緋弾のアリア 剣神を引き継ぎし者 (臥龍鳳雛)
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プロローグ

みなさんこんにちは!今回、初投稿をすることを決意した臥龍鳳雛です。僕は小説を書くこと自体初めてなので不安ですが、読んでくれると嬉しいです。もし、誤字脱字等があったら是非お伝えください。長くなりましたが、これから頑張って書いてゆきますので応援よろしくお願いします!


ーー俺が教えられることは全部教えた。あとは、お前の信じた道を進めよーー

かつて七剣と互角に戦うことができ、世界を救った少年ーークロウは言った。

 

「ありがとう、父さん」

 

「別にお礼を言わなくても良いんだけどよ・・ああ、それと」

 

「これは餞別だ」

 

クロウがこちらに向かって投げてきたのは、

            

「久遠彼方…?こんな大切なものをもらっても良いの!?」

 

久遠彼方とは、代々剣聖が引き継いできたものであり、かつては聖剣と呼ばれていたものだ。

 

「まぁ、たしかに大事なもんだが、剣神の一撃に耐えられる剣はあんましないからな」

 

「剣神ってなんなの?」

 

「それは、今は知る必要はねぇよ」

 

「はぁ…わかりました。じゃあ、頑張って来ます」

 

「おう。久遠彼方渡したんだから、一流の剣士になってこいよ?ヤイバ」

 

「いや、剣士じゃなくて武偵なんだけど」

目の前にいる少年ーー葛城刃は勘違いをしている父親にツッコミをいれた

 

「あぁ、それと」

 

「他にも何かあるの?」

 

「可愛い女の子がいたら、胸揉んだり、尻触ったりしてこいよ?」

 

「俺は、父さんほどセクハラに染まった覚えはないよ!?」

 

「まぁ、冗談はともかく」

 

「いや、冗談に聞こえなかったんだけど」

 

「冗談って言ったろ、まったく…。もしあいつらに会ったらよろしく言っといてくれ」

 

「あいつらって…あぁ、あの人たちですね?もし会えたら伝えておくよ…お父さんがまたセクハラしたいって」

 

「それ言ったら俺が半殺しされるだけじゃ済まないからやめてくれ」

 

何とも情けない父親だろうか。本当にこの人は世界を救ったのか、少なくとも俺にはただのセクハラ親父にしか見えない。

 

「まぁ、冗談はともかく」

 

「絶対冗談じゃないだろ!?」

 

「冗談だからそう怒んなくても良いのに…じゃあ行って来ます。あとセフィお母さんにも頑張って来るって言っといて」

 

「あぁ、頑張って来いよヤイバ。お父さんたちはいつでも応援してるからな」

 

「ありがとう.…たまにはこっちに戻ってくるから」  

「楽しみにしてるよ。あと、エロ本お土産に買ってきてくr」

 

「行って来ます」

何か、戯れ言が聞こえた気がしたヤイバはそのまま船に乗り込み、目を閉じたーー

 

 

 

 

 

 

 

「ふあ…良く寝た~」

葛城刃ーーヤイバは、男子寮の一室で目を覚ました。

 

「それにしても、あれからもう2年も経つのか」

 

ヤイバが武偵になるために親元を離れてから2年という月日が経っていた。

 

「ちょっと、早く起きすぎたな~」

 

現在時刻は、5時半。普段より1時間早く起きてしまったようだった。

 

「二度寝するのもあれだし…今日は早めに学校行くか」

 

そう言って、ベッドから起き上がったヤイバは身支度をすませ、顔を洗い、朝食を済ませた。

 

そして、自分のルームメートの様子を伺いに行く。

 

「それにしても、良く寝てるな~キンジ」

 

ルームメートーーキンジこと遠山キンジは気持ちよさそうに眠っていた。

 

「今起こしても二度寝するかもしれねぇしな.‥それにあとで白雪さんが弁当持って来るだろうし」

 

考え抜いた末、ヤイバはーー

 

「このまま放っておくか」

 

ルームメートを放置することにした

 

 

 

 

「おし、せっかく早起きしたんだから自主練でもするか」

 

ヤイバは、強襲科の体育館に来ていた

 

「今日は剣じゃなくて、銃の特訓でもするか」

 

そして、ヤイバは愛銃ーーCZ75SP-01をホルダーから抜き出した

 

「剣だったら、誰にでも勝てる自信はあるけど、銃は他の奴らと比べると全然劣ってるからな」

 

ヤイバは、剣の扱いについては長けてはいるが、銃の扱いについては武偵校に入ってからで、一年間撃ち込みなどをしてきたが、全然上達しなかった。

 

「始業式まであと1時間半以上余裕あるし…それまでここで練習するか」 

 

こうして、ヤイバの特訓は始まったのであった

 

 

「それにしても結果は…100発中42発かぁ…前と全然変わってねぇ…もうやだ」

 

そう言い、肩を落とすヤイバであったが

 

「でも銃の携帯が義務づけられてるしなぁ…おっとそろそろ急がねぇと始業式に遅れちまう!」

 

時刻は8時を指していたので急いでヤイバは体育館を出て目的地まで走り出すが、

 

「ん…何だありゃ?」

 

体育館倉庫にUZIを取り付けたセグウェイが5台ほど入っていくのが見えた。

 

「何か嫌な予感がするしな…ちょっと寄ってくか」

 

そう言いながら、ヤイバは体育館倉庫に行って見るとーー

 

「あんたいったい!何する!つもりだったのよ!せ、せ、責任取んなさいよ!」

 

「よしアリア、冷静に考えよう。俺は高校生。中学生を脱がしたりするわけがないだろう?」

 

キンジと少女が言い争いをしていた。

 

「それにしても女子に手を出したがらないあのキンジがあんな小さな女の子にセクハラをしたってことはキンジは、ロリコンなのか?」

 

キンジがロリコンだと言うことを考えている間にセグウェイはキンジたちに銃口を向け始めていることに気づくが、キンジたちはまだ言い争いをしていた。

 

「しゃあねぇ‥.あとでキンジに助けたお礼に飯奢ってもらうか」

 

そしてヤイバは、一振りの名剣ーー久遠彼方を鞘から抜いて、キンジたちを撃ち抜こうとするセグウェイたちにゆらり、と身体をふらつかせるように接近しーー

 

「はぁ!」

かけ声と同時にセグウェイを真っ二つに斬っていった

 

「ふう‥おーい何してんだよキンジ早くしねぇと始業式に遅れちまうぞ!」

 

久遠彼方を鞘に納め、キンジに声をかけるが、さっきまでキンジとケンカしていた少女はまるで、「何が起きたの?」というような顔をしてこちらを見ていた。

 

「ああ、わかったよ、ヤイバ。またあとでね、子猫ちゃん」

 

「あ、ちょっと待ちなさ…みきゃっ!」

 

ハッと、我にかえった少女がいきなり転んだので足元を見てみるとーー

 

「何で弾が転がってんだ?」

 

「ちょっとばらまかせてもらったよ、ヤイバ早く校舎に行こう」

 

「ああ、でも.‥」

 

「こ、この‥.みゃおきゃっ!」

 

