インフィニット・ストラトスΔ(デルタ) (Empire)
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第一話 始動

初投稿…頑張りますよー



北アイルランド…とある都会

 

 

 

燃えていた…町が…ビルが……何もかも燃えていた…

 

景色が赤い……決して普段が赤い景色ではない…炎の色、そしていろんな所に横たわる多数の血まみれの遺体

 

 

 

そんな廃墟同然の町を、一人の少年と二人の幼い少女が手を繋いで歩いていた

 

 

 

 

 

 

 

「…とお…さん……かあ…さん……」

 

 

少年はそう呟いた…何故なら…彼の親はもういない…少年と二人の幼い少女を残して死んでいった…

 

 

途端に遠くから爆音が聞こえた

 

 

その爆音に思わず身構える少年

 

 

「お兄ちゃん……こわい……こわいよ……」

 

「にぃに……」

 

二人の幼い少女、恐らく少年の妹だろう…爆音を聞いて恐怖心が芽生えたのか少年に抱き寄ってきた

 

 

「……」

 

そんな二人を強く抱き締め…髪で隠れていた目が虚空を見上げる

 

 

それはまるで、今のこの世を恨んでいる様な目、悲しみと憎しみの目であった

 

 

「…っ…ぬあああああぁぁぁぁぁぁあああっ!!」

 

 

少年は叫び続けた…声が枯れるまで憎しみにも、悲しみにも聞こえる叫びを…

 

しかしその声は煙によって覆われた虚空のみが受け止めるだけだった

 

 

 

 

その後少年とその妹二人はアメリカ軍によって保護され、アメリカへと国籍を移して政府の援助で暮らし始めたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ ニューヨーク州

 

 

Ppppppp!

 

 

「う……ん……(カチッ)………Zzz……」

 

 

朝の8:00、枕元に目覚まし時計を止めたがまた睡魔に負けて寝てしまった

 

 

 

 

ドガァッ!!

 

と少年が寝ている部屋のドアが勢いよく開けられた

 

「ちょっと!!何時まで寝てるのよ!!」

 

 

女の子の声が部屋中に響いた、その声でやっと目が覚めたのか

 

 

「……ん…ああ……ウィノ?」

 

 

ウィノと呼ばれた少女は窓のカーテンを開け放ち、部屋中が太陽の光で明るくなった

 

ウィノ「あのねぇ…今日はあんたの…」

 

 

「わかってる…入隊式だろ……」

 

 

 

 

今アメリカ軍に新たな部隊が発足された

 

国際特殊精鋭部隊デルタ・フォース

 

 

これはアメリカ軍が多方面に活躍できるように様々な種類の軍隊の精鋭ばかりを集めた総合的な部隊である

 

爆発処理、海上防衛、航空部隊などの部隊の精鋭が召集され、一つの大きな部隊へと変わっていった

 

 

そしてそのデルタ・フォースにIS(インフィニット・ストラトス)部隊が結成される事になった

 

 

ISは日本の科学者、篠ノ之束博士が開発したパワードスーツでこれまでの現代兵器を凌駕する兵器である

 

現在467のコアが世界中にあり、それらが国際IS委員会によって登録、管理されている

 

 

しかしこの画期的な兵器は欠点があった

 

 

それは『女しか扱えない』事である

 

それが原因で世は女が権力を持ち、男は蔑まれる女尊男卑に染まっていったのだ

 

 

ウィノ「早く!集合時間に遅れるわよ!」

 

「わかった…」

 

そう言ってウィノは部屋を出ていった

 

 

少年は寝癖で跳ねた髪を手櫛で直し、着る服を選別して着替えて部屋に置いてあった荷物を持って部屋を出た

 

 

 

 

 

 

「おっと…忘れ物…」

 

 

そう言って少年はまた部屋に戻り、机の上に置いてあったカードを持った

 

 

そこに書かれていた名前

 

 

【カズマ・アーディガン】

 

これがこの少年の名前である

 

 

 

 

 

 

支度を終えて一回のリビングに降りてきた時、そこに二人の少女がいた

 

「あ、やっと起きた!」

 

「にぃに!はやくはやく!」

 

二人は既に支度を終えていた

 

カズマを兄と呼んでいる事から彼の妹だろう

 

カズマ「行くぞユカ、ユイ」

 

ユカはカズマより二つ下、ユイは三つ下の妹で、彼女達もデルタ・フォースによって召集されたメンバーである

 

しかし年齢はカズマが14歳でユカが12歳、ユイが11歳でまだ子供の年齢である

 

 

それは軍隊に入る年齢ではなかったのだ

普通なら最低でも15歳からなのにカズマ達はそれ以下の14歳から軍に召集されたのだ

 

 

ユカ「オッケー!」

ユイ「はーい」

 

 

 

 

 

三人は家を出た

 

その家の前に先程カズマを起こしに来たウィノが待っていた

 

彼女はウィノ・マグガバン

カズマと同じスクールに通っていてたが

 

 

ウィノもデルタ・フォースに召集されたメンバーで年齢はカズマと同じ14歳である

 

カズマ「すまない、待たせたな」

 

ウィノ「別に…そんな待って無いわ…早く行くわよ」

 

四人はとある目的地に向けて歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ軍 デルタ・フォース本拠点

 

 

四人はデルタ・フォースの拠点に着いた

 

ユイ「わぁ…」

ユカ「おお…」

ウィノ「すごい…」

カズマ「広いな…」

 

拠点の広さはとても広く、様々な施設や工場、更には演習場、滑走路等々、かなりの規模である

 

 

カズマ「ウィノ、俺達の集合場所は?」

 

ウィノは携帯端末を起動させて基地の地図を開き、現在地と場所を確認した

 

ウィノ「えっ…と…IS部隊寮は…此方よ」

 

 

そう、彼らはデルタ・フォースのIS部隊のメンバーなのである

 

しかし疑問が一つ、そもそもISは女しか扱えない

 

 

男であるカズマがそのIS部隊へ召集されるのはおかしい

 

それはアメリカ軍がなんと独自でISを開発、量産する事に成功したのだ

 

その際、ISコアを解析する際、女しか扱えない欠陥部分を特定し、なんと男性でもISが使用出来る様になったのだ

 

それ故、アメリカでは女尊男卑の影響は無く、IS登場前とは何の変わりない生活を送っていた

 

 

独自にISを開発したアメリカは全軍人にIS適正試験を開始した

 

そして一般人でもIS適正試験を実施し、カズマはそれを受けて見事にA+という優秀な結果を残した

 

この結果を見たアメリカ軍上層部は、カズマをデルタ・フォースに迎え入れ、半年間のISの運用、知識等を学ばせ、当時アメリカに亡命して国の援助で暮らしていたカズマは妹達を軍が保有する施設へ入れるという条件を提示してカズマを召集したのだった

 

 

 

 

ウィノ「しかし、なんでカズマはIS適正試験を受けたのよ?」

 

カズマ「ウィノは?なんで受けた?」

 

ウィノ「あのねぇ…質問を質問で返さないでよ!」

 

カズマ「す…すまない…」

 

 

と二人が話していると分かれ道が見えてきた

 

ユカ「じゃああたし達はこっちだから、お兄ちゃんお仕事頑張ってね」

 

カズマ「ああ、わかった」

 

ユカとユイは軍から召集されたのではなく、カズマが軍からデルタ・フォースに入隊した際の条件として二人の面倒を軍が見るという事になったのだ

 

ユイ「にぃに…」

 

ユイは寂しそうな表情だった

 

自分にとって何時も一緒にいた大好きな兄が遠くへ行ってしまう

 

それが不安でたまらなかったのだ

 

そんなユイをカズマはそっと抱き締めた

 

カズマ「大丈夫、いつか必ず会いに行くから、心配しないで」

 

ユイ「にぃに…やくそくだよ…」

 

カズマ「ああ…ユカ、ユイの事頼んだぞ…」

 

ユカ「うん、わかった」

 

そして二人は手を繋いで軍の施設へ向かった

 

 

カズマはその二人の後ろ姿をじっと見送った

 

ウィノ「寂しいよね…やっぱり…」

 

カズマ「でも国の援助で生きられるには限りがある…俺が15になったら援助が切れて路頭に迷っていたから…それを考えればまだマシさ」

 

カズマが受けていた難民援助はカズマが15になると援助が受けられなくなってしまう

 

15歳のカズマが出来る仕事の給料で、更に妹二人を養うのは難しい

 

ウィノはふと思った

 

 

ウィノ「もしかして…カズマがIS適正試験を受けた理由って…」

 

カズマ「ああ…軍に入って妹二人を養う為でもあるし、護る為だ」

 

ウィノ「でもカズマって親は…」

 

カズマ「…」

 

カズマは黙った…その脳裏にあの時の惨劇が出てきた

次第に表情が険しくなるカズマを見てウィノは

 

ウィノ「カズマ?」

 

カズマ「ウィノ…五年前に起きた…アイルランドの自爆テロ事件…知ってるか?」

 

ウィノ「えっ!?」

 

行きなり過去の物騒の話を出してきたカズマに動揺しつつ、ウィノは答えた

 

ウィノ「うん…ニュースで…でもなんでそんな話を?」

 

カズマは空を見上げて静かに言った

 

カズマ「俺の生まれ故郷は…そのアイルランドだった…」

 

ウィノ「ええっ!?」

 

突然の告白に驚きを隠せないウィノ

 

まさかカズマがあのテロ事件の被害者だとは思わなかったのである

 

アイルランドの自爆テロはIS登場によって女尊男卑が酷くなっていた

そして一部の男性の団体がその抗議として女性の職場を次々と爆破していったのである

 

死傷者7000名という最悪の事態を招いた

 

カズマ「俺の両親はテロに殺された…あの時俺と妹達は地下室で遊んでいたから助かったんだけど…大きな爆音が聞こえた時は何が起こったかは、わからなかった…そして地下室から出て…」

 

ウィノ「もういいよ!!カズマ!」

 

カズマ「ウィノ?」

 

いきなり大声をあげたウィノ、その体は震えていた

 

普段のカズマとは思えない過去の話を聞いていたのだが、耐え切れなくなって話を止めさせた

 

カズマ「ごめん…」

 

 

ウィノ「まさか…ISの事…ずっと前から勉強してたの?」

 

カズマ「そうだ…前はISの技術者になろうとしてたんだけど…まさかアメリカ軍がISを男性でも扱えるようにしちゃうなんてな…凄いよ…この国は」

 

 

カズマは右手で握り拳を作って

 

カズマ「俺は折角ISを扱えるんだ…妹を護るのもそうだが、この世界にテロを起こさせないってのもISに関わった理由だ」

 

 

 

最後に決意を話したカズマ、彼の決意はアイルランドからアメリカに亡命した時からぶれてはいなかった

 

 

ウィノ「そっか…それがカズマのISに関わる理由なのね…あたしなんかただパパのお手伝いをしたかっただけでISに関わったのに」

 

 

カズマ「…確かウィノの親父って…デルタ・フォースを立ち上げた人だよな?」

 

 

ウィノ「そうよ…ってカズマ!!話している内に時間があと5分しかない!!」

 

ウィノが腕時計を見たら集合時間まであと5分というギリギリの時間になっていた

 

 

 

カズマ「ヤバイな…行くぞ!」

 

 

 

 

 

二人はダッシュで目的地へと向かっていった

 

 

この二人がこれから様々な事柄に巻き込まれる事はまだ知らない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラのイメージ声優とそのモデル
カズマ・アーディガン 櫻井 孝宏 (FF7のクラウドがモデル、髪色が黒い)

ウィノ・マグガバン 戸松 遥(ToLOVEるのララがモデル、髪が金髪)


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第二話 Δ(デルタ)-ライン

早速第二話
カズマ達のISはガンダムブレイカー風に説明したいと思います


…伝わりにくいかなぁ…


デルタ・フォースの基地内にかなり豪華なマンションが建っていた

 

一人の中年男性が仁王立ちしていた

 

かなりの高身長でガタイの良さがその男性の威圧感を出している

 

 

 

 

 

「全く…時間遅れるぞ…」

 

 

男性が腕時計を見た瞬間

 

 

 

ウィノ「すみませーん!!お待たせしましたー!!ε=(ノ゚д゚)ノ」

カズマ「ギリギリですみません!!ε=(ノ゚д゚)ノ」

 

 

 

猛ダッシュでやって来たカズマとウィノ

 

「バカモン!!」

 

ドゴッ!ドゴッ!

 

カズマ「だっ!?」

ウィノ「いっ!?」

 

いきなりの鉄拳制裁を頭に受けた二人は余りの激痛に踞った

 

「いったい何処で油を売っていた!?集合時間の5分前には着いていろと言ったはずだ!!」

 

「「す…すみません…」」

 

余程の鉄拳だったのか二人は殴られた頭を擦っていた

 

 

「今度からちゃんとしろよ?まあとりあえず自己紹介だ、俺はデルタ・フォースIS部隊隊長、ジュード・ブライス大尉だ」

 

カズマとウィノは敬礼をして

 

カズマ「本日付でデルタ・フォースIS部隊に配属されました、カズマ・アーディガンと申します」

 

ウィノ「同じくウィノ・マグガバンであります」

 

ブライス「うむ…ではこれがお前達の部屋の鍵だ、そこで制服に着替え、第二ISハンガーへ集合…今度は遅くなるなよ」

 

「「はっ!」」

 

二人はブライスから部屋の鍵を受け取り、それぞれの部屋へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

デルタ・フォース 宿舎

 

自分の部屋へ辿り着いたカズマは鍵を開けて中へと入った

 

 

部屋はまるで高級ビジネスホテルの如く、調度品がしっかりしており、TV、PC、更にユニットバス着いており、生活に関しては問題なかった

 

 

そしてクローゼットにデルタ・フォースの制服があった

 

 

 

全体的に黒が基調、袖に赤いラインが入っており、胸にデルタ・フォースのエンブレムが施されている

 

 

上着の丈が長い事から、コート風の制服である

 

ズボンも黒基調で赤いラインも入っている

 

(イメージとしてはマクロスFのSMSの制服)

 

 

カズマはインナーに青いTシャツを来ており、その上に制服を着た

 

着てみるとカズマの膝元まで上着の丈があって、クールな雰囲気を醸し出している

 

 

カズマ「~♪」

 

どうやら気に入った様子、その場でポーズを鏡に向けて決めてたりしている

 

 

コンコン

ウィノ「カズマ?着替えた?そろそろ行くよー」

 

カズマ「ああ、わかった」

 

カズマは部屋のドアを開け、その前に制服を着たウィノがいた

 

ウィノの制服は上は丈が腰より下辺りまであり、恐らく自前だと思うがピンクのミニスカートを着用している

 

ウィノ「カズマ…コートって暑くない?」

 

カズマ「そうかな?」

 

ウィノ「でも似合うよ」

 

カズマ「そうか、ウィノも似合ってる」

 

ウィノ「そう言われると…照れちゃうな…少し…」

 

顔を赤くして頬を指で掻くウィノ、世辞でもやっぱり嬉しいのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二人はISハンガーへ到着した

 

 

まず二人が驚いたのは様々な種類のISが開発、製造されている現場、技術者の数も多く、その設備もどれも最新鋭である

 

 

ブライス「お前達!!こっちだ!!」

 

ブライスから呼び出された二人はとある一室へと入っていった

 

 

 

 

 

 

ブライス「よし、制服に着替えたか…二人とも一丁前に改造制服にしやがったな?」

 

ブライスが二人の制服を見て言った

 

ブライス「カズマの奴は…コートか…一緒にいて暑苦しい奴だと思われるぞ?」

 

カズマ「その…コート好きなんですよ…俺…」

 

ブライス「そしてウィノ、お前自前でミニスカート用意するなんてな…制服はファッションじゃないぞ?」

 

ウィノ「いや…最近の女の子はこう言うのが流行りなんですよ…」

 

ブライスは二人の制服を見てからかった

 

その後奥から一人の技術者が現れた

 

 

「おーそいつらがお前の部下か?」

 

ブライス「おう、準備できたか?マードック」

 

この男性はデルタ・フォース専属IS技術開発者、ゲイリー・マードック

 

ブライスとの旧知の仲で、彼のISもマードックが開発、制作したと言われている

 

 

 

マードック「そんで、お前達のIS、特別に作っておいたぞ!」

 

 

カズマ「え?俺達に…」

 

ウィノ「IS…ですか?」

 

突然、自分達の為にISを作ってくれた事に驚きつつ、カズマは質問した

 

 

カズマ「その…隊長、質問良いですか?」

 

ブライス「なんだ?」

 

カズマ「何故俺達に専用のISが…」

 

 

マードック「何寝惚けてんだ?お前達のIS適正ランクがA以上だったんだよ、それで軍上層部がお前達の専用ISを作るように依頼を受けたんだよ」

 

 

ウィノ「軍上層部から直々にですか!?」

 

 

ISの適正ランクはその人のISでの総合的に運用出来るか、上手く扱えるという判断の基準となっている

 

カズマとウィノはA+という高いランクを叩き出し、これを見た軍上層部は二人にカスタムISを作る為に二人にアンケートを実施したのだ

 

カズマ(あのアンケートはそういう意味だったのか…)

 

ブライス「さあ入れ、お前達の専用ISだ」

 

 

 

カズマとウィノは開けられたシャッターをくぐり、中で佇んでいたISを見た

 

 

 

 

 

 

 

マードック「フレームが青いのがカズマ、ピンクのフレームがウィノのISだ」

 

 

 

 

Δ(デルタ)-ライン・スタンダードアーマー カズマ・アーディガンカスタム

 

カズマのISは標準的な装甲で、一般的な追加装甲のISである

 

背部にフライトユニットと呼ばれる大型ウィングブースターを取り付けており、脚部にも小型バーニアが装備されている事から、高機動戦を重視したカスタマイズがされている

 

肩部と腕部、脚部に装甲、頭部は特殊なバイザーが着いている

 

 

(ガンダムブレイカー風に表すと)

 

ボディ ストライクガンダム

アーム ストライクノワール

レッグ ストライクノワール

バック アストレイフライトユニット

 

カズマ「凄い…ところで武装は」

 

マードック「武装はお前さんがアンケートで要望した通りの物が搭載されている、ただしデットウェイトになるようなものは量子化(インストール)してあるからな、これがデルタの武装だ」

 

 

マードックから渡された携帯端末にはカズマのΔ-ラインの武装が映されていた

 

Δ-ライン・スタンダードアーマー カズマ・アーディガンカスタム武装

腰部搭載型ビームライフルショーティー×2

ストライクシールド

ビームセイバー×2

量子化武器

ビームバスターガンソード

 

 

 

特に特徴的なのがこのビームバスターガンソードである

これは高火力の粒子ビームを放てるバスターガンと刀身展開時に全長2mの巨大な実体剣になる遠近両用の武装である

バスターガン形態は刀身の先端部が両外側に分かれ、その中心から砲身が現れる構造となっている

 

他にも取り回しの良い牽制用のビームライフルショーティーは、ハンドガン型の小型ビームライフルである

 

 

ウィノ「凄いわね…言葉が出ないわ…」

 

ブライス「最新鋭の技術盛り沢山だなマードック」

 

 

 

この高性能ISを制作したマードックを改めて尊敬の意で見つめる三人であった

 

 

マードック「次はウィノのISだ、こっちのピンクのフレームがそうだ」

 

 

ウィノはピンクのフレームのISに近付いた

ウィノ「これが…あたしの…」

 

 

Δ-ライン・ライトアーマー ウィノ・マグガバンカスタム

カズマのISに比べかなりの軽装甲の機体で、ライトアーマーの名の通りである

軽装甲で重量が軽くなっているので運動性と機動性はカズマのスタンダードアーマーを越えている

 

背部はスタンダードアーマーと同じフライトユニットを装備されている

 

この機体は高速格闘モードと呼ばれる形態があり、この形態になると肩部、脚部にブースターが展開され、イグニッション・ブーストと同じくらいの瞬間加速が可能となり、その速度を維持しながら格闘戦が展開出来るという代物である

 

(ガンダムブレイカー風に表すと)

ボディ アストレイタイプ

アーム ユニコーンガンダム

レッグ アストレイタイプ

バック アストレイフライトユニット

 

ウィノ「この高速格闘モードを使いこなせるかどうかだね…」

 

カズマ「常にイグニッション・ブーストで移動する程の速度らしいな…」

 

マードック「そうだ、だが慣れてしまえば問題ない、鍛練あるのみだな…この端末に武装が映してある」

 

ウィノは端末を受け取り、それに映されていた武装を確認した

 

 

Δ-ライン・ライトアーマー ウィノ・マグガバンカスタム

武装

腕部展開式ビームブレイド×2

量子化武器

ショートビームライフル

 

ここで特徴的なのは両腕部に装備された展開式ビームブレイドである

一般的にトンファーの様な形状に展開するが、状況に応じて回転、固定をしている

ビーム兵器の為、重量が無いので高速格闘モードにおいて十分な成果を発揮する

 

 

カズマ「…少ないな…」

 

ウィノ「だって沢山あると不便じゃない?状況に応じて武器選択するなんて…あたし近接戦闘主体だからこの方が良いの」

 

ブライス「いや、俺達にとってはこの武装の乏しさは逆に不安だな…大丈夫なのか?」

 

マードック「問題ない、ウィノのアンケート結果をまとめた結果、この様になったのだ」

 

ブライス「ふむ…よし、早速飛ばしてみるか…お前達、ISを装着しろ」

 

「「はっ!」」

 

敬礼をして二人はそのままの服装でISを装着した

 

普通はISスーツと呼ばれる体にフィットした服装を着るのだが、デルタ・フォースの制服はISスーツと同じでそのままISを装着出来るのである

 

そして二人はISを装着し、カタパルトに足を固定させて

 

カズマ「カズマ・アーディガン、Δ-ライン、出る!!」

 

ウィノ「ウィノ・マグガバン、Δ-ライン、行くわよ!」

 

 

二人は大空へと飛び立って行った

 

 




ほとんどIS紹介になってしまった…
そして伝わったかなぁ……なんか前書きで書いた気がする

新キャラのモデルとイメージ声優

ジュード・ブライス イメージ声優 小西 克幸
モデルはマクロスFのオズマ・リー

ゲイリー・マードック イメージ声優 稲田 徹
モデルはガンダム00のイアン・ヴァスディ


ユカ・アーディガン イメージ声優 竹達 彩奈
モデルはToLOVEるのナナ、髪は黒

ユイ・アーディガン イメージ声優 悠木 碧
モデルはToLOVEるのモモ、髪は黒


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第三話 模擬戦

前回のカズマ専用Δ-ラインのビームバスターガンソードはガンダムアストレイのアストレイブルーフレームセカンドLのタクティカルアームズがモデルです
だって格好いいじゃないですか、あれ…



ISカタパルトからΔ-ラインを纏って飛び立ったカズマとウィノ、ブライスから暫くは自由に飛んで機体に慣れろという事で基地上空を飛び回っている

 

 

ウィノ「わあっ!気持ちいぃーっ!IS飛ぶってこんなに気持ち良いんだ!」

 

カズマ「そうだな…」

 

はしゃぐウィノとは対照的に機体に慣れようと真剣な表情のカズマ

 

ウィノ「あ!」

カズマ「?」

 

 

ウィノが何かを見つけた様だ

 

ウィノ「あそこ!ユカとユイじゃない?」

 

 

ウィノが指射した場所は、カズマの妹のユカとユイが預けられている施設の屋上

 

そこに他の子供達と楽しそうに遊んでいる二人の姿だった

 

 

ウィノ「ねぇ!行って見せてあげようよ!」

 

カズマ「見せるって…ISを?」

 

ウィノ「違う!ISを纏ってるあたし達、きっとあの子達喜ぶよ」

 

カズマ「そうだな…」

 

 

二人はその施設の屋上へと降下していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍の児童施設にて子供達と遊んでいるユカとユイ、ボール遊びでみんな盛り上がっている

 

ユカ「ユイー!行くよ!」

 

とユカがボールを投げたが、大暴投をしてしまい、ボールが屋上の2mのフェンスを越えてしまった

ユイ「あ!ボールおちちゃう!!」

 

ユイが叫んだと同時に高速で何かが横切ってボールをキャッチした

 

 

ユイ「わぁっ!?」

 

ユカ「ユイ!?大丈夫!?」

 

突然フェンス越しではあるが、目の前に高速で何かが飛んできた事に驚くのは当たり前、ユイは尻餅を着いた

 

 

 

 

「あー!!あれISだ!!」

 

「本当だ!!」

 

「かっこいいー!!」

 

 

他の子供達はボール持って屋上に降りたISを見て、まるでヒーローが現れたと同じ様にはしゃぎ出した

 

 

カズマ「ユイ」

 

ユイ「あ!にぃに!!」

 

ユカ「え!?お兄ちゃん!?」

 

カズマは頭部のバイザーを取り除き、素顔を見せた

 

ユカ「凄い!!お兄ちゃんIS乗れるんだ!!」

 

ユイ「にぃにすごい!!かっこいいー!!」

 

カズマ「そうか?ありがとな」

 

 

 

 

暫く子供達と戯れていると

 

ブライス「カズマ、ウィノ、子供達のサービスはここまでにして指定されたポイントに向かえ」

 

「「了解」」

 

 

二人は急上昇してブライスが指定されたとあるポイントへ到着した

 

 

そこは広いスタジアム状の建造物が建っており、観客席もあることから何かの競技場なのか…

 

 

ブライス「よし、着いたみたいだな」

 

 

ブライスから通信が入る

 

 

ウィノ「あの…ここで何を…?」

 

カズマ「ウィノ…ここはISバトルのアリーナだ…」

 

ウィノ「そうみたいだけど…それが何?」

 

カズマ「ここでやることは…一つしかない」

 

突然アリーナのピットからやたらとごつい黒いフレームのΔ-ラインが現れた

 

ブライス「そうだ、今から俺と模擬戦をしてもらうぞ」

 

ウィノ「模擬戦…ですか!?」

 

ブライス「ああ、お前達の実力…俺に見せてみろ!!」

 

 

そう言ってブライスは肩アーマーからマイクロミサイルを飛ばしてきた

 

ウィノ「ちょ!?いきなり!!」

 

驚くウィノは一歩も動けなかったが、カズマが両腰のホルスターからビームライフルショーティーを取り、六発のマイクロミサイルをすべて撃ち落とした

 

 

ブライス「ほう…」

 

ブライスは感心していた、初見で六発のミサイルをすべて撃ち落とす彼の技量に自然と笑みが零れていた

 

 

 

ウィノ「あ…ありがと…カズマ…」

 

カズマ「礼はいい、次が来る!散開!!」

 

ウィノ「OK!!」

 

二人は左右に散開し、挟み撃ちを仕掛けた

 

 

ウィノ「これで!」

 

ウィノはショートビームライフルを展開して撃った

 

ショートビームライフルは通常のライフルより銃身が短めで、連射性能が高い

 

しかし威力は通常より弱く、ビーム収束率が弱い為、射程が短い

 

それでも弾幕を張ることが出来る

 

ブライス「ふ…狙いが甘い!」

 

ウィノは元々射撃が苦手で、ショートビームライフルの光線は全く当たらない

 

ウィノ「ああもう!当たってよ!!…ってあれ?」

 

何発か撃っていたら突然ビームが出なくなった

 

ウィノ「嘘っ!?弾切れ!?」

 

どうやらエネルギーが尽きた様でライフルのエネルギーパックの残量が0の表示が出ていた

 

無闇やたらと撃ち続け、残弾数を確認しなかったのだろう

 

ブライス「バカモン!!何弾切れしてんだ!!」

 

 

ブライスは脚部ロケットランチャーを放とうとしたが

 

カズマ「そこだっ!!」

 

ブライス「む!?」

 

ブライスの後方からカズマのビームバスターガンソードをソードモードにして吶喊し、大上段から降り下ろそうとした

 

ブライス「隙あり!!」

 

カズマ「がっ!?」

 

 

ブライスは一瞬でカズマの懐に入り、近接武器のコンバットナイフでがら空きの胴体を切り裂いた

 

カズマ「今のは…」

 

ブライス「イグニッションブースト(瞬間加速)ってもんだ…」

 

イグニッションブーストは一瞬でトップスピードに到達し、間合いを詰める、若しくは離す、そして回避するなど用途が沢山あるテクニックである

 

カズマ「だけど俺も!」

 

カズマもイグニッションブーストでブライスとの間合いを詰めるが

 

ブライス「ふっ…まだまだひよっ子だな…む!?」

 

ウィノ「あたしを忘れないでよね!!」

 

ウィノも両腕部ビームブレイドを展開し、イグニッションブーストでブライスに斬りかかった

 

ウィノの方が早く、先にブライスに接近した

 

ウィノ「はあぁっ!!」

 

そのままクロスに切り払う……筈だった…

 

 

ウィノ「そ…そんな…」

 

ブライス「俺にシールドを使わせるとはな…やるじゃないか…」

 

ウィノのビームブレイドの一撃は、ブライスがインストールしたシールドで防いだ

 

 

カズマ「うおおおぉぉっ!!」

 

カズマもビームセイバーを抜刀し、横凪ぎに切り払った

 

ブライスはそれをイグニッションブーストの応用で回避した

 

カズマ「なっ!?がはっ!」

 

ウィノ「きゃあっ!」

 

両方がイグニッションブーストの影響でお互い正面衝突をしてしまった

 

カズマ「…っ…ごめん!大丈夫か!?」

 

ウィノ「いたた…大丈夫よ……ブライス隊長は?」

 

 

ブライス「何処を見てる?」

 

「「上っ!?」」

 

二人がそう叫ぶと同時にブライスはバズーカを装備し

 

ブライス「チェックメイトだ」

 

 

三発連続で放った

 

放たれた弾道は一直線に二人の下へ向かっていたが

 

カズマ「そんな攻撃!」

 

カズマはまたビームライフルショーティーをホルスターから取出し、ロケット弾に向けて連射した

 

放たれたビームは確実にロケット弾を撃ち抜き、すべて爆発させた

 

ブライス「また撃ち落としたか…と言うより、俺のバズーカが散弾だって事知ってるのか?」

 

ブライスが先程放ったバズーカは、発射されてから一定以上進むと、広範囲に弾を発射する散弾をロケット弾に内蔵している

 

カズマはそれを見抜いていたのかどうなのかは知らないが、撃ち落とした位置がもう少し手前だったら散弾が発射され、二人のシールドエネルギーは0になっていたのだろう

 

 

 

 

模擬戦が開始されてからブライスはまだ一撃も食らっていないのである

ブライスのΔ-ラインはヘビーアーマーと呼ばれる超重装甲の形態である

 

全身にミサイルを積んでおり、重量のあるバズーカや重火器を装備している

 

それ故機体の重量は重く、鈍重と思われるが、ブライスの操縦センスの良さの影響かその鈍重さを全く感じない

 

そして今現在の三人のシールドエネルギーは

 

カズマ 320/630

 

ウィノ 215/520

 

ブライス 780/780

 

まだブライスは無傷である

 

 

カズマ「こうなったら…」

 

ウィノ「せめて一撃は…」

 

「「お見舞いしてやる!!」」

 

今度は同時にブライスへと向かって行った

 

ブライス「今度は同時か」

 

ウィノ「高速格闘モード起動!!」

 

 

ウィノはΔ-ライン・ライトアーマーのモードの一つ、高速格闘モードを起動させた

 

肩アーマーにバーニアが増設され、また脚部にも大型バーニアが増設された

 

これによってイグニッションブースト並みの速度で連続攻撃が出来るのである

 

ウィノ「もらったぁぁああっ!!」

 

高速格闘モードによって直ぐにトップスピードになったウィノはビームブレイドを展開した

 

ブライス「直線的すぎる!!」

 

 

ブライスは再びバズーカを放った

 

バズーカはウィノに着弾し、爆発したが…その爆煙の中からウィノが飛び出してきた

 

 

ブライス「な、何!?」

 

ウィノは前方に構えたビームブレイドを回転させていたのだ

 

凄まじい回転数のビームブレイドは、一種のシールドの様な役割をして、ブライスのバズーカから身を護ったのだ

 

ウィノ「いっけぇぇえええっ!!」

 

回転したままのブレイドをブライスにそのままぶつけ、彼のシールドエネルギーに初めてダメージを与えた

 

ブライス「ぬうっ…俺に傷を着けるとは……!?高熱源反応?」

 

ブライスはナビゲーションに高熱源反応が確認され、それが誰なのかを探った

 

そしてブライスはその高熱源反応の元を見つけた

 

それはビームバスターガンソードをバスターガンモードにして発射体制のカズマだった

 

 

 

 

カズマ「エネルギー充電完了」

 

 

 

 

 

ブライス「ほう、あれを使うのか…」

 

 

マードック『ブライス!!避けろ!!』

 

ブライス「ん?どうしたマードック?」

 

とここで慌てた様子のマードックから通信が入った

 

マードック『俺とした事が…あのビームバスターガンソードのエネルギー調整を忘れた…』

 

 

ブライス「………何!?」

 

マードック『良いか!?直撃は避けろ!絶対にだ!当たったらアウトだからな!!』

 

ブライス「お、おいマードック!…ってまずい!!」

 

カズマ「そこだぁあああああっ!!」

 

ビームバスターガンソードの銃口から超極太のビームが発射された

 

 

ブライス「うおおおおああああああっ!!」

 

ブライスはイグニッションブーストで回避したが、超高エネルギーの余波で機体にダメージが増える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて極太のビームは消えて、撃ったままの体制で動かないカズマがいた

 

カズマ「はぁ…はぁ…なんだ?この威力は…?」

 

カズマは自分が撃ったバスターガンの威力に驚いて動けなかった…

 

そしてカズマはあるものを見て更に驚いた

 

それは先程のビームの射線上にあった山がなんと消滅していたのだった

 

この基地は四方を山で囲まれている土地で、その山も標高がかなり高い山である

 

その山が先程カズマ撃った極太ビームによってその形に無惨に消し飛ばされているのである

 

ウィノ「カズマ!大丈夫!?」

 

カズマ「…ウィノか…」

 

ウィノ「なんか…あれ…どうするの?」

 

 

ウィノは先程カズマが消し飛ばした山を指射した

 

ブライス「あれは仕方ない、全部調整を行わなかったマードックの責任としておこう」

 

 

ブライスがカズマ達の所まで来て言った

 

 

カズマ「そうですね…」

ウィノ「ですね…」

 

マードック『お前ら!!なに同意してんだァァァ!!』

 

 

ブライス「よし、模擬戦は終了だ…お前らは今日は休め、以上」

 

 

「「はっ!!」」

 

二人はISハンガーの所へ行きISを解除した

 

 

 

ブライス「マードック…」

 

マードック『ん?どうした?』

 

ブライス「俺は使っちまった…」

 

マードック『何を……まさか!?』

 

ブライス「ああ、単一能力(ワン・オフ・アビリティ)のΔ-ドライバをな」

 

ブライスの言ったΔ-ドライバはΔ-ラインの共通の単一能力である

 

発動すると機体の性能が2倍になり、反応速度、レーダー範囲、シールドエネルギー耐久強化等の性能アップが期待される能力である

 

しかし発動にはISとのシンクロ率が一定以上を越えないと出来ないのである

 

マードック『ブライスにΔ-ドライバを使わすとはな…だがそれがどうした?』

 

 

ブライス「カズマがあのビームを放った時に俺は発動したんだが……マードック、あれが直撃した場合Δ-ドライバを発動している俺のデルタだと後エネルギーがどれだけ残る?」

 

マードック『そうだな…Δ-ドライバの能力なら…ウィノが一撃与えてブライスのシールドエネルギーは650/780だったから…せいぜい310は残る筈だ…だが掠っただけだろ?』

 

ブライスは自分の残りシールドエネルギーを見て言った

 

ブライス「そのΔ-ドライバを発動して、ただ掠っただけで…650あったのが21しか無いってどういう事だ?」

 

マードック『な、なんだと!?』

 

マードックはモニターを見ていたが確かにブライスのシールドエネルギー残量がたったの21/780だった

 

マードック『まさか……カズマの奴』

 

 

ブライス「ああ…アイツも無意識だと思うが…撃つ瞬間にΔ-ドライバを発動したんだろう…無意識にな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このΔ-ラインの単一能力であるΔ-ドライバは、フルメタル・パニックのラムダ・ドライバよりヒントを貰いました

出来れば感想ほしいなぁ…

いえ、感想待ってます!!


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第四話 モンド・グロッソ

そう言えばブライスのΔ-ライン紹介忘れてた…

ブライス専用Δ-ライン・ヘビーアーマー

各部装甲が重装甲で、超重量級のIS
装甲内部にマイクロミサイルを内蔵しており、拠点制圧や、蹂躙攻撃等に特化した機体である
一見鈍重と思われるが、ブライス本人の操縦技術と機体各部に搭載されているスラスターで重ISとは思えない機動性を誇る

武装
肩部、脚部装甲内蔵型マイクロミサイル
腕部グレネード
コンバットナイフ

量子化武装
散弾ロケットバズーカ
ハンドミサイルユニット×2
高エネルギー大型ビームライフル



ブライスとの模擬戦が終わってそれぞれの部屋に戻ったカズマとウィノ

 

カズマはシャワーを浴びながら今回の模擬戦を振り返った

 

カズマ(ブライス隊長はやっぱり強かった…あのヘビーアーマーであの機動性…)

 

今回、ブライスはΔ-ラインの強化アーマーの中で扱いが難しい重量級のヘビーアーマーを装着していた

 

あれ程重いISをあんな高機動で扱うことが出来るあの技量に憧れを抱き始めたカズマであった

 

そしてカズマにはもう一つ気になる事があった

 

それはビームバスターガンソードをフルチャージでブライスに向けて放とうとした時、一瞬ではあるが、神経が研ぎ澄まされた様な感覚、視界がクリアになった様な感覚になった事である

 

あの不思議な感覚が今でも残っているのである

 

 

 

 

その後シャワーから出て、ウィノと一緒に食堂で食事を取っていた時にブライスから連絡があった

 

 

初めての任務だ、直ぐに支度しろと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ軍、輸送機内

 

ブライスから軍上層部からデルタ・フォースに任務が伝えられた

 

ドイツで行われるモンド・グロッソの警護

 

モンド・グロッソは世界中のIS国家代表が一堂に会してISバトルをする世界大会である

 

 

最近だと日本の織斑千冬が優勝したとして話題になっている

 

輸送機内でブライス、カズマ、ウィノの三人は座っていた

 

カズマの隣に座っていたウィノは眠気に負けて、カズマの肩を枕にして眠っている

 

 

カズマは輸送機の窓から見える景色を眺めていた

 

 

ブライス「カズマ…一つ良いか?」

 

と不意に向かいの席に座っていたブライスが話し掛けてきた

 

 

カズマ「何でしょうか?」

 

ブライス「お前の故郷…ドイツだったか?」

 

カズマ「……いえ、アイルランドですが…」

 

ブライス「そうか…アイルランドか…お前もあのテロの被害者か…」

 

カズマ「え?」

 

ブライス「俺もアイルランドで起きたテロの被害者だ…アイルランドは…俺の妹が留学していた所だった…」

 

カズマ「あなたは…妹さんを…」

 

ブライス「ああ…亡くした」

 

まさか目の前にいるブライスもあのアイルランドで起こったテロの被害者であるなんて思いもしなかった

 

カズマ「俺は…」

 

ブライス「おっと…お前は言うな」

 

カズマ「いえ、教えてもらってばかりじゃ…不公平ですよ……俺は…両親を亡くしました…家が燃えて、街も燃えて、何もかもが赤い炎の景色に染まっていました…あの時起こった事は…忘れられません…」

 

 

ブライス「そうか……」

 

 

暫くの沈黙が訪れて

 

 

『間もなく到着します』

 

ブライス「そろそろか…カズマ、ウィノを起こせ」

 

カズマは未だに肩で眠っているウィノを起こした

 

ウィノ「ふああぁ…おはようございます……」

 

ブライス「よく寝たか?」

 

ウィノ「は…はい!?お、お陰様で…」

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機から降りてまず目に入ったのは豪華なISバトルアリーナであった

 

その広さ、更に観客数も多く、円形のコロシアムの様な形状である

 

 

ウィノ「こ、こんな所でISバトルするの?」

 

カズマ「無駄に金掛けすぎだろ…これ…」

 

ウィノはアリーナの広さに驚き、カズマはアリーナの豪華さに呆れていた

 

 

 

ふとカズマがとある方向を見てみると、ある一人の女性が目に入った

 

その女性は周りを地元の報道陣に囲まれていた、どうやらこのモンド・グロッソの出場選手なのだろう

 

 

 

ブライス「カズマ、あの女性が気になるのか?もしかして惚れたか?」

 

ウィノ「えっ!?ちょ、ちょっと!!カズマ!!」

 

ブライスが冗談を言い、その冗談をまともに受けてしまってパニックのウィノ

 

しかしカズマは冷静に返した

カズマ「いえ…ただあの女性、他とは違う雰囲気を醸し出していたので…」

 

ブライス「そうか…あれがモンド・グロッソ第一回大会優勝者、日本国家代表の織斑千冬だからな」

 

ウィノ「ええええっ!?あの人が!?」

 

カズマ「織斑…千冬…」

 

ブライス「恐らく今回の大会でも優勝して二連覇を成そうとしてるだろ」

 

 

二人は世界最強のIS乗り、織斑千冬を一目見て、モンド・グロッソ実行委員会から今回の任務を再確認した

 

それはこのモンド・グロッソが無事終る様に、周辺の警護、防衛という任務であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モンド・グロッソ会場周辺

 

 

今現在モンド・グロッソは準決勝が行われており、かなり盛り上がっている様だ

 

 

その試合の状況を端末モニターで見ていたカズマとウィノ

 

ウィノ「織斑千冬…強っ…」

 

カズマ「ほとんどの試合を一分足らずで終わらせている…純粋にあのブレードの威力が高いのか…それとも」

 

ウィノ「ねぇ…一撃受けただけであんなにシールドエネルギーって減るの?そんなに威力が高いのかな?」

 

カズマ「それは違うな…ただ純粋に威力を上げても機体のバリアーが守るし、一気に最大値の半分以上もシールドエネルギーが減るのはおかしい……待てよ…バリアー…?」

 

ウィノ「カズマ?」

 

カズマは一つの結論に辿り着いた

 

カズマ「そうか…バリアー無効化攻撃なのかあのブレードは」

 

ウィノ「バリアー無効化攻撃?」

 

聞き慣れない言葉に首をかしげるウィノ

 

カズマ「恐らくあれはISのバリアーを貫通して、IS本体にダメージを与える一撃必殺の兵器だ」

 

ウィノ「え!?そんな事したらISもそうだけどパイロットが…」

 

カズマ「ウィノ…ISには絶対防御がある…恐らく登場者に危険が及ばないようにしているのだろう…絶対防御が発動すると、機体のシールドエネルギーが普通に攻撃を受けた時の数倍以上に消費するんだ…あのブレードは絶対防御を発動させてシールドを大幅に減らす兵器だろうね…でも…」

 

ウィノ「でも?」

 

カズマ「バリアーを貫通する程の膨大なエネルギーを武器本体のジェネレーターで出すのはまず無理だよ」

 

ウィノ「え!?なら…どうやって?」

 

カズマ「恐らく…あれは自分のシールドエネルギーをあのブレードに転用していると思う」

 

ウィノ「自分のシールドエネルギーを!?それじゃ、あのブレードを使ってる時はシールドエネルギーがどんどん減っているって事?」

 

カズマ「まさに[諸刃の剣]だな」

 

 

ppppp…

 

カズマ「通信?隊長から…?」

 

 

ブライス『お前達!緊急事態だ!日本国家代表の織斑千冬の弟が何者かに誘拐された!』

 

ウィノ「ええええっ!?」

カズマ「誘拐!?」

 

 

ブライス『軍上層部から新たな緊急任務だ!カズマ・アーディガン、ウィノ・マクガバン両名は現時点より織斑千冬の弟を捜索せよ!対象者の名は[織斑一夏]』

 

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

二人はその場でISを展開し、直ぐ様飛び立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

ドイツ国内のとある一室

そこに少年が顔を俯かせていた

 

 

「ぐっ……ここは……」

 

体のあちこちが痛い…おまけに何かと眠い…

 

「そう言えば…俺は…っ!?」

 

立ち上がろうとしたが出来なかった…何故なら彼は縄で柱に縛られており、身動きが取れなかった

 

 

「くそっ…なんで…」

 

「お前があのブリュンヒルデの弟だからさ」

 

「!?」

 

 

不意に少年の目の前に顔をマスクで隠した男がナイフを持って近付いてきた

 

 

「あんた…何が目的なんだよ!」

 

 

「そんなの決まっている、あの女を途中で棄権させるためだよ!織斑千冬の弟の織斑一夏!」

 

一夏「!?千冬姉を…」

 

この少年こそ、あの世界最強織斑千冬の弟、織斑一夏である

 

「ぅぅぅ…」

 

一夏「!?誰かいるのか?」

 

突然女の子の怯える声が聞こえ、目線を移すと自分と同い年、または年下の女の子が自分と同じ柱に縄で縛られていた

その女の子は傷だらけで、至るところにアザが出来ている

 

 

「おっとこの子はある組織がこいつを誘拐して引き渡してくれれば大金をくれるって言いやがってよぉ、そんであまりにも周りのボディーガードやソイツが抵抗するもんでよぉ、ボディーガード全員殺して、痛め付けたってわけよ」

 

 

一夏「…っ!?ふざけんなっ!こんな女の子をこんなになるまで痛め付けたのか!…ガハッ!!」

 

一夏が怒鳴り終わると同時に鳩尾を思いっきり蹴った

 

腹部の強烈な衝撃により、呼吸が一時的に困難になった

 

 

「お前…自分の立場わかってないなぁ…お前は俺達の人質なんだよぉ!その気になれば、今すぐお前を殺す事が出来るんだよぉ!…おっとそろそろ決勝戦だなぁ…」

 

そう言って男は仲間のいるソファーに腰かけて、TVの電源を入れた

 

 

 

一夏「ぐうっ…ハァ…ハァ…」

 

鳩尾を蹴られた痛みがやっと収まった一夏、しかしその呼吸は荒かった

 

 

「あ…あの…」

 

一夏「?」

 

不意に自分と同じ柱に縛られている女の子から声をかけられた

 

 

「あの…大丈夫…ですか…?」

 

一夏「あ、ああ…大丈夫だよ…このくらい…」

 

「ごめんなさい…私のために…」

 

一夏「いいって……君みたいな女の子を殴る奴なんて最低だから…ああ言ってやんないと気が済まなくてさ…」

 

 

 

 

「優しい…ですね…あ…私、エミリア・リィンフォースと言います」

 

一夏「俺は、織斑一夏」

 

 

一夏は不意に鉄で覆われた天井を見上げた

 

自分の姉は本当に助けに来るのだろうか…

 

また妹は心配してないだろうか…

 

それが不安だった

 

 

 

「なんだと!?どういう事だこりゃあっ!!」

 

と先程の男がいきなり怒号を上げた

 

そのTVを見たらなんと自分の姉が決勝戦に出場しているという光景であった

 

 

一夏「そ…そんな……千冬…姉……」

 

どうやら姉の織斑千冬は弟の事よりもモンド・グロッソを優先した

 

つまり…[見捨てた]のだ

 

 

 

「くそっ!!これじゃ俺達の計画がぁっ!!あの女めぇっ!!こうなったら…」

 

 

男はナイフを持って一夏に近付いてきた

 

「よう…どうやら見たらしいなぁ?あれがお前の姉だ」

 

男はナイフの切っ先をTVで活躍している一夏の姉、千冬に向けた

 

「つまりなぁ…お前は見捨てられたんだよぉっ!!可哀想になぁ!!」

 

一夏「あ…ああ……おれ…は…」

 

 

突き付けられた現実を受け止められない一夏は、ただ呻くしかなかった

 

 

エミリア「一夏様!!しっかりしてください!!」

 

「うるせぇ!!てめぇは黙ってな!」

 

男はナイフの柄でエミリアの頭を殴って黙らせた

 

 

「じゃあな、恨むんだったらお前の姉を恨むんだな!!」

 

 

そしてその凶刃が一夏に向けて降り下ろされそうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォン!!

 

「ギャアアアアッ!!」

 

 

突然建物の壁が破壊され、ナイフの男が吹き飛ばされた

 

 

エミリア「い…一体…何が…?」

 

破壊した壁から蒼と桃のフレームのISが現れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ、モンド・グロッソ会場周辺上空

 

 

 

ウィノ「カズマ!織斑一夏らしい反応を感知したわ!」

 

カズマ「本当か?」

 

ウィノが織斑一夏の反応を見つけとある建物をマーキングした

 

カズマ「あの建物か…ん?もう一人いる?」

 

ウィノ「更に一人…ってナイフ持ってるわ!!」

 

カズマ「な!?ちっ…あれを使う!!」

 

カズマはビームバスターガンソードをバスターガンモードにして狙いを定めた

 

ウィノ「ちょっと!!それは…」

 

カズマ「大丈夫、威力は壁を吹き飛ばす程度に抑えてる……ターゲットロック……撃つ!!」

 

バスターガンの銃口から蒼い閃光が放たれ、建物の壁を吹き飛ばした

 

 

カズマ「ウィノ、突っ込むぞ!」

 

ウィノ「OK」

 

 

 

二人は壊れた壁から内部へ突入した

 

 

建物の内部に突入し、カズマはビームバスターガンソードを仕舞ってビームライフルショーティーを両手に持ち、ウィノはショートビームライフルを展開した

 

 

カズマ「動くな!動いた奴から撃つ!!」

 

 

ウィノ「君達、大丈夫!?」

 

 

 

ウィノは片方のブレードを展開し、二人を縛っている縄を斬った

 

 

エミリア「あ、ありがとうございます…」

 

一夏「お…おれ……は……」

 

どうやら二人は無事のようだ

 

ウィノ「カズマ!こっちは大丈夫!」

 

カズマ「こっちも終わった…全員投降した」

 

 

カズマも誘拐犯全員を無力化し、ドイツ軍の援軍が到着して全員投降した

 

 

 

 

カズマ「こちらデルタ2、対象者織斑一夏は無事、他に誘拐されていた少女を発見、無事である、二人を連行し、これより帰投します」

 

ブライス『よし、良くやった。後はドイツ軍の管轄だすぐに戻ってこい』

 

 

 

こうしてカズマ達の初の任務は成功に終わったのだ。

 

 

 

 




ついに原作キャラ一夏登場!

ついでに新キャラのモデルとイメージ声優

エミリア・リィンフォース イメージ声優 大坪由佳

モデルはブレイブルーのノエル・ヴァーミリオン

感想待ってます


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第五話 心の傷

就活でなかなか書けない…
皆様申し訳無いです…



 

ドイツで行われたモンド・グロッソの警護をしていたデルタ・フォース

 

しかし誘拐事件が起きてカズマとウィノは織斑一夏ともう一人誘拐されていたエミリア・リィンフォースを救助、保護した

 

後にエミリアはデルタ・フォースのメンバーに召集されたメンバーである事が解り、ドイツに設立されたデルタ・フォース中間基地でエミリアは身体の怪我を治して、織斑一夏は心のケアを施された

 

 

 

 

 

 

 

 

デルタ・フォース ドイツ中間基地

 

 

ウィノ「どう?体の調子は?」

 

エミリア「お陰様で全快です、ご迷惑をお掛けしました」

 

エミリアは身体の怪我が全快し、デルタ・フォースの制服を身に付け、カズマとウィノと共に織斑一夏の見舞いがてら挨拶に向かっていた

 

 

カズマ「しかしなんで誘拐されていた?」

 

エミリア「あの…私はリィンフォースの娘ですので…」

 

 

カズマ「リィンフォース……あのリィンフォース社の?」

 

ウィノ「リィンフォース?」

 

カズマ「リィンフォース社、このデルタ・フォース…いやアメリカ軍の電子機器、並びにIS兵器を製造している国家認定の企業だ」

 

ウィノ「え!?そうなの?」

 

エミリア「えっと…知らなかったんですか…?なんか……悲しい…」

 

有名な自分の会社が知らない人がいた事にトホホな表情のエミリア

 

カズマ「普段ファッション雑誌しか見ないから…ウィノは」

 

ウィノ「うっ…」

 

 

 

 

三人は談笑しながら織斑一夏のメディカルルームに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライス「む?お前ら…」

 

織斑一夏のメディカルルームの前にブライスが立っていた

 

カズマ「ブライス隊長…何故ここに?」

 

ブライス「俺はアイツに伝えたい事があってな…そして君が…」

 

ブライスはエミリアを視線に捉えた

 

エミリア「はい!本日付けでデルタ・フォースに配属されました、エミリア・リィンフォースと言います!」

 

敬礼をして挨拶したエミリア、ブライスはその様子を見て頷いた

 

ブライス「ほう、お嬢様と聴いていたが…なかなかしっかりしてるじゃないか」

 

 

エミリア「私は他の温室育ちとは違いますので…」

 

 

ブライス「そうか…まあ期待してるぞ」

 

ブライスはメディカルルームのドアを開け、中に入った

 

カズマ達もブライスに倣って中に入った

 

 

 

周りが白色を基調とした壁で、所々に花柄がある

まるで病室と同じである

 

そのベッドに座っていたパジャマ姿の日本人の少年がいた

 

 

 

 

一夏「……あなたは…」

 

入ってきたブライス達に気付いた

 

ブライス「気分はどうだ?織斑一夏君?」

 

一夏「あ…はい、大分良いです」

 

エミリア「良かったです…御元気そうで」

 

エミリアが一夏の手を取って言った

 

一夏「エミリア…?何だその服…」

 

エミリア「実は…私は軍人なのです…デルタ・フォースと呼ばれるアメリカ軍のIS部隊ですわ」

 

一夏「IS部隊!?」

 

ブライス「まぁ…最近出来た部隊だがな、人数も少ないんだな…っと織斑……ああ面倒だ一夏で良いか?」

 

一夏「構いません…」

 

ブライスは一呼吸を置いて言った

 

 

ブライス「一夏…先程日本政府にお前の身元引き受けを要請したのだが……日本政府は『織斑一夏という人間は戸籍上存在しない』と言われた」

 

一夏「えっ……」

 

ウィノ「そ、それって…どういう事?」

 

ブライス「更にお前の姉と妹に問い合わせた結果…そんな弟、兄は存在しないと返答が来た」

 

一夏「そ…そんな……」

 

一夏の顔が青ざめ…体が震えていた

 

一夏「嘘だ…千冬姉と春香がそんな事言う訳がない!!」

 

一夏の叫びとも言える抗議がブライスにぶつけられた

 

ブライス「悪いが…政府はそう言ったとの一点張りだ…お前は…家族と日本に見捨てられた…と言うことだ」

 

ウィノ「酷い!!そんなの…酷いですよ!!何で一夏君がこんな目に遭わなきゃいけないのですか?」

 

エミリア「そうです!!一夏様のお姉様と妹様がそんな事言うはずがありません!!おかしいですよ!」

 

ウィノとエミリアが抗議をした

 

ブライス「カズマ…頭の良いお前なら…わかるな…」

 

カズマ「…はい…」

 

ウィノ「何?どう言う事よ!」

 

カズマ「ウィノ、エミリア…ISを初めて開発したのは誰だ?」

 

 

ウィノ「そんなの…篠ノ之束でしょ!」

 

カズマ「じゃあその篠ノ之束の国籍は?」

 

エミリア「日本……ってまさか!?」

 

エミリアは気付いた様だが、ウィノはまだ気付いていない

 

カズマ「今の世界はISを基準にして成り立っている…そして日本はあのISの産みの親、篠ノ之束の母国、更に一夏の姉、世界最強のIS乗り、織斑千冬の国も日本だ…つまり今の日本は世界の影響力が最も強く、他国の国よりもその国力は強い…つまり、ISを最近開発したアメリカは過去に第二次世界対戦で日本に勝ったとは言え、今の日本にアメリカの抗議が通る訳がない…」

 

ウィノ「でも…そんな事で一夏君が見捨てられる理由にならないわ!」

 

カズマ「ウィノ…それは日本と俺達アメリカの男子の見方の違いだ…」

 

エミリア「見方の…違い?」

 

 

カズマは腕を君で壁に寄りかかって言った

 

カズマ「今の日本は女尊男卑、女が優遇されて男は蔑まれる見方だ…つまり男である一夏は蔑まれる存在…そして今の日本政府は…全員女…そして世界最強織斑千冬の家族に男はいらないという歪んだ思考が今回の一夏の対応なのだろうな…そしてその姉も、妹も…」

 

 

一夏「もういいっ!!」

 

一夏は叫んだ

 

一夏「俺は…捨てられた…千冬姉からも…春香からも……みんな…からも…」

 

一夏は泣きながらベットで横になった

 

 

一夏「俺は…どうすれば……俺は……」

 

 

 

 

これからの自分に悩む一夏、帰る場所も無く、全く知らない異国の地でどう生きていくのか…そんな事を悩んでいた

 

 

 

 

 

カズマ「…一夏…お前デルタ・フォースに入るか?」

 

 

一夏「……は?」

 

ブライス「……」

 

ウィノ「…え?」

 

エミリア「…はい?」

 

 

 

突然の爆弾発言…この場の全員の思考が凍結した

 

 

カズマ「一夏…お前、これからどう生きていくか決めてはいないだろう?」

 

一夏「ま、まあな…」

 

カズマ「だったらデルタ・フォースでお前の生き方を見つければ良い…お前の新しい生き方をな…」

 

一夏「……俺の…生き方……俺はずっと千冬姉に護られてた…いや…俺自身が強くなかったから…千冬姉は見放したんだ…春香もそうだ…俺が強くなかったから…」

 

カズマ「だったら…どうする?」

 

一夏は握り拳を強くしてカズマに言い放った

 

一夏「俺は強くなりたい!!誰かを護れるような…そういう強さを、俺は欲しい!!」

 

カズマは少し笑った

 

ブライス「はっはっは!!良く言った!!一夏ッ!!」

 

ブライスが一夏の肩を思いっきり叩いた

 

 

ブライス「一夏…お前が入ろうとしている所は…軍隊だ、場合によっては人を殺してしまう事もある、覚悟はあるか?」

 

一夏は立ち上がり、ブライスに言った

 

 

一夏「俺は…殺さないように強くなるだけです!!」

 

ブライス「はっ!!一丁前な事を言うな!一夏!」

 

一夏「はい!」

 

ブライス「明日0900までにISハンガーに来い!遅れるなよ」

 

一夏「はっ!!」

 

一夏は敬礼した

 

ブライス「ふっ…それは明日からだ…」

 

 

 

ブライスはメディカルルームを出て行った

 

 

カズマ「改めて自己紹介だな…俺はカズマ・アーディガン」

 

一夏「カズマってIS扱えるのか!?」

 

カズマ「ここのISは特別でな、俺達男でも扱えるんだよ」

 

一夏「マジ!?」

 

一夏は驚いていた、今までISは女性しか扱えないという彼の価値観を打ち破った瞬間である

 

 

ウィノ「あたしはウィノ・マクガバン、よろしくね一夏!」

 

一夏「ああ!」

 

 

 

エミリア「良かったです…改めて私は、エミリア・リィンフォースと言います」

 

一夏「ああ…これからよろしくな、エミリア」

 

エミリア「は、はい!」

 

一夏と握手するエミリアの顔は少し赤かった

 

 

ウィノ(もしかして…エミリア…一夏の事…ふふっ)

 

ウィノはそんな二人を見て笑った

 

カズマ「どうした?」

 

ウィノ「ううん、なんか一夏とても嬉しそう…」

 

カズマは一夏の表情を見た

 

とても明るい笑顔で一杯であった

 

最初見た時は暗い表情であったが、どうやらその雰囲気はない、満面の笑みだ

 

 

カズマ「一夏」

 

一夏「何だ?」

 

 

カズマ「これからビシバシ基本的な事をやるから、覚悟しろよ?」

 

一夏「解ってるぜ!カズマ!」

 

 

二人は固い握手を交わし、一つの固い絆が結ばれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここで皆さんに

一夏とエミリアのΔ-ライン、どんな追加アーマーが良いかなぁ…

一夏は原作通りですが、エミリアはどちらかというとシャルロット風のバトルスタイルです

そこで皆様の意見が欲しいです!

一夏とエミリアのΔ-ラインのアイデアを下さい!

感想にお願いします!!


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第六話 特訓とその成長

一夏とエミリアのΔ-ラインは追々説明します

千冬、妹アンチって言われてるけど
この二人はアンチではありませんからァァァッ!!


日本 織斑家

 

 

「その…一夏は…一夏は見つかりましたか?」

 

一人の女性が電話で誰かと話している

 

その表情は焦っており、体が震えていた

 

『全く手掛かりがありません…政府としては全力を尽くしていますが…』

 

この女性こそ、一夏の姉、世界最強のIS乗り織斑千冬である

 

千冬「そんな…」

 

『誘拐されてからもう一年半は経ちます…恐らくは…』

 

千冬「待って下さい!一夏はまだ…」

 

電話の政府関係者の推測は一夏が半年経って何も手掛かりが無いという事で一夏は死亡したとしている

 

『ですから出来る範囲で弟さんを見つけて見せます…では…』

 

 

そうして政府との電話を終えた千冬、受話器を元に戻した

 

 

 

「お姉ちゃん…お兄ちゃんは?」

 

と千冬の後ろから少女が現れた

 

この少女こそ一夏の妹の春香である

 

黒髪のサイドポニーで留めているリボンは可愛らしい装飾が施されていた

 

顔は千冬を幼くしたようなもので、元気な雰囲気である

 

因みに年は一夏と同じで、正確には彼女は織斑家の従妹である

 

 

千冬がIS乗りで活躍し、シングルマザーで生活が苦しかった春香の母親が引き取ってくれないかと言い、二年前から一緒に住んでいる

 

また従姉妹の時から一夏と仲が良く、何時も一緒に遊んでいた程の仲だ

 

 

千冬「ああ…まだ見つからないらしい…」

 

春香「…そう…なんだ………お兄ちゃん……」

 

春香は棚に置いてあった写真立てを手に持った

 

そこには千冬、一夏、春香が写ってる三人の家族写真であった

 

千冬「大丈夫だ、一夏は死なん…あいつは私の弟だからな…」

 

千冬は泣き崩れそうな春香の肩を抱いて、静かに励ました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ デルタ・フォース本基地 訓練アリーナ

 

モンド・グロッソ程の豪華なアリーナではないが、そこで蒼と白のフレームのISが飛んでいた

 

 

一夏「うおおおおおっ!!」

 

一夏がISを装着して、同じくISを纏っているカズマに近接ブレードで斬りかかった

 

カズマ「動きが直線的過ぎる!!」

 

正面から突っ込んで来る一夏をライフルショーティーで撃ち、妨害した

 

一夏「それがどうしたぁぁああっ!!」

 

 

それでも構わず斬りかかる一夏

 

 

 

 

とここでブザーが鳴った

 

 

 

ウィノ『試合終了、勝者カズマ!』

 

 

アリーナの管制室でアナウンスしているウィノから試合終了が言い渡され、カズマの勝利が確定した

 

 

一夏「ちっくしょー!また負けた…」

 

 

カズマ「俺もここまで追い込まれるとはな…」

 

 

一夏とカズマは訓練がてらISバトルをしていたのだった

 

 

ここまで5戦やったのだが、すべてカズマが勝利で一夏は手も足も出なかった

 

 

一夏がデルタ・フォースに入隊して一年半が過ぎ、カズマ達全員誕生日を迎えて15歳となった

 

年齢的に高校入学になる年頃である

 

そして更に全員がΔ-ラインの単一能力、Δ-ドライバを機動させることに成功したのだ

 

 

一夏はカズマのスパルタ特訓に耐えて、一番の成長をした

 

最初はエミリアと模擬戦をしていたが、IS初心者が熟練者に敵うわけでもない、酷い負け方をした

 

しかし一夏の天性の才能かこの一年半でブライスも驚く程の成長をして、なんとエミリア、ウィノにようやく勝てるようになったのだ

 

 

そしてデルタ・フォースの若者の中で一番の実力者、カズマと対戦したのだが…

 

 

一夏「はぁ…カズマは強いや…なんとか半分まで削れたんだけどなぁ…」

 

カズマ「…この5戦の中でどんどん成長しているだと…!?」

 

 

 

一戦目はカズマにダメージを与えられなかった一夏であったが、2戦目以降ダメージを与えられる様になり、5戦目になってなんとカズマのシールドエネルギーを半分まで削ったのだ

 

 

 

カズマ「後は機体の特性をもう一度確認する事だな」

 

 

一夏「おいおい…一年半もこいつに乗ってるんだぜ?」

 

カズマ「それでもだ、もう一回確認しておけ」

 

 

 

ここで一夏のISを紹介しよう

 

 

 

Δ-ライン・ストライカーアーマー一夏カスタム

 

一夏の適正に合わせて、近接戦闘に特化させた追加アーマーである

 

カズマのスタンダードアーマーの特性を残しつつ、機動性、運動性を強化して、近接戦闘をより効率的に出来る構造となっている

 

 

武装

 

腰部帯刀中型ブレード

多機能兵装ヴァリアブルアームズ

 

量子化武器

20mmサブマシンガン

 

最大の特徴は左腕に搭載されているヴァリアブルアームズと呼ばれる多機能兵装である

 

普段はシールドとしての機能だが、状況に応じて近接形態のブレードモード、遠距離形態のキャノンモードと言われる複数の形態を使い分けることが出来る

 

一夏の戦闘スタイルではブレードモードが使用頻度が高い

 

 

カズマ「一夏、お前は射撃武器は使わないのか?」

 

一夏「うーん…射撃は苦手なんだよなぁ…当たらないし」

 

 

一夏のISは一応ヴァリアブルアームズのキャノンモード、量子化武器にサブマシンガンが搭載されているが、全く当たらないという理由で使用していないのである

 

 

カズマ「とにかく一夏、今度は射撃武器の扱いをマスターするべきだな、ISの運用はもういいとして、後は戦術を組み立てるという事だ」

 

 

一夏「戦術?」

 

カズマ「一夏、お前から見て俺の戦い方はどう見えた?」

 

 

一夏「どう見えたって…すごい弾幕でビームを放ってくるから近づけなくって…」

 

カズマ「…それで最後あんな玉砕覚悟で突っ込んで来たのか?」

 

 

一夏「まぁ…カズマのライフルショーティーって普通のライフルよりは威力は弱いし、なら突っ込んでそのまま斬りまくるって感じなんだけど…」

 

カズマ「シールドエネルギーが残り少ないってのになにしてんだ?日本の神風特攻隊かお前は?」

 

一夏「いや…そういうつもりは……って何でお前そんな昔の日本の事知ってるんだよ!?」

 

カズマ「俺は日本とアイルランドのハーフなんだよ、だから日本の事は少なからず知っている…母方の実家が日本だしな…よし、そろそろアリーナの使用時間だな…終わるぞ」

 

一夏「おう」

 

 

二人はピットに戻ってISを解除して、ウィノ達がいる管制室へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管制室

 

ウィノ「いやはや…あたしまで一夏に負けるなんて…」

 

エミリア「一夏様はお強いですね…最初は覚束無い動きでしたが…乗っている内にどんどん成長しております」

 

 

エミリアは自分のISを再確認していた

 

ウィノ「ん?ISの確認?」

 

エミリアの端末を後ろから覗いたウィノが言った

 

 

エミリア「はい…私も一応…」

 

 

エミリアのIS紹介

 

 

Δ--ライン・アサルトアーマー エミリアカスタム

 

かなり重厚感のあるアーマーではあるが、ヘビーアーマーのような重厚感はなく、スタンダードアーマーより装甲が厚いくらいである

 

大型スラスターを背部に搭載し、高機動での戦闘が可能になっている

 

また機体の積載量(キャパシティ)が大きく搭載されている武器が多く、高機動での戦闘を重視したため、殆どの武装が量子化なのである

 

 

武装

腕部ビームセイバー×2

大型シールド内蔵型ガトリング砲

 

量子化武器

30mmアサルトライフル×2

徹甲榴弾装填セミオートショットガン

炸裂式スナイパーライフル

100mmロケットバズーカ

 

 

 

 

まさに歩く弾薬庫である武装の多さである

しかしエミリアは高速切換(ラピットスイッチ)と呼ばれる特殊技能を持っている

これはコンマ5秒足らずで量子化武器を呼び出せ、左右それぞれの手に違う兵装を呼び出せる、兵装の多いこのアサルトアーマーはこの高速切換と相性が良いのである

 

 

ウィノ「でも良くこんな数の武器扱えるよね…」

 

エミリア「元々私はテストパイロットだったので、こう言う兵装を何回か撃ったことがありますの、それにこれら全部リィンフォース社の兵器ですから、とても信頼感があります」

 

 

Δ-ラインの殆どの武装がリィンフォース社の開発した兵器である

国家認定された超一流の企業でアメリカ全土に200の事業所があり、それぞれ違う物を制作、開発している

 

その性能の高さと丈夫さが人気で、家電、電化製品でも世界一位のシェアを誇る大企業である

 

 

ウィノ「でも…リィンフォースの娘でしょ?いずれデルタ・フォースを脱退するの?」

 

エミリア「いえ、会社の方はお姉様が継ぐようになっていまして、私はこれまで通りデルタ・フォースのエミリアですわ」

 

ウィノ「そっか…そうだもんねぇ、大好きな一夏と離れ離れはやだもんねー」

 

エミリア「ふぇ!?ちょ、ちょっと…ウィノさん!」

 

エミリアの顔が一気に赤くなった

 

ウィノ「良いじゃない、どうせ付き合ってるんでしょ?何を恥ずかしがるのよ?」

 

エミリア「そそ、それでも…やっぱり恥ずかしいですし……男の人を好きになったのは一夏様が初めてですし……」

 

そう、一夏がデルタ・フォースに入隊して1年と半年、一夏とエミリアはなんと恋人同士の関係になったのだ

 

 

それはとある任務中の事

 

南アメリカにテロ組織による予告が報道され、デルタ・フォースがその鎮圧に向かったのだその任務中、テロ組織の猛攻に遭い、五人は窮地に立たされたのだ

 

激しい猛攻の中で、一夏は集中攻撃を受けているエミリアの近くで無意識にΔ-ドライバを発動、エミリアを狙う戦車や迫撃砲、それら全部撃破したのだ

 

この時一夏は無意識にΔ-ドライバを発動したのだが、その後模擬戦でΔ-ドライバが発動出来なかったのである

 

 

そしてテロ組織掃討作戦において、カズマ・一夏、ウィノ・エミリアと二手に別れて組織の壊滅を図ったのだが、敵がウィノ・エミリア方面一方に戦力を集中させており、絶体絶命の窮地に立たされた

 

 

そこにΔ-ドライバを発動したカズマと一夏が現れ、彼女達の代わりに前衛に立ったが、多勢に無勢、徐々に押されつつあった

 

 

そこでウィノとエミリアがΔ-ドライバの発動に成功、Δ-ドライバで性能が大幅に強化され、テロ組織は一人残らず壊滅したのだ

 

 

その任務が終わった後、一夏とエミリアがΔ-ドライバを発動出来た原因について話し合っていた

 

 

一夏はエミリアを護りたいと強く願った時にΔ-ドライバが発動し

 

エミリアは一夏を護りたいと思った時に発動したと…

 

 

そして二人はお互いの想いを言って、告白して現在に至るのである

 

 

 

 

ウィノ「お互いが護りたいってΔ-ドライバ発動なんて、ロマンチックじゃないの」

 

エミリア「そ、そういうウィノさんはカズマさんと良い関係じゃないですか!」

 

 

ウィノ「あたしとカズマはもう8歳の時から付き合ってるの」

 

エミリア「えええっ!?」

 

 

 

ウィノとカズマは既に付き合っているのである

 

それはカズマが6歳の時にアメリカ軍に保護されて、その時保護したのがウィノの父親だったカズマと妹二人を引き取ったのだ

 

当時のカズマは感情が無くなったかの様になり、誰に対しても心を開かなかったのだ

 

 

そして隣近所だったウィノがカズマの身の回りをして徐々にウィノに対して心を開いた

 

 

そうしていく内にお互いの想いが強くなって今では恋人関係である

 

 

 

 

エミリア「そんな昔からお付き合いされていたのですね…」

 

ウィノ「まぁ…一緒にいる内に仲良くなってって言う感じかな」

 

 

そう話しているとカズマと一夏が管制室に来た

 

 

ウィノ「お疲れー」

 

エミリア「お疲れ様です」

 

ウィノとエミリアは恋人にスポーツドリンクを渡した

 

 

一夏「サンキューエミリア!」

 

カズマ「すまない…ありがとな」

 

二人はドリンクを飲み、渇いた喉を潤した

 

 

エミリア「惜しかったですね、一夏様」

 

一夏「やっぱりカズマには勝てないのかなぁ…」

 

頭を掻きながらぼやく一夏

 

ウィノ「でもあのカズマをあそこまで追い込んだじゃん」

 

カズマ「一夏の成長には驚いてるよ、一年半でここまでなるとはな…隊長も驚いてた」

 

 

一夏「いや…まだ強くなるさ!もっと…いつかカズマを越えてみせる!!」

 

一夏は握り拳をカズマに突き付けた

 

カズマ「言ったな?俺も負ける気はない」

 

カズマも一夏の握り拳を叩いた

 

 

Ppppppp!

 

 

突然カズマの携帯が鳴った

 

カズマ「はい隊長…」

 

電話の相手はブライスであった

 

 

カズマ「……わかりました、直ちに出頭します」

 

 

 

そう言って通話を終えたカズマは

 

 

カズマ「マクガバン大佐からデルタ・フォースに出頭命令が出た」

 

 

ウィノ「パパが!?」

 

エミリア「デルタ・フォース総司令官が直々に…」

 

一夏「だったら早くいこうぜ!待たせると悪い」

 

カズマ「ああ、行くぞ!」

 

 

四人は直ぐ様デルタ・フォース総司令官室へと向かったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




新キャラのイメージ声優、並びに一夏、エミリアのISモデル紹介


織斑春香 イメージ声優 南條愛乃

一夏
Δ-ライン・ストライカーアーマー

アーム アストレイブルーフレームセカンドリバイ
ボディ アストレイブルーフレームセカンドリバイ
レッグ アストレイレッドフレーム改
バック デュエルガンダムアサルトシュラウド

エミリア
Δ-ライン・アサルトアーマー

アーム ジェスタ
ボディ アストレイブルーフレーム
レッグ ジェスタ
バック デュエルガンダムアサルトシュラウド








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第七話 里帰り

原作に近付いて来ました

ちょっと飛ばしすぎですが…

早く原作をスタートしたかったので…


日本、成田空港

 

滑走路にアメリカ軍の輸送機が着陸した

 

その出入り口から一人の壮年の男性と、四人の少年少女が現れた

 

 

ブライス大尉率いるデルタ・フォースの隊員達である

 

 

事は数日前に遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ デルタ・フォース総司令官室

 

 

コンコン…

 

「入りまたえ」

 

入り口から反対側に机と豪華な椅子に座っている男性、厳格な顔立ちは只ならぬ威圧感を醸し出している

 

この男性こそ、デルタ・フォース総司令官、ダン・マクガバン大佐、ウィノの父親である

 

カズマ「失礼します!」

 

 

ドアからデルタ・フォースの隊員、カズマ、ウィノ、一夏、エミリアの四人が入室した

 

 

ブライス「よし、今回は遅れなかったな」

 

先に呼ばれて入室していたのかブライスがいた

 

そして四人はブライスの右に一列で並んだ

 

 

ウィノ「あの…パパ…じゃなった……マクガバン大佐、お話って…?」

 

机に両肘を着いて顎の前で両手を組んでいる総司令官は目を開けて言った

 

ダン「君達を呼び寄せたのは他でもない…政府直々の任務がデルタ・フォースのIS部隊に発行されたからな」

 

エミリア「政府から…ですか!?」

 

あのアメリカ軍政府が結成から僅か一年半しか経っていない新参部隊、デルタ・フォースに命令を下したのだ

 

ダン「うむ…まあ任務の前に…政府の決定を言い渡さなければな…」

 

一夏「政府の…決定を?」

 

 

ダン「皆も知ってると思うが…アメリカ政府は、我々が開発した男女共用IS、Δタイプを発表する事を決定した」

d

 

それはつい先日の事であった

 

日米首脳会談で会談中、日本がアメリカに対して不条理な条約を提示して、その背景にISによる圧力をかけたとしてアメリカ政府は日本に対する報復として、デルタ・フォースのIS、男女共用で扱えるΔ-ラインシリーズを世界に公表したのだ

 

ダン「これによって我が国が及ぼす世界の影響は日本より高くなったのだ」

 

ウィノ「え?どうしてですか?」

 

ダン「ふむ…カズマ君、賢しい君なら解るだろ?」

 

ダンはカズマに返答させた

 

カズマ「世界において、ISは女しか扱えない…それはアメリカ以外の事である…そして我々はISを男女共用に…そしてISコアまで生産できるようになった…これは日本及び、世界各国でも未だ成し遂げていない…そこでアメリカがΔ-ラインを公表するに当たって、世界の注目を浴び、軍事力の高さを思い知らせた…と言う事でしょうか?」

 

ダン「…その通り…噂通りの賢さだ」

 

ダンはカズマの頭の良さを驚き半分で称賛した

 

ダン「だがそれだけで日本への報復は終わりではない……政府は一夏君を使ったのだ」

 

一夏「え?俺…いや…自分をですか?」

 

ダン「うむ…政府は一夏君の生存を公表し、更にデルタ・フォースの一員であり、ISを動かせるという事を全世界に放映したのだ」

 

ブライス「随分と一夏を注目させますな…」

 

あまりにも一夏を全世界に注目させ過ぎ出はないかと思ったブライスであった

 

 

カズマ「つまり…政府は日本国民の政府支持率まで下げるつもりだったのですか?」

 

ダン「ほう…どうしてそう推測できる?」

 

カズマ「一夏が身元引き受けの時、日本政府は身元引き受けを拒否しましたが…一夏の家族の肉声を聞いてないです…つまりこの事から日本政府は本当に一夏の家族に聞いたのかどうなのか…もし聞いていなければ…政府の独断で一夏を日本から追い出した…もしくは削除したと言う事になる」

 

一夏「じゃあ…俺は千冬姉や春香には見捨てられてはない…って事?」

 

カズマ「少なくともその可能性はある…もし日本政府が一夏を死亡したと日本国民に公表したとなると…今回のアメリカ政府が一夏が生きていると言う事を公表したとなると、日本政府が公表した一夏死亡は全くのデマとなる…そうすると日本国民は政府を信頼しなくなり、支持率ががた落ちするだろう…勿論…世界各国の日本に対する態度、見方も変わる…」

 

カズマの推測が終わると、ダンは拍手をした

 

ダン「…君は本当に凄いな…IQ200はあるのではないかね?…そう…今カズマ君が言った通りの事が今回の日本のしてきた事と、アメリカが一夏君を公表して今の日本の現在だ」

 

 

これはこの場にいる全員が驚いていた

たった一つの事柄と、過去に起きた事柄を繋ぎ会わせて、この完璧な推測、そして世界情勢に物凄く詳しい

と言う事が解る

 

 

エミリア「だとしたら…どうして日本政府は一夏様を排除しようと考えたのですか?」

 

ダン「それは、日本にある女性権利団体のメンバーが原因だろう」

 

カズマ「女性権利団体…女性への権利の優遇、並びにあらゆる事に女性が優遇されるように結成された組織ですか?」

 

 

ウィノ「何よそれ…自分勝手過ぎない?」

 

ブライス「まあ…日本が女性しか扱えないISを開発したのだからな…一番女尊男卑の風潮が激しいのだろうな」

 

一夏「今思えば…ずっと千冬姉の弟に相応しくないとか…消えろとか酷いいじめを受けていたな…俺…」

 

一夏は優秀な姉を持ったことにより、女尊男卑に染まった日本では蔑まれる処かその存在そのものを消そうとする輩が出始めるほどであった

 

今の日本は完全に歪んでいる…最早人権などを無視してバランスが保ててない状況なのである

 

ダン「さて、ここで話を変えよう…我々がΔ-ラインを公表したのは世界に我々のISの優位性を示す為だ」

 

ウィノ「ISの優位性?」

 

カズマ「欧州ではイグニション・プランが出されており、それに対抗できるようにこちらも第三世代のISを公表する必要があった…それが我々のΔ-ラインだった…」

 

イグニション・プランとはイギリスのティアーズタイプ、ドイツのレーゲンタイプ、イタリアのテンペスタⅡタイプ等の高性能ISを開発、製造させる欧州IS強化計画なのである

 

 

ダン「そうしたら一国だけ、我々に技術提供を要請した国があった…中国だ」

 

 

ブライス「中国ですか?」

 

ダン「うむ…どうやらこのΔ-ラインに魅入られてしまったようでね、公表して直ぐに技術を提供してほしいと言われたよ」

 

ウィノ「まあ…紛い物ばっかり作る中国らしいわね…Δ-ラインは男女共用機体だから口から手が出る程欲しかったんじゃないの?」

 

カズマ「それを言うなら喉から手が出る、だ…」

 

ウィノ「う…」

 

間違い気付いたのかウィノは赤くなってしまった

 

 

ダン「まあ…欧州連合はイグニション・プランがあるから技術提供は無理だと言う事はわかっている…おまけに日本は近接戦闘特化型の打鉄しか無い癖に、

技術提供はいらないと言ったのだ……そこで君達は日本へ飛んでもらいたい」

 

 

「「「日本!?」」」

 

ダンは淡々と話を進める

 

ダン「実はな、とあるテロ組織の攻撃目標が日本のIS学園の可能性が高い…」

 

 

カズマ「テロ…」

 

幼い頃テロによって故郷、親を亡くしたカズマは表情を歪めた

 

 

ダン「そこで政府は君達をIS学園に入学させて、IS学園を護衛するという任務を出したのだ」

 

ウィノ「私たち…日本へ行くんですか!?」

 

ウィノはいつか日本に行きたいと思っていたので自然と嬉しい表情になっていた

 

 

ダン「一夏君…君は…」

 

ダンは一夏に何かを言い掛けたが

 

一夏「自分は大丈夫です…里帰りと思って行きます…」

 

エミリア「一夏様…」

 

エミリアが心配そうな顔で一夏を見つめる

 

一夏「大丈夫…心配しないで」

 

 

 

 

ダン「そうか…わかった、では任務を言い渡す!デルタ・フォースはこれより日本に赴き、IS学園に入学、学園を護衛せよ」

 

 

「「「「はっ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

 

日本に降り立ったデルタ・フォースの面々はアメリカとは違う景色を楽しんだ

 

一人を除いて

 

ウィノ「やっと着いたー」

 

ウィノは長旅で固くなった体を解すように伸びをした

 

エミリア「ここが一夏様の故郷ですか…あ、カズマさんも…」

 

カズマ「いや、俺の故郷はアイルランド、母親の故郷が日本だったし…それに三年程日本にいたからある程度わかる」

 

一夏「……」

 

一夏はずっと黙っていた…いや、何かを悩んでいる様であった

 

カズマ「どうした?一夏」

 

一夏「あ、いや…別に…」

 

カズマ「一夏…家族に会いたいのか?」

 

一夏「………ああ」

 

 

一夏は家族に会うかどうかで迷っていた、カズマから家族は一夏を捨ててはいないと言われているが…それでも不安が襲ってくる…今の一夏は日本帰ってきた喜びは…感じる事が出来なかった

 

 

ブライス「なら…会いに行けば良い」

 

と後ろから隊長のブライスが近付いて来た

 

ブライス「一夏、今日限りお前を休暇扱いにする…家族に会いに行け…」

 

一夏「隊長…」

 

 

カズマ「行って来い一夏…」

 

ウィノ「家族に元気な顔を見せてあげなよ」

 

エミリア「一夏様、御家族に会いに行ってください」

 

 

一夏「みんな……ありがとう…」

 

一夏は少し泣き出した

 

 

ブライス「涙は拭いていけ、敷けた面で会いに行くなよ?」

 

 

一夏は涙を拭って顔を直し

 

一夏「はい!行ってきます!!」

 

 

一夏は自分の家へ…家族の下へと向かった

 

 

 

 

ブライス「よし、俺達も行くか…」

 

 

 

ブライス達もIS学園に足を運び始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本、織斑家

 

 

バスを乗り継いで、記憶を頼りに実家へと向かう一夏

 

そしてとうとう、実家に辿り着いた

 

一年半前とは何も変わっていない自分の家だった

 

 

一夏は呼び鈴に手を掛けて、押した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春香「お姉ちゃん!ご飯出来たよー」

 

千冬「ああ…」

 

 

一夏が行方不明になって一年半、政府が一夏を亡き者にしようとした企みはアメリカ政府の手で打ち破やれ、一夏はアメリカにいるとようやく知ることが出来た

 

 

そして今日朝食を食べたらアメリカに出向き、迎えに行くと言う予定であった

 

 

春香「いよいよ…お兄ちゃんに…」

 

千冬「ああ…やっと」

 

 

ピンポーン!

 

 

と行きなり呼び鈴が鳴った

 

千冬「む?誰だ?」

 

春香「あたし、見てくるね」

 

 

 

春香はリビングから玄関へと向かい、そのドア越しで

 

春香「どちら様?」

 

 

「…久し振り…春香…」

 

春香「え?」

 

春香は玄関のドアを開けた

 

それは聞き慣れた声であったから

 

 

玄関のドアを開け、そこにいたのは…

 

黒い衣服を着た紛れもない春香の兄そしてずっと探していた一夏であった

 

 

春香「お…お兄ちゃん…」

 

一夏「ただいま…春香」

 

春香「お兄ちゃん……う、うわああああああん!」

 

ついに泣き出して、一夏の胸に飛び込んだ

 

千冬「どうした春香!?……!!」

 

奥から一夏の姉、千冬が現れた

 

千冬「一夏……なのか?」

 

 

一夏「ただいま…千冬姉…」

 

 

千冬「ああ…おかえり…一夏」

 

 

春香「うわああん!!お兄ちゃんがかえってきたー!!」

 

未だに泣き叫んで一夏の胸に顔を押し付けている春香、一夏は安心した

 

自分は家族に見捨てられてはいなかった…と

 

 

 

それから一夏は一年半ぶりに帰宅し、この一年半アメリカで起きたいろいろな出来事を千冬と春香に話していた

 

途中で泣き疲れたのか春香が一夏の膝枕で眠った

 

 

千冬「そうか…そんな事があったのか…」

 

一夏「そっちもいろいろな事があったのか?」

 

千冬「いや…私達はお前の手掛かりを探していたのだが…一向にも掴めなくてな…そうか…政府の連中がお前を…」

 

 

一夏の行方不明、死亡報道の原因が日本政府の陰謀とわかって千冬は怒りを露にした

 

一夏「あ、あのさ…殴り込みは…よしてくれよ?」

 

千冬「安心しろ…そこまでの理性はある」

 

 

一夏「あははは…」

 

 

 

そしてデルタ・フォースの任務で一夏がIS学園にする事、デルタ・フォースのメンバーを紹介した

 

 

千冬「ほう…お前、彼女が出来たのか?」

 

一夏「ああ、まあ…この娘なんだけど」

 

一夏は携帯の待ち受けに設定してあるエミリアとのツーショット写真を見せた

 

 

千冬「良い女見つけたじゃないか?今度紹介しろ…いや私の下へ連れてこい!」

 

一夏「あ、ああ…わかった……(なんかヤバイ雰囲気なんだが…)」

 

 

 

そして一夏は1日だけではあるが実家の生活を堪能した

 

 

それは一夏が負っていた傷を完全に癒し、彼の心に平穏が訪れた時であった




次回!原作突入前のデルタ・フォースメンバー設定紹介をします!

感想待ってます!

