れてほしいぜ」
魅「さてと、次回はいつぐらいに投稿するの?」
魔「早くて今月末、遅くても来月までに投降するぜ!」
魅「あら、今回と打って変わって早いわねぇ」
魔「ちょっと待たせ過ぎたから、反省を生かすぜ!!」
魅「・・・・・・・」
魔「それじゃあ、これからも・・・・・」
魅「『魅魔と魔理沙』をよろしくね!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十一話

仕事が忙しすぎて死ねる( ´∀` )


「さて、勝負の前に一つ確認していい?」

「何だい?」

「貴方はあの、魅魔でいいのね?」

「・・・・・・・」

「私は沈黙の回答を肯定と見るけど大丈夫?」

「やっぱり只者じゃ無いね」

「よく言われるわ」

「あんたぐらいの実力者じゃあの『スキマ』は知ってるだろ?」

「えぇ、よく知ってます」

「あの巫女は、あれの弟子だ」

「あら、あのスキマに弟子がいたなんてね」

「勿論、実力は年の割には折り紙付きだが・・・・」

「それを瞬殺しちゃった私が怖い?」

「まさか?寧ろ楽しみだよ。あんたの戦い方が」

「それは、とても光栄ね」

「そうかい」

「私を口説くなんて、逮捕しちゃうぞ☆」

 

 

ガキィ‼︎

 

 

「・・・・危ないわねぇ。いきなり、杖で殴るなんて・・・。逮捕しちゃうぞ☆」

「私はあんたが思っている以上に短気なのかもしれないね?」

「ねぇ、最恐の悪霊さん」

「その名で呼ばないでほしい」

「話を聞かせて?」

「・・・は?」

「悪霊さんの今までのこと。私は知りたいの」

「何で?」

「そんなの決まってんじゃない」

 

 

 

 

「私は幻想郷の民を守る警察官だもの」

 

 

 

「バカね」

「むっ!バカとは何よ⁉︎」

「そのまんまの意味だよ。あたしはあんたのことをバカだと感じた。それだけさ」

「ホントに逮捕しちゃうぞ☆」

「話してやるよ。あたしの話」

「えっ?」

「あたしも生きてる間にあんたや、魔理沙みたいな奴に会いたかったな」

「?」

 

 

 

「でも、友情(これ)試合(それ)は別」

 

 

 

極砲『アルティメットスパーク』

 

 

 

「面白い。それぐらいでないと。

 

 

 

 

 

 

 

私を楽しませてね!」

 

 

 

 

 

 

「というわけで〜勝者〜〜魅魔!」

「ちょっと教授。そんな締め方でいいの?」

「さすが、魅魔様ですわ!」

「何時になったらそのですわ口調やめるの?」

「ふっ。何時になったらかなうのかしらね?」

「あれ?理香子ちゃん、何か言った?」

「言ってないわよ。エレンさん」

「うー!負けた!」

「騒霊ちゃん。今ぐらいは、静かにしないと〜逮捕しちゃうぞ☆」

「もう飽きた」

「いつの間にか、夜になったわね」

 

 

 

 

「それじゃあ、魅魔よ。あなたの願いを聞こうか」

「頼むわよ教授。私の願いは・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一か月後

 

 

 

「というのが一か月前のことだ。紫」

「ありがと、魔理沙。よーっく分かったわ」

「それはともかく・・・・・・

 

 

何で魅魔様と靈夢は神社の庭でつるされてるんだ?」

 

 

 

「決まってるでしょ?

靈夢はこんな大事件なのに私に一切ばれないように裏で手を回してたから「マジか」

それで魅魔は・・・・・・

 

 

 

月、どうするのよ」

 

 

 

 

試合に勝った魅魔様は教授に力の源である、月の動きを止めてほしいと願った。

どうせそんなことはできないだろうと思っていたが

 

 

 

 

 

 

 

「任せな。聞いた願いは叶えて見せよう」

 

 

と言って叶えてくれた。

 

 

 

 

結果、紫がマジ切れした。




やべぇよ。きついよ。
こち亀が終わっちまったよ。でも私はジャンプよりサンデー派だよ。
でも最近、サンデーすら読んでねぇよ。
今回、時間なさすぎだよ。今日は二週間ぶりの休みだったよ。
まさかの休日返上したよ。土日も職場に行ったよ。
つーか、八月も忙しすぎだよ。心もげるよ。
次回は十二月までに「幻想郷編」
忘れたころに「番外編」を出すよ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編

「やっほー!皆のアイドル、魅魔だよ」

「皆さんはじめまして、Kikuriと申します」

「···あんた、でっかいねぇ」

「初対面なのにいきなりなんてこというんですか?」

「いや、だって私だって幻想郷の人からしたらかなり背が高いけど、あんた目測だけで三メートルはあるじゃないか?」

「そりゃ、下半身が球体状ですし・・・」

「え?球体に人が刺さってんじゃないの?」

「違います!どうゆうことですか!まるで球体が本体みたいな言い方して!」

「あれだな、メガネかけてるやつにメガネが本体だろ?って言うみたいなもんか」

「知りませんよ!私の下半身をそこら辺のメガネどもと一緒にしないでくださいよ!」

「あんた、今さらっとメガネの人たちにひどいこと言ったよね・・・」

「それにこの球体は下半身ですから本体の一部です!間違えないでください!」

「あっ、はい・・・」

「全く、さっさと番外編行きますよ」

「了解です・・・」

 

 

 

 

「えぇ、今回は茶番の次にまずはお詫びを・・・」

「あら本当。前回の番外編で「次回の番外編は一ヶ月後ぐらいだよ!」とか言ってたのに蓋を開ければ一年と四ヶ月後じゃないですか?こんなにも待たされた私の気持ち考えたことあるのかしら?」