立ち上がろうとした少女はまたしても弾を踏んでコケていた

「放っておいて良いのか?あの女の子」

 

「始業式に遅れたくはないだろう?」

 

「そうだな」

 

「それにしても、いつみても不思議な剣だな。いつ振ったのか俺にもわからなかったよ」

 

「それが、わかったら意味がねぇだろ?」

 

ヤイバとキンジは、校舎に向かいながらキンジと軽い雑談をしながら背中で、少女の捨てゼリフを聞き流す。

 

「この卑怯者!でっかい風穴ーーーーあけてやるだからぁ!」

 

それが後に「剣神」の名を引き継ぐこととなる葛城刃、「不可能を可能に変える男」遠山キンジと、「緋弾のアリア」と呼ばれるようになる神崎・H・アリアのーー

 

硝煙のニオイにまみれた、最低、最悪の、出会いだった。




みなさんどうでしたか?もし、意見等がございましたら、感想欄に書いてくれると嬉しいです。


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第01弾 災難の始まり

どうも、臥龍鳳雛です。お久しぶりです。定期考査を間近に控えていることによって胃がキリキリしております。勉強しろと親からガミガミと叱られています。それも、毎日。少しは勉強してるのに、本当に理不尽です。早く、楽になりたいものです。まぁ、雑談はこれくらいにして、駄作、駄文の続きを読んでくれると幸いです。


「はぁ…結局始業式出れなかったなぁ」

 

ヤイバは少し、いやかなり落ち込んでいた。

理由は、体育館倉庫で時間を潰してしまったおかげで始業式に間に合わなかったからだ。

 

「だから悪かったってさっきから謝ってるだろ」

 

その原因を作ったキンジが謝るが

 

「そんな顔で謝られても謝られた気がしないのは俺だけか?」

 

ヤイバはそう言うのも仕方ない。何故なら、今キンジは凄い鬱モードになっているおかげで、キンジの周りは負のオーラが漂っており反省の色を見せているようにはまったく見えなかった。

 

「仕方ないだろ.…なりたくもないものになっちまったんだからな」

 

「あぁ…ヒステリアモードか」

 

まぁ、軽くまとめるとだ。ヒステリアモードは、性的に興奮するとスーパーマンになれるわけだ。

細かい説明をするのが面倒くさいから詳しく知りたいなら他をあたってくれ。

 

あれ?俺は誰に話かけてるんだ?

 

それはとにかくおいといて、キンジはヒステリアモードになりたがらない。

 

何故かはわからないが何かあったということだけは一年間一緒にいた俺には、ある程度想像できる。

だから普段は女子を避けてるはずなんだが。

 

あれ?でも幼女でヒステリアモードになったってことはだ。

 

「キンジはロリコンなのか‥?」

 

「おい、何の話をしてるんだ」

 

「キンジがロリコンにしか興味がないって話」

 

「俺はロリコンじゃない!」

 

「じゃあ、何でさっきヒステリアモードになったんだ?」

 

「うぐっ」

 

「キンジがロリコンじゃなかったら、何で普段避けてる白雪や他の女子でならないんだ?」

 

ヤイバはさらにキンジに追い撃ちをかけ続け

 

「もう勘弁してください・・」

 

キンジのライフは0を迎えた

 

「まあ、この話は終わりにして、…………今年はA組か。キンジもA組なのか?」

 

「あぁ、早く入ろうぜ」

 

「あ、先に教室に入っててくれ。ちょっとトイレに行ってくる」

 

「わかった」

 

キンジと教室の前で別れたヤイバは、このままトイレへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふう‥.今日は色々と災難が起きそうな気がするな」

 

トイレを済ませたヤイバは教室に入ろうとしたが

 

 

ずぎゅぎゅん!

 

銃声が鳴り響き、ヤイバの目の前にひとつの銃弾が迫っていた。

 

「うおっ!あぶねぇっ!!」

 

間一髪で銃弾を避けたヤイバだが、いまいち状況が把握出来なかった。

 

どういう状況になったら、教室で銃をぶっ放つ奴がいるのかがヤイバには理解出来なかったからだ。

 

そしてヤイバの目の前にはつい先程出会った女の子が顔を真っ赤にして立っていた。

 

「全員覚えておきなさい!そういうバカなことを言うヤツには……」

 

口を開いた女の子ーー神崎・H・アリアの声が

 

「---風穴あけるわよ!」

 

教室に響き渡ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、今日は本当に色々あったな」

 

時は流れてヤイバは男子寮に帰るために自転車をこいでいた

 

「あの後強襲科で蘭豹にしごかれるし、今日は厄日なのかな?」

 

あの騒動が終わったあとヤイバは蘭豹に呼び出され、全ての授業が終わるまで訓練とは程遠い殺し合いをしていた。

あ、もちろん昼食は食ったよ?もしぶっ通しで相手してたら間違いなく病院にお世話になるはめになるからな。

 

「今日はもう、早く飯食って寝たほうが良いかもな」

 

そう言いつつ、リビングのドアを開けると

 

「あんた、あたしのドレイになりなさい!」

 

SMプレイが始められていた。

 

「・・・・・・」バタン

 

キンジがついにMに目覚めた。しかもその相手が今日転入してきた神崎とだ。キンジは、幼女体型に興味があるみたいだ。

やはり、キンジロリコン説は正しかった。

 

「こういうときは何も言わず、温かい目で見守ってあげるのが友達の役目だよな」

 

ドアを閉めたヤイバは、キッチンに向かうが、

 

バタンッ!「とにかく話を聞いてくれ!あれは誤解だ!」

 

「そ、そうよ!ちゃんと話を聞けばわかるわ!」

 

キンジとアリア必死になってヤイバに誤解だということを伝えようとするが

 

「大丈夫、大丈夫だ。誰にも言わないから…お前らがSMプレイを楽しもうとしてたことは」

 

すでにヤイバの頭のなかでは二人がそういう関係だということが決まっていた。

 

「頼む!!頼むから話を聞いてくれヤイバ!!」

 

「さっき弾を撃ったことは謝るから!!話を聞いて!」

 

キンジとアリアは、ヤイバに話を聞いてもらうためにかなりの時間を要した。

 

まだ物語は幕をあけたばかりだーーー




どうでしょうか。やはり、自分で小説を書くのはすごく苦労します。でも、書くのが楽しいので辞めるつもりはないですよ?できれば、完結まで、いきたいものですね。あと、少しは小説を書く才能が欲しいです。欲を言えばです。
しばらくの間、定期考査に向けて勉強に集中したいので、それまで待ってくれると嬉しいです。


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第02弾  匿名の依頼

皆さんお久しぶりです。定期考査が終わりに近づいていることに喜びを感じています。できれば、赤点を採らないように頑張っていきたいと思います。それよりも、しばらく書いていなかったので、文章が上手くまとまりませんが、続きを読みたい方は読んでくれると嬉しいです。


「へぇ…奴隷かぁ。一種のプレイには変わりないんだな」ニヤニヤ

 

先程の行為がSMプレイが奴隷宣言だと知り、また誤解をしていたヤイバだが、何で神崎がここに訪れたかどうかについては、まったくわからなかった。

 

「とにかく、何で神崎がここにいるんだ?」

 