これであの二人のアンチ疑惑は晴れたかなぁ…


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原作突入前のデルタ・フォース紹介 ネタバレ注意

最初にデルタ・フォースのメンバーを紹介して

その後、ISを紹介します

※一部変更点ありです


デルタ・フォースメンバー

 

 

カズマ・アーディガン 年齢15歳 性別男

身長 170cm 体重 60kg イメージ声優 櫻井 孝宏

専用IS Δ-ライン・スタンダードアーマー

 

(モデルFF7のクラウドの顔立ちで髪を黒くした感じ)

 

本作の主人公、幼い頃テロによって故郷と両親を失い、失意のままアメリカ軍に保護されてアメリカで遺された妹二人と難民援助で暮らす

 

アメリカ軍がΔシリーズを開発して、男性IS操縦者適正試験を受けて見事A+という好成績を出し、アメリカ軍が彼をスカウトした

 

カズマ自身も妹達を護る為には軍属に入る必要があると思い、隣近所で軍属の父を持つウィノ・マクガバンと共にアメリカ軍デルタ・フォースIS部隊に入隊した

 

卓越した操縦センス、瞬時に相手の裏を突く戦術眼を持ち、最初の戦闘でΔ-ラインの単一能力、Δ-ドライバを発動させるなど、秘められた能力を持つ

 

普段はクールな性格であるが、時に子供っぽい一面もある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ・マクガバン 年齢15歳 性別女

身長 162cm 体重 53kg イメージ声優 戸松 遥

専用IS Δ-ライン・ライトアーマー

 

(モデルはToLoveるのララの顔立ちで、髪が金髪)

 

カズマの家の隣に住んでいた少女、親がいないカズマと妹達の面倒を見ていた

この頃からカズマに対して恋心を抱いており、小学校の時に告白してそれ以降付き合っている

 

父親がデルタ・フォースを立ち上げたダン・マクガバン大佐であり、IS適正試験でカズマには及ばないがAという成績を出してデルタ・フォースに召集された

 

元々運動神経が良くて、いろいろな格闘技を趣味で習っていた為、格闘戦が得意ではあるが、射撃は大の苦手

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑一夏 年齢15歳 性別男

身長 171cm 体重 62kg 声優 内山昂輝

専用IS Δ-ライン・ストライカーアーマー

 

 

原作の主人公、第二回モンド・グロッソの時、何者かに誘拐されデルタ・フォースに保護、救助された

 

しかし日本政府に身元引き受けを拒否された挙げ句、日本に存在を否定されたという酷い仕打ちを受け、絶望に叩き落とされた所をカズマに激励され、力が欲しいと思い、デルタ・フォースに入隊した

 

元々IS適正は無いため、最初の頃は操作が覚束なく、模擬戦ではダメージを与えられず撃沈が多かったが、模擬戦と特訓を重ねていく内に才能を開花させ、今ではウィノ、エミリアに勝利している

 

元々剣道を習っていた為か、近接戦闘においてブレードを多用する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エミリア・リィンフォース 年齢15歳 性別 女

身長 154cm 体重 50kg イメージ声優 大坪由佳

専用IS Δ-ライン・アサルトアーマー

 

(ブレイブルーのノエル・ヴァーミリオンの容姿に近い)

 

第二回モンド・グロッソにおいて試合観戦していた所を一夏同様誘拐され、デルタ・フォースに救助された

 

世界的に有名なリィンフォース社の娘で、そこで社が開発したIS兵器を試すテストパイロットの役割をしていた為、ISの整備を自分で行ったり、また一夏のISの近接ブレードもリィンフォース社にオーダーメイドさせるなど、会社を使って皆をサポートする事が多い

元々から高い技量を持っていたエミリアは、今回のデルタ・フォース結成の時に召集された

 

武装を高速で切り替える事が出来る高速切替(ラピッドスィッチ)と呼ばれる特殊な技能を持っており、テストパイロット時代から銃器の扱いに慣れているため、様々な重火器を扱える事が出来る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS紹介

 

 

カズマ

Δ-ライン・スタンダードアーマー

形式番号 USAS/ISΔ-78-2SD

 

シールドエネルギー総量 630

 

カズマ専用に開発されたΔ-ライン、主に汎用性に優れ、様々な戦局に対応できる万能機である

 

運動性、機動性が高く、追加装甲のスタンダードアーマーも動きが阻害されないように設計しており、カズマの動き、反応に着いていけるようにカスタマイズされている

背部ウィングスラスターユニットによって高機動戦闘が可能で、その時の安定性も抜群である

 

武装

ビームライフルショーティー×2

腰背部ビームセイバー×2

Δシールド

 

量子化武器

プロトタイプヴァリアブルアームズ

 

 

武装においてまず、ビームライフルショーティーは取り扱いの良さを重視し、拳銃型のライフルを二丁持ちして扱う

使用頻度はかなり高めで、敵の攻撃を避けながら撃つ、月面宙返りをしながら乱射するなど、彼のバトルスタイルに対応できる兵器である

更に二丁のライフルショーティーを連結させると強力なビームヘビーライフルとなる

 

腰背部ビームセイバーは腰背部に装着されているスラスターに取り付けられているグリップを引き抜くと蒼いビームの刀身が現れ、敵を斬り裂く

カズマは二刀流で持ったり、左手にライフルショーティー、右手にビームセイバーを持って戦う事が多い

 

 

Δシールド

Δ-ライン専用の長方形のシールド、強固な素材で出来ており、あらゆる重火器から身を守れる優秀なシールドである

 

 

プロトタイプヴァリアブルアームズ

 

以前ビームバスターソードガンとして登場したこの兵器は後に紹介される一夏のストライカーアーマーに装備されている多機能型兵装、ヴァリアブルアームズのプロトタイプである

ブレードモード、ライフルモード、バスターモードの三形態になる

 

ブレードモードは幅色の大剣の様な形状で刀身が150cmある、斬ると言うより叩き斬るという感じである

 

ライフルモードは刀身の先端から両側に開き、開いた中心に銃口が表れる構造となっている

開いた刀身は根本に向かって折り畳む

 

 

バスターモードはライフルモードのエネルギーチャージが完了した状態で、最大出力は町を吹き飛ばす威力を持っていると言われている

 

 

単一能力(ワン・オフ・アビリティ)

 

Δ-ドライバ

機体と登場者のシンクロ率が100%超えると発動するハイパートランスである

登場者は感覚が鋭敏化し、視界がクリアになる、更に機体の各部装甲が展開して機体性能を大幅に上げると同時に、敵の射撃武器を無効化にする特殊フィールドを張る事が出来る

 

Δ-ライン・スタンダードアーマー/バスター

形式番号USAS/ISΔ-78-2SD/B

 

シールドエネルギー740

 

スタンダードアーマーに追加装甲と追加の武装を施した強化アーマー

 

全体的に重量が上がっているがテールバインダーによって機動力は更に上がっている

 

更に固定武装に両肩に収束ビーム砲を搭載している

 

そしてバックパックにヴァリアブルアームズが追加され、通常はフライトユニットとして機能する

 

 

武装

 

ビームライフルショーティーMk-Ⅱ×4

ビームセイバー×2

テールバインダー内蔵式投擲ナイフ(コールド・クナイ)

テールバインダー内蔵実体剣(コールド・ブレード)×2

ヴァリアブルアームズⅡ

ツインインパルスキャノン

 

ビームライフルショーティーMk-Ⅱは両腰のテールバインダーホルスターに二丁、そして両足首のホルスターに二丁の計四丁搭載している

 

足首のライフルショーティーは搭載したまま射撃可能で、多彩な用途で使用可能になった

 

更にそれぞれ二丁ずつ連結する事でヘビーライフルを両手持ちで扱える様になった

 

そしてこのヘビーライフル二丁を連結させると高エネルギー収束火線ライフルとなり、遠距離の敵に対応出来るのである

 

テールバインダーに内蔵されているコールド・クナイは投擲用のナイフで牽制用に使う事が多い

コールド・ブレードは燃費の激しいビームセイバーの代わりとして使える超硬質ブレードでH.V.Sとは真逆のただ切断力に特化した剣である

 

そして両肩のツインインパルスキャノンは高火力の収束ビームを2門同時に撃つ遠距離の武装であり、ビームの出力を制御する事で大型のビームソードとなる

 

ヴァリアブルアームズはソードモード、バスターモードの他に、背部バックパックで搭載する際、ブースターユニットとして機能する

 

 

 

 

 

 

ウィノ

 

Δ-ライン・ライトアーマー

形式番号USAS/ISΔ-78-3LA

 

シールドエネルギー総量 520

 

スタンダードアーマーより追加装甲が軽く、全体の重量が軽くなっているが、運動性、機動性はスタンダードアーマーより高く、より軽快な動きが出来る様にカスタマイズされている

 

ライトアーマーは軽装甲の為、シールドエネルギーがスタンダードアーマーより低いのでヒット・アンド・アウェイの戦法が求められる

此方もカズマのスタンダードアーマーと同じ様にウィングスラスターユニットをバックパックに搭載している

 

武装

 

腕部ビームブレード

脚部ビームブレード

 

量子化武器

ショートビームライフル

 

特徴的なのが腕部、脚部に装着されているビームブレードである

最初は腕部だけであったが、蹴りなどの格闘技を取り入れて戦うウィノの為に脚部に追加したのだ

これにより彼女の格闘能力を十二分に引き出せることが出来る

 

更に腕部のビームブレードは回転させる事でビームシールドとなり、その回転力で敵を攻撃する事も可能

 

唯一の射撃武器がショートビームライフルで、一発の威力を犠牲にして連射可能にしたビームライフルである、しかし軽量化の為、バレルが短くしているので収束率が低く、射程が短いのがデメリット

 

 

単一能力

Δ-ドライバ

 

 

Δ-ライン・ライトアーマー/バスター

形式番号USAS/ISΔ-78-3LA/B

 

シールドエネルギー620

 

ライトアーマーの特徴である機動性、運動性の高さを残しつつ、各部装甲を追加して、防御力とシールドエネルギーの上限を増加させた

 

両腕部にビームトンファーガンを追加して射撃と格闘が行えるように追加の武装も施されている

 

背部に大型のウィングスラスターユニットを搭載し更に機動力を増大させ、その固定武装としてミサイルランチャーも追加された

 

 

武装

 

ビームトンファーガン×2

脚部ビームブレード×2

バックパック搭載型ミサイルランチャー

 

腕部のビームブレードを廃止して代わりにビームトンファーガンを装備、連射力のあるビームを放ち、トンファーの如くビームを展開させる、彼女の格闘能力を最大限に引き出せる武装である

 

そしてバックパック搭載型ミサイルランチャーは射撃の苦手なウィノでも当てられる様にロックオン追尾式になっている

 

 

 

 

 

 

一夏

Δ-ライン・ストライカーアーマー

形式番号 USAS/ISΔ-78-4ST

 

シールドエネルギー総量 600

 

Δ-ラインの近接戦闘特化型追加アーマー、スタンダードアーマーの様な装甲ではあるが、此方は近接戦闘のより効率よくする為に装甲が軽量化している

 

所謂スタンダードアーマーとライトアーマーの中間の追加アーマーである

 

此方は背部バックパックにウィングスラスターユニットではなく、大型スラスターユニットがつられている

これによって瞬間的にトップスピードまで加速出来ると同時に、イグニッション・ブーストと同じ位のスピードを出す事が出来る

 

 

武装

腰部帯刀型H.V.S(ヒートバイブレーションソード)

腕部搭載ヴァリアブルアームズ

 

量子化武器

30mmサブマシンガン

 

 

腰部帯刀型H.V.Sは高熱を刀身に纏わせ、超振動によって敵を斬り裂く、純粋な切断力ならビームセイバーを上回る、段平状の反りのない忍者刀の形状であるが、長さは約90cm程

 

そして腕部のヴァリアブルアームズはカズマのヴァリアブルアームズのプロトタイプを応用した兵装で、普段はシールドの役割をしているが、ソードモード、キャノンモードに変形可能で、一夏はソードモードを使用する

 

キャノンモードシールドモードの時に先端から砲口が現れ、強力なビームを放つ

 

量子化武器に30mmサブマシンガンを装備しており、牽制用として使用する

 

 

 

単一能力 Δ-ドライバ

 

Δ-ライン・ストライカーアーマー/バスター

形式番号USAS/ISΔ-78-4/B

 

シールドエネルギー 700

 

 

多数の近接武器を追加して、装甲も厚くなった事で防御力とシールドエネルギーは増加し、更に腕部にアサルトアーマーのパワーローダーを内蔵し、重量のある兵装も使用可能となった

 

そして腕部に搭載されていたヴァリアブルアームズが背部バックパックに移動し、フライトユニットとなって機動力が大幅に上がった

 

 

 

武装

 

ロングブレードライフル

H.V.S

スクリューアンカー

腰背部ビームブーメラン

ヴァリアブルアームズ

 

 

ロングブレードライフルは折り畳み式の刀身を持った小型シールドを着けたライフルで、右腕に取り付けられている

刀身はH.V.Sの技術を応用して刃の部分が赤くなり、敵装甲も容易に切断出来る

 

スクリューアンカーは先端がドリル回転をすることで装甲を穿ち、突き刺す事でアンカーを引いて引き寄せたりする事が出来る

 

そしてヴァリアブルアームズは腕部から背部へと移動し、普段はフライトユニットとしての機能を有している

 

 

 

 

 

 

エミリア

Δ-ライン・アサルトアーマー

形式番号USAS/ISΔ-78-5AS

 

シールドエネルギー総量 700

 

 

アサルトアーマーはヘビーアーマーとスタンダードアーマーの中間に値する追加アーマーである

一夏のストライカーアーマーと同じ背部大型スラスターによって高機動戦闘が可能となっている

 

機体の各部に小型パワーローダーが内蔵されており、重い重火器でも問題なく扱える工夫が施されてある

 

 

 

武装

大型シールド内蔵型ガトリング砲

腰部ビームセイバー×2

 

量子化武器

50mmアサルトライフル×2

徹甲榴弾装填ショットガン

炸裂式スナイパーライフル

100mmロケットバズーカ×2

 

 

まず大型シールドは普段は肩部に搭載している、使用する時に肩から手元に移動するようになっている

強力な弾幕を張る事が出来る優秀な兵器である

 

ビームセイバーはカズマのビームセイバーと同じである

 

量子化武器は四つあり、何れも機体に搭載するとデットウェイトになってしまう為、量子化武器にした

 

50mmアサルトライフルは一般的なアサルトライフルと同じで、主に牽制用、弾幕を張って接近させない用途である

 

徹甲榴弾装填ショットガンは、散弾の一発一発が徹甲榴弾で、当たると小さな爆発を起こす至近距離で全弾命中させれば大きなダメージを与える事が出来る

 

炸裂式スナイパーライフルは銃弾がナパーム弾となっており、これも当たると爆発を起こす遠距離で集団を狙う際に最も有効な攻撃手段となるだろう

 

100mmロケットバズーカは低反動のロケットバズーカで連射を重視した設計となっている無論100mmという大口径のロケット弾の威力は抜群であり、連射も出来る為、拠点制圧等に大きな成果が出る

 

 

単一能力Δ-ドライバ

 

 

Δ-ライン・アサルトアーマー/バスター

形式番号USAS/ISΔ-78-5/B

 

シールドエネルギー800

 

追加の重火器を肩部、全身に装備し、防御力はそのままに攻撃力が強化された

 

新たな近接武器を扱いやすくする為、装甲の一部を削って運動性を強化したのである

 

 

武装

ショットランサー

大型シールドガトリングガン

マイクロミサイル

ビームセイバー

 

量子化

60mmアサルトライフル

徹甲榴弾装填ショットガン

炸裂式スナイパーライフル

100mmバズーカ

 

ショットランサーはビームライフル内蔵しており、突撃しながらの射撃格闘まで幅広く運用できる

 

ランスは鋭い刺突用の刃が特徴、突撃しながらの刺突が最大の攻撃力を叩き込めるのである

 

マイクロミサイルは、打鉄弐式と同じマルチロックオンで一網打尽に出来る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かなり変更点があったと思います

まあ機体の詳しい説明はこんな感じですね
形式番号は適当です、悪しからず


さ、次回原作スタート!カズマ達がIS学園に入学しますよー


感想待ってます


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第八話 IS学園入学

原作突入!

ここからギャグ要素ありですよー


織斑家 一夏の部屋

 

一夏「……ぅ…ん…」

 

時刻は7:00

 

今日はIS学園の入学式である

 

一夏は一年半ぶりの実家で家族三人で過ごした

 

そして久々にベッドで寝た

 

春香「…すぅ……すぅ……」

 

目を覚ました一夏の隣に、抱き着いて寝ている妹の春香の姿があった

 

それは昨日、一夏と一緒に寝たいと強く願って来たのである

 

何度も駄目だと言ったが、泣き出しそうだったので仕方なく一夏が折れて一緒に寝たのである

 

 

一夏「春香、起きろ」

 

春香「…むにゅう……お兄ちゃんのエッチ……」

 

 

一夏「どんな夢見てんだ?こいつ…」

 

完全に熟睡中の春香、これではIS学園の入学式に遅れる

 

 

 

 

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン!!

 

 

一夏「うるせぇぇぇぇぇ!!」

 

いきなりインターホンが連続で鳴り出し、誰のイタズラだと思った一夏

 

春香「のわああああっ!?」

 

 

その爆音で妹も起きたらしい

 

一夏「全く…誰だ……そう言えば、そろそろデルタ・フォースの迎えが……となるとウィノだな…」

 

 

一夏は耳を塞いで玄関へと辿り着き、ドアを開けたら

 

 

そこには夢中でインターホンを鳴らし続ける耳にイヤホンを着けたカズマの姿だった

 

 

一夏「お前が鳴らしてたんかいィィィィィ!!」

 

予想外の展開に驚きつつ突っ込む一夏

 

 

カズマ「お、起きたか一夏、お前のインターホンなんか壊れてるぞ、何も聞こえないじゃないか」

 

一夏「いやいやいや!聞こえてるから!!そんなインターホンは何度も鳴らすもんじゃねぇし!それに聞こえない原因はあんた自身じゃねえか!!そのイヤホン!!」

 

カズマ「お?いけね…」

 

カズマはイヤホンを取って再び鳴らした

 

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン!!

 

カズマ「お、今度は聞こえたな」

 

一夏「だからなんで連続で鳴らす!?俺もう出てるから!後近所迷惑だから!」

 

 

春香「お兄ちゃん…朝から誰?…ってうわっ!?お兄ちゃんに勝るとも劣らない超イケメン!!」

 

と後ろに眠気眼を擦っている一夏の妹春香が現れた

 

一夏「起きたか春香、ほら早く支度するぞ!」

 

春香「あ!そうだった!」

 

 

一夏「すまんカズマ、春香も乗せて行きたいんだけど…」

 

カズマ「安心しろ、二人分のスペースはある」

 

 

そして二人はIS学園の支度をして、春香は通常の白い制服、一夏はデルタ・フォースの黒い制服に着替えて、衣服を纏めたスーツケースを持とうとしたが…そこにはなく、置き手紙が置いてあった

 

 

『荷物は私が送っておいた 千冬』

 

 

一夏「ありがとな…千冬姉…」

 

そして一夏と春香の二人はバッグを持って、デルタ・フォースのメンバーの乗る大型ワゴン車に乗った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 一年一組教室

 

 

入学式を終え、生徒はそれぞれに割り振られた教室へと足を運んだ

 

そしてデルタ・フォースのメンバーは全員一年一組、一夏の妹も同じである

 

 

しかし、カズマと一夏は何かに耐えていた

 

 

 

一夏「な、なあ…カズマ」

 

カズマ「あ、ああ…」

 

一夏とカズマが何かに落ち着かない様子それもそのはず

 

一夏「俺たち以外全員…」

 

カズマ「女子はキツイ…」

 

 

そうISは女性しか扱えない、つまりIS学園は女子校なのである

 

二人はアメリカ製の男女共用ISである為、自然とこうなるのである

 

ウィノ「二人とも…大丈夫?」

 

エミリア「尋常じゃない汗の量なのですが…」

 

因みに四人の席は一夏が中央二列の右側一番前の席、カズマはその後ろ、ウィノはカズマの隣、エミリアは一夏の左隣、春香は一夏の右隣である

 

 

 

そして恐らくこのクラスの担任だろうか緑色の髪のメガネをかけた女性が教壇に立った

 

「はい皆さん、入学おめでとうございます、私はこのクラスの副担任の山田真耶と言いますね」

 

 

どうやら教壇に立った先生はこのクラスの副担任であった

 

しかし自己紹介をしたものの、生徒達の反応が無い……

 

 

その反応を見たのか山田先生は涙目になっていた

 

 

真耶「あ…えと…そ、それじゃ出席番号順から自己紹介を…お願いします」

 

 

先程の無反応+沈黙に耐えきれなかったのか直ぐに次に行こうとする山田先生

 

 

一夏「カズマ…あの先生大丈夫か?」

 

と一夏が小声でカズマに話しかけた

 

カズマ「俺は知らん…あの先生次第だろ……っと俺の番か」

 

 

カズマの姓はアーディガンなのでかなり早い段階で廻ってきた

 

 

そしてカズマは教壇に立ってまず目に入ったのは

 

 

カズマ(ぐっ…な、何だこの視線は…釘を刺されるみたいだ…)

 

教室の女子達の視線、しかも全部カズマに突き刺さっているのだ

 

 

カズマ「……ゴホン…」

 

一度咳払いをして自己紹介を始めた

 

 

カズマ「えー…カズマ・アーディガンと言います、名前からにしてわかるように俺はアイルランドと日本のハーフです、現在はアメリカ軍特殊部隊デルタ・フォースの所属です、趣味は読書、ゲームです…一年間よろしくお願いします…」

 

 

自己紹介を終えた次の瞬間、

 

 

 

 

「「「キャアアアアアアアアアアアアッ!!」」」

 

カズマ「いぎっ!?(な、何だこの爆音は…?)」

 

耳を劈く様な爆音、いや女子達の悲鳴がカズマの鼓膜を攻撃してきた

 

 

 

「超イケメンが来たー!!」

「声も格好いい!!」

「しかもハーフ、もう最高ーーー!!」

 

 

と女子達からこんな言葉が聞こえて来たが、無視して自分の席に着いたカズマ

 

カズマ「な…なんで自己紹介でこんなに疲れるんだ?」

 

ウィノ「この女ども…カズマを狙ってるわね……」

 

カズマ「…どうした…」

 

ウィノ「え!?ううん、別に~」

 

そして一夏の番が廻ってきた

 

一夏「まあ、簡潔に済ますわ」

 

と言って教壇に立った

 

 

一夏「織斑一夏です!デルタ・フォース所属のデルタ4、姉はあの織斑千冬です、妹の春香共々よろしくお願いします!」

 

 

 

そして

 

 

「「「キャアアアアアアアアアアアアッ!!」」」

 

 

また女子達の悲鳴が襲う

 

「千冬様の弟!」

「アーディガン君並みに格好いい!!」

「クール系のアーディガン君とは違って、明るい系のイケメン!!」

 

 

といきなり教室のドアが開き

 

 

千冬「騒ぐな!静かにしろ!」

 

なんと一夏の姉、世界最強織斑千冬が登場した

 

 

ウィノ「って、織斑千冬!?」

 

エミリア「あの織斑千冬さんが…なぜ!?」

 

春香「ど、どういう事!?お姉ちゃん!(バシィィッ!!)いたっ!?」

 

千冬「織斑先生だ…馬鹿者が…」

 

千冬は手に持っていた出席簿を春香の脳天から叩き付けた

 

叩かれた春香の頭から湯気が出ている…相当の威力なのだろう

 

一夏「あの…千冬……いや織斑先生、戻っても…」

 

千冬「ん?ああ…戻っていいぞ一夏」

 

一夏は自分の席に着いた

 

エミリア「あの…知ってたんですか?お姉様が教師をしていた事に」

 

一夏「実家に帰った時に教えてくれたんだよ、春香は寝ていたから聞いてなかったみたい」

 

 

次に一夏の妹、春香の自己紹介

 

春香「はいー先程ご紹介頂きました織斑一夏の妹の織斑春香です!お姉ちゃんの秘密知りたい人は是非私に…ゴファッ!?」

 

またまた春香の脳天に出席簿が…

 

春香「……い…一年間…よろしく…」

 

頭を押さえながら席に着く春香

 

 

 

そしてウィノの番が廻ってきた

 

ウィノ「ウィノ・マグガバンよ、デルタ・フォース所属のデルタ3、趣味はファッション雑誌を読むこと、ついでに言っておくけど、カズマはあたしの彼氏なんでそこはよろしくー!」

 

 

「「「ええええええええええっ!?」」」

 

と女子達から非難の声が聞こえた

 

 

カズマ「ウィノ…こんな小っ恥ずかしい事よく言えるな…」

 

ウィノ「事実じゃん…別にいいでしょ?」

 

 

 

笑顔で見つめるウィノに呆れて他の人の自己紹介に耳を向けるカズマ

 

 

 

そしてデルタ・フォース最後のエミリアに廻ってきた

 

 

エミリア「私はエミリア・リィンフォースと申します、デルタ・フォース所属のデルタ5です、皆さまご存じだと思いますがリィンフォース社の娘です。あ、…あと…い、一夏様とお付きあいしておりますので…一年間よろしくお願いします!」

 

 

「「「そ、そんなぁぁぁぁっ!!」」」

 

 

クラスの女子達はどうやらカズマと一夏を狙っていたのだろう…しかし彼女持ちなら諦めるしかなかった…

 

 

 

そしてクラス全員の自己紹介が終わり、千冬の自己紹介でまたまた女子達からの悲鳴がカズマの耳を攻撃したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春香「しかしエミリアも凄いね!あんな事をを言えるなんて」

 

あんな事とは先程の自己紹介で一夏を彼氏と話したことである

 

エミリア「ウィノさんが…ああ言うと他の女子共が引いてくれるって言いましたので…その…勇気を出して…言ってみましたが……うう……恥ずかしいですぅ……」

 

ウィノ「行っただけで上出来上出来!」

 

 

カズマ「俺達も恥ずかしかったんだけどな…」

一夏「同じく…」

 

 

 

 

「ちょっといいか?」

 

と、そこにポニーテールの少女が立っていた

 

一夏「あ、箒…」

 

一夏はこの少女と知り合いなのだろうか…

 

カズマ「誰?」

 

カズマは春香に聞いてみた

 

春香「篠ノ之箒…あたし達の幼馴染みなの…」

 

ウィノ「幼馴染み…ねぇ…」

 

 

箒「一夏を借りるが…良いか?」

 

どうやら篠ノ之箒は一夏話がしたいらしい

 

一夏「ちょっと待て、まだみんなの許可が…」

 

 

 

エミリア「私は構いません…一夏様」

 

ウィノ「幼馴染みの再開なんだから、行ってきなよ」

 

一夏「あ、ああ…わかった…」

 

二人は教室を出ていった

 

カズマ「……」

 

カズマは一夏の表情に何処か曇っていた事に気付いていた

そしてあの篠ノ之箒の表情も何処か変であった

 

普通幼馴染みと会うなら喜びの態度位は見せる筈…

 

 

 

 

カズマ「…ちょっと出掛ける…」

 

ウィノ「え?何処行くのよ?」

 

カズマ「女だけの教室に男一人だと心細い…」

 

 

そう言ってカズマは教室を出て、一夏と箒が向かった屋上へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 屋上

 

 

IS学園の屋上は芝生が生えており、その上で昼飯を食べる、遊ぶなど生徒達の交流の場の1つである

 

 

一夏「…箒…ひさしぶり…だな…六年ぶりか?」

 

箒「そ、そうだな…お前も元気そうで何よりだ…それと…聞きたい事がある」

 

一夏「何だよ?」

 

 

箒は一夏の方を向いて

 

箒「あのエミリア・リィンフォースとはどういう関係だ!」

 

どうやら箒は自己紹介で一夏付き合ってる宣言をしたエミリアの事が気になっているようだ

 

 

一夏「そうだな…簡潔に言えば…俺の彼女だ」

 

箒「な!?本当に…付き合っているのか…」

 

一夏「ああ、一年前からな」

 

箒「そ、そんな…一夏…」

 

 

カズマ「おい、一夏…」

 

とそこにデルタ・フォースのメンバー、黒いコートの制服を着たカズマが現れた

 

カズマ「そろそろ次の授業だ、行くぞ…」

 

一夏「お、おう…ありがとな…」

 

カズマと一夏が屋上から出て行こうとした時

 

 

箒「待て!そこのコートの男!」

 

箒は次にカズマを呼んだ

 

カズマ「俺にはカズマ・アーディガンって言う名前があるが?」

 

 

箒「む…ではアーディガン、一夏がエミリア・リィンフォースと付き合っているのは本当か?」

 

 

 

カズマ「事実だ…」

 

 

 

そう言ってカズマと一夏は屋上から教室へと向かった

 

 

一人残った箒はずっとうつむいていた

 

 

箒「何故だ……一夏……何故私じゃなくてあんな女を…エミリア…リィンフォース」

 

 

今彼女を取り巻いているのはエミリアに対する嫉妬である

 

 

箒「お前の手から救ってやるぞ…待っていろ…一夏…」

 

 

そう呟くと同時に箒も屋上を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




対にアンチキャラの箒参戦

次はあのお嬢様が参戦!


感想待ってます!


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第九話 クラス代表

沢山の感想ありがとうございます

さて次はあの高飛車なお嬢様が登場!


入学して初めての授業

 

その内容は基本的なIS運用と、その構造、ISにかけられている条約をお復習する物となっている

 

教壇に山田先生が授業で出た単語を黒板に書いて、それをノートに写す、ありがちな教室の風景であった

 

 

春香「……」

 

その中で一人、ノートに書き写しているが何故か戸惑っている生徒一人、一夏の妹、春香であった

 

それを見た兄、一夏は

 

一夏「春香?どうした?わからない事があるなら先生に聞けよ?」

 

春香「あ…うん…そうだね…あ、あの先生!!」

 

 

真耶「はい、どうかしましたか?」

 

呼ばれて春香の前に来る山田先生

 

 

春香「その…全部…わかりません!!」

 

真耶「え?えええ!?…あ、あのここまでわからない人は…」

 

 

とクラスの皆に聞いてみるが…誰一人手を挙げない

 

真耶「あ、あの織斑君とアーディガン君は…」

 

 

二人も手を挙げない…当然デルタ・フォースで勉強はしてきてる

 

 

千冬「春香、入学前の参考書は呼んだか?」

 

春香「参考書?」

 

一夏「おい…必読せよって書いてあった、黄色い表紙の…」

 

春香はあっと思い出し

 

春香「あ、あはは…古い電話帳と間違えて捨てちゃった…(ドゴッ!!)いたっ!?」

 

千冬の鉄拳が春香の脳天にクリティカルヒット

 

そのダメージを物語っている様に春香の脳天から煙が…

 

 

一夏「俺のあげるから…後で勉強するぞ」

 

春香「あ…ありがとう…おにいちゃぁん…」

 

と涙目で一夏に感謝する春香であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休み時間

 

春香「あーっもう!全然わかんなーい!」

 

ペンを投げ出して机に突っ伏す春香

 

その首根っこを持って起こす一夏

 

一夏「まだ半分も終わってないんだぞ?ほら続き」

 

一夏が今日のやった授業の見直しをして

 

 

 

 

カズマ「…であるから……ISに条約が付いたのは…」

 

春香「Zzz…」

 

ゴチィン!!

 

春香「いったいっ!?」

 

寝ている春香に教科書の角で叩いて起こしたカズマ

 

カズマ「だったら寝るな…」

 

春香「は…はい…」

 

その威圧に気圧された春香

 

 

 

 

ウィノ「ここ、重要だから付箋貼っとくわね」

 

ウィノ重要な所のページを付箋やマーカーで印をつけていた

 

 

エミリア「ISの基本的な構造はこうなっています…」

 

エミリアが端末を使ってISの基本構造を教えたりと、春香の為にデルタ・フォース総動員で教えた

 

 

 

カズマ「全く…参考書を間違って捨てるか?」

 

一夏「我が妹ながら恥ずかしい…」

 

今現在春香の勉強はウィノとエミリアが見ている為、休憩中なのである

 

 

「ちょっとよろしくて?」

 

そんな二人に訪ねる少女が

 

カズマ「…?」

一夏「…はい?」

 

「まぁ…なんですのその返事は?この私が折角お話しさせてあげると言うのに…」

 

と金髪ロール髪のいかにもお嬢様風の雰囲気の少女がカズマと一夏に話し掛けてきた

 

二人の反応を見た少女は蔑む様な目で二人を見た

 

カズマ「それはすまない…イギリスの代表候補生、セシリア・オルコット」

 

セシリア「あら?貴方の方は少し教養があるようですわね?」

 

一夏「代表候補生か…君凄いんだな…」

 

セシリア「あら、脳無しの猿かと思えばそこそこ利口ですのね」

 

とさらに蔑んだ言い方をするセシリア

 

春香「あの~ちょっと良い?」

 

とここで三人の話を聞いていた春香が質問した

 

春香「代表候補生って…何?」

 

ズデデデデデデン!!

 

 

この発言にクラスの生徒がほぼ全員ずっこけた

 

一夏は頭を抱え、カズマはため息を吐き、ウィノはあちゃーと言った表情を浮かべ、エミリアはトホホな表情

 

 

セシリアはオーバーリアクションな驚いたポーズを取っていたが

 

セシリア「な、なんですの!?貴女は!代表候補生を知らない!?」

 

春香「だって知らないんだもーん…」

 

と開き直る春香

 

 

カズマ「良いか、代表候補生は国が代表して選出させる国会代表IS搭乗者の候補生、簡潔に言えばエリートの事だ…主に国会代表に選ばれれば、IS世界大会のモンド・グロッソに出場できる」

 

春香「へぇ~じゃあお姉ちゃんも…」

 

一夏「その通り、千冬姉も国会代表、でその候補生が今のこのオルコットさんって意味」

 

春香「へぇ~」

 

セシリア「本当にわかってますの?」

 

わかったようなわかってない返事をする春香を睨むセシリア

 

セシリア「まあ良いですわ、とにかく私はエリートですの、入試試験で唯一教官を倒したのですから」

 

高々に自慢するセシリア

 

カズマ「…で?」

 

セシリア「ってなんですのその反応!」

 

無関心すぎるカズマの態度にふたたび突っ掛かるセシリア

 

カズマ「あんなおふざけのISバトルに勝った位で自慢か?」

 

セシリア「お、おふざけ…ですってえっ!!貴方はどうだったんですの?試験は」

 

カズマ「無論勝った、所要時間は15秒だ」

 

セシリア「ふん、まあ、軍に入っているならそれくらい……って貴方15秒で教官を倒したんですの!?」

 

セシリアは教官を倒した事より、教官を倒した時間に驚いた

 

一夏「お前早いな、俺は25秒だぜ」

 

ウィノ「あたしは30秒くらいかな」

 

エミリア「私もおなじく30秒程です」

 

 

セシリア「あ、貴方達…」

 

とここで予鈴が鳴った

 

セシリア「…っ…また来ますわ、逃げないでくださいまし!」

 

捨て台詞同然な言葉を言って自分の席に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の授業、教壇に千冬が立った

 

千冬「さて、授業を始める前に再来週のクラス代表戦に出るクラス代表を決めなければならないな……まあ、簡単に説明すれば…」

 

カズマ「日本で言う学級委員長と同じで、クラスの取り決め、クラス総会の出席等があるクラスの代表者…ですか?」

 

千冬「…ほう…その通りだ…」

 

千冬は半分驚いた、つい先程入学したばかりなのにカズマはクラス代表の仕事を説明したのである

 

千冬「まあ、自他推薦は問わない誰か…」

 

春香「はーい!あたし立候補しまーす!」

 

千冬「……ほう?」

 

いきなり春香がクラス代表に立候補すると言った

 

一夏「おいお前!何言ってる!!」

 

そして…

 

「じゃあ織斑君…あ、お兄さんの方を推薦しまーす!」

 

女生徒の一人が一夏推薦した

 

「じゃあ私はアーディガン君を推薦!」

 

今度はカズマを推薦した

 

 

千冬「因みに推薦された者に拒否権はない」

 

カズマ&一夏「いやちょっと待て、ちょっと待てお姉さん!!俺らの意思をまず聞けよ!!」

 

千冬「誰が流行りの芸人のネタをやれと言った」

 

 

最早カズマと一夏の見方はいない…いや、いる…

 

カズマ「ウィノ!」

一夏「エミリア!」

 

彼女達に助けを求めた

 

ウィノ「ごめーん!カズマ推薦します!」

 

エミリア「ごめんなさい…一夏様を推薦します」

 

カズマ&一夏「くそっ!!今日は何て日だ!」

 

と二人は頭を抱える

 

 

セシリア「お待ちください!!納得出来ませんわ!!」

 

とここで先程のセシリアが抗議した

 

セシリア「だいたい男がクラス代表なんて恥さらしですわ!ここは実力的にもこのイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットが適任だと思いますわ!こんな極東の地でそんな屈辱を一年間味わえと言うんですの!?」

 

 

と熱弁するセシリア

 

カズマはその態度に段々と怒りが込み上げていた

 

セシリア「第一、品格も実力の無い極東の猿如きに、このクラス代表は似合いませんわ、それに私の実力はこのクラスでは最強ですわ…」

 

カズマ「そこまでにしておけよ…オルコット…」

 

セシリア「な…なんですの貴方!私が喋っている途中ですわ!」

 

ついに耐え切れなかったのかカズマがセシリアの話を止めた

 

カズマ「お前…本当に自分の立場がわかっているのか?」

 

セシリア「何を今更、私は代表候補生、つまりエリートですの!誰よりも強いという証明ですわ!つまりこの私こそが皆を率いるクラス代表に相応しいと思いますの」

 

その解釈を聞いたカズマは大きくため息をした

 

セシリア「な、なんですのそのため息は!!」

 

カズマ「お前…その髪型と同じ様に頭の中までクルクルパーか?」

 

セシリア「な、なんですってえぇぇっ!!」

 

とうとうセシリアもキレたご様子

 

カズマ「良いか?お前は国のIS代表の候補生だ…いくら候補生だとしてもその発言は国の発言として捉えられる、お前はそれを知らずに日本を侮辱した挙げ句、日本人を極東の猿と蔑んだ…つまりお前は世界最強の織斑先生まで侮辱した……俺達だけ蔑むのは構わん…だがここにいる全員まで蔑むのは俺が許さん…」

 

カズマの言葉に戸惑いが出てきたセシリア、更に生徒達の白い視線がセシリアに突き刺さった

 

セシリア「あ、貴方…よくも私に恥をかかせてくれましたわね!!」

 

カズマ「何言ってる…お前が自分で墓穴掘っただろうが…」

 

セシリアの我慢の限界か、カズマを指差して

 

セシリア「決闘ですわ!クラス代表もそうですが、貴方のその口を二度と叩けないようにして差し上げますわ!!」

 

カズマ「ふ…良いだろう…」

 

 

 

そのやり取りを教壇で見聞きしていた千冬は

 

千冬「話は終わったか?ならクラス代表を決める為、ISでの模擬線を一週間後の月曜放課後、第三アリーナで行う!組み合わせは第一試合オルコットVSアーディガン、第二試合が織斑一夏VS織斑春香、その勝者同士で決勝戦をして代表を決める!」

 

一夏「まあ…予測はしてたけど…俺まで頭数に入っているのか…」

 

一夏は参加せざる得ない状況に溜息を吐いた

 

 

春香「お兄ちゃん!」

 

一夏「ん?」

 

春香「正々堂々勝負よ!もう昔の護られてばかりの私じゃないって事を証明してあげる!!」

 

 

春香が一夏に宣戦布告した

 

一夏「おう…良いぜ、こっちも手加減はしないからな」

 

 

どうやらこちらも臨戦態勢は整った様だ

 

 

千冬「では授業を始める…席に着け…」

 

そうして授業が開始されたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わり放課後、カズマ達は千冬から部屋の鍵を渡され、寮に向かっていた

 

 

ウィノ「~♪」

 

ウィノは上機嫌でカズマの腕を組んで歩いている

 

カズマ「そんなに嬉しい?」

 

ウィノ「うん!だってカズマと一緒の部屋なんだよ!あたし超嬉しい!」

 

寮の部屋は二人部屋で、どうやらカズマとウィノが同じ部屋らしい、これは恋人同士である二人はとても喜ばしい事である

 

その後ろを歩いているエミリアも一夏と手を繋いで上機嫌で歩いていた

 

エミリア「私も嬉しいです、一夏様と一緒のお部屋になって」

 

一夏「俺もエミリアと一緒で嬉しいぜ」

 

エミリア「い、一夏様ぁ…///」

 

エミリアは顔を赤くした

 

 

 

そして寮に着いてそれぞれの部屋に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

1021号室 カズマ&ウィノ

 

 

部屋の内部はデルタ・フォースの宿舎と同じ様にビジネスホテル並みの豪華さで、ベットも二つ、更にテレビ、キッチン、シャワー室まで完備している

 

因みに大浴場もあるが、これは女子限定である

 

ウィノはまずドアとは反対側の大きな窓から見える景色を見た

 

ウィノ「わぁ!綺麗!」

 

カズマ「ああ…いい景色…だな…」

 

二人は夕焼けに染まっていた海を眺めていた

 

ウィノ「カズマ…」

 

カズマ「?」

 

ウィノはカズマにキスをした

 

夕陽の光に照らされ、ロマンチックな雰囲気を醸し出していた

 

そしてキスが終わり

 

ウィノ「さて、シャワー浴びるね?」

 

カズマ「ああ…良いよ」

 

カズマはテレビを着けた

 

ウィノ「何なら、一緒に入る?」

 

カズマ「な!?何言って!?とにかくさっさとシャワー浴びろ!」

 

 

ウィノ「…むぅ…カズマのバカ…」

 

と頬を膨らませるウィノ

 

シャワー室の中で制服を脱いで裸になり、シャワーを浴びながら

 

ウィノ(まぁ…純情な所も可愛い…ふふっ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1022号室 一夏&エミリア

 

エミリア「綺麗なお部屋ですね」

 

一夏「ああ…凄いな!」

 

エミリア「一夏様!海ですよ!海!」

 

エミリアは大きな窓越しで見える海を見て興奮していた

 

一夏「おお、いい景色だなぁ…」

 

二人はしばらくその景色を楽しんだ

 

 

と不意に一夏はエミリアを抱き締めた

 

エミリア「い、一夏様!?」

 

一夏「エミリア…俺はずっとエミリアを護るよ…」

 

エミリア「……はい!私も一夏様をお護りします!」

 

 

そうして二人もキスをした

 

 

やがてキスが終わり…

 

一夏「どうする?先にシャワーでも浴びる?」

 

エミリア「あ、じゃあ…私が先に…」

 

エミリアは着替えを持ってシャワー室のドアに手をかけて

 

エミリア「あ…あの…一夏…様…」

 

一夏「どうした?」

 

エミリア「そ…その……も…もし…良かったら…い…一緒に……あ…浴びませんか?」

 

と顔を真っ赤にして言った

 

一夏「ええっ!?」

 

一夏は突然の誘いに驚いた

 

エミリア「ご、ごめんなさい!やっぱり一人で浴びます!」

 

エミリアはシャワー室に入った

 

 

エミリア「…うう…一夏様に………こんな破廉恥な事を…恥ずかしいぃ…」

 

エミリアは先程の発言に顔を真っ赤にしていた

 

 

 




最後はちょっとラブラブをいれてみました

書いてて思った…カズマ!一夏!リア充爆発しろい!!


感想待ってます…


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第十話 襲来と出会い

今回はあのISが登場!

…違う経緯で




IS学園寮 1021号室

 

昨日のセシリアからの宣戦布告から一夜明け、朝日が差す部屋は優しい光に照らされる

 

その部屋にはベッドが二つあるが…片方は使っていない…

 

それは一つのベッドに二人が寝ているからだ…

 

仰向けに寝ているカズマ、それに抱き着いて寝ているウィノである

 

 

『オキロ!オキロ!』

 

とここでベッドの側にある小さな机にあるピンク色の球型のロボットの様なものが突然喋り出した

 

これはハロと言われるペットロボットでその愛らしい外見と会話機能が人気のリィンフォース社の商品である

 

ハロ『オキロ!オキロ!ウィノ、オキロ!』

 

ウィノ「う…ん……朝……?」

 

 

ハロの目覚ましで起きたウィノはその場に座って伸びをした

 

ウィノ「う…ん…っと……あれ?カズマ?」

 

ウィノは未だに寝ている彼氏、カズマの寝顔を見ていた

 

ウィノ(…こう見ると…カズマの寝顔って可愛い……っと、遅れちゃうから起こそうっと)

 

そうしてウィノはカズマの寝顔に顔を近付けた

 

 

 

 

 

寝ているカズマは唇に柔らかい感触を感じ、目が覚めた

 

 

すると目の前にウィノの顔があった

 

ウィノ「ん?……起きた?」

 

どうやらキスで起こしてくれた様だ

 

カズマ「うん……おはよう…」

 

カズマも体をゆっくりと起こした途端、ウィノが突然抱き着いた

 

カズマ「!?どうした?」

 

ウィノ「むぎゅーってしたかっただけ…良いでしょ?」

 

カズマ「はぁ…仕方ないな…」

 

カズマはそのままウィノに抱かれていた

 

暫くじっとしていると

 

ハロ『カズマ、ウィノ オクレル、オクレル』

 

ハロが耳をパタパタさせて言った

 

カズマ「わかったよハロ、ウィノ行くぞ」

 

ウィノ「はーい」

 

二人は制服に着替えて、寮の食堂へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園寮 食堂

 

制服と鞄を持って食堂へと降りると窓際の大きなテーブルに一夏とエミリアがいた

 

 

エミリア「あ、カズマさん、ウィノさん、おはようございます」

 

一夏「おはよう、カズマ、ウィノ」

 

カズマ「意外だな…お前達が早いなんて」

 

一夏「こいつのお陰さ」

 

と一夏は椅子から何かをテーブルの上に置いた

 

それはウィノの持っているハロであった

 

正確にはエミリアのペットロボットであり、ウィノのハロはピンク、エミリアのハロは淡い緑となっている

 

緑ハロ『ハロ!ハロ!』

 

と緑ハロ目を光らせて挨拶した

 

 

ウィノ「今日も元気だね?ハロ」

 

緑ハロ『サンキュー、ウィノ』

 

 

一夏「さっさと食べようぜ、遅れちゃうから」

 

 

 

そろそろ朝食を取らないと朝のHRに遅れる

 

カズマは朝食セットA(日本食)

 

一夏も朝食セットA(日本食)

 

ウィノはトースターセット

 

エミリアもトースターセット

 

である

 

カズマ「……」

 

カズマは眼前に手を合わせたまま目を閉じて止まっていた

 

一夏「カズマ…そんなに律儀にやらなくても」

 

カズマ「いや、俺が日本にいた時は…こんな風に『いただきます』をした」

 

まるで何世代前の人かと思う位のいただきますをして、食べ始めた

 

流石に箸の扱いは慣れており、細かい物でも箸でつまめる

 

 

 

 

ウィノ「うーん…ここの朝食って美味しい…」

 

エミリア「そうですね、味もしっかりしておりますし…」

 

一夏「軍の食堂も美味しいけど…ここも良いよな」

 

カズマ「……」

 

ウィノ達が話し合ってる中でカズマは黙々と食べていた

 

一夏「本当に律儀だな…お前…」

 

その様子に突っ込む一夏であった

 

 

 

 

 

 

 

 

春香「うぎゃぁぁあああああっ!!遅れるぅううううう!!」

 

 

とそこに寝坊したのか頭が寝癖でとんでもない事になっている慌てた様子の春香が現れた

 

 

一夏「春香…寝坊したのか?」

 

春香「だ…だって…ベッドが寝心地良くて…」

 

エミリア「理由になりません、次からはちゃんと目覚ましを掛けるんですよ?」

 

春香「はーい…」

 

エミリアは春香に説教をした、こう見ると母親と子供みたいな絵面である

 

 

春香「あ!ねぇちょっと聞いてよ!」

 

箒「ここにいたのか…一夏」

 

 

とそこに篠ノ之箒が登場した

 

一夏「箒……何の用だよ…」

 

箒「いや、一夏と食事を…と思ってな…」

 

一夏「もう食べ終わった…」

 

そう言っては食器を片付けた一夏

 

箒「待て!まだ話がある、春香にISの事を教える事になったからな」

 

一夏「はぁ!?お前がか!?」

 

いきなりの発言に驚く一夏

 

箒「な、なんだそれは!幼馴染みなのだから当然であろう」

 

 

エミリア「生憎ですが…春香さんの指導は私とウィノさんが担当します」

 

とここで一夏の彼女、箒にとって天敵のエミリアが抗議した

 

 

箒「黙れ!春香は私が見る」

 

エミリア「まともにISを扱った事はありますか?」

 

この言葉に一瞬声を詰まらせた箒

 

箒「う…そ、それでも…剣道で教える!」

 

ウィノ「はぁ?あんた何言ってるの?ISの練習になんで剣道なのよ…」

 

箒「ISを扱うにも体力は必要だ!」

 

カズマ「ふん…話にならんな…」

 

箒「な、なんだと!?」

 

この言葉を聞き捨てならなかったのかカズマに突っ掛かる箒

 

カズマ「俺達は一年半もISを扱っている、それなのに試験の一度だけISを動かした奴に、更にISの練習に剣道なんて…バカらしくて呆れる…ここはISに詳しいエミリアが適任だ」

 

ウィノ「ま、あたしも見るけどね、近接格闘戦のレクチャーは出来るし」

 

箒「ぐ…ぬぬ…」

 

もはや何も言い返せない箒、体が震えていた

 

エミリア「ですから引いて下さい、春香さんは私達が指導しますのでご安心を…」

 

箒「黙れ!一夏に取り付いている寄生虫が!!」

 

エミリア「な!?何ですって!?」

 

箒「せいぜい温室育ちは、箱入り娘でもしていろ!」

 

途端にエミリアを罵倒し始めた箒

 

一夏「箒っ!お前よくも…」

 

箒に突っ掛かる一夏をエミリアは手で制した

 

一夏「エミリア…!?」

 

エミリアはゆっくりと立ち上がった…

 

その体から発せられるオーラは恐ろしくどす黒い物だった

 

 

エミリア「よくも……言いましたね……良いでしょう…今日の放課後、私と模擬線は如何でしょうか?いえ、貴女は訓練機しか扱えませんので…私の勝利は目に見えていますが…」

 

箒「ふん!温室育ちに負ける程私は甘くはない!」

 

エミリア「ふふふ…ではまた放課後…」

 

緑ハロ『エミリア、ヤッチマエ!エミリア、ヤッチマエ!』

 

エミリアは食器を持ってその場を去った

 

その後に緑ハロも付いて行った

 

ウィノ「ね…ねぇ…エミリアが……キレちゃった……」

 

カズマ「あ…ああ…あんなに…変わるのか?」

 

一夏「こ…怖ェ…」

 

春香「お、お姉ちゃんより…怖いかも…」

 

四人は決心した

 

何がなんでもエミリアは怒らせないようにしないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、第二アリーナ

 

そこに打鉄を纏った篠ノ之箒とΔ-ライン・アサルトアーマーを纏ったエミリアが対峙していた

 

ウィノと春香は観客席で見守っている

 

 

箒「ふん、そんな鈍重なISで、勝てると思っているのか?」

 

エミリア「見かけで判断しない方が身の為、と言っておきましょうか」

 

 

緑ハロ『リョウシャ、リョウシャ、シアイ、カイシ!』

 

 

ブザーが鳴り試合が開始された

 

箒「はああああっ!」

 

箒は打鉄に装備されている日本刀型近接ブレード、【葵】を抜刀し、正面から突っ込んできた

 

エミリア「正面からなんて…狙いを合わせる必要が省けましたわ…」

 

 

エミリアは両肩の大型シールドを両手にスライドさせ、内蔵されている大口径ガトリング砲をぶっ放した

 

 

 

箒「な!?うわあっ!!」

 

無慈悲な弾丸が箒の打鉄を襲い、シールドエネルギーを減らしていく

 

箒「くっ…貴様!!正々堂々と勝負しろ!!」

 

エミリア「お生憎様、アサルトアーマーは射撃特化の機体ですわ…」

 

 

エミリアは高度を上げて次は100mmバズーカを両手に装備し、低空にいる箒に向けてぶっ放した

 

箒「ふん!この程度!」

 

バズーカ砲の弾頭は遅いので箒は回避出来たが、地表に着弾したバズーカ弾は大爆発して爆風が箒を襲った

 

 

箒「ぐっ…おのれ!!」

 

エミリア「そこまでです…」

 

箒「な!?」

 

吹き飛ばされた箒の後ろに至近距離で徹甲榴弾装填ショットガンを構えるエミリアがいた

 

 

容赦無しに放たれた散弾は全弾命中、更に連続で放ち、箒のシールドエネルギーは尽きた

 

緑ハロ『ショウブアリ!ショウブアリ!ショウシャ!エミリア!ショウシャ!エミリア!』

 

 

 

緑ハロがエミリアの勝利を宣言した

 

まさに圧勝、エミリアは無傷で勝利した

 

箒「ええい!動け!動けっ!!」

 

シールドエネルギー尽きて動かない打鉄を動かそうとする箒、何処か醜さを感じる

 

エミリア「貴女の負けです…ここから立ち去って下さい」

 

箒「ふざけるな!あんな卑怯な方法で勝っただと!?」

 

エミリア「ふざけてるのは貴女です!!ISが剣道と同じである訳無いでしょう!そんな貴女に春香さんを教導する資格はありません!!」

 

箒「なんだと…一夏は曲がった事が嫌いだ!お前の事が好きな筈がない!!」

 

今度は一夏の話題に変わった…何れ程の負けず嫌いで諦めの悪い女だ

 

エミリア「今度は一夏様…ですか…一夏様は私がお護りしますので安心を…」

 

箒「ふざけるな!貴様のような臆病者より、私の方が一夏の隣に相応しい!!」

 

 

一夏「いい加減にしろ!!箒!!」

 

箒「な!?」

 

とアリーナのフィールドに一夏、ウィノ、春香がやって来た

 

一夏「俺がエミリアの側にいるのは俺自身の意思だ!エミリアも俺を護るって言ってくれた…俺もエミリア護ると決めた、お前が俺とエミリアの関係にとやかく言われる筋合いは無い!!」

 

箒「一夏…そんな…目を覚ましてくれ!お前はこの女に…」

 

一夏「黙れ…二度と俺達に関わるな…」

 

箒「…っ!!」

 

 

箒はその場から走り去って行った…

 

 

 

エミリア「一夏様」

 

一夏「ごめん…俺の幼馴染みがあんな事を…」

 

エミリア「い、いえ…気にしてませんから…」

 

ウィノ「それにしても何なのよあの女、一夏をまるで自分の物みたいじゃない」

 

ウィノの言った通り、箒の思考は完全に一夏を自分の物としてしか見ていない

 

それを邪魔する物は排除すると言う思考に陥っているのだ

 

春香「幼い頃からずっと一緒にいたせいかな?お兄ちゃんが行く所いつも箒がいたんだもん」

 

ウィノ「それって…偶然?」

 

春香「うん…偶然…」

 

ウィノ「はぁ…どう見てもあの箒って奴次は何仕掛けてくるかわからないよ…エミリア、出来るだけ誰かと一緒にいた方が良いよ」

 

エミリア「はい…そうします」

 

 

一夏「じゃ、俺は帰るわ…春香、特訓頑張れよ」

 

春香「うん!!絶対強くなってお兄ちゃんに勝ってやるんだから!!」

 

 

春香は改めて気合いを入れてエミリアとウィノの特訓に励んだ

 

一夏はその様子を見てアリーナを後にした

 

 

 

 

 

エミリア「春香さん、貴女に渡したい物があります」

 

春香「あたしに?」

 

緑ハロ『ハロ!ハロ!モッテキタ!モッテキタ!』

 

とそこにハロが現れ、口が開き中に白いフレームの腕輪があった

 

春香「これって…」

 

エミリア「春香さんの専用機、私達リィンフォース社と倉持技研が共同で開発しましたJPN/IS-32【白式】です」

 

春香「白式…でもなんでリィンフォース社が共同で?」

 

エミリア「実は倉持技研とリィンフォース社はお互いに技術提供をしているんです…私のお姉様と倉持技研のオーナーが友達なんですよ」

 

 

この白式は元々は発見された一夏の専用機になる筈だったが、アメリカでデルタ・フォースに入隊して自分の専用器を持っている為、更に日本の代表候補生の専用機の製作に追われていた為、一時はお蔵入りになりかけたが、倉持技研のオーナーの親友であるリィンフォース社の次期社長、エミリアの姉がこちらで製作をしておくと言い、技術者数名と開発方法をリィンフォース社に渡して、製作したのだ

 

もちろん今の日本はアメリカに対して強硬策を取っているため、これは秘密裏に執り行われ、これが完成した時は日本の倉持技研が完成させたと偽っているのである

 

 

そして白式の最適化と一次移行が終了し、白いフレームのISが春香に纏った

 

バックパックにウィングスラスターが着いており、これによって高機動戦闘が可能となっている

 

 

 

エミリア「さあ、特訓開始です!行きますよ!」

 

春香「どーんとこーい!!」

 

 

こうして春香の特訓が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 整備室

 

カズマ「ほう…ここは凄いな…色々な設備があるじゃないか…」

 

カズマは一人で整備室に来ていた

 

Δ-ラインのチェックである

 

自分の愛機は自分で見るのがカズマなりの哲学で、アメリカにいた頃はマードックに任せていたが、日本にいる時は自分で見なければならないのだ

 

カズマ「さて…と…始めるか」

 

 

カズマは待機状態のΔ-ラインである胸のデルタ・フォースのバッジを外してその場で展開させて、コードを繋いだ

 

 

そしてコンソールのキーボードを叩いて今のΔ-ラインの状態をチェックした

 

 

 

カズマ「特に問題は無い…か…Δドライバの方も問題無しか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマがコンソールで叩いている後ろに水色の髪の眼鏡を掛けた少女がいた

 

大人しい雰囲気の顔立ちには幼さがある感じである

 

 

「あれって…Δ-ライン…?どんなISなんだろう……」

 

もっと間近で見ようと近付いたら

 

 

カズマ「…!?誰だ!!」

 

「ひっ!?」

 

見つかってしまい、少女は小さな悲鳴をあげた

 

 

カズマ「…君は?」

 

「あ……あの……わ…私…」

 

おどおどしている少女の目は展開状態のΔ-ラインに向いていた

 

 

カズマ「Δを見たいのか?」

 

「え?…あの…ダメなら……いいですけど……」

 

カズマはコンソールに向き直り、キーボードを叩き始めた

 

 

「やっぱ…駄目だよね……」

 

少し諦めかけた少女であった…

 

 

カズマ「見て良いぞ」

 

「え?」

 

不意に見て良いと言われ、固まってしまった少女

 

カズマ「見られて困る所はロックをかけたから見て良いよ」

 

「い…良いの……じゃあ…失礼します……」

 

 

少女はカズマの隣に行きコンソールに写されているΔ-ラインの情報を見た

 

 

「凄い…性能…スタンダードアーマーって…他にもあるの?」

 

カズマ「ああ、俺のを含めて5つある」

 

 

「凄いね…」

カズマ「そう言われると嬉しい……ん?」

 

 

カズマは見いってる少女の指に指輪がはめられていた事を見つけ、問いかけてみた

 

カズマ「君も…専用機持ってるのか?」

 

「え?…どうしてわかったの…?」

 

突然自分が専用機持ちだという事を言われて驚く少女

 

カズマ「いや…その指輪…もしかして待機状態かなと思っただけだ」

 

少女は右手にはめられている指輪を左手で包んだ

 

「これは…私の専用機…打鉄弐式……」

 

カズマ「打鉄の進化版か?」

 

「ううん…どっちかと言うと…私向きにカスタマイズされたものなの…でもまだ自分でカスタマイズしたいからこうして整備室で一人でしてるの…」

 

カズマ「そうか……あ、ところで…名前…聞いてなかったな…」

 

ふと思い付き、まだ彼女の名前を聞いてなかった

 

「私…更識 簪……」

 

カズマ「簪か…日本の髪飾りの名前だな…俺はカズマ・アーディガン」

 

簪「え?日本人?」

 

日本風の名前が聞こえたので疑問に思った簪

 

カズマ「俺はアイルランドと日本のハーフなんだよ…」

 

簪「そう…なんだ……じゃあ私そろそろ…」

 

簪が整備室から出て行こうとした時

 

カズマ「簪!」

 

簪「…何?」

 

不意に呼び止められた

 

カズマ「俺の仲間にエミリア・リィンフォースってISに詳しい女の子がいるから…今度紹介しとくよ…君の作業も捗るかも知れないから」

 

簪「あ、ありがとう…あ…アーディガン君」

 

カズマ「呼びにくいならカズマで良いよ」

 

簪「うん…ありがとう…カズマで…またね…」

 

カズマ「ああ…」

 

 

そうして簪は去っていった

 

そしてカズマは再びコンソールで作業を進めた

 

 

 

 

カズマが作業室に入った後、簪の去っていった方向とは逆の方に簪と同じ水色の髪の毛の少女が立っていた

 

 

「あの男の子がデルタ・フォースのカズマ・アーディガン君か……ふうん……」

 

そうして手元の開いた扇子に『興味津々』と書かれていた

 

 

 

 




ここでデルタ・フォースメンバーの能力値紹介 スパロボ風

カズマ・アーディガン レベル34
アビリティ 集中 加速 突撃 友情

格闘182
射撃198
防御170
回避201
技量230
命中184


ウィノ・マクガバン レベル30
アビリティ 加速 撹乱 集中 突撃

格闘192
射撃136
防御142
回避196
技量185
命中178



織斑一夏 レベル32
アビリティ 集中 熱血 不屈 根性

格闘194
射撃162
防御156
回避186
技量196
命中178




エミリア・リィンフォース レベル30
アビリティ 必中 狙撃 補給 信頼

格闘146
射撃198
防御176
回避159
技量185
命中182





こんな感じっす

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第十一話 クラス代表戦

第三アリーナ ピット内

 

遂にクラス代表決定戦の日となり、大勢の生徒がアリーナの観客席に入った

 

カズマ「…多いな…」

 

一夏「ああ…確かに多いな…」

 

カズマと一夏は、観客の多さに驚いていた

今までテロ組織と戦って来たカズマ達は、この様な見せ物の闘いはしたことがない、デビュー戦である

 

 

一夏「まぁ、やる事は何時もと同じだな」

カズマ「ああ、まずはあの気違いお嬢さんを黙らせて来る」

 

 

カズマはΔ-ライン・スタンダードアーマーを纏い、カタパルトに足を固定して、ディスプレイに映し出されたセシリアのISを確認した

 

カズマ「ブルー・ティアーズ…蒼い雫か…ふん…俺のと色が被るな…」

 

一夏「カズマ!勝って来いよ!」

 

カズマ「そのつもりだ……」

 

カズマは体勢を低くして

 

カズマ「カズマ・アーディガン、Δ-ライン出る!!」

 

カタパルトから射出され、アリーナへと飛び立ったカズマ、ウィングスラスターユニットが展開し、ブーストを吹かして所定の位置に着いた

 

セシリア「あら、逃げずによく来ましたわね」

 

カズマと向かい合う形でセシリアがいた

 

セシリア「それが男女共用のΔ-ラインという出来損ないの欠陥機ですの?」

 

カズマはΔ-ラインの事を欠陥機と言われて、表情を少し歪めた

 

カズマ「欠陥機かどうか…お前自身が確かめると良い…」

 

セシリア「そう…ならこれならどうです?」

 

セシリアはいきなりスナイパーライフル【スターライトMK-Ⅱ】を放ったが、カズマは最低限の動きでそれを避けた

 

セシリア「な!?」

 

カズマ「動きを止めるとはな…」

 

カズマは両腰のホルスターからビームライフルショーティーを取り出し、セシリアに向けて四発放った

 

セシリア「ビーム兵器!?きゃあっ!?」

 

四本の光線は全て直撃し、シールドエネルギーを減らす

 

 

セシリア「くっ…よくも!」

 

セシリアも負けじとライフルを放つが全て回避され、カズマは回避と同時に様々な体勢でライフルショーティーを放ち、それをセシリアに当ててシールドエネルギーを削っていた

 

 

セシリア(まさか…中距離射撃型!?わ、私の苦手分野ですわ!)

 

セシリアのISは遠距離射撃型、遠距離からスナイパーライフル等の高火力で精密射撃をして、常に距離を取って戦う

 

その為突っ込んで来るだけの近接格闘にはかなり有利である

 

しかしカズマのΔ-ラインは全領域対応型の万能機で、近接、射撃、狙撃も出来るオールラウンダーである

 

ビームライフルショーティーの連射とその機動力は遠距離射撃型のブルー・ティアーズにとってはまさに相性が悪い

 

 

 

 

 

 

 

 

管制室

 

管制室のモニターで一年一組の担任の織斑千冬、副担任の山田真耶、そしてデルタ・フォース隊長ブライスとエミリア、ウィノが見ていた

 

 

真耶「す、凄すぎます…」

 

千冬「拳銃型のビーム兵器…あれを二丁持ちであんなに扱え…更に回避しながらの正確な射撃…何て技量だ…」

 

真耶はカズマの戦いに驚かされ、千冬は冷静にカズマの技量の高さを分析していた

 

ブライス「まあ…カズマはデルタ・フォースの中ではかなりの実力者だ…初見で俺の放ったマイクロミサイルを全部撃ち落としたからな」

 

ウィノ「あたし達は一回もカズマに勝った覚えがないから…」

 

エミリア「はい…カズマさんは強すぎです…でもブライス隊長には勝てないんですよね?」

 

ブライス「まぁ…何れは俺を越えるだろうな…」

 

 

そうして再びモニターに集中するのであった

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

セシリア「くっ…」

 

完全にライフル見切られて、回避される毎にビームを撃たれてシールドエネルギーを削られてしまう

その繰り返しであった

 

しかしまだカズマにダメージを与えて無い

 

 

今現在のシールドエネルギーは

 

ブルー・ティアーズ 310/580

Δ-ライン・スタンダードアーマー 630/630

 

である

 

 

 

セシリア「ここまで私を追い詰めるなんて…意外とやりますわ…きゃっ!?」

 

セシリアが話していた所に無慈悲にビームを放つカズマ

 

カズマ「悠長に話している暇があるのか?」

 

セシリア「くっ…だったら…行きなさい!!【ブルー・ティアーズ】!」

 

アンロックユニットから四つのフィン状のパーツが分離し、それぞれが独立してビームを放ってきた

 

カズマ「ビットか…」

 

カズマはその四つのフィンの猛攻を無駄がない完璧な動作で回避していた

 

 

そしてビットの攻撃が止み

 

セシリア「左足、頂きますわ!!」

 

セシリアがスターライトで撃って来たが難なく躱す

 

カズマ「ふっ…わざわざ撃つ所を宣言してありがとう」

 

セシリア「なっ!?行きなさい!」

 

またブルー・ティアーズのビットを射出しようとした

 

カズマ「その程度!」

 

しかしカズマはブルー・ティアーズが射出される絶妙のタイミングで素早く四発のビームを放ち、射出した瞬間に全て撃ち落とした

 

セシリア「そ、そんな…きゃああっ!!」

 

ビットの爆発に巻き込まれ姿勢を崩すセシリアそこに容赦ないビームが襲い掛かって来る

 

 

今のカズマはライフルショーティーを連結させてビームヘビーライフルで追い討ちを掛けている

 

セシリア「あの兵器…連結出来ますの!?くっ…」

 

セシリアは距離を取ろうと間合いを開けた

 

カズマ「そこだっ!」

 

カズマはライフルショーティーに戻してホルスターに仕舞い、ビームセイバーを抜刀して突撃した

 

セシリア「かかりましたわね!ブルー・ティアーズは…」

 

セシリアのISの腰部に二つの砲塔が現れた

 

セシリア「六基ありましてよ!」

 

そこから誘導ミサイルを二発放った

 

カズマ「それが…どうした!」

 

カズマは右手に持っているビームセイバーを回転させながら投げて、そのビームセイバーにライフルショーティーを撃ち込んだ

 

カズマ「ビーム・コンフューズ!!」

 

ライフルショーティーのビームが回転するビームセイバーのビーム刃に当たり、ビームが霧状に拡散したのだった

 

ミサイルはビーム・コンフューズによって霧状になったビーム撃ち落とされた

 

セシリア「な!?何ですの?あの兵器は?」

 

カズマ「余所見厳禁だ」

 

 

セシリア「な!?」

 

何と一瞬でセシリアの後方に回り込んだカズマ、両手のビームセイバーでセシリアをクロスに切り払った

 

対応が遅れたセシリアは距離を取ろうとしたが、完全に間合いを詰められている為、すぐに追い付かれてしまう

 

セシリア「くっ…インターセプター!」

 

セシリアは唯一の近接ブレードを展開したが

 

カズマ「甘い…」

 

 

左のビームセイバーでインターセプターを弾き飛ばし、右のビームセイバーでセシリアを斬り上げた

 

そして上空に吹っ飛ばされるセシリアに向けて

 

 

カズマ「ジ・エンド…」

 

ライフルショーティーを連結させてヘビーライフルを撃ち込んだ

 

 

セシリア「きゃああああっ!!」

 

 

これによってセシリアのシールドエネルギーは尽きたのだが…空中でISが強制解除され、セシリアは落ちていった

 

 

カズマ「!?」

 

 

カズマは地面スレスレを飛行して、地上寸前でお姫様だっこでセシリアを受け止めた

 

 

セシリア「ひゃっ!!…あ…あの…」

 

カズマ「このままピットまで運ぶ…じっとしていろ」

 

セシリア「は…はい…」

 

そのセシリアの顔は何故か赤くなっていたのだ

 

そしてピットに着いたらセシリアをおろして自分のピットへ戻っていった

 

 

 

 

セシリア「カズマ…アーディガン……」

 

 

 

セシリアの胸の鼓動はいつの間にか早くなっていたのだった…

 

 

 

 

 

 

自分のピットに戻ったカズマはすぐにISを解除した

 

一夏「お疲れカズマ、余裕じゃないか」

 

一夏がドリンクをカズマに向けて投げ渡した

 

カズマはそのドリンクを受け取り飲んだ

 

カズマ「あのビットは危なかった…下手すれば一撃は食らっていた」

 

一夏「ノーダメージ前提か、お前らしいな」

 

カズマ「当然だ…あんな雑魚に一撃食らう方がどうかしてる」

 

 

そう話していると

 

真耶「織斑君、次は貴方と妹さんの対戦です」

 

と山田先生からアナウンスが入った

 

一夏「俺…か…」

 

一夏はΔ-ライン・ストライカーアーマーを展開してカタパルトに固定した

 

 

一夏「じゃ、行ってくる」

 

カズマ「妹相手に手加減しろよ?」

 

一夏「そうだな…そうするか……織斑一夏、ストライカーアーマー行きます!!」

 

カタパルトから射出され、大型スラスターユニットを吹かして所定の位置に着いたら同じく白いフレーム、春香の纏う白式が既に着いていた

 

春香「ようやく来たね、お兄ちゃん」

 

一夏「さあ…お前の特訓の成果…見せてみな!」

 

春香は手に雪片を構え、突撃した

 

春香「まずは一撃!!」

 

一夏「単調だな!」

 

一夏は大降りの剣を避けて春香に蹴りを入れた

 

春香「ぐっ…まだまだっ!!」

 

春香はなんとか食らい付くが全て避けられてカウンターを受けてしまう

 

春香「はぁ…はぁ…なんで…当たらないの…」

 

相当なスタミナを使ったのか息が切れている春香

 

一夏「いい太刀筋だけど…まだまだだな!」

 

一夏は両腰帯刀型H.V.S(ヒート・ヴァイブレーション・ソード)を一本抜刀した

 

一夏「行くぜ!」

 

一夏はイグニッションブーストを使い一気に春香に詰め寄った

 

春香「は、速い!?」

 

一夏「おらぁあっ!」

 

一夏は逆袈裟にH.V.Sを振ったが

 

春香「これくらい!」

 

春香は防ごうとしたが、一撃が重かったのか大きく体勢を崩した

 

一夏「弐の太刀!!」

 

春香「きゃああああっ!!」

 

逆袈裟に振り上げたソードを袈裟斬りで大幅にシールドエネルギーを減らした

 

 

 

 

 

 

管制室

 

真耶「お、織斑君も凄いですね…」

 

千冬「あれは…一閃二断の構え…」

 

真耶「一閃二断の構え…ですか?」

 

真耶が聞き慣れない事柄に反応して千冬に聞いた

 

千冬「一夏が小学生の頃、真剣を持たせて私が教えた技だ…一足目に閃き、二手目で断つ必殺の構えだ」

 

ブライス「ほう…姉から教えられた技を覚えているか…織斑先生、良い弟さんを持ちましたなぁ…」

 

千冬「いえそんな…まだまだ手の掛かる弟です…でも一夏をここまで強くしてくれたのはあなた方です…私の方こそ一夏を保護してくださって、ありがとうございます」

 

千冬はブライスに一夏を誘拐犯から保護してくれた事、更に一夏の面倒を見てくれた事を感謝した

 

ブライス「いや、強くなろうとしたのはアイツの意思ですよ…俺達はその手助けをしただけです」

 

千冬「そうですか…」

 

そして千冬は一夏を見つめる一夏の彼女、エミリアに目を移した

 

千冬「リィンフォース」

 

エミリア「はい?」

 

千冬「一夏の事…大事にしてくれてありがとう…これからもずっと、一夏の側に居てやってくれ」

 

千冬はエミリアにも感謝の意を述べた

 

エミリア「はい!」

 

千冬は再び弟と妹が戦うモニターに目を向けた

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

春香「これで決める!零落白夜、起動!!」

 

春香の雪片が展開して、ビームセイバーのような蒼白い刀身が現れた

 

一夏「千冬姉の…白式に積まれているのか…」

 

春香「たあぁっ!!」

 

春香は再び突撃した

 

一夏「仕方ない…抜くか!」

 

一夏は遂にもう一本のH.V.Sを抜刀し、二刀流で春香の雪片を受け止めた

 

春香「遂に…本気だね……お兄ちゃん行くよ!!」

 

一夏「おう!来い!」

 

 

春香は腰だめに雪片を構えてトップスピードで一夏に突っ込んだ

 

 

が…

 

『試合終了、勝者、織斑一夏』

 

 

春香「え?」

 

一夏「……まさか?」

 

 

何とも冴えない形で終わったのである

 

 

 

 

 

 

 

管制室

 

 

管制室の中で春香は千冬とウィノとエミリアに説教されていた

 

 

千冬「全く…あれだけ食らいついてこの様か…」

 

ウィノ「んもう…結局ダメージも与えられなかったじゃない…」

 

春香「…ごめんなさい…」

 

春香は早速爆弾発言をした

 

春香「あの…何で零落白夜を起動してすぐに…負けちゃったの?」

 

千冬「零落白夜は自分のシールドエネルギーを消費させる代わりに相手のバリアーを無効化にして絶対防御にダメージを与える事が出来る」

 

春香「へぇ~…ええっ!?シールドエネルギーを消費させる!?!!(゜ロ゜ノ)ノ」

 

エミリア「私…教えた筈なんですけど…(;つД`)」

 

エミリアはトホホな表情になった

 

ウィノ「春香…つまり自滅したのよ」

 

春香「じ、自滅って…恥ずかしい…」

 

 

ガックリと項垂れる春香であった

 

 

千冬「さて…いよいよデルタ・フォース同士の対決か…」

 

千冬はモニターに目を移した

 

 

 

そこにはΔ-ライン・スタンダードアーマーのカズマとΔ-ライン・ストライカーアーマーの一夏が対峙していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はいクラス代表戦一回戦でした

そしてカズマと一夏、ライバル同士が激突


次回をお楽しみに


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第十二話 蒼と白の死闘

はぁ…最近就活が忙しいなぁ…

ひょっとしたら更新が遅れるかもしれません


 

アリーナ

 

アリーナのフィールドにΔ-ライン・スタンダードアーマーのカズマとΔ-ライン・ストライカーアーマーの一夏がお互いに向き合っていた

 

 

一夏「こんな所でお前と戦うなんてな」

 

カズマ「ふっ…そうだな…」

 

カズマはライフルショーティーをホルスターから取りだし回転させて

 

一夏はH.V.Sを二本抜刀して二刀流になった

 

 

一夏「本気で行くぞ!」

 

カズマ「ああ!…来い!」

 

 

カズマ&一夏「「Δ-ドライバ、起動!!」」

 

 

そして二人のΔ-ラインの装甲が展開し、それぞれ内部の光るフレームが露になった

 

カズマの内部フレームは蒼、一夏は白である

 

 

そしてまるでオーラを纏ってるかの様に二人は蒼と白の光を放出させている

 

 

 

 

 

一夏「おおおらぁあああああっ!!」

 

先に一夏が動き、最早イグニッション・ブースト並みのスピードでカズマに接近してきた

 

 

カズマは冷静にライフルショーティーを撃ったが、全て一夏のH.V.Sに斬り裂かれ、避けられた

 

カズマ「くっ!」

 

カズマはライフルショーティーを仕舞い、二本のビームセイバーをアンビステクスハルバートモードにして一夏の攻撃を防いだ

 

 

そしてカズマが一夏を蹴飛ばして、蹌踉けた所を接近してビームセイバーの連続攻撃を畳み掛けた

 

 

しかし一夏も二刀を巧みに操り、ビームセイバーの猛攻を食い止めていた

 

 

そして二人の剣がぶつかると同時に、衝撃波が生まれていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

管制室

 

千冬「こ…これは…!」

 

真耶「は…速すぎます…二人の姿が見えないなんて…」

 

モニターに映し出されているのは一夏とカズマの戦いなのだが…Δ-ドライバによって機動力の増したΔ-ラインは最早肉眼では目視不可能な速度に達していたのだ

 

それ故、二人の姿が見えるのはお互いが鍔迫り合いをしている時なのである

 

 

ブライス「いきなりΔ-ドライバを使うとはな…お前達の本気の勝負、見させて貰うぞ」

 

真耶「Δ-ドライバって何ですか?」

 

ブライス「Δ-ドライバは我々のΔ-ラインの単一能力で、発動すると機体の性能が三倍になると同時に、射撃の威力を半減するドライバフィールドを張る事が出来る」

 

千冬「なんて能力だ…元々高性能な機体の性能を更に上げるか…」

 

ブライス「そして、ドライバフィールドは、普通の射撃なら半減するが、相手がΔ-ドライバを発動して射撃をするとドライバフィールドを貫通できる」

 

 

 

ウィノ「カズマ…」

 

エミリア「一夏様…」

 

ブライスは期待して見ている傍ら、心配そうに二人の戦いを見つめるエミリアとウィノであった

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

一夏「貰った!!」

 

カズマ「甘い!!」

 

一夏がクロスに切り払おうとしたが、カズマはビームセイバーのアンビステクスハルバートモードを解除して二刀流になって受け止めた

 

一夏「今!」

 

一夏はカズマの腹部に蹴りを入れた

 

カズマ「ぐっ…」

 

腹部の不意の衝撃で体勢が崩れたカズマ、それを見逃す程一夏は甘くなかった

 

一夏はカズマのビームセイバーのグリップを切り裂き、ビーム刃を展開不能して、強烈な一閃をカズマに与えた

 

カズマ「がああああっ!」

 

吹き飛ばされるカズマ、それを追撃する一夏

 

カズマ「ここだ!」

 

カズマはプロトタイプヴァリアブルアームズを呼び出し、バスターモードで一夏を狙った

 

一夏「!?ぐああああっ!!」

 

蒼い粒子ビームは一夏に直撃したが、どうやらH.V.Sで多少のダメージは軽減したらしいが、そのお陰で役立たずとなってしまった

 

 

一夏は左手にキャノンモードで待機していたヴァリアブルアームズをソードモードで展開、再び突撃した

 

 

カズマもヴァリアブルアームズをソードモードで迎撃した

 

 

カズマ「おおおおおおっ!!」

 

一夏「うらぁあああああっ!!」

 

二つの大剣がぶつかり、空間が軋むような衝撃波がアリーナを走った

 

そして間合いを取り、斬り合う、間合いをとって斬り合うの繰り返しで

 

二人のシールドエネルギーは段々と減っていった

 

 

そして間合いを大幅に取ったカズマがヴァリアブルアームズをバスターモードでチャージを開始した

 

そして一夏もヴァリアブルアームズをキャノンモードでチャージを始めた

 

 

 

カズマ「消し飛べぇっ!!」

 

カズマが蒼白い極太の粒子ビームを放ち

 

一夏「やらせるかぁああっ!!」

 

一夏は白い粒子ビームを放った

 

 

そして二人のビームは間合いの真ん中でぶつかり合った

 

物凄いエネルギーの奔流がアリーナを迸り、激しい光を放ち続ける

 

カズマ「ぐぅっ…ぅおおおっ!!」

 

カズマが気合いを入れると蒼い粒子ビームの勢いが増し一夏のビームを押し始めた

 

一夏「負け…て…たまるかぁああっ!!」

 

一夏も気合いを入れると白い粒子ビームは勢いが増し、お互いの粒子ビームは均衡を保った

 

 

そしてその均衡が破れ、ぶつかり合っていた地点が爆発した

 

 

そして二人は再び斬り合いとなり、ぶつかり合う毎に衝撃波がアリーナに響いた

 

 

 

 

 

 

 

管制室

 

 

千冬「あ…あれは…本当に一夏なのか…」

 

あまりにも激しい戦いを繰り広げている弟に自然と不安になる姉の千冬

 

目の前で死闘とも言える戦いを見て自分の知っている一夏とかけ離れており、本当に一夏なのかがわからなくなっていた

 

ブライス「安心してください、あれは貴女の弟、織斑一夏です、まぁ…俺自身アイツの成長には驚きましたよ…初心者からここまで出来るようになるとはな…」

 

ウィノ「本当、一夏が一番成長してるわね」

 

エミリア「はい…とてもお強く、逞しくなっておられます」

 

 

そう話していると

 

真耶「こ、これは!?大変です!!」

 

突然山田先生の焦った声が聞こえ、管制室の全員がそちらに向いた

 

 

千冬「どうした!?」

 

真耶「そ…それが…アリーナの観客席のシールドが崩壊寸前です!!」

 

千冬「なんだと!?どういう事だ!」

 

それは観客席のシールドの機能の異常であった

 

このシールドが消滅してしまうとISの流れ弾が観客席に当たり、最悪人を傷付ける可能性がある

 

 

 

真耶「ダメージレベルが最悪です、もう一分も持ちません!」

 

ウィノ「そ、そんな…と、止めないと!このままじゃアリーナが崩壊しちゃう!」

 

エミリア「で…でもどうやって…あんな激しい戦いをしている二人に乱入なんて…それにΔドライバまで発動しているのに…どうすれば………あれ?隊長?」

 

エミリアはブライスに二人をどう止めるか聞こうとしたが…いない

 

エミリア「いったい…何処に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

蒼と白のISは超高速戦闘を展開していた

 

最早ただのスポーツではない…純粋な戦い、観客席の生徒達はそう見えていた

 

 

 

 

カズマ「逃がすか!!」

 

カズマがヴァリアブルアームズのライフルモードで一夏を撃つが、一夏もヴァリアブルアームズのシールドモードでそれを防ぎ、同時にキャノンモードでカズマを撃つ

 

カズマも避けて直ぐ様ソードモードに切り換え、一夏に突っ込んだ

 

一夏もソードモードに切り換え迎撃した

 

 

カズマ「はぁああああっ!!」

 

一夏「でりゃぁあああっ!!」

 

 

お互いの剣がぶつかり、空間が衝撃で軋む、そしてフィールドを取り囲んでいた光の壁らしきものが崩壊した

 

 

 

二人は一旦距離をおいて、カズマは剣を大上段に構え、一夏は剣を腰だめに構えた

 

 

一夏「カズマァァアアアアッ!!今日こそお前に勝つ!」

 

カズマ「負けるわけにはいかない!一夏ァアアアアアッ!!」

 

お互いの名を叫び、Δ-ラインが更に光り出す

 

そして最後の一撃と言わんばかりの強力な攻撃がぶつかり合おうとしていた

 

 

 

ブライス「そこまでだ!!」

 

一夏「ぐっ!?」

 

カズマ「がっ!?」

 

 

とお互いの剣が何かに弾き飛ばされた

 

 

二人はある方向を見た、そこにはΔドライバを発動しているΔ-ライン・ヘビーアーマーを纏っているブライスがいた

 

その手にはレールキャノンを持っており、どうやらこれで二人の剣を弾き飛ばしたのだろう

 

 

カズマ「ブライス…隊長…」

 

ブライス「そこまでだ!!この試合は引き分けだ」

 

一夏「冗談じゃない!!こんな形では終われませんよ!!」

 

カズマ「自分も同じです!」

 

なお戦いたいと言う二人

 

ブライス「バカモン!!冷静になって周りを見ろ!!」

 

一喝され、二人はアリーナ全体を見渡した

 

それは酷い物で、アリーナの遮断シールドは崩壊して観客席が剥き出しの状態、地上もクレーターや斬り裂かれた後が所々にあった…

 

 

一夏「……」

 

カズマ「……」

 

その悲惨さに思わず開いた口が塞がらなかった二人…まさかここまで酷いとは思わなかったからだ

 

 

一夏「や…やめる…か?」

 

カズマ「ああ…そうだな…」

 

 

 

こうしてクラス代表戦は終わった

 

その代償に第三アリーナは修理の為しばらく使用不能になったのは別の話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、一年一組

 

 

真耶「それではクラス代表は織斑春香さんで決定ですね?」

 

「「「はーい!!」」」

 

春香「いやちょっと待てちょっと待てあんた達!!何が一体どうなってるの!?」

 

とあるバズーカのネタのリズムで抗議する春香

 

 

一夏「俺は辞退したからさ」

 

カズマ「同じく…」

 

 

春香「でも…あたし負けちゃったし…」

 

春香は一夏との戦いであの失態を思い出していた

 

 

カズマ「安心しろ、今度から俺達も教える…」

 

春香「え!?本当?」

 

一夏「もちろん、俺達が鍛えるんだから、やるからには優勝目指すぞ!」

 

春香「う、うん!わかったお兄ちゃん!」

 

春香はいきなり教室にあった拡声器を取って

 

春香『一年一組の女生徒達よー!!デザートでお腹を満たしたいかー!!』

 

「「「おーーーー!!」」」

 

クラス代表戦に優勝するとデザートフリーパス券が貰え、デザートが食べ放題なのである

これに喜ばない十代女子はいないだろう

 

春香『デザートで幸せを満喫したいかー!!』

 

「「「おーーーー!!」」」

 

まるで演説をしているかのような光景である

 

春香『デザートで…(ゴガスッ!)あべしっ!!』

 

と春香の頭に鉄拳制裁、鬼教官…いや地獄の閻魔様織斑千冬ご登場である

 

千冬「勝手に拡声器を使うな…只でさえお前の声はでかいのだからな……」

 

春香「はーい……」

 

頭に巨大なたんこぶを乗っけて自分の席に戻る春香

 

 

とそこに

 

 

セシリア「あの…織斑先生、お時間を頂いて良いですか」

 

セシリアが急に立ち上がった

 

千冬「……良いだろう」

 

 

セシリア「ありがとうございます……」

 

そしてセシリアは姿勢を正して

 

セシリア「先日、代表候補生の身でありながら日本を侮辱する発言をしてしまい…更に一夏さんとカズマさんに大変失礼な発言をして…誠に申し訳ありませんでした」

 

セシリアは深々と頭を下げた

 

 

教室に沈黙が漂う

 

一夏「別に俺は気にしてないし…そんな深く謝らなくてもいいよ…な、カズマ」

 

カズマ「反省してれば俺は良い…」

 

セシリア「あ…ありがとうございます…私の事はセシリアとお呼びしても構いません」

 

一夏「そうか、よろしくなセシリア」

 

 

 

これで一年一組のみんなは一つになった……

 

 

 

 

一人除いて

 

 

 

箒「くそっ…どうすれば一夏を取り戻せる……やはりあのエミリアという奴を排除しなければ…そして…」

 

箒はカズマを見た

 

箒「カズマ・アーディガン…彼奴が一夏を…あんな所に……いつか奴も…」

 

 

そう言って箒は授業に集中した…

 

 

 

 

 




ここで、セシリアと春香の能力値 (スパロボ風)

セシリア・オルコット Lv15
アビリティ 直撃 必中 狙撃

格闘 102
射撃 175
防御 122
回避 132
技量 152
命中 167



織斑春香 レベル4
アビリティ 熱血 突撃

格闘 154
射撃 100
防御 132
回避 126
技量 127
命中 116



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第十三話 中国からの来訪者

今回はあのツインテール娘が参戦!




