俺はコナミ君 (クエン酸ドラゴン)
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設定資料集(15/12/31)

新たなキャラや設定が登場するたびにここで記録・更新していきます。


主人公

小波遊羅(こなみゆうら)

Age:15 Sex:男 身長:176cm 体重:53kg

 

違う世界からこの「遊戯王」の世界に転生してきた少年。前世は大学生程度であったが現在は高校1年生として舞網高校に通っている。

原作での戦争を回避しようと異世界(他の作品)に移動出来るように頭を悩ませるも最近はデュエルしたいという欲求により当初の目的を忘れ去っている。

家族構成は父、母、遊羅という3人構成だが転生後にはその両親は海外で仕事をしており一人暮らしをしている。

容姿はTFシリーズのコナミ君そのもので本人はコナミ君に憑依してしまったのではと考えている。

しかしそういう事実は全くなく神様が特別に創りだした特注ボディなだけである。常に赤い帽子を被って改造制服を身につけている。

愛称はコナミ君

 

使用デッキ:特にこれといったモノがなく幅広くデッキを構築しては試している。比較的にドラゴンや悪魔といった分類を良く使用している。

 

好きな物(事):ラーメン、デュエル、カードを弄りデッキを構築する作業

嫌いな物(事):ブロッコリー、満足にデュエルさせてくれない状況、会話のドッチボールをしかけてくる奴

 

能力:転生時に与えられた力ではなくコナミ君本来が持っている能力。本人は無自覚だが日に日に開花させていっている。

 

デュエル脳Lv1

デュエルになると普段の数倍の身体能力を行使でき、同時に運が上がる。

デメリットとして長時間デュエルが出来ないとバーサーク状態に陥る。

 

デュエル脳Lv2

身体能力が極端に上がり特にデュエル中もしくはデュエル関係ならば常時数十倍の筋力、体力、視力、聴力、嗅覚、耐久を得る。また一部の特殊なカードを使用するときそのカードの力の一部を開放することが可能。

デメリットもあり一定期間デュエルができないとバーサーク状態に陥る。(幸運2倍掛け)

現在オゾンを超えることはできない模様。

 

デュエル脳Lv3

上記の上昇(デュエル関係関わらず)に加えDホイールとの連動によるフィール(尚主人公のテンションによっても発動可能)とディステニードローが得られる。オゾンに限りなく近い位置でも活動可能。

 

フィールLv1

フィールとは仮想立体触感の通称でDホイールとの連動により速度の上昇、間合い、タイミングによってフィールは何倍にも上昇し相手に与える事ができる。

つまりフィールとはフィールである。

現在主人公のフィールはDホイールそのものが無いため主人公の高ぶるテンションのみを相手にダメージを与えるだけとなっている。

 

ディステニードロー

絶体絶命の状態のとき発動する。危機的なフィールドを逆転させる事ができるカードを好きなタイミングでドローする。

 

揺るがなき境地(クリアマインド)

風と一体化し透き通るような穏やかな心になることでその境地に至ることが出来る。だが何かしらの煩悩や欲望、感情によりそれに到達できる者は少なく限られている。コナミ君の場合は戦いからの興奮を超えその先の境地へと至っていった。

 

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能力が判明次第随時更新していく。

 

オマケ:現在の称号

「狂王」、「鬼畜王」、「女の敵」、「玉砕王」、「絶対裁定」、「鬼畜否定」

「独裁帝王」、「疾走帝王」

 

原作キャラクター

・赤馬零児

Age:13 Sex:男 身長:不明 体重:不明

原作「遊戯王ARC-V」に登場する主人公のライバルキャラ。

父、赤馬零王の暴挙と止めるためにLCの新たな社長として就任したばかり。その為実績とこれからのビジネスのために新しい召喚法のデッキで大会に出場した。

決勝戦でコナミに破れるもソレをバネに更にデュエルの腕を磨く。

 

使用デッキ:DDD(ペンデュラム不搭載)

 

 

TFキャラクター

・ツァン・ディレ

Age:15 Sex:女 身長:不明 体重:不明

TFシリーズ女性キャラの1人、桃色の髪色が特徴の少女。ツンデレというよりもあまり周りと馴染めていないだけの少女である。ただ自身が認めた相手にのみツンデレ気味な態度をとってしまう思春期の女学生。

最近主人公であるコナミ君を恐れている。

 

使用デッキ:六武衆(シンクロシリーズが入ってきていないため現在は真六武衆デッキではない)

 

好きな物(事):オムライス、ビスケット、レベルの高い相手(デュエル)

嫌いな物(事):チョコレート、レベルの低い相手(人間性)

苦手:コナミ君(しかしその苦手がなくなると・・・)

 

藤原雪乃(ふじわらゆきの)

Age:15 Sex:女 身長:不明 体重:不明

TFシリーズ女性キャラの1人で紫染みた銀髪の美少女。両親が有名な俳優、女優で雪乃自身も将来女優として期待されている。両親が有名人なため公立の高校ではなく有名な市立の高校に通っている。

自身を負かしたコナミに興味を持ち、挙句デュエル後に無視されてから必ずコナミを振り向かせることを目標としている。

 

使用デッキ:デミスドーザー

 

好きな物(事):肉まん、牛丼、強い男(現状コナミ)

嫌いな物(事):ラーメン、チョコレート、弱い男(その他大勢)

 

原麗華(はられいか)

Age:15 Sex:女 身長:不明 体重:不明

TFシリーズ女性キャラの1人で緑髪に眼鏡を掛けた少女。品性方正で成績優秀な委員長キャラ・・・・・だった。コナミとデュエルし自身の本来の性癖を知り、以降コナミに崇拝に似た感情を抱いている。この作品一番の被害者である。

 

使用デッキ:プロミネンス・ドラゴンを使用したバーンデッキ(後に自身もダメージを受けられる(ここ重要)破壊輪などを投入した自爆バーンデッキとなる)

 

好きな物(事):みかん、いちご、コナミから与えられるモノ全般

嫌いな物(事):牛乳、コナミと共に要られない時間

 

・レイン(めぐみ)

Age:15 Sex:女 身長:不明 体重:不明

TFシリーズ女性キャラの1人で銀髪にツインテールの少女。原作では成績など全て平均ちょうどを常に叩き出せる謎の多い少女。この世界では大企業イリアステルの会長Z-ONE氏の孫娘である。デュエルの腕もそこそこ立つが主人公には一切歯がたたなかった。ちょくちょく主人公のサンドバックにされている苦労人。

 

使用デッキ:アンデッドデッキ(後にシンクロアンデに変わる)

 

好きな物(事):穏やかに過ごせる時間(切実)

嫌いな物(事):サンドバックにされること(言えない模様)




TFキャラクターの扱いが悪いのは全て私の責任だ・・・・だが私は謝らない。
・・・いや、麗華さんは、・・・正直スマンと思っている。
だがヤバイと思ったが妄想が抑えきれなかったんじゃ。


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転生だと・・・!?どういうことだ、まるで意味がわからんぞ!!
1


デュエルなしプロローグです。


目が覚めて全方向真っ白な広い空間な場所にいたら貴方はどうしますか?・・・・・・少なくとも俺は―――

「誰かいませんかぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」

混乱しとり合えず叫んだ。

 

俺の名前は小波勇瀬(こなみゆうら)、趣味はカードゲームなごく平凡な学生だ。その俺がどうしてこんな所にいるのだろうか?困惑している俺に誰かから声を掛けられた。

『ここに来たってことは・・・転生者希望かな?』

「え?」

 

声のした方向を見るもそこには誰もおらずただ広い空間が広がっているのみ。

 

『無駄だよ、君には――を見つけることはできない』

 

何処か俺の見下しているような声音で声は語りかけてくる。

俺は未だに混乱しながらもこの異常事態の原因(と思われる)声に向かって叫んだ。

 

「ここは何処なんだ!どうして俺はこんな何もない世界にいる?!」

 

俺の言葉にどこからともなくため息が吐かれたような音が聞こえた。そして呆れたような声で語る。

 

『君が望んだのだろう?「――したい」と。確かに君は望んだ、そして――がそれを聞き入れた・・・・・・それだけだよ』

 

所々聞き取れないがこの状況は俺が望んだことだと語っていた。そんな馬鹿な、こんな寂しい場所が俺の望んだものだと?こんな場所を望むくらいなら新弾のカード達を全種揃えたいとかを望むわ!

 

『それが君の願いだね・・・・・・新しいのは出次第与えてあげるよ、それじゃあ逝ってらっしゃい』

 

その声が終わるのと同時に俺の身体が急落下していく。悲鳴すら上げられずに落ちていきそして、俺は意識を失ったんだ・・・・・・。

 

 

「・・・・・・・・・むぁ?」

 

ぼぅ・・・とする頭のまま俺は目が覚めた。

何か落ちているような夢を見ていたような気がするが気のせいだろうか?寝惚け眼で近くに置いていたケータイを取り時間を見る。

 

時計は8時半を過ぎていた。

 

「・・・・・え?え!?」

 

息を呑むのと戸惑いの声をあげるのを同時に行ったような妙な声のまま俺の意識は一気に覚醒した。

 

曜日を確認すると普通に平日であり急がなければ講義に遅れてしまうのだ。直ぐに向かわなければならないと慌てた俺は飛び起きて自室から洗面台に向かった。そしてそこで漸く気がついたのだ。

 

鏡に移っている姿は誰だ?

 

鏡の向こうには見慣れた平凡な顔ではなくなり目じりが鋭くそこそこ整った少年の姿が映っていた。

 

背格好からして中高程度だろうか。思わず顔に手を持っていくと鏡の向こうの少年も同じように手を伸ばしていた。ここまでくれば理解しないわけにはいかない。鏡の姿は俺だ、俺の姿なんだ。

 

その日は一日自宅に居て何か無いか探し続けていた。

 

今の俺の名前すら知らないのだ、生活習慣や学校もしくは仕事がどんなものなのかを知らないのはキツイ。そのため何か証明証が無いか探し始め、それは簡単に見つかった。

 

自室を調べ終え一階に下りてみるとリビングの机の上に封筒が置かれていた。恐る恐る中身を見てみると一つの手紙と通帳、更に保険証と学生証が一緒に入っていた。

 

どうやらこれらは俺の物になるらしいのだが何時の間に写真を撮ったのだろうか制服姿の俺が貼られていた。

 

今度は手紙の方を確認すると中には意味不明なことばかり書かれていた。

 

『小波遊羅様へ

 

これを読んでいるということは無事に転生が済んだということだろう。

君は覚えていないだろうが君は前世で死亡し望んでこの世界に来た。

夢だと思っているのならば君の自室にあるデュエルディスクを持ち外に出てみるがいい。

選別代わりに君が持っていたカードを全て其方に送ってあるのでそれでデュエルは出来るだろう。

現状は君は両親から離れ一人でこの舞網市に引っ越してきたことになっている、そして同封されているのは君の保険証と学生証だ。

学校自体は4月に入ってから始まる為それまでにこの世界に馴染んでおくのだな。

通帳には定期的に決まった金額が振り込まれるようになっているため当面の金銭の心配はしなくてもいい。

ただし何時までも振り込み続ける訳ではないので当てにしないようにな。それでは第二の人生を楽しむといい。

 

――――より』

 

という内容だった。

 

正直頭が可笑しいのではないかと思ったが実際に窓越しに外を見て驚愕した。

至るところに遊戯王のモンスターをモチーフにした看板などが上がっておりどこも○○教室という書き方をしていたのだ。間違いなくこれらはARC-Vの世界のものだった。

 

自室に戻ってみると今まで気がつかなかったがカードケースの上に少々大きめなスマートフォンが置かれておりそれを左腕に装着するとあのARC-V式のデュエルディスクとなったのだ。

ここまで常識を逸脱した状況ならば信じざる終えないだろう。俺はその日中何も考えられなかった。

 

そして次の日になって漸く落ち着き、現状を受け入れた。全てを受け入れたわけではない、そもそも受け容れられるわけがない。

 

だがどう嘆こうともどうすることもできないのだ。ならば今はこの世界でどうにか生きていく術を見につけなければならなかった。

 

幸いなことに現環境は上々で俺は高校1年生になるらしい、これならコミュニケーションをとるのも問題ないだろう。これがもし途中とか転校生とかだったら少し難しかったかもしれないが・・・・。

 

取り合えず高校が始まるまで暫く時間がかかる、それまでにこの世界―恐らく遊戯王だと思うが―その世界の禁止制限(リミット・レギュレーション)などと現環境のカードプールを確認してデッキを組んでいこう。もしアニメ基準の世界だとしたら色々と面倒そうだからな。

 

「はぁ・・・・・・俺この世界でやっていけるのだろうか」

色々な不安を感じながら俺は着替えと済ませカードショップへと足を運んだ。

 



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2

まさかの連続でデュエル無し


先ずこの世界に来て驚いた事、それはカード単品の金額だろう。

前世では1000円以下だった開闢がこちらの世界では億の単位で売られているのだ。レアリティ関係なく億単位つくためカード販売だけで金持ちになれそうだ。

 

何でそんな額がつくのか、それは圧倒的な3000ラインの攻撃力に容易な召喚方法と上げればキリがないが前世で強カードとして取り上げられた一部のカードは最低ライン万単位で売られている。

 

それと同時に需要に対しカードの枚数が少ない事、これも高騰の原因なるのだろう。だがそんな一方で攻撃力が1000以下のカードは10円などで安売りされている事が多い。

 

この前なんて幽鬼うさきやエフェクトヴェーラーが他の雑魚カード(クズではない)に紛れてストレージで安売りされていたのだ。衝動でまとめ買いしてしまった。

 

 

それとこの世界には融合しシンクロ、エクシーズなどのエクストラデッキの概念が非常に薄いというかそもそも眼中にないといったようでどのショップでもエクストラ関係のカードは売られていなかった。もしかしてエクストラ無しで通ってるのかもしれない。

 

 

でもこれらは全て遊戯王ARC-V基準ならば仕方がないだろう。現在エクストラを使用するような場所はLDSか遊勝塾だろうから。それに確かこの世界では其々の召喚法に別れた次元があるらしい。その次元で無ければ一般化していないのだからな。

 

さてここまでは問題ないだろう、それよりも俺の高校生活の方が心配だ。試しに買わされる教科書を見てみると当たり前だが殆ど歴史が前世と変わっていた。

 

歴史にも遊戯王、デュエルモンスターズが関わっており遥か昔は石板で行う儀式だったとかカードとなったのは1900年からとかの本であった。世界大戦の代わりに全世界デュエル大戦があったり、世界は1枚のカードから生まれたというヌメロン教が活動したりと正に遊戯王の世界と言ったところである。

 

 

そしてもう一つの心配はそのデュエルモンスターズの事だ、色々とデュエルショップなどを見て回っているがその殆どが脳筋デッキで行っていた。

パーミやバーンやエクゾなんてのは見当たらず只管装備や素で相手を殴り倒して勝つ、そういうコンセプトばかりしか目にしていない。となると使用するデッキには注意した方が良いのだろか?

 

脳筋はホープとかで充分なんだけれどもそれを使用するとLDSに睨まれる、かといってバウンスやハンデスは嫌われそうだし。

 

当分はデッキ構築に気をつけた方が良いだろう。

 

にしても最近は尽く運が良い、パックを買えば必ずと言って良いほどレアカードが当たる。この前はダムドがパラレルで当たったのだ。

 

念のために値段をショップの店長に尋ねると数千万もするらしい。供給不足とは何だったのだろうか………。

 

それと今はまだ原作が始まっていないようだが榊遊勝氏が失踪したというのが大々的にニュースになっていた為後3年はかかるだろう。

 

そうなると原作開始時俺は大学か就職していることになる。中学生の中に成人まじかの男が混じるのだ……年齢的に厳しいな。

まぁ原作が始まるまではのんびりとデュエルを楽しませてもらおう。そして原作時は原作キャラが頑張ってくれるだろうからノータッチで良いだろう。

 

そう結論付けて俺はショップ内にいるデュエリストに声をかけていく。

 

「おい、デュエルしろよ(すいません、俺とデュエルしてくれませんか?)」

若干の勘違いを生み出しながら………。



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3

そしてデュエルしないact3!
遊戯王タグが……!!


新学期が始まり俺は晴れて舞網高校に入学した。

 

制服などは男子はZEXALの男子制服の長袖版を、女子は5D'sの女子制服を思い浮かべれば良いだろう。

学年毎にネクタイやリボンの色が変わっており1年は赤、2年は黄色、3年は青のいうように変わるのだ。俺は1年の為赤のネクタイを着用している。

他の新入生もネクタイとリボンを結んでおり自身の席に座ったり周りの生徒に話しかけたりしている。

俺はというと………

 

「……………」

 

どういう訳か俺の周りには誰もおらず(近寄ってこない)ためボッチになってしまったのだ。タイミングを逃したので効果が発動しなかったのだ。

友人作りという効果がな。……………どういことなんだZE!

 

しかも俺も如何にか友人を作ろうと声をかけるもどういう訳か怯えたような顔をされ会話が進まなくなってしまう。そんな厳つい顔をしていただろうか?自分で言うのもなんだが今の俺はそこまで悪くはないはずだ。

 

しかし俺と顔を合わせる男子生徒は皆同様に「赤帽子の………」とか「デュエル狂いのコナミ!?」と言われて驚かれ恐怖してくるのだ。

 

なんだよ赤帽子って、確かにあの頃は適当にあった帽子を被ってたけれどそこまでじゃないだろ!それにデュエル狂いってなんだ!?確かに1日20回程デュエルをしたことがあるけれどキチガイ扱いしなくてもいいだろ!

 

全く……俺は某カードゲームの出来るギャルゲーの主人公では………ない……。

 

赤帽子=コナミ君のトレードマーク

 

デュエル狂い=コナミ君は1人を相手に何度もデュエル(DP稼ぎに)している。

小波=コナミ

 

………………あ、コレはコナミ君ですわ。

 

ってかちょっと待て!もしかして俺の身体って元々はコナミ君だったんじゃないか?!

 

それなら何故か無性にデュエルがしたくなる衝動も納得する。時々今の俺はどうしようもなくデュエルしたくなるときがあるのだ。

 

そしてカードを引き当てる運、これは主人公であるプレイヤーによりゲームを遊んでもらえるように現実程度の封入率のパックなだけで。トドメにピンチの時のデスティニードロー。

 

……まんまコナミ君だこれぇぇえっ!!

 

 

なんで今まで気がつかなかったんだ?自宅にいるときは帽子をつけることが無かったからかあまりピンとこなかった。

精々赤いジャケットが多いなと思うくらいだった。マジかぁ……俺コナミ君だったのか。

 

ーーーあれ?となるとこのせかいって本当に遊戯王ARC-Vなのか?もしかして俺の勘違いで本当はこの世界ってTF次元なのでは?

 

ということは原作なんてあってないようなもんじゃないか!どうしよう、思いっきり傍観に徹しようと思っていたのにまさかのタッグデュエルでなければ世界は救われないのか!?

 

………………そういえば新作のSPでは世代を超えてデュエル出来ていたな。もし俺が本当のコナミ君ならば世界を超えたり出来るんじゃなかろうか!

 

何ソレすんげーやってみたい!それが出来れば原作開始時にこの世界から出てATMの世界とかに逃げれば実質被害ゼロだし。

 

そうだよそれで行こう!それにATMさんや相棒さんともデュエルしたいし危険から離れるし得しかないじゃないか。

 

そうと決まれば話は早い、これから3年間は異世界に渡る術を身につけなければ!

 

…………………………まさかこの歳(前世も合わせて20代ほど)になって自ら厨二になろうと考えなければいけないとは、なんだろう目から塩水が。




自ら動こうとは考えない主人公。彼にはまだデュエルで命をかけられない模様。
しかし着々とデュエル脳になりつつある。

オマケ:入学前の主人公の活動風景

モブA「貴様のフィールドには攻撃力0のマーズのみそんなんで俺に挑もうとするのが間違いだったな!さっさとサレンダーしな!!」

「俺のターン、手札から天空の聖域発動、更に天空の泉を発動!
そして通常召喚シャインエンジェル!バトル、シャインエンジェルでエメラルドドラゴンとバトル!戦闘で破壊されたためリクルーターの効果発動しデッキからシャインエンジェルを特殊召喚!

そして墓地に送られたシャインエンジェルを除外し1400ポイントライフが回復する!バトル!破壊されたためデッキからシャインエンジェルを特殊召喚!

墓地のシャインエンジェルを除外し回復!バトル!デッキからマーズを特殊召喚!墓地のシャインエンジェルを除外し回復!マーズは天空の聖域が存在するとき相手のライフより勝っている数値分アップする!

よって攻撃力4200!バトルだ、いけマーズ!!」

モブA「ぐぁぁぁ!……っクソ、次には絶対にぶっ潰す!」ガシッ

モブA「え?」

「おいデュエルしろよ」

モブA「え、いや「デュエル!」クソがぁ!デュエル!」

……………

モブA「ぐわぁぁぁあ!?」LP0

「おいデュエルしろよ」

モブA「ひぃっ!?」

以下10回ループ……

モブA「も、もう勘弁してくれぇぇ!逆らわないから、難癖もつけたりしないから!!」

「おいデュエルしろよ」

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

周り「く、狂ってやがる!?」

こんな事してればキチガイ扱いも納得ですわ(白目)
尚本人は普通にデュエルしていただけのもよう。普通ってなんだろうね?


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4

…………デュエルぅ。
主人公はボッチです、そしてコナミ君です。この意味が分かるか?


さて、今後の目標を決めたのは良いのだが……この後は何をすればいいのだろうか?

能力って言われてもそんなのは前世でも感じた事は無いのだ。目覚めようと意気込んでも何をすればいいのか全く分からない、それどころか確実に目覚めるという保証がないのだ、最悪時間の無駄でしたで終わってしまうかもしれない。

 

座禅でも組んで滝に打たれてくるか?いやそんな事で能力が出来るなら前の世界では能力者だらけになる。ならあれか?スプーンに曲がれって念じ続けるのか?だったらマジシャンなんて要らないよな。

 

うーん…分からん、本当にどうすれば良いんだ?青空を見ながらため息を吐き持っていたパンを齧る。現在は校舎の屋上に進入しそこで1人昼飯をとっている。クラス内で友達がいないから仕方ないんだよ(泣)!

 

はぁ…そうだよ後友達も作れるようにならないといかん。俺は孤独を気取ってるわけではない、どっちかっていうと皆でワイワイデュエルしている方がいいのだ。それが何処で失敗したのかこうして1人寂しく便所飯ならぬ屋上飯だよ。

 

それに最近はデュエルが出来ないから妙にフラストレーションが溜まる、だって誰も相手してくれないんだ。それこそ出来ているデュエルは授業内でのデュエル程度だ。

 

デュエルを申し込まれたらデュエルするんじゃないのか!?それでも遊戯王のデュエリストか!!

 

ーリアリストだ!ー

 

「……ッ!?」

何処からか返事が返されたので慌てて周りを見渡す。しかし何処を見ても人影一つ無いので先程のは聞き間違えなのだろう。

 

だが……何やら下の方で怒鳴り声のようなものが聞こえてくるのだ。

 

何だろうかとパンを食べ終え其方を見る。

すると校舎裏で4人の男子が1人の女子を取り囲んでいた。

 

そしてその、両陣営にはデュエルディスクが取り付けてあった。

 

デュエル!!

 

 

 

 

 

 

そこから先は何も覚えていない。気がついたら男子達は1人残らず地に伏せていて後ろにいた女子は俺を見てガクガクと震えていた。

 

……………え?何、なにがあったの?!

 

その後は女子に目を合わせずにその場から逃げ出した。いやだってなんか俺が犯罪をやらかしたような状態だったんだよ、心理的にどうしようもなくパニック状態だったんだよ!

 

もしあの女子が倒れていた男子達の友達だったらどうしよう。それよりもあの子が通報でもしたら俺は良くて自宅謹慎、最悪退学も免れない。倒れてる子のうち1人は手の方向が逆になってたんだよ?もうコレはあきませんわ。

 

明日学校に行きたくねぇなー………………駄目か。

 




デュエルと聞くと動かずにいられない!
なお現在主人公はデュエル脳Lv1となっております。
能力:デュエル脳Lv1
デュエルになると普段の数倍の身体能力を行使でき、同時に運が上がる。
デメリットとして長時間デュエルが出来ないとバーサーク状態に陥る。


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外伝:ツァンの証言(修正)

漸くデュエル風景を書けたよ!(但し他人視点)
そして初のTFキャラです、そしてあの可愛いあの子です!
これはフラグを建てに行くのか?!

訂正:ネクロ・ガードナーの下りを削除してライラを除外させました。
ご指摘ありがとう御座います。


最初の理由、ソレはかなり下らないものだった。僕が彼等に完封して連勝している。

相手がLDSの塾生なのだが無所属の一般生徒に負けたとなると面目が立たないのだろう。だがそれを無視して僕はデュエルをし続けた、たったそれだけだ。確かに相手にして見たら屈辱なのだろう。だがそれを理由に襲いかかってくるのは筋違い甚だしいことだと思う。

 

最初は単なる嫌味だったがそれを無視して何度も打ちのめしていく内に顔を見るだけで舌打ちをして次には暴言を吐いてくるようになった。次には近くを通っただけで足払いを仕掛けてこようとするようになり最後には複数でのハンデデュエルを仕掛けてくるようになってきた。

だがその全てを僕は撃退しデュエルでその力を証明してきた。

そんな僕にもう喧嘩をしかけては来ないだろうと鷹をくくっていた。

そんな甘い考えでいたのだ・・・・・・・・。

 

僕はデュエルディスクを起動し囲んでいる男子達を睨みつける。

「大の男が数人で女の子1人を襲うなんて恥知らずなんじゃないの!?」

つい苛立ちから言葉が出てしまった。だが男子はそんな事関係ないと言うように鼻で笑った。

 

「うるせぇんだよ、お前の所為で俺たちはデュエルの成績が落ちたんだ!そして俺たちはLDSのエリートコースから外されちまった、全てはお前の所為なんだよ!!」

近場にあった小石を蹴り上げて僕に当ててくる。そのとき当たりどころが悪かったのか僕のデュエルディスクがエラーを起こしてしまった。

 

「っ!なにするのよ!僕のデュエルディスクが壊れて!!」

「へっ、なら話は早いぜ!そんなんじゃもうデュエルは出来ないだろう?サレンダーして土下座してくれたら今までの事許してやっても良いんだぜ?」

 

「あ、あんた達……!」

此処まで屑だったのかと思い拳が震える、だけれど今の僕のディスクではデュエルをする事すら出来ない。それでもこんな奴らに頭を下げるのはもっと嫌だった。

 

「……………」

僕には黙って睨みつけることしかできなかった。けれどその態度が気に食わなかったのか。舌打ちをして男達の内1人が僕に手を伸ばしてくる。

「なんだよその顔は!だったら二度とそんな顔を向けられないように躾けてやろうか!?」

そして僕の襟袖を思いっきり掴もうとしだす。僕は暴力を振るわれると思って無意識に目を瞑ってしまった。

……だがいくら待っても衝撃は襲って来なかった。目を開くと僕の前には赤い帽子を被った男子生徒の姿がそこにあった。そしてあらぬ方向に曲がって痛みで転がっている男。

 

助けてくれたのか?そう思うもその場から動くことが出来ずに固まってしまった。

そしてそのままデュエルディスクを起動して「デュエル……」と小さく呟く。

その言葉と同時にデュエルディスクが起動した為囲んでいた男子生徒達はデュエルディスクを構える。

僕も自身のデュエルディスクを覗き込むがやっぱり反応していない。いやデュエル機能にエラーが発生しているだけで現在のデュエル状況などはしっかりと確認できた。

それを見ると目の前のデュエルのルールが記載されている。

大まかに言うと、

・LP4000の1VS3という変則デュエル

・帽子の生徒は一体のモンスターで複数プレイヤーorモンスターへの攻撃が可能。(但し同じプレイヤーのフィールド内に存在するモンスターを攻撃するのは1回のみ)

・魔法・罠は全体除去以外は1プレイヤーのみ有効。

 

という実質1VS1を同時に行っているようなものだ。それでも帽子の生徒が不利なのに代わりは無い。僕は口を出そうとするも自身のデュエルディスクを見てどうしようもないと思い出す。

 

そんな歯がゆい思いの中デュエルが始まってしまった。

『デュエル!』

遊羅:LP4000

男子A:LP4000

男子B:LP4000

男子C:LP4000

 

A

「俺のターン!・・・へへいい手札だぜ、俺は手札から切り込み隊長を召喚!更に効果によって手札から切り込み隊長を特殊召喚!」

一人目の男子生徒のフィールドに切り込み隊長が2体現れた。俗に言う「切り込みロック」が完成している。僕もこの布陣を切り崩すのに苦労したのだ、他にも面倒なカードがあるが今はこれをどうするのか。

「俺はこのままターンエンドだ!」

 

B

「俺のターン、ドロー!俺は手札の終末の騎士を召喚!効果によりデッキからネクロガードナーを墓地へ送る!」

アイツは闇主体のデッキを使用して切り札がダークネクロフィアというオカルト染みたモンスター、倒された後に相手のモンスターを奪うことが出来るというやっかいな能力を持っている。

「俺もターンエンド!」

 

C

「俺のターン、ドロー!・・・手札からライトロードパラディン・ジェインを召喚!カードを一枚伏せてターンエンド、エンド時にデッキからカードを2枚墓地に送る!」

アイツらの中で一番強かったデュエリスト。デッキ構成もしっかりしているのでこの中では一番の強敵だろう。しかもフィールドのモンスターは全て戦士族、切り込みロックが完成している為彼から攻撃を与えることが出来ないのだ。・・・・・・これは本当に切り崩すのが難しい状態だ。

 

遊羅

「俺のターン・・・ドロー!・・・」

 

「おっと、ここでカードを使用させてもらうぜリバースオープン!手札段殺、この効果により互いのプレイヤーは手札を二枚捨てそしてデッキから二枚カードをドローする!」

この効果により全員が手札交換を行っていた。ここからでは情報が見れないがライトロード使いの顔を見ている限り既にあのカードは手札にあるのだろう、後一枚落とせば裁きの龍が特殊召喚されてしまう。

だがそんなことを知らないのか帽子のプレイヤーは顔色変えずにそのままプレイを続けていた。

「俺は手札から手札段殺を発動、これによりもう一度手札を交換してもらう。二枚ドロー・・・」

彼は静かに淡々と手札を交換していくのだがそれが逆に不気味に感じられた。

それは男達も同様らしく先ほどのテンションが嘘みたいに黙り込んでしまっている。

 

「・・・・・・これで」

「え?」

囁く程度の音だけれどそれは離れている僕にもしっかりと聞き取れた。

「これで・・・・・・・墓地闇3体だ」

墓地闇三体、それが条件で特殊召喚されるカード・・・・・まさか!