なので、ヤイバは神崎にそう質問をするが

 

「わかんないの?」

 

質問を質問で返された

 

「説明すらされてねぇのに、わかるわけねぇだろうが…」

 

ヤイバは、少しイラつきを覚えつつも反論するが

 

「んー・・そのうち思い当たるでしょ。まぁあいわ」

 

アリアは、そんなことは気にせずにヤイバの言葉をスルーした。

 

「よくねぇよ」

 

そして、キンジがツッコミを入れるが

 

「おなかすいた」

 

キンジも見事にスルーされた。

 

「何か食べ物ないの?」

 

そしてアリアは、そんな二人の機嫌なんか気にせずに食べ物を要求した

 

「ねーよ」

 

キンジは投げやりに答えるが

 

「あんたたち普段なに食べてんのよ」

 

アリアは、失礼なことを聞いてきた。

 

おまえにはオブラートに言葉を包むということが出来ないのか、とヤイバとキンジは心のなかで愚痴りながらも、

 

「「いつも下のコンビニで買ってる」」

 

質問に素っ気なく答えた

 

「じゃあ、行きましょ」

 

アリアは、さも当たり前のように買い物に行こうと言ってきたので

 

「何でじゃあ、になんだよっ」

 

キンジも、多少イラつきながらも理由をたずねたが

 

「バカね。食べ物を買いに行くのよ。夕食の時間でしょ。」

 

質問に答えずバカにしてきたアリアに、

 

「てめえ、勝手に話を進ん・・」

 

ついに堪忍袋の緒が切れたヤイバが柄に手を添えようとしたところで

 

ピリリリリ、ピリリリリ

 

ヤイバの携帯がなった。

 

「ん?電話か。キンジ、コンビニ行くんだったら、俺の弁当を買って来てくれ」

 

電話をするという理由でキンジに弁当を買いに行かせよう、と考えたヤイバだったが

 

「何でおまえの弁当を俺が買いに行くんだ?電話の後でも良いだろ」

 

ほうほう、自分の立場が理解出来ていないようですな、キンジ君は。しょうがない、今朝のことを盾にして弁当をおごってもらおう

 

「アーアー、誰かさんのせいで始業式出れなかったな~」

 

「うぐっ」

 

「俺が助けてなかったらセグウェイに撃たれてたのにな~」

 

ふふ、おまえが押しに弱いことは、もうわかってるんだぞ、キンジよ。

 

「わかったからこれ以上、言わないでくれ」

 

ついにキンジが折れたぞ。

どうやらキンジが弁当を買って来てくれるみたいだ。

キンジは面倒な事を押し付けられるタイプかもな、とヤイバは心のなかに留めておき、

 

「じゃあ、あとは頼んだぞ…凶暴な仔ライオンの世話を!」

 

ダッシュで寮を出ていった

 

「は・・?ちょっと待てヤイバ!」

 

しばらく呆然としていたが、状況を理解したキンジは、急いでヤイバを呼び戻したが

 

「早く食べ物買いに行くわよキンジ!」

 

腹を空かしている仔ライオンことアリアは、そんなキンジの首根っこを掴んで引きずっていく

 

「痛い!わかったから首根っこ掴むのはやめてくれ!ヤイバ、あとで覚えてろよ!」

 

後ろから聞こえてくるキンジの声を聞いて、ヤイバは思った。

 

「俺は父さんみたいに二の舞を踊るのはゴメンだ!」

 

 

 

 

 

「うわっ。非通知って何か怖ぇな」

 

ヤイバは、普段誰も立ち入らない廃ビルの中で非通知の番号を呼び出した。

なぜ廃ビルの中まで来たのかというと、嫌な予感がしたからだ。

だいたい、嫌な予感がした日には面倒事に巻き込まれているので、あえて廃ビルの中にしたのだ。

 

「何の用だ?」  

 

あえて、名前を言わずに用件だけを言う。

 

「キミがそろそろ電話をかけてくるだろうと推理出来ていたよ。葛城刃君」

 

「!!」

 

話し相手の声は、機械音声なので、誰なのか見当がつかない。

 

それに、なぜ俺の名前を知っている?たしかに名前は告げていなかったはず。ヤイバは、少し混乱した。

 

「そんなに驚くことかい?武偵高のデータベースをハッキングして見れば、キミの情報は簡単にわかる」

 

この時点でヤイバは、電話の話し相手がただ者ではないということに、今更ながら気づいた

 

「---そうか。それはわかったから、さっさと用を済ましてくれ。仲間が待ってるんだ」

 

動揺しないよう、早口で告げる

 

「そんなに慌てなくても、今言うとこだったんだ」

 

話し相手はこちらを見透かしているように話を進めている 

 

「用件は‥.キミに依頼を頼みたい。報酬は依頼を果たす度に30万だ」

 

「なっ!何で俺みたいな普通の武偵にそんな高額の依頼を頼むんだ!?他にもいるだろ?」

 

ーー30万なんてすげぇ難易度の高い依頼じゃないと手に入らないはずだ。俺じゃなくても優秀な武偵ならたくさんいるはずだ。

 

「キミにしか頼めないからだよ。剣神の継承者」

 

「剣・・神?何だよそれ」

 

前にも、そんな言葉を聞いた気がするが思い出せない。

 

「いずれ、キミもその意味を知ることになる。それよりも、受けるかい?ーー神崎・H・アリアと遠山キンジの護衛の依頼を」

 

「なぜキンジと神崎なんだ?あいつらなら強いし大丈夫だろ?」

 

キンジにはヒステリアモードがあるし、神崎はSランク武偵だ。護衛する必要はないはず

 

「それは、キミにしか倒せない敵がいるからだよ」

 

「俺にしか倒せない敵だと?」

 

ヤイバは疑問を口にするが

 

「それも、いずれわかることになる。あと、この依頼を受けなくても、キミは否応なしに彼らを守らなければならない」

 

どうやら拒否権というものはないみたいだ

 

「わかった。その依頼は、引き受ける」

 

「僕の用件は、これだけだよ。じゃあ、頑張ってね。健闘を祈っているよ」

 

そう言うと、電話は途切れた。

 

「はぁ、いつの間にか、面倒な事件に巻き込まれてるみたいだなぁ」

 

ヤイバは、溜め息をつきながら、寮に帰っていった。

 

帰ったあと、キンジにゲンコツを一発やられ、頭にタンコブが出来てしまったのは、余談である…

 




どうでしょうか?やっぱり、上手く書けてるかがとても不安なので、アドバイスをくれたら幸いです。誤字または脱字が見つかったら知らせてください。小説を書くのは上手い方ではありませんが、できるだけ修正をして面白い作品に出来ればと思います。


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第03弾  理不尽な仕打ち

皆さん申し訳ございません。色々と忙しかったので、小説の続きを書くことを忘れていました。
今回の話は、あまりにもひとつの展開に文字数を割いてしまったので、あまり物語が進みませんが、ご了承下さい。
修正を加えることが多々ありますが、応援よろしくお願いします。
では、続きをどうぞ


「ふぁ~‥. 今は神崎いるし、こっそりとここから出ていった方が良さそうだなぁ…」

 

ヤイバの向けた視線の先には、神崎・H・アリアがヨダレを垂らしながら気持ち良さそうに眠っていた。

 

キンジにゲンコツで殴られたあと、神崎はキンジがパーティーに入ると言うまでここに泊まると言い出した。聞いた時は、あまりのバカバカしさにしばらく呆然としてたよ。まったく、最近ロクなことに巻き込まれすぎてストレスがたまってきてるな。

 

「あのあと部屋は追い出されるわ、最悪のタイミングで白雪さんがやってくるわで本当に昨日は厄日だったかもな」

 

もう胃薬を用意した方が良いかもな、とキンジたちを起こさないように心のなかで呟いたヤイバは寮を出ていった。

 

 

 

 

ーーーーキンジsideーーーー

 

「バカキンジ!ほら起きる!」

 

がすっ!

