目が腐った黒(ブラック)トリガー (sewashi)
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やはり比企谷八幡は知らされていない。

投稿。
八幡は一応、忍田さん派です。
スタートはユウマが三輪隊とやり合いったあと辺りです。
本当ににわか知識でやるので期待はほどほどに……


今から四年半前、異次元からのゲートが開き、ネイバーと呼ばれる侵略者が現れた。絶体絶命の中、界境防衛機関・ボーダーという組織が現れ、ネイバーの武器である『トリガー』を解析してネイバーを撃破したのだった。

それから三門市はボーダー基地を街の中心として平和が保たれているのだ。

そして、ネイバーの武器『トリガー』に至っては、今もなお解析が進んでおり、その中でも超強力なトリガー 黒(ブラック)トリガーが現在、ボーダーでは三本。その内一本を持つのがこの俺、比企谷八幡である。

 

“ボーダー隊員とは群れるものである。

ボーダー正式隊員のランク戦は基本、チーム戦である。だがそれはぼっちに対する配慮がなっていないことの証明である。

ネイバーとの戦いで重要なのは個人の能力なので群れることは意味がない。

なのに正式隊員同士のランク戦がチーム戦なのはなぜだろうか?

そして、黒トリガーは完全に孤高の存在だ。どんな危険な任務も一人でやらなければならないのはなぜだろうか?

ぼっちな黒トリガー使いは孤高な分、無駄死にしても問題ないと言う、本部の悪意で動いている。

なぜだろうか? 黒トリガーは強力で貴重な存在なハズなのに……使える人材も限られているのに、理不尽な事だ。

結論を言おう。

黒トリガーは大規模な任務以外は完全に休みにすべきである。”

 

「……比企谷君。これはなんだね?……」

この俺、S級隊員の比企谷八幡は、ボーダー本部に呼び出された。

「黒トリガーの待遇の改善についてです。天羽や迅さんと俺の扱いが違いすぎると思いまして……」

すると鬼怒田さんと根付さんが……

「迅は玉狛支部の人間な上に常に結果を出しとる! 天羽は通常任務に出したら下手したら街が吹っ飛ぶわい! 少しは考えて提案しろ!」

「君の黒トリガーは黒トリガーの中でも『地味に強力』が売りで使用範囲が広いからねぇ、たしかに通常任務にも駆り出しすぎかとも思うが、君にしか出来ない事だから仕方のないことだよ」

またこれか、いつもいつも仕方ない。で片付けられる。

「まあ、そんな事はどうでもいい。比企谷を呼んだのはそんな理由ではない」

違うの? 城戸指令が言う。

「お前には今から玉狛支部に行ってもらう。そこにある黒トリガーを奪ってこい。これは命令だ」

「? 迅さんの『風刃』をすか? なんでまた」

「アホか! 『風刃』じゃない。貴様も聞いているだろう! 最近この街に来た、人型ネイバーの黒トリガーだ」

「??? 人型ネイバー?」

「……まさか、本当に知らんのか?」

聞いてませんよ? いつもこうだ。こういう重要な情報は俺にはギリギリまで通達されない……本当に扱いが酷い。

「そいつの名は空閑遊真。黒トリガーの特性は『相手の能力を学び学習する』だ」

ほう、それは厄介だな。俺の黒トリガーの能力を学習されたら面倒かもしれん。

「本当に聞いとらんのか? 三輪隊が速攻でやられとるんだぞ?」

へぇ、あの三輪隊が……って、三輪隊って何位のチームでしたっけ? A級チームってことしか知らないけど……

「とにかく、黒トリガーには黒トリガーで対抗する他ない。比企谷君の黒トリガーで玉駒の人型ネイバーの黒トリガーを奪ってこい」

「はあ、てかなんで奪う必要が? 玉狛支部にいるってことは、別に街を侵略しに来たとかじゃないんすよね? だったらボーダーの一員になったとかなら問題ないんじゃ……」

「貴様とて、ボーダーの派閥くらいは知っとるだろ! こればかりは知らんとは言わせんぞ!」

流石に知ってますよ。ネイバーに怨み持った奴の城戸指令派『絶対に許さない派』。

ネイバーに怨みはないけど街の安全第一主義の忍田本部長の『平和第一派』。

ネイバーにもいいやついるから仲良くしましょうよの『綺麗事派』の玉狛支部。それがどうした?

「今現在、ボーダーでは黒トリガーが各派閥に一本ずつ、そして城戸指令の派閥が一番人数の多いため一番大きな派閥になるが、玉狛に黒トリガーが2本になれば一気に派閥が逆転してしまう」

そんな大袈裟な……まあ、黒トリガーはそれだけ強力だからな……

「そうだな……もし黒トリガーの確保に成功すれば、この要求をのんでもいいだろう」

城戸指令が言った。え? いいの! 根付さんも驚く。

「し、指令! 本気ですか!?」

「そうでも言わんと比企谷はめんどくさがるだろ。しかし、大規模な任務は出てもらうぞ!」

はぁ、仕方ない。

俺は、玉狛支部へ、黒トリガー奪取に行かなくては行けなくなった。




意見感想誤字報告、大歓迎。
待ってます。
ぼっちなボーダー隊員。よろしくです。


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やはり迅悠一とは関わりたくない。

迅さんの登場です。
まだ八幡の黒トリガーの名前や能力は出しません。


黒トリガー奪還命令が下され、俺は玉狛支部の場所を調べていた。

だって行ったことないもん。

すると……

「よっ、比企谷。ぼんち揚げ食う?」

面倒な人と遭遇した。

「……なんの用っすか?」

「だから、ぼんち揚げ食う?」

「……いりません」

「相変わらず、ノリ悪いなぁ比企谷は……」

話しかけて来たのは自称実力派エリートにして、俺と同じ黒トリガーの迅悠一さんだった。好物は揚げ煎餅。

「城戸さんからユーマの黒トリガーの奪取命令がくだされただろ?」

「邪魔するんすか?」

「いんや、比企谷じゃユーマにゃ勝てないし、その任務失敗するよ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる」

まじすか……

この人は『未来予知』のサイドエフェクトを持っている。

サイドエフェクトとは、トリオン能力の高い奴がまれに持ってる人間の出来ることの強化能力だ。

と言っても迅さんみたいな強力なのはまれだ。

普通はもっと地味な能力の方が多い。耳がいいとか、記憶力がいいとか……俺のサイドエフェクトも地味な能力なんだよな……

そしてこの人が言うなら俺の奪還任務は失敗するのだろう……

「だから比企谷には失敗したあと俺を手伝ってほしいんだ。俺は本部に『風刃』を渡すつもりだ」

!? 『風刃』を!? なんでまた……いや、それなら……

「そうすりゃ、ユーマが玉狛支部の一員になってもボーダーの派閥は変わんないだろ? でもただ渡しただけじゃ、城戸さん達はまだユーマの黒トリガーを諦めないはずだ。だから、比企谷はうまいことダメージを最小限にユーマに負けて失敗したって伝えてほしいんだ。そして次の刺客の相手を手伝ってほしい」

「そしたら次は天羽の奴が出てきますよ……黒トリガーで総決戦なんかしたら街が冗談抜きに消し飛びますよ……」

天羽、俺、迅さんはボーダー内の黒トリガー。それらがやりあったらマジで冗談じゃなくなる。すると迅さんは言う。

「いや、天羽を刺客に使う前に、もうすぐ遠征からトップチームが帰還するからそっちが先だろ。比企谷にはそのときに作戦を手伝ってほしい」

ああ、そういやそうか…ボーダーではネイバー世界への遠征が行われている。今はA級のトップチームが行っているが……あの人達帰ってくるのか……たしかに天羽よりも先にやらせるだろうな。それでも厄介な人達と戦うことになりそうだが、天羽よりはましか。

「既に忍田さんには話をつけてある。じゃ、頼んだぞ~」

そう言って、迅さんは行ってしまった。

とりあえず俺は、城戸さんに任務失敗を告げられるように、玉狛支部へは向かうのだった。




次回は八幡対ユーマ。
「あんた、つまんない嘘つくね」


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やはり俺はネイバーに勝てない。

ユーマ対ハチマンのガチバトルにするつもりだったのですが、あまりできませんでした。


玉狛支部の近くに来ると、白髪子供と……カピバラ? が何やらラジオ体操をしていた。

報告書によると人型ネイバーは白髪の中学生(チビ)って書いてあるが……たしかにチビだな……そしてそいつには黒い炊飯ジャーみたいな特殊トリガーがあるとも書いてある。

ここは先手必勝だな……

俺は無心となり、存在を消すかのごとくにサイドエフェクト『ステルスヒッキー』を使う。

サイドエフェクト『ステルスヒッキー』

正式名称『認識疎外強化』要するに『影が薄い』

俺が意識すると、まわりは俺の存在に余程敏感なやつ以外は気づくことが難しくなる。

さらに俺は……

「……トリガーオン……」

黒トリガー『陰影』を発動する。そしてその武器であるクナイのような短剣を持ってゆっくりと人型ネイバーに近付いて後ろをとり――

「ユーマくん! 危ない!?」

「ん? !?」

ち、気付かれた。

声がした方を見ると、人型ネイバーと同じくらい身長が低く、アホ毛の女の子とメガネの中学生が来ていた。

メガネの方はこの人型ネイバーと信頼を受けていると言うB級隊員の……メガネ君? と迅さんは呼んでた奴だ。

「な、いつの間に!?」

「へぇ、あんたいつの間に俺の後ろに来てたの? 全然気づかなかったけど?」

『ステルスヒッキー』の弱点。一度誰かが気づくと連鎖的に周りの全員が気づくようになる。だから一人でも気づかれるとその場ではもう使えないのだ。

「よく気づいたな、あの女の子。俺のサイドエフェクトに……」

「サイドエフェクト!?」

人型ネイバーよりもメガネ君の方が驚いている。

「そしてあんたは黒トリガーだね」

「ぶ、黒トリガー!?」

やっぱりメガネ君の方が驚いてるな……

「俺、もうボーダー隊員なんだけど? 襲われる理由ないよね?」

「本部はネイバーであることよりお前が黒トリガーであることが問題なんだよ。お前と迅さんの黒トリガーがここに二本あるとボーダー内のバランスが面倒になるから黒トリガーだけでも奪ってこいって城戸指令の命令だ」

するとネイバーの少年は……

「お前じゃないよ。空閑遊真だよ。そうか~、この黒トリガーが問題なのか……しかし困ったな……俺のトリガーは手放すことが出来ないし……」

ふむ、黒トリガーはトリオン能力の高い人間が自分の命と引き換えに全トリオンエネルギーを注ぎ込んで完成する。迅さんの話では空閑の黒トリガーはこいつの親父さんが死にかけていた息子を救うべくして黒トリガーの中に本体を閉じ込めてトリオン体の体を作っていると聞いた。その黒トリガーの中の本体は今も死へ少しずつ進んでいる。つまりはこいつの黒トリガーはこいつの体と同化しているため、奪うことは空閑の死を現す。

「正直、この場で黒トリガー同士のガチバトルとかしたら色々と面倒だから、ボーダー隊員である間は黒トリガーは使わないって宣言するか本部に所属を移すかでもしてくれねーか? そしたら俺は諦める」

城戸指令は諦めないだろうけど……

空閑の奴は少し考えて……

「わかった。もともと黒トリガーじゃオサム達とチーム組めなくなるから使うつもりもなかったしね。ボーダー隊員の間は黒トリガーは使わないよ」

空閑の宣言を聞いて、俺はトリガーを解除する。

「チーム組むのかよ……本部に所属を移せば、S級隊員にしてくれるかもしれないのによ……」

俺が言うと……

「俺はオサムとチカとA級チームを目指してネイバーフットへチカの兄さんと友達を取り戻しに行くためにオサムとチカに協力してるからS級隊員になっても意味ないからね」

ほう、あの二人はそんな目的があって空閑をボーダーにいれたのか。まさか『あいつら』と同じ目的だったとは……

すると玉狛支部から誰か出てきた木崎か?……

「あー!? あんた、比企谷じゃないのよ!? まさかユーマの黒トリガーを狙ってきたわけ!」

A級隊員の小南桐絵だった。めんどくせぇのが来たな……

「まあな、既にこいつの黒トリガーはいただいた」

「な!? く、ユーマは私の弟子よ! 返してもらうわよ!」

すぐに騙されるアホな子である。

「あんた、つまんない嘘つくね?」

「おお、そういや嘘を見破れるんだったか?」

この会話を聞いた小南は……

「騙したの!?」

そのくらいわかれ。ん? というか……

「空閑って、小南の弟子なの?」

「うん、まあね」

「騙されやすくて大変だな。こんなのが師匠で」

「ちょっと!? 酷くない!?」

俺はそのあと、本部に戻り、任務失敗を本部に報告したのだった。

 

会議室。鬼怒田さんと根付さんと城戸指令が話している。

「ふん、やはり比企谷も所詮は忍田派と言うことか……最初からやる気なんぞなかったと言うわけか……」

「まあいい、もうすぐ遠征中のトップチーム、太刀川隊、風間隊、雪ノ下隊、冬島隊が帰還する。問題ないだろう」

そして、迅さんのトップチームの妨害作戦が始まろうとしていた。




八幡の黒トリガーの名前は『陰影』読みは『インエイ』です。『かげかげ』ではありません。
能力は次回!
いつになるかわかりませんが……


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やはりトップチームは彼を狙う。

雪ノ下登場。
ボーダー会議からスタート!