IS学園 校門

 

「ふーん…ここがIS学園ねぇ…」

 

校門に一人の少女が仁王立ちしていた

 

どうやら転校生の様だ

 

小柄な体格は幼い雰囲気を漂わせるツインテールの髪形であった

 

制服は肩が露出している改造制服であった

 

少女はまず手続きをする為に学校の事務所に行こうとしたのだが…

 

 

「…えっと…受付……ああもう!わっかんないわね!!」

 

学校自体が複雑な配置な為、彼女が目指している学校の受付がわからなくて、迷子状態である

 

「…おい、こんな所で何してる?」

 

 

と不意に後ろから男の声が聞こえた

 

少女は後ろに振り向くと、黒い制服を来たカズマが立っていた

 

「ちょうど良い所に!ねえ、学校の受付って何処?」

 

 

カズマ「……」

 

カズマは呆れていた…何故なら二人がいる所は

 

 

カズマ「受付は反対側だぞ…」

 

受付とは対角線で反対の位置、生徒寮なのである

 

 

 

それからカズマは少女を受付まで案内し始めた

 

 

 

「あんたその制服…アメリカのデルタ・フォース?」

 

カズマ「そうだが?」

 

「何であたし達と同じ制服じゃないのよ」

 

一般的にIS学園の制服は白なのだが、カズマ達デルタ・フォースは軍服である黒い制服を着ているのである

 

カズマ「俺達が軍属であることを知らせる為、それにこの制服はそのままISスーツになるから」

 

「ISスーツって…あんたそんなコート着て!?」

 

彼の制服はコートの丈が膝元まであるので、かなり邪魔な印象を与えるだろう

 

カズマ「悪いか?」

 

 

「いや…ただ邪魔じゃないの?」

 

カズマ「そんな事はない、むしろ動き易い……着いたぞ」

 

 

二人は学園の受付に辿り着いた

 

 

「ありがとね、案内してもらって…あたしは鳳 鈴音、あんたは?」

 

カズマ「カズマ・アーディガン」

 

鈴音「もしかしてハーフ?」

 

カズマ「ああ、アイルランドと日本のな」

 

鈴音「そうなんだ、じゃあね!」

 

 

そう言って鈴音は受付に向かって走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一アリーナ

 

 

千冬「では、ISを展開しろ」

 

一時間目、ISの動きを見る為にデルタ・フォースの面々と、春香、そしてセシリアが生徒全員の前に並んでいた

 

そして千冬の指示と共にデルタ・フォース全員はすぐにΔ-ライン纏い、セシリアも流石代表候補生、早かった

 

一方の春香は

 

春香「あ…あれ…?」

 

何やらあたふたしている様子

 

千冬「どうした?早くしろ!」

 

春香「は、はい!来て!白式!!」

 

ISの名前を呼んで漸く纏った春香、ISの展開速度はその搭乗車の技量に比例する、まだまだ未熟である

 

千冬「よし、その場から急上昇しろ!」

 

デルタ・フォースの面々とセシリアはその場からすぐに急上昇した

 

春香「すっご…よし、あたしも……ってうわあっ!?」

 

春香もその場から急上昇しようとしたが、まだ操作が覚束無いのか機体に振り回されてフラフラとしながら上昇した

 

千冬「何してる春香!白式のスピードはΔ-ラインはともかくブルー・ティアーズより速い筈だ!」

 

千冬が檄を飛ばす

 

春香「そ、そんな事言われても……えっと『前方に角錐を展開させるイメージ』…」

 

 

エミリア「春香さん、イメージと言う物は自分で模索する物です」

 

エミリアが春香と同じスピードに合わせて、アドバイスをした

 

セシリア「そうですわ、他人のイメージを聞いても参考になりませんですから、自分でやり易いイメージを見つけてくださいまし」

 

セシリアも速度を合わせて春香にアドバイスした

 

彼女もかなりの知識を持っており、春香の特訓に付き合っている

 

またカズマから中距離射撃型に対するレクチャーを受けているのである

 

 

先頭を飛ぶカズマ、ウィノ、一夏の三人は

 

ウィノ「ねぇ一夏、あの幼馴染みなんだけど…」

 

カズマ「幼馴染み…篠ノ之の事か?」

 

一夏「それがどうした?」

 

ウィノ「なるべくエミリアと一緒にいてあげて、あの女、一夏以外何も見えていないし…」

 

三人が話していたのは一夏の幼馴染み、篠ノ之箒である

 

彼女は以前エミリアに酷い暴言を吐いて、無様に負けたのだが、ウィノ曰く、今度は何を仕掛けてくるのかわからないのである

 

一夏「そうだな…あいつのしつこさは粘着テープ並みにしつこいからなぁ…」

 

 

 

春香「漸く追い付いた!」

 

とここで春香、エミリア、セシリアの三人がカズマ達に追い付いた

 

 

 

エミリア「春香さん、その調子です、後はそのイメージを忘れないようにしてくださいね」

 

セシリア「飲み込みが早いですわ、正直驚きましてよ」

 

といきなり

 

 

 

 

 

箒『一夏ッ!そこで何している!!さっさと降りてこい!!』

 

 

真耶「し、篠ノ之さん!インカム返してくださ~い…」

 

箒が山田先生のインカム奪い取って一夏に怒鳴ったのである

 

千冬はそれを見かねて箒の頭に鉄拳制裁、特大のたんこぶが出来上がった

 

千冬「教師の物を奪うな!それと勝手に指示を出すな!」

 

 

千冬の怒号が箒に飛んだ

 

 

 

 

 

セシリア「何を…しているんですの?」

ウィノ「あいつ…バカなの?」

エミリア「後先考えないですのね…」

春香「箒…もう見てらんない…」

カズマ「一夏…よくあいつと幼馴染みやってこれたな」

一夏「自分でも驚いてるよ…」

 

 

六人それぞれ感想を言って、呆れていた

 

 

 

千冬「お前達、急降下と停止をやってみろ、目標は地上10cm」

 

「「「了解!」」」

 

 

セシリア「では、お先に」

 

セシリアが急降下して地上ギリギリで体制を変えて、急停止した、生徒達から歓声が聴こえた 因みにセシリアは地上から12cm

 

次にデルタ・フォースの四人が行った

 

全員成功し、カズマは文句無しの10cm、ウィノは7cm、一夏は11cm、エミリアは9cmであった

 

 

千冬「うむ、流石代表候補生とデルタ・フォースだな」

 

と褒め称えた

 

 

春香「…ぁぁぁぁあああああああああ!!」

 

 

ドゴーーーーーーーン!!

 

いきなり春香の悲鳴と大きな音が聞こえ、振り向いて見ると、大きなクレーターが出来ていた

 

カズマ「おーい、隕石落ちたぞ!」

 

一夏「違うだろォォォッ!あれ俺の妹ォォォッ!」

 

ボケたカズマに突っ込む一夏、直ぐ様クレーターの中を覗いた

 

春香「いたた…」

 

その中央で目を回している春香を発見、ISの絶対防御の影響で怪我はない

 

エミリア「春香さん!大丈夫ですか!?」

 

春香「うぎゅぅ…し、死ぬかと思った…」

 

ウィノ「もう…地面に向かって突撃してどうするのよ?」

 

春香「ブレーキのイメージ考えるの忘れた…」

 

春香はゆっくり立ち上がり、一夏の下へ行った

 

 

千冬「全く…お前は何をやりたいんだ?春香」

 

春香「あはは…面目無いです…」

 

 

千冬「まあいい…あのクレーターは篠ノ之、お前が埋めておけ」

 

箒「なっ!?どうしてです!!」

 

千冬「お前は授業の邪魔をした、よって罰だ」

 

箒「そんな…私は…」

 

千冬「口答えするな…やれ」

 

 

千冬の威圧で箒の抵抗を退けた、箒は春香が開けたクレーターを埋める作業を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして休み時間

 

 

 

カズマ達が教室の生徒達と楽しく話し合っていた時、こんな話題が出てきた

 

「あ、ねぇ!二組に転校生来るらしいよ」

 

一緒に話していたのは相川清香(あいかわきよか)、鷹月静寐(たかつきしずね)、布仏本音(のほとけほんね)と話している際、清香からこの話題が出たのだ

 

 

 

静寐「へぇ…二組に?」

 

本音「一体どんな人なんだろ~ね~」

 

カズマ「この時期にか?」

 

ウィノ「ねぇ、どんな転校生なの?清香」

 

清香「うーん中国から来たって言う事しかわからないなぁ…」

 

カズマ「中国…」

 

一夏「中国か…あいつ元気にしてるかなぁ…」

 

一夏は突然物思いに耽った

 

エミリア「中国にお知り合いがいるのですか?一夏様」

 

春香「そうだね…もう二年も経つんだね…」

 

春香も一夏同様物思いに耽った

 

一夏「ん?気になるのか?」

 

春香「え?ちょっと気になるかなーなんて」

 

 

セシリアが春香の肩に手を乗せて

 

 

セシリア「春香さん、他人は後ですわ!先ずはご自身の事を優先してくださいな」

 

エミリア「そうです、春香さんにはクラス代表戦で頑張って貰わないと」

 

春香「エミリア、セシリア…」

 

清香「あたし達も応援するよ!」

 

静寐「頑張ってね春香!」

 

本音「はるるん~ファイトー!」

 

はるるんとは本音が着けた春香のあだ名、本音は他人をあだ名で呼ぶのである

 

デルタ・フォースのメンバーは

 

カズマ カズくん

ウィノ ウィノのん

一夏 おりむー

エミリア エミりん

 

と呼ぶのである

 

春香「よーし!専用機持ってるのは一組と四組だけだって言うし、あたしが一番とって、絶対デザートフリーパス券頂くよ!」

 

と春香が気合いを入れると

 

 

 

「その情報…古いよ」

 

 

「「「!?」」」

 

 

教室の入口にツインテールの小柄な少女が仁王立ちしていた

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったのよ」

 

 

一夏はその少女を見て

 

一夏「お前…鈴か?」

 

カズマ「鳳 鈴音…」

 

そう彼女は今朝カズマが案内した転校生、鳳 鈴音だったのだ

 

鈴音「そうよ今日は宣戦布告に…」

 

春香「鈴ちゃああああああああん!!」

 

春香は真っ先に鈴に飛び付いた

 

鈴音「ちょ!?春ちゃん!?何でここに!?」

 

鈴音は春香にハグされながらも

 

春香「あたし?一組のクラス代表だもん」

 

鈴音「へ?」

 

あまりにも突拍子な事を言う春香に思考回路がフリーズした鈴

 

鈴音「何!?春ちゃんがクラス代表なの!?」

 

一夏「そうだぜ、春香が一組のクラス代表だ」

 

そう言って春香の後ろから一夏が現れた

 

鈴音「一夏…久しぶりだね…」

 

一夏「ああ…久しぶ……って鈴!!後ろ!!」

 

一夏は何かを見つけ、鈴に注意した

 

が時すでに遅く

 

ドゴッ

 

鈴音「いったっ!?何するのよ!…っておわっ!?」

 

そこには一組の鬼教官、地獄の閻魔も裸足で逃げると言われている織斑千冬、降臨である…ぶへらっ!?

 

千冬「黙れ作者…」

 

失礼しました…

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

千冬「邪魔だ、そこを退け」

 

鈴音「ち…千冬…さん…」

 

先程の威勢は何処へやら、完全に蛇に睨まれた蛙である

 

千冬「学校では織斑先生と呼べ…早く自分の教室に戻れ」

 

鈴音「は、はい!またね一夏、春ちゃん!」

 

 

 

そうして授業が開始された

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼休み 食堂

 

昼食を取りに食堂に向かったら既に鈴が待ち伏せており、一夏と春香と鈴で一つのテーブルに、他は隣のテーブルに座った

 

 

鈴音「一夏…よかった…一夏行方不明ってなって…それに死んだって報道されて…あたし…」

 

一夏「おいおい泣くなよ…俺は元気だぜ……それと…鈴…お前に謝らないとな……」

 

鈴音「ん?何を…」

 

一夏は隣のテーブルに座っていたエミリアを呼び出した

 

鈴音「その娘…もしかして!?」

 

一夏「ああ…俺とエミリアは…付き合ってる……悪いな…鈴…」

 

鈴音は少し俯いたが

 

鈴音「そっか…一夏…好きな人出来たんだね……じゃあ…今からちょっといい?」

 

鈴音は一夏に向き直って

 

鈴音「あたし…一夏が好き!だから…あたしと付き合ってください!」

 

といきなり告白したのだ…

 

しかしこれは普通の告白ではない…何かを吹っ切れさせる様な感じである

 

 

一夏「ごめんな…鈴…気持ちは本当に嬉しいよ…でも俺は鈴の事も好きだから…友達としてで…良いかな」

 

と一夏は言った

 

鈴音「はぁ…よし、吹っ切れたわ…ありがとね一夏、我が儘聞いてくれて…それと、エミリア…だっけ?」

 

エミリア「あ、はい…」

 

鈴はエミリアを指差して

 

鈴音「一夏の事、頼んだわよ!二人で幸せになってね」

 

エミリア「鈴さん…ありがとうございます!」

 

 

 

 

そんな様子を離れて見ていたカズマ達は

 

ウィノ「あの鈴って娘…一夏の事好きだったのね…」

 

清香「なんか…泣けるわぁ…」

 

静寐「あたしも…なんか昼ドラみたい…」

 

カズマ「よく吹っ切れたな…あの鈴って奴は…」

 

鈴は一夏の事が好きだった様で、ずっとその思いを胸に秘めていた

 

しかしカズマが感心したのは一夏に他の彼女がいると言われても、自分が好きだった事を伝えて、潔く手を引いたのである

 

 

この潔さにカズマ好感持った

 

カズマ「何処かの頑固女とは違うな…」

 

ウィノ「ああ…箒ね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃千冬にアリーナに出来たクレーターを埋め終えた箒はぐったりとしていた

 

箒「くっ…なぜどいつもこいつも私と一夏の仲を邪魔するのだ!」

 

箒は一夏と一緒にいれない事に苛ついているのだろう

 

箒「くっ…エミリア・リィンフォース…貴様を必ず…!」

 

 

この時箒の顔は不気味な笑みに歪んでいた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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第十四話 クラス代表戦トーナメント

鈴の登場からかなりすっ飛ばしました…ご免なさい




クラス代表戦 ISピット内

 

 

遂にクラス代表の日がやって来た、春香は白式を纏い、深く深呼吸をした

 

 

春香「大丈夫、カズマの地獄の特訓を受けてきたんだから!……でも初戦がいきなり鈴ちゃんかぁ…やりづらいなぁ…」

 

 

春香の相手は親友であり、二組の代表、鳳鈴音であった

 

初めから溜息をつく春香であった

 

 

カズマ「相手が誰であろうと、普段の自分の戦法で勝てばいいさ」

 

春香の後ろにカズマが腕を組んで壁に寄りかかっていた

 

春香「カズマ…」

 

カズマ「きっと鈴は全力で来るだろう…そんな相手に迷ったまま戦って無様な姿晒すのか?違うだろ?俺と一夏の試合の様に全力でぶつかるのが礼儀じゃないのか?」

 

 

春香「そうだね…ありがとうカズマ」

 

カズマは励ますように…妹を宥めるかの様に春香の頭に手を置いた

 

 

カズマ「自分を信じろ、そして諦めるな…そうすれば必ず突破口は見えてくる」

 

春香「はい!」

 

カズマ「よし、行ってこい!!」

 

カズマは春香の背中を押してピットから去った

 

 

春香「よし…白式、行きまーす!!」

 

 

固定していたカタパルトが動き出し、アリーナへと飛び立った春香、既に所定の位置に鈴がいた

 

 

鈴音「ようやく来たわね、春ちゃん」

 

春香「鈴ちゃん…お互い全力でいくよ!!」

 

鈴音「もちろん!!」

 

 

そして試合開始のブザーが鳴り、鈴の甲龍の双天牙月、春香の白式の雪片が火花を散らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

 

一夏「おっ…こっちだこっち!」

 

一夏達デルタ・フォースとセシリア、そして清香と静寐と本音がいて、さらに四組の専用機持ちである更識簪がいた

 

先程カズマは春香の応援の為、一時席を離れていたのだ

 

 

ウィノ「どうだった?春香の様子は」

 

カズマ「やっぱり戸惑っていた…まあ活は入れたから大丈夫なはずだ」

 

エミリア「でも大丈夫そうですよ、あれ」

 

エミリアは激しい戦いを繰り広げているアリーナを指差した

 

 

簪「うん…そうだね…」

 

 

一夏とカズマは鈴の戦いを分析していた

 

 

 

一夏「鈴の奴やるな…」

 

カズマ「ああ…あの双天牙月…かなりの威力があるな…下手をすれば半分くらい持ってかれるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

春香「はっ!やっ!せいやっ!」

 

春香は鋭く、無駄のない太刀筋で鈴を追い込んでいった

 

 

鈴音「くっ…やるじゃない……たあっ!!」

 

鈴は大きく春香を吹き飛ばし、もう一本の双天牙月を取り出して連結し、双刃剣にした

 

そしてバトンの様にくるくる回し、再度春香に迫った

 

そして鈴の激しい猛攻が春香に襲い掛かった

 

 

前後の刃の不規則で素早い連撃は実戦に不馴れな春香にプレッシャーを与えた

 

春香(は…激しい…距離を取らないと…)

 

 

そう思って春香は距離を取ろうとした

 

 

鈴音「甘い!!」

 

突然甲龍の非固定部位(アンロックユニット)から何かが打ち出され、春香に当たった

 

 

春香「いっ!?な、何!?」

 

鈴音「今のはジャブよ…こいつが本命!!」

 

そしてまた非固定部位から何かが打ち出され、春香に直撃した

 

 

春香「きゃあああっ!!」

 

見えない何かに当たり、春香は吹き飛ばされ、シールドエネルギーが大きく減った

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

 

清香「何!?今の?」

 

静寐「何か打ち出されたみたいだけど…」

 

 

カズマ「衝撃砲だな…」

 

 

ウィノ「衝撃砲!?何なのそれ?」

 

 

カズマ「簡単に言えば、圧縮した空気を衝撃として飛ばす兵器、弾丸自体が圧縮空気で砲身も弾丸も見えない」

 

本音「ええ~そんなのズルいよ~」

 

 

カズマ「だが…あの衝撃砲には致命的な弱点がある」

 

セシリア「弱点…ですの?」

 

 

カズマ「一見あの衝撃砲は全方位に撃ててかつ連射が出来るから優秀な兵器だと思われるが…弾丸が圧縮空気で出来た衝撃の為、長距離の相手には効果が無い…」

 

エミリア「つまり…あの衝撃砲は近距離射撃、遠距離での銃撃戦は不向きって事ですか?」

 

カズマ「そうだ、だが春香の白式は遠距離武装が無い…」

 

一夏「つまり…あの衝撃砲を避けるしか無い…と言う事か」

 

 

 

カズマ「そうだな…」

 

 

 

 

あまりの正確な解説に周りの生徒達は聞き入っていた

 

 

簪「カズマって頭良いんだね…何でそんな詳しい事知ってるの?」

 

カズマ「…見てわかった…それだけだ」

 

 

 

 

 

そしてカズマ達は再びアリーナへと目を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴は衝撃砲主体の近距離射撃へと切り替えて春香を追い込んでいった

 

 

春香「くうっ…凌ぐだけで…精一杯…だったら!」

 

 

春香は雪片を正眼に構え

 

鈴音「隙あり!!」

 

打ち出された衝撃砲を

 

春香「はぁああああっ!!」

 

 

 

斬った

 

 

 

 

鈴音「え!?何!?何が起きたの…?」

 

春香「今っ!!もらったああああっ!!」

 

 

春香の零落白夜の一閃が鈴を捉えた

 

 

鈴音「きゃああっ!!こ、この…」

 

 

春香「弐の太刀!!」

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

鈴音「!?」

 

春香「な…何!?」

 

突如アリーナの中央に爆煙が立ちこもり、その爆煙が晴れると一機の大型ISが姿を表した

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

清香「な…何!?」

 

静寐「何なの!?」

 

 

 

 

カズマ「あれは…」

 

一夏「IS!?」

 

ウィノ「もしかして…テロ襲撃!?」

 

エミリア「こんなタイミングで!?」

 

 

 

とここで通信が入った…ブライスからだ

 

 

ブライス「お前達!アリーナ内に正体不明のISが浸入!!すぐに出撃して撃破しろ!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

四人はその場でΔ-ラインを纏った

 

 

カズマ「清香、静寐、本音、セシリア、簪!君達は生徒達を誘導させてここから避難しろ!慌てたら駄目だ!冷静に行動しろ!」

 

 

静寐「うん!わかった、任せて!」

 

清香「本音行くよ!」

 

本音「あいあいさ~」

 

簪「私も…!」

 

 

セシリア「気をつけてくださいね…」

 

 

 

 

そう言って五人は避難誘導を始めた

 

 

 

四人は遮断シールドが閉まる前にアリーナに入った

 

 

 

一夏「春香!鈴!大丈夫か!?」

 

二人の無事を確認する一夏

 

 

鈴「一夏!こっちは大丈夫よ」

 

春香「お兄ちゃん…何なのあれ…気味が悪いよ…」

 

 

浸入したISは人型ではあるが腕が足元までありゴツい装甲で覆われている

 

まさに異形…ISなのかがわからないのである

 

 

 

カズマ「まずは一当てしてみるか…行くぞ!」

 

 

カズマはライフルショーティーを取り出して連射し、ウィノはビームブレード展開して突っ込み、一夏はH.V.Sを抜刀して斬りかかり、エミリアはガトリングを乱射した

 

 

しかし敵ISはビームと弾丸を大量に受けたが、傷一つ付かなかった

 

ウィノ「やああっ!」

 

ウィノがブレードを横凪ぎに振るが、重装甲の腕に止められた

 

一夏「こっちがお留守だぜ!」

 

 

一夏もH.V.Sで切り裂いたが、敵ISの腕に止められた

 

一夏「こいつ…H.V.Sで斬れないのか!?」

 

ウィノ「しかも…重い…」

 

エミリア「離れてください!!」

 

 

エミリアは100mmロケットバズーカを装備し、放った

 

ウィノと一夏はそれぞれ離れてロケットバズーカの弾が敵ISに直撃した

 

 

 

一夏「やったか?」

 

 

カズマ「いや…まだだ!」

 

爆煙が立ち込もる中で敵ISは桃色のビームを乱射した

 

 

カズマ「くっ…凄い弾幕だな…っ!?」

 

カズマ見たのは敵ISの背後から零落白夜で斬りかかろうとする春香の姿だった

 

 

 

春香「後ろ貰った!!」

 

カズマ「待て!春香!早まるな!!」

 

カズマが制止を促すが時既に遅し、大上段から降り下ろした

 

 

しかしあっさりと避けられてしまい、敵ISはその豪腕を春香の腹部に叩き付けた

 

春香「が…はっ……」

 

 

その一撃で春香のシールドエネルギーが尽きて、ISが解除され、うつ伏せに倒れて気を失った

 

 

そして更に敵ISは生身の春香にビーム砲の銃口を向けた

 

一夏「やめろおおおおおっ!!」

 

カズマ「させるかぁあああっ!!」

 

一夏とカズマはΔドライバを発動、最大出力のヴァリアブルアームズのキャノンモードとバスターモードで敵ISの頭部を撃った

 

 

 

敵ISの頭部が吹き飛び、大きく蹌踉けた隙を見て鈴が気を失った春香を救助した

 

 

カズマ「鈴!春香をピットに」

 

鈴音「わかったわ!」

 

 

鈴はそのままピットへと戻った

 

 

 

 

 

 

管制室

 

真耶「織斑先生!!春香さんのIS反応が…」

 

千冬「な、何!?春香が!?」

 

 

春香のIS反応が消えて、千冬の顔に動揺が現れた

 

ブライス「大丈夫だ、ISは解除されたが本人は無事だ」

 

 

とそこにデルタ・フォース隊長のブライスが現れた

 

 

ブライス「鳳鈴音が抱えて救助した、今は保健室で治療中だ」

 

千冬「そうか…良かった…」

 

 

真耶「あの…シールドのプロテクトが固くて、増援が送れません!」

 

真耶の言う通り、今アリーナのシールドロックがレベル4にハッキングされているため、三年の精鋭が解除している最中である

 

 

ブライス「なら、ここからの指示は俺に任せてくれ…山田先生」

 

千冬「わかりました…山田先生」

 

真耶「はい…どうぞ」

 

 

 

ブライスは真耶が座っていた席に座り、カズマ達に通信をした

 

 

ブライス「おまえ達!!聞こえるか!?」

 

 

カズマ『隊長!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

ブライスの通信にライフルショーティー撃ちながら聞くカズマ

 

 

カズマ「隊長!?」

 

 

 

 

ブライス『良いか、頭吹っ飛ばしたから分かると思うが…あのISは無人機だ!』

 

 

ウィノ「やっぱり…」

 

エミリア「無人機でしたのね」

 

 

 

 

先程カズマと一夏が同時射撃を行った際、敵ISの頭部を吹き飛ばした

 

がそれでもISの動きは止まらない、故に奴は無人機ではないかと考えていたのだ

 

 

ブライス『良いか、全員Δドライバを発動、最大出力の武器で奴を攻撃しろ!!』

 

「「「了解!!」」」

 

 

そしてウィノ、エミリアもΔドライバを発動し、一夏はヴァリアブルアームズをソードモードで展開、ウィノは高速格闘モードを起動し、エミリアはロケットバズーカを二丁持った

 

そしてカズマもプロトヴァリアブルアームズのエネルギーチャージを始めた

 

カズマ「よし…行くぞ!」

 

 

 

 

 

『一夏ぁあああああああああっ!!』

 

 

カズマ「!?」

エミリア「え!?」

一夏「な!?」

ウィノ「何!?」

 

 

突然大きな声がアリーナに響いた

 

一夏「この声…まさか…!?」

 

一夏はとある施設を見て驚いた

 

一夏「箒!?なにしてんだよ!!」

 

放送席のマイク掴んで檄を飛ばす箒であった

 

箒『男ならそれくらいの敵に勝てなくて何とする!!』

 

 

この放送を聞いたのか敵ISの両腕が合体して一つの大きな砲身となり、箒のいる放送室に向けられた

 

 

カズマ「くっ…バカ野郎ォォォッ!!」

 

一番近くにいたカズマが放送室の前に陣取りチャージが完了したプロトヴァリアブルアームズ、バスターモードを敵ISに向けた

 

 

そして敵ISの砲口から桃色の極太ビームが放たれた

 

カズマ「誰一人…死なせるかああああああっ!!」

 

カズマのバスターモードの銃口から青色の極太ビームが放たれ、中間でぶつかり、均衡した

 

 

カズマ「ぐう…う…うう…重い…ぐっ…」

 

しかしビームの出力が敵ISのが強いのか徐々に押されつつあった

 

 

カズマ「…こんな…ところで……死んで…たまるかぁああああああああっ!!」

 

カズマが叫びと共に青色のビームの出力が上がり、カズマが押していった

 

しかしカズマのΔ-ラインのディスプレイに

 

 

【プロトヴァリアブルアームズ、オーバーロード、大破の危険】

 

出力の限界なのかカズマのヴァリアブルアームズが限界を超えて、損壊寸前であった

 

カズマ「だったら…ISの全てのエネルギーをぶち込んでやる!!」

 

そしてカズマのΔ-ラインはシールドエネルギーを全て回し、更にビームの出力を上げた

 

 

カズマ「貫けぇぇええええっ!!」

 

 

遂に均衡が崩れ、カズマの超極太ビームが敵ISを飲み込んだ

 

 

 

 

 

その着弾点が大爆発を起こして、アリーナの地表に大きなクレーターを作った

 

 

 

カズマ「はぁ…はぁ…」

 

カズマのISはエネルギー超過の影響で各部からスパークが発しており、本人も満身創痍である

 

 

【敵IS、ロックオン】

 

カズマ「!?」

 

それは、まだ残っていたビーム砲が既にボロボロのカズマを捉えていた

 

 

ウィノ「させない!!」

 

 

ウィノがブレードでその砲口切り落とし

 

 

エミリア「やらせはしません!!」

 

エミリアがバズーカを連射して敵ISの装甲を穿った

 

 

一夏「うぉおおおおおっ!!」

 

一夏がヴァリアブルアームズ、ソードモードで敵ISのコアを完全に破壊して、漸く敵ISは沈黙した

 

ウィノ「カズマァッ!大丈夫!?」

 

ウィノがカズマの下へ行き、無事か確認した

 

 

カズマ「……」

 

カズマは力尽きたかの様にISが解除されて落ちていった

 

 

ウィノ「カズマ!」

 

ウィノはカズマを抱き止めて、何度も呼び掛けたが…カズマの反応が無い…

 

 

一夏「嘘だろ…カズマ!」

 

エミリア「嫌です!カズマさん!目を覚ましてください!!」

 

ウィノ「カズマァッ!起きてよ…返事してよ…カズマぁあああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

デルタ・フォースのメンバーに声を掛けられるが…彼が目を覚ます事はなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




果たして…カズマはどうなるのか!?

次回へ続く!!


感想待ってます


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第十五話 新たな力

作者「やれやれ…遅くなったな…じゃあ本番…」

カズマ「Zzz…」

作者「何寝てんだテメェェェェッ!!」


カズマ「んあ?終わった?」

作者「終わってねぇよ!まだ始まりだよ!ゲームのスタート画面だよ!正確に言えばまだプロローグだ!」

カズマ「じゃ終わったら起こしてくれ…」

作者「はいはい…って寝るなァアアアアアア!!」


カズマ「…………っ……?」

 

カズマは不意に目が覚めた

 

 

カズマ(俺は…どう…なった…ここは…?)

 

白い天井、白いカーテン…これから連想出来る居場所は

 

カズマ(医務室…か……ん?)

 

 

覚醒しつつある意識の中で右手が誰かに包まれている感覚があった

 

ウィノ「すぅ……すぅ…」

 

カズマの寝ているベッドの側で彼の右手を抱きながら寝ているウィノだった

 

 

 

カズマは上半身だけ起こして左手でウィノの頭を撫でた

 

 

ウィノ「…ぅ…ん……あれ…あたし……」

 

目が覚めたウィノ、そして

 

カズマ「ウィノ…」

 

ウィノ「カズマ……良かった…目が覚めたんだね……ぐすっ…」

 

余程心配したのだろうか彼女の頬には涙の後があった

 

カズマ「ごめん…心配…かけさせたな……」

 

ウィノ「ううん…大丈夫だよ……良かった…」

 

ウィノはカズマにキスをした

 

とても長い、舌を絡ませる大人のキスであった

 

 

ウィノ「ぷはっ……ふぅ……」

 

カズマ「ふぅ…」

 

やがてキスが終わり…二人は抱き合った

 

 

 

暫くそうしていると医務室の扉がノックされた

 

 

 

ブライス「ウィノ、入るぞ」

 

 

入って来たのはデルタ・フォース隊長、ブライスであった

 

 

ブライス「起きたか、カズマ」

 

カズマ「はっ!ご心配をお掛けしました」

 

と敬礼をするカズマ

 

ブライス「堅くなるな、柔らかくしとけ…治る傷が治らんぞ」

 

カズマ「はい…」

 

 

 

 

ブライスは窓側に立って話し始めた

 

 

ブライス「まず…あの篠ノ之箒…か…放送室で下らん事を仕出かした…アイツは織斑先生からキツい罰を受けた、一週間の謹慎と反省文100枚だそうだ」

 

 

ウィノ「あの…なんか軽くないですか?だってカズマがあそこに陣取ってなければ放送室の人達も犠牲に…」

 

ブライス「これも政府の仕業だ…篠ノ之箒の姉はあの篠ノ之束、奴には政府の護衛対象になっている…」

 

カズマ「ISの産みの親、篠ノ之束を脅す為にその妹を利用する可能性がある…と言う事ですか?」

 

ブライス「そうだ」

 

 

篠ノ之束が世界最強の兵器、ISを作った事により世界は篠ノ之束の頭脳、技術を欲しがっている…だがそれはテロ組織も同じである

 

テロ組織に利用されない為に篠ノ之束の家族は政府保護観察に入り、家族は保護プログラムに振り回される結果となった…当然家族もバラバラである

 

 

ブライス「まぁ…アイツの話はそれまで…次にカズマのΔ-ラインだが…」

 

ブライスは手元の端末をカズマに見せた

 

 

 

カズマ「これは…」

 

ブライス「実はあの後、マードックにお前のISの修理を頼んでいたんだが…アイツめ…Δ-ラインの強化アーマーを完成させていやがった」

 

カズマ「強化アーマー!?」

 

ブライス「それがこれだ」

 

ブライスの端末にはΔ-ラインの強化アーマーを装備した状態の性能が映してあった

 

 

 

 

 

 

 

一通り見たカズマは余りの高性能に驚いていた

 

 

ブライス「お前だけではない…全員のΔ-ラインもマードックの奴が/Bを制作していたらしくてな…」

 

ウィノ「あたし達のΔ-ラインも変わったのよ」

 

カズマはΔ-ラインの待機状態であるデルタ・フォースのバッジを掴んで目を閉じた

 

カズマ「…これで…多くの人を護れる……Δ…また力を貸してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

それから暫くして、カズマは全身の軽い打撲、火傷で済んでいたのでそのまま退院した

 

 

 

寮の廊下を歩いていると

 

 

一夏「カズマ!もう大丈夫なのか!?」

 

エミリア「カズマさん!気分はいかがですか?」

 

一夏とエミリアのカップルがやって来た

 

 

カズマ「この通り、もう大丈夫だ」

 

 

 

 

清香「あ!カズマ君だ!」

 

とそこに普段着の清香、静寐、本音がやって来た

 

静寐「カズマ君、体は大丈夫なの?」

 

カズマ「問題ない」

 

本音「お~そりゃ一週間ずっと寝ていたもんね~」

 

 

 

あの襲撃事件からカズマは一週間目が覚めなかったのだ

 

 

 

カズマ「まあ…一週間もあればISだって治るわ…」

 

一夏「あ、カズマ俺達のIS…」

 

カズマ「知ってる…全員強化アーマーが出来たんだろ?」

 

この強化アーマー、スラッシュバスターの詳しい説明は原作開始時のデルタ・フォース紹介

にて書きます

 

 

 

エミリア「お陰で私達の戦力がアップです、お姉様に感謝しませんと」

 

一夏「本当に凄いな!リィンフォース社って」

 

エミリア「いえいえ…そんな大した事では…」

 

一夏「そんな謙遜するなって」

 

一夏はエミリアの頭を撫でた

 

エミリア「あっ…一夏様ぁ…気持ち良いですぅ…」

 

頭を撫でられてうっとりな表情のエミリア

 

 

 

静寐「もしもーし、イチャイチャなら部屋でやってねー」

 

一夏「はっ!」

 

エミリア「はわわっ!」

 

完全に二人だけの世界に入っていた一夏とエミリア

 

 

本音「あ、かんちゃーん」

 

と本音がかんちゃーんと読んだのは更識簪であった

 

どうやら本音は更識家に使える布仏家の娘で彼女は簪のメイドらしい

 

簪「あ、カズマ…もう大丈夫?」

 

カズマ「お陰様でな…」

 

やっぱり簪も心配だっだのかカズマの元気な姿を見てほっとした

 

 

 

エミリア「簪さん、打鉄弐式とうとう完成したんですよね!」

 

簪「あ、はい!エミリアや一夏のお陰でやっと自分に合う打鉄弐式が出来たの」

 

カズマ「そうか…良かったな…」

 

 

清香「一つ提案!カズマ、まだ夕飯食べてないでしょ?」

 

 

清香が手を上げて言った

 

カズマ「まだ…だけど…(ぐぎゅぅぅるるるる…)……///」

 

盛大にカズマの腹の虫が鳴った

 

ウィノ「一週間何も食べてないからねぇ~(くきゅぅるるる…)……///」

 

 

今度はウィノの腹の虫が鳴った

 

静寐「どうせウィノの事だから一週間ずっと付きっきりで、ご飯なんてまともに食べてないでしょ?」

 

カズマ「そうなのか……すまない…」

 

ウィノ「ちょ…ちょっと!謝らなくていいよ!」

 

 

本音「ねぇ~早く行こうよ~お腹空いた~」

 

 

 

カズマ「わかったって…じゃあ、行くか…」

 

 

 

そうしてカズマ達は食堂にて復帰パーティーをするのであった

 

 

 

 

食堂

 

 

食堂にて春香とセシリア、そして鈴と合流したカズマ達は10人で一緒に夕飯を食べた

 

 

カズマ「………」

 

いつも通り、いただきますの格好をしたまま動かないカズマ

 

静寐「そ…そんな律儀にやらなくても…」

 

カズマ「日本の侍は律儀にこう言う風にいただきますをしていたぞ…TVでな」

 

一夏「それは昔の人達の事だから…」

 

そしてみんなから遅れて食べ始めた

 

そしてカズマの食べている物は和食セットである

 

ウィノ「ねぇ…何で和食しか食べないの?」

 

カズマ「この美味しさにはまった…それに懐かしい感じがする…」

 

 

カズマは幼い時の日本で、母親が作った和食を思い出していた

 

 

清香「つまりお母さんの味に似ているんだね」

 

カズマ「ああ…」

 

 

本音「でも、故郷に戻ればお母さんいるでしょ?いつか帰って…」

 

ウィノ「!!」

一夏「!!」

エミリア「!!」

 

 

 

本音のこの発言に一夏、エミリア、ウィノの三人は本音の口を塞いだ

 

 

鈴「な、何!?どうしたの!?」

 

セシリア「みなさま…そんな顔をされて…どうしたんですの?」

 

 

一夏「実は…カズマの…」

 

 

カズマ「一夏…いい…自分で言う…」

 

カズマが一夏の発言を止めた

 

 

ウィノ「でも!」

 

カズマ「良いさ…友達に秘密してたらダメだろ…」

 

 

 

 

そしてカズマは自分の過去を話した

 

テロによって親、故郷を失った事…それらを全部話した

 

 

その話を聞いてデルタ・フォース意外のメンバーは涙を流していた

 

 

 

カズマ「これが……俺の過去だ…」

 

 

 

鈴「ひどい…」

 

セシリア「そんな辛い事が…」

 

 

春香「じゃあ…妹達は?」

 

 

カズマ「アメリカ軍の施設で預かって貰ってる…たまにTV電話で話すけどな」

 

カズマは首にかけているIペンダントを握った

 

 

そしてペンダントのスイッチを押したら開いて中にはカズマと妹のユカとユイの三人の写真があった

 

 

簪「これ…妹達?」

 

 

カズマ「ああ、ポニーテールの娘がユカ、ツインテールの娘がユイだ…」

 

 

 

簪「可愛いね…」

 

カズマ「ああ…俺の大切な妹だ…絶対に護るって決めたんだ…」

 

 

一夏「お前の強さって…そう言う所から来ているのかもな」

 

カズマ「そうでもないさ…」

 

一夏の問いに肩をすくめながら受け流すカズマ

 

 

 

清香「カズ君って…妹思いの良いお兄ちゃんだね」

 

静寐「妹さん達、きっと幸せだよ」

 

 

カズマ「ありがとう…清香、静寐…」

 

誉めてくれた事に感謝するカズマ

 

 

 

 

 

 

 

 

それから仲良く談笑しながら夕飯を食べて、現在ハロがディーラーでのブラックジャックをしていた

 

当然本物の金ではなく、玩具のチップだ

 

 

 

と…そこに…

 

 

 

箒「一夏…」

 

 

一夏「!?」

 

なんと謹慎を食らっている箒が現れたのだ

 

カズマが倒れてから一週間も経っていたので謹慎が解けていたのだ

 

箒「一夏…その…」

 

一夏「俺よりもカズマに謝れよ…放送室のみんなを護る為に盾になったんだぞ」

 

 

箒「こいつなど関係ない!」

 

 

一夏「な!?お前!」

 

箒「私は一夏と結ばれればそれで良い、所で私の応援はどうだ?力になったか?」

 

一夏「…」

 

一夏は最早ぶちギレ寸前であった、自分の勝手のせいで他の人を巻き込みそうになった挙げ句、身を呈して護ったカズマに謝るのをどうでも良いと言ったのだ

 

 

カズマ「…馬鹿めが…」

 

 

唸り声の様に呟いたカズマ

 

箒「なんだと?」

 

カズマ「お前…自分が何をしたのか本当にわかってないようだな…一週間の間何を反省したんだ?」

 

箒「黙れ!私はただ一夏に応援をしたかっただけだ!」

 

カズマ「余計な世話だ…むしろ邪魔だ…そのお陰で俺達の立てた作戦が崩れ、更に放送室の人達を危険に晒したんだぞ」

 

箒「そ…それは……」

 

カズマの厳しい言葉に次第に返せなくなる箒

 

カズマ「それと…一歩間違えばお前は殺人犯だ…、放送室の人達をあのISの攻撃に当たれば確実に死ぬ、それをわかっててお前はあんな事をしたのか」

 

 

箒「な…ならなぜあのISは私を攻撃した!」

 

カズマ「お前が篠ノ之束の妹だからだ」

 

箒「!?」

 

 

箒は愕然した

 

箒「わ…私はあの人とは関係ない!」

 

それを必死で否定する箒

 

カズマ「世界は篠ノ之束の頭脳、技術を欲しがっている…それはテロ組織も同じだ…そしてテロが篠ノ之束の技術を欲しいなら奴の大切なもの…つまり家族を狙う…そして偶然的にお前が放送室であんな事を仕出かしたお陰でお前の存在を確認して攻撃したと言う訳だ」

 

 

箒「そ…そんな…」

 

言い渡された現実が想像以上に重かったのか箒は狼狽えた

 

カズマ「もうこれ以上一夏に関わるな…一夏にはエミリアがいる…お前が出る幕はない」

 

箒「待て!一夏は私と結ばれる運命なんだ!」

 

ウィノ「それ…一夏はそう思っているの?」

 

ウィノが立ち上がった

 

ウィノ「一夏が篠ノ之さんにさ、そう言う思いを持っているの?」

 

箒「当然だ!そうだろ一夏!」

 

一夏「そんな思いは一ミクロも無いね」

 

箒「そ…そんなはずは…あんなに一緒にいたではないか!!」

 

 

鈴音「一緒にいたからって…それで恋愛感情が生まれるわけないでしょ?」

 

セシリア「男女の恋愛はそんな簡単ではありませんでしてよ」

 

今度はセシリアと鈴が追い打ちをかけた

 

箒「春香!お前は私と一夏がお似合いだろう?」

 

春香「…いい加減にしてよ…お兄ちゃんはエミリアと一緒がお似合いだよ」

 

 

 

箒「ぐっ…ちっ…」

 

 

箒はその場から走り去った

 

 

 

鈴音「何なのよアイツ!!頭おかしいんじゃない!?」

 

セシリア「思考が歪んでますわ…一夏さんしか見えてません…」

 

春香「なんか箒が怖くなったよ…」

 

今の箒は一夏しか全く見えていない…そしてどんどん歪んでいる

 

カズマ(今の篠ノ之は何を仕出かすのかわからん…ここは…)

 

 

カズマはセシリア、鈴、簪、清香、静寐、本音に向き合って言った

 

 

カズマ「みんな…出来れば一夏かエミリアと一緒にいて欲しい…今の篠ノ之は異常だ…それ故に何かを起こすかもしれない…皆で一夏とエミリアを護ってくれないか?頼む…」

 

ウィノ「あたしからもお願い!一夏とエミリアを…」

 

二人は頭を下げた

 

 

セシリア「頭をお上げください、このセシリア・オルコットが一夏さんとエミリアさんをお護りしますわ」

 

鈴音「あたしも大事な友達を護るわ、任せなさいよ!」

 

簪「私も…護る…」

 

清香「あたしも!」

 

静寐「私も!」

 

本音「私も~」

 

 

一夏「みんな…ありがとう…」

 

 

 

 

 

 

この日…カズマ達はISの新たな力を得ただけではなく…絆という強い新たな力も得たのだ




カズマ達のISの強化アーマーの詳細は原作開始時のデルタ・フォース紹介で発表します


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第十六話 一夏の親友(悪友?)

今回はギャグ要素ありです


五反田食堂…一夏の中学時代の親友、五反田弾の家兼食堂である

 

五反田弾はラフな赤毛の長髪をバンダナで止めているチャラい雰囲気を纏ってる

 

現在カズマは一夏に誘われてその五反田弾の家でゲームをしている

 

 

 

弾「お前ら以外全員女か!良い思いしているだろうなぁ!」

 

一夏「してねーっつの…」

 

ゲームの途中で話し掛ける弾、内容は勿論IS学園だ

 

弾「ウソ言うなって!お前はどうなんだ?カズマ」

 

 

カズマ「慣れるのが大変だった…以上」

 

弾「なんだよ…そうだ一夏、鈴に会ったか?アイツお前の事を心配してたぞ」

 

ここで鈴の話題に変わった、鈴も一夏と弾の親友である

 

 

一夏「ああ…でも鈴に申し訳無い事をしたな…」

 

弾「仕方ねぇよ…好きな娘出来たんならアイツだって諦めるさ」

 

 

カズマ「だが粘着テープ並みに諦めないねちっこい奴もいるけどな…」

 

 

弾「え?誰だよそれ」

 

 

 

ドガァッ!

 

 

いきなり部屋のドアが何者によって蹴破られた

 

「お兄!ご飯出来たよ!いつまでゲームやって……」

 

蹴破ったドアから弾と同じ様なラフな赤毛の長髪、同様にバンダナで止めている気の強そうな少女が現れた

 

一夏「おおっ!蘭じゃないか!久しぶり」

 

この少女は五反田蘭、弾の妹である

 

 

蘭「い…一夏さぁああああん!!」

 

と叫んで一夏に抱き着いた

 

 

一夏「のわっ!?蘭!どうした!?」

 

蘭「よかった…ちゃんと…生きてるよぉ…」

 

 

どうやら日本で報道された一夏行方不明のデマニュースを見て心配していたのだろう…一夏の無事な姿を見て安心したのだ

 

 

弾「おい蘭!もう一人お客様いるだろ?」

 

カズマ「……」

 

蘭「へ?ど…どちら様…ですか?」

 

目の前にいるカズマに戸惑う蘭

 

 

カズマ「カズマだ一夏同様デルタ・フォースに所属している」

 

 

蘭「あ…あの…五反田蘭と言います……」

 

 

顔を赤くしながら自己紹介をする蘭

 

 

弾「お前な…ノックくらいしろい、恥知らずな女だと思われるぞ」

 

 

蘭「う……」

 

蘭は更に顔を赤くした

 

蘭「だったら何で言わないのよ!!」

 

と鬼気迫る表情で弾睨む蘭

 

弾「あ…言ってなかったか…そか…悪い悪い…」

 

 

どうやら妹が強いようだこの兄妹は…

 

カズマ「ふっ…元気な妹だな…」

 

 

 

そして二人は一回の食堂に降りて五反田食堂の賄い飯を食べる事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「……」

 

そしてまたいただきますの姿勢で動かないカズマ

 

 

弾「そこまでやるか?」

 

カズマ「日本のいただきますはこうだと聞いている」

 

 

蘭「日本って…カズマさんって…日本人じゃ無いのですか?」

 

一夏「カズマは日本とアイルランドのハーフ、日本にいたのは3年程だって」

 

 

 

そして黙々と食べるカズマ…

 

 

カズマ「…旨い……とても旨い!!学園の和食より数百倍も旨い!!」

 

 

その味に興奮したのか物凄い勢いで食べまくるカズマ

 

弾「和食好きなのか?ハーフの癖に…」

 

カズマ「ふうこひょにこっひょうふぁあい!(食う事に国境はない!!)」

 

蘭「あの…食べながら喋るのは…」

 

 

暫くしていると弾は携帯で何かメールを打っていた

 

 

 

 

 

蘭「お兄?どうしたの?メール?」

 

 

弾「ああ、女のメール相手をしてるんだよ」

 

一夏「え?お前…彼女出来たの?」

 

弾「まだだよ、だからこのメールで一気に落としてやるぜ!」

 

 

と気合いを入れる弾

 

カズマ「どんなメールだ?」

 

 

弾は女から来たメールをカズマ達に見せた

 

 

 

『私はお姉さんとの二人暮らしです、でも私はお姉さんの事がとても心配です…いつもおどおどしてて、更に人見知りで…外出もしないのです…それ故…何時も元気が無いような雰囲気でとても困ってるんです…もしかしたら弾さんなら何かアドバイスが貰えるかもしれませんので…どうかお願いします』

 

 

 

「なるほど…姉思いの良い妹さんだなぁ…」

 

「うーむ…良い娘だねぇ」

 

とカズマ達の後ろにブライスとマードックがいた

 

 

カズマ「た、隊長!?」

 

一夏「それにマードックさんまで…」

 

マードック「なに…ちょっくら通りかかったらお前達を見掛けてな…いやいや赤毛の君…青春してるねぇ」

 

弾「あ…ありがとうございます…」

 

ブライス「返信で迷ってるんだろ?だったら俺らが手助けしてやる」

 

ブライスは胸を張って堂々と宣言した

 

一夏「大丈夫なんですか…なんか悪い予感しかしないんですけど…」

 

 

ブライス「要するに、これは絶妙なさじ加減のフォロー、そして自然な話題換えが必要って事だな…ふっ…俺に任せろ」

 

 

 

 

 

 

ブライス『お姉さんの事を思うと…とても心が痛みます…でも…あなたのお姉さんの思う気持ちは、きっと伝わっていますよ…いつかきっと…心を開いてくれると思います…………開くと言えば…あなたは何時になったら股を開いてくれるのでしょうか』

 

 

一夏「失礼だろうがァァアアアアアアアア!!」

 

と一夏のシャウト

 

 

一夏「なんつー話題に切り替えようとしてんだあんたは!!原始人でももっとマシな口説き方するわ!!」

 

ブライス「恋をするとき…人は皆原始に帰るのさ…」

 

と悟った様に言うブライス

 

カズマ「あんただけ帰れ!!二度と戻ってくるな!!」

 

 

マードック「ブライス…お前は話にならんな…フォローが足らん…ペラペラじゃないか…お前は真剣にお姉さんの事を考えていない!」

 

 

 

 

 

マードック『お姉さんの事を思うと…………ムラムラします!!』

 

 

 

一夏「見境なしかいィィィィィイイイ!!」

 

またまた一夏のシャウト炸裂

 

一夏「フォローどころかお姉さんの事しか考えてないじゃないですか!!アメーバでももっとまともな思考してるぞ!!」

 

 

マードック「恋をするとき…人は皆ネバネバさ…」

 

何か悟った様に言うマードック

 

カズマ「あんたの頭ん中がネバネバだろ!!」

 

 

弾「なるほど…そう書いてみます!!」

 

蘭「参考にするなボケェェェ!!」

 

 

と一騒動あった五反田食堂であった

 

 

 

IS学園 学生寮

 

 

 

カズマ「全く…隊長は一体何しに来たんだ…」

 

一夏「あの人たち…全く読めない…」

 

ブライスとマードックの襲撃により休みの筈が疲れてしまったカズマと一夏…トボトボと自分の部屋に向かった

 

そして二人はそれぞれの部屋に入った

 

 

 

 

 

 

 

カズマ・ウィノの部屋

 

カズマ「ただいま……あれ?」

 

入ってウィノがいない…しかしシャワー室から音が聞こえる…

 

カズマ「シャワーか…」

 

 

カズマはベッドに腰掛けTVを付けた

 

この時間でやっているのは時代劇の水戸黄門である

 

時代劇は勧善懲悪物が好きで、日本にいた時に祖父母と一緒にみていたのである

 

 

 

ウィノ「あ、カズマおかえりー」

 

シャワー室からTシャツとショートパンツ姿の部屋着のウィノが濡れた髪をタオルで拭きながら出てきた

 

カズマ「ただいまウィノ」

 

 

ウィノはカズマの隣に座って一緒にTVを見た

 

 

ウィノ「またこれ?これって…えーと…」

 

カズマ「水戸黄門」

 

ウィノ「そうだっけね…本当に好きだね…こう言うの」

 

カズマは学校が終われば毎日時代劇を見ているのである

 

 

カズマ「日本にいた時…じいちゃんとばあちゃんで見てた…」

 

ウィノ「そっか…」

 

 

 

 

 

ウィノはカズマの腕を組んでより近寄った

 

 

カズマ「どうした?」

 

ウィノ「ん?ただこうしたかっただけ…良いでしょ?」

 

カズマ「ふっ…まあ…悪くないな…」

 

 

二人は仲良くTVを見ていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

一夏・エミリア

 

一夏「ただいま!」

 

エミリア「お帰りなさい、一夏様」

 

 

エミリアはPCでISのチェックをしていた

 

一夏「いやー、久々に親友と会うのは良いもんだなー」

 

エミリア「楽しかったですか?一夏様?」

 

一夏「ああ、今度はエミリアも一緒に行くか?」

 

エミリア「よろしいのですか!?」

 

突然の誘いにテンションが上がるエミリア

 

 

一夏「勿論!」

 

 

エミリア「ありがとうございます!嬉しいですぅ!」

 

エミリアは嬉しさの余り一夏に抱き着いた

 

一夏「わかったから、抱き着くなよ…」

 

エミリア「はぅあっ!?ご…ごめんなさい…」

 

一夏から離れて顔を真っ赤にして恥ずかしがるエミリア、

 

 

一夏「ま、まあ…そう言う事だ…今度はデートでも行くか?」

 

 

エミリア「はい!!是非…」

 

 

 

コンコン…

 

 

突然ノックが聞こえた

 

 

一夏「 !?誰だ?」

 

一夏が部屋の玄関を開けると、箒が立っていた

 

 

箒「話が…」

 

一夏「帰ってくれ…」

 

 

箒が喋り出すのを遮ってドアを閉めようとしたが

 

箒「待て!!」

 

箒が木刀でドアを止めて無理やり抉じ開けた

 

 

一夏「危ないだろうが!!何考えてんだよ!」

 

 

箒「来月の学年別個人トーナメントがあるだろう?私が優勝したら、その女と別れて私と付き合って貰う!!」

 

一夏「………はぁ?」

 

突然言い放たれた言葉に思考回路が停止した一夏

 

一夏「お前…馬鹿か?」

 

箒「な…馬鹿とはなんだ馬鹿とは!」

 

馬鹿と言われて怒り出す箒

 

 

一夏「お前…学年別個人トーナメントには俺はともかく…カズマだって出るんだぞ?アイツに勝てるのか?」

 

箒「………」

 

箒は完全に思考が止まっていた…この一年の中で最強とも言われるカズマの存在を忘れていたのだ…

 

それだけではない…あのカズマと互角に渡り合った一夏も出るとなると余計に優勝が遠くなる

 

 

箒「…ふん…あんな男に負ける筈が無いだろう?安心しろ一夏、私が優勝してお前をデルタ・フォースからあの女から救い出してやるぞ!」

 

 

そう言って箒は上機嫌に去っていった

 

 

 

 

エミリア「またあの人ですか?」

 

一夏「はぁ…頭痛い…」

 

その場でよろけ出した一夏

 

エミリア「一夏様っ!?大丈夫ですか?」

 

一夏「ちょっと…横になりたい…」

 

エミリア「…でしたら…私の膝枕はどうですか?」

 

 

一夏「ああ…頼むわ…」

 

 

 

そして一夏はエミリアの膝枕で横になり、疲れた精神を解していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

 

箒「くっ!!…完全にあの男を忘れていた…くそっ!!」

箒は早速一夏に言われた事を整理していた

 

箒「あの男はどんな奴なのだ…いや…接近戦なら剣道の私が有利だ!うむ…大丈夫だ……だが問題はISか…」

 

 

箒は専用機持ちではないので訓練機の近接型である打鉄を使うだろう…しかしそれではずば抜けた性能のΔ-ラインに勝てる訳がない…

 

 

箒「私にも…専用機があれば……いや…あの人には関わりたくない……だったら…」

 

そうしてまた思考を巡らす箒であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想待ってますよー


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第十七話 二人の転校生

さーお待たせしました

僕ッ娘と黒ウサギが来ますよ


朝のIS学園、教室は何か騒いでいた

 

「それ本当なの!?」

 

 

「そうなのよ!学年別個人トーナメントで優勝したら…」

 

「カズマ君か一夏君のどちらかと付き合えるんだって!」

 

 

何やら来月の学年別個人トーナメントでの話題なのだろうか、教室の女子共が盛り上がっているではないか。

 

噂で学年別個人トーナメントで優勝したらカズマ、一夏の両名とどちらか付き合えるという事になっている。

 

しかし既に彼女がいるカズマと一夏、一組の連中は知ってる筈なのに何故にこの噂を真剣に聞いているのかがわからない…

 

カズマ「…なんか騒がしいな…」

 

ウィノ「そうみたいね…」

 

一夏「何の話してんだ?」

 

エミリア「私に言われても…」

 

 

教室に入って席に着いたカズマ達、そこに春香と清香と静寐がやって来た。

 

 

静寐「カズマ君!大変な事になってるよ!」

 

カズマ「一体どうした?」

 

やけに慌てた雰囲気の静寐、それは他の二人も一緒であった

 

春香「実は…来月の学年別トーナメントで優勝したらカズマかお兄ちゃんのどちらかと付き合えるって噂が…

 

 

ウィノ・エミリア「「なんですってぇぇえぇえええええええ!!」」

 

 

この言葉にエミリアとウィノは春香の頬を引っ張った。

 

ウィノ「どう言うことよ!?私とカズマは恋人同士なのよ!!そんなの絶対認めないわ!!」

 

春香「いだだだだだだっ!!痛い痛い痛い!!」

 

頬を引っ張られる激痛に悲鳴を上げる春香。

 

エミリア「私もです!!そんな身勝手で一夏様が取られるのは絶対嫌です!

 

エミリアに至っては泣き出してしまった。

 

一夏はその頭を撫でて慰めた

 

カズマ「…一難去ってまた一難…か…頭いてぇ…」

 

一夏「どうする…このままだと俺らも出ないと不味いじゃないか?」

 

そう、その噂が立ち込めているならカズマ達の関係を壊させないために、デルタ・フォースのメンバーの誰かが優勝しなければならない…それはつまり学年別個人トーナメントに強制的に出場と言う事である。

 

 

エミリア「一体…誰が…ぐすっ…私達の…関係を…ぐすっ…」

 

一夏の胸で泣きながら質問するエミリア、涙が一夏の制服を濡らす。

 

 

清香「出所はわからないけど…でもこのままだと全校生徒に噂が行っちゃうよ」

 

 

 

二組のカップルの最大の危機が今訪れたのだ…

 

 

カズマ「こうなりゃやることは一つしかない…意地でも優勝して俺達の関係を護る!!」

 

一夏「ああ!俺達の関係…誰にも邪魔はさせないぜ!!」

 

ウィノ「カズマとあたしの関係を邪魔する奴ぁ…誰だろうと地獄に送ってやるわ!!」

 

エミリア「一夏様と私は運命共同体です!この関係は永久不滅ですぅ!!」

 

と四人それぞれ気合いを入れるデルタ・フォースであった…

 

 

千冬「席に着け、HRを始める」

 

 

ここで地獄の閻魔も頭を下げる、人類最強…もとい、霊長類最強の…たわらばっ!?

 

千冬「誰がレスリングの女王だ…」

 

すみません…

 

 

閑話休題

 

 

千冬が教室に入ってその後ろから副担任の山田先生が教壇に立った。

 

 

真耶「今日はなんと転校生が二人も来ていますよ!」

 

 

それは転校生がやってくるという報告であった、教室の女子共はざわめいた。

 

 

そして教室に二人入ってきた。

 

 

その一人がなんと

 

 

一夏「おい…あれって…」

 

カズマ「……」

 

一夏とカズマはある転校生を見て驚いた…それは…男だったのだ…

 

「シャルル・デュノアです、皆さんよろしくお願いします」

 

 

中性的な顔立ちで長いブロンドの髪を後ろで束ねている…身長は然程大きくはない。

 

 

「お…男…?」

 

女生徒の一人が確認の為にシャルルに質問した。

 

シャルル「はい!こちらに僕と同じ境遇の男がいるときいて…」

 

 

「「「キャァアアアアアアアアッ!!」」」

 

 

シャルル「おわっ!?」

 

教室中に女生徒の歓喜の悲鳴が響いた。

 

「男子よ!三人目の男子!!」

 

「しかも美形!!」

 

「護って貰いたいカズマ君や一夏君とは真逆の護ってあげたくなる的な!」

 

女子共のボルテージは最高潮、それはそうだ…現在IS学園に男はシャルル含めて三人しかいない、その三人は全員イケメン、おまけに一組に集められている為、一組の女子共はヘブン状態である。

 

 

千冬「騒ぐな!!静かにしろ!」

 

千冬の鶴の一声で静まり返った教室

 

真耶「じ、じゃあ…ボーデヴィッヒさん……自己紹介を…」

 

もう一人の転校生は女だ、成長が止まっているような低い身長、そして無表情でクールな顔立ち、そして右目には眼帯、銀髪の髪で如何にも近寄りがたい雰囲気の少女である。

 

 

千冬「挨拶をしろ、ラウラ」

 

ラウラ「はい…教官」

 

 

ラウラと呼ばれた少女は千冬に向かって教官と言った

 

一夏(教官…もしや…千冬姉がドイツにいた時の教え子か…?)

 

それは一夏がデルタ・フォースに入って間もない頃、モンド・グロッソを二連覇した千冬はドイツ軍のIS部隊の教官をしていたのだった。ラウラはドイツ軍のシュバルツェア・ハーゼの隊長、つまり千冬の教え子である。

 

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ…」

 

 

 

 

教室に暫くの沈黙が流れた…

 

 

 

 

真耶「あの…以上…ですか?」

 

 

ラウラ「以上だ……ん?」

 

ラウラは一夏を見つめ、次第にその表情を歪めていった

 

ラウラ「貴様が……」

 

ラウラは一夏の前に行き、いきなり右手を振りかぶりそのまま一夏の右頬に…

 

 

当たらなかった…

 

 

なぜなら一夏はその手を掴んでいて身を護ったのだ

 

一夏「いきなり何しやがるんだ!?」

 

ラウラ「このっ…!!」

 

ラウラは空いている左手で平手打ちをしようとしたが…

 

 

カズマ「そこまでだ…シュバルツェア・ハーゼ隊長…ラウラ・ボーデヴィッヒ…」

 

カズマは後ろからラウラの左手を掴んだ。

 

ラウラ「貴様ッ!?いつの間に…くっ…放せ!!」

 

カズマ「ドイツではこれが一般的な軍の挨拶か?ふん…人として最低限の礼儀を教わって来なかった様だな…ドイツの代表候補生が聞いて呆れる…」

 

ラウラ「なんだと貴様!!」

 

ラウラはナイフを取り出してカズマに斬りかかった…が

 

千冬「止めんかラウラ!!」

 

千冬が怒号を飛ばしてラウラを制止させた。

 

 

ラウラ「くっ……私は認めん……貴様があの方の弟など…認めるものか…」

 

 

そう言ってラウラは戻って行った

 

 

 

ウィノ「カズマ大丈夫!?」

 

エミリア「一夏様っ!!お怪我は?」

 

一夏「安心しろ、俺は大丈夫だ」

 

カズマ「同じく…」

 

 

そしてカズマ達も自分達の席に戻ってHRが再開された。

 

 

千冬「今日は二組と合同でIS実習を行う…それから一夏、アーディガン」

 

一夏「はい?」

 

カズマ「…?」

 

千冬「デュノアの面倒を見てやれ…同じ男子同士だからな…」

 

シャルルが一夏とカズマの前に出て、握手の為か手を差し出した。

 

カズマはずっとシャルルを疑いの目で見ていた

 

 

カズマ(妙だな…行動の節々に女らしさを感じる…それに体格…あまりに細い……これは男の体格ではないな……)

 

 

シャルル「ど…どうしたの?僕の顔に何か付いてる?」

 

視線に気付いたのかカズマに話し掛けるデュノア

 

 

カズマ「いや…何でもない……さっさと行くぞ…」

 

一夏「そうだな…行くぞデュノア」

 

一夏はシャルルの手を取って、カズマはその後に続いて教室を出た。

 

シャルルは一夏がいきなり手を握った事で驚きの表情を出していた。

 

 

 

 

その光景を羨ましく見る一組の女生徒達…

 

自然と溜め息の合唱が出来ていた。

 

 

ウィノ「さてと…あたし達も行こうか」

 

エミリア「そうですね」

 

ウィノとエミリアが教室を出ようとしたその時。

 

 

清香「良いなぁ…ウィノとエミリアは…そのままの格好でIS乗れるんだもんなぁ…」

 

清香はウィノ達がISスーツを着なくてもISを動かせる事を羨ましく思っていた。

それは一組の女生徒のほぼ全員が思っている事でもある

 

エミリア「私達はこの制服自体がISスーツですので…そちらはいちいち着替えなきゃいけませんから不便ですね…」

 

 

セシリア「そうでもありませんわ、実はISスーツをインナーとして来ている方もいますのよ、汗を吸収してくださりますし…」

 

ウィノ「でもあたしやだわ…それって下着で外に出るって事だよね…」

 

 

この言葉に教室中の女子達全員が顔を赤くしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園、廊下

 

 

一夏とカズマとシャルルはアリーナの更衣室に向かっていた。

 

 

一夏「男子はアリーナの更衣室で着替えるんだ」

 

シャルル「う…うん…」

 

一夏に手を引っ張られているシャルル…その顔は仄かに赤くなっていた

 

 

カズマ「どうした?トイレか?」

 

シャルル「ち…違うよ!」

 

 

カズマの問いに焦りの声で返すシャルル

 

 

 

 

 

「いたァァァアアアアアッ!!転校生発見ンンンン!!」

 

前方から女子の大軍勢が現れた

 

カズマ「げ!」

 

一夏「げ!」

 

シャルル「え?」

 

カズマ・一夏「「そこはゲゲゲのゲーだろ!!」」

 

シャルル「いや知らないから!!」

 

この状況でボケる一夏とカズマに突っ込むシャルル。

 

 

カズマ「不味い逃げるぞ!」

 

一夏「合点!」

 

シャルル「う…うん!」

 

三人は一目散にアリーナへと走る。

 

 

シャルル「な…何で追っかけて来るの?」

 

 

カズマ「普通に考えろ…女だらけのこのIS学園で男が三名いるんだぞ…それは色々と聴きたいだろうさ…」

 

シャルル「あ…そっか…」

 

一夏「とにかく走れ!!追い付かれる!!」

 

男三名の逃走劇は女子の大軍勢に徐々にその差を詰められていた

 

 

ブライス「お前らあぁぁっ!!ここは俺に任せろぉぉっ!!」

 

一夏「隊長!?」

 

カズマ「一体何を…」

 

 

突然ブライスが登場し右手を女子軍勢にかざした。

 

 

ブライス「俺の右手が真っ赤に燃える…」

 

 

しかし台詞を言い切る前に女子軍勢にもみくちゃにされるブライスであった。

 

ブライス「あああぁぁぁぁぁ…」

 

 

 

一夏・カズマ「あんたは何をやりたいんだ!!」

 

シャルル「ど…どうしよう…あの人もみくちゃにされてるよぉ…」

 

ブライスを心配するシャルル…なんとも優しい性格なのだろうか。

 

 

 

一夏「あの人はあれくらいでは死なん!!」

 

カズマ「俺達が保証する!!ああ見えて頑丈だ!!」

 

シャルル「本当かなぁ…」

 

 

 

ブライスの決死の神風特効作戦によって女子軍勢の勢いが止まり、なんとか逃げ切った三名はアリーナの更衣室に着いた。

 

カズマ「どうにか逃げ切ったか…」

 

一夏「ま…良いウォーミングアップにはなったかな?」

 

かなりの距離を走ったのだがカズマと一夏は息を乱していない

 

シャルル「ふ…二人とも…体力あるんだね…」

 

一方のシャルルは息が乱れていた

 

 

一夏「じゃ、遅れるなよ」

 

シャルル「え!?ちょっと待って!!着替えないの?」

 

 

 

そう言って更衣室から出ようとした二人をシャルルが止めた

 

 

カズマ「俺達はこれがISスーツだからな…そのままでも良いんだ」

 

シャルル「そんな…コートで?」

 

カズマ「…文句あるの?」

 

シャルル「ううん!何でもないよ!」

 

 

 

そうして二人は更衣室を後にしてアリーナへと向かった。

 

 

カズマ「一夏…シャルルについてだが…」

 

一夏「お前もか…なんか引っ掛かるんだよなぁ…」

 

カズマと一夏はシャルルについて話していた。二人は彼に対して言い様のない違和感を感じているのだ

 

一夏「まず…お前から見てのシャルルは?」

 

カズマ「外見は一目で男に見えるが…顔が中性的過ぎる…そして体格が細い…それにあの話し方…本来の話し方じゃないな…」

 

一夏「ああ…それに歩き方…微妙に内股だったし…それに手を握った時、男の手じゃなかった…むしろ女の手だ」

 

 

カズマ「だが…まだ奴が女と言う事は確定ではないな…少なくとも今の段階では…」

 

一夏「そう言えば…シャルルの姓ってデュノアだったよな?」

 

 

今度はシャルルの姓、デュノアについての話になった

 

カズマ「ああ…あいつの姓、デュノア社はISシェア世界第三位の企業だ…」

 

 

一夏「そんな大企業の御曹司がISを動かせてここに入学か……少なくともただ入学する訳じゃ無さそうだな」

 

カズマ「とにかく今は奴を警戒しておこう…奴の目の前では下手にΔドライバは使えん…」

 

一夏「そうだよな…データを盗られる可能性もあるからな…」

 

 

 

 

二人はアリーナに着き、その後時間ギリギリでシャルルが来て全員遅刻なしで授業が始まった

 

 




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第十八話 無人機の襲来

ここでオリジナル展開が入ります





二組との合同で第二アリーナでISの実習を行っているカズマ達。

 

千冬「これよりIS実習を行う!!」

 

「「「はい!!」」」

 

千冬の号令に元気で返す生徒達。

 

 

千冬「まずは模擬戦を見てもらうが…鳳!オルコット!」

 

鈴「はい!」

 

セシリア「はい!」

 

 

千冬「専用機持ちなら直ぐに始められるだろ?用意しろ」

 

 

セシリア「あ…あの…模擬戦ならカズマさん達の方が…」

 

ここでセシリアが模擬戦をやるならカズマ達デルタ・フォースの四人でした方が良いのではないかと提案が出たが、千冬はそれを却下した

 

 

千冬「彼奴らだと技量が高過ぎて生徒達が着いて行けん」

 

鈴「…なるほど…」

 

 

カズマ達の戦いは実際の命の奪い合いで培ってきた本物の戦いである。

 

ISバトルの様な生温い戦いではないのだ。

 

 

 

セシリア「その…私達の相手は…鈴さんとの模擬戦ですか?」

 

 

 

千冬「ああ…相手は……一夏、アーディガン、私の所に来い」

 

 

一夏「え?あ、はい…」

 

カズマ「…?」

 

 

一夏とカズマが千冬の側に着いた時、二人が元々いた地点になにかが墜落した

 

 

回りの生徒達はその墜落に驚いて、尻餅を着いたりしていた

 

 

 

カズマ「あの…誰か魔法のメテオ放ちました?」

 

一夏「いや違う!!あれIS!!あれ人!!って言うか山田先生!!」

 

 

そのクレーターの中心にフランスの量産型IS、ラファール・リヴァイブを纏った山田が目を回していた

 

 

千冬「山田先生!!いい加減に起きんか!!」

 

真耶「ひゃう!?すみません!!」

 

 

千冬に起こされる真耶、多少フラフラしているのは先程の墜落の衝撃だろうか…

 

 

千冬「お前達は山田先生と模擬戦をしてもらう」

 

 

セシリア「え?二対一で!?」

 

鈴「いや…流石にそれは…」

 

 

流石に二対一での模擬戦は山田先生に勝ち目が無いのではと思われるが…

 

 

千冬「安心しろ…今のお前達ではすぐ負ける」

 

 

セシリア「な!?」

 

鈴「ぐぬぬ…」

 

 

千冬に負けると言われた瞬間顔を歪めた二人、代表候補生のプライドを傷つけられたのだろう

 

 

千冬「では…始め!!」

 

 

号令と共に三人は上空高く飛び、所定の位置に着いた

 

 

 

セシリア「行きますわ!!」

 

 

セシリアのブルー・ティアーズのライフルから蒼いレーザーが放たれた

 

そのレーザーを軽々と避ける山田先生

 

その山田先生に龍砲を放つ鈴の甲龍

 

二機の同時攻撃を楽々と躱す山田先生

 

それに痺れを切らしたのかセシリアがビットで攻撃を始めた

 

 

その猛攻を物ともせず、アサルトライフルで射撃を行う山田先生

 

 

 

 

 

 

 

千冬「…アーディガン、山田先生の戦いとあの二人の戦い、分かりやすく解説してみろ」

 

 

カズマ「はい……山田先生は二機の同時攻撃をお互いの射線の向きとハイパーセンサーを利用して躱していますが、時折ライフルで射撃を混ぜ合わせる事で牽制しているのだと思われます、そしてセシリアはビットで優位に攻撃していると思われますが…あれはビットの使い過ぎです…狙いが単調な上にエネルギー切れを起こしやすい…その間に山田先生に射撃を許しています。鈴の場合は機体の特性を活かしていません…全部龍砲で攻撃していますが、元々射程が短いですし、殆どが避けられて弾幕にもなっていません、それにあの高威力の双天牙月を使ってないですし…本来近接戦のバトルスタイルの筈が不馴れな射撃戦となっています」

 

 

千冬「では一夏、お前はこの戦い、どう見えてくる?」

 

 

一夏「そうですね…まず鈴は龍砲を撃つことに集中しすぎて周りが見えていません、山田先生ならビットのエネルギーチャージ中のセシリアを使いますね、エネルギーチャージの時は無防備になりますし、そこを射撃で鈴の所まで誘導してぶつかった所にグレネード投げるって感じですかね…それで山田先生の勝ちって訳です」

 

 

カズマと一夏の説明を聞いていた生徒達はおおと言う人もいればそれに聞き惚れている人もいる

 

 

そして上空の戦闘では

 

 

 

セシリアのビットがエネルギー切れを起こし、多少の隙が出来た所を山田先生がライフルで射撃を行った

 

 

セシリア「この程度の射撃…」

 

 

セシリアは躱すが…その躱した先に…

 

セシリア「きゃっ!」

 

鈴「みぎゃ!」

 

龍砲を撃つことに集中しすぎて周りが見えていない鈴とセシリアがぶつかった

 

 

そこにすかさず山田先生がグレネードランチャーを放ち、二人はその爆発に巻き込まれ、組み合う形で墜落し山田先生の勝利が確定した

 

 

 

セシリア「うう…まさかこの私が…」

 

鈴「あ…あんたねぇ…何誘導されてんのよ!」

 

セシリア「あなたこそ無駄にバカスカと撃ちすぎですわ!!」

 

鈴「あんただってビット使い過ぎ!!」

 

お互いのミスを言い合う二人。どこか醜い…

 

 

 

千冬「これで教員の実力はわかっただろう…以後は敬意を持って接する様に……さて、次はグループに別れてISの実習をする、グループのリーダーは専用機持ちがやれ、では別れろ」

 

 

と同時に…

 

 

「「「アーディガン君!!織斑君!!デュノア君!!よろしくお願いします!!」」」

 

 

一斉にカズマ、一夏、シャルルの所へ来た

乙女ならイケメンであるカズマ達に教わりたいだろう

 

 

千冬「このバカ共が!!出席番号順に別れろ!!」

 

 

こうしてグループに別れてIS実習を行った。

 

 

 

 

 

カズマ「では…ISの起動、歩行までの基本的な動作をやるか、最初は…」

 

「はーい!私でーす!よろしくお願いします!」

 

そう言って手を差し出してきた女生徒

 

「あーずるい!」

 

「私も!」

 

「「「第一印象から決めていました!!」」」

 

グループの女子全員にいきなり手を差し伸べられたカズマは冷静に…

 

 

カズマ「織斑先生ーこの衆らやる気なくて困ってるんですけどー」

 

「「「「ごめんなさい!!今すぐやります!!」」」」

 

慌てた女子達は一列に並び先頭から学校から用意したISを使った

 

 

今回学校から用意されたISは日本の打鉄、フランスのラファール・リヴァイブ、そしてアメリカのΔ-ファントムである。

 

 

Δ-ファントムはΔシリーズの一般兵専用の量産型タイプで、性能においてはΔ-ラインに劣るが、それでも運動性、機動性は他のISを上回る

 

こちらも追加アーマーを装着する事で、機体の性能を上げられる。

 

現在は素体フレームである。

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「そうだ…ゆっくりで良い、一歩一歩を確実に…」

 

 

Δ-ファントムを纏った女生徒を歩行訓練で所定の位置に誘導しているカズマ

 

始めてISを纏った女生徒はやはり覚束無いのか起動まで手間取り、歩行も儘ならなかった

 

カズマ「よし、止まれ…交代だ」

 

がこの女生徒はとあるミスをした…いやわざとしたの方が良いだろう

 

本来ならしゃがんで降りるISを立たせたまま降りてしまったのだ

 

実は一夏のグループでこのような現象が起きて、女生徒の一人をお姫様抱っこで乗せたのだ

 

 

カズマ「……(チラッ)」

 

次の女子は何か期待してる様子、しかしその期待は打ち破られた。

 

 

カズマ「8(ハチ)こいつをしゃがませてくれ」

 

8『了解!』

 

カズマは側にあったアタッシュケースの様な物を持って、ISと繋いだ

 

するとアタッシュケースの一面ディスプレイになっており、その画面にデルタ・フォースのロゴが映し出されていた

 

 

これはアタッシュケース型CPU通称【8】である

 

このCPUは1万GHzのCPUで会話機能も、機器に繋いで治す、そしてISのチェック、運用まで出来るまさに優れ物である

 

だがハロと違うのは自律で動けない事とCPUの総量である

 

 

8の機体制御で立ったままのISがしゃがんで女子達はええーと不満の声をあげた

 

カズマ「ええーじゃない…俺が抱っこするのは…ウィノだけに決めている」

 

8『おー大胆発言!』

 

カズマ「結構恥ずかしいんだ…やめろ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一夏のグループも立ったままのISをしゃがませる為にハロを呼んでしゃがませた

 

一夏「よし、これでOK!サンキューハロ」

 

緑ハロ『ハロ!ハロ!』

 

耳をぱたぱたさせて返事をするハロ、実は女子達はこのハロが大人気でエミリアとウィノがハロを持ってくる度にさわったり話し掛けたりするので、一組のマスコットキャラと化しているのである

 

一夏「さて次は……げ…」

 

箒「なんだその顔は…?」

 

一夏の天敵、掃除用具こと篠ノ之箒だ…

 

箒「一夏…そんなに私が嫌なのか?私を抱っこするのが嫌なのか?」

 

一夏「とっとと始めろ、時間が惜しい…」

 

箒は素っ気ない一夏の態度にイラつきを覚えつつISに乗った

 

箒「そうだ!今日の昼、一緒に…」

 

一夏「却下、カズマ達と食べる予定だから」

 

箒「な!?またあの奴等か!!いい加減にしろ!彼奴らはお前を誑かしているんだぞ!」

 

一夏「やらないなら他と変われよ…時間が惜しいって言ってるだろ!」

 

 

緑ハロ『時間ガ惜シイ、時間ガ惜シイ』

 

箒「…くっ…」

 

昼に誘う事に失敗した箒は渋々ISを動かした

 

一夏「はぁ…もう嫌になってくるぜ…」

 

緑ハロ『一夏、大丈夫カ?一夏、大丈夫カ?』

 

足元に寄り添って耳をぱたぱたさせるハロ

 

一夏「ありがとなハロ、俺は大丈夫だ」

 

 

心配してくれたハロに感謝して再び授業に集中する一夏であったが…

 

 

 

 

 

 

突然大きな警報が鳴った

 

 

 

 

 

 

一夏「な…何だ!?」

 

ウィノ「何!?」

 

エミリア「何の警報でしょうか?」

 

8『南側より正体不明のIS、数は10機だ!!』

 

カズマ「な!?敵襲だと!!みんな行くぞ!」

 

「「「了解!」」」

 

 

そしてカズマ達はΔ-ラインを纏った

 

真耶「ちょっと待ってください!!何をするんですか!?」

 

 

 

カズマ「山田先生、ここより先ですが正体不明のIS10機がここに向かっていると8が警報を鳴らしました、先生は皆の避難をお願いします!」

 

真耶「あなた達は!?生徒をそんな危険な所へ行かせません!!」

 

一夏「俺達は大丈夫です!あの程度なら楽勝ですから」

 

真耶「でも…」

 

千冬「頼むぞ…」

 

真耶「織斑先生!?」

 

千冬が真耶を押し退けて許可を出した

 

 

千冬「この場合…実戦経験のあるお前達が最適だ、頼むぞ…デルタ・フォース」

 

 

「「「「了解!」」」」

 

 

そしてレーダーを広げた8が

 

8『敵機、IS学園の敷地内に入ったぞ!』

 

 

 

カズマ「よし、カズマ・アーディガン、スタンダードアーマー、出る!」

 

ウィノ「ウィノ・マクガバン、ライトアーマー出るわよ!」

 

一夏「織斑一夏、ストライカーアーマー、行きます!!」

 

エミリア「エミリア・リィンフォース、アサルトアーマー、発進します!!」

 

四人は上空に飛び、敵ISの迎撃に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園、領海

 

 

 

カズマ「見つけた…あれか!!」

 

カズマが見つけたのは西洋の物語に出てくるドラゴンの様な形状の機体であった

 

(モデルはガンダムAGEのガフラン)

 

8『敵機照合…やっぱり不明だ!おまけに生体反応もない』

 

IS学園から通信でオペレーターをしている8から情報が入った

 

一夏「この前みたいな無人機か?」

 

ウィノ「だとするなら…思いっきりやっちゃっても良いわよね?」

 

エミリア「そうですね…ここで完全に撃破と致しましょう!」

 

 

カズマ「散開!!」

 

 

カズマの指示により四機それぞれに別れて敵ISを迎撃した

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「行かせるか!」

 

カズマがライフルショーティーで敵ISを撃つが、ビームが弾かれた

 

8『カズマ!ライフルショーティーじゃ威力不足だ!』

 

カズマ「なら…」

 

カズマは足首のライフルショーティーを連結させてヘビーライフルとして、二丁同時に放った

 

放たれた強烈なビームは二機のISを貫通し、爆散した

 

 

カズマ「自棄に固かったな…」

 

8『威力の弱いビームを弾くラミネート装甲を使ってるちょっとやそっとの攻撃じゃ効かないぞ!』

 

カズマ「わかっている!」

 

再びカズマは敵IS軍団へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「それ!食らいなさい!!」

 

 

ウィノはビームトンファーで近接戦を仕掛けるが、ドラゴンの様な形態から人型に変形した敵ISに止められた

 

ウィノ「へぇ…やるじゃない…でも…此方を忘れてるわ!!」

 

 

ウィノは脚部ビームブレイドで敵ISのコアを貫いた

 

 

後ろから別のISがビームで撃って来たが

 

 

ウィノ「甘いわ!」

 

ウィノはその場で急上昇で躱し、イグニッション・ブーストで一気に間合いを詰めてビームトンファーでコアを切り裂いた

 

 

 

8『ウィノ!11時の方向敵接近!』

 

ウィノ「んもう!しつこい!」

 

 

 

 

 

一夏「当たれ!!」

 

 

一夏はロングブレードライフルのライフルモードで撃ったが、あまり効いていない

 

8『そいつは生半可なビームを弾くぞ!』

 

一夏「だったらこれで!!」

 

ロングブレードライフルのブレードモードで吶喊し、敵ISを真っ二つにした

 

 

一夏「そんなんじゃ…戦場では生き残れないぜ…」

 

8『格好つけてる場合じゃ無いぞ!』

 

一夏「わかってるほい後ろ!」

 

一夏は振り向き様に横凪ぎ一閃、敵ISの胴体から真っ二つ。

 

 

8『ヒヤヒヤさせやがって!』

 

一夏「もっと信用しろっての!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エミリア「逃がしません!!」

 

エミリアはマイクロミサイルのロックオンを合わせ…一斉発射した

 

 

放たれた無数のミサイルは多くの敵ISを巻き込み、殆どが海に墜落した

 

 

エミリア「でもどうやってこんな無人ISが…何処かの企業が関連してるのでしょうか…」

 

8『そりゃわからん…恐らくテロ組織が無人機開発を成功したのかもな…』

 

エミリアは暫し考えていたが

 

エミリア「…もう敵はいませんね?」

 

8『…いやまだいる!今度は水中だ!』

 

 

エミリア「水中!?」

 

 

エミリアが叫んだ途端に潜水艦の様な機体が現れ、デルタ・フォースにミサイルの一斉発射を仕掛けた

 

 

カズマ「潜水艦!?」

 

ウィノ「まるで軍隊じゃない!」

 

一夏「くそっ!弾幕が激しくて近付けない!!」

 

エミリア「あれにもラミネート装甲を使っています!なら…」

 

 

エミリアはバズーカを二丁持ちで呼び出し、全身のミサイルと共に乱射した。

 

 

激しい爆発は潜水艦を襲い、一瞬だが攻撃の手が緩んだ。

 

だがこの女にとってはその僅かな一瞬でも充分な時間であった。

 

 

ウィノ「もらったあああっ!!」

 

ウィノが高速格闘モードで潜水艦のミサイル発射管を切り裂き、

 

一夏「やらせない!!」

 

一夏はH.V.Sで後部のスクリューを切り裂いて航行不可にした

 

 

8『今だ!カズマ!』

 

 

カズマ「貫けぇえええっ!!」

 

 

カズマのヴァリアブルアームズ・バスターモードのフルチャージでの極大ビームが潜水艦に直撃し、水飛沫と共に大爆発した。

 

 

カズマ「ふう…意外と手子摺ったな…」

 

カズマはヴァリアブルアームズを背中にマウントした時…

 

 

8『気を付けろ!更に敵の増援!!』

 

8から更に敵の増援の知らせが入り、その数は先程の無人機20機であった

 

 

ウィノ「まだ来るの!?」

 

エミリア「でも戦わないと学園が…」

 

一夏「やるしかねぇ…カズマ!エネルギーは」

 

カズマ「随分と消費した…もうビームは使えんな…」

 

 

先程の潜水艦を撃ったバスターモードでフルチャージショットでカズマのエネルギーは限界域であった。

 

 

カズマはテールバインダーに内蔵されているコールド・クナイ、コールド・ブレードを抜刀した。

 

 

カズマ「まだ武装はある!!行くぞ!」

 

 

 

 

カズマ達は再び敵ISの群れに突撃していった

 

 

 

 

 

 

 




鈴の能力(スパロボ風) レベル16
アビリティ熱血 ひらめき 集中

格闘168
射撃142
防御137
回避153
技量164
命中121




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第十九話 新たな仲間

ルオンさんのオリキャラ案を登場させます

ちょっと設定を変えていますが…




IS一機、コアをナイフの様な形状の物で貫かれて爆散した

 

 

カズマ「次!!」

 

ドラゴン形態でカズマに向かってくる無人機をコールド・ブレードで真っ二つにしてまた撃破

 

 

無人機襲来から既に30分は経っている。

 

四機の中でビームのエネルギーが限界なカズマはコールド・クナイを投擲しつつ、コールド・ブレードで切り裂くと近接戦主体のバトルスタイルに変えている

 

 

ウィノ「しつこいって言ってるでしょ!!」

 

 

その後方でウィノも無人機二機をすり抜けると同時にビームトンファーでコアを切り裂いた

 

 

現在カズマとウィノ、一夏とエミリアの二組で無人機の集団と戦っている。

 

 

 

 

一夏もH.V.Sを二本抜刀して敵ISの群れに突撃していった

 

その動きには無駄がなく、五機の無人機を全て一太刀で仕留めていった。

 

 

一夏「もういい加減にしろ!何で学園を襲うんだよ!」

 

エミリア「一夏様!左!」

 

一夏の左側からブレードを展開して接近する無人機をエミリアが炸裂式スナイパーライフルで撃ち抜いた

 

 

8『一夏!大丈夫か!?敵の総数は減ってきている!がんばれ!』

 

 

一夏「ああ!でも…キツいぜ…」

 

 

エミリア「なら一気に終わらせます!!カズマさんウィノさん!私の射線上から離れてください!!」

 

 

カズマ『わかった!』

 

ウィノ『OK!』

 

 

エミリアはあらゆる重火器を全身に装着し敵IS集団をロックオンした

 

 

エミリア「全弾行きます!」

 

 

エミリアの怒濤とも言える激しい一斉発射が行われた、マイクロミサイル、ガトリング、バズーカの弾頭は全部敵のISに直撃し、殆どが撃墜した

 

 

エミリアのアサルトアーマーは一対多を主として設計されているので、この様な場面は全身のミサイル、両肩のガトリング、両手のバズーカでのフルオープンアタックが有効なのである。更に本人の技量も合わせてその威力は絶大である。

 

 

 

8『周辺に敵機無し……いや…何だ!?』

 

カズマ「どうした8!?」

 

 

8『超高速で接近するISを確認!…何だこれ?…とんでもない熱源だ!一時の方向!!』

 

 

四人がそちらに向くと真っ黒なフレームのISが出現した。

 

フォルムは先程の無人機とほぼ似ているが、このISは変形がないのかずっと人型で飛んでいる。

 

 

 

カズマ「こいつが隊長機か?」

 

ウィノ「たった一機で!?舐められた物ね…」

 

一夏「こいつを倒せば終わるんだな!」

 

エミリア「ええ、あと一息頑張りましょう!!」

 

 

四人はそのISに突撃したが、そのISはその場から消えた

 

 

カズマ「な!?」

 

ウィノ「え!?」

 

一夏「ちょ!?何処に!?」

 

エミリア「きゃあっ!!」

 

一夏「エミリア!?」

 

 

なんと黒いISは一瞬でエミリアの懐に入り、ブレードで一撃を与えていたのだ、直ぐ様ショットランサーでエミリアは反撃するが、元々格闘戦などしたことがないエミリアは押されていた。

 

 

一夏「やめろぉっ!!」

 

一夏も加勢して黒ISと鍔迫り合いとなったその時に、ウィノが高速格闘モードで黒ISに突貫した

 

 

ウィノ「その体制なら…外さない!!」

 

が、

 

黒ISは腰から何かを発射してそれがウィノに直撃した

 

ウィノ「な!何!?何なのこれ!?」

 

ウィノのISが白いネバネバした液体に纏わり付いて、機体が動かなくなった

 

8『トリモチだ!暫く動けないぞ!!』

 

ウィノ「そ…そんな…ってこっちに来る!」

 

黒ISは一夏を蹴飛ばしてウィノに向かった

 

 

その黒ISに蒼いビームが放たれた

 

 

カズマ「やっとビームのエネルギーが回復した…」

 

8『チャージ完了、ビームが使用出来るぞ!』

 

 

カズマはビームライフルショーティーを取り出して黒ISに乱射した

 

 

黒ISは不規則な動きでライフルショーティーを躱し、その躱すタイミングを見計らってウィノが一撃を与えようとするが避けられ、一夏も同じように斬り込むがこれも防がれて、遠距離からエミリアがスナイパーライフルで援護するがこれも当たらない…

 

 

この四人の同時攻撃を黒ISは難なく躱し続けているのである

 

 

8『これ…生体反応!?カズマ!このIS人が乗ってるぞ!』

 

8がISに生体反応を確認して報告した

 

カズマ「やっぱりな…無人機にしては動きが良いと思った…」

 

そう呟くカズマに敵ISは腕部のビーム砲を放った

 

 

無駄の無い動きで避けるが、次の瞬間

 

 

 

突然水中から撃墜した筈の無人機二機が飛び出してカズマの両腕を掴んで動きを止めた

 

カズマ「な!?しまった!」

 

そして正面から敵ISがブレードを向けて突っ込んでくる

 

 

ウィノ「カズマァッ!!」

 

一夏「駄目だ!間に合わない…」

 

エミリア「カズマ様!」

 

 

 

カズマ「くそっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が次の瞬間

 

「カズマ…お前はここで終わる奴じゃ無いだろ」

 

カズマ「!?…この声……まさか!」

 

 

誰かの声が聞こえたと同時にカズマの腕を掴んでいた無人機が爆散した

 

 

両腕の自由を取り戻したカズマは突っ込んでくる敵ISを回避して、その後ろをヘビーライフルで撃った

 

 

後ろにビーム受けた敵ISはよろけてスピードが鈍った

 

 

ウィノ「そこよ!」

 

 

ウィノが高速格闘モードで敵ISに追い付いてトンファーと脚部ビームブレイドの四連撃で吹き飛ばし

 

吹き飛ばした方向に一夏が陣取って、ヴァリアブルアームズ・ソードモードで切り上げた

 

 

その切り上げた敵ISをエミリアがマイクロミサイルで追い討ちをかけて

 

 

最後にカズマがヴァリアブルアームズ・ソードモードで敵ISのコアを切り裂き、敵ISは海に墜落した

 

 

 

カズマ「はぁ…はぁ……やったか……」

 

ウィノ「お…終わったの…?」

 

一夏「8…敵は?」

 

8『反応無し、防衛成功だな!』

 

エミリア「よかったぁ…」

 

エミリアは安堵のあまりぐったりとなった

 

 

 

カズマ「お前たちにも感謝しないとな……龍真、拓巳」

 

 

ウィノ「え?」

 

 

カズマがとある二人の名前を呼んだ途端、上空から灰色と焦げ茶色のΔ-ライン二機が降りて来た

 

 

 

「どうやら間に合ったみたいだな…カズマ…」

 

カズマ「本当…ナイスタイミングだったぜ…龍真」

 

 

カズマと話している黒髪のウェーブの掛かった少年は龍真・R(ローゼス)・神崎

(モデルはガンダム00の刹那・F・セイエイ)

 

カズマと同じハーフでアメリカと日本のハーフである

 

 

元々日本に住んでいたのだが…何かしらの理由でアメリカに移住する事となり、そこでIS適性検査受けたらカズマと同じA+であった

それが元でデルタ・フォースにカズマが入った一年後に入隊、デルタ・フォースのセカンドチームとして活躍していたのだ

 

 

カズマ、ウィノと同じスクールに通っており、性格は基本無口だが、カズマやウィノ

達、そしてデルタ・フォースのメンバーとは明るく話し合う

 

 

一夏「拓巳!お前来てたのか!?」

 

 

拓巳と呼ばれた少年は長い髪を三つ編みで留めている茶色のヘアスタイル、顔立ちは無邪気さがある

(モデルはガンダムWのデュオ・マックスウェル)

 

フルネームは初狩拓巳

 

拓巳「おうよ!正義の死神が助けに来たぜ!」

 

彼も龍真と同じく何かしらの理由でアメリカに移住する事となり、カズマとスクールで出会って仲良くなった間柄である

 

龍真と同じくIS適性検査でA+を叩き出してデルタ・フォースに入った

 

 

性格はお調子者で人懐っこい

 

 

8『おーい!積もる話は帰ってからにしろー』

 

 

8の言葉で六機はIS学園へと帰還した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園に帰還するとブライスと千冬が待ち構えていた

 

 

ブライス「うむ、ご苦労だったな…学園被害は0だ、よくやった」

 

 

「「「「はっ!」」」」

 

六人は敬礼をした

 

 

ブライス「龍真、拓巳、よく間に合ったな」

 

 

ブライスは龍真と拓巳に向いた

 

 

龍真「ギリギリでした…」

 

拓巳「間に合って良かったぜ…仲間に死なれちゃ困るからな…」

 

 

ブライス「うむ…既に聞いていると思うが、ここの防衛に就くと言うことは、学園に入学することだ」

 

 

龍真「はい!」

 

拓巳「やっぱそうなるのかぁ…勉強はもう良いぜ…」

 

真面目に返事する龍真と愚痴を言う拓巳、二人の性格の違いが良くわかる

 

 

千冬「そして、お前達が編入するクラスの担任が私だ」

 

千冬が一歩前に出て自己紹介した

 

 

拓巳「こりゃまた…キツい教師だこと…(バシィィッ!!)いってぇっ!?」

 

千冬「無駄口を叩くな…良いな?」

 

拓巳「へいへーい…(バシィィッ!!)いってぇっ!?」

 

千冬「返事は一回だ」

 

拓巳「はい!!」

 

千冬の代表的必殺技出席簿アタックが拓巳の頭にクリティカルヒットし、脳天から煙が出ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから食堂でデルタ・フォースのメンバー、セシリア、鈴、シャルルと一緒に昼食を取っていた

 

 

 

 

セシリア「全員無事で良かったですわ…本来なら私も行きたかったのですが…」

 

シャルル「仕方無いよ…この場合はIS学園の防衛任務をしているデルタ・フォースが適任だよ…僕達が行っても邪魔になるだけだし…」

 

鈴「何はともあれ、全員無事ならそれで良いんじゃない?それと龍真って日本人?何か間にローゼスって付いてるけど」

 

 

鈴は龍真の名前を聞いて日本人かどうかを聞いた

 

龍真「正確にはアメリカと日本のハーフだ」

 

鈴「じゃあカズマも…」

 

カズマ「俺はアイルランドと日本だ」

 

鈴「へぇ…二人ってかなり日本人っぽくない?」

 

ウィノ「龍真は名前にRって付いてるからそれだけでハーフっぽいんだけどね」

 

龍真「ハーフっぽいじゃない…実際にハーフだ…」

 

ウィノのからかいに突っ込む龍真

 

 

拓巳「…なぁ…ここに…虚さん…いるか?」

 

拓巳が一夏にある質問をした

 

一夏「はぁ?誰だそれ?」

 

拓巳「布仏虚だよ!お前知らねーのか?」

 

一夏「布仏……もしかして本音の関係者か?」

 

拓巳は本音の名前を聞いてビックリした

 

拓巳「お前、本音知ってるのか!?」

 

 

本音「あ!たーくんだやっほー!久しぶりー」

 

カズマ達のテーブルに本音と簪がやって来た

 

 

龍真「簪…」

 

 

簪「龍真…くん……」

 

 

その中で龍真と簪はお互い見つめ合っていた

 

 

 

 

一夏「あの二人…どうしたんだ?」

 

一夏は見つめ合って動かない二人を心配したのか拓巳に質問した

 

普段何事にも動じない龍真が 目を見開く程に驚いているからだ

 

拓巳「実はな…龍真が日本にいた時な、簪に告ったんだよ」

 

 

 

小声で拓巳が言った途端、全員が驚いた

 

 

ウィノ「マジ!?どうだったの!?」

 

小声で拓巳に聞くウィノ、興味津々な様子だ

 

拓巳「それがさぁ~簪の父親に男を磨いてから来い!って言われてさ、アメリカに飛ばされたって訳、あ、因みにあいつの姓の神崎ってのは、更識に仕えていた家系で、ローゼスってのは母親がアメリカ人のミドルネームだ」

 

本音「で~も~、たーくんだってお姉ちゃんに告っておとーさんにアメリカに飛ばされたもんねー」

 

 

拓巳「だーっ!!俺の事ァ良いんだよ!!」

 

 

 

カズマ「成る程な…道理で俺とウィノが見つけた時ボロボロだった訳だ…」

 

二人がアメリカに飛ばされた際、所持金無しという状態で路頭に迷っていた

 

 

 

空腹で死にそうだった二人はカズマの家の前で休んでいた時カズマとウィノに出会って仲良くなり、カズマの家で食事をご馳走して貰った事から二人はカズマとウィノを命の恩人として見ている

 

 

 

 

 

 

 

龍真「簪……久しぶり…だな」

 

簪「龍真くん…お帰り…!」

 

簪は龍真に抱き着いた

 

 

龍真「か…簪…どうした!?」

 

簪「ねぇ…あの時の返事…良いかな…」

 

龍真「あの時の…」

 

 

龍真はかつて簪に告白した時を思い出した

 

 

簪「良いよ…私も…龍真君と付き合いたい…」

 

龍真「…良かった…今の俺は…簪から見えて立派か?」

 

簪「うん…とても立派だよ…凄く格好いいよ…」

 

 

と二人は何かといい雰囲気であるが…

 

 

 

 

8『良い雰囲気の所悪いけどさ、周り見てくんない?』

 

 

二人は周りを見たが、二人のイチャイチャぶりを目の当たりにした全員はニヤついていた

 

 

簪「……っ///」

 

恥ずかしさの余り顔を龍真の胸に埋めた簪であった

 

 

 

 

 

 

 

こうして新たなデルタ・フォースのメンバー、龍真・R・神崎と初狩拓巳が加入したのだった

 

 

 

 




龍真と拓巳のΔ-ライン

龍真

Δ-ライン・スタンダードアーマー/キャバルリー
シールドエネルギー総量750

カズマのスタンダードアーマーのジェネレーター出力強化版の追加パッケージを装着した状態である

これによって機動性は多少犠牲になるが高出力のビームによる射撃は強力である

武装
出力調整可能型ビームランチャー
ビームランチャー銃身下部ガトリング砲
ビームセイバー×2

量子化武器
50mmアサルトライフル×2


主兵装のビームランチャーは出力をライフルモード、スナイパーモード、キャノンモードに変更可能で、様々な状況での運用が出来る

近接武器としてビームセイバーを搭載している

更にビームランチャーのエネルギーチャージの変わりの射撃武器として量子化武器に
アサルトライフルを装備している



拓巳

Δ-ライン・ミラージュアーマー
シールドエネルギー総量630

隠密行動を可能とした特殊フィールドを展開する事でハイパーセンサーやレーダーの索敵を無効化にして、機体を完全に透明にする機能を持つ

これによって奇襲や電撃作戦等を優位的に行えるのである

武装
ツインビームサイズ
スラッシュアンカー
ショックウィップ


主兵装のツインビームサイズは普段はビームを出さずにしているが、攻撃時に高出力のビームを展開して、バリアーごと絶対防御にダメージを与える高威力の武装である

スラッシュアンカーは敵に撃ち込む事で引き寄せたり、動きを止める等の用途がある

ショックウィップは敵に当たれば電気によってハイパーセンサーにダメージを与え、その機能を一時的に麻痺させる事が出来る


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第二十話 黒の暴力

さあ、新たなデルタ・フォース来ますよ!