 

「俺は手札からダーク・アームド・ドラゴンを特殊召喚」

フィールドに現れたのは瘴気を放ちながら体中から刃を生やす竜が出現する。

 

「ダーク・アームドだって!?馬鹿なあれは数十万もするレアカードだぞ!それをどうしてあんな奴が!!」

闇主体のデッキを持つBが発狂したように叫ぶ。そうなのだ、あのダーク・アームドは限定的な特殊召喚方法を持つがその召喚方の緩さと召喚すると墓地の闇が無くなるまで破壊することが出来る破壊効果。そして高打点と優秀なカードなのだがそのためプロが使用するようになりそれに乗じてこのカード単体の価格も上昇していた。そんなレアカードがどうして高校生で持てるのだろうか?

 

「そして手札からダークシムルグの効果を発動!墓地のシールドウィングと異次元の偵察機を除外して特殊召喚!」

次に現れたのは闇に染まった神鳥だった。これも僕が知る中ではかなりのレアカードだった筈だ。こうもレアカードを連続で召喚していくとは彼はどこぞの企業の子供だったか?にしては中々に使い慣れている。

 

「では・・・・効果を発動するとしよう。ダーク・アームドの効果発動、墓地の異次元の生還者を除外し切り込み隊長を破壊。・・・更に墓地のキラートマトを除外して破壊」

あっという間にAのフィールドは更地にされてしまいアイツを守るカードは一切なくなってしまった。

 

「・・・・更に手札からD・Dクローを墓地に送ることで効果発動、相手墓地のカードを一枚除外する。この効果でライトロード・マジシャン ライラを除外してもらう」

「しまった!」

 

これで裁きの龍の条件の一部を封じた、だがそれだけではない・・・・。

「そしてダーク・アームドの効果で終末を破壊!」

BのフィールドもAと同じく更地にされてしまった。

「・・・バトルダークシムルグで攻撃!」

ダークシムルグはA、Bに対してダイレクトアタックを仕掛ける。この一撃により二人は吹き飛ばされ残ったCのフィールドのジェインを破壊した。

 

「バトル、ダーク・アームド・ドラゴンで攻撃」

肩の刃が3人に向かって投影される、その内2本はA、Bのライフを全て削り取った。だがもう1本はCのライフを削り切ることが出来ずに終わる。

 

「メイン2、2枚伏せてターンエンド。エンド時に除外された異次元の偵察機の効果によりフィールドに特殊召喚される」

これで彼のフィールドには4体のモンスターが並んでいる。その威圧感、特に超大型モンスター二体を使役し使いこなしている彼に僕は恐怖を覚えていた。何故あそこまで無表情で行動できるのか、どうして飢えたような瞳で戦い続けるのか。僕には理解できなかった。

それはCも同じなようでデッキに手を掛けようとした状態で硬直していた。

「・・・・・・・・・・・・・どうした?お前のターンだぞ?」

 

「う、うるさい!ドロー!!・・・・ふ、へへこれは良いぜ!これでフィールドはがら空きだ!「罠発動、魔封じの芳香、そして虚無空間」くそ、ならばこっちのカードを・・・・・・・なぁ!?」

カードをセットしようとするもそれを挿入した瞬間にデュエルディスクではエラーの表示がされてしまった。そのことに混乱したCはどういうことだ!?と喚いている。

あのカードの効果を知らないのだろう、何故あのカードが高騰しているのかそれは容易な召喚方法だけではない。あのカードの最もな特徴それは・・・・・・

 

「ダークシムルグがフィールド上に存在する限りセットすることが出来ない。そして魔封じの芳香の効果により魔法、罠は一度セットしなければ発動できない」

これにより魔法罠を封じられ特殊召喚も出来なくなってしまった。これで裁きの龍を召喚することが不可能となってしまったのだ。

 

「そ、そんな・・・・・・」

「終わりだな・・・・・俺のターン」

Cが行動しないことを確認して彼はデッキからカードをドローする。これでモンスターからの一斉攻撃が待っているだろう。

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

Cはその場から逃げ出そうと背後を見せて走り出す。その瞬間、彼は姿を消したかと思ったらいつの間にかCの前方に立って逃走を防いでいた。

「ひッ?!」

「バトル・・・・・・・やれ!」

その一言により彼のフィールドに存在するモンスター達が一斉に攻撃を仕掛けその衝撃によりCは吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。確認してみるとCは完全に気絶してしまっているようで彼のディスクからカードが撒き散らされていた。

 

圧倒的、その言葉がこれほど似合うのは彼くらいだろう。僕はそんな彼に警戒心を抱きながら後方から見つめていた。

・・・・・・今思えばそれで正解だったと思う。その後に起きる惨劇を考えもしあの時デュエルできる状態だったのなら・・・・・僕はいったいどうなってしまっていたのだろう。

 

彼は先ほど気絶したCを数秒見つめてから吹き飛ばされたA、Bに近寄っていく。

「ッ!?・・・・な、なんだよ!俺らのやり方に文句でもあんのか!!」

「俺らだってこんな惨めな真似は「・・・・・デュエル」・・・・へ?」

AとBの自白にも似た叫びを途中で破りもう一度デュエルディスクを構える帽子の彼。

「何言って・・・もう勝敗は決した筈じゃ!」

「デュエル」

問答無用というようにデッキをセットして起動させる。そしてそれはAとBのデュエルディスクも同じく反応してしまった。

基本的にデュエルを申し込まれたらそれを断ることは出来ないのだ。僕のようにデュエルディスクが壊れていない限り、それは絶対のルール。

 

「・・・・・・・・・・・デュエル」

『ひ、ヒィィィィィィィィッ!!!!?!?』

そして・・・・・そこから虐殺が始まった。

体力も消耗しつくしたAとBはノロノロと立ち上がり何とかデュエルを行おうとするも彼が使用している新たなデッキの前によってたった1ターンで殲滅されてしまった。

再び吹き飛ばされてしまうA、B。それにまた接近してディスクを構える。

 

『デュエル』『デュエル』『デュエル』『デュエル』・・・・・・・・・。

 

僕はもう言葉すら発せられなかった。やり過ぎだ!もう止めなさい!その言葉すら掛ける事が出来ずに目の前で永遠と吹き飛ばされゴミカスのように扱われる二人をただ見続けることしか出来なかった。途中で「もうやめてくれ」や「二度とこんなことはしませんから」と泣き叫ぶもそれを無視して永遠と彼らがボロボロで倒れ気を失うまで永遠と嬲っていたのだ。

そしてそのとき僕は見てしまった。永遠と嬲り倒しているときの彼の・・・・・・ヤツの「歪んだ笑み」を。

 

そしてもう立ち上がることすら出来なくなった二人からとうとう僕に視線が移った。

「ぁ・・・・ぁぁ」

口からは嘆くような言葉しか出ずその冷たい瞳に射抜かれてしまいどうすることもできなかった。

僕はここでヤツに的として永遠と嬲られてしまうのか・・・・・・・・。

そう諦め座り込んでしまった。

だがそんな僕から興味を失ったのか彼はその場から平然とまるで何もない道を進むかのようにその場から去っていった。

 

彼が去って漸く僕はヤツの名前を思い出すことが出来た。

皆が怯え誰も近寄ろうとしていなかった人物、突拍子もない噂ばかりで新手の苛めの手法なのだろうと無視していた噂。それは全て本当だったのだと理解する。

 

「デュエル狂いのコナミ」

同じ学年の1組に所属している彼は生徒は勿論プロ上がりの教師ですら彼を避けて行動するのだ。成績やデュエルの腕はピカイチのため下手に説教することすら出来ず、仮に指導しようとするとデュエルで何度も勝利し黙認させるという。デュエル後その教師は過敏なまでにコナミに恐怖を覚え次第にその学校から去ってしまうのだ。

 

先ほどの圧倒なまでの暴力に僕の心は完全に折れてしまった。

次にヤツを見たらきっと正常ではいられないだろう、恐怖で怯えヤツから逃げるように生き続けるか、ヤツを狂信なまでに崇拝し壊れるまでヤツの都合のいい道具と成り果てる。そのどちらかだろう。

だからもう僕はヤツの前に立ちたくない。ヤツに眼を付けられたくない。

そう心の底から思い決意した僕、ツァン・ディレは先ほどまでの光景を忘れる為にその場から逃げるように去っていった。

 

その日から数週間、コナミのデュエル風景によって魘され続けることになるとはこのときの僕は知る由も無かった。




フラグなんて無かった・・・(絶望)
正直な話ここで彼女を助けてフラグを建てるはずだったんです。そしてハーレム路線もチラつかせるつもりだったんです!
全て、全てあの「デュエル脳Lv1」のせいだぁぁぁぁぁぁぁ!!(←能力を与えた元凶)

という訳でコナミ君には近々行われる大会までボッチで居てもらいます。
でもそれまでに複数のフラグ(恋愛とは言ってない)を建ててもらうつもりですのでお楽しみに。

そして今後コナミ視点では話数でデュエル描写無し。
他人視点でデュエル描写アリという形で書いていこうと思います。

・・・・・・・正直こっちの方がやり易かった(白目)

ちなみに最初のデッキが「シムルグロック」
         次が「推理ゲート」(描写無し)
         次が「溶岩魔人バーン」(描写無し)
         次が「エンジェルパーミッション」(描写無し)
         次が「除外帝」(描写無し)
         次が「スキルバルバ」(描写無し)
などを使用しております。
これらは私がシンクロが登場する前に実際に使用していたデッキ群だったりします。それを現代風に多少アレンジしております(虚無空間とか)が・・・今となっては通用しないでしょう。


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5

レッドアイズ新規は良いですね!スピリットは使い勝手が良いし倒されたらバーンで互いにダメージ与えられるし。そしてロードオブザレッド!ドーマ編を見たら絶対に使いたいカードの一枚ですよね!
尚、私は3箱買って一枚も当たらなかった模様…………^p^

※修正しますた


あの日(デュエルによる暴行)から幾らか経ち、俺は今も平然と学校に通っていた。

最初は教師陣に呼び出されるかなとビクビクしていたのだがそんな気配はなくいつも通りボッチである。それはそれで中々悲しいものがあるが今は無視だ。ただ最近は他クラスの子にすら引かれてしまうことがあり余計心を抉ってくる。

この前なんかあの時いた女の子に目があっただけで「ヒィッ!」と変な声を出していた。ガチで凹むんだけれど。ていうかあんなに怯えられるってどんな事をしたんだよあの時の俺は……。

 

 

そんなこんなで俺はいつも通りの平凡な毎日を送っている。

ただ毎度の事だがデュエルが出来ていないのだ。それだけが唯一の不満であり難点だ。

何処かで大掛かりなデュエル大会か何かやらないだろうか。

 

と思いながら帰り道を歩いていると近くのカードショップで大会が今週の週末に開かれるらしい。これは良いと思いその大会に参加するためにエントリーし開催日まで待つ事にした。といっても後2日程度な為そこまで時間は掛からないのだがそれでもデッキ調整などで時間が必要だ。

 

今回はどのデッキで挑もうか?

インフェルノイドや海竜、炎王に真紅眼でも良いかもしれない。

嗚呼、こうしては居られない。早速自宅に帰ってデッキを弄らなければ。

その時の俺はきっととても良い笑みを浮かべていただろう。

 

 

それから2日が経ち……

大会当日になり俺はデュエルディスクとデッキを持って大会に参加した。

 

今回は真紅眼デッキでサブにインフェルノイドと活路エクゾを持って来ている。

あいも変わらずエクストラは空であるがそれでも十分に回せるものばかりだ。

いやぁ伝説の竜のカードってカード化していたんだな!これでドーマ編の凡骨デッキ(真紅眼軸)が完成するってもんだ。

 

 

…………流石に儀式モンスターを投入したのは失敗だっかもしれないが別に問題はないな。今日はたっぷり楽しむとしよう!

 

………

…………

……………

………………

…………………

 

結果として俺は大会に優勝しました。

というかショップだからかレベルが低かったかな?小学生から上は大学生なのだがやっていることは昔懐かしいマハーヴァイロビートのデッキや高レベルモンスターの布陣で勝つというようなデッキ構成ばかりでネクロスとかテラナイトなどのカード群は全く見なかったな。

 

随分と楽なデュエルばかりだった気がする。

あ、だけれど1人だけ儀式使いで強い子かいたなぁ。

 

名前は…………なんて言ったっけ?

兎に角大人口調の子で俺の事を坊やって呼んでたな。坊やなんて年齢じゃないんだけれどね前世をプラスすると。

 

そんでデッキなんだが彼女はかのデミスドーザーだったのだ。ライフ4000のゲームでデミスは重くないかと思うがそれでも今までのデュエリスト達よりは遥かに強かった。

 

……え?勝敗?ダークネス召喚して殴っただけですが?

いやぁデビル・ドーザーは強敵でしたねぇ。

 

といっても相手の効果発動時にヴェーラーを打ったから簡単に終わったのだけれど手札にヴェーラーが無かったら死んでたな。

 

大会後は優勝商品として新弾パックを2ケースと舞網市で行われる大会への出場権を入手した。一月後にその大会が行われそこで優勝すればユースと呼ばれるセミプロ扱いのアマチュアの大会に出場出来るらしい。もしくは余程良い成績を出せばその場でプロとしてスポンサー付きで戦えるようになるとか。

 

舞網大会まで残り1月……その間にデッキを新調しておくか。どんなテーマで組もうかな。

………………アレ?何か忘れているような。




おや?コナミ君の様子が……?


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雪乃の誓い

やったよ、今度はゆきのんにフラグが建ったよぉ!
※前回とデュエルの状況が食い違っていたため前話を修正しました。


彼を一目見た時私の身体に電流が流れた。今までの男たちとは違ちただ戦いを、デュエルを求め続けてるその鋭くギラギラとした眼差しに私は心を射抜かれてしまった。

 

事の発端は近くのショップで開かれた大会から始まった。この大会はショップといっても公式戦でありここで優勝すると一ヶ月後の大会「舞網チャンプ」への出場権を獲得する事ができる。

舞網チャンプで優勝又は優秀な成績を収めたものはユースクラス昇格、更にスポンサー付きのプロ昇格の可能性を得る事ができるのだ。しかもそのスポンサーはこの街でも随一の企業LC(レオ・コーポレーション)が務めることとなる。大企業が自身の後ろ盾になってくれるというのはプロになる際大きなアドバンテージとなるのだ。そのため今回の大会は皆必死になって勝利を掴もうと切磋琢磨しデュエルの腕を磨き続けている。

そんな中で私は別の目的でこの大会に出ていた。この大会を通して私の目的であるモノを探す、それが一番の目的だった。参加当初はここの出場者のレベルを見て失望しつつあった。装備カードをつけモンスターを並べるだけで勝利を確信し自身の手札にそれを超えられるモンスターがいないだけで諦めサレンダーをするような程度のデュエリストばかりだった。

私に色目を使い言い寄ってきた男もいたが1ターンすら持たずにやられ顔を見せることなく去って行った。

本戦に行くまでは退屈なデュエルになるだろう。そう諦めながら他のデュエルの光景を見続け、そこで彼と出会った。

最初は平凡そうで帽子がトレードマークのような何処にでもいる男だと思っていた、だが一旦デュエルが始まるとその表情は鋭く相手を睨みつけるように見つめている。遠巻きですらその威圧感を感じたのだ。その場で彼とデュエルをしている者はどれほどの重圧を受けているのか・・・・・興味がわいた。

更にデュエルが続き彼のエースであろうモンスターが登場する。

そこで今日一番の歓声が沸き起こった。彼が出したモンスターはデュエルモンスターズの歴史の中でも最も古い部類のカードであるがそれと同等に高額で幻のレアカードと呼ばれるほどのものだったからだ。

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)」である。

伝説の龍の内その片方を召喚したのだ、初めて見た者達はその禍々しくも美しく力強いフォルムに魅了され感嘆の声を漏らす程だ。

だがそれほどのカードだろうと所詮は2400のバニラモンスター。今の時代では活躍はできないだろう、私はレッドアイズの登場に驚きはしたがそう結論づけた。しかしその考えは良い意味で覆される。そこから流れるように大型モンスターたちを並べだし一切のダメージを受けることなく相手に勝利したのだ。

そして帽子の坊やは次々と対戦者を打ち倒しあっと言う間に決勝まで進出したのだ。途中黒炎弾というバーンカードは卑怯だ!という声もあったがレッドアイズ限定でフィールドにレッドアイズが存在しなければ仕様すらできないという縛りがあるためそれほど大したカードではないという説明と本当のバーンカードの代表例としてロックバーンを見せるとその声も収まりなんの問題もなく上がることができた。しかし卑怯と呼ばれたことが気に食わなかったのかその言った相手と当たった際最大攻撃力で一方的に殴り倒していた。

 

「ウフフフ」

久々にいいデュエルが出来る、そう思うと胸の高鳴りが収まらなかった。勿論こんな場所で負けることなど考えてはいないがもし私の眼鏡に叶う実力の持ち主ならば候補に上げてもいいだろう。

「私に貴方の全力を見せてね、坊や」

挑発するように決勝の相手の帽子の坊やに語りかける。

その言葉に反応することはなくディスクにデッキを装填して静かに構えている。

私も余計な言葉を発することなくデュエルディスクを構え互いに掛け声をかけた。

『デュエル!』

雪乃VS遊羅

雪乃:LP4000

遊羅:LP4000

先行は私だ、ここは様子見で行くことにしよう。

「私のターン、手札からマンジュ・ゴッドを召喚し効果発動。デッキから高等儀式術を手札に加える」

私の手札には既にデミスとデビル・ドーザーがいる。次のターンでこのモンスター達を召喚すれば私の勝利は確実だ。・・・・・その前にどれだけ動けるのか見極めるしよう。

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー。・・・俺は手札から魔法発動、ワン・フォー・ワン!これにより手札からカーボネドンを墓地に送りデッキからレベル1モンスターを特殊召喚する、俺はデッキから伝説の黒石を特殊召喚。そしてこのカードをリリースしデッキからレベル7以下のレッドアイズモンスターを特殊召喚する。俺はデッキから真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を特殊召喚!」

黒い石のような卵に罅が入っていくとそこから紅き眼を持つ黒竜が飛翔した。

「真紅眼!」

「俺は手札から魔法、巨竜の羽ばたきを発動。これにより真紅眼を手札に戻し相手の魔法、罠を全て破壊する!」

真紅眼が咆哮を上げるのと同時に羽ばたき出す。その突風によりセットしていた罠が2枚とも割られてしまった。

「(ミラーフォースとリビングデッドが)・・・・でももう貴方の場にはモンスターがいないわよ?」

「問題ない、俺は手札から紅玉の宝札を発動、手札のレベル7のレッドアイズモンスターを墓地に送りデッキから2枚ドローする。ドロー・・・・・・そしてその後デッキからレベル7のレッドアイズモンスターを1体墓地に送る」

 

手札補充と共にデッキ圧縮を行っている。しかもそのカードは彼のエースである真紅眼ばかり。周りからは何故そのようなことを?というような声も上がってくるが通常モンスターは通常召喚よりも特殊召喚の方が展開が早い、恐らく既に彼の手札には真紅眼を蘇生させるカードが握られてあるのだろう。

 

「手札から死者蘇生を発動!これにより墓地から真紅眼を蘇生させる。再び飛翔せよ真紅眼!」

ソリッドヴィジョンの光と共に黒竜が彼のフィールドに現れた。

「バトルだ、真紅眼で攻撃。ダークメガフレア!」

「くぅぅぅ!」

雪乃LP4000→3000

レッドアイズが放った火弾がマンジュ・ゴッドを吹き飛ばし、その超過ダメージが私を襲った。

「そして俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

「私のターンドロー!・・・・・・私は手札から高等儀式術を発動デッキから甲虫装甲騎士を2体墓地に送り現れよ、終焉の王デミス!」

これで一掃すれば私の勝ち・・・でもそこまで簡単には負けてくれないのでしょう?

「ライフを2000払って効果発動、フィールドのこのカード以外のカードを全て破壊する!」

「やらせん、手札からエフェクトヴェーラーを墓地に送りデミスの効果を無効にする!」

「くっ!やってくれたわね坊や」

LP3000→1000

これでデミスの効果は発動出来なくなった。でも関係ない、最後の2枚で終わらせる!

「墓地の昆虫族を2枚除外し手札からデビル・ドーザーを特殊召喚!そして装備魔法巨大化を発動!これによりデビル・ドーザーの攻撃力は二倍となるわ!!」

デビル・ドーザー

ATK2800→5600

これでデミスで攻撃し真紅眼と相打ちになればそのまま私の勝ちよ!

「バトルフェイズ、デミスで真紅眼を攻撃!」

「迎撃しろ真紅眼!」

 

振り上げられた斧と真紅眼の火弾は同時に互いを貫きそして吹き飛ばした。

この時点で攻撃反応型罠ではないと判断した私は止めとしてデビル・ドーザーで攻撃しようとする。

「これでお終い。ダイレクトアタック!」

 

「やらせない、罠発動!レッドアイズスピリッツ、これにより墓地から真紅眼を蘇生させる!真紅眼を守備表示で特殊召喚!」

このターンでの決着は着かなくなかったか・・・でもそのレッドアイズだけは処理させてもらうわ!

 

「行きなさい!真紅眼を攻撃!」

デビル・ドーザーが突撃していき真紅眼をなぎ払う。だがこれ以上の動きは取れないためこれでエンドする以外の手段がない。

「私はこれでターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー!・・・モンスターをセット、ターンエンド」

 

一体何を引いたのかは分からないがそれでもこのターンでも決めきれないだろう。

「私のターン、ドロー!・・・(引いたのは高等儀式術、これじゃない)バトルよ!デビル・ドーザーで攻撃!」

再びデビル・ドーザーの突進によりモンスターが轢き殺される。だがその轢き殺されたのはメタモルポットだった。

「破壊されたのはメタモルポットだ、リバース効果で互いに手札を全て捨てて5枚ドローする!」

「手札補充というわけね、有り難く頂くわ」

 

5枚ドローし手札を確認する、その中には死者蘇生のカードとブラックホールが握られていた。

(次のターンに私がブラックホールを打ちその後に蘇生でデミスと手札の甲虫装甲騎士を召喚すればこの勝負は勝てる、でもあのセットカードがカウンター系のモノだとしたら厄介ね。残念なことに迎撃できる罠は今の手札にはないしそうなると・・・・・)

「私はこれでターンエンド・・・さぁ坊やのターンよ」

 

「俺のターンドロー。・・・・・・墓地に存在するカーボネドンの効果発動、このカードを除外してレベル7以下の通常ドラゴン族モンスターをデッキ又は手札から守備表示で特殊召喚する。俺はデッキから真紅眼を守備表示で特殊召喚!」

「墓地からの効果ッ!?」

あまり見かけないカード効果に私は面食らった、だがそれだけでは私のデビル・ドーザーを攻略できないわ。

 

「そしてこの真紅眼をリリース、現われろ真紅眼の闇竜(レッドアイズ・ダークネスドラゴン)!」

 

真紅眼の肉体が黒いモヤによって包まれたと思うと次の瞬間その中から変化した真紅眼が姿を表した。腕と翼が交わり体中に文様のような赤い跡が刻まれている。

 

「このモンスターは墓地に存在するドラゴン族モンスターの数×300ポイント攻撃力がアップする、墓地に存在するドラゴン族は合計4体!よって1200ポイントアップする!」

 

「それでも坊やのモンスターの攻撃力は3600!私のデビル・ドーザーには敵わないわ!!」

 

「更に俺は手札から禁じられた聖槍を発動、これにより相手の攻撃力を800下げこのカード以外の魔法、罠の効果を受けなくさせる。これで巨大化の効果は受けず攻撃力倍加は無くなり攻撃力2000となる!」

しまった!これでダメージを受ければ、私のライフはッ!?

 

「終わりだ、バトル!真紅眼の闇竜よ全てを焼き尽くせ!ダークネス・ギガフレアッ!!」

レッドアイズの口内に先程よりも大きい火弾が生まれそれが勢い良く私に放たれた。それを防ぐ札はなく・・・・・・・

 

「キャァァァァァァァアッ!!」

雪乃LP1000→0

結局1ポイントもダメージを与えることがなく終わってしまった。

 

 

「・・・・・・・ウフフ」

負けてしまったけれども、とても良いデュエルだった。それに今回のデュエルで私が求めていたモノの姿が少し見えた気がする。最低ラインは彼、コナミのレベルくらいはないとダメね。私を簡単に負かしてくれないと付き合えないわ。

「今回は負けてしまったけれど次は絶対に勝ってみせる・・・・まさか私がこんな思いを抱くなんてこれ程夢中になってるのは久々、いや生まれて初めてよ。待ってなさ・・・」

そう宣言しようと顔を上げると、既にそこにはコナミの姿はなく店主の方に向かって商品を受け取り何事もなく去っていく姿だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フフフ、そう。私なんて眼中にないという訳。

いいわよそれでも。でも今度あったときは必ず私のデュエルで魅了して二度と離れられなくしてあげる。

覚悟しておきなさいコナミ。

 




だがデュエル以外では無反応なコナミ君(因みにデュエル終了後はちゃんと相手にお辞儀してから退場しておりました。ゆきのんが俯いていた為それを確認できずにいただけです。)

その後ゆきのんはコナミ君を必ず倒すと心に誓い、少し離れたショップを荒らして優勝し大会への参加資格を得ることになる。


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コナミ君壊す(相手の性癖を)。
コナミ君広まる(鬼畜外道として)。
コナミ君強化(悪い方向に)。
の3本立てでお送りします、では皆さんじゃんけんぽん!うふふふふ(栄螺風)


大会まで残り半月となり最近ではテレビでも大会のCMが流れるようになってきた。学校内では今度の大会の話題で持ちきりとなっており今度こそと意気込む者や楽しもうと笑みを零す者が多く見られた。

 

そう見てただけだ、俺はその会話に参加すら出来ていない。どうやらこの大会は一般も参加が可能だが100戦し勝率7割を超える者以外出場することができないという縛りがある。そのため各ショップで優勝した者は優先的にその参加資格を得て他の敗者達はその規定をクリアすることが重要なのだ。

だがこれは舞網市を中心にしているが全国規模で行われる大会らしく規定をクリアすると更にその中で抽選で当たった者同士がデュエルし勝った者だけが予選に出場出来るというシステムなのだそうだ。その抽選デュエルが今度の週末に行われるらしくそれで皆が意気込んでいるのだ。

 

それを俺は遠巻きで見ながらデッキ構築を行い続ける。

これをやると精神が落ち着いて集中力が増してくるのだ。この前なんか夜から朝にかけてずっとカードと睨めっこしていた。それとどういう原理か知らないが最近筋力が上がり視力、聴力、嗅覚が軒並み上がっていることに気づいた。数十メートル離れた場所でもデュエルしている者の手札を見ることができたり、デュエル中の宣言などを逐一聞き逃さなくなったり、デュエルしているとその独特の匂いを嗅ぎつけるようになってきた。

たまにそのデュエルにお邪魔させてもらったりしているがはやりデュエルは楽しいね。

 

今日も俺は昼時間になり屋上に上がり食事を取ろうと教室を出ると一人の少女に呼び止められた。

眼鏡をかけた子だったけれど名前は・・・・委員長だ。委員長が俺の態度が気に食わないと文句を言ってきたのだ。え、何?ボッチは態度すらダメなの?ていうか俺が何をしたっていうんだ?

