俺、ツインテールになります。AIRs HERO (風墳K)
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主人公・オリキャラ説明
主人公説明+オリキャラ説明


主人公とオリキャラの説明回です。
今後増えていくかも知れません。
(4/11修正)


主人公

二摘 輝跡(ふたつみ きせき)

年齢 15歳

誕生日 5月5日

身長 162㎝

体重 54㎏

属性力 不明

 

本作の主人公

私立陽月学園高等部一年で、今は独り暮らし。

中二病の両親を持ち、本人もほんの少し中二病である。そのせいか、小中と友達がいなかった。(いじめられていた訳ではない)

根は明るく、素直なのだが、それらを言葉に表すことは少ない。

女の子が好きで、可愛い子のためならば死んでもかまわないという謎の精神がある。時にはそれが暴走することもある。自分がテイルエアーなのに、テイルエアーファンクラブを創設する程、自分自身に溺愛(本当はテイルエアーに)している。

だが、交際に関しては疎い。

好きな食べ物は甘い物。クレープやケーキ等には目がない。

好きな飲み物はコーヒー。だが、ブラックが飲めない。基本微糖を好む。

小さい頃に親友と呼べる人がいたが、その人の顔すら覚えてない。変身アイテムの核である髪止め…テイルバレットをその友達から貰っている。

属性力がわかっていない。仮面ツインテールは属性力では無い力による変身なのだと考えている。

父親と母親のせいで友達がいなかったのを根に持っていて早く親元から離れたく、家から遠い私立陽月学園高等部に入学することを決意する。因みにだが、他に第一志望で私立南十字学園、第二志望で風都総合高等学校を受けているが、私立南十字学園はフェリーの時間を間違えて遅刻、そのため試験を受けられず、次の風都総合高等学校は問題用紙の記入ミス。第三志望の陽月学園高等部になんとか合格出来た。

こんな性格だが、入学試験にはトップ成績で合格している。

仮面ツインテールから貰ったワープ装置を私用するなど、兎に角好き勝手に行動している。幽霊が苦手。

趣味は散歩や美味しいコーヒーの喫茶店を見つけたり、ネットゲームをすること。

いつも誕生日がGWと重なるためいつも両親からGW発売の新作変身アイテムやロボットを貰っていた。

一度、翔太郎に助けて貰い、その後、翔太郎とフィリップに対して信頼を寄せている。

昔遊んでいた時計型変身アイテムを本物の変身アイテムにする。テイルバレットを入れた時計…テイルタイマーを使用し、変身する。

 

 

テイルエアー

 

身長 131㎝

体重 28㎏

B70/W43/H65

 

見た目はテイルレッドに似ている。胸がそれなりにあるのだが、着痩せしているため目立たない。

服装としてはテイルレッドの服装に似ている所も多いが髪の色が黄緑で装甲の色も全体的に黄緑と水色、黒が使われている。ツインテールは少し短めで肩より数㎝長い程度。そのため、ツインテールを地面に付けないように遠心力を使いカポエラ等を使うことが出来る。

この変身技術は実はテイルバレットの中に元からあった物で、基本、テイルブレスと同じである。だが、特殊能力がエアーにはあり10秒間だけ加速(自分だけ)させることが出来る。10秒過ぎると強制的に加速が終わる。設定で10秒以上にすることも可能だが、それをやると服が破けるらしい。

俺と言うと強制的に僕と変わってしまう。

テイルバレット単体でも変身は可能だが、本人はやる気の問題ということでそれをしない。

 

必殺技

フォールナックル

スカイストーム

10秒間だけ本気出す

 

 

 

二摘美咲(ふたつみ みさき)

年齢 36歳

誕生日 11月2日

身長 160㎝

体重 45㎏

 

輝跡の母親。現在進行形で中二病である。

話しの後に~を付ける癖がある。そのためか、冗談と真剣な時の見分けが付きにくい。

以外に息子に対しては放任主義で、本人曰く「その方が息子のドラマが面白くなる~」からそうだ。輝跡の家に監視カメラや盗聴器を設置していたが、全て破壊されている。

休日はいつでも出撃出来るように全身タイツの格好(本人は戦闘服と言っている)で家にいる。そのため、近所からは変態家族なのどと呼ばれている。だが、人当たりは良く、お節介やきでもあるため近所からの評判はいい。

昔、「自称美少女イエロー」と言っていた。高校生の時、現在の夫、二摘才悟と出会い結婚する。

ライバルがいるらしい。

 

 

 

二摘才悟(ふたつみ さいご)

年齢 36歳

誕生日 11月4日

身長 175㎝

体重 62㎏

 

玩具会社「才天堂」の若社長。その発想や気転により売上を伸ばした。「世界で名のある若社長」で取り上げられる程。玩具だけではなく、ゲームソフト、子供用具、化粧品、スポーツ用品など、数々のもので業績を上げている。本人はそれらを「したいからやった」と話している。私生活での思い付きなどがそのまま業績となる。

少しダンディーな顔立ちで、女性社員にモテるが、嫁である美咲以外に恋愛感情は涌かない。兎に角美咲のことが好きで長期休暇なのどは二人でデートしたり、旅行したりしている。(この時輝跡は留守番)

酷い中二病であるが、本人はそれを自覚している。

輝跡の独り暮らしに賛成した。理由としては「ある日、女の子がベランダにぶら下がっているような面白ハプニングに親同伴は無いだろ」とのこと。

輝跡のヒーローとしての活躍を期待している人物でもある。

昔、ライバルがいたが、そのライバルは既に死んでしまっているらしい。

自称「レッドよりも格好いいグリーン」

 

 

 

テイルシャーマ

 

年齢 不明

誕生日 不明

身長 129㎝

体重 26㎏

B61/W48/H64

属性力 不明

 

殆どテイルレッドと瓜二つのツインテールの戦士。アルティメギルと面接があるらしい。別世界のツインテールの戦士だと思われる。

見た目はテイルレッドに似ているがスラスターの代わりにスカート(腰の部分だけ)履いていたり、装甲の色が紅と白を基調としていたりツインテールが少しバラバラだったり、違う所は多々ある。性格は冷静だったり、熱かったり…様々。というより気まぐれが多い。めんどくさいことにはあまり首を突っ込みたがらない。渋々この世界に来たようなことを言っている。

ツインテイルズと違い宙に浮ける。

ドラグギルディが少し同様していたことからテイルシャーマの世界で何かあったようだ。

実力は不明。だが、ドラグギルディの言い方からするとかなりのものだと思われる。

 

 

ムールギルディ

 

身長 200㎝

体重 147㎏

属性力 山登属性(マウンテン属性)

 

テイルエアーが初めて一人だけで戦ったエレメリアン。山登りをする女の子を求めて山に現れるが、山開き前の山だったため、誰もおらず悲しんでいた。テイルエアーと山登りをするところの動画を取りYou〇ubeに投稿。精神的なダメージをテイルエアーに与えた。(本人はそんなつもりは無かった)

元はリヴァイアギルディの部下だったが巨乳には興味が無く、ドラグギルディの部下に転属した。実力は本当に雑魚。取り柄は盾が頑丈なくらい(それでもテイルレッドのブレイザーブレイドで壊せるくらい)。




テイルシャーマの正体はまだ不明です。一応。
まあ、分かる人には分かるんですけどね。
それでは、本編をお楽しみ下さい。


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追加設定&第39話までの変更点

39話まで読んでいない人にとってはネタバレになりますのでご注意を。

その他裏設定等が含まれます。

誤字、脱字、感想あればどうぞ。


主人公

二摘 輝跡(ふたつみ きせき)

年齢 15歳

誕生日 5月5日

身長 162㎝

体重 54㎏

属性力 私好き(アイラブ)属性

    ツインテール属性

    眼鏡属性

 

本作の主人公

私立陽月学園高等部一年で、今は独り暮らし。髪は黒。

中二病の両親を持ち、本人もほんの少し中二病である。そのせいか、小中と友達がいなかった。(いじめられていた訳ではない)

根は明るく、素直なのだが、それらを言葉に表すことは少なかったがツインテイルズと出会ってから良く言うようになった。

女の子が好きで、可愛い子のためならば死んでもかまわないという謎の精神がある。時にはそれが暴走することもある。自分がテイルエアーなのに、テイルエアーファンクラブを創設する程、自分自身に溺愛(本当はテイルエアーに)している。

だが、自らの交際に関しては疎い。

好きな食べ物は甘い物。クレープやケーキ等には目がない。

好きな飲み物はコーヒー。だが、ブラックが飲めない。基本微糖を好む。

小さい頃に親友と呼べる人がいたが、その人の顔すら覚えてない。変身アイテムの核である髪止め…テイルバレットをその友達から貰っている。

属性力がわかっていなかった。仮面ツインテールは属性力では無い力による変身なのだと考えていたが本人の属性力の特性によるものだと判明する。

父親と母親のせいで友達がいなかったのを根に持っていて早く親元から離れたく、家から遠い私立陽月学園高等部に入学することを決意する。因みにだが、他に第一志望で私立南十字学園、第二志望で風都総合高等学校を受けているが、私立南十字学園はフェリーの時間を間違えて遅刻、そのため試験を受けられず、次の風都総合高等学校は問題用紙の記入ミス。第三志望の陽月学園高等部になんとか合格出来た。

こんな性格だが、入学試験にはトップ成績で合格している。

仮面ツインテールから貰ったワープ装置を私用するなど、兎に角好き勝手に行動している。幽霊が苦手。

趣味は散歩や美味しいコーヒーの喫茶店を見つけたり、ネットゲームをすること。

いつも誕生日がGWと重なるためいつも両親からGW発売の新作変身アイテムやロボットを貰っていた。

一度、翔太郎に助けて貰い、その後、翔太郎とフィリップに対して信頼を寄せている。

昔遊んでいた時計型変身アイテムを本物の変身アイテムにする。テイルバレットを入れた時計…テイルタイマーを使用し、変身していたが、テイルタイマーがこれまでの戦いにより破損寸前だったためトゥアールに新しく中間機のテイルギアを作って貰った。テイルタイマーが無くなったため加速能力は無くなった。

29話にて女体化してからは性欲が完璧にツインテールやら眼鏡への愛情へ変換され始めた。

 

私好き(アイラブ)

好きになった属性へ変化できる属性。元に好きになった属性への属性力が大きくすることができる。属性追加機構はこの属性を利用している。尚、この属性事態が珍しく、いくらツインテールや眼鏡の属性があっても属性追加機構が発動しなければ察知されにくい。執念に調べればわかる。

 

ミライ・フィーツ

 

身長 145㎝

体重 40㎏

B80/W53/H75

 

輝跡が女体化した姿。テイルエアーがそのまま成長した姿ではあるが髪の色が黒色。女体化当初は男の姿に戻れなかったがテイルバレットの力で自由にこの姿になることが出来るようになった。

尚、この姿だと性格が悪くなる。

 

テイルエアー

 

身長 131㎝

体重 28㎏

B70/W43/H65

 

見た目はテイルレッドに似ている。胸がそれなりにあるのだが、着痩せしているため目立たない。

服装としてはテイルレッドの服装に似ている所も多いが髪の色が黄緑で装甲の色も全体的に黄緑と水色、黒が使われている。ツインテールは少し短めで肩より数㎝長い程度。そのため、ツインテールを地面に付けないように遠心力を使いカポエラ等を使うことが出来る。

この変身技術は実はテイルバレットの中に元からあった物で、基本、テイルブレスと同じである。だが、特殊能力がエアーにはあり10秒間だけ加速(自分だけ)させることが出来る。10秒過ぎると強制的に加速が終わる。設定で10秒以上にすることも可能だが、それをやると服が破けるらしい。

フィリップからエアーメモリとマキシマムスロット貰ってからはそれでの必殺技を使うようになった。

フォースナイファーはフィリップが作ってくれた時は未完成(設計図自体は才悟が提案)。数々の戦いとエアーメモリのマキシマムブレイク、ブレイクレリースのエネルギーに耐えきれず壊れてしまう。その後トゥアールに新規のフォースナイファーを作ってもらた。

俺と言うと強制的に僕と変わってしまう。

テイルバレット単体でも変身は可能だが、本人はやる気の問題ということでそれをしなかったが、トゥアールに直接的変身は危険と言われたのを気にテイルブレスでの変身にこだわるようになる。

変身する際もテイルドライブからテイルオンに掛け声を変えた。理由は仲間意識を強くするため。

 

フォースナイファー

初代 フィリップ作

二代目 トゥアール作

設計図 二摘才悟

テイルエアーの唯一の武器。後付け武器である。ツインテイルズの他のメンバーと同じくブレイクレリースを行うことができるがエアー自身のエネルギーを大量に使ってしまうためあまり使わなかった。基本、エネルギー切れをしないエアーメモリを使う。フィリップが作ったフォースナイファーは輝跡の世界での技術で作られたため耐久力が待たずテイルレッドとの戦闘で壊れてしまった。トゥアールに作って貰った結果、ブレイクレリースとマキシマムブレイクの両立に成功。だが、やはりエアー自身のエネルギーを大量に使う。

因みに、この設計図は才悟が玩具のアイデアに困ってた際、とある都市にて見た白で青い炎を着けたような仮面の輩が持っていた武器を元ネタにして作ったとか。

 

 

属性追加機構(エレメントプラス)

自身を追加したい属性のものを着ける(または強化する)ことにより追加装甲や武装を施す機構。テイルバレットの中にあるブラックボックスの一つ。追加される装甲や武装は本人の意思により形作られる。持続時間は修行前が1秒、修行後は22秒まで延びた。

 

壱武装(ワンウェポン)

属性追加機構による武装のどれかを呼び出し装備できる能力。属性追加機構よりもその武装維持への時間が約18倍になる。

 

眼鏡運命(グラスティニー)

イースナの眼鏡を着けた事と眼鏡属性への興味により発現したモード。武装兼装甲はガンダムSEEDdestinyのデスティニーそのもの。黄緑色のフレームの眼鏡を着けている。

単純に火力が特化されている。この状態だと空も飛べる。

 

二結自由(ツイーダム)

異世界の人達との修行により手に入れたツインテール属性を強化したモード。武装と装甲はガンダムSEEDdestinyのストライクフリーダムそのもの。肩程のツインテールが腰まで伸びた。

範囲攻撃が可能となり、スピードが上がった。なりより直感が優れるようになり相手の攻撃をかわしたり、敵の位置を何となくわかるようになった。代わりに防御力が無い。

 

 

必殺技

フォールナックル

スカイストーム

10秒間だけ本気出す(テイルタイマーが壊れたため使えなくなる)

 

エアーメモリを利用した必殺技

フォースドライブ

フォーススラッシュ

フォースクラッシャー(ブレイクレリースと同時使用)

 

 

 

 

 

二摘美咲(ふたつみ みさき)

年齢 36歳

誕生日 11月2日

身長 160㎝

体重 45㎏

 

輝跡の母親。現在進行形で中二病である。

話しの後に~を付ける癖がある。そのためか、冗談と真剣な時の見分けが付きにくい。

以外に息子に対しては放任主義で、本人曰く「その方が息子のドラマが面白くなる~」からそうだ。輝跡の家に監視カメラや盗聴器を設置していたが、全て破壊されている。

休日はいつでも出撃出来るように全身タイツの格好(本人は戦闘服と言っている)で家にいる。そのため、近所からは変態家族なのどと呼ばれている。だが、人当たりは良く、お節介やきでもあるため近所からの評判はいい。

昔、「自称美少女イエロー」と言っていた。高校生の時、現在の夫、二摘才悟と出会い結婚する。

ライバルがいるらしい。

後輩である神堂慧夢に輝跡の正体を明かしてしまう。

 

 

二摘才悟(ふたつみ さいご)

年齢 36歳

誕生日 11月4日

身長 175㎝

体重 62㎏

 

玩具会社「才天堂」の若社長。その発想や気転により売上を伸ばした。「世界で名のある若社長」で取り上げられる程。玩具だけではなく、ゲームソフト、子供用具、化粧品、スポーツ用品など、数々のもので業績を上げている。本人はそれらを「したいからやった」と話している。私生活での思い付きなどがそのまま業績となる。

少しダンディーな顔立ちで、女性社員にモテるが、嫁である美咲以外に恋愛感情は涌かない。兎に角美咲のことが好きで長期休暇なのどは二人でデートしたり、旅行したりしている。(この時輝跡は留守番)

酷い中二病であるが、本人はそれを自覚している。

輝跡の独り暮らしに賛成した。理由としては「ある日、女の子がベランダにぶら下がっているような面白ハプニングに親同伴は無いだろ」とのこと。

輝跡のヒーローとしての活躍を期待している人物でもある。

昔、ライバルがいたが、そのライバルは既に死んでしまっているらしい。

自称「レッドよりも格好いいグリーン」

 

 

 

上条「博麗」霊夢

(かみじょう「はくれい」れいむ)

 

身長 150㎝

体重 ????

B??/W??/H??

能力 宙に浮く程度の能力

 

東方projectの主人公。上条当真の双子の妹。幻想郷で博麗の巫女としていたが、エレメリアンに散々な目に会わされて他の住人から押し付けられるような形で輝跡達の世界にやってきた。最初は嫌がっていたが、この世界の娯楽と友人関係(愛香)に恵まれ居心地が良くなってしまった。当真のラッキースケベをもっとも受けている存在でもあるが、霊夢自体、実は当真にやられるのは満更ではなかったりする。当真のことが好きなのだが双子ということもあり言えずにいる。

実はある妖怪から変化の術が込められている札を貰っておりそれでテイルシャーマになることができる。因みに、変身しなくても能力は使える模様。

 

テイルシャーマ

 

身長 129㎝

体重 26㎏

B61/W48/H64

属性力 不明

 

「偽装結界 幻夢」と言って札を使いこの姿へとなる。見た目はテイルレッドに似ているがスラスターの代わりにスカート(腰の部分だけ)履いていたり、装甲の色が紅と白を基調としていたりツインテールが少しバラバラだったり、違う所は多々ある。性格は冷静だったり、熱かったり…様々。というより気まぐれが多い。武器はお払い棒。

ツインテイルズと違い宙に浮ける。

 

神技 八方鬼縛陣

 

 

 

上条「博麗」当真「当麻」

(かみじょう「はくれい」とうま)

 

身長 168㎝

体重 推定58㎏

能力 幻想殺し(イマジンブレイカー)

   異能を無効化する程度の能力

   守りきる程度の能力

 

霊夢の双子の兄。とある魔術の禁術目録の主人公。因みにこの当麻は高校入学時の当麻であり、何故か世界線を越え幻想郷にやって来た。とある妖怪が外の世界にて面白半分で当麻と霊夢の遺伝子を調べたら殆ど一致したため兄妹になった。(何故霊夢が妹か不明)尚、幻想郷前の記憶は曖昧。

霊力の操作等を幻想郷にて習い空は飛べる。霊力を幻想殺しに込めることで能力を変える事が出来る。

女性ならば大抵当真のラッキースケベの標的にされる。霊夢を妹として大切に思っている。何故か尊先生に狙われている(名前的に狙われ安いのか?)。

 

 

 

比那名居天子(ひななゐてんし)

 

身長 156㎝

体重 ????

B??/W??/H??

 

能力 大地を操る程度の能力

 

東方projectのキャラ。貧乳。愛香と同じ悩みを持つ者。輝跡と夢が同調してしまったせいでこの世界に行かされた。霊夢達の協力者。自信過剰ではあるが自重を覚えたのかそこまでの行動はしなくなった。夏休みの間、輝跡と二人っきりになるか幻想郷に帰るか考え、輝跡に言った結果半ギレ状態で幻想郷に帰ることにした。輝跡に対して好意を持っており、日に日に輝跡への好意を隠せなくなった。本作のヒロイン。

 

テイルザイン

身長体重全てテイルブルーと同じ

 

「偽装結界 現夢」と言って札を使いこの姿へとなる。見た目はまんまテイルブルー。各種の色が虹色になっているのとツインテールの結び目に桃の飾りを着けている。武器は剣(緋想の剣)。

大きめの石などを自由に操り相手にぶつける。やろうとすれば地震すら起こせる。かなり頑丈らしい。

 

 

K(けい)

 

身長 168㎝

女体化時 145㎝

 

異世界の輝跡。チート持ち。上賀輝積は勇者ではない。の上賀輝積。輝跡へ様々な事を教えたりした張本人。様々な世界を又にかけている存在でもある。名前はたくさんあるためこれといった名前が無い。Kはコードネーム。常識をどこかに置いていった感じの存在。常識が通用しない人物。不死身。この小説の前、試作段階の時の主人公でテイルエアーだったりする。尚、試作の小説は出していない。因みに、身長はこちらの方が高い。

 

 

 

姫海堂隆勇(ひめかいどう たかとし)

テイルデュエル

 

身長 160㎝(変身時も変わらない)

 

結婚済みの少年。見た目は少年だがバリバリの成人。絵文字を多用する。武器はグフカスタムの盾と剣に似ている。ツッコミ兼ボケ役。実はニュータイプ素質があり、テイルデュエルに何故か装備されているサイコフレームと共鳴し、ND-Tのようなモードへとなる(本人はそれを自由に操れる)。その世界でのエイリアンと戦うために力を付けている。嫁への愛は誰にも負けないと自負している。因みに婿。

 

 

 

観月竜介(みづき りゅうすけ)

テイルフレイム

 

身長 178㎝

変身時 168㎝

 

自分が正義と言い張る人物。性格こそ問題だが根はすごく好い人。何気にモテる。テイルフレイムに変身すると目付きが悪くなる。本人は変身を快く思っていない(Kに無理矢理されたのと、変身願望はあったが女の子では無くヒーローになりたかった)。覚醒すると火炎を自由に操れるようになる。武器は刀。赤いテイルブルーといった感じである。冗談は通用しないがボケはする。

 

 

 

荒木宮(あらき みや)

テイルドラグ

 

身長 159㎝

体重 48㎏

B85/W52/H80

 

黒髪の中結びのツインテール。ツインテールの長さは腰程。異世界のツインテールの正式な戦士。己の力で属性力を取り出し変身してみせた。実はドラグギルディの生まれ変わり。ドラグギルディの記憶を幾つか受け継いでおり、いつかテイルレッドとツインテールについて話し合うことを夢にみている。変身時、黒鉄色の装甲に被われ、ツインテールは金色になる。人間に興味を持ち、学校に通っている。ファン(という名のストーカー)に困っている。

 

 

 

ムールギルディ

 

身長 200㎝

体重 147㎏

属性力 山登属性(マウンテン属性)

 

テイルエアーが初めて一人だけで戦ったエレメリアン。山登りをする女の子を求めて山に現れるが、山開き前の山だったため、誰もおらず悲しんでいた。テイルエアーと山登りをするところの動画を取りYou〇ubeに投稿。精神的なダメージをテイルエアーに与えた。(本人はそんなつもりは無かった)

元はリヴァイアギルディの部下だったが巨乳には興味が無く、ドラグギルディの部下に転属した。実力は本当に雑魚。取り柄は盾が頑丈なくらい(それでもテイルレッドのブレイザーブレイドで壊せるくらい)。

 

 

 

ライトロイヤー

 

身長 151㎝

体重 39㎏

B69/W51/H71

属性力 不明

 

アルティメギルの破壊者。頭領に指示された他にも気にくわない雑魚のエレメリアンを破壊する権限をもっている。ツインテイルズになにか因縁があり、父親を殺したと言っている。武器はフェンシングの剣(名前はまだ無い)。素早い一撃を相手に与える。水色と白の装甲が特徴。白い髪で下結びのツインテール。破壊衝動が強く、特に生き物の断末魔が好き。「~な」が口癖。体つきが細く、貧乳。目が完全に死んだ目になっている。他人からの押し付けるイメージ等が大嫌い。強さ的にはダークグラスパーとほぼ同格。

 

 

 

オクトギルディ

 

身長 210㎝

体重 170㎏

属性力 不明

 

触手二本で立っているタコ型エレメリアン。6つの腕(触手)で器用に物を掴む。執事服を常に着ている。ライトロイヤーの執事でありながら良き理解者。元クラーケンギルディの部下。

 

 

 

ロブスギルディ

 

身長 225㎝

体重 211㎏

属性力 過去中二病(ブラックダイアリー)

 

大きな鋏が特徴のエレメリアン。属性力的に良く勘違いされているが本人自身は中二病では無い。

密かにダークグラスパーに憧れを抱いており(会ったことは無く噂で人間だと知ってはいる)、間違って話しかけてしまったライトロイヤーに破壊された。

ダークグラスパーに対して闇の死刑人という二つ名が格好良いといことで憧れてた。

 

 

 

キメラギルディ

 

身長 210㎝

体重 200㎏

属性力 下見上(アンダーアングル)

 

ドラグギルディの隊の先遣隊の隊長だったエレメリアン。因みに副隊長がリザドギルディ。

幻想郷に侵攻したエレメリアンではあったが、幻想郷の実力者が可愛い人ばかりという事で暴走。属性力に従って行動してしまい、最終的には幻想郷の実力者達に属性玉も残らず殺された。

別の意味で幻想郷にエレメリアンの恐怖を与えた人物と言ってもいい。幻想郷の実力者達はこの異変をきっかけにエレメリアン殲滅を考えるようになってしまった。こいつのせいで霊夢と天子(おまけの当真)が輝跡達の世界に来てしまったとも言える。




本編もお楽しみに。

それでは。

(39話以降は番外編ですのでご注意を)


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本編
第1話 俺、ツインテールなのか!?


どうも、風墳Kです。

俺ツイにはまってもう何ヵ月たったか…
まだギミーレボリューションを毎回聴いてます。
そして、二次創作を書こうとなぜか思ってしまい、今にいたります。

それでは…どうぞ~(駅長風)


ツインテール…髪型の一種で中にはポニーテールの亜種だと言う人もいる。まあ、束ねるのが一ヵ所か二ヵ所の違いだけなのに。

 

俺の名前は二摘輝跡(ふたつみ きせき)

いたって普通の中学三年生だ。いや、明日から高校生だ。俺は念願の独り暮らしをしようとしている。今俺はアパートの一室…今日から三年間(出来れば一生)住む家にいる。引っ越して来たばかりなので荷物が多い。それを整理する。時には懐かしいものまで出てくる。

 

「これは…」

 

ダンボールの中から一つの髪止めを見つける。俺はその髪止めを見ながら昔の記憶を思い出す。この髪止めは大切な親友から貰ったものだ。

親友は男だった、なのになぜか髪止めを俺にくれた。不思議だよな。男の俺に髪止めをくれるなんて。俺の髪はそこまで延びていない。そのためこの髪止めは使う機会がない。

だからダンボールの中に入れて持ってきたのだ。

 

そういや、あいつ…何してるのかな…

 

俺はこの髪止めをくれた親友を思い出した。凄く小さい頃の記憶。何故かそいつと話しが合ってずっと話していた記憶がある。話していた記憶はあるのに親友の顔が思い出せない…けど楽しく話せた記憶はある。

 

俺は小学校、中学校の時友達が殆どいなかった。理由としては話しがわかる奴が誰もいなかったことと、両親のせいだ。

 

俺は自分を変えるため、両親から離れるためここに来た。そう、ここから俺の物語が始まるんだ!

 

俺は髪止めを握りながらまたそんなことを思っていた。因みにこんなことを思うのはこれで三回目だ。

 

そして、高校入学の日。

 

お守り…と言うのも何だけど鞄の中に髪止めを入れて来た。そして登校する。

 

時は過ぎ、入学式。

 

教壇の上に立つこの学校…私立陽月学園の生徒会長、神堂慧理那先輩が新入生に色々と話している。

 

慧理那先輩は容姿が幼く見える。というか幼い。そしてツインテール。そのツインテールが更に幼く魅せるのだろう。別に先輩を侮辱する訳でもツインテールを馬鹿にする気もないが言わせてもらう。

 

なぜ、ツインテールなんだ?

 

慧理那先輩のツインテールはとても綺麗だとは思う。けど、なんでツインテールなんだ?他の髪型でも可愛いとは思うのに…

 

入学式が終わり教室に戻る。この教室にもツインテールの女の子がいる。外見は可愛い…というか少しタイプかもしれない。まあ、朝から赤髪の男と話しているところを見ると彼氏なのだろう。少し頼り無さそうに見えるがそれがいいのだろう。

 

俺の元にアンケート用紙が届く。どうやらどんな部活に入りたいのか、という内容のようだ。勿論、俺は二文字で書く。

 

無し

 

と。

 

その後、アンケートが回収されあの可愛いツインテールの女の子の彼氏がツインテール部という謎の部活をアンケート用紙に書いて更には皆の前でツインテールが好きと答えた。いや…彼女さんが辛そうな顔してるよ。これから三年間…頑張れよ。

 

更に時は過ぎ放課後

 

引っ越したばかりのため食料品という名の消耗品かも殆ど無かったことに気が付き自宅近くのスーパーに買いに行った。そこまでは良かった。ここら辺の地理はおおよそ把握したつもりだったが…

 

「迷った…」

 

目の前には大きなドーム状のコンサートホールと思われるものがある。近くではヒーローショーが行われている。そのヒーローショーで見覚えある人影をみる。陽月学園生徒会長神堂慧理那先輩その人だ。俺はあえて無視をする。というか俺に気が付いていないけど。

触らぬ神に祟り無しとも言うし、ここは無視しておこう。

 

取り合えず歩き疲れたので近くのベンチで休むことにした。自宅から結構歩いていたため足がパンパンだ。明日は確実に筋肉痛確定である。まあ、この近くにコンビニがあっただけマシかもしれない。コンビニで買った昼食ことカレーパンを食べながらスポーツドリンクを飲む。関係ないが俺はスポーツドリンクはアク〇リアス派だ。ポ〇リはなんか甘過ぎる。けど粉末状ならどちらも却下だな。不味いし、あの溶けきらなかった粉っぽさが最悪だ。本当に関係ないな。

 

昼食のカレーパンを食べて、スポーツドリンクで喉を潤す。そして何となく空を見る。

 

蒼く清んだ青空だ。雲一つ無い。

 

今日は温かく、天気もいい。こんな陽気は眠くなる。近くでヒーローショーがやっているが、眠くなってしまったからには仕方がない。

 

俺はベンチに横になる。そして気持ち良く目を瞑る。俺は意識を夢の中に送ろうとしていた。

 

だが、数分してヒーローショーの音が大きくなってきた。爆発音や悲鳴なんかも聞こえてきた。最近のヒーローショーは手が凝っているな。音だけでも臨場感を出している。まるですぐそこで怪人でも暴れているようだ。

 

「者共!!」

 

うっさ!!

 

声のボリューム考えろよ!!マイクかスピーカーが壊れたか!!一瞬びっくりしたぞ!

全く、すぐに声ののボリューム直せよ、係員。

 

「我々はアルティメギル!!この世界のツインテールを奪いに来た!!」

 

あーもう!限界だ!

 

俺は目を開けて、その声の方向に鋭く睨みながら歩いて行く。途中黒いタイツを着た変態達が俺を妨害しようとするが俺はお構い無しにずんずんと進む。目標はあのトカゲの怪人(たぶん着ぐるみ)の所だ。

 

「何者だ!!貴様!!」

 

凄くうるさい声で脳みそが圧迫されそうな感じだ。しかも相手は二メートルはある大男(中はヤッパリ着ぐるみだと思う)の目の前に立つ。

 

「声うるさいんだよ!俺は昼寝してんだ!もっと小さい声で喋れ!!てか、その声の大きさは近所迷惑だ!ボリューム下げろ!!いいな!」

「お…おう…」

 

トカゲの怪人着ぐるみ(勝手に確定)の返事を聞いた後俺は昼寝しようとしていたベンチに戻り昼寝を再会させる。

 

「何故…人間ごときに怒られなければならない…」

 

トカゲの怪人(着ぐるみ)はそう言った後、なにかを黒いタイツを着た変態に命令する。

 

俺はベンチに戻ってまた昼寝の続きをする。俺はベンチごと移動されていることに気が付いた…というかもう移動されていた。気が付くと衣装部屋のような所に閉じ込められていた。どういうことだ?

 

取り合えず外に出ようとするが体が動かない。どうやら寝ている(約五分ほど)に拘束されて閉じ込められたようだ。手には縄で結ばれている。幸なことに鞄も近くにあった。というかベンチと一緒にあった。

 

俺は何とかして鞄を開けて中からハサミかなんかを探す。だが、生憎ハサミは持ち合わせていないし、カッターも持っていない。鉛筆やシャーペン、消しゴムで何とかなるならしているが何とかならない。唯一取り出したのはあの髪止めだ。髪止めを力強く握る。何だろう、こんな緊急時なのになんか分かって来た。よく思い出してみればあのトカゲ…本物の怪人では?だってなんか近くの車は爆発してたし…

 

俺は寝起きが凄く機嫌が悪くなる。それこそ見境無しに説教をするようになる。しかもその時の記憶はとても曖昧になるし、判断力も無くなる。そんな所に非現実的なことが起きてもいつも通りに怒るだろう。

 

…あれ?俺もしかして怪人に対して怒鳴った?

 

…てか、あいつなんかとんでもないこと言って無かったか?

 

ツインテールを奪いに来た…って言ってたな…

 

はぁ?ツインテールを奪う?何言ってんの?精神外科でも行ったら?いや、マジで。

 

でも、あいつ本物の怪人だよな?ってことは本当にツインテールを奪う気か?でもなんでツインテールなんだよ。そう、なんでよりによってツインテールなんだよ。クラスにいたツインテール好きの彼女持ちの男子ならツインテールを守るために~とか言って戦いに行きそうだな。

 

ツインテール…そういや、親友と約束したっけ…

 

人の心の輝きを守れ

 

心の輝きってようはそれが好きってこいう心のことだろ?例えばポニーテールが好きな人、ツインテールが好きな人…

ツインテールを奪う…それは人の好きという感情を奪うってことじゃないか?

 

好きという感情が無くなる?そんなの…俺は

 

「我慢できね…」

 

俺は髪止めを握りしめる。力いっぱいに握りしめて縄を外そうとする。だが外れない。

 

くそ!あいつら!早く行かないと!確か生徒会長もいた。生徒会長もツインテールだ。ならツインテールが…

 

俺は必死に縄を外そうとする。だがやはり外れない。

 

嫌だ…好きなものを失うなんて嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ

 

守りたい…力が欲しい、守れるだけの力が…

 

こんなにも俺はそれが好きなのに!!

 

その時俺の体が光輝く。

何が起きているのかさっぱりわからない。

光が収まり俺は目を開ける。両手が自由になっている。縄が外れている。

訳がわからないが取り合えず外に出てあの怪人をぶっ飛ばそう。

 

その時俺は気が付かなかった。衣装部屋の鏡に写っている姿が二摘輝跡でないことに。

 

俺は衣装部屋から出た。衣装部屋は外と直接繋がっておりそこから出てた。

 

なんか妙に周りが大きく見える気がする。でも気のせいだろう、

 

俺は音がする方に目をやる。やけにハッキリと怪人が見える。それに小さい音…あの変態達の足音すら聞こえる。

 

おかしい。体が光った後と前とじゃ五感の鋭さが違う。何かおかしい。

 

俺は衣装部屋に一旦戻り衣装部屋の鏡を見る。

 

そこには、黄緑色と水色、そして黒を基調としたスク水を基本とするかのような服に装甲のような物が肩や足、手の甲に着いていた。

そして、なんと言っても黄緑色のツインテールな少女が鏡の中にいた。

 

やべ…ちょータイプ。

 

あれ?俺鏡見てるんだよな?

 

俺は試しに右手で右側のツインテールを触ってみる。キモチイイ…

 

…あれ?これ俺?おいおいおいおい!どうなっとんじゃ!?

 

たが、そんなとき、外で更に大きな音がする。俺は急いで外に出る。

 

そこには、俺と同じようにツインテールの少女が怪人と戦っていた。あの子強い。そう思えた。だが、俺はとんでもない光景を見てしまう。

 

生徒会長…慧理那先輩のツインテールが無くなっているのだ。

 

ど…どうしてこうなってしまった!?

 

俺の中には怒りと悲しみの感情が込み上げて来ていた。

 

あの怪人をぶっ飛ばせば、きっと元に戻る。確証は無い。だが、ヒーロー物にとっては当たり前のことだ。たぶん同じなはず。

 

俺は怪人に向かって走る。予想以上にスピードが出てしまった。

 

「うわわわわ!避けてー!」

「え?」

 

そのまま赤いツインテールにぶつかり二人で転がって行く。気が付くと赤いツインテールの少女(幼女)が俺に馬乗りのような格好でいた。なにこれ?俗に言う床ドン?え?こんな美少女に床ドン?壁ドンよりも床ドン派なの?

 

やべ…この子が可愛くてテンションおかしくなってる。

 

「だ、大丈夫…ですか?」

 

そう聞かれた。いや、大丈夫だよ。…これで俺が男の姿だったらこの子を口説くのに!!くそ!!今の姿が女の子なのを忘れそうになっちまうじゃねーか!

 

「だ、大丈夫だよ。」

 

俺は赤いツインテール少女をどけて立ち上がる。

 

「なんと!ここまで素晴らしいツインテールが二人も!」

 

あのトカゲ野郎、声のボリューム上げやがったな!その声頭に響くんだよ!(特に寝起き)

 

「えっと…君は?」

 

赤いツインテール少女が聞いて来る。俺?俺は…は!?本名は言えない…こうなればなんかヒーローみたいな名前を…

あ…小さい頃の記憶が…

出来れば中二っぽい名前は避けよう。

 

「テイルエアー…テイルエアー!」

「テイルエアーか!俺…いや、私はみ…テイルレッド。よろしく」

「よ、よろしく…」

 

何がよろしくなのだろう。だが、さっきの光景をみた限りこの子は敵では無いはず。

敵の敵は味方って言うし。この少女もコイツらを倒すために来たのだろう。だって俺と似ている格好してるし。

 

「者共!あの二人を捕まえよ!」

 

うーん…よし!

 

「テイルレッドはあの変態トカゲ野郎を倒して来て」

「テイルエアーは?」

「あの黒タイツ軍団を倒すよ」

「わかった。気を付けて」

「そっちこそ」

 

俺とテイルレッドはツインテールを合わせる。なんかこの方が彼女にとってこれが挨拶みたいなものなのだろう。

 

そしてそれぞれ戦いに赴く。

 

そう、これはツインテールと、好きという感情を守るための戦いだ。




一つの作品が終わって束の間、すぐに新しい作品へと…

さて、前回の作品みたく次回予告を…

…やっぱしいっか♪

今回は主人公、普通(?)でしたが、次回からぶっ壊れます。お楽しみ。

それでは~(駅長風)


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第2話 戦うツインテール

第2話です。

主人公がとうとう壊れる…
(性格的に)

あ、主人公は馬鹿なのでご注意を…

それと、ヒロインは未定です。

ではでは、どうぞ~


炎のように舞うツインテール。テイルレッドはアルティメギルのエレメリアン、リザトギルディと戦闘を行っていた。と言ってもテイルレッドはトカゲ野郎ことリザトギルディの変態行動から逃げたり抵抗したりしているだけだ。だが、それでもダメージは確実に与えている。流石テイルレッドだ。

 

俺は黒タイツ軍団と対峙していた。一体一体は弱く軽く手を触れただけで吹き飛んで消えて行く。

あれ?もしこの姿で人と握手とかしたらその人の手を…考えないようにしよう。

 

俺は軽く黒タイツ軍団を倒して行く。正直飽きた。

…あ、あれは…

 

俺はその時凄いものを見た。それはリザトギルディが手配させて黒タイツ軍団に持って来させたもの…ソファーとぬいぐるみのやまだ。

同然、俺はそんなこと知らない。てかその時寝てたし。

 

白いソファーにぬいぐるみ…更にここにツインテール少女が人形を持って座ればある意味での黄金定理が!?

 

は!?俺は今ツインテールの少女!!

 

俺は見たい…そのソファーに座ってぬいぐるみを持つテイルエアーを!!

 

「おい、そこの黒タイツ!」

 

俺は黒タイツの一人を呼ぶ。そしてその黒タイツに携帯を渡す。勿論カメラを作動させて…

 

「僕の勇姿を…魅せてあげるよ。」

 

そう言った。その黒タイツもその言葉の意味に気が付いたようだ。てか、この姿では俺って言えないみたいだ。その変わりに僕と言う。

 

!?まて…テイルエアーは僕っ子か!!

萌え要素が増える!やったね、テイルエアー。ファンが増えるよ。

 

俺は…ソファーに座り兎のぬいぐるみを持つ。

 

その姿は…もはや天使。

 

「モケ!!」

 

黒タイツ軍団が鼻から赤い液体をばらまき光へと変わって行く。

 

「グハ!!」

 

リザトギルディは俺の姿を見た瞬間吹き飛びそして吐血する(吐血と言っても血を吐いた訳では無い)。おい、リザトギルディ(戦っているときに名乗ってくれた)さんよ…テイルレッドを追い回していたんじゃ?

 

「ぐふ!!」

 

そして!テイルレッドも倒れる。え!?テイルレッド!?なんであんた倒れるの!?リザトギルディから一撃も食らってないですよね!?

 

携帯を渡した黒タイツが携帯のカメラ技能を使い、テイルエアーとぬいぐるみ、白いソファーの黄金比を写真に納めて俺に携帯を渡して昇天する。

 

黒タイツ軍団は殆ど殲滅(俺の萌え要素による)することに成功した。

丁度その時に大きな爆発音がする。テイルレッドがリザトギルディを倒したのだ。そのままテイルレッドは変な銀の輪を破壊する。するとツインテールを奪われた女の子達にツインテールが戻って行く。

 

「テイルレッド、大丈夫か?」

 

俺はテイルレッドに駆け寄る。

 

「ああ、何とかな」

 

そういやテイルレッドって男口調だよな。まあ、それも萌え要素なのだろう。

 

「えーと何から話せばいいのかな?」

 

俺はそう言った。一応味方だと思われるテイルレッド。心に輝きこと、好きという感情を守ることに協力してくれた…というか殆どテイルレッドが倒してくれた。

 

「大丈夫、君のツインテールが教えてくれたよ」

 

俺のツインテールが?何を言っているんだこの少女(幼女)は?

 

「あいつらを倒したかったんだろ?」

 

…あれ?途中から自分の欲望のまま活動してたけど、確か最初の目的はあいつらを倒すこと…

 

まさか、あのときツインテール同士触れあった時にわかったのか!?スゲーな!!ツインテール!!そんな事出来るのか!もはや言葉要らずだな!これからはツインテールの時代か!?

 

「まあ、それしか分からなかったけどね」

 

テイルレッドはそう言った。そのあと生徒会長ことツインテールの戻った神堂慧理那先輩と話した後、警察が来る前に何処かに飛んで行った。まあ、飛んで行ったと言ってもいつの間にか居なくなってただけだがな。

 

「あ…あの…」

 

慧理那先輩は俺に気が付き話しかけてくる。えっと…なんて返せばいいんだ?

 

「助けて頂きありがとうございます。」

 

慧理那先輩は俺に深々とお辞儀しながらお礼の言葉を言った。あれ?慧理那先輩…可愛い…間近で見るとこんなに小さいのか!?…俺の目線が慧理那先輩と同じ為か凄く距離が近く感じる。てか近いんだけど…

 

「あの…お名前は…」

 

名前を聞かれた。これはカッコ良く言わないとな。…あ…ダメだ。それだとトラウマが…

まあ、なんとかなるか…

 

「テイルエアー。テイルエアーだよ。よろしく」

 

俺はそう言って右手を出した。握手をしようということだ。右手にはあの髪止めは無く胸の部分に髪止めと同じ模様が着いている。

 

てかさ、自己紹介するときなんか言えばよかったか?

 

愛戦士テイルエアー とか

ツインテール戦士テイルエアー とか

風の申し子テイルエアー とか

 

ダメだ!!中二臭い!!こんなのダメだ!!

 

「よろしくお願いいたします」

 

慧理那先輩が右手で握手する。あれ?女の子の手ってこんなに柔らかかったか?

 

握手をしたあと俺は逃げるように姿を消そうとする。だが、俺は慧理那先輩に呼び止められる。慧理那先輩に駆け寄るメイド達。メイド達は俺に敵意を出している。

 

「また…会えますよね?」

 

そんな事…

 

「多分ね…けど、会えると信じてるよ」

 

俺はそう言って逃げ出した。スピードが予想以上に出る。それこそ目に見えない程に。そんなスピードなのに周りでは少しも風が起きていない。普通見えない程の速度を出した場合風圧や空気抵抗のため風が必ず起きる。しかも突風が。でもそれすら無い。この姿凄いな。

まあ、衣装部屋に置いて来た鞄を持って急いで家に向かう。勿論凄いスピードの為誰にも気づかれない。てか足音や空気抵抗の音すらしない。ヤバイな…

 

あれ?俺どうやって元の姿に戻るんだ?

 

…俺の男としての人生終了のお知らせ!?

 

取り合えず家に付く。急いで玄関を開けて閉める。目撃者は…いなかった。というか運良く誰もいなかった。

 

玄関の扉を閉めて洗面所で改めて自分の姿を見る。

 

うん、可愛いツインテール少女。

 

ツインテールは本物…他は?

 

胸を触ってみる。少しふっくらとしてる。それでもAぐらいだろう。外見年齢とだいたい同じくらいか。

そして、一番問題の所…足の付け根の間…男の象徴が眠る場所。俺は恐る恐る触って見る…

 

無い…男の象徴が無い。

 

うん、知ってた。

 

はい、死んだ…男として俺は死んだ。もし、この事が両親にばれたら…

 

恐怖の一言だろう。

 

あーーー!怪人と戦う正義のヒロイン。そして謎の仲間、テイルレッド。更には心の輝きを奪う悪の怪人。

 

あの二人の大好物じゃねーーーか!最悪だ。

 

しかも、もしこのまま戻れなかったら…

あ…良いこと思い付いた。テイルレッドを連れ出して外国の国籍を取ろう。そうすれば同性同士結婚出来る。うん。そうしよう。俺は日本(両親)からオサラバ出来るし、テイルレッドと…ゲフンゲフン出来る。

一石二鳥じゃねーか!うん、今度テイルレッドに会ったら相談してみよう。…いや、テイルレッドの他にも生徒会長も候補に…

 

…考えが脱線した。

 

ここで男に戻る方法を考えないと!

 

俺はフと胸の模様を見た。あれ?これ…髪止めと同じ…

 

俺は右手で胸の模様の所を触る。そして変身を解きたいと思う。すると光に包まれ変身が解け普通の高校生、二摘輝跡(男)がいた。

テイルエアーは二摘輝跡へとなった。

 

俺は右手に握られている髪止めを見る。そして試しにもう一回変身しようとする。

 

変身したい。そう思った瞬間…

 

光が包みテイルエアーへ

 

それを見た後、また胸に右手を当てて変身を解きたいと思ってみる。

 

やはり変身が解ける。

 

…便利だな。

 

テイルエアーの装甲を外して服装を変えれば女の子としても活動出来るぞ!

これなら…女性限定スイーツ展に参加出来る!

 

…あれ?俺凄い力を手に入れたんじゃねーか?

 

いや…これは悪用して良いものではない。そう!純潔は守らなければ!!

ゲフンゲフンそうじゃない。もし悪用してテイルレッドに嫌われたら嫌だ。それに一応正義の味方なんだから。

 

そういや…特撮ものだと変身するとき、なんか言うよな。一応考えておこう。

 

…テイルエアーだから…テイルオン?

いや、平凡だな…

テイルドライブ。あ、なんかピントくる。よし!テイルドライブにしよう!

 

「テイルドライブ!!」

 

そして変身する。うん。しっくり来る。と言っても誰かに見せる訳でもないが。まあ、気合いが入るか入らないかの違いくらいか?

 

変身を解く時は…特に無くていっか。

 

変身を解いて色々と試してみようと思う。

 

あ…そういや、昔両親が作った変身アイテム(玩具の)があったよな…

 

両親は玩具会社に務めておりよく試作品の玩具や失敗作、暇潰しに作った玩具などを小さい頃から貰っていた。その中で良いものが会ったような…

 

俺はダンボールを漁ってみる。

 

あった…

 

時計型変身アイテム。確か名前は…無力戦隊カエルンジャーの変身アイテム、カエルウォッチ。一見普通の時計なのだがこれはあの有名な少年探偵のアナログ時計と同じ感じに時計が開く。しかもこれはデジタル時計、更にはストップウォッチ機能付き。デザインもあの両親とっては珍しく普通のデジタル時計。まあ、そのせいで失敗作とされたんだがな。昔これで遊んだん記憶がある。あのときはまだ純粋だった。悪い意味で。

 

時計を開けてみると変身用の端末(本当小さい)が無くなっていた。そう、その端末を無くしたせいでこれで遊ばなくなったんだ。

 

試しに端末のあった場所に髪止めを入れてみる。少し空間に余裕があるが普通に入った。

そして時計を閉めてみる。

 

右手を振ってみると少しからからと音がした。まあ、後で固定出来るように改造しておこう。

 

そして、変身出来るかどうかやってみる。

変身したいと考えて…

 

「テイルドライブ!!」

 

光が包む…変身出来た…

 

右手の時計を見てみると形が少し変わっていて色も装甲と同じ黄緑色になっていた。だが、基本デザインは変わっていない。

 

右手を振ってみる。さっきのからからという音が無い。

 

試しに開けてみようとするが開かないし、時計自体外れない。ダメ元で変身を解こうと思って右手を胸に当てると変身が解けた。

だが、右手には髪止めは無く時計を開けたらそこに髪止めがあった。

それと、髪止めを止める場所が出来ていた。そのお陰でからからという音がしない。

いやー変身アイテムがあると便利だな。特に持ち運びが簡単なやつ。ベルトとかは重いし剣みたいな形だと即行お巡りさんが来る。

やはり安定の時計型だな。ブレスレットもありかな。

 

そう思った矢先に俺の携帯が鳴った。嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。

 

携帯を取って着信相手を見る。

 

母親

 

オワタ。

 

いや…まだ俺がテイルエアーだとは分からないはず。うん。絶対わからないはずだ。

いや…あれでも俺の母親…もしかしたら一目でわかるかも…いやいや、女の子の姿と今の姿は全然違う。絶対わからない。

 

一応出てみよう。

 

「はい…もしもし…」

『あ~輝跡ちゃん~御疲れね~入学式どうだった~』

 

このやけに~が多い口調の電話相手…俺の母親こと二摘美咲(ふたつみみさき)現在36歳である。昔、「自称美少女イエロー」とか何とかな言ってた痛い母親である。

 

「まあ、普通かな」

『そんじゃ…正義のヒーローとしては~?』

 

なぜそれを知っている!?

 

「なんのこと?」

『あ!間違えた。てへ。』

 

何だろう…そのてへに凄く殺意が湧く。

 

『正義のヒロインでした~』

 

だ・か・ら、なぜそれを知ってるんだ!

 

「なんのことだかさっぱりわからないよ!そんな事で電話してたなら電話切るよ!」

『え~もっと話して…』

 

俺は電話を切る。一応惚けることには成功した…はず。

 

また着信が来る。また母親か…

 

父親

 

オワタ。

 

いや、まだ終わってねーよ!てか両親してどんだけ息子を心配してんだよ!

 

「もしもし…」

『お!輝跡。頑張って正義のヒロイ…』

 

俺はここで電話を切る。あれ?俺ちゃんとここまで誰にも見られずに来たよな?てかあのスピードを肉眼で見るなんて出来る奴いないよな?それこそオリンピック選手でも無理だぞ?

 

てかあの二人…なぜ俺の正体知ってんだよ!おかしくねーか!

 

あ、俺の父親…二摘才悟(ふたつみさいご)。とある玩具会社の社長で36歳。昔のあだ名(自分で言ってた)は「レッドよりも格好いいグリーン」である。

 

また携帯が鳴る。今度は母親からだ。まあ…一応電話に出る。

 

「…」

『あら?そこまで私達が貴方の正体に気が付いたのに驚きなの~』

「…」

 

まあ、驚きではある。いや、驚きしかない。

 

『それはね…』

 

俺はここである異変に気が付く。そう、母親の声が二重に聞こえているのだ。まさか…

 

俺はダンボールを漁るため寝室にいる。寝室には大きめの押し入れがある。そこから声が聞こえる。俺は咄嗟に電話を切る。

 

「私達が…」

 

母親の声が聞こえ…

 

「ここに…」

 

父親の声も聞こえる。

 

「「いるからだー」よ~」

 

押し入れがバッと開きそこには黄色いタイツを来た後四年後には中年の仲間入りをする母親こと二摘美咲と玩具会社の社長であり、わが家の大黒柱でもある父親、二摘才悟(緑色のタイツを来た)がいた。しかも決めポーズまでかまして。

 

俺は無言劇で押し入れの戸を閉めた。

 

…見てはいけないものを見た…

 

そう。本当の戦いはこれからだ。




シリアスなんて無かった…
まあ、基本、ギャグなんで…

俺ツイの6巻やっと買えた…
忙しくなければずっと読んでいるのに…

まあ、そんなのはどうでもいいか。

クロスオーバーしていませんがまだ序章のようなものなので…

何とクロスオーバーするかは、おたのしみで…


それでは~(駅長風)


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第3話 家族とツインテール

いや…俺ツイ本当に面白い…
時間を忘れて読んでしまう。
漫画も面白いからついつい読んでしまうし…
アニメも面白かったし…(作画崩壊…)
曲もいいし…

よし!第3話、やっていきたいと思います。


さて、不法侵入をした両親をどうするか…

 

まずは、この封印された押し入れを開けなければ…いや、もうこのまま封印しておくというのも手だ。どうするか…

 

「ちょっと~輝跡~早く出して~」

「そうだぞ。輝跡。折角父さん達が格好いい感じに登場したのに。押し入れを閉めるなんて酷いじゃないか」

「いやいや、酷いのはあんたらの中二病だよ」

 

そう、この二人は中二病である。しかもかなり深刻な。それこそ、病院が逃げ出すレベル。もうこの二人に対抗出来る中二病はいないと思われる程だ。

 

なんでこんな父親が玩具会社の社長なんだよ。てか、今日平日だぞ?なんでここにいるんだ?仕事しろよ。

 

「はぁ…」

 

俺は仕方がなく押し入れを開ける。決めポーズを押し入れを閉めた後もずっとしているようでかなり辛そうに見える。てか両親の筋肉が決めポーズに耐えきれず痙攣を起こしつつある。おい、自分の年齢と体に相談してそのポーズしろよ。

 

取り合えず、このままでは話しにならないので無理矢理両親を着替えるように言って俺はリビングで待つ。程なくして両親がリビングに来る。さて、ここから本題だな。

 

「いつからここにいたんだ?」

 

そう、不法侵入をいつしたかということだ。ある意味これは警察沙汰である。いくら息子の家とはいえ勝手に上がっていたらある意味恐怖だ。特にこの両親。彼女なんて連れてきたら世紀末だ。

 

てか、この両親のせいで友達がいなかったのだ。小さい頃友達を家に連れていったら全身タイツでお出迎え。なぜにその格好を選ぶ。そして友達から冷たい目線。それは俺にも降りかかり、友達が別の友達にその事を話して…という感じに友達がいなかったのだ。

それからというもの、友達を作ろうとは思わなかった。

 

でも高校生から一人暮らし。これなら両親がいない。友達も彼女も作り放題。そう思っていた矢先にあのリザドギルディという変態怪人が表れた。それを倒して正義のヒロインの一人となってしまった。

 

もうメチャクチャだ。更にはそれを追い討ちをかけるかのように両親の不法侵入。頭痛くなってきた…

 

「お前が「今日はいい天気だな~、入学式日和だ。」って言う2時間前だぞ。」

「はぁ!?」

 

いやいや、え!確かに今日朝起きて最初に言った独り言がそれだったよ!独り言いう俺もおかしいけど俺起きたの6時だぞ!その2時間前って、4時!?はあ!?朝からずっといたのかよ!

 

そういや、朝は押し入れを開けて無かったな。てか開ける機会ねーし。なんも入ってないんだから…

 

「大変だったわ~朝からずっと決めポーズをしてたから~」

「途中でやめろよ!自分の歳を労れ!!」

 

ほぼ12時間あのポーズとってたのかよ!そりゃ筋肉も痙攣起こすわな。

 

「まあ、いい運動になったよ」

「運動も何もポーズとってただけだろ!なんでいい運動になるんだ!」

「さあ、そんなことよりもテイルエアー君、色々と話して貰おうか。」

「う…」

 

やっぱりわかってたか…

 

朝からいるってことは俺が変身した状態で家に入って来たこともわかってるってことだよな…

 

「いや~、お母さんビックリしちゃった。ツインテールの幼女が行きなり家に入ってくるんだもの。」

「いや、父さんは感動したぞ。やっと輝跡に彼女が出来たんだってな。」

「でも、まさか、その幼女が…」

「輝跡だと思わなかったよ」

「「ね~」」

 

何だろう、この最後のハモりが凄く苛立つ。

 

「で、どうなんだ?」

「何がだよ」

「正義のヒロインとして覚醒した感想は?」

「まさか…父さん達、俺が変身することをわかってたのか?」

「いや。全然」

 

すとーーー。おもいっきり転ける。その話し方だとわかってたみたいじゃねーか!

 

「でも俺は嬉しいぞ。俺の果たせなかった夢を輝跡が果たしてくれたんだからな」

「やっぱり、輝跡は私達の意志を継いでくれたのよ」

「俺は一グリーンとして世界を守りたかった。だがその夢は叶わなかった。そして、その夢を広めようと玩具会社の社長になったのだ。だが、俺の夢は確りと輝跡に受け継がれていた。頑張れよ、テイルエアー。父さんはなんでも手伝うぞ。」

「父さん…」

 

一見聞くと良い話しだが、ようは自分達の中二心を他人や家族に植え付けようとしているだけだ。騙されてはいけない。でも、もしこれからアルティメギルとかいう怪人軍団と戦っていくのならここまで良いスポンサーはいないだろう。

 

こんな中二病の父親でも良かったと思える。

 

「だが、やはりその変身アイテムはどうかと思うぞ」

「いや…色々考えてこうなったんだよ。それにこっちの方がしっくり来るし」

「そうか…まあ、変身者の尊重を第一にしよう」

「けど、輝跡ってポジション的にどこになるのかしら~」

「確かにな。輝跡が変身した時は黄緑色だからな…特撮とかではいない色だからな…」

「いや、そんなのどうでもいいよ」

「ダメだ。もし仲間が出来た時に立ち位置が変わってしまう」

「そうよ。正義の味方は一人じゃ成り立たないのよ」

 

真面目に答えてくる両親。こういうことになると真面目になるよな…本当。

 

「てか、テイルレッドがいるし…」

「「テイルレッド!?」」

 

二人の声がハモる。あ、そっか、二人ともずっと俺の家の押し入れにいたんだっけ。それじゃわからないよな。

 

「今日一緒に怪人と戦ってくれた女の子だよ。名前の通り炎のように赤いツインテールをした女の子だよ。」

「な…なんと!?レッドだと!?」

「まさか!あなた…あの人の子供じゃ…」

「いや、あいつはかなり前に天に誘われた。しかもあいつには息子しかいないはず…まさか隠し子が!?」

 

また出た。あいつ。あいつとは俺の父親、二摘才悟の高校時代の最大のライバルだった人らしい。だが、かなり昔に死んでしまったそうだ。

 

確か赤の観束、緑の二摘とか…

 

なにこの赤そばか緑のうどんのような抗争は…

 

「兎に角だ、そのレッドよりも格好いいグリーンになるんだぞ!」

「いや、格好いいも何も女の子になっちまうし…敵は変態だし…」

「敵なんて関係ないわ。大事なのはあなたが何を信じて戦うかよ」

 

あれ?いま母さん良いこと言った?珍しく良いこと言ったな。

 

「母さん、その言い方格好いいよ」

「うん。一度言ってみたかったの~」

 

前言撤回。

 

「まあ、正義の味方頑張れよ」

「あ、あのさ…このこと誰にも…」

「言わないわよ」

 

良かった。この両親は中二病でかなり一緒にいて疲れるし大変だが、約束は絶対守る。そこは尊敬している。

 

「それじゃ、父さん達は帰るからな。なんかサポート出来ることがあれば気軽に電話をかけて来い」

「わかったよ父さん」

「後、時々は活躍を教えてね~」

 

そう言って両親は帰って行った。

 

あれ?なんか他にも言わなくちゃいけないことが…

 

あ…アルティメギルのこと話してない。

 

ま、いっか。

 

俺は夕飯の支度をする。

 

長い1日が終った。さて、これから大変だぞ。特に両親関係は。

 

 

 

 

次の日

 

クラスに入ると驚いた。黒板にはテイルレッドとテイルエアーが描かれていた。描いたのは確か漫研の人だ。

 

「お!テイルレッドとテイルエアーじゃん。完成度高けーな」

「おう、わかってくれたか。」

 

テイルレッドとテイルエアー。後者である俺でも似ていると思ってしまう程上手い。

 

「で、お前はどっち派なんだ?」

 

どっち派?

 

「テイルレッドたん派かテイルエアーたんかということだよ」

「あ~そういうことか」

 

クラスの目線が此方に向かって来る。

そんなの答えは決まってるだろ。

 

「両方だ」

 

…あれ?なんでしーんとするの!?まるで俺が滑ったみたいじゃねーか。

 

「輝跡…」

 

黒板でテイルレッドとテイルエアーを描いていた漫研の奴が話しかけて来た。良かった。これでずっとしーんとしてたら俺の心の耐久力が持たない所だったよ。

 

「お前は、俺達を敵に回した」

 

あれーーー?

 

「そうだ!二人とも選ぶとか最低だろ!」

「輝跡君最低ー」

 

回りから俺にブーイングが飛ぶ。なんで!?俺ただ言いたいこと言っただけだよ!?

 

あ!あんな所にツインテール大好きの赤髪の彼女連れが!あいつならわかってくれるはず。だってツインテール大好きなんだから。

まあ、頭抱えてる所を悪いけどな。

 

「なあ、お前はどっち派なんだ?」

 

俺は赤髪のクラスメイトに話しかける。赤髪のクラスメイトは頭を抱えるのを止めて此方を見る。

 

「俺?」

「そう」

「そんなの…無いけど…」

 

なんだと!?無いだと!?嘘だろ!ほら、良く見て、あの二人ツインテールだよ。

 

「ねえ、今そーじは考えごとしてるの。じゃましないで」

 

黒髪ツインテール美女に言われた…確かに、こいつみたいなリア充とは無関係だよな。まったく、リア充め。

 

そして、一校時目…のはずなのだが、急遽全校集会となった。あ…忘れてたけど生徒会長こと慧理那先輩が被害にあったんだっけ…

 

その後の全校集会は、凄かった。

 

慧理那先輩が生徒会長としてのお話をし始めているとき、昨日の話しになった。そしていきなりスクリーンが出てきたと思ったらそこに映し出されるテイルレッドとテイルエアー。更には慧理那先輩がテイルエアーとテイルレッドに心奪われたと言っていた。マジかよ!お持ち帰り出来るじゃねーか!

 

あれ?俺、第1話からキャラ変わってない?

ま、いっか。

 

まあ、慧理那先輩をお持ち帰りとかいう冗談は置いといて、話しでは慧理那先輩こと神堂家が全力でテイルレッドとテイルエアーを支援してくれるということ。やったね、スポンサーが増えるよ。

 

尺の都合上放課後

 

俺はかなり冷たい目線から解放された。慧理那先輩の話しで慧理那先輩もテイルレッド派かテイルエアー派かと質問された時、両方と答えた。それは俺と慧理那先輩が同属ということだ。お陰で冷たい目線から解放された。ありがとうございます、慧理那先輩。

 

そして、今俺は今度こそスーパーマーケットを探して町を散策している。いや、していた。

 

それは突然起きた。

 

町中、自宅の近くを歩いていた時だった。空に怪人が映し出されたのだ。黒い見た目の怪人。それはどこか仮想の生き物ドラゴンを思い出させる。

 

黒い見た目の怪人は演説と言う名の脅迫を始める。その内容は、テイルレッドとテイルエアーへの宣戦布告。そして、次に来る怪人…エレメリアンが映し出されていた。それにしてもそのエレメリアン…タトルギルディが次の標的を言っていた。

 

「ブルマ属性って…」

 

ただの変態だな。リザドギルディもかなりだったな。テイルレッドが泣くレベルだし。

 

ちょっと待て…前回は運良く(?)エレメリアンがいて変身して戦えたけど今回はそうは行かないぞ。だって、敵の場所がわからないんだから。どうしよう…

 

いくらスポンサーがいても場所がわからないからな…

 

そんな時携帯が鳴る。相手は…父さんからだ。

 

「もしもし…」

『おう、輝跡、今どこにいるんだ?』

「え…家の近くの道路だけど…」

『そうか。敵の場所はわかるか?』

「いや…全然…」

『だと思った。実はな仕事の途中であの放送が流れてな。今回相手はブルマが好きだそうだな』

「放送?」

『ああ。まあ、空にも映し出されたがテレビもジャックされてさっきの演説が放送されたんだ。いや、大切なのはそこじゃない。敵の場所が大体わかったんだ』

「え!?」

 

その後の話し。俺の住んでいる町の隣町に一つの高校がある。その高校では体操着としてブルマが使われているとのこと。父さんが急遽調べてくれたのだ。しかもこの日本ではブルマを使っている高校基学校はその高校しかないこともわかっていた。

因みに訂正しておきたいが父さんはブルマに興味は無い。というか母さんのことを愛し過ぎて母さんのする格好を好きになるのだ。母さんがポニーテールにすればポニーテールが好きになるし、母さんがブルマを履けばブルマが好きになる。そんな父親だ。だが、母さん以外の女性には興味が無い。いや、この場合友達や同僚、部下を除いてだ。

 

俺は人通りの少いとうかほとんど無い所に行き変身する。勿論

 

「テイルドライブ!!」

 

変身の掛け声は欠かさない。やっぱ気合いが入る。よし!行くか。

 

先程父さんからメールが届いた。それは標的にされている学校までの地図が載っている画像が付いているメールだ。

 

俺はそれを見ながらその学校へ走る。身体能力はかなり高い。ビルとビルの間を飛び越えたり高速道路を走ったり…

 

あっという間に学校に着いた。上から偵察しようと体育館の上へジャンプする。

 

そして校庭を見る。そこには恐るべき光景があった。




やりたいクロスオーバーが多すぎる…
書ききれるかな…

輝跡「おい、なんで俺こんな所にいるんだよ」
私が作者チートを使いました。
輝跡「俺になんのようだよ」
次回予告頼む。最初はやる気なかったんだ。でもやりたくなったんだ。頼む。女の子との絡みを増やすから。
輝跡「よーし、元気良くいってまよう!!」
(あ、こいつチョロいわ)

次回予告

女子生徒に捕まるテイルレッド。それを俺は助けた。そして、テイルレッドの秘密基地へと行くこと(頼んで)に!!

次回 ツインテールな仲間

に テイルドライブ!!


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第4話 ツインテールな仲間

第4話です…

取り合えずどうぞ…


俺は体育館の上から校庭を見た。そこには恐るべき光景があった。

 

テイルレッドが女子生徒(ブルマを履いた)に囲まれているのだ。それを嫌がるテイルレッド。男ならあれは御褒美でもなんでもない。だが相手は幼女。小さい子どもに発育が良い女子生徒が群がって抱き付いたりしている。

 

テイルレッド…そこ代われ…

 

そう思った。だがそれは勘違いだったのだ。

 

「あ!あそこにテイルエアーが!」

 

一人の女子生徒が此方に気が付き指を指す。

こらこら、人に指を指してはいけませんよ。

そして女子生徒達が目の色を変えて此方を見る。

その瞬間に寒気が走る。これは…下手すれば女の子としての大事なものを失う。そう本能で悟った。そしてさっきまでの憧れは恐怖に変わる。

 

女子生徒達が此方に向かって来ているのだ。しかも体育館をよじ登って。これはある意味でホラーである。そう、この時俺は思った。

 

(逃げないと…ヤバい!!)

 

俺は逃げようとする。だがまだテイルレッドは女子生徒達に拘束されている。このまま見捨てることは簡単だ。だがそれでいいのかテイルエアー?

 

いくないだろ。テイルレッドは嫌がっているんだ。助ける以外の手段はない!そしてそれがきっかけでテイルレッドと…ゲフンゲフン

 

兎に角テイルレッドを救出だ!

 

俺は体育館の上から飛び降りてスピードを出して女子生徒を縫うように避けながらテイルレッドの所まで行く。女子生徒達は突然なことに戸惑う。その隙にテイルレッドの手を掴みそこから脱出する。

 

そして人気の無い路地裏に行く。

 

「はぁ、はぁ…ここまでくれば大丈夫」

「えっと…ありがとう、テイルエアー」

 

テイルレッドから感謝の言葉を貰う。いや…可愛い…

 

こんな幼女がこの世にいたのか?まだ二回程しか会っていないが心を奪われた。そう思った。

 

「あ、ちょっと待ってて」

 

テイルレッドがそう言って何か独り言を話し始めた。いや、この場合独り言では無く通話をしているようだ。通話相手がいるということは仲間がいるということだ。テイルレッドは一人で戦っている訳では無かったのか!?

 

心の中で安心する俺。待てよ…俺はテイルレッドの仲間(自称)だ。ってことは…テイルレッドに仲間=俺の仲間ってことにならないか?

 

…もし、その仲間が敵の場所がわかるような道具もしくは敵の場所に転送してくれるような道具を持っていたら是非とも欲しい。てかそれないと今後の活動(エレメリアンとの戦闘。けしてテイルレッドの活躍を見たい訳ではない)が国内というかこの町周辺に限定されてしまう。そうなればいつかは姿がばれる。

 

俺は男だ。だが世間一般的には女の子…いや幼女だ。もしその正体が男だとわかれば…世間一般的にもその以外にも何されるかわからない。特に変態達に。

 

それを防止も予てそういう道具が欲しいのだ。

 

「テイルレッド、ちょっといい?」

 

俺は通話の途中で話しかけた。

 

「おう、なんだ?」

 

男口調で返された。ある意味萌えポイントだな。

 

「頼みがあるんだけどいい?」

「頼み?」

「そう。僕、敵の場所に行く移動手段が無いんだ。だからお願い!移動する道具か何かください!」

 

俺は頭を下げてお願いする。ツインテールが地面に付きそうになるがギリギリ付かなかった。

 

「ちょ!ちょっと待ってくれ!今トゥ…仲間に連絡してみる!」

 

そう言ってテイルレッドは仲間と通話をまたし始めた。この場合は人気が無い。だから大丈夫だとは思うが人が来ないかどうか警戒はしておいた方がいいだろう。

 

…人気が無い?そうか!ここでテイルレッドを押し倒しても誰にも気付かれない!!

 

ダメだ!こんな純粋な女の子を押し倒すなんて俺には出来ない!

 

「テイルエアー?」

「ひゃ!?」

 

いきなりテイルレッドに呼ばれて驚く。そして可愛らしい声が路地裏に響く。自分でもこんな声が出たのにビックリだよ。それにしてもテイルレッド、もう通話が終わったようだ。以外に早いな。

 

「今から俺達の秘密基地に案内するよ。着いてきて」

 

そう言って此方を見る。テイルレッドのための秘密基地!?

うおおお!男の夢である秘密基地!?テイルレッドは秘密基地から出撃してるのか!?男の夢をとことんわかっている幼女じゃねーか!これはポイント高いぞ!!

 

…あ…ついやってしまった…この考えも全てあの両親のせいだ…うう…

 

少し落ち込みながらもテイルレッドを見る。

 

テイルレッドは少し心配そうに此方を見たが俺は大丈夫と手を振った。

 

そして移動するテイルレッド。それに付いていく俺ことテイルエアー。

 

数分後、また人気の無い路地裏に着いた。てかあまり移動していない。ほとんど人気の無い所を歩いただけだ。大体20㍍から30㍍ぐらいだ。

 

そこには不自然に何か置いてある。テイルレッドはそれを拾って操作する。どうやら何かの端末のようだ。

 

「テイルエアー、ちょっとこっちに来て」

 

テイルレッドから指示をされる。それに従いテイルレッドの真横に来る。そしてその端末を除きこむ。何してるのかさっぱりわからない。

 

その時、光が二人を包む。

 

そして気が付いたら近未来的な部屋にいた。一面灰色という感じの部屋だ。近未来の会議室といった感じの部屋だな。

 

「テイルエアー、少し待っててくれ。今仲間を呼んでくるから」

 

そう言ってテイルレッドは会議室の扉だと思われる場所に行く。扉は自動的に開きテイルレッドは会議室から出ていった。そして自動的に閉まる扉。俺は一気に暇になってしまった。取り合えず会議室の椅子に座ろう。

ここはやはり会議室のようで椅子や机が用意されている。

 

椅子に座って数秒後、会議室の扉が開く。そこには仮面を着けた女性が立っていた。なぜ仮面を着けているのに女性なのかわかったかって?それは…あの胸だ。デカイ、デカスギル。

 

「貴女がテイルエアーですね」

 

仮面を着けた女性が話しかけてきた。この女性は体つきからして女性体型の理想論そのものを表している。所謂ボンキュボンなのだ。

それとさらさらとした銀色の髪。美しい。

だが、なぜか白衣を着ている。白衣からしてこの女性は科学者なのだろう。

 

「私はテイルレッドの仲間の仮面ツインテールと言います」

 

すとーーー!

 

椅子と机を巻き込んで転ける。ツインテールじゃ無いのに仮面ツインテールかよ!そんな発想無かったわ!

 

「大丈夫ですか…ぐへへへ…」

 

何だろう。あの仮面の下では恐ろしい笑顔があるような気がする。

 

「大丈夫です。で…あの…」

 

俺は用件を言おうとした。だがそれを知っているのか仮面ツインテールは

 

「私達との通信機器と敵の場所に移動するための端末…が欲しいのですね」

 

そう答えた。そうだと言わんばかりに首を立てに振った。

 

「いいでしょう。わかりました」

「ありがとうございます!」

 

感謝の言葉を出す。以外に簡単に話しが進んだぞ!やった!

 

「ですが、条件があります」

「!?」

 

ここに来て条件が出るか…予想は出来た。だが…仲間になるとしても、自分の正体を明かすのはちょっと抵抗がある。

 

「で…その条件ってのは何ですか?」

 

そう聞いた。やはり正体を知りたいということだろう。

 

「今夜…一緒に過ごして貰います。あ、大丈夫ですよ。優しくしますから…ぐへへへ」

 

いやーーーー!!最悪な展開が来た!!

正体を知られるよりも最悪だ!!

下手すれば俺の大事なものを二つ(男と女の)が奪われる!!

 

「いやーーー!!」

 

俺は無意識に、正当防衛として右ストレートを仮面ツインテールに咬ましていた。仮面ツインテールは変な声を出しながら壁に激突。激突した壁にはクレータが出来ている。

殺ってしまった…だが…何だろう、こいつはここで死ぬ運命だったと何となくわかる。変態は死すべしとか言ってた人がいたっけ…今ならその気持ちわかるぞ。

 

「な…なかなかの攻撃質量ですね…」

 

仮面ツインテールが這い上がる。あ、生きてた。てか、普通死ぬレベルだぞあれ。よく生きてたな。

 

「まあ、冗談はさておいて…」

 

いやいや、冗談じゃ無かったよね?本気で言ってましたよね?

 

「まず、最初に言っておきます。私達は貴女の正体を知りたいです」

「けど…」

 

わかってた。テイルレッドや目の前の変態…仮面ツインテールは俺の正体を知りたがっている。いや、世間一般的にもテイルレッドとテイルエアーの正体を知りたいに決まっている。

だからこそだ。俺は他の人達を…皆を絶望させたくない。テイルエアーという少女が実は男なんて知りたくない真実。それこそ一番恐れていることだ。

 

「ですが…今は貴女の正体を問いただすのは止めます」

 

…予想外の言葉だった。俺の正体を聞かないのか!?

 

「いずれ、自分の正体を話すことにはなると思います。それが今か後になるだけの話しです。だから、私とテイルレッドは話し合い、正体を聞くことを後にしたのです。その代わりにテイルレッドの正体も話す気はありません」

「そ…そうですか…」

 

短時間にそんな話し合いを…

 

「ですが、それとは別に聞きたいことがあります」

「なんですか?」

「貴女は…貴女の属性力は何ですか?」

「属性力?」

 

聞いたこと無い単語が出てきた。属性力?なんだそれは?

 

そのあと、仮面ツインテールからアルティメギルのこと、属性力のこと、仮面ツインテールのほんの少しの過去を教えて貰った。

俺も必死に戦おうとしたら変身出来たことを明かした。

 

「…おかしいですね…」

「?」

 

仮面ツインテールは端末を取り出して操作し始める。何をしているのかわからない。

 

「今、貴女の属性力を調べているのですが…貴女は属性力がありません」

「え?」

 

属性力が無い?予想外の言葉だ。え?属性力の話しは聞いていた。だが、属性力が無ければ変身出来ないしエレメリアンと戦えない。どういうことだ?

 

「なぜ、貴女が変身出来たのか…謎です。少し調べてもよろしいですか?ぐへへへ…」

 

俺は右手を構える。

 

「え…と冗談ですよ。ははは…」

 

いや、その言動…冗談じゃ無かったよね?

 

「まあ、貴女に属性力が無いのは確かです。ですが戦えないということは無いようですね。私も知らない技術が使われている可能性がありますが、今は聞かないでおきます」

「ありがとうございます」

 

俺は仮面ツインテールに感謝の言葉を出す。今俺の変身アイテムを取られたら、変身が解けてしまう。せめて、もう少し後にしたい。テイルレッドに正体を明かせるように強くなってから。

 

「…これが貴女の言っていた道具です」

 

仮面ツインテールは白衣のポケットから端末を二つ取り出す。一つは通信機器、一つはテイルレッドが使っていた端末のようなもの。

 

「こちらが通信機器。私と通信も出来ますしテイルレッドとも通信が可能です。そしてこちらが…」

 

後に説明された端末は簡単に言えばワープ装置のようだ。名前は…中二臭いので忘れた。

どうやらこの端末ことワープ装置はどこにいてもこの秘密基地に来ることが可能なようだ。そしてこのワープ装置の良いところはワープした座標に戻れるということ。別の場所にもワープ出来るということだ。しかも、この秘密基地には大型のワープ装置もあり、そこから世界各地に移動出来るそうだ。

 

「ありがとうございます。何から何まで…」

「まあ、そこは、体で払って貰いますけど…」

「右ストレートします?」

「すみません。嘘です」

 

あの右ストレートがかなり効いたようだ。まあ、変身して身体能力が上がってるもんな。てかよく仮面ツインテールは死ななかったよな。毎日のようにこういう攻撃を受けているのか?いや、まさか既にこの姿は変身している状態…それならあの耐久力…納得行く。

 

「それじゃあ、僕帰るね」

「え~」

 

何だよその子供らしい言い難は。

 

「今度は私と遊びましょう。ぐへへへ…」

「必殺の…左ストレート!!」

「右じゃなく左!?グヘ!!」

 

また壁にクレータが出来た。テイルレッド…まさか毎日こんな変態と夜を!?いやいや、あの子はそんな子じゃない。…はず…

 

俺は仮面ツインテールが延びている間にワープ装置を使い秘密基地から抜け出す。出たのはテイルレッドと一緒に秘密基地に行った路地裏だ。

 

俺は変身を解除する。

 

つ…疲れた…

 

何だろう、凄い疲労が溜まった。

 

けど…テイルレッドの仲間になれた…はず。

 

これからは世界各地に行ける…

…あのお二人は元気だろうか…いや、両親じゃないよ。あの両親は年がら年中元気しか取り柄が無いから。

あのお二人…怪人と戦う正義のヒーロー…

 

ワープ装置もあるし、今度会いに行ってみよう。






輝跡「おい、作者…」
なんでしょうか…
輝跡「女の子と絡みを増やすって言ったよな?」
実現したろ?
輝跡「変態は例外だろ!」
トゥアール可愛いじゃん
輝跡「おい!名前言うな!!メタ発言だぞ!」
え?大丈夫だよ。そんなこと本編では響かないし。それに、他にも絡みを用意してるから…
輝跡「本当か!?」
本当。だから、次回予告よろしく。
輝跡「おうよ!!」

次回予告

やっとの思いで友達が出来た俺。
更には隣に住む女の子は超可愛い!!
青春を費やす俺。
だが、エレメリアンはそれを許さない…
果たして、俺は青春を送れるのだろうか!?

次回 主人公とツインテール

に テイルドライブ!!




輝跡「おい、この次回予告」
え?クロスオーバー回だけど?
輝跡「それを先に言え!!」

それじゃあ、お楽しみに~


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第5話 主人公とツインテール

一応クロスオーバー回…です。

では、どうぞ…


異世界から来た。

 

と言われれば大抵は、「頭大丈夫?」「いい病院教えるよ」「もうダメだ…おしまいだ…」なんて反応をするだろう。

 

仮面ツインテールは異世界から来た科学者でテイルレッドのサポートをしている。名前からしてビックリだったが見た目もビックリな位のナイスボディ。しかも名前にツインテール入ってるのにツインテールじゃない。だが、それを幼女好きというマイナスにより下記消されている不思議な人物。

 

今回はテイルレッドのサポートとという特殊な関係であったが、もしかしたら以外に近くに異世界人がいるのかもしれない。

 

何が言いたいかというと、異世界からの人物が他にもいた、ということだ。それと、この後の展開に…おっとメタ発言は避けよう。

 

 

 

昨日、仮面ツインテールからワープ装置と通信機を貰い、いつでもエレメリアンが現れても出撃出来るように準備している。

 

ワープ装置、通信機、髪止めを鞄に入れて制服を整え変身アイテムである時計を右手に着けて玄関の戸を開ける。

 

そして戸を閉めて外に出る。勿論鍵をかけて。

 

「兄貴、早くしろよ!」

「ま、待ってくれ!!」

 

隣から声が聞こえそちらを見る。

!?凄い美少女だ!マジで!!テイルレッドがいなかったら彼女のファンになってたかも…いや、芸能界でもいないって位の美少女だ。

髪型は少し独特で大きな赤いリボンを着けていて顔立ちがいい。しかも制服。

こんなお隣さんなら大歓迎だ!

 

「んじゃ、置いていくから」

「ちょ!待て!!れ…」

 

中の兄貴と呼ばれた人は無惨に玄関よの戸を閉められる。

美少女は自分の部屋の玄関の戸を閉める此方に気が付く。

 

「何よ…」

 

口調が少し鋭いがそこもポイントが加算される。

 

「えっと…お隣に住む二摘輝跡です」

「あっそ。んじゃ…」

 

美少女は俺のいる方向とは逆の通路に歩きだす。

名前…聞いておけば良かったな…

 

俺も自分の学校へ向かう。そう言えば、あの制服…あれ?あの制服って陽月学園の制服じゃなかったか?

 

…一緒に登校すれば良かった…

 

後の祭りである。

 

一人寂しく登校中。途中、老人に道案内をするツンツン頭の少年を見かけた。いや…良いことをする人もいるんですね…

 

学校に着くと大変なことになっていた。

 

テイルレッドとテイルエアーの話しで持ちきりなのだ。

 

どこを聞いてもテイルレッド、テイルエアー。中にはとんでもない変態発言をする人まで出てきた。

 

「俺は、テイルレッドたんの兄になる!」

「いや、兄になるのは俺だ!!」

「テイルエアーはテイルレッドの生き別れの双子の妹よ!」

「いいや、テイルエアーは、テイルレッド未来の娘さんよ!」

 

と、こんな感じの話題ばかりだ。

 

少し頭痛くなる。ここに本物のテイルエアーがいるのに…知らないって怖いな。

見ろ、ツインテール大好きリア充が頭抱えて辛そうな顔してる。

 

「おい、どうしたんだ?」

「…いや、何でもない…」

 

そう言った赤髪のクラスメイト名前は…

 

「あ、そういえば、自己紹介がまだだったね。俺は二摘輝跡。テイルエアーの第一のファンだと自分で思っている」

 

第一のファンだよ?だって変身した姿を最初に見たのは自分だし、可愛いと思ったのも自分だ。

 

「そうか…俺は観束総二」

「ツインテール好きなの?」

「ああ!大好きだ!」

 

クラスは総二の発言を聞いても動揺せずに自分達の話しをしている。

 

「…あーまたやっちまった…」

「ツインテール好きなんだ…いいよね…ツインテール」

 

俺はこの頃ツインテールに興味が出てきた。自分がしているということもあるが、ツインテールを愛しているテイルレッドのことをもっと知りたいのだ。

 

「そうだろ!」

「あのさ、ツインテールについて色々教えてくれ。頼む!」

「べ…別にいいけど…」

 

少し考えていた総二。彼女との都合などもあるのだろう。

 

「あ、都合でも悪い?」

「いや、そうでも無いけど…」

「やっぱり彼女と色々あるんでしょ?」

「彼女?」

「え?違うの!?」

 

あれ?いつも一緒にいるから彼女だと思った…

 

「あいつはただの幼馴染みだよ」

 

待て!!幼馴染みだと!幼馴染みと言えば大抵主人公のことを最初から好きというポジションを持ち尚且つ主人公と昔からの付き合いがあるという完璧のヒロインポジションではないか!!それをただの幼馴染みとか…お前の目は節穴か!!しかもあそこまで可愛い幼馴染みを!

 

「誰がただの幼馴染みですって?」

 

総二の後ろにはハンカチで手を拭いている総二の幼馴染みの姿があった。ハンカチで手を拭いているということはトイレだったのだろう。

 

「おう、愛香」

 

愛香と呼ばれた総二の幼馴染み。

 

「えっと、俺、二摘輝跡」

「…津辺愛香よ」

 

愛香はそう言った。それにしても可愛い…ツインテールがそれを一層引き出している。

 

「まあ、総二、ツインテールについて色々と教えてくれ」

「暇があればね」

 

総二はそう言った。その後、授業が始まり時間は過ぎてお昼。

昼食を総二達と一緒に食べる。勿論弁当は持参だ。

愛香とも話してみたが以外にいい人で安心した。だが、総二のボケに過激過ぎるツッコミを入れたのは流石に引いた。だが案外いい人そうだ。総二は凄い。ツインテールの知識が果てしない。そう、ツインテールの愛がとてつもないのだ。

総二ならテイルレッドと仲良くなりそう。

それに、総二は常識人だ。テイルレッドやテイルエアーが少しちやほやされ過ぎではないかと疑問に思っていた。俺も同じだったが、こういうのは流された方がいいと話した。

 

そしてあっという間に放課後。まるで最初から友達だったかのように打ち解けた俺と総二。そして愛香。

 

俺は二人と別れて帰路に立つ。だが、世の中はそうはさせない。

 

通信機から音が鳴る。これはアルティメギルが現れた時になるようにセットされている。

俺は人気の無いところに行き…

 

「テイルドライブ!!」

 

髪止めを時計の中に入れて変身する。そして、テイルエアーがそこに現れる。

 

俺はワープ装置を開く。ワープ装置は一見ペンのような形をしている。だがそれはカモフラージュで巻物みたいに開くことが出来るのだ。

そして、敵の座標を確認する。以外に近いな。

 

俺は通信機を耳に着ける。

 

「こちら、テイルエアー。仮面ツインテール、応答を願う」

『こちら、仮面ツインテール。テイルレッドは今海外に現れたエレメリアンを倒しに行ったためテイルレッドからの支援は期待出来ません。なので一人で戦ってください』

「了解!」

『あ、もし戦闘で装甲などが破壊された場合は言ってください。体の隅々まで直しますんで…グヘ!!』

「おい!大丈夫か!仮面ツインテール!?」

『…大丈夫…です…ただ、野蛮民族に…グヘ!!』

「え?戦闘民族!?」

 

何なんですか!?戦闘民族がそこにいるの!?

 

『いえ…戦闘ではなく…や…』

 

その後、仮面ツインテールからの連絡が無くなった。

 

「…よし、行こう」

 

今この世から一人の変態が消え去った。

俺は仮面ツインテールの分まで戦わなければならない。

仮面ツインテール…安らかに眠れ。

 

 

俺はエレメリアンの場所に移動する。

 

場所は近くの山だ。まだ人も入らない時期。

その山は静かだった。まるで誰もいないかのようだ。いや、誰かはいた。姿からして大男。約2㍍はあるかの大男。だが人の姿をしていない。それはまさに怪人である。

両手に大きな盾のようなものを付けている怪人。怪人はキョロキョロとまわりを見渡す。

まるで何かを探しているかのように…

 

俺はその怪人…エレメリアンと対峙するように目の前に現れる。

 

「くそ!テイルエアーか!!まだ目的のものを見付けていないのに、早速ツインテールの戦士が来てしまうなんて!」

 

独り言を喋りだした変態(エレメリアンは全員)。どうした?

 

「自己紹介がまだだったな。俺はムールギルディ。元はリヴァイアギルディ隊長の隊にいたが己の修行のため、ドラグギルディ隊長の部隊で己を鍛えている」

「僕は、テイルエアー。って知ってたよな」

「さて…戦う前に一つ頼みがある」

「?」

 

エレメリアンからの頼み。敵からの頼みとか両親が発狂して喜びそうな展開だな。なんだろう、頼みって。まさか命乞い?

 

「これを背負って一緒に山登りしてほしい。」

 

そう行って、小さいリュックを取り出すムールギルディ。

 

は?

 

「…戦わないの?」

 

俺は純粋に思ったことを口に出した。なぜこのエレメリアンは…

 

「…本当はな…俺は山登りをする少女を見ることが俺の生き甲斐なのだ…だが、リヴァイアギルディ隊長の隊にいたとき、巨乳の話しばかりで…それでドラグギルディ隊長の隊に入った。だが、俺は弱い。直ぐにお前に倒されてしまうだろう。だから、最後に山登りをする少女を見ようと山にきた。なのに!山登りをする少女どころか山男すらいないではないか!!これでは満足に戦えぬ!!」

 

そう言ってムールギルディは拳を強く握る。

用は、俺の山登りの姿を見て満足したら戦うってことだよな。

 

「だから、頼む!!テイルエアー!!山登りをしてくれ!!」

 

ムールギルディは土下座で頼みこむ。そこまでされたら…

 

「…わかったよ…」

「おお!!本当に感謝するぞ!」

 

その後、約2㍍の怪人と一緒に山登りをする少女の姿があった。

 

というか、俺だった。

 

戦いの場所はこの山の山頂。

 

登っている途中ムールギルディはこんなことをを聞いてきた。

 

「なぜ、山男すらいないのだ?」

「だって…今4月だよ。まだ山開きしてないじゃん」

「なんと!!まだ山開きではなかったのか!!」

 

俺とムールギルディはまだ山開きしていない山を登っている。そりゃ、人はいないよな。ムールギルディはそんなことを話しながらカメラをこちらに向けていた。一応カメラだから少し可愛く写ろうとしてみる。まあ、あっという間に山頂なのだが。

 

そして、山頂、林が周りにあり眺めが良くちょっとした広場になっている。少しムールギルディがパソコンを操作した後約束通りに戦いを始める。

 

少し広い場所に俺とムールギルディは対峙する。

 

数分後

 

ムールギルディは倒れた。いや、本当に弱かったのだ。手に付けている盾以外は脆く弱かった。その後必殺技を使う。

 

「行くぞ!!ムールギルディ!!」

「こい!テイルエアー!!今の俺に未練はない!!」

 

俺は右手に力を込める。そして、高くジャンプする。高く高く。

重力落下を利用して力を込めた右の拳を相手に与える。その名も

 

「フォールナックル!!」

 

その拳はムールギルディの脳天に直撃する。俺は拳を当てた後その場から逃れるように空中で一回転してムールギルディを背にして着地する。ムールギルディからはバチバチと音が鳴る。

 

「さ、さらばだ。テイルエアー!!」

 

爆発するムールギルディ。ムールギルディがいた場所にはひし形の結晶があった。これが属性玉…

 

俺はムールギルディの属性玉を回収する。

 

ガサ

 

と音がする。俺はその音がなった林の方を見る。今大きな爆発音がした。動物はその音に驚き逃げ出しているだろう。ならなんだ。答えは簡単。人間か、それ以外か。

それ以外なら考えものだ。だってその場合、相手はエレメリアンの確率が高い。

 

だが、そこから出てきたのは一人の少年だった。髪がツンツンしている普通の少年。その見た目としては前にも言ったように髪がツンツンしていて、服装は陽月学園の制服を着ていた。

 

少年は呆れ顔でこちらを見た。

 

「テイルエアー…でいいんだよな?」

 

少年はそう聞いてきた。

 

「そう…だけど…」

 

少年はそれを聞いて苦虫を噛み潰したような顔をする。どうかしたのだろうか…

 

「君達みたいな小さい子が異変解決者なんて…」

 

ツンツンしている髪の少年は独り言ををぼそりと言った。

 

「あの…何か…」

「いや、何でもないよ。それじゃ…」

 

少年はそう言って下山道を下っていった。途中「不幸だ!!」と聞こえたが気のせいだろう。

 

俺は取り合えず下山することにした。

 

…あれ?おかしくないか?あの少年はどうやってあの場所に来たんだ?

まだ山開きしていない山に俺達(ムールギルディも含めて)はいたはずだ。なのにあの少年…元々ここにいたのか?いや、山開きをしていないのだからそれはありえないだろう。

それに…陽月学園の制服だった。それは学生という身分を表している。

 

どういうことだ?

 

そんな考えをしながらワープ装置を使って家まで戻る。正直歩くのがめんどくさくなってしまった。だってそうだろ?山登り、しかもまだ山開きしてないんだから道が鋪装されていないのだ。そんな道を歩いたのだ。いくら身体能力が強化されているからと言って辛いものは辛いのだ。

 

家に戻り変身を解く。

 

疲れた…

 

だが、その後、更に疲れが襲ってきた。

 

何となく起動させたパソコン。そして何となく開いたYou〇ube。それが間違いだった。

 

急上昇の欄…そこに問題の動画が上がっていた。

 

テイルエアーの山登り

 

そういう題名の動画。その動画は今は亡きムールギルディの置き土産。だって動画アップロード者に“ムール貝の妖精”って書いてあるんだもん!ムールギルディ以外いないし、俺が山登りしているのを知っているのはあの髪がツンツンしている少年(知っているかどうかは本当は不明)とムールギルディだけだ。

 

内容はただテイルエアーが山登りをするだけの動画。だが再生回数がおかしかった。

 

1000万再生…

 

は!?どうだけだよ!You〇ubeもびっくりだよ!

 

そして、俺はその下に書いてあるコメント欄を見た。いや、見てしまった。

 

…変態しかいねーのか!!

 

取り合えず言っておくと変態発言しか見当たらないのだ。

 

ムールギルディ…お前は強いよ…特に置き土産が…

 

あ~なんか疲れて来たぞ…テイルレッドも今頃疲れているんだろうな…

 

俺はそんなことを考えて夕食の用意をする。

 

有名になるのも辛いんだな。そう思えた。




さて、何かとクロスオーバー(物語的に重要キャラ)しました。
多分、わかる人は少ないはず…

輝跡「おい、作者、あの二人の正体…」
まあ、待て。その内わかるさ。
そんなことより、次回予告を頼むぞ。
輝跡「…わかったよ」


次回予告

エレメリアンの前に会った怪人。それを倒したヒーロー。俺はそのヒーローに会いに行く。
果たして俺は忘れかけているものを取り戻せるのか!
そして、そのヒーローとは…

次回

ヒーローとツインテール



テイルドライブ!!


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第6話 ヒーローとツインテール

クロス回!

何とクロスしているかは見てからのお楽しみで…

しかも、結構重要なクロス回です。

まあ、兎に角どうぞ


実は俺はテイルレッドに会う前、いや、エレメリアンという怪人に会う前に怪人に会ったことがあるのだ。だから、俺は怪人ことエレメリアンと会った時、異常な風景にも怪人にもあまり驚かなかったのだ。(寝起きによる不機嫌も含む)

 

エレメリアンに会う前、そう、初めて怪人に会ったのは去年の8月。高校見学の時だ。

 

俺はある都市のある高校の見学に行っていた。

 

独り暮らしを第一前提と考えていたため遠くの学校に通うことに決めていた。そのため少し遠出だがある都市にある高校を見学しにきたのだ。

見学を終えて、俺は帰路に着いていた。かなり家から遠く電車やバスを乗り継いで6時間かかる。なので見学する前日にはホテルをとってそこに泊まったが見学は午前中で終わるのでそのまま帰ろうとしていた。

その時だった。

 

歩いていた道の路地裏で物音がした。俺は猫でもいるのだと思ってそっちの方向に歩いていってしまった。それが間違いだった。いたのは…

 

怖いお兄さん達でした。しかも何かヤバイ取り引きをしている所でした。うん。この時俺は人生オワタと思った。怖いお兄さん達は俺に気が付く。俺は逃げるが当時中学生が怖いお兄さん達から逃げられる訳が無く呆気なく捕まった。俺はこの時、あの有名な少年探偵と同じ運命を辿るのだと思った。いや、それならどれほど良かったか…

 

俺はその後、なぜか眠らされて、起きたら波止場でした。しかも俺の体はドラム缶の中。そこに灰色の液体が入れられていく。

灰色の液体…所謂コンクリートである。

 

波止場、ドラム缶、コンクリート…

 

この時の心情…\(^o^)/

 

だが、そこにヒーローが現れた。

 

そこに現れたのは一人の青年だった。黒いソフト帽を被った青年。その青年と怖いお兄さん達が話した後、怖いお兄さん達がUSBメモリを取り出して体に突き刺す。そしたら、USBを突き刺した怖いお兄さん達が怖い怪人になった。

それに対して青年は冷静だった。青年は謎のベルトを腰に着けて青年も同じようなUSBメモリを取り出してそのUSBをベルトに入れた。

 

その瞬間突風が吹く。それが収まると青年がいた所には左側が黒、右側が緑のヒーローが立っていた。

 

「『さあ、お前達の罪を数えろ』」

 

そう言って黒と緑のヒーローは怖いお兄さんこと怖い怪人達と戦っていった。

 

結果はあっという間に怖いお兄さん達が倒された。

そして、俺を助けてくれた。本当、命の恩人です。その人は変身を解いて元の姿に戻る。

 

「あ…あの…」

「ん?どうかしたか?」

「助けてくれてありがとうございます」

 

俺はお礼の言葉を言った。

 

「そんなことか…なら気にしなくていい。俺は街を泣かせる奴を倒しただけだ」

 

俺は内心カッケ…と思ってしまった。まるで本物のヒーローじゃないか。

この時俺は携帯を出して時間を確認しようとする。腕時計はコンクリートのせいで使い物にならなくなってしまった。だから、携帯で時間を見ようと考えた。

…電車が無い…

 

「電車…」

「ん?どうかしたのか?」

 

青年が俺の独り言に反応してしまった。一応この人に今の状況を説明しよう。

 

「実は…」

 

その後、ここが家から遠いこと、帰る手段が無くなってしまったことを話した。

 

「そうか…なら、どっかで宿でもとって…」

「金…が無い…っす…」

「うーん…困ったな…」

 

青年はそう言った。

 

「こうなれば、野宿でもしますよ」

 

俺はそう考えた。だが…

 

「いや、今日俺の家にこい。一日ぐらいは泊めてやる」

「え!?でも…」

「気にすんな。困った奴を助けるのは、当たり前だろ」

「あ、ありがとうございます。俺、二摘輝跡っていいます」

「左翔太郎。しがない探偵さ」

 

ソフト帽を少しクイっと上げる。その仕草に格好いいと思ってしまった俺はもう中二病なのかもしれない。

 

そのあと、翔太郎さんのバイクに二人乗りして翔太郎さんが勤めている事務所に着いた。

事務所には翔太郎さんの相棒がいてその人はフィリップって言ってた。

フィリップさんはとてもいい人で、凄い知識があるのだとわかった。それに、俺についても調べていたらしく、俺の悲しい過去のことまで知っていた。なんで知ってるいのかと聞いたら、星の本棚がどうたらと答えたため、俺は両親と同じタイプなんだと考えてしまった。その後、翔太郎さんとフィリップさんから色々教えてもらった。その後、中学を卒業したら風都に住もうとは思ったんだけど、風都の高校…風都総合高等学校の試験に落ちてしまい、断念した。(解答がズレていたため不合格)

 

まあ、これが、初めて怪人と会って、初めてヒーローと会った話しだ。前書きが長くなってしまったが、俺は変身出来るようになって考えたことがある。

 

俺はヒーローとしての資格があるのか?

 

と。

 

テイルレッドはツインテールを守るために戦っているわけだろ?

俺は?何のために戦っているんだろう?

 

俺は考えれば考えるほどわからなくなる。いや、初めて変身したときに誓ったことを忘れかけているのだ。

 

…会いに行こう。明日は休日だ。

 

エレメリアンも休日には出ない…と思うから、風都に行ってみよう。

 

そして、翌日、俺はワープ装置を使って風都に来た。にしても、改めてワープ装置が凄いと思う。だってここまで結構距離あるのに一瞬で来ることが出来た。…私用に使っているがこれもテイルエアーのためだ。そう、これは私用ではない…はず。

 

因みに、通信機を家に忘れた。どうせエレメリアンは出てこないし。

(この時、俺はエレメリアンが出てこないと思っていた。そのせいでテイルレッドがピンチになったり、新しいツインテールの戦士が生まれたりしていたことに後で気が付く)

 

俺は翔太郎さんとフィリップさんがいる事務所…鳴海探偵事務所に来ていた。

 

「おじゃましま…す」

 

俺はおそるおそるドアを開けた。ただただ会いに来ただけなのでなんか申し訳無い感じが今頃しているのだ。せめて依頼とか…あ、お金無いや。

 

「おや、輝跡君。久しぶりだね」

 

中にはフィリップさんがいた。フィリップさんは何か本を読んでいるようだ。

 

「何読んでるんですか?フィリップさん?」

 

俺は率直に質問した。本当なら翔太郎さんと話したいことがあったのだが、何となくフィリップさんが読んでいる本が気になったのだ。

 

「ライトノベルと呼ばれる小説の一種さ。数が多いし読みごたえもある。流石、日本の文化を裏で支えている書物だよ」

 

そう言ってフィリップさんの手元にはライトノベルが多く積み重ねてあった。フィリップさんがオタクの道に…それは無いか。

 

「特にこの化…」

「フィリップさん…その作品の名前は避けて下さい。ある意味引っ掛かります」

「まあ、メタい話しは置いといて、今日はどうしたんだい?」

 

メタ発言を上手く回避されほっとしたのも束の間、本題に入った。今回俺は自分がテイルエアーだということを翔太郎さんに言いに来たようなものだ。

家族(一番教えたくない人達)にばれてしまったし、この際、テイルレッド以外になら教えてもいい気がする。それに、翔太郎さんとフィリップさんはヒーローなんだから。

 

「実は、お話がありますその為に来たんですけど…」

「ああ、翔太郎かい?彼は今依頼をこなしているよ。けど、ドーパント絡みの依頼だったからね…」

 

ドーパント…話しは聞いていた。てか、あの怖いお兄さん達はそのドーパントになって翔太郎さんと戦った訳だ(まあ、量産型で弱かったらしいけど)。しかも、俺がエレメリアンをみる前に見たその怖いお兄さん達こと怪人達…それがドーパント。

原理は…地球の記憶がどうちゃらでよくわからない。

 

「なんなら、僕が話しを聞くよ」

 

意外だった。まさか、フィリップさんが話しを聞いてくれるなんて…

フィリップさんと翔太郎さんはヒーローだ。しかも正体はほんの一部の人しか知らない。俺の正体を知ってもたぶん誰にも言わない。

 

「えっとですね…」

 

そんな時にフィリップさんの腰にベルトが現れる。あのベルトは…

 

「おっと、すまないね。少し待っていてもらえるかな?」

「あ…あの…翔太郎さんが変身するんですか?」

 

俺は色々と話しを聞いた。翔太郎さんとフィリップさんが二人で変身することなど…

 

「いや…僕達が変身するんだ」

 

そう言ってフィリップさんは緑色のUSBメモリーを取り出し…

 

[Cyclne]

 

USBから機械音が響く。

 

「あの…何か手伝えることは…」

「無いね。まあ…風都沿岸部工場跡地には行かないことをおすすめする」

 

そう言ってフィリップさんは「変身」と言ってUSBメモリーをベルトに差し込む。すると、フィリップさんはまるで力が抜けたように倒れる。俺は咄嗟にフィリップさんを支える。そしてフィリップさんをゆっくりと床に寝かせる。フィリップさんはまるで魂が無いように見える。

 

「風都沿岸部工場跡地…」

 

よし…向かおう。もしかしたら翔太郎さん達がピンチになるかも知れないし…

 

俺はそう決めた。そして…

右手…いや、変身アイテムである時計を翳す。既に髪止めは中に入っている。

 

「テイルドライブ!!」

 

俺は変身した。

 

変身してから事務所を出てスピードを出して翔太郎さん達がいると思われる所に向かう。

初めて変身した後の帰り見たいにとんでもないスピードは出ないがそれでもかなりのスピードだ。

 

 

風都沿岸部工場跡地

 

ここでは、仮面ライダーWが苦戦していた。量産型のドーパントに更にはドーパントが3体。いくら仮面ライダーとは言え体は一つ。数の暴力には勝てない。

 

「フィリップ!竜の奴今回来ないのか!!」

『ああ…確か警視庁本部に呼ばれているし、この依頼のことは話して無かったからね…』

 

数の暴力…いくらWでもきついものがある。メモリを換えて対応はしているが、数が多い。

 

《どうした、そんなものか、仮面ライダー…》

 

一人のドーパントがそう言った。

 

EXE…ドーパントとなっているストリートギャングの集団だ。一度は全滅したがいつの間にかまた結成されていた。その調査を翔太郎がしていた。

EXEは新たなガイアメモリーを使っていた。それこそドーパントと戦って来たWもわからないようなガイアメモリーだ。

そのため迂闊に戦うことができない。

 

「くそ!これじゃ、じり貧だぞ!」

『こうなれば…エクストリームを使うしかない…』

 

そうフィリップが言った時だった…

 

「フォースナックル!!」

 

空から何かが降ってきた。それはまるで隕石のように地面に激突し回りにいたドーパント(量産型)はその攻撃の余波を受け次々と倒れていく。Wその攻撃の余波をバックステップをして避けた。

 

「な、なんだ!?」

『あ…あれは…』

 

攻撃の余波により砂煙が舞う。その砂煙が少しずつ薄れていく。

そこに立っていたのは少女だった。黄緑のツインテール、独特な装甲…

そう、噂のアイドル戦士、テイルエアーだ。

 

《て…テイルエアーだと!?なぜテイルエアーがここに!?》

 

見たことの無いドーパントはそう言った。

 

「別に…ただエレメリアンだと思って来ただけだよ」

 

俺はそう言ってドーパントの方を見る。ドーパントは量産型以外の3体のみ。

一気に数が減った。これは勝機でもある。

 

「て…テイルエアーなのか!?」

 

一番驚いていたのはヒーロー…いや、仮面ライダーWだった。

 

『なぜ君がこんな所に…それはさておき後でサインを…』

「黙ってろフィリップ!!テイルエアーがいるってことはテイルレッドもいるんだろ!テイルレッドのサインを…」

「ごめん…今回は僕だけなんだけど…」

「なん…だと…」

 

まさか翔太郎さんとフィリップさんがテイルエアーとテイルレッドのファンだとは…なんか話しづらくなって来たぞ…

 

《こらーー!話しを勝手に進めるな!!俺もサインほしいんだぞ!!》

 

一体のドーパントが話し初めていた。というか良くみるとドーパントは同じ形をしていた。どうやらあのドーパントは分裂する能力のようで話せる(人)が一人だけのようだ。てか敵は一人だけのようだ。敵は分裂をして数を増やす。てか、こいつもサイン欲しいのかよ!

 

『まあ、テイルエアーは下がっていたまえ。こいつらは僕達が倒す』

「珍しくやる気じゃないか、フィリップ」

「僕も手伝うよ」

「有りがたいが、相手はドーパントだ。いくらテイルエアーでも…」

「大丈夫だよ。いっつも変態をぼこぼこにしているから」

『頼もしいね。ならお願いしよう』

「おい!フィリップ!!」

『ここは彼女に任せよう。彼女なら何とかしてみせるさ。それより閲覧の結果相手は分裂系の能力のようだね。でも、本体を倒せば分裂した奴等も消えるだろう』

「なら、本体をお願いします。僕は分裂した奴等を倒します」

「ち…しょうがねえな」

『頼むよ、テイルエアー』

 

俺とWは別々に攻撃を始める。俺は分裂したドーパントを一体一体倒す。

一体の腹部に拳を畳み込みそして別のドーパントを蹴りあげる。

四方から囲むように迫ってくるドーパント。それを両手を軸にして両足を開き両手を使い回転してドーパントを次々に蹴る。所謂カポエラである。テイルエアーになっているためか一撃一撃確実にダメージを与えている。

ダメージが溜まったドーパントは次々に爆散していく。気が付けば残り一体。そう、本体のドーパントだ。

本体もボコボコにされていた。黒と緑だったWはいつの間にか赤と灰色になっていて金属の棒のような物を持っていた。

 

『さあ、メモリブレイクだ』

 

W(赤色の方)がそう言うと赤色と灰色から緑と黒に戻る。

 

「僕も手伝うよ!」

 

俺はWの隣に立つ。

 

「よし、ならタイミングを会わせろよ」

 

そう言ってWは黒いUSBをベルトから外して別のスロットに入れる。

 

【JOKER maximum drive】

 

機械音が響く。俺も右足に力を込める。すると右足が白色に光だす。

 

「『ジョーカーエクストリーム』」

 

二人はそう言ってWから吹き出る風で宙に浮かぶ。俺もなんか必殺技の名前つけた方がいいのかな?

 

「えっと…スカイストーム!!」

 

なんだろう…名前のセンス皆無の必殺技が出来た。

 

俺はそう思いながらもジャンプしてWと同じ高さまでいく。

Wは途中で分裂した。それに少し驚きはしたが、そのまま重力落下とマキシマムブレイクの威力でドーパントに向かって行く。俺もそれに続いて蹴りをする。俺とWの蹴りがドーパントを貫通する。

 

《が…俺が…やられた…だと…だが…テイルエアーにやられるなら…本望だ!!》

「おい!俺達も攻撃したぞ!!」

《知らんな…さらばだ!!》

 

爆発するドーパント。その爆発跡には気絶している人が…何かっこつけて最期みたいな感じで閉めてんだこいつ?

 

その後、警察に連れていかれたドーパントに変身していた奴。だがなんだろう…凄い笑顔だったぞ。

まあ、俺は連れていかれるのを影から隠れて見てただけなんだけどな。

 

その後翔太郎さん達と話すために事務所に戻る。(Wこと翔太郎さんはいつの間にかいなくなっていた)あれ?俺、なんか忘れてる…

兎に角走って向かった。

 

俺は事務所を開ける。あれ?ここの事務所の扉のドアのぶってこんなに高い位置にあったっけ?

 

ドアを開ける。

 

そこにはやはりフィリップさんが…

 

「…」

 

フィリップさんは驚いた表情で此方を見ていた…あ!!変身解いてない!!

 

「ま…まさか、テイルエアーが本当に来るなんて…」

 

フィリップさんは急いで紙とペンを用意して俺に渡す。どうやらサインが欲しいみたいだ。確かドーパントと戦う前に言ってたもんな。

 

「これにサインを…」

 

俺は紙とペンを受け取って[テイルエアー]と書く。てかさ、サインてそこまで価値あるのかな?だってただ紙に名前とか書くだけだぞ?あ…でもテイルレッドのサインは欲しいかも…

 

「ほ…本物のテイルエアー…まさか本当に来てくれるなんて…えっと…休憩でもしていくかい?少し散らかってはいるけど…」

 

そうフィリップさんが言っている時に事務所の扉が開く。もし依頼を頼む人とかなら騒ぎが起きるかもしれない。だが、そんな予想は裏切られた。

 

「戻ったぜ。フィリップ…ってテイルエアー!?なんでこんな所に!?フィリップ!どういうことだ!?」

「さあ?僕にもわからないよ。でも、サインは貰って置いたよ」

「あ!ズリー!?」

「翔太郎はテイルレッド派だろ?ならズルくは無いね」

「た、確かにそうだったけどよ…」

 

なんだろう…またテイルレッド派とか…しかもまさかのこの二人まで…やべ…変身を解きにくくなってきた。

 

「でも、なんでテイルエアー…君がここに来たのかな?」

 

フィリップさんがやっと本題に戻して来てくれた。良かった。

 

「コーヒー飲むか?」

「はい。貰います。あ、砂糖少し多めで」

「普通君ぐらいの歳だとコーヒーなんて飲めないだろうに…」

 

フィリップさんが不思議に見てくる。

 

「あ…あの…お話があって来たんですけど…」

「おう、何でも言ってくれ」

「僕…何のために戦えばいいのかわからなくなってしまって…」

「そんなことか。なら簡単だ」

 

翔太郎さんはそう言ってコーヒーを俺の手元に置く。

 

「それは、誰かを救いたいって心だろ?」

「そうなんですけど…なんていうか…それだけじゃ無かったような…」

「そうだね…君は僕達…仮面ライダーを助けてくれたよね」

「は、はい」

「なら、答えは簡単だ。テイルエアー…いや、輝跡君」

 

!?