ネイバーフットより、トップチームが遠征から帰還した。

「今回の成果です。御納め下さい」

風間隊の風間君がネイバーフットからの未知のトリガーを提供する。

「これでボーダーのトリガーはまた進化を遂げる」

鬼怒田さんはよろこび、城戸指令が言う。

「帰ってきて早々で悪いが、お前達にやってもらいたいことがある。玉狛支部に新たに入った人型ネイバーの黒トリガーを奪取してきてもらいたい」

「人型ネイバー? ボーダーに?」

「その黒トリガーの能力は『相手の能力を学習し自分の能力にする』だ。既に三輪隊と比企谷は負けている」

すると雪ノ下隊の隊員である葉山と一色が驚く。

「あの比企谷が!?」

「先輩が手を抜いただけじゃないですか~?」

「そうかも知れんが、奴が任務失敗を報告したのは事実だ」

するとトップチーム太刀川隊の太刀川が言う。

「なるほど……なら今夜決行しましょう」

すると雪ノ下隊の隊長、雪ノ下陽乃さんが太刀川さんに言う。

「そうね~、学習するならボーダーのトリガーを学習してる可能性もあるし、思い立ったが吉日ね」

こうしてボーダートップチームが黒トリガー奪還作戦を行うことが決まった。

 

 

太刀川隊、風間隊、雪ノ下隊、冬島隊は三輪隊と合流して玉狛支部へ向かう。すると……

「やあやあ、皆さんお揃いでどちらへ?」

迅さんだった。

「ボーダーの規定で基地以外での模擬戦は禁じられているぞ?」

「それならおたくらのやろうとしていることもそうでしょ? あいつは玉狛支部の立派なボーダー隊員だ」

「いやいや、玉狛支部はあくまで支部。本部で制式入隊日を迎えるまではただの野良ネイバーでしょ?」

陽乃さんが言う。

「そう言うことだ。迅、いかにお前でもお前一人で俺達全員を相手にするのは無理だろ」

「俺一人ならね」

すると、太刀川隊側に弾丸が何発か飛んできた。

「嵐山隊到着した!」

嵐山隊だった。

「ふーん、忍田さん派と組んだんだ? でもそれだけでも難しいんじゃない?」

「あれ? 俺と嵐山隊だけって言ったっけ?」

すると……後ろにいた城廻隊員が……

「……すいませんね。城廻先輩」

 

『トリオン体、活動限界。ベイルアウト』

 

城廻隊員は基地へ飛んでいった。

「やっぱり、比企谷君もいたんだ?」

まあ、最初から迅さんの隣にいましたけど……ステルスヒッキーで気づかれていなかった。雪ノ下さんに気づかれたせいで解けた。

「比企谷、雪ノ下さん達は任せた。嵐山隊は三輪隊を、その他は俺がやるから」

お任せしました。

「……さて、ガラにもなくやりますか……」

「ふーん、めずらしくやる気だねぇ……」




雪ノ下隊。
隊長 雪ノ下 陽乃
隊員 葉山 隼人 城廻 めぐり 一色いろは
オペレーター 平塚 静

次回は八幡対陽乃。
頑張ります。


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やはり俺の黒トリガーは地味である。

比企谷対雪ノ下隊。

雪ノ下隊のポジションは以下の通りです。

雪ノ下 陽乃 シューター
葉山 隼人  アタッカー
一色 いろは スナイパー
城廻 めぐり オールラウンダー


雪ノ下さんとの戦闘……雪ノ下さんだけじゃない。葉山もいる。

葉山のメインアームトリガーは『弧月(槍)』のアタッカー。

そして雪ノ下さんはガンナーとして銃で撃つことも、シューターとして直接撃つこともできる。メインは『メテオラ』と『アステロイド』。『バイパー』や『ハウンド』もつかうことがある。

そしてここにはいないが、何処かで一色がスナイパー用トリガーの『ライトニング』を構えているハズだ。

 

ドンッ!

 

一色のトリオン弾が当たった。俺の黒トリガーで造った分身に……

黒トリガー『陰影』の能力その一。

『影分身』。

トリオン体のダミーを自分の影から造りだす事ができる。

正し、トリオンをコントロールし続けなければならないので少数体が限界。

俺は走ってその場を移動する。迅さんや嵐山隊の邪魔……もとい巻き添えくらいたくないし……

雪ノ下さんと葉山は追ってくる。そして一色が撃ってくる。

俺はかわすかダミーで防ぐかしつつ、電灯の多い所に来た。すると……

「『アステロイド』!」

雪ノ下さんが『アステロイド』で電灯を壊した。

「陽乃さん、どうして電灯を?」

「比企谷君の黒トリガー『陰影』はね、名前の通り『影』が鍵なのよ、だから光は消しておかないと……」

バレていたか……

黒トリガー『陰影』の能力その二。

『影縫い』。

黒トリガーのクナイのような短剣をトリオン兵や人の影に刺せば、刺された相手は動けなくなるという、よくありそうな能力だ。逆に言えば影がはっきりと見えなければ使えない。今のような夜だと影ができる場所が限られるから不利なのだ。

雪ノ下さんはそれを知っていた。

そして葉山の槍が影分身を切り裂く。

「……また分身か……」

「隼人~、分身はいろはちゃんに任せていいわよ。比企谷君の目的は時間稼ぎだから」

「? どう言うことですか?」

「比企谷君が真っ先にめぐりをベイルアウトさせたのは長期戦でめぐりのサイドエフェクトが邪魔だから。だからわざわざ自分のサイドエフェクトを使えなくしてまでめぐりをベイルアウトさせた。もし迅君とあたし達が戦うことになっても問題ないように……そっち側の目的は……トリオン切れで撤退させること!」

ち、気づかれた。

「でも、ま、風間君も気づいただろうし、あたしは比企谷君を救援に向かわせないようにその時間稼ぎに乗るけどね。そもそも『陰影』の能力は夜だとフルには使えない、昼間ならそこら中、影だらけだから使い用はいくらでもあるけど夜だと影が見えにくいからね……君の黒トリガーは欠陥品なのよ……」

欠陥品……俺がこの黒トリガーを手にいれたときも思った。しかし――

「君の絶対有利なサイドエフェクトが使えない以上、あたし達には勝てないよ?」

「しゃーねぇ、迅さんの言う通り、出し惜しみ無しでやるか……」

俺は『陰影』のクナイを―――――自分の影に刺した。

「「……?……」」

雪ノ下さんと葉山は首を傾げている。

これでは『影縫い』で俺が動けなくなる……そう思っているハズだ。が……

 

ダッ!

 

俺は『影分身』を3体造りだし、1体を一色の捜索へ向かわせ、残り2体を雪ノ下さんと葉山の所へ。

葉山はなんの躊躇いもなく槍で斬ろうとする。が……

 

ピクッ!

 

葉山はなぜか動けない。影分身は葉山のトリオン体の心臓部を刺した。

 

『トリオン体、活動限界。ベイルアウト!』

 

葉山は基地へ飛んでいった。

「な!? ……どうして!?」

「……雪ノ下さんの言う通り、俺の黒トリガーは欠陥品ですよ。だけど一つ間違いがある。『陰影』は影が鍵になる。だけど夜だと影が見えにくい。つまりはあたり一帯が影になるようなものだから影と影の分かれ目が見えにくく、そこら一帯の全ての影が『同じ影』のように扱われてしまうんすよ」

「!?」

雪ノ下さんも気が付いたようだ。自分も動けない事に……

「幸い、ここの電灯を破壊してくれたお陰でと月が雲で隠れているお陰でここらへんの影が同じ影扱いになっている。つまりは全員が『影縫い』の影響を受けることになるんすよ。あと影分身はその影響を受けません」

雪ノ下さんは額に汗を見せる……

俺は言ってやった。

 

「雪ノ下さん。本当は夜は俺の独壇場なんすよ」

 

造っていた影分身で雪ノ下さんの心臓部を刺す。

 

『トリオン体、活動限界。ベイルアウト!』

 

雪ノ下さんは基地へ飛んでいった。

さて、あとは……

「うぎゃあ!? キモいです!? 来ないで下さい!?」

……一色か……

影分身が一色を見つけてベイルアウトさせた。

そのあと、迅さんと連絡をとり、妨害作戦はひとまず成功したのだった。




なんとか投稿できました。
次はいつになるのか……
お楽しみに!


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やはり彼女達は見つからない。

語られる過去。
今さらですが、八幡は20歳(大学生)という設定です。
迅さんをさん付けで呼ぶのは、その方がしっくり来るからです。


迅さんの妨害作戦がうまくいき、ボーダー本部。

迅さんは『風刃』を本部に差し出し、空閑は晴れて正式にボーダー隊員として認められたのだった。

そして俺は……

「……ど、どうもっす……」

「比企谷!?」

「先輩!?」

「「比企谷君!?」」

本部で雪ノ下隊の皆さんとあった。

「迅さんからぼんち揚げ貰ったんすけど食べます?」

よく考えたら俺はぼんち揚げ意外と好きかもしれない。なんか『ぼっち』と似てるし……『ぼっち揚げ』って食べ物作ったら売れるかな? 売れるわけねーか。

そして雪ノ下隊にはもう一人いる。

「やあ比企谷。オペレータールームで見させてもらったぞ?」

平塚静先生。雪ノ下隊の専属オペレーターでありながら高校教師だ。

そして全員でぼんち揚げを食べながら言う。

「(ポリポリポリ)まったく、あんな技を隠してたなんてお姉さん感心しないぞ~」

と雪ノ下さん。

「(ザクザクザク)ですね~、私なんて不意打ちで退場させられましたし」

と城廻先輩。

「(カリカリカリ)ほんっとですよ。なら最初からそうすればよかったじゃないですか~」

と一色。

「(ゴクン)しかもアレ、あたしにわざと電灯壊させたでしょ? 月が雲で隠れるタイミング見計らってとどめ刺したわけ?」

「いや、電灯を壊されなかったら自分で壊してましたよ」

「(ボリボリ)そうなのか?」

「(ゴリゴリゴリゴリ)でもまあ、比企谷の黒トリガーが夜では使い勝手が悪いと思い込んだ陽乃の油断が敗因だな」

一番ぼんち揚げを食べる音が漢らしい平塚先生が言う。

「そうねぇ、欠陥品どころか完璧じゃない」

「いやいや、月が雲で隠れるタイミングが……または雲があと少し早く晴れたら陽乃が抜け出せた可能性もあったんだ。ようは光の出所の問題さ、陽乃がアステロイドをシューターで用意しておけば影が出来て、影が分断されたかもしれんしな」

本当によく見てるな、この人は……

それよりも俺が雪ノ下隊に接触したのには理由がある。

「今回の遠征でも見つからなかったみたいっすね……」

空気がドヨーンとなる。

「先輩……わかってるなら聞かないで下さい……」

今から三年前。

俺らが高校生だったころ。

俺らの学校がネイバーによって攻撃を受けた。当時はまだ警戒区域になっていなかった所に学校があったため、ゲートが開きネイバーが現れたのだ。

学校の生徒の半分、職員数名がネイバーによってさらわれた。

俺が知っている面子だけで……同じクラスの戸部、大岡、大和、戸塚、川崎、三浦、海老名、相模……そして……

「……雪乃ちゃん……」

雪ノ下。そして……

「……結衣先輩……」

由比ヶ浜だ。

『ちょっ!? 我は!?』

……ああ、そうそう、ついでに材木座。

それらの面子が全員ネイバーにさらわれた。鬼怒田さんの話では、俺らの学校の生徒は偶然トリオン能力の優れた人が集まっていたらしい。

俺らが助かったのも奇跡に近かったと何度も言われた。

そして……俺は……連れ去られた奴等を連れ戻すべく、当初は雪ノ下さんを中心に葉山と一色に誘われ、雪ノ下隊のアタッカーとして入隊したが……黒トリガーを手に入れる事となり、雪ノ下隊を抜けることになったのだった。しかし、その話はまた別の機会。

「ま、今回の任務は失敗して正解っすよ。もし次があったら忍田本部長と天羽まで加わってボーダー戦争になってましたから……」

「おや? もしそうなれば、雪ノ下隊に私も加わるぞ?」

冗談でも言わないで下さい……平塚先生……

平塚先生は今でこそオペレーターだが、この人は雪ノ下さんにシューターの基礎を教えたいわゆる雪ノ下さんの師匠であり、太刀川さんと忍田さんと似たような関係だ。恐らく女性限定にすれば平塚先生と雪ノ下さんはボーダートップの存在だろう……

「それにそのネイバーはあんたらと同じようにネイバーにさらわれた人を取り戻すために新たに加わった玉狛の二人に協力するためにボーダーに入ったから、入れておけば役に立つハズだ」

「そうなのか?」

葉山が聞く。

「私たちと同じ……」

一色も考える。そして城廻先輩は……

「そっかぁ、なら正式入隊日が楽しみだね」

こうして、ボーダーは正式入隊日を平和に迎えようと考えていた。




次回は制式入隊日。
まさかの俺ガイルキャラをC級隊員として登場させる予定です。


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やはり制式入隊日は波乱が起こる。

サブタイトルほど波乱はありませんでした。
C級隊員の俺ガイルキャラを登場です。


一月八日。ボーダー正式入隊日。

入隊式の司会進行はイケメン、美女揃いの嵐山隊が務める。ち、リア充共が……

そして新入隊員の中には玉狛の空閑とお兄さんと友達がネイバーにさらわれたと言っていた雨取。あと付き添いのB級隊員のメガネ君こと三雲。

普通は新入隊員などB級に上がるまではよほどの話題のあるやつが居なければA級隊員が気にすることなどないのだが、今回はそのそれがいるため、風間隊、雪ノ下隊などが見に来ている。

「へー、あれが先輩の言っていた子達ですかぁ?」

俺の隣にいつのまにか一色がいた……

「いや、なんでいるの? ステルスヒッキーで存在消してたのに……」

「ふっふふーん、先輩のサイドエフェクトが存在を消すなら私のサイドエフェクトはそれを見破るのですよ~」

嘘を言うな、嘘を。この場に空閑がいたら『つまんない嘘つくね』と言われてるぞ……

「しかし、ちっちゃいですね~。先輩、ちっちゃい子にはあまいですよね……やっぱり年下好きですか? 私は先輩とは無理です、ごめんなさい」

「なに一人芝居やってんの? 別に関係ないだろ。つか空閑が小さいのは黒トリガーの影響だぞ?」

そんな感じに一色と話していると……

「ん? 先輩。あの子……」

「あ?」

一色に言われて見てみると……鶴見留美がいた。

今から三年前に夏の林間学校とクリスマス会であった子。あいつももう中三か……そういや空閑と同い年だったのか……

様子を見るに、またしてもグループから外れて一人のようだな……

訓練が始まり、スナイパー希望の隊員は移動。中には雨取もいた。

鶴見は、空閑と同じアタッカー&ガンナー&シューター希望者として残った。

「先輩。私もスナイパー組を見に行きますね」

「おう、さっさと行け」

すると今度は葉山が俺のもとへ来た。

「……何のようだ?」

「あれが、ネイバー世界から連れ去られた人を取り戻そうとしている子達なのか?」

「ああ、連れ去られたのはスナイパー組の女の兄と友達だがな……」

「そうか……でもネイバー世界も広い。何処の世界に連れ去られたか、連れ去られた国に行けるかもわからない……いまだに第一次侵攻の行方不明者は見つかっていない。それでもあの子達はやるのか……」

「俺をその言葉で無理矢理同じ隊に入れたお前が言うなよ」

今から三年前。俺らの学校がネイバーに襲われたあと、怪我や精神が安定してきた頃。既にボーダー隊員を兼任していた平塚先生が、連れ去られずに無事だった俺らには高いトリオン能力があることがわかったと言うことでボーダーでの保護を命じられた時、葉山や一色は迷わず隊員になる決心を付けたが、俺はあまり気が進んでいなかった。

俺が今まで使ってきた『ステルスヒッキー』が実はサイドエフェクトだったと認定されたが、俺はボーダーに入隊する気にはなれなかった。

当たり前だ。俺らの学校の生徒の半分も助けられなかったへっぽこ組織に入る気になんかなれるかと言う俺の心の隅にあった怒りだった。

しかし、葉山はなぜか俺をボーダーに入れたがった。なぜか……

『ボーダーでは、既にネイバー世界に遠征に行くことが出来るらしい。俺達とみんなを助けに行くのを手伝って欲しい。これは俺からのただ一人残った奉仕部部員である君への依頼なんだ』

そういわれ、俺は最初はしぶしぶだったが、ボーダーに入隊することになったのだった。

そして俺はサイドエフェクト持ちと言うことで本来1000Pスタートで4000Pで正隊員のハズのC級隊員としての訓練を3600Pスタートで週2回の訓練だけを受けて(ランク戦に参加しなかったことで散々文句を色々言われたが)あっという間に正隊員になったのだった。

「……そうだったな、悪い。ここまで来てなんか自信がなくなってきてさ……最近思うようになった。本当に俺は彼女達を助けられるのだろうかって……不安になってるんだ」

「ま、だろうな……あいつらもいずれなるかもしれねぇ」

「そうだ。だから先輩として諦めろと忠告した方が良いのかもしれない。逆に一緒に取り戻そうと手を差し伸べるべきかもしれない……比企谷だったら……いや、聞かないでおくよ……」

そう言って葉山は行った。俺も訓練室へ向かう。




次回は訓練が主な内容です。
いつになるかはわかりません。


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やはり合同訓練はめんどくさい。

ルミルミのC級隊員。
そしてB級でも俺ガイルキャラ登場!