 

そして何やかんやあってその後直ぐにデュエルが開始された。

そこはいい、寧ろ望むところだ。でもボッチという理由で否定されたのはちょっと心が傷ついた。

 

ので今日は久々にインフェルノイドを使用した。

外道?なんのことかな?(ゲス顔)

 

・・・・・・・・・いや流石に最後の方はやり過ぎたかもしれないけれどもデュエル仕掛けられたら全力デイクシカナイダロウ?

 

いやそれはいいんだ。

ただデュエル後なんか彼女様子が可笑しくなっていたんだ。

 

デュエル中も時々「滅茶苦茶に・・・」とか「激しく攻められて・・・・」とか呟いていたけれどデュエルに負けた後俺の呼び方がコナミ君からコナミ様に変わり何かと謝罪していくるようになった。

 

「私ごときが貴方様に楯ついてしまし申し訳有りませんでした。どうかこれからはお傍に仕えさせてください」と言って俺の手を握りそして舐めたんだ。

 

ナニコレ?って思ったよ。180度態度が変わって友好を通り越して従順になっているんだもん。

 

怖くてその場から逃げ出したね。正直あまり顔を合わせたくないとすら思うくらいに。

 

 

でもそれからが問題で次の日から観察するような彼女の視線や隙あれば俺の隣まで近寄って頬を赤くしながらコナミ様と言ってその・・・あれだ、鞭のようなものを渡してくるのだ。

 

・・・・・・それも俺のクラスで。

 

直ぐに噂が広まっていったね。なんでも「デュエルで負かした相手を調教して自身の奴隷にしている鬼畜外道」という風に広まってしまった。

 

どうしてこうなった!/(^o^)\ナンテコッタイ

 

その噂の所為か女子達は俺を見かけるだけで悲鳴を上げたり中には顔を真赤にして怒りを示して去っていく者もいた。

 

その中にはこの前の桃色少女もあった。ばったり鉢合わせすると顔を真赤にして「も、もしかして今度こそ私を・・・」とかいって慌てふためいたりしていた。

 

 

嗚呼、俺はもうドS野郎で確定なんですね。そう思うと悲しくなってその場から離れることしかできなかった。

 

舞網チャンプまで後半月、その日まで俺は胃が痛い思いをする羽目になるのだった。

 

 

あ、それと何人かの男子が集まって俺にデュエルを挑んできたけれどその殆どが1ターンキルで決着がついた。ただそれだけじゃ悪いからもう何度かデュエルをしたのだけれど・・・・なんで皆最後には顔を青くさせてたんだろう?そんなに怖かったかな「邪神ドレッドルート」。




おめでとう!コナミ君はデュエル脳Lv2に進化した!

デュエル脳Lv2
身体能力が極端に上がり特にデュエル中もしくはデュエル関係ならば常時数十倍の筋力、体力、視力、聴力、嗅覚、耐久を得る。また一部の特殊なカードを使用するときそのカードの力の一部を開放することが可能。
デメリットもあり一定期間デュエルができないとバーサーク状態に陥る。(幸運2倍掛け)
現在オゾンを超えることはできない模様。

・・・・・・・既に当初の目的の次元を超えることなど忘れている。


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麗華の性癖

これは・・・・・・・・・・・セーフなのかアウトなのか。
R-17.9のタグを追加しなくてはならないかもしれない。

そして皆知っているか?
日本ではピンクがイヤラシイ色とされているのだが外国では緑がイヤラシイ色と見られているんだぜ?
つまり、「緑髪は淫乱」!そういうことなんだ。


私にとって規律とはとても大切なモノだった。人と人が互いを尊重しあう、それを行うための絶対条件だと思っていた。別に私自身がその規律を決め統制したいと思っているわけではない。ただ決められたルールに則り皆が行動しより良い世界にする。そう思っていただけだ。

 

だがその思いは圧倒的な暴力によって崩され、打ちのめされ、教えこまされた。

あの時の快感は恐らく今後の人生では体験できないほどのものだろう。そして恐らく、いいや確実に私はあの御方から離れることはできないだろう。

身体に教えこまされてしまったのだ・・・壊され蹂躙されていく快感を、

突きつけられ認めさせたのだ・・・己の歪んだ性癖を、

服従してしまったのだ・・・私、原麗華はあの御方の永遠な〇〇になると・・・・・。

 

その日私は同学年の委員長が集まる会議に出席していた。

自慢ではないが私は幼いころから真面目を通しており授業以外でも積極的に委員長などをやってきて教師陣からの信頼もある。常に誰かしらの見本になれるように規律を守り続けていた。

そんな中一つの話題が上がったのだ・・・・。

校内暴力である。半月前に男子生徒4名が体中傷ついて倒れていたという話が教師陣から聞かされており軽いものでも体中に打撲痕がありひどいものでは骨折した者もいたらしい。

教師陣も情報を集めたり怪我を追った4名にも話を聞いてみるが誰も口を開くことすらせず、その代わりに酷く怯えていたらしい。

校舎裏には監視カメラなどは設置されていないのでこういった犯行が起きることを前々から疑念されていた。そしてとうとう校内暴力という形で表沙汰になったのだ。幸いにも親御からの苦情はなかったがそれ以来他の生徒達も不安そうな表情を浮かべることが度々見られるようになった。

 

これは私個人で調べるしかないだろう。そう確信した私は半月前以前のその4名の行動を確認するために彼らの友人から話を聞くことにした。

その結果彼らはツァン・ディレという少女に負け越しLDSのエリートコースから外れてしまったという話を聞くことに成功した。

ツァン・ディレという生徒は私も知っている、あまり他人と話すことはないがそれでも授業は真面目に受けており態度が悪いというわけでもなかった。デュエルも強くそれで妬みを勝ってしまったのかもしれない。そしてそのディレさんに対し何らかの行動を取ろうという相談を彼ら4名がしていたという情報を入手することに成功した。それは奇しくも半月前のことだったのだ。

これは関係があるに違いない、そう判断した私は直ぐにディレさんに話を聞くことにしたのだ。

 

だが・・・・・

「ゴメン。僕の口からは何も話せない」

という返事だけだった。しかしそれは確実にあの時彼女はあの場所にいたという証明に等しかった。

そのため何度も頼み説明してほしいというと折れてくれた彼女から少しだけ話を聞くことができた。

「僕は奴の前に立つ勇気はない・・・・・・あの時は運が良かったんだ。あのときデュエルディスクが壊れて奴の対象から外れた、それが結果として僕は見逃されたんだ。もしあのとき僕のデュエルディスクが彼奴等に壊されてなかったら・・・・・・・」

そう言って顔色を悪くし直ぐに話を切り上げその場から去っていった。出来ればその人物のことを聞きたかったがあの勝ち気な少女が本当に怯え震えていた。きっとトラウマになっているような話を何時までの聞くことができずここからは私の憶測で犯人を探すしかない。

 

先ず、被害にあった4名は元々ツァン・ディレをターゲットとして校舎裏に呼び出した。そして(ここは予想なのだが)卑怯にも彼らはディレさんのデュエルディスクを意図的に破壊し報復を行うことが目的だったのかもしれない。しかも彼処は校舎内からは見えず外からも屋上を除いて確認することができない場所だ、最悪彼らはディレさんに性的暴行を行うことを考えていたのではないか?それならば彼らが皆口を閉じだまり続けるのも納得がいく。自身が犯罪(未遂)を犯してましたなどと証言できるわけがない。

そして計画通りにデュエルディスクを破壊し彼女を取り押さえようとして今回の事件の主要人物が現れた。それは皆に恐れられ助けられた側のディレさんをも恐怖している人物で更に付け足すならば校内を自由に行動できる教師又は生徒。

教師ならばディレさんが彼処まで恐れることはなく生徒たちも何時までの被害者扱いで置かれることはないだろう。そもそもここの教師陣が生徒に暴力を振るうということはないだろうし。そして彼らが停学処分になっていないというのならば彼らが相手をしたのは生徒ということになる。

 

彼らが恐れ同時にディレさんが恐れているこの学校の生徒・・・・・・・・・・・・・・・いる。

自身のクラスに今までの情報と合致する人物が一人だけいた。

小南遊羅。

彼は入学前から付近で有名な注意人物で教師陣も頭を悩ませている問題児だ。

だが彼の授業態度は至って真面目で成績も悪くはないらしい。では何を恐れているのか

、それは彼のデュエルスタイルだ。

圧倒的なまでの実力で相手を嬲りそして倒すという行動を取ることが多く一方的なデュエルばかりしていることが多い。ここまでならば彼自身のデュエルタクティクスが相手より上だというだけで済んでいただろう。しかし問題はその後も同じ相手に執拗なまでデュエルを行い最後には相手が気絶するまでデュエルを仕掛けるという狂気的な行動である。そして本人は全く気にしている様子はなくそれどころか酷く満足したような表情を見せていたらしい。

その行動を止めさせようと挑んだ教師も一方的に嬲られ心を折られてしまいそれ以降彼に対して極端に怯え、最終的にこの学校から去ってしまった。そのためクラス内は勿論のこと同じ学年でも彼にデュエルを挑もうとする者は居らず、2つ名として『狂王』、『デュエル狂いのコナミ』と呼ばれる様になった。

私はその人物に辺りをつけて遠回しにディレさんにコナミ君の名前を出すと分かりやすい程狼狽し怯えていた。

その態度に私は確信をもってその日の昼に彼を捕まえ注意をすることを決意したのだ。

 

 

「いいですか!幾ら同じ生徒を守るためとは言え貴方の取った行動は暴行罪なのですよ!?立派な犯罪なんです!」

昼休みクラスから移動して何処かに向かおうとするコナミ君を捕まえ人がいない屋上へと無理やり連れてきた。理由は勿論彼が取った行動に対する追求と厳重注意である。

しかし彼は結果的に見れは他の女生徒を守るという行動をとり、4名の男子生徒の馬鹿げた行動を止めることに成功している。そのため注意程度で収めるつもりでいたのだ。

 

だが・・・・

「・・・・・・」

コナミ君は何時も着用している赤い帽子で視線が見えず何時もの改造制服のポケットに両腕を突っ込んでいるという余りにも反省した様子のない態度だった。

舐められてると感じた私はつい熱くなってしまい口調が荒くなっていく。

「大体何時も誰ともコミュニケーションを築かずデュエルでは相手を嬲り続けるばかり!そんなのではこれから成人した後大変ですよ!それに何時も帽子を被っていて誰の注意を聞かない、人と話している時くらいは帽子を取りなさい!!」

そういって彼の帽子に腕を伸ばして強引に帽子を奪い取る。

 

その瞬間・・・

「――――――ッ!?!」

ゾクゾクッと背筋が凍りつくような錯覚を覚える。その正体を探るとコナミ君の視線が私に注がれていた。その瞳は怒りを宿しており見るもの全てに絶対的な威圧を与えていた。

 

キュンッ

一瞬身体がその視線によって身体が反応してしまう。その責めるような視線を浴び私の身体が暑くなっていくのを感じた。同時に息が荒くなっていく、きっとあの視線に私が怯んでしまったからだろう。でもここで私が臆してしまえば何時までも変わらずに彼は平然と規律を見出していくだろう。

それだけは許してはならない。

 

「―――ッ、はぁッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・・・・いいでしょう、そのような態度を取るのならデュエルで決着をつけましょう!デュ、デュエルで私が勝ったら貴方の生活態度をしっかり直してもらいますからね!!」

恐怖と緊張からか、声が少し高くなり早口になってしまいながらもデュエルディスクを装着して構えた。

コナミ君は無言のままデュエルディスクを取り出し懐から一つのデッキケースを取り出して装填する。

確か普段ならば腰につけているデッキでデュエルをするのだがあのデッキは一体何なのだろうか?

 

『デュエルッ!!』

原麗華VSコナミ

麗華LP4000

コナミLP4000

先行はコナミ君からだ。彼は1つのデッキのみで戦うデュエリストではなく複数のデッキを使用して戦う戦法を持つ。そのため対策やメタカードなどというものが事実上存在していないのだ。

今度のデュエルではどのカード群を使うのか・・・・

「先行だな。俺のターン・・・・・俺はモンスターをセットしターンエンド」

初手から動くことはなくモンスターを裏守備でセットするだけでこのターンが終わる。

 

「(魔法・罠が一枚も手札に来てないのかしら?)私のターンドロー!・・・私はてふだからプロミネンス・ドラゴンを召喚、そして装備魔法サラマンドラを装備させます。これによりプロミネンス・ドラゴンは攻撃力を700ポイントアップ!」

ATK1500→2200

 

下級モンスターの最高攻撃力は2100、特殊召喚モンスターでもこのラインをあっさりと超えることはそうそうできない。

「バトルです、プロミネンス・ドラゴンでセットモンスターを攻撃!」

プロミネンス・ドラゴンの身体の一部がセットモンスターに向かう。

そしてそのカードはリバースし・・・

 

「このカードはメタモルポット。このリバース効果により互いのプレイヤーは手札を全て捨ててデッキからカードを5枚ドローする」

大きなツボの中から1つ目玉のモンスターが飛び出してきて私の手札を喰らい尽くしていった。

「(折角の地獄の暴走召喚とヴォルカニック・エッジが!)・・・・私はカードを2枚伏せて、ターンエンド。エンド時にプロミネンス・ドラゴンの効果発動!相手ライフに500ポイントのダメージを与えます!!」

コナミ

LP4000→3500

セットカードは次元幽閉と魔法の筒。これで相手モンスターの2300以上の攻撃力分のダメージを相手に与えて次のターンに手札のプロミネンス・ドラゴンを召喚すればこの勝負は勝てるッ!

 

先ほどまでの身体の熱が嘘のように引いていき冷静さを取り戻していく。幾らデュエルが強くともそれで規律を乱すようでは私は許すことも認めることもできない。これからは私監修の元しっかりと生活態度を直してももらわなくては。

私は勝利を確信してそのような思考を巡らせていた。・・・そんな油断をしていたからだろう、彼の目の色が変わったことに気が付かなったのは。

鋭さが増したと気づいたときには、・・・・・・・・

 

「俺のターンドロー!・・・・・これで終わりだ!」

全てが遅すぎた。

 

「俺は手札から魔法カード、名推理を発動!この効果により相手プレイヤーはレベルを宣言する。そしてデッキから通常召喚出来るモンスターを引くまでカードをめくり出たモンスターが宣言されたモンスターでなかった場合自分のデッキから特殊召喚しそれ以外のめくったカードを墓地に捨てる。宣言されたモンスターの場合めくったカード全て墓地に捨てる」

帽子の縁で視線は隠れ静かにカードの説明をするコナミ君。

私は何とも言えない不気味さを感じながらもこのカードのシナジーを考えた。

この手のカードは大抵高レベルモンスターを引き当てるために構成されているデッキで使用される。ならば相手のデッキはバルバロスやガンナー・ドラゴンといったカード群で構成されているのだろう。

先ほどの手札は全て高レベルモンスターなため召喚できなかったのかもしれない。

となると・・・・

「私はレベル8を宣言します!」

「了解した、ではドロー・・・魔法、煉獄の氾濫。墓地に送りドロー・・・レベル8モンスターインフェルノイド・アドラメレク」

よし!これで特殊召喚は・・・!?

「な、何故効果が続いているのですか!?」

デュエルディスクの表示を見ても未だに相手の魔法効果発動という表示のままなのだ。

レベル8モンスターを引いたのだからこれで効果が終わり表示が終了するのに・・・・。

しかし私の疑問は相手であるコナミ君が答えてくれた。

 

「勘違いしているようだから説明するがこのモンスター、いや『インフェルノイド』シリーズは通常召喚することができないカード群だ。よって墓地に送られる。続けるぞドロー・・・インフェルノイド・アシュメダイ、ドロー・・・インフェルノイド・ベルゼブル、ドロー・・・インフェルノイド・ヴァエル、ドロー・・・インフェルノイド・アスタロス、ドロー・・・インフェルノイド・ベルフェゴル、ドロー・・・インフェルノイド・ネへモス、ドロー・・・」

まるでデッキが尽きるまで引き続けるとでもいうかのように彼はカードを落とし続けた。

「ドロー・・・レベル4モンスター紅炎の騎士、通常召喚が可能なため効果が適用され特殊召喚する。そしてめくったカード計17枚を墓地に送る」

デッキの半数を墓地に送るという暴挙・・・いや圧倒的なアドにより私は目眩を起こしそうになる。

それと同時に落ち着いていた熱を再び感じ思わず無意識に両足に力を入れてしまい内股状態になっていた。

一体何をされるのだろうか、どんな展開を持ってくるのか・・・凄く怖くて、同時に興味深かった。

「墓地のネへモスの効果発動!墓地のアシュメダイ、ルキフグス、アスタロスを除外し特殊召喚する。現れよ煉獄の怪物、インフェルノイド・ネへモス!!」

蒼炎が吹き出し彼の前に龍を模した機械仕掛けの悪魔が降臨する。その圧倒的な存在感に言葉を失い呆然とする。だがその後が本当の地獄だった。

「ネへモスが特殊召喚に成功した時に発動、このカード以外のフィールドのモンスターを全て破壊する!獄炎よ、焼殺せよ!!」

ネへモスが纏っている蒼炎が一段と輝いたかと思うとその蒼炎は私のプロミネンス・ドラゴンを飲み込み赤い炎を蒼い炎によって侵食し破壊していった。

 

「破壊された紅炎の騎士の効果発動、このカードが破壊され墓地に送られたときデッキから炎属性モンスターを墓地に送る。この効果でインフェルノイド・シャイターンを墓地に送る。更に魔法発動、モンスターゲート。この効果はフィールド上に存在するモンスターをリリースして発動できる。ようはデメリットのない名推理だと思えばいい。ネへモスをリリースして効果発動!―――行くぞドロー・・・アラドメク、ドロー・・・インフェルノイド・リリス、ドロー・・・」

 

再び静かに彼はデッキからカードを引いていく。

これ以上に私のフィールドを、セットを、私を壊していくというのか。

このとき私は彼が「お前の何もかもを破壊し壊し尽くす」と言っているように感じその姿を幻視してしまい震えていた。息も再び荒くなり顔が酷く暑い。

 

「ドロー・・・俺が引いたのは黄金のホムンクルス。よってこのカードを特殊召喚する!そして手札からハーピーの羽箒を発動!これにより相手のセットカードを全て破壊する!」

黄金に輝く巨人が巨大な羽箒を持ちそれを一振りする。それだけで私のセットカードは破壊され私を守る札は全てなくなってしまった。

全てひん剥かれて丸裸にされてしまったのだ。手札にも攻撃を凌げる手段は・・・・ない。

 

「墓地に存在するアドラメレクの効果発動、墓地に存在するインフェルノイドを2体除外して特殊召喚する。墓地のシャイターンとヴァエルを除外し墓地から特殊召喚!そして手札の巨大化をアドラメレクに装備、これで攻撃力は倍の5600となる。更に黄金のホムンクルスは除外されているカードの数×300ポイント上昇する。除外されているカードは合わせて5枚。よって攻撃力3000となる!」

機械仕掛けの巨人と黄金の巨人、二体の攻撃力を合わせると私を二度も殺すことが出来る攻撃力だった。

嗚呼・・・だめだ、もう蹂躙されることしかできない。

足がガクガクと震え下半身が熱くなっていく。同時に口内に唾が溜まってきて妙に気分が高揚してしまう。どうも可笑しい、まるでこれは私の身体じゃないみたいだ・・・・。

 

「・・・・・・返しはないか。ならば散っていけ、全モンスターで攻撃ッ!!」

その掛け声と同時に二体の怪物が私に迫り、一体はその巨大な拳でもう一体は光体を発生させて頭上から振り下ろして来る。

普通ならばソリッドヴィジョンでは肉体にダメージはいかないのだがその時何故か攻撃を受ける瞬間、激しい衝撃が私の身体を襲ったのだ。

「ふぐッ!?」

拳が身体全体を揺るがし身体が軽く浮き、そして頭上からの一撃により地面に叩きつけられてしまう。

「かはッ!!」

今まで親にすら打たれたことのない、いや今の今まで誰にも与えられたことのない衝撃に私の身体が悲鳴を上げ、同時に歓喜をあげていた。

その証拠に・・・・・・・・・・・・・・・・・・下半身が濡れてしまったのだ。

更にみっともないことに初撃で私の下半身の力が緩んでしまったのか小の方を漏らしてしまった。

そしてその痛みと共に私は今まで感じたことのない幸福感を得ていた。

麗華

LP4000→0

デュエルで負け私は地面に横たわる。その冷たい屋上の地面が今の火照った身体には妙に心地よく感じられた。

(き、気持ちいい・・・)

まるで天に登っていくかのような快楽と今にも泣き出したい程の痛み。その両方が私の身体を侵食し犯し、そして染めていく。

 

そこで私は漸く私の本当の正体に気がついたのだ。

私は、きっとずっと前から誰かに虐めて欲しかった、こうやって誰かに躾けて欲しかったのだと。

幼い頃から両親は賢しいだけの私に満足し言葉だけで拳を挙げられたことなどなくクラスメイトや教師陣にも喧嘩や体罰を与えられたことがない。そのため今まで自身の性癖すら分からずにいたのだが・・・今回の一撃により本当の姿を思い知らされてしまった。いやきっと知っていたのだろう。

「ならば散ってイケ」その言葉が彼が、いいえあの御方が私の本性を知っていた証拠だ。

そして調子に乗っていた私をあの御方はデュエルという形で躾けてくれたのだ。

 

既にあの御方はここにはいない。こんな惨めな私のことなど眼中に無いのだ。でもそれで良い、そうでなくてなならない。こんな哀れで調子に乗っていた〇〇なんてその扱いで十分なのだ。

「コナミ、様・・・・・・」

私の本性を教えてくれた御方の名前を呟く。たったそれだけで下半身が濡れて熱くなっていくのが分かる。もう私は今までのような私には戻れそうにない。

でもソレでいい、戻らなくていい。私はあの御方の奴隷であればいいのだ。都合のいいときに相手をしてそしてそれが終わればポイっと捨てる。そして暇があれば私を虐め飽きれば放置していく。

それでいいのだ私のご主人様は・・・・・・。

 

その日私は彼の前で忠誠を誓った、二度と歯向かうことはせずあの御方に一生尽くすと。そして次の日もクラスメイトの前で誓ったのだ。今思い出しても物凄く興奮する、もう自分はあの御方の所有物なのだと宣言したのだから。

それからというもの私を正気(私にとっては今が正気なのだが)に戻そうと同級生(男)や後輩(男)が説得しに来るようになったがその全てを無視して今もご主人様に仕えている。

しかしご主人様は余り私に興味がないのか相手にしてくれないのだ。きっと餌を与えたばかりだからなのかもしれない。ならば待とう、ちゃんと「待て」ができるのもペットの努めだ。

そうしていると時々ご主人様がデッキ調整といって私を使ってくださる。

 

こんな素晴らしい世界を教えてくださったご主人様。

これからも貴方様に仕え、虐めてください。そして・・・・・・・・・・・・・・出来れば激しく愛してください。

それだけあれば私は何も要りません。

 

 

 

 

・・・・・・・・・でも他の人に邪神という邪悪なカードを使用するのは少し遠慮した方がいいかと。

実験相手ならば私がお相手致しますので。




因みに〇〇に入る言葉は「メ」から始まって「タ」で終わる4文字です。
そして麗華さんを止めようとしたのは皆麗華さんを慕い、仄かに想いを寄せていたチェリーボーイズです。
目の前で憧れの存在が学園の不良(他からの視点)によって性奴隷(処女)に変えられていく様を見てどう思ったのでしょうか。

私なら興奮しますね(キモいスマイル)!


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昨日久々にデュエルをやって友人にペガサスのマネをしたら思いの外受けた。
これはトゥーンのデッキを組まなくてはと思うもカードがほとんど無いので泣く泣く諦める事に……。
……………あ、大会編始まります。


前回出た大会から一月が経ち漸く俺のデッキも纏まりがついた。今回の大会のルールとして複数のデッキは禁止と言われていないので取り敢えず安定して回る「エクストラ無しダ・インフェルノイド。蒼炎のマクコス祭り」、「暗黒界」、「スキルバルバトスのエアトス乗せ」のデッキ達で挑む事にする。

代行天使もいいかな?と思ったが個人的に天使よりも悪魔が好きなのでコッチを使用している。決して前世でD×Dにハマってたからではない。…………出来ればそっちに行きたかったな。

 

ふぅ、それにしても最近はなんだかんだでデュエルが出来て俺は満足している。

原さんとデュエルしてからというもの彼方からデュエルを仕掛けてくれるデュエリストが現れるようになったのだ。

 

ただ俺の事を見て「女の敵」とか「鬼畜王」とか「美少女誑し」とか叫んてくるのはやめて欲しいんだよね。周りに変なイメージを持たれるから。というかその日からクラスメイト(特に女子)から軽蔑と恐怖(偶に瞳を潤ませ頬を赤くしながら)するような視線を向けられる事が多くなった。

 

本当に泣きたい。アレか、この前のデュエルでオーバーキルしてしまったのをまだ根に持っていたのかな?

 

でもアレ以来原さんとは仲良くやっているんだけれど、この前もデッキ調整に付き合ってくれたし。…………ちょっと変わっているけれど。

 

いい感じに1キルが決まり気分が高揚してたからか彼女の頭を思いっきり抱き締めて撫でてしまった。攻撃を受けて座り込んでいた原さんの目尻に涙が浮かんでいたため(その時、何故か子供っぽく感じてしまい)慰めようと撫でてしまったのだ。

 

この文だけ見てると危ない奴にしか見えない。

やってしまった……と思ったが思いの外彼女は喜んでくれて「えへへ」と幼く微笑んでいたので決して悪くは思っていなかったのだろう。

 

原さんと言えば彼女も大会に参加するらしい。その為彼女と一緒にデッキ構築をする為に俺のウチでデッキ構築をしたのだ。

その際彼女のデッキが今までのプロミネンスバーンから破壊輪や火炎地獄を積んだ自爆バーンデッキと変わったがそれは本人の強い要望があった為である。

 

デス・メテオからの破壊輪でラストに火炎地獄というフィニッシュというのが基本パターンである。キーカードが揃うまでシールドウィングやマシュマロンで耐え続けるという待ちの構えという戦法なのだ。

その構成を聞いた時俺はなんというドMデッキと驚愕したよ。

 

大人しくプロミネンスバーンのままがいいって言ったのだけれど…

「それではデュエル中の衝撃が感じられないじゃないですか!」

と怒られてしまい俺は説得を諦めた。

 

彼女がそれでいいというのならば最早何も言うまい。

 

明日の大会第1回戦、どのデッキで挑もうか迷うなぁ〜。

 

 

 

というわけで大会当日です。

え?キンクリ?イザナミ?知らんな。

 

俺の初戦相手はかなり大柄な人物で「何をしても勝てばいい。それが真の強者」とカーズばりに豪語する人物だった。相手の名前は暗黒時?だったか、デュエルに勝つという意気込みは大変素晴らしかった。

でもデュエル開始時に殴りかかろうとするのは頂けないな。ルールを守って楽しくデュエル!だからね。

 

そんな彼には「スキルバルバ、ライオウを載せて」でジワジワと追い詰めて倒した。

 

決して殴りかかってきた際に拳をとめた腕が痛かったから、その意趣返しというわけではない。正々堂々相手の効果を封じ此方だけ一方的に殴りつけてやったよ。

その後フラフラしながら退場していったが大丈夫たろうか?