「面目無い・・・と作者が申しております」

「本来ならもう幻想郷編どころか怪綺談編が終わっててもおかしくないんじゃない?」

「全くもってその通りです・・・と作者が申しております」

「でこの一話一話の間にある空白の数ヶ月間はなんですか?」

「スマホに変えたけど、スマホが楽しすぎて執筆しませんでしたテヘッ☆・・・と作者が申しております」

「今度、アルティメットスパークでもお見舞いしてあげてください」

「先生!そんな荒治療、患者が耐えられません!」

「殺しなさい。と、言っているのです」

「分かりました!全力でやります!!!!」

「大体、ツイッターでラブ○イブ!のことしか呟いてないじゃない」

「完全に東方忘れてそうな勢いだからな」

「まぁ、最近始めた1日1SSで偶に東方があがってるけど、殆どラブ○イブ!かラブ○イブ!サンシ○イン!!ばっかり書いていますし」

「完全ラ○バー宣言だな」

「因みに現実だとラ○バー仲間はいないらしいですよ」

「尚、東方好きの仲間もいない模様」

「あっ・・・、ぼっちか・・・」

「やめてやれ」

「取り敢えず話を戻しましょうか」

「何処にだよ?」

「第十四話で気づいた勘違い。これもまた強烈でしたね」

「あぁ、あの勘違い」

「所詮、旧作の知識も付け焼き刃ということですか?」

「というか、全国の東方好きの何パーセントぐらいが旧作を知ってるんだろうな?」

「えっ?」

「それどころかフロッピーを知ってる若者なんているのか?」

「居ないとは限らずとも相当、少なそうですね」

「だろうな。それに旧作自体、値段が凄まじく高い」

「普通の人には手が出せないものですもんね」

「だからそこら辺は読者の皆様も気がついたことがあったらドンドンコメントしてほしいな」

「前回も言われてましたけど、露骨なコメント稼ぎをしないでください」

「前回が一年と四ヶ月前だからなぁ」

「忘れたとは言わせませんよ」

「ここでさらにお詫びすることがある」

「なんですか?」

「実は今から第二十二話に手をつける」

「・・・は?」

「まだ一文字も書いてない」

「・・・は?」

「ちょっとスケジュール的にピンチだ」

「ちょっと待って」

「なんだ?」

「書いてないの?」

「そうだぞ」

「三ヶ月も時間があったのに?」

「あぁ」

「もしかして作者は・・・馬鹿?」

「そうだよ」

「・・・・・」

「次回は来年だな!いつになるかもう誰にもわからないから楽しみにしててくれ!それじゃ、またな」

「・・・・・また会える日を」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幻想郷編
第二十二話


今年最後の更新です。


それは、突然のことだった。

 

「あっ・・・・・・」

「ん?どうしたんだ、魅魔様?」

「いや、ついに窓際に飾ってた花が枯れ始めたなぁと思ってさ」

「あぁ、その花か。ずいぶん長いこと咲いてなかったか?」

「多少、魔法使ってたからねぇ・・・・・・」

「そっ、そうか」

「でも流石に5年は無理させすぎたかねぇ?」

「その花何年草なんだぜ?」

「一年草」

「人間だったら400歳か。いくらなんでも長生きしすぎだぜ」

「四百年ぐらいどうってことないだろ?」

「魅魔様はちょっと人とは時間の感覚がずれてるぜ」

「あんたも失礼なこと言うようになったじゃないか?」

「そんなことないぜ」

 

 

私はこれがたわいのない話で終わると思ってたが魅魔様は意外なことを口走った。

 

 

「じゃあ、魔理沙。この鉢植えをあたしの友人のところへ届けてくれないかい?」

「・・・・・えっ?」

「あたしの知り合いに植物を育てるのが上手な奴がいてねぇ。ぜひそいつのところへ行って花を貰ってきて欲しいんだよ」

「私が行くのか?」

「そうだよ?無理かい?」

「無理かどうかより、やりたくないぜ」

「いいじゃないか。勉強になるよ」

「勉強?その魅魔様の知り合って奴は魔法使いなのか?」

「いや、妖怪だよ。割と凶悪の」

「今の一言で会いたくなくなったぜ」

「まあまあ。ほら、教授も言ってたじゃないか。巫女のよく分かんない力も私の使う魔法もみんな同じ力なんだって。だから妖怪が使う力も人間のあんたが使う魔法と同じ様なもんだよ」

「何だか物凄く、だまされている気がするぜ・・・・・」

「気がするだけさ」

「本当か?」

「・・・・・・・本当本当」

「おい、魅魔様!今、明らかな間があったぜ!!」

「それじゃあ、お使いを頼もうかね」

「ちょっと待ってくれ!私はまだ承諾してないぜ!!」

「場所は博麗神社の裏にある湖。そこに行けば明らかに分かるから」

「なんて雑な説明だぜ!?っていうか私は行く気がないって言ってるだろ!魅魔様!!」

「じゃあ、私は用事があるから。がんばってね、魔理沙」

「あ!ちょ!どこに行くんだぜ?いつも用事なんかないくせにーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「置いてかれたぜ・・・・・」

 

 

さてこうなったらでも行かなくてはならないのだろう。

否が応でもなんていったが実際に行きたくはない。

 

 

 

「魅魔様も無茶言うぜ・・・・」

 

 

私は行きたくない気持ちを抑えながら箒にまたがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社の裏の湖。

 

そこに行く前に私は不思議な光景を見た。

 

 

 

「うわー。一面花畑だぜ!」

 

 

そう、本当に花畑なのだ。

右も左も地平線まで花畑。そんな場所が幻想郷にあるのだろうか。

だが湖は目の前に見えているし、ここは私の目指している場所の近くなのだろうがやはり少し違和感を感じる。

 

 

「おっ?あそこに誰かいるぜ」

 

 

 

 

 

「ふーんふーん。お花さんきれいだなぁ・・・・」

「おーい!そこのあんた!話を聞いていいか?」

「ん?何か見慣れる紫の金髪が・・・・」

 

 

 

 

「おい、お前。ここが何処か分かるか?」

「何だ紫金髪。いきなり、人に話しかけてきて。お前はまず誰だ?」

「ん?そういうお前もよく見たら人間じゃなくて妖怪だな?」

「妖怪で何が悪い人間風情が」

「お前、口悪いな」

「お前も十分悪い」

「悪かったな。私は魔理沙。魅魔様に魔法を教えてもらいながら人間の魔法使いをやっている」

「魅魔?聞いたことある名だな?すぐには思い出せぬが・・・・・。あぁ、私はオレンジ。よろしくね、魔理沙」

「なんか急にキャラが変わらなかったか?」

「気のせいだよ!私はいつでも平常運転だよ!」

(なんとなく小兎姫を思い出す口ぶりだぜ)