訓練室にて、制式入隊最初は仮想戦闘モードでの仮想バムスタートリオン兵退治。本来の大きさより小さい上に動かないからすぐに倒せる。制限時間は5分。素人なら一分きれば上出来の訓練だ。俺が入ったときもこの訓練だったな……ちなみに俺の最初の記録は11秒だった。今なら10秒もかからずに倒せる。

『記録、58秒』

ほう、一分きる奴がいたか……そして次は空閑だった。使用トリガーはスコーピオン。

 

ズバッ!

 

『記録、0.6秒』

…………は?

空閑は一瞬でバムスターを倒した。同じ訓練隊員が間違いだと文句を言って空閑はやり直す。

 

ズバッ!

 

『記録、0.4秒』

『縮んでる!?』

これは凄い。確かになれれば一秒もかからずに倒せる奴はいる。玉狛支部で狙った時も動きはよかったが、ここまですごいとは……訓練用トリガーでこれだけ強いなら黒トリガー使われたら俺でもガチで敵わないかも……いや、俺の陰影は奇襲専門だから問題ないか……

同じ訓練隊員が驚いている中、これ以上の記録や匹敵する記録はもう出ないだろうと誰もが予想していたが、その予想は無惨にも外れた。

 

ドゴォッ!

 

『記録、2.5秒』

鶴見が銃型アステロイドでバムスターを一撃で倒した。

おいおい、マジか! ルミルミってあんなにトリオン能力のが高かったのかよ……

『マジか!?』

『あの女、何者だよ!?』

本当にすげぇな……ルミルミ。でもあくまでバムスター相手の訓練。ランク戦とかで空閑と当たれば負けるだろ……

 ……。

 …………。

 ………………。

あのあと、風間隊の風間が、なぜか三雲と模擬戦を行った。結果は三雲の0勝24敗1引き分け。三雲、すげえ負けっぷり。しかし最後の1引き分けは大きな経験値になったと玉狛支部の烏丸や嵐山は言う。

そして日は変わり、次の合同訓練日。訓練が終わり、休憩所。空閑は今日もランク戦でポイントを稼いでいる。そしてルミルミが俺の座っている座席の隣に来た。

「ふー」カタン

「今回も満点か?」

するとルミルミは……

「(ビクッ!)……は、八幡……?……いつからそこに……」

「俺が居たとこにお前が座って来たんだろ……」

「……八幡、影薄すぎ……」

「それが俺のサイドエフェクトだからな……」

キリッとした表情で言うと、ルミルミは『バッカ見たい』と表情で言ってきた……チクショウ……サイドエフェクトは本当なのに……

「……お前、なんでボーダーに入ったの?」

「……お前じゃない。留美」

「ああ、悪い……留美。んで、なんで?」

すると留美は……

「ちょっと前にあった小型ネイバーの一斉駆除のとき、テレビで小さくだけど八幡が映ってた……」

なんだと!? 確かにあのときは市街地での任務だったから黒トリガーが使えず通常トリガーの特別使用許可を忍田さんからとって行っていたが、テレビとかには映らないようにサイドエフェクトを全開にしていたはずだが……

「……私、中学でも結局変われなくて、このままなんだと諦めてた。でもボーダー隊員として活動してた八幡を見て私もなりたいと思った」

俺を見て。か……

「他の人達……雪乃さんや結衣さんもボーダーなの?」

ああ、そうか……留美は知らなかったな……

「……三年前に、ネイバーに連れ去られたよ……」

「……え?……」

「……三年前に俺らの通ってた学校がネイバーに襲われてな……留美が知ってる面子は葉山と一色以外は皆連れ去られちまった……」

すると留美は……

「……ごめん……」

「いいよ。知らなかったわけだしな……それより、ポイントはどうだ?」

すると留美は左手を見せてくる。ポイントは2940Pとなかなか高かった。

「ランク戦、何回か勝てばすぐ正隊員じゃねぇか? やんねぇのか?」

「……だって他のみんな私よりポイント少ないから勝ってもあんまり増えなくて……」

ああ、確かにな。ランク戦はポイントの奪い合いだからポイントが少ない奴に勝ってもポイントは増えづらい。逆に多い奴に勝てば一気に増える。現時点で留美よりも多い奴はほとんどいないだろう……すると……

「お! こないだの黒トリガーの先輩と俺の次にバムスター早く倒した奴」

空閑が俺らの元へ来た。

「比企谷八幡だ。空閑」

「鶴見留美よ」

「ハチマンにルミか。改めてヨロシク」

ピッと手をあげて言う。本当にコイツ小さいな……つか、いきなり名前呼び捨てかよ……

「お、ルミ。お前結構ポイントあるな……俺とランク戦しないか?」

空閑のポイントは現在、1508ポイントとやや低めだった。以外だな……コイツの実力なら3000Pくらいからのスタートでもおかしくないが……ネイバーって事で1000Pスタートだったのか? ま、ごもっともだろうが……

「留美。やってやれよ」

「ヤダ」

即答かよ……

「ふむ、そうか……じゃあ、またいずれ……また新3バカからもらうか……」

そう言って空閑はブースへ向かった。

すると次は……

「あれぇ~? 比企谷じゃん! なんでここに?」

その声は、知っている声だった。

「……折本」




B級隊員、折本かおり。
次回はバトル編。


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やはり鶴見留美はズバ抜けていた。

B級部隊 玉縄隊
隊長 玉縄(ガンナー)
隊員 折本(アタッカー)
   仲町(シューター)


「……折本」

「マジでなんで居んの? 新入隊員?」

「失礼な。俺はS級隊員だよ……」

「S級……って事は、黒トリガー!? 迅さん以外にも居たんだ!?」

訓練生はもちろん、正隊員にも認知されていないどころか存在すら忘れられるS級隊員。俺と天羽。

「アレ? そっちの子は……たしかに高校時代にクリスマスイベントで……」

「鶴見留美……新入隊員です……」

「そっかそっか~、あたしはB級隊員、玉縄隊アタッカーの折本かおり。改めてよろしく~」

玉縄隊? そんな隊あったのか? B級何位だよ……

「玉縄ってまさか海浜の生徒会長だったあいつか?」

「そーそー、誘われてさー」

マジか……全然知らんかった。

「んで、比企谷結局何してんの? 後輩指導?」

「ちげぇよ。ただここで休んでたら留美が来たから話してただけだ」

「へぇ、まあ黒トリガーはランク戦から外れてるから居ても対戦出来ないしね」

すると留美が俺の服の裾を小さく引っ張りつつ聞く。

「ねえ八幡。黒トリガーって何?」

そりゃあ訓練生だと知らなくても仕方ない。本来トリガーの細かい説明はB級になってから行われるものだ。

「ま、使用者の限られた超強力トリガーだとでも思ってくれればいい」

「ふーん……」

「あ、そういえば比企谷知ってる? B級なりたての玉狛支部の隊員がA級の風間さんと引き分けたって噂」

風間と引き分け? 三雲の事か? 正確には24敗1引き分けだぞ?

「んで、その隊員が今、緑川とランク戦してんだよね。どうなんだろ?」

「いや、それって三雲っていうメガネだろ? 風間との試合、正確には24敗1引き分けなんだが……」

「え? マジで?」

「マジで」

「なーんだ。噂が独り歩きしてただけなんだ……」

すると、どうやら折本の言っていた緑川と三雲の対戦が終わったようだった。結果10本勝負、10対0で緑川の圧勝。

「やっぱり所詮は24敗か~」

「折本なら、25敗してただろ?」

「ちょっ!? 失礼じゃないの! 比企谷。否定はできないけど……」

すると、ギャラリーの中で見ていた空閑が緑川に挑み出した。

「……正隊員と訓練生って対戦出来るの?」

留美が聞いてきた。

「たしか、ポイントの取り合いはできないが、完全なフリー対戦なら問題なかったハズだ……」

そう俺が言うと……

「じゃあ八幡。私と対戦してよ」

……………は?

「いや、なにいってんの? ルミルミ」

「ルミルミゆーなし。だって八幡との実力差を確かめたいし……」

「いや、折本がいった通り黒トリガーはランク戦からハブられてるから……」

すると折本が……

「え? 黒トリガーってフリー対戦もダメなんだっけ?」

正隊員なら知っとけ! もし可能なら太刀川さんと迅さんがどんだけフリー対戦でやりあって大変な事になるわ!

「A級時代のトリガーでやればいいじゃないですか~」

そこに第三者の声……

「……一色」

「あ、比企谷の高校時代の生徒会長」

「どうもです~、んで先輩。なら問題ないと思いますけど?」

「てか比企谷ってA級隊員だったの?」

「ええ、元々は雪ノ下隊のアタッカーでした」

「マジで!? めっちゃ意外! そしてめっちゃ見たい!」

おいこら!

「そんなことの許可が降りるわけ……」

「大丈夫だろ。やってやれよ」

さらに迅さんまで登場……無駄に増えるな!? 仕方ねぇ……

「わかったよ。留美、ブースに入れ」

「うん」

俺は留美とフリー対戦を通常トリガーで行うことになってしまった。




次回は八幡対留美。
八幡の黒トリガー無しでの実力を発揮します。


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やはり比企谷八幡は普通に強い。

八幡通常トリガー
メイン スコーピオン レッドバレッド スタアメーカー カメレオン
サブ ハンドガン型ハウンド(アステロイド) バッグワーム シールド


サイドエフェクトとカメレオンのコンボはある意味最強!?


緑川と空閑が対戦が終わり、行こうかと思ったら……

「おっ、オサム。ちょっと待ってくれ。あの対戦を見ていきたい」

ブースに空閑の次に今回の入隊で話題となった鶴見さんと前に空閑を襲った黒トリガーの比企谷先輩のフリー対戦だった。僕は米屋先輩に聞く。

「黒トリガーって、フリー対戦ならいいんですか?」

「いんや、あいつはちょっと前まで今、A級上位の雪ノ下隊のアタッカーだったから、そん時のトリガーでやるみたいだな」

「へぇ、あのぼっち先輩が珍しい……」

緑川も言う。てか『ぼっち先輩』って……

「お、始まったな」

 

 

俺と留美のフリー対戦。勝負は10本。

(まさか……またこのトリガーを使う事になるとはな……)

『開始!』

コールがなり、俺はサイドエフェクト『ステルスヒッキー』を使う。そして、スコーピオンを構える。

 

シャキンッ!

 

「!?」

『トリオン器官破損』

まずは一本。

 

 

「ほうほう。俺の時とおんなじか……たしかハチマン先輩はサイドエフェクトって言ってたっけ?」

「比企谷先輩のサイドエフェクトって……」

「簡単に言うと『影が薄い』だよ~」

「そうそう、カメレオン見たいに消えるわけじゃねぇけど、そこに居るのに存在を認識できなくなるんだよな~。ま、一回不意を付く位しかできねーけど」

「じゃあ、次からは使えないって事ですか?」

「そうなるな。でもヒッキー先輩の面倒な所はそれがあるにも関わらずカメレオンをトリガーにセットしてるところなんだよな~」

「らしいよね~、それでぼっち先輩。風間隊に匹敵するステルス戦闘と強襲のスペシャリストだしね~」

ステルス戦闘と強襲のスペシャリストか……

「2戦目が始まるな」

 

 

『開始!』

俺はスコーピオンを構えて留美に向かう。

留美はアステロイドを構える。俺は……

 

シャキンッ!

 

後ろに回り、留美を刺す。

正隊員同士ならサイドエフェクトとカメレオンを使って完全に見えなくして死角を付くが流石に訓練生相手にそれは大人げない。

 

 

「すごい……」

「ウム。サイドエフェクトをいかしきっているな……」

「本人は地味って言ってるけど、いざこうして見るとすごいサイドエフェクトだよね。ぼっち先輩」

すると、なにやら嵐山さんに少し似た感じのイケメンの人とセミロングの女の人がきた。

「あっれぇ~? 隼人先輩、いろは先輩。チィーッス」

「やぁ、米屋」

米屋先輩は知っているようだった。

「あ、三雲。この二人はヒッキー先輩がA級時代のチームメイトの……」

「葉山隼人だ。よろしく三雲君」

「一色いろはです。よろしく~」

「あ、ど、どうも……」

「どーも、初めまして」

二人に挨拶をしていると、いつの間にか比企谷先輩と鶴見さんの三戦目が終わっていた。結果は前の2戦と同じ比企谷先輩の圧倒だった。

結局、この対戦は九戦目まで比企谷先輩の圧倒で終わった。




次回は八幡対留美のラスト一戦。


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やはり鶴見留美は負けず嫌いである。

八幡対留美 ラスト一戦。


比企谷先輩と鶴見さんのフリー対戦は比企谷先輩の9勝。そして、最後の一戦が始まろうとしていた。

 

 

最後か……ルミルミはどうするか……

 

ガクッ……

 

ん? 腕を下ろした?

「八幡……早く終わらせて……」

まさかの棄権!? どうしたルミルミ!

「おいおい、どうした!?」

「だって、全くもって敵わないし……もう戦う意味もないから……」

おいおい、ルミルミってこんなに諦めが早い奴だったか?