とある授業、生徒達はISを纏ってブレードの素振りをしている

 

基本的な攻撃動作を練習中なのだろう

 

 

 

その傍らに

 

 

 

セシリア「良いですか?防御の時は体を右斜め45度…」

 

鈴「だから、感覚よ!カ・ン・カ・ク!」

 

 

春香「ぁあああんもう!!全然わかんない!!」

 

 

セシリアと鈴が春香を教えているが、細かすぎるセシリアの説明とその真逆の単純すぎる鈴の説明じゃ覚えの良い奴でもわからないだろう

 

 

 

春香「まだお兄ちゃんに教えて貰った方がいいよぉ…」

 

セシリア「仕方ありませんわ、カズマさん達デルタ・フォースは…」

 

鈴「あっちで次元の違う特訓してるんだもんねぇ…」

 

 

 

 

 

少し離れた場所では白熱のISバトルが展開されていた

 

 

 

 

 

カズマ「はっ!」

 

一夏「おらぁっ!!」

 

龍真「そこだ!」

 

拓巳「貰ったぜ!!」

 

 

 

カズマのΔ-ライン・スタンダードアーマー/バスターと一夏のΔ-ライン・ストライカーアーマー/バスター、龍真のΔ-ライン・スタンダードアーマー/キャバルリーと拓巳のΔ-ライン・ミラージュアーマーが激闘していた

 

 

カズマがコールド・ブレードで一夏を攻撃し、その攻撃を一夏はH.V.Sで防ぎ、鍔迫り合いの所を拓巳がツインビームサイズで二人を切り裂こうとしたが一夏とカズマは空いてるもうひとつの手でH.V.Sとコールド・ブレードを取り出して防いで、その三人まとめてビームランチャーを放つ龍真、しかしそれを分散して避ける三人

 

 

 

彼らは四人でバトルロワイヤルをしていたのだ

 

 

そして

 

 

桃ハロ「シアイ、シュウリョウ、シアイ、シュウリョウ、タイムアップ、タイムアップ」

 

 

ウィノのハロから試合終了の合図が出て、四人は地上に降りてIS解除した

 

 

龍真「流石、カズマだな…」

 

カズマ「龍真腕を上げたか?なかなか手強かったぞ」

 

拓巳「結局当たったとしてもすか当たりだったから大したダメージ与えられなかったぜ…」

 

一夏「神経が磨り減るっつの、お前ら相手だとな…」

 

 

四人は談笑し合っていた、内容はお互いを称賛したり愚痴っていた

 

 

 

 

ウィノ「お疲れーはいドリンク!」

 

ウィノとエミリアが四本のドリンクを持ってきた

 

拓巳「おっ!サンキューウィノ!」

 

龍真「すまない…」

 

四人はそれぞれのドリンクを手に取って飲み始めた

 

 

一夏「ふぅ…生き返るぜ…」

 

カズマ「そうだな…」

 

 

とデルタ・フォース6人で寛いでいると

 

 

 

シャルル「ねぇカズマ」

 

カズマ「?」

 

カズマ達の下にオレンジのISを纏ったシャルルがやって来た

 

シャルル「今から摸擬戦良いかな?疲れてる所悪いけど…」

 

カズマ「ああ、良いぜ」

 

 

 

そしてカズマは再びΔ-ライン・スタンダードアーマーを纏ってシャルルと対峙した

 

カズマ(シャルルのIS…第二世代型再後発のラファール・リヴァイブか…量産機を奴向けにカスタマイズしているとなると…油断は出来んな…)

 

 

シャルル「何時でも良いよ!」

 

カズマ「行くぞ!(この戦闘でお前の実力試させてもらう!)」

 

カズマはライフルショーティーを素早い早打ちで六連発、シックス・オン・ワンと言われる一発の銃声に聞こえるが実は物凄い速さでの連射で六連発の銃声が一発に聴こえてしまう現象なのである

 

シャルル「一気に六連発!?」

 

 

シャルルはカズマの射撃の技術に驚きつつ冷静に躱してサブマシンガンを展開、カズマに向けて発砲した

 

 

カズマはその弾丸をすべて避け、避けると同時にライフルショーティーを放つ何時もの戦術になった

 

シャルルはその蒼いビームに何発か当たってしまった

 

 

シャルル「避けながら撃つ!?それにこの命中率…凄い…」

 

シャルルはカズマの射撃技術に驚き処か恐怖を覚えていた

 

カズマは射撃を避けながら撃つので、相手は撃った途端カズマのライフルショーティーでカウンターをされるのである。

 

 

シャルル「でも、これならどう!」

 

シャルルは右手にアサルトライフル、左手にサブマシンガンを展開して乱射した

 

 

カズマ(素早い展開…シャルルもエミリアと同じラピット・スイッチの技術を持っているのか…)

 

流石のカズマもこの弾幕には避ける事に集中し、相手の隙を伺った

 

シャルルは次の武器、グレネードランチャーを取り出して、アサルトライフルで牽制しながら撃った

 

 

カズマは右手のライフルショーティーで放たれたグレネードを撃ち落として爆発させた

 

 

 

シャルル「撃ち落とした!?」

 

カズマ「まだ終わらない!!」

 

 

カズマは両手のライフルショーティー、両足のライフルショーティーを乱射してシャルルを攻撃した

 

 

シャルル「足にもライフルショーティー!?うわああっ!?」

 

 

カズマの怒濤のビームの嵐に被弾率が多くなり、徐々にシールドエネルギーを削られるシャルル

 

 

そして遂に

 

 

8『試合終了、勝者はカズマだ!お疲れさん』

 

 

 

シャルルのシールドエネルギーが尽きて摸擬戦が終了した

 

 

 

シャルル「はぁ…はぁ…つ…強い……」

 

カズマ「うーん…良いクールダウンだったぜ」

 

シャルル「嘘でしょ!?僕ってクールダウンの相手並みなの!?」

 

 

カズマ「冗談だ、なかなかの実力だった、そしてナイスツッコミ」

 

シャルル「それでもダメージを与えられないなんて…はぁ…自信無くすよぉ…それに最後ナイスツッコミって…僕はツッコミ要因な訳!?」

 

 

自分の不甲斐ない結果に落ち込むシャルル

 

 

一夏「まぁ、カズマはデルタ・フォースの中で一番の実力者だし、カズマの上もいるからな」

 

シャルル「え!?カズマより強い人いるの!?」

 

龍真「ブライス隊長だ、あの人は俺達よりも遥かに強い」

 

拓巳「ノーダメージで何時もブライス隊長が勝っちまうもんな」

 

 

シャルル「し…信じられない…」

 

シャルルはデルタ・フォースの桁外れの実力に驚きまくっていた

 

 

ウィノ「そういうことよ、シャルル君」

 

ウィノは彼の肩に手を置いた

 

 

だが…

 

ウィノ(?自棄に細いわ…何か男じゃない…そして何か巻いてるわね…)

 

ウィノはシャルルの肩に手を置いた時、感触が男じゃない感覚を覚えた

 

ウィノ(もしかして…やっぱり…)

 

シャルル「あ…あの…ウィノ…どうかした?」

 

 

ウィノ「ううん、別にー!」

 

 

シャルル「じゃあ僕はリヴァイブの調整に入るから、お疲れー」

 

 

シャルルはそう言ってアリーナを後にした

 

 

 

ウィノ「ねぇ…みんな…シャルルの事なのだけど…やっぱりあの子、男じゃないよ」

 

拓巳「同感だな、声色が男の声じゃねぇ、むしろ女の声だ」

 

龍真「全ての動作節々に女らしさを感じるな…」

 

一夏「それに、一回一緒に更衣室に入ったが、距離を取っていたな」

 

エミリア「それとお姉様にデュノア社関係に調べて貰ったのですが…こんな結果が」

 

デルタ・フォースの六人は端末に映し出された情報を見て疑問から確信に変わった

 

 

カズマ「これで…確信だな…今日の夜仕掛けるぞ…」

 

 

「「「了解」」」

 

 

 

六人はアリーナ出ていこうとしたが…

 

 

ラウラ「織斑一夏…」

 

 

一夏「!?」

 

一夏が声の方に振り向くとドイツのシュバルツェア・レーゲンを纏ったラウラがいた

 

 

ラウラ「貴様も専用機持ちらしいな、なら私と戦え」

 

一夏「断る、理由がないね」

 

 

一方的なラウラの宣戦布告を断る一夏、次第にラウラの表情が歪む

 

 

ラウラ「私には理由がある…貴様が存在することで…あの方の汚点となっているのだ、ここで貴様を排除してやる」

 

 

ラウラはドイツいた時の千冬に強い憧れを抱いており、尊敬する彼女の汚点を排除しようとする考えなのだろう

 

 

しかし一夏にしてみれば一方的な偏見である

 

 

 

一夏「学年別トーナメントで相手してやる、それまで…」

 

 

ラウラ「逃げるか…なら…」

 

 

ラウラは機体の非固定部位からワイヤー発射して、セシリアと鈴と話していた春香の首にワイヤーを巻き付けた

 

春香「え!?がっ!?…は…」

 

首を絞められた春香はラウラの下まで引き摺られ、一夏に見せびらかした

 

 

一夏「春香!!」

 

春香「お……おにぃ…ちゃ…ん…」

 

首を絞められ声が思うように出ない春香、気道を圧迫され窒息寸前であった

 

 

カズマ「おい!春香を離せ!!」

 

ラウラ「ふん!」

 

ラウラは更に春香の首を強く絞めた

 

 

春香「がぁ…あ……あ…」

 

エミリア「や…止めてください!!そんな事をしたら春香さんが!!」

 

ラウラ「この女も教官の汚点だ、織斑一夏同様排除してやる」

 

 

拓巳「てめぇっ!!ふざけんなよ!!」

 

拓巳がISを展開すると

 

ラウラ「良いのか?」

 

ラウラが腕部プラズマ手刀を春香の首に近付けた

 

拓巳「な!?」

 

 

ラウラ「余計な事をすれば…こいつの命は早く亡くなるぞ?」

 

龍真「くっ…どうすることも出来んとは…」

 

ウィノ「あんた…それでも軍人なの!?まるでテロリストじゃない!!」

 

 

ウィノが怒りに叫ぶがラウラは嘲笑った

 

ラウラ「ふん、人を殺すことは軍人の職務の一つだ、それに私のやり方はテロじゃない、教官の汚点を排除する真っ当な行動だ」

 

 

カズマ「ふざけるな!!そんな行動…織斑先生は喜ぶのか!!」

 

ラウラ「当然だ、あの方は私に強さを教えてくれた…強さは力だ!人を蹴落とし、殺し、排除することでその力を見せつける事が出来る!!」

 

カズマ「それは違う!!そんなものは力じゃない!ただの暴力と傲慢だ!限り無いまでの!それは弱者の考えだ!強者の考えではない!!」

 

ラウラ「何…貴様…私を弱者だと…」

 

 

ラウラはカズマの言葉に表情を歪めた

 

カズマ「お前のやり方は端から見ればテロリストと同じだ!相手を排除する、殺す、淘汰する事で力を見せつける、それはもうただの弱者だ!お前は軍人の名を名乗る資格も無ければ、織斑千冬を教官と呼ぶ資格も無い!」

 

 

ラウラ「貴様ァッ!!」

 

 

ラウラはワイヤーを更に絞め上げようとしたが…

 

 

 

「そうですよ…あなたはただのテロリストだ!!」

 

ラウラ「な!?」

 

ラウラのISの周囲に多数のビットが展開して、その内の一基が春香を絞め上げていたワイヤーを切り、解放して、地上に落ちる寸前に何かがラウラの目の前を通り、春香をお姫様だっこで受け止めた

 

「春香ちゃんを…やらせはしない!!」

 

 

一夏「淕…?淕なのか!?」

 

淕と呼ばれた少年は顔立ちは中性的でとても幼い雰囲気である

 

(モデルはガンダムWのカトルで髪が黒)

 

春香「淕…くん…なの…?」

 

淕「はい、お久し振りです、春香ちゃん」

 

 

春香「淕くん……なんか…ちょっと格好いいかも……」

 

春香は力を尽きたのかぐったりとした

 

 

一夏「春香!?」

 

 

淕「大丈夫です!眠っているだけですから」

 

 

セシリア「担架をお持ちしましたわ!」

 

鈴「早くこれに!」

 

 

春香を担架に乗せてセシリアと鈴が医務室に運んでいった

 

 

 

ラウラ「貴様ァッ!!よくも……っ!?」

 

レールカノンを淕目掛けて放とうとしたが、ラウラの首に緑色の鎌状のビーム刃が現れた

 

 

それと同時にツインビームサイズを持ったΔ-ライン・ミラージュアーマーを纏った拓巳が、ミラージュフィールドを解除していた

 

 

拓巳「それ以上は首がすっ飛ぶぞ?」

 

 

カズマ「こっちも…全身風穴だらけになりたいのか?」

 

 

残りのデルタ・フォースのメンバーもISを展開して武装をラウラに向けていた

 

 

 

 

『そこの生徒!!何をやっている!!』

 

 

と放送室の先生が注意をした

 

 

その声に拓巳がツインビームサイズを仕舞った

 

 

ラウラ「ふん…今日は退いてやろう…」

 

ラウラもISを解除してその場を去った

 

 

 

 

暫くアリーナの生徒達は、ラウラの恐ろしい行動に恐怖で動けずにいたと言う…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




淕のΔ-ライン紹介

Δ-ライン・ディフェンスアーマー
シールドエネルギー総量 950



全身にマントの様に展開されているシールドが特徴の強化アーマー、このシールドは分離することでビット兵器として使える事ができる

シールドエネルギーは全強化アーマー最強の総量を誇る


武装

シールドマント
シールドライフルビット×10
シールドディフェンスビット×5
シールドソードビット×5
ガトリングスマッシャーユニット
量子化武器
ショートビームライフル


全身を覆うシールドマントは、分離するとライフルビット、ディフェンスビット、ソードビット三タイプのビットに分けられる

ディフェンスビットは、ビットを様々な形に展開させることで、強力な陽電子リフレクターを発生してあらゆる攻撃を無効化する

ガトリングスマッシャーユニットは停止しながら撃たなければならないが、それでも多数の弾幕を張ることが出来る兵器である



デルタ・フォースの追加はこれで最後です





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第二十一話 白式は何処に?

新しいオリキャラの声優

龍真・R・神崎 宮野 真守
初狩拓巳 阿部 敦
篠崎淕 代永 翼

ルオンさんちょいオリキャラの名字と声優変えました…


IS学園 医務室

 

ベッドに横になって休んでいるのは一夏の妹、春香である

 

彼女は先程の授業でラウラに首を絞められて気を失っているのである

 

 

淕「すみません一夏さん…もう少し早く来れたら…」

 

一夏「いや…こうなったのは俺の責任だ…あの時…ラウラの勝負を受けるべきだったんだ…」

 

 

そう言って握り拳を固くする一夏

 

一夏「何が家族を護るだ…結局俺は何も護れてない…」

 

 

カズマ「一夏…」

 

エミリア「一夏様…」

 

 

心配そうに一夏を見つめるデルタ・フォースのメンバー

 

 

 

春香「お兄ちゃん…」

 

一夏「!?春香!大丈夫か!?」

 

春香「うん…ちょっと死にそうだったけど…大丈夫………って…あれ?」

 

 

一夏「春香?どうした?」

 

春香は右腕を掴んでいた、次第に顔が青ざめてく

 

 

春香「ない……あたしの…白式がない!!」

 

一夏「えっ!?」

 

 

 

春香の左腕にあるはずの白式の待機状態であるガントレットが無くなっていた

 

 

拓巳「ここに来る道中落としたんじゃないのか?」

 

セシリア「そんな!ガントレットがそう簡単に外れませんわ!」

 

淕「なら…誰かが奪った…?」

 

龍真「その考えで行くと専用機持ちじゃない奴等だが…多すぎる」

 

専用機持ちじゃない生徒は殆どなので探し出すに時間がかかる

 

 

ウィノ「ねぇ…まさかと思うんだけど…あの箒って奴じゃない?」

 

ウィノが一つの仮定を出す

 

鈴「あり得るかもね…アイツトーナメントで優勝したら一夏と付き合うってそう宣言してたし…」

 

シャルル「そうなの!?」

 

一夏は頭を押さえながら

 

一夏「いつか前に、アイツが俺らの部屋に来ていきなりそう言う事で言い出したんだよ…でもアイツもバカだよな…俺はともかく、カズマの事をすっかり忘れてるし」

 

エミリア「でも本人は勝つつもりでいるらしいですけど…」

 

 

シャルル「いや…カズマに勝つなんて無理だよね…だって代表候補生相手に一ダメージも食らわなかったって…」

 

鈴「あたしもカズマと摸擬戦したけど…桁外れの強さだわ…とても敵わない…」

 

セシリア「私も歯が立ちませんでしたわ…カズマさんは恐らく一年の中では間違いなく最強と思われます」

 

三人の代表候補生はカズマと摸擬戦を経験しているが、三人とも一ダメージも与えられずに終わってる

 

彼のポリシーは一撃を受けないという考えで戦っているのである

 

 

カズマ「…でも…篠ノ之さんはそう言うことをしないと思いたいな…彼奴は剣道をしていた、つまり日本で言う侍と同じだと思う……侍なら、卑劣な手を使わず、正々堂々真っ向勝負を挑むって聞いたんだけどな…」

 

 

その言葉に暫しの沈黙が流れた……

 

 

 

カズマ「もし篠ノ之さんが立ち塞がるなら俺は容赦しないし、叩きのめしてやるまでだ」

 

ウィノ「あたしも同じ、アイツに軍人の戦いってのを教えてやるわ」

 

一夏「ま、箒には負ける気は無いね」

 

エミリア「出来れば私が引導を渡したいです…色々と頭に来ますので…」

 

 

 

 

シャルル「絶対勝てるって…カズマ達なら…」

 

 

 

そう呟くシャルルに…

 

 

 

カズマ「さて、そろそろ俺達デルタ・フォースの問題もここで解決しないとな…」

 

セシリア「問題…ですの?」

 

鈴「一体どうしたのよ?」

 

 

 

カズマはシャルルの前に行き尋問のように質問した

 

 

カズマ「シャルル…お前…女だろ?」

 

シャルル「ええっ!?」

 

シャルルは今までに無い動揺をした

 

その額から汗が滲み出ている

 

 

鈴「ど…どう言うことよ!!シャルルが女!?れっきとした男じゃない!」

 

 

鈴がシャルルの姿を見て反論する、確かにシャルルは一見すれば男だ…一見すればの話だが…

 

 

龍真「いや…お前の行動を見ていると、行動の節々に女らしさを感じた」

 

ウィノ「あたし、君の肩触った時さ、なんか男じゃない肉付きなのよねぇ…それに、胸に巻いてるでしょ?隠す為に…」

 

シャルル「…」

 

シャルルは胸を隠すように両腕を胸に置いた

 

 

拓巳「ほれ、今内股じゃねーか、そう言う自然な内股って女しかしねーよ」

 

シャルル「…っ…」

 

 

どんどん追い込まれていくシャルル、身震いで彼の体が震える

 

 

エミリア「もうお止めください、シャルロット・デュノアさん」

 

シャルル「え!?…どうして僕の本名を…」

 

 

今エミリアが言ったシャルロット・デュノアが彼…いや彼女の本名だ

 

 

淕「僕が調べたんですけどね…デュノアの家族にシャルルという男性は存在しない、そしてデュノア社社長のは愛人の娘がいる…それが貴女ですね?シャルロットさん?」

 

 

シャルル「……ちょっといい…」

 

 

シャルルはとある医務室のベッドに行き、カーテンを閉めた

 

 

そして出て来たのは女であるシャルル…もとい…シャルロット・デュノアであった

 

 

 

 

シャルロット「これが…僕の…ううん……私の本来の姿だよ…」

 

今のシャルロットを見たセシリア達は

 

セシリア「本当に…女でしたのね…」

 

鈴「確かに一目じゃわからないわ…」

 

春香「でも…なんで男装したの?」

 

 

春香が質問をするとシャルロットはこれまでの経緯を話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルロット「これが……僕が男装してIS学園に入った理由だよ…」

 

 

 

「「「「………」」」」

 

 

その場にいた全員は言葉が出なかった…

 

 

親の言いなりになって男装をさせられ、更にスパイ紛いな事を押し付けられる彼女の理不尽なこれまでの経緯に驚いて言葉が出なかったのだ

 

 

 

拓巳「ふざけんじゃねぇ…そんなの親じゃねぇ!」

 

シャルロット「でも…僕はお母さんとあの人によって産まれたんだよ…否定したくてもあの人は親なんだ…」

 

自虐的に話すシャルロット…自然と場の空気が重くなる

 

 

 

 

春香「ねえ…カズマ…この事がバレたシャルルってどうなるの?」

 

春香は世界情勢に詳しいカズマに質問した

 

 

カズマ「性別を詐称してIS学園に入学…並びにアメリカの軍事機密を強奪…スパイの容疑で強制送還か…或は懲役物だな」

 

春香「そんな!親に無理矢理やらされてそれで牢屋に入れられるの!?」

 

カズマ「アメリカならこれくらいは当たり前だ、最先端の技術を盗もうと言う国は何処にでもいる…まぁ…今回は運が良かったな、シャルロット」

 

シャルロット「え?」

 

カズマ「今回のお前の目的は俺達デルタ・フォースのIS、Δ-ラインのデータを盗め…なのだろ?」

 

 

シャルロット「そうだけど…」

 

 

それを聞いたエミリアは端末を持ってシャルロットの前に行った

 

エミリア「安心してください、たった今政府の承認を得て、Δ-ラインの基本フレームのデータをデュノア社に提供しましたわ」

 

シャルロット「え!?でもそんな事をしたら…」

 

突然デュノア社にΔ-ラインの基本フレームデータを提供すると聴いて驚くシャルロット、それは自分の貴重なデータを相手に流すと言う事である

 

エミリア「条件付きですわ、このデータを受け取るなら、我がリィンフォース社と協力関係になってくださいと…そしたら是非お願いしますとデータを受け取ってくれましたわ」

 

 

龍真「つまり…お前がもう男装をする理由は無くなった…という訳だ…そしてスパイをすることも…」

 

シャルロット「……」

 

シャルロットは今まで重荷になっていた重圧が外れたんだろうかその場で力尽きたように座り込み、目に涙が浮かんでいた…

 

一夏「良かったなシャルロット、お前はもう自由に生きても良いんだぜ」

 

シャルロット「う…うわあああああん!」

 

 

シャルロットは遂に大声で泣き出した

 

エミリアに抱き付いて暫く泣き続けた…彼女は余程苦しい思いをして来たのだろう…

 

 

Ppppppp!

 

 

ここで誰かの携帯が鳴った

 

シャルロット「僕の…だよ…」

 

シャルロットが携帯を開くと目を見開いた

 

シャルロット「あの人からだ…ちょっと良いかな」

 

 

みんなの了承を得て医務室の外で電話に応じたシャルロット、相手は彼女の父親だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて通話が終わって再び医務室に入った

 

 

シャルロット「あの人が…今まで…ごめんって…無理な事をさせてごめんって…ううっ…」

 

どうやら電話の内容は謝罪だったようだ

 

 

シャルロット「そしたら…これから父親として呼んでくれないかって…言われた…」

 

 

ウィノ「良いじゃない!今度話す時は思いっきりパパって呼んであげたら」

 

シャルロット「うん…ありがと…うわあああああん!」

 

ウィノ「ああもう…泣き虫だなぁ…」

 

 

今度はウィノに抱き付いて泣き始めた

 

 

カズマはその様子を見て不意に窓の外の空を見ていた

 

 

カズマ(父さん…母さん……)

 

テロで亡くした両親を思い出した…小さい時から勉強熱心だったカズマを誉める父親、妹達の面倒を率先して見る事を母親に感謝される…今だから思える…俺の家族は…とても微笑ましい物だったと…

 

カズマ(俺はこれからIS操縦者として活躍するつもりさ…だから……)

 

カズマは胸のペンダント…両親の形見を握って

 

カズマ(安心して見守っててくれ…俺は絶対、父さんや母さんの分まで…妹や仲間と共に生きていくから…)

 

 

カズマの決意を夕焼けに染まった夕日は受け止めた様な気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその後シャルロットは、次の日から女性として転校してきた

 

クラスのみんなは響めいたが…直ぐに普通の雰囲気に戻った

 

 

性別を偽ったシャルロットをクラスのみんなは許してくれたのだ…

 

 

 

 

 

 

 

その日の昼

 

 

カズマ達デルタ・フォース…そして代表候補生達四人と春香は仲良く昼食を取っていた

 

合計11人のテーブルはとても賑やかであった

 

 

 

カズマ「……」

 

何時も通りいただきますの格好で止まるカズマ

 

そして

 

龍真「……」

 

龍真もいただきますの格好で止まる…

 

 

一夏「なぁ…お前のその癖…もしかして龍真のせいか?」

 

カズマ「ああ、龍真が日本の食事はいただきますをしないと行儀が悪いと言われたのでな、

…」

 

龍真「それを忘れずにいてくれたのは…嬉しい…」

 

 

ようやくカズマの不可解な行動の原因がわかった

 

 

簪「龍真は厳しい父親に育てられたから…それが原因だと思うの…」

 

 

セシリア「まあ…日本でもそんな素敵な方がいらっしゃるのですね…」

 

鈴「あたしは堅苦しくてやだなぁ…」

 

セシリアは感銘を受ける反対に鈴は嫌がった

 

そんな話題で盛り上がる中春香はずっと落ち込んでいた

 

 

シャルロット「春香?どうしたの?」

 

 

落ち込んでいる春香を心配したのかシャルロットが声をかけた

 

声をかけられた春香は笑って返事をするが、何処かぎこちない

 

春香「う…ううん…なんでも……ないよ…」

 

淕「もしかして…白式の事?」

 

 

春香「………うん……あれからずっと探しているんだけど……見つからなくて…」

 

春香は昨日無くした白式を探していたが見つからなかった

 

姉の千冬に経緯を話して、学校側でも捜索してくれると手を打ってくれた

 

しかし自分の愛機が離れるとやはり不安な気持ちになるのが人の性であろう

 

 

エミリア「あの…春香さん、もしよろしければ我々リィンフォース社が新たに開発したΔシリーズのテストパイロットとなりませんか?」

 

春香「新しいΔシリーズのIS?」

 

 

エミリア「はい、今回我々が開発したのはΔ-バウンサー、Δ-エクゼスの二機です。今回春香さんにテストパイロットをして頂きたいのがこのΔ-バウンサーです」

 

 

エミリアは春香にタブレット型端末を渡し、春香はその性能を拝見した

 

エミリア「あ、皆様に見える様に8にコードを繋いでください」

 

春香「うん、わかった」

 

8をテーブルの上においてコードを繋いだ

 

8『表示するぞ』

 

 

8のディスプレイに二機のISの情報が映し出された

 

 

 

 

 

Δ-バウンサー(試作型)

 

シールドエネルギー総量 610

 

Δ-ライン・ストライカーアーマーから取れたデータを基にして作られた近接格闘戦を主体としたΔシリーズの最新鋭の機体

 

Δ-ラインの近接型後継機で素体アーマーでもΔ-ラインの強化アーマー付き並みの性能を誇る

 

 

武装

腕部ソリッドバルカン

背部搭載対艦刀(エクスカリバー)

高エネルギービームセイバー×2

 

背部に搭載されている全長100cm程の対艦刀、H.V.Sの機能である熱振動によって敵を切り裂く

 

高エネルギービームセイバーは通常のビームセイバーの数倍のエネルギー量で、その威力はシールドバリアーごと切り裂いて絶対防御にダメージを与える事が出来る

 

 

 

 

 

 

 

Δ-エクゼス(試作機)

 

シールドエネルギー総量650

 

Δ-ライン・スタンダードアーマーのデータを基にして作られたあらゆる状況に対応出来る汎用機のΔシリーズの最新鋭機

 

素体アーマーでもかなりの高性能で正にΔ-ライン・スタンダードアーマーの後継機である

 

 

武装

ドッズライフル

ビームセイバー×2

腕部ソリッドバルカン

 

量子化武器

100mmバズーカ

 

ドッズライフルはビームをドリル回転で発射する事により、貫通力を大幅に強化したビームライフルである。ビームのエネルギー減少率は通常のビームライフルと変わらないが、威力は圧倒的にこちらが上

 

 

 

 

 

 

その性能に見入ってしまったデルタ・フォースと代表候補生達

 

シャルロット「すごい性能…流石リィンフォース社…このΔ-エクゼスは…誰が乗るの?」

 

エミリア「Δ-エクゼスはシャルロットさんにテストパイロットをしていただけたらと思いまして」

 

シャルロット「え!?僕に?」

 

エミリア「シャルロットさんの戦法はΔ-エクゼスの性能と合いますし、貴方のお父様にも許可を頂いております」

 

 

シャルロットは少し考えたが…決心が着いた

 

シャルロット「うん、僕にこのΔ-エクゼスのテストパイロットやらせて」

 

 

エミリア「はい、ありがとうございます」

 

深々と礼をしたエミリア

 

 

春香「Δ-バウンサー…お願い…私に力を貸して…」

 

 

そう言って待機状態のバッジを握り締める春香であった

 

 

そして校内通達にて学年別々トーナメントが二人一組でのタッグ戦という変更が出た

 

 

龍真達セカンドチームは今回はパスするらしい

 

それはセカンドチームの隊長がデルタ・フォースが大勢出たら他の生徒達が可哀想だと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し離れたテーブルに…

 

 

箒「ふふ…よし!これなら…これなら奴等に勝てる!!」

 

 

そこに一人で座っていた箒、自棄に上機嫌だ…

 

箒「待っていろ一夏、お前を必ず救い出してやるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 




龍真達セカンドチームとシャルロットの能力 スパロボ風

龍真・R・神崎 レベル23
アビリティ 集中 狙撃 直撃 ひらめき 魂

射撃198
格闘186
防御170
回避192
命中218
技量204



初狩拓巳 レベル21
アビリティ 攪乱 加速 突撃 気迫 脱力

射撃151
格闘210
防御142
回避198
命中176
技量194



篠崎淕 レベル21
アビリティ 友情 鉄壁 不屈 絆 信頼

射撃175
格闘170
防御297
回避132
命中189
技量193


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第二十二話 トーナメント開幕

沢山の感想ありがとうございます

さて、いよいよあの二人をボコる時が来ました!


夕日が射すデルタ・フォース隊長室

 

そこにデルタ・フォース全員がブライスに呼び出されていた

 

 

カズマ「あの…それは決定事項なんですか?」

 

ブライス「ああ、マクガバン大佐が決定した」

 

ウィノ「そ…そんなぁ…パパに言ってくださいよぉ!」

 

龍真「仕方無い…ウィノ、今回は諦めよう」

 

 

ウィノ「やだやだやだ!!カズマとコンビ組みたい~!!」

 

 

その場で駄々をこね始めたウィノ

 

 

それはデルタ・フォース総司令官、ダン・マクガバンから今回の学年別個人トーナメントは生徒達に不快な気を与えないためにカズマと一夏の二人だけの参加となった

 

 

恐ろしい程の技量を誇るデルタ・フォースのメンバーが全員出るとなると確実にデルタ・フォース同士の戦いになってしまうからだ

 

 

エミリア「仕方無いですわ…ウィノさん、今回は諦めましょう」

 

ウィノ「……わかった…」

 

漸く引き下がったウィノ…余程カズマと出たかったのだろう

 

 

拓巳「あーあ…虚さんと出るつもりだったってのに…」

 

淕「僕も春香ちゃんと出たかったけど…総司令官の命令じゃ仕方無いです…」

 

 

どうやら拓巳も淕も一緒に出たかった人がいたらしいが、今回の一件でそれが叶わなかった

 

ブライス「安心しろ、お前らなら優勝出来るし、Δ-ラインの性能を各国に見せつけれるさ」

 

今回の学年別タッグトーナメントは世界各国のIS関係者が一同に介する催しである

 

Δシリーズを発表したてのアメリカにとっては最高のアピール会場であるのだ

 

 

カズマ「俺と一夏なら大丈夫です」

 

一夏「こんなトーナメント、楽に勝たせてもらいますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ、ウィノの部屋

 

ウィノ「…」

 

ウィノはベッドの上で枕を抱きながら不貞腐れていた

 

カズマ「まだ不貞腐れてるのか?」

 

ウィノ「……」

 

何時もは元気なウィノが珍しく黙りである

 

カズマ「俺だってウィノと一緒に出たかったさ…」

 

ウィノ「……本当?」

 

カズマ「もちろん」

 

ウィノ「じゃ証明して」

 

 

カズマ「?」

 

ウィノ「本当にあたしと組みたかったっての…証明して…」

 

 

カズマはウィノの前に座って彼女にキスをした

 

ただのキスではない…舌を絡め合った大人のディープキスであった

 

 

一分近いディープキスをした二人の間に唾液の糸が繋がっていた

 

 

ウィノ「…カズマ…がんばれ…」

 

 

カズマ「心配するな…俺と一夏なら楽に優勝さ」

 

 

ウィノ「そしたら、デートでカズマの行きたい所行っても良いよ」

 

 

カズマ「良いのか?俺が行くのは日本映画ばっかりだけど…」

 

カズマは日本映画が大好きなのだ、日本語を流暢に話せるし聞き取れるし読めるので日本映画の字幕無しでも普通に楽しめる

 

ウィノ「カズマと一緒だったら楽しいよ!絶対」

 

カズマ「ふっ…おっと…そろそろ寝るか?」

 

 

時計を見たらPM11:00だった

 

 

ウィノ「そうだね…」

 

 

カズマがベッドに入ると、ウィノもカズマに抱き付いて一緒に寝るのである

 

ウィノ「……なんだか…カズマの温もり感じると…物凄く眠い…」

 

カズマ「そっか…」

 

ウィノ「もうちょっとぎゅうってしたかったのに……ダメ…眠い…」

 

ウィノは早くも眠気に負けて目を閉じようとしていた

 

そんなウィノを優しく抱き締めるカズマ

 

カズマ「逆に俺が抱き締めるのは…駄目か?」

 

ウィノ「うん……むしろ…良いよ…………すぅ……」

 

 

そうしてウィノは眠り始めた

 

 

ウィノの可愛らしい寝顔を見たカズマは頭を優しく撫でて自分も眠った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学年別トーナメント当日

 

控え室のピットで衝撃的な出来事が起きたのだ

 

 

 

一夏「……」

 

カズマ「……」

 

 

二人はトーナメント表が書かれてるモニターを見ていた

 

二人は開幕戦の第一試合だったが…その相手が…

 

 

カズマ・アーディガン/織斑一夏VSラウラ・ボーデヴィッヒ/篠ノ之箒

 

だった

 

 

カズマ「いきなりすごい組み合わせだな…」

 

一夏「俺は良かったぜ…春香を痛め付けた借りを返せるんだからな…」

 

一夏はラウラに怒りを感じていた

 

一夏は感情に流されやすいのが欠点で、熱くなればなるほど暴走してしまうのである

 

 

 

カズマ「冷製になれ一夏、恐らくラウラの実力は俺達並かもしれん」

 

一夏「ああ…そうだな…作戦はどうする?」

 

 

カズマは8を机の上に置いてディスプレイが点灯した

 

 

8『カズマが言うには一方を戦闘不能にして二対一でラウラに当たるという作戦だ』

 

 

一夏「つまり…」

 

カズマ「ああ、あの掃除用具にはすぐに退場させてやるさ…奴は俺が倒す、その間ラウラの牽制を頼むぜ」

 

 

一夏「任せろ!」

 

 

 

カズマ「よし!それじゃ…」

 

 

カズマと一夏は拳を合わせて

 

 

「「派手に暴れるか!!」」

 

 

カズマと一夏はΔ-ラインを纏い、カタパルトに足を固定した

 

 

 

カズマ「カズマ・アーディガン、スタンダードアーマー/バスター出る!!」

 

一夏「織斑一夏、ストライカーアーマー行きます!!」

 

 

蒼と白のフレームのISはカタパルトからバレルロールで射出され、背部のバックパックが展開して所定の位置に着いた

 

 

そこにはシュバルツェア・レーゲンのラウラと、訓練機の打鉄を纏った箒だった

 

 

ラウラ「早くも貴様を排除出来るとはな…私は幸運だな」

 

一夏「いや…それは不運だな…俺とカズマのコンビならお前の負けは確定だ」

 

ラウラ「ふっ…減らず口も叩けないよう、無惨に殺してやろう」

 

 

 

その一方で

 

箒「くっ…せっかくこの力を手に入れたと言うのに…何故いきなりこの二人と…」

 

箒は完全に不運であった

 

いきなり一年の中で最強クラスの実力を持つカズマと一夏に当たってしまった事を嘆いていた

 

箒「まあ…良いか…ふふ…この力があれば…」

 

 

 

 

向かいのカズマは箒の表情に疑問を抱えていた

 

 

カズマ「あの篠ノ之の表情はなんだ?自棄に自信がありすぎる…8…あの打鉄スキャンしてくれないか?」

 

8『良いけど時間かかるぞ?』

 

カズマ「問題ない、スキャンが終了したらディスプレイに表示してくれ…何かあの打鉄を見ると…妙な胸騒ぎがする」

 

8『了解ー』

 

カズマは打鉄に箒の駆る打鉄を調べさせた

 

自身の胸騒ぎを解消させるために…それに箒の不気味な自信ありの表情の謎を解くために

 

 

 

そして試合開始のブザーが鳴った

 

 

 

開始早々一夏はロングブレードライフルをソードモードにして、ラウラに突っ込んだ

 

それを見たラウラは右手を一夏に翳して透明な何かを張った

 

 

それを見た一夏はライフルモードでラウラを撃った

 

ラウラ「くっ…」

 

突然のビーム射撃に反応が遅れて一発食らったラウラ

 

一夏(これが…AICか…)

 

AIC、通称アクティブ・イナーシャー・キャンセラー

 

慣性停止結界と言われ、物体の動きを止めて拘束するシュバルツェア・レーゲンの単一能力である

 

ISの制御をするPIC、通称パッシブ・イナーシャー・キャンセラーの応用した兵器だと思われる

 

 

だが、これの最大の弱点は、エネルギー系の銃弾は止められないと言う事である

 

 

ラウラは先程AICを展開したが、エネルギー兵装のロングブレードライフルのライフルモードで撃たれたのでAICでは防げずに喰らってしまったのだ

 

ラウラ「貴様ッ!」

 

一夏「おっと!」

 

一夏はその場で月面宙返りでラウラのレールガンを避けた

 

そして一夏の後ろにライフルショーティー四つを連結し高エネルギー収束インパルス砲を構えたカズマがいた

 

 

カズマ「撃ち抜く!!」

 

放たれた極太の蒼いビームはレールガンの弾を飲み込み、そのままラウラの下へ

 

 

ラウラ「な!?うああっ!!」

 

寸での所で避けたが高エネルギーの影響か多少エネルギーが減った

 

カズマはテールバインダーに内蔵されているコールド・クナイを素早く投げた

 

だが

 

 

箒「はっ!せいやっ!」

 

箒は打鉄のブレードでクナイをすべて叩き落とした

 

箒「私を忘れては困るぞ!」

 

箒はそのまま突っ込んだが、上空からH.V.Sを抜刀した一夏に止められた

 

一夏「させねぇよ!」

 

箒「一夏ッ!今日こそあの男とデルタ・フォース全員倒して、お前を救ってやるからな!」

 

一夏「お前に救われる筋合いもなければ、俺はデルタ・フォースを抜ける気はない!」

 

 

箒「何故だ!一夏は私と一緒の方が良いのだ!!」

 

 

一夏「箒…昔お前を助けた事を…今では後悔してるんだよ!!」

 

 

箒「な…なんだと……っ!?しまった!!」

 

 

箒はもう一つのロックオン反応を見てその方向を見るとヘビーライフルを二丁構えている

 

 

カズマ「避けるなよ!」

 

 

二つの強力なビームが箒に放たれた

 

が、箒の体に突然ワイヤーが巻き付き、箒を強制的に一夏から離れさせた

 

 

 

それによってカズマヘビーライフルは外れてしまった

 

 

 

 

 

箒「何をする!!」

 

ラウラ「邪魔だ…」

 

箒「なっ!?ぐっ…あああっ!!」

 

 

勢いよく投げられたので受け身が取れず地面に転がる箒

 

ラウラはお構いなしにプラズマ手刀で一夏に斬りかかる

 

カズマもライフルショーティーで援護するが、誘導ワイヤーの猛攻で援護が出来なかった

 

 

一夏「カズマ!」

 

カズマ「ああ、プランA、planet dance!!」

 

一夏「了解!」

 

 

カズマが号令をかけると一夏はラウラに、カズマは箒に向かった

 

 

 

 

 

箒「ぐっ…まだまだ…はぁあああっ!」

 

また一夏に斬りかかろうとしたが

 

 

上空から蒼いビームが放たれた

 

 

箒「ぐっ!何!?」

 

放たれた方向を見ると左手にライフルショーティー、右手にコールド・ブレードを持ったカズマがいた

 

カズマ「相手が一夏じゃなくて悪かったな?」

 

箒「ふん!貴様にも恨みはある!一夏をあんな所に居座らせたのも…エミリアもそうだがお前も原因だ!!」

 

カズマ「違うな…彼奴は自分でデルタ・フォースに入ったんだ…自分自身がつよくなるため、愛する人を…家族を護るため…そうやって彼奴はデルタ・フォースで成長してエミリアと出会い、お互いを信頼し合って、愛し合った…そんな関係をお前如きに壊させるわけにはいかない!!」

 

カズマはライフルショーティーを仕舞ってもう一本のコールド・ブレードを抜き、二刀流になった

 

カズマ「武士ってこんな感じに言うんだよな?……カズマ・アーディガンΔ-ライン・スタンダードアーマー、いざ尋常に!!勝負!!」

 

 

 

 

そう言って箒に突っ込んだカズマであった

 

 

 

 

 

 

 

 




カズマ…最後…00の武士道仮面みたくなってる…


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第二十三話 狂喜の剣劇

前書きのネタが思い浮かばなくなってきた…


一夏「おっと、流石黒ウサギ隊長だな」

 

ラウラ「くっ…何故だ…何故当たらない!」

 

一夏はラウラのプラズマ手刀による猛攻を受けているが、全てH.V.Sで受け止めるか、避けている

 

痺れを切らしたラウラは誘導ワイヤーを射出した

 

一夏「この程度!」

 

一夏はワイヤーを斬って使用不能とした、がラウラはこの隙を狙っていた

 

 

ラウラ「ふっ…」

 

ワイヤーに気を取られている一夏に向けてラウラはレールガンを放った

 

 

 

一夏「はぁあああっ!!」

 

一夏は横凪ぎ一閃で放たれたレールガンを切り裂いた

 

 

ラウラ「なっ!?馬鹿な…!」

 

一夏「隙あり!」

 

突然の事で驚いて隙が出来たラウラを一夏はイグニッション・ブーストで一瞬で間合いを詰めてクロスに切り裂いた

 

 

ラウラ「ぐあっ!…ああっ…おのれっ!」

 

 

ラウラは再びプラズマ手刀で近接戦を仕掛け、斬って避ける、斬って避けるの繰り返しの格闘戦が繰り広げられていた

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のカズマは

 

 

箒「うあああっ!!」

 

箒が吹き飛ばされ、地面を無様に転がっている

 

 

こちらも格闘戦を繰り広げられていたのだった

 

カズマはコールド・ブレードを二刀流で持ち、箒も日本刀型ブレードを展開して応戦していたが、やはり技量ではカズマの方が上、箒はずっと防戦一方であった

 

 

 

カズマ「その程度か?似非武士」

 

箒「うるさい!!はああああっ!!」

 

再び突撃する箒

 

 

カズマ「動きが直線過ぎる…」

 

カズマは降り下ろされた箒のブレードを後ろに受け流して背中に蹴りを入れた

 

 

箒「がはっ!!」

 

 

再び地面を転がる箒

 

 

 

 

起き上がろうとする箒の喉元にコールド・ブレードを当てるカズマ

 

 

カズマ「もうわかっただろう?お前じゃ俺達には勝てない…諦めるのが得策だ」

 

 

 

カズマがこう言うのも…既に勝敗は決しているからだ

 

カズマのシールドエネルギーは無傷(720/720)で、箒のはあと二桁(12/520)だからだ

 

 

 

しかし箒は笑っていた

 

カズマ「どうした?」

 

 

箒「なら見せてやろう…私の新たな力!!」

 

カズマ「?」

 

 

8『カズマ気を付けろ!』

 

カズマ「8?」

 

8『あの打鉄…普通とは違う、特殊な改造を施されているぞ!!』

 

カズマ「…何!?」

 

 

そして打鉄が赤く光って、箒はカズマを切り飛ばした

 

 

カズマ「くっ…」

 

 

カズマはコールド・ブレードを仕舞い、ライフルショーティーで撃ったが、特殊なフィールドを張っていて攻撃があまり効いていない

 

そして機体が目にも止まらない速さで近付いてくる

 

カズマ「くっ…」

 

カズマはコールド・ブレードでその一撃を受けたが、衝撃に耐えきれなかったのかコールドブレードが折れた

 

カズマ「何!?」

 

箒は直ぐ様二の太刀を放つがもう一本のコールド・ブレードを抜刀して止めるがわずか一合で使い物にならなくなった

 

 

 

 

 

カズマ「あれは…まさか…」

 

8『間違いない…機体の性能と射撃の威力を半減するフィールド…あれは…Δドライバだ!!』

 

 

箒の打鉄はカズマ達のΔ-ラインの単一能力、Δドライバを発動しているのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席ではウィノ達の デルタ・フォースと代表候補生四人が見ていた

 

 

拓巳「どうなってんだよ!ありゃ…Δドライバじゃねーか!!」

 

箒のΔドライバ発動に動揺するデルタ・フォースメンバー

 

龍真「そんな馬鹿な…だがあのビームを弾くフィールド…正しくΔドライバの機能だ」

 

 

セシリア「でも…ΔドライバはΔ-ラインの単一能力ですわ!量産機でコアが違う打鉄が発動出来る筈が…」

 

その通り、ΔドライバはΔ-ラインのコアに内蔵されているΔドライブと言われる特殊な動力源が存在している、ほとんどのΔシリーズにΔドライブは内蔵されているが、カズマ達のΔドライブは量産機のΔドライブより高性能の為、単一能力のΔドライブが発動出来るのである

 

 

淕「でも…どうやって…打鉄のコアとΔドライブを入れ換えたのかな?」

 

春香「え!?そんな事出来るの!?」

 

 

鈴「でもさ、箒にそんな技術は無いでしょ?流石に…」

 

 

 

エミリアは手元の小型PCで箒の打鉄の情報を解析していた

 

 

エミリア「だとしても、打鉄はそう長くは持ちません、本来のコアより高出力のコアを動力源としていると、打鉄自体が崩壊すると思います。エネルギーバランスが悪いですから…」

 

 

シャルロット「なら大丈夫だけど…ってカズマが圧されていく!」

 

簪「嘘…カズマが圧されるなんて…」

 

 

その隣で

 

ウィノ(カズマ…頑張って…!!)

 

 

ウィノはずっと祈り続けていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「くっ…このままでは…」

 

 

カズマはビームセイバーを二刀抜刀し突っ込んだ

 

 

箒「無駄だ!私にはこれがある!」

 

 

箒はもう一本の赤いブレードを呼び出して受け止めた

 

 

そして蒼いビームセイバーの刃が、赤いブレードに触れた瞬間消失した

 

 

カズマ「何!?」

 

箒「消えろ!一夏の害毒がぁあああっ!!」

 

 

横凪ぎ一閃でカズマを斬った箒

 

 

カズマ「があああああっ!!」

 

 

切り飛ばされたカズマは受け身を取って体勢を立て直したが、シールドエネルギー残量を見て驚愕の表情になった

 

シールドエネルギー残量

213/720

 

 

たった一撃で500も減らされたのだ

 

カズマ「8…あの剣…」

 

8『ああ…あれは白式の雪片とほぼ同じ構造だ!』

 

箒のブレードをよく見ると、色とフォルムは違うが、受けた一撃は正しく白式の零落白夜だった

 

 

 

箒「一夏…ああ…私の…一夏ァァアアアアアッ!」

 

 

箒は一夏とラウラの戦いに乱入した

 

 

一夏「なんだ!?」

 

ラウラ「ちっ…邪魔だ!!」

 

 

ラウラは突っ込んでくる箒に向かってワイヤーを射出したが

 

箒「そんなもの!!止まって見える!!」

 

 

箒はそのワイヤーを掴んだ

 

ラウラ「何!?掴んだだと!?」

 

 

箒「むん!!」

 

箒は掴んだワイヤーを引いてラウラを自分の下へ引き寄せた

 

 

箒「貴様も!!一夏の害毒だァァアアアアアッ!」

 

 

強烈な零落白夜の一閃でラウラを斬った

 

 

ラウラ「うあああああああっ!!」

 

 

ISのシールドエネルギーが尽きて機体の維持が不能となったシュバルツェア・レーゲンは解除されラウラは地上を転がっていた

 

 

ラウラ「はぁ…はぁ…ッ!?」

 

そんな生身のラウラの下へ箒がやって来て

 

 

ラウラ「な…何を…」

 

箒は笑っていた…それもただの笑みではない…狂喜に満ちた笑みだ

 

 

一夏「やめろ!!箒!!」

 

 

一夏はスクリューウィップで箒を拘束しようとするが、それを斬った

 

箒「一夏ぁ…見ていろ、お前の邪魔な奴を…」

 

そう言ってブレードをラウラに降り下ろそうとした

 

一夏「ちっ…この馬鹿野郎!!」

 

 

一夏はラウラと箒の間に入って箒のブレードをH.V.S二本で受け止めた

 

箒「一夏!?何故邪魔をする!?私とお前の理想の二人になるには…邪魔となるものは排除しなければならないのだ!!」

 

 

一夏「ふざけんな!!そうやってお前は人を殺すのか!?ISが解除されて抵抗も出来ない人を…お前は殺すのか!?」

 

箒「私とお前の理想の為だ…一夏…一緒になろう…さあ…そこを退いてくれ…」

 

 

 

一夏はついに

 

一夏「もう…絶対に許さねぇえええええええ!!」

 

 

一夏はΔドライバ発動、箒を切り飛ばした

 

 

箒「な…何故…何故私と一緒が嫌なのだ…?そうか…まだ奴の洗脳が……奴は何処だ!?」

 

 

先程斬ったカズマを探していたがいない

 

 

カズマ「一夏、ラウラは無事だ!ピットまで運んだ」

 

 

一夏「サンキューカズマ」

 

 

カズマは一夏が箒を切り飛ばした隙にラウラの救助に向かったのだ

 

 

ラウラ「なぜ…私を助けた…」

 

カズマ「俺はお前が嫌いだ…人の命を道具みたいに…力を見せるためなら人を殺すお前が嫌いだ」

 

ラウラ「…」

 

 

カズマ「だがさっき…お前が箒に殺されそうになったろ…何を感じた?」

 

 

ラウラ「……怖かった…死ぬのは…怖くない筈なのに…怖かった…奴とは関係無い筈なのに…」

 

カズマ「それが人間の性だ…お前は春香に対してそれをやったんだ…一夏を排除する口実で、お前は織斑先生のかけがえのない…生き甲斐である家族を利用したんだよ!」

 

それを聞いたラウラは目に涙を浮かべ…

 

 

ラウラ「わたしは…間違って…いたのか……なら…わたしはどうすれば…」

 

今までの生き方を否定されたラウラ、そんなラウラにカズマは彼女の頭を撫でた

 

 

カズマ「人は…生きる事で何かを成し遂げられる……一夏は…家族を護りたい為に…織斑先生に護られるばかりの自分から変わる為に…彼奴はデルタ・フォースに入って…力を着けた」

 

ラウラ「護るため…?」

 

カズマ「ラウラ、お前には何がある?誰がいる?お前には一杯仲間がいるだろ?」

 

ラウラ「あ…ああ…」

 

ラウラの脳裏に自分の黒ウサギ隊の部下達がい浮かんだ

 

 

自分を慕ってくれて、付いて来てくれて、自分の居場所となる部下達が…

 

 

ラウラ「わたしは…わたしには…部下がいる!部下を守るのは…隊長の役目だ!」

 

カズマ「その通りだ、ようやく気付いたようだな…」

 

 

 

ラウラ「すまなかった…カズマ・アーディガン…これまでの非礼…許されない物ではあるが…どうか許して欲しい」

 

ラウラは頭を下げて謝罪した

 

 

カズマ「俺よりも一夏に謝罪してくれ」

 

 

 

箒「ガァアアアアアアアアアアアア!」

 

カズマ「なんだ!?」

 

突然、箒の叫びがアリーナに響いた

 

 

一夏「カズマ!こいつ…なんか変だぞ!」

 

カズマ「何が変なんだ!?」

 

一夏「わからない…ただ…うわっ!?」

 

 

カズマ「一夏!?今行く、待ってろ!!」

 

桃ハロ『マッテ、マッテ』

 

 

そこにウィノのハロがやって来た

 

 

桃ハロが口を開けると二つのエネルギーパックと、通信機があった

 

 

カズマ通信機を手にとって話した

 

 

カズマ「こちらカズマ・アーディガン」

 

ウィノ『カズマ!?よかった…無事なの!?大丈夫なの!?』

 

通信の相手はウィノからだ

 

エミリア『カズマさん!すぐに私達が援軍に行きます!あの打鉄を止めてください!!』

 

龍真『奴のIS膨大なエネルギー反応が確認された!』

 

 

拓巳『それもただのエネルギー反応じゃないらしいってよ!』

 

淕『とにかく僕達が着くまで何とか持ちこたえて下さい!!』

 

 

 

一夏「その必要ないよ…俺とカズマで仕留める」

 

一夏はエミリア達の援軍を断った

 

エミリア「そんなぁ…危険です!!あれはただのISじゃないのですよ!」

 

カズマ「だとしてもだ…俺と一夏で引導を渡す」

 

ウィノ「駄目!そんな事したら…カズマが……」

 

カズマ「ウィノ…彼氏を信用しろよ…俺は必ずあいつに勝って帰る!それだけだ」

 

一夏「俺も同じだ、エミリア…心配するな」

 

 

そう言ってカズマは通信を切った

 

 

カズマ「Δ…もう一回力を貸してくれ…みんなを護る力を貸してくれ!」

 

 

カズマはエネルギーパックを使ってシールドエネルギーを回復させて、赤いオーラを纏っている箒へと飛んだ

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「カズマ!カズマ応答してよ!!………」

 

エミリア「一夏様……」

 

 

二人はピットに向かおうとしたがブライスが現れて二人を止めた

 

 

ブライス「ここはあいつらに任せる、お前達は待機だ」

 

 

拓巳「んな事言ってる場合じゃ無いでしょ!!俺達も加勢しないと!」

 

ブライス「あいつらは二人で倒すと覚悟を決めた!!いいか…男の覚悟に、水を差すな!!」

 

 

ブライスの怒号に動けなかったデルタ・フォースメンバーだった…

 

 

そして赤いオーラを纏う箒と蒼いフレームのカズマ、白いフレームの一夏が再び激闘を始めた

 

 

 




果たしてカズマと一夏は狂喜に満ちた箒を止めることが出来るのだろうか?


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第二十四話 自由の蒼き翼と運命の白騎士

遂にカズマ達のISに…


箒「イチカァァァァッ!イチカァァァァッ!イチカァァァァァァアアアアッ!!」

 

 

一夏の名を叫びながら暴走する箒、先程より赤黒いオーラが激しく放たれている

 

一夏「お前…とうとう人間やめて化け物かよ!!」

 

 

箒の激しい剣戟を何とか躱して防いでいる一夏、防戦一方であった

 

 

そこに蒼いビームが箒の右肩に着弾した

 

 

箒「グアッ!!」

 

 

カズマ「待たせたな!」

 

 

ヴァリアブルアームズ・ライフルモードを持ったカズマが来た

 

 

既にΔドライバは発動しており蒼いオーラを出している

 

 

一夏「カズマ…こいつは楽に勝てる相手じゃ無さそうだな…」

 

 

カズマ「ああ…筋肉痛を覚悟しとかないとな……行くぞ!!」

 

 

カズマがヴァリアブルアームズをライフルモードからガトリングモードに変形させ、箒向けて乱射した

 

箒「グッ…ガアッ!?」

 

怒濤の弾幕は箒のシールドエネルギー減らしていく

 

 

一夏「もらった!」

 

一夏がH.V.Sで箒の雪片擬きを弾き飛ばした

 

 

一夏「もう一丁!!」

 

続けて二の太刀を放つが…

 

 

箒「ガァアアアアアアアアアアアア!」

 

箒は手から赤黒いオーラを剣状の形を作って一夏の攻撃を防いだ

 

 

一夏「何!?なんじゃこりゃ!?」

 

一夏はオーラの剣に驚いた、ISの能力でオーラが剣になるのは見た事も聴いた事も無い

 

 

カズマ「断ち切る!!」

 

 

カズマもヴァリアブルアームズ・ソードモードで斬りかかったが、一夏の時と同様にオーラの剣に受け止められた

 

カズマ「こいつは…一体…?」

 

 

 

箒は受け止めていた二人を振り払った

 

 

カズマ「くっ…」

 

一夏「ちぃっ…」

 

 

体制を立て直し、カズマは一度ヴァリアブルアームズをバックパックにマウントしてライフルショーティーを取り出し、一夏はロング・ブレード・ライフルをソードモードで展開、二人は再び突撃した

 

 

 

カズマ「うおおおおおっ!!」

 

一夏「はあああああっ!!」

 

 

二人の猛攻が箒を襲う

 

カズマのライフルショーティーによる怒濤のビームの嵐に時折ヘビーライフルの強力な射撃を織り混ぜる変則的な射撃が、一夏の強力なソードによっての息を吐かせない連続攻撃が箒を襲う

 

 

箒「グッ…ガアッ…アアアアアアアアアア!!」

 

 

途端に箒が叫び、オーラが爆発した様に放出された

 

一夏とカズマはオーラに巻き込まれて吹っ飛ばされた

 

 

 

カズマ「があああっ!?」

 

一夏「うわあああっ!?」

 

 

二人はアリーナのシールドに激突した

 

 

カズマ「はぁ…はぁ……」

 

一夏「ぜぇ…ぜぇ……」

 

 

二人の体力は限界である、対して箒は全く疲れていない、まさに無尽蔵のスタミナだ

 

 

 

そして

 

『Δドライバ、稼働時間限界』

 

一夏「な!?」

 

カズマ「くっ…!」

 

 

二人のΔドライバの稼働時間が限界を迎え、解除された

 

 

それと同時に機体のシールドエネルギーが尽きて、強化アーマーが外れ、素体アーマーとなった

 

 

 

 

その二人にゆっくりと近付く箒

 

 

一夏「ちっ…こいつ!」

 

 

一夏は素体アーマーのショートビームライフルで撃つが全く効いていない

 

 

箒「ナゼダ…イチカ…ナゼ洗脳ガ解ケナイノダ?」

 

 

一夏「俺は洗脳なんかされていないんだよ!!自分の意思で、自分の行動でデルタ・フォースに入った、そしてエミリアを好きになったのも俺の意思だ!!」

 

 

箒「マタアノ女…一夏ヲタブラカシテ、ソシテ自分ノ物ニシタアノ…アノ女の何処ガアッ!!」

 

箒は一夏をアリーナのシールドに押し付けた

 

 

一夏「がぁッ!!くっ…」

 

箒「一夏…サア…私ト一緒ニナロウ…絶対……一夏ニトッテ……」

 

 

一夏「断る!お前みたいな化け物と…誰が一緒になるか!!」

 

 

カズマ「その通りだ!!」

 

 

箒「!…グアアアッ!?」

 

 

カズマは素体アーマーのビームセイバーで箒を切り飛ばした隙に一夏はその場から離脱してまたカズマも一旦距離を取った

 

 

 

箒「マタ…オマエカ…マタ…邪魔スルノカァアアア!!」

 

箒はカズマに向けて突撃した

 

 

 

カズマ「お前は…一夏の何だ…?」

 

カズマは箒に質問した

 

箒「私ハ一夏のノ隣ニフサワシイ女ダ!!一夏ト私ハ永遠ニ結バレルノダ!!」

 

カズマ「そんな自分勝手な考え、本人はその考えに賛同しているのか!?」

 

 

 

箒「賛同スルシナイノ問題デハナイ!!ソウナルベキナノダ!!」

 

 

一夏「いい加減にしろ!箒!!」

 

 

一夏が箒の後ろからビームセイバーで切り裂いた

 

 

箒「ガアッ!!貴様…一夏ァッ!!」

 

一夏「俺はお前と一緒にならない!俺の帰る場所はエミリアの所だ!!」

 

カズマ「だから…お前に…いや…お前にだけは…」

 

 

 

カズマ&一夏「「負けられねえんだぁあああああっ!!」」

 

 

 

二人が叫んだ瞬間、カズマと一夏のISが光り出した

 

 

箒「ナ…何ダ!!」

 

 

 

その光が収まると新たな蒼いフレームのISと、新たな純白のISが現れた

 

 

 

 

カズマ「これは……」

 

 

ディスプレイには二次移行終了、Δ-ライン・フリーダムウイングと映し出されていた

 

 

 

 

 

一夏「一体…」

 

ディスプレイには二次移行終了、Δ-ライン・デスティニーエピオンと映し出されていた

 

 

 

 

 

 

箒「ソレガドウシタ!!」

 

 

箒はお構い無しに突っ込む

 

 

カズマはビームセイバーを抜刀して突っ込んで来た箒のオーラの刃を切り裂いた

 

 

箒「ナ…バカナ…ウワアアッ!!」

 

 

箒のISの背部が一夏のビームブーメランによって切り裂かれた

 

箒「イッタイ…ナンナノダアレハァアアアッ!!」

 

 

 

 

 

その頃観客席では

 

 

エミリア「一夏様とカズマ様のISが…」

 

ウィノ「セカンドシフトした…」

 

 

龍真「蒼い翼がカズマ、白い翼が一夏か」

 

拓巳「見るだけで高性能だって事がわかるぜ…」

 

淕「こんな事言うのはおかしいですけど…きれいですね……僕達もセカンドシフトしたいなぁ…」

 

 

 

 

「そんな事はないよ…デルタ・フォース全員のISはセカンドシフトが完了しています」

 

 

拓巳「その声…」

 

 

龍真「まさか…」

 

淕「友也くん!?」

 

 

そこには茶色の髪をした幼い容姿の少年が白衣を来て登場した

 

(モデルがガンダム00のティエリア・アーデの髪を茶色にした感じ)

 

 

友也「皆さん、待機状態のバッジを見てください」

 

 

皆がデルタ・フォースのバッジを見るとデザインが変わっていた

 

 

Δの紋章に何かのスペルが書いてある

 

ウィノはエクシアピクシー

 

エミリアはインパルスブラスト

 

龍真はアルトロンデュエル

 

拓巳はデスサイズブリッツ

 

淕はケルディムサンドロック

 

 

 

 

と英語のスペルで書かれていた

 

 

後日このセカンドシフトした機体はガンダムブレイカー風の画像付きで教えます

 

 

 

 

 

 

ウィノ「本当だ…」

 

エミリア「私達のISが…」

 

淕「変わっているとは……」

 

 

拓巳「まあ良いぜ、カズマ達もセカンドシフトしたならあいつに勝てるよな!」

 

龍真「ああ…多分な…」

 

 

 

友也「多分じゃないよ、絶対に勝つ…あの二人なら」

 

 

 

 

そう言って再びアリーナの激闘を見た全員であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「エエイ!ナゼダ!何故当タラナイ!!」

 

 

セカンドシフトした二人の機体は箒の猛攻を躱していた

 

 

カズマ「終わらせるぞ…一夏!」

 

一夏「ああ!」

 

 

フリーダムウイングの背部の翼が展開し翼に搭載している2門のビーム砲塔が現れた

 

一夏はデスティニーエピオンのバックパックに搭載されている大型ブレードを抜刀して、背部の翼が展開、幻想的な色合いの光の翼が現れた

 

 

カズマ「撃ち抜く!!」

 

 

2門の砲塔から高エネルギーのビームが放たれ、箒に直撃した

 

箒「グアアアアアアアアアッ!!」

 

ビームが当たり、怯んだ隙に目にも止まらない恐ろしいスピードで一夏は箒に接近した

 

 

箒「ハ…速イ…」

 

一夏「うおおぉっ!」

 

 

一夏は大型ブレードをスピードの勢いに任せて突き刺し、アリーナの壁まで押し、激突させた

 

 

追い討ちに左手でバックパックに搭載されている高エネルギービームキャノンを取り出し、ゼロ距離で放った

 

 

箒「ガアッ!?イ…一夏ァ……」

 

 

箒の赤黒いオーラを纏うISからスパークが迸る

 

箒「ナ!?ナンダ!?何故動カナイ!!」

 

 

箒が動かそうとするがISは反応しなかった

 

 

カズマ「ターゲット確認…ロック…」

 

 

カズマの背部の翼から2門のビーム砲塔、両腰に2門のレール砲塔、そしてバスターライフルを箒に合わせて

 

 

 

カズマ「ハイマット・フルバースト!!」

 

五つのビームとレールガンが放たれすべて箒の肩、脚部、胴体に当たり爆発した

 

箒が纏っていた赤黒いオーラは消えて、煙が晴れると箒が倒れていた

 

 

 

 

カズマ「終わった…か…?」

 

一夏「らしい……な…」

 

 

その後、教師部隊が到着して箒を拘束、何処かへと連行された

 

 

 

そしてカズマと一夏はピットに戻った

 

 

ピットに降りてISを解除するとウィノとエミリアが待っていた

 

 

ウィノ「カズマぁああっ!!」

 

エミリア「一夏様ぁああっ!!」

 

二人はいきなり抱き着いた、その顔は泣いていた

 

 

ウィノ「バカバカバカ!!なんであんな無茶したのよ!本当に…心配だったんだからぁ…」

 

エミリア「よかったですぅ…ぐすっ…一夏様ぁ……本当に……無事で…うあああん!!」

 

 

自分の愛する人が傷つけられる、それをただ見る事しか出来なかった彼女達…結果的に無事ではあったが…余程心配したのだろう…

 

 

カズマと一夏はそんな彼女達を優しく抱き締めた

 

 

カズマ「心配かけたな……ごめん…ウィノ」

 

一夏「エミリア俺は大丈夫だから…泣くなよ」

 

 

と声をかける二人

 

 

 

 

 

 

ピットの入り口にブライス達がその光景を見守っていた

 

 

 

ブライス「いやいや…青春だねぇ…」

 

淕「本当に良かったです…二人が無事で」

 

拓巳「全く彼女を泣かせるなよな」

 

龍真「お前が言えた事ではないだろ?」

 

 

拓巳「るっせぇ!!いつか虚さんといい関係になるわ!」

 

 

 

ブライス「さてと…俺はそろそろ行くか…」

 

 

ブライスがその場を去ろうとした

 

淕「ブライス大尉…どちらに?」

 

 

ブライス「ん?あの気違い女武士を何とかしないとな…今度はただでは済まさんぞ……俺の大事な部下を…あんな目に会わせた奴は…例え餓鬼だろが俺は容赦しない」

 

 

 

そう言ってピットを去ったブライス…その拳は怒りで爪が食い込んで血が流れていた

 

 

 




セカンドシフトした機体は
次回紹介します

ガンダムブレイカー風の画像で


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セカンドシフトしたデルタ・フォースのIS

機体紹介です

挿絵もありますよ


カズマ

 

Δ-ライン・フリーダムウイング

USAS/ISΔ-78-2FW

 

 

【挿絵表示】

 

 

シールドエネルギー総量890

 

カズマのΔ-ラインがセカンドシフトした姿、背部の翼はハイマットモードと呼ばれる高速形態に移行する事が出来る

 

また機体のエネルギー総量や各武装の強化、そして全射撃武装の一斉射撃であるハイマット・フルバーストと言われる攻撃方法がある

 

 

武装

バスターライフル

ビームライフルショーティー×2

パラエーナ・プラズマ収束ビーム砲×2

腰部レール砲×2

ラケルタ・ビームセイバー×2

 

バスターライフルは最大出力なら戦艦を一撃で破壊する程の威力を誇る、しかしそんな場面はIS学園ではない為、普段は威力を抑えたライフルモードにしている

 

パラエーナ収束ビーム砲は背部バックパックの翼に搭載されている高出力のビーム砲で長射程を誇る

 

レール砲はエネルギー消費の無い実弾兵装で、高威力の弾丸を高速で放つ事でシールドエネルギーに大きなダメージを与える

 

 

 

 

 

一夏

 

Δ-ライン・デスティニーエピオン

USAS/ISΔ-78-4DE

シールドエネルギー総量910

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

一夏のΔ-ラインがセカンドシフトした姿、背部に大型のウイングスラスターを取り付け、その翼が展開すると、ミラージュコロイドと呼ばれる光化学迷彩の応用によって、機体が分身する現象が起こる

 

これによって敵の狙いを惑わせ、強力な格闘攻撃が可能である

 

 

武装

ショートバレルビームライフル

両腰帯刀実体剣『菊一文字』『虎徹』

掌部近距離ビーム砲『パルマ・フィオキーナ』

背部バックパック搭載大型ブレード『白夜刀』

背部バックパック搭載長射程インパルス砲

イグナイトエッジⅡビームセイバー

 

 

掌部のビーム砲は敵を掴んでゼロ距離から強力なビームを撃ち込むほぼ格闘攻撃に近い射撃兵装である

 

背部バックパックに搭載されている白夜刀は白式の雪片と同じ構造で出来ており、Δドライバ発動中に零落白夜・白刃演舞と言われるエネルギー消費の無い零落白夜が発動される

そして一夏が独自に編み出したデスティニーエピオンの全ての武装を使った単体連続攻撃、零落白夜・白夜殲滅剣を使う時もこの状態になる

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ

 

Δ-ライン・エクシアピクシー

USAS/ISΔ-78-3EP

シールドエネルギー総量760

 

 

【挿絵表示】

 

 

ウィノのΔ-ラインがセカンドシフトした姿、背部の大型バーニアで高速格闘攻撃を可能にして、武装も軽量な近接格闘を主軸としている

 

各部の装甲が展開して高速格闘モードの移行も出来る

 

武装

 

ピクシー・ソード

ピクシー・ブレイド

ピクシー・ビームダガー

ピクシー・ビームセイバー

 

 

武装のほとんどにピクシーの名が付いているのは軽量化モデルの意味である

ピクシー・ソードは折り畳みの刀身を持つ実体剣に見えるが、刀身に僅かであるがビームを展開して切断力を上げる事が可能。更にライフルモードに移行も可能

 

ピクシー・ブレイドは長短の刀身を持つ実体剣で、用途に応じて使い分ける事が可能

 

 

 

エミリア

Δ-ライン・インパルスブラスト

USAS/ISΔ-78-5IB

シールドエネルギー総量970

 

 

【挿絵表示】

 

 

エミリアのΔ-ラインがセカンドシフトした姿、強力な高火力のビーム兵器を複数搭載しており、また背部の大型ブースターによって高機動戦闘も可能

 

武装

ドラグノフ・ビームスナイパーライフル

バックパック搭載高エネルギービームキャノン『ケルベロス』×2

四連ミサイルポット×2

バックパック搭載レールガン×2

ビームジャベリン

 

特長なのがバックパック搭載高エネルギービームキャノン『ケルベロス』である。これは射撃時に腰の位置に移動する、威力はかなりの物である

またキャノン後方部に四連ミサイルポットがある

 

レールガンは接近してきた敵の迎撃用として搭載されている、2門の砲塔から高速弾頭を放って装甲を穿つ

 

 

 

 

龍真

Δ-ライン・アルトロンデュエル

USAS/ISΔ-78-6AD

シールドエネルギー総量860

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

龍真のΔ-ラインがセカンドシフトした姿、オールラウンダーな彼の戦法に合わせて近接格闘攻撃や遠距離砲撃の装備がある

 

武装

ビーム内蔵ドラゴンクロー×2

ツインビームソード

背部バックパック搭載ビームランチャー

 

 

 

ドラゴンクローは内蔵されているビーム砲で射撃も出来るが、一番の使い方は強化ワイヤーで繋がっているクローを射出、敵を捕縛もしくは突き刺すという方法がある

 

ツインビームソードは前後の刃の両刃剣で、多数の敵と戦えるアンビテクスハルバートモードと、一対一の場面使うデュアルソードモードと使い分ける

 

 

 

拓巳

Δ-ライン・デスサイズブリッツ

USAS/ISΔ-78-7DB

シールドエネルギー総量810

 

 

【挿絵表示】

 

拓巳のΔ-ラインがセカンドシフトした姿、より精度の上がったステルスを長時間使用可能にした奇襲攻撃用のISである

 

 

武装

ツインビームサイズ

ビームライフル

ランサーダート

クローアンカー

 

 

ビームライフルとランサーダートはどちらも右手のシールドに内蔵されている兵器で、ランサーダートは先端が鋭利になっているミサイルで、敵の装甲を穿ち、内部から爆発する

 

クローアンカーは射出する事で敵を捕縛、引き寄せる等の用途があるが、高圧電流を流す事で敵のハイパーセンサー等の機能を麻痺させる

 

 

 

 

 

Δ-ライン・ケルディムサンドロック

USAS/IS-78-8KS

シールドエネルギー総量980

 

 

【挿絵表示】

 

 

淕のΔ-ラインがセカンドシフトした姿、重厚感な外見から細身になって運動性が向上し、シールドビットやライフルビットの運用を重視した設計となっている

 

 

武装

ビームライフル

ビームセイバー

シールドビット×10

ライフルビット×8

 

 

シールドビットは自機に展開や、味方に展開して防御したり、様々な場面で味方を防衛する事が可能、

 

ライフルビットはAIで動く自立兵器で、全方位からの射撃や、自機に展開して弾幕を張るなど用途があるが、シールドビットとの連携運用で高い防御能力を持つ

 

 




ガンダムブレイカー風の挿絵はイメージですので

全身装甲じゃありませんよ

感想まってます


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第二十五話 二組の愛

今日はちょっとセクシー風…


R-15タグ入れた方が良いのかなぁ…


IS学園、尋問室

無機質な造りの狭い部屋にブライスと篠ノ之箒がいた

硝子一枚隔ててデルタ・フォースのメンバーが見聞きしていた

 

 

どうやら先のIS暴走についての取り調べを受けているが…

 

 

ブライス「本当に何も覚えていないのだな?」

 

箒「……ごめんなさい…」

 

 

ブライスは側にあった機器を見ていた…嘘探知機である

 

結果は嘘ではない…

 

ブライス「一時中断だ…逃げるなよ…」

 

 

そう言って一度尋問室を出たブライス

 

 

カズマ「隊長…」

 

出てきた所を呼び止めたカズマ達

 

 

ブライス「友也の嘘探知機での結果…彼女が嘘をついていないと言う事が確定になった」

 

拓巳「あー…つまり篠ノ之って奴は…自分の名前…何処出身…家族の名前…それら全てわからないって事は」

 

カズマ「記憶喪失か…」

 

どうやら箒は先程の赤黒いオーラを纏っていたISが解除された途端に記憶喪失になったのだろう…

 

ウィノ「そんな都合良く記憶喪失になる訳?」

 

エミリア「でも友也さんの嘘探知機で嘘をついていないと言う事が出てますし…正直私もあまり信用出来ないです…」

 

一夏「だが…機械が嘘をつく事はないしな…やっぱり本当に…」

 

一夏の言う通り、嘘探知機が嘘をつく筈がない…

 

カズマ「……あの打鉄…脳波に何か細工をするシステムでもあったのか…?」

 

8『わからない…だがあの赤黒いオーラを出し始めた直後、箒の人体スペックが跳ね上がっていたんだ…』

 

龍真「やはりあのシステムはΔドライバではないのか?」

 

8『だけど…ビームを弾くあのフィールドは完全にΔドライバの機能だ…これは一つの仮説だけど…』

 

8の仮説を聞こうとデルタ・フォースメンバーは全員耳を立てた

 

 

8『恐らくだけど…あれはISとその搭乗者のシンクロ率を強制的に上げるシステムだと思う…』

 

ウィノ「シンクロ率を?」

 

8『ああ…もちろん強制的に上げるのだからその時の体の負担は大きい筈だ…でも箒の記憶喪失の状態を見ると…脳にダメージを与える副作用があると思う…そして一夏とカズマの強力な格闘攻撃と射撃攻撃でダメージが限界となって強制的にシステムダウンして、脳に大きなダメージを与えたまま切れたから…記憶喪失になったんじゃないかな』

 

 

8の仮説は当にその通りでは無いかと思うが…一応は仮説、まだ確定ではない

 

 

 

 

 

 

メンバー全員は箒の尋問を見終えてそれぞれの部屋へ帰っていった

 

 

 

 

カズマ・ウィノの部屋

 

 

 

カズマ「はぁ……いっ…つつ…」

 

カズマは部屋に戻ってTVをつけてベッドに腰掛けると全身の筋肉が軋む様な痛みが襲った

 

先程の戦闘で無理しすぎたのだろう…所謂筋肉痛である

 

 

ウィノ「痛いの?」

 

痛がっているカズマを心配そうに見つめるウィノ

 

 

カズマ「相当ダメージが残ってるらしいな…参ったな…」

 

8『仕方無いさ、今回は不測の事態って奴だ…記憶喪失になったあの箒って奴はもう一夏には関わる事はないだろ』

 

ウィノ「一夏の写真見せても反応無かったもんね…」

 

 

カズマ「これでゆっくりと休める……ウィノ、先にシャワー浴びて良いか?」

 

ウィノ「ん?良いわよ」

 

カズマ「サンキュ…」

 

そう言って着替えを持っシャワー室に入ろうとしたら

 

 

コンコン

 

突然部屋のドアがノックされた

 

 

カズマ「はい…どちら様?」

 

「あ…私です、副担任の山田です」

 

 

山田先生とわかってドアを開けたカズマ

 

 

カズマ「何ですか?」

 

真耶「男子の大浴場が解禁になりましたので…それ知らせに…」

 

 

どうやら男子の大浴場が使えるようになったとのお知らせだ

 

 

カズマ「そうですか…わざわざありがとうございます」

 

真耶「疲れた体を癒してくださいね、いくら鍛えていても疲労が溜まっていたら怪我になりかねませんですから」

 

カズマ「はい…わかりました」

 

 

そう言ってカズマは部屋を出て大浴場に行こうとした

 

 

ウィノ「お風呂入るの?」

 

カズマ「ああ…たまには湯船に浸かりたい物さ…じゃあ行ってくる」

 

 

 

 

 

カズマは一人で大浴場に向かった

 

 

途中で龍真、拓巳、淕と会って、もう風呂に入ったと言った

 

 

 

 

 

 

 

 

大浴場

 

 

 

着ていた制服を脱いでドアを開けると大きな湯船…まるで銭湯の様な広さである

 

 

 

カズマはその湯船に浸かり、その気持ち良さに疲れが癒される感覚がした

 

カズマ「……眠くなるな………」

 

 

癒される感覚にカズマは眠ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「……?」

 

唇に柔らかい感触を感じてそっと目を開けたカズマ…

 

 

 

 

ウィノ「あ…起きちゃった…」

 

 

何とカズマの上に乗っかっているウィノであった

 

 

カズマ「な……え?……ちょ…」

 

カズマはまるで熟れた林檎の様に顔が赤くなった

 

現在彼女は素っ裸、彼女の色んな所が丸見えなのである

 

 

 

カズマ「…っ!何やってんだよ!お前は!!」

 

カズマは目を閉じて怒鳴った

 

 

ウィノ「良いじゃない、恋人同士なんだし」

 

無邪気に答えるウィノ

 

 

カズマ「…だったら出る…」

 

そう言って立ち上がろうとしたが…

 

ウィノ「まって!!」

 

ウィノはカズマを抱き締めて阻止した

 

カズマ「あ…ちょっと…!」

 

 

ウィノが抱き締めている影響で体が密着し、ウィノの胸がカズマの体に触れている

 

 

ウィノ「お願い……しばらく…このままでいさせて…あたし…心配したんだからぁ…」

 

カズマ「ウィノ…」

 

ウィノは泣いていた

 

ウィノ「カズマのΔ-ラインが…素体アーマーになって…やられちゃうじゃないかって……心配で…あたし……でも…カズマの疲れを少しでも癒そうって思って……それで…」

 

カズマ「……」

 

カズマは自然と申し訳ない気持ちになった…

 

彼女の援軍を断った挙げ句…一気にピンチになって心配をかけてしまった自分…

 

彼氏として…やってはいけない事だと思った

 

 

カズマはウィノをそっと抱き締めた

 

ウィノ「カズマ?」

 

カズマ「ごめん……本当にごめんな…手のかかる彼氏で…」

 

ウィノ「…カズマ……そんな事無いよ…何時でもカズマは…あたしの大好きな人だもん…そして…」

 

 

ウィノはカズマにキスをした

 

ウィノ「ずっと…ずっとカズマの隣に居たいの……これからも…ずっと…何時までも…」

 

カズマ「…ああ……俺も…ウィノと一緒に居たい…俺の……その……愛してる女の子だからな」

 

二人はもう一回キスをした

 

今度は舌を絡め合う、ディープキスであった

 

ウィノ「ん…んぁ…」

 

カズマ「……ふぅ…」

 

 

二人の間に唾液の糸が繋がっていた

 

 

 

ウィノ「カズマ…だぁい好き…」

 

カズマ「俺も…大好きだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エミリア「は…はわっ!?ななななな何やってるのですか!?」

 

ウィノ「ん?あれ?エミリア?」

 

 

そこに一夏とエミリアが入って来た

 

二人ともタオルで恥ずかしい所を隠している

 

一夏「お前ら何で素っ裸なんだよ!!混浴ならタオルで隠せよ!!」

 

カズマ「ごっ…誤解するな!!俺は最初に入っていて、その後に…」

 

ウィノ「違いまーす、初めからずっとこれでしたー!」

 

カズマ「んなっ!?」

 

ウィノ「良いじゃない!ちっちゃい頃から一緒にお風呂入った時、こうだったでしょ?」

 

カズマ「それはまだ幼かったから…」

 

その話を聞いていたエミリアは顔から湯気が出ていた

 

エミリア「は…ぅ……はうぅ…い…一夏様!!」

 

一夏「な…なんだ…?」

 

 

エミリア「私達も一緒に、裸で入りましょう!!」

 

エミリアはタオルを取っ払って素っ裸になった

 

一夏「どわっ!?ちょ待て!!エミリア!」

 

 

エミリア「さあ!!一夏様も!!」

 

エミリアは勢いに任せて一夏のタオルを取っ払って、一緒に湯船に飛び込んだ

 

 

水飛沫がカズマとウィノにかかる

 

 

 

一夏「ぶはっ!!エミリア…いきなり何なんだよ…」

 

 

むにゅ…

 

 

一夏は何かを掴んでいた

 

一夏「ん?何だこれ…柔らかい…」

 

一夏は揉んでみた

 

エミリア「ひゃう!」

 

一夏「え!?」

 

一夏は何と…エミリアの胸を掴んでいたのだ

 

 

ウィノ「一夏…大胆…」

 

 

 

一夏「どわああああっ!!ごめんエミリア」

 

謝罪しながら離れる一夏

 

 

エミリア「あっ…もうちょっと触っても良かったですのに……って何を破廉恥な事を!!はうぅぅ…(ぷしゅぅ…)」

 

 

 

湯気を出しながら沈んでいくエミリア、それを見て一夏は彼女を支えた

 

 

一夏「エミリア…大丈夫か?」

 

エミリア「はうぅ…ご…ごめんなさいですぅ……」

 

 

そうして二組のカップルの混浴が始まった…

 

 

 

 

 

 

エミリア「ウィノさん…」

 

ウィノ「ん?何?」

 

エミリアはウィノの胸を見ていた

 

 

エミリア「どうしたら……その……そんなに大きくなるんですか?」

 

ウィノ「どうしたらって言っても……自然と?」

 

エミリア「…っ…もう良いです!!どうせ私は貧乳です!!女の魅力も無い女の子ですからっ!」

 

涙目で不貞腐れるエミリア、どうやら自分の胸とウィノの胸を比べていたのだろう

 

 

一夏「あ…あのさ……俺はそんな…胸があるかないかで判断しないから…」

 

エミリア「………本当ですか?」

 

 

一夏「大切なのは外見じゃなくて…中身だろ?」

 

エミリア「うっ……えぐっ……いちかさまぁ…」

 

一夏「ちょ!?エミリア!?なんで泣くの?」

 

エミリア「うれしいですぅ!!一夏様ぁ!!」

 

泣きながら一夏に抱きつくエミリアであった

 

 

 

 

 

 

 

その後先に入っていたカズマ達がタオルを巻いて出て、その後に一夏達が出ていった

 

 

 

 

 

なんとも一騒動あったお風呂であった…

 

 

 

 

 




ウィノのスタイル 身長162cm
B85W54H84

エミリアのスタイル 身長154cm
B71W51H73




あなたはどっちが好み!?