 

蛇足

一回戦が終わると俺を見かけるだけで怯えられるのはどうにかならないものか?

狂王ッ!?と指差されて怖がられるっていうのは正直辛い。




ボロクソになって退場した暗黒寺君に敬礼!
……にしても彼は本当に中学生なのだろうか。ガタイといい大人だと言われても納得してしまう。


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8

vジャンプ……買えんかった。
それで落ち込んでました。気がついたらもう4日も立っているという。
泣きたい。


第1回戦も大方終わり俺は観客席に座って他のデュエルを見ている。

 

デュエルフィールドでは巨大なモンスターがデュエリストと共に雄々しく戦っている。

 

…………のだが、俺はその光景を見てなんと言うか言葉に表せないモヤモヤを感じていた。

 

デッキ構成?そんなもの、エクストラ無し縛りの時点で気にする必要はないだろう。それにデュエリストがデッキを信じていればちゃんとデッキが応えてくれる。

 

ではデュエリストのレベル?それこそまさかというものだ。

ここの大会に参加しているデュエリストはそれぞれ大会を優勝した強者なのだ。運命力は相当なものだろう。

 

簡単な話だ。ただデュエル出来る回数が非常に少なく、更に待ち時間が長過ぎるのだ。控え室でデッキ構築をし続けるのはもう飽きてしまった。

 

他人とのデュエルを見ているとコッチが早くデュエルをしたくて仕方がなくなる。

 

そんなモヤモヤな状態で麗華さんと一緒に観戦していると後ろから視界を塞ぐように両手が迫り「だーれだ?」と囁かれた。

その声に聞き覚えがありその人物の名前を呟く。

 

するとそこには自身が勝ち上がった大会の決勝戦の相手、藤原雪乃がいた。

 

どうやら彼女は俺に敗北した後直ぐに違う大会に出場し見事優勝してこの大会への参加資格を手に入れたというのだ。

 

この話を聞いて「大会って一回のみじゃなかったのか」という間抜けな感想を言いそうになったが直ぐさま「また君と戦えて嬉しいよ」と返し誤魔化した。

そう返すと雪乃は少し照れたのか頬を赤らめ「もう……遊羅ったら」と呟く。

全く関係のない話だが何気にちゃんと名前を呼ばれたのは今回が初めてのような気がしてならない。何時もはコナミ君としてしか呼ばれず酷い時は鬼畜王だ。その為少し感動してしまった。

その事を話すと雪乃は微妙そうな顔で「た、大変なのね………………」と慰めてくれた。

マジで良い人や、久々に人と会話できた気がする。

途中で麗華さんとヒソヒソ話をし、顔を真っ赤にして「私も……それ位耐えなければ、でも心の準備が」とブツブツ呟いていたが大丈夫だろうか?

後なにが「やりましたよコナミ様」なんだ麗華さん。

その後俺は妙に纏わりついてくる麗華さんを無視して雪乃と話をして時間を潰し気がついたら第1回戦の全てが終了していた。

「私の新しいデッキで今度こそ貴方をイカせてあげる」と冗談交じりにウィンクされ雪乃はその場を去っていった。

 

雪乃の新しいデッキか……また儀式デッキなのか?それとも全く別のカテゴリーなのか?

その答えは対戦出来る時を楽しみに取っておくことにする。

 

さぁ、第2回戦の始まりだ!

 

 

 

 

 

………………………………ところで俺が雪乃と話している間ずっと触れて涙目になっている麗華さん?

何で俺の服の端を握り締めてるの?

 

はい?放置プレイはまだ耐性がない?もっと弄って?

………………………知らんがな。




主人公は無自覚S、間違いない。


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9

今回もデュエル無しです。
そして主人公に新たな二つ名が!!


第2回戦となり俺の次の対戦相手が決まった。なんと相手はあのbot君なのだ。

分からない人はいないだろうが一応説明しておくが彼、勝鬨君はKONMAIの犠牲者の1人で劇中に「何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」という名言を残した少年である。彼は融合使いでその融合モンスターがレベル関係の効果を持っていたのだが主人公がエクシーズ召喚した事によって敗北したのだ。

その光景は現実世界のデュエリストに多大な影響を与え(台詞の万能さも相まって)彼は永遠のネタキャラとなってしまったのだ。

 

そんな彼が次の対戦相手なのだ、正直彼とのデュエルが楽しみで仕方がない。

よし、次はこの暗黒界デッキで行こう。

 

 

終わった、グラファ3体並べて相手のフィールドを蹂躙してワンターンキルったった。

ていうか忘れてたよ。彼リアルファイトも嗜んでるんだった。顔面に彼の蹴りが映った時は焦ったわ…………反射的に蹴り返して追撃してしまったけれど。

主に男の急所に…………。

いや悪かったとは思うよ?けどさいきなり攻撃が来たらビビるだろ?そしてそれを避けようとして回避し勢い余って俺の裏拳が彼の球に偶々クリーンヒットしただけなんだ。

でもデュエルが続行されたから大丈夫だよね?ほら相手の勝鬨君も直ぐに立ち上がり構えを取ってたし。…………スッゲー顔を真っ青にしてたけれど。

そんな彼に申し訳なく思いながらグラファ3体並べて楽にさせてあげた。今頃ゆっくりと布団で横になっているだろう。

でもあのデュエル中いやデュエル後も男性デュエリストからは畏怖の眼差しで見られ「玉砕王」と呼ばれたのは解せぬ。確かに股間を狙ったように見えたがあれは事故なんだ。そして女性陣は未だに鬼畜王と呼ぶしその他の一部は「羨ましい」とか何とか呟いているしもう訳が分からないよ。

今日の試合はもう終わりだから今日はさっさと自宅に帰ろうかな?

 

アレ?如何したの麗華さん、下半身をモジモジさせて…………え?自分にもやって欲しい?…………(暗黒界デッキか)。

 

あぁ、君の試合が終わったら(デュエルを)好きなだけやってあげるよ。俺の消化不良でやり足りなかったんだ。だから頑張っておいで。

 

すんごい嬉しそうな顔して自分の試合に向かった麗華さんの後を追って試合会場の席に戻ることにした。

せめて彼女のデュエルを見てから帰ろうか。

 

途中で見覚えのある桃色が俺の方を見ていたが気のせいだろう。

気のせいなんだ、「やっぱり女の敵」とか顔を真っ赤にして呟いていたのも気のせいなんだ!!

 

………………チクショウ^q^




「(股間を)玉砕王」爆誕(爆笑)
そして無自覚に公衆の前で麗華さんに「お前を調教する」発言とはたまげたなぁ。
更にそれを盗み聞きして妄想をしている桃色ボクっ娘ちゃんはマジ耳年増。


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10

漸く原作キャラを出せましたよ、いやー長かったですね〜。
…暗黒と勝鬨はちゃうのかって?彼等はチョイキャラ原作キャラ主要キャラじゃないからノーカンで(震え声)


大会二日目、俺は朝早く起きると誰もいないリビングに降りて朝食を取ろうとしていた。

幾ら俺でも飯を食わなければ思い通りのデュエルが出来ない。確かまだカップ麺が残っていたはずだと棚を漁ろうとしてキッチンからとてもいい匂いが漂ってきた。

 

ん?と思い覗いてみると麗華さんが朝食を作っていた。

な、何を言ってるのか分からねぇと思うが(ry

 

一瞬何故彼女がいるのかと思ったがそういえば昨日デッキ調整の為と直ぐに大会に向かえる理由で俺の家に泊めたのを思い出した。

 

ベッドなどの予備は無かったため麗華さんにはソファーで眠ってもらったが本人もそれでいいと言ったのでそのようにした。

 

本当は俺の部屋のベッドを貸せば良いんだろうけれど野郎の汗臭いベッドは可哀想だろう。

 

そうそう麗華さんのデッキなんだが……遂にあのユベル=サンが投入されました(白目)

 

あの後バーンデッキの強化として色んなカードを模索していたんだがそのとき俺が持ってきたカード群の中にそのユベルがあったのを見つけたのだ、それも3形態全て…………。

 

その結果彼女はユベルをメインとした闇デッキ(破壊輪、火炎地獄完備)へと変貌してしまった。

 

もうバーンデッキじゃないね。

俺は前回のデッキにエンジェルパーミッション、代行天使、アルカナフォースを加えた系6つになった。

 

今度は天使押しだよ、理由は特にない。

…………唯空のおとしものっていいよね?

 

飯を食い終わり俺たちは大会が始まる時間までゆっくりと自宅でだらけていた。テレビでは昨日の大会の映像と共にここまで勝ち上がってきたデュエリスト達が映し出されている。

 

総勢32人で本戦は始まり恐らくそこからはトーナメントで勝ち上がっていくのだろう。映像の中にはちょこちょこと知り合いが映っている。桃色サムライガールに紫女王様、緑髪委員長に白髪の赤マフラー…………ん?

あのマフラーって社長(新)じゃね?

 

アレ?社長ってこの歳でプロになるんだっけ?ってことはこの歳からエクストラを用いた特殊召喚が広まるのかな?

 

さっきからクエッションマークばかりだな。この話はまた今度にしよう。それよりも今日の対戦相手だ、それは今日の大会開始時に報告されるらしいからそれによる抽選でだろうな。出来れば知り合いじゃない方がいいがこの人数だそれは叶いそうにないな。

 

ていうか赤馬社長は勝ち残ってくるだろうから問題ないけれどあの人とデュエルしてみたいな。ペンデュラムの存在しないDDDも見てみたいし。

そう心の中で思いながら麗華さんを連れて会場に向かった。

 

その際俺の家から2人出てきたのをクラスメイト(♂)に見られてしまった。

この世の終わりを見たような顔で俺たちを見て最後には「チクショウーー!!」と叫びながら去って行った。

 

変な勘違いされてしまっただろうか?

 

……………………まぁいいか。そんな事よりデュエルだ。気を取り直して俺たちは大会会場に向かった。

どんなデュエルが見られるのか本当に楽しみだ。




尚、逃げ出したのは前回コナミ君に挑んだ子です。
告る前に失恋してコナミとの関係を見せつけられ(誤解)彼の心はボロボロです。
これ書いてた時はこの名もなき少年も描写してやろうかと思いましたが辞めました。

オマケ
K「これから俺の家でデッキ構築する?」
麗華「ぜ、是非!(やった、お呼ばれされました!今日は寝かせてもらえないかも♪出来ればあの勝鬨さんにやってたのをしてほしいな~)」

数時間後・・・

K「よしデッキが出来たな、それじゃあお休み~」
麗華「・・・・・・・・・お仕置き(シュン)」

きっとこんなやりとりがあったに違いない。そしてデュエル以外無頓着な主人公マジ(無自覚)鬼畜ですわww


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11

Vジャンプが買えました!
ヒャッハー!早速予約じゃー!!


大会会場に着くと既に観客がスタジアムに集まっており次のデュエルを今か今かととの待ちわびていた。

そしてMCの声と同時に熱狂したように会場が湧く。

 

1人ずつ勝ち残ったデュエリストの名前を言って軽い経歴を説明していた。そして粗方デュエリストが呼ばれ等々俺の番になったのだが…………少し、いやかなり酷い紹介だった。

 

なんだよ「悪魔を統べる凶王」って。

悪魔族モンスターを使ってたからか?バルバトスは獣戦士だぞ?

 

そして観客も観客だ。外道とか玉砕とか好き勝手言いやがって、アレらは全て事故だったんだよ。毎回の如く蒸し返しやがって……あ、よく見るとアイツウチのクラスの奴だ。今度デュエルでボコってやるから覚えてろよ。

 

そんで肝心の本戦はトーナメント方式でAブロックとBブロックの2つに分けて行われる。振り分けで俺はAで麗華さんはBだった。勝ち残り続ければ決勝で彼女達とぶつかる事になるだろう。だが…あのBブロックには赤馬零児がいる、そう簡単には行かないかもしれないな。

 

大会は午前にAブロックを行い午後にBブロックのトーナメントを行う。その為俺は直ぐにデッキを取り出しスタンバイをしている。

俺の対戦相手はレイン恵という女性だ。

 

彼女は有限株式会社イリアステルという企業のご令嬢であり父であり社長であるゾーン・イリアステルの孫娘らしい。

 

………………そろそろアースクレイドルが落ちてくるのかな?(白目)

聞き覚えのある言葉ばかりで一瞬フリーズしてしまったのは仕方ないと思うんだ。

どうしよう、このデュエルで勝ったら俺消されないだろうな?刺客を送り込まないだろうな?

 

そんな不安を他所にMCはデュエル開始の指示を出してきた。

ええい侭よ!

 

『デュエル!!』

デュエルディスクを構えデュエルを開始した。

……俺、このデュエルが終わったらシンクロ次元に逃げるんだ。

 

 

 

デュエルは俺が勝ち次の対戦の為に直ぐにその場から立ち去った。デュエル内容?覚えてないよ。速攻で終わらせてカード弄りして精神を安定させたかったんだから。確か相手はメズキやゾンビマスターなどを使ってたことからアンデッドデッキなのだろう。

アンデッド……ゾンビキャリア…………アンデシンクロ…………うっ、頭が!

まぁこの世界はスタンダードだからシンクロモンスターは出てこないだろう(社長から目を逸らしながら)。

あ、後また二つ名が増えたよ。その名も「絶対裁定者」である。アレか、エンジェルパーミッションで相手の手札全て封じたからか?それならまだ納得出来るが「鬼畜否定」は最早悪口だろう!

くっそ、最後の二つ名を言った奴にはこのエンジェルパーミッションでデュエルしてくれる!!



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レイン恵の感情

何だかんだいってTFでは真っ先に攻略しにいったレインちゃんメインです。
TFSPでも何度もお世話になりました(サンドバック的な意味で)。
尚、ここまで登場してきたTFキャラは思いっきり作者の好みで登場させてます。


私はレイン恵。

カード販売を主にしている企業イリアステルの社長、「ゾーン・イリアステル」の孫娘。

祖父の娘であり私の母であったシェリー・イリアステルと父が交通事故で亡くなり私は祖父によって育てられた。そのため私自身祖父には感謝しているし出来ることなら孝行したいと思っている。

そんなとき祖父が仕事が仕事から帰ってきて自室に篭もり誰かと電話で連絡を取り合っているのを偶然聞いてしまった。その内容は今度の大会で優勝者若しくはその優秀な成績を残した者に今度販売する予定の「新しい召喚法のカード」を試してもらいたいという内容だった。

祖父の会社「イリアステル」はカード販売業界では上から数えた方が早い程の大企業なのだがそれでも業界トップのLC(レオ・コーポレーション)から見れば劣っている。

 

現状を脱却するために近々発表される新規カードと「新たな召喚法」を用いて業界トップになろうと企画しているようだ。

今回取り上げるのは融合、シンクロ、エクシーズの内「シンクロ召喚」を重点的に展開していくという。祖父は何故か乗り気では無かったがこれからの発展のために重要かと渋々納得しそれを売り出す手筈までは整っていた。

しかし、肝心のカードを操るデュエリストが見つからないのだ。

 

そもそも今を時めくプロデュエリストは既に己のデッキというものがありソレ以外を使用することはない。2~3枚程度の変更はあるかもしれないがデッキそのものを交換して戦おうとは決してしないのだ。そのため新たな召喚法のテスターもプロ達は断ることが多く未だ開発段階で止まっているらしい。

 

ならば私がそのテスターにとも思ったが何の実績のない私ではそのテスターとしても販売促進としても価値がなく精々データ取りくらいしか役に立たないだろう。

だからこそ、この大会に出場し祖父の仕事の役にたとうと考えたのだ。

この大会で優勝しその実力を世間に知らしめれば「大会優勝者が使用する新しいカード」という印象を持たれ販売に貢献することが出来る。

 

それからの私の行動は早かった。早々に近場のトーナメントに出場し優勝、これで出場条件免除となり大会に参加できる。

ここまでは理想通りにことが運んでいた。

大会開催し1回戦2回戦共に勝ち上がり本線への出場を決めることが出来たのだから。

・・・・・・・・・・・・しかし、そこからの相手はかなりの強敵だった。

 

小波遊羅、彼は様々なデッキを使用しその全てをダメージ無しで勝ち上がっている。

更に取り上げるならば彼のプレイング。その全てに無駄がなく引くカードは全てその場で適切なカードばかりだ。通常ならばどのようなデッキでも理想的な手札、フィールドになる可能性は限りなく低い。しかし彼はまるでカードに愛されているかのようにカードを引き当てるのだ。

ここだけ話せばまるで理想のデュエリストだろう。だがその彼にも問題点がある、それは彼の行動そのものだ。

 

自らプレイヤーに攻撃を当てに行ってはいなかったがその返しで確実に相手の急所を当て行動を封じて自身のターンを回していくのだ。

 

対暗黒寺戦では相手の拳を躱し足払いから腹部を蹴り上げ行動を遅らせた間に勝負を決める。

対勝鬨戦では男性の急所を殴りまともな思考ができない状態にモンスターを展開し勝利した。

この2戦は共にアクションデュエルだったのだがそれでも彼の行動は目に余った。

しかしルール上相手のプレイヤーに対する妨害は有りであり両戦とも相手側から物理的な妨害をしてきたのでそれを防いだだけなのだ。一切の違反はしていない。

 

だがその容赦無い行動に「狂王」や「玉砕王」と呼ばれている。

 

その彼が次の私の相手なのだ、この大会で最も山場と考えてもいいだろう。

しかしこのスタンディングデュエルに負けるわけにはいかない。私にはやらなければならないことがある。そのために負けられないのだ。

 

「・・・勝利を」

その言葉を胸に留め私はフィールドに上がっていく。そこには既に小波が待ち構えており無言ながら強烈な強者のオーラを放っていた。視線は私に固定して決してずらそうとはしない。

普段から表情が変わらないと言われてきた私だが目の前の彼を見るだけで緊張し口内が乾いていく。無意識に拳を強く握りしめていた。

そしてMCの支持に従い私達はデュエルを開始する。

 

『デュエル!!』

 

小波遊羅VSレイン恵

 

コナミLP4000

レインLP4000

先攻は相手、コナミからだ。今までの彼のデッキから考えるに彼は後攻重視のデッキコンセプトが多い。ならばまず彼が手札補充する機会を出来るだけ少なくすることが重要だ。

このとき私はそう判断して手札を見比べていた。

既に手札には魔導師の力に馬頭鬼、手札断殺、一族の結束、そして真紅眼の不死竜が握られている。これで上手くいけば次のターンで倒せる。そう思える手札だった。

 

だが・・・・その認識は余りにも甘く愚かなことだったと後に悟る。

「俺のターン・・・・・・俺は手札から豊穣のアルテミスを召喚。そして手札を全て伏せてターンエンド」

コナミは速攻でモンスターを召喚し終えると持っていた札を全てセットししてしまったのだ。

この時点で手札から断札を発動することができない。

苦い思いでカードをドローする。

 

「行く・・・・・私・・・ドロー」

引いたカードを確認して思わずホッとししまう。これでこのターン壁を伏せて終わることはないだろう。

「カード、1枚伏せる。魔法発動」

ここで一族の結束を発動、これで準備は整った。

 

「・・・・・・発動する、手札から魔法発動」

発動させるのは手札抹殺、この効果が処理されれば・・・・・

 

「カウンター罠発動、魔宮の賄賂!そしてドロー時に強烈なはたき落とし!!」

「ッ!?」

これで高レベルモンスターを召喚が1ターン遅れてしまった。それだけじゃない、デメリットも手札に加えさせることなく処理している。

「そしてアルテミスの効果発動、カウンター罠が発動するたびにカードを1枚ドローする。さぁ、賄賂の効果でドローし墓地に送るんだ」

これで相手の手札は2枚ドローとなる。ここで!

「魔法発動!「カウンター罠、2枚目の魔宮の賄賂だ」・・・ッ!?」

手札断殺もダメか、でも今度はカードが増えた。カードは死者蘇生・・・これは今は使えない。

 

「そしてアルテミスで効果発動・・・・・・・・フッ」

手札を確認して笑みを浮かべた?ということは一体何が・・・・考えるのは後だ今は攻撃してドロー要因を潰さないと!

 

「・・・・・・・モンスター、召喚・・・・バトル!」

馬頭鬼ならばアルテミスの攻撃力を上回っている。これなら勝てるはず!

「カウンター罠発動、攻撃の無力化。攻撃を無効にする」

これではどうしようもない・・・・・・・伏せも最初の手から考えてブラフと取られない可能性が高い。

・・・・・・次のターンで何とか形成を。

「・・・エンド」

 

「俺のターン・・・・ドロー!」

来るかと構え強張る。相手の手札は既に5枚、手札アドでは圧倒的に不利だ。

「・・・・・・ではもう1体アルテミスを召喚する。そしてフィールド魔法天空の聖域を発動しカードを3枚伏せてターンエンド」

パーミッションだからかアチラから攻めてくる動きはない。ならここで逆転出来るカードを・・・!

 

「・・・ドロー!」

引いたカードは・・・・・・でもあのセットに封じるカードがあれば・・・でもやるしかない!

「相手メインフェイズ時に発動、人造天使。カウンター罠が発動するたびにフィールドに人造天使トークンを生み出す」

私が行動する前にコナミは永続罠、人造天使・・・・・・リリース要員だろうか?

しかし封じる手はないがどうすることも出来ない状況だ。

「魔法発動・・・ブラックホール「カウンター罠発動、神罰。ブラックホールは無効だ」・・・・・これもだめ」

これ以上の攻め札はない。そして相手はアルテミスの効果×2で2枚ドローする。更に相手フィールドにはトークンが1体生成されてしまった。

ならば無理やりでも攻撃力を上げて突破する他ない。未だに馬頭鬼は1700、次のターンで高レベルモンスターを召喚されてはもう勝ち目がない。

「魔法発動・・・これに装備「悪いそれも無効だ、カウンター罠発動!マジック・ジャマー!!」・・・・」

だめだ本当に術が封じられてしまっている。

その事実に落胆していると相手のフィールドに変化が起きていた。

「?・・・・・・何が」

「俺がカウンター罠を発動したときこのモンスターの特殊召喚効果が発動する。こい冥王竜ヴァンダルギオン!!」

暗い闇から現れるのは冥王の竜。そのプレッシャーにより馬頭鬼も怯えているように見える。

「更にヴァンダルギオンの効果発動!このカードの召喚時に無効化したカードの種類によって効果が発動する、魔法カードを無効化したことにより1500ポイントのダメージを相手に与える」

LP4000→2500

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ターンエンド」

打つ手が無い。・・・・・・・・・次のターンを凌ぎきれる札は無くなってしまった。

「俺のターン・・・・2体のトークンをリリースし手札から裁きを下す者―ボルテニスを召喚」

長い杖を持ち機械で出来た天使が降臨する。その姿は正に正義を司る審判であった。

制裁者と冥府の王。その2体を手駒として扱うその姿に観客も私も言葉に表す事ができなかった。

ただ1つだけ分かること・・・・・・それは今目の前にいる者は私なんかより遥か高みにいる存在、いるべき人物なのだと。

 

「バトル・・・いけ!」

ボルテニスの杖が勢い良く迫ってくる。そしてその一撃をくらい私は悲鳴をあげて倒れた。

LP2500→0

 

攻撃が決まると先ほどまでの静寂が嘘のように観客が沸く。

未だに彼は1ポイントもダメージを受けていない、その圧倒的タクティクスは徐々に観客の心を掴んでしまったようだ。

 

「私の・・・・・負け」

その事実に私は何も語ることが出来ずフィールドから去っていった。それを見届けた彼も同じように入場口に戻っている。

 

こうして私の大会は終わりを告げてしまった。

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・」

控室で私は落胆のため息をついた。しかしあの時の私ではどうすることも出来ないほどのデュエリストの差が激しかったのだ。

・・・・悔しい。それだけが胸の中に残り気が付くと頬に一筋の涙が流れていた。

「ぁ・・・・・」

そこで漸く私が泣いていることに気がついたのだ。

何時も人形のようだと言われてきて私自身も機械人間みたいだと感じていたこの身体が、心が悔しいという思いを抱きそして涙を流していた。あぁ私も人間なんだとバカバカしい感傷に浸りながらそこで暫く泣き続けていた。

 

今回は負けたけれど次には必ず勝ってみせる。祖父に頼み込んででも新しい召喚法をマスターして、そしてソレを自在に扱えていると感じたとき私はもう一度彼の前に立とう。

 

「だから・・・・・・負けないでねコナミ」




ゾーン・イリアステル・・・・一体何Z-ONEなんだ。
そしてレインちゃん強化フラグが立ち次の登場でシンクロアンデを使えるようになります。
正直こっちの方が強いんだよね。

そしてこちらで出てきたゾーンさん、シェリーさん(故人)他出てないが働いているであろう方々は遊戯王5D'sとは全くの無関係でちゃんとした人間です(笑)


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12

今日は漫画版遊戯王5D's9巻発売ですね、いつかスターダストデッキをコナミ君に持たせてシンクロ次元に放り込みたいな。


本戦1回戦は勝利を収めることができた。だけれど彼女がもしあの「イリアステル」のメンバーなら俺の命がストレスでマッハである。いやこの場に俺が存在していられるということは彼女はアレとは違うのだろう。

そうだ、ここは5D’sの世界じゃないARC-Vの世界なんだ。ならば俺が消される心配はないだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・でもシンクロ次元ていうのはあるんですよね。もしイリアステルがその次元の奴らだったらと思うと・・・・・・いやこれ以上考えるのは辞めよう。

 

それよりも次の相手だ。確か次に当たるのは嶺開花(りんかいほう)という少女だ。彼女は駆け出しのアイドルデュエリストで使用デッキは魔力カウンターを使用するデッキだった。俺の一回戦が終わった後からのデュエルだから良く覚えている。キーカードは魔法都市エンデュミオンというフィールド魔法なのだろう。そこに魔力カウンターを集め最終的にデッキから神聖魔導王エンデュミオンを召喚するというのが彼女のデッキコンセプトだ。

 

彼女とはどのデッキで挑もうか・・・・・・天使つながりでアルカナフォースにしよう。

ただしTHE・WORLD軸のな。

デッキコンセプトとしては手札にTHE・WORLDとヴァルハラ、ヴィーナスがあるだけで完成する。ワンキルデッキの一つだ。更にクリスティアも積んでおりテテュスでドローしカードを揃え最後に打出の小槌で不必要なカードを戻しワンキルするという使用だ。

そのため先攻か後攻の時点でキーカードであるヴァルハラが来てなくてはならない。

でも今のところ初手に最初の3枚が来ているので問題ないだろう。あるとしたら相手の手札にヴェーラーが握られているかどうかだ。

 

前回でも言ったようにこの世界にはシンクロモンスターやシンクロに関連する効果を持つ魔法、罠、効果モンスターはない(少ない)がチューナーなどの単体でも使用できる効果モンスターは転がっている。

そのためもし相手のデッキにエフェクト・ヴェーラーがあったらと思うと怖くて仕方がない。

若しものために何かしらカウンターカードを積んでおこうか。

・・・・・・・いや、エンデュミオン発動時でいいか。決まれば勝ち決まらなかったら負けだ。

 

 

フィールドに上がると既に相手の嶺開花は観客に挨拶していた。アイドルだからか男性陣からの応援が凄く多い。あれでかけ出しアイドルなのかよ・・・・じゃあトップアイドルならドンだけ声援が凄いのだろうな。そして何故か一部の女性陣が俺の事を応援していた。声援を聞いてみると、

「もっと激しく!」と「一方的に~」といった何だか悩ましげな声と「私の彼氏がーッ!!あのアイドルをぶっ倒して!」「うう、何が開花タンよぉぉッ!!!」という嘆きに似た叫びだった。

 

純粋に俺を応援してくれる人物はいないものか・・・・・・・・(泣)。

その後軽い挨拶をして直ぐ様デュエルが開始される。

 

・・・・・・・・・そして開始早々3ターン目で俺は勝利を収めてしまった。

初手に光の結界、アルカナフォースXXI-THE・WORLD、神の居城-ヴァルハラ、創造の代行者ヴィーナス、大天使クリスティアである。

 

これは酷い・・・。

これを初手で引いてしまったのは多分このデッキを組んで初のことじゃなかろうか?