思い起こしてみる。

林間学校のボランティア時……グループからハブれて溶け込むのを諦めてた。

クリスマスイベントの時……周りに溶け込もうとせず一人黙々飾りを作っていた。

あ、思い起こさなくても結構諦めてたな……が、それと同じくらいに……

「おいおい、自分から挑んどいて諦めるのかよ。所詮はその程度か?」

「……む」

……負けず嫌いだった。

「ちょっと前にB級になって、さっきまでランク戦やってた三雲って奴はな、前にA級二位のアタッカーに24敗もしても諦めなかった。そのお陰で最後の一戦は引き分けられたんだぞ? それに比べて9敗中がなんだ。お前はトリオン的に三雲よりは確実に強い。そして三雲が24敗もして1引き分けした風間は通常トリガー同士なら間違いなく俺より強い。なら、最後の一戦くらいあがいて見せろ」

俺が少し挑発的に言うと……

「お前じゃない、留美!」

「もうサイドエフェクトは効かないだろ? 最後は本当の意味での正々堂々だ」

留美は銃を俺に構えてひたすら撃ってくる。俺は避ける。

俺はスコーピオンを構えて向かう。すると留美は下がって大弾を撃つ。その大弾が思ったより大きく……

 

ドゴォッ!

 

『比企谷ダウン!』

……俺は避けきれなかった。俺はトリオン体の半分を持っていかれた。

「や、やった!」

正直、シールドで防ぐと言う選択もあったが、俺も舐めすぎた。

結果、留美の1勝9敗。

 

 

「す、すごい……一本獲った」

「うむ、オサムよりも全然強いな。ルミは」

見ていた葉山先輩や一色先輩も……

「あの比企谷相手に……大金星だね」

「先輩、手を抜きすぎですよ~」

そう言っていると、二人がブースから出てきた。

 

 

「……んだよ。葉山も来てたのかよ」

「ああ、まさか君がまたそのトリガーを使う気になるとはな思わなかったよ……」

「……迅さんや一色に無理強いされたんだよ……」

すると留美は……

「……八幡、強すぎ……」

「ウム、ハチマン先輩、強かったな。通常トリガーであの強さなら黒トリガーではどれだけ強いんだろうな……」

それに対して俺は言った……

「そっくりそのまま空閑にその台詞を返してやる」

すると留美に空閑が……

「落ち込む必要はないぞルミ。俺もはじめてA級の先輩と10本勝負したときは1勝9敗だったからな」

「「「そうなの(か)!?」」」

留美、緑川、米屋と驚く。

「ちなみにそれって誰?」

「玉狛の小南先輩だよ……」

「今は4勝の壁があるがな……」

「そ、そうなんだ……」

すると迅さんが近くに来て言う。

「君は強くなるよ~、いい師匠を持てばさらに早くね。俺のサイドエフェクトがそう言ってる」

「師匠?」

「そして、その師匠に比企谷を推奨するぞ」

……は?

「ちょっ!? 待て待て、俺は後輩指導とかは無理だぞ!?」

「いやいや、比企谷は意外と面倒見がいいから……鶴見さんはどう? 比企谷の弟子になるの」

フッ、甘いな迅さんは……そうだ。ルミルミは嫌がるに決まって……

「よろしくお願いします」

「なんでぇ!?」

「じゃあ、メガネ君、ユーマ。城戸指令がお呼びだ」

そう言って、迅さんは二人を連れて行ってしまった。

「あらためてご指導よろしくお願いします」

「いや、本当にいいのか?」

「全く知らない人に教わるより八幡の方がいい」

「よし、なら知ってる顔の葉山に――」

「悪い。俺は大規模侵攻まで防衛任務があるから」

「――なら一色――」

「ポジションが違いすぎますからぁ~」

くそ、あざとくかわしやがって……ルミルミは……

「八幡は、私が弟子なのは嫌?」

はぁ、仕方ない。迅さんがあんなことを言うからには何か有るかも知れんし……

「わかったよ。とりあえずランク戦でポイントを貯めろ。俺のC級スタートは3600Pスタートだったから、それまでたまったらまた10本勝負してやる」

「わかった」

こうして俺は、ルミルミの師匠になってしまったのだった。




色々と難しくて大変です。
次回も頑張ります。


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やはり俺には大規模侵攻の事を知らされていない。

サブタイトル通り、八幡はルミルミとフリー対戦をするまで大規模侵攻の事を知りませんでした。


俺は現在、怒っている。いや、いじけている。

理由はボーダー内で……訓練生にも通達されている話……近々起きると予想されるネイバーの大規模侵攻の話が俺の所には一切通達されなかったからだ。

「だから悪かったって~。機嫌直せよ~、ぼんち揚げやるから」

「いや、本当にすまなかった……私の通達ミスだ」

迅さんと忍田本部長で謝罪。

「いいですよ……どうせ俺は存在を忘れられる運命ですから……」

「いや、ユーマ君の事に気をとられて言い損なった私が悪い。本当にすまない」

忍田本部長、マジ謝り。聞くところによると空閑の奴の親父は忍田本部長の先輩にあたる初期ボーダーのメンバーでとてもお世話になった人らしい。

「それより迅さん。大規模侵攻で俺はどうなるんすか?」

「ん~、ああ。さっき比企谷の弟子になった子……ルミちゃんだっけ? あの子は大規模侵攻でウチのメガネ君達と一緒にピンチになる。だから比企谷には、なるべくルミちゃんをC級のトリガーでも戦えるように鍛えて欲しいんだ」

!? ルミルミがピンチに!?

「それって、場合によってはルミルミがネイバーに拐われる事もあるって事っすか?」

「ああ、そして一番最悪の未来ではウチのメガネ君が死ぬ結果になる」

三雲が……死ぬ……?

「大丈夫、そうならないように戦うんだ。未来は無限に広がっている。俺等の手で未来を動かすんだ」

迅さんは、俺にぼんち揚げを渡して言った。

 

あの後、俺は空閑が提供した情報で大規模侵攻で襲ってくるのは『アフトクラトル』か『キオン』であること、『アフトクラトル』の連中にはトリオン能力を高める為のツノがあることや黒トリガーが13本もあったことなど、色々と教えてもらった。

そして今……

「いいか? 訓練用トリガーは緊急脱出ができないから大規模侵攻でやられそうになったらとにかく逃げろ。捕獲用に捕まるのも戦闘用に殺される事も駄目だ。とにかく逃げろ」

「うん、でも倒せるなら……」

「訓練用トリガーで倒せるのはバムスターくらいだ。モールモッドみてーな戦闘用トリオン兵はたぶんまだ留美には無理だ。だからトリオン兵にあったら倒そうと考えず逃げろ。だが、もし前に一斉駆除した小型のラッドを見つけたら破壊しろよ?」

「わかった」

ルミルミを特訓中。

とりあえず武器のアステロイドの命中率を上げる。

「あと、これはいざと言うときにだけ使え……」

「ん? なにこれ?」

俺は、黒い箱のような物を留美に渡す。

「お守りみたいなものだ……ピンチになったら開けろ。それまでは持っておけ」

俺はルミルミの特訓を続けた。




次回から大規模侵攻編に入ります。


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やはりネイバーは攻めてくる。

ルミルミはオサム達と同じ中学に所属ということになっています。クラスは別です。
大規模侵攻編スタート


俺は現在、大学で飯を食っている。すると……

「どうも~、せんぱーい」

……一色がきた。

ちなみにこの大学はボーダー正隊員が他にも何人かいる。

「ちょっとちょっと!? 可愛い後輩がやって来ていきなりめんどくさいって顔するのやめてくださいよ!?」

「自分で可愛いとか言うな。あざとい」

「も~、せっかく『先輩は存在を忘れられるから大規模侵攻の事を通達されていないだろうな~』と思って教えに来てあげたのに~」

「本当にあざといな……つかちゃんと通達されたからな。忍田さんから」

「ふーん、なーんだ。てっきり知らされなくていじけてると思ったのに」

全く一色は……それはそうと、俺はA級隊員の誰でも良かったが聞いておきたいことがあった。

「そういや、大規模侵攻では雪ノ下さんが『風刃』を使うのか? 迅さんが手放した以上、真っ先の匹敵候補は雪ノ下さんだろ?」

かつて迅さんが使っていた黒トリガー『風刃』は黒トリガーの中でも特殊で使用可能者がボーダー内に20人近くいる。そして『風刃』争奪戦で迅さんに負けはしたもののギリギリまで追い込んだ雪ノ下さんが一番の匹敵候補となるだろう。ちなみに太刀川さん、葉山は選ばれなかった。

「いいえ。陽さん先輩は辞退しましたよ?」

「マジか!?」

てっきり次の『風刃』のS級隊員は陽乃さんだと思ってたのに……それで雪ノ下隊は葉山隊になると……

「それは私も気になってんですよね~、本部でも悩んでるらしいですよ。嵐山さん、風間さん、木虎ちゃんも辞退しちゃいましたし……だからと言って使わないってのはあり得ませんし……」

迅さんなら予知しているハズだが……いったい誰になるのやら……思い付く候補は加古、村上……

「そういえば、ルミちゃんはどうですか? 迅さんが先輩に指導させたって事は迅さんの予知に何か関わってるんですか?」

「ああ、戦闘能力次第で、三雲や雨取と共にピンチになるらしい。だからアレを留美に渡しておいた」

すると一色は少し考えて――

「ああ、アレですか。大丈夫なんですか? アレって先輩自身の戦闘にも少し影響するんでしょう?」

「ま、同じ黒トリガーとの戦闘になったらヤバイかもな……」

すると、いきなり窓の外が暗くなり……

 

『ゲート発生! ゲート発生! 警戒区域付近の皆様は、直ちに避難してください』

 

……警報が鳴った。

そして全隊員に忍田さんから呼び出しがかかる。

『(ガガ)トリオン兵は基地から見て西、北西、東、南、南西、南東の6方向向かっている。比企谷君。君は南東に向かってくれ』

「わかりました」

俺は、陰影を起動して南東の現場に向かった。




八幡プロフィール
ワールドトリガーバージョン

名前    比企谷八幡
年齢    20歳
誕生日   8月8日
星座    ぺんぎん座
血液型   A型
好きなもの MAXコーヒー ラーメン


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やはり大規模侵攻が始まる。

俺ガイルキャラの誕生日でワールドトリガー版の星座を調べていたら、陽乃さんと冬島隊のリーゼントスナイパー当麻の誕生日が同じだったことに気が付きました。

あと、陽乃さんといろはの血液型がわかりませんでした。自分的な予想では陽乃さんはB型。いろははO型だと思えます。


大規模侵攻が始まった。

敵は戦力を分散してきた。

俺、迅さん、天羽はそれぞれの担当にきたトリオン兵を一人で殲滅する。黒トリガーや実力派エリートはこういうとき楽ができないから損だ。

俺は『影縫い』でひたすらトリオン兵の動きを止めて『影分身』でひたすら倒す。

すると、倒したバムスターの何匹かの中から何やら見たことのないトリオン兵が出てきた。

本部にも通達されたようで、空閑の相棒レプリカの情報によると、これはトリガー使い捕獲用トリオン兵のラービットというらしい。

装甲が硬く『影分身』では攻撃してもちっともダメージを受けない。その上、トリガー使い捕獲用なので戦闘能力も高い。

俺自身で攻撃しようとすると……

 

ドンッ!

 

ラービットの目にトリオン弾が当たる。そして俺はラービットを影クナイで斬った。

……つか、今のトリオン弾は……

「おい一色! なんでこっちにいるんだよ! 雪ノ下さん達と合流しなくていいのか?」

『(ガガ)えー、だって陽さん先輩は本部で太刀川さんと待機だし、葉山先輩は逆方向にいるし、先輩の援護の方がいいかなぁと』

「楽したいだけだろ……てか城廻先輩はどうしたんだよ……」

『めぐり先輩は……既にラービットにキューブにされかけてベイルアウトしたそうです……』

早すぎだろ!?

だが、そのお陰でこの場のラービットは片付いた。

しかし、他の地区のトリオン兵、主にラービットはB級では難しく、A級でも手こずるらしい。人型ネイバーが現れたという情報もあったが、それはB級部隊が黒トリガー使用の空閑を誤認しただけだったらしい……まあ緊急事態だし、空閑の黒トリガー使用はいいよな……

そして今度は、ボーダー基地本部に爆撃型トリオン兵イルガーが五匹も飛んでいった。やべぇぞ!?

 

ドゴォッ! ドゴォッ!

 

本部に2発命中!? 前に雨取がスナイパー用トリガー『アイビス』で基地に穴を開けたことから基地が頑丈になったらしい。残り3体。1体は基地の防衛システムで落とした。が残り2体。流石に耐えられんだろう!? やべぇ、と思った瞬間、さっき一色が言っていた言葉を思い出した。

……陽乃さんと太刀川さんが本部で待機?……

 

ズバッ!

 

バゴォッ!

 

本部屋上から『グラスホッパー』で二人が跳んで、太刀川さんはイルガーを『孤月』の二刀流で斬り、陽乃さんは上からアステロイド合成弾『ギムレット』で叩き落とした。

本部は二人に新型の迎撃を命じた……

そして本部では新型迎撃の為に隊員を総動員して一ヶ所ずつ避難がすんでいない地区のトリオン兵を迎撃していくらしい。つまりは留美や雨取のいる南西地区は最後になる。三雲と木虎が援護に向かっているらしいが……

「一色、お前も南西地区に向かえ」

『えー、なんでですか! いくら留美ちゃんがピンチになるかもだからって……それにレイジさん達も向かっているらしいですから大丈夫ですよ』

「そうか……」

そう思っていた間に追加のトリオン兵が出てきた。

さっさと終わられねぇと……




プロフィール とりあえず出来た人だけ作りました。

名前    雪ノ下 陽乃
年齢    22歳
誕生日   7月7日
星座    つるぎ座
好きなもの 妹か比企谷くんをいじること


名前    一色 いろは
年齢    19歳
誕生日   4月16日
星座    はやぶさ座
好きなもの 葉山先輩?


名前    葉山 隼人
年齢    20歳
誕生日   9月28日
星座    みかづき座
血液型   B型
好きなもの サッカー 友達


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やはり人型ネイバーにはツノがある。

オリジナルネイバー登場。


ルミルミ達のいる南西地区に三雲と木虎が到着したらしく、一安心かと思いきや、木虎がラービットにやられて雨取が盛大にトリオン能力を見せつけてしまったせいで、敵戦力が南西地区に傾き出したらしい。そして敵の狙いはベイルアウトのないC級隊員らしい。

……ルミルミがあぶねぇ!?

「一色! やっぱりお前も南西地区に向かえ! ここは俺が――」

『いえ、先輩。向かうのは先輩の方ですよ』

「なに言ってんだ!? 俺がここを離れたら――」

すると相手にしていたモールモッドが何体か破壊されて――

「雪ノ下、現着しました!」

「葉山、現着しました!」

雪ノ下さんと葉山が南東地区に着いた。どうやら今までこちらに向かっていたらしい。

「ほら、比企谷君。早く南西地区に向かって!」

『そーですよ! 私たちが行くより留美ちゃんは先輩に助けて欲しいハズです!』

「そうだ。ここは俺たちに――」

そう言われた瞬間――

 

ズズゥッ!