 

「ぐぁっ」

 

腹にハンマーパンチをくらい、あまりの痛さに顔をしかめながら

 

「何すんだ!」

 

ハンマーパンチを放った根源ーーアリアを睨み付けながら、怒鳴り付ける。

 

何故俺の睡眠時間が削られなきゃいけないんだよ!と俺は言いたかったが、それを言ったらもう一発くらいそうな気がしたので口にはしない

 

「朝ごはん出しなさいよ!!」

 

「ごはんならヤイバに作ってもらえよ!」

 

俺はぶんぶん振り回されるパンチをかわしながら、アリアに反論をしたが

 

「ヤイバなら、私が起きた時にはもういなかったわよ?」

 

「なに!?」

 

たしかに、周りを見回したが、ヤイバの気配を感じない。アイツめ、また俺にアリアを押し付けやがったな!あとでぶっ殺そう、と俺は決意を固めて目の前の仔ライオンからどう逃れようか必死に考えのであった…

 

ーーーーキンジsideendーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーヤイバsideーーーー

 

いまヤイバの背中にとてつもない悪寒が駆け抜けていった

 

ヤイバは急いで後ろを振り返ったが誰もいなかった

 

「な、何だったんだ…今の悪寒は」

あとで、血の海に沈みそうな予感がするのは俺の気のせいだろうか。

「死ねぇっ!」

そんなことを考えていると蘭豹が象殺し改めM500をぶっぱなしてきた。

 

「うおっ危ねぇ!」

「何ボケッとしてるんじゃボケぇ!!そんなに死にたいならウチが殺しちゃる!」

 

危機一発のところで、弾を逸らすことに成功したヤイバだが蘭豹はその隙に2mはあるであろう斬馬刀をこちらめがけて投げてきた。

 

「花散乱撃…!」

 

本来、大勢を相手する際に、複数の剣をさばくための技だが、ヤイバは今まさにこちらへ飛んできた斬馬刀に複数の斬撃を叩き込んだ。

ヤイバは仕上げにすくい上げるように剣を奔らせ、斬馬刀を弾き飛ばした。斬馬刀は、空に飛ばされ、大きな音を立てて地面に落ちた。

 

「もらったで!」

 

だが、蘭豹は無防備なヤイバの脳味噌めがけて踵落としをお見舞いしていた。

避ける時間がなかったヤイバは、地面にめり込むはめになった……

 

 

 

「蘭豹先生、あなたは生徒を殺す気ですか!?」

あのあと、30分は気絶する羽目になったヤイバが頭に出来たタンコブを擦りながら蘭豹を訴えようとしたが

「死ななければ問題ないやろ?」

流石に強襲科の先生をやってることだけあって脳味噌がすでに普通の考え方をしていなかった。

「すいません。先生に頼んだ俺が馬鹿でした」

どう育ったら、こんな性格になるんだろう?

こんな性格だから誰にもモテないんだよな、らんらんは

「おい、待てや葛城ぃ」ガシッ

「待ってください!蘭豹先生!ゆ、指が首にくい込んでる!」

「そんなことより、いまなに考えてた?」

今の蘭豹の殺気を例えるならば豹が獲物を捉えた時の気配だ。まぁ、普通は体験することなんか無いから誰にもわからないけどさ。そんなことよりも

「早く離してください!さ、酸素が吸えなくなる!と言うか死ぬ!」

ヤイバの思いが通じたのか

「ちっ」  

蘭豹は首を掴むのをやめてくれた。

「ふぅ、死ぬかと思った~」

「それは、何よりや」

もとの原因はアンタだろうが!と、ヤイバはその言葉をギリギリのところで呑み込んだ。

一年間蘭豹と訓練という名の殺し合いをやってるおかげで、危機管理能力が備わってきた気がする。

 

何故蘭豹が俺に訓練(殺し合い)をつけてるかと言うと理由は簡単、俺が外を歩く度にトラブルにしょっちゅう巻き込まれてるからだ。

 

どうやら、父親の「歩けばトラブルに巻き込まれる」という体質を受け継いでしまったらしい。

それを見かねた蘭豹が俺をトラブルに巻き込まれても1人で対処出来るよう強くしてくれると言ってきた。

 

それを聞いた時は、一瞬だけど目眩がしたよ。みんな他人事みたいだけどさ、一度だけでも良いからあんな化け物と毎日殺し合いをする光景を思い浮かべてほしい。まぁ、俺も昔までは化け物と言われていた種族の血を引き継いでるんだけどさ。

 

断りたいとは言わないがもう少し加減というものを覚えてほしい。まだ俺は全然弱いんだし。

そんなわけで、俺は蘭豹に稽古?みたいなものをつけてもらっているんだが

 

「葛城、三度目はないで。何を考えてた?」

どうやらまだ諦めてなかったようだ。

「はは、何も考えてないですよ?蘭豹先生」

「どうやら、まだ死に足りないみたいやな」

「へ?」

「なに、HRまで時間があるんや。それまでウチがみっちりとしごいたる」

「いや、もうそろそろ行かないと遅刻するんですが」

「そんな小さい問題は気にすんな。ウチが高天原先生に言っといてやるわい」

 

俺が地獄におちるのはほぼ決定事項みたいになっているみたいだ

「葛城ぃ、覚悟を決めろ」

 

「はは、はははは……」

 

人間絶望の淵に立たされると笑い声が出るのは本当なんだな、とバックブリンガーとジャーマンスープレックスなど、理不尽な仕打ちをかけられた俺はそう思わずにはいられなかった…… 




どうでしょう。
やはり話があまりまとまりませんでしたかね?あまり物語が思い浮かばないので、どう書けば良いかがあまりわかりませんが、こんな調子で書いていきたいと思います。
出来たら近いうちにヤイバのヒロインを登場させたいなと思っております。修正が加わるかもしれないので、そのときはよろしくお願いします。
え?キンジの出番が少なかった?なら出来たらそれも近いうちに出番を増やしたいと思います。


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第04弾 間の抜けた一日

皆さん、申し訳ありません。ネタが思いつかなくて更新が遅れてしまいました。
それにしても、このペースだと一巻を終えるのにどれだけの時間がかかるんだろうか……。
今回も、あまり内容が進まないので、期待せずに読み流してください。
では、続きをどうぞ


蘭豹から地獄という名のありがたいシゴキ(?)をくらいながらも、必死に教室へ戻ること出来たヤイバは窮地に立たされていた。

「お、おおお落ち着けキンジ」

「何を言ってるんだヤイバ、俺はいつも通りだぞ?」

「嘘だ!血管が浮き彫りになってる!」

「はは……とりあえずこっちに来いよヤイバ」

「すいませんでした!マジで反省してます!」

 

キンジの背後に鬼(幻覚)が見えたような気がしたヤイバは、いままでしてきた中でも一、二を争うほどの見事な土下座をした。

ヤイバは、朝にキンジに面倒ごと(アリア)を押し付けて逃げてきたので、キンジは必殺仕事人モードに入っている

いくらヤイバと言えどもキンジの鉄拳制裁は、蘭豹のシゴキと同じくらいの恐怖を覚えていた。

 

プライド?そんなもん今の状況を避けれるならいくらでも捨てておけ!