 

「何言ってんだ?フィリップ」

「君は、輝跡君だね?違うかい?」

「…流石です。フィリップさん」

 

俺は変身を解く。それに驚く翔太郎さん。

 

「テイルエアーが輝跡!?」

「やはり。今さっき推測をしてみただけだけど、本当だとはね」

「いつから気付いていたんですか?」

「まずは、コーヒーのことから。確か前に輝跡君が泊まった時、輝跡君はコーヒーに砂糖を多めに入れていた。それと、君ぐらいの年齢にはいくら砂糖多めと言っても苦い。更には、僕達がいた場所を知っていた。そう、あの場所を知っていたのは僕達と輝跡君だけ。偶然来るなんてそうそうあることじゃ無い。だから、少し推測してみただけさ」

「おいおい…そういうのは本当は俺の役目…」

「さて、テイルエアーこと輝跡君。話しっていうのは戦う理由についてでいいのかい?」

「はい」

「確かテイルレッドはツインテールの為に戦っている。でも輝跡君はそこまでツインテールが好きじゃ無い…と」

「いえ。好きです。でも、好きは好きでも違うような…」

「あーもう!それを好きって言うんだよ!!」

 

少し怒った感じで翔太郎さんに言われる。

 

「好き…俺はツインテールが好き…だから守りたい…」

「そうだ。それ以外ねぇ」

 

何だろう。何となくわかった気がする。

 

「あ、あの…」

「なんだ?」

「今度、色々と教えて貰っていいですか?」

「勿論」

「当たり前だろ」

 

本当、この二人はいい人だ。あ!

 

「あの、この事は…」

「他言無用だろ。わかってるよ。それぐらい」

 

翔太郎さんが言ってくれた。

流石、俺の尊敬する人達だ。

 

「今回はありがとうございます」

「いや、礼を言うのはこっちだ。今日は助けてくれて…その…ありがとう」

 

少し照れた感じで翔太郎さんがお礼の言葉を言った。本当素直じゃない人だ。

 

「そうだ!テイルレッドのサインを貰って来てくれないか?」

「別に構いませんけど」

 

よし!とか言って喜ぶ翔太郎さん。本当なら犯罪ですからね。

 

その後、二人と色々と話していたら夕方になっていた。

本当にいい人達だ。

 

俺は帰ろうとすると…

 

「そうだ。俺の後輩がある場所にいる。もし困ったらそいつの所に行ってみるといい」

 

そう言われてある高校の場所と部活の名前が書かれた紙を渡される。

 

俺の目標でもある二人。いつかはあんなヒーローになるぞ。

 

そう改めて決心した。そして俺は帰路に立つ。




まさかの仮面ライダーとのクロスオーバー。
しかもW。

さあ、次回予告。あれ?輝跡は?いないなら仕方がない。作者自身が次回予告をやろう。



次回予告

金欠の輝跡。スーパーで出会う強い人達!
はたして、輝跡は生き延びることが出来るのだろうか!?

次回 半額とツインテール?



テイルドライブ!


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第7話 半額とツインテール?

どうも…風墳Kです。

今回もクロスオーバー回となっております。

では、どうぞ。


俺は、翔太郎さん達と話した次の日、朝食(食パンと目玉焼き、コーヒー)を食べながらテレビを付けた。そこには、テイルレッドが半泣きになっている姿と、テイルレッドの人形を破壊する青いツインテールの戦士の姿があった。

 

てか、青いツインテールの子…

 

(あれ、愛香だよな?)

 

何となくそう思った。何回かぐらいしか話したりしたことが無いため断言出来ないがたぶん愛香だと思う。

けど、テイルレッドの人形は壊すなよ。内心それ欲しかったぞ。

あ…今度仮面ツインテールに作って貰おう、そうしよう。

昨日はまあ、用事があって行けなかったが、新しい仲間が増えたことはとても頼もしい。

 

月曜日

 

それは、あの有名な少年誌が発売される日でもあり、その対象とされる少年達が辛い顔をして学校に登校する日でもある。いや、少年だけじゃなく少女もか。

俺も学校への登校が辛い。朝は早いし、勉強は辛い(まだ始まったばかり)し。

ニュースを見た後俺は辛い学校生活のために着替えを始める。

基本、パジャマ、私服、制服に俺は着替える。

そして、鞄を持って学校へ…

 

時間が過ぎて放課後。

 

愛香に正体を聞こうとしたが、何だか機嫌が悪かったので聞くのは止めた。たぶん、女の子の日なのだろう。俺だってそこまでデリカシーが無い訳でもない。触らぬ神に祟りなしだしな。

 

今日もエレメリアンは現れたが俺が行く前に瞬殺された。そう、新しいツインテールの戦士、テイルブルー(愛香かもしれない)の手によって。

 

そして、夜

 

腹へった…

夜道、俺はそう思って近くのスーパーに向かっていた。

買っておいた消耗品の食材達はあっという間に底をつき(以外に大食いの俺)それを買いにいこうにもそれらを買える分だけのお金を持ち合わせていない。買えて半額弁当ぐらいだろう。

俺はそれを狙ってスーパーに向かった。この時間なら半額シールが張り出される。

 

スーパーに入り弁当売り場へ。

 

弁当売り場では丁度弁当に半額シールをはり終えて、はっていたおじさんが業務用の扉に入った所だった。

 

俺は半額シールがはられた弁当を取ろうとした瞬間…目の前が真っ暗になった。

 

 

 

ありのまま、起こったことを話すぜ。

 

半額弁当を、取ろうと手を伸ばしたら、いきなり頭に衝撃が走り気を失った。そして気が付けば俺はスーパーの目の前で寝ていた。何を言っているかわからないが、俺も何が起きたのかわからないんだ。

 

取り合えず立ち上がる。頭に痛みがある。何か頭に当たったみたいだ。全く…

 

あれ?これ、噂に聞いたことがある。

 

半額弁当を争う人達がいるとか何とか…

俺はそれに巻き込まれた…可能性が高いな。

しかも、その争う人達…狼と呼ばれる人達は食欲と空腹により人とは思えない程の身体能力を持っているとか何とか。

 

…これは利用できる。

 

だってそうだろ?ツインテールの戦士として…いや、テイルレッド、テイルエアー、そしてテイルブルー(仮面ツインテールも)を会わせてツインテイルズ。そのツインテイルズとして戦うために身体能力を上げておいて損は無い。いつかは強いエレメリアンが出てくるはずだ。そのためにはやはり日々の修行が必要になる。確かにピンチの時に覚醒とか美味しいことはしてみたい。でも現実的にそうはいかないだろう。なら、今から修行あるのみ。

 

狼と戦うことにより戦闘技術が上がり、おまけに…いや、本命は半額弁当だ!空腹は限界に近い。

 

まだやっているスーパーを携帯で検索する。

 

近くに何件かある。俺はその中でも一番近いスーパーに向かった。

 

俺は別のスーパーに着いた。そして、弁当売り場へ。今度は若いお姉さんが半額シールをはっていた。そして、業務用の扉に消える。

 

その瞬間だった。若い少年、少女達が一斉に飛び出していく。

 

確かに、空腹でピンチではある。だが、俺にはカップヌードルという最終手段がある。ここは一端引いて…

 

そう思っていた時、一人の男が俺を殴りに来た。どうやら、見る場所が近すぎたようだ。参加者と間違われた。

 

こうなれば、当たって砕けろだ!

 

男の拳を避ける。流石に隙は…

 

「そこだ!!」

 

俺はその隙をつく。俺の必殺、右ストレート。父さんにツッコミを入れる為に鍛えた右ストレートだ。俺のどんな攻撃よりもツッコミ力を入れている。この攻撃を受けたボケは大抵倒れる。だが、これは弁当を賭けた戦い…いや、戦だ!

そう簡単には終わらない。

 

右ストレートを喰らった男が立ち上がる。

こうなれば、伝説の左ストレートもカマスしかない!

 

俺はボクサーステップを踏んで男を翻弄する。その隙に腹部に左ストレートをぶちこむ。

 

その一撃により男は倒れた。

さて、次…

 

俺は見てしまった。軽やかに敵を…いや狼を蹴散らす青髪の狼を…

 

美しい…

 

その狼を…少女を見てそう思った。その少女は俺を見るやいなや此方に向かって来た。

 

そう、これは戦。コンテストではない。

 

俺もここにいれば一匹の狼。それを自覚していなかった。

 

俺は少女に蹴られた。顎を強く蹴られた。だが、その瞬間…スカートの中…そう、男の憧れの場所。少女のスカートの中が…見え…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無かった。見える寸前で気を失った。

 

くそ!いいところだったのに!!

 

俺はまたスーパーの前で寝ていた。時計を見る。既に全てのスーパーは閉店している。

 

俺は空腹を堪えながら家に帰った。家には緊急用のカップヌードルがある。それを夕食に食べる。本当はもっと栄養価を考えないといけないんだけどな…

 

 

次の日

 

空腹で目が覚めた。

朝食は…食材が無いためなし。

つ、辛すぎる。

俺は空腹でお腹を鳴らしながら学校へ向かう準備をする。

 

そう言えば、なんで俺が金が無いって言っているかというと、ようは一ヶ月の軍資金(という名のお小遣い)を間違って母親に伝えてしまったのだ。通帳見たらびっくり、五千円。しかも銀行でそれを下ろして良く見たら旧札。どうでもいい奇跡が起きたよ。

てか、なんで五千円なんだよ。普通もっと入れておけよ。

 

そんな感じでお金が無い訳だ。普通五千円なら一週間は平気に過ごせるだろう。でも俺は前にも言ったように大食いである。そのため五千はあっという間に無くなった。

 

そう、今の俺の全財産…543円。

悲しくなるね。ははは。

 

空腹を堪えながら学校に着く。出来るだけ動かないようにしながら今日は行動しなければならない。無駄なカロリーを消費しないように。丁度今日は体育が無い。

 

そのため、偉く上機嫌な愛香とそうでもない総二と話す余裕が無かった。そう、午前中は。

 

午後というより昼休み。

 

机で俺は寝ようとしていた。昼休み、それは美味しい匂いがどことなく教室に充満する時間。俺はそれを回避する手段として寝ることを選んだ。

 

「おーい、輝跡?具合悪いのか?」

 

誰だ…俺の眠りを妨げる者は…俺はそう思い声がした方を見上げる。そこにいたのはツインテール大好きの総二と俺の中ではテイルブルー候補第1位の愛香ではないか。どうしたのだろう…

 

「何?」

「具合悪いなら保健室でも行くか?」

「いや、大丈夫。ただの空腹だから」

 

そう言った途端腹がなる。あ…弁当のいい匂いが…しない!?

 

良く見るとみんな帰る準備をしていた。あれ?もしかして今日…

 

「あれ?今日午前中で学校終わりだっけ?」

「そうよ。あんた忘れてたの?」

 

呆れ顔で見てくる愛香。いや…空腹ですっかり忘れてたのだ。スマナイ。

 

「すまん、忘れてた」

「全く…」

 

俺は鞄を持って立ち上がろうとする

だが…

あ…空腹で…力が…

 

「あ…」

 

俺は倒れそうになる。その時、顔に何か当たる。…この感触は…小さいけどテイルエアーにもしっかりあった胸の感触…

 

どうやら俺は愛香の方へ倒れたようだ。しかも丁度顔が胸に行くピンポイントに。

 

俺は率直な感想を言ってしまう。

 

「ペッタン」

「誰がペッタンですって!!」

「ヒデブ!?」

 

俺はその後気を失った。どうやら愛香の正拳がクリティカルダメージを与えたようだ。この二日間に三回気を失う俺。

だが、それぐらい、もう慣れた。いや、慣れてはいけないのかもしれないけど慣れてしまった。

気を失って数秒、気が付く。

 

「いててて…」

「愛香の攻撃を受けて復活した!?」

「輝跡ってトゥアールレベルのタフさ持ってんじゃないの?」

 

トゥアールという人が誰なのかわからないが、何度も気絶させられれば直ぐに復活出来るようになる。…はず。てか、そのトゥアールという人もこれ程の攻撃を受けて復活出来るのか…ある意味人間の神秘だな。

 

丁度その時に腹の虫が鳴る。

 

あーダメだ…腹へった…

復活するのに余計なエネルギー使ったよ。

 

「大丈夫か?輝跡?そこまでお腹すいているならなんか奢るけど…」

「本当に!?」

 

俺に希望が見えた。そう、奢る…なんと素晴らしい響きなのか…

普通俺は自分で言うのも何だが結構金持ちの家系である(父親が社長だから)。そのためいつも奢るポジョンにいた訳だ。もしかしたら初めて奢って貰えるのかもしれない。

 

「なら、私にも奢って。どうせ、総二の家のカレーでしょ?」

 

愛香がそう言う。カレーでもなんでもいい!

あれ?

 

「どうせ、カレーだよ…」

「総二の家って店屋かなんかか?」

「えっと…喫茶店だよ…」

 

喫茶店か…まあ、食べ物にありつけるなら何でもいい。

 

「早く連れてってくれ!」

「おう、なら行くか」

 

そう言って総二の家へ向かう。腹が減っては戦は出来ぬ。もしこのタイミングでエレメリアンが出たら俺…鬼神となるぞ。

 

 

総二の家…喫茶店アドレシェンツァに着く。

あれ?この場所どこかで…

 

兎に角飯だ!

 

総二達と一緒に店内に入る。丁度お昼時なのだが、お客さんはいない。それはそうだよな。だって店の看板にcloseって書いてあったもん。てかいいのかな?そんな中入っちゃって…ってその家の息子がいるんだから大丈夫か。

喫茶店のカウンター席に座る。愛香は隣に座る。そして総二が店の奥からカレーを持ってくる。かなり大量にカレーとライスが盛られている。なかなかじゃないか。

 

「いただきます」

 

俺はそう言って総二が待ってきてくれたスプーンを手に取りカレーへ運ぶ。

 

「ねえ、美味しいでしょ?総二のお母さんのカレー」

「うん」

 

食べながら話す。総二も自分の分を持ってくる。そして食べようとしたとき…

 

「ごちそうさま」

 

俺のカレーが無くなった。

 

「早!!」

「まだ私でも1/2なのに!?」

「いや~本当美味しかった」

 

その時、俺の鞄の中から音が聞こえる。着信音に聞こえるがそうじゃない。同じくような音が複数聞こえるが気のせいだろう。

 

「ごめん、少し席を離すね」

 

以外に愛香が席を外した。

 

「ごめん、俺も…」

 

更には総二まで…

どうしたんだろう、二人とも…と言うか、俺も席を離さないと。あの着信音は…エレメリアンが出現したときに鳴るアラームだ。通信機からアラームが鳴っている。

 

二人がいなくなった後、こっそりと喫茶店から出る。そして周りを確認、少し人通りの無い所を見つける。そして…お決まりのセルフ

 

「テイルドライブ」

 

テイルエアーに変身。着信音がしていた通信機を耳に付けてワープ装置を作動させる。

その前に仮面ツインテールに連絡を…

 

「此方、テイルエアー。仮面ツインテール、今から基地に向かう」

『了解です』

 

俺はワープ装置で基地の中に直接ワープする。そこにいたのはテイルレッドと新しいツインテイルズのテイルブルーだった。

 

「あ!初めまして、テイルブルー。僕、テイルエアーって言います」

「わかってるわ。あんたの正体を知りたいのは山々だけど、今は聞かないであげる」

 

うわ~、ブルーだけにクールだな。

 

「取り合えずワープ装置を使おう」

 

奥には多い目のワープ装置があった。あれで世界各地に移動出来るのか。マジ、ど〇でもドアだな。

 

ワープ装置に入っていざ、エレメリアンの場所へ…いや、外国へ。(俺英語出来ないけど大丈夫かな?)

ワープして出た所は…エッフェル塔がある。フランスでした。あ!俺パスポート持ってない!!どうしよう!これって不法入国では!?まあ、エレメリアンという怪人を倒すためという言い訳をさせて貰いたい。そして戦闘に…

 

 

 

 

結果だけ言うと敵は雑魚だった。ブルーとの連係以前にレッド一人でどうにかなった。

けど、問題はその後だった。観光客やらが此方にサインや握手を求めてきて大変だった。

いや、俺とレッドが大変だった訳だ。ブルーは何故か知らないが人気が無い。勿体ない、折角可愛いのに。鬼神とか破壊神とか呼ばれてるけど良く見ろ、ペッタンでもいいボディーラインしてるし、露出は多目。テイルブルーは男だと言っている奴がいるがそれは無い。どっからどう見ても女の子だ。胸が無いから男だと言った奴出てこい!シバいてやる!

おっと、話しが逸れた。

サインや握手を求めてくる観光客を無視してテイルブルーはテイルレッドをお姫さま抱っこをして空を飛んで行ってしまう。俺を置いて…

 

そう、俺を置いて…

 

 

その後、観光客から何とか逃げ出すことができ、何とかして秘密基地に戻ってこれた。

色々とブルーに聞きたいことがあったがどうやらいないようだ。仕方がないからワープ装置を使ってワープする。ワープした場所で変身を解く。喫茶店から少し遠くまで来てしまった。きっと総二達は心配してるだろう。

 

俺は総二の家こと喫茶店の隣に見たことのある建物があることに気が付いた。そう、道場だ。あの道場…見たことある。小さい頃父さんと母さんに「敵情視察」とか言われてここら辺に連れて来られて迷子になったんだっけ…そこで、ここの道場のお爺さんに道なんかを聞いた記憶がある。てかなんでここまで思い出さなかったのだろう。

 

「あ!輝跡、ここにいたのね」

 

愛香が此方に気が付いたようだ。そして歩みよって来る。

 

「いや…ここ見たことあるというか、来たことあると言うか…」

 

そう言って道場を指差す。今頃だが道場の隣に総二の家こと喫茶店がある。

 

「なに?家に来たことあるの?」

「え!家!?」

 

以外な発言だ。まさか、愛香ここに住んでいるのか!!まあ、道場と言っても小さいし、住宅も含まれているから普通誰かは住んでいるのだろうけど…

愛香の強さは道場の跡取りだったからか?

 

「ねえ、ここのお爺さんは?あのときのお礼をしたいんだけど…」

 

迷子になった俺を助けてくれた。ある意味ヒーローだ。

 

「お爺ちゃんは…かなり前に…」

 

その言葉に意味するものは悲しいものだった。俺はそれを察して何も言わなかった。

 

その後、しんみりした空気が嫌なので総二の家に向かおうとしたが、愛香が「そーじが予定出来たから帰って」と言ったのでお言葉に甘えて帰った。

 

 

その夜

 

俺はスーパーにいた。半額弁当をこの手に掴むまで諦めない!!

いくらカレーを食べたとはいえ、それはお昼。夕食は何もないことには代わり無い。お金は明日入ることが母さんから連絡でわかった。そう、今日一日を乗り切ればいいのだ。

 

半額シールが張られる。そして戦が始まる。昨日の青髪の女の子もいる。リベンジマッチといこうじゃないか。

シールをはり終えたお爺さんが業務用の扉に入っていく。それがゴングの合図。目的を同じくとした狼達が弁当争奪の戦へと赴く。それはまるで合戦。いや、一種の格闘戦にも見える。俺はそのなかで青髪の女の子の目の前に立つ。青髪の女の子は既に何人か倒しており、倒された狼達が力なく倒れている。

 

「さあ、リベンジマッチだ!」

「いいだろう」

 

女の子はそう言った。その女の子が氷結の魔女とか呼ばれているなんて知りもしない俺。実力の差がハッキリしている。だが、此方だって負けてばかりじゃない。せめて互角でいたい。

 

女の子は俺に対して蹴りをするが、俺はそれを避ける。テイルエアーでの戦いはヒットアンドテイクだ。基本は避けることに専念して一瞬の隙をつく。俺は女の子に対して殴りかかる。通常、拳よりも蹴りの方が威力は高い。だが、その分隙も大きくなる。だが、拳での攻撃は隙が少なく数多く相手にダメージを与えることが出来る。まあ、その分威力は低いけどな。

 

俺の拳を器用に避ける。そして、アッパーが俺の顎に直撃し、脳を揺さぶる。気絶こそしなかったが動けなかった。結局俺は女の子に勝てなかったのだ。だが、いい経験にはなった。

結局、女の子には勝てなかったし、弁当は取れなかった。でも経験は得た。帰り際にスーパーに売っているカップ麺を買って帰った。

 

てか、今頃なんだが、カップ麺をコンビニで買っていれば…

 

いや、いいんだ。

その後、ここら辺の近所のスーパーで青髪の女の子の狼を見ることはなかった。

 

今思うと名前聞いておけば良かったなと思う。





輝跡「どうした?作者?」
ガチャに二百円投資して、回したら、何も出てこなくて…中身みたら空っぽで…返却ボタン連打したけど二百円が帰って来なくて…
輝跡「…それは…残念…てか、お前の私情とかどうでもいいわ!」
そうですよね~
輝跡「てか、今回のクロスオーバーってなんだったの?」
グクレカス。
輝跡「あっそ。」
さあ、次回予告!


次回

とうとう現れる幹部級エレメリアン!
更に出てくるテイルレッドそっくりなツインテールの戦士!
はたして、テイルエアーの運命は!?
そして、テイルエアーの能力とは!?

次回

決戦!ツインテール!



テイルドライブ!!




輝跡「元気出せよ…」


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第8話 決戦!ツインテール!

どうも

何とか立ち直った作者です。

新しいツインテールの戦士(?)が出てきます。

まあ、楽しみにしていてください

それでは~


違和感はあった。ツインテールが流行しすぎな気がしていた。だが、あえてそれに流されることを選んだ。だが、この違和感は当たっていた。いや、当たってしまっていた。

テイルレッドとテイルエアーの異様な人気…これが敵の…アルティメギルの目的なんてわかる訳が無かった…

 

 

その日はいたって普通の日だった。

いや、エレメリアンが出てきた時点で普通じゃないんだが…

 

テイルレッドがエレメリアンを瞬殺する。

俺もそこに駆けつけるが本当にあっという間だった。てか、相手のエレメリアンの姿すら見ずに終った。

基本、エレメリアンは一日に一回しか出てこない。それが十何日も続いた。もう4月の後半、GW直前だ。エレメリアンが出てからあっという間だった気がする。俺も、この姿に慣れ初めていた。同時に違和感も大きくなっていた。総二と話した違和感。テイルレッドとテイルエアーが人気過ぎること。

でも気にしないようにしていた。

 

テイルレッドか属性玉を回収する。その時、俺は何かを感じた。大きな力。そう、テイルレッドのようなツインテールの力。何を言っているのかわからないと思うがそう言うしかない。

 

テイルレッドもそれを感じたのかその場から避ける。そう、避けたのだ。テイルレッドのいた場所は一瞬にしてクレーターが現れる。クレーターの中央に黒い影をみる。砂煙が舞うなか、その姿はハッキリとわかった。エレメリアンだ。砂煙が晴れてきた。

そこに立っていたエレメリアン…黒く今まで戦ってきたエレメリアンと雰囲気もオーラも違う。まるで別次元だ。こいつは…強い。そう思えた。いや、思うしかなかった。

 

「すまぬな…不意打ちをしてしまって…だが、これで確信した。テイルレッド、貴様は強いと!!」

 

そう、エレメリアンは言った。このエレメリアン…どこかで見たことある。そうだ!演説をしていたエレメリアンだ!

 

「我が名はドラグギルディ。テイルレッド…貴様の属性力、貰い受ける!!」

 

そう言った瞬間、ドラグギルディはテイルレッドに剣を降り下ろす。それをテイルレッドは炎の剣、ブレイザーブレイドで受け止める。だが、その威力は凄いものだった。風圧だけで俺が吹き飛ばされそうになる。

 

そして、何度も剣を交える。その都度爆風にもみた風が襲いかかる。直接戦っていない俺にもその風が襲いかかり、まるで俺までドラグギルディと戦っている感覚になる。

いや、ドラグギルディと正面で戦っているテイルレッドはもっと切迫しているだろう。奴のプレッシャーは俺まで怯えさせる程だ。

そのせいか、俺が臆病なのか、俺はドラグギルディとテイルレッドの戦いに入る勇気が出ないでいた。

 

「ドラグギルディ!お前の剣技…」

「ほう…気が付いたか。そう、我の剣技は…」

 

丁度遅れてきたテイルブルーも俺の隣に来る。

 

「ごめん、遅れた…」

 

テイルブルーが俺とテイルレッドにそう言おうとしたとき、ドラグギルディとテイルブルーが到着したことを知らないテイルレッドが声を合わせて

 

「「ツインテールの剣技!!」」

 

と確信したように大きな声でそう言い放った。

 

「「は?」」

 

俺とテイルブルーは同時にそう声が出てしまった。既に俺とテイルブルーは飽きれ顔になっている。たぶん、心の中では「何言ってんだ、コイツらは?」と同じ事を思っているだろう。初めてテイルブルーと同じ考えをしたのかもしれない。テイルレッドはツインテールの愛情がとてつもない。その点、テイルブルーは常にクールと言うか、冷静と言うか…

兎に角、掴み所(胸の話しではなく)が無かったテイルブルーと初めて同じ考えになった。

 

「お前の属性力は…」

 

テイルレッドは何か確信を見たかのようにドラグギルディを見た。

 

「そう!我の属性は、ツインテール属性!!」

「あ、今回の敵はそーじ系なのね」

 

テイルブルーがそう言った。そーじ系?何そのお掃除みたいな発言?何か掃除でもするの?

 

「我がツインテールへの愛は誰にも負けぬ!これを見よ!!」

 

ドラグギルディはマントを外し背中を見せる。いや、魅せる。

その背中には傷一つついていなかった。

 

「いつ日か、ツインテールの幼女にこの背中を洗ってもらうことを夢にも見、闘う。それが我が夢!!その為にこの背中は傷を作らぬよう戦ってきた!」

 

…俺ならあの背中、電動ヤスリで磨いて殺りたいよ。やはり、エレメリアンは変態でしか無かったか。強そうな奴ほど変な夢を見てるな。

 

そうドラグギルディは言った後、テイルブルーを見る。

 

「…テイルブルー…貴様らはあの戦士の差し金だったか」

 

ドラグギルディがテイルブルーを見て何か確信付いた事を言い始めた。

 

その後のドラグギルディの話しはとてもショックの大きなものだった。

ツインテール属性を奪うためにツインテールの守護神となるツインテールの戦士…いや偶像を造り出し世界にツインテール属性を拡散させ、その偶像を破壊し、ツインテール属性を根こそぎ奪う。そういう内容だった。

そう、最初から奴等の思惑通りだったのだ。異様にツインテールが世界で人気になった。その時点でもうわかっていたんだ。

 

前に総二と話したことがあった。この頃ツインテールが流行りすぎではないかと…その予想は当たっていた。そう、最悪な結果として…

 

そんな現実…受け入れるしかなのか…

 

「なぜ、そんなことを話すのよ…」

 

テイルブルーはドラグギルディの話しにそう言った。確かに、なぜ、今、このタイミングで俺達にそのことを言うんだ…いや、これが作戦なのだろう。一見武士道を貫き通す武人だと思っていたが、そうでは無かった。そう、知能的に、確実的に俺達に絶望を味会わせるための…

 

「せめてもの…手向けよ!」

 

そう、武人としてのせめてもの手向け。普通ならそんなこと言わない。だが、このエレメリアン…ドラグギルディは違った。変態でも武人であった。てか、武人って全員変態なのか?いや、違うよね?せめて、人間の武人は違うよね?

 

「やっぱり、私達…利用されてたんだわ…」

 

座り込むテイルブルー。利用されてた…確かにそうだ。

 

「ははは!!」

 

笑い出すテイルレッド。気でも触れたか!?

とうとうテイルレッドがおかしくなったのか!?

止めろ!可愛いテイルレッドをおかしくするな!せめてツインテール愛で少しおかしいのに!!

 

「お前達の言い方だと、今、世界に広がっているツインテール属性は本物だということだろ!なら、お前を倒せば万事解決じゃねーか!」

「なんと!!」

 

ドラグギルディは驚く。少しオーバーリアクションだな。

 

…確かに、簡単なことだろ。こいつを倒せば万事解決。そんなことに、俺達は気が付かなかったのか…

好きという気持ちに偽りは無い。そう、今世界で広まっているツインテールへの愛は本物だ。奪われた後のことを考えるより、奪われない未来のことを考えた方がいい。そう、この世界からエレメリアンを追い出す。そんな難しくて簡単なことだ。

 

「確かに、そうだよな!テイルレッド!!良いこという!」

「ありがとう。テイルエアー」

「全く、馬鹿は馬鹿でも、本物のツインテール馬鹿ね」

「ブルー…」

 

そう。今、ツインテイルズは一つに…

 

「待ったー!!」

「なんだ!?」

 

ドラグギルディが振り向く。いや、この声、聞き覚えがある。すっかり忘れてた仮面ツインテールだ。ツインテイルズのもう一人のメンバー。

うん。すっかり忘れてた。

 

「私の名前は仮面ツインテール!!」

 

ご紹介ありがとうございます。

まあ、俺は知ってたけど…

 

その後、坦々と仮面ツインテールが自分かやってしまったことを話した。そう、仮面ツインテールこそ、先代テイルブルーだった。

うん、仮面ツインテールの方がテイルブルーの格好似合うかも…いや、今のテイルブルーでも十分だ。

 

そして、戦闘に戻る…はずが…

 

ドラグギルディは俺を見る。まじまじと俺を見る…何なんだろう…

 

「貴様…テイルエアーと言ったな…」

「まあ…そうだけど…」

「貴様からは何も属性力を感じぬ…何者なのだ?」

「うーん…自分でも良くわからないけど、人々の好きという気持ちを守りたい。そう思っている。だから、最低限、お前たちの敵だよ」

「ふん。貴様のような属性力を感じぬ…者が敵か…だが、それも良かろう。しかし!」

 

ドラグギルディは改めてテイルレッドを見る。

 

「まず、テイルレッド!!貴様と手合わせ願おう。そして、そのツインテール、貰い受ける!!」

「いいぜ…受けて立つ!」

 

テイルレッドはドラグギルディにブレイザーブレイドを向けて宣言する。

 

「だが、テイルブルーとテイルエアーも我々の戦いを見ているのはさぞつまらぬだろう」

 

ドラグギルディはそう言って右手を軽く上げる。

 

ドラグギルディの後ろからあの変態集団、通称アルティロイドと呼ばれるよく特撮などで出て来る雑魚キャラが大量に出で来る。

 

「アルティロイドの数は987体。貴様ら二人にとっては良い準備体操にでもなろう…」

「いや…この数…準備体操じゃ無くて無双シリーズだから…」

「確かに、いい準備体操になりそうね」

 

テイルブルーはやる気満々だな。てか、この数、本当に無双シリーズだよ。戦国とか三国とかガン〇ムとか海賊とか…

というか、後13体用意しようよ。切り悪いじゃん。

 

俺達、三人でこの数を相手するのか…

 

「あの…私、戦えませんので…」

 

仮面ツインテールが木の影で隠れていた。

先代テイルブルーだから、戦えると思っていた…どうしよう…

 

「レッド!ここは私とエアーが何とかするから!そいつをちゃんと倒してね!!」

 

あー、俺の心のコマンドに逃げるというコマンドが数秒前まであったのに!!

だが、そう言われたら、やる気にもなる。一人約500体だ。

 

「テイルレッド!お前のツインテール愛…魅せてやれ!!」

「おう!!」

 

テイルレッドは二つ返事で返した。

 

俺とテイルブルーはアルティロイド達(変態集団)の中に突っ込む。本当なら嫌なのだが…

 

アルティロイド達の中に突っ込み、1体のアルティロイドを踏みつけて、それを踏み台にして空へ高く飛ぶ。高く…高く…

そう、俺の必殺技、フォールナックルだ。

 

雲まで届く程にまで飛ぶ。まあ、実際には飛んではいなくてジャンプなのだが、俺の変身はテイルレッドやテイルブルーよりも少し特殊らしく、張力やスピードが高かったり、速かったりする。まあ、その代わりにパワーと防御力はテイルレッド以下らしいけど。

 

俺は高くジャンプした後、空を見る。地平線まで青い。その中に二つの影を見る。一つはよく見えないが、人が宙に浮いていた。

ここまで非現実的なものを見てきた俺にとってはこの時、何も感じなかった。

だが、もう一つの影が俺を掴んだ。そう、その時にやっとその不自然さがわかったのだ。俺を掴んだ影…いや、少女…と言うより幼女が俺の左手を掴んでいた。おかしいと瞬時に感じた。そう、この幼女…空に浮いているのだ。そして、その幼女の見た目、まんまテイルレッドなのだ。テイルレッドは今ドラグギルディと戦っている。なのに、空に浮いて、俺の左手を掴んでいるのだ。

 

「て…テイルレッド!?」

「残念、人違いよ」

 

少し冷たい声。この幼女がテイルレッドでない事を指す。良く見ればこの幼女は何かテイルレッドと違う。そう、テイルレッドは腰の部分にスラスターを着けているが、この幼女は紅と白のスカートを足の方だけ巻いているようやものを着けている。そして、何よりツインテールだ。この幼女のツインテールはテイルレッドのように纏まっていない。そう、リボンで結ばれたツインテールは少しバラバラなのだ。しかし、そのツインテールがこの幼女をさらに可愛く見せている。

これは…テイルレッドと同等!?

見れば見る程可愛く見える。何なんだこの幼女は!?

 

「取り合えず、投げるわね」

「え?」

 

左手を軸にされて真下におもいっきし投げられる。左手は何ともないが、落下のスピードが尋常ではない。自由落下+幼女の投げる力が加わっているのだ。これを利用しない訳にはいかない。

 

「フォールナックル!プラスアルファ!!」

 

右手の拳に力を込める。そして右手の拳ごと地面に落下する。その衝撃でアルティロイドは次々と光になる。

まあ、右手がピリピリと痛むが、骨折や肉が切れた訳でもない。ただ余りの衝撃に少し痺れただけだ。

幸い、テイルブルーと距離を取っていたためテイルブルーには俺の攻撃の余波は行っていないようだ。

回りのアルティロイドが光になり消えたことで俺の一撃がクレーターを作っていたことに気が付く。いや…凄い威力だな。自分でやっていて何だけど…

 

クレーターとなった地面に次々とアルティロイドが踏み込む。暫くは右手は使用不能。なら、左手、両足、更には頭突きがある。

ツインテールはまだ健在。行ける!!

 

だが、アルティロイドは空から降り注ぐカラフルな光の玉により次々に消え去る。

 

俺は空を改めて見る。そこにはあのテイルレッドそっくりの幼女がいた。

 

「な、何なのだ!?」

 

戦いを中断してドラグギルディがそのカラフルな光の玉を出した人物を見る。それはテイルレッドもテイルブルーも仮面ツインテールもアルティロイド達も同じだった。

 

カラフルな光の玉を出した人物はさっきあった人物。紅と白のテイルレッド…

 

「さて、あんた!」

 

その幼女はドラグギルディを指差す。

 

「貴様!!何者!?」

 

もう、その言い方、お約束。ドラグギルディは純粋にその発言をしているが、わざとなら確信犯だぞ…

 

「私のことなんかどうでもいいわ。あんたらのせいで、こっちは迷惑したのよ!その分返さして貰うわよ」

「貴様!?まさかあの世界の住人か!?なら、もう進攻は止めたはず…」

「うるさいわね!あんなことされたんじゃ皆キレるわよ!私はあんたらを退治する代表にされたのよ!全部あんたらのせいだからね!!あんたらを全滅させるまで帰って来るなとか、異世界での異変だ、頑張ってこいとか言われてこっちは来たくないのにこんな所まで…兎に角、あんたら全員ぶち殺すから!!」

「ま、待て…確かに、あれはどうかと思った…だが、我々は兵を引いた。お前達には二度と…」

 

紅と白のテイルレッド(?)はドラグギルディに向かおうとする。だが、その目の前を槍が通る。ある意味横槍を入れられた。

 

「あんた…何勝手に話し進めてんのよ…」

 

槍を投げたのは青いツインテール…テイルブルーだ。テイルブルーは警戒して紅と白の幼女を見る。

 

「…はぁ…なんかやる気無くしたわ。それに、今はそのちっこいのがそいつと戦ってるみたいだし…」

 

紅と白の幼女はそう言った。そしてやる気無さそうに此方を見る。

 

「いいわ。今回は、あんたらに譲るわ。でも、もしコイツらのボスが出てきたら遠慮無く殺らせて貰うわ」

「…改めて聞こう…貴様は何者だ?」

 

ドラグギルディが聞く。そう、この幼女の正体を…

 

「テイルシャーマ。そう名乗らせて貰うわ」

 

テイルシャーマと名乗った幼女。シャーマ…シャーマンか!?確かに少し巫女服に…うん、ほんの少しだけ見える。

 

「テイルシャーマ…確かに強き力を感じる。だが、それは属性力ではない」

「残念ながら、そんな力を無くてもあんたらぐらいなら退治できるわ」

「確かに…できるかもしれんな…良かろう。ツインテイルズを倒した後、貴様とも手合わせ願おう」

「おい、ドラグギルディ!俺を忘れちゃいけないぜ!」

 

テイルレッドはブレイザーブレイドをドラグギルディに改めて向ける。

 

「わかっている。さあ、続きをしようぞ!!」

 

また剣と剣を交えるテイルレッドとドラグギルディ。その戦いは既に太陽のような熱さを感じさせる。回りの岩は溶けて出しているレベルだ。

 

「さて、めんどくさいけど、この雑魚でも蹴散らすか…」

 

テイルシャーマはアルティロイド達を見る。気迫だけでもアルティロイド達はたじろむ。強さの次元が違う。そう感じさせるのだ。

 

テイルブルーはテイルシャーマに対して警戒は怠らない。だが、それと同時進行でアルティロイド達を血祭りに上げていた。

 

…あれ?俺蚊帳の外?

 

「俺だけ…なんか置いてかれてる…」

 

あー…なんかイライラしていたぞ…なんで俺だけ話しにあんまし関わってねーんだよ!てか、テイルシャーマが可愛い!!…違ーーう!

 

このイライラを何で発散するか…そんなの決まってる。

 

右手の変身アイテム…テイルタイマーのタイマー機能を作動させる。

テイルエアーの特殊能力…それを見せる!!

 

タイマーを10秒にセットする。

《ready》

と機械音がテイルタイマーから聞こえる。

 

「10秒間だけ本気出す」

 

そう言ってタイマーを作動させる。その瞬間、タイマーから《time start》と機械音が鳴る。

 

そして、アルティロイド達の目の前からテイルエアーが消えた。

 

テイルエアーが消えた後、次々とアルティロイドが吹き飛ぶ。

 

俺の世界は今止まって見える。いや、進んではいる。俺の時の進み方が速すぎるのだ。

止まって見えるアルティロイドの腹を殴り次に隣にいたアルティロイドに回し蹴りを決め…とアルティロイド達に攻撃を次々と決めていく。

 

因みに、この能力は初めて変身した後、家に帰る時に無意識に使っていたものだ。

フィリップさんとそのその事を話していた時にフィリップさんが少し俺の時計を改造してくれて、10秒間だけ物凄いスピードを出せるようにしてくれた。

まあ、10秒間だけだけど。それ以上使うとなんか、服が破けるとか…

 

それはそれで見てみたい。

 

そして、あっという間に10秒という時は過ぎる。

 

《time stop》

 

その機械音が合図となり俺が攻撃していたアルティロイド達は次々と光になる。さて、次…

 

爆風が俺の頬を通る。

 

そこにはアルティロイドの姿は無く、立っていたのはテイルブルーとテイルシャーマのみ。

 

テイルブルーはテイルシャーマにランスを向ける。

 

「さあ、次はあんた?」

 

戦闘体制に入るテイルブルー…

 

俺はテイルブルーとテイルシャーマの間に入る。

 

「ここで戦っても意味ないよ。それに、敵の敵は味方って言うじゃん?」

 

二人の仲裁に入った。そう、ここで戦っても意味が無い。

 

「わかってるわ。でも、そっちがその気なら受けて立つだけよ」

 

テイルシャーマは冷静だ。それを見てテイルブルーもランスを下ろす。

 

「わかったわ。一応、テイルエアーと一緒で仲間ってことにしておくわ」

「あれ~?僕一応なの?」

「時々にしか来ない癖に…」

 

そんな会話をする。どうやら仲間として判断してくれたみたいだ。けど警戒はされてるな。

 

俺達はテイルレッドとドラグギルディの戦いを見守ることにした。テイルシャーマはこの戦いに手を出さないようだ。まあ、テイルレッドが負けるとは思わないけど。

 

戦いも佳境、とうとう膝をついた。そう、テイルレッドが。だが、俺達は動かない。いや、動こうとしない。それはテイルレッドを信じているから。テイルシャーマは兎も角テイルブルーは信じている。俺もテイルレッドを信じている。だから…

 

テイルレッドはブレイザーブレイドを弾かれた。そして、ドラグギルディの剣がテイルレッドに届く…

 

それをテイルレッドは弾く。そう、もう一つのブレイザーブレイドで。テイルレッドは二刀流だったんだ。

 

そのまま、テイルレッドの必殺技、グランドブレイザーがドラグギルディに決まる。

 

ドラグギルディからバチバチと電気が走る。

 

勝ったのだ。テイルレッドが。いや、ツインテイルズが…

 

ドラグギルディは爆発し、ドラグギルディの生きてきた証…属性玉がその場に残る。

 

テイルレッドは力を使い過ぎたのか倒れる。そこに駆け寄るテイルブルーと仮面ツインテール。俺も駆け寄ろうとした。だが、それは出来なかった。テイルレッドから光が放たれる。あの光は変身が解ける時に起きるものだ。

その瞬間に俺はテイルレッドがいる方向ではなく、真逆の方向を見た。テイルブルーと俺、テイルシャーマによりボロボロになった大地を俺は眺めていた。

テイルレッドの元へ駆け寄りたい。だが、正体は見ない。いや、俺が正体を見せればテイルレッドも正体を見せてくれるだろう。そう、それは今ではない。俺にはまだ正体を明かせる程の覚悟が出来ていない。だから、テイルレッドの正体を見る資格は俺には無い。

だから反対方向を見たのだ。

 

「お疲れ、テイルレッド、テイルブルー、仮面ツインテール。僕は帰るね」

 

そう言ってワープ装置を起動させる。

 

「お疲れ…テイルエアー…そしてありがとう…」

 

男の声が聞こえた。いや、気のせいだろう。

 

いつの間にかいなくなっていたテイルシャーマ。いつか会えるだろう。

 

そして俺はワープ装置でワープする。

 

場所は勿論家だ。

 

疲れた…

 

強敵ドラグギルディは無事に倒すことが出来た。だが、まだエレメリアンがこの世界を撤退した訳ではない。

出来れば、暫くは出てこないことを祈りたい。




輝跡「俺が空気になりかけた件について…」
まあまあ。取り合えず次回予告行ってみよう!!


次回予告

輝跡は運命的な出会いをする!?しかし、その相手は男!?
輝跡「おい、待て。確かに当たってはいるが、違うだろ!」
てな感じで次回、結成!!ツインテール部!!に

テイルドライブ!!


輝跡「俺、いる意味あった?」
すみません…


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第9話 結成!!ツインテール部!!

第9話です。
どっかで見たことのあるキャラクターが出てきます。
まあ、気にせずにどうぞ~


ドラグギルディとの戦いの後。暫くは平和な時が来るのだと考えていた俺は早速その予想を破壊された。

朝っぱらからエレメリアンが現れたことを知らせるアラームが鳴る。家で仕度をしている最中に鳴る。これでも遅刻ギリギリかもしれないのに鳴るのだ。その場で変身して通信機を右耳に付ける。

 

「こちら、テイルエアー。今、出撃は無理そうなんだ!」

『あ、大丈夫です。テイルエアー。既に愛…テイルブルーがエレメリアンを始末しました』

 

流石だな、テイルブルー。速攻に殺ってくれたか。

 

「わかった。それじゃ…」

 

そう言って通信を切り変身を解いて仕度を済ませる。そのまま走って学校へ向かう。

 

途中、走っている総二と愛香と合流した。

 

「おはよう!総二。愛香。遅刻ギリギリだぞ!」

「そう言うお前もギリギリだぞ」

 

走りながら話す。教室に着いて一息入れようとした瞬間にチャイムが鳴る。本当にギリギリだったな。

 

そして、そのまま授業へ…

 

 

放課後

 

俺はある紙を総二から渡された。

入部届

と書かれた紙。

なぜそれを俺が持っているのかというと、総二と愛香に頼まれたからだ。総二が入学そうそうツインテール部という部活を入部希望欄に書いてしまい、挙げ句の果てには採用された。だが、人数が足りないとかで俺に白羽の矢が立った。ツインテールに興味がある俺に。

 

全く、なんで俺が部活に入らなければいけないのだ。俺は中学の三年間帰宅部という名誉ある部活に所属していたのだぞ?高校でも同じように帰宅部に入るに決まっているだろ。

 

…というのは建前。入部届に名前と部活名を書いて担任に出した。

 

こうして、はれて俺、二摘輝跡はツインテール部という部活に入部することとなった。

 

まあ、総二からは名前だけ書いてくれればいいって言ってたし、幽霊部員ということにしておきますか。

でも、確か部活を作るには最低4人は必要だったはず…俺と、総二と愛香…あと一人誰だ?

 

まあ、そんなの部室にいけばいいだけの話しなのだが、なんでも、その部室には…その…出るらしい…

いや、この流れから人間では無い奴が出るということだ。因みにエレメリアンでは無い。

 

べ、別に幽霊とか怖くねーし…

 

そんな俺は心霊番組を見ると怖くて一人でトイレにもいけない。これで独り暮らししてるとか…

 

ツインテール部に顔を出したいのは山々なのだが、今日は止めておこう。いや、幽霊が怖いとかじゃないんだからね!

 

そのまま帰宅する。途中スーパーに寄り食材を買う。いや、狼として活動しても良いのだが、そんな気分でも無いし、栄養価を考えると自分で作った方がいい。

軍資金もある。完璧だな。

 

食材を選びかごの中へ入れていく。

 

丁度、肉が安かったので肉の入っているパックへ手を伸ばす。そこで誰かと手が合った。

 

ラブコメ臭がするような偶然。何かを取ろうとした時に手と手が合う。それは女の子なら兎も角男の子でも考えたことのあるシチュエーション。まあ、本来ならば女の子と男の子だからこそ成り立つシチュエーションであり、俺と手が合ったのは…男だ。しかも安くなった肉に…。ときめくシチュエーションにとけめけない…

 

「あ…すまん」

 

男は謝ってきた。

 

「こ…こちらこそ…」

 

き…気まずい…

俺は男の方を見る。髪はツンツンしている少年だ。あれ?この人どこかで…

 

あ!ムールギルディと戦った後に出てきた少年だ!!

 

だが、ここでなんであんな所に質問すれば怪しまれる。だってあの場所にはムールギルディとテイルエアー、それとこの少年しかいなかった。もし、ここで俺が「なんで山開きしていない山に制服で登ってたの?」とか聞いたら確実に怪しまれる。

 

「どうしたんだ?取らないのか?」

 

その言葉で俺が肉を買おうとしていたことに気が付く。というより思い出す。そうだ、この少年も気になる所だが、今は肉だ。

 

肉のパックは一つ。

 

予想外の展開だ…

 

「買わないなら、俺が買うけど…」

 

ツンツンの少年がそう言ってきた。ここは譲るべきか?だが、貴重な肉だ…普段は高くて手を出そうとしなかったいい肉だ…譲ればいつ安くなるかわからない品物だ。なら…

 

「いや…買う」

 

恥を捨てて買おう。

そう決めた。だが、既に時遅し。その少年はレジにてお会計を済ませていた。

 

「ああ!」

「あ…すまん。遅いからつい…」

 

ツンツンの髪の少年は謝ってくれた。いや…悩んでいた俺が悪いから、仕方がないのだが…なんか、謝られると罪悪感が…

 

「これ…やるよ…」

 

ツンツン髪の少年から会計を終えた肉を渡される。いや、これは受け取れない…

 

「いや…いいよ。今回は諦める…」

 

そう言った矢先だった。店員が肉売り場に来て肉のパックを補充し始めたのだ。

これは…運がいい!

俺は追加された肉のパックをかごの中へぶち入れて会計をする。

その間数秒。

 

会計を済ませ店内を出る。スーパーを出るとあの髪がツンツンしている少年が待っていた。

 

「良かったな。肉、あって」

「本当だよ。いや~さっきは悪かった…」

「いやいや、俺の方こそ、勝手に会計済ませちまって…」

 

俺と髪がツンツンしている少年との謝り合戦がほんの少し繰り広げられた後、

 

「本当に悪かったから、今日、この肉奢るよ」

「嬉しい申し出だが…」

 

俺はいつの間にかこの髪がツンツンしている少年と打ち解けていた。

 

「そうだ!名前聞いて無かった!俺、二摘輝跡」

「俺は上条当真」

 

上条当真か…

 

「本当にお詫びとして、奢らせてくれ!頼む!!」

「はぁ…しょうがないな」

「よし!なら、俺の家まで案内するよ!」

「いや…俺の家じゃダメか?妹がいるんだ」

 

なんと、当真は妹がいるのか!

 

「そうか。なら、お前の家でしゃぶしゃぶ大会だ!」

「無理矢理決めたな!いつしゃぶしゃぶになったんだよ!」

「だってこの肉…しゃぶしゃぶ用だぞ?」

「え?…本当だ!間違えた…不幸だ…」

 

え!?肉を間違えたって…どんな不幸だよ!この人面白過ぎ…

 

俺と当真はそんな話しをしながら当真の家へと向かった。というか途中まで俺の家と道は一緒のようだ…

二人で会話をしながら当真の家へ…

当真も俺と同じ陽月学園高等部の一年ということ、双子の妹がいて、その子も陽月学園にいることを教えてくれた。

当真の家へ向かっている…はずなのだが、どうも俺の家の方向と同じだ。そして、俺の家…いやアパートに着く。まさか、同じアパートだったなんて…

で、結局着いたのは、俺の家…いや、俺が住んでいる部屋の隣の部屋…

 

「まさか…こことは…」

「あれ?輝跡、ここを知ってるのか?」

「知ってるも何も…隣、俺の家」

「マジかよ!凄い偶然だな!」

 

そう言って当真は驚く。いや…偶然とは恐ろしいな。

あれ?そう言えば何か忘れてるような…

ま、いっか。

 

当真が玄関の鍵を開けて家の中へと入っていく。

あれ?この家…てかこの部屋…あのリボンを付けた美少女が出てきた部屋じゃねーか!ってことは、あの美少女は当真の妹!?ファ!?こいつ…そんな美少女が妹とか!シスコンに目覚めるぞ!普通!

 

「ただいま~」

 

当真が家の中へと入っていく。俺もそれに続いて入る。

 

「ちょ!!ま、待って!!今!!」

「ん?どうした?」

 

リビングに続くドアを躊躇いも無く開ける当真。いや、当真さん。

俺は当真の後ろからその光景を見る。いや…見てしまった…

 

その光景は…美少女が下着で、丁度着替えている姿。少しピンク色の下着が見える。

この場合、ラッキースケベと言うのだろう。確かにラッキーだ。だが、そういうことの後とかは必ずし此方に悪い意味で返ってくる。

 

「…」

「…」

「…」

 

顔が赤くなっている女の子。当真さんは無言でドアを締めた。リビングには女の子一人。俺と当真さんは一歩も動かずリビングに続く通路、リビングのドアの目の前で今の光景の後の想像をしていた。そう、俺達はこの後、あの美少女からどんな処罰をくらうのかを…

 

「死んだな…」

 

当真さんの一言が凄く怖い…いや、兄弟だからこそわかることなのだろう。

…あれ?俺被害者じゃね?だって、俺はドアを開けて無いし、目が悪いという設定を今から入れて見えなかったことにすれば…

その方法だ!作者!俺の設定を変えてくれ!

 

「無駄な抵抗はしない方がいい…」

 

当真さんが遠い目になっている!

これ…本当死ぬのか…いやいや、俺が死んだらこの物語終わるじゃん!それはダメだろ!てか、作者!!なんとかしろ!

 

俺、ツインテールになりまる。AIRs HERO

 

 

させねーからな!何勝手に終わらせようとしてんだよ!

 

リビングのドアが開く。そこにいたのは長袖の青のジャージを着た美少女だった。

 

「さて、あんたら、覚悟は出来てるんでしょうね?」

 

拳をコキコキと音を立てて此方を見る。このオーラからして死ぬ!!嫌だ!!死にたくない、死にたくない!!

今ならあのよく賭け事をする鼻が長い特徴的な漫画の主人公の気持ちがわかる。

いや…賭けよう…そう、俺の命を!

 

「待ってくれ!俺は無罪を主張する!」

「そうだ!これは事故だ!」

 

当真も俺の主旨がわかったようだ。だが…助かるのは…俺だけだ。だって、ドアを開けたのは当真であり俺では無い。そう、俺はこの美少女の下着姿を間違って見てしまった立場にある。だから…

 

「二人とも有罪♪」

 

笑顔で死刑判決が来た。ははは…\(^o^)/

 

その後、俺と当真はボコボコにされた。この美少女、見た目によらず力が強い。それこそ愛香といい勝負出来るのではないだろうか?そして、そこからわかることは愛香とこの美少女を組ませたら、この世界を火の海に出来るのではないか?

 

夕食時、俺は当真の家でしゃぶしゃぶの用意をして、俺、当真、そして、当真の双子の妹と夕食を取ろうとしていた。

 

「名のってなかったわね。私は、上条霊夢よ」

「俺は二摘輝跡。お隣だから、よろしく」

 

ボコボコにされたけど、根はいい人ぽい。

 

そして、三人でしゃぶしゃぶ大会を行う。

 

食事を終え片付けをしながら霊夢と当真と話しをする。勿論、あの二人の話題。まあ、そのうちの一人は俺だが…

 

「当真と霊夢はツインテイルズをどう思ってるの?」

 

正直、人気とか気になる。テイルレッドが人気高いのはわかる。幼女だし、可愛いし、リーダー色である赤だし、武器は王道の剣だし、ツインテールだし。

けど、テイルブルーだって可愛い。ただ、少し乱暴なだけだ。

 

「興味無いわ」

「俺もな…年下には興味無いし、テイルブルーは…なんていうか、胸が…」

「それ、テイルブルーの目の前で言うなよ。キレるからな」

「!マジかよ…絶対言わないようにするよ」

「あんた、ツインテイルズに詳しいの?」

 

霊夢はツインテイルズ自体に興味があるようだ。俺もツインテイルズの一員。テイルレッドとテイルブルー、仮面ツインテールよ正体以外なら結構知っている。

 

「まあな。これでも、テイルエアー公式ファンクラブ会員第0番だからな」

「なら、一言言わせて貰うわ」

 

霊夢は少し冷たい態度だ。まるで、ツインテイルズを敵意しているかのような…

 

「弱いのにでしゃばるな」

「霊夢!!」

 

当真が怒ったように言った。弱いのにでしゃばるなって…確かに、弱いよ。でも、少しずつ強くなっていく。そして、ラスボスを倒す。ヒーローってそういうものだろ?

 

「弱くていいじゃん。てか、弱いって悪いことなの?」

 

俺は反論したい訳じゃない。こういうのは個人の理論だ。人の理論を邪魔する気もないしされる気もない。ただ…そう、ただ聞きたい。弱いことが悪なのか…

 

「そうね…悪よ」

「おい、霊夢、よせ」

 

当真が口出しをする。というか霊夢を止めようとする。

 

「そうか…なら、今はまだ悪なのかもしれないな」

「…」

 

俺はそう答えた。正解では無いだろう。だが間違ってもいない。霊夢の言っていることは正しい。でも…

 

「…そうね、強くなればいい。それだけよね…」

 

改めた感じで霊夢は言った。そう、強くなればいいわただそれだけなのだ。

 

「…」

 

当真は黙って霊夢を見る。怒ってはいた。だが、霊夢が改めた感じで言ったのに少し驚いているようだ。

 

「なあ、霊夢…お前何者なんだ?なんでそんなことを話す?普通ツインテイルズの話しをするなら、テイルレッドが可愛いとか、そういう話しだろ?」

「あんた、気付かないの?この世界は侵略されてるのよ。その侵略者を倒す偶像を誉めても偶像にしかならないのよ?逆にその偶像が破壊された時、人々の心に残るのは何?絶望よ。それこそ、あの侵略者達にとっては都合がいいように侵略される。そんな重大な時にその偶像が可愛いとか話す時点でもう、侵略が完了しつつあるってことよ?それを理解してる?」

 

霊夢はピンポイントでその話しをした。当たっている。アルティメギルの思惑と当たっている。理解はしていた。だからこそ、目を背けていたのかもしれない。もし、奴らがこの世界のツインテール属性を狙っているのなら、偶像がツインテール以外の髪型にすれば万事解決。だが、それをツインテイルズはしない。何故なら、ツインテールが好きだから。

 

「好きなものを好きって言えなかったら…どれだけ辛いか…」

 

俺は小声でそう言った。

 

「霊夢の言ってることもわかる。だが、あの少女達…ツインテイルズはツインテールが好きなんだろ?なら、そのツインテールを守り抜く。それが彼女達なりの戦いだ。俺達がどうこう言う筋はないと上条さんは思うんですが…」

 

当真はそう言ってくれた…

その言葉で少し救われた気がした。

 

「…そうよね。わかってるわ。わかってるからこそ、言ってるのよ…」

 

そう霊夢は言った。

 

「…」

 

俺は改めて霊夢を見る。美少女であることは変わり無い。だが、彼女は俺よりも大人だということが、何となくでわかった。当真だ。俺より大人で、俺よりヒーロー体質かもしれない。もしかしたら、当真なんて女の子を何人も助けてたり…

 

まあ、それは無いか。

 

なんか、気まずい雰囲気…

 

ダメだ!俺の精神がストレスでマッハだ!こんなの、俺じゃない!!シリアス回にしたかった作者には悪いが、いつも通りに暴走するぜ!

 

「二人とも、部活とか入ってる?」

「部活?」

「入ってないけど…」

「よし!なら、二人とも明日からツインテール部ね」

「は?」

「おい、何勝手に決めてるんだよ!さっきまでのシリアス感どこにいったんだよ!てかツインテール部ってなんだよ!」

「別次元に置いて来ました。ツインテール部は俺の友達が作った部活です」

「ねえ、兄貴…部活って何?」

「えっとな…霊夢、部活ってのは…」

「今、ツインテイルズの活躍によりツインテールはメジャーな髪型になりつつある。それを研究、追求するのがツインテール部だとか…まあ、人数がいないからせめて名前だけ貸してくれってこと」

「なんだ、そんなことか」

「だから、部活って何よ?」

「えっとな…簡単に言うと、学生が青春を楽しむ一つの機会ってとこかな…」

 

大雑把だな…まあ、大抵合ってるけど…

 

「いいわ。ツインテール部、入ろうじゃないの」

「よし!部員一人GET!!」

「まあ、仕方がないか。でも、俺達基本幽霊部員だぞ?」

「そこは大丈夫!俺も幽霊部員だから!」

「説得力ないんですけど!?」

「なに?幽霊が部員なの?」

 

霊夢は首を傾げながら言う。霊夢さん…貴女天然なのですか?それとも素ですか?ネタですか?

その後、当真が霊夢に幽霊部員について話した。って言っても説明をしただけなんだけどな。霊夢はなんていうか、常識があまり無いようだ。その点、当真は常識をわきまえてる。

 

そんなこんなでしゃぶしゃぶ大会とその後の片付けは終った。

 

ツインテール部に新たに部員が追加された。

 

俺は家に(隣)に帰り風呂に入って寝巻きに着替えて、そのまま、夢の中に落ちていった。

 

 

次の日

 

学校の用意をして、家(部屋)から出る。丁度霊夢と当真が玄関から出た所だった。

 

「おはよう!」

「おはよう、輝跡」

「おはよう…」

 

少し眠そうな霊夢。だが、挨拶を返してくれた。

そのまま三人で学校へ行く途中…

 

「あ!総二!愛香!」

 

俺は通学路にいたツインテール部部長の総二とその部員の愛香に手を振る。

 

「おはよう、輝跡」

「おはよう」

 

そう言って俺は総二と愛香に駆け寄る。愛香は少し疲れた様子だが、元気そうだ。

 

「えーと…そちらは…」

 

当真が総二と愛香に説明を求めてくる。

 

「こちらは、総二と愛香。俺と同じクラスメイトで、こっちは当真と霊夢。俺の家のお隣さんだ」

「ど…どうも…御束総二…です…」

「こちらこそ…上条当真…で…す…」

 

二人はぎこちなく握手する。因みに俺達三人が後に陽月学園のデルタフォースと呼ばれるようになる。

 

「津辺愛香よ」

「上条霊夢よ」

 

愛香と霊夢も握手する。だが、お互いに睨みながら…

待て!この二人は危険な感じがする!

 

そして、俺達5人は学園へ向かう。総二のツインテール愛を当真は少し苦笑いする程度で仲良くなった。更に意外だったのは霊夢と愛香がそれなりに仲良くなったことだ。

 

俺と総二、愛香は自分の教室へ、当真達も自分の教室に行く。

 

さて、今日はどんな日になるのかな…




多分、当真の漢字が違う!て思った人がいると思いますが、このお話ではこれでいいんです。

輝跡「そんじゃ次回予告言っていいか?」
どうぞ。存分に

次回予告

新しく現れるエレメリアン、それを倒したのもつかの間。更に恐怖が俺を待ち受けていた!

次回

恐怖!項と婚姻届!!



テイルドライブ!!


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第10話 恐怖!!項と婚姻届!!

はい、とうとう、第二巻突入です。
なんだろう…凄く長かった…
でも、予定ではまだまだやりたいことが…

兎も角…

どうぞ~(駅長風)


新たな部員として入部してから二日たった。

 

俺は買い物の為ちょっとしたショッピングモールに来ていた。今日はカレーが食べたいのでカレーのルーやスパイスを買うために来たのだ。目標としては総二の家(店)で出しているカレーの味が目標だ。そのためだけに普通のスーパーでは売っていないスパイスを買いにわざわざ少し遠いこのショッピングモールに来たのだ。因みに総二の家のカレーの作り方は知らない。

まあ、適当にやれば何とかなるだろう。

 

こういうショッピングモールには玩具コーナーがある。大抵は俺の父親が手掛けている物が多く子供の夢、基妄想力を上げる為の道具が殆どである。想像力では無く妄想力であるのがみそだ。まあ、そんなことは重大ではない。その玩具コーナーという名の妄想の国はこのショッピングモールの二階に位置する。俺は最初にそこに向かう。理由は玩具…では無く、ゲームソフトだ。面白そうなゲームソフトを探す為に玩具コーナーに来ているのだ。勿論、面白そうなゲームソフトは全て買っている。そのため、買うものなど無い。新しく発売されたゲームソフトなどはレビューを見てから決める。俺はスマホで新作のゲームソフトのレビューを見る。今回の新作は…うん、いいレビューが見当たらない。買うのは止めておこう。そう思いフとヒーロー系のフィギュア売り場に目をやった。当たり前だが、現実にいるヒーローなどはフィギュア化はされていない。テイルエアーとテイルレッドを除いて。

なぜ、仮面ライダーとか格好いいヒーローがいるのにそっちのフィギュアでは無くこういう可愛いヒーロー系のフィギュアを作ってしまったんだ…しかも、今度超合金でテイルレッドとテイルエアーが発売されるらしい。因みに発売元は俺の父親の会社である。ここだけの話し、そのプロトタイプを誕生日プレゼントととして送ってくれるらしい。まあ、嬉しいけど…

 

話が脱線してしまったが、そのフィギュアコーナーに、なんと、あの生徒会長、神堂慧理那先輩がいたのだ。しかも真剣にテイルエアーとテイルレッドのフィギュアとにらめっこしてる。うわ~なんか見られてる感じがして恥ずかしい…。

しかもさ、慧理那先輩って可愛いじゃん…だから余計に此方が恥ずかしくなる…

ここは、話しかけるべきか?いや、もし、もしだよ、慧理那先輩が特撮が好きでここにいたとするよ。そんな痛い秘密、同じ学校の、しかも後輩にバレた時なんて絶望に近い精神ダメージを負うぞ。そんなこと、俺は出来ない。

 

俺は物音を立てずに一階の食品売り場に行く。

 

そして、一階に着いて早速本来の買い物に移ろうとしたとき、通信機から音が流れる。

勿論、この音はお馴染みエレメリアンである。

あーあ、折角の買い物が…

 

俺は急いで人気の無いところを探す。今日は特に特売などもしていないため人は疎ら。そして、ショッピングモールの出入口には見たことのある変態タイツ集団が待ち構えている。あー、パニックになるぞ。しかもここに出てくるなんて…

 

俺は人気のも無く、防犯カメラもない所を見つけ出す。まあ、トイレ何だけど…

館内放送で避難誘導が行われている。こんな時に用をたしている人なんていない。俺は意を決して女子トイレに入る。何故女子トイレかって?それは…

 

「テイルドライブ!!」

 

変身すると女の子だからさ。

 

別に変態願望は無い。緊急時、女子トイレに間違って入ってしまうのはよくあるだろ。

 

急いでトイレから出て出入口に向かう。勿論自慢のスピードを駆使する。壁から壁へと壁ジャンをしながらの移動。館内にいたツインテイルズファンからのフラッシュ。勿論嬉しいけど、まずは外に出ないと。

 

「フォースナックル!!」

 

天井を蹴ってそのスピードを維持しながらそのまま変態タイツ集団に突っ込む。スピードはそのまま威力へと変換され出入口を塞いでいた変態タイツ集団は吹き飛び光へと帰る。

 

後ろでは歓声が聞こえるが、今は外の様子を知ることが優先だ。

 

出入口から外に出た時、俺の目に飛び込んで来たのは…

 

ショッピングモールの駐車場で慧理那先輩とその護衛であるメイドの項を一生懸命見ようとしているエレメリアン。うん。今回も変態か。

 

「むむ!貴様!テイルエアー!!」

 

見つかった。取り合えず、慧理那先輩と護衛のメイドさんの身の安全を保証しなくては。まあ、俺が囮になればいいだけの話しだ。

 

「俺の名はクラブギルディ!!項後を心から愛するものよ!」

「ネーブ…項かよ」

 

項って…どっかにいたぞ…項について熱く語ってた奴が。あいつのたちの悪い奴バージョンか。あ…あいつの姉のお店行きたくなってきた。久しぶりに行くかな…あそこのケーキ美味しいし。

 

兎に角、この変態を倒さないといけないな。

 

「テイルエアー!頑張って下さい!」

 

応援してくれる慧理那先輩。ありがたい。なんだろう、純粋に応援されるのは、凄く嬉しい。後でサインでも送ろうか。

 

「まずは…その項…魅せて貰うぞ」

「!?」

 

クラブギルディが一瞬のうちに消えた…いや後だ!

 

後を振り向くとクラブギルディが俺の項をまずまずと見ている。止めろーーー!なんか恥ずかしい!!

 

「な、なんと良い項なのだ…」

 

てかさ、恥ずかしさもあるけど、もしこの属性が奪われたらどうなるの?まあ、考えても意味無いけど。

 

「くそ!」

 

必殺の右ストレートをクラブギルディの腹に決めてやろうと右ストレートを放つが、クラブギルディは既にそこにはいない。そう、既に俺の後にいたのだから。

 

「はっはっは!俺は相手の背後に移動することならアルティメギル一の速さだと自負している!」

「確かに…速い…でも!」

 

俺にはテイルタイマーがある!

 

タイマーを起動させる。

 

《ready》

 

機械音が俺のテイルタイマーから聞こえる。

 

「10秒間だけ本気出す」

「何!?」

「まさか!テイルエアーの必殺技が!?感動ですわ!」

 

はしゃいでいる慧理那先輩。希望に答えよう!

 

《time start》

 

機械音が響いた瞬間に俺の姿が消える。いや、消えるように見えているだけで本当は高速で動いているのだ。

 

「むむ!?」

 

どうやら、いきなりのことでクラブギルディは動けないようだ。

俺はその間にクラブギルディの腹に何発か拳を叩き込む。だが、予想以上に硬い…てか拳が痛い。

 

「高速で動いているのか!?」

 

流石に気が付いたか。

 

クラブギルディは俺からの攻撃で俺の場所がわかるようだ。クラブギルディが高速で俺の背後に回ろうとしている。だが、その高速は、今の俺には通用しない。俺は今、加速世界にいる。加速世界からのクラブギルディの移動はかに走りだ。ゆっくりとかに走りしているクラブギルディ。いくら高速で動けても10秒間を支配している俺にとってはまるで目を回した蟹のようにゆっくりに見える。

 

右足に力を込める。そう、俺のフォースナックルに次ぐ必殺技、スカイストーム。

 

ゆっくりと動いているクラブギルディに対して左足を重心として右足で横殴りに蹴る。所謂回し蹴りだ。

俺の必殺技の中でも一番攻撃力が高い技だ。蹴られたクラブギルディはゆっくりと吹き飛ぼうとしている。だが、俺はそれを許さない。

右足を地面に着けた瞬間に右足を軸にして力を込めた左足で蹴る。そして戻した左足を軸にして右足で回し蹴り。それを何度も続ける。そう、新しい必殺技、連続スカイストームだ。名前のセンスゼロだけど強いのはお墨付きだ。吹き飛ぶ前に連続で決める。ゆっくりと吹き飛ぼうとしているクラブギルディに最後の左足での回し蹴りを決める。

 

《time stop》

 

テイルタイマーから機械音が流れる。足元を見るとアスファルトの一部、足を軸にしていた所が抉れていた。本当にショッピングモールの方には申し訳無い。今度、何か買って行きますから。

 

「ぐおおおおお!!」

 

俺のスカイストームを連続で受けたクラブギルディは何度かショッピングモールの駐車場でバウンドしてまた俺の目の前に飛んでくる。元いた場所に戻ってくるなんて…どんなお笑い魂だよ。

 

「て、テイルエアー…お前の項…素晴らしかったぞ…」

「テイルエアー!今来たぞ…ってもう終わってる…」

 

完璧に遅れて登場したテイルレッド。まあ、仕方がないね。今回は俺が現場にいたからな。

 

「さらばだ!!」

 

爆発するクラブギルディ。ちょ!そんなの聞いてない!!

 

爆発で吹き飛びそうになる俺。そう言えば慧理那先輩が!

 

爆発が終わった後、俺は慧理那先輩の方を見る。そこには、慧理那先輩を庇って爆風を受けた無傷のテイルレッドがいた。良かった…。テイルレッドも慧理那先輩も無事で。

 

テイルレッドと慧理那先輩が何か話しているようだが、俺はこの場から撤退しなければならない。不運なことにワープ装置を家に忘れて来たのだ。こんな時は野次馬を巻くのに時間がかかる。だから、一足早く撤退する。

 

俺は走る用に(現に走って)ショッピングモールを後にした。

 

で、結局はカレーを作れず、カレーを作る為に用意したじゃがいも、人参、玉ねぎでシチューを作った。まあ…仕方がないね。

 

 

次の日

 

 

今、俺はピンチに陥っている。

 

別にテイルエアーの正体がバレた訳では無い。いや、別の意味で危ないことになっている。

 

「確か、この中にもう一人ツインテール部の部員がいたはずだ」

 

机の脇をスレスレてで通るツインテールこと新しい副担任。

 

その手には婚姻届と書いてある恐怖の紙が握られている。

 

話の発端は朝のホームルーム…

 

 

 

「はーい、転校生を紹介します」

 

担任が連れてきたのは銀髪の髪が長く、更には胸が大きい女の子だった。てか、日本人じゃないよな…あの子…

 

「それじゃあ、自己紹介をお願いしますね」

「ふふふ…待ってましたよ…私は…」

「失礼する」

 

銀髪巨乳の自己紹介が始まる寸前にメイド服を着たツインテールの女性が入ってきた。

 

メイド服のツインテール女性は銀髪巨乳少女を差し置いて教壇に立つ。

 

「えー、今日からこのクラスの副担になった桜川尊だ。よろしく」

 

あれ?この人…昨日、慧理那先輩と…てか慧理那先輩のメイド兼警護の人だよな。てか、転入生の自己紹介無くなったな。

 

「なお…」

 

尊先生があるものを取り出す。それは、人生の墓場と呼ばれる場所へ誘う紙だ。

 

「絶賛婚活中だ。だから、男子生徒にはこの紙に名前を書いて貰いたい」

 

なんかとんでもないこと言ってるんですけどーー!?

 

「ちょ!ちょっと!貴女!何なんですか!!いきなり現れて!ここは私のフィールドですよ!」

「おっと、悪いな、転入生。だがな、転入生、婚期とはな、逃したら二度と戻らないのだぞ?私は婚期を逃さない為にもこうして努力をしているのだ」

 

それ、努力ちゃう。無駄な努力や。

 

こうして、転入生と新副担の話しが始まったのだが、その間にも男子生徒に婚姻届を渡していく桜川尊先生。止めて!

だが、被害は男子生徒だけでは無かった。兄弟のいる女子生徒もターゲットにされたのだ。そして…

 

ターゲットがツインテール部になる。最初のターゲットは勿論総二。だが、総二には完璧(断壁ではない)な守護がいる。尊先生から総二に渡された婚姻届は最強の幼馴染みの愛香によって粉砕される。だが、それは、次に俺に来るということも指す。

 

そして、さっきに至る。

 

 

「誰だ、もう一人のツインテール部…」

「知らねぇよ」

 

影でこそこそと話しているのが聞こえる。

 

俺は寝たフリをする。こうなれば、最終手段その一だ。

 

その一

寝たフリ!!

 

「お、君だ、君、君」

 

見つかった…

 

もう、心情はハンターに見つかった逃亡者だよ。

 

「え~と、名前は…二摘輝跡…か…」

 

何故俺の名を…

 

「これでも副担任だぞ。生徒の名前を覚えるのも仕事の内だ」

 

人の心を読まないでください。

 

「ほら、起きろ。授業中に寝たらこの紙にサインして貰うからな」

 

結局八方塞がりかよ!

 

「先生!正直に言います!」

 

俺は尊先生を見る。

 

「先生は俺のタイプでは無いので諦めて下さい」

「ふん。ならば、そのタイプになってやろう」

 

ほう、強きでは無いか。なら無理難題押し付けてやる。

 

「なら、テイルレッドとテイルエアーの可愛さをお互いに百で掛けて更にツインテールの素晴らしさを億倍にして、身長を140㌢以下にして下さい。もしくは、テイルレッド、テイルエアーになって下さい。そうすれば考えてもいいですよ。あ、言っておきますけど考えるだけであって認める、基サインするという意味ではありません。ですので、俺のサインが欲しい場合はそれらをクリアして、次の難題もクリアしないといけません」

「わ、わかった、輝跡。そこまで早口で言わなくてもいい…」

 

いや…無理難題押し付けたな。

第一テイルレッドはあり得るとしてテイルエアーは無理だろ。だって俺だし。

 

「だが、もし私がテイルレッドかテイルエアーになればサインについては考えてもいいんだな?」

 

へへ、出来るものならやってみろ。あ…

 

「言っておきますけど、テイルレッドのコスプレとかは止めて下さいね。年と合いませんから」

「ぐぬぬぬ…」

 

よし、ここまでこてんぱんにすれば俺には来ないだろう。

 

こうして、俺は見事婚姻届を渡すメイド教師からの精神攻撃を倍返しにして幕を閉じた。

 

「あ!名前まだでした。私、観束トゥアールって言います」

 

銀髪巨乳少女が名前を名乗った。すっかり忘れてたわ。…え?観束?

 

固まる俺。

 

俺の想像…

 

観束トゥアール

観束総二

 

同じ名字…え?何々?いつの間にそんな関係を?総二…貴様、かなりのプレイボーイか!幼馴染みをデレさせるだけでは無く外国人銀髪巨乳少女を家に連れ込んではたまたその子に同じ名字を名乗らせる!

 

総二!き、貴様!

 

これは後で呼び出す必要があるな。

 

その後聞いたら普通の親戚でした。なーんだ、変なこと考えて損したじゃん。

 

 

この後、グラビアアイドルのコンテスト会場に現れたエレメリアンをテイルブルーが血祭りに上げて俺達のGWが始まった。

まあ、俺は現場に行く前にエレメリアンが倒されたから、何もしてないんだけどね。

 

GW…何もありませんように…




輝跡「なんか、投稿遅く…」
言うな…別の作品を書いていたんだ。
輝跡「へ~」
…お前…これは他人事じゃ無いんだぞ?
輝跡「は?」
まあ、次回を楽しみにしていろ。
輝跡「次回予告は?」
自分がやるから、大丈夫だよ
輝跡「あ、そうなの。なら帰る!」

よし、行ったな。なら、次回予告だ!

次回予告

クレープを食べようとした輝跡。だが、そこに表れたのは!?
倒れる輝跡…果して、彼の運命は(棒)

次回

勇者とツインテール?



テイルドライブ!!


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第11話 勇者とツインテール?

はい、11話です。

今回もコラボ回…
あ、戦闘シーンはありません…
すみません…

では、どうぞ…


GW

 

一種の長期休みの一つにも成りうる一週間程度の休み期間。大抵の子供は遊園地など娯楽がある場所へ行く。大人なんかもGWぐらいは休みになる。

勿論、学生も同じだ。

 

俺は今少し遠出をしている。両親の元に帰ってもいいのだが、どうせ数日すれば会える。ならどうするか…それは、GWを存分に楽しむ。それしかない。なので、今隣町まで自転車で来た。別にワープ装置を使ってもいいのだが今ワープ装置は充電中。凄いよな、あれ、充電式なんだもんな。本当便利。でも、この頃充電しなかったから充電をしなくては。まあ、時には自転車で移動するのもいい。風が気持ちいい。因みに、自転車はマウンテンバイクにママチャリのカゴを着けた奴だ。カッコ悪いように思えるが、これが結構いいデザインしている。真っ黒な小さめなカゴがいい雰囲気を出している。それに、ギアチェンも完璧に出来る。

 

隣町に来た理由は一つ。美味しいクレープの情報があったからだ。甘党の俺にとっては最高の祝福だ。

 

俺はそのクレープ屋が良く来ると言われる公園に行ってみる。

公園にはGWを楽しむ親子達が楽しく過ごしている。ほのぼのとした光景。だが、親子連れだけでは無く、クレープ目当ての俺と同族の人達もいるようだ。チラホラと若い女性や男性が見受けられる。

 

時間帯はクレープ屋が来る頃。俺はまだかまだかと公園の木下で立って待つ。勿論、ベンチなどに座ればいいのだが休日で子供が多い時にいい年した高校生がベンチを独占していたら、なんだこいつとか思うだろう。それに、俺はマナーは確りあるつもりだ。

 

しばらく経ちクレープ屋が来る。やっと待ち望んでいた時が来た。だが、俺はマナーを確りしている。一目散にクレープ屋に並びたい所だが、ここは子供達優先だ。

 

家族連れの人達が次々と並びそしてクレープを買っていく。

クレープを喜んで食べる子供達。その表情は百%の喜びだ。見ている此方も嬉しくなる。甘いものにはそういった効果がある。そう、甘いものは良いものだ。あ、食べ過ぎは良くないけどね。

 

家族連れが少なくなった所を見計らってクレープ屋の列に並ぶ。あ…甘いいい香りがする。

 

そして、念願のクレープをゲットする。ヨッシャ!!

 

クレープを持って少し離れたベンチに座る。時間帯は既にお昼。昼食を取る為か家族連れが少なくなっている。やはりこの時間帯は家族連れが少ない。だから、ベンチが空いていたのだ。

 

既に目標は達成された!後はこのクレープという名の俺の欲望を満たす物を食すだけだ!

 

「いただきます~」

 

俺は大きな口を開けてクレープを食べようとする。そんな時だった…

 

「勇者パーンチ!!」

「ヒデブシ!!」

 

思いきり右ほほを殴られる。その瞬間にクレープは俺の手元から離れていき、地面に落ちる。だが、その光景を俺は見ることが出来なかった。

俺は右ほほを殴られたのだが、あまりの威力に脳が揺さぶられて気が朦朧としたのだ。

 

そして、ドサと音を立てて俺は地面に倒れる。

 

「友奈ちゃん!その人違う!!」

「え?」

 

どうやら、俺は人違いで殴られたようた。解せぬ。

意識が朦朧とはしているが思考は働いている。俺は殴られたと思われる人、そして、その連れだと思われる人を見る。ほほを殴られたのに脳が揺さぶられたのだ。相手は筋肉ゴリゴリの男に決まっている。

俺は必死に目を凝らす。そこにいたのはナイスボディの黒髪美少女と赤に近い髪をしたポニーテールの美少女だった。何この二人!本当可愛いんだけど!!

 

「大丈夫ですか?」

 

黒髪の子が心配して話しかけてくれる。大丈夫、何度も気を失う経験でこういうことには馴れている。いや、慣れちゃいけないんだろうけど。

 

「大丈夫…だよ…」

 

俺は起き上がる。そして、改めて二人を見る。いや…本当可愛い…

 

「えーと…すみません!」

 

赤い髪をした女の子が謝ってきた。ちゃんと謝ってくれるとは…

 

「いや…大丈夫…だよ…」

 

俺の目線は女の子達から地面に力無く倒れているクレープに行く。

 

「あ…クレープが…俺の祝福の時が…」

「す、すみません。買って返しますから…」

 

あ、良いこと考えた。こんな可愛い子、テイルレッドやブルー、シャーマなどを除いたらそうそう会える訳では無い。ならば、この二人をナンパ…いや、知り合いにならなくては!!

 

「なら、殴った変わりに、一緒にクレープを買いに行かない?」

「え?」

 

キョトンとする二人。まあ、普通いきなり殴られたら怒るし、更にクレープが無くなったら泣くよな。けど、やった相手は美少女。それなら許せる。

 

「ほら、行くよ」

「ちょっと待って!」

「友奈ちゃん!知らない人に付いて行っちゃ駄目だよ!」

 

黒髪の子がそう言って付いて来る。

 

「あ、自己紹介がまだだったね。俺は二摘輝跡。輝跡ってのは、輝くの輝に跡のほうの跡。それで輝跡。よろしく」

「え…輝積?」

「友奈ちゃん、漢字が違うよ…あ、私、東郷美森と言います」

「私は、結城友奈!」

 

赤い髪の元気系少女が結城友奈で黒髪のおしとやか系の少女が東郷美森…

 

「あの…輝跡さんは同じ名前の人…下の漢字が蓄積の積の人を知りませんか?」

 

東郷美森が俺に聞いてきた。俺と同じ名前?そんなのいる訳無いじゃん。第一俺と同じ名前っていじめられる対象でしかないぞ。俺も被害に会う前に馬鹿にしている奴等をボコボコにして解決したんだから。

それに同名には一度もあったことが無い。

 

「無いね」

「そうですか…」

「けど、似てるよね…まさか、また記憶を無くてるとか!」

「すみません、何度も、あの…目覚めたらこの世界にいたとか、そんなこと起きてませんよね?」

 

何その非現実的なこと。そんなの二次元だけにして欲しい。第一それは俺の両親の大好物だ。もしも俺が別世界とかから来たりしていたら、真っ先に言うし、バレバレの態度を取る。それに、俺は自分の出産されるシーンを小さい頃両親に見せられた。(出産の所を録画していた)だから、俺は正真正銘この世界の住人だ。仮面ツインテールやアルティメギルでは無い。

 

「いや…俺、両親いるし、目覚めたら別世界とかファンタジーなことなんて起きる訳無いよ」

「やっぱり違うか…」

「取り合えず、クレープ食べるぞ!」

 

俺は改めて二人を連れてクレープ屋に向かう。そして、本日二度目のクレープを購入する。二人もクレープを買う。そして、ベンチに座る。

 

今度こそ邪魔はいない!

 

「いただきます~」

 

俺はクレープを口の中に頬張る。うーん!美味しい!!

 

「このクレープ美味しい!!」

「本当ね」

 

二人も絶賛のようだ。良かった。流石、甘いもの。甘いものを使えば世界平和に繋がるよ。きっと。

 

「でさ、二人とも何者?」

 

俺は率直に聞いた。聞いた理由?そんなの決まっている。俺はエレメリアンとか仮面ツインテールとかと会っているのだ。異世界の人間の雰囲気というか、そんなのが何となく分かるのだ。ごめん、嘘です。まあ、言うなれば東郷美森さんがこの世界という単語を言ったからだ。大抵そんな単語は転生したりとか、別の世界から来たりしない限り、中二病患者しか言わない。それに、そんな事を赤の他人にいきなり言うなんて中二病患者にはハードルが高すぎる。生憎、俺は異世界人を二人知っている。だから聞けるのだ。まあ、最初は信じてはいなかったのだが、この二人の純粋な行動がどうにも中二病には見えないことから推測したのだ。

 

「え…と私達は…」

「私は勇者部、結城友奈!」

 

大きな声で教えてくれました。勇者部って…

 

「質問を変えるね。君達はこの世界の住人じゃ無いよね?」

「な!なんでわかったんですか!?」

 

大袈裟な反応だな。でもこれでこの二人が異世界人てことがわかった。さて、この二人はエレメリアンの仲間か、それとも俺達の仲間か…

 

「…この事は誰にも言わないと誓えますか?」

「誓うよ」

 

誓うに決まっている!こんな美少女の誓い!

 

この後、淡々と話される内容に驚いた。だって、世界が四国しか無くなって、更にはばーでっくすとかいう化け物とこの美少女達が戦って勝ったとかいうんだから。あ…そう言えば俺やテイルレッドも同じようなものか?でもこの世界はそこまで絶望に陥ってないぞ?…いや、変態がこの世界に進攻しています。ある意味絶望が迫っております。

それと、俺と同姓同名の奴。何々、この二人だけでは無くこの二人が所属している勇者部の殆どの女子の心を射ぬいて、更にはごめんなさいだぁ?もし、その上賀輝積とかいう奴に会ったらフォースナックル何発も咬ましてやる!

 

「よし!今度、その上賀輝積とか言う俺のパチもんに会ったら、ボコボコにしてやる!」

「…やっぱり、見た目や下の名前が同じでも違いますね」

「うん。何か違うね」

「そう!俺は上賀輝積とか言うハーレム野郎じゃ無い!俺は二摘輝跡!そう!俺は正義の…」

 

そう言おうとした時だった。

誤って俺は爆弾発言を言おうとしていた。このままだと「正義のヒロイン、テイルエアーだ!」と言ってしまう。だが、俺はここで言葉を止められる。

 

「あーー!輝積!!見つけた!!」

 

そして、またもや殴られる。そう、殴られたお陰で爆弾発言を言わなくてすんだ。だが、痛い。生憎、俺はドMでは無い。なので何度も殴られていい気持ちにはならない。てかならない。だが、俺を殴ったのはまたもや女の子…いや、結城友奈や東郷美森と同じぐらいの美少女だ。こんな可愛い女の子に殴られるなら許せる。あれ?俺ドM?

 

「銀!この人違うよ!」

「え!マジ!ごめん!」

 

即効で謝ってくれた。いや、可愛いから許すけど。

 

「いや…大丈夫だよ。それに、何故か知らないけど女の子に殴られるのは慣れてるから」

 

そういや、俺、女の子に殴られる機会多すぎない?

 

「それなら、大丈夫だな」

 

いや、慣れてるだけですから、痛いですから。

 

「で、こいつ何?」

「こいつ呼ばわりしないでくれ!俺は二摘輝跡…グベ!?」

 

俺は自己紹介をしようとした時、真横から拳が迫り俺の顔面にクリーンヒット。

 

「やっと…見つけたわ。これは、散々私達を心配させた分よ!!」

 

思いきり黄色い髪の女の子に殴られる。本日三度目。いや…痛いよ…

 

「風先輩!この人は違います!」

「え?だって、顔一緒じゃ…あれ~?少し違う…」

 

俺、人違いで殴られます。ていうタイトルに変えた方がいいよ。もう。

 

気を失なわずに踏ん張った俺。ここは、この美少女達に俺の自己紹介をしよう。

 

良く見ると美少女が結構いる。あ…これは所謂ハーレムという奴では無いか。もし俺なら全員口説いた後に全員と付き合うぞ。

あーも!俺と同じ名前の上賀輝積!!絶対許さなえ!!

 

「もう一度…自己紹介…俺の名前は…」

「輝積!!見つけたわ!!」

「またかよ!グベへ!?」

 

今度はツインテールの女の子に思いきり蹴られる。いや、ただ蹴られるんじゃねぇ。飛び蹴りだよ。吹き飛ぶ俺。それでも気を失なわないのはある意味地獄である。

 

「ちょ!夏凜ちゃん!!この人は違うよ!」

 

最初に俺を殴った結城友奈がそのことをツインテールの子に言う。

 

「え?…あ、本当だ。ごめん」

 

あっさりと謝られた。いや…この痛みはあっさりしてない。てか、皆力強い。話してた勇者ってやつだからか?もしかしたら愛香と同等クラスの強さを持つかも…そんなの、霊夢だけで十分だ!まぁ、美少女を見ることは目の保証になるからいいけどな。

 

「改めて。俺は二摘輝跡。その上賀輝積とかいう人ではない!」

「えーと…すんません…勇者部代表で謝るわ」

 

黄色い髪の美少女が謝る。いや…確かに何度も殴られたらがお陰でこんな美少女と知り合えたんだ。感謝しなくては。気が付くと女の子が八人。うひょーー!ハーレムや!

 

「今度こそ邪魔は無いな。よし!俺の名前は二摘輝跡!甘党だ!」

 

ここでテイルエアーだ!と言いたいけど我慢。まあ、言っても信じてくれないだろうしまずこの美少女達は異世界の住人。テイルエアーを知らないはずだ。それに、俺が女の子に変身するなんて、夢物語だろう。

 

「よろしいね、二摘君」

 

結城友奈が握手しようと右手を出してくる。あれ?俺あんまり女の子と握手したことが無いから少し抵抗が…てか、こんな美少女と握手出来るなんて…俺でいいのか!?これは夢では無いよな!

 

俺は恐る恐る結城友奈と握手する。あ、以外に力強い。

 

「よろしく。えっと…友奈?」

 

この時、俺は首をかしげながら友奈の顔を見た。

友奈は一瞬困惑した表情…いや、ここにいる勇者部の美少女全員が同じような表情になったのだ。まるで何か懐かしいものを見ているかのような。

 

「…あ、そうだ!」

 

俺は携帯を取り出す。

 

「この世界でわからないことがあったら俺に連絡してくれ。あ、後、この世界、実は侵略者が来てるんだ。だから、出来るだけ早めに別の世界に行くことをオススメするよ」

 

友奈達の話しからして、友奈達はその上賀輝積を探しているはずだ。だがエレメリアンはそんなの関係ない。こんな美少女達だ。絶対にエレメリアンに狙われる。俺としては一緒に学校生活を送りたいレベルではある。でも彼女達は勇者と呼ばれていても一見普通の女の子だ。もし、狙われたらただじゃすまない。なら、少し…いや、とても残念な事だが早めにこの世界以外に行った方が安全だ。まあ、別の世界が安全という確信も無い。でも変態に狙われるより何倍もいいし、俺やテイルレッドみたく偶像なって欲しくない。

 

「侵略者!?そんなのがいるの!?」

「まるで、バーデックスじゃ無いの!!」

「あ…あれは本当すまなかった…」

 

勇者部皆さんは驚いた様子だ。赤髪の短髪美少女がなんか謝っているが、何かあったのだろうか?まさか、そのばーでっくすとか言う化け物を作ってたがその赤髪短髪美少女で戦いの果てに仲間になったとかいう良く漫画でありがちな事が起きたのか?まさか~

 

「でも、そんな事を聞いたらほっとけないよ!」

 

友奈がそう言ったのだ。うん、予想はしてた。でも、俺は変態に狙われるよりももっと恐ろしいものを思い出す。

 

テイルブルー

 

この前のグラビアアイドルコンテストの会場でエレメリアンを無惨にボコったツインテールの戦士。いや…あれ、テレビでたまたま見てて、その時の映像を仮面ツインテールから送って貰ったが…本当テイルブルーは巨乳に対する敵意がヤバイ。もし、この世界の女性が巨乳ならその世界の女性は絶滅させられた程だ。

何が言いたいかと言うと、勇者部にはある程度胸がある人が多い(てか大半)特に東郷美森さん。これは早めにこの世界から脱出した方がいい。この子達のために。

 

「友奈…お前は何のために世界を転々としておる?上賀輝積のためだろ?もし、この世界を救いたかったら上賀輝積を見つけてからだ」

「で、でも、照ちゃん!」

「でも、ももしもない。ここで道草を食っていたらまた輝積が遠くに行ってしまうぞ!」

「…!」

 

皆、確信を付かれた表情だ。

 

「…さて、すまんかったな。数日したらこの世界から出ていく。まあ、何かあったら連絡はする。我の名前は天乃照だ」

「あ…ああ」

 

俺は天乃照と手を握る。…熱い…そう、彼女は暑いのではなく、なんと言うか…熱いのだ。

 

「では、我のメアド教えて置こう」

 

こうして、俺は無事この美少女達のメアドを入手することに成功した。

 

 

 

でも、結局、連絡は来なかったけどな!しかも、GWを過ぎたら此方から送れなくなった!

あーあ…でも、もし無事上賀輝積と出会えていたら、また俺達の世界に来るかな?まあ、少し期待しておこう。




実は自分が書いている(本当は書いていた)結城友奈は勇者である の二次創作、上賀輝積は勇者でない の続きとなっています。

輝跡「上賀輝積、ハーレム野郎許さぬ…」
まあまあ…いつかは会えるから…それに、メアド貰ったでしょ?
輝跡「まあ、そうだけど…」
なら、そのことは置いとこう。ほら、次回予告。
輝跡「次回はなんなんだ?」
日常回。
輝跡「なんか、手抜きじゃねーか?」
元々の予定です。それに、次回も可愛い女の子が出てくるよ。
輝跡「よし!張り切って行こう!」
(本当にチョロいな)

次回予告

ある街で出会う小動物。そして、少女達。
果して、輝跡の運命は!?

次回

うさぎとツインテール?



テイルドライブ!!


輝跡「うさぎだと!?」
モフモフ天国で難民続出です。
輝跡「意味がわからん」


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第12話 うさぎとツインテール?

お久しぶり(?)です。

もっと早く更新する予定でしたが、色々忙しくて遅れました…すいません…

今回もコラボ回となっております。てか、基本コラボ回が多い気が…

まあ、兎に角どうぞ。


GW二日目

 

何故か知らないがエレメリアンが攻めてこない。いつもならもっと、特に休日は良く攻めて来るのに…。でも昨日は来なかった。まあ、お陰で美少女達のメアドをゲット出来た訳だが。

 

と思いながら俺はある場所に来ている。

 

ここは木組みの家と石畳の街。まるでヨーロッパのフランスを思い出しそうな風景の街だ。あ、ここ、日本だよ。勘違いしないで欲しい。まあ、それはさておき、何故俺がこんな所に来ているのかと言うと、つい先日前、たまたま立ち読みしていた旅行雑誌でこの街が紹介されていたからだ。なんというか、このヨーロッパな雰囲気…嫌いじゃない。というか、好きかも。こんな所でコーヒーを飲めたならどれだけ幸せか…

おっと、話しがそれた。まあ、行って見たかったから、ワープ装置を使ってここに来たってこと。ワープ装置の乱用?知らんな。

 

俺はこの街を散策することにした。時間帯は朝。昨日あんなに殴られた右ほほはほとんど完治し、ダメージも完全に無い。万全な状態だ。流石、俺だな。

 

街の公園を歩いていると、小さな動物に目が行く。…兎だ。

兎だよ。

 

俺は一羽の兎を撫でてみる。

 

もふもふや…

 

…ここは、天国か?

 

俺はな…兎が好きなんだーー!

 

だって、耳とか鼻とか、なんというか、全身とか…もう全て可愛い!

 

てか、以外に兎多くない?もしかして、この兎…野良兎!?ここまで人になつた野良兎なんてなかなか見ないぞ!

そういや、旅行雑誌に、野良兎が多くいます。って書いてあったな。本当に野良兎多いな。これは…もしかすると、兎喫茶とかあるんじゃないのか!?よし!探してみよう!!

 

俺はスキップをしながら公園を後にする。

回りから見ればいい年した少年がスキップしているのだ。ある意味恐怖である。

 

さて、もし、兎喫茶なる物があるのなら、多分、名前に

 

rabbit〇〇〇

 

見たいな名前だろう。

 

俺はスキップに近い歩きで歩く。

 

途中喫茶店があったので名前を見てみる。

 

「…フルール・ド・ラパン…か…」

 

うーん…喫茶店なのだろうけど、コーヒーのお店ではなさそうだ…

因みに、俺の頭の上には顔に傷がある兎がいる。あまりにも可愛かったので頭に乗っけたら俺の頭と兎がジャストフィットした。

この兎…コワモテで可愛い…

この兎はどうやら俺の頭の上が気に入ったのか、俺が動いても俺の頭から動こうとしない。そのため、一緒に行動している。

 

…この兎の名前、なんて言うんだろうな…勝手に名前決めたら駄目だろうし…

まあ、その内わかるか。

 

次のお店に向かってスキップして移動する。

 

 

「何…あの人…真っ昼間から兎を頭に乗っけてスキップして…」

 

影から見られていることに俺はこの時、気が付かない。

まあ、旗から見れば変人だ。だが、俺はそんなこと知らない。

 

 

俺は次のお店に着いた。

 

「甘兎庵…」

 

これは…右から読むのか。なんて…古い読み方だ。確か右から読むのって日本が第二次大戦の時だったよな。

うーん…甘と付いていて、庵と付くからして多分和菓子のお店だと思う。甘党である俺なら普通にこういうお店には入る。だが、俺の頭で中二病警報が鳴っているのだ。ここは危険だと。ここまで警報が鳴るのは両親が中二言葉で料理を作りその料理にとんでもない名前を付けた時以来だ。

 

うん。このお店に入るのは止めておこう。

 

俺は甘兎庵を後にした。

 

 

「あれ?あの人、チノちゃんみたく頭に兎乗っけてる…」

 

店内から俺の姿を見ている人がいるなんて、俺は思ってもみない。

 

 

そして、歩くこと数分。

 

それらしいお店を発見した。

 

お店の名前はrabbit house

 

兎のお家…これは、もう、兎喫茶に違いない!!

 

俺はお店に入ろうとした。そしたら、頭に乗っけていた兎が俺の頭から降りてしまった。どうやらここでお別れのようだ。少し寂しいがいつか会えるだろう。

 

「じゃあな」

 

俺はそう言って兎を見る。兎は此方を少し見た後に何処かに行ってしまう。

 

「…さて…」

 

俺は寂しさを忘れていざ兎のお家に入る。

 

店内に入って見ると…なるほど、いかにも喫茶店って感じだ。総二家とはまた違う。

この雰囲気…何故かほっとする。

 

「いらっしゃいませ~」

 

一人の女の子が俺に気が付いたようだ。俺はその女の子…いや、多分バイトの子だと思われる女の子を見る。ピンク掛かった髪の女の子だ。

 

「お一人様ですか?」

「はい」

「それなら、カウンターでどうぞ~」

 

どうやら、こういうバイトは始めてのようだ。接客が少しおかしい。それならじゃ無くてでしたらだろ。まあ、この子、可愛いから許せるけど…

 

てか、今気が付いた。

 

「…いない…」

「?どうかしました?」

「兎がいない!」

 

 

「…ココアさんみたいのが来た」

 

カウンターでコーヒーを淹れていた女の子がぼそりと俺の第一印象を言ったが、生憎俺には聞こえない。

 

その後、俺はカウンター席に案内された。カウンター席にはどっからどう見ても中学生と思われる女の子がコーヒーを淹れていた。

 

「あの…ご注文は?」

「あ、ごめん。オリジナルをお願いします」

「わかりました」

 

ピンク掛かった髪の女の子が注文を聞いてコーヒーを淹れている女の子に注文を言っている。まさか、ここのバリスタはこの中学生か!?

さらに、この中学生…頭になんか乗っけている。これは…兎か!?まさか、この兎がこのお店の看板兎なのか!?てか、なんだこのもふもふは!?触りたいぞ!

 

「お客さん、ここら辺じゃ見ないけど、遠くから来たの?」

 

ピンク掛かった髪の女の子が俺に質問してくる。この子…フレンドリーや!こんな知らない人に平気で話しかけて来るなんて!

 

「まあ、少し遠くから…ね。あ、俺、二摘輝跡」

「輝跡君ね。私ココア」

「ココア…暖まりそうな名前だね」

「ありがとう」

 

てか、ココアちゃん、俺と話してていいのか?店内を見渡して見ると…お客さんが殆どいない。普通ならGWとかは人が多く来るのだが…時間帯か?今は…まだ午前中。昼食時でも何でもない。まあ、考えても仕方がないか。

 

「お待たせしました」

 

頭に兎を乗っけている女の子がコーヒーを届けてくれる。ココアちゃん…仕事しようよ。

 

カウンターの上に乗っけられるコーヒー。うん、いい匂い。俺は砂糖を入れてコーヒーを一口飲む。美味しい…

 

コーヒー好きに取っては砂糖を入れるのは邪道だとか言われるが、俺の場合、ある失敗をしてしまったせいで砂糖を入れるようになったのだ。それ以来、砂糖は絶対に入れている。

 

まあ、俺の話しは置いておこう。

 

コーヒーを一口飲んでもう一度周りを見渡す。このお店、誰もいない。何でだろう…こんなにコーヒーが美味しいのに。

 

「あの…なんでこんなに人がいないんですか?」

 

俺はバリスタをやっている中学生と思われる女の子に話しかける。その女の子はキョトンとした表情で此方を見る。

 

「…知らないんですか?今日、街のイベントでお客さんは皆そっちに行ってるんですよ」

「あ~、そんなんだ。俺、今日この街に来たばっかだからさ、わからなかったんだよ」

「私も本当は行きたかったのに~」

 

ココアちゃんが残念そうに言ってる。どうやらバイトのシフトがぴったり合ってしまったようだ。

 

「でも、もう少しすればチヤちゃんやシャロちゃん、それにリゼちゃんが遊びに来るからいいんだ~」

 

おい、バイト…それでいいのか?てかバイト先に友達来るのか?それはそれである意味プレッシャーだぞ?

 

「リゼさんはバイトに来るんですよ。というかココアさん、働いて下さい」

 

ほら、とうとう言われた。

 

「はーい♪」

 

返事一つしてココアちゃんは洗い物を始める。

 

この喫茶店に俺と中学生とココアちゃんの三人…あ、あともふもふの兎一羽。

俺はマジマジと中学生…の頭の上に乗っている兎を見る。なんだあれ…アンゴラウサギか?でも…丸い…

 

「…あの…どうかしました?」

「あ…ごめん。いや…珍しい兎だな~と思って…」

「…そうですか…」

 

あ…この子、人見知りだな。そういう人には此方から駆け寄らないと。

 

「俺、二摘輝跡。コーヒーのお代わり貰える?」

「…チノです…。わかりました」

 

チノちゃんはまたコーヒーを淹れにカウンターの中に戻る。

 

「チノちゃん!洗い物終ったよ!」

 

早!!今さっき行ったばかりだぞ!

 

「なら、何か自分で仕事を見つけて下さい」

 

大人の耐用だ。チノちゃん…君以外に大人だな。もしかして、身長と年齢がイコールじゃ無いのか?さっきまで身長で中学生だと判断してたけど…

 

「ねえ…チノちゃんって中学生?」

「うん!そうだよ。そして、私の妹!!」

 

へ~身長と年齢はイコールだったか。そして、頼りないけどフレンドリーな姉に確り者だけど人見知りの妹ね…

 

「違います。ココアさんはただの居候です」

「チノちゃん…言い方酷いよ…」

 

チノちゃんがそっとカウンターの上にコーヒーを置く。

姉妹では無かったのか!?てか居候って…何があったし!?まさか、ココアちゃん、家出!?

こんな純粋そうな女の子が家出なんて…なんて世知辛い世の中になってしまったんだ…

 

「ココアちゃん…何があったんだい?お家を飛び出すなんて…お兄さんが聞いてあげるよ」

 

俺は優しくココアちゃんに聞く。ココアちゃんは驚いた表情をする。

 

「え!私、学校の方針でここに下宿してるだけだけど…」

 

学校の方針かい!そう心の中で突っ込みを入れた後、チノちゃんから質問される。

 

「…輝跡さんは何歳なんですか?」

「俺?俺は15…あ、後数日で16歳だけど?」

「なら、私の方がまだお姉さんだ」

 

何!?まさか…

 

「同年代…なのか…」

「ココアさんと同年代…なのにココアさんの方が背が…」

「まあ、男と女の子を比較しちゃ駄目だろう」

「そうだよ!チノちゃん!」

 

そんな会話をしている時だった。カラカラとお店の扉が開く際に付いている鈴?(名前がわからない)が鳴る。どうやらお客さんのようだ。てか、二人ともお仕事…

 

「すまん!遅れた!」

 

そう言って入ってきたのは学校の制服(どこの学校だかわからないが)を着たツインテールの女の子。な、なんてツインテール力だ!このツインテール力…愛香や慧理那先輩の次の次くらいだぞ。…てか、俺いつからツインテール力とか見れるようになったし?

そんな一人ツッコミを心の中でする。

 

「リゼちゃん、遅い~」

「すまん、急に部活のスケットを頼まれてな…てか、ココアは仕事しろよ」

 

軽く叩かれるココアちゃん。まるでお姉さんみたいな人だな。

 

リゼ…という名前の女の子はお店の奥へと行ってしまう。どうやらバイト用の制服にでも着替えるのだろう。

 

「…あの人がここのもう一人のバイトさん…リゼさんです」

 

ご丁寧にどうも…

 

「う~、リゼちゃん酷い~」

 

叩かれて半泣きになっているココアちゃん…いや、それ君が悪いんだよ。

そんなやり取りをしている中、俺はチノちゃんの頭の上のもふもふと目があった。

…もふりたい…

 

「…どうかしました?」

「いや、その兎触りたいな…と思って」

「…ティピーを?」

「駄目かな?」

「…少しだけなら…」

「え!?チノちゃんの対応が私と違う!」

 

どうやら、ココアちゃんと俺との対応は天と地の差があるようだ。

 

「もう!こうなったら、チノちゃんをモフモフする!」

 

そう言ってチノちゃんに抱き付くココアちゃん。これは…シスコンなのか?それとも百合なのか?考えされるな。だが、ある一つの答えはある。この子達がエレメリアンに狙われるかもしれないということだ。そう、狙われているのはレッドやブルー、俺だけじゃない。守らなきゃ。この笑顔。

 

「…ココアさん…暑苦しいです…」

 

そう言っているチノちゃん。だが、そこまで嫌という感じでは無さそうだ。

そこへ、さっきまで学校の制服を着ていたリゼという女の子がココアちゃんやチノちゃんと色違いの制服を着て奥から出てきた。

 

「ココア、仕事しろ」

「うわーん!鬼教官!!」

 

どうやら、これがここでは日常茶飯事のようだ。

また、お店の扉が開く音がする。

 

「あ!シャロちゃんとチヤちゃんだ!」

 

どうやら、お友達が来たようだ。さて、俺はもうそろそろ帰るとしますか。

 

そう思って席を立つ。

 

「あ…頭に兎を乗っけてスキップしてた人…」

 

黄色い髪の子が俺に見覚えがあるようだ。確かに、兎を乗っけてはいた。その時、無意識にスキップしてたようだ。この時、俺は自分が変人に見られていたということに気がつき始める。

 

「あら、あなた…ワイルドギースを頭に乗っけてたわよね?」

 

黒髪の人が俺に質問してくる。どうやら、あの顔に傷がある兎の名前はワイルドギースというようだ。

 

「え!ワイルドギースが!?」

 

どうやら、有名な兎のようだ。そして、その反応からしてなかなか人になつかないようだ。

 

「そうなのよ。あの、ワイルドギースが」

「へ~、輝跡君って以外に兎になつかれやすい体質なんだね」

「…いいですよ。私にはティピーがいます…」

 

何だろう…どこからツッコミを入れればいいのか…

 

女の子五人、男一人。昨日みたいなハーレムに似た状況となってしまった。そして、話し的に撤退しづらくなってきた。こうなったら、自己紹介はしておこう。

 

「え…と、俺は輝跡。よろしく」

「リゼだ。よろしく」

「えーと、シャロ…です」

「チヤです。よろしくお願いします」

 

このあと、色々と話した。気が付けば夕方になっていた。兎に角、この子達の話しが面白くて昼食を取ることすら忘れてしまっていた。こんなに楽しいのはいつ以来だろうか…

お店が喫茶店からバーに変わるということで今日はお開きとなった。

 

 

俺はその後、ワープ装置を使用して家に戻った。

 

そう、家に戻ったのは良かった。

 

リビングのテーブルの上に白い封筒があったのだ。

家はちゃんと鍵をしていた。ということは、十中八九あの両親の仕業だろう。

嫌な予感しかない。俺のサイドエフェクトがそう言っている(そんなもの無いけど)。

 

俺は封筒を開いてみる。

 

そこに書かれていたのは、ある有名料亭の場所と時間だけだった。

 

行かないという選択肢はある。だが、これは…なんか行かないといけない気がする。

 

兎に角、明日、行ってみよう。




輝跡「モフモフ天国…」
可愛い女の子出てきて良かったな。
輝跡「ああ!でも、なんか敵が多くなったような…」
それは俺みたいな難民だ。気にするな。

がっこう〇らし というアニメの話を聞いて調べたらまさかの難民殺し…まさかまさかの展開でしたよ…日常系だと思っていた時期も自分にはありました…
少し見たのですが…主人公…という感じでした。
ゆゆゆより絶望感が…

輝跡「何一人で話してるんだよ」
おっと、ではでは次回予告をどうぞ。
輝跡「了解!」


次回予告

母親の手紙によりある料亭に来る俺。そこにいたのは以外な人物!
そして現れる新たな敵!
果たして、俺は無事生き残ることが出来るのか!?

次回

お見合いとG



テイルドライブ!!



輝跡「Gって?」
気にするな。
そして、次回もコラボ回です。


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第13話 お見合いとG

第13話です。

少し間が空いてしまいました…すみません。

あと、先に謝らせてください。
すみません。

では、どうぞ…


俺は今、ある料亭に来ている(自力で来ました)。有名人などがお忍びで来るような料亭だ。そこでは後数年後にはアラフォーと化す母が待っていた。

そして、俺は母に誘導されるようにある和室の個室に入る。それにしても、今日、異様におめかしをしているな。この中二病は…

 

「それじゃあ、お母さんは別の部屋に行くわね~」

「なあ、何があるんだ?」

「何って、お見合いよ。輝跡ちゃんのお見合い」

 

…は!?

 

「ちょ!聞いてないぞ!!何勝手にそんなことしてんの!!」

「え~、だって、輝跡ちゃん、まだ彼女作ってないでしょ~」

「まあ、そうだけど!」

「それにね、こういうイレギュラーイベントは、萌えるのよ!」

「人を犠牲にして萌えるな!!」

「大丈夫よ。相手は、私の学生時代のライバル…の下僕の子だから」

「大丈夫の意味何!?余計に心配なんですけど!?」

 

こんな母親のライバルの下僕たぜ?そんなの、普通な訳あるはずが無い!

 

「彼女、お金持ちだし、何より輝跡ちゃんと相性いいはずよ~。それじゃあ、若いお二人で~」

 

そう言って部屋を出ていってしまう中二病の母親。くそ!なんでこんなことになるんだ!

 

試しに入ってきた襖を開けてみようとするが開かない。どうやって閉めてるんだよ!

それに、俺、今一人だよ!

 

兎に角…まずやることは…

 

 

数分後、俺は個室で相手、ようはお見合い相手を待つ。この部屋にある盗聴器や監視カメラは全て破壊した。これであの母親に会話を聞かれることは無い。

 

待っていると襖が開く。そこには…俺の予想外の人物が立っていた。

 

黄色い着物を着た黄色い髪のツインテール。そして、幼い顔。

 

陽月学園生徒会長、神堂慧理那先輩だ!

 

「…あら、あなたは…」

「ど、どうも!慧理那先輩!」

 

俺はピンと立ってお辞儀をする。まさか、慧理那先輩が来るなんて、誰が思うか。

学園の生徒会長で、アイドル的存在。そして、俺が密かにテイルエアーで犯罪を犯そうとしてしまった二人目の相手。

何より、エレメリアンに狙われているツインテール第2位。

そんな慧理那先輩が来たのだ。頭を下げるのは当たり前だ。

 

「確か…二摘輝跡君…でしたよね?」

「俺の事知ってるんですか!?」

「ええ。あのツインテール部の部員の二摘輝跡君ですよね」

 

まさか、俺がツインテール部に入っていることまでバレているとは…まさか、テイルエアーだということもバレて…はいないよね?

 

「まあ…友達に誘われた(自分で入った)ので、幽霊部員(幽霊が怖いため)ですが…」

「そうなんですか…」

 

「…」

「…」

 

き、気まずい…

何か、何か話をしなくては、あまりにも気まずすぎてテイルドライブしそうだ!

考えろ…考えるんだ、輝跡。そう、考えるんだ。俺の全く入っていない脳ミソをフル回転させるんだ!

 

「せ、先輩は何か趣味とかありますか?」

 

これだーー!いける。これならいける。

…待て、もし慧理那先輩と俺の趣味が一致しなかったらまた気まずい空気になるぞ!