 

――ゲートが開き、羊みたいな円を描く感じの白いツノがある黒髪ロングの女の人型ネイバーが現れた。

「……三人……いえ、四人かしら……一人は黒トリガーね……」

おいおいマジか!? こんなタイミングで……

本部からの連絡で他の地区にも人型ネイバーが現れたらしい。その人数は五人。その内四人はツノ付きであり、一人は黒いツノで黒トリガーを確定されている。ちなみに唯一ツノの無い奴はじいさんらしい。一度に投入かよ……

「なおさらここを離れられなくなったな……」

「仕方ないわね……久々に『旧』雪ノ下隊メンバーで闘いましょう」

『(ガガ)本当に……なんの因果でしょうね、オペレーターも私ですし……』

オペレーターは平塚先生ではなく、ベイルアウトした城廻先輩だった。

元々、雪ノ下隊は隊員に陽乃さん。オペレーターに城廻先輩。その他の隊員が俺、葉山、一色だったため、本当に旧雪ノ下隊の面子になった。

「って、あれ? じゃあ平塚先生は……」

『私にオペレーターを押し付けて、三雲君達と木崎さん達の援護に向かってる』

マジか!? 平塚先生が戦闘に参加するのかよ!?

驚いていると、人型ネイバーが攻撃を加えてきた。拳で!

 

ドゴォッ!

 

人型ネイバーが拳を降り下ろした先に大穴が空き、俺と陽乃さんと葉山は避けた。

「……戦闘中に相談とは余裕ね……」

「ま、ツノの色を見る限りお前は黒トリガーではねえ見てぇだしな……」

すると人型ネイバーは……

「舐められたものだわ……所詮はミデンのサルね……」

舐めているわけじゃねえが、正直未知のトリガーなのはかわりねぇ……それに、この人型ネイバーは……なんだ……その……

「この子、雪乃ちゃんに似てるわね……でも容赦しないわ」

……陽乃さんが一番やる気だった。




旧雪ノ下隊
隊長 雪ノ下 陽乃(シューター)
隊員 比企谷 八幡(アタッカー)
   葉山 隼人 (アタッカー)
   一色 いろは(スナイパー)
オペレーター 城廻 めぐり


次回はルミルミ視点のお話にしようと予定しています。
運命はいかに!?


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やはり鶴見留美はネイバーに狙われる。

前回の話より、少し前の話。
ルミルミ対ユーマ

大規模侵攻・ルミルミ視点


八幡と10本勝負をして、八幡の弟子になった私は、あれからとにかくランク戦で戦っている。

しかし、みんな私が大弾を撃ったらやられてしまい相手にならない……

「お、ルミ。今日はハチマン先輩は一緒じゃないのか」

「……空閑君」

八幡から聞く限りでは今回の新入隊員一位の実力者。しかし、背が低い……

「ねえ、こないだは断っちゃったけど、私とランク戦しない?」

「お、今回はやる気だな、ルミ。いいよ、やろうよ」

私は空閑君とランク戦をすることになった。勝負は10本。

『スタート』

空閑君の使用トリガーはスコーピオン。八幡と同じだけど、サイドエフェクトが無い分、素早い動きに注意して……

 

私は空閑君の第一撃をかわした。

「おお!」

そして私は銃を空閑君に向けて……

 

シャキンッ!

 

『伝達脳破損。鶴見ダウン!』

……これが10回続に、結果、私は一回も勝てずに負けてしまった。

 

「ハァハァ、空閑君、強すぎ……」

「いやいや、ルミもなかなかだぞ?」

「圧勝してよくいうよ……バムスター退治の記録はほぼ同じだったのに……」

すると、なにか空閑君とは違った声が聞こえた。

『ふむ、やはりルミはトリオン能力だけで戦っている感じがあるな……』

空閑君の服の中からなにやら黒い生き物?が出てきた。

「な、なに? それ……」

『はじめまして、ルミ。私はレプリカ。ユーマのお目付け役だ』

お目付け役?

「まあ俺の相棒だ、でも確かにルミもトリオン能力はかなり高いな……もしかしたらチカに匹敵するかも……」

『さすがに、チカなみのトリオン能力とはいかないが、恐らく準黒トリガーレベルのトリオンはありそうだ。よくネイバーに狙われるのではないか?』

……確かに、今まで警戒区域に近づくとネイバーが現れることが多かったかも知れない。あまり近づく事もなかったけど……

『しかし戦い方が素人レベルだ。ユーマは幼い頃から戦いなれているが、ルミは格闘技やスポーツの経験もあまり無いのではないか?』

……う、確かにあまり無い。運動神経は悪くはないけど……

『恐らく、その辺りを鍛えれば強くなるだろう。ハチマンにもそういうメニューを組んでもらうといいだろう』

「あ、ありがとう……」

その日から私は、とりあえずジョギング、筋トレ、ストレッチを日課にした。

 

 

 

数日後……

 

『ゲート発生! ゲート発生!』

 

前から通達されていた大規模侵攻が始まった!

私達C級隊員は、住民の避難や救助活動。空閑君は戦闘能力的に三雲君のサポートとして一緒に行った。

私は雨取さん、夏目さんと共に避難。

避難を進めていくと、新型トリオン兵が現れて私達のいる地区が後回しにされることが決まった。

「働き者が損をする。狂ってるぜ」

でも避難が進んでいない区域を優先するなら仕方ない。

「そうか? 俺はここで戦果をあげりゃいいアピールになると思うぜ……倒せる奴がきたら倒す。倒せない戦闘用や新型がきたら戦略的撤退する。賢い奴のやり方だ」

……ああ、この人達は空閑君のいう『3バカ』だった。

私はとりあえず表情だけ『バッカみたい』と思った。

すると言っているそばから、バムスタートリオン兵が現れた。

まずい!?

「酉の陣-輝く鳥(ヴィゾフニル)!」

3バカがバムスターに一斉攻撃。なんとか倒した。

「やれやれC級は戦闘禁止とか言っている場合じゃねーぜ……」

すると、3バカが倒したバムスターの中から……新型トリオン兵が現れた!?

新型は私達に向かってビーム攻撃、私達は逃げる!

すると、三雲君と嵐山隊の木虎さん?がきた。

「嵐山隊!? よりによって、顔がいいだけで広報活動メインのマスコットチームかよ……」

ああ、そういえばこの3バカはそんな認識しているんだっけ? 私は八幡から嵐山隊はちゃんとしたA級部隊だって聞いてる。

すると横から戦闘用のモールモッドが……

そっちは三雲君が対処するみたい。その間、木虎さんは……

 

ドドドドドドッ!

 

「なんだ、あの動き……すげぇ」

「見てないで避難!」

私が3バカに言うと、新型が……飛んだ!? ジャンプなんて感じではなく、空を飛んだ。そして、ビームで無差別攻撃!? まずい!

そして木虎さんは新型に足を取られた……

もう何も言ってられない!

「『アステロイド』!」

私は新型に向かって大弾を撃った。

 

ドゴッ!

 

新型の顔にあたり、こっちを向いた。その瞬間――

 

ズカッ!

 

木虎さんは自分の足を切って、ワイヤートリガーで抜け出して、新型を倒した。

「今、撃った人! C級は戦闘禁止よ!」

「あ、はい! すみません」

「でも、いいアシストだったよ」

木虎さんに怒られ、私は謝り、三雲君に言われた。すると……

 

カシャカシャ……

 

新型の中から、前にテレビで一斉駆除されていた小型が……

 

バチバチバチ!

 

3つのゲートが開いて新型(色違い)が3体出てきた!?

「逃げなさい、早く! こいつらの狙いはC級隊員よ!」

木虎さんがそれを言ってすぐに木虎さんは新型に捕まった。さらには三雲君も新型に吹っ飛ばされた!

私達は逃げるなか、雨取さんがなぜか固まっている!?

「くっ!?」

私は銃を構えて撃つが、のけぞるくらいにしかならない。やっぱりバムスターとは固さが違う!

夏目さんも『アイビス』で撃つが全然ダメだ。夏目さんが捕まりそうになると、雨取さんは夏目さんの『アイビス』を拾い――

 

――とんでもない大弾トリオン弾を新型に撃ちはなった!

それは、まるで大砲かのような威力で、新型の半分が吹っ飛んだ。

さらにはまだ新型が二匹……どうすれば……私は思い出した。

八幡からのお守り!

私は八幡からもらった黒い箱形の物を開けた。

すると……

 

ズズゥッン!

 

私の影の中から、黒い人? みたいなのが出てきた。

なにこれ!?




ルミルミが使った黒い箱形の物の説明は次回。
早めに投稿する予定です。


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やはり黒トリガーは強力である。

陰影 新能力
オリジナルオプショントリガー
オリジナルネイバートリガー


「ちょっと前にルミルミに渡した『影武者』が動いた……一人で人型を相手にするのは厳しいな……」

「『影武者』を留美ちゃんに渡していたのか?」

黒トリガー『陰影』の能力その三。

『影武者』

俺自身のトリオンを箱形に固めて自立固体として、他者に渡す。そして渡した相手がそれを開けると『影分身』よりも少し強力な戦闘能力を持つ『影武者』になる。その戦闘能力は俺本体と同等か足元なみ。……ただし『影武者』が動き始めると、俺からトリオンが『影武者』に取られ続け、減り続けるので、一体しか作れない上に、俺自身の戦闘にも影響する。『影分身』も作れる数が激減する。陽乃さんは言う。

「なら、作戦はBよ」

旧雪ノ下隊作戦B……敵の攻撃を俺に集中させて陽乃さんが敵をシューター力でエースを潰し、葉山と一色で残りを殺る。というチームランク戦の作戦だ。

ちなみに作戦Aは、俺がサイドエフェクトで敵チームのエースを闇討ちして、残りを陽乃さんのシューター力で潰す。そして葉山と一色でその間に他のチームに攻撃を仕掛けるだ。

「要は俺を囮にするってわけね……」

俺は人型ネイバーに影クナイで攻撃をする。

 

ガキンッ!

 

……固ぇ!? 影クナイがかけたぞ!?

さらには……

「『メテオラ』!」

 

チュドーン!

「……かゆい」

陽乃さんの『メテオラ』をくらってもへっちゃらかよ!?

「むー、これはシールドとかで防いだとかじゃなくて本人の防御力そのものをあげる感じかしら? なら、隼人のトリガーが相性いいかもね……」

「……わかりました」

葉山は槍を構えて突く。連続で、そして十八番を使う。

「『流星弧月』!」

 

ザキンッ!

 

『弧月』のオプショントリガー『流星』。弧月の先端をレイピアのよりにギリギリまで細く鋭くしてどんな防御力も貫通する刃となる。

人型ネイバーは避けようとするが……

 

グッ!(!?)

 

俺は既に『影縫い』を人型ネイバーに仕掛けているので動けない。

そして葉山の槍が人型ネイバーに刺さった。

しかし……

「『錬金の硬化(アルケミスタ)』!」

人型ネイバーは、そう叫び、藍色っぽいオーラを纏った。そのオーラで葉山をぶっ飛ばした。

……なんだ? あれ……

「あれがトリガーなのか……これで黒トリガーじゃないなんて……」

葉山は言う。確かにな……一色もトリオン弾を撃つがノーダメージ。さらには『影縫い』の影クナイもオーラで吹っ飛んだ。

「ふん、ミデンの者のトリガーと同じにしてもらっては困るわ」

ツノといい、トリガーといい、流石ネイバーフットの『神の国アフトクラトル』だな……

こうしている間にも俺は『影武者』にトリオンを取られ続けている。

『影武者』がしっかりとルミルミを守ってくれているといいが……




オリジナルネイバートリガーの名前についてはご了承下さい。いい名前が思い付きませんでした。もしかしたら変えるかも知れません……

暫くはルミルミ視点と八幡視点を交互にやる予定です。


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やはりネイバーのトリガーは未知である。

ルミルミ視点。
平塚先生の戦闘。
平塚先生のトリガーはシューター用です。


八幡からもらったお守りから出てきた人形は刀みたいなものを使って新型に攻撃しだした!

 

ジャキンッ!

 

倒せはしないが、足止めにはなっている。私達は避難する。

「鶴見さん! あれは!?」

「八幡からもらったお守りを使ったら出てきた……」

三雲君の発言に私が言うと、三雲君の近くに黒い豆みたいな小さい物?が喋る。

『フム、どうやらアレはハチマンの黒トリガーの能力のようだ。自身のトリオンを自立兵として動かせるようだ』

しゃべり方から、それが空閑君の相棒レプリカだと私はわかった。

『しかし、これほどのトリオンを自立させればハチマン本人になんのリスクも無いとは思えない。あまり長くはもたないだろう……』

……八幡の黒トリガー……

訓練や特訓では使用が禁止されてるから詳しくは知らないけど……いったいなんなんだろう……

私達は逃げながら、三雲君と『アステロイド』で攻撃するが新型には効かない。

「チカ子! ルミルミ! ぶっぱなせ!」

「ルミルミゆーなし!」

「ダメ、家に当たっちゃう」

雨取さんも家を壊してしまうと大砲を撃てない。からといって私の弾じゃダメージが少ない。すると……

 

ドガッ!

 

後ろからクールっぽい筋肉質男性が新型を殴り飛ばした。

「木崎さん!」

雨取さんの知り合い?

「……雨取、スナイパーの基本は忘れたのか?」

雨取さんは答える。

「『スナイパーは居場所を知られたら負け。まずは姿を隠すこと。相手に見つかったまま戦ってはいけない』……です!」

「……よし、覚えてるならいい」

そしてその木崎さんと呼ばれた筋肉の男性は新型を殴り飛ばす。そしたら上から――

「『メテオラ』」

 

ドドドッ!

 

――短い茶髪の二刀流の女性が新型に攻撃を加える。

そして新型は私達にビーム攻撃をしてきた。

すると今度は……

「『エスクード』」

地面から壁が出てきて防ぐ。そして三雲君の近くに一人の男性が現れた。

どうやらこの人達は空閑君達の師匠にあたる先輩達らしい。

そして八幡のお守りの人形が新型に止めを指す。

「なに? あれ、比企谷の『影武者』じゃない。何でここに?」

「知らないんですか? 小南先輩。そこの女の子、比企谷先輩の弟子なんですよ」

三雲君近くにいた男性が言う。

「はぁ? とりまる。あんたまたあたしを騙そうとしてるでしょ? 流石の私もあのぼっち野郎が弟子なんか作らないってわかるわよ!」

「いえ、小南先輩。それは本当です」

「ははは、修。あんたまで先輩を騙す気ね」

三雲君が言っても信じてもらえなかった。

「……えっと、あの、私、本当に八幡の弟子です……」

すると小南と呼ばれた先輩は……

「マジで!?」

八幡の弟子って、どれだけ意外なのだろう……

助かったと思い逃げようとすると――

 

ズズゥ!