結果的に言えば、ヤイバの自業自得であるのだが、

「わかったから、顔を上げろよヤイバ」

ふ、チョロいな、とヤイバは内心でほくそ笑みながら顔を上げたが、

「今回のことは水に流してやる……わけねぇだろうが

そこには、満面の笑みを浮かべたキンジが……

 

「」

 

命の危機を感じたヤイバは、逃走を謀ろうとしたが、

「何処へ行くんだヤイバ?もうHRが始まるってのに」

逃げることがわかっていたのかヤイバが動く直前にキンジが頭を両手で掴んでいた

「ま、待てキンジ!話せばわかる!話せば……」

キンジが頭を後ろに引き、やることがわかったヤイバは必死に話し合いに持ち込ませようと(逃げるために)するが、

「問答無用!!」ガツン!!

「がっ」

キンジの頭突きをくらったヤイバは、本日二回目の気絶をするはめになった……

 

 

 

 

 

 

「おはよう、キンジ君」

「おう、不知火か。おはよう」

「あれ、ヤイバ君はどうしたのかな?」

「…………」

ヤイバは、地面に沈んでいた

「さぁ……寝てるんじゃないか?いつも蘭豹にシゴかれてるからな」

「まぁ、しょうがないかも知れないけどそろそろ起こした方が良さそうだね。ヤイバ君、そろそろ起きた方が良いよ」

「…………」

「ヤイバ君?」

「…………」

返事がない。ただの屍みたいだ。

「不知火」

「何かな、キンジ君」

「俺が起こしておくから、不知火は席に座った方が良いぞ」

「わかった。じゃあまた後でね」

不知火はそういうと席に戻って行った。

「…………」

だが結局、高天原先生が気づくまで、ヤイバが起こされることはなかった……

 

 

 

 

 

 

「痛ってぇ…あの石頭め。あそこまでやるか普通」

授業が終わった後、ヤイバは強襲科で訓練を受けるために体育館に向かっていたが

「あら、ヤイバじゃない」

「おう、神崎か。なんか久しぶり」

「久しぶり。あ、ヤイバ」

「何だアリア?」

「キンジどこにいるか知らない?」

「うーん・・そうだな……」

キンジのことだから、多分アリアが強襲科で訓練を受けると思って、校外に出れるような依頼を受けるはず。

でも、聞いた話じゃ神崎は卒業出来るだけの単位が揃っているらしい。

恐らく、キンジはそれを知らないうえで、無駄な抵抗をしてるとは思うが

 

「たぶん、探偵科で待ち伏せしてれば会えるんじゃないか?」

「ありがと、ヤイバ。それと」

「まだ何か用があるの?」

「いや、特にないけど。あたしのことはアリアで良いわよ」

「あぁ、わかった。あと、俺が情報を提供したことはキンジには黙っておけよ」

「あら、キンジと違ってヤイバはしっかりしてるのね」

「あんまりキツく言わないでくれよ。キンジも色々と苦労してるんだからさ」

(まぁ、キンジもあの時まではしっかりしてたんだがな……)

 

「ふーん。じゃあ、またあとでね」

アリアは、何に満足したのか分からないが、嬉しそうにその場を後にした

 

「あぁ、また今度」

少しでも、銃の扱いに慣れたいヤイバも、その場を後にしたーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ーーーーーー???sideーーーーーー

 

「なに!?なに!?なにあの人!?」

パニックになりかけてる人物ーーーー間宮あかりが向けている視線の先には、神崎・H・アリアが葛城ヤイバと親しそう(?)に話していた。

 

「私はアリア先輩の戦妹なのに、何で私よりも親しそうに話してるの!?」

(私がアリアと話す時でも、あんな笑顔は滅多に見ることが出来ないのに!)

そんなことを思っているうちに、アリアとヤイバは、どこかへ行ってしまう。

「葛城ヤイバ…!もしや…アリア先輩につく悪い虫ってやつ!?」

そんなふたりの様子を校舎の陰から盗み見ていたあかりは、アリアの中での自分の存亡の危機に、焦りまくるのであった。

 

 

勘違いだとは、知らずに。

 

 




今回も、話が短く内容が雑だったので、もう少し工夫して出来たらなと思います。それと、期末考査が始まるので、しばらくの間、更新が止まりますが、気長に待っていただけると嬉しいです。

それにしても、早くオリキャラとか出したいなぁ…
ヤイバ「おまえがさっさと書けば良い話じゃないか?」
「・・ごもっともです」
キンジ「早く書けよ。読者が楽しみにしてるんだからよ、たぶん」
「本当に申し訳ありません」
ヤイバ&キンジ「「期待せずに、続きを待ってくれよ」」
「・・それでは、みなさんまた今度」ガクッ
ヤイバ「コイツの精神力ってガラスみたいにもろいんだな」


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第05弾  戦姉妹契約

観てた皆さまは2ヶ月ぶりです。臥龍鳳雛です。
なかなか、ネタが思い浮かばなかくて軽くスランプ(?)に陥っていました。本当にすいません。
では、久しぶりに続きをどうぞ


「………」ジィー

「…………………」

「…………」ジィー

「………はぁ」

「どうしたヤイバ?溜め息なんてついて」

「まぁ、色々あって」

「そうか。俺に相談はするなよ」

「ひどいなキンジ!俺ら親友だろ!」

「いや、だって俺も最近面倒ごとに巻き込まれてるし」

「そういえば、そうだったな。同情するよ」

 

 最近さ、視線を感じることが多くなってきたんだけど、俺の気のせいだよな。

 まぁ、俺を尾行してるってことは、バレバレなんだけどさ。気配で。

 え?じゃあ何で知らぬ存ぜぬを通しているかって?

 それは、朝に知らない女の子に尾行されるっていう現実を受け入れたくないからだよ、俺は!

 

 

 

 閑話休題

 

 

「なぁ、キンジ」

「ん?どうしたヤイバ」

「昨日のことだけど、本当に良いのか?」

「あぁ、それにヒステリアモードになんなければ良い話だしな」

 話を変えるが、昨日のこととは、キンジが自由履修として、強襲科に戻って来るという話だ。本人は嫌々と引き受けたんだが…

 まぁ、キンジが戻って来てくれることに関しては俺は嬉しいんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キンジが、強襲科に戻って来るらしい!!」

「え、マジで!?」

 

 教室へ着くと、早速ウワサが流れていた。

 というか、その話は確か部屋で話してたから誰も知らないはずなんだが、なんで知ってるんだ?