感想まってます


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第二十六話 女性権利団体

今回は二組の買い物デートです





AM8:00 一夏、エミリアの部屋

 

 

 

緑ハロ『ハロ!ハロ!オキロ!オキロ!』

 

 

一夏「っ…なんだ……もう朝か?」

 

ハロの目覚ましで起きた一夏、眠気眼を擦りながら起き上がろうとした

 

一夏「?…なんか乗ってる…」

 

 

一夏の上に誰か乗っかっているのである

 

そっと布団を捲ってみると、一夏の上で横になって眠っているエミリアがいた

 

 

一夏「…まったく……気持ち良さそうだな…」

 

一夏はエミリアの頭をそっと撫でた

 

エミリア「……うにゅう……すぅ………あれ?……朝?」

 

撫でられた事で起きたエミリア

 

一夏「おはよう…エミリア…」

 

エミリア「おはようございます、一夏様…」

 

一夏とエミリアはキスをした

 

上からエミリアが一夏の唇に合わせる様なキスであった

 

 

 

緑ハロ『ハロ!ハロ!オキロオキロ!』

 

一夏「おっと…サンキューなハロ」

 

緑ハロに感謝をしてすぐに私服に着替える一夏

 

エミリアも仕切りを出して一夏とは反対の位置で着替え始めた

 

 

そして二人が私服に着替え終わり…

 

一夏「行くか?」

 

エミリア「はい♪」

 

 

二人は手を繋いで何処かへと出掛けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園からモノレールでいくつかの駅を跨いだ先に大型のショッピングセンターがある

 

 

食料品もそうだが…ファッション、ジュエリー等のアクセサリーや衣服も買えるのである

 

 

 

 

そこに一組のカップルが手を繋いで歩いていた

 

 

カズマとウィノである

 

カズマは白のインナーに蒼いジャケットに黒のジーンズを着ている

 

ウィノはノースリーブのピンクのトップスにオレンジのショートパンツを着ている

 

 

 

カズマ「広いな…日本にもこんな所があったのか…」

 

ウィノ「そうだね!なんかあたしワクワクしてきちゃった!」

 

 

カズマ「たかが水着だろ?」

 

 

二人は水着を買いに来たのである

 

もうすぐ臨海学校で一日目の海での自由時間で着る水着を選ぶためにここまで来たのである

 

 

ウィノ「でも、彼氏から見て、あたしに似合う水着を選びたいの!」

 

カズマ「成る程な…わかったよ…」

 

ウィノ「よーし!んじゃさっさと行こー!!」

 

 

ウィノは上機嫌でカズマと腕を組んで歩き出した

 

 

カズマ「子供かよ……っ!?」

 

カズマは不意に自分への殺気を感じて後ろを振り向いた

 

が…不審な人物は見当たらない…

 

カズマ(気のせい……か……でもあの殺気……)

 

 

 

ウィノ「どうしたの?」

 

急に止まったカズマを心配するウィノ

 

 

カズマ「いや…なんでもない…行くか…」

 

 

二人は水着売り場へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどその頃…

 

 

 

 

エミリア「わああ…お店がいっぱいありますよ!一夏様!」

 

一夏「そうだな…おまけに広いし…離れるなよ」

 

エミリア「じゃあこうしましょう!」

 

エミリアは一夏の腕を組んだ

 

エミリア「これなら離れる心配はありません♪」

 

一夏「ははっ…そうだな…まずは水着だっけか」

 

エミリア「はい!早速行きましょう!!」

 

 

 

二人は水着売り場へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水着売り場へと着いたカズマとウィノ

 

カズマは紺色のトランクスタイプの水着を選んで購入した

 

ウィノは水着を見ながら自分の頭の脳内でファッション緊急会議を開いている

 

 

 

ウィノ「うーん…これも良いなぁ…よし!」

 

ウィノがいくつもの水着をもって試着室に向かった

 

 

カズマ「決まったのか?」

 

ウィノ「いくつか選んだけど…やっぱカズマに決めて貰いたいの…これから一着ずつ着るから判断お願い」

 

カズマ「わかった」

 

 

 

ウィノは試着室のカーテンを閉めて、着替え始めた

 

そして

 

 

ウィノ「カズマー!まずは一着目だよー!じゃーん!!」

 

カーテンを開けて見えたのは、黒色で露出度が高い水着であった

 

 

カズマ「目のやり場に困る…×だ」

 

ウィノ「えー…わかった…」

 

 

またカーテンを閉めて次の水着に着替えるウィノ

 

ウィノ「じゃあ、これはどうかな?」

 

次は貝殻のビキニであった

 

 

カズマ「なんか恥ずかしいから×」

 

ウィノ「ええー…この二着しか選んでないのに…」

 

カズマ「って待て!!あんなに選んだのにか!?」

 

 

ウィノ「だってぇ…これが良いって思ったんだもーん…カズマに見せる為に…」

 

カズマ「はぁ…お前…俺だけじゃなく龍真達にも見られるって事考えたの?」

 

 

ウィノ「……///」

 

 

どうやら考えていなかった様だ…ウィノもカズマに見せる為だけの選び方なので刺激が強すぎる物しか選ばなかったのだ

 

 

ウィノ「じゃあカズマが選んでよー!」

 

カズマ「うーん…そうだな………これが良いと思う…」

 

 

カズマが取ったのはピンク色のフリルが着いたビキニである

 

ウィノ「これが良いの?」

 

カズマ「ウィノにはピンクが似合う…故にこれが一番似合うと思う」

 

ウィノ「ふーん…じゃあ着てみるね」

 

ウィノはカズマが選んだ水着を持って試着室に入ったウィノ

 

 

 

ウィノ「どうかな?」

 

試着室のカーテンを開けて見えたのは、カズマが選んだ水着を着たウィノだった

 

カズマ「うん、似合う…おまけに可愛い」

 

ウィノ「か…可愛い!?もうやだぁ…可愛いって…///」

 

カズマに可愛いと言われて恥じらうウィノ

 

カズマ「事実可愛いから…普段も」

 

ウィノ「んもう……じゃあこれにする!買ってくるね」

 

 

そう言ってカウンターに向かったウィノ

 

 

カズマはその辺を歩いていた時に…

 

 

 

 

「カズマ・アーディガンだな…」

 

カズマ「!?」

 

ここに来た時に感じたあの殺気を再び感じて後ろを振り向いたら…

 

 

「死んでもらう!!我が理想の為に!!」

 

いきなりスーツ姿のサングラスの女がナイフをカズマに突き刺そうとした

 

 

カズマ「ふん!」

 

 

カズマはそのナイフを蹴り飛ばした

 

 

「何!?ぐああっ!?」

 

そして鳩尾に一撃をお見舞いした

 

 

 

 

カズマ「物騒な物を……っ!?」

 

 

今度は背中に何かを突き付けられる感覚がした

 

安全装置外してカードリッチをはめる音……銃である

 

 

「それ以上は…やらせん……我が理想の世界…女性主義の世界の為に!!」

 

カズマ「お前らっ…っ!?」

 

それに先程ナイフを蹴り飛ばし、鳩尾に一撃を与えた女も銃を構えていた

 

 

カズマ「こんな人口密集地で銃使うのか!?」

 

 

「我々の理想の為なら…犠牲など構わん!!」

 

「全ては貴様らが狂わせた!我々の…織斑の恥…織斑一夏を排除した筈なのに…貴様らが!!」

 

カズマは思った

 

こいつらが歪みの元凶だと…そして一夏を酷い目に合わせた張本人だと…

 

カズマ「そうか…なら…この発言も…公開すればどうなるかな?」

 

 

カズマは手元の腕時計のとあるスイッチを押した

 

 

そこには先程の女達の会話が録音されていた

 

 

8『全部録音済みだし、データも送ったぜ!』

 

 

これは8のデータを腕時計に移行した物で、本体の様に機器に繋げる事は出来ないが…録音データなどの送信機能は使える

 

 

「貴様ぁっ!!死ねぇえええっ!!」

 

 

 

 

 

 

「そうはさせん!!」

 

 

突然一本のナイフがカズマの背中に突き付けられていた銃を弾き飛ばした

 

続けてもう一本のナイフがカズマの正面の銃を弾き飛ばした

 

 

「なっ!?」

 

「馬鹿なっ!?」

 

 

そして二人の長身男性に取り押さえられた襲撃者達

 

 

「女性権利団体…また貴様らか…」

 

「我ら暁がいる限り…好き勝手はさせん!」

 

 

カズマ(暁!?確か日本で反女性権利、平等主義を尊ぶレジスタンス…)

 

 

彼らは暁と呼ばれるレジスタンスで、女性の一方的な独裁を防ぐ為に結成されたレジスタンスで、よくニュースで取り上げられていた

 

 

 

「少年…大丈夫か?」

 

カズマ「はい…大丈夫です…感謝します」

 

 

「礼には及ばん…俺達も奴等の様なテロリストは許せんからな…貴様も同じだろう?デルタ・フォースのカズマ・アーディガン」

 

いきなり見ず知らずの黒髪の人に自分の名前を言われて驚くカズマ

 

 

 

カズマ「何故俺の名前を…」

 

「知ってるさ…日本政府の…いや女性権利団体の思惑を潰したアメリカの部隊って有名だからな」

 

 

 

今度は短髪の男が話し掛けてきた

 

 

「お前達のお陰で世間の反女性権利の組織が動き易くなったんだよ……政府支持率もがた落ち、日本の総理大臣が変わるって事態になったのさ」

 

 

彼らにとっては今回のデルタ・フォースがした事はまさに追い風となる物だった

 

これまで小さなデモ行進や小規模な活動しか出来なかった…アメリカ政府のΔシリーズ発表、一夏生存によって女性権利団体出身の幹部や大臣が辞職するという事態になったのだ

 

故に、各地で女性権利団体の勢いが弱まって、男性の権利復活の意欲が出始めたのだ

 

 

カズマ(このいざこざ激化すると戦争なりかねないな……一応ISにおいては条約がある…そう簡単にISの戦争は起きないはずだが…)

 

カズマこう思うのも無理がない…

 

 

事実男性でも扱える共用IS、Δシリーズをアメリカが開発、そのデータを世界各国が欲しがっているのである

 

学年別トーナメントでΔ-ラインの性能を目の当たりにした各国のIS関係者達の心を動かしたのだ

 

 

 

 

「今回起きた事を忘れるな…この衆らが…今の日本を歪ませている…」

 

 

そう言って黒髪の男が去ろうとした

 

 

カズマ「そう言い切れるのか?何れ男性達が勢いを取り戻したら男尊女卑になってバランスが崩れるぞ?」

 

黒髪の男は振り向き様にカズマを見た

 

 

「そうならない様に……俺達が防ぐだけだ………また会う機会があれば…いや…何か協力出来る事があればこのマダラという名前を覚えておけ」

 

 

カズマ「偽名か?」

 

マダラ「偽名かどうかはお前の判断に任せる…」

 

 

男は去っていった

 

 

「マダラはあんな感じだからなぁ…俺はアキラってんだ、偽名かどうかはお前に任せるぜ」

 

 

 

 

短髪の男も去っていった

 

二人の後ろ姿をただじっと見ているカズマ

 

 

 

カズマ「マダラ…お前は一体……いや…お前を信じて良いのか…?」

 

 

 

 

 

ウィノ「おっ待たせー!!」

 

そこに両手に袋をぶら下げて店からウィノが出てきた

 

 

カズマ「何を買ったんだ?水着だけじゃ無いだろ…」

 

 

カズマはたくさんある袋を見て言った

 

ウィノ「えーっとね…日焼け止めオイルに…サンダルに…空気ベッドに…その他色々!」

 

カズマはウィノの爆買いに呆れていた…

 

水着だけではなく…アクセサリーも大量購入していたのだ

 

 

 

ウィノ「あ、店の中で一夏達に会ったよ!」

 

 

カズマ「何!?一夏達に!?あいつはまだ店か?」

 

一夏達に会ったと聞いた途端表情を変えてウィノに詰め寄った

 

ウィノ「え!?う…うん…多分まだ店だと思うけど…どうしたの?」

 

カズマ「一夏に会ってくる…」

 

そう言って再び店に入るカズマ

 

 

 

 

店内に既に買った後だろうか一夏とエミリアがレジカウンターから離れた時に

 

 

 

カズマ「一夏!」

 

 

一夏「あれ?カズマ!?どうしたんだよ?」

 

必死の形相で駆け寄ってきたカズマに驚く一夏

 

 

カズマ「お前…ここに来る道中、誰かに襲われなかったか?」

 

訳のわからない事を聞かれて戸惑う一夏

 

 

一夏「いや…普通こんな所で襲われないだろ?」

 

エミリア「一体どうなされたんですか?カズマさん」

 

この様子を見たカズマは胸を撫で下ろした

 

 

ウィノ「ねぇ…何かあったの?こんなカズマ…あたし見た事無いもん…」

 

 

ウィノがカズマに追い付いて問い質した

 

こんなに取り乱しているカズマは初めて見たからだ

 

 

カズマ「……ついさっき…そこの通路で女性権利団体に襲撃された…」

 

 

「「「ええええええええええええっ!?」」」

 

 

カズマが襲撃されたと言われて驚く三人

 

一夏「お、おい!大丈夫なのか!?」

 

エミリア「そ…そんな…カズマさんに怨みを持っている人が…もしかして!」

 

ウィノ「一体誰!!どんな奴に襲われたの!?あたしがやっつけてやるわ!!」

 

 

カズマ「落ち着けお前ら…襲撃してきた奴等は……俺らが倒したし、もう警備員に捕まってる」

 

カズマがそう話すと三人は安堵の表情をした

 

 

 

 

 

 

それから二組に別れてそれぞれデートをした

 

 

そしてカズマ達デルタ・フォースは臨海学校へと出向く…

 

 

そこで待っているものは楽園か…あるいは地獄か…




二人ですがオリキャラ出演しました


次回は臨海学校!!


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第二十七話 臨海学校一日目 第二の故郷

この話からあのアンチが無くなります…

そう救済ですよ


「海だーーー!!」

 

 

移動するバスの中、女生徒の一人が叫んだ瞬間、一組の生徒はテンションが鰻登りに上がった

 

現在カズマ達一年生は臨海学校で海に来ているのである

 

 

今回の臨海学校にはカズマ達の所属するアメリカ軍、デルタ・フォースが全面協力の下で行われるのである

 

 

しかしデルタ・フォースが全部隊来る訳ではない、デルタ・フォースの所属の整備班、戦術予報士、指揮官等が来日して教導するという目的である

 

 

しかしカズマ達は教える側ではなく教えられる側であることを忘れないで貰いたい

 

 

 

カズマ「…」

 

雰囲気が最高潮のバス内で静かに海を見るカズマ…その表情は微かに笑みを浮かべていた

 

ウィノ「ねぇねぇカズマ!!海だよ!海!!」

 

ウィノがカズマに抱き着いてテンションが上がった様子でカズマに言った

 

カズマ「ああ…そうだな……」

 

 

ブライス「待ちに待った時が来たのだ……多くの兵士達が無駄死にで無かった事の証のために…再びこの手に青春の熱き魂を呼び覚ますため……海よ!!私は帰ってきたァアアアアアアアア!!」

 

 

カズマ、一夏「ソロモンの悪夢に謝れェエエエ!!」

 

カズマと一夏のデュアルダイナミックエントリーツッコミがブライスにクリティカルヒットして黙らせた

 

 

一夏「どこからそんなボケが思い付くんだよ…」

 

 

カズマ「おい作者…良いのか?こんなボケ書いてて」

 

 

いいんです!!(川○慈○風)

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

自分の席に戻った一夏はずっと海に釘付けのエミリアを見ていた

 

 

エミリア「あ、一夏様!海ですよ!!海!!」

 

一夏「わかってるって…久々だなぁ…海は…」

 

 

エミリアも海を見てテンションが上がっている様だ

 

エミリア「私も楽しくなってきました!!もうこの気持ち抑えきれないですぅ!!」

 

一夏「はいはい…」

 

一夏はエミリアの頭を撫でてエミリアの暴走を制御した

 

 

エミリア「ふにゅぅう…一夏様ぁ……」

 

撫でられてうっとりした表情のエミリア…一夏の肩に自分の頭を置いた

 

 

 

 

 

 

千冬「もうすぐ着くぞ、全員席に着け」

 

 

 

 

千冬の注意によって席を離れて見ていた女生徒達は自分の席に着いて、到着を待った

 

 

 

そしてとある旅館にバスが止まって生徒達が降りていった

 

 

「わああっ!!海が真ん前!!」

 

「風が気持ち良いーーー!!」

 

 

等とテンションが抑えきれない女子達である

 

 

 

拓巳「ふああ…やっと着いたか…」

 

龍真「そうみたいだな…」

 

淕「ですね…」

 

 

龍真と陸淕と春香は手元のPS VITAでゲームをプレイしていた

 

因みに内容はガンダムブレイカーと言われるものである…

 

拓巳「お前ら…このくそ暑いのに」

 

 

春香「あーっ!!やられた!!んもう!!拓巳のせいだからね!!」

 

拓巳「理不尽過ぎだろ!!」

 

 

 

 

そして生徒達は旅館の玄関先までやって来た

 

 

エミリア「大きい…ですぅ…」

 

一夏「凄いな…どの旅館よりも大きいじゃないか?」

 

ウィノ「こんな所で泊まれるって良いね……………あれ?カズマ?」

 

ウィノがカズマを探すが……いない

 

 

一夏「どうした?」

 

ウィノ「カズマが……いない…」

 

エミリア「え!?さっきまで一緒にいたはずです!!」

 

 

三人は千冬の下へと向かった

 

 

ウィノ「大変です!!カズマが何処にもいません!!」

 

千冬「ん?ああ…アーディガンか…あいつなら……」

 

 

そして旅館の扉が開いた

 

 

 

カズマ「いらっしゃいませ!」

 

 

 

ウィノ「へ?」

 

一夏「あり?」

 

エミリア「はい?」

 

 

なんとカズマが出て来た

 

 

一夏「お前……ボケが大胆過ぎてツッコミが追い付かん…」

 

 

カズマ「はぁ……この旅館は俺の日本の故郷だ…」

 

 

「「「「ええええええええええええっ!?」」」」

 

 

 

 

そうこの旅館はカズマの母親の故郷…つまり第二の故郷なのだ

 

 

ユカ&ユイ「いらっしゃいませー!」

 

後ろからアメリカにいた筈のカズマの妹、ユカとユイが出てきた

 

 

 

ウィノ「ユカちゃんにユイちゃん!?いつ日本に!?」

 

 

カズマ「つい昨日、俺が在学中の間、日本の学校に通うことになった」

 

 

 

二人はカズマが稼いだお金で日本に帰国、そして日本の中学校に編入したのだ

 

 

 

 

「こら、ユカにユイ、勝手に行っちゃ駄目でしょ?」

 

 

奥から旅館の女将が出てきた

 

 

「いらっしゃいませ、IS学園の皆様…カズマがお世話になってます」

 

女将が千冬とブライスに礼をした

 

 

千冬「いえ…そんな…」

 

ブライス「こちらこそ、カズマの活躍に助けられております」

 

 

 

そして生徒達は旅館に入ってそれぞれ割り当てられた部屋に入った

 

 

カズマ「織斑先生…俺の部屋は…?」

 

カズマは自分の部屋が無い事で千冬に質問した

 

 

「あなたの部屋がまだ残ってるわ、そこを使いなさい」

 

カズマ「え?でも…」

 

 

千冬「ここはお前の故郷なのだろ?ゆっくりとくつろげ」

 

カズマ「はい…」

 

 

カズマは荷物を持って十年ぶりに自分の部屋に入った

 

 

十年前と変わらない景色、変わらない机、変わらないベッド…幼い日の思い出が甦った

 

 

 

カズマは暫くその思い出に浸っていた

 

 

ウィノ「ここがカズマの部屋なんだねー」

 

カズマ「ウィノ…どうしてここに?」

 

 

カズマの部屋にウィノが入ってきた

 

 

ウィノ「織斑先生、あたしの部屋も割り振られて無いみたい…んで聞いてみたら…」

 

 

千冬(彼女なら彼氏の部屋に住むべきだ…)

 

ウィノ「だって」

 

 

千冬なりの配慮なのだろうか…カズマの部屋にウィノを配置したのだ

 

因みに一夏達は二部屋あり、それはデルタ・フォース専用である

 

 

当然一夏とエミリアは相部屋である

 

 

 

ウィノ「ほら、海行くよ!折角の自由時間楽しまなきゃ!」

 

カズマ「そうだな…」

 

 

 

カズマは水着を持って更衣室に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして海での自由時間が開始され、生徒達は一斉に海に走っていった

 

 

太陽からの熱線も、冷たい海水に浸かる事で和らぐ…そんな気がするだろう

 

 

 

拓巳「うっひょーっ!!気持ち良いぜ!!」

 

拓巳が海で泳いで叫ぶ

 

 

淕「拓巳君…相変わらず元気だなぁ…」

 

春香「淕君は行かないの?」

 

 

二人は浅瀬で遊んでいた

 

淕はトランクスの水着で色は灰色

 

 

春香は水色のビキニである

 

 

 

 

淕「僕はいいよ…こうやって春香ちゃんといれば良いし」

 

春香「ふーん…じゃこれならどうだ!!」

 

淕「わっ!?ちょ…ちょっと!!」

 

春香がいきなりジャンプして淕の肩に乗った

 

 

所謂肩車である

 

 

 

淕「春香ちゃん危ないよ!」

 

春香「だったらちゃんと支えてねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

龍真「よし…これで…」

 

簪「ありがと…龍真…」

 

 

二人は大きな空気ボートで海に浮かんでいた

 

ついさっき簪の髪飾りに龍真が貝殻を拾って着けていた

 

 

簪「かわいい…」

 

龍真「とても似合う……」

 

簪「じゃあ…お礼しなきゃ…」

 

簪は龍真にキスをした

 

 

龍真「!?」

 

突然のキスに何時もは冷静の龍真も驚く

 

 

キスを終えた簪も顔が赤かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ちゃんと捕まってろよ!」

 

エミリア「はい!」

 

 

泳ぐ一夏におんぶしてもらう形でエミリアが乗っていた

 

エミリアは少し泳ぎが苦手でこの形で遊泳を楽しんでいた

 

一夏もカズマと同じトランクスタイプの白基調である

 

エミリアは淡い緑のワンピースタイプの水着である

 

 

 

エミリア「とても気持ちいいです!」

 

 

一夏「それは良かった…お?」

 

 

一夏の目線の先にカズマとウィノが大きなボートで遊んでいるのを見つけた

 

 

エミリア「ここはお邪魔しないようにしませんと」

 

一夏「そうだな…カズマ、ウィノ…ごゆっくりー」

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「うーん!気持ち良い!!やっぱり海サイコー!!」

 

カズマ「久々にここの海入ったが…最高だな…」

 

ウィノが用意した大きなボートに乗っている二人

 

 

ウィノ「それ!」

 

 

ウィノが水をカズマにぶっかけた

 

カズマ「ウィノ……こいつ!」

 

 

カズマもお返しでウィノに水をぶっかけた

 

ウィノ「きゃはっ!冷たい!!」

 

 

 

 

二人は暫くじゃれあっていたが、清香からビーチバレーをやらないかと誘われ、デルタ・フォースを二つに分けてやる事にした

 

 

一進一退の攻防だが、最終的に千冬とブライス参加し、二人の活躍によって次元の違うバレーが展開してたとか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして自由時間が終わって夕飯の時間

 

カズマは一足早くビーチから上がって夕飯の手伝いをしていた

 

女将からしなくても良いと言われたが…自分の故郷の旅館を手伝わないのは失礼だと言って手伝った

 

 

人数分の椅子を並べて、料理を置き、それぞれの湯呑みにお茶を入れて準備をした

 

 

そして時計を見て各部屋に夕飯が出来たと知らせをしてすぐに厨房に向かった

 

料理は一つ一つ送られるのでカズマはそれを運ぶ役割をしなければならない…

 

 

 

 

 

そして夕飯の時間が始まって時間を見て次の料理を運ぶカズマ

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「お待たせしましたー」

 

 

「「「「ってええええええええええええっ!?」」」」

 

 

いきなり料理を持って来たカズマに驚く生徒達

 

 

セシリア「か…カズマさん!?何をしてらっしゃいますの!?」

 

カズマ「旅館の手伝い…」

 

シャルロット「え!?ご飯は!?食べないの!?」

 

カズマ「賄い飯で食うから」

 

ラウラ「折角ここに来たのに手伝いをするのか?」

 

カズマ「ああ…今までアメリカにいたからな…ここの手伝いをしないと悪いだろ?」

 

 

そう言って全員に料理を置いて再び厨房に戻ろうとしたカズマだったが…途中で彼の叔母である女将に呼び止められた

 

 

カズマ「叔母さん……」

 

「カズマ…今日はいいわ…あの子達と一緒に寛ぎなさい」

 

カズマ「いや…でもこんな時にしか手伝い出来ないし…」

 

 

女将はカズマの肩に手を置いた

 

「カズマ…確かにお手伝いしてくれるのは嬉しいわ…でも……あんなにたくさんの友達と一緒に来たのに飲み食い遊ばないってあの子達に失礼だと思うわ……それにウィノちゃんもあなたと離れて寂しいと思ってるんじゃ無いかしら?」

 

カズマ「……」

 

「今日はお手伝いありがとう……これからは寛ぎなさい、ここはあなたのもう一つの故郷で実家なのよ……だったらわかるでしょ?みんなと楽しんで来なさい」

 

 

カズマ「わかったよ…叔母さん…」

 

 

 

それからカズマはエプロンを外して私服姿となり、皆の待つ宴会場へ行って夕飯を食べた

 

 

その後は入浴だったが…カズマは敢えて家族用の一般的な湯船に浸かった…他の皆は大浴場を使っている

 

 

そして風呂から上がって再び私服姿になって旅館内…まあ自宅を散策していたら

 

 

清香「あ!カズマだ!」

 

彼を見つけたのは清香、静寐、本音の仲良し三人組である

 

 

 

静寐「ねぇ…ここって卓球場みたいなのってある?」

 

どうやら彼女達は卓球をしたかった様だ

 

カズマ「娯楽ルームに卓球やTVゲームがある…」

 

本音「お~ありがとーカズくん!」

 

 

三人を見送ったカズマは一人の女生徒を見つけた

 

 

篠ノ之箒である…

 

 

彼女は記憶喪失で詳細な事はわからないと言うばかりで、更に彼女が乗っていた打鉄も大破、コアもズタボロの状態で解析が出来なかった

 

 

それゆえ証拠不十分でお咎め無しとなったのだ

 

 

 

箒「……お前は……アーディガン」

 

 

カズマ「こんな所で何をしている」

 

カズマの存在に気付いた箒は彼の名前を言った

 

 

 

箒「……私は…その……謝らなければならない……貴様と…そしてデルタ・フォースに…酷い事をした……ごめんなさい…」

 

 

箒は潔く謝罪した

 

彼女の記憶喪失が多少改善されて、本来の性格を取り戻しつつあった……そしてこれまでのしてきた事を千冬から言われて罪悪感を感じたのだろう

 

 

カズマ「謝ったって…お前のした事を許すのは俺じゃない……一夏だ…」

 

 

箒「わかっている…だが…私は…一夏に彼女がいる事を知っていながら…奪おうとした…それも……力で…暴力でだ……よくよく考えてみれば一夏とエミリアは命の奪い合いの戦場で生き抜いてあの関係になったのだろう?…私は…場違いだったみたいだな…」

 

 

 

どうやら冷静に考える事で、一夏とエミリアの関係を引き裂く事は出来ないと理解したようだ

 

カズマ「まずお前は…俺に謝るな……俺より先に一夏に謝れ……お前のせいで頭痛薬を服用する様になったからな」

 

箒「…その一夏は…何処に?」

 

カズマ「娯楽室でエミリアと一緒だ」

 

 

箒「そうか……エミリアにも…謝らなければ……ありがとうアーディガン…話を聞いてくれて…」

 

 

そう言って箒は娯楽室に向かった

 

 

カズマ「篠ノ之…」

 

箒「?」

 

 

カズマは箒を呼び止めた

 

カズマ「俺は自分勝手で周りを見ずに…自分のエゴを押し通す奴は嫌いだ…だが…その過ちに気付いて…これまでしてきた事を振り替えって反省するなら俺は許す…但しまだ理解していないのなら…その時は覚悟しておけ…」

 

箒「わかった…」

 

 

 

 

このあと箒は一夏とエミリアに謝ってもう二度と関係を引き裂く様な事はしない、二人の幸せを応援すると…完全に和解をした

 

 

 

 

臨海学校の一日目はカズマにとって実家に帰る喜び…仲間と遊ぶ喜び…自分にもう一つ故郷があるという喜び…

 

それを改めて実感したカズマであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




箒はもうアンチではありません…

完全に救済しましたからご安心を





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第二十八話 臨海学校二日目 講義

皆さん…お待たせしました…


あのウサギの登場でーす


カズマ「Zzz…」

 

臨海学校二日目朝…十年ぶりに寝る実家のベットで寝るカズマ…とても寝心地良さそうで熟睡中である

 

桃ハロ『オキロ!オキロ!』

 

 

桃ハロの目覚ましで意識が覚醒したカズマ、その隣ではカズマに抱き着いて熟睡中であるウィノがいた

 

 

 

カズマ「ウィノ…ほら、朝だぞ」

 

ウィノ「うぅぅん……カズマぁ…キスしてぇ……」

 

 

寝言なのか起きて言っているのかわからないが…とりあえずウィノにキスをするカズマ

 

 

その唇の感触に意識が覚醒したのかウィノが目を覚ました

 

 

カズマのキスが終わるとウィノは体を起こした

 

ウィノ「えへへ…王子様のキスで起こされちゃった…」

 

カズマ「俺はそんな柄じゃないさ…」

 

 

二人はデルタ・フォースの制服に着替えて生徒達と朝食を取った

 

 

 

 

ブライス「あー…食事の最中ですまんな…今回の臨海学校で特別講師となるデルタ・フォースの技術顧問と戦術予報士の二人を紹介する」

 

ブライスから今日の講義の講師となる人物を紹介した

 

一人はデルタ・フォース専属技術長ゲイリー・マードックでもう一人は女性だった

 

マードック「デルタ・フォース専属技術長のゲイリー・マードックだ…今回はISの追加パッケージについて教えるからな」

 

 

マードックの次はスタイルの良い女性が紹介した

 

「デルタ・フォース専属の戦術予報士、リーサ・ブライスよ…今回は敵の戦術…並びにその戦術に対しての対策を教えるわ」

(モデルとしてはガンダム00のスメラギ・李・ノリエガ)

 

 

「「「「ブライス!?」」」」

 

 

ここにいる生徒達全員が疑問に思っただろう…

 

何故ブライスと同じ姓なのか…

 

 

リーサ「ふふっ…ここにいるジュード・ブライス大尉は私の夫です」

 

 

「「「「ええええええええええええっ!?そんな馬鹿なァアアアアアッ!!」」」」

 

 

これにはIS学園の生徒も…デルタ・フォースメンバーもビックリ仰天…まさかあのブライス隊長に奥さんがいたとは…しかも美人…

 

 

拓巳「あ…あり得ねぇ…あのブライス隊長にあんな美人の奥さんがいるなんて…」

 

淕「一体どういう経緯で結婚したんだろう…」

 

龍真「人は見かけによらない…と言うがな…」

 

一夏「ずっと独身だと思ってたぜ…」

 

ウィノ「へぇ~ブライス隊長もやるじゃん!!」

 

カズマ「ある意味最強のコンビかもな…」

 

エミリア「わ…私もあと数年もすれば……あんな胸に……」

 

 

デルタ・フォースのメンバーはブライスの意外な秘密に驚き、また嫉妬した

 

 

そして朝食が終わると一組、三組、二組・四組の二手に別れてそれぞれの講義を受けた

 

 

 

 

 

二組・四組 リーサ・ブライスの講義

 

 

 

リーサはこの周辺の地形を模したフィールドをホログラムで投影して敵機アイコン、味方アイコンを使って講義をしていた

 

 

リーサ「じゃあまず、この地形に置いてどんな戦術が考えられる?」

 

 

リーサはまず、味方の5機のISを配置して、敵も同じく5機という条件の中の敵戦術を予測させた

 

 

鈴「やっぱり強行突破じゃないの?」

 

簪「鈴…それは単純すぎるよ……私は三機がまず先頭を飛んで敵機を海上に誘い込んで…その瞬間に潜水艦の空母で残りの二機で奇襲攻撃を仕掛けると思います」

 

 

その後も様々な生徒達の戦術予想が出たが…何れもリーサの納得の行く答えが出なかった

 

 

リーサ「まぁ…皆目先に囚われ過ぎてるわね…」

 

鈴「どういうことですか?」

 

 

リーサ「私はこう予測するわ」

 

 

リーサが端末を操作するとなんと味方5機の真後ろに敵5機が展開しているという危ない状況であった

 

 

鈴「な!?なんでこうなるのよ!?」

 

 

リーサ「いい?皆もわかっている通り…人ってのは後ろからの奇襲に弱い…さっき更識さんの言った戦術も良い線…要は敵は少ないリスクで大きな戦果をあげられる戦術をしてくるのよ……潜水艦などで移動させたら海に設置してあるソナーでわかっちゃうからね」

 

 

簪「でも…なんでこんな後ろに…海から来るのにどうやって…」

 

 

リーサ「更識さん?…私は一言も海から来るとは言ってないわよ?」

 

そうリーサはこの配置で考えられる敵の戦術を予測せよと言っただけで、海から来るとは一言も言ってないのだ

 

つまり彼女が言いたいのは敵は何処から…そしてどのような戦術で来るのかはわからない…だからこそ地形と自軍の状態を把握して予測しなければならないのだ

 

 

リーサ「さて、こう来ると予測したが…それに対しての戦術はどうする?」

 

 

 

彼女の戦術講義はまだ続く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一組・三組 ゲイリー・マードックの講義

 

マードック「よし、これからはISパッケージの構造、並びに着けた時の性能の上がり幅、そして取り付けの実技を行う…まず…」

 

 

マードックは最初に8を通して大型ディスプレイに追加パッケージの構造…並びに種類を映した

 

 

マードック「追加パッケージには様々な種類がある…一般的に武装の強化や…」

 

 

それからマードックの講義が続く、時折実技を入れて接続の確認をする

 

 

もちろんカズマ達も実技で接続テストがてらΔ-ラインの強化パッケージの接続テストをしていた

 

今回はカズマのフリーダムウイングと一夏のデスティニーエピオンの強化パッケージであった

 

 

 

細かい微調整や専門的な事は8やハロ達に任せて、カズマ達はOSを組み立てていた

 

 

 

カズマ「だいたい80%は組み立てられたな…」

 

一夏「こっちもそろそろ終わりそうだ!楽しみだぜ…こいつを使うのが」

 

 

 

二人の強化パッケージは強化と高機動の両方を兼ね揃えた『ミーティア』と言われるパッケージである

 

 

全長2mの砲身を持つ強力なビーム砲が2門、両側のコンテナには多数のマイクロミサイルを登載、後部には大型ブースターを取り付けて、巨大な外見から想像出来ない高機動を誇る

 

現在はカズマと一夏のみ、友谷から試験運用の依頼がある

 

 

 

 

Ppppppp!

 

8の警報が鳴り響いた

 

 

カズマ「8!敵襲か?」

 

 

8『いや……上空から何か接近してくるぞ!!』

 

 

 

ドゴォオオオオオオン!!

 

 

突然上空からニンジンの様なフォルムの物体が墜落…いや…着地の方が良いだろう……

 

 

カズマ「なんだ!?一体…」

 

一夏「ま…まさか……」

 

 

「ヤッホー!!皆のアイドル、束さんだよー!!」

 

 

一夏「やっぱり束さん!!」

 

なんと…ニンジンの様な物体からウサ耳を着けた変なテンションの女…ISの生みの親である篠ノ之束が現れた

 

 

カズマ(こ…こいつがあの篠ノ之束……だと!?)

 

束が辺りを見渡してとある人物を見ると…

 

 

束「ちーちゃーーーん!!」

 

目にも止まらない速度で千冬に抱き付こうとしたが…

 

千冬「うるさいぞ!」

 

 

千冬はその頭を鷲掴みにした

 

 

束の頭蓋骨が軋む音がするが…

 

束「相変わらず容赦ないアイアンクローだねー」

 

効いているのか効いてないのかわからない声色でコメントする束

 

 

千冬「で…何しに来た?」

 

千冬はアイアンクローを解いて束を自由にした

 

 

束「あたしは、箒ちゃんに誕生日プレゼントを渡しに来たんだよー!」

 

 

箒「え?私の…誕生日…?」

 

記憶を失っている箒は自分の誕生日すら覚えていない…

 

 

束「ヤッホー!箒ちゃーーーん!!しばらく見ない間に大きくなったねー特にこの…」

 

束が箒の胸に触ろうとした瞬間

 

 

箒「や…やめてください!!何なのですか!?あなたは!?」

 

 

 

束「へ!?…箒…ちゃん……どうしたの?」

 

 

束は箒の異変に気付いた…何時もと違う事に

 

 

束「もしかして…あたし…わからないの?箒ちゃん?」

 

 

箒「…ごめんなさい……」

 

 

束「うわあああん!!……ま、こんな事もあろうかと…じゃじゃーん!!記憶復活薬!!」

 

 

「「「「!?」」」」

 

この言葉を聞いてデルタ・フォースの全員が顔を強ばらせた

 

 

束「それじゃ行くよー!!」

 

カズマ「させるかよ!!」

 

カズマはコートに忍ばせてあるコンバットマグナムをぶっ放した

 

見事記憶復活薬に命中、粉々に砕け散った

 

 

束「ああーん…酷いなぁ!……成る程ねぇ…君達が奪ったのかなぁ…?箒ちゃんの記憶」

 

そう言ってカズマを睨む束

 

カズマ「奪ったんじゃない…彼奴の自業自得だ…」

 

 

束「知ってるよ…女性権利団体の奴等が箒ちゃんに接触したんでしょ?」

 

 

一夏「何だって!?」

 

突然の束の言葉に驚くデルタ・フォースメンバー

 

 

束「箒ちゃんの乗っていた打鉄に盗まれていたあたしの開発していた特殊なコアが登載していたんだよねぇ…」

 

 

ウィノ「あんたの…特殊なコア!?」

 

束「まぁ…不完全なコアで…廃棄処分のコアだったから盗まれても良かったかなー何て思ったけど…まさか打鉄に登載させるなんて馬鹿だよねぇ…」

 

 

エミリア「それじゃ…打鉄のあの異様なオーラは…」

 

束「そう、そのコアの特殊能力……と言っても…」

 

 

 

友谷「最早ウィルスに近い物ですよねあれは」

 

 

友谷が束の前に行き…

 

 

友谷「あれには機体とその登場者のシンクロ率を上げる一種の初心者用ISのコアを製作していたと思いますが…それが副作用として脳細胞に強烈なダメージを与える事がわかった…そこで貴女はそのコアを廃棄しようとしたら盗まれた…と捉えても良いですか?束先生?」

 

 

「「「「せ…先生ィィィ!?」」」」

 

 

突然友谷の先生発言に驚く全員

 

 

束「さっすが友ちゃん!いやー私の一番弟子だねー!そして流石ISを男女共用にしたΔ-シリーズの生みの親!!」

 

 

「「「「え…ええええええええええええっ!?」」」」

 

 

これにはデルタ・フォースメンバーもそうだが、整備士のマードックも隊長のブライスも驚いていた

 

 

 

友谷「意外に簡単でしたよ、貴女のISの欠点を克服させるのも…でも僕は…敢えてリィンフォース社に使いましたけどね……他の企業は女性権利が薄れると歪んだ事しか言わないですからね…唯一リィンフォース社は歓迎してくれて良かったですよ」

 

 

拓巳「…マジかよ…お前昔から頭良かったけどよ……そこまで進化してるのか?」

 

淕「と言うことは…エミリアさんは知っていたんですか?」

 

 

エミリア「はい、何時も友谷さんの設計した武装を私がテストしていましたから…あ、カズマさんが元々使っていたビームライフルショーティー、一夏様のH.V.Sも友谷さんの設計です」

 

 

改めて友谷の秘密を知ったデルタ・フォースメンバーであった

 

 

 

 

 

束「さてさてそれはさておき、箒ちゃんの記憶復活薬を…」

 

 

「「「「だから待てって言ってるだろ!!」」」」

 

 

再び何処から取り出したのか記憶復活薬を箒に射とうとする束

 

 

束「発射!!」

 

 

箒の首にその薬の注射が刺さり、薬剤が注入される

 

 

 

箒「っ…………って姉さん!?それになんだここは!?」

 

 

束「おー戻ったねー箒ちゃん!んじゃあ…」

 

 

束は箒に自分の名前…家族の名前等を聞いてみる…

 

 

全て覚えている…どうやら記憶が戻ってしまったらしい…

 

 

だが……

 

 

箒「一夏に彼女……そうなのか…」

 

 

一夏の事になると意外に突っ掛かって来ない…

 

 

何時もなら一夏に突っ掛かって…一夏を自分の物にしようとする筈だが…それをしてこない…

 

 

友谷「成る程…その記憶復活薬…箒さんの記憶を完全に戻した訳じゃ無いんですね」

 

束「そう言うこと!また箒ちゃんがいっくんとエミちゃんの仲を壊さないようにする為には、いっくんとの記憶を少し改竄する必要があったんだよね~って事で、箒ちゃんの中でいっくんとはただの幼馴染みって事になったの」

 

これで本当に脅威が去ったと思いたいが…箒のあの粘着テープ並みのしつこさはカズマ達の脳裏に焼き付いているので安心な気分に慣れない…

 

 

 

束「さてさて、それじゃ箒ちゃんの誕生日プレゼントを…ご覧あれ!!」

 

 

 

コンテナの戸が開いて中から赤いISが現れた

 

 

束「これが箒ちゃんの専用機、『赤椿』だよ!」

 

 

箒「赤椿…」

 

 

束「さてさて、早速最適化を始めるよ!乗った乗った!」

 

 

箒は赤椿に乗って束の協力で最適化を終らせた

 

 

 

カズマ「どう見る…あの赤椿…」

 

カズマは隣で一緒に見ていた一夏に赤椿の印象を聞いてみた

 

 

一夏「束さんの設計だから、多分とんでもないISだと思うな…それに武装は箒が扱い易い刀状にしている…正に箒専用だな」

 

 

そう話していると一夏の服を引っ張る春香がいた

 

 

一夏「どうした?」

 

春香「なんかあたしやだよ…あの箒に専用機なんて…」

 

一夏「落ち着け…さっきの状態を見ただろ?箒は大丈夫だ」

 

 

春香「わかったよ…お兄ちゃん…」

 

 

どうやら春香は以前の箒の印象が強く残っており…未だに信用出来ないのである

 

 

とそこに…

 

 

Ppppppp!

 

いきなりブライスの携帯が鳴り始めた

 

 

ブライス「ブライスだ……なんだ…リーサか…どうした……」

 

 

電話の相手は妻のリーサだった…

 

 

ブライス「ふむ…わかった、直ぐにデルタ・フォースと専用機持ちを集めさせる!」

 

 

ブライスは携帯をしまって

 

 

ブライス「お前ら!緊急任務だ!今すぐにデルタ・フォースと専用機持ちは旅館内、デルタ・フォースのブリーフィングルームに集合しろ!!」

 

 

 

この時…IS学園に最大の危機が迫っていたのだ




リーサ・ブライスの声優は 本名陽子です…

そういや友谷のフルネームは倉石友谷、声優は 神谷浩史です



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第二十九話 福音が奏でる戦いの調べ

遂に福音戦


カズマ達の戦闘BGMはガンダムSEEDアストレイのサーペントテール/ミッション開始が良いよね

ぜひ聞きながら読んでみて下さい


ブライスの緊急召集を受けて、旅館のとある大広間に巨大なモニターとコンソールが設けられていた

 

そこにブライスの妻、戦術予報士リーサがいた

 

 

リーサ「急にすまないわね、実は暴走したISの反応がこの付近の海域に出たと報告があったの」

 

 

どうやら何処かの国の試作ISが何らかの影響で暴走し、この旅館付近の海域に接近しているという報告である

 

ブライス「ほう…で…その暴走したISってのは?」

 

 

リーサ「シルバリオ・ゴスペル『銀の福音』と言われる試作型軍用ISよ…データを見る?」

 

 

ブライス「ああ…頼む、それと専用機持ちのお前ら」

 

 

ブライスはセシリア達を見て

 

ブライス「これらの情報を外部に流すと特別監査が着く…最悪の場合は牢屋入りだ…いいな?」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 

 

 

そしてテーブル型ディスプレイに暴走したIS(以後福音)のデータが映し出された

 

 

カズマ「成る程…高機動戦を主軸に置いた中距離射撃型のISか」

 

ウィノ「この長いバインダー…なんか癖のある兵器みたいね…」

 

一夏「でもこれだけだと武装の特徴がわからないな…」

 

エミリア「もっと詳細なデータは…」

 

リーサ「無理よ、他国の軍隊に試作型のISの情報を提出するのに勇気がいるのよ?これだけでも立派な情報よ」

 

龍真「だとすると…数回に分けて出撃しますか?」

 

拓巳「いや…それだと危ねえんじゃないか?一回のコンタクトで楽に返してくれるわけ無いだろ?」

 

淕「僕も同感です…この場合一回のコンタクトで仕留めると言う作戦が適任です」

 

 

その後もデルタ・フォースのブリーフィングは続いた

 

 

 

 

 

デルタ・フォースの面々の作戦会議に呆然となる春香…

 

その他は何とかついて行けてるみたいで時折質問をしていた

 

 

 

リーサ「でも…もう一つの懸念があるわ…女性権利団体の連中よ…」

 

 

シャルロット「女性権利団体?」

 

ラウラ「日本で女性権利の優位を訴える団体でありますか?」

 

 

リーサ「そうよ…以前…カズマが買い物中に女性権利団体のメンバーに襲われたのよ」

 

 

拓巳「な!?おい本当か?」

 

カズマ「ああ…あの時は助けが来てくれたから助かったけどな…今回はどさくさに紛れ込んで俺達デルタ・フォースを殲滅すると言う事ですか?」

 

 

ブライス「その可能性は高いな…連中はこの海岸を縦にして西から攻めてくるな」

 

 

セシリア「あの…どうしてそう断言できるのですか?」

 

鈴「そうよ、まだ来るかどうかわからないのに…」

 

ブライスの決断に戸惑う専用機持ち達

 

 

 

 

ブライス「ふっ…俺とリーサだったらそうする………さて、これらの情報を基にして、今回はデルタ・フォースと専用機持ちの混成編成で行く、まず福音班は…カズマ、一夏、ウィノ、エミリア、ラウラ、鈴の6名、お前達は福音を沈黙させ、その搭乗者を救出せよ」

 

 

「「「「はっ!!」」」」

 

鈴「了解!」

 

 

軍人であるカズマ達とラウラは敬礼、鈴は普通の返事をした

 

ブライス「そしてもう一つ…これは来ると思われる女性権利団体の迎撃隊だ…これは龍真、拓巳、淕、セシリア、シャルロット、簪、春香の7名だ…お前達はこの付近を防衛、女性権利団体が来襲したら殲滅しろ」

 

 

「「「「了解!」」」」

 

 

 

 

ブライス「よし…ではブリーフィングを…」

 

 

ドガシャァアン!!

 

拓巳「いてっ!?」

 

突然天井の通気孔の蓋が外れて拓巳の脳天に直撃した

 

 

束「ちょっとまったあああっ!!ここは断然、私の赤椿の出番だよ!!」

 

何とその通気孔から束が現れたのだ

 

 

束「箒ちゃんの専用機、赤椿なら展開装甲を施してあるから、福音のスピードに追い付けるよ!」

 

 

リーサ「だけど…篠ノ之博士…妹さんはまだ一回しか乗ってません…いきなりカズマ達の戦術について行けるとは思えません」

 

 

確かに箒は先程専用機を受けたばかりで、まだ一度しか乗っていないのである…歴戦の強者であるカズマ達と箒では、大きな実力差がある

 

 

束「それだけじゃないよー!実は春ちゃんにもプレゼントがあるんだねー」

 

春香「え!?私に?」

 

 

束「じゃーん!」

 

 

そう言って取り出したのは…

 

 

春香「これって…白式!?」

 

なんと…春香が無くしたあの白式であった

 

 

 

エミリア「何で束さんが白式を…」

 

束「これはねー偶然拾って修理したんだよー」

 

 

偶然拾ったと言うが…果たしてそうなのか……

 

束「故に、そのΔシリーズに乗る必要は無いんだよー」

 

春香は胸のΔ-バウンサーのバッジを握って目を閉じて考えていた

 

 

 

春香「ごめんなさい…束さん…私……もう白式には乗らない…」

 

 

淕「何で!?君の専用機じゃないか!……って一夏さん?」

 

一夏「…」

 

淕が春香に突っ掛かろうとする前に一夏が止めた

 

 

 

 

束「えー!?どうしてー?」

 

春香「私…もう白式に…乗る資格が無い……だって…」

 

一夏「大切な白式を無くしている時点で…自分は白式に乗る資格が無い……と言いたいのか?」

 

春香「……」

 

本来、専用機を無くすと言うことは前代未聞であるが…春香の場合はラウラに襲われ、どさくさに無くしてしまったのだ…

 

故に自信の過失で無くしたとは言い難いが……無くした事によって春香の中で白式に対して申し訳無い気持ちが膨れ上がってしまったのだ

 

 

春香「だから…あたしは…バウンサーで行くよ……もう白式には……」

 

 

束「んじゃさーそのΔ-バウンサーに雪片を着けちゃおうよ!」

 

春香「はい?」

 

 

束の衝撃発言に驚く春香

 

 

束「友ちゃんなら出来るよねー?」

 

 

そう言って友谷を見る束

 

 

友谷「…ええ、出来ますよ…しかし零落白夜は出来ませんよ…」

 

 

束「えー何で!?いっくんのΔ-ラインは出来るのに?」

 

零落白夜が出来ない事に友谷に突っ掛かる束

 

友谷「Δ-ラインとΔ-バウンサーは同じΔドライブをコアにしてますが、バウンサー、エクゼスのコアは通常のΔドライブより簡略化されており、Δドライバを発動出来ません…従って雪片を装備したとして零落白夜を発動したとしてもコアがその容量に耐え切れずに正常に動かない場合があります…よって…作った僕から言わせてみれば、搭乗者の事を考えて…雪片を装備はお勧めしませんね」

 

 

これまで友谷はシャルロットのΔ-エクゼス、春香のΔ-バウンサーをテストして来たが、今までΔドライバを発動していない…登場者とISのシンクロ率は最高だが、そもそもコアが簡略化して量産型向けにされている為Δドライバその物が作動しないのである

 

束「うーん…そっか………じゃあ仕方無いね……無理矢理コアを移植してもあの打鉄みたいになっちゃうからねー」

 

 

 

これでΔ-バウンサーに雪片装備の案は廃止となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最終的に箒は参戦となり、カズマ達と同じ福音討伐班に配属となった

 

 

 

 

 

 

 

そして出撃時間となり、メンバーはそれぞれのISを展開し、デルタ・フォースの高速サブフライトシステム、Δ-ファトゥムに脚部を固定して、発信準備が完了した

 

 

 

リーサ『良い?敵は単機で飛行中、ファトゥムで高速接近してコンタクト後、それぞれ攻撃開始、福音のシールドエネルギーを消滅させて、搭乗者を救出せよ!』

 

カズマ「αチーム…了解」

 

 

カズマは鈴、ラウラ、箒に通信をした

 

 

カズマ「これから福音討伐の状況を開始する…ラウラは言わなくてもわかるが…これは実戦だ…気を抜けば命を落とす可能性がある…良いな?」

 

 

鈴「わかった!」

 

箒「うむ!」

 

 

カズマ「よし…行くぞ!」

 

 

七機のファトゥムのスラスターが点火して大空へと飛び立った

 

 

目標は福音…他だそれだけである

 

 

 

 

 

8「目標確認!距離2000」

 

 

福音ハイパーセンサーで視認出来る距離に達すると、エミリアはケルベロスを構え、ラウラはレールキャノンを構え、そしてぶっ放した

 

 

放たれたビームとレールガンは停止中の福音に直撃した

 

 

ラウラ「直撃を確認!続けて砲撃を行う!」

 

エミリアとラウラは続けて砲撃を行い、カズマ達の援護をした

 

 

カズマ「やっぱり俺はこれが一番だな」

 

カズマは腰背部に搭載してもらったビームライフルショーティーを構えた

 

バスターライフルは量子化したのだ

 

 

カズマ「乱れ撃つ!!」

 

 

ライフルショーティーを福音に乱射した

 

しかし福音の機動力の良さなのか…ほとんどが避けられた

 

ウィノ「高速格闘モード!!行くわよ!!」

 

ウィノのエクシアピクシーが高速格闘モードとなり、イグニッションブーストとほぼ同じスピードで福音に斬りかかるが福音はそのスピードを物ともしない様に防ぐ

 

一夏「これならどうだ!!」

 

一夏のデスティニーエピオンの翼が展開、ミラージュコロイドの光学迷彩により分身が発生して一斉に福音に襲った

 

 

福音もこれには一機ずつ躱していくが最終的に一夏の『虎徹』『菊一文字』にクロスに引き裂かれた

 

斬り飛ばされた福音の先に双天牙月を大きく振りかぶる鈴

 

鈴「きたきた…これでとどめぇえっ!!」

 

 

鈴の強烈な一閃は……空を斬った

 

 

何故なら当たる寸前に福音は体勢を立て直して月面宙返りで避けたのだ

 

 

箒「まだ私がいるぞ!!」

 

箒の二振りのブレードを持って避けた福音を斬ろうとするが…福音は大型バインダーから何かを射出した

 

それは小さなエネルギー弾だったが、箒に当たった瞬間爆発した

 

 

鈴「箒!?」

 

箒「ぐっ…大丈夫…だ…」

 

 

8「爆発するエネルギー弾だ!来るぞ!!」

 

 

福音は上空高く跳び、全方位にエネルギー弾を放った

 

 

その凄まじい弾幕にカズマ達は足止めをされた

 

 

カズマ「くっ…何て…弾幕だ…ぐあっ!!」

 

 

ウィノ「カズマ!?大丈夫…きゃあっ!!」

 

 

一夏「カズマ!?ウィノ!?おわっ!?なんだ!?」

 

 

 

突然福音から違う方向からの攻撃、その先に一隻の船が…

 

 

エミリア「あれは……」

 

 

ラウラ「密漁船か?」

 

 

その船からなんといつぞやの無人機が一斉に出撃したのだ

 

 

鈴「ちょ!?何これ!?」

 

 

箒「なんだこの数は!?」

 

 

船から射出された無人機は30機…誰が見ても戦力差はあり過ぎる

 

 

 

カズマ「ちっ…あいつらか…8!龍真達は?」

 

 

8「向こうも無人機の集団に襲われている!恐らく女性権利団体だと思うぞ!」

 

 

カズマ「くっ……30機……それに福音も相手にしないといけない…どうする……」

 

 

一夏「カズマ、こうなったら雑魚を先に片付けるか?」

 

無人機の一機を撃墜した一夏が聞いて来た

 

カズマ「それだと福音にやられる……」

 

 

ウィノ「じゃあカズマと一夏は福音をお願い!」

 

 

ウィノはピクシーソードで一機を撃墜した

 

 

ウィノ「今の所、高機動で高火力の武器持ってるのはカズマと一夏でしょ?」

 

 

鈴「だったら!」

 

鈴も双天牙月で無人機を真っ二つにして撃墜した

 

 

鈴「ここはあたし達に任せなさいよ!」

 

 

箒「その通りだ!」

 

箒もブレードから発射されたビームを無人機に当てて撃墜した

 

箒「彼奴を止められるのはお前しかいない!行け!!」

 

 

カズマ「わかった!」

 

一夏「おう!!」

 

 

カズマと一夏は福音に向かった

 

 

 

 

 

エミリア「ターゲットロック…撃ちます!!離れて!!」

 

 

エミリアの全身からマイクロミサイルが放たれたが着弾したのが10機ほど、撃墜したのが3機だ

 

 

ラウラ「ええい…ちょこまかと…」

 

 

ラウラもレールキャノンで応戦するが10発放ってまだ2機しか撃破していない

 

 

今回の無人機は前回襲ってきた無人機とは形状が違い、人形に近いのだ

 

背部に様々なバックパックを装備しているのが特徴だ

 

(モデルは105ダガー)

 

 

 

ウィノ「ああもう!!しつこいったらありゃしない!!」

 

 

ウィノは高速格闘モードを維持しつつ、敵の攻撃を避けながらすれ違い様に斬りつけて撃破していくが一向に数が減らない事に気付く

 

 

ウィノ「もしかして…あの船…エミリア!!」

 

 

エミリア「はい!」

 

ウィノはエミリアに通信をした

 

 

ウィノ「エミリア、あの船から無人機がまだ出ている筈よ!撃破して!!」

 

エミリア「はい!わかりました!」

 

 

ラウラ「船を発見した!こっちだ!」

 

 

船はウィノ達が戦っている空域の真下に浮かんでいた

 

二人はファトゥムを操作して低空飛行で船へと近付くが

 

船から機銃の一斉射撃に遭った

 

 

エミリア「やっぱりあの船…」

 

ラウラ「恐らく一般の船にカモフラージュした武装船だろうな…」

 

 

8「あれを落とさなければどんどん敵が増えるぞ!機銃が止んで無人機を射出するタイミングが好機だ!」

 

 

 

 

 

 

福音side

 

 

カズマ「もらった!!」

 

ビームセイバーを抜刀して横凪ぎに振るが避けられ

 

 

一夏「避けるなよ!」

 

一夏が長射程高インパルス砲をぶっ放すがまたまた避けられる

 

 

このコンビネーション抜群の二人の猛攻を回避し続けている…何とも凄まじい技術なのだろうか

 

 

カズマ(Δ-ドライバを使うか…?)

 

Δドライバを使えば確かに福音のエネルギー弾を防げるし、奴の反応速度に追い付く事が出来る…だが…

 

一夏(後の事を考えると安易には使えないな…)

 

現に女性権利団体の無人機がこうして襲っている為、長期戦になりかねないのだ…それ故にΔドライバを発動してそれが切れてしまったら性能が劣化したISではいくらカズマ達でも足手まといになる

 

 

 

一夏「カズマ…」

 

カズマ「ああ…あれを使うか…8!あれを頼む!!」

 

8「OK!」

 

 

 

そうして高速で向かって来たのは、先程カズマ達が調整していたフリーダムウイングとデスティニーエピオンの強化パッケージ、ミーティアであった

 

 

二機とも装着が完了し

 

 

一夏、カズマ「行くぞ!!」

 

 

二機は福音に突撃していった…

 

 

 

 

 

 




そう言えばラウラとシャルロットの能力紹介忘れてた(スパロボ風)

シャルロット・デュノア
アビリティ 友情 補給 ひらめき 集中

射撃174
格闘154
防御143
回避156
技量187
命中152


ラウラ・ボーデヴィッヒ
アビリティ 鉄壁 不屈 集中 直撃

射撃176
格闘165
防御184
回避158
技量172
命中149


たまにはスパロボ風のカズマ達の能力も見てくださいねー…独断と偏見で着けてますから


感想待ってます


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第三十話 海岸の悪魔

やっと期末テストが終わったぁ…


大変お待たせしました!


龍真side

 

 

カズマ達が海上で無人機&福音と戦っている中、龍真達も無人機と戦っていた

 

 

 

無人機一機、龍真のアルトロンデュエルのドラゴンハングに貫かれて爆散し、更に空いてる手のドラゴンハングを敵に突き刺し、ゼロ距離でビームを放ってまた撃破

 

しかし無人機も手に装備している60mm突撃砲で一斉射撃してきた

 

 

 

 

龍真「ちっ…」

 

その弾幕をツインビームソードを高速回転で防ぐ

 

 

 

 

拓巳「斬りまくるぜぇええっ!!」

 

 

その突撃砲を撃っている敵の背後にミラージュフィールドを解除して緑色の大きな鎌をもった拓巳のデスサイズブリッツが現れ、不意を突かれた敵は呆気なく真っ二つにされた

 

 

そんな二人に多弾頭マイクロミサイルが放たれた

 

 

淕「やらせない!!」

 

 

淕はシールドビット、ライフルビットを展開してシールドビットを龍真、拓巳の前方に展開して、残りのライフルビットでマイクロミサイルを迎撃した

 

セシリアもビットを駆使してマイクロミサイルを迎撃した

 

そしてマイクロミサイルが止むと再び無人機集団が襲い掛かる

 

 

セシリアは冷静にスターライトMk-Ⅱで狙撃して一機一機確実に仕留めていった

 

 

セシリア「一時も気が抜けませんわね…でも…ここを抜かせる訳には行きませんわ!!」

 

 

セシリアもデルタ・フォースから支給された脚部マイクロミサイルポットを発射した

 

放たれたマイクロミサイルは数十機の無人機に命中したが、撃墜には至らなかった

 

 

セシリア「今ですわ!春香さん!シャルロットさん!!」

 

 

怯んだ敵の無人機に春香のΔ-バウンサーが高出力ビームセイバーで切り裂き、シャルロットのΔ-エクゼスのドッズライフルが貫いた

 

 

春香「はぁ…はぁ…お兄ちゃん…ずっとこんな奴らと戦ってたんだ…」

 

 

春香は改めて兄が戦っていた相手を理解した

 

ずっとデルタ・フォースで一夏はこんな無人機と…そして一対多数の不利な状況で生き抜いて来たのだと…

 

 

シャルロット「春香!来るよ!」

 

春香「うん!絶対に守り切って見せる!行くよバウンサー!!」

 

 

二人は敵集団に突っ込んで行った

 

 

簪も打鉄弐式で龍真と共に戦っていた、基本的に龍真が仕損じた敵を簪が薙刀、 夢現を振るって撃破、更に多数の敵の場合はマルチロックオンシステムを搭載した山嵐を放って足止め、もしくは撃破しており、遠距離の敵には粒子砲の春雷を放つ

 

 

 

龍真「簪、無理するな!キツければ…」

 

簪「大丈夫!後ろで龍真を援護するから…」

 

 

龍真「ありがとう…だけど無理はするな…」

 

簪「うん!」

 

 

 

8「敵、更に接近!数30!」

 

 

更に敵が現れ、今度は以前カズマが戦ったドラゴンのフォルムをしたISだった

 

 

セシリア「しつこいですわね!!」

 

 

セシリアがビットを操作して、当たったが効いていない…そうこのISには

 

 

8「セシリア!そいつは生半可なビームを防ぐラミネート装甲がある!」

 

 

セシリア「そ、そんな!8さん!私の武器で何が有効ですの!?」

 

 

セシリアの武装は殆どがエネルギー兵装、このISと非常に相性が悪い

 

リーサ「落ち着いて、今武装コンテナを送るわ、その中に実弾兵装の炸裂式スナイパーライフルがあるからそれを使いなさい」

 

セシリア「はい!ありがとうございます!」

 

すると上空からデルタ・フォースの武装コンテナが現れ、セシリアはその中から炸裂式スナイパーライフルを装備して、武装コンテナに取り付けられている脚部を固定するカタパルトに固定して狙撃を行った

 

 

シャルロット「そこだ!!」

 

シャルロットのドッズライフルが放たれ、ドリル回転のビームがラミネート装甲を貫いて爆散した

 

 

シャルロット「よかった…これは効くみたいだね……って!」

 

 

シャルロットはある警告を見て驚いた

 

 

シャルロット「ドッズライフル…エネルギー10%って…そんな!?僕撃ち過ぎちゃった!?」

 

ドッズライフルは確かに普通のビームライフルと同じ消費量だが、連射し続ければエネルギーが切れる

 

でもエネルギーは時間と共に回復していくが、時間がかかるのである

 

8「シャルロット!セシリアが乗っている武装コンテナにもう一つドッズライフルがある!それ使え!!」

 

シャルロット「わかった!」

 

シャルロットも武装コンテナでドッズライフルを装備した

 

8「今度は撃ち過ぎるなよ!何の為にバズーカがあるんだよ…」

 

 

シャルロット「あ…そうだった…」

 

Δ-エクゼスにはもう一つ100mmバズーカが量子化武器として搭載してあった

 

それを完璧忘れていたシャルロットであった

 

 

8「意外にドジか?」

 

シャルロット「ぼ…僕はそんなドジじゃないよ!」

 

 

セシリア「シャルロットさん来ますわ!」

 

上で狙撃しているセシリアから敵機が来るとの報告

 

 

シャルロット「よし、もう一回行くよ!!」

 

武装コンテナから飛び立って、再び戦線に復帰したシャルロットであった

 

 

春香「7つ!8つ!9つ!10!!はぁ…はぁ…き…きつい……」

 

 

連続で四機撃破した春香…肩で息をしている

 

 

このような一対多数の精神的なプレッシャー、さらに長期戦で疲弊している春香の体力…限界だった

 

 

 

8「敵機だ!!春香!」

 

 

春香「へ!?」

 

 

春香の眼前に敵のISがサーベルを突き立てようとしていた

 

 

春香「お……お兄ちゃん…助けて……」

 

 

 

恐怖で目を閉じた春香

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春香「………あれ?」

 

 

「ふう…間一髪…ね」

 

 

 

何時までも来ない衝撃に違和感を感じ、更に聞き慣れない女の人の声聴こえて来たので目を開けると見慣れないIS纏った女性が春香を庇っていた

 

 

淕「リディアさん!?」

 

拓巳「リディア!?」

 

リディアと呼ばれた少女は黒髪で気の強そうな男勝りの様な雰囲気を持つ

 

(モデルはシャイニング・レゾナンスのソニア・ブランシュ)

 

リディア「淕!ちゃんと彼女護らないと駄目でしょ?」

 

 

淕「す…すみません…でもどうしてリディアさんが?隊長の補佐をしていたのでは」

 

 

リディア「あたしだけだと思った?」

 

拓巳「あ?それどういう事だ…」

 

 

ドッゴォォォォン!!

 

拓巳「な!?…この爆発…ま…まさか…」

 

 

突然前方から大きな爆発が発生して、その手前に一機の武器無しのISが浮遊していた

 

 

淕「ま…まさか……Δ-ライン・シャイニングマスター!?」

 

 

龍真「シュウ隊長!?」

 

 

シュウと呼ばれた男性は端整な顔立ちで厳格な雰囲気だった

 

(モデルは機動武闘伝Gガンダムのドモン・カッシュ)

 

 

 

シュウ「全く…隊長を前線に立たせるとは…」

 

リディア「流石隊長、敵の母艦もろとも破壊しちゃうなんて…」

 

 

シュウ「手っ取り早く終わらせるにはこれが一番だ」

 

 

0「リディア!敵が更に来るっぽいよ!」

 

突然リディアのISから幼い女の子の声が聴こえて来た

 

 

リディアのIS、Δ-ライン・ストライクイェーガーに内蔵されている人工知能AI、0(レイ)である

 

8の妹にあたる存在である

 

 

8「熱源1……なんだこの熱源反応…大きいぞ!ISサイズどころじゃない!!」

 

それはこれまで見た事の無い極大の熱源であった

 

 

シュウ「突っ込んで来るな…散開!!」

 

 

 

そして上空から物凄く大きい物体……いや……大型兵器が舞い降りて来た

 

 

セシリア「な!?何ですのこれは!?」

 

 

拓巳「で…でけぇ……」

 

 

それは丸い球体のフォルムに、その中央に何やら大きな砲口が取り付けられ、その下部には大きなPICシステムが搭載されていた

 

その大きさはISサイズの約10倍…モンスターサイズであった…

 

 

(モデルは第08MS小隊のアプサラスⅡ)

 

0「やばっ!!あの機体からエネルギー充填を確認!!避けて避けて!!」

 

 

大型兵器の砲口から緋色のエネルギーの塊が生成されていた

 

 

 

シュウ「避けろぉおおおおっ!!」

 

 

シュウがそう呼び掛けた瞬間、大型兵器の砲口から極太の粒子ビームが放たれた

 

 

龍真「ぐぅうっ…」

 

拓巳「おわぁああっ!?」

 

淕「うわああっ!?」

 

リディア「いっ…ぎぃっ…」

 

セシリア「きゃああっ!!」

 

春香「いやああっ!!」

 

シャルロット「わああぁっ!?」

 

 

全員避けたが、強大なエネルギーの余波がISを襲った

 

 

 

シュウ「全員無事か!?」

 

 

シュウが無事を呼び掛け、全員多少のダメージを喰らったが無事であった

 

 

 

龍真「あれは…カズマのスタンダードアーマーのヴァリアブルアームズのバスターモード並みか…?」

 

8「いや…それ以上だ…見てみろ後ろの光景…」

 

 

全員が後ろを見ると、海岸が先程のビームで抉られて、山が消失していた…

 

 

方向的にはカズマの故郷は無事である

 

 

拓巳「おいおい…洒落になんねーぞ…」

 

拓巳がそう呟いた…

 

 

「ふははは!流石だ…これさえあれば…デルタ・フォースなど一掃できる!」

 

「その通り…我等女性権利団体の最強の兵器…『天照』(あまてらす)だ!!」

 

「これが量産化されれば…世界中の汚らわしい男共を粛清出来る…まさに女性権利団体の象徴だ!」

 

 

どうやらあの大型兵器名は天照と言われる…

 

そして最低でもあれには三人のパイロットがいる…無論女性だ…

 

 

淕「くっ…ライフルビット!!」

 

セシリア「行きなさい!ブルーティアーズ!!」

 

淕はライフルビット、セシリアはブルーティアーズを展開して、天照の四方八方から攻撃した

 

が…そのビームは天照に全弾当たったが…全く効いていない

 

 

8「あのデカブツ…全身にラミネート装甲を使ってる…」

 

0「ビームは効かないっぽいね…」

 

 

淕「だけど武装はあれしか無いみたいです…後ろに回り込めば…」

 

拓巳「もうやってるぜぇえええっ!!」

 

 

拓巳がミラージュフィールドを解除して天照の後を取った

 

 

拓巳「いくらラミネートでもなぁ…これならどうだぁあああああっ!!」

 

 

デスサイズブリッツの鎌が天照に降り下ろされた

 

 

 

しかし天照はその刃を避けた

 

 

拓巳「げ!?嘘だろ!?」

 

 

シャルロット「何なのあの機動性!」

 

春香「デカブツの癖に素早い!?」

 

 

あの巨体であの機動性に全員が驚く

 

 

0「あの機体下部の大きなPIC装置が原因っぽいね、あれがあの巨体を支えてる!」

 

8「それと…あのPICの周りに震動装置も付いてる…迂闊に下から攻められない…」

 

 

シュウ「なら…淕!お前は武装コンテナに搭載されている大型ソリッドバルカンで奴を攻撃、リディア!龍真!奴を足止めしろ!そして拓巳は奴の後方から奇襲を仕掛けろ!後の者は援護を頼む!」

 

 

 

 

そして激闘は再開された…

 

 

 




リディア・ファロン 声優 瀬戸麻沙美

シュウ・カッシュ 声優 関智一


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第三十一話 運命の先へ

カズマが遂に…

あれを発動する


「La…」

 

 

福音から何か聴こえた瞬間、大型バインダーから無数のエネルギー弾が放たれた

 

 

カズマと一夏はミーティアの機動力を活かして避け接近、カズマのビームソードで福音を斬った

 

斬り飛ばされた福音の先に一夏が待ち伏せており、更に斬り上げた

 

 

そして追い撃ちにカズマの高出力エネルギー砲が福音に直撃した

 

 

だがあれほどの射撃を受けて、福音はまだシールドエネルギーが尽きていない…

 

 

 

カズマ「ちっ……なんだこの堅さは…」

 

一夏「ディフェンスアーマー並みか…こりゃ…」

 

 

この堅さに二人は驚くばかりであった

 

 

 

 

福音との戦闘で無人機が来襲、その空母をエミリアとラウラで撃破した

 

 

これによって無人機が増える事は無くなったが…エミリア達は無人機の相手をしてカズマ達は福音を相手していた

 

 

カズマ「一夏、TRY AGAIN」

 

一夏「了解!行くぜ!!」

 

 

カズマと一夏はもう一度福音に接近した

 

 

カズマ(いくら奴とて…高出力のビームを数発受けていればシールドエネルギーも残り少ないだろう…奴がセカンドシフトする前に叩く!)

 

 

カズマが最も恐れている事は福音のセカンドシフトである

 

セカンドシフトすれば福音の攻撃方法も異なる他、武装も強化、あるいは増える可能性があるからだ…只でさえ厄介な福音がもっと厄介になってしまう

 

 

福音も攻撃の頻度が少ない…そして回避重視の行動…やはり時間稼ぎだ

 

 

カズマ「そうはさせない!!」

 

 

カズマはマイクロミサイルを一斉に放った

 

 

福音がマイクロミサイルを迎撃するために一瞬だが止まった

 

 

一夏「うおおおおおおっ!!」

 

 

すかさず一夏のビームソードが福音を斬った

 

 

斬られてよろけた所に先程のミサイルが雨の様に襲った

 

 

そしてシールドエネルギーが尽きたのか福音はそのまま海に落ちた

 

 

 

カズマ「はぁ…はぁ……ミーティアの展開時間も限界か…」

 

 

一夏「そろそろ外すか…折角作ったのに、壊れちゃあしょうがないしな」

 

 

カズマ「ああ…ミーティアをパージして福音を確保しよう…」

 

 

二人はミーティアを解除して福音が落ちた地点に向かった

 

 

 

「La…」

 

 

カズマ「!?」

 

一夏「!?」

 

 

海中から大きな水柱と共に水飛沫が吹き出し、その中から福音が現れた

 

 

カズマ「ちっ…セカンドシフトか…」

 

一夏「最悪…だな…」

 

 

 

ウィノ「カズマ!」

 

エミリア「一夏様!」

 

 

とそこに無人機を一掃したウィノ、エミリア、ラウラ、箒が加勢してきた

 

 

箒「何だあれは!?さっきと姿形が違うぞ!」

 

ラウラ「セカンドシフトしたのか?」

 

 

箒とラウラは福音のセカンドシフトに驚いた

 

 

カズマ(セカンドシフトした福音では…Δドライバを持たないレーゲンや赤椿は邪魔だな…)

 

カズマは静かに作戦を練っていた

 

 

確かにΔドライバを使えば福音と互角に渡り合える可能性はある、だがそれすら持たないラウラと箒のISではカズマ達の足を引っ張るばかりである

 

カズマ(ここは一旦二人を下がらせてβチーム加勢してもらうか…)

 

 

ブライス「お前ら!聞こえるか!?」

 

突然ブライスの通信が入った

 

 

カズマ「ブライス隊長!?」

 

 

 

ブライス「恐らく福音がセカンドシフトしたようだが…実は龍真達βチームに大型兵器が出現した」

 

エミリア「大型兵器!?」

 

 

ブライス「そこでだ、篠ノ之とボーデヴィッヒはβチームに加勢しろ、武装コンテナでエネルギーを回復するのを忘れるな!」

 

 

ラウラ「了解!」

 

箒「待ってください!私はまだ…」

 

 

ブライス「黙れ!Δドライバを持たないそんな機体じゃ足手まといだ!!」

 

箒の抗議を一蹴するブライス、通信越しで伝わる迫力に気圧された彼女であった

 

 

ブライス「無様にやられたくなければ従え!!いいな!?」

 

箒「……はい」

 

ラウラと箒はその場から離脱して龍真達βチームの加勢に向かった

 

 

 

ブライス「さて…お前ら…セカンドシフトしちまったら仕方ない…Δドライバを発動して奴を仕留めろ!俺もすぐに行く!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

四人はΔドライバを起動、機体からオーラが発した

 

 

 

カズマ「行くぞ!!」

 

 

四人は性能がアップした機体でセカンドシフトした福音に再び当たった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「高速格闘モード!一気に詰める!!」

 

ウィノのエクシアピクシーの高速格闘モードで福音との距離を縮めようとする

 

斬り付けては離れるの繰り返しを高速で行うが、福音の反応はそれを上回っていた

 

 

三合目で福音はウィノの腕を掴んだのだ

 

福音の圧倒的な反応速度はウィノの高速格闘モードの速度を上回っていたのだ

 

それによりウィノは動きを止められた

 

ウィノ「ふふっ…止まったわね…?」

 

 

突然ウィノの後方からビームが放たれ、福音に直撃した

 

エミリアのブラストインパルスのスナイバーライフルであった

 

ウィノはこれを狙っていたのだ

 

エミリア「命中確認!!一夏様!」

 

 

すかさず一夏が白夜刀を抜刀して、零落白夜・白刃演舞を発動した

 

一夏の白夜刀は春香の雪片のデータを使用して、彼専用に重心の位置、刀身の長さ、幅広を改造している

 

これによって零落白夜の進化版、零落白夜・白刃演舞と言われるΔドライバ発動時のみだがエネルギー消費が無いのが特長

 

 

一夏「零落白夜・白夜殲滅剣!!」

 

一夏のデスティニーエピオンの翼が展開し、光の翼が出現して一瞬で福音に接近した

 

一夏はまず白夜刀で脳天から一閃、次に両肩のビームセイバーをブーメランモードで投擲、更に菊一文字と虎徹で三連撃して納刀そして…

 

 

一夏「カズマァアアアッ!!」

 

 

すると上空にパラエーナ、レールキャノン、バスターライフルとヘビーライフルを福音に向けているカズマの姿

 

 

カズマ「ハイマット…フルバァァァストォォッ!!」

 

 

フリーダムウィングの最大の攻撃ハイマット・フルバーストが福音に炸裂した

 

 

六つの光線は福音に全弾命中、福音のシールドエネルギーは完全に消滅、搭乗者が海に落ちていく

 

カズマ「おっと…あぶない…」

 

 

カズマは搭乗者の救助に向かおうとした…

 

 

 

 

 

 

 

 

突然赤いビームが福音の搭乗者を消滅させた

 

 

カズマ「な!?」

 

ウィノ「うそっ…」

 

一夏「そんな…」

 

エミリア「あ…ああ…っ…」

 

 

ビームの熱戦にやられた福音の搭乗者は跡形もなく消された

 

 

「ふん…この程度か…我等の理想の実現には…この程度ではダメか…暴走ではなく完全に奪い取らなければならないか…」

 

 

「でも…良いデータが取れました…これで新しいISを…」

 

赤いビームが放たれた方向を見ると、女性の搭乗者であろう白いフレームのISが二機浮いていた

 

(モデルはガンダム00のGN-X)

 

 

一夏「あんたら!!一体何してんだよ!!」

 

一夏は二機のISに向けて怒鳴った

 

 

「何だ?何の事かな?」

 

ウィノ「何の事かな…ですって!?あんた人を殺したのよ!罪の無い人を!!」

 

 

とぼける相手に更に怒鳴るウィノ

 

「そんなこと…私達の理想の為なら人一人の犠牲なんて小さい物です…」

 

 

エミリア「酷い…なんてことを……あなたはそれでも人間ですか!?」

 

 

一人の犠牲を小さい物と言う彼女らの言動に、エミリアが珍しく怒鳴った

 

「仕方ありません…それは彼女の『運命』だったんですから…そして…ここでデルタ・フォースが落ちるのも…『運命』ですから!」

 

 

敵ISは右手に装備しているビームライフルを構えた

 

 

 

カズマ「……」

 

カズマはその場で俯いていた…

 

 

 

カズマ(俺は……また……救えなかった……目の前の命を…それに……!)

 

彼は福音の搭乗者を救えなかった事で後悔していた

 

 

 

 

カズマ(それに奴等は…一人の犠牲なんて小さい物…だと……ここで死ぬ事が…運命だと…!)