 

「趣味ですか…笑わないで聞いてくれます?」

 

まさか、そんなヤバイ趣味なのか!?笑いを誘う程の趣味をしているのか?でも、慧理那先輩に限ってそんなことは無いはずだ。

 

「あ…あの…私…その…ヒーロー物が好きでして…」

 

モジモジと話す慧理那先輩。なーんだ、ヒーロー物か。そうだよね~、この前玩具売場でリアルのヒーロー(ヒロイン)であるテイルレッドとテイルエアーのフィギュア(プラスチック性)をマジマジと見てたもんね。

なーんだ、そんなことか…

 

「そんなことか。別に笑わないよ。いや、ヒーローに憧れるのは当たり前だし…」

 

そのヒーロー(ヒロイン)は俺なんですけどね。

 

「特にテイルレッドとテイルエアー…と言うよりツインテイルズのファンでして…」

 

空前のツインテールブーム、そんな中、ツインテールの慧理那先輩がツインテイルズにはまらない訳が無い。てか、ヒーロー物が好きなんだ、慧理那先輩。なんか以外。

 

「俺もファンだよ。てかファンクラブ作る程のファンだよ」

 

俺の作ったテイルエアーファンクラブ(本人公認)の会員No.1だしな。そして、テイルエアーは会員No.0だ。

 

「輝跡さんはそこまでツインテイルズが好きなんですね」

「まあね」

 

少し前の俺はツインテールの魅力を馬鹿にしていた。だが、訂正しよう。ツインテールは素晴らしいと…。

 

「輝跡さんは、見ました?テイルエアーの必殺技。高速での連続回し蹴り…レッドやブルーとは違い肉体一つで戦う…なんて格好いいのでしょう。でも、レッドはヒーロー物の王道である剣使い。レッドも格好いいですわ…」

 

いや…本当にツインテイルズが好きなんだな。メディアで取り上げられた戦いの格好いいシーンを次々と話す慧理那先輩。俺もそういうのは出来る限りの見ているつもりなのだが…てか、俺当事者だし…

 

以外なのは、ブルーのことも誉めていたことだ。ブルーは今や悪魔の一種と言われる程だ。変身者(たぶん愛香)には悪いがそれが世の中だ。折角可愛いのにな…惜しい。

 

その後、ツインテイルズの話しで盛り上がっていた。まあ、ボロが出ないように慎重に話しはしていたが。

 

そんな時だった。

 

俺と慧理那先輩のいる部屋の襖がいきなり開いたのだ。俺と慧理那先輩はいきなり開いた襖の方を見る。そこには、いかにも不健康そうな痩せた男の姿があった。

 

「み~つけた。僕の慧理那ちゃ~ん」

 

言い方キモ!!何この人。

慧理那先輩を守るように俺は慧理那先輩を俺の後ろに誘導して、俺自信を盾にするように男の前に立つ。

 

「慧理那先輩この人は?」

 

まさか、慧理那先輩、こんな危ない男と知り合いなのか!?

 

「…確か…尊がキャンセルしたお見合い相手のお人…だったと思います」

 

お見合い相手ね…ってことは、こいつは以外にもリッチマンてことか。

 

「慧理那ちゃ~ん、折角会えると思ったのになんでキャンセルなんかしたの~てかそのモブ何?」

 

俺をモブ扱いだと…俺、この物語の主人公なんですけど!てか、モブってお前だろ!

 

「確か…尊が言うにはあなたは、ろりこんとかいうからキャンセルしたと…」

 

あ、ロリコンでしたか。それならキャンセルされてしょうがないね。

ん?俺はロリコンじゃ無いよ。ただ、慧理那先輩もレッドもブルーも可愛いと思ってるし、普通に女の子は好き(年上3歳、年下2歳まで)だよ。あ、レッドは除く。てか、何となくだが、レッドは俺と同年代な気がするんだよな…まあ、何となくなんですけど…

 

「折角、慧理那のために衣装を大量に用意したのに…さあ、僕と一緒にハネムーンまで行こう」

 

何言ってんのこいつ。頭のねじありますか?

 

…あれ?何かおかしい。そういえば、慧理那先輩とよく一緒にいる尊先生はどうした?慧理那先輩の警護兼メイドの尊先生が見当たらない。こんな時に何をしてるんだ?

 

そんな時に俺の携帯が鳴る。俺は急いで携帯を取り出す。相手は…あの中二病患者からだ。

 

俺は一応電話に出る。

 

『輝跡ちゃん!無事!』

「どうしたの…てか、此方も色々と…」

『お店の中に怪人が表れて神堂さんの家のメイドさんを次々と倒しちゃったのよ!そして、慧理那はどこだ!とか言って!』

「ちょ!話しが見えないんですけど!?」

『兎に角、慧理那ちゃんを連れて逃げて!!』

 

逃げてって言われても…

途中で切れる電話。てか、俺が状況をややこしくさせないために電話を切ったんだけどね。

 

「逃がさないよ。さあ、慧理那。俺とハネムーンに行こう。そして、毎日良いことしよう」

 

そう男はUSBメモリーらしき物を取り出す。あれは!

 

男はUSBメモリーのボタンを押す。

 

《dragon》

 

マダオボイスがUSBメモリーから流れる。

そのUSBメモリーを左手の掌に突き刺す男。

男の姿は徐々に変わっていき黒い皮膚、固い装甲に被われ首は少し伸び人としての原型を崩していき、ドラゴンをモチイフにしたような怪人に姿を変える。奴はドーパント!!

 

「エレメリアン!?」

 

慧理那先輩がそう言うが生憎違うな。

 

「なんで…ガイアメモリ持ってんだよ…」

「へー、お前、ガイアメモリ知ってんだ。なら話しは早い。俺はエレメリアンじゃねぇ。ドラゴンドーパントだ」

 

ドラゴンドーパントだと!?おかしい…フィリップさんから聞いたガイアメモリの情報だと、地球の記憶ががガイアメモリになるはずだ。空想の産物であるドラゴンの記憶なんてあるはずが無い。ってことはこいつは何なんだ?

 

だが、現実はそんなことを考えている時間など無かった。ドラゴンドーパントは慧理那先輩を狙っている。目的はたぶん慧理那先輩の拉致監禁更には健全とは程遠い行動だろう。

 

俺は慧理那先輩の盾になるようにドラゴンドーパントに立ちはだかる。その気になれば変身出来る。だが、ここでは変身出来ない。慧理那先輩を絶望させたくない。

 

「さて、ドーパントを知ってるなら、その行動が命取りになることわかってるだろ?それとも何か?お前もドーパントになるのか?まあ、そんなこと出来るはずねーよな!雑魚!!」

「はぁ?なんで、そんな化け物になる能力を使わないといけないんだよ。第一そんな物に頼らないと女の子を口説けないなんて本当に頭のねじサヨナラバイバイしちゃったんじゃないんですか?」

 

あー怒った!こうなれば、婚活中のメイドをこてんぱんにした口の数でこいつの心にダメージを与えてやる!!

 

「んだと!!」

「因みに、俺、この二日で女子のメアド13も手に入れました~」

「このリア充が!!」

「はっ!非リア充に言われても何も効きませんな!」

「なら、慧理那を渡せ!」

「はいどうぞって言って渡す程俺は馬鹿じゃないぜ!でも、お前にはそんな勇気ねーだろうな!な、ロリコンドーパント」

「ロリコンじゃねー!ドラゴンだ!」

「どっちにしろロリコンだろ!」

 

俺は思いきり必殺の右ストレートをロリコンドーパント基ドラゴンドーパントの腹に突き刺す。だが、相手にはダメージが無い。てか、逆に右手が痛い。

 

「そんなもんかよ!リア充が!!」

 

俺はそう言われて殴られる。その威力は半端無い威力だ。殴られ吹き飛び、壁を貫通して隣の部屋と穴を開けてしまった。隣にいた客は驚いた様子で俺を見る。この頃体が頑丈になて来たため此ぐらいならなんとか耐えられる。

 

「大丈夫かい?君?」

 

格好いい男の人が心配してくれる。あれ?この人、俳優の…

 

「きゃーー!」

 

そんな時、慧理那先輩の悲鳴が聞こえる。ヤバイ!慧理那先輩が!

 

「あれは…怪人か?」

「ま、まあ、そんなもんです」

「あの子は僕に任せて、君は避難してくれ」

 

避難?笑わせんなよ。折角慧理那先輩に良いところ見せられる機会なんだぜ?それに怪人いや、変態に対して耐性はあるぜ。毎回変態怪人と戦ってるんだからな!

それに、避難するのはこの人のほうだ。

 

俺は起き上がりロリコンドーパントの方を見る。いや、睨む。

 

「いや…貴方の方こそ逃げてください」

「そうは行かないな。大事なワインが台無しになったんでな」

 

男は割れたワインボトルを見せる。どうやら俺がここに突っ込んだ衝撃で割れてしまったようだ。それに、それなりの年代物だ。さぞお高いだろうに…

あれ、ここ和風料亭だよな。なんでこんなところでワイン飲んでんの?雰囲気ぶち壊しじゃない?まあ、壁に穴空けたあいつよりかはマシだけど…

 

「ゴチャゴチャうるせえな!まあいい。俺の慧理那は貰ったぜ!」

 

日本語崩壊のロリコンドーパントは右腕で慧理那先輩を抱えていた。慧理那先輩は気絶している。今なら変身するチャンスか?だが、ロリコンドーパントとこの男がいる。結局変身出来ねぇ。

 

「なあ、あのロリコンを表に出すの手伝って貰えませんか?」

「ロリコンじゃねぇ!!ドラゴンだ!!」

「…何か策があるみたいだな」

「まあ、そんなものです。それに、これ以上この料亭に迷惑かけたく無いですから」

「それは同意だ」

「なら、俺が右から突っ込んで慧理那先輩を救います。ですが、多分失敗します。なのでその隙を付いて慧理那先輩を救ってください」

「それは、君が囮になるってことかい?それなら賛成出来ないね…」

「大丈夫です。上手くいけばあいつをこの料亭から出せます」

「…わかった。信じよう。君の名前は?」

「俺は輝跡」

「そうか。僕は吾朗」

 

やっぱり俳優の吾朗さんか。確かアイドルから俳優になった凄腕俳優なんだよな。本来ならサインとか貰うのだが、そんなことをしている暇など無い。さあ、イケメン俳優とテイルエアー(変身前)の連携見せてやる!

 

俺は直線的に走りドラゴンドーパント(ロリコン)の視線を俺に写す。そして、左足を重心にして回し蹴りをドラゴンドーパントの顔面に与える。だが、ダメージは入らない。逆に俺の右足がぴりぴりと痛む。

 

「そんなんじゃ効かねーよ!!」

 

俺の右足を左手で掴み俺を投げ飛ばす。その方向は隣の部屋の押し入れ…そう、この料亭には何故か押し入れがある。まあ、酔って寝てしまう人の為の布団なのどが入っている押し入れなのだが、俺の狙いはそこだった。俺は投げ飛ばされた後、吾朗さんの方を見る。俺が囮になったおかげで無事慧理那先輩を救出出来たようだ。その後吾朗さんは此方をチラリと見た後外へ走って行く。そして俺は押し入れに激突。全身に痛みが走るが、布団などがあるためそこまでのダメージを負わなかった。まあ、痛いのは痛いのだが…

 

「おい!待て!糞イケメン!!」

 

吾朗さんを追いかけるドラゴンドーパント。

 

さて、目撃者はもういない。

 

痛みの走る体に鞭を打って立ち上がる。そして、変身のセリフ

 

「テイルドライブ!!」

 

一瞬のうちに二摘輝跡から正義のヒロイン、テイルエアーに変身する。そして、出口へと向かう。

 

 

料亭から出ると少し広い場所…ここは初めてエレメリアンと戦った場所…そう、あのドームがある場所…マキシーム空果だ。

そこで吾朗さんがドラゴンドーパントと対峙していた。いくら有名俳優といっても、相手はドーパントだ。無理がある。だが、吾朗さんはただの俳優では無かった。

 

吾朗さんはドームを背後にしてベルトを着ける。そのベルト…それは所謂変身アイテム。吾朗さんはGを描くポーズを取る。

そう、吾朗さんは…

 

「今、僕のヴィンテージが芳醇の時を迎える…変身!」

 

吾朗さんはベルトにワインボトルを装着して変身した。その姿は、俺が尊敬する翔太郎さんやフィリップさんと同じ…そう、仮面ライダーだ。

 

変身すると、背後のドームがGの形に爆発し、ガラスが綺麗にGの形だけ無くなる。

あのドーム…確かリザドギルディとテイルレッドの戦いでボロボロになったんだよな…また修理するのか…まあ、ここ、テイルレッドファン(テイルエアーも)にとっては聖地的なところだから、直ぐに修理されるのだろうけど…

 

俺は吾朗さんが変身しているところを見た後、慧理那先輩の安否を確認するために回りを見てみる。野次馬はどうやらいないようだ。そして、ベンチで横になっている慧理那先輩。よかった。よし!俺も加戦しに行くか!

 

俺はドラゴンドーパントに突っ込む。

 

「な!なんだ!?」

「取り合えず喰らえ!!」

 

俺は空中からの回し蹴りを喰らわす。変身前とは威力が違う。

その威力で弾みながら飛んでいくドラゴンドーパント。

 

「君は…テイルエアー!」

 

どうやら吾朗さんが俺に気が付いたようだ。

 

「えーと、貴方のお名前は…」

「僕は、仮面ライダーG。とでも言っておくよ」

「わかった。僕はテイルエアー…て知ってるよね?」

「よくニュースで見るからね」

 

そう話した後俺とGはドラゴンドーパントを見る。ドラゴンドーパントは初めてダメージがあったため、同様しながら立ち上がる。

 

「痛ぇ…痛ぇよ!何なんだよ!いきなり変身したり!」

 

そして、俺の姿を見る。驚きの表情だが、此方をギッと睨むドラゴンドーパント。

 

「テメェか!テイルエアー!なんでお前がこんな所にいるんだよ!黙ってエレメリアンだけ倒して、そして、ボロボロになった所でレ〇〇させろ!」

「そんな言いがたじゃあ、女の子は口説けないよ。もっと優しく話さないと」

 

流石俳優です。ピンポイントを付いてくれる。

 

「えっとね、僕、エレメリアン以外にもドーパントとも戦ってるから…」

「マジかよ…じゃあ噂は本当だったのか…ドーパントになるとテイルエアーに会えるって噂は…」

 

誰だよ、そんな噂を流すのは…あ、あの分身するドーパントの奴か!あの野郎、ドーパントを増やすようなこと言いやがって!

 

「取り合えず、あの怪人を倒そうか。テイルエアー」

「わかったよ。G。」

「何馴れ馴れしくしてんだーー!」

 

目的はドーパントの討伐、同じ標的なら手を結ぶ。これは当たり前だし、何より仮面ライダーだぜ?正義のヒーローとヒロインが手を結ばないなんて面白くない。

 

「行くよ!」

 

Gがパンチを何発もドラゴンドーパントに浴びさせた後、俺が蹴りを喰らわす。何も出来ないドラゴン(ロリコン)ドーパント。

 

「ぐぐぐ!くそ!」

 

ダメージはかなりある。ここで必殺技だ!

 

「行くよ!G!」

「了解だ。テイルエアー!」

 

俺とGは空へとジャンプする。それぞれ足に力を込める。そして、Gは横回転を、俺は二回ほど縦回転しながら

 

「スワリング・ライダー…」

「スカイストーム…」

 

「「キック!!」」

 

決め手の蹴りをドラゴンドーパントに撃ち込む。

 

「ががが!なんでこんなに簡単に俺は!」

「取り合えず…ロリコン死すべし慈悲は無い」

「なんでテイルエアーがそのこと知ってるんだーー!てか、俺はロリコンじゃねーー!」

 

そして、爆発するドラゴンドーパント。爆風がGの形、そしてSの形になる。どうやらSkyのSのようだ。

 

爆風の後に倒れているロリコン男。さて、後は警察がやるか。そして、その足元に落ちているUSBメモリーを拾う。やっぱり、メモリブレイクじゃ無いと破壊出来ないか…仕方がないな。それに、このUSBメモリーはフィリップさんに渡そう。

 

「ありがとう。テイルエアー…いや、輝跡君」

 

俺はギクっとなる。なんでわかった?いや、バレる要因が無かったはず…

 

「僕にはわかるんだよ。テイルエアー…君の正体が。でも、安心して欲しい。別に誰に言おうって訳じゃない。」

「じゃあ何が…」

「あの子は…彼女かい?」

 

Gは…いや吾朗さんは慧理那先輩の方を見る。今だ気絶している慧理那先輩。

 

「いえ…まだ知り合ったばかりです。でも、友達になれると思います」

「そうか…なら、友達は大切にした方がいい」

 

Gは仮面を…いや、ヘルメットか。ヘルメットを取る。

 

「それが無くなった後に気が付いても、もう遅いからね」

 

忠告だろう。心にその言葉を刻んで置こう。

 

「あの…これ…」

 

俺は紙を渡す。常に持っておこうと思っていた紙だ。一応サインを迫られた時用の紙、そして、サインペン。俺はスラスラと自分のメアドを書く。女体化していると文字なども女性らしくなる。

 

「僕のメアドです。一応、同じヒーロー同士、交換しておきましょう」

「そうだね。このメアドは貰っておくよ。テイルエアー」

 

そう言ってメアドを書いた紙を手に取る吾朗さん。

 

「それじゃあ、僕は行くね。面倒事は嫌だしね」

 

そう言って何処にあったのか、バイクに股がる。そして、バイクを走らせ闇の中へと消えていく。

 

さて、俺も消えるとするか。

 

慧理那先輩はまだ意識が無い。

 

ここで変身わ解く訳にも行かない。何処に人の目があるのかわからないからな。取り合えず、人目のつかない場所に行くか。

 

ドームの中(ここなら人はいない)の更衣室(勿論女子更衣室)で変身を解いた後走って慧理那先輩の所に駆け寄り、携帯で母親に連絡する。転がっているロリコンはその場で放置。

 

慧理那先輩の警護のメイド達(尊先生はいなかった)が来て慧理那先輩を連れていき、そして、警察の方々が来て事情聴取。勿論此方は被害者。加害者は仮面ライダーとテイルエアーにやられたって言っておいたぜ。

 

まあ、犯人も捕まったし、終わり良ければ全て良しってね。

 

さーて、次の日にどんな報道が放送されるのか、楽しみだな。




はい、仮面ライダーGが出てきました。
その事で最初に謝りました。

ふとYou〇ubeの仮面ライダーWの戦闘シーンなどを見ている時に関連動画でGが出てたものでつい出してしまいました。

多分、Gが出るのはこれで最後だと思います。

でも、後悔はない。

輝跡「終わった?」
あ、うん。
輝跡「じゃあ、次回予告するな」
よろしく!


次回予告

GWも終わりに近づき、とうとう俺の誕生日!
年齢が上がるイベント!
それに伴って貰う新しい力!
そして、名前の意味!

次回

誕生日と予感



テイルドライブ!!


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第14話 誕生日と予感

はい、第14話です。

お盆休みも今日で終わり…
早かった…そして、夏休みを堪能する学生達…
あーあ…

さて、黄昏てもしょうがないので取り合えず

どうぞ~(やはり駅長風)


誕生日というものを皆はご存じだろうか。

そう、年齢が一つ上がり、それを祝うイベントだ。

だが、誕生日とは時には残酷なものへと変わる時がある。

例えば、結婚出来ない女性が徐々に年齢が上がってしまい、焦る。具体例が尊先生だ。

他には、悪い言い方をすれば寿命が一年減る訳だ。そう考えると損である。

 

だが、俺は違った…

その年の誕生日、俺の名前の由来を聞くという恐ろしい事が起きたのだから…

 

 

5月5日

 

こどもの日であり、俺の誕生日である。

この日俺は早めに朝起きて私服に着替える。

今いるのは独り暮らしをしているアパート。今日、俺の両親がここに来て誕生日パーティーを開くことになっている。

だが、どうやらサプライズがあるらしく、暫くは外で時間を潰して欲しいと言われている。そのため、外に出る仕度をしているのだ。

着替えを終えテレビを付ける。どうやら、昨日のドーパントとの戦いは報道されていないようだ。少し残念。

 

都市伝説の仮面ライダーとツインテールの象徴、ツインテイルズの共闘。ここまで燃えるシチュエーションは無い。なのに、なんで報道されないんだよ…

 

そんな事を考えながら俺は着替えを終え食パンを食べる。合間にコーヒーも喉を通しながら。

 

さて、朝食も終えた。時間は9時。今からフィリップさんの所に行くか。行く理由なんて昨日ロリコンドーパントを倒して手に入れたガイアメモリの事しかない。

 

dragonと書かれたUSBメモリーを持ちワープ装置を起動させる。家の鍵は付けたまんまだ。だって、あの親達の事だ、合鍵の三十個は持っているだろう。だから鍵は付けたまんまだ。

 

そして、ワープ装置を起動させる。勿論、場所は風都、翔太郎さんの事務所だ。

 

 

 

俺は直接翔太郎さんの事務職、鳴海探偵事務所に出た。いきなり俺が出現したのだ。本を読んでいた翔太郎さんは驚いて椅子から転げ落ち、フィリップさんは興味深そうに此方を見ていた。

 

「おい!輝跡!何処から出てきた!?」

「え?ワープ装置使ってここに出ただけだけど?」

「あ、そうか…って、いきなり出てくるなよ!驚くじゃねーか!」

「まあ、落ち着きたまえ、翔太郎。それにしても、輝跡君、君にはどんどん興味が湧くね」

「どうも…」

 

フィリップさんが俺に興味を持つということは、テイルエアーのファンとしてだろうか?それとも、俺自身なのだろうか?まあ、今はどちらでもいいけど。

兎に角、本題だ。

 

「フィリップさん。あの…これを手に入れたんですけど…」

 

俺はそう言ってフィリップさんにdragonと書かれたUSBメモリーを渡す。フィリップさんは興味を持った子供のようにそれを見る。

 

「…こんなメモリ見たこともない…どこで手に入れたんだい?」

「いや、偶然そのガイアメモリを使って女の子を襲っていたロリコンがいたので、倒したらそれが出てきたんです」

 

合ってるよな。うん、偶然、慧理那先輩を拉致しようとしたロリコンを倒したら手に入れた。うん、合ってる。

 

「確かに…見たことが無いな」

 

翔太郎さんもそのガイアメモリを観察する。

 

「ドラゴンか…空想の生物の記憶は地球には無いよな?」

「ああ、そうだよ、翔太郎。時々人の思念等が記憶として残る時があるけどね。でも、空想の生物は聞いたことが無い…」

 

ドラゴン…待てよ…俺、この前戦った(正式にはレッドだが…)エレメリアンが確か…ドラグギルディ…ドラゴンをモチーフにしたようなエレメリアンだ。まさか…

 

「今、思ったんですが、空想の生物…のエレメリアンがこの地球に来た場合、それが地球の記憶にならないでしょうか?」

 

俺は思った事を言った。確かに、空想の生物は無理だ。でも、空想の生物のエレメリアンならどうだ?空想では無く現実にいる訳だから…

 

「確かに…可能性はゼロではない…いや、寧ろ高い。でかしたよ輝跡君!」

「そうか!エレメリアンなら地球の記憶になるな!」

「ということは、ドラゴンがモデルになっている、もしくは似ているエレメリアンが来たという訳だね?」

「はい」

「あ!あの演説をしてたエレメリアンか!」

「そうです。ドラグギルディ…それが奴の名前です」

「…ということは、今後、空想の生物のエレメリアンが表れた場合、新しいドーパントも増えるって事だね」

 

嫌だな…変態を倒せば次はその変態の力を持った人間が出てくる…

 

「まあ、そのドラグギルディ…だっけ?そいつが次に出てきた時は俺達に連絡してくれ。そうすれば可戦するぜ」

「いや…ドラグギルディはもう倒しました。テイルレッドが…」

「早!!え!もう敵の大将倒したの!?」

「まあ…一応…でも、もう次の部隊が来ているみたいですけど…」

「エレメリアンってどんだけいんだよ!」

「逆に知りたいくらいですよ…」

 

そんな感じに話していたら、いつの間にかフィリップさんがいなくなっていた。早速あのガイアメモリの解析でもしているのだろうか…

 

そう思っているとフィリップさんが箱を持って来た。白い箱…何が入っているのだろう?

 

「確か、今日は輝跡君の誕生日だったね。これは誕生日プレゼント…という程でも無いけど受け取ってくれ」

 

そう言われフィリップさんから白い箱を渡される。中には…何か入っているようだ。

 

「ありがとうございます、フィリップさん。早速開けてみていいですか?」

「ああ。いいよ」

 

俺は御言葉に甘えて箱を開けてみる。そこにあったのは、緑色のガイアメモリとそれを入れると思われるスロットル…これは…

 

「あの…これは…」

「実はね、テイルエアーの弱点がわかったから、それを補う為の装置だよ」

「テイルエアーの弱点?そんなのあんのか?フィリップ?」

 

翔太郎さんは不思議そうに聞いている。俺には心当たりがある。そう、テイルレッドやブルーよりフォトンアブソーバー…という防御膜が薄いそうだ。だが、そこは、ようは当たらなければどうということ無いのだ。だが問題はもう一つある。

 

「簡単だよ。必殺技の威力が低い」

 

そう、そこなのだ。今のテイルエアーの必殺技はフォースナックル(位置エネルギーを利用したパンチ)とスカイストーム(これも位置エネルギーを利用)、そして、十秒間に決める、俺の中での大技、連続回し蹴り。連続回し蹴りは一発一発の威力が低い。だから、そこを補うに連続で攻撃するのだ。

そう、テイルエアーには強力な必殺技というものが無い。

 

「確かに、良く考えてみりゃ、テイルエアー一人で敵を倒す所はあんまり見ねーな」

「翔太郎さん…それ、俺もこの頃考えてたんですよ…」

「そうだったのか!悪い…」

「いえ…事実ですし…」

「だからそこ、それを渡したんだよ」

 

そう言ってフィリップさんは緑色のガイアメモリを指差す。まさか、これで変身しろと!?まさかの二重変身!?なにそれ、ロマン。

 

「フィリップ…ガイアメモリは適正が無ければ…」

「実はね、輝跡君の適正を見て驚いたんだ。まさか、適正率が僕の次に高かったなんてね…」

「何の話を…」

 

フィリップさんは徐にポケットから緑色のガイアメモリを出す。それは俺が貰った物と同じ…そう、Cと書かれたガイアメモリ…

翔太郎さんはフィリップさんが何を言っているのかわからず、俺が貰ったガイアメモリを見て、納得した様子になる。

 

「まさか、輝跡がCyclneの適合者とは…」

「だから、どういうことですか?」

「簡単に言うと、僕達のように仮面ライダーに変身出来るって事だよ」

 

まさかのロマン的中!

 

「でも、変身するためには、ロストドライバーが必要なのだが、生憎今は持ち合わせていない。だが、攻撃…特に必殺技の出力を上げるならマキシマムスロットを利用すればいい。それだけで、テイルエアーの弱点はカバー出来るはずだよ」

 

二重変身は出来ないが必殺技が強くなる…ということか。なんだ、結局ロマンじゃねーか!変身は出来ないけど必殺技は使える…うん、燃えるシチュエーションだ。

…あれ?そうなると、フィリップさんのガイアメモリは?

 

「あの…フィリップさん。フィリップさんのガイアメモリは…」

「大丈夫だよ。君に渡したのは予備のガイアメモリだからね。心配しなくてもいいよ」

「よかった…」

 

安心した…

 

そのあと、フィリップさんや翔太郎さんからガイアメモリの使い方を教わった。この時はとても有意義な誕生日だと思っていた。

 

時間は過ぎ、夕方。もうそろそろ家に帰らないと…

別れを言って翔太郎さんの事務所を後にする(ワープ装置を利用して)。

 

 

 

家の中にワープして戻る。場合は玄関。そこには、俺の靴とは別の靴が二足置いてある。やはり不法侵入したか、あの両親。まあ、わかってたけど…

 

リビングに入ると…

 

そこには、俺の両親とウェディングケーキとほぼ同サイズの何段もあるショートケーキがあり、一番上にはチョコレート、にHAPPYbirthdayと書かれている。

 

これを運ぶために俺は午前中潰さなくちゃいけなかったのか…

 

「ハッピーバースデー、輝跡」

「ハッピーバースデー、輝跡ちゃん」

「えーと…ありがとう」

 

感謝の言葉。一応出た。でも…このショートケーキ…どうやって消費するんだよ…

 

「さあ、輝跡の誕生日会だ」

 

毎年定番の三人の誕生日会。理由は俺に友達がいないから。でも今年はいる。しかもいっぱい!

…俺の家知ってる人当真と霊夢しかいない…

まあ、この二人を見せるよりはマシか…

 

最初にケーキに目が行ったが、実際、俺の両親は全身タイツである。更に言うならば現在進行形でなんか変なポーズを取っている。

 

「さあ、誕生日会…楽しむといい!」

「わかったから、その年齢と反比例しているポーズを止めてくれ。此方が心配になる」

「まだまだ、母さん達は若いわよ~」

「いや、若くても無理はするなよ…あんたら一応一児の父と母だからね?」

「何を言う。父さんも母さんも若いし力もある。これぐらい、出来る。それに、これぐらい、奴ならやると思うしな」

 

全く…年齢を考えない親だ。だが、そこが俺の両親らしい。

 

「あ、そう言えば、母さん、慧理那先輩は昨日どうなったんだ?俺あのあとすぐ帰ったから…」

「あ~、あの子ね。あの子はあのあとメイドさん達と一緒に帰ったわよ~」

 

良かった…俺、慧理那先輩のことあの場所に置いて来ちゃたし…一応今度会ったら謝ろう。

 

「さあ、輝跡、誕生日プレゼントだ」

 

そう言われて出される三つの白い箱。フィリップさんから貰った箱よりも少し大きい箱が二つ。一つは箱と言うよりも封筒だ。

 

「ありがとう、父さん」

 

俺は徐に白い箱の一つを取る。中に入っているものは大体わかる。そう、超合金のテイルレッドとテイルエアー。

 

「開けてみていいか?」

「いいぞ」

 

その返事を聞いて直ぐに開けてみる。白い箱二つの中にはやはりテイルレッドとテイルエアーの超合金が入っていた。しかも、完成度が高い。輪郭や爪、ツインテールまで見事に再現している。今すぐにでも動きそうだ。

 

「大変だったぞ…テイルレッドとお前の戦いを何度も見て作ったんだからな」

 

実は、この超合金の形のプログラムをしたのは何を隠そう俺の父親だ。社長自らプログラムしたとか…罰当たりそうだよ。まあ、本人は趣味の範囲で作ったから、そこまで意識はしてないみたいだけど…

 

超合金の素晴らしさの感動は後にしておこう。その前にやらなくてはいけない事がある。そう、残った白い封筒…これには何が入っているのか…

気になるのだ。

 

「なあ、この封筒も開けていいか?」

「いや…その封筒は後で開けてくれ。本当に驚くと思うからな」

 

何だろう…余計に気になる。だが、そう言われてしまったら仕方がない。ここは親の言うことに従おう。

 

さて、プレゼントも貰ったし、この巨大なショートケーキをどうするか…

 

そう思った矢先だった。俺の母親が口を開いた。そう、たわいもない事なら良かった。これが俺のトラウマとなる。

 

「それにしても、輝跡ちゃんは凄いわね~本当に奇跡を起こして正義の味方になっちゅうんだから~」

「いや、つまんない洒落言ってないでこのショートケーキどうにかしようよ」

「いや、輝跡…今、お前に言っておこう…お前の名前について…」

 

嫌な予感。そんなのすぐわかる。俺は小さい頃自分の名前のせいでいじめられかけた事がある。だが、その時は正当防衛と言っていじめようとしてた奴らをボコボコにしたからいじめられずにすんだ。

あれ?俺が友達いなかったのってもしかして俺が悪い?

 

「本当はな、お父さんのライバルが、自分の子供に命天男(めてお)もしくは、有帝滅人(あるていめつと)と名付けると言っていたのでな、それに対抗して」

魅羅苦流(みらくる)って名前にしようて話してたの~」

 

…は?

 

「相手が最強や、流星ならば、此方はそれを超える奇跡が必要だ…と思ってな」

「おいおい!まさか、俺の名前の語源って…」

「そう!最強や流星と対峙し、それを超える奇跡を起こす!だから、お前に二摘魅羅苦流(みらくる)と名付けたんだ」

「待て待て待て!!俺の名前は輝跡何ですけど!?魅羅苦流(みらくる)じゃ無いんですけど!?」

「名前を市役所に渡しに言ったら、なんか笑われて嫌になったからその場で書き換えたのよ。二摘輝跡って~」

 

ある意味安心だ…俺の名前が魅羅苦流(みらくる)だったら絶対いじめられてた。これ程キラキラしたキラキラネームがあるか?てか、父さんはライバル意識するのは良いけど息子まで巻き込むなよ!

 

それと、その有帝滅人(あるていめつと)もしくは命天男(めてお)と名付けられた父さんのライバルの息子さん…ご冥福をお祈りいたします。いや、マジで。

 

「観束有帝滅人(あるていめつと)または、命天男(めてお)…この名前には気を付けろ。こいつがお前のライバルになるからな」

「いやいや、ライバルの前に同情するよ。俺よりキラキラした名前に…」

「そうだ!これから輝跡ちゃんの名前変えてこよう♪」

「止めろ!マジ裁判事になるから!」

「父さんは構わないぞ?」

「俺が困るんだよ!てか、息子の名前勝手に変えるな!!」

「冗談よ、冗談~」

「冗談でも言わないで欲しい…それでも、俺のストレスが…」

「お前は、この世界を守る奇跡の力を持った戦士だ。この程度でへこたれてはいけないぞ」

「へこたれさせてくれ。せめて変態相手や仲間に問題がある人が多いんだから…」

 

変態行動を良くする仮面ツインテールとか…

 

「まあまあ、そんなことよりケーキ食べましょう~」

 

取り合えずケーキを食べることになったが…この量…どうするの?

 

その後、何とかケーキを攻略(お隣の上条さん家にかなりの量をおっそわけして)した。

 

その後、家族と会話(具体的には仲間のツインテイルズや仮面ライダーの話し)をして両親は帰って行った。

玄関まで両親を見送り残ったのはケーキの残骸とテイルレッドとテイルエアーの超合金、そして白い封筒のみ。

 

俺は白い封筒を躊躇いも無く開ける。

 

そこに描いてあったのは何かの設計図だった。だが、それの完成図を見たときに気が付いた。そう、これは…

 

「テイルエアーの…武器…」

 

拳一つから武器の装備…これはステータス上昇に繋がる。だが…これ、どうやって作るんだ?素材とかわからないぞ?

 

…そうだ!仮面ツインテールかフィリップさんに頼もう!

ならどちらに頼むか…

 

取り合えず明日決めよう!

 

そして、GWの最終日へとなる。




輝跡「キラキラネームじゃなくて良かった…」
そうだね~
輝跡「さて、トラウマが出来たけど、頑張ろう」
そうだね~

次回予告

父親に渡されたテイルエアーの武器の設計図
現れる輝跡の師匠
霊夢のまさかの趣味

次回

ゲームでツインテール!?



テイルドライブ!!


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第15話 ゲームでツインテール!?

早くも第15話

今回もクロスオーバー回です。
あのキャラクターが出演!?
してます。

では…どうぞ~(駅長風)


誕生日に貰った設計図とテイルタイマー、マキシマムスロットとサイクロンメモリをフィリップさんに渡してきた。

仮面ツインテールに渡しても良かったのだが、やはり、ここは一番信用しているフィリップさんに渡す事にした。フィリップさんはとても嬉しそうに武器の制作に応じてくれた。変わりにワープ装置を今度コピーさせてくれって言われたけど…

 

そんなこんなで、GWは終わり、平日となる。

まあ、皆いつも通りで、何も変わっていなかったが…

いや、愛香がトゥアールに対して不気味に優しかったのがいつも通りに暴力的だったのが心からホットしたことかもしれない。

ツインテール部に顔を出しに行こうかと考えたが、あるもの(幽霊じゃないよ!)が怖いのでツインテール部には行かない事にした。

 

それに、テイルタイマーをフィリップさんに預けているので変身することが出来ない。それはツインテイルズとしての活動が出来ないということなのだが、こればかりは仕方がない。新武器…超楽しみだ。こういう誕生日プレゼントは大歓迎だな。ただ、俺の名前の由来だけは聞きたくなかった…

 

まあ、平日でやることも無い

 

ということで…

 

ゲームでもやりますか。

 

その頃、他のツインテイルズの正体がある人物にバレているなんて思いもしない。

 

 

 

俺は黒色の家庭用ゲーム機の電源を付けノートパソコンも起動させる。

ノートパソコンで、あるコミュニティーサイトを開く。ここではある特定の人物と会話することが出来る。俺は知っている人がいないか確認してみる。

その間に家庭用ゲーム機にゲームソフトを入れてゲームのオープニングを飛ばす。そしてメニュー画面へと移る。

因みに俺がやろうとしているのは、国民的な狩猟ゲームだ。まあ、かなり昔のゲームなので今もやっている人は少ない。

 

コミュニティーサイトで俺はある人を見つける。名前はHARUHI…この人はこのゲームで俺の師匠であり、多分今ではこのゲーム内で最強ではないだろうか…

取り合えず連絡を取ってみるか…

 

パソコンにマイクとヘッドホンをセットして音声会話を出来るようにする。

 

そして、俺はその名前のコミュニティーに参加する。どうやら俺と師匠の二人だけのようだ。

 

『お!お久~』

「お久しぶりです。師匠」

『いや、本当に久しぶりだね』

「すみません、色々とあって出来なかったんですよ~」

『まあ、入学してからは大変だもんね~』

 

俺の師匠…HARUHIさん…いや、本名こなたさん。俺の師匠である彼女はこのゲームで知り合った。最初から結構強くて色々なコミュニティーを転々としていた。だが、今は自分でコミュニティーを作っているようだ。

関係無いが、俺のゲームでの名前はKIKIだ。

 

「まあ、本当に大変でしたから…」

 

例えば、変態と戦ったりとか…

 

『まあ、そんなこと忘れて今日は狩ろうよ』

「そうですね」

 

そんな中、俺達のコミュニティーに入ってくる人がいた。

 

【このコミュニティー空いてるかしら?】

 

俺達に聞いてきた…名前は…HAKUREI…でもこの声…

 

「もしかして、霊夢?」

【あら、輝跡じゃない。どうしてこんな所に?】

『輝跡、知り合い?』

「隣に住んでる同級生です。てか、霊夢はなんで…」

【で、あんたは?】

『プレイヤー名HARUHIこと、こなたで~す』

「こなたさんは俺の師匠なんだ」

【へ~。私は霊夢よ。…よろしく】

 

それにしても、霊夢までこのゲームをやっているとは…

世の中狭いな…

 

『で、何狩る?』

「その前に集会所に集まりましょう」

『そうだね~』

【わかったわ】

 

このあと、集会所と呼ばれる場所に俺とこなたさん、霊夢のアバターキャラクターが揃う。俺は男性キャラ、こなたさんは女性なのだが、男性キャラを使っている。名前とキャラが反比例だが気にしてはいけない。そして、女性キャラクター…HAKUREIが到着する。成る程、霊夢は女性キャラを使うのか。

俺の装備は夜叉をモチイフにした黒い装備に麻痺が付いた肉球が特徴的な片手剣。てか、これ剣じゃないような気がする。だが、このゲームではそんなこと言ってはいられない。

こなたさんは全身銀色の装備に銀色の太剣。マジのガチ装備だ。

霊夢は、金色の装備。これもガチ装備としてよく使われている奴だ。そして、武器は一見火縄銃にしか見えない軽量型のボウガン。これもなかなかに強い。

 

てか、皆さん、ガチり過ぎじゃありません?

 

『輝跡はいつもの装備ににゃんにゃんか…』

「霊夢もこなたさんもガチ過ぎじゃありませんか!?」

【何言ってるのよ。これは狩りのゲームなのよ。本気で殺らなきゃ、こっちが殺られるのよ】

『お!霊夢、良いこと言う~』

「いや…軽い気持ちでここに来た俺は場違いな気が…」

『いいじゃないか。楽しんだもの勝ちよ』

【で、何行く?】

 

てか、なんでこの二人もう馴れ馴れしいの?まあ、こなたさんは結構フレンドリーな人だから、話しやすいっていうこともあるだろうけど…

 

あれ?俺今まで友達いないと思ってたけど以外にいるのでは?

 

…気にしたら負けかな。

 

そんなことを考えている間に霊夢がクエストを張る。クエストが張られた音で俺は我に帰る。そして、急いでクエストを見てみる。

 

 

 

 

 

クエスト名

赤と青と風のヒロイン

 

ターゲット

アグ アグ亜種 ベリ亜種

 

場所

闘技場

 

時間

50分

 

依頼者

ダンディな社長

 

内容

最近、赤と青と黄緑色のヒーロー?が目立つ。と言うわけで、ハンターにはその目立つ原因として同じようなモンスターを狩って来て欲しい。もし、無事に帰って来る事が出来たのなら、そのヒーロー達と同じ髪型になる髪止めの素材をあげよう。さあ、頑張りたまえ。

 

 

 

 

 

 

…このクエスト作った人多分俺の親族、しかも直系にあたる人だ。いや、もう、父親しかいない。てか、何してんの、あの父親!こんな古いゲームに配信クエストなんて!普通わからないから!

 

『お~、これってツインテイルズとのコラボじゃん。配信されたんだ』

【一時間限定で配信されたわ。もう、配信は終わってるから、私と一緒じゃ無いと行けないわよ】

『行く行く!輝跡はどうする?』

「まあ、一応行くよ。これでも、テイルエアーファンクラブ会員だからね」

『輝跡はテイルエアー派なんだね』

「まあね」

『私は、テイルブルー派なんだよ~』

 

な、なんと!やったね、ブルー。ファンがいたよ。

 

【テイルブルーね…まあ、私もテイルブルーの方がまともだと思うわ】

『そうだね。今の人達はわからんのだよ』

 

確かに。今やテイルレッドとテイルエアーの可愛らしい仕草などを見るために追っかけをやっている人がいるくらいだが、実際エレメリアンは簡単に人の命を消し去る程の力を持っている怪人だ。よく戦いの余波などで誰も怪我していない事が奇跡に近い。

しかも、その怪人を瞬殺して被害を最小(?)に押さえているテイルブルー(本人にはそんな自覚無し)はある意味皆のことを考えていると言ってもいい。(戦い方は別として)

 

『テイルブルーは頑張ってるよ。貧乳なのに』

「そのワードはテイルブルーに言うなよ。キレるから…」

『何を言う!貧乳はステータスだ!希少価値だ!』

 

確かに、貧乳は少ない。特に高校生ともなると成長期なのか、ある程度胸がある人をよく見る。

 

【希少価値ね…子供ならわかるけど…】

 

そういや、霊夢のバストはあまりわからなかったな…いつもジャージや制服だから…てか、制服でも良くわからないぐらいの大きさなんだよな…こう、貧乳か、普通かの良くわからないライン…この前下着姿を見たけど、何故か記憶に無いし…

 

『テイルブルーは貧乳代表だよ。それも、あんな格好出来るテイルブルーは希少価値中の希少価値だよ』

 

確かにな。あの格好はちょっと…露出が多いよな…

 

【でも、露出多すぎじゃない?】

『そこが、更に希少価値なんだよ。わからないかな~』

「でも、テイルブルーは美人だと思うよ。てか、美人でいい体格してるからスラッと見えるし、露出が多くてもあまり気にしないし…」

【あんた、いっつもテイルブルーのどこ見てるのよ?】

「え?ツインテールから体までだけど?」

【…変態…】

「ちょ!俺は普通に言っただけで!」

『輝跡、フォローはしないから~』

「ちょ!こなたさん!?違いますよ!確かにテイルブルーは美人ですけど、テイルレッドもテイルエアーもテイルシャーマも好きですから!」

 

その瞬間、まるで、いきなり静かになる教室と同じように静かになる。

 

『テイルシャーマ?』

 

やってしまったーーーーーー!

 

テイルシャーマはまだメディアに出てないんだったーー!

テイルシャーマを知ってるのはツインテイルズとエレメリアンのみ…そう、当事者のみなのだ。

 

【テイルシャーマ…ね…】

『何々?新しいツインテイルズ?』

 

興味本意でこなたさんが聞いてきた…どうしよう…こんな展開望んでないよ…

こうなれば、アドリブで…

 

「えっとですね…」

【確か、テイルレッドに良く似た女の子よね?】

『へ~、霊夢も知ってるんだ~』

【知り合いにそう言うことが詳しい人がいるのよ。まあ、本当にいるのかわからないけどね】

 

霊夢ーー!ナイスフォローーー!そして、何故テイルシャーマの容姿を知っているーー!

 

『ほら、輝跡、そんな話しより狩りするわよ』

「…お、おう…」

 

取り合えず、疑問は後。今はハンティングだ。

 

俺は徐にゲームのコントローラーを動かす。

 

そして、クエストに参加して持ち物を確認してからクエストに出発する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とうとう、ここまで来た…

 

相手は瀕死たが、丁度怒りモード突入だ。

 

さて、ここからが本番。相手はベリ亜種。

油断しなければ勝てる。

ベリ亜種は腕のトゲをスパイクにして速いスピードでこっちに突進してくる。俺は回避を取らず盾でガードする。だが、ガードが少し甘くダメージを少し負う。その瞬間、俺の左手(本当はゲームのアバターキャラクターの左手)が青く輝く。

何故か入れているスキル、本気の発動だ!

 

『よっと!』

 

こなたさんが太剣をベリ亜種の尻尾に降り下ろす。瞬間にベリ亜種の尻尾は宙に舞い、地面に落ちる。よし、尻尾破壊完了だ。

さあ、本気と書いてマジと読む。行くぜ!!

 

俺はベリ亜種に向かって突っ込む。

 

丁度その時、霊夢がベリ亜種の顔に徹甲榴弾を撃ち込む。そして、ベリ亜種の顔で爆発を起こす。

 

俺は斬りかかろうとしていた時だった…

 

 

 

クエストクリア

 

の表示がされる。

 

 

 

…はぁ?

 

いや、これからって時でしょ!

 

『いや~、手強かったね~』

「俺…いいとこ全く無かった…」

『そんな日もあるよ~』

【確かに、輝跡何もやってなかったよね】

 

俺がクエスト中にやったこと

 

肉焼き、麻痺(モンスター一体につき一回)、蹴り、粉塵一回。

 

以上。部分破壊は零。うん、酷すぎる。そして、クエストクリアの報酬画面に移る。

くそ素材…うん、分かってた。それに、このクエスト限定の素材は一つ。

 

『やったー!限定素材二つゲット!!』

【私も二つよ。ていうか、このクエスト、99%の確率で限定素材二つよ】

「…俺一つ…」

『あ…どんまい』

【あんた本当に奇跡起こしたわね】

「逆の意味の奇跡な」

 

ある意味奇跡を起こした俺。スゲーな。

 

なんだろう、目から雨が…

 

「もう一回行こう!今度は俺ガチで行くから!」

【出た…良くいる奴。次から本気出すと言ってすぐ力尽きるフラグメーカー】

『大丈夫。輝跡はわしが育てたのじゃ』

「そう、俺のガチを見せてやる」

 

俺は戻ってきた集会所から出て装備を変えてくる。

さて、今度は本気だ。武器は紫色の片手剣。更に毒属性。見た目は、レイピアのようだ。そして、防具は吸血鬼をモチイフにしたかのような見た目の装備。完全に状態異常装備です。

 

そして、その装備で集会所に行く。

 

『やっぱりその装備か~』

「本気ですから」

【状態異常特化ね…】

「よし!行こう!!」

 

 

結果は圧勝。何度も相手を毒状態にしてゴリゴリと体力を削って、最後のベリ亜種は、空中に飛んだ瞬間、俺の毒が効き、そのまま落下して絶命した。

 

【あんた、以外にやるわね…】

「これも、こなた師匠のお陰っす!」

『そうじゃ、わしのお陰じゃ』

 

 

そんなこんなで何回か狩りをして終わった。

その後、フィリップさんから連絡があり、どうやら武器が完成したとのこと。

 

これで戦力が増加する!

 

ふっと、ツインテイルズ専用の通信機を見てみると連絡が十件以上来ていた。もしかして、何か起きたのか?

 

時間を見てみると、夜の10時。結構狩りを行っていたようだ。今からフィリップさんの所にテイルタイマーを取りに行くのも気が引ける。

 

明日取りに行って、その後仮面ツインテールに色々聞こう。

なんか、大事な事を忘れているような…

ま、いっか。

 

こうして、俺の下らない一日が終わった。




さーて、次回の 俺、ツインテールになります AIRs HERO は…

輝跡「なんでサ〇エさん風なんだよ」
気分です。
まあ、兎に角次回予告どうぞ~


次回予告

新しいツインテイルズ、テイルイエローの登場!
テイルエアーの新必殺技!?
テイルイエローの特訓?

次回

新ヒーロー?テイルイエロー!!



テイルドライブ!!


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第16話 新ヒーロー?テイルイエロー!!

どうも、風墳Kです。

一部の学校今日では、夏休みが明け、地獄を味わっている人がいたりいなかったり…
まあ、あまり自分には関係ないことですが…(ニートじゃないよ。そして、学生だよ~)

あ、感想、意見、誤字脱字などがあれば気軽に言ってください。

では、どうぞ~


学校で当真と総二と馬鹿な会話をしたりして、放課後。俺はワープ装置を乱用してフィリップさんの所に向かった。

 

 

翔太郎さんの事務所に到着した。どうやら翔太郎さんは仕事のようだ。そこで椅子に座りながら本(ラノベ)を読んでいるフィリップさん。

 

「やあ、輝跡君。以外に早かったね」

「まあ、ワープ装置がありますから」

「それじゃあ、これを渡すよ」

 

そう言われて渡されたのは、テイルタイマーのみだ。

 

「あれ?ガイアメモリは?」

「ああ、これも渡そう」

 

フィリップさんはおもむろにポケットからガイアメモリを取り出す。だが、それはサイクロンメモリでは無かった。緑色…というよりもエメラルドグリーンに近い色をしたガイアメモリ。メモリにはAと書いてある。

 

「それは…」

「サイクロンメモリでも良かったんだが、君と相性を良くするために改良したサイクロンメモリ…いや、エアーメモリとも言っておこうか…」

「エアーメモリ…」

「それを必殺技に使って見てくれ。それと…」

 

フィリップさんは俺が父から渡された武器の設計図を取りだし、机に広げた。

 

「この武器なんだが、完璧には出来なかった…いや、出来たのは出来たのだが、テイルタイマーからの直接質力とエアーメモリからの質力を同時に蓄積させた場合、武器が破損、または、崩壊する危険性が出てきた」

「それって…」

「今の僕らの技術だと、マキシマムドライブをつかいながら、テイルエアーの質力を上げることは、事実上、三回が限界。それ以上やれば、この武器は崩壊するよ」

「そんな…折角の武器が…」

「いや、諦めるのは速いよ。この世界の科学力では…という話しだ」

「…あ!仮面ツインテール!」

「詳しくはわからないが、ツインテイルズにはちゃんとバッグがいるんだろ?」

「はい。一応は」

「もし、その人が科学者なら、その人に頼むといい。まあ、僕自信もテイルレッドやテイルブルーの武器や装甲素材には興味があるしね。もし、会えるなら、会いたいけど…」

「止めた方がいいです」

「そうかい?まあ、今は止めておこう。このラノベを読み終わった頃に行くかもう一度考えてみるよ」

 

そう言ってフィリップさんはラノベを読み始めた。

 

「あ、そうそう、その、テイルタイマー…ブラックボックスが多すぎてね…解析しきれなかったよ。だから、無理はしない方がいいよ」

「ありがとうございます。何から何まで…」

「いや、テイルエアーと知り合いになれたんだ。これぐらい安いよ」

「そのテイルエアー、俺何ですけど…」

「気にしてはいけないよ」

 

そうフィリップさんは言って本をまた読み始める。

 

俺は邪魔にならないようにワープ装置を機動させて、家に戻る。

 

 

 

 

家に着いた瞬間、それを見計らったようにツインテイルズ専用の通信機が鳴り始める。俺はテイルエアーに変身して、通信機を付ける。

 

 

「はい、此方、テイルエアー」

『あ!テイルエアー!やっと繋がった!昨日はどうしたんですか!?』

「すみません…法事です」

『あ…そうですか…なら仕方がありません』

 

まあ、モンスターの法事ということで…

 

「今から秘密基地にワープすればいいの?」

『はい。と言っても、場所は輝見市の大型ショピングモール何ですが…』

 

またあそこかよ!

 

「わかった。そっちに一回ワープするね」

『了解しました』

 

 

俺はワープ装置を機動させて秘密基地にワープする。ワープした後に待っていたのは、仮面ツインテールだった。

 

「今回はそこまで苦戦するような相手では無いと思うので、気を楽にして戦っていいと思います」

「いやいや、一応相手は侵略者なんだから、気を楽にするとか、あまりしない方が…」

「それと…」

 

仮面ツインテールはレッド達が写っているモニターを見る。俺もそれに合わせたように見る。そこには、見たこともない黄色いツインテールの戦士の姿があった。

 

…増えてる…

 

「え…新しい仲間のテイルイエローです…」

「仲間が増えたのか!?」

 

よくスーパーヒーローとかでも仲間が増えるのは定番だ。ここにきて新戦力、さらに、俺の新武器。これは、もう負けないんじゃね?

あ、これ、フラグだわ…

 

「兎に角、僕も出撃するよ!」

「気を付けて下さい…テイルブルーに…」

「え?」

 

大型ワープ装置でワープする瞬間に言われた一言。テイルブルーに気を付けて?

なんで?

 

 

 

俺が現場に到着した時には、ブルーが牛型のエレメリアンをボコボコにしていた。そして、何故か知らないけど、テイルイエローが膝をついて、テイルレッドとエレメリアンの戦闘兵…アルティロイドが慰めていた。

 

何、このカオス…

 

「どうした!テイルレッド!」

「テイルエアー!」

 

俺はテイルレッドの、いや、正式にはテイルイエローの近くまで行く。

 

「どうしたの?まさか、敵に…」

 

俺はふとアルティロイド達を見るけどアルティロイド達は首を横に降って自分達は何もやっていないことをアピールする。

 

「えーと…テイルイエロー?大丈夫?」

「あ…テイルエアー…さん…」

 

…初めて話したのに、どこかで会った感じがする。テイルイエロー…君は…誰?

って、そんなことは重要じゃない。大事なのは、今の状況だ。

 

「私…戦力になれませんわ…」

「どうしたんだよ?」

「実はな、テイルイエロー…攻撃が出なかったんだ…」

 

攻撃が出なかった?

 

テイルイエローの武装からして、遠距離支援射撃型だろう。攻撃が出来なかったというのは、弾が出なかったということだろう。

 

え?弾を撃てない遠距離射撃型とか…ただの的じゃん。どうしてそうなったんだよ。

 

でも、その前に、この雑魚達を何とかしないとな。

 

新武器は…今度にして、まずは、マキシマムドライブ…いや、ここは、名前を変えていこう。

 

「テイルレッド、テイルイエロー、ここは、僕に任せてくれないか?」

「何を…する気なんだ?」

「新必殺技」

 

俺はそう言って、新しく腰に付いたスロットルを見せる。

 

エアーメモリを意識すると、テイルタイマーからエアーメモリが飛び出してくる。俺はそれを華麗にキャッチする。そして、エアーメモリに付いているボタンを押す。

 

《AIR》

 

マダオボイスではなく、俺の(テイルエアーの)声の機械音が周りに響く。

 

その機械音に反応したのか、アルティロイド達は後退りを始める。

 

エアーメモリをマキシマムスロットルに入れる。

 

《エアー マキシマムドライブ》

 

やはり、マダオボイスではなくテイルエアーの声が流れる。事前にフィリップさんに頼まれて俺の(テイルエアーの)声を録音して渡しておいたのだ。お陰でマダオボイスでは無く、可愛らしいテイルエアーボイスが流れるようにセットして貰えるようになった。

 

なんでマダオボイスじゃないかって?だって嫌だろ、可愛らしいヒロインの必殺技の度にグラサン無職のおっさんとか息子をちゃんと愛せない不器用なお父さんの声が流れるのは。まあ、これが、仮面ライダーなら格好いいんだろうけど、生憎、俺は正義のヒロインなのでね。

 

右拳に力が籠るのがわかる。見ると右拳が黄緑色に光輝いている。

エアーメモリの質力を肌で感じる。

 

さて、必殺技だ。

 

「フォースドライブ!!」

 

アルティロイド達に向かって俺は拳を付き出す。勿論、アルティロイド達と俺との間は数メートルの距離がある。

それなのに、俺は右拳を勢い良く付き出したのだ。

 

その拳は空を切る音がした。

 

右拳から解き放たれた光は衝撃波としてアルティロイド達にぶつかる。いや、衝撃波と言うよりも、暴風、もしくは突風だ。

 

アルティロイド達は突風にぶつかった瞬間に光となり消えるか、吹き飛んだ後、数秒間離れていた地面と感動的再会を果たした後衝撃で光へとなるか。

 

「す…凄い…」

 

テイルレッドの一言しか無かった。

確かに、その一撃でアルティロイド達の殆どを一掃したのだ。俺だって予想外だよ。

 

「さ…流石…テイルエアー…ですわ…」

 

落ち込みながらも俺を誉めてくれたテイルイエロー。嬉しいのだが、なんというか、素直に喜べない。

 

アルティロイド達の一掃は終わった。俺はエアーメモリをマキシマムスロットルから外してテイルイエローの元に向かう。同時に爆発音が鳴り響く。どうやらテイルブルーがエレメリアンを血祭りに上げ終わったようだ。

 

テイルブルーが凄い怖い形相で此方に向かってくる。何、俺なんかした?

 

「やっと来たわね。テイルエアー…」

「え…と、この前は来れなくてごめん。此方も色々とあったんだ」

「言い訳はいいわ。あんたは、私のことを見捨てた事にはかわりないもの」

 

何!?何があったし!?え!俺なんかやっちゃった!?

 

「僕、なんか悪いことした?」

「なんで来なかったよの。此方はそのせいで大変だったんだから!」

「え…と…法事です」

「…」

 

唖然とする他のツインテイルズのメンバー。俺は嘘を言っていない。それに、昨日は結局来れなかった。だってテイルタイマーをフィリップさんに渡してたし。

 

「…なんか、ごめん」

 

ブルーに謝られた。あれ?ブルーが謝るところあまり見ないな…

 

その後は、各自解散。テイルレッドはテイルブルーにお姫様抱っこされてイエローと一緒に空に消える。俺も空高くジャンプしてワープ装置を起動してその場から離脱する。

 

 

ツインテイルズ秘密基地

ツインテイルズの秘密基地で、この世界には無い技術力の塊が多くある場所。更には、ヒーロー好きならば感動するような施設だ。きっと慧理那先輩は喜ぶだろう。俺の両親ならば発狂するレベル。俺ですら感動を覚えた程だ。

 

そのツインテイルズ秘密基地に俺はいる。

 

「ど、どうも、テイルイエローです」

「此方こそ。僕はテイルエアー」

 

そう言って、グラマーな新ツインテール戦士のテイルイエローと握手をする。

重装甲に重火器。完全遠距離型だな。

テイルレッドは基本至近距離戦、テイルブルーや俺も近、中距離、ここでの遠距離射撃型は大歓迎だ。テイクシャーマはどうなのかわからないけど、多分テイルレッドと同じタイプだろう。

 

でも、テイルイエローは攻撃が出来なかった。いや、正式には砲撃が出来なかった。

 

その日はもう日が暮れているということでお開きになった。ワープ装置を機動した時にテイルブルーが仮面ツインテールに見たこと無い関節技をやっていた。俺は一瞬二人のやり取りが愛香とトゥアールに見えた。

テイルブルーが愛香に見える現象、なんとかならないかな?確かに似てるけど。

 

 

 

次の日、俺はとうとう、ツインテール部の部室に向かう決意を誓った。理由?苦手克服のためだ。

 

放課後、総二達は直ぐにツインテール部に向かい、当真はスーパーの安売り、霊夢は真っ直ぐ帰宅。俺は教室で決心をしていた。よし、行こう。

 

ツインテール部部室に向かう俺。

 

迷いながらも何とかツインテール部らしき場所を見つけた。だが、それはあまりにも不自然な光景だった。

 

トゥアールと愛香、更には俺のクラスの副担任でもあり、慧理那先輩の警護兼メイド長の絶賛婚活(という名の脅迫)を行っているツインテール部顧問桜川尊先生(独身28歳)がツインテール部部室のドアを少し開けて中の様子を伺っていた。

良く漫画とかである光景だが、実際に見るとかなりシュール。この廊下が人通りが少い(殆ど無い)から怪しまれないけど、正直怪しいぞ。

 

あれ?総二と慧理那先輩は?

尊先生がいるということは、慧理那先輩もいるということでは?なら慧理那先輩はどこだ?まさか、部室の中!

更に総二もいない…

 

これは!

 

うん、乙女チックなことは無いな。総二はツインテール馬鹿だから、女の子に手を出すことは無いだろう。もし、女の子にで出すことがあったら、それは一種の洗脳を受けたりした時だけだろう。それこそ、無い話し。そんな事が起きてみろ、それこそ、総二が女の子になるぐらいあり得ない。

 

さて、このシュールをどうするか…

 

うん、諦めて帰ろう。

 

 

 

家に着いたところで仮面ツインテールから連絡があった。

何でも、テイルイエローの特訓だとか。

まあ、修行回は王道だしな。当たり前と言えば当たり前だろう。

 

だが、俺は独り暮らし。帰った後色々とやらなきゃいけないことがある。掃除洗濯…

まあ、洗濯物は適当に洗濯機に放り込み、かなり前に間違って踏んで転んだ原因となり、それ以来封印していたルンバを封印から解き放ち部屋という名の平原に逃がした後、ワープ装置を起動する。

この間、俺は変身しながら家事をこなしていた。

 

ドンドン女体化への抵抗が無くなっている気がする。

 

 

ツインテイルズの秘密基地を経由して、特訓場と思われる、良く特撮で使われるような場所にたどり着いた。

 

そこには、あのツインテール部目の前のシュールを超えるカオスが待っていた。

 

「ご主人様ーー!」

 

テイルイエローが壊れました。

 

テイルイエローはミサイル、バルカン、砲撃、それらをテイルレッドやテイルブルーに撃ち込んでいた。

 

「ありの…ありのままの私を見てくださいましーー!」

「お、落ち着け!イエロー!」

 

どこかの大ヒット作品の劇中歌と同じような台詞を、言っているテイルイエローだが、何だろう…心に響かない。いや、爆発音は耳に響くけど…

テイルレッドが頑張って止めるように言うが、聞こえていないだろう。

 

その内のミサイルが俺に向かってくる。

 

俺は避けなかった。いや、避けれなかった。

あまりのカオスに開いた口すら閉じれずにいたのだ、ミサイルが来ているなんて誰が思うか。

 

ミサイルが俺に激突し、爆発を起こす。

 

爆発が収まった跡には、どこかの自爆を喰らった地球人のように倒れている俺がそこにはいた。

 

テイルエアーの防御は薄い。それを身に染みたよ。

 

「あ!エアーがヤ〇チャみたいになってる!」

「レッド!そんなことより、どうやってこの状況を打破するのよ!」

「ご主人様ーー!」

 

テイルイエローは、何故か知らないけど自分の装甲をドンドンパージしていく。テイルイエローの武装が外れていき、肌色の部分が増えていく。

このままでは、R18指定にされてしまう!

 

そう思いながらも、半目でテイルイエローの珍行を見届けることしか出来なかった。

 

肌色の部分が増えていくテイルイエロー。男ならその光景に興奮するのだろうが、何故か俺はしなかった。いや、あまりにも現実離れした光景にそんな余裕など無かったのだろう。

 

砲撃が自由に出来るようになったのは良かったが、何か、目覚ましてはいけないものを目覚ましてしまったようだ。何故目覚めたのかは不明だけど…

一体何があったのか知りたいところだが、あえて聞かないでおこう。

 

俺は結局、地面に倒れているということを行っただけで、何もしなかった。

まあ、テイルブルーやテイルレッドが何とかしてくれたからよかったけど…

 

 

ツインテイルズに問題児がこうして一人増えたのだった。




新必殺技が登場したね~
輝跡「これで、かっこよくなれる!」
見た目が可愛いから無理だね
輝跡「なん…だと!?まあ、いいや」
さあ、次回予告だ~

次回予告

南の島に連れていかれる輝跡
黒いスーツのハンター
撮影されるCM

次回

それはCMの輝跡



テイルドライブ!!



輝跡「テレビデビュー!?嫌だぞ!!」
頑張れ。以上!


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第17話 それはCMの輝跡

どうも、風墳Kです。
今回もコラボ回となっております。
サブタイトルが、ある曲に似ていますが、その曲が使われたアニメとのコラボではありません。
その前に自分はラ〇ライブを見ていません。(曲は知っていますが…)

あ、感想などがあれば、気軽に書いてください。

では、どうぞ~


その男は、海岸で夕日を見ていた。

場所は南の島。日本ではあるが、南に位置し、季節によって南の空に南十字座が見えるほどだ。

 

海岸…というよりも砂浜に立つ一人の男。アロハシャツに短パン、サングラスに麦わら帽子、だが、その顔つきはダンディそのもの。

あわない服装に見えるが、そのギャップがまた周りとは違う雰囲気をかもしだしている。

 

男は待っていた。ある人物を。

 

突如、その男の背中に衝撃と痛みが走る。

いきなりのことで驚く男ではあるが、予想はしていた。だが、予想よりも痛みや衝撃が大きい。いつもなら腕を使ってくるのだが、腕の筋力では到底出せない衝撃だ。男は砂浜をバウンドするように転がっていく。

 

男は自分が今さっきまでいた所を見る。

 

そこにいたのは、待ち望んだ人物だった。

右足を付き出して男を蹴ったのがわかる。どおりでいつものりも衝撃が大きい訳だ。

だが、その人物はとても不機嫌な表情で男を…父親を見ていた。

 

「…なんでこんな所によびだしたんだよーーーー!」

 

男の息子である、二摘輝跡の虚しい叫びがこだまするはずの無い海におだましたかのように聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな仲間、テイルイエローが爆誕してから翌日。

クラスの男どもはテイルイエローの肌色が多い格好と胸の話しで盛り上がっていた。

勿論、その話しは女子にとって不快なものであることは言わずともわかる。でも、男とは、そういう生き物なのだと思ってほしい。

 

「輝跡はテイルイエローをどう思う?」

 

一人の男(クラスメイト)に聞かれるが、今のとこはノーコメントだな。

露出癖があるテイルイエロー。初日の出撃では成果を上げられず、次の日の特訓では、痴女として覚醒してしまった。

それに、俺はまだテイルイエローを良く知らない。だから、ノーコメント。でもいい奴ではあると思う。

 

「ノーコメント」

「えー」

 

少し非難の声が男子から聞こえるが、女子からすれば、唯一仲間にないうる男子なのだ。女子からは、仲間にならないみたいな目線を送ってくる。まあ、快くお断りだけど。

 

さて、今は二時限目と三時限目の間の休み時間。ものの数分ではあるが、この数分に少年少女達の青春の一ページが記憶に刻まれる。くだらない会話でも、ダイヤモンドのように輝く思い出になる。

 

その大事な休み時間、その教室にこのクラスの副担任が降臨する。

そう、あの恐怖、いや、墓場へ誘う紙を渡してまわる独身女性だ。

 

「おーい!輝跡はいるか?」

 

俺へのご使命入りました\(^o^)/

 

まあ、あそこまで尊先生の婚姻届を拒否した俺だ。また婚姻届を渡す訳ではないだろう。

 

「なんでしょうか?」

「おう、輝跡。まずこれを書いてくれないか?」

 

そう言ってまるでテッシュ配りのように渡される婚姻届。勿論、丁重に破くけど。

無言で破く俺。

 

「全く、資源は大切にしないといけないぞ。ほら、もう一枚やるからちゃんと書いておけよ」

「大事な資源を墓場に誘う兵器にしないでください。そして、俺に渡さないでください。というか、なんか俺に用事があったんじゃないんですか?」

「おっと、そうだった。輝跡、お前の親族から連絡が来てな、今からその場所に向かってほしいそうだ」

 

は?

 

「しかも、お前に向かえが来てるぞ」

 

は??

 

「すみません…ちょっと意味が分かりません」

「まあ、今から公欠ってことだ。なんでも家の手伝いらしいからな。学校もちゃんと許可を出した。校門に車が来ていたから、たぶん、それが向かえだろう」

「余計に意味が…」

「用は、早退だ。ほら、早く帰る仕度をしろ。早くしないなら、お前の両親に言って無理矢理にでも婚姻届を書かせるように仕向けるぞ」

 

そ、それは困る!あの両親なら平気でやりかねない!

 

「わ、わかりました!」

 

俺は音速のレベルで鞄に筆記用具をぶちこむ。今日は購買で飯を買う予定だったので、弁当は無し。

 

「どうかしたのか?」

 

心優しい総二が俺の慌てぶりを見て話しかけてくれた。

 

「早退だよ。家の手伝いってことで。まあ、嫌な予感しかしないけど…」

「…大変そうだな…」

「この後の授業のノート、今度写させて!」

「まあ、そのくらいなら…」

「その代わりにツインテール部の部室に凄いもの持っていくから!」

「お、おう…」

「それじゃ!」

 

俺は鞄を持って尊先生の所まで行く。

 

「それじゃあ、尊先生、さいなら」

「おう、気を付けて帰れよ」

 

そう言われた。右手には確りと婚姻届が握まれていたのを俺は見逃さなかった。

 

急いで校門前に行くと黒い高そうな車が一台止まっていた。そこには、黒いスーツを着たサングラスの人が二人。俺の警護だろう。

普通警護などいらないのだが、多分俺が逃げることを前提にしているため、この人達が来たのだろう。だって、見た目がどっからどう見ても逃〇中のハ〇ターだもん。

 

「輝跡様でございますね。才悟様がお待ちです」

 

そう言って後部座席のドアを開けてくれる。

俺は無言でその車に乗る。

 

そして、男二人も車に乗り込む。

 

何もなく発進する車。離れていく校舎。

この時、俺は、あの有名なラ〇ュタの主人公が自分の家と別れていく光景が目に浮かんだ。

何だろう…なんか、悲しい…

 

あーあ、俺の学校ライフが…

 

この悲しみが、後々憎しみになるのは、言わずとも、分かっていた。

 

車に乗り数時間。昼食などを高速道路にあるパーキングエリアなどで済ませて、更に移動。

 

そして、着いたのはフェリーターミナル。

そこで、今度はフェリーに乗り換えてある島へ向かう。因みに、その島へのフェリーは俺達が乗ったので今日の便は最後らしい。

 

いつの間にか仲良くなった警護の人達と一緒にフェリーに車ごと乗り、そして、いざその島へ。

 

船に揺られること2時間程。

警護の一人、友村さんが船酔いでダウンして、もう一人の警護、谷中さんが、看病している間に目的の島へ着く。

 

目的の島へ着いた。ここは、俺が高校の第一希望としていた学校がある島だ。

に、しても、暑い…まだ、5月過ぎなのに…

制服が少し汗でベトベトする。

スーツの友村さんと谷中さんを見るが、汗一つしていない。確か汗止め(?)をしてるんだっけ?

そして、指定された場所に向かう。

 

既に夕暮れ。学校帰りの学生が俺の乗っている車の脇を通って行く。この辺じゃ見ないナンバーなのか、異様に目立っている。いや、俺の制服や、友村さん達のスーツが目立っているのか?

 

そして、指定された場所。そこにいたのは、アロハシャツを着て黄昏ている俺の父親。

 

ここで、俺のストレス(学校ライフを台無しにされた+ここまでの移動時間)が爆発した。

 

俺は思いっきり右足で、父親の背中を蹴った。ストレス発散の為、俺は父親を蹴ったのだ。だが、これは良くあることだ。親不孝者と呼ばれるが、この行為は俺達家族のじゃれあいの一つだ。

 

だが、その前に怒りを出しておこう。

 

「…なんでこんな所によびだしたんだよーーーー!!」

「いたた…痛いじゃないか…」

「かなりの時間を費やしてここまで来たけど、俺のワープ装置使えば直ぐに済む話しじゃねーか!なんで電話にも出ねーんだよ!」

「いや、この南の島へのサプライズ招待をしたくてな」

「そんなことの為に学生の大事な一日を無駄にさせるなーー!」

「すまん、すまん。まあ、それはただの余興、本当は父さんの仕事を手伝って欲しかったんだ」

「手伝い?」

 

尊先生が言っていた通りだ。まさか、本当に手伝いだとは…

 

「CMに出てくれ」

「やだ」

 

想像していた手伝いの斜め45度を通り越して90度だよ。

予想では、新作玩具の稼働テストとか、新作ゲームの試作プレイとか…そっちの方を考えてたよ。

 

「頼む!予定していた俳優さん達が全員キャンセルしてしまって…」

「なら、別の俳優を頼めよ」

「いや…CMの内容がスポーツドリンクの宣伝でな…若々しい人が打ってつけなんだが…」

「なら、若い人の俳優に頼めよ」

「それはな…予算的問題でな…」

「だからって、息子に頼むな。それに、俺はCMとかやりたくない」

 

せめて、普通の生活では平凡でいさせてください。それでも、毎日変態と戦っているんだから…

 

「大丈夫、輝跡は良くTVに映ってるじゃないか。父さん達は毎日お前の活躍を録画してるぞ」

「やめろーーーーーーー!」

 

あ…頭が痛くなって来た。

学校を出た瞬間に逃走すれば良かった。いや…その為のハ〇ターか…

 

「まあ、その代わりにギャラはちゃんと払うから」

「俺の平凡な日常を返して…」

 

もう、こうなれば、ヤケクソだ!

CMでも、なんでもやってやる!

テイルエアーなめんなよ!

 

「まあ、共演する、他の人達もCM…というか、TVに映るのは初めてだから、大丈夫だよ。心配しないで」

「…」

 

ジト目で父親を見る。

 

「まあ、撮影は明日だから、ホテルでゆっくりして、明日頑張ろうな」

 

そう言われた。

 

暗い気持ちで、俺は友村さん達の案内でホテルに向かった。

 

 

夕食を終え、俺は外の空気を吸いたくなったので外に出た。

フェリーはもう無いのでこの島からは出れない。それに、優秀なハ〇ターもいる。

逃げることは諦めて俺は制服の上着をホテルに置いて外を歩っていた。

 

やはり、本土よりも暑い。

 

空は…一面の星。流れ星が流れる。

願い事…今は無いかな。撮影は嫌だけど、仕方がないし、誰かはエレメリアンと戦わなきゃいけないし…

俺が頑張ればいいだけの話し。

だから、流れ星に願うようなことは無いかな…

いや、あるな。けど…

 

 

そう思っていた時だった。

 

 

 

 

いちめん染める花は空へと 昇る光 幾億の息吹達 今、世界が生まれ変わる

 

 

 

歌だ。歌が聞こえた。綺麗な歌声。

 

だが、その後に不可思議現象が起きた。

 

世界が止まった…

 

音が無い。風が無い。

こんな現象、聞いたことが無い。

 

ふと、テイルタイマーを見る。時間が止まっている。いや、そうじゃない。

 

テイルタイマーが光っていた。

 

気が付けば、テイルタイマーの光が無く、時計機能が動き出す。

 

今のは、なんだったのだろうか…

 

多分、俺、疲れているんだろうな。うん、そうに違いない。

 

俺はそう思って、ホテルに戻りシャワーを浴びて、ホテルで用意されていた服に着替えて、ふかふかのベットにダイブして、そのまま、意識を沈めた。

 

 

 

気が付けば朝。

時間は6時ジャスト。普通なら自分で朝食を作るところだが、生憎、ここはホテル。俺はお客としての本分を発揮させないといけないため、自分では朝食を作らない。

それに、学校は休みを取った(取らされた)ので、別に早起きする必要は無い。だが、生活を乱しては、心が乱れるというのでいつも通りに起きたのだ。

 

さて、着てきた制服にまた袖を通す。外で着る服はこれしか無いので仕方がなく制服を着る。

 

そして、朝食を取りにレストランに向かう。

 

朝食を終え、ホテルのロビーの一ヶ所で父親とミーティング。

 

「…で、ここで…」

 

大体の台詞などを言っていく。後はアトリブでいいらしい。それに、この島にある学校、私立南十字学園の演劇部が協力してくれるそうだ。まあ、協力してくれるのは、午後からみたいだが。

 

ってことで、午前中は完全に自由時間…て思っていました。

父親に渡された台本を覚える時間に殆ど使ってしまった。そのため、ホテルから一度も出ずに午後になる。

 

昼食を取った後に撮影の場所になる砂浜へと警護の人達と向かう。

 

 

砂浜に着くと撮影の機材やそれを撮影する人達などが撮影準備をしていた。

少し緊張して…来ないぞ?

あれ?もしかして、TV慣れした?

まあ、テイルエアーの時にかなり撮られているからな。

 

父親は、今、ツインテールの女の子と話していた。そう、ツインテールの美少女だ。茶色い髪の美少女…

 

「父さん、今着いたよ」

「輝跡か。こいつは、俺のせがれだ。で、此方は…」

「南十字学園、演劇部、夜間飛行のエンドウ サリナだ。よろしく」

「二摘輝跡です」

 

ピンと背筋を伸ばす。予想以上に美少女だ。

 

「…」

 

まずまずと俺の顔を見るサリナさん。何だろう…俺なんかしたのかな?

 

「君…美少年オーラ出てるね」

「え?」

「いや…どちらかというと…心の輝き…かな?」

 

?まさか、電波さん?まあ、美少女なら、電波さんでもかわないが…

 

「あ、すまん。此方の話しだ。さて、君と、あと二人、エキストラを用意しているから、暫くすれば、その二人も来ると思うよ」

 

そう言ってサリナさんは俺の顔を覗き込む。こんな美少女に覗き込まれては、此方も照れる…

 

「君…いいね。ねえ、輝跡君、南十字学園に編入してくれないかな?」

 

何言ってんのこの人!

 

「すみません、俺は今の学校が楽しいんで、編入する気は有りません」

「そうか…残念だな。なら、部活とかには入っているかい?」

「まあ、一応」

「なんて言う部活だい?もし、文化部とかなら、合同発表なんかも出来そうだし、私達、夜間飛行といい関係を築いた方がいいと思うんだ」

 

どんだけ俺を介入させたいんだよ。

 

「俺、ツインテール部って部活に入ってるんですが…」

「…ツインテール部?なんだい、その奇行を行いそうな部活は?」

「えー、友達が作った部活で、基本的には、ツインテールの追及や研究、更にツインテイルズの応援なんかをする部活です」

「ツインテール…をね…うん、合同発表は難しそうだね。ごめんね。無理を言ってしまって」

「いえ…」

「おーーい!」

 

遠くから声が聞こえる。そちらの方を見ると…

さっきまでの雰囲気を吹き飛ばす感じに此方に走ってくる人達がいる。俺はその人達の方に目線を向けた。

 

oh、赤い髪と青い髪のイケメンが此方に向かって来ていまーす。

え?もしかして、あんなイケメン二人が俺の共演者?

無理無理無理!!あんなイケメン二人と一緒に映るなんて無理だよ!

 

「すみません、サリナ部長、遅れました」

「いいよ。で、此方が、CMに共演する二摘輝跡君だ」

「僕は、シンドウ スガタ」

「俺、ツナシ タクト。宜しく!」

「よ…よろしくお願い…します…」

 

あ…俺はあの二人を輝かせる為の伏せんか…

まあ、いいだろう。それでもやってやんよ!

 

そして、撮影が開始される。

 

やることは、イケメン二人(俺も含めて三人らしい)が砂浜で汗を掻いた後、スポーツドリンクをがぶ飲みするという在り来たりな奴だ。だが、台詞などがかなり用意されており、そこから自分のいいと思った組み合わせを選んでいく。

 

勿論、一回で終わる訳じゃない。

 

気が付けば、既に5回目。

 

やっと、父親とサリナさんからのOKを貰った。

 

やべ…スポーツドリンクの飲み過ぎで腹がたぷたぷする。少し気持ち悪い。どうやら、タクト君やスガタ君も同じようだ。顔色が良くない。

因みに撮影は殆ど海パンで行われた。

演劇部の女性陣が此方をずっと見ていた(黄色い髪の美少女は俺達三人を見てB〇な展開を考えているようだ)。

勿論、俺にはそんな気は無いので、普通にしていたが…

 

そして、撮影が終わった。だが、本番(俺にとっては)はこれからだ。

スタッフにトイレに行ってくると言ってトイレに直行。洋式のトイレに入り鍵を閉めて変身する。そして、ワープ装置を使って撮影していた砂浜の上空にワープする。

 

俺は垂直に落下する。その姿に気が付いたのか、撤収作業をしていたスタッフ達の目線が此方に向く。

 

砂煙をあまり上げずに俺は砂浜に着地する。

 

いきなりのヒーローの出現に驚く人達。

 

いや、頑張ったスタッフや演劇部の労いを込めてやったんだ。サインとかドンと来い。

 

「て…テイルエアーだ…」

 

最初に口を開いたのはタクト君だった。

 

「おい、テイルエアーが現れたぞ!」

「何してるの!カメラカメラ!」

「折角の撮影チャンスだぞ!誰だ!カメラしまったの!」

「今あんたがしまったでしょ!」

 

スタッフが慌てている。やっぱりな。まあ、ただの労いだし、少しファンサービスしておくか。

 

「て、テイルエアー…です!今日、ぼ、僕のファンの一人が…ここで撮影してるって聞いたから…ちょっと来てみました…」

 

スタッフ一同がうおーーーとか言っているが、気にしてはいけないな。

 

「まさか、テイルエアーが来るとはな。世の中何が起きるかわからないな」

「テイルエアーも僕っ子なんだ!僕と一緒だね!」

「ちょ!え!」

 

混乱している人もいるようだ。

 

「兎に角、サインは貰っておこうぜ。スガタ」

「ああ、そうだな」

「あ!私も!」

「僕も!僕も!」

「あ!お坊っちゃま達だけズルい!」

「って言いながらジャガーも並んでるじゃん」

 

いつの間にかサインを求める人達により行列が出来ていた。その中にはやはり、演劇部の人達、更にスタッフ、友村さん達…

その人達にスラスラと用意しておいたサイン紙にサインを書いていく。

だが、それだけでは終わらない。

そう、俺の父親の一言だ。

 

「テイルエアーも、CMに出てみないか?」

 

唖然とする一同。いや、俺には予想出来た。

ここは、断るのがいいのだが、生憎、俺のスポンサーが、目の前の父親な訳で、断るにも断れない。

 

「す、少しだけなら」

 

こうして、ツインテイルズ初のいや、世界初の本物のヒロインが出演しているCMが出来たのだ。だが、そのCMが公開されるのは二ヶ月ほど先らしい。

 

そして、全員のサインを書き、CMの撮影に参加した後、空へとジャンプして、皆が見えない所まで行きワープ装置を起動させて、トイレに戻り変身を解除する。

 

まあ、その後は、本当に撤収作業を行い、俺は友村さん達とまた、本土に帰った。

 

家に着いたのは、既に朝になっていたがな。

さて、カフェンインを摂取して、学校に向かうか。




何かとコラボしましたね…
何とは言いませんが…(当てた人は凄い…)
輝跡「CM撮影大変だった…」
いつも次回予告してるから余裕じゃ無かった?
輝跡「それと、これとは話しが別だろ」
いいじゃん、南国の島に行けたんだから
輝跡「俺の青春を返せ…」
さあ、次回予告をするのだ~

次回予告

とうとう現れる新たな(テイルエアーにとって)幹部
ついに使うテイルエアーの新武器
テイルエアーの新必殺技

次回

対戦!?貧巨の幹部!!



テイルドライブ!!


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第18話 対戦!?貧巨の幹部!!

どうも、風墳Kです。

9月に入ってから忙しくなりました…
投稿が遅れるかもしれません。(書き溜めしてるので何とかはなりそうですが…)

等々問題の二人の幹部が登場します。
(俺ツイにまともな幹部っていたっけ?)

感想、コメント、気軽に書いてください。

では…

どうぞ~


CM撮影が終わり数日が過ぎていた。

その間エレメリアンは現れず、平和な一時だった。そんな、平和だと思わせるような一日の放課後、俺は意を決してツインテール部に赴くことにした。

 

廊下を歩く俺。

 

心配事は一つ。

 

(幽霊なんていない幽霊なんていない幽霊なんていない幽霊なんていない幽霊なんていない)

 

そう考えていたら、ツインテール部部室に来ていた。

決心は着いている。後は、このドアを開けるだけだ。そう、それだけなのだ。それだけなのだが…

 

俺は意を決してツインテール部のドアを開けた。

 

「あ!輝跡!どうしたんだ?こんな所に?」

 

TVを見ていた体を此方に向けたと思われる格好をしながら、椅子に座るこの部活の部長こと、総二が俺には気が付いた。だが、俺には、そんな普通な光景は見えなかった。

 

愛香がトゥアールに見たこともない関節技をかけていた。トゥアールの関節は曲がってはいけない方向に曲がっているようにも見えるため、見てるだけで痛い。

 

「イタイイタイイタイイタイイタイ!!」

 

床や愛香の胸を関節技をかけられていない手で叩いてギブアップを表現しているが、愛香にはそれを許さないと思われる程に顔に青筋を立てていた。

 

「トゥアール、あんた、わざと胸叩いてるでしょ?」

「だって、床に見えるくらいペッタンだから…ギャーーーー!力を強めないで!!」

「あ、ごめーん、柔らかそうだから、衝撃を吸収すると思ったわ」

「そうですよね!私の胸は愛香さんよりも柔らかいですから!まあ、愛香さんはその胸すら…ってイダイイダイイダイイダイ!!」

 

あーあ、トゥアールの関節が見れないほどになってるよ。てか、生命の危機に直面してるのによくボケられるよな。てか、愛香の胸を触った(事故です!)俺なら分かるけど、愛香は愛香で柔らかったぞ。

 

「あ、気にせず椅子にでも座って」

「ありがとう」

 

俺は総二が出してくれた折り畳みのパイプ椅子に座る。

 

「で、どうしたんだ?部室に来るなんて」

「いや、俺一応ツインテール部の部員だし、何か手伝いでもって思って」

「と言われてもな…」

「そうです!あなたが来ても何も役にたちません!…いや、野蛮人の盾としては使えそうですが…」

「誰が野蛮人ですって?」

「間違ってないじゃないですか!」

 

いつの間にか復活しているトゥアール。あんたは魔人か何かか?

 

関係無いのだがトゥアールは総二以外の男子に冷たい。特に俺や当真のような総二の男子友達には。まあ、クラスの皆が分かっている事だがトゥアールはどっからどう見ても総二のことが好きだ。でも、それって、親戚の子が親戚の子を好きになっちゃうってことだろ?だって、トゥアールは総二の親戚なんだし…。それ、大丈夫か?確か家系上結構離れてないといけない気がする。

まあ、いつかは現実を知るからいいか。

それと、総二の幼馴染みの愛香も総二のことが好きだ。その事に気が付いていないのは、総二本人と当真だけだろう。

 

そんな事を考えていたら、部室の一角からアラームが流れる。

俺はその音にびっくりして回りを見渡してしまった。全く…なんなんだよ…

 

「すまん、輝跡。今日は帰ってくれないか?」

 

真剣な顔で総二に言われた。他の二人も真剣な顔だ。もしかしたら、何か大事な事が起きるのかもしれない。

 

「しゃあない。んじゃ、俺は帰るよ。でもさ、なんで帰らせたのか、いつかは聞かせてもらうからな」

「ああ。いつか話すよ」

 

そう言って俺はツインテール部のドアに手をかけて廊下に出た。

そして、帰路に立った。

 

 

 

 

その数分後にエレメリアンが出たのを知らせる通信機のアラームが鳴る。俺は急いでトイレを探す。今は学校だ。まだ教室にも着いていない。通信機は常に持つようにはしているし、音量は低め。なのであまり周りに気付かれない。そのため、いつも俺自身気が付かない時がある。でも、今回は学校、しかも誰もいない廊下。なので直ぐに気が付く事が出来た。

 

トイレに向かう。勿論男子トイレだ。え?女子トイレじゃないのかって?ばか野郎。俺は犯罪者になる気なんてないぞ。(この前女子更衣室に入った人の発言です)

 

男子トイレの個室に入り、いつも通りに変身する。まあ、いつも通りにワープ装置を使っていつも通りにツインテイルズの秘密基地にワープする。

 

 

ツインテイルズの秘密基地。俺が到着した時にいたのは、仮面ツインテールだけだった。

あれ?仮面ツインテール…誰かに似てない?

…気のせいか。

 

「来ましたか…」

 

なんだろ…なんで、そんなにかしこまってるの?

 

「…実は、今回の相手は…幹部級のエレメリアンです」

 

幹部!?あの、ドラグギルディと同等の強さを持つレベルのエレメリアンか!?マジかよ…

 

「しかも、二体です」

「二体も!?」

「それとですね、この前、エアーが法事で来れなかった日に一度レッドとブルーと交戦し、撤退していきました」

「え?」

「幹部の一人…クラーケギルディの攻撃でブルーが戦闘不能になってしまいまして…それでこの前連絡したんですけど…」

 

あ…だから、あんなに連絡してたんだ。

…待てよ…

 

「て、ことは、テイルブルー大丈夫なの?」

「わかりません。ですが…」

 

…悪い予想が…

 

「僕も行きます!」

「わかりました。それでは、ワープ装置に入るか、私と一緒にベットに行くか選んで…」

 

そう仮面ツインテールが言い終わる前に俺は大型ワープ装置に入りワープする。

 

ワープした場所は、古い工場跡地。

工場の建物と思われる場所からは話し声が聞こえる。多分あそこに幹部クラスのエレメリアンとテイルレッドとテイルブルー、テイルイエローがいるはずだ。

 

俺は工場の建物の中に入った。

そこには…

 

一体のエレメリアンをボコボコにしているテイルブルーと、イカみたいなエレメリアンと対峙しているテイルイエロー、そして、そのイカみたいなエレメリアンの触手らしきもので両手を塞がれているテイルレッドがいた。

 

ヒーローとして、一対一の対決に首を突っ込むのはどうかと思うので、俺はテイルレッドを助けに行くことにした。

 

「テイルレッド!大丈夫か?」

「エアー!?来てくれたのか」

「今、それを外すよ」

 

俺はテイルレッドの手を縛っている触手を外そうと触手を握って引っ張ったりするが中々に頑丈に縛られており引っ張ってもほどけない。色々とやってはみるが、やはりほどけない。

 

「…大丈夫か?エアー?」

「ごめん、僕、力が無いから中々ほどくこと出来ないんだ。もう少し待ってて」

 

俺は、また、触手を外そうと試みる。

 

その間にテイルブルーと戦っていたエレメリアンが膝を付き動かなくなった。

それと同時にテイルブルーもエネルギー切れを起こしたように倒れる。

 

「エアー、ブルーが勝ったよ!」

「うん!」

 

仲間の勝利は嬉しいのだが、何故か胸騒ぎが…

 

俺のその胸騒ぎは直ぐにわかった。

 

俺達の近くではテイルイエローとイカ(本当の名前はクラーケギルディ)が戦っている。

 

そう、あの、テイルイエローが…だ。

 

テイルイエローはフルブラストモードと呼ばれる状態になり、ツインテールをアンカーにしてその砲身をクラーケギルディに向ける。そして、

 

爆音と共にテイルイエローの砲撃が、クラーケンギルディの触手を撃ち落として行く。

迫る触手、撃ち落とす雷撃。

 

その爆音などは衝撃波となり俺とテイルレッドを吹き飛ばす。

 

「イエロー!火力を考えて!」

「見てくださいまし!ご主人様!!」

 

砲撃を撃つ度、装備と一緒に装甲をパージしていくテイルイエロー

 

「なんと、下品な乳か!」

 

なんか、今回のエレメリアンは胸に関するエレメリアンらしい、テイルイエローの巨乳を見て下品と言っている。まあ、確かにいきなり胸の装甲を外したらびっくりはするし、痴女だとも思われてしまう。下品と思うかは別かもしれないけど…

でも、巨乳を下品って言っていることは、こいつは、貧乳の属性を持つエレメリアンなんじゃ…

 

吹き飛んだテイルレッドの元へ駆け寄り思った事を聞いてみよう。

 

「大丈夫か?テイルレッド?」

「大丈夫だよ」

「ねえ、あのエレメリアンって胸に関するエレメリアンなの?」

「ああ。イエローと戦ってるのは貧乳属性のエレメリアン…クラーケギルディ、で、ブルーが倒したのは巨乳属性のエレメリアンのリヴァイアギルディだ」

「…だから、テイルブルーがあそこまでボコボコにしてたんだ…」

 

テイルブルーは鬼神の如くリヴァイアギルディをボコボコにしてたもんな。

 

「あれ?なら、テイルブルーは最初にクラーケギルディを倒さなかったんだ?普通そっちを先に倒すんじゃないか?」

「それが…ブルーは触手とかが苦手でな…」

 

そうなんだ。苦手な物があるのか…

俺の中のテイルブルーの評価が少し上がった。

 

そう話しているうちにテイルイエローの装甲が全て地面に落ちる。

だが、動じないテイルイエロー。多分必殺技だ。

 

テイルイエローは外した装甲を一つの砲台に合体させ、自分を弾丸とし、撃ちだす。その名も…

 

「ヴォルテックジャジメント!!」

 

テイルイエローは自らを雷撃の弾丸と化しクラーケギルディを貫通する。

 

まるで、俺のスカイストリームや仮面ライダーWやGの必殺技みたいだ。

 

そして、一言言って爆散するクラーケギルディ。クラーケギルディは爆散すると、テイルレッドを縛っていた触手は力を無くしたようにほどける。

 

だが、俺には違和感があった。

しかし、そんなことを言うとフラグとかになりかねないので、俺はテイルブルーを、テイルレッドは必殺技を使いエネルギー切れを起こしたテイルイエローを背負って工場内から外に出る。

 

工場内だと、何が起きるか分からないからな。

 

「お疲れ、テイルレッド」

「俺もエアーも何もしていないけどね」

 

そう、俺は何もしてない…それでいいのか?テイルエアー…

 

だが、俺は無残にもフラグを建てていたらしい。違和感は的中してしまった。

工場内から殺気を感じたのだ。そこにいたのは、テイルブルーにボコボコにされた巨乳属性を持つエレメリアン、リヴァイアギルディだった。

 

満身創痍に近いリヴァイアギルディはテイルレッドを縛っていた触手を地面から拾い上げた。

 

「クラーケギルディよ…俺と、お前の属性…共に散らし、勝利を取ろうぞ!」

 

リヴァイアギルディはクラーケギルディの触手を自らの頭に刺す。

 

「ウオオオオオオ!!」

 

迸る属性力。まるで台風。いや、それ以上に感じる。幹部戦第二回線の始まりですか…

 

「行こう!テイルレッド!」

「おう!」

 

テイルレッドは炎の剣、ブレイザーブレイドを取り出す。

 

さあ、俺も新武器を使う時だ!

 

「フォースナイファー!!」

 

テイルタイマーに入れて貰った新武器。フォースナイファー。その名の通り、ナイフである。強力な一撃はエアーメモリで出して、その間に得意なスピードを活かして相手にダメージを与える。これが、俺の戦闘スタイル!更に至近距離からの必殺系ダメージはいくらエレメリアンとはいえ喰らうはずだ。

 

「エアー!?武器持ってたのか!?」

「まあね」

 

そう軽く話し、リヴァイアギルディの方を見る。そこにいたのは、クラーケギルディの触手を頭に着けたリヴァイアギルディだった。

だが、その纏っているオーラは少し前のリヴァイアギルディやクラーケギルディよりも遥かに大きくそして強くなっているのを肌で感じるし、何よりその触手がツインテールに見えてしまう。

別に俺は戦闘訓練した兵士でも、ましてはどこぞの戦闘民族などではない、普通の高校生だ。そんな俺でもそう感じるのだ。

 

「「行くぞ!!テイルレッド!テイルエアー!!」」

 

そう言ったリヴァイアギルディ…いや、ここは合体したのだから、リヴァイアクラーケギルディか?

まあ、長いからリヴァクラギルディとても言っておこう。

リヴァクラギルディはクラーケギルディの触手で…いや、ツインテールと化した触手で攻撃してくる。

俺はそれをフォースナイファーで防いだりステップを踏んで避ける。テイルレッドも同じように避けていく。

触手と言えどもツインテール、それをツインテールが好きなテイルレッドが攻撃できるはずがない。それに、俺はテイルレッドの仲間だ。ツインテールが好きな仲間の目の前でツインテールを斬るなんてこと出来ない。

 

俺とテイルレッドはただツインテールの触手の猛攻から避けることしか出来なかった。

 

「「…テイルエアーよ…お前は何者なのだ?」」

 

リヴァクラギルディの攻撃が止み二重の声が工場の外に響く。まさか、俺に質問してくるとは…まあ、俺から属性力は感知出来ない訳だから、俺が何者なのか知りたいよな。

うん、俺も知りたい。なんで俺変身出来たんだろう…

まあ、今は地球のために戦うHEROだからまずは防衛に力を注ごう。

 

「まあ…正義の味方…てところかな?」

「「そういうことを聞いてるんじゃ無い」」

「え?」

「「お前は貧乳なのか!それとも巨乳なのか!」」

 

 

そこーーー!

うわ…俺恥ずかしいこの言っちゃった…

 

「エアー…ドンマイ…」

 

止めてーーー!テイルレッド!中二病を見るような目で見ないで!!

 

「「お前は…着痩せしている…だから、巨乳なのか貧乳なのか、分からなぬのだ…その齢にて巨乳ならば、お前はロリ巨乳ということになる。だが、もしも、貧乳ならば、まだ分からぬ。さあ、テイルエアーよ!お前の胸の大きさを言え!!」」

 

…ただの変態である。

合体してまで変態かよ…しかも俺の胸って…

まあ、測ったからわかるけど…

 

いや、別にいやらしい気持ちで測ったわけじゃないぞ!もしも変身が解けなくなった時のために自分の体(変身中の)を知っておく必要はあるだろう?だから、測っておいたんだ。でもそれを言ってもいいのだろうか…

まあいいや。テイルブルーも今は倒れてるし…

 

「70…」

「「70…だと!?な、何カップだ…」」

「…ぎりぎりA…」

「ブルーとほぼ同じ…」

 

そう、ぎりぎりAなのだ。ミリ単位だけど…

そして、テイルレッド…不吉なことを言わないでくれ…もし、このまま成長したらテイルブルーか愛香に殺されちまう。

 

「「…お前はどちらにでも行ける…貧乳にも、巨乳にも…」」

 

そうか?このままだと巨乳ルートなんですが?

 

「「女性の胸とはな、大きくはなるが、小さくはならないのだ。このまま身長が伸びればテイルブルーのようになれる」」

 

お前はクラーケギルディなのか、リヴァイアギルディなのかハッキリしてくれ!

そして、テイルブルーの方ではなんか砂利を握るような音がしたのは気のせいだろうか…

 

「「さあ、我迷いは晴れた!行くぞ!!」」

 

リヴァクラギルディはツインテールの触手で攻撃を再開する。

 

「「ははは!その程度か!ツインテイルズ!!」」

 

さっきよりも攻撃の速度が上がっている!?更にはリヴァイアギルディの股間にある触手も攻撃に追加された。

もしかしたら、お互いに反対の属性力だからこそお互いを強めあっているのでは?

切磋琢磨しながら強くなっていく属性力…

長期戦になればこちらがフリだ。

だが、勝つ方法が無い訳ではない。

 

「本当に最後の力みたいだな…初めから二人で力を合わせていれば、もっと早く俺達を倒せたのなもしれないのにな…」

「「わかり合えるはずあるまい!貧乳と巨乳は別の存在なのだから!」」

「違うだろ!貧乳だろうが巨乳だろうが同じ胸だ!わかり合えるだろ!好きなものを好きって言いあってなんで歪み合うんだよ!」

 

俺はリヴァクラギルディに対して言い放った。

好きなものを好きって言合える…そして、それを歪み合うなんてなんて馬鹿らしいんだ。

 

「エアーの言う通りだ。俺はツインテールを愛する!どんな形になってもツインテールはツインテールだ!人それぞれ好みは違う。でもそれはツインテールだ!変わりはない!」

「「レッド!お前のようにそれほどの高みで心を輝かせられる者ばかりではない!」」

「「人間をみくびんじゃねえっ!!」」

 

俺とテイルレッドの声が重なる。

俺とテイルレッドの考えていることは同じようだ。

 

「「ドラグギルディとの戦いで真実を知っただろ!容易く手の平の上で操られ、芽吹きそして奪われる属性の儚さを!!それでも戦うのか!幼子達よ!!」」

「知っても戦うよ!!それを守るのはHEROとして当たり前だ!」

「エアーの言う通りだな。それに、まがいなりにツインテールを世界に花咲かせた俺の使命でもある!」

「「それでもわからぬ!お前達は属性力を奪われても生きていける!それなのに何故!?」」

「好きなものを好きって言えず、更にはその好きなことすら出来ないなんて、生きる意味ないよ!!それはただの生き地獄だ!だったら好きなものを守るために僕は戦う!!」

「俺も同じだぜ!エアー」

 

俺はフォースナイファーを強く握り、テイルタイマーを使う。十秒だけの加速。それは俺だけの空間だ。支配者は俺。

 

《ready》

《time start》

 

十秒だけの加速により一気にツインテールの触手の攻撃を避けながら懐へと飛び込む。

そして、何度かフォースナイファーでリヴァクラギルディの腹部を切り裂く。

 

《time stop》

 

加速が終わる。

 

「「ぐおおお!?テイルエアー!?お前!」」

 

ダメージを負ったリヴァクラギルディはその場で膝を付く。さあ、トドメはテイルレッド…君だ。

 

「グランドブレイザー!!」

 

炎の剣を天高く振りかざすテイルレッド。俺はリヴァクラギルディの正面から左に移動してテイルレッドのグランドブレイザーの邪魔にならないようにする。

だが、それが決定打にはならなかった。

 

「「ぐおおお!!」」

 

リヴァクラギルディは炎を纏ったブレイザーブレイドを両手で受け止めた…いや、止めたのだ。それは日本で伝わる秘技の一つ、真剣白羽取りである。

 

「ぐ!!」

 

力を強めるテイルレッドだが、その刃はリヴァクラギルディの両手を焦がしているだけでリヴァクラギルディを両断していない。

 

「エアー!トドメを!!」

 

その言葉で俺は気が付いた。そう、今テイルレッドはトドメをさせない。なら、俺がやるしかない!

 

俺はすかさずにエアーメモリを取り出しボタンを押す。

 

《AIR》

 

そして、エアーメモリをフォースナイファーに付いているマキシマムスロットに入れる。

 

《エアー マキシマムブレイク》

 

フォースナイファーの刃が黄緑色に光輝き刀身が延長される。その形は黄緑色に光る刀である。

 

俺はそれを右手に持ちリヴァクラギルディの腹部に向けて刃を当てる。そして必殺技の名前を叫ぶ。

 

「フォーススラッシュ!!」

 

その刃の通り道は黄緑色に光る一つの跡となりリヴァクラギルディの肉体にダメージを与えた。

 

「「ぐぁ!?」」

 

その一瞬に痛みが走り腕の筋肉の命令を止めてしまう。それは、何とか防いでいた炎の剣を脳天から喰らうことを意味していた。

 

「グランドブレイザー!!」

 

二回目の必殺技を叫んだテイルレッドはリヴァクラギルディを炎の剣で両断する。

 

「俺のツインテールは…生命だ!!」

「好きなものを好きって言える…それが僕の使命だ!!」

 

炎と黄緑色の光がリヴァクラギルディの体を十字にクロスしてリヴァクラギルディの命の終わりを告げさせた。

 

「「よかろう…その心の輝き…真か星となり見守ろうぞ!」」

 

それが、リヴァクラギルディの最後の言葉だった。

 

「だが、忘れるな…テイルエアーよ…お前はまだ心の輝きを持っていないことに…そして、いつか…お前は出会うだろう…あやつに…」

 

クラーケギルディの言葉が本当の最後のとなり、リヴァクラギルディは爆発し、その場に残ったのはリヴァイアギルディとクラーケギルディの生きた証である属性玉二つだけであった。




幹部を倒した輝跡さん。コメントをどうぞ
輝跡「マジ死ぬかと思いましたよ」
そうか、そうか。
輝跡「いや―幹部は強敵でした(棒読み)」
それにしても、テイルエアー、以外に胸あるね~
輝跡「なんかテイルブルーとの絡みが怖い…」
テイルブルー激おこだったり…
輝跡「そうか…俺は死ぬのか…」
このためのテイルエアーロリ巨乳にしたんだ。
輝跡「殺す気満々だったの!?」
取り合えず、次回予告~

次回予告

現れる黒きHEROの登場!!
テイルエアーのピンチ!?
テイルレッドの正体が明かされる!?

次回

黒きHERO?ダークグラスパー



テイルドライブ!!




あ、次回予告もうそろそろ別の人が担当するかもしれないから。
輝跡「俺解雇!?」


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第19話 黒きHERO?ダークグラスパー

どうも、風墳Kです。

前の方で何か起きてますが気にせずにいてください~
ただ、物語に発展があるだけなんで~

では、どうぞ~


その日、平凡な生活を送っていた一人の少女がこの世界から消えた。

命が尽きた訳でも、社会的にも消えた訳ではない。ただただ、この世界から存在が無くなくったのだ。

少女が消えたのに気が付いたのは、少女の唯一の家族である母親だった。

母子家庭の一人娘が消えたのだ。

 

少女の母親は警察に向かい少女がいなくなってしまったことを警察へ説明した。

 

少女は本当に平凡で、何処かの誰かのように友達がいなかった訳ではない。それどころか友達は多くいたし、人当たりも良いと評判だった。いじめ問題なんて程遠いような少女だった。

 

少女は何故消えたのか…

 

それは、誰にもわからない。

わかるのは…連れ去った本人か、連れ去られた本人だけだ。

 

 

 

リヴァクラギルディを倒した俺とテイルレッドは工場跡地で少し休憩を取っていた。テイルレッドはあの一撃に力を使いすぎたため少しエネルギー切れを起こしているそうだ。俺は出力をエアーメモリで出したためそこまでエネルギーを減らしている訳ではない。

なら何故俺はここにいるかって?それは勿論ツインテイルズの警護だ。今マトモに戦えるのは俺だけだ。今、エネルギー切れを起こして倒れているテイルブルー、テイルイエローが起きるまでマトモに動けない。そんな時にもしエレメリアンの追撃が来たら勝てないかもしれない。だから、俺が守るために残っているのだ。

けして、倒れているテイルブルーやテイルイエロー、座ってエネルギーを回復しているテイルレッドが可愛い訳じゃない。

まあ、倒れているツインテール美少女がいたら守りたくなるじゃないか。

え?ならない?うそ~

 

ぱちぱちと何処からか拍手する音が聞こえる。

 

俺はまわりを見渡し敵(変態)がいるかどうか確認する。だが、人影すら無い。

そう、この場には俺とツインテイルズだけだ。

 

そのはずだった。

 

俺とテイルレッドの前方に黒い塊が現れたのだ。いや、黒い塊と言うのは語弊があるかもしれない。

それは、闇と言った方が正しい。

 

闇の中からは一人の少女が現れる。

 

その姿は闇を思わせるような黒髪に漆黒な装甲。そう、纏っているのは俺やテイルレッド達が着けているのと同じような服装だ。

 

「見事じゃ」

 

黒髪の少女はそう言った。見事…というのはリヴァクラギルディを倒したことの称賛の言葉だろう。ということは、彼女は俺達の戦いを見ていたことになる。

 

侵略者との戦いの最中援軍ではなく傍観者として見ていた俺達と同じ装甲を持った少女…

これが意味していることは俺達の味方とは言えないということだ。

 

「それにしても久しいの」

「え?どこかで会ったっけ?」

 

テイルレッドに対して話しかけている少女。

あ、良く見ると可愛い。それにツインテールだ。

 

「…忘れてしまったか…まあ、あの時よりも身長も胸も成長したからの…」

 

どうやらテイルレッドと顔見知り(一方的)みたいだ。

 

「テイルレッド…本当に知らないの?」

「うん…」

「なんと…わからぬか?イースナじゃ!あのイースナじゃよ!トゥアール!」

 

ん?今なんて言った?

 

「え!?」

 

驚いた表情をするテイルレッド。図星か?

 

「思い出したか?トゥアール」

 

トゥアールって言ってるね。テイルレッドをトゥアールって…

 

トゥアールって、あの観束トゥアールのことか?総二の親戚の観束トゥアール…

 

えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

今世紀最大の驚きだよ!

まずトゥアールって名前自体珍しいんだ。そうそうトゥアールなんて名前がいるはずが無い。ということは、あの総二に対して片想いをしている、総二の幼馴染みの愛香のライバル(俺から見て)のトゥアールしかいない。

 

まさか、テイルレッドの正体がトゥアールなんて…

 

そんな時だった。ふと後ろを振り返ると、ドラム缶の影に頑張って隠れようとしているけど隠れきれず服(白衣)が丸見えの仮面ツインテールがいた。ナビゲートの仮面ツインテールが現場に来るなんてそうとうヤバイことみたいだ。まあ、テイルレッドの正体を知ってしまうというヤバイことは既に起きてしまったのだが…

 

テイルレッドも仮面ツインテールが来ていることに気が付いた様子で、無線でお互いに話しているのがわかる。その後、テイルレッドはスマホを後ろに隠すようにして持ったまま話し始めた。

 

「どうした?トゥアール?」

「おお!貴女はイースナじゃありませんか!」

 

テイルレッドが手の平を返したように話し始める。

その話し方はテイルレッドというよりもあの学校にいるトゥアールと同じ感じだ。まあ、声はテイルレッドなんだが…

何だろう…この複雑な感じ…

 

「やはり!トゥアール!わらわのことを覚えていたのじゃな!」

「ええ…一応は…」

「なら、何故メールを返してくれぬ?わらわは毎日待っているのだぞ?」

「今は、私も忙しいのです」

「なぬ?前は喜んで幼女達にメアドを教えておったろ?」

 

何してんのトゥアール!?てかそれってロリコンじゃねーか!あのロリコンドーパントと同類か!?いや、どちらかと言えば仮面ツインテールの方か?

 

「確かに、昔はそうでした。ですが、今の私は侵略者と戦う身…メールを返す時間も戦士としてツインテールを極めることに使っているのです。なので、今、私は携帯を持っていません」

「な…なんと…そうじゃったのか…」

 

何でだろう…言っていることが嘘にしか聞こえない。俺の耳はおかしくなったか?

 

「…まあ、そのことは良い。トゥアール、単刀直入に言う。わらわと共にアルティメギルに来ないか?」

 

とんでもねえこと言い始めたーーー!

アルティメギルって、エレメリアンの組織だよな!それに共に来ないか…って完全に敵じゃねーーか!

 

俺はすかさずに拳を構える。

 

「止めておけ。今回わらわには戦う意思は無い」

 

確かに、殺気は出ているが今すぐ俺達を攻撃する気は無いようだ。

 

「断ります」

 

テイルレッドはそう一言で返した。

だよな。わかってたよ。

 

「そうか…ところで、なんで幼女になっておるのじゃ?」

 

またまたギクッとなるテイルレッド。え?テイルレッドは最初から幼女でしたよ?

 

「こ、これは、自分への戒めです。世界を滅ぼされ、私は考えました。それは、新たなテイルギアを作り、自らを好きな幼女へと変身し、前使っていたテイルギアをそこら辺のペッタンに渡すことにより、私は自らの属性力を高め、それを戒めとしたのです」

「なんと…そこまでの覚悟とは…通りでそこの貧乳がトゥアールのテイルギアを使っていた訳か…それにしても、最初驚いたぞ、まな板がお主のテイルギアを着けているように見えたのじゃからな」

 

ジャリジャリと拳で砂利を潰す小さな音が聞こえる。もしかして、テイルブルーさん、起きてます?

 

「そうです!まな板に渡して、私は強く生きることを決意したのです!」

 

悪口も度を過ぎると死ぬぞ…

それにしても、喋っているテイルレッドから凄い汗が出てるように見える。てかチラチラとテイルブルーを見ている。ヤッパリ怖いんじゃん。そんなこと、心に思っても言っちゃ駄目だろ。

 

「まあ良い。わらわは今アルティメギルにいる。今はダークグラスパーと言う名じゃ」

 

闇の支配者…中二病乙!!

 

「…では、貴女が纏っているのは…テイルギア!?」

「そうじゃ。だが、正式には違う。これは眼鏡属性の力のテイルギア…グラスギアじゃ!」

 

真っ黒の眼鏡が輝きを放つ。それは、闇の輝き…黒く光る眼鏡はまるで光すら飲み込むような光を放っている。

 

その眼鏡から見える瞳は俺を捕らえる。

 

「…お主からは属性力を感じぬ…何者だ?」

 

俺への質問。良く言われるよ。属性力無いって。

 

「そう言えば、この世界にはアルティメギルに対抗出来る戦力が数多くあるらしい。まさか、それのひとつか?」

「えーと…自分でも良くわからないけど、僕はツインテイルズの仲間だと自分では思ってるよ」

「…そうか。だが、その力は属性力では無い。どちらかと言うと…確か仮面ライダーとかいう輩達の力に似ておる気がするな」

 

まあ、必殺技はその仮面ライダーの人達から貰ったようなもの何ですけどね。

 

「いずれ仮面ライダーも古代銀河文明もアルティメギルは倒す予定らしいからな。」

 

古代銀河文明って何だよーーー!てか以外にアルティメギルの敵多いな!!