 

小型がゲートをあけて、人型ネイバーが二人出てきた!?

一人は耳の後ろにツノがある男性。もう一人は杖をついたおじいさんだった。

ツノの男性はなにやら小さな粒の塊が周囲に飛んでいる……

そして――

 

ドガァッ!

 

道の横からなにやら大砲のような威力のトリオン弾が横切った!? そしてその横切った道から一台の車が走ってきた。

「(ガチャ)ふー、間に合ったのか?」

中から出てきたのは、昔、林間学校で八幡達の引率をやっていた先生だった。

「ひ、平塚先生!? 何でここに!?」

「平塚先生。戦闘許可おりたんですか? 雪ノ下隊のオペレートは?」

とりまると呼ばれた先輩と小南先輩は驚いた。

「ああ、オペレーターは城廻に任せてきた。緊急事態だしな。問題ないだろ」

「タイミングとしては絶好ですよ平塚さん。あっちの新型を小南と片付けてきてください」

「了解だ。木崎、いくぞ小南」

「は、はい!?」

そして平塚先生と小南先輩はほぼ一瞬で新型を倒した。

しかし、人型は四人でも苦戦している。するとツノの男性の攻撃が雨取さんに当たった!?

ダメージはないけど、弾が刺さった状態になった。そして……

 

グワンッ

 

雨取さんが浮かぶ……これは……

「京介!」

「烏丸!」

「了解」

木崎さんと平塚先生に言われ、烏丸と呼ばれた(さっきとりまると呼ばれた)先輩はツノの人型を撃ちまくる。しかし、防御。その隙に木崎さが左から拳で、平塚は逆からシューター用の『アステロイド』の大弾をぶつけた。そして雨取さんは解放されたか落ちる。

「京介、修。C級を連れて基地へ向かえ」

「了解です。いくぞ修、あと……」

「鶴見留美です」

「わかった、鶴見さん」

私達は、小南先輩と木崎さんと平塚先生にその場を任せて基地へ向かうのだった。




ここだけの設定。
平塚先生は現在はボーダー隊員の多くが通う高校で教員をしているため、何人かの隊員から『先生』と呼ばれる。(今でも独身、彼氏なし)

次回は八幡視点。


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やはり人型ネイバーはかなり強い。

サブタイトルが思いつかなくなってきました。

旧雪ノ下隊 対 人型ネイバー

というか、オリジナル人型ネイバーの名前が出せない!?
ちゃんと考えてあるのに!?


人型ネイバーは俺らに攻撃をしてくる。攻撃方法はいたってシンプルなパンチ。俺はギリギリ避け――

 

ガッ!

 

「!?」ゴッ

――避けたはずなのに当たった!? どうなってんだ?

「めぐり!」

『(ガガ)今、解析してますけど、どうやらあのオーラは攻撃範囲を広げる見たいです。一瞬ですがパンチと別にオーラが攻撃をしています』

なるほど……パンチを避けてもオーラが自立攻撃する……スコーピオン見たいにオーラを自由に形を変えて操れるって事か?

「さっき、葉山を吹っ飛ばしたのは葉山の槍じゃなくて葉山そのものを吹っ飛ばしたって事か? ならやっぱり葉山の『流星弧月』が相性はいいはずだ」

「だが、真正面からやってもさっきと同じになる……」

『解析の結果、同時にオーラが攻撃できるのは1方向だけみたい』

1方向……たしかに、さっきも葉山を吹っ飛ばした後で影クナイを飛ばしたからな……

そして全体を覆うように守ってる……クソッ、ただでさえ『影武者』にトリオンを取られ続けて戦いにくいってのに……

「比企谷君はさっきみたいに『影縫い』で動きをとめて。いろはちゃんはひたすら撃って自分に注目を集めて、私と隼人でメイン、隼人は『流星弧月』私は近距離で『メテオラ』をぶつけるわ。めぐり、タイミングをお願い」

『「「「了解」」」』

俺はトリオンが少ないので『影分身』を一体だけつくり、『影分身』の横について、連続攻撃。

 

ゴッ! ゴッ!

 

人型ネイバーは『影分身』を拳で破壊してオーラで俺を攻撃。その間は無防備……

 

ガンッ! ガンッ!

 

逆方向から一色の『ライトニング』の弾が飛んでくるが『影分身』を殴った腕で振り向いてガード。どうやら本当にオーラでの攻撃や防御は一方向しか出来ないようだ。

その間に――

 

「『流星弧月』!」

 

――葉山が死角から攻撃する。そしてもう一度方向から――

 

「『メテオラ』!」

 

――陽乃さんが近距離で『メテオラ』をぶつけるべく近づくが……

「くっ……」

 

ドゴッ!

 

人型ネイバーは地面に向かって拳を降り下ろし、葉山と陽乃さんの前に割れた地面の壁が出来た!?

「くっ!?」

「はぁ!」

葉山の『流星弧月』はその壁をも貫く。陽乃さんは力づくで壁を破壊するが……そこに人型ネイバーの姿はない!?

どこへ行ったと見ていると――

 

ガキンッ!

 

「ぐはっ!?」

葉山の下から人型ネイバーが地中から出てきた!? 葉山が殴り飛ばされた。

そして……

 

ジャキンッ!

 

人型ネイバーのオーラが葉山の首を切り飛ばした。トリオン体だから本体は無事だが――

 

『トリオン体、活動限界、ベイルアウト』

 

葉山が基地に飛んでいった。

「やはり、雛鳥以外のトリガーにはあれがあるのね……捕らえるのが面倒だわ……」

やはりコイツらの目的はC級隊員……ルミルミ達か……

無事でいてくれよ……




ワールドトリガーを100倍楽しむ講座(八幡×いろは バージョン)

八幡「今日は、俺の黒トリガー『陰影』について説明しよう!」キラッ
いろは「先輩。なんかキャラ違くないですか?」
八幡「うるせぇ、迅さんがこのコーナーをやるならこうしろって仕方なくやってんだよ」
いろは「はぁ、なんか先輩、迅さんには弱いですよね……」
八幡「く、仕方ねぇだろ……とにかく説明すると、『陰影』の能力は大きく分けて三つ。一つ目は『影分身』」
いろは「トリオン体の偽物を造れるんですよね?」
八幡「そうだ。ただし、トリオンをコントロールし続けないといけないので、多くても三、四体が限界だ。そして二つ目は『影縫い』」
いろは「先輩の持ってる影クナイを影に刺すと刺された相手が動けなくなるんですよね?」
八幡「そうだ。ただし、夜や暗いところだと影と影の分かれ目が見えにくく、自分も影響を受ける事もある」
いろは「リスクだらけですよね」
八幡「うるさい。そして三つ目が『影武者』だ」
いろは「先輩のトリオンを自立個体にして自立兵として動かせるんですよね、しかも結構強い」
八幡「ただし、動き出すと俺からトリオンが取られ続けるから俺自身にも影響が出る」
いろは「さっきから先輩の黒トリガーってリスクばっかり言っている気がするんですが……」
八幡「仕方ねぇだろ! それが俺の黒トリガーの能力なんだからよ!」
いろは「要するに先輩の黒トリガーは『リスクだらけ』ということですね」
八幡「まて、黒トリガーだって万能じゃねぇ、迅さんが使っていた『風刃』や空閑や天羽の黒トリガー、アフトクラトルの連中の黒トリガーにだってリスクはあるハズだ!」
いろは「じゃあ『風刃』にはどんなリスクがあるんですか?」
八幡「……えっと……接近戦だと弧月とあんまし変わんないこととか残撃を撃ちきったらリロードまでに時間がかかることとかか?」
いろは「じゃあ空閑君や天羽君のは?」
八幡「いや、空閑の黒トリガーはあんまし見たことないから……天羽のは……うっかりすると、あたり一面がまっ平らの更地になること?」
いろは「なんですかそれ!? 天羽君めちゃ怖い!」
八幡「……俺より天羽のが印象に残ってんな……」
いろは「アフトクラトルのは?」
八幡「それこそわからんが……」
いろは「以上、黒トリガーのリスクでした」
八幡「あざとく無理矢理まとめやがった……」
おわり


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やはり平塚静は最強である。

平塚先生視点。
平塚先生の相手は……


三雲達を烏丸と逃がし、私と木崎、小南の三人と敵の人型ネイバー二人。数では有利だがそんなものが通用する相手ではなさそうだ……すると老人の人型ネイバーが……

「……ミデンでの戦いではこの方法が有効ですな」

そう言って、大型トリオン兵を市街地へ向かわせた!? しかもあの方向は……

「くっ!?」

私が行こうとすると木崎が止める。

「平塚さん。気持ちは分かるが追うのは小南に任せて下さい」

「な、ちょっと!」

小南も言う。

「小南、あの方向には京介の家と平塚さんが前に勤めていた学校がある。それに強い奴が残るのがいい。平塚さん、恐らくあなたの方がコイツらと戦える」

たしかにそうだが……

「先生、あたしに任せて下さい。必ずとりまるの家と平塚先生の勤めていた学校は守ります!」

小南はトリオン兵を追っていった。

「ほっほ、出来れば女性お二人で向かってもらいたかったものですが」

「ほう、貴様は女には手を抜く人か?」

「いえいえ、心は痛み入りますが全力でやりますぞ」

老人は言うが……私は木崎と小声で会話する。

「あの老人、余裕がありそうですね」

「そっちのツノ付きは任せた。目的は時間稼ぎだろう?」

「ええ」

「お前なら玉狛支部オリジナルの『全武装(フルアームズ)』を使えば楽に勝てるだろうに……」

「買い被りすぎですよ、平塚さん……」

木崎がそう言うなか、私は両手にシューター用の『アステロイド』を出して合成し『ギムレット』にする……

そして私は撃ちはなつ!

「ほう」

老人は飛び上がる。私は、さらに右手で『メテオラ』を撃つ。

その弾を老人は杖で弾く。

その間、木崎はツノ付きを誘導。トラップ型メテオラとワイヤー型トリガー『スパイダー』を使い、爆風を起こす。すると、老人が……

「『星の杖(オルガノン)』」

そう叫ぶと、あたりの建物が一斉に破壊された!?

『『星の杖(オルガノン)』!? あれは『アフトクラトルの国宝』とまで呼ばれた黒トリガーだ』

国宝だと!? って、いましゃべったのは……空閑のお目付け役のレプリカか?

というより、たしかネイバーフットでは黒トリガーは本国の守りに使われるため本国を離れる事はほとんどないと聞いたが……国宝とまで呼ばれる黒トリガーを投入してくるとは……何かあったのか?

老人はさらに攻撃を加えようとする。

私は離れ、木崎は『シールド』を張った。が……

 

ジャキンッ!

 

木崎の『シールド』に干渉せずに木崎は体が切られた!?

「くっ!? スラスターオン!」

木崎は持っていた『レイガスト』のオプショントリガー『スラスター』を使って老人の足に投げつけた。

 

『トリオン体、活動限界。ベイルアウト』

 

木崎は玉狛支部へ飛んでいった。く、これで2対1……

「では、ミデンの淑女。これにて……」

老人とツノ付きは背中に羽のような物をまとい、飛んでいった!?

私は追いかけようとするが……

『(ガガ)待て、平塚君。君は本部へ戻ってくれ!』

鬼怒田開発室長からかかってきた……

「どうしたんですか?」

『(ガガ)人型ネイバーが……黒トリガーが……基地に侵入し……(プツン)』

そこで通信が途絶えた……基地に黒トリガーが侵入!?

私は本部へ向かうのだった。




次回はルミルミ視点。
平塚先生にはまだやってもらいたい事があります。


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やはり比企谷八幡は弟子を守りに行く。

描けなかった、八幡、留美、平塚先生以外の場所での戦いでのオリジナルエピソード。

米屋、出水、緑川達のランバネイン戦に玉縄隊・折本も参戦していた。
オサム達を助ける場面で出す予定です。


留美視点。

「ダメです。ドアが開きません」

ボーダー本部へ向かうために連絡通路に来たが、なぜかドアが開かない。すると雨取さんが………

「追いかけてくる……! 二人、すごい速さで……!」

雨取さんが言うと、さっき木崎さんと平塚先生達が足止めしていた人型ネイバー二人が追い付いてきた。

八幡からもらった『影武者』もダメージが大きく、戦える状態じゃない……すると……

 

ドガンッ!

 

「!?」

空から何かが飛んできた!? 飛んできたのは………

「迅さん!?」

元八幡と同じS級隊員の迅さんだった。そしてもう一人………

「『弾』印(バウンド)六重(セクスタ)」

 

ズドッ!

 

空閑君が上から人型に蹴りを入れる。

「そっちは頼むぜ京介、メガネ君。あと留美ちゃんも、比企谷の弟子に『影武者』もあるならトリオン兵くらいなら相手にできるはずだ。三人と『影武者』で他のC級を守りながら基地へ向かってくれ」

「了解!」

私たちは、直接本部へ向かう。

 

 

八幡視点。

葉山が人型に殺られてしまい、ベイルアウトした。

やべえな……決定打を打てる奴がいなくなっちまった………

すると………

 

ズズゥ

 

「メリーノ。現場変更よ」

「ミラ様」

ゲートが開き、黒いツノの女の人型ネイバーが現れた。黒トリガーか!?

「金の雛鳥を追っていたヴィザ翁とヒュースが足止めを受けてるの、だから貴女と隊長で金の雛鳥を追ってちょうだい」

「……了解しました」

人型はゲートの中に入った。おいまて!

俺は追いかけるが………

「邪魔ね」

 

ドッ!

 

俺の後ろから黒いゲートが開き、そこから人型のオーラ攻撃が飛んできた!?

この黒トリガーの能力は空間移動かよ!?