 

 

 

「あんたのさっきの質問。ここはどこ?何だけどここはね、博麗神社の裏の湖だよ」

「そうか。だが、何というか凄い違和感を感じるのだがなぜか分かるか?」

「それは今、夢幻館と距離が近くなっているからね」

「夢幻館?」

「うん。夢幻館。現実世界と夢幻世界の境界に建っているの。いつもは夢幻世界側にあるはずなんだけど今日は夢幻館の主の幽香の力が強いからこっちにも存在してるみたいだね」

「なるほど・・・・・魅魔様の知り合いってのはその夢幻館にいるみたいだな」

「夢幻館の住人に用があるのかい?」

「あぁ、私のお使いする先が見つかったぜ」

「それじゃあ、いいこと教えてあげるよ。夢幻館の住人は三人。湖の見張り番「くるみ」。大がまの門番「エリー」。そして夢幻館の主「幽香」。だよ」

「三人?意外と少ないんだな」

「ところがどっこい、夢幻館には未確認の双子の女の子が住んでいるという噂があるよ」

「噂?噂は噂だろ?」

「その二人が何で噂なのか知ってるかい?あまりに強いから出会った人間も妖怪も倒しちゃうからだよ」

「つまり、その姿を見て無事な奴がいないってことか?」

「ご名答だね」

「その情報からして本当みたいだな。双子の女の子。できれば会いたくないぜ」

「私もできれば会いたくないね。夢幻世界のほうが住みやすいって話だけど、そんな危ない人がいたら行きたくなくなるのは分かるなぁ」

「でも行かなきゃ行けないのがつらいぜ・・・・。ありがとう、オレンジ。大切な情報、しっかり有効活用させてもらうぜ」

「うん。それじゃあ、魔理沙。またね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・あれが魅魔の弟子か。面白そうな奴じゃないの。ふっふっふっふっふっ・・・・・・」

 

 




インフルエンザで寝ていたらクリスマスが終わってました。オルナインです。
今年ももう終わりですね。インフルでやる事なかったんで執筆が進みました。感謝感謝
今年の更新状況も酷いものでしたが何とか夢時空編が完結してよかったです。ホントマジで。
と言うわけで来年からは幻想郷編が(やっと)動き出すわけですが魅魔と魔理沙も旧作ゲーム編が半分まで来ました。いやー、完結までに後何年だろう?
来年の目標は執筆ペースを上げることですね。去年も同じこといったような気がしますがきっと皆さんの幻想ですよ。
それでは、来年も魅魔と魔理沙をよろしくお願いします。
読者の皆様。よいお年を~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十三話

「いつまでもついてくるんじゃないぜー」

「待なさ~い!あんたを倒して~幽香様に褒められるんだも~ん!」

「あんたの私利私欲のためにやられる訳にはいかないぜ!」

「うるさ~い!文句言ってないでやられてよ~」

 

 

 

夢幻館なら向かっていた私を待っていたのは

 

 

「早くやられろ~!くるみの経験値になるのだ~!」

 

 

くるみという吸血鬼だった。

 

 

「何なんだよお前!さっきからしつこいぞ!」

「だって倒さないといけないんだも~ん!今まで夢幻館にやってきたやつ~、み~んな、くるみが倒したんだよ~!」

「マジかよ!?」

「ほんとだも~ん!」

 

 

かわいい顔して中々、恐ろしいことを言う奴だ。

だが、こちらも黙ってあんな奴の経験値になる予定はないがさっきからの発言からしてかなりの強者のようだ。

 

 

「待て待て~!追い付いちゃうよ~~!」

「あー!しつこいんだよ!いつまで付いてくる気なんだぜ!」

「じゃ~、付いてくのやめる~」

「は?」

 

 

するとくるみは突然

 

 

「猛スピードで並走すればいいんだね~!」

「なっ!?」

 

 

くるみはスピードを急速に上げて私の横にピッタリと付いた。

悪魔のような笑顔でこちらに手を振ってくる。

 

 

「やっほ~!」

「嘘だろ!?」

「ホントだよ~~!」

 

 

くるみは満面の笑みを浮かべると至近距離から攻撃を仕掛ける。

 

 

「うわっ!!危ねぇ!!」

「遅い遅い~~!!」

 

 

基本的に相手の攻撃をスピードで避ける戦い方をする私としては同じスピードの相手は戦いにくい。

向こうが余裕を持っているようだから最悪、こちらが先に魔力切れでやられるかもしれない。

 

 

(くっ、このままじゃ私に勝機はないな・・・)

 

 

「ねぇ~ねぇ~!いつまで逃げ回ってんのさ!そろそろ反撃してみなよ~!」

「反撃を望んでるんならちょっとぐらい隙を見せてもいいんじゃないか?」

「え~、そんなことしたら負けちゃうじゃん!」

 

 

少々・・・いや、かなり鼻につく喋り方をする奴だ。

しかし戦うことに手加減をしないところを見ると戦いに対しての慣れを感じる。

文字通り、二つの意味で『油断も隙もない』やつだ。

 

 

 

 

 

 

だが、私に手がないわけじゃない。

 

 

 

 

 

「おい、くるみ!」

「なに~?降参でもするの~?」

「あいにく私は降参が嫌いでな、そしてお前に負ける気もしないんだ」

「へ~?まだ強がりいえるんだ~。で~?どうやって勝つつもり~?」

「こうだ!」

 

 

 

叫ぶと同時に箒を手放した。

 

 

「っ!?え~~~~!!!!!!」

「じゃあなー!」

 

 

私は重力に引っ張られながら真っ逆さまに湖に落ちていく。

 

 

そして水に入る瞬間

 

 

肺が爆発するギリギリまで息を吸う。

 

 

 

「くっ!」

 

無理やり膨らませた肺から痛みが走るが耐えるしかない。

 

 

ドボォン!!!!