 とりあえず、朝から大きい声を出している武藤に聞く。

「あれ、何で皆その話を知ってるんだ」

「俺は理子から聞いたんだよ」

 何で理子が、と思ったがアイツ意外と情報収集が並外れて上手いっていうことを思いだした。

 たぶん、何処かに盗聴器を仕掛けていたに違いない。

 帰ったら、調べてみるか

「これは、一体どういうことだ!?」

「おう、キンジか」

「ヤイバが話したのか!?」

「いや、残念ながら俺は話していないぞ」

「残念ながらって、お前も話そうとしてたのかよ!」

「まぁ、良いじゃねぇか。どっちにしろバレるんだし」

「ぐっ……」 

「諦めろ。噂は広まったら収拾がつかない」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

「皆さーん、席について下さい」

「じゃあ、キンジ。またあとで」

「くそっ!噂広めた奴を殴りたい……」

 そう言いながらも、キンジは素直に席に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

「キンジ、久々に強襲科に逝こうぜ!」

「ヤイバ、お前絶対に『いく』っていう意味がわかってないだろ」

「んな訳ねぇだろ、少なくともキンジよりはわかっているつもりだ」

「いいや、絶対にわかってない」

「そう言っているキンジこそ、わかってないんじゃないか?」

「何だと!?」

 

 拷問にも等しい(バカにとってはだが)授業時間が終わり、口論争いをしていたヤイバとキンジだったが、

 

「着いたぞ、キンジ」

 気づいたら、強襲科----通称『明日なき学科』に着いていたようだ。そして、キンジはというと

 

「はぁ……本当は戻りたくなかったんだがな」

「まぁ、早く入ろうぜ」

 

 若干鬱モードになりかけていたのに気づいたヤイバは

 、急かすように扉の取っ手に手をかけた。

 扉を開けた先にあったのは、見渡す限りの戦闘風景だった。

 火薬の匂いや発砲音、刃物を弾く時にきこえる金属音。そして、其処らから聞こえる雄叫びや挑発

 など強襲科の常套句とも言える風景に、ヤイバとキンジは目を細めた。

 

「いつ見ても、変わらねぇなぁ」

「まったくだな」

「1年の頃は、良くキンジと飲み物1本賭けて勝負してたっけ」

「あぁ……懐かしいな」

「そうそう、確かあのレーンでキンジがーーーーーキンジ?」

 何時もと様子が違うように見えたヤイバが、キンジに目を向けると、自分を責めているような、後悔しているような、色々な負の感情が渦巻いているように見えた。ヤイバは此処にキンジを連れて来てしまったことに少し罪悪感を感じながらも急いでキンジに声をかける。

「おい、キンジ!大丈夫か!?」

「……ッ!!あ、あぁ大丈夫だ。心配かけて悪かったなヤイバ」

「お互い様だ」

 

 キンジが元通りになったのに一安心するヤイバだったが、だいぶ大きな声で呼びかけていたので、

 

「………キンジ、ヤイバ?」

 

 案の定、強襲科の連中に気付かれてしまった。

 さっきまでの喧騒がまるで嘘のように辺りを静寂が支配していた。

 

 ・・・何か嫌な予感がするんだけど俺の気のせいだよな?

 

 一抹の不安を抱いていたヤイバだったが、

 

 次の瞬間――――

 

『ワァァァァァァァァァ!!!』

 

 体育館全体が揺らぐほどの大歓声を出しながら、こちらに近づいてきた。

 

「な、何だよこれ!?」

「怖ぇよ!こっち来んな!!」

 

 流石に人の大群が押し寄せて来る様が恐ろしかったのか、ヤイバたちは声が少し裏返っていた。

 だが悲しいかな。そうしている間にも大群は、ヤイバたちを囲んでいった。

 

「おうキンジぃ!お前なら帰ってくると信じてたぞ!ここで1秒でも早く死んでくれ!」

 

「何だよ、まだ死んでなかったのか夏海。お前こそ俺よりコンマ1秒でも早く死んでくれ」

 

  

「ヤイバぁ!ここで会ったが100年目!お前の身体中に風穴あけてやるぜ!」

 

「はぁ、まだ生きてたか晃之。お前は大人しくその残念なことしか考えられない脳味噌を改造しろよ」

 

うん、やっぱ何にも変わってねぇな、ここは。

最近蘭豹としか訓練やってねぇから本当にコイツらが懐かしく思えてくる。それに、キンジが強襲科を辞めてなお、こんなに人気があるのは、カリスマ、もしくは人望というものがあるからだろう。

 

キンジが戻って来て嬉しいのはわかる。

 

 

 

 

 

 

でもさ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はせっかくキンジが苦い思いをしながらも強襲科に来てるんだからさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さっさと退いてくれよーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!?!?!?』ゾワリ

 

 

俺の思いが伝わったのか、皆、キンジや俺にまとわり

つくのを止めて自分の鍛練の続きを再開していく。多少顔が青ざめている奴が多いのは気のせいだろう。

 

「ヤイバ!!」

 

「どうしたキンジ」

「殺気が漏れ出てたぞ!?何してんだよ!」

「すまん、キンジ!少しでも練習する時間を確保したかったから、ついやっちっまった!」

 

キンジの機嫌をあまり悪化させたくなかったって言うのは、あまり言いたくないので、別の理由を述べた。

 

「・・・はぁ」

それを聞いたキンジは溜め息を吐き

「……ったく、次からは気をつけろよ」

「……あぁ、わかった」

 

キンジには、一応バレなかったな。でも、何か良心がズキズキするなぁ…。

 

多少罪悪感を感じつつ、次からは気をつけるよう、心に決めたヤイバだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーライカ side ーーーー

 

「はぁ、はぁ」

 

ヤバかった。

 

噂で遠山キンジが強襲科に戻ってくるーー

 

それを聞いて、あかりと一緒に遠山キンジの顔を覗いていたんだが、それがヤバかった。

 

その隣にいた先輩と思わしき人から、殺気が漏れ出ていた。その殺気を感じとった瞬間に悪寒が身体を支配して、しばらくの間、足が動かなかった。

 

「あ…あ…」

 

隣を見ると、あかりも顔を青ざめながら床に座り込んでいた。こりゃ、しばらくは動けねぇな。

そういえば、まわりにいた連中があの殺気に耐えられたのはもう慣れていたからなのか?