 

「まあ、その事はもう良い。トゥアール、もう一度聞く。わらわと共にアルティメギルに来ないか?」

「何度でもいいます。お断りです」

「そうか…なら仕方がない。次に会うのは戦場じゃ。もし心変わりするのなら、わらわにメールを送れ。30秒以内には返信を返す。心変わりをしなくても送りたい時には送ってくれ。わらわのメアドは前と変わっておらぬ」

 

そう言ってダークグラスパーは出てくるのと同じように闇を展開させその闇の中へと消える。

 

 

ダークグラスパーが消えてからの少しの沈黙。

 

「あ…あのさ…」

 

最初に口を開いたのは俺だった。なんで俺が最初に話し始めたのか自分でもわからない。でも、なんか話さないといけない。そんな気がしたのだ。

 

「すみません、この話しは後にした方がいいと思います」

 

そう言ってきたのは仮面ツインテールだった。やはり…秘密だもんな。そう簡単に…

 

「エアー、早く逃げてください」

「え?」

 

仮面ツインテールの予想外の言葉で俺は歩き出そうとした足を止める。そして、仮面ツインテールの見ている方向に気が付く。そう、テイルブルーが起き上がったのだ。

だが、テイルブルーの纏っているオーラは穏やかじゃない。

 

「エアー…あんた…よくも…」

「え!?ぼ、僕何かした!?」

「バスト70って…私と1㎝しか変わらないじゃない!」

 

やはり…リヴァクラギルディとの話しを聞いていたか…ということは…

 

「ユルサナイ…ワタシヨリチイサイカラダナノニ…」

 

うわーー!片言になってる!こ、殺される!!

 

「止めろ!ブルー!ここで仲間同士で戦うのは良くない!それに、ブルーはエネルギーが切れてるだろ!」

「大丈夫よ…そいつの胸を確認する程度の体力はあるわ」

「えっと…この話しはまた今度で!じゃあ、僕帰るね!!」

「あ!待て!!」

 

ワープ装置を起動して、一旦基地に戻ってその後、変身した学校のトイレにワープする。

 

あ…明日トゥアールと会いづらいな…

それと、テイルブルーと…

 

そんなことを気にしていた。

 

 

次の日

 

テイルレッドの正体(仮)を知ってしまった俺はとても足取りが重かった。まさか、一緒に戦ってたテイルレッドの正体がまさかのツインテール大好きな友達、総二の親戚で、更にはクラスメイトのトゥアールだなんて…

足取りも悪くなる。昨日なんて、晩御飯の後デザートとして買ったプリンに生クリームを掛けようとしたらマヨネーズだったもん。

 

「大丈夫か?輝跡?」

「ああ…大丈夫…だ…」

 

年上好きで俺の家のお隣さん、更には俺の二番目の男友達の当真が心配してくれる。なんていい奴なんだ。この頃年下にモテまくりなのにそれを完全にスルーするスルースキルに少しイラッとしていたがこういうところは本当にいい奴だ。

 

「なんかあったら言えよ。力になるからな」

「わかったよ…」

 

力になる…ね…

 

「なら、今日、一緒にツインテール部に行かない?」

「なんだよ、急に…まあ、今日はスーパーの特売も無いし、いいぜ」

 

うん、少しでも気を紛らわせないと…

 

教室前で当真と別れて教室に入る。

そこには、愛香にキン肉ドライバーを掛けられているトゥアールの姿があった。

 

まさか、本当にトゥアールがテイルレッド…なのか?

 

学校の様子を見る限りテイルレッドとの接点は無い。仕草も態度も行動も違う。

 

気が付いたらトゥアールをずっと見ていた。

 

「おい、輝跡、お前トゥアールのこと好きなのか?」

 

クラスメイト(男)に言われた。

まあ、トゥアールは美少女ではある。美少女ではあるのだが…まあ、恋愛対象外かな。

誰かに恋してる女の子を好きになるとか…何処のトライアングラーだよ。

 

「いや…なんでツインテールじゃ無いのかな…て思って…」

「だよな~でも、なんか残念なんだよな…」

 

と呟くクラスメイトの言葉を無視した。

 

ツインテールじゃ無い…

 

彼処まで強いテイルレッドがツインテールじゃない?それっておかしくない?彼処まで髪が長いトゥアールならツインテールにしてもいいはず。更に言うならツインテールの偶像のテイルレッドなら常にツインテールにしているはずだ。

 

ってことは、トゥアール=テイルレッドの方程式は成り立たない!ということにしよう。

 

何だろう…凄くスッキリした。

 

その日、放課後に俺と当真はツインテール部の部室に向かった。

 

「いや…まさか、本当にツインテール部なんて部活作っちまうなんてな…」

「まあな。でもいいじゃん、ツインテール」

「まあ…否定しないが…」

 

そうな話しをしてツインテール部の部室を開ける。そこには、TVを見ているツインテール部の部長と地面(床)に何度も背負い投げをしながらトゥアールをぶつけている愛香とそれの犠牲者となっているトゥアールの姿があった。ベタんベタんと音を立てている。良く外に聞こえなかったな…

 

「ウッス!遊びに来たぜ総二」

「当真に輝跡。待っててくれ、今椅子出すから」

 

そう言ってパイプ椅子を二つ出す総二。あれ?俺ら部員だよね?これ部長がやることじゃ無いよね?てか、この部室で行われている異形な行為(愛香とトゥアールのじゃれあい)に馴れきってる感があるな。

 

「ありがとう」

 

俺はそう言って椅子に座る。

当真も同じように座る。

そして、同じ部室で行われている殺戮ショーを効果音のように扱いながら話し始める。

 

「なあ、なんか活動とかって無いのか?」

 

俺が昨日思ったことを当真が変わりに言ってくれた。

 

「基本的には無いな…」

「確かに、男の俺達に出来る事なんて殆ど無いもんな…」

 

当真…俺変身したら女の子なんで、一応ツインテールは結べます(独学)。それに、俺なりにツインテールのことについて調べてるよ。今は古代ツインテール語の解読をしてるんだ。

 

「まあ、TVでも見ててくれ」

「おい、いいのか、学校にTVなんて持ってきて」

「あ、これは部費で買ったんだ」

「…どんだけ自由度高い学校なんだよ…」

 

当真…俺も思ったことだよ。でも、直ぐに馴れる。

 

そんな話しをしている時だった。

 

部室のドアが開いたのだ。

 

部室のドアの方向を見る部室にいるメンバー。愛香すらトゥアールを叩き付けるのを止めた。

 

基本、ツインテール部で活動しているのは即帰宅する俺と当真、霊夢、ちゃんと活動している総二、愛香、トゥアールの六人だ。

 

だとしたら、ツインテール部の部員として霊夢が部室に来るかもしれない。だが、前にも言ったように、霊夢は即帰宅する方の人だ。

だとしたら、部室を開ける人なんていない。

 

はず…

 

部室を開けたのは、この学校の生徒会長であり、この前俺のお見合い相手となった相手…神堂慧理那先輩だった。

予想外の人物の登場に驚く俺。

 

「あ…輝跡さん。おひさしぶりです」

 

お見合いの時以来会っていなかったので、ある意味おひさしぶりだ。

 

「慧理那先輩、おひさしぶりです」

「え?輝跡って会長と知り合いなの!?」

 

驚きを隠せず俺に質問してくる愛香。まあ、質問されるのはいいが、その手に持っているボロ雑巾と化しているトゥアールをどうにかして欲しい。

 

「一応ね…」

「それと…確か…上条さん…でしたわよね?」

「えーと、上条当真です…」

 

どうやら当真は慧理那先輩と初対面のようだ。

 

「いきなりで申し訳無いのですが、この中に今度の休日予定の無い方はおりますか?」

 

今度の休日?

あ、俺無いや。

 

「俺は特に予定はありません」

 

先に宣言したのは俺だ。まあ、なんか用事とかでも別に構わない。てか、この前慧理那先輩を置いて帰ったことの罪滅ぼしになればいいとも思っている。

 

「俺も無いでーす」

 

手を挙げたのは当真だった。

 

「俺も無いよ」

 

そして最後は総二。まさかのデルタフォースである。

 

「愛香さんやトゥアールさんは用事があるんですか?」

「私は…少し買い物が…」

「私は少しやることがありますんで…」

 

いつの間にか復活したトゥアール。流石魔人レベルの再生力だな。

 

ってことはデルタフォースの三人だけか…

 

「いい人材が見つかりましたか?お嬢様」

 

今度部室に入ってきたのは恐怖の紙を渡してまわる先生、尊先生だ。

 

「なあ、当真」

「なんだよ」

「お前年上好きだろ?尊先生を貰ってやれ」

「嫌だよ。守備範囲外だもん」

 

こそこそとまわりに聞こえない位に俺と当真は話す。どうやら年上好きの当真ですらストライクゾーンでは無かったらしい。ドンマイ、尊先生。

 

「はい。総二君と輝跡君、当真君が一緒に行ってくれるそうです」

 

ん?話しが飛んでるぞ?

 

「そうか。なら、ちゃんと業務を果たせるように頑張れよ」

 

そう言われたけど結局何するかわからないんですけど?

 

その後、衝撃的な発言が待っていた。




輝跡「まさか、テイルレッドの正体がトゥアールなんて…」
果たしてそうかな?
輝跡「なんか言い方キモ…」
酷い!!
輝跡「取り合えず、次回予告…」
の、前に少し予告で~す


予告

夏合宿を終えたツインテイルズ
しかし、ツインテイルズに休息の時間は無かった!?
再び現れた敵に翻弄されるツインテイルズ
果たしてツインテイルズの運命は!?

俺、ツインテールになります。 AIRs HERO
復活のC

10月製作予定




輝跡「製作予定かよーーー!」
そうです。製作予定です。
輝跡「何でだよ!!」
まだこっちの方が第3巻に入って無いんです。
(書き貯めした方は4巻まで行ってるけど)
輝跡「…ならなんでこんな予告やったんだよ!」
忘れそうだから、言っておけば忘れないかな~と思った。
輝跡「ある意味迷惑だな…」
そんじゃ、この件はここまでにして、次回予告行ってみよう♪




次回予告

慧理那先輩に言われる衝撃的な手伝い!
現れる刺客(笑)
果たして輝跡、当真、総二は突っ込みきれるのか!?

次回

ツインテール部VS生徒会役員共



テイルドライブ!!





あ、次回もコラボ回だよ


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第20話 ツインテール部VS生徒会役員共

どうも、風墳Kです。

お久しぶりです。
色々と私情がありまして…
と、その事はどうでもいいので、注意事項が少しあります。
まず、希望の魔法使いやフルーツな武者、仮面ドライバーさんはこの作品には出ません。というか、作者自体がその人達を詳しく知りません(全部一話だけ見たけど…)
次に今回の話は下ネタ要素が含まれています。気を付けて下さい。
あと、ここからはアンケートのようなものですが、もし出してほしい作品があれば気軽に活動欄の所に書いてください(そんなに人気無いのにこんなことしていいのか…)
出来るだけ出すようにします。(既に30話まで出来ているので、正直出すのは結構後ですが…)

長くなりました。
では、本編どうぞ~



慧理那先輩の説明を簡単に言うとこんな感じになる。

 

生徒会で別の学校との交流会を行うことに。

その学校との交流会の日時が決定した。

生徒会のメンバー(慧理那先輩を除いた)の殆どが用事や急用により行けなくなった。

キャンセルは相手の学校に失礼。

なら、代わりの人を連れていけばいいのではと尊先生の提案

白羽の矢がツインテール部に立つ。(尊先生の推薦により)

今ここ。

 

 

「というわけなので、一緒に交流会に出てもらえないでしょうか?」

 

慧理那先輩が純粋な瞳で此方を見ている。

あ…脇にいる貪欲な目をした独身女性と天と地の差があるよ…

まあ、罪滅ぼしということなら仕方がない。

CMをやってのけた俺だ。これぐらいへっちゃらだ…多分…

 

「わかりました」

「ありがとうございます!」

 

俺の返事を聞いて輝いた瞳の笑顔で返された。うん、この笑顔を見れただけでもお釣が来るよ…

俺の参加に戸惑う俺以外のデルタフォース。

だが、結論としては…

 

「わかりました。俺もやります」

 

総二に…

 

「やればいいんだろ!」

 

投げやりの感じに当真が協力してくれることに。

 

「ありがとうございます!輝跡君、当真君、総二君」

 

いや…お辞儀される程じゃ無いよ…

 

と、言うわけで俺と当真、総二は生徒会の仕事を手伝うことになった。

 

 

そして、その休日。

 

俺と当真、総二は朝早く学校に来ていた。

 

「こんなに朝早く来るなんて思わなかったよ…」

 

少し眠そうな当真。まあ、俺も早起きには慣れているとはいえ、眠い。

その点、総二はそこまででは無さそうだ。

 

「総二は眠そうじゃないな」

「いや、眠いよ。でも、もう寝不足とかには馴れたらから、眠くても普通に大丈夫になっただけだよ」

「…どんな私生活送ってんだよ…」

 

当真の元気無いツッコミが炸裂するが、ツッコミのキレが無いため会話がここで終わる。

 

俺達の目の前に白い縦長の車…所謂リムジンと言われる車が止まる。勿論、平民である総二や特売を率先して行くような金欠の当真のような人関連が乗るような車では無い。(俺は何度か乗ったことあるけど…)

 

白いリムジンから降りたのは、この学校の生徒会長、神堂慧理那先輩だ。

 

「おはようございます。総二君、輝跡君、当真君」

 

あ、朝から煌めいているーーー!なんて神々しい笑顔の挨拶なんだ!

 

「おはようございます!慧理那先輩!!」

 

元気良く俺は挨拶を返した。その挨拶に驚いた総二と当真だが、俺が平常通りなのに気が付いてツッコミを入れなかった。

俺、基本こんな感じだしね。

 

「おはようございます、会長」

「おはようございま~す」

 

挨拶を交わすデルタフォース。

 

「さあ、車に乗ってください」

 

いつの間にかリムジンのドアを開けて待っている尊先生。流石メイド長。気が利く。

 

「それと、今日一日生徒会役員をするに当たってこれにサインを」

 

そう言われて出された紙。だが、名前の欄がくり貫かれており、そこから別の紙が見える。試しに紙を捲ってみれば、やはり婚姻届。その紙を完全に無視する総二と当真。俺は破く。

 

「何故君は資源を大切に…」

「既に資源の前にあんたの名前書いてあり、俺に渡した時点で廃棄処分決定だから」

「ぬ…やはり、押しても駄目か…」

「頑張れよ…輝跡…」

「当真、お前も狙われていることに気が付けよ…」

 

そんな話しをしながらリムジンに乗る。

 

リムジンに乗りながらの移動。尊先生は勿論運転手。流石に運転中は婚姻届を出せないようだ。リムジンの中は以外と広く右側と左側、中央(後ろ)に座る場所がある。

慧理那先輩は中央、俺と総二は左側(俺の方が慧理那先輩に近い)当真は右側に座った。勿論、尊先生は運転席。

 

因みに俺達は代理だが、それぞれ役職が決まっている。総二が書記、俺が会計、当真が副会長だ。何故当真が副会長かって?いや、当真が字が下手くそで数学が苦手だからさ。因みに総二は以外と字が丁寧なのて書記に、俺は計算が得意なので会計になった。

 

「そういえば、これから行く学校ってどんなところなんだ?」

 

単純な当真から出た単純な質問。確かに俺も総二もその事は聞かされていない。

 

「学校の名前は私立桜才学園と言いますわ」

「桜才学園ね…」

 

当真は知らないようだ。まあ仕方がない。

 

「桜才学園?」

 

同じように総二も知らない。まあ、陽月学園はエレベーター式の高校だし、俺みたいな編入組の方が珍しい。そういえば慧理那先輩も編入組だという噂を聞いた事がある。まあ、今と関係無いか。

 

「桜才学園と言えば、最近共学になった高校の一つですよね?」

 

俺は受験する時あらかたの高校を覚えた。その際に桜才学園もあったのだ。共学したばかりで、ハーレムルートを目指したりエ〇ゲー展開を望んで行った男子が多かったって聞いた事がある。まあ、あの学校規則が厳しいから恋愛とかは出来そうに無いけどな。俺が受験しなかった理由もそれだし。

 

「あら、輝跡君は知っていたんですか?」

「いや、受験の時に少し調べて…」

「そうでしたか」

 

なんてお嬢様オーラなんだ。一応お金持ちの息子の俺とは天と地の差に感じるよ。これが育ちの違いか!?

 

「なあ、桜才学園ってどんなところなんだ?」

 

おっと、当真、いい質問だ。

 

「俺が説明するよ。桜才学園はつい最近共学になったばかりの学校で、その前は女子高だったんだ」

「…なんでそんな事知ってるんだよ…」

「受験先にしようと思ってたんだよ。だから調べた。以上」

「女子高か…なんかワクワクするな」

 

当真がテンションを上げている。まあ、男なら共学したばかりとはいえ一生には行きたい場所だしな。

 

「女子高か…どんなツインテールがいるんだろ…」

 

ここは突っ込むべきか?でも総二ならこれは素で言ってるな。なら突っ込まないぞ。ここで無駄な体力は使いたくない。

 

あ、そういえば…慧理那先輩に謝っておかないと。

 

「あの、慧理那先輩」

「なんですか?」

「この前は先に帰ってすみませんでした」

 

俺は車の中で慧理那先輩に頭を下げる。因みに丁度慧理那先輩のスカートの中が頭を下げた際に見えそうになるが、俺は謝る事に集中していたため、スカートの中を見るまでの精神にはなれなかった。

 

「あ、あの事ですか。いいですよ。それに、あのとき怪物に襲われたのを助けてくれたじゃありませんか。逆に私は感謝してますよ」

「え!会長、いつ襲われたんですか!?」

「え…と少し前ですわ。あの時は驚きましたけど、お陰でいいものを見れましたわ」

 

いいもの?

 

「まさか、噂のヒーロー…仮面ライダーが実在するなんて驚きですわ!更に仮面ライダーとテイルエアーの合体技!言葉を無くす程ですわ!」

 

あの時見てたんかーーい!てか起きてたのかよ!

 

「テイルエアーと仮面ライダーの共闘?」

「あれ?総二君、私言ってませんでしたか?」

「初耳何だけど…」

「話しに追い付けない上条さんは一体…」

「これでも書いてろ…」

 

俺はそう言って、当真に自然な感じで今運転している人の名前の書かれた紙を当真に渡す。何故俺が持ってるかって?はは、俺の座った席のクッションの下にあったよ。

 

「…婚姻届じゃねーーか!」

 

いや~ナイスツッコミ(^^)b

 

そんなこんなで桜才学園に着く。

 

リムジンを降りる俺達。そこには女性が…いや、黒髪ロング、左右に少し髪が跳ねている美少女がいた。そして、その美少女の右腕の肩近くに【会長】と書かれているやつ(名前なんだっけ?)が付けられている。

 

「桜才学園、生徒会長、天草シノだ」

 

ん?声ダークグラスパーじゃね?

いや、少し違うか。

(*声優が同じです)

 

「私、陽月学園生徒会、会長の神堂慧理那です」

 

身長差があるがお互いに握手をする。いや…生徒会長ともなるとオーラが違うというか…仕草が違うというか…

だが、そのオーラは違う事に後で気が付いた。

 

「さあ、桜才学園の重要施設を案内します」

 

そう言って歩き出す桜才学園の生徒会長。

 

俺達も付いて行くことになる。

 

「ここが保健室だ」

 

「ここが使われていない教室だ」

 

「ここが体育倉庫だ」

 

「ここが音楽室だ。ピアノの上を上手く使うのが極め手だ」

 

どこが重要施設だーーーーーー!

慧理那先輩を見ろ!マジで重要施設だと思ってるよ!

 

「どこが重要施設だよ!」

 

当真のツッコミが響く。

 

「重要だぞ?男女の関…」

「言わせねーよ!」

 

俺が天草会長の言おうとしていた言葉を俺のツッコミで消し去る。全く、何故俺がこんな古いネタをしなきゃいけないんだよ!

てか、天草会長は下ネタ好きか?なら、慧理那先輩の天敵になりかねん。慧理那先輩のような純粋な子に下ネタは禁句。

 

「まあいい。では、生徒会室に案内しよう」

 

最初から連れていってくださいと言いたいところだ。

 

「あの…先ほどの部屋などは重要施設ではなかったのですか?」

「会長、気にしないでください」

 

総二のナイスフォロー。更には下ネタに微動だにしない精神…って、総二には興味無いことか。

と、いうことは、この天草会長に対して俺と当真がツッコミの鍵になるのか。嫌だな…。

 

今度こそはまともな所に案内されますように…

 

案内されたのは生徒会室。やっとまともな所に案内されたよ。先に生徒会室に入る天草会長。すると、直ぐに出てきてしまう。

 

「すまない。他の者達がいなくなってしまったみたいだ。少し待ってもらってもいいか?」

「別に構いませんよ」

 

慧理那先輩、流石マンモス校の会長だ。心が広い。てかさ、なんで他の人がいなくなったの?…ここまで色々寄り道してたもんな。それで探しに行ったのか?

 

「生徒会室に入って待っていてください」

 

そう言って天草会長は廊下を歩いてどっか行ってしまう。まあ、ここはお言葉に甘えて生徒会室に入ろう。そう思い生徒会室のドアを俺が開けた。

 

 

俺は絶句する光景を見たため生徒会室のドア。反射的に閉めてしまった。

 

「?入りませんの?」

「当真、少しこっちに来てくれ」

「なんだよ…」

 

俺は当真を呼んだ。因みに、俺の左手はしっかりとドアノブを握っている。

 

「あれ…片付けて欲しい…あれは慧理那先輩には有害だ…」

「?なんのことだ?」

 

俺はそっとドアを開けて当真に生徒会室の中を見せる。

当真も絶句する。それはそうだよな。オ〇ホに花がぶっ刺さってるんだもん。机の上にある健全とは程遠い物質。それを見たら大抵の高校生は絶句すると思う。まあ、そういう知識が無い人にとってはなんでも無いんだろうけど。

まあ、別に、俺や当真、総二がこういうのを見るならわかる。だが、今は慧理那先輩が一緒にいるんだ。そう、健全の尊重とも言えるような慧理那先輩だ。もし、慧理那先輩に「これはなんですか?」なんて質問されてみろ?説明しただけで書類送検だぞ。

 

「総二、カモーン」

「どうした?」

 

俺は総二を手招きで此方に呼ぶ。用件はとても、とても簡単なことだ。

 

「総二、あれが見えるよな?」

「?ああ。見えるけど?」

「あれを慧理那先輩の見えない所に移動してくれないか?」

「なんでだ?輝跡がやればいいじゃん」

 

こいつはまだ気が付かない。性欲すらもツインテールの愛情となっている総二だからこそ気が付かないのかもしれない。

俺と当真が絶句した原因がもう一つある。それはオ〇ホの横にある丸めたティッシュだ。そこから推測される行為が男子にはある。うん、これはアウトだな。

正直言おう。あれを、俺は触りたくない。

当真もアイコンタクトで同じだと言っている。ここは、そういう知識が薄い総二にやらせるべきだ。

 

「わかったよ」

 

そう総二は言ってオ〇ホを近くにあった段ボールに入れる。おまけにティッシュもゴミ箱に入れた。

それを確認した俺と当真は慧理那先輩を生徒会室に入れたのだ。

 

「あの…さっきから何を…」

「世の中には知らなくて良いこともあるんです。ただそれだけ」

 

俺はそう言い訳を言った。慧理那先輩には健全でいて欲しい。ただそれだけなんだ。もし慧理那先輩が健全じゃ無くなったら…ドMとかだったら、絶望的だろう。それこそ、テイルレッドが男だったみたいな感じだ。

 

数分後、廊下からドタドタと足音が多数聞こえてくる。どうやら、桜才学園生徒会のメンバーが来たようだ。

 

桜才学園生徒会のメンバーは全員で4人のようだ。天草会長と、赤みかかったロング、おしとやかな雰囲気にそれなりの胸がある書記と書かれた美少女、黄色い髪のツインテール、身長が小さく小学生に間違われそうな見た目の会計と書かれた少女、背丈の高く髪が少し伸びている副会長と書かれた少年、これが桜才学園生徒会のメンバー…更には生徒会室に18禁ネタを仕込んだ本人達。まあ、予想出来るのは犯人は男、そう、副会長だということだ。

 

「あれ~?花瓶が無くなってる~」

 

まさかのおしとやかな人が犯人でしたか!!てか見た目お嬢様みたいな雰囲気出してるのにまさかの下ネタ好き!?

救えねぇな。

 

「あら、七条さんではありませんか」

「あら、神堂さんの家の…いつ以来かしら?」

「え?会長、知り合いですか?」

「はい、パーティなどで何度か」

 

パーティとか、流石お嬢様。あ、俺はパーティとか行ったこと無いよ。めんどくさいし。

 

「あの…会長がなんかしました?」

 

背の高い副会長が聞いてくる。まあ、一応起きたことを説明しておきますか。

 

「かくかくしかじか…」

「わかりました。後で言っておきますから」

 

お?まさかの常識人?あ、かくかくしかじかって言ってるけどちゃんと意味は伝わってるよ。

 

ふと、俺は総二の視線を気にした。総二の視線は黄色い髪よツインテールの少女、…ではなくツインテールを見ていた。

あれ?この子…慧理那先輩より小さくないか?いや、下手したらテイルレッドよりも背が低いぞ!?

 

「あ、自己紹介がまだでしたね。私、陽月学園生徒会長をやっております、神堂慧理那と申します」

 

ここに来て自己紹介か…まあいいけど。

 

「ふ、副会長代理の上条当真です…」

 

何緊張してんだ、当真…。まあ、当真の視線の先はあの書記の子だからか。デカイからな。何がとは言わないが。当真好きだもんな…デカイの。

 

「書記代理の観束総二です」

「会計代理の二摘輝跡です」

「書記の七条アリアよ~」

「会計の萩村スズよ」

「副会長の津田タカトシです」

 

お互いに自己紹介が終わり本題に入る。勿論あの下ネタに付いてもちゃんと追求はしました。会議の途中に入る天草会長と七条さんの下ネタに俺や当真、スズさんやタカトシさんがツッコミを入れたのはいい気分だった。

 

交流会という名の会議は無事終わり、お互いに親交を深めるために私生活などを話した。

男女別で。

 

何故男女別かって?天草会長が女子同士話したいと言ったからだ。

 

まさか、男女別に話したのがあんな事になるなんて、誰も思わなかった。いや、嫌な予感はしていたのかもしれない。




今回は少し次回予告を変えてみよう
輝跡「は?」
なんか、次回予告が手抜きになって来たから、ここでまともな次回予告をやろうと思ってな。
輝跡「ふーん…」
ほら、あの有名な次回予告みたくさ…えーと北斗の…
輝跡「いや!あのテンションで次回予告は無理だよ!」
まあ、兎に角、次回予告行ってみよう~


次回予告

慧理那先輩のある決断に翻弄される俺。そして慧理那先輩は健全とほど遠い物を手にいれようとしてしまう。それを阻止しようとする俺。だが、立ちはだかるエレメリアン。果して、俺は慧理那先輩の健全を守ることが出来るのか!?

次回

エ〇本購入阻止作戦



テイルドライブ!!





輝跡「タイトルが…」
大丈夫だ問題ない


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第21話 エ〇本購入阻止作戦

どうも、風墳Kです。

忙しかった9月ももう終わりを告げかけてる今日この頃…
俺ツイが去年アニメで放送されてからもう一年立ってしまいます。いや…一年があっという間ですよ。

少し内容が変わってしまったかもしれない…

まあ、それは兎も角として、本編どうぞ。


ミスを犯した…

そう思ったのはあの交流会の二日後だった。

いま、慧理那先輩は一生懸命男子生徒から色々とあることについて聞いてまわっている。別に、普通のことならそこまで問題視する必要はないのだが、普通じゃないから問題視してるんだ。

エ〇本…これが慧理那先輩が男子生徒から聞いてまわっていることだ。

あの、慧理那先輩がエ〇本に興味が出てしまうなんて…

 

 

二日前

 

桜才学園生徒会室

 

午前中に交流会は終わり、午後から男子は男子同士で、女子は女子同士でお互いを話し合っていた。

俺と当真、総二にタカトシさんは生徒会の外、ようは廊下で話していた。まあ、殆どがタカトシさんの天草会長と七条さんの愚痴に近いことだったりとか、どうツッコミをいれているのだとか…

 

まあ、それは男子同士の話し。問題は女子同士だった。

 

 

生徒会室

 

「あの…男性と交流をもっと深めるには何がいいのでしょうか?」

 

慧理那先輩のこの質問、多分だが、天草会長や七条さん、萩村さんが異様にタカトシさんと仲がいいのを見ていて気になったのだろう。何でも慧理那先輩は仲良くなりたい男子がいるのだとか…

なんだよ、その男子、マジ羨ましいぞ!

いや、その男子…ぶち殺し決定だな。

 

おっと、俺の思念がでてしまったな。まあ、いい。

 

慧理那先輩の質問、その内容の理解を間違えた天草会長と七条さんはとんでもない答えを返したのだ。

いや、予想は出来たのかもしれないが…正直したくない。

 

「ズバリ、エ〇本だな!」

「そうだね。男のアレと交流をしたいなら読ませてからの方がいいかもね」

「え〇本ですか?何なんですかその本は?絵本の一種なのですか?」

「まあ、同じようなものだ」

 

そこから、天草会長と七条さんは説明を慧理那先輩にしてしまったそうだ。(当時、ツッコミ担当の萩村さんはトイレに行っていたためツッコミ不在だった)そのあと、慧理那先輩は同じことをトゥアールに聞いたのだが、同じ答えが帰ってきたそうだ。(何故トゥアールなのかは不明)

 

 

そして、いいエ〇本を買おうと慧理那先輩が聞いてまわっているということだ。

 

何故俺がこんなことを知ってるかって?慧理那先輩にエ〇本のことを聞かれたので少し質問で返したら教えてくれたんだ。

 

全く、何慧理那先輩に教えてんだよあの思春期まっしぐらの人達は…

それと、あのとき、俺が無理にでも生徒会室に入っていれば、こんな事態にならなかったのに…

これは俺のミスだ。

 

そして、事態はもっと深刻になってしまう。

そう、とうとう慧理那先輩がエ〇本を買いにいくと言っていたのだ。(尊先生からの婚姻届を拒否して聞きました)

その事で後で尊先生に呼ばれたけど…(あ、婚姻届を破いたことじゃ無いよ)

 

昼休み

 

俺と総二は尊先生に呼ばれて空き教室に来ていた。(当真は尊先生を見た瞬間逃走したらしい。今度当真にはデスソース入りの食べ物でも送っておこう)

 

「実はだな…明日、とうとうお嬢様がエ〇本を買いに行くことになった」

 

あ…阻止出来なかったか…

慧理那先輩はこれだと言ったら曲げない人だからな。仕方がない。

 

「こそで、お前達二人(本当は三人なのだが…)に無事お嬢様がエ〇本を買うことが出来るか見守って欲しいのだ」

「所謂尾行ですか?」

「そんな感じだ」

「わかりました」

「おいおい、総二、直ぐに返事を出すのは…」

「よし、わかった。総二、君に全てを一任しよう。さあ、契約の紙だ。これに名前を書いてくれ」

 

総二が一人で尾行することになったみたいだ。そして、渡される紙…

総二が紙が二重になっていることに気が付き捲る。やはり婚姻届。何でもありだな、この先生。

苦笑いの総二。だよな。

 

「なんだ?輝跡、お前も欲し…」

「遠慮します」

 

こうして、総二は慧理那先輩の尾行をすることになったのだ。因みになんで尊先生が行かないのかと聞いたら、先生としての職務もあるし、慧理那先輩に一人で買いにいきたいと言われたそうだ。

 

 

そして、次の日の放課後。

総二は慧理那先輩を追いかけるように学校を出ていき、当真は尊先生に連れていかれた。何でも、昨日逃げたのが尊先生だったからではなく、補習があったかららしい。当真は補習とスーパーの特売を脳内の秤に掛けてスーパーの特売を取ったということ。更に言うなら、その補習の担当先生が尊先生というダブルパンチ。

不幸の神様が憑いているのか、ある意味笑いの神様なのか…

 

俺は学校のトイレ(個室)でワープ装置を利用して家に戻り私服に着替えて慧理那先輩の尾行と総二が無事尾行出来ているのか見に行く。

 

昨日、ああは言ったが俺も慧理那先輩のことが心配なのだ。どうやってでもエ〇本を買わせたくないという気持ちがある。でも、慧理那先輩の本心を否定はしたくない。だから、俺も尾行をする。

 

俺は総二と慧理那先輩を見つける。総二は何処から持ってきたのか帽子を深く被って顔を見えないようにしている。俺も同じように帽子を深く被っているからそこは何も言わない。でも、総二…尾行下手くそだな。電柱に隠れてるみたいにしてるけど、ほとんど見えてるぞ。しかもそれに気付かない慧理那先輩。何度か後ろを振り向くけど気付かない。何この新作コント。

 

そして、目的の書店の前に着いてしまう。慧理那先輩はそのお店に入っていく。俺も続いた方がいいか?

どうやら総二は外で待っているようだ。電柱に背を掛けている。

 

俺は総二の前を歩いていく。どうやらばれていない。

 

そして、書店の前に着く。だが、俺は違和感に気が付いてしまった。書店の反対側にその違和感の塊があった。いや、いた。

 

「詩集だよ~、素敵な素敵な詩集だよ~心のオアシスがここにあるよ~」

 

フクロウの着ぐるみを着た人が詩集を配っているのだ。でも、俺にはなんか不自然に感じる。まあ、詩集ってのも気になるし貰っておくか。

俺はそのフクロウの着ぐるみの所に行った。

 

「お、そこのお兄さん、詩集はいかが?」

「詩集ね…少し読ませて」

「いいね、はい」

 

そう言って詩集と思われる紙の束を渡される。俺はおもむろにそれを読んでみる。

 

 

これは…ストーカーの日記だな。詩集とは程遠い品物だよ。警察に差し出せばもれなく刑務所というある意味ビップな所に連れていかれるよ。なんでこんなの配ってんだよ、このフクロウ。てかもうそろそろ夏に近いのによく着ぐるみ着れるな。頭大丈夫かよ?このストーカー日記を配っている時点で脳内天元突破しちゃったか?(素晴らしい詩集と聞いたのでそのギャプでイラッと来てます)

 

「あのさ、これの何処が詩集なんだよ…」

「何!?この素晴らしい詩集がわからないのか!!」

「ただのストーカー日記じゃねーか!ハチゴーターボ!」

「いや!素晴らしい詩集だ!そして、俺は間違って買ったハチゴーにターボを付けた人間では無い!!」

「いいや、ストーカーの日記だよ。警察が見たら速攻牢屋にホールインワンだぞ、13世」

「素晴らしい詩集とわからないか!そして、俺はシステムチェンジをしない!」

「わからないね。クロちゃん」

「わからぬであるか…って、俺は寄生型の適合者では無い!もういい!あっちに行っていろ!!」

 

そう言われて俺はフクロウに殴られる。

殴ったね。父親にも殴られたこと無い…あ、あるや。まあいい。ないのにー(棒読み)

それはそれ、一発は…

 

「なあ、こんな言葉知ってるか?」

「なんだ?一発は一発っとでも言うのか?」

「一発は…倍返しだ!!」

「意味不明!?」

 

俺はフクロウの頭を殴った。殴った瞬間に中が空洞なのはわかった。フクロウの着ぐるみの頭が地面に落ちる。

そして、フクロウの着ぐるみの中の人を見る。うん、フクロウ。

フクロウ!?え?フクロウの中にフクロウ?何!?このマトリョーシカ。

 

「き、貴様…俺の着ぐるみの頭を…」

「あれ?もしかしてエレメリアンですか?」

「そうだ!どうだ!恐れ入った…グフ!!」

 

俺は間髪入れず殴った。理由?エレメリアンだから。それと酷い詩集を読まされたお返しと殴られたことの倍返し。当たり前だろ。

 

「何MSの名前言ってんだよ」

「き、貴様…俺が怖くないのか!?」

「うーん…お前自身よりも、お前の変態性の方が怖い。人間として」

「とことん俺を馬鹿にするんだな!」

「あ!テイルレッド!」

「ふん!そんなセコイ手になんか…ブヘゴラスラ!?」

 

フクロウのエレメリアンがテイルレッドに蹴られてそのまま路地裏にログアウトしました。それにしても連れていかれる時面白い声だったな。

さて、俺も加戦しますか。

 

まわりに誰もいないことを確認して、フクロウのエレメリアンとテイルレッドが行った路地裏の方へ走りながら…

 

「テイルドライブ!!」

 

一瞬の光が体を包み込み幼女へと姿を変える。(久しぶりだな、変身の様子を書くの…)

変身していざ決戦のバトルフィールドへ!

 

そこに行くとテイルレッドとフクロウのエレメリアンが対峙していた。それにしても、流石テイルレッドだな。行動が速い。

 

「テイルレッド!」

「エアー!どうしてここに!?」

「たまたまだよ」

「く!テイルレッドだけでも手強いのにテイルエアーまで来てしまったか!」

 

フクロウのエレメリアンはそう言っていた。まあ、どうせ、いつも通りに瞬殺されるんだろうな。テイルレッドに。

 

だが、お決まりの展開にはならなかった。

 

フクロウのエレメリアン…オウルギルディの武器が問題だったのだ。オウルギルディの武器、それは、右肩に付いているキャノンみたいなやつ。一瞬ガン〇ャノンのキャノンに見えたが、片方が無いためそこまで威圧は感じられなかった。だが、見た目に騙されて、その肝心の撃たれる弾を考えていなかった。

 

「テイルレッド!いつも通りに倒しちゃおう!」

「ああ!」

「そうは行くか!」

 

オウルギルディの右肩のキャノンぽいやつから一つの弾が発車される。その弾は真っ直ぐにテイルレッドを捕らえる。テイルレッドは瞬時に炎の剣、ブレイザーブレイドを取り出しその弾を真っ二つにした。

はずだった。

 

その弾はブレイザーブレイドに引っ付いたのだ。

 

「うお!?なんだこれ!?」

「はっはっは!見たか!これが俺の力だ!」

 

真っ白でもちもちしてそうな見た目…鳥だけにとりもち?

 

「これ…餅?」

「鳥だけにとりもちかよ!」

「テイルエアーも喰らえ!!」

「よっと!」

 

俺にも撃ち出されるとりもち。持ち前のスピードで避けていく俺。流石だな。

そう思っていた矢先、左足に何かくっついた。俺はそのくっついたものを見て驚愕した。まさかのとりもち。

スピードを出してたせいで足元をちゃんと見てなかった!

その頃テイルレッドはブレイザーブレイドを振ってとりもちを取ろうとしていた。

 

「はっはっは!これで終わりだな!テイルエアー!!」

「…そうかな?」

「何!?」

「まあ、僕の思惑通りにお前が攻撃してくれたから、こっちの勝利は確定なんだけどね」

「何を!はったりだ!」

「ほらとりもち撃ってみてよ」

「いいだろ!喰らえ!!」

 

オウルギルディが俺に向かってとりもちを撃ち出して来る。これを待っていた!

すかさずエアーメモリを取り出してマキシマムスロットに入れる。

 

《AIR》

《エアー マキシマムドライブ》

 

「フォースドライブ!!」

 

右手の輝きを俺は撃ち出すように空を殴る。

それは、アルティロイド達を瞬殺させる程の威力ではある。だが、エレメリアン相手なら話は別。エレメリアン相手の場合相手に直接ぶつけなければ効果は薄い。

フォースドライブによって起こされた風はオウルギルディには効果が薄かった。だがこれでいい。

 

「なんだ、ただのこけおどしか?」

 

オウルギルディはそう言いながらも両手で顔を守っていた。オウルギルディが両手を退けて俺の方を見る。そこにあったのは…

 

オウルギルディに向かってくるとりもち。

 

「な!」

 

俺はフォースドライブの風でとりもちを飛ばしたのだ。オウルギルディは自分のとりもちが自分に帰ってきたため何が起きたのか理解出来ずその場で硬直していた。そのためか、とりもちを諸に喰らい真っ白になっていくオウルギルディ。

 

「て、テイルエアー、お前まさかこれを狙って…」

「まあ、そうなんだけど、あ、テイルレッド、オーロラピーラーしておいて」

「わ、わかった」

 

テイルレッドがとりもちまみれのオウルギルディにオーロラピーラーを使い拘束する。

計算通り…(悪い笑み)

 

「拘束に拘束とか…鬼畜過ぎる…」

「あの世でハチロクの人と仲良くしろよ」

「それパピヨンギルディの事か!?」

「そうそう。作者(この小説の)が出すのをすっかり忘れてたエレメリアンのこと」

「作者ー!何故出さなかったのだ!そして俺は頭文字のキャラでは…」

「グランドブレイザー…」

 

テイルレッドがとりもちを付いたブレイザーブレイドを地面に突き刺して、代わりのブレイザーブレイドを取り出し無慈悲にオウルギルディにトドメを刺す。

あ、ここで言っておくけど、パピヨンギルディは俺が行った時にテイルイエローの手によってこの世からいなくなりました。この事があったのが少し前の事である。

 

「て、テイルレッド…話の途中だったのに…」

「長くなりそうだから、さっさと終わらせようと思って…つい…」

「くそ!これで俺が終わりなんて…」

「さようなら。〇〇〇〇さん」

「それ中の人ーーーー!!」

 

オウルギルディが輝き爆発する。いや…残念な奴だった。テイルレッドがオウルギルディの属性玉を回収する。

あ、慧理那先輩の尾行を忘れてた…

 

「お疲れ、テイルレッド」

「俺、完璧に空気だったよな?」

「時にはいいじゃん。僕はよく空気になるよ?」

「エアーだもんな…」

 

そんな洒落を言ったところで俺とテイルレッドは解散した。

 

急いで書店の前に着くとそこには手ぶらの慧理那先輩がいた。しかも総二と話していた。

総二…尾行ばれてるじゃねーか。

 

そのあと聞いた話しで、慧理那先輩がエ〇本が18禁で買えなかったと聞いた。ある意味守られたのだ、慧理那先輩は。

 

こうして、慧理那先輩は守られた(エレメリアンとエ〇本の二重の意味で)のだ。

でも、よく考えてみたら、あのエレメリアン、慧理那先輩を狙ってたんじゃないか?だって毎回慧理那先輩は狙われてるし…

そうなると、なんか対策が必要だよな。

 

そんな考えをしながら家に帰宅したのだった。

 

その日の夜中、俺は学校に鞄(トイレに)忘れたことに気が付きワープ装置を乱用したのは内緒の話しだったりする。




声優ネタをやれて少し嬉しい…けど、クラブギルディの時に声優ネタをやらなかったのが少し悲しい…
輝跡「何を言っているんだお前は?」
あ、後数話後には次回予告の担当変わるから
輝跡「はぁ!?」
そんじゃ、次回予告行ってみよう♪
輝跡「ちょ!まさかの解雇!?」


次回予告

ツインテールをほどいてしまった恵理那先輩の元へ向かおうとする俺と総二。だが、俺はあるものに道を塞がれ連れて行かれてしまう。そこで出会ったのは予想外の人物だった!

次回

またもやお見合い回



テイルドライブ!!




輝跡「なあ、次回予告の担当って誰になるの?」
秘密。


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第22話 またもやお見合い回

どうも、風墳Kです。
この頃になって俺、ツインテールになります。π二巻の存在に気づきました。速効ア〇メイトに行って買いましたよ。
いや~、俺ツイは面白い。
二巻を読んで改めて思いました。

俺ツイ(本家)のヒロインとしては痴女、貧乳、露出魔が基本でした。この小説でのヒロインは実は決まっていたり、いなかったり…
何故こんな事を言うかというと…おっと、ネタバレはここまでにしましょう。

では、本編どうぞ~


その日、慧理那先輩がツインテールをほどいて学校に来た。しかも全校集会の面々で堂々と教壇に立つ。あまりの可愛さ…意外性に驚く俺、騒然となる全校生、半分寝ている当真、倒れる総二、そして、それを支える幼馴染みの愛香、ボーとしている霊夢。

 

その場で慧理那先輩は理事長…いや、慧理那先輩のお母さんに怒られて集会が終わってしまう。確かに重大な事ではある。もし、慧理那先輩のツインテール属性が取られてしまったなら、俺達ツインテイルズの問題となる。それに、好きなことが出来ないなんて嫌過ぎる。

けど、エレメリアンの反応はここのところ無かったはずだ。

 

では、何故?

 

集会が終わり教室に戻る途中

 

「おい、輝跡、理事長室に殴り込みかけるぞ」

 

とんでもない事を言ってきた総二。お前、ツインテールが絡むと性格変わるよな…まあ、俺も殴り込みには賛成だったりする。だって、あの理事長…慧理那先輩のこと、未熟なツインテールとか言ったんだもん。ツインテールに未熟とかあるかどうかわからないけど、母親が言っていいことじゃ無い。

 

「わかった。俺も参加する…」

「あ、いたいた。輝跡君、少しいいかな?」

 

俺と総二(実は愛香とトゥアールもいる)の話しているところに来たのは、俺達のクラスの先生の樽井ことり先生だ。サボることに対しては人一倍行動力がある先生である。

 

「輝跡君、実はね、さっき輝跡君のお母さんから連絡があってね、急用のため帰らせて下さいって…」

「は?」

「そういうことだから。後、お迎えも来てるから速めに行きなさいよ」

「え…」

 

俺はこの前、同じような事があったのを思い出した。なんでこういう日にこういうことするかな…しかも今度は母親の方だよ。嫌な予感ってレベルじゃねーぞ。もう、鳥肌出てきた。

 

「俺、逃げます!」

 

俺は廊下を全力ダッシュして教室でもトイレでも何処かに立て籠る事を前提に走り始めた。

慧理那先輩の事は心配ではある。でも、まずは自分の身を守ることを第一に考えたのだ。

 

「輝跡!何処に…」

「悪い総二!慧理那先輩のことは頼む!」

 

俺は走りながら総二に頼み込む。

そしてダッシュ!

 

「あらあら。廊下は走らないように…」

 

その時、俺は樽井先生を方を一瞬見た。そこには、あの黒いスーツに身を包んだハンターが…

 

「目標を補足…ターミネイトする」

 

ターミネーターでした\(^o^)/

 

ふざけるなよ!ターミネーターとかどっから持ってきた!

 

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

 

しかも四人!死ぬわ!シュワちゃん頑張り過ぎ!!

兎に角逃げるんだよー!

 

黒いジャケットに身を包んだターミネーター四人が俺をターミネイトし始める。

 

数分後、ターミネーターに連れていかれる哀れな少年がいた。その少年はターミネーターに引きずられるように縄でグルグル巻きに体を縛られ、引きずるように連れて行かれていた。というか、俺だった。

 

俺は黒い少し高そうな車に縛られたまま、乗せられる。席順は、前方の運転席を含めた席にダブルターミネーター。後ろの席はターミネーター、俺、ターミネーターに座っています。

一言言うなら暑い。

車のクーラーは全開なのに暑いのだ。それに狭い…。

 

そんな状態で30分。ある場所に連れていかれた。場所はいつぞやの料亭。俺はそこで拘束を解かれた。

もう、俺には逃げると言う精神は…

 

「逃げるんだよー!!」

 

あった。

 

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

「ターミネイトする」

 

いつの間にやら増えたターミネーター。ここで一句

 

逃げるなら

ターミネイトする

ターミネーター

 

俺の逃走劇は1分も無かった。流石に10人のターミネーターに追われればいくら俺でも捕まる。もう、ワープ装置使っちゃうかな…

 

結局料亭の前に連れていかれた。そこで待っていたのは、俺の母親。中二病という不死の病にかかっている重要患者の一人だ。

そして、俺をここに連れて来させた張本人。

 

母親の目の前に来た時に俺はターミネーターの筋肉的拘束(両腕と上半身を右手と脇腹で抱えられていた)から解き放たれた。

 

「あら、遅かったわね~」

「俺の学校生活を返して…」

「いいじゃないの~、もう一年、一年生をやれば~」

「留年公認!?嫌だよ!俺は皆と進級したいんだ!」

「あら、輝跡ちゃん、友達出来たの?それなら紹介して~」

「嫌だ!それだけは嫌だ!!」

「イケず~」

 

もう、殆ど使われていないような言葉を使いやがって…

 

「で、何の用だよ」

「実はね、お見合いの話し何だけど…」

「さようなら。お元気で」

「逃がさないわよ~」

 

母親が指を鳴らすとターミネーターが俺を囲うように登場する。しかも増えてる。

 

「何なんだよ、このターミネーターは…」

「この人達は、【目指せテイルブルーの筋力ボディビルダー愛好会アメリカ支部】の人達よ。私が今日のために事前に頼んで置いたのよ~」

 

ターミネーター達は筋肉アピールを惜しみ無く魅せる。途中、ジャケットが吹っ飛ぶ人とかもいたけれど…。

てか、今日のために呼ぶな。俺を拘束するためにどんだけのお金使ってるんだよ、この夫婦は…

 

「さて、早速行きましょうか~」

「拒否権は?」

「無いよ~」

「ですよね…」

 

拒否権も無い。八方塞がりだな…。諦めよう。流れに身を任せるんだ…

 

母親は歩いて料亭の中に入っていく。俺はそれを追いかけるように着いていく。

料亭の個室に来た所で前と同じような流れで母親が襖を閉めようとする。

 

「あ、待って!俺制服何だけど!!」

 

そう、俺はつい先程まで学生の本分を全うしていたため、制服でいるのだ。だが、お見合いならば、せめて私服で行いたい。

 

「別に着替えなくていいわよ~、相手の方もコンサート終わりに此方に直行するから、コンサート衣装のままだし~」

「コンサート!?」

 

どうやら、慧理那先輩では無いらしい…

それにコンサート終わりってことは、それなりの大物…アイドルか誰かか?

 

そう聞いた後、母親は襖を閉めてしまう。

 

アイドルといえば、今急上昇中の眼鏡系アイドル善沙闇子が有名だな。俺も時々TVを見るし、なんと言ってもツインテールのアイドルで以外にあの総二が意識し始めているアイドルである。因みに、当真は意識ゼロ。

 

それにしても、善沙闇子は眼鏡押し強烈だよな…

まあ、眼鏡っ子は可愛いけどな。

 

眼鏡と言えばダークグラスパーだよな。彼奴、一応幹部クラスらしい。それのせいか、新しいエレメリアン(昆虫型)が出てきたもんな。

ドンドン変態が増えてくるこの世界。嫌だな…

 

そう考えていた矢先、個室の襖が開かれる。

 

どうせ、アイドルって言っても三流、二流の誰もわからないアイドル何だろうな…でも、俺の母親関係の人ってことは芸能人だろうな。そうなると、本物か?

 

そう考えて襖を開けた張本人を俺は見る。

 

黒いゴスロリのフリフリ衣装、黒髪のツインテール、黒い眼鏡…

 

善沙闇子だ!

 

なんで善沙闇子がこんな所に!?

 

「えーと…二摘輝跡君…でいいかな?」

「はい…」

 

善沙闇子は俺を見た後、俺をじっと見始める。何々?俺の顔になんか付いてる?朝食べたご飯粒でも付いてた?それとも、海苔が歯に付いてた?それなら、今後ドジっ子キャラにするが…

 

「君、眼鏡じゃ無いね」

「ああ…目がいいんで、眼鏡はかけてはいないよ…」

 

一応年下として扱っておくか。

それにしても…可愛いな。でも、アイドルに手を出す程俺は落ちぶれていない。

 

「え…善沙闇子…でいいんだよな?」

「そうだけど…」

「中の人、天草会長と一緒だ」

「メタい発言は良そうね」

「で、闇子さん、幾つか聞いていいですか?」

「何ですか?」

「なんでこんな事に付き合わされているんですか?」

 

そう、急上昇中のアイドルがこんな所でお見合いとかしてていいはずが無い。ということは、何か裏の力が働いたはずだ。あ、裏っていうのは、俺の両親の権力の事だ。

 

「スポンサーの社長の一人息子さんが彼女いない歴=年齢の残念な人がいるから元気付けにあって欲しいって言われてね。しかもギャラも貰っちゃったから…」

 

あの両親は俺をどんなキャラにしたいんだよーー!

確かに彼女いない歴=年齢だけど!まだ誕生から16年目なんだからまだ彼女がいなくてもいいじゃねーか!てか、彼女欲しいけど、今はエレメリアンと戦っている身な訳だし、彼女とキャッキャするより皆のために戦わないといけない。だから今は彼女を作ってないだけだ!俺がその気になれば女の子なんて一人二人平気に作れるわ!

現に俺の携帯のアドレス男子よりも女子の方が多いぞ!

 

「そういうことは大丈夫ですので…」

「そうですか。それなら余計な心配でしたね」

 

 

違和感がなんかある。それは、善沙闇子自身にだ。まるで、俺やテイルレッドが纏っている雰囲気に似ている。

冷静になれば、余計にわかる。

…あれ?善沙…イースナ…イースナ!?

イースナってダークグラスパーの本名じゃねーか!?

 

そういえば、善沙闇子が芸能界に出てきたのは俺達のが始めてダークグラスパーに出会った後だ。

 

少しかまかけてみるか…

 

「素敵な眼鏡ですね」

「わかります?」

「まるで、属性力があるみたいですね~」

 

テイルレッド達のテイルギアはツインテール属性を核にして変身していると仮面ツインテールから聞いた。なら、ダークグラスパーも同じのはず。

 

「属性力?なんのことですか?」

 

惚けるか。なら、更にかまかけるか。

 

「眼鏡属性…イメージカラーが黒…名前が善沙…ここから、君がダークグラスパーだってわかったんだよ。善沙闇子…いや、イースナ」

 

この子はイースナだ。そう確信出来るようになって来た。理由なんて無い。ただただ、そう思っただけだ。だけど、善沙闇子はダークグラスパーだ。

 

「…貴様、何者じゃ?」

 

話し方が変わる。その話し方は、ダークグラスパーそのもの。やっぱりか…

 

「俺は、テイルエアーのファンでもあり、テイルエアーだけの関係者だ」

 

嘘ですけど…。けど、今はこういうしかない。俺の正体がばれるのと、俺がテイルエアーのサポーターだと嘘をつくのでは、重大度は違う。それに、男が変身して女の子になるとか、普通考えられないだろ。

 

「テイルエアーだけ…じゃと?」

「そう。テイルエアーは、ツインテイルズではあるけど、その正体をツインテイルズにも明かしてないんだ。まあ、俺は偶然的にテイルエアーの正体を知って、この世界での唯一の理解者になったんだ。で、この前ダークグラスパーの特徴なんかを聞いて、善沙闇子と色々あっているから、少しかまをかけただけだ」

「そうか。ならば、テイルエアーとは何者じゃ?」

「それがね、彼女、記憶喪失なんだ。だから、自分が何者なのかわからないんだって。でも、目の前の女の子がエレメリアンに襲われた時、助けないとと思ってエレメリアンと戦っていく事を決意した…ってこの前言ってたよ」

「ふむ…まあ、その事は良い。さて、わらわの正体を知った貴様をどうするか…」

「え?俺なんかされるの?」

「当たり前じゃ。普通なら処刑する」

 

ははは…人生終了のお知らせ。

まさか、ここで俺の物語終わりとか無いよな?

 

 

俺、ツインテールになります。 AIRs HERO

 

 

だから、終わらせようとするな!作者!!

俺は生きている!生きているぞーー!

 

「さて、貴様は、わらわの正体を知ってしまった。ならば、殺すか、記憶を消すか…だが、貴様は運がいい」

「え?」

 

どうやら、この世からサヨナラバイバイしなくてすみそうです。

 

「貴様、わらわのメル友になれ」

「はい?」

 

え?今なんて言った?メル友?メル友ってメール友達のことだよな。え?メル友になるだけで命が救われるなら、喜んでメル友になるけど。

 

「どうした?嫌なのか?」

「別にいいけど…」

「ならば、これがわらわの…」

「ほら、早く携帯出して。赤外線でメアド送るから」

 

善沙闇子がポケットから何かを取り出そうとしていたが、直接会っているんだ、赤外線の方が早い。

 

「…こうか?」

「あ、メアド来た。次、俺が送るね」

 

俺のメアドを送信する。すると、数秒後にはメールが届いた。早!!

 

「ねえ、流石に早すぎない?」

「そうか?わらわに取ってはまだまだ序の口じゃが?」

「…何が序の口なんだよ…」

 

そうツッコミを入れつつ送信されたメールを見る。

文章長!!なにこれ…既にメールを通り越してるよ。

 

「文章長くない?」

「まだ短い方じゃが?」

 

嘘…これが短いとか、あんたヤバイよ。折角可愛いのに、ある意味残念だよ。

 

「所でさ…」

「なんじゃ?用件ならメールで返して…」

「それ直接会う意味無いよね!」

 

そんな中でも俺の携帯にメールが届く。いつの間に書いたし…一応後で見るけど…

 

「なんで善沙闇子…いや、イースナはアルティメギルにいるんだ?」

 

純粋に思った事だ。善沙闇子は…イースナは以外にいい子だ。だって、俺を殺して無い。

それに、何か訳があるはずだ。

 

「アルティメギルにいる意味か…貴様は何か守りたいものがあるか?」

「守りたいもの…あるよ」

「わらわは眼鏡じゃ。眼鏡を守りたい。そのためにわらわはアルティメギルと契約したのじゃ。わらわがアルティメギルの処刑人としてアルティメギルにいる代わりに眼鏡属性だけは見逃して欲しいと…」

「それって…」

「わらわは、自分を犠牲にする代わりに世界の眼鏡属性を守っているのじゃ」

「…なら、なんでアイドル活動を…」

「わらわが人気になれば自然と眼鏡属性は芽吹き始める。わかるじゃろ?」

「テイルレッドやテイルエアーと同じ現象!!」

「そう。だが、わらわは属性力を奪うことはせん」

「それって…この世界から眼鏡以外の属性が無くなり、人の拠り所が眼鏡属性になるってこと?」

「そうじゃ」

 

それって…

 

「無理矢理眼鏡属性を好きにさせるってことじゃねーか!」

「確かに…そうなるな…」

「何だよ!それでいいのかよ!折角戦えるだけの力があるのに、なんで!」

「わからぬじゃろ…だが、わらわは眼鏡を守りたい。それだけなのじゃ…」

「く!」

 

何かが無くなったら、別なものを好きになろうとする。なからなくもない。でも、それでいいはずが無い!!

 

「さて、ファンサービスは終わりじゃ」

 

イースナはそう言って襖を開けようと襖手を出す。

 

「待ってくれ!」

 

俺はそれを無意識に止めようとした。そして、イースナの前に立つ。

 

「なんじゃ、話しはメールで…」

「これだけは言わせてくれ」

 

俺は大きく息を吸ってはく。よし、言おう。

本当の事を…

 

「メールの文章は長すぎず、相手によって代えて。それと、頻繁にメールを送られると迷惑になる人もいるから、相手の都合を考えながらメールを送って欲しい」

「なんじゃ、わらわにメールの作法か?そんなの初歩の初歩じゃ」

「いや、出来てないから注意してんだよ…」

「で、それだけか?」

「…もし…」

「?」

「もし、アルティメギルに裏切られて、行く場所が無かったら俺、手伝うから。友達として」

「そうか。まあ、裏切られる事など無いじゃろうけどな」

 

俺はイースナの前から退ける。

 

「ありがとうな…わらわの事を心配してくれて…」

 

イースナはそう言って襖を開けて料亭から出ていってしまう。俺はまさかのイースナのデレに驚きその場で固まってしまっていた。

 

「あれ~、輝跡ちゃん、善沙闇子ちゃん帰っちゃったの~」

 

俺の母親が現れた。まあ、そこは別にどうでもいいけど。

 

俺の携帯が鳴る。メールの着信音が響き俺はメールを見る。

 

 

From イースナ

 

この事は二人だけの秘密じゃ。テイルエアーには教えても良いが、テイルレッドには教えるな。わらわが自分で言うのでな。

 

 

 

等と来た。全く、素直じゃねえな。

さてと…

 

 

宛先 イースナ

 

安心しろ。テイルエアーには言うかも知れないけど他には誰にも言わねえよ。それに、テイルエアーは友達が俺しかいないんだ。だからテイルエアーは誰にも言わないと思うぞ。

 

 

 

送信っと

数秒後、返事が帰ってきた。

 

 

From イースナ

 

テイルエアーはボッチなのか?

 

 

痛いところ衝かれました…

まあ、そう考えるのが当たり前か。

 

 

宛先 イースナ

 

いや、テイルレッドやテイルブルー、テイルイエローとそこそこ仲がいいみたいだよ。でも、約束とかは確り守る子だから、大丈夫。

 

 

っと。送信。

てか、イースナ、俺の言った通り、文章を短くしてくれたな。本当にいい奴なんじゃね?

 

「輝跡ちゃん、少し笑ってる…まさか、善沙闇子をオトしたの?」

「違うよ。ただ…友達になっただけだよ」

「あら、輝跡ちゃんの友達なったの!なら赤飯でも…」

「何でだよ!!」

 

俺のツッコミが料亭に響き渡る。

まだ、これは午前中なんだ。

今から学校に戻って午後の授業間に合うかな?

それに、慧理那先輩の事も気になるし…

こうして、俺の二回目のお見合い体験は終わり、俺は本日の二度目の登校をするのであった。




輝跡「ダークグラスパーが善沙闇子だった!」
うん、そうだね…
輝跡「あれ~?なんかテンション低くない?」
いや…なんというか、前に言った長編が書けるかどうか怪しくなってきて…
輝跡「事前に予定はちゃんとしておこうよ…」
行けると思った…でも怪しくなってきた…まだ書き溜めの方では夏休み前だし…
輝跡「ネタバレ禁止!!」
取り合えず頑張ってみるから、その間に次回予告を…


次回予告

俺の嫌な予感。それは時に当たってしまう。
テイルシャーマの正体がわかり始めた俺。
だが、それは友情を無くす行為だった!?

次回

霊夢がツインテール?



テイルドライブ!!


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第23話 霊夢がツインテール?

はい、遅くなりました。

この頃書くスピードが落ちて来たような…

まあ、兎も角どうぞ…


突然だけど、異世界って信じる?

俺は信じる…てか、信じるしかない。だって現にエレメリアンや仮面ツインテール、ダークグラスパーとかがいるんだもん。

でも、それでも、お隣に住んでいる人が異世界人だったら驚くっていうレベルじゃ無いはずだ。

第5話の最初にちゃっかり言っていた事がフラグなんて誰が思うか…

 

隣に住む双子の兄妹、上条当真と上条霊夢。

彼らは俺の数少ない友達だ。

だが…当真と初めて会ったのは…

 

エレメリアンを倒した後だった。

 

 

とあるある日、放課後、俺は当真の家に遊びに行っていた。

その間にもエレメリアン(幹部級)が攻めてきたらしいが、撤退していったらしい。人騒がせだな。

 

「なあ、当真、少しいいか?」

「なんだ?」

 

俺は自分の家のようにくつろいでいた。何度も遊びに来てるし、部屋の構造が俺の部屋と瓜二つ(隣同士の部屋だから当たり前)のため、愛着が涌いて自分の家のようにくつろいでいるという訳だ。

 

「ツインテイルズって、何人いると思う?」

「急に何だよ…まあ、テレビに写っている限りでは4人じゃないの?」

「だと思うだろ?実は6人なんだぜ」

「そんなにいるのか!」

「一人は非戦闘員だけどね」

「なんでそんなに詳しいんだよ」

「まあ、教えられないね」

 

そう話していると、当真の双子の上条霊夢がリビングに入ってくる。だが、格好がラフというか…白いシャツに短パン…いや、短めの青いジーパンだ。

いや、そこは重要じゃ無い。問題は白いシャツだ。

夏場、白いシャツ、部屋着、ここから予想できた人はさぞや妄想能力が超人並みなのだろう。

白いシャツからチラチラとピンクの下着が見える…普通なら、ラッキーなのだが、生憎相手は霊夢。欲情すれば殺されるのはわかっている。

 

「おい、霊夢、いくら家にいるからってそんな格好しない方がいいぞ」

「何よ。別にいいじゃない。家にいるんだし」

「輝跡がいるんだよ」

「前みたいに記憶を消すから問題無いわ」

 

そう霊夢は言って拳を構える。

 

「それ暴力的に記憶を消そうとしてるよね!?俺なんもやってないのにまさかの処刑確定!?」

「やめろ、霊夢」

「…まあいいわ。どうせ見られても減るもんじゃ無いし」

「なら、殴らないで頂きたい…それに、ちゃんとした服装をして欲しい…」

「わかったわよ」

 

霊夢はそう言って自分の部屋に戻って行く。

今度はちゃんとした服装で来るかな?

まあ、霊夢は美人だし、どんな服装でも目の保証になるからいいけどな。

 

「おい、人の妹を目の保証にするなよ」

「俺の理性は保証とはしてない。俺の本能がそうさせてるんだ」

「救いようがねぇ…」

 

それだけの話してたら、霊夢が戻って来た。いくらなんでも速すぎるという疑問があったが、ジャージを適当に着てきたのだろうと勝手に心の中で決めつけていた。だが、その予想は裏切られた。

 

「み…巫女服…だと!?」

 

そう、紅白の脇が丸見えの巫女服を着ているのだ。目の保証ってレベルじゃねぇよ!マジありがとうございます。ありがとうございます。

 

「なんで輝跡は土下座してんだよ」

 

いつの間にか土下座をしていたようだ。

 

「何よ…」

「霊夢、お前、コスプレマニアだったのか…」

「違うわよ」

「え?」

「霊夢の本業は正真正銘の巫女なんだよ」

「なんと!?」

 

本物の巫女ですか!こなたさんの友達と同じじゃないですか!

 

「え?ってことは…当真は…」

「俺は、一応神主だぞ?」

「当真が神主…無いわ~」

「現実を受け入れてくれ!俺は本当に神主なんだ」

「なら、お前のいる神社の名前言ってみろよ」

「博麗神社よ」

「博麗神社?」

 

聞いたことないな。ここら辺の神社じゃ無いな。

あれ?

 

「なんで神主と巫女がこんな所にいるんだ?ここら辺の神社に博麗って神社は無いよ」

「家の事情なんだ。察してくれ」

 

家の事情ね…

まあ、霊夢の巫女姿を見れるだけでもいいとしますか。てか、巫女服って着るの結構時間かかるよね?いくらなんでも速すぎません。まあいいけど…

 

「なんでその服着てんだよ…」

「あの服以外全部洗っちゃったのよ。仕方が無いじゃない」

「なあ、霊夢」

「何よ」

「写真録らせて」

「…死刑確定ね」

「なんで!?」

「ドンマイ、輝跡」

「兄貴もね」

「なんでだよ!!不幸だ!」

 

このあと、やはりボコボコにされる俺。無慈悲な暴力に見回れる当真。

そんな時、俺は霊夢がある人物に見えた。

 

巫女を意識しかたのような装甲、紅白の色合い、可愛いツインテール幼女…テイルシャーマ…

 

シャーマ…シャーマン!?

シャーマンって巫女って意味だよな!?

 

霊夢は巫女…服装は紅白…

 

この二つが結び付くがツインテールをしていないということでどうも結び付かない。

 

あれ?霊夢ってテイルシャーマを知ってたよな?

テイルシャーマをこの世界で知ってるのは、テイルレッド、テイルブルー、仮面ツインテール、今は亡きドラグギルディ、そして俺ことテイルエアーだけだ。もし、知ってるとしたら、それは本人かテイルシャーマの関係者。

 

ダークグラスパーと同じようにかまかけてみるか。

 

ボコボコにされた後、俺は青アザの出来た左ほほを左手で擦りながら霊夢を見る。

 

「なあ、霊夢」

「今度は何よ?」

「霊夢はテイルシャーマを知ってるんだろ?」

「おい!霊夢!その事は!!」

 

当真のリアクションからして関係者であることは確定だな。いや~当真が単純(けして馬鹿とは言ってない)で良かったよ。

 

「兄貴、黙ってて」

「お、おう…」

 

しゅんと黙る当真。この双子の上下関係は当真<霊夢になっている。その事は最初からわかってたけど。

 

「テイルシャーマのことは知ってるわ。でも、ただでは教えないわよ」

「ただでは?ってことは体で払えってこと?」

「妹にセクラハ行為は止めて貰いたいんだが…」

「俺も、当真が兄とか死ぬ程嫌だな」

「俺も、お前が弟は嫌だね」

「私がこんな馬鹿と結婚する訳無いじゃない」

「別に俺は霊夢と付き合ってもいいぞ?」

「さて、本当に死にたいみたいね?」

「上条さんも、霊夢に可戦するか…」

「待って!冗談だから!霊夢も当真も拳を降ろして!嫌だ!来るな!死にたくない!死にたくない!!死にたa…」

 

俺は、当真と霊夢から降り下ろされた拳により一時的に記憶が無くなった…。

ただ、わかることは、冗談でも言っていいことと悪いことがある。それだけだ。

 

一時間後

 

既にお日様が地平線の向こうに行き、別の国で朝を向かえさせた頃、俺は上条宅で目を覚ます。目を覚ました後、数分間何が起きたのか思い出していた。

 

霊夢が巫女服着てたのは思い出せるけど、その前にどんな服装だったのかわからない…

まあ、重大なことじゃ無かった気がするし思い出さなくてもいいか。

 

「お、目を覚ましたか」

 

当真が優しく俺を心配してくれた。殴っても俺を心配してくれるなんて…なんていい友達なんだ…

 

「ああ…」

 

寝起きっぽく俺は頷く。まあ、寝起きなのだが…

 

「起きたのね…」

 

霊夢が此方を見ていた。巫女服で。もうご褒美とか思いませんから。目の保証なんて思いませんから…

でも可愛いのは認める。

 

「さっきの話しの続き…どうするの?」

「続き?あ、霊夢のお婿さんは当真って話し?」

「は!?」

「何言ってんだ?」

 

あれ?違かったか?うーん…殴られたせいで少し記憶がアヤフヤになってるのかな?

 

「わ、わ、私が当真のお、お嫁さんにな、なんてなれ、なれないわよ!」

 

ん?何テンパってんだ、霊夢の奴。

 

「そうだぞ。兄妹の結婚とか許される訳無いだろ」

「冗談だけどね」

「殺す!輝跡殺す!!」

 

先程殴られたのに学ばない俺!今思い出した!冗談言って死にかけたんだ!

 

「ごめん!霊夢!」

 

俺は礼儀上最大の謝罪方法、土下座を使用した。顔を床に平行にして謝る。もし、少しでも目線を上げれば霊夢の巫女服のスカートの中が見れるかもしれない。でも、これ以上火に油どころか、火薬をぶち込む勇気無いし、ギャグで死にたくない。

 

「まあ、いいわ」

 

許しを貰えた。頭を上げたいが霊夢のスカートの中を見てしまう。だから、上げられない。

 

「おい、頭上げろよ」

「当真、それは俺に死ねって言ってるのか?」

「え?」

「この場合、俺が顔を上げる=目線が床近くから上に=そこには霊夢がいる=霊夢はスカート=俺死刑。わかるか?」

「そういうことか!」

「そういうことは黙ってなさいよ!!」

 

理不尽に蹴られた俺。ここで俺の紳士モードが発動したのか、蹴られたのに、俺は目を閉じたのだ。それは、霊夢のスカートの中を見ないようにしようとする俺の理性から来るものだった。

 

そこで、俺は話しの続きを思い出す。

そう、テイルシャーマの事だ。

 

「テイルシャーマの事だよね?」

「そう。でもただでは…」

「いいよ。教えて」

「…」

「いいのか?霊夢?」

「兄貴、さっきも言ったじゃない。いいのよ。輝跡には教えられる。そう思うのよ」

「いつもの勘か?」

「そうよ」

「??」

「輝跡、あんた、テイルエアーのファンなのよね?」

「そうだけど?」

「テイルエアーと直接話しがしたい…って言ったらどうする?」

「え?」

「交換条件よ。テイルシャーマのことを教えてもいい。でも、その代わりにテイルエアーに会わせて」

「おい、霊夢、いくらなんでも無理…」

「いいよ」

「輝跡!?」

 

テイルシャーマの事を知れる。それだけでも大きい。あの強さ…ツインテイルズの大きな戦力になるかもしれない。それに、霊夢がテイルシャーマなら、嬉しいことは無い。だって、友達が正義のヒロインとか、マジ神展開じゃん。

そのためなら、テイルエアーに会わせてもいい。まあ、テイルエアーって俺何だけどね。

あ、もう会ってるから、相手側の要求は無視しても…それは流石に駄目か。

でも、テイルエアーが男なんて知ったら…

絶望感がヤバイだろうな…

 

「テイルエアーは実は俺の友達なんだ。だから、言ってみればもしかしたら来てくれるかもしれない」

「おい!それ初耳だぞ!」

「だって内緒のことだもん。でも、テイルシャーマの情報が手に入るなら、エアーは快く来ると思うよ」

「そう。私からもシャーマに言っておくわ」

 

俺と霊夢はそう約束した。

 

「空気になりかけてる上条さんはどうすれば…」

「なら、夕食作りなさいよ。私は輝跡と〇ンハンやってるから」

「霊夢からの誘いだから、俺は手伝えないからね~」

「はぁ!?」

「私、すき焼きがいい。肉多めで」

「あ、俺も!」

「ふざけるなよ!そんな食材が上条さん宅にあると思うな!!」

「上条宅には無くても二摘宅にはあるんだな~これが」

「な、何だって!?」

「ほら、俺の部屋の鍵。勝手に冷蔵庫開けて必要な食材持って来い」

 

俺は当真に鍵を投げて渡す。

因みに、俺は今夜すき焼きが食べたくて肉や食材を買っておいたのだ。でも、あまりにも肉が安く、少し多めに買ってしまったのだ。

いや~、この前のCMのギャラが予想以上に貰えたからね。今は普通の学生よりリッチマンなのだよ。独り暮しなのに。

 

「サンキュー!やはり持つべきは金持ちの友達だな」

「その言い方だと、俺、お前の財布みたいじゃねぇーか…」

「そこまでは言ってねーよ。でも、お前のお陰で色々贅沢出来るのは嬉しいぜ?」

「贅沢?」

「この前のケーキ。美味しかったわよ。あのケーキ、超高級ケーキだったの知らなかったの?」

「いや、知ってたけど…毎年あそこのケーキだからさ…」

「金持ちの感覚が上条さん、わからなくなって来たよ」

「それなら、またケーキ頂戴」

「買ってきたらね」

「よし…」

 

霊夢が小さくガッツポーツをした。やはり、霊夢も女の子か。甘いものが好きな奴に悪い奴はいないんだ。これが世界の真理である。

 

「それじゃあ、よろしく~」

 

俺はそう言って俺の部屋に向かった調理係りの当真に手を振る。

そして、当真が自分の家から出たのを確認して、俺は父親の勤めている会社で作られた携帯ゲーム機を取り出す。曽、俺の部屋に合った家庭用ゲーム機とデータが共有出来るゲームである。

 

隣から、「不幸だー」って聞こえるけど、多分当真、ルンバ踏んだな。

 

そのあと、名誉の負傷(笑)をおって戻って来た当真(顔面から転けたのか、鼻が赤い)が、すき焼きの用意を着実に行って行く。

 

そんなこんなで、今日という日が終わっていった。

 

次の日

 

俺の家のポストに手紙が入っていた。一つはチケット付き。イースナが送ってきたものだ。今度、マキシーム空果でコンサートをやるようだ。後、この頃メールで気になる事を言っていた。

 

なんでも、テイルレッドはトゥアールじゃ無いとか…

そもそも、トゥアールにはツインテール属性が無くなっていて、テイルレッドがトゥアールのツインテール属性を奪ってそれをテイルギアのコアにしているとか…

それは無いだろと送ったのだが、どうやら、自分の目で見ないと信じられないらしい。それで、今度会ったら色々と聞き出すって言ってた。

 

それと、もう一つ…それが問題だ。

それには、日時と場所、そして、テイルシャーマよりと書かれていただけだった。

テイルシャーマと会えるのか…でも、宛先が俺じゃ無くてテイルエアーだ。その事からして霊夢が入れたのだろう。昨日の今日で早いな。やっぱりテイルシャーマは霊夢なのか?

 

あ、なんで問題なのかというと、テイルシャーマが指定した日がイースナのコンサートと被っているのだ。まあ、テイルシャーマとの待ち合わせ時間の方が一時間早いけど。

 

兎に角、テイルシャーマに会った後、イースナのコンサートに行くしかない。

折角のコンサートだし、俺も善沙闇子の楽曲は嫌いじゃない。これが原因で眼鏡属性に開花したりして…それは無いか。

まあ、折角誘われたんだし、楽しもう。

 

だが、当日は楽しむとは真逆の事が起きるなんて誰も思わなかった。




次回予告

輝跡「おい!前置き無しかよ!」
うーん…考え付かないから無しで


次回予告

待ち合わせの場所に付いた俺。
そこにいたのは、あのテイルシャーマだった!
攻撃を仕掛けてくるテイルシャーマ
俺は無事にコンサートに行けるのだろうか!?

次回

VSテイルシャーマ!!




テイルドライブ!!


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第24話 VSテイルシャーマ!!

どうも、風墳Kです。

いや~ごちうさ最高!
第1羽を何度も見返すほど。特にエンディング…
おっと、長くなりそうなのでごちうさの話題は置いておきましょう。
それに、ガンダムも長々に面白い…

まあ、本編では殆ど関係無いですけどね。

では、
どうぞ~


俺は、テイルシャーマの約束した時間、場所に来ていた。

ここは、曽、テイルレッドとドラグギルディが死闘を繰り広げた場所であり、アルティメギルの作戦を知り絶望に落ちかけた場所、そして、テイルシャーマに初めて会った場所だ。

その場所に俺は再び来たのだ。

 

勿論変身している。

 

あの死闘の跡はまだ少し残っていた。一部の木々は不自然に折られていたり、焦げた跡があったり、やはり、死闘だった事を改めて語っている。

 

ワープ装置を駆使してなんとかここまで来れた。流石にツインテイルズの大型ワープ装置を使う訳にもいかない。この事はテイルレッド達には内緒なのだ。

 

荒野に近くなったこの場所を俺は眺めたいた。荒野の一部に幾つか石が積まれた場所がある。俺はここをドラグギルディの墓だと思っている。ドラグギルディは正々堂々とテイルレッドと戦い破れた。変態ではあったが男としてはいい奴だったと思っている。だから、俺はあの戦いの後、もう一度ここに来てドラグギルディの墓を作ったのだ。

だけど、いつかはドラグギルディと会えそうな気がする。フラグとかでは無く、ツインテールが時を超えられるとかニュー〇イプぽい事を習得すればあり得るかもしれない。まあ、ニュータ〇プは時を越えられなかったけど。それに、テイルレッドならやりかねない。

 

話しが反れた。

 

俺はそんな荒野を眺めていた。

 

その時だった。

 

俺の目の前で爆煙が広がったのだ。飛び散る砂利等はフォトンアブソーバー(命名トゥアール)で防ぐが爆風は防ぎきれず熱風が俺の肌を攻撃する。だが、これぐらいなら、フォトンアブソーバーにより弱くなっているのであまり痛くない。

 

俺は爆煙を起こした所を見る。煙が晴れてそこにクレーターが出来ている事に気が付く。

小さいながらもクレーターがある。それはここに何かがぶつかった事を意味していた。クレーターの中心には何もない。ということは、エネルギー弾などが撃ち込まれたということだ。

俺は空を見る。そこにいたのは、テイルレッドと同じ位の身長、見た目もテイルレッドと瓜二つ、巫女を思い出させるような紅白の色合い、そして、テイルレッドと違うツインテール…そう、テイルシャーマが宙を浮いていたのだ。

 

テイルギアやテイルタイマーに空を飛ぶ機能は無い。テイルタイマーはテイルギアより跳躍力に富んでいるので本気でジャンプすれば飛んでいるようには見える。でも宙に浮くということは出来ない。だが、テイルシャーマは浮いているのだ。

 

「…今のは威嚇よ。次は返答次第で当てるわ」

 

その言葉により、爆煙を起こしたのがテイルシャーマだとわかる。だが、俺はテイルシャーマと戦う理由が無い。何故テイルシャーマは俺に攻撃したんだ!?

 

「なんで攻撃を…」

「質問するのは私よ。貴方じゃないわ」

 

そう言われた。仕方がない。力の差は歴然。火を見るよりも確かだ。ドラグギルディが慌てるようなテイルシャーマ、俺は今でもドラグギルディを超えていないだろう。

なら、質問に全て答える。それしか無い。それに、下手して戦ってアルティメギル側についてしまったら、それこそ絶望だ。

 

「貴方の正体を言いなさい」

「!?」

 

言えない。一番されたくない質問だ。そして答える事が出来ない質問。もしテイルシャーマに俺が…テイルエアーが男だと知れば絶望してしまうかもしれない。そうなればアルティメギル側に行ってしまうかもしれない。

 

「答えられないと言ったら?」

「この場で退治した後、屍からその装甲でも剥がして顔を拝ませて貰うわ」

 

結局は物理的な解決か…

 

「正体は言えない。けど…」

 

俺の真横を光の弾が通る。その大きさは変身した俺がスッポリと入る程の大きさだ。あんなのを喰らったらフォトンアブソーバーでも打ち消しきれず、この世からあの世に直ぐに逝けるかもしれない。

 

「もう一度言うわ。正体を言いなさい」

 

最終警告…テイルシャーマからプレッシャーがヤバイ。俺は生唾を飲む。余りにも次元が違い過ぎる。こんなのに勝てる訳がない。

 

…正体を明かしてしまおうか…

 

いや、駄目だ。俺は正体を明かしてはいけない。相手がテイルシャーマだからって弱気になっちゃ駄目だ!

ここは強行手段で行く!

所謂肉体言語。殴りあって拳にお互いの気持ちを乗せて相手に伝える。良くバトルものや青春ものでは定番のシチュエーション。

テイルシャーマに通じるかわわからないけどこれしか俺に出来る事は無い。

 

「どうしたの?まさか、私から逃げられると思っているの?」

「いや…」

「なら正体を明かす気になったの?」

「…僕の正体を知りたかったら、僕を倒したら教えるよ」

「そう。やはり、殺さないと駄目か…」

「いやいや!僕がギブアップしたら教える!頼むから殺さないで!!」

「…まあいいわ。それでも私の有利に変わり無いもの」

 

そうテイルシャーマは言うと地面に降りてきた。親方、空から女の子が!?というネタをやりたい所だが、ここはグッと我慢。いつかはツインテイルズの誰かと出来ると思うし。

 

「さて、さっさと終わらせるわ」

「こっちも色々と立て込んでるから、早めに決着決めたいね」

 

別にテイルシャーマに勝てない訳じゃない。でも、テイルシャーマの力はまだ未知数。それこそダークグラスパーと同じ感じだ。

それでも…この戦いは勝たないといけない。自分の為にも、テイルシャーマの為にも。

 

「行くわよ…」

 

そうテイルシャーマが言った瞬間、テイルシャーマが視界から消えた。いや、普通なら目に見えない程のスピードなのだろう。だが、テイルタイマーの力により強化された視力によりテイルシャーマを確認することが出来る。

 

テイルシャーマは俺の頭に向かって縦にお払い棒で叩き付けようとする。それを読んだ俺はフォースナイファーを取り出し防ぐ。

 

「へー。今の受け止めるんだ」

 

フォースナイファーでお払い棒を防ぐ俺。お払い棒はどっからどう見ても木で出来ている。なのに、フォースナイファーと同じ強度…いや、それ以上。お互いの力がぶつかっているのかお払い棒とフォースナイファーの間で火花が散る。俺はあまりの力の強さに片手で持っていたフォースナイファーを両手で持つ。その点、テイルシャーマは右手だけで俺を押している。正直パワー勝負ではテイルシャーマには敵わない。でも、テイルエアーは力や防御が他のツインテイルズより弱い変わりにスピードがある。

 

「力では私の方が強いわよ?」

「わかってる!」

 

俺はそれを承知の上で最初の一発を受けたのだ。どれ程の力があるのか…知りたかったらだ。それ以外無い。

 

あまりの力に両足が地面に沈む。俺の足元でひび割れる地面。フォトンアブソーバーのお陰なのか身体へのダメージは少ない。でも油断は出来ない。俺はフォースナイファーを横にいなして体を横にずらす。俺のいたところにお払い棒が空を切るように過ぎ去る。

あんなの下手に喰らったら真っ二つだよ。

 

「どうしたのかしら?まさか、もう降参?」

「まさかね…」

 

俺は得意のスピード勝負に出ることにした。

まだテイルタイマーの能力は使わない。それでもテイルエアーのスピード最高時速はツインテイルズ一だ。

 

俺はステップを踏みながら攻撃の隙を伺う。

 

今だ!!

 

俺は得意のスピードを生かしテイルシャーマの後ろを取りフォースナイファーの逆刃の部分で攻撃した。しかし…

 

「な!?」

「何そんなに驚いてるの?」

 

テイルシャーマは俺の攻撃をお払い棒で受け止めたのだ。まさか…読まれた!?

 

「全く…戦いの初心者ね。あれぐらいの攻撃予測出来ない訳ないじゃない」

 

戦闘の経験値が違い過ぎるのか!?でも…それでも!!勝たないといけない!!

 

《ready》

 

十秒間の加速。これでテイルシャーマにダメージを与える!

これだけが唯一テイルシャーマを…いいや、エレメリアンの幹部を倒せる俺の力だ。

 

《time start》

 

時が遅くなる。いや、俺が速くなったんだ。

一気にテイルシャーマにダメージを!!

 

俺はテイルシャーマに向かって一直線に突っ込んだ。そしてフォースナイファーの逆刃でテイルシャーマの体を攻撃しようとした。

フォースナイファーはテイルシャーマに触れる。その瞬間に違和感が俺の体を走る。

 

まるで紙を切ろうとしている感覚。それが違和感の正体だったのだ。いや…これは、テイルシャーマじゃない!?

 

「あら、気付いたの?」

 

俺の後ろにいるテイルシャーマ。何故!?

 

まだ俺は加速している。なのに!?

 

「私はあんたみたく正々堂々の能力じゃ無くて、少しインチキな能力を使っているのよ」

 

そうテイルシャーマは言った。その瞬間に紙で出来ていたテイルシャーマがバラバラに紙として別れた。いや、別れたんじゃない。配置についたのだ。

 

「神技『八方鬼縛陣』!!」

「ぐあぁぁぁぁ!?」

 

体が締め付けられるような痛み、そしてバチバチと光の力により身体中の自由が奪われていく。いつのまにかテイルタイマーは止まっている。どうやら攻撃された影響で強制的に加速が終わってしまったようだ。

 

「…これで決まりね。このまま気を失ってくれれば簡単何だけど…」

 

気が遠くなる…駄目だ。負けたらテイルシャーマが敵になるかもしれない!!

嫌だ…少し冷たい奴だけど、一緒に戦った仲間だ。今は戦ってるけどいつかは仲間として一緒に戦いたい!!

 

動け!!俺の体!!

 

「ぐぬぬぬ!」

「動こうとしない方がいいわ。今ギブアップすればこの技を解いてあげてもいいわよ」

「誰が…」

「…」

「ぐあぁぁぁぁ!!」

 

縛りが強くなる。い、意識が!!

こうなれば…一か八か…掛けてみるしかない。

フォースナイファーに力を…俺自身の力を!!

 

「フォースナイファー!!ブレイクレリーズ!!」

「何!?」

 

右手に持つフォースナイファーの刃が黄緑に光輝きその刀身が伸びる。刀身はそのまま結界を突き破る。

ブレイクレリーズ…これはテイルレッドやテイルブルーがよくやる武器の完全解放のことだ。フォースナイファーも勿論ある。だが、フォースナイファーの場合、この世界の最先端の武器ではあるが、この力に耐えることの出来るギリギリの素材で出来ている。テイルレッドのブレイザーブレイドとは素材の強度が違う。そのため、フォースナイファーはブレイクレリーズを使用しながらマキシマムブレイクを使用すると破損する確率が出て来てしまう。

フィリップさんが言っていた三回とは、ブレイクレリーズを使用した状態でマキシマムブレイクが出来る回数のことだ。

 

少し体の自由が戻り始め、右手にあるブレイクレリーズしたフォースナイファーで結界を切り裂く。

 

そしてその刃を逆刃にしてテイルシャーマに横からぶつけようとした。

 

「しまっ!!」

 

完全に不意をついた。

その刃は確実にテイルシャーマに届いた。だが…

 

「!?え?」

 

フォースナイファーとテイルシャーマの間に割り込む一つの影が表れたのだ。

その影は…いや、その人物は右手で延長されたフォースナイファーの刃を触れたのだ。

その瞬間だった。

 

パリンと変な音がする。

 

その後、フォースナイファーの光が消え、強制的にブレイクレリーズが終了されたのだ。刀身は元のナイフサイズに戻ってしまった。

 

「…俺の妹に何すんだ」

 

右手を構えた人物…それは俺の良く知る人物だった。服そこ神社で神主さんが良く着ている服に似ていて違うが、彼は…そう、彼は…ツンツン頭の正義感溢れる俺の男友達…上条当真だ。

 

「当真…なんでこんな所に…」

 

俺は素が出ていることに気が付かなかった。

 

「俺の名前を知ってるのか!?何者だよ!」

「は!!」

 

その瞬間に我に帰る。そうだ。俺は今テイルエアーだ。二摘輝跡じゃない。

 

「てめぇ…ツインテイルズとか何とか言って俺達の世界に攻めてきた奴等の仲間だったんだな!!」

「ちょ!違う!!」

「じゃあなんで霊夢が攻撃のされなきゃなんないんだよ!!」

「僕だって本当は戦う気なんて…って霊夢?」

「あーもう…馬鹿兄貴…」

「兄に向かって馬鹿とは何なんだよ!!」

「兄って言っても先に生まれただけじゃ無い!しかも数分前位の!」

「それでも、俺が兄何だぞ!!」

「知らないわよ!馬鹿兄貴」

「この!」

「あの…上条カップル?」

「「違う!!」」

 

このハモり具合…

上条兄妹です。ありがとうございました。

完璧にシリアスモードが消え去った。流石当真だ。

 

「あーあ、兄貴のせいで計画が台無しじゃ無いの!!」

「計画って何だよ!!」

「テイルエアーの実力を知ること。ツインテイルズで唯一苦戦せずに戦っているのはテイルエアーだけ何だもの…」

「苦戦せずにって…僕は結構苦戦してるんだけどな…」

「いや…貴方はまだ力がある。それを引き出そうとしたんだけど…」

 

テイルシャーマがジーと当真を見つめる。

 

「何ですか?まさか上条さんが悪いとでも…」

「兄貴が悪い」

「妹のピンチに颯爽と表れた上条は出来る兄だと思いませんか!」

「使えない兄。空回りしてる使えない兄」

「あ…上条さんの精神ダメージが…」

「頑張れ当真。そんな当真を僕は応援してる」

「てか、お前誰だよ!!」

「輝跡よね?」

 

見破られていた…

 

「テイルシャーマ…君は…霊夢なのか?」

「そうよ」

 

テイルシャーマが頷く。あー、もうテイルシャーマと霊夢が一緒に見える。

 

「えーー!テイルエアーが輝跡!?そんなことあり得ないだろ!」

 

現実を逃避したお馬鹿さんがお一人。まあ、そう言われてもわからないよな。

 

「変身解きなさいよ。別に女の子になったからって軽蔑もしないし、勝手に絶望もしないわ」

「信じてもいいのか?」

「いいわ」

 

俺は変身を解く。

 

「ほ…本当にテイルエアーが輝跡…だったんだ…」

「黙っててごめん。騙すつもりは無かったんだけど…正義のヒロインの正体が男なんてことを知られたら、皆絶望するんじゃないかと思って…」

「まあ、私みたいに変身出来たり、兄貴みたいに馬鹿じゃないと普通信じられないわよね」

「霊夢さん、然り気無く上条さんに冷たくありませんか?」

「それはそうよ。計画台無しにされたもの」

 

テイルシャーマの正体が霊夢。更にそれを知っている当真。

君達は一体…

 

「それより急いでるんじゃなかったの?」

「あ!!」

 

テイルタイマーで時間を見る。もうすぐライブが始まっちまう!

 

「すまん、霊夢、当真。この話しは後でしよう!」

「なんか用事でもあるのか?」

「善沙闇子のライブを見に行くんだ」

「へー」

「そんなことで急いでたのね…」

「友達の晴れ舞台に行くのは当たり前だろ」

「友達…は!?善沙闇子と友達!?」

「それも今度な!んじゃ!」

 

ワープ装置を使用して一気にマキシーム宙果に向かう。

 

ライブスタート五分前。

 

俺はなんとかマキシーム宙果に着くことが出来た。

既に会場は熱気に包まれていた。皆眼鏡してるよ。

 

俺もポケットから伊達ではあるが眼鏡を取り出す。善沙闇子…いや、イースナのライブだ。眼鏡のライブには眼鏡を掛けて応援しよう。

 

そんな熱気溢れる会場内…眼鏡を着けていない観客がいた。赤に近い髪の俺と同じ位の歳の少年…あれは…総二?

まさか…イースナのツインテール目当てか?

でも、この頃イースナ、ツインテールじゃ無い時もあったし…

 

取り合えずライブを楽しみますか。




さて、今回から次回予告を霊夢がやってくれます。
霊夢「…なんで私なのよ…」
まあ、兎に角、次回予告お願いします。


次回予告

コンサートを楽しむ輝跡。だけど、そこに、エレメリアンがあらわれる。
そこへ駆け付けるテイルレッド。
勝利の鍵はコンビネーション?

次回

またもや幹部!?ケロベロスギルディ



偽装結界 幻夢!!



霊夢「ねぇ、テイルドライブじゃ無くていいの?」
いいの。霊夢の変身コールこれだから。
霊夢「まあ、いいけど」


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第25話 またもや幹部!?ケロベロスギルディ!!

どうも、一ヶ月ぶりです。

すみません、別の小説を書いてたら遅れました…
それと、色々私情で忙しく…(アニメやYou〇ube、ニコ〇コ動画を見たりして)遅くなってしまいました。

それと、この小説…全然進んでません。

予定では長編をやる予定だったのですが…

取り合えず、出来る限りやって行こうとは思いますんで。

ではでは、本編の方

どうぞ~


ライブが始まり会場の熱気が更に暑くなる。

既にサウナは越えているだろう。今俺は生身だ。フォトンアブソーバーがあれば此ぐらい暑くもなんとも無い。だが、今の俺にとってはとても暑い…

 

「暑い…」

 

俺は暑いのが苦手なんだよ…

熱気で雲が出来ないだけマシなのだろう。

 

カラーライトを降りながらライブを盛り上げてる観客達。一部横にガタイが良い人達が集まってライトを降りながら善沙闇子の歌う歌詞にそって歌いながら踊っている。あそこでは雲が発生しているようだ。あの場所だけは昔のコミケ状態のようだ。あの場所はゲリラ豪雨に注意だな。まあ、全体に雲が出来ない事だけを祈ろう。

 

そんなライブ中に善沙闇子がいるステージに黒い何かが落ちた。

 

それは、人形であり、人でない容姿をしている。

 

はい、エレメリアンです。ありがとうございました。

 

「え、エレメリアンだ!!逃げろ!!」

 

一人の先程踊っていた人物からの避難を促す言葉により逃げ出す人々。

ステージ裏に逃げ出す善沙闇子。どうせ、あのエレメリアン、イースナの部下か何かだろ?

イースナは眼鏡を流行らせているだけだ。ツインテイルズとの接触があったとしても、それはアルティメギルによる命令の時のみ。

 

続々と逃げ出す人々。俺はひっそりと移動して男子トイレに逃げ込む。

 

「おい!君!!今は逃げる事に専念したまえ!!」

 

ちっ!!

こんな時に避難誘導している係員に見付かっちまった。

 

「お腹が痛いんです!エレメリアンはどうせ人を傷つけないから、ツインテイルズとの戦いの余波を喰らわなければトイレに籠れます!!」

 

訳のわからない理論ではあるが緊急時なんだ。

 

「そうか。なら、一人で逃げろよ」

 

この係員、それでいいのか?まあ、そっちの方が都合がいいけど。

 

俺は個室のトイレに入る。

 

「テイルドライブ!!」

 

変身してトイレから出る。どうやら避難は終わったようだ。そこら辺にカラーライトが落ちている。

 

俺は急いで会場にむかった。

 

そこで目にしたのは…

 

体育座りしてるテイルレッドと、同じく体育座りをしている、犬みたいな見た目で顔が三つある黒いエレメリアンだった。

 

なにこれカオス。

 

まあ、場の流れからして、戦う雰囲気では無いようだ。それに、俺、結構バテてる。

テイルシャーマ…こと霊夢と戦った後だ。疲れてない訳がない。せめて、栄養ドリンクでも飲んでおけば良かった。

 

俺は歩いてテイルレッド達に近付く。

 

「あ、エアー…」

「どうしたの?」

「いや…ケロベロスギルディと消え行く属性力について話してたんだ…」

 

なんか重そうな内容だな。

 

「やっぱり…三つ編みは駄目だったのかしら…」

 

三つの首があるケロベロス…だから三つ編みか。なるほど。

 

「そんなこと無いよ。三つ編みも頑張ろうよ」

 

テイルレッドが励ましている。なにこれ?

敵同士ですよね?

まあ、消えていく属性力の話しらしいし…

え?ってことは三つ編み消えちゃうの?

 

「このツインテールが普及した世界じゃもう三つ編みが入る隙なんて無いわよ…」

 

あれ?アルティメギルってツインテールを狙ってるんだよな?なら、なんでこのエレメリアンは三つ編みなんだ?

…消え行くって…もしかして、エレメリアンとしてか?

 

「そんなこと無いって。頑張ろうよ」

 

あれー?ケロベロスって幻獣の一匹だよな?ってことは、幹部クラスなんじゃ?

でも…消え行く属性力…を持つエレメリアン…なんか悲しくなるな。

 

「そうだよ…テイルレッドの言う通り、頑張ろうよ」

「エアー…」

「テイルエアー…貴女に何がわかるの?」

「…確かに、この世界ではツインテールが流行している。いや、芽吹き始めている。でも…それでも、心から三つ編みが好きな人だっているよ」

「いたとしても、それは小さい小さい属性力よ…」

「人の好きって気持ちに大きさなんて必要なのか?それが好きって気持ちだけで強くなるんじゃないの?」

「エアーの言う通りだよ。それに、頑張ってればいつか報われるよ!」

「レッド…エアー…貴女達…」

 

いつの間にか俺はケロベロスギルディとテイルレッドと一緒に体育座りをして話していた。

 

「…ユニットだわ…」

「「え?」」

 

俺とテイルレッドの声が重なる。そして立ち上がるケロベロスギルディ。なんか思い付いたのか?

 

「テイルレッドにテイルエアー、それにダークグラスパー様がユニットを組めばいいよの!」

「え?ダークグラスパー?」

 

ここでライブをやっていた人物だ。お互いに幹部同士だから知り合いなのか?

 

「実はな…ケロベロスギルディは…あ…」

 

テイルレッドは何か思い出したように口を塞ぐ。もしかして…ダークグラスパーが善沙闇子だって知ってるのか?なら、大丈夫。俺も知ってるから。

 

「善沙闇子のプロデューサーだったりして?」

「な!なんでエアー!その事を!!」

「ごめん。僕の知り合いに善沙闇子の正体を知ってる人がいて、その人から聞いたんだ」

「やっぱり知ってたのね、テイルエアー」

「まあね」

「それでどうかしら?ユニットを組んでみては?」

「ユニットね…」

「エアー、真剣に考えないでよ。俺達もうツインテイルズってユニット組んでるだろ?」

「いや、確かにそうなんだけど…」

「やっぱり、ツインテールの子が二人に三つ編み一人の公正がいいわね」

「それ、自分の欲望…てか属性も入ってるよね!?」

「それなら、ダークグラスパーにその役目をやらせた方がいいよ。僕だと三つ編みにするほど髪は伸びてないし、色合いも三つ編みには似合わない。テイルレッドはツインテールの戦士だから、三つ編みには出来ない。それに、三つ編みは一番黒髪が似合う」

「あら、テイルエアー、貴女以外に話しがわかるじゃないの」

「俺を置いて勝手に話しを進めるなーー!」

「けど、テイルブルーやテイルイエローはどうするんだ?」

「彼女達もそれなりに魅力があるし…」

「バックダンサーにしては勿体無いよね…」

「そうなのよね…だからって増やすと…ツインテール率が高くなっちゃう…」

「うーん…」

「真面目に考えないで…」

「エキストラとか?ほら、候補として上げておいて、地方イベントとか臨時に行かせるとか」

「それよ!なんて頭がいいの!」

「何が頭がいいんだよ…」

 

そう話しているとき、テイルブルーやテイルイエローが会場に到着する。

 

「…どうやら、この話しは後にした方がいいようだな」

 

ケロベロスギルディの声の質感が代わった。どうやら戦うらしい。あ、俺こいつと戦いに来たんだっけ。

 

「レッド!下がって!」

「ブルー!?」

 

テイルブルーがケロベロスギルディに向かってウェイブランスを投てきする。まだ室内なのに!

 

俺とケロベロスギルディはそれを避ける。てか、危なく俺に当たる所だったぞ!?

 

「テイルブルー!僕にもちゃんと言ってよ!」

「ち…外したか…」

「なんで僕を見ながら舌打ちするの!?」

「ブルー、ここは室内。ここで戦うのは…」

「…わかったわよ。外に行くわよ!!」

 

俺達は会場を後にして、会場近くの広場に来た。勿論、ケロベロスギルディもついてきた。

 

「さて…ツインテイルズ…貴女達…」

「オーロラピーラー!!エグゼキュートウェイブ!!」

「早速必殺技!?」

 

驚いたケロベロスギルディがオーロラピーラーを諸に喰らい、そしてエグゼキュートウェイブを喰らってしまう。

非道にもケロベロスギルディにエグゼキュートウェイブが当たり爆散する。

 

早かった…幹部の強さを見る前に終わった…

 

「全く…早速必殺とはね…」

 

声がする方を見る俺達。そこにいたのはケロベロスギルディだ。でも首が一つ無い。

エグゼキュートウェイブにより爆発したケロベロスギルディの方を見ると、そこには首一つのケロベロスギルディ(この場合ドックギルディ?)がボロボロになって立っていた。

二つ首のケロベロスギルディは一つ首のケロベロスに近つき、合体し首が三つのケロベロスギルディになった。しかも、エグゼキュートウェイブのダメージが全く無いようだ。

 

分散能力に合体したら完全回復…厄介だな。

 

「なんなのよ!あいつ!」

 

キレ気味のテイルブルー。おー、恐ろしい。

 

「エアー、あんたなんとかしなさい」

「ぼ、僕が!?」

 

なんという無茶ぶりか…

 

「あらあら、4体1だからって調子に乗らない方がいいわよ…」

 

そう言った瞬間ケロベロスギルディが此方に飛んでくる。だが、飛び方がおかしい。胸を大きく見せながら…まるで後ろから思いきり蹴られたような飛び方だ。

俺やテイルレッド、テイルブルー、テイルイエローはケロベロスギルディの飛ぶ直線から避ける。

 

ケロベロスギルディはそのままアスファルトとご対面。アスファルトを削りながらうつ伏せになった状態で止まる。

 

「4体1じゃ無いわ。5体1よ」

 

そこにいたのは、テイルレッドと瓜二つの戦士…テイルシャーマだ。

 

「シャーマ!!来てくれたのか!」

「全く…エアー、あんた、出力が戻って無いのに幹部クラスと戦う気だったの?」

「ごめん…でも…」

「あ…あの…あの方は…」

 

俺に質問してくるテイルイエロー。そうか、テイルイエローは初めて会うんだよな。紹介しておかないとね。

 

「こちら、テイルシャーマ。僕達の仲間だよ」

「テイルシャーマよ」

「テイルイエローと申します」

 

お互いに軽く挨拶程度に紹介し合う。

 

「いいわ!」

 

立ち上がるケロベロスギルディ。何か思い付いたのかな?

 

「ここまでダイヤの原石があるなんて!特にテイルレッドとテイルエアー!そして、貴女!」

 

ケロベロスギルディはテイルシャーマを指差す。

 

「いいわ!いいわ!!ツインテールが五人!三つ編みがいないのは残念だけど、私のプロデュース力が貴女達の良さを引き出せと言っているわ!!」

「はぁ…さっさと退治するわよ…」

「テイルシャーマって言ったわよね?貴女、世界狙えるわよ!」

「そう」

「シャーマの言う通りね。さっさとこんな奴血祭りあげましょ」

 

そう言って拳を鳴らすテイルブルー。

 

「殺られないわ!貴女達をプロデュースするまでは!!」

 

完全に目的がおかしくなってない?それでいいのか、エレメリアン。

 

ケロベロスギルディは三体に分離する。

 

「どう戦う?」

「合体されたら回復されるぞ?」

「私にいい考えがあるわ」

 

テイルシャーマがそう言う。

 

ツインテイルズ作戦会議中…

 

「よし!行くぞ!」

 

テイルレッドの掛け声。

 

「おー!」

 

テイルイエローしか返事しない。なんだ、このチームワーク。テイルブルーやテイルシャーマが言わないのは何となくわかるけど。あ、俺はテイルレッドの掛け声の時にわざと掛け声しなかったらどうなるのか気になったから言わなかっただけだよ。

 

「なんで誰も言わないんだよ!」

「そうですわよ!」

「いや…なんというか恥ずかしいというか…」

「私も同意」

「わざと言わなかったらどうなるかな~と思って…」

「酷いチームワークね…」

 

ケロベロスギルディに同情されるチームワーク。ある意味素晴らしいだろ?でも、これからが本当のチームワークだ!

 

「行きましょ!!ブルー!」

「わかったわ!!」

 

テイルブルーとテイルイエローがケロベロスギルディの首一つの奴(やっぱりドックギルディ)に突っ込んで行く。

 

その間にテイルシャーマが空に飛んで行ってしまう。

 

「何?テイルシャーマは逃げたの?」

「そういう事!!」

 

俺は一体のケロベロスギルディに蹴りを咬ます。ダメージはそんなに無い。まあ、いい。こいつは、合体するときの核となる奴にする予定だしな。

 

テイルレッドもケロベロスギルディと戦い始めた。

 

「フォースナイファー!!」

 

フォースナイファーを取り出して攻撃しては下がり、攻撃しては下がりを繰り返す。

迫り来る炎を避けたりする。流石、地獄の番犬と呼ばれる幻獣だ。炎を使ってくる。

少し足に疲れが来ているが、関係ない。

 

テイルレッドは全力でケロベロスギルディに剣を振るう。

 

「なかなかやるわね…でも…」

 

それは俺が見えない内にやられていた。

 

「きゃ!!」

「な、何よこれ!!」

 

テイルイエローとテイルブルーの方を見ると…テイルブルーとテイルイエローのツインテールが三つ編みみたいに結ばれていた。

うわ…綺麗…

少し見とれちゃう…

 

「ふふふ…これでテイルイエローもテイルブルーも戦えないわ」

「く!」

「痛い!!痛いですわ!ブルー!!」

「ご、ごめん…」

 

何だろ…こう、あれはあれで…

 

「ありだな…」

「エアー!そんな事言ってないで戦いなさいよ!」

 

おっと、手が止まっていた。さて…ケロベロスギルディにダメージを…ってあれ?いない!?

 

俺と戦っていたケロベロスギルディは既に俺の近くでは無く、テイルイエローやテイルブルーに迫っていた。

 

「やば!」

 

俺は走って追いかけるが間に合わない!

 

「こうなれば、ブルー!合体技ですわ!!」

「ええ…えー!」

 

一瞬頷いたブルーだが、予想外の事だったらしい自分で驚いている。

 

「ブルー!貧乳の属性玉で…」

「嫌よ!!」

 

即答である。

 

「けど、それしか手はありませんわ」

「それでも嫌よ」

 

どうやら、何か奥の手があるらしい。多分、テイルレッド達だけが出来る属性玉変換機構(エレメンタリーション)を使うようだ。俺のテイルタイマーにはそんな機能無い。そういう点ではテイルギアの方が性能いいよな…

 

でもなんでテイルブルーは嫌がるのだろうか?

 

「あいつみたくなりたくない!!」

 

あ…確か、貧乳属性の属性玉ってクラーケギルディのやつだっけ。クラーケギルディは触手、触手はテイルブルーの唯一嫌いなものだもんな。仕方がない。

 

「でも!!」

 

確かに、好き嫌いでやられたら意味が無いよな。仕方がない。こうなれば、テイルブルーのコンプレックスを解消する方法…そう、胸に関する解消法を言えばいい。

 

…あ…俺、そんなの知らない…

 

やけくそだ!

 

「テイルブルー!!貧乳属性の属性玉変換機構を使ったら、胸を大きくする方法教えるから!!」

「さぁ!イエロー!!やるわよ!!」

 

反応が全然違う…

計画通り…

 

「わかりましたわ!!属性玉変換機構!!巨乳属性!!」

《巨乳属性》

 

テイルイエローが属性玉変換機構を使用し機械音が響く。マダオボイスじゃ無くて良かったと思っている俺がいるのはナイショ。

 

「属性玉変換機構…」

《貧乳属性》

 

無惨にもテイルブルーのコンプレックスが機械音により辺りに知れ渡る。だが、ここにいるメンバー(ケロベロスギルディとテイルシャーマ以外)はその事を知っているためそこまで思わない。けど、口にしたく無いほど貧乳が嫌なのか…そこは人それぞれだから何も言わないけど。

 

「「リフレクション・バースト!!」」

 

テイルブルーとテイルイエローに襲いかかろうとしていた二体のケロベロスギルディはテイルイエローとテイルブルーが起こした衝撃波により吹き飛ぶ。

ケロベロスギルディは幹部クラスの強さだ。あのドラグギルディを倒したテイルレッドも苦戦している。そんな奴を吹き飛ばす程の威力…スゲーな。

 

その衝撃波の影響かどうか知らないがテイルブルーとテイルイエローの三つ編みがほどけたのだ。更に言うなら、あの一撃により二体のケロベロスギルディは瀕死に近い状態になっていた。

 

「く!仕方がないわ!もう一度元に戻るわ!!」

 

そう言ってケロベロスギルディは瀕死の二体の所に行く。

それを待ってたんだ!!

 

「神技『八方鬼縛陣』!!」

 

空からいきなり現れたシャーマが俺を縛ったように三体のケロベロスギルディの体を封じる。

 

「ぐおおおおお!?こ、これは!?」

「そう。シャーマは逃げたんじゃ無い。ずっと空にいたんだ」

 

そう、作戦はこうだ。

 

俺やテイルブルー、テイルイエロー、テイルレッドが三体のケロベロスギルディのどれか一体でもいいからダメージを与える。

合体しようとしたところでシャーマが俺に使用した技を使ってケロベロスギルディ三体の動きを封じる。

それぞれ必殺技で決める

 

別にオーロラピーラーでも良かったが、拘束力や範囲はこちらの方が上だ。なんでも、鬼ですら縛り上げる程の威力だそうだ。よく俺あの中から逃げ出せたよな…

 

「さ、最初からこれが狙いだったのね…」

「そうだ!」

 

力強くテイルレッドが頷く。

そんじゃ決めますか…

 

「「「完全解放!!」」」

 

三人の声が響く。俺も…あ、あれ?

俺は足に力が入らなくなっていた。まさかのエネルギー切れ!?

 

「大丈夫か!エアー!?」

「大丈夫だよ。ほら、早くトドメを!!」

「わかった!」

 

それぞれの必殺技が発動する。

 

「ヴォルテックジャジメント!!」

「エグゼキュートウェイブ!!」

「グランドブレイザー!!」

 

赤、青、黄の光がケロベロスギルディを貫いて行く。スゲー…カッケー…

 

そして起きる爆発。

 

爆発が収まり技の発動を止めたシャーマ。なんでも、あの技を使用している時は動けないとか…

 

だが、シャーマはずっとケロベロスギルディがいた所を見ている。

 

「お疲れ、エアー」

「あ、う、うん」

「どうやら、お疲れと言うにはまだ早いらしいわ」

 

その一言によりケロベロスギルディのいた所を見る。

爆煙が少しずつ晴れていく。そこには、三首の幻獣のエレメリアン、ケロベロスギルディが立っていた。まさか!!効かなかったのか!!

 

すかさずに拳を構える俺達。

 

「…紙とペンを頂戴…」

「え?」

「早く!もう長く無いわ!!」

 

そう言ってきたケロベロスギルディ。何を考えているんだ?