 

 

 

高いところから落ちたので一気に湖の深いところまで沈むが肺の空気ですぐに浮き上がる。

 

 

 

(水中だし箒ないし三つ目だけど・・・やるしかない!)

 

 

得意の星型魔法を足の裏から放つイメージをする。

それで一気に水中を突き抜ける。

 

 

 

つもりだったが・・・

 

 

 

(しまった・・・・。魔力が足りない・・・・・!)

 

 

既に保っている魔法が星型魔法を妨げていた。

このままでは何もできずに浮上すれば、くるみの狙い撃ちにされるのが落ちだろう。

そうでなくとも、水を吸った服の重みに耐え切れず沈み溺れる可能性もある。

 

 

何かしなくては負けるどころか、最悪二度と水上に上がることすらできないだろう。

 

 

(消耗するからやりたくなかったが、こうするしかない!)

 

 

私は意識を再度集中させると残っている力を振り絞って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタ足をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ!げほっ!げほっ!」

 

 

何とか岸に着いた。

足はもう、簡単には動いてくれないだろう。

肺も息を吸うだけで痛むが泳いだ直後なので本能的に深呼吸を繰り返す。

 

 

 

 

「へ~。生きてたんだ~」

「ふふっ・・・おかげ・・・・・・さまで・・・・な・・・・」

「かれこれ~五分以上潜ったまんまだったから~もう沈んでるのかと思ったよ~」

「残念・・・・だったな・・・・」

「で~?そんな意気絶え絶えでどうやって反撃するの~」

 

 

空中からゆっくりと降下してきたくるみが不敵な笑みを浮かべながら尋ねてくる。

 

 

「こっちは死に掛けてるんだから、地面に降りてきたらどうだ?」

「いやだよ~だ!そうやって降りるといやな予感がするんだよね~」

「相変わらず、油断も隙もない奴だな」

「くるみの辞書には『油断』と『隙』という言葉がないのだ~」

「本当にいやな奴だ。この戦いでも油断しないし、隙がない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私に対してだけな」

「は?」

 

 

 

 

その瞬間、くるみは地面に叩きつけられた。

 

 

「いった~!だれよ~!」

 

 

そして立ち上がった時

 

 

「おりゃあ!」

「ぶ~~~~!!!」

 

 

私の拳がくるみの顔面にのめりこんだ。

 

 

「きゅ~~~~~~~~」

「・・・・・・・・やられた後も鼻につくな」

 

 

 

 

 

 

全身の疲労に襲われながらポケットに手を入れる。

魅魔様が作ってくれた特性ドリンクを一気に飲み干すとそのままうつ伏せに倒れた。

 

 

 

 

 

くるみを倒す手段、というか作戦。

 

まずは人体改造魔法で横隔膜を強化。肺に入る空気量を増やす。

 

その後、水中で星型魔法を発動させ水中を進む予定だったが

人体改造魔法で大幅にもっていかれた魔力が不足していたため失敗。

 

仕方ないので発動させる魔法を増やすのではなく人体改造魔法の範囲を広げ

足の筋力を強化してバタ足で岸まで泳ぎきる。

 

わざと岸で寝転がることでくるみに見つかり、くるみが私だけに注目するように仕向ける。

 

そして空中で待機させていた箒をくるみに近づけ、魔力で動かして殴りつける。

 

とどめにくるみが立ち上がり箒に意識を向けたその時

 

人体改造魔法で強化した私の体、その拳でくるみを直接殴る。

 

 

 

 

 

 

シンプルだが体力を物凄く使う作戦だった。

またくるみ自身が主に一人、私に対してだけ集中していたために予想したのだが

 

 

 

「本当に一つのものにしか集中できないとはな・・・・・」

 

 

複数の敵に対処できないのはきっと複数人に攻められたことがないからだろう。

 

 

 

 

 

「痛たた・・・・。魅魔様の特性ドリンクの効きは相変わらず強力だが肉体疲労はすぐに回復しないか」

 

 

 

立ち上がりながらそう呟く。

立ち上がれるようになってる時点で肉体疲労の回復にも効果があることが証明されているが言った言葉を取り消すつもりはない。

実際、ドリンクによって私の魔力はいつも以上に満ち満ちているからだ。

 

 

「さてと、だいぶ寄り道したけど行くか。夢幻館に!」

 

 

魔力切れで落ちてきた箒を拾い、跨ると私は夢幻館に飛び立った。




あけましておめでとうございます。嘘です。ごめんなさい。オルナインです。

中々、投稿が滞っている中皆さんからいただくコメントにめちゃくちゃ励まされています。

さて、今年も半分(以上)終わったわけですが相変わらずの投稿ペースです。
まぁツイッターを見ていただければ分かりますが生きてます。

本作が始まった2015年の投稿数が二十話。
そして去年、2016年の投稿数が五話。
そして今年の投稿数、現時点で一話。

こうやって振り返ると「超不定期連載」ではなく「超々不定期連載」だなぁ
としみじみ感じます。
感じてる場合じゃないですね。

とりあえず、この投稿が『よいお年を~』とならないように
やっていきたいので、今年もどうかよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十四話

あけましておめでとう!(今更)
これは私からのクリスマスプレゼントだよ!(投稿が滞った場合の保険)


「嘘・・・だろ・・・・・・」

 

私は驚きを隠せなかった。

持っていた箒を取り落としそうに成る程だ。

 

「きゅ~~~」

「こいつ・・・・・・」

 

 

 

 

三分前にさかのぼる。

夢幻館についた私を出迎えたのは

 

 

「あら?ここに来たってことはくるみを倒したの?」

「あんたは誰だぜ?」

「私?私はエリー。この夢幻館の門番よ」

「門番?っていうことはさっきのくるみよりも強いってことか」

「・・・・・えぇ。そうよ」

「ん?なんか間がなかったか?」

「はっ、はぁ?そんなことっ、なっ、なぁ、ないわよ!」

「なんでそんなに慌ててるんだよ・・・」

「へっ、ばっ、バカにしれるの!」

 

 

噛んだ。

なんだか、こちらが申し訳なくなるほど緊張している。

 