しかもこのデュエルはスタンディングデュエルであり回避しようがない状態なのだ。

これで逆転できる奴がいたら教えてくれ。

そんな感じでワンキルを決めてしまうと先ほどまで煩いくらいだった観客も皆が黙りこくってしまい俺のことをまるで得体の知れないナニカを見つめるような視線を向けてくるのだ。居た堪れない気持ちになり俺はその場を逃げるように後にした。

・・・次の試合が始まるまで自室に篭っていよう。

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

自室に戻ってから数時間経ち、次の試合の呼び出しが来た。その時スタッフの方が怯えていたのだがそこまで酷かっただろうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴメン、本当に酷かったね。

自分でも詰め込みを疑うレベルだもの。最早何もいうまい。

 

そんで次の相手は・・・・・・・・海野・・・幸子?さちこって読むのか?

まぁそんな名前の女性だ、なんか名前からして水属性のカードを使ってきそうなんだよなぁ。

海のカード・・・・・海竜族・・・・・・・海皇・・・ウッ、頭が!

 

もしかしたら相手はガチガチのガチデッキかもしれない。どうしよう今持ってる代行天使で勝てるかな?確かに互いにエクストラ無しっていうが相手の重装兵と竜騎兵と海皇子はやめてくれトラウマなんだ。クッソ、なら代行天使でどうにかするしかないか。

最初から全力で潰していこう。でないと俺が死ぬわ!

 

 

勝てました、ていうか海皇じゃなかったでした(^q^)

マジで恥ずかしい。海皇だと決め打って一気に展開して見ると相手はシーラカンスデッキだったというオチだ。

全力で行くぜ(キリッ)・・・・・・・だっておwwwww

はぁ・・・しかも2回戦と今回の試合で俺の2つ名が「独裁帝王」にランクアップ?していた。

独裁というのは一方的なデュエル展開から来たのだろうとして帝王は何処から来たんだ?

THE・WORLDか?そうなんだな。もういいよ好きなように言えよ。

俺も俺で好きにやっていくから・・・・・・主に本当の鬼畜コンボで。

 

次の相手は桃色ガールらしいがそれまで暫し時間があるからデッキ構成を見直すか。

デッキは・・・・・・インフェルノイドの推理ゲート型にしようかな?

 




今回登場した嶺開花と海野幸子は残念ながら登場はしません。
簡単に俺がそこまでキャラを扱えきれないからという理由があるのですが・・・・。


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ツァンの覚悟

というわけで今回はツァンちゃん視点でお送りします。




デュエルするのが怖いと思った日は今日が初めてだろうと僕は今までの過去を振り返りそう思った。

今日は僕にとって大切な日で今までの成果を発揮する日でもある。

初戦は楽勝だった。エーリアンカードを駆使してくるデュエリストだったが僕の六武衆デッキの前では意味がなくカウンターが乗り切る前にカタを付けてきた。

しかし・・・・・それ以上に僕にとっての問題があったのだ。

小波遊羅。彼が同じくこの大会に出場していたのだ、しかも僕と同じAブロックのデュエリストとしてだ。

それを知ると僕は過去のあの恐ろしい場面が頭の中に浮かんできた。

一方的な蹂躙を行いそしてそれでも満足することなく何度も何度も嬲り倒した。

その残酷さに私は戦う前から恐れてしまい以降彼を見るために恐怖で足が震えてしまうようになった。

そしてその残酷性は予選から発揮していた。暗黒寺戦と勝鬨戦の2つとも一方的に嬲り倒しデュエルだけでなくそのデュエリスト自体を完膚なきまで叩きのめしてしまった。特に勝鬨選手はあのデュエル後に緊急搬送されたというらしい。顔色が悪く口々に「奴の・・・・・拳は鋭い。・・・・・実戦式のデュエルだ!」と彼が属している塾の面々は戦々恐々としていた。

本戦でもその強さは変わらず同じ学校のレイン恵、嶺開花そして上級生の海野幸子という学園でも強いデュエリスト達を一方的に殴り倒していった。

特に嶺開花戦が酷すぎた。

先攻にコナミのターンが回ったかと思うとモンスターを一気に展開してモンスターゾーンを全て埋めたのだ。それだけでも凄まじいのにアレはその上をいった。

THE WORLDの効果により相手のターンをスキップするという反則技を駆使し嶺開花は何も出来ずに終わってしまったのだ。それを繰り出された彼女自身も何が起こったのか分からずに呆然としていた。自身のターンが終わったと思うと一方的に殴り飛ばされデュエルが終わったのだ。

抵抗する暇すら与えなかった。

 

そして続くAブロック準決勝では海野先輩と戦っていた。

海野先輩は上流階級の生まれで度々自身以下の生まれの生徒を馬鹿にする言い方をする正直嫌味な人物だ。だが彼女自身は馬鹿にするつもりはないらしく他の人達の考え方が理解できないだけという。しかし彼女のデュエルの腕は一級品で社交界向けと言ってはいるがそれでもプロと戦っても問題ないほどのデュエリストだ。

 

そんな先輩だが・・・・・・それでも彼女のデュエルとすら呼べない蹂躙には同情を感じざる負えない。

彼女のデッキはシーラカンスという魚族上級モンスターを駆使した魚族デッキを使用するデュエリストだ。だがその彼女に対しまたもや一方的な展開力を発揮していた。

 

「俺のターン・・・・俺は手札から神の居城ヴァルハラを発動、そして効果により手札から光神テテュスを特殊召喚。更に手札から速攻魔法、手札断殺を発動!これにより互いに手札2枚を墓地に送り新たに2枚ドローする。俺は手札のオネストと奇跡の代行者ジュピターを墓地に送り2枚ドロー。・・・・ここでテテュスの効果発動!引いたカードが天使族モンスターのときそれを相手に見せることでもう一度ドローする。俺が引いたのはゼラディアスよって更にドロー。引いたのは大天使クリスティア、よってもう一度ドローする。ドロー・・・神秘の代行者アース、ドロー・・・ヘカテリス、ドロー・・・死の代行者ウラヌス、ドロー・・・これで終いだ」

 

僅かワンターンで手札5枚から展開したのに既に7枚に増えている。これがコナミの恐ろしいところだ。対戦相手の海野先輩も若干顔色が悪くなっているように思える。

 

「さらに俺は手札からゼラディアスを墓地に送り効果発動。デッキから天空の聖域をサーチする。そしてヘカテリスの効果発動、このカードも墓地にカードを送ることでデッキからヴァルハラをサーチすることができる。そして手札から天空の聖域を発動しその後手札からアースを通常召喚。アースの効果発動、デッキからアース以外の代行者をサーチし手札に加える事ができるが天空の聖域があるときデッキからマスター・ヒュペリオンをサーチすることが出来る。この効果でマスター・ヒュペリオンをサーチし手札に加える。ウラヌスは天空の聖域が存在するとき手札から特殊召喚することが出来る。この効果により特殊召喚!アースを除外して手札のマスター・ヒュペリオンを特殊召喚する!そして・・・・墓地には天使族4枚のみの場合手札から大天使クリスティアを特殊召喚する!

そして召喚成功時墓地に存在するオネストを回収・・・・・」

 

先攻1ターン、まだデュエルが始まったばかりだというのに既にコナミのフィールドは盤石なものになっていた。

高レベルモンスターが4体並びしかもクリスティアは相手の特殊召喚を封じる効果を持つ。

そして天空の聖域が存在する限り相手から与えられるダメージは全て0。

オマケと言わんばかりに彼の手札にはオネストが握られている。仮に攻撃力3000クラスのモンスターを召喚できたとしてもその攻撃力を吸収して返り討ちにあってしまう。

 

既に積みの状態だ。それを海野先輩も理解しているのだろう。彼女は震えを抑えられずに後退りするばかりだった。

 

「そして俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ。・・・・・・どうした?お前のターンだぞ」

 

コナミはエンド宣言から硬直していた海野先輩に対し挑発とも取れる言葉を投げかけてくる。

どうした?だと・・・・・この状況を作り出しておきながら何がどうしたなのだろうか!

これは超えられない壁だ!彼女のデッキにこの状況を一変させることのできるカードがあることを祈るばかりだ。

 

「私のターン・・・ドローッ!!・・・・・・・ッ!?」

ドローしたカードを見て海野先輩は一瞬にして笑みを浮かべた。

「私は手札から魔法カードハーピーの羽箒を「カウンター罠神罰だ」・・・・でも私はモンスターをセット!カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

起死回生となる筈のカードをアッサリと防がれてしまった。しかし彼女の闘士は未だ衰えておらず逆転を常に狙っている。

その証拠にあの伏せカード、アレは恐らくミラーフォースのような逆転のカードなのだろう。

しかしその細やかな抵抗すらコナミは残酷に踏みにじり彼女を追い詰めていった。

 

「ドロー・・・墓地のジュピターを除外し効果発動!フィールド上に存在するカードを一枚選択して破壊する!俺はそのセットカードを破壊!」

 

マスター・ヒュペリオンの両手から光が発せられると海野先輩のセットカードが一瞬にして蒸発していった。セットされていたのは激流葬だったらしい。

 

「さらにマスター・ヒュペリオンは天空の聖域があればもう一度破壊することが出来る。墓地のゼラディアスを除外し効果発動!セットモンスターを破壊!」

再び光が降り注ぐとセットモンスターである素早いマンボーはあっと言う間に蒸発していった。

これで彼女を守るカードはあの1枚だけということになる。

 

「バトル・・・マスター・ヒュペリオンでプレイヤーにダイレクトアタック!」

「負けるものですか!私は罠、聖なるバリアミラーフォースを発動!!「カウンター、魔宮の賄賂だ」ッ?!!」

 

張り巡らされたバリアがデッキからカードが1枚自動で引き出されると同時に破壊されてしまった。

これで彼女を守るものは文字通り何一つ無くなってしまったのだ。

そんな彼女に無慈悲にも光線が降り注ぐ。

 

「キャァァァァァァ!!」

海野LP4000→1300

 

「終わりだ・・・クリスティアでプレイヤーにダイレクトアタック!!」

海野LP1300→0

 

この試合も何の苦戦もなくコナミは圧倒的に相手を蹂躙していった。

あの海野先輩が手も足も出せなかった。それだけ同じ学校に通う者は恐れ慄いてしまう。

そしてこの光景を見ていた観客も同じような感覚に襲われたのだろう。

極一部を除いて皆が彼という存在を受け止められないでいた。

あるものは恐怖からの否定、反抗、対抗・・・

あるものは恐怖からの従順、信仰、心酔・・・

しかしその何方であっても根源は全て「恐怖」から来ていたのだ。

 

これ程の観客をたった一つの感情によって支配しているあの男、コナミが次の僕の対戦相手だというのだ。

怖い・・・今直ぐにでも逃げ出してしまいたい。もし助かるのなら彼に這い蹲り命乞いをしてもいい。

だが同時にこう感じていた。負けたくない・・・あんな一方的なデュエルをして何もかもを力尽くで従え奴隷にするかのような行動をするコナミを打ち倒したい。

 

今、僕に必要なのは勇気だ!這い蹲り従順になり従いたいという恐怖心から来る心酔なんかを撥ね退ける事のできる強い勇気が僕には必要なんだ!

決して屈せず、決して臆さず・・・・そして勝利を願う真っ直ぐな勇気。

僕は恐怖を克服しなければならない。そうでなければ僕はこの先一生小波遊羅というデュエリストに恐怖して生き続けることになる。

 

「負けない・・・・・・僕が勝つんだ!」

己の信じるデッキをデュエルディスクに装填してフィールドに向かっていく。

このカード達が居る限り僕は恐れない、・・・・・・・恐れてなるもんか!!




「ミラーフォースのような逆転のカード」
そら周りからフラグを建てられれば勝てませんわ。

にしてもこれを書いていてホント恐ろしいカード達ばかりだ。

「絶対にコナミ君には負けない!」
と意気込むツァンちゃんの運命やいかに!!

・・・・・・あ、これで嶺ちゃんと海野さんはこれで退場です。


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ツァンの敗北(修正)

ネへモスの効果でツァンのフィールドが焼き払われてしまった。
負けないでツァン!貴方が負けたら今まで負けてきたデュエリスト達はどうなるの!?
ライフはまだ残ってる諦めないで!!
次回、「ツァン、死す」デュエルスタンバイ!!


デュエル開始まで後数分・・・・・・

既に会場にはコナミを否定する側、信仰する側として完全に別れてしまっている。

 

彼に向ける声援と罵声。その何方もその声に震えを感じさせていた。

その中に僕に対する応援は無いが僕に勝てという声がないのは観客もコナミの力を理解しているという事他ならない。そして僕に対して誰も期待していないということを表している。

 

その事実が酷く悲しく、そして同時に当然の結果だと納得してしまった。それほどのデュエリストなのだと染み染みと理解させられた。

その声援と罵声の飛び交う中から1人のデュエリストが僕の目の前に現れた。

 

コナミだ。彼が登場すると先ほどまでの酷い罵声は恐れの悲鳴と鳴き声に変わり・・・

声援は歓喜の悲鳴と神を敬うような狂気じみた言霊とかし会場に響かせていた。

その狂乱とも言っていい空間をゆっくりと歩みだし僕の目の前に立ちふさがった。

 

 

「ッ!?・・・・・・・(ゴクンッ)」

 

ひと睨みされるだけで全身の筋肉が硬直し汗が吹き出し心が悲鳴を上げていた。

逃げろ、逃げろ!そう叫ぶ心に対して僕は非常なまでにその心を制御し躾け一歩も惹かずにその視線を受け止める。

するとコナミはニヤリと笑みを浮かべた。そして視線を外しゆっくりと観客を見渡す。

 

それだけでしーんと会場が静まり返ったのだ。まるで人っ子一人すらいないというかのように会場から物音1つ消え去った。

そんな中でコナミは笑みを浮かべながら言った。

 

「・・・・・・どうした?先ほどまで煩く喚いていただろう。恐れることなんかない・・・・これは遊戯(デュエル)だ。皆楽しむといい・・・最後までなぁ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!

 

その一言に彼を信仰する者達は割れんばかりの歓声を上げた。

そして彼を否定していた者達もその恐怖から逃れようと今度は必死に僕を応援してくるようになった。

 

たった一言でこれ程までの人間の感情を支配するのだ。

ただの人間では到底到達出来ない境地にコナミはいる。

 

だからこそ・・・・・・・私は彼に勝ちたい。

デュエルで自身が払ったライフ以外一切のダメージを受けていないあの不敗伝説に終止符を打ちたい。

・・・・・・僕という1人のデュエリストの存在を彼に刻みつけたい。

 

MCの言葉と同時に互いにデュエルディスクを構える。

 

『デュエル!』

コナミVSツァン

コナミLP4000

ツァンLP4000

 

先攻は・・・・・・僕だ!

このターンで布陣を完成させなければ負けてしまう!だからこそここで・・・・

 

「僕のターン・・・手札から六武の門を発動!更に手札から六武衆の結束を発動し、そして真六武衆カゲキを召喚!

これにより門と結束にそれぞれカウンターが乗る!そして手札から真六武衆キザンを特殊召喚!」

 

「ここにチェーンして手札から増殖するGを墓地に送り効果発動!」

 

コナミが手札からカードを墓地に送るとその瞬間にフィールドに1匹のGが出現して私を睨みつけていた。

「ヒィッ!?」

 

余りの再現度に思わず僕は悲鳴をあげてしまう。観客の中でもそういった反応をしたものが多くいた。

 

「で、でもこのまま続行!特殊召喚成功!」

 

「そして俺はワンドローする」

 

これでコナミの手札は5枚となった。手札アドを与えるのは危険だと理解しているがそれ以上に中途半端なフィールドでは蹂躙されてしまう。こうなったら行くしか道はない!

 

「結束の効果発動!このカードを墓地に送りデッキからカードを2枚ドローする!そしてフィールドの門の効果発動!カウンターを4つ取り除きデッキから六武衆と名のついたモンスターを1枚手札に加える。私はこれでキザンを手札に加える!そしてもう一度六武衆の結束を発動し更に手札のキザンを特殊召喚!更に六武衆の師範を特殊召喚!そしてここで結束を墓地に送り2枚ドロー!」

 

「俺はキザンで1枚、師範で1枚ドローする」

これで7枚・・・・このドローに全てがかかっている!

お願い来て!!

 

「ドロー!・・・・・来た!私は大将軍紫炎を特殊召喚!!

これで貴方はこのモンスターが存在する限り1ターンに1枚だけしか魔法カードを発動出来ない!

更にこのカードが破壊される場合フィールドの六武衆と名のつくモンスターを変わりに破壊することでこのモンスターの破壊を免れる!」

 

これで布陣は完璧だ、既に僕のフィールドにはモンスターが5体並んでいる。そしてもう1枚は神の警告が握られている。これでならどんなモンスターが来ようとも確実に対処できる!

 

「・・・紫炎の召喚により俺は1ドロー・・・」

 

「最後の手札をセットしてこれでターンエンド!さぁ貴方のターンよコナミ!!」

 

この完璧の布陣、そう簡単に超えることは出来ない!

超えられるものなら超えてみなさい!!

 

「・・・・・・・」

 

今までに無い程静かなターン移動、これには観客も「あの魔王が負けるのか?」という言葉がチラホラ呟かれるようになった。

どうだ、あのとき僕を無視したことを後悔しているのだろう!

 

僕は強いんだ、貴方の隣に立てる程の強さを持っている!だから僕に倒されろ、そして僕のことを認めろ!

あのときの光景が今でも眼の奥に浮かんでくる。まるで敵としてすら見てくれなかったあの視線。

だがこのデュエルを終えた先でならあの視線から本当に敵と認識したときの視線へと変わるはずだ!

 

「・・・・・・セットカードは俺の札を封じるカード、戦闘反応型ではないな」

 

「――――――――――ぇ?」

 

伏せていたカードの存在を見ぬかれ思わず言葉が漏れてしまった。特に可笑しな行動を取っていなかった。なのに何故彼は僕のカードを見破ったのだろうか。

 

「この状況で最も恐れているのは全体除去能力を持つカードと除外効果を持つカード。

後者は主に次元幽閉やマクロコスモスなどと言ったカード群だ、奈落は破壊してから除外するので身代わり効果が発動するので脅威にすらかんじていない。

ならば何を恐れる?それはブラックホールのような全体除去カードに他ならない。

だが安心しろよ・・・・・このデッキには全体除去の魔法カードは1枚しか入っていない。そしてそれは今の手札には1枚も入っていない」

 

まるでお手上げというように両手を広げて戯けてみせた。

言葉回しは気に食わないがもしコナミが言っていることが事実ならば私の勝ちは確定する。

 

「そして俺の手札は全てモンスターカード・・・・・・ここで逆転のカードが引けるか勝負といこうじゃないか」

 

「・・・・・・・・・いいわッ、かかってきなさい!!」

 

喉が酷く乾いてくる、それ程にこの一瞬のドローに集中しているのは生まれて初めてのことだろう。

そしてゆっくりとコナミの手がデッキに向かっていき・・・・・・・

 

「俺のターン・・・・・ドロー」

静かにカードを引いた。

 

ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・

 

僕の心音が激しく鳴り響いているのを感じる。それほどまでにこの場は静まり返っていた。

観客も審判も主催者も皆全てがコナミのドローに神経を注いでいた。

 

「俺の引いたカードは・・・・・・・・・・手札抹殺だ」

 

「ってことは・・・・・・・・・僕の勝ちだ!」

 

全体除去カードではない、その事実に僕は勝ちを確信した。

僕を応援していた観客もそれに歓声を挙げていく。

 

 

だが、そんな僕達を突き落とすように彼は笑みを浮かべこういった。

 

「・・・・・・・・・いや、俺の勝ちだ」

 

 

「俺は手札から魔法カード、手札抹殺を発動!これによりお互いの手札を全て捨て同じ枚数カードをドローする!」

 

「ッ?!!どうしてそのカードを!?」

 

どうしてまだ続けるの?僕の勝ちじゃなかったの?!

 

「まだ俺のターンだからな、それでどうする?このカードの発動を止めるか?」

 

「・・・・・・・・・・・通すよ」

 

その言葉に笑みを深めながらコナミは手札を全て墓地に送っていく。そしてカードを同じ枚数ドローし終えてコナミは動き出した。

 

「俺は手札のリリス、ベルゼブル、シャイターンを除外して墓地のインフェルノイド・ネへモスを特殊召喚する!このモンスターは召喚に成功したときこのカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する効果を持つ」

 

蒼炎が吹き上がるのと同時に竜のような機械仕掛の悪魔がコナミの背後に出現した。

そしてその恐ろしい効果に僕は驚愕を隠せなかった。これまで魔法罠による全体除去のみを警戒していたためにモンスターによる全体除去を完全に見落としていた。寧ろそのようなモンスターが存在しているとは夢にも思わなかった。

 

「なんですって!?・・・・ッ、通させはしないカウンター罠発動、神の警告!

ライフを2000ポイント支払ってそのモンスターの召喚を無効にする!」

 

ツァンLP4000→2000

僕は慌ててカードを発動する、その結果コナミのフィールドのカードは消え去ったがそれを確認したコナミは更に笑みを深めるだけだった。

 

「なるほど、神の警告を入れていたのか。

ライフ4000のこのデュエルではかなりのリスクだが特殊召喚からの全体破壊や駆除を封じるのにはいい手だ。

・・・・・・だが俺には通用しない!!」

 

 

コナミが腕を前に突き出すと同時に先ほどの蒼炎が勢い良く吹き出しフィールドを焼いていく。

「墓地のヴァエル、アスタロス、ベルフェゴルの三体を除外し再び現われろ!インフェルノイド・ネへモスッ!!!」

 

今度の蒼炎は確実に僕のフィールドを焼き払い僕のモンスター達を一瞬にして灰すら残さずに償却していった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・確かに良い戦術だった。

君が繰り出すモンスター、そしてカードとのコンボ全てが素晴らしかった。だが、―――」

 

「まるで、全然!この俺を相手にするには程遠い!!」

 

コナミはそう言い捨て僕に向けて腕を振り下ろした。

 

「ネへモス・・・抗う全てを焼き尽くせ!」

その号令と共に悪魔は僕に向けて蒼炎を放ち―――――。

 

ツァンLP2000→0

 

一瞬にして返されてしまった。

あの展開すらどうすることも出来ずに蹂躙されるだけだった。

そして最後の最後まで僕のことなんかちゃんと見てくれなかった。

 

僕じゃダメなの?貴方の敵にすらならないの?

 

「あ、あはは」

 

やっぱりダメなんだ。あの怖いくらい魅力的な視線は常に他の誰か、僕じゃない誰かに注がれ続け僕はそれを外野で見続けるだけ。

僕じゃ・・・・・・・貴方の退屈凌ぎにすらならないのですか?

 

どうでもいいや、そう何もかも諦め僕はその場で意識を失ってしまった。

 

・・・・

・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・

 

どれだけ時間が経ったのだろう?気がつくと僕は白いベッドの上で眠っていた。

時刻は午後の2時でどうやら既にBブロックの戦いが始まっているらしい。近くのモニターでは他の誰かのデュエルが流されていた。

 

「僕・・・・」

 

「気がついたか?」

 

不意に僕に語りかけてくる人物がいた。そちらに視線を向けると驚いたことに僕の憎き敵であり、・・・・・・ほんの少し執着していた小波遊羅の姿がそこにあった。

 

「――――――――ふぇあ?!」

 

急に語りかけて来たので驚いて変な声が出てしまった。

本当に恥ずかしい。

 

「フフ・・・・そんだけ驚けるのなら大丈夫そうだ。驚いたんだぞ?あの後倒れてしまった君をスタッフと共にここまで運んだのだが・・・・・・」

 

「は、運んだ!?」

 

嘘、僕コナミに背負われていたの?!もしかしてお姫様抱っこされて!?

恥ずかしいッ!!その光景をテレビで撮られているんでしょう?!!

あぁぁぁぁぁぁッ!!

 

そんな僕の心の声を理解したのかコナミは慌てて僕にフォローをしようと語りかける。

 

「安心してくれ、デュエルの決着がついた時点で既に画面は切り替わっていたらしい。だから彼処で倒れたのは観客以外誰も知りはしない」

 

「それでも観客達が見てたってことでしょうッ!!もう恥ずかしい~~ッ!!?」

 

どの道あの場での恥は周知の事実として覚えられ続けるのだ。その事実に僕はなんとも言えない感情がこみ上げてきた。

 

「・・・・・・でも本当に素晴らしかった」

 

「―――ぇ?」

 

まさかの言葉に喚くのも忘れて固まってしまう。

 

「あのとき若しかしたら負けるかもしれないと思ったのはこの大会の中であのデュエルが初めてだった。

凄く緊張したし同時に凄く興奮したんだ。あんなデュエルが体験できて本当に感謝しているよ」

 

そう語るコナミの表情にはコチラを労う様子はなく心の底からそう思っているという意思が感じられた。

 

「・・・ほん、とう?」

 

「あぁ、本当さ。君とのデュエルはとても楽しかった。

あの次で引けなかったら負けという極限状態でのデュエルは早々味わえるものではない・・・・・・君と戦えて本当に良かった」

 

その言葉を聞いて自然と涙が溢れてきた。遠巻きでしか何時も見れなかった彼から、その圧倒的な強さを持ち僕なんかよりも遥かに強いあのコナミが僕のことを認めてそして褒めてくれたのだ。

 

 

「あ、あぁ・・・・・・・ぐすッ・・・・・ぼ、僕も戦えて良かった。貴方に認めてもらえて本当に良かったよぉ」

 

急に鳴き出した僕にコナミは慌てた様子で僕の背中を擦ってくれた。

その行動がどうしてかとても嬉しくて、更に涙がこみ上げてきた。

 

僕のことを無視してなんかいない、ちゃんと認めてくれていたんだ。その事実がとても嬉しかった。

 

きっとコナミはこれからもっと強くなっていくと思う。もしかした僕なんて足元にも及ばないほどに・・・・・・それでも僕はきっと貴方を追いかけ続けるだろう。

だから・・・これからも僕のことをちゃんと見ていて欲しい。

それだけで僕は満足なんだから。・・・・・・・・これからも宜しくね、コナミ。




「コナミ君には勝てなかったよ」アヘ顔ダブルピース(嘘)

はい、こうしてツァンやられてしまいました(色んな意味で)。
このような展開はいろいろとおかしいだろというツッコミもあると思いますがここはこのまま突っ切らせていただきます。

個人的に極度の恐怖や畏怖はソレがすぎると「尊敬や憧れ」といったその強さに対する好印象を持つことになると考えています。
誰かしら親を恐れそしてその強さに憧れた時期があるでしょう?
それと似たような感情だと考えてください。
それが全くの異性で尚且つ圧倒的な力を保持している。そしてその存在は自身なんか全く見ていないという事実に彼女は怒りを覚えたのです。
自身を見てほしいと、知ってほしいと。
しかしその感情は彼女の性格ゆえに表に出ずただの恐怖心からくる行動として見られるようになっていた。そしてそれは何時しか自身でもそうだと錯覚し今日この日の戦いまで恐怖しか感じていなかったと思い込んでいたのです。

そしてデュエルが進んでいき勝てるかもしれないと思った瞬間、自身の中にあった本当の思い(憧れなどの感情)が彼に自分という存在を認めて欲しいという欲求になった。というのが今回のお話です。
この描写を書きたいがために私は今まで彼女を余り使ってきませんでした。(エクストラ無しの六武衆デッキの回し方に苦戦したというのもありますが(汗))

次はいよいよ決勝戦、・・・・・・の前に新しいデッキ構築タイムですね。
同時にBブロックの決勝相手が決まります。
一体何赤マフラーさんになるんだろうなーマッタクワカラナイナー(棒)


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13

DDデッキの回し方ワガンね\(^o^)/
モニター越しにDDデッキを調べながら新しいデッキで挑もうとするコナミの前にとある人物が!!