 

それにしても、

 

「あの先輩は、確かヤイバ先輩だったな」

 

あの先輩は強い。色々と学べることがあるかもしれない。それがさっきので充分に理解した。

もし、まだ戦姉妹組んでなかったら、

 

「あの人に、戦姉妹申請してみようかな」

 

「な、何言ってるのライカ!?あんな人と戦姉妹何て組まないほうが良いよ!」

 

その言葉が聞こえたのか、金縛り状態から解放されたあかりが必死の形相で私の戦姉妹申請を否定してくる。

 

「知るか。誰がなんと言おうと、私はヤイバ先輩に戦姉妹申請をするぞ」

 

あかりが何でヤイバ先輩を嫌っているのかは、知らない。でも、私がヤイバ先輩に戦姉妹を申請しようと思ったのは、私の得意なBQCの他にも色々と教わることが出来るから、と言うのは建前で、ヤイバ先輩がどういう人か気になったからだ。

 

「よし、そうと決まったら早速ヤイバ先輩に戦姉妹申請してくるか!」

 

「ちょっと待ってよライカ~」

 

申請用紙を取りに行こうと決めたライカは、教務科に足を進めるのであった。

 

 ーーーーライカside endーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーークロウsideーーーー

 

「ふぅ……」

一応、時間を確保出来たは良いけど今の時間で出来ることは、装備品の確認ぐらいだ。キンジもそれがわかっているのか、装備品の確認をしている。

 

「結局、拳銃の練習とかは出来なかったなぁ」

「あぁ。俺も拳銃の練習ぐらいはしておきたかったな」

「たまには、蘭豹以外の奴と普通の練習がしたいなぁ……」

「………ヤイバ、御愁傷様」

「止めろよキンジ、自分で言うのもあれだけど、俺の動きに対応出来るのって今のところ蘭豹とキンジぐらいだぞ?」

「おいおい、俺を人間バンカーバスターと一緒にしないでくれよ」

「そう怒んなって。半分は冗談だ」

「あと半分は本気かよ!?」

 

まぁ、愚痴を吐いても時間は戻らないからこれぐらいにしておこう。

 

「装備品の確認も終わったし、そろそろ帰ろうぜ」

「あぁ、俺も今終わったところだ」

 

今日は、久しぶりにゲーセンでも行こうかな。

ストレスがたまった時は、発散させた方が良いしな。

 

「……ん?」

後ろから気配が二つほど動いている。

また、めんどうごとが起こりそうだなぁ…

でも無視するわけにもいかないし、しょうがない。

 

「・・・キンジ。先に帰っててくれ。用事を思い出した」

「あぁ、わかった。なるべく早く帰って来てくれよ」

 

そう言うとキンジは、男子寮に向けて歩を進めて行った。途中で、アリアがキンジと合流するのを視界の隅で捉えるのを確認した。

 

ーーーーーーキンジ、御愁傷様。

さっきキンジに、言われた言葉をそのまま返してやった。心のなかで。

 

 

 

 

「さて、と」

そして、さっき気配のした方に身体を向けたが気配が1つ減っていた。まぁ、厄介事が減ったし俺としてはありがたい。そう思っていると、気配のした方から金髪の女の子がこちらに近づいてきた。

 

「あ、あのすいません!ヤイバ先輩ですよね!」

「そうだけど、君は?」

「あ、私はライカって言います。ヤイバ先輩にお願いがあるんですけど……」

 

ライカと呼ばれる女の子は、息を整えると、頭を下げ、

 

「私を戦妹にしてください!お願いします!」

 

戦姉妹契約を依頼してきた。

 

「うん、良いよ」

「やっぱ、無理ですよねー……って、え!?良いんですか!?」

「うん、蘭豹先生にも戦姉妹契約を結べって、しつこく言われてるし」

「そうなんですか……」

何故か、ライカの顔が曇っている。まぁ、普通、人に言われたからって言われたらそうなるか。一応弁明はしておこう。

「それに、ライカちゃんは鍛えれば、AランクかSランクを狙えるからね。鍛えがいのある子は好きだよ」

「え、それって本当ですか!?」

 

AランクやSランクを狙えると聞いたからか、ライカはやや興奮気味で訊ねてきた。

 

「うん、本当だよ。さぁ、そうと決まったら早速教務科に戦姉妹契約の申請用紙を出しに行こうか」

「はい!」

「それと、」

ライカの方に顔を向けて、満面の笑みで、歓迎の言葉を言う

 

「これから、よろしくね。ライカちゃん」ニコッ

「~~~は、はい( 〃▽〃)」ポッ

ん?何かライカの顔が赤いけど、嬉しいからかな?

うんうん、俺としては嬉しいな~女の子に喜んでもらえて。

あ、因みに蘭豹は論外な。あれは、女の子じゃねぇ。メスゴリラって言った方が似合うような奴だからな。

 

そんなことを思い浮かべながら、ライカと一緒に戦姉妹の申請用紙を教務科に出しに行った。

 

そして、蘭豹に出しに行った時、頭に拳骨が下りてきた。

 

 

・・・もしかして、さっき考えてたことバレてた?




今回は、面白く出来ていましたか?感想や評価がないので、本当に出来てるかが、不安です。
次の更新は、何時になるかわかりませんが出来るだけ、近いうちに出したいと考えています。


・・・早く夏休みの課題を終わらせなければ。


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第6弾  死んだはずの好敵手

皆さん、随分お待たせ致しました。すいません。
余り書く気が、起こりませんでした。
取り敢えず、続きをどうぞ


ライカと戦姉妹契約をして、長いような短かったような1日だったな、とヤイバはそんなことを思いながら眠りについたその翌日。

ヤイバは、寝惚けた頭で、枕元にある携帯の液晶画面を目にする。

時刻は8時と表示していた。

 

「ヤベェ!遅刻じゃねぇか!」

 

ヤイバの意識は、一気に覚醒し、ヤイバは急いで制服に着替え、身なりを整える。

その最中にヤイバの携帯が鳴った。さすがに無視するわけにもいかず、携帯の通話ボタンを押して通話に応じた。

 

「何だ、俺は今急いでるんだが」

 

「ヤイバ、事件よ」

 

「開口一番の言葉がそれかよ。で、場所は」

 

「武偵高の通学バスよ。7時58分に停留したやつ」

 

「っ!じゃあキンジは」

 

「アイツは大丈夫よ。それとC装備に武装して女子寮の屋上に来なさい」

 

「わかった」

通話を切ったヤイバは、すぐに刀を持って男子寮を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤイバは言われた場所に、女子寮の屋上に着いた。

そこには、狙撃科Sランクのレキと、C装備に武装したキンジとアリアがいた。

 

「遅い!」

 

「すまん。それより状況は」

 

「バスジャックよ。それとバスには爆弾が仕掛けられてるわ」

 

「爆弾」

その単語を聞いたキンジの脳裏に数日前のチャリジャックがよぎった。それを感じ取ったのか、アリアはキンジに顔を向けた。

 

「キンジ。これは『武偵殺し』。あんたの自転車をやったヤツと同一犯の仕業だわ」

 

「でも、『武偵殺し』は捕まったはず」

ヤイバとキンジは、最近のニュースや新聞で武偵殺しが捕まったということを知っていたので、それはありえないという結論を口に出そうとしたが、

 

「それは真犯人じゃないわ」

アリアの口から出た台詞によって、その結論は否定された。いや、それよりもおかしい 

 

 

何故捕まった犯人が犯人じゃないみたいな言い方をしてる?

 

 

何故そんな確信を持って言える?