 

 

カズマの体が震えだし、怒りで顔が歪みそして…彼の中で何かが弾けた

 

 

 

 

 

 

カズマ「お前ら…………ふざけるなぁああああああああああああっ!!」

 

(ここからイメージBGM、AGE-2運命の先へ)

 

 

 

叫びと共に、カズマのフリーダムウイングのオーラが爆発した様に放出された

 

 

「な!?何だあれは!?」

 

「デルタ・フォースのデータに載っていない…何なの!?」

 

 

 

 

カズマ「許さない…お前だけはぁあああああ!!」

 

 

カズマは敵ISに機体を走らせた

 

 

 

一瞬で敵ISに肉薄した

 

 

「な!?があああああっ!?」

 

 

カズマはビームセイバーで敵ISを斬り飛ばした

 

「このっ!」

 

 

もう一機の敵ISがカズマに向けてライフルを放つが…全て避けられる

 

 

「くっ…どうして…動きが読めない……!?」

 

 

 

カズマはライフルを放つ敵ISに接近した

 

 

ライフルを放っていた敵ISもブレードを展開してカズマのビームセイバーを防いだ

 

「こ…このパワーは…!…っ!?あなたその目!」

 

 

彼女が見たのはカズマの目であった

 

 

ハイライトが消えて、生気が感じられない不気味な目…

 

 

「まさか…彼は……『SEEDを持つ者』!?」

 

カズマ「はああああああっ!!」

 

 

カズマは敵ISのブレードを弾き飛ばして横凪ぎに一閃、そしてバスターライフルのゼロ距離射撃で搭乗者もろとも消滅させた

 

 

「おのれぇっ!!よくもぉおおおっ!!」

 

 

もう一機の敵ISがカズマの後方から突っ込んできた

 

 

カズマ「……」

 

 

カズマはもう一丁のバスターライフルを呼び、連結した

 

 

それはバスターライフルの数十倍の威力を持つ、ツインバスターライフルであった

 

 

 

カズマ「ターゲット…ロック…」

 

突っ込んでくる敵ISをガンサイトに捉え、そして

 

 

 

カズマ「貫けぇええええええええええええ!!」

 

 

 

超極太の蒼いビームが放たれた

 

 

「な!?馬鹿な!!があああああああああああっ!!」

 

 

敵ISはカズマの放ったビームに飲み込まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍真said

 

0「や!?ヤバイヤバイ!!」

 

 

リディア「どうしたの!?」

 

 

 

巨大兵器と戦っている龍真達βチーム、突然リディアのAI、0が警報を鳴らした

 

 

 

 

0「超ーーーーー強力な熱源が接近!!皆あの兵器から離れて!!」

 

 

シュウ「何!?全員退避だ!!」

 

 

 

全員が巨大兵器との距離を取った後、蒼い超極太のビームが巨大兵器を飲み込んだ

 

 

セシリア「きゃああああああああっ!!」

 

シャルロット「うわあああああっ!?」

 

箒「うわっ!?」

 

ラウラ「くっ…ううっ…!!」

 

春香「あわわわわわ!?」

 

鈴「ふぎゃああああっ!!」

 

 

強力なビームの余波が龍真達を襲う

 

 

 

そして照射が消えて…あの巨大兵器は跡形もなく消えた

 

 

 

それと同時に地表が酷く抉られていたのだ

 

 

 

淕「あの…みなさん…あの攻撃って…まさか…」

 

拓巳「いやもしかしてじゃねーよ…絶対だ…」

 

リディア「全く…クールな顔してやる事が派手なのよねぇ…」

 

龍真「ふっ…これで貸し借り無しか?カズマ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマsaid

 

強力なビームを放ったツインバスターライフルはスパークが迸って使用不能となっていた…

 

カズマは暫く動けなかった…

 

彼は大量の汗をかいており、肩で息をしているのだ

 

 

 

ウィノ「カズマ!」

 

一夏「カズマ!」

 

エミリア「カズマさん!」

 

 

そこに一夏達が駆け寄って来た

 

カズマ「み…みんな…」

 

 

一夏「お前凄ェよ!」

 

エミリア「まるで別人みたいな動きでした!」

 

ウィノ「なんかスーパーエース級じゃない!格好いいよカズマ!」

 

先程のカズマの動きを誉める一夏達…

 

 

カズマ「あ…ああ…」

 

ウィノ「カズマ?大丈夫?」

 

 

カズマ「…」

 

カズマは満身創痍ですぐに倒れそうな状態だった

 

 

一夏「どうやらβチームの方も片付いたってか…お前が放ったビームに敵の巨大兵器が偶然当たったらしいぜ」

 

 

エミリア「良かったです…あ…リーサ予報士からです…作戦成功…全機帰投せよ…です」

 

 

 

ウィノ「ふう…やっと終わったぁ……早く帰ってシャワー浴びたいなぁ…勿論カズマと一緒に」

 

 

エミリア「はわっ!?な…何て破廉恥な事を…」

 

 

カズマ「…さっさと……帰投…する……ぞ………」

 

 

カズマがかすれ声で帰投を促した

 

 

一夏「カズマ?お前大丈夫か?」

 

 

自棄に疲れているカズマを見て一夏は声をかけた

 

 

カズマ「……ちょっと…無理をしただけだ…問題ない…」

 

 

 

四人はβチームとの合流、並びに帰投場所へと移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦室

 

巨大モニターの前でリーサとブライスが一息していた

 

 

リーサ「良かったわ…一時はどうなるかと思ったわ…」

 

ブライス「ああ…あの巨大兵器が来た時はな……それに…」

 

 

ブライスはビールを一口飲み

 

 

ブライス「カズマが突然動きが良くなった事が気掛かりだ……あの動きは今までとは違う…」

 

リーサ「そうね…まるでバーサーカーの様ね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が話している隣の部屋に友谷が端末を見ていた

 

 

友谷「やっぱり…」

 

 

友谷が見ていたのはカズマの動きであった

 

 

彼はコンソールを操作して調べる中である一つの答えに辿り着いた

 

 

友谷「カズマ…君はSEEDを持つ者だったんだ…」

 

 

 




やっぱりSEEDが格好いいよね!!


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第三十二話 SEED

リディアの能力値 スパロボ風
アビリティ 熱血 集中 ひらめき 撹乱

格闘189
射撃184
防御157
技量210
回避200
命中173


激戦から帰還したカズマ達αチームと龍真達βチームが合流し、お互いを称賛し合っていた

 

 

リディア「久しぶりねカズマ、ウィノ…それに一夏とエミリア」

 

 

カズマ「リディア…」

 

ウィノ「リディア!?来てたの!?」

 

一夏「暫く見なかったけど…そうかお前、龍真達のチームだったのか」

 

エミリア「お元気そうで何よりです」

 

 

リディアもカズマ達と同じスクールに通っていた学友であり、デルタ・フォースに入った時は一夏と同じ訓練をしていたのだった

 

因みにリディアは酷くガサツな性格で部屋に行けば衣服が散らかっているわ、普段着がジャージだわそれを見たウィノは一緒に買い物に行かせてファッションの何たるかを教えたのだ

 

更にカズマや龍真の指摘でガサツな性格が少し改善されたとか…

 

 

 

 

シュウ「久しいな、カズマ・アーディガン少尉」

 

 

ここでデルタ・フォースセカンドチーム隊長シュウ・カッシュがカズマ達の前に現れた

 

カズマ達は敬礼をした…

 

カズマ「シュウ大尉…」

 

 

ブライス「すまんなシュウ…危ない所助かった」

 

 

 

 

ブライスとリーサが現れシュウに感謝を述べた

 

 

シュウ「あの巨大兵器は流石のリーサでも予測は出来なかった様だな」

 

リーサ「ええ…あれには驚いたわ…シュウが来てくれて本当に助かったわ」

 

 

そしてカズマ達はそれぞれの戦場での出来事を夕食時に話し合った

 

 

 

 

 

 

 

拓巳「げっ!そっちも無人機の襲撃があったのかよ!」

 

一夏「ああ、こっちは近くに空母があったからかなり苦戦したけど…ウィノとエミリア達が片付けてくれたんだ…な?カズマ」

 

カズマ「……」

 

黙々と食べるカズマ

 

 

淕「そうだったのですか…こっちは大型兵器に手間取ってしまって…」

 

リディア「そのせいであんたの彼女が危険になったんでしょ?」

 

 

一夏「な!?どう言う事だ淕っ!?」

 

淕の彼女は一夏の妹、春香である……つまり危機になった事を聞いた一夏は淕に突っ掛かったのだ

 

淕「お、落ち着いてください!春香ちゃんはリディアさんが助けましたので…」

 

 

 

ブライス「バカヤロォォオオオオオオ!!」

 

淕「ごはっ!?」

 

 

突然淕の後ろの襖が開き、ブライスが一喝しながら淕の頭をぶん殴った

 

 

 

「「「「「ブライス隊長!?(大尉!?)」」」」」

 

 

淕「一体何をするんですか!?」

 

 

ブライス「良いか淕!!男はな、自分の惚れた女の為なら命を賭ける物だ!!誰かに護って貰うんじゃねえ…自分で護るんだ!!お前も男なら彼女の為に命を賭けてみろ!!」

 

 

突然のブライスの襲撃……もとい…熱すぎる説教が始まって冷房で涼しくなっていた部屋が熱くなった感覚がした一夏達であった

 

ブライス「カズマや一夏、それに龍真だってそうだろ!!彼女の為になら命を賭ける覚悟はあるよな?」

 

 

ブライスは彼女持ちの三人に聞いてみた

 

 

一夏「勿論です!!」

 

カズマ「……」

 

龍真「……」

 

 

 

一夏「……ってあれ?カズマ?龍真?」

 

こんな熱い話をしている最中に当の二人は黙々と料理を食べていた

 

 

鈴「なんでこんなむさ苦しい話しているのに黙々と食べていられるのよ!!」

 

 

簪「あ…龍真は食べている時は基本無口だから……それに感化されているカズマも……」

 

セシリア「同じ様に黙々と食べていますのね……」

 

 

 

そんな様子を見て呆れるセシリアであった…

 

ブライス「ふっ…いや…十分だ…龍真とカズマにも、その手に熱い青春の魂が宿っている!聞かなくても答えはわかるものさ!!」

 

 

リディア「ブライス大尉ー、なんか酔ってません?」

 

 

リディアがブライスの顔が赤い事と、酒の臭いがする事に気付いたリディアがブライスが酔っているのではないかと推測した

 

 

リーサ「ちょっとぉ…あなたぁ……」

 

ウィノ「あ、リーサさん……ってえぇえぇぇええええええ!?」

 

奥の襖から現れたのは酷く酔っており下着一枚と何とも十代男子にとっては危なすぎる格好であった

 

シャルロット「こっちはもっと酷いよ!」

 

ラウラ「うっ…凄いアルコールの臭い……」

 

箒「な…なんと破廉恥なっ!?」

 

春香「…しかもスタイル良い…」

 

 

 

約一名的はずれなコメントを言っているが、今のリーサの状況は不味い…まだ純情な十代男子の前でナイスバディなリーサの下着姿は……これ以上は規制させてもらおう

 

 

 

閑話休題

 

 

カズマ、龍真「「ご馳走さまでした!!」」

 

カズマと龍真の食事が終わり、箸を置いた二人はみんなのげっそりした表情を見てビックリした

 

 

カズマ「お…お前達…」

 

龍真「どうしたんだ?」

 

 

 

一夏達は疲れが貯まった顔でカズマ達を睨み…

 

 

「「「「「聞かないでくれ……」」」」」

 

 

 

カズマ、龍真「「??」」

 

何が起きたのかは…あの後更に酔い潰れたシュウがブライス、リーサと共に一夏達の部屋に襲撃して好き勝手に暴れまくったのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終わった後はデルタ・フォースのメンバーと専用機持ちは風呂に入って体の疲れを取っていた最中、カズマはとある場所を訪れていた

 

 

 

 

カズマ「友谷…いるか?」

 

リィンフォース社の技術開発顧問の友谷の部屋に訪れていた

 

 

友谷「聴きたい事はわかるよ…戦闘中、突然動きが良くなった…でしょ?」

 

 

カズマ「……ああ…」

 

 

カズマが友谷に聴きたい事はカズマ自身も感じていた、突然感覚が鋭敏になった事についてだ

 

Δドライバの影響ではなく、もっと感覚が鋭くなって…更に敵の次の行動が読める様になったのだ

 

 

 

友谷「…僕も君の動きを見た……そして君のその時の状態も見た……何時もと違う事にね…見るかい?」

 

 

カズマはモニターを見て自分の戦いを改めて振り返った

 

 

友谷「この場面だね…突然動きが良くなったのは」

 

カズマ「ああ…あの時は目の前で福音の搭乗者が殺されたからな…」

 

福音の搭乗者はナターシャ・フィルスと言われるアメリカ軍のISテストパイロットだった

 

 

友谷「でも…あの後調査した結果…あの福音に乗っていたのはナターシャ・フィルスじゃなかった…」

 

 

カズマ「何!?」

 

友谷「福音に乗っていたのは…いや搭載していたと言っておこうか…自律AIだった…」

 

カズマ「自律AI?…8の様なものか?」

 

友谷「まあ構造的には同じだけど…このAIはあの無人機にも積まれているんだ…」

 

 

これで女性権利団体の戦力が多少わかった気もする…だが一つ疑問がある

 

 

無人機は全身装甲、あの中にAIを積めば動かせるだろうが…福音は全身装甲ではない…少なくとも人が乗っていなければ動かす事も出来ない…

 

 

友谷「実は…つい先日、アメリカ軍からスパイを逮捕、射殺したとの報告があったんだ」

 

カズマ「スパイだと!?Δシリーズは無事なのか?」

 

 

一応Δシリーズは世界に向けて技術提供しているが…まだ提供していない国がある…代表的なのが日本だ…アメリカはまだ日本を信頼していないのだ

 

 

友谷「君は本当にΔが好きなんだね…スパイの国籍よりも…」

 

 

カズマ「日頃命を預けている大切な友達みたいな物だからな…」

 

 

カズマは心底Δ-ラインを信頼している、シンクロ率がデルタ・フォース内で一番高いのもそのお陰なのだろう…

 

 

友谷「話を戻そう…さっきのスパイの国籍は…日本だ」

 

 

カズマ「やはり日本…そして女性権利団体のメンバーの可能性がある…か?」

 

友谷「…そうだよ……でも日本の外交官は知らないって言ってるけどね…まああの外交官も女性権利団体出身だからね……自分が貶められる事は避けたいんじゃないかな?」

 

 

また女性権利団体…

 

 

そうカズマは思った…何度も出てくる女性権利団体…彼女らが歪みの元凶…しかし彼の団体はデルタ・フォースで壊滅出来るのは難しい……日本政府が動いてくれなければ無理であろう…しかしその日本政府も女性権利団体出身の官僚がいるならもっと質が悪い…日本その物が歪んでいると言う事だ…

 

 

 

友谷「これだけ言えばもうわかるよね?」

 

 

カズマ「ああ、あの福音には女性権利団体のスパイが乗っていた…そして…そのAIも女性権利団体の無人機とほぼ同じ物だった…と言う事か……俺は敵が死んだ事に怒りを覚えたのか…」

 

 

友谷「でも…それで『SEED』に目覚めたんだからね」

 

カズマ「『SEED』?」

 

 

友谷「そう…君が突然動きが良くなった原因、人体の覚醒現象の様なものだよ…」

 

 

カズマ「覚醒…現象…!?」

 

 

突然モニターに自分の顔を見て驚いたカズマ

 

 

モニターに映っていたカズマの目はハイライトが消えて何処か生気が感じられない目だったからだ

 

 

友谷「これがSEEDを覚醒している時の目……実はこのSEEDもまだわからない事が多くてね…わかるのは脳の情報処理速度がコンピューター並みの速さになり瞬時に判断出来るようになる…そして一時的に予知能力の効果、全身の運動能力の増加等がある…まだ未開な部分もあるけどね…でも…使用後はとてつもない疲労感に襲われるらしいよ…」

 

 

カズマ「それはわかる…あの疲労感はたまならなった…」

 

 

 

カズマのSEEDを使った後は声も出ない程の疲労感に襲われたのだ…

 

 

カズマだけ先に風呂に入って少し横になって疲れを癒してから夕食に入ったのだ

 

 

 

友谷「そして…カズマ…」

 

 

カズマ「なんだ?」

 

 

友谷「いや…このSEEDは最初の頃はちょっと制御に戸惑うと思うよ…突然発動しちゃう事もあるから」

 

 

カズマ「あ…ああ…留意しておく…すまんな友谷…」

 

友谷「良いよ…休憩したかった事だし」

 

 

カズマは友谷の部屋を後にした

 

 

 

 

友谷(カズマ……君にこの事を明かすと…君は君でいられなくなる…)

 

 

友谷の手元にとある資料があった

 

 

それは…

 

 

『遺伝子強化実験 被検体K-01』

 

そこにはそう書かれてありそしてカズマの子供時代の顔写真があった

 

そして

 

 

XXXX年1歳、何者かに連れ去られる

 

XXXX年6歳、アイルランドでテロに見せかけて彼と彼を連れ去ったアーディガン夫妻とその家族を抹殺処分

 

と書いてあった

 

 

友谷「カズマ…君はここにいるべきで…そして仲間と笑い合うべきだ……こんなつらい現実を知ったら…いや…今は止めておこう……」

 

 

そう言って再び作業を始める友谷であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本 とある施設

 

 

 

「またやられたのか!?一体何をしている!」

 

「申し訳御座いません」

 

 

とある一室にて女性数人が会議をしていた

 

 

「何時になったらあのデルタ・フォースを壊滅出来る!我々の理想の為には奴等が邪魔なのだ!」

 

 

「その…心配はご無用…実は十数年前にとある国が行った遺伝子強化実験の生き残りを連れて参りました…来なさい」

 

 

部屋に一人の男が入ってきた

 

「な!?男ではないか!!」

 

 

「ご心配無用です…彼は既に専用機を所持しております…そしてあの覚醒現象、SEEDを発動できます」

 

 

「何!?本当か!?なら投入しろ!!奴等を殲滅させるには手段は選ばん!!」

 

 

「はい…行きなさい、被検体K-02…コードネーム…ジルベール・ナハト」

 

 

ジルベール「了解……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カズマ達の前に新たな影が……

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第三十三話 暁の空

今回は短めです


(カズマ…)

 

 

カズマ「母さん…?…ここは!?」

 

 

カズマが見たのは故郷アイルランド…テロで燃えていた町であった

 

 

カズマ(ここは…一体…!?)

 

 

「カズマ…」

 

 

カズマ「父さん!?」

 

燃えている町に死んだ筈のカズマの両親が現れた

 

カズマ「一体…これは」

 

 

「カズマ…あなたは生きなさい…その先に何があろうとも…あなたに辛いことがあっても」

 

「自分の信じる仲間を信じてな…」

 

そう言って炎へ向かう両親…カズマが暮らしていた燃えている家だった

 

カズマ「母さん!?父さん!?そっちは危ない!!」

 

 

やがて二人は炎の中へと消えた

 

 

カズマ「父さん!!母さぁぁぁああん!!」

 

 

 

そして彼の視界はブラックアウトとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「カズマっ!!」

 

カズマ「!?……はぁ…はぁ…」

 

 

目を開けるとそこは臨海学校で訪れていた母親の故郷の自分の部屋にあるベッドの上だった…

 

隣には心配そうな顔のウィノ

 

 

ウィノ「大丈夫!?ねぇ…すごく魘されてて…」

 

 

 

カズマは目覚まし時計を見ると朝の5:00だった…

 

今日は臨海学校の終わりで生徒全員がIS学園に帰るのだ

 

 

 

カズマ「…何時もの事だ……ちょっと海辺を歩く…」

 

 

ウィノ「え?だったらあたしも…」

 

カズマ「いい…一人にさせてくれ……」

 

 

カズマは心配そうなウィノを置き、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海からの潮風は…夏の朝を涼しくしていた

 

 

悪夢を見てしまって目が覚めてしまった時はこうして海岸に座って海を眺めていた

 

 

静かな波の音、暁の空はカズマの心を落ち着かせていた…

 

 

 

「ふん…意外な人物に会うとはな…」

 

ふと後方から男の声が聞こえ、カズマは振り返ってその顔を見ると驚いた

 

カズマ「マダラ…」

 

 

声の主は暁のメンバー、マダラであった

 

 

マダラ「早起き…と言う訳では無さそうだな…」

 

カズマ「夢見が悪かっただけだ…」

 

マダラの問いに素っ気なく答えるカズマ

 

マダラ「お前に忠告がある…いや、お前達と言っておこうか」

 

 

カズマ「何だ?」

 

忠告と聞いて耳を向けるカズマ

 

 

マダラ「奴等の次の標的が……お前達デルタ・フォースだ」

 

 

カズマ「……」

 

遂に女性権利団体は反乱分子の掃討よりもデルタ・フォースの殲滅を掲げたのだった

 

 

マダラ「驚かないのだな?」

 

カズマ「福音の際、大量の無人機と大型兵器を投入してきたから…それに福音は日本のスパイが乗っていたと言う報告から…いよいよ俺達の殲滅を考えたのだろうと思っただけだ」

 

 

確かにデルタ・フォース8人、代表候補生5人に対して大部隊を送り込んだ女性権利団体、更には戦略兵器並みの大型兵器まで投入したのだ

 

 

マダラ「これからの戦いは苛烈を極めるだろう…用心しておけ……」

 

そしてマダラはその場を去ろうとした

 

カズマ「ああ……それとマダラ…」

 

マダラ「む?」

 

 

カズマは去ろうとするマダラを呼び止めた

 

カズマ「あんたらに故郷はあるのか?」

 

マダラは間を開けて

 

マダラ「……あった…が…今は無い…」

 

カズマ「奴等か?」

 

 

マダラ「お前の判断に任せる…」

 

 

そしてマダラは去っていった……

 

 

 

カズマ(これからの戦いは苛烈を極めるだろう…か……いよいよ暁の力を借りなければならいのか…)

 

 

 

登る朝日を見ながら…そう考えたカズマであった

 

 

 

 

桃ハロ「ハロ!ハロ!カズマ!カズマ!」

 

 

耳をパタパタさせて来た桃ハロ

 

ウィノ「カズマ…」

 

 

それに着いて行く形で白基調のピンクのハート柄のTシャツ、ピンクのショートパンツの寝巻き姿のウィノがやって来た

 

 

ウィノ「ねぇ…さっきの人って…」

 

先程話していた男、マダラについて聞いて来た

 

 

カズマ「ウィノ…水着買いに行った際、俺が女性権利団体に襲われたのを覚えてるか?」

 

ウィノ「うん…」

 

 

カズマ「あの人はその時に助けてくれた人だ」

 

ウィノ「そうなんだ…何話していたの?」

 

 

今度は話の内容について聞いた

 

 

カズマ「あの人は反女性権利団体のメンバーの一人で、俺に情報をくれたんだ……奴等の次の標的が俺達デルタ・フォースだって」

 

ウィノ「そう…今度から厳しくなるね…」

 

カズマ「ああ…」

 

 

二人は浜辺に座って登る朝日を眺めていた

 

 

 

ウィノ「ねぇ…カズマ……」

 

カズマ「何?」

 

 

ウィノが不意に話し掛けて来た

 

 

ウィノ「あたし…カズマの事…大好きだよ…」

 

カズマ「……もう何十回聞いてるよ…」

 

ウィノ「そうじゃないの……あたし…カズマを愛してるの…」

 

 

カズマ「愛…してる…?」

 

 

ウィノは自分に向けたカズマの唇にキスをし、そのまま押し倒した

 

カズマ「ウィノ…?」

 

 

ウィノ「カズマ……あたし…もっとカズマと一緒になりたいの……」

 

 

そう言ってカズマの右手を自分の胸に押し当てた

 

 

ウィノ「あたしね…カズマの事を好きになったのはカズマが隣に住んで…そして色々世話していた内に…カズマの優しさや…強さに一目惚れしちゃったんだ………それでずっと付き合っていく内に段々思いが強くなって…もっとカズマと一緒に……もっとカズマを愛したいって…」

 

カズマ「ウィノ…」

 

 

ウィノ「ねぇ……まだ…起床時間まで時間あるよね?」

 

カズマ「……ああ…」

 

 

 

ウィノ「……じゃあ……しよ?」

 

 

 

 

そうしてカズマとウィノは自分の部屋に戻って、お互いに初めての体験をした…

 

初々しくて、たどたどしく…お互いを激しく愛し合った…その様な行為を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして出発の時となって、IS学園の生徒達はそれぞれの組のバスに乗車した

 

 

カズマは旅館の玄関で荷物を持って靴を履き替えていた

 

 

カズマ「叔母さん…夏休みに帰るから…その…ウィノと一緒に」

 

「わかったわ…その時は手厚く歓迎するわ」

 

 

カズマの叔母の側に妹のユカとユイがいた

 

 

カズマ「ユカ、お前はしっかり者だから大丈夫だと思うけど…ちゃんとするんだぞ?」

 

ユカの頭を撫でながら言うカズマ

 

 

ユカ「任せてよ!お兄ちゃんは安心してね」

 

 

ユイ「にぃに…」

 

ユイは離れ離れになるのが嫌なのかカズマに抱き付いて来た

 

 

ユイ「いつかえってくるの?」

 

 

カズマ「夏休みには帰るから…それまで我慢、良いね?」

 

 

ユイ「うん…」

 

 

ユイの頭を撫でて、その場を立ち上がり

 

 

カズマ「じゃあ…行ってきます」

 

 

 

カズマが玄関を出て、生徒達が待つバスに乗った

 

 

千冬「少し遅いぞ、家族と別れるのが辛いならそのまま残っても良いぞ?」

 

冗談半分で織斑先生が言う

 

カズマ「それだと期末が受けられないじゃないですか…それに夏休みに会えますから…」

 

千冬「そうか…早く席に付け…出発するぞ」

 

 

 

そしてカズマは自分の席に付いた

 

 

ウィノ「ユイちゃんとユカちゃん…どうだった?」

 

 

隣のウィノが話し掛けて来た

 

 

カズマ「寂しがっていたけど…夏休みに帰るって言ったら元気になった」

 

ウィノ「そっか……その時は…」

 

 

カズマ「ああ…お前も一緒さ…」

 

 

そう言う二人の首にはお揃いのペンダントがあった

 

 

これは、カズマの母親と父親が死ぬ間際まで着けていた形見で、これを着けていれば永遠の愛が続くと言われている

 

 

 

一夏「お前ら…そんなペンダント着けてたか?」

 

エミリア「そうですね…どうしたんですか?」

 

 

一夏とエミリアがカズマ達のペンダントに気付いて二人に聞いた

 

 

 

カズマ「叔母さんがくれたんだ」

 

ウィノ「二人が永遠に続きます様に…って」

 

自慢する様に一夏達にペンダントを見せた

 

 

一夏「なぁ…それって売ってるのか?」

 

 

カズマ「どうだろうな…アイルランドで買ったって言うから…日本では売ってないかもな…」

 

 

 

一夏「そっか…エミリアと俺で着けたかったな…」

 

 

 

 

 

そしてバスが発車した

 

行き先はIS学園、再び生徒達は学園生活に戻る

 

 

そして…

 

 

 

真耶「みなさん、学園に帰ったら期末試験がありますのでがんばって下さい」

 

 

千冬「成績の悪い奴は容赦無く私の補習だからな、覚悟しておけ」

 

 

 

 

「「「「は…はい!!」」」」

 

 

 

この言葉でバス内の生徒達は自分の成績を振り返っていた

 

 

 

ウィノ「あちゃー…期末試験あるの完全に忘れてたぁ…」

 

カズマ「大丈夫だろうな?ウィノ…赤点だったら一緒に過ごせんぞ…」

 

ウィノ「だ……大丈夫……な……筈……」

 

 

歯切れが極端に悪すぎる…

 

ウィノ「そう言うカズマはどうなのよ!」

 

 

カズマ「俺は…中間の時点で…現国100 古典95 数学96 公民100 歴史97 理科91 英語は俺達はなかったけな…」

 

 

ウィノ「教えてください!!是非!!」

 

 

カズマ「そう言われずとも教えるさ」

 

 

 

そう何故ならウィノの中間は 現国17 古典10 数学25 公民20 歴史30 理科25

 

 

 

全教科赤点クラスだったのだ…

 

 

 

ウィノ「うわああああん!!これじゃカズマと一緒に夏休み過ごせないよぉおおおおおおお!!」

 

 

とバスの中で嘆くウィノであった…




遂にあの二人が一線を越えてしまった…


え?他はだって?想像に任せるよ



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第三十四話 姉の想い

更新速度が遅くなってすみません


期末試験…それは学生の苦悩の一つ…学生は試験勉強をしなければ赤点になって不甲斐ない称号を貰う上に夏休みに補習という地獄が待っているのである

 

 

 

そしてデルタ・フォースは一斉に勉強会を開催した

 

 

リディアは二学期からの転入扱いとなるので今回の期末試験はパスなのだ

 

 

そして食堂で一つのテーブルを囲んでみんな勉学に励んでいた

 

 

 

 

カズマ「なるほどな…ウィノの点数の低さは日本の漢字が読めなかったのが原因か…」

 

 

ウィノ「だってさー訳わかんないもん…why?japanese people!!だよ!全く…」

 

カズマ「何処ぞのジェイソンのネタ引っ張り出しやがって…」

 

 

ウィノの点数の低さは、日本の漢字が読めない、意味がわからないのが原因で、全ての漢字にカズマが振り仮名を着けたら、点数が一気に跳ね上がり、赤点クラスを脱却したのだ

 

当日は外国人の為に漢字に振り仮名が振られるのでウィノの心配は何とか消えた

 

 

 

そして…もう一人…危機一髪の奴がいた

 

 

 

拓巳「うっし、出来たぞ!見てくれや!!」

 

カズマ「おー……!?」

 

 

カズマが拓巳に出したテストの答えを見ると…

 

 

驚く程に一問も当たりもしなければカスってもいなかった

 

 

 

カズマ「テメーっ!!一問も合ってねーじゃねーかぁあああああ!!」

 

拓巳の脳天を丸めた教科書で叩こうとしたカズマ

 

 

拓巳「ふん!」

 

が、真剣白刃取りでそれを防いだ拓巳

 

 

カズマ「だが甘い!!」

 

 

更に教科書の固い所で顔を叩くと横凪ぎに振るが

 

 

 

 

カズマ「なっ!?」

 

 

それは拓巳の歯によって受け止められていた

 

 

 

拓巳「これが本当の、真剣『白歯』取り!!…なんちゃってな…」

 

 

リディア「アホー!!バッチぃわ!!」

 

 

そしてリディアがその後頭部を飛び蹴りで殴った

 

 

淕「あの…途中からバトルになってますけど…これ勉強会ですよね?」

 

 

龍真「ああ、勉強会で合ってる……筈だ…」

 

 

一夏「いや自信持てよ…」

 

 

一夏はエミリアの勉強を見ていた

 

エミリアは現国が苦手で、現国が得意な一夏に見てもらっている

 

 

現在エミリアは漢字の読みをしている

 

 

 

 

エミリア「出来ました!今度こそ満点です!」

 

一夏「おっ?どれどれ…(..)………え?」

 

 

一夏は凍りついた…何故ならエミリアの答えはこうだからだ

 

 

 

 

生粋 なまいき

 

日直 ひじき

 

春夏秋冬 はるなつあきふゆ

 

 

 

 

等と微妙な答えを書いたのだ…

 

 

一夏「……あの……エミリアさ……非常に言いにくいのだけど………全部ハズレてる」

 

 

エミリア「ええええっ!?そんなぁあああっ!!」

 

 

盛大に驚くエミリア、どうやら全問違っていた事に驚愕したのだろう

 

 

カズマ「いやまず生粋を『なまいき』ってなんだ…因みに『なまいき』はこうだ→【生意気】それと日直を『ひじき』ってなんだ…食べ物じゃないんだ……因みに『ひじき』はこうだ→【鹿尾菜】」

 

 

それぞれの答えを漢字で書いたカズマ、同時に全員が驚いた

 

 

拓巳「なんでそんな難しい字知ってんだ?」

 

 

カズマ「こう見えて漢検一級所持だ」

 

 

ウィノ「そう言えばそうだっけね…」

 

 

 

 

七人はそのまま勉強会を続けた

 

 

 

が、ここで思わぬ乱入者が

 

 

 

ブライス「おう、やってるな?」

 

 

なんとデルタ・フォース隊長のブライスがやって来た

 

 

その手にはジュークボックスが…

 

 

カズマ「隊長……一体どうしたんですか?それに何ですかそのジュークボックスは…」

 

 

ブライス「お前らもリラックスしながら出来る様にちっと音楽をな」

 

 

どうやら音楽を流して集中力を補ってくれるそうだ

 

この際の音楽は落ち着いた曲が一番効きやすい

 

 

ブライスがジュークボックスをオンにすると

 

 

 

『バカサバイバー!! 生き残れこれ!!バカサバイバー!! ベイベー ハッ!!』

 

 

カズマ・一夏「曲のチョイスゥゥウウウウウ!!」

 

 

リアルではボー○ボの2ndOPだった曲である

 

しかし期末試験の勉強会で流す曲ではない

 

 

リーサ「あなた、それじゃ逆効果よ、落ち着いた曲が一番よ」

 

 

リーサが現れて流した曲は

 

 

『私の お墓の前で……泣かないで下さい…』

 

ウィノ「眠くなるわ!!もうちょっと普通の音楽無いの!?」

 

 

 

今度はしんみりし過ぎるあの歌だった…

 

 

 

結局二人が持って来たのはJPOPかアニソンばかりで集中出来ないので追っ払った

 

 

 

 

 

 

そして勉強会開始から二時間後、午後九時

 

 

カズマ「よし、この位で良いだろう…みんなお疲れ」

 

食堂は夜の10時までとなっている為、余裕を持って解散させたのだ

 

 

 

一夏「明日頑張ればその後は楽になれる!」

 

 

拓巳「そうだな、あーーーーー!!夏休みーーーーーーー!!ってな」

 

 

龍真「TUBEネタか…」

 

淕「そろそろ部屋に戻りましょう、後は寝て明日に備えましょう」

 

 

デルタ・フォースのメンバーはそれぞれの部屋に戻った

 

 

 

 

 

そしてカズマはみんなを先に帰らせて、遅くまで食堂の明かりを付けた事と、勉強会の為に利用した事を寮長である千冬に伝える為に寮長室に向かった

 

 

 

 

コンコン

 

 

千冬「なんだ?」

 

寮長室から千冬の声が聞こえた

 

カズマ「アーディガンです、食堂の鍵を返しに…」

 

千冬「む?お前達がこんな遅くまで食堂をか…」

 

 

千冬がドアを開けてカズマに入室を許可した

 

 

カズマが入るとまず驚いた

 

 

部屋がごみや服で散らかっており、机には書類の山やビールの空き缶ばかりであった

 

 

カズマ「…一回片付けませんか?」

 

 

千冬「やろうと思ってるんだが…中々な……忙しくて…」

 

 

少し千冬のぐうたらが滲み出る部屋の惨状に溜息をつくカズマ

 

カズマ「せめても机は片付けましょう…それとこれが食堂の鍵です…」

 

 

千冬「うむ…試験勉強ご苦労……それとアーディガン」

 

 

カズマ「何ですか?」

 

 

寮長室を退室しようとしたカズマを呼び止めて

 

 

千冬「一夏は…デルタ・フォースをどう思っているのだ?」

 

 

カズマ「?…どう言うことです?」

 

 

あまりの意味不明な事を聞いて来た千冬を不思議に思ったカズマ

 

 

千冬「私は…一夏がIS学園を卒業したらまた離れ離れになると思ってな……私は…アイツと共に過ごせなかった一年半は…生きた心地がしなかった……」

 

カズマ「俺はまず一夏の家族…つまり姉である貴女が一夏という弟は存在しないと伝えられた時はまず驚きました…そして一夏を無視して決勝戦に出た事も…」

 

 

千冬「ああ…私は後悔している…あの影響で…一夏は苦しんだのだろうな……」

 

 

やはり良い姉に恵まれた一夏である

 

強さもそうだが、彼女の場合は愛情がある…

 

一夏は幼い頃姉も一緒に親に捨てられた身で、その後で姉の千冬はIS乗りとなって活躍して一夏と春香を支えた

 

 

だが第二回モンド・グロッソで一夏は誘拐され、そして日本の隠蔽、偽装工作によって姉弟は離れ離れとなったのだ…

 

 

千冬「私は今の日本政府が許せん…そして女性権利団体の連中もだ…奴等は私がいない隙に一夏に何かをしていたらしいからな」

 

カズマ「周りの女子生徒からいじめられていたと言ってましたね…」

 

千冬「そう…だったのか…」

 

千冬は初耳だった…一夏はずっと心に仕舞っていたのだろう…

 

 

千冬「私はこれからずっと一夏と共に暮らしたいのだ…もちろん春香も一緒だ…」

 

カズマ「それで一夏をデルタ・フォースから脱退させてくれ…ですか?」

 

 

千冬「そうだ…」

 

 

千冬はどうやらもう一度家族三人で暮らしたいのだろう…失ってしまった家族の時間を取り戻したいのだろう…

 

 

カズマ「織斑先生…申し訳無いですが…自分から一夏にはそんなことは言えません…貴女から伝えればどうですか?決めるのは俺じゃなく…一夏だと思います…」

 

 

千冬「そうだろうな…すまなかった…」

 

 

カズマは退室しようとドアノブに手をかけた

 

 

カズマ「織斑先生…」

 

千冬「なんだ…」

 

 

カズマ「これは自分の予想ですが…一夏はデルタ・フォースを脱退する事は無いと思います……一夏は自分が弱かったから織斑先生や春香に迷惑をかけていたと言っていました…一夏は自分を変える為に…二人を護れる力が欲しいが為にデルタ・フォースに入ったんです…俺としては…一夏を脱退させたくはない…」

 

 

千冬「だが…お前達は生死の奪い合いの戦いなのだろう!?そんな所に弟を置いていける姉がいるか!?…お前も兄ならわかるだろう!」

 

遂に千冬の本音が出た

 

千冬は一夏に…生死の奪い合いをする軍よりも…安全な日本で暮らす事が一番なのだろう…

 

 

カズマ「…俺はそうはさせません……絶対に……」

 

 

そうして寮長室を後にしたカズマ

 

 

 

 

 

 

 

寮長室を出ですぐに…

 

 

カズマ「一夏…」

 

一夏がいた

 

 

 

 

一夏「全部聞いたぜ…」

 

カズマ「そうか…」

 

 

一夏「俺は脱退しない……俺は千冬姉や春香を護りたいんだ…何時も護られる側だった俺じゃなく…護る側に立ちたいんだ…」

 

一夏はカズマを睨んだ

 

一夏「俺はお前に言われても…隊長に言われても…エミリアに言われても…絶対に脱退しないからな!!」

 

 

一夏の鋭い目は彼の決意の表れなのだろう…とても強い意思だ

 

カズマ「安心しろ…お前はずっと…デルタ・フォースの織斑一夏さ……それに…お前はまだ俺に勝ててないだろ?」

 

 

一夏「そう言えばそうだっけな…SEEDだが知らねぇが…必ずお前に勝つ!」

 

 

カズマ「ふっ…いつか戦う日を楽しみにしてるぜ…あの時からずっと引き分けだからな…」

 

 

あの時とはクラス代表決定戦…アリーナが半壊して強制的に引き分けとなったあの時からずっと引き分けなのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、期末試験が始まり…その翌週に結果が出た…

 

 

全員赤点無し……何とか補習が消えたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




拓巳はまぁまぁ予想はつくが…エミリアは意外と抜けてます…w


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第三十五話 あー!!夏休みー!! 前編

読者の皆さん、ブラックコーヒーの用意を


夏休み

 

 

地獄とも言える期末試験を終えて、生徒達は夏休みと言う楽園に入ったのだ

 

海に行く、夏祭りに行く等と…カップルが出来てる奴等は仲を深める絶好の機会だろうな…

 

 

 

そんなカップル……いやバカップルと言っておこう……とあるバカップルの話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマの旅館 カズマの部屋 AM 8:00

 

 

シングルベッドを二人で寝ている少年少女

 

 

カズマとウィノである

 

二人は臨海学校で遂に一線を越えた関係となった…ウィノの親、デルタ・フォース司令官のダン・マクガバン大佐は喜んでいたと言う…それにカズマに娘を頼むと言ってもう嫁に行かせる準備も出来ているらしい…

 

 

 

そんな二人はベッドで抱き合って眠っていた

 

 

カズマ「……ぅ……ん……」

 

窓から射し込む朝日によって目を覚ましたカズマ

 

 

その上に乗っかる様にウィノが抱き着く様に眠っていた

 

 

夏休みに入ってからデルタ・フォースのメンバーはそれぞれの実家に帰省した

 

 

ウィノはカズマの実家に住む事となり、エミリアは一夏の実家に住むらしい

 

 

リディアは寮で過ごすらしい

 

 

 

 

上に乗っかって寝ているウィノの頭を優しく撫でて

 

 

 

ウィノ「ぅん…カズマ…おはよ…」

 

 

カズマ「ああ…おはよ」

 

そして二人はキスをした

 

 

やがてキスが終わってしばらく抱き合っている二人……突然部屋のドアがノックされた

 

 

ユカ「お兄ちゃん!ウィノお姉ちゃん!朝御飯出来たよ!」

 

 

妹のユカが朝食だと知らせてきた

 

 

カズマ「わかった………そろそろ起きるか?」

 

ウィノ「うん、キスしてたらお腹空いちゃった…」

 

 

二人はそれぞれ私服に着替えて旅館の賄い飯を食べた

 

 

 

 

 

そして二人はエプロンを着けて旅館の手伝いをした

 

 

 

今までカズマが手伝いをしていたが、居候しているウィノが将来お嫁さんに行くなら旅館の手伝い位出来ないと失礼だと言って手伝っているのである

 

 

 

宴会場で食事を二人で運んで分けた際に、お客さんからカズマとウィノの二人を見て夫婦か?と言われ、赤面したのだ

 

 

事実カズマとウィノの二人の仲は最早夫婦と言われても違和感が無いのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑家 一夏の部屋

 

一方の一夏はエミリアを連れて実家へと帰省した

 

 

一夏は日本政府から日本の戸籍を再収得して自分の居場所を取り戻した

 

それでも一夏はデルタ・フォースを抜ける気は無い、彼には護りたい人がいるからだ

 

 

 

 

エミリア「うにゅう……すぅ……」

 

エミリアは一夏の自宅のベッドで眠っていた

 

 

そこに一夏がエプロン姿で現れてエミリアを揺さぶって起こした

 

 

一夏「ほら起きてエミリア…朝御飯作ったぞ」

 

 

エミリア「ふにゅう…一夏様ぁ…良い臭いですぅ……くんくん…」

 

 

エミリアは一夏から良い臭いを感じたのかその腹に顔を押し付けて臭いを嗅いだ

 

 

エミリアはどうやら寝惚けている…らしい

 

 

一夏「エミリア…まったく…」

 

一夏はエミリアにキスをした

 

 

エミリア「んむっ……ぷはっ……ふぇっ!?一夏様!?」

 

一夏「おはよう、エミリア」

 

 

エミリア「おはよう…ございます……ってはわっ!!」

 

今のエミリアの体勢はエプロン姿の一夏に抱き着いており、更にパジャマが着崩れして下着が見えていたのだ

 

 

エミリア「はぅああっ!!は……恥ずかしいですぅ…」

 

 

 

赤面しながらエミリアは再び布団の中に潜った

 

 

一夏「おーいエミリア…朝御飯出来たんだけど…」

 

エミリア「恥ずかしいですぅ……一夏様にあんな姿…」

 

 

一夏「いや…俺が起きた時もそんな感じだったぞ」

 

エミリア「はぅああっ!?」

 

 

 

一夏が起きた時もエミリアはとんでもない事になっていたらしい

 

 

 

一夏「まあ…可愛かったからな…ついそのままにしちゃったけど…ほら起きて、朝御飯冷めるよ」

 

 

 

エミリア「わかりました……うぅぅぅ…恥ずかしい…」

 

 

 

エミリアは私服に着替えて一回のキッチンへと降りた

 

 

そこには美味しそうな朝食が並べられていた

 

 

春香「エミリアおっそーい!先に食べちゃうよ!」

 

エミリア「ごめんなさい…ちょっと寝惚けてしまって…」

 

 

一夏「ささ、これでラスト」

 

 

一夏が最後の料理をテーブルの中央に置いて朝食が完成した

 

 

エミリアは一夏が作った料理を一口食べた

 

エミリア「美味しいですっ!!」

 

 

眼を輝かせて美味しいと叫ぶエミリア

 

 

一夏「良かったぜ、味付けは良いみたいだな」

 

エミリア「とても美味しいです!!学食よりも美味しいです!」

 

 

 

嬉しそうにバクバクと食べるエミリア

 

 

エミリア(一夏様…良い旦那様になりそう……はわっ!?だ…旦那様って…)

 

 

春香「エミリア?何赤くなってるの?」

 

 

エミリア「ひゃぅわぅ!!?べべべべ別に赤くなどなっていません!!」

 

そう否定するがエミリアの顔は熟れたトマトの如く真っ赤である

 

 

春香「もしかしてさ…お兄ちゃんの事良い旦那様になるって思ったんじゃない?」

 

ニヤニヤしながら詰め寄る春香

 

 

エミリア「はぅぅ…一夏様の料理や、家事を見ていると…つい…」

 

 

 

春香「まぁ…お兄ちゃんは小学校に上がってからずっと炊事洗濯をしてたから」

 

一夏「千冬姉は炊事洗濯しないからな…」

 

春香「そーそー…本当にぐうたらな…ゴファッ!!?」

 

 

 

突然春香がテーブルに突っ伏した

 

その頭には特大のたんこぶが乗っかっていた

 

 

千冬「誰がぐうたらだ?」

 

 

ななななななんと、世界最強どころか宇宙最強…はたまた怪獣をも素手で倒しそうな迫力を持つお陰で年齢=彼氏いない歴の…ぐぼぁあっ!?

 

 

千冬「肩書きが増えてないか?作者」

 

 

そう言って指を鳴らす千冬

 

 

すみません…

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

一夏「千冬姉…どうしたんだ?」

 

千冬「忘れ物をな…」

 

 

一夏「たぶん書類でしょ?リビングのテーブルの上にあるから」

 

 

千冬「うむ…すまないな…」

 

千冬はテーブルの上にある何枚かの書類を鞄に入れて出掛けようとした

 

 

エミリア「織斑先生は夏休みでも仕事なんですね…」

 

千冬「まあ教師だからな…二学期のスケジュールや授業の構築などしなければならない……ところでリィンフォース……おっと今はエミリアと言っておこう…どうだ?我が家は」

 

エミリア「はい!夏休みから一緒に住んでとても楽しいです!」

 

 

千冬はニヤリと笑い

 

千冬「一夏、この際だ一線を越えてみたらどうだ?」

 

 

一夏「ちょ!?何言ってるんだよ!」

 

エミリア「い…一夏様と…一線を……はうぅう…///」

 

 

盛大に顔から湯気を出すエミリア

 

 

千冬「どうせお前達の事だ…卒業したら結婚するのだろう?その指輪…」

 

 

エミリアと一夏の薬指には白のフレームの指輪と淡い翠のフレームの指輪が填められていた

 

 

一夏・エミリア「はい!」

 

千冬「はやく甥の顔が見たい物だな、ハハッ…」

 

 

そう言って出掛けた千冬であった

 

 

 

 

春香「あたしもお兄ちゃんとエミリアの子供見てみたいかも!」

 

 

エミリア「ちょっと!」

 

 

一夏「お前も淕と上手くやってるのか?」

 

 

春香「当然でしょ?淕君はあたし命!って豪語してるもん」

 

 

そう言って牛乳を飲む春香

 

 

 

 

 

 

 

一夏「そう言えば今日だっけな…篠ノ之神社のお祭り」

 

 

春香「あ!忘れてた!」

 

 

ふと思い出した様に言う一夏

 

 

 

エミリア「今日お祭りなんですか?」

 

一夏「ああ、箒の実家の祭りなんだ」

 

エミリア「そうだったんですか…是非行ってみたいです!」

 

 

眼を輝かせるエミリア

 

 

 

 

日本の祭りに興味を持っていたエミリアにとっては絶好の機会だ

 

 

春香「だったら浴衣着ていかないとね!」

 

 

エミリア「ユカタ?何ですかそれ?」

 

 

春香はソファーにあったファッション雑誌を手に浴衣のページを見せた

 

 

エミリア「わぁ…綺麗な柄ですね…」

 

春香「夏でお祭りって言えばやっぱり浴衣よ!これ重要!」

 

エミリア「はいです!」

 

 

一夏「学校とは逆の立場になってるな…」

 

 

何時もはエミリアが春香を教える立場なのだが…何故か逆になってたのだ…

 

 

 

一夏「そうだ…あいつらにも…」

 

 

そう言って一夏は携帯を取り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識家

 

 

 

龍真「……」

 

簪「……」

 

 

「……」

 

 

とある一室にて龍真と簪、そして簪の父親が正座で座っていた

 

 

その雰囲気はとても重苦しく…普通の人なら逃げ出してしまいそうな重圧が漂っていた

 

 

 

 

「神崎・R・龍真よ…」

 

龍真「はい…」

 

 

簪の父親が口を開いた

 

 

「まだ…簪の事を想っているのか?」

 

 

龍真「はい…アメリカにいる際、片時も忘れた事はありません!」

 

簪「お願いお父さん!私龍真の事が好きなの!!」

 

 

 

「……」

 

 

また暫くの沈黙が漂う

 

 

「良いだろう…龍真、浮気をした時は命は無いと思え」

 

 

龍真「はい!」

 

 

簪「お父さん…ありがとう…」

 

 

 

そうして二人は部屋を出た

 

 

部屋を出てすぐに本音と拓巳に会った

 

 

 

拓巳「どうだった?」

 

龍真「許可を得た…俺と簪は正式に付き合うことになった」

 

 

本音「おー!良かったねーかんちゃん!」

 

 

簪「うん!これで今日の祭りに行けるね龍真」

 

龍真「ああ…そうだな…」

 

 

二人の雰囲気が更に桃色になる…

 

 

拓巳「ちくしょぉおおおおおっ!俺だって……」

 

 

本音「仕方無いよー…お姉ちゃん気になる男の子いるって…諦めなー」

 

 

 

拓巳は本音の姉、虚にもう一度アタックしたのだが…お見事にフラれてしまったのだ…

 

 

気になる男の子がいると言う理由である(年下)

 

 

 

龍真「お前は速く次を見つけろ」

 

 

簪「きっと近くにいる筈だよ?」

 

 

拓巳「のわああっ…甘い…甘すぎるぅううう!!ブラック飲んで来ァアア!!」

 

 

そう言って猛ダッシュで何処かへ行ってしまった拓巳

 

 

本音「おーい!ブラックコーヒーはキッチンにあるよー」

 

 

だがその声は拓巳に届かず、拓巳はキッチンとは逆方向の方向へ行ってしまった…

 

 

 

 

 

「♪泪の~ムコウが見えるの…」

 

 

龍真「もしもし?…一夏か?」

 

 

電話の相手は一夏だった

 

一夏『お、龍真!お前…篠ノ之神社の祭りって知ってるか?』

 

龍真「ああ…知っている」

 

 

一夏『だったら簪と一緒にどうだ?あと拓巳と淕も…特に淕は絶対来いよ?』

 

 

龍真「ああ、あいつにそう伝えておく…」

 

 

 

そうして電話を切った龍真だった

 

 

 

簪「もしかしてお祭りの誘い?」

 

 

龍真「ああ…勿論簪と一緒さ」

 

 

本音「じゃああたしはしずねんときよちゃんと一緒に行こうかなー…あ、かんちゃん!浴衣の用意しないと!」

 

簪「あ、うん!ごめんね龍真、ちょっと待ってね」

 

 

簪は本音と一緒に浴衣の準備に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマの実家

 

 

「♪今にも~飛び抜ける…」

 

 

カズマ「なんだ?」

 

一夏『カズマ、お前篠ノ之神社って知ってるか?』

 

 

今度はカズマの携帯に電話をした一夏

 

カズマ「ああ…何回か行った事あるが…何かあるのか?」

 

 

一夏『そこで祭りやるんだよ!ウィノと一緒に来なよ!』

 

 

カズマ「そうだな…わかった、じゃあ…」

 

ウィノ「はいはーい!あたし行く行く!」

 

 

カズマの後ろに抱き着いて叫んだ

 

 

一夏『決まりみたいだな、じゃあ向こうで待ってるぞ!』

 

 

 

そして電話を切った一夏

 

 

 

ウィノ「じゃああたし浴衣用意してもらおーっと」

 

 

そう言ってウィノも何処かへ行ってしまった

 

 

 

カズマ(日本の祭りか…十年ぶりだな…)

 

 

そう思ったカズマの口は少しはにかんでいた

 

 

 

 




次回 後編


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第三十六話 あー!!夏休み!! 後編

後編開始!


篠ノ之神社

 

その鳥居の前に一組のカップルが居た

 

 

ウィノ「わああっ!人がいっぱい!お店がいっぱい!」

 

カズマ「変わらないな…ここは…」

 

 

カズマとピンク色の鮮やかな浴衣を着て髪を結っているウィノが手を繋いで篠ノ之神社のお祭り会場に到着した

 

 

ウィノ「変わらないなって一回来た事あるの?」

 

 

カズマ「ああ、5歳の時に家族全員でな…」

 

 

ふと十年前の出来事を思い出したカズマだった

 

 

 

 

一夏「おっ!カズマとウィノ!」

 

後ろから一夏の声が聞こえて振り替えると、一夏と淡い翠の浴衣を着たエミリアが手を繋いで歩いていた

 

 

ウィノ「エミリア!浴衣可愛いじゃん!」

 

エミリア「えへへ…春香さんが選んでくれたんです!ウィノさんも可愛いですよ!」

 

 

ウィノ「あたしのはカズマのお母さんのお下がりなんだけど…でも気に入ってるの!」

 

 

春香「おお、ピンク色の浴衣ってウィノに合うじゃん!」

 

 

その後ろから淕を連れて来た浴衣姿の春香がいた

 

 

淕「春香ちゃん…ちょっと待ってよ…」

 

 

春香「んもう!さっさと来るの!花火始まっちゃうでしょ!?」

 

淕「まだ二時間もあるのに…」

 

 

一夏「ハハッ…春香は早とちりだからな、そんな急がなくても大丈夫だ…って行っちまった」

 

 

春香は淕の腕を引っ張って行ってしまった

 

 

龍真「どうやら着いたらしいな…」

 

簪「あ、カズマ達だ!」

 

 

今度は龍真と簪が手を繋いで歩いてきた

 

 

 

一夏「おお、龍真……拓巳は?」

 

 

龍真「む?一足先に『出店を全部漁るぜ!!』とか言って行ってしまったが…?」

 

 

 

 

 

そう言っている矢先

 

 

拓巳「おっちゃーん!たこ焼き!!」

 

と出店の方から拓巳の声が…

 

 

 

全員が振り返ると大量に出店の商品を買ってぶら下げている拓巳がいた

 

 

拓巳「お?お前ら遅かったな…」

 

 

カズマ・一夏「遅かったなじゃねぇだろぉぉぉおおっ!!」

 

二人のユニゾン突っ込みが決まった

 

 

ウィノ「ちょっと買いすぎ!!一体何してんのよ?」

 

エミリア「何時そんなに食べるのですか?」

 

 

 

簪「拓巳ね、フラれて頭がおかしくなっちゃったの…」

 

 

拓巳「言うんじゃねぇエエエエエエエエッ!!簪ィイイイ!!俺はもう…」

 

 

遂に泣き出した

 

 

カズマ「仕方無いさ、きっと良い女はいる筈さ」

 

一夏「そうだな、頑張れよ!」

 

 

そう笑顔で慰めるリア充二人

 

だが拓巳にとってかその笑顔は眩しすぎた

 

 

拓巳「どいつもこいつも…リア充爆発しろおおぉおおお!!」

 

 

 

そう叫んで何処かへ走り去ってしまった拓巳

 

 

 

カズマ「おい…あいつ大丈夫か?」

 

龍真「大丈夫だ…少しネジが外れただけだ」

 

一夏「本当か?そこいらの女の子をナンパとかしそうだぞ?」

 

半ば心配している三人…いや心配してはいないだろう……何故なら彼らはフラれた男子の心情を知らない勝ち組なんだからな!!

 

 

カズマ「何文面が荒くなってんだ作者…」

 

うるせぇ!!リア充爆発しろい!!

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

カップル三組はまず射的の出店に着いた

 

 

一夏「これが射的、この銃で景品を落としたらその景品が貰えるんだよ」

 

 

ウィノ「げ…射撃か……あたし苦手なんだよなぁ…」

 

 

カズマ「安心しろ、その時は俺が撃ち落とす」

 

カズマが二人分の料金を払い、また一夏も龍真も二人分の料金を払った

 

 

何とも男らしい…顔だけじゃないのか…

 

ウィノ「カズマ格好いい!!お願いね!!」

 

 

エミリア「まずは私が行きます!!」

 

安全装置を外してトリガーを引く……………が

 

 

 

 

エミリア「あ、あれ?」

 

 

銃口から弾が出ない…

 

 

エミリア「こ…このライフル整備不良です!!」

 

一夏「あ、あのな…エミリア…」

 

 

エミリア「一夏様!!そのライフルを貸してください!!」

 

 

エミリアは一夏が持っているライフルを手にとってトリガーを引くが……弾が出ない

 

 

 

エミリア「何でですか!?じゃあこれ!」

 

 

カチッ…

 

 

出ない…

 

 

エミリア「ならこれは!?」

 

カチッ…

 

 

また出ない…

 

 

その後店にあったライフルのトリガーを引くが…弾が出なかった

 

 

 

エミリア「どうしてですか!?銃弾が出ないライフルでどうやって落とすのですか!?」

 

 

そう言って店員に突っ掛かるエミリア

 

 

 

一夏「エミリア…一回落ち着こう……」

 

 

エミリア「落ち着けません!!こんなの射的じゃありません!!」

 

 

 

 

パァン!!

 

 

エミリア「あら?」

 

 

突然銃声が聞こえた

 

 

そこにはライフルを片手で構えていたカズマ、そして狙っていたのだろうかゲーム機(3DS)を見事一発で撃ち落とした

 

 

ウィノ「凄い!!一発で!?」

 

 

カズマ「止まっている的なんか張り合いが無い…」

 

 

そうして次の標的をまた撃ち落としたカズマ

 

 

 

それを茫然と見るエミリア

 

 

エミリア「ど…どうして…?」

 

 

一夏「エミリア、このライフルは玩具なんだよ、こうやって銃口にコルクを詰めて、安全装置を外して」

 

 

パァン!!

 

一夏も一発でゲーム機(PSvita)を撃ち落とした

 

 

一夏「で、撃てるんだよ」

 

 

 

説明をし終えた一夏

 

 

エミリア「は……はうぅうう……///」

 

 

エミリアは盛大に湯気を爆発させて、その顔が真っ赤になっていた

 

エミリア「恥ずかしいですぅ…(*/□\*)」

 

エミリアは一夏の胸に自分の顔を押し付けた

 

 

一夏ははいはいと言いながらその頭をなでなでした

 

 

簪「エミリアって意外とドジっ子なんだね…」

 

エミリア「わ、私はそんなドジではないですぅ!!少なくとも山田先生よりは!」

 

 

ウィノ「てか自覚してるのね…」

 

 

 

 

龍真「簪、次は何を狙えば良い?」

 

龍真も簪が欲しい物を次々と落としていった

 

 

しかし簪の場合はヒーロー物が大好きなので、主に特撮のフィギュアが多い

 

 

 

簪「うーん…じゃああれ!…でも私が撃ち落としたい」

 

 

それは大きいフィギュアであった

 

 

龍真「む…大きいな…一発じゃ流石に…」

 

 

一夏「安心しろ!」

 

 

カズマ「龍真、あれをやるぞ!」

 

 

龍真「よし!」

 

 

 

カズマ、一夏、龍真はある作戦を実行した

 

 

カズマ「まずは!」

 

カズマがフィギュアの脚部に当てて

 

 

一夏「お次に!」

 

 

一夏がフィギュアの中心に当てて

 

 

龍真「ラストだ!!」

 

 

龍真がフィギュアの頭部にヘッドショットを決めて遂にそのフィギュアが落ちた

 

 

 

簪「凄い!!」

 

 

エミリア「三人が脚部、胴体、ヘッドショットを決めて段階的に落とすなんて!」

 

 

ウィノ「ねぇねぇ!今の何て作戦!?」

 

 

三人はキメ顔を作って

 

 

「「「ジ〇ットスト〇ームアタ〇クだ!」」」

 

 

ちょい待てェェェェェ!!流石にこれは不味いから伏せ字を…

 

 

簪「ジェ〇ト〇トリームア〇ック……格好いい!!」

 

 

おいこらぁああああああ!!伏せ字を変えるな!!バレちゃうでしょうがぁあああああ!!

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

その後大量の戦利品を得たカズマ達は御満悦に次の出店へと向かった

 

 

一方

 

 

 

マダラ「……バレてはいないようだな…」

 

 

なんとサングラスとバンダナで変装していたのか射的の店主はなんと暁のメンバー、マダラであった

 

 

とそこに

 

 

「マダラ!悪いな!店番任せちまって!」

 

 

マダラ「鎧星か…」

 

 

鎧星と呼ばれた青年はマダラの隣に座った

 

 

鎧星「いやー…祭りって言ったらやっぱ浴衣の女の子でしょ!!あわよくば…」

 

 

マダラ「鎧星…俺達は…」

 

鎧星「わかってる…あいつらの監視……いや護衛だよな」

 

 

マダラ「ああ…」

 

 

 

マダラはカズマ達が去っていった方向を見て

 

 

マダラ「奴等の狙いがデルタ・フォースに変わり、IS学園の臨海学校周辺にて大規模な襲撃を行った事は知っているな?」

 

 

鎧星「ああ…だがその時の中継拠点は俺とアキラの不知火で壊滅したけど…」

 

 

不知火は暁が所有するISである、現在20機程存在しているのである

 

 

 

マダラ「奴等の中継地点があれだけとは思えん…一応リーダーに連絡してIS学園の周辺を固めた方が良いと思う…」

 

 

鎧星「ああ…あんな規格外の兵器がIS学園襲来してみろ…一発で学園は終わりだぜ…」

 

 

マダラ「そうなりたくないから言っている…女なぞに現を抜かすなよ」

 

 

鎧星「わかってる……って…おい!!マダラ!!なんじゃこりゃぁあああっ!!」

 

 

鎧星が見たのは景品棚に乗っている景品の少なさであった

 

 

鎧星「何でこんなに無くなってるんだよ!!」

 

 

鬼気迫る表情でマダラに突っ掛かる鎧星

 

 

 

マダラ「奴等だ…デルタ・フォースの猛者達が落とし…持っていった…」

 

 

鎧星「そ…そんな…不幸だぁあああああああああっ!!」

 

 

 

 

その祭り会場に鎧星の叫びが木霊した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして篠ノ之神社の境内に入って、祭りの大一番である舞を見に来たカズマ達

 

 

 

カズマ(あの射的の店主…どっかで……まあいいか…)

 

 

ふとそんな事を思い出したカズマであった

 

 

 

エミリア「あの…一夏様、あれって?」

 

 

エミリアは舞台に立っている女性を指差した

 

 

一夏「ああ、あれは箒だ」

 

 

ウィノ「え!?あれ箒なの!?」

 

 

カズマ「化粧をしているから一目ではわからんが…確かに篠ノ之だな…」

 

 

そして箒の舞が始まった

 

 

刀を使っての舞は、勿論真剣、一歩間違えば自分を傷付ける

 

 

しかし箒の舞はとても美しく、何処か神秘さを醸し出していた

 

 

龍真「美しい…これぞ正に日本の美だな!」

 

カズマ「これが日本舞踊か……」

 

 

簪「なんかオヤジっぽい龍真…」

 

ウィノ「まぁまぁ…そういう龍真を見るのが好きなんでしょ?」

 

 

簪「う…うん…大好き……何時もは凄くクールで頼り甲斐があるけど…時折子供っぽいの…それが可愛くて……そう言うウィノは?」

 

 

ウィノ「まぁ…あたしはカズマがあのテロでアイルランドから亡命した時に心あらずな状態だったから…ずっと面倒見ていく内にね…もう一線を越えちゃった…」

 

 

簪「え!?もう一線越えちゃったの!?」

 

 

ウィノ「うん!」

 

簪「ど…どんな感じ?」

 

 

ウィノ「んーとねー…」

 

 

 

ここからの説明は色々と割愛させてもらう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして箒の舞が終わって、色とりどりの花火が夜空に咲き誇った

 

 

カズマ「おお…」

 

ウィノ「綺麗だね…」

 

 

カズマとウィノは魅入っていた…花火が彩るその美しさに

 

 

 

一夏「どうだエミリア、綺麗だろ?」

 

エミリア「はい!これが日本の花火なんですね!」

 

 

 

エミリアは初めて見る花火に目を輝かせていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな花火が咲き誇る空、一機の漆黒のISが篠ノ之神社の祭りを見ていた

 

 

『ジルベール…ポイント情報を送る、急行せよ…』

 

 

ジルベール「了解……」

 

 

ジルベールと呼ばれた少年は…カズマとよく似ている…いや…唯一違うのはその髪色が銀髪というだけだろう

 

 

ジルベール「被験体K-01……現…カズマ・アーディガン……組織の裏切り者………ふん…行くぞ…ブラックサレナ……奴を殺す為の予行演習だ…」

 

 

 

そう言って漆黒のISは彼方へと消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




不知火のイメージ画像は後に公開します


お楽しみに…

感想待ってます


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第三十七話 更識の当主

お待たせしましたぁあああ

みんな大好き生徒会長のご登場ーーーー


夏休みが終わった…

 

今日から二学期それぞれ休みを満喫しただろう

 

 

実家に帰省する者、友達と遊びに行く者などと色々楽しんだであろう

 

 

 

そして再び、IS学園の一年一組に生徒達が出席、担任の織斑先生、副担任の山田先生が教室に入って来た

 

 

 

 

 

因みに今更であるが、カズマ達ファーストチームは一組で、龍真達は四組である…それ故リディアは四組である

 

 

 

 

 

 

千冬「諸君…おはよう…夏休みの気分は持ち込んではいないだろうな?今日から機を引き締めて励むように」

 

 

千冬の厳しい雰囲気が夏休みの気分に浸っていた生徒達を現実へと引き戻した

 

 

 

 

真耶「それでは出席を取りますね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

休み時間

 

 

セシリア「皆様は、夏休みは如何でした?」

 

 

ウィノ「あたしはカズマの実家に住んでたわよ」

 

 

シャル「カズマの実家って確か臨海学校の時の…」

 

 

カズマ「ああ…風鳴旅館って所だ」

 

 

早速仲の良い代表候補生メンバーとデルタ・フォースが談笑していた

 

 

一夏「となるとさ、お前の母親の名字が風鳴となると…」

 

カズマ「俺の漢字での名前が『一真』だったからな…つまり『風鳴一真』って事になる」

 

 

 

箒「ならこの際…そっちで名乗ったらどうなのだ?折角母方の実家で暮らしているのに…」

 

箒が提案したのは、アーディガン姓から風鳴姓に変えたらどうなのか?という提案だ

 

 

今現在、カズマは母方の実家に、そして伯母の世話になっているのである

 

 

これを考えると親のアーディガン姓ではなく、これから移り住む風鳴姓に変えた方が良いと箒が言うのである

 

 

カズマ「悪いな…却下させてもらう」

 

 

カズマは箒の考えを却下した

 

 

カズマ「父さんと母さんが結婚してアーディガン姓を選んだんだ…だけどその息子が親が死んだという理由で姓を変えるつもりはない」

 

 

エミリア「親思いですね…カズマさんは…」

 

ラウラ「親…か…」

 

 

シャル「ラウラ?どうしたの?」

 

 

ラウラがボソッと呟いたのを聞いたシャルはラウラに問い掛けた

 

 

ラウラ「いや…私は普通とは違ってな……その…親がいないのだ…施設で預けられてそのまま育って軍に入ったから親の顔も知らないのだ」

 

 

ラウラはドイツ軍の強化兵士なのだ、幼い頃から戦闘に関する事を学ばされて育って来たのだ…それ故に親の顔も知らないままなのだ

 

 

 

一夏「そうだったのか…」

 

カズマ「それは眼帯と関係あるのか?」

 

 

ラウラ「?」

 

 

突然眼帯の事を言われたラウラは眼帯をしている左目を押さえた

 

 

カズマ「お前の左目…何か仕掛けてあるだろ?俺らと話している際、見えていない筈の左目で横目で見ることがあるからな…その眼帯…内側から見えて外側から見えない構造になってるだろ?」

 

 

ラウラ「凄いな…わかるのか?」

 

 

カズマ「そう思っただけだ…」

 

ラウラは左目につけている眼帯を外した、現れた目は、右目の赤い目とは違う金色の目をしていた

 

ラウラ「私の右目はハイパーセンサーの感度をより良くするためにナノマシンが埋め込まれてある」

 

 

ウィノ「ナノマシン?」

 

 

カズマ「世界最小の機械の事だ…NM…十億分の一のスピードの処理能力がある」

 

 

ラウラ「だが…私の目とは相性が悪かったのだろうな…適合しなかったのだ…それ故に…」

 

 

カズマ「辛いなら良い…」

 

ラウラ「すまない…」

 

カズマはラウラの辛そうな表情を見て話を止めさせた

 

辛い過去を思い出させては悪いと思ったからだ…それはカズマも同じ…親を亡くし、故郷を失うという悲しい過去がある

 

 

 

 

 

シャル「あ、そう言えば僕ラウラと一緒にプールに行ったんだけど…」

 

エミリア「行ったんだけど…って…何かあったのですか?」

 

 

ラウラ「んなっ!?止めろっ!」

 

 

ラウラの珍しい動揺…何かあったのか?

 

 

シャル「一緒にウォータースライダーに乗ったらさ、かわいい悲鳴上げて僕に抱きついてさ、こ、怖かったって…くすっ…」

 

 

ラウラ「い、行きなり押すからだろ!!」

 

シャルの話が始まってから顔を赤くするラウラである

 

 

ウィノ「なるほどぉ…その時のラウラがぁ…とんでもなく可愛かったぁ…って話?」

 

ウィノがシャルに目を細めてニヤニヤしながら言った

 

シャル「そうそう!お人形さんみたいな…」

 

 

 

とここで予鈴

 

 

ラウラ「た…助かった…」

 

シャル「あーあ…続きは食堂で…」

 

再びニヤけながらラウラを見るシャル

 

 

ラウラ「もう止めろ!!」

 

セシリア「戻りますわよ?織斑先生の鉄拳制裁が来ますわ」

 

 

 

 

そうして授業に集中する生徒達だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 廊下

 

 

 

カズマ「ちっ…じゃんけんで負けて俺が場所取りだとは…」

 

 

現在カズマは食堂の場所取りに向かっているのである

 

 

デルタ・フォース全員でじゃんけんをしたものの、巷で流行っている男気じゃんけんで決めようとした

 

 

ところがどっこいこの男気じゃんけんは勝てば負け、負けるが勝ちという逆転ルールとなっている

 

 

運良く…もとい…運悪く……違うな……ややこしいな……ま、取り合えず勝ってしまったカズマは場所を取りに行ったのだ

 

 

 

 

カズマ「運が良いのか悪いのか……………!?」

 

 

突然後ろから見られている様な気配を感じて振り返るが……いない…

 

 

カズマ(……気のせいか…いや…いるな……もう少し泳がせるか…)

 

 

 

再び歩を進めたカズマ

 

 

 

 

 

とある曲がり角を曲がった所でカズマは遂にコートに忍ばせてあるマグナムを抜いた

 

 

 

後ろに銃口を向けるとその銃口が何かで塞がれた

 

 

 

そしてカズマは尾行している本人を見た

 

 

 

カズマ「どういうつもりですか?更識楯無生徒会長?」

 

 

楯無と呼ばれた少女は、簪の姉で現更識当主である

 

 

髪は簪と同じ水色でこちらは眼鏡をかけていない

 

 

 

楯無「いきなり銃口を向けるなんて…物騒じゃない?」

 

カズマ「それはあなたが探る様に尾行してましたからね…」

 

 

カズマはマグナムを回転させてコートのホルスターに仕舞った

 

 

カズマ「で…なんで俺を尾行しているんですか?」

 

 

楯無「それはね…はい!」

 

 

楯無は扇子を広げた…そこには『興味本意』と書かれていた

 

 

 

カズマ「下らん…」

 

そう言い捨て歩き出すカズマ

 

 

 

楯無「まぁまぁ…待ちなさい!あなたに興味があるのよ!」

 

カズマ「……?」

 

 

楯無「デルタ・フォース中尉のカズマ・アーディガン…日本名では風鳴一真、親はアイルランドの…」

 

 

カズマ「それ以上言うな…!」

 

 

唸る声で楯無の話を遮るカズマ

 

楯無「おっとごめんね」

 

 

口を扇子で隠す楯無

 

 

カズマ「俺に嫌味を持ってるのか?」

 

 

楯無「ふふっ…ちょっとイタズラしたかっただけよ…それともう一つ、生徒会長からの頼み…」

 

 

カズマ「断る…」

 

 

そう言って歩を進めるカズマ

 

 

楯無「早っ!?質問の内容くらい…」

 

 

カズマ「生徒会に入らない?でしょう?読めますよ展開が」

 

 

 

楯無「……へぇ…理由を聞かせて?」

 

楯無は扇子を開いてカズマの話を聞く

 

カズマ「生徒会長直々に一生徒に頼み事と言えばそれしか思い浮かばない…それと…今年の生徒会は人数不足って聞いていますからね…それで男である俺を生徒会に入れて注目を集めさせようと思ったんでしょう?」

 

 

楯無は目を見開いた

 

楯無「わ…私の考えが読まれちゃった……あなたエスパー?」

 

 

カズマ「普通に考えたらこの結果になった…そして言ったはずでしょ?断ると」

 

 

 

楯無「やれやれ…ここでの生徒会長の立場を知っているでしょう?」

 

 

カズマ「…」

 

 

楯無「IS学園最強を意味しているの」

 

 

楯無は扇子を開いた、そこには『わかったか?』と書いてある

 

 

カズマ「………」

 

 

無言でその場を立ち去るカズマ

 

 

楯無「ノーコメントかい!?」

 

 

カズマ「下らね…自慢ばっかりで何も面白くない…本当にそうなのかがわからなく…!?」

 

 

カズマは右腕を部分展開してビームセイバーを展開した

 

 

すると同時に中世の騎士が持っているランスが突き出され、カズマはそれを防いだ

 

 

 

 

楯無「ふーん…」

 

カズマ「……何が目的だ?」

 

 

楯無「今日、午前授業でしょ?アリーナに来て…手合わせしましょ」

 

楯無は腕の部分展開を解いて去っていった去り際に扇子を開いて『宣戦布告』と伝えた

 

カズマ「……」

 

 

 

 

カズマは再び歩を進めた…いや今度は走っていった

 

 

 

まだ食堂の場所を取っていないのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂

 

 

「「「「ええええええええっ!?宣戦布告ぅぅぅ!?」」」」

 

 

食堂内にデルタ・フォースの叫びが響いた

 

 

 

カズマ「ああ…ついさっきな…」

 

 

一夏「生徒会長に宣戦布告されるなんて…」

 

 

エミリア「流石です…と言ってもこの言葉が合ってるかどうかわかりませんが…」

 

 

ウィノ「生徒会長って確かIS学園最強って言うんでしょ?大丈夫なの?」

 

 

 

ウィノは心配だった…今度の相手はIS学園最強…一応生徒の中でではあるが…かなりの実力者である…下手をすればこれまで戦って来た相手とは比べ物にならない位に

 

 

龍真「刀奈さんは強い…」

 

拓巳「ああ…下手をすれば俺ら三人が束になっても勝てないかもな…」

 

 

淕「はい…おまけに生身でも凄い戦闘力を持ってますしね」

 

 

龍真、拓巳、淕は更識の従者の家系で楯無と共に過ごした事もある

 

彼女の強さを一番わかっている数少ない人達だ

 

 

 

リディア「で…勝算はあるの?」

 

 

 

カズマ「……」

 

 

勝算はあるか聞かれたカズマ…しばらく黙って

 

 

カズマ「五分五分だな…一目で見た時はそんな気にしなかったが…奴の攻撃は隙がなかった…いや俺の反応が遅れていたらやられていたかもな…」

 

 

簪「それだけじゃないよ…」

 

 

カズマ達が座っているテーブルに楯無の妹、簪が現れた

 

 

簪「お姉ちゃんは…ロシアの国家代表なの」

 

 

 

ウィノ「やっぱりか…ロシアの代表候補生じゃあね…」

 

 

 

カズマ「違う…国家代表だ」

 

 

ウィノ「え!?国家代表!?」

 

 

龍真「刀奈さんは国家代表だったのか?」

 

 

拓巳「それにロシアってなんで日本じゃねぇんだよ」

 

 

淕「あの人は何をするのかわからない人ですから…」

 

 

この三人は幼い頃、何時も楯無の無茶ぶりや遊ばれ相手にさせられて、酷い目にあったとも言われている

 

 

エミリア「あの…さっきから刀奈さんって言ってますけど…誰なんですか?」

 

 

龍真「楯無さんの本名だ…更識刀奈、刀に奈良の奈の字だ」

 

 

一夏「本名?じゃあ楯無って…」

 

 

カズマ「大方歌舞伎や落語家の様に、当主としての名前が楯無なのだろう…つまり…龍真達の言う刀奈ってのは襲名する前の名前と言うことだな?」

 

 

拓巳「まあ…そうなんだけど…因みに簪は本名だぞ」

 

 

 

どうやら更識家は当主になったら楯無という名前を継がなければならないという掟があるのだろう…

 

 

ウィノ「そうだ!8、あの楯無っていう女が使ってるISのデータある?」

 

 

 

8「そんなもん無い、第一データ照合もしてないのにわかる訳無いだろ?」

 

0「いくら1万GHzのCPUでも出来ないことはあるの!」

 

 

ウィノ「あーあ…ダメか…」

 

 

 

そう聞いて落胆するウィノ

 

 

 

カズマはそんなウィノの頭を撫でながら

 

 

カズマ「安心しろ、俺は負ける気はない!いや…心無しかなんか面白くなってきた」

 

 

ウィノ「面白くなってきた?何で」

 

 

カズマはニヤリと口元を歪めた

 

 

カズマ「ああいう自慢している奴を叩きのめすって…結構好きなんだよね…俺」

 

 

龍真「カズマ…本気で勝つつもりか?」

 

拓巳「そうだぜ、いくらカズマの実力でも…」

 

 

楯無の強さを知っている二人が止めにかかるが…

 

 

 

カズマ「心配するな…絶対に勝つ」

 

 

 

そう言って何時の間に食べ終えた食器を返却口に返すカズマだった…

 

 

 

 

 




カズマの日本姓の風鳴は…あの防人とは関係無いですよw

ただ、同じ名前の従姉はいる設定となっています


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第三十八話 ミステリアス・レイディ

カズマVS楯無

貴方はどちらが勝つと思う?


午前の楯無からの宣戦布告から数時間、第一アリーナでは公開模擬戦として多くの観客が集まっている

 

それもその筈、楯無が放送でカズマと模擬戦をすると大胆に放送したのだから…

 

 

故に観客席のテンションは最高潮である

 

 

 

 

 

 

第一アリーナ ピット内

 

 

カズマ「……」

 

 

カズマはフリーダムウイングを纏ってカタパルトに足を固定し、目を閉じて集中していた

 

 

 

 

『両者!所定の位置に』

 

 

 

アナウンスが聴こえ、目を見開いて飛び立つ蒼い空を見据える

 

 

カズマ「カズマ・アーディガン、フリーダムウイング…出る!!」

 

 

カタパルトからバレルロールで飛び出し、空中一回転をした後に背部の翼が展開、IS学園のアリーナに蒼い自由の翼が羽ばたいた

 

 

 

 

そして所定の位置に着くと楯無のISが佇んでいた

 

 

 

胴回りの装甲が少なく、非常に軽装なISであるが、しかし両側に浮いているアンロックユニットは宝石の様な輝きを放っている

 

 

 

楯無「それがΔ-ラインか…男女共用を可能にした次世代のISって…私の知ってるのとは違うわね」

 

 

カズマ「これはセカンドシフトした俺のΔ-ライン…自由と平和を望む俺の意思を込めた翼を宿す…フリーダムウイングだ」

 

 

楯無「自由の翼…ね、ならこのミステリアス・レイディに勝てるかしら?」

 

 

カズマは楯無を睨んだ

 

カズマ「勝てるとかそう問題じゃない…勝つ!」

 

 

 

そして

 

 

 

『試合開始!!』

 

 

開始と同時にミステリアス・レイディのランス、蒼流旋からガトリングガンが現れ、乱れ撃った

 

 

カズマは難なく交わしてそして両腰のライフルショーティーを取り出し、ガトリングガンを避けながら撃つ

 

 

楯無「避けながら!?」

 

 

これには流石の楯無も避ける、が…カズマの射撃の隙を見つけてはガトリングガンを放った

 

 

 

カズマ「くっ…(こいつ…!?わずかな隙を…)」

 

 

カズマも回避して射撃しようとするが、その先を読まれているのか避けようとしている先に銃弾が飛び、思う様に自分の戦いが出来ない

 

 

 

 

 

 

観客席

 

 

観客席でデルタ・フォースのメンバー全員が見守っていた

 

 

一夏「馬鹿な…カズマの必勝パターンがああも簡単に…」

 

 

ウィノ「うそ…これじゃカズマが…」

 

 

押されていくカズマを見て心配になるメンバー達であった

 

 

エミリア「技量だけではありません…その戦術においてもカズマさんを上回っています!」

 

 

リディア「嘘でしょ!?あのカズマが一撃を受けた!?」

 

 

龍真「流石は刀奈さん…」

 

拓巳「動きに無駄がない…おまけにカズマの僅かな隙を突いてから一方的に攻撃している…」

 

淕「やはり…カズマさんでは……」

 

 

不安な気持ちを抱えながら見守るメンバーだった

 

 

 

 

 

 

 

 

一方アリーナでは激しい戦いが繰り広げられていた

 

 

カズマ「くっ…」

 

カズマは苦戦を強いられていた…現在ライフルショーティーで一方的に攻撃している様に見えるが、実はカズマの内心は珍しく焦っていた

 

 

カズマ(くっ…何故……何故俺が焦っている!?)

 

普段焦らないカズマが焦っている事に気付いたカズマは一度冷静になって楯無のミステリアス・レイディを見た

 

 

カズマ「普段通りの戦法が通じないのなら…これで!!」

 

 

カズマはビームセイバーを抜刀して右手にビームセイバー左手にライフルショーティーを持って楯無に突っ込んだ

 

 

楯無「は…早い!?」

 

 

 

 

フリーダムウイングの翼が展開し、ハイマットモード(高機動形態)で突っ込むそのスピードは楯無の予想を遥かに上回った

 

 

カズマ「はぁあああああっ!!」

 

 

まずは楯無に一太刀を浴びせ、その後よろけた所をライフルショーティーで追撃したが、楯無の反応が早く、よろけて直ぐに回避した

 

 

楯無「ふふっ…わざわざ近付いて…ありがと…」

 

 

楯無は蒼流旋で近接戦闘を仕掛けた

 

 

それを見てカズマはビームセイバーをもう一本抜刀して連結、アンビテクスハルバートと呼ばれる両刃剣にした

 

 

そして激しい接近戦となった

 

蒼流旋の鋭い突きをカズマのビームセイバーで防ぎ、カズマの不規則な斬撃を巧みに槍で弾き、鋭い突きを連続で放つなどしていた

 

そしてカズマのビームセイバーと楯無の蒼流旋がつばぜり合いとなった

 

 

 

 

 

カズマ「この時を待っていた!!」

 

 

カズマは両腰に折り畳んで搭載されているレールガンを展開、零距離で2門同時にぶっ放した

 

 

当然零距離で放たれるので被弾は避けられない…

 

 

 

カズマ「…馬鹿な…」

 

 

楯無「ふぅ…今のは驚いちゃった♪」

 

 

 

楯無のシールドエネルギーは…減っていなかった…

 

むしろ何かを纏っている様だった

 

 

カズマ「なんだあれは?…水?」

 

 

楯無「そう、このミステリアス・レイディの殆どのパーツは水とナノマシンで出来ているの…この様に水で防御したり…」

 

 

楯無は再び蒼流旋を装備した

 

 

カズマ「あの槍も水だったのか!?」

 

 

楯無「御名答!!」

 

 

再び楯無はカズマに突っ込んだ

 

 

 

カズマ(最早出し惜しみは出来ない…ここは!!)

 

 

カズマのフリーダムウイングの装甲が展開して、その内部フレームが輝いた

 

 

カズマ「Δドライバ…起動!!」

 

 

遂にカズマはΔドライバを発動した

 

 

Δドライバによって機動力は増大し、目視不可能なスピードで楯無に突っ込んだ

 

 

楯無「!?…消えた…きゃあっ!!」

 

 

カズマは楯無の後方を取ってそのまま横凪ぎ一閃を喰らわせた

 

 

楯無「あれがΔ-ラインの単一能力…Δドライバね…確かに速いわ…でも…ハイパーセンサーに捉えられない訳では無いわ!!」

 

 

 

楯無は蒼流旋のガトリングガンをカズマに放った

 

 

しかしその弾丸はすべてカズマには届かなかった

 

 

Δドライバには相手の射撃攻撃を無効化出来る特殊フィールドを張っているからだ

 

 

 

楯無「射撃が効かない!?」

 

 

カズマ「貰ったぁあああっ!!」

 

 

ビームセイバーによる強烈な一撃を与えたカズマだった

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

一夏「あいつ…遂にΔドライバを…」

 

エミリア「勝負に出た…と言うことですね」

 

 

Δドライバは時間制限のハイパートランス(機体強化)である…無論Δドライバが切れたら性能が劣化してしまう…

 

つまりカズマは短期決戦に切り替えたのだ

 

 

龍真「確かに…Δドライバを発動すれば行けるかもしれない」

 

拓巳「遂にあの刀奈さんが負ける姿が見れるのか!?」

 

淕「いや…刀奈さんはそう簡単に負ける人ではないですよ…」

 

 

カズマのΔドライバ発動で盛り上がっている中、ウィノは言い様の無い不安が伸し掛かっていた

 

 

ウィノ(何だろう…この不安…カズマ頑張れ!)

 

 

再び祈るウィノだった

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

戦局は大きく傾いた

 

 

 

 

Δドライバの発動で大幅な機体強化を受けたカズマのフリーダムウイングは楯無のミステリアス・レイディの水の防護シールドの展開が追い付かずにどんどんダメージを受けていた

 

 

 

楯無「くっ…すごい機動性…ISでここまでの速度を出せるなんて…」

 

 

カズマ「逃がさない!」

 

 

更に追撃を仕掛けるカズマ、背部のウイングに搭載されているパラエーナプラズマ収束ビーム砲を構えてぶっ放した

 

 

楯無「それを待ってたのよ!」

 

 

楯無はカズマがパラエーナをぶっ放したと同時にカズマに向けてイグニッションブーストを仕掛け、極太のビームを避けた

 

 

 

カズマ「な!?馬鹿な!!」

 

 

楯無「そこよ!」

 

 

イグニッションブーストの速度を生かした鋭い突きを放った

 

カズマ「くっ…」

 

 

カズマはヴァリアブルアームズを呼び出し、同じくイグニッションブーストで突きを放った

 

 

そして楯無の矛先と、カズマの剣の切っ先が重なって激しい押し合いとなった

 

 

楯無「くっ…ううっ…」

 

カズマ「ぐっ…うおおおっ!!」

 

 

これまで冷静だった楯無も、この押し合いには力を入れているのかその顔が少し歪んでいる

 

 

 

 

その頃管制室ではブライス、リーサ、シュウ、友谷の四人が二人の戦いを見ていた

 

 

 

リーサ「最初はカズマが押されていたけど…Δドライバを発動してから優勢になったのは良いけど…」

 

顎に手を当てて言うリーサ

 

 

シュウ「だが…Δドライバはいつか切れる…それまでに決着を着けなければならないが……あの楯無と言う小娘…何を待っている?」

 

 

ブライス「そうだな…あのISには他にも特殊兵装の一つや二つはあるはずだ…これまではランスによる刺突と銃撃、水とナノマシンを使った防護シールドを使うだけとはな…」

 

 

シュウとブライスがこの戦況を意見し合っていった、最初に二人が驚いたのは、カズマの必勝パターンであるライフルショーティーによる連続での銃撃、回避しながらの銃撃を見破った事である

 

彼のこのパターンは一度入ってしまうと逃れることが出来ない、無数のビーム乱射に正確な射撃、様々な体勢での射撃が相手を惑わせじわじわと削っていくのが彼の戦闘スタイルだ

 

故に遠距離攻撃型であるセシリアのブルーティアーズ、エミリアのインパルスブラストとは相性が良い

 

 

だが彼のこのパターンは大きな弱点がある

 

それは先読みされてしまうと弱いのだ

 

 

回避の向きを先読みされると、回避先に弾丸が迫っている状態ではいくらカズマでさえ正確な射撃ができない…故にずっと回避行動を取り続けなければならないのだ

 

 

 

 

友谷はIS制作者としてこの戦いを見ていた

 

 

友谷(カズマのフリーダムウイングの機動力に着いていけるとは…それよりも水を媒体にしてナノマシンで構築した武器を使うなんて…ロシアはコストパフォーマンスを完全に度外視しているな……だが……水を媒体にしているなら空気中の水分………待てよ!?水蒸気!?)