Aブロックが終わり昼休憩を挟んでBブロックが始まるらしい。俺は麗華さんと雪乃と共に昼食(麗華お手製&雪乃お手製)を頂いてから決勝相手のディレさんが気になりそちらに向かうと告げて別れた。そのときに麗華さんから残念そうな視線と雪乃から「また誑し込みに行くのか」とでも言いたげな視線を向けられたがその全てを無視して向かった。

 

ていうか誰が誑しだ、自慢じゃないが俺は雪乃達以外の友達は1人もいないんだぞ?

どうやって誑し込むっていうんだよ。・・・・・・・・・・麗華さんの事は俺も弁解は出来ないが。

そうやって医務室でディレさんの様態を見ながらBブロックのデュエルをモニター越しで観戦していた。途中でディレさんが起きて少し話をして新しい友人になった。(ツァンと呼べって言ったからそういう考えで良いんだよね?)

 

その後も他愛のない会話をしつつ二人のデュエルを観戦しているととある1人の試合にカメラが変わる。

 

「私は手札のDDケルベロスとDDリリスを融合、冥府に渦巻く炎の中で、今1つとなりて新たな王を生み出さん!融合召喚!!生誕せよ、烈火王テムジン!!!」

紫色のカードと共にその烈火を纏った人型の悪魔はフィールドに降臨する。

それを観戦していた観客達はざわめきその新たな召喚法に皆が度肝を抜かれていた。

 

「うそ、・・・・・・・・あんなカード知らない」

隣で見ていたツァンちゃんも驚愕を隠しきれていない。無理もないだろう、この世界には未だ融合やシンクロ、エクシーズという召喚法は知れ渡っていない。だがたった今あのデュエリスト赤馬零児がその存在を舞網市に、日本に・・・いや前世界に示したのだ。

 

「融合召喚・・・」

俺もそのデュエルで召喚されたモンスターを凝視してしまう。

それもそのはずだ、前世ではあのカード群でデッキを作ることが叶わなかったのだから。

何を隠そうあのDDデッキには無くてはならない必需カード「地獄門の契約書」がないとあのデッキは回らないのだ。そのためその地獄門が高騰し1枚2000円超えしたこともある。コチラの世界からすれば桁が3つ程追加されて2000万くらいは下らないだろう。それほど重要なカードなのだ。

その為あのデッキの回し方を全く勉強しておらずどのような展開方法なのか覚えていない。そのためこのデュエルからその流れを学ばなくてはいけなかった。

・・・・・・・若しかしたら彼と決勝で当たることになるかもしれないのだから。

 

 

・・・・

 

・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・その予想は的中した。続く第二回戦では麗華さんとあたった。

麗華さんは深焰トークンからユベルをアドバンス召喚し反射バーンを与えることに成功したが防御札を引けずにDDナイト・ハウリングからの蘇生しリリスを特殊召喚からのテムジンの効果でケルベロスを蘇生、そして更に新しい召喚法の『シンクロ召喚』で疾風王アレクサンダーを召喚。

更に禁じられた聖杯の効果でユベルの効果を無効化され一斉攻撃を受けて麗華さんは敗退した。

もし彼女が攻撃反応型の罠を積んでいればまだ持ちこたえられただろうけれど彼女の性癖・・・・・・・性格上そのようなカードを積まなかったのが敗因だろう。後で聞いたのだが彼女の次のドローカードは火炎地獄だったそうだ。それがあればスタンバイフェイズで発生する契約書のデメリット効果で1000バーンでライフが0になっていたと悔しがっていた。

 

その後も赤馬零児は勝ち進みBブロック決勝では雪乃と対戦した。

そこでも赤馬はまた新たな召喚法『エクシーズ召喚』を披露し会場を沸かせた。

雪乃はハンデス型のリチュアデッキらしかったが先攻を赤馬に取られてしまったために意味は無く(寧ろ墓地肥やしをしてしまった)最後に戦乙女の契約書の効果で1000ポイントアップした悪魔達によって敗退した。

 

これで彼は「融合」「シンクロ」「エクシーズ」全ての召喚法をマスターしているということになる。

しかもそれら新しい召喚法は観客の心を掴み決勝進出が決まったときには観客全員が湧いた。

これ次の試合は完全にアウェーの中で戦わないといけないのか。

 

3つの召喚法に関しては特にいうことはない。隣ではツァンちゃんが新しい召喚法(特にシンクロとエクシーズ)に惹かれていたりしていたがそこら辺はどうでもいい。問題なのは・・・・・

 

既に持ち込んできたデッキは全て使い果たしてしまったのだ。

正直な話今回もインフェルノイドや代行天使、暗黒界を使用すれば勝てるかもしれないが相手は原作キャラでしかも主要人物だ。そのような安直なデュエルではどうしようもないだろう。

かといってネタデッキを持ち込んできても仕方がない。デュエルで舐めプは死につながるのだ。

 

さてどうしようかと悩んでいると医務室に誰かが入ってくるのを感じた。

振り返り確認しようとして、・・・・・・・その人物を見て驚愕する。

 

何故ならその人物は俺の記憶に残っている今最も会いたくない人物にソックリだったのだ。

「・・・・・・貴方が小波遊羅ですね?」

その低い声に特徴的な髪型、そしてシワだらけの容姿だが若い頃にはさぞ逞しかったであろうと予想出来るその眼差し。

その人物がスーツ姿で片手に銀色のアタッシュケースを持って俺のことを見つめていたのだ。

「急に話かけてしまい申し訳ありません。私はカード製造会社『イリアステル』の会長をやっているゾーン・イリアステルと申します。以後宜しく」

 

まんま老けた蟹の姿のゾーンが孫娘であるレインさんを連れて来たのだ。

 

――――――――あ、俺今日消されるかも。




突如現れたゾーン氏にコナミのSAN値はストレスでマッハに。

倒れないでコナミ!今貴方がここで倒れたら麗華と雪乃の仇討ちは誰がするの?!

ライフはまだ残ってる、土下座でもすればゾーンは帰ってくれるから!!

次回「コナミ、死す」デュエルスタンバイッ!!

やってみたかっただけ。


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14

コナミくんはシンクロモンスターをてにいれた。
コナミくんはとあるカードにきょうみをひかれた。
コナミくんのデュエル脳にへんかがしょうじている!
コナミくんは「○○○○Lv1」をしゅとくした!


ゾーン氏はそのまま医務室に入りこんでくる。それを邪魔することも出来ず俺も彼を入れ近くの椅子に互いに座りある種の面談のような状態で互いに見つめ合っていた。

「さて、・・・・今回ワタシがコナミ君の元に来たのはあるお願いがありそれを決勝で行ってもらうためにここに来ました」

 

そう言って手に持っていたアタッシュケースを机の上に置き開く。その中には真っ白な枠のモンスターカード、所謂シンクロモンスターだった。

「シンクロモンスター!?」

 

これに驚いたのは今まで俺の隣で様子を伺っていたツァンちゃんだった。彼女はアタッシュケースに入れられているシンクロモンスターを凝視し固まってしまった。つい先程その存在を明かされたばかりのモンスター群が目の前に大量にあるのだ。これを驚くなというのが無理なものだろう。

そのシンクロモンスターを広げ彼は俺を見てこう告げた。

 

「どうかこのシンクロモンスターを使用したデッキを作り次の決勝戦に出場してもらいたい」

ガタッ!ゾーン氏の言葉に一番に反応したのは矢張り隣で聞いていたツァンちゃんだった。

 

「そんな、・・・無茶でしょ!後数十分もないのにここでその新しい召喚法を用いたデッキを作れっていうの!?デュエリストにとってデッキとはそんなに簡単なものではないわ!何十時間という時間を掛けて漸く完成させる言わば己の分身といっていいものなのよ?それを見ず知らずの相手から与えられたカードで決勝に出ろなんてッ!!」

 

「おっしゃることは重々承知しています。私も一般のデュエリストならばこのような願い出をすることはなかった。しかしコナミ君ならばこのカード達を十二分に使用してくれると確信し頭を下げに来たのです」

 

「俺・・・・だから?」

その言葉に無意識に身構えてしまう。

だがゾーン氏は無言で頷いて話を続けた。

 

「はい、貴方の今までのデュエルスタイルを見せてもらいました。様々なデッキを使用しその独自の展開性を活かしそして勝利するという天賦の才を持ち何者にも屈さない不屈の精神を持っている。そんな貴方にこのカード達を使用してもらいたいのです」

 

そう言ってアタッシュケースを俺にそっと押し出すゾーン氏。その中身はジャンク・シンクロンなどの5D’sの主人公、不動遊星が使用したカード群だった。これを狙ってなく無意識で進めているのならば大したものだろう。

 

「だが俺に使いこなせると思うか?このシンクロモンスターはチューナーを用いた全く新しい召喚法のカードなのだろう?」

 

「・・・・・・えぇその通りです。しかし貴方ならばこのカードを無理なく使用できると信じています。・・・・その証拠に貴方のデッキには多少なりともチューナーモンスターが入っている」

そう返されて内心ドキリとした。

あれ?もしかしてヴェーラーとかは値段が跳ね上がってた?

 

「君が使用したチューナーモンスターは去年世界中で売りだされたパックに極わずかながらチューナーモンスターを交えて売りだされていました。何れ完成するシンクロモンスターへの先駆けとしてです。しかしその希少さからそのカード群を使用するドコロかコレクションする者ばかりで実戦で活躍させることが出来るデュエリストは今まで皆無だった。―――――そんな中貴方が現れたのです。数多のデッキを駆使しそしてシンクロを用いずともチューナーをいとも容易く扱うそのタクティクスに私は一種の希望を見出しました。・・・このシンクロモンスター達は我が社の命運を賭けたカード達なのです。お願いします、次の決勝戦ではこのカード達を使用してあの赤馬零児に勝利して欲しいのです」

 

ゾーン氏はそう言って俺に向けて再び頭を下げてきた。

やべぇよ、何がやべぇって色々とやべぇよ。

このカード達はアレでしょ?この人の会社の切り札なんだろ?それを俺が扱うってのもプレッシャーなのにそれを使用して必ず勝たなくてはいけないのだ。

幾ら見覚えのあるカード達だからといってそんな簡単にデッキが出来る訳ではない・・・・。

 

断ろうと考えていたその時、1枚のカードが俺の視界に入った。

「ッ!?」

その瞬間俺の体中に電流が流れるような錯覚に陥る。無意識に手がそのカードに伸びていった。

無言のままカードを取り出し暫く考える。

受ける受けないという問題ではない、そのカードをどのようにして活かすのかという思考を働かせていた。俺にとって既にこの話は受けると心に決めていたのだ。

 

「ゾーンさん、今からデッキを組む。その際に多少なりとも俺の持ってきているカードを使用するが問題ないか?」

「ッ!では受けていただけるのですね!?」

ゾーン氏の言葉に無言で頷く。

 

「あぁ、俺はこのカードを使いたい。このカードの可能性を俺は確かめてみたいんだ」

そう言って1枚のカードを彼に見せる。するとゾーン氏は一瞬驚いた顔をしてそれは直ぐに笑みに変わっていった。

 

「・・・・分かりました。それでは私達のカードを貴方に託します」

それだけ言ってゾーン氏は退出していく。共に来ていたレインさんもそれに続くように、・・・・一瞬コチラをチラリと見るが直ぐ様彼を追いかけて退出していった。

 

俺はアタッシュケースのカードから気に入ったカードを取り出しながらデッキ構築を行っていく。

途中で麗華さんや雪乃の声が聞こえたような気がするがその声すら耳に入らずデッキを作り上げた。

未だ1度も回していないデッキだが不思議とこのカード達なら戦える、そう信じられた。

そのデッキをデュエルディスクに装填してエクストラデッキもディスクに入れる。

 

そこで漸く下を向き続けていた顔を上にあげ・・・

「漸く気づいたのかしら遊羅。酷いくらいデッキ構築に集中していたものねぇ?」

その声と共に後ろ唐突に抱きしめられた。

「うぉ?!ッ・・・・・・・雪乃か?」

 

後ろから顔を覗かせている雪乃の姿が見れた。

「本当に呆れるくらいの集中力ね。私達が戻ってきたというのに一言も声を掛けてくれないなんて」

「・・・・・・・・・酷いです」

呆れ顔の雪乃とその後ろには少々涙目になっている麗華さんが俺のことを見ている。

隣にいたツァンちゃんも同様に呆れ顔をしていた。

 

「・・・・・・ふぅ。事情はそこのディレさんから聞いたわ。―――私達は負けてしまったからとやかくは言えないけれど・・・・勝ってね遊羅」

 

「その・・・・頑張ってくださいねコナミ様」

 

「僕に勝ったんだから次の赤馬戦、絶対に勝ちなさいよ!」

 

3人それぞれの激励を受け俺は軽く笑みを浮かべて力強く頷く。勿論勝ってみせるさ、今の俺は今まで以上に高ぶっている。このカード達で何処まで行けるのかと考えると楽しくてしょうがない。

暫くぶりにシンクロ(のみだが)召喚が解禁されたのだ。

 

思いっきりぶん回してみたい、接戦するようなデュエルもしてみたい。

しかも相手はあの赤馬零児だ、思いっきりやっても付いてこれるだろう。――――いや・・・もしかしたら俺の方が追いかける側なのかもしれない。

それならば俺の持てる力全てを持ってして相手になるだけだ。

 

俺は3人に声援に右手でグッドサインをしながらフィールドに向かっていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次がこの大会最後の戦いだ。やるからには優勝を目指してみせる!




おや?コナミくんの様子が・・・


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DDDVSスターダスト(大幅修正版)

今回は大会最終戦ということで視点を三人称で進めていきます。

いやぁ~難産でしたわ。DDD使わないものだから効果が分からなくてWIKIに頼りがちで。
今回で大会は終了。暫くは次の展開を考える為に更新期間が開きます。

次回更新した時にお会いしましょう。それでは・・・。


会場内は全席埋まっており座っている観客達は今か今かとざわつきながらフィールド内を見る。

その抑えきれない興奮を感じたのかMCも生唾を飲み込みながら声が震えないように微調整する。

1分・・・2分・・・3分・・・

予定時刻に向かって時計の針は進んでいく。試合開始時間になればここにいる観客達はどのような絶叫と歓声を挙げて選手達を迎えるのだろう。

単なる歓喜か?それとも恐怖心からくる嘆きか?

いいや違う、ただ渇望しているだけだ。ここにいる者達は皆未知なるモノに興味を惹かれているだけだ。

皆の予想外な戦法とカードの使用法で幾多の強敵を瞬殺していった少年、「小波遊羅」。

未知なる召喚法を用いて順調に勝ち上がってきた少年、「赤馬零児」。

この二人がこの大会でこのバトルフィールドで己の全てを引き出して互いに刃を当て勝利を掴もうとする。

そう想像するだけで彼の興奮は抑えきれなかった。

 

彼も、MCであるニコ・スマイリーでさえ今では1人の観客としてその勝負を心待ちにしていた。

 

・・・・・・・・そして、そのときが訪れる。

突如スタジアムの電源が落ちたと思うと2つのスポットライトが選手入場口を照らしだしていた。

ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・

 

大会側が用意したであろうBGMが会場内に鳴り響く。それは観客の心音とクロスしまるで己から聞こえてくるような錯覚さえ与えた。

 

ニコは選手の準備が出来た合図だと知っているため徐ろにマイクを握りしめる。

そして、

 

『皆様!長らくお待たせいたしました!!今宵の舞網大会の最終試合、Aブロックを圧倒的な力を持ってして突破した「独裁帝王」、小波遊羅と!様々な召喚法を駆使し変幻自在に戦うデュエリスト、「錬金術士」赤馬零児の二名の入場でぇぇぇぇぇすッ!!!』

スモークが勢い良く吹き上がり入り口を隠す、しかしその奥に二人の少年の姿が影として映しだされているのに皆は気づいた。そしてスモークが晴れていくとゆっくりと二人はフィールドへと歩みだした。

 

ゴゥッ!!

 

二人の姿を目にした途端、観客達は大声で歓声を挙げて選手たちを讃えていた。

 

片方ではコナミに対する声援でありその内容は過激なものが多い。

どうやらコナミの圧倒な力とタクティクスに半数の観客は心を奪われたようだ。

対する赤馬への声援も負けず劣らず過激である。

コナミの今までの戦い方を良しとしない観客達が未知なる召喚法を使用する赤馬に対し期待を込めてのモノばかりである。

しかしその観客の声すら今の二人には到底耳に入っていないようだった。

 

ただ無言で各々の位置につきMCの指示を待っていた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

会場内の緊張は高まり続ける。そして運命の時間が遂にやってきたのだ。

『・・・・・・・それではお待たせいたしました。決勝戦を開始いたします!ルールはスタンディングデュエル、ライフは互いに4000!・・・・・・・・・・・・・・・・デュエル開始ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』

 

『デュエル!!』

小波遊羅VS赤馬零児

 

コナミLP4000

赤馬LP4000

 

先攻は赤馬からだ。

 

「私のターン・・・手札から地獄門の契約書を発動する。

これにより(1)の効果によりデッキからDDモンスターをサーチ!・・・・私はDDリリスを手札に加える。

そして永続魔法、魔人王の契約書を発動!手札のDDリリスとDDケルベロスを融合!

冥府に渦巻く炎の中で、今1つとなりて新たな王を生み出さん!融合召喚!!生誕せよ、烈火王テムジン!!!」

 

青と赤が交じり合うエフェクトの中に2体のモンスターは飲み込まれそして炎を纏った人型の悪魔が赤馬のフィールドに降臨する。

融合モンスターが召喚されると会場は一気に盛り上がっていく。

 

『赤馬選手、先攻からDDD融合モンスターを召喚しました!既にフィールドが出来上がりつつあります!』

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

手札を全て消費して赤馬のターンは終了する。

 

「俺のターン・・・ドロー!」

コナミがカードを引きその内容を確認する。カードを確認すると同時に笑みを浮かべていた。

 

「俺は手札から魔法発動、調律!この効果によりデッキからシンクロンと名のつくチューナーモンスターを1枚手札に加える!」

 

「何ッ!?」

ここに来て漸く赤馬の表情が変化した。彼にとってまさかコナミがチューナーモンスターのデッキを組んでいるとは思いもしなかったのだろう。

これには観客も困惑したような声を上げる。

 

『ななな、なんと!?コナミ選手がチューナーモンスターを手札に加えました。これはもしかして、もしかするかもしれません!』

 

「俺はデッキからジャンク・シンクロンを手札に加える。

そしてデッキをシャッフルしデッキトップを1枚墓地に送る。

・・・墓地に送られたのはレベル・スティーラー!そして手札からジャンク・シンクロンを召喚!

効果発動、墓地に存在するレベル2以下のモンスターをフィールドに特殊召喚する!」

 

「1枚で展開出来るモンスターか・・・」

コナミが使用したモンスターの恐ろしさを理解した赤馬はジャンク・シンクロンを警戒する。

 

「続けるぞ、墓地から特殊召喚に成功したとき手札からドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

黒い衣服に身を包み銃火器を持ったモンスターが登場する。これにより場のレベルは合計6となった。

 

「・・・行くぞ!俺はレベル2ドッペル・ウォリアーにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!

集いし星が新たな力を呼び起こす、光差す道となれ!シンクロ召喚、いでよジャンク・ウォリアーッ!!」

 

機械仕掛けの空飛ぶ戦士がコナミのフィールドに登場する。

「攻撃力2300・・・」

 

「ここで墓地に送られたドッペル・ウォリアーの効果発動!シンクロ素材として使用されたとき攻守400のドッペルトークンを2体特殊召喚する!」

 

「更に素材要因を残すだとッ!?」

 

「そしてジャンク・ウォリアーの効果発動、フィールドに存在するレベル2以下モンスターの攻撃力の合計分ジャンク・ウォリアーの攻撃力をアップさせる!パワー・オブ・フェローズッ!!」

 

フィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの合計値は1400。これを加算され攻撃力は3700となった。

 

「更に手札からクイック・シンクロンの効果発動、手札のジェット・シンクロンを墓地に送りフィールドに特殊召喚する!

このモンスターはシンクロンモンスターの代わりに固定チューナーとなる。

これにより俺はロード・シンクロンを選択する。俺はレベル1レベル・スティーラーとレベル1のドッペルトークン2体とレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!!」

 

「集いし希望が新たな地平へいざなう、光差す道となれ!シンクロ召喚、駆け抜けろロード・ウォリアーッ!!」

その叫びと共に巨大な機械仕掛の戦士がフィールドに登場する。

観戦席で見ていた麗華達も流れるように展開していくコナミのフィールドに呆然とする。

 

「攻撃力3000に攻撃力3700・・・・」

 

「このモンスターが2体とも通れば・・・」

 

「コナミの勝利よ!」

 

しかしその場を見つめるコナミは無表情のままだ。内心でここで終わることはないと理解しているのだろう。

 

「・・・・バトルだ、ジャンク・ウォリアー!烈火王テムジンに攻撃!」

 

拳を振り上げて撃ち抜こうとし・・・

 

「カウンター罠発動!攻撃の無力化。これにより攻撃を無効にしバトルフェイズを終了させる」

 

拳がモンスターに当たる瞬間にその空間が歪んでいく。

 

『おぉぉっと、赤馬選手は防御罠を発動してこのターンでのワンキルを防いだァァァ!』

 

「・・・・・俺はメイン2に移行する。

そしてロード・ウォリアーの効果発動、デッキからレベル2以下の戦士又は機械族モンスターを特殊召喚する。

俺はボルト・ヘッジ・ホックを守備表示で特殊召喚!」

 

ボルトを身体につけたハリネズミが防御の体制で特殊召喚された。

「俺は手札を2枚伏せてターンエンド」

 

コナミも手札を全て消費しターンを終えた。

互いに未知なる召喚を駆使した必死の攻防に観客のテンションは高まり続けている。

 

「私のターン、ドロー!そしてスタンバイフェイズにより契約書のデメリット効果により私は2000ポイントのダメージを受ける。・・ッッ!

―――そして私は地獄門の契約書の効果発動!これにより私はDDナイト・ハウリングを手札に加える!」

LP4000→2000

 

2000ライフという膨大な資金を支払い契約を続行させた赤馬。そしてその効果を再び使用し手札に加えたのは口をだけの悪魔モンスターだった。

 

「そして私は先ほど手札に加えたチューナーモンスター、DDナイト・ハウリングを召喚し効果発動!

墓地のDDモンスターを対象にして発動し自分フィールドに特殊召喚する。

この効果によりこのモンスターの攻守は0となり破壊されれば1000ポイントのダメージを受ける。

更にこのターン私は悪魔族モンスター以外の特殊召喚を封じられる。

しかしシンクロ素材とするのならばこのリスクは意味が無い。私は墓地のDDリリスを特殊召喚!」

 

口が地面を噛みだしたと思うとその空間が歪み中から悪魔の妖婦が姿を表した。

これでレベル4と3が並んだことになる。

 

『これで赤馬選手のフィールドにチューナーモンスターが現れた!もしかしてもしかすると出て来るのかぁぁ!?』

 

フィールド上に並ぶ2体の悪魔モンスターに観客は好気な視線を送る。次に何が起こるのか見逃さないように集中していた。

 

「私はレベル4のDDリリスにレベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング!

闇を切り裂く咆哮よ、疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!シンクロ召喚、生誕せよレベル7疾風王アレクサンダーッ!!」

 

竜巻を纏いながら白銀の鎧を身に纏った悪魔が赤馬のフィールドに降り立つ。

これによりテムジンに動きが生じる。

 

「ここでテムジンの効果発動!墓地のDDモンスターを特殊召喚する。

この効果によりDDリリスを特殊召喚!そしてアレクサンダーの効果発動、このカード以外のモンスターが特殊召喚された場合墓地のレベル4以下のDDモンスターを特殊召喚する!

現れよDDケルベロス!」

 

何度目かの妖婦と番犬の登場である。この手のデッキ故仕方ないと思うもコナミは苦い表情する。

『これによりレベル4が2体となったぁぁぁぁぁ!』

 

「・・・・期待してもらっているところ悪いが今回はエクシーズではない。

魔神王の契約書の効果発動!フィールドのDDリリスとDDケルベロスを融合!

怪しき妖婦よ、地獄の番犬と混ざりて真の王と生まれ変わらん!融合召喚!神の威光を伝えし王、神託王ダルクッ!!」

 

 

悪魔の翼を広げた青白い肌の女性がレイピアを振り上げて赤馬のフィールドに舞い降りる。

 

 

『これによりシンクロ1体、融合2体の大型モンスターが3体並んだぁぁぁ!

しかしどのモンスターも攻撃力は3000を超えていない、コナミ選手のフィールドをどうやって攻略するのだろうかぁ!!』

 

 

「確かにこのままでは太刀打ちすら出来ないだろう。だが、これならばどうだ?永続罠発動!戦乙女の契約書!(1)の効果により手札のDDパンドラを墓地に送りフィールドのカードを1枚破壊する!私が選択するのはジャンク・ウォリアーだ!!」

 

罠カードから真っ白な羽のエフェクトが現れるとそれは勢い良くジャンク・ウォリアーに突き刺さっていった。

 

「ぐおぉぉぉっ!?」

「ジャンク・ウォリアー!?」

 

「バトルだ!テムジンでボルト・ヘッジホッグを攻撃!」

 

テムジンが持った武器を持ってしてヘッジホッグを破壊する。

 

「続けたいところだが今の私の場のモンスターでは君のモンスターを倒す事ができない、私はここでターンエンド」

 

仕留め切れなかったことに苦く思うもこれ以上の追撃は不可能なため赤馬は終了する。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

このターンで逆転出来るカードを引かなくては次で負ける。そう確信してコナミはカードをドローした。

 

「因みに、言っておくがこの戦乙女の契約書は相手のターン時自分の悪魔族モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる」

 

テムジンATK2000→ATK3000

アレクサンダーATK2500→ATK3500

ダルクATK2800→ATK3800

 

しかし赤馬のフィールドがソレを許さない。

 

「・・・俺はロード・ウォリアーの効果発動デッキからマッシブ・ウォリアーを守備表示で特殊召喚・・・このままターンエンド」

 

手札を1枚残してこのターンを終了させる。

 

「よし、これで赤馬は契約書のデメリット効果により3000ポイントのバーンダメージを受けるわ!」

 

ツァンは先ほどのターンを防いだことでこのターンでのコナミの勝利に喜ぶ。だが他の二人は未だに苦い顔をしたままだった。

 

 

「・・・・・でもあの赤馬がなんの対処もしてないとは到底思えないわ」

 

「それはコナミ様も同じ考えらしいです。見てください、次の追撃に対してコナミ様は構えている」

 

「私のターン、ドロー。・・・ここでスタンバイフェイズに私は3000のバーンダメージを受けることになる。

―――だがダルクの効果発動!私に与える効果ダメージはライフ回復効果になる!これにより私は3000ポイント回復する!」

赤馬LP2000→5000

 

『赤馬選手、デメリットをメリットに変える効果により一気に優位にたった!

これにはコナミ選手も苦しいのではないのでしょうか!?』

 

「そして私は地獄門の契約書の効果発動、手札にDDモンスターをデッキから手札に加える。

私はDDリリスを手札に加える。そして手札からDDリリスを召喚。

これによりアレクサンダーの効果発動!墓地のDDケルベロスを特殊召喚!そして2体のレベル4モンスターでオーバーレイ!

この世の全てを統べるため、今世界の頂に降臨せよエクシーズ召喚!生誕せよランク4!怒濤王シーザー! 」

 

滝の奥から勢い良く大剣を振り回しながら紫色の悪魔が登場する。

 

「ここでテムジンの効果を発動!墓地のDDケルベロスを特殊召喚!更に魔神王の契約書の効果発動!