 

「あ~、私が言うのもなんだが・・・・・そんなに緊張しなくていいぜ?」

「きっ!キンチョー!そっ、そんなぁ!ことぅ!してっ、してるっ、わっ、わけないふぁ、じゃっじゃっじゃっ、じゃにゃに!!」

「とりあえず、私はここの主に用があるから通らせてもらうぜ」

「いやぁ!来ないでぇ!」

「・・・・・・・・・ごめん」

 

 

 

『イリュージョンレーザー』

 

 

 

「きゃあ!」

 

 

 

 

 

「嘘・・・だろ・・・・・・」

「きゅ~~~」

「こいつ・・・・・・めちゃくちゃ弱い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷

 

魔法の森の近くにその店はある。

 

 

店の外見に対して新しい扉を開けるとここらでは見ないような珍しい道具類が所狭しと並び

本来の使い方を忘れ去られたまま立ちすくんでいる。

 

「おや、また来たのかい。生憎だけど、君が気に入るような新しい商品は入荷してないよ」

「誰と勘違いしてるかわからないけど、ここの店主は顔も出さないんだねぇ」

「おっと。申し訳ない」

 

 

道具類の間から声が聞こえると物が崩れる音とともに店主が顔をのぞかせた。

 

 

「すみません。普段からお客さんなんて来ないので」

「その割には、誰かが頻繁に来ている口調だったけどねぇ」

「・・・・!」

「ん?どうしたんだい。あたしの顔に何かついてたりしたかねぇ?」

「いや、すみません。そういうことじゃなくて」

「なんとなく予想はできるよ。あんたの名前と能力は知人から聞いてるからねぇ」

「・・・・・・そうですか」

 

 

 

森近霖之助

十年前。両親に勘当された魔理沙を引き取った人物。

 

 

 

いや、人妖か・・・。

 

「すごい・・・杖ですね」

「そうかい?一応、褒め言葉として受け取っとくよ」

「えぇ、しかし、名前が」

「名前?この杖に名前なんてつけた覚えはないけどねぇ?」

「だと思います。なんせその杖の名前は『三本目』っていう名前ですからね」

「三本目?あぁ、なるほど」

「おそらく、あなた自身は名前をつけた覚えはないと思いますよ」

「確かに、だけどあたしは無意識に杖こいつを三本目って呼んでたな」

「無意識に名付けられたもの。名前を大事にする僕からしたらあまり、いい話ではないですけどね」

 

 

店主はそう言うと、微妙な笑顔のまま店の裏へ下がった。

しばらくすると、湯を沸かす音と茶葉の香りがこちらに流れてくる。

 

 

「随分と背の高い・・・妖怪?ですか。違っていたら申し訳ない」

「妖怪・・・。近からず、遠からずってところかね」

 

 

あたしはこの時、足を出していた。

この霖之助というやつは、どうやら分かるのは物の名前のみであたしの素性を知ることはできずかつ私のことを知ることもできなさそうだった。

まぁ、魔法の森のはずれで店を開いているんだ。知らなくても違和感はない。

 

 

「緑茶かい?」

「えぇ。この店の常連が好きでしてね。来るたびに勝手に入れて飲んでいるんですよ」

「そりゃあ、随分と勝手な客だねぇ・・・」

「えぇ、本当に」

「ところでこの店の商品は外の世界のものを多く扱うと聞いたんだが・・・・・・」

「そうですよ。貴方が見ている商品はすべて無縁塚で拾ったものです」

「ふうん。年季ものばかりか」

「外で忘れ去られたものなので」

「流石に千年前のものはないか」

「千年前?」

「聞いた話によるとあんたは魔法道具を作れるそうじゃないか?それで頼みたくてねぇ」

「道具の製作ですか?」

「もちろん、報酬はしっかり出すし、何なら道具の材料も手配しよう」

「随分なものを作らせるつもりですね?」

「ふっ、これを見てくれ」

 

 

あたしはポケットから一平方メートルほどの紙を広げる。

 

 

「これは・・・・」

「設計図だ。と言っても主に使われたのは千年近く前だけどね」

「・・・・設計図。物の仕組みを詳しく伝えるもの・・・・・・。なるほど、こんなものが」

「ん?設計図は珍しいかい?」

「そりゃあ、いくら幻想郷で紙の価値が大きく落ちたといえどもそれをこんな使い方、初めて見ましたよ」

「そうか。喜んでもらえて何より」

「それで、この道具の名前を教えてもらえますか?」

「名前?あぁ、そうだねぇ」

 

 

私は少し、ためらってしまう。

 

 

「あまり褒められたもんじゃないが、コイツの名前は『八卦炉』という道具だ」

「八卦炉?初めて聞く道具ですね」

「まぁ、コイツは元々、外の世界の魔法道具だからねぇ」

「外の世界の魔法道具!?」

 

霖之助は突然、声を荒らげ立ち上がった。

衝撃で棚の商品が少し崩れる。

 

 

「何だい?急に」

「あっ、貴方はいったい?」

「私がどうしたっていうんだ?」

「だって、外の世界の魔法道具って!外の世界で魔法が忘れられたからこそ、幻想郷の魔法技術は生まれたというのにそれを知っているということは・・・」

「そんなに興奮しないでくれ。確かに、もう外の世界で魔法が使える奴は誰一人としていないよ」

「じゃあ、何であなたはこの道具のことを知っているんですか!」

「・・・・・はぁ。もう少し静かな男の方があたしは好きなんだけどねぇ」

 

 

霖之助はあたしを少し睨んだ。

これだから、物好きで好奇心にあふれた奴は好きになれない。

決して好奇心は悪い感情ではないが、それは時として

 

 

 

 

命を奪う。

 

 

 

 

あの日の地下室で私が外をうかがってしまった時のように。

 

 

「その八卦炉はねぇ、あたしが設計したんだ」

「貴方が!?」

 

 

予想通りの反応だ。

 

 

「つまり貴方は、外の・・・・・」

「女性に対して質問攻めとは感心できないねぇ。坊や」

「あっ・・・・・・すみません」

「まぁ、素直なのは良しとしよう」

 