 

 

そしてカズマが競り合いに勝ち、楯無を大きく吹き飛ばした…だがその時の楯無の顔に笑みが浮かんでいたのを見逃さなかった

 

 

しかしカズマは構わずに突っ込む

 

 

友谷「駄目だカズマ!!行くな!!カズマぁああああああああっ!!」

 

 

 

 

次の瞬間、カズマのISが突然動かなくなった…

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

突然動かなくなったフリーダムウイングに驚いたカズマ、シールドエネルギーを見てもまだ420/860もあるのに動かない機体に焦りを感じているカズマ

 

 

カズマ「な…なんだ…一体…どうしたんだフリーダム!!ぐぁあああっ!?」

 

 

突然爆発に巻き込まれカズマのフリーダムウイングのシールドエネルギーが大幅に減る

 

 

 

 

観客席

 

 

一夏「なんだ!?カズマのISが…」

 

エミリア「止まった!?でも…何で!?」

 

 

リディア「ちょっと!フリーダムはまだエネルギー尽きてないでしょ?」

 

 

突然カズマのISが動かなくなった事に驚くメンバー

 

 

0「大変っぽい!フリーダムのシールドエネルギーがもう120/860だよ!!」

 

龍真「馬鹿な!?まだ400はあった筈だ!!」

 

 

拓巳「まさかあの爆発か?」

 

 

拓巳はカズマが動かなくなった時に不思議な爆発を疑った

 

8「…駄目だ!カズマとの機体にリンクできない!」

 

 

淕「え!?今のカズマさんは…」

 

 

8「俺のサポートが聴こえてない!おまけに動かせない!」

 

ウィノ「そんな…お願い…フリーダム…カズマを…護って…」

 

そう願うウィノの目には涙が浮かんでいた

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

カズマ「がっ…はぁ…何だ…今のは…8!!」

 

 

8に何が起きたのか聞くが返事がない

 

 

カズマ「8?どうしたんだ8!?」

 

 

楯無「無駄よ、ミステリアス・レイディの広範囲結界陣、沈む床(セックヴァベック)よ…どう?空間に沈む感覚は?それにさっきの爆発は清き情熱(クリア・パッション)よ」

 

 

カズマ「くっ…フリーダム!!」

 

 

動かそうとするが動かない…それよりもどんどん沈む感覚が強くなる

 

 

楯無「諦めなさい…それにしても君は凄いわ…流石IS学園最強って噂もわかるわ…でもごめんなさいね…私は更識の当主…そしてここの生徒会長…だから……負けられないのよ!!」

 

 

楯無は叫びと共に右手を振り上げた

 

清き情熱(クリア・パッション)で止めを刺す気だ

 

 

 

カズマ「動け……動いてくれ!!」

 

 

必死に機体に語りかけるカズマ

 

 

カズマ「動いてくれぇえええっ!!フリーダムウイングゥゥゥッ!!」

 

 

そう叫ぶ彼の目はハイライトが消え、生気がなかった

 

 

そして彼の機体のディスプレイに

 

 

 

シンクロ率200%…Δドライバ…オーバードライブ

 

 

 

 

ΔTRANS-AM Standby…

 

 

 




この戦いの結末は!

次回へ続く!!


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第三十九話 ΔTRANS-AM

更新遅くなりました

所謂SW休暇です…すみません


楯無のナノマシンと水を応用した結界陣によって拘束され、身動きが取れないカズマ

 

 

カズマ「動いてくれ!!フリーダムゥゥウウウウウウ!!」

 

 

 

そして彼のSEEDが発動と同時に

 

 

 

 

 

シンクロ率200%…Δドライブ、オーバードライブ

 

ΔTRANS-AM Standby

 

 

 

 

 

 

そしてカズマを中心に大爆発が発生した

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

 

ウィノ「カズマァアアッ!!…そんな…」

 

 

カズマを中心に大爆発を起こした楯無、これで恐らく決着は着いただろう

 

その光景を見たメンバー達は声が出なかった

 

一夏「ふざけんな!!俺はまだお前に勝ってないんだぞ!!勝手に負けんじゃねえ!!カズマぁああああああああっ!!」

 

 

 

一夏が叫んだ次の瞬間

 

 

楯無の機体が大きくその場から吹き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

楯無「ぐっ……何!?」

 

 

楯無が見たのは…

 

 

全身を蒼いオーラで包み、蒼く発光しているカズマのフリーダムウイングだった

 

 

楯無(何!?確実に仕留めた筈)

 

 

楯無はもう一度清き情熱(クリア・パッション)で攻撃する

 

 

しかし爆発したと同時に彼の姿が消えたのだ

 

 

楯無「消えた!?一体何処に!?」

 

 

 

ハイパーセンサーを駆使して辺りを見渡すが…いない…

 

気配も感じないのだ

 

 

楯無「何処!?何処なの!?…がっ!!」

 

 

楯無は背部に攻撃を受けた

 

 

楯無が後ろを振り向くと…

 

 

カズマのフリーダムウイングが刀身が巨大化したビームセイバーを装備していた

 

 

楯無「調子に乗らないで!!」

 

 

楯無は蒼流旋のガトリングガンを乱射した

 

しかし弾が当たる寸前にカズマのフリーダムウイングは上昇した

 

 

カズマ「そこだ!!フェザーファンネル!!」

 

フリーダムウイングの背部の翼の先端部分が分離して、八つのビットが不規則な動きをしながらビームを乱射し、またカズマもバスターライフル二丁を装備してぶっ放した

 

 

楯無「八基の自立機動兵器!?」

 

それはセシリアのブルーティアーズのビット、淕のライフルビットより二基多い…更にこれはAIではなく、本人の脳波で動いている。

 

 

ライフルショーティーの乱射とは比べ物にならないビットとバスターライフルの猛烈なビームの嵐は楯無に反撃の隙を与えなかった

 

 

楯無「なんて弾幕…とにかく今はビットのエネルギー切れを…」

 

 

楯無はひたすら避ける事に専念してビットのエネルギー切れを待った

 

 

 

 

カズマ「はああああっ!!」

 

 

楯無「しまった!?」

 

 

 

ビットの猛攻から逃げ続けていた楯無は正面にいるカズマに気付かず、ビームセイバーの一閃を受けた

 

 

楯無「がっ…はっ…はぁはぁ…」

 

 

先程まで優勢だった楯無は一気にピンチになった

 

自機のシールドエネルギーは残り少ない…

 

一撃を受ければ確実に負けである

 

 

楯無「くっ…でもまだよ!って…あれは!?」

 

 

 

楯無が見たのはハイマットフルバーストの体勢に入ったカズマだった

 

 

フェザーファンネルもカズマの周辺に停滞してその砲口を楯無に向けた

 

 

楯無「ちょ…ちょっと待って!!」

 

 

カズマ「ハイマット…フルバースト!!」

 

 

フェザーファンネルの一斉射撃とパラエーナ、レール砲、バスターライフル二丁の計16の光線は無慈悲に楯無へと向かった

 

 

 

楯無「くっ…」

 

 

楯無は水の防護シールドを再び纏った

 

 

そしてハイマットフルバーストと楯無の水の防護シールドがぶつかったが…

 

 

 

 

PPpppppp!

 

 

ここで試合終了のブザーが鳴った

 

 

 

カズマ「?…何だ?」

 

 

 

あまりの出来事にハイマットフルバーストの照射を止めたカズマ。それと同時に機体の輝きが収まった

 

 

楯無「…へ?…そ…そんな…」

 

 

一方の楯無は放送席を見てガクガク震えていた

 

 

 

「そこまでだ、この試合はこれにて終了」

 

 

 

放送席から流れた声が男の声だった

 

 

カズマ「誰だ?…ブライス隊長でも…シュウ大尉でもない…」

 

 

一方観客席

 

 

一夏「あれ?…終わったのか?」

 

 

ウィノ「終わった…の?」

 

エミリア「みたい…ですね…?」

 

 

リディア「何?この冴えない終わり方…」

 

 

突然放送が鳴り、試合が終わった事に戸惑う一夏達、若干一名文句を言ってるが…

 

 

しかし龍真達は冷や汗をかいていた

 

 

拓巳「お…おおおおい!?この声…もしかして…」

 

淕「もしかしてじゃないですよ!絶対ですよ!!」

 

 

龍真「兄…さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

楯無「颯真さんんんん!?」

 

 

楯無は盛大に叫んだ…いや悲鳴を上げた

 

 

 

 

 

 

 

放送室の中にいたのは龍真・R・神崎の兄、更識の従者の現当主である颯真・R・神崎である

 

 

(モデルはガンダムSEEDのキラ・ヤマト)

 

 

 

 

優しい雰囲気の顔立ちであるが何処か芯の強さを醸し出している…

 

 

一般のスーツを着ているが…彼はデルタ・フォース日本基地責任者である

 

 

颯真「刀奈…おっと…今は楯無だっけね…駄目じゃないか…彼は軍人だよ?もし機体やアーディガン中尉にもしもの事があったら僕が責任取らされちゃうから…」

 

 

優しい口調で言っている颯真だが…その声は何処か苛立ちを含んでいるような感じである

 

 

楯無「ご…ごめんなさい!!だ…だから…その…あれは…」

 

先程まで威勢があった楯無が、颯真の登場で一気に怯えて震えていた…しかも今の楯無は涙目になっている

 

 

颯真「ふふ…まあ…彼氏として別れたりはしないよ…安心して」

 

 

 

楯無「ちょ!?颯真さん!?」

 

 

 

 

カズマ「彼氏?」

 

 

 

 

 

「「「彼氏ィィィイイイイイ!?」」」

 

 

この突然の告白にアリーナの観客は一斉に叫んだ

 

 

その中心にいたカズマは耳を押さえていた

 

 

 

楯無「颯真さん!!なんて事を…」

 

颯真「今の君にはこのくらいのお仕置きじゃ不十分だなぁ……虚に説教を頼んであるから心して聞くように」

 

 

楯無「そ…そんなぁ…」

 

 

ガクッと項垂れる楯無だった

 

 

カズマ(あの変人生徒会長をあしらっている……)

 

カズマはウザいと思っていたあの楯無を一瞬で屈服させたあの颯真と言う男に興味が湧いた

 

 

突然アリーナのディスプレイに颯真の顔が映し出された

 

 

颯真「さて…自己紹介しないとね…僕は颯真・R・神崎…今日から四組の担任になる者でデルタ・フォース関係の人だよろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「キャアアアアアアアアアアアアア!!」」」」

 

 

 

 

再びアリーナの観客が一斉に悲鳴を上げた

 

 

 

 

と同時にため息を付く人間もいる…彼の担任の四組の生徒は最早超ハイテンションである

 

 

 

颯真「ささ…この試合は終わり、両者それぞれピットに戻って帰ること良いね?」

 

 

楯無「は…はい!」

 

 

カズマ「了解…」

 

 

 

両者はそれぞれのピットに戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

自分のピットに戻ったカズマはピットにいた友谷に何かを聞こうとした

 

 

友谷「言わなくてもわかるよ…ΔTRANS-AM(デルタ・トランザム)について…だよね?」

 

カズマ「ΔTRANS-AM?」

 

 

友谷「ディスプレイに映ってた筈だよ…見なかったのかい?」

 

 

その時のカズマは楯無の拘束陣から抜け出そうと必死だったのだからディスプレイなど見ていないだろう

 

 

 

友谷「実はね…このΔTRANS-AMは他のΔ-ラインには搭載されていないんだ…」

 

 

カズマ「何!?俺だけの…いや…フリーダムウイングに!?」

 

 

友谷「カズマ…君のフリーダムウイングは一から設計したのは僕じゃないんだ…その機体は…ブレスフィールド・アーディガンと風鳴茜(あかね)が二人で基礎設計を図面で残していたんだ」

 

カズマ「父さんと…母さんが…?でも何でだ!?父さんと母さんはアイルランドにいたんだぞ?」

 

突然親の名前が出てきて慌てるカズマ

 

親はアイルランドにいた筈なのに何故アメリカのΔ-ラインの機体を図面で残していたのか…

 

 

友谷「実はね…当時の技術でこのフリーダムウイングを完成させるのは不可能だったんだ…勿論Δドライブを発案したのは君の親だけど…数基開発しただけで結局量産化には至らなかったんだ…。そしてアーディガン夫妻はアイルランドのとある技術研究所にスカウトされたんだ」

 

 

カズマ「そうか…それなら辻褄が合うな…」

 

内心ほっとしたカズマであったが、一方の友谷は冷や汗をかいていた

 

 

まだカズマに真実を知らせてはいけないからだ

 

 

何れわかってしまうのだが友谷はまだ隠すつもりだ

 

 

友谷は一度咳払いをして再び話し出した

 

 

友谷「結論を言うとね、Δ-ラインの生みの親は僕じゃない…君の親なんだ。まあ…強化アーマーを考えたのは僕だけど…このフリーダムウイングは君の親が設計したと言う事は覚えていて」

 

 

カズマ「ああ…わかった…」

 

カズマは胸のペンダント握った

 

 

カズマ(父さん…母さん…安心して…フリーダムは大事に使うから…)

 

 

 

そう心の中で呟くカズマだった

 

 

 

友谷「さて、随分と遠回りしちゃったけど君が知りたい事に入ろうか…まずΔTRANS-AMはΔドライバとは違って発動するには登場者とISのシンクロ率をΔドライバの倍、200%にしないと発動しないんだ…」

 

 

カズマ「200%…あの時そんなに上がっていたのか?」

 

 

発動した時は楯無の拘束陣で捕らわれていた頃だった

 

 

友谷「その時は思わず行くな!って行っちゃったけどね……でもその時君はフリーダムの名前を思いっきり叫んだでしょ?恐らくだけど君の意思とISが完全にシンクロしてΔトランザムが発動したんだと思うよ…でも未だに成功した事例がなかったから内心怖かったけどね…コアが熱暴走して爆発しちゃうじゃないかって…」

 

 

 

カズマ「涼しい顔で物騒な事を言うな…少しビビったぞ…」

 

 

実際に熱暴走して爆発したら勿論カズマは無事では済まないだろう

 

そんな事を涼しい顔で言う友谷はあの篠ノ之束の弟子なのだろう

 

 

 

友谷「主な効果はΔドライバとほぼ同じだけど…でもあのΔトランザムでカズマの機体が一時的に三次移行(サード・シフト)するなんてね…」

 

 

カズマ「三次移行!?一時的にって事は今は…」

 

 

友谷「そう…これも想定外なんだけどね…今はフリーダムウイングのままだけどこのΔトランザムを発動している時は一時的に機体が進化するんだ…その時は背部のウイング部分が展開して先端部分が分離出来る【フェザーファンネル】が使用可能なんだ…でもアーディガン夫妻がここまで設計していたのは良いとしてこの形態での名前がわからないんだよね…どうしようかな…」

 

 

 

 

どうやらこの三次移行はまだ名前が決まっていないらしい…

 

すると突然

 

 

 

 

カズマ「トランザム発動中になるから…【Δ-ライン・トランザムフリーダムウイング】ってのはどうだ?」

 

 

 

友谷「良いかもね…あ、後でこの形態での武装のデータを送…」

 

 

 

カズマ「いい、さっきの戦いで全部見た」

 

 

 

友谷「そうかい…わかったよ…じゃあお疲れ様…苦戦して疲れたと思うからゆっくりと彼女に癒されなよ?」

 

 

カズマ「……そういう事言うな///」

 

 

顔を真っ赤にしてそっぽ向くカズマ

 

 

やがて友谷がピットから出て行き、その場に一人になったカズマ。

 

 

待機状態の自分のISを見つめ、静かに話し掛けた

 

 

カズマ「フリーダム…お前…父さんと母さんが作ったISだったんだな……道理で扱い易い訳だよ……父さん…母さん……ありがとう…」

 

 

その場に座り込んだカズマ…目には涙が浮かんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ デルタ・フォース総司令室

 

 

ダン「そうか…颯真が日本に着いたか…うむ……報告ありがとうブライス」

 

ブライス『はっ…では失礼します』

 

 

夜の時刻、デルタ・フォース総司令官ダン・マクガバンが定時報告の電話を受け取っていた

 

 

秘匿回線で繋がっている電話の受話器を戻してため息を着いたダン

 

 

 

ダン「……」

 

 

ダンは机の引き出しを開けて一枚の写真を取り出した

 

 

そこには若かりし頃のダン・マクガバンと当時の自分の妻、そしてもう一組のカップルがいた

 

 

どうやら学校の卒業式の時に撮ったものだろう…もう一組のカップルの卒業証書の名前に【ブレスフィールド・アーディガン】【風鳴茜】という文字が…カズマの親である

 

 

ダン「ブレス…お前の息子はよくやっているぞ…出来るならお前の設計したフリーダムウイングが一生あの子の盾となってくれれば良いが…」

 

 

 

そう言ってダンは写真をしまって再び業務へと戻った

 

 

 

 

 

 

 




三次移行の時のフリーダムウイングのバックパックはストライクフリーダムだと思ってください


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第四十話 祭りの気配

更新遅くなりました

ちょっとしたスランプです


先日のIS学園生徒会長、更識楯無との一戦を終えて朝の6:00

 

 

いつものようにカズマはウィノに抱き着かれて眠っているが…実は寝る前にウィノに説教された

 

 

 

 

 

 

 

昨日 20:00

 

 

食堂で夕食を食べ終えたカズマ達はそれぞれの部屋に戻っていった

 

 

部屋に戻ったカズマはいきなりウィノにベットに座らされて、その向かいに彼女が座る形となった

 

 

ウィノ「カズマ…反省してるの?」

 

 

反省とは楯無との試合の事である…無茶をして危ない目に会い彼女を大変心配させた事である

 

 

カズマ「ああ…それに関しては……すまない…」

 

 

ウィノ「もう…無茶をする事はわかっているけど…限度があるわよ…」

 

 

カズマの無茶は昔から始まって、クールな外見とは思わない非常にワイルドな事を仕出かす事もある

 

その度にウィノは毎回肝を冷やしたり心配しているのだ

 

 

 

 

 

カズマ本人には自覚症状が無い為余計に悪いのだ

 

 

 

 

 

カズマ「本当にすまない…次から気をつける」

 

 

 

ウィノ「約束だよ?」

 

 

カズマ「勿論」

 

 

 

 

 

 

そう言ってお互いキスをしていつものように抱き合って寝た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日の6:00早く起きたカズマは隣で眠っているウィノを起こした

 

 

 

そしていつも通りに食堂で朝食を済ませて教室へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室ではクラス代表である一夏の妹、春香が教壇に立って文化祭の出し物をクラス全員と決めていた

 

 

しかしその内容にカズマと一夏は表情を歪めた

 

 

 

 

 

 

「カズマと一夏のデート大会」

「カズマと一夏の執事喫茶」

「カズマと一夏のプリクラ」

 

 

 

 

カズマ・一夏「却下ァァァァァッ!!!」

 

 

二人の飛び蹴りが春香の顔面にクリティカルヒットした

 

 

春香「ぐはっ…き…強烈な飛び蹴り……って駄目なの!?」

 

 

カズマ「ああ、却下だ!」

 

一夏「何で俺達限定なんだよ!理不尽すぎるだろ!!」

 

 

一方的な出し物に真っ向から拒否するカズマと一夏

 

春香「一年一組の超イケメン二人を利用しないで何時利用するの?今でしょ!!」

 

 

カズマ「とにかく俺はやらん…」

 

一夏「同じく…」

 

断固として拒否する態度を見せる二人

 

しかしそんな二人に助け船が…

 

 

ウィノ「ねぇ春香…あたし達もカズマを商品っぽく扱われると困るんだけど…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

エミリア「一夏様は嫌と行ってるのですよ?本人の意思を無視するんですの?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

二人とも笑ってはいるが…目が笑ってない…むしろ危ないオーラを醸し出している

 

 

春香「わ、わかった!今すぐ変えるから!!ね、だから…」

 

 

その恐ろしいオーラを感じたのか慌てて今まで出ていた案を急いで消す春香だった

 

 

春香「さっき言った以外に出し物無いの!?」

 

 

 

クラスの皆が考える中、意外にもラウラの手が上がった

 

 

ラウラ「メイド喫茶等はどうか?」

 

 

春香「メイド喫茶?」

 

 

ラウラ「メイド喫茶ならメイドの格好になれるし、もし男子だったら執事の格好すれば良いではないか?」

 

 

淡々と説明するラウラ、次第にクラスの皆から賛成の声が上がる

 

 

 

 

春香「お兄ちゃん達は?結局執事の格好になるけど…」

 

 

一夏「皆がメイドの格好になるのに俺達だけそうしないのはおかしいよな?」

 

カズマ「はぁ…仕方無い…やるか…」

 

 

女子全員コスプレをするなら男子もしなければならないと思ったのか渋々了解するカズマ達男子…

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

 

 

昼休み、食堂にて何時も通り代表候補生メンバーとデルタ・フォースメンバーが食事を取っていた

 

 

シャルロット「へぇ~四組はゲームセンターなんだ」

 

淕「友谷君に言ってリィンフォース社で開発したゲーム機数基を設置する予定ですよ」

 

 

拓巳「だからこっちはゲーム機置くのと内装だけ」

 

 

 

 

セシリア「良いですわね…準備に手間が掛からなくて」

 

 

比較的準備に手間取らない四組の出し物に羨ましいと思う四組以外のメンバー

 

 

龍真「そちらはなんだ?カズマ」

 

カズマ「こっちはメイド喫茶だ…女はメイド、男は執事になるらしい」

 

 

鈴「へぇ~一夏あんた執事になるんだ?」

 

鈴が一夏をからかう様に話し掛けた

 

一夏「るっせぇ…女子全員がメイドの格好して俺達だけそうしないのはおかしいと思っただけだ」

 

リディア「ちゃんと出来るの?女の子にあんな事やこんなことまでされるのよ?」

 

 

エミリア「あんな事や…こんな事?」

 

 

リディア「それはね…ゴニョゴニョ…」

 

 

リディアはエミリアに耳打ちして話した

 

 

 

エミリア「はうっ!!」

 

 

 

ここからはエミリアの妄想である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「お嬢様…」

 

 

エミリア「一夏様!?どうして私の執事に!?」

 

 

一夏「お嬢様…今の私に様等は不要です…どうか呼び捨てでお呼びください…」

 

 

 

 

 

妄想エンド

 

 

 

エミリア「はぅあっ!!(ぷしゅうううう!!)」

 

 

リディアの話と妄想が終わるとエミリアの顔から湯気が大爆発した

 

 

一夏「リディア!変な事を教えるな!」

 

 

リディア「良いじゃない、初なエミリアをからかっただけじゃない」

 

 

ラウラ「なるほど…これがクラリッサの言っていた初な女なのか」

 

 

一夏「納得するな!今すぐ忘れろ!!」

 

 

リディアのからかいに顔を真っ赤にして湯気を爆発させるエミリア、それを見て突っ掛かる一夏、更に追い討ちにラウラまでからかうというカオスな状況となった

 

 

 

簪「龍真の執事姿見てみたいかも…」

 

ここで龍真の彼女、簪がぼそっと呟いた

 

龍真「俺のか?」

 

 

簪「うん…駄目かな?」

 

 

そう言って上目使いで龍真を見る簪

 

 

龍真「出来れば簪の要望に答えたいが…俺達は自分のクラスの出し物があるだろ?」

 

 

簪「あ…そうだよね…」

 

 

簪は自分のクラスの事を思い出して龍真の執事姿を諦めかけた…

 

 

 

 

春香「いたぁぁぁぁああああっ!!イケメン集団はっけぇえええん!!」

 

 

 

と食堂の入り口から春香、静寐、清香、本音の四人が猛スピードでカズマ達のいるテーブルに突撃してきた

 

彼女らはメイドの衣装と執事の衣装を選定していたのだ

 

 

 

箒「一体どうしたのだ?そんなに息を荒げて…」

 

セシリア「一人に至っては寝ていますわよ?」

 

 

本音「Zzz…」

 

 

本音は清香におぶってもらう形で眠っていた

 

 

清香「メイドの衣装を決めていたら本音がいつの間にか寝ちゃって…」

 

 

静寐「お陰でこっちは大変だったよ……そこで!!イケメン集団…」

 

 

カズマ「…|д゚)チラッ」

 

一夏「…|д゚)チラッ」

龍真「…|д゚)チラッ」

 

拓巳「…|д゚)チラッ」

 

淕「…|д゚)チラッ……?」

 

カズマから次々と左を向いて淕が右を見るとシャルロットになったので改めて見渡すと

 

「「「「俺(僕)ら?」」」」

 

シャルロット「そうだよ!!ってか今の何!?なんか漫画でありそうなシーンだけど!!」

 

 

春香「まぁ…そんな事はさておき、あたし達が選んだメイド服を男子に見てもらいたいの」

 

 

一夏「何で俺達に見せるんだよ?」

 

 

水を飲みながら質問する一夏

 

 

春香は腰に手を当てて

 

 

春香「男はメイド服の女の子に萌えー!!の感情になるじゃない!?」

 

カズマ「1/3の純○な感情ってか?」

 

 

シャルロット「それ違う!!他作品の!!てかそれ曲名!!」

 

 

 

春香「まあ…統計的には1/3じゃなくて2/3だけどなぁ…」

 

シャルロット「重ねなくて良いでしょ!?なんで関係ないとこ引きずるの!?」

 

 

ウィノ「私のカズマに対する感情は100%よ!!」

 

 

シャルロット「もう良いでしょ!?そのネタ!!最早分数じゃないよ!!」

 

 

 

ボケが飛び交うなかシャルロットのツッコミが炸裂する

 

シャルロット「あれ…僕って本当にツッコミキャラなの?」

 

 

そうなりますねぇ…メガネの某ツッコミキャラから指導を受けなさい…

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

ウィノ「ねぇ…カズマ達に見せる前にあたしに見せてよ」

 

ウィノは春香の持っていたメイド服を見た

 

 

ウィノ「うーん…なんか普通過ぎない?ほら」

 

 

そう言ってカズマ達に見せるウィノ

 

 

 

メイド服は一般的なメイド服で、オーソドックスな物だった

 

 

拓巳「いやいやメイドの衣装ってこんなもんだろ?」

 

 

ウィノ「それだとあたしが許さないのよねぇ…もっと可愛くしないと♪」

 

 

カズマ「始まった…アイツのファッションタイムが…」

 

 

 

カズマの言うファッションタイムはウィノが服を見る際に可愛くアレンジする為に部屋中のファッション雑誌を一時的に漁るのだ

 

 

そして今回

 

 

ウィノ「よいしょっと!」

 

 

鞄から数十冊のファッション雑誌が取り出された

 

 

シャルロット「多っ!?どんだけ持ってるの!?」

 

 

鈴「あ!?この雑誌最新号じゃん!!良いなぁ…」

 

 

鈴が雑誌を見て羨ましがる

 

 

ウィノ「だったら貸してあげる!」

 

鈴「良いの!?ありがとー!!」

 

 

貸してくれる事にテンションが上がる鈴

 

 

箒「凄い種類だな…これもファッション雑誌なのか?」

 

 

箒はウィノのファッション雑誌に目を奪われていた

 

 

ウィノ「箒は普段ファッションしないの?」

 

 

箒「いや…私は普段着物しか着ないから…」

 

 

箒の実家は剣道道場でこれと言った私服は持ってない、幼い頃から着物で寮生活でも着物を着用するのだ

 

 

ウィノ「えー!もったいなーい…じゃ今度の休みに女子全員でファッションしに行こうよ!」

 

 

セシリア「ぜ!全員ですの!?」

 

 

ラウラ「何故か私も含まれてる!?」

 

 

シャルロット「もうメチャクチャだよぉ…」

 

 

鈴「よっし!さんせーい!!」

 

 

春香「面白そー!!あたしも良い!?」

 

 

清香「あ、あたしも良い?」

 

静寐「私も良いかな?」

 

 

 

 

女子がファッション談義で盛り上がる中、男子達は

 

 

カズマ「はぁ…」

 

 

一夏「また始まった…」

 

 

拓巳「ウィノは一度暴走すると終わるまで止まらないからなぁ…」

 

 

淕「おまけに春香ちゃんまで混ざってるし…」

 

 

リディア「いいじゃない…元気なのは良い事だしさー」

 

気だるそうに伸びをするリディア

 

龍真「リディア…お前は参加しないのか?」

 

 

リディア「あたしファッションとか興味無いのよね…普段ジャージだし」

 

0「流石デルタ・フォース一のガサツ女」

 

 

リディア「ガサツって言わないでくれる!?」

 

 

 

ウィノ「リディア~?普段ジャージで過ごしてるのぉ?」

 

 

リディア「げっ!…い、いやぁ…その…」

 

 

 

ウィノに詰め寄られてたじろぐリディア

 

 

ウィノ「はいリディア参加けってーい!!!」

 

 

リディア「ちょっと!?あたし参加するって一言も…」

 

 

エミリア「リディアさん…あとで部屋見せてもらいますね…」

 

 

 

リディア「へ…部屋は…ちょっと…」

 

エミリア「どうしてですか?部屋が散らかってるかどうか見るだけですよ?デルタ・フォースの宿舎は酷い有様でしたから」

 

 

 

 

 

そう…リディアはガサツな女らしく、部屋がいつも散らかっているのだ

 

 

あの千冬の部屋並みに散らかっており、更にそこいらに服が脱ぎ捨てられているわ、足の踏み場が無いわとにかく酷い

 

 

一度セカンドチームの隊長シュウに注意され、すべて片付けたが物の二日経ったらまた元に戻っていた

 

 

 

 

 

 

0「これが今朝のリディアの部屋だよ!!」

 

 

0がディスプレイにリディアの無残に散らかっている部屋を映した

 

 

 

 

鈴「うわ…」

 

 

セシリア「な…なんですの…これ…」

 

 

ラウラ「酷い有様だな…」

 

 

箒「これぞ本当のゴミ屋敷だな」

 

 

シャルロット「ここまで散らかってるの初めてだよぉ…」

 

 

春香「うわ…お姉ちゃんと同じ…いやそれ以上かも…」

 

 

簪「片づけしないと…」

 

 

 

 

リディアの部屋を見たメンバーは全員ドン引きした

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ウィノが清香達と一緒に食堂を後にした

 

 

本音は未だに眠ったままである…

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ文化祭の日を迎えた

 

 

 

 

 

 

 




ここで質問!!

あなたは誰のメイド姿が一番萌えますか!?


答えは感想にて!


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第四十一話 披露会

投票はまだ続きます!

誰のメイドが萌えるのか、投票お願いします


文化祭当日

 

 

一年一組の出し物はメイド&執事喫茶となった

 

 

その一組の教室内、二人の男子が執事の姿になってテーブルや椅子の準備していた

 

 

 

 

 

カズマ「全く…女子共は何やってる…男にこんな面倒な事を…」

 

 

一夏「鷹月さん…配置の紙しか渡さないし…この後どうするんだよ…」

 

 

 

 

静寐から渡された紙を見ながらテーブルや椅子を配置して、その上に箸やテーブルクロス等を置いてとりあえず一通りの作業は終わった

 

 

 

 

拓巳「ありゃ?お前らだけか?」

 

そこに四組の龍真、拓巳、淕がやって来た

 

 

カズマ「良いよな、お前らは昨日で作業終わってんだから…」

 

龍真「ウィノ達女子はどうした?」

 

 

龍真が辺りを見渡しても女子達がいない事に気付いた

 

 

一夏「着いた時からいないんだよ、それに置き手紙と執事服まで用意してた」

 

 

カズマと一夏の執事服はオーソドックスなタイプだがカズマの場合は上がコートになっている

 

 

淕「あのカズマさん何でコートを合わせるんですか?」

 

カズマ「あ?この方が良いだろ?」

 

 

拓巳「いや既に暑苦しいんだけどさ…普段の制服もコートだよな?」

 

 

カズマは無類のコート好きなのである

 

 

特にクローゼットには10着以上はあるとか…

 

 

 

龍真「しかし中々様になっているのではないか?」

 

 

一夏「そうか?そんな…」

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「ごめーん!!カズマ!!一夏!!、準備出来たよー!」

 

 

と教室の外からウィノの声が聞こえてドアが開いた

 

 

 

カズマ「全く…何処に…」

 

 

カズマの言葉が途中で止まった

 

何故なら

 

 

 

ウィノ「お帰りなさいませ、ご主人様❤」

 

 

ウィノはメイド姿だったのだ、それも普段のメイド服よりスカートを短くしている

 

おまけにそして頭に猫耳カチューシャをつけて猫の手でポーズを取っていた

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「萌えェエエエエエエエエエ!!」

(ゴガッ!!)

 

突然カズマが絶叫と共に後ろにぶっ飛び、黒板に頭をぶつけて気絶した

 

 

 

 

拓巳「ちょ!?カズマどうした!?」

 

 

龍真「バズーカに吹き飛ばされた様な感じであったな…」

 

 

一夏「お前…意外とそう言う一面あるんだな…」

 

 

 

気絶したカズマに苦笑いの男子

 

 

 

エミリア「い…い…一夏…様…」

 

 

今度はエミリアの声が聞こえた

 

 

一夏「おう!エミ…リ…ア…」

 

 

一夏も言葉が途中で止まった…

 

 

彼女もウィノと同じくミニスカートのメイド服で同じく猫耳、さらに恥ずかしいのかその顔が真っ赤に染まっている

 

 

ウィノ「ほらほら、練習したあれ」

 

エミリア「ふぇっ!?わ…わかりました…」

 

 

エミリアは猫の手ポーズを取りながら

 

 

エミリア「お…お帰りにゃさいませ……ご…ご主人様ぁ……」

 

 

 

エミリアの台詞が終わった瞬間

 

 

 

一夏「萌えェエエエエエエエエエ!!」

(ゴガッ!!)

 

 

 

 

一夏もカズマ同様絶叫と共に後ろにぶっ飛び、黒板に頭をぶつけて気絶した

 

 

拓巳「ってお前もかいィイイ!!」

 

 

淕「カズマさん達がこうも一撃で…」

 

 

春香「あれ?淕?来てたの?」

 

 

と春香の声が聞こえた

 

 

淕「うん、自分の所が終わったからそれ…で…」

 

 

淕も言葉が途中で止まった

 

 

何故なら

 

 

春香のメイド姿に目を奪われていたからだ

 

 

春香「淕、大サービスだよ?…お帰りなさいませ、ご主人様❤」

 

ウィンクしながらお決まりの台詞を言ったら

 

 

 

淕「春香ちゃん萌えェエエエエエエエエエ!!」

(ゴガッ!!)

 

 

 

淕も絶叫と共に後ろにぶっ飛び、黒板に頭をぶつけて気絶した

 

 

拓巳「おいおいおいおい!なんだこの破壊力は!?」

 

 

龍真「人を一撃で気絶させるとは…」

 

 

拓巳は三人が気絶に驚いており、龍真は何故か感心していた

 

 

簪「あ……龍真…」

今度は簪の声が聞こえた

 

 

 

龍真「ん…簪…か…」

 

龍真は言葉が途切れた

 

簪のメイド姿に目を奪われていたのだ

 

 

拓巳「簪、何油売ってんだよ?こんな所で…」

 

 

簪「ち…違うの!これは…その…ウィノが…龍真に見せてあげなよ…って言われたから……」

 

 

徐々に赤くなる簪の顔

 

 

ウィノ「ほーら!練習したあれやってみよー!!」

 

 

カズマを膝枕しているウィノが簪に指示した

 

 

 

簪「……龍真……違った……お…お帰り…なさいませ……ご主人様❤…」

 

簪はスマイルで猫の手ポーズを取ってお決まりの台詞を言った

 

 

 

龍真「萌えェエエエエエエエエエ!!」

(ゴガッ!!)

 

簪「え!?龍真!?」

 

 

先程の三人同様、絶叫と共に後ろにぶっ飛び、黒板に頭をぶつけて気絶した

 

 

 

拓巳「って…何でお前らが気絶すんだよ!?おまけに安らかな表情しやがって!!」

 

 

気絶した男子はみんな彼女に膝枕されており、その顔はとても安らかな表情であった

 

 

リディア「ちょっと男子、サボんないでよ……って何これ?」

 

四組の教室からリディアが現れたリディア、カズマ達が倒れている惨劇をみて顔が引きつった

 

 

 

拓巳「見ての通り…彼女持ちの男子が彼女の可愛さに撃沈したのさ」

 

 

リディア「あっ……そう言うこと…」

 

 

 

それから暫く経って今回の一年一組の出し物の仕切り役の静寐が現れてカズマ達を気絶から回復させた

 

 

 

 

静寐「どうだった?愛しの彼女達のメイド姿は?」

 

 

「「「「気絶するくらいに可愛かった!!」」」」

 

 

と静寐の質問に四人ハモって答える

 

それを聞いて嬉しがったり、赤くなる彼女達

 

 

 

拓巳「くそっ…リア充爆発しろーーーーーーーー!!」

 

 

 

拓巳は絶叫と共に教室を飛び出して何処かへ行ってしまった

 

 

 

リディア「そっか…彼女いないのあいつだけだったわ…」

 

ウィノ「そう言うリディアだって彼氏いないじゃん」

 

 

リディア「あたしの場合は見つからないの…と言ってもカズマ見てもただイケメンだなーって思っただけよ」

 

 

リディアの場合、そろそろ恋愛したいと思っているのだが…いまいち自分に合う彼氏が見つからないのだ

 

ほとんど彼女の千冬に勝るとも劣らないガサツ過ぎる生活態度が災いしてるのが原因だと思う……ごふぁっ!?

 

 

リディア「ガサツ言うな作者!片付けるのが面倒なだけよ!」

 

 

それをガサツって言うんじゃ………いや、すみません…

 

 

閑話休題

 

 

静寐はとある一枚の紙をカズマ達に手渡した

 

 

カズマ「何?」

 

 

静寐「何ってPVよ!ここはやっぱりイケメンが行かないとね!じゃリハーサル行くわよ!!」

 

 

一夏「おい!!言わせろよ!って駄目だ…カズマやるしかないぞ…」

 

 

カズマ「その様だな…」

 

 

 

 

 

 

 

そして開店の挨拶のリハーサルが行われた

 

 

 

 

 

 

 

 

静寐「はい、スタート!!」

 

 

 

まるで映画の監督みたいにメガホンを片手に仕切った

 

 

 

ここからカメラ目線

 

 

一年一組の扉が開いて優雅なシャンデリアの灯りの下にメイド達と二人のイケメンな執事がいた

 

 

カズマ「ようこそ…」

 

一夏「一年一組、メイド&執事喫茶に…」

 

 

二人の執事が白い薔薇、蒼い薔薇を手に持っていた…勿論造花だ

 

 

 

一夏「今日は祭りが終わるまで返さないよ?お嬢様」

 

カズマ「hotでcoolなpartyの始まりだ…」

 

 

 

そして何時の間に準備したのか頭にハンドルをつけたブライス隊長が四つん這いになっている背にカズマが股がり

 

 

 

カズマ「Here we gooooooo!!Lets!!partyyyyyyyyyyyyyyy!!」

 

 

 

OKェエエエエエエエエエエエエエエッ!

 

まるで何処ぞの奥州筆頭の様な…

 

 

 

 

カズマ「じゃねぇぇぇぇえええええだろぉおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

何処から取り出したのかわからないバズーカをみんなに向けてぶっ放したカズマ

 

 

 

 

カズマ「何で執事がレッツパーリィーしなくちゃならねぇんだよ!?そんでなんで隊長がハーレーゴリットソンになってんのぉぉおおおお!?」

 

 

 

立ち込める煙から静寐は体に着いた煤を払いながら

 

 

静寐「やっぱりバッチリじゃん!!よし!これを出そう!!」

 

 

 

カズマ「冗談じゃねぇ!!こんなチャラけた執事が何処にいるんだよ!?」

 

 

ブライス「ぷぇっぷぇっ…良いかカズマ、俺達はIS学園を守っているんだ、つまりそれはこの学園祭を守ることだって立派な公務ではないか」

 

 

腕組をして堂々と仁王立ちするブライスだが、頭につけてるハンドルのせいで威圧感が台無しである

 

 

カズマ「いや頭からハンドル生やす公務なんて聞いた事無いし…」

 

 

ブライス「これは隊長命令だ!今日だけでいい、レッツパーリィーしろ!!」

 

 

カズマ「あんた年がら年中頭ン中レッツパーリィーしてるだろ!!てかレッツパーリィーって何処のホストだ!俺達は執事だって言ってんだろ!!」

 

 

 

ブライスのボケにツッコムカズマ、普段だったらカズマはボケキャラの筈だが…

 

 

 

 

 

静寐「おっとそろそろこのPV生徒会に出さないと…」

 

 

カズマ「待て!?本気で出すのか!?」

 

 

静寐「本音よろしくー」

 

 

本音「あいあいさー」

 

 

静寐は生徒会メンバーの本音にテープを渡して本音はそのまま走り去って行った

 

 

 

一夏「まぁまぁ、一緒にジャストドゥーイッツ!!しようぜ?」

 

 

カズマ「どうしたんだ一夏!?何でお前がボケる!?なんで役割が逆転してんだ?シャルゴルァアアア!!」

 

 

 

カズマはシャルロットに八つ当たりをした

 

 

シャルロット「何で僕!?何で僕に当たるのォォォ!?」

 

 

涙目でツッコムシャルロットだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はギャグ多めです


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第四十二話 学園祭、開幕

学園祭パート1

どうぞー


文化祭が開始されて、一般の人達が次々とIS学園に入っていった

 

 

無論他校の女子生徒や男子生徒も来ており、楽しんでいる様だ

 

 

 

 

そんな一年一組の出し物メイド&執事喫茶はとても大繁盛だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「カズマ!六番テーブルに注文入ったぞ!」

 

 

カズマ「わかった、すぐに作る」

 

 

ウィノ「カズマ!五番テーブルオムライスとナポリタン一つずつ!」

 

 

カズマ「わかった!」

 

 

エミリア「カズマさん!七番テーブルコーヒーとミルクティーです!」

 

 

 

カズマ「静寐、飲み物頼む、俺は調理中だ」

 

 

静寐「OK」

 

 

 

 

今現在、厨房にいるのは執事役のカズマと今回の取り仕切り役の静寐が担当していた

 

 

現場は他の生徒達と、一夏、エミリア、ウィノ、セシリア、箒が頑張っていた

 

 

 

何故カズマが厨房にいるのか…それは数分前の事である

 

 

 

開店前、店の外に大勢の客が待っており、開店の挨拶にカズマが行った

 

 

カズマ「本日はご来店、ありがとうございます…お嬢様」

 

 

と言った瞬間店の前で並んでいた女子達は一斉に黄色い悲鳴を上げて気絶したのだった

 

 

 

カズマ「は?なんだこれ…ぐぇっ!?」

 

 

シャルロット「何してるのぉおおお!?」

 

 

突然の事で戸惑うカズマの首根っこを掴んで店内に引き入れた

 

 

 

シャルロット「何やっちゃってんの!?何で気絶させてるの!?挨拶だけで何であれだけの人数を一斉に気絶出来るの!?」

 

 

カズマ「そんなもん知るか!ただご来店ありがとうございます…お嬢様、って言っただけだ」

 

 

 

カズマが先程と同じ台詞と良い終えた途端に今度は教室内の女生徒達が一斉に黄色い悲鳴を上げて気絶した

 

 

 

シャルロット「えええ!?何でこうなるの!?」

 

 

静寐「…ぐはっ…なんて破壊力…流石の私も膝を着いたわ」

 

立ち上がりながら言う静寐

 

シャルロット「絶対気絶してたよね?絶対膝着く所か完全に気絶してたよね!?」

 

 

ウィノ「どうしよ…またカズマに惚れちゃった…」

 

顔を赤くしてカズマに抱き着くウィノ

 

 

シャルロット「此方に至ってはヘブンしてるし…」

 

 

セシリア「カズマさん!その…もう少しそのイケメンオーラを押さえられませんか?」

 

ここでセシリアがカズマにイケメンオーラの修正を促した

 

シャルロット「いやイケメンオーラって何?」

 

 

箒「そうだな…カズマのイケメンオーラは見る限りどんどん溢れ出している…いやどんどん放出されていると言った方が良いな」

 

 

ラウラ「なるほど…スーパーイケメン人になってるのか」

 

箒が顎に手を当てて冷静にカズマのイケメンオーラを観察し、ラウラが今の状態のカズマを

名付けた

 

 

シャルロット「それ最早暴走してるんじゃないの!?それにスーパーイケメン人って何!?何スーパーサ○ヤ人っぽくしてるの!?」

 

 

一夏「でもこれじゃカズマが接客するとどんどん気絶していくよな…どうする?」

 

 

エミリア「だったらカズマさんを厨房に回すのはどうですか?カズマさんってお料理出来ますよね?」

 

 

カズマ「一応な、メニュー全部は作れる」

 

 

春香「な…ならカズマ厨房お願いね…これじゃどうしようもないわ…」

 

 

春香が教室内を見渡して指示した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至るのである

 

 

一回カズマが料理を運びにテーブルに向かって置いた途端、座っていた女子二人が鼻血を噴いて気絶した

 

 

それからカズマは現場には入っちゃ駄目!!と春香からお叱りを受けて厨房で料理を作っているのである

 

しかし彼の作る料理はどれも天下一品の美味さで見た目もそうだが味も最高級なのだ

 

 

これには料理に自信のあった箒は愕然となって、セシリアは対抗心を燃やしていた……いやセシリアよ…お前は論外だ

 

 

 

 

シャルロットは休憩時間にカズマの料理を一口食べたらすぐに虜になってしまったと言う

 

ラウラは「美味すぎる!!」と叫んでバクバク食っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていつしか店は大繁盛して、鈴の在籍する二組の中華料理屋より圧倒的に売り上げが高かった

 

 

鈴が一度殴りこみをしてきたがカズマの料理を食べた途端愕然としてとぼとぼ帰っていった

 

 

 

 

 

一夏「おい…なんかメイドや執事よりもカズマの料理が目的のような感じがするんだが…」

 

 

 

 

一夏がこう言うのは来客する年齢層が若い男女から幅広い年配の方まで来るようになってしまったのだ

 

みんなカズマの作る料理が美味いとの噂で来ているのだ

 

 

 

春香「あたしも…なんかみんなメイドよりウェイトレスになってる」

 

 

今現在ウェイトレスの数が圧倒的に少ないのでハロ達にも手伝ってもらっている

 

ハロから受信した注文データを8が受け取り、それを厨房で料理しているカズマにディスプレイに映している

 

そしてウェイトレスは料理を運ぶという仕組みになっているのである

 

 

セシリア「一夏さん!ボケッとしてないでくださいまし!!8番テーブルにコーヒーですわ!!」

 

話している一夏を見かけたのかセシリアが叱責した

 

 

一夏「おうわかった!!」

 

春香「とほほ…こんな筈じゃなかったのに…」

 

 

 

今は昼の時間…客はメイドの事よりカズマの絶品料理が味わいたいのだろう…そんな光景にとほほな表情の春香だった…

 

 

 

 

そして交代時間となりカズマ達は自由時間をもらった

 

 

だがここでカズマ達が抜けると執事は誰がやるのか

 

 

 

春香「それについては安心して!強力な助っ人用意したから」

 

 

 

なんと更衣室から龍真、拓巳、淕の三人が執事姿で出てきた

 

 

龍真「結局こうなるのか…」

 

 

拓巳「まあ…ある程度は予測していたけどな…」

 

 

淕「で…出来るかな……執事なんて…僕…」

 

 

呆れて出てきた二人と完全に石像になっている淕であった

 

 

春香「ほら淕!もっとシャキッとしなさいよ!執事がそんなオドオドでどうすんのよ!?」

 

 

淕「でも…僕人見知り激しいし…知らない女の子に声掛けられたら僕…」

 

 

春香「だったら今度のデート取り消すよ!?」

 

 

淕「ええっ!?それは困るよ!!」

 

 

春香からデートを取り消すと言われて戸惑う淕

 

 

春香「だったらやりましょ?ねぇ淕君?」

 

 

淕「うん…わかったよ」

 

 

渋々了解する淕だった

 

 

 

拓巳「なぁ…一夏…淕の奴、将来恐妻家になるんじゃねぇか?」

 

 

一夏「ああ、春香の尻に敷かれる淕が思い付くんだが…」

 

 

二人のやり取りは何処ぞのプロレスラー夫婦を彷彿とさせる程の物であった

 

 

 

春香「じゃあさ、お兄ちゃんとエミリア、カズマとウィノは休憩入って」

 

 

 

カズマ「ん?俺達だけ?」

 

一夏「他のは?」

 

 

 

 

 

「ちょっと待って、二人を借りるわねー」

 

 

カズマ「ん?」

 

一夏「へ?」

 

 

 

と何者が二人を持ち去っていった

 

 

 

ウィノ「あれ?カズマ!?」

 

 

エミリア「一夏様!?何処に行ってしまったのですか!?」

 

 

 

 

 

 

突然二人がいなくなって猛ダッシュで探す二人だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

 

カズマ「…ん?ここは?」

 

一夏「何処だ?一体…ん頭の上に何か…」

 

 

突然暗い空間で目が覚めた二人、二人の頭には王冠が乗っけられてある

 

 

カズマ「一体誰の悪戯だ全く」

 

 

そう言って外そうとすると

 

 

「おっと外さないでねー!これから大事な事するから」

 

 

一夏「この声…」

 

カズマ「更識…楯無…今度はなんだ!?」

 

 

突然二人にスポットライトが当てられて漸く周りの景色が見えた

 

 

なんとここは体育館のステージだった

 

 

 

楯無「とあるお城に大層イケメンな王子二人がいました、しかしそのイケメン故、いつも女の子から猛アタックを受け続けています」

 

 

カズマ「なんだその設定…その王子が哀れだ…」

 

 

楯無「しかし王子はアタックする女子共をすべて振り続けた、何故なら理想の女の子などでいなかったのだ」

 

 

一夏「それが俺達だったら違うけどな…もう彼女いるし…てかもう許嫁だし」

 

 

 

楯無「そこでお城の役人達は、この窮状を打破する為に、全国各地の女子の猛者をダンスパーティーに招待しました」

 

 

カズマ「猛者って言葉になんか引っ掛かるな……ん?まさかこれって…」

 

 

 

楯無「役人達はその女子達を【シンデレラ】と名付けました」

 

 

一夏「おいィィィ!!完全に原作ブレイクし過ぎだろ!!なんでシンデレラそんなにいる!?そして何で猛者達なの!?」

 

 

 

楯無「このシンデレラ達は男に飢えており、その勢いはまさにモンスターのごとく…」

 

とスクリーンにおぞましい姿のシンデレラ達が映し出された

 

 

カズマ「最早シンデレラじゃなくてゾンビじゃねーか!!何?俺達にバイオハザードでもやらせる気か!?」

 

 

 

楯無「そして今日はダンスパーティー…狂乱のシンデレラ達が王子二人の王冠を狙う…と言う事でシンデレラの皆さーん!一夏君とカズマ君の王冠取った方は漏れなく部屋を一緒にしまーす!」

 

 

カズマ・一夏「なんじゃそれェェェエエエエエエ!?」

 

 

 

鈴「一夏ァァアアアアア!!」

 

 

といきなり鈴がシンデレラの格好で登場して中国の武器、飛刀でカズマ達に斬りかかってきた

 

 

カズマ「いきなり何だ全く!?」

 

カズマと一夏は着ていた王子様風の服を脱いでデルタ・フォースの制服となってカズマはコートのホルスターからマグナムを取り出してぶっ放った

 

 

鈴「ふぎゃっ!?」

 

 

マグナムの弾を飛刀で受けた鈴は大きく吹き飛ばされ飛刀が粉々に砕け散った

 

箒「一夏ァアアア!!カズマァァアアアアア!!王冠を寄越せェェェエエエ!!」

今度は箒が日本刀(真剣)を構えて襲い掛かってきた

 

 

一夏「げ!?箒!?ヤバイあの時の光景が…」

 

 

 

あの時の光景とは箒が記憶を無くす前のあの状態の事である

 

 

カズマ「次から次へと…」

 

箒の刀をマグナムで弾いて無力化した

 

 

一夏「流石カズマ!!」

 

 

カズマ「何呑気な事言ってんだ…連続で来られたらやられるぞ」

 

カズマはマグナムをリロードしながら言った

 

 

一夏「だからオートマチックにしとけって言ったんだよ!マニュアルのリボルバーより!」

 

 

 

カズマ「うるせぇ!俺はリボルバーが好きなんだよ!!…危ない一夏!」

 

 

 

一夏とカズマが避けた後に元いた地点に銃撃の後が

 

 

 

 

 

それはかなり離れた所からセシリアがスナイパーライフルで二人を狙っていたのだ

 

 

 

セシリア「ふふふ…他の方には邪魔をさせませんわ…」

 

 

 

そう言ってスコープを覗くセシリアが見たのは

 

こちらにマグナム向けるカズマだった

 

 

セシリア「きゃあっ!?」

 

 

なんと数十メートル離れているセシリアのスナイパーライフルを弾いたのだった

 

 

一夏「よく当たるよなぁ…なあ人に当たっても大丈夫なのか?」

 

 

カズマ「一応非殺傷弾(ゴムスタンバレット)だからな…お前もガバメント抜け、俺のマグナムは6発しかないんだよ」

 

 

一夏「まあ俺のは10発だしな」

 

 

一夏もホルスターから白いフレームのガバメントを取り出した

 

 

シャルロット「って本物の銃!?」

 

一夏「あれ?シャル?どうしたんだよ?」

 

 

シャルもシンデレラの格好をしていた

 

シャルロット「なんかこんな格好させられて…それからかくかく然々で…」

 

 

どうやら楯無に巻き込まれた様だ…哀れなシャルロット…

 

 

 

 

 

「「「一夏君!!カズマ君!!王冠よこして!!!!」」」

 

と、シャルロットの後ろからシンデレラの格好をした大勢の女子生徒達が迫ってきた

 

 

カズマ「げ!?」

 

一夏「げ!?」

 

シャルロット「へ?」

 

 

カズマ・一夏「そこはゲゲゲのゲーだろ!!」

 

 

シャルロット「いや知らないよ!ってか前にもこんなことあったような…」

 

 

 

8「下らんコントしている場合じゃ無いぞ!ほれ逃げろー!!」

 

 

一夏とカズマはシャルロットを連れて逃避行を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「どんだけ追っかけて来やがんだ!?ええい!!」

 

 

カズマは集団に向けてマグナムを一発ぶっ放して、女生徒の一人をダウンさせた

 

 

その光景を見た女生徒は一斉に逃げ出した

 

 

 

 

 

一夏「なんだ…始めっから銃ぶっ放せばよかったのか…」

 

 

隣ではもうグロッキー状態のシャルロット

 

 

シャルロット「な…なんか初めて転校してきた時を思い出しちゃった…」

 

 

 

 

 

カズマ「悪いなシャル、あのままだとお前がもみくちゃになりそうだったからな…」

 

 

一夏「そうそう、シャルって意外にドジっぽいし…」

 

 

シャルロット「僕はそんなドジじゃないよぉ!酷いよ二人ともぉ…」

 

 

 

そして二人はシャルロットと別れて、疲れた体を癒す為に鈴の在籍する二組に入った

 

 

 

しかし…彼らはまだ気付いていない…このあと恐怖の体験をする事を…

 

 

 




カズマはマグナム好き、一夏は滅多に使いませんがガバメントを持ってます

まあ、自分自身マグナムが好きですね…ルパン三世では次元の愛銃なので…


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第四十三話 追われる王子様、シンデレラハザード

恐怖のシンデレラ

イケメン王子様を追う


二組 教室内

 

 

二組の出し物は中華料理屋となっている

 

 

一先ずそこで休息するカズマと一夏

 

カズマ「参ったぜ…あのふざけた生徒会長のせいでメチャクチャだ…」

 

一夏「あんなに追っ掛けられるのはもう勘弁…」

 

 

二人はシンデレラ集団の追撃を逃れてここにいるのだ

 

 

 

鈴「やっほー一夏、カズマ」

 

 

 

カズマ・一夏「!!」

 

 

二人は鈴向けてマグナムとガバメントを乱射した

 

鈴「ちょちょちょ!?待ったタンマ!やめてったら!!」

 

何とか避ける鈴

 

 

カズマ「ち…回避しやがったか」

 

スピードローダーでリロードするカズマ

 

一夏「避けんじゃねえよ…全く…」

 

空のカートリッジを棄てて新しいカートリッジを着ける一夏

 

 

鈴「だからもう襲わないって!!本当だよ!ほら!」

 

鈴が両手を広げて投降のポーズをした

 

 

 

カズマ「なら良い…」

 

鈴「し…死ぬかと思った…」

 

 

銃を下ろしたカズマを見て同じテーブルに座った鈴

 

 

鈴「全く……何なのよ…楯無って言う生徒会長が是非参加しなさいって言ったのよ…既に二人彼女いるのに」

 

 

カズマ「強要されたのか?」

 

鈴「まぁね…恐らく箒もセシリアもそうだと思う」

 

 

一夏「一体何がしたいんだ?まさか俺達の仲を引き裂きたいのか?」

 

 

今回の楯無の仕出かしたこのイベント、どう見てもカズマとウィノ、一夏とエミリアの関係を壊す様な感じである

 

 

 

鈴「まあ流石にあたし達一年はカズマと一夏の状態は知ってるから安心して食べて行きなさいよ」

 

 

鈴は二人の座るテーブルに炒飯や小籠包等、中華料理を並べた

 

 

 

カズマ「そうだな…じゃあ…」

 

 

そのままいただきますのポーズで暫く止まる

 

 

 

鈴「あのさ……冷めるよ?」

 

 

一夏「無駄無駄、こいつは……ん?何だこれ?」

 

 

一夏はレバニラ炒めの中に楕円形の球体が入っている事に気付いた

 

 

鈴「ちょ…誰よ!料理にこんなの入れた奴!!」

 

 

直ぐに厨房に向けて怒鳴る鈴、彼女もこういう物にはうるさいのだ

 

 

 

カズマは一夏の手に持っていた物体を見て、そして何かが外れたのを見て

 

 

 

カズマ「一夏!!鈴!!そいつはグレネード(手榴弾)だ!!」

 

 

鈴「え!?嘘っ!?」

 

 

一夏「冗談じゃねぇええええ!!」

 

一夏は思いっきり窓の外へとグレネードを投げた

 

 

 

そして暫くしてグレネードが爆発した

 

 

鈴「ちょ!?一体誰よ!出てきなさいよ!!」

 

 

鈴が怒鳴り散らすが皆は「どうしたの!?」「今の爆発って何!?」と言うだけだった

 

 

 

だがカズマは一人逃げていく奴を見逃さなかった

 

 

直ぐ様マグナムをシングルアクションで逃げていく人の足を撃った

 

それと同時に相手も銃をぶっ放した

 

 

カズマ「くっ…」

 

 

カズマは咄嗟に座っていたテーブルを盾代わりにして相手の銃弾を防ごうとしたが、威力が高いのかそのテーブルを貫通して銃弾が彼の横頬を掠った

 

 

一夏「おい、あいつおっかない物持ってんな、何だあれ?」

 

 

一夏と鈴がカズマの下に来てテーブルの陰に隠れた

 

 

カズマ「ルガー・ブラックホークだ、357マグナムをぶっ放しやがった…」

 

 

鈴「今のマグナムって非殺傷弾?」

 

カズマ「ああ、一応な…うわっと!?」

 

 

 

もう一発銃弾が放たれてテーブルがまた欠けた

 

 

鈴「どうするのよ!?」

 

 

カズマ「ルガー・ブラックホークはシングルアクションだ」

 

 

一夏「六発で打ち止めか」

 

 

その後四発連続で発砲して打ち止めになった

 

 

直ぐ様一夏がガバメントで相手の眉間を撃ち、気絶させた

 

 

 

 

 

そして二人がが近くに行くと、相手がシンデレラの格好をしていた

 

 

一夏「こいつもシンデレラか?」

 

 

カズマ「そうだろうな…」

 

 

鈴「カズマ、一夏!!後ろ!!」

 

 

二人が振り向くともう一人シンデレラの格好をした女子がアサルトライフルを乱射した

 

 

 

一夏「どわああっ!?」

 

 

カズマ「おおおっ!?」

 

 

 

二人は教室を脱出した

 

 

「「いたぁああああああ!!」」

 

 

カズマ・一夏「げっ!?やばっ!!」

 

 

廊下に出た途端、シンデレラの大群に遭遇し、再び逃走劇が始まった

 

 

一夏「あいつらもシンデレラか!?」

 

カズマ「そうだろうなー!!」

 

 

 

そして階段を上がると…

 

 

「カズマ君!!一夏君!!相部屋になってーーーー!!」

 

 

またまたシンデレラの大群に遭遇、アサルトライフルを乱射してきた

 

 

 

カズマ「おいマジかよ!?」

 

一夏「こいつらもシンデレラか!?」

 

カズマ「ソウダロウナー!!」

 

 

逃げる逃げる一夏とカズマ

 

 

追いかける追いかけるシンデレラの大群は他所の人間から見るにとてもシュールだった

 

 

因みに頭の上の王冠は外そうとすると電流が流れる仕組みだったが、お互いの王冠を実弾で壊して、電流が流れないようにして外し、コートの内ポケットに仕舞ってある

 

 

 

 

そして屋上に到達してドアを閉め、開けられないように細工をして追撃を逃れた

 

 

 

カズマ「ふぅ…」

 

一夏「もう…来ないだろ…」

 

 

 

そう安心している二人…だが…

 

 

 

「「一夏君!!カズマ君!!相部屋になってーーーー!!」」

 

 

なんとシンデレラ軍団が屋上の手摺にフックをかけて登って来たのだ

 

 

 

カズマ「何でそうなる!?」

 

 

一夏「もうやだ…」

 

 

一夏に至っては弱音を吐いていた

 

 

 

カズマ「一夏!フックを奪うぞ!」

 

 

一夏「了解!!」

 

 

二人はシンデレラの二人を撃って屋上から落とした

 

 

登って来た方は下がプールになっているので被害はない

 

 

そして二人はフックを使って一階のプールまで降りてそのまま逃走した

 

 

「一階に降りたわ!!一階の部隊に連絡して!!」

 

 

「者共追え追えーーーー!!」

 

 

 

 

一階に降りた二人だったが…

 

 

「一夏君!!カズマ君!!相部屋にーーーー!!」

 

 

そこで待ち伏せに会い、アサルトライフルの弾幕を避けながら逃げる

 

 

一夏「どわああっ!?あいつらもシンデレラか!?」

 

 

カズマ「ソウダロウナー!!」

 

 

 

 

 

そしてカズマはふと思い付いた

 

 

カズマ「一夏!職員室だ!!」

 

 

 

カズマが職員室なら安全だと言った

 

職員室なら流石のシンデレラも追っては来れないだろう

 

 

一夏「そうだな!!もし千冬姉がいるなら退治してもらおう!!」

 

 

 

しかしこのままでは埒が明かない為、コートに忍ばせてある小型ナインバンカー(閃光手榴弾)を集団に向けて投げて、目映い光と劈く爆音がシンデレラ集団を襲う

 

 

「ぎゃあああああっ!!目がァアアア!!」

 

 

 

等と台詞が聞こえたがそれでもお構い無しに逃げる二人

 

 

 

 

そして二人はやっとの思いで職員室へとたどり着いた

 

 

カズマ・一夏「失礼します!!」

 

 

職員室に入ると二人は安心感でその場に座り込んだ

 

 

一夏「もう…ここなら大……」

 

 

 

「織斑君!!アーディガン君!!相部屋に…」

 

 

カズマ「丈夫じゃねぇェェェエエエエエエ!?」

 

 

なんと教員達までもシンデレラだったのだ

 

 

一度は終わった逃走劇が再び始まった

 

 

一夏「何人いるんだシンデレラは!?」

 

カズマ「ヒトヲミタラシンデレラトオモヘー!!」

 

 

 

 

 

逃げ続けて暫く…

 

 

箒「二人ともこっちだ!!」

 

 

箒が現れて二人を誘導した

 

 

そして箒は追って来るシンデレラ集団の前に立ち

 

 

箒「これ以上は追わせんぞ!!」

 

木刀を使ってシンデレラ集団を迎え撃っていた

 

 

 

 

カズマ「箒の奴…大丈夫なのか?」

 

 

一夏「大丈夫だろう…多分な…」

 

 

 

 

そして一年の階に着いたら

 

 

ラウラ「む!?来たぞ!!階段にバリケードを!!カズマ!!一夏!!早く教室に!」

 

 

なんとラウラが二人が通った後をバリケードで塞いで通行不能として、カズマ達を教室に誘導した

 

 

ラウラ「黒ウサギ隊防衛班!!一人たりともバリケードから先に行かせるな!!」

 

 

『了解!!』

 

 

なんと偶然…いや偶然なのかどうなのかわからないが…ラウラの黒ウサギ隊(シュバルツェア・ハーゼ)の部下が来ており、ラウラの指示により防衛ラインを張ったのだ

 

 

そして二人はやっとの思いで一年一組の教室へとたどり着いた

 

 

 

ウィノ「カズマ!!」

 

エミリア「一夏様ぁ!!」

 

教室にはなんと二人の愛する彼女がいた

 

 

カズマ「ウィノ!!」

 

一夏「エミリア!!」

 

 

カズマと一夏はそれぞれの彼女を抱き締めた

 

 

ウィノ「よかったぁ…ずっと探してて…そうしたらカズマが追われてるって聞いて」

 

エミリア「そうしたら放送で王冠を取ったら相部屋になると聞いて…それでいても経ってもいられなくて…」

 

 

セシリア「ボロボロだった所を私達が保護しまして」

 

 

シャルロット「そしたらラウラがカズマと一夏を保護しようって提案してこうなったんだ」

 

 

 

一組の協力を得て漸く追われるプレッシャーから解放されたカズマと一夏はその場で座り込んだ

 

 

カズマ「疲れた…」

 

一夏「もう…寝たい…」

 

 

流石の二人でも校内を全力疾走で10週すれば疲れるだろう

 

 

 

ウィノ「だったらカズマ」

 

エミリア「一夏様、私達が…」

 

 

メイド服のまま二人は上目使いで

 

 

ウィノ・エミリア「ご奉仕します、ご主人様♥」

 

 

 

カズマ・一夏「萌ェェェエエエエエエ!!」

 

 

絶叫と共に後ろにぶっ飛んで黒板に頭をぶつけて気絶した二人

 

 

シャルロット「ちょっと!!気絶させちゃ意味無いでしょ!?」

 

 

春香「まぁ…好きな女の子の可愛らしい姿に萌え死にしたのね」

 

シャルロット「いや生きてる…はず…だよね……」

 

 

シャルロットが恐る恐る近付くと…

 

 

一夏・カズマ「我が生涯に…一片の悔い無し……」

 

 

シャルロット「駄目ェエエエ!!右手を突き上げちゃ駄目ェエエエ!!」

 

 

 

 

その後大人数で二人の腕を上げるのを阻止したと言われる…

 

 

 

 

そしてこのイベントの当事者の楯無は、彼氏の颯真と地獄の閻魔千冬にこっぴどなく叱られたとさ

 




今回は短めです

感想待ってます


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第四十四話 動き出す呪いの花

後書きにてジルベールのISを紹介します



女性権利団体 地下基地

 

 

 

 

 

 

女性権利団体の所有するビルの地下にIS製造、訓練フィールドなどがある地下基地がある

 

 

無論これは秘匿で政府にも知られていない

 

だがここにはあの篠ノ之束に匹敵するほどの頭脳を持った開発者がかなり集められている、無論全員女性だ

 

 

 

 

 

それと例外を除けばその戦闘員も全員女性である

 

 

 

 

その例外が…

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらブラックサレナ…任務を終了した」

 

 

 

「了解、B-2ドックへ着艦せよ」

 

 

 

黒いISが任務を終えたのだろうか地下基地の帰投通路を飛んでいた

 

 

「ジルベール君、流石だ…物の5分足らずで基地を壊滅させるなんて」

 

 

 

白い髪、赤い目の容姿は何処と無くカズマに似ている顔立ちの少年ジルベールはISを解除して自身を女性権利団体へ推挙してくれた人の下へ向かった

 

 

ジルベール「上層部の指示により、海上基地の敵をすべて排除、並びに女子供を乗せた避難船をすべて撃破、生存者は0です」

 

 

眼鏡をかけて白衣を着た女性に今回の任務とその成果を報告した

 

 

本来この女性権利団体には男は不必要だと文句を叩き付けられていたが、彼の目を見張る様な活躍を耳にして、漸くまともな扱いをするようになった

 

 

その戦闘員達も彼の戦闘技術に憧れている者も多い

 

 

 

「さてジルベール君、上層部が君に話したい事があるらしいよ?」

 

 

ジルベール「…了解」

 

 

 

短い返事をして、白いコートを羽織り、エレベータを使って最上階の上層部の会議室へと向かった

 

 

そして会議室へと入ると数十人の女性の幹部が座っていた

 

 

その中の中央に座っている女性が話し始めた

 

 

「流石だよジルベール・ナハト…ここ数ヵ月でもう数十件の任務を完遂して、男共の勢いも落ちてきた…だが…私達には目の上のたん瘤がある…」

 

 

 

ジルベール「日本のIS学園を防衛しているデルタ・フォースですか?」

 

 

「その通りだ!奴等が我々が政府を脅して実行した織斑一夏の抹殺を防いで、更にその織斑一夏が生きていると言うことを大々的に報道して、我々の勢いが押さえ付けられていたのだ!そしてそんな中でお前が来た…最初は何で男だと思っていたが…最早そんな物は関係ない…お前には女性権利団体の所有するとある一部隊の隊長になってもらいたいからだ」

 

 

ジルベールは目を閉じて考えた後

 

 

ジルベール「お言葉は誠に嬉しいですが…自分は辞退させていただきます」

 

 

「何だと!?我々の提案を無下にするつもりか!?」

 

 

断った事に語気を荒げる幹部達

 

 

ジルベール「自分が隊長になった場合、男の俺が隊長になったら部下のモチベーションが下がってしまうからです…ここでの男は…自分だけですから」

 

 

この説明に幹部達は何も言えなかった

 

事実まだジルベールを快く思っていない人数はいる

 

もしそんな人達の隊長にジルベールがなったら間違いなく綻びが生まれるだろう

 

 

 

そこで幹部の一人が提案をした

 

 

「ならば、彼をその部隊の隊員に推挙というのはどうでしょう?」

 

 

「それでも良いか?」

 

 

ジルベール「差し出がましいですが…その部隊の内容を教えて頂きたいのですが…」

 

 

 

「おっとこれはすまない…私とした事が忘れるとは…良いだろう…これから我々は全戦力を以て男共の希望であるデルタ・フォースを壊滅させる…お前が推挙した部隊は『インビシブル・フォース』…IS学園に陣取っているデルタ・フォースを壊滅させる部隊だ、前任の隊長が海上戦で戦死してしまったのでな…新しい隊長に君を推薦したかったのだがな…」

 

 

ジルベール「(IS学園…遂に奴を…)いえ…充分です…」

 

 

「まぁ…隊長なら他に……いやいるな…ぴったりの人材が…」

 

女性権利団体のトップがニヤリと笑みを浮かべた

 

 

「そう言うわけだ…『インビシブル・フォース』の編入、受けてくれるな?」

 

 

ジルベール「はい、喜んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議室から退出したジルベールはエレベータの中でニヤリと笑っていた

 

 

普段感情を表に出さない鉄仮面の彼だが…この様に笑うのは珍しい

 

 

ジルベール「カズマ・アーディガン…いや…被検体K-01…お前を必ず…殺す」

 

 

ジルベールは居住区に着くと真っ先に部屋に戻って任務で疲れた体を癒した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 地下基地訓練アリーナ

 

 

 

自室で起床して服を着替えて白いコートを羽織り、地下基地の訓練アリーナに着いたジルベール

 

彼がこれから編入するインビシブル・フォースの顔合わせの為だ

 

 

 

 

彼のコートの右肩には仮面と交差した剣のエンブレム、インビシブル・フォースのエンブレムだ

 

 

 

とある一角に座っている女性三人もそれぞれ着ている服は違うが、インビシブル・フォースのエンブレムを付けている

 

 

 

その中で、銀髪の少女がジルベールに気付いて

 

 

「おい!ここ何処だかわかってんの?インビシブル・フォースの縄張りなんだけど?」

 

 

睨めつける様にジルベールを見て、更に脅かすように口が悪い言い方でジルベールに詰め寄った

 

 

「よせ…クレア…彼の左肩を見てみろ…」

 

今度はコンテナに座っている蒼い髪の少女がクレアと呼ばれた銀髪の少女を制止した

 

 

クレア「あ?ってそのエンブレム…こいつがインビシブル・フォースに来る新人かエクセラ?」

 

エクセラと呼ばれた蒼い髪の少女は立ち上がった

 

 

エクセラ「そうだな…一人で数々のミッションを一人でこなして、ここでは『黒百合の死神』って呼ばれていたな…」

 

 

クレア「え!?こいつがあの『黒百合の死神』!?」

 

 

黒百合の死神は彼、ジルベール・ナハトの通り名で、彼の駆るISの名前がブラックサレナ『黒百合』と呼ばれる、それと彼の無慈悲な制圧攻撃からそう呼ばれる様になった

 

 

「『黒百合の死神』……」

 

一人の大人しい無垢で寡黙な少女がジルベールの手を差し出して近付いて来た

 

 

カノンと呼ばれた少女は黒色のショートヘアーで大人しげなミステリアスな雰囲気である

 

 

カノン「握手……」

 

ジルベール「あ、ああ…」

 

 

ジルベールはカノンと握手した

 

 

 

 

それを見てクレアの顔がニヤついた

 

クレア「ねぇジルベールだっけ?あたしと一勝負しない?」

 

 

 

 

ジルベール「今か?」

 

 

クレア「ま、あんたの実力が本物かどうかをね…確かめたいのよ」

 

 

 

ジルベール「わかった…」

 

 

 

クレアは早速自分のIS、カリギュラ・Λ(ラムダ)を纏い、アリーナ中央に陣取った

 

 

一方のジルベールもブラックサレナを纏ってアリーナの中央にクレアに向き合う形で静止した

 

 

 

 

 

クレア「さ~て…ぶっ放す!!」

 

 

クレアは大口径ガトリングガンを両手に展開して、乱射した

 

 

ジルベールはその場から急上昇して避けて、バックパックに内蔵してあるアンカー、禍白ノ矛『マガシラノホコ』を射出した

 

 

その先端のフックがクレアのガトリングガンに突き刺さり、そのままイグニッションブーストで突っ込んでガトリングガンを右手に装備されているブレードシールド、片刃大刀『カタバタイトウ』でガトリングガンを切り裂いた

 

 

クレア「近距離に入ったな?貰った!!」

 

 

クレアは破壊されたガトリングガンに変わって、丸い球体に刺が着いている武装を展開した

 

 

クレア「そりゃぁぁあああっ!!抹殺!!」

 

 

勢い任せにその武装を投擲したが、どうやらこの武装は球体がワイヤーで繋がっており、所謂ハンマーなのである

 

 

ジルベール「!?」

 

 

ジルベールは高速で向かって来るハンマーを避けたが、その後ろの床が大きなクレーターとなっていた

 

 

クレア「どう?ミョルニルの威力は?」

 

 

ジルベール「当たらなければ良い話だ…」

 

 

クレア「はっ!その余裕いつまで持つかな!?」

 

クレアはミョルニルは回転させて更に勢い着けて放った

 

 

先程とはスピードが段違いに早く、ジルベールはイグニッションブーストでミョルニルを避けると同時に一気に懐へと入った

 

 

クレア「お見通しなんだよ!!」

 

 

クレアは空いているもう一つのガトリングガンで近付いて来るジルベールに向けて放ったが、ジルベールはその場で月面宙返りをして、クレアの背後を取った

 

 

クレア「な!?」

 

そしてブラックサレナの背部ユニットが展開して、二つの大きな鉤爪を先端にクレアを拘束した

 

 

その鉤爪から緑のエネルギーが放出され、何かを吸収している様だった

 

 

クレア「一体何なのよ…って!?」

 

クレアがディスプレイを見ると、シールドエネルギーが恐ろしい勢いで減っていくのである

 

 

これは禍ノ生太刀『マガノイクタチ』と呼ばれる特殊兵器で、相手のシールドエネルギーを吸収して、自分のシールドエネルギーと武装の威力を上昇させるのである

 

 

これによってクレアのシールドエネルギーは750/820あったのだが、10/820となってしまったのだ

 

 

そしてジルベールはビームライフルを構えて…

 

 

ジルベール「終わり…だな…」

 

 

クレア「…くっ」

 

 

 

 

『そこまでだ!この勝負はジルベール・ナハトの勝ちだ』

 

 

クレアとジルベールは放送席を見ると、エクセラとカノンの真ん中に白い軍服の様な服を着ている薄い水色のロングヘアーの女性が立っていた

 

 

『突然ですまなかったな、だがどう見ても奴の圧倒的勝利だ…カノンとエクセラから話は聞いた……彼の実力はわかっただろう?』

 

 

クレア「ちっ…はいはいそーですよ…黒百合の死神は強かったでーす…」

 

と棒読みで素っ気なく答えるクレア

 

 

『おっと私の紹介がまだだったな…私はエリザ・アズラエル…お前達インビシブル・フォースの隊長に就任した』

 

そしてエリザは全員にスーツを着させて、団体トップの方々に挨拶に回った

 

 

 

ジルベール「エリザ・アズラエル…エクセラ・アンドラス…カノン・ブエル…クレア・ザブナック……か…」

 

 

 

ジルベールは夕焼けに染まる空を見て言った

 

 

ジルベール「俺の仲間…か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジルベール・ナハト イメージ声優 櫻井孝宏

黒百合(ブラックサレナ)

シールドエネルギー最大値 500 (3000)

【挿絵表示】



全身が黒く塗り潰された、独特のIS。その武装は何れも強力で、更に運動性はΔシリーズを完全に上回り、その代わり機体の耐久値は低い


武装
ビーム・ライフル
片刃大刀(カタバノタイトウ)
ランサーダート
禍白ノ矛(マガシラノホコ)
禍ノ生太刀(マガノイクタチ)
天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)

武装は近接寄りで、右手に装備されているブレードシールド、片刃大刀にはビーム・ライフル、先端が鋭利な突起のランサーダートが装備されている

バックパックにアンカーの禍白ノ矛、そして相手のシールドエネルギーを吸収して自分のシールドエネルギーに上乗せ出来る特殊兵器、禍ノ生太刀がある。これによって黒百合の最大の弱点であるシールドエネルギーの低さをカバー出来、フルチャージで驚異の3000となる

天叢雲剣は機体の右腰部に装備されているエネルギーブレードで、禍ノ生太刀で吸収されたエネルギーをそのまま刀身に転用出来る
フルチャージなら、ISの絶対防御が打ち破れてIS本体ごと搭乗者を破壊出来る零落白夜より危険な兵器である



エクセラ・アンドラス イメージ声優 水樹奈々

モデルはシャイニング・レゾナンスのエクセラ


エインヘリアル・μ(ミュー)

シールドエネルギー最大値 840


【挿絵表示】



女性権利団体インビシブル・フォースのメンバー、エクセラ・アンドラスの専用機、格闘重視の機体であるが、一応遠距離兵装がある


武装

天羽々斬(アメノハバキリ)
八咫烏(ヤタガラス)


武装は二つしかないが、この天羽々斬はブレードとビーム・ライフルを合わせた兵器である

そして非固定部位に大型シールド八咫烏が装備されている

これは所謂ソードビットで、遠隔攻撃も出来るが、自機の周囲に展開してバリアを張ることが出来る




クレア・ザブナック イメージ声優 高垣彩陽

モデルはシンフォギアの雪音クリス



カリギュラ・Λ(ラムダ)

シールドエネルギー最大値 820


【挿絵表示】


クレア・ザブナックの専用機で、一対一の状態に強いISである、高機動に重点を置きつつ、武装は強力な火気が多いなど、アンバランスな機体である


武装
大口径ガトリングガン(フェンリル)
超硬質ハンマー(ミョルニル)
背部インパルスデュアルキャノン
ビーム・セイバー

特徴なのがミョルニルである。硬質ワイヤーで繋がれているが、小型スラスターがハンマー本体に付いており、速度を上げる事で威力を上昇している
重量級のISと見えるがかなり軽量級なのである



カノン・ブエル イメージ声優 大橋彩香

モデルはアカメが斬る!のクロメ



アイテール・ν(ニュー)

シールドエネルギー最大値 720


【挿絵表示】


カノン・ブエルの専用機で無線兵器ビットを多数搭載してあるトリッキーなISである、本人の空間認識能力と合わせたOSが組まれている



武装

ビーム・ライフル
大型ビット×4
小型ビット×8
ビーム・セイバー

大型ビットは見た目が大きいビットで、高威力のビームを発射出来るが連射が良くないが、小型ビットはマシンガンの如く連続でビームを放てるが、威力は弱め

更に、ビームトラップと言われる空間にビットを不規則な方向で停止させて、レーザートラップの様にビームを張り巡らせる、敵が近付くまで気付かないのが特徴である


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第四十五話 動き出す世界

随分と遅れました

すみませんm(_ _)m


文化祭も終わり、片付けをしている生徒達

 

結局カズマ達のメイド執事喫茶は堂々の売上1位のタイトルを獲得した、だがカズマがシンデレラ集団に襲われている際、厨房にセシリアが入ってしまい、客の殆どが気絶、若しくは嘔吐下痢になって一時的に不況となってしまった

 

それもその筈セシリアは壊滅的に料理が苦手で、本人は全く自覚していない、彼女の場合見た目重視の調理法で味が整ってないのだ

 

 

カズマがセシリアの料理を食べようとしたが、違和感を感じたのか食べずにそのまま四組の拓巳に差し入れとして持っていった結果、拓巳が一口で撃沈した

 

 

そしてカズマはセシリアの調理法を間近で見て、「お前はもう作るな、死人が出る」

 

と言い捨ててセシリアのプライドを打ち砕いた

 

 

そしてカズマが再び腕を振る舞って何とか持ち直したのだ

 

 

 

 

この後セシリアはカズマのスパルタ料理特訓に悲鳴を上げるのはまた別の話である

 

 

 

 

 

 

 

文化祭の片付けを終えて、デルタ・フォース極東司令官の颯真・R・神崎から緊急招集が発令されてカズマ達は学校の敷地内に建てられたデルタ・フォース極東防衛事務局に出向した

 

 

 

 

 

 

 

デルタ・フォース極東防衛事務局

 

 

コンコン…

 

 

 

颯真「入りなさい」

 

 

司令官室の窓際に立っているのはデルタ・フォース極東防衛司令官の颯真だった

 

カズマ「失礼します、カズマ・アーディガン、以下4名到着しました」

 

龍真「龍真・R・神崎、以下4名到着しました」

 

 

既にそれぞれの隊長であるブライスとシュウは到着していた

 

颯真「さて、今回集まったのは他でもない…デルタ・フォース…いや国際IS連盟の意向を伝える為だよ」

 

ブライス「国際IS連盟が?」

 

シュウ「何か大掛かりな事を仕出かす様ですな?」

 

颯真はリモコンを操作して部屋の壁にあるディスプレイを点けた

 

 

カズマ「極東防衛戦線!?まさか、世界中のIS軍隊をこのIS学園に集結させて防衛すると言うことですか?」

 

颯真「その通り、流石カズマ君、君は頭が回るね」

 

ディスプレイに映った極東防衛戦線とは世界中のIS軍隊をIS学園に集結させて、表向きは各国の軍事ISの性能評価、各軍隊の能力を査定する為の軍事演習だが、裏向きは最早世界中で驚異となっている女性権利団体を殲滅するための招集なのである

 

 

颯真「既に君達にもわかっていると思うが、女性権利団体の次の目標はこのIS学園とデルタ・フォースに狙いを定めている、これは現在の情報だが…世界各国の女性権利団体の幹部クラスの人物が日本に集結している事がわかった」

 

 

龍真「つまり…向こうも全戦力を投入する…と言うことですか?」

 

拓巳「へっ…いよいよ決戦ってか!腕が鳴るぜ!」

 

淕「世界中のIS軍隊が集結するなんて…余程女性権利団体の被害が大きいのですね…」

 

 

颯真は椅子に座って更に話始めた

 

颯真「最早敵の戦力はこの学園内の教師部隊と代表候補生では圧倒的に向こうが有利だ暫くこの学園の生徒達には、軍事演習見学として説明するよ」

 

 

カズマ「司令、表向きは合同軍事演習と言いましたが…実際に演習をする予定なのですか?」

 

颯真「うむ、表向きを疑われない為にも、4VS4の部隊戦を行って同時に各IS部隊の戦力、そのISの優位性を調べるに当たっての軍事演習なんだ」

 

 

一夏「つまり各国のIS部隊と戦うと言うことですか?」

 

ウィノ「つまりそこであたし達がISの優位性を見せつけたら世界No.1のIS大国になるってことですか?」

 

エミリア「ウィノさん…あくまで表向きですので…そんな重要視されてないと思いますが…」

 

 

リディア「でもわざとらしくしてもバレて戦略兵器なんて持ち込まれたら一溜りも無いわ…」

 

颯真「その通り、仮にも十年前に…アイルランドで核兵器のテロが起こったんだ……おっとごめんねカズマ…辛い過去を思い出しちゃったかな?」

 

 

カズマ「いえ…」

 

 

颯真が一番危険視しているのは、敵が大型兵器や、戦略兵器を投入する事である

 

龍真達が戦った大型殲滅兵器、『天照』を使用してこないとも限らないし、最悪の場合は自爆覚悟の核も使ってくる恐れもある

 

 

 

コンコン…

 

ここで扉のノック音が聴こえて

 

 

楯無「更識です、生徒全員体育館に集合が終わりました」

 

 

颯真「うん、御苦労様…さて、行こう」

 

 

 

颯真は立ち上がって歩き始めて、その後ろにカズマ達が着いていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園体育館

 

 

全校生徒が集まって、座っている状態に楯無の声が体育館に響いた

 

 

楯無「ではこれより、この学園を防衛任務に当たって貰っている、アメリカ軍デルタ・フォースから重大なお知らせがあります」

 

何時もとは違う真剣な声色の楯無の声で騒いでいた女生徒達は静まった

 

 

 

 

そして右側から颯真が現れて、その後ろに二列でブライスとシュウを先頭にファーストチーム、セカンドチームのメンバーが並んでいた

 

颯真が教壇に立つと生徒達側から見て右にファーストチーム、左がセカンドチームが並んだ

 

 

 

 

 

 

颯真「文化祭、我々デルタ・フォースも堪能させて貰ったよ、とてもいい祭りだったね…羽を伸ばせたよ……さて、ここからは真剣に話すよ…、国際IS連盟から合同軍事演習の開催が全世界のIS軍隊に発令された、そしてその合同軍事演習の現場が…ここIS学園となった」

 

 

生徒達は一斉にざわついた、そして思いもしないだろう…まさかこのIS学園がその合同軍事演習の現場となる事に

 

 

颯真「この合同軍事演習の期間中はアリーナでの授業は不可となる、だがその代わりに我々の軍事演習の様子を授業として見学する事……そして一つ一つの軍隊の演習を見て改めてISの性能…そして兵器としてのISを再確認して欲しい…ISは人を殺しかねない兵器の一つであると言うことを……では話を終えるよ、細かい話はデルタ・フォースの隊員が話すから…では解散」

 

 

 

 

 

 

そして颯真は教壇から降りてその後ろを隊員達が着いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年一組 教室内

 

 

今現在、合同軍事演習についての細かい説明を行っている最中である

 

一年はデルタ・フォース隊員で一組にはカズマ、二組にはブライス、三組にはシュウ、四組には龍真が説明をしていた

 

カズマと龍真が選ばれたのは彼ら二人が世界情勢に詳しく、またこの合同軍事演習を良く理解していたからだ

 

二、三年はデルタ・フォースの士官がそれぞれの組に別れて説明していた

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「以上が…この合同軍事演習の概要だ、何か質問はあるか?」

 

淡々説明するカズマに、それを理解しようとする生徒達の教室は普段の授業とは違う緊張感に満ちていた

 

 

シャルロット「あの…一つ質問…良いですか?」

 

シャルロットが思わず敬語でカズマに質問を求めた

 

カズマ「普段通りで良い…で、何だ?」

 

 

シャルロット「ど…何れくらいのIS軍隊が来るの?」

 

 

カズマ「それはまだわからない、まあ二つは確定してるがな」

 

春香「へ?一つはわかるけど…二つ目は?」

 

 

ラウラ「私のシュバルツェア・ハーゼ(黒兎)だ…一早く司令官から連絡が来たのでな、文化祭の時に隊員が来ていたのはこの時の為だ」

 

ここの生活に溶け込んでいたラウラを見ていた生徒達は改めてラウラが軍人なのだと認識したのだった

 

箒「私も質問良いか?合同軍事演習はどのくらいの期間でやる予定なのだ?」

 

 

カズマ「それは未定だ、何せ国際IS連盟は詳細な事を教えなかったからな…なぜだがわかるか?」

 

 

箒「いや…」

 

 

 

カズマ「不要な情報を流して漏洩するのを防ぐ為だ…主に警戒する相手がいるからな…」

 

 

カズマがこの時女性権利団体の名前を言わなかったのは、余計な心配を掛けさせない為である…

 

同じく代表候補生達もそれを察しているのか深くは聞かなかった

 

だが…

 

 

春香「わかった!!その相手って女性権利団体でしょ!!」

 

 

何と思いっきり爆弾発言をした大馬鹿…

 

 

「ちょっと…女性権利団体ってあれ?」

 

「最近よくニュースになってるあれなの!?」

 

 

 

一気に教室が騒ぎだしてしまった

 

 

一夏「馬鹿かお前!!折角生徒達に不安な気をさせないようにしたのに!!」

 

エミリア「この状況を考えてください!!そこまで頭が回らないのですか!?」

 

 

春香「うう…ごめんなさい……」

 

 

一夏とエミリアに激しく叱られた春香は涙目になっていた

 

 

 

カズマ「……お前達…」

 

 

カズマが低く、ドスの利いた声で騒ぎを静めた

 

 

カズマ「この事を万が一他に漏らしたら」

 

カズマが右手をあげると、ウィノ、一夏、エミリアが銃をもって皆に向けた

 

カズマもマグナムを生徒達に向けて言った

 

 

カズマ「アメリカ軍役で懲役か銃殺刑になるぞ…」

 

 

この一言でクラスの女子達は完全に黙ってしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明が終わって学校が終わり、生徒達は寮のそれぞれ自分の部屋に戻って行った

 

 

 

 

 

 

カズマは報告の為一度颯真の元に行ってから寮に戻った

 

 

 

 

 

 

 

自分の部屋に着いてドアを開けると、ちょうどシャワー室から出てきた部屋着姿のウィノだった

 

 

 

 

 

ウィノ「おかえりー」

 

カズマ「ああ、…今日は疲れたなぁ…シャワー浴びるぞ」

 

 

カズマが制服を脱いで洗濯機に詰め込んだ

 

既にウィノの制服も洗濯機に入っている

 

 

ウィノ「寝間着は置いといたからねー」

 

カズマ「ああ…わかった!」

 

 

そしてバスルームの洗面台に携帯を置いた瞬間、バイブレーションがした

 

 

携帯のディスプレイを見ると『マダラ』であった

 

 

カズマ「…何の様だ?マダラ…」

 

 

マダラ『どうやら国際IS連盟も手を打ってきたな…』

 

暁が合同軍事演習の事を知っている事に驚くカズマ

 

カズマ「…どうして知っている?」

 

 

マダラ『颯真・R・神崎から聞いた…彼は俺達の協力者だ……軍事演習の期間中は我々も参加させてもらう…』

 

 

カズマ「待て!お前達ISはあるのか?」

 

 

マダラ『当然だ…こちら側にはお前の…いや、世界中の人がよく知っている人がいるからな…』

 

そう言ってマダラは電話を切った

 

 

カズマ(世界中の人が知っている人物……考えられるとすると…あの女か……)

 

 

 

 

 

一つの仮定を出してカズマはシャワーを浴び始めた

 

 

 




暁のISは後々画像付きで紹介させて頂きます


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第四十六話 集まる勇士達

1ヶ月、更新せずにすみません…

卒業論文の作成に追われていたので大幅に遅れました

申し訳無いです


IS学園、合同軍事基地滑走路

 

 

IS学園の沖合いに建設された滑走路にカズマ達デルタ・フォースのファーストチームがいた

 

ここで世界各国のIS部隊を出迎える為である

 

一夏「しかしどうやってこんな基地を短い期間で作ったんだ?」

 

 

カズマ「噂だと…あの篠ノ之束が一週間で建設したらしい…」

 

 

ウィノ「なんかあり得るわね…あの人ならやりそうかも」

 

 

エミリア「突貫工事の割にはしっかりしてますね…」

 

 

海上に建てられた滑走路はとても一週間で作ったとは思えないようなしっかりした設計となっており、宿舎等もIS学園とほぼ同じ構造、内装になっている

 

 

 

 

カズマ「来たみたいだな…」

 

カズマが幽かに聞こえるジェット機の音を聞いてつぶやいた

 

 

 

そして全員が双眼鏡越しに飛んでくる輸送機を見た

 

 

 

一夏「先頭は…って!?アメリカ国軍精鋭部隊【エコーズ】じゃないか!?」

 

エミリア「そんな…アメリカ全軍の中から選ばれた最強の部隊じゃないですか!?」

 

 

その輸送機にはエコーズのロゴとそのエンブレムが貼り付けており、どこか威圧感を感じる

 

機体はアメリカ軍の技術を結集したΔシリーズの傑作機、Δ-ラインE、素体フレームで第三世代、専用強化アーマーを装備すればフリーダムウイング並みの性能を誇るΔドライバを搭載したΔ-ラインの後継機である

 

 

 

 

カズマ「む?今度はイギリスの精鋭部隊【ロイヤルナイト】か?」

 

 

 

ウィノ「女王陛下直属の部隊だっけ?」

 

今度は豪華なエンブレムを張り付けた輸送機で、全体的に派手な色合いである

 

しかしその実力はかなりの物であり、特に女王陛下直属の部隊である彼女等は一線級の実力を誇る精鋭部隊である

 

 

機体は円卓の騎士の名前を持つISであるが、何れもカスタム機で、性能は第四世代である

 

 

それからフランス特殊部隊やイタリアの精鋭部隊など、世界各国の最大戦力がここIS学園に終結した

 

 

一夏「なぁ…カズマ…今更だけどすっげぇ連中が集まったな」

 

カズマ「ああ…確かにこれだけの戦力があれば奴等に勝てるかも知れんが…一つ問題がある…」

 

 

ウィノ「問題って…何なの?」

 

カズマ「それは部隊同士が手を取り合えるか…若しくは…俺達の指示を受けてくれるか…それが問題だ…」

 

 

エミリア「どういう事ですか?」

 

 

8「つまりな、各精鋭部隊が勝手に行動する可能性もあれば、バラバラになってもおかしくない…今の極東防衛戦線はただの精鋭部隊の集まりって事だ」

 

 

精鋭部隊の中には独自のプライドもあれば、譲れない矜持もあるだろう…今のカズマの不安要素はそれだった

 

その部隊にとって気に食わない作戦指示だったら簡単に戦線離脱してしまう危険性があるのだ

 

 

 

ウィノ「なるほど…確かに統率が取れていないといざ連携ってなった時には危ないよね」

 

 

エミリア「でも私達では女性権利団体の攻撃を防ぎ切れません…その為にも世界各国の最大戦力が必要なんですから…」

 

 

 

 

そしてカズマ達の下にアメリカ精鋭部隊、「エコーズ」のメンバーが通る

 

 

そのメンバーを敬礼で見送るカズマ達だが、ある人物を見てカズマが声をかけた

 

 

カズマ「レオン…なのか?」

 

レオンと呼ばれた少年は、金髪を後ろで束ねており、端正な顔立ちだった

 

彼もカズマ、ウィノと同じスクールに通っていた同級生で、ロボット研究サークルに所属していた

 

そこで培った機械の知識と技術は友谷に匹敵するほどである

 

(モデルはガンダムAGEのアセム イメージCV島崎信長)

 

レオン「ああ…久々だな!カズマ、一夏、ウィノ、エミリア」

 

 

一夏「お前…エコーズに入ったのか!?」

 

 

レオン「違うよ…俺の場合は推挙されたんだよ…」

 

ウィノ「だよねぇ…あんたの腕なら…」

 

レオンの実力はデルタ・フォースメンバーではカズマと同等…若しくはそれ以上の実力である

 

模擬戦ではカズマとレオンが戦ったが…お互い1時間以上戦っても決着は着かなかったが…その時の武装はレオンが一個も破壊されていないが、カズマはビームセイバーだけ残って後はレオンに破壊されたのだ

 

 

レオン「よくもまぁ…これだけの戦力を集めたよな…でもカズマならわかるよな?」

 

カズマ「ああ…いつバラバラになってもおかしくない…だろ…もう皆に話したさ」

 

 

「ほう…デルタ・フォースにも頭が回る奴がいるとは本当の様だな…」

 

そこに中年の威厳のある雰囲気を持った男性が現れた

(容姿のイメージはガンダム0083スターダストメモリーのアナベル・ガトー イメージCV大塚明夫)

 

 

 

 

カズマ「遠路はるばる、ご苦労様です…ダグラス少佐」

 

ダグラス・メンドーサ少佐、アメリカ軍精鋭部隊「エコーズ」の隊長である

 

実力では、あのブライスですら勝てなかったと言う

 

 

 

ダグラス「うむ…いくぞレオン」

 

レオン「はっ!じゃあなカズマ、また後でな」

 

 

二人が去ったと同時に

 

 

ウィノ「し…心臓が……止まりそうだった…」

 

エミリア「凄い威圧……ですね…」

 

 

ダグラスから発せられる重いプレッシャーから解放されたデルタ・フォースメンバーはその場で力が抜けたような感覚に陥った

 

 

一夏「ああ…よく挨拶できたよな…カズマ」

 

カズマ「俺もあの人の威圧に気圧されてたさ……見ろ」

 

カズマは自分の両手を一夏達に見せた

 

 

一夏「拳が震えてる…」

 

エミリア「汗がびっしょり…」

 

ウィノ「手が開かないの?」

 

カズマ「ああ…怒鳴られた訳でもないのにな…なんて迫力だ…」

 

 

 

 

 

ブライス「それはそうだろう…あのダグラス・メンドーサこそ【カリブの悪夢】だからな」

 

 

四人の後ろからブライスが現れた

 

カズマ「【カリブの悪夢】!?たった一人でテロリストの船を20隻沈めたというあの…」

 

それはテロリストの大軍勢がカリブ海に展開していた時に、ダグラス率いるエコーズが鎮圧に向かった

 

その時にダグラスはテロリストの船を20隻も沈めた事からこの通り名で呼ばれる事となった

 

 

ブライス「ああ…その通りだ…ちなみに俺とシュウはあいつに勝った覚えがない…まさにアメリカ軍最強のIS乗りさ」

 

 

エミリア「あ…アメリカ軍最強って…」

 

ウィノ「そんな人が何で直々に…」

 

 

 

リーサ「でも味方なら心強い戦力よ、怖がることは無いじゃない?」

 

ブライスの後ろからリーサが現れ、恐怖で震え上がるエミリア達を落ち着かせた

 

一夏「リーサさんは…怖くないのですか?」

 

 

リーサ「あら?私と夫とシュウとダグラスは同級生なのよ?あの迫力には慣れたわ…ちなみに全員既婚者ね…」

 

 

ブライス「でリーサ…お前がここに来たということはそろそろ始まるのか?」

 

リーサ「ええ、極東防衛戦線のブリーフィング、並びに表向きの各国IS部隊評価軍事演習についての説明よ」

 

 

 

 

 

6人は施設内に作られた大人数のブリーフィングルームで今後の予定を確認した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 食堂

 

セシリア「何か大事になってますわね…」

 

鈴「そうねぇ…いきなり窓の外に大型の軍事輸送機がいくつも飛んでたもの」

 

 

食堂ではデルタ・フォースとラウラを除いた代表候補生達が食事をしていた

 

 

箒「これから何が始まるというのだ…大きな戦いか何かか?」

 

シャル「その事だけど…カズマ達に詳しく聞いても合同軍事演習だって言うんだ」

 

簪「あれ?軍事演習って…確か中国の輸送機あった筈…鈴は行かなくて良いの?」

 

 

鈴「あたし?あたしは確かに軍に入ってるけど今回って精鋭部隊でしょ?あたしの部隊って一般の部隊だし、隊長から連絡は無かったからね…あたしは行かなくていいの」

 

ラーメンを食べながらそっけなく答える鈴

 

春香「何か素っ気無くない?何かあったの鈴ちゃん?」

 

 

何時もと違う鈴の態度に違和感を感じた春香

 

 

 

鈴「実は…」

 

 

「あれ~?久しぶりじゃん!鈴音」

 

と中国語で話し掛けて来た少女は、鈴と同じ左右の長いツインテールで結んでいる容姿も鈴に似ている

(イメージCV 石原夏織)

 

 

ただ違うのは身長と胸…ごふぁ!?