「くっ!?」

俺はギリギリで避けたが、その間に人型に逃げられてしまった………

「あの人達の目的はC級………なら留美ちゃん達のいる南西にいったはずよ、比企谷君、向かって! ここのトリオン兵はあたしといろはちゃんで蹴散らすから」

『いってください! 先輩』

「わかった!?」

俺は、南西に向かう。

 

 

平塚先生視点。

「クソッ、C級達を追うか………基地に戻るか………」

一応、ここまで来た車は無事だ。だが、迎えるのはどちらか………

『ヒラツカ、向かうべきはオサム達の元だ』

木崎についていたちびレプリカが私に言う。

『本部では黒トリガーを訓連室に閉じ込め、忍田本部長が迎え撃つ準備をしているようだ。貴方はオサム達の元へ来てくれ、ユーマと迅も向かっている』

「そうか、わかった」

私は車に乗り込み、C級達の元へ向かった。




メリーノ(オリジナルネイバー)
17歳
出身:アフトクラトル
身長:167㎝
トリガー:『錬金の硬化(アルケミスタ)』
好きなもの:ネコをもふもふすること 勝負に勝つこと 


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やはり八幡の弟子とは意外である。

留美視点です。


空閑君と迅さんが足止めをしているが、トリオン兵、主に新型が襲ってくる。八幡の『影武者』がうまく守ってくれるが、数が多い……すると――

 

ドドドッ! ガギンッ!×3

 

「固っ、何コイツ?」

「噂の新型だろ、ウジャウジャいんなー」

「そう、それ!」

「緑川! 米屋先輩!」

「折本さん!」

そこに来たのは、前に空閑君に殺られた緑川君とその対戦を見ていたカチューシャの人と、A級1位のエンブレムを付けた人と、折本さんだった。

「よー京介。先輩が助太刀してやるぜ。泣いて感謝しろよ」

「泣かないすけど、感謝しますよ」

「ん? あれはヒッキー先輩の『影武者』……誰が持ってたんだ?」

A級1位の人は、八幡の『影武者』を見て疑問に思う……

「私です。私、八幡の弟子なので……」

するとA級1位の人は……

「マジか!? ヒッキー先輩が弟子!? こりゃ、大志さん悔しがるぞ~」

大志さん? 誰の事だろう? でも何処かで聞いたような……

そんな事より、新型トリオン兵が襲ってくる。緑川君、米屋先輩、折本さん、A級1位の人、烏丸さん、三雲君で一体ずつ対処するが、まだ相手の方が数が多い……

「お願い」

八幡の『影武者』がさらに一体新型を抑え、私は『アステロイド』を撃つ。夏目さんも撃つが新型の動きが素早くて当たらない!?

さらには色つきの新型の攻撃で三雲君が磁力で動けなく!? 色つきの新型は人型ネイバーの能力が使える見たい!? さらには……

 

ズズゥッ

 

「ミラ様の言うにはあの女の子が金の雛鳥? あんな女の子が……信じられないわね……」

ゲートから女の人型ネイバーが出てきた……あの人型は!?

「雪ノ下さん!? いや、違うね……」

折本さんが言った。私も思った……その人型ネイバーは雪乃さんにそっくりだった……頭の羊みたいなツノを除けば……

「雪ノ下さん? 陽さん先輩には似てねぇだろ?」

「いえ、雪ノ下陽乃さんの妹さん……3年前にネイバーに連れ去られた雪ノ下雪乃さんに似ているんです」

私はA級1位の人に言った。

「……なるほどねぇ……だが、容赦はしねぇぜ!『アステロイド』」

A級1位の人は、人型に放つ。すごい……

その間に三雲君は、雨取さんのトリオンを使って『アステロイド』を撃ち放つ! 私も援護射撃を撃つ!

その威力はとてつもなく、雨取さんの超トリオンに三雲君の頭脳が加わって威力がアップしているように思えた……

「おい、メガネ君。おまえ何者だ? トリオン半端ねーな! ヒッキー先輩の御弟子さんもなかなかいい腕で……」

「本部所属の鶴見留美です!」

「玉狛支部の三雲修です。こっちは同じ玉狛支部の雨取千佳と本部所属の夏目さん。さっきのは、ぼくのトリオンじゃなくて、千佳のトリオンをぼくのトリガーで撃っただけです」

「あまとりちか……?」

「本部では『玉狛のトリオン怪獣(モンスター)』って呼ばれてます」

「ああ! 基地に『アイビス』で穴開けたって言うあの! 俺は出水。おれらで人型を片付けようぜ……っと!?」

すると人型が攻撃してきた!?

 

ドゴォッ!

 

人型の拳の攻撃は地面に大穴を開けた!

「あっちでもこっちでも、ミデンでは戦闘中のおしゃべりが流行ってるのかしら?」

人型は言う。

「うひ~、さっきのゴリラっぽい弾バカ人型とうってかわって、こっちは可愛い顔してバリバリの肉弾戦タイプかよ……」

私達は人型との戦闘に入る……




次回も留美視点の予定です。


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やはり平塚静は生徒を守れなかった。

過去編。
平塚先生視点。
ひさしぶりの投稿です。


今から3年前。

 

『イレギュラーゲート発生! イレギュラーゲート発生! 市街地にゲートが開きます! 近くの市民の皆様はただちに避難してください! 繰り返します!』

当時はゲート発生ポイントを制限できる区域が今より狭く、たまにイレギュラーゲートが発生してしまうことがまれにあった。しかし、当時からボーダーメンバーはかなりの実力者が揃っていたため、さほどの被害は出ていなかった。しかし運悪く、今、私が勤務する学校にゲートが開いた。

「くっ! トリガー・オン!」

私はトリガーを使用しトリオン体となり、トリオン兵を倒しながら生徒たちを避難する。

「皆! 早く外へ! 訓練生がいれば護身用としてトリガーの使用を許可する!」

その学校には少数ではあったが訓練生が通っていた。が………

「うわあああ!?」

私のこの判断がミスだった。訓練生に使用を許可したせいで、トリオン兵は彼等へ迎いだした。

当時の私は接近戦がメインのアタッカートリガーだったため、離れた敵に攻撃することは難しかった。他の味方もおらず、一人で闘うのにも限界があった。

その結果………

 

『警告!トリオン漏出大』

『トリオン体、活動限界。ベイルアウト』

 

私はトリオン兵に殺られてしまい、生徒達を見捨てる形でベイルアウトしてしまった。

そのあと、私はボーダー正隊員をかき集めて既に向かっていた部隊と共に学校へ戻った。が、時既に遅し………

生徒は半分がネイバーにさらわれ、残った生徒もケガを追い、教職員は数名が死亡。

私は自分が情けなかった。そして悔しかった。守れなかった自分が………ベイルアウトしてしまった自分が………

私は、この日を境に、使用トリガーをアタッカー用から離れていても攻撃が出来るシューター用に持ち代え、二度とこんなことにはさせない! と心に誓った。例えこの命に変えても生徒達を守ると………

 

 

 

そして現在。私は生徒を危機にさらしている。

絶対に誰一人、連れ去らさせてたまるか!

「ん? あれは……」

私は、車を止め、近くにいる隊員に声をかける。

「三輪!」

すると三輪は振り向く。

「……あんたは、平塚先生。戦闘に参加していたのか……」

「ああ……そうだ。ついでだ。これをお前に渡しておこう」

私は、車からあるものを三輪に渡す。

「……!? なぜ先生がそれを……」

私が渡したのは――――――――――――『風刃』だ。

「迅から聞いた。お前がこれを持て」

「……断る。俺には玉狛の奴など知らん! ネイバーはそんなものに頼らず倒す!」

私は、三輪をみて思い出す。かつての……旧雪ノ下隊の姿を………

「三輪、少し聞いてほしい話がある」

私は、三輪に話した。旧雪ノ下隊の悲劇。比企谷が雪ノ下隊を辞めた時の話を――




次回。
旧雪ノ下隊の悲劇。
八幡黒トリガー化の秘密……


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やはり雪ノ下隊はA級に昇格する。

比企谷八幡の黒トリガーの秘密……
時は現在から二年前。


学校がネイバーに襲われなんとか生き残った俺、比企谷八幡は、ボーダーに入隊して一年がたった。

「雪ノ下隊。A級認定、おめでとうございまーす! カンパーイ!」

……そして今、雪ノ下隊はA級部隊としてランク戦を勝ち上がった。今は隊長陽乃さん。葉山、一色。オペレーターの城廻先輩とパーティをしている。

……正直参加したくなかったが、一色に無理矢理連れてこさせられた。

「いやぁ、これも比企谷君のサイドエフェクトのおかげだねぇ」

「まあ、その通りっすね」

「うっわ、先輩。そこは『そんなことないですよ~』とか言う所じゃないですか~?」

うるせぇ。実際ここまで勝ち上がれたのは俺がステルスヒッキーで敵チームのエースを奇襲、闇討ちしてきたのが大きいだろが! だからB級中位の荒船隊や上位の本牧隊に難なく勝てたんだろ。

「だけど、ここからが本番よ。あたしたちの目的は遠征部隊選抜。A級には比企谷君のサイドエフェクトの通用しない菊地原君や影浦君もいるしね」

そう俺はサイドエフェクトで大抵の相手なら十本勝負をして十本負けることはないが菊地原と影浦に関してだけはサイドエフェクトが通用しないため十本勝負で十本負ける。雪ノ下隊にとってはここが正念場だ。

「まぁまぁ、今はこの場の空気を楽しみましょうよ」

「うんうん、そうだね。比企谷君の妹さんもボーダーに入隊したことだし」

「小町はまだC級ですがね……」

そうこの場は雪ノ下隊のA級認定のお祝いの他に小町のボーダー入隊を祝う会でもある。

「待っててね、小町もすぐに正隊員になるから」

正隊員になっても雪ノ下隊には入れないがな……人数的に。

小町は正隊員になったら新しいチームを作ることになるだろう。

一応、小町はスナイパー。なので一色が師匠になって面倒を見てくれている。正直あざといこの二人に組ませたくはない……

こうして、時は過ぎていった。

 

 

ある日。俺は本部に呼び出された。

そこにいるのは城戸指令、鬼怒田さん、根付さん、忍田本部長、林藤支部長、あと迅さん。

そして机の中央に何やら黒いトリガーホルダー?のような物が置いてある。

「よく来たな。まずはA級昇格おめでとうと言っておこう」

「へ? あ、ど、どうも……」

城戸指令の予想外の言葉に俺は口ごもる。そして説明を受ける。

「これは少し前の遠征で手に入れた、まだトリオンを注ぐ前の黒トリガーだ」

……!? 黒トリガー……

「比企谷を呼んだのは、迅のサイドエフェクトでこれは比企谷が持つべきだと出たからだ。比企谷八幡。君にこれを預ける」

……迅さんの未来予知のサイドエフェクトでこれを俺が持つべきだと出た……それはつまり……

「……なるほど。俺は近々死ぬって出たわけか……」

すると忍田さんが机を叩いて言う。

「まだそうと決まったわけではない! 迅の予知も君が持つべきと出ただけだ。それにトリオンを注いだと出たわけじゃない!」

たしかにそうかもしれない。だが、黒トリガーの力は未知だ。もし必要とあれば……

俺は、これを雪ノ下隊の面子に内密にして、預かった。




次回。
陰影誕生秘話(予定)。


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やはり雪ノ下隊は遠征部隊に……

トリオンを注ぐ前の黒トリガーって無いんですかね?
トリオンを注ぐ器があるのでは? と思っていたのですが……


雪ノ下隊がA級になって早1年。

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁっ! くーやーしーいー!!」

一色の魂の叫び。

説明すると、俺ら雪ノ下隊はA級4位まで勝ち上がったが、ネイバーフット遠征選抜試験のランク戦に負けたのだ。

ちなみに相手は二宮隊と風間隊。

俺は、菊地原にサイドエフェクト対決で封じられ、一色と葉山は二宮隊スナイパーの鳩原に一色の『アイビス』と葉山の『弧月(槍)』を破壊され、それを好機に風間隊の歌川や二ノ宮隊の辻、犬飼に殺られた。

陽乃さんは風間さんと二宮相手に三つ巴の戦いを行ったが、陽乃さんのトリオン切れでベイルアウト。

結果、雪ノ下隊は初めての惨敗になった。

「ハトちゃんのスナイプ正確すぎ! 人は撃てないくせに~」

全くだ。スナイパーとひとくくりにすれば上手い奴は他にもいるが、女子だけに絞ればあれだけ上手いスナイパーは一色と鳩原くらいだな……つっても鳩原は人が撃てないのが原因でランキングは下位だが……

だが、鳩原は人が撃てない。なぜかは知らんが……

しかし、鳩原も遠征部隊を必死に目指してきた奴だ。喜ばしいことかも知れん。

「それより一色。小町はどうなんだ? 未だにC級のままだが……」

「うーん。小町ちゃん、トリオン能力は高いんですけどそれに頼りすぎてる感じで、スナイプ技術があまり良くなくて……、このままだときびしいかもですね~」

確かに小町はトリオンはかなり高い。『アイビス』の威力は大型バムスターを一撃で倒せるほどだ。だが『イーグレット』や『ライトニング』を使うとどうも当たらないため、ランキングは下位だ。なんかそこは小町と似てるな……

「ま、とにかく今後に期待だな。それじゃあ、ま、遠征部隊選抜試験はまだ終わっちゃいねぇ、今日の防衛任務をさっさと終わらせて太刀川隊、影浦隊の対策だ」

しかし雪ノ下隊は、結局この時の選抜試験では遠征部隊に選ばれなかった……

 

しかし、数日後。

「二宮隊が遠征部隊合格取り消し!?」

選抜試験が終わり、今回の遠征部隊が太刀川隊、冬島隊、風間隊、二ノ宮隊に決まったと思いきや、そんな話が城戸指令から入った。

「そうだ。今回のネイバーフット遠征には二宮隊の代わりに雪ノ下隊に行ってもらう」

「ど、どうしてですか!? 二宮隊の何が問題なんですか!?」

すると、城戸指令は言った。

「鳩原隊員が、人を撃てないから。と言っておこうか……」

城戸指令のその判断は正しいが納得出来なかった。

その数日後、鳩原は弟子の絵馬を残してボーダーから姿を消し、二宮隊はB級部隊に降格した……

 ………………。

 …………。

 ……。

「なんか……実感わかないですね……」

「ああ、ずっと目指してきた事なのに……納得のいく選ばれ方を出来なかった感じだな……」

一色と葉山が言う。確かにだ。遠征部隊に選ばれることを目標にしてきたのにこんな選ばれ方じゃ納得ができない……

すると……

「なーにショボくれ照るんですか! 皆さん! おこぼれでもよかったじゃないですか! 後は雪乃さんや結衣さんたちのいる国さえ見つければ目的達成ですよ! 頑張りましょう!」

「小町。お前はさっさとB級に上がれ……」

「ふぇ~い……」

……だが、この時の比企谷八幡は知らなかった。まさかこんな形で、自分が遠征に行けなくなるなんて……




次回こそ陰影誕生です。あとついでにめぐり先輩が戦闘員になった理由も出すつもりです!


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やはり俺は黒トリガーを手にいれる。

八幡の黒トリガーの媒体発表。
久々の投稿です。


遠征部隊に選抜された雪ノ下隊。

今はその準備に俺は多めにマッカンを買っておく。

これがないと俺は死んじゃうからね☆★

そして、いまだにC級のままの小町ともしばらく会えないからね。今のうちに色々と一緒に過ごしておこう。

 

『ゲート発生! ゲート発生! イレギュラーゲートが開きます! 近くの民間人は直ちに避難を!』

 

!? 市外にゲートが!? なんで!? 出てきたのはモールモッド3体。

俺はトリガーを起動。

「「トリガーオン!」」

ん?