 

魔理沙を引き取った人物とはいえ、いや・・・・・

魔理沙を捨てるという身勝手な判断をした親から引き取ったやつだからこそ、こいつは信用しきれない。

だが、今現在、使えるやつがこいつだけというのも皮肉な話だ。

 

 

「あんたが予想している通り、あたしが作ってもらいたい魔法道具はこれだ」

「八卦炉・・・・・。何に使うつもりですか?」

「聞かないで作ってもらうわけにはいかないかい?」

「残念ですが。それに」

「それに?」

 

 

霖之助はこちらの様子を伺う目で聞く。

 

 

「見たところ、この魔法道具は非常に危険な力を持っています。僕の見立てでは」

「・・・・」

「幻想郷を火の海にするつもりですか?」

「ハッ。そんな愉快なことをしてどうするつもりだい?」

「愉快?」

「不愉快だという表情をしないでくれよ。あんたが想像するようなことには使わないはずさ」

「・・・・はず?」

「おっと・・・・口が滑ったな」

 

 

もちろん、そんなわけはないが

 

 

 

「先ほど、対価は支払うといいましたよね?」

「あぁ、言ったねぇ」

「この八卦炉、作りましょう」

「本当かい?」

「ただし対価として」

 

 

 

こいつは思いのほか簡単な男だ。

 

 

 

「あなたの正体。八卦炉を作った経緯。そして僕に作らせた八卦炉の使用目的と使用する者を教えてください」

 

 

 

手の上で勝手に踊ってくれる。

 

 

 

 

「聞かれちまったら、仕方がないねぇ」

「お願いします」

「なんであんたが頭を下げるんだよ?頼んでるのはあたしだよ」

「すみません。先ほど聞くなと言われたのを承知で言います」

「何をさ?」

「僕はこの八卦炉を作りたい。でもそれを悪用されたくない」

「で?」

「だから、知りたいんです。そうじゃないと、また、後悔しそうなんで」

「後悔?」

 

 

 

霖之助は一度、目を伏せた。

次に顔を上げたやつは、覚悟を決めた表情だった。

 

 

 

「あなたの名前は、『魅魔』ですね?」

「知ってたか」

「すみません。知らないふりをしました」

「知らないほうが少ないんじゃないか?この幻想郷で」

「そうですね」

「何で知らないフリをしたんだい?」

「・・・・・十年前。僕はある女の子を知り合いから引き取りました」

「!?」

 

 

驚きを隠せなかった。

十年前の女の子。つまりは魔理沙。当時『リサ』と呼ばれていた少女のことだ。

ここでこの話を持ってくるということは霖之助は知っているのだろう。あたしと魔理沙のことを。

どこから知った?どうやって知った?

一杯食わされたな・・・・。

 

 

「彼女があなたのところで暮らしていると知ったのは半年前です。うちの常連。靈夢がある日、こんな話をしました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「魅魔っていう悪霊のところに、魔理沙っていう私と同い年ぐらいの女の子がいるのよねぇ。なんで、人間のくせに悪霊と一緒にいるのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔理沙・・・・。それが今の彼女の名前ですね?」

「そうだ。あたしが名付けた」

「どうして、リサ・・・・・いえ、魔理沙と暮らしているんですか?」

「・・・・ふっ、こんな堅苦しい会話は嫌だねぇ」

 

 

 

あたしは出された茶を一気に流し込む。

 

 

 

「わかったよ。あたしの話をしてやる。だからそんなに構えないでくれ。難しい話をするつもりはないからな」

「・・・・わかりました」

 

 

 

森近霖之助。こいつと腹を割って話す機会があるとは・・・・

 

人生、死んでからが本番なのかもしれない。

 

 




お久しぶりです。オルナインです。
相変わらず、失踪はしません。インフルエンザが猛威を振るう中、元気に生きてます。

友人と小説サイトの話をしていたのですが
友「『某なろうサイト』は駄作から傑作まで幅が広すぎるが『ハーメルン』は作者の失踪率が高くない?」
と言われました。

セーフだよね?超不定期更新だからセーフだよね?ね?ね?

今回の話ですが本当は魅魔様に最後まで語らせるつもりだったのですが
流石に時間を空けてしまったので一旦続きます。
本編だけではわかりにくいと思いますが
次回の見どころは
「魅魔様から見た魔理沙」「魅魔様が新たに明かす壮絶な過去」「魅魔様と八卦炉の秘密」
の三本となっております。
乞うご期待

最後にエリーは好きなキャラです。尺の都合、あんなことになってしまいましたが・・・・
エリーの曲「Bad Apple!!」はめっちゃ好きだよ(にわか発言)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十五話

今回はテンションが高かった。


 

「というのがあたしと魔理沙の今までの関係とそれまでの出来事だ」

「・・・・もし、霧雨さんがリサを勘当したんじゃなくて、預けていただけだったら僕は殺されてますね」

 

 

あたしは霖之助に魔理沙を預かってからの出来事を話した。

終始、霖之助は青ざめていたが問題ないだろう。

 

 

「それで、今、リサは夢幻世界にいるんですか?」

「あぁ、お使いを頼んでいる」

「お使いって、夢幻世界はお使いに行かせるような場所じゃないと思うんですけど」

「まぁ、そんなに気にしなくても魔理沙は帰ってくるよ」

 

 

霖之助は訝し気な表情を浮かべたまま聞いてきた。

 

 

「あなたは、どうしてリサを育てたんですか?」

「・・・・そうだねぇ。罪滅ぼしかな?」

「罪滅ぼし?」

「ありがちな話だよ。生前のあたしには娘がいたんだ。五歳のね」

「五歳?」

「魔理沙・・・・。当時のリサは自分の年齢を正しく言えたのかあたしは知らないけど聞いた限りでは今、十六歳か、十七歳だ。つまり十年前は六歳か七歳ということになる」

「あなたにはリサが娘に見えたと?」

「娘に見えたというか、思い出しちまったんだよ。今は亡き幼すぎる娘を」

「・・・・」

「子供っていうのはね、親より先に死んじゃいけないが、あたしの場合はどうなんだろうね。未練が祟って気が付きゃ千年近くこの世を彷徨っている。あの世の娘に申し訳ないよ。きっと会いたがってるだろうにね」