 

 

 

 

 

鈴「それ以上言ったら張っ倒す…!」

 

 

すみません…

 

 

 

閑話休題

 

 

 

鈴「鈴花…何しにきたのよ…」

 

 

春香「知ってる人?」

 

 

鈴「あたしの従姉よ…」

 

 

彼女は鳳 鈴花(ファン・リンファ)鈴音の母方の従姉妹である

 

鈴花「そ、あたしは鈴音の従姉の鈴花、んでさ、あんたらデルタ・フォースのメンバーと仲良いんだって?」

 

 

 

シャル「そうだけど…カズマ達に何か用があるの?」

 

 

 

鈴花「ねぇ、蒼いフレームのIS乗ってる奴って誰?」

 

 

箒「蒼い…フレームのIS…」

 

 

デルタ・フォースの中で蒼いフレームのISを纏うメンバーは一人しかいない

 

 

簪「カズマの事?」

 

 

鈴花「カズマ?へぇ…あの蒼いIS乗ってるのって…あのカズマ・アーディガンだったんだ」

 

カズマの名前を聞いてにやりと笑みを浮かべる鈴花

 

 

鈴「で…カズマに何か用事?」

 

 

鈴花「宣戦布告よ!!」

 

 

仁王立ちで鈴花が言った

 

シャル「宣戦布告って…カズマに!?」

 

 

セシリア「あの…一体貴女は何なのですか?見ず知らずの女性にいきなり宣戦布告されたらいくらカズマさんとて戸惑うだけですわ!」

 

 

セシリアが言うのは最もだ、いきなり見ず知らずの女に宣戦布告されても対応に困る

 

見ず知らずだったら…

 

 

一夏「あれ?皆こんな所にいたのか?」

 

 

部隊の見送りとブリーフィングが終ったのかデルタ・フォースのファーストメンバーが食堂に入って来た

 

 

ウィノ「はぁ…お腹空いた……ってあんた誰?」

 

ウィノは鈴花に向かって誰と言った

 

鈴花「な!?誰って…あんた達あたしの事覚えてないの!?」

 

自分を知らない事に腹立てる鈴花

 

ウィノ「いやだってさ…初対面の人に普通誰って聞くでしょ」

 

カズマ「ウィノ…初対面じゃないぞ……久しぶりだな…鳳 鈴花」

 

 

 

エミリア「あっ!その制服…中国国軍特殊部隊の……確か中国でのテロ制圧の時にお会いしましたよね?」

 

それは数ヶ月前、去年の12月に中国のテロ組織壊滅任務で遠征していた際に共同作戦で一緒に任務に当たっていた中国の特殊部隊、それが鈴花の所属している部隊だったのだ

 

 

一夏「あの時か、確か俺達が…」

 

鈴花「そのあんた達がぜーんぶ手柄を持って行っちゃったんじゃない!!特にカズマ・アーディガン!!」

 

鈴花はカズマに指を差そうとしたが…いない

 

 

ウィノ「あ…あれ?カズマは?」

 

 

カズマ「俺がどうかしたのか?」

 

 

何とカズマは既に日本食のセットを買って座っていただきますの構えをしていた

 

シャル「あの一瞬で!?」

 

 

カズマ「俺が受け取り口に着いた途端に出来上がっていたからな…まぁ予約制って奴だ」

 

そう言って食べ始めたカズマ

 

 

鈴花「ねぇ…あんたカズマ・アーディガンでしょ?」

 

カズマ「……」

 

黙々と食べ続けるカズマ

 

 

鈴花「今日はあんたに宣戦布告しに来たわ、中国での借り、返させてもらうから!」

 

 

とカズマに指差して言った鈴花

 

 

だがカズマは黙々と食べ続ける

 

 

 

鈴花「……ってシカト!?ちょっとあんた!!聞いてるの!?」

 

 

鈴「あー…鈴花、カズマは食事中基本シカトだから」

 

 

そう鈴が助言するが…怒りに頭がヒートアップしている鈴花に届かない

 

 

鈴花「いい加減にしなさいよ!この…」

 

カズマ「ギャーギャー五月蝿いぞ!!中二のノリか?ぁあ!?シャル!!」

 

何故かシャルに怒鳴るカズマ

このボケに食堂にいる全員コケた

 

 

シャル「何で僕!?怒鳴ってるの僕じゃないよね!?」

 

 

 

カズマ「るっせ!そっち方面で怒鳴り声が聞こえたから突っ込み役のシャルが怒鳴り突っ込みやってるなって思っただけだ」

 

 

シャル「僕一言も喋ってないよね!?怒鳴ってないよね!?てか突っ込んでもないよね!?今突っ込んでるけど…」

 

シャルが理不尽な責めに涙目になっていた

 

 

鈴花「ちょっとあんた達!!下らんコントは他所でやってくれる!?」

 

 

カズマ「悪かったよ…で…何?」

 

漸くコントが終わり、鈴花はカズマに指を差して

 

 

鈴花「あんたに、宣戦布告よ!」

 

 

カズマ「…」

 

カズマと鈴花が睨み合う…早くも二人の間に火花が散ってる様だ

 

 

カズマ「言いてぇ事はそれだけか?悪い…話長すぎて半分以上聞いてなかったわ」

 

 

シャル「ぇえええっ!?たった二言しか言ってないじゃん!!」

 

この状況下でまだボケを繰り出すカズマ…端から見れば相手をからかってる様に見える

 

 

 

鈴花「なんで折角の良い雰囲気をぶち壊すのよ!!」

 

更に怒りがヒートアップする鈴花

 

 

Ppppppp!

 

鈴花「はい!…え!?もうそんな時間!?ありがと!」

 

 

鈴花は通信を切って食堂のドアに手を掛けて

 

 

鈴花「今日の所は引いてあげる、けど…カズマ・アーディガン!宣戦布告の件…忘れんじゃないわよ!!」

 

 

そう言い食堂から出て行った鈴花

 

 

また、新たなる戦いの幕開けとななるのか…




これから何とか合間を見つけて書いていきます

更新速度は遅くなりますがよろしくお願いいたします


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第四十七話 合同軍事演習

合同軍事演習編、開始です


極東防衛戦線基地、アリーナ

 

今ここでは表向きであるIS合同軍事演習の一環であるISの部隊戦が行われている

 

 

現在、先刻カズマに宣戦布告した鳳 鈴花が率いる中国軍特殊部隊とフランス特殊部隊の部隊が戦闘中である

 

この部隊戦のルールは4VS4のチーム戦で、制限時間内に全滅させるか、または制限時間が切れて残り残機、残り残機が同じならそのシールドエネルギー残量で勝敗を決めるのだ

 

 

戦況は4-2で中国軍特殊部隊が優勢だった

 

 

 

 

鈴花「ふふ…流石汎用性能が高い機体ね…でも…」

 

 

鈴花率いる中国軍特殊部隊、『応龍』は開始僅か1分で敵のISを戦闘不能にし、その後動揺している敵を直ぐ様撃破した

 

撃破したのは鈴花である、そして今三機目の獲物へ向かっている

 

鈴花「遅いわ!!」

 

ジグザグに間合いを詰めて敵ISの武器を破壊した鈴花

 

 

 

中国軍特殊部隊のISは鈴の甲龍をチューンアップした甲龍射爆型と甲龍撃斬型である

 

 

射爆型は射撃特化で衝撃砲を改造した剛衝撃砲を搭載しており、威力と一番の弱点である射程距離を伸ばした

 

そしてバズーカや、ガトリング、バトルライフル等の重火器を扱える様に改造されている

 

 

 

 

撃斬型は射爆型とは真逆の近接戦に特化したチューンが施されており、甲龍の特殊武装である非固定部位の衝撃砲を排除して、変わりに大型スラスターを搭載した

 

衝撃砲は連射型となっており、腕部に取り付けられているが、本来の衝撃砲より威力と射程が悪くなっている

 

だが近接武器は鈴の甲龍の双天牙月よりリーチと威力が上昇している太刀、青龍牙刀を装備している

 

 

 

一方のフランス国軍精鋭部隊は、デュノア者がΔシリーズのコアと、その強化パッケージを

応用した第三世代型IS、ラファール・イグナイトである

 

Δシリーズを開発したリィンフォース社とデュノア社が合同設計したΔシリーズの簡易コア

を搭載した機体である

 

だが春香やシャルロットの駆る試作型Δ-バウンサー、Δ-エクゼスと同じコアを使用している為、Δドライバは発動出来ないが、それでもラファール・リヴァイヴより大幅な性能アップを確立した

 

更にΔシリーズの強化アーマーをヒントに独自のアーマーをデュノア社が開発して、経営危機だった状況が何とか改善した

 

 

だが、ラファール・リヴァイヴより高性能で、強化アーマーによるカスタムの幅が広がった事から、エース級のカスタム専用機としての位置付けとなった

 

 

強化アーマーはベーシックアーマー、ラピッドアーマー、バスターアーマーの三種類があり、それぞれで扱う武器や戦闘スタイルが違う

 

 

 

さてここで戦闘に戻るが、鈴花が狙い付けたラファール・イグナイト・ベーシックアーマーは直ぐ様別の射撃武器を展開して弾幕を張りながら上空へ退避した

 

 

鈴花「このっ!!逃げるなぁあああ!!」

 

 

それでもお構いなしに突っ込む鈴花だった

 

 

 

 

 

 

 

 

合同軍事演習基地、ブリーフィングルーム

 

 

ブリーフィングルームにて、現在行われている中国軍とフランス国軍の戦闘を大型モニターに映している

 

その戦闘を見ていたのは各国の部隊メンバー、そしてカズマ達デルタ・フォースもいる

 

 

 

 

ウィノ「あの鈴花って奴…直線的過ぎない?弾幕張って逃げてる敵に正面から突っ込むなんて…」

 

 

一夏「そうでもないみたいだぜ…ほら」

 

 

モニターには鈴花の駆る甲龍撃斬型が先程狙いつけていたラファール・イグナイトを撃墜した

 

 

エミリア「イグニッション・ブースト…ですか?」

 

 

カズマ「いや…あれはショート・イグニッション・ブーストだな」

 

 

拓巳「何だよ?そのショート・イグニッション・ブーストってのは?」

 

後ろの席から拓巳が聞いて来た、後ろの席に龍真達セカンドチームがいる

 

 

 

カズマ「ショート・イグニッション・ブーストはイグニッション・ブーストを短い距離で発動、そして急停止の繰り返しで素早い直角的な動きで敵の狙いが合わせられずに間合いを詰める事が出来る高等テクニックだ…」

 

 

リディア「でもエネルギーの消費半端無いでしょ?」

 

 

淕「いや…短い距離で発動するなら効率良いんじゃないですか?」

 

 

確かにイグニッション・ブーストを使う際は多少エネルギーを食うのがネックだが、ショート・イグニッション・ブーストは距離が短い為エネルギーがあまり食わないのではないかと思う

 

 

 

友谷「淕、その逆だよ、ショート・イグニッション・ブーストは短い距離を高速移動、そして急停止の繰り返しだよ…エネルギーの消費は半端じゃない」

 

 

カズマ「それを使いこなしている鳳中尉の技量が凄いと言う事だな…」

 

そして試合終了を告げるブザーが鳴った

 

 

龍真「終った様だな…」

 

 

 

 

龍真がそう呟くと戦闘が終わり、鈴花率いる中国軍の圧勝だった

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園、食堂

 

 

シャル「はぁ……負けちゃったなぁ…」

 

 

先程の中国軍とフランス国軍の戦闘を食堂内のモニターで見ていたIS学園生徒達、現在その戦闘についてレポートを作成している

 

 

鈴「流石鈴花…あたしより数倍も上手くなってるし…ってかシャル大丈夫?」

 

鈴は溜め息をついて意気消沈のシャルを心配した

 

 

シャル「うん…でもショックだよ…お父さんが大喜びで完成したって言ったラファール・イグナイトがあんなにあっさりとやられちゃうんだもん…」

 

次第にトホホな表情になるシャル

 

 

 

簪「あれからお父さんと仲直りしたんだ」

 

 

シャル「うん、もう普通に話し合える仲になったんだ、お父さんがラファール・イグナイトを完成させた時は一緒になって喜んじゃった」

 

 

セシリア「少し羨ましいですわ…」

 

セシリアは何故か羨望の表情をする

 

 

春香「何で?オルコットってお金持ちなんでしょ?きっと大事に育てられ…」

 

セシリア「私の両親は…事故で失いましたわ…」

 

 

春香「え?」

 

 

 

セシリア「まだ…私が幼かった時ですわ…」

 

 

 

春香「あ…ごめんね…嫌な事思い出させちゃって…」

 

 

直ぐに謝罪した春香

 

 

セシリア「大丈夫ですわ…むしろ、そのお陰で今の私がいるんですの…」

 

 

 

鈴「そっか…セシリア大変だったわね……あたしなんか…離婚しちゃったもん…」

 

 

春香「ええっ!?鈴の両親、離婚しちゃったの!?」

 

 

春香は驚いた、鈴の両親は日本に来てから中華料理屋をしており、夫婦の仲はとても良い評判だった

 

幼馴染みで親友の一夏と春香も度々鈴の中華料理屋に足を運んでおり、二人の仲の良さを実感していた

 

 

鈴「原因は…ISのせいかもね……将来あたしをISに乗せるお母さんの考えと、乗せないお父さんの考えと衝突しちゃって…離婚したの…それでお母さんに親権が映って…中国に帰ったのよ」

 

 

春香「そうだったんだ……ねぇ、お父さんと会ったの?」

 

 

鈴「まだ…会えてない」

 

箒「会える機会があれば会いに行った方が良いぞ…私は政府の保護プログラムで離れ離れだからな…」

 

 

 

簪「みんな辛い過去を乗り越えてるんだね…」

 

 

簪の言う通り、少なくともセシリア、鈴、箒、シャルは辛い過去を乗り越えて代表候補生となった

 

 

 

 

シャル「さ、そろそろレポートを書かないと、次の部隊戦までに織斑先生に提出しないといけないからね」

 

 

シャルが促すと皆レポートを書き、終えたら千冬に提出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合同軍事基地、デルタ・フォース ブリーフィングルーム

 

 

ここにファーストチームとセカンドチームを合わせたメンバーが集結していた

 

 

ブライス「良し、ではデルタ・フォースの部隊戦についてのブリーフィングを始める、今回の我らの初戦は、中国軍とだ」

 

 

一夏「お、確かあの鈴花って奴がいた所の…」

 

カズマ「……」

 

デルタ・フォースの初戦は鈴花率いる中国軍だった

 

 

シュウ「そこでだが、我々はファーストチーム、セカンドチームの混成4人編成で臨む、今回の出撃メンバーは、カズマ・アーディガン、初狩拓巳、エミリア・リィンフォース、リディア・ファロンの4名とする」

 

 

ブライス「そしてその中での指揮はお前が執れ、カズマ」

 

カズマ「はっ!!」

 

 

直ぐ様起立して敬礼をしたカズマ

 

 

ブライス「うむ、では相手のISとその戦術について説明しよう、8と0、頼む」

 

8「了解!」

 

8と0を通して大型ディスプレイに中国軍の甲龍撃斬型と甲龍射爆型が映された

 

 

ブライス「現在、相手の編成は汎用型3、格闘型1の編成となっている、こちらは汎用2、格闘1、支援1の編成で行く」

 

 

先程言われた中でのメンバーだと

 

汎用型はカズマのフリーダムウイングとリディアのストライクイェーガー

 

格闘型は拓巳のデスサイズブリッツ

 

支援型はエミリアのインパルスブラストだろう

 

 

0「続いてISの説明だけど、相手のISは甲龍・改、鈴の甲龍の性能強化型よ」

 

 

8「射爆型は文字通り射撃特化のパッケージを搭載している、」

 

 

 

 

大型ディスプレイに甲龍射爆型のデータが映された

 

 

 

 

 

一夏「鈴の奴より少しゴツい感じがするな」

 

 

8「追加装甲とパワーローダーを搭載してるからな、重火器を軽々と扱える」

 

 

カズマ「重火器なら当たらなければ良い…その時は俺、リディアで引き付けて拓巳が重火器を構えた敵を斬り伏せれば良い」

 

 

拓巳「良いねぇそれ!!俺の大活躍が期待できるなぁ!!」

 

 

嬉しそうに指を鳴らす拓巳、この場合のハイパージャマーは有効だろう

 

だがハイパージャマーを使うとなると、拓巳が隠密行動している間はカズマ達3人で4人を相手にしなければならない…

 

リディア「でもさ、カズマに勝負吹っ掛けて来た女の機体って違うんだよね?」

 

 

 

 

0「隊長機の事ね…これが甲龍撃斬型よ」

 

 

今度は甲龍撃斬型の情報が映された

 

 

ウィノ「あれ?衝撃砲がない?」

 

 

撃斬型の機体図面は甲龍の特徴である衝撃砲が無いのである

 

 

 

8「一応あるぞ、腕部にある小型化した衝撃砲だ、当然威力も射程も鈴の甲龍より悪い」

 

 

龍真「非固定部位に大型スラスターか、一撃離脱の格闘戦専用か」

 

エミリア「そう言えば先程の鈴花さんもそんな戦いでしたね…私は相手したくないです…」

 

 

エミリアのインパルスブラストは一応近接武器はあるが、本人は格闘戦においては大の苦手なのである、一応一夏からレクチャーは受けているが、まだ苦手の域から脱していない

 

 

リーサ「そこでね、カズマには敵エースを相手して貰いたいの、フリーダムウイングは1対多向きの機体はわかるけど…格闘機をフリーにするわけにはいかないのよ」

 

 

 

カズマ「それは一騎討ちになる可能性がある…と言う事ですか?」

 

 

シュウ「高い確率でな…やれるか?」

 

 

ブリーフィングルームに重い沈黙が漂った

 

カズマは目を閉じて暫く考え………目を開けて

 

 

 

 

カズマ「当然、やります…フリーダムウイングが只の1対多向きのISではない事を見せつけてやりますよ」

 

 

ブライス「うむ!頼むぞ!…で他に作戦を立案した奴はいるか」

 

 

ウィノ「はーい!」

 

 

全員「え!?((((;゜Д゜)))」

 

 

これにはシュウもリーサも驚いた…

 

リーサ「なんか悪い予感はするけど…ウィノ、言ってみて」

 

 

ウィノ「敵ってまずエース級から落としてますよね?さっきの戦闘でもそうでしたけど…」

 

 

ブライス「そうだが…それがどうした?」

 

 

ウィノ「だから…」

 

 

ウィノがカズマを指差して

 

 

ウィノ「カズマが逆にあの鈴花に一騎討ちを仕掛けるの!」

 

 

カズマ「は?俺が仕掛けるのか?」

 

 

 

ウィノ「絶対にあの鈴花はカズマに恨みを持ってるわ、だから絶対あの女はカズマを討ちに来る、だからそれを逆手に取って相手の陣地で崩すの」

 

 

 

カズマ「それを言うなら相手の土俵で崩すだ…もう少し日本語勉強しろ……」

 

 

リーサ「はぁ…どうするの?ウィノのプランは採用するの?」

 

 

カズマ「保留で」

 

 

ウィノ「即答!?」

 

 

カズマ「あくまでサブプランだ、もしかしたら使うかもしれん…(使わんかも知れんがな…)」

 

 

 

ウィノ「そっか…わかった!」

 

 

理解したのか上機嫌な表情をするウィノ

 

 

 

 

 

 

 

ブライス「良し、明日が初戦だ!お前らの力見せてやれ!!では解散」

 

 

 

メンバー達はそれぞれ部屋を後にしたカズマは8を持って話しかけた

 

カズマ「8、フリーダムウイングをこの通りに出来るか?」

 

 

8「ん?…っておい!?本気か!?」

 

 

カズマ「ああ…奴に対抗するには…これしかない」

 

 

 

 

 

 

 




リディア・ファロンのストライクイェーガーの紹介

USAS/ISΔ-78-9SJ
Δ-ライン・ストライクイェーガー

シールドエネルギー総量780


【挿絵表示】


リディア・ファロンのΔ-ラインがセカンドシフトした機体、純粋な機動力はウィノのエクシアピクシーを軽々と越える
背部バックパックの大型ウイングブースターでその高機動を生み出す


武装

ビーム・アサルトライフル
ビーム・ダブルセイバー
ライトショルダーウェポンパック(80mmガトリングバルカン/ガンランチャー)
レフトショルダーウェポンパック(イグナイトエッジⅢビーム・ブーメラン/ヒートアンカー)
背部バックパック搭載プラズマビーム砲×2


様々な武装を全て取り付け式で組み立てている機体で、ライトショルダーには射撃兵装、レフトショルダーには近接戦闘補助兵装が搭載されている

ライトショルダーの80mmガトリングバルカンは弾幕の役割もあるが、一般的な第二世代のISならば連射すれば楽に撃破可能
ガンランチャーはたった2発しかないが、誘導弾のミサイルを放つ

レフトショルダーにイグナイトエッジⅢのビーム・ブーメランにワイヤーの先端に熱振動の刃を鋏状にしたヒートアンカーを装備している






こんな感じです



最近ガンダムバトルオペレーションにハマって今回その要素を入れてみました

因みにデルタ・フォースの皆を汎用、格闘、支援に分けるとなれば

カズマ 汎用
一夏 格闘
ウィノ 格闘
エミリア 支援
龍真 汎用
拓巳 格闘
淕 支援
リディア 汎用

だと思います
長々と失礼しました 感想待ってます










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第四十八話 ファースト・バトル

ついに中国軍と試合開始

果たして勝てるのか


デルタ・フォースの合同軍事演習の初戦の日がやって来た

 

相手は中国軍、鈴花率いる部隊だ

 

 

拓巳「遂に来やがったな…」

 

 

 

発進ピットにて最終確認を行うカズマ、拓巳、エミリア、リディア

 

友谷も付き添っている

 

 

友谷「しかし君は人使いが荒いな、急遽こんな物を着けろだなんて」

 

 

カズマ「すまない友谷…本当に助かる」

 

 

 

それはカズマのフリーダムウイングの新しい武器、コールド・ブレード、スタンダードアーマー/Bに搭載されていた超硬質ブレードである

 

エミリア「何故今更コールド・ブレードを?」

 

 

カズマ「鈴花とやり合う事となったらエネルギー消費の激しいビーム・セイバーだと長期戦に不向きだ…それに…こいつの方がビーム・セイバーより強力だし、長期戦に向いてる」

 

 

コールド・ブレードは実体剣である為、エネルギー消費の激しいビーム・セイバーの様にエネルギー消費が無い

 

友谷「それと、カズマ、コールド・ブレードの形状が以前と変わっている事に気付いた?」

 

 

カズマ「ああ…なんかアタッチメントが着いた様な…」

 

 

 

友谷「君は時々、ビーム・セイバーを連結してアンビテクストラス・ハルバート形態にするでしょ?このコールド・ブレードも連結すればアンビテクストラス・ハルバート形態になれるよ」

 

 

 

カズマ「すまんな…助かる」

 

 

拓巳「しかし、良くお前アンビテクストラス・ハルバート形態で戦えるよな?」

 

 

リディア「そうね、あたし達じゃ扱い辛いのに」

 

 

アンビテクストラス・ハルバート形態は所謂両刃剣と呼ばれており、持ち手の前後に刀身がある刀剣である

 

 

一歩間違えば自分も斬ってしまうリスクはあるが、極めれば強力な武器である

 

 

カズマはそんな武器を楽々と扱えるのである

 

 

因みに一夏は扱えない

 

 

 

 

友谷「そろそろ発進だね、カタパルトに」

 

 

 

四機のISがカタパルトに固定され

 

 

 

カズマ「カズマ・アーディガン、フリーダムウイング…出る!!」

エミリア「エミリア・リィンフォース…インパルスブラスト、発進します!」

拓巳「デスサイズブリッツ、行くぜぇっ!!」

リディア「リディア・ファロン、ストライクイェーガー、出るわよ!」

 

 

四機が一斉にアリーナへ飛び立った

 

バレルロールして翼を広げるフリーダムウイングは一番に所定の位置に着いた

 

 

今回のマップは高層ビルが建ち並ぶ無人都市の設定となっている

 

 

全て急遽作られた物だが、何処か戦場のリアル感を醸し出している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国軍SIDE

 

 

鈴花「皆、段取りはわかってるわね?」

 

 

「「「了解!」」」

 

 

鈴花が部下に今回の作戦を再確認させた

 

 

鈴花「中国での借り…きっちり返すわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

デルタ・フォースSIDE

 

四機が所定の位置に着き後は開始を待つのみだった

 

 

カズマ「拓巳、いつも通りハイパージャマーで背後から頼むぞ」

 

拓巳「はいよ!」

 

 

カズマ「エミリアは遠距離から援護しろ」

 

エミリア「了解です!!」

 

 

カズマ「リディアは俺と来い、敵の注意を拓巳から反らす」

 

リディア「OKよ!」

 

 

 

『両部隊、演習開始位置に着きました、状況開始!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂、大型モニター前

 

 

 

セシリア「遂にカズマさん達の戦闘が始まりましたね…」

 

シャル「拓巳が消えちゃった…ハイパージャマーとミラージュフィールドを発動したね」

 

簪「多分…カズマとリディアで敵の注意を引いて、拓巳が後ろから奇襲するのかな…」

 

箒「む?カズマに向かってくる奴がいるな」

 

鈴「多分鈴花よ…あいつ…完全にカズマ狙いだわ…」

 

 

 

モニターの前で代表候補生達はカズマ達の戦闘を分析していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

 

カズマは早速鈴花の甲龍撃斬型に狙いをつけられて、自然と一騎討ちになっていた

 

 

カズマ「早速来たか…だが…このままではリディアの負担が…」

 

 

現在リディアとエミリアが三機を相手している

 

拓巳はまだ奇襲の位置に着いていない、まだ辛抱の戦いである

 

 

鈴花「何処見てるのよ!?」

 

 

カズマの右からマシンガンを乱射しながら突っ込んで来る鈴花

 

 

カズマそれを冷静に避け、ビーム・ライフル・ショーティーを撃つ

 

 

放たれたビームは鈴花に当たったが

 

 

鈴花「そんなビームがどうしたああああっ!!」

 

カズマ(な!?突っ込むだと!?)

 

 

 

咄嗟にヘビー・ライフルを構えて鈴花を撃った

 

 

ヘビー・ライフルの強力なビームを受けて大幅にシールドエネルギーが減った

 

 

 

鈴花「ぐっ…油断したわ…あの拳銃…連結出来るのね…面白くなって来たわ」

 

 

 

鈴花は機体を反転させて、後退した

 

 

カズマ「良し、行くか」

 

 

カズマはリディア達の援護に向かった

 

 

 

 

 

 

 

リディアは二機を相手にしていた、残りの一機は何処に行ったかわからないが、エミリアの援護があると言う事はカズマの方に行っただろうと思っていた

 

ハイパージャマーを発動している拓巳が発見される筈が無いとこの時のリディアは思っていた

 

 

 

リディア「拓巳…急ぎなさいっての!」

 

リディアはライトショルダーウェポンパックのガンランチャーを放ち、同時に80mmガトリングバルカンを乱射する

 

何発かガトリングバルカンが当たったが80mmの大口径のバルカンである為え、かなりのシールドエネルギーが減った

 

リディア「0、何れくらい減らせた?」

 

 

0「120は減らせたっぽいね、あれ?…嘘!?」

 

 

 

リディア「どうしたの!?」

 

 

0「拓巳が攻撃を受けてる!バレちゃったらしいよ」

 

 

0から映し出されたマップに、拓巳のISと敵ISの交戦中の反応があった

 

リディア「はあ!?何やってんのよ拓巳!」

 

 

0「リディア!危ない!!」

 

 

リディアがロックされた方向を向くと、大型バズーカを放とうとする敵ISがいた

 

 

リディア「この程度なら…」

 

 

だが突然蒼いビームが敵ISのバズーカを貫き、爆発した

 

 

カズマ「リディア!無事か?」

 

リディア「カズマ!拓巳がバレちゃった!」

 

カズマ「ああ、知ってる、エミリアに向かわせた」

 

 

 

 

 

 

 

 

拓巳「ちっ、こりゃちと不味いな…」

 

 

拓巳は運悪くアンチステルスを搭載している敵ISに見つかってしまい、敵の一斉砲撃を受けている

 

マイクロミサイルをツインビームサイズで切り落としたりしているが、このISを倒せないと奇襲が成功しない

 

 

鈴花「見つけたわ!!」

 

 

拓巳「な!?やべっ!!」

 

更に運悪く、カズマと一騎討ちしていた鈴花に見つかってしまった

 

 

鈴花「後ろから奇襲なんて…考えたわね!!」

 

 

鈴花は重量ブレードの青龍牙刀を拓巳相手に振り落とした

 

拓巳「こなくそぉっ!!」

 

 

拓巳はツインビームサイズで受け止めたが

 

 

拓巳「な…なんだ…重ぇっ…!」

 

 

敵のブレードがとても重く、鍔迫り合いに負けそうだったので咄嗟に両手持ちに変えた拓巳、だが両手持ちに変えた事でもう一機に向けていたランサーダートを仕舞ってしまった

 

 

「もらった!!」

 

 

甲龍射爆型がガトリングガンを放とうとしていた

 

 

エミリア「やらせはしません!!」

 

 

エミリアがケルベロスを放って甲龍射爆型のガトリングを破壊して使用不能にした

 

 

鈴花「ちっ…もう一機来たか…ん?あれ?」

 

鈴花は今まで正面にいた筈のISがいない事に気付いた

 

 

鈴花「まさか…」

 

 

次の瞬間、ガトリングガンを破壊された甲龍の真後ろにミラージュフィールドを解除した拓巳が現れた

 

 

鈴花「甲龍2!後ろよ!!」

 

 

「え?し…しまっ…」

 

拓巳「遅ぇよ!ぜらぁあああああああああああっ!!」

 

 

ツインビームサイズの刃が完全に敵ISを捉え、一撃で敵ISのシールドエネルギーを大幅に減らした

 

 

8「やったぞ!相手のシールドエネルギーは28/750だ!」

 

 

拓巳「げ、一撃じゃねえのかよ…」

 

 

 

鈴花「甲龍2!スモーク!!」

 

「はい!」

 

 

甲龍射爆型からスモークが散布され、視界が白に染まる

 

 

拓巳「やべぇな…全然見えねぇ…」

 

 

エミリア「ここはカズマさんと合流しましょう」

 

 

拓巳「そうだな」

 

 

二人はカズマ達と合流するため、移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のカズマ、リディアは、先程まで甲龍射爆型二機と相手していたが、敵の戦法に疑問を感じていた

 

 

 

リディア「ねぇ、敵さんまるでカズマを誘ってるんじゃない?」

 

 

カズマ「恐らくな…さっきから俺を誘い出そうと俺に攻撃しては引く素振りをしている」

 

 

 

相手はリディアとカズマそれぞれ一騎討ちを仕掛けて、カズマの方は誘導する動きであった

 

 

カズマ(もしかして鈴花の狙いは…この部隊戦の勝利ではなくて…俺との勝負?)

 

 

 

拓巳「よう!カズマ!リディア!」

 

そこに拓巳、エミリアの二機が合流した

 

 

 

リディア「んもう!何でバレてるのよ!」

 

 

拓巳「仕方無ぇだろ?向こうにアンチステルス搭載したISがいてさ…」

 

 

リディア「ねぇ、0、アンチステルスステルスってハイパージャマーも無効化にするの?」

 

 

0「ハイパージャマーは敵のハイパーセンサーの精度を落とすだけだから、アンチステルスを持ってる敵なら目視で拓巳の姿を捉えられるよ、ただレーダーには映らないけどね」

 

 

 

拓巳「そっか、だからあの後ろを取ったとき、反応が遅れてたんだな」

 

 

エミリア「これからどうします?一機はもう撃破寸前ですが…攻勢に出ますか?」

 

 

 

リディア「どうするの?カズマ」

 

 

 

 

カズマは暫く考えて言った

 

 

カズマ「こうなったら…サブプランで行く」

 

 

拓巳「はぁ!?お前本気か!?」

 

 

リディア「ちょっと!これは実戦形式なのよ!一騎討ち何て不合理、乗るわけ無いわ」

 

 

この場合、一騎討ちをしてくる敵はほぼいないだろう、部隊戦において一騎討ちほど不合理なものはないからだ

 

 

 

カズマ「いや…連中は俺を誘い出そうとしている…」

 

 

 

エミリア「でも…本当に一騎討ちを仕掛けてくるなんて思えないですし…」

 

 

 

 

カズマ「そこでだ、お前らには他の取り巻きに邪魔されないようにしてくれないか?」

 

 

拓巳「なるほどな、わかったぜ」

 

 

リディア「ウィノが言った『相手の土俵で崩す』のね」

 

 

エミリア「カズマさん、ご武運を…」

 

 

 

カズマ「ああ!」

 

 

 

 

そう言ってカズマは、青い翼を広げて敵陣へと一人突っ込んで行った




この時点でのそれぞれのシールドエネルギー
デルタ・フォース
カズマ 740/890
拓巳  410/810
エミリア850/970
リディア510/780


中国軍
鈴花  510/700
甲龍1 23/750
甲龍2 720/750
甲龍3 700/750


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第四十九話 一騎討ち

明けましておめでとうございます
今年もISΔを宜しくお願いします


合同軍事演習 アリーナ

 

 

甲龍3「乗ってきました!これは…フリーダムウイングです!」

 

 

レーダーには甲龍四機に向かって単機で突っ込んで来るIS、カズマのフリーダムウイングが映っていた

 

 

鈴花「(来た!)全機散開!雑魚共に邪魔させるな!!」

 

 

「「「了解!」」」

 

 

鈴花「行くわよ…カズマ・アーディガン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

市街地エリアを低空飛行してるカズマは敵陣の奥深くに突入していた

 

 

だが突然衝撃砲がカズマを襲った

 

 

カズマ「っ!?撃斬型…鳳 鈴花か…」

 

 

フリーダムウイングの目の前には甲龍撃斬型の鈴花が降りてきた

 

 

 

鈴花は射撃武器を全てパージしてブレード一本の状態となった

 

 

カズマ「何!?」

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 食堂

 

 

 

 

シャル「ええっ!?射撃武器をパージしちゃうなんて…」

 

シャルロットは鈴花が射撃武器を全てパージした事に驚いた

 

 

 

簪「もしかして…格闘でカズマに挑む気?」

 

 

鈴「相変わらず真っ向勝負が好きよねぇ…鈴花は」

 

 

セシリア「カズマさん…大丈夫でしょうか」

セシリアは何処か心配だった

 

 

春香「大丈夫って…どうして?」

 

 

セシリア「カズマさんは普段一対多の戦法で、主に射撃武器を使用しますのに…一対一の格闘戦なんて…大丈夫でしょうか…」

 

 

春香「いやさ…結構前のクラス代表決定戦のあれ見てないの?お兄ちゃんと一対一であの死闘だよ?」

 

 

それは入学して間もない頃、クラス代表決定戦でカズマと一夏の一騎討ちがあった

 

どちらもΔドライバを使い、剣劇と同時に衝撃波が生まれる程の激しい死闘で、第3アリーナが半壊する程の惨事となった…学園にとっては災難である

 

 

閑話休題

 

 

 

箒「いや、カズマなら大丈夫だ」

 

春香「何で大丈夫って言い切れるの?」

 

箒「あいつは…特訓をしていたからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

カズマは鈴花のブレード、青龍牙刀一本しか装備していないのを見て

 

 

カズマ(面白い…)

 

 

カズマはコールド・ブレードを一本抜刀した

 

 

鈴花「良いわよあんた…良いわ!!」

 

 

鈴花はブレードを大上段で突っ込んで降り下ろした

 

カズマはそれを受け止めた……が

 

 

カズマ「ぐぁ…っ…(お…重い…)」

 

その衝撃は腕はおろか、全身の骨が悲鳴を上げる程の衝撃だった

 

 

カズマは相手のブレードを刀身に滑られて躱し、もう一本のコールド・ブレードを抜刀して斬りかかった

 

 

 

鈴花「はあぁああ!!!」

 

 

だが向こうの反応が早いのかブレードを振り向き様に薙ぎ払った

 

 

カズマはすかさず空いてるコールド・ブレードで防ごうとした

 

 

 

 

 

 

結果、鈴花にダメージを与えたが、それ以上にカズマが大きなダメージを受けてしまった

 

 

 

大降りの重量ブレードと軽量のコールド・ブレードでは速さではコールド・ブレードが上であるが、与えるダメージが少ない、故に先に攻撃を当てたのはカズマだが、その後に鈴花の重量ブレードをコールド・ブレードもろとも左手に受けてしまい、骨が折れてしまったような衝撃が襲い、吹き飛ばされた

 

 

 

カズマ「がっ…はぁ…はぁ…」

 

 

先程の一撃で残りシールドエネルギーが240/890となってしまった…彼がフリーダムウイングに乗ってからここまで減らされたのは初めてである

 

 

8「カズマ!!左手大丈夫か!?」

 

 

すぐに8が心配してきたが、カズマは問題ないと答えた

 

 

だが正直左手ではもうブレードが振れない、強烈な痛みと痺れが残っているからだ

 

 

カズマ「くっ…焦ったか…っ!?」

 

 

鈴花「休んでる暇なんてないわよ!!!」

 

 

正面から再び鈴花が重量ブレードで斬りかかって来た

 

 

 

カズマは緊急回避して、距離をスラストリバース(スラスター逆噴射)で開けた

 

 

カズマは残っている右のコールド・ブレードで斬り合っていた

 

 

時折鈴花のブレードを受けそうになる時は片手一本で防ぐが、その桁違いのパワーに機体と体が悲鳴を上げる

 

 

カズマ(この重さ…あのブレードだけじゃない……全身のパワーローダーをフルに回転させる事で…より威力の高い一閃を繰り出してる…)

 

 

 

冷静に分析するカズマだが…鈴花の猛攻は止まらない

 

 

カズマ(くっ…さっきから何だ?…こちらは押されてる…なのに何故止めを刺さない………いや……そうか…!)

 

 

カズマは動かない左手を見て…

 

 

カズマ(なら…望み通り次で勝負を決してやる!)

 

カズマは未だに痛みと痺れが残っている左手を右手に添えて、剣道で言う正眼の構えを取った

 

 

 

 

鈴花「へぇ…覚悟は決まったって感じ?なら…これで終わりにしてあげるわ!!」

 

 

鈴花がイグニッション・ブーストでブレードを大上段に振り上げた

 

 

カズマ(勝負は一瞬!…この一太刀がラストチャンスだ!)

 

 

 

 

 

 

 

鈴花はブレードを大上段から振り下ろした、それをカズマはコールド・ブレードで受け止めた、そして納刀していたもう一本のコールド・ブレードを左手で抜刀し、受けた右手のコールド・ブレードで相手の攻撃を受け流した

 

鈴花のブレードが地にめり込んだ瞬間、両方のコールド・ブレードを交差させるように地に差して鈴花のブレードを固定した

 

鈴花「な!?嘘!!?」

 

 

カズマ「もらったぁあああああああ!!」

 

 

 

強い衝撃を受けて吹き飛ばされた鈴花のISは、シールドエネルギーが0になった

 

 

 

カズマが持っている剣は、嘗ての愛機、Δ-ライン・スタンダードアーマーの武器、ヴァリアブルアームズであった

 

 

 

カズマ「やっぱりお前は最高だぜ…『相棒』…」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方リディア達は、甲龍射爆型と対峙していた

 

 

甲龍2「そんな!?隊長が…」

 

 

リディア「余所見厳禁!!」

 

 

リディアはビーム・アサルトライフルで相手のシールドエネルギーを削った

 

 

甲龍2「こ、このぉっ!!」

 

 

甲龍2はバズーカを撃って来た

 

 

リディア「0、ウェポンアーマーをパージして!!」

 

0「ラジャー!!」

 

 

 

肩のウェポンアーマーがパージして、バズーカがそれに当たって大爆発を起こした

 

 

 

甲龍2「やった…?」

 

 

リディア「残念ね!!高速格闘モード起動!!」

 

リディアの肩の装甲が展開して、バーニアが現れた

 

 

そして目にも止まらない速さで接近し

 

 

 

リディア「はぁああああっ!!」

 

 

横凪ぎ一閃のビームセイバーで吹き飛ばし、止めに背部バックパックのビームランチャーで相手のシールドエネルギーは尽きた

 

 

 

 

 

 

 

 

甲龍3「くっ…何処だ!?」

 

拓巳のデスサイズブリッツと戦っていた筈なのに…見えない

 

 

 

甲龍3「隠れてないで出てこ……キャアアアアアッ!!」

 

 

突然甲龍3のパイロットが悲鳴を上げた

 

 

甲龍3の後ろに、ショックアンカーを突き刺して、電流を流し込んでいるデスサイズブリッツの姿がいた

 

 

拓巳「お望み通りに出てきてやったぜ!」

 

 

甲龍3「ぐっ…くそっ……って!?」

 

 

 

甲龍3のパイロットが見たのは、ハイパーセンサーやその他計器が完全に麻痺している状態だった

 

 

甲龍3「そ…そんな…動かない……ヒィッ!!」

 

 

拓巳「見敵必殺!!おおおおりゃぁぁあああッ!!」

 

 

拓巳のツインビームサイズが完全に捉え、相手のシールドエネルギーは完全に尽きた

 

 

 

 

 

 

 

 

甲龍4「やっぱり鈍重ね…遅い!!」

 

 

甲龍4はエミリアに向けてバズーカを放ったが…

 

エミリア「甘いですわ」

 

 

エミリアはスナイパーライフルでバズーカの弾頭を撃ち抜き、その弾はそのまま甲龍4に直撃した

 

 

甲龍4「くっ…おのれ…」

 

 

エミリア「ターゲット…ロック…」

 

 

エミリアのISの各部装甲が展開して、多数のミサイル弾頭が現れた

 

 

それだけではなく、両肩のガトリングガン、レールガン、ビームキャノンも展開し、両手には100mmバズーカを持っている

 

 

 

甲龍4「え!?ちょ!?…まって…」

 

 

エミリア「嫌ですわ」

 

 

笑みを浮かべながら無慈悲にぶっ放すエミリア

 

 

多数の爆音と爆炎が発生して、敵のISはシールドエネルギーが尽きた

 

 

 

 

 

 

 

結果、最初は押され気味だったのを立て直しての圧勝であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合同軍事基地、大型モニター前

 

 

モニター前には、アメリカ精鋭部隊のエコーズが観戦していた

 

 

そこにはレオン・ローゼス、ダグラス・メンドーサ他、レオンと同期の女性、シャロン・ローウェル(イメージモデルはVOCALOIDの巡音ルカ、イメージ声優は名塚佳織)とダグラスの直属の部下で、彼の右腕的存在のレックス・ラッチフォード(イメージモデルはガンダム0083スターダストメモリーのカリウス、イメージ声優は草尾毅)がいたのだ

 

 

シャロン「最初は押されてた感じはしてたけど…よく立て直したわね…」

 

レオン「流石だ…向こう側が仕掛けた戦術にわざと乗って撃ち破るなんて」

 

 

レックス「どうやら…あのカズマ・アーディガンという者は中々良いパイロットですね、隊長」

 

ダグラスは目を閉じていた

 

 

そして静かに言った

 

 

ダグラス「ふん…弱いな…」

 

レオン「え?」

 

 

ダグラス「奴の戦闘を見ていたが…話にならん……次は我々の番だ、各自準備しろ」

 

 

ダグラスは命令をしてその場を去った

 

 

 

 

 

 

 

ダグラスは一人で廊下を歩いていた

 

 

 

「こんな所に何か用か?」

 

 

ダグラスの後ろから声が聞こえた、振り返るとそこにはブライスがいた

 

 

ダグラス「ブライスか…久しいな…」

 

 

ブライス「ああ、デルタ・フォースが出来てから以来かな?お前が一部隊の隊長になるとはな…」

 

 

ダグラス「全隊員が私を推挙したのだ…期待に応えねばならん…」

 

 

ブライス「ハハッ…相変わらず堅いなぁ…それでどうだった、俺のお気に入りは」

 

 

ブライスのお気に入りとはカズマの事である

 

 

ダグラス「中々良い腕だ、戦場での機転も良く、頭も回る…申し分ないと思うが…心が弱いな」

 

 

ブライス「!?…どういう事だ?」

 

 

ダグラス「少なくとも両親の作ったISを親の形見だと思ってる様では私やお前にはに勝てないだろう…」

 

 

 

ブライス「な!?おまえ!!」

 

 

ブライスはダグラスの胸座をつかんだ

 

 

ブライス「あいつは10歳の時に親をテロで目の前で殺されてんだぞ!俺もテロで妹を亡くしているが…あいつは親を失ったんたぞ!両親が作ったフリーダムウイングを形見と思うことがなぜ悪い!」

 

 

 

ダグラス「それが弱いのだ…いつまでも親に縋ってる様では…あいつはこれ以上成長はしない…SEEDに覚醒しようが、シンクロ率が高いなどは意味がない」

 

 

ブライス「お前…いつからそんな非情になった?」

 

 

ダグラス「ふん…元から…と言っておこうか……それとブライス…お前はあいつの本当の過去を知っているのか?」

 

 

ブライス「何?あいつの本当の過去だと?」

 

 

ダグラス「妙に教官がカズマ・アーディガンに肩入れすると思ってな、見たまえ」

 

 

ダグラスは一枚の紙を見せた

 

 

ダグラス「ダン教官のデスクに…あったものだ」

 

 

 

ブライス「馬鹿な…そんな…!?」

 

 

 

その紙に書かれていたものは…

 

 

 

 

 

 

カズマ・アーディガンとその両親のDNA一致率   

 

 

 

 

 

0%

 

 

 

 

 

と書いてあった

 

 

 

 

 

ブライス「どう言う事だ!?ダグラス!!お前は何を知っている!!」

 

 

 

ブライスは更に語気を荒げた

 

 

ダグラス「知らん…知りたければ教官に聞くのだな……それと見るのはお前の勝手だが裏にもカズマ・アーディガンの調査報告がある……私はもう行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

ダグラスはその場を去った

 

 

その後部屋に戻ったブライスが妻のリーサに先程のことを話した

 

 

 

 

 

リーサ「そんな…疑いたくは無かったけど…やっぱり」

 

 

ブライス「お前も疑っていたのか?カズマがブレス博士の息子ではないことを」

 

 

 

二人は酒を飲みながら今回ダグラスから伝えられた事を話していた

 

 

 

 

リーサ「臨海学校でカズマの妹たちに会ったわ…でも顔立ちが似てないのよ…まあ男と女って事もあるかもだけど…雰囲気が違ってたわ」

 

 

 

ブライス「そうか……なあリーサ、これから見たことは絶対にカズマには話すな」

 

 

突然の注意に驚くリーサ

 

 

リーサ「何?何なの?」

 

 

ブライス「あいつの…本当の過去だ…」

 

 

 

リーサは先程見た紙の裏面を見て驚愕の表情となった

 

 

リーサ「そんな…あなた…!」

 

ブライス「ああ…あいつは…」

 

 

 

裏面に書かれていたのは

 

 

 

 

 

北アイルランド人体実験報告と書かれており

 

 

 

遺伝子強化実験被検体K-01のコードネームの隣にカズマの写真があった

 

 

 

そして更にその報告書には

 

 

 

 

 

XXXX年 人工子宮にて、遺伝子操作を開始

 

XXXX年 生誕 コードネームをK-01と命名

 

XXXX年 3歳、投薬実験直前に何者かに拉致

 

 

 

ブライス「あいつはアイルランドの人体実験被害者だ…いや…こいつの場合、最早造られた人間だろうな…」

 

リーサ「造られた…人間……」

 

 

ブライス「それに…最後の年表…見てくれ…」

 

 

 

 

ブライスは年表の最後を指差した

 

 

そこには

 

 

 

XXXX年 推定10歳、日本から帰国したばかりの被検体K-01を拉致したアーディガン夫妻とその家族を北アイルランドでテロと見せて抹殺、以後、K-01は死亡扱いとする

そして生存が確認したなら、抹殺型人工被検体を送りK-01を抹殺させる

 

 

 

リーサ「あ…あなた……こ……これは…」

 

さすがのリーサも動揺が収まらない、まさかブライスの妹が死んだ原因であるテロが、カズマを抹殺する為だけのテロ行為に巻き込まれた事に

 

 

ブライス「だが…俺は彼奴を恨んではいない……俺が許さないのはこの人体実験をしている組織だ……もし特定したら跡形もなく破壊してやる……そしてリーサ、俺達が結婚してブレス博士に言われた事を覚えているか?」

 

 

 

 

 

それは十年前、ブライスとリーサの結婚式に当時から兵器開発をしていたリィンフォース社の技術博士だったブレスフィールド・アーディガンが二人に言った言葉だった

 

 

 

リーサ「もし私と家内が死んでしまったら…息子と娘達を頼む……だよね?」

 

 

ブライス「俺は護って見せるさ……俺は…絶対にブレス博士の宝のカズマを絶対に護る!」

 

 

リーサ「そうね、私も護るわ…お世話になった人の子も護れないなんて…軍人失格だしね」

 

 

 

 

 

二人にとってこの晩酌は新たな決意を固める一時となったであろう




感想待ってます

では


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第五十話 悪夢

読者の皆…私は帰ってきたぁああああああ!!


すみません更新遅れました

社会人になって忙しく執筆できませんでした


IS学園 寮 朝

 

 

中国軍との模擬戦から一夜明け、カズマ達は戦いの疲れを癒やす為に一日のオフを頂いた

 

 

その朝、カズマとウィノは、ベットで何時もの様に抱き合って寝ていた

 

 

 

 

カズマだけ何かに魘されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

 

カズマ(何だ…ここは…?)

 

 

 

カズマは見慣れない風景に驚いていた

 

だが、何処か懐かしい感じがする…

 

研究所の様な風景であった

 

 

 

そしてカズマはとある大きなカプセルに目が移った

 

 

 

それは培養液に満たされたカプセルだった…

 

中には生まれて間もない乳児が酸素マスクを着けられていた

 

 

カズマ「何だ…この子は……被検体…K-01?…ぐあっ!?」

 

 

突然カズマに頭痛が襲い、その場で踞った

 

 

カズマ「何だ…!?…頭が…っ……何だ…これはっ…!?……っ!?」

 

 

カズマが再びそのカプセルを見ると、中の乳児が目を開いていて、カズマを見ていた…

 

 

???『どうして……?』

 

幼い子供の声がカズマの頭の中に響く

 

 

カズマ「…頭の中に…響いて……お前は…誰だ!!」

 

そう問い掛けると今度は幼い少年が目の前に立っていた

 

それはまるで…幼い頃の自分だった

 

 

???「どうして…裏切ったの?」

 

 

カズマ「裏…切った…だと?」

 

 

 

???「そうだよ…君があの二人に着いて行かなければ…良かったのに…」

 

カズマ「あの…二人…?」

 

カズマには目の前の少年が何を言っているのかわからなかった

 

 

 

???「そして…」

 

急に自分の声となった相手は、いつの間にか白い髪、紅い目をした自分と同じ顔立ちになっていた

 

 

 

 

 

 

カズマ「な!?」

 

 

カズマは絶句した…髪と目の色は違うが、自分と同じ顔立ちの人間が目の前にいるのだからだ

 

 

 

???「お前はここで死ぬ」

 

 

 

カズマ「うわあああああああああっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィノ「カズマ!!しっかりして!!」

 

 

 

カズマ「うわああああああっ!!!!」

 

 

ウィノに揺さぶられて絶叫と共に目が覚めたカズマ、その表情はまるで悪夢を見たように恐怖で歪んでおり、大量の汗を掻いていた

 

 

カズマ「はぁ…はぁ……ゆ…夢…?」

 

 

 

ウィノ「カズマ!大丈夫!?」

 

 

そう話しかけられたカズマはウィノを見て

 

 

カズマ「ウィノ……なのか?」

 

 

ウィノ「そうだよ、ウィノだよ…」

 

 

カズマ「ウィノ…」

 

 

カズマはウィノに自分の体を預けた…悪夢から解放されて、愛する人がいた事で安心したのだろう

 

 

 

 

ウィノ「また…あの夢なの?」

 

 

ウィノは臨海学校でカズマが見たあの悪夢なのかと聞いたが

 

 

 

カズマ「いや…あれとは違う…何らかの研究所みたいな風景に……いや…あまり思い出したくないな…」

 

 

ウィノ「うん…その方が良いよ……どうする?今日はオフだけど…」

 

 

 

カズマは目覚まし時計を見た、まだ6時だった

 

 

カズマ「二度寝…するかな…」

 

 

ウィノ「じゃああたしもって言いたいけど……今日は出撃なんだ…」

 

 

ウィノは今日の軍事演習のメンバーに選ばれていた為、もう起きなければならなかった

 

 

 

カズマ「今回は…イギリスの部隊か?」

 

 

 

イギリスの部隊は、王室選抜部隊と言われており、その中でも特にエリート達が参戦しているのである。

 

 

機体はセシリアのブルー・ティアーズをベースとして、装甲を追加、まるで中世の騎士の如く重装備となっており、シールドエネルギーに関してはΔ-ライン・ヘビーアーマーに相当するとも言われている

 

単一能力のBT兵器は、シールド機能が着いており、まさに鉄壁の防御を誇るISである

 

 

 

 

ウィノ「うん、防御が固くて厄介だけど…その分機動力ではこっちが有利かな」

 

 

 

カズマ「そうだな…エクシアピクシーの高速格闘モードなら、俺のフリーダムウイングの高機動(ハイマット)モードより速いからな」

 

 

 

ウィノ「そういう事、さてと…そろそろ支度しなくちゃね」

 

 

ウィノは着ていた寝間着を脱いで制服姿へと着替えて、自分の専用機であるΔ-ラインの待機状態のバッジを着けた

 

 

 

ウィノ「じゃ、行ってきまーす!」

 

 

カズマ「ああ、行ってらっしゃい…」

 

桃ハロ『マッテ、マッテ』

 

 

 

 

ウィノが部屋を出ると同時に桃ハロも付いて行った

 

 

 

部屋で独りになったカズマは、二度寝しようとしたが、完全に意識が覚醒してしまい、眠る事が出来なかった…

 

 

 

カズマ「くそ…完全に醒めたな……眠れない…仕方無い…」

 

 

 

カズマはそのまま散歩に出掛けようと寝間着を脱いで制服に着替えて、部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

 

アリーナではデルタ・フォースとイギリスの部隊が戦っていた

 

 

今回のデルタ・フォースのメンバーは、ウィノ、一夏、龍真、淕の四人である

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…各機防御を固めろ!これ以上やらせるな!!」

 

 

 

イギリスの部隊隊長が命令すると、密集陣形となって守りを固めた

 

すでに一機撃墜されている

 

 

ウィノ「龍真、お願い!!」

 

 

 

龍真「うむ」

 

 

龍真は敵のISにドラゴンハングを突き刺して、思っきり引っ張った

 

 

すると突き刺した相手の体制が崩れて防御が甘くなった

 

 

 

龍真「一夏、頼む!!」

 

 

一夏「任せろ!」

 

 

一夏のデスティニーエピオンの光の翼が展開し、幻想的な光を放ちながら突撃した

 

 

 

 

「なっ!?ISが分身した!?」

 

 

 

彼女の目の前で起きているのは、幻想的な翼をはばたきながら超高速で接近する一夏のデスティニーエピオンだった

 

 

 

一夏「うおおおおおおっ!!」

 

 

 

 

「がっ!?ああああああっ!!」

 

 

 

胴体に強烈な突きを喰らった敵のISは加速エネルギーを加えた零落白夜の強力な一撃受けて一撃で撃破した

 

 

 

「隊長ぉおおっ!!」

 

 

「おのれぇええええ!!」

 

 

隊長機を撃破された敵の残ったISはレーザーライフルを一夏に向けて乱射したが、淕のケルディムサンドロックのシールドビットで防がれた

 

 

淕「今です!!ウィノさん!!龍真さん!!」

 

 

 

ウィノ「オッケー!!」

 

龍真「承知!!」

 

 

 

敵ISの左右から高速格闘モードのエクシアピクシーとドラゴンハングを射出したアルトロンデュエルがいた

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「しまっ…うわあああああっ!?」

 

 

 

敵の一機がウィノのピクシー・ブレイドの一閃によって撃破された

 

 

 

またもう一機も龍真のドラゴンハングに捕まってしまった

 

 

「ええい!!放せ!」

 

 

もがいて脱出しようとするが、装甲に食い込んだドラゴンハングは簡単には放してくれなかった

 

 

 

だが敵ISの搭乗者はあるものを見て戦慄した

 

 

それはアルトロンデュエルのバックパックのビームランチャーが既に発射体勢であった

 

 

 

龍真「チェック・メイトだ…」

 

 

 

強力なビームランチャーに呑まれた敵ISはシールドエネルギーが尽き、勝負が決まった

 

 

 

デルタ・フォースの圧勝である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 食堂大型モニター前

 

 

食堂の大型モニターで1年の専用機持ちと、囲むテーブルの上に0がいた

 

 

 

セシリア「ああ…ああも簡単に…」

 

 

 

シャルロット「なんか……ドンマイ…」

 

 

 

母国の精鋭部隊のISが撃破されてショックを隠せないセシリア、今回戦ったイギリスの部隊は、女王陛下直属の部隊で、まさにエリートのみでしか編成しないイギリスの最強部隊なのだ

 

 

 

0「まあ…一夏のあの『ミラージュコロイド』相手じゃ歯が立たないね」

 

 

箒「ミラージュコロイド…?」

 

 

鈴「何なのよ、そのミラージュコロイドって?」

 

 

聞き慣れない単語にその場の皆が0に説明を求めた

 

 

0「ミラージュコロイドってのは、一夏のIS、デスティニー・エピオンの特殊兵装よ、背部の翼から特殊な粒子を放出する事で、光学残像が生まれ、まるで分身してる様に見えるの、更に背部の翼にはヴォアチュール・リュミエール展開ウイングスラスターの超高機動と相まって、多重分身が発生して、ハイパーセンサーでも実体を見切る事が難しくなるっぽいよ」

 

 

 

その恐ろしい性能に絶句する専用機持ち達

 

 

簪「なんか…カズマより一夏のISが強いかも…」

 

 

0「そんなこと無いっぽいよ、カズマの機体だってかなり特殊だもん。ハイマットモードによる高速機動、あれにもヴォアチュール・リュミエール展開スラスターが搭載されてるもん。まあ…その分かかるGも大きいぽいね」

 

 

シャル「なんか別次元の人みたいだなぁ…デルタ・フォースの人達って…」

 

 

春香「同感…激しく同感」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ほう…俺らは化け物とでも言いたいのか?」

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

なんと専用機持ちのテーブルにカズマがやって来た

 

 

鈴「か、カズマ!?何でここにいるのよ!」

 

 

カズマ「居ては悪いのか?一応生徒だぞ俺は…それと篠ノ乃…」

 

 

箒「む?何の事だ?」

 

 

 

 

突然箒に話しかけたカズマ、そして頭を下げた

 

 

カズマ「ありがとうな、付き合ってくれて」

 

 

箒「べつに構わん」

 

 

 

 

 

 

 

「「「へ!?付き合うぅぅっ!?」」」

 

 

 

これにはその場にいた皆が驚いた

 

 

鈴「カズマ!!あんたもしかして浮気してんじゃないでしょうね!?」

 

 

カズマ「は?」

 

 

鈴がカズマの浮気を疑った

 

しかしカズマは首をかしげる

 

 

 

 

セシリア「惚ける気ですの!?貴方は誠実で実直な方だと思いましたが堂々とそんな事を…」

 

 

セシリアが追い討ちをかける

 

 

カズマ「だから…何を言って…」

 

 

 

シャルロット「幻滅だよ…カズマ…ウィノ一筋だと思ってたのになぁ…」

 

春香「サイテー!」

 

 

カズマ「てめぇら……まずは話を聞け!!」

 

 

箒「そうだ!!ただ剣術を教えていただけだ!!」

 

 

 

 

「「「「へ?剣術!?」」」」

 

 

二人の弁明はこうである

 

 

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

カズマ達デルタ・フォースが中国軍と戦う数日前、カズマは剣道部に訪れていた

 

 

カズマ「篠ノ乃…」

 

箒「む?カズマ!?どうしてここに…?」

 

 

 

カズマは箒に会いに来たのだった

 

 

 

 

カズマ「箒…俺に剣術を教えてくれないか…?」

 

 

箒「な…何をいきなり…別に剣道をせずとも、お前は充分近接戦闘は強いではないか」

 

 

カズマ「違う、剣道ではない…お前の…篠ノ乃流剣術の事だ」

 

箒「!?」

 

 

箒は目を見開き、驚いた

 

 

箒「何故それを…」

 

 

カズマ「篠ノ乃流剣術を知ったのは夏休みに篠ノ乃神社の祭りにとある建物に篠ノ乃剣術道場って看板があった…そしてお前がその剣術を習得している、または習っていると思ったんだが…」

 

 

箒「そうだ…私は篠ノ乃流剣術を習っていた…だが…私の剣術をどうする気だ?」

 

 

カズマ「見て、体感して参考にしたい、俺の近接戦闘はがむしゃらに振っているだけ、日本風で言うならば精彩を欠けた剣だ…だが日本には古くから伝わる剣術の動きを見ていると素晴らしくてな、見様見真似でやってみたが上手く行かなくてな…」

 

 

箒「その…お前が見様見真似した剣術の構えを見せてくれないか?」

 

 

 

箒はバッグから鞘に納められた刀を取り出した

 

 

カズマ「おい、銃刀法違反だぞ」

 

箒「な!?そこを突っ込むか!?これは模造刀だ!とにかく構えてくれ!」

 

 

カズマは模造刀を受け取ると、剣道でいう正眼の構えをした

 

それを見た箒は

 

箒「隙のない構えだな…」

 

 

カズマ「後は…名前はわからないが…」

 

 

カズマは次に刀を鞘に納め、中腰になり、左手に持っている刀を腰の位置に置き、右手を刀の持ち手に置いた

 

 

箒「なるほど…抜刀か」

 

カズマ「バットウ?どんな漢字だ?」

 

 

箒「選抜の『抜』という字に刀だ…解るのか?」

 

 

カズマ「こう見えても漢検一級だ」

 

 

箒「な!?お前も漢検一級だと!?私と同じではないか!」

 

 

 

カズマ「篠ノ乃は取って当たり前だろう…俺は二回目で受かったからな」

 

 

箒「二回目で!?私は五回目だぞ!」

 

 

箒は改めてカズマの賢さに驚いた

 

 

 

カズマ「で逸脱したが…どうだ?」

 

 

漢字の方に逸脱した話を戻して箒に自分の構えの感想を求めた

 

 

 

箒「うむ…抜刀はぎこちないな…構えが固すぎる…だったら簡単な篠ノ乃流の剣術を教えよう」

 

 

カズマ「そうか…助かる」

 

 

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

カズマ「と言うわけだ」

 

 

 

 

 

シャルロット「いや…回想で説明?小説なんだと思ってるの…」

 

 

カズマ「面倒じゃないか?こう言うのって」

 

 

鈴「じゃあ、鈴花の最後の一撃を受けた時って」

 

 

 

箒「そう、篠ノ乃剣術、受流(うけながし)、簡単な受け技だ」

 

 

セシリア「そうでしたの…御免なさいカズマさん…酷い事を言ってしまって」

 

 

鈴「あたしも早とちりして…ごめんね…」

 

春香「あたしも御免なさい!!」

 

シャルロット「僕もごめんね…」

 

簪「御免なさい…」

 

 

全員がカズマに謝った

 

 

カズマ「別にいいさ、ややこしかった俺が悪かった」

 

 

 

 

 

と、そこに

 

 

ラウラ「おお、カズマか」

 

 

ラウラ率いるシュバルツェア・ハーゼ(黒兎隊)がやって来た

 

 

 

カズマ「ラウラか…おっと…ラウラ隊長だったか?」

 

 

 

 

ラウラ「ああ…お前はどうした?オフじゃないのか?」

 

 

カズマ「オフ過ぎて暇だから散歩だ」

 

 

ラウラ「お前らしいな…」

 

 

「隊長、そろそろ訓練の時間です」

 

 

 

ラウラ「む、そうか…またなカズマ、これから隊の訓練に行かなければ…」

 

 

 

カズマ「良いさ、頑張れよ…確か次の相手は…」

 

 

ラウラ「アメリカ統合軍、『エコーズ』だ」

 

 

カズマ「!?…そうか…彼らは手強いぞ…」

 

ラウラ達シュバルツェア・ハーゼの相手はアメリカ最強と言われ、レオンがいるエコーズだった

 

ラウラ「ああ、だが全力で当たってみるさ…それではなカズマ、後皆も」

 

 

そう言ってラウラは隊員達と共に食堂を後にした

 

 

 

それからカズマは食堂で食事をした後、散策して気分転換した



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第五十一話 被験体の真実

カズマに縁のある人物ですが

皆様お待たせしました、原作キャラが登場しますよ


合同軍事演習基地 デルタ・フォース隊長室

 

 

 

ブライス「そうか…まだ奴等に目立った動きは無いか…」

 

 

「そうね…まだ部下が洗っている最中だけど…大きな変化は無いわ」

 

 

リーサ「だけど…何かキナ臭い感覚はする…そうよね?」

 

 

 

ブライス夫妻がモニターを使って誰かと話している、相手の容姿は金髪で、一言で言うと美女という言葉が似合う品のありそうな女性だった

 

 

「それと…カズマが暁のメンバーと接触しているのは知ってるかしら?」

 

 

ブライス「ああ、何度か話している所を見掛けてな…暁は何故カズマに協力的なんだ?」

 

 

「……これも部下がもたらした情報なんだけど…暁のISにはΔシリーズと同じコアが使われているの…」

 

 

リーサ「何ですって!?まさか…友谷が…」

 

ブライス「いや友谷はそんな事はしない……だとしたら…」

 

 

女性が言った言葉に驚くブライス夫妻

 

 

 

「まだわからないけど…恐らくは何らかの方法で入手したと考えるべきだわ…でも安心して、彼らのコアは量産型Δドライヴと同じよ」

 

 

ブライス「そうか…また何かあれば連絡を頼むぞ」

 

 

リーサ「今度労いの一杯ご馳走してあげるわ、デルタ・フォース特命部隊『亡国企業』(ファンタム・タスク)隊長のスコール・ミューゼルさん」

 

 

スコールと呼ばれた女性は笑みを浮かべて

 

スコール「リーサと飲めるなんて久しぶりね…貴方が二十歳の時かしら?最初に飲んだのは…」

 

 

リーサ「先輩、そう言うのはご法度です」

 

 

スコール「ふふ…そうね…じゃあまた…」

 

 

 

そう言ってスコールはモニターを切った…

 

 

 

 

座っている椅子の背凭れに体を預けて一つ溜息をついた

 

 

 

スコールはとある棚に置かれていた写真立てを持った

 

そこにはスコールともう一人一緒になって写っている日本人がいた

 

 

スコール「茜…」

 

 

それはカズマの母親、風鳴 茜であった…二人は高校生の時からの大親友で、結婚した時も一緒になって祝い、まさに竹馬の友の様な存在だった

 

 

 

スコールの目に涙が…茜がアイルランドのテロの被害に遭った時、スコールは救出部隊の一員としてアイルランドに出向いたが、スコールが目にしたのは、崩れた家の下敷きになり全身大火傷で息が絶えていた親友の姿と、それを目の当たりにして泣き崩れる二人の少女と虚空を見上げて悲痛な叫びをする一人の少年…茜の息子、カズマだった

 

 

次にスコールが持ったのは茜とスコールが幼いカズマと手を繋いでいる微笑ましい写真だった

 

 

スコール「茜……大丈夫よ…カズマの事、何がなんでも守ってみせるから……茜はカズマを見守ってあげて……久々に…カズマと話してみようかしら?」

 

 

 

スコールは携帯を取ってカズマの携帯に掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 生徒寮

 

 

カズマは眠れなかった…またあの悪夢を見るとなるとどうにも眠れない…

 

 

ウィノはスヤスヤと眠っているが…今のカズマにはその可愛らしい寝顔を見ても眠気が来なかった

 

 

 

その時携帯に着信が来た

 

 

 

カズマ「こんな時間に……マダラか?」

 

 

カズマは電話に出た

 

 

 

「久しぶりね…カズマ…」

 

 

カズマは意外な声を聞いて目を見開いた

 

 

 

カズマ「スコール…さん……いえ、ミューゼル隊長」

 

 

電話の相手スコールだった

 

 

スコール「良いのよ…今はプライベート、普通に呼びなさい」

 

 

カズマ「…スコールさん……」

 

 

スコール「カズマ……電話した私が言うのはなんだけど…何でこんな時間に起きてるの…?」

 

 

スコールのいるアメリカは昼だが、カズマのいる日本は深夜である

 

 

カズマ「うん…眠れなくてさ……実は昨日嫌な夢見ちゃって…」

 

 

スコール「…どんな夢?」

 

 

カズマ「なんか変な研究所みたいな…それに大きなカプセルに赤ん坊がいて…それがどんどん俺に似ていて…そして…髪が真っ白の俺に似ている奴が『お前はここで死ぬ』って」

 

 

スコール「っ……」

 

 

スコールは絶句した、何故ならば

 

 

スコール(茜があの研究所からカズマを救った時の……あの研究所が夢に…!?)

 

 

 

スコール「そう…嫌な夢ね…」

 

 

 

カズマ「はい…」

 

 

スコール「カズマ、あなた彼女いるんでしょ?」

 

 

カズマ「いますけど…それが?」

 

 

 

スコール「あなた彼女から甘えられる事はあるけど…彼女に甘えた事はあるかしら?」

 

 

 

カズマ「……無い…」

 

 

スコール「一度は甘えてみなさい、彼女もそれを望んでいるわ……良いカズマ、好きになった男の子が辛そうな顔をしているのは、彼女に取って一番辛いのよ…そう言う時は、思いっきり甘えてみなさい、落ち着くと思うわ…」

 

 

 

カズマ「わかった…」

 

 

スコール「話せて良かったわ、しばらく話せなかったし、久々にカズマの声を聞いて安心したわ」

 

 

 

カズマ「スコールさんはこっちに来ないんだ…」

 

 

スコール「そう…今はオータムやマドカと一緒に女性権利団体の連中を探っている所よ、ああ…一夏君にマドカは元気って伝えといてね」

 

カズマ「わかった…伝えておくよ…」

 

 

スコール「それじゃあ…またね」

 

 

そう言ってスコールは電話を切った

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマは再びウィノが寝るベットに戻り横になった、目の前には可愛らしい寝顔で寝ている彼女の顔があった

 

 

カズマはウィノに近付くと彼女の豊満な胸へ顔を埋めた

 

彼なりの甘え方なのだろう…

 

 

カズマ(ごめん…ウィノ…今だけはこういう風にさせてくれ…ここが一番…落ち着くんだ…)

 

 

カズマそのまま眠りに入った

 

 

 

するとウィノがカズマを抱き締め、更に彼の顔を呼吸が出来るくらいに埋めさせた

 

 

ウィノ(良いよ…カズマ……今だけじゃなく…これからも甘えてくれたら嬉しいなぁ……おやすみ……)

 

 

 

ウィノは心の中でそう呟き、カズマを抱き締めながら深い眠りに入った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ 亡国企業特殊基地、隊長室

 

 

 

スコール「さて…と…もうそろそろ」

 

 

 

「おい!スコール!!居るか!!」

 

 

乱暴な口調で部屋に入って来たのはオレンジ色の髪色を持つ女性だった

 

 

 

スコール「あら、オータム…何かわかったの?」

 

 

オータム「ああ、奴等の基地漁ったら意外と近くにあったんだよ!これ見ろ!」

 

 

 

スコールはオータムから渡された写真を見て驚いた…

 

 

 

スコール「これは……研究所!?」

 

 

オータム「ああ…アイツが…カズマが産まれた研究所だ…ほらリストの一番上」

 

 

 

オータムは次の資料に当時被験体だった少年少女達のリストが記されていた

 

 

その上に『K-01』成功と書かれたカズマの幼い頃の写真があった

 

 

 

スコール「カズマ以降の子供達は…皆失敗、淘汰されているのね…」

 

 

オータム「ああ…胸くそ悪い話だけどよ…それだけじゃないんだ次のリストの一番上…って言っても一人だけだけどよ…そいつの顔見てみろ!」

 

 

 

スコールはそのリストに写っている写真を見て驚いた

 

 

スコール「これは……」

 

 

オータム「信じたくねぇけどよ…冗談みたいに似てるよな…」

 

 

スコール「冗談でも何でもないわ!髪の色を黒にして、目を青にすればカズマよ!!これは似ているんじゃない、同じタイプの被験体なのよ!!」

 

 

オータム「う…嘘だろ…だったら最悪だぜ…そいつは女性権利団体に引き取られてるんだ…」

 

 

スコール「女性権利団体に!?……はっ!?…ま、まさかこの子が産まれた理由は……確かブライスから貰った情報は研究所が起こしたテロによって抹殺予定だったカズマが生きていた……」

 

 

オータム「じゃあ…こ、こいつは…」

 

 

オータムも何かを察したようで驚愕の表情だった

 

 

 

スコール「そう…この子はカズマを殺す為に産み出されたのよ……オータム!直ぐにマドカを呼んで!」

 

 

オータム「お、おう…ってか何処に行くんだ?」

 

 

 

スコールは軍服の上衣を羽織りながら言った

 

 

スコール「決まってるわ、IS学園、戦力が多い方が良いでしょ?」

 

 

オータム「へへっ…わかったぜ!じゃあマドカを…」

 

 

 

「いるよ…」

 

 

 

オータムの後ろに一人の少女がいた、その容姿はあの織斑千冬を幼くした感じだった

 

 

スコール「マドカ…」

 

 

マドカ「スコール…カズマさんは兄さんの親友なの…カズマさんが死んだら…兄さんきっと悲しむ…そんなの…絶対させない!!」

 

 

 

マドカの口から強い意思を感じる言葉が出た

 

 

 

スコール「その意気よ、では亡国企業はこれより任務に移る、IS学園に出向し、防衛に入る!」

 

 

「「了解!」」

 

 

 

三人はそれぞれ準備をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性権利団体、海上基地

 

 

 

 

 

 

エリザ「みんな、準備は良いか?」

 

海上基地の高速輸送船にインビシブル・フォースの面々がいた

 

 

 

クレア「ちっ…あたしらを最前線で戦わせろっての…どうせ、軍事演習に集まってるだけの雑魚なんだろ?」

 

 

エクセラ「油断は禁物だ…扱ってるISは貧弱だが、精鋭部隊が相手となるとわからんぞ」

 

 

エリザ「その通り、先ずは棄て駒に任せておけ…その後でゆっくりと狩りをすれば良い」

 

 

 

 

 

 

三人が座っている席とは反対に二人の男女がいた

 

 

 

カノンとジルベールである

 

 

 

カノンはずっとお菓子を食べているが、ジルベールはずっと窓の外を見ていた

 

 

 

ジルベール(いよいよだな…被験体K-01…必ず…殺す…組織の裏切り者め)

 

 

 

そう思っていたジルベールにカノンからクッキーが差し出された

 

 

ジルベール「?」

 

 

カノン「あげる…」

 

 

ジルベール「俺はいい…」

 

 

カノン「あげる…」

 

 

ジルベール「だから…いらん…」

 

 

 

カノン「あげる…」

 

 

 

ジルベール「……わかった」

 

 

ジルベールはカノンのクッキーを食べた

 

 

カノン「美味しい?」

 

 

ジルベール「ああ…美味しい…」

 

 

カノン「よかった…」

 

ジルベールから美味しいと聞いて嬉しい表情をするジルベール

 

 

 

ジルベール「何でいきなり…?」

 

 

カノン「ジル…ずっとカロリーメイトしか食べていなかったから…お腹すいてるのかな…って」

 

 

ジルというのはジルベールのインビシブル・フォース内での彼の愛称である

 

 

カノンはジルベールが入隊してから三食すべてカロリーメイトで補っているため彼女から見れば明らかに異常な食生活である、それを心配して今回試しにクッキーを食べさせようと思ったのだ

 

 

 

ジルベール「必要最低限の栄養は補給してある…」

 

 

 

カノン「だめ、健康に悪い…これからちゃんと三食ご飯を食べる…カロリーメイトは暫く禁止」

 

 

ジルベール「断る」

 

 

カノン「禁止」

 

 

ジルベール「……わかった…」

 

 

ジルベールは折れてカノンの指示にしたがったが、内心どうでもよかった…何故なら彼の頭の中には標的であるカズマの事しか入ってなかったからだ

 

 

 

 

ジルベール(K-01…人間らしく過ごせても俺達は生体兵器……つまり作られた存在だ…余分な意志を持ったお陰で身を滅ぼすとはな……)

 

 

 

ジルベールが覗く窓にはIS学園が見えていた…

 

 

 

 



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