フィールドのDDD疾風王アレクサンダーとDDD烈火王テムジンを融合!」

 

2体の王を飲み込みながら激しい覇気を纒う一体の悪魔が姿を現す。

 

「神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで新たな世界を切り拓け!融合召喚!出現せよ、極限の独裁神、怒涛壊薙王カエサル・ラグナロクッ!!」

 

巨大な玉座に座りコチラを見下ろす姿は正にDDD達の王といっても過言ではなかった。それほどまでの覇気を放つモンスターである。これの登場に観客達は押し黙りその圧に萎縮してしまった。

麗華達も同様にである。

 

「バトルだ、先ずは神託王ダルクでマッシブ・ウォリアーを攻撃!」

 

「ッ!!・・マッシブ・ウォリアーは戦闘では1度だけ破壊を間逃れる!」

 

ダルクのレイピアにより今度こそつき貫かれた。しかしその攻撃を耐え依然として佇むマッシブ・ウォリアー。

 

「ほう、破壊耐性持ちのモンスターか・・・ならばシーザーでもう一度マッシブ・ウォリアーを攻撃!」

 

「くっ!マッシブ・ウォリアーは破壊される」

 

シーザーの大剣の一閃により一刀両断されるマッシブ・ウォリアー。

 

「続けてこれだ!カエサル・ラグナロクでロード・ウォリアーに攻撃!ジ・エンド・オブ・ジャッジメントッ!!」

 

カエサル・ラグナロクの攻撃力は3200。この攻撃が通ればロード・ウォリアーは破壊されてしまう。だが・・・

 

「断ち切らせはしない!罠発動、くず鉄のかかし!」

 

2体の間にくず鉄で作られたかかしが突如出現してカエサル・ラグナロクの攻撃を防いだ。

 

「何?」

 

「攻撃反応型の罠だ。これによりカエサル・ラグナロクの攻撃は無効となった。そしてこのカードは再びセットする事ができる!」

 

「・・・・・・ならばメイン2に移行し手札のDDスワラル・スライムを墓地に送りその先ほどセットしたくず鉄のかかしを破壊する。これでターンエンドだ」

 

再び手札を全て消費し赤馬の猛攻は終了した。

 

何とか一時を退けるもコナミの現状は厳しいどころではない。フィールドにはカエサル・ラグナロクを含む三体の大型モンスターにDDケルベロスの計4体。更に言えばライフポイントも5000もあるという状態だ。

 

絶対絶命、それがこの場に置いて正しい答えだろう。

 

――――――そんな状態に陥っても、

 

「・・・・・・」

 

コナミの闘士は燃え尽きてはいなかった。それどころか更に燃え上がり顔には自然と笑みを浮かべていた。

これまでのデュエルでこれ程まで追い詰められたことはなく同時に苦戦したことは一度足りとも無かった。

だがこの瞬間、この場所でコナミは今までで最も楽しいと感じていたのだ。

 

「(これだ・・・・この緊張感、これだから遊戯王を・・・デュエルを辞められないんだ。

どんなに言われても恐れられてもその中で互角以上に戦える者と出会うこの瞬間、それだけで今までのことなんかどうでも良くなる。

ただ、―――――――勝ちたい。あの少年に、赤馬零児に勝ちたい!カードよ、デッキよ!俺に力を貸してくれ!!)行くぞ、零児!!俺の、タァァァァァァァンッッ!!!」

 

吠えるようにデッキからカードを引き抜く。

 

そしてそのカードを見て、・・・・・・・・・・・・・・・・カッとコナミの目は見開いた。

 

「俺は墓地のレベル・スティーラーの効果発動!ロード・ウォリアーのレベルを1下げて墓地から特殊召喚する!」

 

てんとう虫のようなモンスターがロード・ウォリアーの肩に止まり鎮座する。

 

「そしてもう1枚のセットカードを発動、エンジェル・リフト!墓地のレベル2以下のモンスターを特殊召喚する!俺はジェット・シンクロンを特殊召喚!」

 

「そして俺はレベル7となったロード・ウォリアーにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!

集いし願いが新たに輝く星となる、光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴンッ!!」

 

巻き上がる光の粒子はやがて台風のごとく吹き荒れる。その中心には緑色の粒子を振りまきながら出現する一体の竜の姿が映し出されていた。

 

「――――綺麗」

 

誰の言葉か分からないがその言葉はこの会場皆の思った言葉だった。

誰もが、対戦相手の赤馬でさえその白い竜に見とれていた。

 

「更に手札の魔法カードハーピィの羽箒を発動!これにより相手の魔法罠を全て破壊される!」

 

「クッ・・・これにより私は契約書3枚が破壊される!」

 

これで赤馬のバックはゼロとなった。

 

「続けて魔法、貪欲な壺を発動!これで墓地のジャンク・ウォリアー、ロード・ウォリアー、ドッペル・ウォリアー、クイック・シンクロン、ボルト・ヘッジホッグをデッキに戻しシャッフル!

そして2枚ドローする!」

 

コナミはデッキから2枚カードを引き抜く。

 

「そして手札1枚を捨てることにより墓地からジェット・シンクロンの効果発動!

このモンスターを再び特殊召喚する!この効果を使用した際、ジェット・シンクロンはフィールドを離れると除外される」

 

これによりフィールドにレベル1モンスターが2体並んだ。

 

「俺はレベル1レベル・スティーラーにレベル1ジェット・シンクロンをチューニング!集いし願いが、新たな速度の地平へと誘う、光差す道となれ!シンクロ召喚!希望の力シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンッ!!」

 

F1のようなフォルムのモンスターがフィールドに登場する。

 

「シンクロチューナー?!そんなカードはまだッ・・・!」

 

新たなモンスター、フォーミュラ・シンクロンに驚愕する。だが・・・

 

「フォーミュラ・シンクロンの効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功したときデッキからカードを1枚ドローできる!

ドローッ・・・・・・・・・・。―――――――――――」

 

「・・・?」

 

無言となり俯いたコナミの様子に赤馬は気付き疑問を抱いた。

 

それは観客達にも伝わりざわつき出すがそれは直ぐに驚愕の沈黙へと変わっていく。

風がコナミを中心に吹き出したのだ。

 

モンスターの登場エフェクトではなくコナミ自身から風が吹いている、そう感じられた。

 

最初に気づいたのは赤馬であった。そしてその風が徐々に強くなり自身の巻いているマフラーが靡き出しているのを見て息を飲む。

 

一方コナミには何も聞こえなくなっていた。ただ瞳を閉じその2体のモンスターから聞こえる鼓動を感じていた。

 

「(これは・・・この空間は遊星が到達した場所に似ている。まるで俺自身が風になったかのように・・・)」

 

視線を上げるとそこには1枚の白い枠のカードが浮遊している。そしてそこに薄っすらと白い竜の姿浮かび上がっていた。

コナミは知っていた。そのカードを・・・そして理解してしまった。今己のいる場所を・・・・。

 

明鏡止水とも呼べるその何をも感じずにいる澄んだ心。それこそがこのカードに至る唯一の方法だった。

今まで感じたことのない激戦とピンチの中興奮を超え、無我の境地に至ったことでこの力を手に入れることに成功した。

 

またの名を・・・なにものにも揺るがなき境地、『クリアマインド』という。

 

「ッ!!」

 

勢い良く瞼を開きコナミ高らかと腕を掲げた。それと同時に吹き続けていた風は突風となり上空に吹き荒れていく。

 

「くぉぉぉぉぉッ!?」

 

『きゃぁぁぁぁぁッ!!』

 

突然の突風に耐えようとする赤馬と帽子などを抑える観客たちは見ていなかった。

コナミの身体に薄っすらと白銀のような輝きが纏われていることに・・・・・。

 

「クリアマインドッ!レベル8スターダスト・ドラゴンにレベル2フォーミュラ・シンクロンをチューニング!

集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く、光差す道となれ!アァクセルシンクロォォォォッ!!」

 

その突風はスターダストの撒く粒子によって緑色がかりその中に2体のモンスターが突入していく。

そして・・・・

 

「・・・・ッ!消えたッ!?」

 

コナミだけを残してフィールドに居た2体のモンスターは姿を消していた。

 

「生来せよ!シューティング・スター・ドラゴンッ!!」

 

フィールドにモンスターカードをセットすると同時にコナミの後方に空間が広がる。

そしてそこから勢い良く白いドラゴンが飛び出し相手フィールド上を突っ切っていった。

 

これには赤馬の場のシーザーもダルクもそしてカエサル・ラグナロクも怯んだ。

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!デッキから5枚カードをめくり、その中にあるチューナーモンスターの数だけ攻撃できる!」

 

「カードの枚数だけ攻撃可能・・・」

 

「もしこれで5枚とも引けたら・・・・・遊羅の勝利が決まる」

 

「でも、5枚ともチューナーなんて確率的にも・・・・・」

3人はコナミの出したモンスターに感嘆のため息をつくもその余りにも博打な効果に思わず悲観的な思いをしてしまう。

 

「―――最後の大勝負というのか。いいだろう・・・かかってこい!」

 

好戦的な笑みを浮かべている赤馬。

それに答えるようにコナミも深く笑みを浮かべる。そして一気に表情を引き締めデッキトップに指を置いた。

 

 

「行くぞ!先ず1枚目、チューナーモンスター、ジャンク・シンクロン!」

 

これで1回の攻撃は確実に発生する。

 

「2枚目、チューナーモンスター、クイック・シンクロン!」

 

2回攻撃が可能となった。

 

「3枚目、チューナーモンスター、デブリ・ドラゴン!」

 

「うそ・・・これまでストレートなんて」

 

ツァンは今日何度目か分からない驚愕の声を漏らした。

それは3人共同じ思いらしく誰も口にせずにフィールドを見守り続ける。

 

「4枚目、チューナーモンスター、アンノウン・シンクロン!」

 

『これで四回攻撃が可能となりました!次が最後のドローです!!』

 

今まで黙り込んでいたMCも興奮のあまりマイクを強く握りしめている。

緊張が会場内を走る。

その1枚に皆が集中していた。

 

「これが最後のドローだ!5枚目、・・・・・・・チューナーモンスター、エフェクト・ヴェーラー!」

 

 

「合計5回の連続攻撃だと!?」

 

なんという引きをしているのだと赤馬は驚愕し・・・・そして賞賛した。

 

この手札にあのドラゴンを防げる手段は残されていなかった。

(・・・・・これ程のデュエリストがこのスタンダードに居たとは、彼は一体。

――いや彼は邪な考えを持っていない。

デュエルを通じてソレは良く分かった・・・次こそは勝たせてもらうぞ。小波遊羅!)

 

 

「バトルだ!シューティング・スター・ドラゴンで怒涛壊薙王カエサル・ラグナロクに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!!」

 

空中で5体に分裂しその内の一体がカエサル・ラグナロクの胴体に突撃した。

これによりカエサル・ラグナロクは爆発し攻撃力の差のダメージが赤馬を襲う。

 

「クッ!」

赤馬LP5000→4900

 

「二回目の攻撃、怒涛王シーザーに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」

「ぐぅぅッ」

赤馬LP4900→4000

 

「三回目の攻撃、神託王ダルクに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」

「うぐぅぅ!」

赤馬LP4000→3800

 

「四回目の攻撃、DDケルベロスに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」

「ぐぉぉぉぉッ!?」

赤馬LP3800→2300

 

これで赤馬のフィールドは空になった。最後の攻撃が決まればその瞬間に勝利が確定する。

 

「行っけぇコナミ!」

 

「決めなさい!遊羅!!」

 

「コナミ様ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがラストだ!シューティング・スター・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!スターダスト・ミラージュッ!!!」

 

 

「――――フッ・・・」

赤馬LP2300→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の攻撃が通りその後直ぐにリアルソリッドヴィジョンが切れた。

そして暫くの沈黙の後・・・・

 

 

『ワァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!』

 

衝撃のように観客席に居た観客達が湧き上がる。今までのコナミの行動など忘れて皆が最高のデュエルに賞賛を送った。

 

 

『決まったぁぁぁぁぁ!!決まりました!

長く険しい戦いの終え見事勝利という栄光を収めたのは数多のデッキを駆使し最後にはシンクロ召喚を主軸としたデッキを使用したデュエリスト、

「独裁帝王」小波遊羅が優勝しましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!』

 

 

コナミはその観客たちの歓声をただ静かに受け入れていた。そして静かに拳を突き上げ勝利したという意思表現を示した。

 

こうして世界に対し新たな召喚法と共に新しいプロデュエリストの産声を上げた。

後に疾走帝王と呼ばれる彼、小波遊羅の名が世界中に広まった瞬間であった。




コナミ君は揺るがなき境地-クリアマインド-を手に入れた。
コナミ君はフィールを手に入れた。

おめでとう、小波君はデュエル脳Lv3に進化した!

その内疾走決闘とかしだしそう。あのなんでもあり展開を私は書けるだろうか・・・・・・ムリポ(震え声)


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ハーレムとドS、2つを両立させる男・・・人は彼を鬼畜王と呼ぶ(実際呼ばれてます)
15


大会編が終わってからの後日談的な話です。
デュエルはしません、デュエルはしません(大事なことなので)。


大会が終わってから数週間の時間が流れた。

大会の興奮も徐々に冷めていき皆が普段通りの生活を送っている。かく言う俺も普段通り学校に通い授業を受け友人達とのデュエルを楽しむ毎日だ。

 

……………ごめん、めっさ嘘。

大会優勝者である俺の周りは一気に慌ただしくなり所謂時の人としてテレビなどを賑わせている。

優勝者だからかテレビの取材などで学校に突撃取材をしてきたりと学校側も対応するのに苦労している。

 

申し訳なく思い一度謝罪に向かったのだが寧ろ逆に誉め讃えられたくらいだ。

 

「うちの生徒からあの舞網大会優勝者が出るとは夢にも思わなかった。寧ろ胸を張りたまえ、これ位の苦労は我が校のこれからを考えればプラスだからね」

といって笑いながら許してくれた。

 

今までからは考えられない待遇である。今までなら教師陣が何故かビクビクしながら俺のデュエルに文句を言っていたのが掌を返すように肯定派になってサポートをしている。

 

クラスメートも俺が優勝した途端に余所余所しい態度から妙に馴れ馴れしくなっていた。

まぁその所為で不便になることは無いので適当に流しているが釈然としない。

あ、でもデュエルの相手が増えたのは素直に喜ぼうかな?

 

フルボッコにしてもその後からまたデュエルを挑んでくるのも増えてきたし。

後はあれか、雪乃達のと仲が良くなったか。

 

大会から良く連むようになって彼女らと共に行動することが多くなった。

 

…………何処かからハーレム築いたリア充野郎とか思ってるだろうがそんなんじゃ無いぞ?ただデュエルして飯食って買い物してって繰り返してるだけだし。

ただ何かとかけて服装とかアクセサリーとか尋ねられてきたのは正直困った。

 

俺ファッションセンスなんて皆無だから個人的に気に入った物を進めるくらいしかできん。

そうなると矢鱈とシルバー系統を薦めてしまうので気をつけているが……。

 

取り敢えずシルバーを巻けばいいんじゃねぇの?

こう一度呟くと皆に呆れられてその後雪乃主体のファッション勉強会(強制)が始まった。

もう女性に対する扱い講座は嫌でござる、その度に逆セクハラをされて正直俺の貞操が危ないと感じたわ。

麗華とツァンが居なかったらマジで危なかった。

 

後は……俺がプロデュエリストとなった事だな。

大会の後ゾーン氏が控え室に訪れて俺にイリアステルお抱えのプロデュエリストにならないかというお誘いがあったのだ。しかも凄く機嫌がよさそうで新しいシンクロカードをモニタして欲しいと言われた。

 

その話に俺は二つ返事で了承し速攻でイリアステル初のお抱えデュエリストの誕生が決まったのだ。

その翌日はそのニュースで持ちきりだったな、大会の結果からかイリアステル製のカードの売り上げも良く、新たに俺が使用したカードも販売するとたった2日で売り切れが続出、再販が間に合わないという嬉しい悲鳴を聞くようになったとか。

 

俺のマネージャー兼デュエル相手のレインさんが嬉しそうに語っていた。

 

個人的にも良い流れになっているのでこのまま充実した日々を過ごしていきたいと思っている。大会出てからはデュエルの相手に困らなくて非常に良い、今までは相手をしてくれと言っても怯えられて逃げられる事が多かったからな。

 

今度行われるプロ新人戦に向けてシンクロデッキを更に強化していこう。

何の因果か遊星さんの使用カードで組んでいるが何れはクロウやジャックなどのキャラデッキでデュエルするのも悪くないだろう。

 

明日は新人戦に向けての公式戦が行われる。

そのため今日はデッキ調整にレインさんには1日付き合ってもらおう。

あぁ、本当に毎日が楽しいな。




尚、その後解放されたレインはグッタリしていたとの事。


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16

七夕のため本来なら特別版を上げるつもりがデータが消えてしまい泣く泣くストーリーを進めることに(泣)

ん?茶番よりもストーリーを勧めろって?・・・・・・・・・知らんな。

今回もデュエルはない。いや正確にはデュエル描写はない(但しソリティアしようとしている)。


・・・プロデュエリストになってから数週間が経ち、俺は公式戦に出る日々が続いている。

使用するカードはその殆どがイリアステル製のカードで対策を取られないように低レベルデッキと高レベルデッキ、更に除外メインのシンクロデッキなどバリエーションを揃えている。

 

低レベルはジャンドだがシンクロモンスターはイリアステルのモノのみだ。

その為未だハイパーライブラリアンが完成していないためライブラリアンを使用できないでいる。

 

それとは別で高レベルのデッキでは聖刻シンクロだ。

トフェニからシユウ、そしてリリースされたことによりデッキからギャラクシー・サーペントを特殊召喚からのレベル8シンクロの流れが基本だ。

コチラのシンクロは主にドラゴン族で統一されている。

 

スターダスト(盾)にブラックローズ(ぐっぱ)、そしてトリシューラ(全て壊すんだ!)と一時代を築いたカードばかりだ。流石にブリューナクは入れないので比較的に優しい構築になっているがこれからの展開によっては満足龍やツォルキンさんを制作してもらうことになるかもしれない。個人的には月華竜とクリアウィング、魔王龍があれば何とか成るのでそちらを切望するのだけれど。

 

あ、そういえば近々シンクロモンスターを使用する「融合」カードを開発するという話が上がっていたな。

 

・・・・・うん、まぁ恐らくあのシンクロ・フュージョンだろうけれども。

あれって名前が言いづらくて大変なんだよね、えっとドラゴエクィテス・・・・クの辺りの発音がもう苦手だわ。

まぁ他にも/バスターなど5D’s系統のカードも開発しているという話だし気長に待つことにしようかね。

 

そういえば新人戦が終わってからヤケにLDSのデュエリストからデュエルを申し込まれることが多くなった。

 

新人戦初戦でLDSからのプロデュエリストが相手だったのだがワンターンキルをカマして速攻で終わらせてからLDSからの風当たりが強いんだよね。

やっぱもう少し善戦しました風のエンターテインメントでないとダメなのかね?

 

でもね、手札にワン・フォー・ワンとレベル・スティーラー、ジャンクロンにドッペルが揃ったらもうフル回転しちゃうでしょう?ワンキルは狙いたくて狙うんじゃなくて出来てしまうんだもの。

仕方ないよな。・・・・・・・・・・・え?俺が可笑しいの?

 

そう言えば今度麗華さん達がイリアステルが行おうとしているのプロデュエリスト育成試験に受けることになったんだと。

なんでも前回の舞網大会出場者に幅広く声を掛けてその中で一定の基準を超える人達を集めて企業からプロデュエリストを輩出させようというプロジェクトが動いているらしい。

俺はその栄えある第一号でこれからのデュエルに多大な期待が寄せられているとか。

 

・・・・・・正直キツイっちゃキツイ。俺の実力がどの程度通用するか分からないのでプロになってからどれだけ戦えるのか未知数だ。

だが、強敵達と戦えるという話を聞いた瞬間、何故かこう・・・・胸の奥からナニカが沸き上がってくるような感覚に襲われていた。

 

 

もっと激しく手汗握るデュエルが行える。あの赤馬零児戦のような死闘が再び行える・・・・そう思うと居てもたっても居られなかった。

今の戦績じゃ大手の大会に出場出来ないので公式戦を重ねて来年に行われるプロデュエリストの大会に出場する。それが今の目的である。

 

その為出来る限りプロに近い実力を持つデュエリストとデュエルを行っていきたいと思っている。

となるとLDSの他に有名なのを上げると・・・・・・梁山泊などだろうか。

 

今度公式戦としてデュエルを申し込んでみようか上の人達に相談してみよう。

勿論シンクロ召喚を使用したデュエルで商品アピールも忘れない。

 

そう言えばこの前ショップでシンクロモンスターの値段を見たのだがアレには驚いたよ。

ジャンク・ウォリアーが1000万もしていたんだぞ?多少生産されているとはいえ専用デッキじゃないと使用しづらいあのカードが1000万・・・・・・スターダストだと幾らになるのだろうか。

 

現在スターダストはオレ専用で3枚作成されており事によってはスターダストカテゴリーとして発展させるという話もあるため未だ市場に出回っていなかったが・・・・・・・もし1枚売ったとしたら10億はいくのだろうか?いや売らないけどね。

 

・・・・無くさないようにしよう。ソレ以前にアンティデュエルを仕掛けられたらなるべく乗らないようにしないと。

弁償しろなんて言われたら発狂しかねない。

 

―――――そろそろレインさんが来る頃なんだけれど遅いな。

今日は来週に行われるプロ十戦目のミーティングのために集まるっていう約束なんだけれど。

 

そう言えばこの前も対戦前にミーティングするって伝えたら顔を真っ青にして頷いていたな・・・・もしかしてアノ日なのだろうか。

それに最近「もういっそ・・・・・・気持よく感じれば・・・・・・・・・・原麗華のように・・・・・・・ブツブツ」と疲れた顔で呟いていたけれど体調が悪いのかな?

 

それなら今日は彼女を元気づける為に一段とデュエルに力を入れないと。

やっぱ疲れを取る方法と言ったらデュエルだよね!

 

さぁて、今日は前々から提案していたトリシューラループのソリティアに付き合ってもらおうか。

それともワンキル前提の開闢入りのカオスシンクロで行こうか、若しくは全てを止めるパルキオンビーストパルキオンの展開を決めようか。

やりたいことが多すぎて困るな~。




レインちゃんは順調に調教されてます(白目)
次辺りはデュエル描写を入れたいな・・・・・主にLDSとの。

レインちゃんは・・・・・このまま顔色真っ青系で行ってもらおうか(ゲス顔)。
流石にドMが二人も居ると躾けゲフンゲフン・・・・お話の展開上面倒くさゴホンゴホン・・・・・流れが悪くなってしまうのでね。

そして着々と侵攻していくデュエル脳。
何故疲れたときにデュエルをしようとするのか・・・・・私には分からない(書いた本人がなにをry)。


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17

最近漸くレモンスカッシュのパックが販売されましたね。(かなり日にちがたった模様)
その結果余り陽の目に見なかったラスターさんが値上がりしたりドボクザークさんが値上がりしたりとか色々と凄いことになってる状況です。
私は持ってたラスター2枚とドボク1枚を売って新しいカードを買いましたよ。
4800円美味しいです(^q^)
これで漸く念願のプトレノヴァインフィニティが出来る・・・・・・!!

あ、マジェスペクターは現在構築中です、マジで奴らは面倒なカテゴリーですよね。
俺のジャンドじゃ全く太刀打ちが出来ません(泣)


プロ10戦目を終えて俺は今後の会社発展の為に役員達とのミーティングに参加する事となった。

現在10連勝を飾り負けなしで通っているがそれでもまだ1年も過ぎていないルーキー。調子を崩して負けこむことになることを恐れているのだろう。

そのためか企業内で他の企業のプロとの交流戦を積極的にやっていこうという話が多く上がってきたのだ。

その話し合いに俺は直ぐ様2つ返事で了承した。

 

コチラでもそのようにしたいと思っていたところであったから願ったり叶ったりだ。となると候補として挙げられるプロデュエリストを抱えている企業は大体決まってくる。この街で一番プロを育成し抱えているのは間違いなくLDSだろう。彼処が此処一帯を縄張りとしているため他に企業お抱えのプロが少ないという意味もあるのだが・・・。

当初はゾーン氏やレイン(呼び捨てで呼んでと言われたため)は反対していた。プライベートで良くLDSの生徒達にデュエルを仕掛けられているという話が上がっていたからだろう。だがそれでも俺はもっと強いデュエリストと戦っていきたい、LDSという壁を越えていきたいという熱意を伝えた所何とか了承してくれた。

 

それからの展開は早く直ぐ様LDSの経営会社であるLCとの会談の手筈を整え社長同士の話し合いの結果近日に企業合同での所属プロデュエリストの大会を開くことが決定した。

 

出場するのはLCに我が社イリアステル、更に続くように数社が名乗りを挙げて今回の大会の開催が決定したのだ。

その報告を聞き俺は直ぐ様に麗華達に報告した。これでデュエルが出来るという喜びと同時にもしかしたら日程によって時々開催している特訓に参加出来ないかもしれないという謝罪を告げるためだ。

するとどういう訳か4人中3人には呆れられ「まぁコナミだし」と言われてしまった。解せぬ・・・・。

 

麗華は「出れない・・・・・・そう、ですか」と電話越しなのに非常に落ち込んでいる雰囲気を感じてしまい慌ててフォローをした。その結果次の休日麗華と出かける事になったのだが・・・・まぁそれはいいだろう。

 

明日は日曜、研修生の3人とレインとの特訓兼実習の為に会社でのデュエルが行われる。3人がどのようなカードを使用しデュエル試験官とデュエルをするのか非常に楽しみだ。

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・その日曜日となったのだが・・簡潔に言おう。

 

あの4人強すぎ。何なのあのレインのアンデシンクロデッキ、唯でさえ当時ではガチだったのにコチラのドロー力が加わりかなりエゲツナイ回転をしている。

 

デスカイザー・ドラゴン3体並んでから更にシンクロとか殺意満々だったわ。

それに雪乃のディーヴァからのトリシューラとか、グングニールとか彼女のデッキであるリチュアとの相性の良いカードだけだがそれにしてもハンデスにされ続けるというのはキツイだろう。

 

麗華は今までのドMデッキでは回らないと諦めたのかイリアステル製のカードでデッキを組み始めた。

その結果がライフなど知るかと言うようなガスタサイキックデッキの完成である。

いやいやガスタが強かったのはあの脳フィールドとメンマスがあったからであって自らライフを減らしに行くのは間違ってるぞ?

・・・・・何?ライフを減らしてスフィアードからの自爆特攻の衝撃波が堪らない?・・・・・・・そっか。

 

そしてこの中でもかなり強化されたのが何を隠そうツァンだ。元々カテゴリーとして優秀な真六武がシエンを加えて更にエゲツナイデッキへと変貌した。

 

打点の低さとフィニッシャーとしてはイマイチだろうがそれ以前に展開力で圧倒しているだろうがいい加減にしろ!・・・・・という感想をオブラートにして更に何十に包んで皆に話した所全員から、「お前がいうな、お前だけは言うな!」と何故か激怒された。

 

確かに試験官とのデュエル後に少々滾って皆に一度ずつデュエルを挑んで持っているジャンドでフルボッコにしたけれどそこまでいうことはないじゃないか。

 

“偶々”手札が良くて、

 

“偶々”ドローが良くて、

 

“偶々”カードの落ちが良かっただけだよ。

 

通常の事故った状態だったら皆に勝てたかどうか怪しいからな。・・・・・・・まだ一度も事故ったことは無いけれどね。

 

 

その後は散々「インチキドロー」、「ワンキル厨」、「ガッチガチ男」などあんまりな誹謗中傷を受けたがどうにか今日の特訓は終了することが出来た。

 

この後はいつも通り最寄りのカードショップでカード集めとパック買いをしに行こうと思ったのだが・・・・・・どうやら4人共まだデュエルをしたいのか今度は俺の家でデッキ構築も兼ねてデュエルしようという事になった。

最初はツァンが顔を赤くしながら反対していたが雪乃達に囲まれて何やら話をして・・・・その後渋々俺の家に行くと言い出したのだ。

 

おうちょっと待てや。

色々突っ込ませろ「私達にツッコミたい(意味深)?」喧しい!