「そう、だと思います」

 

 

同情。随分とのんきな奴だ。

 

 

「少し前にね、私は魔理沙に対して「あんたはあたしの娘だ」と言ったことがあった。あんたにだけ話すがそれはすべてが本当ではない」

「えっ?」

「普通に考えれば、それでいいのかもしれない。だけどあたしはどうしてもそれだけじゃないんだ」

「どういう意味ですか?」

「もちろん、あたしは魔理沙のことを本当の娘だと思っている。だがそれと同じぐらい」

「同じぐらい?」

「彼女を『赤の他人』と思っている自分もいる」

「・・・どういう、意味ですか?」

 

 

あたしがこの話をするのは初めてのことだった。

 

 

「彼女はあたしにとって『娘』であり、『弟子』である。だが、それと同じぐらい『他人』なんだ」

「他人・・・ですか」

「あぁ、他人だ。だが、娘だ。とてつもなく曖昧なラインだが、あたしの中にあるんだ」

「そうなんですね」

「魔理沙を心配しているのなら申し訳ないね」

「いえ、そんなことありません」

「そうかい」

「むしろ、リサを育ててくださったことに感謝しています。魔法の森で小さな女の子が一人で生きられるわけありませんから」

 

 

 

霖之助はそういうとゆっくりと立ち上がり、

「お茶、入れなおしますね」

と言うと裏へ戻っていった。

 

 

あたしは道具に埋もれかけて少しだけ見える窓から外を見る。

すがすがしいほどに晴れ渡った空に対して、なぜか私の心は曇っているようだった。

 

 

「魔理沙は上手くやってるかねぇ・・・・」

 

 

正直に言って、夢幻世界のやつに簡単に会えるとは思っていない。

あたしが初めて会った時もかなり派手にぶつかり合ったものだ。

懐かしい記憶である。

あれからかなりの月日が経ち、しばらく会っていないが元気にしているだろうか。

ま、それを確認ついでに魔理沙を向かわせたのだが。

 

 

「お待たせしました」

「ん、ありがとうね」

「しかし、いつの間にか、子どもって成長するものですね」

「そうだねぇ」

「他人事みたいな言い方になりますが、しっかりと大人になっているんだなぁと思いまして」

「他人事・・・・あたしも心のどこかでそう思っているのかもしれないねぇ」

 

 

「さて、次は八卦炉について話そうかね」

「お願いします」

「八卦炉。そいつはあたしの故郷の人間に頼まれて作ったものだ」

「そうなんですか」

「その使用目的は・・・・罪人の処刑だ」

「・・・・え?」

「八卦炉の炉の上に罪人をつるして焼く。そういう使い方だ」

「待ってください!八卦炉が処刑道具なんですか!?」

「そうだよ。あたしも依頼されたときは何に使うのか分からなかったが、いざ完成したものと使い方を見て、吐き気をも要したね」

「どうして、そんな恐ろしいもの・・・・」

「ふふ・・・。当ててみな、あたしが答えるだけじゃつまらないからねぇ」

 

 

霖之助は少し黙って目を閉じた。

まぁ、これはわからないだろうが

 

 

「わからないことがあるので質問します」

「いいだろう」

「この設計図に書いてある大きさはそのままで使われましたか?」

「あぁ、この設計図の八卦炉の大きさ、縦横五尺、高さ三尺。そのままで使われた」

「大きいですね。それに出力も」

「そうだ。さっきあんたが話した通り、これ一つで幻想郷を火の海に変えられる」

「・・・なぜ、そんなに恐ろしいものを」

「そこが問題だ。なぜ、あたしの国はこんなものを作らせたか」

「仮に八卦炉で先ほど言われた通りの処刑が行われたとしたら、はっきり言って効率が悪いですよね」

「ほう。目の付け所は悪くない」

 

 

そう。この男が言う通り、八卦炉での処刑は非常に効率が悪い。

八卦炉が一回で消費する魔力量は、万全状態の魔法使い三人が魔力切れで卒倒するほどだ。

しかも、八卦炉は超極太レーザーだが、所詮レーザーである。

一度に処刑できる人間の数はせいぜい、二人から三人。

それなら、首を落とすほうが早いものだ。

 

 

 

「処刑。そういえば、外の世界から流れ着いた文書で何度か見ましたが、実際に幻想郷で行われた記録はないですね」

「そういえば。あたしも幻想郷歴長いと思ったんだがそんなもの見たことないねぇ」

「幻想郷に犯罪者なんていませんからね。いたとしても、妖怪に食べられるかして・・・」

「ん?どうしたんだい?」

「そういえば、外の世界に妖怪はいないんですよね?」

「あぁ、いないねぇ。伝承は語られていたりはするが・・・」

「それでは、罪を犯した者はだれが処罰するんですか?」

「え?そりゃあ、

 

 

 

 

 

 

 

 

人間に決まっているだろ」

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

霖之助の眼は驚愕を物語っていた。

 

 

 

 

「八卦炉を使うのは妖怪じゃないんですか?」

「妖怪なんていないからねぇ」

「そうか・・・・。じゃあ、人間を人間が処罰する」

「そうだよ。考えてみれば、幻想郷に住む者には馴染みがないかもしれないねぇ」

「どうやって、処刑するんですか?」

「ここには意外なことに、処刑道具の類が置いてないから説明しづらいが・・・・。一定期間の監禁。多額の罰金。あと、重罪を犯した奴なんかは・・・・首を落とされたり、くし刺しにされたり」

「う・・・・・」

「少々、生々しい話だったかねぇ」

「八卦炉で処刑された人間は、焼き殺されたと」

「そうだ。ついでにヒントをやろう。八卦炉はどこで使うと思う?」

「どこで・・・・。威力と使い方からして屋外ですか・・・・・。まさか!?」

「そう。処刑人は屋外につるされた。周りに被害が出ないように広場に置かれていた」

「広場ということは、人が集まる。ということですね」

「そうさ。もう答えはでたようなものだねぇ」

 

 

 

 