 

「と、取り合えず持ってくる」

「そんなのいいわ。さっさと殺っちゃいましょ」

 

テイルブルー…それは非道では…

 

「これでいいか?」

 

既にテイルレッドが紙とペンを持ってケロベロスギルディに渡す。多分だが、テイルレッドはケロベロスギルディに友情を感じているのだと思う。俺だってそうだ。消え行く属性のケロベロスギルディ…そんな奴…ツインテールがもし同じの事が起きたら、総二やテイルレッドも同じ感情を持っていたかもしれない。

 

スラスラと何かを書いていくケロベロスギルディ。何を書いているのだろうか…

 

ケロベロスギルディはそれを書き終わるとペンや紙をテイルレッドに渡す。

 

「結局、貴女達のプロデュースは出来なかった…でも、最後に希望が出来たわ。三つ編みを信じる事と、貴女達が…もっと輝く方法が…」

 

ケロベロスギルディはテイルレッドに渡した紙を指差す。

 

「私の全てを…書いたわ…実行するのも、しないのも貴女達次第よ」

 

ケロベロスギルディの体から放電が始まる。

そうか…お別れの時なのか…

こんないい奴…あの時以来だよ。

 

「それじゃ…三つ編み万歳!!」

 

爆散するケロベロスギルディ。

爆煙の後にあるのは、ケロベロスギルディの属性玉…三つ編み属性…

 

「ケロベロスギルディ…」

 

テイルレッドは死んでいった宿敵、そして友。

俺は一人であの親友の事を思い出していた。

 

だが、戦いはまだ終わってはいなかった。




輝跡「おい!前に投稿してから一ヶ月立ってるじゃねーか!!」
すまん…You〇ubeやニコ〇コ動画なんかを見たり、モンハンやったり、マイクラやったりしてたらすっかり忘れてた。本当にすまん…
輝跡「ったく…」
取り合えず、次回予告のカンペ渡すから次回予告やっちゃってくれ
輝跡「しゃあねぇな…」


次回予告

ダークグラスパーに倒されてしまうテイルレッド達。
立ち向かうは、一人のヒーロー…テイルエアー。
だが、無惨にもテイルエアーはやられてしまう…
その時、テイルエアーが覚醒する!?

次回

連戦ダークグラスパー!!



テイルドライブ!!


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第26話 連戦ダークグラスパー!!

どうも、風墳Kです。

また、投稿遅れて申し訳ありません。理由は、モンハンに、アニメ(湾岸〇ッドナイトやごちうさ等)、バイト等です。しかも、俺ツイの10巻がいつの間にか発売されてました。まだ8巻も手を付けていないのに…。
更には俺ツイの小説が全然進んでいません。なので書き貯めしておいた物を投稿しています。

と、こんな感じになっていますが、取り合えず、どうぞ~


善沙闇子の正体がダークグラスパー。これは俺と本人、そしてテイルレッド、今は亡きケロベロスギルディのみが知っている事だ。

 

「エアー、大丈夫か?」

 

膝を付いている俺を心配してくれるテイルレッド。

だが、まだ終わりじゃ無い。それは、テイルレッドが知っていた。

 

「…これから、ダークグラスパーを倒しに行く」

 

その一言だった。ダークグラスパーを、イースナを倒す?それって…

 

「まさか…ダークグラスパーを殺すって…」

「違うよ。方法はわからないけど無理矢理にでも無力化させてみる」

「はぁ、レッドには逆らえないわ。私も行くわよ」

「私も行きますわ」

 

テイルブルーにテイルイエロー…

 

「ごめん…僕、エネルギー切れを起こしたみたいだから…」

 

やはり、マキシマムブレイクの方が良かった…完全解放だと使うエネルギーが多い…

これからは気を付け無いと。

 

「私がエアーを見てるわ」

 

シャーマがそう言ってくれた。以外だ。

 

「そうか。もし可戦出来るなら来てくれ」

「後、胸を大きくする方法、教えなさいよ!」

 

そう言ってテイルレッド達は飛んで行ってしまう。テイルブルーのは置き土産みたいなものだ。後で調べておきます。

 

「さて…どうする?」

「何が?」

「可戦するかどうかよ」

「あぁ…行くよ。あの三人なら相手を殺すって事はしないだろうし、それに…」

「それに?」

「ダークグラスパー…いいや、イースナは二摘輝跡のメル友だからな。友達同士の戦いは良くない」

「あんたはアルティメギルに着く気なの?」

「まさか。ダークグラスパーはまだ敵だけど、いつか仲間になってくれるよ」

「…全く…単純馬鹿なのか…そういうところだけは兄貴に似てる」

「え~、当真に似てるとか…ショックなんですけど…」

「ふふ…そうね」

 

ちょっと笑ったシャーマに俺はドキッとしまった。なんだ…今の感じは…

こ、これが萌えなのか!?いいや、これは…疲れから来る心臓の痛み?もしかして病気?いいや、この前の精密検査でなんも無かったもん。

 

「どうしたの?」

「あ、いいや、何でも無い」

 

なんだ…テイルレッドに似てるから少しドキドキしてきた…。

霊夢は同級生だ。けど、今は見た目が小学生…

これは、所謂合法ロリという奴なのか?

二人して座って俺のエネルギーが貯まるのを待つ。

良く考えたんだけど、これって、ある意味いい展開では無いのだろうか?

だって…本気(俺だけ)で戦って、その後の戦いに駆け付けてくれた。これって、俺の好感度が上がったってことだよな?

それか、お互いに正体を知ったからか?

 

「なあ、シャーマ、なんで駆け付けてくれたんだ?」

「気まぐれよ。でも…」

「でも?」

「この世界もいいなと思ったのよ。少し前の私ならアルティメギルを全部退治して終わらせてさったと元の世界に戻るつもりだったわ。でも、あんたや愛香なんかとつるんで行く内にこの生活も楽しく感じて来たのよ」

「そうなんだ…嬉しいな。霊夢が楽しそうで…」

「あんたはもっと楽しそうじゃない」

「うん。楽しいよ。毎日が楽しくてしょうがない」

「気楽よね…侵略者がいるっていうのに…」

「そうだよね…気楽だよね。でも、毎日が楽しいのは否定出来ないな」

 

さて、エネルギー残量も結構戻って来た。これなら行けるかもしれない。

 

「そろそろ行こうか」

「そうね」

 

俺とシャーマは立ち上がりテイルレッド達が向かった方向へ向かった。

 

 

そこは、マキシーム宙果が上から眺められる公園だった。そこで、テイルレッド、テイルブルー、テイルイエローは交戦をしていた。あくまでしていただ。

今はその傷痕を地面に残すのみ。

いるのはダークグラスパー、そして…

 

「テイルレッド!!助けに…って!?」

 

俺が駆け付けた時には、テイルレッド達の姿ら無かった。そう、無かったのだ。

だが、その変わりに仮面ツインテールが…いいや…仮面ツインテールの格好ではあるが、仮面を着けていない人物がそこにいた。

 

「トゥアールよ…この眼鏡をかけてくれ…」

「い、いや…」

「これを着ければ一生わらわのみを見続けられる…」

 

黒い眼鏡をトゥアールに着けようとしながらストーカーの最終段階のような事を言っているダークグラスパー。あの子、俺のメル友だぜ?予想出来るか?

 

「…テイルエアーか…それと…噂で聞く異世界の巫女…」

 

ダークグラスパーは俺達の方を見る。そして確認した。俺とシャーマを…

 

「テイルエアー、お主の友人には世話になっておる…」

「輝跡も同じような事言ってたよ」

「そうか。そして、異世界の巫女よ。あの事件は本当に残念じゃった…」

「本当よ!!」

 

きっと霊夢がいる世界で何かあったのだろう。今度聞いてみよう。

 

「あ!テイルエアー!!私です!仮面ツインテールです!さっさとこのストーカーを殺っちゃて下さい!もう、粉々に成る程にしちゃって下さい!」

 

いや…友達を粉々にするとか、俺には出来ないよ。それにしても…

 

「テイルレッド達は!?」

 

そう、先にこっちに来ているはずのテイルレッド達がいないのだ。これはおかしい…まさか、やられた!?

 

「あやつらなら、わらわのカオシックインフィニットで眠っておる。そして、永遠に目を覚ます事は無いじゃろう」

 

良かった倒された訳じゃ無いんだ。でも目を覚まさないってのはヤバイな。これは、俺が倒すしかないか。仕方がない。女の子を傷付けたくは無いが気絶する程度に攻撃するか。

 

「行くぞ!!ダークグラスパー!!」

 

俺は拳を構えて戦う意思を見せる。だが、当のダークグラスパーはというと…

 

「少し待て、今トゥアールに眼鏡を掛されるからの…」

「ちょ!止めて下さい!」

「トゥアールが嫌がってるじゃ無いか!!」

 

俺はトゥアールとダークグラスパーの間に割り込む。

 

「ちょ!エアー…全く…後先考えなさいよ…」

 

少し愚痴を言っているシャーマを無視する。

 

「どけ、テイルエアー。お主程度わらわの敵では無いのだぞ?」

「知らないよ。でも、無理矢理属性を押し付けるのはいけない事だよ」

「こうでもしないとトゥアールはわらわを見てくれないんじゃ!」

「そうです!私は幼女しか興味はありません!なので、ダークグラスパー…いいえ、イースナ!貴女には興味の欠片らのかの字もありません!!」

 

ひでー…そこまで言えるのか…てか、トゥアール、幼女好きだったんだ。んじゃ、今度から学校では取って置きの幼女写真(テイルエアーの自撮り)でも売り付けて買収しよう、そうしよう。

 

に、しても、トゥアールが本当にツインテイルズの関係者…しかも仮面ツインテールだったとは…驚きだな。

 

「こうトゥアールも言っておる。だから、トゥアールには眼鏡が必要なのじゃ!!」

 

無理矢理眼鏡を掛されようとするダークグラスパーに俺は無意識に体が動いていた。

 

トゥアールを守ろうと身長差を埋めるべくジャンプした。それがいけなかったのか…良かったのか…

 

カチャという音が響く

 

「え?」

「な!!」

「エアー!?」

 

三人の声が響く。俺の目の前のダークグラスパーの手には眼鏡が無い。そして、トゥアールも眼鏡を掛けていない。勿論シャーマも掛けているはずが無い。

なら眼鏡はどこに?

 

「え、エアー…貴様、わらわのトゥアールへ送る眼鏡を返せ!!」

「え?」

 

恐る恐る耳元の方を触ってみる。

なんかプラスチック感というか、眼鏡特有の感触がある。

 

うん、俺が眼鏡掛ちゃった。

 

「早く眼鏡を外して下さい!その眼鏡は一度着けたら取れなくなる呪われた眼鏡です!!」

「え!?」

 

そんな驚愕の真実を聞いてしまう。なんだよ!だったら最初からトゥアールの前になんか立たなかったよ!!

 

「エアー!!」

 

シャーマが呼び掛ける。いや、俺何ともないよ?

 

「…おかしい…」

 

そう言ったのは掛けさせた張本人のダークグラスパーだった。

 

「何が?」

「その眼鏡を着けた瞬間わらわの虜になるはずなんじゃ。それなのにお主はわらわの虜になっておらぬ…」

「確かに…」

 

別に俺はダークグラスパーの虜になんかなっていない。それどころかなんも変わり無い…

 

「エアー…少しいいですか?」

 

トゥアールは俺の顔を覗いてくる。うわ!スゲー美人!!え?トゥアールってこんなに可愛かったっけ?

 

「…やはり…残念でしたね、イースナ。この眼鏡はどうやら故障したようですね」

「なんじゃと!?そんなはずはない!わらわが試行錯誤を繰り返して作り上げた眼鏡じゃぞ!?眼鏡属性に少しでも興味が出た、もしくは出た事があったのなら必ずわらわの虜になるはずじゃ!!」

「…ということは、エアーは眼鏡属性に全く興味が無かったということですね」

 

トゥアールが結論を言ってしまう。けど、俺眼鏡に興味ありありなんですけど?え?どういうこと?マジ意味不明

 

「掛けられてる本人が不思議そうな顔してるわね…」

 

本当だよ…何が起きたんだ…

 

「仕方がない…こうなれば…テイルエアーよ!お主もカオシックインフィニットの餌食となるがいい!!」

「え?」

 

俺の周りを暗闇が包み込む。

そして、俺は…闇の中へと意識を吸いとられてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通りの学校

 

それぞれ好きな事を話している生徒達。

 

「やっぱりテイルレッドだよね~」

「え~テイルエアーもいいよ~」

 

女の子、男の子、それぞれが好きな事を話している普通の世界。

 

「なあ、輝跡、俺の話を聞いてるか?」

 

俺は自分の席に座りながらある人と話していた。総二だ。いつも通りにツインテールの話をしている。

 

「聞いてるよ」

 

総二には彼女が三人もいていいよな…

この日本では多重婚が認められているとはいえ、三人の女の子と付き合うなんて高等技術俺には出来ないな。流石総二である。その点、当真はラッキースケベな現象が多いし良く人助けをするためモテるのに気が付かない鈍感さんだ。本当は総二も言えたのだが、総二の場合女の子達が自分で告白をしたため、その事に気が付いたのだ。

 

「はぁ…いいよな…総二は彼女がいてさ…」

「そんな事よりもツインテールの事だが…」

 

全く、勿体無い奴だぜ。

 

そんな中、俺の教室に俺の彼女が現れる。

え?誰が彼女がいないなんて言った?

 

見た目は青髪でロング、幼さが残るがその顔立ちは綺麗で美少女と言われればそうだとしか言えない容姿。チャームポイントの桃のモチーフの飾りを着けた黒いソフト帽を被っている。相変わらず可愛いな。

 

女の子は俺へと近づいて、俺の席の真横に来る。

 

「あんた…いつまでそうしてる気?」

 

なんの事だ?

 

「惚けないで。気がついてるんでしょ?」

 

何を…言っているんだ?

 

そんな時だった。俺の教室に憧れのテイルエアーが現れたのだ。だが皆気がついていないようだ。テイルエアーは俺の机の前に来る。

バンと俺の席の机を叩くテイルエアー。

え!?俺なんかした?

 

「なあ、総…」

 

総二に話そうとするが、自分の話ししかしていない。良く聞いてみると他のクラスメイト同士も好きな事を話しているだけで話しが噛み合って無い。

 

「気が付いた?」

 

テイルエアーがそう言った。

 

「なんか…違うな…」

「今ごろ気が付いたの?全く…鈍感ね」

 

なにを!?と言いたいが、どうやら、本当に鈍感だったようだ。

これは現実じゃ無い。

 

「…ここは…そうか、俺はダークグラスパーにやられて…」

「全く…世話が焼けるわね」

 

そう言ったのはいつの間にか俺の教室にいたテイルシャーマだった。

テイルシャーマは俺の…横にいる俺の彼女だと思われる人を見る。

 

「あんた…」

「どうやら、夢が同調しちゃったみたい。でもその内現実でそっちに行くわ」

 

そう言って彼女だと思われる美少女は消えて行く。

 

「なんか知らないけど、後で色々聞かせて貰うわよ」

「なんの事?」

「こっちの話しよ。ほら、早くその子の手握りなさいよ」

 

シャーマはそう言った。その子…テイルエアーの事か。

 

「早く行こう」

 

そう言ったテイルエアーは下からの目線で凄く可愛かった。この子が自分なんて…俺はなんて罪作りなんだ…

俺はテイルエアーの右手を左手で握る。なんと無くわかる。戻れる。現実に。

その瞬間、俺の右手に何か持っている感触が現れる。俺はそれを見てみた。

 

それは眼鏡だった。そう、眼鏡。ダークグラスパーがトゥアールに着けようとしたあの黒い眼鏡。その眼鏡は光輝き黒いフレームがひび割れ中から黄緑色のフレームが現れる。

 

「…属性追加機構(エレメンプラス)」

 

新たな能力…頭の中で…いいや、心でこの属性を感じる…

 

「さあ!行くわよ!!」

 

シャーマの言葉で周りが光輝く。

意識が覚醒する感覚がわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が目を開けるとそこにはテイルレッドや、何故か肌がツヤツヤしているテイルブルーとテイルイエローがいた。(影の方には仮面ツインテールことトゥアールも)

なんかテイルブルーとテイルイエローはぶつぶつ文句を言っているけど関係無いな。

 

俺の姿はテイルエアーのまま。そして、隣にはシャーマがいる 。どうやらシャーマが助けてくれたようだ。

 

「本当に世話が焼けるわね…」

 

テイルシャーマはそう言ってため息をする。

 

「エアー!大丈夫か!?」

「大丈夫だよ。シャーマに助けられた」

 

そう言った。でも、戦況はなんと無くわかる。テイルレッドやテイルブルー、テイルイエローもエネルギーが切れかけている。これはまずい。

 

「さて、私が相手する…」

 

シャーマがそう言ったが俺は右手を横に出してシャーマの行き先を止める。

 

「…あんたがやるの?」

「うん」

「…そう。なら私は休んでるわ」

「エアー!無理だよ!まだエネルギーが戻って…」

「大丈夫だよ。時間稼ぎ位はする。その間にダークグラスパーを無力化させる方法を考えて」

「わかった。けど無理するなよ」

「…了解」

 

俺はそうテイルレッドと交わすと闇の処刑人…ダークグラスパーの前へ出て対峙する。

 

「お主…まだわらわとの力量がわからぬのか?自力で出てきたテイルレッドなら未だしもお主はテイルシャーマとやらの力を借りてカオシックインフィニットを抜け出した。そこから、お主にはそこまでの力が無いということがわかるのじゃ。それでも戦うというのか?」

「戦うよ…」

「ならば、その未熟さ…死を持って知れ!」

 

ダークグラスパーは大きな鎌を何処からか取り出して俺には攻撃してくる。

 

「目には目を…歯には歯を…眼鏡には眼鏡を!!属性追加機構!!」

 

テイルタイマーが輝き出し、テイルタイマーの中からあの黄緑色のフレームになった眼鏡が飛び出てくる。それを俺は右手で取ってそのままその眼鏡を掛けた。

 

光輝く俺の体。

 

「なんだ!?」

「一体何が起きたんだ!?」

 

ダークグラスパーはバックステップで俺から距離を置く。

 

輝きの中から俺が出てくる。

だが、これまでと装甲が違う。

青と赤を中心にした色合いの装甲、元のテイルエアーの装甲にそれらが追加されて少しゴツゴツした見た目ではあるが、テイルイエローほどの装甲では無い。

背中にはバックパックが新たに追加されていて赤い羽を閉じた形、そして、右側には青い大きな剣、左側には緑色の砲撃用と思われるランチャーらしいもの、そして両肩にはビーム刃のブーメランが収納されている。頭に黄色いVの形をしたアクセサリーぽいのが追加された。因みにツインテールは健在だ。

そして、黄緑色のフレームが光る眼鏡。

 

「な…なんじゃ!?その姿は!?」

「属性追加機構…眼鏡運命(グラスティニー)モード!!」

「眼鏡運命モードじゃと!?なんじゃそれは!!」

 

トゥアールがノートパソコンのような物を何処からか取り出して俺の分析を始める。

 

「…テイルエアーから眼鏡属性の反応を確認しました…」

「じゃあ、エアーは眼鏡属性の戦士だったってこと?」

 

トゥアールの言葉に疑問で返すテイルブルー。

 

「いえ…でも、一時的に眼鏡属性を使っているようなのですが…出力が違いすぎます!」

 

後ろで話しているツインテイルズ。

 

「お主も眼鏡の戦士だったとはの…」

「違うよ。僕は、眼鏡の戦士じゃない。ただ、眼鏡を好きになってきているだけだ!」

 

俺はそう言って右の剣を引き抜く。引き抜いた剣はビーム刃を出した。

そして俺はそれをダークグラスパーに振るう。それを鎌で防ぐダークグラスパー。だが俺の方が攻撃力は高いらしく弾き飛び、空にうち上がるダークグラスパー。だがダークグラスパーは空中で止まった。そう、シャーマと同じでダークグラスパーも宙に浮けるのだ。

 

「驚いたの…まさか、そこまで強くなっておるとは…だが、ここまではこれはしな…」

 

そう言っている時に俺はバックパックの赤い翼を展開させる。赤い翼から光が溢れだし、もの凄いスピードでダークグラスパーに向かう。

 

「な!?」

「残念ながら、僕も空を飛べるよ!」

 

そういって右手を付き出しダークグラスパーはそれを鎌でガードする。

右掌からビームが発射され爆発が起きる。

爆煙が俺とダークグラスパーを包む。そして、現れたのは俺とあまりダメージを追っていないダークグラスパーだった。

 

「お主…今の一撃、手を抜いたの…」

「…」

 

そう言われた瞬間に体から力が抜ける。

纏っていた装甲が光輝き消えていく。眼鏡も同じく消えてしまう。そう、元のテイルエアーに戻ってしまったのだ。

 

「え…」

 

空中に浮けなくなった俺はそのまま下へ落下していってしまう。まるで数秒間しか使えないことを意味しているように。いや、本当に数秒間しか使えないのかもしれない。でも…あのダークグラスパーと互角に渡り合えた。だが…

 

「…なんじゃ…まだそれは未完だったのか…」

 

そう言われたのだ。心はまだ戦える。しかし、俺は体の言う事所か行きなり襲ってきた疲労に気を失う寸前だった。

 

地面に接触する直前に誰かに俺は受け止められた。その正体はシャーマだった。体の小さいシャーマが俺をお姫様抱っこしているのだ。これが変身する前でしかも立場が逆ならどれ程良かった事やら…

 

俺はそれを知った途端、瞼を閉じてしまった。

 

 

数分して少し目を開けたら、テイルレッド達の武器が無理矢理合体したような武器から赤、青、黄色の光線が出てダークグラスパーを包み込み(テイルレッドが誤って先に攻撃してしまった)殆ど真っ裸のダークグラスパーが見えた。多分、これは夢だと思う。

テイルレッドが女の子を真っ裸にするはずが無い…はず…

 

その後俺は衝撃的なものを見てしまった。

 

テイルレッドとダークグラスパーが…唇と唇を…そう、所謂キスというやつをしたのだ。

あれって好きな人同士でやるものじゃ…しかもテイルレッドとダークグラスパーは同性。

そう言えばどっかの国では同性愛OKだっけ?いや、今はそんなのどうでもいい。

まるでダークグラスパーはテイルレッドにズキューン(俺の頭の中の擬音)という感じでキスをしてしまったのだ。

クソ!!テイルレッドたんの初キッスは俺が!!と思ってたけど、なんかあれはあれでいいかも…。ダークグラスパーとテイルレッドのイチャイチャ同人誌が売れるぞ~

ってそんな呑気な事を言っている場合じゃ無かった!!

ダークグラスパーはトゥアールの事が好きだったはずだ!なんでテイルレッドとキスしてんだよ!

そうか、これは俺の夢だ!

これは悪い夢だー(セ〇風)

 

それを現実じゃ無いと決め付け(現実逃避)をした後、俺は再び瞼を閉じたのだった。(この時まだシャーマにお姫様抱っこされていることに気付いていなかった)




輝跡「また投稿期間が…」
すまん…忙しいんだ…
輝跡「てか、なんか強くなったんですけど!?」
実はここで覚醒させる予定は無かったのですが、当時急遽の思い付きでこうなりました。
輝跡「え!?元からの設定じゃ無かったの!?」
この話しを書いている時に思い付いたことだよ。けど、ちゃんと今後の展開も考えているから、大丈夫。
輝跡「そ、そうか…」
さて、次回予告をやっておしまいなさい!!


次回予告

いつもの日々に戻るのだと思っていた。だが、それは間違いだった。新たなキャラも登場して、俺の家はパニックになる!

次回

崩壊!?俺の独り暮らし!!



テイルドライブ!!


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第27話 崩壊!?俺の独り暮らし!!

どうも。

とうとう新キャラ(オリキャラでは無い)登場です。
いや~長かった…。

兎に角、どうぞー。


俺はあの後シャーマにお姫様抱っこをされた状態で家に戻っていた。そんなの知らない(本当は薄々感じてはいた)俺は気が付いたら家のベランダで寝ていた。

 

シャーマ…こと霊夢が俺をここまで送ってくれたこと…ではなく、お姫様抱っこで送ってきてくれた事に少し恥ずかしさを感じながら俺はベランダから降りて(まだ変身していた)そのまま他の住人のいない(この頃になってわかった)マンションの俺の部屋に玄関から帰宅したのだった。

 

帰宅後変身を解いて少しシャワーを浴びた後、ベットに横になり死んだように眠ってしまった。

 

 

次の日

 

俺はある音で目を覚ました。

まるで何かが崩れる?いや、壊れるような大きな音がしたのだ。一応部屋の時計を見てみる。

昨日帰宅したのは約3時頃で寝てしまったのは4時頃。今の時間は午前9時。デジタル時計の日にちでは日曜日を記している。どうやらまる一日は寝ていないようだが、半日近くは寝ていたようだ。でもそのお陰なのだろうか、体に疲労が残っている感じがしない。

さて、完全回復をした俺は私服に着替えて自分の部屋から出てみようと考えた。

どうせあんな音を立てる迷惑極まり無い行動をするのは俺の知る限りでは自分の両親しかいない。

 

そう考えて俺は部屋から出る。

 

部屋から出るとホコリの凄い匂いがした。いや、これは、ホコリというよりも木材や建築等で使われている材料等の匂いか?それとコンクリートの匂い。

匂いのする方向を見る。どうやらリビングであの馬鹿夫婦が何かやらかしたようだ。リビングに続く細い廊下からは白い煙がリビングに篭っているのがわかる。けど、あれ、ドライアイスなんかの煙じゃないぞ?あれは、ホコリとかが舞っている感じの煙だ。

 

取り合えず、リビングに向かってみる。

 

リビングはホコリ等により目の前が見えない状態だった。俺は息を止めて急いでベランダを開ける。その間に足に何かジャリジャリした物を沢山踏んだが何なんだろうか?

 

ベランダからホコリが少しずつ外に出ていく。

それにより視界が少しずつわかってくる。そこにあったのは…

 

砂利…というよりもコンクリートの破片らしき物がリビングに散らばっていてその散らばっている中央に何故か当真が倒れていた。

そして、そのコンクリートの破片等が何処からか出てきたのかわかった。

 

リビングの壁(上条宅の方向)に大きな穴が空いているのだ。

俺はその普通ならあり得ない光景に何度か目を越すって確認したりほっぺたをつねって確認してみた。

 

夢じゃ無い。

 

アニメじゃない。

 

本当の事さ♪

 

なんて歌っている場合じゃ無かった。

俺は当真のいるところに駆け寄る。

当真は気を失っていた。今度は何をしたし?

 

「この馬鹿兄貴、学びなさいよね」

 

そう言って大穴から声が聞こえる。声の正体は霊夢だって事がわかった。そして、その言葉から当真が霊夢に何かラッキースケベをやらかして霊夢の逆鱗に触れて死にかけてると予想を立ててみた。

 

「当真…安らかに眠れ…」

 

俺はそう当真に言った後霊夢の方を見ないように挨拶をしてみた。

 

「おはよう、霊夢」

「おはよう。ってなんでこっち見ないのよ?」

「いや、当真の事だからまた霊夢の裸でも見たのかな~って思って。それにもし霊夢が何も着てなかったらり、薄着だったりしたらこのラッキースケベと同じ運命を辿る事がわかってるから…」

「大丈夫よ。私はジャージを着てるわ」

 

俺は霊夢の方を振り替える。本当にジャージを着ていた。安心する俺。全く、ラッキースケベをするのは当真だけでいい。その後のしっぺ返しも当真だけでいい。なんで俺まで喰らわなきゃいけないんだよ…

 

「霊夢~着替え何処~?」

 

だが、神様ってのはつくづく見放すもんなんだな。

上条宅の内部を見る事が出来るようになった大穴から一人の美少女が現れる。

青髪にロングショート…俺の夢に出てきた女の子と瓜二つの女の子…だが格好が問題だった。

白と青のしまパンに手で胸を隠している、所謂手ブラの状態で現れたのだ。勿論しまパン以外何も着ていない。

 

ラッキースケベ…と言いたい所だが、これは俺にとって死を意味していた。

その時に俺はふと隣で倒れている人物を思い出す。そうか…あの子を見たからこんな目に会ったのか…

そう決め付けた。

 

女の子は赤い顔をして俺を見た。

それに気が付いたら霊夢。

 

後はご想像に任せるが、俺達はその後顔がボコボコの状態になった。

生きているのが不思議なくらいだ。

 

 

 

「で、その子は?」

 

腫れ上がった顔を撫でながら俺は先程まで手ブラをしていた女の子(今は霊夢とお揃いのジャージを着ている)の事を聞く。

うん、この子は何処かで…というか、俺の夢に出てきた女の子そっくり…いや、もう、同一人物だろう。

 

「こいつは比那名居 天子。私達と同じ所、幻想郷から来た子よ」

「霊夢、なんか私年下扱いしてない?一応私の方が年u…」

「?幻想郷?」

 

天子が言い終わる前に俺が霊夢に質問する。

幻想郷?なんだそこは?まさか、霊夢達がいた異世界!?

 

「幻想郷…忘れられたもの達の最後の楽園…」

 

なんか凄そうな所だな。忘れられたもの達の最後の楽園…か…

 

「でさ、なんでこの世界に来たの?」

 

正直の疑問だ。まあ、答えはアルティメギルの殲滅ってのはわかってる。でも、ここでこの事を聞くのはお決まりの流れというか、テンプレとして当たり前というか…

 

「アルティメギルの殲滅ってのは言ったわよね?」

「どうしてアルティメギルを?あ!まさか、仮面ツインテールと同じでその幻想郷がも侵略されたとか?」

「違うわ。確かに侵略しには来たけど、別の事をした奴がいたのよ…」

 

そこから、霊夢の話しを聞いていく。

 

まあ、まとめるとこんな感じ。

 

幻想郷にアルティメギルが進攻し、先見隊の隊長として、当時ドラグギルディの部下であるキメラギルディが出撃。

だが、幻想郷の実力者達が全員美少女という真実を知った(霊夢や天子を見れば美少女ばかりの事が何となくわかる)途端キメラギルディは暴走したそうだ。

キメラギルディの属性力は《下見上》(アンダーアングル)という属性らしく、なんでも、美少女を下から見上げるのに特化した属性だったそうだ。(何でも能力が瞬間移動で美少女の下なら何処にでも瞬間移動出来るとかいうチート能力の持ち主)

美少女ばかりの場所で美少女を下から見上げまくったキメラギルディ。勿論幻想郷の実力者達もその被害を受けたそうだ。

しかも、しかもだぞ、そんな美少女達を所構わず下から見上げたそうだ。その被害は風呂場、トイレ、着替え中…等々、警察が動くレベルである。(なんてうらやま…いや、けしからん能力だ)

そんな事をされた幻想郷の実力者達は幻想郷始めてとなる打倒キメラギルディという同盟を結んだそうだ。そして、キメラギルディは幻想郷の実力者達に散々殺されかけ、最終的には属性玉すら残す事無くこの世から消されたそうだ。

だが、幻想郷の実力者達の怒りはそれだけでは収まらなかった。幻想郷の実力者達による話し合いの結果、アルティメギルを殲滅する事を決定したそうだ。だが、その時には幻想郷からアルティメギルが撤退。それを追い掛けて(強制的に)霊夢と当真がこの世界に送り込まれた…という訳だ。

 

「まあ、こんな感じかな」

 

そう霊夢は言って一息付く。全く、そのキメラギルディはうらやま…いや悪い奴だ。

 

「で、その援護に向かうように皆に言われて私が来た訳よ」

 

そう言って胸の無い胸を張る天子。その仕草にドキッとしまった俺はもう手遅れなのだろうか…

 

あ、そう言えばもうひとつの疑問があったな。なんで天子が俺の夢に出てきたかだ。

 

「なんで俺の夢に天子が出てきたんだ?」

 

しかも彼女役。いや、あれはあれで良かったかもしれない…こんな可愛い女の子が彼女なんてもうこの世がどうなってもいい!って思ったもん。

 

「それはね、この世界に来る前にこの世界と幻想郷で結界を同調させなきゃいけないのよ。その時の弾みとして、幻想郷の誰かとこの世界の誰かが夢で繋がってしまうの。そして、夢で繋がった人がこの世界に来てアルティメギル殲滅の手伝いをするってとこかしら」

「あ~、それで俺の夢がたまたま繋がったと…」

「まあ、そう言うことね。でも、なんで私があんたの彼女役なのよ…」

「知らないよ」

「あんたの夢…酷かったもんね…」

「悪かったな!でもあれは無意識だ!俺に非は無い!!」

「わかってるわ」

「ん…」

 

おっと、俺の隣で倒れている人物が目を覚まそうとしているようだ。

 

「…ここは…」

「俺の部屋」

「そうか…」

 

そう言って顔を上げる当真。勿論顔を上げた先には大きな穴がある。それを見て目を何度か擦り現実かどうかを確認している。当真、そんな事をしても無駄だ。これは夢じゃ無い。

 

「あの大きな穴は?」

「君達上条兄弟が付けた見事な大穴だよ。大家さんにバレればとんでもない請求をされること間違いなしの風穴」

 

俺はそう言って当真の顔を青くさせる。勿論当真の顔は真っ青になる。

 

「こ、これをどうにか隠さないと…」

 

そう言って立ち上がり体全体を使って隠そうとする馬鹿丸出しの当真。やめろ…悲し過ぎる…

 

「おやおや…」

 

だが、時は既に遅い。あんな大きな音にこのマンションの大家さんが気がつかないはずがない。俺の脇でお茶を飲んでいるいつの間にかいる大家さん。

年齢的には70近く見た目は腰を曲げた優しそうな顔をした独り暮らし、白髪のお婆さんなのだが、行動力と隠密行動がとてつもなく高い人(ス〇ークレベル)で、何かマンションで起きると音もなく駆け付ける凄すぎる大家さんなのだ。(しかもCQCの使い手)

 

「大家さん、いたんですか」

「ええ、今来た所ですよ」

「お、大家さんこれはですね…」

 

なんとか言い訳をしようとしている当真。無駄だ。大家さんに口出しすればこのマンションから追い出されるぞ。そのせいでこのマンションには俺と上条兄弟しかいなかったんだ。

 

「こんな大穴、直すのにどれだけかかることやら…」

 

そう言って大家さんが腰をあげて大穴が空いている壁を触る。それで何か思い付いたのか此方を見る。嫌な予感がする。本当に嫌な予感が…

 

「これは、直せないね…そこで、この二部屋、一緒にしちゃいましょ」

 

んん!?

俺と当真が目を丸くして大家さんを見る。え?一緒にしちゃうって?

 

「あんたら友達みたいだし、別に部屋同士繋がってもいいですよね?」

「ちょ!?」

 

何か言いたそうな当真。だが、大家さんはその優しそうな顔から予想も出来ない鋭い目付きで当真を見てから

 

「いいですよね?」

 

と言った。それは、もう恐ろしいってもんじゃ無かった。まるで霊圧で押し潰されそうになっているのに、更に覇王色の覇気で威圧されたような物理的な恐ろしさを感じた。

何者なんだよ、大家さん…

 

「わ、わかりました」

 

そう答えるしかないよね。

 

「あんたは?」

「別に構いません」

 

俺に対しては優しく聞いてくる。当真と俺との天と地の差である。

 

「それなら、その壁の修復費は出さなくていいね。それじゃあ、その壁に新しいドアでも付けておきなさいよ。今日中に」

 

最後の言葉に威圧を感じた。俺と当真は急いで外出の準備をして大穴にドアを作るべく財布をもって家を飛び出していったのだった。

 

その頃霊夢と天子はいつの間にかいなくなっていた。(何処かに避難したと思われる)

 

 

急いで必要な材料を買ってきた俺と当真は部屋で慣れない日曜大工をして、なんとかドアを作り上げ、コンクリート等を壁に流し込んだりして、なんとか大穴をドアに置き換えるのが出来たのだ。

 

 

そんな事をしている間に日は暮れて、夕方となる。いつの間にやら上条宅側にてお茶をしている霊夢と天子。それを見ながら完成を向かえた二摘宅と上条宅を繋ぐドア。

 

なんということでしょ~

今朝まで何も無かった壁が…

霊夢と当真という二人の匠により穴を開けられ…

その夕方には扉がついているではありませんか~

 

ビフォー〇フター風に言っては見たが、普通の扉が出来た。力仕事等は俺が変身してなんとかなったし(部屋を追い出されるかどうかの瀬戸際だったんだ。けして、無駄な変身では無いぞ)資材は一瞬で持ってこれたし(ワープ装置の乱用)当真の不幸(既に不幸なのはツッコまない)が発動しなかったため早く完成させる事が出来たのだ。え?いくらなんでも早すぎるって?仕方がないだろ、大家さんに言われたんだから。(コンクリートを乾かすのにテイルエアーの力を使いました)

 

そんなこんなで頑丈な扉が出来た訳だ。

え?お金?そんなの俺と当真の割勘だよ。

 

部屋の掃除等を済ませて夕食を作りリビングの無事だったテーブルに乗せてって…

 

「なんでここに霊夢達もいるの?」

「家の冷蔵庫にはろくな食べ物入ってないのよ。だったら隣でなんか奢って貰った方がいいじゃない」

「おい、当真、お前妹にどんな教育をしてんだ?」

「すまない…妹っていってもこの前それを知ったばかりなんだ…だから、教育とかは…」

「…深い家庭事情なんだな…」

 

あまり詮索するのは良くない。

料理をリビングに運ぶ俺。一応量を多目に作ったのが幸を制したか。

 

「へ~、輝跡って料理上手いんだ」

「天子、俺がいつ料理が下手なんて言った?」

「え?だってあんたお金持ちなんでしょ?普通お金持ちって料理が下手な印象があるから…」

「まあ…天子の言う通りなんだけどね…俺は独り暮らしする為に日々鍛練してたから…」

「そんなんだ~それじゃあ、いただき…」

「おいおい!まだ全部運んでない!!」

 

こうして俺の独り暮らしは幕を閉じて、俺、霊夢、当真、そして天子の四人の共同生活が始まったのだった。




輝跡「俺の独り暮らしが…」
元々こうするつもりだったから、いいじゃん。
輝跡(¬_¬)
さて、次回予告をどうぞ!

次回予告

ある日有名になってしまう俺、突如現れる謎のツインテール美少女、ソーラ。その美少女の正体、そして、ツインテール部との関係を知る俺。

次回

学校のアイドル登場!?



テイルドライブ!!


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第28話 学校のアイドル登場!?

明けましておめでとうございます。

始めて冬コミに行ってきました。
いや~、楽しかった…
(次の日に風邪をひかなければ)

取り合えずどうぞ。


俺の独り暮らしが崩壊して数日。

 

『依然として、女子中学生の所在はわかっておりません。警察も全力で捜査をしておりますが…』

 

朝起きて朝食を作りながらリビングにある薄型液晶テレビから流れるニュースを音声だけで情報を頭にいれていく。

 

全く、女子中学生失踪事件から結構過ぎた。なのに犯人どころか女子中学生が何処でいなくなったかすらわからないとか…

日本の警察ですら手を焼く事件か…それほどの犯人なのか…。

 

そんな事を考えながら目玉焼きを焼いていた。その間にもニュースは別の特集へと変わる。

爽やかさが感じられるような音楽が流れはじめる。何かのCMのPVのようだ。

別に俺となんも関係無いと思っていた。だが、それは大きな間違いで…

テレビから聞いたことのある声が聞こえてくる。いや…この声は…俺だ!!

 

俺は焼いている目玉焼きの火を止めてテレビを見る。そこに写ってるのは…俺だ…

 

『今話題のCMです。いや~イケメン三人が眩しいですね~』

『そうですね』

『ですが、この三人俳優じゃ無く本当の一般学生だそうですよ』

『なんと!?こんな美少年が?』

『はい。しかも、一人はテイルエアーの大ファンとか。しかも!しかもですよ!この撮影後そのファンがCMに出るということでテイルエアー直々に現場に来たとか!』

『なんだって!?』

 

アナウンサーとコメンテーターの会話がリビングに響く。

…これで俺は二重の意味で有名人…だが、まだだ。まだ俺の素性がバレた訳じゃ無い!!

 

そんな時だった。俺の家にある置き型の電話が鳴る。珍しいな。一応買ってはみたけど何回かしか使ってないのに…。

 

まあ、一応電話には出ておこう。

 

そう思い受話器を取る。

 

『もしもし、こちら、153プロダクションの者なのですが、二摘輝跡さんはおられるでしょうか?』

「俺ですけど?」

『あ、輝跡さんでしたか。実は、お願いがありまして…アイドルとかには興味は…』

「無いです」

『そ、そんな事を言わず…今度我がプロダクションに見学にでも…』

「すみません、忙しいので…」

『そ、そうですか…もし、興味が出たのならこの電話番号に電話をかけていただきたいのですが…』

「はぁ…考えてはおきます」

『ありがとうございます。それでは失礼します…』

 

そういって電話を切られる。

うん、アイドル勧誘である。

何故俺の素性がバレたし…

 

そんな事を考えていると…

 

隣の唯一繋がっている扉が開き当真が二摘宅に足を踏み入れる。

 

「おい!輝跡!お前、俳優だったのか!?」

「違う。俺は普通の高校生だ…ごめん、訂正、俺は侵略者と戦う普通の高校生だ」

「まあ…当たってはいるけど…いつの間にあれ録ったんだ?」

「この前」

「で、どうすんだ?勿論俳優になるのか?」

「ならないし。てか、せめてテイルエアーなんだから、少しは休ませて欲しい…俳優なんてやってられるか…」

「だよな…」

 

そんな会話をして朝食を取り学校へ向かう。天子は今日から陽月学園に編入する。

聞いた話し、霊夢と天子は変身出来るらしい。やったね、ツインテイルズ、仲間が増えるよ♪

 

俺と当真、霊夢の三人で当校する。もうお馴染みの風景だ。(天子は先に学校へ向かった)

たが、周りの目線は俺をずっと見ている。歩いている学生から老人まで…

やっぱりか…まあ、なっちまったもんはしょうがない。場の流れに乗るかな。それが一番手っ取り早い。

 

そして、学校へ到着。普通なら総二達と会うのだが、今日はやけに遅い。

なんかあったのかな?

 

そんな考えをしていると俺の周りにクラスメイト達がずらっと(女子限定)が囲っていた。なに?俺を中心になんか儀式でもやるの?

 

「ねえ、輝跡君」

 

その一言に唾を飲む。なんでこんな緊張しなきゃいけないんだよ…

 

「貴方、以外に格好いいわね!」

 

は?

 

「あのイケメン二人と同等のイケメン…まさか同じクラスだと思わなかったわ!」

「ねえ、輝跡君、私と付き合わない?」

「何言ってるのよ!」

 

何々?何が起きてるの?

 

「ねえねえ、趣味とか、同じクラスなのに知らないのはいけないと思うんだよね~」

「は、はぁ…」

「それと!誕生日!ねえ、誕生日いつ?」

 

なんでこんなに質問されなきゃいけないんだよ…

 

そんな女子達に囲まれている俺に対して嫉妬の眼差しが送られている事に気付いた。送っているのは…このクラスの男子全員だと!?

 

「あいつ…女子に囲まれて鼻伸ばしやがって…」

 

伸ばしてはいない。

 

「テイルエアーたんと会ったらしいぜ。俺のテイルエアーたんに…あんな汚らわしい手を…」

 

俺がテイルエアー何ですけど!?

 

「パルパルパルパルパルパルパルパルパル」

 

何語!?

 

「あんな馬鹿な男子はほっておいて、今日の放課後お茶しにいかない?」

 

人生初のナンパが逆ナンとは…

あれ?そういや、ナンパににてることはやったような…(GWに)

 

「ごめん、今日は予定があるんだ」

 

そう、予定がある。

俺の鞄の中には、なんとあの試作品である超合金のテイルエアーとテイルレッドが入っているのだ。これをツインテール部に持っていって自慢する。それが今日の予定である。

え?下らないって?何を言っている、少し前に正式入部した慧理那先輩(あのあと理事長と仲直りしたらしい)に自慢する為と、何より仮面ツインテールであるトゥアールがいる部活だ、何かあるに違いない!特に部室!!

 

「え~」

 

そんな会話をしていると、走って教室に入ってきた総二と愛香、トゥアールが息を切らしていた。全く、ちゃんと時間通りに学校に来ないと駄目だぞ?

 

そして、放課後。

 

クラスの女子達のお茶の誘いを全て断って、男子からの怖い目線を無視して何とか部室に着いた。そして、部室に入る。

お馴染みの風景…トゥアールが愛香にボコボコにされていて、その傍らを見ている慧理那先輩、それを無視してテレビを見ている総二。何だろう…このほっとした感覚は…

 

「おう、輝跡、今日は部室に来たんだな」

 

俺の存在に気が付いたのは総二でもなく、慧理那先輩でもなく、プロレス(一方的)にしている人達でもない、俺がわざと目を反らしていた人物、ゴーカイイエ…じゃなくて慧理那先輩の警護兼冥土長、尊先生だ。え?冥土の字が違う?いいんだ。現に…

 

「そうだ、輝跡、これをやろう」

 

そう言って紙を渡してくる。これは、男性の将来を冥土に連れていく品物だ。そう、ある意味冥土長である。

 

丁重に破く俺。もう恒例だな。

 

「だから、資源はt…」

「あのさ、凄いもの持ってきたんだ」

 

俺は尊先生を無視して教室に置いてある机に鞄を置く。ふふふ、これは驚くぞ~

 

「凄いもの?ああ、前言ってたな」

 

総二が思い出したように言った。結構前の事なのに覚えてくれたんだ。

 

俺は鞄から超合金のテイルレッドとテイルエアーを出す。どうだ!スゲーだろ!

 

「き、輝跡さん…こ、これは!?」

 

早速気が付いたようだな、慧理那先輩よ。

 

「そう、来月発売予定のテイルレッドとテイルエアーの超合金だ!」

「何故!?この二つはまだ製品化されていないはずでは!?」

「ふふふ、これはプロトタイプの世界に一つづつしかない物なのだ、慧理那先輩」

「こ、これをいつ手に入れたのですか!」

「5月にね。ずっと持ってきたかったんだが、色々あってな。今日になっちまった」

「こ、これを私に売ってくれませんか!」

「慧理那先輩、すみません。それは売れないんですよ」

「そ、そんな…」

「まあ、変わりに存分に見てください」

 

そう俺は言った。

以外に静かだったのは総二だ。トゥアールは愛香に何か言ってまたぶっ飛ばされてる。何を言ったのか…

 

「それにしても良く出来ているな…」

 

まずまずと見ている尊先生。それはそうだろう、俺の父親(中二病)が作ったんだからな。

 

そんな中、テレビで俺が出演しているCMが流れる。なんでこんな時に!?

 

「…この前の早退って…」

「総二、何も言うな」

「イケメン二人と一緒にCM出演…は!?総二様!こいつは〇モ野郎かも知れません!!掘られる前に縁を切った方が…」

「俺はそのけは無い。なら、なんでテイルエアーのファンクラブ作らなきゃいけねーんだよ」

「え?輝跡、ファンクラブとか作ったの、」

 

以外って顔で俺を見るなよ愛香…

 

「兎に角、行っておきます!輝跡さん!貴方は敵です!総二様を狙う敵なのです!ほら、愛香さん!や~ておしまい!」

「誰もそんなネタやらないし、殺るのはトゥアールだけにしてるから」

「あれれれ?なんで私がピンチに…グギャ!?」

 

なんかサイ〇イマンがいたけど気にしちゃ駄目だよね。

 

「おい、輝跡、お前あのCMに共演している男子学生の居場所を知っているな?」

「尊先生、先に言っておきますけど、俺はあの二人を売るつもりも無いです」

「ちっ」

「おい、この先生舌打ちしたぞ!?」

「なら、この紙を君が書k…」

「なあ、総二、このテイルレッドとテイルエアー、凄い作りだろ?」

 

そう言って尊先生を無視する。それに、この頃総二、元気ないからな。少しは元気付けようと思ったし…

 

「あぁ…」

 

効果はいまひとつのようだ。

 

「…どうしたんだよ…総二。調子悪いのか?」

「…わからない…」

「なんだよ、わからないって…まあ、相談があったら俺に言ってくれよ」

「わかったよ」

 

そう言って俺は超合金のテイルレッドとテイルエアーを回収して家に帰ったのだった…

 

 

 

 

 

それから数日過ぎた。

 

6回もエレメリアンが現れたが5回はテイルブルーの餌食となった。そのあと6回目に二体同時に出撃してきて驚いたが、何とか倒すことが出来た。けど、テイルブルーがミミズのエレメリアンに戸惑ってたのは以外な一面で可愛かった。それと、テイルレッドが被弾してしまったようだが、別に何ともないようだった。

俺やテイルシャーマも勿論出撃した。

天子は何故か出撃はしなかったけど…どうしたんだろう?

 

まあ、そんな感じで7月は中旬。

衣替えを完璧に終わっている時期であり、皆薄着である。

 

俺はいつも通りに学校へ当真や霊夢、そして天子と一緒に当校していた。

あ、何故か天子は俺と同じクラスである。

 

その日は何故か朝から緊急の全校集会が行われた。

 

何だろう…と思いながらも朝の授業が潰れることに嬉しがる。

 

 

そして、慧理那先輩がステージに上がる。

 

しかし、その隣にいた女の子が問題だった。

 

 

赤い髪でツインテール。背は少し低め、幼い顔立ちの女の子…しかし、その美少女レベルはこの世界ではお目にかけられないだろと思うぐらいのレベル。

ようは、メッチャ可愛い!!

 

それから、留学生のソーラ・ミートゥカの歓迎が行われた。男子生徒から女子生徒までソーラちゃんに押し掛ける。なんて勢いだ!

 

俺はそれにのまれないように避難する。勿論そんな事が体育館で起きたのだ。教員は大慌てでこの騒動を収集しようと頑張るが、生徒と先生の比率が違うためなんの役にもたたない。

俺は取り合えず避難して、体育館の脇に避難した。そこには、霊夢と当真、天子が既に避難していた。

 

「全く、凄い人気ね」

「霊夢の言う通りね」

「あんな幼女…どこがいいのか上条さんわかりません」

「まあ、当真はわかんないよな。とんまだから」

「酷い!!」

「…で、輝跡はあの子どう思う?」

 

霊夢はそう言ってソーラちゃんを指差す。

それはもう…

 

「可愛いと思うよ」

「そうじゃ無いわ。こんな現象…まるでテイルレッドやテイルエアーを見てるみたい…」

 

確かに…

テイルシャーマは未だメディアデビューをしていない。そのためわからないが、この現象はテイルレッドやテイルエアーと同じだ。

 

「ねえ、霊夢、なんであの子は右手に赤いブレスレットをつけているの?あれが今の流行りなの?」

 

天子の言葉で俺はソーラちゃんを見る。確かに右手に見たことのあるブレスレットが着いている。あれは…変身アイテム…しかも、結構前に仮面ツインテールに見せてもらったテイルギアの設計図に書いてあった完成図そのままだ。ってことは…

 

「ソーラちゃんが…テイルレッド…」

 

全てのピースがはまった気がした。

この人気、女の子、ツインテール…

絶対そうだ!こうなれば、ソーラちゃんを徹底的に調べあげる!!

 

別に実際にテイルレッドに会ってお互いに正体を明かせば話は簡単に済む。だが、それじゃ面白くない。それに、男が女の子に変身してるなんて、ある意味絶望的なことだ。しかもテイルエアーという美少女が男なんて聞いたら大抵の人なら暴動が起きる。そんなわかりきっている事をするほど俺は馬鹿じゃない。

 

「俺、今からあの中に入ってソーラちゃんを調べてみる!!」

 

そう言って俺は人混みの中を掻き分けて進んだのだった。

 

 

放課後

 

俺は人混みに入ったのは良かったが圧殺される程の人混みにより危なく撤退を余儀なくされたのだ。そこで、慧理那先輩に頼んでソーラちゃんと直接アポを取るという方法を選び、この頃慧理那先輩が良く来るツインテール部の部室に来たのだ。(ソーラちゃんは同じクラスなのだが、まわりの男子が俺を警戒していて、近づくことすら出来なかった)

 

そういや、総二がツインテルエンザという奇病に掛かってしまい今海外で治療をしているそうだ。そんな奇病聞いたこと無い…そういやこの頃調子悪そうだったもんな…。

…俺もしかしてツインテルエンザとかに掛かって無いよな?ツインテルエンザって移るかな?今度病院行ってみよう…

 

そんなこんなでツインテール部の部室に着いた。

 

ツインテール部の部室を開ける。勿論いるのは…

愛香にトゥアール、尊先生、慧理那先輩、ソーラちゃん

 

ソーラちゃん!?

 

俺が入ってきたことに驚いている皆さん。まさか、俺がこのツインテール部に来ないとでも思ったのか!

 

てか、ラッキー何だけど。ソーラちゃんにアポを取るために慧理那先輩に会いに来たらソーラちゃん本人がいる。なんてラッキーなんだ。サファリ〇ークでラッ〇ーが出てきたぐらいラッキーだ。

 

俺はツインテール部に入る。

 

「あ、あの、輝跡、これはね…」

 

なんか言いたそうな雰囲気な愛香だけど、俺には見える。ソーラちゃんの右手に輝く赤のブレスレットを。

 

…あれ?愛香も赤じゃ無いけど青のブレスレットを着けているぞ!?

 

俺は慧理那先輩の方を見る。慧理那先輩には黄色いブレスレット…まさか…

 

「ツインテイルズ?」

 

俺の言葉にビクッと反応する皆さん。まさか、まさか、総二以外ツインテイルズ関係者!?

まさか~

 

「な、何を言ってるの?輝跡」

「いや、なんでも無いよ。そうだ、ソーラちゃんに聞きたい事があったんだ」

「え?おr…私に?」

 

はい、俺って言おうとしたね。テイルレッド確定。

 

「そのブレスレット何?」

 

俺がソーラちゃんの右手にあるブレスレットを指差す。すかさずにブレスレットを体の後ろに隠すソーラちゃん。やはりな…

 

「輝跡君、このブレスレットが見えるんですか?」

「え?見えるけど?」

 

って言っても天子に指摘されるまで気が付かなかったけどね。

 

「…」

 

シーンとする部室。これは当たりだな。

さてさて、どうなるか…

 

「トゥアール…記憶を消す機械とか持ってない?」

 

おいおい!なんかとんでもない事いい始めたぞ!

 

「すみません、愛香さん。そんな物騒なものは作ってはいません」

 

良かった…俺の記憶は無事に済んだ。

 

「でも、どうしましょ…ツインテイルズの事がとうとうバレてしまいましたわ…」

「こうなれば、輝跡、この事を誰にも言わないと誓え!そして、その証拠にこの紙にサインを…」

「しません。どうせ婚姻届なんでしょ。もうお決まりのパターンですから」

「くっ!?」

「それに、この事を言う事はしないから安心して」

「いくら、輝跡でも信用仕切れないわよ…」

「なら、良いこと教えてやるよ…」

「良いこと?」

「良いこと…は!?まさか、このツインテール部に女の子が複数に対して男は貴方一人!そこで自分の欲求を晴らす気なんでしょ!この最低クズ男!!」

「勝手に妄想するな!良いことってのは、テイルエアーの事。俺はテイルエアーの関係者だ」

 

驚くツインテール部の面々。それはそうだよな。まあ、関係者と言うより当事者何ですけどね。

 

「テイルエアーの関係者って!?本当に!?」

 

愛香が俺の両肩を掴んで聞いてくる。痛い…両肩痛い。

 

「まあね…なら、テイルエアーとアポを取る事だって出来るよ?」

「本当でしょうね?なら今すぐここに呼びなさいよ」

「それは無理。だって彼女今学校なんだもん」

「なら、本名はなんて言うんですか?」

 

今度は慧理那先輩から聞いてくる。まあ、目の前にその正体がいるんだが…

 

「それだけは言えないな~」

「へ~、なら腕付くで聞くしか無いわね…それに、胸を大きくする方法をまだ聞いてないしね」

 

あ、俺、死んだわ。両方の意味で。

 

「愛香、止めろよ」

 

愛香を止めてくれるソーラちゃん。マジありがとう!

 

「ちょ!そ…ソーラ、何するのよ!」

「力ずくは良くないよ」

「だから、野蛮人なんで…」

 

愛香の視線と体がトゥアールの方を見る。はい、トゥアール死亡確定ね。

 

愛香がトゥアールの方に飛びかかったのを見た後俺はソーラちゃんと話す。

 

「えーと…二摘輝跡です」

「え?あ、ソーラ・ミートゥカです…」

 

やっぱり可愛い。この子ならテイルレッドだと言われてもいいような気がする。

 

「よろしくね、ソーラちゃん」

「えーと…よろしく。き…輝跡君」

 

そう言って俺とソーラちゃんは握手した。

その後、メールで晩御飯を作ってと霊夢から来たので、詳しく話せず俺はツインテール部の部室を後にしたのだった。




次回予告よろ

次回予告

ソーラちゃんと友達になった俺。だけど次の日に俺の体に異変が起きるし、当真のターゲットにされるし…

次回

俺、女の子になりました♪



テイルドライブ!!


「タイトルが!?」
気にするな!!


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第29話 俺、女の子になりました♪

どうも、風墳Kです。

気が付いたらお気に入りが60!!本当にありがとうございます。

やっと前、計画していた番外編を書き始めました。
取り合えずその話しは今度にしてどうぞ~


俺はソーラちゃんに会った後、真っ直ぐ家に帰ってきて、ラッキースケベをやらかして霊夢の手により戦闘不能にされた当真の変わりに夕食を作った。

え?霊夢と天子が料理すればいいって?確かにそうなんだけど、二人とも忙しかった(モン〇ンで)から変わりに俺がやるって事になったんだよ。

 

それから、夕食、片付け、勉強、入浴を終えて俺はベットに入って夢の中へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは…草原?

 

風が常に吹いている草原に俺は立っていた。

一面草原しかない。それと、木で出来た椅子が一つだけあった。

 

そんな中、俺の目の前には見たことのある人が立っていた。

 

テイルエアー…彼女だ。

 

『ねえ、貴方は何が好きなの?』

 

いきなりの質問に俺は戸惑ったが、

 

「…好きって感じる事…かな?」

 

そう答えた。実に曖昧だと思う。でも、それが色々な戦いを乗り越えてきた俺なりの今の答えだ。

 

『…そうなんだ』

 

そう言ってテイルエアーは俺に歩み寄って来る。ツインテールは風に靡く。その表情は穏やかに笑っていた。

 

『貴方は僕…だからわかるよ。その言葉に偽りは無い。でもね、輝跡。それだけじゃ強い心にはならないの』

 

そういって俺の両ほほに手をのっけるテイルエアー。ドキドキしない…俺自身だから?

 

『貴方はもっと知らないと…自分の属性力に。そして、その無限大の力に…そのために試練を与えないといけない』

「何を…言ってるんだ…?」

『テイルレッドと同じ試練…でも貴方ならきっと乗り越えられる。いえ…僕達なら乗り越えられる…』

 

そう言ってテイルエアーは消えていき、まわりの景色が白く輝き始める。

 

意識が覚醒していくのがわかる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開ける。

知らない天井…ではなく、よく見知った俺の部屋の天井だ。

そっとベットから出て顔を洗うために洗面所に向かおうといつも通りの朝を再現しようとした。だが、立ち上がって違和感があった。

胸が…重い…。いや、身体中が重く感じる。まるで筋力が無くなったようだ。

 

そんな体を無理矢理動かして部屋のドアまで向かう。この時、俺は無意識にテイルタイマーを着けていた。

 

あれ?ドアのぶ少し身長伸びた?いつもなら手元に来るドアのぶが手元の少し上にあるのだ。

 

脳が覚醒し始めて少しずつ異変に気がつく。

 

俺は部屋から出て、洗面所に向かう。

 

ツインテールを靡かせて…

 

洗面所について鏡を見る。

 

そこにはツインテール美少女が…

 

はぁ!?

 

この現象は俺は体験している。そう、始めてテイルエアーに変身した時と同じ。

でも姿はテイルエアーでは無く普通の美少女。

まるでテイルエアーが成長したかのような美少女である。

ツインテールも健在。ただ、違うと言えば黄緑色の髪は少し黒色になっている事だろうか…

 

何故こうなった?

 

そう思いながらも顔を洗う。

 

そして、一応確認のために…

 

「テイルドライブ」

 

変身してみた。

 

普通に変身出来るし、出力が落ちた感じはしない。

 

そして変身を解いてみる。

うん、女の子だ。

 

おい、作者、俺本当は女の子だったのか?

…な訳ねぇよな…それだったら、この話のサブタイトル変えないといけないし…

 

おっと、メタ発言をしてしまった。

 

取り合えず良く体を見てみるか。

 

視線を下に向ける。

 

デカイ…俺の…胸が…

勿論着ているのは男物の薄衣。ブラジャーなんて付けてる訳無い。下を向いた瞬間に大きな谷間、それこそ、愛香には不可能なものが俺の胸にある。それが少し安定していない感じがする。このままでは俺の胸が落ちるんじゃないかと思ってしまう。

まあ、胸の話は置いておこう。問題は始めてテイルエアーに変身した時と同様、俺の男の象徴があるかどうかだ。

変身した際には無くなってしまった俺の象徴。もし、この状態であったら、ある意味変態達の好む体になってしまったこととなる。

それだけは嫌だ。

俺は勇気を振り絞ってズボンを…パンツを脱ぐ。

 

 

グハ!?

 

俺の口と鼻から血が出てくる。兎に角ズボンを履かなくては。

 

急いで履いて心を落ち着かせる。

 

無かった…。俺の大事なものが…無かった…。男では無く、女になっちまった。

 

…これから俺…どうなるの?

 

そういや、夢の中でテイルエアーがなんか言ってたよな…

うーん…思い出せない…

夢って思い出そうとすると思い出せないって言うけど本当みたいだ。

 

この状況をなんとかしないと…

口の血をタオルで吹いて、鼻から出ている忠誠心の液体をディッシュを丸めて鼻に突き刺す。

 

そう思い、俺はもう一度テイルエアーに変身する。だって、この場合俺は霊夢や天子と同じ立場になってしまった訳だ。それは、当真のラッキースケベの標的(本人無意識)にされるということになる。

それだけは嫌だ。

だったら最初から変身して状況を霊夢や天子に話してから服を借りてそこから当真に会った方がいい。こんな薄衣で見られて嬉しく感じる程俺は露出狂じゃないし、こんな姿を男友達に見られるなんてもっと嫌だしな。

 

それじゃあ、上条宅に向かいますか。

 

俺は上条宅とドア一枚だけを隔てているリビングに向かった。そして、上条宅に入れる扉を開けた。

 

ドアを開けた瞬間に此方に飛んでくる当真。俺はそれを人間離れした身体能力で右から左に受け流した。

急な事に驚きはしたが、直ぐに対応出来た。流石、変身した俺は違うぜ。

 

当真はドアがある方と反対の壁にぶつかり目を回してしまった。

 

「…輝跡?何変身してるのよ?」

 

そう言って来る当真を此方側に飛ばした張本人の霊夢。

 

「いや…実は…変身してなくても女の子になっちまったみたいてさ…」

「は?何言ってるの?」

「取り合えず、当真が見てない所で変身を解きたいんだが…」

「なら、此方来なさい」

「わかった」

 

そう言って俺は上条宅に上がる。そして上条宅と二摘宅を結ぶドアを閉める。霊夢はその扉に何かお札を張る。

 

「さて、ここまでして嘘だったら殺すから」

「いや、嘘でこんな事出来ないよ」

「それじゃあ、変身解いてみて」

 

そう言われて変身を解く。やはり女の子になっている。

 

「…本当みたいね…」

「…これからどうしよう…」

「そうね。これは問題だわ」

「トイレ…」

「そこ!?もっと考えないといけない事があるじゃない!」

「あ!!あの両親の事だ!こんな状況がバレたら遊ばれる!!」

「た、確かに、それはそれで問題みたいね…」

 

そんな事を話していると、天子がパジャマ姿でリビングに入って来る。あ、因みに霊夢は既に制服だ。

 

「おはよう…霊夢…と、誰?」

「俺だよ!二摘輝跡!」

「あ、おはよう~輝跡~」

 

そう挨拶を返して洗面所(上条宅の方)に向かう天子。まさかの天然?いや、多分頭が回って無いだけか?

 

そこからドタドタと洗面所(上条宅の方)から聞こえ、走って来る天子。

 

「って!輝跡が女の子な訳無いじゃ無い!!」

 

おっと、朝からいい突っ込みだ。さっきとは違い力があるぞ。そして、キレも抜群だ。

 

「残念ながら、輝跡よ。輝跡、変身してみて」

「テイルドライブ」

 

変身して天子の目の前でテイルエアーになって見せる。勿論、天子は俺がテイルエアーって事は知ってるし、何度も目の前で変身を解いたりしている。

 

「嘘…なんで女の子になっちゃったの!?」

「それ、僕も知りたい…」

 

そう言いながら変身を解く。

 

「さて、これからどうしようかしら…」

 

そんな事を言っているとバチと何か弾ける音がする。それは、二摘宅と上条宅を結ぶドアに霊夢が張った即興の結界の核となるお札だった。お札が破け、結界として機能しなくなった瞬間にドアを開ける空気の読めない不幸少年。

 

「何結界張ってんだよ!」

 

そう言いながら霊夢を見る不幸少年。霊夢の右隣には天子、そして、左隣には俺(薄衣の)がいる。

それが意味する事は…

 

「…どなた?」

「兄貴…」

「当真…」

 

俺は薄衣で外にも出れないような格好だ。男ならこの格好もわかる。でも、今は女の子体なのだ。

恥ずかしいという感情が脳内を巡る。

顔が真っ赤になっているのが自分でもわかった。霊夢や天子は毎回こんな事を当真に(本人無意識です)やられているのか…

 

「当真、死刑」

「なんで俺の名前を!?」

「って事で、兄貴、今の記憶を無くすくらい強めに頭叩くから、すいかみたいにならないように気をつけてね」

「俺が気を付ける事じゃ無いですよね!?」

 

その後は想像に任せるが、当真の頭はすいかのようにはならなかった事だけは言っておく。

そして、俺は女の子になってしまった事を当真に説明した。(霊夢からジャージを借りて着ています)

 

「成る程…なら、俺の右手でなんとかならないか?」

「え?」

 

当真は自分の右手を付き出す。何を言ってるんだ?このとんまは…

 

「俺の右手は、幻想殺しって力があってな、この力は異能を消し去る能力を持ってるんだ。この右手で輝跡を触れば何とかなるかもしれない」

「あ、そういえば、俺の攻撃を防いだのもその右手だったもんな」

 

シャーマと戦った時に俺の完全解放をしたフォースナイファーをその右手で防いだもんな。でも、あれって異能なのか?俺のフォースナイファーの攻撃は異能って言うより科学って言った方がいいはず…。それに、属性力って異能なのかな?(俺に属性力があるか無いかは別として。

あれ?矛盾してない?

 

「あれ?なんで俺の攻撃を防げたんだ?普通の人なら、あの攻撃をまともに喰らって無事でいるなんて可笑しいよ」

「兄貴の右手にはそういった力の他にも色々あるのよ。何もしない状態で『異能を無効化する程度の能力』、霊力を流せば『守りきる程度の能力』…本当に不思議な右腕なのよ」

「ふーん…ん?なんか、その言い方だとまるで当真が超能力者みたいじゃないか?」

 

話の流れで自然に受け答えしてたけど超能力者ですよね?それ…

 

「まあ…あながち間違ってはいないわね」

「ま、まさか…本物!?中二病設定とかじゃないよね?」

「何を言うか。上条さんは嘘をつきませんよ!」

「まあ、当真が嘘をつくかどうかはさておき、当真が超能力者だということがわかった」

 

もう、信じるしかないでしょ。エレメリアンとかテイルレッド達とか、現に俺は女の子になっちゃったし…

 

「ってことは、まさか、霊夢とかにも能力があったり?」

「あるわよ」

「冗談で言ったら本当だったの巻…」

「何?信じられないの?」

「信じるか信じないのは俺次第だけどさ…長い間一緒にいた霊夢や当真が超能力者ってのが…しかも、霊夢にかんしては変身まで出来てるし…」

「あれはただ姿を変えてるだけよ」

「え?もしかして、力とかはそんなに変わってないとか?」

「ええ」

 

変身しないでも強い霊夢さん…愛香より恐ろしい人物が同居人だったよ…

用は素手でエレメリアンを倒せるんだろ…

やべ~

 

「私もちゃんと程度能力持ってるわよ」

 

でしゃばってきたのは未だパジャマ姿の天子。

 

「へ~…え!?超能力って上条兄妹の特権では!?」

「幻想郷の実力者達は全員何かしらの程度能力を持ってるものなのよ。私は『大地を操る程度の能力』よ」

「大地を操る!?何それチート!!」

「私は『空を飛ぶ程度の能力』よ」

「あ、なんか普通な能力で安心した」

「あの…話が反れてるのですが…」

「あ、忘れてた」

 

そして、本題に入る。

 

「俺に触って、能力を打ち消すと…」

 

それで男に戻るなら、それに越したことは無い。それに、今日は平日だ。学校に行かなくては…

 

「それじゃあ、触るぞ…」

 

そう言って当真が俺に触れようと歩いて来る。だが、この時の俺は当真の体質を完全に忘れていた。

 

「うわ!?」

 

当真が何もない部屋で転びかける。

 

そして、当真の右手が俺の胸元へ…

 

ムニュ…

 

胸への違和感。

 

何が起きたのか一瞬でわかる。

 

躓きそうになった当真が右手であるものを触って倒れるのを防いだのだ。そう…女の子になった俺の胸を支えにして…

 

「…兄貴…」

 

哀れみの目で当真を見る霊夢。何が起きたのか未だわかっていない天子。

 

「…え?…えー!?」

「当真…早く右手退けろよ…」

「ご、ごめん!!わざとじゃねーんだ!!」

「取り合えず、当真は女なら誰でもセクハラ行為をやるんだな。例え俺が本当は男でも…」

「これは事故だ!」

「取り合えず、わかった事があるんだが…」

 

右手を俺の胸から離す当真。

そして、この一瞬で色々な事がわかった。

 

これは、異能で女の子になった訳じゃ無い。

この姿では感度は高くない。

当真のラッキースケベの標的になる。

 

この三つがわかった。

 

取り合えず…どうしよう…

 

「輝跡、まずやることがあるんじゃない?」

「ああ、わかってる」

「あ、それ、私も手伝うわ」

「あの…上条さんには何か手伝うことは…」

「取り合えず、当真は…」

「「「死刑」」」

「ふ、不幸だーーー!」

 

この後、俺と霊夢、天子は当真を殴る蹴る等の行為を行い、意識を当真から削ぎとった後、今後の事を考えた。

 

「で、どうするのよ」

「当真が役にたたないからね…取り合えず時間経過で戻る事を祈るよ」

「けど、もし時間経過じゃ無かったらどうするのよ?」

「うーん…もしかしたら、何もしないより、何かしてた方が戻る確率は高くなるかもしれない…」

 

そんな話をしていたら、バタンと俺の家と上条宅に繋がっているドアが開かれる。勿論、開ける人物は当真と霊夢、天子そして、俺しかいないはずなのだが、ここで現れた人物に俺は頭が痛くなった。

 

「それなら学校に通っちゃえば~」

 

俺の母親である。

 

まさか、今日に限ってここに来るなんて…

まだ、当真達の事を話してない。てか、今の俺の状況は、俺の両親の大好物だ。中二心が恐ろしい事になっているはずだ。だって目が輝いてるもん。

 

「さっき、遊びに来たら面白そうな話をしているから、つい全部聞いちゃった~」

「…て、ことは、俺が輝跡って事もわらかるの?」

「母親が息子のことわからない訳が無いじゃない」

「…へ~」

「普通感動するはずよ~」

「どうせ、今日は赤飯ね~とか言い出すんだろ?」

「あら、よくわかったわね~」

「ねえ…輝跡…この人誰?」

 

我慢に耐えきれず話してくる天子。まあ、話に置いてかれている感はあったけど…

 

「俺の母親」

「輝跡ちゃんのお母さんで~す。貴女達が輝跡ちゃんの友達ね~」

「一応ね」

「ふふふ、やっぱり今日は赤飯よ!輝跡ちゃんに友達が出来たし、何より女の子になっちゃったんだから~」

「止めろ!俺のストレスがマッハ!!」

 

俺のストレスが増大をしている時、当真が目を覚ます。

 

その後、色々と母親に説明。てか、どこから聞いていたのかと聞いたら俺がグハ!?と言った時には既に玄関に用意していたダンボールの中に隠れていたらしい(あんたはス〇ークか!)

 

その後、俺の両親のコネにより、俺はこの姿で学校に通う事になったのだ。親のコネを使うのは気が引けるが、緊急時だし、仕方がない。それに、家にいてもこの状況を打破出来る気がしない。

 

そして、偽名で学校に通う事になった。当たり前だが、この姿で本命名乗ったらどうなるかわからない。

因みに、名前は、ミライ・フィーツ。

二摘を捩ってフィーツ。ミライってのは、母親がフューチャーとかヤバい名前を思いついた瞬間に俺が咄嗟に付けた名前だ。

設定では、二摘宅(実家の方)に居候することになったロシアからの留学生だが、二摘輝跡(俺本人)が家庭的事情でアメリカに行くことになり、変わりに俺の家(この家)に泊まることとなった…という感じらしい。

因みになのだが、ミライ(俺)は独り暮らしではなく、近所の人(霊夢や天子)と同居している事となっている。

うん、無理矢理過ぎる設定だな。

 

まあ、今日は手続きに時間がかかるみたいだから、休みとなる。

この現象を何とかしないといけないな…

現状で何も進展が無いのが辛い。

こうなれば、フィリップさんの所に行って原因を探って貰うか…

 

霊夢達は学校へ向かい、俺の母さんは父親にこの事を報告しに行った(行かなくてもいいのに…)

 

さて、時間が空いてしまったので、変身してフィリップさん達の事務所にでも行きますか。

 

 

俺は変身してフィリップさん達の所へワープ装置を使って移動した。

フィリップさん達に粗方説明して、目の前で変身を解いて、テイルタイマーをフィリップさんに渡した。

 

「にしても、本当に輝跡か?」

「本物です」

 

翔太郎さんの質問に普通に答える俺。

 

「うーん…輝跡がテイルエアーだってのにもう馴れたが、今度は変身せずに女の子になっちまうなんてな…」

「まあ、何とかなります…よね?フィリップさん?」

「わからない…だが、元の姿には戻れる…はずだよ」

「それまでゆっくりと待ちますよ」

「輝跡君、このテイルタイマー返すよ」

「え?」

「大体のデータは取って貰ったから、後はこのデータを頼りに元の姿に戻る方法を探してみるよ」

「ありがとうございます、フィリップさん」

「お、俺に出来る事はないか?」

「翔太郎さんには…特に無いですね」

「そ、そうか…まあ、何かあったら直ぐに連絡をよこしてくれよ」

「わかりました」

 

そう言って俺は家に戻った。

 

 

その後、両親が俺の家に駆け付けて、色々とめんどくさい事になったのは言っておく。

女物の服を大量に持ってきた事だけが嬉しかったことかな。でも、その中に陽月学園の制服が合ったのはわかるが、何故にメイド服やナース服、軍服なんかがあるんだよ…

 

帰ってきた霊夢達を巻き込んでコスプレ大会を開こうとした両親に突っ込みを入れてその日が幕を閉じたのだった。




さてー次回予告やろうか
輝跡(女)「…」
どうした?
輝跡(女)「なんで女になんなきゃいけねーんだよ!当麻にはターゲットにされるし、両親の遊び道具にされかけるし…」
あー…霊夢、代わりに次回予告やって
霊夢「しょうがないわね…」

次回予告

次の日になっても治ることはなかった輝跡。
そして、学校に行かされる。
そこで待ち受けているのは……

次回

ツインテールで学園へ!!



擬装結界 幻夢!!


輝跡(女)「次回予告取られた!?」


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第30話 ツインテールで学園へ!!

どうも、この小説に東方projectのタグ付けた方がいいと考え始めている風墳Kです。

番外編の話が出来てるのに書く気力がわかない…何故か………

実は、本編の今後にがっこうぐらしのキャラ(のコスプレ)と艦これのキャラ(のコスプレ)を出そうと検討中です。勿論、コスプレなので俺ツイ本編でのあのイベントです。
まだ書いてはいませんが…

取り合えずどうぞ。


朝目覚める。

 

相変わらず俺は女の子だった。

 

昨日、トイレの仕方等を霊夢や天子に教えて貰い、風呂等も一緒に入ってくれた(この時、案の定当真が風呂場に現れて霊夢の一撃を喰らったのは言うまでもない)。

え?女の子と一緒に入って羨ましいって?

馬鹿言え、俺は体は女な訳だ。女の体に女が欲情しちゃいけねぇと思うんだ。てか、霊夢や天子の裸を見ても何とも思わなかったし…

どうやら、心全てが男では無いようだ。これはこれで収穫である。

霊夢や天子に警戒(男心があると思っていたのか)されていたが、その事を話したらある意味ヤバいって言われた。

まあ、早く元に戻らないと本当に心まで女の子になってしまうかもな。

でも、良いところもあった。何故か甘いものが美味しく感じたのだ。女と男では味覚が違うって聞いたけど本当みたいだな。

 

さて、そんな訳で俺は陽月学園の制服(女物)に袖を通している。足元がスースーする…これがスカートか…

どこかの男子高校生がスカートを履く話し(馬鹿をやっている)を聞いた事があるが、それと今の状況は違う。だって本物の女の子になっちまった訳なんだから…

 

「輝跡~着替えれた?」

 

そう言って天子が俺の部屋へと入ってくる。

 

「…私より胸があるから…似合うわね…」

「…皮肉?」

「ええ…なんで女の私の方が胸が無いのよ…」

「知らないよ」

 

そんな会話を天子と行いながらリビングへ赴く。俺の家なのにくつろいでいる霊夢と当真。

 

「お!輝跡、以外と似合ってるじゃん!」

「当真、これ以上近付くな…お前の体質は俺にも害が及ぶんだ…」

「おいおい!上条さんを病原菌扱いですか!?」

「第一、当真に誉められてもなんも感じない」

「逆に感じて欲しくないな…」

「兄貴、もし、輝跡に手出したら殺すから」

「既にそれ並みの事を昨日何度もされたんですが!?」

「ってことは、手出す予定ってことでいいのね?」

「待て待て待て待て!!上条さんは男に手を出すような輩等では…」

「俺、今、女」

「あーー!なんてややこしいんだ!!」

「とうとう、頭の悪い当真が更に悪くなった」

「五月蝿いぞ!天子!」

「は~い」

「やべ…当真で遊ぶの超楽しー」

「輝跡!お前、女になってから性格悪くなってるぞ!」

「今なら宦官の気持ちがわかるぜ」

「輝跡が黒くなってるーーー!!」

 

と、こんな感じに当真さんの突っ込みが響いていた。

 

その後、朝食を取り、登校する。

 

何故だか知らないが俺への目線が異様に可笑しかった。いや…この目線は俺は感じたことがある。この視線は…俺の出演したCMが放送された時と同じ視線だ。けど、あのときより多い気がする…

 

学校に着いた後、俺は当真達と別れて理事長室に向かった。何でも、俺の母親と理事長が知り合い同士で、この前の慧理那先輩とのお見合いを企てたのもこの二人である。

 

そういや、なんで俺理事長室に向かうんだろう?だって可笑しくね?普通職員室だろ。あの母親に言われたから理事長室に向かってるけど…

 

そう思いながらも、曽俺と総二が殴り込み(結局総二だけ)を行おうとした理事長室に着く。

 

俺は理事長室の扉を三回ノックして返事を待つ。

 

「入りなさい」

「失礼します」

 

俺は理事長室を開けて中に入る。そこには…素晴らしきツインテールの理事長…慧理那先輩のお母さんの神堂慧夢理事長がいた。

 

「貴女がミライ・フィーツさんね」

「あ、はい」

「今日からよろしくね」

「よ、よろしくお願いします」

「と、言っても正体はわかっています。二摘輝跡君」

「な、何故それを!?」

「美咲から聞きました。私と美咲の間には秘密はありません。なので教えて貰いました」

「何してんだよ!あの母親!!」

「まあ、経歴もちゃんと知ってますよ。テイルエアーであることも」

「あーバレバレだー」

 

既に棒読みである。何してんだよ、あの母親…

 

「大丈夫です。この事は誰にも話しません」

 

まあ、慧理那先輩のお母さんだし、信じてもいいよね?

 

「原因不明で女の子になってしまった事は聞いていますから、その事も大丈夫ですよ。それに、上条当真、上条霊夢、比那名居天子の事も教えて貰いました」

「ははは…あの人に秘密というものはあるのだろうか…」

「まあ、あのような性格ですが、私の唯一の幼馴染みなのですよ」

 

…幼馴染み!?俺の母親と理事長が!?

 

「どういう事!?」

「その事はいずれ話しましょう。貴女のために朝の時間を集会にしています。一応二人目の外国からの転入生ということなのですから」

「あ、はい…」

 

慧夢理事長は着物とツインテールを靡かせながら廊下へ向かう。勿論俺もついていった。

 

 

体育館

 

俺は今体育館の舞台の上にいる。真横で慧夢理事長から軽く紹介された後、俺の紹介へと移る。

 

マイクを慧夢理事長から受け取る。普通ならこんな集会には出るはずでは無い理事長が出ているのだ。皆緊張している…はずなのだが、皆の視線がソーラちゃんか俺に集中している、なんで?

 

「わ、私、ミライ・フィーツとも、申し上げます」

 

緊張し過ぎてる。おい、当真、てめぇ、笑ってるな!少しにやけていやがる。後でどうなるか、覚えてろよ!

 

そう思った瞬間に歓声が上がる。

なんで!?

 

そして、舞台に押し寄せてくる生徒達。あ、これ、ソーラちゃんと同じ現象だわ…

 

俺はあのとき傍観者だったが、今は、当事者。そして、被害者だ。

 

慧夢理事長が生徒達を押さえるように言って何とか落ち着く。先生方が何とか押さえてこの場は何とかなった。昨日の今日で集会における生徒達の暴走を押さえる方法を考えていた先生方の勝利だろう。

 

そして、俺は男の時と同じクラス、天子と同じクラスでもあり、ソーラちゃんや愛香と同じクラスに入る事となった。

 

だが、事件は休み時間に起こった。

 

休み時間

 

ソーラちゃんはその可愛さで既に女神扱い。だって休み時間になった瞬間神輿が教室に入って来て、そのまま、ソーラちゃんを神輿に乗せてどこかに行ってしまったのだから。

だが、それは他人事では無かった。そう、俺のところにも神輿が来てしまったのだ。

そして、俺は色んな人にモチクチャにされながら神輿に乗せられる。

 

「どうですか!ミライ様。これがジャパニーズミコシです!!」

 

いいえ、これはミコシではなく別の意味(羞恥心的に)ミゴロシではありませんか?

 

そう言われた後、俺は上下に揺れる神輿の上に何とかしがみついていた。

 

だが…

 

ある程度廊下を進むと、あの、ソーラちゃんが乗せられた神輿が前方からやって来た。

 

そこで二つの勢力がとうとうぶつかったのだ。

ソーラ派とミライ派、

 

なにこれ?

 

「貴様ら!これからソーラさんがお通りになるのだぞ!そこを退けろ!!」

「何を言うか!!貴様らこそ、ミライ様のお通りになる道の邪魔ではないか!そこから退けろ!!」

「何を!ならば、貴様を倒してここを通るまで!」

「我らにはミライ様がおられるのだ!負けるはずが無い!!」

「「「「「うおーーーーーーーー!!」」」」」

 

「「もう、嫌だ…この学校…」」

 

俺とソーラちゃんが始めて息が合った瞬間だった。

だが、俺もソーラちゃんも目の前で喧嘩しようとしている人達を見捨てる程落ちぶれてはいない。

 

俺とソーラちゃんはそれぞれの神輿から飛び降りて争いを止めるべく、人混みを掻き分けて喧嘩をしようとする人達の所に向かう。

 

「ミライ様!?神輿から降りては危険です!」

「ミライ様の防壁に私がなります!」

「海賊王に俺はなる!」

「ミライ様をお守りするのだ!」

「僕と契約して魔法…」

 

などと聞こえる。途中可笑しな奴もいたけど無視して喧嘩が行われてしまっている先端部に向かう。そして、喧嘩の最中の男共を進みながらか、ソーラちゃんと出会う。

 

「ソーラちゃん!」

「ミライちゃん!?どうしてお…私の名前を?」

「少し、知り合いを通して話を知ってるだけだよ。でも、そんな事よりこれをどうにかしよう!」

「ちょ!止めて!!」

 

ソーラちゃんの声に反応し始めるソーラ親衛隊(俺が名付けた)。

 

「ソーラさん!ですが、今のうちにミライ派を倒さなくては、貴女の天下は取れません!!」

 

なんの天下を取る気なんだ、こいつらは…

 

「ミライ様、やはり、ソーラ派を潰さなくてはいけません。ミライ様の世界は誰にも渡しはしません」

 

俺世界狙ってないからね!?

 

「お…私も、ミライも天下とか世界とか狙ってないなら!」

「そうだよ!」

「…!!俺は今恐るべき事に気が付いた…ソーラ様とミライ様…二人が共に並ぶ…それだけで俺の目は…輝きに溢れている!!」

 

そう言って涙を流し始めるミライ親衛隊とソーラ親衛隊…どうしたんだ?

 

「このお二人様こそ、この学園の…いや、世界のプリンセスだ!!」

「「「「ソーラ様、ミライ様万歳!!」」」」

 

なんか可笑しくなってきたぞ~

 

「ねえ、ソーラちゃん…逃げよう」

「うん、同じこと考えてた…」

 

そこから、俺とソーラちゃんの逃走劇が数分間行われて、チャイムと同時に逃走劇が終わったのだ。

これが毎時間行われるのだと思うとぞっとする。

 

そうだ!ツインテール部に逃げ込めばいいんだ!

 

俺は授業終りのチャイムと同時に皆にバレないようにツインテール部の部室に向かったのだった…。

 

 

ツインテール部 部室

 

俺は何とかスニーキングミッションをやりとげてツインテール部部室の前までたどり着いた。

 

ツインテール部部室には、愛香、トゥアール、慧理那先輩、尊先生、そしてソーラちゃんがいた。

 

「え!?ミライ!?なんでこんな所に!?」

「少しここに居させてください!」

「いいよ」

「ちょ!そう…ソーラ!!」

「ありがとう」

 

そう言って俺は部室のドアを閉めて部室に入る。

 

俺が来たことによって沈黙が走る。

 

「えっと…ミライさんはロシアから来たのですよね?」

 

沈黙を破ったのは何を隠そう生徒会長の慧理那先輩だった。

 

「まあ、そういうことにしてます」

「何よ、その言い方。まるで本当は違うみたいじゃない」

「だって、私生粋の日本人ですし…」

「え?でも、お母様からはロシアと日本人のハーフと…」

「誰にでも隠し事はあるんだよ。ツインテイルズの皆さん」

「「「「!?」」」」

 

驚きの表情をするツインテール部の皆。

 

「改めて自己紹介しますね。私、ミライ・フィーツ。別名テイルエアーです」

「な!?」

 

ソーラちゃんだけが声を出したが、他の皆は驚きに口を開けている。

 

「な、なんでテイルエアーがここにいるのよ!」

「まあ、色々ありまして…」

「まさか…ツインテイルズの面々がこの陽月学園に集まっているとは…その内テイルシャーマもここに来そうだな」

 

はい、テイルシャーマはこの部活の部員です。フラグを建てる前に既に土台すら無かったな。

 

「証拠はありますの?テイルエアーと言うなら変身してみて下さい」

「わかりました…テイルドライブ」

 

そう言って変身する。

 

「ほ、本物ですわ!!」

「これでわかってくれた?」

「…で、なんでここに来たのよ?」

「約束のため」

「ふーん」

「愛香さんと約束したでしょ?」

「私?」

 

愛香が自分に指を指す。

 

「…あーーー!あれね!」

「なんですか!?愛香さん、ミライさんとそういう関係までいったんですか!?いやだ…汚らわしい…」

「そんな趣味無いわよ。それに、あんたに言われる筋合いも無いわ!!」

「ギャーー!?」

 

何時ものごとく間接技を喰らったトゥアール。その間に俺は変身を解く。

そんな中、俺に(本当は俺のツインテールに)視線を感じた。その正体はテイルレッドことソーラちゃん。

 

「どうかした?」

「いや…綺麗なツインテールだな…と思って…」

「ソーラちゃんも充分綺麗なツインテールだよ」

「え!?あ、ありがとう…」

 

頬を赤くするソーラちゃん…超かわいい…

 

「ちょ!ミライ!!そ…ソーラを口説こうとしないで!」

「そうです!ミライさん!ソーラ様の始めては私が…ちょ!愛香さん!敵はあっちです!私じゃ…ブワラバ!!!」

「トゥアールは黙ってなさい!」

 

愛香の一撃により意識を沈められたトゥアール。なんて重い一撃なんだ…

 

「さて、ミライ。あんたには色々聞きたい事があるのよ…」

「わかってます」

「なら…後で私の携帯にその事を送っておいて。私のメアドは後で教えるから」

「はい、わかりました。内密に送っておきます」

 

俺もあの事について調べたんだ(実践はしてないけど)

え?あの事って?勿論む…いや、これはプライベートの話だ。

 

「なんですか!?まさか、愛香さん、そこまでミライさんと!?ってスプラピ!?」

 

意識が覚醒したトゥアールは愛香の鉄拳によりまた意識を沈められる。

 

「なんの話をしてるんだ?」

「そ…ソーラには関係無いことだから心配しないで」

「…?」

 

ソーラちゃんが首を傾げている。なんて…可愛…

 

「ミライ…だったよな?」

 

俺の事を聞いてきたのは、あの尊先生だ。男の俺ならば恐怖する相手ではあるが、今は女だ。婚姻届なんて受け取る事は無いだろう。

 

「もし、兄弟がいるなら、これを渡して欲しいのだが…」

 

そう言って渡された婚姻届。ある意味予想を裏切らないな…この人は…

 

「いえ…私、一人っ子なので…」

「そうか…なら仕方がないな」

「あの…ミライさん?」

 

今度は慧理那先輩か…

 

「あの…貴方は何者ですか?」

 

…その質問な…

ここからはアトリブで何とかしないといけないな…

 

「私は…この世界の人です」

「え!?」

 

驚くツインテイルズの面々。確かに、変身出来るということは別世界の技術を使っているということと判断してしまう。だって現に別世界から来たのはエレメリアンとトゥアール、そして霊夢達だけだ。更に俺の変身はまだ解明出来てない。なら、俺を別世界の住人だと考えても可笑しくは無い。

 

「な、なんで変身出来たのですか?」

 

トゥアールから来る質問。これは本当の事を話さないといけないだろう。

 

「私は…昔、親友と呼べる人がいました。その人からある物を貰い、そして、その物で私は変身出来るようになったのです」

 

そう言って俺はテイルタイマーからテイルバレットを取り出す。勿論女体化は直らないけど。

 

「これを使って変身出来るようになりました」

 

そう言ってテイルバレットをツインテイルズの面々に見せる。

 

「何よこれ…」

「凄く綺麗ですわ…」

「うむ…まるで…」

「属性玉みたいだ…」

 

そう、俺が女体化してからテイルバレットの色や形が少し変わったのだ。前よりも大きくなったし、色は濃くなった。あ、後、俺の時計…テイルタイマーはテイルエアーに変身した時と変身してない時と形が少し変わるんだ(ここに来て新たな設定)。そして、今のテイルタイマーはテイルエアーに変身した時と同じ形になっている。因みに外してもこのままだ。

 

「…ミライさん、これを数日私に貸しては貰えないでしょうか?」

 

トゥアールは科学者だ。そんな人の前に未知の力があれば気になるに違いない。でも…

 

「ごめん…これは渡せない…親友の大切な物だから…」

「そうですか…なら仕方がありません」

 

そう言って近付くトゥアール。

 

「直接体に聞くしか…」

「愛香…トゥアールの目が怖い…」

「残念ながら、今回は私はミライの味方よ」

「なんでですか!!ミライさんは巨乳ですよ!愛香さんとは正反対の胸ですよ!!敵です!ミライさんは愛香さんの敵なんですよ!!」

「…わかってる…でも!ミライなら…きっと!」

「なんか壮大な話に…」

 

まあ、愛香を味方にした俺はある意味怖いもの知らずである。たとえトゥアールでも。

 

そんな話をしていると、俺の携帯にメールが届く。宛先は…母親だ。内容は、早く帰って来なさいとの内容。

 

うん、嫌な予感以外しない♪

 

「ごめん、私、用事が出来たので帰ります」

「あ、これ、私のメアドね」

 

そう言われて愛香が紙を渡してくる。そこには、メアドが書いてある。けど…この紙切れ…婚…いや、まさかな…

愛香がメアドを書いた紙が破れた婚姻届だということを俺は見ないフリをしてツインテール部の部室を後にする。

 

 

 

帰宅した俺はリビングのテーブルの上に置かれている紙に気が付いた。

その紙には、母親の良くない提案が書かれていた。




霊夢次回予告よろ!
霊夢「はぁ…仕方がないわね…」
輝跡「拒否れよ!」
霊夢「いや………一応これ給料貰ってるから…」
輝跡「これ給料制なの!?」
次回予告して~

次回予告

輝跡の母親の提案である場所に行くことになった私達。そこには幻想郷には無かったものがあったわ…

次回

ツインテールで海水浴!?



偽装結界 幻夢!!




輝跡「次回予告がネタバレ!!」


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第31話 ツインテールで海水浴!?

どうも、お久しぶりです。
いや~、仕事が大変でしてね…
おっと、私情はさておき
何だかんだで俺ツイ10巻発売してましたね…
まだ8巻読んでない(読む暇無い)のに…
後、今回、水着回です。最初に言います。期待しないでください…。理由は…水着の種類とかを知らないため(調べたら調べたで変態だろ…)憶測で水着考えたためです。
取り合えず、本編どうぞ。



一面の青。

今俺の目の前に広がる色である。

空には所々白い点…雲が点在し、太陽は擬音を付けるとサンサンと女性や肌を気にしている男性に敵となる紫外線を地球上に降り注いでいる。

 

今俺は船の上にいる。しかも、女の子の姿で。

 

なんでこうなったのか…

それは、母親の良からぬ提案によるもの。

 

 

数日前

 

帰ってきた俺の目の前にあった紙。そこに書かれていた母親からの伝言。全てはここから始まった。

 

伝言には…

 

 

輝跡ちゃんへ

 

女の子になって気分はどう?もう好きな人とか出来ちゃった?それなら、お母さん、赤飯炊かないと!

あ、こんな事を書いてたらこの紙に書ききれなくなっちゃう~。

もう、本題に入るね~

輝跡ちゃん、今度の休日海に行ってリフレッシュしてみたら?勿論拒否権は無いわよ~

場所や時間は後で連絡するわね~

 

 

 

と、こんな感じのことが書かれていた訳だ。

突っ込み所の多さに関しては目を瞑ろう。

…いや、無理だ!なんでよりによって海なんだよーーーーーーーー!!

 

そんなこんなで俺は海に行くことになったのだが…

 

「なんでよりによって孤島…」

 

そう、今俺は船の上にいる。勿論、船ってのは俺の家…二摘家専用のクルーザーだ。運転してるのは嘗てのハンター…未だハンターの服を着ている友村さんだ。なんでも、船の免許を持っていたとか。じゃあなんで船酔いしたんだよ…

あ、友村さんは俺が二摘輝跡ってのは知ってるよ。なんでかって?いやー、友村さんは信用出来るから~(実際は裏で俺の父親が権力という力で言わないように契約されている)

 

「ねえ!輝跡、あれ何!」

 

そんな感じに話しかけてきたのは白いワンピースに桃の形をした飾りが付いた麦わら帽子を被った天子。え?なんで天子がいるのって?いや~来たいって凄く頼まれてさ…なんでも、幻想郷には海が無いとか。だから霊夢も天子をはしゃいでいるのだ。

 

「あれは…飛び魚だよ」

 

飛び魚が船と平行に泳いでいる。

 

因みに俺達は今甲板の上で海を見ている。格好は半袖の薄着(ブラが見えない程度の)と短パンだ。なんでスカートじゃないのかって?いや…だって…

 

「上条さんは無罪だ!これを外してくれ!」

 

目隠しされて縛られている半袖の半ズボンの在り来たりな格好をしているツンツン髪の当真。いや…だってこのままだと俺達(女性陣)が当真のラッキースケベの標的になっちまうからな…仕方がないんだよ(ゲス顔)

 

「輝跡様、もうそろそろ着きます」

「ありがとう、友村さん」

「いえいえ」

「ふぁ…もう着いたの?」

 

寝ていたのは俺と同じように半袖の薄着を着てスカートにスパッツを履いた霊夢だ。因みに赤いリボンは健在。最初は天子と同じではしゃいでいたのだが、色々とあってクルーザーの寝室に行って寝ていたのだ。

 

俺達は前方の島を見る。まさか、あの島の半分が二摘家の土地だと誰がわかるか…

今あの島はリゾート開発をしている途中でその試しを含めて俺達は来たのだ。

本命は俺の女体化を何とかすることなのだが、ここは折角の招待なんだ。しかも恐怖の二人(両親)は海外に出張(急遽決まった)ため二人とも日本にいない。これは、遊ぶしか無い!

 

そして、クルーザーは二時間の長旅を終えて目的地の場所まで着く。

クルーザーを港に止めるともう一台クルーザーがあるのに気が付く。

 

「あれ?友村さん?他にも誰か来てるんですか?」

「はい。なんでもお得意様とかで…でも、日程的に会う機会は無いとか…」

「わかった。ありがとうね」

 

俺はそう言って船から降りる。流石南国…暑いね。

 

「それでは、ホテルへ案内します」

「ありがとうね」

 

俺達は友村さんの案内でホテルに向かう。

 

「おーい!俺を忘れるな!!」

 

あ、当真忘れた。

 

 

 

歩くこと数分。ホテルへ到着する。

 

中は豪華な物で正直俺や貧乏な当真がいていいのかって思う程だ。

 

「…金持ちの友達を持てて上条さんは本当に良かったよ…」

「その台詞、普通の人なら嫌がるからな」

「大丈夫だ。上条さんは輝跡を信じてる」

「俺は当真のラッキースケベのせいで信じられない」

「そんな…」

「けど、兄貴からラッキースケベを取ったら何も残らないんじゃない?」

「それこそ、ミジンコしか残らないよ」

「上条さんの体の構成にミジンコなんてないよ!!」

 

そんな話をしていると、どうやら部屋に到着したようだ。

部屋割りは、霊夢、天子、俺。

当真、友村さんだ。

 

え?女の子の部屋に俺がいるのが可笑しいって?いいんだよ。どうせ俺今女の子なんだし。

 

そして、各部屋に到着。って言っても当真達の部屋と俺達の部屋は隣同士なんだけどね。

 

そして部屋に荷物を置いた後また廊下に出る。友村さんから今日の日程を聞くためだ。

友村さん達も部屋から出てくる。

 

「輝跡様、これからの日程について話します」

「うん」

「まず、日程としてですが…この後昼食をホテルのレストランにて行い、その後一時間の休憩。その後海水浴場となっております」

「海に入れるの!?」

 

キラキラした目の天子。あんた、能力的に地面タイプしょ。海に入ったら効果抜群かもしれないんだよ?

 

「ええ。ここの海は透明度がとても高いですしね。海水浴場にうってつけなんですよ」

 

てか、それがメインイベントだよね?

 

「まあ、兎に角昼食を取りましょ…」

 

と言っている霊夢も少し嬉しそう。まあ、はしゃいでいたのを俺や当真が見ててそれに気が付いた瞬間に顔真っ赤にしてクルーザーの寝室に行っちゃったもんな。(この際当真の腹に霊夢の重い一撃があったのは言うまでも無い)

 

昼食を取るためレストランへホテルの最上階にエレベーターで向かい、昼食を取る。

(この時当真が色々な高級食材に目を輝かせていたのは、仕方がない事だと思う)

 

そして、昼食を終え再び部屋へ戻る。

 

そこで俺や天子、霊夢は水着に着替える訳だ。

 

実は、この話(海に行くこと)を霊夢と天子に話した次の日に霊夢と天子と俺は水着を買いに行ったのだ(オマケに当真も)

そこで気に入った水着を各々買ってきた訳だ。

え?男の俺が選んだ水着は危険だって?何を言うか。俺はちゃんと流行などをテレビ、雑誌等で調べて自分の体(今の)に合う水着を選んでおいたのだ。まあ、女体化が終わってしまえば二度と着ることは無いだろうが…

 

俺達は水着に着替える。

 

うん、女体化に馴れてきたのか、ちゃんと水着を着れている。

鏡を見る。そこには、女体化した俺…別名ミライがいる。

 

俺は…男に戻れるのだろうか…

 

いや、戻るんだ。

 

だって…男じゃないと女の子と純粋な恋愛は出来ないじゃないか。

 

 

俺は顔を少し強めに叩いて男に戻る意識を確認する。

 

よし…今は海を楽しむか♪

 

俺達はホテルの裏側の浜辺に向かった。

 

白い砂浜があり、そこから海に続いている。大抵の人なら一度は夢見た光景だろう。

 

そして其々の格好は、

霊夢は白と赤を基調としたビキニとは少し違う水着。だが、霊夢自身体のラインは確りとしているし、胸もそこそこにある。ここが普通の砂辺だったらナンパ待ったなしだったろう。だが、ここはプライベートビーチ。ナンパする奴なんていない。

次は天子。霊夢と同じようにビキニに似ている水着ではあるが少し違う。そして色は水色一色。シンプルだからか、体のラインが確りと出ている。だが…その胸可笑しくない?少し大きい気が…この前一緒に風呂に入った時より数段大きくなってる…。

そして、俺。ツインテールは健在で、水着の色は緑と白の昆色。大人っぽい水着であるが、女の子の俺は身長低め。そう、ギャップを少しつけてみたのだ。水着のデザインは基本霊夢達と同じである。

大人ぶってる小さい女の子をイメージしてみた。

 

「おう、霊夢も天子も輝跡も似合ってるじゃん」

 

そう言って来たのは海パンの当真。相変わらずのツンツン髪と紺色の海パンが良く似合ってやがる。しかも以外に筋肉が付いてるから腹立つ。

 

「輝跡様、皆様方、遅くなりました」

 

そう言って当真の後に来たのは細マッチョの友村さん。顔も二枚目、体は細マッチョ。そして、水着は競泳用のパツパツの奴ときた。

大抵の女子ならこのボディでいちころだろう。

 

「さーて!遊ぶわよ!」

 

そう言って子供ぽく海へ走り出す天子。

 

あ、日焼け止めを塗るイベントは既にホテル内で終わらせたよ。だって、ここで日焼け止めを塗るイベントをやった場合、当真のラッキースケベの犠牲になる確率がある。そんな確率があるのなら、始めから無くせばいいのだ。

 

さて、天子を追いかけますか…

 

そう思い俺は砂浜を走り出す。だが、砂浜は予想以上に柔らかく、バランスを崩し俺はそのまま転んでしまう。

 

この時、俺は胸に違和感(正式には胸にある水着に)があったのに気が付いた。

 

「おいおい、何してんだ?」

 

く、来るな!!当真!お前は来てはいけない!!

 

「当真、こっち来るな!!」

「何を言ってるんですか。今上条さんが優しく手を差し伸ばして上げますよ」

「おま!状況を考えろ!!」

「輝跡が転んだらから助けようと…」

 

俺は今うつ伏せに倒れている。それは、胸の水着が取れているのを一時的に隠すため。てか胸痛い…

 

「もし、俺が立ったら、当真、お前は記憶を無くす事になるぞ」

「…どういうことだ?」

 

真剣な眼差しの当真。いや…だって…

 

「今俺は転んだ拍子に胸の水着が取れてこのまま立ち上がれば俺の胸が丸見えになっちまう」

「!?お、俺は何も見ねぇえから、早く水着を着けろ!!」

 

そう言って当真は後ろを向く。ここにきても無意識にラッキースケベを手繰り寄せたこいつの運が羨ましいぜ。

 

俺は急いで水着を着け直す。よし、これで完璧。

 

「お、終わったか?」

「うん。大丈夫だ」

 

そう言って立ち上がる。当真は此方を向き直す。よし、これで万事解決。

 

その瞬間に神様は舞い降りた。

 

するりと胸に着けている水着が取れて…

 

「あ…」

「あ…死んだ…」

 

 

そのあとは当真が自ら犠牲となり霊夢達の鉄拳を喰らい、更には夏恒例のすいか割りを当真の頭でやろうとする等の奇行に走ろうとした霊夢を止めたりと有意義な海水浴を楽しんでいた。

 

だが、そんな時に限ってあいつらは出てくるんだよな…

 

余談だが、霊夢はエレメリアンを感知出来るらしい。

 

霊夢の表情がいきなり曇る。

 

「…はぁ…エレメリアンよ。すぐ近くにいるわ」

 

いきなりの霊夢の一言に立ち止まる俺達。(友村さんも俺達の正体を知ってます)

 

その後に凄い打撃音が鳴り響く。この島にいるのか!?しかも、打撃音からして誰かと戦ってる!まあ、戦ってる相手はツインテイルズしかいないと思うけど。

 

取り合えず、行きますか。

 

友村さんが持ってきてくれたパラソルの下に置いといた俺の荷物からテイルタイマーを取り出して右腕に着ける。

 

「テイルドライブ」

 

身長は少し低くなりいつも通りに装甲を纏う。

 

「霊夢、行こう」

「はぁ…仕方がないわね…」

 

そう言いながら霊夢は一つのお札を取り出す。あれ?今何処から取り出したの?…気にしたら負けかな。

 

「…偽装結界…幻夢」

 

霊夢はそう言いながらそのお札を地面に叩き付ける。その瞬間に霊夢の体が光に包まれてテイルシャーマに姿を変える。

そういや、始めて霊夢が変身する所見たな。いつも既に変身してる霊夢と行動してたし。

 

「さっさと終わらせて海水浴の続きをやるわよ」

 

完璧に遊ぶことしか考えてない。いつものクール系霊夢さんが可愛く見える。まあ、始めての海だもんな。興奮してんだろう。

 

「天子は来るの?」

「私は行かない。ここで待ってるわ」

「兄貴、もし天子襲ったら殺すから」

「大丈夫だ。上条さんは年上しか興味ない」

「なら、尊先生貰ってやれよ」

「いや…あの人はいくら上条さんでも無理かな…」

 

拒絶される尊先生。ドンマイ♪

 

「さて、行きますか!!」

 

俺のその言葉で俺と霊夢ことシャーマは移動した。

 

 

俺達のいた砂浜のすぐ近くの別の砂浜でエレメリアン(シオシオの魚っぽい奴)とテイルブルーが激しく肉弾戦を行っており、その近くでは、テイルイエローが装甲を外してアルティメギルの戦闘員、アルティロイド共と戦っていた。

それを見ているスク水姿のダークグラスパーとダークグラスパーのサポートをしているであろうロボットがいた。

 

「ダークグラスパー!!」

 

俺はダークグラスパーに対峙するように登場する。因みにシャーマはそのままアルティロイドの中へ突っ込んで行った。

 

「おお、テイルエアー。久の」

「まあ、あのとき以来だからね」

「そうだ、お主、同じ眼鏡同士此方側に来ぬか?」

「生憎のお誘いお断りだね。逆にダークグラスパーがツインテイルズになればいいんじゃないか?」

「それこそ無理な話しじゃ」

 

別にお互い本気で言っている訳ではない。

 

「どうも~」

 

俺は声を掛けられた。だが、掛けた相手はあのダークグラスパーのサポートロボットだ。

俺は直ぐ様拳を構える。

 

「あ、うち、あんたらと戦う気はあらへんよ」

「あ、なら宜しく」

「…エアー、なんかダークグラスパーと仲良くなってる…」

 

そう言ったのはいつの間にか俺の後ろにいたテイルレッドだった。あれ?そういや、テイルレッドの気配がこの頃薄くなっているような…

 

「エアー、お主も感じておるだろう、テイルレッドのツインテールが弱まっていることに…」

「え!?そうなの!?」

「もしかして気付いておらんかったのか?」

「いや…なんと無く感じてはいたけど…」

 

図星を付かれたのかテイルレッドは冷や汗をかき始める。

 

「まあ、テイルレッドはんもテイルエアーはんもイースナちゃんと仲良くお願いします」

「お主はわれのおかんか!」

 

ダークグラスパーが突っ込みを入れただと!?

あのロボット、中々にやりおる。

 

「えーと、そちらは?」

「あ、うち、メガネプチューンmark2といいます」

「あ、僕はテイルエアーです。mark2ってことはmark1が…」

「あ、うちが初号機や」

「うぬ、なら何故mark2なのじゃ?」

「作った本人がわかるっておらへん!?」

「何このコント…」

 

テイルレッドの弱々しい突っ込みが入る。

 

「さて、テイルエアーよ、もう一度眼鏡を掛けてくれんか?」

「…ごめん、それは少し…私情で色々あって…」

 

そう、今俺は属性追加機構が使えない。理由は不明。てかそこも含めてフィリップさんに頼んだんだけどね。

 

「そうか。まあ、良い」

 

そう言って近づいてくるダークグラスパー。背後でテイルブルーがあのしわくちゃな魚のエレメリアンにやられているのが見えた。

 

「少し行ってくる!」

 

そう言って駆け出して行くテイルレッド。

 

「さて、テイルエアーよ。お主…前よりも力を感じるぞ」

「え!?マジ!?」

 

力を感じる?どういうことだってばよ?

 

「何をしたのか知らんが…これは属性力に良く似た力じゃ…流石、わらわがホレた三人目の相手じゃ!不思議な力を持っている!」

 

ん?今可笑しなこと言わなかった?

属性力に良く似た力…じゃなくて、ホレた三人目の相手?

 

「ねえ、今誰にホレたって言ったの?」

「なんじゃ、聞こえなかったのか?なら改めて言おう。わらわはお主の事をテイルレッドの次に好いているのじゃ」

「…」

 

口を開けたまま俺は固まる。

その近くではテイルレッド達の武器が合体しているのだが、生憎、俺の視界には入らないし、ダークグラスパーことイースナがとんでもない発言のせいでその事に気付くことすら出来ない。

 

「光栄に思うのじゃな」

 

そう言って俺を背にして歩き出すダークグラスパー。

 

「あ、テイルエアーはん、これからもイースナちゃんと仲良くしたってな」

「だから、お主はわらわのおかんか!!」

 

そうメガネプチューンmark2は俺に言ってダークグラスパーを追いかけて行ってしまう。

 

数分間俺は固まったままだった。

 

 

好きって言ったんだよな…

ダークグラスパーは…イースナは俺のことが好き…いや、正式にはテイルエアーの事が好きってことだよな。

そんなのわかってる。わかってるのに…

 

「何ニヤけてるのよ…」

 

え?ニヤけてた?

 

「ほら、早く手伝いなさい!」

「ああ!」

 

シャーマの声で我に帰る。

俺はテイルレッド達が倒せなかったアルティロイド達を目の前にする。どうやら、テイルレッド達は大技でエレメリアンごと大抵のアルティロイドを倒したようだ。だが、残ったアルティロイド達の瞳からは珍し闘志は消えてなかった。

 

「モケー!!」

 

どうやら、ボーとしていた俺が不調なのだと思ったのだろう。そこなら狙えると思ったらしい。甘いな。甘栗レベルで甘い。

 

さて、俺もカッコ良く決めますか!!

 

俺はエアーメモリを取り出してエアーメモリのボタンを押す。

 

《AIR》

 

そしてエアーメモリを真上に回転させながら投げる。その行為にアルティロイド達は目でエアーメモリを追ってしまう。

 

その間にフォースナイファーを取り出す。

 

そして、エアーメモリは重力に従い真下に落ちてくる。その真下にはフォースナイファーのマキシマムスロットがある。

 

「エアーメモリ!!イグニッション!!」

 

そう俺が言った瞬間、エアーメモリがフォースナイファーのマキシマムスロットに入る。

 

《エアー マキシマムドライブ》

 

機械音と共にフォースナイファーの刃が延長される。

 

「フォーススラッシュ!!」

 

俺は延長したフォースナイファーでアルティロイド達を真横に凪ぎ払う。

 

「モケーーー!!」

 

次々にフォースナイファーの刃の餌食となり光になっていくアルティロイド達。まったく、撤退すれば良かったものを…

 

フォースナイファーからエアーメモリを抜き取る。どうやらアルティロイド達の一掃は終了したようだ。

 

戦闘が終わり、そわそわし始めるシャーマ。早く泳ぎたいんだよな。わかる。

 

テイルレッドが此方に来る。

 

「ありがとう、シャーマ、エアー。でも、どうしてここに?」

 

ここは孤島。しかも、個人の島だ。確かに疑問に思うよな。ここは正体を隠すために、嘘を言わないと。

 

「ちょっと、シャーマとパトロールを…ね、シャーマ」

「え!、ええ。そうよ」

「そうか。ありがとうな」

「よし、なら、エアー。行くわよ」

「え、ああ。わかった。それじゃ、テイルレッド」

「また今度」

 

そう言って俺はテイルレッドに手を降る。勿論テイルレッドだけではなくテイルブルーやテイルイエローにも手を降る。

 

そのまま俺はシャーマに右腕を掴まれそのまま空高く飛んで行ってしまう。

 

 

そして、俺達は激闘(笑)を繰り広げた後、あの砂浜に戻ってくる。

 

そこにはパラソルの下で寝息を立ててる当真とサーフィンを行っている友村さん、そして、真っ黒に日焼けした天子がいた。

おい、天子、お前ちゃんと日焼け止め塗ったよな!てか、俺達が戦ってる間にどんだけ焼けたんだよ!!