大体どうして俺の家なんだよ、デッキ構築だけなら別に他の広い場所だって「遊羅の家なら泊まりがけでデュエル出来るのに」おうちゃっちゃか移動するぞアクしろよ。

 

俺は先ほどまでの不満を一瞬にして忘れ彼女らを自宅に上げた。一応一軒家の為1人では広く感じるが流石に5人も同じ部屋に居ると少々狭く感じる。まぁそれはどうでもいいか。よぉし今日は思いっきり楽しむぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

 

アカン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頭痛い。




「この時俺は気が付かなかったんだ。3人が頬を薄っすらと赤く染めて(ツァンは真っ赤っ赤)コチラに熱い視線を向けていたことに。そしてその後ろで雪乃がニヤリと口角を釣り上げていたことに。この時の俺は気づけなかったんだ・・・・・・・・・」

若しくは

雪「ココの近くにコナミの家があるんだけど・・・・来る?」
皆「あぁ^~いいっすね~」
コ「」
みたいな展開になりそう(コナミ感)



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18

夏休みが終わりましたね・・・そんな時期に何で俺は夏休みモノをあげようと考えたのだろうか。コレガワカラナイ

最近クレイドルとSPYフレームを使用するようになりました。あの相手を逆手に取る戦法って良いですね。使いように寄っては一方的にアドが取れて楽しいです。

しかし勝率が・・・・・・・・・。


*ちょこっと内容を変えました。


うぅ・・・頭が痛い。

昨日は確か皆と一緒にデッキ構築をしていた筈なんだけれど、どうして俺は横になっていたのだろう。他の皆に聞けば雪乃が巫山戯て持ってきたお酒を一杯飲んで意識を失ったと言ってたから多分それだろうけれど・・・それにしても俺ってそんなにお酒に弱かったのかなぁ?

 

それに皆赤い顔してるのは何でだ?皆も一緒に飲んでたのか?ダメだぞ、未成年の内にお酒なんてお兄さんが許しません!・・・・・・いや今の俺の年齢を考えたら同い年ばかりなんだけれどね。

 

取り敢えず昨日は殆どデッキ構築でデュエルが出来なかった為今日こそはと思っていたのだけれど昨日のお酒が抜けきっていないのか体全体が怠くて仕方がないのだ。

 

申し訳ないけれど麗華にベッドまで連れていってもらい今日は学校を休むことにした。

企業の方と学校の方には麗華達が伝えてくれるらしい何から何まで有り難いことだ。

 

――――――――――――――ところで、麗華達から香る石鹸の匂いは確か家の石鹸と同じ匂いだったような気がする。今朝に入ったのか?でも俺が起きたのって確か朝の7時くらいじゃなかったっけ。皆早起きなんだな~。

 

 

 

そんなお泊り会をやってから数日が経ち、俺たち高校生にとって初めての長期休暇に入ろうとしていた。

 

そう・・・夏休みだ。

 

といってもその期間は大抵大きな大会があるためゆっくりと休める時間は余りないがゾーン氏が気を効かせてくれたのか少々遠出の旅行券を俺たちにくれたのだ。

普段仕事として貴重な時間を割いて貰っているからとオープンしたばかりの南の島の旅行券とは全く豪勢だな。

特に用事を入れていなかったため俺はその旅行に喜んで行くことにした。麗華達も予定を入れていなかったからか皆で南の島に行くことになった。

・・・・・・なったのだが、そこで俺は1つの問題に気がついたのだ。コッチに来て水着を買っていないということに。そのため俺は水着を買いに行こうと考えたがそれならば麗華達も誘っておこうと考え皆に連絡を入れて待ち合わせた。

 

ただの買い物の筈なのに・・・

「おい、何余裕ぶっこいてんだテメェ!」

 

何で俺はこのヤンキー共に絡まれているのだろう。

ただ待ち合わせ場所で皆と合流したと思ったら変な男共が付いて来てイキナリ「その女の子達俺らに寄越せよ」と言ってきた。

いや、俺のモノでも無い上に人をモノ扱いするのはどうよ?

 

取り敢えず無視してどっかに行こうと皆を連れて行こうとしたんだけれど何だか諦めきれないのか俺たちを引き止めるように回りこんできたんだ。

 

それでツァンちゃんがキレて文句を言おうと前に出てその彼女を取り押さえるように男の1人が掴みかかってきた。俺はそのツァンちゃんを止めようと動いたんだが・・・そこで躓いてしまい転びそうになった。

思わず何かを掴もうと手を伸ばしたら何故か男が吹っ飛んでいて腕の中にはツァンちゃんがいた。

 

なぁにこれ?

 

いきなりのことでツァンちゃんも顔をも真っ赤にしてたし他の皆からは賞賛されるしで訳が分からなかったよ。

 

だがもっと意味不明なことに吹き飛ばされた男の仲間にデュエルを挑まれたんだ。

 

何でもココイラ一帯を仕切っている不良グループらしくそのメンバーが喧嘩で負けたという噂が立つのはメンツに関わると言い出したのだ。いや意味わかんねえよ、嫌だよ面倒くさいと言おうとしたのだが強引にデュエルさせられるという展開になってしまった。

 

どうしてこうなった・・・。

 

 

はぁ、今日は本当に疲れた。荷物持ちはしなくて済んだけれど彼女らの衣装選びで何時間も選び続けるんだもん。女の子の買い物って大変だねぇ。

 

あ?デュエル?勝ちました。というか相手が弱すぎて話にならなかった。

なんかアチラの最強モンスターはギルフォード・ザ・ライトニングらしくそのモンスターを召喚してから凄いドヤ顔してたけれど・・・うん、その程度なら麗華達のデュエルのほうが何十倍も有意義だったと思えるくらいお粗末だったよ。

 

その程度の腕で挑んでくるなという怒りを覚えながら俺は大人気なくPSYフレーム使ってしまった。

 

流石にもう少し優しめのデッキにしてやれば良かったかな?でも今持ってるのってシンクロンにクレイドル、BFくらいだ。

 

じわじわ嬲り殺していないからまだ有情だよ、うん。

だけどその後から妙に俺に対して怯えたような表情になってついつい意地悪してしまった。

買い物しようと出掛けたのに変な奴らに絡まれて多少苛ついていたんだコレくらい許して欲しい。

 

でもそれがイケなかったのか、それでかなんでか知らないけれど奴さんら全員が俺の部下になると言い出してさ、もう大変だったよ。

別に舎弟なんて要らないっての。もう二度と絡んでくるなって伝えたかっただけなのに・・・。

 

そんな野郎どもに言い寄られて困り果てた俺を助けてくれたのは麗華達だった。

 

彼女らが野郎どもに何かを言い聞かせて気がついたら野郎ども全員が麗華達に「姐さん方」と敬語?呼びするようになってその後の買い物にも従者のように着いてくるようになった。

 

凄いね、一体何を言ったらあの野郎どもを仕切ることが出来るのだろう・・・・。

取り敢えず俺からは無闇矢鱈と無関係な人達に喧嘩を売るなと言い聞かせて買い物が終わった後に奴らを開放した。ていうかさっさと帰らせた。

 

あんだけゾロゾロと後ろから着いてこられてたらコッチとしては堪ったものではないからね。

 

 

・・・

 

・・・・

 

・・・・・

 

後日聞いたのだけれどあの連中は本当にココ一帯の不良グループのトップらしくデュエルの腕で伸し上がっていたらしい。

 

そんで俺がソイツらを(デュエルで)打ちのめしたからか俺がココ一帯のリーダーという扱いになっているとか・・・解せぬ。



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19+α

久々の投稿です。
覚えてる方居るのかな?

でも未だにデュエル描写がかけてない上に話が進まない模様。

いっその事一気に事件発生まで時間を飛ばそうか。


どうも、不良グループのリーダーであるコナミです・・・。

あかん、めっちゃ嬉しくないんですけど。

というか正直どうして俺がリーダーなんぞやってるのか疑問に思って仕方がないんですけど。

 

その事を周りに伝えると決まって皆「なるようになる、ってかデュエルの時のアンタは正に悪者そのものだから問題ない」としか言わないし。

 

それって酷くないか?俺はただデュエルをしているだけで幸せなんだよ。

きっと相手も同じ思いになってくれているはず。それを「悪者っぽい」って言われるのは正直嫌だな~。

 

そんな事を愚痴で零すと雪乃が「でも、その称号があれば色んなデュエリストが貴方とデュエルしてくれるかもしれないのよ?」と囁いた。

 

・・・・・・ふむ。

確かにそれも一理あるな。でも不良達を纏めるなんて出来ないしな~。

 

「なら悪さをする不良達をデュエルで懲らしめればいいじゃない。

その勢いでここら一帯の不良を管理すれば、地域への不良による被害も抑えられるし、遊羅の強さを聞きつけて猛者が遊羅にデュエルを挑もうとする。

地域貢献に犯罪抑制、そして貴方のデュエル脳も満たされる・・・一石三鳥でしょう?」

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・そうだな、確かにデュエルでのし上がったってこの前の不良さんが言ってたしデュエルを仕掛けて注意を促すというのは良いかもしれない。

悪いことしていたらデュエルも楽しめないだろうしね。

 

よし、なら手始めに付近にいる不良達に言い回って来るよ。

 

―――――その後、俺はこの町にいる不良の数人を捕まえてこの町での暴力行為や犯罪行為の禁止を皆に伝えてもらえるように「デュエルで」お願いした。すると皆凄く友好的になり一週間もしない内にこの町だけではなくとなり町まで不良たちによる犯罪行為がぴったりと収まったらしい。

 

らしいというのは俺がこの眼で確認したのではなく雪乃から伝えられたからだ。

 

期待していた猛者とのデュエルは未だ実現できていないがそれでも犯罪抑制には成功したらしい。

うーん、一人一人丁寧にデュエルをした甲斐があったかな。

 

やっぱ葉隠流「覚悟完了!!」デッキは素晴らしいな、全員に一発ずつスクラップ・フィストを食らわせたことで俺の想いも伝わったのだろう。

 

なんか雪乃達から「チョロい」、「デュエルしか考えてないのでは」、「やっぱデュエルが絡むと鬼のようになるよね」とかの囁きを偶に耳にするけれどどういう意味だろうか。

 

後1つ、俺にとって良くないことが起きた。新しい称号である。

あの問題行動を起こし続けていた不良グループを倒し配下に置いた(と思われているらしい)として「決闘番長」という何とも厨二臭い称号を与えられた。

 

不良達に困らされていた町内会の皆々様からは「よ、決闘番長!」と讃えられ、

倒した不良グループから兄貴と慕われ、

回りにいる彼女達は「兄貴の女達」という不名誉な称号を得てしまい、

更に近隣付近の小中高学生からは「ヤンキーのトップ」として畏怖されたりと辟易としていた。

 

これも一週間も経たずに広まっているのだから正直堪ったものではない。

何とかこの称号だけは辞めてもらおうと思うも既に定着し、これで俺の称号は・・・、

「狂王」

「鬼畜王」

「女の敵」

「玉砕王」

「絶対裁定」

「鬼畜否定」

「独裁帝王」

「疾走帝王」

「決闘番長」の計9個となった。

 

もうどれか消してもいいんじゃね?ていうか覚えてる人いないって。

 

まぁ、そんなことはどうでも良いだろう。もう手遅れだろうし・・・。

 

人の噂も何とやらって言うし何時の日かこの称号も消えてくれるだろう。

・・・・・・消えるよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

コナミが不良達に恐怖(デュエル)を刻みつけている頃、僕達はレインの家に集まっていた。

表向きの理由は明日に迫った旅行の打ち合わせのため。しかし本当はココ最近のコナミのデュエル欲をどう処理するかという話し合いの為に集まっている。

 

「・・・どう?最近のコナミの様子は」

 

「いい傾向じゃない?無闇矢鱈にデュエルを仕掛けていないし。

デュエルの相手も悪さをした不良達への矯正の為だから世間からの目も大丈夫だし」

 

僕の疑問に嬉しそうに答える雪乃。最近、漸くコナミの操作方法を覚えたのかコナミのデュエル欲求を上手くコントロールしている。コレにより今まで悪いイメージであったコナミだが悪党を成敗する青年として地域からの評判が上がっていった。

 

「でも、その結果か違う学校の生徒達からは「決闘番長」として恐れられているのですよね」

 

「・・・それは仕方がないこと。

その分私達への発散が無くなったし、イリアステルの契約デュエリストとしての認知もされつつある。――――――とても良い傾向」

 

多少不満そうに呟く麗華、そして現状に満足しつつあるレイン。

 

「・・・しかし、そうなると私のこのモヤモヤとした感情が抑えられません。

出来れば何時でも何処でもあの人に・・・コナミ様に苛められたい。粗雑に扱って欲しい」

 

頬を赤らめる麗華。同じ女性であるのに、その色気に思わずゾクリと震えてしまった。

 

「私としては、もう少し落ち着いて貰った方が嬉しい・・・」

 

「あら?でもこの前のデュエルで思いっきり感じてるような声を上げて―――」

 

不思議そうにレインに語りかける雪乃の口を慌てて押える。

だが、既に遅く。

レインの顔がまるでゆでダコのように真っ赤になりブツブツと「違う」やら「アレは何かの間違い」と呟くのみ。

 

これはマズイと麗華に目配せをしてどうにか落ち着かせようとする。

例かも僕の目配せに気がついたのか深く頷きレインの傍にまで近寄って・・・。

 

「――――でも、気持ちよかったでしょう?」

「はぅぅぅぅッ!?!!」

 

止めを刺しやがった。

 

「ちがぁぁぁぁぁう!どうして煽るの?!落ち着かせてって目配せしたの!」

 

「私はレインさんを素直にさせてあげただけですよ。

彼女は倫理と常識に囚われている、しかしソレを超えてこそ感じれられる喜びがあることを私は知ってほしいだけです」

 

何処の敵キャラの言葉だろうか?キメ顔で自信満々に言い切る麗華に僕は頭を抱える。

 

「まぁまぁ。そんなに興奮してはいけないわ、ツァン」

いつの間にか僕の拘束から抜けだした雪乃が僕をからかうように宥める。

 

「それにこれは皆で考えたことなのよ。コナミは毎日不良相手にデュエル三昧で充実して満たされている。

その御蔭で普段の彼は凄く落ち着いている・・・正直その欲求を私達で満たせてあげられないというのも不甲斐ない話だけれど」

 

それは僕も理解している。

コナミの目から何というか言葉には言い表せない欲求のようなモノが収まっていることを感じられる、以前までのコナミならもっと目がギラギラしていた。

 

「それにこの間のお泊り会のときに分かったでしょう?お酒を使ったりして誘ってもあの人は性欲よりもデュエル欲の方に染まっちゃうって」

 

その言葉に僕は苦々しい記憶を思い出す。

あの日、僕達はコナミの家に押し入った。あの、・・・その、こ、コナミと一夜を過ごすために。

 

でも彼を酔わせた先に待っていたのは理性によって押さえつけられていたデュエルの鬼だった。

これには雪乃も予想外だったらしく直ぐ様耐性のある麗華にデュエルの相手をさせるも、一瞬で打ちのめされてしまった。

 

何度も、何度も。一方的に嬲られ縛り上げられモンスターの召喚すら許されずただ只管、彼のサンドバックに成り果てるばかり。

 

しかもリアルソリッドヴィジョンを使用しているため受けた衝撃がそのまま自身に襲い掛かってくる。

それによって麗華は簡単に絶頂してしまった。

 

その、女性としての尊厳を一瞬にして壊されてしまったのだ。

見ている側であった僕ですら思わず秘部を押さえてしまいそうになるほどの激しさ。

 

時にはねっとりと時には激しく、コナミの相手をさせられていた麗華は既に女性がしていい表情ではなかった。

 

そんなに気持ちいいのか?そんな風に思わせる程気持ちよさ気な表情をして彼女は失神してしまった。

けどそれで終わりじゃなく、次に犠牲になったのはレインだった。

 

彼女は頬を赤らめ何とかデュエルの相手をし続けているも次第にコナミから与えられる衝撃に耐えられず、普段の彼女からは想像も出来ないほど艶の良い喘ぎをしていた。

 

最後の方では「―――もっと、激しいの!」と懇願している姿すら見られた。

 

それでも止まらず今度は雪乃が犠牲となり彼女は元々耐性がなくコナミのデュエルでは直ぐに負けてしまった。でもその時でも何処か満たされているような表情をしておりお腹の下辺りを抑えながら震えていた。

 

「ほんと、アレは凄かったわ。その気のない私を一瞬でマゾヒストに変えるのだもの・・・思わず彼の責めでイッてしまったわ」

頬を赤らめ秘部を優しく触り続ける。雪乃の瞳は潤んでおり興奮しているのが見て取れた。

 

コナミの本当に恐ろしい所、それは無意識でも女性を調教する素質があることだ。

これまでコナミとデュエルを行った者の内、男性は恐怖を与え、女性には快感を与えている。

特に僕達はその傾向があり、麗華(恐らくレインも)はコナミとデュエルすると無意識に発情してしまうまで躾けられている。

 

「ご主人様とペット・・・そういう関係も唆られるけれど、私はそれでは満足できないの。

もっと愛して欲しい、深く、激しく!その欲求を今度は獣欲として発散して欲しい、滅茶苦茶に、廃退的に!」

 

そういう雪乃の瞳は少し前のコナミと同じギラギラとした瞳をしていた。

その瞳を麗華、そしてレインも同じく浮かべている。

恐らく・・・・・・僕も。

 

あの日を体験した僕達はその、マゾヒストに成り果ててしまった。コナミによって与えられる刺激が全て快楽に変わる。ソリッドヴィジョン越しの間接的な衝撃ですら興奮してしまっている。

 

・・・もし、直に触れてしまえばどうなってしまうか。想像すら出来ない程の快感になるのだろう。

 

明日から僕達は南の島に行く。

その開放感によってデュエル欲を満たされつつあるコナミも羽目を外すことだろう。

そしてその日に・・・僕達は一線を越える。

 

もうお預けは耐えられない、僕達をこんな身体にしてくれた責任取ってもらうんだから!!




うん、久々に書いたらツァン達が積極的なマゾ集団になってしまった。

これくらいならセーフだよね?(不安げな瞳)


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20

デュエルシーンを詰めようと思ったけれど色々あってこうなった(白目
もうちょいどうにかならないものか。

あ、次回はR-18(予定)です。


―――青い空、白い雲。サンサンと輝く太陽に響き渡る波音。

季節は夏、普段ならば蒸し暑いだけの季節であるが此処に限って、その天候は最高のスパイスと化している。

 

南の島、所謂リゾート施設の美しい浜辺。そこで俺はパラソルを広げて皆が来るのを待っていた。

正直1人で待っているのは非常に暇で何か暇つぶしにと昨日新たに作り上げたデッキを弄っている。

今回のデッキは会社から依頼があり警察機関に配布されるシンクロモンスター及びその召喚用のイメージデッキを制作して欲しいと言われて作り上げた。

 

メインはゴヨウモンスター群で固められたシンクロモンスターにその召喚を用意にするための低レベルモンスターデッキ。

それが今回の特殊捜査デッキである。

 

いやぁ、牛尾さんとかのカードが足らなくて作るのに苦労したよ。

でも最終的に良い形では纏まったと思っている。チューナーとかも特殊召喚系統に変えてしまったが、シンクロモンスターさえゴヨウのままなら特殊捜査デッキだと言い切れるだろう。

 

早速どこかの誰かで試しデュエルをしようかと考えていると着替え終わった女性陣が戻ってきた。

 

おうふ・・・。

俺は彼女達を見て思わず声に出しそうになる。

何処か可笑しいってわけじゃない。寧ろ抜群に似合っていた。

 

雪乃は想像通りのビキニタイプの水着で黒色の三角だった。後腰にパレオだったかを巻きつけている。白い肌の彼女と黒の水着の組み合わせは正に芸術的だと思える。

 

ツァンは雪乃と同じくビキニだがパーカーを羽織っている。彼女の髪色と同じピンク色の水着でとてもマッチしていた。

 

麗華は予想と反してタンキニと呼ばれる水着を着ている。知的な彼女に行動的な衣装というアンマッチのようでそれが逆に魅力的に感じる。しかも微妙にだが恥じらっているところがまた良い。

 

レインはワンピースタイプで有るが何故か胸のあたりにチャックが付いておりそれが胸の下まで下げられていて凄くエロいと感じる。普段の飄々とした彼女からは決して想像も出来ない水着だった。

 

雪乃から「どうかしら?私達の水着姿は」と尋ねられた為、俺は先程感じた素直な感想を述べた。

すると流石に少し恥ずかしかったのか頬を赤らめながら笑っていた。

 

―――ハッ!?いかん。どうにも彼女達に見惚れていたようだ。

普段見れないからと言ってマジマジと見るのは彼女たちに失礼だよな?

初めての南の島だからか浮かれているのだろうか。

 

どうも俺自身も無意識に舞い上がっているようだからな、気を引き締めていこう。

そう決意し俺は彼女達と合流することにした。

デュエルは・・・気が向いたらでいいだろう。折角の海だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――と、思っていたんだがな」

 

「おい、どうした坊主。まさかビビっちまったか?」

 

何かこんな絡まれ方、前にも体験しませんでしたっけ?

―――いいや。したね、間違いない。

 

どうして俺が出るとこ出るとここういう輩がいるんだよ。

ただ俺たちは海で泳いだり、ビーチバレーしたり、オイル塗ってやったりしてただけだぜ?

 

でも健全な学生同士のじゃれ合いだっただろう。

それがどうしてこの南の島でヤンキー崩れがいるんだよ。そしてどうして俺たちに絡んでくるんだろう。

 

・・・・・・綺麗所を集めながらそのセリフは可笑しいって言うなよ。コッチも理解しているんだ。けど、それでもこれは理不尽すぎませんかねぇ?

 

「ビビってるんならさっさとお家に帰んなガキ。その分、俺たちがテメェの女を可愛がってやるからよぉ。序でに、俺のモンにしてしまおうか。俺好みの雌にしてやるよ!ヒヒヒッ!!」

 

「―――はぁ・・・。俺の周りに近寄るのはこういった低能ばかり。どうして穏やかに過ごすことが出来ないのだろうか」

 

もうコレは思いっきりヤってもいいよね?

後ろの女性陣も何か殺気立ってるし、もういいよね。

 

あ、そうだ。折角なら配布されたデュエルディスクも同時に試してみよう。

このデュエルディスク、対戦相手の情報を読み取ってそれを警察機関に報告、更に位置の特定なども行える犯罪者捕獲特化した形状となっている。

 

更に発射式の手錠やアクションフィールドを応用した捕縛フィールドの展開など、正に多種多様の能力を持っている。これもデッキと一緒に依頼されたものらしい。

こんなヤンキー崩れでテストというのも勿体ない気もするが・・・まぁいいか。

 

「―――おい、デュエルしろよ」

 

俺の休日を邪魔してくれたお礼、たっぷりしてやるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男はにやけた笑みを浮かべ続けていた。

仲間数人も同じような顔をしている。それは当然だろう。

目の前にまだ未成年であるが犯し甲斐のある少女たちが無防備でいるのだ。

それはこの男たち、麻薬カルテルの下っ端メンバーにとっては正にご馳走としか言えないものだった。

 

この南の島では高級ホテルのリゾート施設として栄えているが数年前まで極貧の町しかない場所だった。

 

そういった国の目から逃れられる場所は、犯罪グループにとってとても有意義なモノだった。

安い給料で麻薬の製造を手伝わせそしてその麻薬を世界中に売り払う。こういった方法で男の上司、所謂麻薬カルテルのボスは財を築き上げた。

 

そしてその麻薬を極秘に世界中に販売するために表向きはリゾート施設の建設を行いそのオーナーとして各企業とのコネクションを作ろうと画策している。

 

しかし、そんなことはこの男たちにとってどうでもいいこと。給料と分けてもらった麻薬を使い、其処らにいる女性や観光客を引っ掛けて無理やり犯すことしか考えていないのだ。

 

(クヒヒヒ、ションベン臭そうなガキ共だが良い身体してやがるじゃないか。特にあの紫髪の嬢ちゃんはいいな、犯して飽きたら金持ちの変態に売っぱらっても良い。娼館なんかに押し込んで死ぬまで薬漬けにしても良い。ククク、本当にうまい商売だなぁ~、麻薬の密売ってのはよぉぉ!)

 

男は目の前にいる帽子を被った少年、その後ろにいる少女を見て興奮していた。

後先考えない行動、誘拐などの犯罪行為を行った後の処理のことを一切考えず己の快楽のみで行動を起こしている。この男自身も麻薬中毒であった。

 

上司から与えられた麻薬に自身も手を出し、その万能感から抜け出せなくなっていたのだ。

元々この島の浮浪者ででしかなかった男が今では下っ端とはいえ数人の部下を持つことを許されている。そしてその部下たちにも麻薬を与え、同じ中毒者にしてしまった。

 

救いようのない男だった。

 

「デュエルかぁ?別にいいけれどよ。そっちが決められる立場にあると思っているのか?あぁ?」

「そうだよ、この人数で敵うとでも思ってんのかぁ?だったらとんだ間抜けだな~」

 

クハハハと男の部下達は嗤う。

この時点で既に男たちの少年の戦力は1:6。更に相手は男たちより小さい少年だけ。

マトモにやりあったとしても勝ち目が無いのは明白。

 

だったらそんな面倒なことをせず力任せに奪い取ればいいと結論を出した。

 

 

「さっさと消えろよガキがァァ!」

 

部下の1人が思いっきり腕を振り上げ、少年目掛けて拳を振り下ろす・・・筈だった。

 

「フギャァ?!」

 

振り下ろした筈の腕は見当はずれな方向に向かい、部下の顔面から潰れたカエルのようなみっともない声が響く。少年の拳が部下の顔面に突き刺さっていた。

そして、思い出したかのように殴られた衝撃で空高く吹き飛ばされる男。幸い地面は柔らかい砂であるがそれでも直ぐに起き上がってはこれないだろう。

顔面が凹んでいるのだ。鼻が砕け、上唇は破裂し口内には砕かれた歯の欠片が突き刺さっていた。

 

男はゾクリとした。たった一撃、その一撃でここまで1人の人間を吹き飛ばし、人体を傷めつけることが出来るのだろうか。しかも、この部下はガタイが良く喧嘩では負けたことがないタフガイだ。例えナイフで切りつけられても笑って反撃を繰り出す事ができる痛みに強い奴だった。

 

そんな奴があの細腕から繰り出される一撃で再起不能になっている。

 

「テメェぇ!」

「良くもヤってくれたなぁぁ!!」

怒りに任せ部下の2人は刃物を取り出して突撃していく。

 

だが・・・

「ごぼぁ!?」

 

「あべあぁッ!」

 

先ほどの男と同じく吹き飛ばされ同様に顔が陥没し起き上がることはなかった。

 

「お、おいッ!!」

一方的な光景に男は狼狽えることしかできなかった。

残りの部下2人も唖然として口を広げているだけ、とてもじゃないが直ぐ様行動を移すことは出来ないだろう。その合間に少年が2人の懐に入り込み・・・

 

「―――え?」

両の腕で部下達を掴むとビュンッという風切音と共に部下達を吹き飛ばした。

上を向くと部下達が恐怖に歪んだ表情のまま足掻き勢い良く落下してくる。

 

「ヒィィ!」

思わず頭を抱え地面に伏せた。

それが功を奏したのかどうかは知らないが部下達は男の真横に落下した。

顔をあげると首が曲がってはいけない方向に曲がり目と鼻から血を流し、口から泡を吹いて痙攣している部下達の姿を見てしまう。

「―――」

そんな部下達のことなど知らないとばかりに少年は真っ直ぐ男のもとに歩み寄ってきた。

 

やってしまった、こんなガキに関わるんじゃなかった。

男は後悔しながらゆっくりと後退し部下達を置いて逃げ出そうと振り返る。

だが・・・

 

「―――デュエルしろよ」

 

「・・?・・・!?ヒ、ヒィィィッ!?」

 

振り返るとそこにはつい先程目の前にいたはずの帽子の少年がデュエルディスクを構えていた。

男は何が起こったのか分からず呆然とし、その後直ぐに得体の知れない恐怖に襲われ腰を抜かし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――ぁ?」

 

気がついた時には男は牢屋の中で眠っていた。

一体どうなったんだ?そう疑問に思うが思い出そうとすると身体が震えてしまう。

手が震え歯がガチガチとぶつかり脳内では『思い出すな』と激しく警鐘を鳴らしていた。

 

だが既に遅かった、思い出してしまったのだ。

あの血にまみれたような紅い帽子を被り無表情のままコチラを見つめる鋭い眼光を・・・

デュエルの終わるとき、ニヤリと笑みを浮かべていたあの悪魔のことを・・・。

 

「ああぁぁぁぁぁ、aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッッッ!!?」

 

もう男は思考をすることが出来ない。

考えてしまえばあの悪魔のことを思い出してしまうのだから。

もう男は何処にも向かうことが出来ない。

進もうとすれば常にあの帽子の悪魔の影を見てしまうのだから。




その後、リゾートを台無しにされて怒りの余り無表情になった少女たちの手により男のボスやその関係者全員が逮捕されました。
勿論コナミ君がデュエルをしてね(マジキチスマイル


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