「おい、小町! なんでおまえもトリガー使ってんだよ!?」

「戦う訳じゃないよ。みんなを避難させるだけ。ボーダー隊員だって わかりやすい方がいいでしょ?」

……確かにそうかもしれん。

「お兄ちゃんは早くあのトリオン兵を倒してきて!!」

「わかった」

俺はモールモッドに『スコーピオン』で応戦。

とはいっても、俺は奇襲と闇討ちが専門なので正直に言うと対トリオン兵戦は得意ではない。特に1対多の闘いは………

すると……

 

ガキンッ!

 

モールモッドにトリオン弾が当たる。とんできた方を見ると『ライトニング』を構えた小町だった。

「おい! 小町!?」

『ぐだぐだ言わない!』

小町はさらに撃つ。が、ライトニングの威力では聞かない。

「避難は終わったのか!?」

『うん!』

なら小町に援護してもらった方がいいかもしれん……一色の弟子だから腕も確かだが……

そして俺はあることに気が付いた。

モールモッドが一体居なくなっていることに!?

 

ジャギャッン! ぼふんっ!

 

(っ!? 今の音は!?)

した音はあきらかにトリオン体が消滅した音だった。

そして上から――

 

ドサッ!

 

生身の体の小町が落ちてきた。

「小町ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」

俺は小町の元へ走り出す。しかしたどり着いてもモールモッドはまだ生きている。

俺は、小町の近くへ行き、シールドで覆い、地面からスコーピオンの戦法である『モールクロー』でモールモッドを下から刺した。まだ倒せてはいないが、時間稼ぎくらいにはなる。

俺は小町に駆け寄る。

「小町! 小町ぃぃ!?」

(くそ、やっぱり逃がすべきだった……)

小町は動かない。まだ多少の息はある……だがいつ死んでもおかしくない怪我だった。

今すぐ病院に運んでも助かるか……俺は、あるものを思い出した……

 

『このトリガーに全トリオンと命を注ぐ事で黒トリガーは完成する。そして、黒トリガーは未知の力を持つ。風前の灯火の命を助けることもな……』

『お前は近いうちに大きな選択を迫られる。その選択次第ではお前は大きく変わる事になる。だから気を付けておけよ』

城戸指令と迅さんの言葉。

俺は、黒トリガーを出す。

「俺は……小町を助ける!」

俺は黒トリガーにトリオンを注ごうとした――瞬間。

 

パンッ!

 

俺の手から黒トリガーがはたき落とされた……

それを行ったのは……

「こ、小町……」

「も……もう……お兄……ちゃん……は……ごみぃ……ちゃん……なんだ……から……」

「やめろ! しゃべるな!?」

「ダメ……だよ……死んだら……小町……は……嬉しく……ない」

「だけど、このままじゃ小町が!?」

「小町……は……死なない……よ……お兄ちゃん……と一緒……だから……生きて……それで……雪乃さん……達を……」

小町は落ちた黒トリガーに手を当てる……おいやめろ!?

「小町ぃぃぃぃ!?!??」

俺が叫んだ瞬間。小町は光に包まれる。そして、黒トリガーはグリップタイプのものから腕輪……ブレスレットの形のものに変化した。

そして小町は―――塵となって崩れた。




次回。
八幡、雪ノ下隊、脱退。

めぐりん、戦う!


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やはり俺は遠征に行くことが出来ない。

小町を失った八幡……


…………小町。

 

俺はあのあと、黒トリガーを使ってモールモッドを倒した……他のボーダー隊員が到着したのはその一時間後だった。

小町が死んだ事実を聞いた一色は泣いた。葉山や陽乃さん達もだ。

そして、俺は……

「……これが新たな黒トリガーか……」

本部に呼び出された。

「色々な隊員で試してみた結果、比企谷君にしか使えませんでした……」

小町を媒体にした黒トリガーは俺にしか使えないことが判明。そしてその能力から、その黒トリガーには『陰影』と名付けられた。

そして、俺は……S級隊員となった。

 ……。

 …………。

 ………………。

「と言うわけで、俺は雪ノ下隊を脱隊することになりました……ついでに遠征にも行けません」

黒トリガーとなった俺は、雪ノ下隊を辞めなければならなくなった。

勿論、それは雪ノ下隊の誰もが認めなかった。

一色なんて城戸指令に直訴しだした。

同時に、平塚先生も認めなかった。

だが、本部はその反対をおしきり、俺を脱隊させた。

いや、俺自身も、雪ノ下隊を辞めたかったのかも知れない。

奉仕部を、学校を、そして小町を失った俺に、もう何を守れと言うのだろうか……

数日後、雪ノ下隊は遠征に出た。

 ……。

 …………。

 ………………。

さらに数日後、雪ノ下隊は遠征から帰還。遠征したネイバー世界には由比ヶ浜達は居なかった……

雪ノ下隊はそこからが問題だった。

(裏の)エースが抜けたことで、ランク戦は敗北が続いた。

雪ノ下隊は遠征部隊選抜から程遠い部隊に落ちた。が、驚くことが起こった。

「平塚先生。雪ノ下隊に入って下さい」

雪ノ下隊オペレーターの城廻先輩が平塚先生に言った。

当時、平塚先生は無所属の隊員だったため問題はなかった。しかし、城廻先輩が言ったのは……

「戦闘員として入隊してほしいわけじゃありません。私がオペレーターから戦闘員になるので、オペレーターを変わって欲しいんです」

城廻先輩が……? 戦闘員に!?

ボーダーで戦闘員→オペレーター(エンジニア)は珍しくないが、逆は珍しかった。しかし、城廻先輩にはそれでもおかしくないサイドエフェクトがあった。

雪ノ下隊は変わった。新隊員、城廻先輩を入れたことで、ふたたびトップチームへと名を轟かせた……

俺は……そんな雪ノ下隊を見て……城廻先輩が『もう心配ないよ』と言ったように思えた……

 

俺はある日。忍田本部長から話があると呼び出された。

「今さらだが、妹さんは、残念だったな……」

「いえ……」

「話というのは……君に私の部下になって貰いたいという話だ」

何を言い出すかと思えば……

ボーダーには三つの派閥がある。俺はこの時は城戸派だったが、忍田派に移ってほしいとの事だった。

「無理ですよ……妹を殺されて……今さらネイバーを恨むななんて……」

「恨むなとは言わない……妹さんの事は私達にも責任がある。君に黒トリガーを預けた時、迅には君が黒トリガーになる未来と君に黒トリガー使いになる未来が見えていた。それをわかっていて君に黒トリガーを預けた」

「それはわかってます。だけど、できれば俺が黒トリガーになる方に未来が進んでほしかったです」

「それは違う! もし君が黒トリガーになれば、悲しむ人がより多かった。だから妹さんは君を生かしたんだ」

そんなバカな……だって小町は黒トリガーの事を……

「妹さんは知っていたよ。君が黒トリガーを持っていたことを」

……っ!? なんだと!?

「君が本部に呼び出された時、妹さんが迅のもとへ行って聞き出したらしい」

忍田本部長が言うと――

「忍田さんのいうことは本当だよ」

――迅さんが来た。

「妹さんにいきなり聞かれて、俺は答えた。妹さんは、もし、自分が黒トリガーになったらこう伝えてほしいって言ってた『小町は、ここにいる』」

迅さんは、黒トリガーのブレスレットに触れて言う。

さらに迅さんは――

「『風刃』の媒体の最上さんは、俺の師匠だった。だけど最上さんはここにいる」

――迅さんは言う。そうだ。小町は黒トリガーの中にいる。

俺はこの日忍田派になった。




次回から大規模侵攻編に戻ります。
めぐりん先輩のサイドエフェクトについてはまたいずれ……


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やはり平塚静は『風刃』を託す。

時間がかかりました。
大規模深攻編に戻ります。
後半は留美視点。



三輪に話終え、さらに言う。

「もし、比企谷の妹さんがネイバーに殺されていれば、あいつはお前のようにネイバーを恨まずにはいられなかっただろう……」

「……だからどうした」

「逆にお前のお姉さんがネイバーに殺されるのではなく、比企谷の妹のように黒トリガーになっていたのなら、お前は今の比企谷のようになっていた……いや、そこまでネイバーを恨まなかっただろう……」

私は三輪に言う。

「……お前は、そのときの比企谷の姿の予想図のようだ。もし『陰影』が『風刃』のようにお前に使えたのならば、私は比企谷に無理を言ってお前に渡したかも知れん。ただ、それは復讐の為にではなく、他人に自分と同じ思いをさせないためにだ」

私は間をつくり、言う。

「三輪。迅の予知通りに三雲を守れとは言わん。だが、これ以上、お前や比企谷と同じような思いをするやつを増やすな! その為に私はこれをお前に託す……」

私さは『風刃』を三輪に向ける……

「……誰になんと言われようとも、俺はネイバーを倒す。これは受け取っておくが、守ってやるとは思うな!」

三輪は私から『風刃』を受けとり、去っていく……

私は車に乗り直し、C級達の元へ向かう。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

留美視点。

 

現在、私達は出水さんが人型ネイバーと、三雲君、緑川君、米谷さん、折本さんで新型トリオン兵と交戦中。私は八幡の『影武者』と自分の『アステロイド』で援護するも、上手く当たらない。雨取さんは三雲君のそばでトリオンを供給している。

そんな戦いを繰り広げていると――

 

――光る鳥? が何匹も飛んできた?

 

飛んでくる方を見ると――

 

「『神の卵(アレクトール)』」

 

黒いツノの人型ネイバーが手に持つ光から鳥を出していた!

そして、鳥が何匹か他のC級隊員に当たると――四角いキューブにされた!?

「ハイレイン様……」

出水さんが相手にしていた人型ネイバーも驚いていた。他のC級隊員の皆はあわてて逃げ出すが、次々とキューブにされていく。そして何匹かが『影武者』に当たる……すると『影武者』は鳥が当たった部分がキューブにされ、崩れていく……!?

私、緑川君、米谷さん、折本さんは鳥を切ったり撃ったりすると――武器や弾がキューブにされた!?

「メガネ君、留美ちゃん。C級連れて逃げろ」

出水さんが細かく『ハウンド』で鳥を撃ち落としているが、同時にもう一人の人型も攻撃してくるので、私は人型ネイバーに『アステロイド』を撃つ。

三雲君も、雨取さんのトリオンで鳥を出す人型ネイバーに『アステロイド』を撃つが――

 

鳥に避けられ、雨取さんがキューブにされた!?




次はいつになるか……
わかりませんが頑張ります。


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やはり城廻めぐりにはサイドエフェクトがある。

ダメだ……何回考えても……ワールドトリガー版の八幡のチビキャラが想像できない……
あの(゜3゜)←こんな感じの八幡の顔が想像できない……

更新お待たせいたしました……


本部に黒トリガーが侵入した。職員が次々と被害に遭っていくが、なんとか諏訪隊が訓練室に閉じ込めた。

忍田本部長も訓練室に向かっている。

「本部! 雪ノ下隊のオペレートをしていた城廻です」

『おお! 城廻!』

『平塚くんと代わっていたのか!?』

「私が諏訪隊と忍田本部長に繋いでください。私のサイドエフェクトで皆さんをサポートします」

 

城廻めぐり サイドエフェクト

『強化声援影響』

彼女の声によって応援されると通常よりも力を発揮しやすくなる。なだめられると穏やかになる。罵倒されると気がおちる。

そういった声を聴くことでの感情変化が強く、人間の能力を引き出す地味ながら今のような大規模な任務には役立つサイドエフェクト。

私は雪ノ下隊のオペレーター時代に、沢村さんみたいに本部所属のナビゲーターにもスカウトされたが、私は雪ノ下隊に残ることを選んだ。……もっと言えば、戦闘員に転職すると話したときは話した人々全員に『なんで?』と言われた。それはそうと、今は諏訪さん達のサポートだね。

「諏訪さん、堤さん。聞こえますか? 城廻です」

『お、めぐりちゃんか』

『城廻さん、聞こえてます』

「今から私が訓練室の皆さんをサイドエフェクトでサポートします。オペレートはオサノさんですが、よろしくお願いします」

『おう!』

『お願いします』

諏訪さんは敵黒トリガーをショットガンでドカドカ撃つ、敵黒トリガーの能力は固体、液体、気体にトリオン消費体を変化させられる事だとわかり、トリオン器官を探し見つけたが、威力が足りない上に敵はそれに気づき、ダミーを生成してきた……そして、仮想戦闘モードが解けた……!?

「もうすぐ忍田本部長がくるから耐えてください」

『おう!』

『了解』

諏訪さんと堤さんが答えるが、片腕の無い諏訪さんと笹森君では耐えられるか……と思ったら……

 

『旋空弧月』

 

ドガァッ! と忍田本部長が到着。どうやらかなりショートカットしてきたようだ。

そして、エアコンを使って敵の黒トリガーの気体の能力を封じて忍田本部長はダミーもろとも全て切ったが――

『終わりじゃねーよ』

――黒トリガー使いは健在!? どうやらとっさに弱点を移したようだ。しかも、忍田本部長が気体の攻撃を受けた!?

(ダメ! 不安になって声が漏れたら、諏訪さん達に影響する)

私は声をかける。

「諏訪さん。まだダミーが出来てません。今のうちに『スタアメーカー』を!」

『おう!』

諏訪さんは撃ちまくり、マーカーがついた。

黒トリガーはダミーを生成したが、もう遅いよ!

その後、笹森君が『カメレオン』で奇襲をかけようとするが……

『それはもう見たぜ』

黒トリガーはあっさり見破る。だけどそれが目的だよ!

「歌川君! 菊地原!」

二人が弱点を斬る。二人はずっとそばにいたけど、黒トリガーは気づいていなかった。

黒トリガー使いは生身になった。

すると――

『……エネドラ』

他の黒トリガー使いが現れた。まずい!?

『遅えんだよ……ぐはっ!?』

――援軍か救済の黒トリガー使いかと思いきや……その黒トリガー使いは生身の仲間を刺した!?

そして、もう一人の黒トリガー使いは消えた……

『城廻君。忍田だ』

「は、はい!」

『君といい、菊地原君といい、サイドエフェクトだ。助かったよ』

「い、いえ……」

『……雪ノ下隊のオペレートに戻りたまえ。いや、サポートできる範囲でいい、できるだけ多くの隊員のサポートを頼む』

「了解しました!」

私は隊のオペレートに戻った。




ワールドトリガーコミックスカバー裏の人物紹介をこの作品のキャラでやってみました。

トリオンまおう
 はるさん
“チカが入るまではボーダーNo.1のトリオンを誇り、メテオラ1発で仮想空間のビルを破壊したことから、そのあだ名がついた。つけたのは八幡。”

バカじゃない槍
 はやま
“『みんな仲良く』がモットーの皆の好い人。いい人なせいか加古さんの炒飯をよく食べさせられる。堤さんと同じ『死にやすい人』
八幡とは仲が悪いつもりだが、端から見ると誰もが仲よしと思われる……”

とりあえず出来た二人。その他は今後……


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