 

「あ!帰ってきた!!」

「お疲れ様です。輝跡様」

 

俺とシャーマは空中散歩を終え(ものの数秒)砂浜に降りる。

いつの間にかサーフィンを止めて戻って来ている友村さん。なんか前より友村さんの執事スキルが上がってる。

 

俺は変身を解く。やっぱり女の子のままだ。

霊夢も変身を解く。

 

その時に友村さんの携帯が鳴る。急いで出る友村さん。

そして電話をし終えた後俺達の所に戻って来る。

 

「すみません、皆様方、先程の戦闘がどうやらメディアにバレたらしいです。このままこの島にいたら正体がバレる危険性が出るかと…」

「嘘!?私今から泳ごうと思ったのに!」

「あ、俺も…」

 

出撃した俺と霊夢はまだ海に入っていない。

 

「すみません。早めに準備しないといけないかと…」

「仕方がないわよ。ねぇ、輝跡、今度は別の場所で海水浴をしましょ」

「天子、お前真っ黒になるまで楽しんだんじゃないのか?」

「まあ、楽しんだけど、まだまだ遊び足りないのよ」

「だよな…なら、夏休みにもう一度、今度は戦闘が起きても大丈夫のように色々と下準備をしてから海に来よう」

「おー!」

 

そう俺の言葉に反応してくれた天子。だが、ボトという音が天子の立っている足元から聞こえたのだ。

そこには、右の胸が縮こまり、その胸と水着の間にあったであろう、双璧の一つのPADが天子の足元に落ちていた。

 

固まる天子。

 

天子よ…愛香と共に精進しよう。俺も手伝うから。

 

そんなハプニングもあった。

 

まあ、取り合えず、今年の夏休みの予定が一つ決まった。

その後、俺達は急いでホテルに戻り(当真はちゃんと起こして)着替えやシャワー等を済ませてまたクルーザーに乗る。

 

こうして、俺達は貴重な休みの日を過ごしたのだった。




次回予告お願い
輝跡(女)「ちょ!?いきなり!?」
いや、久しぶり過ぎて、次回予告のやり方忘れたからさ…
輝跡(女)「前の投稿読みなさい…」
取り合えず、次回予告お願い
輝跡(女)「しゃあない…」

次回予告

解き明かされる女の子になった原因、それに立ち向かおうとした時、幹部級のエレメリアンが出現する!?はたして、俺は…勝てるのか!?

次回

俺、マジになります。



テイルドライブ!!



あ、新しい仲間も出るから
輝跡(女)「はぁ!?」


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第32話 俺、マジになります。

どうも。
一話を投稿して早一年…
あっという間でした。
けど、まだまだ完結までほど遠い…
取り合えず…

どうぞ~


女の子になったから数日。

日に日にファンが増えてきていて此方もソーラちゃんも行動しづらくなってきていた。まあ、愛香や尊先生、慧理那先輩が俺達を守ってくれるためそこまでの被害は無いが。

 

そんなある日、朝早くにフィリップさんから連絡があった。なんでも、テイルバレットから凄いデータを見付けたとかで、今すぐに来てほしいとのこと。

今日は平日。それは、学生が学生の本分を全うするために学校へ行かなくてはいけない日である。だが、テイルバレットのことは俺個人として知りたいことでもあり、なにより、二摘輝跡にとって男に戻れるかどうかを左右する大事なことでもある。

 

日に日に女の子として違和感なく活動出来るようになってきてしまっている。これでは俺は本当の意味で元に戻れなくなってしまう。

そういう意味では今日俺は学校を休まなくてはいけない。

 

霊夢達に今日は休むことを言って、ワープ装置を起動させ俺はフィリップさん達のいる風都に向かった。

 

 

翔太郎さんの事務所に着く。そこには本を片手に読んでいるフィリップと資料を読んでいる翔太郎さんがいた。

 

「やあ、輝跡。おはよう」

「おはようございます」

「おはよう輝跡。」

「で、フィリップさん、なんかわかったんですか?」

 

早速本題だ。

フィリップさんは本を置いて何処からかノートパソコンを持ってくる。

ノートパソコンを開いて起動させるフィリップさん。

 

「輝跡、君は、何が好きなんだい?」

 

その質問は…そう、あのテイルエアーに聞かれた質問だ。

 

思い出した。あの夢を…そう、俺が女の子になった時に見たあの夢。

 

「な…なんでその質問を…」

「やはりね。輝跡、君は本当の意味でテイルタイマーを…いや、テイルバレットを使えこなせていないんだ」

「どういうこと…」

「色々とデータを調べているうちに面白いことがわかってね」

 

そう言って俺にパソコンの画面を見せる。

何が書かれているのかはちんぷんかんぷんだ。

 

「このデータから、そのテイルバレットは力を制御する制御装置やテイルエアーの装甲構築データ、そしてそれらのコアとなるあるものがあることがわかったんだ」

「え?何を言ってるのか…」

「君はよく最前線にいるからわかると思うけどエレメリアンを倒した後にひし形の結晶が残るのはわかるよね?」

「ええ。属性玉です」

「その属性玉というもの…あれのなかには紋様のようなものが刻まれていないかい?」

「あ!刻まれてる!」

「そう、あれはそれぞれの属性を示していると僕は踏んでいる」

「ええ。その通りです」

「多分だが、テイルレッド達もそれの力を使って変身してるんじゃないのかい?」

「そうです」

「やはりね…実は、輝跡、君のテイルバレットには、その属性玉らしいものがあることがわかったんだ」

「!?」

 

属性玉がテイルバレットに!?ってことは、俺は仮面ライダーよりツインテイルズの方に近いってことだよな。

 

「だが、調べた結果、テイルバレットからはひし形の結晶は見つかった。でも、肝心の紋様が無いんだ」

「え!?」

「ここからは僕の推測なんだが、属性力は好きなものへの力等が結晶化したものと考えた前提で、君の属性力はまだ決まっていない、もしくは、属性が定まらない属性という可能性がある」

「定まらない属性…」

「そこから考えられる君の女体化。これは、属性を完全に決めてないため、もしくは属性定まらないために起きたテイルバレットの中の属性玉の暴走…」

「あ!だから輝跡に最初質問したんだな!」

 

説明を一緒に聞いていた翔太郎さんがやっと口を開けた。

 

「そう。輝跡の女体化は、決めるものを決めていないから起きたことなんだよ」

「決めるものを決めていない…」

「解決策は簡単さ。何が好きなのか、きっちりと決めること。ただそれだけだ」

 

簡単なのか…それは…

 

そんな時に俺の通信機が鳴る。エレメリアンか!!

 

「どうした?輝跡?」

「すみません、翔太郎さん、フィリップさん、エレメリアンが現れた見たいです」

「そうか。なら、俺達も行くか?」

「いえ。翔太郎さん達が出る程じゃないですよ。俺が…俺達が行きます」

「そうか。なら無理するなよ」

 

そう翔太郎さんが言ってくれた。そして、

 

「困ったら僕たちを呼んでくれまたえ」

「わかりました!フィリップさん」

 

俺はそう言ってワープ装置を起動させる。

 

 

 

 

場所は竹林。

 

ワープ装置を使いツインテイルズの秘密基地を経由して現地に向かった。

その間に俺は念のために霊夢と天子にメールを送っておいた。

 

俺が駆け付けると、そこには蜘蛛型のエレメリアンが何十体もいて、そのエレメリアンとテイルブルー、テイルイエローが戦っていた。

 

「テイルブルー!テイルイエロー!」

「あ!テイルエアーですわ!」

「遅いわよ!エアー!」

 

そう言って戦っている二人と合流する。

 

「テイルレッドは!?」

「あいつは、あっちで幹部級と戦ってるわ!」

 

テイルブルーはランスで蜘蛛型エレメリアンを凪ぎ払いながらテイルレッドの方をみる。

そこには、見た目的に細いエレメリアンがテイルレッドと戦っていた。

細いエレメリアンの刀とテイルレッドの剣が刃を交えるが、テイルレッドが競り負けて吹き飛ぶ。明らかにテイルレッドが押されている!!

助けに行きたいが、テイルブルーもテイルイエローもこの蜘蛛型エレメリアンに阻まれてテイルレッドの援護に行けそうに無い。

 

なら、俺が行くしかない!

 

俺は一気にスピードを付けてフォースナイファーを取り出してテイルレッドの元へ向かおうと試みる。だが、テイルブルーやテイルイエローのように蜘蛛型エレメリアンに阻まれてしまう。

こうなれば、コイツらを一掃さるしか無い!

 

俺はエアーメモリを取り出す。

 

《AIR》

 

そして、真上に投げる。

 

「フォースナイファー!ブレイクレリース!! 」

 

フォースナイファーの刃が黄緑色に光延長される。

 

「エアーメモリ!!イグニッション!!」

 

更にエアーメモリを重力による落下によりフォースナイファーのマキシマムスロットに入れる。

 

フォースナイファーの刃は一掃輝きを増し更に刃は延長される。俺はそれの刃を空に向けて両手で持ち手を握り頭の上まで持ってくる。その刃はまるで天を二つに切り裂いているかのようだ。

 

「何ですか!?あの技は!?」

 

驚くテイルイエロー。テイルブルーは戦いながら此方をチラッと見た後戦いに再び集中する。

 

天に上る程の大きく、鋭く、輝く一つの刃。

 

「フォースクラッシャー!!」

 

俺はフォースナイファーをそのまま降り下ろす。

蜘蛛型エレメリアンを次々と消し去る光の刃。

 

「なぬ!?」

 

驚く細いエレメリアン。俺の刃の延長線にいたのか、バックステップで俺の刃を避ける。

 

テイルレッドと細いエレメリアンの間に黄緑色の光の刃が通る。

 

刃は光を少しずつ失い元の長さに戻る。フォースナイファーが凄く熱くなっている。なんとか持てる位だ。

俺はスピードを上げて、テイルレッドの元に駆け寄る。だが、様子がおかしい。

 

「おい!テイルレッド!!」

「…俺は…ツインテールに見放された…」

 

おかしい…テイルレッドのツインテールが感じられない!?

 

「おい!テイルレッドに何をやった!!」

 

俺は細いエレメリアンを睨む。怒りが込み上げてくるのがわかる。

 

「何もしてはおらぬ。奴は元から弱まっていたのでござる」

 

元から弱まっていた!?そういや、海で会った時も、ダークグラスパーが言ってたな。

 

「まあよい。お主達の属性力、頂くぞ」

 

そう言って細いエレメリアンはあの銀色のリングを出現させる。あれをくぐったら属性力が奪われてしまう!

 

「おい!テイルレッド!!」

「…」

 

だが、テイルレッドの瞳には輝きが…無かった。既に諦めているのか!?

なら、俺がテイルレッドを救う!!

 

そう思って俺は動こうとする。だが、身体中に痛みが走りまともに手足が動かせなくなる。

 

「っ!?」

「やはりな。あのような大技…一度出せば何か代償があるはずでござる。どうやら、エアー、お前は反動で動けなくなっているようでござるな」

 

なんだよ!はか〇こうせんじゃねーんだ!動け!!

 

迫りくる銀色のリング。俺も、テイルレッドも絶対絶命なのか!?

 

そんな時に俺の意識が落ちる。

恐怖からなのか、後悔からなのか、わからない。でも、俺はこんな現実から目を背けたかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、曽テイルエアーと話した所と同じ、草原に木の椅子だけの空間。常に風が吹いているがそこまで寒くない。

 

俺の目の前にはテイルエアーがいる。

 

「エアー…」

『答えは出た?』

「ああ。俺は好きなものを好きになる。ただそれだけだ」

『そう。それでいいの。何もツインテールや眼鏡にこだわらなくてもいいの。好きなものを好きなように好きになれば』

「以外に簡単だったな」

『だから、気が付かないの』

「そうだな…」

『…女の子になってみてどうだった?』

「大変だったけど、楽しかった。今はそれだけかな。でも、いざ男に戻るとなると名残惜しい気もするよ」

『そう』

 

そう言ってテイルエアーは俺に近付いてくる。

 

『好きなものを好きなように好きになる。それがわかれば僕達は強くなれるよ』

「そう…だな」

『ほら、早く皆の所に戻ろ』

「よし!戻るか!」

 

俺はエアーを右手を掴む。そして、意識を覚醒させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が目を開けると、業火に包まれたテイルレッドがこれまでよりも更に輝きを増したツインテールを靡かせて銀色のリングを剣で真っ二つにしていた。

 

「エアー!大丈夫か!」

「大丈夫だよ」

 

俺は見栄を張ってはみた。だが、実際、見栄をはる必要も無い。さっきと違って今は体に痛みも疲労も微塵に感じない。

今なら、勝てる!!

 

そう思った瞬間に俺の背後からあの蜘蛛型エレメリアンが何体も襲って来た。

俺は振り返り、それを自分の目で確認する。

今の俺なら一瞬で勝てる相手なのかもしれない。でも数の暴力には逆らえないはずだ。

 

だが、その蜘蛛型エレメリアン達は俺の横から迫ってきた大きな石…いや、岩によって次々と押し潰されていく。

 

「さて、さっさか終わらせますか」

 

そこにいたのは…テイルブルー…に良く似た少女だった。

見た目は殆どテイルブルー…だが、装甲の色や模様が所々に違う。そして、一番の違いは髪留め…そう、髪留めが桃の形をしているのだ。

俺はその姿を見て誰だが一瞬でわかった。

 

天子だ。

 

「私ははテイルザイン。今日からツインテイルズの一員だから、よろしく!」

「何よあいつーーーー!」

「て、テイルブルーが二人!?何がどうなっているのですか!?」

 

混乱しているテイルブルーとテイルイエロー。まあ、そんなるわな。

 

「この蜘蛛型エレメリアンは僕とザイン、テイルブルーとテイルイエローでなんとかするから、テイルレッドはあの細いエレメリアンを!!」

「!!わかった!」

「行こう!ザイン!」

「わかってるわ!」

 

そう言って俺とザインは蜘蛛型エレメリアンの群れに突っ込む。

 

前よりスピードもパワーも上がってる気がする。パンチ一撃で蜘蛛型エレメリアンをよろめかすことが出来た。いや、上がってる気がするんじゃなくて上がってる!

 

ザインは刀を取り出して次々と蜘蛛型エレメリアンを斬っていく。なんて手際がいいんだ…テイルレッドのようにパワー任せではなく、関節や首など急所を狙って攻撃している。

そういや、天子も幻想郷の実力者の一人だったっけ…すっかり忘れてた。

 

俺とザインはなんとかテイルブルーやテイルイエローの元にたどり着く。

 

「あんた、何者よ!」

 

戦いの中でザインを指差しながらランスを振るうテイルブルー。

 

「私はテイルザインよ。貴女と同じ悩みを持つものよ」

「…さあ、協力しましょう!」

 

同族とは引かれ会う運命みたいだ。愛香と天子の悩みは同じ…

似た者同士ってことだな。心が通い会うのだろうか?

 

そして、俺達は蜘蛛型エレメリアンとの戦いを再開した。だが、その数は増えるばかり。

いくらテイルレッドと俺が復活して、ザインが仲間になったとしても、数の暴力は押さえられない。

 

細いエレメリアンと戦っていたテイルレッドの装甲が変わる。俺はそれを見て気が付く。そうか、テイルレッドは、自らの属性力を操作する術を身に付けたのだと…

俺の属性力…『私好き』(アイラブ)

俺の属性力は色々な属性へと変化出来る異質な属性力。まあ、俺自身がその属性力を好きにならないといけないという条件が必要だけどな。

女体化して気が付いた俺の属性力。

今の俺には、テイルレッドのツインテールから、属性力を操っている感じがする。

相手の属性力を感じられる、これが俺の属性力の特徴の一つである。

 

テイルレッドと細いエレメリアンの刃が混じり会う。

そんな時だった。

 

テイルブルーとテイルイエローが倒れてしまう。原因はエネルギー切れである。

俺とテイルレッドとかなり離れているテイルブルーとテイルイエロー。ザインは別の蜘蛛型エレメリアンと戦闘中。助けに行けるのは俺とテイルレッドだけだ。

 

倒れたテイルブルーとテイルイエローに蜘蛛型エレメリアンが襲い掛かる。

 

そこへテイルレッドが両手に持つ剣…ブレイザーブレイドの一刀を投げる。

 

俺はそれと同時にテイルタイマーを起動させる。

 

《ready》

《time start》

 

その機械音が合図となり、俺とテイルレッドの姿が消える。いや、消えるという表現は間違いで、俺は加速世界へ、テイルレッドは純粋に加速したのだ。

 

まるで止まっているかのような世界。俺はその世界の数メートルを名一杯走り、投擲したブレイザーブレイドをテイルレッドが掴み、テイルブルーとテイルイエローの目の前に表れる。

下半身に多くついた装甲…そこからして、先程とは違うモードになったみたいだ。

折角のツインテイルズ一のスピードを誇っていた俺を越えちまったか…

まあ、テイルタイマーを使えば同等なんだけど…

 

《time stop》

 

その機械音により加速世界が終わる。

それと同時に俺とテイルレッドはテイルブルー達を襲おうとしてた蜘蛛型エレメリアンを凪ぎ払う。

 

「なんという神速か!?」

 

細いエレメリアンがそう言う。確かに神速だな。

その瞬間に残っていた蜘蛛型エレメリアン達はザインにより消されていた。

 

さて、残るのはあの細いエレメリアンたった一体。

 

「ザインはテイルブルーとテイルイエローをお願い」

「わかったわ!」

 

復活組であの細いエレメリアン…アラクネギルディを倒す!

 

「行こうか!テイルレッド!」

「ああ!エアー!!」

 

俺とテイルレッドはアラクネギルディと何度も刃を交える。途中、あのミミズ型エレメリアンの事が好きだった等とトンデモカミングアウトしちゃうアラクネギルディ。

アラクネギルディの属性力は男の娘。所謂ホモである。あー、怖いわ…俺女の子は好きだけど男の娘は無理なんだよな…

 

そして、アラクネギルディは最終形体へと変貌をとげ、下半身が蜘蛛の体へと変化する。

あー、アラクネって、確か…蜘蛛の下半身の女性の怪物たっけ?

けど、こいつ男。いや、見た目は怖いけど心は男の娘なのかもしれない。

あーー、なんていうか…気持ち悪い…

 

「大丈夫か!?エアー!」

 

少し顔色が悪くなっている俺。いや、大丈夫だよ。ただ、俺はホモとか無理すぎて…

 

「その程度でござるか…テイルエアー」

 

ちっ!テイルレッドのフォルムチェンジは数秒間しか持たないみたいだ。そのため、今は普通のテイルレッドの状態で戦っている。

 

「なあ、テイルレッド。僕が隙をつくる。その間にあいつにお前のツインテールを魅せてやれ!」

「おう!あいつに俺のツインテールを魅せてやるぜ!!」

「魅せなくてもいいわ!」

 

テイルブルーの心ない突っ込みが入る。全く、男心をわかってないな。まあ、テイルレッドは女の子何ですけどね!

 

俺はテイルタイマーから黄緑色のフレームの眼鏡を取り出す。

そして、それを着ける。

 

「属性追加機構!眼鏡運命!!壱武器!!(ワンウェポン)」

 

眼鏡をかけた瞬間に俺の頭と左手だけが光に包まれる。

頭には黄色いvのアンテナ型アクセサリーが追加され、左手には緑色の砲撃用ランチャーが追加される。

壱武器…そう、これが今俺が出来る事だ。完全に好きに成りきれていない眼鏡属性。だから一部だけ追加する。完全に眼鏡運命モードを使える時間は約1秒。それじゃあ戦いにならない。だが、一部だけならその時間は約18倍となる。

 

俺はランチャーをアラクネギルディ…の蜘蛛の下半身へと向ける。

 

「お前達の考えていることぐらいなど…!?」

 

ここでテイルレッドが神速のスピードで一気にアラクネギルディの懐に入り込む。それに驚いたアラクネギルディは刀をテイルレッドに振るう。その瞬間に俺はアラクネギルディの足に向かって砲撃を放つ。

 

赤と黒のビームがアラクネギルディの蜘蛛の足を融解させ、アラクネギルディの体制を崩す。

 

そして、テイルレッドの装甲が上半身に移りツインテールは上結びへ変化する。

属性力の流れが上半身に行くのを感じる。あれは…パワー重視のモードチェンジか!

二刀のブレイザーブレイドに更に装甲が追加され赤い粒子がテイルレッドの背中の装甲から噴出する。

 

「ライジングブレイザー!!」

 

赤い一閃が…いや、赤いツインテールの二閃がアラクネギルディの刀、男の娘の棒と交わるが、男の娘の棒は二刀のブレイザーブレイドの威力を押さえることは出来ず、その刀身は折れテイルレッドの新必殺技がアラクネギルディを貫く。

 

そう、戦いが終わったのだ。




輝跡「やったー女の子になった原因がわかった~」
良かったね(棒)
輝跡「しかも仲間も増えた~」
そうだね(棒)
輝跡「なんで棒読みなの?」
何となく。まあ、次回予告よろしく


次回予告

戦いが終わり、一段落した俺達。だが、それと同時に不穏な影も迫る!

次回

後片付けが大変



テイルドライブ!!


因みに、次回で一区切りだから
輝跡「そうなんだ…」


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第33話 後片付けが大変

皆さん、お久しぶりです。
風墳Kです。

お恥ずかしながら帰って来ました!!

なんとか前のデータを奇跡的に復活させることが出来たので投稿再開します!


いやー、気がついたら夏アニメと秋アニメが終わり冬アニメも終盤の時期。
この話を書いている時は丁度一年前。
時が立つのは早いね。

それでは、俺、ツインテールになります。 AIRs HERO 再開&一区切りです。

どうぞ~(ター〇ナルの駅長風)


その世界ではエレメリアンの侵攻は無く、人と呼べる知識生命体はいない。

 

だが、そこへある人形の何かが舞い降りた。

 

「はぁはぁはぁ…ここまでくれば…」

 

そう言ったのはロブスギルディ。エレメリアンである。

ロブスギルディの外見としては大きなハサミの二つの腕、そして青黒く光る頑丈な装甲。

だが、今のロブスギルディには右腕の付け根からハサミが無く、青黒く光っていた装甲には数多くの傷が付けられその光沢は既に無くなっていた。

 

ロブスギルディは追われているのだ。

アルティメギルの破壊者に。

 

「見つけたな♪」

 

そう声がする。

 

場所は森の中。いや、ただの森の中というよりも白亜紀頃のような原生林の森と言えばいいのだろう。地面にはシダ植物が多く生えている。

 

ロブスギルディは声のした方向を見る。

木上に中学生程度の女の子がいた。フードを被った白いローブ姿の少女。左手には細い剣…フェンシングに使われているような剣が握られている。

彼女はアルティメギルに新しく入った幹部の一人であり、首領直々の破壊者。

その目的はいらないエレメリアンの削除。

そう、処刑人であるダークグラスパーと同じ事をする。だが、違うとこは、基本的に破壊をするということ。

 

ダークグラスパーは闇の処刑人。

 

だが、この少女は…

 

「右腕もぎ取ったから、次は左手な♪」

 

エレメリアンの命を軽く見る破壊者。

 

名を…

 

「や、止めて下さい!!ライトロイヤー様!!」

 

軽き破壊者。ライトロイヤー。

 

スッと風を斬る音がする。

 

その瞬間にロブスギルディの真後ろにあった大木が斬れ、大きな音を立てて倒れる。

 

「命乞いはしないことな♪」

 

何故ロブスギルディが追われることとなったのか…

理由は簡単。ライトロイヤーの機嫌を損ねたからだ。

 

「お前が私を知らない。それだけで破壊対象な♪」

「も、申し訳ございません!」

 

知らないのも無理は無い。彼女が幹部所かアルティメギルに正式に入ったのは数日前。しかもその数日間アルティメギルの本艦に設けられた自分の部屋から出てこなかったのだ。知っている人の方が少数である。

なのに、だ。彼女は自分を知らないと理由だけでロブスギルディを手にかけようとしているのだ。

 

たまたまアルティメギル本艦の廊下ですれ違ったロブスギルディ。そこでロブスギルディは会ったことの無い人間のアルティメギルの処刑人…ダークグラスパーだと思い話し掛けそして間違えた。ただそれだけである。

 

彼女はある特権がある。それは幹部級以外のエレメリアンを自由に消しても良いということだ。

何故彼女にそんな特権があるのは頭領しか知らない。でも、彼女の機嫌を損ねるのは死に値することであることは確かである。

 

後ろの大木が斬られたことを自らの目で黙視しロブスギルディは先程から味わっている死の恐怖を改めて知った。

 

「い…命だけは…」

 

誇り高きエレメリアンであるロブスギルディ。だがその誇りを捨ててまで命乞いをしているのだ。

体の一部が無くなったからか…

いや、ただ死にたくないだけか…

 

ライトロイヤーは左手のフェンシングに使うような剣で空を斬る。

 

スッと風を斬る音だけが森に響く。

本来この原生林には数多くの生物がいるのだろう。だが今は何もいない。ロブスギルディが現れたからか…それとも、ライトロイヤーがここに現れたからか…

生物が殆どいない森に響く空を斬る音。

 

その音と共にロブスギルディは立てなくなった。

 

ロブスギルディの体に激痛が走る。腕を斬られた時と同じ痛みである。

 

「ぐぁぁぁぁ!?」

 

ロブスギルディは何とかして自らの体に何が起きたのか見ようと頭を上げる。

目線は自らの左足に向く。

 

左足が付け根から無いなっているのだ。

 

「煩いな…でも楽しいな♪」

 

ロブスギルディはこの少女が狂っていると感じていた。まるで自分を痛めつけることが彼女の快楽のように思えたからだ。

 

恐怖。

 

ロブスギルディに残された最後の感情だった。

 

「うぁぁぁぁぁぁ…」

 

残った左手と右足で地面を這いつくばってその場から逃げようと試みる。

 

「あー…面白いな♪」

 

そうライトロイヤーは木から降りてロブスギルディの残された右足を掴む。

 

「止め…」

「君の悲鳴、面白いからな♪ゆっくりと君を壊すよな♪」

「ひぃぃぃ!?」

 

右足を掴まれ、引きずるように連れていかれるロブスギルディ。ロブスギルディの体重は約211㎏。例え右腕と左足が無くなったとしてもかなりの体重である。それをまるで小さい子どもが少し大きな玩具を引きずりながら持っていくかのようにライトロイヤーはロブスギルディを引きずって行く。

 

その後、ロブスギルディの姿を見たものはいない。

 

 

全ての戦いが終わったのだ…といいたい所だが生憎そんなことは無い。

アラクネギルディとの死闘を終えて俺はテイルレッド達より一足早く自宅へ帰宅して変身を解いた。

 

俺は鏡の前まで行き自分の姿を確認してみる。

 

そこには、女の子の服装をしている男の俺がいた。

俺は服を全て脱いであるものを確認する。

 

ある。あの男の象徴がある。

 

なんて感動なんだ。

 

戻ったぞーーー!俺は男に戻った!!

 

真っ裸の俺は自分の部屋に戻り私服(男物)に着替える。

着替え終わり俺はリビングに向かう。お祝いにインスタントではあるがとっておきのコーヒーを飲むとしよう。

リビングに行くと天子が一人でリビングに立っていた。

 

「天子…」

「輝跡、戻れたんだ」

「おう!このとおりばっちり戻ったぞ!」

「良かった…」

「天子、ありがとうな」

「え!?」

 

なんか以外って顔をする天子。

 

「いや、女の子になっちまった時に色々と世話になったしさっきの戦いでは俺達の事を守ってくれたじゃん。だから、ありがとう」

「な、な、な!」

 

なんで顔赤くしてんだ?

 

「私はただやりたいことをやっただけよ!あ、あんたを守ろうとか!そんなこと…」

 

あー、ツンデレだ!

幻想郷の実力者ってのはツンデレが多いのか?

 

「兎に角、ありがとう」

 

だが、俺の感謝の気持ちは変わらない。多分だが天子は授業を抜け出して来たんだ。そこまでして俺達は助けられた。感謝以外無いだろう。

 

「…なら、私の願い一つの叶えなさい」

「俺、神〇とかじゃ無いから無理な事は出来ないよ?」

「…いいよの。今度私の願いを叶えて貰うから、覚悟しなさい!」

「なんで覚悟されなきゃいけないの!?」

 

そんな感じで俺と天子はその日の授業をサボった。いや~サボるってのは学生だけの取り柄だよな。

 

 

 

そして、次の日。

 

昨日の内に学校の手続きを終えて晴れて今日から学校復帰である。

まあ、俺の両親と電話で話した時に男に戻った事を話したらブーイングを受けたのだが、あの両親なんだ。仕方がない。

 

俺は部屋で着替えをする。

 

そして…

 

「シフトチェンジ」

 

俺の姿が変わる。これはテイルエアーではない。

 

俺の姿は女性。そう、女体化したのだ。

いや~、テイルタイマーから(正式にはテイルバレットから)なんか説明書みたいのが頭の中に流れこんで来て、色々とわかったんだよね。昨日の属性追加機構の制限時間なんかもそうだ。その一つにこのテイルバレットには武器や服等を小型収納出来るスペースがあることがわかったんだ。そこに俺は女体化したときの服を入れた。

更にわかったことは、テイルバレットがあればいつでも女体化出来るってこと。

今の俺は霊夢達が言うならば女の子になれる程度の能力といったところか。

 

え?需要が無い?いや、あるね。

例えば女の子限定のスイーツ展とか、女性限定ケーキバイキングとか…今まで俺が手を出せなかったあのスイーツ達に手を出せるようになったのだ。これは利用するしかない!

え?性欲的なことにも利用するんだろって?

いや、そんなことに使うなんて勿体無いことしないよ。それこそスイーツと性欲を秤に掛ければ普通にスイーツに行く。普通の男子の俺がそれなんだ。そう、これが普通のはずだ。

 

俺は女の子になった格好でリビングに行く。

そこには新聞を読む当真。お前はお父さんか!って雰囲気が出てる。

 

「おう、おはよう、輝跡…って、なんで女の子になってんだよ!?」

「おはよう、当真」

 

マイペースに話をしようとするがそこへ霊夢と天子がリビングに入ってくる。

 

「おはよう…って、あんたまた女の子になっちゃったの?」

「あれー?なんで?」

「いや~自由に女の子になれるようになってさ。それで試しに当真でどんな反応するかやってみたくなってさ」

「上条さんを実験台にしないでください!」

 

そんな朝を向かえ、そして俺は男の姿に戻って学校に向かった。

 

学校では、ソーラちゃんとミライの急な転校により落ち込む生徒達が続出していた。

まあ、俺はいつでもミライとして遊びには来れるけど、あまり来ようとは思わないな。きっとソーラちゃんはあのばか騒ぎが嫌になって転校してしまったに違いない。

まあ、その代わりに総二がツインテイルエンザという奇病との闘病生活を獲て戻ってきた。

 

「おはよう!総二!久しぶりだな!」

「おう、輝跡。久しぶり」

 

本当に久しぶりだよ。全く。

 

「そうだ!総二。実はな、お前がいない間にソーラっていうツインテールが素晴らしい女の子が来てたんだ」

「そ、そうか」

 

なんか戸惑ったような表情をする総二。そうだよな。あんな素晴らしいツインテール美少女を見れなかったんだもんな。それは戸惑ってしまうよな。

 

そう思うと総二って勿体無いな。

 

ソーラちゃんには会ったこと無いだろうし、ツインテール好きなのにツインテイルズの事をあまり聞こうとはしてこないし。てかツインテイルズの面々が全員ツインテール部のメンバーだし。あれ?もしかして総二って…

 

完全に省かれてる!?

 

嘘…あの総二LOVEのトゥアールと愛香が総二の事を省いているなんて…

…いや、もしかして、総二は既にツインテイルズの関係者!?

ってことはどんな事をやってるんだ?

まず戦闘員のテイルレッド、テイルブルー、テイルイエロー、更に俺達。

そして裏方でメカニック&オペレーターのトゥアールこと仮面ツインテール。

一応慧理那先輩の警護の尊先生。

 

じゃあ、総二のポジションってどこなんだ?

 

…あ!もしかして、カウンセラーとかか?

いや、きっとカウンセラーだ。ツインテール好きの総二のことだ、ツインテールに詳しいはずだ。そうなるとツインテールカウンセラーって所か?

ってことは、ソーラちゃんのカウンセリングとかもやってたりとか?

うわー!スゲー羨ましいぞ!

何、カウンセリングとか言って、ツインテール触ったりとか、ツインテール触ったりとかしたのか!

…あれ?なんでツインテール触ったりしたことを妄想しただけなのに俺興奮してんだ?そこは、もっと性的な…いや、なんかこの頃そういうネタに飽きている俺がそれいるのか全然興奮しない。むしろツインテールとか、眼鏡とかしてるだけで興奮する。

 

うーん…もしかして、これがツインテイルエンザなのかな?

 

「どうしたんだ?輝跡?」

「…いや、今日病院に行ってこようと思って…」

「風邪かなんかか?」

「うーん…わからないけど取り合えず行っておこうとは思ってる」

「そうか…」

 

復活した総二と話したその日に俺は病院に行った。まあ、何とも無かったんだけどね。

 

その日の夕方…

 

俺は病院から帰ってきた後、リビング(俺の家の方)でゆったりと本(漫画)を読んでいた。因みに今リビングには同居人全員がいる。(と言っても霊夢と天子、当真がいるだけなのだが)

 

「輝跡、言っておかなきゃいけない事があるんだけど…」

 

口を開いたのは霊夢だった。

あ、俺は男の姿だよ。

 

「何?愛の告白とか止めてね。そういうテンションじゃ無いから」

「誰があんたを好きになんか…いや、その事はどうでもいいわ。話を戻すわね」

 

おーと、俺のボケがスルーされたぞ!?

 

「今度の夏休み、私達幻想郷に帰るから」

 

え?

 

「まさかの、お別れ…」

「大丈夫だ!輝跡。俺達は戻ってくる」

「そうか。なら、霊夢と天子は俺の懐に飛び込んでくるのか?あ、当真はいらないぞ」

「誰が飛び込むのよ!」

「…」

「そうだ!霊夢をこれ以上口説くな!上条さんが許さないぞ!」

「大丈夫だ。当真よ。霊夢とはこういうボケをかましあうのがもう定番になっているだけだ。霊夢のことは当真が一生面倒見てやればいいことだし」

「な!い、一生面倒見るって…」

「おう、一生面倒見るに決まってるじゃないか!」

「ちょ!?兄貴!?」

「兄妹なんだからな!」

 

その一言がいらない。

 

「あ~に~き~!!」

「え!?なんで霊夢さん怒ってるんですか!?ちょ!?ギャーーーーー!!」

 

霊夢に襲われる(物理的に)当真を俺は心から応援した後に天子の方を見る。

さっきからなにも言わない天子。どうかしたのかな?

 

「あ、あのさ…輝跡は私達がいなくなったら寂しい?」

「うーん…寂しいと思うよ」

「なら!私…」

「でも、実家には帰っておいた方が良いと思うし、故郷の空気を吸えば気分も一新出来ると思う。だから、帰った方がいいよ」

「…そう…」

 

なんか俺言っちゃいけないこと言った?

 

「なら、帰るわよ!」

 

逆ギレされた!?

 

「なんで怒ってるの!?」

「知らないわよ!馬鹿輝跡!」

 

何なんだよ、天子は…

 

そんなこんなで夏休みまで数日に迫っていた。

 

相変わらずエレメリアンは攻めてくる。

それでも、俺達は戦わないといけない。

好きなものを守るために。

俺は俺の好きなものを守るため、ツインテイルズはツインテールのために…

 

そう、まだ戦いはこれからなのだ!




久しぶりの次回予告♪
輝跡「ほんと、久しぶりだな!」
今回でやっと一区切り。新オリキャラも登場に、ヒロインも現れてやっと面白くなって………………来たのかな?
輝跡「おい!作者!」
とりあえず次回してみっか!


次回予告

ソーラとミライがいなくなった学園。
始まる少年達の夏休み!
そこで集まることになったツインテイルズ!
強化合宿と言う名の異世界旅行!
この時、輝跡ことテイルエアーは…

次回

新章!異世界へ!!



テイルドライブ!!


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第34話 新章!異世界へ‼

とうとう、第5巻突入です。

いや、長かった(制作しなかった期間とデータ復活までの期間が)

今回からオリジナル展開開始です!(ネタバレ)

実はこの話を書いていたのが一年前だったりします。

とりあえずどうぞ~


夏休み前の最後の行事…修業式。

ソーラちゃんとミライが消えてからかなりの日数が立った。

あれからエレメリアンの出現回数が大幅に少なくなり、ツインテイルズの出撃回数も減った。

まあ、そんなことはどうでもいいのだが、修業式にて慧理那先輩が確りとした挨拶を行い、放課後へと以降した。

夏休みの友と呼ばれるある意味学生達のやる気を削ぐものを渡された後、俺は一足先に帰宅した。

ツインテール部に顔を出したいのは山々ではあるのだが、生憎俺は愛香やトゥアールの邪魔をしたくは無い。

折角戻ってきた総二と色々と話したい事もある。だが、ここは総二に思いを寄せている愛香とトゥアールが総二との距離をぐっと近付かせるために俺は撤退を選んだ訳だ。

俺っていい奴じゃね?

それに、今夜から霊夢達は幻想郷に帰ってしまう。なんでも、幻想郷と言う所は文明が江戸少し後ぐらいの時から殆ど進んでいないらしい。そのため霊夢達はこの世界で色々とお土産を買っていきたいと言っていた。だから俺は一足先に帰宅して一緒に買い物をする準備をするという訳なのだ。

いや~俺って本当にいい奴だわ~。

 

次の日

 

昨日総二達を思って部室に行かなかったいい奴な俺なのだが、生憎夏休みの予定は無い。

別に補習がある訳でも、ましてや部活活動に清を出す訳でも無い。暇潰しの夏休みの友は一日目が始まる前から一日目の午前中にて役目を終えて俺の机の上にて夏休みが終わるまでの眠りについてしまった。(徹夜して終わらせた)

天子にあんなことを言った俺ではあるが実家には帰りたくない。てか、今実家には誰もいない(まだ両親は帰って来てません)だから…夏休みは暇なのだ。

まあ、エレメリアンが出てくるし、そのエレメリアンと戦えば暇潰しにはなる…はずなのだが、侵攻がこの頃遅いため長々暇潰しにならない。

外で色々と見て回りたいのは山々ではあるが外が暑くて家の中から出たくない衝動に駆られているのだ。

 

そうして霊夢達が幻想郷に帰ってからの数日間、俺はだらけた生活をおくっていた。

朝は7時頃に起きるし、夜は遅くても1時には寝る。本当にだらけた生活である。いつもなら5時起きなのに…

 

そんな生活をおくっていたある日の夜中、俺はたまたま目が覚めたので興味本意で深夜アニメを見ようとテレビを付けてみた。

現在0時。いい時間帯のはずだ。(実はこの日0時にアニメはやっていなかった)

 

テレビを付けて見ると…

 

そこには、カブトムシを型どったような怪人がまるでア〇リカ大統領の演説でもするかのように何かを喋っていた。

 

この時の俺は寝起きのため良くと聞き取れていなかった。

 

気が付くと朝となっていて、俺はテレビを付けたまま寝てしまったことに気が付く。丁度テレビではニュース番組をやったいた。

 

『このように、世界各国ではテイルレッドたんとテイルエアーたんの活躍が見れない等とデモが起きており…』

 

どうやらあのエレメリアンの演説は一時的な休戦の演説だったようだ。それでテイルレッドとテイルエアーの活躍が見れないっていうデモが起きていると…

 

どうやら世界は平和なようだな(撹乱)

 

さて、世界が平和なことを確認した後に俺は改めて今日の予定を考える。

 

うーん…特に無しって所かな…

 

いいのか、俺の夏休み…

 

 

 

そんなこんなで午後。曽仮面ツインテールから貰った通信機からエレメリアンが出現した時と同じ音が流れる。

俺は咄嗟にテイルエアーに変身して通信機を取り通信してみる。

 

「こちらテイルエアー。エレメリアンか?」

『こちら仮面ツインテール。いえ、少し相談がありまして…』

 

相談?エレメリアン出現の通信音を出しておいて?…待てよ…もしかして重大なことなんじゃ…

例えば、敵の基地がわかったから攻め込むとか…

 

『今週中時間は空いてますか?』

「ま、まあ、一応には…」

 

言えない…まさかやること無くて暇してるとか言えない…

 

『でしたら、ツインテイルズで強化合宿を行おうと思いまして…』

 

強化合宿だと!?なんだよ、その盛り上がりそうなイベントは!!

 

『それで…出発が今日なのですが…』

 

今日!?急だな!

 

「場所は?海?山?」

『いえ。異世界です』

 

異世界キターーーーーーーーーーーーーー

 

うおーーー!これって何て言うか…スゲー暇潰しになる!

 

…いや、待てよ…

 

「わかった。もし行けたら行くよ、集合場所と時間を言ってくれ。その時間までに来なかったら出発してていいから」

『わかりました。集合場所はいつもの秘密基地、大型転送装置前で、時間は、三時間後です。では。』

 

そう言われて通信を切られる。

 

ふふふ、この二摘輝跡、合宿の準備など40秒あれば充分よ。

 

ここで俺は良からぬ事を考える。

だが、それのせいであんなことになるなんて思わなかった…

 

 

 

 

 

 

合宿の準備を終えて俺は先にツインテイルズの秘密基地へと移動する。そして、用意していた…

 

「はい!ダンボール♪」

 

人が一人入れるだけの大きなダンボールを取り出す。

手荷物は殆ど持ち合わせてはいない。理由としてはテイルタイマーに入れてあるからだ。

いや~、テイルタイマー便利。マジ便利だわ。まるで四次元ポケ〇トだよ。まあ、入れられる量は限られてるけどな。

 

そんな訳でテイルタイマーからダンボールを取り出して俺はこっそりとツインテイルズの秘密基地を散策する。

 

あ、因みに俺、今女の子の姿だから。男の姿は見せられないだろ。正体ばれるし。

 

ダンボールで移動しながらこっそりと基地を探索する。

ある大きな部屋に俺は到達していた。そこには大きな乗り物(良く特撮系とかであるようなやつ)が何機かあって更にはロボットがあった。まさか、巨大化したエレメリアンとこれで戦うっていうんじゃないよな。それなら、それでロマンの塊なのだろうけど…

 

まだ集合まで二時間ある。その間に先に異世界に移動する船にこっそりと乗り込みサプライズしてやるのだ。

集合場所にはいなかったけど本当は既に船の中にいましたよ~って。

 

さて、そんな下らない考えがある俺はとうとう飛行船らしきものを見つける。そこではトゥアールが何やら機械をいじったり、パソコンとにらめっこしたりと大忙しだった。てか、凄いスピードで色々とやっている。

パソコンを触った瞬間トゥアールの腕が見えないぐらいのスピードでキーボードを押していく。馬鹿の天才は紙一重って言うけど本当だな…

 

そんなトゥアールに見つからないように俺はその移動艇…の羽にくっついている小さい移動艇に乗り込む。

 

いや、ここはいつの間にか移動艇にいるんじゃ無くて、異世界に到着したときに俺がいつの間にかいるっていう展開の方が面白そうだろ(即興で考えた)

 

さて、小さい移動艇に何とか潜り込んだ。小さい移動艇は本当に小さく、人一人分しか乗れない。

 

集合時間まであと一時間少しある。

…少し眠くなってきたや…この頃良く寝てるのに、眠くなるとは、なんとやら…まあ、少し寝ますか…

 

そう思い、俺は目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

二時間後

 

「結局テイルエアー来なかったじゃない。トゥアール、ちゃんと連絡したんでしょうね!」

「しましたよ!」

「まあまあ。愛香さんも、トゥアールさんも落ち着いて」

 

集合場所とした大型転送装置前にはテイルエアーことミライの姿は無く、仕方がなく原作版のツインテイルズはトゥアールの造った飛行船に向かっていた。

 

実は、総二はここで自らの存在…いや、テイルレッドの正体が男ということをテイルエアーに教えるはずだったのだ。だが、肝心のテイルエアーが来ないのなら仕方がない。

 

総二は気分を改めて異世界への強化合宿に意識を集中させた。

 

異世界へと移動するための船…スタートゥアールを目の前にして改めて自分が異世界へ行くのだと気付かされる。

 

そんな、心情の中、総二の目にあるものが写る。それはスタートゥアールの羽部分にくっついている小さな移動艇だ。

移動艇は右側にしかついておらず、少しバランスが悪く見える。

 

「なあ、トゥアール、あれはなんだ?」

「あ、あれですか。あれは脱出用の小型移動艇です。ですが、接触不良を起こしているため取り外しが出来ない状況なんです」

「ちょっと、大丈夫でしょうね?」

「大丈夫です。私もあれがついている状態でここまで来ましたから。それに、走行上なんも問題はありません」

 

科学者であるトゥアールが問題無いと言っているためか、愛香以外はあまり疑問にも持たずにスタートゥアールに乗り込む。

 

そして、音も無く発進するスタートゥアール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発進した後、異世界へと向かう

そのトンネルの中で異変が起きた。

揺らぐ極彩色のマーブル模様の空間の中で、二摘輝跡の乗った移動艇が、スタートゥアールから外れたのだ。

 

なぜ、外れたのか…まあ、名前の通りに奇跡が起きたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は凄い揺れで目を覚ました。

 

外の様子を見ようと移動艇の窓を覗く。

 

そこに移っていたのは、あの大型移動艇が遠ざかっている光景だった。

 

「ちょ!?え!?」

 

いらないハプニングが発生してしまった。

だが、まだ慌てるような時間じゃない。落ち着け…

 

俺は小型移動艇の操縦をしてみようと試みる。だが、ここで下手に何かを押してもし、それが自爆スイッチとかなら人生終わり直行コースだ。

そうだ!説明書とかないか!

 

俺は周りをくまなく探してみる。すると、一枚の紙切れを発見する。そこには…

 

この移動艇は脱出用のため異世界への移動は出来ません。それと、目の前にあるスイッチなのどは全部見せかけなのでご注意を。後、元の世界へ戻る機能もありません。

 

              トゥアール

 

 

トゥアールの馬鹿野郎!!

なんで脱出用なのに異世界への移動とか出来ないんだよ!(撹乱)

しかも元の世界にも戻るないのかよ!

 

く!ダメだ!ここは、素数を数えて落ち着かせよう…

 

1.2.3.5.7.11.12.13.14.15.16…

 

ふう、落ち着いて…ねぇーーー!

途中から素数じゃ無くなってる!!

 

兎に角なんかしないと!

 

そんな時、揺れが激しくなり、俺はあまりの揺れの激しさにより気持ち悪くなって行き、少しずつ、意識を無くしていったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、一面の荒野。草木は生えておらず、岩と固い地面のみの世界。

空は一面の青。だが、その青は偽物だというこはわかって欲しい。何故なら、太陽が無いからである。

 

「さーて、本日の修行始めるぞ~」

 

そこに立つ三人の男達。

見た目は誰も高校生程度である。

先に言葉を発した男。身長は160後半、髪は黒、顔立ちもそこそこに整っている少年である。

 

「おーー!」

 

返事を返したのは、身長が170後半はある少年。髪は短髪である。

 

「え~」

 

やる気を削ぐようにいった少年は眼鏡をかけている160後半程の身長の少年。

 

そんな三人が荒野にいた時だった。

 

近くで大きな音を立てて何かが墜落したのだ。

 

「おい、今の音なんだ?」

「さあ?行ってみるか」

「あっそ。んじゃ、俺はパスで。家に帰って嫁とイチャラブしたんでね…」

「「お前も行くんだよ!」」

「(´・ω・`)」

 

そんして三人が墜落した何かの所まで行く。

 

三人が見たのは、飛行船だった。

 

「なあ、もしかして、この中に人がいたりとかないだろうな?」

「…」

「うーん…いるね…一人。しかも死にかけてると来た」

「飛行船の中を透視して、しかも相手の状態まで分かるなんて…相変わらずチート能力だな…」

「おい!早く助けにいけよ!」

 

そう言って身長の一番高い少年が飛行船に向かう。そして飛行船のハッチらしきものを開ける。

そこでその少年は驚きの表情へと顔を変える。

 

「おいおい…嘘だろ…」

「何々?そんな顔をしてたら気になるじゃん」

 

眼鏡をかけた少年もハッチの中を興味本意で覗く。そして、顔を変えずにそのまま固まってしまう。

 

そして二人でもう一人の少年の顔を見る。

 

「なあ、竜介…俺達何か悪い物でも食べた?」

「いや、いたって平常だと思うぞ…隆勇…」

 

身長の高い少年…竜介が眼鏡をかけた少年…隆勇に確認を取る。

 

「おいおい、どうしたっていうんだよ」

 

そう言ってもう一人の青年が飛行船の中を覗く。

 

そこにいたのは…

 

もう一人の青年と瓜二つの少年だった。

 

「へ~興味深いことも起きるんだ…」

 

飛行船の中にいた少年…二摘輝跡と瓜二つの顔をしたもう一人の少年…その少年は輝跡を見た後、ニヤリと笑い輝跡を背負って、今一時的に暮らしている場所へと他の二人も連れて向かったのだった。




現場、輝跡君の意識無いので作者自信が次回予告しまーす
の、前に

予告

俺、ツインテールになります。 AIRs HERO
外伝
復活のC  レッド&勇者&D

第39話以降投稿決定

ということで、劇場版から外伝に変えました。それと二つとも完成したので言っておきます。

それでは、次回予告しまーす


次回予告

輝跡の目の前に現れる謎の人物達。
その人物達は危険であり得ない奴らだった!
しかし、輝跡はその中で修行することに!?

次回

修行回は定番(前編)



テイルドライブ!!


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第35話 修行回は定番(前編)

少年雑誌とかのマンガとかって良く修行回ありますよね。
自分、そういった回何気好きです。

今回はそんな回です。

後、これ、書いてる時もろスランプだったので読みにくいかも(いつものことだろ)。
それと……………………………………


ロロリーは出ません!!

それではどうぞ


ん…ここは…

 

俺は目を覚ます。だが、視点がどうも合わず視界がボケて見える。

だが、目の前にあるものはわかる。木製の天井が見える。だからこそ言わせて貰おう…

 

「知らない天井だ…」

 

うん、一度は言ってみたいセリフではある。まあ、言う機会なんて事故を起こしたりして病院送りにならない以外滅多に無いから、ある意味思い出にはなったな。

 

さて、本格的にここがどこなのか探らないといけない。

いや、その前に自分が誰なのか確り覚えているかということを確認しなくてはいけないのではないのか?

って、こんな事を考えるあたり俺は記憶を失った訳では無さそうだ。

 

さて、本格的に言おう。

 

ここどこ?

 

えーと…覚えてることは…

 

トゥアールの不注意(一方的にそう思っている)のせいで俺の乗っていた移動艇が変な空間に置き去りにされて、そんで、移動艇がグルグル回って、俺は気持ち悪くなって…気を失ったんだ。

 

さて、そこまでで記憶は無くなっている。ってことは俺は誰かに助けられたということだな。

 

体には痛みが無い。その変わりに体全体にまるで重しを付けたような重みがある。なんだ…この重みは…

 

その重くなったような体を上半身だけ起き上がり周りを見回す。どうやら俺はベットの上で寝ていたようだ。それに男に戻ってる。

木製の天井に木製の壁。一面茶色だが落ち着きがある茶色である。ドアと窓が一つずつあり、窓からは茶色い大地と青い空が見える。まあ、ボヤけてるからあまり良くはわからないけど…

 

ガチャと音がなる。

 

どうやら誰かが部屋に入ってきたようだ。

 

俺はその音がなった方向…ドアの方向を見る。うん、誰かはいる。

黒髪の…背の少し低いツインテールの女の子…かな?視点がボヤけて良くわからないや。

 

「あ、起きた。お腹減ってるでしょ?今からご飯持ってくるから」

 

そう、女の子は言ってドアを閉めていく。

 

あれー?何処かで聞いたことある声だぞ~?

 

その数分後に女の子が木の器に何かを入れて持ってくる。湯気が出ていることからして温かい物なのだろう。

 

女の子は俺の視点がギリギリ見える位置に来て木の器を渡す。その器には野菜が多く入ったシチューが入っていた。

うーん~、急にお腹が減って来たぞ~

 

「ありがとう…」

 

俺は女の子の方を向く。そして、俺の表情は固まった。ボヤけた視界が少しずつ回復していく。

 

その女の子は、髪の色こそ違うけどどっからどう見ても俺の女体化の姿…ミライその者だったのだ。

 

「…え?」

「どうかした?」

「あ…貴女は…?」

「あ~俺ね…」

 

俺?まさか、俺の女体化の女の子の部分が実体化してしまったのか!?

…待てよ…そうなると、この子は俺の…女の子の姿の子…

まさかの双子になる展開!?

 

「俺は、君とは別次元の別の存在だよ」

「…まさかの生き別れた双子なのかと思った…」

「あ、そういや、女の子の姿になったまんまだったね」

 

そう言って女の子の周りからボンという音と煙が上がり一瞬にして女の子の姿が変わる。

その姿こそ…俺と瓜二つだった。

え…?本格的に双子設定?

 

「紹介がまだだったね。名前は…えーといっぱいあってな…なんて言えば…」

「イパイアッテナ?不思議な名前だね~」

「おい!そのネタ知ってる人少なすぎだから!何年前の教育テレビだよ!」

 

この突っ込み…長々やりおる。てか、俺素でいったんだが…

 

「まあ、俺の名前は、Kでも、ミスターカピバラでも、上賀輝積とでもなんでも好きなように呼んでくれ」

 

ん?

 

どっかで聞いた名前があったぞ…

 

ん~…

 

上賀輝積…

 

あ…

 

そうだ…

 

「なあ…えーとKとでも呼んでおくか…K。少しいいか?」

「なんだ?」

「お前、女の子をフッたことあるか?」

「まぁ…一応は…」

 

俺はポケットの中から携帯を取り出す。(何故入ったままなのかは不明)まあ、異世界な訳だから圏外なのだが、そんなことはどうでもいい。俺はアドレス帳を見る。

 

「結城友奈、東郷美森、犬吠埼風、犬吠埼樹、三好夏凜、乃木園子、三ノ輪銀…」

「…え?まさか、会ったの?」

「うん♪お前と間違われて三回殴られたよ♪」

「え~と…すいません?」

「必殺の右ストレート!!」

「ブギラギ!?」

 

俺の右腕がKの腹部を直撃して軽く吹き飛ぶ。いや~ベットに横になりながらの攻撃だったが上手く決まったな。

 

「く…長々の一撃だったぞ…」

「よーし、次は左手で殴るぞ~」

「まてまて、話し合おう。な?」

「それを言った総理がどうなったか知ってるのか?」

「無駄なフラグを立ててしまった!?」

「左のストレート!!」

「あぶね!!」

 

俺の左ストレートを避けたK。まあ、仕方がないね。さて…

 

「ここはどこなんだ?」

「このタイミングでその事を聞くのはどうかと思うけど…まあ、ここは俺のいた世界だ。俺は、今はここで修行してるだけだけどな」

「ふむふむ…で、俺は元の世界へ戻れるのか?」

「別に可能だよ。不可能じゃないよ。まあ、俺の力が必要だけどな」

「なら、安心だな…」

 

そう言って俺はKが持ってきてくれたシチューを口に運ぶ。

あ、ウマイ…俺の25倍位ウマイ。なんだこの味は!?

一瞬服が吹き飛ぶと思ったぞ!?

 

「食欲はあるようだな。良かった…」

「どういうこと?」

「実はな、お前を助け出した時にな、…お前の体の中がこう…ある意味シチューになりかけててな…まあ、俺の力を使えば余裕で治せたけど…」

「…それを聞いて、俺良く生きてたな…」

「俺がなんとかしたから。感謝して欲しいよ」

「うーん…同じ顔、同じ声の人を感謝しろってのは難しい所があるよ」

「そうだな」

 

そう言って笑い会おうとするが、俺は死にかけていた事を考えると血の気が引いた。あれ?もしかして、この人俺の命の恩人じゃね?

 

「さて、輝跡君。君はこらからどうする?」

 

おっと、いきなり本題に入ったな。

 

「うーん…俺って元の世界へ戻れるんですよね?」

「あぁ。そうだよ」

「なら、向かっていた世界には行けるんですか?」

「俺の力を使えば余裕」

「うーん…」

 

考えてみる。

ツインテイルズの合宿に俺は参加するはずだったが予想外のハプニングで今向かっていた世界とは別の世界へ来てしまった。

それなら普通、元の世界へ戻る事を一番に考える。だが、この俺モドキことKの力があればいつでも戻れるはずだ。なら、元の世界に戻るのは後にしておこう。

次に、ツインテイルズの向かった世界へ行くという選択肢。だが、この選択肢はあまりしたくない。理由は、面白くなさそうだから。

なら、どうするか…

答えは簡単だ。この、Kという人と修行する。ほら、さっきKは修行するためにここにいるって言ったし。

友奈さん達の話しやこいつ自身の話しからしてかなり強い人だと俺は思う。なら、この人から色々と学んだ方がこれからの戦いに役に立つと思うんだ。

だったら、この人の修行とやらに付き合った方が色々と身に付くし、何より、楽しそうだしな。

 

「あんたと一緒に修行してもいいか?」

「構わないけど、辛いよ?」

「大丈夫だ。問題ない」

「フラグ建築おめでとう」

 

別にフラグじゃねーし。

そんな事を心の中で突っ込みベットから立ち上がる。どうやら、病み上がりではあるがいつも通りに動けるようだ。

 

「体力的には大丈夫みたいだな。よし。なら着いてきて」

 

そう言ってKはドアの方へ歩いて行く。

それを追う俺。自分のそっくりさんが目の前に要るってのは、ここまで違和感があんのか…

 

俺は寝ていた寝室を出て木造のリビングを抜けて玄関から外に出る。

 

外に出ると、一面の荒野。草木一本生えておらず地面や岩等の茶色と空の青しかない世界。何とも殺風景だ。

 

「こっちだ」

 

そう言ってまた歩き出すK。

 

数分程歩くと崖のような所に出て、そこでK以外の人影を確認した。

だが、その人影がやっていたことに俺は度肝を抜かれた。

 

爆煙や爆音が辺りに響き渡り、岩や地面を砕いているのだ。

しかも、それをやってのける少女二人。一人は茶髪、短めツインテール、体格の良い体に付いたスク水のような紫色の服装、更に胸や関節近くに付けられた多くの紫色の装甲。そこから重量系だと予想できるが武器は大きめの青い盾と少し短めの剣だけである。もう一人は簡単に言うとテイルブルーの見た目とツインテール、装甲にテイルレッドよりも濃い目の赤を入れたような見た目だが、テイルブルーより目付きが鋭い。因みに武器は長めの朱色の刀のみである。

 

その二人が刀と剣を交える度に目付きが鋭いツインテール少女から放たれる炎が周りに爆煙と爆音を起こす。

 

「うぉおおおおおおお!!」

 

目付きが鋭いツインテール少女の声が周りに響き渡る。

 

「もう止めてーーー!」

 

もう一人のツインテール少女の悲鳴が聞こえる。剣は交えるがそれを何度も返したりいなしたりして出来るだけ自分や相手を傷つけないように戦っている。

 

「なあ、あれ、止めさせたら?」

 

俺がKに提案してみる。一人は戦いたくないんだ。なのに戦って…

 

「いや~…テイルフレイムの暴走が始まってたなんて思いもしなかったよ」

「暴走!?」

 

まさか、力の使い方がわからず暴走したのか!?

 

「うぉおおおおおおお!俺が正義だー!」

「だから、お前の正義は過激なんだよ!それを説明してんのに、なんで攻撃してくんだよ!」

「俺が正義だからだ!」

「意味不明!?」

 

戦いながら紫色の装甲のツインテール少女が赤いツインテール少女に話しかける。

何々?なんの事?

 

「あの赤いツインテール少女…テイルフレイムはな、自分の正義しか信じてないような奴でな…本当は良い奴なんだけど…自分の正義を否定されると、ああなるんだよ…」

「へ…へ~…」

 

失笑しか無い。

 

数分後、赤いツインテール少女ことテイルフレイムの暴走は自然と終わり俺の目の前まで来る。

 

「さて、自己紹介…の前に変身を解いてくれ」

「了解~」

「わかった」

 

そう言って女の子二人が変身を解く。そこには身長高めの男と眼鏡をかけている男の姿があった。

 

「…え?あの女の子達は?」

 

俺は一度現実というものから目をそらしてみる。

 

「そこにいるだろ?」

「ドヤ?( º∀º )?」

 

ドヤ顔うぜー。でも、わかった事がある。あの女の子達の中身は男ということだ。通りで羞恥心無しにそこら辺をボコボコにしてた訳か。女の子なら自分の格好や行動を気にして彼処までの過激的な行動は出来ないからな。(テイルブルーやテイルイエローは除く)

でも、何だろう…この絶望感は…

 

「まず、俺からな。俺は姫海堂隆勇。あ、こう見えても既に結婚してますから~」

 

結婚済みだと!?ということはあの婚活に励む教師兼メイドの標的から外れているのか!

そうか!許嫁とかいればあのメイド長からの婚姻届を貰わなくて…

ははは…俺許嫁もいなかったら、彼女もいないんだった…

まてよ…こいつ…まさかのリヤ充では?

取り合えず一言

 

爆発しろ!!

 

「俺は御月竜介。以上」

 

竜介という人…この人はさっき暴走してた人だな。うん、俺の心の中の危険人物リストに載せておこう。

因みになのだが、危険人物リストにはあのメイド長や隣人の不幸少年が確りと載っています。

 

「あ、俺の自己紹介か。俺は二摘輝跡。彼女いない歴は年の数。好きな飲み物はコーヒー、好きな食べ物は甘いものだ」

 

っと。まあ、ここまでは普通に言った。

 

「あと、この中に異世界人、宇宙人、超能力者、未来人がいたら俺の所まで来るように!」

 

いや~、一度は言ってみたかったんだよね、コレ。まあ、ポカーンとした二人の表情が…

 

「あのさ…全て当てはまる人がお一人いるのだが…」

 

隆勇がKを指差す。え?どういうことだってばよ?

 

「俺、お前から見たら異世界人だし、色んな星回ってるから宇宙人判定もされるし、超能力者だし、未来や過去に行ったことあるからある意味未来人だし…」

「本物がいらっしゃった!?」

「輝跡…この人に常識は通じないぞ…」

 

そう言って俺の肩を叩く隆勇。それに同意するかのように頷く竜介。

 

「まあ、自己紹介は終わった所だし、これからこの四人で修行するから~」

「ふん…雑魚は足手まといだ…」

「竜介…今のところ暴走してるあんたが一番足手まといなんだけど…」

「なんだと!?」

「おい、竜介、隆勇、ケンカするな」

 

大丈夫なのか…

このメンバーは…

 

あ、ひとつ聞くのを忘れてた…

 

「あのさ、なんでK達は修行してるんだ?」

「実はな…この世界にも侵略者が現れてだな…そいつらは日に日に強くなっていくから、こちらも強くならないといけないなと思って修行してるんだ」

「侵略者ってエレメリアンか!?」

「あ~、もしかして、あんたの世界に進攻してるのってアルティメギルか?」

「知ってるんですか!?」

「まあ、こう見えても異世界に自由に行ける人ですから。それに、アルティメギルは今俺らの監視対象だからな…」

「どういう意味ですか?」

「いや。なんでもない。まあ、エレメリアンより凶悪なエイリアンとでも言っておくよ」

「そうなんだ…」

 

そう言ってその話は終わった。

 

これからが修行本番である。




輝跡「俺がもう一人出てきた!」
チート野郎&ハーレム野郎です。
輝跡「それに、一緒に修行する人達キチガイなんすけど!」
仕方がない。そういう使用なんだ。
と、いうか、この話作る直前まではこのKってのが主人公やるはずだったんだけど、あまりにもチート過ぎるからやめたんだよね。
輝跡「え!?俺って元々登場予定無かったの!」
うん。急遽作ったキャラなんだよ
輝跡「うそ……だろ」
さあ、次回予告や!

次回予告

明らかになるアルティメギルの侵攻
それに対して輝跡が取った行動は!?
そして、知らさせる真実!

次回

第36話

修行回は定番(後編)



テイルドライブ!!


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第36話 修行回は定番(後編)

久しぶりにアニ〇イト行って何か新作の本出てないかなと探したら俺ツイの4,5巻を発見。
見付けたときに

こんなの聞いてない

ってなりました。
結局は買いましたけど。

感想等あれば気軽にどうぞ。

本編どうぞ~



あの話しが終わった後、修行が開始された。

修行というのは、いたってシンプル。俺ことテイルエアーとテイルフレイム、テイルデュエルの三人のバトル。三つ巴の戦闘だった。

 

結果を言えば俺が最初に脱落。その後、フレイムとデュエルの勝負となり、パワーで押したフレイムの勝利となった。

 

こうして、一日目が終了。

 

二日目、俺はKと初めて会った部屋を借りてそこのベットでゆっくり寝た後、部屋から出てリビングに向かった。リビングには木製のテーブルと木の椅子が四つといういたってシンプルな配置になっており、そこでKが一人パソコンとにらめっこをしていた。

 

「なにしてんだ?K?」

「あ、輝跡か。実はだな、どうやら近々別の世界でアルティメギルの大規模進攻が起きるらしい」

「大規模進攻!?まさか、俺の世界じゃ!?」

「どうやら、違うみたいだ」

「なら、良かった…でも、その侵略される世界は…」

「大丈夫みたいだよ。調べてみたけどその世界のツインテールの戦士はかなりの実力者。しかも、別の世界からツインテールの戦士を呼んでるみたいだしね」

「へ~。二つの世界のツインテールの戦士がそろう訳なのか…少し見てみたいな」

「俺の情報では、ツインテール属性とポニーテール属性の合体した戦士…というよりも魔法少女がその世界の女神的ポジションで守護神」

「あれ?ポニーテールでツインテールなの?」

「いや、女の子同士が合体するみたい」

「百合?」

「そこまではわからない。でも、片方がポニーテール、もう片方がツインテール属性の持ち主みたいだ」

「へ~。世界変われば力も変わるのか…」

「別世界から来た戦士は……凄いツインテール属性みたいだ…まるで迸る炎…竜介でもここまで行かないぞ…」

「迸る炎ね…まるでテイルレッドみたいだな」

「……この反応…」

「どうしたんだ?」

「このツインテール…お前の世界から来た形跡がある…」

「!?まさか本当にテイルレッド!?」

「わからない…でも、言えることは、大規模進攻に対抗する可能性がある…ってことだ」

「!!」

 

俺はこの時頭に皆の顔が浮かんだ。力になりたい…皆の力に…

 

「今すぐ俺をその世界に送ってくれ!!」

「無理だね」

「!?」

「今すぐは無理。お前の乗っていた移動艇の修理、改良に最低でも15日は掛かる」

「おい!直ぐに元の世界に送れるって言ったろ!!」

「直ぐに送れるよ」

「話しが矛盾してるぞ!!」

「説明し忘れてたな。この世界と別の世界とでは時間の流れが違うんだ。この世界での1日はお前のいた世界、そして、その進攻される世界では1時間程なんだよ」

「え!?」

「この情報では丁度今から24時間後に進攻が開始される。だが、この世界では24日後に進攻が開始される訳だ」

「それって…」

「移動艇を直すのに15日、それでも9日は時間が有り余る」

「進攻まで時間がある…って訳…か…」

「その間、俺はお前を強くしなきゃいけない。今のお前は大規模進攻で戦える程の力を持っていない。確かに一時的な能力アップがあるみたいだが、それじゃエネルギーが持たない。だから、これからエネルギー増強と新しい力の覚醒の修行をしてもらう」

「…」

 

確かに、俺は一時的な能力アップで今まで何とかしてきた。テイルタイマーによる加速、マキシマムブレイクとブレイクレリースの合わせた超火力、そして、新たな能力の属性追加機構と壱武器…だが、弱点は簡単な事だった。エネルギー源が少ない。それこそテイルレッド達の4分の1も無い。しかも、そのエネルギーの殆どをスピードに使っている。だから攻撃力も防御力も少なかったんだ。

 

「まず、今日から7日間エネルギー源の増強修行。輝跡の属性力の強化がエネルギー源の増強に繋がるから、簡単に言えば属性力の強化をするだけになる」

「え?それって結構簡単じゃないか」

「お前…自分の属性力を知ってるだろ?お前の属性力は私好き。自分の好きな物を好きになる特殊な属性力。色々な属性を使えるようになる属性力だな。逆に言えば色々な属性を好きになれば力がばらつきが生まれエネルギー源が定まらなくなる。しかも、人間っていうのは難しい生き物で複数の事を同じぐらいに愛する事ってのは出来ない。優劣ってのが生まれちまう」

 

そう言ってKは俺にパソコンの画面を見せる。

 

「お前の今一番高い属性はツインテール、次に眼鏡だ」

「ふむ…」

「だが、お前の変身アイテム…テイルバレットを解析したら、一時的に眼鏡が上回った形跡があった」

「え!?いつの間にテイルバレットの解析を!?」

「昨日、お前が風呂に入っている時に少し借りたよ。直ぐに解析を終了したから戻しておいたけどな」

 

あのフィリップさんですら解析出来なかったのを、このKという人物は解析し終わってしまったというのか!?

 

「まあ、話は戻るけど、この眼鏡属性の上昇率は別の人物の思いがたまたま出現したものだろう。だからお前の体に無理が来て属性追加機構が解除され、一定時間しか使用出来なかった」

「…テイルバレットの説明ですら分からなかった事を…」

「それで、これからの修行内容だが、隆勇と竜介と一緒にやってもらう」

「…死にそう…」

「大丈夫だ。それに、競争相手ってのはいた方がいいからな」

「ははははは…嫌な予感が…」

「今日から7日間、女の子になって、お前の場合はツインテール、眼鏡で過ごして貰う。あ、寝る時も風呂もトイレも女の子姿だからな。それと、寝る時と風呂の時はツインテールをほどいて眼鏡を外せよ」

「悪夢再び…」

「まあ、ここにいる全員女の子にさせるから気にしなくてもいいよ。それに、隆勇は嫁しか好きになれないし、竜介は女の体に興味は無い。俺も女の子に変身してるけど、百合の趣味は無いから安心しろ」

「安心も何も無い気が…」

「勿論、女の子になるだけが修行じゃ無い。これから色々と修行内容を書いた紙を渡すからそれに従って修行してくれ」

 

と、俺の修行の日々が始まったのだ。

 

その後の修行内容が辛かった。

 

7日間、女の子の姿で生活する…だけじゃ無くて俺と隆勇、竜介で変身して戦闘訓練もやった。俺は眼鏡運命モードを使えこなせるように何度も練習した。隆勇が「それデスティニーじゃん!?」って突っ込みを入れてた。

Kは俺の乗ってきた移動艇の修理、改良で殆ど出てこなかったけど、毎朝の修行内容を書いた紙と朝食だけはテーブルの上に置いてあった。

 

辛い7日間を過ごした後、次に男の姿に戻り今度は変身と普通の姿の戦闘訓練を行った。

普通の姿では手足に重しと背中に亀の甲羅みたいな重しを付けてKの投げた石ころを拾う修行なんかをやったりした。なんでも、変身前の姿で戦闘に馴れていれば変身後のステータス的に少し上がるだとか。

 

そういう生活を更に7日間行った。

 

そして、俺が来て15日目、飛行艇の修理と改良が終了したことをKが教えてくれた。

残りの9日間は四人での修行となった。

お互いにパワーアップをする事が目標らしく、それぞれの課題が出ていた。

 

最初に覚醒したのは隆勇ことテイルデュエル。たったの2日でパワーアップした。

デュエルのパワーアップした姿は紫色の装甲が変形して、中から緑色の装甲が輝き出し、デュエルの使っていた盾が三つになり、まるでデュエルの思い通りに動かせるようだった。

本人は「これならアクシズも押し返せる!!」って言ってた。

 

それから3日。次に覚醒したのは竜介ことテイルフレイムだった。テイルフレイムは見た目こそ変わらなかったが炎の威力が凄まじく強くなったり、炎を自由自在に操れるようになっていた。

 

その次の日に俺が覚醒した。

そして、その覚醒した力を使いこなせるようになったのはその二日後。

 

そして、俺が来てから24日…俺がテイルレッド達が行った世界に行く日。

 

一回りも二回りも強くなった俺。今ならダークグラスパーと互角に戦える自信がある。

 

俺は借りていた部屋から出て家の外に出る。

たった24日だったが、本当に世話になった。作者の文章能力のせいで殆ど省略してしまったが、俺にとってはとても世話になった場所だ。

 

家の外には、俺が乗ってきた移動艇、そしてその前では、Kと隆勇、竜介が待っていた。

 

「輝跡、お前は良く頑張った。これから更に辛い戦いが待ってる。でも、自分の属性力を信じて戦ってくれ」

「ありがとうな。K」

「いや~、輝跡、Kと違っていい奴で良かったよ。俺も応援してるからな!!」

「俺も、応援してるぜ。隆勇」

「勇気と共に…」

 

俺は竜介の方を見てニコリと笑った。

 

「なんか言って!?」

「いや、コメントしたら負けかなと思って」

「酷い!?」

「それじゃ!」

 

俺は移動艇に乗り込む。事前にKから説明書を貰っており、その説明書通りに操作していく。

 

そして、俺はコックピットから三人に手を振る。その瞬間にあのマーブル模様の空間に入った。

 

さあ!いざ、アルティメギルの大規模進攻を止めに行くぜ!!

そして、パワーアップした俺の力を魅せてやる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝跡がこの世界から移動して数秒後

 

「すまぬ!遅れてしまった!」

 

一人の少女がKと隆勇、竜介の後ろに現れる。

その少女の見た目は小顔であり、身長は160あるか無いか、そして細身の体で、黒髪の美しいツインテール。

 

「遅いぞ。折角面白い人がいたのに~」

「面白い人?」

「珍しい属性力を持った女の子に変身する男だよ」

「ほ~。まぁ、私も言えた者では無いがな」

「まあ、宮はこの世界で一番のツインテール属性の持ち主だからな。珍しいものなんて見続けただろ?」

「いや…人間とは興味深い生き物だと思わせて貰ってるよ」

「おい!宮!!今日こそは俺が勝つからな!」

 

そう言って竜介は変身する。

 

「宮さん、竜介、結構強くなったから、気を付けろよ」

 

隆勇は宮と呼ばれる女の子に忠告をする。

 

「私は、今は宮では無い!!」

 

そう言った宮の右手には黒いブレスレットが着いており、ブレスレットが光輝く。

 

「テイルオン!!」

 

光に包まれる宮。そこから現れたのは、まるで焦がしたかのような黒い装甲を持つツインテールの幼女。

 

「私の名は…テイルドラグだ!!」

 

荒木宮(あらき みや)。この世界に記憶喪失で現れた謎の美少女。

そして、ツインテールの戦士…テイルドラグ。

彼女はやるべき事があった。

 

(…いつか、ツインテールについて熱く語ろう…テイル…レッド…)

 

そのために…彼女は今日もツインテールを靡かせていた。




輝跡「聞きたいんだが最後に出てたのって……」
あーー、シラナイシラナイ。
輝跡「あ……」(察し)
さーて、次回予告行こうか!

次回予告

エレメリアンの大侵攻が開始された世界。
そこに舞い降りるテイルエアー。
出会ったのは光無き瞳の少女。
その戦いが終わった時、

輝跡に新たな試練が舞い降りる

次回

バトル!!ライトロイヤー!!



テイルドライブ!!




この頃文字数減ってない?
輝跡「今更か!」


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第37話 バトル!!ライトロイヤー!!

最近、ツインテールのキャラに目が奪われる自分です。

変身アニメとかからゲスト参戦とか少し考えてたり(仮面ライダー系は本編に何気関係あるのであまり出さない)してます。と言うことをこの小説を知ってる友人に言ったら…

友人A「なんでプリキ〇ア出さんの?」

と聞かれました……。
確かに変身ヒロインでも王道……。でも、自分……

ハートキ〇ッチまでしか知らない……。
で、この小説の試作の時、ハートキャ〇チ出したら……

友人A「何これ?」

友人Aは5gogoで視聴をやめた人でした\(^o^)/

そんな過去はさておき

どうぞ~(優しい声)


マーブル模様のトンネルから出て俺が目にしたのは一面の草原だった。だが、草原の美しさは何処にも無く、空はまるで澱んでいて、草花の美しさを消し去っているかのようだった。そして、雪のように舞い降りる赤い粉。俺は直感で気が付いた。もうアルティメギルの大規模進攻が始まっているのだと。

 

移動艇が地面に降り、俺も地に足を着ける。赤い粉がシンシンと降っている中、俺はふとある方向を見る。

 

大きな大木が動いているように見えた。しかも、その根本で何かが光っている。

 

「テイルドライブ」

 

俺は変身してテイルエアーになり、強化された視力で大木の根本を見る。そこには、赤いツインテール…間違いない、テイルレッドだ。

 

俺は直ぐ様テイルレッドの元へと走り始めた。ワープ装置はあるがこの世界の地形をインプットしていないため使えない。だから走るしか無いのだ。

 

距離的には10キロ少しといったところだろう。兎に角走るしか無かった。

 

「ねぇ、お前…」

 

俺が走っている時に目の前にいきなり全身白いローブで身を包んだ中学生位の身長の人物が出てきたのだ。俺は慌ててブレーキを掛けて止まる。

 

「君は…この世界の人?」

 

俺はその人物に向かって言った。なぜこんなことを言ったのか…理由は何となくであったが、その何となくは限りなく当たっていた。

 

「違うな。私は別の世界の人な。そして、私はお前から質問される理由がないな」

「すまない。でも、こんな所で何を?」

「お前…見たことあるな…だから、破壊対象な!!」

 

そう言ってその人物はローブを取り姿を現す。俺はその姿に驚きだった。そう、俺やテイルレッド達と同じような装甲をしていたのだ。両手と胸、下半身に水色と白の装甲に身を纏った少女。そして白髪の下結びのツインテールだ。

 

「私はライトロイヤーな。アルティメギル、首領直属の破壊者な」

「アルティメギル!?」

「この世界の破壊具合を見ようと思って来たけど…まさかツインテイルズがいるなんて。しかも、破壊対象のダークグラスパーまでいる。あ~早くツインテイルズやダークグラスパーの四肢をもぎ取って断末魔聞きたいな~」

 

ライトロイヤーの目は完全にあのヤンデレの目となっていた。

 

「待て…ダークグラスパーが破壊対象!?」

「そうだが?」

「ダークグラスパーはアルティメギルの首領直属の処刑人じゃ!?」

「知らなーい。私は破壊したいものを破壊するだけだしな」

 

俺は直ぐにフォースナイファーを取り出し、右手に持つ。

 

「何々?お前から破壊されたいの?なら、せめていい断末魔きかせて…な!!」

 

その一瞬だった。ライトロイヤーが右手からフェンシングで使う剣を取り出したかと思うとその剣を振りかざし斬撃を出した。それを右に避ける。

 

「あれ~?もしかして避けたな?」

 

俺はライトロイヤーが出した斬撃の後を見る。地面に亀裂が走っており草花は綺麗に切り裂かれていた。

 

「君、人間だろ?」

「ん~まあ、一応はな」

「なら、なんでアルティメギルにいるんだよ!!」

 

ダークグラスパーみたいに何か理由があるはず。理由があるなら俺はこの子と戦う意味は無い。

 

「別に。まあ、強いていうなら…」

 

ライトロイヤーは常に笑っていた。だが、次の瞬間、その笑いはぞっとするような笑いに変わり…

 

「父さんを殺した奴等への復讐と人間への絶望だよ」

 

そう言った。

 

「私の父さんはな、私と母さんを置いて蒸発。でも、ある日、アルティメギルの頭領って奴から父さんを殺したのが人間だって聞いたんだ。だから、その人間を破壊する。それだけな」

「な!?」

 

この子お父さんを人間が殺した!?

 

「それに、猫を被るのも嫌になったんだ。欲望に素直になる。そうすれば毎日楽しい。そうだと気が付いたしな。だから…」

 

ライトロイヤーは笑顔のまま、大木の方を見て…

 

「ツインテイルズを殺したいな♪」

 

そう言った。狂っている。俺はこの子から感じた事だった。

 

「させない…ツインテイルズは…テイルレッド達は俺が守る!!」

「あ!思い出した!お前、テイルエアーか!なら、破壊対象だな!!」

 

そう言ってライトロイヤーが剣を振りかざす。だが、俺はその剣をフォースナイファーで受け止めた。

 

「すごーい!!私の剣を受け止めるなんてな!」

 

だが、受け止めたのは良かったがフォースナイファーからピキピキと音がなっていた。メンテナンスなんてろくにしていない。てか俺がメンテナンスなんて出来ない。Kに頼むのをすっかり忘れていた。いつもなら3週間に一回はフィリップさんに見て貰っていたのだが、今回は見て貰っていない。

 

俺は無理矢理ライトロイヤーの剣を弾いて距離を置いた。

 

「へ~、データより強いじゃんな。けど、強いと面白くないな~」

「今からでも遅くないよ!アルティメギルから抜けてくれ!君みたいな子が…」

「……うるさいな!!」

 

怒鳴るようにライトロイヤーは俺の言葉をかき消した。

 

「どいつも、こいつも、私はいい人だって言って…勝手に決めつけんな!!私はな、人が苦しむ姿が好き何だよ!!」

 

そう言ってライトロイヤーは斬撃多数放つ。

斬撃を一つ一つ見極めて避ける。

 

「ウザいな!!もー!!普通なら避けれないのにな!!」

 

これが修行の成果なのだ気が付いた。

 

「あーーーもーーー!!ウザイ!!」

 

そう言ってライトロイヤーは足と手に付いている装甲を外した。その瞬間に先程よりも速く斬撃が放たれ始めた。

 

「壱武装!!シールド!!」

 

俺は右手からエネルギー状のシールドを展開してそれを防ぐ。いくら強くなったとはいえ、速くなった斬撃を避けきれる自信は無い。

 

「なんで!なんで!なんで死なないの!!今までのエレメリアンは直ぐに切り裂かれてたのにな!!」

「僕は…ツインテイルズのテイルエアー、全ての属性力を守る戦士だ!!」

「何!何なの!!」

 

その時、ライトロイヤーの後ろから2メートルはある怪人…エレメリアンが現れた。エレメリアンは赤い見た目でタクシードを着ており足らしきものが2つ、手らしきものが6つあった。てか、まんまタクシードを着たタコだった。

 

「ライトロイヤー様…首領から帰還命令でごさいます」

 

タコのエレメリアンはライトロイヤーの右肩を掴み斬撃を止めた。

 

「オクちゃん、止めないで!」

「ライトロイヤー様…あなた様はまだ力が未熟でごさいます。首領の元、力を付けて復讐した方がよろしいかと…」

「止めて!折角目の前にお父さんを殺した奴がいるのに!!」

 

え!?俺がこの子のお父さんを殺した!?

 

「ライトロイヤー様、いつもの斬殺を楽しむ姿がございません!それでは何度やってもあやつには勝てないでしょう…」

 

ライトロイヤーは少し落ち着き、深呼吸した後、俺に不気味な笑いを見せる。

 

「…ごめんな。気が動転してたな。今度あったら、殺すからな♪」

 

そう言ってライトロイヤーはマーブル模様のトンネルを出してその中へ入っていってしまう。

 

「…テイルエアー…お前達のやってきた事の報い…いつか受けるのだと覚悟しておいてください」

 

そう言ってタコのエレメリアンもマーブル模様のトンネルに入って行き、トンネルが消えた。

 

残ったのは、ライトロイヤーが残した斬撃の後と謎の言葉。俺がライトロイヤーのお父さんを殺したという言葉…。俺は人を手にかけたことなんて無い。

多分、ライトロイヤーの早とちりだと思う…思うけど…なんでこんなに心に引っ掛かるのだろうか…。

 

俺が少し悩んでいると、大木の方から大きな光…いや、炎の柱が見えた。あの炎は間違いなくテイルレッドのものだと俺は悟った。

 

俺は一目散に大木のあった所へ走る。大木は少しずつ光になっていきあの赤い雪のようなものも消えていく。

 

そして、強化された視力がテイルレッドを視界に納めた。だが…俺は予想していなかった…いや、予想したくなかったもの…現実を見てしまった。

 

テイルレッドから光が溢れ、変身が解かれたのだ。

 

そこから現れたのは…観束総二だった。

 

そう、あのツインテール愛なら誰にも負けない俺達デルタフォースの三人の一人、観束総二だった。

 

一度は俺も総二がテイルレッドなのかと考えた。でも、俺の願望を…理想を押し付けてテイルレッドは女の子だと思っていた。ソーラちゃんがテイルレッドだったのにはあまり驚かなかったが、もし、総二が俺と同じように変身しなくても女の子になってしまったというならわかってしまう。それに…ドラグギルディと戦った後、俺にお礼を言った声…今思うと総二の声だ…

 

愛香と慧理那先輩がツインテイルズで、トゥアールもツインテイルズ…ならわかってたんだ…目を反らしてたんだ。

 

俺は走るのを止めて変身の解けたテイルレッドとは逆、俺が乗ってきた移動艇へ足を進める。

 

勝手に欲望や願望を押し付けた俺が言う権利は無いが、今一瞬、俺には憎しみがあった。俺や…メディア、一般人を騙していた…総二は世界を救うはずの女神を男なのにやっているのだ。それは、罪である、人を騙しているのだ。同じことを俺にも言える。だから、俺には総二をどうこう言う権利なんて無いんだ。無いはずなんだ…でも…

 

俺は…総二を…憎んでしまった…一度でもそう思ってしまった。友達として最低な事をしてしまった。

だけど…ホットしてる自分もいる。同じ境遇の仲間がいたのだという安心感。でも、それでも、憎しみを抱いたことには変わり無い。

 

俺は変身を解いてゆっくりと移動艇の方に歩いていった。

 

気持ちを落ち着けるために…、一秒でもいいから…落ち着けたい。

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか、俺は移動艇に着いていた。

 

考えなんて纏まらない。でも…

 

テイルレッドの本心が聞きたい…

そして、俺の本心も言いたい…

 

答えなんて、男ならわかってたんだ。

簡単でシンプルな答えが…

 

俺は移動艇に乗り込み元の世界…俺が生まれ育った世界へ座標を当てて、元の世界に帰った。

 

マーブル模様の視界。30分程その光景を視界に納めた後、気が付けばツインテイルズの秘密基地だった。

 

俺は移動艇から降りて、近くに紙が無いか探す。丁度婚姻届がごみ箱に捨てられていたので、婚姻届の裏に場所と日時を書いてツインテイルズの秘密基地に置いておく。

 

俺は決めた。総二を…いや、テイルレッドを…

 

 

倒す!!




輝跡「前書き長くね?」
自分でも反省してる。でも、自分、ハー〇キャッチ好きだったんだよ~
輝跡「好きなキャラは?」
マ〇ン
輝跡「ツインテールじゃねーwww」
当時の自分はツインテールの良さを知らなかったんや
輝跡「そういや、他に出そうとした作品とかってあったの?この際メタ発言しようよ。どうせ今回も次回シリアス回なんだからここでネタろうぜ」
主人公の性格が心配……。まあ、出そうとした作品あるよ。
輝跡「何々?」
Fateプリズマイリア
輝跡「マジかよ…なんで出そうと?」
クロエ可愛い
輝跡「通報しました」
やめて!
輝跡「で、ロ〇コン、Fate知識はあるんだよな?」
え?変身ヒロインで検索してヒットしたから見てただけだよ?Fateシリーズは全く見て無いよ(まだ)。
輝跡「取り合えず、死刑♪」
自分の作ったキャラに死刑判決されたんだが!?
輝跡「さて、話が長くなるから次回予告やって終るか」


次回予告

向かい合うツインテールを靡かせる二人の少女
赤の閃光と黄緑の閃光が交わり
原作主人公と二次創作主人公が激突する

次回

ツインテール同士の戦い



テイルドライブ


輝跡「なお、作者は三次元〇リには興味無い模様」
当たり前だ!!


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第38話 ツインテール同士の戦い

前回の話にて
主人公キチガイになっちまった……
って思った人多いと思います。自分もそう思います。

だって考えてみて下さいよ。
可愛いツインテール幼女がまさかの男でクラスメイトで友人ですよ?普通なら受け入れられない。
まぁ、この話の主人公である輝跡君なら受け入れそうですけどね。

なら、何故輝跡君はキチガイに……

…………修行回の時、一緒に修行してたのは……
あの頭おかしい三人。(自ら正義名乗る正義マン、チートハーレム野郎、リア充ツッコミ担当)
そりゃ、一緒にいればSAN値ゼロになりますわ。更にテイルレッドの正体を知れば……。

はい、主人公キチガイ疑惑の補足です。

では、どうぞ~


次の日

 

その日、俺はテイルエアーの姿であの、ドラグギルディとの死闘を繰り広げた場所に来ていた。

ここで、俺はテイルレッドを待つ。指定した時間は10時ジャスト。

 

俺は万全の体制で望む。テイルレッドに…総二に疲労が残っていようがいまいが関係無い。ヒーローたるものいつも万全のコンディションにするのが当たり前だ。

 

10時少し前、テイルレッドが空から舞い降りてきた。そのツインテールはこれまでよりも赤く、強く輝いていた。強化合宿の成果はあったようだな。

 

「久しぶり!エアー」

 

テイルレッドは気安く俺に声を掛けてくる。今までならテンションが上がっていただろう。だが…今は違う。

 

「……また強くなったね…テイルレッド…君…」

「?」

 

?を頭に浮かべているテイルレッド。

俺は右手にフォースナイファーを出現させ、グッとフォースナイファーを握る。

 

「どうしたんだ?エアー?」

「…テイルレッド…僕は君を倒さないといけないみたいだ…」

「え!?」

 

強化された張力で踏み込み一気にテイルレッドの懐に入る。そして、左手でテイルレッドを殴ろうとする。それをテイルレッドはギリギリで避ける。

 

「何をするんだ!?」

「…騙してた…」

「!?」

「テイルレッド!君はこの世界の人達を騙してたんだ!!」

 

テイルレッドは俺から距離を置く。

 

「僕は…君を信じたかった…」

 

テイルレッドを…ソーラを…そして、総二を…でも、その三人が同一人物…だとは思わなかった…思いたくなかった。それを否定したい。

 

「僕は…君を倒す。そうしないと、僕のケジメはつかない!!」

「ちょ!!落ち着いて!エアー!!」

「落ち着いてるよ…」

 

そう、いたって冷静だ。

 

俺は一気にテイルレッドに攻撃しようと右手のフォースナイファーをテイルレッドに振るう。だが、テイルレッドはそれをブレイザーブレイドで防ぎきる。

 

「なんで、俺とエアーが戦わなきゃいけないんだ!?」

「ただの、僕のケジメだよ」

 

そう俺は言ってバックステップでテイルレッドと距離を置く。

 

その時、何が近付いていることをなんと無く察知した俺はその場から更にバックステップで避ける。

 

「うらー!!」

 

青い閃光が俺のいたところに舞い落ちる。それは、青いツインテール…テイルブルーだった。

 

「やっぱり、何か怪しいと思ったら…あんたアルティメギルの仲間だったのね!!」

「違う」

「問答無用よ!」

 

テイルブルーがランスで攻撃してくる。それを右、左に避ける。今までの俺なら確実に初手で倒されていただろう。

 

「!?前より強くなってる!?」

「パワーアップしたのは、君達だけじゃない!」

 

俺はテイルブルーのランスを両手で掴む。

そして、ランスごとテイルブルーを持ち上げる。

 

「うそ!?」

「おら!!」

 

俺はランスごとテイルブルーのことを投げる。テイルブルーは空中で体制を整え両足で着地する。

 

「なかなかやるじゃない」

 

そう言って改めてランスを構えるテイルブルー。

 

「テイルブルー、僕は君と戦う気はない!」

「うっさいわね」

「ブルー!仲間同士で戦うなんて…」

 

仲間同士…確かに…そうだ。だから…だからこそなんだ。

 

「…テイルレッド!!僕は君との一対一の勝負を申し付ける!!」

「エアー!?」

「誰がそんな事を許すと思ってるのよ!!」

 

テイルブルーは俺に向かってランスで凪ぎ払いを行う。そのランスを俺は両手でまた掴む。

 

「また掴んだわね。でも、今度は私が吹き飛ばす番よ!」

 

そう言って俺の体を持ち上げる。

その瞬間に手を離し、テイルレッドの方へ移動する。

 

「しま!?」

 

俺はテイルレッドの前に立つ。戸惑ったテイルブルーが此方に向かってくるが、その間にも色々と言える。

 

「なんで男だって事を隠してたんだよ…」

 

俺の本心が盛れた。仲間なら余計に…

 

「!?どこでその事を!?」

「…」

「レッド!退いて!!」

 

後ろからランスを降り下ろすテイルブルー。

その時、俺は黄緑色の眼鏡を装着していた。

 

「壱武装…」

 

大きな水色のビーム刃の付いた剣を何処からか取りだし、右手に剣を持ちそのまま振ってウェイブランスを弾き飛ばした。

 

「!?何、この威力!!」

 

ウェイブランスはテイルブルーから遠く離れた位置に落ちた。

そして、俺の右手から剣が消える。

テイルブルーは俺から少し離れた位置に移動していた。

 

「動かないでください!」

 

声がした。その声の方向を見るとテイルイエローが全身の射撃装備の銃口を此方に向けていた。その脇にはチャッカリ、仮面ツインテールの姿もある。

 

「おい!止めろよ!エアーも、ブルーも、イエローも!」

 

俺とテイルイエローの間に出てくるテイルレッド。

 

「エアー、俺の本当の正体を明かすよ」

 

そう言ってテイルブレスを翳そうとした。だが、俺はその右手を掴んだ。

 

「何を!?」

「……まだ、解かなくていい。僕は…テイルレッドと…戦ってみたいんだ…」

「なんで…?」

「テイルレッドが男だって事で僕は…絶望しかけた。でも…テイルレッドと会って…なんかワケわかんなくなっちゃって…」

「エアー…」

 

俺はテイルレッドから右手を離す。

 

「だからさ、お互いに殴り合おう!本気で!そうすればケジメが付く!!」

「なら、私がやるわ。一方的にボコボコにしてあげる」

 

そう言ってテイルブルーが俺とテイルレッドの目の前に来る。

 

「ま、待って下さい!わ…私を殴って…下さい…」

 

モジモジしながらも、俺達の所に来るテイルイエロー。

 

なんか、俺が勘違いしてたみたいだ…。

テイルレッドが男だからってなんだ。テイルレッドはテイルレッドで総二は総二じゃん。

総二のツインテール愛がテイルレッドなだけだ。

 

「いや、俺も、エアーに聞きたい事があったんだ」

「なら、お互いに拳で語り合おう!」

 

そう言って右手に拳を作り前に付き出す。

 

「ダメです!ダメですよ!何なんですか!この少年漫画みたいな展開は!ここは、拳じゃなく、ベットの上での決戦でしょ!勿論、私も含めますが!!」

 

話をややこしくする天才の仮面ツインテール。だが、テイルレッドはその言葉を脳内から受け流した。そして、俺の右手の拳にテイルレッドの小さな右手の拳を軽くぶつける。

 

「ああ。一対一だ」

「……しょうがないわ。私達は見学でもしてましょ」

「…これって、良くある特撮物の展開に似てます!」

「ダメですよ!!こんな臭い展開!!」

「はいはい、言い訳は後で聞くからね~」

「痛い痛い痛い痛い!!胸を引っ張らないで!!もげる!!」

「エアー…レッドに何かあったらただじゃ置かないから…」

「大丈夫だよ…ブルー…いや、愛香」

「……あんた…」

「燃える展開になって来ましたわ!」

「慧理那先輩、少し離れて見てて下さい」

「わかりましたわ…あれ?……」

 

ブルーが仮面ツインテールことトゥアールの胸を掴んで離れていく。それに同行するイエロー。

 

俺とテイルレッドは改めて向かい合い、お互いに武器を取り出した。

 

 

 

 

 

 

愛香ことテイルブルーはあの一瞬に違和感を覚えていた。自分のことを愛香と呼ぶ人物…

ミライは自分の事をさん付けで呼んでいた。なのに…

 

「ブルー…もしかして、エアーは私達のもっと身近な人物では無いのでしょうか?」

「…私もそれを考えてたのよ。エアーの正体…もし、あいつなら、色々と都合がいいわ。それに、お互い殴り合おうなんて男らしいこと、私達じゃ思い付かないもの」

「やはり…」

「愛香さん!早く総二様の元に向かって下さい!そうしないと、総二様の童貞とレッドの処女が持ってかれて…」

「無いわ。あいつに限ってはね」

「は?何を言って…」

「エアーの正体ですわ」

「エアーはミライさんじゃ…」

「違うわ。ミライじゃない…」

 

そう言ってブルーとイエローは少し離れ、エアーとレッドの戦いを見届ける事にした(トゥアールは常にブルーに胸を鷲掴みにされており動くことすら出来ない)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くよ!レッド!!」

 

俺の言葉で俺自身跳躍を利用してレッドに先制攻撃を行う。右手で持ったフォースナイファーをレッドに振るう。しかし、レッドはフォースナイファーをブレイザーブレイドで受け止めてしまう。

 

ギリギリと金属音が響く。

 

お互いに全力である。

 

「なあ!聞きたい事があるんだが!」

「なんだ!レッド!」

 

俺とレッドは何度もフォースナイファーとブレイザーブレイドをぶつけ合い火花を散らしながら話す。

 

「エアーから、ツインテールを前より強くかんじるんだ!何かしたのか?」

「修行したんだよ!」

「そうか!」

 

お互い、ほぼ互角。だが、ここから、勝負である。

 

「プログレスバレッター!!」

 

そう言ってテイルレッドはツインテールの結び目の装甲…フォースリヴォンに合体させた。

閃光がテイルレッドを包みそして、光から解放させた。そのテイルレッドの姿は上半身に装甲を集めたような姿。

 

「ライザーチェイン!!」

 

パワー重視の強化。だったら、目には目を、歯には歯を、パワーにはパワーをだ!

 

「属性追加機構!!眼鏡運命!!」

 

俺の体も光に包まれ、黄緑色のフレームの眼鏡を付けて、あの眼鏡運命モードへと変わる。

そして、光は消えてテイルレッドと向かい合う。

 

「行くぞ!!エアー!!」

 

二刀のブレイザーブレイドを持ち俺に向かってくるレッド。それに対して俺は眼鏡運命モードで追加された装備の一つ…アロンダイトを取り出して(この武器の名前は隆勇に教えて貰った)迎え撃つ。

 

二刀のブレイザーブレイドとビーム刃を展開したアロンダイトが激しくぶつかる。その衝撃により地面にヒビが入る。

 

「「ウオーーー!!」」

 

テイルレッドのバーニアから激しく炎が吹き出す。

それと同時に俺のバックパックの赤い翼から虹のような光を発生させていた。

 

だが、お互いにパワーでは決着がつかないことを判断し、お互い交えた刃同士を離して距離を置く。

 

「なかなかのパワーだぜ。エアー」

「まさか、ここまで強いなんて思って無かったよ…レッド」

「けど負けないぜ!エアー!!」

 

そう言ってレッドはツインテールを下側に付ける。

 

「フォーラーチェイン!!」

 

レッドは一瞬にしてスピード重視の形体に変化した。

スピードなら、俺も負けない。テイルタイマーを使えば同じ土俵で戦える。だが、相手はレッドだ。スピード重視とはいえ今の俺ではパワー負けもあり得る。ならば、新しい力を使うしかない!

 

「属性追加機構!!」

 

そう叫び俺の体はまた光に包まれた。

 

一瞬にして消える眼鏡運命モードで追加された装備と眼鏡。その変わりと言わんばかりに新たな装備と装備が俺の女体化した体に装備されていく。

 

胸の部分は黒色の装甲が追加され、肩には新しく白い装甲が追加、全体的色も黄緑から白と青を基調とした色へと変化する。(元のテイルエアーの原型は保ったまま)両腕に赤い宝石のようなものが付いた装甲も追加され両手に少し大きめの白い銃が二丁装備された。だが、何より違くなったのは、背中のバックパックが青い翼に変わった所、そして、ツインテールだ。

 

俺のツインテールは肩に当たる程度の長さしかなかった。だが、そのツインテールは今、伸びて腰より下にいくほど長くなった。

 

この姿はツインテール重視の姿。名を…

 

「二結自由(ツイーダム)モード!!」

「エアーのツインテールが強まった!?」

 

俺の姿を見てレッドも何か感じたのだろう。

 

「…それでも、負けない!」

 

そう言ってレッドが神速のスピードで俺に向かってくる。その姿は強化させた俺の視力ですら追い付くことは出来ない。出来ないが、このモードにはちゃんとその対策がある。

 

神速で迫ったレッド。レッドはブレイザーブレイドで俺に攻撃を仕掛ける。だが、俺はそれを後ろに反れて宙返りをして空中で止まる。

 

「な!?かわされた!?」

「嘘…レッドのあの攻撃を避けるなんて…」

 

驚いているツインテイルズの面々。確かに、あのスピードをみきるなんて普通出来ない。だが、俺の二結自由モードには特殊能力が備わっていて、俺はそれを使用しただけなのだ。二結自由モードの特殊能力、それは勘である。勘が鋭くなる。ただそれだけ。一瞬の相手の行動が分かるようになり、それにより回避が可能になる能力。だが、その分今のフォトンアブソーバーは通常時より少くなってしまっている。

 

さて、さっきは目には目をだったが、今度は違う。

 

追加された武装の両腰に装備されたビーム砲と両手の銃をレッドに向けた。

 

「ちゃんと避けきってよ!レッド!!」

 

俺はそう言うと腰のビーム砲と両手の銃から大量のビームを乱射する。それを神速のスピードで避け続けるレッド。だが、少しずつスピードが衰え始め、俺の視力でも認識出来るようになってきた。

 

「く!?避けきれない!?」

 

スピードが衰えたレッド。だが衰えたのはレッドだけではなく、俺もだった。ビームの威力が少しずつ下がっていたのだ。

 

レッドは時間切れなのか、元の姿に戻る。俺も時間切れのために元の姿に戻ってしまう。

お互いにノーマルの状態、これでもまだ五分と五分。

俺の属性追加機構は今では22秒間使える。逆に言えば22秒しか使えない。22秒で決めたかったのだが、仕方がない。こうなれば、最後の手段だ。

 

「なあ、エアー…これで終わらせよう…」

 

そうレッドは言ってブレイザーブレイドを天に翳す。そう、必殺技同士のぶつけ合い。

 

「ブレイクレリース!!」

 

ブレイザーブレイドから赤い炎が噴き上げる。

 

「そうだね。これで最後にしよう!」

 

手加減なんて無い。さっきは避けてよねと言った俺。相手を疲れさせてこの展開に持ってこようとしていた俺がいたのかもしれないな。

 

「フォースナイファー!エアーメモリ、イグニッション!!」

 

エアーメモリをフォースナイファーに入れる。延長されるフォースナイファーの刃。だがまだだ。

 

「ブレイクレリース!!」

 

刃は更に延長される。両手でフォースナイファーを持ち俺も天に翳す。

 

「行くぞ!!レッド!!」

 

俺は刃が延長されたフォースナイファーをレッドに振りかざす。

 

「こっちこそ!行くぜ!!エアー!!」

 

炎を纏ったブレイザーブレイドで迎え撃つレッド。

 

「グランドブレイザー!!」

「フォースクラッシャー!!」

 

赤と黄緑色の光がぶつかり合う。

 

激しい衝撃波。そんな中俺はハッキリと見えていた。総二の姿が。

 

「負けねぇからな!総二!」

「こっちだって!輝跡!!」

 

お互いにわかってしまった。そう、それでいい。ただの馬鹿同士の喧嘩だ。騙した騙されただとめんどい事を言った一方的な喧嘩。でも、それで良かったのかもしれない。お互いに戦ったからこそ、見えたものがあった。総二のツインテールへの愛…これは本物だし、別に騙してた訳じゃ無い。それがわかつた。

 

結局俺の早とちりだったんだ。でも、レッドは、総二はそれでも俺と戦ってくれた。愛香も、理解してくれた。それでいいんだ。

 

 

少しずつフォースナイファーの光が弱くなる。まだ力はある。だが、まるで俺の心が満足したかのようにフォースナイファーが壊れ始めたのだ。

 

パリンという音でフォースナイファーが砕けブレイザーブレイドの炎の刃が迫る。

だが、俺には恐怖なんてものは無かった。レッドを信じていから、総二を信頼してるから。ブレイザーブレイドの炎の刃は俺の喉元まで迫った所で止まった。勝負は付いた。今の俺には武器もエネルギーも無い。完全に負けたのだ。

 

「…エアー…大丈夫か?」

 

レッドはブレイザーブレイドをフォースリヴォンにしまって俺と向かい合う。

 

「大丈夫…なわけ無いじゃん!」

 

そう言って俺は後ろに倒れる。エネルギー切れと疲労によるものだ。

 

「お、おい!エアー…」

 

と言ったレッドもエネルギー切れにより倒れる。お互いに倒れた後、後を追うかのように変身も解ける。男の姿の俺と総二。

 

「やっぱり輝跡か…」

「…いつからわかってたんだ?」

「さっきだよ。何となくエアーと輝跡が重なって見えた。ただそれだけなんだけどね」

 

お互いに空を見ながら倒れている俺と総二。

 

「ふふふ…ははははは!」

 

笑い出す俺。なんか可笑しくなっちゃったのか、笑い出してしまった。

 

「何が可笑しいんだよ」

「いや…なんか、俺青春してんだな~と思って」

「青春ね…」

 

そう言ってほくそ笑んだ総二。

 

こうして、俺と総二の戦いは幕を降りたのだ。だが、このあと更に大変な事になると俺は思いもしなかったのであった。




王道、殴り合い回
これでやっと輝跡がレッドの正体を知りました。
と言うわけで今回は輝跡ではなく別な人を呼んでまーす。
レッド「なぁ、原作キャラが次回予告していいのか?」
いいと思う。それに、キャラ結構崩壊してるはずだから。
レッド「それはそれで問題だろ」
兎に角、スペシャルゲストのテイルレッドに次回予告頼みます。
レッド「え……」

次回予告

正体をあかした輝跡と俺。
輝跡はなんと以外な行動に出る。
そして……

次回

改めてツインテイルズになります



テイルオン!!


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第39話 改めてツインテイルズになります

またまた一区切り回

感想、誤字、脱字、歓迎します。

とりあえず

どうぞ~


俺と総二の戦いの次の日の朝。

戦いの後俺と総二、そして観戦していたブルーこと愛香とイエローの慧理那先輩、オマケのトゥアールの四人と明日全部話すと約束して解散したのだ。

 

少し早めに起きた俺は体に若干な疲れがあるのを感じながらもベットから這い出て朝食等を済ませワープ装置を利用してある場所に向かった。

 

 

場所は、そう、ツインテイルズの秘密基地。

 

 

ツインテイルズの秘密基地に来ると、そこにいたのは愛香一人だった。

愛香は俺に気が付いたらしく、俺の目の前に来る。

 

「…以外に早かったじゃない」

「まあ…早く起きても今の時期何もやることは無いし、それに俺の秘密を明かすなら早い方がいいと思ってね」

「そう。なら、会長に連絡しておくわ」

 

そう言って愛香はスマホらしき物を取り出して誰かに電話をかける。多分相手は慧理那先輩だろう。

 

数秒して電話を切る愛香。

 

「今こっちに向かってるって」

「そうか」

「それにしても、エアーの正体が輝跡なんて本当に以外だったわ」

「その…隠しててごめん」

「別にいいわ。通りであんたから教えて貰った方法が効かない訳よね」

「教えた方法?」

「…その…胸の…」

「あー!俺の方こそ、出任せを言ってごめん」

「男ならしょうがないわよ。けど、なんで変身した時は巨乳なのよ!」

「し、知らない!」

 

そんな話をしていると誰かが秘密基地の中に入って来る。その正体は慧理那先輩と総二だった。

 

「おはよう!輝跡」

「おはよう、総二」

「おはようございます。輝跡さん、愛香さん」

「あれ?トゥアールは?」

「俺の部屋でテープをグルグル巻きにされて放置されてるよ」

「トゥアールらしいな」

 

そんな訳で俺達はツインテイルズの秘密基地にある小会議室に行き椅子に座る。

さて、色々と話さなくちゃいけないな。

 

「待ってくださーーーーい!重要人物を忘れてますよ!総二様!!」

「うわ…わざと忘れてたのに…」

「輝跡さん!貴方には色々と言わなくちゃいけないと思ってたんですよ!まず、貴方はホモ野郎てことです!まさか総二様の貞操や処女を狙うホモ野郎だとは!友情とかなんとか言っちゃって結局は…」

「黙ってなさい!トゥアール!!」

「ブエラビ!?」

 

愛香が会議室の椅子を思いきり投げてトゥアールを黙らせた。てか椅子がトゥアールの顔にめり込んでいるのだが、この場合気にしてはいけないのだろう。

 

「質問いいか?」

 

総二が椅子から立ち上がり俺を見る。

 

「これからも俺達と戦ってくれるか?」

 

正直、聞いてほしかった事だ。答えなんて最初から決まってる。

 

俺も椅子から立ち上がり、ツインテイルズの皆を見る。

 

「勿論だ。これからもアルティメギルと戦おう!!」

「改めてよろしくな。輝跡」

「此方こそ」

「なんですか!この友情ごっこは!?」

「はい、トゥアール、黙ろうね~」

「ギャーーー!?痛い痛い痛い!!」

 

そう言いながら愛香はトゥアールの顔…ではなく胸(正式には右の方)にアイアンクローを決めていた。

 

「あ、そうだ。トゥアール、俺のテイルバレット…この髪留めとテイルタイマー、この腕時計を解析して欲しいのだがいいか?」

 

激痛が走っているトゥアールに平然とお願いをする俺。ある意味俺も鬼畜である。

アイアンクローの魔の手から逃げ出したトゥアールは俺の方を見る。

 

「別に構いませんよ。でも何故解析して欲しいのですか?」

「この世界の科学力じゃ解析仕切れなかったけど、トゥアールの科学力ならこのテイルバレットに秘められている能力がわかるかもしれないと思ってさ。ほら、トゥアールは天災科学者だもんね」

「まあ、この天才科学者のトゥアールにかかれば一瞬で解析出来ますけどね」

 

ドヤ顔でしかも胸をはって言い切ったトゥアール。その胸についている果実を妬ましく思う愛香の目線が気になるが、ここはグッと堪えて貰おう。

 

「なら、お願い。あ、後、エアーの武器の事なんだが…」

 

俺はポケットからフォースナイファーの設計図を取り出してトゥアールに見せる。

 

「エアーの武器、フォースナイファーは完全に壊れちゃったんだ。だから新しい武器をこの設計図通りに造って欲しいんだがいいか?」

 

それを聞いたトゥアールは無言で設計図を取り設計図を隅々まで見る。

 

「構いませんが、フォースナイファーはこの設計図通りに作られたんですか?それならあれぐらいの攻撃なんかは防げるはずですよ」

「トゥアールが作ればの話しだけどね」

「最初からフォースナイファーがあった訳では無いみたいですね」

「どういうことよトゥアール?」

「テイルエアーには最初から武器は無く、この世界で作った武器を使っていた、所謂後付けです。もっとわかりやすく言えばパッドを着けた愛香さんか更にパッド付き下着を着けたような物で…ギャーーーー!?」

 

余計な事を言ったトゥアールは愛香のアイアンクローにまんまと捕まった(今度は顔)。

 

「簡単に言うとな、フォースナイファーはこの世界で作った武器なんだ。でもこの世界では強い属性力に耐えられる用な武器なんかは開発されてないんだ。できる限り凄い技術では作って貰ったけどやっぱりアルティメギルとの戦いには耐えられなかったみたいなんだ」

 

まあ、俺のメンテナンス不足もあるけど。

 

「そう……待って、確かエアーには属性力は殆ど無いってトゥアールが言ってたわよ!」

「あーー、その説明を忘れてた」

 

ここで愛香の目線が完全に此方を捉える。逃げられはしない。まあ、はなから逃げる気は更々無い。

 

「そう言えば、ダークグラスパーとの戦いの時にエアーからは…輝跡さんからは眼鏡属性が感知されたと聞きましたわ」

「ええ、確かにそう何ですが…最初は属性力は感知されていませんでした」

 

アイアンクローから解放されたトゥアールが過去に俺から属性力が感知されなかった事を話す。

 

「まあ…俺の属性力が特殊だから仕方がないと思うよ」

「特殊な属性力?」

「そう、俺の属性力は好きになったものがその属性になる、私好(アイラブ)っていう属性力なんだ」

「好きになったものが属性になる?そんなの属性力にとっては当たり前じゃないの」

「いやいや、俺の場合複数可能みたいなんだ」

「複数の属性力を!?」

「確かに、昨日、戦っているときにエアーからツインテールを強く感じた。ってことはツインテールも好きになったってことか!」

 

総二が少し嬉しそうに俺を見てくる。まあ、やっと現れたツインテールを愛せる同性なんだ。同族が一人増えて喜ぶに決まってる。

 

「今の俺は眼鏡属性とツインテール属性の二つだけだよ」

「確かに…輝跡さんから眼鏡属性とツインテール属性が感知されました…」

 

いつの間にか謎の端末で俺を分析していたトゥアール。勝手に人の体を視ないでいただけたい。

 

「ですが、今の輝跡さんは眼鏡もツインテールもしていませんわ」

 

慧理那先輩が疑問を投げ掛けてくる。

 

「好きっていう気持ちだけで属性力になるんだよ」

「眼鏡でツインテール…待って、もろダークグラスパーじゃん!!何、ダークグラスパーがタイプなの!?」

 

愛香がまさかの事を聞いてくる。確かにダークグラスパーことイースナは可愛いし、俺のメル友だ。でも、異性として考えた時、答えはう~ん…なのだ。

 

「別に、眼鏡でツインテールの子が好きってことじゃ無くて、ツインテールも眼鏡も好きって事なんだよ。それに、異性として見るっいうなら話しは別にだしね」

「ふーん…」

 

なんだよ、聞いてきたから答えたのに…。

 

「それでは、私はテイルバレットとテイルタイマーの解析を行いますので」

 

そう言ってトゥアールは秘密基地の奥の部屋に行ってしまう。

残されたのは、総二、愛香、慧理那先輩…

 

「すまない、遅れた…」

 

そう言って登場したのは彼氏いない歴=歳の数の我がクラス副担任、尊先生(28歳独身)だ。

確かにツインテイルズの関係者だった(すっかり忘れていた)。

 

「まさか、輝跡も変身、しかもテイルエアーだったとはな…」

「先に言っておきますけど、騙してたから婚姻届を書けなんて言っても書きませんから」

「な!何故その計画を!?」

 

だが、もう一人いつの間にかこの会議室にいた。

 

「あら、この子がテイルエアーちゃんなのね」

 

俺はその声の方に振り返った。

 

「母さん…いつの間にいたんだよ…」

「総ちゃんが「これからも俺達と戦ってくれるか?」って言った所からかしら」

 

なんだこの人…俺の母親に似てやがる…。

 

「テイルエアーちゃん…いいえ、本名は何て言うのかしら?」

「輝跡です。二積輝跡」

「二積…もしかして、美咲の倅かしら?」

「母さんを知ってるんですか!?」

「……やっぱりね。総ちゃんとの戦いを見てて何となく思ってたけど…まさか美咲と才悟の子供だとはね…」

「母さん、輝跡の両親を知ってるのか?」

「ええ。あの二人はレッドにかわる主人公になるって言ってあの人と壮大な戦いを繰り広げていたのよ」

「何してんだよ…俺の両親は…」

「あの二人はとても強かったわ…その度に私とあの人は同盟を組んだりして、何度も対立したわ」

「なあ、総二、お前の母親、中二病か?」

「ああ…かなり末期の…」

「そうか。お互いに大変だな…」

「お互い?」

「俺は両親が中二病だ」

「…、輝跡…ドンマイ…」

 

俺の肩を軽く叩く総二。

男で女の子に変身するし、両親は中二病だし…何からなにまで似てるな…俺と総二は。

そして、俺達はその場でお開きになったのだった。

 

次の日

俺はトゥアールに呼ばれた。

 

なんでも、テイルバレットとテイルタイマーについて話したいとか。

 

別に夏休みなんて予定無いし、テイルバレットのことがなんか解ればそれはそれでいい。

 

呼ばれた場所は勿論秘密基地。

 

秘密基地に着くとトゥアールが一人で黙々と端末をいじっていた。

 

「トゥアール、来たよ~」

 

軽い感じで話しかける。

 

「輝跡さん…あの…率直に言います。テイルタイマーという装置なのですが、どうやら、完全に壊れてしまっているため使い物になりません」

「テイルタイマーが?」

「はい。どうやら、テイルエアーへの変身や属性追加機構、更には所有者を一時的に加速化させる機能に耐えるだけの強度が維持出来なくなったのだと思います」

「なら、テイルバレットだけでもいいや。テイルバレットだけでも変身は出来るし、属性追加機構もテイルバレットのシステムだしね」

「いえ、それは危険です」

「え?」

「テイルバレットから直接的に変身した場合、属性力を体に直接入れ込むこととなりますから、体への負担が大きくなってしまいます。下手をすれば命にかかわってきます」

「え?でも、前変身したときは別になんとも思わなかったよ?」

「多分ですが、その時は輝跡さん自身の属性力が弱かったため、テイルバレットがセーフティを自動的に付けて体への負担を出来るだけ無くしたからでしょう」

「そうなのかな……」

「そこで、です!」

 

トゥアールはポケットからあるものを取り出す。それは緑…というよりもライトグリーンのブレスレット。そして、そのデザインはあのテイルレッドこと総二や愛香が着けているブレスレットと同じものである。

 

「中間機として、このテイルブレスを用意しました」

「早!?昨日の今日で作ったの!?」

「いえ。テイルイエローのテイルブレスを作っているときに予備の素材で作ったものです。ですが、これなら、属性追加機構にも耐えられます。ですが、加速化させる機能に関しては付けていません。あの機能、どうやって可能にしたのか良くわかりませんしね。それに…」

 

トゥアールは今度はエアーメモリを取り出す。

 

「これについてもわからないことばかりです」

「まあ…その話しは今度で…」

「あ、後、輝跡さん、テイルバレットのデータなのですが、50%程解読に成功しました。ですが、後の50%はブラックボックスと言っても過言では無いです。データだけはコピー出来ましたが、正直、解読は出来ないでしょう」

「トゥアールですら無理か…」

「あと、フォースナイファーも完成しています。強度はブレイザーブレイドとほぼ同じようにしました。それと、このメモリのパワーを直接入れ込みながら完全解放も可能にしました」

「流石、天災科学者」

「総二様以外に誉められても何も出ませんよ。あ、テイルバレットは素手にこのテイルブレスに入っていますから」

「了解。一応試しに変身してもいいか?」

 

俺はトゥアールから黄緑色のブレスレット…テイルブレスを受け取り右手に着けながら言う。

 

「構いませんよ」

「よし………」

 

俺はふと考えた。

一人で変身するときは、「テイルドライブ!!」って言いながら変身してた。でも、今は本格的に仲間が出来た訳だから、仲間と同じ掛け声の方がいいのでは?