 

 

だが----

 

 

 

 

 

アリアはビシッとこっちに振り向いて、ツリ目で睨んできた。

 

 

「背景の説明をしてる時間はないし、あんた達には知る必要もない。このパーティーのリーダーはあたしよ」

 

アリアは、そう言うと俺のほうを向いて馬鹿を見るような表情で疑問を口にした。

 

「何でヤイバはC装備に武装してないのよ」

 

今の俺の武装は、防弾制服に刀が一振りと銃が一丁と普段武偵高に通うときと同じ装備だ。

 

「あぁ、それはだな。そんな重そうな武装なんてしてたら全然動けないからだ」

 

最後にあんなん着るだけ無駄だろ、と切り捨てるように言った。

 

「あんた死ぬわよ」

 

「あぁ、そんな台詞を過去に何度も言われたことはあるけど1度も傷なんて負ったことがないね」

 

「大丈夫ならそれで良いわ」

 

アリアは、これ以上は言わないのか俺から視線を外してヘリに乗り込もうとする。

 

そのあとを追うようにレキがヘリに足を進める。

 

「待て・・・待てよアリア!お前―――」

 

ただし、キンジを除いて

 

だが、アリアはそんなことに構っている余裕がないのか、キンジのほうに向かずにその言葉を遮るように言う。

 

 

「事件は既に発生してるわ!バスは今、この瞬間に爆破されるかもしれない。ミッションは車内にいる全員の救助!以上!」

 

話は終わりだと言わんばかりにそのままアリアはヘリに乗り込んだ。

 

 

対してキンジは、話をまともに聞こうとしないアリアにムカついたのか、今にも殴りたそうな顔をしている。

 

「キンジ」

 

「何だヤイバ」

 

言葉には怒気が含まれているが

 

「アリアのことに関しては後回しだ。今は事件の解決が優先だ」

 

それは、俺も同じだ。ロクに説明されてないのにあんなことを言われたら腹が立つ

 

「そんなことはわかってるよ。でも」

 

「俺だってアリアには、ムカついてるんだ。この事件が終わった後に一発殴らせてもらう」

 

「わかった。その時は俺も一緒に殴らせろよ」

 

俺の発言に納得してくれたのかキンジは怒気をおさめて、ヘリに乗り込んでいった。

 

「じゃあ俺も行くか」

 

一刻も早く解決させてアリアを一発殴るために

ヤイバもヘリに乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バスはどこを走ってるんだ」

 

「今、ホテル日航の前を右折しています。窓に武偵高の生徒が見えています」

 

バスの居場所を確認するため、俺とキンジとアリアは揃って防弾窓に顔を寄せた。だが車は小さすぎてよく見えない。

 

「全然見えねぇ」

 

「レキ、あんたよく分かるわね。視力いくつよ」

 

「左右ともに6.0です」

 

さらりと超人的な数字を言ったレキに、俺は口を開けて呆然とした表情でレキを見て、キンジとアリアは顔を見合わせた。

 

 

ヘリの操縦手がレキの言った辺りに降下していくと、本当にそこを武偵高のバスが走っていた。

 

かなり速度を出しているな

 

 

「空中からバスの屋上に移るわよ。あたしとヤイバはバスの外側をチェックする。キンジは車内で状況を確認、連絡して。レキはヘリでバスを追跡しながら待機」

 

テキパキとアリアは強襲用パラシュートを天井から外し始めた。

 

「内側・・って。もし中に犯人がいたら危ないぞ」

 

「『武偵殺し』なら、車内には入らないわ」

 

「そもそも『武偵殺し』じゃないかもしれないだろ!」

 

「違ったらなんとかしなさいよ。あんたなら、どうにかできるハズだわ」

 

横で色々と騒ぎあってるけど、さすがにもう付き合ってらんねぇな、とヤイバは目の前の二人から視線を外して、バスの屋上に降りるべくヘリから飛び降りた。

強襲用パラシュートをつけずに。

 

ヘリから声はしたけど、反応はしなかった。 

 

今は、集中するべきだ。真面目にやるときは真面目にやらないといけない。

 

 

 

 

――ヤイバsideend――

 

 

 

 

 

 

――アリアside――

 

キンジと騒ぎあってる間にヤイバがヘリから飛び降りていってしまった。パラシュート無しで

 

「何やってんのよあのバカ!」

アイツはどれだけ命知らずなんだ。無謀にも程がある。

そう思っている間にもヤイバはどんどん降下していく。

 

そして

 

「うそ・・」

 

ヤイバはパラシュート無しでバスの屋上に無事着陸することができた。ヤイバが着地したところは着地した衝撃によりクレーターができている。

その光景に呆然としている間にキンジはパラシュートを装着している

 

「何者よ。アイツ」

 

睨み付けるようにキンジに問い詰めたが

 

「さあな。そんなことよりも早くバスに飛び降りるぞ」

 

キンジは視線をものともせずにそのままヘリから飛び降りた。

 

「・・そうね。今は、ヤイバが何者かについては後回しね」

 

『武偵殺し』を捕まえたあとに、じっくり聞かせてもらうんだから。覚悟しなさいよ。

 

アリアも早くバスにつけられた爆弾を見つけるべく、ヘリから飛び降りていった。

 

 

――アリアsideend――

 

 

 

 

 

 

 

 

――ヤイバside――

「―――っ!!」

 

バスの屋上に着陸した瞬間、俺の背後から強烈な殺気が、正確には斬気が伝わってきた。

 

背後に振り向くと同時に、鞘から抜いた久遠彼方で斬りつく。

 

背後から斬りかかろうとしたものと剣を交えた。

 

「久し振りだね」ニタリ

 

斬りかかってきた奴はにやけながら剣を振るっていく。

 

「お前なんか知らねぇよ」キィン

 

ヤイバは斬りかかってきた奴の剣を古流で受け流していく。

 

久し振りと剣を交えている奴は言ったが、奴と会ったことは勿論、顔を見たことすらない。いったい誰なんだこいつは。

ヤイバは改めて、奴の顔を見る。顔立ちは整っていて、白に近い髪の色をしている。奴の笑みはどこか残虐さが感じられる。

 

やはり知らない。誰だこいつは。

 

俺の反応に奴は疑問を感じたのか、俺から離れて剣をおさめた。

 

「あれ、本当に俺のこと覚えてないの?」

 

「そもそも会ったこともない。というか名前もしらねぇのに覚えてるって言われても分かるわけねぇだろうが」

 

文句と一緒に殺気を奴にぶつける。

 

「忘れたなら、思い出させてあげるよ」

 

だが、俺の殺気をものともせずに奴は殺気をぶつけながら言葉を発していく。

 

「俺だよ」

 

そして奴は名前を告げる

 

「ラーシュだよ」

 

ラーシュと名乗った男は笑みを深めて言葉を発していく

 

「お前の兄弟子でお前の大切なものを傷つけた、お前の元相棒だよ」

 

そして奴は、剣を再び構えて俺の名前を口にする

 

「クロウ」

 

どうやら、父さんと因縁のある相手みたいだ。

 

そして、俺はクロウという名前ではない

 

「俺の名前は葛城ヤイバ」

 

剣に『光』を纏わせて、ラーシュに剣を向けた。

 

ならばまず、誤解を解かないとならない

 

俺は

 

「葛城クロウの息子だ」




急展開になった気がしますが、まだ物語は始まったばかりです。
ラーシュがなぜ生きているかについては、追々書いていきたいと思います。いつ投稿するかは、まだ未定です。


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