「見世物にするためですか?処刑人を」

「大正解だ」

 

 

大きなため息をつきながら霖之助は片手で顔を覆った。

少し青ざめているが、すぐに元に戻るだろう。

 

 

「外の人間は、残酷、なんですね」

「あぁ、残酷だ。この上なくね」

「今でも、そうなんですか?」

「さぁ?幻想郷が外と隔離されてから二百年行ったか行ってないかぐらいだろ?あたしが幻想郷に来たのは大体百三十年ぐらい前だからそれより先のことはわからない」

「そうですか」

「少なくとも、魔法技術は一つ残らず消えたから、八卦炉自体はもう使われてないけど、あたしがここに来るまで周りの国では普通に首はねとかはやってたからねぇ」

「それも、見世物のように?」

「あぁ。みんな、安心したいんだよ」

「安心?」

「犯罪者ってのは、それ以外の人間からしたら不安でしかないんだ。それが消えるんだったら消えたほうがいいだろ?だから消えるのをその目で見に行くのさ」

「不安が消える」

「それに、正しいを証明したいってのもある」

「正しい?」

「あたしが外にいた時代は偏見がひどくってねぇ、王様の言うことが絶対だった。だから反逆者はみんな」

「処刑された」

「そういうこと。あたしがこんな道具を作ったのも王様のせいだからねぇ。ま、逆らえば死刑なんだからやるしかなかったってことさ」

「恐ろしいですね」

「それが普通だったのさ。さっき言った通り、異議を唱えれば殺される世界がね」

 

 

 

今の外の世界はどうなっているんだろうか。

先日、教授が来たがあいつらは外の世界というより別の世界から来たようだったしな。

外の世界でのさぼってた八百年の間に周りは大きく変わってしまった。

特に幻想郷に行くことを決める直前の変化の目まぐるしさは異常だった。

恐らく、もう外の世界にあたしが知っているものはないんだろう。

 

 

 

「えっと、あなたは・・・・」

「あなたなんて、他人行儀はやめてくれよ。魅魔でいい」

「失礼。魅魔は、八卦炉は嫌いですか?」

「変な質問だねぇ」

「いろいろと気になったので。特に多くの命を奪った八卦炉を今更、僕に作らせるということは何か理由があるんじゃないですか」

「鋭い。正解だ」

「じゃあ、さっきの質問に答えてください」

「八卦炉ねぇ。好きだよ。あたしの作った道具だからねぇ」

「たとえ人々を楽しませるために人を殺していたとしても?」

「それは、使うやつ次第だろ?道具自体に罪はない。いや、罪の意識というものが生き物にしかないんじゃないか?」

「なるほど。確かにそうですね」

「あんたに見せたその設計図の八卦炉は千年前の技術なんだ」

「?どういう意味ですか」

「千年前にあたしは八卦炉を完成させた。つまり、千年後はどうなってると思う?」

「技術進歩してますね」

「そう。あんたには悪いが少し騙していた。本当に制作してもらいたいのはこっちだ」

 

 

 

あたしは別の設計図を取り出す。それは現在の技術で生まれ変わった八卦炉の設計図。

 

 

 

「ち、小さい・・・!」

「そう。八卦炉はその強力な火力はそのままによりコンパクトな形に改良することに成功した名付けて、『ミニ八卦炉』だ」

「ミニ、八卦炉・・・」

「ミニ八卦炉は巨大だった八卦炉を手のひらサイズにした上に、魔力を効率よく魔法に変換できるように改良したものだ。もともとは三人の魔法使いが力尽きるものだったがこの改良で、人間の魔法使いが半日は使えるようにしておいた」

「すごい・・・・。さっきとは全く別物じゃないですか!こんな高度な魔法道具を設計できるなんて」

「ふっ。もっと褒めてくれてもいいんだよ」

「でも、これだと星型魔法に特化しすぎてませんか?」

「いいところに気が付くじゃないか。ミニ八卦炉は星型魔法を打つことに特化させているのは魔理沙のためなんだ」

「リサのため?」

「彼女は星型魔法を使うことにかけてはかなりの腕前を持っている。あたしと同じぐらいね」

「まさか、このミニ八卦炉は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「魔理沙が初めて持つ、『魔法道具』にするつもりだよ」

 

 

 

 

 

 

「だから、僕に依頼を?」

「適任だったからな」

「適任?」

「魔理沙に関係がある人物で魔法に対してあたしと同じかそれ以上の知識を持っているのはあんたしかいなかったのさ。魔理沙とそこまで親しくない奴ならあたしの知り合いに何人もいるんだけどね。それじゃダメだ」

「どうしてですか。魅魔にとって僕はリサを捨てたも同然だったでしょうに」

「確かにそうだ。あたしはあんたを完全に信用しているわけじゃない。けどね」

「けど?」

「魔理沙が少しでも早く信頼できる奴じゃないとダメなんだ」

「早く?どうして」

 

 

 

 

ため息をつく。

最近は少し多くなってきた。

 

 

 

 

 

 

「あたしはあの子の前から消えるつもりだからだよ。早々にね」




皆様、
おはよおおおおおお、こんにちはああああああ、こんばんはあああああ、おやすみいいいいい。
オルナインです。眠いんやったら起きひんでもええやで。

今回は早めに投稿できました。ザ・マイペース。
こんなに早くできるんなら、毎話そうしろよ
って多くの読者様がお思いになられてると思いますが
私もそう思います。やる気あんのかってんだな。

前回から期間が開いてないのであとがき近況報告も特にないですが
次回も今年中に投稿できたらいいなと思います。
そういえば、あとがきで魔理沙と会話する黒歴史展開していた時に次回はいつまでに投稿するって宣言してましたねぇ。懐かしい。あの頃の私を殴ってやりたい。
次回も早め早めで年の暮れかもしれませんが頑張ろうと思います。

ついでに次回は夢幻世界に戻って久々に魔理沙の話を書こうかと
魅魔様に衝撃発言させておいて、引っ張るスタイルなんですけど
まぁ、気長に待っていただけると幸いです。

それでは、長々としてしまったんでここらへんで区切りを。
今回もご愛読ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。