霊夢や天子はあの言い方じゃ無いと変身出来ないって結構前に聞いた時に返されたから、仕方がないけど、俺はそうじゃ無いからな…。

 

「なあ、天災科学者トゥアールさんよ…」

「なんでしょうか?」

「いつも総二や愛香達はなんて言って変身してるんだ?」

「テイルオンです」

「オッケー。これからテイルオンって言って変身するな」

 

そう言って俺は右手を翳して変身したいと強く思い、そして…

 

「テイルオン!!」

 

と叫んだ。

瞬間的光を纏い、その中で女の子の体となり、装甲が体の節々に着いていく。

光が無くなると、俺はテイルエアーの姿へとなっていた。

 

「お~……なんか今までと違う…気がする」

「ええ。少し改良してみました。」

 

そう、違和感と言ってもそこまでじゃ無いのだが、正直前より体が軽い気がする。それに、パワーも上がった感覚だ。

 

「何をしたんだ?」

「まず、装甲等に使われている素材を更に硬く、そして軽くしました。どうやら装甲もこの世界での技術みたいだったので全部私の持っている技術の方に変えさせて貰いました」

「マジか…」

「それと、これまでのエネルギー循環がスピード重視によりパワーや防御へのエネルギーが少なかったので、そこも改良しておきました」

「え?それってスピードが下がったってこと?」

「いえいえ、スピードを下げないように工夫をしました。輝跡さん、腰に新しい装甲が追加されているのに気が付きましたか?」

 

俺は腰に目をやる。腰の左右にスラスターらしきものが追加されていた。

 

「属性力のエネルギーを直接スピードに生かせるようにした装置です。因みにまだ名前はありません」

「属性力のエネルギーをスピードに…」

「ええ。でも、これは輝跡さんだからこそ出来たんですよ」

「え?どういうこと?」

「昨日は言いませんでしたが、ツインテールも眼鏡も属性力的に言えば愛香さんやダークグラスパー以下です。ですが、逆に言えばそこまで属性力が強くないとも言えます。もし、このスラスターを総二様や慧理那さんが着けたら、あまりのスピードにフォトンアブソーバーが耐えられません。ですか輝跡さんなら上手くコントロール出来ると思い付けてみました」

「なるほど…確かに、俺のツインテール力は慧理那先輩よりも小さいかもしれない…だからこそ使えるって訳か」

「後、もう一つ、属性追加機構なのですが、あれで追加される装甲や武器は輝跡さんのイメージによって強度や威力等が変わると私は予測してみました」

「予測?ってことは解析出来なかったのか?」

「正直、解析が出来ませんでした……なので予測というより仮説として聞いて欲しいです」

「うーん…イメージによってね…」

「正直わからないと言っても過言では無いのですが、一応仮説を建てて置けば何かと考えやすいと思いまして」

「確かにね」

 

俺は変身を解いて今度は普通に女の子の姿になれるかどうかやってみる。

 

「あ、後、何故テイルバレットに女物の服が……」

 

とトゥアールが話し始めた瞬間に光を纏い俺は女の子の姿になる。服装は現在着ている男物の服だ。

 

「……えーーーーーーーーーーーー!!」

 

驚くトゥアール。確かにね。変身は変身でもただ女の子の姿、しかもミライの姿になったのだ。驚くのも無理は無い。

 

「な、な、なんで女の子になってるんですか!?」

「え?さっきもなってたよ?」

「違くて、普通の女の子にどうしてなったんですか!?」

「うーん…俺の属性力の恩恵…かな?」

「まさか、あのブラックボックスにこんな事の出来る装置があるなんて……これは、早くブラックボックスを解析してこの装置を作り…総二様を幼女にして……グヘヘヘヘ」

「トゥアール、いけない考えは止めた方がいいと思うよ?」

「なんですか!女が好きな男に欲情しちゃいけないんですか!!」

「いや、欲情とか言う前にとんでもねぇ発言したよね!?」

「まあ、いいです、何故テイルバレットに女物の服が入っていたのかわかりましたから」

 

ふぅとトゥアールは溜め息をした後此方を睨むように見る。

 

「ですが、絶対に総二様の童貞を食ったりしないでくださいね」

「いやいや、そんな事する理由が無いよ。総二は友達、それ以上もそれ以下も無い」

「……まあ、輝跡さんなら大丈夫だと思いますが…」

 

とトゥアールは言ってまた端末をいじり始める。俺はそれを見た後、女の子から男に戻った。

 

本格的に俺はツインテイルズの仲間になった。これからは、皆でいろんな危機を乗り越えて見せるぞ!!




輝跡「次回予告行くぞー」

次回予告

とうとう言われる発言に困惑する俺
原作キャラ達の正式に仲間になるヒロイン
果たして何が起きるのか!?

次回

俺、できま(゜o゜(☆○=(-_- )゙



次回!番外編!

復活のC パート1



テイルオン!!

輝跡「殴る必要あったか!」
気分です


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番外編 復活のC
パート1


番外編その1、スタートです。

後、5月5日はこの作品の主人公輝跡の誕生日

うん、スゴくどうでもいい。

ではどうぞ。


「ん?なんだこれは……」

 

ここは、地球のある都市。その海際の工場後に一体の怪人がいた。

怪人は変な模様のついたメダルを拾い手に取る。

本来この怪人はあるものを手に入れるためにこの世界に来ているのだが、その任務の前に何故か海を見たくなったのだ。原因はその怪人のモチーフになった生物のせいだろう。

その怪人はメダルを器用に自らの鋏で挟み太陽に翳すように眺める。

だが、鋏の力を間違えたのか、メダルを落としてしまう。

落としてしまったメダルを地面を這いながら探すその怪人。だが、メダルはどこを探してもない。

無いのは当たり前である。何故なら、メダルはその怪人の中へ…怪人が落とした場所、それは怪人自身の額。メダルが怪人の額と接触する瞬間、怪人の額にまるで自動販売機の硬貨を入れる入り口のような形になりメダルはその中に入って行ったのだ。

怪人はメダルを諦めこの世界に来た理由…任務を遂行させるために目的地に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪人がいた場所…怪人が去った後、残された水色の半透明なまるでゼラチンのように柔らかい何か。その何かはこの場所で孵化するのは危険だと感じたのか柔らかい殻を転がしながら、近くの海に入る。ドボンという音を立て海中に入る何か。いや、これは、卵といってもおかしくは無い。その卵は自我を持つのを待っていた。宿主…この場合欲望の根元たる者の欲望への執着そして達成感、その二つがこの卵に力を与えた。

そして、宿主たる者…いわばその怪人が死んだ時、怪人の自我を受け継ぎ卵は孵化した。

 

 

「………ここは……」

 

孵化した何かはまわりを見渡す。そこは薄暗い海の中。目の前数メートルも見えないような暗さだった。

 

自我を持った…いや、自我を受け継いだ何かは己を確認する。

 

(私は……確か……)

 

鮮明に覚えている自らの死。そして己の使命と欲望。

 

この時、この何かはある決断をする。

メダル……いや、セルメダルによって増大された欲望への執念、そして、精神生命体の侵略者エレメリアン…イレギュラーな二つが合わさったこの何かは自らの欲望を叶えるため、行動を起こす事にした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数週間後

 

「おい!待てゴラ!!」

 

一人の探偵が見るからにヤンキーと思わしき人物を走って追いかけていた。

 

探偵の名は、左翔太郎。ここ風都のハーフボイルドな探偵であり、仮面ライダーだ。

 

「誰がハーフボイルドだ!!」

 

と翔太郎は走りながら廃工場を全力で走っていた。追いかけられているヤンキーも全力で走っているが翔太郎が少しずつ距離を詰めていた。

逃げるヤンキー。だが、前方からバイクが此方に向かって来ている事に気が付く。

バイクに乗っている人物はヤンキーの行く手を塞ぐようにバイクを止める。

 

行く手を失ったヤンキーはポケットからUSBメモリらしき物を取り出す。

その瞬間、バイクに乗っていた人物はヘルメットを外す。バイクに乗っていた人物…翔太郎の唯一無二の相棒、フィリップだった。

 

「翔太郎!早く彼からメモリを!!あのメモリは特殊過ぎる!!」

「わかってる!!」

 

翔太郎はヤンキーに飛びかかる。ヤンキーはメモリの先を腕に刺そうとしていた途中だったので、翔太郎の行動に驚き、無意識にメモリを後に投げてしまう。ヤンキーが投げた方向は海。メモリはポトンという音を立て海中へ。

 

「俺のメモリが~」

 

嘆くヤンキー。だがそのヤンキーは翔太郎に袖を捕まれ逃げられなくされてしまう。

 

「さて、後はあいつが何とかするか…。フィリップ!ガイアメモリが海に落ちちまったけど良かったか?」

「う~ん…確かに、あのメモリはイレギュラーだ。だからと言って防水加工してあるかはわからないな…一応大丈夫だと思うが、後で捜索してみよう」

 

翔太郎とフィリップは携帯で警察を呼びヤンキーをつき出してそのまま事務所に帰って行ったのだった。

 

 

 

水中で自らの体を更生させているエレメリアンでもヤミーでも無いその何か。その近くに先ほどヤンキーが投げたガイアメモリが落ちてきた。ガイアメモリにはCと書かれていた。

その何かは体を更生されながら少しずつ、少しずつそのガイアメモリに向かっていった。そして…そのものはガイアメモリを体の中へと吸収していった。

 

『Cancer』

 

海中に響くゲンドウボイス。だが、それをマトモに聞いたのはそのものただ一人だった。

 

(……時が立てば……蘇る……)

 

その何かはただ時を待っていた。

 

更に数週間後

 

そして、その時が訪れる。

 

月夜の美しい夜。蟹のようなその何かは陸へと上がった。

 

「……多分だが今の姿を仲間に見せることは出来ない。本来、私は殉職しているのもそうだが、見た目が変わり果ててしまったからな…しかし、わが属性力を満たすため……邪魔となる者達…ツインテイルズを倒す!!」

 

決意したその何かは自らの体から幾つかのメダルを取り出し二つに割ってそこら辺にばら蒔く。割れたメダルから屑ヤミーが次々と誕生していく。

 

「貴様ら!まずは情報収集をしてこい!」

 

屑ヤミー達はその命令に従うように闇の中へ消えていく。

 

「……私も、我が欲望、そして属性力を鍛えるために鍛練しようではないか……」

 

また海の中へと行くその何か。いや、名前は…

 

「……そう言えば我が名はなんだ?今更クラブギルディでは少し……そうだ!我が名は……」

 

ぐっと月を睨む何か。決断をしたように。

 

「我が名はキャンサードギドミィと名付けよう!!」

 

名前のセンスが皆無なこのキャンサードギドミィ。

(ギルディとドーパンドとヤミーの言葉を一つ一つ取って付けただけのダサい名前)

このキャンサードギドミィの復活こそがツインテイルズ…いや、その他のヒーローを脅かす問題になるとはこの時誰も思わなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、二摘輝跡。いたって普通の高校生だったんだけど、ある日昼寝をしてたら変な怪人にあっちゃって、更にはそれを倒す女の子、テイルレッドとかいうツインテール美幼女まで現れちゃって、更には昔親友から貰った髪留めで俺まで女の子に変身しちゃったりして、なんとか怪人を倒せたと思ったら、今度はその怪人達が侵略するだのなんだのと始まってしまったのだ。

いわば俺は、侵略者から世界を守るヒーロー基、ヒロインになっちまった訳だ。

 

4月にそんな事が起きてから既に4ヶ月たった。

本日8月6日。

俺の正体を明かして既に二日。

アルティメギルから停戦の日にちが8月9日の正午まで。この平和な時間の内に俺はサポートをしてくれた鳴海探偵事務所の二人、フィリップさんと翔太郎さんをツインテイルズの面々に紹介しようと思ったのだ。

 

「本当にここに輝跡の協力者がいるの?」

 

疑問系で聞いてくる愛香。因みに今、総二と愛香、トゥアールと慧理那先輩、尊先生の六人で風都に来ている。風都の看板、風都タワーの近くにワープしてきた俺達は現在歩いて目的地の鳴海探偵事務所に向かっている途中だ。

 

「ここが風都…噂では仮面ライダーがいるという都市ですわ」

「仮面ライダー?何ですかそれは?」

 

トゥアールは純粋に質問してきた。異世界から来たなら知らないのも無理は無い……てか、マニアじゃないと知らないような事だから知らないのも無理はないかも…。

 

「私も聞いたこと無いわよ」

 

愛香も知らないようだ。

 

「仮面ライダーとは、人知れず、悪と戦う正義の味方の事ですわ。つい最近まで噂だけの存在だったんですが、この頃写真や動画なんで存在を肯定されていますわ。それに、私自身仮面ライダーを見ましたもの」

「確かに、この前慧理那そんな事言ってたよな。エアーとの合体技がかっこよかったって……」

 

この瞬間、皆の目が此方に向く。

 

「え、えーと、あれは…たまたま仮面ライダーがあの場にいて…それで共闘した…って感じ…です…」

「なんでそんな重大な事を言わなかったのよ!」

「重大か!?」

「まあまあ、愛香、落ち着け。確かに仲間は一人でも多い方がいいし…」

「輝跡さん!どうか、仮面ライダーの方を紹介してください!ヒーローの先輩として色々聞きたいです!!」

「慧理那先輩、落ち着いて…」

 

俺が慧理那先輩と話しているとき、この中で一番年長(トゥアールは年齢不明のため含めない)の人物、尊先生が黒い笑みを受けべていた。

まあ、俺はその笑みをスルーするけど。

 

そんな中、俺達の進行方向から一台のバイクがやってくる事に気が付く。

 

そのバイク…前輪側か黒、そして後輪側が緑、そう、翔太郎さんがいつも乗っているバイクだ。乗っているのは…ヘルメットでよくわからないが多分翔太郎さんだ。

 

そのバイクは俺達の真横で止まる。

 

「輝跡!丁度良かった!少し手伝え!!」

 

と言われヘルメットを渡される。

 

「翔太郎さん!?」

 

戸惑いながらもヘルメットを着けて後部座席に乗る。

 

「おい、輝跡、その人は…」

 

総二が戸惑いながらも質問してくる。

 

「おう、輝跡の友達か?少し輝跡を借りてくぞ!」

「翔太郎さん、俺、物じゃ…」

 

と言いかけたところで翔太郎さんがバイクを急発進させる。先程いた所では目が点になっている総二達。

 

「……ちょ!追いかけるわよ!!」

 

走り出す愛香。それに連なる用に総二、慧理那先輩、尊先生、おまけにトゥアールが俺を追いかけるように走っていた。だが、バイクの加速には追い付けず徐々に愛香達の姿が小さくなっていった。

 

 

 

「翔太郎さん、何かあったんですか?」

 

ある程度進んだ所で俺は翔太郎さんに質問してみる。

 

「ああ。よくわからねぇ怪物があらわれてるってさっき連絡があったんだ」

「それで俺の力を借りたいと…」

「なんでも、ドーパンドじゃねぇみたいだからな」

「エレメリアン…でも、今は…」

「ああ。エレメリアンは侵攻を一時中断してる。だから可能性は低いと思うんだが…」

 

と話しているとバイクを止める翔太郎さん。

 

「着いたぜ」

 

広い公園に着いた。

 

途中人達が走って公園とは反対方向に逃げていたので、ここにその怪人が現れたってことになる。

 

広い公園、その噴水の近くに灰色の包帯をグルグル巻きにしたいかにもミイラ男っぽい怪人が5体、フラフラと歩いていた。

 

「行くぜ、フィリップ…」

 

翔太郎さんは黒いガイアメモリを取り出す。

 

[JOKER]

 

翔太郎さんがジョーカーメモリのボタンを押す。いつものマダオボイス。そして、翔太郎さんはジョーカーメモリをいつの間にか着けていたダブルドライバーの左側、既に右側にはサイクロンメモリが入っていた。

 

そして、ダブルドライバーを使い…

 

「変身」

[サイクロン ジョーカー!!]

 

突風を纏い変身した。

 

左側は黒、右側は緑の風都の仮面ライダー…仮面ライダーWに。

 

『やぁ、輝跡君、久しぶりだね』

 

Wの右側の赤い部分が何度か点滅する。

 

「フィリップさん、お久しぶりです」

「挨拶はいいから、さっさとやるぞ!」

「あの……ここで変身は…ちょっと…」

『大丈夫みたいだ。周辺に人、もしくは監視カメラは無いようだからね』

「なんでそんな事わかんだよ」

『あの怪人達、どうやら、人の多い所、そして、監視カメラ等が無い所を重点的に出てきてるみたいなんだ。しかも、風都限定でね』

「あの怪人達、何度も現れてるんですか!?」

「ああ。ここ数日のうちに何回もな」

『それで調査中な訳さ』

 

俺は周りを確認してみる。どこを見ても人の姿は無い。よし、これなら変身出来る!

 

「わかりました。協力します」

 

俺は右手を翳す。そして

 

「テイルオン!!」

 

光が俺の体を包みテイルエアーへと変身をした。

 

「あれ?少し変わったか?」

「ええ。腰にスラスターが…って、そんな事よりも…」

 

と話している時、一体の怪人に変化が起きる。灰色の包帯をグルグル巻きにしたような怪人は何故か光だし、液体金属のようにグニュグニュと姿を変え始めたのだ。

 

「あれは…」

『あれはヤミー!?しかしこんな事例…見た事ない!』

 

グニュグニュと姿を変えた怪人は包帯を巻いたような細い見た目から灰色のマッチョになった。包帯を手足と顔、頭に巻き付けており、その他はマッチョな男の体。ただし色は灰色。

 

「なんじゃありゃ!?」

「なんでもいい!行くぜ!エアー!!」

「ちょ!翔太郎さん!」

 

Wは次々とフラフラしている怪人を殴りつける。

俺も真似て怪人を殴る。

殴られた怪人は吹き飛び姿を光に変えて半分に割れたメダルだけがそこに残った。

二人(正式には三人)でフラフラしている怪人4体を倒した。残ったのはマッチョの包帯怪人。

 

包帯怪人は手から包帯をまるで鞭のように使い攻撃してきた。俺とWはそれを避けていく。途中俺が木の後ろに隠れたのだが、包帯が俺の隠れていた木をなぎ倒した。その瞬間に俺は隠れる、もしくは防御するという選択肢を捨てた。

 

包帯の攻撃がキツく俺もWも近づけない状況だ。

 

『包帯…翔太郎、少し試したい事がある』

「わかった」

 

Wはサイクロンメモリを外して赤いメモリを右側に付ける。

 

[ヒート ジョーカー!!]

 

マダオボイスが流れる。Wは右側が真っ赤になる。真っ赤になった右手で迫ってきた包帯をギリギリで掴む。

 

すると、掴んだら右手から炎が上がる。その炎は包帯を伝い怪人の元まで行き包帯を出していた左手の包帯ごと燃やしてしまう。

 

『弱点は火か。ならエアー、合わせてくれ。メモリブレイクだ』

「わかりました!」

 

俺はエアーメモリを取り出し、ボタンを押す。

 

 

[エアー]

 

そして、エアーメモリを腰に付いたマキシマムスロットに入れる。

同じようにWもジョーカーメモリをベルトから取り出しマキシマムスロットに入れる。

 

[ジョーカー]

 

俺の右手が黄緑色に光輝き、Wの右手が赤く激しく燃え、左手は紫の炎が出現する。

 

「フォースドライブ!!」

「『ジョーカーグレネイド!!』」

 

Wが左右に割れその間を俺が走りながら突き抜ける。そして、右側から炎の鉄拳、左からは紫の炎の拳、ラストに俺の右拳がマッチョになっな怪人の腹に突き刺さる。

 

怪人からバチバチと音がし始めた事に気が付いた俺はバックステップをして避難する。

それと同時に怪人が爆散。

その爆発した時、大量の灰色の何かが大量に弾け飛んだ。

 

足元に灰色の何かが落ちたので俺は見てみる。どうやらゲーセンとかにあるメダルのようだ。

 

「お疲れエアー」

「あ、お疲れ様です。翔太郎さん、フィリップさん」

『どうやら、ヤミーだったらしいな』

「ヤミー?何ですかそれ?」

『輝跡君、この後予定あるかい?』

「いえ。てか、今日は鳴海探偵事務所に用が…いえ、仮面ライダーに用があったので」

『そうかい。なら、待ってるよ』

 

そう言ってWは変身を解く。俺もそれに便乗して男の姿へと戻る。

この時、誰にも見られていないと思った俺は完全に気を抜いていた。

 

「何してるのよ!輝跡!!」

 

遠くから愛香の声がした。

 

俺がそちらを方を向いたら、怒っている愛香(鬼の形相に一瞬見えました)が此方に迫っていた。

 

どうやら、変身を解いた所を見られたみたいだ。

 

この時、俺は、起こった愛香の顔を見て…

 

(あ…俺、死んだわ)

 

と思っていた。




はい、復活のCはクラブギルディでした。

因みに番外編では次回予告はやりません!

輝跡「な、何だってー!」

それではまた次回。


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パート2

小説と関係無い話し

エクゼイドにて
社長、土管から復活
あれは不意討ちですわ

取り合えずどうぞ


数日前

 

テイルレッドとテイルエアーの激戦の前の日、曽テイルレッドとドラグギルディとの戦い、そしてテイルエアーとテイルシャーマが戦った場所。戦いの爪跡として融解した地面やなぎ倒された木々があるこの場所に柄物のパンツを木に吊るして歩いて来た一人の青年がいた。

 

「……なんでここはこんなに荒れているんだ…?」

 

激戦の爪跡を見ながらここで何が行われたのか推察してみる。そこから、ここで誰が戦ったのだと気付くのは時間の問題だった。

 

直ぐ様誰がここで地形を変える程の激闘を行ったのだと結論をつけ、激闘を行った者達の特定を始めた。

 

(こんなに激しい傷跡をそこら辺に残したんだ…かなり強い奴同士が戦ったに違いない。それに、もしかしたら、あれに関して手かがりがあるかもしれない)

 

この青年はそう考えて融解した地面や倒れた木々を調べる。そして、二つの破片らしき物を見つける。赤と青の二色の破片。大きさはとても堅いのは手に持った感じでわかったがそれに比例しない程軽い。

 

この破片がこの場で戦った二人の装甲の破片だということは、その二人のメカニックのみが知ること。

 

そんな事を知らない青年は右手の掌に二つの破片を置いて良く見てみる。すると、その破片は光を放ち破片から赤と青の二つのメダルへと形を変えてしまった。

 

「これは!?コアメダル!?」

 

その青年はそのメダルを見て左手を使って左のポケットから割れた赤いメダル、そして赤いメダル、黄色いメダル、緑色のメダルを取り出し、光を放ち形を変えたメダルと見比べる。

 

「……レプリカ…じゃなさそうだな…」

 

そう言って青年は全部のメダルを左のポケットに入れておもむろに歩き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘が終わり、変身を解いた直後、俺に走って向かってくる愛香。

その間、メダルをせっせと集める翔太郎さん。

 

「待ってくれ!愛香!」

 

その言葉で愛香は俺の前で止まる。

 

「なんか理由あるの?」

 

その間にメダルを集め終えビニール袋に入れた翔太郎さん。

 

「輝跡、俺は先に事務所で待ってるから」

「わかりました」

 

翔太郎さんはそう言うとバイクに乗り事務所に向かっていった。

 

「あの人誰なのよ」

「えっとね、あの人達の事を話そうと思って今日は来たんだよ。さて、事務所に行こう」

 

そう言って歩き出す。

 

「……」

 

無言で俺に着いてくる愛香。ある意味プレッシャーがヤバイ。

 

その後、歩いている途中でバテている総二と慧理那先輩、そして倒れている(疲れにより)トゥアール、それを介護していた尊先生と出会い鳴海探偵事務所に向かった。

 

一時間後

鳴海探偵事務所に到着した。

 

「お邪魔しまーす」

 

そう言いながら鳴海探偵事務所に入る俺達。そこには椅子に座りならがらタイプライターを坦々と打ち込む翔太郎さん、そして横で壁に背を付けながら本を読んでいるフィリップさんがいた。

 

「あ!あんたさっきいた…」

「ああ、輝跡になんか言おうとしてた嬢ちゃんか」

「えーと…まず、紹介するよ。こちら鳴海探偵事務所の探偵、左翔太郎さんとその唯一無二の相棒フィリップさん。実は、このお二人が俺に協力してくれてた人達なんだ」

「この人達が!?」

 

愛香の声が響く。

 

「で、翔太郎さん、フィリップさん、ここにいるのが俺と同じ部活、ツインテール部の部員、愛香と慧理那先輩、トゥアール、部長の総二、おまけの顧問の尊先生です」

「おい、私がおまけなのはおかしくないか?」

 

尊先生はスルー。

 

「…で、この人達を僕たちに紹介するということは、何かあるってことだね?」

 

フィリップさんが話を切ってくれたので本題に入る。

 

「ええ。まず、翔太郎さん達の事を話していいですか?」

「構わないよ」

「実は翔太郎さんとフィリップさんは…………仮面ライダーなんだ」

 

暫くの沈黙後

 

「「「「えーーーーー!!」」」」

 

驚くツインテール部の面々。

 

「噂ってのは本当だったのか…」

 

仮面ライダーを知っている総二はそこまで驚いた表情は無かった。

 

「あ、あの……」

 

何かモゾモゾとしている慧理那先輩。暴走するなよ…

 

「さ、サイン………よろしいでしょうか?」

 

そう言って慧理那先輩が紙を渡そうとするが、俺はその紙がただの紙ではなく、ここにいる独身女性こ名前が書かれている紙だということに気付く。

 

「おい、これ、婚姻届じゃねーか!!」

「は!!私、いつの間に!?」

「お嬢様!?いつその紙を!?」

 

どうやら、あまりにも興奮しすぎたようで、普通の紙と婚姻届を間違えてしまったようだ。それに、尊先生はその事に気が付かなかったという、意味わからんハプニング付き。

 

「な、なんで輝跡が仮面ライダーと知り合いなのよ!」

「話すと長くなるけど…その前にみんなの事言っていいか?」

「いいよ」

「ちょ!総二!」

「同じ世界を守ってる者同士だし、仲間は多い方がいいよ」

「……」

 

愛香が無言になった。

 

「いいよな?トゥアール」

「ええ。構いませんよ」

 

と、許可も出たので言ってしまおう。

 

「えーと、フィリップさん、翔太郎さん」

「なんだ?」

「なんだい?」

「こちら、ツインテール部改め、ツインテイルズです」

 

「「…………」」

 

暫くの沈黙。

 

「なあ…輝跡…病院行こうか…」

「翔太郎さん、俺は常に平常ですよ」

「……もし、輝跡君が本当の事を言っているのだとしたら……うむ、あり得ない話しじゃなさそうだね」

「流石!フィリップさん。話がわかる」

「俺は信じねーぞ」

「総二、変身してみて」

「え…いいのか?」

「百聞は一見にしかずって言うし、変身すれば翔太郎さんは信じてくれると思う」

「わかった。テイルオン」

 

総二の体が光に包まれ一瞬にしてテイルレッドへと姿を変える。

 

いきなり現れたテイルレッドに驚いた表情の翔太郎さん。なるほどと小さく呟きながらテイルレッドを舐め回すように見るフィリップさん。レッドはフィリップさんに見られて少し頬を赤くしていた。

 

「ちょ!そんな風に総二を見ないで!!」

 

そう言って愛香がフィリップさんの視線を邪魔しようとする。

 

「うむ、実に興味深いね…これを作ったのは…君かい?」

 

そう言ってトゥアールを指差す。流石フィリップさん。誰が開発したのか直ぐにわかったみたいだ。

 

「ええ。この天才科学者トゥアールさんが作りました!!」

 

トゥアールは自分で堂々と胸を張って答えた。そのむね肉に飛び込んでもぎ取ってやろうと目を光らせてる愛香が近くにいるが、あえて言わないでおこう。面白そうだし。

 

「えーーーーー!」

「ぎゃーーーーーーー!!」

 

驚いて完全に固まっていた翔太郎さんが遅れてリアクションをする。

それと当時に愛香がトゥアールに飛び込んでトゥアールをフルボッコにし始めた。

 

「テイルレッドは男!?マジかよ…」

 

左手で顔を隠す翔太郎さん。

 

「あの……輝跡君とはどこで知り合ったんですか?」

「ああ…それは…」

 

と翔太郎さんとフィリップさんが第6話で話した事を改めて話してくれた。それを目を輝かせて聞いている慧理那先輩、目の輝きが翔太郎さんとフィリップさんに向いている尊先生、慧理那先輩の横でまずまずと聞く総二、その後ろで一方的に殴っている愛香に殴られてるトゥアール。

うん、平和な感じだ。(総二は話を聞く前に変身を解いたよ)

 

話しが終わった後、個々に翔太郎さんやフィリップさんと話し始める総二と慧理那先輩、そしてトゥアール。愛香は未だに二人を警戒しているようだ。

 

「あれ?尊先生、どうしたんですか?」

 

いつもよりも出番基テンションが無い独身女性、どうしたのだろうか?

 

「いやな…予想以上にその翔太郎とフィリップとやらがかっこよくて…見とれていた…」

「大丈夫ですか尊先生!?熱でもあるんですか!?」

「なんだ、輝跡、私がかっこいい男に見とれていた事がそんなに驚くことなのか」

「いや、ここはいつものテンプレで婚姻届を渡して断られるパターンじゃ無いんですか!?」

「私も本当は渡したい………だが、あのイケメンを独占して良いのだろうか…」

「あんた本当に尊先生ですか!?」

「ぐぬぬ…婚期を逃してはいけない…だが!あんなイケメンに婚姻届を渡して断られると私の心に深い傷が残ってしまう!」

「それが本音だろ!てか、何度もその傷負ってるだろ!」

「……よし!決めたぞ!今から二人に婚姻届を!」

 

と言って尊先生は翔太郎さんとフィリップさんのもとへ行ってしまった。

俺は来客用の席に座って話している皆を見る。

 

「…」

「うぉ!?愛香…いたのかよ」

 

いつのまにか隣に座っていた愛香。マジ驚いたわ。

 

「さっきからここにいたわよ。てか、あんたが隣に座ってきたのよ」

「そうだったのか…」

 

そう言って俺は愛香の方を見直す。いや~ツインテールが綺麗ですな。

 

「何よ?」

「いや…そういや、なんでさっきから翔太郎さんやフィリップさんを警戒してるの?」

「警戒…っていうか…なんていうか…」

 

さっきから総二が翔太郎さんやフィリップさんと話して楽しそうにしている。(慧理那先輩はもっと楽しそう)

それを見て愛香の表情は不機嫌になったり、時には翔太郎さん、フィリップさんを一瞬睨めつけたりする。

もしや…

 

「愛香さ…総二にかまって貰えなくてちょっと嫉妬してるでしょ?」

「はぁ!?ばばばば、馬鹿言わないでよ!」

 

と言って思いきりグーパンを右ほほに喰らう。

 

一瞬、お花畑が見えた…気がした。

 

殴られて直ぐ、気を失う寸前で何とか持ち直して俺は愛香の方を向く。右ほほが凄く腫れているのだが、ここは気にしないでおこう。(本当はダメだよ)

 

「ご、ごめん…」

「大丈夫、気にしないで」

 

と言うが少し籠った声になってしまっている。

 

そんな時だった。トゥアールの方から大きな音が鳴り響く。この音は…

 

「総二様!慧理那さん、愛香さん、オマケの輝跡さん!「俺、オマケ!?」エレメリアンです!!」

「「「「「「な、なんだってー!!」」」」」」

 

トゥアールとフィリップさんの声以外がハモった。ありえない事が起きているのだから、しょうがない。

 

「今、アルティメギルとは休戦してるはずでしょ!?」

「ええ。アルティメギルがそれを裏切るなんて、正直考えられませんが、エレメリアンを感知したのでこの音が鳴ったんです!さて、皆さん、出撃してください!!」

 

そんな時に、翔太郎さんの電話が鳴り電話に出る翔太郎さん。数秒後、翔太郎さんは少し焦った顔をしてトゥアールの方を見る。

 

「おい、そこの爆乳娘!「爆乳!?」そのエレメリアンの出現位置わかるか?」

「ええ」

 

そう言ってトゥアールは胸の間からペン程の物(ワープ装置に似ている物)を取り出してその物を作動させる。すると、地図らしき物が半透明な青いスクリーンに展開される。

 

「ここは…風都の公園みたいですね」

「ちっ!!予想的中か!」

「予想?」

「さっき警察から連絡があったんだよ。怪人がまた現れたって。もしかしたらって思ったら、怪人の場所とエレメリアンの場所が一緒だったんだ」

「ってことは、その怪人はエレメリアンって事ですね」

「当たりだ。総二」

「兎に角、出撃しないと!翔太郎さん!手伝ってください!」

「しゃあねぇな!!」

「あ、すまないが翔太郎、僕は少し調べたい事があるから、一人で変身してくれ」

「私も、フィリップさんと調べものがあるので、オペレート出来ません。なので各自戦ってください」

「トゥアールがオペレートした事ってあったか?」

「無いわね…」

「取り合えず、変身しよう!」

 

俺の言葉で頷く皆。翔太郎さんはダブルドライバーの左側のない奴を腰に着ける。そして、黒いUSBメモリを取り出す。

 

[JOKER]

 

ゲンドウボイスが鳴り響く。

 

「変身」

「「「「テイルオン!!」」」」

 

翔太郎さんがメモリをドライバーに入れて起動させるのと同時に俺達戦闘要員の四人が光に包まれる。

そして、それぞれテイルレッド、テイルブルー、テイルイエロー、テイルエアー、仮面ライダージョーカーに変身した。

 

そしておもむろにワープ装置を起動させてエレメリアンの出現位置にワープしたのだった。

 

 

 

 

 

 

公園に到着する。

 

「おおお!?今のは!?」

「ワープ装置を使いました」

「ワープ装置?ってここは…」

「目的地の公園ですよ」

「俺、バイク置いて来ちまった…」

「ちょっと!あれ!!」

 

ブルーが指を指す。その方向にはミイラ男のような奴が30体、そのマッチョ形態が3体、そして、その中央に俺は見たことのあるエレメリアンを見つけた。

 

「あれって…クラブギルディ!?」

 

曽倒した自称アルティメギル一の俊足、そして項を愛した変態である。

あいつは確かに俺が倒したはず…

 

「おい、あいつ、エアーが倒したはずだろ!?」

「どうなっているのですか?」

「なんだ?前に倒した奴なのか?」

「ええ。僕が倒したエレメリアンなのですが…」

「復活したのか!?まあ、理由はともあれこの街を泣かせる奴は許しておけねぇ!」

 

そう言って翔太郎さんこと、仮面ライダージョーカーは怪人達に向かって走っていってしまった。

 

「追い掛けるわよ!レッド、イエロー、エアー」

 

ブルーの一言によって俺達も怪人の群れに突っ込もうとした。その時、俺の視界からクラブギルディが消えたのだ。瞬きをした瞬間。そして、背中から何やら視線を感じた。

俺と同じように視線を感じたブルーが俺と同じタイミングで後ろを向いた。

そこには、クラブギルディが既にいた。

大きい鋏とその甲羅は蟹をイメージさせる。だが、明らかに、前より鋏は大きくなっており、色も全体的に青く…そう、まるでガ〇ガ文庫の裏表紙の色のように真っ青になっていたのだ。

 

「フフフフフフ…いい項だ…これ程の項…もっと眺めていたいものだな…」

 

その言葉を聞いてレッドとイエローも振り替えり、クラブギルディを黙視した。

だが、それと同時にレッドはさっきの声の気持ち悪さに(男の時の自分と同じ声なのに、めっさキモい声で笑っていたため)顔を青くしていた。

 

「お前、クラブギルディだな!?どうして生き返った!?」

 

俺は核心的にクラブギルディを指差して言った。

その問いに対してクラブギルディは不適に笑いながら此方を見つめる。

 

「生き返ったのではない。転生したのだ。それに、私は元クラブギルディで今はキャンサードギドミィと名のっている」

「お前、エレメリアンじゃ無いのか!?」

「エレメリアンであり、ヤミーであり、ドーパンド。項を見るために進化した最強の戦士だ」

 

最強の戦士って所だけ見るとかっこいいけど、項を見るために進化って付けたらなんか残念感半端ないよな…

 

「まあ、いいわ。取り合えず、倒せばいいだけの話しよ!」

 

そう言ってブルーがキャンサードギドミィに殴りかかったが、既にキャンサードギドミィはそこにはいなくなり、ブルーの拳が空を突いた。

 

「速い!?」

 

皆でキャンサードギドミィを探す。

遠目でジョーカーがミイラ男のような怪人達と戦っているのが見えた。

だが、一瞬にしてジョーカーの体から火花が発生し吹き飛んだ。

 

「ジョーカー!!」

「ジョーカー先輩!!」

 

俺とイエローが叫ぶ。

俺達は直ぐ様ジョーカーの元へ向かう。ジョーカーはかなりのダメージを受けたようで立てないでいた。

ジョーカーの元へたどり着きジョーカーに肩を貸す。

 

「ぐ…油断したぜ…」

「いったい何が…まさか!」

 

直感でキャンサードギドミィの攻撃だと感じた俺は直ぐ目の前の怪人達を見る。

そこには、既にキャンサードギドミィがいた。

 

「ツインテイルズ…項のふつくしい者達よ!必ずお前達を倒し、幹部達のともらいをさせて貰うぞ!!」

 

そう言って何処かに行ってしまうキャンサードギドミィとミイラ男の怪人達。

 

追おうとしたブルーやイエローは怪我をしたジョーカーを見ていたレッドと俺に追う事を止めさせられ、歯がゆい感じを残し、撤退したのだった。




またまた関係無い話し。

豪快な黄色は今、九人のピンク。

では、また次回


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パート3

実は、このお話、一年前に書き終わったものだったりします。

後、この俺、ツインテールになります。AIRs HERO は二周年(半年程活動してなかったが)になります。
ありがとうございます。

では、本編どうぞ


とある工場跡地

そこに、一人の青年がいた。数日前破片を拾った青年だ。その青年はこの工場跡地にて黄色い破片を見つける。

案の定、黄色い破片も、彼が持った瞬間、黄色いメダルへと変化した。

 

(これは…いったい…)

 

結論は出ない。このメダルが何なのかは…

 

ポケットから割れた赤いメダル、そして、赤いメダル、黄色いメダル、緑色のメダルを取り出し、見比べる。後者の三枚は実はオリジナルのメダルではなく、その力が入ったレプリカ。ある社長から貰った物で、何かの役に立つと思い持ち歩いているのだ。

だが、所詮レプリカ。一回このメダルを使ってしまえば、割れて使えなくなってしまう。

 

それを承知しながらも、破片から変化した三枚のメダルとレプリカの三枚、そして割れたメダルを見比べる。

 

(やっぱわかんないな…そうだ!確か探偵の事務所が近くにあったはずだ!!)

 

そう思い付いた青年…火野映司は探偵のいる都市…風都に向かって歩き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撤退を余儀無くされた俺達は、ワープ装置を使い怪我をした翔太郎さんを鳴海探偵事務所に運び入れ、ソファーに寝かせたのだった。

 

「なんでクラブギルディが復活してるのよ!!」

 

壁を叩く愛香。壁の一部がへっこむが見なかった事にしよう、そうしよう。

 

「トゥアールに聞くしか…ってトゥアールは?」

 

鳴海探偵事務所に戻って来たとき、トゥアールとフィリップさんの姿がみえなかった。(尊先生もいなかった)

試しにトゥアールに電話をしてみるが繋がらない。

 

「もーー!こんな時になにやってんのよ!あの馬鹿は!!」

「落ち着けよ、愛香」

「ああ、そうだぜ…ブルーガール」

 

そう言いながら立ち上がろうとする翔太郎さん。慧理那先輩は直ぐに駆け寄り寝かせようとする。

 

「そのお怪我ではまだ…」

「大丈夫だ。ただの掠り傷程度だ」

 

そう言いながらも慧理那先輩に無理矢理横にされてしまう。

 

「これからどうするか…だな…」

 

総二の言葉で俺達は俯く。

正直クラブギルディ…いやキャンサードギドミィの強さはアルティメギルの幹部並み、しかもジョーカーを一瞬で戦闘不能にしたほど。

 

神速からの攻撃は避けられないだろう。それこそ、俺のテイルタイマーがあれば良かったのだが、壊れてしまったし、製作者のフィリップさんがいないのでどうしようも無い。

 

そんな時に総二のスマホに着信がくる。着信相手はこの場にいない人物。

 

「トゥアールからだ」

 

そう総二が言った瞬間、愛香がスマホを横取り通話を始めてしまう。

 

「ちょっと!トゥアール!!何処に…」

 

そこで総二がスマホを取り返して電話に出る。しばらく頷いたり受け答えした総二はスマホの通話をスピーカーにして話をする。

 

『えー…今、私とフィリップさんは秘密基地にてあるものを作成しています。それに、キャンサードギドミィの事もちゃんと見てました。正直、キャンサードギドミィは強敵です』

「それはわかってるわ」

 

少し起こり気味に答える愛香。ってかマジ怒ってますよね…。

 

『ですが、同時に弱点もわかりました』

『奴の弱点、それは速すぎることだ。キャンサードギドミィは全ての力をスピードに利用している。体はそのスピードに耐えられる用に進化はした。だが、それを行う足には超スピードの反動で熱が溜まる』

 

そう言ってトゥアールの声が途切れフィリップさんの声に変わった。

 

『ちょ!フィリップさん、私の話すこと無くなっちゃいますよ!兎に角、キャンサードギドミィは足に爆弾を持ってるって事になります!!ある程度スピードを出せばあの青蟹は暫く脚の冷却をしなければなりません、そこが奴の弱点です!!』

『だが、奴はドーパンドとヤミー、エレメリアン、更にはゾディアーツの要素まで入っている…』

「待ってくれ、俺はドーパンドの事は知ってる。けどヤミーやらゾディアーツは知らない」

 

ドーパンドは前に戦ったからわかる。でもヤミーやらゾディアーツは知らない。

 

「ヤミーってのはな…」

 

その声が聞こえた方向には無理矢理起き上がろうとする翔太郎さんがいた。

 

「翔太郎先輩!!」

 

それを起こさないようにする慧理那先輩。

 

「ヤミーってのは、簡単に言えば欲望の怪物さ…」

「欲望の怪物!?」

『それにゾディアーツ…これも、別のジャンルの怪人さ』

 

フィリップさんの声が総二のスマホから聞こえてくる。

 

「実はな、数週間前にあるガイアメモリが流失した。それは俺達の目の前で海に投げ入れられた…だが…どうやらあのキャンサードギドミィが使っているらしいな…あのスピードとパワー…エレメリアンとヤミー、ただのドーパンド程度じゃ無理な話だ」

『僕達が追っていたガイアメモリ…いや、この場合ゾディアーツメモリと言った方がいいかな。ゾディアーツメモリはその名の通り、ゾディアーツの力をドーパンドとして使える特殊なメモリ。それを体内に入れる事によって規格外な怪人が生まれた…それがキャンサードギドミィ…』

『実は現在それに対抗するためにある装置を作っています。それまでは待機して欲しいのですが…』

「その装置が宛になるの?」

『いえ…正直言えば賭けです。でも現状キャンサードギドミィに勝てる方法はこれしかありません』

 

確かに…トゥアールの言っていることは本当だ。でも…

 

「俺の使ってた加速装置を使えばいいんじゃね?」

「輝跡さんの言う通りですわ!」

 

俺の使ってた加速装置ことテイルタイマーなら同じ土俵で戦えるはずだ。

 

『輝跡、悪いがあれは特殊な装置で、現状あれを再現することは出来ないんだ…』

 

フィリップさんが俺の案を否定する。

 

「俺のフォーラーチェインで対抗出来ないか?」

『総二様のフォーラーチェインですと、22秒が限界です。それに対してキャンサードギドミィは予測では30秒から255秒間、神速を保ってられると考えられます。なので正直厳しいですし、防御面が下がっているフォーラーチェインですと反撃を受けた際のダメージが予測出来ません』

「そうか…」

「俺の二束自由(ツイーダム)は?あれなら直感で避けれるかも……あ、あれ22秒しか持たなかった…」

「そーじと輝跡が交互に戦ったとしても44秒が限界…って事になるわね…」

「あの…私がマンドラゴラギルディに使った項後属性と割腹筋属性の属性玉多重変換機構で束縛するというのはどうでしょう?」

『正直難しいかもしれません。スピードが違い過ぎ、捕縛出来ません。それに、もしキャンサードギドミィの力が慧理那さんのツインテールを破ってしまったら…』

「そうだ!慧理那!お前のツインテールとお前自身傷付いてしまう!!」

「観束君…」

 

少し顔が赤くなってまるでヒロインのような恋をした顔になってる慧理那先輩。でも正直に言ってしまおう。

 

「総二…慧理那先輩の前にツインテールの方心配したよな…」

「当たり前じゃ無いか!!」

 

総二よ……いくらツインテールの戦士とはいえツインテールばかり優先し過ぎではないだろうか…

 

「はぁ…総二はツインテール馬鹿だから…んで、トゥアール、その対抗するための装置ってのは後どれくらいで出来そうなの?」

『最低一時間程で形には出来ると思いますが…先程フィリップさんとの話で適当に決めた理論を形にするので、多分、使えるのは一回きりになると思います』

「適当に決めたって……」

「でも、今はそれに賭けるしか無いんだろ?」

 

総二が言った事が今の結論となる。

 

『現在キャンサードギドミィは風都近海の海中にて息を潜めていていつ現れるかわからない状態だ。でも、脚の冷却をするためにかなりの時間が必要になると思う。先程の戦闘でキャンサードギドミィが加速した時間は合計10秒。冷却にかかる時間は予測では約10分から100分の間。その間いつでも出撃出来る準備をしておいてくれ。それと翔太郎』

「なんだフィリップ?」

『大丈夫かい?』

「心配しなくても、10分あれば回復出来る」

『まあ、翔太郎のことだから無理でも行くだろけどね。僕も、装置を完成させた後、直ぐにこちらに向かうから』

 

そうフィリップさんが言って電話が切れる。

先程の電話により既に戦闘から10分は経過していた。

 

「愛香、慧理那、輝跡、いつでも出撃出来るように準備しておけよ…」

「わかったわ」

「わかりましたわ」

「そんな事よりおうどん食べたい…」

 

正直に腹減った…

こんな時でもお腹は空くものなのだ。

 

「……ツインテイルズにまともな奴いねぇ…」

 

端から見た翔太郎のツインテイルズへの感想がそれだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火野映司は風都に到着した。

 

「久々に来るな…この街…」

 

風都名物、風都タワーを遠目に見ながらパンツをつる下げた木の棒を持ちながら探偵のいる場所を探していた。

だが、探偵と言っても特徴が思い出せない。それと名前も。

 

「…誰かに聞くか…」

 

そう独り言を呟きながら歩き出したのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風都近海の海中

 

キャンサードギドミィは脚にたまった熱を冷却させていた。

たった10秒加速し、黒い仮面の男にダメージを負わせただけでかなりの熱が貯まってしまった。

 

(エレメリアンの時はこんな事は無かったのに…)

 

確かに、精神力が力、そして肉体に結び付くエレメリアンならばあり得なかった。だが今はセルメダルの集合、そしてガイアメモリというエネルギー体を身体に入れた状態。それはほぼ肉体と言ってもいい程。しかし、人間のように貧弱では無い。それでも、肉体があるのと同等。限界がある。

 

冷却させるのにどれくらい立つかまだわからない。

海の中で力の制御を行っていたキャンサードギドミィは地上で使うのは先程の戦闘が初めてだった。そのため、ここまで脚に熱が溜まるとは思っていなかったのだ。

 

(これではいつになれば…)

 

脚のセルメダルが少しずつ冷却されていくのがわかる。だが、それでも熱はまだある。

これがもし地上で冷却していたら、もっと時間はかかってしまっただろう。

 

しかし、冷却が始まってしまえば、冷やすという事は直ぐに終わってしまう。

 

(黒い仮面の男…奴は倒した…だが、問題はツインテイルズだ。特にエアー…奴は俺よりも速い…)

 

仮面の男…ジョーカーにあの一瞬で67発もの打撃を背中に与えた。確実に倒せたと確信していた。だが、ジョーカーの変身者、左翔太郎は怪我こそはしたものの、まだ戦意喪失していなかった。

それに、キャンサードギドミィは勘違いをしていた。

エアーが使った加速能力が無くなっているということだ。

しかし、そんな事を知らないキャンサードギドミィは、頭の中でエアーへの対策、そして先程見たツインテイルズの項を思い浮かべ総二ボイスでキモい悪い顔をするのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おうどんが食べたくなった俺はある提案を残ったメンバーに投げ掛ける。

 

「あのさ、なんか飲みたい物ある?今からコンビニに行って買ってくるけど?」

「輝跡…今の状況わかってるのか?」

「いや、だって、ツインテイルズとしては、常に自然体の方が力出るじゃん?なら、自然体にやるしか無いと思ったんだよ」

「そうか…そうだよな!なら、俺はお茶」

「わ、私もお茶を…」

「なら、私、スポーツドリンクお願いするわ」

「そういやコーヒー無くなってたな…悪いが輝跡、缶コーヒーでいいから買って来てくれないか?」

「わかりました!!」

 

ということで、鳴海探偵事務所にて待機していた俺は近くのコンビニまでワープ装置を乱用して、先程待機していた学生三人と探偵一人から頼まれた物を買いに行っていた。

と言っても頼まれたのは飲み物。

コンビニにてお茶を三本、缶コーヒー一本、スポーツドリンク一本、ど〇兵衛(うどん)一つを買って(この時点で俺パシリじゃね?と疑問を持ったが、会えてスルーする)またワープ装置を使い鳴海探偵事務所に戻った。

 

そして、翔太郎さんから許可をいただきお湯を沸かしてど〇兵衛にお湯を注ぎ、5分待つ。

 

「…それにしても、現れないわね…」

 

愛香がぷつりと呟いた。確かにそうだ。

 

「既に30分は立ってるな…」

 

総二がスマホの時間を見て気にしながら何分経過したかペットボトルを左手で持ちながら報告する。

 

俺はその話を聞きながら、ど〇兵衛の蓋を開けて食べ始める。

いつキャンサードギドミィが現れるか少し冷や冷やしながら食べる。

でも、一行に現れる気配がしなかった…

 

それから更に30分後。

 

待っているのが辛くなってきた頃、総二のスマホが鳴り響いたのだった。




輝跡「もう2年になるのか~」
だが、物語上、輝跡はまだ高校一年生
輝跡「それは……いうなよ~」
取り合えず、二周年、ありがとうございます。


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パート4

番外編が予想以上に長い……

やりすぎたかな?

あ、感想等あれば気軽にどうぞ。

では、本編どうぞ。


総二のスマホからの着信。それはトゥアールからのものだった。用件は二つのうちどちらか。

良い知らせと悪い知らせ。

 

着信に出てスピーカーにする総二。

 

『総二…キャンサードギドミィが現れました』

 

どうやら、後者だったようだ。

 

「まだその装置っての完成しないの?」

 

愛香の発言に対し

 

『後少しで完成します!それまで、なんとか耐えてください!!』

 

そう残して着信は切れる。

出現場所の表示は既に総二のスマホに送信されていた。その場所は先程戦った公園だった。

 

「じゃあ、行こうか…」

 

力なく総二が先陣を切った。

 

「すまねぇが、先に行っててくれ。俺はフィリップと一緒に行く。それに、ジョーカーじゃ、またやれちまうかも知れねぇからな」

 

ソファーに横になりながら翔太郎さんはそう言った。

 

「やりましょう!!こんな絶望的な時でも、いつも通りに!!」

 

慧理那先輩の言葉が響く。

それに頷くツインテイルズの戦闘メンバー。

 

「行くよ!!」

「「「「テイルオン!!!!」」」」

 

四人の言葉が重なり、四人とも光に包まれ、そして、正義のヒーローことツインテールのヒロイン、レッド、ブルー、イエロー、エアーへと変身した。

 

レッドが転送装置を使いあの公園へと移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園に到着すると、そこにはキャンサードギドミィとミイラ男のようなフラフラしている奴等(屑ヤミー)が三十体と包帯マッチョのヤミーが二体いた。

 

「ブルー、イエロー、あのマッチョ頼めるか?」

 

作戦は、俺とレッドが何とかして時間稼ぎをする。

別に倒してしまってもいいのだろ??( º∀º )?

みたいな感じでどや顔したいけど、キャンサードギドミィの強さはマジ冗談にならない。なので、あえてフラグは建てないようにしておきたい。

 

「わかったわ」

「わかりましたわ。私達も倒し終わったら直ぐ可戦しますわ」

 

そう言ってブルーとイエローはマッチョ包帯ヤミーと向かい合う。

 

俺とレッドはその間に屑ヤミーを倒しながらキャンサードギドミィに向かって行くのであった。

 

 

 

ブルーside

 

ブルーは直感的にこの包帯マッチョヤミーがかなり強いと感じていた。

強い相手と対峙することは幾度となくあった。だが、それはエレメリアンや人間など理性がある相手ばかり。だが、目の前にいるヤミーは違う。どちらかと言えば、獣。見た目は人形マッチョメンだが、中身は相手を倒すだけの獣である。

そう直感したのだ。

 

最初に動いたのは包帯マッチョヤミー。ヤミーは両手両足から包帯を飛ばす。だが、その攻撃としては威力など皆無であり、目的は違うもの。

 

ブルーはその攻撃を避ける。だが右にステップを踏んだ際遅れた右足に包帯が巻き付きバランスを崩し倒れてしまう。次に左足、右手、左手と包帯が巻き付く。

 

「くっ!?何なのよ!!」

 

何とか立ったブルーではあるが、両手両足全てに包帯が巻き付き、まるで傀儡のような状態になってしまう。

 

「この!」

 

力強く右手を引く。しかし、包帯で繋がった包帯マッチョヤミーはビクともしない。

包帯マッチョヤミーは不適に笑っているだけ。

 

実は、包帯マッチョヤミーにはこれといって執着する欲等無い。ヤミーから生まれたヤミー…力こそ、ヤミーと匹敵するが、知能はそれ以下。現在、ブルーと対峙している包帯マッチョヤミーはブルーを倒す事だけを前提に考えて行動している。逆に言えば倒す事を考えているだけで倒す過程は頭に入っていない。

要するに、現在、包帯マッチョヤミーはブルーの四肢を封じた状態でどうやってトドメを刺すか無い知能を使って考えているのだ。

 

「ドリャ!!」

 

そんな事を知らないブルーは先程の数倍もの力で右手を引く。

元々のステータスに加えて属性力の力が加あっているブルーこと愛香。ステータスが天元突破してると言っても可笑しくない愛香の怪力にスピリティカフィンガーにより更に凶悪になったパワー。そのパワーにいくらヤミーとは言えパワー負けしてしまい、ブルーの方へ飛んで来る包帯マッチョヤミー。

 

「オリャ!!」

 

迫ってきたヤミーに対し左拳を一撃腹部に決めて逆方向に飛ばすブルー。その時に繋がっていた包帯も全て切れてしまう。

 

「全く、余計な手間かけさせ……え!?」

 

力なくへたりと膝を付いてしまうブルー。

 

「まさか…力を吸ってたの…!?」

 

包帯マッチョヤミーはただ束縛するためだけに包帯を巻き付けた訳では無い。確実に倒すために本人に気付かれないように力を吸っていたのだ。

力を吸っていた包帯マッチョヤミーはブルーの拳をまともに喰らったのにたいして普通に立ち上がった。

 

「近接は危険…ね…なら、一発で終わらせて殺るわ!!」

 

ブルーはウェイブランスを取り出して、それを杖変わりにして立ち上がる。

近接戦を得意とするブルーにとって、遠距離からの攻撃は属性玉変換機構とエグゼキュートウェイブのみ。だが、まともな属性玉変換機構による遠距離攻撃は口から光線を出すやつのみ。防御のため貧乳属性の属性玉を使えばいいが、愛香本人として使いたくは無い。

残る選択肢は一つ。

 

「オーラピラー!!」

 

ブルーは空へと青い閃光を放つ。その閃光は暫くして包帯マッチョヤミーを束縛する。効いているかどうかわからないが、ヤミーの動きは完全に止まった。

 

「完全解放!!エグゼキュートウェイブ!!」

 

完全解放をし、直ぐ様ウェイブランスを投擲する。ブルーの必殺技。ウェイブランスは青き鋭い閃光へと姿を変え、包帯マッチョヤミーを貫く。現在全てのエネルギーを注いだ必殺技。

 

オーラピラーによって束縛され、エグゼキュートウェイブを受けた包帯マッチョヤミーは、不適な笑みをしながら、オーラピラー内にて倒れ爆散した。

 

「後は…頼んだわよ…レッド…エアー…」

 

大量のセルメダルがオーラピラーが終了した地点に降り注ぎ、それを見ながら、ブルーは倒れこんだ。

 

 

 

イエローside

 

包帯マッチョヤミーと対峙するイエロー。

 

包帯マッチョヤミーは不適に笑いながら包帯を飛ばしてくる。この包帯はブルーが受けた束縛の攻撃では無くエアーやWに使った名目な攻撃であった。

 

「はぁはぁ…出し惜しみはしませんわ!!」

 

最初からクライマックスな状態のイエロー。理由は簡単。先程の戦闘にて脱げ無かったから。レッドが見ていないため脱ぐ快感は少ないが二回目の変身、しかも、まるで「俺は構わず先に行け」みたいな展開が更にイエローの身体を熱くした。

 

全ての銃口を包帯マッチョヤミーに向ける。

 

そして、ツインテールをアンカーにして完全脱衣形態にして雷の弾丸を打ち出す。

 

包帯マッチョヤミーの攻撃に利用されている包帯の数は四。しかし、イエローが打ち出した雷の弾丸の数は何百。数の暴力である。

包帯は雷の弾丸により次々と燃やされ攻撃の意味を無くし、無数に飛ぶ雷の弾丸により確実に包帯マッチョヤミーにダメージを負わせ傷口からセルメダルが飛び散っていた。正直相性的に言えばイエローの勝ちである。

 

イエローの砲撃は確かにヤミーに当たっていた。だが、その砲撃の大半が外れていたのも事実。用は、余計にエネルギーを使っているのだ。

 

ボロボロになっている包帯マッチョヤミー。イエローは武装をパージしていく。全ての武装をパージし、黄色い装甲よりも肌色が多くなっているイエロー。顔は快感に溺れる女の顔である。

ボロボロになってしまっている包帯マッチョヤミーは少しずつイエローに迫る。だが、だめ押しと言わんばかりにイエローの武装が自動的に砲台へと合体し、合身巨大砲へと変わる。

 

「完全解放!!オーラピラー!!」

 

合身巨大砲から放たれる黄色い閃光によりフラフラなのに拘束される包帯マッチョヤミー。

イエローはジャンプし合身巨大砲の前に出る。そして

 

「ヴォルテックジャジメントーーー!!」

 

と自らを雷の弾丸へと変え、包帯マッチョヤミーの身体を貫き、ツインテールをアンカーとして使い地面に跡を残しながら止まる。

 

拘束されている包帯マッチョヤミーはイエローに一撃もあたえる事が出来ず、オーラピラー内にて爆散。セルメダルが飛び散った。

 

「はぁ~」

 

と呟いたイエロー。

やっと脱衣でき、更にはヒーローとしてかっこよく敵を倒せた。その快楽に快楽の笑みをしながら無駄なエネルギーを使いすぎたために倒れこんだ。

 

この時のイエローの笑みは純粋そのものだった。

 

 

 

レッド&エアーside

 

屑ヤミーを倒しながらキャンサードギドミィの元へ向かうレッドと俺。

屑ヤミーは弱く、一撃で倒せる。暫くすると、全ての屑ヤミーを倒してしまう。

 

「レッド…エアー…お前達と戦えて…そして我が同胞の仇を打てて…私は嬉しいぞ!!」

「仇を打てるなんて思わない方がいいぜ!俺もエアーも前より強くなってるんだからな!!」

「そうか…だが、レッドとエアーのみ強くなっても意味は無いぞ?」

「ブルーやイエローだって強くなった!!」

「ブルーとイエローがヤミーを一体づつ倒したようなだな…」

 

ここで俺はある疑問が生まれた。

ブルーとイエローに任せたヤミーは二体…でも確か…

 

「ヤミーは全部で三体!?」

 

そう、あと一体いるのに気が付かなかったのだ。

 

「フフフフ…どうやらブルーとイエローは先程の戦闘でかなり疲労しているようだな…」

 

俺とレッドはその言葉に反応して、直ぐ様ブルー達の元へ向かおうとした。引き返そうとした矢先、目の前にキャンサードギドミィが現れる。

 

「く!このままじゃブルー達が!」

 

だが、後には引けない。こうなれば…

 

「レッド!戦うしか無いよ!!」

 

俺の言葉を聞いてレッドは困惑しながらもキャンサードギドミィと対峙する。

 

「レッド、最初に僕から戦うよ!」

「いや、俺がやる!!」

 

とレッドが前に出る。

 

「レッドよ…我がスピードに勝ると思うか!!」

「そんなの…やって見ないとわからねぇじゃねーか!!」

 

とレッドは一瞬にしてフォーラーチェインに姿を変え、神速のスピードにより、その場から消えるように見えた。

そのスピードに驚いたキャンサードギドミィだが直ぐに姿を消す。

 

高速の中の戦い。激しい金属音しか聞こえず、何が起きているのか全くわからない状態だった。

 

それが数秒程続いた。

 

そして、両者姿を現す。レッドは俺の真横に、キャンサードギドミィは対峙するように現れる。

フォーラーチェインからノーマルに戻ったレッドは膝を付き息を上げていた。

 

「はぁはぁはぁ…」

「大丈夫か!?レッド!」

「大丈夫…だけど、決定打は与えられなかった…」

 

息を上げながら、キャンサードギドミィにあまりダメージを与えられなかったことを知らせてくれた。

 

「レッドよ…時間制限があるとはいえ…我が攻撃を全て避けるとは…」

 

そう言ったキャンサードギドミィ。だが、脚からは湯気が立ち込めていた。

限界が近いはず…こうなれば、俺がやるしかいない。

 

「今度は僕だ!!属性追加機構!!二束自由!!」

 

二束自由(ツイーダム)モードへ変化し、両手に追加された銃でキャンサードギドミィを狙い撃つ。しかし、キャンサードギドミィはそのスピードを利用して接近し、その鋏を振りかざす。しかし、俺は後ろに回転しながらジャンプをし、それを避ける。

直感を信じてキャンサードギドミィの攻撃をかわしながら銃や腰に着いたレールガンで攻撃する。

 

途中何発か当たるがそれは致命傷にはほど遠い感じだ。

 

避ける、攻撃する、また避ける…そうしている間に時間が来てしまう。

 

俺はレッドの隣に立ちノーマルのテイルエアーに戻る。

 

「はっはっは!!どうやら、その力も時間制限があるようだな!!どうした!レッドのように加速しないのか!!」

「生憎…その機械壊れたからさ…使えないんだ…」

「それなら尚好都合!!今!この時!我が戦友の仇取らせて貰う!!」

 

そう言って俺達の目の前に現れるキャンサードギドミィ。そして、その大きな鋏を振りかざす。

 

俺とレッドはただ目を閉じた。

反撃…という方法を取る余裕すら無く目の前に現れたのだ。

 

目を閉じて数秒。体に異変は無かった。

俺とレッドはそっと目を開ける。そこにいたのは、全身黒だが、頭部に赤、手や胸に黄色、そして、足に緑の色彩が施してある仮面ライダーが手から黄色い爪を展開させキャンサードギドミィの鋏を防いでいる所だった。




番外編、復活のCも次回で最後。
でも、また別な番外編が……。
取り合えず、次回もよろしくお願いします。


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パート5

どうも。

関係無い話し。
ゆゆゆい 始めました。
4.5巻 読み終わりました。

以上
では、本編どうぞ


火野映司は前方にて爆発が起きた事に気が付きそこへ走っていた。

場所は公園。そこには倒れている青い髪のツインテールの女の子と露出度の高い黄色いツインテールの女の子が倒れていた。

そこに迫るは包帯を着けたマッチョの怪人。

 

「ヤミー!?く!考えてる暇は無い!!」

 

そういって火野映司は突進して包帯マッチョヤミーを突き飛ばす。

 

「……あんたは…」

 

細目で映司がヤミーを突き飛ばしたのを見たブルー。

 

「大丈夫ですか?」

 

映司少しブルーを気にしながらも包帯マッチョヤミーと対峙する。そして、曽、使っていた変身アイテム…オーズドライバーを取り出し、腰に着ける。そして、赤、黄、緑のメダルを取りだし、赤と緑のメダルを左右に、真ん中に黄色のメダルをオーズドライバーに入れてオースキャナーでスキャンする。

 

〈タカ・トラ・バッタ タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ〉

 

その発声とともに姿を変える火野映司。その姿は仮面ライダー…。

そう、彼は、仮面ライダーオーズ。

 

オーズは対峙する包帯マッチョヤミーに対し、トラクローを展開させて斬る。

 

火花を散らして後退する包帯マッチョヤミー。どうやら思ったほかかなりのダメージがあったようだ。

それもその筈、この包帯マッチョヤミー…実は、コアメダルの力に対する抵抗が無い。セルメダルのみの存在から生まれたヤミー…それはコアメダルへの抵抗力が全く無く、オーズの一撃でも喰らえば、ブルーやイエローの必殺技と同等のダメージを与えることが出来る。

 

「よしこのまま一気に決める!!」

 

そう言ってオーズはオースキャナーでもう一度メダルをスキャンする。

 

〈スキャニングチャージ〉

「セイヤーーーー!!」

 

その音声とともにバッタ脚に変化させたバッタレッグでジャンプする。そして、赤、黄、緑のリングが出現。それを潜り抜けて両足の蹴りを包帯マッチョヤミーに叩き込む。

 

タトバキック。これがオーズが決めた必殺技。タトバキックを喰らった包帯マッチョヤミーは呆気なく爆散。そして、セルメダルの雨が降り注いだ。

 

「大丈夫かい?」

 

オーズはブルーに話しかける。

 

「大丈夫…でも…レッド達が…」

 

それを聞いたオーズは質問をする。

 

「この先で誰か戦ってるのかい!?」

「ええ…レッドと…エアーが…キャンサードギドミィっていう怪人と…」

 

と言って立ち上がろうとするブルー。だが、力が体に入らないため立ち上がれない。

 

「わかった。変わりに俺が行く」

 

とオーズはブルーに言って走っていく。

 

 

オーズが走って行くと、大きな鋏を赤いツインテールの女の子と黄緑のツインテール女の子に降り下ろしている青い蟹の怪人がいた。

 

直ぐ様走ってトラクローを展開させその鋏を防いだのだった。

 

 

 

 

 

 

「なんだ!?貴様は!!」

 

いきなり現れて攻撃を防いでいる謎の仮面ライダー。

 

「俺はオーズ。仮面ライダーオーズ」

 

その答えを聞いたキャンサードギドミィは後ろに下がって攻撃を止める。

 

「仮面ライダーオーズ?仮面ライダーとは複数いるのか!?」

「まあ…そうなる…な…」

 

とオーズは先程庇った二人の女の子(片方は俺です)の方を見る。

 

「大丈夫かい?怪我はないかい?」

 

完全に子供扱い、そして女の子扱いしているオーズ。

 

「大丈夫」

 

と俺は言ってオーズの横に立つ。

 

「ちょ…子供は危ないから下がって」

「僕達はツインテイルズのテイルエアーとテイルレッドです!これぐらい…」

「…もしかして、この人、俺達のこと知らないんじゃ?」

「ツインテイルズ?テイルレッド?なにそれ?」

 

初めてツインテイルズを知らない人に出会った…。なんだこの仮面ライダーは…。

 

「ツインテイルズを知らないだと…貴様!本当に人間か!!」

 

何故かキャンサードギドミィの方が怒り出した。まさか、世界規模の知名度だとは思ってたけど、知らない人がいるなんて…。

 

そうこうしている時、オーズからバキという鈍い音がして変身が解かれ青年の姿へとなってしまう。

 

「え!?もしかしてキャンサードギドミィ!お前、話してる時に攻撃したな!!」

 

俺がキャンサードギドミィを指差して言う。

 

「いやいや!あの黒い仮面ライダーには不意打ちしたが、今回はしていないぞ!!」

「ああ。さっき変身に使っていたコアメダルの力が無くなったんだ…」

 

とオーズこと映司はオーカテドラルから三枚のメダルを取り出した。しかし、メダルは取り出した瞬間に砂になって消えてしまった。

 

その時、バイク音が鳴り響く。

バイクに乗ってやって来たのは翔太郎さんだった。

 

「悪り、遅れた…ってオーズじゃねぇか!」

「W!丁度良かった!」

 

オーズの隣に立つ翔太郎さん。そして…

鳥形の何かが飛んで来る。

 

鳥形の何かから緑の光が放たれて、そこからフィリップさんが現れた。

 

「すまないね、遅くなって」

「いえ、構いませんフィリップさん」

 

俺はそう受け答えする。すると、フィリップさんは何かを此方に投げ渡す。それを俺はキャッチして見る。それはWの変身アイテム、ダブルドライバー。そして、レッドにも何か投げ渡したようだ。

 

「それを腰に着けて左側のスロットにエアーメモリを入れてくれ!」

「まさかの二重変身ですか!!」

「まあ、そんなものだ」

 

あまりにもの急展開に興奮しながらダブルドライバーを腰に着けてエアーメモリを取り出す。そして、エアーメモリのボタンを押す。

 

〈エアー〉

 

そして、エアーメモリを左側のスロットに入れた。このあと、俺は驚愕する事が起きた。

 

 

 

 

エアーがダブルドライバーを着けた瞬間、レッドの腰にダブルドライバーが現れたのだ。

 

「ちょ!?え!?」

 

そして、エアーメモリを入れたエアーの姿が消えて、レッドのドライバーの左側のスロットにエアーメモリが出現したのだ。

 

「テイルレッド!さっき渡したレッドメモリのボタンを押して、右側のスロットに入れて!!」

 

フィリップの言葉を聞いたレッドは無我夢中で赤いUSBメモリのボタンを押す。

 

〈レッド〉

 

テイルレッドの声がUSBメモリから流れる。そして、それを言われた通りに右側のスロットに入れる。

 

「左側のエアーメモリをちゃんとスロットに入れてダブルドライバーを展開させるんだ!!」

「こ、こうか?」

 

エアーメモリをちゃんと入れてダブルドライバーをWの形にする。

 

〈レッド エアー〉

 

その発声とともに風と炎がテイルレッドを包みこみ、何かの曲が流れる。そしてそれが止み、現れたのは…

 

右側が赤、左側が黄緑、瞳も右側赤、左側黄緑、そしてツインテールも右赤、左黄緑の色合いになったテイルレッド。(ただマキシマススロットが右と左、両方に付いている)

 

テイルレッドは自分の左側と右側の色の違いに気付く。そして…

 

「『なんじゃこりゃーー!!』」

 

テイルエアーとテイルレッドの声がこだました。

 

 

 

ダブルドライバーで二重変身したら、レッドと合体しました…。何を言ってるのか自分でもわからない。

 

「どうなってんだよこれ!」

 

レッドがそう叫ぶ。

 

『僕にもさっぱりわからない!』

 

レッドの左側の瞳の回りが俺の言葉と共に光って、俺の声が回りに響く。

 

「どうやら、成功みたいだ。ダブルドライバーの応用…言わば今は、テイルダブルでも言えばいいのかな」

 

フィリップさんが納得したように言う。これがキャンサードギドミィを倒せる方法…なのか?

 

「テイルレッドとテイルエアーが合体…だと!?なんとデタラメな!!」

 

キャンサードギドミィ…お前、それ言えないだろ。

 

「…よし!試してみるか!」

 

といきなりオーズ(青年姿)が腰に着けたドライバーにメダルを入れ始めた。

 

最初に赤と黄色のメダルを左右に、そして、真ん中に青いメダルを入れてスキャナーらしきものでスキャンする。

 

〈ツ・イン・テイルズ ツ・イン・テ ツ・イン・テール ツインテイルズ〉

 

仮面ライダーに変身した。しかし、先程と違い、頭は赤、そして赤いツインテール、胸と手には青い線が入っており、脚部は黄色になり、黄色い箱が両足の外側に追加されていて、正面の丸い模様のが描かれていた所には大きくツインテールの属性力の紋様がついていた。

 

「『何あれ!スゲー!!』」

 

俺とレッドの声が同時に響く。正直、仮面ライダーがツインテールになる発想は無かったわ。

 

「ふむふむ…ツインテールのコアメダルか…興味深いね…」

「フィリップ、こっちも行くぞ」

「了解だ。翔太郎」

 

そう言ってフィリップさんは先程の鳥形の何かに光になって吸い込まれ、翔太郎さんが着けたダブルドライバーに差し込まれる。

 

そして、それを展開させる翔太郎さん。

 

〈CYCLONE JOKER EXTREME〉

 

マダオボイスが聞こえ、翔太郎さんの姿が変わり、左側が黒、右側が緑、中心が白のダブル最強のフォーム、サイクロンジョーカーエクストリームへと変身した。

(サイクロンジョーカーエクストリームの話しは聞いてたけど初めて見た)

 

「『さあ…お前の罪を数えろ』」

 

出たーー!ダブルの名台詞!!

 

『なあ、レッド。僕達もなんか決め台詞みたいなの言おうよ』

「あ!それヒーローぽくていいかも!」

 

総二の悩み…それは小動物みたいに認識されてしまっているテイルレッドの人気。

それを無くすために毎回ヒーローみたく必殺技を言ってる訳なのだ。

 

「お前のツインテールを数えろ…とかは?」

『それパクリじゃね?』

「俺を無視しないで…」

 

少し涙目のキャンサードギドミィ。

 

「あ、ごめんごめん」

 

謝るオーズ。

 

「わかったならいい。今度は本気も本気で行くぞ!!」

 

キャンサードギドミィが一瞬にして消える。

そして、俺達に両手の鋏を振りかざす。だが、俺とレッドはそれを両手で掴み受け止める。

 

「何!?」

「なんかわかんないけど」

『お前の動き読めたから』

 

そう言ってキャンサードギドミィを投げ飛ばす。どうやら合体したことにより、洞察力やら何やら強化されているようだ。これならキャンサードギドミィを倒せる。キャンサードギドミィは、投げられた後、何とか姿勢を戻して着地する。そのタイミングでWが左の拳でキャンサードギドミィを殴る。

 

「グハ!?」

「お前の弱点…それは」

『スピードに頼りきりで、パワーが少し弱い。そして…その脚』

 

右の足で蹴りキャンサードギドミィと距離を開けるW。

 

キャンサードギドミィはまた視界から消える。そして、鋏でオーズを攻撃しようとする。しかし、オーズは迫ってきた右の鋏を両手で掴み、そしてそのまま握り潰してしまう。

 

「グォ!?」

「なんか、今、とんでも無い握力になってるような…」

 

オーズは少し罪悪感に浸ってはいる。なんかあのパワー…ブルーを思い出す。

破壊された右の鋏はバラバラとセルメダルへと変わっていく。

 

「俺のスピードが…見極められたというのか!?」

 

見極めているのは俺達だけだろう。オーズはたまたま鋏を掴めた。Wは飛んで来たキャンサードギドミィに攻撃したまで。

 

「こうなれば…一時撤退を…」

 

姿を消すキャンサードギドミィ。しかし、俺とレッドが、そのスピードを見極めて、左の鋏を掴む。

 

「な!!」

 

掴まれたキャンサードギドミィの両足は真っ赤になっていた。

 

「『今だ!!』」

「セイヤー!」

 

それを合図にオーズの足の外側に追加されていた箱が空き、中からミサイルが発射され、キャンサードギドミィの両足を破壊してしまう。その後、オーズは発射され残った箱をパージした。

 

片手、両足を無くしたキャンサードギドミィは、自らのセルメダルを使い、応急処置程度に鋏と両足を復活させる。だが、先程よりも細くなっており、鋏にいたっては可愛らしい程に小さい。

 

「く…クッソ!!」

 

離れる俺とレッド。

 

『行こう!レッド!必殺技だ!』

「おう!!」

『翔太郎、僕達も!』

「ああ」

「俺も行きます!」

 

 

オーズはドライバーのメダルをスキャンする。

 

〈スキャニングチャージ!〉

 

音声がスキャナーから流れ、空へジャンプし、赤いツインテールが伸び、両足に絡まる。

 

 

Wはダブルドライバーにセットされているエクストリームメモリを閉じ、もう一度展開させる。

 

〈EXTREME maximumdrive〉

 

緑と黒の竜巻によって空へ上昇するW。

 

 

俺とレッドは左のマキシマススロットにエアーメモリ、右のマキシマススロットにレッドメモリを入れる。

 

〈エアー マキシマスドライブ〉

〈レッド マキシマスドライブ〉

 

俺とレッドは思いきりジャンプする。すると、ツインテールが伸び、右足に赤、左足に黄緑のツインテールが巻き付く。

 

「『ダブルエクストリーム!!』」

「セイヤーーーー!!」

「『ダブルブレイザーキック!!』」

 

ツインテールを纏った俺達とオーズの蹴りそしてWの蹴りが合わさる。

 

「ヌォォォォォォォ!?」

 

全員の蹴りがキャンサードギドミィに突き刺さり、そして貫通する。俺とレッド、オーズ、Wはキャンサードギドミィを背にして立ち、そして振り向く。

 

「今…合体したレッドとエアーの項が見れた!!我が二度目の人生…悔いはあったが、合体項が見れただけでも、良しとしよう!!」

 

と残し、爆発するキャンサードギドミィ。

 

その後、雨の用に降り注ぐセルメダル。そして、そのセルメダルの中から割れたガイアメモリが落ちてくる。

 

変身を解くオーズとW、そして合体を解除(両方よメモリとレッドがドライバーを取ったら戻れた)し、セルメダルやら割れたガイアメモリを回収するやらを5人で行った。

 

その後、走ってくるブルーとイエローと一緒に転送装置を使ってオーズ(映司さん)と共に鳴海探偵事務所に戻ってオーズの正体や俺達の正体を明かしたりして、この戦いは終わったのだった…。




まだまだ続く番外編。
あ、オリジナル設定とか入れてます(今更感)
オリジナルフォームもあります(今更感)

……気が付きました。
イッカクギルディ……日本語やん!
ってことはオリジナルエレメリアン作れる!
……………………………………………………
あ、オリジナルエレメリアンを出す話し、無かった……

という小話。まぁ、なんとかオリジナルエレメリアンを作ってみようと思います。

それでは。


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番外編 レッド&勇者&D
パート1


激闘を乗り越えた次の日。

 

8月7日。

 

この日の午後、俺と総二は曽クラブギルディと戦ったショッピングモールに来ていた。

クラブギルディ…昨日の事を鮮明に思い出させる。

だが、今回、俺と総二がここに来た理由はそれを思い出させる事ではない。

 

明日、8月8日は俺の友達であり総二曰く親友の津辺愛香の誕生日なのだ。

 

同じクラスメイト、同じツインテール部、何より侵略者軍団アルティメギルから世界を守る正義のヒロイン(本当はヒーローが良かったが)集団ツインテイルズの仲間の誕生日、何かプレゼントしてやりたいと思った俺は、愛香の片想い相手のツインテール馬鹿の総二と一緒に買い物に来ていると言うわけだ。

それに、総二を狙うヒロイン候補は何人かいる。異世界から来た変態科学者、トゥアール。生徒会長とロリ、そして変身するとM属性が足される慧理那先輩。オマケ程度の尊先生。だが、俺個人としては愛香を応援している。

理由は、幼馴染みどうしの方が何かとドラマチックだし、何より、愛香の方が総二へと思いを募った日々は長いと思うんだ。

 

だから、応援する。

 

その一つとして、総二自身から愛香へプレゼントを渡すという事をしてもらう。

そんな事をしていれば、このツインテール馬鹿でも、いつかは愛香の気持ちがわかると思うんだ。

 

 

そんなこんなで、愛香に贈るプレゼントを探しにショッピングモールまで来たって訳。

 

ショッピングモールで俺と総二が各々にプレゼントを選ぶ。

総二は髪留めのコーナーに、俺は手鏡のコーナーにてそれぞれプレゼントを選ぶ。

 

そして、俺と総二はプレゼントを買って総二の家に向かったのであった。

 

帰る(総二からしたら)途中…

歩きながら

 

「輝跡は何買ったの?」

 

と総二が聞いてきた。

 

「俺は、青い手鏡。総二は?」

「ツインテールを結ぶ為のアクセサリー付きの髪留めだよ」

「へー」

 

とそんな感じの会話をしていた。

 

そして、総二の家が目の前に差し掛かった時…

 

俺と総二は何かに引っ張られた。いや、引っ張られたというよりも吸い込もうとしていると言った方がいいのだろうか。吸い込もうとしている方を見ると、アニメとかでありそうな黒い渦巻きがあった。

 

「そ、総二!なんだよあれ!!」

「俺が聞きたいよ!!」

 

空中にある黒い渦巻きは何故か俺と総二だけを吸い込もうとしているように見えた。

買い物を始めたのは午後から。現在は夕方。人通りは無いこの通路にて助けを求めても、こんな非日常的な事に好きで首を突っ込む人なんかいないだろう。一部例外を含むが。増してや人がいないのだ。誰も助けてはくれないだろう。

 

何とかその場で踏ん張っていた総二と俺はその引力に少しずつ引っ張られてしまい、そして…

 

黒い渦巻きの中へ入ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りが遅い総二向かえに行った愛香とトゥアールは総二の家の近くにラッピングされた箱を二つ見付ける。

愛香とトゥアールは、そのラッピングされた箱の持ち主が総二では無いだろうかと考え始め、そして、トゥアールが何やら調べ始める。

 

そこからわかった事は…二摘輝跡と観束総二がこの世界から消えた…いや、別の世界に行ってしまったということだった…

 

愛香の誕生日会まで…残り24時間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、凄く寒かった。

 

「寒!!」

 

半袖、薄着の俺にとってはとても寒い。

立ち上がり回りを見渡す。

何処かの家だろうか、その家の裏側にいるようだ。それと、先程から息か白い。どうやら相当空気が冷えているようだ。

 

「ん…ここは」

 

いつの間にか隣で寝ていた総二が起きる。

 

「わからねぇ…でも、取り合えず、寒い…」

 

その言葉を聞いた総二も寒さに気が付いたのか震え出す。

 

「と、取り合えず、そこの家に暖を取らせて貰おうぜ?」

「そ、そ、そうだな…」

 

とここで、俺はあることに気が付く。確かに俺は半袖である。だが、半袖なのに対して服がブカブカ、靴も、ズボンもブカブカである。

そして、総二の方を見てみる。

 

「あ、あれ?そ、総二…お前幼くなってねぇーか?」

 

少し震えながらも、総二の顔が若干幼くなっているように見える事を指摘してみる。それに、良く見ると総二も服とかがブカブカだ。

 

「そ、そういう輝跡こそ…」

 

ここで俺達は気付く。

 

「「小さくなってる!?」」

 

そう。小学生とは言わないが、中学生程度の若さになっているのだ。

 

「ととと、兎に角、暖を…」

 

と言って俺は家の前方の方へ歩いて行き、玄関らしき所に立ち何回かノックする。

 

「す、す、す、すみませーん」

 

しかし返事が無い。

 

「なあ、輝跡…別な所に行った方が…」

 

と後ろからついてきた総二が言おうとした時だった…

 

「あのー、家に何か用ですか?」

 

その声の主の方を見る。そこにはジャージを着た小学生程度のツインテール少女だった。

 

少女を見た(具体的にはツインテールを見た)俺と総二は…

 

「「なんて素晴らしいツインテールだ」」

 

と言葉を漏らした。

 

それを聞いた少女は頭の上にクエスチョンマークを出して首を傾げる。

そして、俺は自分と総二が言った馬鹿発言に気が付く。

 

「馬鹿野郎!!今はそんな事を言ってる時じゃねーよ!」

 

何処かの良く裏切る誰かさんのように罵倒した後、俺は今の状況を思い出す。

 

「そ、そうだった!ねえ、君、ここはどこだい?」

「ここ?ここは大島だよ」

「大島って確か東京都の島だったような…あ、後、今、何月かわかる?」

「え?1月だけど?逆に聞いていい?」

「なんだ?」

「私の家の前を薄着でなにしてたの?」

 

う…ここは、嘘よりも、真実を言った方がいい。

 

「実は俺達、変な黒い渦に巻き込まれて、気が付いたらここにいたんだよ。で、薄着の理由は、渦に巻き込まれる時、夏だったからなんだ」

「輝跡の言う通りだ」

 

少し悩み始める女の子。そんな事を言っても、普通なら、増してはこんな小学生の女の子が信じるはずが無い。それに、家の前に夏服(ブカブカな)を着た男二人が立っていたら直ぐ様110に連絡してしまう可能性がある。

 

「わかった。お爺ちゃんに伝えれば何とかなるかもしれない」

 

ん?

 

何か進展があったか?

 

「お二人さんは別の世界から来たって事でいいんですよね?」

「え…ええと…まぁ…そうなる…かな…」

 

このツインテール少女…俺らより頭良いかも知れねぇ。だって、俺達は黒い渦に巻き込まれたこと、そして、夏だったのにいきなり冬になっていることしか言ってない。

そこから推測したのか!?

 

「そういったことはお爺ちゃんが詳しいから家に上がっていてください。ストーブもつけますんで」

 

な、なんて優しいツインテール少女なんだ!

あ、そうだ…

 

「名前、聞いて無かったね。俺、二積輝跡」

「俺は、観束総二」

「輝跡さんに総二さん…ですね。私、一色もも、と言います」

「ももちゃん…でいいのかな?」

「はい!」

 

と俺達に心強い人が(小学生位だけど)味方になった。それに、この人のお爺さんが何か知ってるみたいな口振りだしね。

けど、俺と総二の頭の中では…

 

((相変わらず素晴らしいツインテールだ))

 

と結論付けていた。

 

そんな結論を付けた時だった。

 

何やらサイレンのような音が聞こえ始めたのだ。このサイレンは、パトカーとか救急車とかでは無く、空襲とかに知らせるために町中から流すようなサイレンだ。

 

「え!?もしかして…アローン!?輝跡さん!総二さん!早く家に入ってください!」

「何がおきるんだ!?」

 

俺は咄嗟にももという女の子に質問した。

 

「正直な所、わかりません…」

 

と、その時、爆音が聞こえた。爆音が聞こえた方向を見る。

見張らしがいいこの家からは海が見えた。だが、海に浮かんでいるものは穏やかな物では無かった。

 

戦艦が何隻も浮かんでいるのだ。そして、砲弾を何発も撃っていた。

その撃っている方向には…

 

黒い菱形の飛行物体が浮かんでいた。

 

黒い菱形の飛行物体に戦艦から撃たれた砲弾が命中するが、掠り傷すら無い。黒い菱形の飛行物体の角から光が放たれる。その光は放物線を描きながら戦艦に当たって行き、戦艦は光が当たった場所から爆発が起きていた。

 

俺と総二はその現実離れした光景に目が焼き付きになっていた。

 

「やっぱり…アローン…早く!輝跡さん!総二さん!」

 

この時、ももの声は俺と総二には聞こえなかった。

 

(…あの菱形…なんて事を!!)

 

俺はその無惨な光景に怒りが湧いていた。

 

 

~総二の心情~

(あの菱形野郎!こんな素晴らしいツインテールを脅えさせやがって!!)

 

 

俺は総二が唇を噛み締めて怒りを表している事に気が付いた。

そう、俺と総二の答えは決まっていたのだ。

 

俺と総二はタイミングを同じにして走り出す。

 

「ちょ!?何処へ行くんですか!?」

 

ももの声が聞こえる。だが、振り向いている余裕は無い。

 

「ももちゃんは安全な所に!!」

 

俺は気休め程度に走りながら言う。

 

道なりに走って行くうちにいつの間にかあの家が見えなくなっていた。

場所はちょっとした住宅地。だが、殆どの人が避難したのか、人の気配がしなかった。

 

「いくよ!総二!!」

「おう!」

「「テイルオン!!」」

 

二人で右手を翳し、変身する。

 

光に包まれた俺と総二は、ツインテールの戦士、テイルレッドとテイルエアーに姿を変えて走り始める。

 

先程よりも強化されて張力を使い黒い菱形の飛行物体のある方向へ向かった。

 

 

…向かったのだが、黒い菱形の飛行物体は空に浮かんでいる。しかも、その浮かんでいる場所が海の上。

 

俺とレッドは海岸まで来て万策に尽きていた。

 

確かに、レッドと俺は空を飛ぼうと思えば飛べる。だが、それは制限時間がある。しかも、菱形の角から放たれる光の量が半端無い。あの弾幕をくぐり抜けるのは難しい。普通に空を飛んで行くのは自殺行為に等しい。だったら、どうするか…

 

取り合えず、海岸にいるよりも、菱形の近くにある大きな橋に向かう事にした。

 

「レッド、あの橋に向かおう」

「ああ。そうだな」

 

俺とレッドはそう言って橋に向かった。

 

その傍ら俺は横目で菱形と戦艦の戦闘を見る。

どうやら、戦艦だけでは無く、戦闘機も参戦し始めたようだ。だが、戦況は非常に良くない。

次々に撃墜される戦闘機。

 

それを俺は苦虫を潰したような表情で見ていた。アルティメギルでもこんな事はしない。

確かに好きという気持ちが無くなってしまうのはとても辛い事だ。それは死ぬと同意義だと思う。でも、死んでいい訳が無い。撃墜された戦闘機からパラシュートみたいなのが見える。そこから、戦闘機に乗ってた人達が脱出しているのがわかる。撃沈された戦艦からも小型のボートが沢山近くに浮かんでいる事から脱出出来ているのだと思う。でも、下手をしたら死んでしまうようなこの光景。

俺はただ、この酷い光景に…いや、あの黒い菱形飛行物体に怒りがあった。人を殺す気で攻撃しているのだから。殺す気なら、此方は抵抗する。それが人間だ。ただただ、抵抗している…それだけだ。

 

俺とレッドは走る速度を維持しながらなんとか橋まで辿り着いた。

 

「で、これからどうするんだ?イエローみたいに遠距離攻撃は出来ないし、ブルーみたく投てき出来ないぜ?俺ら」

「うーん…」

 

シャーマは飛べるし、ザインも岩とか飛ばして攻撃出来るかもしれない。でも俺やレッドには遠距離攻撃の手段や飛ぶ手段は…一応あるけど奥の手として取っておきたい。そうなると…

 

ここで、俺はブルーを思い出す。そして…

 

「壱武装!アロンダイト!!」

 

俺は黄緑色のフレームの眼鏡をかけてアロンダイトを出現させる。

 

「何か策があるのか?」

「アロンダイトのビーム刃じゃ無い方でレッドを野球ボールみたく飛ばす」

「はぁ!?」

 

俺は思いっきりアロンダイトを野球選手のバッターみたく振りかぶる。

 

「おいおいおい!!正気か!?」

「タイミング合わせてね!振りかぶった瞬間にアロンダイトのビーム刃じゃ無い方を足場にして思いっきり飛んで!!」

「無茶言うなよ!!」

「大丈夫!行くよ~」

「他に選択肢は!?」

「問答無用!!逝っけーーーー!!」

「慈悲すらねぇ!?」

 

思いっきり振りかぶったアロンダイトを足場にして、テイルレッドを空の彼方に吹っ飛ばす。

 

そして、テイルレッドは黒い菱形飛行物体の方向に飛んでいき、姿が見えなくなる所までとんで行ってしまった。

 

「ふぅ…なんだろ…なんかスッキリした」

 

リア充(仮)を吹っ飛ばしたためか、スッキリした気分になっていた。

 

そんな気分を味わっていた時、俺の立っている橋の近くで黒い渦が発生した。

その渦は、俺と総二を吸い込んだ物と瓜二つ。だが、その渦は出現したと思ったら、渦から大量の白い全身タイツの変態と、まるでトカゲをモチーフにした白い怪人が出てきて、渦は消えた。

 

その色は違うが、全身タイツとトカゲの怪人には見覚えがあった…

 

「り…リザドギルディ!?」

 

そう、俺とレッドが始めて戦ったエレメリアン、リザドギルディと瓜二つなのだ。

 

驚く俺。そんな俺を他所に白いリザドギルディと全身タイツの戦闘員は周りをキョロキョロと見回した後、俺に気が付いた。

 

「…この世界の戦士か…だが、データではこんな戦士はいなかったはず…まあ、良い。ここで潰せばな」

 

俺は直ぐに気が付いた。こいつは…リザドギルディじゃない…いや、エレメリアンじゃ無いと…。

 

「行け!ザレドロイド達よ!あの者を消し去れ!!」

「「「「ギャレーーー!!」」」」

 

白い全身タイツの変態共はアルティメギルの戦闘員とは違う声を発しながら、俺に襲い掛かってきた。俺は咄嗟に両腕で顔を守るようにガードをする。この時、壱武装は解除していた。

 

迫ってくる戦闘員。

だが、戦闘員達は俺に拳を振るう寸前、銃声がした。見ると拳を振るおうとした戦闘員達の体からバチバチと火花を散らしていた。

銃声は止まず次々と戦闘員を倒し、光にしていく。

 

「な!なんだ!?」

 

白いリザドギルディが銃撃を行ったと思われる方向に対してそう叫んだ。

その方向を見る。そこには、銀色の壁があった。先程、そんな壁は無かったのに…。

その壁はまるで後ろに下がるように移動し、中から一人の青年が現れる。その青年は右手にカードホルダーを銃のように持っている赤いジャケットを着た青年だった。しかし、その青年は、光に包まれ、一瞬にして小さくなり、中学生程度の身長になってしまった。

 

「…これが、この世界での姿か…」

 

赤いジャケットを着た青年だった少年はそんな事を呟いた後、そのカードホルダーから一枚のカードを取り出す。

 

「取り合えず、多勢に無勢は目に余るんでな。可戦させてもらう……変身…」

 

そう言って赤いジャケットを着た青年だった少年(この言い方長いな…)はカードを腰にいつの間にか付いていたベルトに入れた。

 

そして、ベルトを閉じた。

 

《KAMENRAID DECEDE》

 

と電子音が響き、幾つかの残像がその赤いジャケットの少年(略しました)に重なり姿を変える。その姿は、まさしく…

 

「仮面ライダー…」

 

仮面ライダーだった。俺はつい声を出してしまう。

 

仮面ライダーになった少年は先程の青年と殆ど同じ身長になっていた。

 

「き、貴様!何者だ!!」

 

白いリザドギルディに聞かれる謎の仮面ライダー。

 

「俺は…通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておかなくていい」

 

そう言って謎の仮面ライダーは白いリザドギルディに向かって走り始めた。

俺と、廻周りの白い戦闘員達もそれをただただ見ていた。



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パート2

オリジナル展開
オリジナル要素
オリジナル解釈
盛り沢山です。

それではどうぞ


少女はただただ急いでいた。

海を祖父に作って貰った乗り物に乗り海を渡りある場所に向かっていた。その場所はこの世界の電力…いや、エネルギーの95%を配給している施設…示現エンジンの建物に…。

祖父に会いに…いや、祖父が持っている“鍵”を取りに…。

 

「…なんでアローンが…」

 

少し前、アローンとの死闘の末、勝利し、そして、その戦いで友情がどれだけ大切か知った少女…一色あかねは乗り物“わんこ”のスピードを上げた。

 

途中、赤い光が黒い菱形飛行物体型アローンに向かっていったが、あかねにはそれは見えていなかった。

 

折角、別れた友達が戻って来たのに…

話したいことがいっぱいあるのに…

なのに…なんで…?約束したのに…。

 

頭の中で渦巻く感情を押さえながら示現エンジンに辿り着くあかね。その入り口には一匹のカワウソが待っていた。

 

「お爺ちゃん!!またその姿になっちゃたの!?」

「ま…まぁな。少し実験に失敗してな…と、そんな事を言っている場合じゃ無かった!ほれ!!あかね!」

 

そういいながらカワウソ…一色健次郎は背負っていたメカメカしい赤い鍵をあかねに渡す。それを受け取るあかね。

 

「お爺ちゃん、皆は?」

「今、向かっておる…じゃが、皆遠くに行ってしまっての…」

 

三人の友人達は家族や部活で今、この島にはいない。なので、戦えるのは、現状あかねのみ。

 

「わかった。私一人で頑張ってみる!あ、お爺ちゃん、後でれいちゃんが来るから宜しく!」

「れいじゃと!?どうやって…」

「じゃ!行ってくる!」

「おい!あかね!!」

 

カワウソが止めようとするが、歩幅が違いすぎ追い付けない。あかねは少し走った後…

 

「イグニッション! テクスチャー・オン!」

 

あかねが叫ぶと、あかねの姿は変わり、ビビッドカラーの付いた服装(レッド)になる。その途端に空に飛んで行ってしまうあかね。

 

「あかね…」

 

心配する健次郎を他所にあかね…ビビッドレッドは黒い菱形飛行物体型アローンに向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

とある灯台の見晴台の上、何処かの中学校…この世界にはない制服に身を包んだ少女が黒い菱形飛行物体を見ていた。

 

「あれは…バーデックス?なんか違うような…まあいいや!困っている人を助ける!それが勇者部!!」

 

そう言って、赤いポニーテールの少女はスマホを取り出す。そして、あるアプリを起動させる。そのアプリが起動し、画面に種が発芽したようなマークが出る。それを躊躇いもなく押す少女。

 

その瞬間に花弁…いや、桜の花弁が舞い、少女を覆い…姿を変える。

 

ピンクの装いに身を纏った少女は黒い菱形飛行物体を見る。

 

「勇者部、結城友奈いきます!!」

 

そう大声で宣言した少女は菱形飛行物体の方へ脚力を使い真っ直ぐ飛んで行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菱形飛行物体の上空

 

赤い閃光が二、ピンクの閃光が一つが交わった…

 

「ギャ!?」

「あふ!?」

「フギャ!?」

 

わけでは無く、三人の少女がぶつかったのだ。

三人の少女はお互いにオデコをぶつけ、何にぶつかったのか黙視する。

お互い同い年ぐらいの女の子(一人少し小さい気がするが)の女の子だと言うことに気が付く。

 

「「「…」」」

 

三人は黙り混む。当たり前だ。こんな異常時に空の上で同い年ぐらいの女の子同士がオデコをぶつけたのだから。

状況が読めない=この状況で、こんな場所で何を、しかも初対面の相手に対して何を話せば良いか…

 

しかし、現実はそんな事を悟ってはくれない。

 

赤いツインテールの女の子…テイルレッドと、ピンクの髪のポニーテール…結城友奈はもう一人の女の子、一色あかねのように常時空を飛んではいられない。

 

重力に逆らう方法も無いまま、二人の少女は落下し始める。

 

別に、脚力や、身体能力、更には、何らかの防御幕が展開される二人に取っては本来この程度の高さから落ちても命に別状は無いだろう(怪我をしないとは言ってない)。

しかし、二人は落下に対して抵抗しようと、上に向かって平泳ぎを試してみる。まあ、結果は、落下するだけなのだが…

 

そこで、唯一飛んでいる一色あかねは助けようと、テイルレッドの左手を右手で、結城友奈の右手を左手で掴んで落下を阻止する。

 

「あ…ありがとう」

「ありがとう…」

 

戸惑いながらも空を飛べる女の子にお礼をするテイルレッド。そして、素直にお礼をする結城友奈。

 

「君たちは…何?」

 

単純な質問があかねから出る。先程、本来ならオデコをぶつけた時に聞かなくてはいけないことを。

 

「お…俺はテイルレッド。あの黒いのを倒したい!」

「私は勇者部、結城友奈!私も菱形のを倒しに来たんだよ!」

「えーと…私、一色あかね。なら、目的は一緒だから、一緒に倒そう!」

「おう!」

「うん!!」

 

たった数言だった。だが、その少ない言葉で三人はお互いに信じた。

理由はわからない。だが、お互いに主人公(ヒロイン)だという共通点がそうさせたのかもしれない(テイルレッドに関してはヒーローであり、ヒロインであるけど…)。

 

そうと決まれば、早速攻撃開始である。

テイルレッドと結城友奈はあかねから離れてその落下するエネルギーを利用して黒い菱形に向かって行く。

テイルレッドは炎の剣、ブレイザーブレイドを取り出し黒い菱形に突き刺すように落下する。結城友奈も、己の武器である拳を強く握りながら落下する。

黒い菱形の飛行物体は迫る三つの影を気にせず迫り来る戦闘機や戦艦に対して菱形の角から光を…いや、本来は光では無くビームと言った方が良いだろう。ビームを発射していた。

 

そんな中、黒い菱形に二つの何かが激突し、黒い菱形を大きく揺らす。

激突した何か、それは、テイルレッドと結城友奈だった。

テイルレッドの剣は黒い菱形に突き刺さり、結城友奈の拳は大きなヒビを入れた。

 

戦闘機のミサイルや機関砲、戦艦の砲撃が効かなかったのに対して二人の攻撃は黒い菱形にダメージを入れる事が出来た。

 

「よし!これなら行ける!!」

 

そう確信したテイルレッド。だが、そんな簡単な話では無かった。

 

黒い菱形はビームを戦艦や戦闘機に対してでは無くダメージを与えた二人に狙いをつけて撃ち始めた。角から発射されるビームは何故かテイルレッドや結城友奈に向かってあり得ない角度で曲がって攻撃してくる。それを、テイルレッドは避けたり、ブレイザーブレイドを盾に使って防いだりする。しかし、結城友奈の武器は拳のみ。本来なら精霊が己を守ってくれるのだが、それだと、この世界にいられる時間を削ってしまう。精霊の力を使うことにより現在使える力が減ってしまうのだから。

だから、結城友奈は限界まで避けていた。しかし、ビームは次々と放たれる。

 

結城友奈はそのビームを避けられないと感じ動きを停め一瞬目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い戦闘員と共に俺は変身した…いや、仮面ライダーになった少年を見ていた。

 

「通りすがりの仮面ライダーだと!?ま、まさか、ディケイドか!?」

「へー…俺を知ってるとはな」

「世界の破壊者が何故こんな所に!?」

「さあね。俺も知らないね」

 

そう言ってディケイドと名前の仮面ライダーはカードホルダーのような物を剣状にする。

 

「だが、取り合えず、お前らが悪者みたいだからな。倒させて貰う」

「世界の破壊者ごときが、我々ミドルギアスの敵では無い!!」

「ミドルギアス?…ああ、確かアルティメギルのパクリ侵略組織だったか…」

「パクリでは無い!てか、あれはアルティメギルが最初にパクったんだ!!…っておい!ザレドロイド共!さっさとその小娘を消してしまえ!」

「「「「ギャレ!?」」」」

 

ここで俺や白い戦闘員に気が付いた白いリザドギルディは戦闘員に戦うように言ってくる。

 

その命令を聞いた白い戦闘員(ここからザレドロイドって言うね)は俺に対して攻撃を始めてくる。

 

拳を振るう者、蹴りをする者。しかし、俺に取ってはゆっくりに見えた。先程ガードしたのは突然の事で驚いたから。ただ、それだけ。でも、今は…色々な事が合って頭の中パニパニパニックだけど、コイツらを倒せる力は余裕であった。

 

拳や蹴りを難なく避ける。そして、拳を振り上げた一体のザレドロイドに対して右足の蹴りをかます。その時、何か違和感を感じる。蹴られたリザドギルディは動かずにそのまま止まっていた。

この時の効果音を付けるなら、蹴りを入れた時の音では無く蹴られたザレドロイドの場所の音。

 

チーン

 

その音だろう。そのまま股間を押さえて光になって消えていくザレドロイド。ここで違和感があの場所に当たったという事で納得した。

 

(…そこは痛いよな…マジごめん…)

 

心の中で真面目に謝る俺。同情するザレドロイド達。

 

「あれは…痛いな」

 

遠くで此方の戦いを見ていたディケイドは男として、先程やられたザレドロイドに同情した。

 

「貴様!戦いの途中で隙を見せるとは何事か!!」

 

何度か拳と剣を交えた(一方的にやられていた)白いリザドギルディは膝を付きながらそう叫んだ。

 

「いや、二、三度斬りつけただけでボロボロのお前に言われたくないね」

 

実際の所、白いリザドギルディは弱わかった。

 

そんな事を知らない俺とザレドロイド達。

ザレドロイド達は先程痛い死に方(男として)をしたザレドロイドのともらい合戦と言わんばかりに此方に向かってまた攻撃を仕掛けて来る。

 

また攻撃を避けていく。勿論、反撃も兼ねて。

武器であるフォースナイファーを使って戦ったらり壱武装を使ったりすれば楽なのだろう。だが、ここは、あえて拳で戦う。理由はただの気まぐれ。

 

ザレドロイドの攻撃を避けながら拳をザレドロイドの腹に突き刺して光にする。後ろに回り込んだ奴には容赦無く回し蹴りをかまして倒す。

そんな事をしている間に残りはたったの一体。

たった一体になったザレドロイドはボクサーのようにステップをしながら拳を構える。

対して此方は…

 

〈エアー マキシマムドライブ〉

 

エアーメモリをマキシマムスロットに入れていた。

最初に言っておく。現実ってのは非道だ。

 

「フォースドライブ!!」

 

空を突く正拳突き。それは衝撃波となりボクサーステップを踏んでいるザレドロイドを吹き飛ばして光にしてしまう。更には…

 

「ぐおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

後ろに膝を付いていた白いリザドギルディを宙に吹き飛ばしてしまった。

 

「この!リザドザレディを吹き飛ばすとは!!」

 

始めて明けされるこの白いリザドギルディの名前。だが、もう一度言わせてもらおう。

 

仮面ライダーディケイドはカードホルダーからカードを取り出してベルトに入れる。

 

《final attack ride DE DE DE DECEDE》

 

その機械音と共に宙に浮いているリザドザレディに向けて十枚のホログラム状のカードが展開される。

 

それに飛び込みながら蹴りをするディケイド。ディケイドはホログラム状のカードの中を突き通り、そのままリザドザレディの体に蹴りを当てそのまま貫いた。

 

「こ!ここまであっさりと!?」

 

バチバチと宙で火花を散らすリザドザレディ。

貫いたディケイドは着地した後、リザドザレディを見る。

 

そして、爆発した。

そう、現実は非道だ。

 

爆発を確認したディケイドはこちらを見る。

 

「以外に強いな、お前」

「まあね」

 

そう言って改めてこちらをジロジロと見てくるディケイド。

 

「あの…」

 

そんなジロジロ見られて嬉しいわけは無いし、そこまで変な性癖は持っていない。

 

「…話で聞いたことあるぞ…確か…テイルエアー…だったな」

 

俺はここまで自分の名前(変身した時の名前)を言ってはいない。なのに…

 

「知り合いから話を少し聞いている」

 

その知り合いを俺はなんと無く頭に浮かんだ。まあ、どうせあいつだろう。

 

「まあ、いい。俺はやりたいようにやる」

 

そう言ってディケイドは変身を解いて何処かに行ってしまう。

 

丁度その時、大きな炎が黒い菱形飛行物体を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結城友奈にビームは当たらなかった。何故ならな…

 

「大丈夫?」

 

ビームを防いだのは一色あかねだった。あかねはブーメランの用な物でビームを防いでいた。

 

「ありがとう」

 

そう言って今度はあかねもビームを避け始める。

打開策を避けながら考える三人。そして、テイルレッドが思い付く。

 

「少し考えがある!」

 

そして、幾つか言葉を放つテイルレッド。それを聞きながら避けるあかねと友奈。

その提案を受け入れたあかねと友奈は了解をする。

 

友奈はヒビを入れた場所に向かって跳躍し、右拳に力を入れ、そのまま…

 

「勇者パンチ!!」

 

拳を突き付けた。それは先程の数倍のヒビと陥没を起こさせる。

 

テイルレッドは友奈がヒビを入れた場所に向かう。しかし、曲がってくるビームがそれをさせないと迫ってくる。しかし…

 

「テイルレッド!」

 

あかねがテイルレッドのお腹に手を回して掴みそのまま飛ぶ。この時あかねはブーメランを…ネイキッド・ラングを背中に付けて飛ぶ。

 

「行くよ!!あかね!!」

「うん!!」

 

空を旋回しながらブレイザーブレイドを突き立てるテイルレッド、そしてスピードを上げるあかね。この時、ネイキッド・ラングからも青い炎が吹き出してスピードを上げる要因となった。

 

迫るビームを器用に避けそして、友奈がヒビを入れ陥没した場所に剣を突き刺す。そして…

 

「ブレイクレリース!!」

 

ブレイザーブレイドの完全解放させる。

ブレイザーブレイドの剣は縦に二に割れそこから炎が吹き出す。

 

「グランドブレイザー!!」

 

本来、相手を真っ二つにする炎よ刃。だが、今回は違う使い方。

その炎の刃は黒い菱形飛行物体を貫き、そのまま真下の海へ刃が届く。

この瞬間、この現在行われている戦い三つの戦いに終止符が打たれた。その一つはリザドザレディとの戦い。もう一つはこの飛行物体との戦い。そしてもう一つは…

 

 

 

 

 

 

海の中

水面ギリギリで暗躍をしていた白い亀の用な怪人は優々と移動していた。

白い亀の怪人…タトルザレディの目的は示現エンジンを手に入れること。

囮として同士とアローンモドキを出したのだ。そう、本命はこちら(本当はタトルザレディの勝手な行動だったりする)である。

 

ここまではタトルザレディの計算通りだった。しかし…

 

タトルザレディの頂上…いや、少し斜め上辺りから赤い光が迫っていた。

 

水面が明るくなったことに違和感があったタトルザレディはその光の原因を見る。

 

それは炎だった。しかも現在進行形で迫っている。

 

「あれ?何かデシャブ?」

 

そう疑問に思ったタートルザレディは迫ってきた炎に包まれ爆散。ほんの一瞬による以外な終結だった。

原作でも、アニメでも瞬殺だった奴に外見似てる奴も結局は同じ運命だったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、黒い菱形飛行物体は爆発を起こしその爆風でバラバラになったテイルレッドと一色あかねと結城友奈。

 

テイルレッドが空から落ちてくるとき…

 

「空からテイルレッドが…ってネタってる場合じゃねぇ!?」

 

とテイルエアーは急いでテイルレッドをキャッチ(この時お姫様抱っこだったのは気にしてはいけない)した。

 

しかし、キャッチして着地した後、テイルエアー達を囲むように武装した兵隊達が絶対に怪我では済まないような武器、銃を此方に向けていた。

 

テイルエアーとテイルレッドは怪人を倒すが人殺し等しない。

しかも、ここは知らない世界。

二人はただただその武装した人達に従っていったのだった…。




最近になって俺ツイ8巻読破。

買って一年以上立ってる………

そして
俺、ツインテールになります。 AIRs HERO
実は、6月18日現在、6巻の内容まで完成してたりします。
ただ……物語進むにつれてやりたいこと増えて来ている………。
まぁ、気長に待ってください。後、前にアンケートを取らせて貰った(約一年半前)のキャラ、ちゃんと出しますので。

それではまた。

(前回のお話で前書き、後書き書くの忘れました。すいません)


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パート3

どうも

七夕を完全に忘れていた自分です。

そういえば、自分、天の川って一度しか見たこと無いんですよね。今日見れるかな。

取り合えずパート3です。

どうぞ。

追記 結局、雲ってて見れなかったorz


現在、俺とレッドは牢屋…といっても鉄格子とかじゃ無く、近未来的な牢屋に入れられていた。灰色の壁、廊下しか見えない小さな窓にベットが二つ。正直に言えばいつでも出れるだろう。レッドや俺の力を合わせれば簡単にこの程度の壁は破壊出来る。だが、それをやってしまうと折角守った人達を敵にしてしまう可能性がある。それと、その事をしない理由はもうひとつある。それは…

 

「…なぁ、レッド…いつまで持つと思う?」

「さぁな」

 

持つ…ってのは、お互いのエネルギーについてだ。属性力を糧としているテイルギア。確かに属性力はその人から湧き出るものだろう。だが、常に変身をしたままではそれも尽きてしまう可能性がある。

必殺技を使ったレッドは特に。

変身を解けばリカバリーが入る。だが、それをやれば何をされるかわからない。

正直、この世界のために戦った俺らを監禁する辺りで信じられないのだ。もし、ここで変身を解いたら…

それこそ、社会的に終わりだ。

この世界からいつ戻れるかわからない以上、社会的に終わるのは嫌だ。なので変身は解けない。

 

既に何時間たったのだろうか…。

時間の概念が無くなりそうなこの牢屋の中、俺はただ、テイルレッドの素晴らしいツインテールを眺めていた(レッドも俺のツインテールを見ている)。

 

 

 

 

 

監視カメラを使い、戦闘を行っていたと思われる少女二人を観察していたかわうそこと、一色健次郎。

二人の少女の事を外部から悟られないように調べていたのだ。

アローンの急な襲来、そして、謎の怪人の出現、それと同時に現れたツインテールな少女達。

後、情報部がポニーテールの少女と変身した少年を見付ければいいだけだろう。

 

そんな時、健次郎の元に一人の少女がやって来る。

 

「お爺ちゃん!テイルレッドが見つかったって本当!?」

 

その声の主は先程までテイルレッドと共に戦っていた少女、一色あかねのものだった。

 

「おお、あかねか。テイルレッド…というのは、この赤い子じゃな?」

 

そう言ってモニターに写っているテイルレッドと黄緑色のツインテール少女を見せる。

 

「なんで牢屋なんかに入れてるの!?」

「仕方がないのだ…わかっている。本当なら彼女らの力を借りたいのだが…彼女らの力がわからない以上、力を借りれないのだ…」

 

そんな会話をしていた時だった。もう一人その場所に現れた一人の人物。その人物を見た健次郎は驚く。

 

「黒騎…れい…戻っていたのか!?」

「お久しぶりです。一色博士」

 

と一礼する孫娘の友人、黒羽れい。

彼女とあかね、そして、その友人達との友情によってこの世界は救われた。

 

しかし、この世界はまた危機に迫っていた。

 

「あかねと一緒に戦ったっていう女の子は?」

「ああ。今その子らを分析しとった所だ」

 

そう言ってモニターをれいに見せる。

それを見たれいは驚いた表情をする。

れいには、その姿に良く似た人を…いや、良く似たデッサンを見せられた事を思い出す。

 

「…少しいいですか」

 

とれいは健次郎の使っていたキーボードを割り込むように横から入りカタカタと何かを打ち始める。それを端からみるあかねには何をしているのかわからなかったが、真横で見ている健次郎には、直ぐにわかった。

そして、キーボードを打ち終わり画面に何かグラフのようなものが表示される。

 

「れい君…これは…」

「…属性力…私の世界で示現エンジンの前に使われていたエネルギーです」

 

そのグラフや、れいのキーボード操作だけで判断した健次郎は納得した表情でその回答を聞く。その真横で首を傾げているあかねはどうやら理解していない様子だ。

 

「属性力か…好きという気持ちをエネルギーにする…ということじゃな。この一色健次郎、まさか、そこを見逃すとは…」

「いえ、一色博士、多分普通なら気がつかないと思います。なんせこれは…私の世界でも研究をした人は一人しかいませんでしたから…」

 

そう言って遠い所を見るようにモニターに見るれい。

 

「まあ、エネルギー原が解ればこちらも援護しやすいはずだ。あかね、れい君、二人を向かえにいってはくれんか?」

「いいんですか?」

「構わん。あかねはそうしたいんじゃろ?」

「うん!行こう!れいちゃん!!」

「わかったわ。私もあの赤い子に少し話を聞きたかったし…」

 

そう言ってあかねとれいはこの部屋から出ていってしまう。

 

それと同時にれいには先程のグラフ、そして、瓜二つのように示した昔のグラフを思い出していた。

 

(あれは…ツインテール属性…彼処まで似てるツインテール波長は…)

 

れいは思い出していた。曽、女神とも崇められた銀色のツインテールの女性を…。

 

 

 

 

 

牢屋の戸が開く

ベットに座っていた俺とレッドは立ち上がりその場で戦闘体制をとる。だが、開けた人物を見て構えた拳が少し緩んだ。

 

赤髪ミニツインテール少女と黒髪ロングの少女。多分中学生程の少女二人が牢屋の戸を開けたのだ。

 

(あれ?)

 

俺はこの時に、黒髪ロングの少女に違和感が湧いた。その違和感は直ぐに晴れる。

 

「あかね!」

 

拳を降ろしたのはレッドだった。どうやら、レッドはこの二人の少女、もしくは片方と知り合いのようだ。ならば敵では無いだろう。俺はそう判断して拳を降ろす。

 

「ごめんね。テイルレッド。こんな所に入れちゃって」

「いいよ。気にしてないから」

 

嘘を言っているのはわかりきっている。だが、八方美人でお人好しのレッドこと総二はそういう奴なので仕方がない(だからモテるんだよ…)。

 

「で、そっちの人は?」

 

と俺の方を見る赤髪ミニツインテール少女(あかねというらしい)。

 

「僕はテイルエアー。レッドとは唯一無二の親友だよ」

「私は一色あかね。で、こっちは友達の黒騎れいちゃん」

「どうも…」

 

そう言ってれいという名前の少女はテイルレッドに駆け寄る。

 

「な、何か?」

「……違う…」

 

そう言ってテイルレッドから離れるれい。俺は何が起きたのかさっぱりわからない。レッドもあかねも何があったかわからないようだ。

 

「ねぇ、テイルレッド、テイルエアー、変身、解いてみて」

「「!?」」

 

れいの発言。何気無い発言ではある。だが、この発言が問題だ。理由は簡単。この世界で俺達が変身した所を見せないように変身した。そして、この姿が変身後とは言っていない。そこから判断して変身を今、強制的に解除しなくてはならないという最悪なパターンに入ってしまったのだ。

 

「え!テイルレッド達って変身してたの!?」

「あかねちゃん…一色博士がそう言ってたでしょ?」

 

なんか別の人物の名前があがったが、そこを気にしている余裕は俺とレッドには無かった。

 

「……変身を解除する気は無いの?」

「すまないが…変身を解く事は…」

「わかったわ。でも、一つ質問いいかしら」

 

どうやら一難は過ぎたようだ。

 

「“黒騎トゥアール”って名前に見覚えは無い?」

「「!?」」

 

前の名字部分は知らないが、トゥアールは知っている。というか、知ってるってレベルじゃ無い。

 

「特徴聞いていいか?」

 

逆に質問しよう。もし、ここでトゥアールに関するキーワードが出れば確定だ。だが、世界は広い。いや、もう別世界ですから、そんな同じような名前の人物なんて一人や二人…

 

「いいわ。まず、巨乳、幼女好き…」

「「アウトーーーーーーーーー!!」」

 

もう、この時点でトゥアールと判定した俺とレッド。いや、巨乳、幼女好きでわかるから!トゥアールしかいねーよ!!

 

「やっぱり…知ってたのね」

「トゥアールとは一体どんな関係なんだ?」

 

俺の突拍子も無い質問。この質問のお陰でトゥアールとれいの関係、そして、俺の中の違和感が晴れた。

 

「トゥアールは…私の姉さんよ」

「「………えぇーーーーーーーーーー!?」」

 

少し沈黙の後、俺とレッドは驚いたのだった。

 

 

 

 

 

 

ある日、その世界は平和そのものだった。

一人の科学者が見つけた人の好きという気持ちから湧き出る力…属性力。そして、示現エネルギーと呼ばれる無限大に近いエネルギーの発見。その二つのエネルギーによってその世界の秩序は安定していた。

そう、侵略者が現れるまで…

 

侵略者、アルティメギルがその世界に進攻した。その防衛にあたったツインテールの女神、黒騎トゥアール…。

そう、その世界で初めて属性力を見つけた張本人であり、アルティメギルに利用された天才科学者。

 

実は、黒騎トゥアールには両親と一人の妹がいたのだ。

黒騎家の長女として生まれたトゥアールは幼い頃から成績優秀。小学生高学年の歳には大学まで飛び級する程。

対して、妹も成績は良かった。しかし飛び級等はせず、同年代の子と一緒に進級していった。

そんな二人の両親は二人とも可愛がった。

トゥアールもレイもその愛情に恵まれたのだ。

 

しかし、アルティメギルとの激戦が続くと、トゥアールは両親とレイを守るためにアルティメギルに属性力を察知出来ないシェルターを作り、決戦に挑んだ。

 

結果は敗北。

 

トゥアールは地下へ籠り、世界の仇をうつための準備に入った。

その間にもアルティメギルは進攻していき、侵略は完了した。

全人類に属性力は無くなった…。

シェルターにより守られた黒騎家を残して。

 

そしてトゥアールはこの世界から消えた。

 

レイに別世界へ行くと告げて。

 

その後、直ぐだった。

 

この世界が黒騎レイだけを残して消滅したのは。

 

れいは、別の世界へ行かされ、その世界にて、世界を滅ぼすように言われた。だが、れいは…いや、その友達達は正しい選択、友情という選択をしてれいの世界は元に戻された。

 

そして、れいは今、いるあかね達、友達のいる世界に戻ってきたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

大体の話をれいから聞いた俺とレッド。

今なら何となくトゥアールとれいが似てるような気がする(特に声が)。

 

「…」

 

なんて反応すればいいんだ…。まさか、ここでトゥアールの妹と出会うとは……あれ?

 

「待って。トゥアールが来たのは春だぞ。でも、今、この世界は冬…」

「テイルエアーの言っている事はわかります。世界が違えば季節も違う、それが当たり前です。姉さん…トゥアールもいなくなったのは夏でしたし、元の世界では秋でした」

「へ~、トゥアールはそこまで教えてはくれなかったな…」

 

レッドの言う通りそんな事、聞いたことも無かった。まあ、異世界に行った時はそこまで気温とか感じなかったし、修行した時も気にしなかったな。

 

「そういや、俺とレッドがトゥアールを知ってるってなんでわかったんだ?」

「属性力の検知とテイルレッドのツインテールの波長が姉さんそっくりだったから、何となく…」

 

その言葉を聞いたレッドは辛そうな顔をする。

俺もその話しは聞いていた。トゥアールのツインテール属性は、今、レッドにある。いや、レッドが使っている。

 

「これは…このツインテールは、トゥアールから受け継いだんだ…」

「!?」

 

レッドの言葉を聞いて驚くれい。

 

「トゥアールは…自分のツインテール属性を俺に…その代わりにトゥアールはツインテールを…」

 

辛い表情で話し始めるレッド。いや、総二。

俺はレッドの右肩を左手で軽く叩く。

 

「エアー…」

 

少し涙目のレッド。ここから、俺が説明すると目で合図する。しかし、レッドは、「俺に説明させてくれ」という目で此方を見る。

相変わらずのお人好しの総二だ。

 

「トゥアールについての前に、重要な事を言っていいか?」

 

俺は無理矢理レッドを後ろに下げて前に出る。

 

「姉さんの事を聞きたかったけど、いいわ」

「えーと…エアーでいいのかな?」

「いいよ。実は僕たち「おい!エアー!?」」

 

俺の発言に気が付いたレッドは必死に俺を口を押さえようと手を伸ばす。しかし、パワーが下がっているレッドは思うように動けないようで、俺が右手で頭を押さえるだけでレッドの手は口には届かない。

 

「男なんだ」

 

とうとう言ってしまった発言。レッドや俺が恐れていた発言。だが、相手がトゥアールの妹や、レッドの知り合いなら関係ない。

 

「え…?」

「……」

 

疑惑の反応をしたあかねと無言のれい。

 

「エアー…お前は…なんて事を…」

 

さっきまでの抵抗を止めて顔を押さえながらベットに座るレッド。

 

「わかったわ」

 

しかし、レッドの予想と裏腹にどうやら理解出来た人がいたらしい。

 

「れいちゃん?」

「それなら変身を解けないのも納得出来るわ。ね!一色博士!!」

 

そう天井に向けて言い放つれい。

一色博士?誰だそれは?

 

『了解じゃ!この事は監視してるワシとれい、あかね、それにテイルレッドとテイルエアーだけの秘密じゃ!!』

 

なんてこったい、まさか、監視されてるとは…(牢屋なんだから当たり前だろ)。

 

まあ、監視してる人も秘密って言ってるし、大丈夫だろ。

 

そんな訳で俺はこの場で変身を解いたのだった。




やっと入れられたオリジナル設定
何故トゥアールの妹設定を出したか……

出したかったから。それにちゃんと繋りが(中の人)……

そういやれいの身体能力って凄く高いですよね。
トゥアールが愛香の打撃に耐えられるのももしかしたら……

取り合えず、また次回!


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パート4

ペルソナ4(アニメ)にまたはまってしまいなかなか小説が進まない(それどころか俺ツイの原作すらマトモに読めてない)自分です。

番外編その2もやっと折り返し。

長い……

取り合えずどうぞ


目が覚める。

木面の天井がその時見えた。いや、見えてる。

少し肌寒いが、起床には問題無いようだ。

布団から出て周りを見渡す。

隣で布団に入って寝息を立てている幼い顔の総二、そして少し離れている所にれいちゃんがいる。それと二つ、布団が畳まれていた。

どうやら朝のようだ。少し周りが明るい。

 

ここは、一色家。俺と総二はれいと共にこの家にやっかいになることになったのだ。

 

ここまでの経緯を話すと…

 

 

 

俺が変身を解いた後、仕方がなく変身を解いた総二。その後、ツインテールの女の子(ヒロイン)がまさかの男(ヒーロー)だったことに驚かれたが異世界の技術や属性力、トゥアールの変態レベルを知っているれいの説得もあり受け入れて貰えた。

そして、あかねちゃんやあかねちゃんのお爺ちゃんである一色博士(カワウソの縫いぐるみ)と今後の事を話し合った結果(ぶっちゃけ、総二は一色博士に驚いていたが、俺は別世界で色々見ていたので少しは耐性があった)、一色博士がれいと協力して元いた世界に戻す装置を造ってくれると約束してくれたのだ。だが、その間、俺と総二の衣食住が無いことに気が付き、どうするかと話していたらあかねちゃんが「なら家に泊まりなよ!」と………………。

ぶっちゃけ、どうしてこうなった?って感じ。しかも、一色博士はそれを快く受け入れちゃったし、れいちゃんも泊まることになってしまった。

数日後には貸家を見付けてくれると一色博士が言っていたので(結構凄い博士らしく、そこそこに権力もあるみたい)その間は一色博士宅ことあかね宅に泊まることに。

 

で、あかねに連れられて来た家がなんと、あの俺達が最初に見つけた家で、更にはあかねの妹がももちゃんだった訳。

いやー、偶然ってあるもんだね。

 

 

そして、一泊したわけ。

 

で、更にもう一つ決まった事があった。

 

それは、暫くは俺と総二はあかねちゃんやももちゃん、れいちゃんが通っている学校に通うという事。

見た目が中学生になってしまった以上、平日に下手に出歩いていれば色んな人に迷惑をかけてしまう。それに、学校ならばあかねちゃんやももちゃん、れいちゃんの事情を知っている人がいるので安心はある。

後は、学校ならば自分等を逃がさないように制限かけられるって事も相手にとってはいい条件だろう。

 

早起きな俺は早速着替えを始める。元の世界の服はブカブカだし夏物なので着れない。なので、一色博士に頼んで学校の制服&下着等を支給して貰った。本当は他にも服は欲しかったが現状、あまり頼みすぎるのは少し気が引ける。

 

制服を着た後、茶の間に行きあかねちゃんもしくはももちゃんがいないか確かめてみる。

 

案の定、ももちゃんが朝食とお弁当を作っていた。

 

「あ、おはようございます、輝跡さん」

「おはよう、ももちゃん。」

 

挨拶を交わし台所に立つ。

 

「手伝うよ」

「ありがとうございます。でも…」

「いいって。一宿一飯の恩義だと思って」

「なら、手伝ってくださいね」

 

とももちゃんと料理を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を終えた後、俺と総二は先に学校に行くことに。

というよりも黒い車が家の目の前に止まりそれに乗せられて来たのだ。

車の中にて学校の説明を担任の天城先生から教えて貰った。後、天城先生はなんでもあかねちゃん達の監督官だとか。

 

一色博士の説明ではこの世界でアローンとかいう巨大な奴が示現エンジンとかいうエネルギー源を発生させる施設を狙って攻めてきたとか。

それと戦ったのがあかねちゃん達らしい。

他にも友達が三人いるらしいのだが、全員海外に行っているため戻って来るのに時間がかかるそうだ。それに、レッド(テイルの方)が壊したアローン(モドキ)からの謎の電波だかで航空管制だけがおかしくなっており、日本に直接飛行機が降りれないそうだ。普通大騒ぎなはずなのだが、対処が次々と行われているためかそこまでパニックにはなっていないらしい。

 

 

 

 

学校にて

 

「えっと…しばらくの間一緒に勉強することになった二積輝跡です」

「観束総二です」

 

転校なんかすると自己紹介ってのは当たり前だ。当たり前なのだが…

 

「門矢士だ。よろしく」

「結城友奈です!よろしくお願いします!!」

 

見たことある少年と少女が一緒に転校してきたんですけどぉーー!?

 

「暫くだが仲良くしてやってくれ」

 

おいーー!?それでいいのか!先生!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

俺と総二、あかねちゃんはある教室に呼ばれていた。

教室に入るとそこには先程のお二人と天城先生がいた。

 

「やっぱ輝跡君だ!小さくなってたからわかんなかったや!」

「久しぶり、友奈ちゃん。ってか友奈ちゃんも中学生位になってるじゃん」

「輝跡と友奈は知り合いなのか?」

「そうだよ、総二。一回会ってるんだ。あ、朗報だよ。友奈ちゃん達が探してる奴に会ったよ」

「本当!」

「ワンパンかましてやった」

「うわ…」

「オホン、もうそろそろ話してもいいかな?」

 

少し怒り気味の天城先生。完全に忘れてました。

 

「さて、何故、このメンバーを集めたかというと…」

「打倒ミドルギアスだろ。この世界の戦士が集まれない以上、別世界の戦士達が集まって何とかするしか無い。そういう事だろ?」

「…」

 

天城先生の言いたいことを全て言ってしまった士さん…。会話ブレイクですわ。

 

「まぁ、俺は好きなようにさせて貰うぜ」

 

と言って教室から出ようとしたところをあかねちゃんと友奈ちゃんに捕まれる士さん。

 

「お願いします!一緒に戦ってください!」

「お願いしますよ!ディケイドさん!」

 

ん?友奈ちゃん、今、ディケイドって…。

確か、それを知ってるのって目の前で変身した所を見た俺ぐらいのはずだぞ?

 

「止めろ!わかったから。戦えばいいんだろ。全く」

 

あ、士さんが折れた。

 

呆れた顔で此方を向き直す。

 

「はぁ、俺は門矢士。仮面ライダーディケイドだ。よろしくな。ツインテイルズ」

「「え!?」」

「俺は異世界を飛んで歩いてるんだぜ?それを無効化して正体知ってもおかしくはないだろ?」

 

そう言って俺と総二のテイルブレスを指差す。

 

「それに、ツインテイルズっていえばアルティメギルのブラックリストに載ってるし、何より俺の知り合いから話は聞いてるからな」

「ツインテイルズ?輝跡さんが?」

 

そう言って友奈ちゃんが此方を見る。

そういや、友奈ちゃん(達)も異世界を渡り歩いてるんだっけ?

 

「うん。俺はテイルエアー。で、隣の総二がテイルレッド」

「嘘!ツインテイルズの二人が男なんて!ビックリ!」

 

総二が悲しい目になる。まあ、別世界だとしてもツインテールの女神が男なんてばれたらどんな事言われるかわかるよな………………。

 

「輝跡君!総二君!凄いよ!」

「え?」

「だって男の子なのに女の子になって皆の為に戦うなんて!本当に凄いよ!」

 

………………………………総二、確かお前、「ツインテールを守る!そのおまけに人類を救う」みたいなこと言ってたよね。

総二の目が完全にバタフライ始めた。

 

「と、取り合えず、仲良くしよう。な。」

 

目が泳いでいる人の代わりに俺が答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある空間にある大きな飛行船らしき乗り物の一室。

 

会議室のその部屋には現在生き残っているミドルギアスの面々が揃っていた。

 

「…本日集まったのは他でもない。現在侵攻している世界にてツインテイルズと勇者部、並びにディケイドが現れたこと。そして、この世界にも戦士がいたことについてだ」

 

そう言ったのはマントをつけたドラゴンをモチーフにしたかのような2メートルはあろう怪人。このミドルギアスの隊長、ドラゴザレディである。

 

「それでは、ドラゴザレディ様、この世界の侵略は諦めるのですか?」

 

手を上げ発言したのは狐をモチーフにした怪人、フォックスザレディ。

 

「いや。それは出来ぬ」

 

そう言って閑散とした会議室を見るドラゴザレディ。

 

「ミドルギアスの主戦力はお主と私のみ。別世界に行くまでのエネルギーが無い以上、この世界のエネルギーを奪わなくてはならない。たった二人のみではあるが、全ての戦力を込めればツインテイルズ共など、恐れるにたりぬ。アルティメギルはそれをしないから負け続けるのだ。何が武人だ」

 

エレメリアンの性質と違う異質の存在。それがエネレリアン。エレメリアンが好きというエネルギーならばエネレリアンは物理的なエネルギーによる生命体。

そして、何より趣味と言うものよりも種の存続を考える存在でもある。彼らは巨大なエネルギーから仲間を作り出す事ができるが、そのエネルギーを何故か作り出す事が出来ないのだ。だからある程度発展した世界に行きそこを侵略、歯向かうならば虐殺さえする。人間はエネルギーを作るだけの存在程度に考えているのだ。

人間を虐殺するエネレリアンと人間の属性力を糧にしているエレメリアンはとことん相性が悪い。そのため二つの戦力は潰しあって来たのだ。だが、エレメリアンの強さは本物であり、エネレリアンはエレメリアンに負け続けであった。

 

「全ての戦力を集めろ!明日、総攻撃を仕掛け示現エンジンを奪うのだ!」

「は!」

 

ドラゴザレディの声とフォックスザレディの声だけが悲しくもこの会議室に響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は一人でただ空を観ていた。

 

冬のため空気が澄んだ空には満点の星が煌めいていて、まるで俺を包み込もうとしているかのような感覚に襲われてしまう。

 

「輝跡、こんな所にいたのか…」

 

そんな声が聞こえ俺はそちらの方を顔だけ向けてみる。そこには一緒にこの世界に来てしまった総二がいた。

 

「いや、少し考え事をさ…」

 

そう言ってまた空を眺める。

 

「…あのさ、愛香の誕生日会の事を思い出してさ…」

「そうだな。今頃俺達がいない中やってるだろうな…」

 

俺はポケットからある物を取り出す。

トゥアールフォン。トゥアールが俺達のために作ってくれた携帯だ。ツインテイルズの面々や協力してくれる人は大概持っている。

俺もライトグリーンのトゥアールフォンを貰った。そのトゥアールフォンの時間を見てみる。

 

「これ見てくれ」

 

そう言ってトゥアールフォンの画面を見せる。

なんも変化も無い画面ではあるが、日にちや時間が全くもって違うのだ。

 

「現在の時間は大体夜の10時頃のはずなんだが、トゥアールフォンでの時間は8月8日の午前1時過ぎなんだ…」

「え?」

「この世界と元の世界での時間の進みは違うってことだよ。もしかしたら愛香の誕生日会に間に合うかも知れねぇ」

「本当か!」

「あぁ。まあ、確証は無いけどね」

 

そう言って俺はある事を訪ねてみる。

 

「あのさ、総二は愛香のことどう思っているんだ?」

「え?親友だけど?」

 

……そうか、総二も当真系だったな。

素直に俺が言うべきか?それとも愛香が自ら言うのを待つか?

後者だと絶対にトゥアールに先越されそうだよな。それに慧理那先輩も何気に総二を見る目が怪しい。尊先生は例外。

 

「あのさ、総二って恋愛感情も全部ツインテールへの愛へ還元してるよな…」

「え?」

「本人はそういったことにへたれだから俺が言うけどさ、多分、愛香、お前のこと好きだぞ?」

「俺も愛香の事は好きだぞ?ツインテールも含めて」

「それは友達として、だろ?」

「あぁ」

「そういうのじゃなくて恋愛的な意味だよ」

 

頭に?を出している総二。ダメだこいつ。今度一から教えてやらねぇと。

 

「はぁ…総二と当真のウブ差には呆れるね…」

 

そう言って俺は泊まっているあかね達の家へ向かった。

 

「どういう意味だよ?」

 

それを追い掛けてくる総二に呆れ顔をしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

パソコンをずっと睨みながらキーボードを叩いていた少女。そしてenterを押した瞬間にキーボードから両手を離しゆっくりと背伸びした。

 

「終わったのかね?れい君」

「はい。一色博士。一応完成です」

 

そう言って銀色のドアを見る。明からにあの秘密道具を思い出しそうな見た目ではあるが色が統一の銀色という違いが目を引くだろう。

 

「これで輝跡君達が元の世界に帰れるな」

「えぇ。でも…」

「…やはり気になるか?奴等の事や姉の事が?」

「姉さんの事はあまり思ってません。問題はやはりミドルギアスの行動ですね」

「主な戦力はあかねと友奈、士に輝跡と総二だけじゃからの。そのうちの二人がいなくなっては…」

「このドアが使えるのは一回切りですからね」

「他のビビッドチームも呼んではいるが…いつになることやら…」

「でも、士さんの話では奴等に戦力は残っていないと…」

「なら、余計に心配じゃ…」

 

その二人の会話がただ静かにながれていたのだった。




オリジナルの敵キャラを考えるのに一苦労しました……。

さて、それではまた次回


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パート5

遅くなりました。
どうも、自分です。

全く執筆が進みません(・_・)

だけど、書き溜めがあるので一応投稿。

何故期間がほんの少し伸びたか
→リアルで忙しくなった&書いているもうひとつの方の小説を書いていたため。

番外編が終わるのは何時になることやら…
(次で番外編は最後だけど)

とりあえず、どうぞ


爆音と共に俺や総二は目を覚ます。

 

急いで着替え、外に出てみる。

 

戦闘機が飛び、戦艦が海を被い、戦車が道を塞いでいた。

そしてその目標となるものが空に浮かんでいた。

 

真っ黒で大きな戦艦。それが空という海原の上にあったのだ。至るところに砲身がありそれらが戦艦や戦車を砲撃していた。

戦車や戦艦の砲撃は一切ダメージが無く、戦闘機による攻撃さえも効かない。

 

そして、その空にある戦艦の上にスクリーンが映し出された。

 

『この世界にいる戦士共よ!我々、ミドルギアスは全戦力を持ち貴様らを排除する!降伏するならば戦士共を殺し、世界の全エネルギーを貰う代わりに生かしてやろう。もし、抵抗するのであればこの世界の生物全てを滅ぼそう!』

 

ドラグギルディそっくりな奴がそう言いスクリーンが無くなる。

 

「輝跡!」

「あぁ。あのデカイ戦艦ぶっ壊せば良いだけだ」

 

そう言っている間にあかねがバイクの車輪無いような乗り物に乗って来て家の前で止まる。

 

「輝跡君!総二君!」

「あかねちゃん!無事だった!?」

「私は大丈夫!でも…」

 

真っ黒な戦艦は戦車など以外にも様々な所を攻撃していた。無差別攻撃も良いところだ。

 

「あいつら…」

 

そんな一大事にあかねちゃんの電話が鳴り響く。あかねちゃんは直ぐに電話に出る。そしてスピカーに切り替えてくれる。

 

『そこに、輝跡や総二はいるか?』

「います」

「どうしました?一色博士?」

『こんな一大事ではあるが伝えなくてはならないことがあってな』

 

そんな話をしているなか、無意識に総二があかねちゃんのツインテールを触ろうとしたので間に入って邪魔をしておく。因みにあかねちゃんは気が付いてません。

 

「なんですか?」

『元の世界に戻れるようにしたぞ』

 

その言葉を聞いた瞬間に俺と総二は顔を合わせる。そして、お互いに目だけで会話をする。いや、この場合、ツインテール属性の共鳴により何となく気持ちがわかったと言った方がかっこいいかもな。

 

「すみません、一色博士、俺と輝跡はあのデカ物を倒してから元の世界に戻ります」

「そうですよ!一色博士!」

『…そうか…ありがとう』

「「ツインテールを怯えさせたあいつらを絶対に倒す!」ぶっ殺してやらぁ!」

 

お互いに気持ちが高ぶる。

実は爆音がして怯えたももちゃんのツインテールや不安がってるあかねちゃんのツインテールを見て決心したのだ。

 

因みに俺がぶっ殺してやらぁと言ってます。

 

右手のテイルブレスを翳す。総二も同じようにする。あかねちゃんは赤と銀色の鍵を取り出す。そして

 

「「テイルオン!!」」

「イグニッション!テクスチャー・オン!!」

 

三人をそれぞれ光のコクーンに包まれ俺と総二はテイルエアーとテイルレッドに、あかねちゃんもビビッドカラーの服へと変身する。

 

あー、あかねちゃんのツインテールの輝き増した気がするな。

 

僕らの後でももちゃんが見送る。

 

「お姉ちゃん、輝跡さん、総二さん、頑張ってください」

 

いや、こんなツインテールの子にそんな事を言われたら頑張るしかない。

 

あかねちゃんはももちゃんに一言言って空から、俺とレッドも陸路からあの黒い戦艦へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、ウジャウジャといるな」

 

そう呟くディケイド。大きな橋の上、目の前には橋を覆うように白い雑魚敵、ザレドロイド達がいた。

その先頭には白い狐を催した怪人がいる。

 

「ディケイドか!私はフォックスザレディ!貴様らを消す者の名前だ!」

 

フォックスザレディがディケイドに指を指す。

 

「生憎、死ぬ気も無いもんでね」

「リザドザレディを倒して上機嫌か?残念だが奴は私よりも遥かに弱い。それに、貴様ごときが数の暴力に勝てるか?」

 

そう言って白い狐はゆっくりと白い人波の中へ消えていく。

 

「ザレドロイドの数は二千。たった一人では無理だろうな」

「そうだな、一人だとな」

 

そうディケイドが言いはなった瞬間、ディケイドの横に黄緑と赤の少女達が舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は最初、目の前の人波(ザレドロイド達)を見て思った事はなにこれキモだった。

 

「エアーにレッドか。ビビッドの方のレッドはどうした?」

「真っ直ぐ戦艦の方に行ったよ」

「そうか。なぁ、エアー、こいつら倒すの手伝ってくれないか?」

「雑魚との戦いは慣れてるからいいよ。レッドは大将首狙って!」

「でも、この人波は俺でも抜けるのは…」

「壱武装」

 

そう言って黄緑色のフレームのメガネを着け、アロンダイトを取り出す。

 

「前と同じ方法で飛ばす」

「あれは…ちょっと…」

「問答無用!それに今は考えてる暇なし!」

「鬼畜!」

 

そう言ってアロンダイトを振りかぶりレッドを飛ばす。勿論逆刃で。それに会わせてレッドもジャンプして両足でアロンダイト(逆刃)を捉え吹き飛んで行く。目標は勿論あの戦艦の所。いやー、意思疎通出来てるな(遠い目)

 

「お前ら本当に仲間か?」

「これが僕らなりの友情さ」

 

そう言ってアロンダイトとメガネを消してフォースナイファーを取り出す。

 

「まあいいさ。まずはこいつらをなんとかするのが先決だな」

「あれ?友奈は?」

「先に行ったよ」

 

また明るい色のメンバーがでっかい奴担当だな。

 

「に、しても、雑魚敵とはいえ数多くね?」

「あぁ。二千体だそうだ」

「うぇ…二千か。一人千人担当するのか…辛いな…」

「いいや。五百だ」

 

そう言ってディケイドはカードホルダーから一枚のカードを取り出しそれを腰のドライバーに入れる。

 

《イリュージョン》

 

その機械音と共にディケイドの影が現れディケイドが四人に増える。

 

「スゲェ!」

 

素がでてしまった。

 

「さて、これで五対二千だ」

「あれ?それだと一人450では?」

「…」

「ディケイド?」

「よし、行くぞ!」

「無かったことにした!?」

 

ディケイド(四人)がザレドロイドの群れへ入っていき次々にザレドロイドを光へと変える。俺もザレドロイドを追加したスラスターから青い炎を出して加速した状態でフォースナイファーを突き刺したり切り裂いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エアーに飛ばされたテイルレッドはなんとかしてあの戦艦に張り付いた。そして甲板らしき所に何とか上がり込む。

そこにはブーメランを構えるあかねと拳を構える友奈の姿があった。

 

そして、その二人の目線の先には先程スクリーンに映っていた敵、ドラグザレディの姿があった。

 

「勇者にツインテイルズ、そしてこの世界の戦士か」

 

ドラグザレディはゆっくりと自分の身長、2メートルもあろうという大剣を振り翳す。

 

「お前がボスか!」

 

テイルレッドの声が響く。

 

「そう!我こそがミドルギアス頭領、ドラグザレディだ!」

「何が目的でこんなことするの!?」

 

あかねの言葉にドラグザレディは

 

「目的?そんなもの、この世界のエネルギーの独占と侵略だ。それ以外無い」

「侵略!?」

「全ての生物を滅ぼし、我等の世界にする。それが我々ミドルギアスだ」

「そんな事、私達がさせない!」

 

友奈が拳に力を込める。

 

「わかり会えたりとか出来ないのかよ!」

 

テイルレッドの悲痛な訴え。

 

「何故、侵略される者とわかり会う必要がある?貴様らはただエネルギーを作り出す道具に過ぎぬ。その道具と手を取り合う等、馬鹿げた事する理由がない」

「ぐ…通じねぇのかよ!」

「貴様と話すのも嫌になる。我々ミドルギアスはな、人間程嫌いで滅ぼしたい生物はいないのだ!」

 

そう言ってドラグザレディは剣を振りかざし、一瞬にしてテイルレッドの目の前に現れその首を切り落とそうとする。

しかし、テイルレッドはそれをブレイザーブレイドで受け止める。

 

「ぐ…」

「ち!狩り損ねたか!」

 

そう言ってドラグザレディは後ろにバックステップで退避する。その退避を見計らって友奈が拳を振るう。

しかし、友奈の拳に響いたのは堅い鉄板を叩いた感覚。

友奈の拳はドラグザレディに届かずただ剣を殴っていた。

 

「狙いはいい。だが!」

 

とドラグザレディが蹴りをしようとした瞬間、咄嗟に友奈から離れる。

 

その瞬間に赤いブーメラン、ネイキッド・ラングがドラグザレディの居たところの空を切る。

 

「…なかなかめんどくさいことをしてくれるな」

 

そう言ったドラグザレディは殺気を強く出しはじめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで終わりだ!」

 

俺の蹴りで玉潰しを喰らったザレドロイドが光へとなる。

こいつで最後であり、ほぼほぼ作業ゲーみたいな感じで雑魚敵は倒されていった。

 

途中からディケイドの分身が消えたりディケイド自体が色んな姿に変わって見てて楽しかったが、雑魚敵と戦うのは正直片手で足りてて飽きていた。

ってか俺って毎回雑魚敵と戦ってない?

 

そんな俺の疑問を置いておいて目の前ではフォックスザレディとディケイドが向かい合っていた。それに俺も参戦する。

 

「あれほどのザレドロイドを!ぐ…ドラグザレディ様になんとご報告すれば…」

「報告するならあの世だな」

 

そう言ってディケイドはカードホルダーを剣にする。

 

「あの世だと?あの世に行くのは貴様ら人間の方だ!」

 

そう言ってフォックスザレディの後ろに白い空間が出来、そこから赤いリボンの用なものが沢山出てくる。それらは一本一本がまるで鞭のよう。

 

「我が奥義、デス・ザ・リボン!これで貴様らを粉微塵にしてくれるわ!」

 

そう言って襲ってくるリボン。ディケイドは剣や腕で弾き飛ばす。俺もフォースナイファーで切り裂くが手数が相手の方が上回り、此方にダメージが通り始めていく。

 

「くそ…カッコ悪い名前の技なのに中々攻撃出来ねぇ…」

 

一旦退いて柱の影に隠れ様子を伺う。多分二束自由でも避けられないし、眼鏡運命でも突破できるか…。

 

ディケイドが攻撃され此方に飛んでくる。

 

「ディケイド!?」

「ぐっ…」

「はっはっは!見たか我が奥義を!」

 

勝ち誇っているフォックスザレディ。なんとか出鼻をくじきたい。どうすれば…。

 

そう考えるとディケイドがカードホルダーから何も写っていないカードを数枚取り出す。

すると、そのカードの一枚は一瞬にして色が付き俺の(テイルエアーの)写真の入ったカードへとなり、他のカードにも色が入る。

 

「なるほど、テイルレッドでは無くお前が…」

「え?」

 

俺の方を見て何か確信でもしたかのように俺の後ろに行くディケイド。

ディケイドを追って顔を見ようとすると

 

「前を向いてろ」

 

と言われた。

 

《ファイナルテイルライド・エアー》

 

直ぐ後ろからそんな機械音が響く。

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

ディケイドから言われる言葉に?となる。

 

だが、その瞬間、何かが起きた。くすぐったいというか、痛いというか、なんか訳がわからない感覚が全身を襲い、気が付くと…。

 

『…あれ?』

 

黄緑色の翼になっており宙を浮いてました。

 

『えーーーーーーーー!?』

「なんだあれは!?」

 

敵さんも驚いてくれたけど俺も驚きだよ!

 

「まさかこうなるとはな」

 

ディケイドも驚いてる!?あんなこれの張本人だよね!?

 

「姿を変えて虚仮威しなど!」

『虚仮威しじゃない!僕被害者!』

 

と言って攻撃を止めて貰おうとするが攻撃(リボン)は無惨にも此方に向かってくる。

 

「エアー、俺の背中にくっ付け」

『え!?僕、そんな趣味無いよ』

「馬鹿か?その姿を生かすには背中にドッキングするのが一番なんだよ!」

 

そう言われて渋々とディケイドの背中にくっ付く。

だが、そうしている間にもリボンが迫る。

 

「おい!早く飛べ!」

『はぁ!?無茶言うな!人間は飛べません!』

「こんな時に子供みたいなことをいうな!」

 

そんな馬鹿な事をしている間にリボンが目の前に迫っていた。俺は身体(翼)を本能的に動かして避ける。すると、まるで鳥のように空を飛べてしかも空中で制止出来たのだ。

テイルシャーマみたく。

 

「やればできるじゃないか」

『マジだ!』

「な!飛んだだと!?」

 

驚いているフォックスザレディ。

 

「行けるか?」

『行けるかじゃ無くて行くんでしょ!』

 

そう言って回転しながらフォックスザレディに空中から突進を試みる。

回転しているのは俺の翼だけでありディケイド本人は回転していない。

回転している翼にリボンが当たるがリボンは次々と砕かれゴミへとなっていく。そしてフォックスザレディに俺とディケイドは突進を喰らわせてやった。

 

「行くぞ!エアー!」

『了解!ディケイド!』

 

回転を止めるディケイドはカードホルダーからカードを一枚ドライバーに入れる。

 

《ファイナルアタックライド・エアー》

 

その機械音と共に空高く飛び上がりそして翼を大きく広げる。

 

そのままディケイドは右足を突き出し蹴りの体勢へ。フォックスザレディは何が起きているのかわからずにただ棒立ち。

 

『「ディケイドフォース!」』

 

二人の声が重なりディケイドの蹴りがフォックスザレディの腹に1発決りそこからディケイドと俺は宙返り、そして2発目の蹴りが決まる。

 

2発目の蹴りが決まった瞬間にフォックスザレディを貫通し、フォックスザレディの数メートル先の場所に立つ。

 

「…すみません…ドラグザレディ様…」

 

そう言ってフォックスザレディの体から電撃のようなものが走り爆発したのだった。




ディケイドさんの背中にエアーがくっつきました。
これがやりたかったのでディケイドを…。

さて、次でいよいよ番外編ラスト。

やっと本編に戻れる…。

それでは。


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パート6

とうとう番外編ラスト!

次からちゃんと本編に行きます。

そして、連日投稿。
理由は何となくです。

ではどうぞ。


パート6

 

 

「はぁはぁ」

 

テイルレッドは肩で息を切らしながらも膝を着く。

 

ドラグザレディとの戦闘が始まって結構経ったように感じるし、そんなに経っていないようにも感じる。

 

ブレイザーブレイドを杖代わりにし立ち上がる。

友奈やあかねは現場まだ戦っている。

友奈の拳やあかねのネイキッド・ラングを避け、大剣で反撃、そして蹴りや拳での追撃を行うドラグザレディ。

それは単純な強さの領域である。

ドラグギルディとの戦闘においてテイルレッドは相手の剣技を見定められるようにまで成長していた。それは相手がどんな属性か剣を交えば何となくだがわかる程度に。

しかし、ドラグザレディと剣を交えてわかったことは属性を持たず、力のみで振るう剣の威力だった。

 

エレメリアンとの戦いばかりだったテイルレッドには初めてに等しい相手。

 

別の意味でも友奈とあかねは苦戦していた。

 

友奈もあかねも人形の敵と戦うのに馴れていなかった。友奈自身は武術の心得があるため何とか立ち回っているがあかねは初めて戦う人形の敵に苦戦していた。

ネイキッド・ラングはブーメランのように飛道具として扱えるし、剣としても使える。

だが、ドラグザレディに対して投げても弾かれ、剣として攻撃しても防がれてしまう。

友奈の攻撃に対してはドラグザレディは器用に避け、大振りした大剣で牽制からの蹴り等で攻撃し、常に警戒を怠らない。

 

お互いに互角…と言いたいがドラグザレディの方がまだ優勢であった。何故なら、ドラグザレディはまだ疲れてすらいないのだ。

 

ドラグザレディの特性は疲れない事。それは永遠に攻撃が行え、更に追撃も可能。

 

そう、テイルレッドが膝を着いたのは疲労が貯まったため。

 

前線で戦うのはテイルレッドであり、友奈は奇襲、あかねがサポートをする感じで戦っていた。しかし、間近でドラグザレディとの戦闘を行えばその単純な暴力に等しい力がテイルレッドの体力の消費を激しくさせ、今の状態になってしまったのだ。

 

ブレイザーブレイドを構えたテイルレッドは空に右手を翳す。

 

「オーロラピラー!!」

 

赤い閃光が空に走る。

 

「友奈!あかね!離れて!」

 

テイルレッドの言葉に反応して二人がドラグザレディから距離を置く。

ドラグザレディは何が来るのかと身構えた瞬間、頭上から赤い閃光が降り注ぎドラグザレディの身体の自由を奪っていく。

 

「ぐぉぉぉぉぉぉ!?」

「ブレイクレリース!」

 

テイルレッドのブレイザーブレイドから迸る炎が吹き上がる。腰のスラスターから青い炎を上げ一気にドラグザレディに接近し炎の剣で頭上から真っ二つにしようとする。

 

「グランドブレイザー!!」

 

しかし

 

「グァァァァァァ!」

 

拘束されている両手を無理矢理動かし、剣を構えるドラグザレディ。そしてドラグザレディの大剣から黒炎が吹き出し、テイルレッドの必殺の一撃を黒炎の炎を纏った大剣で受け止めたのだ。

 

「な!?グランドブレイザーが!?」

「ハァ!!」

 

ドラグザレディの声と共に衝撃波が走りにより赤い結界は破壊され、その余波をまともに喰らったテイルレッドは吹き飛び甲板に何度も身体を打ち付ける。

 

「ぐぅ…」

「レッド!?」

「テイルレッド!!」

 

あかねと友奈が急いでテイルレッドに駆け付ける。そして何とか起き上がるテイルレッドではあるがダメージが大きく、立ち上がろうとしても足に力が入らない。

 

「よくも…貴様ら!」

 

黒炎の大剣を持ったその黒き竜は先程出していた殺気なんか比にもならないほどの殺気を出し、三人を睨んでいた。

 

「殺してやる!殺してやるぞ!人間!!」

 

怒りと殺気に反応してなのか、大剣から黒いの炎は更に燃え上がる。

 

「…テイルレッド、提案があるの」

 

あかねの言葉に耳を貸すテイルレッドと友奈。

 

「私とドッキングして」

 

その言葉の意味がわからない二人は反応に困るが、あかねの行動で二人は慌て始める。

あかねはゆっくりとテイルレッドの額に唇を近付けたのだ。

 

慌てるテイルレッド。

 

「何をしようとしてるだ!あかね!」

「ドッキングするの!それには額にキスしないと!」

「イヤイヤイヤ!あかねちゃん!女の子同士でそれは…」

「え?」

「俺…男なんだけど…」

「あ!そっか!」

「なら大丈夫だよ」

「余計な事言っちまった!?」

 

あかねは無理矢理でもテイルレッドの額にキスをした。

 

その瞬間、あかねとテイルレッドが赤い光に包まれ二人は一つとなり始めていた。

 

それを見た友奈も決心をしたのか、友奈も別な色の光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とディケイドは空を飛びながら戦艦に向かっていた。飛んでくる砲弾を俺(翼)で弾き、凄いスピードで接近する。

その間、戦艦の上で何やら様々な光が飛び交っていたように見えた。

 

ディケイドと俺が何とか甲板にたどり着く。そこには…

 

「「ダブルレッドオペレーション!!」」

 

あかねとレッドの声が響き、赤い光の中からまるでテイルレッドの大人バージョン(ソーラ)とあかねちゃんの大人バージョンが合体したような女性(格好はテイルレッドに似ているが胸の部分や各種あかねが変身している時の服装になっている)が長く、美しいツインテールを靡かせながら立っており、隣にはナックルアームを着けた巫女服ぽい服装の友奈ちゃんが立っていた。

 

向かい合うように真っ黒な炎の大剣を持っているドラグギルディモドキ(多分〇〇ザレディとかいう奴らだからドラグザレディかな?)

 

「合体したからなんだ!増えたからなんだ!全員殺す!」

 

果てし無い殺気をドラグザレディ(仮)から感じる。

 

『ディケイド!一気に必殺技で決めよう』

「あぁ。めんどくさそうだしな」

「え!?そのウィングが喋った!?あれ?もしかしてエアー?」

『そうだよ、友奈ちゃん。詳しい説明は後だけど、ディケイドにこの姿にされちまった』

「おいおい、人を悪者みたく言うな。それに悪者は目の前の奴だろ」

「「ディケイド、友奈、エアー、一緒に決めよう!」」

 

そう言って飛び上がる成長版ダブルレッド(あかねとテイルレッドの合体だから二人のレッドでダブルレッド)。それを追うように俺も飛び、友奈ちゃんも飛ぶ。

 

どれくらい飛んだかわからないが、地平線が見え、宇宙空間ギリギリって所まで飛ぶ。(多分成層圏)

真っ青な地球に三人(本当は五人)は落下し始める。

 

ディケイドはまたあのカードを腰のドライバーに入れる。

 

《ファイナルアタックライド・エアー》

 

「勇者パーンチ!!」

『「ディケイドフォース!!」』

「「ダブルレッドパーンチ!!」」

 

五人の拳と蹴りが合わさり流星になる。

 

甲板の上のドラグザレディは黒い炎を巻き上げ、大剣へそれを宿し、迎え撃つ。

 

黒い炎の剣と友奈ちゃんとダブルレッドの拳、ディケイドの蹴りがぶつかり合う。

 

しかし、黒い炎の支えとなる大剣にひびが入り始め砕けて行く。それと同時に黒炎の力が無くなっていく。

友奈とダブルレッドの拳とディケイドの蹴りはドラグザレディの大剣を砕き、ドラグザレディの懐へと入る。身体一つで止めようとするドラグザレディだが、五人の合体技を止める事は出来ず、ドラグザレディの身体を貫通する。

だが、それでは威力を消すには足りず、一つの流星はドラグザレディの身体と奴等の戦艦に大きな風穴を作りだし、ドラグザレディと戦艦は大きな爆発を起こし海に沈んでいった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と総二は現在銀色のドアの前に立っていた。

 

「本当に今回はありがとう」

 

カワウソのぬいぐるみこと一色博士にお礼を言われる。どうやらあの戦艦が奴らの母艦であり、あのドラグザレディが頭領で、頭所か全て無くなったミドルギアスは全滅したとのこと。

 

「いいえ。いいですよ」

「やれることをやったまでですから」

 

俺も総二も遠慮がちに言う。

現在俺と総二の格好はこの世界に来たときの格好。ぶかぶかの夏着だ。

 

現在、見送りにあかねちゃん、れいちゃん、ももちゃん、友奈ちゃん、士さん、一色博士がいた。

そう、元の世界に戻れるのだ。

れいちゃんと一色博士が頑張ってくれて早い段階で元の世界に戻れる装置を作ってくれたのだ。だが、そう易々と別世界に行ったり来たりしては世界が崩壊するとか何とかでこの装置は一回切りの使い捨て装置にしたのだとか。

 

「でも、れいちゃん、本当に来なくていいの?トゥアールは…」

「いいの。私の居場所はここ。姉さんとは会いたいけど友達と別れたくは無いの」

 

そう言ってれいちゃんはあかねちゃんを見て、二人で手を繋ぐ。うん、いい友情だね。

 

「俺は暫くしたら別の世界に行く」

「士さん、今度僕らの世界に来てくださいよ」

「考えとく」

 

そうだけ言って士さんはどこかに行ってしまう。

 

「お二人ともありがとうございます」

 

頭を下げるツインテール…じゃ無くてももちゃん。

思えばこの子のツインテールを見て俺達は戦うことにしたんだよな。

 

「いいよ。それに、俺達はただこの世界のツインテールを守っただけだもんな。な、輝跡」

「それを言われると否定出来ない…。まあ、結果的に世界が守られたから良かったってことで」

 

俺と総二は友奈とあかねの方を見る。

 

「輝跡君またね」

「じゃあね、友奈ちゃん」

「また、会えたら、会おうね!総二君!」

「おう!じゃあな!あかね!」

 

別れを言い、俺と総二は銀色のドアを開けてくぐった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝉の無く声とじめじめとした湿気とムシムシとする暑さで目が覚める。

 

隣には高校生の良く見知ったツインテール馬鹿でツインテールの戦士に変身するモテ男、観束総二が倒れていた。

 

「おーい、総二、起きろー」

 

俺は総二を揺さぶる。するとムクッと起き上がった。

 

「あれ?輝跡…ここは?」

「…多分元の世界だと思う」

 

俺と総二はゆっくりと立ち上り回りを見渡す。見覚えのある道で、俺達は黒い渦に巻き込まれた場所だと気が付く。

 

「帰って来れたのか?」

「あぁ。多分な」

 

そうこう言っているのも何なので総二の実家、アドレシェンツァに向かおうと歩き出していた。

 

「あれって夢…だったのかな?」

「いや。ほら、見てみろ」

 

俺はトゥアールフォンを取り出して日にちを見せる。昨日が8月7日だったのに対しては今は8月8日の午後。まる一日経っているのだ。

 

そして、俺と総二は日にちを見て慌てて走ってアドレシェンツァに向かった。

 

 

今日は愛香の誕生日会だ!

 

 

 

 

アドレシェンツァに着いて俺と総二はドアを思いっきり開く。そこでは既に愛香の誕生日が行われていた。

 

「そーじ…輝跡…」

「総二様…輝跡さん…」

 

愛香が涙ながらに此方を向き、総二に抱きついた。

 

「ちょ!愛香さん!その役目は普通胸のある私の仕事ですよ!」

「…」

 

トゥアールに嫌みを言われているがそれでも愛香は総二の胸に収まり動こうとしない。それを総二は優しく撫でる。ツインテールを。

 

「馬鹿…心配したんだから…」

 

愛香の一言にごめんと呟く総二。

 

その後、総二から愛香が離れて誕生日会が再開。愛香が拾ってくれた僕らの誕生日プレゼントをそのまま渡して喜ばれたり、トゥアールが馬鹿やって愛香の攻撃を喰らったり、愛香のお姉さんの恋香さんを紹介して貰ったり、尊先生が婚姻届を俺や総二に渡そうとしてきたりした。中二病のお客さん達も一緒に盛り上がっていた。

今まで誕生日会なんて誘われた事の無かった俺にとってはとても楽しい時間になった。

 

 

 

俺はそっと、トゥアールの隣に座る。

 

「なぁ、トゥアール、少しいいか?」

「なんですか?因みに私は貴方に好意は持ってませんから」

 

そう言うトゥアールに手紙を渡す。

 

「なんですか?これは」

「いいから。この会終ったら一人で読みな」

 

そう言って俺はまた席を立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誕生日会が終わる頃

 

「あの…お二人は今までどこに…」

 

と慧理那先輩から質問が飛んだ。それに対して俺と総二は

 

「「ちょっと悲しんでるツインテールを助けに行ってた」」

 

と胸をはって言いきったのだった。




いやー、長かった。

番外編終了です。

次からはちゃんと本編行きますんで、よろしくお願いいたします。

では!


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やっとの本編再開
第40話 俺、できます(意味深)


投稿期間が空きました……

最新話を書こうとしたら、書きたいこと思い浮かばなくなってしまってスランプに陥り、気分転換に別の小説書こうとしたら、やっぱり書きたいことが思い浮かば無く、最終的に何故かFateにはまり、果てにはFGOを始めたから期間が空いた訳ではありません。

さて、やっと本編に帰ってきました。

長かった……

では、笑劇の本編、
どうぞ~


「えーと…………よろしくお願いします?」

 

顔を真っ赤にした天子を目の前にして俺はそう言った。

お昼前の俺の家のソファーの前。

 

何故こうなったのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛香の誕生日から数日後。

 

あれからエレメリアンが出現せず、暇な日を送っていた。

と言っても毎日のように総二の家ことアドレシェンツァに通って愛香やトゥアールのじゃれあい(命に関わるレベル)を見たり慧理那先輩と玩具の話をしたり、ゆっくりとコーヒーを飲んだり(今まで飲んだコーヒーの中でも上位レベルでおいしい)、総二からツインテールについて学んだりしていた。

 

それはエレメリアンが休戦を申し上げた日を過ぎても代わらなかった。

 

それに、後数日後にはあのイベントがある。

そのための準備もちゃんと始めている。

 

ここからあの場所まで遠い。だが!今回はトゥアールから貰ったワープ装置がある!

それに、トゥアールも参加することは聞いている。まあ、俺が行くことは内緒だけど。

 

約三日間の予定を書き入れた紙を部屋の壁に張り付けて何度も確認する。

 

様々なサークルが参加するビックイベント。俺はサークル参加では無いがこのイベントを逃す訳にはいかない。そのために何ヵ月も計画を練っていたんだ。

それに、エレメリアンへの対策&テイルエアーの新能力公表も兼ねている。

エレメリアンめ、もしこのイベント……コミケに出てきたらお前らを逆利用してやるよ。

 

そんな悪い笑みをしていると携帯にメールが届く。普通ならLINEとかなのだろうけど。

あ、LINEの交換してなかったや。

 

メールは……こなた師匠からだ。

 

メールを確認してみる。

 

えーと…え!?こなた師匠コミケ来るの!?

 

ならこなた師匠と会う約束も取り入れないと。

 

そうこうして予定を書き入れた紙に書き足しを行っていく。

 

そうこうしている間に夜になっていた。

 

 

夕御飯は適当にあるものを使って済ませ、お風呂に入り、軽くゲームをやったりアニメを見たりしてその日は就寝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚め、上半身を起こす。

 

重いまぶたを擦りながら現在の時間を確認しようと寝ていた毛布に手を着ける。その時、右手にむにゅと感触があった。

その感触に違和感はあった。柔らかい感触、何処かで感じた事のある感触。何処だっけ……。

 

あ、そうだ、俺が女体化した時に触ったんだ、自分の胸。

でも、俺は現状女体化してない。それに触ったのは毛布であって俺の胸じゃ無い。

 

ということは……

 

俺は恐る恐る毛布を取ってみる。

 

そこには……

 

薄着の天子が寝ていた。

 

この時、俺の脳内は思考を停止し、二度寝へと切り替えそのまま寝た……。

 

 

 

とはいかず、しょうがなく起きる。勿論、無意識&事故とはいえ女の子の胸を触ってしまったのだ。謝るのが義理というやつだし、何より友達として、ちゃんと謝らないと。

 

「おーい、天子、朝だぞ~」

 

と、ここで俺はある疑問を持った(脳が動き出した)。

何故、天子がここにいる?そして、何故俺のベットで、しかも薄着で寝ている?

下手すればR18の事だぞ?

 

そんなことを思っていた矢先

 

「ん…おはよ、輝跡…」

「おはよう。取り合えず起きてくれ」

 

そう言って天子を起こした。

 

俺と天子はその後、顔を洗い、私服に着替え、朝食(俺が作った)を取り、天子をソファーに座わらせて何がどうなったのか聞いてみる。

因みに俺は天子に向かい合うようにリビングの椅子を持ってきて座る。

 

「さて、天子、いつ帰ってきたの?」

「昨日の夜中だよ」

「夏休みは幻想郷にいるんじゃ無かったのか?」

「いや…だって幻想郷にいるのつまんなくてさ…。それに……」

「それに?」

 

顔が赤くなる天子。どうしたんだ?

 

「えっと……ほら!宿題とかあるし…」

「ふむ……。で、次なんだが、何故俺のベットで、しかも薄着で寝てたんだ?」

「それは…」

 

黙り込む天子。その顔はトマトのように真っ赤になっていく。

 

「その……夏だし……暑かったから…。それと…輝跡と一緒に寝たかったから…」

 

ぼそぼそした天子の声は確りと俺の耳に届く。

 

「俺と一緒に寝たかった?」

「あ!えっと……そうよ!一緒に寝たかったのよ!」

 

いきなり大声で逆ギレの如く言い切った天子は直ぐ様顔を真っ赤にして俯く。

 

「……ねぇ、輝跡。私が幻想郷に行く前、あの蜘蛛のエレメリアンを倒した後、約束したの覚えてる?」

「……?」

 

いや、そんな前の事忘れちまった。

だって、ほら、異世界に一ヶ月近くいた訳だし、辛い戦闘が多かったし。

 

「私の願い事一つ叶えて貰うっていうやつよ……忘れてたなんて…」

「ごめん、ごめん。んで、なんだよ、その願い事って。今回の事と関係あるのか?」

「あ、あるわよ!」

 

そう言って天子は深く息を吸って俺を見る。

 

「私と付き合って!」

 

…………思考停止

 

「ショッピングが何かを?」

「違うわよ!馬鹿!恋仲になってって言ってるの!!」

 

……………………………………

 

思考再起動

 

恋仲…これって確か、愛し合う関係の事を言っているんだよな?それって……えっと…

 

天子は俺の事を友人としてではなく異性として好きだということなのか。

 

そしてそれを少し遠回し的に言った訳。

 

あれ?これって告白じゃね?

 

 

「あの…それって、俺の事を異性として好きって事で考えていいのか?」

「そ、そうよ!何度も言わせないで!恥ずかしい!!」

 

この場合どう返せばいいんだ!?

いや、天子が可愛いのはわかってるよ。それと、天子がいい子なのは一緒にいてもわかる。ただどっかのとんまの被害を受けてるだけだ。

 

 

「えっと…………よろしくお願いします?」

 

無意識にそう言ってしまった。なんでこうなったんだ?

 

ソファーに座りこっちをちらっと見て顔を赤くして頷く天子。何、この可愛い女の子。

そういえば、天子に一度だけドキっとしたことあったっけ。可愛くて。

 

あれれ?天子ってこんなに可愛かったか?

天子を意識し始めるとなんかドキドキしてきたぞ。まさか、これが恋!?

 

「わ……私こそ……よろしく……」

 

嬉しいのか、天子は少し涙めで此方を(上目使いで)見る。

 

バキューンと効果音がして天子の可愛さという弾丸が俺の心を撃ち抜く。

か……可愛い!!

 

「ゲボバ!!」

「輝跡!?」

 

どうやら俺は天子の可愛さを受け止められる程の心の耐久は無かったようだ。

崩れるように膝を着く俺。それを見て天子が寄り添って来る。

 

俺の顔の横に天子の顔が近付き間近に迫る。そして、俺の視界に天子の顔が映る。

 

ほんのりと赤くなった天子の顔にはまだ涙が零れていた。

 

「……あのさ、天子。なんで俺なの?」

「……わからないわ。でも、輝跡が好きになったのよ」

「そうか……」

 

なんというか、まさかの告白に驚きと困惑でいっぱいなのに天子の可愛さに気が付ついたことにより色々と心の整理が出来ていない感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後

自分の部屋

 

俺はやっと自分が何をしたのか気が付いた。

 

要は……。

 

「もしもし?翔太郎さん?」

『なんだよ、輝跡?俺、今仕事で外にいるんだが…』

「俺、彼女出来ました」

『……はぁ?いや、彼女出来たのは良かったがなんで俺に電話してくるんだよ?』

「いや…ヒーローの先輩として伝えて置こうかなと…」

『そうか。んじゃ、俺は仕事あるから、この話はまたな』

 

そう言われて切られてしまう。まあ、風都のヒーローである仮面ライダーWだもんな。忙しいのは仕方がない。

 

晴れて俺と天子は付き合う事になったのだが、正直な所、実感がわかない。一応二人で先程ツーショットを撮ったけど(完全に目が死んでる写真になってた)。

 

それに、付き合うと言っても別に生活が変わる訳じゃ無い。いつも通りに過ごすだけさ。

 

因みに翔太郎さんに電話した理由は何となくだ。携帯のアドレスをランダムで決めたら翔太郎さんだった。まあ、彼女とか出来たら誰かには言いたいじゃん。

 

いやー、それにしても、独り暮らしする際にあわよくば彼女が欲しいとは思ってたけどまさか本当に出来るとは。しかも同居人。

 

さて…と。

 

リビングに出てソファーでくつろぎながら本(マンガ)を読んでいる天子に話しかける。

 

「これから出掛けない?」

「え!?早速デート!?」

 

本をソファーの上に置いた天子は俺の顔を見てほのかに顔を赤くする。いや、デートしたいけどさ、今日告白されて早速デートとか難易度高過ぎです。

 

「いや…デートはまだ今度。これからツインテイルズの秘密基地に行こうと思ってさ。ほら、天子とテイルザインとして一緒に戦ってくれてる訳だし、仲間である他のメンバーも知っておいて損は無いでしょ?」

「それもそうね。いいわ。それに、私自身、テイルブルーに興味があるもの」

「ブルーに?なんで?」

幻想郷の下級妖怪より強いかも知れない力の持ち主、その正体を知りたいし、何より同じ悩みを持つもの同士、変身無しで話したいわ」

「あー」

 

なんか納得したわ。けど、少し言わせて貰うか。

 

「でも天子の胸、そこまで気にするか?俺は今のままでもいいと思うけどなー。柔らかいし」

 

そう言うと天子の顔が真っ赤に…

 

「馬鹿!!」

 

と言われて、思いっきりビンタを右ほほに喰らいました。

いや…下手したら首が360度回転するのを何とか抑えたよ。流石、異世界での修行は無意味じゃ無かったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドレシェンツァ

 

俺は天子と共にアドレシェンツァに着く。

道中手を繋いだ方がいいのかわからなかったので天子に直接聞いてまだデートじゃ無いし何より付き合うことになって直ぐにそういったことをするのはまだ早いとお互いの同意を得て普通に歩いて来た。

 

アドレシェンツァのドアを開ける。

いつもならお客さんがいる店内には総二の母親でありこのアドレシェンツァの経営者の未春さんが独りでいた。

 

「あら、輝跡君、来たのね」

「お邪魔します、未春さん。総二達はいますか?」

「総ちゃんなら…」

 

と言って奥をチラッと見る。そこから地下にいるのだとわかる。(言動が全て自分の両親と似ているので対応が効くのだ)

 

「私はしばらくここにいるわ」

 

と未春さんは言ってコーヒーカップを磨く。

 

俺は天子を連れて奥の冷蔵庫に向かう。

 

「輝跡君、少しいいかしら?」

 

俺と天子がキッチンに入った瞬間に未春さんがカップを磨く手を止め此方を見る。

 

「その子は?」

「あ、紹介しますね」

「比那名居天子よ。よろしく」

「誰もいないから言いますけど、ツインテイルズの新メンバーです」

「そう。それなら…」

 

と言って未春さんは外に出て行き直ぐに戻ってくる。

 

「店を閉めたわ♪さあ、秘密基地に行きましょう♪」

 

と言って奥の部屋に行って、直ぐに戻ってきた。良くある悪の女幹部ぽい服装で。この間僅か1分弱。

 

「ねぇ、輝跡、この人にツッコミとか入れないの?」

「無理だ。この手の中二病はツッコんだら負けなんだよ」

「何その理論!?」

 

と俺と天子、未春さんはそのまま冷蔵庫に偽装されたエレベーターに乗りツインテイルズの秘密基地に向かう。

 

エレベーターに乗って数秒もしないうちにツインテイルズの秘密基地に着き扉が開く。

 

そこでは、拳を前に突き出していてその拳から少し言わせて煙のようなものを出して立っている愛香とその拳の直線上に大の字で壁にめり込むどころか壁と一体化しているトゥアール。

それを見て少し興奮したかのようにトゥアールを見つめている慧理那先輩にその横で婚姻届を書いている尊先生。

 

そして俺達に気が付いた総二がいた。

 

「よぉ。輝跡……って後ろにいるの誰!?」

 

総二の言葉で皆が此方に顔を向ける。因みにいつの間にか未春さんは総二達の所にいて椅子に座っていた。

 

「誰よ、その子?」

「あれ?…確か…比那名居さんですよね?一年生の」

 

流石は生徒会長の慧理那先輩。

 

「ええ。私は比那名居天子よ。よろしく」

「んで、その比那名居がどうしてここにいるのよ?」

 

愛香から殺気が漏れ始める。コエー。

 

「私も輝跡と一緒でツインテイルズに入るからよ」

 

そう断言した。

 

「輝跡!あんた!ツインテイルズの事言ったのね!一般人に!」

「えーと、天子は一般人じゃ無いんだ。天子の正体はテイルザイン。一緒に戦った事あるだろ?」

 

と言う。天子に視線が集まる。

 

「あんたがテイルザイン?」

「と、いうことは新しい仲間ということ…ですわね!」

「ねぇ、輝跡、ツインテイルズって…」

「ここにいる皆の事だよ」

 

そう言って天子に微笑む。すると、天子はクスと笑って…

 

「変人の集りなのね」

 

 

この後、ひと悶着あったが、何とか納めて(特に愛香)皆と改めて天子の紹介やこれまでの経路、それとテイルシャーマを夏休み明けに紹介する事等を話したのだった。




輝跡「まさかのヒロイン確定!キタコレ!」
天子が出る時点でヒロインにする予定はありました。
輝跡「それにしても、次回予告久しぶりだ!」
そして、次回、とうとう、あの回に突入!
輝跡「次回予告 いっきまーす」

次回予告

とうとう始まる夏のあのイベント!
そこで出会う一期一会の出会い!

次回

輝跡、コミケに逝く



テイルオン!!


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第41話 輝跡、コミケに逝く

どうも。
やっとあのキャラとあのキャラを出せます!

長かった……。

さて、この小説には仮面ライダーが良く登場します。
……ゲームのライダー出そうかな…この前最終回だったし。
まぁ、出す予定はありませんが(仮面ライダーとしては)。

取り合えず、どうぞ


コミックマーケット

通称コミケ。国内最大級の同人販売ができ、それを買うことができるイベント。

そんなイベントに俺は天子と一緒に来た。

 

本来はワープ装置で来ようと考えていたのだが、あえて今回は陸路を使いここまで来た。時刻は既に9時過ぎ。本来なら一時間早くここに来て並んだりするのだが、事前に予約したり、サークルに少し賄賂を渡して欲しい本やゲーム、グッズは後日買うので必要が無い。

じゃあ、なんで今回ここに来たのか。それは掘り出し物を探しに来たのだ。

 

時時いるんだよね、まさかの才能がある人。

そういった人の作品を見つける。これが目的。

 

で、なんで天子も一緒かというと、別に予定が無いのと、独りで家にいさせるのもどうかと思ったこと。それと、折角の夏なのでどこかに出掛けたいと思ったから。

 

「……暑い…」

「まあ、夏だし、ここまでの人込みだからな」

 

現在俺と天子はコミケの出入口少し先の広場にいる。人込みが凄いのと、ここまで来るのに少し時間が掛かったため、コミケに入る前にほんの少し休憩することにしたのだ。

 

「ほら、水」

「ありがとう」

 

 

そう言ってペットボトルの水を天子に渡し、それを受け取った天子はペットボトルを開け水を軽く飲む。

それにしても……。

 

「なんか目線が…」

 

目線が痛いというか、冷たいというか……。

 

いや、理由は何となくわかるよ。だって、天子、俺に寄り添ったり腕組んできたりするもん。コミケに来る人の中には俺みたいなリア充じゃ無い人達だっているはずだ。その人達の目線だろう。それに、天子、何気可愛いからな。

 

休憩を終えて、いざ、戦場へと赴く。

 

後、今回の目的の一つ、あの人に会うのも忘れてはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

至るところがテイルレッド、テイルエアーの二大勢力のようにイラストが視界に入る。ポスターから始まり等身大スタンド、挙げ句の果てには抱き枕が展示されてる所すらある。

良く考えたらテイルエアー(俺)の抱き枕が本人非公認として発売されてるんだよな…。著作権で訴えたいわ。どうせ、買うのは男だろうから。ってか作っているのも男かもしれないな。まぁ、テイルエアー本人が男なのを知ってる訳じゃ無いからしょうがないかな?

 

「……」

「……」

 

そんな中、サークルにて俺は凄いやばそうな所を見つけた。

 

愛香とトゥアールが隣り合った席で本を渡したりお金を貰ったりしていた。しかも少しひきつった笑顔で。

 

俺はそこを知らんぷりして通り過ぎようとした。だが…

 

「あれ?愛香とトゥアールじゃない」

「天子と輝跡!?」

 

天子が愛香とトゥアールに気が付いてしまった。

 

「輝跡さん、まさかコミケに来ているなんて…」

「しかも天子も」

「いや…」

「そうだ、トゥアール、あの事言っておいたら?」

「あぁ。それじゃあ。実は、この会場にエレメリアンが出現する可能性があります。なのでそれも兼ねて今、ここにいます」

「まて、トゥアール!エレメリアンが出現するのも兼ねてってことは、本当の目的があるって事だよな!?」

「そりゃ、様々なサークルのテイルレッドの同人(R18)の本を……は!?いつの間にか本音を!?」

「はぁ……後でトゥアールはしばいておくわ。今やると色々めんどくさそうだし」

「そうしてくれ。後、提案なんだが、今回のエレメリアン、俺と天子が戦っていいか?」

「どうしてよ?」

「テイルエアーが新しくなったのと、テイルザインの初お披露目&熱愛報道を全世界に広めてやりたい」

 

顔を真っ赤にして俯きながら俺の右腕を組んでくる天子。いや、可愛い。

 

「ん?待って、エアーとザインの熱愛報道って何なのよ?」

「いや、リアルで付き合うことになったし、変身しても一緒かなーと思って」

 

トゥアールと愛香が固まる。あ、この前行った時に付き合うこと言って無かったな。ただテイルザインの紹介やらで。

 

「あれ?輝跡に天子、こんな所で会うなんて偶然だな」

 

そう言って総二と慧理那先輩、尊先生が歩いて来た。

 

「む、輝跡、来てたのか」

「と言いながら神速並みの早さで俺のズボンのポッケに婚姻届を入れないでください」

 

そう言ってポケットから入れられた婚姻届を取り出して破き捨てる(トゥアールのサークルの机の下にごみ袋があったのでそこに入れる)。

 

「何故今のがわかった!?」

「俺を嘗めないでください。それに゛彼女゛の目の前で婚姻届を俺に押し付けないでください」

「それはそれは。……ん?」

「え?輝跡さん、今なんと?」

「どうしたんだ?慧理那と尊先生は?」

 

総二は何故、俺の右腕に天子が腕を組んでいるのに気が付かない。

 

「天子と俺、付き合ってるんだよ」

「「「「「えー!?」」」」」

 

五人の声が会場に響く……と思ったらそこまで響いては居なかった。理由としてはトゥアールが何らかの装置を使って俺達周辺のみの声を聴きづらくしているみたいだ。天災科学者トゥアールの技術なら簡単だろう。なので気軽にエレメリアンやらツインテイルズだけが知っている情報をこんな大勢の前で話せる。

 

「ちょ!?輝跡!聞いてない!」

「輝跡さんはホモだったのでは!?」

「おめでとうございます、輝跡さん!」

「く!狙ってたのに…だが、まだ私にもチャンスが…」

「えっと……輝跡と天子、おめでとう」

「あ……ありがとう……」

 

顔を真っ赤にして俯きながら天子が小さな声で皆の(総二と慧理那先輩だけだが)激励を感謝する。

 

「……ってか、輝跡、その事を色んな人に話さないでよ……恥ずかしい……」

「いや~、恥ずかしがる天子が可愛くて……」

 

と、本音を漏らしてしまった。いや、可愛いよ、照れてる顔。

だが、それがいけなかったのか、組まれてる右腕に凄い力を感じる。だが、組まれてる腕に胸が押し付けられいるので何気柔らかい感触もある。俺にとってはご褒美だ(痛いし血が回ってない気がするけど)。

 

そのあと軽く質問攻めを喰らったが何とか言いくるめて(特に独身20歳後半婚活中の人)その場を後にした。因みに組まれてた右腕には力も入らないし感覚も無い。

 

 

 

暫く二人で歩いていると、俺はある人を見つける。

俺はその人がやってるサークルの前で立ち止まる。そこにはピチピチのTシャツを着た一人の外国人。

 

「人違いならすみませんが、ハリウッドのアクション俳優のデック・ニールソンですよね」(英語で)

「いいえ。違います」(英語です)

「そうですか。新刊少し読ませてもいいですか?」(英語だからね)

「いいですよ」(英語だよ?)

「……私、輝跡と外国人の人の会話についてこれないんだけど……」

 

と、俺はデック・ニールソンさんから渡された新刊をパラパラと読み、値段を見た後、お金を渡す。

 

「ありがとうございます」(英語ね?)

「いえいえ。後、デックさん、テイルブルー役、頑張ってくださいね」(英語ですから)

「……あの、この事は……」(英語なんだよ…)

「極秘来日ですか?なら言いませんよ。兎に角、頑張ってくださいね」(英語ですからー!)

 

と、俺はデック・ニールソンさんのいるサークルの本を買った。アメコミ風のタッチで中々に面白かった。今度、愛香に頼んでテイルブルーに会わせてあげようかな?。だって、デック・ニールソンさんと言えば全米一のテイルブルーファンだもん。

 

と、ある程度寄り道している時、テイルレッドの着ぐるみとテイルエアーの着ぐるみを着た売り子さんを見つける。しかも、着ぐるみというのにツインテールのクオリティが高い。それていて着ぐるみだからと言ってもデフォルメされてゆるキャラぽくなって可愛くされてる。それに、そのサークルのイラストを遠目で見る限りかなり上手い。これだからコミケは面白い。俺は天子と一緒にその列に並ぶ。すると、天子が……

 

「ねえ、輝跡、あの着ぐるみの中の奴、エレメリアンよ」

 

と小声で言ってきた。

と、いうことは、このサークル自体がエレメリアンのサークルな訳か、なるほど。

 

「よし、ここの本全巻買うぞ~」

「話聞いてた!?」

「だって、エレメリアンってことはこいつら倒したらこのイラスト見れなくなっちまうだろ。だったら買っておいた方がいい!」

「あ……輝跡って以外に馬鹿だったわ」

 

そこも良いけど、と最後の言葉も確りと俺の耳には入っていた。

 

取り合えず、そのサークルに並び全巻買っておいた。因みに売り子さん(エアーの方)に話し掛けては見たが反応は無かった。まあ、後で戦うだろうし、放置でもいいかな。

それに、奴等が動いてからの方が此方も動きやすいし、何より゛とっておき゛がやり易くなったしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と天子は次にコスプレエリアに着く。そこには様々なコスプレの人達がいる。破れたセーラー服にスコップを持ったツインテールの女の子等。でも、テイルレッドとテイルエアーがやはり多い。まあ、君達、運がいいよ。本物がここに彼女連れでいるんだから。

 

と、ある程度歩いて俺はとある人物を探す。すると

 

「おーーーい!輝跡ー!こっちこっち!」

 

と長い青髪でウサミミぽい黒の髪飾りを着けたセーラー服に良く似た服を着た女の子がこちらに手を振っていた。

 

「あ!いたいた!おーい!こなた師匠!」

 

と、俺はこなた師匠の元へ行く。

こなた師匠は現在独りでコスプレエリアの一角にいた。

 

「お久しぶりです。こなた師匠」

「お久しぶり、輝跡」

「……輝跡、この人は?」

 

不思議そうに見てくる(こなた師匠の)天子。そうか、知らなかったな。

 

「こちら、泉こなた師匠。俺の狩りゲーの師匠で大学生。んで、こなた師匠、俺の隣にいるのが狩り友&リア彼の比那名居天子です」

「ほう…。リア彼ね。とうとう輝跡はリア充になってしまったか」

「それにしてもこなた師匠、まさかコスプレで参加とは」

「いや~、今回のコミケ、お父さんが色々買ってくれる代わりこなたはこれ着てくれって頼まれちゃってさ~」

 

こなた師匠のコスプレ……人気ゲームのとある艦の擬人化の服だ。

 

「それに、限定版の表紙でこの格好やってるから」

「こなた師匠!メタいッス!!」

「ごめん、私ついてけないわ」

「大丈夫だ、天子。ついていってはいけないことだってある。メタい話は特に」

「それにしても……」

 

こなた師匠はジロジロと天子(の胸)を見る。そして、天子の肩に手を当て

 

「大丈夫。需要はあるさ」

 

と天子の胸を見てそう言った。もし、相手が愛香だったらこなた師匠殺られてたよ。

 

「……本当に?」

「大丈夫、大丈夫。貧乳はステータスだ。希少価値だ」

「…………なんだが、貧乳で悩んでた私が愚かに思えてきたわ。ねぇ、輝跡、私の胸ってどう思う?」

「どうと言われても……」

 

ぶっちゃけるなら天子自身がそれでいいならそれでいいと思う。それに、俺が好きになったのは天子自身にだ。胸とか関係無い。まぁ、ツインテールにしたり、眼鏡着けてくれた時は発狂レベルで嬉しいけどさ。

 

だが、それでも決まっている。

 

「いいと思うよ」

「え?」

「可愛いと思う」

「か!可愛い!?」

「まさか、輝跡は貧乳好きだったのか!?」

「そういう訳じゃ……」

「あ、そう言えば輝跡はテイルブルーもいいとか言ってたよね?」

「まぁ……」

「………………」

 

なんか、天子が顔を真っ赤にしてこっち見てくるんですけど!?

ってかこの頃顔真っ赤にし過ぎでは!?

血流おかしくなるぞ?(←させてる原因)

 

「いやー、甘くなるね~」

「茶化さないでくださいよ、こなた師匠」

「そんな事言われてもね~。ところでさ、二人とも目標の物とかは買えたの?」

「俺は事前に済ませてあります」

「私は、輝跡に着いてきただけだから…」

「ほうほう。ではこれはデートというやつかな?と、言っても回りの人達からしたら妬みの対象になるけどさ」

 

そういや、さっきから視線が凄く痛い。見ると回りの人達が少し睨みを効かせてこっちを見ている。

 

「ちっ!イチャつきやがって」

「パルパルパルパルパルパル」

「いいよ。俺にはテイルエアーたんがいる」

「私にもレッドたんが…」

 

回りの声を聴くとこんな感じ。ってか、パルパル言ってる人、俺のクラスにもいたよな!?

 

そうこうしている時、テイルレッドの着ぐるみを着た人物がコスプレエリアに入ってきたのが見えた。あの着ぐるみとツインテールの良さからあのエレメリアンが入った着ぐるみだと直ぐにわかった。

 

「こなた師匠。俺達はもうそろそろ行きますね」

「おぅ~。また狩りしようね~」

 

と、俺はコスプレエリアから離れて人目のつかないところまで行ったのだった。




やっとがっこう〇らしのキャラ(コスプレ)と艦〇れのキャラ(こなたのコスプレ)を出せました!
天子「良かったじゃない」
あれ?輝跡は?
天子「着替えに行ってるわ」
そうか~
なら次回予告まかせたよ

次回予告

いきなり現れた着ぐるみエアーに翻弄されるエレメリアン!
明かされるエアーとザインの関係!
それを聞いた世界が祝福した!
果たして、作者はFG〇で☆5を引けるのか!?

次回

戦場(笑)となるコミケ



偽装結界 現夢‼



天子「最後、私欲が出てたわよね!?」
すいません……。


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第42話 戦場(笑)となるコミケ

一ヶ月空きました……

気が付けば秋ですよ……

執筆は全く進んでおりません!

Fate系の妄想オンリーです。

とりあえずどうぞ


現在、テイルレッドの着ぐるみ基コスプレをしたエレメリアン、シケーダギルディは同人誌完売と自らのコスプレを披露という二つの勝利の美酒に酔いしれていた。

セミをモチーフにしたかのようなエレメリアンであるシケーダギルディはその完璧過ぎるコスプレを脱ぎたいという誘惑(脱皮)が生まれそれを何とか理性で押さえていた。

 

(仲間の頑張りとビートルギルディ様のため、ここで脱皮するには!?)

 

理性と本能が交差する中、必死に押さえていた。

 

その時だった。

 

自らの肩を後ろから叩く人物がいたのだ。

 

この人物の方を見てシケーダギルディはまるで天使を見たかのように唖然とした。

 

そこにいたのはテイルエアーの着ぐるみの人物。しかし、その見た目はゆるキャラのようにデフォルメされ、尚且つ少し不気味さもあるもののその可愛さはシケーダギルディのコスプレも、モスキートギルディの着ていたコスプレすらも越えていた。なりより、このコスプレの中からはツインテール属性を感知したのだ。

ここで、シケーダギルディは気が付く。

 

(この者は、着ぐるみの中でもツインテールなのか!?まさか、この着ぐるみの中でもコスプレを!?なんという上級者だ!!)

 

この時、シケーダギルディは気が付いていなかった。このテイルエアーの着ぐるみの腰に本来テイルエアーが着けていないベルトと蛍光グリーンと紫色の取手のような物が付いたドライバーが付いており、そのドライバーに黄緑色の何かが刺さっていることに。

 

「凄いね、君。そこまで素晴らしいものを着てるなんて」

 

自らより上だと思った者からの称賛に値する言葉を投げ掛けられる。

その言葉によりシケーダギルディの本能が理性を追い越そうとしていた。

 

(ぐ!?早まるな!ここで脱いだら計画が!)

 

しかし、テイルエアーの着ぐるみの人物は畳み掛けるように

 

「ねぇ、その素晴らしいツインテール、素晴らしい衣装に僕は心打たれたよ」

 

その言葉によりシケーダギルディは脱皮したいという本能が理性を消し飛ばし着ぐるみの頭部を取ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と愛香、慧理那は急いでコスプレエリアに向かっていた。

 

「本当に出るなんて!」

「トゥアールさんの予測が当たりましたわ!」

「兎に角、今回は戦わなくていいって言ってたけど輝跡や天子のバックアップが出きるようにしよう!」

 

そう言ってコスプレエリアにたどり着く。

そこでは、セミのようなエレメリアンが俺が称賛したテイルレッドのコスプレ(着ぐるみ)を着て着ぐるみの頭部を両手で持っており、それに対面するように見たことのないベルトを着けたテイルエアーの着ぐるみの人が拳を構えていた。

だが、俺にはわかった。テイルエアーの着ぐるみの中からテイルエアーのツインテールを。

 

「観束君!あの着ぐるみの方、エレメリアンと戦う気ですわ!止めないと!!」

「いや、大丈夫よ。気配的にあれの中身は多分あいつだから」

 

どうやら愛香もツインテールの気配で着ぐるみの中にエアーがいるのがわかったみたいだ。

 

「あぁ。ピンチになった時に助けよう」

 

そう言って少し遠目にエレメリアンとエアーの着ぐるみ(エアー本人)の戦闘を観ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は現在、着ぐるみを着てエレメリアンと対峙している。

エレメリアンが着ぐるみの頭を取りエレメリアン本体の顔を見た瞬間にバックステップ&バク宙を決め距離を取り拳を構えた。

 

「お前!コスプレをしながらその動き!まさか!」

 

どうやらエレメリアンは俺の正体に気が付いたようだ。なら、魅せてやろう!テイルエアーの夏コミ限定(今年のみ)取っておき大変身を!!

 

「気が付いたかい?なら魅せてあげよう!新生の僕を!」

 

そえ言ってドライバーの紫色の取手に手を掛け

 

「だーーーーーい 変身!!」

 

取手を開く

 

『ガシャ!! レベルアップ!!』

 

その機械音が響いた瞬間に高くジャンプし

 

『テイルジャンプ!テイルキック!!テイルテイルアクション!X!!』

 

機械音と共に着ていた着ぐるみとドライバーをテイルバレットに一瞬で入れてテイルエアーの姿へとなる。

あ、このドライバーは昔俺の父親が特撮系で何か作品作りたいって言い出した時があってその時に作った試作のオモチャのドライバーだ。たまたま家の物漁ってたら出てきたから使おうと思ったんだ。

それにしても、このドライバー使った特撮見たかったな~。父親の周辺の人が反対したから試作ドライバーだけ残してその企画自体は無くなっちゃたから。

テイルエアーの姿へとなり、地面に着地する。

 

 

「テイルエアーだ!」

「着ぐるみの中からテイルエアー本人が出てきた!!」

「おい!今の動画に撮ったか!!」

「あれ?テイルエアーの腰にスラスター追加されてねーか?」

「マジだ!」

「格好いいですわ!!」

 

周辺の野次馬は大盛り上がり。因みにその中に目を輝かせてる慧理那先輩がいるのにはツッコミはしないほうがいいな。

 

「テイルエアー、お前もコスプレをしてたのか!」

「あぁ。お前たちアルティメギルがコミケを狙っているのがわかってたからな!」

 

嘘です。ここに来て知りました。(事前に狙ってるかなーと思ってトゥアール達と話して確信に変わった)

因みに、着ぐるみを着てコスプレエリアに着た後、コミケを盛り上げるために本物のテイルエアーとしてさっきの変身方法をしようとしていたのは内緒。

 

「く!まさか読まれているとはな!」

「まあね。その前にさ、その着ぐるみを脱いでくれ。後、コスプレの状態で戦うの無しな。まあ、正々堂々戦うエレメリアンなら、コスプレをした状態で戦うなんて外道しないはずだからね」

 

ツインテール属性が芽生えた俺にとってはニセ物だとしてもツインテールへの攻撃はあまりしたくない。たとえ敵でも。でも仕方がない時は攻撃するけど。

それに、コミケのコスプレエリアに来たということは戦闘員もコスプレしてくるはず。だから会えて相手を煽って戦いやすくする必要がある。

 

それに、テイルレッドの人形をぶち壊して人気無くした実例がいるし。俺だってカバーしてるんだよ?でも暴力行為の多い人のカバーって難し過ぎる。

 

「確かにそうだな!」

 

そう言って着ぐるみを脱ぎ、何処からか現れた戦闘員にそれを持たせて此方を見るセミのエレメリアン。

 

「素晴らしいコスプレを魅せてもらった例だ!我が名はシケーダギルディ!お前のような素晴らしいコスプレのツインテールを見てしまっては脱皮したくなってしまった。しかし作戦こそ失敗してしまったがお前のようなツインテールとコスプレを見たからには、お前の属性力を奪い汚名返上させて貰う!者共!いでよ!!」

 

その言葉に比例して戦闘員達が少しずつ現れる。

 

「……なんか出てくるの遅くない?」

「いや、だってコスプレしてる状態だと正々堂々じゃ無いからな。コスプレしてる衣装を脱いでから来ているのだ」

「そうなんだ。なら揃うまで雑談だな」

 

拳の構えを解き戦闘員が集まるのを待つ。

 

「そういえばテイルレッドはどうした?」

「あぁ。レッドとブルーとイエロー、シャーマは夏休暇だ。今日は僕ともう一人が担当するよ」

 

後ろの方で愛香と総二が早く戦えよと呟いているのが聞こえたが無視無視。

 

「なんと!?」

「それと、さっきも言ったけど今回から僕はレベル2!!新生テイルエアーだ!だから腰に新規でスラスターが付いてるんだよ!」

「まさか!強くなったのは我々だけでは無かったのか!」

 

そうこう話している間にもう一体の小柄のエレメリアンが現れる。見た目的には蚊だ。うん、蚊。

 

「シ、シケーダギルディ君……お、遅れてごめんね、ホヒッ……」

 

蚊のエレメリアンが紙袋を持っていた。

 

「でも、お宝をいっぱい見つけたし、テイルレッドとテイルエアーの抱き枕買えたよ」

「買ったのかよ!」

 

俺のツッコミが響く。

 

「2体1になってしまったが、これで我々は揃った!行くぞ!」

「いや、2対2だ!」

 

俺がそう叫ぶと空から何かが降ってきて俺の左隣に音も無く立つ。

 

「テイルブルーだ!」

「なんでこんな所に!?」

「さっき休暇ってエアーたん言ってたのに!」

「ヤバイ!血祭りにされる!!」

「いや!待て!テイルブルーにしては色や所々違うぞ?」

 

野次馬が様々な事を言っているのが聞こえる。

 

「私はテイルザイン!新しくツインテイルズになった者よ!そして!」

「僕の隣に相応しい人物だ!!」

 

俺達の言葉を聞いてざわめいていた周囲が一瞬にして静かになる。

 

「……今、なんて言った?ホヒッ?」

 

蚊のエレメリアンがそう聞いてきたので俺は左手をザインに伸ばし無理矢理俺に引き付けて

 

「この場で言わせて貰います!僕、テイルエアーは新ツインテイルズのテイルザインと付き合うことにしました!」

 

隣で顔を真っ赤にするザイン。ツインテールだから余計に可愛い。

 

「「「「「えーーーーーーーーー!?」」」」」

 

野次馬+エレメリアンが驚きの声を響かせる。それはこの会場全体を包む程の声であった。

 

「テイルエアーたんが新参に取られた!?」

「しかもブルーに良く似た奴と!?」

「俺のエアーたんが…」

「百合の花が咲いたぞ!」

「待て、何気ザイン可愛くねーか?」

「いや、ただの泥棒猫よ!」

「エアザイか?いや、ザイエアか?」

「エアーたんは貧乳が好きだったのか!?」

「ザインもブルーと同じくぺったんだ!」

 

ちらりと愛香の方を見ると鬼の形相だった。

 

「確かに、私は胸が小さいわ。でも!それだからこそ貧乳は価値があるのよ!」

 

高らかにそう叫んだザインの瞳とツインテールから感じた。今、ザインは紛れもなく輝き、それに誇りを持っていると。

 

「さぁ!これで2対2だ!」

「そうだね……でも、ここまでたどり着けたらの話だけどね」

 

うじゃうじゃと出てきた戦闘員。だが

 

「よいしょ」

 

軽くザインが地面を叩くと戦闘員達の下の地面だけがいきなり跳ね上がり戦闘員全員が空へ飛んで行った。そして、少し遠い所で多数の物が水の中に落ちる音が聞こえる。そうか、ザインは地面を跳ねあげて戦闘員達を海に落としたんだ。流石、大地を操る程度の能力。

 

「スゲェ!あの大群を一発で倒しやがった!」

「ザイン強すぎワロエナイwww」

 

どうやらザインの評価は上々のようだ。

 

「どうするの?シケーダギルディ君。僕ら対ブルーの修行はしてたけどエアーとザインだけなんて聞いてないよ?」

「いや、モスキートギルディ。ザインもブルーと同じ貧乳!多分弱点は一緒のはずだ!それに、俺達にはあれがある!」

 

そう言ってシケーダギルディの大きな目からリング状の光線が放たれる。

それを俺とザインは両手で顔を隠すようにガードしたのだが何かおかしかった。

 

「おい!エアーとザインが!」

 

その野次の言葉で自らの姿とザインの姿が変わっているのに気が付いた。

 

「こ……これは、ブルマ!?」

 

周りで歓声が響く。

 

放たれる俺とザインへのフラッシュ。

 

ヤベェ、今の俺とザイン可愛すぎる!

俺達を触ろうと殺到しようとするギャラリー。それに対して

 

「僕らを触ったら訴えますし、次から出撃しませんよ?」

 

とギャラリーに聞こえるか聞こえないかの大きさで言った。すると一気に俺達から離れていった。

 

「エアー!これは多分視覚を操ってそういう衣装を見せているだけよ!だから力は普通に使えるわ!」

 

実力者のザイン。直ぐ様答えが出るあたり流石です。惚れますわ。あ、コクられた時に俺は惚れたんだった。

 

「よし!なら、そこの夏風物詩エレメリアンの2体!僕とザインをこんな格好にさせたんだから覚悟は出来てるんだよね!」

 

そう言ってファイティグポーズを取る。

 

「ホヒッ!?」

 

後退りをするモスキートギルディ。

 

「さぁ!僕らでコスプレ大会させてやるよ!!」

「「「「「えーーーーーーーーー!?」」」」」

 

モスキートギルディ、シケーダギルディ、ザインの声が重なる(総二と愛香も)。

いや、こんな可愛い格好させたんだからとことんやってやるし、何よりファンサービスは必要だ。それに、ザインに変身した天子の可愛い姿は是非肉眼で脳内保存しておきたい。

 

 

 

その後、数時間に及ぶコスプレ撮影会(必殺技を使っていなかったし、修行したお陰なのか数時間は平気で変身を持続できた)を行い、最終的にはシケーダギルディは能力の使いすぎで痩せ細り、モスキートギルディは俺達のコスプレを見る度にお腹が膨れ上がっていき身動きが出来なくなったので、

 

「オーロラピーラー(棒)」

 

動けなくなった2体の身動きを新しく出きるようになったオーロラピーラーで封印して

 

「フォーススラッシュ(棒)」

「緋想の剣(棒)」

 

メモリを使った俺の必殺技とザインの斬撃が合わさり2体の夏風物詩エレメリアンの命の灯火を消す。

 

「「我らの一生に……悔いは無し!」」

 

と言いながら爆散する2体。

 

因みに俺とザインは連続の撮影だったため疲れていた。なので決め台詞は棒読み。尚、今の姿は元のテイルエアーとテイルザインの姿だ。

 

その後、俺とザインはその場から高くジャンプし、建物の屋上に行きワープ装置を利用してこの場から撤退しようとしていた。




予告

始まった第X回ツインテール戦争。
7人のツインテールが召喚され対戦する代理戦争。
勝ち残ったツインテールのみが究極のツインテールになることが出きる……

「俺が……俺自身がツインテールになることだ!」
「ウグァァァァァ!!」
「もっと!もっとですわ!ご主人様!」
「取り合えず、出てきた奴等全部倒すわ」
「ねえ!完璧に予告違うわよね!!」
「アサシン……エアー、ここに召喚された……」

果たして、一体誰に聖杯が渡るのか……

次回 新章 ツインテール聖杯戦争


輝跡「ちがーう!!予告がおかしいから!」

次回

俺達、ツインテールばれる(ばらす)



テイルオン!!




輝跡「って、次回のタイトルもやべぇ!」


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第43話 俺達、ツインテールばれる(ばらす)

どうも、お久しぶりです。

はい、失踪(未遂)してました。申し訳無い。

失踪(未遂)してた理由
モン〇ンWやらFG〇やらps〇2やらやっていたためと仕事が忙しかったこと、執筆が進まなかったこと……ですね。

ただ、内容は粗方固まってはいます。

(俺、ツイ……10巻以降読んでないなんて言えない)

取り合えず、続き、どうぞ。


建物の屋上、俺とザインが撤退のために来たこの場所。

そこに黒い影のようなものが現れその影から二つの人影が現れる。

漆黒の鎧を身に纏った一人の少女と銀色の装甲でありエレメリアンとは異質な姿の存在。

 

その二つの影に見覚えはあった。

ダークグラスパーとメガ・ネプチューンmark2だ。

 

だが、その二人の姿に違和感を覚える。何故なら二人の装甲のいたる所に傷が見えるからだ。

 

直ぐ様に戦闘体勢を取るザイン。

 

俺も拳を構える。

 

ダークグラスパーは俺をちらりと見た後、周りをキョロキョロとした後に俺の方を見る。

 

「……テイルレッドはおらんのか?」

 

その一言。だが、その一言だけなのに気迫がある。

 

「今日は休みだよ」

「ならば今すぐ呼べ!」

「だから、休みだから呼べないよ!」

「それならば同じツインテイルズとして聞く!テイルレッドの正体は男か!」

 

その質問で俺はまるで心臓を握られたような感触に会う。

多分、俺や総二が一番恐れていたこと。それがこの世界で俺達自身がバレることとアルティメギルに男とバレることだ。

ダークグラスパーは俺のメル友ではあるが、アルティメギルの処刑人。敵なのだ。

 

「さぁ!テイルエアー!答えろ!」

 

ザインも事の重要性についてわかったようだ。

世界の女神的存在が男なんてわかったらどんな事が起きるかわからない。でも、いつまでも隠し通せるとは思えない。

ならば、答えは簡単だ。

 

「イエスと言ったら?」

「粉々にする!」

「そうか。もし女だったら?」

「キスをする!」

「ダメじゃねーか!八方塞がりだろ!」

「わらわの気持ちを弄んだ罪じゃ!」

「はぁ……」

 

俺は総二の未来を見定めたように変身を解いた。

 

「ちょっと!?エアー!?」

 

驚くザイン。そして……

 

「なぁ!?お主……輝跡!?」

「残念ながら、レッドは男だ。そして、エアーも男。更にはイースナ、君のメル友だ」

「あ、どうも、イースナちゃんのメル友って君やろ?」

「ああ。いつも長い文送って来るから色々忠告してるよ」

「そうかい。ありがとうな。イースナちゃん、友達少ないし、異性との友達なんて殆どおらんから君とのメールが楽しくて……」

「お主はわらわのおかんか!!ってそんな事どうでも良いわ!輝跡!貴様もわらわを騙していたな!それでメル友に!」

「イヤイヤイヤイヤ!メル友になったのは偶然だ!」

「お主もテイルレッドと同じでわらわを弄んだな!それに、わらわはテイルレッドに裸を見られ、あまつさえキスをしてしまった!」

「ちょっとその件で俺は何となく発言を言ってもいいか?」

「なんじゃ!わらわは好きでもない男に辱しめを受けたのじゃぞ!焦っておるのがわからんのか!」

「だから、俺が思ったこと言っていいか?」

「ならば言ってみろ。ろくでもないことならその首跳ねるからな!」

「んじゃ、言わせて貰うわ。イースナ、いや、ダークグラスパーはテイルレッド(男)に裸を見られて、更にはキスをしてしまったと。でもさ、それってダークグラスパーに変身した状態だよな?」

「確かに、装甲は外されはしたが変身は解いておらんかったな」

「ほんまや」

「なら、そのグラスギアとかいうやつはテイルギアなんかと一緒で周りにフォトンアブソーバーが出てるはずだ。用はレッドはフォトンアブソーバー越しでダークグラスパーの裸を見たことになる!これは間接的に見たためノーカウントのはずだ!ガラス越しに裸を間違って見たのと同じだ!!それと、キスをしたって言ったけどそれは゛ダークグラスパー゛としてキスしたに過ぎない!そう!゛イースナ゛としての初キッスはされていないんだ!!」

 

論破!!と俺は決め込む。どうだ!

 

「……確かそうじゃ!わらわは焦りすぎて勘違いしておった!」

「なら、良かった…」

「良かったわ~」

「って、違ーーーーう!!お主らは男というのを隠しておったろ!」

「え?俺は変身している時に゛自分女です゛なんて一言も言ってないはずだぞ?」

「なん…と!じゃが、テイルレッドのあの可愛らしい仕草はなんじゃ!」

「あのさ、うぶな男子が女の子、しかも幼女に変身すればあんな仕草しちゃうだろ」

「お主はなんなんじゃ!毎回可愛らしい仕草ばかりしおって!」

「女の子になる経験なんて中々無いし、俺自身変身した姿が可愛いってわかるからその可愛さを振り撒いてるだけだよ。それに、可愛いは正義って言うし」

「それは、わかる。じゃが!」

「イースナちゃん、疲れてるんやし、もうそろそろ…」

「そういえば、なんで二人ともぼろぼろなんだ?」

 

俺の今の一言でダークグラスパー、いやイースナは固まる。

 

「いやな、フェニックスギルディっていうごっつ強いエレメリアンと戦ってたさかい。何とか撤退したんやよ」

 

撤退!?ダークグラスパーとメガ・ネが!?

 

「そこまで強いエレメリアンがいるのかよ…」

「あやつはアルティメギルの裏切り者じゃ。今度会ったら倒す」

 

そう言ってダークグラスパーとメガ・ネの後ろに闇が広がる。

 

「エアー……いや、輝跡よ。今回はお主がわらわのメル友ということでお主とレッドが男ということはこの膨よかな胸に閉まって置こう」

 

そう言って闇に入ろうとするダークグラスパー。俺は何となくその姿に嫌な予感がした。

 

「ダークグラスパー」

 

俺はダークグラスパーを呼び止める。

 

「なんじゃ?」

「何回も撤退してお前は大丈夫なのか?」

 

この頃思った事だ。アルティメギルのエレメリアンは殆どが撤退しない。まるで特攻隊のようにこちらに殺られては新しい奴が現れる。幹部なんかの例外を覗けば。だが、イースナは、ダークグラスパーはそのアルティメギルの頭領直属の幹部。もしアルティメギル頭領が失敗した者を、撤退した者を許さないのなら?ダークグラスパーは……。

 

「頭領は人間のわらわをアルティメギルに入れたのじゃ。それぐらいの器が無くては話しにならぬ」

 

そう言ってまた一歩闇に踏み出そうとする。

 

「待って!」

「今度はなんじゃ!!」

「ライトロイヤーって知ってるか?君と同じ人間のアルティメギル幹部の」

「ライトロイヤー?聞かぬ名じゃな。メガ・ネは知っとるか?」

「知らんよ?そうや!同じアルティメギルで人間ならイースナちゃんのいい友達になるかも!」

「だから、お主はわらわのおかんか!!」

 

そう言いながら二人は闇に消えた。

 

「…………私ここにいる意味あった?」

 

現在進行形でザインに変身している天子。

 

「帰ろっか」

 

俺はワープ装置を起動して帰路に着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

テレビをつけると、エアーとザインの熱愛報道がされていた&二人のコスプレ画像が流れていた。

 

「……輝跡、なんか今頃恥ずかしくなってきたんだけど……」

「大丈夫。映ってるのはザインだ。天子じゃない。そう割り切らないとこの先ツインテイルズ続けらんないよ」

「それも、そうだけどさ……」

 

そう言いながら今回の戦利品の薄い本や二次創作ゲームの入った紙袋と机の上に置いた二つの属性玉を見ていた。

 

『ただいま、ローマ法王からテイルエアーとテイルザインへの祝辞が発表されました……』

 

世界は今日も平和だな~。

 

そんな時に俺の携帯から着信音が聞こえる。

 

俺は何気無く通話相手を見ずに電話を取ってしまう。

 

「はい、もしもし」

『もしもし!輝跡ちゃん!なんで彼女出来たの教えなか……』

 

俺は電話を切る。

 

「輝跡、誰から?」

「中二病患者」

「?」

 

瞬間にまた電話が掛かってきたのでまた出る。

 

『どうして電話切っちゃうのよ~!』

「いや、なんか切った方がいいって神のお告げがあった」

『兎に角~、輝跡ちゃん!彼女出来たのね!今から日本に帰るわ!』

「やめろ!」

「輝跡、誰からなの?」

『あら?もしかして既に同居してるの!?お母さんうれしい!』

「なんでだよ!未成年者の恋人同士が同居って親なら拒否れよ!」

『別に子供作ってもいいわよ?お母さん面倒見るし』

「まだ学生だぞ!将来不安になるわ!」

『待って、さっきの声……天子ちゃんじゃない!ということは輝跡ちゃんの彼女って天子ちゃん!?ということはテイルザインは天子ちゃんだったのね!』

「なんでそこまで推測できんだよ!」

『それならまた今度で良いわね。天子ちゃんなら安心出来るし』

 

そうか。顔見知りなら安心できるんだな。けど、このあと絶対俺はあの両親の遊び道具にされるんだな~(遠い目)

 

「わかったよ。今度な」

『そうそう。輝跡ちゃん、一言大事な報告あるわよ~』

「なんだよ。絶対嫌な予感しかしない」

『あのね、お母さんとお父さん、頑張り過ぎちゃってね……』

「うん」

『輝跡ちゃんをお兄ちゃんにしちゃったわ~♪』

「…………はぁ?」

『三ヶ月ですって。近いうちに帰るわね。それじゃ~』

 

と言って電話が切れる。

 

「ねぇ、輝跡、誰だったのよ?」

「……母親」

「そうなの!なら、私のお義母さんになるかもしれないわね!」

「それと……」

「それと?」

「俺、お兄ちゃんになっちゃった……」

 

どうしてこうなった…………。

 

本当にこれである。

 

 

 

 

 

次の日

 

お昼過ぎ。夏の中でも一番暑くなる時間帯。

 

俺はチェーン店の喫茶店に来ていた。

 

理由は一つ。

 

席に数分ほど座っていると喫茶店に総二がやって来る。俺は軽く手を降りこちらに気付かせる。俺に気付いた総二は俺と向かい合うように座る。

 

「そんな時間になんかあったか?」

「いや、少しヤバイことになったのを総二だけにでも教えとこうと思って」

「それなら皆と話した方がいいんじゃないか?」

「いや、これは俺と総二が直接的な問題だからさ」

「わかったよ。それで?何があったんだ?」

「俺と総二のツインテールがばれた。イースナに」

 

現場、昼間&人がまばらではあるがいる喫茶店で堂々とツインテイルズの話をするわけにはいかない。なので少し頓知を聞かせて言ってみる。

さあ、総二。この一見意味不明な暗号解けるか?

 

「…………それってレッドとエアーの正体が男ってバレたってこと?」

 

凄く小さな声で確認してくる。流石総二。

俺は小さく頷く。

それを見て悩み出す総二。

 

「まぁ、ばらしたの俺だけど」

「お前かよ!なんてことしてんだよ!」

 

静かな喫茶店に総二のツッコミが響く。が、店員以外誰も反応しなかった。

それもそうだ。殆どが携帯のニュースやらを見ていたりパソコンで何が書き込んでいる人ばかりだ(全ての人がツインテイルズ関連の記事や書き込みをしている)。

 

「落ち着け総二」

「ってかなんでそこまで落ち着いているんだよ!」

「イースナが喋らないって言ったからだ」

「イースナが!?なんで……」

「俺のメル友だからな」

「……なんか、輝跡がどんどんおかしくなってきてる気がする。最初の頃はまともだったのに……」

「大丈夫、大丈夫。俺も自覚はある」

「余計に質が悪い」

「イースナは大丈夫だよ。もし、ばらされてこの世界の人達にあの俺達が男だとわかってもツインテール属性が消える訳じゃない。それほどにツインテールは芽吹いてるはずだ」

「……ならいいんだがな……」

 

心配性の総二に対して俺は別の話を始める。

 

「総二はツインテイルズ以外にお前の正体知ってる奴っているか?あ、この世界限定な」

「え?そんなのオーズさんとWのお二人ぐらいだぞ?」

「俺、以外にいるわ。火野さんとフィリップさん、翔太郎さん、他のライダーがお一人。それに両親。更にその警護の二人。後は……あ、理事長くらいかな」

「結構いるけど大丈夫なのか?」

「大丈夫。ライダーの人達は言わないだろうし両親は中二病だけど信頼できる。警護のお二人には悪いけど権力ってのがあって言ったら社会的にも生物学的にも消えちゃうから言えないはずだよ」

「警護の人達大変なことになってねーか!」

「大丈夫、大丈夫」

「……待て、理事長ってあの理事長か!」

「うちの学校の理事長ですが?」

 

その後、俺は総二から理事長と未春さんの関係の推測を聞き、絶対に会わせていけないと何となく悟った。

それと、俺の両親等の話をして、昔、俺達の両親同士がライバル関係だったことを知った。

後、理事長には慧理那先輩がテイルイエローのこと等は喋らないようにした方がいいとも二人で結論ついた。下手に説明して慧理那先輩が戦えなくなるのは嫌だからだ。

そうして、俺と総二との短い話し合いが終わったのだった。




小話

ボツになった最初の設定
テイルエアーはインパルス(ガンダムのモビルスーツ)風の見た目にして、武器もインパルスみたく変換予定だった。

次回予告

次回

テイルエアー死す!?



テイルスタンバイ

輝跡「違う!」


次回

イケメン主人公 輝跡君(笑)



テイルオン!


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